ドラゴンボール - ツフル人ユズ (桂ヒナギク)
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プロローグ

 ツフル人が住まう惑星プラント。

 サイヤ人が流れ着き、あっという間に焦土と化す。

 今、ツフルの王が自身の細胞で作った、寄生型生物を二体、宇宙に解き放った。

 その内の一体であるユズが、地球へと漂着した。

 ユズはポッドから降りる。

 辺りはだだっ広い荒野だった。

 スカウターで生命反応を確認する。

(カスばっかりね……ん?)

 スカウターに大きな戦闘力の反応があった。ユズはその方角へと飛び立つ。

(この辺のはず……)

 ユズは深い谷間へとやってきた。

 尻尾の生えた赤ん坊が一人、地面に横たわっていた。

(赤ん坊?)

 ユズは辺りを見渡し、誰もいないことを確認すると、ジェル状になって赤ん坊の体内に入り込んだ。

「悟空!」

 年老いた男が一人やってくる。

 彼の名は(そん) 悟飯(ごはん)。武道家だ。

「大丈夫か、悟空?」

 悟飯が赤ん坊の悟空を抱き抱える。

「お前は丈夫にできてるんだな」

 悟飯はそう言って、悟空をパオズ山の自宅へと連れ帰った。

 家に着き、悟飯は悟空を布団に寝かせる。

 

 

     *

 

 

 夢から覚める悟空。

(懐かしい夢を見たな)

 悟空は布団から出る。

「悟飯」

 と、息子の悟飯に声をかけた。

「出かけんべ」

「はい」

 悟空と悟飯が玄関へ。

「夕飯までには戻ってくるだべ」

 妻のチチが言う。

「ああ」

 悟空は悟飯を連れてカメハウスへと飛んだ。

 友人たちとカメハウスで話していると、ラディッツというサイヤ人を名乗る長髪の男が現れ、悟飯を連れ去ってしまう。

 悟空はかつての敵であるピッコロと共に、ラディッツを追った。

 悟空とピッコロはラディッツ相手に苦戦しながらも、悟空の死という犠牲を払いながらも、敵を倒すことに成功した。

 その後、他のサイヤ人たちが来襲し、ドラゴンボールの力で蘇った悟空が打ち倒し、ベジータというサイヤ人を追い返した。

 そして、ベジータから聞いたナメック星の話を元に、ナメック星へドラゴンボールを探しに、一同が向かう。

 悟空は傷の回復を待って、一同の後を追い、ナメック星でフリーザとの死闘を繰り広げ、(スーパー)サイヤ人となりて、フリーザにかめはめ波でとどめを刺したのだ。

 ナメック星に残された悟空は、星の爆発に巻き込まれてしまったが、ヤードラット星人の助けもあって、地球へと帰還する。

 地球に戻ると、トランクスというベジータとブルマという天才科学者の息子と対面し、人造人間のこと聞き、悟飯を超サイヤ人にするべく稽古をつけ、セルという怪物と戦うが、惜しくも負けを認め、悟飯を戦場に狩り出した。

 悟飯に追い詰められたセルは、自爆を決意するも、悟空の瞬間移動で界王星へと連れ込まれ、地球を爆破することは叶わなかった。

 しかし、悟空は再び死に、次に生き返るのは魔人ブウとの戦いの時だった。

 界王神界で老界王神の命と引き換えに蘇り、地球へ帰還する。

 その後、なんやかんやあって、なんとかブウの撃退に成功する。

 ブウを倒した数年後、悟空は武道会でウーブという少年と会い、彼と共に修行をしに、どこかへと去ってしまう。

 やがてウーブは大人になり、天界で悟空と本気の勝負をしていた。

 悟空はウーブの渾身の一撃で戦いに敗れ、「強くなったな」と喜びを見せた。

「悟空さん、本当にありがとうございました!」

 ウーブはそう言って、故郷へと帰っていく。

 悟空が天界で食事をして帰ろうとすると、ピラフ一味が現れ、ピラフが呼び出した究極のドラゴンボールの神龍により、子どもの姿にされてしまった。

 



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GT編
1.ドラゴンレーダーが飲み込まれちゃった!


 西の都。

 銀行に強盗が押し入り、警察官が対応している。

「おらおら、車を用意しやがれ!」

 と、強盗の内の一人。

 悟空がそこに飛び込んできた。

「やい、おめえたち。悪さはするもんじゃねえぞ」

 だが、悟空より背の高いオレンジのバンダナをつけた端正な顔立ちをした女の子が現れ、「あなたみたいな子どもの来るところじゃないわ。ここはこのお姉さん任せておきなさい」と、放り投げられてしまう。

 女の子はあっという間に強盗団を捻り潰し拘束した。

 そこへ亀仙人がやってくる。

「おう、パンちゃん。相変わらずじゃな」

 悟空に気づく亀仙人。

「おやおや、懐かしい顔がおるのう」

 亀仙人は悟空をまじまじと見つめる。

「お主、悟空か?」

「悟空……って、悟空おじいちゃんなの!?」

「それじゃおめえ、孫のパンか! 通りで強えわけだ!」

 

 

     *

 

 

 カプセルコーポレーション。

 ブルマの家に、悟空とパンがやってくる。

 悟空が妻のチチに事情を説明していると、あの世の界王から交信が。

 界王によると、ピラフ一味が使ったドラゴンボールは、願いを叶えてから一年以内に再び集めて封印をしないと、星そのものが消滅してしまうとのことだった。

「なんだ。簡単じゃねえか」

「簡単とは言うがな、悟空。そのドラゴンボールは宇宙全体に飛び散ってしまうんじゃ」

「宇宙だって!?」

「悟空さ、宇宙へ行ってくるだ。地球の命運がかかってるんだ」

「ああ、わかった」

 悟空が了承した後、ブルマが口を開いた。

「それじゃ、宇宙船を用意しないといけないわね」

 かくて、宇宙船が出来上がり、悟空とトランクスが乗り込んだ。

 宇宙船には二人の他、悟天が乗るはずだったが、パンがいたずらして宇宙船を発進させてしまう。

 宇宙船は姿勢制御ユニットを落っことして宇宙へ飛び立った。

 

 

     *

 

 

 三人を乗せた宇宙船は、ドラゴンレーダーの反応を頼りに惑星に着陸した。

 宇宙船から降り、ドラゴンレーダーを手に歩くトランクスとそれについていく悟空とパン。

 唐突にどこからともなく声が聞こえ、トランクスはドラゴンレーダーを落っことした。

「うわ!」

 ドラゴンレーダーは転がっていき、それを追いかけた先で、ロボットがドラゴンレーダーを飲み込んでしまった。

「「「ああああ! ドラゴンレーダーが!」」」

「エネルギー補給完了!」

「ちょっとあんた、レーダー返しなさいよ!」

 パンがロボットに襲い掛かる。

「危険、危険!」

 攻撃をかわすロボット。

「ギルルルル!」

 ロボットがトランクスの後ろに隠れた。

「パンちゃん、乱暴しちゃ可哀想だよ」

「だって……」

「パン、乱暴! ギルルルル……」

「おめえ、名前なんだ?」

 悟空の問いにロボットが答える。

「DB4649T2006RS」

「なげえからおめえの名はギルだ。ギルギルうるせえしな」

「ドラゴンボール反応、ドラゴンボール反応!」

「おめえ、ドラゴンレーダーになったのか」

 三人はギルのレーダーを頼りにドラゴンボールを探す。

 



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2.悟空帰る。地球はみんなオラの敵

 悟空一行は、一個目のドラゴンボールを見つけた。

「へえ、これがドラゴンボールなんだ?」

「そうか。パンちゃんは見るのが初めてなんだね」

「これを七つ集めなきゃいけないんでしょ? 一年以内に集まるかな?」

「なんとかなんじゃねえか?」

 パンは悟空の言葉に汗を一筋垂らす。

「なんとかって、おじいちゃん、お気楽すぎ」

「さて、ドラゴンボールも見つかったし、次へ行きましょうか」

 トランクスが宇宙船へと戻り始める。

 悟空とパンもトランクスを追った。

 三人は宇宙船に乗り込み、飛び立とうとするが。

「あれ?」

「どうしたの、トランクス?」

「宇宙船、故障してる……」

「ええ!? そんな、それじゃ私たち、二度と地球には戻れないんじゃ?」

「いや、宇宙船の部品が用意できれば直せるよ」

「本当? よかった」

「だけど、こんなところに部品なんかあるかな?」

「ギルルルル、生命反応アリ!」

「ってことは、人がいる!」

「じゃあ部品もあるかもしれないわね」

 三人は宇宙船を出ると、人里を探した。

 街が見つかり、部品も手に入り、三人は大喜び。

「さ、行こう!」

 トランクスは宇宙船を修理し、一行は宇宙へと飛び立った。

 そうこうしながら、ドラゴンボールを集め始めて一年まで後少し。

 悟空たち一行は、ドラゴンボールを七つ揃えて地球に帰還した。

 しかし、地球はもう悟空たちの知っている星ではなかった。

 旅の途中、悟空たちはベビーという恐ろしいマシンミュータントと遭遇した。

 ベビーはトランクスの体を乗っ取って悟空たちに襲い掛かるも失敗、逃げ出しながら地球へと先回りして地球人たちをツフルへと変え、洗脳していた。もちろん、悟飯、悟天、ブラ、そしてベジータまでもが毒牙にかかっていた。

 悟飯、悟天の二人と対峙していた悟空は、それをパンのもう一人の祖父であるサタンに知らされる。

「なに、ベビーだって?」

「そういうことだ」

「ベジータ? おめえもか」

 そこにトランクスとブラがやってくる。

「覚えてんだろ、トランクス。てえへんなことになっちまった。あのベビーが生きてやがったんだ」

「ええ、大変なことになっているんですよ」

 トランクスの異変に気づく悟空。

「トランクス?」

「俺は昨日までのトランクスじゃない。今までの生活に嫌気がさしてベビー様に忠誠を誓うことにしたんだ。ツフル人としてね」

「なんだって?」

「悟空、死ぬがいい」

 ベジータを乗っ取ったベビーが攻撃を仕掛けてくる。

 悟空は攻撃をかわし、超サイヤ人へと変身した。

 だが、戦況は不利だった。

 超サイヤ人3となって戦おうとするも、体が小さいためか、パワーがもたずに解けてしまったのだ。

 ズタボロにされた悟空に立つ力は残っていなかった。

「とどめを刺してやる」

 ベビーが地球人たち下僕のサイヤ人に対する恨みのエネルギーを集め、巨大なリベンジデスボールを悟空に向かって放つ。

 だが、すんでのところで、界王神が現れて瞬間移動で悟空を助け出すも、時空に歪みが生じてスゴロク空間に落っことしてしまうのであった。

 



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3.覚醒! 超サイヤ人4の悟空!

 悟空はスゴロク空間にいた。

 ここでは気は一切使えない。

 己の力でスゴロクに勝ち、脱出する必要がある。

 だが、スーゴローがイカサマをして連勝していたのが暴かれ、スゴロク空間は崩壊を始めた。

 空間の崩壊により気が使えるようになった悟空は、スーゴローとその息子を抱えて空間を飛び出し、迎えにきた界王神と共に瞬間移動で界王神界へと移動した。

 悟空は界王神界で尻尾を伸ばし、ベビーが究極のドラゴンボールで作ったツフル星に移動し、ベビーと再戦するが、負けてしまう。

 絶体絶命のピンチかと思われたが、悟空は地球を満月の代わりにして大猿になり、パンの協力でついに最終形態である超サイヤ人4への変身を遂げた。

 荒れ果てたツフル星の街。

「俺がやったんか」

「おじいちゃん、何も覚えてないの? いきなり大猿になって大暴れしてたんだから! ねえ、もう元には戻れないの?」

「さあな。だがやつを倒すには、この体、このパワーが必要だ」

 目の前の鏡が割れる。

「サタン、パンを頼んだぞ」

 悟空はパンをサタンに預け、ベビーの元へ飛び立った。

「来たな?」

「ベビー様」

 ブルマが恐怖で震えながら逃げる。

「ブルマ!」

 ブルマは立ち止まり、悟空を()め付けた。

「気安く呼ばないで! この憎きサイヤ人が! お前なんて地獄に堕ちればいいわ!」

「ブルマ……」

 悟空はベビーを見る。

「やっぱおめえだけは赦せねえ、ベビー!」

 悟空とベビーの戦闘が始まった。

 悟空は自分の力を測るため、手加減をしていた。

(行ける! 行けるぞ!)

 ベビーは悟空を追い詰める。

 悟空は脱力する。

「どうした? 強くなったんじゃないのか?」

 悟空は笑い出した。

「すまねえな。俺も驚いてんだ。自分のあまりの強さによ」

「笑うな!」

 ベビーは悟空をはたき落とし、地面に叩きつけた。

「とどめだベビー!」

 悟空がかめはめ波を撃つ体勢をとった。

(しまった!)

「ベビー様、タワーをご覧下さい」

 ベビーがタワーを見る。

「地球のブルーツ波を何十倍にもしてベビー様に照射します」

「待て。それで俺が大猿になったとして、意識を保てるか……」

 ブルーツ波が照射される。

「待てブルマ!」

 ベビーに異変が。

(なんだ?)

 戸惑う悟空。

 ベビーの体が巨大化し、黄金の猿へと姿を変えた。

「うがああああ!」

 大猿ベビーが辺りを破壊し、暴れ回る。

 悟空は大猿ベビーに果敢(かかん)と立ち向かう。

 だが、大猿ベビーの力の前に、悟空はなすすべがなかった。

 大猿ベビーは悟空に向かってリベンジデスボールを放つ。

「リベンジデスボール!」

 悟空はリベンジデスボールをなんとか弾き飛ばした。

「おめえ、今しゃべらなかったか?」

「フハハハハ! 形勢逆転だな。さあ、とどめを刺してやろう」

 大猿ベビーが、ギャリック砲を放つ。

 悟空もかめはめ波を撃つが、気功波がぶつかり合って爆発し、その影響で二人はノックダウンした。

 ブルマが大猿ベビーに向かってブルーツ波を照射する。

 ブルーツ波が少量、悟空の尻尾からも吸収され、悟空も体力がちょっとだけ回復した。

 悟空は起き上がり、大猿ベビーが立つのを待っていた。

 やがて、大猿ベビーが立ち上がる。

「待ち侘びたぜ、ベビーよ」

「そうか、それはすまんね」

「すっかり元気になっちまった」

「ハッタリだな」

「ハッタリかどうか、試してみるか?」

「ふん。どうせ今の貴様じゃ、普通のかめはめ波が一発だけさ」

 そこへ、悟飯、悟天、トランクスがやってきた。

「お前たち」

「ベビー、もうお前の思い通りにはならないぞ!」

「貴様ら、正気か?」

「貴様に操られながら生きていくくらいなら、死んだ方がマシだ!」

 と、トランクスが答える。

「おめえたち、俺にパワーを全部分けてくれ。フルパワーになって、やつをぶっ倒す」

「そうはさせんぞ!」

 大猿ベビーがギャリック砲の構えをとる。

「みんな、目を瞑るんだ!」

 悟空は太陽拳を放った。

 大猿ベビーが眩しそうに目を押さえる。

 その間に一行は距離を取り、エネルギーの移動を始める。

 そこへパンが加わる。

「貴様、よくも!」

 気功波を放とうとする大猿ベビーだったが、急に腹を痛そうに抱え出す。

「悟空さん、みなさん、今のうちです!」

 大猿ベビーの体内からウーブの声が聞こえた。

 どうやらウーブが大猿ベビーの体内に入り込んでいたようだ。

 大猿ベビーは力を振り絞ってウーブを吐き出した。

 



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4.地球の崩壊。邪悪龍現る?

「うわああああ!」

 ウーブが地面に叩きつけられる。

「さて、お遊びはおしまいだ」

 大猿ベビーが気功波をフルパワーで放った。

 攻撃を受けた一行は吹き飛ばされ、砂塵が立ち込める。

「パンちゃん!」

 サタンがやってくる。

 砂塵が収まり、フルパワーの悟空がパンを抱えながら降りてくる。

「サタン、頼んだ」

 パンをサタンに預け、再び大猿ベビーと戦い始める悟空。

 悟空はあっという間に大猿ベビーを叩きのめし、かめはめ波を大猿ベビーの尻尾の放った。

 大猿ベビーの収縮が始まる。

(うおおおお! ベジータの肉体が巨大化した時に俺の体も大きくなってたか! このままではベジータの中にいられないぞ!)

 ベビーがベジータの体から抜け出して逃げる。

「待てー!」

 後を追うサタン。

 ベビーは振り返り、サタンに威嚇した。

「ひええええ!」

 怯えるサタン。

 ベビーは踵を返して宇宙船へと向かう。

「ベビー様!」

 宇宙船のそばにいるブルマが叫ぶ。

 ベビーは宇宙船に乗り込もうとする。

「ベビー様、私も行きます!」

「邪魔だ!」

 ブルマを弾き飛ばし、宇宙船で一人ツフル星を脱出するベビー。

「おじいちゃん、ベビーを逃しちゃうの?」

「なに、逃がしやしないさ。それよりもベジータだ」

 ベジータが意識を取り戻し、悟空に笑みを見せる。

(そろそろね)

 悟空はかめはめ波をベビーの乗る宇宙船に向けて放った。

(気が、サイヤ人の気がああああ!)

 ベビーは宇宙船ごと太陽に落下し消滅した。

 

 

     *

 

 

 ベビー消滅後、平和を取り戻したかに見えたが、しかし、ドラゴンボールがなくなっており、地球は崩壊の危機に迫っていた。

「何言ってんだデンデ、オラおめえにちゃんと渡したぞ!」

「私、受け取ってませんよ」

「そんな、ちゃんと渡したぞ!」

「きっと、ベビーに意識乗っ取られてるとき、渡してしまったのかも」

「言われてみれば、そんな気が」

 焦るデンデ。

 一同はツフル星に残っているブルマたちに通信を繋いだ。

「ちょっと、一体ここはどこなのよ? 私たちをこんなところに置いとくつもり?」

「それが大変なことになってまして」

「地球がもうすぐ吹っ飛んじまうんだ」

「なんですって?」

「そんなに言うなら迎えに行ってやればいいだろう?」

「ベジータ?」

「地球人全員でな」

「ベジータ、ナイスアイディアじゃねえか」

「ふん。サイヤ人は大勢で攻めるのが慣れてるだけだ」

 悟空たちはサタンの協力で地球人たちをツフル星に移し、崩壊した地球をナメック星の神龍で元に戻した。

 そして地球のドラゴンボールを集め、神龍を呼び出そうとしたが、邪悪龍が現れ、ドラゴンボールが世界中に飛び散ってしまった。

 



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5.さらばユズ

 悟空とパンは、邪悪龍討伐の旅に繰り出した。

 一体、二体と着実に倒していき、遂に最後の一体である一星龍(イーシンロン)と対峙する。

 悟空は超サイヤ人4となり、互角に戦う。

 だが、一星龍は折角集めたドラゴンボールを奪い取り、吸収して超一星龍と化す。

 そんなピンチの時、ベジータが駆けつけ、ブルマの協力で超サイヤ人4に変身する。

「カカロット、フュージョンだ」

「フュージョンだって?」

「貴様だってこのままではやつに勝てないのはわかっているだろう?」

「待ってくれベジータ。人数が多い」

「どう言う意味だ?」

 悟空の体から、ユズが姿を現す。

「貴様は?」

「私が悟空の本体。今まで悟空として戦ってたのよ」

「なんだと?」

 ユズは完全に悟空の体から抜けると、一星龍の前に立つ。

「あんたの体、もらうよ」

「何をしようとしてるかは知らんが、この俺に勝てる者などいないのだ」

「どうかしら? とも限らないわよ」

 ユズは一星龍に飛びかかる。

 一星龍のカウンターをかわし、ジェル状になって彼を包み込んだ。

「な、なんだ!?」

 一星龍の体内にジェル状になったユズが染み込んでいく。

「うわああああ!」

 苦痛に顔を歪める一星龍。

 刹那、一星龍は意識を失い、肉体の主導権をユズに奪われた。

「はああああ!」

 一星龍の気が爆発的に上昇する。

(な、なんてパワーなの! 力が満ち満ちてくる……!)

「一体、どうなったんだ?」

 疑問符を浮かべるベジータ。

「そうだ! カカロットは!?」

 ベジータが悟空に駆け寄る。

「カカロット!」

 悟空が目を覚ます。

「……………………」

「カカロット?」

「……………………」

 無言のままの悟空。

「いくら呼びかけても無駄よ。彼に悟空としての記憶はないもの」

 ユズはそう言って、一星龍の体を内側から破壊した。

「お前は何者なんだ?」

「私はユズ。ベビーの姉よ」

「その姉がなぜ弟であるベビーを手にかけた?」

「私は地球で暮らしてたからね。地球人としてこの地球(ほし)を守っただけにすぎないわ」

 それより——と、続けるユズ。「その体返して」

 ユズは悟空の肉体へと飛び込んだ。

 体を起こす悟空。

 そこへパンがやってくる。

「ユズ、さんだっけ? おじいちゃんじゃ……ないんだね?」

「うん、そういうことになるのかしらね」

「あの、これからもおじいちゃんって呼ばせてくれる?」

「それはいいけど……」

「ありがとう、おじいちゃん」

(女の子なんだけどな……)

 悟空が立ち上がり、転がったドラゴンボールの元へ移動する。

 すると、呼び出していないはずの神龍がドラゴンボールから出現する。

「悟空……いや、ユズよ。ドラゴンボールにマイナスエネルギーがたまった理由はわかるな」

「ああ。だけど、今回のことは地球人たちには関係ない。邪悪龍に殺された人たちを生き返らせてくれねえか?」

「いいだろう。これが最後の願いだ」

 神龍の力で、邪悪龍に殺された人々は蘇った。

「さあ、ユズ。行くぞ」

「わかった」

 ユズは神龍の背中に飛び乗った。

 



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