この白狐の戦士に祝福を (仮面大佐)
しおりを挟む

プロローグ

どうも、仮面大佐です。
今回は、このすばとギーツの小説です。
ギーツが始まったばかりなので、模索しながら頑張ります。


???「あれ、ここは………?」

 

 俺は目が覚めると、見知らぬ空間に居た。

 確か、大学の授業を終えて、一回、家に帰って、オンラインゲームをやって、休憩と気分転換を兼ねて、外に出たはず………。

 すると。

 

???「桐ヶ谷湊翔(きりがやみなと)さん。」

湊翔「っ!?」

 

 突然、名前を呼ばれたので、俺は前を向くと、そこには、緑の髪に赤い瞳の人物がいた。

 誰?

 俺がそう思っていると。

 

アテナ「私はアテナ。所謂、女神という存在だ。」

湊翔「女神…………?」

 

 いきなりそんな事言われても………。

 困惑する俺の事を見たのか。

 

アテナ「ああっ!今、私が女神だと言った事を、信じていないな!?」

湊翔「い、いや、何の事ですかね………?」

アテナ「とぼけるな!その顔を見れば、分かるんだよ!」

 

 随分と、男勝りな性格だな。

 ていうか、じゃあ、ここはどこなんだよ?

 そう思うと、アテナという女神が、落ち着いたのか、真面目な顔でコチラを見てくる。

 

アテナ「まあ、無理もないか。単刀直入に言おう。君は死んだんだ。」

湊翔「……………えっ?」

 

 俺が、死んだ?

 何でだよ…………。

 俺の驚く顔を見たのか。

 

アテナ「驚くのも無理はない。なぜなら、君は、周囲の景色を見ている中、不注意で道路に出てしまい、車に轢かれたんだ。」

湊翔「そうですか…………。」

 

 俺の不注意か………。

 なら、死んでも仕方ないか。

 すると、俺の様子を見たアテナが、俺を驚いた表情で見てくる。

 

アテナ「…………君、随分と冷静だな。自分が死んだっていうのに。」

湊翔「いや………その死因は、どう考えても、俺の不注意が招いた結果なので、仕方ないですよ。」

アテナ「随分と………自分の事を下に見るな、君は………。まあ、良いや。本題に入るぞ。」

湊翔「本題?」

 

 俺がそう聞くと、アテナは頷いた。

 

アテナ「若くして死んでしまった君には、二つの選択肢がある。」

湊翔「選択肢?」

アテナ「ああ。一つは、人間として生まれ変わり、新たな人生を歩むか。もう一つは、天国的な所で、お爺ちゃんみたいな暮らしをするか。」

 

 何だそれ。

 身も蓋もない選択肢だな。

 アテナは、そんな事を思った俺に、同意する様に頷く。

 

アテナ「天国は、本当に何も無いぞ。何せ、体が無いから、何にも出来ないからな。娯楽という娯楽は、何も無い。」

湊翔「なるほどな………。」

 

 それ、最初は良くても、途中で辛くなってくる奴じゃん。

 だけど、もう一度人生をやり直すのもなぁ………。

 まだ、やりたい事とか、一杯あったのに。

 すると、アテナが首を縦に振りながら言う。

 

アテナ「分かるぞ。天国なんて、退屈な所には行きたくない。だからといって、今更記憶を失うのも嫌だよな。」

湊翔「ええっと………つまり、何が言いたいんですか?」

アテナ「おっと、そうだった。君は、ゲームが好きだろう?」

 

 アテナは、そう言った。

 話を要約すると、異世界に魔王が居て、その魔王軍の侵攻のせいで、その世界がピンチとの事だ。

 ファンタジーな感じの世界との事だ。

 

アテナ「その世界で死んだ人って、魔王軍に殺されたからな。だから、またあんな死に方はしたくないって言って、その世界での転生を拒否するんだよな。このままじゃ、その世界が滅んでしまう訳だ。そこで、他の世界で死んじゃった人たちを、そこに送り込んではどうか?って事になってな。」

湊翔「はぁ…………。」

 

 なるほど、随分と大胆な移民政策だな。

 ていうか、拒否するレベルって、どんだけ世知辛いんだろう。

 そんな風に思っていた。

 

アテナ「………で、だ。どうせ送るなら、若い人の方が良いって事になってな。でも、ただ送るだけじゃあ、死んじゃうから、特典を持たせて、その異世界に送るんだ。」

湊翔「なるほど…………。」

 

 この人は、話上手なのかもしれないな。

 そんな風に言えるなんて。

 この人は、嫌いじゃない。

 まあ、確かにゲームは得意で、ホワイト・フォックスなんて異名が付いているくらいには。

 理由は、白い狐のお面を被りながらゲームをしていたら、そんな異名がついた。

 

湊翔「まあ、異世界に行くのは、別に構わないんですけど、向こうの言葉なんて、俺は知りませんよ?」

アテナ「それに関しては、心配しなくても良い。私たちのサポートによって、一瞬で習得できる。…………まあ、副作用として、運が悪いと、頭がパーになる可能性があるんだ。」

湊翔「…………副作用が大きすぎません?」

アテナ「ま、まあ………!君は、死んでも冷静だったんだ。きっと、大丈夫だよ。」

 

 まあ、運は良い方だとは思いたい。

 大丈夫だ。

 多分…………。

 少し、不安になって来たな。

 でも、この人なら、大丈夫な気がする。

 

アテナ「…………さて。特典の件なんだが、私の一押しがある。」

湊翔「一押し………ですか?」

アテナ「ああ。それは、仮面ライダーギーツの力だ。」

湊翔「ギーツ………!?」

 

 その仮面ライダーは知っている。

 仮面ライダーギーツ。

 リバイスの次の仮面ライダーで、狐がモチーフとなっている仮面ライダーだ。

 そういえば、あれ、結構面白いしな。

 

湊翔「何で………仮面ライダーギーツなんですか?」

アテナ「それについては、話そう。…………オホン。私は、嘆いていたのさ。一向に進まない魔王退治にね。」

湊翔「はぁ…………。」

アテナ「私は、悩みに悩んだ。どうすれば、魔王を退治出来るのか。悩みに悩んで、出た答えが、ギーツの力を使うって訳さ!」

 

 え、どういう事?

 俺がそう思っていると、アテナが話を続ける。

 

アテナ「話は、最後まで聞けって。まあ、簡単に言えば、魔王退治を、ゲームという感じにしてしまおうってね!………と言っても、そのゲームの対象者は、このデザイアドライバーとそれぞれのIDコアを持つ人に限るけどね。」

湊翔「つまり、魔王を倒した人が、優勝者って事になるのか?」

アテナ「お?興味が出たかい?そういう感じさ!」

 

 なるほど。

 俺が遊んでいたゲームも、そんな感じだったな。

 興味が出て来たな。

 それに、ギーツも、俺的にはかなり好きな仮面ライダーだしな。

 

湊翔「分かりました。特典は、ギーツの力にします。」

アテナ「そうかい!ありがとうな!あ、ちなみに、本格的なゲームが始まるのは、仮面ライダーがある程度、出揃ってからだからな。」

 

 まあ、それもそうだ。

 1人だけでは、成立しないからな。

 そうして、アテナから、デザイアドライバーとギーツのIDコア、スパイダーフォンを受け取った。

 ただ、肝心のレイズバックルが無い。

 

湊翔「あの…………レイズバックルが無いんですけど………。」

アテナ「あ、安心してくれ。モンスターをある程度退治したら、ミッションボックスと共に、レイズバックルをスパイダーフォンを介して送るよ。」

湊翔「あ、分かりました。」

 

 まあ、最初からあるんじゃ、興醒めだしな。

 それなら、途中から増えていくのが面白いと思う。

 俺はそう思っていると、アテナが俺の真下に魔法陣を出す。

 

アテナ「じゃあ、君の活躍を、ここから見守るとするよ!あと、ささやかながら、この女神からの贈り物さ。ギルドに行って、冒険者登録する際には、右ポケットを確認するといい。」

湊翔「はい。色々と、ありがとうございます。」

アテナ「良いって、良いって!君に、女神である私の加護がある事を祈るよ。それじゃあ、行ってらっしゃい!」

湊翔「ありがとうございました!」

 

 そう、激励をもらい、俺は異世界へと向かう。

 しばらくして、目を開けると。

 

湊翔「おおっ!!」

 

 そこには、異世界が広がっていた。

 

アテナside

 

 何とか、上手く行ったかな。

 まずは、彼はジャイアントトードのクエストを受ける筈だから、ジャイアントトードのクエストを完了したら、アームドアローかアームドウォーターかマグナムのレイズバックルでも送るか。

 アームドハンマーじゃあ、ジャイアントトードには効かないし、アームドシールドだと、攻撃が出来ないし、ブーストは蛙を相手にするには、勿体無いし、一回しか使えない使い捨て仕様だし。

 すると。

 

???「ああ〜!何やってんのよ!」

 

 聞きたくなかった声が聞こえてきて、私はうんざりしながら振り返る。

 

アテナ「なんだよ、アクア。」

アクア「はぁ〜!?先輩であるこの私を、呼び捨てにしないでって、何度も言ってるじゃない!」

 

 そう言っているのは、水の女神であるアクア。

 …………なのだが、正直、上も頭を悩ませている問題児だ。

 

アテナ「別に、私が何をしようと勝手だろ。そういうアクアは、何してたんだよ?」

アクア「私?私は、また新たな転生者を送ったのよ!暇なアンタとは違ってね!」

 

 そう、アクアは、事あるごとに先輩風を吹かせてきたり、マウントを取ろうとする。

 正直、私と同期のエリスが不憫に思えて仕方がない。

 その為、私も、エリスがアクアに押しつけられた仕事を手伝っている。

 

アテナ「別に、私は何もしてない訳じゃないぞ。ついさっき、転生者を送ったしな。」

アクア「は?先輩であるこの私を差し置いて、何勝手な事してんのよ!」

アテナ「いや、アクアはさっき、新たな転生者を送ったって言っただろ!?アクアがその人の対応をしてる中、私にも来たんだよ!」

 

 そう、私とアクアは仲が悪い。

 事あるごとに言い争いをするからな。

 

アテナ「………まあ、何にせよ。私だって、ちゃんと仕事はしてるからな。怠惰の女神。」

アクア「はぁぁ!?何よ!私は怠惰じゃなくて、水の女神なんですけど!この頭カチカチ女神!」

アテナ「ああ?」

 

 私とアクアは、そんな風にお互いを睨み合う。

 少し、時間が経って。

 

アテナ「…………私は、これから報告があるからな。お前は、少しはエリスに仕事を押し付けてないで、自分でやれ。」

アクア「はあ?エリスに仕事を押し付けてなんかないわよ!エリスが受け取ってくれてるだなよ!」

アテナ「…………お前と話してると、本当にイライラしてくる。」

アクア「フン!」

 

 そう言って、私は上層部に報告をしに行く。




今回はここまでです。
今回、女神エリスではなく、オリキャラのアテナという女神によって、転生しました。
これまで、私が投稿したこのすばの小説は、大体女神エリスによって、転生したので、新しい設定にしたいと思い、こうしました。
レイズバックルは、スパイダーフォンから見れるミッション一覧から、ミッションを達成すると、送られる仕組みです。
勿論、ジャマトも出しますよ。
ただ、どんなジャマトが出るのかは、本家ギーツの展開次第ですね。
現在、活動報告にて、この小説のリクエストを受け付けているので、良かったら、お願いします。
下記から行けます。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=286663&uid=373253
あと、この小説が、一体どんな感じに進んでいくのかも、リクエストをお願いします。
ちなみに、ヒロイン候補としては、アテナが地上に降りたキャラ、ゆんゆん、リア、シエロ、エーリカ、オリキャラですね。
他にこのキャラが良いというのがあるなら、お願いします。
あと、ヒロインは1人に絞るのか、ハーレムにするのかも、お願いします。
この小説や、他の小説も、応援よろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

エピソード0 アテナの回想録

 どうも、私はトウカです。

 天界では女神アテナとして、この世界ではトウカという1人の少女として、活動しています。

 今回は、色々な事を語っていこうと思います。

 まず、私は、同期の女神であるエリスが地上に降りた時の人物であるクリスとも、行動を共にしていた事がある。

 それは、今の仲間の1人であるダクネスとクリスのパーティーを組んでいた頃の話だ。

 何故、パーティーを組む事になったのかは、ある時にまで遡る。

 私はいつものように、事務作業をしていた。

 すると。

 

エリス「アテナ。ちょっと良いかな?」

アテナ「どうしたんだ、エリス?」

エリス「少し、相談があってね…………。」

 

 そう言ってくるので、私は作業を止めて、エリスの相談に乗る。

 紅茶を出して、エリスに渡す。

 

アテナ「ほれ。」

エリス「ありがとうね。」

アテナ「それで、相談って?」

 

 私がそう聞くと、エリスは少し迷った後、口を開く。

 

エリス「実は……………地上に降りようかなって思ってて……………。」

アテナ「ああ。確か、持ち主が居なくなった神器の回収の為か?」

 

 そう。

 女神アクアが、ポンポンと異世界に日本からの転生者を送るのだが、持ち主が死亡した場合は、その場に残ってしまう。

 無論、本来の持ち主でなければ、本来の力は発揮されない。

 とはいえ、強力なのは間違いない為、回収する必要がある。

 それを、エリスと私が受け持っている。

 その際、エリスはクリスに、私はトウカという名前で降り立っている。

 今回は、エリスが行くのかと思っていた。

 

エリス「まあ、それもあるけど…………ちょっと、会いたい人がいて……………。」

アテナ「会いたい人?」

エリス「ちょっとね……………。熱心にエリス教会に来ている人が居てね……………。」

 

 話を聞くと、その女性は、毎日熱心にエリス教会に来ていて、冒険仲間が出来ますようにとお願いをしているそうだ。

 なるほど、熱心な人だな。

 それを聞いて、私は察した。

 

アテナ「その人と友達になろうってことか?」

エリス「ま、まあ、そんな感じです。」

アテナ「へぇ……………。」

 

 そういう事か。

 なら、言いますか。

 

アテナ「じゃあ、私も行くわ。」

エリス「ええっ!?良いんですか?」

アテナ「まあ、息抜きみたいな感じで行くから。それに、私も神器回収の担当なんだぞ?」

エリス「そうでしたね。」

 

 そんな感じで、私とエリスは、トウカとクリスとして、地上に降りる事に。

 ちなみに、トウカの名前の由来は、氷の花という感じに、適当につけた。

 そして、そのダクネスという人物が毎日通っているというエリス教会に向かう。

 エリス改め、クリスがダクネスに話しかける。

 

クリス「やあ。君がダクネスだって?」

ダクネス「そ、そうだが、2人は?」

クリス「私はクリス。見ての通り、盗賊だよ。で、こっちが……………。」

トウカ「私はトウカだ。クリスの親友で、ソードマスターだ。」

ダクネス「はぁ……………。そんな2人が、何の用なんだ?」

クリス「いやね。君が女神エリス様にお願いしているのを、女神エリス様に聞いてね。」

 

 自分のことだろ。

 そう突っ込みたくなるが、堪える。

 それを聞いていたダクネスは、驚く。

 

ダクネス「ええっ!?2人は、エリス教徒なのか?」

クリス「私はね。トウカは、無宗派だから。」

トウカ「まあな。」

ダクネス「なら、一体……………?」

クリス「私とトウカは、君のパーティー仲間になろうと思って。良いよね?」

トウカ「ああ。構わないさ。」

ダクネス「い、良いのか……………?」

トウカ「ああ。」

 

 そうして、私、クリス、ダクネスはパーティーとなった。

 その際、ダクネスは嬉しそうだった。

 それからしばらくして、クエストに出掛けることになった。

 パーティーを組んで、分かった事がある。

 それは、ダクネスは攻撃が当たらない事と、やばい性癖を持ち合わせている事だ。

 あるクエストでは……………。

 

ダクネス「私が盾となろう。クリスとトウカで、倒してくれ。」

クリス「う、うん……………。」

トウカ「分かった。」

クリス「ま、まあ……………私もバインドで動きを止めるよ。」

 

 そんな風に話しつつ、クエストに向かう事に。

 モンスターが出てきて、作戦は、ダクネスがモンスターの攻撃を受け止め、クリスがバインドで動きを止め、私が止めを刺す感じだ。

 

クリス「動きを止めるのは任せて!バインド!」

ダクネス「今だ!」

トウカ「えっ?」

ダクネス「はぁぁぁぁぁぁん!」

 

 クリスがバインドを発動すると、ダクネスがすかさずモンスターとクリスの間に入り、ダクネスが縛られる。

 

クリス「ちょっ!?何やってんのさ!?」

ダクネス「ハアッ……………ハアッ……………良いぞ!さあ……………モンスターよ!縛られて動けない私に攻撃してみせろ!」

トウカ「何やってんのおおおおおおっ!?」

 

 ダクネスの性癖に、私はそう叫ぶ。

 とまあ、こんな風に、ダクネスは攻撃が当たらないわ、性癖で足を引っ張るわで、大変だった。

 まあ、それでも、天界で事務作業をやったり、アクアに仕事を押し付けられるよりかは、幾分かマシだった。

 ………………本当に幾分かだったが。

 これが、ダクネスとの出会いや、冒険の話。

 次は、デザイアグランプリに関してだ。

 デザイアグランプリ。

 それは、仮面ライダーギーツの世界で開催されていたリアリティライダーショーだ。

 どうして、それが開催する事になったのか。

 時系列は、ダクネスと出会い、冒険をして、暫くが経った頃だ。

 私は、ゼウス様の部屋へと向かう。

 理由は、現在の異世界の状況の報告だ。

 

アテナ「……………新たに、何人かの転生者を送り込みましたが、依然として、人類と魔王軍の動きに変化なし。以上です。」

ゼウス「そうか。」

 

 私がそう報告すると、ゼウス様はそう答える。

 

ゼウス「中々、魔王軍の撃破には、繋がらないか……………。」

アテナ「ええ。中には、魔王軍側に就いた転生者も居るので、若干、人類側が苦戦しています。」

ゼウス「ふむ………………。」

 

 そう。

 アクアが送った馬場武という転生者は、魔王軍側に与してしまった。

 その結果、折角転生者を送っても、そいつに殺される事になる。

 幸い、神器は回収せずにそのまま去っている為、神器は私とエリスで回収している。

 だが、これでは、魔王を倒す事は叶わない。

 どうしたものか……………。

 すると、ゼウス様は、何かを見ていた。

 

アテナ「何を見ているんですか?」

ゼウス「ああ。これだよ。」

 

 そう言って見せてきたのは、仮面ライダーギーツだった。

 

アテナ「仮面ライダーギーツ?」

ゼウス「ああ。少し、気分転換にな。」

アテナ「まあ……………無理もないですよ。」

 

 気分転換なら、仕方ないですよね。

 私も、ゼウス様の許可を貰い、仮面ライダーギーツを見る。

 気分転換に。

 仮面ライダーギーツを見ていて、かなり面白いと思える。

 すると、ゼウス様が声を出す。

 

ゼウス「……………これだな。」

アテナ「ゼウス様?」

ゼウス「これなら、行けるやもしれん!」

アテナ「これ……………とは?」

ゼウス「仮面ライダーギーツのデザイアグランプリだ。」

アテナ「ああ……………。」

 

 なるほど、デザイアグランプリか。

 確か、世界を救うゲームだったな。

 すると、ゼウス様は、何かをしている。

 

アテナ「えっと……………何しているんですか?」

ゼウス「ああ。少し、仮面ライダーギーツの事を最終回まで知ろうと思ってな。」

アテナ「ああ………………。」

 

 そういう事か。

 まあ、知らないといけないしね。

 すると。

 

ゼウス「アテナ。急いで、神々達を集めてきてくれ。」

アテナ「はい。」

 

 ゼウス様にそう言われ、私は神々を招集する。

 集まったのは、エリス、ロキなどを始めとする神々だ。

 アクアはというと、サボった。

 

ゼウス「集まってくれてありがとう。本日は、新たな特典を思いついたので、それを発表しようと思う。」

エリス「新たな特典………………ですか?」

ロキ「それは何だ?」

ゼウス「デザイアグランプリだ。」

 

 ゼウス様は、他の神々に説明した。

 デザイアグランプリを開催して、魔王を倒した者にデザ神の称号を与える事。

 それを、神々が観戦する事を。

 それを聞いた神々は。

 

ロキ「ほう……………中々に興味深いじゃないか。」

エリス「確かに、それなら、魔王討伐の確率が上がりそうですね。」

神「それは良い提案ですな!」

神「確かに!」

ゼウス「それでは、この案に異議がある者は居ないか?」

 

 それには、その場にいる神々が賛成した。

 まあ、ちょうど良い息抜きにもなるしな。

 こうして、デザイアグランプリの開催が決定された。

 これが、デザイアグランプリ開催の経緯だ。

 ちなみに、当初は、IDコアが破壊され、死亡した場合は、ジャマトにならずに、そのまま輪廻転生の輪に戻る設定になっていた。

 ただ、今思えば、それが原因なのだろう。

 デザイアグランプリを開催してから、しばらくが経ったある日。

 

アテナ「ゼウス様!ロキの部屋に、こんな物が!」

ゼウス「何?」

 

 私は、ロキの部屋にあった物を見せる。

 そこには。

 

ロキ『ゼウスよ。そんな甘いデザイアグランプリで、盛り上がると思っているのか。面白みが足りん。オーディエンスは、刺激とスリルを求めているのだ。無論、私も。』

 

 そう書いてあった。

 それを見たゼウスは。

 

ゼウス「ロキめ……………!裏切ったのか!?」

アテナ「恐らく。ヴィジョンドライバーも複製された模様です。」

ゼウス「複製されたのか…………!すぐにヴィジョンドライバーのセキュリティの強化をしろ!もう一度同じ事が起こらぬ様に!!」

アテナ「分かりました!」

 

 そうして、ヴィジョンドライバーのセキュリティの強化をして、同じ事を繰り返さない様にする。

 それが、ロキの裏切りとなった。

 デザイアグランプリの開催理由と、ロキの裏切りは、こんな物だろう。

 そして、それから暫くが経って、ジャマトが出現する様になった頃、彼と出会った。

 その日は、アクアが別の転生者の対応をしていた為、私が対応する事になった。

 その際、彼………………桐ヶ谷湊翔のプロフィールを確認した。

 

アテナ「これは……………随分と壮絶な過去ね……………。」

 

 それを見て、私はそう呟く。

 桐ヶ谷湊翔は、凄まじい過去を送っていた事が分かる。

 神である私ですらドン引きするレベルだ。

 これは、少し心配になるな。

 そんな事を思いながら、そんな彼と出会う事にした。

 

アテナ「桐ヶ谷湊翔(きりがやみなと)さん。」

湊翔「っ!?」

 

 私がそう呼びかけると、湊翔は私の方を見る。

 

アテナ「私はアテナ。所謂、女神という存在だ。」

湊翔「女神…………?」

 

 私がそう言うと、彼は半信半疑な視線を向けてくる。

 まるで、何言ってんだろうなというような視線だ。

 

アテナ「ああっ!今、私が女神だと言った事を、信じていないな!?」

湊翔「い、いや、何の事ですかね………?」

アテナ「とぼけるな!その顔を見れば、分かるんだよ!」

 

 私は、そんな視線を向けられた事に少しイラつき、そう叫ぶ。

 叫んで、少しスッキリした後、湊翔に告げる。

 

アテナ「まあ、無理もないか。単刀直入に言おう。君は死んだんだ。」

湊翔「……………えっ?」

 

 私がそう告げると、湊翔は驚いた表情を浮かべる。

 まあ、無理も無いか。

 いきなり、死んだなんて言われたんだからな。

 

アテナ「驚くのも無理はない。なぜなら、君は、周囲の景色を見ている中、不注意で道路に出てしまい、車に轢かれたんだ。」

湊翔「そうですか…………。」

 

 不注意で死んだ。

 それは確かだ。

 それを告げると、湊翔はすぐに冷静な表情になった。

 

アテナ「…………君、随分と冷静だな。自分が死んだっていうのに。」

湊翔「いや………その死因は、どう考えても、俺の不注意が招いた結果なので、仕方ないですよ。」

アテナ「随分と………自分の事を下に見るな、君は………。まあ、良いや。本題に入るぞ。」

湊翔「本題?」

 

 私は、湊翔にそう伝える。

 それにしても、本当に自分を卑下するよな。

 その後、湊翔は仮面ライダーギーツへの変身能力を特典として、転生していく。

 アクアと少し口論の末、ゼウスに報告しに行く。

 

アテナ「ゼウス様。桐ヶ谷湊翔さんが、仮面ライダーギーツの資格を得て、転生しました。」

ゼウス「そうか。彼が魔王を倒すのに期待したい所だな。」

 

 私とゼウス様は、そう話す。

 すると。

 

???「じゃあ、あんた。」

アクア「……………え?」

 

 そんな会話が聞こえてきた。

 どうやら、アクアが対応している人が、特典として、アクアを選択したそうだ。

 それを見た私は。

 

アテナ「あの……………ゼウス様?アクアが指定されましたが、どうします?」

ゼウス「…………………そうだな。せっかくだから連れて行ってもらおう。今まで好き勝手やってた罰だ。アクアにはいい薬になるだろう。しばらくはアクアの代理は部下の天使に任せよう。」

 

 私がそう聞くと、ゼウス様は少し悩んで、そう答えた。

 まあ、アクアは上層部ですら頭を抱える女神だ。

 そうなっても無理はない。

 そうして、アクアは連れて行かれた。

 苦笑していると、ゼウス様が話しかける。

 

ゼウス「……………それで、桐ヶ谷湊翔は、魔王を倒せると思うか?」

アテナ「そうですね……………。身体能力はそこそこ高いし、器用なので、もしかしたら、あり得るかもしれませんね。」

ゼウス「そうか。……………アテナ。もしかしてだが、桐ヶ谷湊翔の事が気になるのか?」

アテナ「ぶっ!?」

 

 ゼウス様がいきなりそんな風に言い出すので、私は吹き出してしまう。

 

アテナ「い…………いきなり何を言うんですか!?」

ゼウス「いや何。先ほどから、ずっとソワソワしていたからな。」

アテナ「……………そりゃあ、アクセルの領主に不当に罪を擦りつけられたら、彼は正気じゃなくなる。そうしたら、魔王を倒せなくなるかもしれないじゃないですか……………。」

 

 そう。

 彼の経歴を見ている中、冤罪を嫌いそうな性格なので、アクセルの領主であるアルダープに罪を擦りつけられたら、下手したら再起不能になる。

 それだけは避けたい。

 すると、ゼウス様が口を開く。

 

ゼウス「……………よし。アテナ。お前が彼を守ってやれ。」

アテナ「ゼウス様……………?」

ゼウス「神器回収と共に、桐ヶ谷湊翔のサポートも行ってやれ。」

アテナ「良いんですか……………?」

ゼウス「ああ。仕事に関しては、お前の部下の天使に任せておけ。それに…………お前は少し働きすぎな気がするからな。息抜きしてこい。」

アテナ「ゼウス様……………。はい!行ってきます!」

 

 こうして、私はトウカとして地上に降りて、湊翔に会いに行った。

 それにしても、まさか、私が湊翔の事を好きになったなんて、思わなかったよ。

 湊翔の事は、守ってみせる。

 改めて、そう決意する。




今回はここまでです。
少し、短めになりました。
トウカことアテナ視点のエピソードです。
ダクネスとの出会い、デザイアグランプリの開催理由、ロキの裏切り、湊翔への第一印象、湊翔と合流する理由などです。
サボテンナイトジャマト戦の前半に関しては、執筆中です。
カズマを活躍させます。
今日のギーツは、展開が凄いですね。
ナーゴがデザスターである事がバレたり、ヴィジョンドライバーが、創世の女神にアクセスする為のドライバーだったり、ジーンが変身したり。
仮面ライダージーン、かっこいいですね。
果たして、プレバンか、一般か。
この小説でも、ジーン、ベロバ、ケケラは出す予定です。
ちなみに、ヴィジョンドライバーが複製されましたが、ゼウス側がグレア、ロキ側がグレアIIになります。
その為、MOVIEバトルロワイヤルでは、グレアVSグレアIIをやる予定です。
まあ、かなり先になると思いますが。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
サボテンナイトジャマト戦が終わった後は、希望の迷宮と集いし冒険者たちや、リクエストにあったバトロワゲーム、違う作品とコラボした迷宮脱出ゲームをやる予定です。
リバイスのVシネマも公開して、見に行きました。
良かったです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

オリキャラ解説&所持レイズバックル

桐ヶ谷湊翔(きりがやみなと)/仮面ライダーギーツ

CV 小野賢章

職業 ウェポンマスター

初登場回 プロローグ

概要

オリ主。ある日、交通事故で亡くなってしまい、アクアやエリスとは違う女神のアテナによって、このすばの世界へと転生して、魔王退治というゲームに参加する。父親譲りの自信家で、何でも器用にこなす。だが、優しい一面もある。アクアの事は、女神だとは思っていない。縁もあり、カズマ達のパーティーと協力する事に。カズマの機転の利かせ方に感心している。ちなみに、カズマ曰く、かなりのイケメン。湊翔の心には、誰にも話せないトラウマがある様だが……。好物はきつねうどん。

 

アテナ/トウカ/仮面ライダーラウンズ

CV 寺崎裕香

職業 ソードマスター

初登場回 プロローグ(アテナ)、第4話(トウカ)

概要

湊翔をこのすばの世界に転生させた女神。一向に魔王退治が進まない現状に焦りを抱き、ギーツの力を使う事を思いつく。湊翔にギーツの力を託して、このすばの世界に送り込む。アクアに関しては、怠惰が酷すぎると思っている。湊翔以外の人物にも、ツムリを介して、デザイアドライバーを渡している。エリスと同様に、人間としてこのすばの世界に定期的に降りている。ちなみに、戦いの女神と同じ名前だが、本人曰く、偶然の一致。ツムリから、ラウンズのIDコアとデザイアドライバーを受け取っている。ここ最近、湊翔が気になる模様。好物はジャイアントトードのステーキ。

 

虎雷白夜(こらいびゃくや)/仮面ライダーライコウ

CV 杉山紀彰

職業 バトルマスター

初登場回 第9話

概要

湊翔、カズマ、ミツルギと同じく、転生者。容姿は、照井竜に若干似ている。掃除、洗濯、裁縫、料理となんでもできる主夫面を持つ。普段は大人しい性格で仲間思いだが、戦闘になると強い相手と戦うのを楽しむ戦闘狂で、相手が強ければ強いほど楽しむ。転生特典は電気を自在に操り身体強化する能力。前世では、格闘家を目指していたが、訓練終了後、帰宅途中にで誤って空き缶を踏んでバランスを崩して階段から転落し後頭部をぶつけ、脳の血管がいくつか切れて死亡した。アクアは、その死因を笑った為、アクアとは仲が悪い。ツムリから、ライコウのIDコアとデザイアドライバーを受け取り、変身出来る様になる。好物はジャイアントトードの串焼き。

 

神宮龍(かみやりゅう)/仮面ライダームメイ

CV 置鮎龍太郎

職業 英雄

初登場回 第14話

概要

転生者の1人。悪人と思われる様な外見ではあるが、実際は人一倍以上に他者の事を思い(ただし他者をに対して冷徹な判断もする)で物凄い誑しな性格でもある。女神アフロディテによって、このすばの世界に転生する。その際に、アフロディテも、このすばの世界に来るが、龍は一言二言等で言い表せない何かをアフロディテに感じて、自分の妻だと気づいた。他の面子とは異なり、特典として、ムメイのIDコアとデザイアドライバーを手に入れた。好物はアフロディテが林檎の時に初めて作ってくれた一つの大きなおにぎり。

 

アフロディテ/神原林檎(かんばらりんご)

CV 井上喜久子

職業 歌姫

初登場回 第14話

概要

美の女神。龍と共に、このすばの世界へと転生した。元々は、龍の妻だったが、死亡した。その際に、上位神が前世において林檎が龍に対する手助け等をした功績として女神として転生した。その後、上位神によって、龍と共にこのすばの世界に降り立つ。好物は誕生日の時に作ってくれたホワイトビーフシチューオムライス。

 

第2章までの所持レイズバックル状況

 

桐ヶ谷湊翔/仮面ライダーギーツ

 

マグナム、アロー、シールド、ハンマー、アクアジェット、チェーンアレイ、クロー、ミラーシールド、コピー、ゲーマドライバー

 

アテナ/トウカ/仮面ライダーラウンズ

 

ウォーター、ハンマー、チェーンアレイ、シールド、カリバー、アロー、クロー、ナイフ、ランダム、ゼロワンドライバー

 

虎雷白夜/仮面ライダーライコウ

 

クロー、シールド、ウォーター、ハンマー、アロー、チェーンアレイ、ナイフ、ライトニング、カブトゼクター

 

神宮龍/仮面ライダームメイ

 

フリート

 

カズマ/仮面ライダータイクーン

 

アロー、ウォーター、ニンジャ、シールド、チェーンアレイ、ハンマー、クロー、ミラーシールド、ダブルドライバー、アロー(クリアver)

 

めぐみん/仮面ライダーナーゴ

 

ハンマー、クロー、シールド、ウォーター、アロー、チェーンアレイ、ミラーシールド、ウィザードライバー、ビート

 

ダクネス/仮面ライダーバッファ

 

シールド、ゾンビ、ハンマー、チェーンアレイ、ウォーター、アロー、クロー、コピー、聖剣ソードライバー

 

ウィズ/仮面ライダーホーク

 

ジェット

 

ダスト/仮面ライダーメリー

 

ハンマー

 

リーン/仮面ライダーシロー

 

アロー




今回はここまでです。
第2章が終わったという事で、オリキャラと、それぞれが所持しているレイズバックルを投稿しました。
カズマは、デストロイヤー戦にて、10月25日に発売された、『仮面ライダーギーツと遊ぼう』に収録された、アローレイズバックル(クリアカラーver)を手に入れてました。
書き忘れました。
第3章以降も、オリジナルの仮面ライダーは登場します。
リクエストがある場合は、絶賛受け付けています。
あと、良かったら、今日投稿した最新話で、コラボストーリーのリクエストを受け付ける活動報告に向かえるリンクを貼ったので、そこからリクエストをお願いします。
次の第3章にて、フィーバースロットや、ジャマトライダーを出していきたいと思います。
感想、リクエストは、絶賛受け付けています。
アクセルハーツで、リアだけでなく、エーリカやシエロも変身させて欲しいという意見や、他にこのキャラが変身して欲しいという意見、湊翔とトウカ、ゆんゆん、リアがどのタイミングでくっついて欲しいなどがあれば、受け付けますよ。
ちなみに、バニル、ゆんゆんは変身します。
ミツルギとアイリスも変身しますが、本家ギーツで、1月頃に出るであろう新ライダーに変身させようかなと思います。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

オリキャラ紹介PART2と第4章終了時点での所有レイズバックル

ジン/仮面ライダーマティス

CV 斎藤千和

職業 クルセイダー

初登場回 第27話

概要

普段は真面目で正義感の強い完璧な騎士なのだが戦場では非情に振る舞い、戦いに勝つならたとえ卑怯な手を使っても良いと考えている。頼まれた仕事はきっちり最後までやるワーカーホリックタイプ。ストレスを抱えると暴飲暴食を繰り返す事もあるが周りの模範になりたいとこれでも思っている。そんな彼女の生い立ちには、何か秘密があるようだが………。モチーフは原神のジン。

 

馬場武(ばばたけし)/仮面ライダーシュバルツギーツ

CV 細谷佳正

職業 冒険者

初登場回 第23話

概要

魔王軍に寝返った転生者。戦う事に喜びを感じる。ある日ジャマトに遭遇し戦闘になり結果としてジャマト達から対ライダーの切り札と見出され勧誘される。そしてジャマト経由でロキからデザイアグランプリの存在を知り、ジャマトとロキが用意したドライバーとひび割れた黒いギーツのIDコアを手に取り参加してしまう。

 

ゼウス/ニラム/仮面ライダーゲイザー

CV 大塚明夫/北村諒

職業 神

初登場回 第23話(ニラム)、第22話(ゼウス)

概要

神々を束ね、デザイアグランプリを開催する神。トウカことアテナが提案したデザイアグランプリを承認した。ゲームマスターの役割を担っている。ジャマトの不審な動き、ルールが書き変わっている事に気づく。

 

ロキ

CV 堀内賢雄

職業 神

初登場回 第29話

概要

神々の一人。ただ魔王を倒すだけではつまらないので、もっとスリルある面白いゲームにするという理由で、裏切った。その際、ゼウスが所持していたヴィジョンドライバーを複製した。

 

マジェスティ・デモニオ/伊田英鬼渡(いでんえきと)/仮面ライダーベクター

CV

職業 無し

初登場回 第26話

概要

カズマが来る3年前にアクアに転生させられた転生者、大好きなゲームの『キャラデザクエスト』が配信停止になり意気消沈している所をすっ転んで電柱に面白い格好で直撃して脳血管が破裂した事が理由で死んでしまった。アクアに笑われた事は事実だった為ギリ許しているが転生特典として【やってたゲームのキャラクターの力が欲しい】と頼んだ所、『キャラデザクエスト』で作った怪人型アバター『鬼ヤバ童子』の姿になってしまいモンスター扱いされて魔王軍や転生者に敵対されてアクアを呪っている。湊翔達とは一度敵対したが、ツムリからデザイアドライバーとIDコアを受け取り、変身出来るようになった。

 

第4章までの所持レイズバックル

 

桐ヶ谷湊翔/仮面ライダーギーツ

 

マグナム、アロー、シールド、ハンマー、アクアジェット、チェーンアレイ、クロー、ミラーシールド、コピー、ゲーマドライバー、ワンダー、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、ビルドドライバー

 

アテナ/トウカ/仮面ライダーラウンズ

 

ウォーター、ハンマー、チェーンアレイ、シールド、カリバー、アロー、クロー、ナイフ、ランダム、ゼロワンドライバー、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、オーズドライバー

 

虎雷白夜/仮面ライダーライコウ

 

クロー、シールド、ウォーター、ハンマー、アロー、チェーンアレイ、ナイフ、ライトニング、カブトゼクター、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、ドライブドライバー

 

神宮龍/仮面ライダームメイ

 

フリート、スパイボット

 

カズマ/仮面ライダータイクーン

 

アロー、ウォーター、ニンジャ、シールド、チェーンアレイ、ハンマー、クロー、ミラーシールド、ダブルドライバー、アロー(クリアver)、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、フォーゼドライバー

 

めぐみん/仮面ライダーナーゴ

 

ハンマー、クロー、シールド、ウォーター、アロー、チェーンアレイ、ミラーシールド、ウィザードライバー、ビート、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、音撃鼓・火炎鼓

 

ダクネス/仮面ライダーバッファ

 

シールド、ゾンビ、ハンマー、チェーンアレイ、ウォーター、アロー、クロー、コピー、聖剣ソードライバー、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、ブレイバックル

 

ウィズ/仮面ライダーホーク

 

ジェット、フィーバースロット

 

ダスト/仮面ライダーメリー

 

ハンマー、チェーンアレイ、フィーバースロット、デモンズドライバー

 

リーン/仮面ライダーシロー

 

アロー、フィーバースロット、ツーサイドライバー

 

ゆんゆん/仮面ライダーギンペン

 

ステルス、フィーバースロット、リベラドライバー

 

馬場武/仮面ライダーシュバルツギーツ

 

シュバルツマグナム、シュバルツゾンビ

 

ジン/仮面ライダーマティス

 

チェーンソー、アロー、クロー、プロペラ

 

マジェスティ・デモニオ/伊田英鬼渡/仮面ライダーベクター

 

ハッキングバイオ、ベクターコア




今回はここまでです。
5人ほど、新キャラが出てきたので、書いておこうと思い、書きました。
こうして見ると、男の割合が高いなと思いました。
まだこれからも、オリキャラおよびオリジナルの仮面ライダーは出てきます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ちなみに、アクセルハーツ、ミツルギ、クリスは、希望の迷宮と集いし冒険者たちにて、何の仮面ライダーに変身するのか、判明させます。
アクアは、変身させるべきですかね?
もし良かったら、意見を下さい。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

オリキャラ紹介PART3と第5章終了時点の所有レイズバックル

ファイア/フレイア

CV 木下紗華

職業 女神

初登場回 第32話

概要

アクア以上の問題児。ちょっかいを掛けた男神をぶん殴って大暴れし、無限地獄の最下層への謹慎処分を受けていたがどこからかデザグラの噂を聞いて脱出。勝手にゲームを出したり上記のレイズバックルを生み出したりと暴れている。かなりの大酒飲みであり、3日分の酒を3時間で飲み干し、それでも酔わないほどのウワバミ。嫌いな物は策略を使う物。戦わない者。与えられただけの力を振りかざす者。ファイア教という宗教がある。実は、ロキによって解放された。

 

白鳥朱翼(しらとりあげは)/仮面ライダースワン

CV 上坂すみれ

職業 魔法戦士

初登場回 第36話

概要

生前は天才高校生フルーティストとして有名だった。死因は、夜に一人でバスに乗ってたら、バスにトラックが突っ込んできて、運悪くトラックの下敷きになったため。自信家でクールな性格。幼い頃、フルートの演奏が上手くいかず落ち込んでた時に母親の「何事も自信を持ってなきゃ、実力があっても何もできない。」という言葉を励みに異世界でも自信を持って、楽しく生きると決めている。ツムリから、デザイアドライバーとスワンのIDコアを受け取る。ここ最近、白夜の事が気になる模様。

 

猪刈進(いがりすすむ)/仮面ライダーボア

CV 神谷浩史

職業 ランサー

初登場回 第39話

概要

転生者。湊翔が転生する2年前にアクアによって転生させられた。貰った特典は、「超怪力」。かつては太ってたせいで高校生のころ、「クソ豚」と呼ばれ馬鹿にされていた過去を持つが、今はそんなに気にしていないという。冒険者となり、色々なクエストをこなしていくうちに体も引き締まって細マッチョになり、イケメンになった。人当たりがよく優しい性格で、女性からもよくモテる。実力もかなりのものであり、その怪力で繰り出される攻撃は超強力。

 

アルカ

CV 花澤香菜

職業 アークウィザード

初登場回 第39話

概要

吸血鬼と人間の間で生まれた半吸血鬼(ハーフヴァンパイア)の少女。人間の母親と吸血鬼の父親を持ち、小さな村で平和に暮らしていたが、村人たちに娘が吸血鬼の血を引いていることに気づかれ、迫害されて両親を殺された過去を持っている。村から逃げてからは一人で彷徨っていたが、偶然出会った進の献身的な介護のおかげで元気を取り戻し、現在は進の仲間として冒険者稼業の手伝いをしている。魔術が得意で、その腕はアークウィザードに匹敵する。進に好意を持っており、進自身も彼女の好意に気づいており、お互い満更でもない雰囲気を醸し出している。人間の血を引いているからか、日光や十字架などは効かない。

 

黒石拓巳(くろいしたくみ)/仮面ライダーグレア

CV 関俊彦

職業 執行者

初登場回 第36話

概要

前世はホワイトハッカーで、ハッカーなら知らないものがいない超ハッキングの天才だったが、不治の病によって若くして亡くなった。家事全般は普通にでき、経営能力が高い。普段は優しく笑顔を絶やさないが、悪しき者………自分の罪を認めず他者に擦りつたり、罪と認めずに反省すらしない輩には容赦しない…………まるで拷問ソムリエのような冷酷を備えた人物。ゼウスから、ヴィジョンドライバーを受け取り、サブゲームマスターにして仮面ライダーグレアとして活動をする。

 

第4章までの所持レイズバックル

 

桐ヶ谷湊翔/仮面ライダーギーツ

 

マグナム、アロー、シールド、ハンマー、アクアジェット、チェーンアレイ、クロー、ミラーシールド、コピー、ゲーマドライバー、ワンダー、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、ビルドドライバー、フィーバースロット(ダークライダーVer)、ディケイドライバー、ジクウドライバー

 

アテナ/トウカ/仮面ライダーラウンズ

 

ウォーター、ハンマー、チェーンアレイ、シールド、カリバー、アロー、クロー、ナイフ、ランダム、ゼロワンドライバー、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、オーズドライバー、トレイン

 

虎雷白夜/仮面ライダーライコウ

 

クロー、シールド、ウォーター、ハンマー、アロー、チェーンアレイ、ナイフ、ライトニング、カブトゼクター、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、ドライブドライバー

 

神宮龍/仮面ライダームメイ

 

フリート、スパイボット

 

カズマ/仮面ライダータイクーン

 

アロー、ウォーター、ニンジャ、シールド、チェーンアレイ、ハンマー、クロー、ミラーシールド、ダブルドライバー、アロー(クリアver)、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、フォーゼドライバー

 

めぐみん/仮面ライダーナーゴ

 

ハンマー、クロー、シールド、ウォーター、アロー、チェーンアレイ、ミラーシールド、ウィザードライバー、ビート、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、音撃鼓・火炎鼓

 

ダクネス/仮面ライダーバッファ

 

シールド、ゾンビ、ハンマー、チェーンアレイ、ウォーター、アロー、クロー、コピー、聖剣ソードライバー、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、ブレイバックル

 

ウィズ/仮面ライダーホーク

 

ジェット、フィーバースロット

 

ダスト/仮面ライダーメリー

 

ハンマー、チェーンアレイ、フィーバースロット、デモンズドライバー

 

リーン/仮面ライダーシロー

 

アロー、フィーバースロット、ツーサイドライバー

 

ゆんゆん/仮面ライダーギンペン

 

ステルス、フィーバースロット、リベラドライバー

 

馬場武/仮面ライダーシュバルツギーツ

 

シュバルツマグナム、シュバルツゾンビ

 

ジン/仮面ライダーマティス

 

チェーンソー、アロー、クロー、プロペラ

 

マジェスティ・デモニオ/伊田英鬼渡/仮面ライダーベクター

 

ハッキングバイオ、ベクターコア

 

白鳥朱翼/仮面ライダースワン

 

フルート、フィーバースロット、ハンマー、クロー、プロペラ

 

猪刈進/仮面ライダーボア

 

ランス、シールド、チェーンアレイ、フィーバースロット、ドリル

 

リア/仮面ライダーキュビー

 

ハーモニー、フィーバースロット、シールド、アロー、ドリル

 

シエロ/仮面ライダースマッシュ

 

ファイター、フィーバースロット、ハンマー、チェーンアレイ、ウォーター

 

エーリカ/仮面ライダータンツェン

 

ダンサー、フィーバースロット、クロー、ハンマー、ドリル




今回はここまでです。
第5章までに登場したオリキャラと所持バックルです。
次回からは第6章で、時限爆弾ゲームと復活のベルディアをやって、紅伝説に入っていきます。
やっと、コマンドフォームを出す時が近づいて来ました。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
少し、アンケートをやろうと思います。
ハクビの変身者をどうするのかです。
気が向いたら、票を入れてください。
このすばの原作キャラの場合、誰が変身するのか、意見があればお願いします。
タイクーンの将軍のフォームに合わせて、トウカのラウンズも、ワルキューレのフォームを出そうかなと考えています。
タイクーンの将軍のフォームみたいに、コマンドフォームがベースになった奴です。
強化形態のリクエストがあれば、受け付けます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

オリキャラ紹介PART4と第6章終了時点での所有レイズバックル

石井樹(いしいいつき)/仮面ライダーナッジスパロウ

CV 緑川光

職業 アークウィザード

初登場回 第50話

概要

ロキ側に協力する人物。特典は全ての魔法が使える知識。ロキ側についたのは自分の魔法をもっと思う存分魔法を使える世界にすると誘われたから。自分の知識に絶対の自信を持っており、他者を見下している。めぐみんの爆裂魔法に関しては、使えるが、効率が悪い魔法と認識しており、めぐみんとは相性が悪い。ロキからデザイアドライバー、ナッジスパロウのIDコア、複製されたモンスターレイズバックルを受け取る。

 

牛島闘轟(うしじまとうごう)/仮面ライダーバッファノワール

CV 深町寿成

職業 バーサーカー

初登場回 第54話

概要

半グレの武闘派で力と暴力で半グレないで成り上がった狂人。幼少期に親に捨てられ施設で育つも、施設内でイジメの対象になったが返り討ちにした。そこから力がなければ生きていけない。力が全てと考えるようになる。弱者から無理矢理奪おうとする中途半端な奴や、守れる力があるのに自分の欲求ばかり優先する奴などが嫌いでそんな奴らを容赦なく叩きづぶしてきた。ロキによって転生され、バッファノワールの力を手に入れた。転生特権であらゆる力をデメリット無く使える。白夜には、敵対心を抱くようになった。

 

桜井要(さくらいかなめ)/仮面ライダーブラックタイクーン

CV

職業 戦士

初登場回 第54話

概要

元々は努力家な普通の青年だったがある日彼を虐めていた連中に道に突き飛ばされて車に撥ねられて死んでしまう。転生の間でアクアに虐めた連中はその後も普通に生活していると知らされふざけるなという気持ちになって最初は楽になる為に生まれ変わる道を選ぼうとしたが、アクアに言葉巧みに異世界転生を勧められたり泣きつかれたりして渋々転生した形である。冒険者として活動している間も自分を虐めた連中の顔が頭から離れず、いつしか他人と関わるのも躊躇う日々が続いた。そんな時、彼の元にシュバルツギーツと彼と一緒に要を勧誘しにきた魔王軍幹部のセレナに勧誘され「デザイアグランプリでの願いを叶える権利を、お前の復讐の為に使える」と唆され、彼は魔王軍に寝返った。それ以来彼は、万が一にもシュバルツギーツが撃ち漏らした相手を始末する役割を担っていた。

 

園崎遥(そのざきはるか)/仮面ライダーブラックナーゴ

CV

職業 ダークプリースト

初登場回 第54話

概要

容姿はかなりの美人で着痩せするタイプの体型。そして髪は肩まで伸びる黒髪のセミロング。性格はお淑やかな感じだが、馬場の為となると少し荒っぽくなる。転生した経緯は親からの虐待で母親に殺された事が原因。特典はアバレキラーが使ってた様な書いたものを実体化させられるペン。ただし、イメージが固まってない物などは書けないし性能もオリジナルよりはワンランクダウンしており、出現させる事が出来るのは多くても3つが限界。そして使用者の精神が安定していないとまともに書いて出現させることも出来ない。新しい自分になりたくて転生きたが、その時一緒に組んでいたパーティーメンバーの男に襲われそうになったところを偶々馬場に助けられる。それ以来馬場に恩を感じてブラックタイクーンと一緒に馬場が撃ち漏らした敵を始末している。

 

佐々木光太郎(ささきこうたろう)/仮面ライダーシャドウパンクジャック

CV

職業 アークウィザード

初登場回 第54話

概要

性格は陽気で明るいが相手を殺すことに一切躊躇しない。元は一流のロックシンガーを目指していたが、親からは、会社を継ぐ事だけを考えろと言われて強制的に夢を諦めさせられる上に自分の愛用していたギターまで目の前で壊された事により思い詰めて自殺をしてしまった。特典はギターの弦を弾く事で音による威力は弱いが不可視の攻撃や音符の様な形の威力の強いエネルギーを相手にぶつける事が出来るギター型の武器。一流のロックシンガーを転生した先の世界で目指そうとしたが、前の世界のトラウマで人前で楽器を弾けず、だが戦うための武器であるギターは弾ける事に嫌気がさしてしまっていたところを魔王軍に勧誘された。

 

凱装武劉(がいそうぶりゅう)/仮面ライダーダイル

CV 斎賀みつき

職業 傭兵

初登場回 第55話

概要

アクアによって、このすばの世界に転生した人物。前世は、元自衛隊のボディガード。転生特典は、無尽蔵の魔力。性格は冷静沈着で優しい。戦闘時には、正確な攻撃で敵を倒し、予期せぬ事態が起きた場合にも臨機応変で大旦な行動で突破する。

 

第6章までの所持レイズバックル

 

桐ヶ谷湊翔/仮面ライダーギーツ

 

マグナム、アロー、シールド、ハンマー、アクアジェット、チェーンアレイ、クロー、ミラーシールド、コピー、ゲーマドライバー、ワンダー、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、ビルドドライバー、フィーバースロット(ダークライダーVer)、ディケイドライバー、ジクウドライバー、パラディン、コマンドツイン

 

アテナ/トウカ/仮面ライダーラウンズ

 

ウォーター、ハンマー、チェーンアレイ、シールド、カリバー、アロー、クロー、ナイフ、ランダム、ゼロワンドライバー、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、オーズドライバー、トレイン

 

虎雷白夜/仮面ライダーライコウ

 

クロー、シールド、ウォーター、ハンマー、アロー、チェーンアレイ、ナイフ、ライトニング、カブトゼクター、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、ドライブドライバー

 

神宮龍/仮面ライダームメイ

 

フリート、スパイボット、フール、フェニックス

 

カズマ/仮面ライダータイクーン

 

アロー、ウォーター、ニンジャ、シールド、チェーンアレイ、ハンマー、クロー、ミラーシールド、ダブルドライバー、アロー(クリアver)、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、フォーゼドライバー、パラディン

 

めぐみん/仮面ライダーナーゴ

 

ハンマー、クロー、シールド、ウォーター、アロー、チェーンアレイ、ミラーシールド、ウィザードライバー、ビート、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、音撃鼓・火炎鼓

 

ダクネス/仮面ライダーバッファ

 

シールド、ゾンビ、ハンマー、チェーンアレイ、ウォーター、アロー、クロー、コピー、聖剣ソードライバー、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、ブレイバックル

 

ウィズ/仮面ライダーホーク

 

ジェット、フィーバースロット

 

ダスト/仮面ライダーメリー

 

ハンマー、チェーンアレイ、フィーバースロット、デモンズドライバー

 

リーン/仮面ライダーシロー

 

アロー、フィーバースロット、ツーサイドライバー

 

ゆんゆん/仮面ライダーギンペン

 

ステルス、フィーバースロット、リベラドライバー

 

馬場武/仮面ライダーシュバルツギーツ

 

シュバルツマグナム、シュバルツゾンビ、ジャマト

 

ジン/仮面ライダーマティス

 

チェーンソー、アロー、クロー、プロペラ

 

マジェスティ・デモニオ/伊田英鬼渡/仮面ライダーベクター

 

ハッキングバイオ、ベクターコア

 

白鳥朱翼/仮面ライダースワン

 

フルート、フィーバースロット、ハンマー、クロー、プロペラ

 

猪刈進/仮面ライダーボア

 

ランス、シールド、チェーンアレイ、フィーバースロット、ドリル

 

リア/仮面ライダーキュビー

 

ハーモニー、フィーバースロット、シールド、アロー、ドリル

 

シエロ/仮面ライダースマッシュ

 

ファイター、フィーバースロット、ハンマー、チェーンアレイ、ウォーター

 

エーリカ/仮面ライダータンツェン

 

ダンサー、フィーバースロット、クロー、ハンマー、ドリル

 

凱装武劉/仮面ライダーダイル

 

バスター、フィーバースロット、ナイフ、チェーンアレイ、アロー、ドリル

 

石井樹/仮面ライダーナッジスパロウ

 

モンスター

 

牛島闘轟/仮面ライダーバッファノワール

 

ジャマト

 

桜井要/仮面ライダーブラックタイクーン

 

シュバルツニンジャ

 

園崎遥/仮面ライダーブラックナーゴ

 

シュバルツビート

 

佐々木光太郎/仮面ライダーシャドウパンクジャック

 

シュバルツモンスター




今回はここまでです。
第6章にて登場したキャラクターを載せます。
色々と登場してきました。
次回は、オリジナルのデザイアグランプリのミッションをやります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
あと、今後のこの小説の展開について、意見を聞きたいと思うので、下記からお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=301620&uid=373253


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

オリキャラ紹介PART5と第8章終了時点での所有レイズバックル

魔黒浬鳥(まくろりお)/仮面ライダークロウ

CV Lynn

職業 アークウィザード

初登場回 第59話

概要

アクアから特典「魔女」を貰って転生した日本人。正確には日本人の父親とフィンランド人の母親から生まれたハーフであり、母親譲りのプラチナブロンドの長髪とライトブルーの瞳を持つ美少女。黒いゴスロリ系の服をよく好んで着ている。特典「魔女」によって、膨大な魔力を有しており、また普通の人間よりも寿命が長く数百年も生きることができ、超高齢とは思えないほどの美しい容姿を保っている。クールな性格をしており、何事も冷静に対処する。頭の回転も速く、今まで魔法に関する知識を深めて本も出しているらしく、紅魔の里の魔法学校「レッドプリズン」で使われている教科書には彼女が書いたものもあるとか。仮面ライダーに選ばれてからは、アクセルを中心に活動しており、新人冒険者の魔法使いに教育したりもしているなど親切なところもあり、年の功からか人生経験も豊富で湊翔たちも彼女には色々世話になる部分が多い。

 

孤塚狼菜(こづかろうな)/仮面ライダーロポ

CV 水瀬いのり

職業 ハンター

初登場回 第63話

概要

アクアから「加速」の特典を貰って異世界に転生した日本人。後ろでまとめた濡羽色の長髪と茶色の瞳を持ち、整った顔立ちをした中々の美人。着痩せするタイプであり、胸は中々ある。目にも止まらぬ速さで相手を追い詰め、一瞬で敵を倒してしまうことから、「神速の捕食者」の異名をつけられている。いつも一人でいることから「孤高の女ハンター」と言われているが、実は重度の人見知りで、人と接するのが苦手なだけである。初対面の人と話そうとすると緊張してまともに喋れないため、仲間を作るのに苦戦しており、このままでは駄目だと思って友達を作ろうと頑張っている。そのためか同じくぼっちであるゆんゆんとは気が合う。ちなみに特典の「加速」は、中々喋らない狼菜にイライラしたアクアが勝手に押し付けたもの。

 

創師(そうし)/仮面ライダーケイロウ

CV 大塚芳忠

職業 バトルマスター

初登場回 第62話

概要

仙人の様な見た目をしている筋骨隆々の武闘家。お爺さんではあるが、未だに現役。その戦闘力の高さは、高齢者に見えても、侮る事は出来ない。白夜は、弟子入りを希望している。ツムリから、ケイロウのIDコアとデザイアドライバーを受け取った。

 

不国暗徒(ふこくあんと)/仮面ライダーグリズリ

CV 保志総一郎

初登場回 第72話

概要

デザイアグランプリに参加する青年。世界に絶望したような気配を醸し出し、他人の不幸を願う。そうなった理由は、前世ではいじめられており、このすばの世界に転生した時に、やり直しを誓うも、不条理で癖が強い世界で、何もかも上手くいかない事で、自暴自棄になった。他の仮面ライダーの妨害をし、民間人にも攻撃した事で、脱落扱いとなった。

 

紅炎魔(くれないえんま)仮面ライダータウラス

CV 諏訪部順一

職業 バトルマスター

初登場回 第72話

概要

戦闘狂で脳筋思考だが、子供達には優しい兄貴分。家事全般は普通にできる。プロのキックボクサーだったが、試合中に相手の蹴りが頭に決まりそのままセンターコーンに激突して亡くなった。ゼウスの計らいでこのすば世界に転生し、湊翔達を加勢する。白夜の中学時代の親友。彩花とはコンビを組んでおり、お互いに満更でもないもよう。

 

井沢彩花(いざわあやか)/仮面ライダーレッサー

CV 真堂圭

職業 エレメンタルマスター

初登場回 第72話

概要

女性。火事で家が全焼してしまい、その火事に巻き込まれて、死亡した。その後、アテナによって、このすばの世界へと転生した。優しい性格で、アクセルの子供達からも人気。ツムリからデザイアドライバーとレッサーのIDコアを受け取る。転生特典は、炎操作。湊翔達とは、協力関係を結ぶ。炎魔とはコンビを組んでおり、お互いに満更でもない模様。

 

大空隼(おおぞらはやて)/仮面ライダーファルコ


CV 森川智之


職業 バトルマスター


初登場回 第72話

概要

アクアによって異世界転生させられた日本人。茶髪の髪とアメリカ人だった祖父から受け継がれたライトブルーの瞳を持っており、中々のイケメン。並外れた戦闘能力と運動神経を持っており、戦闘のプロフェッショナルと言われている。特典は「クリエイトウェポン」。自分の思い描くあらゆる武器を作り出すことができる。その特典で作ったライフルやガトリングなどの銃火器を主な武器としている。転生した当時は18歳。彼の並外れた戦闘能力は自衛隊に入るために前世で長年トレーニングを重ねてきた結果である。強くなるための努力を惜しまないなど、熱血でまっすぐな性格をしている。実は一時期、異世界に来たばかりの頃の白夜と臨時パーティを組んで白夜を鍛えていたことがあり、そのことから白夜は彼を「先生」と呼んで慕っている。強さを求める者同士、気が合うらしい。

 

黒妖龍牙(こくようりゅうが)/仮面ライダードラコ

CV 杉田智和

職業 武闘家

初登場回 第72話

概要

幼少期は孤児の暴力団…ヤクザだったが、任侠を大事にするヤクザの鏡で超武闘派。抗争中に迷い込んだ子供を庇って撃たれて死んだ。趣味で特撮やゲーム好きだったこともあり、ゼウスの頼みである魔王退治に参加。特権で鋼のような強靭な防御力を備えた肉体と高い再生能力を得た。性格は仁義ある漢。子供には優しい笑みを見せる。どんな仕事も最後まで真面目にする。願いは、子供達が腹一杯食えるような施設を作る。

 

ジーン/ギフト/仮面ライダージーン

CV 鈴木福

職業 サポーター兼神

初登場回 第49話

概要

桐ヶ谷湊翔/仮面ライダーギーツのサポーター。祝福の神であり、白髪の男神。湊翔のサポーターになった理由は、湊翔の前世を知っているからこそ、彼に祝福を与えたいと思ったから。ベロバことカミーラとは、相性が悪い。

 

ベロバ/カミーラ/仮面ライダーベロバ

CV 竹達彩奈

職業 サポーター兼女神

初登場回 第49話

概要

馬場武/仮面ライダーシュバルツギーツ、牛島闘轟/仮面ライダーバッファノワールのサポーター。厄災の女神であり、ロキ側に付いたのは、人類が勝とうが、魔王軍が勝とうがどうでもよく、たくさんの人が、不幸で満ちる世界にしようとしたから。

 

クロス/闘鬼/仮面ライダークロス

CV 平田広明

職業 サポーター兼神

初登場回 第49話

概要

虎雷白夜/仮面ライダーライコウのサポーター。彼の強化形態のレイズバックルを送ったのは、彼。戦いを司る鬼人の神。白夜のサポーターになった理由は、白夜の格闘センスと強さに耐えまぬ努力と闘争心が気に入ったから。

 

ケケラ/ウィンディ/仮面ライダーケケラ

CV 高垣彩陽

職業 サポーター兼女神

初登場回 第50話

概要

カズマ/仮面ライダータイクーンのサポーター。風の女神。原作ギーツと同様に、ケケラとしては、蛙の置物から話している。カズマのサポーターになった理由は、アクアの面倒を文句をいいながら見捨てずに面倒を見て助けるカズマの心良さに惹かれたから。

 

キューン/メロディア/仮面ライダーキューン

CV 日高里菜

職業 サポーター兼女神

初登場回 第58話

概要

めぐみん/仮面ライダーナーゴのサポーター。音の女神。美しい声を持つ銀長髪の女神。めぐみんのサポーターになった理由は、めぐみんのこだわりと詠唱が気に入ったから。

 

アーン/ペイン/仮面ライダーアーン

CV M•A•O

職業 サポーター兼女神

初登場回 第58話

概要

ダクネス/仮面ライダーバッファのサポーター。黒髪の綺麗な女神。ダクネスのサポーターになった理由は、痛みに耐え、寧ろ快楽を感じるダクネスを気に入ったから。

 

第8章までの所持レイズバックル

 

桐ヶ谷湊翔/仮面ライダーギーツ

 

マグナム、アロー、シールド、ハンマー、アクアジェット、チェーンアレイ、クロー、ミラーシールド、コピー、ゲーマドライバー、ワンダー、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、ビルドドライバー、フィーバースロット(ダークライダーVer)、ディケイドライバー、ジクウドライバー、パラディン、コマンドツイン、ブースト

 

アテナ/トウカ/仮面ライダーラウンズ

 

ウォーター、ハンマー、チェーンアレイ、シールド、カリバー、アロー、クロー、ナイフ、ランダム、ゼロワンドライバー、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、オーズドライバー、トレイン

 

虎雷白夜/仮面ライダーライコウ

 

クロー、シールド、ウォーター、ハンマー、アロー、チェーンアレイ、ナイフ、ライトニング、カブトゼクター、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、ドライブドライバー、モノクロクラスター

 

神宮龍/仮面ライダームメイ

 

フリート、スパイボット、フール、フェニックス

 

カズマ/仮面ライダータイクーン

 

アロー、ウォーター、ニンジャ、シールド、チェーンアレイ、ハンマー、クロー、ミラーシールド、ダブルドライバー、アロー(クリアver)、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、フォーゼドライバー、パラディン、コマンドツイン、アバター、アバターコンテナ

 

めぐみん/仮面ライダーナーゴ

 

ハンマー、クロー、シールド、ウォーター、アロー、チェーンアレイ、ミラーシールド、ウィザードライバー、ビート、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、音撃鼓・火炎鼓

 

ダクネス/仮面ライダーバッファ

 

シールド、ゾンビ、ハンマー、チェーンアレイ、ウォーター、アロー、クロー、コピー、聖剣ソードライバー、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、ブレイバックル、ブースト

 

ウィズ/仮面ライダーホーク

 

ジェット、フィーバースロット

 

ダスト/仮面ライダーメリー

 

ハンマー、チェーンアレイ、フィーバースロット、デモンズドライバー、アリエス

 

リーン/仮面ライダーシロー

 

アロー、フィーバースロット、ツーサイドライバー、陰陽師

 

ゆんゆん/仮面ライダーギンペン

 

ステルス、フィーバースロット、リベラドライバー

 

馬場武/仮面ライダーシュバルツギーツ

 

シュバルツマグナム、シュバルツゾンビ、ジャマト

 

ジン/仮面ライダーマティス

 

チェーンソー、アロー、クロー、プロペラ

 

マジェスティ・デモニオ/伊田英鬼渡/仮面ライダーベクター

 

ハッキングバイオ、ベクターコア

 

白鳥朱翼/仮面ライダースワン

 

フルート、フィーバースロット、ハンマー、クロー、プロペラ、ハーメルン

 

猪刈進/仮面ライダーボア

 

ランス、シールド、チェーンアレイ、フィーバースロット、ドリル、ロンギヌス

 

リア/仮面ライダーキュビー

 

ハーモニー、フィーバースロット、シールド、アロー、ドリル

 

シエロ/仮面ライダースマッシュ

 

ファイター、フィーバースロット、ハンマー、チェーンアレイ、ウォーター

 

エーリカ/仮面ライダータンツェン

 

ダンサー、フィーバースロット、クロー、ハンマー、ドリル

 

ミツルギ/仮面ライダーライノス

 

キャッスル、フィーバースロット、プロペラ、クロー

 

凱装武劉/仮面ライダーダイル

 

バスター、フィーバースロット、ナイフ、チェーンアレイ、アロー、ドリル

 

石井樹/仮面ライダーナッジスパロウ

 

モンスター

 

牛島闘轟/仮面ライダーバッファノワール

 

ジャマト、ゾンビ(ダクネスから強奪)

 

桜井要/仮面ライダーブラックタイクーン

 

シュバルツニンジャ

 

園崎遥/仮面ライダーブラックナーゴ

 

シュバルツビート

 

佐々木光太郎/仮面ライダーシャドウパンクジャック

 

シュバルツモンスター

 

魔黒浬鳥/仮面ライダークロウ

 

グリムリッパー、フィーバースロット

 

孤塚狼菜/仮面ライダーロポ

 

ハンタークロー、フィーバースロット

 

創師/仮面ライダーケイロウ

 

プロペラ、サムライ、フィーバースロット

 

不国暗徒/仮面ライダーグリズリ(脱落)

 

マグナム

 

紅炎魔/仮面ライダータウラス

 

ヴォルガニック、フィーバースロット

 

井沢彩花/仮面ライダーレッサー

 

バーン、フィーバースロット

 

大空隼/仮面ライダーファルコ

 

ソルジャー、フィーバースロット

 

黒妖龍牙/仮面ライダードラコ

 

ドレイク、フィーバースロット




今回はここまでです。
今回は、一昨日に投稿した最新話までに登場した新キャラの紹介です。
こうして見ると、色々なオリキャラが出てきましたね。
ちなみに、サポーターに関しては、アーンとクロスを除けば、本家ギーツと同じ名前ですが、ジーンとベロバ以外は、性別が違います。
不国暗徒は、どうなるのか。
一応、墨田奏斗みたいにまた出す事も考慮しています。
どうなるのかは、考え中です。
次回は、MOVIEバトルロワイヤルの前日章の話になります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
このファンで、転生したらスライムだった件とコラボする事が明かされましたね。
果たして、そのコラボストーリーはどうなるのか、誰が参戦するのか。
楽しみです。
この小説も、転スラの小説とコラボさせようかなと思っています。
考えているのは、転キメです。
どういう感じにやって欲しいとか、そういうのがあれば、リクエストをお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

オリキャラ紹介PART6とMOVIEバトルロワイヤル終了時点での所有レイズバックル

角淵鹿夫(つのぶちししお)/仮面ライダーシーカー

CV 小野大輔

職業 ウェポンマスター

初登場回 第75話

概要

転生者の一人。かつては様々な功績から勇者と呼ばれた存在であり、魔王討伐に最も近づいた男と呼ばれた。しかし、この世界でできた最愛の恋人が仲間の裏切りで殺され、しかもその女性を殺したのが自分だと冤罪までかけられ、追われる身となった。怒り狂い、復讐のために禁断の呪術を使って魔人へと変貌し、その冤罪をかけた者たちと国中の者たちをその国ごと焼き払った。復讐を終えた後、魔人となったために死ぬことができなくなり、それに嘆いて自ら眠りについた。その後、ロキとコラスが接触してきて、デザイアロワイヤルに参加し、仮面ライダーシーカーへと変身する。湊翔と結斗、バイスに敗れた後は、魔人化の影響とギフの遺伝子を無理に取り込んだ反動により、肉体が崩壊。エリスに連れられ輪廻転生の輪に入るが、その際に湊翔の願いを聞き、パワードビルダーとギガントコンテナを託す。

 

モナ

CV 桑島法子

初登場回 第71話

概要

角淵鹿夫の恋人。優しい性格であり、他者の犠牲を経て幸せになるのを嫌う。仲間の裏切りにより殺害されてしまうが、その魂は地縛霊として現世に留まり、鹿夫の行動を見ていた。眠りについた鹿夫の側を離れようとはしなかったが、ロキやコラスによって、結晶に閉じ込められてしまう。その後、鹿夫と共に輪廻転生の輪に入り、湊翔の願いにより、転載した先で鹿夫と再会する。

 

シャドウケケラ

CV 俊藤光利

初登場回 第82話

概要

カズマ/仮面ライダータイクーンのサポーターであるケケラと同じ名前を冠した人物。その姿は、本家仮面ライダーギーツに登場したケケラとほぼ同じ。その目的は不明。

 

MOVIEバトルロワイヤルまでの所有レイズバックル

 

桐ヶ谷湊翔/仮面ライダーギーツ

 

マグナム、アロー、シールド、ハンマー、アクアジェット、チェーンアレイ、クロー、ミラーシールド、コピー、ゲーマドライバー、ワンダー、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、ビルドドライバー、フィーバースロット(ダークライダーVer)、ディケイドライバー、ジクウドライバー、パラディン、コマンドツイン、パワードビルダー、ギガントコンテナ、リバイスドライバー

 

アテナ/トウカ/仮面ライダーラウンズ

 

ウォーター、ハンマー、チェーンアレイ、シールド、カリバー、アロー、クロー、ナイフ、ランダム、ゼロワンドライバー、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、オーズドライバー、トレイン

 

虎雷白夜/仮面ライダーライコウ

 

クロー、シールド、ウォーター、ハンマー、アロー、チェーンアレイ、ナイフ、ライトニング、カブトゼクター、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、ドライブドライバー、モノクロクラスター

 

神宮龍/仮面ライダームメイ

 

フリート、スパイボット、フール、フェニックス

 

カズマ/仮面ライダータイクーン

 

アロー、ウォーター、ニンジャ、シールド、チェーンアレイ、ハンマー、クロー、ミラーシールド、ダブルドライバー、アロー(クリアver)、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、フォーゼドライバー、パラディン、コマンドツイン、アバター、アバターコンテナ、Vバックル(龍騎)、デモンズドライバー

 

めぐみん/仮面ライダーナーゴ

 

ハンマー、クロー、シールド、ウォーター、アロー、チェーンアレイ、ミラーシールド、ウィザードライバー、ビート、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、音撃鼓・火炎鼓、Vバックル(ナイト)、リベラドライバー

 

ダクネス/仮面ライダーバッファ

 

シールド、ゾンビ、ハンマー、チェーンアレイ、ウォーター、アロー、クロー、コピー、聖剣ソードライバー、ドリル、プロペラ、フィーバースロット、ブレイバックル、ブースト、ツーサイドライバー

 

ウィズ/仮面ライダーホーク

 

ジェット、フィーバースロット

 

ダスト/仮面ライダーメリー

 

ハンマー、チェーンアレイ、フィーバースロット、デモンズドライバー、アリエス

 

リーン/仮面ライダーシロー

 

アロー、フィーバースロット、ツーサイドライバー、陰陽師

 

ゆんゆん/仮面ライダーギンペン

 

ステルス、フィーバースロット、リベラドライバー

 

馬場武/仮面ライダーシュバルツギーツ

 

シュバルツマグナム、シュバルツゾンビ、ジャマト

 

ジン/仮面ライダーマティス

 

チェーンソー、アロー、クロー、プロペラ

 

マジェスティ・デモニオ/伊田英鬼渡/仮面ライダーベクター

 

ハッキングバイオ、ベクターコア

 

白鳥朱翼/仮面ライダースワン

 

フルート、フィーバースロット、ハンマー、クロー、プロペラ、ハーメルン、Vバックル(ライア)

 

猪刈進/仮面ライダーボア

 

ランス、シールド、チェーンアレイ、フィーバースロット、ドリル、ロンギヌス

 

リア/仮面ライダーキュビー

 

ハーモニー、フィーバースロット、シールド、アロー、ドリル

 

シエロ/仮面ライダースマッシュ

 

ファイター、フィーバースロット、ハンマー、チェーンアレイ、ウォーター

 

エーリカ/仮面ライダータンツェン

 

ダンサー、フィーバースロット、クロー、ハンマー、ドリル

 

ミツルギ/仮面ライダーライノス

 

キャッスル、フィーバースロット、プロペラ、クロー

 

凱装武劉/仮面ライダーダイル

 

バスター、フィーバースロット、ナイフ、チェーンアレイ、アロー、ドリル、Vバックル(ゾルダ)

 

石井樹/仮面ライダーナッジスパロウ

 

モンスター

 

牛島闘轟/仮面ライダーバッファノワール

 

ジャマト、ゾンビ(ダクネスから強奪)

 

桜井要/仮面ライダーブラックタイクーン

 

シュバルツニンジャ

 

園崎遥/仮面ライダーブラックナーゴ

 

シュバルツビート

 

佐々木光太郎/仮面ライダーシャドウパンクジャック

 

シュバルツモンスター

 

魔黒浬鳥/仮面ライダークロウ

 

グリムリッパー、フィーバースロット

 

孤塚狼菜/仮面ライダーロポ

 

ハンタークロー、フィーバースロット

 

創師/仮面ライダーケイロウ

 

プロペラ、サムライ、フィーバースロット

 

不国暗徒/仮面ライダーグリズリ(脱落)

 

マグナム

 

紅炎魔/仮面ライダータウラス

 

ヴォルガニック、フィーバースロット

 

井沢彩花/仮面ライダーレッサー

 

バーン、フィーバースロット

 

大空隼/仮面ライダーファルコ

 

ソルジャー、フィーバースロット

 

黒妖龍牙/仮面ライダードラコ

 

ドレイク、フィーバースロット




今回はここまでです。
今回は、MOVIEバトルロワイヤルまでに登場したオリキャラの紹介です。
鹿夫とモナ、もう1人のケケラです。
次回から、このすばの本編のストーリーに戻ります。
その前に椅子取りゲームがあります。
そして、サポーター達も本格的に動き出す。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
パラダイス・リゲインドが公開され、来月にはジャマト・アウェイキングですね。
ちなみに、現時点では、プロージョンレイジを獲得するのは、牛島闘轟です。
ダクネスのバッファは、別ベクトルの強化がされます。
ドゥームズギーツに変身する英寿は、何者でしょうかね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第1章
第1話 アクセルへの来訪


 俺が目を開けると、そこには、異世界が広がっていた。

 

湊翔「へぇぇ。本当に異世界だ。ちゃんと、デザイアドライバーとIDコアは、あるな。」

 

 懐を見ると、ちゃんとデザイアドライバーがあった。

 さて、まずは冒険者登録をするか。

 近くにいたおばさんに声をかける。

 

湊翔「あの、すいません。冒険者ギルドはどこにありますか?」

おばさん「ギルド?ひょっとして、他所から来たのかい?」

湊翔「ええ、まあ。ついさっき、この街に着いたばかりの物で………。」

おばさん「あらあら………。この街に来るって事は、冒険者を目指している方かしら。駆け出し冒険者の街、アクセルへようこそ。ここの通りを真っ直ぐ行って右に曲がれば、看板が見えてくるわ。」

湊翔「ありがとうございます。」

 

 俺は、そのおばさんに礼を言って、ギルドへと向かっていく。

 その間に、周囲を見渡す。

 どうやら、中世時代の異世界みたいだな。

 そんな風に見ていると、ギルドへと着く。

 

湊翔「ここがギルドか………。」

 

 俺はそう呟いて、中へと入っていく。

 すると、俺に気付いたのか、ウェイトレスが話しかける。

 

ウェイトレス「どうしましたか?食事ですか?それとも仕事ですか?」

湊翔「あの、冒険者登録をしたいのですが……。」

ウェイトレス「なら、右手の方に向かって下さい。」

 

 ウェイトレスから受付を聞いたら、突然、モヒカン頭の男に話しかけられた。

 

荒くれ者「おい兄ちゃん、見た事のない格好だが、冒険者になりに来たという事だな?」

湊翔「ああ、そんな所だ。」

荒くれ者「そうかい、命知らずめ!ようこそ地獄へ!まあ、行って来な!」

 

 何だ、あのモヒカン男?

 そんな風に首を傾げながら、カウンターへと向かう。

 

湊翔「あの……。すみません。」

受付嬢「はい、どうされました?」

湊翔「冒険者登録をしたいんですけど……。」

受付嬢「そうですか。なら、1000エリス頂きます。」

 

 ええっ!?

 この世界の金なんて、持ってないぞ!?

 すると、上着のポケットに何かが入っている様な感覚がして、調べてみると、お金が入っていた。

 そういえば、何か恵みを与えるとか、言ってたな。

 

湊翔「ええっと、これで良いですか?」

受付嬢「はい、1000エリス頂きました。」

 

 あ、エリスって言うんだ。

 この世界の通貨の名称は。

 俺からお金を受け取った受付嬢が、青い水晶に下に針がついた魔道具を持って来た。

 

受付嬢「では、この水晶に手を翳して下さい。」

湊翔「分かりました。」

 

 そう言われ、水晶に手を翳す。

 すると、下にある冒険者カードに、情報が記載されていく。

 

受付嬢「はい。これでOKです。では、桐ヶ谷湊翔さん、ですね。ステータスは…………。ええっ!?」

湊翔「どうしました?」

受付嬢「普通のレベル1の冒険者よりも遥かに高いですよ!貴方、一体何者なんですか!?」

湊翔「あははは………。」

 

 何者と言われても………。

 俺、異世界転生したんですよって、言いたいのだが、信じて貰えないオチだ。

 そんな風に考えていると、受付嬢が俺に声をかける。

 

受付嬢「あっ!すみません。つい興奮してしまいました。では、次に職業を決めて頂けますか。湊翔さんの能力なら、ほぼ全ての職業になれますけど。」

湊翔「どうしようかな…………。」

 

 俺は、そう言われて、職業のリストを見る。

 戦士、ソードマスター、クルセイダー、アークウィザード、拳聖、モンク、アークプリースト………。

 どれもいまいちだな。

 ギーツは、色んなレイズバックルを使うから、色んな武器を扱える職業が良いな。

 すると、ある職業が目に入る。

 それは、ウェポンマスターという物だった。

 気になった俺は、受付嬢に質問をする。

 

湊翔「あの…………ウェポンマスターって何ですか?」

受付嬢「えっ!?ウェポンマスターですか!?」

湊翔「あ、はい…………。そんなに珍しいんですか?」

受付嬢「珍しいも何も!あらゆる武器を用いるスキルを使える最上級職業ですよ!なりましょう!是非、なりましょう!」

 

 随分と勧めてくるな。

 詳細を見てみると、ソードマン、ソードマスター、アーチャー、ナイト、ルーンナイト、クルセイダー、ランサー、戦士といった各種武器を用いるスキルを使える職業だそうだ。

 これなら、ギーツの特性にも合うな。

 

湊翔「分かりました。では、ウェポンマスターにします。」

受付嬢「はい!ありがとうございます!貴方は、この街のギルドでは初のウェポンマスターです!職員一同、あなたの今後の活躍をご期待しています!」

 

 受付嬢がそう言う中、他のギルド職員もやって来て、お辞儀をする。

 すると、周囲の冒険者から。

 

冒険者「おい、アイツ、レベル1なのに、ウェポンマスターだってよ。」

冒険者「マジで!?」

冒険者「何者なんだ………?」

 

 そんな風に話していた。

 まあ、仮面ライダーに変身出来る人です。

 そんな風に思った。

 俺は、早速金を稼ぐ為に、クエストを受ける事にする。

 

湊翔「あの………早速、クエストを受けたいんですけど………。」

受付嬢「はい。少々お待ち下さい。」

 

 受付嬢はそう言って、どこかへと向かう。

 しばらくすると、戻ってきて、とある一枚を渡す。

 

受付嬢「これなんて、どうでしょうか?」

 

 そう言って渡してきたのは、『ジャイアントトードの討伐』という物だった。

 ジャイアントは『巨大な』で、トードは蛙を意味する英単語だったな。

 気になった俺は、受付嬢に聞いてみる。

 

湊翔「あの〜。ジャイアントトードって、どんな奴なんですか?」

受付嬢「はい。簡単に言うと、巨大な蛙です。」

湊翔「蛙ですか………。」

受付嬢「ただの蛙だと思って、侮ってはダメですよ?繁殖期になると、人里に現れては、冬場の体力をつけるために農家の家畜を捕食するんですよ。」

湊翔「え…………?」

 

 え、そんなやばい蛙なの?

 確かに、侮れないな。

 その他にも、特徴を教えてくれた。

 それは、打撃攻撃が一切効かない事だ。

 なんつー奴だ。

 だが、ジャイアントトードの肉はとても美味しいらしく、食材として重宝されているとの事。

 まあ、日本でも、蛙の肉は、鶏肉と似たような感じって言われてたしな。

 俺は、そのクエストを受ける事にした。

 

受付嬢「クエストを発注しました。3日のうちに5匹討伐してください。それ以上の数を討伐したら特別報酬が出ますので、頑張ってくださいね。」

湊翔「それって、現物持ってくれば良いですかね?」

受付嬢「大丈夫ですよ。冒険者カードに、どれくらい討伐したのかが記載されますから。」

 

 なるほど、そんな便利機能が。

 それなら、わざわざ持っていかなくても大丈夫か。

 俺がクエストに出かけようとすると。

 

受付嬢「あの!」

湊翔「あ、はい。」

受付嬢「丸腰じゃないですか。こちらの方で、武器を貸し出せますが………。」

湊翔「え?良いんですか?」

受付嬢「はい。」

湊翔「では、お言葉に甘えて、借りさせていただきますね。」

受付嬢「はい。」

 

 そうだった。

 今、レイズバックルが一つも無いんだったな。

 流石に、変身出来ても、丸腰で行くのは危険か。

 俺は、片手剣を借りる。

 本当なら、銃の方が良いんだが、これでも良いか。

 それに、使いこなしてこそだよな。

 俺は出かけようとするが、とある事を思い出し、受付嬢に話しかける。

 

湊翔「あの。」

受付嬢「はい。」

湊翔「そういえば、名前をまだ聞いてなかったなと思いまして。」

ルナ「そういえば、そうですね。私はルナです。今後ともよろしくお願いします。」

湊翔「こちらこそ、よろしくお願いします。」

 

 俺はそう言って、ギルドから出る。

 しばらく歩いていると。

 

???「うおっ!な、何だよ!悪かったよ!装備は自分でどうにかするから、もう帰って良いよ。」

???「アンタ何言ってんの!?帰れないから困ってるんでしょ!?これから私はどうしたら良いの〜!!」

 

 何か、物凄く騒いでいる二人組がいるな。

 片方は緑のジャージの男性で、もう片方は青髪の女性だった。

 ああいうのは、関わると面倒臭いんだよなぁ………。

 俺は、その人達に目をつけられる前に、そそくさとその場から離れる。

 そして、平原に到着すると、それはまあ、でかい蛙が居た。

 

湊翔「本当にでかいな………。なら、早速試すとするか。」

 

 俺はそう言って、デザイアドライバーを取り出す。

 そして、腰に当てると、ベルトが伸びて、固定される。

 

DESIRE DRIVER!

 

 俺は、ギーツのIDコアを取り出し、デザイアドライバーの中央部のパーフェクターコアに装填する。

 

ENTRY!

 

 その音声と共に俺は、仮面ライダーギーツ・エントリーレイズフォームになる。

 ちなみに、変身と言わないのは、ギーツの公式でもそうだったからだ。

 俺は剣を持って、ジャイアントトードに向かっていく。

 ジャイアントトードは、俺に気付いたのか、向かってきて、舌を伸ばしてくる。

 俺は、その舌を躱して、ジャイアントトードを一閃する。

 その一閃で、意外にもジャイアントトードは倒れた。

 

湊翔「これで、まずは一匹目………と。」

 

 すると、蛙がワラワラと湧いてくる。

 

湊翔「あと四体だけど、もう少し狩っても良いよな?」

 

 俺はそう言って、ジャイアントトードの群れへと向かっていく。

 俺は、ネットゲームを良くやっていたが、俗に言う引きこもりではなく、単に趣味としてやっていたら、いつの間にか上手くなっていただけだ。

 普通に運動は出来たし、勉強もできた。

 ただ…………。

 

湊翔「…………これ以上考えるのはやめるか。」

 

 俺はそう呟いて、思考を止める。

 それに、ここは異世界だ。

 技術や能力を持ち込むのは良いが、前世の事は、忘れるとまではいかなくても、そこまで思い出さなくても良い。

 思い出したくない事があるのなら、尚更。

 俺はそう思い、ジャイアントトードの亡骸を見る。

 クエストの指示通り、5体倒した。

 俺はギルドへと戻って、クエストの完了を報告しに行く。

 レベルが4に上がった。

 俺は、ルナさんにクエスト完了の報告をする。

 

湊翔「あの、ルナさん。これで、良いですかね?」

ルナ「はい。…………はい。討伐を確認しました。お疲れ様です。報酬です。」

 

 そう言って、ルナは俺にお金を渡す。

 蛙一匹につき5千エリスで、五匹倒して2万5千エリス。

 そして、討伐報酬の10万円で、12万5千エリスって所か。

 まあ、しばらくは持つかな。

 俺は、そのジャイアントトードの唐揚げを注文して、食べる事に。

 

湊翔「…………結構美味いな。」

 

 俺は、そう呟く。

 確かに、かなり美味いな。

 だが、一つ、気になる事があるのだ。

 それは、レイズバックルの事だ。

 今回はなんとかなったが、いずれ、魔王を倒すには、レイズバックルで強化する必要性がある。

 どうしたもんかな…………。

 そういえば、モンスターをある程度倒したら、レイズバックルを送るって言ってたな。

 どれくらい倒せば良いんだ?

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

湊翔「ん?」

 

 突然、そんな音が流れてきて、スパイダーフォンを見ると、スパイダーフォンの画面に、ミッションクリア表示があった。

 そのミッションは、モンスターを五体倒す事と書いてあった。

 すると、ピンク色のミッションボックスが現れる。

 それを開けると、緑色の弓矢のパーツがついたレイズバックルだった。

 

湊翔「アローレイズバックルか………。」

 

 まあ、初っ端からマグナムやブースト、ゾンビの様な大きなレイズバックルが来るわけないか。

 また、ジャイアントトードのクエストを受ける際には、これを使うとするか。

 こうして、俺の異世界生活が始まり、アローレイズバックルを手に入れたのだった。

 …………死なないよな、俺?

 これを使ったシローとギンペンは死んでるし、死にたくないな。

 そんな事を思いながら。




今回はここまでです。
オリ主である湊翔には、ある心の闇があります。
そして、アローレイズバックルを手に入れました。
湊翔の心の闇は、いずれ明かされます。
時系列としては、湊翔がクエストを受注し終え、クエストに向かおうとしている時に、カズマとアクアが来た感じです。
この小説のリクエストは、活動報告にて受け付けているので、リクエストがある場合は、活動報告にお願いします。
大型のレイズバックルは、いずれ手に入ります。
感想、リクエスト、絶賛受け付けています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2話 転生者と水の女神との邂逅

 俺は、異世界に来て、仮面ライダーギーツとなり、アローレイズバックルを手に入れた。

 それからしばらくして、クエストを受け続けた。

 その甲斐もあってか、ハンマーとシールドのレイズバックルを手に入れた。

 ミッションを見る感じ、モンスターの撃破数によって、レイズバックルが手に入るみたいだ。

 

湊翔「さて、と。今日は、何のクエストを受けようかな…………。」

 

 俺はそう言いながら、掲示板の方へと向かう。

 レイズバックルが増えてきたとはいえ、まだマグナムやブーストといった、大型レイズバックルは持っていない。

 魔王軍に立ち向かうのなら、戦力を充実させた方が良いだろう。

 現状の戦力では、返り討ちに遭うのが目に見えている。

 今日は、ジャイアントトードのクエストにでも挑むか。

 アレは、結構金が入るからな。

 俺は、ルナさんからクエストを受注して、平原へと向かっていく。

 一瞬、あのジャージの男性と青髪の女性とすれ違った様な気がしたが、気のせいだろう。

 

湊翔「さて、行くか。」

 

 俺は、腰にデザイアドライバーを装着して、アローレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 デザイアドライバーの右側にアローレイズバックルを装填すると、右側に緑色の弓矢と英語でARROWという文字が現れる。

 俺は、右手で狐の影絵を作り、中指と親指で、フィンガースナップをする。

 

湊翔「変身。」

 

 そう言って、アローレイズバックルの矢の部分を引く。

 

ARMED ARROW

REDAY FIGHT

 

 すると、ギーツのエントリーレイズフォームになって、右肩の装甲にショルダーシェルと、胸部の拡張装備、グリーンオーバープレートが追加された姿になった。

 これが、仮面ライダーギーツ・アームドアローだ。

 俺は、レイズアローを手に、ジャイアントトードに向かっていく。

 レイズアローは、見た目としては、黄緑色のクロスボウだ。

 レイズアローから、エネルギーアローを発射して、カエルどもの脳天を貫く。

 途中、カエルが舌を伸ばしてきたりするが、俺はそれも躱す。

 気づくと、五体撃破していた。

 これで、俺のクエストは完了だな。

 すると。

 

???「あぁ!助けて!!」

???「プークスクス!カエルに追われるなんて情けないんですけど!超情けないんですけど!!」

湊翔「ん?」

 

 そんな声が聞こえてきて、俺は、その声が聞こえてきた方を向く。

 そこには、あのジャージの男性と青髪の女性が居た。

 どうやら、あの青髪の女性は、俺の嫌いな人種だな。

 仲間の危機に高見の見物で、嘲笑う。

 そんな奴は、俺は大嫌いだ。

 すると、私にお供えをしろなどと、馬鹿げた事を言っていると、カエルに食われた。

 それを、ジャージの男性が助ける。

 

???「ハァ、ハァ。カエルがアクアを飲み込んでいて、動けなくなってて助かった。」

???「うぅ、うぅ!ありがとう、カズマぁ。ありがとう!ありがとうね!」

カズマ(生臭ぇ!)

 

 あのカズマって奴、苦労してるんだな。

 何か、関わると面倒臭いのは、あのアクアって奴だな。

 その後、何を思ったのか、女性の方がジャイアントトードに向かって突進していった。

 

???「神の力、思い知れ!私の前に立ち塞がった事、そして神に牙を剥いた事!地獄で後悔しながら懺悔なさい!ゴッドブロー!」

 

 ルナさんの話によれば、ジャイアントトードに打撃攻撃は効かない筈だが。

 

???「ゴッドブローとは、女神の怒りと涙のこもった一撃!相手は死ぬ!」

 

 だが、ジャイアントトードには効いた素振りがない。

 

???「………カエルってよく見ると可愛いと思うの。」

 

 あんな性格だが、流石に二度も食われるのは可哀想だな。

 そんな事を思いながら、レイズアローを持ちながら、ジャイアントトードに向かって駆け出していく。

 そして、もう一度アローレイズバックルの矢の部分を引いて、必殺技を放つ。

 

ARROW STRIKE

 

 アローストライクを発動して、レイズアローから、強力なエネルギーの矢を放つ。

 放たれた強力なエネルギーの矢は、そのアクアという女性を食べようとしていたカエルの脳天を貫き、絶命させる。

 

カズマ「えっ!?」

???「えっ!?」

 

 あの2人からしたら、いきなり現れた青年にジャイアントトードが撃ち抜かれた様に感じただろうな。

 

湊翔「大丈夫か?」

???「えっ。あっ、はい。」

カズマ「おい、大丈夫か?」

???「大丈夫よ。この人が助けてくれた。」

カズマ「ありがとう。誰だか知らないけど、助かったよ。」

湊翔「いやいや、助かってよかった。」

 

 やっぱり、お人好しかもな。

 距離を取ろうと思っても、何やかんやで助けるな。

 すると、スパイダーフォンから音が鳴る。

 

SECRET MISSION CLEAR

 

カズマ「何だよ!?」

アクア「シークレットミッション!?」

湊翔「お。」

 

 カズマとアクアが、突然の音に驚いていたが、俺はそれを無視して、スパイダーフォンを見る。

 そこには、人を救助しつつ、モンスターを倒すとあった。

 すると、ミッションボックスが現れて、俺はそれを開ける。

 そこには、マグナムレイズバックルがあった。

 どうやら、シークレットミッションを達成すると、大型バックルが手に入るみたいだな。

 俺は、後ろの2人に話しかける。

 情報交換としてだ。

 ジャージの青年がカズマで、青髪の子がアクア。

 やはり、カズマは転生者で、特典として女神のアクアを連れてきたそうだ。

 連れてきた理由は、自分の死を馬鹿にされた事への仕返しだそうだ。

 

湊翔「じゃあ、俺はこのクエストを終えたから、先に戻るな。」

カズマ「お、おう………。てゆーか、俺たちも戻るか。」

アクア「そ、そうね…………。私たちには、難易度が高いしね…………。」

 

 こうして、俺だけでなく、カズマとアクアも、アクセルに戻る事になる。

 流石に、レイズバックルの武器を貸す事は、出来ないからな。

 その間、カズマから質問された。

 

カズマ「なぁ。」

湊翔「ん?」

カズマ「お前のあの姿って………もしかして、仮面ライダーか?」

湊翔「ああ。仮面ライダーギーツだ。」

カズマ「仮面ライダーギーツ?そんな仮面ライダーっていたか?」

湊翔「居るぞ。………カズマって、何までは知ってるんだ?」

カズマ「えっ?フォーゼまでなら………。」

 

 なるほど。

 それなら、知らないのも無理はない。

 俺は、カズマにフォーゼ以降の仮面ライダーを教えた。

 ウィザードからジオウまでで平成は終わり、ゼロワンから令和が始まって、セイバーで仮面ライダーは50周年を迎え、リバイス、そして、ギーツにまで続いている事を。

 そんな風に話す中、風呂で汚れを落として、ギルドで報酬を受け取り、カズマ達と共にジャイアントトードの唐揚げを食べていた。

 やっぱり、美味いよな。

 すると、俺の冒険者カードを見ていたアクアが声を上げた。

 

アクア「貴方、ウェポンマスターなの!?」

カズマ「何だよそれ?」

アクア「なり手が少ない超レア職業よ。」

カズマ「マジかよ!」

 

 冒険者カードをアクアから返してもらい、スキルが無いか見ていると、カズマから声をかけられた。

 

カズマ「湊翔。」

湊翔「どうした?」

カズマ「俺達とパーティーを組まないか?」

 

 そう誘われた。

 そう誘われ、俺は迷った。

 正直言うと、ソロが良い気がする。

 だが、アクアはともかく、カズマは良い奴かもしれない。

 まあ、距離はとりつつも、仲間になるのもアリかもしれないな。

 

湊翔「…………ああ。良いぜ。」

カズマ「マジでか!いやぁ助かるわ。俺は最弱職で、アクアは支援と回復は良いけど、攻撃手段が無いからさ。」

アクア「ちょっとカズマ、どういう意味よ!」

カズマ「うるさい。湊翔に断られるのを覚悟してたんだぞ。」

 

 そんな感じで、カズマとアクアが仲間になったのだった。




今回はここまでです。
カズマとアクアが、仲間になりました。
この小説の、魔王退治のゲームのルールについて、載せておきます。
1、魔王軍もしくは、ジャマトが現れた場合は、即座に交戦する。
2、万が一IDコアが破壊された場合は、所持しているレイズバックルは失い、最初からやり直し。
3、もし、仮面ライダーに相応しくない行動をした場合は、仮面ライダーの資格を剥奪。二度と変身出来ない。
大まかなのは、こんな感じです。
活動報告にて、リクエストを受け付けます。
あと、説明不足でした。
オリジナルライダーになるのは、このすばのキャラだけでなく、オリキャラでもOKです。
アンケートを実施します。
湊翔のヒロインに関してのです。
こんなキャラをヒロインにして欲しいというのがあれば、活動報告にて受け付けます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話 爆裂娘との邂逅

 そんな感じで、カズマとアクアと仲間になった俺は、宿に戻った。

 カズマとアクアは、馬小屋へと向かった。

 俺は、部屋へと戻り、これまでに手に入れたレイズバックルを見る。

 アロー、シールド、ハンマー、マグナムの四つだ。

 現状、これで魔王に挑むのは、自殺行為に等しいな。

 

湊翔「…………そういえば、やっぱり、大型のレイズバックルは、シークレットミッションで出る感じか?」

 

 俺は、そう呟いた。

 現に、マグナムレイズバックルは、カズマとアクアを助けた事で達成したシークレットミッションで手に入ったのだ。

 シークレットミッションは、スパイダーフォンからは見る事が出来ないのが分かった。

 まあ、見れたらシークレットじゃないしな。

 明日に備えて、俺は寝る事にした。

 その翌日、俺はカズマとアクアと合流して、仲間の募集を行う。

 理由は、昨日、アクアがこう言った事から始まった。

 

アクア「仲間を募集しましょう!」

 

 一応、アクアが採用条件を見せてくれたのだが…………。

 

 急募!

 メンバー アークプリースト、ウェポンマスター、冒険者

 『アットホームで和気藹々としたパーティです!美しく気高いアークプリーストアクア様と共に冒険したい方を募集しています!』

 「このパーティに入ってから毎日がハッピーですよ! 宝くじにも当たりました!」

 「アクア様のパーティに入ったら、病気が治ってモテモテになりました!」

 採用条件:上級職の冒険者に限ります。

 

 …………こんな感じだった。

 どう見ても、胡散臭い宗教勧誘のそれじゃないか。

 それを見て、俺とカズマは、ハードルを下げる様に言ったのだが。

 

アクア「大丈夫よ!私は女神なのよ!誰かさんのせいで地上に堕とされて、本来の力からはほど遠い状態とはいえ、ちょろっと募集をかければ、『お願いですから連れてって下さい!』って輩が山ほど居るわよ!」

 

 そんな風に、ドヤ顔で言う。

 そんなアクアに、俺とカズマは、少し話し合う事にする。

 

湊翔「なぁ、アイツ、ああ言ってるけど、来ると思うか?」

カズマ「多分………ていうか、絶対に来ないだろうな。」

湊翔「だよなぁ………。」

 

 そんな不安な感情を抱きつつ、俺たちは、パーティーメンバーが来るのを待っていたのだが。

 貼り出して、半日が過ぎる。

 結果、誰も来ない。

 

アクア「…………来ないわね………。」

カズマ「………なぁ、やっぱり、ハードル下げようぜ。」

湊翔「だな。駆け出しの街に、そう上級職が居るとは思えないからな。」

アクア「うう………。だってだって………。」

 

 アクア曰く、カズマに魔王を倒してもらわないと、天界に帰れないとの事。

 まあ、焦る気持ちは分かるんだけどさ……。

 

湊翔「でも、そうこうしてるうちに、どんどんパーティーが組まれていくぞ。」

カズマ「それに、お前と湊翔が上級職でも、俺は最弱職なんだぞ。肩身が狭くなる。もう少しハードルを下げて………。」

 

 そんな風に話していると、背後から話しかけられる。

 

???「募集の張り紙、見させて頂きました。」

「「「え!?」」」

 

 振り返ると、いかにも魔法使いみたいな格好の、女の子が居た。

 一応、この世界は、16歳から20歳の間に結婚するのが普通らしいから、こんなに小さくても、働いていてもおかしくはないか。

 

???「この邂逅は世界が選択せし運命。私はあなた方のような者の出現を待ち望んでいた。」

 

 すると、彼女は身につけているマントを大きくたなびかせて。

 

めぐみん「我が名はめぐみん!アークウィザードにして、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操りし者!」

「「「……………。」」」

 

 この子、厨二病じゃねぇか。

 俺とカズマは戸惑って、アクアは呆然としている。

 

めぐみん「クックック、あまりの強大さゆえに世界に疎まれし我が禁断の力を汝は欲するか。」

「「「…………。」」」

めぐみん「ならば、我と共に究極の深淵を覗く覚悟をせよ。人が深淵を覗く時、深淵もまた人を除いているのだ……。」

カズマ「冷やかしに来たのか?」

めぐみん「ち、違うわい!」

 

 カズマの言葉に、そのめぐみんという娘は反応する。

 すると、アクアが何かに気付いたのか、声をかける。

 

アクア「その赤い瞳、もしかして紅魔族?」

めぐみん「いかにも!我は紅魔族随一の魔法の使い手、めぐみん!我が必殺の魔法は、山をも崩し、岩をも砕く………。」

湊翔「おい、どうした!?」

 

 そう言って、めぐみんは倒れ込む。

 すると、めぐみんのお腹の方から、盛大に腹の虫が暴れる音が聞こえた。

 

めぐみん「み、3日も何も食べてないのです。何か、食べさせては貰えませんか………?」

湊翔「いや、飯を奢るのは別に良いんだけどさ、その左目はどうしたんだ?」

カズマ「怪我でもしてるのなら、こいつに治して貰ったらどうだ?」

めぐみん「………フ。これは、我が強大なる魔力を抑えるマジックアイテム。もしこれが外される事があれば………その時は、この世に大いなる災厄が齎されるだろう………。」

カズマ「封印………って事か?」

めぐみん「まあ、嘘ですが。単に、オシャレで着けてるだけ。」

 

 その言葉に苛ついた俺は、めぐみんの眼帯を容赦なく引っ張る。

 嘘かよ!

 そんな、紛らわしい事を言うんじゃない!

 

めぐみん「ああっ!引っ張らないで下さい!やめ、やめろー!!」

アクア「ええと。2人に説明すると、彼女たち紅魔族は、生まれつき高い知力と強い魔力を持ち、大抵は魔法使いのエキスパートになる素質を秘めていて、全員、変な名前なのよ。」

「「へぇ。」」

めぐみん「ああっ、でも、そのまま離されると痛いので、ゆっくりと………。あああ!痛っい!目がァァァ!!」

 

 アクアの解説に、俺は眼帯から手を離す。

 なるほど、揶揄われているのかと思った。

 すると、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「変な名前とは失礼な。私からしたら、街の人たちの方が変な名前ですよ。」

 

 まあ、これに関しては、文化の違いという事だろうな。

 すると、カズマが気になったのか、口を開く。

 

カズマ「………ちなみに、両親の名前は?」

めぐみん「母はゆいゆい!父はひょいざぶろー!」

「「「………。」」」

 

 その言葉に、俺達は全員絶句した。

 特に父親のひょいざぶろーだ。

 

カズマ「………この子の種族は素晴らしい魔法使いが多いんだよな?」

めぐみん「お!おい!私の両親の名前について言いたい事があるなら聞こうじゃないか!」

 

 その後、めぐみんは食事をして、めぐみんの実力を試す事に。

 平原に出ると、2体のジャイアントトードが居た。

 

めぐみん「爆裂魔法は最強の攻撃魔法。それゆえに準備に時間がかかります。」

湊翔「じゃあ、俺たちは、手前のカエルをどうにかするか。」

カズマ「そうだな。おい、行くぞアクア。今度こそリベンジだ。お前、一応は元なんたらなんだろ?たまには元なんたらの実力を見せてみろ。」

アクア「元って何!?ちゃんと現在進行形で女神よ、私は!アークプリーストは仮の姿よぉ!」

湊翔「喧嘩すんなよ。ったく。」

 

MAGNUM SHOOTER 40X

 

 そう言って、カズマとアクアは喧嘩をしだす。

 俺は、マグナムレイズバックルから出したマグナムシューター40Xを構えている。

 どうやら、俺だけは、レイズバックルから武器を出せるようだ。

 めぐみんは、目を輝かせていたが、アクアの女神発言に首を傾げる。

 

めぐみん「…………女神?」

湊翔「…………を、自称してる可哀想な子だ。そっとしておいてやれ。」

 

 俺がそう言うと、アクアは泣きながら、ジャイアントトードへと向かっていく。

 

アクア「女神の本気、思い知れ!ゴッド・レクイエム!!」

 

 なんか、凄そうな技を放ったけど、オチが見える様な気がするな。

 あの杖、結構強そうだな。

 

アクア「ゴッド・レクイエムとは、女神の愛と悲しみの鎮魂歌!相手は死ぬ!」

 

 だが、極彩色のオーラを纏った杖がジャイアントトードに届く前に。

 

アクア「プフッ!!」

 

 アクアは、見事に食べられた。

 やっぱり、良い武器を持っていても、当たらないと意味はない。

 アクアは、知力のステータスが著しく低い。

 それは仕方ない。

 

カズマ「さすがは女神。身を挺しての時間稼ぎか。」

湊翔「…………助けるか。」

 

 俺は、マグナムシューター40Xを、ハンドガンからライフルモードにした。

 

RIFLE

 

 ライフルモードにして、狙撃スコープのオプチカルベルから、ジャイアントトードのお腹に狙いを定める。

 狙いを定めたら、バレットチャージャーを引く。

 

CHARGE

TACTICAL SHOOT

 

湊翔「フッ!」

 

 バレットチャージャーを引いた事で、エネルギー弾が生成され、それを撃つ。

 マグナムシューター40Xから放たれた弾は、ジャイアントトードを貫通して、そのまま先へと向かっていく。

 アクアはその時に吐き出されていた。

 

カズマ「……………。」

湊翔「威力が高すぎたかな?」

 

 カズマは、エネルギー弾のあまりの威力にドン引きしていた。

 一方、めぐみんはというと。

 

めぐみん「ハァァァァ!」

 

 凄く目を輝かせていた。

 その視線から、ものすごく使いたいと言う気持ちが溢れている。

 いや、多分、使えないと思うし………。

 

湊翔「めぐみん。カエルに集中しようかな。」

めぐみん「あ。すみません。では次に私が格好良く決めましょう!」

 

 そう言って、杖を構え、詠唱し出す。

 

めぐみん「『黒より黒く、闇より暗き漆黒に我が深紅の混交を望みたもう。覚醒の時来れり。無謬の境界に落ちし理。無業の歪みとなりて現出せよ!踊れ踊れ踊れ。我が力の奔流に望むは崩壊なり。万象等しく灰塵に帰し深淵より来れ!』これが人類最大の攻撃魔法!『エクスプロージョン!!』」

 

 めぐみんの詠唱が始まると、1番遠いカエルの周囲に魔力が満ちている。

 エクスプロージョンと言った途端、虹色の星が輝き、迸る。

 そして、爆音と爆風が同時にやってきて、そこに残ってたのはカエルだった炭と、巨大なクレーターだった。

 

カズマ「スゲー!」

湊翔「これが爆裂魔法か。」

 

 やっぱり凄い!

 これは、小さい砦の一つくらい容易く吹っ飛ばすだろう。

 こんなのがアクセルで放たれたら、大惨事になるな。

 すると。

 

 ヌモッ!

 

湊翔「何?」

 

 なんとカエルが大量に湧いてきた。

 

カズマ「ええっ!?」

湊翔「まさか、さっきの爆裂魔法で湧いてきたのか!?」

 

 やっぱり、爆裂魔法は凄まじい。

 それ故にあんな爆音と爆風が同時に来ると、他のカエルが目を覚ましてしまう。

 流石に大量はまずい。

 

湊翔「みんな、散開!!すぐに離れて………めぐみん?」

 

 めぐみんがうつ伏せで倒れていた。

 まさか。

 

めぐみん「プフッ!我が奥義である爆裂魔法は、その絶大な威力故に、消費魔力もまた絶大。簡単に言うと、身動き一つ取れません。」

「「「えぇぇ〜〜〜!!」」」

 

 おいおい!それって一発屋じゃねぇかよ!

 ダメじゃねぇか!

 魔力効率が悪すぎだろ!

 俺は、頭を抱えながら、指示を出す。

 

湊翔「あぁぁ、たくもう!カズマ、アクア!全員来い!」

 

 俺は、めぐみんの傍に行き、カズマとアクアが傍に来た。

 俺は、デザイアドライバーを装着して、マグナムレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 デザイアドライバーの右側にマグナムレイズバックルを装填すると、右側に白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が現れる。

 俺は、右手で狐の影絵を作り、中指と親指で、フィンガースナップをする。

 

湊翔「変身。」

 

 そう言って、マグナムレイズバックルのシリンダー部分を回転させ、トリガー部分を引く。

 

MAGNUM

REDAY FIGHT

 

 すると、マグナムレイズバックルから、赤い弾丸が放たれ、隣のマグナムの文字に当たる。

 それが、マグナムフォームのアーマーとなり、ギーツのエントリーレイズフォームとなった俺に、装着される。

 これが、仮面ライダーギーツ・マグナムフォームだ。

 チラッとカズマ達を見ると、アクアは呆然としていて、めぐみんは、タクティカルシュートの時よりも目を輝かせていて、そこから、『カッコいい!』『私もなりたい!』と言う感情が読み取れる。

 一方、カズマは。

 

カズマside

 

 俺は、湊翔の変身を初めて見た。

 勿論、湊翔が変身する仮面ライダーがギーツという物で、その姿自体は、一度見ている。

 ただ、その時は、緑色の弓矢みたいなのを持っていたが。

 それにしても、狐になるとはな。

 やっぱり仮面ライダーの変身は凄く良い。

 俺は小学生の頃、本気で仮面ライダーに憧れ、本気でヒーローになろうとしていた。

 だが、いつからだろうか。仮面ライダーはTVの中の絵空事だと言う事、俺にはなれないと言う事を。

 でも、俺の目の前に仮面ライダーはいる。ならばこそ、俺もこの世界での新たな人生でまた、仮面ライダーを目指してみようかな。

 

湊翔side

 

 何か、カズマが色々な感情を込めた視線で見ているな。

 そう思う中、ジャイアントトードが近寄ってくる。

 

湊翔「さあ。ここからが、ハイライトだ。」

 

 俺はそう言って、マグナムシューター40Xのトリガーを引いて、弾丸を発射する。

 ジャイアントトードの頭に命中し、絶命していく。

 マグナムシューター40Xだけでなく、左腕の固定式短銃のアーマードガンを展開して、2丁拳銃で戦う。

 だが、それでもどんどんと迫ってくる。

 

湊翔「なら、やるか!」

 

 俺は、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 すると、俺は空中に一旦浮き、マスク部分が外れると、180度回転して、マグナムの装甲が下半身に行き、再びマスク部分が装着される。

 それを見ていたカズマたちは。

 

カズマ「ええええええっ!?」

めぐみん「何ですか!?上半身と下半身がひっくり返りましたよ!?紅魔族の琴線に激しく響きます!」

アクア「…………。」

 

 カズマは驚き、めぐみんは興奮して、アクアは呆然としていた。

 俺は、マグナムシューター40Xだけでなく、足元に移動したアーマードガンを展開して、キックと同時にカエルに零距離射撃を行う戦法を取った。

 そして、マグナムレイズバックルのシリンダー部分を回転させ、トリガーを引き、必殺技を発動する。

 

MAGNUM STRIKE

 

 俺は、ダンスを踊るかのように動き、回転しながら、マグナムシューター40Xとアーマードガンから、弾丸を乱射する。

 カズマ達は、危険を察知したのか、全員伏せている。

 その弾丸は、カエル達に命中していく。

 これは、某ロボットアニメの必殺技、クレイジーサイクロンから着想を得た物だ。

 しばらくして、攻撃を止めると、俺たちの周囲には、カエルの亡骸が転がっていた。

 

湊翔「これでOKかな?」

カズマ「すげぇな…………あんだけ居たカエルが全滅したぞ…………。」

めぐみん「くっ、私の魔法の方が威力は上ですがこんなに殲滅されるとは、悔しいですッ!」

アクア「これ、湊翔1人で十分じゃない?」

 

 カズマは驚き、めぐみんは悔しがり、アクアはそう言う。

 ていうか、アクア、そういう事を言うんじゃない。

 上空から襲われてたら、終わりだぞ。

 こうして、クエストを終えた俺たちは、アクセルへと戻る事になった。

 魔力切れで動けないめぐみんは、カズマが背負っている。

 スパイダーフォンを見ると、ミッションを達成していた様で、ウォーターレイズバックルを手に入れた。

 ギルドに向かう中、めぐみんの処遇について、話し合う。

 カズマが、「これからは他の魔法で頼む。」と言った時、めぐみんは「私は爆裂魔法しか使えません。」と言った時、嘘だろ。と思った。

 

アクア「え?爆裂魔法が使えるレベルなら、他の魔法も使えるでしょ。」

 

 あのアクアがまともな指摘をしているのだ。

 それに対するめぐみんの返答は。

 

めぐみん「私は、爆裂魔法をこよなく愛するアークウィザード!爆発系統の魔法が好きではなく、爆裂魔法だけが好きなんです!確かに、他の魔法を覚える事は出来ますし、覚えれば楽に冒険出来るでしょう。でもダメなのです!私は、爆裂魔法しか愛せない!例え1日一発が限界でも、魔法を使って倒れるとしても!それでも私は爆裂魔法しか愛せない!だって私は爆裂魔法を使う為だけに、アークウィザードの道を選んだのですから!」

 

 と、いかに自分が爆裂魔法を愛しているのかを語ってくれた。

 熱量が凄いな。

 まあ、判断はカズマに任せよう。

 その後、めぐみんが押し切って、仲間になった。

 ちなみに、ミッションを達成していた様で、ウォーターレイズバックルを手に入れた。

 俺たちは、ギルドが運営している風呂場へと全員で向かう。

 そして男性陣と女性陣で別れて風呂に入る。

 

湊翔「ふぃ〜。やっぱ風呂はいいな。」

カズマ「なぁ、湊翔。」

湊翔「ん?」

カズマ「めぐみんを本当に入れるのか?」

湊翔「不安か?」

カズマ「そりゃあ、なぁ………。」

 

 まあ、気持ちは分かるけどな。

 だけどな。

 

湊翔「でも、考えてみろ。使い所さえ考えれば、敵を一掃出来るんだぜ。」

カズマ「それは………そうだが………。」

湊翔「まあ、仲間になったんだし、どうにかしようぜ。」

カズマ「…………そうだな。」

 

 俺とカズマはそう話して、風呂から上がる。

 どうやら、アクアとめぐみんは、まだ風呂に入っている様で、一足先に食事を開始する。

 

湊翔「さて、金を稼ぐためにももう少し難易度が高い奴いくか。」

カズマ「いや、待てよ。湊翔は良いけど、他の奴はダメだろ。」

湊翔「それもそうだな。それも考慮にいれるか。」

 

 その時、後ろから声を掛けられる。

 

???「……すまない、ちょっとだけ話を良いだろうか?」

「「!?」」

 

 そこに居たのは、金髪の女騎士だった。

 職業的には、騎士とかその類か?

 

???「まだ、パーティの募集はしているだろうか?」

湊翔「そうですが。」

カズマ「そ、それで何の御用でしょうか?」

 

 カズマ、緊張しすぎ。

 まぁ、でも、マジで凄い美人だな。

 

ダクネス「そうか。ちょうど良かった。私の名はダクネス。クルセイダーを生業としている者だ。はぁ、はぁ、はぁ。」

 

 えっと………何か、息が荒くなってる。

 

ダクネス「私をパーティに入れてくれないか?」

 

 ダクネスは、そう言った。




今回はここまでです。
マグナムフォームになりました。
湊翔の必殺技は、ダンボール戦機の必殺ファンクション、クレイジーサイクロンをイメージしました。
次回、カズマがタイクーン、めぐみんがナーゴ、ダクネスがバッファへの変身資格を得ます。
小型のレイズバックルは、この小説に登場する全員が、一つずつ持っている感じです。
ヒロインアンケートは、ハーレムが多いですが、ハーレムの場合は、誰を入れましょうか?
オリジナルライダー、オリジナルレイズバックル、ヒロイン、オリキャラなどに関するリクエストは、絶賛、受け付けていて、目次の方から行けます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4話 キャベツ襲来

 金髪に蒼眼の女騎士、ダクネスは言った。

 

ダクネス「私をパーティに入れてくれないか?」

 

 ただ、息を荒くして、顔を赤く染めながら。

 

ダクネス「さっきの粘液まみれの青髪の彼女は、2人のパーティメンバーだろう?一体何があったらあんなめに!?」

湊翔(アクアの事か?ていうか、若干、期待の目をしているのは、何でだ?)

 

 俺が、ダクネスという人の事に首を傾げる中、カズマが答える。

 

カズマ「えっとそれはジャイアントトードに丸呑みにされてですね………。」

ダクネス「なぁ!?想像以上だ………!」

 

 え?

 何が想像以上なんだよ?

 ていうか、絶対この人やばい奴だろ。

 関わると面倒臭そう…………。

 

ダクネス「………いや!あの彼女があんな目に遭うのは良くない!是非私をパーティに入れてくれ!」

 

 喜んでるよ、この人。

 普通、険しい顔をする所でしょうが。

 やばい、俺の本能が言っている。

 こいつは、かなりやばい!

 そこで、俺は敢えてネガティブな事を言う。

 

湊翔「いやぁ。俺達、つい最近結成したばっかで、連携もまともに取れませんよ。」

ダクネス「それなら気にしなくていい、実は………言いにくかったのだが、私はクルセイダーなのにあまりにも不器用で………。攻撃が………全く当たらないのだ。」

「「…………………。」」

 

 それは、いくらなんでも酷すぎる。

 ポンコツかよ。

 すると、ダクネスは俺たちにグイグイ迫る。

 

ダクネス「だが!力と体力だけは自信がある。だから、いくらでも前に出るので、盾がわりにこき使ってくれ!いやむしろ!捨て駒としてモンスターの群れの中に放り投げてくれていい!!」

湊翔「えええ…………。」

 

 ダクネスの言葉に、俺はドン引きする。

 見た目は美人なのに、性格でマイナスだな。

 

湊翔「女性の人を盾にするなんて。」

ダクネス「臨む所だ。」

カズマ「?………いや、もしかしたら、モンスターに食べられるかも………。」

ダクネス「むしろ臨む所だ!!」

湊翔「え?」

 

 そう言って、さらに息を荒くする。

 分かった。

 この人、見た目は良いのに、中身がポンコツなやつじゃん。

 俺とカズマは、口裏を合わせて、仲間と相談する為に、明日にしてくれと頼んだ。

 そうして、カズマとアクアは馬小屋に、残りの面子は、同じ宿へと向かった。

 俺は、スパイダーフォンを確認する。

 色々なミッションがある訳だな。

 ただ、一つ気になるのは………。

 

湊翔「…………キャベツの確保?どういう事なんだ?」

 

 俺は、そう呟く。

 その後、俺は寝る事にした。

 翌日、俺は、ウィズ魔道具店を訪れた。

 理由は、スパイダーフォンにボーナスミッションが来ていたからだ。

 

湊翔「…………しっかし、ボーナスミッションで、魔道具店に行けって、どういう事なんだ?」

 

 俺は、首を傾げながら、そう呟く。

 まあ、それで何か手に入るのなら、別に行くけどさ。

 アクセルの街の人に、ウィズ魔道具店の場所を聞いて、そこに向かう。

 街の人曰く、店主は、働けば働くほど貧乏になるという。

 理由は、売っている魔道具もよく解らない物が多く、一見使えそうだが、実は全く使えない物が多いらしい。

 

湊翔「…………この店の店主、よく大丈夫だよな。」

 

 俺はそう呟いて、中に入る。

 すると、1人の女性が声をかける。

 

ウィズ「いらっしゃいませ。ウィズ魔道具店へ。私は、店主のウィズと申します。」

湊翔「桐ヶ谷湊翔です。よろしく。」

 

 ウィズと名乗る店主が、入ってきた俺に気づいて、挨拶をする。

 俺の方も、挨拶をする。

 それにしても、胸がでかいな。

 まあ、何か買っていくか。

 そう思ったのだが、紹介された商品が、どれもこれも全てがガラクタや不良品だった。

 これじゃあ、貧乏なのも無理はないだろ。

 買う物も無いので、一応、カタログを受け取る事にした。

 俺がウィズ魔道具店から出ると、スパイダーフォンから音が鳴る。

 

湊翔「何だ?」

 

 スパイダーフォンを見ると、『ボーナスミッション達成により、次のミッションのヒントを表示』と書いてあった。

 見てみると、『キャベツの大群を確保せよ』と書いてあった。

 

湊翔「…………どういう事だ?」

 

 何で、キャベツが大群?

 意味が分からん。

 そう思いながら、ギルドへと向かう。

 ギルドに入るとアクアが『花鳥風月』という宴会芸スキルを披露していた。

 カズマとめぐみんは、昼食をとっていたので、俺も昼食にする事にした。

 

カズマ「溜まったポイントで、スキルを覚えられるんだよな。」

湊翔「そうだな。カズマは何のスキルを取ったんだ?」

カズマ「いや、俺まだ、5ポイントしかないから、変なスキルを覚えないようにしないとな。」

 

 なるほどな。確かに5ポイントしかないと慎重にならざるを得ないよな。

 俺の場合は、かなりポイントがあって、まだスキルポイントには余裕がある。

 すると、カズマはめぐみんに質問をしていた。

 

カズマ「なあ。聞きたいんだが、スキルの習得ってどうやるんだ?」

めぐみん「そんなの、カードに出ている現在習得可能なスキルという所から………ああ、カズマは冒険者でしたね。初期職業と呼ばれる冒険者は、誰かにスキルを教えてもらうのです。」

カズマ「つまり、湊翔に教えて貰えば、武器スキルとかを、めぐみんに教えて貰えば、俺でも爆裂魔法を使えるって事か?」

湊翔「そうだな。」

めぐみん「その通りです!」

カズマ「うおっ!」

 

 カズマの何気ない一言に、意外にもめぐみんが食いついた。

 

めぐみん「その通りですよカズマ!まあ、習得に必要なポイントはバカみたいに食いますが、冒険者はアークウィザード以外で唯一爆裂魔法が使える職業です!爆裂魔法を覚えたいなら、幾らでも教えてあげましょう!というか、それ以外に覚えると価値のあるスキルなんてありますか?いいえ、ありませんとも!さあ、私と一緒に爆裂道を歩もうじゃないですか!」

 

 すごい食いつくな。

 よっぽど、爆裂魔法を覚えさせたいのか。

 まあ、俺はアークウィザードでも冒険者でもないので、関係ないが。

 その後、カズマがめぐみんに対してロリっ子と言った事で、落ち込んでいた。

 すると、背後から声をかけられた。

 

ダクネス「探したぞ。」

「「!?」」

めぐみん「ん?」

 

 そこに居たのは、昨日接触してきたダクネスと、銀髪の人物、緑の髪の人物がいた。

 

ダクネス「改めて、昨日の話の続きをさせてもらう、私を貴方達のパーティに。」

「「お断りします!」」

ダクネス「!クゥン!!………即断、だと……。ハァ、ハァ………。」

湊翔(えぇ〜………。)

カズマ(え、この人喜んでる?やっぱヤバい!)

 

 俺とカズマが断ると、ダクネスは顔を赤らめる。

 やっぱり、やばい奴だ。

 すると。

 

???「アハハ、ダクネス。そんなんじゃ話を聞いて貰えないよ。」

???「そうだぜ。」

 

 そう言って、銀髪のショートヘアーで、緑の服を着た女性と、緑の髪のポニーテールで、緑色のマフラーを首に巻いた女性が近寄る。

 ダクネスの知り合いか?

 

湊翔「あの、貴方達は?」

クリス「私はクリス。格好を見て分かると思うけど、盗賊だよ。で、こっちが………。」

トウカ「トウカだ。よろしくな。」

湊翔「桐ヶ谷湊翔だ。よろしく。」

 

 何か、トウカという人が既視感があるな。

 そう思っていると、クリスが、カズマに声をかける。

 

クリス「ところで君。」

カズマ「え?」

クリス「聞こえたけど、スキルを覚えたいんだっけ?よかったら、私のスキルを教えようか?」

カズマ「いいんですか?」

クリス「今ならシュワシュワ一杯で教えるよ。」

カズマ「安いな!すみません、この人にキンキンに冷えたシュワシュワ一つ!」

 

 まぁ、大丈夫だろ。

 クリスはカズマとダクネスを連れて、スキルを教えに行った。

 トウカは、その場に残っていた。

 

湊翔「行かなくて良いのか?」

トウカ「大丈夫だ。クリスなら、上手くやるさ。」

湊翔「そうか。」

 

 俺は、こっそりトウカを見る。

 やっぱり、既視感があるんだよな。

 それも、比較的最近に。

 しばらくすると、カズマ達が戻ってきた。

 でも、カズマは渋い顔、クリスは泣いていて、ダクネスは顔が赤い。

 何があった?

 

湊翔「えっと、何があった?」

カズマ「えっ〜と………。」

ダクネス「うむ。彼女はカズマに窃盗のスキルを教えた後、パンツを取られて、有り金全てを巻き上げられて泣いている所だ。」

カズマ「おい!あんた!何口走ってんだ!」

 

 え?

 おい、嘘だろ。

 

クリス「グスッ………お金返すだけじゃダメだって言うから……スンッ……じゃあお金払うからパンツ返してって言ったら……自分のパンツの値段は自分で決めろって……。」

カズマ「待てよ!おい待て!間違ってないけど本当に待てって!!」

 

 うわ〜〜。

 

クリス「さもないとこのパンツは我が家の家宝として、奉られるだろうって!!」

 

 カズマ、それはやりすぎ。

 素直に財布を返してもらってパンツも返してあげればよかったのに。

 周囲の男性冒険者は、サムズアップしてるが、女性冒険者の視線は、絶対零度並に冷たい。

 無論、めぐみん、アクア、トウカは、カズマをゴミを見るかのような目で見ている。

 

カズマ「おーい!ちょっと待て!なんか周囲の女性の視線が冷たいから、本当に待て!」

 

 そりゃあなぁ。

 まぁでも、ちょっとした仕返しだろうから。

 その程度で済んだから、それで良いだろうよ。

 

めぐみん「それで、カズマはスキルを覚えれたのですか?」

カズマ「!ふふん、まぁ見てな。いくぜ!スティール!」

 

 カズマがスティールと唱えた途端、カズマの右手が光った。

 

アクア「ん?」

めぐみん「…………!ううっ………!」

 

 アクアは何ともなかったみたいだが、めぐみんは何かに気づいたみたいで、目に涙を浮かべている。

 まさか。

 

カズマ「…………何だこれ?」

 

 カズマの手の中には、黒い女物のパンツが握られていた。

 めぐみんは、か細い声で、カズマに言う。

 

めぐみん「…………何ですか? レベルが上がってステータスが伸びたから、冒険者から変態にジョブチェンジしたんですか?………あの………スースーするので、パンツ返してください。」

アクア「カズマ…………あんた………。」

トウカ「嘘だろ…………?」

湊翔「………………。」

カズマ「あ…………あれ?おかしい、取れるのはランダムのはずなのにどうして?」

 

 俺達が、そんなカズマの行動にドン引きしていると。

 

???「おめでとうございます。」

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

 そんな声がかけられた。

 そこに居たのは、白と黒の服を着て、サイドテールの女性がいた。

 あの人は…………仮面ライダーギーツで出た、ツムリだ。

 

ツムリ「厳正なる審査の結果、佐藤和真さん。めぐみんさん。ダクネスさん。あなた方は選ばれました。今日から貴方達は、仮面ライダーです。」

カズマ「え?俺?」

めぐみん「私もですか!?」

ダクネス「仮面………ライダー…………?」

アクア「はぁぁ?アンタ、何言ってんのよ?めぐみんやダクネスって人は兎も角、そこのクソニートが仮面ライダー?笑えるんですけど!プークスクスクス!」

 

 ツムリの言葉に、カズマ、めぐみん、ダクネスは驚き、アクアは笑う。

 アクアが笑った事に、ツムリは反応せず、カズマ、めぐみん、ダクネスの3人に、ビックリミッションボックス001を渡す。

 3人が開けると、デザイアドライバーとIDコアが入っていて、カズマはタイクーン、めぐみんはナーゴ、ダクネスはバッファのIDコアが入っていた。

 

カズマ「これって…………!」

めぐみん「湊翔が持ってるベルトと同じですよ!」

ダクネス「…………?」

ツムリ「ドライバーを装着して、IDコアを装填して下さい。」

 

 ツムリのその言葉に従って、カズマ達は、IDコアを装填する。

 セットすると、音声が流れる。

 

ENTRY

 

 そうして、カズマ達も、エントリーした。

 すると。

 

ルナ『緊急クエスト!緊急クエスト!冒険者各員は至急街の正門前に集まって下さい!繰り返します!冒険者各員は至急街の正門前に集まって下さい!』

 

 ルナさんのアナウンスが聞こえる。

 ツムリが、俺、カズマ、めぐみん、ダクネスに話しかける。

 

ツムリ「それでは、皆さん。キャベツの収穫の緊急クエストです。」

めぐみん「ほう!キャベツが来ましたか。」

ダクネス「なるほどな。」

「「は?」」

 

 ツムリの言葉に、俺、カズマはそんな声を出す。

 ちなみに、アクア、トウカに関しては、もう既に外に向かった。

 

めぐみん「それで、私たちは、キャベツを収穫すれば良いんですか?」

ツムリ「はい。一部のキャベツは、レイズバックルを落とすので、それを使っても構いません。」

湊翔「え?」

 

 レイズバックルを落とすのかよ。

 ツムリの説明を聞いた俺たちは、すぐに街の正門へと向かう。

 そこには、冒険者達が集まっていた。

 その時、何かが近づいてきた。

 それは緑色の丸い物体で、その形はまるで………。

 更に近づいてくると「キャベキャベキャベ」と聞こえてきた。

 まさか。

 

湊翔、カズマ「………なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 本当にキャベツが飛んできたぞ!

 嘘!なんで?物理法則どうなってんだ?

 

冒険者達「おぉぉぉぉ!!!」

アクア「この時期のキャベツはね、飛ぶの!味が濃縮して、収穫の時期になると、簡単に食われてたまるかと言わんばかりに、街や草原を疾走し、最後は人しれぬ荒野で、ひっそりと息を引き取ると言われてるわ。それなら!私達は、一玉でも多く彼らを捕まえて、美味しくいただこうってわけよ!」

ルナ「みなさーん!今年もキャベツの収穫時期がやってきました!今年のキャベツは出来が良く、一玉につき、10000エリスです。出来るだけ多く捕まえて、こちらのケージに入れて下さいね!」

 

 一玉につき、10000エリス。

 なるほど、金稼ぎには丁度いいな。

 すると、カズマ、めぐみん、ダクネスは、それぞれのエントリーレイズフォームになる。

 俺は、マグナムレイズバックルを取り出して、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 デザイアドライバーの右側にマグナムレイズバックルを装填すると、右側に白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が現れる。

 俺は、右手で狐の影絵を作り、中指と親指で、フィンガースナップをする。

 

湊翔「変身。」

 

 そう言って、マグナムレイズバックルのシリンダー部分を回転させ、トリガー部分を引く。

 

MAGNUM

REDAY FIGHT

 

 すると、マグナムレイズバックルから、赤い弾丸が放たれ、隣のマグナムの文字に当たる。

 それが、マグナムフォームのアーマーとなり、ギーツのエントリーレイズフォームとなった俺に、装着される。

 マグナムフォームに変身して、俺は、マグナムシューター40Xで、キャベツを撃ち落としていく。

 マグナムフォームの胸部には、射撃に関する膨大なデータベースから気象、地理などの諸条件を考慮した弾道計算を処理する、『マグナムチェスター』と呼ばれる拡張装備がある。

 その拡張装備を使って、最適な弾道で、キャベツを撃ち落としていく。

 他の面子の方をチラリと見ると。

 

カズマ「スティール!」

 

 カズマは、スティールを使い、キャベツ達を落として、収穫していた。

 

トウカ「フッ!」

 

 トウカは、自前の剣を使って、キャベツ達を落としていく。

 その剣裁は、凄まじい物だった。

 ダクネスは、剣を振るうが。

 

ダクネス「てぇぇい!」

 

 スカだった。

 本当に当てられないじゃん。

 だが、完全に当たらないという訳ではなく、時折当たっている。

 恐らく、ライダーシステムが、逐一で調整しているのだろう。

 その時、大きな爆発音がした。

 恐らく、めぐみんが爆裂魔法を放ったからだろう。

 そんな感じで、キャベツ狩りは終わった。

 俺たちは、打ち上げにしたが。

 

湊翔「美味いな。(これまで食ってきたキャベツよりも遥かに美味い。)」

 

 カズマも微妙な表情になっていた。

 そりゃあ、キャベツがこんなに美味いなんて。

 そんな表情にもなるわ。

 

アクア「貴方、流石クルセイダーね。あまりの防御力の高さには、キャベツ達も攻めあぐねていたわよ。」

ダクネス「!いや、私などただ堅い女だ。それくらいしか取り柄がないからな。」

 

 ダクネスは、冒険者からキャベツの攻撃から庇っていた。

 でも、やっぱり喜んでたよな。

 そして、シールドレイズバックルを手に入れた様だ。

 

めぐみん「アクアの花鳥風月も中々でしたよ。冒険者の士気を高めつつ、キャベツの鮮度を保つとは。」

アクア「まぁね。皆を癒すのがアークプリーストの役目だもの。アークプリーストが出す水は清いのよ。」

 

 別にそれはクリエイトウォーターでいいんじゃないか?

 俺は心の中でそう突っ込む。

 

ダクネス「トウカも、獅子奮迅の戦いぶりだったな。」

トウカ「まあな。私だってやるんだよ。」

 

 ダクネスの問いに、トウカはそう答える。

 確かに、凄まじい活躍だったな。

 

トウカ「それはそうと、湊翔の活躍っぷりは凄いな。あんなに大量のキャベツを撃ち落とすなんて。」

めぐみん「それを言ったら、カズマも潜伏スキルで近付いて、スティールで一気に収穫してしまうなんて。」

 

 そう、カズマも結構活躍していたのだ。

 カズマは、アローとウォーター、めぐみんはハンマーのレイズバックルを手に入れたみたいだ。

 

アクア「ふふん。私達も中々いい感じのパーティになったわね。クルセイダーのダクネス、ソードマスターのトウカ、アークウィザードのめぐみん、アークプリーストの私、冒険者のカズマにウェポンマスターの湊翔。6人中5人が上級職のパーティなんてそうは居ないわ。」

めぐみん「しかも、湊翔と私とカズマとダクネスは、仮面ライダー。これは最強のパーティと言っても間違いないですよ!」

 

 いつの間にかダクネスがパーティ入りしていたよ。

 

ダクネス「改めて、私はダクネスだ。一応両手剣を使っているが、戦力としては数えないでくれ。何せ不器用だからな。だが、壁になるのは大得意だ。よろしく頼む。」

トウカ「改めて、私はトウカ。よろしくな。」

 

 こうして、ドMクルセイダーのダクネスと、ソードマスターのトウカが仲間になった。




今回はここまでです。
オリキャラのトウカが登場しました。
そして、湊翔が感じたように、トウカは、アテナが地上に降りた時の姿です。
次回、オリジナルストーリーに入ります。
色々と、リクエストを送ってくれて、ありがとうございます。
一部、送ってくれたオリジナルライダーに関しては、登場します。
メッセージの方にも送ってくれた人が居るので、それも出します。
出来る限りは。
アンケートは、ハーレムが多いですね。
仮にハーレムにする場合は、誰にしましょうかね。
ちなみに、リアが入っている理由は、自分が気に入っているキャラだからです。
湊翔のハーレム関連のリクエストも、受け付けています。
リクエストがある場合は、どんな感じにくっつけるのかという意見もあると、助かります。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第5話 ジャマトの襲来

 キャベツの大量収穫を行った直後、アクセルの街に、何かが向かっていた。

 それは、白い頭の人形の何かだった。

 

 あのキャベツの襲来の後、報酬が支払われた。

 カズマも、スキルポイントが大分手に入った様で、初級魔法を習得していた。

 

カズマ「まっ、初級魔法じゃこんなもんだろ。魔法を覚えたし、冒険者らしくなってきたな。」

湊翔「確かにな。」

 

 そんな風に話していると、ダクネスが近寄ってくる。

 

ダクネス「2人とも見てくれ!」

湊翔、カズマ「うん?」

ダクネス「キャベツの報酬で鎧を直したのだが、ピカピカに。どうだろうか?」

 

 ダクネスもダクネスで結構報酬を貰っていた様だな。

 ダクネスでも捕獲は出来るらしい。

 

カズマ「なんか、成金主義の貴族のボンボンが着けてる鎧みたい。」

ダクネス「………私だって素直に褒めて欲しいのだが………。」

湊翔(あれ、戦闘以外では普通なのか?)

ダクネス「……カズマは……どんな時でも容赦がないな。はぁ、はぁ、はぁ。」

 

 ほら、こんなもん。

 ダクネスは本当にブレないな。

 

カズマ「今は構っている暇は無いぞ。」

ダクネス「?」

カズマ「お前を越えそうな勢いの、そこの変態を何とかしろよ。」

 

 カズマが言う変態とはめぐみんの事だ。

 彼女も報酬で、杖を新調したらしいが。

 

めぐみん「はぁ、はぁ、魔力溢れるマナタイト製の杖の色艶……はぁ……。」

 

 おいめぐみん、君も変態扱いされるぞ。

 どうやら、めぐみんもステータスが上がったみたいだな。

 丁度、トウカがやって来た。

 

トウカ「おはよう。」

達也「ああ、おはよう。」

 

 すると、カウンターの方からアクアの怒号が飛んできた。

 

アクア「何ですってぇぇぇー!?」

 

 アクアがルナさんの胸倉を掴んで揺さぶっていた。

 

アクア「ちょっと!それってどう言うことよ!どんだけキャベツ捕まえたと思ってんの!」

ルナ「うぅ……それが……。」

アクア「何よ?」

ルナ「アクアさんが捕まえたのは殆どがレタスでして………。」

アクア「何でレタスが混じってんのよー!!」

ルナ「わ、私に言われてもーー!」

 

 レタスも居るのかよ。

 あんだけキャベツがいたのにレタスしか捕まえられないのはある意味凄い。

 

ダクネス「確かにレタスの換金率は低いな。」

カズマ「よくわからんがそうなのか?」

 

 キャベツとレタスの換金率の違いって、何だろうか?

 分からん、ちっとも分からん。

 

アクア「くぅ……。」

 

 アクアがこっちに来る。

 しかも作った笑顔で。

 何を言う気だ?

 

アクア「カ〜ズ〜マさん、み〜な〜とさん、今回のクエストの報酬はおいくら万円?」

 

 アクア、俺かカズマに集るなよ。

 まぁ、隠す意味も無いので言うが。

 

カズマ「百万ちょい。」

湊翔「五百万くらい。」

「「「「えっ!?」」」」

 

 そう、俺たちは小金持ちになりました。

 カズマが収穫したキャベツは、新鮮な物が多かったらしく、高い値段になったらしい。

 俺は、まあ、収穫した量が多かったからな。

 

アクア「………ウフッ!湊翔様、貴方ってその、強くて……素敵よね。」

湊翔「褒め言葉として受け取るよ。でもお金は貸さない。使い道も決まってるしな。」

アクア「ウッ!」

 

 俺がそう言い切ると、アクアは目に涙を浮かべて、こっちに来る。

 ていうか、装備を整えたいしな。

 

アクア「湊翔さん!!」

湊翔「どうした?」

アクア「私、今回のクエストが相当な額になるって聞いて、持ってたお金全部使っちゃったの!て言うか、この酒場に10万近いツケがあるの!」

 

 はい!?

 いくらなんでも多過ぎだろ!

 気になった俺は、カズマに聞いてみる。

 

湊翔「そうなのか、カズマ?」

カズマ「あぁ。」

 

 まさかカズマ達が未だに馬小屋生活なのは、アクアの金遣いが荒いからか。

 ていうか、そういうのは、どれくらい稼げるか分からないから、そこまで使わないんじゃ。

 

湊翔「それって俺、関係ないよね。アクアが作った借金だから、アクアが返すのが道理だろ。」

アクア「だって!私だけ大儲けできると思ったんだもの〜〜!」

湊翔「最低だな。」

アクア「お願い!お金貸して〜!ツケ払う分だけでいいから!」

 

 このまま断ったら、駄々を捏ねられて、面倒くさいな。

 仕方ないか。

 

湊翔「分かった。」

アクア「え!?良いの?」

湊翔「ただし、ちゃんと返せよ。」

アクア「わ………分かってるわよ。」

湊翔「じゃあ、10万だな。」

アクア「ありがとう!やっぱり仲間は最高ね!」

 

 アクアがチンピラに俺から受け取った10万を渡している時に。

 

湊翔「アクアに10万貸した………っと。」

 

 スパイダーフォンのメモにそう記載する。

 それを見ていた3人は。

 

めぐみん(湊翔も結構えげつないですね。)

ダクネス(あぁ、ちゃんと記録してるぞ。)

トウカ(まあ、そういう面ではしっかりしてるのかもな。)

 

 そう、コソコソ話していた。

 その翌日、皆で俺とカズマの装備を整える事にした。

 何せ、俺とカズマは、転生した時の服装そのままなのだ。

 アクアから、ファンタジー感ぶち壊しだから変えろと言われたのだ。

 その結果、カズマは上から緑のマントに白のシャツに腰に剣を携帯するためのベルト、紺のスボンに茶色のブーツ、と如何にも冒険者っぽい装備になっていた。

 俺は、紺色のシャツに紺色のズボン、黒のブーツ、薄手のコートを着用する。

 まあ、寒くなったら、厚手のコートに変えるつもりだが。

 

「「「「おおお!!」」」」

めぐみん「二人が、冒険者っぽい格好をしています。」

アクア「前の服のままだと、ファンタジー感ないものね。」

ダクネス「?ファンタジー感?」

トウカ「まあ、装備が整ったんだ。クエストに行くぞ。」

 

 トウカは、そう提案する。

 すると、俺、カズマ、めぐみん、ダクネスが持つスパイダーフォンから音が鳴る。

 カズマ達が驚く中、俺は、スパイダーフォンを見る。

 そこには、『仮面ライダーの皆さん。緊急ミッションです。』というメッセージが。

 

湊翔「緊急ミッションだ。カズマ、めぐみん、ダクネス。」

カズマ「緊急ミッションって、何なんだよ!?」

ツムリ「それは、私から説明させて貰います。」

「「「「「「うわっ!?」」」」」」

 

 すると、ツムリがいきなり現れて、俺たちは全員驚く。

 アクアは、ツムリに文句を言う。

 

アクア「アンタ!いきなり現れないでよ!」

めぐみん「それで、その緊急ミッションというのは?」

湊翔「簡単に言えば、緊急クエストみたいな物だろうな。」

ダクネス「それで、その緊急ミッションとは、何なんだ?」

ツムリ「現在、このアクセルの街の周囲に、ジャマーエリアが出現しました。」

 

 やっぱり、ツムリが来たって事は、ジャマトが現れたという事か。

 すると。

 

ルナ「緊急!緊急!冒険者各員は、直ちに集まって下さい!」

 

 ルナさんの叫び声が聞こえてきて、空をチラリと見ると、アクセルの周囲に、赤いバリアみたいなのが見えた。

 間違いなく、ジャマーエリアだ。

 

カズマ「それで、俺たちは、何をすれば良いんだよ?」

ツムリ「はい。ジャマーエリアに現れる、野盗ジャマトを撃破して下さい。」

ダクネス「すまない。ジャマトとは、一体なんなんだ?」

 

 ジャマトが何かを理解していないダクネスが質問をする。

 ツムリが説明する。

 

ツムリ「ジャマトとは、人間の世界を脅威に晒す存在です。これから行うのは、ジャマトに奪われた宝物を取り戻して下さい。」

アクア「宝箱!?」

ツムリ「参加出来るのは、仮面ライダーになる資格を持つ人たちだけです。」

 

 まあ、それもそうだ。

 すると、俺、カズマ、めぐみん、ダクネスが、どこかに転送される。

 そこは、アクセルの門だった。

 恐らく、東西南北の門に転送されたんだろうな。

 俺は、野盗ジャマトの一団を見据えて、マグナムレイズバックルを、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 デザイアドライバーの右側にマグナムレイズバックルを装填すると、右側に白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が現れる。

 俺は、右手で狐の影絵を作り、中指と親指で、フィンガースナップをする。

 

湊翔「変身。」

 

 そう言って、マグナムレイズバックルのシリンダー部分を回転させ、トリガー部分を引く。

 

MAGNUM

REDAY FIGHT

 

 俺は、ギーツ・マグナムフォームに変身して、マグナムシューター40Xを構えながら、駆け出していく。

 一方、カズマは。

 

カズマ「急に転送されたな………。あれがジャマトって奴か。なら、行くか。」

 

 カズマはそう言って、アローレイズバックルを、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 デザイアドライバーの右側にアローレイズバックルを装填すると、右側に緑色の弓矢と英語でARROWという文字が現れる。

 カズマは、変身ポーズを取り。

 

カズマ「変身!」

 

 そう言って、アローレイズバックルの矢の部分を引く。

 

ARMED ARROW

REDAY FIGHT

 

 カズマは、タイクーン・アームドアローへと変身して、レイズアローを手に、野盗ジャマトに向かっていく。

 一方、めぐみんは。

 

めぐみん「フッフッフッ!どうやら、私の本当の意味での初陣が来たようですね!行きますよ!」

 

 めぐみんはそう叫び、ハンマーレイズバックルを、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 デザイアドライバーの右側にハンマーレイズバックルを装填すると、右側にピンク色ののハンマーと、英語でHAMMERという文字が現れる。

 めぐみんは、変身ポーズを取り。

 

めぐみん「変身!」

 

 そう叫び、ハンマーレイズバックルの、ハンマー部分を押す。

 

ARMED HAMMER

REDAY FIGHT

 

 めぐみんは、ナーゴ・アームドハンマーに変身する。

 そして、レイズハンマーを持ち、野盗ジャマトへと向かっていった。

 一方、ダクネスは。

 

ダクネス「私1人だけか…………。もしや、蹂躙されたり…………!?」

 

 ダクネスはそう言いながら、シールドレイズバックルを、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 デザイアドライバーの右側にハンマーレイズバックルを装填すると、右側に青色のの盾と、英語でSHIELDという文字が現れる。

 ダクネスはポーズを取り。

 

ダクネス「変身!」

 

 そう言って、シールドレイズバックルの盾の部分を押す。

 

ARMED SHIELD

REDAY FIGHT

 

 ダクネスは、バッファ・アームドシールドへと変身する。

 右手にレイズシールドを持って、野盗ジャマトへと向かっていく。

 一方、俺は、マグナムシューター40Xとアーマードガンで、周囲の野盗ジャマトに攻撃していく。

 

湊翔「ハッ!フッ!ハアッ!」

 

 迫ってくる野盗ジャマトに対して、弾丸を撃って、野盗ジャマトが倒れていく。

 すると、存在感が強いジャマトが現れる。

 

湊翔「なるほど!あれが、頭領ってところか!」

 

 言うなれば、その頭領ジャマトに、俺は向かっていく。

 途中、他の野盗ジャマトが邪魔してくるが、それらも倒しつつ。

 頭領ジャマトに接近して、近距離で、マグナムシューターとアーマードガンで、攻撃する。

 頭領ジャマトは、大きく吹っ飛び、怯む。

 

湊翔「止めだ!」

 

RIFLE

 

 俺はそう言って、マグナムシューター40Xをライフルモードにして、マグナムレイズバックルを装填する。

 

MAGNUM

 

 装填して、マグナムレイズバックルのシリンダー部分を回転させ、トリガー部分を引き、マグナムシューター40Xのトリガーを引く。

 

MAGNUM TACTICAL BLAST

 

 すると、銃身にアプルーバルリボルバー型のエネルギーが溜まる。

 それを、頭領ジャマトに向かって放ち、頭領ジャマトは撃破される。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が鳴り、頭領ジャマトから、ミッションボックスが落ちる。

 それを拾い、中身を見ると、ブーストレイズバックルだった。

 

湊翔「来たか。」

 

 これは、かなり強力なレイズバックルだ。

 一回しか使えないとはいえ、心強い。

 一方、カズマは、レイズアローで、野盗ジャマトを倒していた。

 

カズマ「狙撃!狙撃!狙撃!」

 

 カズマから放たれる矢は、野盗ジャマトに全部命中していた。

 何故なら、カズマがアーチャーの冒険者から教えてもらった狙撃スキルは、幸運値が高ければ高いほど、命中率が上がり、しかも、タイクーンのパーソナルアクセサリー、タイクーンバンテージは、変身者の運気を上げる為、カズマとは相性が良かった。

 

カズマ「何だ、これ!すっげぇ命中する!」

 

 カズマは、若干調子に乗っていた。

 すると、頭領ジャマトが現れて、カズマは少し落ち着いた。

 

カズマ「アイツがリーダーか。アイツを倒せば良いのか?」

 

 カズマは、すぐにそう判断して、レイズアローで、野盗ジャマトを倒しつつ、頭領ジャマトにダメージを与えていく。

 そして、頭領ジャマトが怯んだ隙を見て、アローレイズバックルの矢の部分を引く。

 

ARROW STRIKE

 

カズマ「オラァァ!!」

 

 アローストライクを発動して、巨大なエネルギーアローを発射する。

 それは、頭領ジャマトに命中して、頭領ジャマトは撃破される。

 

カズマ「ふぅ…………。」

 

 カズマが一息吐く中。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が流れ、頭領ジャマトから、ミッションボックスが落ちる。

 

カズマ「これって、あのナビゲーターが言ってた、宝箱って奴か?」

 

 カズマは、そのミッションボックスを拾い、開けると、中には、手裏剣が付いている緑色のレイズバックルがあった。

 ニンジャレイズバックルだった。

 

カズマ「おお!アイツが使ってたマグナムと同じ、大きいレイズバックルか!」

 

 カズマは、喜んでいた。

 一方、めぐみんは、レイズハンマーで、野盗ジャマトを倒していく。

 

めぐみん「ハーハッハッハッ!我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法の使い手にして、爆裂魔法を操る者!そして、仮面ライダーナーゴです!」

 

 めぐみんは、そう言いながら、レイズハンマーを振るっていく。

 ただ、振るうのではなく、身軽に動いて、ジャマトを翻弄する。

 暫く倒すと、頭領ジャマトが出現する。

 

めぐみん「アイツを倒せば良いんですね!」

 

 めぐみんは、レイズハンマーで、ジャマトを倒しつつ、ジャマーエリアの境界線ギリギリまで誘導する。

 そして。

 

めぐみん「穿て!エクスプロージョン!」

 

 めぐみんは、爆裂魔法を発動して、ジャマト達を一掃する。

 ジャマーエリアは、アクセルの外周の少し離れた所まで広がっていたので、アクセルの街には、被害は無かった。

 

めぐみん「ふぅぅ…………快感…………です。」

 

 めぐみんは、倒れる事なく、倒した。

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が流れ、めぐみんの目の前に、ミッションボックスが現れる。

 

めぐみん「おや。戦利品という訳ですか。」

 

 めぐみんは、ミッションボックスを拾い上げ、開けると、クローレイズバックルが入っていた。

 

めぐみん「…………湊翔が持ってる、あのマグナムってレイズバックルみたいなのが良かったですね。」

 

 めぐみんは、少し不満げにそう言う。

 一方、ダクネスは。

 

ダクネス「当たる!当たるぞ!」

 

 違う意味で喜んでいた。

 これまで完全にスカだった攻撃が、少しだけとはいえ、命中する様になったのだ。

 ライダーシステムが、調整を行なっているからだ。

 とはいえ、基本的には、レイズシールドを使った殴打攻撃がメインだが。

 それでも、野盗ジャマトを倒していき、頭領ジャマトが現れる。

 

ダクネス「アイツを倒せば良いのか?」

 

 ダクネスは、レイズシールドを使った殴打攻撃をしつつ、ジャマトを倒していく。

 そして、シールドレイズバックルを押す。

 

SHIELD STRIKE

 

 シールドストライクを発動して、青いエネルギーを纏ったレイズシールドを、ダクネスは放り投げる。

 そのシールドに当たり、頭領ジャマトは撃破される。

 

ダクネス「…………何とか、なったか?」

 

 ダクネスが、一息吐くと。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が流れ、ダクネスの目の前に、ミッションボックスが現れる。

 

ダクネス「これは………?」

 

 ダクネスは、ミッションボックスを拾い上げて、蓋を開ける。

 そこには、バッファと相性が良い、ゾンビレイズバックルが入っていた。

 

ダクネス「レイズバックルとやらか。」

 

 ダクネスはそう呟いた。

 こうして、ジャマトの襲撃というミッションを終えた。

 俺たちは、アクセルのギルドに戻った。

 すると、ツムリが声をかける。

 

ツムリ「お疲れ様です。見事、頭領ジャマトを倒して、お宝を手に入れました。それでは、私はこれで。」

 

 そう言って、ツムリは姿を消す。

 波乱のジャマト撃退ミッションは、それぞれのレイズバックルを手に入れた事で、幕を閉じた。




今回はここまでです。
湊翔はブースト、カズマはニンジャ、めぐみんはクロー、ダクネスはゾンビのレイズバックルを手に入れました。
めぐみんがクローなのは、しょうがないです。
だって、ナーゴと相性がいい大型レイズバックルは、現状不明なので。
まあ、タイクーンのニンジャフォームは、本編に先駆けて、登場するかもしれません。
アンケートは締め切って、湊翔は、ハーレムを作る事にします。
もう一つアンケートを始めて、湊翔のハーレムのメンバーは、誰にするかのアンケートです。
次回、転生したら一般人だった件さんからリクエストをいただいたオリジナルレイズバックルが出る予定です。
ハーレムメンバーに、このキャラを入れて欲しいというのがあれば、目次から、その活動報告に飛ぶ事が出来ます。
それと、出来たら、このキャラを、どのタイミングでくっつけて欲しいというのも、受け付けています。
ただし、ウィズに関しては、リクエストがあったオリキャラのヒロインになる予定です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第6話 怒りの魔王軍幹部

 野盗ジャマトの襲撃があり、それを撃退した俺たち。

 報酬のレイズバックルを手に入れて、戦力が増強された。

 ただ、一つ困った事があるとしたら。

 

カズマ「おい、これ、どういう事だよ!?依頼が殆ど無いじゃないか!」

ダクネス「カズマ、湊翔!これだ!これにしよう!山に出没するブラッドファングと呼ばれる巨大熊を………!」

カズマ「却下だ却下!」

湊翔「それはそうと、何で高難易度の物しか残ってないんだ?」

ルナ「実は、ですね………。」

 

 そう言って、申し訳なさそうにルナさんがやってくる。

 

ルナ「最近、魔王の幹部らしき者が、街の近くに住み着いてしまって………。その影響か、弱いモンスターは軒並み隠れてしまったんです。なので、今は高難易度の物しか残っておらず………。」

カズマ「ええ………。」

湊翔「なるほどな…………。」

 

 という感じで、魔王の幹部が住み着いてしまったそうだ。

 その結果、ダクネスは実家でトレーニングをしてくるとの事で、アクアはバイト、めぐみんは爆裂魔法を撃ちに行き、カズマはめぐみんに同行する事に。

 それで、俺とトウカはというと。

 

湊翔「悪いな。クエストに付き合って貰って。」

トウカ「良いって、良いって!私も、体が鈍るのが嫌だからな。」

 

 俺たちは、クエストに出ていた。

 受けたクエストは、アクセルの近くに現れたゴブリンエリートの討伐だ。

 ルナさん曰く、本来なら、ゴブリンは隠れる筈だが、ゴブリンエリートが居ることで、活動している様だ。

 つまり、ゴブリンエリートが居なくなったら、周囲のゴブリン達も、どこかへと散っていくそうだ。

 俺とトウカは、しばらく歩いていると、ゴブリンエリート達の一団を発見した。

 

湊翔「あれが、ゴブリンエリートって所か?」

トウカ「そうだな。」

 

 すると、ゴブリンエリートが、俺たちに気付いたのか、大声を出して、配下のゴブリン達が出てくる。

 

湊翔「じゃあ、行くか。」

 

 俺はそう言って、ハンマーレイズバックルを取り出して、セットする。

 

SET

 

 デザイアドライバーの右側にハンマーレイズバックルを装填すると、右側にピンク色ののハンマーと、英語でHAMMERという文字が現れる。

 俺は、変身ポーズを取って。

 

湊翔「変身。」

 

 そう言って、ハンマーレイズバックルのハンマー部分を押す。

 

ARMED HAMMER

REDAY FIGHT

 

 俺は、ギーツ・アームドハンマーに変身する。

 レイズハンマーを持って、ゴブリンエリートの一団に突っ込んでいく。

 トウカも、自前の剣を持って、ゴブリン達と戦う。

 俺は、レイズハンマーで、ゴブリン達を叩いて叩きまくって、倒していく。

 時々、トウカがジャンプしたと同時に、レイズハンマーで地面を叩き、衝撃波を出して、ゴブリン達を動けなくして、トウカが止めを刺している。

 ゴブリン達がある程度減ると、ゴブリンエリートが動き出す。

 

湊翔「ゴブリンエリートが動き出したか。」

トウカ「そうみたいだな。」

 

 俺とトウカは、気を引き締める。

 ゴブリンエリートは、手に持っている棍棒を振り回す。

 俺とトウカは、その棍棒を避ける。

 アームドハンマーじゃあ、ゴブリンエリートとは、相性が悪いか。

 俺は、ハンマーレイズバックルを抜いて、マグナムレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 デザイアドライバーの右側にマグナムレイズバックルを装填すると、右側に白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が現れる。

 そして、マグナムレイズバックルのシリンダー部分を回転させ、トリガー部分を引く。

 

MAGNUM

REDAY FIGHT

 

 俺は、ギーツ・マグナムフォームに変身して、マグナムシューター40Xを構える。

 左腕のアーマードガンも展開して、ゴブリンとゴブリンエリートに攻撃する。

 トウカも、ゴブリンエリートにダメージを与えていく。

 俺は、マグナムシューター40Xのバレットチャージャーを引く。

 

BULLET CHARGE

 

 その音声が流れると同時に、トリガーを引いて、周囲の敵に攻撃する。

 そして、必殺技の体勢に入る。

 

湊翔「さあ!盛大にやるか!」

 

RIFLE

 

 俺はそう言って、マグナムシューター40Xをライフルモードにして、マグナムレイズバックルを装填する。

 

MAGNUM

 

 装填して、マグナムレイズバックルのシリンダー部分を回転させ、トリガー部分を引き、マグナムシューター40Xのトリガーを引く。

 

MAGNUM TACTICAL BLAST

 

 すると、銃身にアプルーバルリボルバー型のエネルギーが溜まる。

 トリガーを引くと、エネルギー弾を放ち、ゴブリンエリートは撃破される。

 ゴブリンエリートが倒されたと気づいたゴブリン達は、即座に遁走していく。

 俺は、ホッと息を吐き、変身解除すると、トウカが駆け寄ってくる。

 

トウカ「お疲れ様!」

湊翔「ああ、お疲れ。」

 

 俺とトウカは、お互いを労う。

 俺とトウカ、結構連携が取れていたな。

 良いコンビになりそうだな。

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が鳴り、ミッションボックスが現れる。

 

トウカ「その箱って………。」

湊翔「ああ。レイズバックルが入ってる箱だな。」

 

 トウカの言葉にそう答えて、俺は、ミッションボックスを拾い上げ、中身を見る。

 そこには、潜水艦にジェットエンジンの様なものが付いている大型のレイズバックルだった。

 だが、こんなレイズバックルは知らない。

 原作ギーツで、こんなレイズバックルは見た事がない。

 中に、そのレイズバックルに関する情報が入っていた。

 このレイズバックルは、水中戦に特化したレイズバックルだが、ウォーターレイズバックルと組み合わせれば、地上でも使えるとの事。

 

湊翔「へぇぇ………。ウォーターと組み合わせれば、使えるじゃん。」

 

 俺は、アクアジェットレイズバックルを見ながら、そう言う。

 こうして、未知のレイズバックルを手に入れた。

 そんな事があってから暫くすると、ギルドでアクアが号泣していた。

 

湊翔「…………どういう状況?」

トウカ「実はな………。」

 

 トウカ曰く、カズマがアクアに対して、『宴会芸しか取り柄がない穀潰し』と言った事で泣いたとの事。

 カズマも言い過ぎな気がするが、アクアを調子に乗らせると、ロクな事にならないと思っているので、放っておく。

 ちなみに、めぐみんは、爆裂魔法を撃ち込む良い場所を見つけたそうで、そんな事をしていると、シールドレイズバックルを手に入れたそうだ。

 すると。

 

ルナ「緊急!緊急!冒険者の皆さんは、直ちに武装をして正門前に集まって下さい!」

 

 ルナさんの叫び声に、只事じゃないと察して、動く。

 アクセルの正門前へと来ると、そこには、首のない馬に乗った首無し騎士が居た。

 

???「…………。」

アクア「なになに?」

カズマ「なんだあいつ、めっちゃ強そう。」

ダクネス「あれは、デュラハンか!」

 

 デュラハン。

 それはファンタジー物ではお約束のモンスターの一つだ。

 あいつは、自分も馬も、首がない。

 自分の頭は自分で抱えていた。

 

デュラハン「俺は先日、この近くの城に越してきた魔王軍の幹部の者だが……。」

トウカ「魔王軍幹部!?」

 

 やっべぇ、魔王軍幹部が来ちゃったよ。

 でも、何で来たんだ?

 

デュラハン「お……お……俺の城に……毎日毎日欠かさずに爆裂魔法を撃ち込んでく頭のおかしい大馬鹿野郎は、誰だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 魔王の幹部は、それはもうお怒りだった。

 爆裂魔法…………。

 めぐみんだな。

 めぐみんの方をチラリと見ると、めぐみんも自分だと気づいた様だ。

 めぐみんが前に出る。

 一応、俺はいつでも変身出来る様に、デザイアドライバーを装着する。

 

デュラハン「お前が……お前が毎日欠かさず爆裂魔法を撃ち込んでくる大馬鹿者かぁ!俺が魔王軍幹部だと知っていて喧嘩を売るなら、堂々と城に来い!そうでないなら、街で震えていろ!ねぇ………何でこんな陰湿な嫌がらせするの〜〜!どうせ雑魚しかいない街だと思って放置していれば、調子に乗って毎日毎日ポンポンポンポンポンポン!!撃ち込みに来やがって!頭おかしいのか貴様ァァァ!!」

めぐみん「…………我が名はめぐみん!アークウィザードにして、爆裂魔法を操る者………!」

デュラハン「………めぐみんって何だ。バカにしてんのか?」

めぐみん「ちっ、違うわい!」

 

 デュラハンは、バカにされたと感じたのか、そう聞いてくる。

 まあ、あれが普通の反応だよな。

 そんな風に見守っていると。

 

デュラハン「と、とにかく!もう、俺の城に爆裂魔法を撃ち込むのは、やめて貰おう。」

めぐみん「無理です。紅魔族は日に一度、爆裂魔法を撃たないと死ぬんです。」

デュラハン「そんな訳があるか!…………もう良い。これ以上は埒があかない。貴様を苦しめるとしよう。」

 

 そう言って、デュラハンはおもむろに指先をめぐみんに向ける。

 何だ………!?

 

デュラハン「汝に死の宣告を!」

湊翔「めぐみん逃げろ!!」

デュラハン「お前は1週間後に死ぬ!」

湊翔「くそっ!」

 

 俺は、それを聞いた瞬間に駆け出す。

 途中、ダクネスも向かっていたが、俺の方が早く着き、死の宣告というのを食らう。

 少し気怠くなった気がする。

 

カズマ「湊翔!!」

めぐみん「大丈夫ですか!」

湊翔「………あぁ、少し怠いが大丈夫。それより、今のは………?」

トウカ「今のは、デュラハンが使う危険なスキルの一つ、死の宣告だ!」

デュラハン「ほう、よく知っているな。少し予定が狂ったがお前達冒険者は結束が硬いからな。その男は一週間後に死ぬ!死の恐怖に怯え、苦しむことになるのだ。こうしたほうがその娘も苦しむだろう、精々自分の行いを悔い改めるといいっ!フハハっ!」

 

 そう言って、デュラハンは去っていこうとする。

 だが、あのデュラハンは、うちのドMクルセイダーのヤバさを知らない。

 

ダクネス「な、何ということだ!すると、お前は湊翔の呪いを解いてほしければ、どんないかがわしい要求でも飲めと、そう言うんだな!?」

デュラハン「えっ?」

 

 ダクネスの場違い発言に、去ろうとしていたデュラハンは振り返り、素で返す。

 その発言に、俺、カズマ、トウカも呆然とする。

 何言ってんの?

 

ダクネス「見てくれカズマッ!あの兜の下のデュラハンの目を!あれは私を城へと連れ去り、湊翔の呪いを解いてほしくばどんなにハードコアな変態プレイを強行する変質者の目だ!」

デュラハン「………えっ。」

 

 デュラハンが変質者呼ばわりされる。

 ダクネスの言葉を真に受けたのか、女性冒険者がゴミを見るかの様な目でデュラハンを見て、男性冒険者もドン引きしていた。

 

ダクネス「囚われの女騎士、なんとも燃えるシチュエーション……だが、行きたくない!行きたくはないが……仕方ない、行ってくりゅ!」

カズマ「止めろ、行くな!デュラハンの人が困ってるだろ!」

トウカ「ダクネス、何言ってんだ!?」

湊翔「ごめんなさい!うちの変態が本当にすいません!」

デュラハン「あっ………いや…………。」

 

 デュラハンも、こっちの空気に飲み込まれたのか、呆然とする。

 だが、すぐに大声を出す。

 

デュラハン「と、とにかく!これに懲りたら俺の城に爆裂魔法を放つのは止めろ!その男の呪いを解いて欲しくば、俺の城に来るが良い!城の最上階に来れたら、その呪いを解いてやろう!………本当に何を言ってるんだ、あの女騎士は。」

 

 デュラハンは、最初はめぐみんにそう言ったが、最後の方は、ダクネスの変態ぶりに動揺していた。

 そうして、デュラハンは去って行った。

 すいません、うちのドMクルセイダーが、本当にすいません。

 すると、めぐみんがデュラハンを追おうとする。

 

湊翔「めぐみん、どこに行く気だ。」

 

 俺は一人デュラハンが去っていった方向に歩き出すめぐみんの手を掴んで止める。

 

めぐみん「今回は私の責任です。私が城に行って呪いを解除させてきます。」

湊翔「待て。俺も行く。戦力は少しでも多い方が良いだろ。」

カズマ「俺も行くぞ。」

トウカ「私も行くぞ。私の大事な仲間に呪いを掛けたあのデュラハンは、絶対に許さない。」

ダクネス「私も行こう。性癖に引っかかったが、私も仮面ライダーだ。湊翔の呪いを解いてみせよう。」

 

 そんな風になっていたのに。

 

アクア「『セイクリッド・ブレイクスペル』!」

「「「「え。」」」」

湊翔「あ、あれ………?」

アクア「私にかかればデュラハンの呪いなんて楽勝よ!」

 

 そうして、冒険者達から歓声が上がる。

 その際に、俺が思った事は。

 

湊翔(勝手に盛り上がってた、俺たちの気持ちを返せ。)

 

 そう思った。

 その後、仲間を庇うというミッションをクリアしたのか、ハンマーレイズバックルが金色になった。




今回はここまでです。
転生したら一般人だった件さんからリクエストをいただいた、アクアジェットレイズバックルが登場しました。
これは、ベルディア戦にて使う予定です。
そして、めぐみんから死の宣告を庇った湊翔のハンマーレイズバックルは、仮面ライダーチョコの景品である金色のハンマーレイズバックルになりました。
次回は、あの魔剣の勇者が登場します。
アンケートは、しばらく続けます。
一応、ハーレムは3人にする予定です。
何人にして欲しいというのがあったら、活動報告にお願いします。
あと、原作キャラで、誰が変身するのかというのも受け付けています。
現状、リクエストで来たのは、ミツルギがダパーンかギンペン、ダストがメリー、リーンがシローという感じです。
勿論、そのライダー達の専用の大型レイズバックルに関しても、リクエストを受け付けています。
是非、リクエストがある場合は、お願いします。
今日の本家のギーツでは、メリーが退場しましたね。
ちなみに、パンクジャックの変身者はどうするかは、未定です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第7話 魔剣の勇者との邂逅

 魔王軍幹部のデュラハンが襲来した日の翌日、俺たちは、ギルドに集まっていた。

 

湊翔「よし。デュラハンに備えるぞ。」

「「「「「!?」」」」」

 

 俺がそう言うと、皆が驚いた表情を浮かべてくる。

 

湊翔「ん?何で驚くんだ?」

めぐみん「湊翔、今すぐあのデュラハンの所に行かなくていいんですか?」

カズマ「あいつ、今なら油断しているはずだからな。」

 

 ああ、そう言う事か。

 だが、今はダメだ。

 

湊翔「いや、あいつはかなり高いステータスを有しているだろう。今の俺たちじゃとても変身しないと勝てない。」

ダクネス「それでいいじゃないか?」

湊翔「いや、あいつと同じくらい強くならないとダメだと思う。それにあいつは奥の手を隠してそうだしな。」

トウカ「確かに、備えあれば憂いなしって言うしな。」

 

 俺とトウカの言葉に、全員が納得してくれた。

 めぐみんが質問してくる。

 

めぐみん「それで、実際、何をしますか?」

湊翔「あいつは、一週間の猶予をくれた。」

カズマ「一週間?何でだよ。」

 

 あいつは、俺に一週間後に死ぬ呪いをかけた。

 だがまあ、実際には解呪された訳だが。

 あいつは、解呪された場面は見ていない。

 あの真面目なデュラハンが、少なくとも一週間は待ってくれる。

 それを伝えると。

 

めぐみん「なるほど。一週間の間に強くなってしまおうという事ですね。」

湊翔「あぁ。多分、一週間も来なかったら、あっちから来るだろうし。」

 

 会議を終えて、デュラハン…………ベルディアを倒す為に動く。

 まずは、ギルドに報告して、王都からの救援をお願いした。

 戦法も、ベルディアには俺達仮面ライダーが相手をし、その他の相手を後の冒険者に任せるという事にした。

 ただ、ベルディアが来た時に、ジャマトまで来られたら、厄介なんだがな。

 役割分担をして、めぐみんとアクアには、ベルディアの情報を集めて貰う。

 魔王軍の幹部といっても、弱点がない訳じゃないだろうしな。

 すると。

 

ツムリ「おめでとうございます!」

湊翔「ツムリ。」

ツムリ「厳正なる審査の結果、トウカさん。貴女は選ばれました!今日から貴女は、仮面ライダーです!」

 

 ツムリはそう言って、ビックリミッションボックス001を渡す。

 トウカが開けると、デザイアドライバーとIDコアが入っていて、見た事のないライダーのIDコアだった。

 

湊翔「…………これは?」

ツムリ「仮面ライダーラウンズのIDコアです。」

トウカ「仮面ライダーラウンズ………!ありがとう!」

ツムリ「いえ。それでは。」

 

 ツムリはそう言って、姿を消す。

 本当に、神出鬼没だよな。

 こうして、トウカもまた、仮面ライダーになる事になった。

 ただ、やっぱり思うのが、トウカが、アテナとそっくりなんだよな。

 まあ、他人の空似か?

 そんなこんなで、トウカのレイズバックル集めにも協力する事に。

 基本的には、小型レイズバックルや、出来れば大型レイズバックルを集める事だ。

 この5日間、色んなクエストを受けてきて、トウカは、ウォーター、ハンマー、チェーンアレイ、シールド、そして、大型のカリバーバックルを手に入れた。

 カズマ、めぐみん、ダクネスもまた、レイズバックルを手に入れた様で、カズマはシールド、チェーンアレイ、めぐみんはウォーター、アロー、ダクネスはハンマー、チェーンアレイ、ウォーターだ。

 ベルディアの弱点も調べて、ベルディアが来るまで残り1日となった。

 すると、アクアが言う。

 

アクア「クエストを受けましょう!」

湊翔「どうしたんだ、薮から棒に。」

カズマ「多分、金が欲しいんだろ。」

アクア「お願いよおおおおお!もうバイトばかりするのは嫌なのよお!コロッケが売れ残ると店長が怒るの!頑張るから!今回は、私、全力で頑張るからあぁっ!」

 

 そう言って、カズマに泣きつく。

 そう、アクアを除いた全員は、懐は潤っているのだ。

 現状、ベルディアのせいで高難易度クエストしか残っていないので、無理して受ける必要はない。

 その後、アクアが掲示板に行き、カズマが見に行った。

 ていうか、俗物すぎるだろ。

 女神として、それはどうなんだよ。

 まあ、女神とは思ってないけど。

 すると、めぐみんが話しかける。

 

めぐみん「湊翔。」

湊翔「何だ?」

めぐみん「以前、ジャマトとやらが襲ってきた時に、湊翔が手に入れてたレイズバックル…………。」

湊翔「ブーストの事か?」

めぐみん「それです!そのブーストレイズバックルは、どんな物なのですか?」

 

 ブーストレイズバックルの事か。

 すると、ダクネスやトウカもこちらを見てくる。

 まあ、話しておくか。

 俺は、ブーストレイズバックルを見せながら、話しだす。

 

湊翔「ブーストレイズバックルは、他のレイズバックルとは比にならない力を秘めてる。」

ダクネス「…………つまり、強力という事か?」

湊翔「そうだ。ただし、必殺技を使ったら、ブーストレイズバックルは使えなくなる。」

トウカ「必殺技を使ったら、使えなくなるのね…………。」

めぐみん「何ですか、それ!紅魔族の琴線に激しく触れますよ!」

湊翔「まあ、ベルディアの攻略には、ブーストも鍵となると思うしな。」

 

 そう。

 魔王軍の幹部を倒す為には、己の戦闘技術だけでなく、ブーストレイズバックルも重要だろうしな。

 そんな話をしていると、カズマとアクアが戻ってくる。

 クエストが決まった様で、湖の浄化クエストを受ける事に。

 その際、アクアをモンスター捕獲用の檻に入れて湖に放り込むらしい。

 なぜ、アクアを檻に放り込むのかというと、浄化をしていると、ブルータルアリゲーターというモンスターが邪魔しに来ると思われるので、それの対策としてだ。

 ちなみに、檻に入ったアクアは。

 

アクア「………私、今から売られる希少モンスターか、出汁を取られる紅茶のティーパックの気分なんだけど。」

 

 そう語る。

 俺たちは、目的の湖へと向かい、檻に入ったアクアを湖に放り込む。

 その間、アクアを見守りながら、対ベルディア戦の作戦を立てる。

 

湊翔「…………こんな感じで、ベルディアを倒すには、これらのレイズバックルが鍵を握ると思うんだ。」

 

 そう言って出したのは、アクアジェット、ウォーター、ブーストの三つだ。

 そうして、俺は皆に作戦を伝える。

 すると、全員が納得の表情を浮かべる。

 

カズマ「なるほどな。これなら、アイツに勝てるかもしれないな。」

めぐみん「そうですね。」

湊翔「まあ、その作戦は、上手くいけばの話だからな。」

ダクネス「上手くいけば?」

湊翔「不確定要素があるからな。」

トウカ「君たちが戦った、ジャマトって奴か?」

湊翔「ああ。」

 

 そう。

 それが、不確定要素と言えるのだ。

 もし、ベルディアが来た時に、ジャマトも襲ってきたら?

 そして、ベルディアが強化されたら?

 それだけが不安なのだ。

 まあ、臨機応変で行こう。

 すると。

 

アクア「アアアアアアァァァァ!!!」

「「「「「!?」」」」」

 

 アクアの悲鳴に俺たちは反応して、見てみると、アクアの周囲に大量のブルータルアリゲーターが湧いてきていた。

 

アクア「なんか出た!なんか出てきたァァァァァァァ!!助けて!皆助けてェェェェ!!」

 

 浄化開始から、4時間が経過した。

 出てきたワニはアクアが入っている檻を破壊しようとしている。

 アクアはそれはもう一心不乱に自前の浄化能力と浄化魔法を使ったとな。

 

アクア「ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!」

 

 だがそんな事をすれば、ワニは更に怒る訳であって。

 次第に檻からヤバい音がし始めてきた。

 

アクア「ヒイィィィィィ!!ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!」

湊翔「………ギブアップなら、言ってくれ。すぐ引き揚げるからな!」

 

 流石に助け舟を出しておく。

 なんか、可哀想に思えてきた。

 だが、アクアの返事は。

 

アクア「い……嫌よ!ここで諦めたら、報酬が貰えない!」

 

 アクアってビビりなのに変な所で意地を張るよな。

 だが現実は甘くはなく、ワニが力を込めて顎を閉じると、鉄格子が音を立てて、曲がり始めた。

 

アクア「イヤァァァァァァァ!!メキッって言った!今、檻から鳴っちゃいけない音がしたァァァァァ!!」

湊翔「………………やれやれ。」

 

 俺は、マグナムシューター40Xを取り出した。

 

カズマ「おい!?湊翔、何するんだ?」

湊翔「これで、変なトラウマを刻まれると、面倒臭い。助けるだけだ。」

カズマ「いや、アクアが頑張れば、ワニはどっか行くだろ。だから、悪いけどアクアにもうちょい頑張ってもらおうぜ。」

 

 確かにな。

 

湊翔「あいつらの討伐金も出るからいいだろ。それに。」

カズマ「それに?」

湊翔「見てて、良心が痛む。」

カズマ「はぁ、しょうがねぇーな。」

 

 俺はマグナムシューター40X、カズマはニンジャレイズバックルの武器、ニンジャデュアラー、めぐみんはレイズハンマー、ダクネスはゾンビブレイカー、トウカはカリバーレイズバックルの武器、ソードエクスカリバーで、ある程度ブルータルアリゲーターを倒す。

 適度にマグナムシューター40Xで銃撃して、威嚇しておく。

 威嚇の効果もあってか、ブルータルアリゲーターが中々近寄らなくなった。

 それをやってて、浄化を開始してから7時間が経過した。

 残っていたアリゲーターも何処かへ気配が散っていく。

 アクアは、檻の中で体育座りをしていた。

 

湊翔「アクア。アリゲーターは居なくなったぞ。」

アクア「ハァァァァ………。終わった……。」

湊翔「この後色々奢るからさ。」

アクア「そうね!………ていうか、出れないんですけど。」

カズマ「何でだ?」

トウカ「ああ………。アリゲーターに齧られて、鍵穴が変形したんだな。」

アクア「えええ!?」

 

 他の隙間も試してみたが、無理だった。

 仕方ないので、ギルドまで中に居てもらう事にしよう。

 一応、俺とトウカが中に入って、ババ抜きの相手をする事に。

 ただ、アクアを檻に入れたままにする、この判断を、俺は後悔した。

 

???side

 

 僕の名前は御剣響夜(ミツルギキョウヤ)

 どこにでもいる普通の高校生だった。

 だがある日、自分でも訳が分からない内に命を落としてしまった。

 そんな時、美しい女神と出会い『魔剣グラム』を与えられ、この世界に転生した。

 今は上級者クエストの『エンシェントドラゴンの討伐』を終えて、ギルドに報告に行っている。

 

フィオ「流石、私のキョウヤよね。エンシェントドラゴンを一撃で倒すんだから。」

 

 彼女はフィオ。盗賊に就いている。

 

クレメオ「な!!ちょっと、誰が貴女の物よ!キョウヤは私の物なんだから!」

 

 彼女はクレメオ。戦士の女の子だ。

 慕ってくれるのはありがたいんだけど、事あるごとに喧嘩しないでほしいな。

 そんな2人と一緒に日々冒険者として頑張っている。

 必ずこの世界を救って見せる。

 女神様との約束だから。

 

ミツルギ「………うん?」

 

 その時、僕の耳に聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

アクア「よ〜し、勝負よ!」

ミツルギ「この声って?」

 

 声のする方向に向かうと、そこには荷車に檻を乗せた冒険者の一団がいた。

 檻には、男性が1人、女性が2人いた。

 見た感じ、話をしているようだ。

 だが、女性の方は僕が知っている人だった。

 

ミツルギ「め………女神様!!」

 

湊翔side

 

アクア「よ〜し、勝負よ!」

トウカ「本当に大丈夫?」

アクア「大丈夫よ!」

湊翔「それじゃあ、行くぞ。」

 

 ババ抜きを引いて行って最終的には。

 

アクア「また負けたァァァァ!!」

 

 見事にアクアの20連敗だった。

 ちなみに俺とトウカはどっちかというとトウカの方が勝っている。

 

めぐみん「そもそも、ババ抜きは、運も大事ですし、ポーカーフェイスも大事です。」

カズマ「まぁ、その所では、湊翔とトウカには勝てないよな。」

 

 そう。ババ抜きは、ジョーカーを引いても、動じない心と、ジョーカーを感づかれないポーカーフェイスも必要だ。

 アクアは、ジョーカーを引くたびに大袈裟にリアクションするから、分かりやすい。

 その時、後ろから。

 

ミツルギ「女神様!女神様じゃないですか!」

「「「「「「!?」」」」」」

 

 そう言って1人の男が檻を素手で強引に広げてしまった。

 

カズマ「な!?」

ダクネス「おい!これは鋼鉄製の檻だぞ!」

 

 俺では少し厳しいかな。

 まぁ、コイツには檻の弁償をしてもらおう。

 

湊翔「おい、君の事を女神様って呼んでるから、君の関係者だろ。」

アクア「え〜っと。………とりあえず話を聞いてみるわ。」

 

 え。まさか覚えてないのか!?

 コイツ100%転生者だろ!

 流石に覚えておこうぜ。

 アクアはその男が広げた隙間から外へと出て言った。

 

アクア「それで、私に何の用かしら?………て言うかあんた誰?」

ミツルギ「な!僕ですよ。御剣響夜(ミツルギキョウヤ)です。貴女にこの魔剣グラムを頂き、この世界に転生した御剣響夜です!」

アクア「え?」

ミツルギ「え!?」

湊翔、カズマ「え?」

 

 まさか本当に覚えてないのか?

 

アクア「………ちょっと待ってね。」

 

 アクアは何処からともなく手帳を取り出してめくっていく。

 

アクア「ミツルギ……ミツルギ……あ!あったわ。ごめんなさい、沢山この世界に転生させたから、すっかり忘れてたわ。」

ミツルギ「あ〜、はい、そうですか。お久しぶりです女神様。ところで、女神様はどうして檻の中に居たんですか?」

 

 そう言って、俺とカズマを睨む。

 これは、説明しないといけなさそうだな。

 俺とカズマは、経緯を説明する。

 すると。

 

ミツルギ「はぁ!?女神様をこの世界に連れて来ただけでなく、檻に閉じ込めて湖につけた!?君は一体何を考えているんだ!!そして、君も君だ!何故、そんな事を許すんだ!」

 

 そう言って、俺とカズマの胸ぐらを掴む。

 ていうか、お前に文句を言われる筋合いは無い。

 

アクア「ちょっ、私としてはこの世界に連れてこられたのはもうそんなに気にしてないし、毎日楽しい日々を過ごしてるし、今回のクエストだって私が言い出しっぺなんだから。」

ミツルギ「女神様、この2人にどう唆されたのか知りませんが、貴女は女神様なんですよ。こんな扱いで良いんですか?」

 

 言いたい放題だな。

 この男、俺達が黙ってるのを良い事に言いまくるじゃないか。

 俺達の事を知らないだろ。

 年下にこんなに言われるのはムカつくな。

 

ミツルギ「ちなみに女神様は何処で寝泊まりしているんですか?」

アクア「え〜っと、馬小屋で……。」

ミツルギ「はぁ!?」

 

 と、更にキツく締めて来た。

 

アクア「ちょっと!」

ダクネス「おい貴様、いい加減にしろ。」

トウカ「初対面の相手に失礼だろ。」

 

 流石に無視できなくなったのか、ダクネスとトウカがミツルギの腕を掴んで止める。

 ダクネス達の方を見たミツルギは。

 

ミツルギ「君達は……クルセイダーにアークウィザード、ソードマスター……成程。パーティメンバーには恵まれているようだね。君達は、こんな優秀な人達がいるのに、女神様を馬小屋に泊らせるなんて、恥ずかしく思わないかい?」

 

 ええ………。

 そんな事言われても………。

 ミツルギの言う事は、説得力が全くないな。

 まあ、俺もギーツの力を貰った事で、お金にはあまり苦労していないから、人の事を言えないけどな。

 つまり、五十歩百歩だ。

 だが、俺は文句の一つも言ってやらないと気が済まない。

 

湊翔「お前さ、説得力が無いんだよ。まあ、俺もお前の事はとやかくは言えないけどさ。だからって、冒険者全員が、お前みたいに宿に泊まれると思うなよ?大体、アクアが馬小屋なのは、アクアの金遣いが荒いからだ。」

ミツルギ「…………そんな言い訳をするんじゃない。それに、そうやって責任を女神様に擦りつけるのか?」

 

 ダメだ、人の話を聞きやしない。

 思い込みが激しいタイプか?

 アクアの事を知っている俺からしたら、アクアの自業自得だとしか言えないのだが、それを言ったら、火に油を注ぐような真似になるだろうな。

 すると、アクア達に同情の視線を向ける。

 

ミツルギ「君達。今まで苦労したね。今日から、ソードマスターである僕の所に来ないかい?高級な装備を買い揃えてあげるよ。」

 

 剰え、こちらのパーティーから、トウカ達を抜き取ろうとしていた。

 ていうか、言い方が援助交際を求める中年親父じゃねぇか。

 アイツからしたら、悪者である俺とカズマから、アクア達を救う感じなんだろうな。

 

「「「「…………。」」」」

アクア「ねぇ、あの人ヤバくない?あの人本気でひくぐらいヤバいんですけど。て言うか勝手に話進めるしナルシストも入ってる系で、怖いんですけど。」

ダクネス「どうしよう、あの男は何だか生理的に受けつけない。攻めるよりも受けるのが好きな私だが、あいつだけは何だか、無性に殴りたいのだが。」

めぐみん「撃っていいですか?あの苦労知らずのスカしたエリート顔に、爆裂魔法を撃っても良いですか?」

トウカ「…………見たところ、あの魔剣グラムって奴に頼りっきりだな。そんな奴についていく義理はないな。」

 

 すごい不評だな。

 まあ、援助交際を求める中年親父みたいな言い方だったからな。

 悪印象なのは間違いない。

 俺も、ミツルギの印象は最悪だ。

 こちらの事情を考えずに言ってくる奴など、仲良くなれないな。

 

湊翔「…………まあ、そんな事で、仲間達は、お前のパーティーには、入りたくないそうだ。」

カズマ「じゃあ、俺たち、ギルドに報告があるから。」

 

 そう言って、俺たちは移動しようとする。

 だが。

 

ミツルギ「待て!」

湊翔「うん?」

 

 ミツルギが、俺たちの前へと回り込み、通せん坊する。

 

湊翔「何の用だ?」

ミツルギ「悪いが、女神様をこんな境遇に置いてはおけない。」

 

 こいつ、しつこくないか?

 そして、こう言った後には大体………。

 

ミツルギ「僕と勝負だ!」

 

 やっぱり。

 

ミツルギ「僕が勝ったら、女神様はこちらに引き渡してもらおう。君が勝ったら、言う事をなんでも聞こうじゃないか。」

 

 勝手に話を進めやがって。

 しかも、こっちは負けたらアクアが奪われるのに、そっちが負けても、大した損害じゃない。

 完全に不公平その物じゃないか。

 すると。

 

カズマ「湊翔。こんな奴、お前が相手をするまでもないぜ。」

湊翔「カズマ?」

カズマ「俺にやらせてくれ。」

 

 カズマは、そう言った。

 冒険者であるお前が、ソードマスターであるミツルギには勝てない。

 反射的に、そう言おうとするが、口を閉じる。

 アイツは、仮面ライダータイクーンなのだ。

 信じるとするか。

 

湊翔「…………分かった。」

カズマ「おう。」

ツムリ「お待ち下さい。」

 

 俺が、カズマを信じる事にした瞬間、ツムリが現れる。

 ルールに抵触するとか、そんな感じだろうか。

 

ツムリ「仮面ライダーが、他の人に攻撃するのは、ルール違反です。即座に退場となりますよ?」

ミツルギ「仮面ライダー?」

カズマ「そ、そうなのか…………。いや、でも、決闘の場合は、どうなんだよ?」

 

 カズマがそう聞くと、ツムリは、カズマに顔を近づける。

 

ツムリ「…………両者の合意がある決闘なら、セーフです。」

カズマ「そっか………。なら、問題ないよな?」

ミツルギ「構わないさ。冒険者である君に、ソードマスターである僕が負ける筈が無いからね。」

 

 そう言うミツルギ。

 絶対後悔する事になるよな。

 ツムリは、気がついたら、いつの間にか姿を消していた。

 カズマは、デザイアドライバーを腰に装着して、ウォーターレイズバックルを取り出して、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 デザイアドライバーの右側にウォーターレイズバックルを装填すると、右側に青色の蛇口と英語でWATERという文字が現れる。

 カズマは、変身ポーズを取り。

 

カズマ「変身!」

 

 そう言って、ウォーターレイズバックルの蛇口の部分を捻る。

 

ARMED WATER

REDAY FIGHT

 

 カズマは、タイクーン・アームドウォーターに変身して、右手にレイズウォーターという水鉄砲が出現する。

 それを見たミツルギは。

 

ミツルギ「な、何だ、それは!?」

カズマ「仮面ライダータイクーン。それが、この時の俺の名前だ。」

ミツルギ「す、姿が変わったって!」

 

 ミツルギは、魔剣グラムで、カズマを攻撃する。

 カズマは、レイズウォーターで、魔剣グラムを受け止めて、打撃する。

 レイズウォーターは、水の供給が無ければ、ただの水の入っていない水鉄砲だ。

 一応、レイズウォーター本体は、強固なトラス構造で設計されている。

 その為、魔剣グラムの攻撃を、難なく受け止めている。

 ミツルギは、魔剣グラムの攻撃を受け止められている事に焦っていた。

 

湊翔「アクア。あの魔剣グラムって、どんな能力なんだ?」

アクア「え?確か…………あの痛い人が使うと、何でも斬れる剣よ。」

 

 アクアがそう答えた。

 なるほど。

 ミツルギが焦っている理由は、レイズウォーターが、グラムで斬れない事か。

 よっぽど、グラムに頼りっきりなのが分かってくるよな。

 すると、殴打攻撃をしていたカズマが動く。

 

カズマ「さてと!クリエイト・ウォーター!」

ミツルギ「ッ!?」

 

 カズマは、クリエイト・ウォーターを発動して、ミツルギは身構える。

 だが、カズマのクリエイト・ウォーターは、レイズウォーターに吸い込まれていく。

 そして、ウォーターレイズバックルの蛇口を捻る。

 

WATER STRIKE

 

カズマ「オラァァァァァ!!」

ミツルギ「グワァァァ!!」

 

 カズマが、ウォーターストライクを発動して、高圧の放水をして、ミツルギは吹っ飛ばされる。

 ミツルギは盛大に吹っ飛ばされ、壁に激突する。

 幸いにも、ミツルギ自身が受け身を取った事で、気絶はしてはいない。

 だが、高圧放水を食らったのだ。

 そう簡単には立てないだろ。

 

トウカ「勝負ありだな。カズマの勝ちだ!」

 

 トウカは、そう宣言する。

 すると。

 

取り巻き「ひ………卑怯者!!」

「「「「「「うん?」」」」」」

取り巻き「卑怯者!卑怯者!卑怯者!」

湊翔「はい?」

 

 なんか、カズマがミツルギの取り巻きに非難されてる。

 

ミツルギ「クレメオ、フィオ!何を!?」

カズマ「あんた達、コイツの仲間か?」

クレメオ「そうよ!この卑怯者!」

トウカ「………一応聞くけど、なんでだ?」

 

 いや、卑怯呼ばわりされる様な事はしてないだろ、カズマは。

 

フィオ「そんなのを使うなんて、卑怯よ!」

クレメオ「そうよ!無効よ!無効!」

カズマ「あのな。魔剣使いのソードマスターが、巷では最弱職と呼ばれてる冒険者に勝負を挑む方が卑怯だろ。」

トウカ「大体、其処のそいつは、決着方法を碌に説明していなかった。そして、カズマは持てる力を使って、勝負に挑んだ。卑怯どころか、正々堂々としてるだろ。」

ダクネス「それに関しては、どうなんだ?」

ミツルギ「………いや、彼は正々堂々と戦って勝った。………僕の負けだ。」

クレメオ、フィオ「キョウヤ!!」

 

 意外と潔いな。

 どうやら、頭に登ってた血が下がったみたいだな。

 

カズマ「さて、と。取り敢えず、その魔剣でも頂こうかな。」

ミツルギ「え!?」

カズマ「うん?」

ミツルギ「ま、待ってくれ!出来れば、この魔剣以外で………。」

 

 ミツルギは、焦りながらそう言う。

 さっき、何でも言う事聞くって、言ってただろ。

 

カズマ「いや、お前、さっき、負けたら何でも言う事を聞くって、言ってただろ。」

ミツルギ「そ、それは………。」

カズマ「都合が良すぎるんじゃ無いか?」

ミツルギ「うっ…………。」

 

 ぐうの音も出ない正論だな。

 まあ、助け舟を出すか。

 

湊翔「カズマ。魔剣は諦めて、檻の修理費を払ってもらおうぜ。」

カズマ「何でだよ?」

湊翔「明日、ベルディアが来る。一応、こいつも戦力として参加させるぞ。それに、こいつから魔剣を取ったら、一気に弱くなるからな。」

ミツルギ「なっ!?」

カズマ「どういう事だよ?」

 

 首を傾げるカズマに、俺は説明した。

 レイズウォーターが斬れなかった時の反応から、魔剣グラムに頼る戦闘スタイルなのが分かった。

 レベル自体は、カズマより先に来ている事もあって、高いだろうけどな。

 

ミツルギ「な、何故、最弱職の冒険者に、この僕が!?」

湊翔「今、負けただろ?それに、カズマは強くなろうとして、努力している。魔剣頼りのお前は、勝てない。」

ミツルギ「……………。」

 

 その後、ギルドに共に向かい、ミツルギに檻の弁償代20万エリスを払わせた。

 ミツルギは、俺の言葉を聞いてから、妙に思い詰めていた。

 取り巻きの女の子2人が話しかけるが、ほとんど上の空だ。

 一応、明日魔王軍幹部が来るから、街には居るように伝えたが、ミツルギは、ギルドを出て行った。

 後はあいつ次第だ。

 俺は、明日に備えて寝た。

 

ー翌日ー

 

 俺達は早くに合流して、その時を待っていた。

 その時。

 

ルナ「緊急!緊急!冒険者の皆さんは直ちに武装して正門前に集まって下さい!特に、サトウカズマさんと桐ヶ谷湊翔さんのパーティメンバーは絶対に来て下さい!」

 

 遂に来たか。

 俺は冒険者達に壁になってもらい、カズマ達が先頭に向かう。

 そこにはやはり、ベルディアが居た。

 ベルディアはプルプルと震えていて遂には。

 

ベルディア「何故城に来ないのだ、この人でなしどもがああああああっ!!」

 

 と、絶叫した。




今回はここまでです。
トウカが、オリジナル仮面ライダー、ラウンズに変身します。
ラウンズは、トウカが手に入れた、カリバーレイズバックルと、相性が良いです。
ちなみに、ラウンズ、カリバーレイズバックルは、アクアジェットレイズバックルと同じく、転生したら一般人だった件さんから、リクエストを頂いた物です。
次回とその次の回は、ベルディア戦です。
1人、リクエストを頂いたオリキャラを出す予定です。
ミツルギは、タイクーンに変身したカズマに負けました。
さて、彼はどうなるんでしょうね。
現在、ミツルギはダパーンかギンペン、ダストはメリー、リーンはシローに変身して欲しいという意見が来ていますが、ミツルギは、どちらに変身させた方が良いですかね?
アンケートは、ベルディア戦まで続けます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第8話 魔王軍幹部との戦い

ベルディア「何故城に来ないのだ、この人でなしどもがああああああっ!!」

 

 魔王軍幹部は大変お怒りの様だ。

 ちなみに俺はベルディアには見えない所に居て声だけは聞こえる。

 

カズマ「え〜っと、なんかお怒りみたいだけど………何で?」

ベルディア「はぁ!!何を抜かすか白々しい!」

 

 ベルディアは自分の首を地面に叩きつけて器用にキャッチした。

 痛くないの?あれ?

 ベルディアから凄まじい量の魔力が放出されている。

 

ベルディア「よく聞け、ヘナチョコ冒険者ども。我が名はベルディア。俺はとてつもなく頭にきている。貴様らは仲間の死に報いようとはしないのか!?」

カズマ「はい?」

 

 仲間の死って、俺の事ですね。

 て言うか勝手に殺すな。

 

ベルディア「生前はこれでも真っ当な騎士のつもりだった。その俺から言わせれば、仲間を庇ったあの戦士の鏡のような者の死を無駄にするとは、一体どういう了見だ!」

湊翔「うわぁ…………。」

 

 ヤバい!出て行きにくい!

 でも、ここで出ないと別の意味でヤバい。

 もう、行くしかないな。

 俺は冒険者達を押しのけて前に出る。

 

ベルディア「!?」

 

 ベルディアはとても驚いた様に目を見開いて硬直していた。

 

湊翔「………やあ。戦士の鏡なんて光栄ですよ。魔王軍幹部殿?」

ベルディア「は?………へっ?あんるええええええええええ!!!???」

 

 ベルディアの絶叫が周囲に広まった。

 

ベルディア「あれ?なんでお前、生きて……。」

アクア「なになに?あのデュラハンずっと私達を待ってたの?帰った後、私にあっさり解呪された事に気づかず?プークスクスッ!ウケるんですけど!超ウケるんですけど!!」

 

 アクア、お前、人を煽る才能はピカイチだよなぁ。

 

ベルディア「き、貴様巫山戯るなよ!俺がその気になれば、この街の住人を、皆殺しに出来るんだぞ!」

アクア「あぁん!?アンデットの癖に生意気よ!私が浄化してあげるわ!」

 

 アクアは浄化魔法の準備を始める。

 そして放った。

 

アクア『ターン・アンデット!』

 

 さて、アクアの浄化魔法の効果は一体?

 

ベルディア「駆け出しプリーストの浄化魔法が通じると思って……ギャアアアアアア!!」

 

 凄い、効いた。

 馬は完全に消滅したが、当のベルディアは地面を転がっていた。

 ベルディアには一応効いてるみたいだな。

 

アクア「な、私の浄化魔法が、効いてない!?」

カズマ「ギャアアアって言ってたし、効いてるんじゃないのか?」

 

 カズマの言う通り、効いてはいる。

 だが、仮にも魔王軍幹部が、プリーストの浄化魔法にあっさりやられてはダメなので、おそらく魔王がそこら辺の強化を行なっているのだろう。

 

ベルディア「グゥッ!ゼェ!ゼェ!一応言っておく。俺は魔王様より神聖魔法に対する耐性を獲得している。しているのだが………この街は一体なんなんだ!お前、駆け出しか?ここは駆け出し冒険者が集まる所なんだろ!?」

 

 まあ、駆け出しなのは、間違い無いけど。

 ジャマトは、普通の冒険者では倒せる代物じゃないし。

 すると、ベルディアがふらつきながら立ち上がる。

 

ベルディア「まぁ良い。わざわざこの俺が相手をするまでもない。『眷属召喚』!アンデットナイト達よ、この者達に地獄を見せてやれ!」

 

 眷属召喚というスキルを使ってアンデットを大量に召喚する。

 これってまさか。

 

カズマ「あ!あいつ、アクアの浄化魔法が予想以上に効いて、ビビったんだぜ!」

アクア「うんうん。」

ミツルギ「流石アクア様です!」

 

 ミツルギも居たんだ。

 まあ、あんなに効いたら、警戒するのも無理はないと思うが。

 

ベルディア「ち……違うわ!いきなりボスが戦ってどうする!まずは雑魚から………。」

アクア「『セイクリッド・ターン・アンデット!』」

ベルディア「ヒャァァァァァ!!あぁ、目が!目が!」

 

 ベルディアが言い終わる前にアクアが問答無用で上位の浄化魔法を放った。

 地面をのたうち回っているぐらいは効いているだろう。

 だが、流石に黒い煙が出ていた。

 

アクア「ど………どうしよう、カズマ、私の浄化魔法が効かない!」

カズマ「ヒャァァァァって言ってたし効いてるんじゃないのか?」

 

 何だろう。

 物凄く、緊張感が無い。

 本当に魔王軍幹部が来ているのにも関わらずにだ。

 

ベルディア「ブハァ!!………もう良い!街の住人を皆殺しにする。」

冒険者「不味い!早くプリーストを呼べ!」

冒険者「誰か!教会から聖水を持ってきて!」

 

 アンデットナイトがアクセルに迫ってきた。

 俺らも変身しようと構えるが。

 様子がおかしい。

 

ベルディア「ハッハッハッ!さあ、お前達の絶望の叫びをこの俺に……!……うん?」

冒険者「………うん?」

アクア「………え?」

 

 アンデットナイトは向かっていた。

 ある一点に向かって。

 そこに居たのは…………。

 

アクア「……え?……え!イヤァァァァァ!!」

 

 アクアだった。

 どういう訳かアクアに殺到していた。

 それも、アンデッドナイトの全ての個体が。

 

アクア「何で私ばっかり狙われるの!?私女神なのに!日頃の行いもいい筈なのに!?」

トウカ「貴女がそれを言う?」

ダクネス「あぁ!ずるい!私も日頃の行いはいい筈なのにどうして?」

カズマ(成程。アンデットは迷える魂だから、本能的に女神に救いを求めてるのだな。)

 

 まあ、アクアがアンデッドナイトに引き付けられてるのは、チャンスだ。

 どうにかして、アンデッドナイトを全滅させれば………!

 

湊翔「めぐみん、爆裂魔法で一掃出来ない?」

めぐみん「いやぁ、あんなに纏りがないと撃ち漏らしが出るのでは……。それにアクアが巻き込まれますよ。」

 

 まあ、それもそうか。

 しょうがないな。

 

湊翔「よし!めぐみんは爆裂魔法の準備!撃つタイミングはカズマに一任する。」

カズマ「俺!?」

湊翔「大丈夫だ。お前なら出来る。ちょっくら行ってくるわ。」

 

 俺は、ブーストレイズバックルを取り出して、グリップ部分を捻る。

 

ブーストライカー!

 

 すると、ブーストレイズバックルを使った時に出現するバイク、ブーストライカーが現れる。

 俺は、ブーストライカーに乗って、アクアに向かっていく。

 ちなみに、バイクの免許は、前世で取っているから、問題ない。

 

湊翔「アクア!飛び乗れ!」

アクア「え!?わ、分かったわよ!!」

 

 アクアはブーストライカーに飛び乗って、俺はベルディアに向かって爆走する。

 ただし、アンデットナイトとは微妙な距離感を保って。

 

カズマside

 

 湊翔の奴、俺に任せるって言ってバイクで爆走して、アクアを回収して、ベルディアに向かっていった。

 

カズマ「なるほどな。そう言う事か。」

めぐみん「えぇ!絶好のシュチュエーションですよ!」

ミツルギ「しかし、女神様を危険に晒すのはどうかと思うが?」

カズマ「あいつなら大丈夫だ。」

 

 そしたら、ベルディアを通過して、アンデットナイトもベルディアに近づいた。

 

カズマ「めぐみん、やれ!」

めぐみん「分かりましたよ!『我が名は、めぐみん!紅魔族随一の魔法使いにして、爆裂魔法を操る者!我が力見るがいい! エクスプロージョン!』」

 

 めぐみんの詠唱が完了し、虹色の星が輝き始める。

 詠唱の内容違うけどいいのか?

 湊翔達は離れているから、問題無いだろう。

 ベルディアに爆裂魔法が炸裂し。

 

ベルディア「ギャアアアアアア!!」

 

 と言う叫び声が聞こえた。

 

湊翔side

 

 ベルディアの横をスレスレで避けて、後ろから爆裂魔法が炸裂した。

 相変わらず凄えな。

 めぐみんもレベルアップの余波か、威力も最初よりも増している。

 しかも仮面ライダーになって魔力が上がったのか、倒れていない。

 俺は、ブーストライカーを操作して、すぐにカズマ達の元に戻る。

 

めぐみん「我が爆裂魔法の前に誰も傷一つ残らないとは。はぁ………快感です。」

カズマ「お疲れさん。」

湊翔「ナイスタイミング。」

 

 俺は、カズマにそう声をかける。

 すると。

 

SECRET MISSION CLEAR

 

 その音声が流れる。

 

カズマ「これって!?」

めぐみん「な、何ですか!?」

ダクネス「シークレットミッション………?」

 

 めぐみん、ダクネスが戸惑う中、カズマは、スパイダーフォンを取り出す。

 すると、そこには、『一定数のモンスターを撃破する様に指示を出す。』と書いてあった。

 すると、カズマの頭にミッションボックスが現れる。

 

トウカ「カズマ。頭に箱が現れてるぞ。」

アクア「それ、レイズバックルが入ってる箱じゃない。」

カズマ「えっ?あ、本当だ。」

 

 カズマは、そのミッションボックスを開ける。

 その中には、ブーストレイズバックルが入っていた。

 

湊翔「ブーストバックル!?」

カズマ「えっ!?ラッキー!」

めぐみん「ええっ!?狡いですよ!」

ダクネス「そういえば、カズマは、幸運値が高かったな…………。」

トウカ「そうだったな…………。」

 

 流石、幸運値が高いカズマだな。

 すると、クレーターから、何かが出てきた。

 それは、鎧が凹んでいるとはいえ、無事だったベルディアだった。

 

ベルディア「ふっふっふ、ハッハッハッ!」

カズマ「何!?」

達也「嘘だろ!?」

めぐみん「そ、そんな……!?」

 

 流石のめぐみんも驚いていた。

 あの爆裂魔法の直撃を受けて、無傷じゃないとは言え、生きているとは。

 だが、アンデットナイトは全滅できた。

 

ベルディア「面白い!面白いぞ!まさか配下を全滅されるとはな!!では、ここからは俺が相手をしてやろう!!」

 

 大剣を担いで、そう宣言してきた。

 ベルディアが爆裂魔法の直撃を喰らっても無事なのは気になるが、今はそれどころじゃない。

 

湊翔「よし!作戦決行だ!」

トウカ「めぐみん。気持ちは分かるけど、今は、ベルディアを倒す事に集中して!」

めぐみん「…………わ、分かってます。」

 

 めぐみんは、まだ完全にショックから立ち直れていないものの、作戦に参加する事にしたそうだ。

 俺は、アクアジェットとウォーターを、他の面子は、ウォーターのレイズバックルを構える。

 

SET

 

 俺は、デザイアドライバーの右側にアクアジェットレイズバックル、左側にウォーターレイズバックルを装填すると、右側に潜水艦と英語でAQUA JETと、青色の蛇口と英語でWATERという文字が現れる。

 他の面子は、デザイアドライバーの右側にウォーターレイズバックルを装填すると、右側に青色の蛇口と英語でWATERという文字が現れる。

 全員が変身ポーズを取り。

 

「「「「「変身!」」」」」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 俺は、アクアジェットレイズバックルの上下にボタンがあるので、それを押して、ウォーターレイズバックルの蛇口部分をひねる。

 他の皆も、ウォーターレイズバックルの蛇口の部分を捻る。

 

DUAL ON

AQUA JET ARMED WATER

ARMED WATER

REDAY FIGHT

 

 俺は、ギーツ・アクアジェットフォーム・アームドウォーターに、他の皆は、アームドウォーターに変身した。

 俺の手には、レイズウォーターだけでなく、アクアジェットランチャーという武器を持っている。

 それを見たベルディアは。

 

ベルディア「ほう。姿が変わったか。だが、その程度では、この俺を倒せないぞ!」

湊翔「どうかな。行くぞ!」

カズマ「おう!クリエイトウォーター!」

トウカ「私たちも行くぞ!」

冒険者達「クリエイトウォーター!」

ベルディア「何!?」

 

 何故、水属性の攻撃をするのかと言うと。

 実は、ルナに頼んで、ベルディアの出現記録を見させて貰ったのだ。

 それを調べると、ベルディアが現れるのは、大体晴れの日なのだ。

 曇りの日にも、一応は現れているが、晴れの日と比べると、そこまで高くはない。

 そして、前世でも、デュラハンは、自分の姿が映る事を嫌うのが有名だからな。

 その事から、ベルディアは水が苦手だと推測した。

 そこで、アームドウォーターとアクアジェットのレイズバックルを使って、ベルディアに水属性攻撃をする。

 だが、ベルディアは必死に避けている。

 

ベルディア「うわっ、おっと!貴様ら………おわっ!」

湊翔「クソ!ちょこまかと………!そうだ、カズマ!動きを止めてやれ!」

カズマ「おう!フリーズ!」

 

 カズマが氷結魔法を唱えて、ベルディアの足を凍らせる。

 それを見た他の冒険者も氷結魔法を唱えると、ベルディアは膝まで凍ってしまった。

 

ベルディア「…………抜かった!」

湊翔「よし、アクア!やれ!」

アクア「任されたわ!『この世に住まう全ての眷属達よ、女神アクアの名の下に命じる!今こそ集い、その力を我に示せ!』セイクリッド・クリエイトウォーター!」

 

 アクアの詠唱と共にクリエイトウォーターの強化型と思われる大量の水が出てきた。

 アクアの出す水は、聖水と同等の力を持つ可能性がある為、ベルディアにも効果は抜群だ!

 

ベルディア「!!水がァァァ!!ガボボボ!」

 

 アクアの出した水はベルディアを飲み込んだ。

 そこで終われば良かったが。

 

湊翔「うん?………ヤベッ!」

カズマ「もう良い!もう良いって!!」

冒険者達「ギャアアアアアア!!」

 

 アクアの出しすぎた水は俺達を巻き込み、遂にはアクセルにまで到達し、外壁に被害が出た。

 だが、これはチャンスだ。

 ベルディアは、聖水に包まれている。

 なら…………!

 俺は、二つのレイズバックルを操作して、必殺技の体勢に入る。

 

AQUA JET WATER VICTORY

 

 俺は、アクアが出した水の中に突っ込み、ベルディアの方へ。

 アクアジェットのアーマーには、小型ソナーが内蔵されていて、それを頼りに、ベルディアを見つけ出す。

 

湊翔「そこか!」

 

 ベルディアを見つけて、アクアジェットランチャーの横のレバーを引く。

 

SPLASH CHARGE

 

 そして、トリガーを引く。

 

TACTICAL FIRE

 

 俺は、アクアジェットフォームのアーマーとアクアジェットランチャーから、魚雷を発射して、ベルディアにダメージを与えていく。

 しばらくすると、水が引いて、ベルディアは倒れていた。

 

ベルディア「グゥゥゥゥ…………!」

湊翔「よし!」

カズマ「上手く行ったな!」

湊翔「ああ。」

アクア「何よ!魔王軍幹部って言っても、大した事ないじゃ無い!さあ!報酬はいくらくらいかしらね!」

カズマ「おい、待て!そんなフラグになりそうな事を…………!」

 

 ベルディアが倒れる中、アクアがそう言った。

 すると、フラグ回収する様に、ジャマーエリアが展開された。

 

めぐみん「これって…………!?」

ダクネス「以前、ジャマトという奴が現れた時の結界か!?」

トウカ「まさか…………!」

カズマ「そら見た事か!」

アクア「えぇぇぇぇ!?」

 

 ベルディアの周囲から、ジャマトが現れる。

 すると、スパイダーフォンにメッセージがやって来る。

 そこに書いてあったのは、『ゾンビジャマトを撃破せよ。』と書いてあった。

 

湊翔「…………どうやら、まだ終わらないみたいだな。」

 

 俺は、そう呟いた。

 こうして、ゾンビジャマトとの戦いもまた、幕を開ける。

 

???side

 

 まさか、初心に帰る為に、アクセルの街に戻ったのだが、魔王軍幹部が来るとはな。

 そして、そのツムリという奴から、このデザイアドライバーという奴と、ライコウという仮面ライダーのIDコアを受け取るとはな。

 

???「強い奴が居そうだな。ま、少しは楽しめると良いんだけどな。」

 

 そう言って、俺は、ジャマトという奴が現れて、混乱している冒険者の間を掻い潜って、向かっていく。




今回はここまでです。
ベルディアを追い詰めたものの、ゾンビジャマトが出現。
そして、謎のオリキャラが1人登場しました。
アクアジェットレイズバックルの専用武器、アクアジェットランチャーは、ダンボール戦機Wのシーサーペントが使う武器、マリンランチャーがベースになっています。
つまり、形状としては、潜水艦型のランチャーです。
丁度、潜水艦型の武器としてあったので、採用しました。
アンケートは、今回で締め切ります。
その為、ハーレムメンバーは、トウカ、ゆんゆん、リアとなります。
一つ、湊翔とリアに関する設定を思いつきました。
それは、2人が、日本で幼馴染だったという設定です。
どうでしょうか?
トウカ、ゆんゆん、リアの3人を、どのタイミングで湊翔とくっつけるのか、意見がある場合は、活動報告にお願いします。
リクエストは、引き続き受け付けます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第9話 起死回生のブースト

 ベルディアを追い詰めたと思ったら、ゾンビジャマトが出現した。

 

湊翔「ゾンビジャマト!?」

カズマ「何だよ、アレ!?」

アクア「ゾンビなら、私の出番ね!食らえ!セイクリッド・ターンアンデッド!」

 

 ゾンビと聞いて反応したアクアが、セイクリッド・ターンアンデッドを放つが、ゾンビジャマトに効いた様な気配はしない。

 

アクア「私のターンアンデッドが効いてない!?」

湊翔「アクア!相手はジャマトだぞ!ターンアンデッドが効くかどうか分からないのに!」

アクア「そんな!?」

めぐみん「というより、一部がベルディアに集まって、残りはこっちに来てますよ!」

ダクネス「どうする!?」

湊翔「倒すぞ!」

トウカ「そうだな!」

 

 俺たちは、ゾンビジャマトを倒していく。

 だが、数が多すぎる!

 

カズマ「おい!こいつら、倒しても倒しても湧いてくるぞ!」

湊翔「そいつらに噛まれるなよ!ゾンビになるからな!」

アクア「ええっ!?」

ダクネス「何だと!?」

トウカ「なら、噛まれない様に倒していけば良いだけだ!」

めぐみん「そうですね!」

 

 俺たちは、それぞれの武装で、ゾンビジャマトを倒していく。

 だが、ゾンビジャマトは、俺たちの後ろにいた冒険者達の方へと向かっていく。

 

湊翔「まずい!」

 

 今の冒険者達に、ジャマトを倒すのは厳しいはずだ。

 助けに行きたいが、周囲を取り囲んでいるゾンビジャマトの対応に追われて、行けない。

 このままじゃ、ゾンビ化する冒険者が続出するはずだ………!

 すると、1人の男性が、素手でゾンビジャマトを倒しているのが見えた。

 

???side

 

 俺は、デザイアドライバーにライコウのIDコアを装填して、デザイアドライバーも腰に装着する。

 その状態で、ツムリから貰ったスパイダーフォンで表示された、ゾンビジャマトとやらを倒していく。

 

???「他愛無いな。」

 

 こいつらは、そこまで強くない。

 ただ、数が多いのは事実だな。

 周囲を見ると、魔剣の勇者と呼ばれている、御剣響夜が居た。

 まあ、こいつは、魔剣グラムに頼っている様な奴だ。

 実力は無くとも、大丈夫だろ。

 

冒険者「う、うわぁぁぁ!!」

 

 そんな叫び声が聞こえてきて、俺は、すぐにその冒険者を襲うゾンビジャマトを撃破する。

 

???「大丈夫か?」

冒険者「あ、ありがとうございます!」

???「気にするな。」

 

 お礼を言う冒険者に、そう言う。

 すると、その倒したゾンビジャマトから、何かの箱が落ちる。

 

???「お?」

 

 俺は、その箱を拾い、蓋を開けると、中には、ツムリという奴が説明していたレイズバックルという奴が入っていた。

 爪みたいな形状のレイズバックルだった。

 

???「これが、レイズバックルか。早速使ってみるか。」

 

 そう言って、その爪みたいな形状のレイズバックルを、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 装填すると、右側に、黄色の爪と、英語でCLAWの文字が浮かぶ。

 俺は、変身ポーズを取り。

 

???「変身!」

 

 そう言って、バックルにある爪をスライドさせる。

 

ARMED CLAW

REDAY FIGHT

 

 すると、俺の体がスーツに包まれ、顔に虎の顔みたいな仮面が装着され、胸の部分にアーマーが、両腕に爪が装備される。

 これが、仮面ライダーライコウという事だろう。

 

???「爪か。良いじゃないか。よし、行くぜ!」

 

 変に、弓矢とか銃みたいな、遠距離や中距離で戦うのは、性に合わない。

 やっぱり、接近戦が一番だな。

 俺は、素早く動いて、両腕についているクローで、ゾンビジャマトを倒していく。

 ゾンビジャマトは、粗方片付けたので、魔王軍幹部と戦っている連中と合流するか。

 そう思い、駆け出していく。

 

湊翔side

 

 いつまでも、アクアジェットを使う訳にはいかないので、すぐにマグナムに変えて、ゾンビジャマトを倒していく。

 すると、その素手でゾンビジャマトを倒していた人が、変身した。

 虎の仮面ライダーみたいだが、あんなのは見た事がない。

 ゾンビジャマトを倒しながら、そう思っていると、そのライダーが近づいてくる。

 

???「おい、大丈夫か?」

湊翔「アンタ…………誰だ?」

白夜「俺か?俺は虎雷白夜(こらいびゃくや)だ。よろしく。」

湊翔「白夜ね…………。俺は、桐ヶ谷湊翔だ。よろしく。」

 

 そんな風に挨拶していると。

 

アクア「ちょっと!何、変なやつと挨拶してるのよ!さっさと倒してよ!」

 

 アクアが叫んだ。

 まあ、呑気に挨拶をしてる場合じゃないな。

 ただ、白夜と名乗った奴は、アクアの言葉に、顔を顰めた気がする。

 アクアも珍しく正論を言うんだな。

 そう思いながら、ゾンビジャマトを、アーマードガンと、マグナムシューター40Xで倒していく。

 すると。

 

トウカ「おい、見ろ!ベルディアが!」

湊翔「えっ!?」

カズマ「嘘だろ………!?」

白夜「へぇぇ…………。」

めぐみん「大きくなってますよ!?」

 

 そう。

 ベルディアは、どういう訳か、巨大化していたのだ。

 

ベルディア「ウオオオオ!!」

アクア「やばいんじゃないの!?やばいんじゃないの!?」

湊翔「こうなったら…………ブーストを使う!他の皆は、強いレイズバックルを使え!」

白夜「…………いや、俺、そういうの無いけど。」

湊翔「そうだった…………。白夜。手伝ってくれるか?」

白夜「良いぜ。あんなに強いやつと戦うのは、本当に久しぶりだ。」

カズマ「めぐみん!」

めぐみん「何ですか?」

カズマ「これ、使え!」

 

 そう言って、カズマがめぐみんに渡したのは、ブーストレイズバックルだった。

 

めぐみん「ブーストバックル!?何で………?」

カズマ「お前、俺たちみたいに、大型のレイズバックルが無いだろ。それ使え。」

めぐみん「…………!ありがとうございます!使わせて貰います!」

湊翔「よし!行くぞ!」

トウカ「ああ!」

 

 俺たちは、それぞれのレイズバックルを構える。

 俺とめぐみんはブースト、カズマはニンジャ、ダクネスはゾンビ、トウカはカリバーのレイズバックルを構えて、装填する。

 

SET

 

 俺とめぐみんの横に、バイクのマフラーから火が出る絵とBOOSTの文字が、カズマの横に、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が浮かぶ。

 俺たちは、それぞれのレイズバックルのギミックを動かす。

 

DUAL ON

GET READY FOR BOOST & MAGNUM

NINJA

BOOST ARMED CLAW

ZOMBIE

CALIBER

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムブーストフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・アームドクローブースト、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォームになる。

 

湊翔「それじゃあ、各個でベルディアに攻撃して、弱らせる!」

めぐみん「行きますよ!」

白夜「おっしゃあ!」

カズマ「ああ!」

ダクネス「うむ!」

トウカ「行くぜ!」

 

 俺たちは、巨大化したベルディアへと向かっていく。

 それぞれの武器を手に取って。

 俺は、マグナムシューター40Xで、ゾンビジャマトとベルディアに銃撃する。

 カズマは、ニンジャデュアラーを二つに分けて、攻撃していく。

 めぐみんは、ブーストの力で、加速したり踵落としをしながら、レイズクローで、ゾンビジャマトとベルディアに攻撃していく。

 めぐみんが攻撃する中。

 

カズマ「めぐみん!」

めぐみん「はい!」

 

 ブーストの力で飛んだめぐみんを、カズマがぶん回して、敵の方に向かって投げ、レイズクローで倒していく。

 ダクネスは、ゾンビブレイカーで、ゾンビジャマトとベルディアを斬っていく。

 トウカは、ソードエクスカリバーで、ゾンビジャマトとベルディアを斬っていく。

 白夜という奴は、レイズクローを持って、素早く動き、ゾンビジャマトとベルディアに攻撃していく。

 ある程度攻撃していくと、ゾンビジャマトは全滅して、後は、ゾンビジャマトによって巨大化したベルディアだけだ。

 

湊翔「よし!止めだ!」

カズマ「じゃあ、俺たちである程度弱らせるから、湊翔とめぐみんのブーストで、止めを差してくれ!」

めぐみん「はい!」

ダクネス「行くぞ!」

トウカ「ええ!そこのアンタも!」

白夜「言われるまでもない!」

 

 俺たちは、必殺技を撃つ体勢に入る。

 カズマはニンジャデュアラーの片方のディスクを回し、ダクネスはゾンビブレイカーのカバーを上部までスライドして、トウカはソードエクスカリバーの柄頭の部分に、ウォーターレイズバックルを装填し、白夜は、クローレイズバックルを引く。

 

ROUND 1・2・3 FEVER

POISON CHARGE

WATER

 

カズマ「行くぞ!」

ダクネス「ああ!」

トウカ「ハァァァ…………!」

白夜「フッ!」

 

 必殺技を待機させていた4人は、一気に駆け出していく。

 

TACTICAL FINISH

TACTICAL BREAK

WATER TACTICAL STLASH

CLAW STRIKE

 

カズマ「ハァァァァ!!」

 

 カズマは、ニンジャデュアラーを2本持って、ベルディアにダメージを与えていく。

 

ダクネス「ハァァァ!!」

 

 ダクネスは、ゾンビブレイカーにチャージした毒の力で、ベルディアに攻撃する。

 

トウカ「セイッ!」

 

 トウカは、ウォーターレイズバックルの力で水を纏ったソードエクスカリバーで、ベルディアに攻撃する。

 

白夜「ハアッ!」

 

 白夜は、高速移動をして、レイズクローによる斬撃を浴びせる。

 4人の必殺技を受けたベルディアは、弱っていた。

 

ベルディア「ぐぅぅ………!」

白夜「止めはお前らに譲ってやるよ!」

カズマ「行け!」

ダクネス「頼んだぞ!」

トウカ「行きなさい!」

湊翔「ああ!行くぞ、めぐみん!」

めぐみん「はい!」

 

 めぐみんは、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 すると、めぐみんは空中に一旦浮き、マスク部分が外れると、180度回転して、クローの装甲が下半身に、ブーストの装甲が上半身に行って、再びマスク部分が装着される。

 めぐみんの両腕に装備されているレイズクローは、巨大化していた。

 そして、ブースト必殺技の体勢に入る。

 それぞれの片側のレイズバックルを操作して、ブーストのハンドル部分を2回回す。

 

BOOST TIME

 

湊翔「ハアッ!」

 

 俺は、ブーストのアーマーの力で、空高く飛び、ギーツモードになったブーストライカーが、俺の方に向かっていく。

 めぐみんの方は、巨大なレイズクローを構えていた。

 上空から、ベルディアを見据える。

 そして、俺とめぐみんは、ブーストレイズバックルのハンドル部分を回す。

 

MAGNUM BOOST GRAND VICTORY

BOOST CLAW GRAND VICTORY

 

湊翔「ハァァ………!ハァァァ!!」

めぐみん「ハァァァァ!!」

 

 俺は、マフラーから炎を出して加速するブーストライカーと共に、炎を纏ったライダーキックを繰り出す。

 めぐみんは、レイズクローから出てきたスラスターを使って加速して、ベルディアに向かっていく。

 そして、ライダーキックと斬撃がベルディアに命中する。

 

ベルディア「ぐわァァァァ!!」

 

 そんな叫び声と共に、ベルディアは爆発する。

 爆炎が晴れると、ベルディアが倒れていた。

 すると。

 

ベルディア「見事だ…………。そこの狐の戦士よ。名を、何と言うんだ………?」

湊翔「桐ヶ谷湊翔。仮面ライダーギーツ。」

ベルディア「仮面ライダーか。お前達の様な戦士と戦えた事、………騎士として誇りに思う。魔王軍に………栄光あれェェェェッ!」

 

 ベルディアはそう言って、再び爆発する。

 そこには、もうベルディアは居なかった。

 俺たちが冒険者達の方を向くと、冒険者達から、勝鬨の声が上がる。

 こうして、ベルディアとの戦いは、俺たちの勝利で幕を閉じた。

 すると、俺とめぐみんのデザイアドライバーに装填されているブーストレイズバックルから、煙が出てくる。

 

カズマ「おい、湊翔、めぐみん。何か、ブーストバックルから、煙が出てるぞ?」

めぐみん「え?」

湊翔「あ。」

 

 すると、二つのブーストバックルが、ドライバーから外れ、アクアへと向かっていく。

 

アクア「え?ええっ!?いやぁぁぁ!!」

カズマ「アクア!?」

アクア「何で!?何でブーストバックルは、私に飛んでくるのよ!?…………って、プギャ!」

 

 アクアの言葉の最後の方が変な感じになったのは、ブーストバックルが命中したからだ。

 そして、アクアが倒れる中、ブーストバックルは、そのまま空へと向かっていく。

 まあ、また回収すれば良いか。

 そう思った。

 その夜、俺たちは、白夜と話をする事にした。

 

カズマ「…………それじゃあ、改めて、アンタの名前を聞くけど、何なんだ?」

白夜「俺は虎雷白夜だ。よろしく。」

湊翔「君も、ツムリからドライバーを受け取ったって訳か?」

白夜「ああ。…………それはそうと、お前らの名前は何だよ?湊翔しか知らねぇぞ。」

カズマ「ああ。俺は、サトウカズマ。仮面ライダータイクーンだ。」

めぐみん「我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法使いにして、爆裂魔法を操りし者。そして、仮面ライダーナーゴです。」

ダクネス「私はダクネス。クルセイダーを生業にしてて、仮面ライダーバッファだ。」

トウカ「私はトウカ。ソードマスターで、仮面ライダーラウンズだ。」

アクア「私はアクア。そう!水の女神アクアその人よ!」

白夜「女神?」

湊翔「…………を、自称してるだけだ。」

 

 白夜は、絶対転生者だろうな。

 どう考えても日本人の名前だし。

 それにしても、白夜は、アクアの事を嫌っている様な気がするな。

 

白夜「そうだよな!こんな所に、女神が居てたまるか。」

アクア「はぁ〜!?てゆーか、アンタ思い出したわよ!アンタは私が………!」

白夜「…………ッ!」

 

 白夜は、即座に俺、カズマ、アクアを連れて、ギルドから出て、建物の裏に向かう。

 

アクア「何すんのよ!?」

白夜「それはこっちのセリフだ!いきなり何を言おうとしてるんだ、お前は!」

カズマ「…………アクアと知り合いなのか?」

アクア「知り合いも何も、こいつは、私が転生した奴よ!電気を自在に操り、身体強化する能力を特典にした!」

湊翔「やっぱりか…………。」

 

 だろうな。

 まあ、ミツルギとは違って、アクアの事は、一切尊敬してなさそうだが。

 なるほど、身体強化して、俺たちを纏めて連れ出した訳か。

 すると、アクアが笑いだす。

 

アクア「そういえば、思い出したわよ!アンタの余りにも情けない死に方を………ぷげっ!」

白夜「だぁから!人の死に方で笑うなって言っただろ!」

 

 白夜は、何かを言おうとしたアクアを、ハリセンで即座にぶっ叩く。

 ていうか、カズマ以外にも、死因を笑ったのか。

 女神であるが故に、感性は人間とは異なるのか?

 

カズマ「どういう事だよ?」

アクア「だって!元々格闘家を目指してたけど、訓練を終えて、帰宅途中にで誤って空き缶を踏んでバランスを崩して階段から転落し、後頭部をぶつけて脳の血管がいくつか切れて死んだのよ!笑えるんですけど〜!ぷ〜くすくすくす!!」

白夜「だから、笑うなっつてんだろ!」

湊翔「アクア………それは、最低だぞ。」

 

 その死因に関しては、事故なんだからしょうがねぇだろ。

 すると、カズマは、白夜の肩に手を置く。

 

白夜「………ん?カズマ?」

カズマ「分かる!分かるぞ!俺だって、この駄女神にバカにされたんだぞ!」

アクア「そりゃそうでしょ!トラクターに轢かれたと勘違いしてのショック死なんて、アンタ達、本当に笑えるわ!」

 

 白夜は、驚いた表情を浮かべ、カズマの両肩に手を置く。

 

白夜「お前も、バカにされたんだな………。」

カズマ「で、嫌がらせとして、この女神を特典にして、道連れにした訳だ!」

白夜「それは良いな!スカッとするぜ!」

カズマ「でも、こいつ、ステータスがカンストしてんのに、運と知力のステータスが最低なんだよ。」

白夜「は?何だよ、人の事をバカにしておいて、お前の方がバカだろ!」

アクア「はぁ〜!?」

湊翔「やれやれ…………。」

 

 白夜、カズマ、アクアの喧嘩を、呆れながら見る俺だった。

 その後、何とか仲裁して、皆の元に戻る。

 白夜は、俺に話しかける。

 

白夜「なぁ。」

湊翔「ん?」

白夜「俺を、お前のパーティーに加えてもらえないか?」

湊翔「良いのか?」

白夜「ああ!お前と一緒に居たら、強い奴と戦えそうな気がする。」

湊翔「そうか。なら、よろしく頼むな!」

白夜「おう!」

 

 こうして、虎雷白夜こと仮面ライダーライコウが仲間になった。

 その翌日、ギルドに向かうと。

 

アクア「あっ!ちょっとカズマ、湊翔、白夜!遅かったじゃないの!もう既に、皆出来上がってるわよ!」

湊翔「出来上がってるじゃないよ。ベロンベロンじゃねぇか。」

白夜「俗物すぎるだろ。」

トウカ「まあ、魔王軍幹部を倒したからね。」

めぐみん「あ!カズマ、湊翔、白夜!聞いて下さい!ダクネスが、私にはお酒は早いと、どケチな事を………!」

ダクネス「いや待て、ケチとは何だ、そうではなく………!」

ルナ「カズマさん、湊翔さん、お待ちしておりましたよ。」

 

 そこに、ルナさんがやって来る。

 何だ?

 

ルナ「カズマさんと湊翔さんのパーティーには、特別報酬が出ているんです。」

カズマ「え?何で………?」

荒くれ者「魔王軍幹部を倒すなんてな。俺は最初から、お前らの中の輝きを信じてたぜ。」

カズマ「俺の中の、輝き………?」

荒くれ者「地獄の入り口に光が差すな。古い言い伝えだが。」

湊翔「そんな言い伝え、あったんだ。」

冒険者「それに、2人のパーティーが居なかったら、デュラハンなんて倒せなかったしな。」

 

 そうだな。

 すると、ルナさんが口を開く。

 

ルナ「サトウカズマさんと桐ヶ谷湊翔さんのパーティーには、3億エリスが贈呈されます!」

「「「「「「さっ!?」」」」」」

 

 すると、ギルド内から、奢れコールが来る。

 カズマ、アクア、めぐみん、ダクネスが集まって話してる中、ルナさんの申し訳なさそうな表情が目に入る。

 

湊翔「ルナさん、何か、言いたい事があるんですよね?はっきり言って下さい。」

ルナ「やはり、湊翔さんには分かりますか…………。」

 

 そう言って、ルナさんは小切手を渡してくる。

 カズマ達もこちらに来る。

 

ルナ「ええと、ですね。今回、カズマさんと湊翔さん一行の………アクアさんの召喚した大量の水により、街の入り口付近の家々が一部流され、損壊し、洪水被害が出ておりまして……。………まあ、魔王軍幹部を倒した功績もあるし、全額とは言わないから、一部だけでも払ってるくれ………と…………。」

 

 その言葉に、俺たちは唖然となる。

 まさか、アクアの水が、そんな被害を出してたなんて!

 嘘だろ………。

 すると、唖然としている俺とカズマの肩に、ダクネスと白夜が手を置く。

 

ダクネス「報酬3億。…………そして、弁償金額が3億4千万か。」

白夜「湊翔、カズマ。明日は、金になる強敵相手のクエストに行こうぜ!」

 

 ダクネスと白夜は、いい笑顔で笑う。

 まあ、クエストに行くのは良いんだけどさ。

 ていうか、命懸けで戦った奴相手に借金を負わせるなんて、何考えてんだ、この国の連中は。

 そりゃあまあ、言っている事には一理あるのだが。

 だが、どうも納得いかない。

 そんなモヤモヤを抱きつつ、俺は、借金をどうにかしようと決意する。




今回はここまでです。
雷影さんがリクエストしてくれた、虎雷白夜こと仮面ライダーライコウが登場しました。
アクアとは、死因をバカにされた為、仲が悪いです。
転生特典は、アクアが言ってた通りです。
格闘家を目指していたのもあって、格闘戦が得意です。
カリバーレイズバックルの武器、ソードエクスカリバーは、柄頭の部分に、小型のみとはいえ、レイズバックルを装填出来ます。
そして、本家ギーツより先駆けて、タイクーン・ニンジャフォームが登場しました。
デストロイヤー戦にて、スラグフォートレスジャマトか、ナイトジャマトを出そうかなと思っています。
そのどちらを出すのか、意見がある場合は、お願いします。
アウトサイダーズが配信され、次回は、王蛇だけでなく、ディエンドも登場!?
感想、リクエストは、絶賛受け付けています。
これにて、第1章は終わりです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2章
第10話 雷虎VS冬将軍


 魔王軍幹部ベルディアを撃破し、虎雷白夜が仲間になってから2ヶ月が経過したある冬。

 外壁の修理は着実に進み、もうじき完了との事だ。

 その間、俺たちは、借金の完済に向けて俺達はあちこちを駆けずり回っていた。

 分担としては、カズマ、アクア、めぐみん、ダクネスはジャイアントトードやコボルトにゴブリン等を担当して、俺達は厄介な部類に入るモンスターの討伐に当たった。

 例えば、一撃熊。

 こいつは、冒険者の頭を一撃で吹き飛ばす事からそう名付けられた。

 見た目通りやばくて強そうだったが、俺と白夜とトウカの連携で倒せた。

 例えば、ジャイアントアースウォーム。

 こいつは、名前の通り、でかいミミズで、肉食性で、人がたびたび食べられるらしい。

 こいつは、マグナムシューター40Xで、わざと大きな音を出して誘き寄せ、お腹を撃ち抜いた。

 例えば、白狼の群れ。

 こいつらは、群れをなして襲ってくる。

 牧場でたびたび被害が出ているそうだ。

 こいつらは、俺が、白狼の群れの動きを牽制して、白夜とトウカの二人が倒した。

 このように、色々なところを駆けずり回ってなんとか借金の完済を完了した。

 返済が完了した俺達は、まるで屍のようにテーブルに突っ伏していた。

 一応、借金の完済お疲れ様パーティーと称して盛大に飲んで楽しんだ。

 その際に、全員が、何かしらのレイズバックルを手に入れており、俺は、チェーンアレイ、クロー、ミラーシールド、コピーで、カズマはハンマー、クロー、ミラーシールド、ランダム、ブースト、めぐみんはチェーンアレイ、ミラーシールド、ダクネスはアロー、クロー、コピー、トウカはアロー、クロー、ナイフ、ランダム、白夜はシールド、ウォーター、ハンマー、アロー、チェーンアレイ、ナイフを手に入れた。

 見た事が無いのは、ミラーシールド、ランダム、コピー、ナイフのレイズバックルだ。

 効果としては、ミラーシールドは、シールドの魔法防御特化型で、魔法を跳ね返せるけど、あまりにも強すぎるものは反射できない模様。

 ランダムは、ボタンを押すと小型や大型関係なくランダムでバックルに変化し使うことが出来るが、一度使うとブーストバックル同様に消えてしまう様だ。

 コピーは、ほかのライダーの使っているバックルの鎧を身に纏えるが、オリジナルには及ばない出力しか出せないそうだ。

 ナイフは、コンバットナイフ状の武器、レイズナイフを使えるそうだ。

 そんな感じで、戦力が大きくなっていた。

 ていうか、カズマは、またブーストバックルを手に入れてたのか。

 しかし、楽しいばかりじゃないのが現実であり、現在、カズマは血反吐を吐くかのように叫んだ。

 

カズマ「…………金が欲しい!!」

アクア「そんなの、誰だって欲しいに決まってるじゃないの。というか、仮にも女神であるこの私を、毎日毎日馬小屋になんかに泊めてくれちゃって、恥ずかしいと思わないんですか?分かったら、仮面ライダーの力で、もっと私を贅沢させて!もっと私を甘やかして!」

 

 カズマがそう言う中、アクアはあまりにも舐めた事を言い出す。

 

湊翔「あのな、仮面ライダーの力は、お前を甘やかす為にあるんじゃない。そんな舐めた事を言うと、借金をお前に全部押し付けるぞ。」

アクア「待って!お願い、見捨てないで!」

 

 俺がアクアを突き放す発言をすると、アクアは縋り付く。

 アクアをあまり甘やかしすぎると、碌なことにならないからな。

 しばらくすると、めぐみん、ダクネス、トウカがやって来た。

 俺たちは、借金を完済し終えた影響で、生活するには少し苦しい。

 しかも、現在は冬なので、

 クエストを見ると、雪精討伐のクエストがあった。

 雪精とは、冬場に宙を漂っている存在で、低レベル冒険者でも楽に倒せる。

 1匹倒すたびに冬が半日縮まるという謎な生態がある。

 しかし、そんな楽なのにも関わらず、高額報酬だと言う。

 絶対裏があるだろ。

 これまではそう思って受けてこなかったのだが、こうなっては背に腹は変えられないという事で、俺たちはそのクエストを受ける事にした。

 その際、ダクネスの顔が妙に赤い事と、白夜がやけに気合いを入れていた事が少し気になった。

 という訳で、冬服に着替えて、雪精討伐を行う事にした。

 ブーストライカーがあれば、移動が楽なのだが、我慢して、歩きで行く。

 俺たちは、各々の武器で、雪精を倒していく。

 だが、一つ、突っ込みたい。

 

湊翔「お前、何でそんな格好をしてんだ?」

 

 俺は、冬に使うコートを着て捕虫網といくつかの小さい瓶を抱えた、冬場、セミ採りに行くバカな子供の様なアクアの格好に、呆れて言った。

 

アクア「はあー?あんたバカなの?」

 

 この野郎。

 俺より知恵のステータス低いだろうが。

 

アクア「これで雪精を捕まえて、この小瓶の中に入れておくの!で、そのまま飲み物と一緒に箱にでも入れておけば、いつでもキンキンのネロイドが飲めるって考えよ!つまり、冷蔵庫を作ろうって訳!どう?頭いいでしょう!」

 

 なんかオチが読めそうだが、本人が勝手にやる事なので好きにやらせておこう。

 どうせ、泣くのはアクアなんだしな。

 ダクネスには、カズマが尋ねていた。

 

カズマ「お前、鎧はどうした?」

ダクネス「修理中だ。」

 

 ダクネスは、鎧も着けずに私服姿で、剣だけを持っていた。

 

カズマ「ダクネスはそんな格好で本当に寒くないのか?」

ダクネス「……問題ない。ちょっと寒いが……我慢大会みたいな物と……思えば。」

 

 どうやら頭の温かい変態は、基本体温も高めらしいな。

 めぐみんは、いつもの服ではなく、首から太腿まで覆える黒のインナーを着用しており、足には黒のブーツ、白のケープを纏っている。

 手にも白色のグローブに、頭は猫みたいな意匠のフードを被っている。

 トウカは、騎士服を着ているのは変わりないが、その上からコートを着ている。

 白夜は、ロングコートを着用していた。

 

カズマ「めぐみんは寒くないのか?この中でも1番薄着だろ。」

めぐみん「大丈夫ですよ。私は基本体温は高めでインナーも保温性が高いので。」

カズマ「そうか。」

湊翔「二人はまあ、大丈夫か。」

トウカ「そうだな。問題ない。」

白夜「俺もな。」

 

 そうして、俺たちは討伐に入る事に。

 俺は、マグナムシューター40Xで、雪精を撃ち落としていく。

 カズマは、ニンジャデュアラーを使って、雪精を倒していく。

 アクアは、虫取り網で雪精を捕まえていた。

 ダクネスは、ゾンビブレイカーを使っているが、まあ、戦力外だしな。

 トウカと白夜は、意外と雪精を倒していた。

 めぐみんは、爆裂魔法を撃って、雪精を倒す。

 だが、本当に気になるな。

 

湊翔「なぁ。」

カズマ「ん?」

湊翔「何で、こんなに報酬があるのに、誰もやらないんだろうなって。」

カズマ「確かに………。」

 

 すると、ダクネスが叫ぶ。

 

ダクネス「出たぞ!」

「「!?」」

 

 ダクネスの視線の先には、冷気が立ち込めていてよく見えないが、なんか鎧武者のようなやつがいて、日本刀を構えていた。

 

カズマ「なんだあれ!?」

ダクネス「ワクワク!」

湊翔「え?」

 

 何でダクネスが喜んでんだ?

 ていうか、アイツは何?

 めぐみんは、険しい顔で見ている。

 トウカは驚いていてた。

 

アクア「ねぇ、カズマ、湊翔。」

カズマ「何だ?」

アクア「貴方達も日本に住んでいたなら、何度か天気予報で聞いた事があるでしょう。」

湊翔「天気予報?」

 

 こんな時に何言ってんだ。

 

アクア「雪精の主にして、この世界の、冬の風物詩、冬将軍の到来よ!」

「「はい?」」

 

 アクアがそう言った瞬間、冷気が晴れてそいつの全体図が顕になった。

 そいつは本当に鎧武者だった。

 なんか、怒ってるように見えるが。

 

ダクネス「冬将軍!……国から懸賞金が掛けられている特別指定モンスター!」

「「はぁ!!」」

 

 大体わかったぞ。なんで雪精討伐がこんなに楽なのに高額報酬が掛かっているのか。

 なんで誰も受けないのか。

 なんでダクネスが喜んでいたのか。

 全部こいつのせいか!

 

ダクネス「きっと将軍の地位を利用して私を手込めにするだろう……。できる限りは抵抗するが、力及ばず、組み伏せられて……。」

カズマ「バカー!この世界は!人もモンスターも食べ物もみんな揃って大馬鹿だァァァ!!」

湊翔「本当にろくでもないな!」

 

 冬将軍は、駆け出してダクネスに襲っており、ダクネスは、ゾンビブレイカーで受け止める。

 前の剣だったら、あっさり斬られてそうだな。

 

カズマ「こいつヤバい!」

アクア「まあ、冬将軍も雪精なんですけどね。」

湊翔「はい!?」

 

 アクア曰く、精霊は人が思った姿になる。

 だが、こんな冬にクエストに出るのは、余程の物好きか、チート持ちの日本人くらいしかいないそうだ。

 つまり。

 

カズマ「つまり、こいつは日本から来た誰かが、冬と言えば冬将軍のノリで連想したから生まれたのか!?」

湊翔「なんて傍迷惑なんだ!!」

 

 正直言って冬将軍を生み出した奴がこの場にいたなら、ぶん殴ってやりたい。

 流石に変身すべきだろうと思って、デザイアドライバーを取り出す。

 だが。

 

白夜「ここは、俺に任せてくれ。」

湊翔「白夜?」

白夜「アイツは、俺が戦う。」

カズマ「白夜!?」

 

 そう言って、白夜は前に出る。

 すると、冬将軍の気配が変わる。

 それは、まるで、好敵手との再会を喜ぶような気配だった。

 

白夜「久しぶりだな、冬将軍。」

アクア「アンタ、冬将軍と知り合いなの?」

白夜「アイツとは、何度も戦ってな。謂わば、宿命の相手だ。」

湊翔「そうなの!?」

 

 マジで!?

 道理で、冬将軍も、白夜の事を、好敵手を見るかのような目をしているなと思った。

 まあ、戦いに水を差すのは悪いな。

 

湊翔「分かった。思いっきりやれ。」

白夜「サンキュー。」

 

 そう言って、白夜は、デザイアドライバーを腰に装着して、冬将軍の方へと向かう。

 トウカが話しかけてくる。

 

トウカ「本当に良いのか?」

湊翔「ああ。アイツを信じるだけだ。」

トウカ「それもそうだな。」

 

 そう話す中、白夜と冬将軍は、お互いに向かい合う。

 

白夜「久しぶりだな。こうして、向かい合うのは、いつ以来かな。」

 

 その言葉に、冬将軍は頷く。

 やっぱり、死闘を繰り広げたライバルって感じがするな。

 

白夜「今回は、俺が勝たせて貰うぜ!」

 

 白夜がそう言うと、冬将軍も頷いて、刀を抜刀する姿勢を取る。

 白夜は、クローレイズバックルを、デザイアドライバーの右側に装填する。

 

SET

 

 装填すると、右側に、黄色の爪と、英語でCLAWの文字が浮かぶ。

 白夜は、変身ポーズを取り。

 

白夜「変身!」

 

 そう言って、バックルにある爪をスライドさせる。

 

ARMED CLAW

REDAY FIGHT

 

 すると、胸部のアーマーが装着され、腕にはレイズクローが装備される。

 仮面ライダーライコウ・アームドクローだ。

 

白夜「行くぞ!ゴラァァァァ!!」

 

 白夜はそう叫んで、冬将軍に向かっていく。

 冬将軍も、刀を抜刀して、白夜に向かっていく。

 そこからは、凄まじいの一言だった。

 何せ、白夜の爪と冬将軍の刀が激しくぶつかり、火花散る戦いとなっていた。

 白夜の驚異的なスピードに、冬将軍はしっかりと対応して、冬将軍の攻撃を、白夜はしっかりと受け止める。

 まさに、一進一退の攻防が繰り広げられていた。

 

湊翔「凄い…………!」

トウカ「一進一退だな…………。」

カズマ「速い………!」

アクア「まあ、やるじゃないの?」

めぐみん「凄いですよ!あの冬将軍と互角に渡り合うなんて!」

ダクネス「アイツ、凄いな…………。」

 

 俺たちは、驚きながら、白夜と冬将軍の戦いを見守っていた。

 本当に凄まじい。

 これは、ミツルギ以上の強さだろうな。

 アクアは、白夜が格闘家を目指していた事、そして、特典が、電気を自在に操り、身体強化をする能力と言っていた。

 相性が良いのだろうな。

 今の俺が、アイツに肉弾戦を挑んでも、返り討ちに遭うのが目に浮かぶ。

 そう考えていると、白夜と冬将軍が一旦離れる。

 

白夜「相変わらず、やるじゃねぇか。だが、これで決める…………!」

 

 白夜は、そう言って、クローレイズバックルを操作する。

 すると、レイズクローの爪の部分に、黄緑色のエネルギーが溜まっていく。

 冬将軍も、居合斬りの体勢を取る。

 恐らく、次の攻撃で決めるつもりだ。

 しばらく、お互いは動かずにいた。

 乾いた風が吹き、止んだ瞬間、お互いに駆け出す。

 

CLAW STRIKE

 

 必殺技の音声が流れ、白夜と冬将軍は、お互いに、武器ですれ違い様に攻撃する。

 しばらく、動かなかった。

 すると、上空から、何かが降ってくる。

 それは、冬将軍の兜の角だった。

 すると、冬将軍は攻撃する素振りを見せずに、刀をしまうと、懐から扇子らしき物を取り出して、自分を扇ぎ出した。

 まるで、『よく拙者の兜の角を斬ったな!実に天晴れである!』と言わんがばかりの態度を取る。

 その後、冬将軍は背中を向けて、森へと去っていった。

 

白夜「ふぅ………俺の勝ちだ。」

湊翔「お疲れさん。」

カズマ「ああ!冬将軍に勝つなんて!」

トウカ「見事だ。」

めぐみん「凄いですよ!」

ダクネス「流石だな。」

アクア「何よ……。やるじゃない。」

 

 俺たちは、白夜を労う。

 すると。

 

SECRET MISSION CLEAR

 

めぐみん「この音声って!?」

湊翔「シークレットミッションか。」

白夜「お?」

 

 すると、白夜の前に、ミッションボックスが出現する。

 白夜がそれを開けると、発電機を模したような形状の大型レイズバックルが入っていた。

 

カズマ「レイズバックル!?」

湊翔「それも、大型か。」

白夜「ライトニングレイズバックルか………。良いじゃねぇか!」

 

 そうして、俺たちはアクセルに戻る事に。

 アクセルに無事に着いた。

 俺たちのパーティは、かなり有名になった。

 何せ、冬将軍と遭遇しつつも、退け、雪精討伐を行えたのだから。

 アクアは冬将軍に気づかれない様に数匹の雪精を連れてきていて、夏にかき氷屋を開いたり、暑い夜に一緒に寝る等と語っていたが、そもそもの話、夏まで雪精が存在を保てるのかという疑問を感じた。

 何か、春になったら消えてるっていうオチが見えるな。

 白夜は、アクアにそう言って、アクアと口論になった。

 それを見ていた俺は、何とか冬を越せそうだと思った。




今回はここまでです。
白夜が、ライコウと相性が良いレイズバックル、ライトニングレイズバックルを手に入れました。
そして、カズマは、再びブーストレイズバックルを手に入れました。
序盤の小型レイズバックルの内、ミラーシールド、ランダム、コピー、ナイフは、全て、転生したら一般人だった件さんからのリクエストです。
次回は、ダストのパーティーが絡んできます。
少し、アンケートを出します。
それは、デストロイヤー戦にて、ジャマトを出そうかなと思っていますが、スラグフォートレスジャマトか、サボテンナイトジャマトのどちらかを出そうかなと思っています。
ちなみに、次回の話にて、もしかしたら、ダストとリーンの二人が、仮面ライダーになる…………かもしれません。
もし良かったら、ダストとリーンが、何の仮面ライダーになるのか、意見がある場合は、活動報告にて受け付けています。
もしかしたら、ミツルギも仮面ライダーになる…………かもしれませんが。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第11話 パーティー交換

 俺、カズマ、トウカ、白夜は、違う人達とパーティーを組んでいた。

 何故、こうなったのかと言うと、話は少し前に遡る。

 俺たちが、話していると。

 

???「おいおいおい!」

湊翔「ん?」

 

 一人の男性が話しかけてきた。

 そいつは、燻んだ金色の髪に、赤色の瞳の男性だった。

 

???「この俺に挨拶も無しに目立とうなんざ、良い度胸じゃねぇか。」

湊翔「………………誰だよ?」

トウカ「…………彼はダスト。悪い意味で有名な冒険者だ。」

ダスト「おうよ!そこの姉ちゃん!俺の事を知っててくれるお礼として、その胸を揉ませろ!」

トウカ「断る!」

 

 チンピラみたいだな。

 多分、チンピラ冒険者として、有名なんだろうな。

 こういうのは、関わらないのが一番だな。

 俺とカズマが黙っていると、ダストは、調子に乗ったのか、更に煽ってくる。

 

ダスト「おいおいおい!どうした?何も言い返さねぇのかよ!?魔王軍幹部を倒したと言っても、大した事無ぇな!」

 

 我慢。

 我慢だ。

 こんなチンピラを相手にするのは、時間の無駄だ。

 それに、ダスト以外は笑っていない。

 

ダスト「そんなハーレムで、羨ましいよ!おい、俺と代わってくれよ兄ちゃんよ?」

カズマ「大喜びで代わってやるよおおおおおおおおおおっ!!」

 

 ダストがそう言うと、カズマが絶叫する。

 カズマが突然叫んだ事に、ダストは怯む。

 

アクア「カズマ…………?」

カズマ「おい、お前。今、何つった?」

ダスト「え…………?ハーレムで羨ましい…………。」

カズマ「ハーレム!!ハーレムってか!?おいお前、その顔にくっついてるのは、目玉じゃなくて、ビー玉かなんかなのか!?どこに良い女が居るんだよ!俺の濁った目ん玉じゃどこにも見当たらねえよ!お前、良いビー玉つけてんな、俺の濁った目玉と取り替えてくれよ!」

「「「あ、あれっ!?」」」

 

 カズマの言葉に、アクア、めぐみん、ダクネスの3人はそう言う。

 まあ、外見は良いけど、性格で大きくマイナスだしな。

 ちなみに、アクセルの冒険者ギルドからは、カズマ、アクア、めぐみん、ダクネスのパーティー、俺、トウカ、白夜のパーティーという扱いになっている。

 

湊翔「おい、カズマ。少し落ち着け…………。」

カズマ「なあおい!教えてくれよ!良い女?どこだよ、どこに居るってんだよコラッ!てめー、この俺が羨ましいって言ったな!ああ?言ったなおいっ!」

アクア「あ…………あのう…………。」

 

 ダメだ、落ち着く気配がない。

 どうしたもんか…………。

 すると、ダストは、少し冷静になったのか、カズマに謝る。

 

ダスト「…………そ、その、ご、ごめん………。俺も酔ってた勢いで言い過ぎた…………。で、でもあれだ!隣の芝は青く見えるって言うからな!お前さんは確かに恵まれてる境遇なんだよ!」

 

 まあ、一理あるな。

 カズマは、仮面ライダーになれるとはいえ、職業は最弱職の冒険者だ。

 周囲からそう見えてしまうのは、仕方ない事なのだろう。

 すると、ダストはこう言った。

 

ダスト「なら、1日だけ。1日だけ代わってくれよ、冒険者さんよ?おい、お前らも良いか!?」

???「お、俺は別に良いけどよお…………。今日のクエストはゴブリン狩りだし。」

???「あたしもいいよ?でもダスト。あんた、居心地が良いからもうこっちのパーティーに帰ってこないとか言い出さないでよ?」

???「俺も構わんぞ。」

 

 そんな感じで、パーティー交換が行われる事になった。

 ちなみに、俺、白夜、トウカは、カズマの方に行く。

 まあ、気分転換にはなるから良いか。

 白夜とトウカは、アクアとちょくちょく喧嘩するし。

 それに、ダストって奴は、一度知っておいた方がいい。

 アクア達が、面倒な奴らである事を。

 すると、ダストのパーティーメンバーが自己紹介して来た。

 

テイラー「俺はテイラー。片手剣が得物のクルセイダーだ。このパーティーのリーダーみたいなもんさ。」

リーン「あたしはリーン。見ての通りウィザードよ。魔法は、中級魔法まで使えるわ。」

キース「俺はキース。アーチャーだ。狙撃には自信がある。ま、よろしく頼むぜ?」

 

 なるほど、クルセイダーにウィザードにアーチャーか。

 俺たちも自己紹介する事にする。

 

カズマ「俺はカズマ。職業は冒険者だ。」

湊翔「俺は湊翔だ。職業はウェポンマスターだ。よろしく頼む。」

トウカ「私はトウカだ。ソードマスターを生業としている。」

白夜「俺は白夜だ。職業は、バトルマスターだ。」

 

 そんな感じに自己紹介をすると、リーンが謝ってくる。

 

リーン「ごめんね。うちのバカが、難癖つけてきて。」

湊翔「大丈夫だ。」

テイラー「というより、湊翔にトウカに白夜って、上級職なのかよ!?」

キース「すっげぇな!」

 

 そんな風に話す。

 そういえば、忘れてたけど、上級職だったな、俺。

 そんなこんなで、ゴブリン討伐に行く事になった。

 そして、現在に至る。

 俺たちは、山道の近くに住み着いたというゴブリン退治に行く。

 ダストは、アクア達に難癖をつけられていたが。

 

リーン「それにしても、何でこんな場所に住み着くのかな、ゴブリンは。まあ、おかげでゴブリン討伐なんて滅多にない、美味しい仕事が出てきたわけだけどさ!」

 

 リーンはそう言う。

 確かに、前回受けた時は、山道ではなく、森だったからな。

 何か居るのだろうか?

 すると、テイラーが話しかけてくる。

 

テイラー「そういえばさ、湊翔達って、仮面ライダーなんだよな?」

湊翔「そうだけど?」

テイラー「悪かったな。ダストは、ああいう奴なんだ。気に障ったなら、謝るよ。」

白夜「まあ、三下の戯言として受け取っておくよ。」

リーン「…………随分な言い方ね。まあ、間違ってないけど…………。」

 

 白夜、時折辛辣な発言が出るよな。

 すると、カズマが後ろを振り返る。

 

カズマ「ん?」

湊翔「どうした、カズマ?」

カズマ「敵感知に反応がある。一体だけだけどな。」

トウカ「一体だけ?」

テイラー「それはゴブリンじゃないな。こんな所に一体で行動する強いモンスターなど居ないはずだが…………。どうする?」

白夜「倒しておくか?」

カズマ「いや、潜伏スキルを使って、一旦様子を見よう。」

湊翔「そうだな。」

 

 俺たちは、茂みに隠れて、カズマの潜伏スキルを使わせる。

 白夜が若干不満そうだったが、了承している感じだった。

 すると、猫科の猛獣…………サーベルタイガーみたいなのが居た。

 バレるか不安だったが、何とかバレずに街へと向かう道へと消えていく。

 

リーン「…………ぶはーっ!ここここ、怖かったあっ!初心者殺し!初心者殺しだよっ!」

キース「し、心臓止まるかと思った!た、助かった…………。あれだ、ゴブリンがこんなに街に近い山道に引っ越してきたのは、初心者殺しに追われたからだぜ。」

白夜「そう考えて間違い無いだろうな。」

テイラー「あ、ああ…………。しかし、厄介だな。よりによって、帰り道の方に向かっていったぞ。」

トウカ「これじゃあ、逃げ道は無い感じだな。」

 

 リーン、キース、白夜、テイラー、トウカの5人は、そう言う。

 俺とカズマは、話についていけない。

 

カズマ「えっと、さっきの奴、そんなにやばいのか?」

リーン「えっ!?」

湊翔「悪いな。俺とカズマは、比較的最近、アクセルに来たから。」

白夜「アイツは初心者殺し。ゴブリンやコボルトといった、比較的弱く、初心者でも簡単に倒せるモンスターの側を彷徨いているんだ。」

トウカ「要は、ゴブリンを餌に、初心者冒険者を釣って狩るから、そんな名前がついたんだよ。」

テイラー「しかも、ゴブリンが定住しない様に、定期的に追いやって、狩場を変える。狡猾で、危険度の高いモンスターだ。」

カズマ「なにそれ、怖い。」

 

 モンスターですら、そんな知恵を持つのか。

 アクアにも見習って欲しい物だな。

 それにしても、大分厄介な状況になったのは間違いないな。

 その後、ゴブリンを倒す事にした。

 初心者殺しが引き返してくる気配は、今のところはない。

 ゴブリンが目撃されたのは、ここら辺だな。

 

テイラー「カズマ、どうだ?敵感知には反応あるか?」

カズマ「ああ。この山道を下っていった先の角を曲がると、いっぱい居るな。」

白夜「よし。早速行くぞ。」

湊翔「敵感知には、どれくらい引っ掛かたんだ?」

カズマ「それが…………探知出来ているだけでも、数え切れないぞ。」

トウカ「え?」

リーン「そうなの?」

 

 数え切れないって、かなり多いって事だよな。

 これは、変身しておくべきかな。

 そう思い、カズマ、トウカ、白夜の3人に、デザイアドライバーを装着するように言って、デザイアドライバーを装着する。

 すると、先に行ってしまったキースとテイラーの叫び声が聞こえる。

 

「「ちょっ!多っ!!」」

 

 そんな叫び声が聞こえてきて、俺、カズマ、トウカ、白夜、リーンも角を曲がると、30くらいのゴブリンの群れがいた。

 多いな。

 さてと、変身しておくか。

 俺はチェーンアレイを、カズマはランダムを、トウカはハンマーを、白夜はナイフのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横にはオレンジ色の鉄球と英語でCHAIN ARRAYの文字が、カズマの横には、ボタンと英語でRANDOMの文字が、トウカの横には、ピンク色ののハンマーと英語でHAMMERという文字が、白夜の横には、ナイフと英語でKNIFEの文字が現れる。

 

「「「「変身!」」」」

 

 そう叫んで、それぞれのレイズバックルを操作する。

 すると、カズマのRANDOMが、SAMURAIという文字に変わる。

 

ARMED CHAIN ARRAY

SAMURAI

ARMED HAMMER

ARMED KNIFE

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・アームドチェーンアレイに、カズマはタイクーン・サムライフォームに、トウカはラウンズ・アームドハンマーに、白夜はライコウ・アームドナイフになる。

 それぞれの武器を持って、ゴブリンの一団へと向かっていく。

 

湊翔「はあっ!」

 

 俺は、レイズチェーンアレイをぶん回して、ゴブリン達を薙ぎ払っていく。

 その際、テイラーを巻き込まないように気をつけて。

 

カズマ「フッ!」

 

 カズマは、サムライフォームに付属してくる武器を使い、居合斬りの如く、ゴブリン達を斬り捨てていく。

 

トウカ「ハアッ!」

 

 トウカは、レイズハンマーを振るって、ゴブリン達を倒していく。

 

白夜「ハアッ!フッ!」

 

 白夜は、レイズナイフを使って、高速移動しつつ、ゴブリンを倒していく。

 テイラー達は、何もしていないという訳ではなく、それぞれで攻撃していた。

 しばらくして、ゴブリンの群れは全滅した。

 そんな帰り道。

 ちなみに、サムライフォームとなっていたが、ランダムレイズバックルの効果で、消えてしまったそうだ。

 

キース「いやぁ、本当に強いな、お前ら!」

リーン「本当だよ!」

テイラー「さすが、魔王軍幹部を倒した奴らだな!」

カズマ「まあ、こんなもんかな。」

湊翔「何とかなったな。」

白夜「そうだな。」

トウカ「……………何か、大事な事を忘れてるような気がするんだけど…………。」

 

 キース、リーン、テイラーが、俺たちを褒める。

 すると、トウカがそんな事を言う。

 何かに気付いたのか、キースが声を出す。

 

キース「あれ?何かが、凄い勢いでこっちに向かってきてないか?」

湊翔「あれは…………そうだ!初心者殺しを忘れてた!」

白夜「ていうか…………何か、増えてないか?」

 

 そう。

 来る時は一匹だった初心者殺しが、もう一匹増えているのだ。

 

リーン「嘘っ!?」

キース「何で初心者殺しがもう一匹居るんだよ!?」

テイラー「くそっ!俺が…………!」

湊翔「俺たちに任せとけって。」

 

 そう言って、俺たちは前に出る。

 それぞれの大型レイズバックルを持って。

 

湊翔「俺とトウカで、片方をやる。もう片方は、カズマと白夜に任せるぞ。」

カズマ「お、おう。」

トウカ「ええ。」

白夜「任せとけ!」

 

 そう言って、俺はマグナム、カズマはニンジャ、トウカはカリバー、白夜はライトニングのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横に白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横に緑の手裏剣の絵と英語でNINJAの文字が、トウカの横に青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵と英語でCALIBERの文字が、白夜の横に黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が浮かぶ。

 そして、俺たちは叫ぶ。

 

「「「「変身!」」」」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

CALIBER

LIGHTNING

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォームになる。

 ライトニングフォームの見た目は、黄色主体とした縞模様で発電機を模した装甲に、電気ケーブルが肩アーマーから背に繋がっていて、武装は、仮面ライダータイガのデストクローとゾンビフォームの爪を合わせたようなクローアーマーだ。

 俺は、初心者殺しに向かっていくトウカを援護するべく、マグナムシューター40Xをライフルモードにする。

 トウカは、ソードエクスカリバーを手に、初心者殺しへと向かっていく。

 

トウカ「湊翔!援護を頼むぞ!」

湊翔「ああ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーで初心者殺しにダメージを与えていき、初心者殺しがトウカに攻撃しそうになったら、マグナムシューターで銃撃して、防ぐ。

 俺とトウカのコンビネーションだ。

 そして、必殺技を決める。

 

MAGNUM

CLAW

 

 俺はマグナムシューター40Xにマグナムレイズバックルを装填して、トウカはソードエクスカリバーにクローレイズバックルを装填する。

 

湊翔「トウカ!一気に止めだ!」

トウカ「ああ!」

 

 俺とトウカは、それぞれの武器にエネルギーをチャージして、トリガーを引く。

 

MAGNUM TACTICAL BLAST

CLAW TACTICAL STLASH

 

 強化された銃撃と斬撃波が初心者殺しに向かって行き、命中して、爆散する。

 

湊翔「お疲れさん。」

トウカ「ああ。」

 

 俺とトウカは、お互いの武器をぶつける。

 すると。

 

SECRET MISSION CLEAR

 

 その音声が流れる。

 スパイダーフォンを見ると、『他の仮面ライダーと共に、モンスターを倒す』と書いてあった。

 すると、ミッションボックスが現れて、蓋を開けると、ブーストレイズバックルが入っていた。

 

トウカ「ブーストバックル!?」

湊翔「マジか…………。」

 

 ブーストバックルが手に入るのは良いな。

 だが、一つしかない。

 どうしたもんかと思ってると…………。

 

トウカ「お前が使え。」

湊翔「え?…………良いのか?」

トウカ「ああ。…………君に受け取って欲しいんだ。」

湊翔「……………分かった。」

 

 俺は、やけに顔を赤く染めているトウカから、ブーストバックルを受け取った。

 一方、カズマと白夜は。

 

白夜「遅れんな、カズマ!」

カズマ「ああ!」

 

 カズマと白夜は、早く動いていた。

 両方とも、速度を強化されるレイズバックルだったからだろうな。

 

白夜「スパイキングボルテックス!」

 

 白夜がそう叫ぶと、腕の部分に雷を纏って、突き攻撃をする。

 それを食らって、初心者殺しが吹っ飛ぶ。

 初心者殺しは、痺れたのか、痙攣していて、動きが止まる。

 

白夜「行くぞ!」

カズマ「おお!」

 

 白夜とカズマは、必殺技の体勢に入り、白夜はレイズバックルを操作して、カズマはニンジャデュアラーのシュリケンラウンダーを回す。

 

ROUND 1・2・3 FEVER

 

 すると、カズマが大量に分身して、初心者殺しを取り囲む。

 更に、ニンジャデュアラーに火、水、土、風のエネルギーが溜まる。

 

カズマ「ハァァァァ!!」

 

TACTICAL FINISH

 

 その音声と共に、大量のタイクーンが、初心者殺しに、四つの属性の斬撃を浴びせる。

 初心者殺しは、限界だった。

 そこに、白夜が突っ込んでいく。

 

白夜「ハァァァァ!轟虎雷爪撃!」

 

LIGHTNING STRIKE

 

 その必殺技と共に、白夜は初心者殺しを爪で掴んで、引き摺っていく。

 ていうか、あれ、タイガのクリスタルブレイクみたいだな。

 引き摺った後、思い切り爪で突き刺し、止めを刺した。

 

白夜「お疲れさん。」

カズマ「おう。」

 

 すると。

 

SECRET MISSION CLEAR

 

 その音声が流れて、白夜の前にミッションボックスが現れる。

 開けると、ブーストレイズバックルが入っていた。

 

白夜「ブーストレイズバックル!?」

カズマ「白夜、やるよ。」

白夜「良いのか?」

カズマ「俺も、ブーストレイズバックルは持ってるからな。」

白夜「そうだったな。」

 

 そうして、俺と白夜は、ブーストレイズバックルを手に入れたのだった。

 ギルドへと戻ると、アクアが泣いていた。

 

アクア「ぐずっ…………!ふぐっ…………ひっ、ひぐう…………っ!あっ…………ガ、ガズマあああっ…………!」

 

 それを見た俺たちは、そっとドアを閉める。

 すると、勢いよくドアが開けられる。

 

ダスト「おいっ!気持ちは心底よーく分かるが、ドアを閉めないでくれよっ!」

 

 ダストは、半泣きになっていた。

 ダスト曰く、アクア、めぐみん、ダクネスは、全く言う事を聞かなくて、苦労したらしい。

 そうして、パーティー交換の騒動は終わった。

 すると。

 

ツムリ「おめでとうございます!」

湊翔「ツムリ。」

カズマ「また出たよ…………。」

ツムリ「厳正なる審査の結果、ダストさん、リーンさん。あなた方は選ばれました。今日から仮面ライダーです!」

 

 そう言って、ダストとリーンに、ミッションボックスを渡す。

 二人が開けると、デザイアドライバーと、ダストにはメリー、リーンにはシローのIDコアが入っていた。

 

リーン「私も!?」

ダスト「うっひょー!俺も仮面ライダーになれんのか!?」

 

 こうして、ダストは仮面ライダーメリーに、リーンは仮面ライダーシローに変身出来る資格を手に入れたのだった。




今回はここまでです。
湊翔と白夜の二人が、ブーストレイズバックルを手に入れました。
そして、ダストがメリー、リーンがシローになる資格を得ました。
ナイフレイズバックルとランダムレイズバックルは、転生したら一般人だった件さんから、サムライフォームは、サイコー兄貴さんからのリクエストです。
ライコウのライトニングレイズバックルと、白夜は、相性が良いです。
本家ギーツは、景和が負傷で脱落。
かっこよかったですよね。
次回、モンスターレイズバックルが登場するみたいで、いよいよ、デザ神が決まりそうですね。
ミツルギ、アイリス、リアは変身させる予定なので、どのライダーが良いというのがあれば、活動報告にリクエストをお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第12話 レジェンドミッション

 ある日、ダストとリーンを除く仮面ライダーたちが集められた。

 

湊翔「どうしたんですか?」

ツムリ「今から貴方達には、レジェンドミッションを受けてもらいます。」

カズマ「レジェンドミッション?」

ダクネス「それは…………どういうミッションなんだ?」

ツムリ「はい。貴方達には、レジェンドと呼ばれる仮面ライダーと戦ってもらいます。」

白夜「つまり、その仮面ライダーと戦えって事か?」

ツムリ「はい。」

めぐみん「一体、どんな仮面ライダーと戦うのでしょうか!」

トウカ「そうだな。」

 

 どうやら、1号からリバイスまでの仮面ライダーの誰かと戦うみたいだな。

 すると、俺たちはどこかへと転送されていく。

 俺が目を開けると、そこは、工場で、俺が周囲を見渡していると。

 

???「君かな。仮面ライダーギーツというのは。」

湊翔「っ!?」

 

 そんな風に声をかけられる。

 後ろを振り向くと、そこには、白衣を着た一人の医者が。

 その人はまさに…………。

 

湊翔「宝生永夢…………。」

永夢「うん。僕が宝生永夢です。」

 

 宝生永夢。

 18番目の平成ライダー、エグゼイドに変身する人物だ。

 つまり、俺の相手は、この人。

 

永夢「ツムリって人から聞いたよ。君と戦ってくれって。」

湊翔「はい。」

永夢「行くよ。」

 

 そう言って、永夢さんは、腰にゲーマドライバーを装着して、マイティアクションXガシャットを取り出し、起動する。

 

マイティアクションX!

 

 すると、周囲にゲームエリアが展開されて、エナジーアイテムが配置される。

 永夢さんは、変身ポーズを取って、叫ぶ。

 

永夢「大変身!」

 

 そう言って、ゲーマドライバーにガシャットを装填して、レバーを展開する。

 

ガシャット!

ガッチャーン!レベルアップ!

マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクションX!

 

 すると、永夢さんは、仮面ライダーエグゼイド・アクションゲーマーレベル2になった。

 俺も行くか。

 デザイアドライバーに、マグナムレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 デザイアドライバーの右側にマグナムレイズバックルを装填すると、右側に白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が現れる。

 俺は、右手で狐の影絵を作り、中指と親指で、フィンガースナップをする。

 

湊翔「変身。」

 

 そう言って、マグナムレイズバックルのシリンダー部分を回転させ、トリガー部分を引く。

 

MAGNUM

REDAY FIGHT

 

 俺は、ギーツ・マグナムフォームになる。

 お互いに、武器を手に取る。

 

ガシャコンブレイカー!

MAGNUM SHOOTER 40X

 

 お互いが、お互いを見る。

 

永夢「ノーコンティニューで、クリアしてやるぜ!」

湊翔「ここからが、ハイライトだ。」

 

 俺と永夢さんが、決め台詞を言って、お互いに駆け出していく。

 俺は、マグナムシューターとアーマードガンを使って、永夢さんに向かって撃っていく。

 永夢さんは、銃撃を躱していく。

 

湊翔「流石に、一筋縄じゃ行かないか………。」

永夢「スナイプと同じタイプか。なら!」

 

 永夢さんは、そう言って、高速化のエナジーアイテムの方に行き、取得する。

 

高速化!

 

 すると、永夢さんが加速して、俺にガシャコンブレイカーで攻撃していく。

 

湊翔「くっ!」

永夢「どうした?そんなもんか?」

湊翔「そんな訳…………ないでしょう!」

 

 永夢さんの挑発にそう叫んで、ブーストレイズバックルを取り出す。

 ブーストレイズバックルは、ブースト必殺技を使わなければ、問題ない筈。

 俺はそう考えて、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 装填すると、俺の横にバイクのマフラーから火が出る絵とBOOSTの文字が出る。

 マグナムとブーストのレイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

GET READY FOR BOOST & MAGNUM

REDAY FIGHT

 

 俺は、ギーツ・マグナムブーストフォームになる。

 ブーストの力で加速して、高速化状態のエグゼイドと互角に渡り合う。

 ガシャコンブレイカーで攻撃するエグゼイドを躱しつつ、マグナムシューターで攻撃する。

 

永夢「やるじゃないか。フィニッシュは必殺技で決まりだ!」

湊翔「っ!」

 

 永夢さんの決め台詞に、俺は、マグナムシューターに、マグナムレイズバックルを装填する。

 永夢さんは、ガシャコンブレイカーに、ガシャットを装填する。

 

ガシャット!キメワザ!

MAGNUM

 

 俺は、マグナムレイズバックルのシリンダーを回転させて、トリガーを引く。

 するも、銃身にアプルーバルリボルバー型のエネルギーが溜まる。

 俺と永夢さんは、トリガーを引く。

 

MIGHTY CRITICAL FINISH!

MAGNUM TACTICAL BLAST

 

永夢「ハァァァァ!!」

湊翔「ハァァァァ!!」

 

 俺と永夢さんは、それぞれの武器の必殺技を発動させつつ、お互いに近寄る。

 そして、強力なエネルギー弾が永夢さんに、ピンク色の斬撃が俺に当たる。

 

永夢「うわっ!」

湊翔「くっ…………!」

 

ガッシューン

 

 俺と永夢さんは、お互いの必殺技が命中して、変身解除する。

 お互いに倒れつつも、少しずつ立ち上がる。

 

永夢「凄いですね…………。」

湊翔「いや…………まだまだです。魔王を倒して、世界を救うには。」

永夢「君なら出来るよ。ノーコンティニューで、世界を救えるさ。」

湊翔「はい。」

 

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が流れ、目の前にミッションボックスが現れる。

 それを開けると、そこには、ゲーマドライバーが描かれたレイズバックルが入っていた。

 

湊翔「これは…………。」

永夢「ゲーマドライバーレイズバックル。僕の、仮面ライダーエグゼイドの力が宿ってるレイズバックルだよ。」

湊翔「良いんですか?」

永夢「そもそも、この戦いは、君達にこれを託せるかどうかを見極める物だからね。頑張ってね。」

湊翔「はい。」

 

 俺が、永夢さんの激励を受けると、転送される。

 おそらく、元の場所に戻るのだろう。

 一方、カズマは。

 

カズマ「ここ、どこだよ…………?」

???「やあ、待っていたよ。」

カズマ「っ!?」

 

 カズマが周囲を見渡していると、後ろから声をかけられる。

 カズマが振り返るとそこに居たのは、二人の男性で、片方はソフト帽を被っていて、もう一人は、本を持っている。

 カズマは、目の前に居る二人が、誰か知っている。

 

カズマ「もしかして…………左翔太郎さんと、フィリップさん!?」

翔太郎「おう。俺が左翔太郎。で、こっちが…………。」

フィリップ「フィリップだ。よろしく。」

 

 そう。

 平成11番目のライダー、ダブルの変身者、左翔太郎とフィリップが居たのだ。

 

フィリップ「君が…………佐藤和真かい?」

カズマ「あ…………はい。」

フィリップ「君たちが持つデザイアドライバーにレイズバックル、そして、君たちが変身する仮面ライダー!実に興味深い!ゾクゾクするねぇ…………!」

翔太郎「おい、フィリップ!カズマが困ってるだろ!そこら辺にしてやれ!どうせ、後でツムリって奴が教えてくれるだろ!」

フィリップ「それもそうか。」

 

 フィリップは、デザイアドライバーにレイズバックル、ギーツ系列の仮面ライダーに興味を示していて、カズマに迫る。

 翔太郎が、フィリップを抑えた後、真面目な顔で、カズマを見る。

 

翔太郎「それはそうと…………仮面ライダーを名乗るのなら、それ相応の覚悟があるのか?」

カズマ「覚悟…………。」

翔太郎「仮面ライダーってのは、半端な覚悟じゃ務まらねぇ。だから、お前にその覚悟があるのか、見せて貰うぜ。フィリップ。」

フィリップ「やれやれ。………ああ。」

 

 翔太郎がそう言うと、ダブルドライバーを装着して、フィリップの腰にも、ダブルドライバーが現れる。

 二人は、ガイアメモリを取り出し、起動する。

 

サイクロン!

ジョーカー!

 

 ガイアメモリを起動して、二人は叫ぶ。

 

「「変身!」」

 

 まず、フィリップがダブルドライバーにサイクロンメモリを装填する。

 すると、翔太郎のドライバーにサイクロンメモリが転送され、装填して、翔太郎もジョーカーメモリを装填して、ドライバーを開く。

 

サイクロン!ジョーカー!

 

 その音声が流れて、フィリップが倒れ、翔太郎は、仮面ライダーWに変身する。

 

カズマ「仮面ライダーW…………。」

翔太郎「その通りだ。」

フィリップ「君も早く変身したまえ。」

カズマ「……………。」

 

 カズマは、デザイアドライバーに、ニンジャレイズバックルを装填する。

 カズマの横に、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が現れる。

 カズマは、変身ポーズを取り。

 

カズマ「変身!」

 

 そう言って、ニンジャレイズバックルの苦無の部分を引いて、押し込む。

 

NINJA

REDAY FIGHT

 

 カズマは、タイクーン・ニンジャフォームになる。

 カズマは、ニンジャデュアラーをツインブレードにして、構える。

 

翔太郎「行くぜ?」

カズマ「ハアッ!」

 

 タイクーンとダブル。

 二人の仮面ライダーが、お互いに駆け出していく。

 ダブルは、キックやパンチで攻撃して、カズマは、ニンジャデュアラーの斬撃攻撃をしていく。

 

翔太郎「案外やるじゃねぇか…………。」

フィリップ「ルナで行こう。」

 

 フィリップがそう言って、ルナメモリを取り出す。

 

ルナ!

 

 一度、ダブルドライバーを閉じて、サイクロンメモリを抜いて、ルナメモリを装填して、開く。

 

ルナ!ジョーカー!

 

 ダブルは、サイクロンジョーカーから、ルナジョーカーになる。

 ダブルは、ルナの力で腕を伸ばして、カズマに迫る。

 カズマは、すぐに姿を消して、忍者の様に動く。

 ダブルは、次のメモリを取り出す。

 

メタル!

 

 一度、ダブルドライバーを閉じて、ジョーカーメモリを抜いて、メタルメモリを装填して、開く。

 

ルナ!メタル!

 

 ダブルは、ルナジョーカーから、ルナメタルになる。

 ダブルは、メタルシャフトを曲げて、カズマに攻撃する。

 カズマは、ニンジャデュアラーをシングルブレードにして、対応する。

 

翔太郎「おい、フィリップ!何か、対応されてねぇか!?」

フィリップ「まさか………翔太郎。全9種類のフォームで試してみよう!」

翔太郎「お、おお!」

 

 翔太郎は、フィリップにそう話して、次はヒートメモリを取り出す。

 

ヒート!

 

 一度、ダブルドライバーを閉じて、ルナメモリを抜いて、ヒートメモリを装填して、開く。

 

ヒート!メタル!

 

 ダブルは、ルナメタルからヒートメタルにフォームチェンジする。

 燃え盛るメタルシャフトで攻撃するが、カズマは、ニンジャデュアラーに水属性を付与して、対応する。

 ダブルは、ジョーカーメモリを取り出す。

 

ジョーカー!

 

 一度、ダブルドライバーを閉じて、メタルメモリを抜いて、ジョーカーメモリを装填して、開く。 

 

ヒート!ジョーカー!

 

 ダブルは、ヒートメタルからヒートジョーカーにフォームチェンジする。

 拳に火を纏わせて、パンチやキックを繰り出す。

 カズマは、ニンジャフォームの俊敏性を活かして、躱す。

 ダブルは、トリガーメモリを取り出す。

 

トリガー!

 

 一度、ダブルドライバーを閉じて、メタルメモリを抜いて、トリガーメモリを装填して、開く。 

 

ヒート!トリガー!

 

 ダブルは、ヒートメタルからヒートトリガーにフォームチェンジする。

 トリガーマグナムから、炎の弾丸を発射して、カズマに攻撃する。

 カズマは、ニンジャデュアラーで、炎の弾丸を斬って落とす。

 次は、ルナメモリを取り出す。

 

ルナ!

 

 一度、ダブルドライバーを閉じて、ヒートメモリを抜いて、ルナメモリを装填して、開く。

 

ルナ!トリガー!

 

 ダブルは、ヒートトリガーから、ルナトリガーにフォームチェンジする。

 ルナトリガーの力で、変幻自在な弾丸を発射して、カズマに攻撃する。

 カズマは、ニンジャフォームの力で、姿を度々消しつつ、躱していく。

 次に、サイクロンメモリを取り出す。

 

サイクロン!

 

 一度、ダブルドライバーを閉じて、ルナメモリを抜いて、サイクロンメモリを装填して、開く。

 

サイクロン!トリガー!

 

 ダブルは、ルナトリガーから、サイクロントリガーになる。

 トリガーマグナムから、風の弾丸を発射する。

 カズマは、ニンジャデュアラーをツインブレードにして、風の弾丸を斬る。

 次に、メタルメモリを取り出す。

 

メタル!

 

 一度、ダブルドライバーを閉じて、トリガーメモリを抜いて、メタルメモリを装填して、開く。

 

サイクロン!メタル!

 

 ダブルは、サイクロントリガーから、サイクロンメタルになる。

 ダブルは、風を纏ったメタルシャフトで、カズマに攻撃する。

 カズマは、ニンジャデュアラーに風を纏わせて、メタルシャフトとぶつかる。

 

フィリップ「やっぱりか…………。」

翔太郎「どうした、フィリップ?」

フィリップ「翔太郎。恐らく彼は、ダブルのフォームの事を把握している。」

翔太郎「何っ!?そうなのか?」

カズマ「まあ…………ダブルは見てましたし…………。」

 

 翔太郎の質問に、カズマはそう答える。

 翔太郎は、フィリップに質問する。

 

翔太郎「どうするんだよ?」

フィリップ「問題ない。彼が知らないフォームで対抗するだけさ。」

 

 そう言うと、ダブルは変身を解いて、フィリップは起き上がる。

 すると、一体のメモリが、フィリップの手に乗っかる。

 ファングメモリだ。

 フィリップは、ファングメモリを、ライブモードから、メモリにする。

 翔太郎も、ジョーカーメモリを構える。

 

ファング!

ジョーカー!

 

 二人は、メモリを構えて叫ぶ。

 

「「変身!」」

 

 今度は、翔太郎が先にジョーカーメモリを装填して、倒れ、フィリップ側のダブルドライバーにジョーカーメモリが転送され、装填する。

 そして、ファングメモリも装填して、倒す。

 

ファング!ジョーカー!

 

 フィリップは、仮面ライダーW・ファングジョーカーに変身した。

 

カズマ「ファングジョーカーかよ………。」

フィリップ「ここからが、本番さ。」

翔太郎「行くぜ。」

 

 ダブルは、ファング由来の獣の様な攻撃を、カズマにしていく。

 カズマは、翻弄されつつも、何とか捌いていく。

 

カズマ「流石に………ファングジョーカーは強いか………!」

フィリップ「それだけじゃあ、ないさ。」

翔太郎「よし!」

 

 ダブルは、トリガーメモリを取り出す。

 

トリガー!

 

カズマ「え?トリガー!?」

 

 カズマが戸惑う中、ダブルドライバーを一回閉じて、ジョーカーメモリを抜いて、トリガーメモリを装填する。

 

ファング!トリガー!

 

 ダブルは、ファングジョーカーから、ファングトリガーになる。

 それを見たカズマは。

 

カズマ「え!?ダブルにそんな形態があったのか!?」

翔太郎「残念だったな。」

フィリップ「このファングトリガーは、僕たちがエクストリームに到達したからこそ、なれる形態さ。」

カズマ「マジかよ………!」

翔太郎「いくぜ!」

 

 ダブルは、右拳の甲から、フィストニードルを生成して、カズマに向かって射出する。

 カズマは、何発か被弾しつつも、何とかニンジャデュアラーで叩き落とす。

 そして、メタルメモリを取り出す。

 

メタル!

 

 ダブルドライバーを一回閉じて、トリガーメモリを抜いて、メタルメモリを装填する。

 

ファング!メタル!

 

 ダブルは、ファングトリガーから、ファングメタルになる。

 

カズマ「今度はメタルかよ………!」

翔太郎「フィリップ!止めだ!」

フィリップ「ああ!」

 

 ダブルは、ファングメモリのタクティカルホーンを3回弾く。

 

ファング!マキシマムドライブ!

 

 すると、ダブルの身体中に、無数の牙が出てくる。

 

カズマ「やっべ!」

 

 カズマは、ニンジャレイズバックルを操作する。

 

NINJA STRIKE

 

 カズマも、必殺技の待機状態になり、お互いに駆け出す。

 

ダブル「ファングスピアバレット!」

カズマ「ハァァァァ!!」

 

 ダブルは、全身のセイバーを纏った状態で、カズマに向かって回転しながら突撃していき、カズマも、自分の体を回転させて、手裏剣型のエネルギーを纏い、ダブルに向かっていく。

 白と銀の槍の弾丸と、緑の手裏剣がぶつかり合う。

 しばらくの拮抗の末、爆発して、お互いに吹き飛び、変身が解除される。

 

フィリップ「やるじゃないか…………。」

翔太郎「ああ。ファングを相手にしても、あそこまでやれるとはな。」

カズマ「俺だって…………やる時はやるんだよ………!」

 

 フィリップと翔太郎の言葉に、カズマはそう言い返す。

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が流れ、目の前にミッションボックスが現れる。

 それを開けると、そこには、ダブルドライバーが描かれたレイズバックルが入っていた。

 

カズマ「これって…………!」

フィリップ「ダブルドライバーレイズバックル。僕たち、仮面ライダーWの力が宿ったレイズバックルだ。」

翔太郎「頑張れよ。若き仮面ライダー?」

カズマ「はい!」

 

 翔太郎は、カズマに激励を送り、カズマはそう答える。

 カズマは、湊翔が居る場所に転送されていく。

 一方、めぐみんは。

 

めぐみん「ここは…………どこでしょうか…………?」

???「やあ。」

めぐみん「っ!?」

 

 めぐみんが周囲を見渡していると、不意に声をかけられ、振り返る。

 そこには、ドーナツを食べている一人の青年が居た。

 

めぐみん「貴方は…………?」

晴人「俺?俺は操真晴人。仮面ライダーウィザードだ。」

めぐみん「ウィザード?つまり、貴方も魔法使いという事ですか!?」

晴人「ああ。指輪の魔法使いって呼ばれてるな。」

 

 そう。

 14番目の平成ライダー、ウィザードに変身する操真晴人だった。

 

めぐみん「おおお!仮面ライダーで、魔法使いの人と出会うのは、初めてですよ!」

晴人「まあ、ね。さて。君の実力を見せてもらおうか?」

 

 そう言って、ドライバーオンウィザードリングを腰に翳す。

 

ドライバーオン!プリーズ!

 

 すると、腰にウィザードライバーが出現する。

 晴人がハンドオーサーを操作すると、詠唱音が流れる。

 

シャバドゥビタッチヘンシーン!

シャバドゥビタッチヘンシーン!

 

めぐみん「な、何ですか!この詠唱は!?」

 

 めぐみんが戸惑う中、晴人は、フレイムウィザードリングのバイザーを下ろす。

 

晴人「変身。」

 

 晴人はそう言って、フレイムウィザードリングを、ウィザードライバーに翳す。

 

フレイム!プリーズ!

ヒー!ヒー!ヒーヒーヒー!

 

 晴人は、仮面ライダーウィザードへと変身した。

 

めぐみん「かっこいいです………!」

晴人「君も変身しなよ。」

めぐみん「はい!」

 

 めぐみんは、デザイアドライバーを腰に装着して、クローレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 デザイアドライバーの右側にハンマーレイズバックルを装填すると、右側に黄色の爪と、英語でCLAWという文字が現れる。

 めぐみんは、変身ポーズを取り。

 

めぐみん「変身!」

 

 そう叫び、クローレイズバックルの、クローの部分を引く。

 

ARMED CLAW

REDAY FIGHT

 

 めぐみんは、ナーゴ・アームドクローに変身する。

 

めぐみん「行きますよ!」

晴人「おう!」

 

 めぐみんと晴人は、お互いに駆け出す。

 めぐみんのレイズクローと晴人のウィザーソードガンがぶつかり合う。

 晴人は、アクロバティックな動きをする。

 

めぐみん「くっ…………!流石に、強いですね…………!」

晴人「魔法の力、見せてやるよ。」

 

 そう言うと、晴人は、フレイムウィザードリングから、ウォーターウィザードリングに変える。

 そして、ハンドオーサーを操作して、ウィザードライバーに翳す。

 

ウォーター!プリーズ!

 

 晴人は、ウィザード・フレイムスタイルから、ウォータースタイルに変わる。

 

めぐみん「姿が変わりました!?」

晴人「まだまだこれからだぜ?」

 

 晴人は、水の様に流れる攻撃をしていく。

 めぐみんは、苦戦していた。

 

晴人「さらに。」

 

 晴人は、ウォーターウィザードリングから、ハリケーンウィザードリングに変える。

 そして、ハンドオーサーを操作して、ウィザードライバーに翳す。

 

ハリケーン!プリーズ!

 

 晴人は、ウィザード・ハリケーンスタイルになる。

 そして、風を纏いながら、空を飛ぶ。

 めぐみんは、レイズクローで、何とか攻撃する。

 

めぐみん「この………!」

晴人「更に。」

 

 晴人は、ハリケーンウィザードリングから、ランドウィザードリングに変える。

 そして、ハンドオーサーを操作して、ウィザードライバーに翳す。

 

ランド!プリーズ!

 

 晴人は、ウィザード・ランドスタイルになる。

 めぐみんは、晴人に攻撃しようとするが。

 

ディフェンド!プリーズ!

 

 晴人の前に、土の壁が現れて、めぐみんの攻撃は阻まれる。

 

めぐみん「くっ………!我が爆裂魔法なら、この程度の壁など、容易く…………!」

晴人「へぇぇ。」

 

 めぐみんの呟きに、晴人はそう言って、フレイムスタイルに戻る。

 

晴人「フィナーレだ!」

めぐみん「行きますよ!」

 

 晴人は、右手にキックストライクウィザードリングを装備して、ハンドオーサーを操作して、ウィザードライバーに翳す。

 

チョーイイネ!キックストライク!

サイコー!

 

 対するめぐみんも、クローレイズバックルを操作する。

 

CLAW STRIKE

 

晴人「ハァァ…………!でやぁぁぁぁ!!」

めぐみん「ハァァァァ!!」

 

 晴人のストライクウィザードと、めぐみんのクローストライクがぶつかり合う。

 だが、晴人のストライクウィザードがめぐみんに命中して、めぐみんは吹っ飛び、変身解除する。

 

めぐみん「ううっ…………!」

晴人「ふぃ〜…………。」

 

 めぐみんが倒れる中、晴人は一息ついて、変身解除する。

 

めぐみん「つ、強いです…………。」

晴人「まあね。」

めぐみん「ど、どうしたら、そんなに強くなれるんですか…………?」

晴人「そうだな……………希望を捨てずに持ち続ける事かな。」

 

 晴人は、めぐみんの質問に、そう答える。

 めぐみんは、首を傾げる。

 

めぐみん「希望…………ですか?」

晴人「俺は確かに魔法使いさ。でも、君たちの世界の魔法使いとは、存在が異なるんだ。」

めぐみん「と、言いますと?」

晴人「…………俺の世界では、ゲートという人が居て、その人が絶望すると、ファントムという怪物になるんだ。」

めぐみん「え……………?」

晴人「でも、俺は絶望しなかった。だから、ウィザードとして戦える。」

めぐみん「魔法が使えるから、絶望しなかったんですか?」

晴人「いや、違うな。魔法が使えるから絶望しないんじゃない。絶望しなかったから、魔法を手に入れる事が出来たんだ。」

 

 晴人は、めぐみんにそう語る。

 それこそが、仮面ライダーウィザードという仮面ライダーの在り方なのだ。

 

めぐみん「凄いですね…………。」

晴人「君も、魔法使いなんだろう?何か、心の支えになっているのはあるのか?」

めぐみん「私は、最強の爆裂魔法使いになる事です!」

晴人「お、おう…………。君は、それを支えにすれば良いんじゃないか?」

めぐみん「…………はい!」

 

 晴人は、めぐみんにそう言う。

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が流れ、目の前にミッションボックスが現れる。

 めぐみんがそれを開けると、そこには、ウィザードライバーが描かれたレイズバックルが入っていた。

 

めぐみん「これって…………。」

晴人「ウィザードライバーレイズバックル。俺の、仮面ライダーウィザードの力が宿ったレイズバックルだ。」

めぐみん「でも…………私は負けたのに………?」

晴人「このミッションで重要なのは、俺たちの事を学ぶ事だ。頑張れよ?」

めぐみん「はい!」

 

 晴人は、めぐみんに激励を送り、めぐみんはそう答える。

 そして、転送される。

 一方、ダクネスは、草原に居た。

 

ダクネス「ここは…………?」

???「君が、ダクネスだっけ?」

ダクネス「っ!?」

 

 ダクネスが、背後からする声に振り返ると、そこには、白いシャツに黒のジャケットとズボンと靴で、黒の帽子を被り、ネックレス型のペンケースを提げている男がいた。

 

ダクネス「貴方は…………?」

飛羽真「俺は、神山飛羽真。仮面ライダーセイバーだ!」

 

 そう。

 令和2番目の仮面ライダー、セイバーに変身する神山飛羽真だった。

 

ダクネス「貴方も、仮面ライダー………?」

飛羽真「ああ。行こうか!」

 

 飛羽真は、聖剣ソードライバーを腰に装着して、ブレイブドラゴンのワンダーライドブックを取り出す。

 

ブレイブドラゴン!

かつて全てを滅ぼすほどの偉大な力を手にした神獣がいた…。

 

ダクネス「この音は…………?」

 

 ダクネスが、ブレイブドラゴンの朗読音に戸惑う中、飛羽真は、ブレイブドラゴンのワンダーライドブックを装填して、火炎剣烈火を抜刀する。

 

烈火抜刀!

 

飛羽真「変身!」

 

 飛羽真は、火炎剣烈火を振るい、仮面ライダーセイバーへと変身する。

 

ブレイブドラゴン!

烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!

 

 これが、仮面ライダーセイバーの基本形態、ブレイブドラゴンだ。

 

ダクネス「私も行くとするか。」

 

 ダクネスは、デザイアドライバーに、ゾンビレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が現れる。

 

ダクネス「変身!」

 

 ダクネスは、ゾンビレイズバックルを操作する。

 

ZOMBIE

REDAY FIGHT

 

 ダクネスは、バッファ・ゾンビフォームになる。

 飛羽真は火炎剣烈火、ダクネスはゾンビブレイカーを構える。

 

飛羽真「ハァァァァ!」

ダクネス「でぇぇぇい!」

 

 飛羽真とダクネスは、叫びながら相手に向かっていく。

 だが、ダクネスのゾンビブレイカーの攻撃は、飛羽真に当たらない。

 

飛羽真「………………えっ?」

ダクネス「あ、当たらん!」

 

 至近距離なのに当たらなかった事に、飛羽真は戸惑い、ダクネスはそう叫ぶ。

 

飛羽真「………もしかしてだけど………。」

ダクネス「そ、その…………私は不器用で、攻撃が当てられないのだ…………。」

飛羽真「なるほどね………………。」

 

 ダクネスの言葉に、飛羽真は苦笑する。

 苦笑しつつも、火炎剣烈火で、攻撃していく。

 ダクネスも、何発か攻撃を受けつつも、ゾンビブレイカーで攻撃していく。

 無論、ライダーシステムが逐一で調整を行なっているからか、何発かは命中している。

 

飛羽真「なら…………!」

 

 飛羽真は、ストームイーグルワンダーライドブックを取り出す。

 

ストームイーグル!』
『この大鷲が現れし時、猛烈な竜巻が起こると言い伝えられている…。

 

 飛羽真は、ストームイーグルの朗読音を流し終えると、閉じて、ソードライバーに装填して、火炎剣烈火を抜刀する。

 

竜巻ドラゴンイーグル!

烈火二冊!荒ぶる空の翼龍が獄炎を纏い、あらゆるものを焼き尽くす!

 

 飛羽真は、セイバー・ドラゴンイーグルに変身する。

 

ダクネス「姿が変わった!?」

飛羽真「行くぞ!」

 

 飛羽真は、ストームイーグルの力で、縦横無尽に飛び回り、ダクネスを翻弄する。

 ダクネスは、ゾンビブレイカーを振り回すが、当たらない。

 

ダクネス「くっ…………!」

飛羽真「次は、これだ!」

 

 そう言って、ストームイーグルのワンダーライドブックを抜いて、キングオブアーサーのワンダーライドブックを取り出す。

 

キングオブアーサー!

とある騎士王が振り下ろす勧善懲悪の一太刀。

 

 飛羽真は、キングオブアーサーの朗読音を流し終えると、閉じて、ソードライバーに装填して、火炎剣烈火を抜刀する。

 

烈火抜刀!

二冊の本を重ねし時、聖なる剣に力が宿る!

ワンダーライダー!

ドラゴン!アーサー王!

二つの属性を備えし刃が、研ぎ澄まされる!

 

 飛羽真は、ドラゴンアーサーになって、キングエクスカリバーを構える。

 ダクネスも、ゾンビブレイカーを構える。

 

飛羽真「行くぞ!」

ダクネス「はい!」

 

 二人は、必殺技の体勢に入る。

 

必殺読破!

POISON CHARGE

 

飛羽真「ハァァァァ!!」

ダクネス「でぇぇぇい!!」

 

キングスラッシュ!

TACTICAL BREAK

 

 飛羽真はキングスラッシュを、ダクネスはタクティカルブレイクをぶつけ合う。

 だが、キングスラッシュがダクネスに届き、ダクネスは吹っ飛んで、変身解除する。

 

ダクネス「くっ…………!」

飛羽真「大丈夫!?」

 

 ダクネスが倒れていると、変身解除した飛羽真が、ダクネスに駆け寄る。

 

ダクネス「大丈夫だ…………。体は頑丈だからな…………。」

飛羽真「そ、そっか…………。」

 

 ダクネスの答えに、飛羽真は苦笑しつつそう答える。

 飛羽真は、ダクネスに質問をする。

 

飛羽真「ダクネスって…………貴族なんでしょ?」

ダクネス「なっ…………!?なぜ、それを…………!?」

飛羽真「いや……………ツムリって人から聞いたんだ。」

ダクネス「そ、そうなのか…………。」

 

 そう。

 ダクネスは、貴族なのだ。

 ダクネスは、飛羽真に、貴族である事を知られている事に驚くも、頷く。

 

ダクネス「そうだ。私は、ダスティネス・フォード・ララティーナ。私たちの世界では、王族の懐刀と呼ばれている。」

飛羽真「そっか…………。」

ダクネス「ああ。だからこそ、民を守るべきだと思うのだ。」

飛羽真「…………………。」

 

 ダクネスの言葉を、飛羽真は黙って聞いていた。

 ダクネスが口を閉じると、飛羽真が口を開く。

 

飛羽真「……………でも、誰かを守れなかったら、君はどうするの?」

ダクネス「それは……………。」

飛羽真「俺は……………一度、大切な人を守れなかった。その時、凄く後悔して、哀しかった。」

ダクネス「飛羽真…………。」

飛羽真「だからこそ…………君には、そんな思いをさせたくないから。」

ダクネス「……………ああ。」

 

 飛羽真の言葉に、ダクネスは頷く。

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が流れ、目の前にミッションボックスが現れる。

 ダクネスがそれを開けると、そこには、聖剣ソードライバーが描かれたレイズバックルが入っていた。

 

ダクネス「これは…………。」

飛羽真「それは、聖剣ソードライバーレイズバックル。俺の、仮面ライダーセイバーの力が宿ってるレイズバックルだ。」

ダクネス「良いのか?」

飛羽真「ああ。君にはこの言葉を贈るよ。『覚悟を越えた先に、希望はある!』」

ダクネス「ありがとうございます!」

 

 飛羽真は、上條大地から言われた言葉を、ダクネスに言って、ダクネスは転送される。

 一方、トウカは。

 

トウカ「ここは…………。」

???「君か!」

トウカ「っ!?」

 

 トウカが周囲を見渡していると、後ろから声をかけられ、振り返る。

 そこに居たのは、黒のジャケットの下に、赤いパーカーを着た青年が居た。

 

トウカ「貴方は……………。」

或人「俺は飛電或人!仮面ライダーゼロワンだ!」

 

 そう。

 令和1番目の仮面ライダー、ゼロワンに変身する飛電或人だった。

 

トウカ「ゼロワン……………。」

或人「ああ!君の力、見定めるよ!」

 

 そう言って、飛電ゼロワンドライバーを腰に装着する。

 

ゼロワンドライバー!

 

 ゼロワンドライバーを腰に装着して、ライジングホッパープログライズキーを構える。

 

JUMP!

 

 或人は、ライジングホッパープログライズキーを起動して、ゼロワンドライバーのオーソライザーでスキャンする。

 

オーソライズ!

 

 すると、上空から、ライジングホッパーのライダモデルが現れる。

 或人は、構えて、プログライズキーをキーモードにして叫ぶ。

 

或人「変身!」

 

 そう言って、ゼロワンドライバーに装填する。

 

プログライズ!

飛び上がライズ!ライジングホッパー!

"A jump to the sky turns to a rider kick."

 

 飛電或人は、仮面ライダーゼロワン・ライジングホッパーに変身する。

 

トウカ「私も行くか。」

 

 トウカはそう言って、デザイアドライバーを装着して、カリバーレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 カリバーレイズバックルを装填すると、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が浮かぶ。

 

トウカ「変身!」

 

 トウカはそう叫んで、カリバーレイズバックルを操作する。

 

CALIBER

REDAY FIGHT

 

 トウカは、仮面ライダーラウンズ・カリバーフォームになる。

 トウカはソードエクスカリバー、或人はアタッシュカリバーを持って、ぶつかり合う。

 

トウカ「ハアッ!フッ!」

或人「どりゃああ!!」

 

 トウカと或人の剣裁が繰り広げられる。

 トウカの突きを、或人は、バク転しながら避ける。

 

或人「行くぜ!鮫ちゃん!」

 

 或人は、ライジングホッパープログライズキーを抜いて、バイティングシャークプログライズキーを構える。

 

FANG!

 

 バイティングシャークプログライズキーを起動して、オーソライザーにスキャンする。

 

オーソライズ!

 

 すると、上空からバイティングシャークのライダモデルが現れる。

 或人は、バイティングシャークプログライズキーを、ゼロワンドライバーに装填する。

 

プログライズ!

キリキリバイ!キリキリバイ!バイティングシャーク!

”Fangs that can chomp through concrete.”

 

 或人は、ゼロワン・バイティングシャークに変身する。

 或人は、腕についているアンリミテッドチョッパーから、エネルギーの刃を展開して、トウカに攻撃する。

 トウカも、何とか応戦する。

 

或人「行くぜ!鳥ちゃん!」

 

 或人は、バイティングシャークプログライズキーを抜いて、フライングファルコンプログライズキーを構える。

 

WING!

 

 フライングファルコンプログライズキーを起動して、オーソライザーにスキャンする。

 

オーソライズ!

 

 すると、上空からフライングファルコンのライダモデルが現れる。

 或人は、フライングファルコンプログライズキーを、ゼロワンドライバーに装填する。

 

プログライズ!

Fly to the sky!フライングファルコン!

”Spread your wings and prepare for a force.”

 

 或人は、ゼロワン・フライングファルコンに変身する。

 

或人「一気に決めるぜぇ!」

トウカ「来る!」

 

 二人は、必殺技の体勢に入る。

 

フライングインパクト!

CALIBER STRIKE

 

 或人は足にピンク色のオーラを纏わせ、トウカは青と銀色のオーラを纏わせる。

 

或人「ハァァァァ!!」

トウカ「ハァァァァ!!」

 

 二人は叫びながらジャンプして、ライダーキックを繰り出す。

 拮抗状態だったが、お互いに吹っ飛ぶ。

 そして、お互いに変身解除する。

 

トウカ「イテテテテテ…………。」

或人「大丈夫…………?」

トウカ「何とか…………。」

 

 トウカと或人は倒れるも、何とか起き上がる。

 すると、或人はトウカに尋ねる。

 

或人「トウカって、好きな人とか居るのか?」

トウカ「えっ!?…………な、何だ、急に…………!?」

或人「いや…………ツムリって人から、トウカには好きな人がいるって聞いてさ。」

トウカ「えええ…………。」

 

 トウカは、困惑していた。

 ツムリが、そんな事を或人に話していた事を。

 トウカは、白状する事にした。

 

トウカ「……………ええ。」

或人「そっかぁ…………。その人には伝えたの?」

トウカ「まだよ。だって、彼、鈍感だし。」

或人「でも…………ちゃんと、思いは伝えないといけないと思うよ。」

トウカ「そうね…………。でも、もうちょい気持ちの整理をしてから伝えるよ。」

 

 トウカがそう伝えると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が流れ、目の前にミッションボックスが現れる。

 トウカがそれを開けると、そこには、飛電ゼロワンドライバーが描かれたレイズバックルが入っていた。

 

トウカ「これは…………。」

或人「ゼロワンドライバーレイズバックル。俺の、仮面ライダーゼロワンの力が宿ってるレイズバックルだ。ちゃんと、思いは伝えた方が良いぞ。後悔しないようにね。」

トウカ「ああ。」

 

 或人の言葉に、トウカは頷く。

 そして、トウカはどこかに転送される。

 一方、白夜は。

 

白夜「ここは…………。」

???「お前か。俺の相手は。」

白夜「っ!?」

 

 白夜が周囲を見渡していると、後ろから声をかけられ、振り返る。

 そこには、一人の青年が居た。

 

白夜「アンタは…………。」

総司「俺は、天の道を往き、総てを司る男。天道総司。」

 

 そう。

 平成7番目の仮面ライダー、カブトに変身する天道総司だった。

 

白夜「天道総司…………。」

総司「お前の腕を見定めてやる。」

 

 そう言うと、カブトゼクターが現れて、総司はキャッチする。

 

総司「変身。」

 

 そう言って、腰に装着してたベルトに、カブトゼクターを装填する。

 

HENSHIN

 

 その音声が流れると、総司は、カブト・マスクドフォームに変身する。

 更に。

 

総司「キャスト・オフ。」

 

 そう言って、カブトゼクターのゼクターホーンを倒す。

 

CAST OFF

 

 すると、カブトのマスクドフォームのアーマーが弾け飛び、カブトホーンが起き上がる。

 

CHANGE BEETLE

 

 これが、カブトの基本形態、ライダーフォームだ。

 

総司「お前も早く来い。」

白夜「ああ。」

 

 白夜は、腰にデザイアドライバーを装着して、ライトニングレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、白夜の横に黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が浮かぶ。

 

白夜「変身!」

 

 そう言って、レイズバックルを操作する。

 

LIGHTNING

REDAY FIGHT

 

 白夜はライコウ・ライトニングフォームになる。

 

総司「行くぞ。」

白夜「ハァァァァ!!」

 

 総司はカブトクナイガンを持って、白夜も、総司に向かって駆け出していく。

 お互いに、高い格闘戦を繰り広げていく。

 両方とも、格闘戦は得意だからだ。

 

総司「やるじゃないか。この俺と互角に戦うとはな。」

白夜「こちとら、格闘家を目指してたんだ!格闘戦なら、負けはしない!」

総司「なるほどな。だが、俺には及ばない。クロックアップ。」

 

 総司は、腰に付いているボタンを押す。

 

CLOCK UP

 

 すると、カブトは高速で移動して、白夜に攻撃していく。

 

白夜「何っ!?消え…………いや、高速で移動してるのか…………。なら!」

 

 白夜はそう言うと、力を溜める。

 そして、高速移動して、総司の方に向かう。

 

総司「ほう…………。クロックアップにも対応するとはな。」

白夜「これで、条件は同じだ。」

総司「面白い。受けてたとう。」

 

 そう言って、二人は高速移動しながら、格闘戦を繰り広げていく。

 暫くの格闘戦の末、二人はお互いに向かい合う。

 

白夜「流石に…………強いな…………。」

総司「これで、終わりだ。」

 

 そう言って、総司は、カブトゼクターのボタンを押す。

 

1・2・3

 

 その音声が流れると、総司はゼクターホーンを一回、元に戻す。

 それを見た白夜は。

 

白夜「あれは…………どう見ても必殺技を撃とうとしてるな。なら…………!」

 

 白夜は、ライトニングレイズバックルを操作する。

 

LIGHTNING STRIKE

 

 白夜は、必殺技を発動して、総司に向かっていく。

 だが。

 

総司「ライダー…………キック。」

 

 そう呟いて、ゼクターホーンを操作する。

 

RIDER KICK

 

 カブトゼクターから出たタキオン粒子が、カブトホーンを通って、足に溜まっていく。

 それを見た白夜は。

 

白夜(まさか…………カウンター狙いか!)

 

 総司の狙いに勘づき、白夜は、必殺技で相殺しようと考える。

 

総司「ハアッ!」

白夜「豪雷虎神速!」

 

 総司はカウンターの上段回し蹴りを放ち、白夜は突き攻撃を行う。

 だが、総司のキックの方が先に白夜に命中する。

 それでも、白夜の一撃は、総司の足に命中する。

 

CLOCK OVER

 

 その音声と共に、クロックアップは終わる。

 白夜は変身解除する。

 

白夜「クソ………負けたか…………!」

総司「フッ。」

 

 総司は変身解除して、白夜に近寄る。

 

総司「大丈夫か?」

白夜「は、はい…………。」

 

 総司は、白夜に手を差し伸べて、白夜は総司の手を掴み、立ち上がる。

 

総司「お前は強い。俺には及ばないが。」

白夜「なら…………アンタに及ぶくらいに強くなるだけさ。」

総司「フッ。」

 

 総司の言葉に、白夜はそう返す。

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が流れ、目の前にミッションボックスが現れる。

 白夜がそれを開けると、そこには、カブトゼクターが描かれたレイズバックルが入っていた。

 

白夜「レイズバックル…………。」

総司「ツムリとやら曰く、カブトゼクターレイズバックルだそうだ。俺の仮面ライダーカブトの力が宿っている。俺を超えたければ、強くなってみせろ。」

白夜「ああ!」

 

 総司の言葉に、白夜はそう答える。

 白夜は、転送される。

 そうして、全員が、レジェンドライダーとの戦いを終えた。

 

ツムリ「皆さん、お疲れ様です!これで、レジェンドミッションは終わりです!」

カズマ「疲れた…………。」

湊翔「トウカ、お前、怪我してないか?」

トウカ「あ…………これくらい、大丈夫だ。」

湊翔「本当か?少し、手当てするか?」

トウカ「だ、大丈夫だから!」

湊翔「そっか…………。」

 

 湊翔は、トウカを手当てしようとするが、トウカが大丈夫だと言うので、湊翔は離れた。

 トウカは、飛電或人に言われた事を思い出し、顔を赤くして、カズマは湊翔に嫉妬の視線を向け、白夜、めぐみん、ダクネスはニヤニヤと笑う。




今回はここまでです。
レジェンドミッションで、それぞれが、それぞれのレジェンドライダーのレイズバックルを手に入れました。
トウカも、湊翔を意識し始めています。
全員分書いたので、一万六千文字に達してしまいました。
今日のギーツは、モンスターレイズバックルが登場して、ギーツがデザ神になりました。
そして、パンクジャックの変身者も判明しました。
ちなみに、この小説のパンクジャックは、バニルが変身する予定です。
景和君も再登場して欲しいですね。
そして、ギーツとリバイスの冬の映画が、バトルロワイヤルに決まりましたね。
バイスが復活すると良いんですが。
ちなみに、そのギーツとリバイスの冬映画のエピソードをやるかどうかは、まだ未定です。
レジェンドミッションは、これからも定期的にやる予定で、誰が、どのレジェンドライダーに挑むのか、リクエストがある場合は、活動報告にお願いします。
今やっているアンケートは、終了します。
ただ、サボテンナイトジャマトは出さない訳ではなく、別のタイミングで出したいと思います。
そして、新たに別のアンケートを始めます。
それは、リアが変身するライダーについてです。
よろしくお願いします。
もし、リアが変身するライダーと相性が良いレイズバックルについて、リクエストがある場合は、活動報告から受け付けます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第13話 幽霊屋敷の獲得

 宿屋で目が覚めると、寒かった。

 

湊翔「寒っ…………。」

 

 そう、現在、冬真っ只中だ。

 カズマも、家を手に入れる為に節制して、馬小屋にしているらしい。

 カズマからは、その手の愚痴は結構聞いていて、朝起きた時たまに『まつ毛が凍っていたことがある』と言っていた。

 やはり、日本と比べて、ここは寒い。

 不幸中の幸いで、アクセル近辺は豪雪地帯じゃないのは助かる。

 

湊翔「さて。今日も頑張りますか。」

 

 俺はそう呟く。

 顔を洗い、服を外での服装に変えて、宿を出る。

 途中、カズマとアクア、白夜と出会い、ウィズ魔道具店に3人が行くらしいので、俺も同行する。

 

湊翔「カズマもウィズと知り合いだったんだな。」

カズマ「まぁな。」

 

 なんでも以前、『ゾンビメーカー討伐』のクエストを受けたときに墓地で知り合ったとか。

 なんでそんなところにウィズがいたんだろうか?

 そんなことを考えていると、店についた。

 

カズマ「着いたな。アクア、一応言っておくが絶対に暴れるなよ。」

白夜「そうだな。お前は、少しは落ち着け。」

アクア「ちょっと!カズマと白夜は私をなんだと思ってるの!私、チンピラや無法者じゃないのよ!女神よ私は!」

湊翔「どういう事?」

 

 アクアが暴れるって、どういう事だ?

 そんな事を考えながら、店内に入る。

 中には店の商品を磨いているウィズがいた。

 

ウィズ「いらっしゃ………ああっ!?」

アクア「あああっ!?出たわねこのクソアンデッド!アンタ、こんな所で店なんて出してたの!?女神であるこの私が馬小屋で寝泊まりしてるってのに、アンタはお店の経営者ってわけ!?リッチーの癖に生意気よ!こんな店、神の名の下に燃やしていだいっ!?」

湊翔「リッチー?」

白夜「そうだ。ウィズはリッチーだ。」

 

 首を傾げる中、白夜は俺にそう語り、カズマはニンジャデュアラーで、アクアの頭をぶっ叩く。

 ていうか、白夜は知ってたのか。

 

ウィズ「ハッ?!」

カズマ「よっ、ウィズ。久しぶり。」

湊翔「やあ、ウィズ。」

白夜「よっ。」

ウィズ「カズマさん、湊翔さん、白夜さん。」

 

 しばらくして、アクアも多少は落ち着いたのか、今は大人しくしている。

 ウィズの店のテーブルと椅子に腰掛け、不貞腐れているが。

 

アクア「…………お茶も出ないのかしら、この店。」

ウィズ「はっ!す、すみません!今お持ちしますので!」

湊翔「そう言うのは、やめなさいよ。」

 

 カズマ曰く、ウィズは、ゾンビメーカー討伐のクエストで出会い、知り合ったそうだ。

 まあ、俺は知らなかったが。

 そのクエストは、俺とトウカが、ゴブリンエリートの討伐クエストを受けていた時に受けたらしい。

 ゾンビメーカー討伐の際に知り合った理由は、定期的に彷徨える魂を天に還してあげていたようだ。

 カズマ達は彼女を見逃す代わりに、定期的にウィズの代わりに除霊を行う事になったのだ。

 ていうか、この街の聖職者は、碌な仕事をしないのか?

 しばらくすると、ウィズがやって来る。

 

アクア「………アンデッドの癖に店なんて出して、アンデッドの癖に温かいお茶なんて出して………。」

ウィズ「すみませんすみません!私ばかりがこんな贅沢して!」

湊翔「嫌味をやめなさいよ。」

白夜「嫌な姑みたいな事を言うんじゃねぇよ。」

 

 確かに。

 アクアのあの言い方は、嫌な姑を連想するような感じだったな。

 すると、ウィズは、俺たちに話しかける。

 

ウィズ「それで、今日はどの様な要件でしょうか?」

湊翔「俺は、カズマ達に着いてきただけですよ。」

白夜「俺は、アクアの監視だな。来て正解だったな。」

カズマ「ああ。スキルポイントに余裕ができたから、何かスキルを教えてくれないか?」

アクア「ブーーーーーーーー!!!」

カズマ「おわ!!」

 

 それを聞いたアクアが思いっきり噴いた。

 カズマは避ける事ができず、噴き出たお茶を顔面から受けた。

 

アクア「ちょっとカズマ!女神の従者がアンデットのスキルを覚えるとか見過ごせないわよ!!ていうか、女神の従者2号と3号も、何でアンデッドと普通に話してるのよ!」

カズマ「誰が従者だ!」

湊翔「従者じゃないからな。」

白夜「お前の従者になるのなんて、今世紀最大の恥だな。」

 

 アクアの言葉に、俺たちはそう返す。

 ていうか、白夜は、どんだけアクアの事を嫌ってるんだ。

 まあ、気持ちは分かるけど。

 アクアみたいな奴は、俺も嫌いだ。

 前世の嫌な記憶が刺激される。

 すると、アクアはウィズの肩を掴み。

 

アクア「いいカズマ、湊翔。リッチーはね、暗くてジメジメした所が大好きな、言ってみれば『ナメクジの親戚』みたいな連中なのよ。」

ウィズ「酷い!!」

 

 それはいくらなんでも酷すぎるだろ。

 まあ、女神故の感覚だろうけど。

 

カズマ「いや、リッチーのスキルなんて普通覚えられないだろ。そんなスキルが使えれば、うちのパーティの戦力アップになると思ってな。」

湊翔「確かにな。」

白夜「リッチーのスキルも覚えられるって、冒険者って、本当にすげぇな。」

ウィズ「あ、あの………。女神の従者とは?」

アクア「まあね。私はアクア。そう、アクシズ教団で崇められている女神、アクアよ。控えなさいリッチー!」

ウィズ「ヒィッ!?」

 

 それを聞いたウィズは、青褪める。

 相性が悪いんだな。

 まあ、ある意味で天敵だしな。

 

湊翔「おい、ウィズ。そんなに怯えなくても良いだろ?」

カズマ「確かに、アンデッドと女神なんて、水と油みたいな関係なんだろうけどさ。」

ウィズ「い、いえその………。アクシズ教団の人は頭がおかしい人が多く、関わり合いにならない方が良いというのが世間の常識なので、アクシズ教団の元締めの女神様と聞いて………。」

アクア「何ですってぇっ!?」

ウィズ「ごごごご、ごめんなさいっ!」

カズマ「話が進まねぇ………。」

湊翔「そうなのか?」

白夜「ああ。アクシズ教団の奴に、しつこく勧誘を迫られて、マジで嫌だったな。」

 

 ウィズがそう言ったのに対して、俺は白夜に質問して、白夜は、嫌な事を思い出したかのような表情を浮かべながら、そう答える。

 そんなにか。

 関わり合いにはなりたくないな。

 アクアを、商品が置いてある場所に追いやって、話を進める事に。

 そんな中、ウィズが思い出したかの様に言い出す。

 

ウィズ「そう言えば皆さん、あのベルディアさんを倒したんですよね。あの方は、幹部の中でも剣の腕だけはトップクラスの実力でしたのに、凄いですね。」

カズマ「…………なんか、ベルディアのことを知っているような口ぶりだけど?」

白夜「え…………?」

湊翔「…………まさか。」

ウィズ「はい。私、魔王軍の八人いる幹部のうちの一人なので。」

アクア「確保おおおおおおお!!!」

ウィズ「きゃああ!!」

 

 ウィズが魔王軍の幹部だと分かるとアクアがウィズに覆い被さり、背中から押さえつけた。

 ただでさえアンデットを毛嫌いしているのに、目の前にいる相手が魔王軍の幹部なら尚更だろう。

 

ウィズ「待ってーっ!アクア様、お願いします、話を聞いて下さい!」

アクア「やったわねカズマ、湊翔、白夜!これでまた一人幹部を倒せるわね!」

湊翔「ちょっと待て。」

白夜「おい!話を聞かせろ!」

カズマ「え〜っと、流石に魔王軍の幹部というなら、冒険者として見過ごせないんだけど?」

ウィズ「違うんです!魔王城の結界の維持にのために頼まれたんです!もちろん今まで人に危害を加えていませんし、私を倒してもそもそも懸賞金もかかっていませんから!」

 

 その言葉に、俺、カズマ、白夜、アクアは顔を見合わせる。

 

アクア「………よく分かんないけど、念の為に退治しておくわね。」

ウィズ「ヒイイィィィィィィ!!!」

「「「やめんか!!」」」

 

 俺とカズマ、白夜は、アクアを取り押さえ、ウィズの話を聞く事に。

 ウィズ曰く、魔王城の結界を維持しているだけの、『なんちゃって幹部』で人里で店を出すのは構わないから、せめて結界の維持は協力して欲しいと頼まれたらしい。

 条件として、お互いの行うことには干渉しないし敵対もしない、ただ戦闘に携わる者以外の人間を殺した場合は干渉するし場合によっては敵対行為もする。

 これを条件に魔王の頼みを受けたらしい。

 ちなみに、アクア曰く、幹部2、3人ぐらいなら、破れるそうだ。

 

湊翔「という事は、残りの幹部を倒さないと、魔王城には入れないって事か?」

ウィズ「そ、そうです。」

アクア「なら、討伐しましょう。」

ウィズ「待って!待って下さい!せめて、アクア様が結界を破れる程度に幹部が減るまで、生かしておいて下さい………!私には、まだやるべき事があるんです………。」

 

 ウィズの言葉に、アクアも微妙な表情をして、こちらをチラチラ見てくる。

 すると、白夜が口を開く。

 

白夜「俺は信じるぜ。」

湊翔「白夜…………。」

白夜「店の売り上げは兎も角、こんなに真面目に働いて、町の奴らに信頼されている奴が悪党な訳がない。何よりそんな奴の眼じゃない。そこの邪神のような濁った眼と性格だと、ウィズの方が女神だろが。」

アクア「ハァァァ!?誰が邪神よ!!」

 

 白夜の言葉に、アクアがキレる。

 俺は、そんなアクアを抑えつつ、口を開く。

 

湊翔「まあ、良いんじゃないのか?現状の戦力じゃあ、返り討ちに遭うのが目に見えてるしな。それに、人に危害を加える気がないのなら、放っておいても無害だし。」

ウィズ「ありがとうございます!!」

カズマ「でもいいのか?」

ウィズ「はい?」

カズマ「ベルディアを倒した俺達に恨みとか………。」

ウィズ「………ベルディアさんとは、それほど仲が良かったわけではありませんし、それに………。」

湊翔「それに?」

ウィズ「………いつも自分の頭を私の足元に転がしてきて………スカートの中を覗こうとするような人でしたから…………。」

「「「「……………。」」」」

 

 アイツ、そんな事してたのか。

 それって、まごう事なきセクハラじゃないか。

 まさか、ダクネスに変態呼ばわりされて、焦っていたのは、図星を突かれたからか?

 その後、カズマは改めてウィズに、ドレインタッチというスキルを教えてもらった。

 魔力や体力を吸い取ったり、逆に分け与えたりする事ができるスキルだ。

 ちなみに、アクアは嫌がったので、俺が代わりにウィズに魔力を吸わせて、カズマに習得させた。

 ちゃんと魔力は返して貰った。

 すると、突然、男の人が入ってくる。

 

男性「ごめん下さい!ウィズさんは、いらっしゃいますか?」

「「「「ん?」」」」

 

 その人が言うには、幽霊屋敷の除霊とのこと。

 ウィズは用事があるので、代わりにアクアが引き受けた。

 俺たちは、各々の荷物を持って、その件の幽霊屋敷に来る。

 

カズマ「ここか。」

アクア「悪くない、えぇ、悪くないわ!この私が住むのに相応しい屋敷じゃない!」

めぐみん「本当は貴族の隠れ別荘だったみたいです。」

湊翔「そうなんだな。」

ダクネス「しかし、除霊の報酬としてここに住んでいいとは。」

トウカ「随分太っ腹な大家さんだよな。」

白夜「そうだな。その大家には感謝しねぇとな。」

カズマ「なんでも、ウィズは聡明な魔法使いで、この手の案件が持ち込まれるそうだ。」

 

 これで、拠点が手に入る。

 宿に泊まるには、金がかかるので、これで、宿泊費が浮く様になるな。

 

アクア「これで冬の問題は解決ね!災い転じて福となるとはこの事ね!流石私!」

カズマ「でも、大家さんが言うには祓っても祓ってもまた新たな霊が湧くらしい。」

アクア「任せてよ!私はアークプリーストにして女神!謂わば対アンデットのエキスパートよ!」

 

 そう言って、アクアは屋敷に両手を向けて何やら手を動かし始めた。

 

「「「「「おぉぉぉ。」」」」」

アクア「見える。見えるわ。この屋敷には貴族が遊び半分に手を出したメイドの子供、その子供が幽閉されてたみたいね。……。」

「「「「「「……………。」」」」」」

 

 なんか、インチキ霊媒師が言いそうな事を言い出したアクアに当初は期待を込めた目で見ていたが、次第に全員ジト目になった。

 その変な事を言っているアクアを俺達は放っておいて、屋敷へと入る。その時に俺とカズマはとある事を呟いた。

 

カズマ「…………なんでそんな余計な事まで分かるんだって突っ込みたいんだが。」

湊翔「…………俺もだよ。」

 

 俺達は屋敷へと入り、部屋の割り当てと埃が被っていた部屋を掃除した。

 

めぐみん「ふぅ〜。こんなもんですかね。」

ダクネス「部屋の割り当ても決めたしな。」

トウカ「後は夜を待つだけだな。」

白夜「それにしても、結構広いな。」

湊翔「まあ、広いのは良い事だしな。」

カズマ「流石に埃っぽいな……。」

 

 カズマが窓を開けた途端に言葉を止める。

 何事かと見てみれば、アクアがまだ外にいて、未だに鑑定を行っていた。

 

アクア「名前はアンナ・フィランテ・エステロイド。好きな物はぬいぐるみや人形、冒険者達の冒険話……!でも安心して、悪い霊ではないから。おっと………子供ながらに大人びた事が好きみたいね。……。」

「「………………。」」

 

 俺とカズマは何も見なかった事にして窓を閉めた。

 

湊翔「じゃあ、これから自由時間だ。」

カズマ「悪霊が出たら、すぐに報告する事!」

「「解散!!」」

「「「「………。」」」」

 

 そうして、俺はすぐに部屋へと向かう。

 椅子に座って、徐にスパイダーフォンを見る。

 本家ギーツとは違い、スコアとかは無いが、各仮面ライダーの情報を見る事が出来る。

 その中で気になるのは…………。

 

湊翔「神宮龍…………仮面ライダームメイ………か。一体、誰なんだ?」

 

 それが気になるのだ。

 仮面ライダームメイというのは、聞いた事が無いからな。

 どんな仮面ライダーなんだか…………。

 すると。

 

アクア「あぁァァァ!!ァァァ!!」

湊翔「!?何だ!?」

カズマ「おい湊翔、アクアの叫び声が聞こえたよな!?」

湊翔「あぁ!アクアの部屋に行くぞ!」

 

 俺とカズマはアクアの部屋に向かって、状況を確認する。

 

湊翔「おいアクア!大丈夫か!?」

カズマ「何があった!?」

 

 そこには地べたに座っていたアクアがいた。

 クソ!やられたか!?

 アクアが振り返ると酒瓶を持って泣いていた。

 

アクア「カズマ〜。湊翔〜。」

「「……………おい。」」

 

 ………まさか。

 

アクア「これは大事に取っておいた高いお酒なのよ。お風呂から上がったらちびちび飲もうと大事にしてたの!それが!お風呂から上がったら、見ての通り空だったのよ!」

カズマ「そうか。おやすみ。また明日な。」

湊翔「静かに眠れよ。」

 

 俺達は下らない理由で泣いていたアクアを見てすぐさま、自分の部屋へと戻ろうとすると。

 

アクア「これは悪霊の仕業よ!ちょっと私、屋敷に見える霊をしばいてくるわ!おらーー!!出てこいやー!!」

 

 そう言って飛び出していった。

 他の面子が何事かと廊下に出てきたが、問題はないと言って戻らせて、俺達もそれぞれの部屋に戻る。

 その後、アクアのターンアンデットの発動の声が周囲に響いていた。

 時折、花鳥風月と言う宴会芸スキルを使った声も聞こえたが。

 しばらくして、目が覚めた。

 その理由は。

 

湊翔「なんか、変な気配がするな…………。」

 

 そんな感じの気配を感じた。

 その時、トサッと何かが落ちる音がした。

 少し怖くなって音の鳴った方を見ると、そこには謎の人形があった。

 

湊翔(コワッ!!えっ?あんな人形この部屋に置いてないよね!?て言うか体が動かないんだけど!?)

 

 俺は恐怖かまたは金縛りにあったかのように身体が動かなくなった。

 暫くカサカサと言う何が動いているような音がしたと思ったら、ベットに何かが乗っかった様な音がして音がしなくなった。

 目を開けてはいけない。

 だが、確認しなければならない。

 そう思って、目を開けると、そこには、大量の人形がまるで俺を取り囲む様に置いてあった。

 

湊翔「あぁぁ!!ギャアアアァァァ!!」

 

 俺は、そんな風に叫びながら外に出て、迫ってくる人形に対しては、マグナムシューター40Xを撃ちまくって、落とす。

 

湊翔「なんなんだよ!一体どうなってんだよ!!」

 

 そんな事を毒づきながら、マグナムシューター40Xで撃ち落としていると、ソードエクスカリバーを振り回しているトウカと会った。

 

湊翔「トウカ!」

トウカ「湊翔か!?」

湊翔「何だよ、こいつら!何で人形が宙を浮いてるんだよ!?」

トウカ「多分、この屋敷の悪霊の仕業だろ!」

 

 そうだ。

 この屋敷、幽霊屋敷だって言われてたな!

 俺とトウカは、それぞれの武器で、その悪霊が動かしている人形を落とす。

 だが、数が多く、キリがない。

 

湊翔「キリがないな…………!」

トウカ「ああ…………!って、キャッ!」

湊翔「トウカ!?」

 

 すると、トウカに大量の人形が襲いかかっていた。

 俺は、トウカを襲う人形達を落としていく。

 

湊翔「トウカ!大丈夫か!?」

トウカ「あ、ああ!心配かけたな。」

 

 俺はトウカに手を差し伸べ、トウカは顔を赤くしながら、立ち上がる。

 しばらく、一緒に歩いていると、アクアが倒れ、カズマ、めぐみん、ダクネスが呆然としているのを目撃した。

 翌朝、衝撃の事実を知る。

 それは、この屋敷に悪霊が住み着いていた原因が、アクアが墓地に結界を張った事が原因でこの空き屋敷に悪霊が住み着いたと言う。

 つまり、俺達は盛大なマッチポンプを行っていたと言う事だ。

 ギルドから出た臨時報酬もカズマの判断で受け取らなかった。

 その後、カズマとアクアは大家さんに謝罪したが、屋敷に住んで良いと言われたらしい。

 なんて懐の深い大家さんだ。

 その後、ウィズがやってきて、カズマと少し話をして帰った。

 安定した拠点を手に入れた。

 どうにか、頑張るか。

 ちなみに、アクアが墓地に結界を張った件に関しては、白夜がアクアに思い切り説教をした。




今回はここまでです。
湊翔達は、屋敷を手に入れました。
次回、あの紅魔族のぼっちが、登場します。
ちなみに、途中で出た神宮龍こと仮面ライダームメイは、SOURさんからのリクエストで、デストロイヤー戦にて登場します。
スラグフォートレスジャマトは、彼が倒します。
ちなみに、サボテンナイトジャマトは、出ない訳ではありません。
ただ、どこかに出現するだけです。
それがどこに出るのかは、まだ教えられませんが。
アンケートは、もうしばらく続けます。
ちなみに、大型レイズバックルは、槍が武器となります。
リアは、槍使いなので。
このファンで、防振りとのコラボが来ましたね。
もしかしたら、この小説で、他作品とのコラボをしようかなと思っています。
まあ、何とコラボするのかは、未定ですが。
感想、リクエストは、絶賛受け付けています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第14話 ダンジョン攻略

 ある日の夜。

 俺達はそれぞれが自由な時間を過ごしていた。

 ダクネスとめぐみん、トウカはチェスみたいな物に興じている。

 カズマは暖炉の前に置いてあるソファーで温まっていた。

 アクアはカズマを暖炉の前からどかして温まっていた。

 そして、俺と白夜はというと、デザイア神殿へと赴き、トレーニングルームに居た。

 

白夜「どうしたんだよ?いきなり、俺に用があるって。」

湊翔「いやさ。俺って、マグナムを使ってるけどさ、相手に物凄く接近されたら、対応しきれないと思ってさ。そこで、格闘家を目指してた白夜に、ご教授願いたいと思ってね。」

白夜「そういう事か。分かった。それなら、力を貸そう。」

湊翔「ありがとう。」

 

 そういう事で、俺と白夜は、特訓をする事になった。

 ちなみに、ツムリ曰く、合意のある決闘、特訓に関しては、仮面ライダーとして戦っても大丈夫らしい。

 俺と白夜は、お互いに向かい合い、駆け出していく。

 と言っても、白夜の格闘戦の技術を教わる感じだが。

 そんな感じで、俺と白夜はぶつかっていく。

 

白夜「お前、中々伸び代があるな。これは、鍛えがいがありそうだ。」

湊翔「そうかよ。」

 

 白夜の言葉に、俺は苦笑した。

 今日は、特訓はここまでになった。

 ちなみに、その後、お互いに変身して、バトルをした。

 翌朝、俺は一人で出かけた。

 特に用事も無くブラブラしているだけだ。

 トウカ、アクア、めぐみん、ダクネスは、女子会を開催しているようだ。

 白夜は、ウィズの店に行った。

 すると、路地裏を覗く3人がいた。

 

湊翔「お前ら、何してんだ?」

「「「!!!」」」

ダスト「何だ湊翔か。驚かすな。」

キース「本当だよ。」

カズマ「良かった。湊翔で。」

 

 いや、かなり目立ってたぞ?

 というより、そこの路地裏に何があるんだ?

 気になった俺は、3人に質問する。

 

湊翔「ところで三人共、こんな所で何してるんだ?」

「「「フヒュ〜ヒュ〜。」」」

 

 3人は暫く口笛を吹いていると、急に俺を引き寄せた。

 

ダスト「いいか?この街の男性冒険者のみが知っているんだが、サキュバスがいい夢を見せてくれるサービスがあるらしい。」

湊翔「サキュバス?」

 

 サキュバスってあのサキュバス?

 何で男性冒険者しか知らないんだ?

 気になった俺は、ダスト達に尋ねる。

 

湊翔「何で男性冒険者しか知らないんだ?」

ダスト「え!?こいつってまさか、性欲そこまで無いタイプか?」

キース「マジかよ。」

カズマ「まあ、こいつ、女性にはそこまで鼻を伸ばさないからな。」

 

 何で変な目で見られるんだ?

 すると、ダストが説明しだす。

 

ダスト「いいか?この街にはサキュバスがいて、俺達、男性冒険者とサキュバスは、共存している仲なんだよ。」

 

 ダスト曰く、男性冒険者は、ムラムラする事があるらしく、女性冒険者にちょっかい出そう物なら、隠し持ってるナイフで大事なところを斬られたり、周囲の女性冒険者に連絡される。

 そこで、男性冒険者はお金を払い、サキュバスに夢を見させてもらい、サキュバスは性欲を男性冒険者が枯れない程度に加減し吸収して、お互いに共存共栄の関係にあるらしい。

 

ダスト「どうだ?湊翔も興味持ったか?」

湊翔「いや、興味ないな。」

キース「え!?何でだよ!?」

カズマ「性欲を消費する事が出来るんだぞ!」

 

 確かに俺もたまにムラムラすることもある。

 だが、そこまでムラムラしないので、特に問題は無い。

 それを伝えると3人が俺に同情の視線を向けてきた。

 

ダスト「湊翔。たまにはさ、発散しようぜ。」

キース「お前ってさ、仲の良い女の子って居るんだろ?」

カズマ「夢の中だから、怒られないって。」

湊翔「なんだ、その同情の視線は?ていうか、俺、仲のいい女子なんて居ないし。」

ダスト「いいからさ!たまにはな?」

湊翔「気にならなくも無いけど、そういうのって高いんだろ。」

カズマ「それがさ、結構安いんだよ。」

ダスト「だからさ、いいだろ?な?」

湊翔「いや、俺は良いや。」

 

 俺は、3人の誘いを断って、色々と歩いていた。

 ギルドへと向かうと、クリスが話しかけてきた。

 

クリス「あ、湊翔君。」

湊翔「よお、クリス。」

クリス「君って、もしかして、今は暇かな?」

湊翔「まあ、暇っちゃあ、暇だな。」

クリス「ならさ、少し、手伝って欲しい事があるんだけど…………聞いてみない?」

湊翔「聞くだけ聞いて、判断するよ。」

クリス「そう?君からしたら、興味深い話だと思うんだけど?」

 

 そう言って、クリスは語った。

 とある巨大な地下ダンジョンに向かうのだが、そこは、色々な意味で危険なダンジョンらしく、盗賊職一人では、きついとの事。

 

クリス「…………そんな訳で、手伝ってくれると嬉しいな。」

湊翔「へぇぇぇ…………。まあ、良いけど。丁度、暇になったしな。」

クリス「なら、決まり!」

???「あ、あの…………。」

湊翔「ん?」

 

 すると、声をかけられた。

 振り返るとそこに居たのは、一人の女の子だった。

 黒い髪に紅い目から察するに、めぐみんと同じく、紅魔族なのだろう。

 胸が大きい。

 

湊翔「えっと……………君は?」

ゆんゆん「あの…………私は、ゆんゆんって言います。」

クリス「君も紅魔族?」

ゆんゆん「あ、はい…………。」

湊翔「それで、何の用だ?」

ゆんゆん「あの…………その…………。」

 

 紅魔族という割には、中々に大人しい部類だな。

 めぐみんをよく見てる影響かもしれないが。

 

ゆんゆん「あの…………パーティーに、入れてくれませんか!?」

湊翔「えっ?」

クリス「う〜ん……………。良いんじゃないのかな?」

湊翔「クリス?」

クリス「この子は、めぐみんと違って、上級魔法を使うらしいから、戦力になるよ。」

 

 なるほどな…………。

 まあ、めぐみんが特殊なだけだと思うしな。

 なら、大丈夫かな。

 

湊翔「分かった。」

ゆんゆん「あ、ありがとうございます!」

 

 ゆんゆんはそう言って、頭を下げる。

 パーティー組むだけで、そこまでになるか?

 そう思いつつも、俺たちは、出発する。

 ちなみに、既に自己紹介は終えている。

 ただ、少し、気になる事があるとしたら。

 

湊翔(……………誰かが、つけてきてる?)

 

 そう。

 二人ほど、俺たちの事を追っている人物が居るのだ。

 ちなみに、スキルを使っている訳ではない。

 ただ、過去の経験上、他者の敵意や悪意に敏感になっているだけだ。

 しばらく歩いて、その目的のダンジョンに到着した。

 

湊翔「ここか。」

クリス「そ。」

ゆんゆん「パーティー…………。パーティーを組めるなんて…………。」

 

 ゆんゆん、いつまで上の空なんだよ。

 クリスに聞いたところ、ゆんゆんは、パーティーを組まずに、ソロで行っているらしい。

 ただ、ゆんゆんは、パーティーメンバーの募集をしているのだが、その内容があまりにも重い為、パーティーを組もうとする人が居ないそうだ。

 まあ、無理もないか。

 そう思いつつ、俺は、デザイアドライバーを腰に装着する。

 変身する為だ。

 

ゆんゆん「あの…………それは?」

クリス「まあまあ。見てれば分かるよ。」

 

 首を傾げるゆんゆんに、クリスはそう言う。

 俺は、デザイアドライバーに、マグナムレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横に白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が現れる。

 俺は、右手で狐の影絵を作り、中指と親指で、フィンガースナップをする。

 

湊翔「変身。」

 

 そう言って、マグナムレイズバックルのシリンダー部分を回転させ、トリガー部分を引く。

 

MAGNUM

REDAY FIGHT

 

 すると、マグナムレイズバックルから、赤い弾丸が放たれ、隣のマグナムの文字に当たる。

 それが、マグナムフォームのアーマーとなり、ギーツのエントリーレイズフォームとなった俺に、装着され、ギーツ・マグナムフォームへと変身する。

 それを見たゆんゆんとクリスは。

 

ゆんゆん「えええっ!?何ですか、それは!?」

クリス「これが仮面ライダーか…………。」

 

 ゆんゆんは驚き、クリスは興味深そうに見てくる。

 

湊翔「別にギーツとしての姿を見るのは構わないけど、さっさとダンジョンに入ろうぜ。」

クリス「そうだね。」

ゆんゆん「あ、はい。」

 

 そうして、ダンジョンの中へと入っていく。

 中は少し暗かった。

 

湊翔「暗いな。」

クリス「大丈夫だよ。敵感知に罠感知もある訳だし。」

ゆんゆん「暗いですね………。」

湊翔「まあ、これも使ってみるか。」

 

 俺は、スパイダーフォンを取り出す。

 すると。

 

SPIDER MODO

 

 スパイダーフォンは、スパイダーモードになった。

 これが、スパイダーフォンの特徴だ。

 

ゆんゆん「えっ!?」

クリス「何それ、魔道具?」

湊翔「みたいなもんかな。索敵頼むぞ。」

 

SEARCH

 

 俺がそう言うと、その音声と共に、スパイダーフォンは、周囲の索敵を行う。

 これは、本当に便利だな。

 クリスの罠感知や敵感知も合わせて、敵や罠を発見していく。

 罠に関しては、クリスが解除して、敵に関しては、俺とゆんゆんで倒す。

 マグナムシューター40Xで銃撃したり、魔法で攻撃したり。

 そんな感じに進んでいく。

 しばらく進むと、開けた場所に出る。

 

湊翔「随分と開けてんな。」

ゆんゆん「そうですね……………。」

クリス「ねぇ、あそこ見て。」

 

 クリスが指差す先には、何かの部屋があった。

 

湊翔「何かの部屋か?」

クリス「行ってみよう!」

 

 俺とクリスは、駆け出していく。

 ゆんゆんは、オロオロとしていた。

 中に入ると、かなり荒れていた。

 だが、いくつか見覚えがある物があった。

 それは………………。

 

湊翔(ライトセイバーに、クイックルワイパーに、その他諸々…………。どう考えても、日本人が関与してるだろ!!)

 

 そう。

 こんな物が、この世界の人間に作れる物ではないのは確かだ。

 だとすると、十中八九、日本人転生者が関与しているだろう。

 すると、クリスが声をかける。

 

クリス「ねぇ、湊翔君。」

湊翔「ん?」

クリス「これ見て。」

 

 そう言って、クリスが指差した先を見ると、一本のペンが置いてあった。

 

湊翔「これは?」

クリス「これは、描くだけでどんなものでも作り出せるペンらしいね。」

湊翔「描くだけで?(あのアニメの実体化ペンみたいだな…………。)」

 

 それを聞いた俺は、某緑の蛙型宇宙人が主役のアニメに登場するペンを思い浮かべる。

 だが、周囲の物よりも、それを真っ先に見たという事は…………。

 

湊翔「…………クリスの目当ては、それか?」

クリス「まあね。」

湊翔「…………それを手に入れて、どうするんだよ?」

クリス「まあ、こんな所に放置されても、危険なだけだから、封印するかな?」

湊翔「まあ、それが妥当だけれど…………。」

 

 確かに、描くだけで何でも作り出せるペンなんて、やばい人に渡ったら、危険極まりない。

 それこそ、魔王軍に渡るのはまずい。

 そう思うのだが、気になる事がある。

 

湊翔「それって、神器の類だろ?何でそんなもんを、クリスが回収するんだ?」

クリス「…………それに関しては、話しておくよ。」

 

 そう言って、クリスは真面目な顔で語り出す。

 クリス曰く、自分は女神エリスを信仰していて、女神エリスから、持ち主がいなくなった神器の回収を頼まれたかららしい。

 神器は、その持ち主が居なくなったら、本来の力を発揮しない。

 それは、ミツルギの魔剣グラムが、他の人が使ったら、ただの剣になるのと同じだ。

 しかし、本来の力を発揮出来なくても、強力な事には何ら変わらないから、厄介事を起こされる前に、回収して欲しいとの事だ。

 

クリス「……………そんな訳で、女神エリス様に頼まれて、神器回収をしてる訳。」

湊翔「なるほどね…………。まあ、それに関しては了解したよ。」

 

 確かに、そんな物騒な代物を、放置しても危険だろうからな。

 すると。

 

ゆんゆん「や、やめて下さい!」

湊翔「ゆんゆん!?クリス!その神器の方は任せたぞ!」

クリス「分かったよ!」

 

 ゆんゆんの叫び声が聞こえてきたので、俺は、ゆんゆんの方に向かう。

 すると、二人の男が、ゆんゆんを捕まえようとしていて、ゆんゆんは抵抗していた。

 ただ、普通の男ではなく、仮面ライダーだった。

 その証拠に、腰には、デザイアドライバーが装着されていた。

 ただ、エントリーレイズフォームの様だが。

 そして、片方は象で、片方はインパラの仮面ライダーだった。

 俺は、その仮面ライダーに対して、マグナムシューターで銃撃する。

 

湊翔「ハッ!」

象「うわっ!」

インパラ「のわっ!」

ゆんゆん「キャッ!」

 

 その二人の仮面ライダーが吹っ飛び、ゆんゆんが倒れそうになった所を、俺が支える。

 

ゆんゆん「み、湊翔さん…………。」

湊翔「大丈夫か?」

ゆんゆん「は、はい…………。」

 

 俺の質問に、ゆんゆんは答える。

 ただ、顔が赤いのが少し気になる所ではあるのだが。

 

象「おお、湊翔さんのお出ましだ。」

インパラ「どこに居たんだよ?」

湊翔「……………お前ら、何の用だ?」

象「話は簡単だ。アンタの持ってるレイズバックルを、全てよこせ!」

インパラ「そうだ!そうだ!」

湊翔「……………レイズバックルは、ミッションやクエストをこなしてれば、手に入るのにな。」

象「へっ!そんなまどろっこしい事をしてられるかよ!」

インパラ「他の奴から、レイズバックルを奪えば早いからな!」

湊翔「…………………。」

 

 なるほど、そんな奴らか。

 すると、前世の記憶が蘇る。

 

???『オラっ!さっさとそれを寄越せや!』

湊翔『返せよ…………!それを返してくれよ!』

???『お前が何でも出来るおかげで、こんなに楽する事が出来たぜ!』

???『本当にそうっすね!』

???『あばよ!』

湊翔『ううぅ…………!』

 

 そんな過去の記憶が蘇り、苛立ちが出ていた。

 何だって、俺から奪おうとするんだよ。

 何でも出来るからって。

 答えは一つだな。

 

湊翔「…………お前らの様な奴に、渡す訳にはいかない。」

象「そうかよ。なら、力づくで奪うだけだ!」

インパラ「そうだな!そっちの方が性に合うわ!」

 

 そう言って、襲ってくる。

 俺は、そいつらの攻撃を躱す。

 

湊翔「…………そっちがその気なら、容赦はしない。」

 

 俺は、マグナムシューターと両腕のアーマードガンを使って、象とインパラの仮面ライダーの動きを牽制する。

 そして、マグナムレイズバックルを、マグナムシューター40Xに装填する。

 

MAGNUM

 

 装填して、マグナムレイズバックルのシリンダー部分を回転させ、トリガー部分を引く。

 すると、銃身にアプルーバルリボルバー型のエネルギーが溜まる。

 それを見た二人は。

 

象「おいおい、待てって!」

インパラ「お前、マジかよ!?」

湊翔「…………俺は言った筈だ。容赦はしないってな。」

 

 慌てる二人にそう言って、マグナムシューター40Xのトリガーを引く。

 

MAGNUM TACTICAL BLAST

 

 俺は、エネルギー弾を連中の足元の向かって撃って、連中の足元の地面を爆発させる。

 そいつらは転がって、変身解除する。

 

湊翔「…………ふん。」

象「くそっ…………!」

インパラ「つ、強ぇぇ…………。」

ツムリ「エーファントさん。インパラーさん。」

 

 そこに、ツムリが現れる。

 恐らく、ルールを伝えに来たのだろう。

 

ツムリ「貴方達は、ここで脱落となります。」

象「ハアッ!?」

インパラ「脱落だと!?」

ツムリ「はい。貴方達は、一般人を攻撃しようとしました。」

象「くそっ…………!」

インパラ「なぁ…………!?」

 

 すると、二人のデザイアドライバーのIDコアが消えて、二人は消える。

 

RETIRE

 

 その音声と共に消えて、デザイアドライバーだけが落ちる。

 ツムリは、それを回収する。

 

ツムリ「お二人は、仮面ライダー失格となりました。」

ゆんゆん「あ、あの…………!あの二人は、何処に行ったんですか?」

ツムリ「あの二人は、仮面ライダーとしての記憶を消され、元の生活に戻りました。」

 

 やはりか。

 まあ、俺としては、あんな奴らと出会すのはごめんだが。

 その後、神器を回収したクリスもやって来て、俺たちはアクセルに戻る事にした。

 ギルドに到着した後、クリスは颯爽と消えていった。

 

ゆんゆん「あ、あの…………。」

湊翔「うん?」

ゆんゆん「助けてくれて…………ありがとうございます。」

湊翔「まあ、仲間だしな。じゃあ、また何処かで。」

 

 そう言って、俺は去っていく。

 

ゆんゆんside

 

 初めてだった。

 仲間って言ってくれる事に。

 しかも、私を助けてくれた。

 顔がまだ熱いよ…………。

 

ゆんゆん「また会えないかなぁ…………。」

 

 私は、そう呟く。

 

湊翔side

 

 俺はギルドに、そのダンジョンの調査結果を報告する。

 

ルナ「はい。お疲れ様です。」

湊翔「ええ。」

 

 俺は、ルナさんから、お金を貰って去ろうとすると、ルナさんが声をかける。

 

ルナ「あの、湊翔さん。」

湊翔「はい?」

ルナ「実は…………アクアさんに、渡したい物があると届いています。」

湊翔「えっ?」

ルナ「匿名なんですが、アクアさんに昔、世話になったお礼として、この酒を送りますと言って……………。」

 

 そう言って渡されたのは、フォールという名前が書かれた酒だった。

 俺は、首を傾げながらもそれを受け取り、屋敷へと戻る。

 すると。

 

アクア「あ!カズマ、湊翔!見なさいよ。今日の夜はカニよ!カニ!」

ダクネス「実家から、引っ越し祝いと言って送られてきたのだ。」

 

 へぇ、すごいな。

 良いカニだと言うのが分かるような気がする。

 

めぐみん「これは霜降り赤蟹と呼ばれていて最高級なんですよ!」

 

 高級な蟹を持ってくるなんて、ダクネスの実家は貴族なのだろうか?

 

アクア「今日はこれでカニパーティーよ!」

湊翔「そういやさ、アクアに酒が届いてたぞ。」

アクア「私に?」

ダクネス「…………って、それは、フォールじゃないか!」

トウカ「ええっ!?」

 

 俺がその酒を見せると、ダクネスとトウカの二人が大きく叫ぶ。

 

湊翔「有名なのか?」

白夜「いやいや、有名なんてレベルじゃねぇぞ!輪廻転生を何回しても、一滴も飲む事が出来ないなんて言われてる酒だぞ!?」

カズマ「マジかよ!?」

ダクネス「それを、アクアが!?」

 

 そんなにか。

 まあ、俺、そこまで酒には強くないから、飲まないけどな。

 アクアは、何かに気付いた様な表情をするが、すぐに笑う。

 

アクア「じゃあ、今日は盛大にやるわよ!」

 

 そう言って、宴会が始まった。

 その日は、かなり盛り上がった。

 蟹も美味しかったしな。

 その後、風呂に入り、就寝した。

 翌日、気持ちいい朝を迎えた。

 そして、深夜にカズマにサービスをしようとしたサキュバスが見つかり、カズマがアクア達にしばかれた事を知った。

 どんまい、カズマ。

 俺達は朝食を摂って、ゆっくりとしていたら、警報が聞こえた。

 

ルナ『デストロイヤー警報! デストロイヤー警報!冒険者の皆様は直ちに装備を整えて冒険者ギルドへお集まり下さい!そして住民の皆さんは直ちに避難を開始して下さい!!』

 

 デストロイヤー?

 すると、スパイダーフォンにメールが届く。

 そこに書いてあったのは、『スラグフォートレスジャマトが接近。仮面ライダーは、直ちに迎撃せよ。』と書かれている。

 マジかよ。

 

???side

 

 俺たちは、旅の疲れを癒していた。

 

???「それにしても、あの人には、お酒は届いたかしら…………?」

???「届いたんじゃないか?」

???「だと良いわね。」

 

 そんな風に、ゆっくりと過ごしていると。

 

ルナ『デストロイヤー警報! デストロイヤー警報!冒険者の皆様は直ちに装備を整えて冒険者ギルドへお集まり下さい!そして住民の皆さんは直ちに避難を開始して下さい!!』

 

 そんな平和をぶち壊すかの様に、アナウンスが流れ、スパイダーフォンを見ると、『スラグフォートレスジャマトが接近。仮面ライダーは、直ちに迎撃せよ。』と書かれている。

 

???「どうやら、行かないといけないみたいよ。」

???「そうだな…………。」

 

 俺は、少しキレながら、ギルドへと向かっていく。

 邪魔しやがって…………!




今回はここまでです。
色んな出来事が起こりました。
ゆんゆんとの出会い、象とインパラの仮面ライダーの脱落、フォールという酒の入手、そして、デストロイヤーとスラグフォートレスジャマトの襲来。
それに、仮面ライダーが動き出します。
最後の方に登場したキャラが誰なのか、次回、明らかになります。
そして、湊翔の過去…………というよりは闇が断片的に明かされ、ゆんゆんが、湊翔に惚れました。
今回、脱落した仮面ライダーは、本家ギーツの6話で、今井透を襲っていたあの二人組です。
今週は、ギーツがお休みですね。
無論、ドンブラザーズも。
今日は、SAOのイベント、フルダイブが開催されますね。
まあ、自分は、会場には行けないんですが。
アンケートは、デストロイヤー戦が終わるまで続けたいと思います。
ギーツの色違いとイルカで拮抗していますね。
ギーツの色違いの見た目としては、白い部分が紺色に、赤い部分が白になる予定です。
そして、セイバーのスピンオフ、サーベラ&デュランダルが発表されましたね。
それには、マジーヌ役の人が出るとは。
どうなっていくんですかね。
めぐみんも、ビートレイズバックルを手に入れます。
どのタイミングなのかは、考え中ですが。
あと、レターとケイロウも出します。
その二人には、ミツルギの取り巻きが変身する予定です。
無論、フィーバースロットレイズバックルも出します。
ビート同様、どのタイミングで出すかは、未定です。
感想、リクエストは受け付けています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第15話 機動要塞の襲来

ルナ『デストロイヤー警報! デストロイヤー警報!冒険者の皆様は直ちに装備を整えて冒険者ギルドへお集まり下さい!そして住民の皆さんは直ちに避難を開始して下さい!!』

 

 そんな、ルナさんのアナウンスが流れてくる。

 その時、アクアが荷車に荷物を纏めて来た。

 

アクア「カズマ!湊翔!逃げるの!遠くに逃げるの!!」

湊翔「何言ってるんだよ。招集が掛かってるだろ。」

めぐみん「機動要塞デストロイヤー。あれと戦うなんてどうかしてますよ。」

カズマ「だから、そのデストロイヤーって何だよ!?」

 

 確かに、機動要塞デストロイヤーとは一体何なんだろう?

 そこに装備を整えたダクネスとトウカと白夜がやって来る。

 

ダクネス「暴走した古代兵器だ。」

トウカ「そいつが通った後には厄介なアクシズ教徒しか残らないって言われてるわ。」

白夜「つまりこのままじゃアクセルは滅ぶというこった。」

アクア「ねぇ、トウカ?なんでウチの子が厄介者扱いされてるの?」

トウカ「事実だろ。」

 

 なるほどな。

 なら、俺も行くべきだろう。

 

カズマ「みんな、ギルドへ行くぞ!」

アクア「どうしてなのよ!」

湊翔「折角手に入れた屋敷を壊されてたまるかよ!それに俺達は仮面ライダーだ!街の危機も救ってみせる!」

 

 こうして俺達は駄々をこねるアクアも連れてギルドへと向かった。

 そこにはアクセルの全ての冒険者達が集結していた。

 俺達が入ると冒険者から歓声が上がった。

 その中には、魔剣の勇者であるミツルギも来ていた。

 

ルナ「皆さん、お集まり頂きありがとうございます。皆さんが最後の砦です。討伐が不可能と判断された場合、街を捨てて逃げる事になります。どうかよろしくお願いします!それではデストロイヤーについて説明が必要な方は、手をあげてください!」

 

 俺やカズマを含める一部の冒険者が手を挙げていた。

 それを見て、ルナさんは説明を始める。

 

ルナ「機動要塞デストロイヤー。それは元々、魔王軍に対する兵器として魔導技術大国ノイズによって作られました。この兵器は、走り出せば、馬以上の速度を出せます。恐るべきはその巨体と進行速度です。どんなに大きなモンスターでもひき肉と化します。強力な魔法結界が張られているので魔法攻撃は意味を成しません。」

 

 なるほどな。

 それならアクアが逃げ出そうとするのも納得がいく。

 というより、ひき肉って…………。

 

ルナ「現在、デストロイヤーは、開発責任者が乗っ取って暴走させているとの事で、一度来たら過ぎ去ってから街を建て直すしかないという、天災として扱われています。現在、デストロイヤーは、謎の巨大生物と共に、街の北西方向から接近しています。では、意見等をおねがいします。」

 

 マジかよ、勝てるかどうか微妙になってきたなぁ。

 その後、色々な意見が出されたが、全て無駄だと言う事が判明した。

 ちなみに、謎の巨大生物とは、スラグフォートレスジャマトの事だろう。

 さて、スラグフォートレスジャマトはともかく、デストロイヤーはどうしたもんか………。

 俺がそう考えていると、カズマが何かを思いついたのか、アクアに話しかける。

 

カズマ「なぁ、アクア?お前ならその結界を破れるんじゃないか?」

アクア「え?うーん。やってみないと分からないわよ。」

ルナ「破れるんですか!?あの結界を!?」

カズマ「え!?でも、やってみないと分からないんですが。」

ルナ「それでもお願いします。後は強力な魔法を叩き込めれば……!」

 

 なるほど。

 強力な魔法か…………。

 スラグフォートレスジャマトに、ブースト必殺技を使いたい所だが…………。

 すると。

 

冒険者「いるだろ。火力持ちなら頭のおかしいのが。」

冒険者「そういや居たな!」

冒険者「頭のおかしいのが!!」

 

 そう言ってめぐみんに視線が集中した。

 

めぐみん「おい!それは私の事を指すのならその通り名はやめてもらおう!さもなくば私の頭がいかにおかしいか証明する事になる!!」

 

 冒険者達が気まずそうに視線を逸らした。

 すると、タイミングよくウィズが入ってくる。

 

ウィズ「遅れてすいません!私も冒険者の資格を持っているので、お手伝いを……!」

冒険者「店主さんだ!」

冒険者「貧乏店主さんが来たぞ!」

冒険者「勝てる!勝てるぞ!」

 

 おい、貧乏店主はやめてやりなさいよ。

 確かに、貧乏なのは間違い無いけど。

 でも、心強いのは確かだな。

 すると、白夜が話しかけてくる。

 

白夜「心配すんな。それに、ウィズも仮面ライダーになったからさ。」

湊翔「えっ!?」

 

 ウィズも仮面ライダーになったのか!?

 それには、俺はとても驚いた。

 白夜曰く、俺がクエストに出かけている時に、ウィズの店にツムリがやって来て、デザイアドライバーを渡したらしい。

 そして、白夜も手伝って、大型レイズバックルを手に入れたらしい。

 そうして、作戦は纏まった。

 それは、アクアが結界を吹き飛ばした後、めぐみんとウィズの爆裂魔法でデストロイヤーの足を破壊し、動きを止める。

 ただ、問題は、スラグフォートレスジャマトだよな。

 デストロイヤーはともかく、そいつは、冒険者では、どうにも出来ない。

 どうにかするしかないか。

 

こうして、デストロイヤーからアクセルの街防衛作戦が開始される。

 アクセルのデストロイヤーが来る方面の門周辺には街の工事作業員が突貫工事でバリケードを仕上げて、バリケードの内側には冒険者達が集結していた。

 俺はカズマと共にダクネスの説得に当たっていた。

 ダクネスは、最前線にゾンビブレイカーを突き刺したまま微動だにしない。

 

カズマ「なぁ、ダクネス。いい加減に言う事を聞いてくれよ。」

湊翔「そうだぜ。そこに居たら危ないだろ。」

ダクネス「私は、どうしてもここを離れる訳にはいかない。」

湊翔「性癖の為か?」

ダクネス「違う!私は民を守る為にここにいるのだ。」

カズマ「民?」

ダクネス「私の本名はダスティネス・フォード・ララティーナ。貴族の娘だ。」

 

 やっぱりダクネスは貴族だったか。

 大して驚かない俺たちに、ダクネスは声をかける。

 

ダクネス「2人とも大して驚いていないな。」

カズマ「そりゃ、なぁ。」

湊翔「霜降り赤蟹なんて高級品を持って来たらな。」

ダクネス「まだみんなには内緒にして欲しい。」

湊翔「分かった。」

カズマ「だから、俺達を信じろ。」

ダクネス「そうか。」

カズマ、湊翔「………ララティーナ。」

ダクネス「そっちの名で呼ぶなァァァァ!!」

 

 俺達は少しララティーナ…………ではなくダクネスを揶揄っていると、ルナさんから連絡が入ってきた。

 

ルナ『皆さん!もうすぐ、デストロイヤーが見えてきます!備えて下さい!』

 

 ルナさんの連絡通りに機動要塞デストロイヤーが見えた。

 確かにでかい。

 そして、デストロイヤーのすぐ後ろに、スラグフォートレスジャマトが居た。

 俺達もすぐ様、めぐみん達の所に向かった。

 

カズマ「おい!これって大丈夫なのか!?」

 

 カズマ、弱気発言はやめてくれ。

 

アクア「ちょっとウィズ!大丈夫でしょうね!」

ウィズ「アクア様が結界を破ってくれれば大丈夫ですよ。もし失敗したらみんなで仲良く土に還りましょう。」

アクア「冗談じゃないわよ!ちょっとカズマ!湊翔!白夜!そっちは大丈夫なの!?」

 

 めぐみんを見ると。

 

めぐみん「大丈夫。私は強い。私は強い。」

トウカ「不安だなぁ………。」

白夜「それより…………デストロイヤーの後ろにいるスラグフォートレスジャマトって奴はどうすんだよ?」

湊翔「そうなんだよな…………。まあ、まずはデストロイヤーだ!」

 

 そう。

 スラグフォートレスジャマト自体は、動きはそこまで早くない。

 まずは、デストロイヤーから対応しよう。

 

冒険者「来るぞ〜〜!!」

 

 その冒険者の声と同時にデストロイヤーが迎撃ラインへと突入した。

 その時、遥か上空から、杖を召喚したアクアが魔法を発動する。

 

アクア『セイクリッド・ブレイクスペル!』

 

 アクアの魔法がデストロイヤーへと向かい、デストロイヤーの魔法結界と衝突する。

 デストロイヤーは、アクアの魔法を気にせず前進するが、アクアが更に力を込めた結果、魔法結界は消滅した。

 

カズマ「今だ!!」

ウィズ「めぐみんさん!同時攻撃です!!」

 

 だが、めぐみんが緊張のあまり、動けなくなっていた。

 

カズマ「おいめぐみん!」

めぐみん「ァァァァァァァァ……。」

カズマ「おい!お前の爆裂魔法への愛はそんなもんか!?ウィズに負けたらみっともねぇぞ!」

めぐみん「!!」

カズマ「お前の爆裂魔法はあんなもんも壊せないヘナチョコ魔法か!?」

めぐみん「何を!?我が名をコケにするよりも1番言っては行けない事を口にしましたね!見せてあげましょう!本物の爆裂魔法を!!」

 

 めぐみんとウィズは爆裂魔法の準備に入る。

 かつて、凄腕のアークウィザードの名を欲しいがままにした、今は経営難に苦しむ小さな魔道具店のリッチーと、頭のおかしい爆裂娘の名を欲しいがままにしている、ただ一つの魔法に全てを捧げた、紅魔族随一のアークウィザード。

 その2人の魔法が、デストロイヤーに向かって放たれる。

 

めぐみん、ウィズ「エクスプロージョン!!」

 

 爆裂魔法が炸裂して、デストロイヤーの脚を破壊する。

 両足を失った事でデストロイヤーは滑り出し、ダクネスの直前で止まった。

 

めぐみん「はぁ、流石リッチーです。」

カズマ「お疲れさん。」

湊翔「ふぅ〜〜。」

トウカ「どうにか、なったか?」

 

 俺たちは安堵する。

 すると、音声が流れる。

 

SECRET MISSION CLEAR

 

 その音声と共に、めぐみんの目の前に、ミッションボックスが現れる。

 

めぐみん「これは…………!」

トウカ「開けてみたらどうだ?」

 

 トウカに促され、めぐみんはミッションボックスを開ける。

 そこには、ピアノが付いた大型レイズバックルが入っていた。

 

めぐみん「これは………!」

湊翔「大型レイズバックルだ…………!」

白夜「マジかよ………!」

めぐみん「やりました!」

 

 めぐみんは、ビートレイズバックルを手に入れたみたいだな。

 あとは、スラグフォートレスジャマトだけだ!

 冒険者達からも歓声があがった。

 

冒険者「やった!やったぞ!!」

冒険者「俺、これが終わったら結婚するんだ。」

 

 おい、死亡フラグが聞こえたぞ!

 やめろ、そんな事を言うな!

 

アクア「さぁ〜て!今日は宴会よ!報酬が楽しみね!!」

湊翔「おい待て!」

カズマ「そんな事を言ったら……。」

 

 なんかデストロイヤーの様子が変だ。

 

カズマ「それみた事か!!」

アクア「えぇぇぇぇ!?」

 

『この機体は停止致しました。排熱及びエネルギー消費が出来なくなりました。このままだとこの機体は自爆します。』

 

「「「「「なんだって!?」」」」」

 

 まだ、災難は終わっていなかった。

 というより、これからが本番みたいな感じになっていた。

 

???side

 

 俺たちは、少し準備をしていると、謎の女性が現れる。

 

???「ツムリさん。」

ツムリ「行かなくてよろしいんですか?」

???「大丈夫だ。すぐに行く。」

 

 ツムリに、俺はそう答える。

 そう。

 準備がやっと整ったのだ。

 

ツムリ「それでは、彼らを助けてあげてください。」

???「ああ。」

 

 俺は、そいつらの元に行く為に、デザイアドライバーを腰に装着して、フリートレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横側に、大型の戦艦の絵と、英語でFLEETという文字が現れる。

 俺は、変身ポーズを取り。

 

???「変身。」

 

 そう言って、レイズバックルのアクセルを回す。

 

FLEET

REDAY FIGHT

 

 すると、騎士風な鎧になった艦隊の形のフリートフォームのアーマーが現れ、それが上半身に装着され、マスクが装着される。

 俺は、彼女と共に、向かう。

 

ツムリ「頑張って下さいね。仮面ライダームメイ。」

 

 そんな声が聞こえた様な気がする。




今回はここまでです。
めぐみんは、ビートレイズバックルを手に入れました。
そして、動き出す仮面ライダームメイ。
仮面ライダームメイ関連のキャラは、SOURさんからのリクエストです。
今週のギーツは、変わってしまった景和に、途中参戦したナーゴ。
暗躍するパンクジャックとゲームマスターことギロリ。
そして、MOVIEバトルロワイヤルに、まさかの龍騎が参戦!?
バイスの復活は分かっていましたが、龍騎に関しては、完全に想定外です。
次回のギーツで、ジャマトライダーに、フィーバースロットレイズバックルが登場しますね。
この小説でも、今回の話に出たケイロウとレターは登場します。
誰が変身するかは決まっていますが、秘密です。
無論、ジャマトライダーも出ますが、どのタイミングで出るのかは、考え中です。
アンケートは、今回の話で終了します。
リアが変身するのは、ギーツの色違いという事になりました。
ギーツの色違いの名前や、相性の良いレイズバックルに関して、意見がある場合は、活動報告にお願いします。
感想、リクエストは、絶賛受け付けています。
あと、このファンで防振りコラボをしていますが、この小説でも、他作品のコラボの話をやろうかなと思います。
何とコラボした話をやるのかは、考え中です。

追記
そのコラボストーリーに関してのリクエストは、下記から受け付けています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=288958&uid=373253


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第16話 盛大な打ち上げ

        緊急クエスト!!

    デストロイヤーの自爆を阻止せよ!!

 

冒険者「無理だ。」

冒険者「あんなの無理だって!!」

 

 冒険者達が逃げ出していく。

 俺達も万が一に備えて離脱の準備を始める。

 

カズマ「ダクネス!!逃げるぞ!!」

ダクネス「私は、ここから逃げ出す訳にはいかない。」

湊翔「ダクネス……。」

 

 お前……。貴族の意地を果たすつもりか。

 

ダクネス「それに、もうすぐ爆発するものの近くにいると考えると……。」

 

 まさか、こんな時まで性癖を発動する気か?

 

ダクネス「こうしてはいられない!カズマ、湊翔!私は行くぞ!!行ってくりゅ!!変身!」

 

ZOMBIE

REDAY FIGHT

 

 ダクネスは、バッファ・ゾンビフォームになり、デストロイヤーに向かっていく。

 

冒険者「おい!ダクネスさんが突撃してくぞ!」

冒険者達「!?」

 

 ダクネスが仮面ライダーになって突撃していくのを、他の冒険者達も見ていた。

 

冒険者「やるぞ!俺は!この街には散々世話になったからな!」

冒険者「俺も。もうレベル30を超えているのに、なぜ未だにこの駆け出しの街にいるのかを思い出した。」

ダスト「むしろ今まで安くお世話になって来た分ここで恩返し出来なきゃ終わってるだろ!」

親方「びびってんじゃねぇ!俺達も行くぞ!」

作業員「おォォォ!」

 

 と、どんどんデストロイヤーに冒険者や、作業員の方達まで突撃していった。

 心の中で、サキュバスの影響力って凄いなと思った。

 ダストとリーンは、変身していた。

 デストロイヤーはそれで良いかもしれないけど、問題はスラグフォートレスジャマトだ。

 デストロイヤーが加速したから、ある程度離れているとはいえ、依然として、こちらに向かって来ている。

 どう対処すれば…………。

 すると。

 

???「あのジャマトは、俺に任せろ。」

湊翔「っ!?」

 

 そんな声をかけられ、誰かが前に出る。

 その人は、仮面ライダーなのは分かった。

 腰にデザイアドライバーを装着していたからだ。

 だが、あんなレイズバックルも、あんな仮面ライダーも、俺は知らない。

 しかも、女性も居て、その女性が歌うと、力が湧いてくる。

 あの2人は一体…………?

 まあ、それはそれとして、俺たちはデストロイヤーに突入しよう。

 

湊翔「カズマ!白夜!ブーストを使うぞ!」

カズマ「ああ!」

白夜「おう!」

 

 俺達は、それぞれのレイズバックルを、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字とバイクのマフラーから火が出る絵とBOOSTの文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字とバイクのマフラーから火が出る絵とBOOSTの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字とバイクのマフラーから火が出る絵とBOOSTの文字が、ウィズの横には戦闘機の絵とJETの文字が浮かぶ。

 俺たちは、変身ポーズを取り。

 

「「「「「変身!」」」」」

ウィズ「へ、変身!」

 

 俺たちはそう叫んで、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

GET READY FOR BOOST & MAGNUM

NINJA & BOOST

BEAT

CALIBER

LIGHTNING & BOOST

JET

REDAY FIGHT

 

 俺たちは、それぞれの仮面ライダーへと変身する。

 ウィズが変身する仮面ライダーは、白夜から聞いたが、ホークというらしい。

 

めぐみん「さあ!行きますよ!」

 

 めぐみんは、ビートレイズバックルのピアノ部分を弾く。

 すると、ビートフォームの装甲に付いているスピーカーから、音が流れてきて、力が湧いてくる。

 恐らく、バフの類だろう。

 

カズマ「オラァァ!!」

白夜「行くぞオラァァァァ!!」

 

 その証拠に、カズマと白夜のテンションが異常に高い。

 俺たちは、デストロイヤーへと乗り込んでいく。

 チラリと冒険者達を見ると、野盗が行われているような感じになっていた。

 

冒険者「おらっ!この中に居るんだろ!開けろ!このドア、ハンマーでぶっ壊すぞ!」

冒険者「出て来い!街を襲った責任者出て来い!とっちめてやる!!」

 

 何か、こっちが侵略している様な気分になるな。

 そう思う中でも、ゴーレムが迫ってきたので、それぞれで倒す。

 

湊翔「ハアッ!フッ!ハッ!」

 

 俺は、ゴーレムの攻撃を躱しつつ、ゴーレムの心臓部と頭の部分に、マグナムシューターで銃撃する。

 

カズマ「でやあ!はっ!」

 

 カズマは、ニンジャとブーストの力で加速して、ニンジャデュアラーを使って、すれ違いざまに一閃する。

 

めぐみん「行きますよ!」

 

 めぐみんは、ビートレイズバックルの追加武装であるビートアックスでエレメントを選択する。

 

FUNK BLIZZARD

 

 めぐみんは、氷属性を選択して、演奏する。

 そして、インプットトリガーを引く。

 

TACTICAL BLIZZARD

 

 めぐみんは、その必殺技と共に、ゴーレムを斬っていき、凍らせる。

 

めぐみん「ダクネス!」

ダクネス「任せろ!」

 

 めぐみんは、ダクネスに声をかけて、ダクネスは駆け出す。

 そして、ゾンビブレイカーのカバーをスライドさせる。

 

POISON CHARGE

 

 カバーをスライドさせて、待機音が流れる中、ダクネスはトリガーを引く。

 

TACTICAL BREAK

 

 ダクネスは、必殺技を発動させて、凍ったゴーレムを倒す。

 

トウカ「ハアッ!でやぁ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーを振るい、ゴーレムを斬っていく。

 

白夜「ハアッ!オラァァ!!」

 

 白夜は、ライトニングとブーストの力で加速しつつ、自分の腕でゴーレムを叩きつけ、倒していく。

 

ウィズ「ハアッ!」

 

 ウィズは、ジェットレイズバックルの力で飛んで、ゴーレムを魔法を使って倒していく。

 しばらくすると、冒険者の叫び声が聞こえる。

 

冒険者「開いたぞーー!」

アクア「帰りたーい!!」

 

 そこに居た冒険者は、突撃時の気迫はどこへ行ったのか、微妙な表情で立っていた。

 

テイラー「見ろよ。あれを。」

 

 テイラーが指を指した先には、白骨化した遺体があった。

 

ウィズ「乗っ取った開発者でしょうか?」

アクア「既にこの世に未練もないくらいに成仏してるわね。」

カズマ「いや未練ぐらいあるだろ。」

湊翔「これって1人寂しく死んでいったみたいな感じだよな。」

 

 すると、アクアがテーブルに日記が置いてあったのを見つけた。

 

アクア「何これ?日記かしら。国のお偉いさんが無茶言い出した。こんな低予算で機動兵器を作れと言う。無茶だ。」

湊翔「彼の日記なのか?」

白夜「低予算で作れって、ブラックすぎるだろ。」

 

 低予算で機動兵器を作れと言われるとか、どんだけブラックなんだよ。

 余程の葛藤が書かれてるんだろうな。

 

博士『動力源をどうこう言われたけど知るか!伝説のコロナタイトを持ってこいと言ってやった。本当に持ってきちゃったよ。どうしよう。これで動かなかったら死刑じゃないの?動いて下さい!お願いします!』

 

 あれ、葛藤してない。

 それを聞いているうちに、俺たちはジト目になっていた。

 

博士『終わった。現在ただいま暴走中!国滅んだヤベェ、滅んじゃったよ!ヤベェー!でもなんかスカッとした。満足だ!よし決めた。もうここで余生を暮らすとしよう。だって降りられないしな。止められないしな。これ作った奴絶対バカだろ!…………おっと!これ作った責任者、俺でした!』

 

「「「…………。」」」

アクア「…………終わり。」

「「「舐めんな!!!」」」

 

 余りの下らなさに、俺、カズマ、白夜は絶叫した。

 その後、遺体を他の冒険者に任せて、トウカ、めぐみん、ダクネスたちは、デストロイヤーから降りた。

 コロナタイトがある部屋には、俺、カズマ、アクア、ウィズ、白夜の5人がいた。

 

カズマ「ダスト達はめぐみん達と先に避難させたけど、どうするんだ、これ?」

アクア「ねぇ、ウィズならなんとかなんない?」

ウィズ「無理ですよ。」

白夜「なんとか、切り離せないか?」

湊翔「切り離しても、どうしたもんか………。スラグフォートレスジャマトも居るし………。」

 

 そう。

 デストロイヤーをどうにかしても、スラグフォートレスジャマトが残っているのだ。

 すると、一つ妙案が思いついた。

 

湊翔「ウィズ!このコロナタイトを凍らせてくれないか!?」

ウィズ「えっ!?わ、分かりました!カースド・クリスタルプリズン!」

 

 ウィズは、コロナタイトを凍らせる。

 だが、コロナタイト自体は、まだ熱を持っている為、あまり長くは保たないだろう。

 

白夜「おい!どうする気だ?」

湊翔「このコロナタイトを、スラグフォートレスジャマトの中に放り込んで、爆発させる!」

カズマ「そういう事か!」

 

 そう。

 このコロナタイトを覆っている氷が溶け切る前に、スラグフォートレスジャマトの中に放り込む。

 ウィズとアクアには、デストロイヤーの冷却を頼んでおいた。

 コロナタイトをスラグフォートレスジャマトに運ぶのは、ブーストバックルを使っている俺たちの役目だ。

 俺たちは、ブーストの力で加速しつつ、デストロイヤーの外へと向かう。

 外に出ると、デストロイヤーに入る前に、俺に声をかけた仮面ライダーと、スラグフォートレスジャマトが戦っていた。

 その仮面ライダーの周囲には、ファンネルが飛び交っていた。

 

白夜「それで、どうすんだよ!?」

カズマ「もう限界だぞ!?」

湊翔「俺が、デストロイヤーの中へと放り込むから、思いっきり上に飛ばせ!」

白夜「お、おう!」

湊翔「飛ばして、ジャマトが怯んだら、ブースト必殺技を叩き込むぞ!」

カズマ「おう!」

白夜「じゃあ!ぶっ飛べ!」

 

 白夜は、そう叫ぶと共に、コロナタイトを上空に放り投げる。

 俺は、すぐにジャンプして、コロナタイトの方に向かう。

 

湊翔「盛大に…………打ち上げだ!」

 

 俺はそう叫んで、コロナタイトを、オーバーヘッドキックの要領で、スラグフォートレスジャマトに向かって蹴る。

 スラグフォートレスジャマトは、飛んでくるコロナタイトに気付いたのか、大きく口を開けて飲み込む。

 すると、コロナタイトが爆発して、スラグフォートレスジャマトが、地上に落ちる。

 俺は着地して、カズマと白夜と合流する。

 すると、その仮面ライダーもやって来る。

 

湊翔「よし!必殺技を叩き込むぞ!」

カズマ「おう!」

白夜「おまえも手伝え!」

???「言われるまでもない。」

 

 俺たち4人は、必殺技の体勢に入る。

 俺、カズマ、白夜は、片方のレイズバックルを操作して、ブーストレイズバックルのグリップを2回捻る。

 その仮面ライダーは、片方のレイズバックルを操作する。

 

BOOST TIME

 

 その音声と共に、待機音が流れて、俺はブーストのアーマーの力で、空高く飛び、ギーツモードになったブーストライカーが、俺の方に向かっていく。

 カズマは、シングルモードのニンジャデュアラーを投げて、その上に乗り、スラグフォートレスジャマトにダメージを与えつつ飛んでいく。

 白夜は、ライコウモードのブーストライカーに乗って、スラグフォートレスジャマトに向かっていく。

 その仮面ライダーは、ファンネルを射出しながら、スラグフォートレスジャマトに向かっていく。

 俺、カズマ、白夜は、ブーストレイズバックルのグリップを捻る。

 

MAGNUM BOOST GRAND VICTORY

NINJA BOOST GRAND VICTORY

LIGHTNING BOOST GRAND VICTORY

FLEET STRIKE

 

湊翔「ハァァァァ!!」

カズマ「でやぁぁぁ!!」

白夜「ハァァァァ!!」

???「フッ!」

 

 俺、カズマ、白夜のライダーキックと、その仮面ライダーの斬撃が、スラグフォートレスジャマトに命中して、貫通する。

 スラグフォートレスジャマトは、断末魔の叫びを上げつつ、爆発する。

 スラグフォートレスジャマトが倒されたのを見て、冒険者達は、歓声を上げる。

 こうして、デストロイヤーとスラグフォートレスジャマトの襲来による緊急クエストは、幕を閉じたのだった。

 ちなみに、ブーストレイズバックルはもれなくどこかへと飛んでいった。

 俺たちは、打ち上げをしつつ、その助けてくれた人たちの話を聞く事にした。

 その仮面ライダーに変身していた人の外見は、ある意味凄かった。

 大きな火傷の跡があったからだ。

 ちなみに、デストロイヤーの冷却自体は、何とか間に合ったようで、今は解体作業が行われている。

 

湊翔「助けてくれてありがとう。ええっと…………。」

龍「俺か?俺は神宮(かみや)龍だ。」

アフロディテ「私は、アフロディテと言います。」

湊翔「俺は桐ヶ谷湊翔。仮面ライダーギーツだ。」

カズマ「俺は佐藤和真。仮面ライダータイクーンだ。」

めぐみん「我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法使いにして、爆裂魔法を操りし者。そして、仮面ライダーナーゴです。」

ダクネス「私はダクネス。クルセイダーを生業にしてて、仮面ライダーバッファだ。」

トウカ「私はトウカ。ソードマスターで、仮面ライダーラウンズだ。」

白夜「俺は虎雷白夜。仮面ライダーライコウだ。」

アクア「私はアクア。そう!水の女神アクアその人よ!」

 

 俺たちは、お互いに自己紹介をする。

 アクアの自己紹介は、相変わらずあれなのだが。

 だが、2人は対して気にしてなさそうだな。

 

アフロディテ「アクア。あなたにあのお酒は届きましたか?」

アクア「ええ!」

湊翔「えっ?じゃあ、フォールの送り主っていうのは…………!?」

アフロディテ「はい。私です。」

 

 マジで?

 それを聞いたダクネスは驚いた。

 

ダクネス「じゃ、じゃあ…………フォールを作ったのは…………!?」

龍「俺だ。」

めぐみん「ええっ!?」

 

 あんな凄い酒の作成者が、目の前に居た。

 それには、俺たち全員が驚いた。

 その後、話が盛り上がり、龍とアフロディテのパーティーが、俺たちのパーティーと組む形になった。

 形式上、カズマ、アクア、めぐみん、ダクネスのパーティー、俺、トウカ、白夜のパーティー、龍、アフロディテのパーティー三つが協力する事に。

 それが決まり、寝ようとしたのだが、俺、カズマ、白夜の3人が、アクアに呼び出される。

 

湊翔「何だよいきなり。」

白夜「お前が呼び出すなんて、どんな気まぐれだ?」

アクア「アフロディテって居たじゃない。」

カズマ「まあ、居たな。」

アクア「あの子はね、元々人間だったのよ。」

「「「えっ!?」」」

 

 その言葉に、俺たち全員が驚く。

 アクア曰く、上位神が、龍の妻だった神原林檎という人物を、女神として転生させたそうだ。

 そして、龍は、アフロディテと共に、この世界に転生したそうだ。

 

湊翔「なるほどね…………。」

アクア「まあ、龍って、とんでもない二つ名があるのよね。」

白夜「何だそれ?」

アクア「私も、上位神によって、色々と検閲されて、よくは分からないんだけどね。」

カズマ「へぇぇ…………。」

 

 まあ、悪い奴じゃ無いだろうし、大丈夫なんじゃないか?

 そう思った。

 そうして、打ち上げはお開きになった。

 その数日後。

 王都から騎士が来たそうで、俺たちは、報酬を受け取る事にした。

 ギルドに着くと、そこには騎士を従えた、黒髪の眼鏡をかけた制服の女性がいた。

 雰囲気からして恐らく、王都の役人さんなのだろう。

 だが、その役人さんは、俺を親の敵を見るかの様に睨んでいる。

 あれ?

 

???「佐藤和真!桐ヶ谷湊翔!貴様らには現在、国家転覆罪の容疑がかけられている。」

湊翔「は?」

???「一緒に来てもらおう。」

湊翔「……………え?」

 

 どういう訳か、俺とカズマは、捕まる事になってしまった。

 は?




今回は、ここまでです。
神宮龍とアフロディテが、仲間になりました。
ただ、コロナタイトが、アルダープの屋敷に届いていないのに、国家転覆罪の罪に問われる湊翔とカズマ。
理由に関しては、次回、明かされます。
リアが変身する仮面ライダーは、ギーツの色違いですが、名前や、専用の大型レイズバックルは未定です。
あと、原作だと4巻と5巻の間の話として、コラボストーリーをやろうと思います。
コラボストーリーに関するリクエストは、下記から受け付けています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=288958&uid=373253
あと、紅伝説に相当する話が終わった頃に、龍騎が関わるエピソードをやる予定ではあります。
ただ、どうやるかは、MOVIEバトルロイヤルを見てから判断します。
アクセルハーツは、その龍騎が関わるエピソードにて、登場させたいと思います。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
リクエストに関しては、目次に、そのリンクが貼ってあります。
勿論、リアが変身する仮面ライダーの名前や、専用の大型レイズバックルも、そこから受け付けています。
ちなみに、コラボストーリーのリクエストをする場合は、どの作品で、このキャラを出し、戦う敵はこいつという感じでお願いします。
流れとしては、このファンのコラボストーリーみたいな流れです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3章
第17話 冤罪のギーツとタイクーン


 機動要塞デストロイヤーとスラグフォートレスジャマトを倒した俺たち。

 だが…………。

 

???「サトウカズマ、桐ヶ谷湊翔!貴様らには国家転覆罪の容疑が掛かっている!大人しく来てもらおう!」

 

 どういう訳か、国家転覆罪という罪が付いていた。

 

湊翔「えっと、貴方は?」

セナ「これは失礼した。私はセナ。王国検察官です。」

カズマ「それでなんで、俺達は国家転覆罪の容疑が掛かっているんですか?」

 

 確かに俺達は何もしてない。

 

セナ「この街の領主、アルダープの屋敷に、巨大なモンスターが現れた。」

湊翔「えっ?」

セナ「その巨大なモンスターは、貴様らが使役していると告発があったのだ。」

 

 え?

 巨大なモンスター?

 そんなの使役してる覚えはないぞ。

 しかも、何で俺たちが使役しているという暴論になるんだ。

 完全に濡れ衣だろ。

 

ダクネス「待ってくれ!それは完全に濡れ衣じゃないのか!?」

トウカ「そうだ!私達は、デストロイヤーやジャマトの対応をしていたんだ!そんな事をしている暇はないだろ!!」

 

 ダクネスとトウカは、そう叫ぶ。

 そう言ってくれるだけでも嬉しいよ。

 俺たちは、そんな事を出来る力は無いしな。

 

セナ「無論、それは分かっています。しかし、告発がある以上、動かざるを得ないので。貴方達を逮捕します。」

 

 そうなるのか…………。

 少し、俺は過去を思い出して、顔を顰める。

 冤罪なのに、俺が悪いみたいになっている。

 どうにも納得がいかない。

 

セナ「貴方達には、テロリストもしくは、魔王軍のスパイの疑惑がかかっています。手荒なことはしたくありません、署までご同行願います。」

カズマ「どうすんだよ、湊翔…………。」

湊翔「………………着いていくしかないだろうな。」

 

 そう。

 今ここで逃げれば、益々面倒な事になる。

 大人しく行くしかないな。

 だが。

 

ダスト「おい!それは横暴じゃねぇのか!?」

湊翔「ダスト!?」

ダスト「こいつらはな、デストロイヤーだけじゃなく、ジャマトって奴も倒したんだぞ!?」

冒険者「そうだ!そうだ!」

冒険者「国家権力の横暴かよ!!」

 

 ダストの叫び声と共に、他の冒険者たちもそう叫ぶ。

 そう言ってくれるのは嬉しい。

 だが……………。

 

セナ「ちなみに、国家転覆罪は主犯以外にも課される事がある。言葉には気をつけろ。」

『………………。』

 

 セナのその言葉に、周囲は黙ってしまう。

 いや、黙らされたの方が正しいだろう。

 俺とカズマは、頷く。

 

カズマ「…………分かったよ。」

湊翔「ただ、少し、仲間に物を預けても良いですか?」

セナ「まぁ、良いだろう。さっさと預けろ。」

 

 俺たちは、デザイアドライバーとそれぞれが持つレイズバックルを、トウカと白夜の2人に預けた。

 そうして、俺たちは連行されていった。

 アルダープって奴、何考えてんだ。

 それにしても、巨大なモンスターか………。

 ジャマトじゃないだろうな?

 

トウカside

 

 私たちは、湊翔とカズマが連行されていくのを黙って見る事しか出来なかった。

 ギルド内では、怒り心頭だった。

 

冒険者「何でだよ!何で湊翔とカズマが捕まんないと行けないんだよ!!」

冒険者「そうだ!横暴だ!!」

冒険者「アイツら、結構良い奴なのに!!」

 

 あの2人、結構慕われてるね。

 まあ、納得はいく。

 私と白夜は、ある人を呼び出す。

 しばらくすると、その人がやって来る。

 

トウカ「……………やっと来たわね。ツムリ。」

ツムリ「お待たせしました。」

白夜「遅えよ。」

 

 そう。

 ツムリを呼んだのだ。

 まさかと思い、とある事を聞く為にだ。

 

白夜「それで、何か分かったのか?」

ツムリ「はい。アルダープの領主館に、ジャマトが現れていました。」

トウカ「やっぱり……………。」

 

 巨大なモンスターなんて、この世界ではあまり存在しないから、まさかとは思ったけど…………。

 

白夜「つまり、アルダープの領主館を襲ったのは、ジャマトっていう訳だ。」

ツムリ「事情は聞きました。ギーツとタイクーンが、逮捕されたとか。」

トウカ「それで、2人の仮面ライダーの資格を剥奪するとかじゃないわよね?」

ツムリ「勿論です。今回に関しては、スラグフォートレスジャマトとサボテンナイトジャマトが同時に出現するという、予想外の事態です。それに関しては、申し訳ありません。」

 

 ツムリはそう言って、頭を下げる。

 どうやら、アルダープの領主館に現れたのは、サボテンナイトジャマトの方みたいだな。

 どうなっているんだ…………?

 そもそも、サボテンナイトジャマトが現れたのなら、それも通知に入る筈…………。

 私はデザイアグランプリに関しては、参加者の方に入ったから、上位神が何を考えているのか、よく分からない。

 

白夜「トウカ?」

トウカ「何でもない。何とかして、湊翔とついでにカズマを助けないと。」

白夜「そうだな。アイツらが流石に不憫だしな。」

 

 私と白夜はそう話して、アクア達の方に戻る。

 問題は裁判だ。

 一応、私と白夜の2人が、弁護人として出るのだが、問題はアクアだ。

 あんな性格じゃあ、何をしでかすか分からない。

 ちゃんと監視しないと。

 

湊翔side

 

 俺達はその後、牢屋へとカズマと共に入った。

 

カズマ「何で俺たちが捕まるんだよ。」

湊翔「さあな。」

カズマ「俺たち…………どうなるんだろうな。」

湊翔「取り調べがあるとか言ってたから、そこで変な事をしなければ、大丈夫だろ。」

カズマ「そうだな。」

 

 俺たちはそう話す。

 というより、何で俺たちが冤罪を被らないといけないんだ。

 少しイラついてきたな。

 俺とカズマは、今日は寝る事にした。

 その日、俺は夢を見た。

 それも、過去の出来事の記憶を…………。

 

???『見て。あの子よ。』

???『本当だ。人殺しだってな。』

 

 そんな声が聞こえてきて、周囲からは、蔑みと畏れの視線が……………。

 

湊翔「……………ハアッ!?」

 

 俺は、飛び起きる。

 そこは、昨日と変わらず、牢屋だった。

 

湊翔「……………最悪だ。」

 

 思い出したくない事を思い出したな。

 ここ最近、過去を刺激するような出来事ばかりだな…………。

 その後、カズマも起きて、俺達は揃って同じ部屋に連れてこられた。

 おそらく取調べ室だろう。

 俺達は隣同士に座り、反対側にセナが座る。

 

セナ「これから貴様らの取り調べを行う。言っておくが嘘は通じないぞ。そこにあるのは嘘を見抜く魔道具だ。」

 

 この世界には嘘発見器があるのか。

 まあ、嘘を吐く気はないが。

 

セナ「まずはサトウカズマ。貴様からだ。16歳で冒険者。では出身地と冒険者になる前に何をしていたのかを言え。」

カズマ「出身地は日本で学生してました。」

 

チーン。

 

 カズマがそう言うと、魔道具から音が鳴る。

 

セナ「……………出身地と経歴詐称か。」

カズマ「すいません。日本で学生とは名ばかりでグータラしてました。」

 

 今度は鳴らない。

 カズマってニートだったんだ。

 まあ、俺には関係ない話だが。

 

セナ「そ、そうですか。次は貴様の番だ。桐ヶ谷湊翔。18歳で冒険者。なら、先程のと同じだ。」

湊翔「出身地はカズマと同じく日本で大学生をしていました。」

 

 俺がそう言っても、魔道具は鳴らない。

 事実だからな。

 

セナ「そうか。そこの男とは違い、真面目に勉学をしていたと言う事か。しかし、ニホンとは聞いた事が無いな。」

 

 そりゃ、異世界だからな。

 聞いた事がないのは当然の事だ。

 

セナ「では、冒険者になった動機をサトウカズマから言え。」

カズマ「魔王軍に苦しんでいる人達を助けようとして……。」

 

チーン。

 

 カズマがそう言うと、再び魔道具から音が鳴る。

 

カズマ「…………冒険者になってカッコいいし、活躍したら人気者になれそうだからです。魔王を倒す気はありますけど。」

 

 今度は鳴らない。

 カズマらしいといえば、カズマらしいな。

 

セナ「次はお前だ。」

湊翔「俺は、偶然、仮面ライダーの力を手に入れて、これがあれば、魔王を倒せると思い、冒険者になりました。」

 

 その言葉を聞いたセナさんは、魔道具をチラリと見る。

 だが、魔道具から音は鳴らない。

 まあ、ギーツの力を手に入れたのは事実だからな。

 魔王討伐が目的のデザイアグランプリに参加して。

 流石に、デザイアグランプリの事に関しては話せないから、伏せておく。

 

セナ「ふむ。では領主殿に恨みの類はあるか?」

湊翔「そりゃあ、ありますよ。ベルディアを倒したのは俺たちなのに、外壁の修理費をケチった領主のせいで、俺たちは借金を負う事になったわ、デストロイヤーやスラグフォートレスジャマトを倒したのに、俺たちがテロリスト扱いされるわ。」

カズマ「一応、憤る仲間をそんな感じに説得しましたが、本音を言えば、恨んでますよ。」

 

 セナさんは、俺たちの言葉に少し引きながら、魔道具を見る。

 魔道具は鳴らない。

 セナさんは俺たちに少し、同情の視線を向ける。

 

セナ「ごもっともですね。では次に…………。」

カズマ「あのすみません。そんな回りくどい言い方しないでくださいよ。」

湊翔「さっさと、俺たちに魔王軍関係者かって聞けばいいじゃ無いですか。そもそも俺達は魔王軍とは関係ないですよ。」

 

 その言葉に、当然の如く鳴らない。

 セナさんはため息をつきながら、俺たちに話しかける。

 

セナ「………どうやら私が間違っていた感じのようですね。あなた方は魔王軍関係者ではない。すみません。」

湊翔「信じてくれて有難いです。」

カズマ「容疑が晴れて良かったです。それに俺達はデストロイヤーにベルディアの討伐をしたんだから。」

セナ「それはもちろん存じ上げております。あなた方仮面ライダーが居てくれたお陰でアクセルの街は2度も助かった。しかし、湊翔さんはともかく、貴方の方は悪い噂があるようで。」

 

 ああ、スティールの一件か。

 カズマも、心当たりがあるのか、少し罰の悪い表情を浮かべる。

 

セナ「まあ、それはともかく、あなた方は魔王軍関係者ではなく、幹部の知り合いがいないと言う事だな。」

湊翔「魔王軍の知り合いは流石に居ないとは言い切れません。それに、スパイがいて、そいつと知り合っている可能性がありますけど、魔王軍とは一切関係ありません。」

 

 鳴らない。

 それは事実だしな。

 一応、魔王軍幹部であるウィズとは知り合いなのだが、知り合った時は、魔王軍幹部だとは知らなかったので、大丈夫だろ。

 

セナ「スパイ?もしかして心当たりが?」

湊翔「無いですよ。あくまで保険。それに駆け出し冒険者の街に送っても大して意味は無いと言えるでしょう。」

カズマ「そうですよ。」

 

 少々、怪しかったがどうか?

 セナは、少し訝しげにしながらも、納得した表情を浮かべる。

 

セナ「なるほど。あなた方は無罪である事は確認出来ました。しかし、私は検察官として領主アルダープに雇われた身。領主側になりますが、お二人が無罪になる様に善処します。」

カズマ「分かりました。」

湊翔「ありがとうございます。」

 

 なんとか無罪だと証明出来た。

 しかし聞きたい事があるので聞く。

 

湊翔「あの…………セナさん。」

セナ「はい?」

湊翔「領主の屋敷を襲った巨大なモンスターとは、どんな奴なんですか?」

セナ「確か…………サボテンの様な見た目で、馬の様な頭が二つあるモンスターだと聞いています。」

湊翔「そうですか…………。分かりました。呼び止めてすいません。」

セナ「いえ。」

 

 サボテンの様な見た目で、馬の様な頭が二つあるモンスターね…………。

 ジャマトの可能性が高いな。

 俺たちは、牢屋へと戻った。

 

カズマ「なあ…………そのサボテンみたいな奴って……………。」

湊翔「ジャマトかもしれないな。」

カズマ「マジかよ。じゃあ、俺たち関係ないって事だな!」

湊翔「一応、無罪は証明出来た。」

 

 そんな風に話していると、スパイダーフォンに連絡が入る。

 そう。

 こっそり忍ばせていたのだ。

 白夜からメールが届いていて、内容は、『アルダープの屋敷を襲ったのは、サボテンナイトジャマトというジャマトだと分かった。』と書いてあった。

 どうやら、ジャマトである事が分かったな。

 俺たちは、寝る事にした。

 この日は、あの記憶を見る事なく、寝る事が出来た。




今回はここまでです。
湊翔とカズマに、国家転覆罪の容疑がかかったのは、アルダープの屋敷に、サボテンナイトジャマトが襲撃したからです。
次回、湊翔とカズマがどうなるのか、判明します。
今日のギーツは、とんでもない事が判明しましたね。
まさか、ジャマトを育てている人がいて、その人は、デザイアグランプリの運営と繋がっているとは。
色々と、闇が深そうですよね。
あと、ギーツとリバイスの冬映画の新情報も来ましたね。
五十嵐家に、四人目の子供が生まれ、それが物語の鍵を握る事になるとは。
この小説の、原作第五巻までの大まかな流れは、こんな感じです。
第3章→復活のベルディアに相当する話→第4章→希望の迷宮と集いし冒険者たち+アニポケコラボエピソード→紅伝説→MOVIEバトルロワイヤルに相当する話
現状は、こんな感じですね。
MOVIEバトルロワイヤルに相当する話で、アクセルハーツを出したいと思います。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
復活のベルディアに関するエピソードも、リクエストがきたので。
紅伝説に相当する話でも、オリキャラを1人出す予定です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第18話 運命の裁判

 遂に裁判の日が来た。

 この世界の裁判は意外と単純で、検察官が集めた証拠を提示し、弁護人が反論して、それを見て裁判官が判断を下すと言うものだ。

 被告人の知人が弁護人を引き受ける物だが、俺達の弁護人が不安だった。

 それも、約2名が。

 

めぐみん「任せて下さい!紅魔族は知力が高いのです!あんな検察官に負けませんよ!」

アクア「私、一度、『異議あり!』ってやってみたかったのよ!」

 

 不安だ。

 特にアクア辺りが。

 

ダクネス「どうしようも無くなったら私がなんとかする。だから心配しなくていい。」

トウカ「何とか、アクアは抑えておく。」

白夜「俺たちに任せろ。」

 

 残りの人達は本当に頼もしい。

 でも、いくら無罪を証明出来ているとは言え、相手は領主だ。

 油断は出来ない。

 ちなみに、龍とアフロディテは、トウカ曰く、俺とカズマの罪を減刑出来ないか、どうにかする為に、あちこちを駆け回っているそうだ。

 ただ、間に合うかどうかは分からないが。

 そして裁判が始まる。

 

裁判長「静粛に!これより国家転覆罪に問われている被告人サトウカズマと桐ヶ谷湊翔の裁判を開始する!告発人アレクセイ・バーネス・アルダープ!」

 

 あの太ったおっさんがアルダープって領主か。

 いかにも悪徳領主だと言う感じがする。

 第一印象はとても良くない。

 

裁判長「それでは検察官は前に嘘を見抜く魔道具があるので、分かる様に正直に話す事。」

 

 裁判長は、そう言う。

 すると、セナさんが前へ出る。

 

セナ「それでは、起訴状を読み上げます。被告人サトウカズマと桐ヶ谷湊翔は、謎の魔物を使役して、領主館を襲わせました。幸いにも死者は出ませんでしたが、これはアルダープ氏の命を狙った事から、被告人達に国家転覆罪を求めます。」

アクア「異議あり!」

 

 アクアがいきなり叫ぶ。

 ちょっと待て、そんなゲームじゃ無いんだよ!

 

裁判長「弁護人はまだ発言出来ませんよ。発言したいなら許可を貰うように。………まぁ、初めてですし大目に見ます。では発言をどうぞ。」

アクア「いえ、異議ありって言ってみたかっただけです。」

裁判長「弁護人は弁護の発言をするように!」

白夜「お前、何考えてんだ!?」

 

 アクアの言葉に、裁判長はそう叫び、白夜はアクアを容赦なくハリセンで叩く。

 白夜、グッジョブ。

 

セナ「………私からは以上です。」

 

 セナさんは、若干引きながら、そう言う。

 本当に、うちの駄女神がすいません。

 

裁判長「では被告人及び弁護人の発言を許可します。」

 

 そう言って、俺たちの発言が許された。

 ヘマをしなければ、大丈夫な筈だ。

 

湊翔「俺達は、その魔物……………ジャマトを使役する事は出来ず、アクセルに迫っていたデストロイヤーとスラグフォートレスジャマトの迎撃をしていた為、そんな事は出来ません。」

カズマ「そ、そうだ!俺たちだって、ジャマトはよく分からない存在だしな。」

 

 鳴らない。

 事実だしな。

 ジャマトに関しては、本当に分からない。

 ツムリからも、人間の世界を脅威に晒す存在としか、説明されてないしな。

 それにしてもセナさんの配慮か、簡単に反論出来る。

 

裁判長「被告人の発言は以上ですね。それでは、検察官。証拠の提示を。」

セナ「はい。彼等がテロリストもしくは魔王軍関係者である事を証明する為に証人を連れてきました。それではこちらに。」

クリス「あはは……。なんか呼ばれちゃった。」

 

 そう言って出てきたのはクリスだ。

 と言う事はカズマ関連か。

 

セナ「クリスさん。貴方はサトウカズマに公衆の面前でスティールで下着を剥ぎ取られた。そうですね?」

クリス「はい。……といってもスティールはランダムで、幸運値によって奪うものも変わってきますので、カズマ君の場合は事故です。」

アルダープ「………本当に証拠になるのか?」

セナ「下着が取られたと言う事実を確認出来たので。」

 

 意外と図太いな、セナさん。

 クリスは、下がった。

 2人目として出てきたのは、ミツルギだった。

 だが、ミツルギの視線は、俺たちではなく、白夜の方に向いていた。

 

セナ「ミツルギさん。あなたは以前被告人の桐ヶ谷湊翔さんから、魔剣を奪われそれを返してほしければ、全財産をよこせ、と脅されたそうじゃないですか。」

 

 いや、そんな事してねぇよ。

 どういう事だ?

 

セナ「それに関しては、どうですか?」

ミツルギ「そんな事は彼はしてません!彼は、本当の強さについて諭してくれたんです。そんな事を言われる筋合いはありません。」

 

 ミツルギがそう言うと、俺の方をチラリと見て、セナさんも、ウィンクをする。

 なるほど。

 裁判長に好印象を抱かせる為か。

 すると。

 

アルダープ「はぁ〜、もう良いだろ。そいつらは魔王軍の関係者だ。さっさと死刑にしろ。」

 

 先ほどまでずっと黙っていたが、そんな事を言い出す。

 なら、利用させて貰うだけだ!

 

カズマ「違う!俺達は魔王軍関係者でも無ければ、テロリストでもない!」

湊翔「そうだ!俺たちはそんな事をしていない!」

 

 俺たちの言葉に、全員の視線が、魔道具に向く。

 だが、何も鳴らない。

 それを見た裁判長は。

 

裁判長「魔道具が鳴らないことを見ると、被告人達の言葉は真実であり、検察官の証拠は不十分。よって被告人達は無罪に……。」

アルダープ「いや、そいつらは魔王軍関係者だ。即刻死刑だ。」

 

 は?

 アイツはいきなり何を言い出すんだ。

 無実なのは、魔道具でも証明されているだろ。

 

裁判長「しかし、怪我人及び死亡者が出てないのにも関わらず、死刑は言い過ぎかと。」

アルダープ「ワシに恥をかかせたいのか?」

裁判長「…………被告人サトウカズマ、桐ヶ谷湊翔。貴方達の行ってきた行為は領主の命を狙った物。よって被告人達を死刑にする。」

 

 は?

 何でいきなり死刑なんだよ…………?

 身分を利用するなんて…………。

 すると、これまでの過去がフラッシュバックする。

 

???『見て。あの子よ。』

???『本当だ。人殺しだってな。』

???『おい!来るな人殺し!』

???『お前と一緒に居ると、俺たちが殺されるかもだろ!』

???『や〜い!人殺し!!』

???『うちの子と一緒に居ないでくれるかしら!この人殺し!!』

 

 そんな罵倒の声が聞こえてくる。

 何でだよ……………。

 何でどいつもこいつも、俺のせいにしてくるんだよ……………。

 俺は何もしてないのに…………!

 一体、俺が何をしたって言うんだよ!

 すると。

 

???「ジャッ、ジャッ、ジャッ、ジャッ、ジャッ…………。」

ミツルギ「な、何だ…………?」

 

 すると、ジャマトが現れる。

 トランプのカードみたいな服を着ていた。

 

カズマ「ジャマト!?」

トウカ「こんな時に…………!」

 

 俺は何もやってない。

 なのに、なんで……………。

 

アルダープ「ヒィィィィ!!」

 

 アルダープは、腰を抜かして驚くと、そのまま逃げ去っていく。

 その場にいる全員を放置して。

 

カズマ「アイツ、逃げやがった!」

白夜「あんなクズは放っておけ!」

トウカ「とにかく、ジャマトを倒すぞ!湊翔も!」

湊翔「俺は何もしてない…………。何もしてないのに……………。」

めぐみん「湊翔!?」

ダクネス「湊翔の様子が変だぞ!?」

アクア「アンタ!こんな時に何やってるのよ!?」

 

 周囲から、そんな叫び声が聞こえる。

 何で、何で俺がこんな目に……………。

 すると、誰かに頬を思い切り叩かれる。

 その叩いた人は、トウカだった。

 俺は頬を抑えながら、トウカを見る。

 

湊翔「トウカ…………?」

トウカ「しっかりしろ!今は判決を気にするよりも、人々を守れよ!!お前も仮面ライダーだろ!なら、戦え!!ジャマトから、人々を守れよ!!」

 

 そのトウカの叱咤に、俺はハッとする。

 そうだ。

 今の俺は、仮面ライダーギーツだ。

 なら、ジャマトから人々を守るべきだ。

 すると、トウカが右手で手を差し出し、左手には、俺のデザイアドライバーとレイズバックルが入っているであろう袋を渡す。

 

トウカ「行けるか?仮面ライダーギーツ?」

湊翔「…………そうだな。ありがとう。」

 

 俺は、トウカの手を取り、袋を受け取って、デザイアドライバーとマグナムレイズバックルを取り出す。

 

湊翔「よし!ジャマトを倒すぞ!」

白夜「やっと元に戻ったか。」

カズマ「おう!」

ダスト「俺たちも行くぜ!」

リーン「ええ!」

 

 俺たちは、それぞれが持っているレイズバックルを、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、ウィズの横には戦闘機の絵とJETの文字が、ダストの横にはピンク色のハンマーと、英語でHAMMERという文字が、リーンの横には緑色の弓矢と英語でARROWという文字が現れる。

 全員が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「「「「「「変身!」」」」」」」」」

 

 そう叫んで、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

JET

ARMED HAMMER

ARMED ARROW

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、ウィズはホーク・ジェットフォーム、ダストはメリー・アームドハンマー、リーンはシロー・アームドアローに変身する。

 現れたジャマトは合計8体だった。

 

カズマ「それで、どう対応する?」

湊翔「2体ずつ対応しよう!」

白夜「おうよ!」

 

 そうして、俺とトウカ、カズマと白夜、めぐみんとダクネス、ウィズとダストとリーンの面子に別れて対応する事に。

 俺とトウカは、それぞれの武器で、ジャマトを攻撃する。

 

湊翔「ハアッ!」

トウカ「でりゃあ!」

 

 俺とトウカの攻撃が当たり、ジャマトは倒れる。

 だが、片方はスペード、もう片方はハートのマークが浮かんだと思ったら、再び立ち上がる。

 

湊翔「なっ…………!?」

トウカ「どうなってんだ!?」

 

 ジャマトは再び立ち上がり、攻撃してくる。

 カズマ達の方を見てみると、俺たちとほぼ同じ状況で、苦戦していた。

 

カズマ「くそっ!倒しても倒してもキリがないぞ!」

白夜「どうなってんだ…………!?」

ダスト「……………これ、帰って良いか?」

リーン「ダメに決まってんでしょ!」

トウカ「どうなってるんだ…………?」

湊翔「ああ………………うん?」

 

 トウカ達が困惑する中、俺はある事に気づいた。

 それは、ジャマトが攻撃を喰らって倒れた時に、トランプのマークが浮かぶのだ。

 そして、トランプのカードみたいな服を着ている……………。

 すると、倒せない理由が分かった。

 

湊翔「そうか…………そういう事か!」

めぐみん「何か分かったんですか!?」

湊翔「これは、神経衰弱だ!」

ダクネス「神経衰弱?」

アクア「いきなり、トランプのゲームを言って、どういう意味よ?」

湊翔「あのジャマトは、神経衰弱と同じルールで倒さないといけないんだ!」

カズマ「どういう事だよ?」

 

 首を傾げる皆に、俺は説明した。

 ジャマトが倒れた際に浮かぶマークは、スペード、ハート、ダイヤ、クラブの四つ。

 神経衰弱は、同じ数字でなければ、そのカードを獲得出来ない。

 つまり、同じマークのジャマトを同時に倒さないと、倒れないという事を。

 それを聞いた全員は、納得していた。

 

白夜「そういう事か!」

トウカ「なるほど!」

湊翔「一回、ジャマトが倒れる様な攻撃を仕掛けるぞ!」

 

 俺たちは、そのジャマトを一箇所に集める。

 

カズマ「一箇所に集めたぞ!」

湊翔「よし!攻撃だ!」

トウカ「ああ!」

ウィズ「分かりました!」

リーン「任せて!」

 

 俺たちは、一斉に攻撃をジャマトにしていく。

 すると、全員にマークが浮かび、倒れない。

 やはり、同時攻撃でなければ、倒れないという事か。

 あれは、各々で攻撃したので、タイミングがずれている。

 全員が頷き、同じマークのジャマトを掻っ攫う。

 俺とトウカは、ハートのマークの奴を掻っ攫った。

 

湊翔「トウカ!行くぞ!」

トウカ「ああ!折角だし、レジェンドレイズバックルを使ってみよう!」

湊翔「良いな!よし!」

 

 そう話して、一旦、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、俺はゲーマドライバーレイズバックルを、トウカはゼロワンドライバーレイズバックルを装填する。

 

GAMER DRIVER

ZERO-ONE DRIVER

 

 すると、俺の横にはエグゼイドのライダーズクレストと英語でEX-AIDの文字が、トウカの横には、ゼロワンのライダーズクレストと英語でZERO-ONEの文字が浮かぶ。

 そして、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

MAGNUM

ガッチャーン!レベルアップ!

マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクションX!

CALIBER

プログライズ!

飛び上がライズ!ライジングホッパー!

"A jump to the sky turns to a rider kick."

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・エグゼイドマグナムフォーム、トウカはラウンズ・ゼロワンカリバーフォームに変身する。

 俺はガシャコンブレイカーとマグナムシューター40Xを、トウカはアタッシュカリバーとソードエクスカリバーを持って、トランプジャマトに向かっていく。

 ガシャコンブレイカーでジャマトを叩きつつ、マグナムシューター40Xで銃撃していく。

 トウカは、ソードエクスカリバーとアタッシュカリバーの二刀流で、ジャマトに攻撃していく。

 

湊翔「トウカ!」

トウカ「ああ!」

 

 俺とトウカは、お互いに相手を変えて、攻撃する。

 そして、必殺技の体勢に入る。

 それぞれの武器に、レジェンドレイズバックルを装填する。

 

KAMEN RIDER

 

 その音声が流れ、必殺待機状態になる。

 マグナムシューター40Xには、ピンク色のエネルギーが溜まっていき、ソードエクスカリバーには、蛍光イエローのエネルギーが溜まっていく。

 

湊翔「トウカ!タイミングを合わせてフィニッシュだ!」

トウカ「ああ!」

 

 お互いに構えて、トリガーを引く。

 

KAMEN RIDER TACTICAL BLAST

KAMEN RIDER TACTICAL STLASH

 

 俺たちの必殺技が、ジャマトに同時に命中して、その2体は爆発する。

 

湊翔「やったな。」

トウカ「ああ。」

 

 俺とトウカは、武器をぶつけ合う。

 一方、カズマと白夜は。

 

白夜「行くぞ、カズマ!」

カズマ「おう!」

 

 カズマと白夜は、スペードのマークが出たジャマトと戦っていた。

 

白夜「カズマ!レジェンドレイズバックルを使ってみるぞ!」

カズマ「おう!」

 

 カズマと白夜は一旦、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、カズマはダブルドライバーレイズバックルを、白夜はカブトゼクターレイズバックルをデザイアドライバーに装填する。

 

DOUBLE DRIVER

KABUTO ZECTER

 

 すると、カズマの横にはダブルのライダーズクレストと英語でDOUBLEの文字が、白夜の横にはカブトのライダーズクレストと英語でKABUTOの文字が浮かぶ。

 そして、2人はそれぞれのレイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

NINJA

サイクロン!ジョーカー!

LIGHTNING

CAST OFF

CHANGE BEETLE

REDAY FIGHT

 

 カズマはタイクーン・ダブルニンジャフォームに、白夜はライコウ・カブトライトニングフォームに変身する。

 カズマは、ニンジャフォームの素早さと、ダブルの力で加速して、ニンジャデュアラーで攻撃していく。

 白夜も、ライトニングフォームの素早さと、カブトのクロックアップの力、白夜本人の技量で加速して攻撃していく。

 その素早さには、ジャマトも翻弄されていた。

 そして、2人はレイズバックルを操作して、必殺技を撃つ。

 

DOUBLE NINJA VICTORY

KABUTO LIGHTNING VICTORY

 

白夜「行くぞ、カズマ!同時攻撃だ!」

カズマ「おう!」

 

 カズマはダブルの必殺技であるジョーカーエクストリームを、白夜はカブトの必殺技のライダーキック(カウンター)を放ち、ジャマトを撃破する。

 一方、めぐみんとダクネスは。

 

めぐみん「ダクネス!ちゃんと攻撃を当てて下さいよ!」

ダクネス「わ、分かっている!」

 

 2人はそう言いながら、それぞれの武器で攻撃していく。

 ジャマトは、2人の攻撃に怯む。

 

めぐみん「カズマ達が、レジェンドレイズバックルを使っているみたいですし、私たちも使いましょうか?」

ダクネス「そうだな。」

 

 2人はそう話して、一旦、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、めぐみんはウィザードライバーレイズバックルを、ダクネスは聖剣ソードライバーレイズバックルを装填する。

 

WIZARDRIVER

SEIKEN SWORDRIVER

 

 すると、めぐみんの横には、ウィザードのライダーズクレストと英語でWIZARDの文字が、ダクネスの横には、セイバーのライダーズクレストと英語でSABERの文字が浮かぶ。

 2人は、レイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

BEAT

プリーズ!

ヒー!ヒー!ヒーヒーヒー!

ZOMBIE

烈火抜刀!

ブレイブドラゴン!

烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!

REDAY FIGHT

 

 めぐみんはナーゴ・ウィザードビートフォームに、ダクネスはバッファ・セイバーゾンビフォームになる。

 めぐみんはビートアックスからウィザーソードガンに、ダクネスはゾンビブレイカーから火炎剣烈火に持ち替えて、攻撃していく。

 ダクネスの攻撃は、以前と比べると、命中する様になっていた。

 

めぐみん「ダクネス!攻撃が当たる様になっているではないですか!」

ダクネス「まあな。私は、飛羽真と約束したからな。」

めぐみん「私も負けてられませんよ!」

 

 2人は、攻撃していく。

 そして、必殺技の体勢に入る。

 

WIZARD BEAT VICTORY

SABER ZOMBIE VICTORY

 

 めぐみんは武器をウィザーソードガンからビートアックスに戻して、大きく振り回す。

 すると、ビートアックスが炎を纏いながら巨大化する。

 ダクネスはゾンビブレイカーも取り出して、2本の剣に炎を纏わせる。

 

めぐみん「行きますよ!」

ダクネス「ああ!」

めぐみん「ハァァァァ!!」

ダクネス「デェェェイ!」

 

 2人の攻撃は、同時にジャマトに命中して、ジャマトは爆散する。

 一方、ウィズとダストとリーンは。

 

ダスト「おっしゃあ!いくぜ!」

リーン「ちょっとダスト!あんまり突っ込まないでよ!」

ウィズ「ダストさん!落ち着いて下さい!」

 

 ダストが突っ込み、リーンとウィズが困っていた。

 

ダスト「このっ!」

リーン「ダスト!あんまり考えなしで突っ込まないでよ!」

ウィズ「私が動きを止めます!お二人は、その隙に!」

 

 ウィズはそう言って、レイズバックルを操作する。

 

JET STRIKE

 

 ウィズは、ジェットフォームの必殺技を発動して、魔法と同時に、ミサイルを放つ。

 魔法とミサイルが着弾して、ジャマトは動きを止める。

 

ダスト「リーン!遅れんなよ!」

リーン「誰に言ってんのよ!」

 

 2人は、レイズバックルを操作する。

 

HAMMER STRIKE

ARROW STRIKE

 

 ダストは、エネルギーを纏ったレイズハンマーで攻撃し、リーンは、レイズアローから強力なエネルギーの矢を放つ。

 2人の攻撃は、ほぼ同時に当たり、ジャマトは爆発する。

 こうして、ジャマトは全滅した。

 変身解除したトウカが、大きく叫ぶ。

 

トウカ「裁判長!湊翔とカズマの2人は、率先して、ジャマトを倒した!これでも、湊翔とカズマが魔王軍のスパイだって言うのかよ!!」

裁判長「…………分かりました。では、改めて。桐ヶ谷湊翔さん、サトウカズマさん。あなた方の嫌疑は不十分な為、無罪とする。」

 

 こうして、裁判は幕を閉じた。

 何とか、無罪になってよかった。

 トウカには、感謝しないとな。

 少しずつ、トウカの存在が大きくなっていってるな。

 

白夜side

 

 どうやら、無事に済んだみたいだな。

 俺はほっとしていると。

 

???「虎雷白夜!」

白夜「うん?」

 

 そんな風に声をかけられた。

 振り向くと、魔剣の勇者と呼ばれているミツルギが居た。

 

白夜「何だよ?」

ミツルギ「君は…………どうしてアクア様の頭を叩いたんだ!」

白夜「……………は?」

 

 ミツルギは、そう叫んだ。

 ああ………………確かに叩いたな。

 でも、それはアイツがアホな事を言っていたからな。

 

白夜「何でって…………そりゃあ、アイツがアホな事を言ったからだ。」

ミツルギ「なっ……………!?アクア様の事をアホ…………だって…………!?」

 

 地雷踏んだか?

 そう思っていると、ミツルギは俺の胸ぐらを掴む。

 

ミツルギ「君も、アクア様に転生させてもらったんだろ!?なのに、女神様の恩を仇で返すつもりか!?」

白夜「……………いや、叩いたのはアイツがアホな事を……………。」

ミツルギ「君は、また女神様を…………!!」

 

 やべぇ。

 こいつ、人の話を聞かない奴だ。

 どうしよう。

 

ミツルギ「君に決闘を申し込む!」

白夜「……………は?」

ミツルギ「僕が勝ったら、アクア様に謝罪をしてもらう!」

白夜「は?何でそんな事をしないといけないんだよ。」

ミツルギ「アクア様に謝罪をしろ!」

 

 ダメだ。

 こいつ、人の話を聞きやしねぇ。

 しゃあねぇか。

 

白夜「……………しょうがないな。良いぜ。かかってこいよ。」

 

 俺はそう言って、ファイティングポーズを取る。

 無論、変身解除した状態でだ。

 

ミツルギ「…………変身しなくて良いのか?」

白夜「お前を相手するのに、変身する必要性は無いからな。」

ミツルギ「…………舐めるな!!」

 

 ミツルギはそう叫びながら、魔剣グラムを振るってくる。

 湊翔達から聞いてた通りだな。

 ミツルギは、普段は良い奴だが、アクアが絡むと、頭に血が昇りやすいと。

 その為、攻撃は単調的だった。

 その程度の動きは、見切った!

 俺は、ミツルギの攻撃を紙一重で躱していく。

 

ミツルギ「くっ…………何で当たらないんだ…………!?」

白夜「お前の動きは単調だからな。躱すのなんて、造作もない。」

ミツルギ「くそっ…………!」

 

 俺がそう言うと、ミツルギは魔剣グラムを大きく振りかぶる。

 大きく振りかぶれば、凄まじい一撃となるだろう。

 だが、その分、隙が生まれやすい。

 俺は、その隙をついて、ミツルギの腹に、強力なパンチを叩き込む。

 

ミツルギ「かはっ……………!?」

白夜「俺の勝ちだ。」

 

 俺のパンチを食らったミツルギは、その場に倒れる。

 まあ、ある程度加減はしたが。

 すると、ミツルギの取り巻きがやってくる。

 

「「キョウヤ!!」」

 

 その取り巻きは、ミツルギのそばに寄り、俺を睨む。

 

クレメオ「アンタ!私のキョウヤに何をするのよ!」

白夜「何って…………そいつが勝負を挑んできたから、返り討ちにしただけだが。」

フィオ「アンタ…………アンタだけは絶対に許さないんだから!」

白夜「なら、相手になってやろうか?」

 

 俺がそう言うと、その取り巻きは、ただ睨むだけだった。

 

白夜「……………ミツルギ。」

ミツルギ「な、なんだ……………?」

白夜「お前、魔剣グラムに頼りすぎだ。もう少し自分の腕を磨け。」

ミツルギ「な……………!?」

白夜「魔剣グラムに頼っているお前は、本当の強さを持っている訳じゃない。」

ミツルギ「本当の強さ……………?」

白夜「少しは考えとけ。」

 

 俺はそう言って、ミツルギの前から去っていく。

 

ミツルギside

 

 本当の強さ……………?

 僕は、サトウカズマに敗れてから、必死に自分を鍛え直していた。

 だが、それでも、彼には及ばないというのか…………?

 本当の強さが、最近、分からなくなってきてしまったのだ。

 一体、どうすれば…………。

 すると。

 

???「おめでとうございます。」

「「「っ!?」」」

 

 そう言って、1人の女性が現れる。

 

ミツルギ「あ、あなたは…………?」

ツムリ「私は、ツムリと申します。厳正なる審査の結果、クレメオさん、フィオさん。貴方達は選ばれました。今日から仮面ライダーです。」

 

 彼女達が……………仮面ライダー…………?

 ちらりと、ツムリという女性から2人が受け取った箱を見ると、クレメオの方はパンダの、フィオの方はヤギの絵が描かれたコアが入っていた。

 

クレメオ「嘘っ!?」

フィオ「これで…………キョウヤを負かせたあの2人に復讐出来るわよ!」

クレメオ「そうね!サトウカズマに虎雷白夜だったわね。」

 

 2人は、そう話している。

 僕は……………2人を止める事が出来なかった。

 何が魔剣の勇者だ……………。

 僕は、サトウカズマと虎雷白夜への復讐に燃える2人を止める事が出来ず、呆然となっていた。

 

湊翔side

 

 裁判を終えた俺たちは、どこかに行っていた白夜と合流して、屋敷に戻る。

 だが、その時複数人の騎士たちがやってきて、屋敷の中の物を押収していってしまった。

 セナさん曰く、領主のアルダープが、裁判所に圧をかけ、俺たちの屋敷にある物を差し押さえる様に命じたそうだ。

 その結果、俺たちの凡ゆる物が、騎士達に持って行かれてしまった。

 幸い、デザイアドライバーとそれぞれが持つレイズバックルは、何とか差し押さえを免れた。

 だが、アクアがアフロディテから送られたフォールに関しては、容赦なく持って行かれ、アクアは号泣していた。

 ダクネスは、アルダープに抗議をすると言って、デザイアドライバーとレイズバックルをトウカに預けて行った。

 その際、ダクネスが貴族である事を、俺たち全員に明かした。

 

カズマ「ダクネスの奴、大丈夫か?」

トウカ「アイツなら大丈夫さ。」

白夜「問題は、これからの生活だ。」

アクア「私のフォールを持ってかれるなんて〜!」

めぐみん「アクア。良い加減に泣き止んでくださいよ。」

 

 めぐみんは、いつまでも泣いているアクアを宥めていた。

 すると、龍とアフロディテが入ってきた。

 

龍「邪魔するぞ。」

湊翔「龍、アフロディテ。」

アフロディテ「ごめんなさいね。色々と、無罪にしようとしたんだけど…………間に合わなくて。」

カズマ「まあ、結果的に無罪になったから、大丈夫ですよ。」

龍「それは良かった。」

アフロディテ「アクアも、フォールに関しては、まだあるからね。」

アクア「本当?」

 

 そういや、フォールを作ったのは、龍達だったな。

 何にせよ、この現状じゃあ、生活をするのは厳しい。

 あそこに行くか。

 俺たちは、デザイア神殿へと向かう。

 

めぐみん「ここは…………どこなんですか?」

湊翔「ここはデザイア神殿。俺たち、デザイアグランプリに参加している人なら、自由に使える場所だ。」

???「その通りです。」

 

 めぐみんに説明していると、男性が入って来る。

 その男性は、白い執事服の様な服を着ていた。

 

カズマ「アンタ…………誰?」

白夜「この人はギロリって言うんだ。」

ギロリ「はい。私はギロリと申します。仮面ライダー達のサポートを行います。」

めぐみん「そうなんですか。」

湊翔「悪いけど、サポートを頼めるかな?」

ギロリ「勿論です。」

 

 こんな具合に、俺たちは、ギロリのお世話になる事になった。

 ただ、アクアがデザイア神殿に棲みつかない事を祈りたいが。

 アクアは、あまり甘やかすと、調子に乗って、碌な事にならないからな。

 まあ、それはそれとして、アルダープには、いずれ痛い目に遭わせないとな。

 アイツは、マジで許さん。




今回はここまでです。
色々な出来事が起こりました。
湊翔とカズマが、死刑になりかけるが、ジャマトの乱入により、事なきを得た事。
クレメオがダパーンに、フィオがレターに変身出来るようになった事。
そして、ミツルギが本当の強さについて、悩む事です。
今回の話で、レジェンドレイズバックルを使いました。
ちなみに、当初は、コアIDが破損したら、レイズバックルを失って、最初からやり直しでしたが、本家ギーツと同じく、コアIDが破損したら、死亡する事に変更します。
クレメオとフィオに関しては、どうなるんですかね。
次回、ゆんゆんが本格的に参戦します。
湊翔の過去に関しては、いずれ全容を明かしたいと思います。
まだ、断片的なので。
感想、リクエストは、絶賛受け付けています。
フィーバースロットレイズバックルやジャマトライダーに関しては、この第3章の内に出したいと思います。
そして今日、このすばの新作ゲーム、『呪いの遺物と惑いし冒険者たち』が発売しましたね。
この小説では、『希望の迷宮と集いし冒険者たち』に相当するエピソードをやる予定です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第19話 孤高の紅魔族との再会

 俺たちの屋敷の物は、殆ど差し押さえに遭ってしまった。

 その為、冬を過ごすのが厳しくなってしまったのだ。

 

アクア「ぶへっくしょい!うぅ〜寒いよ……。あっためてよ…………誰か私を温めてよ!」

カズマ「………ァァァァァァ!!」

アクア「!いきなりどうしたのよ!?」

カズマ「分からないのか!?ダクネスがあの領主の元に行ったきり帰ってこないんだぞ!もしかしたら今頃は!」

「「アァァァァァ!!」」

 

 カズマとアクアは、そんな風に叫んでいた。

 まあ、ダクネスに関しては、大丈夫な気がするが。

 あのドMクルセイダーだぞ?

 ご褒美にしかならないだろ。

 

湊翔「……………あの領主は、そんなにヤバいのか?」

トウカ「ああ。何せ、色々と良くない噂が流れてるのに、裁判になったら、アルダープ側が勝つんだよ。」

白夜「……………あの領主が、裁判長にああ言っただけで、死刑判決にするというのも、随分と怪しいよな。」

 

 確かに。

 いくら領主といっても、判決を勝手に捻じ曲げる事は出来ない筈。

 どうなってんだ…………?

 すると、トウカが俺を見る。

 

湊翔「えっ?」

トウカ「どうしたんだ?」

湊翔「い、いや!何でもない!」

 

 あの裁判の時から、トウカを妙に意識してしまう。

 徐々に存在が大きくなっていく気がする。

 すると。

 

???「なーお。」

 

 そんな猫の鳴き声が聞こえてきて、俺たちは鳴き声がした方を見る。

 すると、めぐみんが一匹の猫を抱えていた。

 

カズマ「めぐみん?何だその猫?」

めぐみん「迷惑はかけないと思うのですが。」

白夜「飼いたいって事か?」

トウカ「それにしても可愛いわね。」

湊翔「そう言う癒しは必要かもな。」

めぐみん「ダメでしょうか?」

 

 俺達はめぐみんが連れてきた猫の顎を掻いてやると気持ちよさそうに目を細めていた。

 なぜかアクアが触ろうとすると、引っ掻いたけど。

 

アクア「ちょっ!なんで私には爪を立てるの!?なんてことかしら。この太々しい態度と言い、漆黒の毛皮といい、何か邪悪さを感じるわ。ねぇ、この邪神の名前はなんて言うの?」

めぐみん「ちょむすけです。」

「「「「「…………。」」」」」

カズマ「……………今、なんて?」

めぐみん「ちょむすけです。」

「「「「「…………。」」」」」

 

 まあ、紅魔族のネーミングセンスの無さは今更だしな。

 めぐみんが口を開いた。

 

めぐみん「ところで、カズマとアクアの2人は何を騒いんでいたんですか?」

カズマ「お前、冷静だな。ダクネスは今頃…………!」

めぐみん「確かにあの領主の良くない噂は聞きますが、あのダクネスが流石に……。」

カズマ「これだからお子様は!まだあの変態の事が分かってないのかよ!『くっ!私の身体は好きに出来ても心まで自由に出来ると思うなよ!』って言うに決まってるぞ。」

 

 めぐみんも事態に気付いたのか、目を見開く。

 すると、ちょむすけを落としてしまう。

 

めぐみん「ど、どどどうしましょう!カズマ!」

カズマ「もう遅い。いいか?ダクネスが帰ってきても普段と変わらず優しく接してやるんだぞ?」

アクア「分かったわ!大人の階段を先に登ったダクネスには何も聞かないのね!」

めぐみん「ダクネスがぁ……ダクネスがぁ。」

湊翔「ダクネスは大丈夫だよな…………?」

トウカ「ダクネスなら、大丈夫だろ。……………多分。」

白夜「多分って言ってるじゃねぇか。」

 

 俺たちはそう話す。

 すると。

 

セナ「サトウカズマ!桐ヶ谷湊翔!両方ともにいるかーー!?」

「「「「「「ん?」」」」」」

 

 そう叫びながら、セナさんが入って来る。

 俺たちは、アクセル近郊の草原へと来ていた。

 その理由は…………。

 

アクア「イヤァァァァァ!!」

 

 アクアはそう叫びながら、ジャイアントトードに追われていた。

 何故かと言うと、めぐみんが毎日欠かさずに爆裂魔法を連発してしまい、カエルが冬眠から目覚めてしまったそうだ。

 俺たちは、その後始末に来た。

 ちなみに、龍とアフロディテは、別件で別の場所に居るらしい。

 

アクア「カエルに食べられるのはもうイヤァァァァァ!!!」

カズマ「カエルがこの寒さで動きが鈍くならないなんて逞しすぎやしないか?」

めぐみん「私たちも負けてはられませんよ。この厳しい世界を生き抜くのです。」

湊翔「そうだな。生き抜かないといけないしな。」

トウカ「だな!」

白夜「おう!」

 

 現在、俺たちはそれぞれの武器を持っている。

 俺はマグナムシューター40X、カズマはニンジャデュアラー、めぐみんはビートアックス、トウカはソードエクスカリバーを持っている。

 白夜は、素手だった。

 だが、白夜は素手でもジャイアントトードを倒していた。

 素手でジャイアントトードを倒すなんて、ある意味才能だよな。

 ジャイアントトードは、俺たちより、アクアの方に集中していた。

 俺は狙撃スキルを使って、ジャイアントトードを倒していく。

 カズマはニンジャデュアラーを手裏剣の如く投擲して、攻撃する。

 めぐみんは爆裂魔法を撃った後、ビートアックスのエレメント攻撃で、ジャイアントトードを倒していく。

 トウカはソードエクスカリバーで、ジャイアントトードを斬っていく。

 しばらくすると、ジャイアントトードは粗方倒された。

 

湊翔「ふぅ〜。こんなもんか。」

カズマ「そうだな。」

アクア「ちょっと!今、私のチャームポイントに弾丸が掠めたんだけど!!」

トウカ「食われなかっただけましだろ。」

めぐみん「そうですよ。」

白夜「これで終わりか?」

セナ「みなさん、お見事です。」

 

 俺たちは、そんな風に話す。

 すると、めぐみんが叫ぶ。

 

めぐみん「待って下さい!カエルが!!」

「「「「「「え!?」」」」」」

 

 なんと、カエルが湧いて来た。

 そしてカエルの舌がアクアとセナとめぐみんを捕らえて、飲み込む。

 

アクア「いやあああああああ!!」

めぐみん「あああああああああ!!」

セナ「きゃあああああああ!!」

 

 三人はそんな風に叫びながら飲み込まれた。

 

カズマ「アクア!めぐみん!!」

湊翔「やっべ!」

トウカ「早く助けるぞ!」

白夜「おう!」

 

 俺たちは、ジャイアントトードに食われた人たちを助けようとする。

 だが、他のジャイアントトードも湧いてきて、そちらの対処もする事に。

 早くしないと、食われてしまう。

 すると。

 

???「ライト・オブ・セイバー!!」

 

 光の一閃がカエルを切り裂き、飲み込まれた面子が全員吐き出された。

 俺たちが見た先には、1人の女の子がいた。

 しかも、見覚えがある。

 

ゆんゆん「ふぅ…………。」

 

 そう、ゆんゆんだった。

 アクアとセナさんは、カエルに食われたのがショックだったのか、落ち込んでいた。

 

カズマ「誰だか知らないけど助かった。」

白夜「ありがとうな。」

ゆんゆん「いや、そんな、ライバルがカエルにやられたなんて見てられないし。」

「「ライバル?」」

 

 ライバルなんだ。

 その言葉を聞いて、カズマと白夜は首を傾げる。

 めぐみんは、粘液に濡れながらも、立ち上がる。

 すると、ゆんゆんはめぐみんに指を指す。

 

ゆんゆん「ひ、久しぶりね!めぐみん!今日こそ長きに渡った決着をつけるわよ!!」

めぐみん「…………どちら様でしょう?」

ゆんゆん「えぇェェッ!?」

めぐみん「大体名乗らないなんておかしいじゃないですか。これは以前カズマと湊翔と白夜が言ってたオレオレ何とかって奴じゃないですか?」

 

 十中八九、めぐみんの関係者だろうな。

 ていうか、やめてやれよ。

 ゆんゆんが涙目になってるじゃん。

 ゆんゆんは顔を赤くして、涙目の状態で俺の事を見てくる。

 流石に可哀想なので、俺は助け舟を出す事にした。

 

湊翔「……………彼女はゆんゆん。紅魔族のアークウィザードだ。」

トウカ「何で彼女の事を知ってるんだ?」

湊翔「一度、俺とクリスと一緒にクエストを受けたからな。」

トウカ「なるほどな。」

めぐみん「そうでした。我が自称ライバルのゆんゆんではないですか。」

ゆんゆん「じ、自称じゃないから!ちゃんとライバルだから!あと、ちゃんと覚えてるじゃない!」

 

 トウカは俺にそう聞いてきて、俺の言葉に納得していた。

 それを聞いたカズマが口を開く。

 

カズマ「なるほどな。俺はこいつの仲間のカズマだ。よろしくなゆんゆん。」

ゆんゆん「何で驚かないんですか?」

カズマ「世の中にはな、おかしな名前なのに頭のおかしい爆裂娘なんて不名誉な称号を持ってるやつもいるんだよ。」

めぐみん「それって私の事ですか!?私の知らない間にそれが定着しているのですか!?」

 

 まあ、ベルディアがそう言っちゃったからな。

 定着しても仕方ないだろ。

 まあ、本人の前で言うと、爆裂魔法を撃たれかねないと言う事で、黙っているが。

 すると、ゆんゆんが感心した様に言ってくる。

 

ゆんゆん「さ、さすがめぐみんね。いい仲間を見つけたようね。それでこそ私のライバル!私はあなたに勝って、紅魔族1の座を手に入れる!さぁ、めぐみん!私と勝負しなさい!」

めぐみん「嫌ですよ。寒いですし。」

ゆんゆん「え!?なんで?」

 

 ゆんゆんの勝負の誘いを、めぐみんはバッサリと断る。

 ゆんゆんは、勝負を受けてくれない事に、慌てふためいた。

 すると、セナさんが話しかける。

 

セナ「本日はありがとうございました。それでは、私はこれで。」

白夜「じゃあ、俺はギルドに報告と、ジャイアントトードの肉の回収を頼んでくるわ。」

アクア「私はさっさと風呂に入ってこようかしら。」

 

 そう言って、セナさん、白夜、アクアはその場から去っていく。

 この状況をどうしろと。

 俺、トウカ、カズマが呆然としていると、めぐみんはため息を吐きながら口を開く。

 

めぐみん「ハァ…………。しょうがないですね。その代わり、勝負の内容は私が指定しますよ。体術勝負でどうですか?」

ゆんゆん「え?いいの?学園ではろくに体術の授業に出なかっためぐみんが?昼休みの時間になるとこれ見よがしに私の前をチョロチョロして、勝負をさせて私からお弁当を巻き上げていたあなたが?」

「「「……………………。」」」

めぐみん「………………。」

 

 ゆんゆんの言葉に、俺たちは、めぐみんをジーッと見る。

 そんな事してたのか?

 

カズマ「お前……………。」

めぐみん「私だって、死活問題だったんです。家庭の事情で、彼女の弁当が生命線だったのです。」

トウカ「えっ……………?」

湊翔「生命線?」

 

 何言ってんだ。

 そういえば、以前、めぐみんの実家は貧しく、ちょくちょく仕送りをしてるって言ってたな。

 

ゆんゆん「……………分かったわ。体術勝負でいいわ!」

カズマ「え?いいの?」

めぐみん「よろしい。では、何処からでもかかって来なさい!」

 

 そう言って、めぐみんとゆんゆんは構える。

 体格的にゆんゆんに軍配が上がるな。

 だが、めぐみんは、仮面ライダーナーゴに変身するようになってからは、近接戦闘はある程度、白夜に教わっているそうだ。

 ビートアックスも普通に使えているしな。

 すると、ゆんゆんが何かに気づいたのか、目を見開いて、掠れ声を出す。

 

ゆんゆん「……………め、めぐみん。その………貴女の体が、テラテラしてるままなんだけど……………。」

めぐみん「そうですよ。この全身ぬっちょりは、全てカエルのお腹の中の分泌物です。さあ、近づいて来た瞬間、思いっきり抱きついて、そのまま寝業に持ち込んであげます。」

 

 えげつねぇ…………。

 一応は、アクアによって無臭化されているのだが、ヌメヌメするのは間違いない。

 めぐみんは、目を紅く光らせてゆんゆんに近づいていき、ゆんゆんは同じタイミングで下がる。

 

ゆんゆん「う、嘘でしょ?私の戦意を削いで降参させようって作戦なのよね?でしょう?」

 

 ゆんゆんは、虚勢を張りながら後ずさる。

 その言葉にめぐみんは。

 

めぐみん「…………私たち、友達ですよね。友人とは、苦難を分かち合う物だと思います。」

 

 めぐみんは、そんな事をよくもまあ良い笑顔で言う。

 そして、どうなったのかと言うと。

 

ゆんゆん「いやああああああああああ!!」

めぐみん「ヌーン!ヌーン!」

 

 ゆんゆんは悲鳴を上げながら逃走して、めぐみんは変な事を言いながら追いかけていく。

 

ゆんゆん「降参!降参するから、こっち来ないでぇぇぇっ!!」

 

 ゆんゆんはそう叫ぶが、めぐみんに問答無用に抱きつかれる。

 それを、俺たちは呆然としながら見ていた。

 

ゆんゆん「降参!降参したのに!!」

めぐみん「今日も勝ち!!」

 

 ゆんゆんの言葉に、めぐみんはドヤ顔でそう言う。

 その後、めぐみんは、ゆんゆんからマナタイトを掻っ払った。

 一応、ゆんゆんに声をかけとく。

 

湊翔「その……………大丈夫か?」

ゆんゆん「はい……………。」

 

 流石に、可哀想だからな。

 その後、ゆんゆんは若干顔を赤くしながら帰っていった。

 何で顔を赤くしてんだろ?

 俺は首を傾げつつ、屋敷へと戻る事にする。

 俺、トウカ、カズマ、めぐみんが、アクセルの街を歩いていると。

 

めぐみん「カズマ、湊翔。戦利品です。借金返済の足しにして下さい。」

湊翔「良いのか?」

めぐみん「…………フッ!私の様な規格外な大魔導師には、不要な物なのです。」

カズマ「へいへい……………。」

 

 めぐみんはそうドヤ顔で言う。

 カズマは、そう言いながらマナタイトを受け取る。

 すると、ため息を吐く。

 

カズマ「ハァァ……………。」

めぐみん「ん?何です?」

カズマ「……………さっきの子(ゆんゆん)より、めぐみんの方が可愛いなって。」

 

 カズマはそう言う。

 揶揄ったのだろうな。

 すると、それを聞いためぐみんは。

 

めぐみん「…………それはどうもありがとう!お礼にギュッとハグをしてあげましょう!」

カズマ「ちょっ!こっち来んな!!」

めぐみん「もっと喜んでも良いですよ。ヌルヌルの女の子に抱きつかれるだなんて、場合によっては、お金を払う人だって居ますよ!」

カズマ「うぉぉぉ!カエル臭い!見てないで助けてくれよ!」

湊翔「……………悪い。がんばれ。」

トウカ「というより、こっちに来んな。」

カズマ「酷っ!?」

 

 助けを求めたカズマに、俺とトウカはそう言う。

 その後、無事に屋敷に着いた。

 

カズマ「うう…………こんなに嬉しくない抱擁は初めてだ…………。」

湊翔「まあ…………先に風呂に入れ。俺たちはあとで入るから。」

トウカ「そうだな。」

 

 そう言って、俺たちはリビングへと向かう。

 すると、廊下の方から、声がしてくる。

 

カズマ「……………何だよ?」

めぐみん「レディーファーストって、知ってますか?」

カズマ「俺は真の男女平等を願う男。都合の良い時だけ女の権利を主張し、都合の悪い時は男のくせにとか言う輩は許さない人間だ。」

 

 2人のそんな会話の直後に、風呂場へと駆け出していく音が聞こえた。

 まあ、どっちかが折れるだろ。

 というより、デザイア神殿内にも風呂はあるんだけどな。

 まあ良いか。

 すると、トウカが俺を見てくる。

 

トウカ「湊翔。」

湊翔「ん?」

トウカ「大丈夫なのか?」

湊翔「何が?」

トウカ「ほら、裁判の時に、死刑判決になりそうになった時に、様子がおかしかっただろ?」

湊翔「ああ………………。」

 

 あの事か。

 まあ、色々あったからな。

 

湊翔「……………大丈夫だ、気にすんな。」

トウカ「そうか……………。」

 

 トウカは、若干納得してなさそうにするが、あっさり引き下がった。

 俺としては、あんな過去はもう思い出したくないがな。

 しばらくすると、アクアが戻ってきた。

 白夜も戻ってきた。

 

湊翔「アクア、どこ行ってたんだ?」

アクア「デザイア神殿内のお風呂よ。そっちの方が早いしね。」

トウカ「なるほどな……………。」

白夜「まあ、今日の夕食分くらいは、何とか集まったぜ。」

 

 そんな風に話す。

 その後、カズマ達とも合流して、夕食を食べに行った。

 だが、カズマとめぐみんが、ギクシャクしていた。

 何があったんだ?

 食べ終わった後、俺たちは屋敷に戻った。

 そういや、風呂入ってないな。

 俺は風呂場へと向かおうとする。

 すると、トウカが服の裾を掴む。

 

湊翔「トウカ?」

トウカ「一緒に風呂に入らないか?」

 

 その言葉に、俺の思考回路は停止した。

 なんとか再生させて、理由を聞く。

 

湊翔「な、何で……………?

トウカ「裁判の時に、心配かけたからだ。」

湊翔「い、良いのか…………?」

トウカ「おい、乙女にこれ以上言わせるのか?」

湊翔「わ、分かった……………。」

 

 そんなこんなで、風呂に一緒に入る事になったのだった。

 まあ、トウカって、ダクネス以上に男勝りな性格で、女性っぽい言葉をあんまり使わないけど、女性だしな。

 流石に、トウカに先に身体を洗わせて、その後、俺が身体を洗う事にした。

 そして、お互いにバスタオルを巻いて、一緒の湯船に入った。

 お互いに無言になった。

 

トウカside

 

 湊翔と一緒に風呂に入る事になったが、凄くドキドキしている。

 まさか、女神である私が、湊翔と一緒に風呂に入る事になるとは…………。

 まあ、今は女神アテナではなく、トウカという1人の女としてだけどな。

 

トウカ(それにしても……………私は、湊翔の事が好きなんだな…………。)

 

 そう思った。

 最初は、少し放っておけなさそうな人という印象だった。

 経歴を見ても、湊翔の事が放っておけない様な物だったからな。

 だが、一緒にパーティーを組む中で、湊翔なりの優しさ、時折見せる大胆さに惹かれていったんだろうな。

 だからこそ、裁判で見せたあんな弱気の湊翔を見たくないが故に、引っ叩いたのだ。

 湊翔の過去を知っているからこそ、あんな過去にまた囚われて欲しくない。

 この世界は、前の世界とは違うのだから。

 

トウカ(でも…………あのゆんゆんも、私と同じ様に、湊翔の事が好きなんだろうな。)

 

 そう。

 ゆんゆんが湊翔を見る目は、恋する女の子の目だった。

 

トウカ(……………私は湊翔の事が好き。でも、ゆんゆんと違って、女神である私は、湊翔を独占する訳にもいかない。どうしたもんかな…………。)

 

 そう考える。

 それにしても、湊翔の事を好きになる人が、増えないよな?

 まあ、いざとなったら……………。

 そんな風に考える。

 

湊翔side

 

 俺は、正直混乱していた。

 何せ、トウカがいきなり風呂に一緒に入ろうと言ってきたのだ。

 正直、これで変態だと思われたくない。

 でも、俺も1人の男だ。

 ほぼ何も着ていない仲間の素肌を見て、興奮しないはずがない。

 それにしても、ここ最近、トウカの存在感が強まっている。

 理由は、間違いなくアレだろう。

 俺がかつての過去に囚われている中、俺の頬を叩いて、目を覚させてくれた事だ。

 その時から、トウカの存在感が強まった。

 それに、やっぱり、トウカは既視感があるんだよな。

 女神アテナと気配が似ているのだ。

 

湊翔(……………まさかな。)

 

 流石に、それは無いよな。

 気のせいだな。

 すると、トウカが声をかけてくる。

 

トウカ「湊翔。」

湊翔「な、何だ?」

トウカ「…………どうなんだ?」

湊翔「な、何が…………?」

トウカ「…………私の肌。」

湊翔「なんと言うか、綺麗です。」

トウカ「……………ありがとうな。」

 

 トウカがそう聞いてきたので、俺はそう答えると、トウカは顔を赤く染める。

 待ってくれ。

 彼女居ない歴=年齢の俺には、刺激が強すぎる!

 

湊翔「な、なぁ、そろそろ上がるか?」

トウカ「ま、まあ、そうだな。上がろう。」

 

 そう言って、トウカは脱衣所へと向かう。

 すると、途中で立ち止まり、俺の方を見る。

 

トウカ「湊翔。」

湊翔「何だ?」

トウカ「…………リビングでの話の件だけど、話したくない事があるのなら、無理に話さなくて良いぞ。でも、私は湊翔の味方だからな。」

湊翔「トウカ……………ありがとう。」

トウカ「ああ。それじゃあ、お休み。」

 

 トウカはそう言って、脱衣所の中に入り、しばらくして、俺も服を着て、部屋に戻る。

 いずれ、過去は話すかもな。

 まあ、どうなるのかは、全く分からないのだがな。

 

翌日

 

 俺達はめぐみんが昨日、ゆんゆんからパクったマナタイトを持ってウィズの店に向かって行った。

 

カズマ「ちわーす。これを買い取って欲しいんだが……。」

 

 そこにはウィズだけでなく、ゆんゆんも居た。

 

めぐみん「あ……………。」

ウィズ「実は……。」

ゆんゆん「わ、我が名はゆんゆん!何という偶然こんな所で鉢合わせるなんてやはり終生のライバル!」

ウィズ「皆さんのことを聞いてずっと待ってらしたんですよ。」

ゆんゆん「な、何を言ってるんですか店主さん!わ、私はただマジックアイテムを買いに来ただけで!あ!これ下さい!」

 

 事情を聞いた。

 その時アクアは、クッキーとお茶をウィズに出してもらっていた。

 

カズマ「なるほどな。」

湊翔「そんな事せずに家に来ればよかったのにな。」

ゆんゆん「そ、そんないきなり人様の家に行くなんて…………。」

めぐみん「煮え切らない子ですね。これだからボッチは。」

「「「「え?」」」」

アクア「そうなの?」

めぐみん「ゆんゆんは、紅魔族の中でも変わった子で友達が1人も居ないのですよ。周囲をこれ見よがしにウロチョロしていると喜んで勝負を挑んで来ました。」

 

 おい、やめてやれよ。

 まあ、ゆんゆんって、紅魔族にしては、常識的だしな。

 周囲から浮いたんだろうな。

 

ゆんゆん「そんな事無いわよ。友達くらいいるもん!」

めぐみん「今、聞き捨てならない事が。ゆんゆんに友達?」

ゆんゆん「居るわよ友達くらい!ふにふらさんやどどんこさんが私達友達よねって言って、奢ったり。」

カズマ「おいやめろ!」

湊翔「それ以上は言うな!!」

白夜「これ以上、地雷を踏むんじゃねぇ!」

 

 ああ、奢らされたんだ。

 一体過去に何が………!?

 

めぐみん「ところで、私としては魔法の勝負は避けたい所ですが。」

ゆんゆん「いい加減に他の魔法を覚えなさいよね。スキルポイントも貯まったでしょう?」

めぐみん「貯まりましたよ。漏れなく全て、《爆裂魔法威力上昇》や《高速詠唱》に注ぎ込み………。」

ゆんゆん「バカっ!どうしてそんなに爆裂魔法に拘るのよ!」

 

 めぐみんの言葉に、ゆんゆんはそう言う。

 まあ、めぐみんの場合は、仮面ライダーになれるしな。

 大丈夫じゃね?

 その時、アクアが何かを見つけたようだ。

 

アクア「ねぇねぇ、これなんてどうかしら?仲良くなる水晶!」

ウィズ「あぁ、それは、熟練した魔法使いじゃないと使えないんですよ。」

ゆんゆん「それを使えば仲良くなれるの?」

ウィズ「えぇ、まぁ。そうだ!折角ですし試してみませんか?」

 

 なんか、胡散臭いな。

 ウィズの店の商品だから、致命的な欠陥がありそうだが。

 同じく胡散臭い物だと気付いたのか、めぐみんは呆れながら言う。

 

めぐみん「別に仲良くなる必要は無いです。」

ゆんゆん「怖気ついたの?めぐみん?」

めぐみん「アァン!?」

ゆんゆん「これはどちらかが使えた方が強い魔法使いである証明!勝負よめぐみん!」

 

 と、本質の所は、ゆんゆんもめぐみんも同じように感じた。

 

めぐみん「そこまで言うのなら、見せてあげましょう。真の大魔法使いの力を!」

ゆんゆん「今日こそ決着をつけるわよ!」

 

 そう言って二人は水晶に魔力を流し始める。

 ゆんゆんも、一緒にクエストに行った時に、中々の実力者だと感じていたが、間違いないそうだな。

 すると、周囲が暗くなって何かが映し出された。

 

ウィズ「こんなに投影されたのは初めてです!すごいです2人共!」

カズマ「何だ…………あれ!?」

湊翔「………………え?」

 

 俺たちは唖然となった。

 とんでも無いものが映ったのだ。

 まず一つは、めぐみんがどこかに忍び込んで、パンの耳を必死に集めている映像。

 

めぐみん「あぁぁぁぁぁ…………!!」

カズマ「あれ………パンの耳集めてるのか?」

トウカ「おい、アレって…………。」

 

 トウカが指差した先には、ゆんゆんの物が映っていた。

 大きなケーキと沢山の料理が映っている。

 しかし、その場にいるのはゆんゆんだけである。

 

ゆんゆん「あぁぁぁぁぁ…………!!」

アクア「1人…………なの?」

 

 え、おい待てよ。

 これって、まさか…………!

 そう思う中、映像はどんどんと映っていく。

 農家の畑から野菜を盗み、おそらくめぐみんの妹であろう小さな女の子と一緒に、野菜に齧り付いている映像。

 ゆんゆんが1人チェスに興じている映像。

 めぐみんと、めぐみんの妹が川に行き、ザリガニに似た奴を捕まえて、寸胴鍋で茹でて、齧り付く映像。

 ゆんゆんが動物を撫でようとすると逃げられて、花の匂いを嗅ごうとしたら、花にも逃げられる映像。

 めぐみんが、今度はセミを捕まえ、焼いて妹と共に食べる映像。

 ゆんゆんが、『もう、悪魔が友達でも良いかな…………。』と死んだ目で言いながら、悪魔を召喚しようとしている映像。

 そう。

 映し出されたのは、めぐみんとゆんゆんの黒歴史と言える思い出の数々。

 

カズマ「友達に奢る為に…………アルバイトするのか?」

アクア「えっ?ちょっと待って。虫…………食べてる?」

湊翔「ザリガニ茹でてんぞ……………。」

トウカ「悪魔が友達って……………拗らせすぎじゃないか?」

白夜「……………いくらなんでも、貧乏すぎねぇか……………?」

ウィズ「………………。」

めぐみん、ゆんゆん「アァァァァァ!!」

 

 とんでも無い黒歴史に、俺たちがドン引きする中、めぐみんとゆんゆんは、体をくの字にしながら叫ぶ。

 

めぐみん「何なんですか、これは!?」

ゆんゆん「店主さん!仲良くなれる水晶だって言いましたよね!?」

ウィズ「これは、お互いの恥ずかしい過去を晒しあって友情や愛情をさらに深められる大変徳なアイ…………テム…………です。」

白夜「いや、やばいだろ、これ…………。」

 

 白夜の言う通りだ。

 絶対にやばいって、これ!

 魔力を注いだら、黒歴史を強制的に公開するなんて!

 誰だよ、こんな魔道具を作ったのは!!

 傍迷惑じゃねぇか!!

 

ゆんゆん「め、めぐみん!これで私達仲良くなれるの!?」

めぐみん「おん、ドリャァァァ!!」

「「「「「アァァァァァ!!」」」」」

 

 めぐみんが耐え切れなくなったのか、水晶を地面に叩きつけて、割った。

 

ウィズ「これはカズマさんにつけときますね。」

カズマ「待て。壊したのはめぐみんだろ。」

めぐみん「その水晶を使おうと言い出したのはゆんゆんです。ゆんゆんが払います。」

ゆんゆん「勝負が、折角の勝負が…………。」

 

 カズマとめぐみんで、お金のなすりつけあいをして、ゆんゆんは呆然としながらそう呟く。

 

めぐみん「いつまでメソメソしてるのですか?」

ゆんゆん「だってこれじゃどっちが強いのか分かんないじゃない。ねぇ引き分けでいい?」

めぐみん「構いませんよ。もう、勝負事で熱くなるほど子供じゃないので。」

ゆんゆん「そういえば紅魔の里で発育勝負なんてやったわね!またあの勝負をしてもいいわよ!」

 

 一体、何種類勝負をしたんだ?

 ていうか、発育勝負って、絶対にめぐみんが負ける奴じゃん。

 ゆんゆんがそう言う中、めぐみんは余裕そうに首を振る。

 

めぐみん「子供じゃないとはそう意味での子供じゃないという事です。だって私は……。ここにいるカズマとお風呂に入る仲ですから。」

カズマ「ちょっ!?」

ウィズ「まぁ!?」

ゆんゆん「え。えぇェェェェ!?」

 

 めぐみんのその言葉に、ウィズはそう反応して、ゆんゆんは叫ぶ。

 ていうか、やっぱり一緒に入ったんだ。

 まあ、俺もトウカと一緒に入った訳だが。

 

カズマ「お前ふざけんな!この口か!この口がまた俺の悪評を広めるのか!?」

 

 カズマはそう言いながら、めぐみんの口を引っ張る。

 すると、ゆんゆんは震えて。

 

ゆんゆん「き、きょ、今日の所は私の負けで良いから!えぇぇん!!」

 

 ゆんゆんは泣きながら、そう叫んで、店を出ていく。

 

ウィズ「またどうぞ。」

アクア「賑やかな子ねぇ。」

カズマ「お前もな。」

湊翔「ホントだよ。」

白夜「全くだ。」

トウカ「めぐみんも、随分と大胆だな。」

 

 めぐみんは顔を赤くして、メモ帳に丸印を書いていた。

 

めぐみん「今日も勝ち!」

 

ゆんゆんside

 

 そ、そんな!

 まさか、めぐみんがそんな事を…………!?

 私は泣きながら、アクセルの路地裏へと行く。

 で、でも…………私にも、そんな人が出来るのかな…………。

 すると、湊翔さんの事が浮かぶ。

 あの日からずっと、湊翔さんの事が気になってしまう。

 すると。

 

???「おめでとうございます!」

ゆんゆん「えっ!?」

 

 そんな風に声をかけられて、私は振り向く。

 そこには、1人の女性が。

 

ゆんゆん「あの……………あなたは…………?」

ツムリ「私はツムリと申します。厳正なる審査の結果、ゆんゆんさん。貴方は選ばれました。今日から仮面ライダーです。」

 

 仮面…………ライダー…………?

 それって確か、湊翔さんがなってたよね…………?

 確か、仮面ライダーギーツって…………。

 私も仮面ライダーになれたら、湊翔さんと一緒に戦えるんじゃ…………?

 私は、その人から湊翔さんが言っていた、デザイアドライバーというのを受け取る。

 あと、もう一つあって、何か、鳥の頭が描いてある丸いものも受け取った。

 

ゆんゆん「私も、仮面ライダーか…………。」

 

 先ほどのめぐみんの発言は、もう気にならなくなっていた。

 これがあれば、湊翔さんと一緒に戦えると思うと……………。

 そう思っていた。




今回はここまでです。
ゆんゆんが本格的に登場して、ギンペンに変身出来る様になりました。
そして、湊翔とトウカの距離も、徐々に近づいてきました。
ちなみに、本作のゆんゆんは、湊翔の事が気になっていて、めぐみんの発言は、あまり気にしなくなってきました。
ただ、若干の危うさはありますが。
ちなみに、ゆんゆんがこうなったのは、あくまでそうなるかなと思ったからです。
友達が居ない中、湊翔の存在感が強いのです。
フィーバースロットや、ジャマトライダーに関しては、バニル戦で登場させる予定です。
フィーバースロットも、本家ギーツの主要ライダーだけでなく、オリジナルライダーや、サブライダーにも、渡される予定です。
まあ、一部、不安視されているのが居ますが。
レイジングソードに関しては、ハンス戦で使わせる予定です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第20話 ダンジョンでの戦闘

 カズマとめぐみんは、日課の爆裂散歩を続けているそうだ。

 ちなみに、俺たちは、新たにドリルとプロペラのレイズバックルを手に入れた。

 ある日、俺達はギルドのテーブルに集まっていた。

 カズマが口を開いた。

 

カズマ「明日はダンジョンに行きます。」

めぐみん「嫌です。」

カズマ「行きます。」

めぐみん「嫌です!嫌です!ダンジョンなんて私の存在価値無いじゃないですか!爆裂魔法を使えない私なんてただの一般人。」

カズマ「言っておくが、仮面ライダーになれる奴は一般人とは言わない。」

 

 確かに、俺たちのパーティは、アクア以外が仮面ライダーになれるしな。

 ちなみにダクネスは、領主の元に向かう前にデザイアドライバーとレイズバックルを、トウカに預けていた。

 

アクア「ねえ、ダクネスが戻ってからじゃダメなの?」

カズマ「いいか!俺達の借金はいまや国家予算並なんだぞ!」

湊翔「流石に内職やバイト、高難易度クエストでも厳しいな。」

トウカ「確かにね。」

白夜「だけど、問題はどうやって稼ぐかなんだよな。」

 

 俺達の借金はカズマの言う通り、国家予算並だと思う。

 前の借金の時も、高難易度クエストを受けて、何とか返済出来たが、今回はダクネスが居ない事が災いして、カズマのパーティと俺達のパーティで一緒に受けざるを得ないと言う事もあって、なかなか効率が悪いのが現状だ。

 

カズマ「そんな小遣い稼ぎをしても追いつかないんだよ!」

 

 そう言って2枚の紙を出した。

 1枚目は、『キールダンジョンの新たな部屋の調査』。2枚目は、『新たなダンジョンの調査』と書かれていた。

 

湊翔「カズマ?これは一体?」

ルナ「実はですね。キールダンジョンに新たな部屋が、新たなダンジョンも確認されたのでこれから大々的に調査クエストを出すつもりだったのですが。」

カズマ「俺がルナさんに無理言って斡旋してもらったんだ。」

ルナ「だから、誰も手をつけてませんよ。」

 

 そう言う事か。

 悪いなカズマ。

 お前に無理させて。

 

トウカ「確かに未発見の部屋と新たに見つかったダンジョンなら、お宝があるかもしれないからな。」

アクア「お宝!?」

カズマ、ルナ「うん。」

ダスト「何だ何だ?儲け話かよ?」

 

 俺達が話している時に、ダストが聞こうとしていた。

 すると、カズマが近寄る。

 

カズマ「極めて深刻な話なんだ。お前を巻き込みたくない。」

ダスト「これ、割引が今夜までの奴じゃないか。」

カズマ「大事に使ってくれ。」

ダスト「任せろ。」

 

 買収しやがった。

 あれ、サキュバスサービスの奴じゃないか。

 カズマは、股間を抑えながら何処かに行くダストに対して、敬礼をしていた。

 結果として、キールダンジョンにはカズマ達が、新たなダンジョンには俺、トウカ、白夜が向かう事になった。

 新たなダンジョンへと向かっていく。

 

湊翔「それにしても、この三人だけでクエストなんて、初めてじゃないか?」

トウカ「確かにな。」

白夜「そうだな。」

 

 まあ、便宜上、俺、トウカ、白夜のパーティーが、カズマ、アクア、めぐみん、ダクネスのパーティーと、龍とアフロディテのパーティーと協力しているという立場だからな。

 そんな事を考える中、俺たちはダンジョンに到着する。

 

湊翔「結構、深そうだな…………。」

トウカ「慎重に行くぞ。」

白夜「ああ。何が出てきてもおかしくないからな。」

湊翔「変身して行くぞ。」

 

 俺たちは、腰にデザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを構え、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横に白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、トウカの横に青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵と英語でCALIBERの文字が、白夜の横に黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が浮かぶ。

 そして、俺たちは叫ぶ。

 

「「「変身!」」」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

CALIBER

LIGHTNING

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォームになる。

 変身した状態で、俺たちはダンジョンの中へと入って行く。

 途中、色んなトラップや、アンデッド型モンスターが現れる。

 その際、気になったのは。

 

トウカ「オラッ!アンデッドが!!」

 

 トウカの性格が荒くなっている事だ。

 ダクネス曰く、クリスもトウカも、アンデッドを目にすると、見境がなくなるらしい。

 ただ、トウカは、普通のアンデッドだと見境なしだが、ウィズみたいなリッチーだと、人を殺したか否かで判断するらしい。

 なんか、アクアっぽいよな。

 まさか、トウカって、あの人なのか…………?

 いや、まさかな。

 

白夜「アイツ…………気性が荒くなってないか?」

湊翔「そうだな。」

 

 俺と白夜は、モンスターを倒しながら進んでいく。

 アンデッドが現れなくなると、トウカは冷静になる。

 

トウカ「……………悪い。変な所を見せたな。」

湊翔「いや、それは別に良いけど…………。」

白夜「お前、アンデッドを前にした時のアクアっぽかったぞ。」

トウカ「アクアと一緒にするのは、やめてほしいんだけどな…………。」

 

 俺たちはそんな風に話す。

 すると。

 

ジャマト「ジャ〜。」

白夜「っ!?おい!」

湊翔「ジャマト!?」

トウカ「ダンジョンにまで湧くのかよ!」

 

 ジャマトが現れた事に気付き、俺たちは応戦する。

 だが、いかんせん数が多い。

 

白夜「数が多すぎねぇか!?」

湊翔「なんとかするぞ!」

トウカ「ああ!」

 

 手数を増やす事にした。

 といっても、俺は腕のアーマードガンを展開して、トウカは斬撃波を放ち、白夜は雷の範囲攻撃を行うだけだが。

 何とか、ジャマトを倒す事が出来て、俺たちは休憩する。

 

湊翔「何でジャマトが湧いてるんだよ。」

白夜「さあな……………。」

トウカ「スパイダーフォンに、何かお知らせは来てないのか?」

 

 そう言われ、俺はスパイダーフォンを見る。

 すると、ミッションが届いていた。

 

湊翔「あ。ミッションが届いてたわ。」

白夜「何だって?」

湊翔「ええっと…………『諸君が居るダンジョンに、強力なジャマトが確認された。君たちには、ジャマトを倒してもらいたい。』……………だそうだ。」

トウカ「なるほどな…………。」

 

 なるほどな。

 つまり、ジャマトを倒せっていう事だな。

 まあ、言われなくても、ジャマトを倒すつもりだったしな。

 俺たちは、休息して、すぐに動き出す。

 流石に、生身でジャマトと戦うのは危険なので、変身していく。

 ジャマトをよく見ると、普通のジャマトに混じって、日本の足軽兵みたいな格好のジャマトが混じっていた。

 

湊翔「なあ、白夜。」

白夜「何だ?」

湊翔「あのジャマトって、足軽兵みたいじゃないか?」

白夜「えっ?言われてみれば…………。」

トウカ「足軽兵?」

湊翔「いや、気にすんな。」

 

 そうだ。

 トウカはこの世界の人だから、足軽兵の概念を知らないか。

 という事は、ボスのジャマトは、武将とか、落武者か?

 どっちにしろ、強力なのは確かだ。

 俺たちは、普通のジャマトと足軽ジャマトを倒していき、最深部へと向かっていく。

 最深部に到着すると、そこには、刀を持って、鎧を身につけ、骨の仮面を被った姿をした侍のようなジャマトが居た。

 

湊翔「あれが、その強力なジャマトか?」

白夜「だろうな。」

トウカ「気を引き締めていくぞ。」

 

 俺たちは、そのジャマトを前にして、身構える。

 すると、俺たちが来た事に気付いたのか、そのジャマトはゆっくりと立ち上がり、刀を抜く。

 やべぇな。

 あれ、絶対に妖刀の類だろ。

 妖しいオーラが出てるし。

 という事は、このジャマトは、転生者を倒したという事か。

 すると、いかにも落武者みたいな外見のジャマトが叫ぶ。

 周囲に、ジャマトが大量に現れる。

 

湊翔「増援か。」

トウカ「全員倒すぞ!」

白夜「おうよ!」

 

 俺たちは、周囲のジャマトを倒していく。

 周囲のジャマトは、そこそこの強さで、集団で襲ってくるから、非常に厄介だな。

 それでも、先ほどの範囲攻撃や、攻撃の手数を増やして、倒していく。

 すると、落武者ジャマトが動き出す。

 

湊翔「奴が動いたぞ!」

白夜「強そうだな…………。相手にとって不足無しだな!」

トウカ「そうだな!」

 

 俺たちは、落武者ジャマトの相手をする。

 だが、落武者ジャマトが使う刀がかなり強力な上、剣技もかなりある為、苦戦を強いられていた。

 

湊翔「こいつ、強いぞ!」

トウカ「他のジャマトも湧いてきたぞ!」

白夜「くそっ!埒があかねぇぞ!」

湊翔「こうなったら、必殺技で…………!」

 

 俺は、マグナムレイズバックルを外して、マグナムシューター40Xに装填しようとする。

 だが、落武者ジャマトがそれに気付いたのか、刀を振ってくる。

 すると、マグナムレイズバックルが吹っ飛んでしまい、マグナムフォームのアーマーが消えてしまう。

 

湊翔「やっべ!」

 

 俺は、落武者ジャマトの攻撃を躱す。

 流石に、攻撃をエントリーレイズフォームの状態で受けるのは危険だからだ。

 IDコアが破損してしまったら、俺は死んでしまう。

 それだけはごめんだ。

 すると。

 

白夜「湊翔!これ使え!!」

 

 白夜はそう叫んで、ライトニングレイズバックルを投げる。

 俺は、すぐにライトニングレイズバックルをキャッチして、装填する。

 白夜の方を見ると、マグナムレイズバックルを回収していた。

 

SET

 

 すると、俺の横に黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、白夜の横に白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が浮かぶ。

 

「「変身!」」

 

 俺と白夜はそう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

LIGHTNING

MAGNUM

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・ライトニングフォームに、白夜はライコウ・マグナムフォームに変身する。

 俺は、手についている爪で、ジャマトに攻撃していく。

 ただ、白夜が使っている時と比べると、出力が大分下がっている。

 

湊翔(やっぱり、ライトニングレイズバックルは、白夜の方が相性が良いか…………!)

 

 そう。

 白夜は、ライトニングレイズバックルだけでなく、自らの転生特典も使い、圧倒的な出力を出しているのだ。

 まあそれでも、強力な事には変わりない。

 雷を纏った爪で、ジャマトを倒していく。

 白夜の方をチラリと見ると、マグナムシューター40Xで銃撃したり、鈍器として使っていた。

 ていうより、銃を鈍器として使うなよ。

 トウカが叫んできた。

 

トウカ「湊翔!カリバーレイズバックルを貸すから、ライトニングレイズバックルを貸してくれ!」

湊翔「おう!」

 

 俺は、ライトニングレイズバックルを抜いて、トウカに向かって投げて、トウカが投げたカリバーレイズバックルを受け取る。

 俺たちは、それぞれ受け取ったレイズバックルを、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横に青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵と英語でCALIBERの文字が、トウカの横に黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が浮かぶ。

 俺とトウカは、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

CALIBER

LIGHTNING

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・カリバーフォームに、トウカはラウンズ・ライトニングフォームに変身する。

 俺は、ソードエクスカリバーを振るって、倒していく。

 トウカは、ライトニングフォームの爪で倒していく。

 カリバーレイズバックル、結構使いやすいな。

 トウカは、上手く戦えている様だ。

 しばらくすると、足軽ジャマトは全滅した。

 あとは、あの落武者ジャマトだけだ!

 

湊翔「2人とも。バックルを戻すぞ。」

白夜「おう。」

トウカ「分かった。」

 

 俺たちは、それぞれが使っていたレイズバックルを、元の持ち主に戻す。

 そして、再び変身する。

 

MAGNUM

CALIBER

LIGHTNING

REDAY FIGHT

 

 俺たちは、最初に変身していた形態に戻って、必殺技の体勢に入る。

 それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM STRIKE

CALIBER STRIKE

LIGHTNING STRIKE

 

 俺は両腕のアーマードガンを展開して、マグナムシューター40Xにエネルギーをチャージする。

 トウカは、ソードエクスカリバーにエネルギーをチャージする。

 白夜は、爪に電撃をチャージして、いつでも駆け出せる様にする。

 

湊翔「ハァァァァ!!」

トウカ「でやぁぁぁぁ!!」

白夜「オラァァァァァ!!」

 

 俺たち三人の必殺技が、落武者ジャマトに命中して、爆発する。

 

湊翔「よし。」

トウカ「やったな。」

白夜「おう。……………待て、何か様子が変じゃねぇか?」

湊翔「え?」

 

 白夜がそう言うので、俺もジャマトの方を見る。

 すると、倒れた筈の落武者ジャマトが、起きあがろうとしていた。

 

湊翔「何!?」

トウカ「どうなってんだ!?」

白夜「なら、もう一回倒すだけだ!」

湊翔「それはそうだが……………うん?」

 

 確かに、もう一回倒すだけだ。

 だが、また復活する可能性もある。

 そう言おうとするが、気になった事がある。

 それは、ジャマトの背後に、謎の闇があるのだ。

 それを辿っていくと、ある魔道具が目に入る。

 

湊翔「おい、あれ…………!」

トウカ「何かの……………魔道具か?」

白夜「まさか、アレが原因か!」

湊翔「なら、早くアレを破壊するぞ!急がないと、ジャマトが復活しそうだ!」

 

 そう。

 早いところ破壊しないと、完全に復活してしまう。

 現状、大ダメージを受けた事で、そう簡単には復活しないそうだが、いつ復活してもおかしくない。

 俺とトウカは、武器の必殺技を撃つ事にする。

 白夜は、レイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

CLAW

 

 俺はマグナムシューター40Xにマグナムレイズバックルを装填して、トウカはソードエクスカリバーにクローレイズバックルを装填する。

 

湊翔「トウカ!白夜!行くぞ!」

トウカ「ああ!」

白夜「おうよ!」

 

 俺とトウカは、それぞれの武器にエネルギーをチャージして、トリガーを引く。

 

MAGNUM TACTICAL BLAST

CLAW TACTICAL STLASH

LIGHTNING STRIKE

 

湊翔「ハアッ!」

トウカ「セイッ!」

白夜「轟雷虎神速!」

 

 俺のマグナムシューターから放たれた銃撃、トウカのソードエクスカリバーから放たれた強力な斬撃波、白夜の強力な突き攻撃を喰らって、その魔道具は爆発した。

 すると、ジャマトが苦しみだし、消えていく。

 ジャマトが居た所には、1人の人がいた。

 ただし、透けているのだが。

 

???「ううっ…………!?」

湊翔「ジャマトが人に…………?」

トウカ「どうなってんだ…………?」

白夜「おい、アンタ。大丈夫か?」

???「あれ…………久しぶりに人を見たな。」

 

 そう言って、その男性は起き上がった。

 俺たちは、その男性の話を聞く事にした。

 その男性の名前は、五十嵐昇。

 予想通り、転生者だった。

 その際、アクアに関しては、こう言っていた。

 

昇「そのアクアという女神に、俺の死因を笑われたんだ。」

湊翔「何があったんだよ…………?」

昇「実は…………階段に何故か置いてあったバナナの皮を踏んで滑って、転落死した。」

 

 何でだよ。

 何でそんなギャグ漫画みたいな死に方で死ぬんだよ。

 というより、何でバナナの皮が置いてあるんだよ。

 色々と突っ込みたい所があるが、我慢する。

 そして、アクアから転生特典として、妖刀村正を受け取ったらしい。

 しばらく、この世界で活躍していたらしい。

 この世界での死因を聞くと。

 

昇「実は……………このダンジョンを散策してる中、大岩が転がってきてそれから逃げて、岩から逃げ切ったと思ったら、魔物の大群にも襲われて、魔物を倒しきってやっと難を逃れたと思った矢先に、階段からゴロゴロと落ちて、よろめきながら起き上がったら、さっきの大岩が転がってきて、いつの間にか潰されて死んだ。」

湊翔「運、悪すぎだろ。」

トウカ「確かに…………。」

白夜「同情するな…………。」

昇「まあ、前世から、運が悪かったしね。」

 

 いくら何でも、運が悪すぎる。

 何でだよ。

 本当に、何でそんなギャグ漫画みたいな展開で死ぬんだよ。

 本当に、同情するな。

 その後、成仏すると思ったが、その魔道具の闇に囚われて、成仏出来ずにいた。

 それで、成仏できない怒りをやってきた人間にぶつけようと考えていたが、中々人間が来ない苛立ちから邪悪な気に当てられ魔物化して、偶然湧いたジャマトに憑依してしまったとの事だ。

 まあ、気持ちは分からんでもないが、それって、八つ当たりだろ。

 それを聞いた俺たちは、微妙な表情を浮かべる。

 それを見た昇は。

 

昇「まあ…………それが正しい反応だよね。迷惑をかけたと思ってるよ。でも…………助けてくれて、ありがとう。それじゃあ…………。」

 

 そう言って、昇は成仏した。

 その場には、昇が使っていた妖刀だけが放置されていた。

 俺たちは、不運な転生者に黙祷をする。

 すると。

 

SECRET MISSION CLEAR

 

 その音声が流れる。

 スパイダーフォンを見ると、『魔道具を破壊して、転生者の魂を救った』と書いてあった。

 すると、ミッションボックスが現れて、蓋を開けると、ブーストレイズバックルが入っていた。

 

湊翔「ブーストレイズバックルか…………。」

トウカ「湊翔。お前が使え。」

湊翔「良いのか?」

白夜「そもそも、そのシークレットミッションが届いたのは、湊翔だろ?なら、お前が使うべきだ。」

湊翔「ありがとう。分かった。」

 

 俺は、ブーストレイズバックルを手に入れ、そのダンジョンから出ていく。

 しばらくして、アクセルのギルドに到着して、調査結果の報告を、トウカと白夜に任せて、俺は妖刀を持って、クリスの所へ。

 

湊翔「クリス。」

クリス「どうしたのさ?」

湊翔「これ、転生者が持っていた妖刀だ。」

クリス「回収してたの!?」

湊翔「ついさっき、ダンジョンで回収した。」

クリス「分かった。これは、預かっておくね。」

湊翔「頼む。」

 

 俺は、クリスに妖刀を渡して、その場から去る。

 すると、スパイダーフォンに通知が来る。

 

湊翔「ん?」

 

 それは、運営側からで、ミッション達成の報酬として、3000万エリスを転送するとの事だ。

 

湊翔「ありがたいけど、これは、借金の返済に回すかな。」

 

 何せ、俺とカズマの借金を合わせて、12億もあるのだ。

 こればっかりは、借金の返済に回そう。

 しばらくすると、カズマ達が戻ってくる。

 キールダンジョンの新たな部屋にリッチーとなったキールがいたそうで、そのキールから浄化してくれたお礼という事でお宝を受け取った様だ。

 すると。

 

龍「やあ、お帰り。」

湊翔「龍、アフロディテ。」

トウカ「2人とも、こんな所で何をしているんだ?」

アフロディテ「皆がクエストに出かけて、疲れてるかもって思ってね。」

龍「ギルドの厨房を少し借りて、料理を作ったんだ。」

 

 そう言って、大皿に乗った料理を運んでくる。

 どれもこれもが美味そうだな。

 

カズマ「すっげ〜!美味そうじゃねぇか!」

アクア「この私に相応しいわね!」

めぐみん「食べちゃって良いんですか!?」

アフロディテ「ええ、勿論。」

龍「というより、少し作り過ぎたから、良かったら、他の奴らも食べてくれ。」

ダスト「マジかよ!?」

リーン「なら、お言葉に甘えて!」

 

 こうして、ギルド内は、宴会となった。

 俺たちは、龍とアフロディテが作った料理に舌鼓を打ち、シュワシュワを飲み、盛り上がった。

 たまには、こういうのも悪くないのかもしれないな。

 ただ、アクアが虹色のゲロを吐いたが。




今回はここまでです。
湊翔、トウカ、白夜の三人だけでダンジョンに向かい、そのダンジョンの奥に居たジャマトを倒しました。
ブーストレイズバックルも手に入れる事が出来ました。
昨日のギーツに登場したレイジングフォーム、コマンドフォームに関しては、紅伝説に相当するエピソードで出そうかなと思っています。
ハンス戦では、リクエストがあったギーツの強化形態を出そうと思っています。
バニル戦で、ジャマトライダー、フィーバースロットレイズバックルが出ます。
MOVIEバトルロワイヤルにて、仮面ライダーシーカーの存在が明らかになりましたね。
次回のギーツで登場する仮面ライダーグレアに関しては、変身者は未定です。
特に、デザグラの運営が、湊翔を排除させようとはしてないので。
いずれ、ジャマト農園の方も出したいと思います。
MOVIEバトルロワイヤルに相当するエピソードでは、この小説と、このすばとリバイスの小説が合わさったエピソードになります。
その為、このすばとリバイスは、今後の展開のネタバレになります。
コマンドツインレイズバックルは、運営が湊翔とカズマの2人に送る感じになります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第21話 ララティーナのお見合い

 ダンジョンの探索を終えた、ある日の冬下がり。

 俺、カズマ、めぐみん、トウカ、白夜は、龍とアフロディテに呼び出されていた。

 デザイア神殿内のトレーニングルームに集まっていた。

 

湊翔「どうしたんだよ、2人とも?」

龍「いや、冒険者の先輩として、お前達に稽古を付けようと思ってな。」

トウカ「良いのか?」

龍「ああ。」

アフロディテ「皆、頑張ってね。」

 

 俺と龍は向かい合い、お互いに身構える。

 変身せずに、戦闘をする事になった。

 しばらくの間の末、俺と龍は駆け出して、攻撃しあう。

 お互いの攻撃を受けつつ、相手に反撃する。

 そんな感じに。

 しばらくして、俺と龍はお互いに倒れ、天井を見る。

 

湊翔「ハァ…………ハァ…………ハァ…………。」

龍「やるじゃないか…………。」

湊翔「俺だって…………やる時はやるんだよ。」

龍「そうみたいだな…………。」

アフロディテ「2人とも、お疲れ様。」

 

 俺は、龍の言葉にそう答える。

 その次に、カズマが前に出る。

 

カズマ「次は俺だ。」

龍「おう。」

 

 カズマは、ニンジャデュアラーを持って、龍に挑んでいく。

 龍も、フリートフォームでの剣を持って、カズマと戦っていく。

 2人の剣裁は続いていく。

 しばらくして、龍がカズマに剣を突きつける。

 

カズマ「くそっ…………負けたか。」

龍「いや。結構ヒヤヒヤしたぞ。」

 

 次は、めぐみんが行く。

 

めぐみん「紅魔族随一である私も、近接戦で戦える事を証明してみせましょう!」

龍「おう。」

アフロディテ「あんまり、やり過ぎないでね?」

龍「分かっているさ。」

 

 めぐみんはビートアックスを手に、龍に向かっていく。

 めぐみんの攻撃を、龍は躱していき、最後は、めぐみんにデコピンをする。

 

めぐみん「アイタっ!?」

龍「少しはやるけど、まだまだだな。」

湊翔「大人気ないぞ。」

龍「フッ。」

 

 龍の奴、鼻で笑って誤魔化したな。

 次は、トウカが出る。

 

トウカ「次は私だ。」

龍「おう。かかってこい。」

 

 トウカはソードエクスカリバーを構えて、龍はフリートフォームでの剣を持って、お互いに向かっていく。

 2人は、お互いの剣をぶつけ合う。

 2人の剣裁は、凄まじいの一言だった。

 しばらくして、2人は、お互いの喉元に、剣を突きつける。

 

トウカ「引き分けか…………。」

龍「そのようだな。」

アフロディテ「2人とも、やるじゃない。」

湊翔「ああ。」

 

 それを見ていた俺たちは、そう言う。

 最後に、白夜が前に出る。

 

白夜「次は俺だ。」

龍「そうだな。」

 

 白夜と龍は、素手でお互いに向かっていき、格闘戦を行う。

 2人の格闘戦は、凄まじいの一言だった。

 やはり、白夜の格闘技術の高さには、驚かされるよな。

 しばらくして、2人はクロスカウンターを叩き込み、倒れる。

 

白夜「やんじゃねぇか……………。」

龍「お前もな……………。」

 

 白夜と龍は、お互いを認め合った。

 その後、俺たちは特訓をした。

 特訓を終えた後、俺は龍に呼び出された。

 

湊翔「何だ?」

龍「お前に渡したい物がある。」

 

 そう言って、龍が渡してきたのは、レイズバックルだった。

 だが、マグナムやブーストなどと比べると、更に大きく、真ん中にレイズバックルがはまりそうなスロットがあった。

 

湊翔「これは?」

龍「ワンダーレイズバックル。それで、ギーツの強化が出来るぞ。」

湊翔「そうか。」

 

 龍曰く、デザイアドライバーの両側に装填して、真ん中に大型レイズバックルを装填する事で、強化ができるそうだ。

 というより、こんなレイズバックルをどうやって手に入れたんだ。

 気になる事はあったが、受け取った。

 それから数日後。

 

アクア「へっくしょい!」

カズマ「おやおや風邪かい?……気をつけるんだよ。」

アクア「カズマさんこそ鼻声じゃない。早くこのジャージ直してあげるわね。」

カズマ「………それ暖炉に入れて燃やしたの、お前だけどな。」

 

 アクアは、カズマのジャージを直していた。

 カズマは、鼻声だった。

 すると、アクアから、腹の虫が暴れる音が聞こえてきた。

 

カズマ「おやおやお腹が空いたのかい?」

アクア「そういえば、朝ご飯まだだったわね。」

カズマ「調子に乗って有り金全部酒代に使ったの、お前だけどな。」

 

 と、カズマとアクアが変な会話をしていた。

 その時、アクアが震え出して。

 

アクア「………………だって!皆楽しそうに飲むんだし!」

カズマ「…………。」

アクア「それ、ベットの下に隠してた高級シュワシュワに見えるんだけど……。」

カズマ「質屋、開いてるよな。」

 

 一方、俺達は。

 

めぐみん「ちょむすけ、置いで。」

湊翔「あいつらどうするんだ?」

トウカ「知らないぞ。アクアが悪いんだし。」

白夜「関わらない方が良いな。」

 

 関わらない様にした。

 アクアは、カズマに掴み掛かる。

 

アクア「返して!その子が最後の一本なの!最後の希望なの!!」

カズマ「今すぐ金に換えてきてやる!それが嫌だったら今、ここで飲んでやる!少しは冷えた体もあったまるだろ!」

アクア「やめて!私、それを抱いてないと眠れないの!!」

カズマ「人のジャージ燃やしといてよく言うな!だったらその羽衣、ちょっと売ってこい!」

アクア「何言ってんの?この羽衣は女神としてのアイデンティティだから、売れる訳ないでしょ!バカなの?何バカ言ってんの!?」

カズマ「………スティール!!」

 

 駄々をこねたアクアにカズマがスティールを唱えると、羽衣がカズマの手に。

 

アクア「あ、アァァァァァ!!カズマ様!調子に乗ったのは謝るから!やめて、やめて!」

カズマ「うるさーい!借金は減らないしダクネスは帰ってこないんだぞ!!おまえもう少し緊張感持てよ!!」

 

 確かに、借金は減らないし、ダクネスは未だにあの領主の元から帰ってこない。

 カズマの言う通り、もう少し緊張感を持った方が良いのかもしれない。

 その時。ドアが勢いよく開かれた。

 

???「大変だカズマ!大変なんだ!!」

「「「「「「…………誰?」」」」」」

 

 そこにいたのはドレスを着た1人のお嬢様であった。

 

カズマ「…………あんた誰?」

???「ウゥゥン!カズマ、今はそんなことをしてる場合じゃない!」

 

 この声の感じ……。

 まさか!

 

カズマ「お前、ダクネスか?あぁ!心配かけやがって!」

アクア「ダクネス!!カズマが、カズマが!私の大事な物を売り飛ばそうと!!」

ダクネス「なっ!?」

カズマ「おーい!言い方!?」

 

 確かにその言い方じゃ、誤解が起こる。

 めぐみんが涙ぐみながら、ダクネスに近づく。

 

めぐみん「お帰りなさい。ダクネス。」

ダクネス「あぁ。ただいま。?その猫は?」

めぐみん「何があったのかは聞きません。まずはゆっくりお風呂に入って下さいね。」

ダクネス「いや、何を言っている。それよりアクアの特殊プレイが気になる………?」

 

 アクアがダクネスのドレスの腕の部分を摩っていた。

 

アクア「間違い無いわ。高級品よ。」

カズマ「…………苦労を掛けたなぁ。」

湊翔「…………本当にすまない。」

ダクネス「一体何を言っている!?領主に弄ばれたと思っているのか!?」

 

 俺達が泣き出すと、ダクネスが叫んだ。

 

カズマ「そうだよ。ほら、暖かいお風呂に入って泣いてくると良い。」

湊翔「そうだぜ。大人の階段を登ったんだからさ。望まない形とはいえ、良かったな。」

ダクネス「違う!領主も私相手にそんな事をする度胸は無い!!それよりこれを見てくれ。」

 

 と、一枚の絵を渡された。

 そこには中々のイケメンの男が写っていた。

 

湊翔「なんだこれ?」

カズマ「おーーー。何だこのイケメンは?ムカつく。」

ダクネス「何をするんだ!?」

カズマ「手が無意識に。」

 

 カズマがその絵を引き裂いた。

 ただし上半分のみだったので、修復をアクアに任せて、俺達はダクネスに事情を聞く事にした。

 

カズマ「あれが領主の息子ねぇ。」

ダクネス「奴め、領主としての立場が危うくなったのか、息子との見合いを持ち掛けてきたのだ。父もそれに乗り気で、ここ数日帰って来れなかったのは何とか見合いを阻止しようとしたのだ。頼む!私と一緒に父を説得してくれないか?」

湊翔「でも、俺達の意見を聞いてくれる可能性はかなり低いぜ。」

白夜「そうだぞ。」

 

 そう、相手は貴族。

 俺達平民の意見なんて無視出来る。

 と、アクアが修復した絵をカズマに渡した。

 

アクア「はい、これ。どう?完璧じゃない?」

カズマ「お前、こう言う所だけは多芸だよな。」

 

 確かに、何の問題も無く修復されていた。

 そんな事よりダクネスの見合いに関してだ。

 どうしたもんかな…………。

 その時、突然カズマが叫んで紙を完全に引き裂いた。

 

カズマ「これだァァァァァァ!!」

「「「「アァァァァァ!!」」」」

湊翔「何かいい案を思いついたのか?」

カズマ「あぁ!ダクネス。見合いを受けろ。」

 

 その後、外で。

 

ダクネス「見合いを受けろとはどう言う事だ!」

めぐみん「このままダクネスがお嫁に行っていいんですか!?」

トウカ「一体何を考えてるんだ!?」

白夜「…………。」

 

 カズマに非難が殺到した。

 理由は本人が言ってくれるから。

 まあ、俺も大体分かっているのだが。

 

カズマ「見合いを断った所であの領主はさらに無理難題をふっかけてくるに決まってる。」

めぐみん「!確かに。」

湊翔「だから、あえて見合いを受けた上でぶち壊す。」

ダクネス「ブ!?」

白夜「流石に家の名前に傷がつかない程度なんだけどな。」

ダクネス「それだ!それで行こう!上手く行けばいちいち父が持ってきた見合いを張り出さないですむ!!」

 

 親父さん可哀想。

 よほど苦労したんだな。

 すると。

 

セナ「あの、桐ヶ谷湊翔さんと佐藤和真さんは居ますか?」

湊翔「どうしたんですか?」

セナ「実は、キールダンジョンで、謎のモンスターが発生したんです。」

 

 キールダンジョンで、謎のモンスター?

 待ってくれ。

 それ、俺は関係ないだろ。

 

湊翔「でも、キールダンジョンには、俺は行ってないですけど………。」

セナ「それは、分かっているんですが、一度、確認してもらえたらなと………。」

めぐみん「悪いですがお断りします。今、大事な仲間の危機なんです。」

ダクネス「めぐみん……!」

カズマ「おい、落ち着けよ…………。」

 

 カズマがそう言おうとする中、何かを考えるような仕草をして、めぐみんに声をかける。

 

カズマ「めぐみん。そっちはお前に任せる。謎のモンスター相手なら爆裂魔法で一掃できるだろうな。」

めぐみん「しかし、ダクネスが……………!」

カズマ「何、俺たちに任せろ。そっちはお前にしか出来ないんだ。」

めぐみん「私にしか……………!?」

カズマ「任せたぜ!最強のアークウィザードにして仮面ライダーナーゴ!」

めぐみん「任して下さい!!」

 

 多分、今のは口実で、本当は来て欲しくないんだろうな。

 俺達は、めぐみんを手伝うと言って離脱した白夜を除いてダクネスの屋敷に向かう。

 ちなみに、龍とアフロディテは、どこかへと出掛けていた。

 

イグニス「本当か!?ララティーナ。見合いを受けてくれるのか?」

ダクネス「えぇ、お父様。ララティーナは見合いを前向きに受けてみようかと思います。」

「「「「……………。」」」」

 

 俺達はダクネスが普段使わないお嬢様言葉に吹き出しそうになった。

 あのトウカでさえもだ。

 ダクネスが涙目で睨んできた。

 親父さんが後ろの俺達を見て聞いてきた。

 

イグニス「ララティーナ?その後ろの4人は?」

ダクネス「私の冒険者仲間です。今回の見合いには臨時の執事とメイドとして同伴させようかと思いまして。」

イグニス「…………。」

 

 その後許可を貰えた俺達はダクネスの家のメイド達から俺とカズマは執事服を、トウカとアクアはメイド服を借りた。

 

メイド「サイズはどうですか?カズマ殿、湊翔殿?」

カズマ「あ、はい。」

湊翔「大丈夫です。」

 

 俺達は執事服に着替えた。

 まさか、この世界で、執事服を着ることになるとはな。

 前世では執事服は着たことがないからな。

 女性陣もメイド服に着替えたらしい。

 

カズマ「似合ってるじゃないか。一流の使いっ走りみたいだぞ。」

アクア「カズマこそ、先輩に虐められて、屋敷の裏で泣いてる執事見習いみたいね。」

湊翔「結構似合ってるじゃん。」

トウカ「…………ありがとうね。」

 

 お互いに感想を言い合っていた。

 なんかトウカが顔を赤くして、カズマから憎悪の視線を感じる。

 でも、実際に似合っている。

 

カズマ「………おっと、面白い事言ってくれるじゃねぇか。ここが貴族の屋敷じゃなかったらエライ目に合わせてたぞ。なぁララティーナお嬢様?」

ダクネス「ラ、ララティーナと呼ぶな!」

 

 ドレスに着替えたダクネスと共に親父さんの元へ向かう。

 だが、俺はカズマと共に親父さんに頼まれた事がある。それは、娘が粗相をしない様に頼むという事である。

 もし、縁談がうまく行ったら、報酬を出すという。

 俺はカズマに、その事を任せて、1人の執事としてあろうとした。

 

イグニス「お前が縁談を受けてくれて良かった。幸せになるのだぞ。ララティーナ。」

ダクネス「嫌です、お父様。ララティーナは見合いを前向きに検討するといっただけです。」

イグニス「何だと……………!?」

ダクネス「そして前向きに検討した結果、やはり嫁入りは早いと分かりました。…………今更もう遅い!見合いを受けはしたが、結婚するとは言っていない!ぶち壊してやる!見合いなんてぶち壊してやるぞ!!」

イグニス「ララティーナ……………!?」

 

 我慢の限界と言わんがばかりに親父さんに本性を現す。

 その時、俺達はダクネスを止めにかかった。

 

カズマ「はしたない言葉遣いはお辞めください。先方に嫌われてしまいますよ。」

ダクネス「貴様、裏切る気か!?」

湊翔「今の私達はダスティネス家の臨時執事。お嬢様の幸せが自分の幸せです。」

イグニス「おお!カズマくん!湊翔くん!」

ダクネス「カズマ!湊翔貴様ら!!」

 

 ダクネスは、俺たちに掴みかかってきた。

 その時、取っ組み合いが始まろうとした時に、タイミング良く、ドアが開いた。

 そこには従者を2人連れた、例のバルターがやってきた。

 

イグニス「おお!バルター殿。あ!」

ダクネス「よく来たな!貴様が私の見合い相手か私はダスティネス・フォード・ララティーナ!私の事はダスティネス様と呼………ベッ!」

カズマ「お嬢様!お足元にお気をつけて!」

 

 カズマがドレスを踏んで、物騒な事を口走ろうとしたダクネスを転ばせた。

 その後、怪我は無いかどうかの確認をさせて欲しいと言って一旦退出した。

 そしてダクネスに文句を言われた。

 

ダクネス「手助けをしてくれるのでは無かったのか!?」

カズマ「お前さ、家の名前に傷をつけないというのを忘れてないか?」

湊翔「流石にさっきのはダメだろ。」

ダクネス「悪評が立って、嫁の行き手がなくなれば、心置きなく冒険者稼業が続けられる。勘当されるのも覚悟の上だ。それでも必死に生きようと無茶なクエストばかり受けるようになるかもしれない。そして、やがて力及ばず魔王軍の手先に捕らえられ、組み伏せられて……………っ!…………私はそんな人生を送りたい!!」

カズマ「それは魔王じゃないよ。乳だよ。……お前とうとう言い切りやがったな。」

湊翔「何でこうなるの?」

トウカ「ダクネス………親父さんが可哀想だろ。」

 

 俺達はダクネスの妄想を聞いていて、呆れてきていた。

 本当に、親父さんは苦労したんだろうな。

 

ダクネス「大体、あの男は私の好みのタイプでは無いのだ。まずこいつは、人柄が物凄く良いらしい。誰に対しても怒らず、努力家で、最年少で騎士に叙勲されたらしい。」

アクア「良い相手だと思うけど。」

湊翔「ダメな要素が何一つ無い。」

トウカ「寧ろすごいじゃないか。」

 

 ダクネスの言葉に、俺たちはそう言う。

 確かに、あのアルダープの息子とは思えない程に、良い奴だな。

 すると、ダクネスは大きく叫ぶ。

 

ダクネス「どこが!?まず、貴族なら貴族らしく常に下卑た笑みを浮かべていろ!あの男の曇りなき真っ直ぐな視線はなんだ!もっとこう………よくカズマが向けてくる、舐め回す様ないやらしい視線で見られないのか!?」

カズマ「そそそ、そんな目で見てないし!?」

 

 カズマ、挙動不審になってるぞ。

 俺は、カズマに呆れた視線を向ける。

 

ダクネス「何をしても怒らない?バカが!失敗したメイドに、お仕置きと称してアレコレやるのは貴族の嗜みだろうが!」

湊翔「そんな考えを持ってるのはお前だけだと思うぞ。」

 

 そんな俺のツッコミを気にせず、ダクネスは熱弁する。

 

ダクネス「そもそも私の好みのタイプは、あの様な男とは正反対なのだ!外見はパッとせず、体型はひょろくてもいいし太っていてもいい。私が一途に想っているのに、他の女に言い寄られれば鼻の下を伸ばす意思の弱いのがいいな。年中発情していてスケベそうなのは必須条件だ。出来るだけ楽に人生送りたいと、人生舐めてるダメな奴がいい。借金があれば申し分ないな!そして、働きもせずに酒ばかり飲んで、俺がダメなのは世間が悪いと文句を言い、空の瓶を私に投げてこう言うのだ!『おいダクネス、そのいやらしい体を使ってちょっと金を稼いで来い!』…………んあっ!んんっ!!」

 

 あぁ、この女はもうダメだ。

 手遅れすぎて逆にドン引きする。

 

湊翔「ダメだこりゃ。トウカ。お前の親友、色々と手遅れだろ。」

トウカ「だよなぁ…………。」

 

 俺とトウカの嘆きが、小さく響く。

 その後、ダクネスの親父さんとバルターが歓談している所を合流した。

 親父さんには一応、アイコンタクトで謝っていたが、気にするなと視線で送られた。

 

バルター「………では、改めて自己紹介を。アレクセイ・バーネス・バルターです。」

ダクネス「私はダスティネス・フォード・ララティーナ。当家の細かい紹介は省きますわね。成り上がり者の領主の息子でも知っていて当然ァァァァァァ!!」

バルター「ど、どうされました?」

 

 ダクネスはカズマにフリーズを掛けられて失礼な事を妨害された。

 

ダクネス「い、いえ……。バルター様のお顔を見ていたら気分が悪くんんーっ!」

カズマ「お嬢様は、バルター様とお会いになるのを楽しみにしておりましたので。」

バルター「そ、そうなんですか?い、いやお恥ずかしい…………。」

 

 カズマのフォローにバルターは照れたのか顔を赤くする。

 そしてカズマはダクネスにのみ聞こえるぐらいの声で。

 

カズマ「…………おいお嬢様、これ以上いらん事言ったらもっと冷やすからな。」

ダクネス「…………ご、ご褒美だ……。」

 

 当家のお嬢様はいつだってブレない。

 それはトウカも見ていたようで、ブレないダクネスに呆れた表情を見せていた。

 

イグニス「ハハハッ!私がいてはお邪魔かな?」

 

 そう言って親父さんは席を外した。

 去り際に俺とカズマとトウカに『頼む。』とボソリと囁いた。

 現在は、ダクネスとバルターは、俺達4人を引き連れて、庭の散歩をしていた。

 カズマにダクネスを任して、俺とトウカは今の流れを確認していた。

 なんかアクアが池の魚を集めていた。

 

湊翔「一応、問題無く進んでいるみたいだ。」

トウカ「ダクネスの親父さんに頼むって言われたけど、私、このままで終わるとは思えないんだけど。それに、ダクネスが望んではいないとは言え、あの人悪くないと思うんだけどな。」

湊翔「………そうなんだよな。ダクネスの幸せを求めるか、親父さんの為にバルターと結婚するかどうかなんだよな。」

 

 まあ、ダクネスなら前者を選ぶだろうけど。

 その時、少し目を離して、戻すと、ダクネスがスカートを切り裂いて、決闘騒ぎになっていた。

 

30分後……。

 

 修練場にて。

 

バルター「もういいでしょう!何故諦めないんですか貴女は!」

ダクネス「どうした、遠慮などせずもっとどんどん来い!徹底出来る強さを見せろ!」

 

 バルターは、勝負には優勢なのにも拘らず、切羽詰まった声を出していた。

 実力は、バルターの方が上だ。

 だが、この変態はしつこかった。

 バルターは木刀を捨てた。

 

バルター「参りました。技量では勝っていても、心の強さで負けました……。あなたは、とても強い人だ。」

 

 一見、固い意思を示したダクネスに折れたみたいな感じになっているが、内情を知っている俺には感動出来ない。

 カズマとトウカも同じ様な表情をしていた。

 その後、ダクネスはカズマと決闘を行い、カズマが勝った。

 その際、カズマとバルターが処刑されそうになっていた。

 その後、カズマとバルターは、何とか誤解を解き、応接間へ。

 俺たちは、素性をバルターに明かしたが、最初から分かっていたとの事。

 イグニスさんは、独白し始める。

 

イグニス「娘は、クルセイダーになっても1人きりで、エリス様に毎日、冒険仲間が出来ます様にとお願いしていて、ある日、娘が初めて仲間が出来た、盗賊の女の子とソードマスターの女の子と仲間になったと喜んで……。」

湊翔「…………そうなんですか。」

トウカ「ああ。」

 

 恐らく、盗賊の女の子がクリスで、ソードマスターの女の子がトウカの事だろう。

 すると、バルターが口を開く。

 

バルター「ララティーナ様は、素晴らしい女性だと思いますよ?カズマ君か湊翔君がいなければ僕は本気でララティーナ様を妻に貰いたいと思っています。」

湊翔「……………バルター殿。ダクネスはどちらかと言うとカズマの方に惚れてると思いますよ。」

バルター「そうですか。カズマ君はララティーナ様を幸せに出来るだろう。」

カズマ「よし、お前ちょっと表に出ろ、ぶっ飛ばしてやる。」

アクア「カズマさん落ち着いて!」

 

 カズマが俺に恨めしい目を向けている。

 すまんな、ダクネスは、俺の事を意識してるとは思えないからな。

 

イグニス「バルター殿。娘がもし行き遅れた時はもらってやってはくれないか?」

バルター「えぇ?いや…………それはいいのですが……………。」

イグニス「そして、カズマ君、湊翔君。そしてトウカ君。」

カズマ「えっあ、はい。」

湊翔「何でしょうか?」

トウカ「どうされました?」

イグニス「この娘が馬鹿をやらないように見張ってくれ。頼む。」

 

 親父さんから頼まれたんじゃあ、とても断れないよな。

 その時、ダクネスが目覚めた。

 

ダクネス「ん……。ここは。はっ!もしかして事後なのか?」

カズマ「違うわ!ただ単に気絶させられただけだからな!!」

ダクネス「…………フヒッ。」

カズマ「え?フヒッ?」

 

 ダクネスがカズマを見てなんか思いついたかのように笑った。

 

ダクネス「バルター殿。今回のお見合いは無かった事にしてくれませんか?実は、お腹にこのカズマとの子供が……。」

カズマ「おぉい!童貞に対して何言ってんだ!」

 

 ダクネス、結構大胆な事をするね。

 トウカは嘘だと分かってるからか、呆れた表情をしている。

 

バルター「分かりました。父上には私から断った事にします。」

 

 そう言って、バルターは退室していった。

 そんな中。

 

イグニス「おぉぉぉ!私に孫が…………!!」

アクア「広めなきゃ………!カズマさんとダクネスがそこまで行った事を広めなきゃ…………!」

カズマ「なんで、お前ら信じてるんだー!」

 

 親父さんとアクアが動揺している所にタイミング良く。

 

セナ「桐ヶ谷湊翔さんと佐藤和真さんは、居ませんか!!」

「「「「「「…………ん?」」」」」」

 

 セナさんが、めぐみん、白夜の2人を引き連れて乱入してきた。




今回はここまでです。
湊翔は、オリジナルのレイズバックルを手に入れました。
そのレイズバックルは、龍が作成した物です。
何故、龍がレイズバックルを作る事が出来たのかは、いずれ明かします。
今日のギーツは、衝撃的でした。
英寿が脱落するわ、グレアの変身ベルトのビジョンドライバーのシステムボイスが松岡禎丞の可能性が高いわ、プレバン行きになりそうな気がするわ。
それにしても、主役が脱落するとは。
次回は、ドンブラザーズが1時間か、仮面ライダーギーツを打ち切りにして、仮面ライダーシノビがスタート!?(嘘)
割とすぐに記憶を取り戻しそうですね。
この小説での、グレアの変身者は、検討中です。
何せ、現状、デザイアグランプリの事を疑っているのは、トウカだけですし。
以前、アクセルハーツを出すのは、MOVIEバトルロワイヤルの時と言いましたが、希望の迷宮と集いし冒険者たちのエピソードの時に変更したいと思います。
それにしても、城戸真司、秋山蓮、浅倉威が、登場するとは。
デザイアグランプリの闇に関しては、これから描写していきます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第22話 思わぬ強敵

 少し慌てたような雰囲気を醸し出して王国検察官のセナが入ってきた。

 

湊翔「今度はどうしたんですか?」

カズマ「何もしてませんよ。」

セナ「はい。寧ろ、湊翔さんはともかく、カズマさんにはついてきて貰いますよ。」

カズマ「なんでだよ!?」

 

 セナは理由を説明し出した。

 

セナ「サトウカズマのパーティが最後に入ったキールダンジョンから謎のモンスターが湧いてきたのです。」

湊翔「え?」

セナ「もしかしたら、貴方達が呼んだ可能性がありますので。」

カズマ「ちょっと待って下さい。………お前ら何もしてないよな。」

めぐみん「私は爆裂魔法絡みでなければ違いますよ。」

ダクネス「私も、見合いの話でとてもキールダンジョンには行けないからな。」

 

 という事は、最も疑わしいのは。

 

カズマ「おい、アクア。一応聞いておくが何もしてないよな?」

アクア「はぁー!?何言ってんの!寧ろ私のお陰でモンスターが湧かないはずなのに!」

湊翔「?私のお陰?」

カズマ「………ちょっと失礼。」

 

 と、カズマは、アクアと共に後ろに行き、何やらコソコソ話していた。で、俺はセナさんと話していた。

 

湊翔「セナさん。その謎のモンスターは、キールダンジョンの周辺に確認されてるんですか?」

セナ「はい。現状、キールダンジョンから離れていません。」

湊翔「てことは、やっぱりキールダンジョンの中に何かがあると言う事か。分かりました。俺たちも向かいます。」

トウカ「確かに放ってはおけないな。」

カズマ「この、バカがー!!」 

 

 カズマの叫びが入った。

 その後、カズマ達のパーティも向かう事になって、執事服とメイド服をダスティネス家に返して、元の服装に戻った。

 そして、明かされたのは、アクアがまたやらかした事だ。

 前回、キールダンジョンに潜った時にキールを浄化したと聞いたが、その時に使った魔法陣が未だに残っていると言う事だ。

 つまり、もしそれがセナにバレれば、俺達は魔王軍の関与を疑われる。

 

アクア「うぇぇぇん!」

カズマ「お前は、一ついい事をしたら、2つで足を引っ張らなきゃ気が済まないのか?」

アクア「だって、だって!」

湊翔「今はそんな事言ってる場合じゃないだろう。」

トウカ「そうだぜ。2人とも落ち着けって。」

 

 そう言っている内にキールダンジョンの前に到着する。

 そこにはセナさんが呼んだであろう冒険者達が集まっていた。

 その中には、ミツルギとそのパーティーメンバー、ゆんゆん、ダスト、リーンの姿もあった。

 だが、ミツルギのパーティーメンバーは、カズマと白夜に、殺意を思わせる視線を向けていた。

 ちなみに、ゆんゆんにミツルギのパーティーメンバーも仮面ライダーになった様だ。

 

湊翔「セナさん、お待たせしました。」

セナ「湊翔さん。サトウカズマさんのパーティも来たようですね。」

トウカ「それで、謎のモンスターは?」

セナ「あれです。」

 

 そこにいたのは、仮面を被った男と思われる小さい人形だった。

 

湊翔「なんか、小さいな。」

白夜「あれ、めっちゃ厄介なんだ。」

トウカ「?どう言う事?」

白夜「見てれば分かる。」

アクア「あら、何よこれ?見てるとムカついてくる顔だけど意外と可愛いじゃない……!」

 

 と、人形に掴まれたアクアは人形の自爆に巻き込まれた。

 

セナ「という感じで、この人形は攻撃はしませんが、自爆するタイプでして。」

カズマ「なるほど。」

アクア「なんで冷静なのよ!」

 

 その後、カズマとダクネスと俺とトウカの4人で向かう事になった。

 白夜は一度入って、痛い目にあったから無理だそうで、めぐみんは爆裂魔法を使えない事もあって、外で待機。

 アクアは以前キールダンジョンに行った時に刻まれたトラウマで行くのを拒否した。

 ダンジョンに入る際にカズマが術者を封じるお札をもらっていた。

 ダンジョンにて。

 

ダクネス「当たる!当たるぞ!カズマ、湊翔、トウカ!こいつら私の剣でも当たるぞ!!」

 

 ダクネスはゾンビブレイカーを持って、嬉々としながら言う。

 この場合は、クルセイダーとしてまともに戦えている事からだろうか。

 

湊翔「よかったな。ダクネス。」

トウカ「まあ、両手剣スキルを覚えたからな。」

カズマ(でも、こいつらがいると魔法陣を消せないな。)

 

 その時、冒険者の方に人形が張り付いて、冒険者達はその対応に追われていた。

 彼らには悪いが、俺達は先に行ってるとしようかね。

 そうしてダクネスを先頭に俺達はカズマの案内の元、最深部へと向かった。

 そうして最深部へとついたが、変な男がいた。

 そいつは土を捏ねてあの人形を精製していた。

 あいつがあの人形達の首領か?

 

ダクネス「おい貴様だな?変なモンスターを作り出しているのは!」

 

 なんと、ダクネスがいつの間にかそいつにゾンビブレイカーを突き付けて、俺達もそれぞれの武器に手をかける。

 だが、その男は動揺の気配を見せず、俺達の方を見る。

 

バニル「ほう。よもやこの場所までたどり着くとはな。いかにも。吾輩がこの人形達を作り出していた元凶、魔王軍幹部にして地獄の公爵、全てを見通す大悪魔、バニルである。」

 

 まさかの魔王軍幹部が登場するとは!

 

湊翔「全員、警戒を緩めるなよ!!」

バニル「まあ、落ち着くが良い。吾輩はただ、魔王にベルディアが消息を絶った理由を調べてこいと言われただけだ。先程の屋敷で、そこの蜥蜴の戦士のメイド姿を見て、可愛いと思った狐の戦士よ。」

湊翔「ちょっと待て!?なんで見てきたみたいに言ってるんだよ!!」

トウカ「………そうなのか?」

湊翔「そうですけど!…………俺の腹を覗くのはやめてくれ!」

 

 まさかのおちょくられた。

 見通す悪魔と自称していたが、本当に見通していたのか。

 ちなみに、トウカは照れていたが、真っ先に斬ろうとしていたので、少し抑えた。

 その後、バニル曰く、魔王軍幹部といっても結界の維持をしているだけのなんちゃって幹部らしい。

 バニル達悪魔は、人間の悪感情を食事する関係上、美味しいご飯製造機と人間を見ており、人間が傷つくことはナンセンスとしている。

 悪感情と言っても悪魔によって好みは分かれるようで、バニルの場合は、絶世の美女だと思わせて誘惑させた所で「残念吾輩でした!」と、血の涙を流す感情が好みだと言う。

 カズマが気になった事があると言って、バニルに聞いた。

 

カズマ「だったら、あの人形はなんだよ?人間達が苦労してるんだが?」

バニル「なんと。吾輩はバニル人形を使ってモンスターを駆除していた筈が、外に溢れていたとはな。なら、バニル人形の量産は中止して、計画を次の段階へと移行するか。」

 

 そう言うと、先程まで作っていたバニル人形が土に戻った。

 

トウカ「計画?一体なんなんだ?」

バニル「まあ、そうカッカするではない。そこの狐の戦士と共に風呂に入って、次に一緒に入るのを楽しみにしている蜥蜴の戦士よ。」

カズマ「湊翔!?お前もトウカと一緒に風呂に入ったのかよ!!」

トウカ「ちょっと待て!今聞く事じゃないし、そうやって言うのはやめろよ!!」

ダクネス「どうだったのだ!?湊翔はお前を襲ったのか!?」

湊翔「今聞く事じゃねぇ!!」

 

 バニルの言葉に、俺たちはそう言い合う。

 それを見ていたバニルは、満足気に言う。

 

バニル「汝らの羞恥の悪感情、大変に美味であるな。さて、吾輩は悠久に近い時を過ごしてきてなとびきりの破滅願望があるのだ!まず、ダンジョンを手に入れる!次にそのダンジョンに大量の罠と吾輩の部下の悪魔達を待機させ、冒険者が最終的に最深部に辿り着いた時に相手をするのはもちろん吾輩!激戦の末に吾輩は敗れ、宝箱が出現する。その宝箱の中身は……!スカと書かれた紙切れが。それを見て呆然とする冒険者を見て、吾輩は滅びたい。」

湊翔「随分と碌でもないな。」

 

 それは冒険者にとって物凄い不憫な物だ。

 下手したら、ショックで立ち直れなくなるんじゃないか?

 

バニル「だが、どういうわけか、この先には入れないのだ。まるで結界が敷いてあるかの様だ。」

カズマ(またあいつか。)

バニル「ほう。貴様の仲間がこれを設置したという事か。どれ、ちょっと拝見……。」

 

 カズマを見ていたバニルが唐突に大きな笑い声を出す。

 

バニル「何という事か!吾輩ですら入れない結界を敷くとはな!!よもや!!ふむ、見える、見えるぞ。プリーストが優雅にお茶を飲んで寛いでいる姿が!!」

 

 アクアの奴!

 何のんびりしてんだ!!

 

バニル「さぁ、そこを退け、戦士共!何、人間は殺しはしないさ。あくまでも人間はな!こんな迷惑な魔法陣を敷きおって!一発キツイのを喰らわしてくれるわ!!」

 

 どうやら、アクアが女神だという事は認識したらしいな。

 

ダクネス「エリス教徒として、アクアには手を出させない!!」

湊翔「しょうがない!行くぞ!!」

 

 俺たちは、デザイアドライバーを装着して、レイズバックルを装填する。

 

SET

 

 俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が浮かぶ。

 全員が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「変身!」」」」

 

 そう叫んで、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

ZOMBIE

CALIBER

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォームに変身する。

 そして、バニルと交戦する。

 

バニル「フハハハハハ!どうした、仮面ライダー達よ!そんな物か!?」

湊翔「くっそ!当たんねぇぇ!!」

トウカ「この!!」

 

 バニルは、見通す力を使っているのか、俺たちの攻撃を悉く躱していく。

 その際に煽ってくるので、腹が立つ。

 トウカに関しては、かなりイラついていた。

 ダクネスから聞いた話によると、トウカは、悪魔も嫌っているそうだ。

 なんか、アクアっぽい。

 そう思ういつつも、俺達も連携攻撃をする。

 だが、なかなか当たらない。

 それでも、俺がわざと体当たりをして、ジャンプさせて、ダクネスの一撃でバニルの体は土に戻った。

 

ダクネス「やったのか……?」

湊翔「分からない。気をつけろ。」

カズマ「でも、倒したよな。」

トウカ「そうよだよな…………。」

バニル「……………と、思わせて。」

 

 バニルの仮面が1人でに動き出し、土が入る事でまた体を精製していた。

 

バニル「討ち取ったと思ったか?残念!それはただの土塊である!!おっと、汝らの悪感情は大変に美味であるな。しかし、これでは乗っ取る事は出来ないな。まあ良い!吾輩は一足先に外へ行かせてもらおう!!」

 

 俺達が変身している事で、乗っ取る事を断念したらしく、そのまま地上へ。

 

湊翔「早く地上へ向かうぞ!」

「「「あぁ!!」」」

 

 俺達もバニルの後を追って地上へ。

 暫くして、アクアの声がしたと思ったら、バニルは土塊から再生していた。

 

湊翔「待たせたな!」

アクア「ねえ、そいつ何なの?」

カズマ「魔王軍幹部だ!」

セナ「確かに、あれは見通す悪魔バニル!皆さんお願いします!!」

 

 セナさんがそう言うと、冒険者達が前に出る。

 めぐみん、白夜、ゆんゆん、ダスト、リーン、ミツルギのパーティーメンバーが、デザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、ゆんゆんの横には、透明なステルス機と英語でSTEALTHの文字が、ミツルギの取り巻きの片方には、黄色の爪と英語でCLAWの文字が、もう片方には、灰色のプロペラと英語でPROPELLERの文字が、ダストの横にはピンク色のハンマーと英語でHAMMERという文字が、リーンの横には緑色の弓矢と英語でARROWという文字が浮かぶ。

 全員が、変身ポーズを取って、叫ぶ。

 

「「「「「「「変身!」」」」」」」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

BEAT

LIGHTNING

STEALTH

ARMED CLAW

ARMED PROPELLER

ARMED HAMMER

ARMED ARROW

REDAY FIGHT

 

 めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、ゆんゆんはギンペン・ステルスフォーム、クレメオという人はダパーン・アームドクロー、フィオという人はレター・アームドプロペラ、ダストはメリー・アームドハンマー、リーンはシロー・アームドアローに変身する。

 ちなみに、スパイダーフォンには、デザイアグランプリに参加している人を、見る事が出来る。

 ただし、所持レイズバックルは、分からないようになっているが。

 

クレメオ「虎雷白夜!あんたに勝ってみせるわ!」

フィオ「そうよ!」

白夜「そんなことを言ってる暇があるのなら、さっさと戦えよ!」

ゆんゆん「めぐみん!私も仮面ライダーになったんだから、どっちが先に倒すか、勝負しましょう!」

めぐみん「フフフ…………!よろしい!行くとしましょうか!」

ダスト「ったく、しょうがねぇな…………。」

リーン「行くわよ!」

 

 そう言って、俺たちは、バニルに攻撃を仕掛けていく。

 だが、見通しているのか、悉く躱されてしまう。

 

バニル「フハハハハハ!こんなに大勢でかかってきても、我輩の敵ではないわ!」

白夜「こいつ…………煽ってきやがる!」

トウカ「うざいな!」

 

 俺たちは、更に攻撃していくが、躱されてしまう。

 すると。

 

冒険者「うわぁぁぁ!?」

湊翔「何だ!?」

 

 冒険者の突然の悲鳴に、俺たちは攻撃を止めて、後ろを向くと、冒険者達に、ジャマトが迫っていた。

 

カズマ「ジャマト!?」

ダクネス「こんな時に…………!?」

トウカ「どうする!?」

湊翔「バニルもそうだけど…………ジャマトも倒すぞ!」

白夜「おうよ!」

ゆんゆん「分かりました!」

 

 俺たちは、バニルだけでなく、ジャマトの方も攻撃する。

 だが、気になる事がある。

 

ジャマト「ジュラピラ!ジュラピラ!」

ダスト「なあ…………こいつら、なんか変じゃねぇか?」

カズマ「変って、何が?」

リーン「言われてみれば……………ジュラピラなんて言葉、言ってなかったような…………。」

アクア「そんなのはどうでも良いから、さっさと倒しなさいよ!!」

 

 そう。

 これまでのジャマトは、『ジャッ、ジャッ』という感じだったが、言葉のようにも感じる。

 すると、2体のジャマトが、めぐみんの方に近寄る。

 

ジャマト「ヘン…………シン…………。」

めぐみん「えっ!?今、ジャマトが喋りませんでしたか!?」

ダクネス「何っ!?」

ジャマト「ヘンシン。」

トウカ「あれは…………!?」

湊翔「デザイアドライバー…………!?」

 

 そう言って、その2体のジャマトは、何と、デザイアドライバーと、見た事のないレイズバックルを取り出して、デザイアドライバーの左側に装填する。

 すると、ジャマトの体に、茨が生えた蔦が巻きつき、姿が変わる。

 

Jyamato

 

 何と、ジャマトが変身したのだ。

 素体自体は、こちらの仮面ライダーの物と、何ら変わらない。

 

ゆんゆん「えっ!?」

白夜「嘘だろ…………!?ジャマトが変身しやがったぞ!?」

湊翔「えっ……………!?」

トウカ「何っ……………!?」

 

 それには、その場に居る全員が驚く。

 セナさんが、すかさず聞いてくる。

 

セナ「どういう事ですか!?何故、あなた方が使っている物が、ジャマトとやらも使っているのですか!?」

湊翔「俺だって、分かんねぇよ!」

 

 ジャマトが変身するなんて…………!?

 俺は、前世ではギーツは第二話までしか見れてないので、そんなことを言われても、全く分からない。

 ジャマトは、装填したレイズバックルを押す。

 

jya-jya-jya-strike

 

白夜「何っ…………!?うわぁぁぁぁ!?」

 

 動揺していたのか、白夜は反応が遅れ、ギリギリ腕をクロスし防御姿勢を取ったが、白夜は吹っ飛ばされる。

 白夜は、変身解除はしていなかった。

 

湊翔「大丈夫か!?」

白夜「ああ…………けど、こいつら、強い…………!」

 

 マジかよ。

 しかも、冒険者やセナさんも居る。

 分が悪すぎる。

 

バニル「フハハハハハ!これは、これは。面白い展開になった物だな!」

アクア「なら、あんたをさっさと浄化するだけよ!」

カズマ「おい、駄女神!状況が悪すぎる!一旦退くぞ!」

めぐみん「アクア!気持ちは分かりますが、カズマの言う通りですよ!」

ダクネス「一旦退いて、体勢を立て直すぞ!」

湊翔「他の冒険者も連れて行くぞ!」

ミツルギ「ちょっと待ってくれ!魔王軍幹部が居るんだぞ!?それなのに、逃げるというのかい!?」

湊翔「状況が悪すぎる!バニルだけでも手を焼いてるのに、ジャマトまで来るなんて、対応しきれん!」

 

 そう。

 いくらなんでも、分が悪すぎる。

 ジャマトが変身するなんて、想定外にも程がある。

 というより、何で敵である筈のジャマトが、デザイアドライバーを使ってるんだよ!?

 どうなってんだ、デザイアグランプリ。

 闇が深そうな気がするな…………。

 俺のその言葉に、ミツルギも状況は理解しているのか、若干不服そうにするが、頷く。

 だが。

 

クレメオ「フィオ!行くわよ!」

フィオ「そうね!」

ミツルギ「クレメオ!?フィオ!?」

白夜「お前ら、何考えてんだ!?」

 

 目を離すと、クレメオとフィオの2人が、ジャマトが変身した仮面ライダーの方へと向かっていたのだ。

 大型レイズバックルを使っていた白夜でさえ吹っ飛ばされたのだから、小型レイズバックルを使っているあの2人は、自殺行為としか思えない。

 クレメオとフィオは、ジャマトが変身した仮面ライダーに攻撃するが、そいつには、効いた素ぶりが見られない。

 

ミツルギ「やめるんだ!すぐに戻ってくれ!」

クレメオ「こいつに勝てれば、キョウヤを倒したあいつらに勝ったも当然!」

フィオ「倒して見せるわ!」

 

 そう言って、2人は下がらない。

 だが、すぐに周囲のジャマトがやって来て、クレメオとフィオは、押され始める。

 2体のジャマトが変身した仮面ライダーは、2人の首を抑えて、バックルを押す。

 

jya-jya-jya-strike

 

「「キャアアアア!!」」

ミツルギ「クレメオ!フィオ!」

 

 ジャマトの必殺技は、2人に命中して、ミツルギの方に吹っ飛ばされる。

 2人は変身解除していた。

 

ミツルギ「クレメオ!フィオ!」

クレメオ「こんな筈じゃ……………!」

フィオ「キョウヤ……………。」

 

 そう言う2人の体には、ノイズが走り、IDコアにヒビが入る。

 そして、2人は、使っていたレイズバックルを遺して、消える。

 

MISSION FAILED

 

 その音声が流れる。

 つまり、クレメオとフィオの2人は、死亡したのだ。

 ミツルギは、体を震わせながら、2人が使っていたレイズバックルを拾う。

 

ミツルギ「そんな……………!僕は、守れなかったのか…………!?」

 

 ミツルギが呆然とする中、ジャマトが変身した仮面ライダーがミツルギに近づく。

 

湊翔「何やってんだ!!」

 

 俺は、すぐにミツルギの首根っこを掴みつつ、マグナムシューターに、マグナムレイズバックルを装填する。

 

MAGNUM TACTICAL BLAST

 

 必殺技を発動して、ジャマトが変身した仮面ライダーが倒れる。

 俺は、呆然とするミツルギを連れて、トウカ達と合流しようとする。

 すると、倒れていたジャマトが変身する仮面ライダーが、起き上がる。

 

トウカ「何……………!?」

白夜「起き上がったぞ!?」

湊翔「あいつらは不死身か……………!?」

めぐみん「えっ!?」

ダクネス「不死身だと!?」

アクア「これ、大分やばいんじゃないの!?」

カズマ「湊翔!どうすんだ!?」

湊翔「他の冒険者を抱えていては、逃げるしかない!」

 

 俺たちは、キールダンジョンから撤退する事にした。

 俺たちは少し離れた場所にまで走った。

 変身していた奴は、全員変身解除している。

 

湊翔「ここまで来れば…………大丈夫か?」

トウカ「多分な……………。」

ミツルギ「おい、桐ヶ谷湊翔!クレメオとフィオの2人はどうなったんだ!?説明してくれ!」

カズマ「俺からも説明を頼む。あの2人はどうなったんだ?」

 

 そう言って、カズマとミツルギの2人が俺に聞いてくる。

 どう説明したものかと思っていると。

 

ツムリ「その事に関しては、私が答えましょう。」

セナ「貴方は……………?」

ツムリ「私はツムリ。デザイアグランプリのナビゲーターです。」

セナ「デザイアグランプリ……………?」

 

 そう言って、ツムリが現れる。

 ミツルギは、ツムリに詰め寄る。

 

ミツルギ「どういう事なんだ!?あの2人はどうなったんだ!?」

ツムリ「クレメオ様とフィオ様は、ジャマトの攻撃により、死亡しました。」

ミツルギ「なっ……………!?」

カズマ「死亡って…………どういう事だよ!?」

ツムリ「デザイアグランプリは、命を懸けたゲームです。ゲーム中に命を落とした者は、この世界から退場となります。」

ダスト「何だと…………!?」

リーン「そんな…………!?」

湊翔「………………。」

 

 やっぱりか。

 薄々そんな予感はしていたが。

 すると、白夜が口を開く。

 

白夜「……………要は、魔王を倒すまで、ゲームは終わらないという事か?」

ツムリ「そういう事です。」

白夜「そうか。」

アクア「アンタ……………大して動揺してないわね。」

白夜「そりゃな。冒険者稼業なんて、元々、死と隣り合わせだろ。」

カズマ「まあ……………それはそうなんだが……………。」

ダクネス「そうだな。」

めぐみん「ですね。」

 

 白夜のその一言に、動揺していた仮面ライダーへの変身者は、冷静さを取り戻す。

 冒険者稼業は、白夜の言う通り、死と隣り合わせだ。

 そう思う中、ツムリはセナさんと話していた。

 すると、スパイダーフォンに連絡が入る。

 俺たちがスパイダーフォンを取り出すと。

 

???『想定外の事態の様だな、仮面ライダー諸君。』

湊翔「アンタは……………?」

ツムリ「ゲームマスターです。」

 

 こいつが……………。

 それはそれとして、文句を言ってやらないとな。

 

湊翔「おい。ジャマトが変身したのは、どういう事だ?」

ゲームマスター『ジャマトは進化する生き物だ。何が起きても、不思議ではない。』

トウカ「それでも、ジャマトがデザイアドライバーを使ってるのは、どういう事だよ。」

ゲームマスター『緊急措置として、ジャマトライダーに対抗できるアイテムを移送する。』

ダスト「マジかよ!?」

 

 そう言って、ゲームマスターからの通信は切れた。

 というより、あいつら、ジャマトライダーって言うのか。

 

ゼウスside

 

 私は、ゼウス。

 神達を束ね、デザイアグランプリを主催する者だ。

 私は、ミッションボックスに、新たなレイズバックルである、フィーバースロットレイズバックルを、現在、ジャマトライダーと交戦中の仮面ライダーの人数分だけ入れる。

 

ゼウス「頼んだぞ、仮面ライダー達よ。」

 

 そう言って、私はその場から立ち去ると、ミッションボックスが転送される。

 だが、気になる事がある。

 

ゼウス(何故、ジャマトがデザイアドライバーを使っている?)

 

 そう。

 ジャマトがデザイアドライバーを使っている事だ。

 こんな事は、あってはならない筈だ。

 もしや、神の中に、裏切り者が存在するのか?

 

ゼウス「………………ギロリに調査を依頼するか。」

 

 そう言って、ギロリに連絡する。

 神の中に裏切り者が居るのなら、警戒しなければならない。

 

ゼウス「……………ギロリか?至急、調査をして貰いたい事がある。」

ギロリ『何でしょうか?』

ゼウス「ジャマトがデザイアドライバーを使った。」

ギロリ『何…………!?』

ゼウス「死亡して退場したプレイヤーのデザイアドライバーを悪用されていないか、確かめてくれ。」

ギロリ『分かりました。』

 

 そう言って、連絡が切れる。

 何がどうなっている?

 一方、とある場所では、1人の男が、デザイアドライバーが入った箱を持っていた。

 そして。

 

???「愛しいジャマトよ…………。成長して、大きくな〜れ……………。」

 

 その男性が愛でていたのは、小さいジャマトで、それが、周囲に沢山生えていた。

 

???「さあ、お前達の時代の幕開けだ…………!」

 

 そう言って、その男は笑う。

 その男の地面には、大量のひび割れたIDコアがあり、その中には、ダパーンとレターの物が混じっていた………………。

 

湊翔side

 

 俺たちは、ゲームマスターが言っていたジャマトライダーに対抗出来るアイテムが届くのを待っていた。

 すると。

 

ダスト「お?」

カズマ「どうした、ダスト?」

ダスト「そのアイテムが届いたみたいだぞ。」

湊翔「さて。」

 

 ダストがそう言うので、俺はスパイダーフォンを見ると、どういう訳か、そのアイテムの座標が動いていた。

 

めぐみん「動いてますね。」

ダクネス「どうなっているんだ?」

湊翔「……………多分、ジャマトに持っていかれた可能性が高いな。」

白夜「輸送が雑かよ!?」

トウカ「確かに……………。」

ゆんゆん「あの…………つまり、持っていったジャマトを倒さないと、そのジャマトライダーに対抗出来ないんですか?」

湊翔「おそらくな。」

 

 輸送が雑。

 まあ、この手のゲームには、敵に持っていかれたアイテムを回収するっていうミッションがあるから、有り得るといえば、あり得るのか?

 まあ、何にせよ、ジャマトとバニルも倒さないと行けないな。

 やれやれ。

 すると、ジャマトが現れる。

 その中には、ジャマトライダーの姿もあった。

 

カズマ「ジャマトかよ…………!」

湊翔「アクア、ミツルギ。他の冒険者を守れ!変身!」

 

BOOST

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

STEALTH

ARMED CHAIN ARRAY

ARMED ARROW

REDAY FIGHT

 

 俺たちは、再び変身して、ジャマトとジャマトライダーに対抗していく。

 ブーストにした理由は、少しでも能力を上げる為だ。

 流石に、マグナムだと少しきつい気がするからな。

 だが、気になるのは、バニルが見当たらない事だ。

 多分、高見の見物をしているのか?

 俺たちは、ジャマトを倒していく。

 だが、ジャマトライダーが強力で、そう簡単には倒せない。

 すると、あるジャマトを倒すと、そのジャマトの体から、ミッションボックスが出てくる。

 そのミッションボックスを開けると、金色の派手なレイズバックルが出てくる。

 形状的に、上半身の部分に装填しろという事だろうな。

 

トウカ「それが、ジャマトライダーに対抗できるアイテムか!?」

湊翔「多分な!」

ダスト「すげぇ派手だな。」

湊翔「早速使ってみるか!」

 

 俺はそう言って、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、手に入れたレイズバックル…………フィーバースロットレイズバックルを装填する。

 

SET FEVER

 

 レバーを倒すと、フィーバースロットレイズバックルの絵柄が回転する。

 そして、絵柄が、???の部分に止まった。

 

GOLDEN FEVER

BOOST

JACK POT HIT GOLDEN FEVER

 

 すると、俺の右隣に現れたスロットの絵柄がBOOSTとなり、上半身と下半身に、ブーストフォームのアーマーが装着され、首にマフラーが追加される。

 これが、ギーツ・フィーバーブーストフォームらしい。

 

カズマ「えええっ!?」

めぐみん「ブーストフォームが、片方だけでなく、両方に!?」

ダクネス「確かに、これなら、ジャマトライダーにも対抗できるかもしれないな…………!」

ゆんゆん「湊翔さん…………!」

 

 カズマ、めぐみん、ダクネス、ゆんゆんがそういう中、俺はジャマトと戦う。

 ジャマトライダーが近づいてきたので、俺は、ジャマトライダーに向かう。

 ジャマトライダーは、必殺技を放ち、俺はパンチを叩き込む。

 すると、先ほどとは違い、相殺出来た。

 俺とジャマトライダーのパンチによって、衝撃波が生まれ、周囲のジャマトが吹っ飛ぶ。

 

トウカ「凄い……………!」

白夜「ジャマトライダーの必殺技を、相殺しやがったぞ……………!」

ダスト「すげぇな……………!」

リーン「私たちも負けてられないよ!」

 

 トウカ、白夜、ダスト、リーンがそう言う。

 俺は、ジャマトライダーに攻撃していく。

 ジャマトライダーも、周囲の木を破壊しつつ、俺に攻撃していく。

 俺は、ある木を後ろに立つと、ジャマトライダーがパンチをしてくる。

 俺は、それを躱して、左腕に付いているマフラーから、炎を出しつつ、パンチを叩き込む。

 ジャマトライダーは吹っ飛び、俺は追撃で両腕と両足のマフラーから、炎を出して、強力なキックを叩き込む。

 ジャマトライダーが怯む中、俺は再びレバーを回す。

 すると、ブーストライカーが現れる。

 

ブーストライカー!

GOLDEN FEVER VICTORY

 

 俺は、ブーストライカーに乗って、周囲のジャマトを倒していく。

 まあ、簡単に言えば、轢き殺している感じだ。

 周囲のジャマトを粗方倒して、俺は、ジャマトライダーに向かい、ブーストライカーを振り回し、ジャマトライダーに攻撃する。

 

湊翔「ハァァァァ!!」

ジャマト「ぐわぁぁぁ!!」

 

 止めに、ブーストライカーをジャマトライダーに叩きつけ、ジャマトライダーを撃破する。

 ブーストライカーは、役目を終えたのか、そのままどこかへと行く。

 

湊翔「ふぅ……………。」

アクア「やるじゃない!」

カズマ「ジャマトライダーは、あと一体だけだな!」

湊翔「ん……………?ヤベッ!」

 

 すると、ブーストレイズバックルから煙が出てきて、どこかへと飛んでいく。

 その際、アクアに当たりそうだった。

 

アクア「ちょっと!危ないじゃない!」

トウカ「まあまあ……………。」

白夜「さっきの必殺技だけでも、ブーストレイズバックルは使えなくなるのか。」

湊翔「みたいだな…………。」

 

 まあ、強力すぎるからな。

 すると。

 

バニル「フハハハハハ!」

湊翔「んっ!?」

 

 バニルの笑い声が聞こえてきて、振り向くと、デザイアドライバーと謎のバックルを持つジャマトが居た。

 ただ、そのジャマトには、バニルの仮面が付いていた。

 

湊翔「まさか…………!?」

ゆんゆん「ジャマトを乗っ取ったのでは…………!?」

バニル「その通りだ!では、変身!」

 

 バニルが入ったジャマトは、デザイアドライバーを装着して、謎のバックルを装填する。

 

Jyamato

 

 再び、ジャマトライダーが現れた。

 

湊翔「マジかよ…………!?」

バニル「さあ!第二ラウンドと行こうではないか!」

 

 バニルはそう言う。




今回はここまでです。
遂に、ジャマトライダーにフィーバースロットレイズバックルが登場しました。
そして、アルキメデルの存在も。
この小説でのギロリは、特に怪しい行動はしません。
ただ、違う人が、ゼウスの指示を無視して、アルキメデルを通じて、デザイアドライバーを渡しています。
そして、予想通り、ダパーンとレターに変身したクレメオとフィオは、死亡しました。
今回のギーツは、バッファが死亡して、ギロリが暴走しましたね。
というより、いくらなんでも、ゲームマスターとして、やっちゃいけない事をやってません?
ラスボスを倒したギーツを、他の仮面ライダーに潰させるというのは。
ギロリも、なりふり構わなくなってますね。
この小説でのコマンドツインバックルは、原作第5巻に相当する話でやっと登場します。
しばらくは、フィーバースロットレイズバックルを使います。
あと、湊翔の場合は、龍から貰ったオリジナルのレイズバックルを使います。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第23話 スロット☆フィーバー

 バニルが憑依したジャマトが、ジャマトライダーに変身した。 

 

カズマ「嘘だろ…………!?」

めぐみん「ただでさえ、大変な時に………!」

バニル「フハハハハハ!汝らの焦燥感!大変に美味であるぞ!」

トウカ「こいつ、やっぱりうぜぇ!」

ダスト「なぁ…………帰っていいか?」

リーン「ダメに決まってんでしょ!?さっさと戦いなさいよ!」

ゆんゆん「い、行くわよ!」

ダクネス「ジャマトライダーは、バニルが変身しているのも含めると、2体か………。」

白夜「とにかく、どうにか倒すぞ!」

 

 俺たちは、また湧いてきたジャマトや、バニルが乗っ取った個体が変身した奴と、もう一体のジャマトライダーと応戦していく。

 だが、バニルは、こちらの動きを見通しているのか、悉く躱していく。

 

バニル「フハハハハハ!どうした、どうした!その程度か?」

湊翔「うるせぇ!見通してる癖に!」

バニル「汝の悪感情、大変に美味であるな。」

 

 やはり、バニルが憑依した事で、知性が高くなっているかもしれない。

 ブーストの状態であっても、苦戦している。

 俺たちは、ジャマトを倒していくが、どんどんと湧いていく。

 キリがない…………!

 すると、一体のジャマトライダーが、地面を強く踏み、蔦を出してくる。

 すると、俺、トウカ、白夜、ゆんゆん、ミツルギと一部の冒険者達と、カズマ、アクア、めぐみん、ダクネス、ダスト、リーン、セナさん、残りの冒険者達で別れてしまった。

 

トウカ「っ!?分断された!?」

白夜「マジか…………!?」

カズマ「お前ら、大丈夫か!?」

湊翔「何とかな!すまんが、そっちの冒険者やセナさんを頼んだぞ!」

ダクネス「任せろ!」

めぐみん「バニルの方は、任せましたよ!」

湊翔「おう!」

 

 俺たちは、カズマ達を信じて、バニルが憑依したジャマトライダーと向かい合う。

 

バニル「ほう……………貴殿らが相手か。」

湊翔「そうだな。……………と、言いたいところだけど。」

 

 俺はそう言って、他の人たちにアイコンタクトを送る。

 

湊翔「悪いけど、他の奴らを巻き込む訳にはいかないからな!」

 

 そう言って、俺はブーストの力で、地面を思い切り殴り、土煙を上げる。

 土煙を出して、バニル達の視界を奪って、ミツルギや他の冒険者達を連れて、俺たちは逃げる。

 カズマ達の方をチラリと見ると、カズマ達も、冒険者達を連れて逃げていた。

 まあ、冒険者はジャマトに対しては、太刀打ち出来ないしな。

 そんな事を思いながら、俺達は冒険者達を連れていく。

 冒険者達を連れていく中、変身解除した。

 ある程度走ると、洞窟を見つける。

 

湊翔「なあ、冒険者達は、あそこに隠れさせるのはどうだ?」

トウカ「良いかもしれないな。」

ゆんゆん「そ、そうね!」

白夜「という訳だ。大人しくしてろよ。」

 

 俺たちはそう話して、冒険者達にそう言う。

 冒険者達は、自分達がジャマトに敵わないのを分かっているからか、素直に頷いた。

 すると。

 

ミツルギ「桐ヶ谷湊翔。」

湊翔「ん?」

 

 ミツルギが真面目な顔で話しかけてくる。

 トウカ達を先に行かせて、俺はミツルギと向かい合う。

 

湊翔「何だ?手短に頼むぞ。」

ミツルギ「君は……………どうして戦うんだい?死ぬかもしれないというのに…………?」

 

 ミツルギはそう言ってくる。

 戦う理由ね…………。

 

湊翔「そうだな……………。守りたい人を守る為かな。」

ミツルギ「守りたい人を…………守る為…………。」

湊翔「ああ。俺の大切な人…………仲間は守りたいからな。それに、犠牲になってしまった人の為にも、俺は前を向いて進んでいくだけさ。」

 

 そう。 

 実は、スパイダーフォンで確認した限り、かなり大勢の人が、デザイアグランプリに参加していて、ルール違反で脱落した人もいれば、死亡して脱落した人もいた。

 そんな人達とは、会った事はないが、そんな人達も、願いを持って戦っていたはずだ。

 以前出会った、あの二人は除いて。

 

ミツルギ「前を向いて……………。でも、僕の力不足で、二人は……………!」

湊翔「……………まあ、後ろ向きになるなとは言わないけど、あんまり過去に囚われて、前が見えなくなっていったら、それこそ、二人の死を冒涜してるんじゃないか?」

ミツルギ「………………。」

湊翔「だからこそ、あの二人の為にも、前を向いたらどうだ?」

ミツルギ「………………。」

湊翔「俺が言えるのは、ここまでだ。後は、自分で答えを見つけるんだな。」

 

 俺はそう言って、トウカ達の方に向かう。

 俺は、あいつにヒントを与えただけにすぎない。

 どうするべきかは、あいつ自身が見つけるだろ。

 俺は、トウカ達と合流して、バニルの方へと向かう。

 カズマ達も、大丈夫だと良いんだがな。

 しばらく歩いていると、バニルが変身するジャマトライダーと、多数のジャマトが居た。

 

バニル「ほう…………。他の冒険者を逃す為であったか。」

湊翔「ああ。お前だって、人が傷つくのはナンセンスなんだろ?」

バニル「フフフフ……………。お気遣い感謝する。それで、我輩と戦おうというのか?」

白夜「勿論だ。」

トウカ「お前を斬らないと気が済まないからな!」

ゆんゆん「え、えっと…………私もです!」

湊翔「行くぞ!」

 

 俺たちは、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、ゆんゆんの横には、透明なステルス機と英語でSTEALTHの文字が浮かぶ。

 俺たちは、それぞれの変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「変身!」」」」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

CALIBER

LIGHTNING

STEALTH

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、ゆんゆんはギンペン・ステルスフォームに変身して、ジャマト達に向かっていく。

 一方、カズマ達の方も、冒険者を避難させて、ジャマトと相対していた。

 

めぐみん「周囲に沢山いますね…………。」

ダクネス「ああ…………。」

カズマ「それにしても、意外だったな。ダストが仮面ライダーの資格を放棄しないなんて。」

ダスト「いやさ、死と隣り合わせなのは、冒険者じゃあ、当たり前だしな。それに、願いが叶うなら、やってやるぜ!」

リーン「アンタって奴は…………。」

アクア「そんな事は良いから、さっさと倒してよ!」

カズマ「あいよ!」

 

 そう言って、カズマ達は、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、ダストの横にはピンク色のハンマーと英語でHAMMERという文字が、リーンの横には緑色の弓矢と英語でARROWという文字が浮かぶ。

 全員が、変身ポーズを取って、叫ぶ。

 

「「「「「変身!」」」」」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

NINJA

BEAT

ZOMBIE

ARMED HAMMER

ARMED ARROW

REDAY FIGHT

 

 カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、ダストはメリー・アームドハンマー、リーンはシロー・アームドアローに変身する。

 そして、ジャマトとジャマトライダーに向かっていく。

 一方、俺たちは、バニルが変身するジャマトライダーと、ジャマトと応戦していた。

 

バニル「フハハハハハ!どうした、仮面ライダー達よ!そんな物か!?」

湊翔「こいつ…………!」

 

 俺は、バニルにも攻撃するが、見通しているのか、躱される。

 一方、トウカ達は、他のジャマトに攻撃する。

 トウカ達の分のフィーバースロットレイズバックルを手に入れさせる為だ。

 

トウカ「ハアッ!…………お?」

白夜「オラッ!…………よし!」

ゆんゆん「テェイ!あ!」

 

 どうやら、あの三人も、フィーバースロットレイズバックルを手に入れたみたいだな。

 一方、カズマ達は。

 

カズマ「ハアッ!…………あ!」

めぐみん「ヤアッ!…………ありました!」

ダクネス「テェイ!…………よし!」

ダスト「オラッ!よっしゃあ!」

リーン「ハアッ!やった!」

 

 カズマ達も、ジャマトを倒して、フィーバースロットレイズバックルを手に入れる。

 一方、俺たちは、フォームチェンジをしようとしていた。

 俺たちは、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、フィーバースロットレイズバックルをレイズバックルが装填されていない方に装填する。

 

SET FEVER

 

 すると、俺たちが装着していたアーマーが外れ、俺たちの横に、文字の状態に戻る。

 そして、フィーバースロットレイズバックルのレバーを倒す。

 スロットが回転して、俺は『???』に、トウカは『NINJA』に、白夜は『ZOMBIE』に、ゆんゆんは『???』に止まる。

 

NINJA

ZOMBIE

HIT NINJA

HIT ZOMBIE

 

 すると、俺はギーツ・アームドドリルマグナムに、トウカはラウンズ・ニンジャカリバーフォームに、白夜はライコウ・ゾンビライトニングフォームに、ゆんゆんはギンペン・アームドアローステルスになった。

 

湊翔「ドリルか…………。」

トウカ「ニンジャ!?まあ、良いか。」

白夜「ゾンビか。これはこれでアリかもな!」

ゆんゆん「アローですか…………。」

 

 俺はレイズドリルを持って、ジャマトやバニルが入っているジャマトライダーを攻撃し、トウカはソードエクスカリバーとニンジャデュアラーの二刀流で戦い、白夜はゾンビ側の爪を使い戦って、ゆんゆんはレイズアローで、ジャマトを倒していく。

 一方、カズマ達の方も、フォームチェンジを行っていた。

 ダクネスは、フィーバースロットレイズバックルを装填して、レバーを倒す。

 

SET FEVER

 

 フィーバースロットレイズバックルのレバーを倒すと、スロットが回転して、『BEAT』の文字で止まる。

 

BEAT

 

ダクネス「ビートか。」

 

 ダクネスはバッファ・ビートゾンビフォームになる。

 カズマは。

 

カズマ「俺は運が良いんだ!」

 

 カズマはそう言って、フィーバースロットレイズバックルのレバーを倒す。

 スロットが回転して、『???』の文字で止まる。

 カズマはタイクーン・アームドウォーターニンジャになる。

 

カズマ「ウォーターかよ…………。」

 

 カズマはそう言って、レイズウォーターを鈍器のように扱い、戦う。

 

めぐみん「さあ!行きますよ!」

 

 めぐみんはそう言って、フィーバースロットレイズバックルのレバーを倒す。

 スロットが回転して、『???』の文字で止まる。

 めぐみんはナーゴ・アームドプロペラビートになる。

 

めぐみん「プロペラ!?」

 

 めぐみんはそう言いつつも、レイズプロペラでジャマトと戦う。

 

ダスト「俺様の運を見せてやるぜ!」

 

 ダストはそう言って、フィーバースロットレイズバックルのレバーを倒す。

 スロットが回転して、『???』の文字で止まる。

 ダストはメリー・アームドクローハンマーになる。

 

ダスト「マジかよ!?外れか!?」

 

 ダストはそう嘆きつつも、ジャマトに攻撃していく。

 

リーン「行くわよ!」

 

 リーンはそう言って、フィーバースロットレイズバックルのレバーを倒す。

 スロットが回転して、『???』の文字で止まる。

 リーンはシロー・アームドハンマーアローになる。

 

リーン「何か、相性が悪くない?」

 

 リーンはそう言いつつも、ジャマトと応戦していく。

 カズマ達がジャマトと交戦する中、ダクネスはビートアックスをジャマトに向かって投げ、フィーバースロットレイズバックルを抜く。

 

ダクネス「もう一回出来るのか?」

 

 ダクネスはそう言って、再びフィーバースロットレイズバックルを、デザイアドライバーに装填する。

 

SET FEVER

 

 そして、フィーバースロットレイズバックルのレバーを倒す。

 

カズマ「もう一回だ!」

めぐみん「お願いします!」

ダスト「頼むぜ!」

リーン「もう一回!」

 

 カズマ、めぐみん、ダスト、リーンは、フィーバースロットレイズバックルのレバーを倒す。

 一方、こちらでは。

 

トウカ「もう一回!」

ゆんゆん「お願いします!」

白夜「次だ!」

 

 三人はそう言って、フィーバースロットレイズバックルのレバーを倒す。

 

バニル「フハハハハハ!貴様らでは、我輩は倒せぬぞ?」

湊翔「俺は絶対に諦めない!諦めない奴こそが……………!」

 

 俺はそう言って、フィーバースロットレイズバックルのレバーを倒す。

 スロットが回転して、しばらく回ると、スロットの絵柄が、『MAGNUM』の文字に止まる。

 

MAGNUM

 

湊翔「運を引き寄せるんだ。」

 

 俺はそう言う。

 一方、他の人達の場合は。

 

ZOMBIE

 

ダクネス「あっ……………!」

 

NINJA

 

カズマ「来たか!」

 

BEAT

 

めぐみん「あっ…………!」

 

STEALTH

 

ゆんゆん「来た…………!」

 

BEAT

 

ダスト「おおっ!?」

 

MAGNUM

 

リーン「これって!?」

 

CALIBER

 

トウカ「あっ!?」

 

LIGHTNING

 

白夜「よし!」

 

 全員が、フィーバースロット以外に装填している大型レイズバックルか、大型レイズバックルを引き当てる。

 

HIT FEVER LIGHTNING

 

 白夜は、ライコウ・フィーバーライトニングフォームに変身する。

 首元についているパーソナルアクセサリーのライコウチョーカーの上に、フィーバークロスチョーカーが追加される。

 

HIT FEVER CALIBER

 

 トウカは、ラウンズ・フィーバーカリバーフォームに変身する。

 右腕に付いているラウンズアームレットとは逆の左腕に、フィーバークロスアームレットが追加される。

 

HIT FEVER STEALTH

 

 ゆんゆんは、ギンペン・フィーバーステルスフォームに変身する。

 

HIT FEVER ZOMBIE

 

 ダクネスは、バッファ・フィーバーゾンビフォームに変身する。

 右腰に付いているバッファムレータと似たフィーバークロスムレータが付く。

 

HIT FEVER BEAT

HIT FEVER NINJA

 

 めぐみんは、ナーゴ・フィーバービートフォームに、カズマは、タイクーン・フィーバーニンジャフォームに変身する。

 めぐみんの場合は、フィーバークロスバングルが、カズマの場合は、フィーバークロスバンテージが追加される。

 

HIT BEAT

HIT MAGNUM

 

 ダストは、メリー・ビートフォーム・アームドハンマーに、リーンは、シロー・マグナムフォーム・アームドアローに変身する。

 

HIT FEVER MAGNUM

 

 俺は、ギーツ・フィーバーマグナムフォームに変身する。

 首元に、フィーバークロステールが追加される。

 

湊翔「さあ、ハイライトだ。」

 

 俺はそう言って、二丁のマグナムシューター40Xを構える。

 俺は、周辺のジャマトにマグナムシューターで銃撃していく。

 ジャマトが攻撃してくるが、足で抑え、左足のアーマードガンで銃撃する。

 

湊翔「フッ!ハアッ!」

 

 後ろのジャマトにも銃撃して、時折蹴りも入れたりして、ジャマトを倒していく。

 そして、俺の周囲にジャマトが集まった際には、両足のアーマードガンを展開して、ブレイクダンスを踊るかのようにして、ジャマトを倒していく。

 

ゆんゆん「ハアッ!てやっ!」

 

 ゆんゆんも、自分の魔法とステルスフォームの力で、ジャマトを倒していく。

 トウカと白夜はというと。

 

トウカ「ハアッ!フッ!」

白夜「ハッ!でやぁ!」

バニル「くっ…………!連携を取り取ってからに…………!」

 

 二人の連携で、バニルを追い詰めていた。

 トウカと白夜は、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

HYPER CALIBER VICTORY

HYPER LIGHTNING VICTORY

 

 俺は、ゆんゆんに声をかける。

 

湊翔「ゆんゆん、行くぞ!」

ゆんゆん「はい!」

 

 俺とゆんゆんも、レイズバックルを操作する。

 

HYPER MAGNUM VICTORY

HYPER STEALTH VICTORY

 

 俺たちも必殺技を発動する。

 俺は、二丁のマグナムシューターのバレットチャージャーを引く。

 

BULLET CHARGE

 

湊翔「ハアッ!」

ゆんゆん「でぇい!」

 

 俺とゆんゆんは、それぞれの攻撃をバニルが変身するジャマトライダーにしていく。

 そこに。

 

トウカ「ハァァァァ!!」

白夜「雷轟爪蓮撃!」

 

 トウカのソードエクスカリバーの二刀流の斬撃と、白夜の手足の爪でバニルを連続で切り裂く。

 その攻撃を受けて、ジャマトライダーは爆発する。

 

バニル「危ない所だったな。」

 

 バニルのそんな声が聞こえてきたと思ったら、ジャマトが一体残っていて、そのジャマトに、バニルの仮面が付いていた。

 そのジャマトは、デザイアドライバーとジャマトのバックルを拾う。

 

バニル「では、変身!」

 

 バニルがそう言うと、そのバックルをデザイアドライバーに装填する。

 

Jyamato

 

 再び、ジャマトライダーが現れる。

 

トウカ「また変身したのか!?」

白夜「なら、倒すだけだ!」

ゆんゆん「そうですね!」

湊翔「ああ!」

 

 俺たちは、ジャマトライダーと再び戦っていく。

 一方、カズマ達は、ジャマトとジャマトライダーと応戦していた。

 ダクネスがジャマトを倒す中、カズマ、めぐみん、ダスト、リーンがジャマトとジャマトライダーを見る。

 

めぐみん「決めますよ、カズマ!」

カズマ「ああ!」

ダスト「俺たちを忘れんなよ!」

リーン「行くわよ!」

 

 四人はそう言って、フィーバースロットレイズバックルを操作する。

 

GOLDEN FEVER VICTORY

 

 必殺技を発動して、めぐみんとダストは、ビートアックスで演奏を開始する。

 カズマは高速移動して、リーンはマグナムシューターを構える。

 

めぐみん「ハアッ!」

ダスト「オラっ!」

 

 二人が演奏をすると、DJの様なエフェクトが現れ、ジャマトを打ち上げる。

 

カズマ「ハァァァァァ!」

リーン「行くわよ!」

 

TACTICAL SLASH

BULLET CHARGE

 

 カズマはタクティカルスラッシュを、リーンは強化された銃撃で、ジャマトを倒して、ジャマトライダーの背後に行く。

 

めぐみん「でやぁぁ!」

ダスト「オラァァ!!」

 

 めぐみんとダストの二人が、ビートアックスでジャマトライダーを打ち上げる。

 

カズマ「オラッ!」

リーン「テェイ!」

 

 カズマとリーンは、ジャマトライダーに攻撃して、ジャマトライダーは、ダクネスの方に落ちていく。

 ダクネスは、フィーバースロットレイズバックルを操作する。

 

GOLDEN FEVER VICTORY

 

 ダクネスは、ゾンビブレイカーを持って、ジャマトライダーを木に叩きつける。

 ジャマトライダーは、持っていた鎌で防御する。

 

ダクネス「止めだ!」

 

 ダクネスは、もう一本のゾンビブレイカーを取り出して、肩でカバーを動かす。

 

POISON CHARGE

TACTICAL BREAK

 

 ダクネスは、2本のゾンビブレイカーでタクティカルブレイクを発動して、ジャマトライダーを撃破する。

 一方、俺たちの方は。

 

トウカ「ハアッ!」

白夜「フッ!」

ゆんゆん「でやぁぁぁ!」

 

 三人が、バニルが入ったジャマトライダーに攻撃する中、反撃でパンチを食らい下がる。

 だが、すかさず俺が地面を滑りながらマグナムシューターで攻撃する。

 

バニル「やるではないか!だが、このジャマトライダーとやらを倒しても、我輩は復活するぞ!」

湊翔「どうかな?周囲を見てみろよ?」

バニル「何…………っ!?」

 

 バニルは驚いた。

 それもその筈だ。

 何せ、他のジャマトは全滅していたのだ。

 

バニル「バカなっ…………!?」

湊翔「何度か見た所、ジャマトライダーが爆発する瞬間に、他のジャマトに向かってるだろ?なら、他のジャマトを倒してしまえば、お前はジャマトライダーにはなれない!」

バニル「フハハハハハ!!この我輩から一本取るとは、やるではないか!…………まあ、この様な終わり方も悪くはあるまい。あの女に浄化されるよりはな!」

湊翔「じゃあ、止めだ。」

 

 俺は、マグナムシューターを左右のスロットにマウントしつつ、フィーバースロットレイズバックルを操作する。

 

GOLDEN FEVER VICTORY

 

 俺は、両手両足のアーマードガンを展開して、ジャンプする。

 そして、回転しつつ、両手両足のアーマードガンから、弾丸を乱射する。

 そして、マグナムシューターを、ジャマトライダーに向ける。

 

湊翔「はあっ!」

 

 マグナムシューターから2発の弾丸が向かうと、周囲に放たれていた弾丸が、ジャマトライダーに向かう。

 その攻撃を受けて、ジャマトライダーは爆発する。

 その場に残っていたのは、破壊された謎のバックルと、デザイアドライバー、バニルの仮面だった。

 

湊翔「ふぅ…………。」

 

 俺は息を吐き、変身を解除する。

 そこに、トウカ、白夜、ゆんゆん、カズマ、アクア、めぐみん、ダクネス、ダスト、リーンがやって来る。

 

トウカ「お疲れ。」

湊翔「ああ。」

白夜「しっかし、お前もやるな!」

カズマ「バニルは倒したのか?」

湊翔「ああ。そこに、アイツの仮面が転がってるだろ?」

アクア「本当ね。この私が浄化してやろうと思ったのに!」

ダクネス「まあまあ。良くやったな。」

めぐみん「凄いですよ!ほぼ単独で魔王軍幹部を倒すとは!」

ゆんゆん「湊翔さん!凄いです!」

ダスト「やるじゃねぇか。」

リーン「何でアンタが偉そうなのよ!」

 

 そんな風に話していると、足元に弾丸が撃ち込まれる。

 

湊翔「っ!?」

トウカ「攻撃か!?」

白夜「おい、あそこ!」

 

 俺たちが周囲を見渡す中、白夜はある場所を指差す。

 そこには、仮面ライダーが居た。

 しかも。

 

カズマ「おいおい…………!」

アクア「アレって…………!?」

めぐみん「黒い…………。」

ダクネス「ギーツだと……………?」

 

 そう。

 そこに居たのは、黒いギーツだった。

 

ゆんゆん「誰なんでしょうか…………?」

ダスト「おい!誰だテメェ!」

リーン「どうなってんの…………!?」

湊翔「………………。」

黒いギーツ「…………………。」

 

 俺が黒いギーツを見ていると、そいつは、姿を消す。

 何故、黒いギーツが…………!?

 そう思う俺だった。

 一方、黒いギーツは離れた場所で立ち止まる。

 

黒いギーツ「あれがギーツか……………。」

 

 そう言って、黒いマグナムレイズバックルを抜いて、変身解除する。

 変身していたのは、男性だった。

 

男性「アイツらの言う通りだな。これは、面白くなりそうだな…………!」

 

 そんな事を、狂気的な笑みを浮かべながら言い、その場から去っていく。

 その男が付けているデザイアドライバーには、ひび割れた黒いギーツのIDコアが装填されていた。

 その後、俺たちはギルドに呼び出された。

 その理由は、俺とカズマのスパイ疑惑は晴れたからだそうだ。

 正直言うと、驚いている。

 何せ、ジャマトがデザイアドライバーを使った事で、ジャマトとの繋がりを疑われたのかと思ったのだから。

 だが、どういう訳か、アルダープは訴えを取り下げたらしい。

 セナさんも首を傾げていた。

 

セナ「アルダープ殿は、そう簡単に訴えを取り下げるなんて事はしない人なんですが。」

 

 との事だ。

 だが、それはともかく、バニルとデストロイヤーの討伐賞金から、借金分を引いて、4000万のお金を得た。

 一方、アルダープは。

 

アルダープ「くそっ!あの男め…………!」

 

 アルダープはそう言っていた。

 何故、アルダープは悔しがっているのかというと、遡る事、湊翔達が戦闘を終えた直後。

 

アルダープ「な、何だと…………!?」

???「何度も言わせないでくれ。これ以上、余計な事をするな。」

アルダープ「何を…………!?大体、そのジャマトとやらが使った物は、アイツらも使っている!これはどう考えても、魔王軍と繋がっている!奴らを処刑すべきだ!」

???「彼らは、どうなっているのかと分からないそうだ。それなのに、処刑にするのは、大袈裟ではないのかな?」

アルダープ「う、うるさい!このわしに逆らうというのか!?」

???「…………言っておきますが、私に逆らうという事は、ベルゼルグ王国を敵に回す事と一緒です。貴方もそれが分からない訳ないでしょう?」

アルダープ「ぐぅぅぅ……………!」

???「とにかく。余計な事はしない様に。それでは。」

 

 そう言って、その男は去っていく。

 それを思い出したアルダープは、苛立ちを見せる。

 

アルダープ「あの男め…………!このわしを怒らせた事、後悔させてやろうか…………!」

 

 アルダープはそう言う。

 一方、アルダープに接触した男は移動していると、目の前に龍とアフロディテが現れる。

 

???「君たちか。」

龍「助かったよ。あの二人の罪を取り消す事に協力してくれて。」

アフロディテ「ありがとうございます。」

???「いや何。君たちには大きな借りがあるからね。これくらいは、お安い御用さ。それに……………。」

龍「それに?」

???「桐ヶ谷湊翔達が変身する仮面ライダーに、デザイアグランプリか。これが、魔王を倒す事になれば良いのだがね。」

アフロディテ「そうですね。」

 

 三人は、そんな風に会話をする。

 すると、龍が質問する。

 

龍「アルダープは、何かしてくるか?」

???「そうだね…………。可能性はゼロではないから、用心しておこう。悪魔の気配を感じたしね。」

アフロディテ「分かりました。」

 

 その男性は、何者なのか。

 それは、今の俺たちには、知る由もない。




今回はここまでです。
バニル戦が終わりましたが、謎の新キャラが二人も登場しました。
黒いギーツに、アルダープよりも立場が上のキャラ。
この二人は、今後の物語にも関わってきます。
そして、何故黒いギーツのIDコアにヒビが入っているのか。
それは、今後明かされます。
一昨日から、MOVIEバトルロワイヤルが公開しましたね。
私は見ました。
あと、以前、紅魔の里の出来事が終わった直後と言いましたが、映画を見て色々と検討した結果、このすばの原作の第7巻、『億千万の花嫁』の出来事が終わった直後にします。
アルダープとダクネスの結婚式の際に、ラフレシアフォートレスジャマト、仮面ライダーグレアに変身するオリキャラを出そうかなと思います。
あと、仮面ライダーシーカーの変身者は、誰にしましょうか?
現状、オリキャラか、ミツルギのどちらにしようかなと思っています。
何せ、今回の話で、ミツルギの闇堕ちフラグを立てても良いかなと思ったので。
どうしましょうか?
ちなみに、リバイス側に関しては、私が投稿している小説の一つ、『この悪魔の戦士に祝福を』から引っ張ってきます。
その為、『この悪魔の戦士に祝福を』の進み具合によっては、そちらの展開のネタバレになる可能性もあるので、ご了承下さい。
今日のギーツは、ギロリが退場しましたね。
今回のクリスマスの悲劇は、洗脳が解除される事なく、爆発させられたパンクジャックでしょう。
ちなみに、この小説のパンクジャックの変身者は、決まっています。
そして、次回のギーツで、新たな仮面ライダー、ロポとナッジスパロウが登場。
ロポとナッジスパロウの変身者に関しては、考え中です。
まさか、オーディエンスが居るとは。
MOVIEバトルロワイヤルも、今後の物語に繋がりそうな事が判明したので、楽しみです。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
MOVIEバトルロワイヤルに関する意見も聞きますよ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4章
第24話 海賊ゲーム


 ある日の穏やかな春が近づいている1日。

 俺達はアクアの説得に当たっていた。

 

アクア「嫌ーよ!どうして外に出ないといけないの!?」

めぐみん「外に出ないと爆裂魔法が撃てないじゃないですか。」

ダクネス「春先は凶暴なモンスターが出る。冒険者の務めだ!」

トウカ「そうだぜ!いつまでもサボるなよ!」

白夜「おらっ!さっさと動け!」

湊翔「駄々を捏ねるんじゃない!」

 

 だが、説得は難航していた。

 

アクア「子供なの?皆、そんなにお外に出たがる子供なの?そんなに外に出たいなら、私以外で行って!」

めぐみん「何が子供ですか!」

ダクネス「今のアクアの方が子供みたいだぞ!」

トウカ「いいから!さっさと動くよ!」

白夜「行くぞ!」

湊翔「さもないと。」

「「「「「「あんな風になるぞ。」」」」」」

カズマ「…………。」

アクア「私だってああはなりたくないけど、でも私よりもあっちを説得しないの!?」

カズマ「おい、アクア。俺だってこの後、出かける用事があるんだぞ。それに、お前を説得し終えるまでの約束だからな。」

 

 カズマは見事なこたつむりと化していた。

 

アクア「それをそこから出て言いなさいよ。」

 

 アクアがそう言うと、カズマは炬燵の中に頭を引っ込める。

 何故、この屋敷にこたつがあるのかというと。

 以前、俺、カズマ、白夜の3人は、ウィズにバニルを倒した事の報告へと向かった。

 

湊翔「バニルを倒した事は俺から報告する。」

白夜「その方が良いだろ。」

カズマ「それにしても、良いのか?俺達もここに来て?」

湊翔「そっちの方が1人で行くより安心できるからな。それに、俺たちに挑んできた。きっと、良いやつなのかもしれない。」

「「…………。」」

 

 無言になって俺達は意を決して、ウィズ魔道具店の中へ。

 

湊翔「ウィズ、話したい事が……。」

バニル「へいらっしゃい!店の前で何やら恥ずかしいセリフを吐いて遠い目をしていた男よ、汝に一つ、言いたい事がある。良い奴だと思うよとの事だが、我輩は目的の為にそうしただけだ。おっと、これは大変な羞恥の悪感情、美味である!どうした、その場に手をついて!よもや我輩が滅んだとでも思ったか!?フハハハハハ!」

 

 バニルがそこにいた。

 俺は店の床に手をついて、あまりの恥ずかしさに震えていた。

 カズマと白夜が慰めていると。

 

ウィズ「湊翔さん、カズマさん、聞きましたよ。バニルさんを倒してスパイ疑惑が晴れたとか!おめでとうございます!」

カズマ「いや、どうしてコイツ、ピンピンしてんの?」

白夜「湊翔のフィーバーマグナムの必殺技を喰らって無傷ってどう言う事だよ。」

バニル「あんな物を喰らえば、流石の我輩とて無傷でおられる筈がなかろう。この仮面をよく見るがよい。」

 

 バニルがそう言いながら、自分の仮面を指差す。

 前の仮面との違いは、白と黒の部分が反転しており、額の部分にIIの字が書いてあった。

 

バニル「残機が1人減ったので、2代目バニルと言う事だな。」

「「「舐めんな!!」」」

 

 それを聞いた俺もカズマと白夜と共に絶叫しないといけないと思った。

 

ウィズ「バニルさんは前々から魔王軍幹部を辞めたがってたんですよ。なので、今のバニルさんは魔王城の結界の管理をしていません。とても無害な筈ですよ。」

湊翔「……………無害なのか?」

白夜「人をおちょくってきそうだな。」

カズマ「大丈夫なのか?」

 

 そうやってバニルを見ていると、俺達が呼ばれた。

 

バニル「三人の仮面の戦士よ。汝らにこれからとてつもない試練が起こるだろう。その試練は強大で、金髪鎧娘が居なくなるかもしれない。それまでに我らが商売に協力する事が吉と出た。お一つどうか?」

 

 バニルの言う儲け話とは、俺とカズマ、白夜の祖国、日本の便利グッズを売る事だった。

 そこでカズマは、試しにこたつを制作して、使った所、好評だった。

 

カズマ「さて、十分暖まったし、出るか。」

湊翔「カズマ。アクアの説得を手伝って欲しいんだけど。」

トウカ「…………て言うか、アクアが居ないんだけど。」

「「え?」」

 

 アクアが居なくなっていると思ったら、アクアはこたつに移動していた。

 

湊翔「アクア!なんでこたつに移動すんの?」

アクア「カズマさんが出たということは、このこたつは私のもんよ!分かったら、とっととクエストに出かけなさいよ!!」

湊翔「……………カズマ。お前、用事があるんだよな。」

カズマ「あぁ。」

湊翔「アクアは俺が説得しとくから、用事を済ませて来い。」

カズマ「おうよ。」

 

 カズマは、ついてきためぐみんとダクネスと共に、用事を済ませて、クエストを受注しに行ってもらった。

 そして、カズマ達が帰ってきたが、アクアは未だにこたつから動こうとしない。

 

アクア「嫌よ!だって嫌な予感がするんだもの!女神の勘よ!だから絶対外には行きたくない!」

白夜「また女神だのなんだの言いやがって!」

トウカ「良いから、さっさと外に出ろ!」

白夜「諦めて外に出ろ!」

 

 カズマが何かを思い付いた様な表情をして、アクアに声をかける。

 

カズマ「皆。そんなに嫌がってるんだし、今回はアクアには留守番していてらもらおう。俺達全員仮面ライダーなんだし問題無いだろ。」

アクア「さすがカズマね!本当にたまにだけど、良い事言うじゃないの!分かったら、全員早くこの手を離してちょうだい!」

湊翔「どう言うつもりだ?」

カズマ「それより皆、今日は久しぶりのクエストだ。報酬を得たら、たまには外で食おうか。鍋でもつついて宴会しようぜ。」

 

 カズマが何気なく放った一言に、宴会の女神はピクリと反応する。

 俺達全員、意図を理解して話を合わせる。

 

めぐみん「そうですね。冬が明けて、冒険再開の初日ですし。」

湊翔「確かに、これからの英気を養うにはちょうど良いかもな。」

トウカ「そうね。最初のクエストが終わったら、宴会を開きましょう。」

白夜「そうだな、今日ぐらいは楽しんでも良いかもな。」

ダクネス「貴族御用達のいい店があるんだ。そこに予約を入れておこう。」

 

 俺達全員、アクアを放す。

 アクアは不安そうに。

 

アクア「…………ね、ねえ皆。材料を買ってきて、家で鍋パーティーしても良いのよ?そうだわ、冒険を終えて疲れて帰ってきた皆のために、私が鍋の材料揃えて準備しておいてあげる。だから、ここで宴会すれば良いと思うの。」

 

 そんな事を宣うアクアに俺達は。

 

「「「「「「留守番よろしく。」」」」」」

アクア「わあああ、私が悪かったから置いてかないでよー!」

 

 そして、俺達はリザードランナーの目撃情報があった草原に来ていた。

 ちなみに、ゆんゆんも誘った。

 ゆんゆんの実力なら、足を引っ張る事はないと思ったので。

 

ゆんゆん「誘ってくれて、ありがとうございます!が、頑張ります!」

湊翔「ああ。」

トウカ「…………………。」

 

 ゆんゆんがそう言うので、俺がそう答えると、トウカは少し不機嫌気味になる。

 ちなみに、カズマは、日本刀を作らせていたが、脇差し並みに短くなって、めぐみんにちゅんちゅん丸という銘を付けられたそうだ。

 俺たちは作戦を立てていた。

 俺とカズマの狙撃スキルで王様ランナーと姫様ランナーを射抜く。

 失敗した場合は、俺達が時間を稼いでいる間にもう一度狙撃。

 それすら失敗した場合は、仮面ライダーに変身できる奴で倒す事に。

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム・アームドアローに、めぐみんはナーゴ・ビートフォームに、ダクネスはバッファ・ゾンビフォームに、トウカはラウンズ・カリバーフォームに、白夜はライコウ・ライトニングフォームに、ゆんゆんはギンペン・ステルスフォームに変身していた。

 しばらくすると、リザードランナーの群れが見えてきた。

 リザードランナーの見た目は、エリマキトカゲを大きくした物だ。

 その群れの中で、一際大きい奴が1匹いた。

 おそらくあれが件の姫様ランナーだろう。だが王様ランナーが見当たらない。

 その時、アクアがとんでもない事を言う。

 

アクア「そうだわ!任せて皆!私に考えがあるわよ!王様ランナーは一番早い筈だから、モンスター寄せの魔法で1番にここについたのが王様ランナーよ!」

カズマ「ちょっと待て!もう王様ランナーの目星はついてるんだ!頼むから余計な事を……!」

アクア「フォルスファイア!」

 

 アクアが魔法を発動し、それを見たリザードランナーは奇声を上げて、俺達の方向へと走り出してきた!

 

「「「「「「「速っ!?」」」」」」」

 

 俺達はリザードランナーのあまりの速さに驚愕していた。

 すぐさま、俺たちは身構えて、めぐみんに爆裂魔法の準備をさせる。

 カズマがアクアに対して怒鳴る。

 

カズマ「このクソバカ!毎度毎度やらかさないと気が済まないのか!?王様と姫様をこっそり討ち取れば無力化出来たのに、なんでわざわざ呼び寄せるんだよ!!」

アクア「何よいきなり!私だって役に立とうとしてやった事なんだから怒らないでよ!どうせこの後の展開なんて分かるわよ!きっとあのランナー達に酷い目に遭わされんでしょ!分かってるわよ!いつもの事でしょ!さあ!殺すなら殺せー!!」

湊翔「言ってる場合か!!」

 

 俺たちは、すぐに攻撃を開始する。

 俺たちの攻撃で、リザードランナーは倒れていく。

 

めぐみん「それでは、行きます!エクスプロージョン!」

 

 ある程度、リザードランナーを撃破した後、めぐみんの爆裂魔法が炸裂し、リザードランナーの群れは全滅した。

 その後、ジャイアントトードの群れが、爆裂魔法の爆音に釣られてやって来てしまったので、対応する。

 

湊翔「片付いたな…………。」

トウカ「そうだな。」

白夜「大量に来たからな……………。」

カズマ「全く………………。」

めぐみん「まあ、片付いたので、良いじゃないですか。」

ゆんゆん「めぐみんが爆裂魔法を撃つから、こんな面倒な事になってるんでしょ!?」

ダクネス「ま、まあまあ……………。」

アクア「うぇぇぇん!私、またカエルに食べられたんですけど〜!!」

 

 俺たちがホッと息を吐き、そんな風に話す中、スパイダーフォンから音が流れる。

 

GATHER ROUND

 

 そんな音声が流れたので、スパイダーフォンを持っている人たちは、画面を見る。

 そこには、ミッションの通達が来ていた。

 

湊翔「ミッションか。」

ゆんゆん「えっと………………?」

ツムリ「私から説明します。」

カズマ「ツムリさん。」

アクア「アンタ、本当に神出鬼没ね。」

 

 そう言って、ツムリが現れる。

 

ダクネス「それで……………私たちは何をするのだ?」

ツムリ「これから皆さんには、海賊ゲームに挑んでもらいます!」

めぐみん「海賊ゲーム……………?」

トウカ「何だそれ?」

白夜「どういう感じなんだ?」

ツムリ「これから皆さんには、チームに別れてもらい、旗を守って貰います!」

 

 ツムリ曰く、海賊旗は、これから現れる海賊ジャマトの落とし物らしく、奪われると凶暴化するらしい。

 そして、2回に渡って、ジャマトが現れるので、全滅させろとの事だ。

 

湊翔「……………なるほどな。ジャマトを倒して、旗を守ればOKって事か?」

ツムリ「そういう事です。」

トウカ「それで、チーム分けは?」

ツムリ「チーム分けに関しては、これから転送しますので。」

 

 ツムリがそう言うと、俺たちは何処かへと転送されていく。

 目を開けると、俺とトウカが居て、それ以外の人は居なかった。

 ちなみに、変身は維持していた。

 

湊翔「俺とトウカか。」

トウカ「そうみたいだな。」

 

 俺たちがそう話す中、その海賊ジャマトが現れる。

 

ジャマト「イズトグファテル!」

ジャマト「クテウトエビキョヅデチャ!」

 

 そんな風に、何を言っているのかよく分からない事を言う。

 

湊翔「行くか。」

トウカ「だな。」

 

 俺たちは、襲いかかってくる海賊ジャマトを迎撃する。

 一方、カズマ、白夜、アクアは。

 

カズマ「こいつらが相手か。」

白夜「行くか。」

アクア「ふ、二人とも、頑張ってね!」

カズマ「お前も少しは戦え!」

白夜「何もしないよりは、支援魔法をかけるなり、少しは手伝え!」

アクア「いやぁぁぁぁぁ!!」

 

 カズマと白夜が海賊ジャマトの方へと向かっていき、アクアは嫌々支援魔法をかけていく。

 一方、めぐみん、ダクネス、ゆんゆんは。

 

めぐみん「私とダクネスですか…………。」

ゆんゆん「ちょっと、めぐみん!?私を忘れないでよ!?」

ダクネス「ま、まあまあ…………。とにかく、行くぞ。」

 

 めぐみんとゆんゆんが喧嘩する中、ダクネスが二人を宥めて、ジャマトと戦闘を開始する。

 一方、俺とトウカは、迫りくるジャマトを攻撃していた。

 

湊翔「はっ!でやっ!」

トウカ「ふっ!せいっ!」

 

 俺がマグナムシューターから銃撃して、トウカはソードエクスカリバーで斬撃する。

 海賊ジャマトは倒れるも、すぐに新たな個体が湧いてくる。

 

湊翔「数が多いな……………。」

トウカ「それに……………これまでのジャマトと比べて、好戦的じゃないか?」

 

 確かに。

 これまでのジャマトは、海賊ジャマトほど、好戦的ではなかった。

 ジャマトの特性が変わってるのか?

 そう考えつつも、交戦する。

 一方、カズマ、白夜、アクアは。

 

アクア「ちょっと!沢山来てるんですけど!何とかしてよ!」

カズマ「だったら、お前も少しは戦え!」

白夜「ハアッ!オラッ!」

 

 アクアがそう文句を言う中、カズマはニンジャデュアラーで海賊ジャマトを斬り捨てて、白夜は格闘戦で倒していく。

 一方、めぐみん、ダクネス、ゆんゆんは。

 

ゆんゆん「め、めぐみん!どっちの方が多く倒せるのか、勝負しましょう!」

めぐみん「フッフッフッ……………良いでしょう!受けて立ちます!」

ダクネス「ほどほどにな。……………ハアッ!」

 

 ゆんゆんとめぐみんがそう話す中、ダクネスはゾンビブレイカーでジャマトを倒す。

 しばらくして、俺たちはジャマトを倒すことに成功した。

 そして、第二ウェーブが来るまで、デザイア神殿で休む事になった。

 

湊翔「疲れた……………。」

トウカ「そうだな……………。」

カズマ「ジャマトが多すぎたからな…………。」

白夜「全くだ……………。」

アクア「まったく…………情けないわね。」

めぐみん「まあ、私の方がゆんゆんよりもジャマトを倒していますので!」

ゆんゆん「何言ってんの!?私の方が倒したでしょ!?」

ダクネス「二人とも、喧嘩はやめないか。」

 

 俺たちは、そんな風に会話する。

 ていうより、アクアにそんな風に言われるなんて、屈辱だな。

 すると、ギロリさんがやって来る。

 

ギロリ「皆さん、お疲れ様です。良かったら、何か作りましょうか?」

トウカ「そうだな。カレーを作ってくれないか?」

ギロリ「分かりました。」

湊翔「それはそうと………………あの黒いギーツに関しては、何か分かりました?」

ギロリ「申し訳ありません………………。現状、黒いギーツに関しては、分からない事が多くて……………。」

アクア「本当に誰かしらね……………。」

 

 確かに。

 本当に誰なんだ?

 ギロリさん曰く、その黒いギーツは、不正にエントリーした可能性が高いそうだ。

 誰が、そんな真似をしたんだ?

 謎が深まるばかりだな。

 ジャマトライダーの存在、黒いギーツ。

 何者かが、暗躍しているのか?

 そんな事を考えていると、第2ウェーブが始まった。

 先ほどよりも凶暴性が高まっている。

 

湊翔「さっきよりも、凶暴じゃねぇか!?」

トウカ「そうだな!」

 

 ツムリ曰く、海賊ジャマトが海賊旗を奪えない事に業を煮やして、ますます攻撃が激しくなる可能性があるそうだ。

 実際、攻撃が激化している。

 さらに、それだけではなく。

 

ジャマト「ジュラピラ。変身。」

 

 そう言って、2体のジャマトがデザイアドライバーにジャマトのバックルを装填する。

 

Jyamato

 

 2体のジャマトが、ジャマトライダーに変身する。

 

湊翔「ジャマトライダーもか!」

トウカ「とにかく!旗を取られない様にするぞ!」

湊翔「ああ!」

 

 俺たちは、引き続き応戦する。

 一方、カズマ、白夜、アクアは。

 

アクア「カズマさぁぁぁん!白夜さぁぁぁん!なんか、ジャマトが凶暴になってるし、ジャマトライダーも居るんですけど!?」

カズマ「お前、ツムリさんの話を聞いてなかったのかよ!?」

白夜「お前は支援魔法を使ってろ!どうにかすっから!」

アクア「うわぁぁぁぁん!!」

 

 アクアは泣きながら二人に支援魔法をかけていき、カズマと白夜は、アクアと海賊旗を守りつつ、海賊ジャマトを倒していく。

 2体のジャマトライダーが、カズマと白夜に向かっていく。

 

カズマ「ハアッ!」

白夜「オラっ!」

 

 カズマはニンジャデュアラーで、白夜は爪でジャマトライダーに攻撃する。

 

カズマ「行くぞ、白夜!」

白夜「おう!」

 

 二人はそう話して、レイズバックルを操作する。

 

NINJA STRIKE

LIGHTNING STRIKE

 

カズマ「ハァァァァ……………!」

白夜「ハァァァァ!轟虎雷爪撃!」

 

 二人は必殺技を発動して、カズマは高速移動して、ニンジャデュアラーで連続で攻撃しつつ、キックを放つと、ジャマトライダーは爆発する。

 白夜は、ジャマトライダーを爪で掴んで、引き摺っていき、思い切り爪で突き刺す。

 二人の必殺技を食らったジャマトライダーは、爆発する。

 一方、めぐみん、ダクネス、ゆんゆんは。

 

ダクネス「はぁ……………はぁ………………い、良いぞ!もっと強く来い!」

めぐみん「ダクネス!?こんな状況で性癖を発揮しないで下さい!」

ゆんゆん「めぐみんには絶対に勝ってみせるわ!」

 

 ダクネスが性癖を発揮する中、めぐみんは戦いながらダクネスに突っ込み、ゆんゆんは戦う。

 だが、海賊ジャマトは、どんどんと現れ、ジャマトライダーは2体現れる。

 すると、めぐみんが海賊旗に迫るジャマトを倒す中、一体のジャマトライダーがめぐみんの背後に迫っていた。

 

ダクネス「めぐみん!後ろだ!」

めぐみん「えっ?」

 

 めぐみんが振り返ろうとするが、間に合わない。

 

ゆんゆん「ハァァァァ!!」

 

SYEALTH STRIKE

 

 すると、ゆんゆんが必殺技を放ち、ジャマトライダーを撃破する。

 

ゆんゆん「全く!めぐみんったら、隙だらけなんだから!」

めぐみん「その割には、嬉しそうですね。」

ダクネス「ゆんゆん。助かった。」

ゆんゆん「まあ、ライバルですし!」

めぐみん「貴方は自称ライバルでしょう?」

ゆんゆん「自称じゃないから!ちゃんとライバルだから!」

 

 ゆんゆんがそう言う中、めぐみんはそう返し、話す。

 すると、今度はゆんゆんの背後から、もう一体のジャマトライダーが迫る。

 

ダクネス「ゆんゆん!後ろに気をつけろ!」

ゆんゆん「えっ……………!?」

めぐみん「ハアッ!」

 

BEAT STRIKE

 

 ゆんゆんが振り返ろうとした瞬間、めぐみんが音符を纏わせたキックで、ジャマトライダーを撃破する。

 

ゆんゆん「めぐみん……………?」

めぐみん「早速ですが、借りは返しましたよ。」

ダクネス「やれやれ……………。」

 

 めぐみんはそう言って、ダクネスはホッと息を吐く。

 一方、俺とトウカは。

 

湊翔「あと少しか!?」

トウカ「みたいだな!」

 

 俺とトウカは、連携して海賊ジャマトを倒していく。

 そして、ジャマトライダーが迫ってきた際には、俺たちはレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM STRIKE

CALIBER STRIKE

 

 俺は両腕のアーマードガンを展開して、マグナムシューター40Xにエネルギーをチャージする。

 トウカは、ソードエクスカリバーにエネルギーをチャージする。

 

湊翔「ハァァァァ!!」

トウカ「フッ!」

 

 俺とトウカの必殺技で、ジャマトライダーは爆発する。

 

湊翔「ジャマトライダーも、何とか倒せたな。」

トウカ「ああ。」

 

 俺たちは、そう話す。

 ジャマトライダーは、少し強くなっていた気がするのだ。

 すると、男性が近づいてくる。

 

湊翔「誰だ……………?」

トウカ「おい!ここは危ないぞ!」

???「……………お前達の相手はこいつらじゃない。俺だ。」

 

 そう言って、その男性は、俺たちに攻撃する。

 その男性が持っていたのは、黒いマグナムシューターだった。

 

湊翔「その銃は……………!」

トウカ「お前は……………!」

武「俺は馬場武。お前らは、こっちの方が見覚えがあるか。」

 

 そう言って、馬場武と名乗った男は、デザイアドライバーを装着して、黒いマグナムレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、馬場武の隣に、黒いシリンダーと英語で黒いMAGNUMという文字が浮かぶ。

 そして、そいつは言う。

 

武「変身。」

 

 そう言って、レイズバックルを操作する。

 

SCHWARZ

REDAY FIGHT

 

 馬場武は、黒いギーツへと変身する。

 

湊翔「黒いギーツ……………!」

トウカ「お前だったのか!?」

武「この時は、仮面ライダーシュバルツギーツだ。」

 

 シュバルツギーツ……………。

 スパイダーフォンにもその名前はないから、不正エントリーという事か。

 

武「行くぜ。」

湊翔「来るぞ!」

トウカ「ああ!」

 

 武は、黒いマグナムシューターで銃撃してくる。

 俺とトウカは、その銃撃を躱す。

 だが、奴はすぐに俺たちに攻撃する。

 俺たちは、受け流したり、躱したりするので精一杯だった。

 

湊翔「あいつ……………強いな。」

トウカ「ああ…………!」

武「どうした?もっと俺を楽しませろ!」

 

 武は、そう言う。

 あいつ、かなり強い……………!

 こちらは、ライダー同士で戦うのは、同意が無ければルール違反だから、対人戦に慣れていない。

 無論、レジェンドライダーの皆さんと戦ったのだが、それしか経験していない。

 それに対して、アイツは対人戦に慣れている。

 こちらが分が悪く、押されていた。

 すると……………。

 

海賊ジャマト「イズトイズモオズスト…………。」

トウカ「しまった!?」

 

 そう。

 武だけでなく、海賊ジャマトも居るのだ。

 すると。

 

武「あ?俺の戦いの邪魔をするんじゃねぇよ。」

 

 そう言って、武はジャマトを攻撃する。

 武の猛攻で、ジャマトは怯む。

 

武「終わりだ。」

 

 そう言って、武はレイズバックルを操作する。

 

SCHWARZ STRIKE

 

 武は、必殺技を発動する。

 武の攻撃で、ジャマトは全滅する。

 

武「はぁぁ……………お前ら、対人戦に慣れて無さすぎだろ。もうちょい強くなったら、相手してくれや。じゃあな。」

 

 そう言って、武は去っていく。

 俺とトウカは、デザイア神殿へと転送される。

 カズマ達は既に戻っていた様で、俺たちを見ると、駆け寄る。

 

白夜「お前ら、どうしたんだ?」

湊翔「………………黒いギーツに遭遇した。」

カズマ「えっ!?」

トウカ「ああ……………アイツは強かった。」

ダクネス「なっ……………!?」

アクア「アンタ達がそんな風になるなんてね……………。」

めぐみん「これは……………。」

ゆんゆん「強そうですね……………。」

ギロリ「申し訳ありませんが、その黒いギーツについて、教えて貰えないでしょうか?」

 

 ギロリさんがそう言って聞いてくるので、俺たちは答える。

 それを聞いたギロリさんは、頷く。

 

ギロリ「なるほど……………。馬場武ですか……………。」

白夜「シュバルツギーツか……………。」

湊翔「アイツは、対人戦に慣れてる。今のままじゃあ、勝てない。」

トウカ「………………ああ。」

ギロリ「分かりました。それでは、トウカ様には、助けになりそうなレイズバックルを渡しましょう。」

 

 そう言って、ギロリはピンク色のミッションボックスを出してきて、開ける。

 その中には、列車の意匠が入っているレイズバックルが入っていた。

 

トウカ「これは?」

ギロリ「トレインレイズバックルです。トウカ様が使うカリバーレイズバックルと相性が良いレイズバックルです。」

ゆんゆん「わ、私も…………ブーストレイズバックルというのを手に入れました…………。」

めぐみん「なるほど。では、私たちに渡してもらいましょうか!」

カズマ「おい、やめろよ……………。まあ、俺もブーストレイズバックルを手に入れたけどな。」

ダクネス「強い奴か…………。」

アクア「馬場武……………どこかで聞いた事があるような………………?」

湊翔「白夜。俺を鍛えてくれ。アイツには負ける訳には行かない。」

白夜「ああ。」

 

 俺たちはそう話す。

 俺は、強くなる事を決意する。

 今のままでは、アイツには勝てない。

 そう思いながら。




今回はここまでです。
新年あけましておめでとうございます。
今日は、新年1発目の小説です。
今回は、黒いギーツであるシュバルツギーツの変身者である馬場武が登場しました。
そして、トウカは、カリバーレイズバックルと相性が良いトレインレイズバックルを手に入れました。
グレアの変身者に関しては、ギロリではありません。
そのオリキャラは、ダクネスとアルダープの結婚式の時に出そうかなと思っています。
その為、MOVIEバトルロワイヤルに相当するエピソードは、このすばの原作第7巻と第8巻の間の話になる予定です。
近いうちに、バニルが変身出来る事を明かします。
何の仮面ライダーなのかは、その時に明かします。
クリスも、仮面ライダーになります。
クリスの場合は、兎モチーフである仮面ライダーラビーに変身します。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今年も頑張っていきます。
応援の程、よろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第25話 レジェンドミッションPart2

 シュバルツギーツ…………馬場武と遭遇して、数日が経った。

 俺、カズマ、めぐみん、ダクネス、トウカ、白夜、ゆんゆん、ダスト、リーンに召集がかかった。

 だが、その前に、俺、カズマ、白夜が、ギロリさんに呼ばれた。

 そこには、アクアも居た。

 

湊翔「どうしたんですか?」

ギロリ「実は……………馬場武に関して、情報が分かったので、共有しておこうかと。」

カズマ「俺たちだけなのは、あいつが転生者だからか?」

ギロリ「その通りです。」

白夜「だろうな。」

アクア「私が話すわ。」

 

 そこから、アクアが馬場武について話す。

 馬場武は、アクアが転生させた人物の一人だそうだ。

 アクア曰く、馬場の死因は退屈すぎる世界から脱したいという思いからの自殺だそうだ。

 転生特典は、相手の動きを学習して、強くなるという物だそうだ。

 かなり厄介な能力だな。

 つまり、不意打ちで倒しても、次にはその手段は使えない。

 ていうより、ミツルギの事を忘れていたアクアが、珍しく覚えてるなんてな。

 そう思っていると。

 

アクア「あいつが私に対して偉そうな態度でイラついたのよ!」

「「「………………………。」」」

 

 単純に見下されていたのが腹立つだけか。

 ギロリさん曰く、最初こそは、魔王軍と応戦していたが、魔王軍幹部に唆された結果、魔王軍側に寝返ったそうだ。

 そこから、転生者である勇者候補や、冒険者を殺していったそうだ。

 

湊翔「そんなやばい奴なのか……………。」

ギロリ「現状、彼がどうしてデザイアドライバーを所持しているのかは、確認を行なっています。」

カズマ「というより、誰がそいつにデザイアドライバーを渡したんだ?」

白夜「……………案外、神々の中に、裏切り者が居るんじゃないのか?」

アクア「そんなの分かる訳ないじゃない。」

ギロリ「とにかく、馬場武に関しては、引き続き調査を続けていきます。湊翔さん、カズマさん、白夜さんは、ツムリの方に向かってはどうかな?」

 

 ギロリさんにそう言われたので、俺たちはツムリさんの所に向かう。

 そこには既に、全員が集まっていた。

 

湊翔「待たせたな。」

トウカ「大丈夫だ。」

ゆんゆん「あ、あの…………!一体、何をするんですか?」

ツムリ「今から貴方達には、レジェンドミッションを受けてもらいます。」

ダスト「レジェンドミッション……………?」

リーン「何それ?」

カズマ「俺たちとは違う仮面ライダーと戦うミッションだ。」

めぐみん「今度は誰なんでしょうか!?」

ダクネス「そうだな。」

白夜「どんな奴が相手でも、俺は戦うだけだ。」

 

 俺たちはそう話す中、転送されていく。

 俺は、どこかの施設の近くに転送された。

 すると。

 

???「お前か。」

湊翔「っ!?」

 

 そんな風に声をかけられて、後ろを振り向くと、そこには、トレンチコートを着た一人の青年が居た。

 

湊翔「桐生戦兎……………。」

戦兎「その通り!天才物理学者の桐生戦兎です!」

 

 桐生戦兎。

 19番目の平成ライダー、ビルドに変身する人物だ。

 

戦兎「それにしても、君たちのデザイアドライバーとやらは、凄い興味深い!天才物理学者としての血が騒ぐね!」

湊翔「そ、そうなんですね……………。」

戦兎「……………ま、後で調べるとして、君の実力を見せてもらうか。さあ、実験を始めようか。」

 

 戦兎さんは、腰にビルドドライバーを装着して、ラビットとタンクのフルボトルを振る。

 すると、戦兎さんの周辺に、数式が現れる。

 戦兎さんは、ビルドドライバーにフルボトルを装填する。

 

ラビット!タンク!

ベストマッチ!

 

 その音声が流れ、戦兎さんはボルテックレバーを回す。

 すると、エネルギーが生成されていき、戦兎さんの周辺にスナップライドビルダーが展開され、それぞれのハーフボディが形成される。

 そして、あの音声が流れる。

 

Are you ready?

 

戦兎「変身!」

 

 戦兎さんはその言葉と共に、ファイティングポーズを取る。

 すると、ハーフボディが戦兎さんに挟まり、合体して、仮面ライダーとしての姿を形成する。

 

鋼のムーンサルト!ラビットタンク!

イェーイ!

 

 戦兎さんは、仮面ライダービルド・ラビットタンクフォームへと変身する。

 

湊翔「ビルド……………!」

戦兎「君も変身しなよ。」

湊翔「ああ…………!」

 

 俺は腰にデザイアドライバーを装着して、マグナムレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 デザイアドライバーの右側にマグナムレイズバックルを装填すると、右側に白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が現れる。

 俺は、右手で狐の影絵を作り、中指と親指で、フィンガースナップをする。

 

湊翔「変身。」

 

 そう言って、マグナムレイズバックルのシリンダー部分を回転させ、トリガー部分を引く。

 

MAGNUM

REDAY FIGHT

 

 俺は、ギーツ・マグナムフォームになる。

 戦兎さんはドリルクラッシャーを、俺はマグナムシューター40Xを構える。

 

戦兎「行くぞ!」

湊翔「はい!」

 

 俺と戦兎さんは、動きつつ、それぞれの武器で銃撃していく。

 戦兎さんは、ラビットハーフボディの脚力を使って、こちらに接近してくるが、俺は躱して銃撃する。

 だが、俊敏性に関しては、戦兎さんの方が上手で、こちらは何とか対応しているが、いつ攻撃を受けてもおかしくは無い。

 

戦兎「はあっ!ほっ!」

湊翔「よっ!はっ!」

 

 俺と戦兎さんは、銃撃戦を繰り返していた。

 マグナムフォームでは、近距離戦は少し厳しいのだ。

 それを考えると、浮世英寿は凄いと感じるよな。

 まあ、アーマードガンを使えば、牽制にはなるか。

 

戦兎「少しはやるじゃねぇか。」

湊翔「俺だって、戦ってきたんですから!」

戦兎「そっか。なら、こっちも行くぜ!」

湊翔「っ!?」

 

 戦兎さんがそう言うと、ドリルクラッシャーをガンモードからソードモードにして、こちらに向かってくる。

 流石に、俺は戦兎さんからある一定の距離を保ち、マグナムシューターとアーマードガンを使って牽制する。

 

戦兎「なるほど、接近戦に弱いのか。」

湊翔「そりゃあ、マグナムですし!それでも、別のバックルで補うだけですよ!」

 

 俺はそう言って、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、フィーバースロットレイズバックルを出して、デザイアドライバーのレイズバックルが装填されていない方に装填する。

 

SET FEVER

 

 俺は、フィーバースロットレイズバックルのレバーを倒す。

 スロットが回転して、『NINJA』に止まる。

 

NINJA

HIT NINJA

 

 俺はギーツ・ニンジャマグナムフォームになる。

 

湊翔「ニンジャか!」

戦兎「へぇぇ!なら、こっちも忍者だ!」

 

 戦兎さんはそう言って、二つのフルボトルを取り出す。

 それを振って、ドライバーに装填する。

 

忍者!コミック!

ベストマッチ!

 

 戦兎さんは、ビルドドライバーのボルテックレバーを回す。

 すると、エネルギーが生成されていき、戦兎さんの周辺にスナップライドビルダーが展開され、それぞれのハーフボディが形成される。

 

Are you ready?

 

戦兎「ビルドアップ!」

 

 それぞれのハーフボディが戦兎さんに合わさり、姿が変わる。

 

忍びのエンターテイナー!ニンニンコミック!

イエイィ!

 

 戦兎さんは、ビルド・ニンニンコミックフォームへと変身する。

 その手には、4コマ忍法刀が握られていた。

 

湊翔「まさかの、忍者対決ですか。」

戦兎「行くぜ?」

 

 俺はニンジャデュアラーを、戦兎さんは4コマ忍法刀を持って、お互いに攻撃していく。

 俺は、ニンジャデュアラーのシングルブレードモードで戦っている。

 お互いに切り結んでいき、ある程度攻撃すると、必殺技の体勢に入る。

 俺はニンジャデュアラーのシュリケンラウンダーを回転させ、戦兎さんは4コマ忍法刀のボルテックトリガーを2回引く。

 

TACTICAL SLASH

火遁の術!

火炎斬り!

 

戦兎「ハァァァァ……………!ハァァァ!!」

湊翔「ハァァァァァ!!」

 

 俺はタクティカルスラッシュを、戦兎さんは火炎斬りを発動する。

 俺と戦兎さんの攻撃は、両方に当たり、吹っ飛んで、変身解除する。

 

湊翔「いててて…………。」

戦兎「やるじゃねぇか。」

湊翔「ありがとうございます。」

 

 戦兎さんが手を差し出してきて、俺はその手を取り、立ち上がる。

 すると、戦兎さんは聞いてくる。

 

戦兎「お前は…………何を焦ってるんだ?」

湊翔「っ!?」

戦兎「少し、焦りが見えたぞ。」

湊翔「……………………。」

 

 戦兎さんはそう指摘する。

 俺は、戦兎さんに話す。

 

湊翔「俺……………馬場武っていう奴にやられたんですよ。」

戦兎「……………そうか。」

湊翔「もし、次にやられたら、仲間を守れなくなる……………!だから、強くならないといけないんです……………!」

戦兎「お前は……………何のために戦うんだ?」

湊翔「え………………?」

 

 俺がそう言う中、戦兎さんはそう尋ねてくる。

 

湊翔「俺が戦う理由は……………魔王を倒して、平和を取り戻す為です!」

戦兎「それで良いだろ。」

湊翔「え……………?」

戦兎「愛と平和。ラブ&ピースの為に戦う。それだけで、十分じゃねぇのかな?」

湊翔「戦兎さん……………。」

 

 戦兎さんの言葉は、重く感じる。

 デザイアグランプリの目的は、魔王を倒す事だ。

 その為にも、強くならないとな。

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が流れ、目の前にミッションボックスが現れる。

 それを開けると、そこには、ビルドドライバーが描かれたレイズバックルが入っていた。

 

湊翔「これは…………。」

戦兎「ビルドドライバーレイズバックル。俺の、仮面ライダービルドの力が宿ってるレイズバックルだ。頑張れよ。」

湊翔「はい……………!」

 

 俺は、戦兎さんからの激励を貰い、デザイア神殿へと転送される。

 一方、トウカは。

 

トウカ「ここは……………?」

???「やあ。」

トウカ「っ!?」

 

 トウカが周辺を見渡していると、後ろから声をかけられる。

 トウカが振り返ると、そこには、エスニックな感じの服を着た男性がいた。

 

トウカ「あなたは?」

映司「俺?俺は火野映司。仮面ライダーオーズさ。」

トウカ「オーズ……………。」

 

 そう。

 平成12番目のライダー、オーズの変身者、火野映司が居た。

 

トウカ「あなたが…………私の相手ですか?」

映司「まあ…………そうなるのかな?行くよ。」

 

 映司はそう言って、オーズドライバーを装着して、3枚のコアメダルを装填する。

 オーズドライバー本体を傾け、オースキャナーでスキャンする。

 

映司「変身!」

 

 映司がそう言うと、音声が流れる。

 

タカ!トラ!バッタ!

タ・ト・バ!タトバタ・ト・バ!

 

 その音声が鳴り、映司は、仮面ライダーオーズ・タトバコンボに変身する。

 

トウカ「あれが、オーズ……………!」

映司「君も変身したら?」

トウカ「ええ。」

 

 トウカはそう言って、デザイアドライバーを腰に装着して、カリバーレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 カリバーレイズバックルを装填すると、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が浮かぶ。

 

トウカ「変身!」

 

 トウカはそう叫んで、カリバーレイズバックルを操作する。

 

CALIBER

REDAY FIGHT

 

 トウカは、仮面ライダーラウンズ・カリバーフォームになる。

 トウカはソードエクスカリバーを、映司はメダジャリバーを持って、お互いに切り結ぶ。

 2人の剣の腕は、拮抗していた。

 

映司「トウカちゃん、やるじゃん!」

トウカ「私だって、剣は鍛えているんですから!」

映司「俺も、負けてられないな!」

 

 2人は、剣を更に激しくぶつけていく。

 

映司「これなら、どうかな!?」

 

 映司はそう言って、バッタレッグを展開して、縦横無尽に飛び回り、トウカに攻撃する。

 トウカは、何とか躱す。

 

トウカ「これが、オーズ……………!でも、私だって負けてられないんだ!」

 

 そう言って、トウカは、トレインレイズバックルを、もう片方のスロットに装填する。

 

SET

 

 すると、トウカの左側に、銀色に青の差し色が入った列車と、英語でTRAINの文字が浮かぶ。

 トウカは、トレインレイズバックルのパンタグラフの部分を押す。

 

DUAL ON

GET READY FOR TRAIN & CALIBER

REDAY FIGHT

 

 トウカは、ラウンズ・カリバートレインフォームに変身する。

 トウカは、トレインレイズバックルの力で、空中に線路を生み出して、そこに乗り、映司に攻撃する。

 

トウカ「ハァァァ!!」

映司「おわっ!?やるね!」

 

 2人は、ソードエクスカリバーとメダジャリバーで攻撃し合う。

 しばらくして、2人は必殺技の体勢に入る。

 映司は、メダジャリバーにセルメダルを3枚入れて、オースキャナーでスキャンをする。

 トウカは、カリバーレイズバックルとトレインレイズバックルを操作する。

 

トリプル!スキャニングチャージ!

CALIBER TRAIN VICTORY

 

映司「セイヤー!」

トウカ「ハァァァァァ!」

 

 2人の斬撃の必殺技は、お互いに命中して、変身解除する。

 映司はすぐに起きて、トウカに近寄る。

 

映司「大丈夫?」

トウカ「は、はい…………。ありがとうございます。」

 

 映司は、トウカに手を差し出して、トウカは映司の手を取って、立ち上がる。

 

トウカ「やっぱり……………強いですね。」

映司「まあ……………伊達に戦ってきた訳じゃないしね。」

トウカ「私は、彼の助けになれるのかな……………。」

映司「湊翔君……………だっけ?」

トウカ「は、はい。」

映司「そっか……………君なら、彼の助けになれるよ。」

トウカ「え……………?」 

 

 映司の言葉に、トウカは映司を見る。

 

映司「だって…………君はこれまで、彼と一緒に戦ってきたんでしょ?」

トウカ「はい。」

映司「なら、自信を持って良いと思うよ。彼の助けになるように、手を伸ばしても良いんじゃないのかな?」

トウカ「……………はい!」

 

 映司の言葉に、トウカは大きく頷く。

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が流れ、目の前にミッションボックスが現れる。

 トウカがそれを開けると、そこには、オーズドライバーが描かれたレイズバックルが入っていた。

 

トウカ「これって…………。」

映司「オーズドライバーレイズバックル。俺の、仮面ライダーオーズの力が宿ってるレイズバックルだ。頑張ってね。」

トウカ「はい……………!」

 

 トウカは、映司からの激励を貰い、デザイア神殿へと転送される。

 一方、白夜は。

 

白夜「………………。」

???「お前が、虎雷白夜か?」

白夜「ん?」

 

 白夜は、後ろから声をかけられて、振り返る。

 そこには、スーツを着た1人の男性が。

 

白夜「アンタは…………?」

進ノ介「俺は、泊進ノ介。仮面ライダードライブだ。」

ベルトさん「そして、私は、クリム・スタインベルト。ドライブシステムを開発した科学者さ。」

 

 そう。

 平成16番目の仮面ライダー、ドライブの変身音、泊進ノ介と、ドライブシステムの開発者にして、ドライブドライバーのクリム・スタインベルトが居た。

 

白夜「ドライブ…………。ていうか、ベルトが喋るなんてな……………。」

ベルトさん「呼び捨ては失礼だね。さんをつけたまえ、さんを。」

進ノ介「まあ、無理もないよな。俺は、お前を見定めるけど、良いよな?」

白夜「ああ。」

進ノ介「さて。ひとっ走り付き合えよ!ベルトさん!」

ベルトさん「OK!start your engine!」

 

 進ノ介とベルトさんがそう言うと、進ノ介は、ドライブドライバーのイグニッションキーを捻り、シフトスピードを出して、レバーモードにして、シフトブレスに装填する。

 

進ノ介「変身!」

 

 そう言って、シフトカーをシフトアップする。

 

DRIVE!TYPE-SPEED!

 

 進ノ介は、ドライブ・タイプスピードに変身する。

 それを見た白夜は、デザイアドライバーに、ライトニングレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、白夜の横に黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が浮かぶ。

 

白夜「変身!」

 

 そう言って、レイズバックルを操作する。

 

LIGHTNING

REDAY FIGHT

 

 白夜はライコウ・ライトニングフォームになる。

 それを見ていたベルトさんは。

 

ベルトさん「デザイアドライバーにレイズバックルか…………。科学者としての興味が湧いてくるね。」

進ノ介「ベルトさん。そういうのは、後にしてくれ!」

ベルトさん「そうだね。」

 

 進ノ介はハンドル剣を持って、白夜は自らの爪で、お互いに攻撃していく。

 白夜の格闘技術は、進ノ介とほぼ同等だった。

 

進ノ介「格闘戦が強いな、アンタ。」

白夜「まあ、これでも、格闘家を目指してたんでな。」

ベルトさん「なら…………速さで勝負だ、進ノ介!」

進ノ介「ああ!」

 

 ベルトさんの言葉に、進ノ介は頷いて、イグニッションキーを回して、シフトカーを3回シフトアップする。

 

SPE SPE SPEED!

 

 進ノ介は加速して、白夜にヒットアンドアウェイの攻撃をする。

 白夜は、その攻撃を受け、怯む。

 

白夜「加速できるのか。なら……………!」

 

 白夜は己の力を高め、加速する進ノ介に着いていく。

 

ベルトさん「加速出来るのか!?」

白夜「まあな!」

進ノ介「行くぞ!」

 

 2人は、スピード勝負を繰り広げていた。

 進ノ介は、驚いていた。

 白夜の適応能力の高さに。

 2人は加速していたが、お互いに必殺技の体勢に入る。

 

ヒッサーツ!

 

 進ノ介は、シフトブレスのボタンを押して、シフトアップする。

 

フルスロットル!スピード!

 

 それを見ていた白夜は、レイズバックルを操作する。

 

LIGHTNING STRIKE

 

 進ノ介はスピードロップを、白夜はライトニングストライクを発動する。

 

進ノ介「ハァァァァ!!」

白夜「豪雷虎神速!」

 

 白夜は、進ノ介のキックを躱しつつ、進ノ介の止めの一撃に、強力な突き攻撃をする。

 2人の攻撃は拮抗状態になる。

 

進ノ介「ハァァァァァァァ!!」

白夜「オラァァァァァ!!」

 

 2人の攻撃は拮抗状態になっていたが、エネルギーが耐えきれずに爆発し、2人は吹っ飛び、変身解除する。

 

進ノ介「やるな…………!」

白夜「ありがとうな。」

ベルトさん「2人とも、ナイスドライブ!」

 

 進ノ介と白夜は、それぞれで起き上がり、進ノ介は、白夜に近寄る。

 

進ノ介「やるな。お前は、何の為に戦うんだ?」

白夜「俺が戦う理由は……………魔王を倒す為だ!」

進ノ介「そうか…………。大丈夫そうじゃないか?」

ベルトさん「多分、大丈夫そうだね。」

 

 進ノ介と白夜、ベルトさんはそう話す。

 すると。 

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が流れ、目の前にミッションボックスが現れる。

 白夜がそれを開けると、そこには、ドライブドライバーが描かれたレイズバックルが入っていた。

 

白夜「これって…………。」

進ノ介「ドライブドライバーレイズバックル。俺達の、仮面ライダードライブの力が宿ってるレイズバックルだ。頑張れよ。」

ベルトさん「君がドライブの力を、正しい事のみに使える事を、願っているよ。」

白夜「ああ!」

 

 白夜は、進ノ介とベルトさんからの激励を貰い、デザイア神殿へと転送される。

 一方、カズマは。

 

カズマ「…………どこだ?」

???「お前がタイクーンって奴か!」

カズマ「っ!?」

 

 カズマが周囲を見渡していると、後ろからそう声をかけられて、振り返る。

 そこには、リーゼントで、スーツを着た1人の男性が居た。

 

カズマ「もしかして……………如月弦太郎さん?」

弦太郎「おうよ!俺は如月弦太郎!全ての仮面ライダーとダチになる男だ!」

 

 そう。

 平成13番目の仮面ライダー、フォーゼの変身音、如月弦太郎が居た。

 

カズマ「マジかよ…………っていうか、学ランじゃないんですか?」

弦太郎「ああ……………俺、天高の教師になったんだ。」

カズマ「へぇぇぇ……………!」

弦太郎「お前の実力、見せてもらうぜ!」

 

 弦太郎はそう言って、フォーゼドライバーを取り出して、腰に装着する。

 フォーゼドライバーのトランスイッチを押して、エンターレバーに手をかける。

 

3・2・1

 

 その音が流れてきて、弦太郎は叫ぶ。

 

弦太郎「変身!」

 

 そう言って、エンターレバーを倒して、腕を上に上げる。

 そして、弦太郎は、フォーゼ・ベースステイツに変身する。

 

弦太郎「宇宙…………キター!!」

 

 弦太郎は、お決まりのセリフを大きく叫ぶ。

 

弦太郎「仮面ライダーフォーゼ!タイマン張らせてもらうぜ!」

 

 弦太郎は、カズマに指を向けてそう言う。

 カズマは、デザイアドライバーにニンジャレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 カズマの横に、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が現れる。

 カズマは、変身ポーズを取り。

 

カズマ「変身!」

 

 そう言って、ニンジャレイズバックルの苦無の部分を引いて、押し込む。

 

NINJA

REDAY FIGHT

 

 カズマは、タイクーン・ニンジャフォームになる。

 カズマは、ニンジャデュアラーをツインブレードにして、構える。

 

弦太郎「行くぜ!」

カズマ「ハァァァ!!」

 

 弦太郎とカズマは、お互いに攻撃する。

 弦太郎は素手で、カズマはニンジャデュアラーで。

 両方とも、互角だった。

 

弦太郎「やるじゃねえか!」

カズマ「俺だって、やる時はやるんだよ!」

弦太郎「なら、これも使うか!」

 

 そう言って、弦太郎は、ロケットアストロスイッチのスイッチをオンにする。

 

ROCKET ON

 

 弦太郎は、右腕にロケットモジュールを装着して、縦横無尽に飛び回る。

 フォーゼは、モジュールを両腕両足に装備できるのだ。

 

カズマ「ハァァァ!」

 

 カズマは、ニンジャフォームの素早さを活かして、フォーゼと何とか戦う。

 

カズマ「このままじゃ、勝てない…………!」

弦太郎「行くぜ!」

 

 弦太郎は、ドリルのアストロスイッチもオンにする。

 

DRILL ON

 

 そして、エンターレバーを引く。

 それを見たカズマも、ニンジャレイズバックルを操作する。

 

ROCKET DRILL LIMIT BREAK

NINJA STRIKE

 

 弦太郎とカズマは、必殺技を放つ。

 

弦太郎「ライダーロケットドリルキック!」

カズマ「ハァァァ!!!」

 

 弦太郎のキックと、カズマの緑色の斬撃が、ぶつかり合う。

 だが、弦太郎のキックがカズマに命中して、カズマは変身解除する。

 弦太郎も着地して、変身解除する。

 

弦太郎「大丈夫か?」

カズマ「あ……………はい。ありがとうございます。」

 

 弦太郎は手を差し出して、カズマは手を取り、立ち上がる。

 

弦太郎「お前、なかなかやるじゃねぇか!」

カズマ「いや…………弦太郎さんよりはまだまだですよ。」

弦太郎「謙遜すんなって!それに…………お前には、大切なダチが居るんだろ?」

カズマ「ダチっていうか…………仲間なんですけどね。」

弦太郎「そいつらと仲良くやれよ。それと、お前も俺のダチだ!」

 

 そう言って、弦太郎は、カズマと友情の証を交わす。

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が流れ、目の前にミッションボックスが現れる。

 カズマがそれを開けると、そこには、フォーゼドライバーが描かれたレイズバックルが入っていた。

 

カズマ「これって…………。」

弦太郎「確か…………フォーゼドライバーレイズバックル。俺の、仮面ライダーフォーゼの力が宿ってるレイズバックルだ。ダチは大切にしろよ!」

カズマ「はい!」

 

 カズマはそう言って、デザイア神殿へと転送される。

 一方、めぐみんは。

 

めぐみん「ここは、どこでしょうか?」

???「君か。」

めぐみん「っ!?」

 

 めぐみんが周囲を見渡していると、後ろから声をかけられる。

 そこには、1人の男性が居た。

 

めぐみん「あなたは…………?」

ヒビキ「俺はヒビキだ。」

 

 そう。

 平成6番目の仮面ライダー、響鬼に変身するヒビキだ。

 

めぐみん「ヒビキ…………ですか?」

ヒビキ「ああ。俺は鬼だ。君たちが言う、仮面ライダーというのかな。」

めぐみん「貴方も仮面ライダーなんですか!?」

ヒビキ「ああ。君の実力を見せてもらうよ。」

 

 ヒビキはそう言って、変身音叉・音角を取り出し、手に当てる。

 すると、音が鳴り、ヒビキが音角を額の方にやると、鬼の頭が浮かぶ。

 ヒビキは、紫色の炎に包まれる。

 

ヒビキ「ハァァ……………!ハァァァ!!」

 

 そう言って、腕を振ると、ヒビキは、仮面ライダー響鬼へと変身する。

 

めぐみん「これまでとは、随分と違いますね……………。」

 

 めぐみんはそう言いながら、デザイアドライバーにビートレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が現れる。

 

めぐみん「変身!」

 

 そう言って、ビートレイズバックルを操作する。

 

BEAT

REDAY FIGHT

 

 めぐみんは、ナーゴ・ビートフォームに変身する。

 ヒビキは音撃棒で、めぐみんはビートアックスで戦う。

 めぐみんは、エレメントを選択しつつ、攻撃していき、ヒビキは、音撃棒に火を纏わせて、攻撃する。

 

めぐみん「ハアッ!」

ヒビキ「やるね…………!斬鬼や轟鬼みたいだな。」

 

 ヒビキは、めぐみんの戦闘スタイルが、斬鬼や轟鬼に既視感を得ていた。

 だが、ヒビキの方が強く、めぐみんは徐々に押されていた。

 

めぐみん「流石に、強いですね…………!」

ヒビキ「まあ、伊達に戦っているからね!これで終わりにしようか!」

 

 ヒビキはそう言って、ベルトの音撃鼓を取り外し、めぐみんに取り付ける。

 すると、音撃鼓が大きくなり、めぐみんは動けなくなる。

 

めぐみん「なっ…………動けな…………!?」

ヒビキ「音撃打、火炎連打の型!」

 

 ヒビキはそう叫んで、音撃棒を、音撃鼓で素早く連打する。

 ある程度叩いて、大きく叩くと、めぐみんは吹っ飛ぶ。

 

めぐみん「うわっ!?」

 

 めぐみんは吹っ飛び、変身解除する。

 

ヒビキ「ふぅ……………。」

 

 ヒビキはホッと息を吐き、変身解除する。

 ヒビキはめぐみんに近寄り、手を差し伸べる。

 

ヒビキ「大丈夫かい?」

めぐみん「強いですね……………。」

ヒビキ「そりゃあ、鍛えてますから。」

 

 ヒビキはそう言って、手首をスナップさせる。

 めぐみんは、ヒビキに質問をする。

 

めぐみん「ヒビキさんは…………。」

ヒビキ「ん?」

めぐみん「どうして、そんなに強いんですか?」

ヒビキ「どうしてか……………。鬼は、鍛えることによって、到達出来る。人を助ける事に一生懸命になれるから、俺も鬼になったんだ。」

めぐみん「一生懸命に……………。」

ヒビキ「君にも、一生懸命になれる何かがあるんだろう?」

めぐみん「私は……………最強の爆裂魔法使いになってみせます!」

ヒビキ「おう…………それで良いんじゃないかな?」

 

 ヒビキは、めぐみんの言葉に少し驚きながらも、そう言う。

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が流れ、目の前にミッションボックスが現れる。

 めぐみんがそれを開けると、そこには、音撃鼓・火炎鼓が描かれたレイズバックルが入っていた。

 

めぐみん「これは……………!?」

ヒビキ「確か…………音撃鼓・火炎鼓レイズバックル。俺の、仮面ライダー響鬼の力が宿ってるレイズバックルだ。頑張りなよ?」

めぐみん「はい!」

 

 めぐみんはそう言って、デザイア神殿へと転送される。

 一方、ダクネスは。

 

ダクネス「ここは一体……………?」

???「君が、ダクネスだっけ?」

ダクネス「っ!?」

 

 ダクネスが周囲を見渡す中、1人の男性が声をかける。

 その男性は、胸にBOARDと書かれたワッペンを貼ったジャケットを着ている男性だった。

 

ダクネス「貴方は……………?」

一真「俺は剣崎一真。仮面ライダーブレイドだ。」

 

 そう。

 平成5番目の仮面ライダー、ブレイドに変身する剣崎一真だった。

 

ダクネス「一真…………!?カズマと同じ名前だと……………!?」

一真「まあ、君の所にも、俺と同じ名前の人が居るのは聞いてるよ。君の実力を見せて欲しいんだ。」

 

 一真がそう言うと、ブレイバックルが飛んできて、腰に装着される。

 待機音が鳴り、一真が叫ぶ。

 

一真「変身!」

 

 そう言って、ターンアップハンドルを横に引く。

 

turn up

 

 その音声が流れ、オリハルコンエレメントが現れて、そこを通ると、仮面ライダーブレイドとしての姿になる。

 

ダクネス「私も行くか……………。」

 

 ダクネスはそう言って、ゾンビレイズバックルをデザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 すると、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が現れる。

 

ダクネス「変身!」

 

 ダクネスは、ゾンビレイズバックルを操作する。

 

ZOMBIE

REDAY FIGHT

 

 ダクネスは、バッファ・ゾンビフォームになる。

 一真はブレイラウザーを、ダクネスはゾンビブレイカーを構える。

 

一真「ハァァァ!!」

ダクネス「でやァァァァァ!!」

 

 一真とダクネスは、そう叫びながら、お互いに向かっていく。

 ダクネスは、両手剣スキルをある程度覚えた影響か、飛羽真の時と比べると、攻撃を当てられるようになっていた。

 

一真「やるな…………!」

ダクネス「貴方もな。」

一真「だけど……………!」

 

 一真がそう言うと、ブレイラウザーで、ダクネスを攻撃する。

 

ダクネス「くっ……………!」

一真「まだ、経験が浅いかな。」

 

 一真はそう言って、3枚のラウズカードを取り出し、ブレイラウザーに読み込む。

 

KICK THUNDER MACH

LIGHTNING SINIC

 

 一真は、ブレイラウザーを地面に突き刺す。

 ダクネスは、ゾンビブレイカーを操作する。

 

POISON CHARGE

TACTICAL BREAK

 

一真「ウェェェイ!!」

ダクネス「ハァァァァ!!」

 

 一真とダクネスの攻撃がぶつかり合う。

 だが、一真の攻撃がダクネスにあたり、ダクネスは変身解除する。

 

ダクネス「ううう……………!」

一真「ふぅ……………大丈夫かい?」

 

 ダクネスは倒れ、一真が手を差し伸べる。

 ダクネスは、一真の手を取り、立ち上がる。

 

ダクネス「何故……………そこまで強いんだ?」

一真「何故か…………ね。俺は、運命に抗っているんだ。」

ダクネス「運命に……………。」

一真「ああ。俺は全ての人を守る。戦えない人の為にも。」

ダクネス「………………。」

一真「君も、運命には抗ってみたらどうだ?」

ダクネス「……………ああ!」

 

 一真の言葉に、ダクネスは頷く。

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が流れ、目の前にミッションボックスが現れる。

 ダクネスがそれを開けると、そこには、ブレイバックルが描かれたレイズバックルが入っていた。

 

ダクネス「これは……………!?」

一真「ブレイバックルレイズバックル。俺の、仮面ライダーブレイドの力が宿ってるレイズバックルだ。頑張れ!」

ダクネス「はい!」

 

 ダクネスはそう言って、デザイア神殿へと転送される。

 一方、ゆんゆんは。

 

ゆんゆん「ここどこ……………?」

???「貴女が相手ね。」

ゆんゆん「っ!?」

 

 ゆんゆんが周囲を見渡していると、声をかけられ、後ろを振り向く。

 そこには、1人の女性が。

 

ゆんゆん「えっと…………貴女は…………?」

さくら「私は五十嵐さくら。仮面ライダージャンヌっていうの。」

 

 そう。

 仮面ライダーリバイスに変身する五十嵐一輝の妹で、仮面ライダージャンヌに変身する五十嵐さくらが居た。

 

ゆんゆん「さくらさん…………?ええっと、私は、ゆんゆんって言います。」

さくら「……………話には聞いてたけど、紅魔族って、変わってるんだね…………。」

ゆんゆん「すいません…………。」

さくら「大丈夫だよ!じゃあ、行こっか!」

 

 さくらはそう言うと、リベラドライバーを装着して、コブラバイスタンプを構える。

 

コブラ!

 

 すると、リベラドライバーから大量の鉄骨が現れて、さくらの周囲を囲う。

 さくらはリベラドライバーに、コブラバイスタンプを装填する。

 すると、鉄骨が吹っ飛ぶ。

 

What's Coming-up!?What's Coming-up!?

What's Coming-up!?What's Coming-up!?

 

 さくらは、変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

さくら「変身!」

 

 さくらがコブラバイスタンプを倒すと、リフレクターオープナーが開き、そこからコブラが出て来る。

 

リベラルアップ!


『Ah Going my way!』


仮面ライダー!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!

 

 さくらは、仮面ライダージャンヌに変身する。

 さくらの横には。

 

ラブコフ「ラブラブ!」

 

 さくらの悪魔であるラブコフがいた。

 

ゆんゆん「かっこいい……………!」

 

 ゆんゆんはそう言いつつも、デザイアドライバーを腰に装着して、ステルスレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、ゆんゆんの横には、透明なステルス機と英語でSTEALTHの文字が浮かぶ。

 

ゆんゆん「変身!」

 

 ゆんゆんはそう叫んで、ステルスレイズバックルを操作する。

 

STEALTH

REDAY FIGHT

 

 ゆんゆんは、ギンペン・ステルスフォームに変身する。

 さくらがゆんゆんに向かう中、ゆんゆんは魔法を撃つ。

 

さくら「はっ!ほっ!」

ゆんゆん「当たらない…………!」

ラブコフ「さくら〜!行け〜!」

 

 だが、その魔法は、悉く躱された。

 さくらは、ギフとの戦いを潜り抜けてきたのだ。

 経験値が違った。

 ゆんゆんは、近づいてきたさくらと、格闘戦をするが、相手が悪かった。

 ゆんゆんは防戦一方となっていた。

 

ゆんゆん「強い……………!」

さくら「ハアッ!でやっ!」

 

 ゆんゆんが苦戦する中、さくらは、コブラバイスタンプを一回戻し、もう一回倒す。

 

コブラ!スタンピングスマッシュ!

 

 必殺技を発動して、ゆんゆんを上空に向けて蹴り上げ、ジャンプする。

 

さくら「ハァァァ…………!でやァァァァァ!!」

ゆんゆん「きゃあああ!」

 

 さくらの足に、コブラ型のエネルギーが纏われ、ゆんゆんをキックして、地面に叩きつける。

 ゆんゆんは変身解除して、さくらも着地と同時に、変身解除する。

 

さくら「ごめ〜ん!やりすぎた!」

 

 さくらは、慌ててゆんゆんに駆け寄る。

 ゆんゆんは、無事だった。

 

さくら「大丈夫?」

ゆんゆん「大丈夫です…………。」

さくら「ごめんね!少し、やりすぎて…………。」

ゆんゆん「さくらさんは、どうしてそんなに強いんですか……………?」

さくら「そうだね……………。自分の弱さと向き合ったからかな。」

ゆんゆん「えっ……………?」

 

 さくらは、そう言う。

 ゆんゆんが黙って話を聞く中、さくらの話は続く。

 

さくら「人って、最初から強い訳じゃないよね。弱いからこそ、強くなろうとする。でも、だからって、自分の弱さを受け入れないのはダメだと思うんだ。」

ゆんゆん「自分の弱さ…………。」

さくら「まあ、私がどうこう言える立場じゃないんだけど、それでも、自分の弱さと向き合ったらどうかな?」

ゆんゆん「……………はい!」

 

 さくらの言葉に、ゆんゆんは答える。

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が流れ、目の前にミッションボックスが現れる。

 ゆんゆんがそれを開けると、そこには、リベラドライバーが描かれたレイズバックルが入っていた。

 

ゆんゆん「これは……………!?」

さくら「リベラドライバーレイズバックル。私の、仮面ライダージャンヌの力が宿ってるレイズバックルだよ。頑張ってね!」

ゆんゆん「はい!」

 

 ゆんゆんはそう言って、デザイア神殿へと転送される。

 一方、ダストは。

 

ダスト「どこだよ、ここ……………?」

???「お前がダストか。」

ダスト「あっ!?」

 

 ダストが周囲を見渡す中、後ろから声をかけられて、ダストは振り向く。

 そこには、1人の男性が居た。

 

ダスト「あんたは……………?」

ヒロミ「俺は門田ヒロミ。仮面ライダーデモンズだ。」

 

 そう。

 五十嵐三兄妹と共に、時には仮面ライダーデモンズとして、時には普通の人間として戦った、門田ヒロミが居た。

 

ダスト「お前が俺の相手か。丁度いいな。ボコボコにしてやるぜ。」

ヒロミ「それはどうかな?我が全身全霊をかけて、お前を倒す!」

 

 ヒロミはそう言って、デモンズドライバーを装着して、スパイダーバイスタンプを構える。

 ちなみに、このミッションの時だけ、変身出来るようにして貰った。

 

スパイダー!

Deal……!

 

 ヒロミは、デモンズレッドパッドに、スパイダーバイスタンプを押印する。

 すると、ヒロミの横に蜘蛛が現れる。

 ヒロミは、バイスタンプを構えて、叫ぶ。

 

ヒロミ「変身!」

 

 そう言って、オーインジェクターに、バイスタンプを押印する。

 

Decide up!

Deep.(深く)Drop.(落ちる)Danger.(危機)

(仮面)Rider Demons!

 

 ヒロミは、仮面ライダーデモンズ・スパイダーゲノムに変身する。

 

ダスト「何かすげぇ見た目だな…………。」

 

 ダストはそう言いながら、フィーバースロットレイズバックルを装填する。

 

SET FEVER

 

ダスト「変身!」

 

 ダストはそう言いながら、フィーバースロットレイズバックルのレバーを倒す。

 スロットが回転して、『ZOMBIE』に止まる。

 

ZOMBIE

HIT ZOMBIE

 

 ダストはメリー・ゾンビフォームになる。

 

ダスト「行くぜ!」

ヒロミ「ハアッ!」

 

 ダストは、ゾンビブレイカーを振り回しながら攻撃する。

 だが、ヒロミはそれを躱して、格闘戦でダストに攻撃する。

 ヒロミもまた、全身全霊をかけて戦っていたのだ。

 ダストは、すぐに防戦一方となる。

 

ダスト「くっ……………強ぇ…………!」

ヒロミ「でやっ!」

 

 ダストは、ゾンビブレイカーだけでなく、爪も使うが、それでも、ヒロミが優勢だった。

 ヒロミは、必殺技の体勢に入る。

 

スパイダー!

 

 ヒロミは、スパイダーバイスタンプを起動して、デモンズノックを押す。

 

charge!

デモンズフィニッシュ!

 

ヒロミ「ハァァァァァ!!」

ダスト「のわぁぁぁ!?」

 

 ヒロミの蜘蛛の足のエネルギーを纏ったキックは、ダストに命中して、ダストは吹っ飛び、変身解除する。

 

ヒロミ「ふぅ…………。」

 

 ヒロミは、変身解除する。

 そして、ダストに近寄る。

 

ヒロミ「大丈夫か?」

ダスト「あ、ああ…………。」

 

 ヒロミが、ダストに手を差し伸べ、ダストは立ち上がる。

 

ダスト「それにしても、アンタ強えな。」

ヒロミ「まあな。お前は、どうして戦うんだ?」

ダスト「どうしてって……………。」

ヒロミ「俺は昔、ひ弱でいじめられっ子だった。」

ダスト「えっ…………?」

ヒロミ「いつかヒーローが助けてくれると思ったが、いつまで経っても、現れてくれなかった。だからこそ、俺は戦う。俺がヒーローになる為に。」

 

 ヒロミは、そう語る。

 それを聞いたダストは。

 

ダスト「俺は……………戦う理由は見つかってねぇ。」

ヒロミ「大丈夫だ。きっと見つかるさ。」

ダスト「……………だと良いな。」

 

 ヒロミの言葉に、ダストはそう答える。

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が流れ、目の前にミッションボックスが現れる。

 ダストがそれを開けると、そこには、デモンズドライバーが描かれたレイズバックルが入っていた。

 

ダスト「これは……………!?」

ヒロミ「デモンズドライバーレイズバックル。俺の、仮面ライダーデモンズの力が宿ってるレイズバックルだ。」

ダスト「良いのか?」

ヒロミ「餞別だ。使ってみせろ。」

ダスト「おう。」

 

 ダストはそう言って、デザイア神殿へと転送される。

 一方、リーンは。

 

リーン「ここは…………?」

???「貴方ですか。」

リーン「えっ!?」

 

 リーンが周囲を見渡す中、声をかけられて、後ろを振り向くと、1人の男性が居た。

 

リーン「貴方は…………?」

大二「俺は五十嵐大二。仮面ライダーライブだ。」

 

 そう。

 時には一輝やさくらと敵対しつつも、人類の為に戦ってきた仮面ライダーライブの変身者、五十嵐大二だった。

 

リーン「大二さん……………?」

大二「そうだな。貴方の力を見定めようと思ってな。」

 

 そう言って、ツーサイドライバーを腰に装着して、バットバイスタンプを構える。

 

バット!

Confirmed!

 

 大二はバットバイスタンプを起動して、オーインジェクターに押印する。

 影から、大量の蝙蝠が現れる。

 

大二「変身!」

 

 大二は、バットバイスタンプをツーサイドライバー本体に装填する。

 そして、エビルブレードから、ライブガンへと変える。

 

Eeny, meeny, miny, moe…!

Eeny, meeny, miny, moe…!

Eeny, meeny, miny, moe〜!

Eeny, meeny, miny, moe〜!

 

 そして、ライブガンのトリガーを弾く。

 

バーサスアップ!

Precious!Trust us!Justis!バット!

仮面ライダーライブ!

 

 大二は、仮面ライダーライブ・バットゲノムへと変身する。

 

リーン「私も…………!」

 

 リーンは、フィーバースロットレイズバックルを取り出して、装填する。

 

SET FEVER

 

リーン「変身!」

 

 リーンはそう言いながら、フィーバースロットレイズバックルのレバーを倒す。

 スロットが回転して、『BEAT』に止まる。

 

BEAT

HIT BEAT

 

 リーンはシロー・ビートフォームになる。

 

大二「ハアッ!」

リーン「でやっ!」

 

 大二は、ライブガンで銃撃しつつ、蹴りやパンチも加える。

 リーンは、ビートアックスで、攻撃していく。

 

リーン「少し、重い……………!」

 

 リーンは、ウィザードである為、そこまで筋力を必要としない。

 その為、ビートアックスの扱いに四苦八苦していた。

 大二は、銃撃もしていた為、リーンが防戦気味だった。

 しばらくの戦闘の末、リーンが吹っ飛んで、大二が必殺技の体勢に入る。

 ツーサイドライバー本体を、バックルに装填して、バットバイスタンプのボタンを押す。

 

必殺承認!

 

大二「大事に、決めようか!」

 

バット!ジャスティスフィニッシュ!

 

 大二は、ライダーキックの体勢を取る。

 それを見たリーンは。

 

リーン「やばっ!」

 

 リーンは、すぐにビートアックスのエレメントを選択する。

 

FUNK BLIZZARD

 

 リーンは、氷属性を選択して、演奏する。

 そして、インプットトリガーを引く。

 

TACTICAL BLIZZARD

 

リーン「でやぁぁぁ!!」

 

 リーンは、氷属性の斬撃波を放つが、大二には効かず、貫通され、吹っ飛ぶ。

 

リーン「きゃあああ!」

 

 リーンは、変身解除する。

 

大二「ふぅ……………。」

 

 大二は息を吐き、変身解除する。

 すると。

 

カゲロウ「おい、大二。俺にもやらせろよ。」

大二「待て。お前がやると、リーンさんが無事で済まないだろ。」

カゲロウ「ちっ。帰ったらカレーを食わせろ。」

大二「分かってるよ。」

 

 大二の悪魔であるカゲロウが、そう言ってくる。

 大二がそう言うと、カゲロウは悪態をつきながら、引っ込む。

 大二は、リーンに近づく。

 

大二「大丈夫ですか?」

リーン「え、ええ……………。」

 

 大二はリーンに手を差し伸べて、リーンはその手を取って、立ち上がる。

 

大二「悪かった。少しやりすぎたかな?」

リーン「いえ……………。大二さんは、どうして戦うんですか?」

大二「俺?…………俺は、人類を守る為に戦うだけだ。」

リーン「そうなんですか……………。私は、まだ、戦う理由を見出せなくて…………。」

大二「大丈夫だよ。今すぐじゃなくても、いずれ見つかるよ。」

リーン「はい。」

 

 リーンの質問に、大二はそう答えて、アドバイスをする。

 リーンが返事をすると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が流れ、目の前にミッションボックスが現れる。

 リーンがそれを開けると、そこには、ツーサイドライバーが描かれたレイズバックルが入っていた。

 

リーン「これは……………!?」

大二「ツーサイドライバーレイズバックル。俺の、仮面ライダーライブと仮面ライダーエビルの力が宿ってるレイズバックルだ。」

リーン「良いんですか?」

大二「餞別だよ。君なら使いこなせると思うよ。」

リーン「はい。」

 

 リーンはそう言って、デザイア神殿へと転送される。

 こうして、第二回目のレジェンドミッションは、幕を閉じる。

 一方、ゼウスは。

 

ゼウス(……………ここ最近、デザイアグランプリのルールが少しずつ捻じ曲げられているような気がするな。違反者が多いのにも関わらず、脱落する者が減っている。)

 

 ゼウスは、デザイアグランプリのルールが、何者かによって、捻じ曲げられている事を気にしていた。

 

ゼウス「……………そろそろ、これを使う者を決めないとな。」

 

 そう言って、ゼウスが見つめる先には、一つのベルトが置いてあった。

 それは、黒と紫色のベルトだった。




今回はここまでです。
馬場武がどういう人物なのか、明かしました。
そして、ラウンズが新たな形態を手に入れたり、色んな人が、レジェンドレイズバックルを手に入れました。
ゼウスが見つめるドライバーとは、ヴィジョンドライバーです。
今日のギーツは、色々と波乱の展開でしたね。
デザスターは一体誰なのか。
そして、ルークジャマトが、第一話で退場した豪徳寺武になったりしましたね。
本当に、ギーツは展開が読めなくて、楽しいです。
パワードビルダーレイズバックルに関しては、いずれ、湊翔も使います。
あと、キツネ狩りのミッションに関しても、いずれ、やる予定です。
ただ、本家ギーツとは、やる理由は異なりますが。
あと、何故、馬場武がデザイアドライバーを持っているのかも、明かしていきます。
今回の話から登場するロポとナッジスパロウには、誰が変身するのか、意見がある人は、活動報告にてリクエストを受け付けます。
感想、リクエストは、絶賛受け付けています。
ちなみに、アイリスは変身させる予定です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第26話 童子との邂逅と、水の都への出立

 レジェンドミッションを終えて、数日が経った。

 俺は、デザイア神殿のトレーニングルームで、白夜と特訓をしていた。

 

湊翔「フッ!でやっ!」

白夜「はっ!オラっ!」

 

 俺は、馬場武に負けた事がとても悔しかった。

 だから、絶対に負けたくない。

 そう思って、白夜との特訓に明け暮れていた。

 しばらく特訓を続けて、終わる事にした。

 

湊翔「ありがとうな。特訓に付き合ってくれて。」

白夜「気にすんな。俺も、シュバルツギーツに関しては、気をつけないといけないしな。」

トウカ「2人とも、お疲れ様。」

 

 俺と白夜がそう話していると、トウカがやって来る。

 その手には、ドリンクが握られていた。

 

トウカ「ほら。少しは休んだらどうだ?」

湊翔「ああ、ありがとう。」

 

 俺はトウカから飲み物を受け取り、休憩する。

 すると、トウカは不安そうに俺を見てくる。

 

湊翔「どうした?」

トウカ「いや。湊翔、無理するなよ。」

湊翔「……………分かってる。」

白夜「まあ、無理もないけどな。」

 

 トウカと白夜は、俺を気遣う様に言う。

 正直、今のままでは、仲間を守る事ができない。

 だからこそ、強くならないと。

 俺がそう決意する中、とある山奥では。

 

???「くそ……………!」

 

 とある鬼の様な怪人が、ドラゴンの亡骸に腰掛けていた。

 何かを毒付いている様だ。

 すると。

 

???「へぇ…………お前か。」

???「っ!?」

 

 1人の男性が、その怪人に近寄る。

 その男性は、馬場武であった。

 

???「誰だ、お前?」

武「そんな事はどうでも良いだろう。俺はお前と戦いに来たんだ。」

 

 武はそう言うと、腰にデザイアドライバーを装着して、ゾンビレイズバックルの色違いのバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、馬場武の隣に、黒い手と英語で黒いZOMBIEという文字が浮かぶ。

 そして、武は言う。

 

武「変身。」

 

 そう言って、レイズバックルを操作する。

 

SCHWARZ

REDAY FIGHT

 

 武は、シュバルツギーツ・シュバルツゾンビフォームへと変身する。

 どうやら、他の大型レイズバックルも所持している様だ。

 

武「行くぜ…………!」

???「っ!?」

 

 武は、黒いゾンビブレイカーを持ち、その怪人と戦う。

 その怪人は、シュバルツギーツと応戦する。

 その2人の戦いは、拮抗状態になっていた。

 

???(なんだこいつ…………強い!)

武(こいつの暴力性…………良いね。こいつは良いな!)

 

 怪人は、武の強さに驚愕して、武は、その怪人の暴力性に歓喜していた。

 実際、2人が戦っている周囲は、木が薙ぎ倒され、クレーターもできていた。

 しばらくして、武は変身を解除していた。

 

武「お前、やるじゃねぇか。」

???「……………強いな。」

武「そんなお前に、いい事を教えてやるよ。」

???「何だ?」

武「アクセルの街に、女神アクアが居るんだよ。」

???「何っ!?」

 

 その怪人は、アクアの名を聞くと、血相を変える。

 馬場武は、アクセルにアクアが居る事を伝えると、アクセルに向かうその怪人を見送る。

 そして、こうほくそ笑む。

 

武「さて……………アイツらは、どうやって攻略するかな。」

 

 そう呟いた。

 そんな中、翌日、俺、カズマ、白夜は、ウィズ魔道具店へと向かう事になった。

 バニルと、商売を相談する為だ。

 

カズマ「しっかし、まさか、日本でのグッズを作れば、販売してくれるなんてな。」

湊翔「そうだな。」

白夜「まあ、何が起こるかは分からないから、金はあっても困らないだろうぜ。」

 

 俺たちはそんな事を話しながら、ウィズ魔道具店へと向かう。

 すると、店の前には、バニルが居た。

 

湊翔「バニル。」

バニル「む?なんだ貴様らか。商売に関する相談か?」

カズマ「いや、試作品が出来たから、近いうちに確認して欲しくてな。」

バニル「なんだ、そんな事か。勿論構わんぞ。」

白夜「というより、バニル。その卵はなんなんだ?」

 

 そう。

 バニルは、店前を掃除していたのだが、卵を持っていたのだ。

 

バニル「ああ、これか。ツムリとやらがやって来て、デザイアドライバーと共に、この卵も渡して来たのだ。」

湊翔「ツムリが?」

カズマ「バニルも仮面ライダーかよ。なんて仮面ライダーなんだ?」

バニル「ああ、パンクジャックという仮面ライダーだそうだ。」

 

 パンクジャック?

 一応、バニルが持つデザイアドライバーを見せてもらったが、IDコアの絵柄は、ダパーンやシローと似た物だった。

 色がオレンジという点はあるが。

 すると、爆発が起こる。

 

湊翔「爆発!?」

カズマ「何が起こってんだ!?」

白夜「行くぞ!」

 

 俺たちは、その爆発が起こった場所へと向かう。

 そこに到着すると、全身が黒く緑色の線が入った鬼の様な怪人が居た。

 そこには、トウカ達も来ていた。

 

???「アクア!!アクアはどこだ!!」

湊翔「何だよ、アイツ!?」

めぐみん「アイツは、高額賞金首のマジェスティ・デモニオです!」

カズマ「賞金首!?ていうか、アクアの名前を呼んでないか?」

アクア「何で私なのよ。」

ダクネス「だが…………建物だけを破壊して、人には攻撃してないぞ?」

 

 そう。

 そいつは、建物は攻撃するが、人々が避難し終えた建物ばかりを攻撃している。

 それを見て、人の命を奪う意思はないと推測した。

 すると、ジャマトが現れる。

 

白夜「おい、ジャマトだ!」

ジャマト「ジュラピラ。ヘンシン。」

湊翔「まさか……………!」

 

 ジャマトはそう言って、デザイアドライバーを装着して、ジャマトのバックルを装填する。

 

Jyamato

 

 2体のジャマトが、ジャマトライダーへと変身する。

 

トウカ「ジャマトライダー……………!」

湊翔「こんな時に…………!」

カズマ「ひとまず、変身するぞ!」

 

 俺たちはそう話して、デザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が浮かぶ。

 

「「「「「「変身!」」」」」」

 

 俺たちはそう叫んで、レイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォームに変身する。

 俺たちは、それぞれの武器を手に、ジャマトライダーやマジェスティ・デモニオと交戦する。

 

湊翔「ハアッ!」

白夜「オラっ!」

トウカ「フッ!」

 

 俺、トウカ、白夜は、ジャマトライダーと応戦していて、カズマ達は、そのマジェスティ・デモニオと応戦していた。

 マジェスティ・デモニオは、強いらしく、カズマ達は苦戦していた。

 ジャマトライダーも、以前戦った時よりも強くなっていた。

 すると、マジェスティ・デモニオは、ジャマトライダーに向かっていく。

 

湊翔「何だ!?」

白夜「何でジャマトライダーに…………!?」

 

 俺たちがアイツが何をするのかと思っていると、マジェスティ・デモニオは、ジャマトライダーを捩じ伏せて、倒してしまったのだ。

 

トウカ「嘘だろ……………!?」

カズマ「ジャマトライダーを捩じ伏せたぞ…………!?」

めぐみん「ええっ!?」

ダクネス「待て!アイツがデザイアドライバーを持ち上げてるぞ!」

アクア「えっ?」

 

 そう。

 マジェスティ・デモニオは、倒したジャマトライダーのデザイアドライバーとジャマトのバックルを拾い上げ、装着して、言った。

 

デモニオ「変身。」

 

 そう言って、ジャマトのバックルを、デザイアドライバーに装填する。

 

Jyamato

 

 そいつは、ジャマトライダーに変身した。

 

湊翔「変身しやがった……………!」

めぐみん「面倒な事になったのでは………!?」

デモニオ「アクア……………!」

アクア「何で!?何で私ばかり狙われるのよ!?」

 

 そう。

 デモニオは、どういう訳か、アクアを狙っていたのだ。

 とはいえ、アンデッドみたいに救いを求めるというよりは、憎悪がこもっている気がする。

 

湊翔「カズマ!アイツを抑えるぞ!他の皆は、もう一体のジャマトライダーの方を頼む!」

カズマ「お、おう!」

トウカ「分かった!」

白夜「あいよ!」

 

 デモニオが変身するジャマトライダーには、俺とカズマが、もう一体には、トウカ、白夜、めぐみん、ダクネスが対応する。

 

カズマ「これ、フィーバースロットは使うべきなのか!?」

湊翔「運要素が強すぎるが、まあ、やらないよりかはマシか!」

 

 俺とカズマはそう言って、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、フィーバースロットレイズバックルを出して、デザイアドライバーのレイズバックルが装填されていない方に装填する。

 

SET FEVER

 

 俺とカズマは、フィーバースロットレイズバックルのレバーを倒す。

 スロットが回転して、俺は『MAGNUM』、カズマは『NINJA』に止まる。

 

MAGNUM

NINJA

HIT FEVER MAGNUM

HIT FEVER NINJA

 

 俺はギーツ・フィーバーマグナムフォームに、カズマはタイクーン・フィーバーニンジャフォームに変身する。

 俺は首元に、フィーバークロステールが追加され、カズマの場合は、フィーバークロスバンテージが追加される。

 

湊翔「1発か!」

カズマ「よっしゃあ!」

 

 俺とカズマは、それぞれの武器を携えて、デモニオが変身するジャマトライダーと応戦する。

 トウカ達は、4人でジャマトライダーと応戦していた。

 

トウカ「ハアッ!」

白夜「おらっ!」

めぐみん「はあっ!」

ダクネス「てぇい!」

 

 それぞれの武器で、ジャマトライダーと応戦する。

 ジャマトライダーも、徒手空拳で応戦する。

 

めぐみん「このジャマトライダー、少しずつ強くなってませんか!?」

ダクネス「学習しているのか!?」

トウカ「不味いかもな……………。」

白夜「なら、さっさと倒すだけだ!」

 

 めぐみん達は、ジャマトライダーが少しずつ強くなっている事に気付き、一気に決める事に。

 4人は、レイズバックルを操作する。

 

BEAT STRIKE

ZOMBIE STRIKE

CALIBER STRIKE

LIGHTNING STRIKE

 

 必殺技を発動して、めぐみんは音符を纏ったキックを、ダクネスはバーサークローにエネルギーを纏わせたパンチを、トウカはソードエクスカリバーにエネルギーを纏わせた斬撃を、白夜は両腕の爪に雷を纏わせたパンチをする。

 

めぐみん「ハァァァァ!」

ダクネス「ハアッ!」

トウカ「フッ!」

白夜「オラっ!」

 

 4人の必殺技を、ジャマトライダーは躱すが、躱しきれずに食らって、爆発する。

 一方、俺たちは。

 

カズマ「こいつ、凶暴じゃね!?」

湊翔「面倒だな……………!」

 

 そう。

 デモニオが変身したジャマトライダーは、普通の奴と比べると、若干凶暴性が増しているのだ。

 それでも、通常の奴と比べると、まだマシな気がする。

 

湊翔「カズマ!行くぞ!」

カズマ「おう!」

 

 俺とカズマはアイコンタクトをして、フィーバースロットレイズバックルを操作する。

 

GOLDEN FEVER VICTORY

 

 フィーバースロット側の必殺技を発動して、カズマは高速移動をして、俺は両腕と両足のアーマードガンを展開して、ジャンプをする。

 カズマは、デモニオの周囲を駆け巡り、ニンジャデュアラーで一閃する。

 俺は、回転しつつ、両手両足のアーマードガンから、弾丸を乱射する。

 そして、マグナムシューターを、ジャマトライダーに向ける。

 

湊翔「はあっ!」

カズマ「はあっ!」

 

 マグナムシューターから2発の弾丸が向かうと、周囲に放たれていた弾丸が、ジャマトライダーに向かい、カズマの斬撃が一閃する。

 二つの必殺技を受けて、そのデモニオが変身するジャマトライダーは爆発して、デザイアドライバーとジャマトのバックルが破壊され、デモニオが転がる。

 

カズマ「何とか倒せたな……………。」

湊翔「ああ。」

 

 俺たちは、トウカ達とも合流して、そいつを見る。

 どうしたもんか……………。

 すると。

 

バニル「ほう……………中々に興味深いな。」

湊翔「バニル。」

アクア「アンタ!今頃何しに来たのよ!しっ!しっ!」

バニル「ほう。貴様がこのマジェスティ・デモニオを産んだ元凶というのに、よくもまあ、言えた物だな!」

 

 は?

 それは一体、どういう事だ?

 俺たちが首を傾げる仲、デモニオは憎悪の籠った声を出す。

 

デモニオ「そうだよ……………!アンタのせいだ!」

アクア「はぁぁ?身に覚えが無いわね!そんなことより、さっさとそいつを倒しましょう!そうすれば、更にお金が入るわ!」

「「「「「「…………………。」」」」」」

 

 アクアの発言に、俺たちはアクアをじっと見る。

 どうやら、訳ありみたいだな。

 その後、事情の説明をトウカ達に任せて、俺、カズマ、白夜は、アクア、バニル、デモニオを連れて、事情を聞く事に。

 

湊翔「……………さて。デモニオだっけ?どうしてアクアを恨んでいるんだ?」

カズマ「アクアが何かをやらかしたのか?」

アクア「ちょっと!何で私がやらかした事前提で話を進めるのよ!」

白夜「逆に、お前はやらかしていないと思ってんのかよ……………。」

バニル「その答えは、そこの男に聞けば分かるであろう。」

デモニオ「俺は、今はマジェスティ・デモニオだが、本当の名前は、伊田英鬼渡だ。」

 

 マジェスティ・デモニオ……………伊田英鬼渡は語った。

 カズマが来る3年前、アクアによって転生した人物で、死んだ理由は、大好きなゲームの『キャラデザクエスト』が配信停止になり意気消沈している所をすっ転んで電柱に面白い格好で直撃して脳血管が破裂した事だそうだ。

 それを、アクアは笑ったそうだ。

 本人曰く、それは事実なので、ギリギリ許せるそうだ。

 それで、特典として、やってたゲームのキャラクターの力が欲しいと言った結果、そのキャラデザクエストで作った怪人型アバター、鬼ヤバ童子の姿になり、魔王軍や転生者に敵対されたそうだ。

 それは普通にキツいよな。

 

カズマ「アクア、お前……………。」

アクア「な、何よ!?大体、私は要望に答えて、そうしたのよ!なのに、恨まれるのはおかしく無いかしら!?」

白夜「まあ………………。」

 

 確かに、今回はアクアが完全に悪いとは言い切れない。

 何せ、ゲームのキャラクターの力が欲しいという要望には答えているのだ。

 まあ、アクアの性格が悪いのは、今に始まった事じゃないか。

 すると。

 

ツムリ「おめでとうございます!」

 

 そう言い、ミッションボックスを持ったツムリが現れる。

 

湊翔「ツムリ。」

ツムリ「厳正なる審査の結果、あなたは選ばれました!今日から仮面ライダーです!」

英鬼渡「え……………?」

 

 そう言って、ツムリはミッションボックスを開ける。

 その中には、デザイアドライバーとIDコアが入っていた。

 俺は、英鬼渡に話しかける。

 

湊翔「英鬼渡。仮面ライダーになれば、一般人には攻撃出来ない。でも、魔王を倒してデザ神になれば、人間に戻れるかもしれない。」

英鬼渡「………………分かったよ。仮面ライダーになってやるよ。」

 

 そう言って、英鬼渡はツムリからデザイアドライバーを受け取る。

 こうして、新たな仮面ライダーが生まれたのだった。

 それからしばらくしたある日、カズマとアクアが優雅に紅茶を飲んでいた。

 

カズマ「お湯なんだけど。」

アクア「私ったらうっかりしてたわ。」

カズマ「もしかして、紅茶を浄化したのかな?」

アクア「ごめんなさいね。カズマさん。」

カズマ「入れ直せば良いさ。ありがとうアクア。これはこれで受け取るよ。うん!お湯!」

めぐみん「気持ち悪いですゥゥゥゥ!!」

湊翔「これ、何が起こってるんだ?」

 

 はっきり言おう。現在のカズマは凄く気持ち悪い。

 まあ、あんな事があれば当然だけど。

 遡る事、少し前。

 俺とカズマは、日本のグッズを考えていた。

 ちなみにめぐみん、白夜は用事で出掛けていた。

 

湊翔「なあ、これなんてどうだろうか?孫の手は?」

カズマ「確かに孫の手はあると背中を掻きたい時にありがたいよな。」

トウカ「凄い量だな。」

ダクネス「カズマ達の国にはこんなに便利なアイテムがあるのだな。」

アクア「て言うか、カズマさんに湊翔さんって結構作ったわよね。」

 

 まあ、色々な便利グッズがあるから、作りがいもあるよな。

 その時、ドアがノックされた。

 

湊翔「はーい。誰だろ?郵便屋かな?」

バニル「フハハハハハ!!郵便屋かと思ったか?残念!我輩でした!ポンコツ店主に変わり、目利きには定評がある我輩が来た!さあ、我輩にその便利グッズとやらを見せるが良い!!おや?」

 

 そこにいたのは、バニルであった。

 アクアがゆらりと立ち上がる。

 

アクア「ねえ、アンタ?どうやってこの屋敷に入ったの?」

バニル「あぁ。あの半端な奴か。なんと、あれは結界であったのか。あまりにも弱々しいものだったので、何処かの駆け出しプリーストが張った失敗作かと思った。いや、失敬!超強い我輩が通るだけで崩壊してしまったようだな!!」

 

 アクアとバニルがお互いに罵り合いを開始し始めた。

 

アクア「あらあら、体のあちこちがボロボロですよ。超強い悪魔さん。あらま、どうしましょう。確か地獄の公爵だとか聞いてましたのに、あの程度の結界でそんなになるなんて………!」

バニル「フハハハハハ!この身体はただの土塊。変わりなどいくらでもある。屋敷の周りを覆っていたあの薄っぺらい物に興味が湧いてな。いやー駆け出しプリーストにしてはそこそこの物ではないか?うん。人間のそれも駆け出しのプリーストにしてはな!フハハハハハ!!」

 

 アクアがキレ始める。

 流石に俺とカズマが仲裁に入る。

 

カズマ「おい!流石に落ち着こうぜ!」

湊翔「屋敷内で戦闘するな!」

アクア「フン!」

 

 アクアがそっぽを向いた。

 

アクア「ねえ?2人とも?」

「「ん?」」

アクア「こたつだの孫の手だの作ってたのって、コイツと商談するためだったの?」

カズマ「そうだけど。」

アクア「人の悪い感情を啜って辛うじて生きているこの害虫と?」

湊翔「君も相当な顔してるよ。」

アクア「やっだー!笑えない冗談なんですけど!プークスクス!」

カズマ「いや、笑ってるし。」

 

 アクア、笑ってるじゃん。

 ちなみに、トウカはバニルに対して殺意を向けているが、堪えている。

 バニルが俺たちに話しかけてきた。

 

バニル「我々悪魔は契約にはうるさいので、信頼して結構である。信じるだけで幸せになれるだの胡散臭い甘言で人を集め、寄付と称して金集めをしている詐欺集団とは違うのだ!」

湊翔「そう言う事をあまり言うんじゃない。」

バニル「連中の殺し文句はなんであったか?………そうそう。神はいつでも見守っていますよだったか?おお!何という事だ!我輩、その神に該当する者を目撃したぞ!風呂場を生暖かい目で見守っていた所、警察に捕まったあの男は神であったのか!!フハハハハハ!!」

 

 俺、そいつ知ってる。ダストとか言うチンピラだったな。

 ちなみに、何とか仮面ライダーの資格の剥奪は免れたそうだ。

 バニルは派手に笑い、アクアが引き攣った顔をしていて、暫くの無言の末。

 

アクア「セイクリッド・エクソシズム!」

「「危ね!」」

バニル「華麗に脱皮!」

 

 アクアの破魔魔法がバニルに当たったが、バニルは咄嗟に仮面を投げ捨てて、身体の方が土塊として崩壊した。

 仮面から土塊が出てきて、再生しようとした時にアクアに掴まれた。

 

アクア「アハハハハ!!これね!これがアンタの本体ね!!さあ、どうしようかしら!これどうしようかしら!!」

バニル「フハハハハハ!その仮面を破壊した所で第二第三の……ちょっ!我輩がセリフを言ってる時に仮面を動かすな!身体が崩れる!せめてセリフを言い終わらせてからに……!」

カズマ「おーい。お前ら落ち着け!一旦落ち着けよ!」

湊翔「喧嘩なら外でやれ!」

 

 その後、なんとかアクアとバニルを引き剥がせて、商談を開始する。

 ちなみにこたつで商談していて、アクア、ダクネス、トウカは暖炉の前のソファで待機していた。

 

バニル「では、商談を始めようか。本来、これらの利益の一部を支払う事になっているが……。どうだ、貴様ら。これらの知的財産権自体を売らないか?3億エリスで買ってやろう。」

「「「「「3億!?」」」」」

 

 マジかよ!

 3億あるなら、安定した生活を送っていけるぞ。

 

バニル「月々の利益還元ならば、月々100万エリスだ。」

「「「「「月々100万!?」」」」」

 

 それを聞いたアクア、ダクネス、トウカもこたつの側へと駆け寄った。

 それにしても、売れ続けるとは限らないので、3億を受け取るべきか。それとも、管理がしやすい100万にしとくべきか。

 俺とカズマが悩んでいるとバニルが立ち上がった。

 

バニル「まあ、ゆっくり考えるが良い。我輩はこれで失礼する。」

アクア「私の家に悪臭が付くから出てって!ほら早く出てって!!」

バニル「グヌヌヌヌヌ!!フン!」

アクア「フン!」

 

 最後の最後まで喧嘩をし続けるアクアとバニルの2人であった。

 

カズマ「お湯だね。お湯。」

アクア「私ったらうっかり。」

ダクネス「と言う具合であんな感じなのだ。」

白夜「似非セレブ状態になってるな。」

トウカ「やれやれ…………。」

湊翔「いつまでやってんだ?」

めぐみん「まあ、お金があるのは良い事です。そこで、とある事を提案します。」

 

 と、めぐみんが提案して来た。

 めぐみんの発言に、俺たちは視線を向ける。

 

湊翔「提案?」

カズマ「なんだ?」

めぐみん「日頃の活躍を見て、慰安旅行に行きたいと思います!」

トウカ「慰安旅行か。良いじゃないか!」

白夜「たまには休みも悪くないな。」

ダクネス「それで、一体どこに行くのだ?」

めぐみん「それは、水と温泉の街、アルカンレティアです!」

アクア「アルカンレティア?今、水と温泉の街アルカンレティアって言わなかった!?」

白夜「何っ!?」

 

 なんかアクアが物凄く反応している。

 その後、全員でアルカンレティアへと向かう事になった。

 その中には、龍とアフロディテも含まれている。

 白夜は、アルカンレティアに行く事を嫌がっていたが、渋々行く事にしたそうだ。

 なんか、嫌な予感がするのは、気のせいか?

 早朝に、俺はカズマに叩き起こされ、残りの皆をアクアに任せて、白夜と共に、バニルの元へ向かう。

 

バニル「へいらっしゃい!……おや、こんな朝早くにどうした?ギーツ、タイクーン、ライコウ。」

カズマ「いや、俺達、ちょっと温泉旅行に行く事になってさ。」

湊翔「例の商売の話はアクセルに帰ってからで良いか?」

バニル「何だ、そんな事か。まだ、準備には時間がかかるので、ゆっくりと羽を伸ばすなり、混浴に期待するなりしてくるが良い。」

カズマ「ここここ、混浴なんて期待してねーし!ただ単に、慰安旅行に行くだけだし!」

湊翔「挙動不審になるな。」

白夜「………それより、何でウィズが焦げてるんだ?」

バニル「ハァァァァ。」

 

 バニル曰く、ちょっと目を離した隙に、商品を勝手に仕入れて、お仕置きに殺人光線を放ったらしい。

 ウィズはリッチーなので、特に影響は気絶するくらいしか無いらしい。

 

バニル「という訳で、このガラクタを返品しようと思って箱詰め中だが、買うか?」

湊翔「何だそれ?魔道具?」

バニル「旅のトイレ事情が解決できる簡易トイレである。用を足す際に、プライバシーを守る為、音まで出る水洗仕様だ。」

カズマ「何それ!凄い!!」

 

 確かに、それは凄いな。

 でも、ウィズが仕入れたと言うことは。

 

バニル「欠点は消音用の音がでかすぎて、モンスターを呼び寄せる事と、水を精製する機構が強力すぎて周囲が大惨事になる事か。」

 

 ほら、やっぱり。

 

湊翔「この店にはまともな魔道具は無いんですか?」

白夜「……………ないな。」

バニル「ハァァァ…………。当店のポンコツ店主は使えない物を仕入れてくる事に関しては類稀なる才能を持っておってな。我輩がちょっと目を離すと、よく分からん物を勝手に仕入れてな……………。そう言えば小僧共。温泉に行くと言ってたな。」

「「「ん?」」」

 

 バニルは、俺たちにウィズを押し付けた。

 ウィズは白夜が背負い、馬車の場所へと向かう。

 

アクア「ちょっと!先に行って、席を取っといてって頼んだのに……!って何を背負ってるの?」

 

 俺とカズマと白夜は、バニルからウィズのお守りを頼まれた事を伝えた。

 

アクア「ふーん。まぁ良いけど。それよりその子だんだんと薄くなってるんだけど。」

カズマ「おい!これ大丈夫なのかよ!回復魔法をかけないと!」

湊翔「カズマ!リッチーに回復魔法は逆効果だぞ!」

白夜「落ち着け!ドレインタッチで、体力を移すぞ!」

 

 そうして慌ててるうちに、カズマがダクネスの体力をドレインタッチでウィズに流していって解決した。

 その後、カズマ、アクア、めぐみん、ダクネス、ウィズの方と、俺、トウカ、白夜、龍、アフロディテの方に別れて、馬車に乗る事になった。

 少し、アクアの泣き声が聞こえた気がするが、気のせいだろう。

 俺たちの方は、五人が乗れるそうで、問題なく座れる事になった。

 しばらくして。

 

御者「アルカンレティア行き、出発します!」

 

 そう言って、一団が動き出す。

 それにしても、初めてアクセルの街以外に行くな。

 ただ、アクアがノリノリなのに対して、白夜にトウカといった面々は、乗り気ではなかった。

 気になった俺は、龍とアフロディテに聞いてみるが。

 

龍「まあ、行けば分かる。」

アフロディテ「そうね。」

 

 そうとしか答えてくれなかったのだ。

 だから、胸騒ぎがするんだよな。

 そんな思いを抱きつつ、アルカンレティアへと出発する事になった。

 ちなみに、英鬼渡は、アクセルの方に残る事になった。




今回はここまでです。
新たなオリキャラ、伊田英鬼渡/マジェスティ・デモニオ/仮面ライダーベクターが登場しました。
ベクターのモチーフは、ダンボール戦機Wに登場するLBX、ベクターがモチーフです。
リクエストによって出来たキャラで、そのキャラが使うレイズバックルは、シーカーのパワードビルダーバックルと似たレイズバックルのハッキングバイオバックルと、ギガントコンテナバックルと似たベクターコアバックルという感じです。
その為、ある意味ではシーカーと似ている仮面ライダーという感じですね。
そして、いよいよ、あの魔境へと向かっていきました。
今日のギーツで、バッファがジャマトバックルを使いましたね。
道長はこの先、どうなってしまうんでしょうか。
そして、疑いをかけられる景和。
果たして、疑いを晴らせるのでしょうか。
今日のギーツも面白かったです。
今日のギーツで、ジャマトバックルの需要が上がりそうな気がしますね。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ちなみに、デザスターの要素を入れる予定は、現状ありません。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第27話 痛々しい街での観光

 アルカンレティアへと向かう為、アクセルの街から出発した俺たち。

 アクセルから遠出するのは、初めてだな。

 

湊翔「しっかし、アルカンレティアって、どんな所なんだ?」

白夜「そ、そうだな……………。」

トウカ「ま、まあ、アルカンレティアは、温泉が有名だからな。」

龍「そうだな。」

アフロディテ「あとは、温泉饅頭とかも美味しいわよ。」

湊翔「へぇ……………。」

 

 いかにもな、温泉街といった感じだな。

 ただ、若干嫌な予感がするんだがな………。

 何せ、白夜にトウカが、先ほどから挙動不審気味なのだ。

 まさか、やばい街なのか?

 でも、めぐみんが、そんなやばい街を慰安旅行先にするか?

 そんな風に不安を抱きつつも、馬車の旅は続いていく。

 流石に暇になり、スパイダーフォンを眺める。

 画面には、各仮面ライダーのデータが映っていた。

 とは言っても、誰が何の仮面ライダーに変身しているのか程度で、所持レイズバックルは不明だが。

 変わりゆく景色を眺めながら、旅行を満喫していたが、突然、馬車の動きが止まって、スパイダーフォンにカズマから連絡が入る。

 

湊翔「カズマ?どうした。」

カズマ「悪い!ちょっと俺達は交戦するぞ!」

湊翔「何で!?」

カズマ「走り鷹鳶って奴が来たんだけど、俺達…………というか、ダクネスが原因で来たんだよ!」

湊翔「どう言う事だよ!?」

 

 話を聞くと、走り鷹鳶は硬い物を見つけて突撃していくそうで、ダクネスの余りの防御力の高さが走り鷹鳶を引き寄せてしまったそうらしい。

 俺たちも同じ仲間として、カズマ達と共に出撃する事になった。

 俺達は全員変身する。

 腰にデザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを構え、装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、ウィズの横には戦闘機の絵とJETの文字が、龍の横には、大型の戦艦の絵と英語でFLEETという文字が現れる。

 全員が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「「「「「変身!」」」」」」」」

 

 俺たちは、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

JET

FLEET

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、ウィズはホーク・ジェットフォーム、龍はムメイ・フリートフォームに変身する。

 ウィズは、カズマ達が乗っていた御者のおっちゃんを守るそうだ。

 

御者「お客さん!勝手に外に……!って!仮面ライダーかよ!」

 

 どうやら、色んな所で噂になっているみたいだな。

 俺たちは、それぞれの武器を持って、走り鷹鳶と応戦する。

 

ダクネス「私に任せろ!」

トウカ「ダクネス!突っ込むなよ!」

カズマ「ったく……………!」

湊翔「やっぱり、ダクネスに集中するか…………!」

白夜「みたいだな。」

めぐみん「とにかく、片っ端から倒しますよ!」

龍「ああ。」

 

 ダクネスが走り鷹鳶に向かって行き、ゾンビブレイカーで倒していく。

 俺たちも、それぞれの武器で、走り鷹鳶を倒していく。

 カズマと白夜は、高速移動をしながら、それぞれの武器で、倒していく。

 トウカと龍は、ダクネスをフォローするかの様に、ソードエクスカリバーと龍が持つ剣で倒していく。

 俺とめぐみんは、マグナムシューター40Xとビートアックスで、遠距離から倒していく。

 だが、走り鷹鳶は、走りながらこちらに来ているので、倒すと、完全には止まらず、こちらに向かってくる。

 そこは、ウィズがカバーしてくれている。

 ウィズは、慣性の法則に従って、倒された走り鷹鳶をこちらに来る前に魔法で消し炭にする。

 何とかなりそうだな。

 そう思っていると。

 

???「ハァァァァァ!!」

湊翔「っ!?」

 

 そんな叫び声がして、俺に攻撃が来たので、すぐに躱す。

 すると、俺が居た場所には、両腕にチェーンソーの刃を付けた、カマキリの頭の仮面ライダーが居た。

 腰にデザイアドライバーを装着していたので、仮面ライダーだと分かったのだ。

 すると、トウカが殺気をぶつけながら問いかける。

 

トウカ「おい、お前、誰だ?」

湊翔「トウカさん、落ち着いて!俺は無事だから!」

 

 俺がトウカを抑えながらそう言う。

 すると。

 

???「貴様!私を忘れたか!?」

湊翔「はい?初対面ですが?」

???「何だと…………!?貴様、私を倒したではないか!?」

湊翔「いや、知らない……………。」

???「愚弄しおって…………許さん!」

 

 そう言って、俺に襲いかかってくる。

 俺は、チェーンソーに当たらない様にして、躱していく。

 ていうか、何なんだよ!?

 俺は、白夜に教わった格闘術を使って、その仮面ライダーと戦う。

 その格闘術と、マグナムシューターの銃撃で、その仮面ライダーとは、互角に戦えている。

 

???「つ、強い……………!」

湊翔「なあ、話を聞いてくれよ!アンタとは本当に初対面なんだよ!」

???「ほざけ!シュバルツギーツが!」

トウカ「シュバルツギーツ?」

白夜「まさか………………。」

龍「シュバルツギーツか。」

 

 この人、シュバルツギーツと応戦していたのか。

 なら。

 俺は、変身解除する。

 すると、その仮面ライダーは、俺に攻撃を当てる直前で動きを止める。

 

???「何の真似だ!?」

湊翔「良い加減に気づけよ。俺は仮面ライダーギーツ。シュバルツギーツじゃない。」

???「何っ!?まさか、本当か?」

白夜「ああ。」

トウカ「彼は桐ヶ谷湊翔。馬場武じゃないわ。」

 

 それを聞いたカマキリの仮面ライダーは、変身解除する。

 どうやら、女性の様だった。

 

???「すまない。早とちりをした様だ。申し訳ない。」

湊翔「いや、誤解が解けた様で、良かったよ。」

トウカ「貴方は?」

ジン「私はジン。」

白夜「ジンか。」

カズマ「おい!そっちは大丈夫なのか?」

めぐみん「そこの人は?」

龍「まあ、色々とな。」

 

 走り鷹鳶を倒して、ジンの誤解も解けた。

 良かった。

 その夜、休憩を取る事になった。

 すると、商隊のリーダーの人が話しかけてくる。

 

リーダー「さあ、どうぞどうぞ!良い部分が焼けたので、召し上がって下さい!」

 

 そう言って、俺たちに肉を差し出してくる。

 昼間、走り鷹鳶を撃退した事で、凄い歓待を受けていた。

 ただ、後ろめたさを感じる。

 

リーダー「いやぁ!まさか、巷で話題になっている仮面ライダーの一団と合間みえるとは実に光栄です!」

 

 勘弁してくれ。

 というより、走り鷹鳶がやって来たのは、仲間のクルセイダーのせいなんです。

 

リーダー「これは、少ないですが、護衛の報酬です!」

カズマ「いやいやいや!護衛の報酬は、本当に結構ですので…………!」

リーダー「何を言われるんですか。殆どの走り鷹さんを倒したのは、あなた方ではないですか!」

湊翔「冒険者なら、あの場に居たなら、戦闘に参加するのは、当然の事ですよ!」

リーダー「何という方々だ…………!この世知辛い世に、まだ、あなた達の様な本物の冒険者が居たとは!」

 

 俺たちは、マッチポンプに近い状況で、報酬を受け取るのを拒否した。

 すると、リーダーはそう言って泣く。

 こんなマッチポンプで、報酬なんか受け取れるか!

 そう思うのだった。

 その後、アクアはウィズを連れて、宴会芸を披露していた。

 カズマは、走り鷹鳶の戦いで、傷ついたダクネスの鎧を直して、それをダクネスとめぐみんが見ていた。

 龍とアフロディテは、お互いにイチャイチャしていた。

 俺、トウカ、白夜は、ジンに話を聞いていた。

 

湊翔「つまり、シュバルツギーツと戦い、負けたと。」

ジン「ああ。その際、煽ってきたのでな。」

トウカ「なるほどね……………。」

白夜「アイツ、どんだけ面倒な事をやってくれたんだよ。」

 

 本当だよ。

 こりゃあ、アイツが面倒な事を起こす度に、俺がとばっちりを受ける奴じゃん。

 すると、ジンは頭を下げる。

 

ジン「本当に申し訳ない。早とちりで、迷惑をかけたな。」

湊翔「気にすんなって。」

トウカ「まあ、仕方ないでしょ。」

白夜「だな。」

ジン「借りが出来たな。もし、何かあったら、呼んで欲しい。力になるぞ。」

湊翔「ああ。」

 

 そうして、ジン/仮面ライダーマティスと協力関係になった。

 そこに、ダクネスがやって来る。

 

ダクネス「なあ、ジンとやら。」

ジン「ん?」

ダクネス「どこかで、あなたと会った事はないか?」

ジン「………………気のせいじゃないか?」

 

 そんな風に話して、ダクネスは、若干納得してなさそうにして、戻った。

 その後、俺たちは寝る事にした。

 だが、しばらくして、目が覚めた。

 物音がしたからだ。

 

湊翔「………………ん?」

 

 何だ?

 俺は、周囲を見渡すが、特に誰も起きていない。

 いや、起きていた。

 カズマとダクネスが。

 すると、トウカと白夜も目が覚める。

 

トウカ「何だ……………?」

白夜「何かいるのか?」

湊翔「多分な。」

 

 俺とトウカと白夜は、そう話す。

 すると、周囲の人たちも目を覚ます。

 俺たちは、カズマとダクネスの方に向かう。

 

湊翔「おい、カズマ。何か居たか?」

カズマ「湊翔か。千里眼スキルで見てみたんだが、人型なんだが、動きが鈍い!」

 

 なるほどな。

 他の冒険者が、焚き火の火を長めの棒に移して、外に向かって投げる。

 すると、そこにはゾンビが居た。

 

「「「なあああああーっ!?」」」

 

 周囲の人が叫び声を上げる中、俺はマグナムシューターを、トウカはソードエクスカリバーを、ダクネスはゾンビブレイカーを構える。

 

カズマ「俺はアクアを起こしてくる!こんな時位は、アイツも役に立つだろ!」

湊翔「分かった!」

 

 カズマはそう言って、アクアの方に向かう。

 俺たちは攻撃しようとするが、ゾンビの群れは、俺たちを無視して、アクアの方に向かう。

 

湊翔「あれ?何でアクアの方に向かってんだ?」

トウカ「ああ……………ん?なんか、この光景に、既視感が……………。」

 

 奇遇だな、俺もだ。

 俺とトウカがそう言う中、アクアの叫び声が聞こえてきた。

 

アクア「わあああああーっ!何事!?何で私、目が覚めたらアンデッドに集られてるの!?カズマさーん!」

 

 アクアはそう叫ぶ。

 すると、既視感の正体が分かった。

 分かったと同時に、罪悪感が再び出てくる。

 つまり………………。

 

湊翔「これ、また俺たちのせいじゃね?」

トウカ「だよな……………。」

アクア「迷える魂よ、眠りなさい!ターンアンデッド!」

 

 俺たちがそう話す中、アクアは浄化魔法を発動させる。

 ゾンビ達が浄化されていく。

 

ウィズ「ほえ〜!!」

ダクネス「ああっ!ウィズ!」

白夜「ウィズ!しっかりしろ!!」

 

 ウィズも浄化されかけ、ダクネスと白夜の慌てた声が聞こえる中、俺は心の中で謝っていた。

 そう。

 既視感の正体は、ベルディア戦にあった。

 ベルディア戦にて、ベルディアが召喚したアンデッドナイトが、アクアに集中した事があった。

 つまり、走り鷹鳶の時に続いて、俺たちの仲間がやらかしたという事だ。

 俺は、カズマと合流する。

 

湊翔「カズマ、これって……………。」

カズマ「言うな。俺もそう思ってるから。」

 

 俺とカズマがそう話す中、浄化をし終えたアクアが、ドヤ顔でこちらに来る。

 

アクア「どう、カズマ、湊翔?この私の女神っぷりは!この旅の間、活躍しっぱなしじゃないかしら?そろそろ私に、お供え物の一つぐらい捧げてくれても、罰は当たらないわよ!」

 

 こいつ!

 お前のせいでこうなってるんだろうが!

 何ドヤ顔してんだ!

 すげぇムカつく。

 その後、リーダーが再び礼金を俺たちに払おうとしたので、即座に拒否した。

 それからしばらくして、アルカンレティアに到着した。

 ちなみに、ジンとは別れた。

 ジンは、あの旅団の護衛として雇われていたそうで、護衛が続くからそうだ。

 一団が去っていく中、めぐみんが言う。

 

めぐみん「ああ、じゃりっぱ…………!じゃりっぱが行ってしまいます……………!」

カズマ「お前、何してんだ?」

白夜「ドラゴンの名前を、めぐみんに求めちまったのか……………。」

 

 どうやら、カズマ達の方には、レッドドラゴンの赤ちゃんが乗っていた様で、そのドラゴンにそう名付けてしまったそうだ。

 俺が苦笑する中、アクアが言う。

 

アクア「さあ、着いたわね!水と温泉の都アルカンレティア!ここは、アクシズ教団の総本山なのよ!」

「「っ!?」」

 

 ここがアクシズ教団の総本山!?

 何てこった。

 道理で、アクアが行きたがり、対照的に、白夜とトウカが行きたがらなかった訳だ。

 これ、絶対慰安旅行にならねぇだろ。

 

アクシズ教徒「ようこそいらっしゃいました!観光ですか?入信ですか?冒険ですか?洗礼ですか?」

アクシズ教徒「なんて美しく輝かしい水色の髪!地毛ですか?羨ましい!羨ましいです!その、アクア様みたいな羽衣もよくお似合いで!」

トウカ「押しが強い!」

湊翔「すいません、ウチにはもうアクシズ教のアークプリーストがいるもので。今日は観光に来ているので、また………。」

アクシズ教徒「そうでしたか!さようなら同志!あなた方が良き1日であらん事を!」

 

 流石、厄介者だらけの街だ。

 慰安旅行で来たけれど、全然休めない。

 その後、アクアがチヤホヤされると言って、アクシズ教団の教会に向かい、めぐみんは心配だからという理由で、アクアについて行った。

 俺、トウカ、白夜、カズマ、ダクネスは、ウィズの方にいた。

 カズマがウィズにドレインタッチでダクネスの魔力を移す中、ウィズが目を覚ます。

 

カズマ「目が覚めたか。」

湊翔「もうアルカンレティアに到着しているよ。」

ウィズ「川の向こうで、ベルディアさんが私に声をかけてたんですが……………。」

 

 それ、臨死体験じゃん。

 三途の川じゃん。

 その後、ウィズの看病を白夜に任せて、俺たちは観光をする事になった。

 

ダクネス「カズマ、湊翔、トウカ!見てくれ!美しい女神像だな……………。」

トウカ「………………そうね。」

 

 ダクネスは、噴水の所に置いてある女神像を指差して言い、トウカは、そこまで興味を示していなかった。

 それを見た俺とカズマは。

 

((……………詐欺だな。))

 

 そう思った。

 実際に、女神アクア本人を見ても、詐欺としか思えない。

 すると。

 

女性「きゃあっ!?どうしましょう、折角買ったリンゴが…………!」

 

 そう言って、りんごを落とした。

 俺たちは、りんごを拾って、その女性に渡す。

 

女性「どうもありがとうございました!おかげで助かりました!何か、お礼をさせては貰えないかしら…………。」

 

 そう言って、俺たちを見つめてくる。

 若干、嫌な予感がしたので、俺は少し下がる。

 カズマは頬を赤くして、ダクネスは不機嫌そうな顔になる。

 すると、その女性は。

 

女性「この先に、アクシズ教団の運営するカフェがあるんです。そこで私とお話ししませんか?」

「「結構です。」」

 

 その女性はそう言った。

 やっぱり。

 俺たちは、すぐに去ろうとする。

 だが、その女性は、俺たちの腕を掴む。

 

女性「まあまあお待ちになって下さい!私、実は占いが得意なんです!お礼代わりに占わせては頂けませんか!?」

湊翔「結構です!!」

カズマ「ちょ、本当に結構なんで……………はな……………放せぇぇぇ!!」

 

 俺たちがそう叫ぶも、女性は必死にしがみつき、目を光らせて言う。

 ていうか、怖いって!

 

女性「今、占いの結果が出ました!このままでは、あなた達に不幸が!でも、アクシズ教に入信すれば、その不幸が回避できます!入りましょう!ここは入っておきましょう!」

湊翔「その不幸は、今まさに遭遇してるよ!さっさと放せ!」

カズマ「ダクネス、助けてくれ!」

 

 俺とカズマがそう叫ぶと、トウカとダクネスが助けに入る。

 

トウカ「ちょっと、そこの2人が嫌がってるだろ。やめろよ。」

ダクネス「すまない、私はエリス教の信徒でな。」

女性「ぺっ。」

 

 トウカの言う事は聞かなかったが、ダクネスがそう言うと、女性は道に唾を吐く。

 そして、買い物袋を持って、ある程度歩くと。

 

女性「ぺっ。」

 

 女性は再び唾を吐く。

 どんだけ、エリス教を毛嫌いしてるんだよ。

 

カズマ「お、おいダクネス、その、あれだ。アクシズ教とエリス教は仲が悪いみたいだし、そのお守りは隠しておけ。」

湊翔「まあ、仕方ないよな…………。」

ダクネス「んっ……………!」

 

 俺とカズマがそう言うと、ダクネスは小さく呻いて、体を震わせる。

 

トウカ「……………ダクネス。もしかして、少し興奮したのか?」

ダクネス「……………してない。」

カズマ「だって…………『んっ……………!』って。」

 

 トウカがそう聞くと、ダクネスはそう答える。

 俺たちは、人通りの少ない道へと向かう。

 理由は勿論、アクシズ教徒と遭遇するのを回避する為だ。

 

ダクネス「流石は、アクシズ教の総本山だな。」

トウカ「だからここには、行きたくなかったんだよ…………。」

湊翔「俺もそう思うよ。」

カズマ「まあ、人通りも少ないし、大丈夫だろ。」

 

 俺たちがそう話す中、目の前から男と少女の2人が現れる。

 何か、嫌な予感が。

 すると、女性が叫ぶ。

 

女性「きゃあああっ!助けて!すいませんそこの方、助けて下さいっ!あの凶悪そうな、エリス教徒と思しき漢が、私を無理矢理暗がりへ引き摺り込もうと…………!」

男性「へっへっ!おい、そこの兄ちゃん達!お前らはアクシズ教徒じゃねえな?ハッ!強くてかっこいいアクシズ教徒だったなら逃げ出した所だが、そうじゃないなら、遠慮はいらねぇ!暗黒神エリスの加護を受けた俺様の、邪魔をするってのなら、容赦はしねえぜ!」

 

 そんな三文芝居を繰り広げていた。

 要は、アクシズ教団に入れという事なのだろう。

 気になった俺は、トウカに聞く。

 無論、アクシズ教徒に聞かれない様に。

 

湊翔「トウカ、女神エリスって、暗黒神なのか?」

トウカ「そんな訳無いだろ。アイツらがでっち上げただけだ。」

 

 ですよね。

 なら、放置一択だな。

 そう思い、俺たちは無視して立ち去ろうとする。

 すると、少女と男が話しかけてくる。

 

少女「ああっ、見捨てないで、そこの方達!大丈夫、この紙に名前を書くだけで、アクア様から授けられるアレな超パワーで強くカッコよくなれます!その力に恐れをなして、このエリス教徒も逃げ出す事でしょう!」

男「そうだぜ!しかも、入信すると芸達者になったり、アンデッドモンスターに好かれやすくなったりと、様々な不思議特典もあるんだぜ!」

 

 どうでも良い。

 芸達者になったり、アンデッドモンスターに好かれやすくなるって、別に要らないだろ。

 そんなアクアみたいになったら、バカが移りそうだし。

 俺は少しずつ、ストレスが溜まっていく。

 これ、拷問の類ですか?

 ていうか、もう三文芝居をやめてないか?

 すると、ダクネスがエリス教徒のペンダントを取り出し、言う。

 

ダクネス「おい!私の前でエリス様を暗黒神呼ばわりするとは…………!」

「「ぺっ。」」

 

 ダクネスが何かを言い終える前に、少女と男は唾を吐き、その場から去っていく。

 アクシズ教徒は、こんな連中ばっかなのか?

 ダクネスは、再び震えた。

 

湊翔「……………エリス教も、こんな連中ばっかじゃないだろうな?」

トウカ「そんな訳ないだろ。私の親友が特殊なだけだ。」

 

 俺の呟きに、トウカはそう答える。

 そう答えるトウカの顔は、呆れていた。

 トウカもトウカで、苦労してたんだな。

 その後も……………。

 

アクシズ教徒「あら!パーティかしら!どうも、アクシズ教に入りませんか?今なら食べられる石鹸も付いて来ますよ!」

アクシズ教徒「あら!ねぇねぇ久し振り!私よ、私!あ!でも分かんなかった?私アクシズ教に入ってから変わったからさ!君もアクシズ教に入ろうよ!」

アクシズ教徒「あらあら!新婚が2組も!じゃあ、これもらって!良いのよ!叔母さんからのご祝儀よ!この洗剤ね!飲んじゃっても大丈夫!」

 

 と、こんな具合に勧誘が凄まじく、オープンカフェで俺達は撃沈していた。

 

湊翔「………………もう嫌だ。アクセルに帰りたいよ。」

トウカ「……………気持ちは痛いほど分かる。」

カズマ「…………どうなってんだこの街は。と言うか、アクシズ教団ってのは、何なんだ。」

 

 俺たちがそう話す中、ダクネスは頬を火照らせていた。

 すると、注文していた料理が来て、俺たちは食べようとする。

 すると。

 

ウェイトレス「あ、エリス教徒のお客様。こちらは、当店からのサービスです。」

 

 ウェイトレスがそう言って、ダクネスの足元に置いたのは、犬の餌。

 

ウェイトレス「では、ごゆっくりどうぞー。」

 

 そう言って、ウェイトレスは去っていく。

 もう嫌だ。

 慰安旅行になってないし。

 すると、ダクネスが俺たちに話しかける。

 

ダクネス「…………なあ、カズマ、湊翔、トウカ。皆でこの街に住まないか?」

カズマ「…………絶対嫌だ。」

湊翔「断る。」

トウカ「無理。」

 

 ダクネスの問いに、俺たちは異口同音に答える。

 俺たちは食事を終えて、宿に戻る事にした。

 人目の少ない路地裏を歩いていると、1人の女の子が転んだ。

 

湊翔「おい!大丈夫か?」

女の子「うん。ありがとう。お兄ちゃん達、お姉ちゃん達。」

トウカ「大丈夫そうだな。」

カズマ「大丈夫か?ほら、立てるか?」

 

 俺たちの問いに、少女ははにかむ。

 どうやら、子供はマシみたいだな。

 

女の子「うん、もう大丈夫!ありがとう!親切なお兄ちゃん達、お名前教えて?」

カズマ「カズマだよ。サトウカズマ。」

湊翔「俺は湊翔だ。桐ヶ谷湊翔。」

女の子「サトウカズマに桐ヶ谷湊翔?ねえ、どんな字を書くの?書いてみてお兄ちゃん達!」

カズマ「ああ、良いよ。」

湊翔「俺らの名前はな…………っ!?」

 

 俺たちは、女の子から紙とペンを受け取って、名前を書こうとするが、直前で気づく。

 その紙が、アクシズ教団の入信書である事に。

 俺はマグナムシューターで、入信書を撃ち、カズマはニンジャデュアラーで、入信書を斬り裂く。

 

「「くそったりゃああああーっ!!」」

女の子「お兄ちゃん達〜〜〜〜!!!」

 

 俺たちがそう叫ぶ中、女の子もそう叫ぶ。

 何なんだよ!!

 悪質すぎるだろ!!

 これじゃあ、アクシズ教じゃなくて、悪質狂だろうが!!

 俺のストレスゲージは、振り切った。

 俺とカズマは怒り、アクシズ教団の本部の教会に向かう事にした。




今回はここまでです。
少し、短めです。
アクシズ教徒のしつこい勧誘に、湊翔はキレました。
湊翔は、アクシズ教徒の様な自分勝手な人は嫌いなので。
しかも、子供を使ってでも、勧誘しようとした時点で、キレるのは確定でした。
次回は、アクアが魔女と呼ばれる頃までです。
そして、ハンス戦も始まろうとしています。
今回のギーツは、良かったです。
景和が、汚名返上と言わんがばかりに活躍して、見事、逆転する事に貢献出来たんですから。
ただ、MOVIEバトルロワイヤルの景和の悪魔といい、若干、不安要素はある訳ですが。
この小説のジャマトの成長は、退場者のIDコアが用いられています。
ただ、それは、とある神が、その様に細工した結果です。
その神は、ロキで、今後の物語や、MOVIEバトルロワイヤルにも関与してきます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ちなみに、今回の話で登場したジン/仮面ライダーマティスは、リクエストで出来ました。
グレアの変身者は、ギロリではなくオリキャラになる予定です。
ジャマトフォームに関しては、どうしようかなと思っています。
流石に、ダクネスを死なせる訳にはいかないので。
もし、ジャマトフォームに関する意見がある場合は、お願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第28話 温泉街での暗躍

 アクシズ教。

 それは、国教とされるエリス教の陰に隠れ、アルカンレティア以外では、非常にマイナーな宗教だ。

 だが、その存在感は凄まじく、野盗に襲われた際には、アクシズ教徒である事を言うと、見逃されるという。

 マイナーであるが、その信仰心は凄まじく、他宗教の妨害や嫌がらせなども、平気で行うらしい。

 魔王軍すらも、アクシズ教は敬遠しているという。

 そんなアクシズ教の本部の教会に…………。

 

カズマ「オラァァァァァ!!」

湊翔「今すぐに責任者出てこい!みっちり説教だ!!」

 

 俺とカズマは、怒鳴り込んでいた!

 すると、トウカが抑える。

 

トウカ「2人とも、気持ちは痛いほど分かるけど、とにかく落ち着け!」

 

 トウカが抑える中、1人の女性が呑気にやって来る。

 

アクシズ教徒「あら、どうなさいましたか?入信ですか?洗礼ですか?それとも私?」

カズマ「わ、私って……………。」

アクシズ教徒「何ちょっと照れてるんですか、冗談ですよ。頭大丈夫ですか?」

湊翔「そんな事はどうでも良いから、さっさと最高責任者出してくれ。説教だ!」

 

 カズマが、アクシズ教徒に揶揄われる中、俺はそう叫ぶ。

 もう我慢ならん!

 ここの連中は、反省した方が良いだろ!!

 

アクシズ教徒「すいません。ただいま、最高司祭のゼスタ様を始め、他の信者の方は布教活動という名の遊び……………いえ、アクア様の名を広める為の活動に出掛けていて留守にしております。」

湊翔「おい。今、とんでもない事言ったな!面白半分であんな迷惑な事をしてんのか!?」

 

 遊びだと!?

 傍迷惑すぎんだろ!!

 こいつら、一度滅んだ方が良いんじゃないのかな……………。

 俺がそう思う中、カズマが質問をする。

 

カズマ「あのさ、ここに眼帯をつけた魔法使いの女の子と、水色の髪のアークプリーストが来なかったか?」

アクシズ教徒「あら、あの方の仲間達でしたか。魔法使いの方なら……………。」

 

 カズマの質問に、アクシズ教徒は、ある一点を指差す。

 そこに居たのは、物凄くやつれためぐみんの姿だった。

 しかも、ポケットというポケットに、入信書が突っ込まれていた。

 

トウカ「めぐみん…………!?」

アクシズ教徒「ところで、あちらのお連れさんは、放っておいて良いんですか?」

湊翔「え?……………あ。」

 

 アクシズ教徒がそう言うので、玄関先の方を見ると、ダクネスが子供達に石を投げられていた。

 

カズマ「こらーっ!クソガキども!何やってんだ!」

 

 俺たちは、急いで子供達を追い散らす。

 子供達もこんな様とは、もう手遅れなんじゃないのかな……………。

 そう思っていると。

 

ダクネス「か、カズマ、湊翔、トウカ………。この街は色々とレベルが高いな…………。女子供に至るまで、その全てが私に牙を剥いて…………!」

湊翔「ダクネス。そのエリス教のお守り、もう仕舞ったらどうなんだ?」

ダクネス「断る。」

トウカ「こっちもダメだ……………。」

 

 俺のアドバイスに、ダクネスは即答して、トウカは呆れ声を出す。

 そんな中、俺とカズマは、アクアが居るという、懺悔室へと向かっていた。

 トウカは、めぐみんを慰めていた。

 俺たちは、アクアが入っているであろう扉をノックする。

 

カズマ「アクア!おいアクア!早く出てこい!」

 

 だが、反応しない。

 仕方なく、俺たちは懺悔をする人が入る方から中に入る。

 すると。

 

アクア「ようこそ、迷える子羊よ…………。さあ、あなたの罪を打ち明けなさい。神はそれを聞き、きっと赦しを与えてくれるでしょう…………。」

 

 そんな風に宣うアクアの声が。

 こいつ、ノリノリで言いやがって…………!

 ていうか、こいつは調子に乗らせると自滅する奴だから、そういうのはやめろよ。

 

カズマ「子羊じゃない、俺と湊翔だよ。」

湊翔「おい、この街はどうなってんだ。お前の信者をどうにかしろよ。」

 

 その言葉に、アクアは一瞬黙り、答える。

 

アクア「……………今回は、2人同時に認めましょう。オレオレ詐欺を働いたのですね。深く、深く反省しなさい。さすれば、慈悲深き女神アクア様は、赦しを与えてくれるでしょう。」

カズマ「おい、俺だって言ってんだろ、何すっとぼけた事言ってんだ。」

湊翔「お前、ちょっと楽しいんだろ。本当にごく稀にしか出来ないプリーストっぽい事ができて、ちょっと嬉しいんだろ。」

 

 俺とカズマの言葉に、アクアは再び黙る。

 そして、若干の苛立ちを言葉に滲ませる。

 

アクア「……………他に、懺悔はありませんか?無ければ、この部屋を出て、再び前を向いて生きなさい……………。」

湊翔「おい、遊んでないでちゃんとこっちの話を聞け。」

カズマ「お前はこの街で崇められるような存在のアークプリーストだろ。連中をもうちょっと自重させる様に言えよ。」

 

 俺とカズマの言葉に、アクアは三度無言になり、口を開く。

 

アクア「もう何もない様ですね。…………では、私は次の迷える子羊を待つとします…………。さあ、お行きなさい。」

湊翔「おい!そんな馬鹿げた事してないで、さっさと出てこい!」

アクア「出て行って!懺悔が終わった人は出て行って!」

 

 こいつ!

 本当に面倒だな!

 何だって、色んなことに影響されやすいんだよ!

 どうしたものかと思っていると。

 

カズマ「湊翔、話がある。」

湊翔「ん?」

 

 カズマがそう言って来るので、耳を貸す。

 すると、ある提案をされる。

 俺はすぐに了承して、椅子に座る。

 

カズマ「……………実は、この場で打ち明けたい話があるのです。プリースト様。」

アクア「!?…………聞きましょう。さあ、貴方達の罪を告白し、懺悔なさい。仲間のクルセイダーやソードマスターの洗濯物に興味津々な事ですか?魔法使いのしっとり滑らかな黒髪に、鼻先突っ込みたいという欲望ですか?美しくも気高いプリーストに、劣情を抱いてしまったとかですか?」

 

 こいつ、言いたい放題に言いやがるな。

 少なくとも、アクアに劣情を抱いた事なんて、一切ない。

 あと、俺がトウカの洗濯物に興味津々だとか言うな。

 だが、そこまで言ったのだ。

 覚悟はした方が良いぞ。

 

カズマ「………………仲間のプリーストが大事にしていた、宴会芸に使う専用のコップをうっかり割ってしまい、ご飯粒で形だけ変えてこっそり戻しておきました。」

アクア「っ!?」

湊翔「その仲間のプリーストが、時々訳の分からない物を拾って来るので、そのプリーストが居ない時に、こっそり捨てました。」

アクア「えっ!?」

カズマ「あと、滅多に手に入らない良い酒が手に入ったと自慢していたので、そんなに旨いのかと興味が湧き、一口のつもりでそれをこっそり飲んだんですが…………予想以上に旨くて全部飲んでしまい、どうせ味なんて分かんねーだろと、安酒を詰めておきました。」

アクア「何言ってんの!?ねえカズマ、湊翔、何言ってんの!?」

 

 俺たちの言葉に、アクアはそう言う。

 そして、俺は止めとして、声を出して言う。

 

湊翔「そのプリーストが、あまりにも問題ばかり起こすので…………この街に来る前に、エリス教プリースト募集の紙を、冒険者ギルドのメンバー募集掲示板に貼りま…………。」

 

 俺がそこまで言うと、アクアが仕切りを開けて、つかみかかって来る。

 

アクア「わああああーっ!背教者め!天罰食らわせてやる!!」

湊翔「誰が背教者だ!!」

 

 俺とアクアは、そう叫んで、お互いに取っ組み合いの喧嘩をする。

 アクシズ教徒に味合わされた鬱憤をぶつけるべく。

 その後、アクアの対応はカズマに任せた。

 俺は、アクアとの取っ組み合いで疲れた。

 トウカ達の方に戻る。

 トウカは、ぐったりとしていた。

 

湊翔「トウカ……………大丈夫か?」

トウカ「大丈夫じゃないよ……………。」

めぐみん「アクシズ教徒……………怖いです。」

 

 トウカとめぐみんは、顔を青ざめ、震えていた。

 やっぱり、アクシズ教徒は怖いな。

 関わりたくないわ。

 その後、アクアは教会の温泉に入るらしく、俺たちは宿に戻った。

 部屋に戻ると、ウィズが体をほこほこさせて寛いでいた。

 

ウィズ「あっ、皆さんお帰りなさい!」

湊翔「もう大丈夫か?」

ウィズ「はい。ご心配おかけしました。

トウカ「白夜はどうしたんだ?」

ウィズ「白夜さんなら、少し前に、汗を流してくると言って、どこかに行きましたよ。龍さんとアフロディテさんも、もう少しで帰ってくる筈ですが。」

 

 なるほどな。

 すると、白夜、龍、アフロディテの3人が帰ってきた。

 

白夜「ただいま〜。」

龍「戻ったぞ。」

アフロディテ「あら、皆さんが先でしたか。」

カズマ「ああ。」

ウィズ「混浴の方は、広かったですよ。誰も居なかったので、貸切状態でしたし。」

 

 ウィズがそう言うと、カズマは驚いた表情を浮かべる。

 考えている事は察したので、黙っておく。

 

ウィズ「カズマさん?どうかしましたか?」

カズマ「いい、いや別に何でも!?それより、明日は宿から出たくない。この街は色々おかしい。」

めぐみん「私もです。アクシズ教徒、怖いです。」

ダクネス「わ、私は…………明日も観光しようかな…………。」

白夜「お前、本当にブレないな。」

湊翔「まあ、今日は凄く疲れた。風呂にでも入ってくるか。」

白夜「なら、俺も入るわ。」

龍「俺も入るか。」

 

 そう言って、俺達は、風呂に入る事にした。

 男性陣が先に風呂場に向かう。

 カズマだけは、混浴の方に入って行った。

 俺たちは、脱衣所で服を脱ぎ、風呂場へと入っていく。

 意外だったのは、アクシズ教徒が、龍を避けている事だ。

 どういう事なんだ?

 気になって、龍に聞いてみた。

 

龍「ああ……………アルカンレティアには、度々来てるんだけど、何回か来た後、勧誘されなくなったな。」

 

 何で?

 龍曰く、来る度に何か起きているので、それが理由で、アクシズ教徒は避ける様になったそうだ。

 何はともあれ、アクシズ教徒に絡まれなくて済むのはありがたい。

 俺達は風呂に入る。

 

湊翔「ハァァ……………慰安旅行なのに、こんなに疲れるとはな…………。」

白夜「全くだ。」

龍「アルカンレティアは、そういう所だからな。」

 

 もう絶対に、ここには来たくない。

 ここは本当に魔境と言えるだろうな。

 すると、白夜が質問をしてくる。

 

白夜「なあ。」

湊翔「うん?」

白夜「お前ってさ、トウカの事をどう思ってるんだ?」

湊翔「トウカの事を?」

白夜「ああ。」

湊翔「いきなりだな。」

龍「俺も気になっていた。」

 

 白夜と龍は、いきなり何だ?

 2人の表情は真剣な物で、ふざけた答えはダメだと悟る。

 そう思い、俺はトウカの事を考える。

 しばらく考えた末、答えを出す。

 

湊翔「大切な仲間……………だと思う。でも、最近、トウカの存在がどんどん大きくなっていく気がする。」

白夜「そうか。」

龍「なるほどな。」

 

 そう。

 あの裁判の後、トウカの存在は、着実に大きくなっている。

 ここ最近、トウカの事を良く考える様にもなった。

 そして、トウカの事を考えると、胸がドキドキする。

 何だ、この感覚は。

 そういえば、トウカと俺を転生させてくれたあの女神アテナは、雰囲気が似ている気がする。

 まさか……………2人は同一人物なのか?

 まさかな。

 すると、龍が真面目な表情で言ってくる。

 

龍「湊翔。」

湊翔「ん?」

龍「トウカの事を大切にしてやれよ。お前にとって、大切な仲間なんだろ?」

湊翔「ああ。分かってる。」

 

 俺は、龍の言葉に頷く。

 大切な仲間だからこそ、絶対に守ってみせる。

 すると、横からカズマ達の叫び声が聞こえてくる。

 

白夜「隣が騒がしいな。」

湊翔「まあ、カズマ達はああじゃないとな。」

龍「まあ、上がるとしよう。」

 

 俺たちはそう話して、脱衣所へと向かう。

 すると、俺と白夜、龍の服の上に石鹸と入信書が置かれていた。

 それを見た俺と白夜は。

 

「「アァァァァァァァァ!!」」

 

 置いてあった石鹸を、叫びながら床に向かって投げ捨てた。

 龍は苦笑気味だった。

 途中、カズマと合流して、部屋に戻ると。

 

アクア「あんまりよおおおおおお!私、何も悪い事してないのに…………!温泉に入ってただけなのに!!」

ウィズ「アクア様、災難でしたね…………。というかその、お、お願いですから泣き止んでください。アクア様の涙が肌に当たると、凄くピリピリして痛いんです……………。」

 

 アクアが戻ってきていて、泣いていた。

 そんなアクアを、ウィズは落ち着かせようとしていた。

 

カズマ「どうしたんだよ。」

白夜「お前、今度は何をやらかしたんだ?」

湊翔「どれだけの人に迷惑をかけたんだ?」

アクア「何よその言い方っ!どうして私が悪い事をしたって決めつけるのよ!」

 

 俺たちがそう言うと、アクアは食ってかかってくる。

 すると、ウィズが話しかける。

 

ウィズ「それが……………アクア様がアクシズ教徒の秘湯に入ったら、温泉がただのお湯になってしまったらしくて、それで……………。」

アクア「それで、追い出されたのよー!私、女神なのに!どうして私を崇めている教会から追い出されなくちゃいけないの!?」

 

 ウィズがそう言うと、アクアはそう叫ぶ。

 そういや、アクアって、体に触れた水を浄化する力があったな。

 そりゃあ、そうなるのも無理はないだろ。

 

アクア「それで…………!一番腹が立つのは、そこの温泉の管理の人に、私言ったの!私は女神だって!そうしたら、その管理の人が…………鼻で笑って……………っ!女神なのに!私、女神なのに…………っ!!」

 

 ああ、そういう事か。

 だがなぁ……………。

 アクアの事を女神かと信じられるかというとなぁ……………。

 俺、カズマ、白夜はアクアをじっと見て。

 

「「「………………フッ。」」」

アクア「わああああああーっ!!」

 

 鼻で笑うと、アクアは更に泣く。

 翌日、俺たちが朝食を取っていると、アクアが叫ぶ。

 

アクア「この街の危険が危ないの!!」

湊翔「ちゃんと正しい言葉遣いで喋ってほしいんだけど。」

トウカ「昨夜、あれだけ泣いていたのに、一体何があったのよ。」

白夜「何がどう危ないんだ?」

 

 そんな事を言い出すので、俺達は聞く事にする。

 

アクア「実は温泉の管理人が言ってたんだけど、最近、温泉の質が下がってるらしいの。これは、我が教団を警戒した魔王軍が真っ向勝負じゃなくて温泉の質を下げてアクシズ教団の財源を絶とうとしてるのよ!」

「「「「そうなんだ。すごいね。」」」」

アクア「信じてよー!!!」

 

 アクアの言う事に、俺達は棒読みで言う。

 魔王軍がわざわざ、そんな回りくどい事をするか?

 そんな考えが全員にあるのか、アクアの突拍子も無い台詞を信じていない。

 すると、アクアは机を叩いて立ち上がる。

 

アクア「私はこの街を守る為に立ち上がるわ!皆ももちろん協力してくれるよね!」

 

 アクアはそう言うが、すぐに驚きの表情を浮かべる。

 

カズマ「俺は散歩とかで忙しいから。」

めぐみん「私も、アクシズ教徒の恐ろしさを嫌というほど知ったので、もう関わりたくありません。」

ちょむすけ「なーお。」

湊翔「俺もパス。」

トウカ「私も。」

白夜「俺もだ。」

 

 全員、関わりたくないそうだ。

 その事に腹を立てたのかアクアが机を叩く。

 

アクア「なんでよー!散歩とかどうでも良いじゃ無い!めぐみん達もウチの教団の子を嫌わないでよー!じゃ、じゃあダクネスは?」

ダクネス「わ、私はその、あれだ。」

アクア「お願いよー!!」

ダクネス「分かった!分かったから!頼むから私のグレープジュースを浄化しないでくれ!」

 

 ダクネスはアクアに押し切られる形で協力する事になった。

 ウィズはアクアが泣きついた結果、浄化しかかって、寝たきりになっている。

 白夜は、アルカンレティアから離れた場所で、自作のサンドバッグを使って、特訓するそうだ。

 龍とアフロディテは、またどこかへと出かけた。

 それで、俺、トウカ、カズマ、めぐみんの4人で、観光をする事に。

 アルカン饅頭を食べながら、俺たちは話す。

 

カズマ「こうしていれば、普通に良い街なんだがな……………。」

湊翔「全くだ。」

めぐみん「そうですね。景色は良いし、ご飯は美味しいのに……………。」

トウカ「人間だけがダメだよな……………。」

 

 俺たちはしみじみとそう語る。

 すると。

 

アクシズ教徒「あぁぁぁら!良い天気!これもアクア様の思し召しかしら!?」

 

 そう言いながら、1人のおばさんがやって来る。

 それを聞いて、俺たち4人が思ったのは。

 

((((……………来た!!))))

 

 やっぱり来やがった。

 俺たちがそう思う中、おばさんは話しかけてくる。

 

アクシズ教徒「それはそうとこの鍋ね。焦げないの!今なら、入信すれば必ずもらえるから!」

 

 そう言うので、俺たちは移動を開始する。

 

アクシズ教徒「ああっ!ちょっと待って!遠慮しなくて良いのよ!」

 

 遠慮するわ!

 やっぱりやべぇ街だ!

 俺たちが移動する中、男女が話しかけてくる。

 

アクシズ教徒「あら、お散歩かしら?お兄さん達にはこれを!」

アクシズ教徒「妹さんとお姉さんにはこれを!」

アクシズ教徒「今なら漏れなくもう一個付いてくる!」

 

 そう言いながら、石鹸とタオルを渡して来ようとする。

 俺たちが無視しながら歩く中、男性が俺とカズマの肩を掴む。

 

「「ヒィィィィ!」」

アクシズ教徒「ちょっと!何故、私の目を見て話さないのです!?貴方達の為!!!貴方達の為なんです!!!!!」

「「うわぁぁぁぁぁぁ!!」」

「「あぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

 紅魔族みたいに目を光らせながら迫る様に恐怖して、俺たちは叫ぶ。

 その後も、アクシズ教徒が勧誘をしつこく迫り、俺達は橋で疲弊していた。

 

「「はぁぁぁぁ………………。」」

めぐみん「石鹸って飲めるんでしたっけ?」

トウカ「洗剤って飲めるんだっけ?」

 

 普通、飲めないだろ。

 もう嫌だ、この街。

 俺とカズマは周囲を見ると、桟橋の所に1人の男がいて、何やら呟いていた。

 

???「俺にはそんなに洗うもんなんてねぇんだよ。石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤。」

「「飲める。」」

「「えっ!?」」

???「石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤。」

「「飲める。」」

「「えっ!?」」

???「石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤。」

「「飲める。」」

「「えっ!?」」

???「石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤!飲めるかァァァァ!!」

 

 その男は、そう叫びながら、大量の入信書を川に捨てる。

 あの人も大分疲弊してるな。

 すると。

 

ウィズ「カズマさ〜ん!湊翔さ〜ん!」

 

 そう言いながら、ウィズがやって来る。

 

湊翔「ウィズか。」

カズマ「もう大丈夫なのか?」

ウィズ「はい。一時は、私が冒険者をやっていた頃のパーティーメンバーが、川向こうでこっちに来るなと慌てる姿が見えていたのですが…………今は何とか持ち直しまして。」

 

 さらりととんでもない事を言うなよ。

 臨死体験だな。

 そう思っていると、アクアの声が聞こえてくる。

 

アクア「悪魔しばくべし!魔王しばくべし!」

湊翔「え?」

 

 そう聞こえたので、俺たちが声のした方を向くと、アクアとダクネスが居た。

 すると、俺の本能が嫌な予感がすると訴えてきた。

 絶対、碌でもない事になりそうだ。

 トウカが、俺の服を掴む。

 

湊翔「トウカ?」

トウカ「嫌な予感がするから、逃げるぞ。」

湊翔「そうだな。」

カズマ「……………俺たちも逃げるか。」

めぐみん「ですね。」

ウィズ「み、皆さん…………!?」

 

 俺たちは嫌な予感を悟り、即座に逃走を開始する。

 その後、ウィズから聞いた話によると、アクアは自分の事を女神だと言ってしまい、石を投げられたそうだ。

 その夜、白夜、龍、アフロディテの3人も戻ってくる。

 

アクア「あんまりよおおお!私、皆の為に頑張ってるのに!どうして信者の子に石を投げられなきゃいけなきの!?わあああああーっ!」

ウィズ「アクア様、ど、どうか落ち着いて!でないと私、興奮したアクア様の神気に当てられて薄くなってきてるんですが…………!」

 

 ウィズは、ホットミルクをアクアに渡す。

 アクアはボソリと呟く。

 

アクア「……………お酒が良い。」

白夜「お前、実はそんなに気にしてないだろ。」

 

 何でお酒なんだよ。

 酒好きにも程があるだろ。

 すると、めぐみんが諭す様に言う。

 

めぐみん「一生懸命なのは分かりますが、流石に自分の事を女神だなんて…………。」

トウカ「そりゃあ、信じてもらえないのも無理ないでしょう。」

アクア「でも…………!あんなに汚染された温泉に入ったら、病気になっちゃう…………!」

アフロディテ「アクアさん…………。」

湊翔「あんな目に遭わせた奴らの事を、わざわざ助ける義理もないだろ。」

カズマ「確かにな。」

アクア「でも…………!私の可愛い信者達が…………!」

龍「どうした物かな。」

白夜「やれやれ……………。」

 

 俺たちがそう言う中でも、アクアはどうにかしようとしている。

 さて、どうしたもんかな。

 すると、外が騒がしくなった。

 外を見ると、大量のアクシズ教徒がこの宿を取り囲んでいた。

 それを見て、嫌な予感がした。

 

湊翔「何だあれ!?」

カズマ「おいおい、マジかよ!?」

アクア「何々?私の話を信じてくれたかしら?」

アクシズ教徒「女神の名を騙る不届き者が!」

アクシズ教徒「簀巻きだ!簀巻きにしろ!!」

アクシズ教徒「誰の許可を貰って髪を青くしてんのよ!!」

アクシズ教徒「女神の名を騙る魔女が!」

アクシズ教徒達「魔女狩りだ!!!」

 

 どうやら、面倒な事になったな。

 俺はそう思った。




今回はここまでです。
次回、ハンスとの戦いが幕を開けます。
湊翔が、アクシズ教徒を助ける必要が無いと言ったのは、もうアクシズ教徒の勧誘に辟易しているからです。
そして、アクシズ教徒すら避ける龍。
彼は、何者なのか。
いずれ、その謎が明かされます。
今日のギーツも、凄かったですね。
まさか、ロポがデザスターだとは…………。
この小説で、デザスターの要素を出すかは、未定です。
鈴木福さんが演じるジーンが、謎の銃を使おうとしていましたね。
そして次回、新たな仮面ライダー、ゲイザーが登場しますね。
果たして、誰が変身しているのか。
そして、道長は、人間でなくなるのか。
これからのギーツは、目が離せませんね。
このすばとギーツの方も、頑張っていきます。
近いうちに、迷宮脱出ゲームをやろうかなと思っています。
それも、他の作品を巻き込んだ物を。
その他の作品とは何か。
近いうちに発表します。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第29話 アルカンレティアの決戦

 宿の外には、アクシズ教徒が宿を取り囲んでいた。

 

アクシズ教徒「女神の名を騙る不届き者が!」

アクシズ教徒「簀巻きだ!簀巻きにしろ!!」

アクシズ教徒「誰の許可を貰って髪を青くしてんのよ!!」

 

 そんな風に、アクシズ教徒が叫ぶ。

 そんな中、俺たちは。

 

アクシズ教徒「偽アクアが逃げたぞ!」

 

 このままではアクシズ教徒に取り囲まれる可能性が高いので、アクアの羽衣をパラシュートみたいに大きくして、その上に俺達が乗って、宿から脱出した。

 俺達は路地裏で今後の行動を相談していた。

 

アクア「源泉が怪しいと思うの。」

湊翔「まあ、確かに。温泉の汚染と言う事は、源泉も汚染されてそうだしな。」

トウカ「そうだけど、この状況どうするんだよ?」

白夜「今、お前が何を言っても信じて貰えないだろうからな。」

アクア「まあ、そこを浄化すればこの街は救われるの!」

 

 そういうもんなのか?

 大体、お前が変にそういう事を言うから、こんな面倒な事になってるんだろ。

 すると。

 

アクシズ教徒「偽アクアが居たぞー!」

 

 見つかってしまったので、俺たちは、源泉の所に向かいつつ、逃走する。

 

カズマ「あんな事言ってる奴らなんて放っておけば良いだろ!」

アクア「ううー……………!でも、私の可愛い信者達が…………!」

白夜「まだ言うか……………。」

 

 そうこうしている内に、源泉が湧いている所に到着したが、そこには見張りが居た。

 俺たちは、中に入れてもらえないか交渉する事にしたのだが……………。

 

アクア「だから!私、アクシズ教のアークプリーストなのよ!通して頂戴!」

見張り「いや、いくらアクシズ教のアークプリーストとは言え、ここを通す訳にはいかないんですよ。」

見張り「ええ、この先には、温泉の管理を行なっている人しか立ち入れないので。」

 

 と、説得は難航していた。

 まあ、無理もない。

 しばらくアクアに押し付けるか。

 

アクア「汝、敬虔なるアクシズ教徒よ………。聞きなさい、これは必要な事なのです。正しい行いなのです。貴方方がここを通す事で、この街が……………。」

見張り達「あ、自分らエリス教徒なんで。」

 

 エリス教徒かよ。

 一応、エリス教徒も住んでるんだな。

 まあ、大半がアクシズ教徒だろうけど。

 

アクア「何でよ〜!この街で生活してるくせに、エリス教徒やってるだなんて!ねえ、お願いよ!通して!この先の源泉が危ないの!」

見張り「ダメな物はダメです、ほら、帰った帰った!」

 

 しばらく、俺たちは見ていたが、説得は難航していた。

 そこで、信じて貰えない女神よりも信じて貰えるこの人を使う事にする。

 

カズマ「ほら、行くぞダクネス、数少ないお前の出番だ。」

ダクネス「数少ない!?おい、私だってちゃんとたまには役に立っているぞ!」

 

 カズマがダクネスを前に出すと、めぐみんが叫ぶ。

 

めぐみん「控えろ!この方をどなたと心得るのです!ダスティネス家の御令嬢、ダスティネス・フォード・ララティーナお嬢様ですよ!」

見張り「ええっ!?」

カズマ「ほらお嬢様、その胸元に隠している、証拠のペンダントを!お嬢様、抵抗なさらず…………ほら、とっとと寄越せお嬢様!」

アクア「カズマ、しっかり押さえてね!今私が!あっ!痛い痛い!ダクネス痛い!誰でも良いから今のうちにペンダントを取って!」

めぐみん「ほら!早く!」

ウィズ「ごめんなさい!ごめんなさい!ダクネスさん、ごめんなさい!」

 

 揉み合いの末に、ペンダントを見せる事に成功して、俺達は先に進める事になった。

 ちなみに、先に進む際に、温泉の管理人のお爺さんが中に入った事を伝えられる。

 源泉に向かう中、ダクネスは頬を膨らませる。

 

ダクネス「ムゥゥゥゥ!」

湊翔「ダクネス、落ち着け。」

カズマ「お前さ。お嬢様として扱われて欲しいのか仲間として扱われたいのかハッキリしろ。面倒臭いな。」

ダクネス「面倒臭いとか言うな!」

湊翔「ちゃんと仲間として認めてるからな。」

ダクネス「そ、そうなのか。それならいいんだがな。」

 

 それを聞いたダクネスは、あっさり機嫌を良くした。

 それを見ていた俺たちは。

 

『……………チョロいな。』

ウィズ「み、皆さん!」

 

 俺たちがそう言う中、ウィズがそう叫び、ダクネスは首を傾げる。

 源泉に向かって行軍していると、1人の男がそこにいた。

 その男は今にも飛び込み自殺をしようとしているように見えた。

 

カズマ「おい!」

湊翔「早まるんじゃねぇ!!」

???「あ。」

 

 その男は、腕を源泉に突っ込んでいて、そこは汚染されていた。

 

「「……………。」」

 

 それを見て、俺たちは顔を見合わせる。

 まさか、この男、魔王軍関係者か?

 アクア達も合流して、その男から事情を聞く事にした。

 

???「何ですかあなた方は?ここは温泉の管理人以外立ち入り禁止です。どうやってここへ?」

アクア「アンタ何しらばっくれてんの!?よくもこの街の温泉を台無しにしてくれたわね!成敗してあげるから覚悟なさい!」

???「一体何のことですか?何なら、今ここで私の荷物を調べますか?毒薬なんて絶対に出てきません……から……?」

ウィズ「うーん?どなたでしたっけ?この方、確かに見覚えが………。」

 

 ウィズが見覚えあるって事は、高確率で魔王軍幹部だ。

 白夜もそれを察したようだ。

 その男は、ウィズに対して、背を向ける。

 

???「と、とにかく、私もこの騒ぎの調査に来ただけなので、その………。」

ウィズ「ああーっ!ハンスさん!あなたはハンスさんですよね!?」

 

 ゴニョゴニョという男に、ウィズはそう叫ぶ。

 ハンスって言うんだ。

 

ハンス「ハ、ハンスとは誰の事ですか?私は、この街の温泉の管理人……。」

ウィズ「ハンスさん!お久しぶりです!私ですよ!ウィズです!リッチーのウィズですよ!」

ハンス「ちょっと何を言ってるのか分かりませんね。………………と、とにかく。私は毒など持ち合わせておりませんので、何の証拠にも……………。」

ウィズ「あっ、毒と言えば!確かハンスさんは、デッドリーポイズンスライムの変異種でしたね!ひょっとしてハンスさんが源泉に毒を入れたんですか?」

 

 ウィズとしては、世間話をしているノリだろうけれど、ハンスという奴からしたら、たまったもんじゃないだろう。

 ていうか、ウィズって、口が軽い?

 デッドリーポイズンスライムって、名前的にもヤバそうだよな。

 猛毒使ってきそう。

 

ウィズ「そう言えば、ハンスさんは擬態が出来ましたよね!温泉の管理人のお爺さんに擬態してここまで来たんですか?」

ハンス「あー!そう言えば用事があったのを思い出しました!それでは……。……………そこを通してくれませんか?」

 

 そのハンスが逃げようとする中、そのハンスの進行先には、アクア達が先回りしていた。

 

ダクネス「何処へ行こうというのだハンス?」

アクア「ここは通さないわよハンス!」

めぐみん「そんな言い訳が通じると思うのですかハンス。」

トウカ「詳しく聞かせてもらうぜ、ハンス。」

白夜「逃すかよ!ハンス!」

アフロディテ「そうですね、ハンス。」

龍「さっさと認めた方が良いぞ、ハンス。」

 

 トウカ達は、先回りして逃さないようにしていた。

 思わず後ずさるハンスに、俺とカズマは。

 

カズマ「悪あがきはやめろよ。ハンス。」

湊翔「正体表せ!ハンス!」

ハンス「ハンスハンスと、俺の名前を気安く呼ぶなクソ共!どうしてここにウィズがいやがる!街に店を出すとか言ってたじゃねぇか!とっとと働きやがれ!!」

ウィズ「ひどい!私だって働いていますよ!何故か働けば働く程貧乏になっていくだけで、ちゃんと働いていますよ!」

 

 俺とカズマの叫びに、ハンスはもう誤魔化せないと思ったのか、本性を現し、ウィズにそう叫ぶ。

 まあ、働くべきなのは、同意だな。

 というより、何でウィズは働けば働くほど貧乏になるのだろうか。

 ウィズって、天然なのかな。

 すると、ハンスは腰を落として身構える。

 

ハンス「ウィズ。どうする?俺とやり合うか?それとも、このまま見逃すか?」

湊翔「折角の感動の再会の所に水を差すようで申し訳ないが、お前を倒す。俺達を甘く見ない方がいいぜ。ベルディアとバニル討伐をしたのは俺たちのパーティだ!」

ハンス「何!?……………まさか、貴様ら、仮面ライダーとか言った奴らか!」

 

 どうやら、魔王軍の中で、広まっているみたいだな。

 という事は、魔王軍の中でも警戒されていると見た方が良いだろうな。

 

カズマ「そうだぜ!俺達がお前を倒す!」

 

 カズマがそう言う中、ウィズを除く全員が、デザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、龍の横には、大型の戦艦の絵と英語でFLEETという文字が現れる。

 全員が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「「「「変身!」」」」」」」

 

 俺たちは、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

FLEET

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、龍はムメイ・フリートフォームに変身する。

 ウィズが変身していない理由は、恐らく、同じ魔王軍幹部の奴と戦うのに躊躇いがあるからだろう。

 それを見たハンスは、叫ぶ。

 

ハンス「なるほどな。いいだろう!この俺が相手になってやろう!魔王軍幹部のこの俺がな!」

 

 やっぱり魔王軍幹部か。

 という事は、スライムとか言ったけど、油断出来なさそうだな。

 さっき、ウィズがハンスの事をデッドリーポイズンスライムと言ってたな。

 どう倒すか。

 だが、気になった事があるので、聞いてみる事にする。

 

湊翔「そう言えば、お前、温泉の管理人のお爺さんはどうしたんだ?」

 

 そう。

 見張りの人が言っていたのだが、ここには、温泉の管理人のお爺さんが入ってきたと言っていた。

 だとすれば、それは、ハンスの擬態の可能性が高い。

 すると、それを聞いたハンスは端的に言った。

 

ハンス「あぁ?食った。」

カズマ「え?今なんて?」

トウカ「食ったって言ったよな?」

ハンス「だから食ったと言っている!俺はスライムだ!食べる事が本能だ!そもそも、食った相手じゃないと……………。」

 

 なるほどな、そういう事か。

 前世でのファンタジーゲームあるあるで、スライムは、食った物に擬態できるというお約束があるのだ。

 そう思う中、ハンスは『擬態出来ない。』と言おうとした瞬間、背後から強烈な冷気が流れ込んできた。

 その主は、顔を俯かせていた。

 

湊翔「ウィズ!?」

ウィズ「カースド・クリスタルプリズン!」

ハンス「なっ!?ぐわぁぁぁぁ!!」

 

 ウィズが魔法を発動させた結果、ハンスの左腕が、丸ごと凍結された。

 ウィズは、自らの身体から冷気を放っていって、いつもの温厚な姿は感じられない。

 その姿は、まさにアンデッドの王、リッチーに相応しい貫禄だった。

 

ウィズ「確か、私が中立でいる条件、魔王軍の方には手を出さない条件は、冒険者や騎士など、戦闘に携わる者以外の人間を殺さない方に限る、でしたね?」

ハンス「ウィズ!やめろ!魔法を解け!」

ウィズ「冒険者が戦闘で命を落とすのは仕方がない事です。彼らだって、日夜モンスターの命を奪い、それで生計を立てていますから、自らも逆に狩られる覚悟は持つべきです。」

 

 ウィズが歩み出すと、その足元が直様凍結していた。

 それには、俺たちは気圧される。

 

ウィズ「そして、騎士もそうです。彼らは税を取り、その代価として住民を守っている。代価を得ているのですから、命のやり取りも仕方ありません。ですが…………。」

ハンス「ウィズ!本気で俺とやり合う気か!?ここでまともにやり合えば、この辺り一帯は完全に汚染され……!」

ウィズ「ですが、管理人のお爺さんには何の罪もないじゃないですか!」

 

 ウィズはそう叫び、腰にデザイアドライバーを装着して、ジェットレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、ウィズの横には戦闘機の絵とJETの文字が現れる。

 変身ポーズを取って、ウィズは叫ぶ。

 

ウィズ「変身!」

 

 そう叫んで、ウィズはレイズバックルを操作する。

 

JET

REDAY FIGHT

 

 ウィズはホーク・ジェットフォームに変身する。

 それには、トウカ達も気圧されていた。

 

トウカ「ウィズが本気でキレると、怖いな…………。」

湊翔「ああ。温厚な人ほど、怒らせると怖いからな…………。」

白夜「それより、行くぞ!」

龍「ああ。」

 

 俺たちも、ウィズと同じく戦闘態勢を取る。

 すると、ハンスは悔しそうに言う。

 

ハンス「氷の魔女と恐れられているお前を相手にするには……………やむを得ん!」

 

 そう叫んで、凍結させられた腕を千切る。

 すると、紫色の粘性の物が出てくる。

 そして、ハンスはポツリと呟く。

 

ハンス「本能のままに喰らい尽くす!」

 

 そう叫ぶと、ハンスの姿が、人型から本来のスライムの姿になっていく。

 だが、それはあまりにも巨大だった。

 

ダクネス「これは!何と見事なスライムだ!惜しい!毒さえなければ持って帰り、我が家のペットにする所だ!」

湊翔「こんな状況下で何言ってんだ!!」

 

 ダクネスの少しズレた発言に、俺はそうつっこむ。

 既にハンスは、アクセルにある屋敷程の巨大なサイズとなっていた。

 そして、ハンスは周囲に毒が混じった自身の身体をばら撒き、温泉を汚染していく。

 毒が飛び散った方を見ると、地面が削れていた。

 よっぽど強力な毒なのだろう。

 それを見たアクアは。

 

アクア「あああ!」

 

 そう叫んで、汚染されている源泉へと向かっていく。

 

カズマ「危ないぞ!早く戻れ!」

湊翔「まずい!アクシズ教徒まで追いついちまった!」

 

 そう。

 後ろを見ると、アクシズ教徒が追いついてしまったのだ。

 状況はあまり良くない。

 

アクシズ教徒「何だあれ!?」

アクシズ教徒「あいつが温泉を汚してたのか!」

 

 アクシズ教徒達が、ハンスの存在に気づく中、アクアは源泉に手を突っ込む。

 アクアは涙目になりつつも、浄化魔法を発動する。

 

アクア「ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!アァァァァァ!!熱い!ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!」

カズマ「おい!もう源泉は諦めて、こっちに戻ってこい!」

白夜「毒が命中したらどうするんだ!?」

アクア「だってだって!ここを守らないと、私の信者達が…………!!」

 

 くそ!

 何だって、普段はビビリなのに、こんな時に限って逃げないんだよ!

 すると、アクシズ教徒達が動く。

 

アクシズ教徒「見ろ!」

アクシズ教徒「あの青髪の子が言っていたのは本当だったのか!?」

アクシズ教徒「やっつけろ!!」

 

 ここでアクアの話が本当だと分かったアクシズ教徒も色々な物をハンスに投げつけるが、当たった瞬間に溶けている。

 相当強力な毒だな。

 

アクシズ教徒「ヒール!ヒール!ヒール!」

 

 一部のアクシズ教徒は、アクアに大量に回復魔法をかけまくって、支援している。

 

アクア「熱い、熱い………!」

 

 すると、それを見ていた少女が声を張り上げる。

 あの、善意に付け込んで、入信させようとした女の子だ。

 

女の子「お姉ちゃん!頑張って〜!」

白夜「危ねぇ!」

 

 だが、その女の子に毒が迫り、白夜が救出する。

 

女の子「お兄ちゃん……………。」

白夜「死にたいのか!?さっさと下がれ!」

女の子「う、うん!」

 

 女の子は、白夜の言葉にビビりながらも、素直に下がる。

 

カズマ「ウィズ!アイツを凍らせる事は出来ないか!?」

ウィズ「今のハンスさんのサイズでは、魔力が足りません!」

トウカ「確かに、大きすぎるしな。」

めぐみん「ならば、私の爆裂魔法でアイツを木っ端微塵にしてくれます!」

アクア「止めてぇ!この山自体が汚染されちゃう!」

龍「湊翔、どうする?」

アフロディテ「湊翔さん。」

湊翔「…………………。」

 

 これ、詰みじゃね?

 白夜や龍、アフロディテから聞いた話によると、この世界のスライムは、物理攻撃が殆ど効かず、魔法の耐性も高い。

 何回か、マグナムシューター40Xで撃ったのだが、効いたような気配がしない。

 どうしようかと思案していると。

 

アクシズ教徒「俺たちの温泉を汚しやがって!」

アクシズ教徒「この罰当たりのすっとこどっこいが!!」

 

 アクシズ教徒は、引き続き、石鹸や洗剤、アルカン饅頭を投げていた。

 すると、ハンスは、周囲に転がっている饅頭を食べ始めた。

 だが、律儀に石鹸や洗剤は避けていく。

 

湊翔「スライムでも、選り好みするんだな……………。」

 

 俺がそう呟く中、カズマが何かに気付いたのか、声をかけてくる。

 

カズマ「おい、湊翔!あれ!」

湊翔「ん?……………遺体?」

 

 そう。

 ハンスの中に、白骨化した遺体があったのだ。

 それを見たアクシズ教徒達は。

 

アクシズ教徒「ああ!温泉の管理人さん!」

アクシズ教徒「あの野郎!食ったのか!許せねェ!!」

 

 なるほど、管理人か。

 そういえば、アクアから聞いたのだが、復活魔法は存在するらしく、遺体が残っていれば、復活出来るそうだ。

 それを思い出して、案が浮かんだ。

 

湊翔「アクア!遺体が残ってれば蘇生出来るんだよな!?」

アクア「え?出来るわよ!」

湊翔「ウィズ!あいつの大きさが小さくなれば凍らせられるんだな!?」

ウィズ「ええ。今の半分くらいになれば……………!」

湊翔「めぐみん!爆裂魔法の準備をしておけ!」

めぐみん「撃っていいんですか!?どう言おうと撃ちますからね!」

湊翔「皆!ハンスをあの近くの穴に誘導して、一斉攻撃でハンスの体を削って、ウィズに凍結させるぞ!」

カズマ「分かった!」

湊翔「じゃあ、念の為に、強い形態になっておけ!」

アフロディテ「私は、皆のサポートをするわ!」

 

 そう言って、俺たちは強化形態になる事にする。

 ちなみに、アクアに頼んで、フィーバースロットレイズバックルを使う人には、ブレッシングという幸運値を上げる支援魔法を使わせた。

 フィーバーフォームになる確率を少しでも上げる為だ。

 俺は、マグナムレイズバックルを抜いて、龍から受け取った、ワンダーレイズバックルを両側から装填して、中央部にマグナムレイズバックルを装填する。

 トウカは、トレインレイズバックルを装填する。

 カズマ、ダクネス、めぐみん、白夜、ウィズは、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、フィーバースロットレイズバックルを取り出して、装填する。

 龍は、蜘蛛の様なメカメカしいロボットの形の大型レイズバックルを装填する。

 

SET

SET FEVER

 

 待機音が流れる中、俺たちはレイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

NINJA

LIGHTNING

BEAT

ZOMBIE

JET

WONDER MAGNUM

GET READY FOR TRAIN & CALIBER

HIT FEVER NINJA

HIT FEVER LIGHTNING

HIT FEVER BEAT

HIT FEVER ZOMBIE

HIT FEVER JET

GET READY FOR FLEET & SPIDER

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・ワンダーマグナムフォーム、トウカはラウンズ・カリバートレインフォーム、カズマはタイクーン・フィーバーニンジャフォーム、白夜はライコウ・フィーバーライトニングフォーム、めぐみんはナーゴ・フィーバービートフォーム、ダクネスはバッファ・フィーバーゾンビフォーム、ウィズはホーク・フィーバージェットフォーム、龍はムメイ・フリートスパイフォームに変身する。

 ワンダーマグナムフォームの外見は、フィーバーマグナムと似ているが、フィーバークロステールが無く、現実的な見た目になっている。

 作戦は、ハンスを穴に誘導して、一気に必殺技と爆裂魔法を叩き込み、ウィズの魔法で凍結させる物だ。

 そして、アフロディテの歌によって、支援された。

 龍は、下半身のレイズバックルの力で、周囲に糸を張り巡らせて、岩と組み合わせて、アクシズ教徒を守る壁を作る。

 誘き寄せる為にもアクシズ教徒からアルカン饅頭を借りた。

 そして、アルカン饅頭を投げる。

 

湊翔「お前の餌は俺達だ!」

カズマ「さっさと来いやー!!」

トウカ「お前の相手は私たちだ!」

 

 俺たちはそう叫んで、穴に向かっていく。

 ハンスは釣られて、俺たちの方へと向かっていく。

 既に残りの面子は必殺技の準備を完了している。

 

湊翔「お前の運の尽きはこの街に来た事じゃない!」

カズマ「俺達を相手にした事だ!」

トウカ「追える物なら追ってみろ!」

 

 俺たちはそう叫んで、飛び降りる。

 トウカは、空中に線路を敷いて、俺の手を掴んで、そのまま離脱する。

 カズマも、ニンジャレイズバックルの力で、丸太と入れ替わる。

 ハンスが穴に飛び込んだのを確認して、俺たちは必殺技を放つ。

 

WONDER MAGNUM VICTORY

CALIBER TRAIN VICTORY

GOLDEN FEVER VICTORY

FLEET SPIDER VICTORY

 

めぐみん「行きます!エクスプロージョン!」

湊翔「ハァァァァァ!!」

トウカ「ハァァァァァ!」

白夜「虎雷烈神速撃!」

カズマ「オラァァァァァ!!」

ダクネス「てぇぇぇい!」

龍「フッ!」

ウィズ「ハァァァァ!」

 

 俺の巨大化したマグナムシューターから極太ビームを放ち、トウカは列車のエネルギーをまとった斬撃を放ち、白夜は蒼と金色の雷を全身から放出しながら纏い、まさに閃光の如き突進でハンスを貫き、カズマはニンジャデュアラーから緑色の斬撃波を放ち、めぐみんは爆裂魔法と同時に、音符状のエネルギーを放ち、ダクネスはゾンビブレイカーから紫色の斬撃波を放ち、ウィズはジェットフォームのアーマーから、ミサイルなどを放ち、龍は四方八方から攻撃する。

 ハンスの残骸は、攻撃した際に焼けたか、龍が設置した壁に阻まれ、アクシズ教徒には被害は出ていない。

 そしてウィズも止めを刺す。

 

ウィズ「カースド・クリスタルプリズン!」

 

 ウィズが魔法を発動すると、ハンスの周囲に魔法陣が現れ、そこから氷が現れ、砕けると同時に、ハンスの周囲を冷気が取り囲む。

 

ウィズ「ハァァァァ!!」

 

 ウィズが手を握ると、一気に冷気がハンスを包み込み、ハンスは凍結する。

 そして、すぐにその氷は砕け散る。

 

ウィズ「魔力を限界まで使いましたけど、これで倒せた筈……。」

トウカ「倒せたのか?」

湊翔「油断するなよ。」

白夜「ああ。」

 

 俺達が油断する事無く構えていると、氷の方からハンスの声がしてくる。

 

ハンス「よもやここまで追い詰める奴が現れるとはな。」

 

 氷の上に小さくなったハンスがいた。

 

ハンス「だが、まだだ。今ここで貴様らを食らって回復してやる。なんだ……?」

 

 ハンスが俺達を食おうとして近づこうとすると何かの声が聞こえてきた。

 そこに居たのは…………アクアと大量のアクシズ教徒であった。

 

アクシズ教徒達「悪魔倒すべし。魔王しばくべし。悪魔倒すべし。魔王しばくべし。」

アクア「悪魔倒すべし。魔王しばくべし。」

ハンス「何だ……………?」

アクア「………ゴッドブローォォォォォォ!」

 

 アクアのゴッドブローがハンスに炸裂するも、あまり効いていない様に見える。

 それもそうだ。

 スライムには、物理攻撃は効かないのだから。

 

ハンス「その様な拳で倒そうというなどと舐めるな!ヘナチョコプリースト!」

女の子「お姉ちゃん!」

 

 その時、アクシズ教徒が何かを言い出した。

 

アクシズ教徒「アクシズ教!教義!」

アクシズ教徒「アクシズ教徒はやれば出来る!出来る子達なのだから、上手く行かなくてもそれはあなたのせいじゃない!上手く行かないのは世間が悪い!」

アクシズ教徒「汝、老後を恐れるなかれ!未来のあなたが笑っているか、それは神ですら分からない。なら、今だけでも笑いなさい!」

アクシズ教徒「悪魔倒すべし!魔王しばくべし!悪魔倒すべし!魔王しばくべし!」

アクシズ教徒「エリスの胸はパッド入り!」

 

 ………何だろう。

 本人達は良い事を言っているのかもしれないが、側から見ると、物凄く下らないことを言っている様にしか見えない。

 現実逃避じゃん。

 ダメ人間のセリフじゃねぇか。

 

アクア「可愛い信者達が大切にしている温泉を汚すとは万死に値するわ!喰らえ!ゴッドレクイエム!!」

ハンス「グワァァァァ!!まさかあいつらが崇めている女神とは……………お前かアァァァァァ!!」

 

 こうして、ハンスはアクアによって浄化された。

 

???side

 

 まさか、ハンスまでもが倒されるとはな。

 すると、誰かが入ってくる。

 

???「お前か。馬場武。」

武「それにしても、まさか、ハンスまでも倒すなんてな。奴らは確実に強くなっている。」

???「だろうな。強くなって貰わないと、面白くないからな。」

武「ちょっかい出して良いか?」

???「いや。今、奴らがいるアルカンレティアに、サボテンナイトジャマトが向かっている。下手なちょっかいは出すな。」

武「へいへい。アンタも、随分と変わってるよな。自分が盛り上がる為に、神々を裏切ったんだから。なあ、ロキ。」

ロキ「ふん。これまでのデザイアグランプリでは、とてもじゃないが、つまらん。」

 

 そう言って、俺は机の上に置いている黒と紫のドライバーを見つめる。

 苦労して、複製した甲斐がある。

 これを使えば、デザイアグランプリのルールに介入出来るのだからな。

 まあ、完全に乗っ取る事は不可能だが。

 すると。

 

武「まあ、どうするのかは、アンタに任せるわ。あの湊翔とかいう奴と、もう一度戦ってみようかね。」

ロキ「好きにしろ。ただ、サボテンナイトジャマトの後にしろ。」

武「へいへい。」

 

 馬場はそう言って、どこかへと向かう。

 さあ、どうする、仮面ライダー達よ。

 

ゼウスside

 

 私は今、地上に降りているアテナことトウカと、ツムリと連絡を取っていた。

 

ゼウス「……………つまり、魔王軍幹部であるハンスを撃破した、という事か?」

トウカ『はい。これで、残る魔王軍の幹部は、5人です。』

ゼウス「そうか。ジャマトの動きはどうなっている?」

ツムリ『はい。強大な力を持つジャマトが観測されました。いつ出現しても、おかしくないかと。』

ゼウス「そうか。」

 

 サボテンナイトジャマトは、アクセルの領主であるアルダープの屋敷に出現して以降は、行方を眩ませていたが、現れるかもしれん。

 それに、ここ最近、デザイアグランプリのルールが、少しずつ書き変わっている気配がする。

 

ゼウス「分かった。ツムリは引き続き、ジャマトの動きを監視しろ。」

ツムリ『分かりました。』

トウカ『では、私はこれで…………。』

ゼウス「アテナ。少し話がある。」

 

 ツムリが通信を切って、トウカも切ろうとする中、私は呼び止める。

 

トウカ『何でしょうか?』

ゼウス「湊翔君の様子はどうだ?」

トウカ『彼は大丈夫です。過去に触れなければ、ですが。』

ゼウス「そうか。…………アテナ。」

トウカ『あ…………はい。』

ゼウス「お前が、湊翔君の事を気になっているのは承知している。」

トウカ『っ!?』

ゼウス「だからこそ、守り、共に強くなれ。」

トウカ『……………はい!それでは。』

 

 アテナは若干顔を赤くするが、決意の籠った表情を浮かべ、通信を切る。

 私はそれを見届け、椅子に深く座る。

 

ゼウス「……………さて。ヴィジョンドライバーの候補者は、あと少しで見つかりそうだな。だが、ヴィジョンドライバーを複製されたのは、痛いかもしれないな。」

 

 まさか、ヴィジョンドライバーを複製されてしまうとはな。

 どうにかせねばな。

 それに、湊翔君は、アテナを惚れさせるとはな。

 もしもの時は、覚悟を見せてもらおうか。




今回はここまでです。
ハンス戦は終わりました。
ただ、まだ戦いは終わっていません。
何故なら、サボテンナイトジャマトが、アルカンレティアに向かっているからです。
そして、ゼウス達を裏切った神、ロキが登場しました。
ロキは、複製されたヴィジョンドライバーを所持しています。
今回のギーツで、新たな仮面ライダー、ゲイザーが登場しましたね。
そして、次回、チラミがグレアに変身。
今回と次回の情報を見て、一つ思いついたのが、MOVIEバトルロワイヤルに相当する話で、ゼウス側のグレアと、ロキ側のグレアを戦わせようかなと思いまして。
ゼウス側の方はギロリの、ロキ側の方はチラミのグレアで。
ゲイザーは、いずれ出します。
あと、色々と、アテナの物語をやって欲しいという意見があるので、『アテナの回想録』というタイトルでやろうかなと思います。
ダクネス、クリス、トウカの3人の冒険の話、デザイアグランプリの開催理由、トウカの湊翔に対する第一印象という感じに。
果たして、ゼウスの言う湊翔に求める覚悟とは。
まあ、湊翔のヒロインは、トウカだけでなく、ゆんゆんとリアも居るんですが。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第30話 缶蹴りゲーム

 アルカンレティアにて、魔王軍の幹部の1人であるハンスを撃破した。

 それで、俺たちは感謝……………されなかった。

 

アクア「私、頑張って浄化しただけなのに!何で皆に怒られるのよー!」

 

 そう。

 アクアのゴッドレクイエムで、ハンスを倒したのは良いのだが、その余波で、アルカンレティア全域の温泉が、ただのお湯になってしまったのだ。

 図らずも、アクシズ教団の財源を断つという魔王軍の目的を、アクアが遂行する形になってしまったのだ。

 そして、ウィズも、ゴッドレクイエムの余波で消え掛かってしまっている。

 そんなこんなで、俺たちはアルカンレティアから出る事にした。

 ちなみに、龍とアフロディテは、用事が入ったそうで、先に帰ってしまった。

 なんでも、急な依頼だそうだ。

 あと、シークレットミッションとして、『ハンスの討伐方法を立案する』というのを達成して、ブーストレイズバックルを手に入れた。

 

湊翔「……………結局、慰安旅行になんてならなかったな。」

トウカ「確かにな。」

白夜「だな。」

カズマ「俺たち、慰安旅行に来たのに、疲れたな。」

めぐみん「ですね。もうアルカンレティアには行きたくないです。」

ダクネス「わ、私は悪くなかったぞ。」

 

 それはお前の性癖が理由だろ。

 そんな風に話し、アクアが泣く中、馬車がいきなり止まる。

 

湊翔「どうしたんですか?」

カズマ「いきなり止まったな。」

御者「それが…………赤い壁みたいなのが現れて…………。」

湊翔「えっ!?」

 

 そう言うので、俺たちは外を見ると、確かに、壁みたいなのがあった。

 これは、ジャマーエリアのあの壁だ。

 

湊翔「これって……………!?」

ダクネス「ジャマーエリアか!?」

めぐみん「本当です!」

カズマ「マジかよ……………!」

トウカ「ジャマトが来るのか…………!」

白夜「おいおい……………。」

アクア「えっ!?ちょっと待って!?」

 

 すると、アルカンレティアの方から、悲鳴が聞こえてくる。

 俺たちは、馬車から飛び降りる。

 

白夜「おっちゃん!ウィズを頼む!」

御者「わ、分かりました!」

湊翔「皆、行くぞ!」

 

 俺たちはそう叫んで、アルカンレティアの方へと向かっていく。

 アルカンレティアの方へと到着すると、ジャマトが人々を襲っていた。

 

湊翔「やっぱりジャマトか!」

カズマ「だろうな!」

トウカ「アクシズ教徒……………助ける必要性はあるか?」

白夜「助けるしかないだろうな。……………不本意だが。」

めぐみん「まあ、行きましょう。」

ダクネス「だな。」

アクア「早くしてよ!可愛い信者たちを助けてよ!」

 

 可愛くないだろ。

 それでも、ジャマトは倒すべきなのは確かだ。

 俺たちはデザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が現れる。

 全員が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「「「変身!」」」」」」

 

 俺たちは、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォームに変身する。

 俺たちは、アクシズ教徒に襲い掛かるジャマトを攻撃する。

 すると、ツムリから連絡が入る。

 

ツムリ『仮面ライダーの皆さん!緊急ミッションです!』

カズマ「緊急ミッション?」

ツムリ『現在、アルカンレティアに、強大な力を持つジャマトが現れました!』

湊翔「強大な力……………スラグフォートレスジャマトみたいな奴か。」

ツムリ『これより、缶蹴りゲームを始めます。』

 

 ツムリの言葉に、ダクネス、めぐみんは首を傾げる。

 

ダクネス「缶蹴り……………?」

めぐみん「それは、どういう物なのでしょうか?」

トウカ「とにかく!それはそれとして、早くジャマトを見つけるぞ!」

白夜「中央に行ってみるぞ!」

 

 俺たちは、ジャマトを倒しつつ、街の中心部へと向かっていく。

 街の中心部には、巨大な木と、小さいジャマトが居た。

 

ジャマト「ヴォテチャ〜?」

 

 見た目は、サボテンみたいな奴だった。

 俺とカズマは、それを見て話す。

 

カズマ「なあ、あいつって…………!」

湊翔「ああ。アルダープの屋敷を襲ったジャマトの特徴と一致する。だが、小さい。」

 

 そう。

 アルダープの屋敷を襲ったのは、サボテンナイトジャマトである事は聞いている。

 だが、アルダープの屋敷を襲った際には、巨大だったらしいが、目の前にいるのは、小さな個体だ。

 別個体なのか、はたまた、何らかの理由で小さくなったのか。

 すると。

 

ダクネス「何をボーッとしている!早く行くぞ!」

湊翔「お、おい!」

 

 ダクネスがそう叫んで、サボテンナイトジャマトへと向かっていく。

 すると、サボテンナイトジャマトの片方の首が、180度回転する。

 

ダクネス「ハァァァァァ!」

ジャマト「ジャッ!」

 

 ダクネスの接近に気付いたのか、サボテンナイトジャマトは、針を飛ばす。

 

ダクネス「ハァッ!このっ!」

 

 ダクネスは、ゾンビブレイカーで叩き落とすが、サボテンナイトジャマトは、ダクネスに接近していた。

 

ダクネス「なっ…………!?」

ジャマト「ジャジャジャジャ…………!ジャッ!」

ダクネス「ぐぅ……………!」

 

 サボテンナイトジャマトは、連続でパンチをして、最後にキックをして、ダクネスを壁に叩きつける。

 すると、ツムリから通信が入る。

 

ツムリ『油断しないで下さい!スラグフォートレスジャマトと同様に、強大な力を持つジャマトです!まともに戦ってはいけません!』

トウカ「首が後ろにも回るのか……………。」

湊翔「死角は無いか……………。」

 

 確かに、サイズがサイズで侮りそうだけど、油断出来ないな。

 すると、サボテンナイトジャマトは、首を動かして、アクシズ教徒を見つける。

 

ジャマト「ジャッ!レレスダ!」

 

 相変わらず、ジャマトは何を言っているのかはさっぱり分からないが、言葉の雰囲気やゲームから察するに、見つけたと言ったのだろう。

 すると、背後の巨大な植物が、アクシズ教徒を捕らえていく。

 

ツムリ『あのジャマトは、発見した人間を捕まえ、その生命力を使って巨大化する模様です。』

アクア「私の信者達が!」

ツムリ『調査の結果、一つだけ、弱点があります。足元にある缶です。』

めぐみん「缶とは…………あれの事でしょうか?」

カズマ「だろうな……………。」

ツムリ『缶を蹴れば、吸い取られた生命力を取り返し、ジャマトを枯らす事が出来ます。』

 

 なるほどな。

 つまり、この緊急ミッションを達成するには、缶を蹴る必要がある。

 それを確認した俺たちは、缶に向かって攻撃する事に。

 俺はマグナムシューター40Xをライフルモードにして、狙撃して、カズマ、めぐみん、ダクネス、トウカ、白夜がサボテンナイトジャマトに攻撃しに向かう。

 すると、サボテンナイトジャマトが気付いたのか、缶を開ける。

 

ジャマト「キョトチャケロ〜ア!」

 

 そう言って、サボテンナイトジャマトは缶の中身を飲む。

 すると、少し大きくなって、俺の弾丸を叩き落とし、カズマ達を吹き飛ばす。

 カズマ達を迎撃すると、サボテンナイトジャマトは消えてしまった。

 

ツムリ『ただし、一箇所には留まらず、人間を探して移動します。もし、誰も缶を蹴れずに捕まってしまったら……………ゲームオーバーです。』

 

 ツムリはそう言う。

 俺たちは、一旦デザイア神殿に戻り、作戦を練る事に。

 ちなみに、ウィズも回収して、デザイア神殿で休ませる事にした。

 ダクネスは、サボテンナイトジャマトの攻撃を一番喰らったので、治療されていた。

 

ダクネス「助かる。」

ギロリ「いえ。」

 

 ダクネスの言葉に、ギロリはそう言って、カウンターの方に向かう。

 すると、アクアがギロリに質問する。

 

アクア「捕まった可愛い信者達は、皆、救えるわよね!?」

ギロリ「ゲームを攻略できれば。」

カズマ「なら、良いんじゃねぇか?」

湊翔「………………ギロリさん。逆に、ゲームオーバー…………仮面ライダー達が全滅した場合は、どうなるんですか?」

ギロリ「…………………そのジャマーエリア内は無かった事になり、人々の記憶から抹消され、犠牲になった人たちも戻りません。」

アクア「ええっ!?」

 

 やっぱりか。

 薄々そんな気はしていた。

 仮面ライダー達が全滅してしまえば、ジャマトが自由に暴れ回るだけだからな。

 そんな中、アクアは言う。

 

アクア「なら、尚更あのジャマトを倒さないといけないわね!皆、可愛い信者たちを救う為に、力を貸して!」

 

 アクアはそう言う。

 確かに、ジャマトは倒すべきだろう。

 だがなぁ………………。

 

湊翔「……………なあ。アクシズ教徒を救う必要って、あるのかな?」

アクア「っ!?」

トウカ「確かに、色んな人たちに迷惑をかけてるばかりだからな。」

白夜「だよな……………。」

カズマ「確かに。ていうか、アクシズ教徒は要らない子達だし。」

 

 俺の言葉にアクアが震えると、トウカ、白夜、カズマがそう言う。

 まあ、あんな目に遭わされればな。

 救おうという気がしない。

 めぐみんとダクネスは、少し視線を逸らす。

 すると、アクアは俺に掴みかかってくる。

 

アクア「何言ってんの、ねぇ!!このままじゃ、アクシズ教団が崩壊しちゃう!!」

「「「「「良い事じゃないか。」」」」」

 

 アクアの叫びに対して、俺、カズマ、トウカ、白夜、めぐみんがそう言う。

 ああいう傍迷惑な存在は、一度滅んだ方が良いと思うしな。

 

アクア「あぁぁぁぁぁ!!」

湊翔「おい!だからって、首を絞めようとすんな!」

ギロリ「ああ……………!デザイア神殿内での戦闘行為は御法度ですよ。」

 

 アクアが叫びながら俺の首を絞めようとしてきて、俺が抵抗する中、ギロリは俺とアクアを引き離す。

 

アクア「何でそんな事を言うのよ…………!可愛い信者達を助けてよ!」

カズマ「いやなぁ………………。」

めぐみん「アクシズ教徒の行いが余りにも悪かったので………………。」

 

 アクアの問いに、カズマとめぐみんはそう答える。

 まあな。

 確かに、ジャマトは倒すべきだろう。

 だが、アクシズ教徒を助けるべきかと言われるとな………………。

 

アクア「もう良いわよ!」

 

 そう言って、アクアはデザイア神殿を飛び出していく。

 すると、めぐみん達が俺とカズマを見てくる。

 

トウカ「放っておいて良いのか?」

めぐみん「きっと、もっと酷い事になりますよ。」

 

 トウカとめぐみんがそう言う。

 確かに、アクアをこのまま放置させてると、面倒な事になりそうだな。

 

カズマ「はぁぁぁ………………。しょうがねぇなぁ……………。」

湊翔「やれやれ……………。」

ギロリ「皆様。ジャマトが出現したら一報するので、しばらく休んではどうでしょうか?」

白夜「だな。流石に疲れたしな。」

トウカ「まあ、作戦を立てないと、あいつは倒せないぞ。」

めぐみん「あいつには、死角は無いみたいですからね………………。」

ダクネス「どうすれば倒せる……………?」

 

 そう。

 サボテンナイトジャマトには、事実上、死角が無い。

 何せ、首が360°回るからな。

 だとしたら……………。

 

湊翔「う〜ん……………。いや、ダメだな。」

カズマ「何か、思いついたのか?」

白夜「何だ?」

湊翔「………………誰かが、囮になりつつ、アクシズ教徒が囚われている木を破壊して、缶を蹴るって感じだよ。」

トウカ「え……………?」

 

 そう。

 誰かが囮になって、サボテンナイトジャマトの気を引きつつ、木を破壊して、缶を蹴る。

 それしか無いのだが、これには欠点がある。

 それは、囮になる為には、スピードで翻弄するしか無い。

 その為、囮になれる奴が限られてしまう。

 カズマか白夜の2人だ。

 カズマのニンジャレイズバックルは、素早さが上がり、白夜がライトニングレイズバックルを使えば、スピードが上がる。

 だが、裏を返せば、その2人がやられる可能性もあるのだ。

 

ダクネス「そんな……………!?」

めぐみん「他に方法は無いんですか!?」

湊翔「これしか思いつかなかった……………。」

トウカ「湊翔………………。」

 

 他に何か無いか…………!?

 そう思っていると。

 

カズマ「ハァァ……………ったく。しょうがねぇな。やってやるよ。」

ダクネス「カズマ!?」

めぐみん「本気なんですか!?」

白夜「まあ待て。俺もやる。いつまでもこのままにしては居られないからな。」

トウカ「2人とも……………。」

湊翔「………………。」

 

 カズマと白夜の表情は、決意に満ちていた。

 なら、その決意に応えるべきだな。

 

湊翔「………………分かった。2人でサボテンナイトジャマトの注意を引いてくれ。俺たちで缶を蹴る。」

カズマ「おう。」

白夜「ああ。」

めぐみん「……………全く。2人とも、素直じゃありませんね。」

ダクネス「だな。」

トウカ「そう言ってやるな。」

 

 俺たちはそう話す。

 すると、電話の音が鳴り、ギロリが対応していた。

 しばらくすると、ギロリは受話器を本体に置き、俺たちに言う。

 

ギロリ「皆様。ジャマトが出現しました。」

 

 それを聞いた俺たちは、すぐにジャマトが現れた場所へと向かう。

 そこには、サボテンナイトジャマトに通常のジャマトが居た。

 サボテンナイトジャマトは、逃げた時と比べて、更に大きくなっていた。

 

湊翔「多いな……………。」

トウカ「それでも、やるしかない。」

めぐみん「そうですね。」

ダクネス「ああ。」

白夜「カズマ。いけるか?」

カズマ「ああ……………やってやるよ!」

 

 俺たちはそう話して、デザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が現れる。

 全員が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「「「変身!」」」」」」

 

 俺たちは、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォームに変身する。

 俺は白夜に話しかける。

 

湊翔「白夜!お前にこれ、渡しておくわ。」

白夜「うん?うわっと!?」

 

 俺はそう言って、ブーストレイズバックルを白夜に渡す。

 

白夜「ブーストレイズバックル!?」

湊翔「遠慮なく使え!他のジャマトは俺たちが抑えておくから!」

白夜「おう!」

 

 俺たちは、周囲に沢山いるジャマトを倒していく。

 カズマと白夜は、サボテンナイトジャマトの方を見ていた。

 サボテンナイトジャマトは、かなり巨大になっており、周囲の建物よりも遥かに巨大になっていた。

 

白夜「カズマ。行くぞ。」

カズマ「おう。」

 

 白夜とカズマはそう話して、サボテンナイトジャマトへと向かっていく。

 サボテンナイトジャマトは、二人に気付いたのか、攻撃してくる。

 

白夜「おらっ!どうしたお前!こっち来いや!」

カズマ「かかってこいやー!」

 

 二人がそう叫んで挑発して、サボテンナイトジャマトは、二人にサボテンの棘を射出する。

 カズマと白夜は、素早く動いて、棘を躱す。

 

カズマ「はっ!フッ!」

白夜「フッ!おっと!」

 

 カズマと白夜は、途中、建物の中に入り、建物の中を移動する。

 その際、カズマはちょくちょく丸太に変化しながら移動していた。

 白夜も、雷の如く素早く動き、翻弄する。

 攻撃から離れると、二人はブーストレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、二人の頭上には、バイクのマフラーから火が出る絵とBOOSTの文字が現れる。

 二人は、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

NINJA & BOOST

LIGHTNING & BOOST

REDAY FIGHT

 

 カズマはタイクーン・ニンジャブーストフォームに、白夜はライコウ・ライトニングブーストフォームになる。

 その際、天井に向かってジャンプをして、ブーストフォームのアーマーを装着する。

 サボテンナイトジャマトは、二人に向かって手を叩くが、二人はサボテンナイトジャマトに乗り、走る。

 

白夜「行くぞ、カズマ!」

カズマ「ああ!ハァァァァ!オラっ!」

白夜「ハァァァァ!フッ!でやっ!」

 

 二人は、サボテンナイトジャマトの腕を駆け抜けていく。

 サボテンナイトジャマトは、迎撃の為か、棘を生やしてくるが、カズマと白夜の二人は、それを斬っていく。

 カズマは肘から手裏剣を飛ばし、白夜は落雷を起こして、棘を迎撃する。

 カズマは、ツインブレード状態のニンジャデュアラーを合体させる。

 

SINGLE BLADE

 

 そして、二人はそれぞれのレイズバックルを操作する。

 

BOOST TIME

 

 カズマはシングルブレード状態のニンジャデュアラーの上に乗り、切り刻みながらサボテンナイトジャマトの周囲を飛ぶ。

 白夜は素早く動いて、爪で攻撃する。

 しばらく攻撃して、怯ませた後、ブーストレイズバックルのグリップを一回捻る。

 

NINJA BOOST GRAND VICTORY

LIGHTNING BOOST GRAND VICTORY

 

カズマ「ハァァ……………!でやァァァァァァァァァ!!」

白夜「フッ!ハァァァァァ!爆雷爪蹴り!!」

 

 カズマと白夜は、サボテンナイトジャマトの近くにあった木を倒して、アクシズ教徒を解放する。

 

カズマ「湊翔!お前ら…………!」

白夜「早く…………缶を…………!」

 

 カズマと白夜は、落下しながらそう言う。

 その声は、俺たちにはちゃんと届いていた。

 

湊翔「任せろ!」

ダクネス「ああ!」

 

 丁度、缶の近くにいた俺とダクネスは、缶に向かって走り出す。

 

ジャマト「チャリ〜!」

 

 だが、サボテンナイトジャマトは俺たちに気付き、俺たちに攻撃しようとする。

 

ダクネス「ハァァァァ……………!」

湊翔「盛大に………………打ち上げだ!!」

ダクネス「あぁぁぁん!!」

 

 俺はそう叫んで、缶を思いきっきり蹴る。

 その際、ダクネスも蹴ってしまった。

 サボテンナイトジャマトは、缶を蹴られた事に気付いたのか、すぐにキャッチしようとする。

 すると、めぐみんとトウカが、サボテンナイトジャマトの体を駆け上がる。

 

めぐみん「もっと…………!」

トウカ「飛んでけーーーーっ!!」

 

 二人はそう叫んで、缶を蹴り、ジャマーエリアの外に向かって飛ばす。

 缶は、あの壁を越えて、外に出る。

 

ジャマト「ロロ〜!」

 

 ジャマトはそう言って、消える。

 カズマと白夜は、俺たちの方に来る。

 その際、ブーストレイズバックルがどこかへと飛んでいく。

 

カズマ「やったか…………!?」

白夜「よくやった…………!」

ダクネス「み、湊翔…………!良いぞ。もう一回、蹴ってもらえないだろうか…………!?」

めぐみん「ダクネス。落ち着いて下さい。」

トウカ「これで、ミッションはクリアか!?」

湊翔「いや…………。缶をジャマーエリアの外に飛ばしたのに、ミッションクリアの通知が来ない。」

 

 そう。

 これまでは、ミッションをクリアしたら、通知が来ていた。

 なのに、通知が来ない。

 何が起こっているんだ……………?

 一方、ツムリとギロリの方は。

 

ツムリ「ギロリさん。ジャマーエリアが消えません。」

ギロリ「何が起こっている……………!?そういえば、アクアさんは?」

ツムリ「それが……………デザイア神殿を出て、どこかへと向かいましたが…………?」

ギロリ「何…………!?」

 

 ツムリとギロリは、そんな風に話していた。

 いつまでも消えないジャマーエリアに、どこかへと向かったアクア。

 一方、当のアクアは。

 

アクア「あれを壊せば良いのよね!」

 

 俺たちが蹴った缶の方へと向かっていた。

 この時の俺たちは気づいていなかった。

 まだ、サボテンナイトジャマトとの戦いは、終わっていない事を。




今回はここまでです。
サボテンナイトジャマト戦は、後半戦へと続きます。
そして、アクアが缶へと向かっていますが、何が起こるのか。
言える事としては、とんでもない事が起こります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
仮面ライダージーンの変身アイテムであるレーザーレイズライザーが一般発売されるみたいで。
楽しみです。
デザイアドライバーのハイスペックベルト帯を頼み忘れ、在庫切れになってしまい、途方に暮れています。
在庫が補充されるか、三次受注が来ませんかね。
次回で、サボテンナイトジャマト戦は終わります。
次々回からは、リクエストのあったオリジナルミッションや、他作品とのコラボ迷宮脱出ゲーム、そして、希望の迷宮と集いし冒険者たちのエピソードに入ります。
希望の迷宮と集いし冒険者たちの話で、色々と新キャラを出します。
あとは、このファンのあの3人組が変身する仮面ライダーもだします。
そして、クリスも仮面ライダーになります。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第31話 緊急ミッション

 俺たちは、連携をして、缶をジャマーエリアの外に蹴る事に成功した。

 だが、いつまでもミッションが終わらないので、俺たちはデザイア神殿へと戻る。

 ちなみに、ウィズも復活したようで、俺たちと合流して、ツムリの元へ。

 そこには、ツムリだけでなく、ギロリも居た。

 

トウカ「どういう事なんだ?」

めぐみん「ミッションとやらが終わりませんよ!?」

ダクネス「缶とやらは蹴ったはずだぞ!?」

ツムリ「……………本来なら、ジャマトが枯れて、倒せる筈だったんですが…………。」

ギロリ「こちらとしても、想定外です。」

カズマ「これってつまり……………。」

白夜「あのサボテンナイトジャマトはまだ生きてるって事か。」

湊翔「それ以外に、考えられないな。」

ウィズ「何が起こっているんでしょうか……………?」

 

 そう。

 あのサボテンナイトジャマトはまだ生きているという事だ。

 どうなってんだ?

 すると、ツムリの背後に地図が現れ、ジャマーエリアを示す図が大きくなる。

 その際、警報が鳴っていた。

 

ツムリ「ジャマーエリアが…………!?」

ギロリ「拡大しているだと…………!?」

 

 そう。

 ジャマーエリアが拡大していたのだ。

 ジャマーエリアはやがて、缶が落ちている所まで拡大した。

 すると、とんでもない映像が入る。

 

カズマ「おい、あれ!」

湊翔「アクア!?」

トウカ「あいつ、何やってんだ!?」

 

 そう。

 その映像には、アクアが映っていたのだ。

 

アクア『やっと見つけたわよ!これを破壊すれば良いのね!』

 

 アクアはそう言って、ゴッドブローの構えを取る。

 すると、サボテンナイトジャマトが現れ、缶とアクアを掴み上げる。

 

ジャマト『レレスダト!』

アクア『ちょっ!?何をしようって気よ!?』

ジャマト『キョトチャケロア!』

 

 ジャマトはそう言うと、缶とアクアを飲み込んでしまう。

 

ツムリ「缶とアクアさんを飲んでしまいました!」

めぐみん「アクア!」

トウカ「あれじゃあ、缶を破壊出来ないぞ!?」

ダクネス「アクアが飲み込まれるなんて…………!?」

ウィズ「アクア様……………!?」

カズマ「嘘だろ……………!?」

白夜「話が違うぞ。どうなってる!?」

湊翔「ジャマトは進化する怪物。俺たちもそれに対応するしか無い。」

???「その通り。」

 

 これまでずっと思っていたのだ。

 ジャマトライダーの時にも見られたが、こちらの攻撃を学習している節が見られた。

 という事は、ジャマトは進化する存在という事だ。

 かなり面倒だな。

 そう思っていると、背後から声がしてくる。

 俺たちが振り向くと、そこには、仮面を被った人が居た。

 

ツムリ「ゲームマスター!」

カズマ「ゲームマスター?」

白夜「こいつが…………。」

めぐみん「何ですか!その仮面は!紅魔族の琴線に触れるじゃ無いですか!」

 

 こいつがゲームマスター………………。

 いかにもな見た目をしてるよな。

 まあ、想定外の事態だから、出てくるのは当然か。

 

湊翔「リーダーのお出ましか。面倒な事になったよな?」

ゲームマスター「ああ。」

白夜「そうか……………!確かに、面倒な事になったな……………!」

ダクネス「どういう事だ?」

カズマ「アクアは、アンデッドに集られる程、生命力に溢れてるよな。」

トウカ「そして、あのサボテンナイトジャマトは、捕まえた人の生命力を吸収して、成長する存在だ。」

めぐみん「まさか!?」

ウィズ「アクア様を取り込んだサボテンナイトジャマトは、更に急成長するという事ですか!?」

ゲームマスター「その通りだ。」

 

 アクアの生命力は、溢れすぎて、アンデッドを引き寄せるレベルだ。

 そんなのを取り込んだ以上、サボテンナイトジャマトは更に成長する。

 下手をすれば、手をつけられないレベルにまで成長する恐れがある。

 

ゲームマスター「君たちには、緊急ミッションに挑んでもらいたい。」

湊翔「何をすれば?」

ゲームマスター「缶の破壊及び、捕らわれたアクアの救出。その為に、君たち全員に、ブーストレイズバックルを支給する。」

 

 ゲームマスターはそう言って、この場にいる俺たち仮面ライダーに、人数分のミッションボックスを取り出し、俺たちに渡す。

 中身を開けると、ブーストレイズバックルが入っていた。

 

湊翔「ブーストレイズバックル…………。」

カズマ「案外早く使えるな。」

白夜「まあ、そうでもしないと、勝てないという事だろうな。」

ゲームマスター「頼んだぞ。仮面ライダー諸君。」

 

 俺たちはそう言われる。

 一方、ジャマーエリア拡大の影響で巻き込まれた、アルカンレティア近郊の街に、ジャマトが現れていた。

 俺たちは、人々を襲うジャマトに攻撃する。

 

湊翔「早く逃げろ!」

一般人「は、はい!」

 

 俺は助けた一般人に避難を促して、避難させる。

 サボテンナイトジャマトは、更に大きくなっていた。

 

カズマ「何か、更にデカくなってねぇか?」

めぐみん「アクアを取り込んだ影響が、出てますよね……………。」

ダクネス「一刻も早く、アクアを助けるぞ!」

トウカ「ああ!」

白夜「まずは、缶とアクアを見つけるぞ!」

ウィズ「私もお手伝いします!」

湊翔「行くぞ!」

 

 俺たちは腰にデザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを構え、装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、ウィズの横には戦闘機の絵とJETの文字が浮かぶ。

 全員が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「「「「「変身!」」」」」」」」

 

 俺たちは、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

JET

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、ウィズはホーク・ジェットフォームに変身する。

 俺たちは、周囲のジャマトを倒して、人々を守る事にした。

 周囲のジャマトは、そこまで強くなったというわけではないので、俺たちは倒していく。

 

めぐみん「周囲のジャマトは、そこまで強くありませんね!」

ダクネス「だが、サボテンナイトジャマトは、未だに大きくなっているぞ。あの拳から放たれる攻撃を食らったら、私はどうなってしまうのだろうか………………!」

トウカ「ダクネス!アクアが取り込まれてるんだから、性癖を発揮するな!」

ウィズ「そ、そうですよ!どうにかして、アクア様と缶の位置を見つけなくては!」

白夜「だが、問題はどうやって見つけるかだが………………。」

湊翔「カズマ。ニンジャレイズバックルの力なら、あいつに近寄れるんじゃないか?」

カズマ「そうか!……………やってやるよ!」

 

 ダクネスが性癖を発揮して、頬を赤らめる中、俺はカズマにそう言う。

 ニンジャフォームの分身能力なら、サボテンナイトジャマトを撹乱しつつ、近寄る事が出来るのだから。

 カズマは、ニンジャレイズバックルを操作する。

 

NINJA STRIKE

 

 必殺技を発動して、カズマは分身して、普通のジャマトとも応戦し、サボテンナイトジャマトを撹乱しつつ、接近する。

 カズマがサボテンナイトジャマトの喉元にニンジャデュアラーを突き立てると、少し透明になり、そこには缶とアクアが映る。

 

めぐみん「あ!アクアです!」

ダクネス「缶とアクアは、そこに居たのか!」

白夜「良くやった、カズマ!」

トウカ「ああ!」

ウィズ「お見事です!」

湊翔「ナイス、カズマ!」

カズマ「おう!」

 

 カズマは、サボテンナイトジャマトから離れて、着地する。

 すると。

 

SECRET MISSION CLEAR

 

 その音声が流れる。

 カズマはスパイダーフォンを見る。

 おそらく、缶を発見したとかそういう感じだろうな。

 すると、スパイダーモードになる。

 

SPIDER MODO

 

 スパイダーモードになったスパイダーフォンは、上空からミッションボックスを持ちながら現れる。

 

トウカ「ミッションボックスか。」

めぐみん「どこから持ってきたんでしょうかね…………?」

ダクネス「さあ……………?」

湊翔「開けてみろよ。」

カズマ「おう。」

 

 カズマがミッションボックスを開けると、そこには小型レイズバックルが入っていた。

 だが、これまでの小型レイズバックルとは、少し雰囲気が違う。

 

カズマ「何だこれ?」

ウィズ「見た感じ、槍みたいですが………?」

湊翔「サウザンドジャッカー?」

トウカ「知ってるのか?」

湊翔「ああ。トウカが持ってるレイズバックルの一つのゼロワンに登場する武器だ。」

ダクネス「そうなのか。」

 

 そう。

 そのレイズバックルは、小さくしたサウザンドジャッカーがあったのだ。

 何故?

 俺がそう首を傾げる中、白夜が叫ぶ。

 

白夜「やっべ!サボテンナイトジャマトが逃げちまったぞ!」

トウカ「しまった!」

 

 そう。

 サボテンナイトジャマトが逃走してしまったのだ。

 俺たちは、デザイア神殿へと引き返す。

 

白夜「サボテンナイトジャマトを逃しちまったのは、痛いかもな……………。」

ウィズ「アクア様の生命力を吸収して、更に巨大になるかもしれないのですよね…………。」

めぐみん「でも、悪い事ばかりでは無かった筈ですよ。」

ダクネス「ああ。缶とアクアの位置が分かっただけでも、収穫と言えるだろう。」

カズマ「だな。」

湊翔「問題は……………どうやって缶を破壊して、アクアを救出するかだが……………。」

 

 それが問題となる。

 現在、サボテンナイトジャマトの大きさは、アクセルの屋敷や擬態を解除した時のハンスと同じ位のサイズだ。

 もし、今もアクアの生命力を吸収して、更に巨大になるのなら、面倒な事になりそうだ。

 やっぱり、鍵を握るのは、ブーストレイズバックルか。

 ブーストレイズバックルなら、パワーがかなり増すからな。

 そんな感じに、作戦を立てて、今日はデザイア神殿内で休む事にした。

 皆が寝静まり返った後、俺はデザイア神殿のロビーで椅子に座っていた。

 

湊翔(眠れないな……………。)

 

 中々眠れずに、ロビーで座っていると、後ろから声をかけられる。

 

トウカ「湊翔?」

湊翔「トウカか。悪い、起こしちまったか?」

トウカ「いや、ちょっと、水を飲みに来たんだ。」

湊翔「そっか。」

 

 トウカはそう言って、コップに水を入れて、俺の横に座る。

 

湊翔「どうした?」

トウカ「いや。湊翔が眠れてないなんて、珍しいなと思ってな。」

湊翔「………………本能的に、感じているのかもしれないな。」

トウカ「何を?」

湊翔「死を………………だよ。」

トウカ「………………………。」

 

 俺は死を感じていた。

 もしかしたら、あのサボテンナイトジャマト戦で、死ぬかもしれない。

 そう思ってしまったのだ。

 

湊翔「まあ、仮面ライダーもやってて、冒険者もやってる以上、死と隣り合わせなのは、間違い無いんだけどさ。それでも、死ぬかもしれないって思うとさ、怖いんだ。」

トウカ「そっか…………………。」

 

 俺はトウカにそう話す。

 やはり、死の恐怖はそう簡単に拭える物ではない。

 ミツルギの取り巻きが死んでからは、それが顕著になっていた。

 すると、トウカが俺の手を握る。

 

湊翔「トウカ?」

トウカ「心配ないさ。湊翔はこれまで、何度も戦って、生き抜いてきたじゃないか。今回だって、上手く行くさ。」

湊翔「………………俺一人じゃないさ。トウカにカズマ、白夜、めぐみん、ダクネス。そして、色んな仮面ライダーの変身者が居たおかげだ。」

 

 そう、皆が居たから、ここまで来れた。

 ベルディア戦でも、カズマ達が居なかったら、俺は倒されていただろう。

 だからこそ、アクアは助ける。

 

湊翔「だからさ、トウカ。サボテンナイトジャマトが出た時は、頑張ろう。」

トウカ「ああ。」

 

 俺たちはそう話して、寝る事にした。

 翌朝、俺たちが起きて、ギロリに朝食を作ってもらって食べていると、ギロリが言う。

 

ギロリ「皆さん。ジャマトが現れました。」

 

 そう言われ、朝食を食べ終えた後、俺たちは外に向かう。

 そこには、更に大きくなったサボテンナイトジャマトに、普通のジャマトとジャマトライダーが居た。

 

湊翔「ジャマトライダーまで居るな…………。」

カズマ「だな。」

トウカ「でも、引き下がる訳には行かないだろ!」

白夜「ああ。これ以上、アクアの生命力を吸って成長されるのも面倒だしな。」

めぐみん「フフフフフ!さあ!行きましょう!」

ダクネス「ああ。」

ウィズ「私もお手伝いします!」

 

 俺たちはそう話して、デザイアドライバーを腰に装着して、レイズバックルを装填する。

 最初から、ブーストレイズバックルを使う事になっている。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、ウィズの横には戦闘機の絵とJETの文字が浮かび、全員の横には、バイクのマフラーから火が出る絵とBOOSTの文字が浮かぶ。

 全員が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「「「「「変身!」」」」」」」」

 

 俺たちは、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

GET READY FOR BOOST & MAGNUM

NINJA & BOOST

BEAT & BOOST

ZOMBIE & BOOST

CALIBER & BOOST

LIGHTNING & BOOST

JET & BOOST

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムブーストフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャブーストフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートブーストフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビブーストフォーム、トウカはラウンズ・カリバーブーストフォーム、白夜はライコウ・ライトニングブーストフォーム、ウィズはホーク・ジェットブーストフォームに変身する。

 俺たちは、ジャマトやジャマトライダーに向かって駆け出していく。

 

湊翔「ハアッ!フッ!でやっ!」

 

 俺は、ブーストの力で強化されたキックを行いつつ、マグナムシューター40Xで銃撃していく。

 

カズマ「ハッ!フッ!おらっ!」

 

 カズマは、ブーストとニンジャの力で加速しつつ、ニンジャデュアラーですれ違いざまに斬って行く。

 

トウカ「ハアッ!ハッ!ふんっ!」

 

 トウカは、ブーストの力で素早く動きつつ、ソードエクスカリバーでジャマトを斬っていく。

 

白夜「オラッ!ハアッ!どりゃあ!」

 

 白夜は、ライトニングとブーストの力で加速しつつ、肉弾戦でジャマトを倒して行く。

 

めぐみん「ハアッ!フッ!えいっ!」

 

 めぐみんは、ブーストの力で強化されたキックを放ち、ビートアックスを用いて、周囲のジャマトを倒して行く。

 

ダクネス「ハアッ!でやっ!たあっ!」

 

 ダクネスは、めぐみんや俺と同様に、ブーストの力で強化されたキックを放ち、ゾンビブレイカーで斬り捨てる。

 

ウィズ「はあっ!フッ!」

 

 ウィズは、ジェットの力で飛び、ブーストの力で加速をつける中、魔法を発動して、ジャマトを倒して行く。

 普通のジャマトは粗方片付き、後はジャマトライダーとサボテンナイトジャマトだけだ。

 そう思っていると、ジャマトライダーが向かってくる。

 俺たちは、ジャマトライダーとも応戦する。

 ジャマトライダーは、最初に戦った時と比べて、更に強くなっている。

 

トウカ「やっぱり、ジャマトライダー、強くなってるよな!?」

湊翔「だな!」

ウィズ「確かに、強いですね……………!」

白夜「そんな事を言ってる場合か!とっとと倒すぞ!」

カズマ「あ、ああ!」

めぐみん「そうですね!」

ダクネス「おう!」

 

 俺たちは、ジャマトライダーと応戦していく。

 すると、サボテンナイトジャマトが突然動き出す。

 サボテンナイトジャマトは、持っていた剣で俺たちをジャマトライダーごと攻撃する。

 サボテンナイトジャマトの攻撃でジャマトライダーは倒され、俺たちは吹っ飛ぶ。

 変身解除には至っていないが、ダメージは大きい。

 

湊翔「ジャマトライダーも攻撃に巻き込むのかよ…………!」

カズマ「マジかよ……………!」

トウカ「このままじゃ……………!」

ジャマト「オヴォリチャ!」

 

 俺たちが動けなくなる中、サボテンナイトジャマトは、そう言って止めを刺そうとする。

 俺たちは、それを見る事しか出来なかった。

 だが、痛みが一向に訪れない。

 どういう事かと思っていると、サボテンナイトジャマトは動けなくなっていた。

 というより、苦しんでいた。

 

めぐみん「ジャマトが苦しんでますよ!?」

ダクネス「どうなっている…………!?」

ウィズ「分かりません……………。」

 

 3人がそう話す中、俺はある事に気づいた。

 

湊翔「まさか、アクアの影響か!」

カズマ「アクアの?」

トウカ「どういう事だ?」

白夜「そういう事か!アイツは、アクアの膨大な生命力を吸収しきれずに、苦しんでるんだ!植物に水をあげ過ぎると、根腐れするからな。」

めぐみん「なるほど!」

ダクネス「つまり、今がチャンスという事だな!」

ウィズ「なら、私が動きを止めます!カースド・クリスタルプリズン!」

 

 俺たちは、好機と見て、動き出す。

 ウィズの魔法で、サボテンナイトジャマトの足が凍結して、動けなくなる。

 

ジャマト「スリトキョ!ツテテダキョ…………!」

湊翔「皆!止めだ!」

 

 俺たちは、サボテンナイトジャマトが動けなくなったのを見て、レイズバックルを操作して、ブーストタイム必殺技を放つ。

 

BOOST TIME

 

 その音声と共に、待機音が流れて、俺はブーストのアーマーの力で、空高く飛び、ギーツモードになったブーストライカーが、俺の方に向かっていく。

 他の人たちも、ブーストライカーに乗って、缶とアクアがある場所の目の前にまで行く。

 ウィズは、ジェットレイズバックルの力で、飛行する。

 そして、ブーストレイズバックルを一回捻る。

 

MAGNUM BOOST GRAND VICTORY

NINJA BOOST GRAND VICTORY

BEAT BOOST GRAND VICTORY

ZOMBIE BOOST GRAND VICTORY

CALIBER BOOST GRAND VICTORY

LIGHTNING BOOST GRAND VICTORY

JET BOOST GRAND VICTORY

 

湊翔「ハァァァァ…………!でやあああ!」

カズマ「オラァァァァァ!!」

めぐみん「ハァァァァ!」

ダクネス「ハァァァァァァ!」

トウカ「ふっ!ハァァァァ!」

白夜「ふっ!オラァァァァァ!!」

ウィズ「ハァァァァァ!」

 

 俺たちはキックの体勢を取り、サボテンナイトジャマトの缶とアクアが居る場所にキックを叩き込む。

 7人のブーストタイム必殺技のキックを食らって、最初は持っていたが、貫通して、缶とアクアが排出され、アクアはダクネスがキャッチして、缶は爆発する。

 そして、サボテンナイトジャマトも爆発する。

 

MISSION CLEAR

 

ツムリ「ミッションコンプリートです!」

 

 その音声が流れると、ツムリの声も聞こえてくる。

 すると、ブーストレイズバックルがどこかへと飛んでいく。

 

湊翔「アクアは?」

ダクネス「どうやら、気を失っているようだな。」

カズマ「まあ、何はともあれ、これで全て終わりだよな?」

めぐみん「ですね。」

ウィズ「みなさん、お疲れ様です。」

トウカ「ああ。」

白夜「さっさとアクセルに帰ろうぜ。」

 

 俺たちは、アクセルへの帰路についた。

 一方、ある場所では。

 

武「アイツら、確実に強くなってんな。これは、戦い甲斐があるぜ。」

ロキ「フッ。これはこれで盛り上がったな。」

武「じゃあ、俺はアイツらに会いに行くとするかね。」

ロキ「そうか。……………そろそろ、アイツが脱走してる頃かな。」

 

 その二人は、そう話す。

 一方、天界側では。

 

天使「ゼ、ゼウス様!」

ゼウス「どうした?何があった?」

天使「それが……………火の女神……………ファイアが脱走しました!」

ゼウス「何っ!?」

天使「本当です!どうやら、ロキがデザイアグランプリの事を告げたらしく…………!」

ゼウス「何だと……………!?すぐにファイアを捕えろ!」

天使「はっ!」

 

 ゼウスがそう叫ぶと、天使達は慌ただしく動き出す。

 

ゼウス「まさか……………複製したヴィジョンドライバーで介入する気か…………!?」

 

 ゼウスはそう呟く。

 一方、その女神ファイアは。

 

ファイア「ここが今の世界か。ぬるい…………ぬるいな。」

 

 その女神ファイアは、そう呟く。

 果たして、何が起ころうとしているのか。




今回はここまでです。
サボテンナイトジャマトは倒されました。
動きが止まった理由は、アクアにありました。
アクアの膨大な生命力を吸い、成長していましたが、植物は水をあげ過ぎると根腐れします。
それにより、サボテンナイトジャマトは動けなくなりました。
サボテンナイトジャマトは倒されたものの、謎のオリキャラ、ファイアが登場。
次回は、リクエストにあったバトロワの話となる予定です。
今日のギーツは、急展開でしたね。
まさか、オーディエンスやデザグラの運営は、未来人だったと。
そして、ベロバも変身しましたが、巨大でしたね。
このすばとギーツのヴィジョンドライバーは、勿論、複数存在します。
現在判明しているのは、ゼウス側が持っているオリジナルと、ロキ側が持つ複製品です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
次回のギーツで、ケケラとキューンも変身するみたいですが、このすばとギーツのオリキャラのサポーターも、変身させようかなと思っています。
ただ、現状、トウカ、白夜、龍、ジン、デモニオの5人ですが、今後、増えていきます。
あと、アクアは変身させましょうか?
そこら辺の意見も良かったら、お願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第5章
第32話 ダークライダーのバトロワ(前編)


 アルカンレティアでの慰安旅行もとい、魔王軍幹部ハンスとサボテンナイトジャマトとの戦いが終わった後、俺たちはアクセルに帰った。

 帰った後は、休みを取る事にした。

 何せ、まともに休めなかったしな。

 しばらく休んだ後、カズマ、アクア、めぐみん、ダクネスはギルドへと向かい、俺、トウカ、白夜は、デザイア神殿内のトレーニングエリアで、特訓を続けていた。

 これからも、サボテンナイトジャマトやスラグフォートレスジャマトの様な、強大な力を持つジャマトは現れるだろう。

 それに備える為に、強くなるべきだろう。

 俺、トウカ、白夜は特訓をしていて、しばらくして、休憩を取る事にした。

 

湊翔「疲れたな、流石に……………。」

トウカ「確かに………………。」

白夜「だが、湊翔は更に強くなっている。それは評価出来るだろうな。」

湊翔「そう言って貰えるのは、嬉しいね。」

トウカ「今日の所は、これで終わりにしよう。良いよな?」

白夜「ああ。」

 

 俺たちは、特訓を切り上げて、ギルドに居るカズマ達と合流する事にした。

 ギルドに到着すると、騒々しかった。

 

カズマ「くそっ!あの野郎!」

アクア「何でよ〜〜!!」

 

 カズマが毒づいて、アクアが泣き叫び、めぐみんとダクネスが宥めていた。

 何があったんだ?

 

湊翔「……………何があったんだ?」

カズマ「湊翔!聞いてくれよ!」

湊翔「お、おう………………。」

 

 何が起こったのか。

 それは、俺たちがデザイア神殿内のトレーニングルームで特訓している最中の事だった。

 カズマ達がギルドに到着すると、女性が大量のシュワシュワを飲んでいたのだ。

 

アクア「ちょっと!何シュワシュワを大量に飲んでるのよ!」

ギルド職員「やめて下さい!ギルドにあるお酒を全て飲まないで下さい!!」

めぐみん「ええっ!?」

ダクネス「ギルドにある酒を全部だと…………!?」

 

 それを聞いて、カズマ達は驚く。

 大量の酒を飲んでいるのは、赤い瞳に赤い髪で外ハネのロングヘアーで、ギザギザの歯をしていて、日焼けした褐色肌に長身でガタイが良く、スタイル抜群の女性だった。

 カズマ達は、その女性に話しかける。

 

ダクネス「ちょっと良いだろうか?」

???「あん?」

カズマ「あのさ。ギルドの酒を全部飲むのはやめてくれないか?ギルドのお姉さん達も迷惑してるし。」

???「あぁん?俺に指図しようってのか?ていうか、もっと酒を寄越せ!」

ルナ「そんな事を言われても…………。もうお酒はありません……………。」

???「はぁ!?ふざけんじゃねぇよ!もっと酒を飲ませろ!!」

 

 そう言って、その女性は暴れだす。

 それを聞いて思ったのは、その女性は、ウワバミなのかなと思った。

 その後、しばらく暴れたその女性は。

 

???「チッ。何か白けちまったわ。代金はそこの連中に払わせろや。」

アクア「ハアッ!?あんた何生意気言ってんのよ!ファイア!!」

ファイア「ああん?お前、アクアか。という事は、貴様らが仮面ライダーとやらか!」

 

 アクアはその女性……………ファイアにそう言うと、ファイアは納得して、カズマ達に言った。

 

めぐみん「貴方は何者ですか?」

ファイア「俺はファイアだ!てめぇらはぬるいあのデザグラで満足してんのか?」

カズマ「何でお前が、デザイアグランプリの事を知ってるんだよ!?」

ファイア「てめぇら!今のデザグラよりも更に面白い事をしてやるから、待ってろよ!」

 

 ファイアはそう言って、ギルドから去って行ったそうだ。

 それで、酒の分の代金を押し付けられて、困惑していたそうだ。

 というより、デザイアグランプリの事を知っているという事は、神々の関係者か?

 何か嫌な予感がするな。

 その後、俺たちが持ってるお金を出して、何とか、お金は足りた。

 その翌日、俺たちはギルドに居た。

 食事の為だ。

 俺たちが飯を食ってる中、ツムリが血相を変えて飛び込んでくる。

 

ツムリ「仮面ライダーの皆さん!デザイア神殿に集まって下さい!」

湊翔「ツムリさん。」

トウカ「何があったんだ?」

白夜「ん?」

 

 ツムリがそう言うので、俺、トウカ、白夜、カズマ、めぐみん、ダクネス、ダスト、リーン、ゆんゆん、デモニオが集まる。

 ちなみに、デモニオに関しては、ツムリから渡された、周囲の人からは普通の人間に見える機能を持つペンダントを付けている。

 その為、普通の人間にしか見えない。

 

ゆんゆん「それで…………何が起こったんですか?」

ダスト「ったく。今日はダラダラしようと思ってたのによぉ………………。」

リーン「文句を言わないの!」

ツムリ「実は……………緊急ミッションが発動されました。」

カズマ「緊急ミッション!?」

めぐみん「またジャマトが現れたんですか!?」

ツムリ「それが……………これを見て貰えば分かると思います。」

 

 そう言って、ツムリは映像を出す。

 そこには、赤い瞳に赤い髪で外ハネのロングヘアーで、ギザギザの歯をしていて、日焼けした褐色肌に長身でガタイが良く、スタイル抜群の女性が映っていた。

 

カズマ「あ!あいつだ!」

ダスト「あいつがギルドのシュワシュワを全部飲んだのか!」

湊翔「なるほどな………………。」

 

 あいつがファイアって奴か。

 いかにも好戦的って感じがするよな。

 

ファイア『よう。仮面ライダーども。お前らヌルいんだよ!デザグラのあの程度のヌルい戦いで満足してやがって!だからオレがもっとアツくしてやるよ!』

トウカ「暑く……………?」

白夜「何をしようってんだよ……………。」

ファイア『これから、あるゲームを始める。このアクセルの周辺に、ジャマトを出す。』

湊翔「いつもと変わらない気がするんだがな……………。」

ファイア『ただ、俺は知らないが、ダークライダーという奴らも居るからな。』

湊翔「はっ!?」

 

 ダークライダーだと!?

 何でそいつらが居るんだよ……………!

 

ファイア『しかも、どいつもこいつも危険な奴らばっかりだからな。俺を楽しませてくれ!』

 

 そう言うと、ファイアは消えた。

 ツムリが口を開く。

 

ツムリ「確認した所、そのダークライダーは、G4、グレイブ、ガオウ、幽汽、エターナル、ポセイドン、ソーサラーが確認されました。」

湊翔「嘘だろ……………!?」

 

 どれもこれもが危険な奴らばっかりじゃないか。

 特にガオウ、エターナルは。

 俺たちはともかく、ダストとリーンは危ないだろ。

 何せ、大型レイズバックルを持っていないのだから。

 一応、フィーバースロットで大型レイズバックルを使えるが、運任せすぎる。

 

ダスト「でもよぉ……………俺とリーンは、大きなレイズバックルを持ってないぜ?」

リーン「一応、フィーバースロットレイズバックルは持ってるけど、小型レイズバックルの力が出ても困るしね………………。」

カズマ「どうすんだよ?」

ツムリ「実は、助っ人を呼んであります。」

トウカ「助っ人?」

ツムリ「はい。それに関しては、一度転送しますので、そこで合流して下さい。」

 

 そう言われて、俺たちは転送された。

 すると、オーロラカーテンが現れ、一人の男性が現れる。

 

???「ここは……………?」

湊翔「あの人が助っ人なのか?」

カズマ「さあ?」

めぐみん「とにかく、話してみましょう。」

ダクネス「ああ。」

 

 俺たちはそう話して、その人に話しかける事にした。

 

白夜「おい。」

???「ん?お前ら誰だよ?」

湊翔「ああ。俺たちは、仮面ライダーなんだけど。なあアンタ。この辺でダークライダーっていう何というか、全身鎧みたいな奴ら見なかったか?」

???「…………いや、見てないが………。アンタら誰だ?」

湊翔「俺たち?俺たちはそいつらを追ってる仮面ライダーなんだけど。知らないか?」

???「知らない。それより、名前を名乗れ。」

湊翔「ああ。俺は桐ヶ谷湊翔。仮面ライダーギーツだ。」

???「桐ヶ谷…………湊翔……………!?」

カズマ「ん?」

デモニオ「なんか殺気が出てないか?」

 

 俺がそう名乗ると、そいつは敵意を剥き出しにした視線を向けてくる。

 え、何?

 人違いだったのか?

 

???「お前は……………転生者なのか!」

湊翔「っ!?まあ………………転生者ではあるけども……………。」

???「なら、敵だ!」

 

 そう言うと、その人は、ドライバーを装着する。

 ただし、デザイアドライバーではなく、ゲーマドライバーだった。

 その人はプロトマイティアクションXガシャットを出して、起動する。

 

マイティアクションX!

 

 すると、周囲にゲームエリアが展開されて、エナジーアイテムが配置される。

 その人は、叫ぶ。

 

???「グレード2。変身!」

 

 そう言って、ゲーマドライバーにガシャットを装填して、レバーを展開する。

 

ガシャット!

ガッチャーン!レベルアップ!

マイティジャンプ!マイティキック!マーイティアクショーンX!

 

 その人は、仮面ライダーゲンム・アクションゲーマーレベル2に変身した。

 

湊翔「ゲンム!?」

トウカ「まさか、あいつもダークライダーなのか!?」

カズマ「マジかよ……………!」

リーン「それじゃあ……………敵って事?」

???「ハァァァ!!」

 

 その人は、俺に攻撃してくる。

 それを躱しつつ、俺はデザイアドライバーを装着して、マグナムレイズバックルを装填する。

 多分、訳ありなんだろうが、襲ってくる以上、仕方ない。

 

SET

 

 デザイアドライバーの右側にマグナムレイズバックルを装填すると、右側に白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が現れる。

 俺は、右手で狐の影絵を作り、中指と親指で、フィンガースナップをする。

 

湊翔「変身。」

 

 そう言って、マグナムレイズバックルのシリンダー部分を回転させ、トリガー部分を引く。

 

MAGNUM

REDAY FIGHT

 

 俺は、ギーツ・マグナムフォームに変身する。

 ゲンムは、ガシャコンバグヴァイザーのチェーンソーモードで攻撃してくる。

 俺はそれを躱しつつ、マグナムシューターで銃撃する。

 ゲンムは攻撃を食らった後、ガシャコンバグヴァイザーをビームモードにして、銃撃してくる。

 俺は何とか最小限の動きで躱すが、何発か攻撃を食らってしまう。

 

湊翔「強い………………!」

???「お前を削除する!」

 

 そう言って、再びチェーンソーモードにしたガシャコンバグヴァイザーで、俺を攻撃する。

 それを食らい、俺は吹っ飛ぶが、ただでやられる訳にはいかないので、反撃にマグナムシューターを至近距離で放ち、攻撃する。

 ゲンムは吹っ飛ぶ。

 その際に、マグナムシューターの弾丸が地面に当たり、土煙が上がる。

 お互いに吹っ飛んで、少し距離が空いたと思ったら、違う音が聞こえてくる。

 それは、携帯のプッシュ音の様な音だった。

 

Standing by

 

 その音声が聞こえると同時に、待機音が流れてきて、まさかと思う。

 あの仮面ライダーか……………!?

 

???「変身。」

 

Complete

 

 すると、ゲンムが居たところから、光の線が浮かんでくる。

 その線は人の形となる。

 ゲンムから、仮面ライダーサイガとなった。

 

湊翔「今度はサイガかよ……………!」

???「お前を殺す……………!」

白夜「あいつ……………複数の仮面ライダーに変身出来んのかよ!?」

 

 白夜はそう叫ぶ。

 本当に同感だよ。

 という事は、まだ複数の力を有しているとみて、間違いないだろう。

 ゲンム改めサイガは、フライングアタッカーで空を飛び、攻撃してくる。

 俺は何とか躱しつつ、マグナムシューターを連射する。

 そして、マグナムシューターのバレットチャージャーを引く。

 

BULLET CHARGE

 

 その音声が流れると同時に、トリガーを引いて、銃撃する。

 サイガはその銃撃を躱して、フライングアタッカーで俺に迫り、攻撃してくる。

 サイガは、トンファーエッジを使って攻撃してくる。

 俺は、マグナムシューターでトンファーエッジを受け止め、両腕のアーマードガンで攻撃する。

 強いな……………。

 

トウカ「見てられない!湊翔!助けるよ!」

???「おいおい。邪魔すんじゃねえぞ。」

 

 トウカが助けに入ろうとすると、サイガから何かが出てきて、トウカに攻撃する。

 そこに居たのは、ツーサイドライバーを持った、一人の男性だった。

 

トウカ「お前……………誰だ?」

カゲロウ「俺はカゲロウ。そこの黒崎将輝の悪魔って所だな。」

リーン「あれって………………!?」

ダスト「リーンが手に入れたレイズバックルと同じベルトじゃねえか?」

トウカ「邪魔すんな!そこをどけ!」

カゲロウ「おいおい。俺が遊び相手になってやるよ。」

 

 トウカとカゲロウはそう言って、変身する。

 トウカはデザイアドライバーにカリバーレイズバックルを装填して、カゲロウはバットバイスタンプを起動して、ツーサイドライバーのオーインジェクターに押印して、装填する。

 ていうか、黒崎将輝っていうのか。

 

SET

バット!』
『Confirmed!

 

 二人は構えて、叫ぶ。

 

「「変身!」」

 

 トウカはカリバーレイズバックルを操作して、カゲロウはツーサイドライバーを抜いて、トリガーを引く。

 

CALIBER

バーサスアップ!

Madness!Hopeless!Darkness!バット!(Hehe!)

仮面ライダーエビル!(Yeah!Haha!)

REDAY FIGHT

 

 トウカは仮面ライダーラウンズ・カリバーフォームに変身して、カゲロウは仮面ライダーエビル・バットゲノムに変身する。

 二人は、それぞれの武器を持って戦う。

 一方、俺たちの方は、将暉はサイガドライバーを外して、違うベルトに変える。

 すると、黒いカブトムシ……………ダークカブトゼクターが飛んできて、キャッチして、言う。

 

将輝「変身。」

 

 そう言って、ベルトにダークカブトゼクターを装填する。

 

HENSHIN

 

 その音声が流れると、将暉は、カブト・マスクドフォームに変身する。

 更に。

 

将輝「キャスト・オフ。」

 

 そう言って、ダークカブトゼクターのゼクターホーンを倒す。

 

CAST OFF

 

 すると、ダークカブトのマスクドフォームのアーマーが弾け飛び、カブトホーンが起き上がる。

 

CHANGE BEETLE

 

 黒崎将輝は、ダークカブトの基本形態、ライダーフォームに変身した。

 

湊翔「今度はダークカブトかよ……………。」

将輝「クロックアップ。」

 

CLOCK UP

 

 その音声が流れると共に、将暉は高速移動をして、攻撃してくる。

 マグナムシューターで攻撃するが、速すぎて当たらず、逆にダメージを受ける。

 

湊翔「くっ……………!」

将輝「おっと。」

 

 クロックアップは、相変わらず厄介な能力だよな。

 なら、こっちも早くなるだけだ!

 俺は、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、俺はゲーマドライバーレイズバックルを装填する。

 

GAMER DRIVER

 

 すると、俺の横にはエグゼイドのライダーズクレストと英語でEX-AIDの文字が浮かぶ。

 その際、ゲームエリアも展開され、エナジーアイテムが配置される。

 俺はそれぞれのレイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

MAGNUM

ガッチャーン!レベルアップ!

マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクションX!

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・エグゼイドマグナムフォームに変身する。

 

将輝「姿が変わった所で、俺には勝てない!」

湊翔「どうかな。」

 

 俺はマグナムシューターを周囲のエナジーアイテムに撃つ。

 弾丸はエナジーアイテムで跳ね返り、何発かは、将暉に命中する。

 

将輝「なっ……………!?」

湊翔「跳弾さ。例え全部が当たらなくても、こうやれば、命中弾も少しは増えるだろ。それに、一体お前に何があったんだよ。」

将輝「黙れ!ライダーバトルをする奴は全員ぶっ潰す!」

 

 ライダーバトル?

 デザイアグランプリをしているが、ライダーバトルは互いの同意が無ければ御法度な筈だが。

 どうやら、訳ありみたいだな。

 俺は、近くにあった高速化のエナジーアイテムを取得する。

 

高速化!

 

 高速化のエナジーアイテムを取得した事で、クロックアップにも対抗できて、俺と将暉は高速移動をして、攻撃する。

 これで、何とか対応できる筈だ。

 

将輝「貴様………………!」

湊翔「…………………。」

 

 俺と将輝は、お互いに睨み合う。

 すると。

 

???「待って下さ〜〜〜い!!」

 

 そんな風に叫んで、俺と将輝の間に一人の女性が割って入ってくる。

 誰かと思っていると、将輝はその女性に話しかける。

 

将輝「カインか。邪魔をするな。邪魔をするのなら、あんたでも容赦はしない。」

カイン「待って下さい!彼らは、ライダーバトルとは全く別のゲームの仮面ライダーです!」

将輝「何?」

湊翔「ああ。俺たちは、デザイアグランプリに参加している仮面ライダーだ。君が言うライダーバトルとは、全く関係ない。」

白夜「その通りだ。」

将輝「……………………。」

 

 それを聞いた将輝は黙り込み、少し何かを考える素振りを見せて、すぐに頭を下げる。

 

将輝「すまない。誤解をした。」

カズマ「いや、それは良いんだけどさ……………。」

ゆんゆん「あの……………どうして、仮面ライダーを憎むんですか?」

カイン「えっと……………。」

将輝「良い。俺が話す。」

 

 そう言って、将輝は理由を話した。

 将輝は、元々は、違う世界で普通に暮らしていたそうだ。

 だが、とある仮面ライダーの転生者によって、家族同然だった者達を殺されてしまう。

 それには嘆き、悲しみ、仮面ライダーの転生者に怒りを見せた。

 そんな中、彼の元に女神が現れ、その転生者を生み出したバトルに挑むことにしたらしい。

 その際、ダークライダーに多く変身するようだ。

 それは同情出来る様な過去だ。

 無理もない。

 

ダクネス「そんな過去があったのだな………。」

将輝「ああ。」

ダスト「まあ、許してやっか。」

リーン「そうね。」

デモニオ「凄い過去だな……………。」

 

 そんなトラブルがあったものの、何とかなった。

 

湊翔「まあ、何はともあれ、助っ人はこれで全員か?」

ツムリ「いえ。助っ人はまだ居ます。」

 

 ツムリがそう言うと、再びオーロラカーテンが現れて、5人現れる。

 

???「ここが、違う仮面ライダーギーツの世界か。」

???「その様だね。」

???「へぇ!中世みたいだね!」

???「実際、中世だろうな。」

???「中世の時代の異世界だからね。」

???「そんな感じでしょうね。」

 

 その6人は、俺の知っている人たちだった。

 

カズマ「あの……………あなた達は……………。」

士「俺は門矢士。仮面ライダーディケイドだ。」

大樹「僕は海東大樹。仮面ライダーディエンドさ。」

ソウゴ「俺は常磐ソウゴ!仮面ライダージオウだよ!」

ゲイツ「俺は明光院ゲイツ。仮面ライダーゲイツだ。」

ウォズ「私はウォズ。仮面ライダーウォズさ。」

ツクヨミ「私はツクヨミ。仮面ライダーツクヨミよ。」

 

 そう。

 ディケイド、ディエンド、ジオウ、ゲイツ、ウォズ、ツクヨミが勢揃いしているのだ。

 それには、俺たちは驚く事しか出来なかった。

 世界の破壊者に、時の王者まで巻き込むこの事態に。




今回はここまでです。
ダークライダーのバトロワの前編です。
後編は、また別の機会に更新します。
そして、転生したら一般人だった件さんの投稿している作品の一つ、『歌姫と闇の仮面騎士』から、主人公である黒崎将輝と、彼をサポートする女神、カインが登場しました。
更に、門矢士、海東大樹、常磐ソウゴ、明光院ゲイツ、ウォズ、ツクヨミが登場しました。
次回の後編で、ダークライダーとの戦いが始まります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のギーツで、デザイアグランプリに代わり、ジャマトグランプリの開催が決定しましたね。
そして、次回、バッファの親友がジャマトとして蘇ったり、バッファがコマンドフォームになったりしますね。
今回の話で、ケケラ、キューンも変身しましたね。
この作品は、オリジナルライダーに、原作ギーツだと脱落したり死亡したりした仮面ライダーも、普通に居るので、サポーターをどうしようかなと考えています。
他の面子のサポーターに関して、リクエストがある場合は、お願いします。
ちなみに、馬場武のサポーターは、ベロバです。
あと、ジャマトグランプリに関しては、デザイアグランプリと並行して行われるという形を取ろうかなと思います。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第33話 ダークライダーのバトロワ(後編)

 違う世界の住人である黒崎将輝と誤解から、戦いになってしまうが、何とか誤解は解けた。

 すると、門矢士、海東大樹、常磐ソウゴ、明光院ゲイツ、ウォズ、ツクヨミが現れる。

 俺たちがどうなっているのかと思っていると。

 

ツムリ『皆さん、助っ人達とは合流出来ましたか?』

湊翔「合流出来ましたが……………。」

ツムリ『これより、ダークライダーの討伐に向かってもらいます。』

カズマ「いや、それは良いんだけどよ…………。」

トウカ「誰が相手をするんだ?」

ツムリ『それを発表します。まず、G4にはダクネス様と虎雷白夜様。グレイブにはトウカ様。ガオウにはダスト様とリーン様。幽汽には神宮龍様とウィズ様。エターナルには桐ヶ谷湊翔様と佐藤和真様。ポセイドンには英鬼渡様。ソーサラーにはめぐみん様とゆんゆん様が挑みます。』

 

 なるほど、そういう感じか。

 って、ガオウにダストとリーンを向かわせるのは危険すぎるだろ!

 そう思っていると。

 

ツムリ『もちろん、助っ人の方達も向かわせます。』

ダクネス「そうなのか。」

ゆんゆん「誰が入るんですか?」

めぐみん「そもそも、今この場に、龍さん、ウィズが居ませんが。」

ウィズ「お待たせしました!」

 

 そう言って、ウィズ、龍、バニルの3人がやって来る。

 

カズマ「バニルも居るのか!」

バニル「まあ、我輩としては、このパンクジャックとやらの力を試してみたかったのでな。」

ツムリ『では、助っ人について、発表します。門矢士様はダクネス様と虎雷白夜様と、海東大樹様はトウカ様と、常磐ソウゴ様はダスト様とリーン様と、明光院ゲイツ様は桐ヶ谷湊翔様と佐藤和真様と、ウォズ様は神宮龍様とウィズ様と、ツクヨミ様はめぐみん様とゆんゆん様と共に挑んでもらいます。』

 

 なるほど。

 まあ、それなら大丈夫か。

 あれ、黒崎将輝って奴は?

 そう思っていると、ツムリが言う。

 

ツムリ『黒崎将輝様は、馬場武こと仮面ライダーシュバルツギーツと戦ってもらいます。』

将輝「良いだろう。」

 

 なるほど、あいつか。

 まあ、大丈夫か。

 すると、俺たちは転送されていく。

 ダクネス、白夜、門矢士の前には、仮面ライダーG4が居た。

 

白夜「あいつがG4か。」

ダクネス「そのようだな。」

士「お前ら、行くぞ。」

 

 3人は、変身する準備をする。

 ダクネスと白夜はデザイアドライバーを装着して、士はネオディケイドライバーを装着する。

 ダクネスと白夜は、デザイアドライバーにそれぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が浮かぶ。

 士は、ディケイドのカードを構える。

 そして、3人は叫ぶ。

 

「「「変身!」」」

 

 そう言って、ダクネスと白夜はレイズバックルを操作して、士はネオディケイドライバーにカードを装填して、操作する。

 

KAMEN RIDE DECADE!

ZOMBIE

LIGHTNING

REDAY FIGHT

 

 ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、士はネオディケイドライバーのディケイドに変身する。

 G4の周囲には、普通のジャマトとウツボカズラと城壁が織り混ざったような頭部を持つジャマトが居た。

 

ダクネス「見た事のないジャマトが居るな。」

士「あのウツボカズラみたいな奴は、ルークジャマトという個体だそうだ。」

白夜「ルークね……………まあ、倒すだけだ!」

 

 ダクネス、白夜、士の3人は、G4とジャマトの軍勢に向かっていく。

 3人はそれぞれの武器で、ジャマトに攻撃していく。

 すると、士が叫ぶ。

 

士「ジャマトとやらは俺が抑えておこう。お前達はG4を倒せ!」

ダクネス「ああ!」

白夜「頼んだぞ!」

 

 士はポーンジャマトとルークジャマトを抑えて、ダクネスと白夜の二人は、G4へと向かう。

 G4は、ダクネスと白夜の二人の攻撃が来ても、難なく対処する。

 

ダクネス「くっ…………こいつ……………!」

白夜「強いな……………!」

 

 すると、G4はギガントを取り出して、発射する。

 ギガントから放たれたミサイルは、ダクネスと白夜の近くの地面に命中して爆発する。

 その威力は凄まじく、二人は吹っ飛ぶ。

 

ダクネス「くぅっ……………!」

白夜「ぐわっ!?」

 

 二人はG4に苦戦していた。

 一方、士は、ジャマトが大量に居る中、難なく倒せていた。

 

士「ツムリって奴から頼まれたのは、ジャマトだけを倒せだったな。なら、さっさと片付けるか。」

 

 そう言って、ライドブッカーからカードを取り出して、装填して操作する。

 

ATTACK RIDE BLAST

 

 士は、ガンモードのライドブッカーの銃口を一時的に分身させ、一度に発射出来る弾丸の量を増やして自動追尾のエネルギー弾の掃射を浴びせ、ジャマトを倒す。

 そして、ソードモードにして、別のカードを装填する。

 

ATTACK RIDE SLASH

 

 士は、ライドブッカーの刀身にエネルギーを纏わせて一時的に分身させ、一振りで数太刀の斬撃を浴びせ、ジャマトを倒す。

 ジャマトは全滅した。

 

士「さて。俺の方は片付いたが、奴らどうした?」

 

 士がダクネスと白夜の方を見ると、二人はG4に苦戦していた。

 G4は、AIが搭載されており、それにより、二人の動きは見抜かれていた。

 

ダクネス「くっ……………こいつ、強いぞ!」

白夜「だからどうした!こんな所でくたばってたまるか!」

ダクネス「白夜……………そうだな!」

白夜「ダクネス!つい最近手に入れたレジェンドレイズバックルを使うぞ!」

ダクネス「ああ!」

 

 ダクネスと白夜は、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、ダクネスはブレイバックルレイズバックルを、白夜はドライブドライバーレイズバックルをデザイアドライバーに装填する。

 

BLAYBUCKLE

DRIVE DRIVER

 

 すると、ダクネスの横には、ブレイドのライダーズクレストとBLADEの文字が、白夜の横には、ドライブのライダーズクレストもDRIVEの文字が浮かぶ。

 二人は、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

ZOMBIE

turn up

LIGHTNING

DRIVE!TYPE-SPEED!

REDAY FIGHT

 

 ダクネスはブレイドゾンビフォームに、白夜はドライブライトニングフォームに変身する。

 ダクネスはゾンビブレイカーとブレイラウザーを持ってG4に攻撃して、白夜はハンドル剣を持って、高速移動しつつ、攻撃していく。

 ダクネスのパワー攻撃に、白夜の高速移動による同時攻撃には、流石のG4のAIは対応しきれず、押され始める。

 

白夜「止めを刺すぞ!」

ダクネス「ああ!」

 

 ある程度押されると、二人は必殺技の発動の為に、レイズバックルを操作する。

 

ZOMBIE BLADE VICTORY

LIGHTNING DRIVE VICTORY

 

 すると、ダクネスの背後に、キックローカスト、サンダーティアー、マッハジャガーのカードが浮かび、白夜の周囲を、トライドロンが加速する。

 

ダクネス「ハァァァァ……………!ハァァァァ!」

白夜「でやぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 ダクネスはライトニングソニックを、白夜はスピードロップを発動する。

 ダクネスはマッハジャガーの力で加速して、連続で攻撃をして、白夜は旋回するトライドロンを使って、連続キックを叩き込む。

 G4はしばらく耐えていたが、二人は止めの一撃を放つ態勢に入った。

 

ダクネス「ハァァァァァ!」

白夜「でやァァァァァァァ!!」

 

 二人のキックは、G4を貫き、G4は爆発した。

 

ダクネス「やったのか……………?」

白夜「恐らくな……………。」

士「やるじゃないか。さて。他の連中は困ってないだろうな?」

 

 ダクネスと白夜はそう話して、士はそう呟く。

 一方、トウカと海東大樹は、グレイブとトランプジャマトが居るところに転送される。

 

大樹「結構多いね。」

トウカ「ですね。それでも、やるだけですよ。」

大樹「やれやれ。まあ、付き合うか。」

 

 トウカはそう言って、デザイアドライバーにレイズバックルを装填する。

 大樹は、ネオディエンドライバーにディエンドのカードを装填する。

 

SET

KAMEN RIDE DIEND!

 

 すると、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が浮かぶ。

 大樹は、ネオディエンドライバーを上に向ける。

 

「「変身!」」

 

 二人はそう叫んで、トウカはカリバーレイズバックルを操作し、大樹はネオディエンドライバーのトリガーを引く。

 

CALIBER

REDAY FIGHT

 

 トウカは仮面ライダーラウンズ・カリバーフォームになり、大樹は仮面ライダーディエンドに変身する。

 二人は、トランプジャマトとグレイブへと向かっていく。

 トウカはソードエクスカリバーを振るい、トランプジャマトを倒していく。

 大樹は、ネオディエンドライバーで銃撃して、トランプジャマトを倒していく。

 すると、大樹はトウカに言う。

 

大樹「僕たちの役目は、君たちがダークライダーを倒せる事のサポートだから、グレイブは君に任せるよ。」

トウカ「分かってます!」

 

 大樹はそう言うと、トランプジャマトの方へと向かい、トウカはグレイブへと向かう。

 トウカはソードエクスカリバーを、グレイブはグレイブラウザーを、お互いの武器とぶつけ合う。

 だが、お互いに互角の戦いを繰り広げていた。

 グレイブは、グレイブラウザーにマイティグラビティをラウズして、グラビティスラッシュを発動する。

 

トウカ「強い………………!」

 

 トウカはそう呟く。

 一方、大橙はトランプジャマトの一団を倒していた。

 

大樹「さて。もう面倒だから、さっさと倒すか。」

 

 大樹はそう言って、ネオディエンドライバーにファイナルアタックライドのカードを装填する。

 

FINAL ATTACK RIDE DI-DI-DI-DIEND

 

 大樹はディメンションシュートを発動して、トランプジャマトを薙ぎ払う。

 

大樹「やれやれ。まさか、僕のサポートする奴と戦うのが、グレイブとはね。」

 

 そう。

 海東大樹の実の兄、海東純一が変身するのも、仮面ライダーグレイブなのだ。

 それには、思うところがある様だ。

 一方、トウカは、グレイブと引き続き戦っていたが、苦戦していた。

 

トウカ「強い………………!でも、やられてたまるかよ!映司さん……………力を貸して下さい!」

 

 トウカはそう言って、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 トウカは、レイズバックルが装填されていない方に、オーズドライバーのレイズバックルを装填する。

 

OOO DRIVER

 

 すると、トウカの横に、オーズのライダーズクレストとOOOの文字が浮かぶ。

 そして、レイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

CALIBER

タカ!トラ!バッタ!

タ・ト・バ!タトバタ・ト・バ!

REDAY FIGHT

 

 トウカは仮面ライダーラウンズ・オーズカリバーフォームに変身する。

 

トウカ「ハァァァァ……………!ハァァァァ!!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーとメダジャリバーの二刀流で、グレイブへと向かっていく。

 トウカの二刀流は、ソードエクスカリバーでグレイブの攻撃を受け止め、メダジャリバーで反撃する物だった。

 それには、グレイブも押されていく。

 

トウカ「止めだ!」

 

 トウカは、そう叫んで、レイズバックルを操作する。

 

CALIBER OOO VICTORY

 

 レイズバックルを操作すると、メダジャリバーとソードエクスカリバーに力が溜まる。

 

トウカ「ハァァァァ……………!セイヤーッ!!」

 

 トウカはそう叫んで、オーズバッシュを発動する。

 一閃すると、グレイブは一瞬、両断されたと思ったら、元に戻って爆発する。

 

トウカ「やったか………………。」

大樹「やるね。」

 

 トウカはそう呟き、大樹はそう言う。

 一方、ダスト、リーン、常磐ソウゴは、仮面ライダーガオウと盗賊ジャマトが居るところに転送される。

 

ダスト「ありゃ、やべぇ雰囲気がするな。」

リーン「そうね……………。」

ソウゴ「二人とも、行くよ。」

 

 3人は、変身する準備をする。

 ダストとリーンはデザイアドライバーを、ソウゴはジクウドライバーを装着して、ダストとリーンはフィーバースロットレイズバックルを取り出し、ソウゴはジオウライドウォッチを起動する。

 

ジオウ!

 

 そして、それぞれのアイテムをドライバーに装填する。

 

SET FEVER

 

 ソウゴは、ジクウドライバーのロックを解除する。

 待機音が流れる中、3人は叫ぶ。

 

「「「変身!」」」

 

 ソウゴはジクウドライバーを一回転させて、ダストとリーンは、フィーバースロットレイズバックルを操作する。

 スロットが回転して、ダストは『NINJA』に、リーンは『MAGNUM』に止まる。

 

NINJA

MAGNUM

 

 そして、3人は変身する。

 

ライダータイム!

仮面ライダージオウ!

HIT NINJA

HIT MAGNUM

 

 ソウゴは仮面ライダージオウに、ダストは仮面ライダーメリー・ニンジャフォームに、リーンは仮面ライダーシロー・マグナムフォームに変身する。

 3人は、ガオウと盗賊ジャマトの方へと向かっていく。

 ソウゴはジカンギレードを、ダストはニンジャデュアラーを、リーンはマグナムシューターでジャマトを倒していく。

 すると、ソウゴは叫ぶ。

 

ソウゴ「こいつらは俺に任せて!ガオウを頼んだよ!」

ダスト「おう!」

リーン「任せて!」

 

 ソウゴは盗賊ジャマトを倒して、ダストとリーンは、ガオウへと向かっていく。

 ガオウは、ガオウガッシャーのソードモードを取り出して、ダストとリーンと応戦する。

 

ダスト「オラァァァァァ!!」

リーン「ハァァァァァ!!」

 

 二人は、ダストが攻撃、リーンが援護という形で攻撃していくが、ガオウには通用せず、劣勢気味になる。

 

ダスト「くそっ………………!」

リーン「強い……………!」

 

 二人がそう呟く中、ガオウはマスターパスをガオウベルトにセタッチする。

 

Full charge

 

 すると、ガオウは必殺技であるタイラントクラッシュを発動して、ダストとリーンを攻撃する。

 

ダスト「のわぁぁぁっ!?」

リーン「きゃああああっ!?」

 

 二人は、それを食らって吹っ飛ぶ。

 一方、ソウゴは。

 

ソウゴ「はっ!でやっ!」

 

 ソウゴは、ジカンギレードで盗賊ジャマトを倒していた。

 ある程度、盗賊ジャマトが減ると、ライドウォッチのボタンを押す。

 

フィニッシュタイム!

 

 すると、盗賊ジャマトの周囲にキックの文字が浮かぶ。

 ソウゴはジャンプしつつ、ジクウドライバーを一回転させる。

 

タイムブレーク!

 

ソウゴ「ハァァァァァ!おりゃあ!」

 

 ソウゴの足元にキックの文字が光り、ジャマトにキックを放つ。

 これにより、盗賊ジャマトは全滅する。

 

ソウゴ「これでOKかな。あの二人は大丈夫かな?」

 

 ソウゴはそう呟く。

 一方、ダストとリーンは。

 

ダスト「くそ……………!強えな……………!」

リーン「でも……………諦めるわけにはいかない!」

ダスト「ったく!しょうがねぇな!」

 

 ダストとリーンは、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、ダストはデモンズドライバーレイズバックルを、リーンはツーサイドライバーレイズバックルをデザイアドライバーに装填する。

 

DEMONS DRIVER

TWO SIDRIVER

 

 すると、ダストの横にデモンズのライダーズクレストとDEMONSの文字が、リーンの横にライブとエビルのライダーズクレストが浮かび、LIVE & EVILの文字が浮かぶ。

 二人は、片方のレイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

GREAT

Decide up!

Deep.(深く)Drop.(落ちる)Danger.(危機)

(仮面)Rider Demons!

バーサスアップ!』
『Precious!Trust us!Justis!バット!

仮面ライダーライブ!

REDAY FIGHT

 

 ダストはメリー・デモンズニンジャフォームに、リーンはシロー・ライブマグナムフォームに変身する。

 ダストはニンジャデュアラーをシングルブレードにして、デモンディグゾンも構えて、ガオウに向かっていく。

 リーンは、マグナムシューターだけでなく、ライブガンも持って、銃撃する。

 二人の攻撃が増し、ガオウが押されていく。

 

ダスト「おらっ!」

リーン「はあっ!」

 

 二人の攻撃で、ガオウが膝をつく。

 それを見て、二人は必殺技の為に、レイズバックルを操作する。

 

HYPER DEMONS VICTORY

HYPER LIVE & EVUL VICTORY

 

 二人は、キックの体勢に入る。

 ダストはモグラゲノミクスのデモンズレクイエムを、リーンはライブのジャスティスフィニッシュを放つ。

 

ダスト「オラァァァァァ!!」

リーン「でやぁぁぁぁぁ!!」

 

 二人のキックは、ガオウを貫き、ガオウは爆散する。

 

ダスト「やったか……………。」

リーン「多分………………。」

 

 二人はそう話す。

 一方、幽汽・ハイジャックフォームの元には、神宮龍、ウィズ、ウォズの3人が向かっていた。

 幽汽・ハイジャックフォームの周囲には、ゾンビジャマトが居た。

 

龍「多いな………………。」

ウォズ「幽汽の周囲にはゾンビジャマトか。ある種の関係性を感じるね。」

ウィズ「とにかく!行きましょう!」

 

 3人は、ドライバーを装着して、ウォズはウォズミライドウォッチを起動する。

 

ウォズ!

 

 そして、それぞれの変身アイテムを、それぞれのドライバーに装填する。

 

SET

アクション!

 

 すると、龍の横には大型の戦艦の絵と英語でFLEETという文字が、ウィズの横には戦闘機の絵とJETの文字が現れ、ウォズの背後には画面が現れる。

 そして、3人は言う。

 

「「「変身!」」」

 

 そう言って、3人は変身する。

 

FLEET

JET

REDAY FIGHT

投影!フューチャータイム!

スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!

 

 龍はムメイ・フリートフォームに、ウィズはホーク・ジェットフォームに、ウォズは仮面ライダーウォズへと変身した。

 そして、幽汽とゾンビジャマトの一団に向かっていく。

 3人は、それぞれの武器や魔法を使って、ゾンビジャマトを倒していく。

 

ウォズ「ここは、私が引き受けよう。君たちは、幽汽を倒したまえ。」

龍「ああ。」

ウィズ「分かりました!」

 

 ウォズはそう言って、ゾンビジャマトを倒していく。

 龍とウィズは、幽汽に向かう。

 二人は、龍が攻撃で、ウィズは魔法による援護をするという感じで行う。

 だが、相手は幽汽。

 武士の亡霊が変身する仮面ライダーで、龍とウィズは押され気味だった。

 幽汽はサヴェイジガッシャーを使って、龍とウィズを圧倒する。

 

龍「ぐっ!」

ウィズ「きゃあっ!」

 

 二人は劣勢気味だった。

 一方、ウォズはゾンビジャマトの一団を圧倒していた。

 

ウォズ「他愛無いね。」

 

 ウォズは余裕を見せていた。

 ゾンビジャマトは、撃破されつつあり、数が減っていた。

 ウォズはジカンデスピアを構えて、槍モードのアイコンを押して、カメンのアイコンをタッチして、スワイプする。

 

フィニッシュタイム!

 

ウォズ「ハァァ!」

 

爆裂DEランス!

 

 ウォズはジカンデスピアの槍必殺技を発動して、ゾンビジャマトを貫く。

 そして、ハンドルを元に戻して、もう一回倒す。

 

ビヨンドザタイム!

 

 ウォズはゾンビジャマトの集団の背後にキューブ状の時計型エネルギーを配置し、駆け出す。

 すると、右足にエネルギーが収束し、キックを放つ。

 

ウォズ「はぁぁぁ!」

 

タイムエクスプロージョン!

 

 ウォズのキックで、ゾンビジャマトはキューブ状の時計型エネルギーに叩き込み、時間差で爆発させる。

 

ウォズ「片付いたね。」

 

 ウォズは一息つく。

 一方、龍とウィズは。

 

ウィズ「強いですね………………!」

龍「だが、こんな所で負ける訳にはいかないな。」

ウィズ「ですね!」

 

 二人はそう話して、龍は蜘蛛の様なメカメカしいロボットの形の大型レイズバックルを装填する。

 ウィズは、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、フィーバースロットレイズバックルを取り出して、装填する。

 

SET FEVER

 

 待機音が流れる中、二人はレイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

JET

GET READY FOR FLEET & SPIDER

HIT FEVER JET

REDAY FIGHT

 

 龍はムメイ・フリートスパイフォームに、ウィズはホーク・フィーバージェットフォームに変身する。

 二人は、幽汽に攻撃を仕掛ける。

 龍は、スパイボットレイズバックルの力で、周囲に岩塊を糸で浮かばせて、それを使い、縦横無尽に攻撃する。

 ウィズは、ジェットの力で空を飛び、縦横無尽に攻撃する。

 縦横無尽な攻撃には、流石の幽汽も苦戦する。

 二人は、必殺技を放つ。

 

FLEET SPIDER VICTORY

GOLDEN FEVER VICTORY

 

ウィズ「ハァァァァァ!」

龍「フッ!」

 

 ウィズはジェットフォームのアーマーから、ミサイルなどを放ち、龍は四方八方から攻撃する。

 幽汽は、最初こそはどうにかなったが、二人の攻撃に耐え切れず、爆散する。

 

ウィズ「倒せましたね………………。」

龍「ああ。」

 

 二人はそう話す。

 一方、俺、カズマ、明光院ゲイツの3人は、エターナルとサボテンナイトジャマトがいる所に向かう。

 ちなみに、俺は変身を維持した状態だ。

 

湊翔「サボテンナイトジャマトが居るぞ……………。」

カズマ「苦労して倒した奴が居るなんてな。」

ゲイツ「言ってる場合か。行くぞ。」

 

 俺たちはそう話して、カズマとゲイツの二人は、変身する。

 デザイアドライバーとジクウドライバーを装着して、ゲイツは、ゲイツライドウォッチを起動する。

 

ゲイツ!

 

 カズマは、ニンジャレイズバックルをデザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 すると、カズマの横に緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が浮かぶ。

 二人は叫ぶ。

 

「「変身!」」

 

 そう言って、変身する。

 

ライダータイム!

仮面ライダーゲイツ!

NINJA

REDAY FIGHT

 

 ゲイツは仮面ライダーゲイツに変身して、カズマはタイクーン・ニンジャフォームに変身する。

 俺はエグゼイドマグナムフォームを維持しているので、そのままで行く。

 俺たちは、サボテンナイトジャマトとエターナルへと向かっていく。

 俺はガシャコンブレイカーで近接攻撃をして、マグナムシューターで遠くの敵を撃つ。

 カズマはニンジャデュアラーでサボテンナイトジャマトを倒していく。

 ゲイツは、ジカンザックスで倒していく。

 すると。

 

ゲイツ「こいつらは俺に任せろ!お前達は、エターナルを倒せ!」

カズマ「はい!」

湊翔「分かりました!」

 

 ゲイツにそう言われて、俺とカズマは、エターナルへと向かっていく。

 俺とカズマは、連携攻撃でエターナルに攻撃する。

 だが、流石はエターナルというべきか、そう簡単にはやられない。

 俺たちの連携攻撃に怯む事なく、反撃していく。

 そして、ユニコーンのガイアメモリを取り出す。

 

ユニコーン!

ユニコーン!マキシマムドライブ!

 

 ユニコーンのガイアメモリを使った必殺技であるコークスクリューパンチを放ち、俺とカズマは吹っ飛び、エグゼイドのアーマーが外れ、上半身がエントリーレイズフォームの状態に戻ってしまう。

 

カズマ「ぐっ………………!」

湊翔「強い………………!」

 

 俺とカズマは劣勢だった。

 一方、ゲイツは、大量のサボテンナイトジャマトが迫ってきていても、怯む事なく、倒していく。

 

ゲイツ「数が多くて、鬱陶しいな。倒すか。」

 

 ゲイツはそう言って、必殺技を撃つ体勢に入る。

 

フィニッシュタイム!

 

 ゲイツがジャンプすると、ゲイツの直線上に、『らいだー』と『きっく』の文字が浮かび、その直線上に、サボテンナイトジャマトが爆発する瞬間が映る。

 そして、ゲイツはジクウドライバーを一回転させる。

 

タイムバースト!

 

 ゲイツは、タイムバーストを発動させて、サボテンナイトジャマトを倒す。

 

ゲイツ「さて。あいつらは大丈夫か?」

 

 ゲイツは着地して、そう言う。

 一方、俺たちは。

 

カズマ「やっぱり、エターナルは強いな…………!」

湊翔「だけど、俺たちだって、必死に戦ってきたんだ!負けてられるか!」

カズマ「だな!弦太郎さん、力を貸して下さい!」

 

 カズマは、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、俺はビルドドライバーの、カズマはフォーゼドライバーのレイズバックルを装填する。

 

BUILD DRIVER

FOURZE DRIVER

 

 すると、俺の横にビルドのライダーズクレストとBUILDの文字が、カズマの横にフォーゼのライダーズクレストとFOURZEの文字が浮かぶ。

 俺とカズマは、レイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

MAGNUM

Are you ready?

鋼のムーンサルト!ラビットタンク!

イェーイ!

NINJA

(ベースステイツ変身音)

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・ビルドマグナムフォームに、カズマはタイクーン・フォーゼニンジャフォームに変身する。

 俺はドリルクラッシャーとマグナムシューターを持って、銃撃する。

 カズマは、右腕にロケットモジュールを装着して、縦横無尽に飛び回り、攻撃していく。

 エターナルは、俺たちの攻撃に少し怯む。

 俺たちは、必殺技の体勢に入る。

 

MAGNUM BUILD VICTORY

NINJA FOURZE VICTORY

 

 俺とカズマはジャンプする。

 その際、ビルドのあのグラフが出現して、エターナルを拘束する。

 カズマの左足に、ドリルモジュールが出現して、俺たちはキックの体勢になる。

 

湊翔「ハァァァァァ!」

カズマ「ライダーロケットドリルニンジャキック!」

 

 俺たちはそう叫んで、キックをエターナルに放つ。

 エターナルは、両腕を交差して受け止めようとする。

 拮抗状態にあったが、俺たちのキックがエターナルを貫き、爆発する。

 

湊翔「やったな。」

カズマ「ああ。」

ゲイツ「やるじゃないか。」

 

 俺たちはそう話す。

 一方、バニルと英鬼渡は、ポセイドンと海賊ジャマトの方へと向かっていた。

 

バニル「ほう!こやつらがそうか!」

デモニオ「さっさと行くぞ。……………ていうか、アンタ、変身出来たのか。」

バニル「まあ、卵から孵ったレイズバックルが、これだがな。」

 

 バニルはそう言って、レイズバックルを取り出す。

 それは、怪獣みたいな形のレイズバックルだった。

 二人はそう話して、レイズバックルを装填する。

 

SET

SET VECTOR・COMMAND

 

 すると、バニルの横には、星が散りばめられていて、モンスターの顔と一体化したMONSTERという文字が浮かび、英鬼渡の横には、HACKING VAIOとVECTOR COREという文字が浮かぶ。

 英鬼渡のデザイアドライバーに装填されているのは、上半身の部分が、真っ黒な機械的で無骨な手の中心に赤色の円が書かれたバックルで、下半身の部分が、通常の小型レイズバックルよりも小さいレイズバックルが四つ装着されているバックルだった。

 

「「変身!」」

 

 二人はそう言って、レイズバックルを操作する。

 

MONSTER

HACKING COMMAND SYSTEM

 

 バニルはパンクジャック・モンスターフォームに、英鬼渡は、ベクター・ハッキングバイオフォームに変身した。

 二人は、海賊ジャマトを倒していく。

 仮面ライダーベクターは、ベクターコアレイズバックルに装填されているバックルを、ハッキングバイオレイズバックルに装填する事で、その装備をする事ができる。

 

デモニオ「ハアッ!」

ジャマト「ジャ〜ッ!!」

 

 英鬼渡は、ハッキングバイオレイズバックルにベクターアックスを装填して、ベクターアックスを装備し、海賊ジャマトを倒していく。

 すると、ポセイドンが動き出す。

 

バニル「ほう!どうやら、彼奴を倒せば良い様だな。」

デモニオ「なら、倒すだけだ!」

 

 二人は、ポセイドンに向かっていく。

 だが、ポセイドンは、未来の仮面ライダー。

 流石の英鬼渡とバニルも、苦戦してしまう。

 

バニル「ほう!流石は、未来からやって来た仮面ライダーであるな。」

デモニオ「………………負けてたまるか。」

バニル「その意気であるな!なら、我輩も、つい先ほど受け取ったこれを使うとしよう!」

 

 バニルはそう言うと、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、フィーバースロットレイズバックルを取り出して、装填する。

 

SET FEVER

 

 バニルは、フィーバースロットを操作する。

 

MONSTER

 

 すると、絵柄がMONSTERに止まる。

 

HIT FEVER MONSTER

 

 バニルは、パンクジャック・フィーバーモンスターフォームに変身する。

 英鬼渡は、ベクターアックスから、ベクターガンに変える。

 

VECTOR GUN

 

 バニルは、肉弾戦やバニル人形で攻撃して、英鬼渡は、ベクターガンで援護をする。

 二人の連携攻撃には、ポセイドンが押される。

 二人は、必殺技を放つ。

 

HYPER MONSTER VICTORY

HACKING STRIKE

 

バニル「ハアッ!」

デモニオ「フッ!」

 

 バニルは星形エフェクトを両手足に纏って、殴ったり蹴ったりと打撃攻撃を行い、英鬼渡は、強力な銃撃を行う。

 それを食らって、ポセイドンは爆発する。

 

バニル「ふむ。どうにかなったか。」

デモニオ「ああ。」

 

 二人は、そう話す。

 一方、めぐみん、ゆんゆん、ツクヨミの3人は、ソーサラーが居る場所に向かう。

 そこには、赤いキノコみたいなジャマトが居た。

 

めぐみん「何ですかあれは!ウィザードみたいで、紅魔族の琴線に激しく触れますよ!」

ゆんゆん「あのジャマトは、見た事が無いんだけど………………。」

ツクヨミ「聞いた話だと、ビショップジャマトって言うらしいわ。」

めぐみん「何にせよ!行きましょう!」

 

 3人はそれぞれのドライバーを装着して、ツクヨミはツクヨミライドウォッチを起動する。

 

ツクヨミ!

 

 3人は、それぞれの変身アイテムを装填する。

 

SET

 

 すると、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ゆんゆんの横には、透明なステルス機と英語でSTEALTHの文字が浮かび、ツクヨミの背後には、三日月が現れて、天文時計として現れる。

 3人は叫んだ。

 

「「「変身!」」」

 

 そう言って、ドライバーを操作する。

 

BEAT

STEALTH

REDAY FIGHT

ライダータイム!

仮面ライダーツクヨミ!ツクヨミ!

 

 めぐみんはナーゴ・ビートフォームに、ゆんゆんはギンペン・ステルスフォームに、ツクヨミは仮面ライダーツクヨミに変身する。

 3人は、仮面ライダーソーサラーとビショップジャマトと戦う。

 めぐみんは、ビートアックスのエレメントを選択して、ビショップジャマト達に攻撃していく。

 ゆんゆんは、ステルスフォームの力で透明になりつつ、魔法などで攻撃していく。

 ツクヨミは、格闘戦でビショップジャマトなどを攻撃していく。

 すると、ツクヨミは叫ぶ。

 

ツクヨミ「ビショップジャマトは私に任せて!あなた達は、ソーサラーを倒して!」

めぐみん「分かりました!」

ゆんゆん「はい!」

 

 ツクヨミはビショップジャマトの相手をして、めぐみんとゆんゆんは、ソーサラーへと向かっていく。

 

ゆんゆん「めぐみん!どっちが先にソーサラーを倒すか、勝負よ!」

めぐみん「良いでしょう!私が勝ちますよ!」

 

 めぐみんとゆんゆんはそう話して、ソーサラーに挑む。

 めぐみんとゆんゆんの攻撃が、ソーサラーへと向かう。

 だが、ソーサラーは二人の攻撃をいなして、逆にウィザードリングを使う。

 

エクスプロード!ナウ!

 

 ソーサラーの攻撃で、めぐみんとゆんゆんは怯む。

 

めぐみん「流石に強いですね…………。」

ゆんゆん「ええ……………。」

 

 二人はそう話す。

 一方、ツクヨミは、ビショップジャマトと戦っていた。

 ビショップジャマトは、幻覚攻撃をやり、ツクヨミが攻撃しそうになった個体をめぐみんのナーゴとゆんゆんのギンペンに見させて、ツクヨミに攻撃を躊躇わせ、攻撃する。

 

ツクヨミ「ああ、もう!鬱陶しい!」

 

 ツクヨミはそう言って、必殺技の態勢に入る。

 

フィニッシュタイム!

 

 ツクヨミは、ジクウドライバーを一回転させる。

 

タイムジャック!

 

ツクヨミ「ハァァァァ……………!ハァァァァ!!」

 

 ツクヨミはそう叫びながらジャンプをして、キックを放つ。

 それを食らったビショップジャマトは、倒された。

 

ツクヨミ「さて。あの子達は大丈夫かな…………。」

 

 ツクヨミは一息吐きながらそう言う。

 一方、めぐみんとゆんゆんは、ソーサラーと引き続き戦っていた。

 

めぐみん「強いですね。では、私は響鬼のレイズバックルを使いましょうか!」

ゆんゆん「わ、私も、さくらさんの……………!」

 

 二人はそう言うと、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、めぐみんは音撃鼓・火炎鼓のレイズバックルを、ゆんゆんはリベラドライバーのレイズバックルを装填する。

 

ONGEKIKO-KAENDUTUMI

LIBERA DRIVER

 

 すると、めぐみんの横には、響鬼のライダーズクレストとHIBIKIの文字が、ゆんゆんの横には、ジャンヌのライダーズクレストとJEANNEの文字が浮かぶ。

 二人は、レイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

BEAT

(響鬼変身音)

STEALTH

リベラルアップ!』
『Ah Going my way!

仮面ライダー!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!

REDAY FIGHT

 

 めぐみんは、ナーゴ・響鬼ビートフォームに、ゆんゆんは、ギンペン・ジャンヌステルスフォームに変身する。

 めぐみんは音撃棒・烈火を持って、ゆんゆんはラブコフのクジャクゲノムを持って、ソーサラーへと向かっていく。

 

めぐみん「ハアッ!」

 

 めぐみんは、音撃棒・烈火を使い、ソーサラーに攻撃していく。

 

ゆんゆん「てぇい!」

 

 ゆんゆんは、ラブコフ・クジャクゲノムを使って、ソーサラーに攻撃していく。

 二人の攻撃で、ソーサラーは怯む。

 

めぐみん「止めです!」

ゆんゆん「行くわよ!」

 

 めぐみんとゆんゆんは、レイズバックルを操作する。

 

BEAT HIBIKI VICTORY

STEALTH JEANNE VICTORY

 

 二人は、必殺技を放つ態勢に入る。

 めぐみんは、音撃鼓・火炎鼓レイズバックルから出現した音撃鼓をソーサラーに取り付ける。

 

めぐみん「行きますよ!」

 

 めぐみんは、音撃棒・烈火を持って、音撃打・爆裂強打の型を放つ。

 ゆんゆんは、クジャクゲノムとなったラブコフが足につき、キックを放つ。

 

ゆんゆん「でやぁぁぁぁぁ!」

めぐみん「はあっ!」

 

 二人の必殺技が、ソーサラーに命中して、ソーサラーは爆発する。

 

めぐみん「私の攻撃が決まりましたね。」

ゆんゆん「何言ってんの!?私が倒したんだよ!?」

ツクヨミ「やれやれ………………。」

 

 めぐみんとゆんゆんは、喧嘩を始めて、ツクヨミは呆れながらそれを見ていた。

 一方、黒崎将輝は、とある場所に向かっていた。

 

将輝「お前か、馬場武ってのは。」

武「ん?お、お前が俺の相手か。」

 

 黒崎将輝と馬場武の二人は、お互いに向かい合う。

 

武「良いねぇ……………!強そうじゃねぇか。相手になってやるぜ。」

将輝「ふんっ!お前を潰す……………!」

 

 将輝はそう言ってゲーマドライバーを装着して、プロトマイティアクションXを起動する。

 

マイティアクションX!

 

 すると、周囲にゲームエリアが展開されて、エナジーアイテムが配置される。

 将輝は、叫ぶ。

 

???「グレード2。変身!」

 

 そう言って、ゲーマドライバーにガシャットを装填して、レバーを展開する。

 

ガシャット!

ガッチャーン!レベルアップ!

マイティジャンプ!マイティキック!マーイティアクショーンX!

 

 将輝は、仮面ライダーゲンム・アクションゲーマーレベル2に変身した。

 

武「へぇ。ゲンムか。なら、俺も行くか。」

 

 武もそう言って、シュバルツマグナムのレイズバックルを構えて、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 すると、馬場武の隣に、黒いシリンダーと英語で黒いMAGNUMという文字が浮かぶ。

 そして、馬場武は言う。

 

武「変身。」

 

 そう言って、レイズバックルを操作する。

 

SCHWARZ

REDAY FIGHT

 

 馬場武は、シュバルツギーツ・シュバルツマグナムフォームに変身する。

 

武「行くぜ。」

将輝「ふっ!」

 

 武は黒いマグナムシューターを取り出して、将輝はガシャコンバグヴァイザーを取り出し、攻撃していく。

 一方、俺たちは。

 

湊翔「皆、大丈夫か?」

トウカ「ああ。」

白夜「ダークライダーは倒せたか。」

カズマ「みたいだな。」

???「おう!お前ら!」

 

 俺たちは、ダークライダーを倒し終え、そう話していると、声が聞こえてくる。

 振り向くと、そこには、ファイアの姿があった。

 

湊翔「ファイアだっけ。」

ファイア「おうよ!良いねぇ!ダークライダーを全員倒すなんてな!」

めぐみん「当然ですよ!」

ダクネス「これで終わりだ。」

ファイア「終わり?おいおい。誰が終わりだって言ったんだ?」

ツムリ「いいえ。これで終わりです。」

 

 そう言うと、ツムリだけでなく、天使などがやって来る。

 

ダクネス「エ、エリス様!?」

ゆんゆん「ええっ!?」

ファイア「あ?エリスもいやがんのか。」

エリス「ファイア、ここまでです。大人しく投降して下さい!」

ファイア「そう言って、ただで行くと思ってんのか!?さっさと出てこい!」

???「はいはい。」

 

 そう言うと、一人の男性が現れる。

 

湊翔「誰だ?」

ファイア「おい。女神エリス達は俺が戦う。お前はそこの仮面ライダーどもの相手をしろ。」

???「やれやれ。人使いが荒いな。」

 

 そう言うと、その男性は、見たことの無いドライバーを取り出して、装着する。

 

VISION DRIVER

 

カズマ「おいおい、何だよあれ!?」

ツムリ「あれはヴィジョンドライバーです!本来なら、ゲームマスター専用のベルトですが、裏切りの神によって、複製されたんです!」

ダスト「何だと!?」

リーン「そんなのあるの!?」

 

 それには、俺も驚いていた。

 ゲームマスター用のドライバーだって!?

 ていうか、本当に裏切り者が居たのかよ。

 すると、その人物は、ドライバーの上部を押す。

 

GLARE2, LOG IN

 

 そんな音声が流れると、その人は右の腰にあるカードを取り出して言う。

 

???「変身。」

 

 そう言うと、ドライバーにスラッシュする。

 

INSTALL

I HAVE FULL CONTROL OVER, GLARE2

 

 そんな音声が流れ、そいつは変身する。

 俺たちが使うデザイアドライバーの仮面ライダーとは、違うデザインの仮面ライダーだ。

 

湊翔「何だあれ………………!?」

トウカ「マジか………………!」

ロキ「我が名はロキ。これは、仮面ライダーグレア2。」

 

 ロキという名の人物は、仮面ライダーグレア2という仮面ライダーに変身した。

 という事は、普通のグレアという仮面ライダーというのも居るのか?

 一方、黒崎将輝と馬場武は。

 

将輝「はっ!」

武「オラっ!」

 

 二人は、お互いの武器をぶつけ合い、戦っていた。

 お互いに互角だった。

 

武「やるな!俺と互角に戦うなんてな!」

将輝「お前を削除する!」

 

 二人はそう言って、戦いを続けていく。

 一方、俺たちは、グレア2と応戦していた。

 

湊翔「ハアッ!」

カズマ「オラっ!」

トウカ「フッ!」

白夜「でやぁぁぁぁ!」

めぐみん「ハアッ!」

ダクネス「はっ!」

ゆんゆん「はぁぁぁぁ!」

ウィズ「ハアッ!」

バニル「ふん。」

龍「ふっ!」

デモニオ「ハアッ!」

ダスト「おらぁぁぁ!」

リーン「ハアッ!」

 

 俺たちは、全員でロキが変身するグレア2に攻撃を仕掛けるが、攻撃をいなされたり、胸、両肩、両膝についているビットみたいなので防御されたり、カウンターで攻撃を受けたりと、苦戦していた。

 

バニル「こやつ。中々やるな。」

ロキ「当然だ。貴様ら如きに苦戦する私では無い!」

湊翔「ちっ!」

 

 こいつ、強いな……………!

 一方、ファイアとエリス達の天使達との戦いも始まっていた。

 

ファイア「オラオラオラオラ!」

天使「くっ……………!」

天使「強い……………!」

ファイア「オラ!どうしたんだてめぇら!」

エリス「強いですね……………。ですが、ゼウス様から預かったこれがあります!」

ファイア「あぁん?」

 

 エリスはそう言うと、とあるお札を投げ、それがファイアの周囲を囲う。

 

ファイア「あ?何だこれ。…………っ!?」

 

 すると、それが高速回転をして、ファイアの身動きが取れなくなる。

 

ファイア「何だこれ……………!?」

エリス「ゼウス様が、とある世界に存在する、魂を拘束する結界を再現した物です!」

ファイア「何……………!?」

エリス「貴方は天界に連れ帰ります!」

ファイア「くそっ!!」

 

 ファイアは身動きが取れなくなり、そう毒づく。

 それを見ていたロキは。

 

ロキ「ファイアが囚われたか。あの結界は、魂さえも拘束する物だったな。ここまでだな。」

湊翔「何……………!?」

ロキ「今回は、挨拶をしに来たのだ。それに、疲弊しているお前達を倒しても、興醒めだした。それでは、失礼させてもらうよ。」

トウカ「待て!」

白夜「逃すかよ!」

 

 トウカと白夜がそう言って、ロキに向かっていくが、ロキはテレポートをしたのか、消えてしまった。

 それには、俺たちは呆然とせざるを得なかった。

 一方、黒崎将輝と馬場武の方は。

 

将輝「くっ……………!」

武「ハァ……………ハァ……………。」

 

 お互いに、息を切らしていた。

 

武「やるじゃねぇか……………。」

将輝「くぅ……………!」

ロキ「おい。」

 

 すると、そこにロキが現れる。

 

武「どうした?」

ロキ「ファイアが捕まった。撤収するぞ。」

武「もう終わりか。じゃあな。」

将輝「待て……………!」

 

 将輝は、武を追おうとするが、二人は転送され、消えてしまう。

 俺たちは、ひとまず集まる事にした。

 

ツムリ「皆さん、お疲れ様です。ミッションはクリアです。」

カズマ「でも…………あいつ、強かったな。」

湊翔「ああ。俺たちが疲弊していたのもあったけどな。」

トウカ「何にせよ、さらに強くなれば良いだけの話だ。」

白夜「だな。」

 

 こうして、女神ファイアが引き起こしたミッションは、終わりを迎えた。

 すると、オーロラカーテンが現れる。

 

ソウゴ「じゃあ、俺たちは元の世界に帰るとするよ。」

めぐみん「あの!ありがとうございました!」

ゲイツ「気にするな。」

ウォズ「そうだね。」

ツクヨミ「皆、頑張ってね。」

大樹「まあ、頑張りたまえ。」

士「それはそうと、渡しておこう。」

ソウゴ「あ、そうだった。」

 

 士とソウゴの二人が、俺に向けて、二つのレイズバックルを投げる。

 それをキャッチすると、大きいレイズバックルで、片方はライドウォッチの様な見た目で、小型バックルを嵌められそうな感じをしていて、もう片方は、ディケイドライバーが開いた時の様な見た目で、こちらも小型バックルを嵌められそうな形だった。

 

湊翔「これは?」

ソウゴ「俺の仮面ライダージオウの力が宿ったレイズバックルと……………。」

士「俺のディケイドの力が宿ったレイズバックルだ。大切に使えよ。」

 

 二人はそう言い残して、去っていった。

 ディケイド組とジオウ組が去った後、将輝とカインが話しかける。

 

カイン「それじゃあ、私たちもお暇させてもらいますね。」

湊翔「将輝は、どうするんだ?」

将輝「ここは、俺の居るべき世界じゃないからな。奴らが居る世界に向かうだけだ。」

湊翔「そっか。」

将輝「まあ、これは渡しておく。」

 

 そう言って、将輝が渡してきたのは、黒いフィーバースロットレイズバックルだった。

 

湊翔「これは?」

将輝「さあ?いつの間にか持ってたから、お前にやる。誤解でお前に攻撃したからな。それの迷惑料として受け取れ。」

 

 俺は、将輝が渡してきた黒いフィーバースロットレイズバックルを受け取る。

 そう言って、将輝とカインの二人は去っていった。

 こうして、ダークライダーを倒すミッションは終わったが、色々と謎が出来てしまった。




今回はここまでです。
ダークライダーのバトロワミッションは、これで終了です。
結構、長くなってしまいました。
次回は、他作品とコラボした迷宮脱出ゲームです。
何の作品もコラボするのか。
楽しみにしてて下さい。
感想、リクエストは受け付けています。
色々と、リクエストが来てくれて、嬉しいです。
今日のギーツは、ジャマトグランプリが始まりましたね。
それにしても、随分と悪趣味なゲームですよね。
道長の親友もサボテンナイトジャマトとして復活しましたし。
さらっと、ジーン達の時代背景が語られたり、祢音は、光聖が創世の女神の力で手に入れた娘だという事だったり。
次回は、英寿の秘密が明らかになり、ブーストMK-2も登場しますね。
楽しみです。
このすばとギーツの主人公である湊翔には、秘密があるという感じにするのかは、未定です。
ただ、過去は壮絶な物です。
一部で語られていますが。
ロキは、グレア2に変身していますが、それはデータ収集の為です。
勿論、いずれ、サポーターの面々は出します。
ただし、このすばとギーツのデザイアグランプリの特性上、未来人ではありませんが。
サポーターに関しては、湊翔、白夜、カズマ、めぐみん、ダクネス、武に関しては、決まっています。
サポーターのリクエストも、受け付けますよ。
湊翔のヒロインは、トウカことアテナ、ゆんゆん、リアなんですが、どのタイミングでくっつけるのかは、検討中です。
そこら辺のリクエストもあれば、受け付けます。
これからも、応援の程、宜しくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第34話 楓の木との迷宮脱出ゲーム(前編)

 別の世界の人まで巻き込んだ、ダークライダーのバトロワからしばらくが経った。

 俺たちは、とある情報が明かされた。

 それは………………。

 

ツムリ「実は……………天界側から、裏切りの神が現れたのです。」

湊翔「裏切り者?さっきのロキって奴か?」

ツムリ「はい。ロキは、ゲームマスターの専用のドライバーであるヴィジョンドライバーを複製して、逃げました。」

カズマ「まじかよ………………。」

ツムリ「なので、くれぐれも、気を付けてください。」

 

 俺たちはそう言われた。

 ヴィジョンドライバーというのは、見た事が無い。

 何せ、俺はギーツは第二話までしか見た事が無いのだから。

 何はともあれ、ロキが障害になるのは、間違いないだろう。

 一方、ロキは。

 

ロキ「ふむ………………。」

武「なんか考え事か?」

ロキ「武か。いや、面白い事を思いついたなと。」

武「へぇ。どんなのだ?」

ロキ「それは………………。」

 

 ロキが考え事をしていると、馬場武が話しかけてきて、ロキは考えを言う。

 それを聞いた武は、興味深そうにする。

 

武「へぇ。面白そうじゃん。」

ロキ「今回は、お前も行って良いぞ。」

武「そうさせてもらうわ。」

 

 ロキがそう言うと、武はどこかへと向かう。

 ロキは、腰にヴィジョンドライバーを装着する。

 

ロキ「さて、始めるか。」

 

 ロキは、ヴィジョンドライバーの上部のボタンを押す。

 すると、ロキの周囲から、紫色の波動が出る。

 一方、別の世界では。

 

???「よぉ〜し!皆、集まったね!」

???「そうね!」

???「今日はどのダンジョンに向かうの?」

???「まあ、フルメンバーで集まってるんだ。大して苦戦はしないだろ。」

???「その分、メイプルの暴れっぷりには、私たちも驚くんだがな。」

???「良いじゃん。退屈しないんだし。」

???「メイプルさんは凄いです!」

???「そうです!」

メイプル「そ、そう?」

 

 彼女達は、俺たちの世界とは違う世界の住人で、『NEW WORLD ONLINE』に存在するギルドの一つ、楓の木だ。

 そのメンバーは、ギルドのリーダーであり、ステータスがVITに極振りした、大盾使いのメイプル。

 そのメイプルの親友で、回避盾を極める双剣使いのサリー。

 メイプルと比べると劣るが、しぶとさを持つ大盾使いのクロム。

 戦う生産職であり、メンバーの装備を作るイズ。

 ずば抜けた記憶力を持つ魔法使いの少年であるカナデ。

 楓の木の面子の中では、割と普通な刀使いであるカスミ。

 リアルが貧弱で、力に憧れた結果、STRに極振りした姉妹の大槌使いであるマイとユイ。

 これが、楓の木の面々だ。

 ちなみに、周囲のプレイヤーからは、人外魔境などと呼ばれている。

 どうやら、ダンジョンに向かうそうだ。

 

メイプル「よ〜し!出発しよう!」

一同「お〜!」

 

 メイプルの号令と共に、楓の木の面々はギルドホームから出る。

 すると、次の瞬間、地面が崩れていく。

 

クロム「おいおいおい!地面が崩れてくぞ!」

イズ「何が起こってるのかしら?」

カスミ「わ、分からん!」

サリー「皆、気をつけて!」

カナデ「これは……………。」

ユイ「うわぁぁぁ!」

マイ「落ちる〜〜っ!」

メイプル「うわぁぁぁぁぁ!?」

 

 楓の木の面々は、穴へと落ちていき、その穴は塞がる。

 一方、俺はトウカと話していた。

 

トウカ「どうしたんだ?話って?」

湊翔「いや、バトロワミッションのツムリが言ってた事だよ。」

トウカ「裏切り者とヴィジョンドライバーについてか?」

湊翔「ああ。まさか、そんな事が起こっていたなんてな………………。」

 

 それに関しては、想定外だ。

 まさか、裏切り者が居て、ゲームマスター専用装備が複製されたとはな。

 こんな事が起きるなんてな。

 

トウカ「その裏切り者が、ジャマトを操っているのは確かだろうな。」

湊翔「………………ますます、デザグラが過酷な物になっていきそうだな。」

 

 これから先、デザイアグランプリが更に過酷になっていくのは間違い無いだろう。

 それでも、戦うだけだ。

 仮面ライダーとして。

 すると、スパイダーフォンから音が鳴る。

 

GATHER ROUND

 

 俺とトウカがスパイダーフォンを見ると、ミッションの通達が来ていた。

 

トウカ「ミッションの通達か。」

湊翔「ああ。行こう。」

 

 俺とトウカは、デザイア神殿へと向かう。

 デザイア神殿に着くと、そこには、カズマ、白夜、めぐみん、ダクネス、ゆんゆん、クリスの姿があった。

 俺は、クリスの姿があった事に驚いた。

 

湊翔「クリス!?なんでここに居るんだ!?」

カズマ「いや、それなんだがな……………。」

ダクネス「クリスも、デザイアドライバーを受け取っていたみたいでな。」

クリス「そうなんだよね。」

 

 クリスも、デザイアドライバーを受け取っていたのか!?

 クリス曰く、仮面ライダーラビーという仮面ライダーで、ホッピングというレイズバックルも手に入れたようだ。

 すると、ツムリが現れる。

 

ツムリ「ジャマーエリアが現れました。皆さんには、ミッションに挑んでもらいます。」

 

 なるほどな。

 すると、ゆんゆんが俺に声をかけてくる。

 

ゆんゆん「あ、あの……………よろしくお願いします!」

湊翔「ああ。」

白夜「それにしても、次はどんなゲームなんだ?」

カズマ「またダークライダー絡みか?」

ツムリ「今回のゲームの舞台は……………こちらです!」

 

 ゆんゆんは顔を赤くしてそう言う。

 何でだろうか?

 ツムリがそう言うと、俺たちは転送される。

 ただし、空中にだが。

 

クリス「ええっ!?」

めぐみん「空ですよ!?」

ダクネス「なっ……………!?」

ツムリ「えっ?」

一同「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 いきなり空中に転送され、一瞬静止していたが、すぐに落下していく。

 しばらく落下していき、気がつくと、屋敷の敷地内に居た。

 

カズマ「ここは……………?」

ダクネス「屋敷みたいだが……………。」

ツムリ「どうやら、ジャマトが生み出した異空間の様です。」

白夜「ここら辺一帯が、ジャマトが生み出したのかよ………………。」

 

 ツムリの言葉を聞いて、白夜はそう呟く。

 無論、俺も驚いている。

 ジャマトが異空間を生み出した事に。

 すると。

 

クリス「誰かいるみたいだよ。」

カズマ「え?」

トウカ「みたいだな。」

 

 クリスとトウカがそう言うので、2人の視線の先を見ると、植物みたいな首輪をつけた人達がいた。

 その人達は、先ほど、穴に落ちていったメイプル達であった。

 

メイプル「あれ……………ここどこ?」

サリー「違うエリアに転送されたのかな?」

クロム「だが、見た事が無いぞ。」

イズ「そうね……………。」

カスミ「そもそも、ここはゲームの中なのか?」

カナデ「どうなってるんだろうね…………?」

ユイ「大丈夫かな……………?」

マイ「分からないね……………。」

 

 楓の木の面々はそう話す。

 すると、俺たちに気付いたのか、こちらに駆け寄ってくる。

 

メイプル「あの…………ちょっと良いですか?」

湊翔「どうした?」

サリー「ここって、どのステージか分かりますか?」

白夜「ステージ?何の話だ?」

クロム「ここは、『NEW WORLD ONLINE』の中なのか?」

トウカ「『NEW WORLD ONLINE』?聞いた事が無いな。」

めぐみん「何の事でしょうか?」

イズ「え?」

 

 『NEW WORLD ONLINE』というゲームは聞いた事が無い。

 俺たちが首を傾げる中、ツムリが口を開く。

 

ツムリ「どうやら、異世界からジャマトに攫われたみたいです。」

カスミ「異世界だと……………!?」

カナデ「つまり……………『NEW WORLD ONLINE』じゃないって事?」

白夜「みたいだな。」

ツムリ「これより、迷宮脱出ゲームを開始します。まずは、ライダーの皆さんは、近くにいる人とペアを組んで下さい。」

 

 ツムリはそう言う。

 俺は、近くにいる大きい盾を持つ少女に話しかける。

 

湊翔「よろしくな。」

メイプル「はい!私、メイプルって言います!」

湊翔「桐ヶ谷湊翔だ。よろしく頼む。」

 

 俺は、そのメイプルという少女とペアを組んだ。

 他の人たちは。

 

カズマ「お、俺は、さ、佐藤和真です!」

イズ「カズマ君ね。私はイズ。よろしく。」

トウカ「私はトウカ。よろしく。」

カスミ「カスミだ。よろしく頼む。」

白夜「俺は虎雷白夜だ。」

サリー「私はサリー。よろしくね。」

ダクネス「私はダクネスだ。よろしく頼む。」

クロム「クロムだ。こちらこそ、よろしく頼む。」

めぐみん「我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法使いにして、爆裂魔法を操りし者。そして、仮面ライダーナーゴです!」

カナデ「僕はカナデだよ。よろしくね。」

ゆんゆん「わ、私は、ゆんゆんと言います!よ、よろしくお願いします!」

マイ「私はマイって言います。」

クリス「私はクリスだよ!よろしくね!」

ユイ「私はユイ!よろしくお願いします!」

 

 どうやら、それぞれでペアを組めたそうだな。

 すると、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「そういえば、ツムリさんはどうするんですか?」

ツムリ「私は、湊翔さん辺りに守ってもらいます。」

湊翔「えっ?わ、分かった。」

 

 俺だけ2人を守るのか。

 まあ良いか。

 ただ、問題は、この迷宮からどうやって脱出するかだが。

 すると、白夜が口を開く。

 

白夜「出口なら、そこにあるじゃねぇか。」

 

 そう言って、ある箇所を指差す。

 そこには、大きい扉があった。

 すると、クロムが口を開く。

 

クロム「その扉なんだがな。いくらやっても、びくともしなかったぜ。」

メイプル「うん。」

サリー「で、そこにマイクがあるから、音声認識なんだと思うんだけど………………。」

カスミ「私たちには、そこの文字がなんと呼ぶのか、分からなくてな。」

カズマ「文字?」

クリス「もしかして、これの事じゃない?」

 

 そう言って、クリスはマイクの上にある文字を指さす。

 そこには、植物の蔦の様な形の文字(?)があった。

 それも、三文字ずつのが三つある。

 一体どう読むのかと考えていると、扉が開く音がした。

 

ジャマト「ジャッ、ジャッ……………。」

 

 そう言って、ジャマトが現れる。

 俺たちは、メイプル達とツムリを守る様に配置する。

 

クロム「な、何だこいつら!?」

ツムリ「ジャマトです!ライダーの皆さん、お願いします!」

 

 俺たちは、デザイアドライバーにそれぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、クリスの横には、緑と銀のスプリングの絵と英語でHOPPINGの文字が、ゆんゆんの横には、透明なステルス機と英語でSTEALTHの文字が浮かぶ。

 俺たちは、それぞれの変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「変身!」」」」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

HOPPING

STEALTH

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、クリスはラビー・ホッピングフォーム、ゆんゆんはギンペン・ステルスフォームに変身する。

 それを見ていたメイプル達は。

 

メイプル「えええっ!?」

サリー「姿が変わった!?」

カナデ「すごいね……………面白そうだね!」

カスミ「カズマとやらの装備は、和風な感じなのか。」

「「凄いです!」」

クロム「こいつらも何でもありか…………。」

イズ「まあ、メイプルちゃんと比べたら、マシじゃない?」

 

 そんな風に話していた。

 どういう事?

 そんな風に思いつつも、迫ってくるジャマトを倒していく。

 クリスのホッピングフォームのアーマーは、形状はビルドのラビットラビットの様な形のアーマーだった。

 

ダクネス「クリス、やるな!」

クリス「まあね!私、結構前から受け取ってたんだよ。だから、これが初変身じゃないしね!」

 

 なるほどな。

 すると。

 

???「楽しそうじゃねえか。俺も混ぜろ。」

 

 そう言って、2体のジャマトを連れて、馬場武が現れる。

 2体のジャマトは、デザイアドライバーを装着して、謎のバックルを装填する。

 

ジャマト「ジュラピラ。ヘンシン。」

 

Jyamato

 

 その2体のジャマトは、ジャマトライダーに変身する。

 

ダクネス「ジャマトライダーか!?」

クリス「あれがジャマトライダーか…………。」

クロム「ジャマトライダー?」

カスミ「あれがか…………。」

湊翔「何の用だ。」

武「お前も強くなっただろ?俺が相手になってやるよ。」

 

 武はそう言って、黒いマグナムレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、馬場武の隣に、黒いシリンダーと英語で黒いMAGNUMという文字が浮かぶ。

 そして、馬場武は言う。

 

武「変身。」

 

 そう言って、レイズバックルを操作する。

 

SCHWARZ

REDAY FIGHT

 

 馬場武は、シュバルツギーツへと変身する。

 

湊翔「…………………。」

武「行くぜ。」

 

 そう言って、馬場とジャマトライダー達は、俺たちに向かってくる。

 俺たちは、馬場とジャマトライダーと応戦していく。

 とはいえ、馬場は俺が対応しているが。

 俺と馬場は、格闘戦をしつつ、マグナムシューターで銃撃していく。

 

武「へぇ。少しはやる様になったじゃねぇか!」

湊翔「お前にある意味で負けて、悔しかったからな!」

武「そうか。だが、俺ばかりに構ってて大丈夫なのか?」

湊翔「っ!?」

 

 俺はそう言われて、メイプル達の方を向く。

 すると、メイプル達の様子がおかしい。

 

サリー「くっ…………何これ……………!?」

クロム「首輪が締まってく……………!?」

ユイ「く、苦しいです……………!」

マイ「うう………………!」

湊翔「お前ら、大丈夫か!?」

 

 俺は、馬場との戦闘を中断して、メイプル達に駆け寄る。

 まさか……………。

 

白夜「この首輪、ジャマトが近づくと、締まるんじゃねえのか!?」

カズマ「何っ!?」

ダクネス「何だと!?」

武「その通り。俺やジャマトライダーにばかりかまけていると、そいつらが死ぬぜ。」

トウカ「マジか……………!」

 

 性格悪すぎだろ!

 俺たちは、ジャマト達からメイプル達を守る事にする。

 すると。

 

メイプル「皆!大丈夫!?」

クリス「あ、あれ?メイプルさん、大丈夫なの?」

メイプル「うん。ちょっと苦しいけど、大丈夫だよ!」

武「へ?」

湊翔「え?」

 

 どういう事?

 それを聞いた俺たちや馬場は、呆気に取られる。

 すると、サリーが口を開く。

 

サリー「そうだった……………メイプルは、VITに極振りしてるんだった!」

湊翔「え?」

 

 VITに極振り!?

 嘘だろ!?

 極振りは、あまり推奨されないのに。

 俺、カズマは唖然となっていた。

 他の人たちは、意味が分からずに、首を傾げていた。

 すると、メイプルが動く。

 

メイプル「ジャマトってのが近づなければ良いんだよね!?」

湊翔「あ、ああ……………。」

メイプル「なら!毒竜(ヒドラ)!」

 

 メイプルはそう叫んで短剣を天に掲げる。

 すると、短剣から三体の紫色の竜が現れて、紫色の液体を放出する。

 それを浴びたジャマトは溶けていく。

 

湊翔「あれって………………。」

トウカ「毒……………だよな?」

カズマ「マジかよ……………。」

めぐみん「何ですか!あのスキルは!紅魔族の琴線に触れますよ!」

白夜「ジャマトが溶けてく……………。」

ダクネス「あの毒に当たったら、私はどうなってしまうのだろうか……………!」

クリス「ダクネス?突っ込まないでよ?」

ゆんゆん「凄い……………。」

 

 俺たちはそれを見て唖然となっていた。

 俺は、メイプルがVITに極振りしていても、強い理由を悟った気がする。

 というより、ヤバすぎだろ。

 一方、馬場武は、近くの建物の屋根に避難していた。

 

武「嘘だろ……………………。」

 

 流石の馬場武も、唖然となっていた。

 すると、残りの面子は様子が落ち着く。

 

サリー「首輪が締まらなくなった…………。」

白夜「ジャマトがある程度離れたから、締まらなくなったんだろうな。」

メイプル「次はその首輪だね!捕食者!」

 

 すると、メイプルの周囲から怪物が現れて、サリー達の首輪を噛みちぎる。

 それに俺たちが唖然となる中。

 

サリー「後はメイプルだね!ダブルスラッシュ!」

 

 サリーはスキルを発動して、メイプルの首輪も切断する。

 まあ、何にせよ、メイプル達が死ぬという展開は避けれたな。

 毒が無くなると、ジャマトライダー達が押し寄せてくる。

 

白夜「ジャマトライダーたちが来てるぞ!」

トウカ「どうする!?」

湊翔「ひとまず、体勢を立て直すぞ。」

カズマ「お、おう。」

 

 俺たちは、メイプル達を連れて、屋敷内へと避難していく。

 その際、俺、トウカ、白夜、ゆんゆんのチームと、カズマ、めぐみん、ダクネス、クリスのチームに分かれる。

 

湊翔「ハァ……………ハァ……………何とか、撒けたみたいだな。」

メイプル「そうだね………………。」

ゆんゆん「それで……………どうして、屋敷の中に入ったんですか?」

サリー「ここから脱出するヒントがあるかもって思ったんでしょ?」

トウカ「そうなのか?」

湊翔「ああ。迷宮脱出ゲームだからな。脱出する為のヒントがある筈だと思ったからな。」

白夜「なるほどな。」

カスミ「よくある話だな。」

マイ「ユイは大丈夫かな……………。」

 

 俺たちはそう話す。

 まあ、ヒントがあるかもと思ったのは事実だが、少し休憩したいと思ったのもある。

 一方、カズマ達の方は。

 

カズマ「ふぅ……………ここなら、大丈夫だろうな。」

イズ「そうだと良いんだけどね。」

クロム「それにしても、あのジャマトってのは、何なんだ?」

ダクネス「私たちも、ジャマトの事はよく分からなくてな。敵だというのは、間違いないのだが。」

めぐみん「そうですね。私たちもジャマトが何なのかは、分かりません。」

カナデ「植物みたいな感じな気がするんだけどね。」

クリス「まあ、何にせよ、この迷宮から脱出しよう!」

ユイ「は、はい!」

 

 カズマ達の方は、そんな感じに話す。

 すると、スパイダーフォンに連絡が入る。

 俺たちは、スパイダーフォンを取り出し、連絡を聞く。

 

ゲームマスター『大丈夫か?』

湊翔「ゲームマスターか。どうしたん?」

メイプル「ゲームマスター?」

ゲームマスター『君たちに、伝える事がある。』

白夜「何だ?」

ゲームマスター『シークレットミッション達成のお知らせだ。』

トウカ「え?」

 

 シークレットミッションを達成した?

 俺たち、何もしてないぞ?

 そう思っていると、理由を説明してくれた。

 

ゲームマスター『シークレットミッションとして、首輪の破壊を設けていたんだ。』

白夜「なるほどな。それで、メイプル達が破壊したからという事か。」

ゲームマスター『ああ。君たちの元に、ミッションボックスを送る。』

 

 ゲームマスターはそう言って、連絡を切る。

 すると、俺と白夜の足元にミッションボックスが現れる。

 ミッションボックスを開けると、ブーストレイズバックルが入っていた。

 

湊翔「ブーストレイズバックルか。」

白夜「ありがたい。」

トウカ「湊翔と白夜の2人か。」

ゆんゆん「私も一応、ブーストレイズバックルはまだあるので………………。」

 

 そうか。

 ゆんゆんも海賊ゲームで、ブーストレイズバックルを手に入れていたからな。

 というより、使ってなかったのか。

 そんな中、メイプル達が口を開く。

 

メイプル「ねぇ!皆、見て!」

湊翔「うん?」

 

 俺たちは、メイプル達の方に向かうと、そこには、一枚の絵が飾られていた。

 その絵は、ひまわりだった。

 

白夜「ひまわりの絵か。」

サリー「こういうのは、案外、ヒントが隠されているものでしょ!」

マイ「さすがです!サリーさん!」

メイプル「流石、サリーだね!」

カスミ「まずは、ここからヒントを見つけ出す必要があるな………………。」

ゆんゆん「そうですね……………。」

湊翔「ん?この絵の下のこれ、あの扉の単語に似てないか?」

トウカ「え?あ、本当だ。」

 

 そう。

 ひまわりの絵の下には、四つの文字で構成されている単語があった。

 という事は、案外簡単に、脱出の手がかりは見つかりそうだな。

 すると、ジャマトライダーと普通のジャマトが現れる。

 

湊翔「ジャマトライダーか!」

白夜「行くぞ!」

トウカ「ああ!」

ゆんゆん「は、はい!」

 

 俺たちは、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、ゆんゆんの横には、透明なステルス機と英語でSTEALTHの文字が浮かぶ。

 俺たちは、それぞれの変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「変身!」」」」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

CALIBER

LIGHTNING

STEALTH

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、ゆんゆんはギンペン・ステルスフォームに変身して、ジャマト達に向かっていく。

 俺たちは、それぞれの武器を使って、周囲のジャマトを倒していく。

 

湊翔「ハアッ!おらっ!」

 

 俺は、マグナムシューターと両腕のアーマードガンで銃撃する。

 

トウカ「ハアッ!フッ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーを使い、ジャマトを斬っていく。

 

白夜「ハアッ!ハッ!」

 

 白夜は、腕の爪を使って、ジャマトを倒していく。

 

ゆんゆん「ハアッ!」

 

 ゆんゆんは、魔法を使って、ジャマトを倒していく。

 ジャマトライダーが俺に向かってくる。

 俺は、これまで、白夜から習った格闘技術を用いて、ジャマトライダーの攻撃をいなし、マグナムシューターで銃撃していく。

 俺だって、負けてられないんだ。

 

湊翔「ハアッ!フッ!でやぁぁ!」

 

 俺は、ジャマトライダーの腕に掴まり、ジャマトライダーの腕をへし折る。

 そして、馬乗りになり、マグナムレイズバックルをマグナムシューター40Xに装填する。

 

MAGNUM

 

 装填して、マグナムレイズバックルのシリンダー部分を回転させ、トリガー部分を引く。

 すると、銃身にアプルーバルリボルバー型のエネルギーが溜まる。

 

湊翔「ハァァァァァ!!」

 

MAGNUM TACTICAL BLAST

 

 俺はゼロ距離からマグナムタクティカルブラストを発動して、ジャマトライダーを撃破する。

 俺はジャマトライダーの爆発に巻き込まれ、何とか重傷は避けれたが、負傷する。

 何とか、軽傷で済んだが。

 

トウカ「湊翔!大丈夫か!?」

湊翔「ああ、大丈夫。」

白夜「ったく。若干危なかったぞ。」

ゆんゆん「本当ですよ!」

湊翔「悪い。マグナムフォームで倒すには、こうするしかないかなって思ってさ。」

 

 まあ、若干危うさはあったけどさ。

 俺は素直に謝り、メイプル達に話しかける。

 

湊翔「移動するぞ。他にも、脱出の為の手がかりがあるかもしれない。」

メイプル「わ、分かった!」

 

 俺たちはそう話して、移動をする。

 だが、俺たちは気づいていなかった。

 

ジャマト「ジュラピラ。ヘンシン。」

 

Jyamato

 

 一体のジャマトが、ジャマトライダーに変身した事を。




今回はここまでです。
今回は、防振りとコラボした迷宮脱出ゲームです。
まずは、前編です。
湊翔、白夜、あと描写していませんが、カズマもブーストレイズバックルを手に入れています。
次回で、迷宮脱出ゲームは終了となります。
マグナムフォームでも、ジャマトライダーを撃破出来る位には、湊翔は強くなりました。
まあ、危うい感じがしましたが。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のギーツで、ブーストマークIIが登場しましたね。
英寿の秘密も明らかになってきましたし、ギーツは盛り上がっていきますね。
ちなみに、この小説では、ブーストマークIIは、このすばの原作8巻の内容の時に出そうかなと思っています。
何せ、その時にジャマトグランプリやら、雷ジャマト祭りも始まりますし。
湊翔に関しては、英寿みたいな秘密はありません。
過去は暗いですが。
ちなみに、コマンドフォームは紅伝説に相当する話で出しますが、湊翔にパワードビルダーレイズバックルを使わせるかどうかは、検討中です。
あと、トウカの変身するラウンズには、オリジナルフォームか、コマンドフォームのどちらかを使わせる予定です。
他の人たちの強化形態のリクエストがあれば、受け付けますよ。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第35話 楓の木との迷宮脱出ゲーム(後編)

 俺たちは、ジャマトライダーを倒した後、別の場所へと避難していた。

 そこは、教会みたいな所で、そこにも植物の絵が飾ってあった。

 その絵は、ウツボカズラだった。

 

メイプル「そこにも絵があるね。」

サリー「今度は……………ウツボカズラ?」

カスミ「みたいだな。」

マイ「ですね。」

ゆんゆん「それはそうですが……………。」

白夜「問題は、あの扉の所にある文字が、なんて読むかだ。」

トウカ「ああ。……………暗号は解けそうか?湊翔。」

湊翔「脱出するには、出口の暗号を三つ解かなければならない。ヒントは、これらの絵だろうな。」

 

 俺はそう思っていた。

 やっぱり、鍵を握るのは、これらの絵の下の植物の名前を表しているであろうこの文字だ。

 ジャマトの言葉である可能性は高いが、現状見たのは、ウツボカズラ、ひまわりの二つだ。

 これでは、解読は難しいかもしれない。

 俺はスパイダーフォンを取り出して、カズマに連絡をする。

 

湊翔「カズマか?」

カズマ『湊翔か。どうした?』

湊翔「迷宮から脱出する為の謎が解けるかもしれない。」

カズマ『本当か!?』

湊翔「ああ。その為に、周囲の植物の絵を片っ端から写真を撮って、可能なら、解読表も見つけてほしい。」

カズマ『解読表か?』

湊翔「ああ。俺の予想が正しければ、どこかにある筈だ。」

カズマ『分かった。』

 

 そう言って、通信が切れる。

 俺の予想が正しければ、ある可能性は高い。

 俺は、皆にも言う。

 

湊翔「よし。こうなったら、それぞれのペアで分かれて、植物の写真を片っ端から撮っていくぞ。」

白夜「分かった。」

トウカ「ええ。」

ゆんゆん「は、はい!頑張ります!」

メイプル「大丈夫かな……………。」

サリー「大丈夫でしょ。」

カスミ「そうだな。それに、別れた方が効率が良いしな。」

マイ「分かりました!」

 

 そうして、俺とメイプルとツムリ、白夜とサリー、トウカとカスミ、ゆんゆんとマイで別れる。

 一方、カズマ達の方は。

 

カズマ「湊翔から連絡が来て、ここからは、ペアごとに分かれて、植物の絵を片っ端から撮っていくぞ。」

めぐみん「分かりました。」

ダクネス「ああ。」

クリス「OK!」

イズ「分かったわ。」

カナデ「ここら辺も、観察しておきたいしね。」

クロム「分かった。絵を撮ったら、出口に集まろう。」

ユイ「はい!」

 

 こうして、カズマとイズ、めぐみんとカナデ、ダクネスとクロム、クリスとユイに分かれて、写真を撮影していく。

 一方、俺、メイプル、ツムリは、写真を撮っていく。

 そこにあったのは、アサガオの写真だった。

 

湊翔「これは……………アサガオか。」

メイプル「写真、順調だね!」

ツムリ「そうですね。」

湊翔「ああ。……………気になったんだけどさ。」

メイプル「ん?」

湊翔「何で大盾のVIT極振りをしたんだ?ステータスを調整すれば、上手く立ち回れるのに。」

 

 俺は、メイプルにそう質問する。

 気になったのだ。

 そんなビルドにする理由を。

 俺は、前世ではホワイト・フォックスなんて異名が付けられるほどにゲームが上手かったので、ゲーマーとしての性だろうか。

 すると、メイプルは答えた。

 

メイプル「いや〜…………私がそうしたのは、痛いのは嫌だからなんだ。」

湊翔「…………………。」

 

 え、そんな理由?

 それを聞いて、俺は呆気に取られる。

 勿論、他人のプレイスタイルに文句を言うつもりはない。

 ただ、あまり聞かない理由だったからだ。

 

湊翔「痛いのは嫌だから、極振りしたって事か?」

メイプル「うん!防御力を上げれば、痛くないかなって!」

湊翔「そっか…………………。」

 

 まあ、プレイスタイルは人それぞれだよな。

 そう思いながら、移動する。

 すると。

 

メイプル「待って〜〜〜っ!」

湊翔「メイプル?」

ツムリ「遅れていますが。」

湊翔「あ。」

 

 しまった。

 VITの極振りだから、AGIには一切振ってないんだよな。

 俺はすぐに戻り、メイプルの方へと向かう。

 

湊翔「すまん。大丈夫か?」

メイプル「大丈夫!大丈夫!」

 

 俺はメイプルの手を掴み、立ち上がらせる。

 すると、俺の方から何かが落ちる。

 

メイプル「何か落ちたよ。」

湊翔「ん?あ、シールドレイズバックルか。」

 

 どうやら、シールドレイズバックルを落としたみたいだな。

 メイプルが拾うと、シールドレイズバックルが光り出す。

 

メイプル「うわっ!何っ!?」

湊翔「えっ!?」

 

 すると、シールドレイズバックルの色が変わっていく。

 青と黒の色が、メイプルの盾の色の様な感じになり、盾の部分も、メイプルの盾の形になった。

 

湊翔「レイズバックルが変わった…………?」

メイプル「私の盾と同じ形になった!」

ツムリ「どうやら、このミッションだけのレイズバックルに変化したみたいですね。」

 

 マジか。

 俺は、そのレイズバックルを見ながら、驚いていた。

 一方、白夜とサリーは。

 

白夜「へぇ。あんた、あのメイプルの親友か。」

サリー「まあね。」

 

 白夜とサリーは、そんな風に話していた。

 写真を撮る中、執事服とメイド服を着たジャマトが現れる。

 

白夜「ジャマトか。」

サリー「ねぇ。競争しない?」

白夜「競争だと?」

サリー「そ。そこに居るジャマトを、どっちが多く倒せるか。勝負しない?」

白夜「良いぜ。売られた喧嘩は買ってやるよ。」

サリー「行くわよ!」

白夜「オラァァァァァ!!」

 

 白夜とサリーは、お互いに叫びながら、ジャマトを倒していく。

 一方、トウカとカスミは。

 

トウカ「これで、4枚目か。」

カスミ「それにしても、違う世界に来て、仮面ライダーという存在と会うとはな。こんな体験は流石に初めてだ。」

トウカ「まあ、普通体験しないよな。私だって、違う世界の剣士と会うなんて、思いもしなかったし。」

 

 トウカとカスミは、写真を撮りながらそう話していた。

 そんな中、ジャマトが現れる。

 

トウカ「ジャマトか………………。」

カスミ「こいつらを倒して、早く皆と合流するぞ!」

トウカ「ああ!」

 

 2人はそう話して、ジャマトへと向かっていく。

 一方、カズマとイズは。

 

イズ「結構、植物の絵が多いわね。」

カズマ「で、ですね。」

 

 植物の絵を写真で撮りながら移動していた。

 その間、カズマはかなり緊張していた。

 何せ、イズは美人なのだ。

 

イズ「どうしたの?さっきから、調子が変だけど。」

カズマ「い、いや、何でもないです!」

イズ「なら良いんだけど……………。」

 

 2人がそう話す中、2人の前にジャマトが現れる。

 

カズマ「ジャマトか!」

イズ「行くわよ!」

カズマ「えっ!?」

 

 カズマが身構える中、イズはそう言って、爆弾を投げる。

 すると、その爆弾は爆発して、ジャマトは吹っ飛ぶ。

 

イズ「片付いたわね。」

カズマ「あの……………イズさん?その爆弾はどこから出したんですか?」

イズ「これ?私のユニークシリーズで、どこでもゴールドを素材にすれば、すぐに作れるのよ。」

カズマ「な、なるほど……………。」

 

 そう。

 イズの装備はユニークシリーズで、どこでもゴールドを素材にすれば、すぐに何でも作れるのだ。

 それには、カズマも呆気に取られる。

 一方、めぐみんとカナデは書庫と思われる場所に来ていた。

 

めぐみん「ここは……………書庫ですかね?」

カナデ「多分ね。ここなら、湊翔って人が言ってた、ジャマト語の解読表がある筈だよ。」

 

 そう話して、2人は周囲を捜索する。

 ジャマト語の解読表があると睨んだのだ。

 めぐみんは、カナデに話しかける。

 

めぐみん「それにしても、カナデの神界書庫でしたっけ。凄いかっこいいじゃないですか!」

カナデ「そう?まあ、かっこいいかは分かんないけど、ありがとうね。」

めぐみん「本当に凄いですよ!我が爆裂道を共に歩みませんか!?」

カナデ「ああ………………大丈夫かな。」

 

 めぐみんは、カナデに爆裂魔法を覚えさせようとさせるが、カナデは断る。

 一方、ダクネスとクロムは。

 

ダクネス「ここも撮るか?」

クロム「そうだな。」

 

 ダクネスとクロムも、順調に写真を撮っていた。

 

ダクネス「大分集まったな。」

クロム「ああ。後は、出口で合流するだけだな。」

 

 ダクネスとクロムは、そんな感じに写真を集めていた。

 そんな中、ジャマトが現れる。

 

ダクネス「ジャマトか!」

クロム「行くぜ!」

 

 ダクネスとクロムは、ジャマトと応戦していく。

 一方、ゆんゆんとマイ、クリスとユイは、合流していた。

 

ユイ「お姉ちゃん!」

マイ「ユイ!」

ゆんゆん「合流できましたね。」

クリス「そうだね!」

 

 その2組が合流して、写真を撮っていく。

 そんな中、ジャマトが襲ってくる。

 

ゆんゆん「クリスさん!ジャマトが!」

クリス「来ちゃったか。2人を……………。」

「「ダブルスタンプ!!」」

ジャマト達「ジャ〜〜〜〜っ!?」

 

 ゆんゆんとクリスが変身しようとするが、マイとユイの2人の攻撃で、ジャマトは倒される。

 それを見て、ゆんゆんとクリスは、唖然となる。

 

ゆんゆん「ふ、2人は、強いね……………。」

マイ「ありがとうございます!」

ユイ「はい!」

クリス「あははは………………。」

 

 ゆんゆんがそう言うと、マイとユイは微笑み、クリスは苦笑する。

 一方、俺、メイプル、ツムリは、出口に向かっていた。

 ある程度写真を撮り終えたからだ。

 すると、スパイダーフォンに着信が入る。

 

湊翔「着信か。」

メイプル「出てみよう!」

 

 俺が対応すると、相手はめぐみんだった。

 

湊翔「めぐみんか?どうした?」

めぐみん『湊翔!ありましたよ!』

メイプル「あったって何が?」

カナデ『ジャマト語の解読表さ!書庫で見つけたよ!』

 

 めぐみんとカナデの要件は、ジャマト語の解読表を見つけた事だった。

 よし!

 ガッツポーズを取っていると、めぐみんが話しかけてくる。

 

めぐみん『それから…………ウォーターレイズバックルを見つけたんです!』

湊翔「ウォーターレイズバックルを?」

ツムリ「恐らく、かつて、迷宮脱出ゲームに挑んで、脱落したプレイヤーの物かと。」

 

 なるほど。

 まあ、他にもプレイヤーは居るんだ。

 居てもおかしくないか。

 俺はすぐに他の面子にも連絡する。

 

湊翔「皆!出口に集まってくれ。こんな迷宮からは、すぐに脱出するぞ!」

 

 俺はそう連絡して、すぐにメイプル達と共に、出口に向かう。

 一方、馬場武は。

 

武「なるほどな。分散していたのは、ジャマトを集中させない為か?だが、脱出する際には、集まるだろう。これを使うか。」

 

 馬場武はそう呟く。

 その手には、ブーストレイズバックルが握られていた。

 一方、俺たちは合流して、出口へと向かおうとする。

 

湊翔「よし。合流出来たな。」

メイプル「あとは、脱出するだけだね!」

トウカ「ああ。」

武「そうはいかないぜ。」

 

 俺たちがそう話す中、馬場武がジャマトライダーとジャマトを引き連れて現れる。

 ジャマトライダーは、2体から4体に増えていた。

 

クロム「ジャマトがたくさん居るぞ!」

白夜「よっぽど、ここで潰したいって事か。」

カズマ「マジかよ………………。」

武「いくぜ。」

 

 馬場武はそう言って、黒いマグナムレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、馬場武の隣に、黒いシリンダーと英語で黒いMAGNUMという文字が浮かぶ。

 そして、馬場武は言う。

 

武「変身。」

 

 そう言って、レイズバックルを操作する。

 

SCHWARZ

REDAY FIGHT

 

 馬場武は、シュバルツギーツへと変身する。

 それを見て、俺たちも変身する。

 俺たちは、デザイアドライバーにそれぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字とバイクのマフラーから火が出る絵とBOOSTの文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、クリスの横には、緑と銀のスプリングの絵と英語でHOPPINGの文字が、ゆんゆんの横には、透明なステルス機と英語でSTEALTHの文字が浮かぶ。

 俺たちは、それぞれの変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「変身!」」」」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

GET READY FOR BOOST & MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

HOPPING

STEALTH

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムブーストフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、クリスはラビー・ホッピングフォーム、ゆんゆんはギンペン・ステルスフォームに変身する。

 

湊翔「行くぞ。」

武「かかってこい。」

 

 俺たちは、馬場武とジャマトライダー達へと向かっていく。

 俺は、馬場武と戦っていく。

 

湊翔「はあっ!ふっ!はっ!」

武「はっ!おらっ!」

 

 俺はマグナムシューターの銃撃と、ブーストのアーマーのキックで、攻撃していく。

 馬場武とも、互角に戦えている。

 そう思う。

 一方、カズマ、トウカ、白夜の3人で、2体のジャマトライダーと戦っていた。

 

カズマ「ハアッ!ほっ!」

トウカ「ハッ!でやっ!」

白夜「ふっ!オラァァ!」

 

 3人の連携攻撃で、ジャマトライダーとも互角に戦っていた。

 一方、めぐみん、ダクネス、ゆんゆん、クリスの4人も、残り2体のジャマトライダーと応戦していた。

 

めぐみん「ハアッ!」

ダクネス「フッ!」

ゆんゆん「えいっ!」

クリス「ハッ!」

 

 めぐみんとゆんゆん、ダクネスとクリスの2人ずつで、ジャマトライダーを一体ずつ戦っていく。

 一方、楓の木の面々は。

 

メイプル「機械神!武装展開!」

サリー「ダブルスラッシュ!」

クロム「ハアッ!」

イズ「ふっ!」

カナデ「ファイアーボール!」

カスミ「二ノ太刀・斬鉄!」

「「パワースタンプ!」」

ジャマト達「ジャ〜〜〜〜っ!!」

 

 それぞれのスキルを用いて、周囲のジャマトを倒していく。

 一方、俺と馬場武の戦いは、まだ続いていた。

 

湊翔「ハアッ!ほっ!」

武「ふっ!はっ!」

 

 俺と馬場武の戦いは、互角に戦っていた。

 ある程度距離が離れると、話しかけてくる。

 

武「へぇ。お前、強くなってんな。」

湊翔「アンタに負けたからな。負ける訳にはいかねえんだよ。」

武「良いねぇ。これを使うとするか!」

 

 そう言って取り出したのは、ブーストレイズバックルだった。

 

湊翔「ブーストレイズバックル!?マジかよ……………!?」

武「ただのブーストバックルじゃあない。チェンジ、プロトブースト。」

 

 そう言うと、ブーストバックルの雰囲気が変わった。

 それを、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 すると、馬場武の隣に、黒いバイクのマフラーから火が出る絵と黒いBOOSTの文字が浮かぶ。

 

武「変身。」

 

 そう言って、レイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

GET READY FOR PROTO BOOST & SCHWARZ

REDAY FIGHT

 

 シュバルツギーツは、マグナムブーストに似た形態に変身する。

 

湊翔「何だよそれ………………!?」

武「驚いたか?これはシュバルツマグナムプロトブーストフォームだ。」

 

 そう言って、武は攻撃してくる。

 俺はそこから、押され気味になる。

 

湊翔「強くなってる……………!?」

ツムリ「気を付けてください!プロトブーストは、ブーストレイズバックルのリミッターを外した状態です!」

 

 リミッターを外した状態!?

 それは本当にやばいな。

 何とか、馬場武の攻撃を捌くが、それでも押され気味になる。

 すると。

 

メイプル「捕食者!」

武「っ!?」

 

 メイプルが捕食者というスキルを使って、俺を助けた。

 メイプルが駆け寄ってくる。

 

湊翔「メイプル……………どうして?」

メイプル「私も手伝うよ!それに、さっき手に入れたレイズバックルを使ってみようよ!」

武「何の話だ。」

 

 確かに、使ってみるのもありか。

 それに、あのレイズバックルの能力は、メイプル本人が一番詳しい筈だ。

 そう思い、マグナムレイズバックルを抜いて、先ほど手に入れたレイズバックルであるメイプルレイズバックルをセットする。

 

SET

 

 すると、俺の横に、メイプルが持つ盾とMAPLEという文字が浮かぶ。

 

湊翔「変身!」

 

 俺はそう言って、レイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

BOOST ARMED MAPLE

REDAY FIGHT

 

 俺は、ギーツ・アームドメイプルブーストフォームに変身する。

 能力は、メイプルの保有するスキルを使えるという物だ。

 その為、メイプルの持つ盾が装備される。

 

クロム「何だありゃ!?」

サリー「メイプルの装備をつけてる………!?」

カスミ「ある意味……………メイプルが2人?」

イズ「味方だから良いのよ。味方だから。」

カナデ「良いねぇ!面白いよ!」

「「凄いです!メイプルさん!湊翔さん!」」

 

 それを見て、楓の木の面々がそう言う。

 

湊翔「行くぞ!」

メイプル「OK!」

 

 俺とメイプルは、馬場武に向かっていく。

 一方、トウカ達は。

 

カズマ「すっげぇな、あれ!」

白夜「どうなってんだよ。」

トウカ「まあ、私たちもさっさと倒すぞ!」

 

 トウカ達は、レイズバックルを操作して、必殺技を放つ。

 

NINJA STRIKE

CALIBER STRIKE

LIGHTNING STRIKE

 

カズマ「ハァァァァ……………!」

白夜「ハァァァァ!轟虎雷爪撃!」

トウカ「ハァァァァァ!!」

 

 カズマは高速移動して、ニンジャデュアラーで連続で攻撃しつつ、キックを放ち、白夜は、ジャマトライダーを爪で掴んで、引き摺っていき、思い切り爪で突き刺し、トウカはエネルギーを纏った斬撃で攻撃する。

 3人の攻撃を受けたジャマトライダーは、爆発する。

 

カズマ「片付いたな……………。」

トウカ「ああ。」

白夜「やっぱり、ジャマトライダーも少しずつだが、強くなってるよな……………。」

 

 3人はそう話す。

 一方、めぐみん達の方は。

 

めぐみん「凄いです!何ですか、あの湊翔の姿は!?紅魔族の琴線に激しく触れますよ!」

ゆんゆん「今はそんな事を言ってる場合じゃ無いでしょ!?」

ダクネス「とにかく、早くジャマトライダーを倒すぞ!」

クリス「分かってるよ!」

 

 めぐみんとゆんゆん、ダクネスとクリスの2組は、必殺技を発動する為に、レイズバックルを操作する。

 

BEAT STRIKE

SYEALTH STRIKE

 

めぐみん「ハァァァ!!」

ゆんゆん「でやぁぁぁぁ!!」

 

 必殺技を発動して、めぐみんが音符を纏わせたキックを、ゆんゆんがステルス戦闘機を模したオーラを纏ったキックを放ち、ジャマトライダーを撃破する。

 

めぐみん「私が倒しました!」

ゆんゆん「ちょっと待ってよ!私の方が倒したわよ!」

 

 2人は、そう言って喧嘩を始める。

 ダクネスとクリスは。

 

ZOMBIE STRIKE

HOPPING STRIKE

 

 ダクネスは、バーサークローを地面に向けると、ジャマトライダーの足にバーサークローが現れて、動きを止める。

 

ダクネス「クリス!止めだ!」

クリス「ありがとうね、ダクネス!ハァァァァァァ!」

 

 ダクネスがそう言うと、クリスは既にリボルブオンしていて、バネの力を使った強力なキックを叩き込む。

 ジャマトライダーはそれを喰らって、爆発する。

 

クリス「ダクネス、お疲れ様!」

ダクネス「ああ。」

 

 2人はそう話して、ハイタッチをする。

 一方、俺とメイプルは、馬場武と戦っていた。

 

湊翔「ハアッ!」

メイプル「とうっ!」

武「くっ……………!」

 

 俺とメイプルの攻撃で、馬場武とも互角に戦えている。

 俺は捕食者というスキルを発動して、馬場武の動きを止める。

 

武「何っ……………!?」

湊翔「メイプル、止めだ!」

メイプル「OK!全武装展開!」

 

 メイプルがそう言って、アーマーを纏う中、俺はレイズバックルを操作していた。

 

BOOST TIME

 

 その音声と共に、俺もアーマーを展開して浮かび上がる。

 そして、ブーストレイズバックルを一回捻る。

 

BOOST MAPLE GRAND VICTORY

 

湊翔「ハァァァァァ!!」

メイプル「いっけ〜〜〜〜〜っ!!」

武「グワァァァァ!?」

 

 俺とメイプルは、極太の光線を放ち、それが馬場武に当たる。

 俺たちは攻撃を終えて、着地する。

 すると、ブーストレイズバックルがどこかへと飛んでいく。

 

メイプル「あれ!?どこかに飛んでくよ!?」

湊翔「気にすんな。それより……………。」

 

 俺たちが、攻撃した方を見ると、そこにはボロボロになりつつも、まだ変身した状態の馬場武が居た。

 

武「やってくれんじゃねえか……………!」

トウカ「無事か!?」

サリー「嘘……………!?」

武「だが、時間切れか。」

白夜「何?」

 

 すると、馬場武が爆発して、少しボロボロの状態で変身解除される。

 

カズマ「あいつが爆発した!?」

ツムリ「プロトブーストは、ブーストレイズバックルのリミッターを外した状態です。通常のブーストレイズバックルが、ブーストタイム必殺技を発動した後、どこかへと飛んでいくのは、エネルギーを変身者に向けない為です。」

湊翔「じゃあ、あいつは……………。」

武「そう。プロトブーストは、3分経つと、爆発するんだよ。」

 

 マジかよ……………!

 そりゃあ、危険すぎる代物だろ。

 すると、メイプルが聞く。

 

メイプル「あの!何でそんな危険な物を使うんですか!?」

武「ああ?こっちの方がスリルがあるだろうが!生きるか死ぬかの瀬戸際に立ち、極限の命のやり取りをする。それが戦いってもんだろうが!!」

 

 こいつ、危険すぎる。

 こんなやつを放置したら、危ないだろ。

 

武「まあ、今回はお披露目という事で、俺は退散するぜ。また戦おうぜ。」

 

 そう言って、馬場武は去っていく。

 俺たちは微妙な表情になりつつも、出口へと向かう。

 

ダクネス「それで、暗号は解けたのか?」

湊翔「まあ、大体はな。この上にある文字は、ひまわりのひ、ウツボカズラのら、アケビのけと同じだ。つまり…………………。」

メイプル「答えは開けかな!?」

 

 メイプルがそう言うが、開かない。

 

メイプル「あ、あれ!?」

クロム「どうやら、違うみたいだな。」

カナデ「そうか……………!僕とめぐみんが書庫で見つけたジャマト語の音読表を使うのか!」

湊翔「そういう事。ジャマトは変身する際に、ジュラピラと言っていた。つまり、ジャマトの言葉で言えって事だ。」

白夜「そういう事か!」

 

 そんな感じがしたのだ。

 ジャマトが作った迷宮なのだから、ジャマトの言葉で言う必要性があるかもしれないと。

 すると、ジャマトが集まってくる。

 

カズマ「ジャマトか!」

トウカ「ここは私たちが抑えるから、皆は暗号の方を頼む!」

 

 俺たちは再変身して、ジャマトと応戦していく。

  

メイプル「よし!暗号を解こう!」

クロム「まずは、一番上の奴からだな。」

イズ「ええっと……………ひはセで、らは…………書いてないわね。」

サリー「こっちの解読表も見てみましょう!ええっと………………あった!らはオズです!」

カスミ「けは………………あった!ダだな。」

カナデ「それじゃあ……………まず上の物はセオズダだね!」

「「せ〜の!セオズダ!」」

 

 マイとユイがそう言うと、まず、一つ目のランプが光る。

 

メイプル「次は二つ目だね!」

クロム「そうだな!ええっと……………。」

サリー「これは……………一番最初はかで、かはビですね!」

イズ「次の文字はいで、読み方は……………キョね。」

カナデ「次は………………もで、読み方はそのまま、モだね。」

ユイ「次の文字は………………これは、んで、読み方は……………ラです!」

マイ「じゃあ………………ビキョモラ!」

 

 マイがそう言うと、二つ目のランプが光る。

 

メイプル「よぉ〜し!最後のヤツだね!」

イズ「最後の奴はええっと……………最初のはおを示して、読み方はクね。」

サリー「その次は多分、そのまま伸ばし棒だから、飛ばしても大丈夫だと思う。」

クロム「次の文字は………………ぷか。読み方はワズか……………。」

カナデ「最後の文字は、んを示してるから、さっきの通り、ラだね。」

「「じゃあ………………クーワズラ!」」

 

 マイとユイがそう言うと、三つ目のランプが光り、扉が開く。

 

湊翔「ミッションクリアだ!皆、走れ!」

 

 俺たちはそう話して、扉へと駆け込んでいく。

 

MISSION CLEAR

 

 そんな音声と共に、俺たちは元の空間に戻る。

 

トウカ「ミッションクリアだな。」

めぐみん「疲れました……………。」

ダクネス「お、おい!メイプル達が薄くなっているぞ!?」

カズマ「え!?」

 

 ダクネスがそう叫ぶので、俺たちはメイプル達の方を見ると、メイプル達は薄くなっていた。

 

湊翔「多分、ミッションがクリアしたから、元の世界に戻ろうとしてるのかもな。」

メイプル「そうみたいだね。ありがとうございました!助けてくれて!」

白夜「気にすんな。寧ろ、こっちのミッションに巻き込まれた形だからな。」

サリー「それでは、お元気で!」

 

 メイプル達がそう言うと、消えた。

 こうして、違う世界を巻き込んだミッションは、終わりを迎えた。

 ちなみに、メイプルの力が宿っていたレイズバックルは、シールドレイズバックルに戻った。

 一方、とある場所では。

 

ロキ(ミッションは終わったか。流石に、世界の選定を間違えたな。次やる時は、首輪が破壊出来なそうな世界の奴らにするか。)

 

 ロキはそう思っていた。

 一方、ゼウスはというと。

 

ゼウス(ロキが仕組んだ、迷宮脱出ゲームはクリアされたか。恐らく、複製したヴィジョンドライバーで介入したんだろう。こちらも、そろそろ見つけるべきか。)

 

 ゼウスはそう思っていた。

 すると。

 

部下「ゼウス様。」

ゼウス「ああ。どうした?」

部下「ヴィジョンドライバーの使用候補者が出ましたが、如何しましょうか?」

ゼウス「見せてくれ。」

 

 ゼウスは、部下から紙を受け取って、それを確認する。

 内容を全て見て、ゼウスは判断を下す。

 

ゼウス「よし。その者を私の元に連れてきてくれ。」

部下「は。」

 

 ゼウスはそう命じて、部下は去っていく。

 ゼウスが見ていた紙には、男性の写真が載っていた。

 一方、ある場所では。

 

???「桐ヶ谷湊翔か。やっぱり、彼は強いね。感動するよ。君の生き様には。」

 

 とある男性がそう呟く。

 俺は、そんな事には気づいていなかった。




今回はここまでです。
防振りの面々とのコラボ迷宮脱出ゲームは、終わりです。
湊翔は、観察力がありますので。
そして、迷宮脱出ゲームの裏で、色んなやり取りがありました。
まあ、最後の男性に関しては、誰なのかは分かると思いますが。
次回からは、『希望の迷宮と集いし冒険者たち』のエピソードに入っていきます。
そこで、色んなオリキャラや、アクセルハーツも出していきたいと思っています。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のギーツで、ジーンが初変身解除。
ベロバのグレアIIは強いですね。
次回、レーザーブーストが出るみたいで、楽しみです。
戦国ゲームに関しては、やる予定です。
このすばの原作9巻のウォルバクとの戦いでやる予定です。
ブーストマークIIは、エリス祭りとアクア祭りのタイミングで、雷ジャマト祭りをやるので、その時に出します。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第36話 新たな冒険の幕開け

 違う世界を巻き込んだ迷宮脱出ゲームから、しばらくが経った。

 俺、トウカ、白夜は、クエストに出かけていた。

 ちなみに、カズマ達はお休みらしい。

 俺たちが受けたクエストは、近くにゴブリンエリートが現れたそうで、それの討伐だ。

 

湊翔「しっかし、ゴブリンエリートがまた現れたのか。」

トウカ「以前倒したのとは別個体だろうな。」

白夜「倒せば良いだけだろ。」

 

 俺たちはそう話して、ゴブリンエリートが居るというエリアに向かう。

 しばらく歩くと、ゴブリンエリートがゴブリン達を率いているのを見つけた。

 

湊翔「あれだな。」

トウカ「みたいだな。」

白夜「変身していくか。」

 

 俺たちは、デザイアドライバーを装着して、レイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横に白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、トウカの横に青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵と英語でCALIBERの文字が、白夜の横に黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が浮かぶ。

 そして、俺たちは叫ぶ。

 

「「「変身!」」」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

CALIBER

LIGHTNING

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォームになる。

 俺たちは、それぞれの武器を手に、ゴブリンエリート達へと向かっていく。

 ゴブリンエリートは叫んで、他のゴブリン達と共に俺たちに向かっていく。

 

湊翔「ハアッ!フッ!でやっ!」

 

 俺は、マグナムシューター40Xとアーマードガンで銃撃して、ゴブリンを倒していく。

 

トウカ「ハアッ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーを振るい、ゴブリンを倒していく。

 

白夜「オラっ!はっ!」

 

 白夜は、自前の格闘技で、ゴブリンを倒していく。

 俺たちの攻撃で、ゴブリン達はあっという間に倒され、後はゴブリンエリートのみとなった。

 

湊翔「後はゴブリンエリートだけか!」

トウカ「そうだな!」

白夜「行くぞ!」

 

 俺たちは、ゴブリンエリートへと向かっていく。

 ゴブリンエリートに対して、俺たちは連携攻撃をしていく。

 ゴブリンエリートも、手に持っている武器で攻撃していく。

 しばらくの攻防の末、俺たちはゴブリンエリートを倒した。

 

湊翔「何とか倒せたな。」

トウカ「ああ。」

白夜「やっぱり、湊翔は強くなってるぞ。俺が保証してやる。」

湊翔「ありがとな。」

 

 俺たちは、クエスト完了の報告をする為に、アクセルに戻る事にした。

 俺たちがアクセルに戻る中。

 

???「キャアアアア!」

湊翔「っ!?悲鳴!?」

トウカ「ここから近いぞ!」

白夜「よし、行くぞ!」

 

 俺たちは、悲鳴がした方へと向かう。

 悲鳴がした方に向かうと、驚きの光景が目に入る。

 

???「イヤァァァァァァァァ!!」

 

 1人の女性が、モンスターの大群に追われていたのだ。

 

湊翔「何でモンスターの大群に追われているんだ!?」

トウカ「そ、そんな事より、早く助けるぞ!」

白夜「お、おう!待ってろ!すぐに助けてやるからな!」

 

 俺たちは、その女性とモンスターの大群に割り込んで、モンスター達に攻撃する。

 しばらくして、モンスターの大群を倒して、一部は逃走した。

 

湊翔「ふぅ………………。」

トウカ「お疲れ様。」

白夜「おい、大丈夫か?」

???「あ、ありがとうございます。」

 

 白夜は、その女性に手を差し伸べ、女性は白夜の手を取り、立ち上がる。

 その女性は、茶髪のショートヘアで、蒼色の瞳に整った顔の美少女だった。

 

湊翔「ええっと、君は?」

朱翼「あ、はい。私は、白鳥朱翼(しらとりあげは)と言います。」

湊翔「朱翼さんね。俺は桐ヶ谷湊翔。んで、この2人が………………。」

トウカ「私はトウカ。よろしく。」

白夜「虎雷白夜だ。」

 

 俺たちは、自己紹介をする。

 どうやら、目の前に居る人は、転生者の様だな。

 白鳥朱翼という名前は、聞いた事がある。

 そう。

 前世では、天才フルーティストの高校生で有名だったのだ。

 よく、ニュースにも出ていた。

 ただ、バスに乗って帰る中、バスにトラックが突っ込んできて、運悪くトラックの下敷きになり、帰らぬ人になったという感じだ。

 転生していたのか。

 

湊翔「それで、職業は何なんだ?」

朱翼「職業は、魔法戦士でして……………。」

トウカ「魔法戦士!?」

湊翔「知ってるのか?」

トウカ「知ってるも何も、魔法戦闘全般を得意としている激レアの職業だ!」

 

 トウカ曰く、魔法の剣技やアークウィザードほどではないが、ステータス上昇の魔法も使えるだそうだ。

 そんな中、朱翼は、俺たちの腰を指差していた。

 

朱翼「あなた達()、仮面ライダーなんですか?」

湊翔「も?」

白夜「あんたも仮面ライダーなのか?」

朱翼「は、はい。」

 

 朱翼はそう言って、デザイアドライバーを取り出す。

 朱翼曰く、少し前に、ツムリからデザイアドライバーを受け取ったそうだ。

 朱翼が変身するのは、仮面ライダースワンという仮面ライダーだそうだ。

 

白夜「それで、何でモンスターの大群に追われていたんだ?」

朱翼「いやぁ、実は、クエストを受けて、向かおうとした矢先に、モンスターの大群と鉢合わせまして………………。」

 

 朱翼曰く、レッドドラゴンの討伐クエストを受けたのだが、途中、モンスターの大群と鉢合わせ、襲撃を受けたそうだ。

 そういう理由だったのか。

 すると、朱翼が口を開いた。

 

朱翼「あの…………良かったらで良いんですが、クエストを手伝ってもらえませんか?」

湊翔「え?」

朱翼「私1人だと、何かと不安で。」

白夜「どうする?」

トウカ「まあ、大丈夫だろ。」

湊翔「そうだな。」

朱翼「ありがとうございます!」

 

 こうして、朱翼のクエストを手伝う事にした。

 俺たちは、そのレッドドラゴンが生息している場所にまで向かう。

 向かう最中、モンスターが襲ってくるので、応戦しつつ、先に進んでいく。

 俺たちは、問題なく進めた。

 しばらく進んで、休憩する事にした。

 

湊翔「レッドドラゴンの棲家まで、あとどれくらいだ?」

朱翼「ええっと……………あともう少しよ。」

トウカ「疲れたまま行くのは危ないから、少し休もう。」

白夜「だな。」

 

 俺たちは、休憩と同時に、朱翼と情報共有を行う事にした。

 朱翼が持っているのは、フルートというレイズバックルと、小型バックルが何個か、フィーバースロットレイズバックルだそうだ。

 どうやら、ジャマトライダーに対抗する為に、フィーバースロットは配られるそうだな。

 バニルもいつの間にか、フィーバースロットを持っていたのだから。

 そう思う中、白夜は、朱翼に質問をする。

 

白夜「アンタ、何でデザイアグランプリに参加したんだ?何か、叶えたい願いがあるのか?」

朱翼「私?………………私は、特に叶えたい願いは無いかな。」

湊翔「無いのか。」

朱翼「ええ。私は、人を助ける事が出来たら、それで充分だから。」

トウカ「そっか………………。」

 

 まあ、願いに関しては、人それぞれだからな。

 斯くいう俺も、願いは特に決まっていない。

 ただ、ジャマトやら魔王を倒す事を目標としているので、どうするのかは、まだ未定だ。

 すると、トウカが聞いてくる。

 

トウカ「どうした、湊翔?」

湊翔「いや。何でも無いよ。」

トウカ「そうか。」

 

 俺はトウカにそう答える。

 トウカの存在感が大きくなると同時に、気になることがあるんだよな。

 やはり、女神アテナと、雰囲気が似ているのだ。

 まさかな。

 これまで、何度も感じてきた事を再び考えながら、休憩時間を過ごす。

 しばらくして、休憩時間を終えて、俺たちは移動を再開する。

 モンスターを倒しながら進んでいくと、レッドドラゴンの巣に到着する。

 

湊翔「ここが、レッドドラゴンの棲家か。」

朱翼「ええ。」

トウカ「レッドドラゴンの姿は見当たらないが………………。」

白夜「いや、来る。」

 

 俺たちがそう話す中、咆哮が聞こえてくる。

 すると、上空からレッドドラゴンが現れる。

 

湊翔「こいつがレッドドラゴンか。」

トウカ「ああ。」

朱翼「皆さん、いきましょう!」

白夜「おう。」

 

 俺たちは、デザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横に白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、トウカの横に青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵と英語でCALIBERの文字が、白夜の横に黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が浮かぶ。

 そして、俺たちは叫ぶ。

 

「「「「変身!」」」」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

CALIBER

LIGHTNING

FLUTE

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、朱翼はスワン・フルートフォームになる。

 俺たちは、それぞれの武器を手に、レッドドラゴンへと向かっていく。

 

湊翔「ハアッ!フッ!でやぁぁ!」

 

 俺は、マグナムシューター40Xとアーマードガンで、レッドドラゴンを銃撃する。

 レッドドラゴンは、ブレスを放ってくるが、俺はそれを躱す。

 

トウカ「ハアッ!ハッ!ぜやぁぁ!」

 

 トウカは、俺と代わり、ソードエクスカリバーで、レッドドラゴンに斬撃を叩き込んでいく。

 トウカに対する爪の攻撃を、トウカはソードエクスカリバーでパリィする。

 

トウカ「頼んだぞ!」

白夜「おう!オラァァ!」

 

 トウカと白夜は変わって、白夜は雷を纏ったパンチやキックを、レッドドラゴンに叩き込んでいく。

 白夜のパンチやらキックで痺れたのか、動きが若干鈍くなる。

 すると、朱翼が飛び出す。

 

朱翼「ハアッ!」

 

 朱翼は、手に持ったフルートソードという長剣で、レッドドラゴンに向かっていく。

 レッドドラゴンに攻撃するが、レッドドラゴンは、翼をはためかせ、朱翼を吹き飛ばす。

 

朱翼「キャアアアア!」

白夜「おい!」

 

 朱翼は吹っ飛び、崖から落ちそうになるが、白夜がすぐに向かい、キャッチする。

 レッドドラゴンが、白夜達の方に向かおうとするが、俺とトウカが阻止する。

 

白夜「湊翔!トウカ!」

湊翔「レッドドラゴンは、俺たちが抑える!」

トウカ「白夜は、朱翼を引き上げろ!」

白夜「おう!」

 

 俺たちがレッドドラゴンを抑える中、白夜は朱翼を引き上げる。

 

朱翼「……………ありがとう。」

白夜「何であんな無茶をしたんだ?痺れてるとはいえ、まだそこまで動きは鈍くなってなかったぞ。」

朱翼「………………あなた達を、クエストに巻き込んだんだから、私が止めを刺さないとって………………。」

白夜「…………………。」

 

 朱翼の言葉に、白夜は黙る。

 だが、すぐに口を開く。

 

白夜「なんだ、そんな事か。」

朱翼「え?」

白夜「まあ、アンタのクエストに、俺たちがちょっかいを出したのは事実だな。だがよ、だからって、無理をして死んだらどうするんだ。」

朱翼「それは…………………。」

白夜「まあ、なんだ。無理して死ぬよりも、少しは俺たちを頼れ。」

 

 白夜は、ぶっきらぼう気味にそう答える。

 それを聞いた朱翼は、呆然となると、すぐに吹き出す。

 

朱翼「フッ、フフッ。」

白夜「な、何だよ?」

朱翼「いえ。そうですね。頼らせてもらいます。」

白夜「ふん。」

 

 朱翼が笑いながらそう言うと、白夜は照れたのか、そっぽを向く。

 

湊翔「2人とも!そろそろ加勢に入ってもらえると助かるんだが!」

トウカ「いつまで話してるんだよ!」

白夜「悪い、悪い。行けるか?」

朱翼「ええ。」

 

 白夜と朱翼はそう話して、俺たちに加勢する。

 俺とトウカ、白夜と朱翼でコンビを組んで、連携攻撃でレッドドラゴンに攻撃していく。

 

トウカ「ハアッ!フッ!」

湊翔「フッ!」

 

 トウカがソードエクスカリバーで攻撃していき、レッドドラゴンの攻撃は、俺のマグナムシューターで銃撃して、潰していった。

 そうしている内に、レッドドラゴンは弱ってきていた。

 

湊翔「よし、弱ってきたな。」

トウカ「2人とも、止めをさせ!」

白夜「おう!」

朱翼「ええ!」

 

 俺とトウカがそう言うと、白夜と朱翼の2人は飛び出していく。

 そして、レイズバックルを操作する。

 

LIGHTNING STRIKE

FLUTE STRIKE

 

 2人は必殺技を発動して、白夜は両手に雷のエネルギーを込め、朱翼は剣に音のエネルギーを込める。

 

白夜「ハァァァァァァァ!!」

朱翼「セェェェェェェイ!」

 

 2人の攻撃は、レッドドラゴンに命中して、レッドドラゴンは倒れ伏す。

 

湊翔「倒せたか?」

トウカ「動かないし……………倒したな。」

白夜「ふぅ……………お疲れさん。」

朱翼「ありがとうございます!」

 

 こうして、クエストは終わった。

 俺たちはアクセルに戻る。

 アクセルに到着した後、白夜が口を開く。

 

白夜「それで、アンタはどうするんだ?」

朱翼「そうですね………………。あなた達のパーティーに入れて貰えませんか?」

トウカ「えっ………………良いのか?」

朱翼「はい!1人でやるよりも、皆と居た方が楽しいと思って!」

白夜「………………どうすんだ、湊翔。」

湊翔「えっ?俺!?」

トウカ「まあ、このパーティーのリーダーって、ある意味で湊翔だからな………………。」

 

 そう言って、俺に視線が集中する。

 そういや、便宜上、俺のパーティーって扱いだったな。

 だが、朱翼は何かを企んでいるとかそういう雰囲気は無い。

 俺は少し考えて、答えを出す。

 

湊翔「良いぜ。よろしく頼むな。」

朱翼「はい!」

 

 こうして、白鳥朱翼が仲間になった。

 俺たちは、クエスト完了の報告をして、カズマ達と合流する事にした。

 その際、カズマにスパイダーフォンで連絡をする。

 

湊翔「おい、カズマ。どこに居るんだ?」

カズマ『悪い、ちょっと、ウィズの店に向かってるわ!』

湊翔「ウィズの店?何でだよ?」

カズマ『ちょっとな!理由はウィズの店で話すわ!』

 

 そう言って、通話が切れる。

 俺たちは、ウィズ魔道具店へと向かう。

 しばらくすると、カズマ達と合流する。

 

湊翔「カズマ。」

カズマ「お、湊翔か。」

めぐみん「何か、1人増えてますね。」

朱翼「初めまして。私は白鳥朱翼です。湊翔さんのパーティーに新しく入りました。」

ダクネス「なるほどな。よろしく頼む。」

白夜「それはそうと、何でアクアは拗ねてんだ?」

カズマ「実はな…………………。」

 

 そう。

 アクアが拗ねていたのだ。

 どうしてそうなったのかというと、アクアが何かのガラスを拾ってきたらしい。

 ただ、めぐみん曰く、大きな魔力を感じるそうだ。

 そこで、ウィズに見てもらう事にしたそうだが、アクアが嫌がり、今に至るそうだ。

 

湊翔「なるほどね……………。」

トウカ「確かに、大きな魔力を感じるな。」

白夜「まあ、見てもらおうぜ。」

 

 そうして、俺たちはウィズの店に入る。

 

ウィズ「いらっしゃいませ。」

バニル「これはこれは、ようこそ。」

湊翔「よおウィズ、バニル。」

バニル「ニートから脱出したものの、自堕落な生活をし始めたクズニートよ。今日は、我輩に何の用かね?」

カズマ「ニートじゃないから!それはそうと、バニルに教えてもらいたい事があるんだよ。」

バニル「我輩に?」

カズマ「ああ。何だか、魔力が籠ったガラスみたいなのを見つけたんだよ。アクア、カケラを出してくれ。」

 

 バニルの煽りに関して突っ込みつつ、カズマはアクアにカケラを出すように言う。

 だが、アクアは黙ったままだ。

 

湊翔「アクア?」

ウィズ「あの……………アクア様が不機嫌なのはどうしたんですか?」

アクア「………………このまま帰る。」

白夜「おい。話が進まないから、寄越せ。」

アクア「ああっ!私のかけら!」

 

 白夜が、アクアからカケラを奪い取り、バニルに渡す。

 俺たちは、暴れるアクアを取り押さえる。

 

アクア「離してよ!あの性悪悪魔に奪われたらどうするのよ!」

ダクネス「大丈夫だ!調べ終わったら、戻ってくる!」

朱翼「あの、落ち着いて下さい!」

湊翔「それで、これはどうなんだ?」

バニル「ほお。これは中々…………。」

ウィズ「滅多にお目にかかる物ではないですね。」

 

 バニルとウィズがそう言うという事は、かなり珍しい物か?

 

めぐみん「やっぱり、ただのガラスのカケラじゃなかったみたいですね。実に興味深いです。」

バニル「ああ。我輩も長い間生きているが、これほどの品を見かけるのは稀だ。」

湊翔「じゃあ、希少価値が高いって事か?」

カズマ「何だか、考えていたよりも凄いものだな………………。」

アクア「な、何よ!これは私の物だからね!欲しそうな目をしても、あげないんだからね!」

 

 俺たちがそう話す中、アクアはバニルからカケラを奪い取り、大切そうに抱える。

 俺は、アクアの強欲さに呆れつつ、バニルに聞いてみる。

 

湊翔「それで、このカケラがどうしたんだ?」

バニル「うむ。我輩の見立てでは、このカケラ、非常に価値のある魔石の一部であると出ている。」

トウカ「魔石の一部?」

バニル「ああ。カケラにこれほどの魔力があるのなら、本体の魔石には、素晴らしい力が秘められているだろうな。」

カズマ「本体か……………。」

 

 確かに、カケラという事は、本体があってもおかしくはない。

 よくある話だしな。

 そう思っていると、バニルが話しかけてくる。

 

バニル「どうだ?このカケラだけでも珍しい逸品なので、良ければ買い取らせて貰うが。」

ダクネス「ちなみに、カケラではなく、本体そのものを持ってきた場合はどうなんだ?」

バニル「もし、カケラではなく、魔石そのものを手に入れたなら、それ相応の金額で買い取らせてもらおう。」

カズマ「………………相当の金額って?」

バニル「そうだな……………ふむ。一千万エリスといった所か。」

一同「一千万!?」

 

 バニルの言葉に、俺たちは驚愕する。

 本体を持ってくれば一千万エリスだと!?

 

トウカ「マジか………………。」

アクア「一千万?今、一千万って言った!?」

カズマ「まさか……………拾ってきたカケラがこんな事になるなんて……………!?」

湊翔「驚いたな。」

ダクネス「な、中々の額だな。石一つにそこまでの値が付くとは……………。」

めぐみん「あわわわ……………一千万って、いくらですか?マナタイト製の杖が何本買えるのですか……………!?」

白夜「めぐみん、落ち着け。本体を見つけてこない限りは、一千万は手に入らない。」

朱翼「そうですよ。それに、カケラがあった近くには、本体がある可能性もあります。」

 

 それを聞いて、俺たちはそう話す。

 確かに、その可能性は十分にある。

 カズマは、アクアに質問をする。

 

カズマ「なあ、アクア。お前この石、拾ったって言ったよな?」

アクア「そうよ。」

湊翔「どこで拾ったんだ?」

アクア「街を出て、森を抜けた所にある廃墟の近くよ。普通に落ちてたわ。」

白夜「何でそんな大層なもんが、普通に落ちてたんだよ?」

 

 本当だよ。

 とはいえ、行ってみる価値はあるか。

 俺たちは、アイコンタクトをする。

 

トウカ「まあ、今日はもう遅いし、明日、朝イチで探しに行こう。」

アクア「一千万エリス……………一千万エリス……………!」

めぐみん「もしかしたら、そこで魔石の本体が見つかるかもしれないですね。」

ダクネス「ああ。その可能性は十分にある。」

カズマ「まあ、トウカの言う通りだな。明日、探しに行くぞ!」

湊翔「おう。」

 

 そう決めて、俺たちは朱翼を連れて、屋敷へと向かう。

 一方、それを見ていたウィズ達は。

 

ウィズ「……………ええと、皆さん、慌てて出て行っちゃいましたね。」

バニル「フハハハハハ!金額を聞いた途端に、目の色を変えていたな!実に強欲で面白い!我輩、見通す悪魔であるからして、この先の展開も分かっているのだが………………今回も、精々頑張るが良い、仮面ライダー達よ!」

 

 バニルは、そう呟いていた。

 俺たちは、朱翼の歓迎会を行い、朱翼の部屋を割り振り、明日に備えて寝る事にした。

 一方、ある場所では。

 

ゼウス「……………初めまして。私はゼウス。単刀直入に言おう。あなたは死んだのだ。」

???「………………そうか。」

ゼウス「死んだ君には、天国で過ごすのか、前の世界で転生をするのか、異世界に行くのかという選択肢があるが、どうかな?」

???「何だって?」

 

 ゼウスが、とある人物を前に、話をしていた。

 その人物は男で、ゼウスが持つ紙には、黒石拓巳(くろいしたくみ)と書かれていた。

 果たして、ゼウスは何をしようとしているのか。




今回はここまでです。
今回から、このすばのゲームの一つ、『希望の迷宮と集いし冒険者たち』のエピソードが始まります。
そして、新たな仲間、白鳥朱翼が登場しました。
白鳥朱翼は、天才フルーティストの高校生です。
そんな彼女は、虎雷白夜に好意を抱きました。
ちなみに、白夜のヒロインは、朱翼とウィズの2人です。
そして、ゼウスが接触した謎の男性。
彼は、このすばの世界に転生します。
何の仮面ライダーに変身するのかは、楽しみにしてて下さい。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のギーツで、レーザーブーストが登場しましたね。
ベロバが、あんな見た目で350歳なのは驚きました。
このすばとギーツでは、原作9巻のウォルバクとの戦いで、ジャマトグランプリの戦国ゲームが始まります。
その為、アクアの左官としての活躍は、あるかどうかは未定です。
戦国ゲームには、もちろん、白鳥朱翼も参加します。
あと、湊翔達の方の大将には、勿論、ヴィジョンドライバーを使うキャラです。
色々と仮面ライダーが増えてきましたが、基本的に、本家ギーツのメインライダーとして扱われる面子以外は、フィーバースロットが強化として使われる感じです。
ミツルギも、仮面ライダーに変身する予定です。
アクアに関しては、どうするのかは未定です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第37話 廃墟での戦い

 歓迎会を終え、その翌日、俺たちは、アクアがカケラを拾ったという廃墟へと向かっていた。

 ジャマトが現れた時に備えて、デザイアドライバーとレイズバックルは持ってきた。

 ただでさえ、ジャマトライダーが少しずつ強くなっているのだ。

 備えあれば憂いなしといえるだろう。

 俺たちが廃墟に到着すると、カズマがアクアに聞く。

 

カズマ「なあ、アクア。この辺りなんだよな?そのカケラが落ちてた場所ってのは。」

アクア「そうよ〜。確か……………あ、あそこ!あの茂みの前だったわ。」

湊翔「そうか。なら、茂みの周りから調べてみて………………ん?」

トウカ「どうした?」

湊翔「いや、見覚えのある黒っぽいローブの裾みたいなのが見えるんだが………………。」

白夜「え?あ。」

 

 俺が言ってる最中に首を傾げた事に、トウカが聞いてきて、俺はそう答える。

 そう。

 あの黒っぽいローブの裾は……………。

 俺と同じことを思ったのか、カズマが口を開く。

 

カズマ「なあ、めぐみん。あの茂みからはみ出てるローブって……………。」

めぐみん「知りません。私は何も見ていません。」

白夜「おい。見て見ぬふりをするな。」

ダクネス「うん?………………あの茂み、誰か隠れているんじゃないのか?」

朱翼「本当だ。誰かしら?」

???「え?」

アクア「ダクネスに朱翼ったら、何言ってるの?こんな所に人なんて居るわけないじゃない。」

???「えっ?」

 

 カズマ、めぐみん、白夜がそう話す中、ダクネスと朱翼がそう言うと、茂みの中から声が聞こえてくる。

 そして、アクアのセリフに少しショックを受けたような声も。

 

アクア「だって、こ〜んな寂れた廃墟なのよ?誰も来ないし、隠れたって、意味ないでしょ?」

???「えっ?えっ!?」

トウカ「でも、あの不自然な盛り上がり方は、誰か居るとしか思えないんじゃ……………。」

???「えっ?………………もしかして、見つかっちゃった?だ、だったら……………!」

 

 アクアの言葉にショックを受ける声。

 ていうか、アクア。

 確かに、それは正論なのだが、可哀想だからやめてやれよ…………………。

 トウカがそう言うと、茂みの中から、人が出てくる。

 無論、ゆんゆんだ。

 

ゆんゆん「ま、待たせたわね!」

ダクネス「なっ………………!?」

湊翔「やっぱりか………………。」

ゆんゆん「フフフフフ……………!こっ……………こんな所で出会うとは、まさに運命!さあ、今日こそは決着をつけるわよ!覚悟なさい、めぐみん!」

めぐみん「お断りします。」

ゆんゆん「ええええーっ!?」

 

 ゆんゆんはそう言いながら、めぐみんに言うが、めぐみんは素っ気なく即答する。

 

ゆんゆん「おかしいわね?『運命の出会いだから勝負しましょう作戦』。この流れに逆らえない筈なのに………………。」

朱翼「いや、流石にそれは無理があると思いますけど………………。」

白夜「やめてやれ。確かに合ってるけど、やめてやれ。」

めぐみん「隠さなくて良いですよ。ぼっちのゆんゆんが寂しく待ち伏せしてたって、皆分かってますから。」

ゆんゆん「ぼっちじゃないもん!そ、そんな事を言って、私を動揺させる作戦なんでしょ!?」

湊翔(動揺してんじゃん………………。)

 

 ゆんゆんの言葉に朱翼がそう言って、白夜がそう言う中、めぐみんはそう言って、ゆんゆんがそう言う。

 俺は、心の中でそんな事を思う。

 まあ、口にすると追い討ちになりかねないからな。

 すると、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「大体、戦いの前に名乗りを上げないなんておかしいじゃないですか。」

白夜「いや、名乗りをする必要性はないだろ。」

湊翔「確かに。奇襲攻撃をするには、無駄な事だな。」

めぐみん「そこ!黙ってて下さい!紅魔族には紅魔族なりのやり方があるんですよ!ゆんゆん。あなたも紅魔族なら、正しい決闘の手順を踏むべきです。」

ゆんゆん「えぇ……………あれ嫌なんだけど…………やらなきゃダメ?」

めぐみん「勝負を挑むからには、相手に対し、それなりの礼儀を尽くすべきではないでしょうか。」

 

 めぐみんの言葉に、俺と白夜が突っ込むと、めぐみんはそう叫ぶ。

 ゆんゆんは嫌がるが、めぐみんはそう言う。

 まあ、言ってる事は合ってるんだけどな。

 剣道や弓道、柔道とかは、礼で始まって、礼で終わるからな。

 とはいえ、厨二病発言はどうかと思うが。

 

ゆんゆん「わ、分かったわよ…………ん、んっ。我が名はゆんゆん!アークウィザードにして上級魔法を操る者!やがては紅魔族の長となる者!今日こそ、私はあなたに勝ってみせるわ!さあ、めぐみん!この私と勝負しなさい!」

めぐみん「嫌です。」

ゆんゆん「えーっ!?」

湊翔「即答だな………………。」

 

 ゆんゆんの名乗りに対して、めぐみんは即答で断った。

 それを聞いたゆんゆんは涙目になる。

 やめてやれよ………………。

 

めぐみん「私は忙しいのですよ。これからダンジョンに入って、楽しいお宝探しをしなくてはなりません。ゆんゆんと遊んでいる暇はありません。」

ゆんゆん「えええ、恥ずかしいのを我慢して、名乗りを上げたのに!お願いよ!勝負してよ〜!」

 

 めぐみんがそう言うと、ゆんゆんはそう言う。

 相変わらず、めぐみんはゆんゆんには素っ気ないよな。

 

めぐみん「嫌です〜。」

ゆんゆん「良いじゃない!一回だけ、一回だけ!お願いよ〜!!」

湊翔「相変わらずだなぁ………………。」

めぐみん「嫌と言ったら、嫌です〜。」

ゆんゆん「そ、そんな………………いくら道行く人たちに怪しまれても、めぐみん達が来るまで待ってたのに………………。」

 

 おい、それ以上言うな。

 そんなに待ってたのかよ。

 ゆんゆんは、涙目でそう言う。

 

アクア「あ……………なんか、泣きそうなんですけど。」

カズマ「一応、相手するだけ相手してやれば?」

湊翔「流石に、可哀想だからな。」

トウカ「確かに。」

ダクネス「わ、私もそう思う。」

白夜「まあ、ゆんゆんの相手をしたからって、宝が逃げる訳でも無いしな。」

朱翼「そうですよ。」

 

 俺たちがそう言うと、めぐみんはため息を吐いて、言う。

 

めぐみん「はぁ………………全く、しょうがないですね。分かりました。一回だけですよ。」

ゆんゆん「た、戦ってくれるの!?」

めぐみん「ただし、一回だけですからね。勝負の内容は私が決めます。それで構いませんね?」

ゆんゆん「え、ええ!良いわ!何をするの?」

 

 全く、めぐみんも素直じゃないな。

 それを聞いたゆんゆんは、嬉しそうにそう言う。

 

めぐみん「それは……………早口言葉です!」

ダクネス「早口言葉って………………。」

カズマ「魔力関係なくね?」

湊翔「早く終わらせたいだけだろ。」

めぐみん「何を言うんです。たかが早口言葉。されど早口言葉。馬鹿にしてはいけません。」

白夜「何でだよ?」

めぐみん「我々アークウィザードにとって、呪文の詠唱速度は、生死に関わる大切なスキル!早口言葉の得手不得手がクエストの安否、ひいては、パーティーの命運を決めると言っても過言ではありません!どうです?私たちが雌雄を決するに相応しい種目でしょう?」

トウカ「大層なことを言ってるけど、ゆんゆんが納得するか?」

 

 そういうもんかな。

 まあ、俺は魔法を使わないので、あんまり分からないが。

 ていうか、ゆんゆんが納得するのか?

 そう思い、ゆんゆんを見ると。

 

ゆんゆん「良いわ!それで勝負しましょう!」

湊翔「納得すんのかい。」

めぐみん「よろしい。では、私から行きます。良いですね?」

ゆんゆん「かかってらっしゃい!」

 

 ゆんゆんがあっさり納得していた事に突っ込むと、めぐみんは悪い笑みを浮かべながら言う。

 絶対、なんか企んでるだろ。

 

めぐみん「赤霜降り赤ガニ、青霜降り赤ガニ、黄霜降り赤ガニ!赤霜降り赤ガニ、青霜降り赤ガニ、黄霜降り赤ガニ!」

ゆんゆん「え?あ、青い赤ガニ?え?」

トウカ「何言ってんの?」

めぐみん「赤霜降り赤ガニ、青霜降り赤ガニ、黄霜降り赤ガニーーーッ!!」

 

 めぐみんは、早口言葉を終えた。

 ていうか、青い赤ガニやら黄色い赤ガニとか、一体何なんだよ。

 めぐみんは、息切れしながらも、口を開く。

 

めぐみん「はぁ……………はぁ……………どうです、この速度。果たして、あなたについてこられるでしょうか?」

朱翼「そもそも、めぐみんの言ってる事、おかしくなかった?」

ゆんゆん「や、やるわ!何だか分からないけど、やってみせる!」

白夜「やんのかい。」

 

 めぐみんとゆんゆんの言葉に、朱翼と白夜が突っ込む。

 

ゆんゆん「今日という今日は負けないんだから!頑張れ私!せ〜の!赤霜降り赤ガニ、青霜降り赤ガニ……………!」

めぐみん「カズマ。先日の霜降り赤ガニ、美味しかったですね!」

カズマ「あ!?お前、何言って……………?」

湊翔「あ。」

 

 ゆんゆんが早口言葉を言う中、めぐみんはカズマにそう話しかける。

 その時、めぐみんの狙いを察した。

 

ゆんゆん「黄霜降り……………えっ!?なんでめぐみんが霜降り赤ガニを!?」

めぐみん「はい、終了〜。」

ゆんゆん「えっ?えっ?」

めぐみん「もう良いですか?そこどいて下さい。探索に向かうんですから。」

 

 いや、いくら何でも酷すぎる……………。

 友達を嵌めるか?

 それを聞いたゆんゆんは叫ぶ。

 

ゆんゆん「そんなっ、だ、だって、今のずるい!これ、ノーカン!ノーカンよね!?」

めぐみん「認めなさい。勝負の最中に気を逸らしたあなたの負けです。」

トウカ「気を逸らさせたのは、めぐみんだろ。」

ゆんゆん「くっ……………!わ、分かったわ。今日の所は引き下がるわ。で、でも、敗北を認める訳には行かないわ!勝負はお預けなんだからー!うわぁぁぁぁん!」

 

 ゆんゆんはそう言って、泣きながら去っていった。

 これは酷い。

 俺たちがゆんゆんを呆然と見送る中、めぐみんは叫んだ。

 

めぐみん「今日も勝ち!」

湊翔「おい、良いのか?ゆんゆん、めっちゃ泣いてたけど。」

めぐみん「大丈夫ですよ。どうせ、街に戻ったら、構ってオーラ全開で、近づいてくるに決まってます。」

白夜「そういうもんか?」

めぐみん「そう言うものです。……………湊翔、気になるのなら、次はゆんゆんをパーティーに誘ったらどうです?きっと喜びますよ。」

 

 俺がそう言うと、めぐみんはそう答える。

 まあ、紅魔の里から一緒に居たからこそ、ゆんゆんの扱いが分かっているという事なんだろうけどな。

 

カズマ「ていうか、そんな事が出来るのか?」

ダクネス「ああ、そういえば、ギルドでキャンペーンをしているようだな。何でも、お試しでパーティーメンバーを変更できるのだとか。」

アクア「良いわね!カズマをリストラして、優秀な冒険者に来てもらいましょうよ!」

 

 そんなキャンペーンをやってんのか。

 まあ、色んなパーティーの組み合わせをやるという意味で、良いのだろう。

 だけど、カズマって、仮面ライダータイクーンなんだぞ。

 リストラさせる理由が見当たらないが。

 

カズマ「何言ってんだコラ!リストラ候補筆頭は、お前だろ!?」

アクア「何よ!何の取り柄もない、ただのヘタレ冒険者の癖に!私は有能です〜!」

カズマ「ああ!?俺は仮面ライダーなんだぞ!それに、誰が有能だって!?この駄女神!!」

アクア「何よ!!」

カズマ「何だよ!!」

 

 カズマとアクアは、そう言って口喧嘩を始める。

 俺たちは、それを見て呆れていた。

 そうして、喧嘩も終わり、俺たちは廃墟の探索を始める。

 廃墟には、魔物が生息していて、俺たちはそれを倒していく。

 そんな感じで進む中、最奥部へと到着した。

 

カズマ「ふう……………やっと着いたな。ここが一番奥か?」

湊翔「そうだろうな。」

ダクネス「そのようだな。」

朱翼「ですね。」

めぐみん「つ、疲れました……………。」

アクア「あーもう、動きたくない!足が痛いの!誰かおぶってよ!」

白夜「情けねえな。」

トウカ「少し疲れたな。」

 

 最奥部に着いた時には、めぐみんとアクアが疲れを見せていた。

 

カズマ「嫌だよ!自分で歩けっての!」

ダクネス「ふむ…………そんなに難しいダンジョンではないのだがな。」

トウカ「ダクネスは流石の体力だな。」

ダクネス「私は、体力には自信がある。責め苦を味わい続ける為には、耐える体力も必要だからな!」

湊翔「………………そういえば、ダクネスはそういう奴だったな。白夜は大丈夫か?」

白夜「大丈夫だ。これでも、格闘家を目指してたんだ。これくらいでダウンしてたまるか。」

 

 流石だな。

 俺はダクネスには呆れて、白夜には感心する。

 そんな中、ダクネスが真面目な表情で言う。

 

ダクネス「それはそうと……………先ほどから妙な気配がしているな。」

トウカ「確かに。皆、戦闘準備をしておけ。」

アクア「妙な気配?」

めぐみん「何か、こちらに近づいてくるみたいですね。」

 

 ダクネスとトウカがそう言う。

 すると、大きい植物が現れる。

 

朱翼「こいつは……………?」

カズマ「こいつがボスか!」

湊翔「恐らくな。それに、どうやら、相手はその植物だけじゃないみたいだぞ。」

 

 俺がそう言うと、ジャマトライダーが二体現れる。

 

白夜「ジャマトライダーか!普通のジャマトも居るな。」

めぐみん「ジャマトも現れたのなら、私に任せて下さい!爆裂魔法で、あいつら全員を燃やし尽くしますよ!」

ダクネス「というか何だ、あの触手は!?見るからにいやらしいうねうねした動き…………!ま、まさか!?私たちを捕らえようとしているのではないか!?」

 

 始まった………………。

 ダクネスは自分の世界に入り、妄想をしていた。

 付き合ってられるか。

 すると、トウカがダクネスの頭をぶっ叩く。

 

ダクネス「ぶっ!?な、何をする!?」

トウカ「そんな妄想に浸るな!ジャマトライダーも居るんだからな!」

ダクネス「そ、そうだったな………………。」

アクア「皆、頑張って〜。見守る係は、この私が引き受けたわ。」

カズマ「良いから、お前は支援魔法を使えよ!」

アクア「え〜………………。もう、しょうがないわね……………。」

白夜「少しは真面目にやれ!」

 

 俺たちは、デザイアドライバーに、レイズバックルを装填する。

 

SET

 

 俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が浮かぶ。

 

「「「「「「「変身!」」」」」」」

 

 俺たちはそう叫んで、レイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

FLUTE

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、朱翼はスワン・フルートフォームに変身する。

 その植物は、蔦で攻撃してくる。

 俺たちは、その蔦の攻撃を躱す。

 アクアは、ただ逃げ惑っていただけだが。

 俺、カズマ、白夜は、ジャマトライダーやジャマトと戦っていた。

 俺達がジャマトライダーと応戦する中、ジャマトライダーが何かを言う。

 

Jライダー「コライビャクヤ…………!アンタニカッテミセルワ……………!」

Jライダー「タオシテミセルワ…………!」

カズマ「ジャマトライダーが喋った!?」

白夜「しかも、こいつらのセリフは…………!」

湊翔「まさか…………。」

 

 そのセリフは、聞き覚えがあった。

 それは………………。

 

クレメオ『虎雷白夜!あんたに勝ってみせるわ!』

フィオ『倒して見せるわ!』

 

 そう。

 以前、死亡して脱落したミツルギの取り巻き、クレメオとフィオの言葉だったのだ。

 どうなってんだ……………!?

 

湊翔「ミツルギの取り巻きのセリフか!?」

白夜「何でアイツらのセリフを言ってるんだよ!?」

カズマ「どうなってんだ…………!?」

 

 俺たちは驚愕した。

 ジャマトが、あの2人の言語パターンを学習してるのか!?

 となると、ロキという裏切りの神がジャマトを放っているという事は、可能性としてあるのか?

 ジャマトが、死亡した脱落者の記憶を元に成長しているのか?

 だとしたら、面倒だな。

 そう思いながらも、俺たちは応戦していく。

 トウカ達は、あの巨大な植物と応戦している。

 どうやら、蔦を使っての広範囲攻撃しかしてこないようだ。

 トウカ達は、そこまで苦戦していなかった。

 

トウカ「一気に倒すぞ!」

ダクネス「ああ!」

めぐみん「了解です!」

朱翼「ええ!」

 

 4人は、必殺技を発動する。

 トウカは、ソードエクスカリバーにクローレイズバックルを装填して、めぐみんとダクネスは武器を操作し、朱翼はレイズバックルを操作する。

 

CLAW TACTICAL STLASH

ROCK FIRE

TACTICAL FIRE

POISON CHARGE

TACTICAL BREAK

FLUTE STRIKE

 

 トウカは、強化された斬撃波を放ち、めぐみんは炎の斬撃波を放ち、ダクネスはゾンビブレイカーで植物を切り裂き、朱翼は斬撃を放つ。

 4人の必殺技を受けて、その巨大な植物は倒される。

 一方、俺たちは。

 

湊翔「あいつら、あの植物を倒したみたいだな。」

白夜「俺たちもさっさと倒すぞ!」

カズマ「おう!」

 

 俺たちも、レイズバックルを操作する。

 

MAGNUM STRIKE

NINJA STRIKE

LIGHTNING STRIKE

 

 俺たちは、必殺技を発動させる。俺は両腕のアーマードガンを展開して、マグナムシューター40Xにエネルギーをチャージし、カズマは高速移動して、ニンジャデュアラーで連続で攻撃しつつ、キックを放つ。

 俺たちの必殺技を受けて、ジャマトとジャマトライダーは爆発する。

 俺たちは、女性陣と合流する。

 

湊翔「お疲れさん。」

トウカ「ああ。それにしても、ジャマトライダーに少し苦戦してなかったか?」

白夜「まあ、連中も、成長を続けてるから、面倒だっただけだ。」

めぐみん「そうなのですね。」

カズマ「まあ、先を進むぞ。」

ダクネス「そうだな。」

朱翼「ええ。」

アクア「行きましょう!」

 

 俺たちは、奥へと進んでいく。

 クレメオとフィオの言葉を話したジャマトライダーに関しては、後で話すかどうかを検討する事になった。

 まあ、突拍子も無かったからな。

 

アクア「随分と奥に来たわね。」

めぐみん「……………この魔力は……………!」

カズマ「ん?どうした、めぐみん?」

めぐみん「この辺りから、強烈な気配を感じます。」

湊翔「強烈な気配……………か。あのカケラに似てるのか?」

めぐみん「はい。というよりもむしろ…………もっと強力な………………!」

 

 という事は、本体が近いという事か。

 紅魔族って、魔力を感じるのが得意なのか?

 

カズマ「よし。ひとまず、この辺りを重点的に探すぞ。」

白夜「おうよ。」

ダクネス「そうだな。すぐに見つかると良いのだが………………。」

 

 俺たちはそう話して、カケラの本体を探す。

 そんな中、アクアが叫ぶ。

 

アクア「ねえ、カズマ、湊翔!あそこ、何だかちょっと光ってるんですけど!」

湊翔「ん?本当だ。」

 

 アクアの言う通り、アクアが指差した先が光っていた。

 

アクア「あそこで間違い無いわよ!ほら、早く掘り返して!カケラの本体を見つけ出して!」

カズマ「分かったよ。ちょっと待ってろ。掘り返してみるから。」

 

 俺とカズマは、そこの部分を掘り返そうとするが、地面が硬くて、中々上手くいかない。

 

カズマ「くそ……………かなり硬いな。ダクネス、白夜!ちょっと手伝ってくれ。」

白夜「おう。」

ダクネス「………………一応言っておくと、私は肉体労働担当ではないのだが……………。」

カズマ「そうか?俺に言わせりゃ、お前、肉体労働以外になんか出来るのかって聞きたい位だけどな。ほら。そっち側持ち上げてくれ。」

ダクネス「くっ……………!女である私を筋肉扱いするこの仕打ち……………!」

湊翔「興奮してなくて良いから、さっさとしてくれ。」

 

 ダクネスは頬を赤らめる中、俺はそう言う。

 俺たち4人で掘り返すと、やっと少し見えた。

 

湊翔「やっと見えたか。」

アクア「ねえ、見てみて!何か埋まってるわ!」

ダクネス「ん?これは……………。」

カズマ「よ〜し。掘り出すぞ。」

 

 俺たちは、再び掘り返して、魔石の本体と思われる物を取り出した。

 

カズマ「これが……………魔石か。」

アクア「凄いわね!こんな大きさ、なかなか無いわよ!?」

トウカ「確かに、凄いな………。」

めぐみん「おお……………!何と言う力の奔流……………!この石から、凄い魔力を感じます。これほどのパワーが常に漏れていたなら、周囲の環境に影響を及ぼしてもおかしくありません。」

朱翼「だから、あの植物は巨大化してたのね。それの影響を受けて。」

 

 なるほど、そういう事か。

 とはいえ、ジャマトにどんな影響が出るか分からないから、放っては置けないな。

 

カズマ「ん?なあ、ここ。ちょっと欠けてないか?」

白夜「本当だな。」

湊翔「アクア。ちょっとカケラを貸してくれ。」

アクア「これ?良いけど、ちゃんと返しなさいよ?返さなかったら、天罰落とすわよ?」

カズマ「分かってる。分かってる。」

アクア「ねえ、アンタ達、本当に返してくれるのよね?」

 

 俺たちは、アクアからカケラを借りて、その本体にはめてみる。

 すると、ピッタリはまった。

 

めぐみん「見事にはまりましたね。」

ダクネス「ピッタリだな。」

トウカ「じゃあ、これが何らかの理由で欠けたって事か。」

カズマ「そうだろうな。」

アクア「ちょっと〜!返して欲しいんですけど!私のカケラ!」

湊翔「ちょっ!?待て!落とすだろうが!」

 

 アクアがそう叫んで、カケラを外そうとする。

 すると、魔石が光を出し、文字が浮かび上がる。

 

カズマ「うおっ!?」

トウカ「ん!?」

ダクネス「っ!?何だ?」

アクア「な、何々っ!?私、まだ触っただけなんですけど!?」

めぐみん「ひ、光りました!しかも、より強い魔力を感じます!」

湊翔「文字だな。しかも……………漢字?」

白夜「どう見ても、漢字の五だな。何で日本語が………………?」

朱翼「本当だ。何ででしょうか…………?」

 

 日本語という事は、日本人の転生者が関与している可能性が高いな。

 すると、アクアが叫ぶ。

 

アクア「そんな事より、私のカケラ、返して欲しいんですけど〜!」

カズマ「おい、こら!無茶すんなって!」

めぐみん「あ、アクア!やめて下さい!そんなにぶんぶん振り回したら、水晶が…………!」

 

 アクアは、カケラを外そうと躍起になっていた。

 すると、カケラが外れた。

 

朱翼「あ。」

湊翔「あっ。」

カズマ「ああっ!」

アクア「取れたーーーっ!」

カズマ「ちょっ!?アクア、何やってんだよ!?水晶は無事か!?」

白夜「光は………………消えたな。」

トウカ「文字も見えなくなったな。」

湊翔「カケラがハマってないと、光らない仕組みか?」

アクア「よかった!無事に戻ってきたわね!私のカケラ!外れなくなったら、どうしようかと思ったわ!」

 

 だめだ。

 アクアのせいで、話が進まない……………!

 というより、そのカケラは別にお前のじゃないだろ。

 ただ単に、落ちてたのを拾っただけだろ。

 すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「それにしても、随分と不思議な魔石だな。」

トウカ「確かに。光ったり、文字が浮かび上がったり。」

めぐみん「凄まじい魔力を秘めているのも気になります。」

カズマ「確かに、気になるな。」

白夜「ひとまず、ウィズの店に行くぞ。何か分かるかもしれねぇ。」

湊翔「だな。」

 

 そうして、俺たちは廃墟を後にして、ウィズの店に向かう。

 一方、ある場所では。

 

ロキ「……………ジャマトの飼育は、上手くいっているか?アルキメデル。」

アルキメデル「ああ、ロキ様!それはもう!良い具合に育っていますよ!」

 

 ロキは、アルキメデルという男性に話しかける。

 アルキメデルの前には、大きな木がなっていて、その近くには、ダパーンとレターのIDコアが埋められていた………………。

 

アルキメデル「種はやがて実り、この世界に繁殖する……………ジャマトが支配する理想の世界へと変わるのだ!ハッハッハッハッハッハッ!」

 

 アルキメデルは、そんな風に高笑いを上げる。

 

ロキ(頼むぞ…………。これからも、敵役(・・)であるジャマトを生み出して、私を盛り上げてくれ。)

 

 ただ、ロキとアルキメデルで、思想の違いがあるのだが。

 それを見ていた馬場武は。

 

武(えげつない事を考えるな…………。まあ、強い奴と戦えるのなら、俺は文句はない。更に強くなってみせろ、桐ヶ谷湊翔……………!)

 

 馬場武は、闘志を燃やしていた。

 そんな中、馬場武の前に、ロキが現れる。

 

ロキ「武。」

武「何だ?」

ロキ「もうじき、新たな仲間が増える。楽しみにしていろ。」

武「ふ〜ん……………まあ、どうでも良いけど。」

ロキ「それはそうと、これを使ってみないか?」

武「ん?」

 

 そう言って、ロキが手渡したのは、ジャマトライダーの変身に用いられるバックルだった。

 それを見た武は。

 

武「良いねぇ…………!使ってやるよ。」

 

 そう言って、武はジャマトバックルを手に取る。

 俺たちが魔石を集める中、ロキ側にも、動きがあった。

 それは、果たして、どのように影響していくのか。

 今の俺には、分からなかった。




今回はここまでです。
廃墟にて、魔石の本体を獲得しました。
ただ、ジャマトライダーが、ミツルギの取り巻きのセリフを言ったり、ロキ側にも動きが起きました。
ちなみに、馬場武がジャマトバックルを使うのは、もう少し先の予定です。
希望の迷宮と集いし冒険者たちのエピソードで、アクセルハーツや、オリキャラの追加をしていきます。
どこかのタイミングで、リクエストにあった復活のベルディアの話をやろうかなと検討しています。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のギーツは、とんでもない事が判明しましたね。
鞍馬祢音は、誘拐された時に殺害された鞍馬あかりの代わりの娘。
そんな祢音に、オーディエンスから、悪意の言葉が降りかかる。
オーディエンスは、ニラムの発言から察するに、リアリティーを求めている。
そんな中、判明した虚構の存在である祢音に、罵詈雑言をぶつけていく。
ベロバも、悪趣味にも程がありますよ。
そんなベロバに、英寿はキレる。
次回、祢音とキューンの共闘が見れそうですね。
この作品では、闘牛ゲームはどうするのかは、未定です。
現状、暗い過去があるのは、湊翔だけの予定です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第38話 魔石とジャマトの謎

 魔石の本体を獲得した後、俺たちは廃墟から撤収して、ウィズの店に向かう。

 その際、再びアクアからカケラを借りて、本体に嵌める。

 それを見たバニルは。

 

バニル「おお……………!見事な輝き、素晴らしい魔力…………!」

めぐみん「カケラを嵌めてみたら、また光ってますね。」

ダクネス「ああ、実に不思議だ。」

湊翔「一体、これは何なんだ?」

バニル「なかなかの品を手に入れてきたな。我輩の見立てでは、これは間違いなく魔石である。約束通り、一千万エリスで買い取らせてもらおう。」

 

 やっぱりか。

 というより、本当にこの魔石は何なんだ。

 そう思う中、アクアが叫ぶ。

 

アクア「か、カケラは私のなんだから!悪魔なんかには売らないわよ!早く返して!」

朱翼「まだ言ってますね……………。」

バニル「そうか?しかし、不完全な状態では、若干のお値引きを願う事になるが…………。」

アクア「はあ?悪魔の癖に随分とケチな事を言うじゃない!最初の約束と違うんですけど!」

湊翔「いや、それは普通だろ……………。」

 

 そりゃあ、揃っていなかったら、値引きされても仕方ないだろ。

 中古で売る際には、特撮系の玩具とかは、箱無しや、欠品があると、安くなるし。

 俺がそう言う中、アクアは叫ぶ。

 

アクア「良いわ!腹いせにこの店のポーション、全部叩き割って……………ぷげっ!?」

白夜「営業妨害はやめろよ!それに、そろってから値引きされて当然だろうが!」

アクア「何すんのよ!そこの悪魔が約束を守らないからでしょ!?」

白夜「約束を守ってないんじゃなくて、バニルは当然の対応をしてるだけだろうが!!」

朱翼「け、喧嘩はやめなさいよ!」

ウィズ「ふ、2人とも、落ち着いて!」

 

 そう言って、アクアと白夜は口喧嘩を始める。

 それを見て、朱翼はオロオロしていた。

 そんな中、俺とカズマは、バニルに聞く。

 

湊翔「それにしても、そんな値段で仕入れて大丈夫なのか?」

カズマ「確かに。買う奴なんて居ないだろ。」

バニル「小金稼ぎの得意なニート冒険者にギーツよ。良い目の付け所であるな。」

カズマ「小金稼ぎで悪かったな。」

バニル「何を言う。これは我輩なりの褒め言葉だぞ?人間とは、欲に塗れてこそ。その意地汚なさには、敬意さえ表する所だ。デザイアグランプリも、欲を釣るには都合が良い存在であるしな。」

 

 まあ、デザイアグランプリって、デザ神になると、理想の世界が叶うからな。

 そういう意味では、欲を釣るには都合が良いんだろうけどさ。

 

湊翔「はいはい。それで?どうするんだよ?儲からない物を仕入れても、損になるだけだろ?」

バニル「貴様らの言うとおり、確かにこの魔石単体での販売は難しいであろうな。しかし、魔力を抜き取って、大量のマジックアイテムを生産するのであれば、話は別だ。生産見込み数から考えれば、先日表示した一千万エリスをこれに投資したとしても、十分に回収可能である。」

 

 なるほど、そういう事か。

 確かに、あれから魔力を抜き取れば、マジックアイテムを大量に作れそうだしな。

 

ダクネス「なるほど、アイテムに込める魔力の原料として使おうという事か。」

トウカ「確かに、これだけの魔力を秘めてるんだから、大量に作れそうだよな。」

バニル「さよう。」

めぐみん「随分、大量の魔力を見込んでいるんですね。」

バニル「うむ。街一つを粉微塵に吹っ飛ばすほどのパワーはあろうな。」

 

 え、それ、普通にやばくね?

 街一つを吹っ飛ばすって、かなりやばいだろ。

 ジャマト側に渡ってなくてよかった。

 

めぐみん「おおおお……………そっ、そんな魔力がこの魔石の中に……………!」

ダクネス「凄まじいな、それは……………。」

カズマ「それにしても、めぐみんのテンションの上がり方が、半端じゃなかったな。」

めぐみん「だ、だって!街一つ粉微塵に出来る魔力なんて、そう出会える物ではありませんよ!魔法を扱う者として、これが大人しくしていられようか!」

湊翔「お、おう……………。」

カズマ「完全に目の色が変わってやがる……………。」

 

 めぐみんは、そう力強く言う。

 まあ、魔法使いなら、そういうのに興味を示してもおかしくはない………………のか?

 

アクア「で、どうするの?売るの?売らないの?カケラはもちろん売りませんけど!」

カズマ「あのな、アクア。一ついい事を教えてやる。」

湊翔「カケラをアクセサリーにして売るよりも、カケラを魔石につけて、満額で買い取ってもらった方が高くなるぞ。」

アクア「え?」

白夜「お前には、難しすぎたか。」

アクア「失礼ね!分かるわよ、それくらい!でも、嫌な物は嫌なの!」

 

 悪魔嫌いもここまで来るとはな。

 まあ、女神(?)なんだろうけどな。

 俺は未だに、アクアが女神であるとは、一切信じていない。

 そんな中、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「街が吹き飛ぶ魔力……………確かに、簡単に売り払ってしまうのは、少し惜しい気がします……………。」

カズマ「げっ、めぐみんまで……………。」

めぐみん「だ、だって、この魔力を使えば、更に強力な爆裂魔法を撃てるかもしれないんですよ!それにそれに……………アークウィザードとして、これがどんな構造で作られているのか、じっくり観察したい……………!」

朱翼「なるほどね。」

 

 まあ、そういうもんか。

 紅魔族として、気になるという事か?

 そんな中、カズマが呆れ声を出す。

 

カズマ「お前らな…………。折角見つけたのに、ここで売らないなら、何の為に廃墟まで行ったんだよ。」

アクア「カケラさえ残ってれば、売っていいって言ったじゃない!」

めぐみん「だ、ダメです!売るの、反対!」

湊翔「見事に割れたな。」

白夜「というか、魔石をカケラと一緒に売らないと、一千万エリスにならないだろ。」

 

 アクアとめぐみんで、意見が割れたな。

 そんな中、ダクネスとトウカが声を出す。

 

ダクネス「ま、まあ、今ここで決めなくても、一度落ち着いてゆっくり相談しても良いんじゃないか?」

トウカ「確かに。埒があかないからな。」

カズマ「そうだな。一度ギルドに行って、話し合うか。」

湊翔「というわけで、バニル。悪いんだけど、一旦保留という形で良いか?」

バニル「うむ。こちらとしては、いつでも買い取りに応じるぞ。決めたらいつでも持ってくるが良い。」

 

 そうして、俺たちはギルドへと向かう事になった。

 俺たちがギルドに到着すると、そこそこ混んでいた。

 

アクア「さ〜て、どこの席が空いてるかしらね〜?」

クリス「やあ、皆。」

 

 俺たちがどこに座るか考えていると、クリスが声をかける。

 

ダクネス「クリス!」

トウカ「クリスか。」

カズマ「よっ、久しぶりだな。」

湊翔「まあ、メイプル達との迷宮脱出ゲームでも会ったがな。」

クリス「そうだね。ここんとこ、ちょっと王都の方で稼いでたから。」

ダクネス「王都であれば、忙しかっただろう?」

トウカ「もう大丈夫なのか?」

クリス「ああ、まーね。やっとひと段落したって所かな。あたしも同席して良い?」

白夜「ああ。良いぞ。」

 

 そう言って、クリスは俺たちの近くに座る。

 稼いだっていうか、神器回収をしてたんじゃないのか?

 すると、魔石を目にして、クリスが話しかける。

 

クリス「どーも。って……………あれ?君の持ってるその石、ちょっと見せてくれる?」

カズマ「これか?良いけど……………。」

 

 そう言って、カズマはクリスに魔石を渡す。

 それを検分していたクリスは、声を上げる。

 

クリス「おお〜、やるね!良い物見つけてきたじゃない!」

朱翼「分かるんですか?」

クリス「勿論!……………ていうか、あなたは?」

朱翼「申し遅れました。私は、白鳥朱翼と言います。」

クリス「新たなパーティー仲間?」

湊翔「まあ、そんなとこだ。」

クリス「そっか。まあ、それはそれとして、これはね、封魔の魔石って呼ばれてる物なんだ!」

 

 封魔の魔石っていうのか。

 そう思っている中、クリスとカズマの会話が続く。

 

カズマ「封魔……………?」

クリス「そう!中には膨大な魔力が封じ込められてるんだって。物凄く価値があるお宝だよ!」

白夜「へぇ、すげぇな。」

アクア「通りで、膨大な魔力を感じたわけね。」

クリス「ああ、魔法を使う者なら、喉から手が出る程欲しい代物だろうね。」

ダクネス「流石は盗賊だな。情報通だな。」

 

 なるほどな。

 流石は、神器回収を女神エリス様から任せられるだけはあるよな。

 というか、エリスとクリス、アテナとトウカが似ている気がするのは、本当に気のせいだろうか?

 そんな中、めぐみんが呟く。

 

めぐみん「封魔の魔石…………封魔…………。」

湊翔「めぐみん?」

 

 めぐみんの目がキラキラしだした。

 すると、めぐみんはカズマに話しかける。

 

めぐみん「カズマ、カズマ。」

カズマ「ん?」

めぐみん「この魔石、売らずに家宝にしませんか?」

湊翔「言うと思った……………。」

カズマ「は、はあ?お前は何を言ってんだ?」

めぐみん「だ、だって……………街を消し去るパワーを手の内に隠し持つというのは、非常に琴線に触れる物があります!それに……………名前がかっこいいですし。」

白夜「お前、そういうの好きそうだよな。」

めぐみん「はい!わくわくします!」

 

 それでワクワクするんじゃないよ。

 まあ、厨二病で、アークウィザードであるめぐみんからしたら、魅力的なんだろうけどな。

 すると、アクアが叫ぶ。

 

アクア「ダメよ!売らないと贅沢出来ないじゃない!」

めぐみん「で、ですが、紅魔族としては、そのような美味しいアイテムを、簡単に手放す訳には……………!」

アクア「ダ〜メ!売りますー!あ、でもカケラは売ったりしませんからね!」

白夜「いや、カケラも売らないと一千万にはならないぞ。」

めぐみん「アクアー!ずるいです、ずるいです!」

アクア「ダメったらダメ〜!もうきーめーまーしーたー!」

湊翔「顔がゲスいぞ。」

 

 俺と白夜が突っ込む中、アクアとめぐみんは喧嘩を始める。

 ていうか、カケラも売らないと一千万にはならない事を忘れたのか?

 どんだけカケラを手放したくないんだよ。

 

カズマ「なんだ、この子供の喧嘩は。」

ダクネス「どうやら、簡単には決着が着きそうにないな。」

トウカ「どうしたもんかな。」

クリス「あははは……………。だったら、もう一個見つけてくれば良いんじゃない?」

 

 俺たちが呆れながら見ていると、クリスがそう言う。

 それを聞いた俺たちは、クリスに視線を集中させる。

 

カズマ「なあ、クリス。今、もう一個って……………?」

クリス「あれ?そっか、皆、知らなかったっけ。封魔の魔石って、いくつか存在するんだよ。記録に残ってるだけでも、三つか四つ……………あれ?五つだったかな?」

湊翔「つまり、複数個あるって事か?」

クリス「そうだね。」

カズマ「マジか!?」

クリス「うん。何個あるかは分かってないけど、一つだけじゃないはずだよ。」

白夜「まあ、五って字が浮かんだんだ。複数個あってもおかしくないか。」

 

 それもそうか。

 あの五という字は、何個目かというのを示していたのか。

 それなら、複数個あっても良いよな。

 

アクア「もう一個!もう一個って言ったら、アレよね!一千万と一千万で二千万エリスね!シュワシュワ何杯飲めるかしら!ええとええと……………とにかく沢山よね!喜びの花鳥風月!」

湊翔「まだ見つかった訳じゃねえだろ。」

めぐみん「確かに、複数の魔石が手に入るのでしたら、一つだけ手元に残して、あとは売却しても良いですね。手元の魔石は、最終奥義を放つ為の、我が魔力の源になってもらうとして……………わ、私は、新しい杖が欲しいのですが……………。」

ダクネス「ああ……………街を吹き飛ばす魔力……………ぜひ、この身で受け止めたいものだ……………。」

 

 そんな感じに、アクア、めぐみん、ダクネスは己の要望を口にする。

 まだ見つかった訳じゃないんだがな。

 

カズマ「なんだか、話が一気に大きくなってきたな……………。複数あるなら、全部でいくらになるんだ……………?」

白夜「まあ、高くなるのは間違いないだろうな。」

朱翼「そうですね。最低でも五つは存在するのは確かみたいですし。」

トウカ「ああ……………防具を新調するのも、ありかもな。」

クリス「ふふっ、なんだが面白そうだね!あたしももう少し調べてみるよ!」

湊翔「分かった。」

 

 まあ、俺は欲しい物は無いが、生活費として使うのもありだな。

 そうして、この日は魔石一個獲得祝いという事で、乾杯をした。

 その夜、皆が寝静まり返る中、俺と白夜は、リビングに集まっていた。

 

白夜「湊翔?話ってなんだ?」

湊翔「………………昼間のジャマトライダーに関してだ。」

白夜「………………それか。」 

 

 俺と白夜は、廃墟で戦ったジャマトライダーについて話す事に。

 

湊翔「あのジャマトライダー、ミツルギの取り巻きの言葉を話したよな?」

白夜「ああ。バニル戦での言葉だったな。」

湊翔「もしかしてだけど、ジャマトって、退場者と何らかの関係があるんじゃないか?」

白夜「………………そう見て、間違いないだろうな。」

 

 それは気になっていたのだ。

 ジャマトが学習しているのは間違いない。

 だが、どうやって学習しているのかというのがずっと気になっているのだ。

 すると、ある可能性に行き着き、ボソッと呟く。

 

湊翔「………………もしかして、ジャマトは、退場者を使って学習してるんじゃないだろうな?」

白夜「何?」

湊翔「そうだろ。ミツルギの取り巻きはジャマトライダーによって倒されて、死んだ。もしかしたら、利用されてる可能性は十分にあるだろ。」

白夜「…………………あるかもな。」

湊翔「ただ、推測の域を出ないから、確実になるまでは、皆……………特にミツルギには黙っておこう。」

白夜「だな。」

 

 俺と白夜は、そう話す。

 そう。

 まだ確実というわけではない。

 ただ、裏切りの神という存在もいるので、可能性は十分にある。

 用心する必要性があるな。

 ミツルギも、クレメオとフィオがジャマトになっていたと知ったら、面倒な事になりそうだからな。

 そうして、俺と白夜は寝る事にした。

 翌日、俺たちはリビングに集まっていた。

 

アクア「んふふふ〜。」

ダクネス「ふむ………………。」

めぐみん「ほわぁ……………。」

カズマ「ふふふふ…………!」

 

 カズマたちは、そんな風にしていた。

 俺たちは、カズマ達に話しかける。

 

湊翔「随分と浮かれてるな。」

カズマ「そりゃあ、魔石探しなら、あまり危険な目に遭わなそうだしな。」

白夜「ジャマトが現れる可能性もあるがな。」

カズマ「そりゃあ、そうなんだけどな。でも、俺たちも大分強くなったし、大丈夫だって!」

トウカ「まあな。」

 

 まあ、俺たちも強くなったし、大丈夫か。

 馬場武の動向には、気をつけないといけないがな。

 俺がそう思う中、稼いだお金の使い道の話になった。

 

アクア「手に入れたお金、何に使おうかしら?えっと、まずはギルドのツケを払うでしょ?それから高級シュワシュワをケースで…………!」

白夜「おい、ギルドにツケがあるなんて、初耳だぞ。」

めぐみん「もし、複数手に入ったらですが…………やはり一つは家宝に隠し持ちたいです。そして、ここぞという時に、魔力を解き放ち、我が人生最大の爆裂魔法を撃つのです!」

湊翔「めぐみんはブレないな……………。」

カズマ「それで?ダクネスはどうしたいんだ?」

ダクネス「その、か、考えていたんだが…………めぐみんが爆裂魔法を撃つのなら…………わ、私がその直撃を受けても良いだろうか?」

トウカ「ダクネスはブレないな……………。」

 

 アクア、めぐみん、ダクネスは、大していつもと変わらない気がするな。

 俺が呆れながらそう思っていると、アクアが聞いてくる。

 

アクア「人の話ばっかり聞いてるけど、アンタ達はどうするの?」

白夜「俺は……………トレーニンググッズをもう少し買い集めたいな。体を鍛えるのに使えるからな。」

朱翼「私は………………特に欲しい物は無いですかね。」

トウカ「私は、防具を新調したいと思ってるから、それで使うよ。」

湊翔「俺は普通に生活費に回すかな。特に欲しいって物がないから。」

カズマ「俺か?決まってるだろ!それだけ金があったら、働かないで……………引きこもる!」

「「「「「「「…………………。」」」」」」」

 

 俺たちがそう言う中、カズマはそう言う。

 俺たちは、呆れの視線をカズマに向ける。

 まあ、カズマらしいといえば、カズマらしいのだがな。

 ちなみに、当の本人曰く、『ジャマトのミッションが来たら、普通に出るわ!』との事。

 そんな会話をして、ギルドへと向かう。

 ギルドへ向かう理由としては、魔石に関する情報収集だ。

 

カズマ「さてと……………まずは、聞き込みだな。」

アクア「聞き込み?」

湊翔「確かに。この魔石について、何か知ってる人が居るかもしれないからな。」

ダクネス「なるほどな。噂の一つや二つが広まっているかもしれないからな。」

めぐみん「闇雲に歩いても無駄ですからね。ギルドで情報を集めましょう。」

朱翼「ですね。」

トウカ「ああ。」

アクア「ふ〜ん……………何だか面倒くさそうね……………。あっ、お姉さん!シュワシュワ一つ!」

白夜「おい。自分だけ関係ないみたいな感じで注文するな。お前も聞き込みを手伝え!」

 

 俺たちはそう話す。

 アクアは、我関せずと言わんばかりに、シュワシュワを頼んでいた。

 少しは手伝えよ。

 すると、ルナさんが話しかけてくる。

 

ルナ「カズマさん、湊翔さん。」

湊翔「ルナさん、どうしたんですか?」

ルナ「実は……………皆さんに相談がありまして。」

アクア「よろしくないわよ。私たち、忙しいの。」

めぐみん「そうですね。当面、ギルドのクエストを受ける余裕はありません。」

 

 ルナさんの相談を、アクアとめぐみんの2人はあっさり断る。

 そう言ってやるなよ。

 そう思う中、ルナさんは戸惑う。

 そんな中、俺、トウカ、白夜が助け舟を出す。

 

湊翔「おい、そう言ってやるなよ。」

トウカ「話を聞くだけでも聞いてやれば?」

カズマ「はぁ……………しょうがねぇな。」

白夜「それで、相談ってのは?」

ルナ「ありがとうございます!実は…………新たなダンジョンが発見されまして……………。」

朱翼「新たなダンジョン?」

 

 ルナさんが、説明する。

 どうやら、新しいダンジョンを発見したそうだ。

 新しいダンジョンを発見するというのは、たまにあるらしい。

 

湊翔「へぇ。新しいダンジョンね。」

トウカ「だが、それなら、わざわざ私たちに頼む理由って、無くないか?」

ルナ「それが……………別の冒険者達に依頼して、調査に向かったんですが、重傷を負って帰ってきまして………………。」

朱翼「重傷ですか……………何があったんですか?」

ルナ「それが…………そのダンジョンで、ジャマトと遭遇したようで………………。」

白夜「ジャマトだと!?」

 

 ジャマトと遭遇したのか。

 まあ一度、とあるダンジョンに行った際に、ジャマトと遭遇したので、あまり驚かないのだがな。

 とはいえ、ジャマトのダンジョンか。

 厄介な事になりそうだな。

 

アクア「ねえ、カズマ。そのダンジョン、行かなくて良いわよね?どうせ、湊翔達辺りが行ってくれるでしょうし!」

湊翔「俺たちが行く事前提かよ。」

カズマ「ジャマトか……………。」

めぐみん「どうしましょうか?」

ダクネス「ふむ。デザイアグランプリに参加している以上、ジャマトは倒さなければならないだろう?」

 

 まあ、そうなるわな。

 すると、スパイダーフォンに連絡が入る。

 見てみると、『ジャマトのダンジョンの探索を行い、可能であれば、ダンジョンを破壊せよ。』と書いてあった。

 俺は、カズマにそれを見せる。

 

湊翔「………………だってよ?」

カズマ「はぁ……………分かったよ。」

ルナ「ありがとうございます!」

???「ちょっと良いかな?」

湊翔「ん?」

 

 俺たちが引き受ける事にすると、後ろから声をかけられる。

 後ろを向くと、三人組がいた。

 

???「君たち、高難度クエストに挑戦する気なの?」

湊翔「まあ……………そうかな?」

カズマ「そうかも?」

???「そっか……………あの、もし良かったら何だけど……………私たちも、君たちのパーティーに入れてくれないか?」

 

 その三人組のうち、真ん中にいる黒髪ロングの子が、そう言う。

 真ん中にいる黒髪ロングの子は、日本人みたいな顔立ちだが、どうなのか。

 分からないな。

 

湊翔「君たち、誰?」

???「そ、それもそうか。まだ自己紹介をしてなかったな。」

???「アタシ達の自己紹介を特と聞きなさい!」

???「恥ずかしいけど、頑張ります!」

???「では、皆、行くよ。」

 

 三人はそう言って、何かを合図する。

 すると、黒髪ロングの子から、自己紹介を始める。

 

リア「み、見た目はクール。中身はホット!リアでほっと一息ついてね!」

シエロ「僕の事知りた〜い?教えろ、教えろ、シエロちゃん!」

エーリカ「世界中の可愛いが大集合!可愛さ100%!エーリカです!」

三人「三人合わせて!アクセル発の踊り子ユニット!アクセルハーツです!」

 

 三人は、そう自己紹介をする。

 すると、周囲には人だかりが出来ていて、歓声を上げていた。

 俺は、トウカに聞く。

 

湊翔「なあ、アクセルハーツって、知ってるか?」

トウカ「噂に聞いた事がある。アクセルではそこそこ有名だからな。」

湊翔「なるほど。」

カズマ「踊り子が三人いても、戦力にならない。冷やかしなら他を当たってくれ。」

リア「ま、待ってくれ!踊り子は普段の仕事であって、冒険者としての職業はちゃんとあるんだから!」

 

 俺とトウカがそう話す中、カズマがそう言うと、リアは慌ててそう言う。

 俺たちのパーティーで、リア達の方の話を聞く事になった。

 ちなみに、カズマ達の方には、ウィズが来ていた。

 アクセルハーツの面々の話によると、リアはランサー、エーリカはレンジャー、シエロはアークプリーストだそうだ。

 リアは、槍の扱いが上手く、槍の武術大会で優勝した成績もあるそうだ。

 パーティーとしては、申し分ない。

 

湊翔「実力としては、申し分ないな。」

トウカ「だが、何で高難度クエストに挑もうとするんだ?」

白夜「確かに。何かあるのか?」

リア「実は……………衣装代や、ステージ代とかを稼がなくてはならなくてな。」

シエロ「僕達も、やっと有名になり始めたから……………。」

エーリカ「それで、高難度クエストで稼がなきゃって思って。」

 

 なるほどな。

 よほど真面目にやってるんだな。

 熱意が伝わってくるな。

 だがなぁ……………。

 

白夜「その熱意は分かった。だが、俺たちがこれから行くのは、ジャマトっていう怪物が彷徨いているダンジョンだぜ。」

朱翼「流石に、危険では……………?」

リア「それなんだが、私たちも仮面ライダーなんだ。」

 

 リアがそう言うと、デザイアドライバーを取り出す。

 

湊翔「デザイアドライバー!?」

トウカ「ツムリから受け取ってたのか!?」

シエロ「そ、そうです。ついさっき受け取ったんです。」

エーリカ「で、そのツムリって人から、湊翔という人に頼ってくれって言われたのよ。」

 

 なるほど。

 確かに、ついさっき受け取ったばっかりでは、レイズバックルは所持していないはずだ。

 ていうか、ツムリ、俺に押し付けたな。

 まあ良いけど。

 ちなみに、それぞれ、リアがキュビー、シエロがスマッシュ、エーリカがタンツェンだそうだ。

 だが、リアのキュビーは俺のギーツ、エーリカのタンツェンはめぐみんのナーゴと似ていたのだ。

 すると、カズマ達が戻ってくる。

 

カズマ「そっちの方はどうだ?」

湊翔「まあ、申し分ないし、了承したよ。それで、ウィズの用事って何なんだ?」

カズマ「それなんだがな………………。」

 

 カズマは、ウィズの用事を伝えた。

 どうやら、バニルが魔石探索器を作ってくれた模様で、それを受け取ったそうだ。

 バニルの事だから、なんか企んでそうな気がするよな。

 それで、魔石の場所が分かったのは良いのだが、問題は、魔石のある場所だ。

 何と、ジャマトのダンジョンの中にある可能性が高いそうだ。

 何てこった。

 まあ、色々と好都合なので、行く事にした。

 俺たちがそのダンジョンに向けて出発する一方、ギルドでは。

 

ゆんゆん「こそこそ………………め、めぐみん達は……………あれ?い、居ない?」

 

 ゆんゆんが、俺たちを探していたが、居なくて戸惑っていた。

 

ゆんゆん「私も連れてってほしいんだけど……………あ、あれ〜っ?どこに行ったの〜!?」

 

 ゆんゆんは、そう言う。

 その後、ルナさんから事情を聞いて、俺たちの後を追った。

 一方、ゼウスの方では。

 

ゼウス「………………黒石拓巳君。君に、少し頼みたい事がある。」

拓巳「何ですか?」

ゼウス「君には、デザイアグランプリのサブゲームマスターを頼みたい。」

拓巳「サブゲームマスター?」

ゼウス「ああ。」

 

 ゼウスは、拓巳に説明した。

 ゼウスはゲームマスターである事を。

 だが、裏切りの神が現れ、ゼウスとしては、こちら側のヴィジョンドライバーを奪われるわけにはいかない。

 それに、仕事が多くてそう簡単には離れられない。

 そこで、サブゲームマスターを出す事になり、選ばれたのが黒石拓巳という事だ。

 

ゼウス「………………以上だ。」

拓巳「はぁ………………何で俺が選ばれたんですか?」

ゼウス「君は、前世ではホワイトハッカーとして活躍していて、稼いだ金を自分の育った施設や世話になった人達になどに仕送りしていたな。」

拓巳「まあ、な。」

ゼウス「それに、裏で悪事をする者達を出来る限り法に従ったやり方で罪を炙り出し裁く真っ当さ、子供達に向ける優しさなどがサブとはいえ、ゲームマスターとして相応しいと思ってな。」

 

 ゼウスは、そう語った。

 ゼウスは、拓巳を選出する際に、彼の素性を確認していた。

 拓巳は、ホワイトハッカーとして活躍していたが、不治の病にかかり、亡くなってしまった。

 ゼウスは、拓巳に頼み込む。

 

ゼウス「頼む。私たちに、力を貸してもらえないだろうか?」

拓巳「…………………良いだろう。」

 

 ゼウスの頼み込みに、拓巳は少し考える仕草を見せて、了承した。

 

ゼウス「そうか。なら、君にはこれを渡しておこう。」

 

 ゼウスがそう言って渡したのは、ヴィジョンドライバーと、右側が白で左側が黒の衣装と手袋、仮面だった。

 

拓巳「これは?」

ゼウス「ヴィジョンドライバーと、サブゲームマスターとしての衣装だ。受け取ってくれ。」

拓巳「ああ。」

 

 拓巳は、ゼウスから受け取って、その服に着替える。

 拓巳は、ゼウスに聞く。

 

拓巳「ていうか、何で手袋をつける必要性があるんだ?」

ゼウス「ヴィジョンドライバーは、指紋認証で変身する。それの対策だ。」

拓巳「なるほどな。というより、ヴィジョンドライバーの使い方なんて、知らないんだが。」

ゼウス「だろうな。だからこそ、今ここで実演しようと思う。」

 

 ゼウスはそう言って、自分用のヴィジョンドライバーを取り出す。

 

拓巳「アンタも持ってんだな。」

ゼウス「まあな。早速だが、行くぞ。」

拓巳「おう。」

 

 ゼウスは、腰にヴィジョンドライバーを当てて、装着する。

 

VISION DRIVER

 

 そして、ゼウスは、ヴィジョンドライバー上部のバイオメトリクサーに親指を触れさせる。

 

GAZER, LOG IN

 

 そんな音声が流れると、待機音が流れて、右腰のプロビデンスカードを取り出して、言う。

 

ゼウス「変身。」

 

 そう言って、プロビデンスカードをヴィジョンドライバーへスキャンする。

 

INSTALL

INNOVATION & CONTROL, GAZER

 

 そんな音声が流れて、ゼウスは変身する。

 姿は、ロキが変身したグレア2と似ているが、装甲は白と金になっていて、下地のスーツは紺色をベースとした気品のある明るいカラーリングになっており、電子回路のような幾何学模様のラインが施されていた。

 

拓巳「それは一体……………!?」

ゼウス「仮面ライダーゲイザーだ。さて、次はこれだな。」

 

 ゼウスがそう言いながら、再びバイオメトリクサーに親指を置く。

 

HACKING ON CRACK START

 

 その音声が流れると、ゲイザーの胸と両肩の装甲が外れ、近くにいた仮面ライダーに被さる。

 すると、その仮面ライダー達は、ゲイザーの側による。

 

拓巳「それは?」

ゼウス「ヴィジョンドライバーには、ハッキング能力があってな。君にはおあつらえ向きだろう?更に。」

 

 拓巳の質問に、ゼウスはそう答えながら、マグナム、ニンジャ、ゾンビのレイズバックルを取り出して、左腰にあるアップグレードアッセンブルに装填する。

 

SET UPGRADE

REMOTE CONTROL MAGNUM

SET UPGRADE

REMOTE CONTROL NINJA

SET UPGRADE

REMOTE CONTROL ZOMBIE

 

 ゼウスが、アップグレードアッセンブルに装填したレイズバックルを操作すると、周囲にいた仮面ライダーに、自動的にそれぞれのレイズバックルのアーマーが装備される。

 ちなみに、レイズバックルは、ハッキングした仮面ライダーのデザイアドライバーに自動的に転送されていた。

 

ゼウス「とまあ、こんな風に、ハッキングした仮面ライダーを強化させる事も可能だ。」

拓巳「なるほどな………………。」

ゼウス「拓巳も変身してみろ。」

拓巳「ああ。」

 

 ゼウスに促され、拓巳も変身する。

 拓巳は、右手の手袋を外して、バイオメトリクサーに翳す。

 

GLARE, LOG IN

 

 そんな音声が流れるて、拓巳は右の腰にあるプロビデンスカードを取り出して言う。

 

拓巳「変身。」

 

 そう言って、ヴィジョンドライバーにスラッシュする。

 

INSTALL

DOMINATE A SYSTEM, GLARE

 

 その音声が流れ、拓巳は仮面ライダーグレアに変身した。

 姿は、ロキが変身したグレア2に似ているが、全身に赤いノイズ、あるいはバグを起こした画面のような意匠が追加されているグレア2に対して、グレアはノイズやバクが無い紫と赤のラインが施されていた。

 グレアとグレア2の共通装甲であるヒュプノレイも、グレア2とは違う。

 

拓巳「これが……………仮面ライダーグレアか。」

ゼウス「その通りだ。さあ、かかってこい。グレアとしての性能を活かしてな。」

拓巳「ああ。」

 

 ゼウスと拓巳は、仮面の下で不敵な笑みを浮かべ、お互いに戦いあう。

 俺たちが魔石探索を行う中、ゼウス達の方にも、動きがあったのだった。




今回はここまでです。
アクセルハーツが登場しました。
アクセルハーツも、ツムリからデザイアドライバーを受け取っている事が判明しました。
ちなみに、リアのキュビーは湊翔のギーツ、エーリカのタンツェンはめぐみんのナーゴの色違いです。
ちなみに、シエロのスマッシュは、モチーフはハリネズミです。
次回のジャマトのダンジョンの探索で、アクセルハーツと相性が良いレイズバックルを獲得させる感じです。
そして、ゼウスがゲイザーに、拓巳がグレアになりました。
ゼウスと拓巳は、しばらくそんな感じに特訓を続けていきます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今回のギーツは、ナーゴとキューンの連携が良かったですね。
ただ、祢音は今後、どうなっていくのか。
次回は、景和がメインな感じがしますね。
そして、創世の女神の正体は、英寿の母親であるミツメだと判明。
アルキメデルも、何を考えているんでしょうかね。
アウトサイダーズも配信されましたね。
デザストはかっこよかったです。
そして次回、橘さんとまさかの蛮野が復活!?
一番、復活させたらダメな人が復活してしまいましたね。
デザストの変身アイテムだけでなく、タッセルダークのワンダーライドブックも発売が決定して、覇剣ブレードライバーも再販が決定しましたね。
欲しいですね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第39話 ジャマトのダンジョン

 俺たちは、アクセルハーツと共に、そのジャマトのダンジョンへと向かう。

 その際、アクセルハーツの面々に、ジャマトについて、分かる情報を共有した。

 リア達は、真面目な表情で聞いていた。

 まあ、下手したら死ぬ可能性があるからな。

 そんな風に話していると、問題のダンジョンに到着した。

 近くで馬車から降りる。

 周囲には、ジャマトが見回りをしていた。

 

カズマ「ジャマトが見回りをしてるな。」

白夜「どうする?突入するか?」

湊翔「いや、まずは慎重に行こう。」

トウカ「確かに。迎撃態勢を取られては、面倒だからな。」

めぐみん「くっ……………!我が爆裂魔法で、粉微塵にしてやるのに……………!」

ダクネス「いや、まだ魔石が中にあるんだ。それを回収してからにしてくれ。」

朱翼「とにかく、中に入って、魔石を回収して、それからダンジョンを破壊しましょう。アクセルハーツの皆さんも、大丈夫ですか?」

リア「ああ。大丈夫だ。」

シエロ「は、はい……………!」

エーリカ「任せて!可愛いエーリカちゃんが強い所を見せてあげるんだから!」

めぐみん「おい。可愛いよりもかっこいいの方が良いに決まっているだろう!」

 

 俺たちはそう話して、めぐみんとエーリカは喧嘩を始める。

 そういえば、アクアの姿が見えない。

 嫌な予感がして、ダンジョンの方へと向くと。

 

アクア「ちょっとアンタ達!さっさと私を中に入れて、魔石をよこしなさい!」

カズマ「あのバカ………………!」

湊翔「何やってんの!?」

ジャマト「ジャ……………?コゼラピキョビオズ、センツテデピン!」

ジャマト「クツ!」

 

 ジャマトは、ジャマト語でそう話して、もう片方はダンジョンへと戻っていく。

 俺たちは、すぐに出て、片方のジャマトを倒す。

 

朱翼「アクアさん!?何やってるんですか!?」

アクア「何よ!ただ、さっさと中に入れて、魔石をよこしなさいって言っただけよ!」

白夜「お前、本当に何やってんだよ!奇襲攻撃の意味が無くなったじゃねえか!!」

アクア「へ?」

湊翔「まあ、どの道バレてると思うから、もう突入するぞ!」

カズマ「ったく、しょうがねぇな!」

 

 俺たちは、デザイアドライバーを装着して、アクセルハーツを除く面子は、レイズバックルをデザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が浮かぶ。

 

「「「「「「「変身!」」」」」」」

 

 俺たちはそう叫んで、レイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

FLUTE

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、朱翼はスワン・フルートフォームに変身して、リアはキュビー・エントリーレイズフォーム、シエロはスマッシュ・エントリーレイズフォーム、エーリカはタンツェン・エントリーレイズフォームに変身する。

 俺たちは頷き合い、ダンジョンに突入する。

 一方、ゆんゆんは。

 

ゆんゆん「や、やっと追いついた……………。あ、あれ?めぐみん〜?湊翔さ〜ん?ダンジョンに入ったのかな………………。」

 

 ゆんゆんが到着して、デザイアドライバーを装着して、ステルスレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、ゆんゆんの横には、透明なステルス機と英語でSTEALTHの文字が浮かぶ。

 そして、ゆんゆんが叫ぶ。

 

ゆんゆん「へ、変身!」

 

 そう言って、レイズバックルを装填する。

 

STEALTH

REDAY FIGHT

 

 ゆんゆんはギンペン・ステルスフォームに変身する。

 そして、俺たちの後を追う。

 しばらくすると。

 

???「あれがジャマトのダンジョンか。」

???「どうやら、他にも人が入ったみたいだけど……………。」

???「一応、後を追うか。」

 

 一組の男女が、そのジャマトのダンジョンに現れていた。

 男性の方は、黒い短髪で引き締まった体をしていて、ゴーグルをつけていた。

 女性の方は、長い金髪とルビーのような紅い目をもつ美少女だった。

 男の方がデザイアドライバーを取り出して、大型レイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、その男性の横に、槍の絵と英語でLANCEの文字が浮かぶ。

 その男性は、叫んだ。

 

???「変身!」

 

 そう言って、レイズバックルを操作する。

 

LANCE

REDAY FIGHT

 

 その男性は、猪の頭の仮面ライダーとなった。

 2人は、頷き合い、ジャマトのダンジョンへと突入していく。

 入って進むと、そこにはジャマトが居た。

 普通のジャマトと、ジャマトライダーが居た。

 既に臨戦態勢となっていた。

 

湊翔「ジャマトか。」

白夜「どこぞの誰かさんがやらかしたせいで、臨戦態勢じゃねえか。」

アクア「な、何よ!さっさと私の魔石を見つけなさいよ!」

カズマ「お前の魔石じゃないだろ。」

トウカ「とにかく、行くぞ。」

 

 俺たちは、ジャマトへと向かっていく。

 それぞれの武器を使って、ジャマトを倒していく。

 

湊翔「はっ!ふっ!ハアッ!」

 

 俺はマグナムシューター40Xや、アーマードガンを使って、ジャマトを撃ち抜いていく。

 

カズマ「はあっ!おりゃっ!」

 

 カズマはニンジャデュアラーを使って、ジャマトを斬り捨てていく。

 

トウカ「ハアッ!でやっ!」

 

 トウカはソードエクスカリバーで、ジャマトを倒していく。

 

白夜「オラっ!ぜやっ!」

 

 白夜は、両手両足に雷を帯びたパンチやキックを放ち、ジャマトを倒していく。

 

めぐみん「ハアッ!とりゃっ!」

 

 めぐみんは、ビートアックスのエレメントを選択したりして、ジャマトを倒していく。

 

ダクネス「ハアッ!ぜやぁっ!」

 

 ダクネスは、ゾンビブレイカーでジャマトをぶった斬っていく。

 

朱翼「フッ!ハッ!」

 

 朱翼は、フルートフォームの拡張装備である長剣で、ジャマトを倒していく。

 ちなみに、アクアは逃げ惑っていた。

 

リア「ハアッ!ぜやっ!」

 

 リアは、自前の槍で、ジャマトを刺し貫いていく。

 その動きは、薙刀の様な感じだった。

 

エーリカ「ハアッ!てぇい!」

 

 エーリカは、自前の短剣で、ジャマトを斬っていく。

 

シエロ「はっ!」

 

 シエロは、杖で魔法を放ち、ジャマトを倒していく。

 ポーンジャマトは倒されていき、残りはジャマトライダーのみとなった。

 ジャマトライダーには、俺と白夜の2人が向かう。

 

湊翔「ハアッ!どりゃあ!」

白夜「ぜやっ!おらっ!」

 

 俺と白夜は、連携攻撃をしていく。

 ジャマトライダーには、連携攻撃が有効だと分かったからだ。

 まあ、有効というよりは、その方がフィーバーフォームにする手間が省けるというのがあるのだが。

 フィーバーフォームは、強いのは確かだが、運要素が強いからな。

 小型バックルの奴を引き当てると、面倒だし。

 白夜が肉弾戦で、俺は白夜の援護という形で攻撃していく。

 白夜はレイズバックルを操作して、俺はマグナムシューターにマグナムレイズバックルを装填する。

 

MAGNUM

 

 装填して、マグナムレイズバックルのシリンダー部分を回転させ、トリガー部分を引く。

 すると、銃身にアプルーバルリボルバー型のエネルギーが溜まる。

 

湊翔「ハァァァァァ!!」

白夜「どりゃああああ!!轟虎雷爪撃!」

 

MAGNUM TACTICAL BLAST

LIGHTNING STRIKE

 

 俺が強化された銃撃を放って、ジャマトライダーを怯ませると、白夜がジャマトライダーに向かっていき、爪で掴んで引き摺っていく。

 そして、ある程度引き摺ると、爪で思いっきり突き刺す。

 刺さった場所は、デザイアドライバーがあり、ジャマトライダーが爆発すると共に、壊れたジャマトのバックルとデザイアドライバーが転がる。

 これで、他のジャマトが拾って再変身する事もないだろう。

 俺たちは、一息吐く。

 

湊翔「お疲れさん。」

リア「ああ。」

トウカ「お疲れ様。」

白夜「やっぱり、ジャマトが少しずつ強くなってるな。」

カズマ「マジか………………。」

エーリカ「でも、ジャマトって奴が相手でも、可愛い私には勝てないわね!可愛いは最強よ!」

めぐみん「おや、聞き捨てなりませんね。最強はかっこいいです!」

ダクネス「ま、まあ、落ち着いて…………。」

シエロ「そ、そうですよ!」

アクア「ちょっと、ジャマト多過ぎない?」

 

 俺たちはそう話す。

 めぐみんとエーリカは、喧嘩を始めて、ダクネスとシエロは、2人を落ち着かせる。

 ていうかアクア、お前、何もしてないのに文句を言うんじゃない。

 すると。

 

SECRET MISSION CLEAR

 

 その音声が流れる。

 

リア「な、何だ!?」

シエロ「僕たちの方から音が…………!?」

エーリカ「これの事?」

 

 そう言って、三人はスパイダーフォンを取り出す。

 画面には、『エントリーレイズフォームの状態で、ジャマトを10体倒す。』と書いてあった。

 どうやら、シークレットミッションを達成したみたいだな。

 すると、ミッションボックスが転送される。

 

リア「これは?」

湊翔「ミッションボックスだ。開けてみろ。」

リア「あ、ああ……………。」

 

 三人がミッションボックスを開けると、中には、レイズバックルが入っていた。

 リアには、五線譜と音符が象られた物が、シエロには、ゾンビレイズバックルに似ているが、レバーではなくゴングが付いている物が、エーリカには、ミラーボールが付いたレイズバックルが贈られた。

 

リア「これは………………。」

シエロ「レイズバックル………………。」

エーリカ「へえ、良いじゃ無い!」

湊翔「これなら、大丈夫かな。」

アクア「早く先を急ぎましょう!私の魔石が待ってるわよ!」

カズマ「強欲すぎるだろ。」

 

 俺たちは、先を急ぐ事にする。

 その間、目的の魔石とは違うが、アダマンタイトがあったので、それも回収していく。

 一応、クエストの目的としては、このジャマトのダンジョンの探索と鉱石であるアダマンタイトの回収だ。

 あと、デザイアグランプリとしては、このジャマトのダンジョンを完全に破壊して良いそうで、魔石を回収した後は、めぐみんの爆裂魔法で薙ぎ払ってもらう。

 俺たちは、下へと向かう。

 下に向かうと、次は執事ジャマトとメイドジャマトがいて、ジャマトライダーが2体いた。

 リア達は、先ほど手に入れたレイズバックルを、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 すると、リアの横には、五線譜と音符の絵柄と英語でHARMONYという文字が、シエロの横には、拳の絵柄と英語でFIGHTERという文字が、エーリカの横には、ミラーボールとダンスフロアみたいな絵柄と英語でDANCERという文字が浮かぶ。

 三人は、レイズバックルを操作する。

 

HARMONY

FIGHTER

DANCER

REDAY FIGHT

 

 リアは仮面ライダーキュビー・ハーモニーフォーム、シエロは仮面ライダースマッシュ・ファイターフォーム、エーリカは仮面ライダータンツェン・ダンサーフォームに変身する。

 アーマーの形状は、リアはビートフォームに似ているが、イコライザーの絵柄が無い代わりに、五線譜と音符の模様が描かれていて、シエロはブーストに似ているが、両腕に仮面ライダーパラドクス・ファイターゲーマーのナックルに似ているのがついていて、エーリカはダンサーのような姿になっていた。

 

リア「ハアッ!ぜやっ!」

 

 リアは、ハーモニーフォームの拡張装備であるハーモニーランスを使って、ジャマトを倒していく。

 

シエロ「これは、使いやすいですね!ハアッ!」

 

 シエロは、両腕のナックルでジャマトを倒して、杖で支援魔法をかけていく。

 

エーリカ「はあっ!」

 

 エーリカは、ダンサーフォームの拡張装備であるダンサーダガーでジャマトを倒していく。

 俺たちも負けじと、ジャマトを倒していく。

 ジャマトライダーが2体向かってくるが、それらも倒す。

 すると。

 

ゆんゆん「ああーっ!やっとめぐみん達を見つけたーっ!」

めぐみん「ゆんゆん?こんな所で何をしているんですか?」

 

 そこに、ギンペンに変身した状態のゆんゆんが現れる。

 めぐみんがゆんゆんに対して質問をする。

 

ゆんゆん「ひ、酷いっ!今回のクエストに、私も誘われたから来たのに!」

めぐみん「本当ですか?」

カズマ「いや、俺は誘ってないぞ。」

湊翔「ああ……………俺が誘ったんだけど、今朝、ギルドに居なくてな。」

めぐみん「つまり、ゆんゆんが現れなかったのが悪いという事です。」

ゆんゆん「そんなぁぁぁ!」

 

 確かに誘ったが、ギルドに居なかったから、ルナさんにこのダンジョンに居ることを伝えておいたのだが。

 めぐみんがそう言うと、ゆんゆんは涙目になる。

 めぐみんは、ため息を吐いて言う。

 

めぐみん「………………仕方ないですね。行きますよ。あんまり遅いと置いていきます。」

ゆんゆん「あ、待ってよめぐみん!急に早足で行かないで!」

 

 めぐみんはそう言うと、さっさと行ってしまい、ゆんゆんは慌ててついていく。

 心の中で、めぐみんは素直じゃ無いなと感じていた。

 そう思いながらも、俺たちは奥へと進んでいく。

 どうやら、各階層には、違う種類のジャマトが居るようで、次の階層には盗賊ジャマトが、その下には海賊ジャマトなどが居た。

 その中には、必ずジャマトライダーの姿があった。

 俺たちは、ジャマトとジャマトライダーを倒して、先へと進む。

 どうやら、ジャマトライダーのバックルとデザイアドライバーを破壊しないと、先に進めない仕様らしい。

 そんな感じに進んでいくと、最深部に到着した。

 最深部に到着すると、そこには、大量のジャマトライダーが居た。

 

アクア「ちょっ!?多すぎじゃないの!?」

湊翔「そりゃあ、ジャマトのダンジョンなんだから、たくさん居て当然だろ!」

カズマ「にしたって、多過ぎだろ!」

白夜「倒すぞ!」

リア「あ、ああ!」

 

 俺たちは、ジャマトライダーへと向かっていく。

 ジャマトライダーは、かなりの数がいて、ざっと見て、100体ぐらいはいる。

 よっぽど、ここを守りたいって事だな。

 俺たちは、ジャマトライダーと応戦するが、いかんせん、数が多すぎる。

 俺たちが応戦する中、エーリカが追い詰められていた。

 

エーリカ「きゃっ!」

リア「エーリカ!」

シエロ「エーリカちゃん!」

朱翼「湊翔さん!白夜さん!エーリカさんが!」

湊翔「マジかよ……………!」

白夜「くそ……………!」

 

 エーリカは、ジャマトライダーの攻撃で怯み、座り込んでしまった。

 そんなエーリカを嘲笑うかのように、バックルを押す。

 

JYA-JYA-JYA-STRIKE

 

 ジャマトライダーが、必殺技を発動して、右腕に植物の蔓を絡ませて、エーリカに向けて攻撃する。

 

リア「エーリカ!!」

シエロ「エーリカちゃん!!」

エーリカ「っ!」

 

 リアとシエロの叫び声が響く中、ジャマトライダーの攻撃が、エーリカに向かっていく。

 すると、エーリカとジャマトライダーの間に、誰かが入る。

 

エーリカ「…………………えっ!?」

???「ぼーっとすんな!死にたいのか!?」

湊翔「仮面ライダー………………!?」

トウカ「誰だ……………!?」

 

 その人は、仮面ライダーだった。

 腰にはデザイアドライバーを装着していたのだ。

 頭部は猪の形だった。

 すると、もう1人現れた。

 

???「大丈夫ですか?」

エーリカ「え、ええ……………。」

白夜「お前ら、誰だ?」

???「それは後で話す!今はこいつらを倒す事を優先したらどうだ!?」

湊翔「それもそうだな。アクア!逃げてる暇があるんだったら、皆にブレッシングをかけろ!」

アクア「なんでよ!?」

トウカ「そうか!フィーバーフォームになる確率を上げるためか!」

白夜「早くしろ!」

アクア「分かったわよ!」

 

 逃げるアクアに対して、俺はそう叫び、アクアにブレッシングを使わせる。

 そんな中、俺はワンダーレイズバックルを取り出して、マグナムレイズバックルを真ん中に装填する。

 トウカは、トレインレイズバックルを装填する。

 カズマ、白夜、めぐみん、ダクネス、朱翼は、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、フィーバースロットレイズバックルを取り出して、装填する。

 

SET

SET FEVER

 

 待機音が流れる中、俺たちはレイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

NINJA

LIGHTNING

BEAT

ZOMBIE

STEALTH

FLUTE

WONDER MAGNUM

GET READY FOR TRAIN & CALIBER

HIT FEVER NINJA

HIT FEVER LIGHTNING

HIT FEVER BEAT

HIT FEVER ZOMBIE

HIT FEVER STEALTH

HIT FEVER FLUTE

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・ワンダーマグナムフォーム、トウカはラウンズ・カリバートレインフォーム、カズマはタイクーン・フィーバーニンジャフォーム、白夜はライコウ・フィーバーライトニングフォーム、めぐみんはナーゴ・フィーバービートフォーム、ダクネスはバッファ・フィーバーゾンビフォーム、ゆんゆんはギンペン・フィーバーステルスフォーム、朱翼はスワン・フィーバーフルートフォームに変身する。

 リア達と猪の仮面ライダーも構える。

 俺とトウカ、カズマと白夜、めぐみんとゆんゆん、朱翼とダクネス、アクセルハーツ、猪の仮面ライダーで分かれて、ジャマトライダーと応戦する。

 俺とトウカは、連携でジャマトライダーの複数体と応戦する。

 

湊翔「ハアッ!フッ!」

トウカ「フッ!でやっ!」

 

 俺がマグナムシューター40Xで銃撃して、ジャマトライダーが怯んでいる隙に、トウカが攻撃する。

 その連携攻撃で、ジャマトライダーの数は減っていく。

 

トウカ「湊翔!止めを刺すぞ!」

湊翔「おう!」

 

 俺とトウカはそう話して、レイズバックルを操作する。

 

WONDER MAGNUM VICTORY

CALIBER TRAIN VICTORY

 

 必殺技を発動すると、トウカはキックをする。

 すると、レールが現れて、ジャマトライダー達を拘束する。

 俺は、巨大化したマグナムシューターから極太ビームを放ち、ジャマトライダーを撃破する。

 ジャマトのバックルが破損した状態で落ちてくるが、デザイアドライバー自体は無事だった。

 一方、カズマと白夜は。

 

カズマ「ハアッ!」

白夜「オラっ!」

 

 カズマと白夜の2人は、素早さを生かして、ジャマトライダー達を翻弄して、攻撃を仕掛けていく。

 2人の怒涛の攻撃に、ジャマトライダーは怯む。

 

白夜「一気に決めるぞ!」

カズマ「おう!」

 

 2人はそう話して、フィーバースロットレイズバックルを操作する。

 

GOLDEN FEVER VICTORY

 

白夜「虎雷烈神速撃!」

カズマ「オラァァァァァ!!」

 

 白夜とカズマは、必殺技を発動して、白夜は蒼と金色の雷を全身から放出しながら纏い、まさに閃光の如き突進でジャマトライダーを吹っ飛ばし、吹っ飛ばされたジャマトライダーをカズマがニンジャデュアラーから緑色の斬撃波を放ち、撃破する。

 

白夜「よくやった。」

カズマ「ああ。」

 

 白夜とカズマは、そう話す。

 一方、めぐみんとゆんゆんは。

 

めぐみん「ハアッ!でやっ!」

ゆんゆん「はっ!ハアッ!」

 

 めぐみん達も、ジャマトライダーと応戦していた。

 めぐみんは、ビートアックスを2本持って、ジャマトライダーに攻撃していく。

 ゆんゆんは、魔法を放ったりして、ジャマトライダーを倒していく。

 2人の攻撃で、ジャマトライダーは怯む。

 

ゆんゆん「行くわよ!めぐみん!」

めぐみん「私に指図をしないで下さい!」

 

 ゆんゆんの言葉にそう突っ込みながらも、2人はフィーバースロットレイズバックルを操作する。

 

GOLDEN FEVER VICTORY

 

 2人は必殺技を放つ。

 

めぐみん「ハァァァァ!」

ゆんゆん「ええい!」

 

 めぐみんとゆんゆんは必殺技を放つ。

 めぐみんは、2本のビートアックスから、ビート状のエネルギー波を放ち、ゆんゆんは、姿を消して、攻撃を叩き込む。

 2人の必殺技を受けて、ジャマトライダーは爆散する。

 

ゆんゆん「やったわね!」

めぐみん「当然です。寧ろ、ゆんゆんが居なくてもどうにかなりましたよ。」

ゆんゆん「ひ、ひどい!」

 

 ゆんゆんがそう言うが、めぐみんは素っ気なくそう言って、ゆんゆんは涙目になる。

 一方、ダクネスと朱翼は。

 

ダクネス「行くぞ、朱翼!」

朱翼「ええ!」

 

 2人は、2本ずつ持っている武器を使って、ジャマトライダーに攻撃していく。

 朱翼は時々、フルート状の長剣を吹いて、ジャマトライダーの同士討ちを誘った。

 そう。

 朱翼のフルートレイズバックルの拡張装備であるフルートソードは、フルートみたいに吹く事で、ジャマトを操る事が出来る。

 2人は、フィーバースロットレイズバックルを操作する。

 

GOLDEN FEVER VICTORY

 

ダクネス「ハァァァァァ!」

朱翼「ハァァァ!!」

 

 ダクネスのゾンビブレイカーの攻撃と、朱翼のフルートソードの攻撃が、ジャマトライダーに炸裂する。

 2人の必殺技を受けたジャマトライダーは、爆散する。

 

ダクネス「お疲れ様だ。」

朱翼「うん。」

 

 ダクネスと朱翼は、そう話す。

 一方、アクセルハーツは。

 

リア「行くぞ、エーリカ!シエロは支援魔法を頼む!」

エーリカ「分かったわ!」

シエロ「はい!」

 

 リアとエーリカは、それぞれの武器を持って、ジャマトライダーに向かっていく。

 シエロは、2人に支援魔法をかけて、パンチでジャマトライダーを倒していく。

 

リア「ハァァァァァ!」

 

 リアは、ハーモニーランスを使って、ジャマトライダーを倒していく。

 そして、ハーモニーランスを操作する。

 

HARMONY 1

TACTICAL PRELUDE

 

 リアは必殺技を発動して、ジャマトライダーを吹っ飛ばす。

 

エーリカ「てぇい!」

 

 エーリカは、ダンサーダガーを使って、ジャマトライダーに攻撃していく。

 

シエロ「ハァァァ!!」

 

 シエロは、両腕のナックルで、ジャマトライダーに攻撃する。

 三人は、レイズバックルを操作する。

 

HARMONY STRIKE

FIGHTER STRIKE

DANCER STRIKE

 

リア「ハァァァァァ!」

シエロ「ハァァァァ!」

エーリカ「でやぁぁぁ!」

 

 三人の連携攻撃で、ジャマトライダー達は爆散する。

 三人は、ハイタッチをする。

 一方、猪の頭の仮面ライダーはというと。

 

???「ハアッ!でやっ!」

 

 猪の頭の仮面ライダーは、手に持った槍を使って、ジャマトライダーに攻撃していく。

 だが、リアのハーモニーランスの攻撃とは、比較にならないほどのパワーが出ていた。

 リアの攻撃が、薙ぎ払うなどといった攻撃が主なのに対して、こちらはパワーで攻撃するという感じだった。

 ジャマトライダーが、その仮面ライダーに攻撃しようとすると、金髪の女性が魔法で攻撃する。

 

???「大丈夫!?」

???「助かった!」

 

 2人がそう話す中、その仮面ライダーは、レイズバックルを操作する。

 

LANCE STRIKE

 

 その仮面ライダーは、必殺技を発動して、ジャマトライダーを貫く。

 ジャマトライダーは、爆散する。

 

???「ふぅ……………。」

???「お疲れ様。」

 

 2人は、そう一息つく。

 そうして、ジャマトライダーは全滅した。

 俺たちは変身解除して、集まる。

 

湊翔「皆、お疲れさん。」

トウカ「ああ。」

リア「それにしても、エーリカを助けてくれて、ありがとうございます!」

シエロ「あの……………あなた達は?」

進「俺は猪刈進(いがりすすむ)だ。で、こっちが…………。」

アルカ「アルカっていうの。」

 

 男性が猪刈進で、女性がアルカというらしい。

 2人もまた、デザイアグランプリからジャマトのダンジョンの調査を依頼されたらしい。

 猪刈進が変身するのは、仮面ライダーボアというらしい。

 無論、猪刈進は、日本人だ。

 そして、アルカは人間と吸血鬼のハーフらしい。

 俺たちは、奥へと進んでいく。

 

カズマ「アクア〜。探索器の方はどうだ?」

アクア「大分反応が強くなったから、もう少し奥かも〜。」

トウカ「おい、あれを見ろ。」

湊翔「ん?………………これは!?」

 

 魔石の捜索をカズマ達に任せて、俺たちはジャマトのダンジョンを探索すると、とんでもない光景が広がっていた。

 それは、無数のジャマトライダーの変身に使われるバックルが置いてあったのだ。

 

白夜「これ………………ジャマトライダーのバックルじゃねぇのか!?」

朱翼「そのようですね……………。」

トウカ「どうなってんだ………………!?」

湊翔「もしかして、ジャマトのバックルの生産工場なのか?このダンジョンは!?」

進「その可能性は十分にあるな。」

アルカ「どうしましょうか?」

湊翔「脱出した後、めぐみんの爆裂魔法で、破壊しよう。」

トウカ「だな。」

 

 俺たちはそう話す。

 その後、カズマ達は目的の魔石を見つけて、リア達もアダマンタイトや魔石を沢山回収した。

 どうやら、ここの魔石を使って、ジャマトのバックルを生み出していたようだ。

 俺たちが脱出した後、めぐみんに爆裂魔法を撃つように頼み、ジャマトのダンジョンは、完全に崩壊した。

 アクセルに戻った後、猪刈進とアルカとは別れて、アクセルハーツの面々も、回収した魔石やらアダマンタイトを売ったり、デザイアグランプリからの報酬金を受け取って、別れた。

 一方、ロキ達の方では。

 

???「あ〜あ。ジャマトのダンジョンが破壊されちゃったね。」

ロキ「まあ良いさ。まだ拠点はある。」

アルキメデル「おのれ……………仮面ライダーどもめ……………!私の可愛いジャマト達が作ったダンジョンを破壊しおって……………!」

武「あいつら、強くなってやがるな。それに、強そうな奴の気配がまだあるな。…………楽しみだぜ。」

 

 そう話していた。

 ただ、1人増えていた。

 その女性は、ゴスロリのような服を着て、キャンディを食べていた。

 ジャマト側は、着実に戦力が増していた。




今回はここまでです。
新たなキャラである猪刈進とアルカが登場しました。
アルカは、人間と吸血鬼のハーフです。
その為、日光やら十字架は効きません。
アクセルハーツも、自分たちと相性が良いレイズバックルを獲得しました。
湊翔達の活躍により、ジャマトのダンジョンは崩壊しました。
ただ、ジャマト側に、新たなキャラが現れました。
さて、誰なのでしょうか。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のギーツは、天国と地獄ゲームが始まりましたね。
アルキメデルのやばい行動だったり、景和の脱落だったり、英寿の出生の謎が明かされましたね。
そして次回、ジーンが再登場!
このすばとギーツでも、天国と地獄ゲームはやります。
ただ、流石に誰かが脱落するとかは無いと思いますが。
あと、希望の迷宮と集いし冒険者たちのエピソードの後は、復活のベルディアやら、時限爆弾ゲームをやります。
時限爆弾ゲームの人質は、アクアとエーリカの2人を予定しています。
それらが終わったら、紅伝説の話に入ります。
今後とも、応援の程、よろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第40話 常夏の神殿への準備

 ジャマトのダンジョンを後にして、進とアルカ、アクセルハーツと別れた俺たちは、宴会にする事にした。

 二つ目をゲットしたお祝いだ。

 

カズマ「え〜おほんっ!それじゃあ、無事に二つ目の魔石を発見した事を祝って…………!」

一同「乾杯!」

 

 俺たちはそう言って、飲み物を飲む。

 ちなみに、俺は普通にジュースだ。

 シュワシュワは、あまり積極的に飲もうとは思っていない。

 

アクア「ぷはーっ!仕事の後の一杯は、たまらないわ!」

白夜「何が仕事の後だよ。ジャマトのダンジョンじゃあ、殆ど何もしてないだろうが!」

ダクネス「まあまあ。それは言わないでおこう。」

カズマ「……………ん?めぐみん、どうした?アクアをじっと見て……………。」

 

 アクアがそう言いながら飲む中、白夜がそう突っ込み、ダクネスが宥める。

 すると、カズマがめぐみんに話しかける。

 

めぐみん「今日は特別なお祝いですし、わ、私もシュワシュワを飲んでも良いでしょうか!」

ダクネス「いや、やめておけ。頭が悪くなってはまずい。」

カズマ「そうだ。めぐみんにはまだ早いから、お預けな。」

朱翼「確かに、小さい頃からアルコールを摂取すると、成長に良くないって言いますもんね。」

湊翔「あ〜〜確かに。」

めぐみん「うう…………シュワシュワ…………。」

 

 めぐみんがそう言う中、ダクネスとカズマが止める。

 まあ、小さい頃からアルコールを摂取すると、成長に良くないもんな。

 めぐみんって、このパーティーの中では、最年少だしな。

 すると、少し酔っ払ったアクアが言う。

 

アクア「な〜に〜?カズマもダクネスもお堅い事を言ってんの!お祝いなんだから、飲めば良いじゃない!」

トウカ「まあ、飲むかどうかは、人の好き勝手じゃないか?」

めぐみん「アクア!トウカ!そうですよね!特別なお祝いです!」

カズマ「ダメだ!アクア、トウカ!お前らも煽るな!」

 

 アクアはともかく、トウカがそう言うなんてな。

 まあ、自己責任という事なのだろう。

 そう思う中、ゆんゆんがめぐみんに話しかける。

 

ゆんゆん「あ、じゃあ、私が買ってくるから、めぐみんも一緒に飲む?」

めぐみん「本当ですか!?良いでしょう!今ばかりはゆんゆんをライバルと認めてあげましょう!」

ゆんゆん「えっ!?本当?」

カズマ「ゆんゆん。頼むからこいつにシュワシュワは飲ませないでくれ。」

 

 ゆんゆんがそう言うと、めぐみんは嬉々としてそう言うが、カズマに遮られてしまう。

 それを聞いたゆんゆんは、めぐみんに聞く。

 

ゆんゆん「ええっ!?……………ね、ねえめぐみん、カズマさんに止められちゃったけど………………。」

めぐみん「………………では、ライバルというのも無しです。」

ゆんゆん「そ、そんなぁぁぁ!?」

 

 ゆんゆんの質問に、めぐみんはそう答える。

 それを聞いて、ゆんゆんは涙目になる。

 流石に可哀想になってきたので。

 

湊翔「………………ゆんゆん。良かったら、俺たちと一緒に飲まないか?」

ゆんゆん「い、良いんですか!?」

白夜「まあ、問題ねぇよ。」

トウカ「ああ。」

朱翼「大丈夫ですよ。」

ゆんゆん「あ、ありがとうございます!」

 

 そうして、ゆんゆんも誘った。

 流石に可哀想だったからな。

 すると。

 

クリス「あはは……………盛り上がってるね。」

龍「みたいだな。」

アフロディテ「ですね。」

 

 そう言って、クリス、龍、アフロディテの三人が話しかける。

 龍とアフロディテに関しては、ダークライダーのバトロワ以来か?

 

カズマ「よお、クリス、龍、アフロディテ。」

湊翔「元気にしてたか?」

龍「まあな。」

クリス「あれから、この2人にも協力してもらって、調べたんだけどね。やっぱりこの魔石、他にもあるみたいだよ。」

カズマ「マジか!?」

アクア「何それ!教えて!教えてよ!」

湊翔「おい!人の上に乗っかってくるんじゃない!」

 

 クリスと龍とアフロディテって、知り合いだったのか。

 クリスがそう言うと、アクアは酔っ払った状態で、俺に乗っかってくる。

 酒臭くて鬱陶しい。

 

ダクネス「私も詳しく知りたい。」

トウカ「教えて欲しい。」

クリス「良いよ。」

龍「色々と調べたが、はっきりとした記録に残っているだけで、四つの魔石が存在しているそうだ。」

アフロディテ「これは、王立図書館の古文書で確認できたから、間違い無いわね。」

 

 なるほど、王立図書館の古文書か。

 そういう感じに調べるのもありだったな。

 何らかの記述があるかもしれないしな。

 

クリス「それで、魔石にはこんな文字が浮かび上がったみたいなんだけど。」

 

 クリスはそう言って、文字を見せてくる。

 そこには、漢数字で一、ニ、三、四と書かれていた。

 

カズマ「えっと………………一、二、三、四?」

めぐみん「確か………………最初に見つけた魔石は、五でしたね。」

白夜「五の記載がないな。」

クリス「そう。記録の中に、アクアさんが見つけた魔石は記されていなかったんだよ。」

龍「それに、別の記載には、魔石は全部で七つだという説もある。」

アフロディテ「つまりね………………。」

アクア「七つ!?えっ!?それって本当!?」

 

 七つか。

 それを聞いて思ったのが、ドラゴンボールみたいだなと思った。

 あれも七つ集める物だからな。

 それを聞いたアクアが、三人に食いつく。

 

クリス「ちょ、あ、アクアさん……………食いつきすぎですよ。」

アクア「だって!七つよ、七つ!全部売ったら七千万じゃない!」

カズマ「おい、騒ぐなよ!誰かに魔石の話を聞かれるぞ!」

龍「まあ、そんな訳で、魔石の数は五つから七つの間の可能性が高い。」

アフロディテ「理由は分からないけど、文献だとダンジョンの奥に埋められているって書いてあったわね。」

 

 アクアが騒がしくする中、龍とアフロディテはそう言った。

 なるほど、だからジャマトのダンジョンから見つかった訳だ。

 だとしたら、ジャマトに悪用される前に回収するべきか?

 

ダクネス「なるほど。」

トウカ「という事は、しばらく魔石探しが続きそうね。」

朱翼「ですね。もしかしたら、今回みたいにジャマトのダンジョンで発見される可能性もありますし。」

めぐみん「燃えてきました。強大な魔力を我が手中にするイメージトレーニングをしておかねば。」

白夜「まあ何にせよ、ジャマトに悪用される前に回収するべきだろうな。」

湊翔「だな。」

 

 龍とアフロディテの言葉を聞いて、俺たちはそう話す。

 そんな中、クリス達が話しかける。

 

クリス「何だか面白そうだし、これからは、私たちも協力させてもらって良いかな!」

龍「いつでも声をかけてくれ。力になろう。」

アフロディテ「ええ。」

湊翔「ああ、勿論だ。こちらとしても、戦力が多いに越した事はない。」

クリス「ありがとう!気が向いたら、声をかけてね!」

 

 こうして、クリス、龍、アフロディテも協力してくれる事になった。

 そんな中、めぐみんが唸る。

 

めぐみん「う〜ん………………。」

トウカ「どうしたんだ?」

めぐみん「いえ。それにしても、アクアの魔石探索器には、光点が一つしか現れなかったんでしょうか。」

朱翼「言われてみれば………………最初から五つや七つの光点が見えても良いはずですが……………。」

カズマ「そういや、そうだな。」

湊翔「その魔石探索器の有効範囲外とかにあるとかじゃないか?」

ダクネス「あるいは………………既にこの世界に存在していない………………。」

白夜「その可能性もあるな。」

 

 確かに、その可能性も捨て切れないな。

 俺たちがそう話していると、アクアが話しかけてくる。

 

アクア「何?魔石探索器の話?あら?」

カズマ「どうした?」

アクア「ねえ、見てみて!」

ダクネス「おお、新たな光点が!」

 

 そう。

 アクアが見せてきた魔石探索器を見ると、新たな光点が一つ浮かんでいたのだ。

 

カズマ「もしかして、一つずつ反応する仕組みになっているのか?」

湊翔「その可能性もあるな。」

アクア「でもこの反応………………かなり薄いわね。」

ダクネス「近ければ近いほど濃くなる。という事は……………。」

トウカ「随分と遠い所に表示されたわね。」

湊翔「アクセルの外は詳しくないんだが…………どこだここ?」

 

 そういえば、俺って、アクセルの外に出た事があんまりないよな。

 アルカンレティアに行った位しか無いな。

 それを見ていたダクネス達が口を開く。

 

ダクネス「たしか、そこら辺には神殿があった筈だが。」

クリス「うん。常夏の神殿だね。」

湊翔「常夏の神殿?」

カズマ「聞いたことがないな。」

白夜「そうか。湊翔とカズマは、行った事が無かったな。」

龍「結構距離があって、暑い場所だから、準備はした方が良いぞ。」

湊翔「分かった。」

めぐみん「そういえば、地獄のような暑さだと聞いた事があります。」

朱翼「ええ。訪れた旅人は皆、脱水症状になり、その干からびた亡霊が神殿の周りを彷徨っているのだとか。」

アクア「雨は降らないし、暑くてばさばさに乾いているから、油断したら干物になるって、誰かが言ってたわよ。」

 

 やべぇな。

 それは確かに、暑さ対策をした方が良さそうだな。

 さもないと、俺たちがこれまでの旅人の二の舞になるぞ。

 そうして、俺たちは今日はゆっくり休んで、明日、ウィズの店で買い出しをして、常夏の神殿に向かう事にした。

 ここ最近、馬場武の動きがあまり見られない。

 それが気になるが。

 翌日、俺たちはリビングに集まっていた。

 

カズマ「ふぁぁ……………おはよう。」

ダクネス「ああ、おはよう。」

湊翔「なんか眠そうだな。ちゃんと寝たのか?」

カズマ「ちゃんと寝たよ。」

白夜「本当か?……………まあ良い。」

めぐみん「遅いですよ、カズマ。早く出かけましょう。」

朱翼「めぐみんさん、すごいやる気ですね。」

トウカ「確かに。一段とやる気だな。」

 

 リビングには、俺、トウカ、白夜、朱翼、カズマ、めぐみん、ダクネスが居た。

 アクアはどこに行った?

 それを見ていたダクネスは、微笑む。

 

ダクネス「ふふっ。早く魔石を見つけたくて仕方ないんだろう。」

白夜「だろうな。」

朱翼ふふっ。」

めぐみん「べ、別にそんな事はありません!あまり眠れないまま飛び起きた訳じゃありませんとも!ええ!」

湊翔「俺らは、何も言ってないぞ。」

カズマ「遠足前の子供か。」

めぐみん「〜〜〜〜〜っ!!」

トウカ「揶揄うのはそこら辺にしておけ。」

 

 まあ、あんまり揶揄いすぎると、爆裂魔法の標的になるからな。

 それだけはごめんだ。

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「……………って、アクアはまだ寝てるのか?」

ダクネス「ああ、アクアならどこかに出かけたぞ。」

トウカ「何でも、買い物があるそうだ。」

白夜「買い物なら、ウィズの店で充分じゃないのか?」

湊翔「まあ良いや。俺たちは、先にウィズの店に行こうぜ。」

 

 俺たちはそう話して、ウィズ魔道具店へと向かう。

 

バニル「へいらっしゃい!」

ウィズ「あ、カズマさん、湊翔さん、白夜さん!めぐみんさんとダクネスさんとトウカさんと朱翼さんもいらっしゃい。」

バニル「本日は、どういった御用向きで?」

カズマ「ああ。砂漠用の装備を見ておこうと思って。」

ウィズ「砂漠用の装備………………ですか?」

バニル「………………なるほど、常夏の神殿への旅支度を整えるつもりか。」

 

 カズマがそう言うと、ウィズは首を傾げて、バニルは見通す力を使ったのか、そう言う。

 話が早いな。

 

白夜「話が早くて助かるよ。」

バニル「常夏の神殿へと向かうのなら、装備を見直すのは正解だ。あそこは舐めてかかると痛い目を見るぞ。丁度、店の不良在庫を一掃したいと思っていた所でな。遠慮せずじゃんじゃん買い込んでいくが良い。」

湊翔「言われなくてもそのつもり………………えっ?不良在庫?」

バニル「何、このへっぽこ店主が仕入れた商品を、どうにか貴様らに売り捌けないかと思ってな。」

 

 当の本人が目の前に居るのに、そんな事を言うんじゃないよ。

 見ろ、ウィズが悲しげな表情を浮かべてるだろ。

 

白夜「こいつ、本音を一切隠そうともしねぇな…………。」

バニル「おっと我輩、正直過ぎるのが玉に瑕であるな。まあ、好きに見ていくが良い。」

カズマ「………………なんか引っかかるが、とりあえず見させてもらうか。」

 

 俺たちは、ウィズ魔道具店の商品を見る事にした。

 すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「ふむ、こうして見ると、便利そうなアイテムが色々と増えているな。」

白夜「ああ、それは、俺と朱翼とバニルが仕入れた物だ。」

カズマ「朱翼も?」

朱翼「はい。手伝いをしようかと思って。」

湊翔「あとは………………言っちゃあ何だけど、使い道がイマイチ分からない物ばっかりだな。」

トウカ「カエル殺しなんて、コスパ悪いだろ。(……………よくカエルの姿をしてるアイツに持って行ってやったら、どんな反応をするんだろうな。)」

 

 俺たちは、そう話していく。

 白夜が良くウィズの店の手伝いをしているのは、聞いている。

 本当に使い道が良く分かんねぇよな。

 すると、めぐみんが叫ぶ。

 

めぐみん「おおおお!」

カズマ「ん?めぐみん、何か見つけたのか?」

めぐみん「カズマ、カズマ!この超瞬間強力マナタイトというのが気になるのですが!」

 

 超瞬間強力マナタイト?

 俺は、その商品の棚を見る。

 すると、ウィズが嬉々として言う。

 

ウィズ「あっ、気になりますか?それは、どんなに魔力が減った状態からでも、一気に満タンに戻せるという大変な優れ物なんですよ!」

めぐみん「という事は、これを使えば爆裂魔法を連発する事も可能なのですか…………っ!?」

ウィズ「はい、いくらでも撃てる様になります。その分、少々お値段は張りますが。」

 

 ウィズがそう言うと、めぐみんはそう言う。

 確かに、魔力が空の状態でも、戻せるのは凄い。

 だが、ウィズが仕入れた物だから、絶対ヤバいデメリットがあるだろ。

 良く調べて見ると、注意書きが書いてあった。

 そこには、『注意。効果を限界まで引き上げた結果、使用後は一月ほど、魔力が空になってしまいます。』と書いてあった。

 ダメじゃん。

 すると、ウィズがデメリットを説明していたそうで、めぐみんは叫ぶ。

 

めぐみん「使用後にリスクが増すなんて、最高にかっこいいじゃないですか!カズマ、是非これを買って下さい!」

カズマ「買うか!1ヶ月も動けないとか、意味が無いにも程があるわ!」

トウカ「そもそもめぐみん、1ヶ月も爆裂魔法を我慢出来るのか?」

めぐみん「うっ!?そ、それは……………。」

 

 というより、めぐみんは仮面ライダーナーゴに変身出来るようになってから、爆裂魔法を撃っても倒れなくなったんじゃ無いのか?

 そう思っていたが、思い出した。

 1発は大丈夫でも、2発目を撃つのは不可能であると。

 それはダメだな。

 すると。

 

バニル「ふむ。どうやら、仲間の我儘を聞き入れる程の度量はない様だな、寝不足の小僧よ。」

カズマ「いや、こんな欠陥品を買うわけないだろ!」

ウィズ「そ、そんなーっ!」

白夜「…………………。」

 

 バニルの言葉にカズマがそう返すと、ウィズはショックを受けて、白夜が慰めていた。

 白夜の顔は、なんとも言えない微妙な表情になっていた。

 

バニル「良いではないか。貴様も自分の欲望には正直なのだ。仲間の我儘くらい聞き届けてやれ。」

カズマ「はあ?自分の欲望って何の事だよ。」

バニル「おや、昨晩の事はもう忘れたのであるか?小僧、貴様は仲間たちに早く寝る様言っておきながら、自分は例の店のサービスで一晩中………………!」

カズマ「いただきます!買い占めさせていただきます!」

 

 バニルがそう言う中、カズマは叫ぶ。

 なるほど、寝不足気味だったのは、サキュバスの店のサービスを使ってたからか。

 ちなみに、俺は行っていない。

 ダクネスとカズマとバニルが話す中、俺は苦笑しながら見ていた。

 すると、バニルが提案をする。

 

バニル「では小僧、取引だ。この品物を買う代わりに、我輩の提案を一つ聞くのはどうだ?」

カズマ「そ、それを聞けば、アイテムを買わなくて済むのか!?」

バニル「そうだ。我輩も本人が望まぬ物を売りつけるつもりは無い。元々このアイテムも、そこの貧乏店主が買った欠陥品なので、これから返品しようと思っていた所だ。」

ウィズ「ええっ!?そんな話、私は聞いて無いですよ!?」

バニル「言えば返品作業を邪魔するからであろうが!」

 

 バニルも苦労してるんだな。

 折角使えるアイテムを仕入れて、それが売れたとしても、ウィズが使えないアイテムを仕入れて、利益がマイナスになるんだから。

 

湊翔「それで、提案って何なんだ?」

バニル「何、簡単な事だ。むしろ、小僧たちにとっても、喜ばしい事だと思うぞ?汝、優秀なパーティーメンバーを求めておらぬか?」

カズマ「へ?」

バニル「我輩とこのへっぽこ店主を、貴様たちのパーティーに加えるが良い!」

 

 なるほど、そういう事か。

 確かに、ありがたいな。

 2人とも仮面ライダーだし、強いのは間違いないしな。

 

ダクネス「それはありがたい話だな。2人の実力はなかなかな物だし、ウィズはテレポートも使えるだろう?」

トウカ「テレポート屋を使う事を考えていたけど、金の消費が抑えられるな。」

カズマ「俺たちとしてはありがたい話だが……………ウィズはともかく、何でお前がクエストなんか行きたがるんだ?」

バニル「我輩の野望の為である。」

湊翔「野望?ああ……………ダンジョンの奥に待ち構えて、倒された後、宝箱の中身がスカなのを見せて、消滅したいって野望か。」

 

 そういや、そんな事を言ってたな。

 本当にそれをやられた場合、ショックで立ち直れなくなるだろ。

 そう聞くと、バニルは肯定する。

 

バニル「さよう。これから汝らは、魔石探索の為、数多のダンジョンを巡るであろう?我輩の理想のダンジョンの下見をするには、丁度良い機会なのだ。」

白夜「でも良いのか?2人とも出かけたら、この店に誰も居なくなるだろ?」

バニル「その心配は無用である。この店主は居るだけで店を貧乏にするのでな。出かけていた方がマシなのだ。」

ウィズ「うぅっ………………バニルさん、酷い……………。」

バニル「我輩については……………そうだな。店番に、笑うバニル人形でも置いておくとしよう。」

 

 白夜の質問に対して、バニルはそう答えて、ウィズは落ち込む。

 というより、そんな物を置くなよ。

 夜中とかに笑い出したら怖いだろ。

 すると、めぐみんが質問をする。

 

めぐみん「そ、それは売り物でしょうか?」

バニル「おお、頭のおかしい爆裂娘よ。我輩の作ったバニル人形が欲しいのであるか?」

めぐみん「どんな物か、興味があります。」

バニル「勿論、欲しいとあらば、買ってもらって構わないぞ。」

カズマ「んなもん買うなよ!」

 

 めぐみんが、バニル人形を買おうとすると、カズマに止められる。

 厨二病であるめぐみんからしたら、気になるのだろう。

 だが、夜中にその人形が笑いまくっては、寝不足になりそうだな。

 俺たちが苦笑する中、バニルはボソッと呟く。

 

バニル「……………それに我輩としては、この機会を逃す訳にはいかないのでな。」

湊翔「ん?なんか言ったか?」

バニル「気にするな。まあ、気が向いたら声をかけるが良い。」

 

 なんか気になるな。

 まあ、大丈夫…………………………だよな?

 すると、新たな客が入ってきた。

 

アクア「ちょっと〜!私のいない間に何企んでいるの!」

 

 そう言って入ってきたのは、アクアだった。

 

ダクネス「アクアか。遅かったな。」

アクア「ふふん!頑張って仕込みをして来たのよ!」

めぐみん「仕込み……………ですか?」

トウカ「何を仕込んできたんだ?」

カズマ「ようアクア。そっちは終わったのか?」

アクア「ええ、バッチリよ!常夏を攻略する準備は整ったわ!」

湊翔「怪しいな…………………。」

白夜「確かに。何を考えてやがる?」

朱翼「まあまあ、準備も出来たし、行きましょう。」

 

 そうして、俺たちはウィズを連れて、常夏の神殿へと向かう。

 一方、ゼウスと拓巳は。

 

ゼウス「………………拓巳。グレアを使いこなす様になってきたじゃないか。」

拓巳「アンタの教え方が良いかもな。」

ゼウス「それはどうも。」

 

 2人は変身解除をして、お互いに向かい合う。

 拓巳は、考え込んでいた。

 

ゼウス「どうした?」

拓巳「ああ。そのロキ達が、一体どういうゲームを仕掛けてくるのかにも、警戒しないとなと思ってな。」

ゼウス「そうか……………よし。仮面ライダーギーツを見て、奴らがどんなゲームを仕掛けて来た場合に対処可能にするぞ。」

拓巳「そうだな。」

 

 2人はそう話して、仮面ライダーギーツを見る。

 今後の対策に向けて。

 しばらくして、仮面ライダーギーツを見終えた。

 

拓巳「……………ひとまず、今後の対策を考えよう。新たな仮面ライダーも増やしたいしな。」

ゼウス「ああ。新たな仮面ライダーの候補者は、リストに上げてある。その中から選ぶぞ。」

拓巳「ああ。」

 

 2人はそう話して、書類を目に通す。




今回はここまでです。
常夏の神殿への準備を整えていきます。
そして、久しぶりに登場する神宮龍とアフロディテ。
2人は、クリスとよく一緒に調査を行ったりします。
ウィズと共に、常夏の神殿へと向かいます。
そんな中、ゼウスと拓巳は、仮面ライダーギーツのストーリーを見て、今後の対策を立てていきます。
そして、新たな仮面ライダーを選定し始めました。
次回は、常夏の神殿での戦闘の予定です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のギーツも、凄い展開ですね。
まさか、英寿とニラムが消滅して、道長の理想が叶いましたね。
ただ、道長のあのやり方は、漁夫の利みたいで、あまり良い感じはしませんが。
来週から、仮面ライダーギーツではなく、仮面ライダーバッファにタイトルを変えて、始まります。(嘘)
予告を見る限り、英寿、景和、ニラムの姿が見えないので、出てこないんですかね。
この小説での天国と地獄ゲームは、本家ギーツとは違う展開にします。
あと、桐ヶ谷湊翔と馬場武の戦いもやる予定です。
そして、まさかのデザイアロワイヤルが開幕。
その流れで、轟戒真/仮面ライダーシーカーが出て来そうな気がしますね。
あと、ニラムも出します。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第41話 常夏の神殿での戦闘

 俺たちは、常夏の神殿へと向かっていった。

 その道中、蠍みたいな魔物とかが現れるので、それらを倒していく。

 一つ言える事がある。

 まじで暑い。

 確かに、これは準備を怠ると死ぬ奴だ。

 しばらく砂漠を歩いて、常夏の神殿へと到着した。

 

カズマ「着いたな………………って、なんだこの熱風は!?」

アクア「暑い〜〜!動きたくないんですけど!」

白夜「文句を言ってるんだったら、少し黙ってくれ。暑苦しい。」

湊翔「予想以上に暑いな………………。」

 

 俺たちは、常夏の神殿に到着したものの、暑さでダウンしそうだった。

 アクアは、カズマに話しかける。

 

アクア「ねえねえカズマさん。ちょっとだけ、フリーズかけてもらえません?」

カズマ「魔力の無駄遣いだ。それよりこんな時こそ、お前の宴会芸で水でも出せば良いじゃないか。」

アクア「嫌よ!あれは魂が命じる時、自ずから披露してしまうものなの!言われてやる物じゃないの!」

カズマ「全く理解できない。」

湊翔「………………何で変な芸人魂を持ってるんだよ、お前は………………。」

 

 アクアがカズマにフリーズをかける様に頼むが、断られ、カズマの言葉にそう言う。

 何たって、そんな変な芸人魂を持ってるんだか。

 そんなんだから、宴会芸の神様とか言われるんだろ。

 そんな中、めぐみん達が口を開く。

 

めぐみん「ふう……………覚悟はしてましたが、聞きしに勝る灼熱地獄ですね。」

朱翼「皆さん……………早く休まないと、誰かが脱水症で倒れますよ。」

白夜「鎧を着てるダクネスやトウカも居るからな……………。」

湊翔「2人とも、大丈夫か?」

 

 そう。

 基本的に、俺たちは鎧を着けていないが、ダクネスやトウカは、鎧を着けている。

 俺たちよりも深刻そうだと思ったが。

 

トウカ「暑い………………。鎧を着てくるんじゃなかったな………………。まあ、これでも必要最低限なんだけど。」

ダクネス「よ、鎧が焼けてしまうではないか……………!熱した鉄板でじりじりと焦がされ………………ううっ。」

トウカ「こんな時でも、私の親友はブレないよな…………………。」

 

 本当だよ。

 トウカは、胸当てに籠手を着けているからか、ダウンしそうだった。

 まずいな。

 俺はトウカに、水を渡す。

 

湊翔「ほれ。倒れる前に水分補給をしておけ。」

トウカ「ありがとう。助かるよ………………。」

 

 俺はそう言って、トウカに水を渡して、トウカはそれを受け取る。

 トウカは水を飲んで、俺に返す。

 

トウカ「ありがとう。助かった。」

湊翔「ああ。さて……………喉渇いたな。」

 

 トウカから水を受け取った後、俺は水を飲む。

 すると、トウカとかが驚いた表情を浮かべる。

 

湊翔「ん?どうした?」

白夜「いや、お前………………!?」

トウカ「〜〜〜〜〜〜〜っ!?」

朱翼「それ…………間接キスでは…………!?」

湊翔「ん?」

 

 間接キス?

 何だそれ?

 まあでも、流石にダメだったか。

 

湊翔「ああ、悪い。流石に、衛生的によろしくないよな?」

「「「……………………まあ、うん。」」」

 

 俺がそう言うと、3人は微妙な表情を浮かべて、そう答える。

 俺はそれを首を傾げながら見て、カズマ達の方へと向かった。

 一方、3人は。

 

白夜「やべぇよ!あいつ、間接キスを知らないでいやがる!」

トウカ「すっごく恥ずかしい………………。」

朱翼「これは………………トウカから話を聞いてて、まさかとは思ったけど……………ここまでとはね…………………。」

 

 そんなふうに話していた。

 一方、アクアはウィズの事をこき使っていた。

 具体的には、ウィズにフリーズを使わせたり、クリエイトウォーターで、水を出させたりしていた。

 それを見た白夜は、アクアをぶっ叩く。

 

アクア「あ〜〜〜〜快適ね。アンデッドの癖に役に……………ぷぎゃっ!?何すんのよ!?」

白夜「ウィズ。このアホの言う事は聞かなくて良いからな。」

アクア「何がアホ……………って、ああ!」

カズマ「ん?」

 

 アクアは、白夜にぶっ叩かれた事を文句を言おうとしたが、何かを拾う仕草を見せる。

 それを見た俺とカズマは、アイコンタクトをして、アクアに聞く。

 

カズマ「………………おいアクア。今、何を隠した?」

アクア「な、何も隠してないわよ!」

湊翔「そうか。なら、その後ろ手にしているのは何なんだ?」

アクア「こ、これは……………。」

カズマ「…………………スティール!!」

 

 俺とカズマがそう聞く中、アクアはしらばっくれるので、カズマがスティールを発動する。

 カズマが盗った物を確認すると、ジャマトのバックルだった。

 

カズマ「おい、これ………………!?」

めぐみん「ジャマトのバックルですよ!?」

朱翼「何でアクアが………………?」

湊翔「………………おい。何か申し開きはあるのか?」

アクア「ええっと………………わざわざダンジョンを探したんだから、高く売れるかもと思って、何個か持ってき…………ま…………し…………た………………。」

 

 カズマ達が驚く中、俺が理由を聞くと、アクアはそう答えた。

 コイツ…………………仮面ライダーオーズのグリード並みに強欲だな。

 何でこんな物騒な物を売ろうという思考になるんだ。

 俺はため息を吐いて、アクアに言う。

 

湊翔「………………アクア。このダンジョンの探索が終わったら、デザイア神殿に向かって、ツムリ達に渡すぞ。良いな?」

アクア「はい…………………。」

 

 俺がそう言うと、アクアは観念したのか、同意する。

 何で持ち出すんだよ。

 そんな物騒な物を。

 俺たちは、日陰で休んでから、常夏の神殿の内部へと入っていく。

 神殿内部も暑く、時折水分補給もしながら、奥へと進んでいく。

 そんな中、アクアが口を開く。

 

アクア「ねぇ〜〜〜。暑いんですけど!もう限界なんですけど!」

白夜「皆、同じ気持ちだから、お前は黙っててくれ。」

湊翔「全くだよ………………。」

トウカ「暑いな………………。」

???「女神様?女神様じゃないですか!」

カズマ「あっ。」

 

 アクアがそう言う中、近くから声をかけられる。

 そこに居たのは、男女の組だった。

 片方はミツルギで、もう片方はジンだった。

 

ミツルギ「女神様!まさか、こんな所で会えるとは!」

アクア「えっと、確か……………オオノギ?」

カズマ「カブラギ?」

ミツルギ「ミツルギです!」

アクア「そうだっけ?」

白夜「確か………………そこのアンタはジンだったか?」

ジン「久しぶりだな。」

湊翔「ああ、久しぶり。」

 

 そういえば、ミツルギとジンって、初対面の時に攻撃されたよな。

 まあ、ミツルギの場合は胸ぐらを掴まれただけなのだが。

 俺は、ミツルギとジンの2人に聞く。

 

湊翔「それにしても、珍しい組み合わせだな。2人が一緒に居るのは。」

ミツルギ「ああ………………。僕は、常夏の神殿でのクエストを受けに来たんだよ。」

ジン「私は、たまたま行き先が一緒だったから、同行していた。」

 

 なるほどね。

 それにしても、ミツルギはミツルギで、立ち直れたのなら、良かったけどな。

 何せ、ジャマトライダーの攻撃で、仲間であるクレメオとフィオは死んでしまったのだから。

 俺はある事を思い出して、白夜と小声で話す。

 

湊翔「白夜。どうする?あれはミツルギには伝えるか?」

白夜「………………いや、まだ確証がある訳じゃない。まだ黙っておくぞ。」

湊翔「分かった。」

 

 まあ、まだ時期尚早か。

 そんな中、ミツルギが聞いてくる。

 

ミツルギ「ところで、君たちは何をしているんだい?」

湊翔「まあ、ミツルギと似た様な感じさ。クエストでここに来たんだよ。」

ミツルギ「なるほどね。てっきり、魔石を探しているのかと思ったよ。」

カズマ(バレてるーーーーーーっ!?)

 

 俺がそう言う中、ミツルギはそう言う。

 それを聞いたカズマは、驚愕の表情を浮かべていた。

 魔石の事を知ってるのか。

 

カズマ「な、何でお前が……………!?」

ミツルギ「ああ。そりゃあ、あんなに大声で叫んでたら聞こえるからね。君たちが帰った後、盗賊の女の子に詳しく話を聞いたんだよ。」

湊翔「まあ、それもそうか。」

トウカ「そりゃあ、そうなっても無理はないか。」

朱翼「ですね。」

 

 まあ、そうなるのも無理はないか。

 アクア辺りがかなり騒いでいたからな。

 カズマは、魔石のことがバレた事に頭を抱えていた。

 そんな中、ミツルギは口を開く。

 

ミツルギ「魔王討伐は大切だが、その魔石も気になる。もし良かったら、声をかけてくれ。いつでも力を貸そう。」

ジン「私もだ。では、目的は果たしたので、失礼するよ。」

 

 そう言って、ミツルギとジンの2人は去っていった。

 そんな中、カズマが口を開く。

 

カズマ「なあ、本当に良いのか?」

湊翔「というと?」

カズマ「ジンはともかく、あいつ、仮面ライダーじゃないだろ?それなのに、ジャマトと戦う確率が高い俺たちと一緒に組ませて。」

トウカ「確かに。ジャマトライダーに仲間を殺されたからな。二の舞になりそうな気がするよな。」

アクア「良いじゃない。女神であるこの私の力になりたがっているんだから。たまにはパーティーに入れてあげたら?」

 

 カズマがそう言うのに、俺とトウカが同意していると、アクアが珍しくそう言う。

 すると、白夜がこう言う。

 

白夜「お前もそう言えるんだな。…………なら、お前を抜いて、ミツルギを入れるか?」

アクア「え?」

カズマ「確かに。回復はポーションやらアイテムで何とかなるし、戦闘ではアークプリーストよりもソードマスターの方が便利かもしれない。」

アクア「ダメーーーーーーっ!私のポジションを奪わないで!」

湊翔「やれやれ……………。」

ウィズ「あ、あの……………アクア様を揶揄うのはそこら辺にしてあげては……………。」

 

 白夜とカズマの言葉に、アクアはそう叫んで、俺達は苦笑する。

 そんな話をして、俺たちは最深部へと向かっていく。

 しばらくすると、最深部に到着する。

 

カズマ「よ〜し!さっさと片付けるぞ!」

めぐみん「おや、やる気ですね。暑くてやけになったのでしょうか?」

ダクネス「こう暑いと、やけになるだろう。」

トウカ「早く帰りたいというのは、分かるよ。」

アクア「私も早く帰りたいんですけど〜!!」

湊翔「はいはい。……………来るぞ。」

 

 そう話す中、俺たちは身構える。

 すると、巨大な炎の魔神みたいなのが現れた。

 どうやら、あいつがダンジョンのボスらしいな。

 

ウィズ「ふう。ようやくボスが出てきましたね。」

アクア「あれがボス?なんか見るからに暑そうな奴ね〜。」

湊翔「そりゃあ、全身が炎の敵だからな。」

アクア「ほら、ウィズ!あんたの出番よ!氷魔法でさっさとやっちゃって!」

ウィズ「ああ、アクア様!?何を!?」

 

 アクアがそう言うと、ウィズを前線に押し出す。

 何考えてんだ。

 それを見た白夜が叫ぶ。

 

白夜「アクア!後衛職であるアークウィザードを最前列に出してどうすんだ!?」

アクア「どうせ死なないんだから、少しくらい燃えても問題ないわよ。」

ウィズ「ひ、ひどいっ!?」

湊翔「お前………………それは倫理的や人間的ににどうなんだよ。」

カズマ「すまん、ウィズ。こいつには後で言い聞かせておくから。」

ウィズ「うう……………分かりました。今はとにかく、目の前の敵を倒す事に集中します…………!」

 

 すまん、ウィズ。

 俺たちは、デザイアドライバーを装着して、レイズバックルを装填する。

 

SET

 

 俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が、ウィズの横には戦闘機の絵とJETの文字が現れる。

 

「「「「「「「「変身!」」」」」」」」

 

 俺たちはそう叫んで、レイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

FLUTE

JET

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、朱翼はスワン・フルートフォーム、ウィズはホーク・ジェットフォームに変身する。

 俺たちが身構える中、炎の魔神は、炎の雨を降らせてきた。

 俺たちは、それを躱す。

 

湊翔「炎の範囲攻撃か!」

白夜「めぐみん!お前のビートアックスで、どうにかできないか!?」

めぐみん「分かりました!」

 

 白夜がそう言うと、めぐみんはビートアックスでエレメントを選択する。

 

FUNK BLIZZARD

 

 めぐみんは、氷属性を選択して、演奏する。

 そして、インプットトリガーを引く。

 

TACTICAL BLIZZARD

 

 めぐみんが必殺技を放つと同時に、炎の魔神は炎の雨を降らせるが、氷によって阻まれ、砕け散る。

 

トウカ「ナイス、めぐみん!」

朱翼「私たちも負けてられませんよ!」

湊翔「ああ!」

カズマ「行くぜ!」

ウィズ「はい!」

ダクネス「ああ!」

白夜「まかせろ!」

 

 俺たちは、攻撃をしていく。

 俺はマグナムシューターで、カズマはニンジャデュアラーで、めぐみんはビートアックスで、ダクネスはゾンビブレイカーで、トウカはソードエクスカリバーで、白夜は自前の爪で、朱翼はフルートソードで、ウィズは魔法を使って攻撃していく。

 俺たちの猛攻で、炎の魔神は倒される。

 かなり苦労したが、倒す事が出来た。

 

カズマ「よし、やったか!」

アクア「暑苦しい敵だったわね!」

めぐみん「暑苦しいというか………………。」

湊翔「実際に敵が燃えてるんだから、無理ないだろ。」

トウカ「暑かった………………。」

朱翼「何とか、熱中症になる前には倒せましたね。」

白夜「熱中症……………というよりは、脱水症だろうな。」

ダクネス「この、真夏の太陽で日焼けする様な感覚…………………嫌いじゃないぞ。」

ウィズ「私の魔法がお役に立った様で、嬉しいです。」

 

 俺たちはそう話す。

 水分補給をして、その奥へと進んでいく。

 

カズマ「さてと。魔石はどこだ?」

ダクネス「そうだな……………ざっと見渡して、それらしい物は………………。」

白夜「おい、あれはどうなんだ?」

 

 カズマとダクネスがそう話す中、白夜がある方を指差す。

 そこには、石があった。

 すると、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「当たりかもしれません。魔力を感じます。」

トウカ「見つかったな。」

アクア「見つけたわ!」

ウィズ「間違いありません。他の魔石と同じで、強い魔力が秘められています。」

白夜「やっと見つけたな。」

湊翔「ああ。」

 

 俺たちは、そう話す。

 すると、魔石が光りだし、漢字で二の文字が浮かび上がった。

 

ダクネス「おお!また石が光ったな…………。」

めぐみん「カズマ。今度は何と書いてあるのですか?」

カズマ「漢字で………二だ。」

湊翔「どうやら、この魔石を管理する為の番号というので、間違いなさそうだな。」

白夜「だな。という事は、魔石は最低五つという事か。」

 

 ダクネスがそう言う中、カズマはめぐみんの質問に答える。

 俺と白夜がそう話す中、アクアが口を開く。

 

アクア「ねえねえ!そろそろ魔石の分配方法も決めておきましょうよ!勿論、私が1番の功労者だから〜、七つ全部私の物って言いたいとこだけど、三つで我慢してあげようかしら!」

湊翔「さらっと独占する気だったのか。」

白夜「お前、強欲すぎにも程があるだろ。」

カズマ「それに、まだ全部で七つって決まった訳じゃないだろ。」

アクア「だって!私のカケラがあるから、魔石を見つけられるんでしょ!?当然の権利よ!」

 

 何が当然の権利だ。

 だからって、独占はダメだろうが。

 こいつ、水の女神を自称してるけど、強欲や貧乏の女神の方が相応しくないか?

 いや、そもそも、こいつが女神とか、絶対にないな。

 そんな中、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「ダメです。クエストの報酬なのだから、皆で平等に分担しないと。」

トウカ「とはいえ、仮に七つだとしたら、平等にはならないだろ。」

朱翼「そうですね。私たちだけでも8人で、クリスに龍さん、アフロディテさん、バニルにも情報提供料を支払わないといけないですし。」

湊翔「まあ、報酬の分配に関しては、全部が集まってから決めても良いんじゃないか?」

白夜「だな。」

ウィズ「みなさん、盛り上がってますね。」

アクア「………………アンデッドにあげる魔石なんて無いんですけど。」

白夜「さらっと脅すな。」

 

 やれやれ。

 ゲームでも、報酬の分配で揉めるなんて事は、よくある話だからな。

 まあ、全部で七つと決まったわけじゃ無いからな。

 俺は、白夜とアクアが喧嘩をするのを見ながら、そう思った。

 そんな中、ダクネスが声をかける。

 

ダクネス「ま、まあ、ひとまず、街に戻って、作戦会議をしようじゃないか。」

湊翔「アクア。お前は俺と一緒にデザイア神殿に向かうぞ。」

アクア「はあっ!?何でわざわざ行かないと………………!」

湊翔「………………ジャマトバックルの件についてだ。なんか文句でもあるのか?」

アクア「い、いいえ………………。」

 

 アクアが文句を言ってきたので、少し黙らせた。

 アクアに関しては、目を離すとすぐに何かをやらかすので、面倒だ。

 そんな中、カズマはアクアに聞く。

 

カズマ「ところでアクア。結局、お前の言ってた仕込みって何なんだよ?」

ダクネス「そういえば、朝から準備をしていた割に、ダンジョンでは何もしなかったな。」

トウカ「確かに。何してたんだよ。」

アクア「ん?ああ、あれね。常夏の神殿って、ダンジョンの中にオアシスがあるって有名なのよ。それで、色々と準備してきたんだけど。………………はあ。まあ、今回は見つからなかったから良いわよ。」

白夜「何だその言い方。余計に気になるだろうが。」

アクア「今回は使わなかったけど、悔しいからまた今度リベンジしに来るわ!」

 

 何なんだよ。

 結局、アクアの言いたい事が分からず、アクセルに戻る事になった。

 だが、俺はアクアを連れて、デザイア神殿へと向かう。

 ツムリが現れた。

 

ツムリ「おや、桐ヶ谷湊翔さん。どうされましたか?」

湊翔「ちょっと、相談したい事があってな。アクア、さっさと出せ。」

アクア「ええ〜っ。分かったわよ。」

 

 俺がそう言うと、アクアは渋々という感じで、ジャマトバックルを取り出す。

 

ツムリ「何故、ジャマトのバックルを持っているのですか?」

湊翔「いや、アクアが勝手に持ってきたそうでな。こんな物騒な物を売ろうとしてたから、デザイアグランプリ側に回収してもらおうと思ってな。」

ツムリ「分かりました。ご協力、感謝いたします。」

湊翔「大丈夫だよ。元はと言えば、アクアのやらかしが原因なんだし。」

アクア「何ですって〜〜〜っ!!」

 

 俺がそう言うと、アクアが掴み掛かってこようとする。

 俺は、反射的に一本背負いを行う。

 すると、アクアは気絶する。

 

湊翔「ご迷惑をおかけしました。それじゃあ。」

 

 俺はそう言って、デザイア神殿を後にする。

 アクアを連れて。

 ギルドに到着すると、カズマ達がクリスの話を聞いていた。

 

湊翔「待たせたな、カズマ。」

カズマ「おう。アクアの魔石探索器の方はどうなんだ?」

アクア「さっき見た時はまだだったけど……………あ!丁度光ったわ!」

白夜「これで四つ目か。クリス達の話通りなら、あと三つか。」

クリス「まあ、半分伝説みたいだから、あまり分からないけどね。」

 

 アクアが探索器を見る中、白夜とクリスはそう話す。

 そんな中、アクアがぼやく。

 

アクア「面倒臭いわね〜。一気に場所が分かれば、効率よくお宝ゲット出来るのに。」

朱翼「確かに、一つずつしか表示されませんよね。」

アクア「一度に一個ずつしか表示されないなんて、この探索器、不良品じゃないかしら。今度あの仮面悪魔に会ったら、クレームをつけてやらないといけないわね!」

トウカ「アハハハハ………………。」

湊翔「バニルが不良品を押し付けてくるとは思えないんだがな。」

 

 あのバニルが不良品を押し付けてくるか?

 アクアのいちゃもんを聞きながら、そう思った。

 ダクネスがアクアを宥める。

 

ダクネス「まあまあ。動いたのだから、良いではないか。」

白夜「この位置は……………でかいゴーレムが居るって噂のダンジョンだな。」

湊翔「まあ、次はここにいくか。」

 

 俺たちは、次の目的地はそこにする事にした。

 すると、ゆんゆんがめぐみんに話しかけてくる。

 

ゆんゆん「あのね、めぐみん。わ、私、時間とかあるから、魔石探すの、手伝えるから、良かったら声をかけてね………………?」

めぐみん「………………ぼっちにそこまで頼まれたら、仕方ありませんね。湊翔が良いと言うのなら、良いでしょう。」

ゆんゆん「ありがとう、めぐみん!」

めぐみん「湊翔が良いと言えばですよ!」

湊翔「素直じゃないな。」

めぐみん「湊翔!そんなニヤニヤした表情で見ないで下さい!」

 

 まあ、ゆんゆんも戦力になるのは、間違いないな。

 そんなこんなで、翌日辺りに、その遺跡に向かう事にした。

 一方、ゼウスと拓巳は。

 

ゼウス「………………拓巳。少し話がある。」

拓巳「どうした?」

ゼウス「用心して欲しい仮面ライダーが居るんだ。」

拓巳「どいつだ?」

ゼウス「こいつだ。」

 

 ゼウスはそう言って、一枚の紙を渡す。

 そこには、馬場武/仮面ライダーシュバルツギーツの姿があった。

 

拓巳「こいつは………………。」

ゼウス「馬場武。かなりの危険人物だ。」

拓巳「何でだ?」

ゼウス「敬意を見てみろ。」

 

 拓巳はそう聞くと、ゼウスはそう答える。

 拓巳は、馬場武の経歴を見る。

 そこには、馬場武の強さに執着する理由も書いてあった。

 彼はかつて、両親が離婚して母親からはそのストレスも合わさって、よく暴力を受けていた。
 

 そしてその母によって付けられた痣を学校のイジメグループにイジメの材料として使われて学校でも殴られたりする。
 

 教師も周りの人も彼の親の素行の悪さを目にして助けることもしなかった。

 そしてそんな日が続いたある日、彼は何か枷が外された様にしてイジメグループを殴り返してそれどころか捩じ伏せた。


 その事に喜びを感じた彼はイジメグループは止めなかった癖に自分を注意して来た教師を殴り重症を負わせる。


 それによって彼は退学して母親にまた殴られそうになるがそれも返り討ちにする。


 そしてそれ以来彼は家にも帰らずひたすらに街の不良達を殴っては快感を得る。

 更にはそれにも満足出来なくなり地元で強いと噂の不良にも喧嘩を売り勝ち続ける。

 そんなある日、彼より強い奴が居なくなったことでこの世界に退屈して絶望した事により自殺を決意した。

 それを見て、拓巳は驚愕の表情を浮かべていた。

 

拓巳「確かに………………これは危険だな。」

ゼウス「ああ。これが、馬場武が強さに執着する理由だろう。」

拓巳「なら、早急に新たな仮面ライダーを増やさないとな。」

ゼウス「ああ。」

 

 2人はそう言って、資料を集める。




今回はここまでです。
常夏の神殿にて、魔石を回収しました。
そして、久しぶりに登場した、ミツルギとジンです。
そんな中、明かされた馬場武の過去。
彼が強い奴と戦う事に執着する理由は、そんな感じです。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今回のギーツは、色々ありましたね。
行方不明という扱いの英寿と景和。
そんな中、ベンとジョンが変身するが、あっさり返り討ちに遭う。
ベロバも、祢音の不幸を見たいという理由で、IDコアに触れさせる。
そんな中、ジーンとグレア2が圧倒される中、英寿が復活して、変身して、チラミに攻撃しようとする。
次回、景和が復活しますが、果たして、どうなるのか。
この小説でも、ランサーとガルンは出す予定です。
考えているのは、護衛繋がりで、クレアとレインに変身させようかなと思っています。
あと、仮面ライダーハクビに関しては、誰が変身するのかは、検討中です。
ちなみに、この小説でも、道長がやっている事をやらせる予定です。
その際、ターゲットはダストやらリーンにしようかなと思っています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第42話 遺跡での戦闘

 翌日、俺たちはその遺跡に向かうことにした。

 ギルドによると、巨大なゴーレムが出現するらしい。

 俺たちは、その遺跡に到着した。

 

湊翔「ここが、その遺跡か。」

白夜「みたいだな。」

???「あ。」

 

 俺と白夜がそう話す中、1人の女の子がいた。

 誰かと思っていると。

 

カズマ「あーーーーっ!!お前はあの時の!ギルドの回し者!」

トウカ「回し者?」

???「カズマさん!それに皆さんも!こんにちはー!」

湊翔「えっと………………誰?」

ラン「あ、こんにちは!私、ランっていいます!」

湊翔「どうも。桐ヶ谷湊翔です。」

白夜「虎雷白夜だ。」

トウカ「トウカだ。」

朱翼「白鳥朱翼です。」

 

 目の前にいる胸が大きい冒険者は、ランというらしい。

 カズマがランの事をギルドの回し者と言う理由は、ある出来事が起因していた。

 それは、俺、白夜、トウカが少し遠征していた頃だ。

 冒険者ギルドで、遺跡調査のクエストがあったのだが、誰も受けたがらない。

 そこで、カズマ達に受けさせようとして、ランを雇い、カズマを煽てる事で、その遺跡調査をさせたらしい。

 ちなみに、カズマにバレて、ルナとランの2人は、カズマのスティールをくらった。

 いくらなんでも、酷すぎるだろ。

 

ラン「この間はごめんなさい!手っ取り早く稼げるって聞いて、つい……………。」

カズマ「つい、じゃねーよ!よくも純真な冒険者を騙しやがったな!」

湊翔「まあまあ落ち着けって。」

ダクネス「束の間であっても、先輩冒険者として、良い気分を味わったのだろう?」

めぐみん「私は最初から何か裏があるんじゃ無いかと思っていました。カズマがモテるなんて、可笑しいですから。」

朱翼「それはそれで言い過ぎじゃないですか?」

トウカ「まあ……………湊翔やら白夜の方がモテてるしな。」

 

 確かに。

 それはそれで言い過ぎな気がするぞ。

 あと、俺はモテてないと思うんだけどな。

 あんな過去を知ったら、罵って離れていくだけだと思うし。

 すると、アクアが口を開く。

 

アクア「そうよね。ヒキニートのカズマさんにファンなんてつくはずないわよねぇ。この私の信者だって言うなら分かるけど?」

白夜「お前の信者なんて、十中八九ろくでもない奴らだろ。あ、そうか。類は友を呼ぶって言うし、ろくでもないアクアを慕う奴らは、全員ろくでもないか。」

アクア「はぁぁぁ!?空き缶を踏んでバランスを崩して階段から転落し、後頭部をぶつけて脳の血管がいくつか切れて死んだっていう情けない人には言われたく無いんですけど!」

白夜「ああ!?知能指数が俺よりも低いやつに言われたく無いわ!」

 

 そう言って、アクアと白夜は本格的な喧嘩を始める。

 ダメだこりゃ。

 俺は白夜を抑えて、トウカはアクアを抑える。

 

湊翔「白夜!落ち着けって!そもそも、考えてみろよ。あんな奴の挑発に乗って怒るんじゃ、あいつと同類だぞ。」

白夜「…………………確かに。すまん、冷静になった。」

アクア「何があんな奴よ!あんた、時折とんでもない毒を吐いていくわよね!良いわ!今、ここであんたらを倒してやるわ!」

トウカ「落ち着けって!このクエストが終わったら、アフロディテに頼んで、フォールを渡してもらうから!」

 

 そんな風に落ち着かせる中、ランが話しかけてくる。

 

ラン「とにかく、ごめんなさい!」

カズマ「………………。」

ラン「許してもらえませんか?」

カズマ「……………はあ、もう良いよ。俺もちょっと調子に乗ってたとこあるしな。これからはお互い、冒険者仲間って事で。よろしくな!」

ラン「ありがとうございます!カズマさん!」

 

 どうやら、カズマとランは和解したみたいだな。

 

ダクネス「…………ところで、ランと言ったな。どうしてこんな所に?」

朱翼「確かに。ここはモンスターも多いですし、1人で来るのは危ないのでは?」

ラン「あの……………実は、皆さんがここに向かったと聞いて、追っかけて来ちゃいました!」

トウカ「ああ、そういう事か。」

カズマ「え?」

ラン「私、皆さんみたいに、ばんばんクエストをこなして、冒険者として名を上げたいんです。よかったら、これから冒険に向かう時、私も連れて行ってくれませんか?お願いします!」

 

 それは、どうだろうか?

 俺たちは、仮面ライダーになれるので、ジャマトと応戦する確率が高いんだがな。

 カズマが俺たちに聞いてくる。

 

カズマ「……………って言う事だけど…………どうする?」

湊翔「どうしたもんかな……………。」

めぐみん「良いのでは無いですか?人手がある方が、早く魔石に辿り着けるでしょうし。」

ダクネス「そうだか。カズマが作戦を立てる時、ランの力が必要なら、呼べば良いのでは無いか?」

ラン「皆さん…………ありがとうございます!」

 

 こんな感じに、ランも手伝う事になった。

 とはいえ、ジャマトが出る可能性がある場合は、呼ばない事にしたが。

 すると、アクアがドヤ顔で言う。

 

アクア「せっかくの機会だから、上級職のアークプリーストである私が、聖なる力のなんたるかを教えてあげるわ!」

ラン「いえ、別に。私、アークプリーストは目指してないので。」

アクア「ちょっとぉーーっ!?」

湊翔「プッ。」

アクア「アンタ今、笑ったわね!良いわよ!今ここで、天罰を喰らわしてやるわ!」

 

 アクアが先輩風を吹かそうとしたが、断られて、俺は笑った。

 すると、アクアが襲ってきて、取っ組み合いの争いになる。

 そんなこんなで、俺たちはダンジョンの中に入る。

 

カズマ「……………で、取り敢えず来てみたわけだが。なんか、妙にモンスターが多く無いか?前はもっと静かだったと思うんだけど。」

めぐみん「そうですね……………以前来た時に、いやと言うほど叩いたので、今日はもっと静かだと思ったのですが。」

湊翔「そういや、ルナから聞いたんだけど、この地下に更に研究所が発見されたんだと。」

白夜「関係ありそうだな。いくか。」

トウカ「最初から変身していこう。」

 

 俺たちはそう言って、デザイアドライバーを装着して、レイズバックルを装填する。

 

SET

 

 俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が現れる。

 

「「「「「「「変身!」」」」」」」

 

 俺たちはそう叫んで、レイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

FLUTE

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、朱翼はスワン・フルートフォームに変身する。

 そうして、ダンジョンに突入する。

 カズマから聞いた話によると、どうやら、このダンジョンを作ったのは、あのデストロイヤーを作った博士だそうだ。

 その為、色んなゴーレムが出てくる。

 無地な物、メガネをつけた物、メイド、猫耳、女王様、ドMのゴーレムなど、色々いた。

 カズマ曰く、その博士は、最初こそは、本気で魔王を倒そうとしていたが、次第にゴーレム開発に没頭していき、諦めたそうだ。

 ダメだこりゃ。

 アクアが絡んでいる転生者は、碌でもないやつばっかりなのか?

 そんな事を考えていると、目の前に小さいデストロイヤーが現れる。

 

カズマ「げっ!?こいつは、デストロイヤーじゃないか!?」

湊翔「でも、小さいな。量産型の類か?」

アクア「ちょ、ちょっとカズマさん!湊翔さん!やばいわよ!どうすんのよ!?こんな狭い所で大丈夫なの!?」

めぐみん「あの時のように、爆裂魔法でぶっ飛ばしてやりますよ!」

白夜「まあ、ぶっ倒せば、それでOKだろ!」

ダクネス「コホン!私はクルセイダーだ。皆を守らなければならない!行ってくりゅ〜!」

トウカ「性癖を発動すんなよ。」

朱翼「皆さん、行きましょう!」

 

 そんな感じに、量産型のデストロイヤーみたいなのがいたりした。

 量産型のデストロイヤーは、拡散型のグレネードを放ってきたり、突進をしてきたりした。

 なんとか、俺たちは倒す事ができた。

 そんな感じで、俺たちは先を進む。

 どうやら、第五階層まであるようで、しばらく進むと、ボスらしき物を見つける。

 なんか、ニチアサでよく見る巨大なロボットだった。

 あの博士、こんなもんまで作ってたのか。

 すると、めぐみんの目の色が変わる。

 

めぐみん「お、おお……………!なんですか、あれは…………!素晴らしい……………!」

カズマ「お、おい、めぐみん?なんか、いつもと目が違く無いか?」

湊翔「嫌な予感……………。」

めぐみん「カズマ、湊翔!このクエストは、失敗という事にしましょう!」

白夜「お前、何言ってんだ?」

カズマ「ごめん、ちょっと何言ってるか分からないです。」

 

 何でだよ。

 まあ、理由は大体わかる。

 あのゴーレムがかっこいいとかだろうな。

 

めぐみん「だって!あれと戦うなんて、出来ないですよ!」

カズマ「なっ!?どういう事だ!?」

めぐみん「戦ったら……………戦ったらあの芸術的な美しい作品……………壊れてしまいます!」

湊翔「やっぱりかぁ……………。」

めぐみん「あの豪快さ……………その中にも垣間見える繊細な美しさ……………!あの芸術的なゴーレムを台無しにするなんて……………!私にはとても出来ない!」

白夜「出来るだろ!ちゃんと戦え!!」

トウカ「めぐみん!?そんな理由で止めようとしないで!?」

 

 めぐみんの言葉に、俺たちはそう突っ込む。

 ダメだ、目がマジだ。

 そんな中、アクアが口を開く。

 

アクア「じゃあ、皆、頑張ってね!あのゴーレム、何か仕掛けがあるみたいだけど!」

カズマ「お前、全部俺たちに任せるなよ!」

湊翔「ていうかお前、最後になんか不吉な事を言ったな!?」

 

 やめろよ!

 そういう事を言うんじゃねぇよ!

 そんな事を話しながらも、俺たちは戦闘を開始する。

 あのゴーレムは、指先から炎を出して来て攻撃してくる。

 俺たちはそれを躱して、攻撃していく。

 

湊翔「ハアッ!」

 

 俺はマグナムシューターで、ゴーレムに銃撃していく。

  

カズマ「このっ!」

 

 カズマはニンジャデュアラーで、ゴーレムに斬撃をしていく。

 

トウカ「ハアッ!」

 

 トウカはソードエクスカリバーで、ゴーレムに斬撃していく。

 

白夜「おらっ!はっ!」

 

 白夜は、両手の爪で攻撃していく。

 

朱翼「ハアッ!」

 

 朱翼は、フルートソードで、ゴーレムに斬撃していく。

 

めぐみん「うぅ……………!」

 

 めぐみんは、ビートアックスで攻撃するが、そこまで激しくは無い。

 葛藤があった。

 

ダクネス「ハアッ!とりゃあ!」

 

 ダクネスは、ゾンビブレイカーでゴーレムに攻撃していく。

 しばらくの攻防の末、ゴーレムは機能停止した。

 

カズマ「よし!これでどうだ!?」

めぐみん「ああっ!かっこいいゴーレムのボディにヒビが……………!」

湊翔「まだ言うか………………。」

カズマ「あーもう!いい加減に諦めろよ!」

白夜「おい、ちょっと待て。」

ダクネス「何か、様子がおかしいぞ。」

アクア「なんだか……………ビービー警報が鳴ってるんですけど……………。」

トウカ「皆、警戒を怠るな。」

朱翼「ええ。」

 

 俺たちは、ゴーレムを相手に、警戒をする。

 もしかして、自爆じゃねえだろうな?

 嫌な予感がするな。

 すると、そのゴーレムの上半身が二つに分かれて、中から別のゴーレムが現れる。

 

ダクネス「なっ……………!?」

カズマ「ゴーレムの中から、別のゴーレムが出て来た……………!?」

湊翔「俺たちが相手をしていたのは、ガワだけで、本体は無事って事か……………!」

白夜「そんなのありかよ………………。」

めぐみん「お……………おおおおおおおっ!!」

トウカ「めぐみん?」

朱翼「目がものすごく赤いよ?」

 

 そう。

 そのゴーレムを見ためぐみんは、先ほど以上に目を赤く光らせていた。

 え、まさか……………。

 

めぐみん「素晴らしいです!中に別のゴーレムを仕掛けておくなんて、天才としか思えない発想です!カズマもこのロマンが分かりますよね?ねっ!?」

カズマ「感動してる場合か!このままじゃあ、こっちがやられるんだぞ!?」

めぐみん「望む所です!」

湊翔「望んでんじゃねぇよ!」

 

 こんな状況下で何言ってんだ!? 

 そりゃあ、厨二病は、ああいうのは好きだろうけど!

 すると、アクアが叫ぶ。

 

アクア「か、カズマーっ!?湊翔ーっ!?なんかあのゴーレム、剣とか構えて、やる気なんですけど!?」

カズマ「くそっ!一回休憩は…………出来ないか!」

湊翔「皆、行くぞ!」

 

 俺たちは、そのゴーレムと戦闘を再開した。

 そのゴーレムは、胸から炎を出して来たり、剣で攻撃してきたりする。

 先ほどのゴーレムと比べて、素早さが上がっている。

 俺たちは、連携攻撃していく。

 俺とトウカ、カズマと白夜、めぐみんとダクネスと朱翼という感じだ。

 

湊翔「ハアッ!フッ!」

トウカ「はっ!とりゃあ!」

 

 トウカが、ゴーレムの剣を受け止めて、出来た隙を、俺がマグナムシューターで銃撃していく。

 

カズマ「おらっ!はっ!」

白夜「ふっ!ぜやぁっ!」

 

 カズマと白夜は、素早さでゴーレムを翻弄して、攻撃していく。

 

めぐみん「うう……………!」

ダクネス「ハアッ!」

朱翼「ふっ!」

 

 めぐみんとダクネスと朱翼は、めぐみんがゴーレムの攻撃を封じて、ダクネスと朱翼が攻撃する。

 しばらくして、俺たちは必殺技を叩き込み、ゴーレムを撃破した。

 すると、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「うう……………なんと呪わしい運命なのでしょうか。……………あんな素晴らしい物を……………まさかこの手で葬り去る事になるとは……………ううっ。」

カズマ「そんなに嘆く事なのか?」

湊翔「襲ってきたんだから、しょうがないだろ。」

めぐみん「カズマと湊翔には分からないのです………………。あの繊細で精巧な作りの素晴らしさが………………。私は、なんという事を………………。」

 

 意気消沈してんな。

 まあ、ちょっとかっこよかったから、惜しいなぁとは思ったが。

 そんな中、カズマが聞いてくる。

 

カズマ「なあ、一つ確認したいんだが。」

ダクネス「ん?」

湊翔「どうした?」

カズマ「俺たちが倒したのって…………ただのゴーレム、だよな?」

トウカ「確かに。今まで見てきた物と比べると、作りは細かかったが、ただのゴーレムには違いないと思う。」

白夜「まあ、襲ってきたんだし、敵には違いないだろ。」

カズマ「だよなぁ………………。」

 

 まあ、あの博士が作ったのは、間違いないだろうな。

 何回やらかせば気が済むんだ。

 すると、落ち込むめぐみんに、アクアが声をかける。

 

アクア「まあまあ、元気出して。うちに帰ったら、また牛乳パックで作ってあげるから。」

白夜「牛乳パック?」

めぐみん「アクア!ほ、本当ですか!?本当に作ってくれるのですか!?」

アクア「任せてちょうだい!しかも、前のよりずっとかっこよくしてあげるわ!」

めぐみん「ありがとうございます!変形合体デンドロメイデン2号、楽しみにしています!」

湊翔「何作ってんだよ。」

 

 ていうか、牛乳パックで良いのかよ。

 そんなふうに呆れる。

 あと、変形合体デンドロメイデンって、何なんだよ。

 ツッコミどころが多すぎて、頭が痛い。

 そんな中、俺たちは魔石を探す事にしたのだが………………。

 

湊翔「あのゴーレムは、ここを守っていたのか?」

ダクネス「恐らくな。」

アクア「何よここ、今にも崩れ落ちそうなんですけど………………。」

トウカ「もしかして、ゴーレムが暴走したのか?」

めぐみん「ありえますね。魔石の魔力の影響を受けて、暴走したのかもしれません。」

朱翼「確かに。」

白夜「なんか皮肉だよな。守るべき場所で暴走するとか。」

カズマ「まあ、魔石は俺たちのパーティーで探すから、湊翔達は、アクセルに先に戻って、俺たちが戻ってこなかったら、救助隊を依頼してくれ。」

湊翔「分かった。」

 

 こうして、カズマ、アクア、めぐみん、ダクネスは残って魔石探しを行い、俺、トウカ、白夜、朱翼は先にアクセルに戻る事にした。

 まあ、全員揃って生き埋めなんて、まずいからな。

 その間、あの博士の物と思われる日記を回収していた。

 アクセルに戻った後、俺たちはその日記を見る。

 カズマたちの言う通り、最初こそは魔王を倒そうとして苦悩していたが、次第に諦め、自分の目的に没頭していき、遂には技術大国に志願して、美人メイドを雇うなんて事が書かれていた。

 それを見て、俺たちは全員、ジト目を浮かべていた。

 ダメだこいつ。

 何だって、問題ごとの種ばかりを蒔いていくんだ。

 デストロイヤーといい、あのダンジョンといい。

 まだ無いよな?

 その後、カズマ達と合流して、俺たちはウィズ魔道具店へと向かう。

 ちなみに、魔石の文字は六だった。

 すると、アクアがウィズにつかみ掛かる。

 

ウィズ「いらっしゃいませ!あら、カズマさん、湊翔さん………………。」

アクア「ちょっとー!出てきなさい!あのなんちゃって悪魔はどこ!?」

ウィズ「あっ、アクア様!?そんなに揺さぶられると私、消えちゃいます消えちゃいます……………!」

湊翔「おい、アクア!ウィズが消え掛かってるだろうが!白夜、朱翼!アクアを抑えろ!」

白夜「おう!」

朱翼「はい!」

 

 入ると同時に、ウィズを揺さぶるアクアに対して、俺はそう叫び、白夜と朱翼の2人は、アクアを抑える。

 すると、顔に青筋を浮かべたバニルが入ってくる。

 

バニル「いきなり騒々しい客だな。何の要件であるか?」

アクア「あー!出たわね、このインチキ悪魔!この探索器、不良品よ!不良品!」

白夜「ウィズ!大丈夫か!?」

ウィズ「は、はい………………。」

湊翔「不良品?」

バニル「不良品呼ばわりはいただけぬな。どれどれ………………。」

 

 バニルがそう言うと、アクアはそう叫び、白夜はウィズを介抱する。

 バニルが探索器を調べる。

 

バニル「次の目的地は雪原、と出ているではないか。これのどこが不良だと言うのだ。」

ダクネス「雪原か。前に冬将軍と対峙した場所だな。」

白夜「冬将軍か。また戦いたいぜ。」

湊翔「……………言うと思ったよ。」

カズマ「やっぱりな。」

めぐみん「寒そうですね。ちょむすけはお留守番させた方が良いかもしれませんね。」

トウカ「防寒着はまだあったよな。」

 

 雪原か。

 それなら、防寒装備で行った方が良いかもしれないな。

 

アクア「あの子は毛皮があるんだから、良いじゃ無い。………………って、あのね!そうじゃないの!違うのよ!」

白夜「何がどう違うって言うんだ?」

朱翼「そもそも、何で不良品なんですか?ちゃんと表示されてますよね?」

アクア「魔石はいくつかある筈なのに、この探索器ったら、一度に一つしか光らないのよ!それってつまり、不良品って事よね?だから交換して欲しいの!」

湊翔「少し落ち着け。…………そこら辺はどうなんだ?」

 

 アクアがそう言う中、俺はアクアを抑えながら、バニルに聞く。

 

バニル「それは仕様である。よって、不良品とは言わないのだ。」

湊翔「どういう事だ?」

バニル「この魔石は、一つが活性化する毎に、次の魔石の場所が一つずつ分かるようになっているのだ。一体どういう仕組みなのか、この我輩でも見通せない辺り、非常に興味が湧く所ではあるがな。」

カズマ「ちなみに、その活性化ってのは?」

バニル「魔石が光っている状態であるな。活性化する前の魔石は、見た所、ただの石ころとなんら変わりがないのだ。」

 

 なるほどな。

 バニルでも見通せないという事は、かなり強力という事だろう。

 しかも、活性化していないと、識別も厳しいとはな。

 なら、アクアのクレームはなんの意味もないな。

 すると、アクアが口を開く。

 

アクア「じゃあ、楽をする方法はないって事なの?どうせなら全部まとめて場所を教えてもらって近い所から回りたいんだけど。」

白夜「お前、バニルの話を聞いてなかったのか?」

バニル「そこの雷小僧の言う通りである。一度に一つしか光らないと言ったであろう。これだからクレーマー女神は!」

アクア「何よ!お客様に向かってクレーマーだなんて、そっちこそ商売の基本が分かっていないんじゃないかしら!?謝って!お客様に不快な思いをさせた事を謝って!」

 

 そう言って、アクアとバニルは喧嘩を始める。

 それを見て、俺たちは呆れ顔をする。

 そんなこんなで、俺たちはウィズ魔道具店を後にする。

 その夜、俺たちは歓声を上げていた。

 

湊翔「おおお……………。」

カズマ「おおお……………。」

白夜「すっげ……………!」

めぐみん「こ、こ、これは……………!」

アクア「霜降り赤ガニじゃないの!」

朱翼「こうして見ると、壮観ですね…………!」

トウカ「確かにな。」

めぐみん「まさか、我が人生において、またもや霜降り赤ガニが降臨するとは、予想もしませんでした……………!」

ダクネス「丁度、実家から送られてきたのだ。皆で食べよう。」

 

 そういや、ダクネスってお嬢様だったな。

 こうしていると、そんな事を忘れてしまうから。

 そう思う中、アクアはテキパキと動き、俺たちも準備をする。

 ダクネスとトウカはカニを捌いて、めぐみん、朱翼は野菜を洗い、俺、カズマ、白夜はこたつや火を準備する。

 あいつ、こういう時だけは、動きが良いよな。

 そんなこんなで、準備を終えて、皆で食べる事に。

 

アクア「そろそろ煮えたわね。食べて良いわよー!」

一同「いただきます!」

 

 そう言って、俺たちはカニを食べる。

 やっぱり、霜降り赤ガニって、美味いよな。

 

アクア「んんんんんんんっ〜〜〜!」

ダクネス「ん〜っ!やはり美味しいな!」

トウカ「ああ!美味しい!」

カズマ「……………思えば、この前は、とある大人の事情で、こいつを堪能する事が出来なかったが、しかし、今度は違う!何も気にする事はない!存分に呑んだくれてやるぜ!」

朱翼「まさか、霜降り赤ガニを食べる事が出来るなんて、嬉しいです。」

 

 そういえば、前回食べたときは、カズマはサキュバスのサービスを使って、朱翼はいなかったからな。

 そういう意味でも、更に賑やかになったよな。

 そんな中、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「か、カズマ、カズマ!私もちょっとだけ試してみたいのですが。」

カズマ「ダメだ。まだめぐみんには早い。」

めぐみん「何でですか!一口くらい良いじゃないですか!」

カズマ「良いから、お子様は大人しくジュースでも飲んどけって。」

めぐみん「こんな機会、滅多にないんですから、ケチケチしないで下さい!」

 

 そんなふうに、カズマとめぐみんが言い争う中、俺たちは黙々と食べる。

 やっぱり美味いな。

 そんな中、ダクネスもめぐみんを宥める。

 

ダクネス「いや、私も、めぐみんはやめておいた方が良いと思う。子供のうちに飲むと、バカになると聞くぞ。」

白夜「ああ、聞くよな。そういうの。」

めぐみん「なっ!?私を子供扱いするとは、容赦はしませんよ!?」

朱翼「まあ………………。」

めぐみん「ほら!ちょむすけも抗議しています!私たちにも下さい!」

ちょむすけ「なう!なうな〜う!」

トウカ「そうは言ってもな……………。」

めぐみん「私だって、カニと一緒に、シュワシュワを楽しみたいのです!」

 

 そんなふうに抗議する。

 子供って、お酒とかが気になるというのもあるよな。

 大人っぽく見られたいとかで。

 

カズマ「とにかく!ダメったらダメだ!」

アクア「そうよ、めぐみん!私が呑む分が無くなるでしょ!」

湊翔「結局はそういう理由か。」

ちょむすけ「な〜う。」

カズマ「あ、こら、ちょむすけ!テーブルに乗るな!」

アクア「ダメよ!霜降り赤ガニなんて、猫には高級すぎるわ!アンタには魚を焼いてあげるから、大人しくして……………!」

 

 カズマとアクアがそう言う中、ちょむすけがテーブルの上に乗る。

 まあ、猫って自由だしな。

 アクアがそう言う中、ちょむすけはアクアの手のひらを引っ掻く。

 

ちょむすけ「しゃーーーっ!」

アクア「ああっ!やったわね!女神に爪を立てるなんて……………!」

ちょむすけ「ふぅ〜〜〜〜っ!」

湊翔「そんな事で喧嘩すんなよ。ほら、これをやるからな。」

 

 アクアとちょむすけって、なんか妙に仲が悪いよな。

 というより、ちょむすけって、謎が多いよな。

 カズマやめぐみんには良く懐いているが、アクアやダクネスにはあまり懐かず、俺、白夜、トウカ、朱翼に対しては、カズマほどではないが懐く。

 そう思いながら、食べ終わったカニのハサミをちょむすけにあげる。

 

湊翔「ほら、これでどうだ?」

ちょむすけ「な〜う。」

トウカ「食べ終わったカニの鋏……………。」

めぐみん「なるほど。猫には高級食材よりもおもちゃでしたか。」

ちょむすけ「なうな〜う。」

カズマ「そうだな。ほれほれ、どうしたどうした?こっちだぞ〜。」

 

 俺とカズマは、食べ終わったカニの鋏で、ちょむすけと戯れる。

 やっぱり、猫って良いよな。

 可愛いし、癒されるし。

 そんなこんなで、俺たちはダンジョンに行った疲れを癒す。

 一方、俺たちが行っていたダンジョンでは。

 

???「ここが、件のダンジョンか。」

 

 ある男性が、そのダンジョンを見ていた。

 その男性は、以前、神宮龍とアフロディテと会っていた男性だった。

 すると、後ろから声がかけられる。

 

???「こんな所で何をするんだ?ゼウス。いや、今はニラムと呼んだ方が良いのか?」

ニラム「まあな。この姿の時は、ニラムと呼んでくれ。黒石拓巳君。」

 

 そう。

 その男は、ゼウスが地上に降りた際の姿だった。

 拓巳は、ゼウスに尋ねる。

 

拓巳「それで、このダンジョンで何をするんだ?」

ニラム「何。このダンジョンを回収するのさ。」

拓巳「何だってそんな事を?」

ニラム「…………現状、ジャマト側はあまり動きがないが、いつ仕掛けてきてもおかしくはない。だからこそ、このダンジョンを回収する。」

拓巳「へぇ。」

ニラム「あのアクアが送り込んだ転生者のダンジョンで、ゴーレムの技術は有効的に使えるはずだ。」

拓巳「なるほどな。」

 

 どうやら、ダンジョンを回収する目的で来たようだ。

 そんな中、ニラムは拓巳に話しかける。

 

ニラム「早くするぞ。ヴィジョンドライバーを装着しろ。」

拓巳「ああ。」

 

 そう言って、2人はヴィジョンドライバーを装着する。

 そして、2人はヴィジョンドライバー上部のバイオメトリクサーに触れる。

 すると、2人から波動が出て、ダンジョン周囲を包み、そのままどこかへと転送される。

 2人も消えて、そこに残ったのは、更地だった。




今回はここまでです。
今回は、あの博士が作ったダンジョンの探索の話です。
OVAで登場したキャラであるランも登場しました。
そんな中、ニラムの姿で降り立つゼウスと、拓巳が行動していました。
果たして、何が目的なのか。
いずれ明かします。
次回は、雪原での戦闘です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
いずれやるミステリータワーでの戦闘をどういう感じにやるのか、意見がある場合は、お願いします。
今回のギーツで、景和のお姉ちゃんが、仮面ライダーハクビに変身しましたね。
この小説での仮面ライダーハクビの変身者は、未定です。
もし、リクエストがあれば、活動報告にお願いします。
デザイアロワイヤルは、この小説でもやります。
あと、馬場武ともう1人のオリキャラが、仮面ライダーを襲い、IDコアを破壊しますが、破壊される対象として考えているのは、ダストやらリーンなどですね。
それ以外のキャラはどうするのかは、未定です。
紅伝説もまだなので、何とか、希望の迷宮と集いし冒険者たちのエピソードは終わらせたいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第43話 雪原での戦闘

 屋敷でカニパーティーをした翌日、俺たちは、次の魔石の反応があった雪原へと向かう事に。

 だが、ギルドで気になる事を聞いた。

 

湊翔「俺たちが昨日行ったダンジョンが消えた?」

ルナ「はい。昨日、湊翔さん達が帰ってきた時まであったんですが、今日、どういう訳か、消えてしまったと報告がありまして。」

白夜「どうなってんだ?」

 

 ダンジョンが忽然と消えるなんてな。

 何が起こってるんだ?

 ジャマトの仕業かと思ったが、分からない。

 まあ、この件に関しては、保留という扱いにしよう。

 俺たちは、防寒装備を着た。

 ちなみに、ゆんゆんにも声をかけておいた。

 ゆんゆんも実力者で、仮面ライダーなので、問題はない。

 気になるのは、ジャマトが意外と大人しいことだ。

 なぜ、行動をしない?

 まあ、その方が良いんだけど。

 そんな事を考える中、その雪原に到着する。

 

カズマ「……………ここまで来ると、流石に寒いな……………。」

湊翔「防寒装備をしてもこれだからな。」

めぐみん「風が冷たくて、顔が冷たいです。あと、目に沁みます。」

トウカ「そうだな………………常夏の神殿の近辺とは、随分と真逆だよな。」

朱翼「雪も降り始めましたよ。」

ダクネス「急いでダンジョンに向かった方が良いだろう。」

白夜「だな。」

 

 俺たちはそう話す。

 以前、雪原に来た時と同じ服装になっている。

 そんな中、カズマはアクアに声をかける。

 

カズマ「おーい、アクア!遅れてるけど大丈夫なのか?」

アクア「ううう……………こんな所、いつまでもいたら、凍え死ぬんですけど……………。ねえ、カズマ!何か暖かくなる様な魔法とかないの?」

湊翔「あんまり無茶を言うんじゃない。」

カズマ「そうだぞ。こんな雪の中で暖かくなる魔法なんて、あるわけないだろ。」

アクア「そこはずる賢い頭でどうにかしなさいよ。いつもみたいに魔法を組み合わせたりして。」

カズマ「できたらとっくに使ってるよ。…………ところで、ずる賢いってのはどういう意味だ?」

 

 アクアはそんな事を言う。

 というより、他の人も寒がってるんだし、あんまり文句を言うなよ。

 そんな中、カズマがアクアに聞く。

 

アクア「何よ。カズマの仮面ライダー以外での数少ない取り柄じゃない。」

カズマ「なるほどな。よーし、首筋にフリーズをかけてやるから、こっち来い。」

アクア「そう言われて素直に従う筈ないんですけど!」

カズマ「クリエイト・ウォーター!」

 

 アクアがそう言う中、カズマはクリエイト・ウォーターを発動する。

 それをアクアは回避する。

 

アクア「わあああああ!ちょっと!今の当たってたら、洒落にならないわよ!?凍死したらどうするのよ!?」

カズマ「水の女神なんだから大丈夫だろ。」

アクア「どういう理屈か分からないんですけど!」

 

 カズマとアクアは、そんな風に喧嘩をする。

 まあ、相変わらずだな。

 そんな中、ダクネス達が呆れながら言う。

 

ダクネス「おい、2人とも。仲が良いのは構わないが、今は先を急いだ方がいい。」

トウカ「いつ、吹雪が起こるか分からないからな。」

めぐみん「寒いのに、2人とも本当に元気ですね。」

朱翼「そうですね……………。」

湊翔「ところで、白夜は大丈夫なのか?」

白夜「なぁに、問題ない。ちょくちょく冬将軍と戦ってたから、このくらいは平気だ。」

 

 冬将軍と戦うとか、本当に凄いよな。

 まあ、俺たちの前で一回倒しているから、大丈夫なんだろうけど。

 俺は戦う気はない。

 勝てる気がしないからな。

 そんな中、ダクネスはめぐみんに質問をする。

 

ダクネス「めぐみんこそ、大丈夫なのか?」

トウカ「確かに。寒くないのか?」

めぐみん「ふっ。万事抜かりはありません。我が身を覆うこの素材は冬仕様!耐寒性能には定評のある生地を使っているのです。」

朱翼「なるほど。それなら大丈夫そうですね。」

めぐみん「更に、懐にはちょむすけを仕込んでいます。この様に。」

ちょむすけ「な〜う。」

 

 ちょむすけを仕込んでたのか。

 道理で、出かけるときに見かけなかった訳だ。

 猫って、結構暖かいしな。

 すると、喧嘩していたカズマが口を開く。

 

カズマ「おお。出かける時に見かけないと思ったら、そんな所に居たのか。」

湊翔「用意がいいな。」

アクア「ねえねえ、その暖かそうな黒い毛玉、貸してちょうだい!さっきから、寒くて仕方ないの。」

ちょむすけ「しゃーっ!」

 

 カズマと俺がそう言う中、アクアはめぐみんにちょむすけを貸して欲しいと頼み込む。

 だが、当のちょむすけは、アクアを引っ掻く。

 

アクア「ああっ!何するの!?いきなり引っ掻くなんて、可愛げがないわね!」

白夜「ふっ。猫に嫌われてやんの。」

ちょむすけ「うにゃああ!」

 

 そう言って、アクアとちょむすけは喧嘩をする。

 ちょむすけって、本当にアクアやダクネスには懐かないよな。

 何でだろ?

 そう思っていると、ゆんゆんが声をかけてくる。

 

ゆんゆん「め、めぐみ〜ん!湊翔さ〜ん!向こうにダンジョン見つけたわよー!」

湊翔「ありがとう、ゆんゆん。」

ゆんゆん「い、いえ!せっかく呼んでもらったので、お役に立てて嬉しいです!…………って、何でアクアさんとちょむすけが喧嘩してるの?」

めぐみん「どうやら、相性が悪いみたいですね。まあ、しばらく放っておけば収まるでしょう。」

ゆんゆん「ええっ!?い、良いのかな…………?」

 

 さあ?

 まあ、めぐみんの言う通り、放っておけば大丈夫だろ。

 そんな中、ゆんゆんが見つけたと言うダンジョンへと向かう。

 

カズマ「ようやく目的地に到着か。しかし………………。」

めぐみん「凄い所ですね……………。」

湊翔「辺り一面が雪だな。」

ゆんゆん「ほ、本当にこんな場所にダンジョンがあるなんて、驚きよね……………。」

白夜「雪と氷のダンジョンだな。見るからに冷えそうだな。」

ダクネス「ああ、そうだな。」

アクア「何でこんな場所に魔石があるのよ。誰かがここに隠したって事?だったら、もっと分かりやすい場所に隠しなさいよね!探すの面倒くさいじゃない!」

トウカ「いや、見つけられたくないから、こんな場所に隠したんだろ。」

朱翼「簡単な場所だったら、誰かが見つけてますよ。」

 

 本当だよ。

 アクアって、口を開くと文句しか言わないよな。

 まるで、自分が世界の中心だなんて思ってるんじゃないだろうな?

 本当に嫌な奴だ。

 

ダクネス「準備が出来たら、中に入ろう。」

トウカ「中に入れば、風の影響は受けない筈だからな。」

湊翔「そうだな。さっさと行こう。」

 

 ダクネスとトウカの言葉に、俺は頷く。

 そんな中、ゆんゆんの袖をめぐみんが引っ張る。

 

ゆんゆん「確かに、そろそろ限界かも…………ん?どうしたのめぐみん。袖を引っ張ったりして……………。」

めぐみん「いえ。こういう時こそ、ゆんゆんの出番だと思いまして。カズマは使い物になりませんでしたが、あなたなら、暖かくなる魔法も使えるでしょう?」

カズマ「おい。今、俺を引き合いに出す必要があったのか?」

めぐみん「暖を取りたいなら、黙ってて下さい。ゆんゆんを煽てて、調子に乗らせている所なんです。」

 

 それを本人の前で言うか?

 めぐみんは、相変わらずゆんゆんには辛辣だよな。

 すると、ゆんゆんは叫ぶ。

 

ゆんゆん「ちょっと!全部聞こえてるわよ!めぐみんはいっつもそうやって私の事を良い様に扱うんだから!今回は絶対に騙されないんだからね!」

湊翔「そりゃあなあ……………。」

めぐみん「そんな事を言わないで下さい。ここではゆんゆんだけが頼りなのです。」

ゆんゆん「わ、私だけ……………っ!?」

湊翔「あ。」

 

 めぐみんの言葉に、ゆんゆんはそう反応する。

 そう言うのは、どうかと思うが。

 

ゆんゆん「しょうがないわね…………。魔力が勿体無いから、休憩の間だけだからね。」

めぐみん「やりました。やはりちょろいですね。」

ゆんゆん「だから!全部聞こえてるんだけど!」

湊翔「あはははは……………。」

 

 めぐみんは、ゆんゆんを手玉に取るのがうまいよな。

 そんなこんなで、俺たちはダンジョンの探索を行う。

 現れるのは、シロクマ、雪精、青いスライム、副将軍なる存在、ジャイアント・ホワイトワームなどだ。

 白夜に、副将軍がなんなのかを聞くと。

 

白夜「副将軍も、冬将軍と同じで、雪精の類だ。まあ、冬将軍には及ばないけどな。」

 

 とのこと。

 俺たちは、それらの敵を倒しつつ進んでいく。

 すると。

 

アクア「わぁぁぁぁぁ!?」

カズマ「のわぁぁぁぁぁ!?」

湊翔「どうした!?」

めぐみん「アクアとカズマが、落とし穴に落ちたんです。」

 

 マジか。

 俺はすぐにスパイダーフォンを取り出して、カズマと連絡を取る。

 

湊翔「カズマ!大丈夫か?」

カズマ『ああ!どうやら、地下があるみたいだ。俺たちは、地下を探索するから、そっちは地上を探索してくれ!』

湊翔「分かった。気をつけろよ。」

 

 地下があったのか。

 そうして、捜索を続けていく。

 途中、カズマ達と合流した。

 俺たちも地下に行き、探索を行う。

 

湊翔「こんな風に広がってたのか…………。」

白夜「気をつけろよ。」

トウカ「ああ。そこまで広くないから、剣をそこまで使えないな。」

朱翼「はい。」

 

 そんな風に話しながら、ダンジョンの奥へと進んでいく。

 そんなこんなで、ダンジョンの一番奥に到着する。

 

カズマ「………だいぶ奥まで来たな…………。」

ダクネス「うむ。そろそろボスモンスターが出てくる頃合いだろうか。」

白夜「確かにな。」

カズマ「おい!フラグ発言はよせって言ってるだろ!ダクネスはともかく、何で白夜まで言うんだよ!?」

白夜「冬将軍と戦えてねぇから、こいつで気晴らししてやる。」

ダクネス「何故ってそれは……………強敵を求めてやまない騎士の業……………というやつだろうか。そうだ。これは業というやつだ。どのような攻撃が私にぶつけられるのか……………ああ、想像するだけで……………!」

トウカ「ダクネス?身悶えないでよ。」

湊翔「ダクネスの場合は、性癖が理由だろ。」

 

 ダクネスと白夜って、好戦的だが、対照的だよな。

 ダクネスは性癖の為、白夜は戦闘欲を満たす為。

 まあ、ダクネスは性癖を発揮しすぎるなよ。

 そう思う中、巨大なマンモスみたいなボスモンスターが現れる。

 

湊翔「出てきたぞ!」

白夜「マンモスみてぇだな。俺の相手に不足なし!相手してやるぜ!」

ダクネス「あの牙で突き上げられたら、私の装備など紙切れ当然。簡単に貫かれてしまいそうだ!それに、あの重量でのしかかられたら、きっと、微動だに出来ないだろうな……………!どれほどもみくちゃにされても、抗うかことさえ許されないのか……………!」

トウカ「ダクネス、落ち着いてよ。」

朱翼「始まりましたね……………。」

 

 ダメだこりゃ。

 そう思う中、ダクネスと白夜は、デザイアドライバーを装着する。

 

ダクネス「これを見逃すわけにはいかないな。よし、戦おう!」

白夜「絶対にぶっ倒してやる……………!」

 

 そう言って、デザイアドライバーにレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が浮かぶ。

 2人は叫ぶ。

 

「「変身!」」

 

 そう言って、レイズバックルを操作する。

 

ZOMBIE

LIGHTNING

REDAY FIGHT

 

 ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォームに変身する。

 そして、2人は突っ込んでいく。

 

カズマ「おい、お前ら!勝手に突っ込むな!」

湊翔「さて、どうする?」

トウカ「どうするも何もな………………。」

めぐみん「援護するしか無いでしょう!」

朱翼「そうね。」

アクア「なんかすっごく大きくて、毛むくじゃらで、牙とかすっごい生えてるけど、大丈夫でしょ!後衛職は安全な位置まで下がるから、前衛職は頑張って!」

湊翔「お前、他人事みたいに言いやがって!」

カズマ「逃げたら承知しねぇぞ!」

ゆんゆん「どんなモンスターが相手でも、負けないんだから!」

 

 俺たちはそう話して、デザイアドライバーにレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が、ゆんゆんの横には、透明なステルス機と英語でSTEALTHの文字が浮かぶ。

 

「「「「「「「変身!」」」」」」」

 

 俺たちはそう叫んで、レイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

CALIBER

FLUTE

STEALTH

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、朱翼はスワン・フルートフォーム、ゆんゆんはギンペン・ステルスフォームに変身する。

 俺たちは、そのマンモスの相手をする事に。

 そのマンモスは、鼻から冷たい息を吐いたり、突進をしたりしてくる。

 カズマ、白夜、ダクネス、トウカが前衛を、俺、朱翼が中衛を、めぐみん、ゆんゆん、アクアが後衛のフォーメーションを組み、戦う事に。

 

カズマ「オラっ!ハアッ!」

白夜「でやっ!」

ダクネス「ハアッ!フッ!」

トウカ「フッ!ぜやあっ!」

 

 カズマ、白夜、ダクネス、トウカの4人は、連携して、そのマンモスに攻撃していく。

 

湊翔「ふっ!はっ!」

朱翼「はぁぁぁ!」

 

 俺と朱翼は、マンモスの攻撃を潰したりしていく。

 鼻息攻撃に関しては、朱翼のフルートの演奏で妨害したり、突進に関しては、俺がマグナムシューターで銃撃して、潰す。

 

めぐみん「はあっ!」

ゆんゆん「えぇぇい!」

 

 めぐみんとゆんゆんは、めぐみんはビートアックスで、ゆんゆんは自分の魔法を使って、遠距離から攻撃している。

 ちなみに、アクアは支援魔法をかけた後は、ゴッドブローとかで戦わせている。

 そんなこんなで、マンモスを苦労の末に倒した。

 

カズマ「……………やったか?」

ダクネス「どうやら、倒されたようだな。」

白夜「結構強かったから、俺は満足だ。」

湊翔「良かったな。」

めぐみん「もう少し粘って欲しい所でしたが、まあ、こんな物でしょう。」

朱翼「トウカ、お疲れ様。」

トウカ「お疲れ〜。」

ゆんゆん「どうなる事かと思ったけど、無事終わって良かったわ。」

 

 俺たちはそう労い、話し合う。

 すると。

 

アクア「いやあぁぁぁぁぁぁ!!」

カズマ「な、何だ急に!?どうした?」

アクア「私の羽衣が傷物に〜!!酷い…………私、穢されてしまったわ……………!ボロボロにされちゃったのよ!うわぁぁぁぁぁん!!」

カズマ「どこがだよ?」

アクア「ほら、ここ!少し汚れてるでしょ!?」

 

 アクアがそういう中、俺とカズマが羽衣を見ると、端っこの方が少し汚れていた。

 

湊翔「は?大した事ないだろ。」

アクア「大した事あるんですけど!この羽衣は、女神としてのアイデンティティなのよ!」

カズマ「さっさと行くぞ。こんな所に居たら、凍死しちまう。」

アクア「私の羽衣〜〜!」

 

 そんなレベルの汚れで騒ぐアクアを放って、魔石捜索に入る。

 俺たちが探す中、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「おかしいですね…………。」

カズマ「どうした、めぐみん?」

めぐみん「魔石の気配はあるのですが、それらしき物が見当たりません。」

トウカ「気配があるって事は、近くにあるのは、間違い無いんだな?」

アクア「魔石探索器の表示も、ここで間違いないみたいよ?」

ダクネス「という事は………………。」

湊翔「十中八九、雪の中に埋もれてるんだろうな。」

 

 魔石探索器の反応もここという事は、雪の中に埋もれていると見て、間違い無いだろう。

 という事は、かなり面倒な事になったな。

 

白夜「面倒な事になったな。地面が硬く凍りついているから、掘り返すのは不可能だ。」

ゆんゆん「魔法を使うにしても、こんなに固いと、上級魔法を何回撃てばいいのか…………。」

朱翼「しかも、魔力切れになる可能性もありますし、いつ日没になるか分かりません。早めに終わらせるべきでしょうね。」

カズマ「……………そうだ、とっておきの手段があるじゃないか。なあ、めぐみん。」

 

 

 白夜とゆんゆんと朱翼がそう言う中、カズマはめぐみんに声をかける。

 当のめぐみんは、首を傾げていた。

 

めぐみん「ん?」

カズマ「お前の爆裂魔法で、この雪を吹き飛ばしてくれ。」

めぐみん「分かりました!」

 

 そうして、めぐみんの爆裂魔法で吹き飛ばす事にした。

 めぐみん曰く、爆裂魔法を撃つには、問題ないらしい。

 俺たちは、適当な場所に隠れる。

 そして、めぐみんは詠唱を開始する。

 

めぐみん「我が名はめぐみん。紅魔族随一の魔法の使い手にして、爆裂魔法を操りし者。我が真紅の流出を以て、白き世界を覆さん!エクスプロージョン!」

 

 めぐみんはそう言って、爆裂魔法を放つ。

 相変わらず凄い威力だよな。

 

カズマ「相変わらず凄い威力だよな。」

アクア「ねえ、カズマ。今ので少し不安になったんだけど……………。まさか、今ので魔石が壊れたりしてないわよね?」

湊翔「………………あ。」

アクア「ねえ、ちょっと。何で湊翔達も含めて黙るのよ?」

 

 そういえば、そうだ。

 爆裂魔法で魔石が壊れる可能性もあったのだ。

 雪を吹き飛ばす方法しか考えてなかったわ。

 

湊翔「そういえば、忘れてたな。」

カズマ「大丈夫だろ……………多分。」

アクア「多分!?カズマが今、多分って言った!」

白夜「しょうがねぇだろ。こうしないと、魔石が取れないんだからよ。」

めぐみん「そうです。私の爆裂魔法が無ければ、そもそも魔石は無いも同然なのです。ですから、例えこの凍った大地ごと魔石を木っ端微塵にしてしまっても、それは私のせいではありません。」

 

 俺たちがそう言う中、アクアは慌てて、めぐみんはそう言う。

 すると。

 

アクア「わぁぁぁぁぁ!やっぱり壊したのね!」

ダクネス「お、落ち着けアクア!」

トウカ「取り敢えず、雪の下を確認してから……………ん?」

朱翼「なんか……………地面が揺れてませんか?」

 

 ダクネス達がアクアを落ち着かせようとする中、トウカと朱翼がそう言う。

 あれ、もしかして、雪崩?

 嫌な予感がするな。

 

カズマ「地面の揺れ?一体何が……………。」

アクア「あれ?この気配ってもしかして……………。」

ゆんゆん「あ、あの……………だんだん揺れが大きくなってませんか?」

湊翔「雪崩か?」

 

 俺がそう呟く中、地面から何かが飛び出す。

 モンスターではないが、何なのかと思っていると。

 

カズマ「お、おおおおおおっ!?」

ダクネス「な、何だこれは!?地下水が噴き出してきたのか!?」

トウカ「地下水にしては……………暖かく無いか?」

朱翼「これ、お湯じゃない?」

湊翔「お湯?」

白夜「温泉を引き当てたのか?」

アクア「本当に温泉ね!」

 

 そう。

 噴き出してきたのは、温泉だった。

 まさか、温泉を掘り当てるとはな。

 

湊翔「しっかし、まさか温泉がこんな所で掘り当てるなんてな。」

トウカ「この辺りに、温泉の水脈があったんだろうな。それが、めぐみんの爆裂魔法によって、掘り当てられたんだろうな。」

白夜「よく温泉を掘り当てたよな……………。」

アクア「温泉よ、温泉よ〜!凍死寸前の私の為に、温泉が沸いたのよ!ほら、せっかく温泉を見つけたんだし、アクセルの皆も呼んで満喫するわよ!」

 

 そういうもんなのか?

 ていうか、そういう言い方をするんじゃない。

 アクアの割には、他の人たちも誘うんだな。

 だがなぁ………………。

 

カズマ「いや、皆も呼んでって…………。」

湊翔「ここからアクセルまで、どんだけ距離があると思ってんだ。」

アクア「ふっふっふっ。カズマに湊翔ったらバカなんだから。こういう時は……………!」

 

 アクアはドヤ顔をしながら何かを取り出そうとする。

 ていうか、お前にバカ呼ばわりされるのはなんかムカつくな。

 アクアは、何かカードを取り出す。

 

アクア「じゃじゃ〜ん!お手軽テレポートカード!」

カズマ「何だそれ?」

めぐみん「その魔道具の話は聞いた事があります。」

トウカ「確か、恐ろしく高くて使い捨ての代わりに、他の人を強制的にテレポートさせられるとか。」

湊翔「何だよそれ。」

白夜「あれって……………。」

アクア「そう!これでウィズを呼んで、ここを移動先に登録して、あとは自由に移動出来るって訳よ!」

カズマ「おお、アクアにしては、いい考えだな!」

湊翔「ていうか、何でそんな高価な物を持ってるんだよ?」

アクア「この間、ウィズの店に行った時、奥の棚に置いてあったから、持ってきたの!」

 

 おい、それって窃盗だろ?

 仮にも女神が、窃盗をするかよ。

 それに気づいた白夜が、頭を抱える。

 やらかしたな、こいつ。

 

カズマ「おい。」

湊翔「それ、窃盗じゃね?」

アクア「良いじゃない、ウィズにもいい思いをさせてあげるんだから!ほら、早速呼ぶわよ!」

白夜「こいつ、開き直りやがった…………!」

 

 開き直ったな。

 盗みを正当化しやがった。

 ダメだこいつ。

 すると、ウィズがいきなり現れる。

 

ウィズ「……………えっ?あ、あれ?こ、ここはどこですか!?というか、すっごく寒い!?」

カズマ「ああ、悪いウィズ。急に呼び出したりして。」

ウィズ「カズマさん!?それに………………ああっ!?アクア様!?」

アクア「何よ。人の顔を見て驚くなんて、今時のアンデッドは、教育がなってないんじゃ無いかしら?」

湊翔「魔道具を盗んで、いきなり呼び出した奴が言えるセリフじゃないな。」

ウィズ「魔道具って……………もしかして、テレポートカードを使ったんですか!?」

 

 随分と上から目線じゃ無いか?

 すると、俺の言葉を聞いたウィズが驚き、アクアが堂々と言う。

 

アクア「ええそうよ。アンタの店にあったから、私が使ってあげたの。」

ウィズ「ダメですよ!あれはあくまで試供品なんです!」

カズマ「試供品?」

湊翔「どういう事だ?」

白夜「本物は高価だから、近距離専用の試供品が置いてあったんだよ。

朱翼「それなのに、試供品で遠距離のテレポートに使ったら………………。」

 

 あれ、試供品だったのか。

 という事は………………。

 すると、アクアが倒れる。

 

アクア「……………うっ!?な、何だか急に眩暈がしてきたんですけど……………。」

ウィズ「おそらく、無茶な運用で、魔力を限界まで吸われたんだと思います。」

アクア「くっ……………!よくもやってくれたわね、ウィズ……………!私を罠に嵌めるなんて………………!」

湊翔「お前の自業自得だろ。」

 

 勝手にウィズの店から万引きをして、無茶な運用をしたんだ。

 自業自得だろうが。

 それを見ていたウィズは戸惑いながら口を開く。

 

ウィズ「え、えっと……………私はどうしたら良いんでしょうか……………?」

白夜「とにかく、そこのアホは放っておいて大丈夫だ。あとで折檻する。」

カズマ「それより、皆をこの温泉まで呼んできてもらえるか?」

ウィズ「み、皆をですか?分かりました。」

 

 白夜とカズマの言葉に、ウィズはそう言って、アクセルに戻る。

 それからしばらくして、アクアは復活して、魔石も見つかって、他の人たちがやってきた。

 来たのは、クリス、ラン、アクセルハーツの面々だ。

 他の人たちに関しては、アクセルに居なかったそうだ。

 

アクア「は〜〜生き返るわね〜!体も温まるし、魔石も見つかったし、良い事づくめね!」

ダクネス「そ、そうだな……………うん。まあ、確かに温まりはするな……………。」

 

 アクアの言葉に、ダクネスは同意するが、ソワソワしていた。

 

アクア「どうしたの?何だか落ち着かないわね〜。」

ダクネス「いや、その……………この状況が、なんというか……………おかしくないか!?」

アクア「そうかしら?」

ダクネス「どうして私たちは温泉に入っているんだ?しかも、向こうにはカズマ達まで居るんだぞ!?いくら見えないからと言っても、これでは……………!」

アクア「だってしょうがないじゃない。私は今すぐお湯に入りたかったんだし、あの3人を待たせてたら、凍死しちゃいそうだったし。心配しなくても、岩の向こう側だもの。見えたりしないわよ。」

ダクネス「そ、それはそうかもしれないが……………だが、しかし、これは…………カズマのことだ。見えないからと言って、油断はできないのではないか?私の立てる水音だけで、とてつもなくいやらしい妄想を膨らませているのではないだろうか……………。」

アクア「ダクネスったら、心配しすぎよ!ほら、今はお湯を楽しみましょ?」

 

 アクアとダクネスは、そんな風に話す。

 ていうか、覗かねぇよ。

 そういう変態の風評は、精神的にもきついだろ。

 そんなのはごめんだ。

 精神的に辛い風評被害を受けるのは、二度とごめんだ。

 

クリス「ふふ、急に呼び出されて、温泉に行くって聞かされた時は、何事かと思ったけどさ。やっぱり、温泉で飲むシュワシュワは最高だね!疲れがすっかり吹き飛んだよ。」

ラン「分かります!何だか、体まで軽くなった気がしますよね!」

クリス「意見があったね!一緒に飲むかい?」

ラン「わあ……………!良いんですか?ありがとうございます!」

クリス「でも、一杯だけだよ?あんまり強く無いんだろ?」

ラン「あは、バレちゃいましたか?」

 

 クリスとランはそんな風に話しながら、お酒を飲んでいく。

 

リア「いや〜……………良いお湯だよね…………。」

エーリカ「本当にそうね!疲れが吹き飛ぶわね!」

シエロ「温泉で心身を癒しましょう!帰ったら、また鍛錬をしますか?」

リア「っ!?い、いや……………ひとまずは、温泉を楽しまないか?」

シエロ「それもそうですね。」

エーリカ「ふぅ………………。」

 

 アクセルハーツの3人も、そんな風に話しながら温泉を楽しむ。

 

めぐみん「は〜……………あったまりますね……………。」

ゆんゆん「めぐみん。どうしてそんなに堂々としていられるの?」

めぐみん「何のことですか?」

ゆんゆん「だ、だって……………!向こう側には…………………!」

めぐみん「ああ、カズマに湊翔達のことですか。カズマとは、一緒にお風呂にも入った仲ですから、今更動じたりしませんよ。しかも、あの時は2人きりでしたし。それに比べれば、この状況など、まだまだお子様向けコースですね。」

ゆんゆん「お、お子様……………?え、そ、そうなの?私の常識がおかしいの…………?」

めぐみん「カズマ曰く、混浴という遠い国の文化だそうなので、大丈夫ですよ。ゆんゆんは、湊翔の事が気になるのですか?」

ゆんゆん「え!?な、なんで湊翔さんの事が出てくるのよ!?」

めぐみん「分かっていますよ。ゆんゆんが湊翔の事を気になっている事は。」

ゆんゆん「ええっ!?」

 

 ゆんゆんとめぐみんは、そんな風に話す。

 混浴って、日本の文化だったのか?

 カズマは、めぐみんに何を吹き込んでいるんだよ。

 まあ、俺もトウカと一緒に風呂に入ったけどな。

 

トウカ「それにしても……………疲れが癒やされるよね……………。」

朱翼「ですね。……………それはそうと、湊翔さんには、どんな感じにアタックしていくんですか?」

トウカ「ぶっ!?い、いや……………今その話はしないでくれ……………!」

朱翼「分かっています。後でたっぷりと聞きますから。」

 

 トウカと朱翼は、そんな風に話していた。

 あの2人って、本当に仲が良いよな。

 ちょくちょく、2人で女子会を開いてるらしいし。

 

ウィズ「はぁ……………体の芯から温まりますね。あなたはどうですか?」

ちょむすけ「な〜う。」

ウィズ「ふふ。ポカポカして気に入ってるんですね?お湯に浸かりたくなったら、言って下さい。桶を用意しますから。」

ちょむすけ「なうな〜う。」

 

 ウィズは、ちょむすけに話しかけていた。

 そんな中、俺、カズマ、白夜は、魔石を洗っていた。

 

カズマ「……………皆、楽しそうだな。」

湊翔「確かに。……………さてと。こんなぐらいで良いかな?」

白夜「これで良いだろ。今回の数字は…………一か。」

湊翔「これで、魔石は合計五個集まったな。」

白夜「あと、どれくらい魔石があるんだろうな。後で魔石探索器を確かめるか。」

 

 確かに。

 七つの可能性もあるし、それ以上の可能性もあるよな。

 そんな中、カズマはため息を吐く。

 

カズマ「……………しかし、あっち側は楽しそうだな……………。せっかくの温泉なのに、こっちには野郎が2人……………。」

湊翔「おい。その手の風評は精神的にもきついと思うから、やめておけ。」

白夜「そうだな。変態のレッテルを貼られるぞ。」

 

 カズマは、精神的にきついのを味わった事がないのか?

 それはマジで辛いぞ。

 すると、バニルが話しかけてくる。

 

バニル「ならば、我輩も温泉にご一緒させて頂こうではないか?」

カズマ「結構です。」

湊翔「即答だな……………。」

白夜「まあ、のんびりしようぜ。」

 

 そうして、俺たちは温泉でしばらくのんびりする事にした。




今回はここまでです。
雪原での戦闘で、尚且つ、温泉に入りました。
次回は、ミステリータワーでの戦闘を予定しています。
ミステリータワーにて、魔王軍の幹部のあの2人が再登場します。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のギーツは、ナッジスパロウが退場しましたね。
舌切り雀のお婆さんみたいに、欲張った結果、破滅しましたね。
ただ、ジャマトが五十鈴大智をコピーした個体として出そうですが。
そして、復活のニラムと晴家ウィン。
次回は、ギーツとバッファの共闘ですね。
この小説のナッジスパロウも、脱落させようと思っています。
この小説では、まだコマンドフォームも出ていませんので、頑張って、出したいと思っています。
コマンドフォームは、紅伝説にて出します。
紅伝説に入る前に、復活のベルディアやら、時限爆弾ゲームもやるので、もう少し先になりそうですが。
時限爆弾ゲームでは、アクセルハーツのリアが活躍する予定です。
特に後半戦で。
スエルに関しても、今後出していきたいと思います。
この小説では、デザイアグランプリとデザイアロワイヤルの二つの陣営が戦う感じになる予定です。
今後の展開でリクエストがあれば、活動報告にお願いします。
仮面ライダーハクビに関しては、変身者の候補は、ランか、アクアか、カズマの親戚という感じに考えています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第44話 ミステリータワーでの戦闘

 温泉で疲れを癒した後、俺たちは屋敷に戻ってきた。

 

アクア「ただま〜!やっぱり、暖かい我が家が一番ね!」

 

 屋敷に入って、開口一番にそう言うアクア。

 まあ、気持ちは分かるが。

 ちなみに、他の面子は、クエストが終わった後、分かれた。

 すると、他の面子が口を開く。

 

カズマ「今回はマジで凍死すると思ったしな。」

白夜「俺としては、冬将軍と戦えなかったのが少し残念だったな。」

湊翔「まだ言うか………………。」

めぐみん「寒い所はしばらくは遠慮したいですね………………。」

朱翼「そうですね……………。」

湊翔「それで、魔石探索器の方はどうだ?」

トウカ「次の目的地は決まったのか?」

アクア「待ってて。え〜と……………。」

 

 カズマ達がそう話す中、俺とトウカは、アクアに魔石探索器を確認させる。

 アクアが確認すると、声を出す。

 

アクア「次はここに光点があるわね。」

ダクネス「どれどれ……………。」

めぐみん「次はここですか。」

カズマ「あれ?ここってアクセルの近くじゃないか?」

湊翔「え?……………あ、本当だ。」

白夜「なんだ、意外と近くにあるな。」

トウカ「近く……………?確か、そこのダンジョンは、封鎖されている筈だが。」

 

 そう。

 魔石探索器に表示された光点は、アクセルの近くを示していたのだ。

 それを見たトウカは、そう言う。

 

アクア「え?そうなの?どうして?」

トウカ「詳しい事情は聞いていないが、一般の冒険者には危険だという話を聞いてたんだ。」

ダクネス「ギルドがダンジョン封鎖の為の人員を手配したのが、つい先日の話だ。」

めぐみん「先月というと、それほど前の事ではありませんね。今もまだダンジョンには入れないんでしょうか?」

朱翼「まあ、詳しい事は、明日、ギルドで確認しましょう。」

白夜「だな。」

 

 そうして、俺たちは休む事にした。

 それにしても、封鎖されているダンジョンか。

 もし行く事になったら、龍とアフロディテの2人に声をかけておくか。

 あの2人も強いしな。

 カズマ達に情報収集を任せて、俺たちは、龍とアフロディテの2人を呼んでいた。

 

龍「………………なるほどな。つまり、その封鎖されたダンジョンに行くかもしれないから、手伝って欲しいと。」

湊翔「ああ。念の為にな。」

龍「分かった。力を貸そう。」

アフロディテ「大丈夫ですよ。」

白夜「助かる。」

トウカ「2人が力を貸してくれるのは、心強いな。」

朱翼「そうですね。……………なにやら、向こうが騒がしいですね。」

湊翔「というより………………聞いた事がある声がするんだが。」

白夜「あんのアホ……………!」

 

 そうして、龍とアフロディテも手伝ってくれる事になった。

 だが、受付の方が騒がしくなり、それが身内だったので、俺たちはすぐに向かう。

 丁度、カズマも向かっていた。

 

アクア「ねーねー!このダンジョンの封鎖、解いて欲しいんですけど!」

 

 アクアはそんな風に騒いでいた。

 それを見たカズマと白夜の2人は、頭を思い切り叩く。

 

アクア「痛っあ…………!な、何するのよカズマ、白夜!」

カズマ「ギルドで騒ぐバカが身内だったから止めたんだよ!」

アクア「だからって、叩かなくて良いじゃない!私はただ、ダンジョンの封鎖を解いて欲しいってお願いしてただけなんですけど!」

湊翔「本当か?他に何か無茶とか言ってないよな?」

アクア「失礼ね。言ってないわよ。さっさと封鎖を解いて、私たちをダンジョンに入れて。ついでに中を調査してあげるから報酬出して。それしか要求してないわよ。」

白夜「明らかに一言余計じゃねーか!!」

 

 こいつ、しれっと報酬を要求しやがった……………!

 強欲の女神だよな。

 俺が呆れ、カズマと白夜とアクアが言い争う中、ダクネスとトウカは、ルナに話しかけていた。

 

トウカ「悪いな。アクアが変な要求をして。」

ダクネス「だが、あのダンジョンに立ち入る許可を頂きたいのは本当なのだが…………。」

ルナ「………………理由は分かりませんが、皆さんがあのダンジョンに行きたがっているのは理解しました。ですが……………ここは本当に危険なんです。」

めぐみん「わざわざギルドが封鎖するなんて珍しいですね。」

湊翔「そのダンジョンで何が起こったんだ?」

ルナ「そうですね………………。」

 

 ルナさんは、そんなふうに言う。

 ギルドがわざわざ封鎖するということは、何かあったという事だ。

 それは聞いておくべきだろう。

 

ルナ「………………皆さんは、街のすぐ近くにこんなダンジョンがあるなんてご存知でしたか?」

湊翔「初耳だな。」

カズマ「そういえば、ダクネスの話を聞くまで知らなかったな。」

アクア「私も聞いた事ないんですけど〜。」

ダクネス「私とトウカも、先月にギルド職員から聞いたのが初めてだ。」

朱翼「改めて考えてみても、おかしいですよね。」

めぐみん「確かに。街から近いダンジョンなんて、冒険者にとっては、絶好の稼ぎ場です。」

白夜「それなのに、俺たちが知らないなんて事があるのか?」

 

 そう。

 そのダンジョンに関しては、俺たちは初耳だったのだ。

 稼ぎ場にされそうなのに、封鎖されるとはな。

 すると、ルナさんが口を開く。

 

ルナ「ええ。普通はあり得ません。ですがこの場合、理由ははっきりしています。このダンジョンが出来たのは……………先月ですから。」

アクア「はあ!?ダンジョンが出来たっていうのは、どういう意味よ!?」

湊翔「マジか……………。」

ルナ「言葉通りです。このダンジョンの発見報告は、先月出された物が最初なんですけど、それ以前は、一件もありません。この場所には……………何もなかったんです。」

 

 それは、かなり不気味だな。

 いきなり出現したダンジョンか…………。

 どうなってんだ?

 

カズマ「なんだか……………怪談話みたいになってきたな。」

トウカ「しっかし、ダンジョンが突然現れる現象なんて、聞いた事がないぞ。」

ルナ「ギルドでも、そのような話を知る者は居ませんでした。このダンジョンは本当に謎だらけで………………。」

白夜「まあ、いきなり現れたんだからな。」

ルナ「そこで我々は先月、何組かのパーティーに、このダンジョンの調査依頼を出しました。」

朱翼「結果はどうでしたか?」

 

 まあ、未知のダンジョンは調査するのが基本だろうからな。

 朱翼がそう聞くと、ルナさんは話す。

 

ルナ「……………その数日後、全てのパーティーが怯えた様子で帰還したんです。」

カズマ「怯えた様子?」

ルナ「ええ。ダンジョンで何があったのか皆さんにお聞きしましたが、全員、バラバラの内容で要領を得なくて……………。ただ、中には危険な上級モンスターまで現れたという話もありましたから………………。」

湊翔「それで、念の為に冒険者の立ち入りを禁止した訳か。」

ルナ「ギルドとしましても、調査したいのは山々なんですけどね………………。」

 

 バラバラの内容で要領を得ないか……………。

 本当に、ダンジョンで何があったんだ?

 これじゃあ、対策の立てようがないな。

 

朱翼「気になりますね。ダンジョンで何があったんでしょうか……………。」

めぐみん「カズマは、どう思いますか?」

カズマ「…………………。」

めぐみん「カズマ?」

カズマ「よーし!今回は諦めよう!」

 

 朱翼がそう言って、めぐみんがカズマにそう聞くと、カズマは晴れやかな笑顔でそう言う。

 まあ、無理もないか。

 

ダクネス「なっ、なんだと!?」

アクア「急に何言ってるのよ、カズマ!私の魔石がすぐ目の前にあるのよ!?」

白夜「お前のじゃねえだろ。」

めぐみん「そ、そうです!しかも、なぜそんな晴れやかな表情なのですか!?」

カズマ「だって、何組のパーティーが調査に向かって失敗したんだろ?そんな危ない所に今更俺たちが行っても、同じ目に遭うだけだって。」

湊翔「ふむ…………………。」

ダクネス「こ、この男、ものすごく後ろ向きな発言を堂々と……………!」

 

 アクア、めぐみん、ダクネスが驚く中、カズマはそう言う。

 俺、トウカ、白夜、朱翼は、顔を見合わせる。

 どうしたもんかな………………。

 

めぐみん「逃げ腰にも程があります!最低です!クズです!」

カズマ「誰がクズだ、誰が!!」

湊翔「でも、カズマの言う通り、二の舞になりそうな気がするんだよな……………。」

白夜「…………………どうしたもんか。」

ダクネス「湊翔まで!?」

アクア「でもカズマ、湊翔!目の前に一千万エリスが転がってるのよ?これを取りに行かないなんて、冒険者としてどうかと思うの!」

湊翔「そう言うお前の場合は、ただ単に金に釣られただけだろ。」

アクア「そもそも、私たちはそこらのパーティーとは実力が違うのよ?なんたって、上級職であるアークプリーストのこの私が付いているんですからね!」

白夜「その根拠のない自信はどこから出てくるんだ………………。」

 

 全くだよ。

 というより、アークプリーストがいるパーティーなんて、普通にいんだろ。

 アクセルハーツとか。

 

ダクネス「カズマ、湊翔。そうは言うが、私たちには魔王軍の幹部を倒してきた実績があるし、アクアを除けば、全員が仮面ライダーだろう?運が良かった面もあるが、他のパーティーよりはダンジョンを踏破する可能性は高いのではないか?」

トウカ「それに、いつまでもダンジョンを調査せずに放っておくわけにはいかないだろ。」

龍「心配するな。俺たちも手伝おう。」

アフロディテ「ええ。」

ルナ「そうですね……………。王都から騎士が派遣されるまで待つ予定でしたが……………確かに、皆さんでしたら、大丈夫かもしれません。」

 

 こりゃあ、調査する事になりそうだな。

 まあ、仕方ないか。

 

ルナ「分かりました。私の責任で、ダンジョンの封鎖を一時的に解除します。サトウカズマさん、桐ヶ谷湊翔さん、調査をお願いします!」

カズマ「って、なんで俺と湊翔になってるんだよ!?言い出したのはアクアだろうが!」

ルナ「そ、そんな事を言われましても…………二つのパーティーのリーダー格は、カズマさんと湊翔さんですし……………。」

アクア「何カッカしてるのよ。魔石が取りに行けるんだから、喜びなさいよ。」

湊翔「他人事の様に言いやがって……………。」

ダクネス「良いじゃないか。魔石集めをしながら、危険なダンジョン調査が出来る。一石二鳥だ。」

トウカ「ダクネスの願望が混じってないか?」

めぐみん「私も、まだまだ魔石を集めたいのです。これくらいでは満足出来ません。」

白夜「まあ、強い敵と戦えるのなら、俺に文句はねぇ。」

朱翼「私も、色々と手伝いますよ。」

 

 ルナがそう言う中、カズマは叫び、それぞれがそう言う。

 まあ、何とかなると信じて行くしかないか?

 

カズマ「はぁ……………分かったよ。」

湊翔「そのダンジョンの調査、引き受けます。」

ルナ「ダンジョン調査、受けていただけるんですか!?」

カズマ「その代わり、危険な事があったら、すぐ逃げるからな。」

ルナ「ええ、勿論です。塔の形をしたダンジョンですが、上階には何があるか分かりません。どうか、気をつけてくださいね。」

 

 そうして、俺たちはそのダンジョンの調査クエストを受ける事にした。

 若干の胸騒ぎがするが、大丈夫か?

 そんなこんなで、その塔の形のダンジョンへと向かう。

 

カズマ「着いたか。しかし……………何だ、この見るからに不気味な塔は。」

湊翔「しかも、異常な量のアンデッドが塔の前に居るよな……………。」

トウカ「流石に、あの量のアンデッドとやり合うのは、体力の消費が激しそうだ。避けよう。でも、何で大量発生したんだ?」

カズマ「どうせ、アクアに寄ってきたんだろうけどな。」

アクア「何よ。神々しくて生命力に溢れているからって、何でも私のせいにしないでよね!」

白夜「アンデッドが寄ってくるのは、事実だろうが。」

ダクネス「……………しかし、困った状況になってしまったな。流石に数が多すぎる。」

めぐみん「ここは、私の最強の爆裂魔法で……………!」

カズマ「おいやめろ!塔の調査が出来なくなるだろうが!」

 

 アクアというアンデッドを引き寄せる存在がいる以上、更に湧いてきてもおかしくない。

 どうしたもんかな。

 すると、龍とアフロディテが聞いてくる。

 

アフロディテ「それで……………。」

龍「2人はこの状況でどうする?」

カズマ「そもそも、迷う所じゃないだろ。」

湊翔「分が悪い。街に戻って、作戦を練って、体勢を整えるぞ。」

ダクネス「そうだな……………。」

トウカ「それが賢明だな。」

アクア「ダメよ!私の魔石を早く手に入れなきゃいけないもの!帰ってる暇なんてないわ!」

朱翼「アクアさん………………。」

湊翔「じゃあ、あのアンデッドの群れをどうするのかは、決まってるのか?」

アクア「そんなのカズマや湊翔が考えてよ。私は女神なの。考える担当じゃないの。」

白夜「コイツ………………!」

 

 さらっと押し付けやがった!

 アンデッドがあんなに居るのは、アクアの影響かもしれないのに!

 女神を自称するなら、少しは考えろよ!

 そう思っていると、カズマが口を開く。

 

カズマ「そうかそうか……………じゃあ、一つ思いついたぞ。」

アクア「え、本当!?」

カズマ「ああ、本当だ。だから……………行ってこいアクア!」

アクア「えっ?」

 

 カズマはそう言って、アクアを蹴る。

 すると、アンデッドはアクアの事を凝視していた。

 

アクア「あの、えーと……………カズマ?何で私1人蹴り出したの?アンデッドがこっちを凝視してるんですけど………………。」

カズマ「そりゃあ、生命力溢れる女神様だからな。アンデッドからも大人気で嬉しいだろ。」

アクア「え、ちょ、この流れって……………!」

 

 そういう事か。

 すると、アクアに目掛けて、アンデッドが押し寄せてくる。

 

アクア「いやぁぁぁぁ!!アンデッドが追ってくるんですけど〜!?」

 

 そんなふうに叫びながら、アクアは逃げ惑う。

 

カズマ「……………よし。周りのアンデッドは、全部アクアに向かっていったな。」

湊翔「よし。今のうちに塔に入るぞ。」

白夜「だな。」

朱翼「えっ!?放置するんですか!?」

ダクネス「お前達という奴は……………。」

トウカ「あはははは………………。」

めぐみん「相変わらず、アクアへの扱いが酷いですね。」

龍「………………。」

アフロディテ「あははは……………。」

カズマ「あいつが言い出したんだから、当然だろ。……………あ。」

 

 それを見ていた俺たちがそう言うと、他の人からは、非難の視線だったり、苦笑する気配を感じる。

 だって、そっちの方がいいだろ。

 すると、アクアがこっちに向かってくる。

 

アクア「か、カズマーっ!湊翔ーっ!助けてよ〜〜〜〜っ!!」

カズマ「ばっ!?お前が戻ってくるなよ!アンデッドまで戻ってくるだろ!?」

湊翔「急げ!塔の中に入るぞ!」

 

 俺たちはそう話して、塔の中へと駆け込む。

 どうやら、アンデッドからは逃げ切れた様だ。

 塔の中に入った俺たちは、すぐに変身する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、龍の横には、大型の戦艦の絵と英語でFLEETという文字が現れる。

 全員が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「「「「変身!」」」」」」」

 

 俺たちは、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

FLEET

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、龍はムメイ・フリートフォームに変身する。

 

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「………………あれ?」

ダクネス「どうした、カズマ?」

カズマ「いや、このダンジョンって、封鎖されてたんだよな?」

湊翔「ああ。その筈だが。」

カズマ「なのに……………人が居るんだよ。」

白夜「あん?……………本当だ。」

 

 そう。

 本来、封鎖されているダンジョンに、人なんて居ない筈なのに、人が居た。

 俺たちは、声を掛けることに。

 

湊翔「あの……………すいません。」

男性「あらー!貴方、運がいいわね!」

カズマ「え?」

トウカ「あれ…………なんかこのやり取りに既視感が…………。」

白夜「嫌な予感がするな……………。」

男性「貴方は、丁度ここに来た一万人目の人なのよ!いやー、全く、本当に運がいいわね!記念品をプレゼントするから、どうぞ受け取って頂戴!」

湊翔「いや、ここ、封鎖されてるんですよ?何でここに居るんですか?」

男性「ほらほら!良いから!こっちが景品の聖水ね。受け取る前にこっちの紙にサインして。」

湊翔「え?ああ、はい。ええと……………。」

 

 何でここに人が居るんだよ。

 そう思いながらも、紙を見ると、アクシズ教団の入信書と書かれていた。

 

湊翔「アクシズ教団入信書……………!?」

カズマ「……………………。」

ダクネス「……………………。」

めぐみん「……………………。」

白夜「やっぱりかぁ…………………。」

トウカ「だろうなぁ……………………。」

龍「…………………。」

アフロディテ「……………………。」

 

 俺たちは、顔を見合わせて、即座に去っていく。

 すると、朱翼が口を開く。

 

朱翼「え?記念品を貰わなくて良いんですか?」

白夜「朱翼。良いから、こっちに来い。」

アクシズ教徒「ああっ!ちょっと!?どこに行くの!?今なら聖水を更にもう一本つけてあげるわ!だから、この入信書にサインをーっ!」

 

 朱翼がそう言う中、白夜が連れて行き、アクシズ教徒は叫ぶ。

 何でアクシズ教徒が居るんだよ。

 すると、周囲にはアクシズ教徒が結構居た。

 

カズマ「……………何なんだここ。」

めぐみん「ダンジョンの中にアクシズ教徒の人がたくさんいます。正直、モンスターより怖いのですが。」

湊翔「とにかく、理由は分からんが、ここはアクシズ教徒の連中がたくさん居る。」

白夜「一応、アクアを回収しとくか?」

トウカ「そうだな。」

 

 そうして、アクアを回収する事にした。

 というより、アクシズ教徒とはいえ、何でここに人間がいるんだ?

 そこが気になった。

 

アクア「うう………………何で私の事を置いていくのよ……………。」

カズマ「だから悪かったってさっきから言ってるだろ………………ん?」

ダクネス「どうした、カズマ?」

カズマ「今、人の声が聞こえなかったか?」

めぐみん「人の声ですか?」

湊翔「おかしいな。俺たちが来るまで封鎖されていた筈だが。」

白夜「いや、確かに聞こえるな。上の階にいるな。」

トウカ「もしかして、またアクシズ教徒か?」

朱翼「どうでしょうか………………。」

 

 そう。

 上の方から声が聞こえてきたのだ。

 アクシズ教徒じゃねぇだろうな…………。

 もうアクシズ教徒とは、金輪際会いたくないんだが………………。

 

湊翔「アクシズ教徒、まじで嫌だなぁ…………。」

アクア「ねえ、皆。私の信者の事、嫌いすぎじゃ無い?」

白夜「とにかく、上の方に行くぞ。バレないように行ければ………………。」

 

 そうだな。

 すると、白夜の前に、虫が現れる。

 その虫は、黒い虫だった。

 

湊翔「え?………………ゴキブリ?」

トウカ「何でゴキブリがここにいるんだよ?」

朱翼「ダンジョンにも、住んでいるんでしょうか………………?」

カズマ「いや、それはおかしいから。…………白夜?」

 

 そう、ゴキブリだった。

 何でゴキブリがここに居るんだよ。

 そう思う中、白夜は顔を伏せていた。

 すると、次の瞬間。

 

白夜「俺に…………………!」

湊翔「白夜?」

白夜「俺に寄るなぁぁぁぁぁ!!害虫共ォォォオオオ!!!」

 

 すると、白夜は体から雷を放出して、ゴキブリに攻撃していく。

 え、何事!?

 そう思う中、雷がこちらにまで来て、アクアが感電する。

 

アクア「あびゃびゃびゃびゃ!!!」

めぐみん「アクア!?」

ダクネス「おい、白夜!アクアが巻き込まれているぞ!それより………………私にやってくれ!」

トウカ「言ってる場合か!?」

朱翼「早く止めないと………………!」

龍「だな。」

アフロディテ「はい。」

湊翔「カズマ!あいつを止めるぞ!」

カズマ「俺!?…………………しょうがねぇなぁぁぁぁぁ!!」

 

 俺たちはそう話して、俺とカズマは、レイズバックルを操作する。

 

MAGNUM STRIKE

NINJA STRIKE

 

 俺とカズマは、白夜の放出する雷を避けつつ、右足にエネルギーを溜める。

 俺の右足にはアプルーバルリボルバー型のエネルギーが、カズマの右足には風のエネルギーが溜まる。

 

湊翔「ハァァァァァ!」

カズマ「オラァァァァァ!!」

白夜「のわっ!?」

 

 俺とカズマのキックが、白夜に命中して、白夜は吹っ飛ぶ。

 白夜は変身解除して、こっちを見る。

 

白夜「お前ら……………どういう状況だ?」

カズマ「正気になったか……………。」

湊翔「ゴキブリで取り乱すなんてな。何かあったのか?」

白夜「昔……………ゴキブリが俺の顔に付いたんだよ……………。」

 

 ああ、そういう事か。

 無理もないな。

 その後、アクアを復活させて、俺たちは進んでいく。

 進む中、アンデッドやら岩を背負ったカタツムリや呪いの人形やら、ミノタウロスが出てきた。

 何でも出てくるよな。

 その後、2階に上がる。

 

めぐみん「……………カズマ。目標を発見しました。やはり、人間みたいです。」

カズマ「アクシズ教徒だったら逃げるからな。」

湊翔「だな。」

ダクネス「いや、待て。あの人影は…………。」

ウィズ「あ、あれ!?こ、ここってどこですか!?」

白夜「ウィズ?」

 

 そう。

 そこに居たのは、ウィズだった。

 ウィズに話を聞くと、どうやら、ギルドに依頼されたらしい。

 よっぽど、ギルドはこのダンジョンを気にしているわけだ。

 

湊翔「そういう事か。」

ウィズ「はい。やはり、ギルドとしては、ここを調査しておきたいみたいですね。」

白夜「なら、ウィズも来ないか?」

ウィズ「良いんですか!?」

トウカ「まあ、良いんじゃないか?戦力としては、申し分ないし。」

ウィズ「ありがとうございます!」

アクア「何言ってんの!?私は反対よ!」

カズマ「何言ってんだ。」

アクア「アンデッドに追われてたのに、アンデッドを近づけるなんて、正気なの?それに、ウィズをここに置いていけば、アクセルの街からアンデッドを追い出せて、報酬も独り占めよ!」

湊翔「最低だな。」

 

 それはどうかと思うな。

 まあ、女神とアンデッドだからだろうけど。

 だからといって、それは人としてどうなんだと思う。

 そんな風に思いながらも、俺たちは先へ進む。

 暗闇のエリアがあったり、動く床のエリアとかもあった。

 そんな中、カズマが口を開く。

 

カズマ「ようやく半分くらい登ったか…………。」

湊翔「これ、あと何階層あるんだ?」

ダクネス「アクシズ教徒の多さには、苦労させられるな。」

白夜「何でこんなにアクシズ教徒がいるんだよ……………。」

 

 本当だよ。

 その後、突然、戦闘用のバニル人形が現れたりした。

 だが、何故戦闘用のバニル人形が現れたのかは、分からない。

 それに、ダクネスがベルディアの姿を目撃したと言った。

 どうなってんだ?

 そんなこんなで、俺たちは先へと進んでいく。

 途中、悍ましいジャイアントトードと遭遇するが、倒した。

 その上の階に上がると。

 

カズマ「何だここ……………!?」

湊翔「スキルが使えない………………!?」

白夜「面白ぇ!己の腕だけで倒してやるよ!」

 

 その上の階は、スキルが封じられるエリアで、レイズバックルを使った必殺技や、武器の必殺技も封じられた。

 その為、己の実力だけで倒していく。

 しばらくして、最上階に到着した。

 その道中、モンスターが湧き出る理由が朧げにだが分かった。

 

カズマ「……………着いたな。ここが最上階だな。」

めぐみん「さ、流石にここまで来ると、疲れますね……………。」

アフロディテ「大丈夫ですか?」

朱翼「そりゃあ、塔が高いですもん。無理もないですよ。」

龍「それはそうと……………来るぞ。」

湊翔「ああ。」

トウカ「魔力が集まってくる…………!?」

白夜「気をつけろよ!」

ダクネス「あの姿は……………!?」

 

 俺たちはそんな風に話すと、魔力が集まってくる。

 すると、見覚えのある形になる。

 そこに居たのは、ベルディアとハンスだった。

 

ベルディア「クククク……………冒険者達よ。久しぶりだな。」

ハンス「よお、ウィズ。それに、そこの見覚えのある人間達。あん時は良くもやってくれたな。」

ウィズ「ベルディアさん…………ハンスさん…………!どうしてこんな所に…………!?」

トウカ「一度倒したはずの魔王軍の幹部が何でここに居るんだよ!?」

 

 ベルディアとハンスが現れた事に混乱する中、カズマと俺は口を開く。

 

カズマ「あれは多分……………幻だ。」

ダクネス「幻だと?」

カズマ「ああ。多分、この塔が魔力で作り出してるんだよ。」

ウィズ「そういえば、お二人の存在感も若干薄いような気がします。」

湊翔「それに、ずっと気になってたんだ。アクシズ教徒にゴキブリ、ジャイアントトード、アンデッドにバニル人形。どれもバラバラだ。」

トウカ「確かに………………アクシズ教徒は、一応人間だから、ダンジョンに居るのもおかしな話だ。」

朱翼「まさか、この塔が魔力でそれらを作り出しているという事ですか!?」

湊翔「そういう事。冒険者によって、出てくる敵がバラバラなのは、苦手な物とかが違うからだ。」

龍「そういう事か…………………。」

アフロディテ「納得ですね。」

 

 そう。

 これで合点がいった。

 ゴキブリは白夜の、アクシズ教徒は俺たち全員、バニル人形にアンデッド、ジャイアントトードはアクアのトラウマから形成されたのだろう。

 俺は少し安堵していた。

 俺の過去からのトラウマから生成されずに良かったと。

 あんなのはもうごめんだ。

 

めぐみん「確かに、私もアクシズ教徒は苦手です。」

アクア「ねえ、何でそんなに私の信者達を嫌うの!?皆、良い子たちばかりなのよ!?」

湊翔「どの口が言うんだ。」

 

 何が良い子だよ。

 周囲に迷惑をかけてばかりの迷惑集団だろうが。

 すると、ベルディアが口を開く。

 

ベルディア「何を余計な事を話している。ここで会ったが100年目だ。覚悟しろ!」

ハンス「あの時の借りはたっぷりとお返ししてやるよ!」

龍「来るぞ。」

湊翔「よし!現状使える最強戦力で行くぞ!」

トウカ「ああ!」

 

 俺たちは、別のレイズバックルを取り出す。

 アクアには、ブレッシングを使わせた。

 俺は、マグナムレイズバックルを抜いて、龍から受け取った、ワンダーレイズバックルを両側から装填して、中央部にマグナムレイズバックルを装填する。

 トウカは、トレインレイズバックルを装填する。

 カズマ、ダクネス、めぐみん、白夜、ウィズは、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、フィーバースロットレイズバックルを取り出して、装填する。

 龍は、蜘蛛の様なメカメカしいロボットの形の大型レイズバックルを装填する。

 

SET

SET FEVER

 

 待機音が流れる中、俺たちはレイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

NINJA

LIGHTNING

BEAT

ZOMBIE

JET

FLUTE

WONDER MAGNUM

GET READY FOR TRAIN & CALIBER

HIT FEVER NINJA

HIT FEVER LIGHTNING

HIT FEVER BEAT

HIT FEVER ZOMBIE

HIT FEVER JET

HIT FEVER FLUTE

GET READY FOR FLEET & SPIDER

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・ワンダーマグナムフォーム、トウカはラウンズ・カリバートレインフォーム、カズマはタイクーン・フィーバーニンジャフォーム、白夜はライコウ・フィーバーライトニングフォーム、めぐみんはナーゴ・フィーバービートフォーム、ダクネスはバッファ・フィーバーゾンビフォーム、ウィズはホーク・フィーバージェットフォーム、龍はムメイ・フリートスパイフォームに変身する。

 俺たちは、ベルディアとハンスへと向かっていく。

 

湊翔「ハアッ!フッ!」

 

 俺は、両腕両足のアーマードガンを展開して、マグナムシューターと合わせて攻撃する。

 

トウカ「ハアッ!とりゃあ!」

 

 トウカは、トレインのアーマーの力で線路を生み出して、空中に浮かび、斬撃波を放つ。

 

白夜「オラっ!ハアッ!」

 

 白夜は、両手両足から雷を生み出しつつ、高速移動をして、攻撃していく。

 

朱翼「ハアッ!でやっ!」

 

 朱翼は、フルートソードを2本持って、攻撃していく。

 

カズマ「ハアッ!とりゃあ!」

 

 カズマは、ニンジャデュアラーをツインブレードの状態で持ち、攻撃していく。

 

めぐみん「ハアッ!フッ!」

 

 めぐみんは、ビートアックスを2本持って、エレメント攻撃をしていく。

 

ダクネス「ハアッ!」

 

 ダクネスは、ゾンビブレイカーを持って、攻撃していく。

 

ウィズ「ハアッ!」

 

 ウィズは、空を飛びながら魔法で攻撃していく。

 

龍「ハアッ!どりゃあ!」

 

 龍は、周囲に糸を張り巡らせて、縦横無尽に動いて、剣で攻撃していく。

 ベルディアとハンスは、ダメージを受けていた。

 だが、倒してもすぐに復活する。

 

カズマ「くそっ!すぐに復活するな!」

湊翔「どうする?このままだとジリ貧だぞ。」

白夜「どうしたもんか……………。」

 

 そう。

 片方を倒しても、すぐに復活する。

 すると、カズマが叫ぶ。

 

カズマ「アクア!大量の水を生み出せ!ウィズは、カースド・クリスタルプリズンを使え!」

アクア「え、ええ!」

ウィズ「分かりました!」

 

 カズマがそう叫ぶのを聞いて、意図を察して、俺たちはすぐに離れる。

 

アクア「セイクリッド・クリエイト・ウォーター!」

ウィズ「カースド・クリスタルプリズン!」

 

 アクアが大量に水を召喚して、それをウィズが凍らせる。

 すると、ベルディアとハンスは身動きが取れなくなる。

 

ベルディア「ぬっ!?」

ハンス「何………………!?」

カズマ「よし!成功だ!」

湊翔「一気に決めるぞ!」

トウカ「ああ!」

 

 そう話して、俺たちは必殺技を放つ。

 

WONDER MAGNUM VICTORY

CALIBER TRAIN VICTORY

GOLDEN FEVER VICTORY

FLEET SPIDER VICTORY

 

一同「ハァァァァァァ!!」

 

 俺たちは、ライダーキックを放っていく。

 それらを食らって、ベルディアとハンスは動きを止め、消滅が始まる。

 それを見て、変身解除する。

 

ハンス「くそ……………!こんな奴らに二度も負けるなんて、冗談にもならねぇ…………!」

カズマ「俺たちを甘く見たな!アクアはともかく、俺たちは仮面ライダーなんだよ!」

アクア「そうよ!………………って、その一言は必要なのかしら?」

ハンス「そうかよ……………だが、そこのアークプリーストの女には、一矢報いないと気がすまねぇ……………!」

 

 ハンスはそう言って、何かをアクアに投げつける。

 

アクア「きゃああっ!?」

カズマ「アクアっ!?」

ハンス「ククククッ……………!アーハッハッハッハッ!今飛ばしたのは、俺の体液をとびっきり凝縮したもんだ!これを受けて無事な生物は居ない!」

湊翔「マジか!?」

白夜「おい!」

トウカ「デッドリーポイズンスライムの体液だから、当たったら即死だぞ!」

 

 俺たちはアクアの方を見ると、アクアはケロッとしていた。

 

トウカ「あ、あれ?」

めぐみん「アクア……………大丈夫なのですか?」

アクア「ああ、あれの事?あんなの、私の羽衣には効かないわ!……………って、羽衣が粘液まみれなんですけどーっ!?」

ハンス「くっ……………最後の足掻きも通じないのかよ……………。全く………………ついてねぇな……………。」

 

 そういえば、アクアは女神だったな。

 度々それを忘れるな。

 まあ、どうでも良いけど。

 そう思う中、ハンスはそう言いながら消滅した。

 

龍「流石に、あれを俺たちが食らっていたら、無事じゃ済まなかっただろうな。」

アフロディテ「ええ。アクアさんだから大丈夫だったのですから。」

湊翔「だな……………残るは。」

ベルディア「……………ハンス。消滅する前に、せめて無念だけは晴らすつもりだったのか。立派な最後だ。」

カズマ「まあ、アクアの羽衣をベタベタにしただけだけどな。」

ベルディア「ならば、俺も悔いのない様に足掻くとしよう。ウィズ!」

ウィズ「は、はいっ!?」

ベルディア「これを………………受け取れぇぇぇぇぇ!!」

 

 ベルディアはそう言って、何かを投げる。

 まさか、飛び道具の類か!?

 

カズマ「後衛に何か投げやがった!」

白夜「ウィズ!急いで避け……………ん?」

ベルディア「ハァァァァァァァァ!!」

 

 カズマと白夜がそう叫ぼうとすると、呆気に取られる。

 それもそのはず。

 ベルディアの声は、ウィズの足元から聞こえてきたのだ。

 そう、ベルディアは、自分の頭をウィズの足元に投げたのだ。

 

ウィズ「キャアアアアっ!!」

ベルディア「そうだ!俺はこの時を待っていた!もう一度、ウィズのスカートを覗き見出来る瞬間を!」

湊翔「えぇぇぇぇ…………………。」

ベルディア「ハアッ………………ハアッ……………はっ!?見えた……………見えたぞ!今日のウィズの下着は……………く。」

ウィズ「わぁぁぁぁぁ!ふんっ!」

ベルディア「ぷぎゅっ!?」

 

 それがやりたかったのかよ……………。

 ダクネスの言う通り、とんだ変態だったな。

 ウィズの下着の色を言おうとした瞬間、ウィズに踏まれ、消滅する。

 

白夜「ベルディアの奴……………ウィズに踏み抜かれて、消えたな。」

トウカ「本体も、一緒に消えたな。」

湊翔「……………魔石捜索に入るか。」

朱翼「ですね。」

 

 そうして、復活した魔王軍幹部との戦いを終えて、俺たちは魔石を探す事に。




今回はここまでです。
今回は、ミステリータワーにて、復活したベルディアとハンスとの戦闘です。
このすばらしさも出ていたと思います。
次回は、ミステリータワーにて、魔石を探す時の話からです。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のギーツは、英寿と道長が共闘しましたね。
2人の共闘はいいですね。
アルキメデルとなったダンクルオステウスジャマトが死亡しましたね。
そして、ギーツエクストラのパンクジャックで、デザイアグランプリの裏側が描かれましたね。
次回のギーツで、新たな形態が出てくるみたいで、楽しみです。
ちなみに、湊翔と馬場武の2人は、共闘しません。
いよいよ、魔石も残り僅かとなりました。
カズマのタイクーンにも、あのシノビレイズバックルを使わせようと思っていますが、どのタイミングで手に入れるのかは、考え中です。
希望の迷宮と集いし冒険者たちの後、時限爆弾ゲームと復活のベルディアの話をやって、紅伝説に入っていきます。
なかなか、コマンドフォームが出せなくて、すいません。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第45話 桃源郷への誘い

 ベルディアとハンスを倒した俺たちは、魔石を探す事にした。

 手分けをして探す。

 

湊翔「そっちにはあったか?」

カズマ「いや。そっちはどうだ?」

ダクネス「ふむ……………こっちではないみたいだな。」

ウィズ「こちらでもないみたいです。」

めぐみん「ここにもありません。魔力の気配はするので、遠くはないと思うのですが……………。」

トウカ「こんなに探しても見つからないなんてな………………。」

白夜「もうちょい探すぞ。」

朱翼「ですね。」

龍「ああ。」

アフロディテ「分かりました。」

 

 だが、なかなか見つからずに、苦戦していた。

 カズマは、アクアに声をかける。

 

カズマ「アクアの方はどうだ?」

アクア「うーん……………探索器の反応だとこの辺なんだけど…………あっ!カズマー!こっちこっち!あったわよ!」

カズマ「おー!」

ダクネス「見つかったか。」

湊翔「みたいだな。」

めぐみん「今度の数字は何でしょう。」

白夜「これは………………七だな。」

トウカ「魔石はこれで六個目か。」

朱翼「後一つですね。」

 

 ここまで来たんだな。

 だいぶ苦労したな。

 すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「最悪、最後の一個を見つけられなくとも、十分な稼ぎになったんじゃないか?」

めぐみん「ダメです。ちょむすけの分が足りません。」

カズマ「だから猫は入れんな。」

ちょむすけ「なーう。」

めぐみん「カズマ。ここまで着いてきてくれたちょむすけだって、立派な私たちの仲間ですよ。この子にも魔石をもらう権利はあります。」

カズマ「猫に小判だ。必要ないだろ。」

 

 まあ、確かにね。

 ちょむすけに魔石を渡しても、意味はないだろう。

 すると、魔石の光が消えていく。

 

トウカ「魔石の光が消えていくな。」

湊翔「確かに。」

めぐみん「……………もしかして、ダンジョンの幻を生み出すのに、魔石の力を利用していたんじゃないでしょうか?」

朱翼「カズマさんが拾い上げたから、ダンジョンとの繋がりが切れたという事ですか?」

白夜「そうかもな。」

アクア「あ、それってつまり、帰りは楽が出来るって事じゃない!?」

ダクネス「そうか。塔の幻が発生しなくなったのなら、敵が出てくる心配はないな。」

カズマ「そりゃあ、良いな!今日は精神的に疲れたし、早く帰りたい所だったんだ。それじゃあ、さっさとこんな塔から降りるぞ。」

 

 確かに、そうかもしれない。

 だが、なんか嫌な予感がする。

 すると、白夜がウィズに話しかける。

 

白夜「どうした、ウィズ?」

龍「何か気になる事でもあるのか?」

ウィズ「い、いえ……………皆さん、お気づきになってないみたいですけど……………。」

アフロディテ「なんか、塔の壁や床石が透けてきてませんか?」

湊翔「………………え?」

カズマ「はい?」

 

 白夜と龍に話しかけられた2人がそう言うのを聞いて、俺たちは周囲を見渡す。

 すると、塔自体が薄くなってきているのだ。

 

カズマ「おいおい!まさか、塔まで幻影だったってオチか……………!?」

アクア「か、カズマ、それ、どういう事!?」

湊翔「お前、分かってないの!?このダンジョンは、幻を生み出す物なんだよ!」

ウィズ「つまり、魔力供給が切れたので、幻影で出来た塔自体が消えているのでは…………。」

朱翼「あの………………ここって、何階でしたっけ………………?」

ダクネス「分からない位登ってきたな……………。」

ウィズ「あの、そうこうしてる間に、壁が無くなってきちゃいました。」

白夜「壁だけじゃねぇな。」

めぐみん「床ももう見えなくなってきました。」

 

 あれ、これ、やばくね?

 俺たちは、冷や汗を流す。

 すると、アクアが口を開く。

 

アクア「えっと……………つまり?」

トウカ「このままだと、地面に落ちて、ミンチになるな。」

龍「面倒な事になったな……………。」

アフロディテ「ですね……………。」

アクア「いやぁぁぁぁぁ!!カズマさん!カズマさん!落ちるぅぅぅぅ!!」

カズマ「おい、アクア!その羽衣を貸してくれ!」

アクア「嫌よ!これは女神の証なんだから!」

カズマ「うるせぇぇぇ!!地面に叩きつけられたかったら、1人で叩きつけられてろ!」

白夜「ウィズ!なんかサポート頼む!」

湊翔「皆、行くぞ!」

 

 俺たちは、アクアの羽衣をパラシュート代わりにして、塔から脱出する。

 すると。

 

ウィズ「テレポート!」

湊翔「あ。」

 

 そういや、テレポートがあったな。

 すると、俺たちはアクセルにテレポートした。

 なんとか、ミステリータワーからの生還を果たしたのだった。

 龍とアフロディテは、どこかに行ってしまったが。

 そんな中、アクアは唸っていた。

 

アクア「うーん……………おかしいわね……………。」

ダクネス「どうしたんだアクア。難しい顔して。」

アクア「あ、ダクネス。見てよ、この探索器。次の魔石の場所を確認しようと思ったんだけど……………。」

朱翼「どれどれ……………。」

トウカ「目的地が移動してる…………?」

めぐみん「光点が動き回っていますね。」

アクア「どういう事?壊れちゃったのかしら?調子が悪い時はこうやって……………ていっ!」

 

 そう。

 光点が移動していたのだ。

 どういう事かと首を傾げる中、アクアが探索器を叩く。

 

カズマ「おいこら、乱暴に扱うな。」

白夜「壊れたらどうすんだよ。」

アクア「そんな事言っても……………このまま直らなかったら不良品よ?返品して文句言ってやるわ!」

湊翔「まだ言うか……………。」

 

 だが、光点が動いているのは気になるよな。

 有り得るのは、誰かが既に持ち去ったか、あるいは、ダンジョンそのものが動いているのか。 

 後者はあり得るのかは、分からないが、考慮に入れよう。

 すると、クリスがやってくる。

 

クリス「何騒いでんの?」

カズマ「よお、クリス。」

クリス「例の情報、魔石の正体について少し調べてきたんだけどね。面白い事が分かったよ!」

湊翔「面白い事?」

クリス「この魔石なんだけどね、この国で作られた物じゃないんだって。昔、ニホンっていう国から来た冒険者が持ってきたって話だよ。」

カズマ「あー、やっぱりそうか…………。」

クリス「え、カズマ達、知ってたの?」

 

 だろうな………………。

 いかにもドラゴンボール染みた設定だから、だろうなとは思ったけど。

 そんな風に考える中、カズマが叫ぶ。

 

カズマ「そうだ……………そうだよ!こんな駄女神のせいで苦労してるけど、元々転生者は強い筈だろ!そのアイテムさえ手に入れれば、俺だって魔王を倒せる様になるんじゃないか!?」

アクア「ちょっとカズマ?今、ナチュラルに私の悪口を言わなかった?」

白夜「そんな美味い話は無いと思うがな。」

湊翔「確かに。」

 

 俺と白夜はそう思った。

 その後、その魔石の力を使えない事を知り、落胆するカズマだった。

 そして、翌日、トウカからとんでもない事を聞いた。

 

湊翔「は?塔が復活した?」

トウカ「ええ。どうやら、一時的に魔力切れを起こしただけで、魔力が溜まれば、また出現するんだと。」

白夜「マジかよ……………。」

朱翼「なるほど……………。」

トウカ「それで……………ギルドの人から、また調査して欲しいと言われたんだが……………。」

湊翔「どうしたもんかな……………。」

カズマ「ぜってぇに行かねぇからな!!」

 

 俺が悩む中、カズマのそんな叫び声が聞こえてくる。

 どうやら、あの塔は、本当に謎だらけらしい。

 何で出現したのかも分からず。

 その後、ギルドに向かうと、アクアがバニルに掴み掛かっていた。

 

アクア「ここに居たのね、悪魔!肝心な時に店に居ないなんて、役に立たないわね!」

バニル「何だ。騒々しいと思ったら、駄女神ではないか。」

アクア「悪魔の癖にギルドに出入りするなんて非常識よ!おかげで、店まで出入りしちゃったじゃ無い!まあ、ひと暴れさせてもらったから………………ぎゃふん!?」

 

 アクアがバニルに対して文句を言っている中、俺と白夜は、アクアの頭をぶっ叩いていた。

 

アクア「ちょっとアンタ達!何すんのよ!?」

湊翔「それはこっちのセリフだ。」

白夜「お前、バニルに文句を言おうとしたついでに、店で暴れたのか……………!?」

アクア「いいじゃ無い!アンデッドの店なんて、潰しても誰も文句は言わないわよ!」

白夜「お前なぁぁぁぁぁぁぁ!!」

アクア「ぎゃあああああ!?」

 

 すると、白夜はそう言って、アクアにプロレス技をかける。

 そんな中、俺とカズマは、アクアが落とした魔石探索器を拾い、バニルに話しかける。

 

湊翔「悪いな、バニル。うちの狂犬女神が迷惑をかけたな……………。」

バニル「全くだ。まあ、うちのポンコツ店主では、どうにもならないとは思ったがな。」

カズマ「ところで、魔石探索器の表示がこんな風になってるんだが……………。」

バニル「ふむ……………ほう、なるほど。」

 

 俺がバニルに謝りながらそう言うと、バニルはそう吐き捨てる。

 その後、カズマが魔石探索器を見せると、興味深そうに見る。

 すると、白夜の制裁が終わったアクアが叫ぶ。

 

アクア「ほら!壊れてるでしょ!?よく見て!光がずっと動いてるの!故障してるのよ!」

白夜「お前は一回黙ってろ。」

朱翼「それで、どうなんですか?」

バニル「いや、壊れてなどいない。これも仕様である。」

トウカ「仕様?それは一体どういう意味だ?また揶揄ってるのなら、斬るぞ?」

湊翔「トウカ、落ち着け。それで、どういう意味なんだ?」

バニル「文字通りである。指し示すべき目的地が動いているのだ。故に、これに表示される光点も動いているのだ。」

 

 アクアがそう叫んで、白夜が抑えて、朱翼がそう聞くと、バニルはそう答える。

 すると、トウカがバニルを攻撃しようとするので、俺は抑える。

 トウカも、バニルに対しては、あまり信用してないみたいだしな。

 

アクア「はあ?魔石が移動するわけないでしょ!」

湊翔「つまり、魔石があるダンジョンそのものが動いてるってわけか?」

バニル「左様。」

 

 なるほど、そういう事か。

 すると、他の皆が驚いた反応をする。

 

カズマ「ダンジョンが動く!?何だそれ!?」

めぐみん「信じられませんね。そんなダンジョン、聞いた事がありません。」

トウカ「ダクネスは知ってたか?」

ダクネス「いや……………私も動くダンジョンがあるなどとは聞いた事が無いな。初耳だ。」

朱翼「そんな物があるなんて……………。」

白夜「まあ、あの塔だって生成したんだ。そんな事もあり得るんじゃ無いか?」

 

 確かに。

 白夜の言う通り、そんな事もあり得るかもしれない。

 それに、バニルは地獄の公爵だ。

 それ程の力を持つ奴が言うのなら、あり得るかもしれない。

 そんな風に考える中、トウカが肘で突いてくる。

 

湊翔「どうしたん?トウカ。」

トウカ「湊翔、考え事か?」

湊翔「まあな。ダンジョンそのものが動くなんて、前代未聞だしな。」

トウカ「まあ、そうだな。それより、セナさんが来てるぞ。」

湊翔「ああ、悪い。」

 

 セナさんか。

 会うのは、あの裁判以来か?

 すると、サイレンが鳴り響き、冒険者達が集められる。

 集まった中、ダストが口を開く。

 

ダスト「それで?俺たちが集められたのは、どういう理由だ?」

ルナ「このほど、王国の西の荒地に、突如、街の形をしたダンジョンが出現しました。」

カズマ「またか……………。」

トウカ「幻の塔の次は、街の形のダンジョンか……………。」

アクア「今月はダンジョン大増量セールなんじゃないの?」

湊翔「そんなセールがあってたまるか。」

 

 というより、どんだけ新たなダンジョンが出現するんだよ。

 もう十分だわ。

 すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「それで、そのダンジョンがどうしたのだ?」

朱翼「また調査が必要という感じですか?」

ルナ「はい、その通りです。こちらも封鎖されていた幻の塔と同様に、複数のパーティーを調査に派遣しました。ですが……………。」

白夜「何かあったのか?」

ルナ「実は………大変言い難て、その………。」

湊翔「何があった?」

ルナ「あー、凄く端的に言ってしまうとですね。……………皆さん、頭の中が子供になってしまって……………。」

カズマ「はい?」

セナ「ありがとうございます。ここからは、自分が説明いたします。」

 

 え、どういう事?

 そんな風に首を傾げる中、セナさんは説明する。

 どうやら、王国からそう遠くない場所に出現したので、騎士達も調査をしに行ったそうだ。

 だが、そのダンジョンは特殊で、入るともれなく幼児退行するそうで、騎士達も幼児退行したそうだ。

 しかも、タチの悪いことに、幼児退行した人たちがやらかしているそうだ。

 街中で駄々を捏ねるわ、お金を払わずに食べ物を食べてしまうわ、道行く女性にママと迫るわ、挙げ句の果てには、全裸になって街を駆けずり回るというのもあるらしい。

 シンプルにやべぇな。

 タチが悪すぎるだろ。

 という訳で、このダンジョンの調査報酬は、国とギルドの両方から出るそうだ。

 

セナ「では、このクエストに挑戦する冒険者は名乗り出て下さい!」

 

 セナさんはそう言う。

 だが、誰も名乗りでなかった。

 無論、俺らも。

 それを見たセナさんは、驚愕の表情を浮かべる。

 

セナ「なっ……………ぜ、ゼロ……………!?」

ダスト「いやー、だって……………なあ?」

カズマ「いくら報酬が多くても、その話を聞いてやりたいとは思わないんで。」

湊翔「幼児退行するのは、ちょっとなぁ……………。」

白夜「俺も……………。」

 

 セナさんが驚く中、俺たちはそう言う。

 というより、幼児退行して、いらん犯罪を犯すのは嫌なんだが。

 そんな中、セナさんが口を開く。

 

セナ「そうですか……………それは残念です。王国から用意された報酬だけで、200万エリスは下らないのですが……………。」

アクア「200万……………!?」

カズマ「おいこら。一瞬で金に目が眩むな。」

セナ「どうですか、サトウさん、桐ヶ谷さん。ぜひ、魔王軍幹部を倒して、ジャマトを倒したあなた達の力を貸して欲しいのですが………。」

 

 アクアは、あっさり釣られそうだな。

 というより、リスクが大きすぎるんだよな。

 幼児退行するのはごめんだ。

 そう思う中、カズマ達は、セナと、そしてバニルと話していた。

 すると、白夜が話しかけてきた。

 

白夜「湊翔。」

湊翔「どうした?」

白夜「バニルによると、そのダンジョンに、魔石があるみてえだ。」

湊翔「え?」

朱翼「しかも、七つを集めた状態で売ると、高値で売ると言ってますよ。」

トウカ「どうする?」

湊翔「………………。」

 

 こりゃあ、俺たちも受ける事になりそうだな。

 まあ、魔石は回収しておくべきか。

 結果として、俺たちも調査クエストを受ける事になった。

 ちなみに、馬車はセナが手配してくれるそうだ。

 そうして、俺たちはその街の形をしたダンジョンへと向かう。

 

アクア「はぁ……………やっと着いたわね!ずっと馬車に乗ってたから、お尻が痛くなっちゃったわ!」

ダクネス「それにしても…………これがダンジョンとはな。」

トウカ「予め聞いてないと、本当に普通の街にしか見えないよな。」

アクア「でも、変わった建物ばっかりよね。」

めぐみん「構築している素材も特殊……………というか、珍しい物の様ですね。壁も道も、どんな素材でできているのか、まるで検討がつきません。」

 

 到着すると、そこには、一面の桃の花が広がり、建物があった。

 アクア達がそう話す中、俺たち日本人組は。

 

湊翔「見た所、古い中国みたいな雰囲気だな。」

カズマ「どっちかというと、仙人が住んでる桃源郷に近いか。」

朱翼「ですね。」

白夜「仙人が住んでるのかな。」

アクア「へぇ、ゲームの知識も意外と役に立つのね。」

カズマ「ゲーマー舐めんな。その手のよく使われる知識は、とっくにネットで学習済みだ。」

 

 まあ、そういう桃源郷とかの奴は、ゲームでもよく使われるからな。

 俺もそこそこ知っている。

 俺たちは、先に進む。

 先に進むと、桃の花が咲き誇っていた。

 

ダクネス「凄いな……………辺り一面、桃の花が咲いている。」

カズマ「そらまあ、桃源郷って言うくらいだし、普通は桃の林の奥にあるらしいからな。桃の花があってもおかしくはないだろ。」

ダクネス「そうか。しかしこの風景…………。つい見入ってしまうほど美しいな…………。」

トウカ「そうだな。」

めぐみん「カズマ、カズマ。あの人たちは誰ですか?ダンジョンなのに恐れる風もなく歩き回っていますが。」

カズマ「……………見た感じ、少し浮世離れしてる様に見えるな。あれはもしかしたら、仙人かもしれないぜ。」

めぐみん「せんにん?」

湊翔「アークウィザードとは違う存在だな。修行によって、色んな術を使える人だ。」

 

 ダクネスとトウカがそう言う中、めぐみんは仙人を見つけて、俺たちはそう言う。

 まあ、修行で不思議な力を使えるというのは、間違いじゃないはずだ。

 すると、めぐみんは目を輝かせる。

 

めぐみん「おお……………も、もしかして、その術というのは強いのですか?爆裂魔法より?」

湊翔「いや、そんな物騒な術は無いから。」

めぐみん「気になりますね。……………あの、カズマ。少し話を聞きに行っても良いでしょうか?」

カズマ「そうだな。このダンジョンの状況も分からないし、話を聞いてみるのもありか。」

めぐみん「ありがとうございます!絶対に爆裂魔法を強化する術を聞き出してきます!」

白夜「おい、目的違うだろ。」

 

 めぐみんはそう言って、その場から離れる。

 あんまり単独行動はお勧めしないんだがな。

 すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「しかし、こうしていても、平和そのものの街にしか見えないのだが……………本当にここに敵が居るのか?」

トウカ「確かに。他のダンジョンと違って、戦闘の痕跡がない。」

湊翔「それに、なんで幼児退行するのかも、分からないしな。用心しよう。」

 

 そう。

 現状、敵らしい敵が出てこないのだ。

 何がどうなってんだ。

 ここのダンジョンも、意味が分からんな。

 すると、アクアが口を開く。

 

アクア「ねえねえ、あそこで優雅に船遊びしてる人がいるわ。魚なんかも釣れるのかしら?」

カズマ「多分釣れるんじゃないか?仙人といえば釣り竿だしな。」

アクア「なんだか面白そうね!ちょっと私も行ってくるわ!」

湊翔「おい!遊びに来たんじゃないんだぞ!」

アクア「分かってるわよ!ちゃんとここの情報も聞いてきてあげるから!どうせ手がかりがないなら、動いたほうがいいでしょー!?」

 

 アクアが珍しく正論を言ったな。

 だが、こういう所では、あまり単独行動は推奨されない。

 そう思う中、アクアはさっさと行ってしまった。

 

カズマ「行っちまったな……………。」

湊翔「しょうがない。俺たちは待機するぞ。」

朱翼「ですね。」

白夜「おう。」

トウカ「分かった。」

ダクネス「あ、ああ、そうだな。…………くうっ……………。」

 

 俺たちがそう話す中、ダクネスは顔を赤くしていた。

 

カズマ「ん、どうしたダクネス?」

ダクネス「いや、別になんでもない。」

湊翔「顔赤いし、モジモジしてるよ?」

トウカ「トイレに行きたいのなら、さっさと行けば良いじゃん。我慢は体に悪いぞ。」

ダクネス「い、いや……………!す、少し席を外す。き、聞き耳を立てるなよ!?絶対だぞ!?立てたらぶっ殺すからな!?」

 

 ダクネスはそう言って、その場から離れる。

 この場には、俺たちだけが残った。

 

カズマ「俺たちだけが残ったな。」

湊翔「だな。」

白夜「まあ、ここ自体が怪しいしな。」

朱翼「どこに敵が居るのかも分かりませんからね。」

トウカ「確かに。あんまり不用意には動かないほうが良さそうだな。」

 

 俺たちはそう話す。

 このダンジョンは、一見平和そうに見える。

 だが、ここの調査をした冒険者や騎士達は、もれなく幼児退行している。

 一体、どういう原理なんだ?

 すると。

 

アクア「ただまー。」

めぐみん「戻りました。」

ダクネス「待たせたな。」

 

 そう言って、三人が戻ってくる。

 

カズマ「お、おお、お帰り。」

湊翔「それで、何か話は聞けたのか?」

アクア「いえ、何も聞けなかったわ。」

カズマ「ふ〜ん。めぐみんの方はどうだったんだ?」

めぐみん「同じです。彼らは何も知りません。」

白夜「知らない?待て。このダンジョンに居て、何も知らないなんておかしいだろ。」 

ダクネス「皆、こっちだ。」

トウカ「あれ?ダクネス、あんなに我慢してたのに、結構早くない?」

ダクネス「問題無い。」

朱翼「え?でも、さっきは…………。」

アクア「それより、先に進みましょう。」

めぐみん「ええ。時間がもったいないです。」

 

 アクア、めぐみん、ダクネスはそう言う。

 それを見て、俺たちは違和感を抱いた。

 

カズマ「なあ、あいつらの様子、おかしくないか?」

湊翔「確かに。」

白夜「なんなんだあいつら?」

トウカ「ダクネス……………?」

朱翼「ひとまず、奥に行ってみましょう。」

 

 俺たちは、そう話す。

 ひとまず、奥に進む事にした。

 奥に進む中、色んな魔物と遭遇した。

 メタルキャベツだったり、桜前線という雪精に似た奴だったり、上級者殺しだったりだ。

 中々に強い魔物が出てくるよな。

 そんな中、奥に進む中、俺たちは疑念が大きくなっていた。

 アクア達の様子がおかしいのだ。

 さっきからずっと黙ってるし、アクアに至っては、無駄口を叩いたり、休憩を要求しない。

 

カズマ「なあ、やっぱり、あいつらの様子がおかしくないか?」

湊翔「確かに。変だ。」

白夜「アクアはそうだが、めぐみんやダクネスも大人しすぎる。」

トウカ「確かに。いつもなら、爆裂魔法を撃とうとしたり、敵に突っ込もうとしたりするからな。」

朱翼「変ですね。」

湊翔「………………ちょっとカマかけてみるか。」

 

 やっぱり、皆感じてるんだな。

 俺はそう言って、アクアに話しかける。

 

湊翔「なあ、アクア。そこに生えてる木の実は、高値で売れるみたいだぞ。」

アクア「ふ〜ん。そう。」

 

 俺はそう言うが、アクアはそっけなく答える。

 お金に関する話を聞いても、目の色を変えないとは。

 やはり、怪しい。

 すると、カズマが前に出る。

 

湊翔「カズマ?」

カズマ「俺に任せろ。なあ、お前ら。ちょっと良いか?」

アクア達「ん?」

カズマ「スティール!!」

 

 すると、カズマはスティールを発動して、アクア達から下着を奪う。

 やりやがったな。

 それを見て、俺たちはドン引きする。

 特に、白夜と朱翼のドン引き具合が凄まじい。

 そういえば、カズマがめぐみんのパンツをスティールした際には、この2人は居なかったからな。

 だが、アクア達は。

 

アクア「カズマ、何してるの?」

カズマ「え?」

ダクネス「遊んでいる暇は無いぞ。」

めぐみん「早く先に急ぎましょう。」

トウカ「え?」

白夜「あ、あれ?」

朱翼「何も反応しない……………?」

湊翔「え?」

 

 そう。

 アクア達は、パンツを盗まれても、何も反応しない。

 俺たちが呆然とする中、カズマは口を開く。

 

カズマ「やっぱりお前ら…………!」

アクア「さっきから何よ?」

カズマ「その程度で騙せた気になっているなんて、俺も随分と馬鹿にされてるみたいだな。良い加減に正体を表せ!この……………偽物め!」

アクア達「………………。」

湊翔「やっぱりか。」

白夜「おかしいと思ったんだよな。」

 

 カズマ、俺、白夜がそう言うと、アクア達の偽物は一旦黙って、アクアの偽物が口を開く。

 

アクア「ふふふふ…………何を言っているの?」

湊翔「あのな。化けるんなら、ちゃんと行動パターンを学んだほうが良いぞ。一癖も二癖もある仲間だからな。」

トウカ「だからといって、あんな見分け方はどうかと思うがな。」

朱翼「カズマさん……………最低です。」

カズマ「そ、それは言わないでくれよ……………。」

白夜「本物はどこだ?さっさと出せ。」

 

 俺たちは、アクア達が偽物でいると見抜いた。

 すると。

 

偽カズマ「なるほど。」

カズマ「って、俺たちもいるのかよ!?」

湊翔「マジか……………。」

偽湊翔「サトウカズマ、桐ヶ谷湊翔、トウカ、虎雷白夜、白鳥朱翼。やはり、お前達は手強い。」

偽トウカ「気づかれないうちにお前達を引き離し、さっさと子供にしてしまうつもりだったが………………。」

偽白夜「見破られたのなら、仕方ない。」

偽朱翼「戦うしか無いでしょう。」

偽めぐみん「覚悟はいいですか?」

 

 そういって、偽物軍団は構える。

 どうやら、仮面ライダーには変身出来ないみたいだな。

 

カズマ「くそっ!来るぞ!」

湊翔「どうやら、変身出来ないみたいだな。俺たちは変身するぞ!」

白夜「おうよ!」

トウカ「ああ!」

朱翼「分かりました!」

 

 俺たちはそう話して、デザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が現れる。

 全員が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「「変身!」」」」」

 

 俺たちは、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

CALIBER

LIGHTNING

FLUTE

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、朱翼はスワン・フルートフォームに変身する。

 俺たちは、自分たちの偽物に戦いを挑む。




今回はここまでです。
今回は、ミステリータワーで魔石を回収して、桃源郷にて、自分たちの偽物と応戦するまでです。
偽物の確認の仕方が、カズマらしいといえば、カズマらしいですね。
まあ、湊翔達はドン引きしますが。
次回は、桃源郷での戦いの後半です。
いよいよ、クライマックスに近づいてきました。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のギーツは、祢音と沙羅さんが脱落してしまいましたね。
もう2人は、仮面ライダーにはなれない。
そんな中、グランドエンドが始まって、英寿は慟哭する。
すると、新たなフォーム、ブーストマークIIIに変身しましたね。
ただ、暴走フォームみたいで。
ブーストマークIIIを見ると、ナルトの暴走状態を思い起こしますね。
次回や、次回以降がどうなっていくのか。
楽しみです。
この小説でのハクビは、カズマの前世での親友が変身する感じにしようと思います。
道長が変身しているバッファも、ダクネスが変身していますし、大丈夫ですかね?
あと、ブーストマークIIIがナルトのあれみたいなので、ナルト達と共に挑むミッションをやろうかなと思っています。
どういう感じにブーストマークIIIを出して欲しいというのがあれば、受け付けます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第46話 桃源郷での戦い

 俺たちは、自分たちの偽物と戦う。

 偽物は、変身こそしないが、武器はこちらが使う物と同じ物を使う。

 その為、苦戦を強いられていた。

 何せ、めぐみんの偽物は爆裂魔法ではなく、普通の魔法を使うし、アクアの偽物は的確に支援をする。

 武器に関しては、俺たちのものと同じ物を使う為、俺の偽物はマグナムシューター、カズマの偽物はニンジャデュアラー、トウカの偽物はソードエクスカリバー、朱翼の偽物はフルートソードを使ってくる。

 しかも、白夜の偽物は、白夜の雷を纏った高速移動もやってくる。

 

カズマ「くそっ!人数差があって、倒すのは厳しいぞ!」

湊翔「全くだな。」

トウカ「しかも、強さは同じだから、ジリ貧だな。」

白夜「まあ、面白いじゃねぇか!」

朱翼「どうします?」

 

 普段、アクアとかが足を引っ張ってたけど、まともな活躍をすると、こんなにも厄介な相手なのかよ。

 そこは腐っても女神なのだろう。

 すると、カズマが叫ぶ。

 

カズマ「あーもう!本物のアクア達はどこで油売ってんだ!このバカやろーーーっ!!」

アクア「……………ちょっと!誰がバカよ!言葉には気をつけて欲しいんですけど!?」

 

 カズマがそう叫ぶと、アクアがやってくる。

 どこほっつき歩いてたんだ。

 

カズマ「アクア!?無事だったのか!?他の2人は!?」

アクア「知らないわよ。まだ用事が終わってないんじゃない?それにしても、ここ何か変よ。湖は単なるガラスだし、船に乗ってる人も魚も人形だったもの。もしかして、ここにあるのって、全部作り物だったりして……………ねえねえあんた達、どう思う?」

 

 やっぱりか。

 薄々そうなんじゃないかなと思っていたが。

 だからといって、戦闘中に聞いてくるなよ!

 

湊翔「そんな事を言ってる場合か!俺たちが襲われてることに気づけよバカ!」

アクア「だから、バカじゃないわよ!ねえ、最近、私の扱いが酷いんじゃない?謝って!私をバカなんて言ったこと謝って!」

白夜「この状況で何言ってんだ!さっさと助けろよ、この駄女神!!」

アクア「わああーっ!今度は駄女神って言ったーーーっ!!」

 

 うるせぇ!

 こっちが戦ってる最中にそんな事を聞いてくるんじゃねぇ!!

 すると、めぐみんとダクネスがやって来る。

 

ダクネス「……………見つけた!皆、こんな所に居たのか!」

めぐみん「……………騒いでいる音がしたので辿り着けましたが、勝手に移動しないでください。」

トウカ「ダクネス!めぐみん!」

朱翼「2人とも、無事だったんですね!」

 

 やっと合流したか。

 すると、アクアはダクネスに絡む。

 

アクア「ねえねえ、ダクネス!カズマたちが私の事をバカって言うんだけど、そんな事ないわよね!?」

ダクネス「ええっ!?急にそんな事を言われても……………って、カズマたち、そいつらは何だ!?」

カズマ「襲われてるんだよ!良いから、お前らも変身しろよ!」

ダクネス「わ、分かった!」

めぐみん「私たちの人形と戦わせるとは、悪趣味ですね。ですが、人形が本物には及ばない事を証明してみせましょう!」

 

 めぐみんとダクネスはそう言って、レイズバックルをデザイアドライバーに装着する。

 

SET

 

 すると、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が現れる。

 2人は、変身ポーズをとって、叫ぶ。

 

「「変身!」」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

BEAT

ZOMBIE

REDAY FIGHT

 

 めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォームに変身する。

 俺たちは、それぞれの偽物を相手する。

 

湊翔「こうして、自分の偽物と戦う羽目になるなんて、なんか複雑だな。」

 

 俺はそう呟いて、マグナムシューターを撃っていく。

 俺の偽物も、マグナムシューターを撃っていくが、俺はそれを躱す。

 お互いにマグナムシューターの撃ち合いという感じになっている。

 実力は拮抗しているか。

 なら、やるか。

 俺は、近くにあった瓦礫を持ち上げて、それを銃撃して、俺の偽物の周囲にも銃撃して、土煙を上げる。

 

偽湊翔「な、何だこれ……………っ!?」

湊翔「……………実力はあっても、結局は、経験が物を言うんだぜ。」

偽湊翔「なっ!?」

 

 俺の偽物が戸惑う中、俺は偽物の背後に回り、そのままマグナムシューターを乱射する。

 それを受けて、俺の偽物は倒れる。

 複雑な気分だな。

 一方、トウカと朱翼は。

 

トウカ「ハアッ!」

朱翼「フッ!」

 

 2人は、連携して、自分たちの偽物に攻撃していく。

 偽物も、連携していく。

 だが、本物の2人の方が連携が取れていて、次第に偽物が押されていく。

 

トウカ「行くぞ!」

朱翼「ええ!」

 

 2人はそう言って、レイズバックルを操作する。

 

CALIBER STRIKE

FLUTE STRIKE

 

 2人は、必殺技を発動して、2人の偽物を倒す。

 

トウカ「やっぱり、偽物とはいえ、自分と戦うのは、複雑だな。」

朱翼「ですね。」

 

 2人はそう話す。

 一方、白夜の方は。

 

白夜「ハアッ!」

 

 白夜と偽物は、お互いに高速移動をして、戦っていた。

 実力は拮抗していた。

 だが、偽物の方が押され始めていた。

 

偽白夜「な、何故だ!?」

白夜「実力は同じでも、戦闘経験の差が大きく出たな。お前の負けだ。」

 

 偽物が動揺する中、白夜はそう言って、偽物を倒す。

 

白夜「ふん。偽物が本物に勝てると思うなよ。」

 

 白夜はそう言う。

 一方、カズマ、めぐみん、ダクネス、アクアは、連携して攻撃していた。

 

カズマ「ハアッ!」

めぐみん「はっ!」

ダクネス「てやっ!」

アクア「とりゃっ!」

 

 4人は、連携して攻撃する事で、偽物達の反撃を防ぐ。

 反撃を防ぐ中、カズマ、めぐみん、ダクネスは、それぞれの武器を操作する。

 

ROUND 1

FUNK BLIZZARD

POISON CHARGE

 

カズマ「行くぞ!」

めぐみん「はい!」

ダクネス「任せろ!」

 

 三人はそう話して、必殺技を放つ。

 

TACTICAL SLASH

TACTICAL BLIZZARD

TACTICAL BREAK

 

 それぞれの必殺技を発動して、4人は自分たちの偽物を倒す。

 俺たちは合流して、話をする。

 

カズマ「はぁ…………はぁ…………。」

湊翔「疲れたな……………。」

ダクネス「い、意外と苦戦させられたな。」

白夜「まあ、実力はこっちとほぼ同じみたいだからな。」

めぐみん「ふふふふ…………ですが、やはり偽物は偽物です。私の格好をしながら、爆裂魔法以外の魔法を使うなど…………負けて当然です。」

トウカ「何とか、経験でカバー出来たな。」

朱翼「ですね。」

アクア「まあ、人を笑顔にさせる事が出来る花鳥風月を使えない奴に、この私が負ける訳無いんですけど!」

 

 俺たちはそう話す。

 すると、声が聞こえる。

 

???「まさか、そのような姿になれるとはな。」

カズマ「誰だっ!?」

???「……………ククッ。人間は無駄口ばかりを叩く。煩くて、実に耳障りだ…………。」

ダクネス「ん?倒れた人形が震えている…………?」

湊翔「どうやら、声の主はアイツみたいだな。」

めぐみん「か、カズマ!まだ動くみたいです!」

 

 そう言って、一つの人形が起き上がる。

 どうやら、アイツが主みたいだな。

 すると、その人形が俺たちに話しかける。

 

???「……………私の街に何用だ、人間。」

アクア「に、人形が喋った!?」

トウカ「こいつが、人形の本体という事だろうな。」

カズマ「お前が…………このダンジョンのボスなのか?」

???「半分正解で、半分不正解だ。」

白夜「どういう意味だ?」

ドールマスター「自己紹介をしよう。私はドールマスター。この人形劇の街の主であり、街そのものでもある。」

 

 ドールマスターと名乗ったその人形は、そう言う。

 人形劇の街の主か。

 すると、トウカが話しかけてくる。

 

トウカ「湊翔。」

湊翔「どうした?」

トウカ「あの人形から、強烈な魔力を感じる。」

湊翔「あの人形の中に、魔石があるってことか。」

トウカ「多分な。」

 

 なるほどな。

 だとしたら、魔石を取れば、アイツは動けなくなるのか。

 めぐみんがカズマにもそう言う中、ドールマスターは反応する。

 

ドールマスター「ほう。少しは賢い人間も居るようだ。……………私は、道具の無念の集合体。魔石とこの人形を核とし、朽ち果てていった道具の想いを形にした物。故に、道具の想いが形を成した、この街そのものが私でもある訳だ。」

湊翔「そういう事か。」

白夜「現実離れしてんのは、作り物だからって事か。」

ダクネス「そういえば、道中で見かけた花も、全て造花だったぞ。」

めぐみん「桃も、ブロックで出来たおもちゃでした。」

アクア「何よ、じゃあ、全部偽物だったって事じゃ無い。」

 

 そういう事か。

 俺たちが納得する中、ドールマスターは吐き捨てるように言う。

 

ドールマスター「バカを言え。私たちこそが本物だ。貴様らのように、自分の都合で道具を使い捨てる愚かな人間とは違う。全ての道具が必要とされる、理想の世界がここなのだ。」

湊翔「理想の世界ね………………。」

ドールマスター「そうだ。貴様らには分かるまい。自らの使命を果たせず捨てられる物達の無念が。……………私の時もそうだった。そう、あれは雪の降る夜の出来事……………。」

カズマ「……………ん?あれ、自分語り始めた?」

めぐみん「しーっ。カズマ、とにかく話を聞きましょう。」

 

 理想の世界という意味では、ギーツと似てるよな。

 理想の世界を目指して、戦うデザイアグランプリみたいに。

 そう思う中、ドールマスターの自分語りが始まる。

 長いので、要約するとこうだ。

 ドールマスターは、ある女の子の誕生日プレゼントとして選ばれた。

 ドールマスターは、期待に胸を膨らませた。

 だが、女の子からはキモいと言われたそうだ。

 その結果、机の奥に仕舞われて、少女が家を出た際に、机ごと燃やされたそうだ。

 まあ、気持ちは分からんでもないが………。

 

トウカ「どうしよう……………その少女の意見に、全面的に同意するんだが……………。」

湊翔「取り敢えず、黙っておこう。」

トウカ「だな。」

 

 途中、トウカがそう言うので、黙らせておく。

 それを言ったら、確実に面倒な事になる。

 俺たちが空気を読んで黙る中、ドールマスターは話を締めくくる。

 

ドールマスター「分かるか?この無念が。人間の身勝手で捨てられた私の気持ちが。故に、私は決めた。道具だけの、道具だけが必要とされる街を作ろうと。なのに、人間どもときたら、この街を作ってから、蟻がたかる様に次から次へとやってくる。だから私は、愚かな人間どもを、少しでもマシな状態にしてやろうと、心を子供に戻したのだ。」

カズマ「やっぱり、幼児退行の原因はお前だったんだな。」

湊翔「だろうな。」

ドールマスター「子供であれば、まだ外にいる人形たちの遊び相手になるかと思ってな。」

 

 なるほど。

 だから幼児退行させたのか。

 まあ、人形の遊び相手になるどころか、面倒ごとを起こしてるがな。

 すると、ドールマスターが俺たちに話しかける。

 

ドールマスター「……………そうだ、人間よ。もしお前たちが人間どもをここに来ないように説得するなら、このまま返してやろう。」

カズマ「え、マジで?」

ダクネス「それは本当だろうな?」

朱翼「私たちを騙して、後ろから攻撃するつもりじゃないですよね?」

ドールマスター「人間と一緒にするな。道具は嘘などつかない。人間は邪魔なのだ。この街に来ないのであれば、私たちは関わりたいとも思わない。」

 

 ドールマスターはそう言う。

 まあ、そういうもんなんだろうな。

 まあ、それは即ち、魔石が回収できないという事だが。

 俺たちは、顔を見合わせる。

 

めぐみん「…………と、いう事ですが、どうします?」

カズマ「そうだな。さっきの戦いで疲労してるし、人形も強い。」

湊翔「一旦退いて、体勢を立て直そう。」

白夜「だな。」

トウカ「不本意だが、仕方ないな。」

 

 俺たちはそう話す。

 こっちも疲れてるんだ。

 体勢を整える必要性がある。

 だが、そんな空気を読まない傍若無人な声がする。

 

アクア「バカ言わないで!魔石を回収しないで、帰れる訳無いじゃない!大体、アンタみたいなキモい人形に指図されるなんて、女神のプライドが許さないわ!」

俺たち「あっ。」

ドールマスター「………………。」

 

 アクアだった。

 しかも、俺たちが空気を読んで、黙っていた事を堂々と言いやがった。

 それを聞いたドールマスターは、怒りの気配を出していく。

 やばい、地雷ワードに触れた。

 

ドールマスター「今、私の事を何と言った?」

アクア「だからキモい人形って言ったのよ!アンタね、自分の顔を鏡で見た事ある?そんな外見で女の子に可愛がって貰おうなんて、自分が見えていないにも程が……………!」

カズマ「良いから黙れ!このバカ正直が!!」

湊翔「何で地雷に触れにいくんだよ!?」

 

 ドールマスターの問いにアクアはそう答える。

 俺たちは慌てて、アクアの口を塞ぐが、もう時すでに遅しだった。

 

ダクネス「お、おい……………!」

めぐみん「やばいです。あの人形の魔力が膨れ上がってます!」

トウカ「完全に怒らせたな……………。」

ドールマスター「……………そうか。そんなに死にたいか、人間。では、戦争だ!人間と道具で、全面戦争をしようではないか!まずはその幕開けとして、お前らから燃やして潰して捨ててやる!」

白夜「やるしかねぇな。」

朱翼「ですね。」

湊翔「ったく!強化形態で行くぞ!」

カズマ「アクア!さっさとブレッシングをしろよ!お前が怒らせたんだからな!」

アクア「何よ!正論を言っただけじゃない!」

 

 やるしかないか。

 俺たちはそう思い、フィーバースロットを取り出す。

 今回は、フィーバーフォームで行こうと思う。

 ワンダーマグナムフォームも悪くないが、出力はこちらのほうが上だ。

 俺たちは、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、フィーバースロットレイズバックルを取り出して、装填する。

 

SET FEVER

 

 待機音が流れる中、俺たちはレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

LIGHTNING

CALIBER

BEAT

ZOMBIE

STEALTH

FLUTE

HIT FEVER MAGNUM

HIT FEVER NINJA

HIT FEVER LIGHTNING

HIT FEVER CALIBER

HIT FEVER BEAT

HIT FEVER ZOMBIE

HIT FEVER STEALTH

HIT FEVER FLUTE

 

 俺たちは、フィーバーフォームに変身する。

 そうして、ドールマスターや俺たちの偽物と戦っていく。

 俺とトウカ、白夜と朱翼、カズマとめぐみんとダクネスに分かれる。

 アクアには、支援魔法を使わせている。

 

湊翔「ハアッ!フッ!」

トウカ「はっ!でやっ!」

 

 俺とトウカは、マグナムシューターの2丁拳銃や、ソードエクスカリバーの二刀流で、偽物に攻撃していく。

 偽物は、対応しきれずにいた。

 どうやら、普通の状態の俺たちをコピーしたからだろうな。

 

湊翔「いくぞ、トウカ!」

トウカ「ああ!」

 

 俺とトウカはそう話して、レイズバックルを操作する。

 

HYPER MAGNUM VICTORY

HYPER CALIBER VICTORY

 

 必殺技を発動して、俺は二丁のマグナムシューターのバレットチャージャーを引く。

 

BULLET CHARGE

 

湊翔「ハアッ!」

 

 俺は、二丁のマグナムシューターで、俺とトウカの偽物に攻撃する。

 怯む中、トウカは、偽物に近づく。

 

トウカ「とりゃあ!」

 

 トウカは、エネルギーを纏った2本のソードエクスカリバーを振るい、偽物を撃破する。

 

湊翔「よし。上手くいったな。」

トウカ「ああ。」

 

 俺とトウカは、そう話す。

 一方、白夜と朱翼は。

 

白夜「行くぞ!」

朱翼「ええ!」

 

 2人はそう話して、それぞれの偽物へと向かっていく。

 白夜が高速移動をして翻弄して、朱翼が攻撃するという手法を取る。

 白夜の偽物も、高速移動をするが、フィーバーライトニングフォームの素早さには勝てず、追い詰められる。

 朱翼の偽物も、次第に追い詰められる。

 

白夜「一気に止めだ!」

朱翼「ええ!」

 

 2人はそう言って、レイズバックルを操作する。

 

HYPER LIGHTNING VICTORY

HYPER FLUTE VICTORY

 

朱翼「ハァァァァ!!」

白夜「雷轟爪蓮撃!」

 

 朱翼と白夜はそう叫んで、連続攻撃を叩き込み、偽物を撃破する。

 

朱翼「お疲れ様!」

白夜「おう。」

 

 2人はそう話す。

 一方、カズマたちは。

 

カズマ「ハアッ!」

めぐみん「はっ!」

ダクネス「でやっ!」

 

 それぞれの武器を持って、それぞれの偽物へと攻撃していた。

 アクアの偽物も、支援魔法をかけていたが、次第に追い詰められていく。

 

めぐみん「行きますよ、カズマ!」

カズマ「おう!」

 

 2人はそう話して、フィーバースロットレイズバックルを操作する。

 

GOLDEN FEVER VICTORY

 

 必殺技を発動して、めぐみんは、ビートアックスで演奏を開始する。

 カズマは高速移動して、攻撃する。

 

めぐみん「ハアッ!」

 

 めぐみんが演奏をすると、DJの様なエフェクトが現れ、偽物たちを打ち上げる。

 

カズマ「ハァァァァァ!」

 

TACTICAL SLASH

 

 カズマはタクティカルスラッシュを発動して、偽物を撃ち落とし、カズマとめぐみんの偽物がやられる。

 

めぐみん「でやぁぁ!」

 

 めぐみんが、ビートアックスでダクネスとアクアの偽物を打ち上げる。

 

カズマ「オラッ!」

 

 カズマは、アクアとダクネスの偽物に攻撃して、2人はは、ダクネスの方に落ちていく。

 ダクネスは、フィーバースロットレイズバックルを操作する。

 

GOLDEN FEVER VICTORY

 

 ダクネスは、ゾンビブレイカーを持って、アクアとダクネスの偽物を木に叩きつける。

 アクアとダクネスの偽物は、持っていた武器で防御する。

 

ダクネス「止めだ!」

 

 ダクネスは、もう一本のゾンビブレイカーを取り出して、肩でカバーを動かす。

 

POISON CHARGE

TACTICAL BREAK

 

 ダクネスは、2本のゾンビブレイカーでタクティカルブレイクを発動して、アクアとダクネスの偽物を撃破する。

 一方、俺はドールマスターと向かい合う。

 

湊翔「俺たちの偽物は倒れた。あとはお前だけだ。」

ドールマスター「おのれ………!道具の理想郷を壊されてたまるかぁぁぁぁぁ!!」

湊翔「……………悪く思うなよ。」

 

 ドールマスターがそう叫びながらこっちにくる中、俺はマグナムシューターを左右のスロットにマウントしつつ、フィーバースロットレイズバックルを操作する。

 

GOLDEN FEVER VICTORY

 

 俺は、両手両足のアーマードガンを展開して、ジャンプする。

 そして、回転しつつ、両手両足のアーマードガンから、弾丸を乱射する。

 そして、マグナムシューターを、ドールマスターに向ける。

 

湊翔「はあっ!」

 

 マグナムシューターから2発の弾丸が向かうと、周囲に放たれていた弾丸が、ドールマスターに向かう。

 ドールマスターは爆発して、ボロボロの状態になる。

 

ドールマスター「ガッ……………ピギッ…………っ!?」

湊翔「どうだ?」

カズマ「やったか!?」

ドールマスター「ワ、ワタシガ、ヤラレタ……………?ニンゲンドモニ、フクシュウ、シナイト、イケナイノニ……………。フクシュウ、フクシュウヲ……………!」

 

 ドールマスターは、ボロボロの状態になりつつも、動こうとしていた。

 すると、アクアが口を開く。

 

アクア「……………もう良いでしょう。愛されなかった可哀想な人形よ。あなた達の悲しみは、私が浄化してあげましょう。だから、もうお眠りなさい。」

ドールマスター「ガッ、ガガッ…………!アア……………ウラミガ、キエテイク……………。デモ、ウランダッテ、シカタナイダロウ?ダッテ、ワタシ……………ニンギョウゲキニツカウ、ニンギョウナンダゼ……………?」

 

 その言葉を最後に、ドールマスターは動きを止める。

 それを見て、俺たちは何とも言えない表情を浮かべながら、変身解除する。

 

めぐみん「ま、魔石から注がれていた魔力が停止しました。」

朱翼「ただの人形に戻ったみたいですね。」

白夜「やったな。」

湊翔「ああ。」

カズマ「あ、アクア、お前……………。」

 

 何とも言えない空気に満ちる中、カズマはアクアに聞く。

 アクアは、一息吐くと、俺たちに向かって言ってくる。

 

アクア「ねえねえ、カズマ、湊翔、白夜!どうだった!?今のは完全に私のおかげで勝ったわよね!あの人形を完全に止めるには、こうするしかなかったもの!ほら、何か言う事があるんじゃない?謝って!私をバカだとか駄女神って言った事を謝って!」

 

 アクアはドヤ顔をしながらそう言う。

 そりゃあ、確かに、あの人形を完全に止めたのはお前だけどな。

 でもなぁ………………。

 

カズマ「自分が怒らせた事、完全に忘れてるな。」

白夜「全くだ。」

ダクネス「あの人形も、浮かばれてくれると良いのだが……………。」

トウカ「だな。」

アクア「ねえちょっと、何でため息なのよ!?ここ呆れる所じゃないわよね!?ねぇ!?」

 

 そんな風に言われてもな。

 お前が怒らせなければ、こんな事にはならなかったんだけどな。

 俺はアクアに聞く。

 

湊翔「それで、魔石はどうだ?魔石は、そのままなんだろ?」

アクア「あ、そうね、忘れてたわ!今見てみるわね。えーと………………。」

カズマ「…………さっきまで動いてた人形の中に手を突っ込むとか、あいつ凄いな。」

 

 俺がそう聞くと、アクアは、さっきまで動いてた人形に遠慮なく突っ込む。

 カズマがそう言う中、アクアは魔石を取り出す。

 

アクア「……………よし、見つけたわ!」

カズマ「おお、でかした!」

めぐみん「これで、魔石コンプリートですね。」

湊翔「それで、数字は?」

アクア「えっと…………………あ、光ったわ!」

白夜「何でアクアが触ると光るんだ?」

アクア「そうよね!女神であるこの私の神聖なオーラが、魔石を輝かせてるのよ!」

トウカ「あっ、そう。それで……………。」

ダクネス「今度の魔石には、何と書いてあるんだ?」

朱翼「見た所…………四ですね。」

湊翔「これで全部という事か。」

 

 そんな風に話して、俺たちはアクセルへと戻った。

 ウィズ魔道具店へと向かう。

 

アクア「それにしても、今回は私たち、大活躍だったわね!」

めぐみん「セナさんからの依頼も片付きましたし、報奨金が楽しみです。」

カズマ「それより、本命はこっちだこっち!」

湊翔「それで、バニル。セット価格ってのは、どれくらいなんだ?」

バニル「ふむ。見事に魔石を揃えたな。では、計算するとしよう。願いましてはー、ひーふーみ……………の、ちょいちょい、で、この様になる。」

 

 アクアとめぐみんがそう言う中、俺とカズマはバニルに聞く。

 バニルが提示した金は、凄かった。

 

めぐみん「か、カズマ!ゼロが多くて分かりません!」

白夜「さ、3億エリスだと……………!?」

トウカ「うそ〜ん……………。」

バニル「まあ、これほどの金額となると、すぐには用意できないのであるが。纏まった金額が集まるまでは、ひとまず預かる形式になるが、それでも問題ないか?」

湊翔「分かった。アクアに持たせてると、絶対に散財しそうだからな。」

アクア「ちょっと、その言い方はどうかと思うんですけど。」

バニル「ほれ。今日の夕食代くらいは出してやろう。」

 

 そうして、俺たちはギルドへと向かい、夕食を取る事に。

 夕食を食べる中、カズマが口を開く。

 

カズマ「……………けど、魔石が七つ揃ったら願いが叶うっていう話は、どうなったんだ?」

アクア「そういえば、クリスがそんな事言ってたわね?ま、お金持ちになるっていう夢なら、もう叶った訳だけど。」

湊翔「やっぱり、どこか、特定の場所に持っていかないと発動しないとかか?」

 

 俺たちはそう話す。

 こういうのって、特定の場所に持っていかないと力が発揮しないのがお約束だからな。

 すると、クリスがやってくる。

 

クリス「おっ、ちょうど良い所で会えたね!お待ちかねの魔石の新情報を持ってきたよ!」

めぐみん「き、聞きたいです!ぜひ!」

クリス「この魔石、七つ集めるだけじゃ、本当の力は発動しないんだって。何でも、力を発動させる為には、七つの魔石を持って、ある場所に行かなくちゃいけないんだ。」

トウカ「そのある場所って?」

クリス「天空の島だよ。」

 

 クリスがそう言って、トウカがそう聞くと、クリスはそう答える。

 やっぱり、そういう系か。

 

ダクネス「それはまた……………随分と遠いな。」

アクア「えー?いやよ、そんなめんどくさい!あのいけ好かない悪魔に売り払って、ぱっと終わりにしましょうよ。」

クリス「島のどこかに、祭壇が隠されているんだ。その祭壇に魔石を捧げると……………どんな願いでも叶うって言われてるんだ。」

めぐみん「どんな願いでもですか?」

クリス「うん。凄いよね。」

 

 本当か?

 若干怪しい気がするが。

 そう思う中、カズマはクリスに聞く。

 

カズマ「…………なあクリス。確か、前にこの魔石を持ってきたのは、日本って所から来た人間だって言ってたよな?」

クリス「ああ、そうだね。そう聞いたよ。」

湊翔「カズマ?」

アクア「でも、凄いわね。何でも叶えてくれちゃうなんて。」

めぐみん「魔法か何かなのでしょうか?」

クリス「う〜ん……………どうなんだろうね。私も聞いた話だから、何とも言えないんだけど…………。」

白夜「まあ、行ってみて、確かめるのもありじゃないか?」

トウカ「そうだな。百聞は一見にしかずっていうしな。」

湊翔「だな。」

朱翼「決まりですね。」

 

 そうして、俺たちは明日、天空の島へと向かう事になった。

 そこで何が待ち受けているのか、まだ分からない。




今回はここまでです。
今回は、桃源郷での戦いです。
いよいよ、最後のダンジョンである天空の島へと近づいてきました。
希望の迷宮と集いし冒険者たちの物語も、あと2話位で終わります。
その後は、時限爆弾ゲームや復活のベルディアの話をやって、紅伝説へと入っていきます。
長かったです。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のギーツは、最終フォームであるギーツIXが登場しましたね。
そして、ニラムが退場してしまう。
次回からは、新たなシーズンが幕開けになるみたいで、楽しみです。
この小説では、湊翔も、創世の力を手に入れさせる予定です。
どうやって入手させるのかは、考え中ですが。
ギーツの映画で、パンクジャックだけじゃなく、ケイロウとロポも登場するみたいで、嬉しいです。
ちなみに、この小説でのスエルは、ロキの別の姿という扱いにする予定です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第47話 天空の島への冒険

 クリスから天空の島の事を聞いた翌日、カズマはずっと空の方を見ていた。

 しかも、どこかそわそわしていた。

 そんなカズマを、俺たちは少し呆れ気味に見ていた。

 まあ、分からんでもないが。

 この世界って、色々とおかしいもんな。

 キャベツが飛んだり、サンマが畑から採れたり。

 

カズマ「遂に、天空の島か……………。」

湊翔「なんか、そわそわしてんな。」

白夜「まあ、無理もねぇか。」

アクア「なんか怖いんですけど。」

めぐみん「相当に重症ですね。」

カズマ「……………おい、さっきから黙って聞いてれば、好き放題言いやがって。」

 

 俺たちがそう話していると、アクアとめぐみんの言葉に反応したのか、カズマがそう言う。

 

めぐみん「あっ、カズマ、正気に戻ったんですか?」

カズマ「いや、別に正気を失ってたわけじゃねーから!」

湊翔「天空の島に関してか?」

カズマ「そう!俺たち、やっとまともな冒険が出来たなって思うんだよ。」

白夜「まあ……………そうかもな。」

 

 まあ、日本人である俺らからしたら、この世界はいくつかおかしな点ばかりだからな。

 カズマとめぐみんが共感し合うのを見ながら、そう思う。

 すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「あの…………2人とも、盛り上がっている所悪いのだが、良いだろうか?」

カズマ「ん?どうした、ダクネス?」

ダクネス「ちょうど話題に出ていたから聞きたかったのだが……………そもそも、どうやって島に行くんだ?」

カズマ「は?それはまあ、魔法とかで…………。」

トウカ「生憎だが、テレポートに関しては、転移先を登録しないと使えない。魔道具を使うにしろ、かなり困難なのは、間違いないはずだ。」

 

 そう。

 この世界は、中世時代の異世界なので、飛行機とかそんな物があるとは思えない。

 一体、どうやっていけば良いんだ?

 

湊翔「まあ、考えていてもしょうがないから、ウィズの店に行くか?」

白夜「賛成だ。あの2人なら、何か知ってるかもしれないしな。」

トウカ「……………バニルと会うのは不本意だが、仕方ないか。」

朱翼「行きましょうか。」

カズマ「だな。」

アクア「行ってらっしゃ〜い。お土産はお菓子でよろしく。」

 

 俺たちがそう話す中、アクアはソファーに寝っ転がって、お菓子を食べていた。

 怠惰の女神め。

 それを俺たちは呆れて見ていた。

 

白夜「こ、こいつ……………!」

アクア「私はお留守番をしておくから。」

湊翔「こいつはダメだ。」

ダクネス「ま、まあ、良いじゃないか。私たちだけで話を聞いてくれば良い。」

めぐみん「行きましょう、カズマ。早く方法を調べたいです。」

 

 俺、トウカ、白夜、朱翼は、呆れながら先に行く。

 向かう途中で合流したが、アクアも居た。

 どうやら、魔石のカケラで釣ったみたいだな。

 

ウィズ「いらっしゃいませ!…………あっ、カズマさん達でしたか。」

カズマ「よう、ウィズ。」

白夜「今日は、探し物があってな。ここには無いか?」

ウィズ「探し物?一体、何をお探しなのですか?」

湊翔「空を飛べる魔道具だ。」

ウィズ「そ、空を飛べる道具…………ですか?」

 

 ウィズは、俺たちにそう声をかけて、俺たちがそう答えると、ウィズは困惑した表情を浮かべる。

 まあ、無理もないか。

 すると、バニルがやって来る。

 

バニル「なるほど、天空の島へと向かうのだな。」

カズマ「そういう事。何か、あそこまで行けるような物ってあるか?」

湊翔「まあ、無けりゃ良いんだけど。」

 

 バニルは見通していたのか、あっさり意図を理解して、俺たちはそう答える。

 すると、バニルとウィズが話し出す。

 

バニル「ふむ。貧乏店主よ、あれだ。」

ウィズ「あれですか?あれはちょっと危険な気が……………。」

バニル「何。ちょっとくらいは構いはしないだろう。」

 

 バニルとウィズは、そんな風な不穏な会話をする。

 カズマが口を開いた。

 

カズマ「…………なんか、不穏な会話が筒抜けなんですけど。」

バニル「ははは。店員同士の他愛無い会話という物だ。聞き流すが良い。」

湊翔「それで、何か心当たりがあるのか?」

バニル「さて、今回貴様らに提供するのは、空飛ぶ未来の乗り物……………『魔法の巨大バニル仮面』である!」

 

 魔法の巨大バニル仮面?

 胡散臭くね?

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「いきなり胡散臭いんだが。」

バニル「あまり深く考えるな。人を疑ってばかりでは、足元を掬われるぞ?おっと我輩、人ではなく悪魔であった!それでは、疑われて当然であるな!はっはっはっ!」

 

 カズマがそう言うと、バニルはそう答えて、勝手に笑う。

 白夜は、呆れつつ口を開く。

 

白夜「それで、どういうもんなんだ?その魔法の巨大バニル仮面ってのは?」

バニル「この巨大バニル仮面は、魔法を使用した新機軸の乗り物だ。馬車よりも早く、空だって飛べる。なあに、どんなに離れていても、これさえあれば1発である。」

湊翔「普通に凄いな。」

トウカ「それで、本当に天空の島に行けるのか?」

バニル「無論だ。ピューっと1発、空の旅へ!……………実に楽しそうであろう?」

 

 なるほど、それは便利だな。

 トウカは、胡散臭い視線を向けるが、バニルはそう答える。

 すると、アクアが口を開く。

 

アクア「本当でしょうね?悪魔の言う事なんて、信用出来ないんですけど。」

バニル「心根のひん曲がった女神はそうであろうが、我輩は悪魔なので、約束は違えぬぞ。」

アクア「ちょっと、お客様に向かって、口の聞き方がなってないんじゃないの!?お客様は神様でしょ!?」

バニル「神は神でも、貧乏神であろう!…………おい貴様、商品に触れるな!浄化されると言ってるだろうが!?」

白夜「おい、アクア!」

 

 アクアとバニルがそう言うと、アクアは店の商品を浄化しようとする。

 それを見て、白夜が止めに入る。

 

カズマ「巨大バニル仮面ねぇ………………正直、怪しさしかしないんだよな………………。」

バニル「まあ、我輩も無理に勧めている訳では無いのだが……………他に行く術はあるのか?この世界において、天空の島に至る術は非常に希少だ。他にあると言うのならば、それでも構わんが。」

湊翔「ウィズのジェットバックルじゃあ、全員を運ぶのはきついだろうからな。これしか無いだろ。」

カズマ「……………だな。他にアテもないし、それを貰うよ。」

 

 そう。

 ウィズのジェットバックルの出力じゃあ、とてもじゃないが、全員を運ぶのは無理がある。

 それに、出力云々はともかく、持てるのは2人が限界だろうからな。

 すると、ダクネスとめぐみんが反応する。

 

ダクネス「遙か上空、逃げ場のない状況………死にたくなければ言う事を聞けと命令されて……………はあっ!」

トウカ「ダクネス?妄想はそれくらいにしておけよ。」

めぐみん「ふふふふ……………空飛ぶ乗り物とは、どんな魔法で動くのでしょうか。これを応用して、空から爆裂魔法を……………!」

朱翼「めぐみん?落ち着いて。」

 

 ダクネスとめぐみんが、違う理由で興奮し出して、それをトウカと朱翼の2人が宥める。

 そんな中、白夜が口を開く。

 

白夜「まあ、タダじゃないんだろ?」

バニル「当然。これは商売であるからな。だが安心しろ。それほど高くないぞ。レンタル料は、ほんの百万エリスだ。」

湊翔「いや、高いな!?」

カズマ「もっと、安くならないのか?」

 

 まあ、百万エリスになるのも、無理はないのか?

 何せ、この世界のレベルじゃあ、飛べる物なんて、相当レアだろうし。

 すると、カズマはすぐに値引き交渉に入る。

 

バニル「ふむ、安くしてやっても良いが、一つ条件がある。」

カズマ「条件ってなんだよ?」

バニル「我輩とポンコツ店主も連れて行け。」

カズマ「ウィズとお前も?どうしてだ?」

バニル「行きたいからに決まってるであろう。」

白夜「まあ、ウィズも、テレポートが使えるからな。」

湊翔「確かに、一瞬で行けるのは、ありがたいかもな。」

 

 そういえばそうだ。

 ウィズのテレポート先に登録させれば、すぐに行けるな。

 最初からそうすれば良かった気がするが。

 そうして、その割引プランで、使える事になった。

 その後、準備があると言って、そそくさと街の外へと向かった。

 俺たちは、話す。

 

めぐみん「これで、天空の島へと向かう算段がつきましたね。」

朱翼「ですね。」

カズマ「そうなんだが……………本当にバニルに頼って良かったのか?」

湊翔「まあ、それしか方法が無かったし、仕方ないだろ。」

アクア「いや!あの悪魔の事だから、絶対に碌でもないことになるに決まってるわ!」

トウカ「そうだよな……………。」

白夜「まあ、バニルも商売でやってるんだ。」

ダクネス「そうだな。代金分の仕事はしてくれると信じよう。」

 

 俺たちはそう話して、準備をする。

 しばらくして、準備を終えて、街の外へと向かう。

 

カズマ「おーい、バニル!そろそろ準備できたか?」

湊翔「こっちは準備できたぜ。」

バニル「おお、うだつの上がらない冒険者共よ。そろそろ呼びに行こうかと思っていた所だ。」

アクア「………………で、これが言ってた乗り物なわけ?」

バニル「そうだ!括目せよ!これこそ、我輩の巨大バニル仮面である!」

 

 俺たちがそう言うと、バニルはそう返す。

 バニルの示す方には、本当に巨大なバニルの仮面があった。

 てか、デカすぎるわ。

 

めぐみん「こ、これが、未来の乗り物ですか……………!」

朱翼「なんか……………思ってたのと違う。」

ダクネス「ふむ、巨大な円形テーブルみたいな形だな。」

トウカ「デカすぎないか?」

アクア「本当にこんな物が空を飛ぶの?嘘じゃないでしょうね?」

バニル「だから、我輩は嘘を吐かんと……………まあ良い。すぐに出発の準備に取り掛かるぞ。中央にベルトが見えるであろう。全員、それを体に巻き付けよ。」

白夜「ベルト?これか。」

 

 めぐみん達がそう言う中、アクアがいちゃもんをつけようとしたが、バニルは途中から無視して、そう言う。

 俺たちは、ベルトをつける。

 

ダクネス「くっ、このベルトの締まり…………体に食い込む感触が…………くうううっ!」

トウカ「………………平常運転だな。」

バニル「全員、準備はいいな?では、早速動力を………………。」

 

 ダクネスがそう言って、トウカが呆れる中、バニルはそう言って、大量の瓶を取り出す。

 

カズマ「ん?何だよ、その瓶。どっかで見たような……………。」

バニル「見覚えがあって当然であろう。貴様にも勧めた爆発ポーションである。」

湊翔「え?まさか……………。」

バニル「これらをまとめて、吸入口に投入!吸入口を閉めて、安全確認!内部へと、魔力を注入!」

白夜「おいおいおい!」

バニル「では、点火!」

 

 俺たちが嫌な予感がしていると、バニルは嬉々として、点火する。

 すると、ロケットのごとく飛び始める。

 

カズマ「ぎゃあああああっ!!」

アクア「いやああああっ!!」

めぐみん「わあああああっ!!」

ダクネス「きゅううううううっ!こ、こんな衝撃……………初めてだっ!」

湊翔「嘘ぉぉぉぉぉぉんっ!!」

トウカ「わあああああっ!!」

白夜「おわぁぁぁぁぁぁっ!!」

朱翼「いやああああっ!!」

 

 俺たちはそう叫ぶ。

 しばらくすると、天空の島へと到着する。

 

カズマ「み、皆……………無事か……………。」

アクア「わ、私、生きてる……………まだ生きてる……………。」

めぐみん「わ、私の爆裂魔法に比べれば、まだまだ……………。」

湊翔「…………………。」

トウカ「死ぬって…………………。」

朱翼「うぅぅぅぅ……………。」

白夜「マジかよ……………。」

ダクネス「有無を言わさず括り付けられ、問答無用に空に飛ばされ、更に地面に叩きつけられるとか!……………癖になりそうだ、カズマ。」

 

 俺たちは、呻き声を出す。

 つうか、思ってたのと違うんだが。

 ロケットじゃねぇか。

 すると、トウカとカズマが口を開く。

 

トウカ「おい、ダクネスしっかりしろ!」

カズマ「バニル!何だ今のは!?」

バニル「説明なら、先ほどしたではないか。未来の乗り物……………。」

湊翔「何が未来の乗り物だ!どう見たって、爆発ポーションで吹っ飛ぶだけのロケットだろうが!!」

バニル「失敬な。我輩の類稀なる魔力のおかげで、空中での姿勢制御が可能になっているのだぞ?」

白夜「威張るな!!」

 

 カズマの質問に、バニルがそう答える中、俺と白夜は突っ込む。

 すると、ウィズが口を開く。

 

ウィズ「ち、ちゃんと天空の島に着きましたか……………?」

バニル「我輩のサポートは万全である!失敗する確率など、ほんのちょっとしか無かったからな!」

カズマ「……………もう二度と信用したくない……………。」

バニル「おっとウィズよ。この場所をテレポートに登録しておけ。また来るかもしれないからな。」

ウィズ「は、はい!」

湊翔「とにかく、着いたから、中に入ろうぜ。」

 

 俺たちはそう話して、天空の島の探索を行う。

 天空の島では、トロールに爆裂岩、虹色のグレムリン、ジャイアント・センチピード、飛行型のデストロイヤーなど、様々な敵が出てくる。

 そいつらを倒しつつ、先へと進む。

 しばらく進むと。

 

カズマ「ふう……………思ったより広いな。」

アクア「ねえ、そろそろ喉乾かない?私、足が疲れたし、少し休みたいんですけど!」

湊翔「まだ少ししか歩いてないだろうが。駄々を捏ねる暇があれば、足を動かせ。」

アクア「ちょっと!駄々じゃなくて本当なんですけど!歩いて疲れてるんですけど!」

白夜「最近、飯とトイレ以外ソファーから動かないから、疲れやすいだけだろうが。」

 

 カズマがそう言うと、アクアが文句を言い出す。

 俺たちはそう返す。

 怠惰な生活をしてるせいだろうが。

 

ダクネス「まあまあ、4人とも落ち着くんだ。」

トウカ「この先、休めるかどうかは分からない。一度休憩を挟んでも、大丈夫だと思うぞ。」

めぐみん「そうですね。ここなら、敵が現れても、すぐに対処が出来そうです。

朱翼「ですね。疲れて対処が遅れるのも、面倒ですし。」

カズマ「あーもう!分かったよ!少しだけだからな!」

 

 そうして、休む事になった。

 まあ、休める時に休んでおくべきか。

 

ウィズ「みなさん、お疲れ様です。」

バニル「ふむ。この程度で疲れるとは、やはり人間とは非弱であるな。」

 

 それを見ていたウィズとバニルがそう言う。

 やっぱり、アンデッドや悪魔は、疲れという概念が無いのか?

 すると、アクアが口を開く。

 

アクア「休憩、休憩!良かった、歩き疲れて、もう足がパンパンだったのよ!…………ねえ、このお水、飲めるのかしら?」

ダクネス「どうだろう?見た感じは澄んでいて綺麗に見えるのだが。」

湊翔「やめとけ。そういうのは、飲まない方がいい。」

白夜「湊翔の言う通りだ。こんな未知の島の物、何が入ってるか分かんないぞ。」

カズマ「あと、変なスイッチを押したり、レバーを下げたりとかは絶対にするなよ!絶対だぞ!?」

 

 そう。

 この未知の島の物を飲んだり口にしたりして、変な影響が出ても困るしな。

 あと、カズマ。

 それは言わない方がいいぞ。

 その後、ダクネスがどこかに行ったが、すぐに戻ってきた。

 俺たちは、休憩をやめて、探索を再開する。

 しばらく進むと、アクアが反応する。

 

アクア「ん?」

カズマ「どうした、アクア?」

アクア「ちょっと!皆!見てこれ!」

バニル「どうした?」

ダクネス「何かあったのか?」

アクア「今ね、私の魔石を綺麗に磨いてたのよ。それで、中を覗いてみたら…………。」

 

 そう言って、魔石を見せると、魔石は前より強く光っていた。

 

めぐみん「これは……………凄い魔力ですね…………。」

湊翔「更に光ってるな。」

白夜「大丈夫か?」

トウカ「さあ……………?」

ウィズ「魔石の力って、凄いんですね。」

バニル「ほう。どうやら、魔石の力が上昇しているようだな。」

朱翼「感じる力も、更に強くなってますね。」

アクア「ちょっと、これ、持ち歩いてて大丈夫なの?なんだか、凄く危なそうな雰囲気がぷんぷんしてるんですけど…………?」

 

 確かに、これまで、こんなに光った事は無かったな。

 やばそうな気がするな。

 

バニル「持ち歩く分は、問題ないだろう。ただ、祭壇が近いのかもしれんな。」

湊翔「まあ、何にせよ、気をつけるに越した事はない。」

カズマ「だな。」

白夜「おう。」

 

 俺たちはそう話して、先に進む。

 アクアが不安げな表情を浮かべているが。

 俺たちは、再び先に進む。

 それにしても、こういうアイテムが力を高めると言う事は、何かとんでもない物が封印されているのかもしれない。

 気をつけないとな。

 現状、俺たちは変身せずに行っているが、モンスターは問題なく倒せている。

 しばらく進むと、風が強いエリアに着く。

 

ダクネス「風が強いな……………。」

アクア「カズマさん、カズマさん。こっちに来て欲しいんですけど。」

カズマ「何だよ?」

アクア「良いから、こっち側を歩いて欲しいんですけど。」

湊翔「………………お前、風除けが欲しいだけだろ?」

アクア「ぎく。」

 

 ダクネスがそう言う中、アクアはカズマを呼ぶ。

 俺は、すぐにアクアの目的を察して、そう言うと、アクアは図星の態度を取る。

 

カズマ「おい。そもそも、俺を盾にしなくても、女神パワーとやらで何とかならないのか?」

アクア「だって私、水の女神なんだもの。雨ならまだしも、風を避ける様な力はないわよ。」

カズマ「……………スッ。」

 

 カズマの言葉にアクアがそう答えると、カズマは急に動く。

 その後、ダクネスを風除けにする事になったそうだ。

 ちなみに、俺たちは寒さを我慢して、進んでいく。

 しばらくすると、最上層に着いた様で、俺たちは、奥へと進んでいく。

 すると、祭壇を見つけた。

 

ウィズ「……………あ、そろそろ到着するみたいですよ。」

カズマ「どうやら、ここが島の中心部みたいだな。」

ウィズ「そのようですね……………島を浮かしている魔力は、ここから流れ出ているように感じます。」

めぐみん「はい。先ほどから、肌を刺すような魔力で溢れていて、ゾクゾクします。」

湊翔「魔力は分からんが、空気が張り詰めているのは、確かだな。」

トウカ「魔石よりも凄い気配を感じるな。」

バニル「何を身構えている。貴様らの目的地に辿り着いたのではないか。」

 

 俺たちが身構える中、バニルはそう言う。

 すると、アクアが口を開く。

 

アクア「何かしら……………さっきから、女神の勘が凄く反応するんですけど。ビンビンなんですけど。」

白夜「何がだよ?」

アクア「例えば……………何か出てくるとか。」

カズマ「またお前はそうやってフラグを立てる……………。」

アクア「まあ、流石に火を噴くドラゴンとかは出てこないでしょ。」

湊翔「おい、そういうのを言うんじゃないよ。」

 

 そういうのを言うと、大抵、それが出てくるんだよ。

 嫌な予感しかしないな。

 すると、めぐみんが叫ぶ。

 

めぐみん「あ、あれ!」

ダクネス「どうした、めぐみん?」

めぐみん「あれですよ、あれ!」

 

 めぐみんの指差す先には、祭壇があった。

 

白夜「あれは……………祭壇だな。」

朱翼「みたいね……………。」

バニル「この溢れている魔力から見て、十中八九間違いないだろう。」

めぐみん「おお……………近くに来ると、ますます魔力を感じます!」

トウカ「めぐみん。あんまり不用意に近づかない方がいい。」

バニル「使えないアークプリーストよ。魔石を祭壇に祀ってみるのだ。」

アクア「アンタに命令されるのは癪に障るけど……………こうかしら。」

 

 めぐみんがはしゃいで、それをトウカが宥める中、アクアは魔石を祭壇に祀る。

 何が起こるんだ?

 

バニル「さあ、貴様達の欲望成就はもうすぐだ!フハハハハハ!」

湊翔「さて、何が起こる?」

カズマ「なあウィズ、ちょっといいか?」

ウィズ「はい、何ですか?」

カズマ「あの魔石が揃ったら願いが叶うって話、ウィズはどう思う?」

ウィズ「う〜ん……………どうでしょう?強力な魔道具なのは間違い無いんですけど、何でも願いを叶えるなんて、神様みたいな事は…………。」

湊翔「やっぱり無理か。」

白夜「だろうな。」

ウィズ「私はそう思います。バニルさんは自信満々に言ってましたけど。『これを集めれば、素敵な事が起こるぞ!』って。」

トウカ「素敵な事?」

 

 素敵な事って、どういう事だ?

 バニルからしたら、そんな事は分かっている筈。

 なのにそう言うという事は、何か企んでそうだな。

 一方、アクアは魔石を祭壇に祀る準備をしていた。

 

アクア「えっと、これはこっち。あっちにも置いて……………あっ。そういえばこの石、私のカケラの部分が欠けてるのよね。……………仕方ないから、少しだけ貸してあげるわよ。カケラを差し込んで……………。よし光った!これも置いたら完成よ!」

カズマ「アクア、そっちはどんな様子だ?」

アクア「もう終わるわ!これで…………7つ目!」

 

 どうやら、あと少しで終わりそうだった。

 すると、アクアが七個目の魔石を置くと、強い光が出る。

 

カズマ「うわっ!?」

ダクネス「くっ、強い光が……………!」

めぐみん「光だけじゃありません!魔力の奔流も凄いです……………!」

湊翔「何が起ころうとしてるんだ…………。」

白夜「お前ら、気をつけろ!何が起こっても、おかしくない!」

朱翼「はい!」

ウィズ「気をつけてください!この魔力、普通じゃありません!」

トウカ「えっ……………?」

バニル「ほう、これはこれは……………。」

 

 俺たちが身構える中、バニルはそう言って、アクアは魔石から離れない。

 

アクア「うわわわわ!ねえちょっと、何よこれ!?こんなの聞いてないんですけど!?」

湊翔「おい!さっさと戻ってこい!危ないだろ!」

アクア「でもでも!私の石がここにあるんですけど!?」

カズマ「お前は身の安全と石と、どっちが大事なんだ!?」

アクア「どっちもに決まってるじゃ無い!」

白夜「おい!さっさとこっちに来やがれ!」

アクア「ああーっ!私の魔石ーっ!!」

 

 俺たちがそう叫ぶが、アクアは一向に離れないので、白夜がアクアを引っ張る。

 

ウィズ「皆さん、もっと下がってください!魔石の魔力がまだまだ上昇しています!」

カズマ「くそっ!一体、何が起きたって言うんだ…………っ!?」

バニル「フ、フハハハハハ!フハハハハハ!」

湊翔「バニル?何で笑ってんだ?」

 

 ウィズがそう叫ぶ中、バニルが笑いだす。

 俺が訝しむと、バニルは叫ぶ。

 

バニル「そう、我輩である!全てを見通す悪魔、バニル様だ!人間どもよ、ひとまずお疲れ様と言っておこう。そして、続けてこう言うのだ。……………ご愁傷様と!」

ダクネス「一体、何を言っているんだ…………!?」

めぐみん「石を揃えたら、願いが叶うのでは無いのですか!?」

湊翔「……………お前、最初からこうなるって分かってたんだろ?」

 

 バニルがそう言うと、ダクネスとめぐみんがそう聞いて、俺はそう聞く。

 やっぱり、こいつがこの状況を見通してないわけないか。

 

バニル「フハハハハハ!貴様らが汗水垂らして、欲望のままに集めたこの魔石であるが……………実際の所は、願いを叶えるなど嘘っぱち!モンスターが封印されている石なのだ!」

ウィズ「え、ええっ!?」

アクア「ふざけんじゃないわよ、この悪魔!」

白夜「だろうな。」

トウカ「嘘を吐かないんじゃ無かったのか!?」

バニル「無論、嘘は吐いてないとも!少なくとも、我輩はな!」

朱翼「どういう事ですか?」

バニル「フハハハハハ!良いだろう、悪役らしく、少し説明してやろう!」

 

 バニルは嘘を吐いておらず、別の奴が嘘を吐いたって事か?

 だとしても、どういう事だ。

 すると、説明を始める。

 

バニル「人の願いを叶えるという、伝説級のマジックアイテム、『封魔の魔石』。王都の古い文献に記されているが、誰も信じてなどいない一種のネタ、与太話の類である。」

湊翔「与太話……………。」

バニル「無論、我輩もそう思っていたのであるが、それを覆す予想外の出来事が発生してな。」

白夜「予想外の出来事だと?」

バニル「それは………………。」

カズマ「アクアの見つけたカケラか!」

トウカ「そういう事か!」

 

 なるほど、アクアが持ってきた事で、本当だと分かったからか。

 カズマとトウカの言葉に、バニルは返事を返す。

 

バニル「大正解!実在するとは、流石の我輩も、驚きを禁じ得なかったぞ!だが、面白いのはここからだ。そのかけらの鑑定の際に、噂は本当なのか見通してみた。すると、断片的にではあるが、カケラから魔石の記憶が読み取れたのだ。魔石がとある能力者によって造られたこと、その者が日本人という異邦者である事…………そして、実際には思い通りに造れなかった………………失敗作であるという事がな!」

朱翼「失敗作!?」

めぐみん「あれ程の魔力が秘められた魔道具が失敗作だなんて、信じられません…………!」

 

 やっぱり、あれを作ったのは日本人だったか。

 それにしても、失敗作とはな。

 そう思う中、バニルの説明は続く。

 

バニル「魔石の製作者は、どうやら願いを叶えてくれる存在が出現する仕組みにしたかったらしい。だが実際には、願いを叶える力を持たない危険なモンスターしか作り出せなかった様だな。」

白夜「……………絶対にドラゴンボールがモチーフだろ。」

バニル「そして、我輩は確かに感じた!カケラの奥……………魔石の本体に潜んでいるモンスターの力を!あとは貴様らもご存知の通りだ。高値で買い取ると言って、魔石集めに奔走してもらった!」

アクア「じ、じゃあ、やっぱり私たちを騙してた事に変わり無いじゃない!」

湊翔「………………いや、バニルは騙してない。俺たちが、願いが叶うなんて胡散臭い噂を信じたからだ。」

 

 そう。

 バニルは嘘を吐いていない。

 願いが叶う噂を鵜呑みにした俺たちが原因と言えるだろう。

 

バニル「その通りだ!フハハハハ!皮肉とは思わんか!?願いを叶えるアイテムを造ろうとして、出来上がったのがモンスターの召喚装置とは!我輩、この石の真実を知った時は大変に喜んだぞ。欲に目が眩んだ者達が願いを叶えようとした瞬間、モンスターが現れるのだからな!そうと知った冒険者の何とも言えない表情を見たいが為に、我輩、全力で頑張ったのである!」

カズマ「ああもう、相変わらず悪趣味だなちくしょう!」

バニル「褒め言葉だ!ありがとう!」

トウカ「それより、もうすぐモンスターが出てくる!」

 

 バニルがそう言って、カズマがそう叫ぶと、バニルは嬉々としてそう言う。

 トウカがそう言うと、俺たちは身構える。

 すると、出てきたのは、ドラゴンだった。

 

ドラゴン「……………ぎゃおおおおおおっ!」

カズマ「あ、あれがモンスター……………!?」

ダクネス「な、なんだとっ!?」

トウカ「嘘……………。」

めぐみん「そんな、まさか……………!」

白夜「おいおい……………。」

朱翼「えっ……………。」

アクア「あわわわ!私、まだ死にたく無いんですけど!未練たらたらなんですけど!」

ウィズ「……………まさか、信じられません。」

湊翔「ドラゴンを造ったのかよ……………。」

 

 それには、俺たち全員が驚く。

 まあ、ドラゴンボールって、全部集めると、神龍(シェンロン)が出てくるからな。

 すると、バニルが笑いだす。

 

バニル「ふ、フハハハハハ!強力なモンスターだとは思っていたが、まさかドラゴンが出てくるとは、我輩も想定外だ!」

カズマ「ふ、ふざけてんじゃねぇよ、てめぇ!悪感情とかそういうレベルじゃなく、普通に世界を壊せそうな敵出してんじゃねーよ!?こんなの、俺たちにどうこう出来るような相手じゃ……………あれ?」

湊翔「ん?」

トウカ「どうした?」

めぐみん「取り敢えず、爆裂魔法を撃ちましょうか!」

白夜「いや、そうじゃなくて、なんか、ドラゴンじゃないぞ。」

アクア「えっ?」

朱翼「言われてみれば……………色んな動物が混ざってる様な……………。」

 

 そう。

 カズマが気づいたのに釣られて、俺も気づいたが、あのドラゴン、変な形をしていた。

 ドラゴンにしては、頭が二つだし、体は何かの猛獣の体だった。

 簡単に言えば、キメラだった。

 

バニル「ふむ。面白い造形をしているのであるな。どれ、魔石本体の記憶を見てみるか。えー………………『やっちゃったぜ!いやー、ドラゴン作り、失敗失敗!』」

カズマ「………………はい?」

バニル「『かっこいいドラゴンを造るつもりが、イメージ力が足りなくて、体が思ったように造れないぞ。仕方ないから、その辺にいた適当な動物を見ながらイメージしよう。お、意外とかっこいい?』」

湊翔「………………は?」

 

 あれ、この喋り方、聞き覚えがあるぞ。

 なんか、思い出すだけで無性にイラついてくるんだが………………。

 白夜の方をチラリと見ると、イラつきだした表情をしていた。

 バニルが記憶の代弁を続ける。

 

バニル「『でもこいつ、よく暴れるから邪魔だなあ。願いを叶える力も無いし。魔王退治もこいつに任せようと思ったけど、やっぱり俺のイメージ力じゃ無理!諦めよう!』」

カズマ「…………………。」

白夜「おい……………!」

バニル「『今日、国のお偉いさんから、魔石を渡せと言われた。何で魔石の事知ってんだろう、この人たち。…………あー、そういえばこの間、酒場で酔っ払った時、調子に乗って魔石のことを話した気がする。でも失敗したって言えないから、何でも願いが叶うとか大嘘吐いちゃったんだよね。無視してたら、国のお偉いさん、すげぇ怒ってる。やばい。国家反逆罪で逮捕するとか言ってる。仕方ないから、別の国に逃げよう。魔石は逃げる間に適当な場所に捨てていけば良いか。次はどこか、適当な魔道具作ってるだけで暮らしていける国に行きたいなぁ。』……………終わり。」

 

 バニルのその記憶の代弁は、終わった。

 これ、察しがついたぞ。

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「……………つまり?」

バニル「ふむ。どうやらこのドラゴン、願いを叶えられないだけでなく、他にも色々と失敗した欠陥品らしい。それに、魔石の噂も、製作者自身が酒を飲んだ勢いで広げてしまった与太話の様だな。」

朱翼「え………………。」

湊翔「…………おい。」

白夜「この魔石作った奴、どう考えてもデストロイヤーの開発者じゃねぇか!!」

 

 バニルの言葉に、朱翼は絶句して、俺がそう言うと、白夜が代弁してくれた。

 アイツ、どんだけやらかせば気が済むんだ!

 あのゴーレムのダンジョンといい、デストロイヤーといい!

 まだ負の遺産があるんじゃないだろうな?

 

バニル「いやー、人間というのは実に面白い。我輩より性格悪いのでは無いか?しかし、モンスターも失敗作とは予想外であるな。これでは冒険者と戦うには些か力不足…………。」

 

 バニルがそう言う中、ドラゴンもどきに潰された。

 

カズマ「あっ。」

ウィズ「ああっ!バニルさんが!!」

アクア「み、見事に前脚でぺちゃんこにされたわね……………。」

湊翔「失敗作と言っても、弱いわけじゃ無いか。」

白夜「あのモンスター、バニルの言う事を聞く訳じゃないのか。」

 

 俺たちがそう言うと、バニルはあっさりと復活して、口を開く。

 

バニル「当然であろう?我輩、あのモンスターを解き放っただけであるからな。」

朱翼「バニルさん!?」

バニル「いかにも。仮面さえ無事であれば、何度でも復活可能だ。」

 

 そういえば、バニルはそういうやつだったよな。

 すると、アクアが揶揄いだす。

 

アクア「とか言って、自分で呼び出したモンスターに潰されるとか、恥ずかしく無いんですかー?プークスクス!」

バニル「ふん。これは当初からの目的通りであるからして、我輩は何も恥ずべき所はないのである。むしろ、金の為に石を集めた何処ぞの女神は、モンスターを解き放った責任を感じるべきでは?」

アクア「ちょっと!大人しく聞いてればあんたねぇー!」

トウカ「おい、アクア!落ち着け!」

 

 バニルとアクアの罵り合いの末、アクアは手を出そうとするが、トウカが抑える。

 そんな中、俺はバニルに聞く。

 

湊翔「それで?こいつを解放した後は、どうするつもりだったんだ?」

バニル「何も無いが?」

カズマ「はああああ!?」

バニル「我輩は、冒険者が石を解放し、その真実に絶望する瞬間の悪感情を頂きたかっただけであるからな。」

ウィズ「つまり、呼び出した後の事は考えていなかったんですか!?」

バニル「そういう事だ。」

カズマ「じゃあ、制御する方法もないのかよ……………。」

 

 マジかよ……………。

 まあ、薄々そんな予感はしてたけどさ。

 すると、アクアが口を開く。

 

アクア「やっぱり、悪魔って最低ね!今すぐ浄化してあげるわ!」

バニル「フハハハハハ!出来損ないのアークプリースト風情に出来るものならやってみるが良い!」

 

 そんな風に戦おうとする。

 すると、めぐみん達が俺たちに話しかける。

 

めぐみん「あああああの、皆さん……………お取り込み中にすみませんが。」

アクア「どうしたの、めぐみん?」

カズマ「待ってくれ。今、ドラゴンもどきをどうするか検討中で……………。」

トウカ「そのドラゴンもどきが、こっちを見てるぞ。」

湊翔「えっ……………?」

ダクネス「確かに、こちらを見ているというか……………。」

朱翼「アクアを凝視してますね……………。」

 

 そう。

 ドラゴンもどきは、アクアを凝視していたのだ。

 何で?

 

アクア「ちょっと!?何で私なの!?私何にもしてないんですけど!?」

ウィズ「多分、アンデッドと同じです。造られた命だから、アクア様の強い生命力に反応してるんです!」

トウカ「そうか。魔石がアクアに反応してたのは、その高い生命力に反応してたからか!」

バニル「フハハハハハ!ドラゴンもどきに好かれるとは、流石は女神擬きであるな!」

アクア「ちょっと!私、もどきじゃなくて、本物の女神なんですけど!この悪魔、また私の事を馬鹿にした!」

 

 そういう事か。

 ていうか、人工的に造られた命は、高い生命力に反応するのか?

 そう思う中、ドラゴンもどきは俺たちに襲い掛かろうとしていた。

 

湊翔「バニル!お前も手伝え!元凶はお前だからな!」

バニル「やれやれ。我輩も敵認定されてしまった以上、悪感情も十分味わった事だし、手伝ってやろう。」

白夜「お前が元凶だろうが!」

 

 俺たちはそう話して、デザイアドライバーを装着して、レイズバックルを装填する。

 

SET

 

 俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が、ウィズの横には戦闘機の絵とJETの文字が、バニルの横には、星が散りばめられていて、モンスターの顔と一体化したMONSTERという文字が現れる。

 

「「「「「「「「「変身!」」」」」」」」」

 

 俺たちはそう叫んで、レイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

FLUTE

JET

MONSTER

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、朱翼はスワン・フルートフォームに、ウィズはホーク・ジェットフォームに、バニルはパンクジャック・モンスターフォームに変身する。

 そうして、俺たちはドラゴンもどきに戦いを挑む。

 一方、ギロリさん達の方は。

 

ギロリ「これは……………凄まじい気配がするな。」

ツムリ「それに、アクセルにジャマトライダーが向かってます。」

ゼウス「……………どうやら、アクアが封印されていたドラゴンもどきを解き放ってしまった様だな。大至急、アクセルに居る仮面ライダー達に、緊急ミッションの通達だ!」

ツムリ「はい!」

拓巳「頑張れよ。」

 

 そんな感じに動いていた。

 ギロリさんが見ていた地図には、空の方にギーツ、タイクーン、ナーゴ、バッファ、ラウンズ、ライコウ、スワン、ホーク、パンクジャックのライダーズクレストが、アクセルの方には、ラビー、ギンペン、ムメイ、ベクター、キュビー、タンツェン、スマッシュ、マティス、ボアのライダーズクレストが浮かんでいた。




今回はここまでです。
天空の島へと向かい、ドラゴンもどきと戦闘を開始します。
そして、アクセルにジャマトライダーが向かう。
次回で、希望の迷宮と集いし冒険者たちのエピソードは終わります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のギーツは、新世界での話が始まりましたね。
そんな中、ジャマト化した五十鈴大智が暗躍し、ケケラとベロバも暗躍する。
そして次回、タイクーンの強化が来るみたいですね。
ただ、不安になるんですが。
この小説のカズマのタイクーンの強化は、どういう感じにやるのかは、未定です。
更に、夏の映画で、黒いギーツらしき仮面ライダーが出るみたいで、楽しみです。
この仮面ライダーは、どうするのかは未定です。
あと、トウカのイメージCVを、岡咲美保さんから寺崎裕香さんに変更しようと思います。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第48話 ドラゴンもどきとの決戦

 俺たちは、それぞれの武器を持って、ドラゴンもどきに挑んでいく。

 ドラゴンもどきは、尻尾を使っての攻撃や、炎と氷のブレスを使って攻撃してくる。

 

湊翔「ハアッ!」

 

 俺は、ドラゴンもどきの攻撃を躱しつつ、マグナムシューターで銃撃していく。

 皆のサポートという意味で、ドラゴンもどきの攻撃を潰したりもする。

 ドラゴンもどきの攻撃に関しては、シリンダー型のバリアを張って、防御する。

 

トウカ「ハアッ!でやっ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーを振るい、ドラゴンもどきに攻撃していく。

 

白夜「オラっ!」

 

 白夜は、素早い動きでドラゴンもどきの攻撃を躱して、雷を纏った攻撃を叩き込んでいく。

 

朱翼「ハアッ!」

 

 朱翼は、フルートソードを演奏して、音波攻撃で防御したり、攻撃したりする。

 

カズマ「とりゃっ!ハアッ!」

 

 カズマは、ニンジャフォームの素早さでドラゴンもどきを撹乱して、ニンジャデュアラーで攻撃する。

 

めぐみん「ハアッ!」

 

 めぐみんは、ビートアックスのエレメント攻撃をしたりして、ドラゴンもどきにダメージを与えていく。

 

ダクネス「ハアッ!フッ!」

 

 ダクネスは、ゾンビブレイカーでドラゴンもどきに攻撃していく。

 

ウィズ「ハアッ!てやっ!」

 

 ウィズは、ジェットフォームの力で空を飛びながら、魔法を撃っていく。

 

バニル「ハアッ!ふっ!」

 

 バニルは、両腕のグローブでパンチを繰り出していく。

 その際、星型のエフェクトが現れる。

 俺たちの攻撃で、ドラゴンもどきが怯む。

 

アクア「ひ、怯んだ!?」

カズマ「みたいだな!」

めぐみん「確かに……………攻撃の手は緩みました!」

バニル「ここいらが引き時だな。」

湊翔「よし!一旦、外に出るぞ!」

トウカ「ウィズ!テレポートの準備をしてくれ!」

朱翼「ですね!」

 

 俺たちは、ドラゴンもどきが怯んだ隙に、撤退する事にした。

 攻撃は効いているのだが、ドラゴンもどきが回復しているので、体勢を整える為だ。

 すると、アクアが叫ぶ。

 

アクア「あ!ま、待って!」

カズマ「何だ!?」

アクア「わ、私の魔石!持って行かなきゃ!」

湊翔「バカ!持っていける訳ないだろ!」

白夜「魔石は諦めろ!」

アクア「そんな、私の……………私の魔石いいいいいっ!!」

 

 アクアが魔石を回収しようとするが、俺たちはそう叫び、アクアを連れて撤収する。

 何とか、アクセルの近くの平原に着く。

 

カズマ「……………わあああっ!?」

めぐみん「た、助かりました……………。」

ダクネス「ここは……………。」

トウカ「巨大バニル仮面を打ち上げた場所だな。」

朱翼「戻って来れたんですね……………。」

湊翔「だな。皆、怪我はないか?」

ウィズ「は、はい!大丈夫です!」

白夜「問題ない。」

バニル「もちろん、我輩も。悪魔なのでな!」

カズマ「少しは反省しろよ、悪魔!」

 

 どうやら、全員無事みたいだな。

 すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「あのモンスター……………ドラゴンもどきと言うには、恐ろしい力だった………。」

朱翼「問題は、天空の島から出てきたりしないかですよね。翼もありましたし。」

バニル「それに関しては、心配無用だろう。」

白夜「どういう意味だ?」

バニル「あのモンスターは、封印から解き放たれたとはいえ、あの魔石に紐づけられている。魔石があそこにある以上、島から外へは出られない筈だ。」

カズマ「そっか。あの魔石さえ無ければ大丈夫なんだな。」

バニル「左様。魔石に手を出さなければ(・・・・・・・・・・・)、問題はない。」

 

 なるほどな。

 という事は、追撃の危険性は無いって事か。

 とはいえ、バニルの言い方が気になるな。

 すると、めぐみんがアクアに話しかける。

 

めぐみん「……………アクア?どこへ行くのですか?」

アクア「びくっ!?あ…………わ、私ちょっと用事を思い出したから、家に戻るわね。あ、皆はゆっくりしてて良いのよ?」

 

 めぐみんの言葉に、アクアは挙動不審気味にそう言う。

 そう言うアクアには、既視感があった。

 それは、ジャマトのバックルを掠めた際のリアクションと似ていたのだ。

 つまり…………。

 

カズマ「……………おいアクア、今後ろに何を隠した?」

湊翔「お前………………。」

アクア「か、隠してなんかいないわよ!?」

白夜「それじゃあ、後ろ手に抱えてる包の中を見せろ。」

めぐみん「何故でしょう。袋の中から、物凄い魔力を感じるのですが。」

トウカ「まさか……………!」

 

 あいつ、やりやがったな。

 すると、カズマはアクアに近づき、袋を奪おうとする。

 

アクア「だ、だから、何も無いってば…………いやあっ!せ、セクハラで訴えるわよ!?」

カズマ「良いから袋を…………渡せっ!!」

アクア「わああーっ!?」

 

 アクアが抵抗するが、カズマは袋を奪い取る。

 中から出てきたのは、魔石のかけらだった。

 

トウカ「お、おい……………!」

ダクネス「ま、魔石のかけら?」

めぐみん「……………恐ろしく光ってますね。魔力全開って感じです。」

湊翔「……………おい、アクア。これはどういう事だ?」

アクア「だ、だって!これは元々私の魔石なの!なんかピカピカ光り出した時に嫌な予感がしたから、かけらだけ取り外して持って帰ってきたの!」

白夜「……………だからって、持って帰るバカが居るかぁぁぁぁぁぁっ!!」

アクア「いやあぁぁぁぁぁ!!」

 

 俺たちがアクアにそう聞くと、アクアはそう答えて、白夜にコブラツイストをされる。

 そんな中、バニルは笑う。

 

バニル「フハハハハハ!流石は駄女神!何という愚かしさ!」

カズマ「や、やっぱりかなり不味いのか?」

バニル「我輩にも分からん。だが、モンスターが魔石に紐付けられているならば……………。」

湊翔「まさか……………!?」

 

 俺は、バニルの言いたい事を察した。

 すると、朱翼が口を開く。

 

朱翼「あ、あの……………何だか、光が強くなってませんか?」

アクア「痛い!痛い!痛い!え?…………あ、本当ね。」

めぐみん「発する魔力も、少しずつ大きくなっているようです……………。」

バニル「………………。」

カズマ「ど、どうなんだ、バニル!?これから何が起こるんだ!?」

 

 そう。

 魔石の光が更に強くなっているのだ。

 それを見て、嫌な予感が的中した事を悟った。

 すると、トウカが口を開く。

 

トウカ「あり得るのは……………大半の魔石ほ天空の島に置き去りになってるから、状況は変わらないか、魔石のカケラが外れたから、存在を維持出来ずに、あのモンスターは消滅するか。」

湊翔「まさかとは思うが………………。」

バニル「そのまさかである。」

めぐみん「も、もったいぶらずに教えて下さい!」

白夜「……………いや、説明する必要性は無いだろうな。」

 

 トウカがそういう中、白夜はそう言う。

 すると、めぐみんが何かに気付いたのか、叫ぶ。

 

めぐみん「あああっ!どんどん大きな魔力が近づいてきます…………!」

アクア「いやね、皆して、冗談が上手いんだから。それって、嘘よね?嘘なのよね?…………ねえ、お願いだから嘘だって言って!?」

バニル「どうやら、魔石の魔力を辿られたようだな。取り返しに来たのであろう。」

カズマ「ほら、早くカケラ返してやれ!」

アクア「嫌!これだけは嫌!私の可愛いカケラを取り上げないで!」

湊翔「おい!そんな事を言ってる場合か!?」

 

 そんな中、近づいてきた存在が、大きく咆哮を上げる。

 無論、ドラゴンもどきだ。

 マジか………………。

 

カズマ「あーくそっ!向こうは完全に戦う気満々だぞ!?」

湊翔「そうみたいだな………………。」

アクア「ちょっと、カズマ!湊翔!ねえ危ないわよ!早く逃げましょう!?」

ダクネス「ダメだ!街に近すぎる!」

トウカ「もし、私たちが逃げたら…………。」

めぐみん「ど、ドラゴンもどきが街を襲ってしまうかもしれません!」

白夜「……………しかも、相手はドラゴンもどきだけじゃ無いみたいだぞ。」

 

 俺たちが逃げたら、面倒な事になる。

 すると、白夜がそう言う。

 白夜の指さす先には、ジャマトライダーが四体もいた。

 

朱翼「ジャマトライダー!?街を襲う気ですか!?」

ウィズ「それは……………ダメです!街の人たちは守らないと!」

バニル「このような状況でも、他者の心配をするか、冒険者共……………。であれば、戦うしか無いな!」

白夜「逃げる選択肢はないって事だな!」

めぐみん「ああ……………!こういう時に、ぼっちでもそれなりに戦力になるゆんゆんが居てくれれば…………!」

ダクネス「くっ…………強敵は望む所だが、勝つ為には、クリスの手助けが無いと…………!」

トウカ「人手が足りなさ過ぎる…………!」

アクア「あーもう!誰でも良いわよ!私たち、助けて欲しいんですけどーっ!?」

 

 確かに、人手が足りない。

 ドラゴンもどきだけでも手を焼いてるのに、ジャマトライダーが現れては、対応しきれない。

 どうしたもんか……………。

 すると。

 

ゆんゆん「め、めぐみんっ!湊翔さん!」

湊翔「ゆんゆん!」

めぐみん「ゆんゆん!?どうしてここに!?」

ゆんゆん「何だかすごい魔力を感じて、急いで来たの!……………って、ひゃあああっ!?な、何これ!?ドラゴン!?ドラゴンなの!?」

湊翔「説明は難しいが、似た様なもんだ!」

めぐみん「ちょうど良い所に来ました、ゆんゆん!ドラゴンスレイヤーなる良い機会ですよ!」

ゆんゆん「えええっ!?そんなの、なりたくないんだけど!?」

 

 ゆんゆんが来て、俺とめぐみんはそう言う。

 更に、他の人達も来た。

 

リア「湊翔!皆!」

湊翔「リア!アクセルハーツもきてたのか!?」

シエロ「ジャマトライダーがアクセルに迫ってると聞きまして!」

エーリカ「私たちも手伝ってあげるわよ!」

 

 アクセルハーツの三人が居た。

 さらに。

 

ミツルギ「まさかアクセルで、ドラゴン退治をする事になるなんてね。」

白夜「お前も居たのか。」

ミツルギ「ああ。あのジャマトライダーとやらは、僕に任せてくれ!」

龍「無理をするな。」

アフロディテ「私は、皆をサポートします!」

クリス「ダクネス、トウカ、生きてるーっ!?」

ダクネス「クリスか!?」

トウカ「来てくれたんですね!」

クリス「なんか、やばい気配がするって、紅魔族の子が言ってたり、ジャマトライダーが来てるって来たから、取り敢えず、全員呼んでおいた!」

 

 ミツルギ、龍、アフロディテ、クリスも来てくれた。

 クリスに関しては、全員を呼んでくれたそうだ。

 

ラン「あ、あのー!私はどうしたら良いですかー!?」

朱翼「ランさん!?来てくれたんですか!?」

ラン「全員集合って言われたから…………!」

ジン「あまり無理をするなよ。」

進「アルカ!サポートを頼んだぞ!」

アルカ「ええ!」

デモニオ「まあ、手伝ってやるよ。」

 

 ラン、ジン、進、アルカ、デモニオも来たようだ。

 すると、合流した人たちは、デザイアドライバーを装着して、レイズバックルを装填する。

 

SET

SET VECTOR・COMMAND

 

 すると、クリスの横には、緑と銀のスプリングの絵と英語でHOPPINGの文字が、ゆんゆんの横には、透明なステルス機と英語でSTEALTHの文字が、進の横には、槍の絵と英語でLANCEの文字が、龍の横には、大型の戦艦の絵と英語でFLEETという文字が、デモニオの横には、HACKING VAIOとVECTOR COREという文字が、リアの横には、五線譜と音符の絵柄と英語でHARMONYという文字が、シエロの横には、拳の絵柄と英語でFIGHTERという文字が、エーリカの横には、ミラーボールとダンスフロアみたいな絵柄と英語でDANCERという文字が、ジンの横には、緑のチェーンソーと、英語でCHAINSAWの文字が浮かぶ。

 それらの面子は、叫ぶ。

 

「「「「「「「「「変身!」」」」」」」」」

 

 そう言って、レイズバックルを操作する。

 

HOPPING

STEALTH

LANCE

FLEET

HACKING COMMAND SYSTEM

HARMONY

FIGHTER

DANCER

CHAINSAW

REDAY FIGHT

 

 クリスはラビー・ホッピングフォーム、ゆんゆんはギンペン・ステルスフォーム、進はボア・ランスフォーム、龍はムメイ・フリートフォーム、デモニオはベクター・ハッキングバイオフォーム、リアはキュビー・ハーモニーフォーム、シエロはスマッシュ・ファイターフォーム、エーリカはタンツェン・ダンサーフォーム、ジンはマティス・チェーンソーフォームに変身する。

 

ウィズ「カズマさん!湊翔さん!旅で一緒になった皆さんが、助けに来てくれました!」

カズマ「ああ、分かってる!」

バニル「全く、人間というのは面白いな。このような劣勢でも、仲間が来ただけで奮い立つとは。」

湊翔「何が言いたいんだ?」

バニル「さあ、ギーツにタイクーンよ!この援軍を得て、貴様達はどうする?」

ダクネス「カズマ!」

めぐみん「カズマ!」

アクア「カジュマさぁぁぁぁん!」

トウカ「湊翔!」

白夜「湊翔!」

朱翼「湊翔さん!」

 

 ウィズの言葉にカズマがそう答えると、バニルはそう言う。

 すると、俺とカズマのパーティーメンバーが俺たちを見てくる。

 俺とカズマは、顔を見合わせて、答える。

 

カズマ「ったく!こういうのは性分じゃねぇんだよ!俺は楽してお金を稼ぎたいだけなのに!ったく……………ああ、もう!しょうがねぇなあああああっ!!」

湊翔「さあ、ここからがハイライトだ!」

 

 俺とカズマは、自分自身を奮い立たせる為にそう言う。

 俺とカズマは叫ぶ。

 

湊翔「龍、英鬼渡、進、ジン!アンタらは、ジャマトライダーを倒してくれ!倒したら、俺たちに加勢してくれ!」

龍「ああ、任せろ。」

アフロディテ「支援は任せてください!」

デモニオ「分かったよ。」

進「ああ!」

アルカ「分かったわ!」

ジン「任せろ。」

カズマ「そして、残った俺たちは、ドラゴンもどきに攻撃するぞ!」

一同「おお!」

 

 俺たちはそう言って、戦いを挑む。

 一方、先行してジャマトライダーの方へと向かったミツルギは。

 

ミツルギ「でやあっ!!」

 

 ミツルギは魔剣グラムを振るい、ジャマトライダーに攻撃していく。

 ミツルギは実力を上げて、魔剣グラムを使いこなしているのもあり、ジャマトライダーとも互角に渡り合っていた。

 

ミツルギ「ハァァァァ…………!ルーン・オブ・セイバー!!」

 

 ミツルギは、自前のスキルを使い、二体のジャマトライダーを吹っ飛ばす。

 止めを刺すべく、その二体のジャマトライダーへと向かい、剣で切り裂こうとする。

 すると、ジャマトライダーが姿を変える。

 それを見て、ミツルギは驚愕する。

 

ミツルギ「なっ………………!?」

 

 その姿は、死亡したはずのクレメオとフィオだったのだ。

 

ミツルギ「クレメオ……………!?フィオ……………!?」

クレメオ「久しぶりね、キョウヤ。」

フィオ「また会えたね。」

 

 その2人はそう言う。

 ミツルギが呆然とする中、2人はジャマトライダーになり、ミツルギに攻撃する。

 ミツルギは、クレメオとフィオの姿になった事に動揺したのか、劣勢気味になる。

 そこに、龍、アフロディテ、英鬼渡、進、アルカ、ジンがやって来る。

 

龍「大丈夫か?」

アフロディテ「大丈夫じゃなさそうですね……………。」

デモニオ「情けねぇな。」

進「加勢する。アルカは魔法での援護を!」

アルカ「分かったわ!」

ジン「行くぞ!」

 

 六人はそう言って、ジャマトライダーと戦おうとするが、ミツルギが止める。

 

ミツルギ「ま、待ってくれ……………!」

ジン「うん?」

デモニオ「何だよ?」

ミツルギ「あのジャマトライダーの内2体は、クレメオとフィオ……………僕のかつての仲間なんだ……………!」

アルカ「え!?」

進「何だと?」

アフロディテ「まさか……………。」

龍「………………。」

 

 ミツルギの言葉に、全員が驚く。

 だが、ジャマトライダーは、依然として猛攻を加えていく。

 そんな中、龍はある事を思い出していた。

 それは、王都にて、魔石に関する情報を探っていた時だ。

 

龍『結構、骨が折れるな。』

アフロディテ『実際、与太話とかも多いですしね……………。』

???『大変そうじゃないか。』

 

 龍とアフロディテが、魔石の情報を探る中、1人の男性が話しかける。

 

アフロディテ『ゼ……………いや、ニラムさん。』

龍『王の補佐役であるあなたが、こんな所にまで来たんですか?』

ニラム『少し、伝えておきたい事がある。』

 

 そう言って、ニラムは龍とアフロディテの前に座る。

 

龍『それで、伝えたい事とは?』

ニラム『ここ最近、人の姿になるジャマトライダーが目撃され始めている。』

アフロディテ『人の姿になるジャマトライダーですか………………!?』

ニラム『ああ。恐らく、死亡して脱落したプレイヤーのIDコアを悪用している可能性が高い。用心してくれ。』

龍『……………分かった。』

 

 ニラムはそう言って、その場から後にする。

 それを思い出した龍は、持っていた剣を持ち直して、前に出る。

 それを見たミツルギは、龍を止めようとする。

 

ミツルギ「ま、待て!」

龍「ミツルギ。お前に見せてやるよ。」

 

 龍はそう言って、ジャマトライダーへと向かう。

 ジャマトライダーは、龍に攻撃しようとするが、龍は躱して、剣を一閃する。

 すると、ジャマトライダーは4体とも吹っ飛んで、変身解除する。

 その姿は、クレメオとフィオが2人ずつ居たのだ。

 

ミツルギ「なっ……………!?クレメオとフィオが2人ずつ!?」

クレメオ「まずい……………!」

フィオ「しまった……………!」

進「おいあんた!これはどういう事だよ!?」

龍「そう。敵の手によって、死亡して脱落した仮面ライダーのIDコアは、ジャマトの進化に利用される。」

デモニオ「マジかよ……………!」

龍「ミツルギ。アンタの仲間は、もうこの世界には居ない。」

ミツルギ「……………………。」

 

 それを見て、全員が驚く中、ミツルギは、龍から言われた現実に、押し黙る。

 そんな中、クレメオとフィオの姿に擬態した4体のジャマトライダーは、ジャマトライダーとしての姿に戻り、戦いを挑む。

 進達がジャマトライダーと戦う中、龍とアフロディテはミツルギに近寄る。

 

龍「ミツルギ。お前は何の為に戦う?栄誉か?それともお金か?」

ミツルギ「ぼ、僕は………………。」

アフロディテ「それに、あなたの仲間に擬態したジャマトに攻撃を躊躇するのは、あなたの仲間への冒涜なのでは?」

ミツルギ「…………………。」

龍「もう一度聞く。お前は何の為に戦うんだ?」

 

 龍とアフロディテは、ミツルギに戦う理由を問う。

 ミツルギは思い返していた。

 かつて、アクアから魔剣グラムを授かり、魔王を倒すと誓ったと。

 それを思い出し、ミツルギは立ち上がる。

 

ミツルギ「僕は………………アクア様と約束したんだ……………!魔王を倒すと!その為に、僕は戦う!」

アフロディテ「………………そうですか。少しはマシになったみたいですね。」

龍「だな。」

ミツルギ「行きましょう。」

 

 そうして、三人も、ジャマトライダーと戦う面子と合流する。

 

進「やっと来たか。」

アルカ「少しはマシになったみたいね。」

デモニオ「ふん。」

ジン「行くぞ、さっさとこいつらを倒すぞ。」

ミツルギ「はい!」

龍「アフロディテ。援護を頼む。」

アフロディテ「分かったわ。」

 

 アフロディテは歌いだし、全員に力が宿る。

 龍は、蜘蛛の様なメカメカしいロボットの形の大型レイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、龍の横に、蜘蛛の形のロボットの絵と、SPYDERの文字が浮かぶ。

 龍は、レイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

GET READY FOR FLEET & SPIDER

REDAY FIGHT

 

 龍はムメイ・フリートスパイフォームに変身する。

 

龍「はあっ!ふっ!」

 

 龍は足から糸を出して、周囲の岩を浮かして、縦横無尽に攻撃する。

 

デモニオ「ハアッ!」

 

 英鬼渡は、ハッキングバイオレイズバックルにベクターアックスを装填して、ベクターアックスを装備し、攻撃していく。

 

進「ハアッ!でやっ!」

 

 進は、手に持った槍でジャマトライダーに攻撃していく。

 ジャマトライダーが、進に攻撃しようとすると、アルカが魔法で攻撃する。

 

進「助かる!」

アルカ「ええ!」

 

 2人は、連携でジャマトライダーと戦っていく。

 

ジン「はっ!でやっ!」

 

 ジンは、両腕に付いてるチェーンソーでジャマトライダーに攻撃していく。

 

ミツルギ「ハァァァァ!!」

 

 ミツルギは、魔剣グラムを振るい、ジャマトライダーに攻撃していく。

 ジャマトライダー4体は、追い詰められた。

 

デモニオ「さっさと倒すぞ。」

龍「ああ。」

ジン「分かった!」

進「おう!」

ミツルギ「ああ……………!」

 

 そう言って、五人は必殺技を放つ。

 

HACKING STRIKE

FLEET SPIDER VICTORY

CHAINSAW STRIKE

LANCE STRIKE

 

デモニオ「ハァァァァ!」

龍「ハァァァァ!」

ジン「フッ!」

進「でやぁぁぁぁぁ!!」

ミツルギ「……………さようなら、僕のかつての仲間達。ルーン・オブ・セイバー!!」

 

 五人の必殺技が当たり、ジャマトライダーは4体とも爆散する。

 龍達は、一息吐く。

 一方、俺たちは、ドラゴンもどきと戦っていた。

 

湊翔「ハァァァァ!」

トウカ「フッ!」

 

 俺とトウカは、連携して攻撃していく。

 俺の銃撃でドラゴンもどきの攻撃を潰して、トウカのソードエクスカリバーでの斬撃で攻撃する。

 

白夜「オラっ!でりゃっ!」

朱翼「はあっ!でやっ!」

 

 白夜は素早く動き、雷を纏った爪で攻撃していく。

 朱翼は、フルートソードで攻撃していく。

 

カズマ「どりゃっ!はっ!」

めぐみん「はあっ!」

ダクネス「てやっ!」

ゆんゆん「はあっ!」

 

 カズマ達は、4人で連携して攻撃していく。

 

クリス「はあっ!」

 

 クリスは、ホッピングの力で強化された斬撃を食らわせる。

 

ウィズ「ハァァァァァ!」

バニル「ハアッ!」

 

 ウィズは上空に飛びながら魔法を撃ち、バニルはモンスターグローブで攻撃していく。

 

リア「ハァァァァァ!」

エーリカ「てぇい!」

シエロ「ハァァァ!!」

 

 アクセルハーツの三人の攻撃が、ドラゴンもどきに炸裂する。

 すると、ドラゴンもどきが弱っているように見えた。

 

ダクネス「見ろ!弱っているぞ!」

クリス「みたいだね!」

白夜「あとはトドメを刺すだけだ!」

めぐみん「ま、待ってください!モンスターの様子がおかしいです!」

 

 それを見て、俺たちはトドメを刺そうとするが、様子がおかしい事に気づく。

 そう、ドラゴンもどきが回復しているのだ。

 

ウィズ「あれは……………魔力を吸収して回復してる……………?」

カズマ「何だそれ!?」

湊翔「自己回復も出来るのか……………。」

バニル「ふむ。魔力を吸収している様だが、攻撃魔法を吸収しているわけではない。あくまで自分に紐付いている場所から引っ張ってきているだけだ。そう、例えば……………魔石のカケラ、とかな。」

アクア「ぎくっ。」

 

 ウィズがそう言って、俺たちが驚く中、バニルはそう言って、アクアが震える。

 原因はあれだな。

 

湊翔「おい、アクア!それは本当か!?」

アクア「え、えーっと……………さっきからちょっと光ってるかなー?」

カズマ「絶対にそれが原因じゃねぇか!?おら、そのカケラ寄越せ!叩き割ってやる!」

アクア「あああっ!?カズマ、やめて!お願いだからやめてーっ!」

 

 カズマはそう言って、魔石のかけらを割ろうとするが、アクアは抵抗する。

 

トウカ「アクア!このままだと、私たちも危ないぞ!」

朱翼「また回復されたら、今度こそ負けてしまいますよ!」

アクア「うううう…………ううううううーっ!」

 

 そんなアクアを見て、トウカと朱翼がそう言う。

 アクアは葛藤の末、叫ぶ。

 

アクア「分かった!分かったわよ!カケラを諦めれば良いんでしょ!?さようなら、私の大切なカケラ……………えーいっ!」

 

 アクアはそう言って、カケラを破壊する。

 

カズマ「どうだ!?」

湊翔「よし!弱体化したぞ!一気に決める!」

白夜「必殺技を叩き込んで倒すぞ!」

 

 俺たちはそう叫んで、必殺技の態勢に入る。

 それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM STRIKE

CALIBER STRIKE

LIGHTNING STRIKE

FLUTE STRIKE

NINJA STRIKE

BEAT STRIKE

ZOMBIE STRIKE

STEALTH STRIKE

HOPPING STRIKE

JET STRIKE

MONSTER STRIKE

HARMONY STRIKE

FIGHTER STRIKE

DANCER STRIKE

 

一同「ハァァァァァ!」

 

 俺たちは、それぞれの必殺技を発動して、ドラゴンもどきに攻撃する。

 ドラゴンもどきは、俺たちの必殺技を食らってなお、健在だった。

 だが、致命傷を負わせる事には成功して、そう簡単には動けなくなっていた。

 

湊翔「あんなに攻撃を食らって、まだ無事なのかよ……………!」

カズマ「いや、十分だ!めぐみん!ウィズ!」

ウィズ「はい!カースド・クリスタルプリズン!」

 

 ウィズが魔法を発動して、ドラゴンもどきの動きを止める。

 

ウィズ「めぐみんさん!」

カズマ「めぐみん!決めちまえぇぇぇ!!」

めぐみん「分かりました!これが、今の私に撃てる全力です!エクスプロージョン!!」

 

 めぐみんはそう言って、爆裂魔法を放つ。

 爆発が起こり、爆煙が広がる。

 

カズマ「どうだ……………!?」

湊翔「煙が晴れるぞ………………。」

 

 しばらくすると、煙が晴れる。

 ドラゴンもどきが居た場所には、大きなクレーターが出来ていた。

 

バニル「……………無いな。どうやら、完全消滅した様である。」

アクア「それって、つまり……………?」

カズマ「俺たち……………勝ったのか?」

湊翔「みたいだな。」

カズマ「あ……………いよっしゃあああ!」

 

MISSION CLEAR

 

 カズマがそう叫ぶと同時に、その音声が流れる。

 どうやら、ミッションはクリアされたみたいだな。

 それを見ていたツムリ達は。

 

ツムリ「皆さん、お疲れ様です。」

ギロリ「これで、アクアが転生させた者の負の遺産がまた一つ、無くなったようだな。」

拓巳「へぇ……………あいつら、やるじゃん。」

ゼウス「よくやった、仮面ライダー達よ。」

 

 そんな風に話していた。

 その後、バニルがアクア、めぐみん、ダクネスに追われる事になったが、それはまあ、当然だろう。

 ちなみに、ドラゴンもどきの討伐の際に、街にまで攻撃が届いていた様で、それの弁償に関しては、ドラゴンもどきの討伐の功績を鑑みて、免除とされた。

 

カズマ「はぁ………………結局、3億エリスどころか、一銭も入らなかったな。」

ダクネス「バニルが買い取る約束だった魔石は全て空の上、か。」

湊翔「まあ、あんな物騒なもんを売ろうとするのは、危ないだろ。」

めぐみん「ですね。たとえ持ってきたとしても、モンスターが再び現れる可能性もありますし。」

カズマ「となると、骨折り損か…………。」

白夜「まあ、色んなダンジョンに行って、ボスを倒せたから、俺的には満足したぜ。」

トウカ「それに、借金が出来ないだけでもマシじゃないか。」

朱翼「ですね。」

 

 カズマが落ち込む中、俺たちはそう話す。

 まあ、骨折り損のくたびれもうけだったからな。

 無理もない。

 すると、クリスと龍、アフロディテが話しかける。

 

クリス「……………まあまあ、そう落ち込まないでよ!」

カズマ「クリス?龍?アフロディテ?」

龍「今回、湊翔やカズマが頑張ってたのは、ここに居る全員が知ってるからな。」

アフロディテ「それに、全部が全部、無駄というわけではありませんよ?」

カズマ「え?」

 

 クリス達がそう言うと、ルナさんが来る。

 

ルナ「はい。今回の騒動はプラマイゼロですが、各ダンジョンの問題解決は、立派な功績です。クエスト報酬以上の事は無理ですけど、今日の飲み代くらいなら…………サービスしますよ?」

カズマ「お…………おおっ!?」

 

 まあ、ダンジョンの問題は解決したしな。

 その後、俺たちは飲むことにした。

 ちなみに、アクアはベロベロになっていた。

 そして、飲み会の中、ミツルギの元に、ツムリがやって来た。

 

ツムリ「おめでとうございます!」

ミツルギ「ツムリさん……………でしたっけ?」

ツムリ「はい。厳正なる審査の結果、あなたは選ばれました。今日から仮面ライダーです!」

 

 ツムリはそう言って、ミッションボックスを渡す。

 ミツルギが開けると、そこには、デザイアドライバーと、サイの顔のIDコアが入っていた。

 

ミツルギ「……………僕も頑張ろう。あの2人の為に……………アクア様のために。」

 

 ミツルギは、そう呟いた。

 その表情は、決意に満ちていた。




今回はここまでです。
今回の話で、希望の迷宮と集いし冒険者たちのエピソードは終わりです。
長かったです。
そして、ミツルギも仮面ライダーに変身が出来るようになりました。
ミツルギが変身するのは、ライノスという仮面ライダーです。
顔のモチーフとしては、仮面ライダーガイみたいな感じです。
次回は、時限爆弾ゲームです。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のギーツは、色々とやばかったですね。
沙羅さんの退場に、景和の慟哭。
そして、次回、タイクーンの強化フォームが本格参戦。
このすばとギーツで、カズマはどの様に強化されるのかは、未定です。
そして、夏の映画でクロスギーツが出てきますね。
クロスギーツの変身者は、どうするのかは未定です。
ハクビの変身者も、どうしましょうか?
リクエストがあれば、活動報告にて受け付けています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第6章
第49話 時限爆弾ゲーム(前編)


 ドラゴンもどきを倒してから、しばらくが経過した。

 あれから、俺たちはクエストを受けたりしていた。

 ジャマトがちょくちょく現れるので、それの対処も行なっている。

 そんなこんなで、平和な日常を過ごしていた。

 

湊翔「平和だねぇ………………。」

トウカ「そうだな……………。」

白夜「まあ、ジャマトは出てくるけどな。」

朱翼「まあ良いじゃないですか。」

カズマ「だな………………。」

めぐみん「私は、毎日爆裂魔法を撃てているので、問題ありません。」

ダクネス「私としては、もう少し強敵と戦いたいものだがな………………。」

アクア「暇なんですけど〜。」

 

 そんな風に、俺たちは平和を享受していた。

 ドラゴンもどき関連の一件で、色んなダンジョンを駆けずり回ったんだ。

 これくらいは許されるだろう。

 すると、玄関のベルが鳴る。

 

カズマ「誰だ?」

湊翔「俺が対応するよ。」

 

 ベルが鳴らされたので、俺は対応する。

 すると、そこには、男性が居た。

 

男性「お届け物です!」

湊翔「お届け物?俺は何も頼んでませんが………………。」

男性「いえ!以前、ドラゴンもどきを倒されたじゃないですか!そのお礼です!」

湊翔「は、はぁ………………。」

 

 ドラゴンもどきを倒したお礼か。

 まあ、それもあり得るか。

 俺は男性からその荷物を受け取る。

 首を傾げながら、リビングへと向かう。

 

白夜「湊翔。その箱なんだ?」

湊翔「いや……………ドラゴンもどきを倒したお礼っていう事で渡されたんだけど……………なんか怪しくね?」

トウカ「そうか?」

カズマ「なんか嫌な予感がするのは、気のせいか?」

めぐみん「疑り深いですね。」

朱翼「まあ、ランって冒険者の一件もありますし、無理はないかと……………。」

ダクネス「ま、まあ、せっかく渡されたんだ。無下には出来ないだろう?」

アクア「そうよ!せっかくだし、頂いちゃいましょう!」

 

 そうかな?

 まあ、それもそうか。

 だが、それでも、怪しさがまだ拭えないんだよな………………。

 すると、アクアが颯爽と箱を奪う。

 

湊翔「アクア!?颯爽と奪ったな…………。」

アクア「何よ。そんなに言うなら、あんたにはあげないからね!」

白夜「おいおい……………。」

カズマ「中身は何なんだ?」

めぐみん「どうやら、パイナップルみたいですね。」

ダクネス「新鮮そうだな。」

トウカ「へぇ……………。」

朱翼「あ、何かメモが入ってますね。なになに……………本日の日没までですか。」

 

 どうやら、パイナップルの様だな。

 それにしても、日没までって、なんか変じゃね?

 すると。

 

GATHER ROUND

 

 スパイダーフォンからそう音声が流れる。

 デザイアグランプリからのお呼び出しの様だな。

 

湊翔「デザイアグランプリからのお呼び出しだ。」

カズマ「嘘だろ……………!?」

白夜「良いだろ。退屈しないだけマシだ!」

トウカ「まあ、やるか。」

朱翼「ですね。」

めぐみん「フフフフ!ジャマトを倒してみせましょう!」

ダクネス「アクアは待っててくれ!」

アクア「は〜い。」

 

 俺たちは、すぐにデザイア神殿へと向かう。

 

ツムリ「皆さん、お待たせしました。」

湊翔「ジャマトが現れたのか?」

ツムリ「はい。何やら、不審な行動をしているので、倒して下さい。」

白夜「おう。」

 

 俺たちは、転送される。

 無論、変身した状態で。

 俺とトウカが転送されると、ジャマトは何かを運んでいた。

 

トウカ「ジャマトが…………何かを運んでる?」

湊翔「あれは……………取り敢えず、倒すぞ。」

 

 俺とトウカはそう話して、ジャマトに向かっていく。

 俺とトウカは、それぞれの武器を持って、ジャマトと応戦する。

 だが、ジャマト自体は弱かった。

 

湊翔「え?弱い……………?」

トウカ「弱いな……………。」

 

 俺とトウカはそう呟きながら、応戦していく。

 俺とトウカがジャマトを攻撃すると、後ろにいたジャマトの方に吹っ飛び、何かを落とす。

 それは、スイカだった。

 

ジャマト「ジャ〜〜〜〜っ!?」

トウカ「えっ?スイカ?」

湊翔「なんでジャマトがフルーツを?」

 

 俺とトウカが、ジャマトがスイカを落として、慌てているのを首を傾げながら見ていると、スイカが突然膨張し始め、爆発する。

 

ジャマト「ケケゼラ〜〜っ!!」

湊翔「爆弾!?」

トウカ「フルーツが爆発した!?」

 

 え、どういう事!?

 その後、カズマ達と連絡を取ると、ジャマトがフルーツを配達していて、それが爆発したそうだ。

 そして、デザイア神殿へと戻り、ツムリが事情を説明する。

 

ツムリ「私たち運営の所に……………こんな物が。」

 

 そう言って見せたのは、手紙だった。

 文字みたいなのが書かれていたが、なんて書いてあるのかが分からない。

 すると、カズマが叫ぶ。

 

カズマ「これ……………ジャマトが使ってた言葉じゃねぇか!?」

白夜「メイプル達を巻き込んだ迷宮脱出ゲームの時のあれか。」

ツムリ「はい。翻訳したのが………………こちらです。」

 

 そう。

 あれは、メイプル達を巻き込んだ迷宮脱出ゲームの際に見た、ジャマト語だ。

 すると、ツムリがそう言うと、ジャマト語の翻訳が出てくる。

 

ダクネス「なになに…………『お前達の世界に時限爆弾を仕掛けた。』」

めぐみん「『タイムリミットは日没。』」

朱翼「『爆発したら、人質の命は助からない。』」

トウカ「『永久に。』」

湊翔「じゃあ、あのフルーツが時限爆弾という事か。」

ツムリ「おそらく。」

 

 なるほどな。

 というか、妙に胸騒ぎがするのは、なんでだ?

 一方、ジャマトの方では、キノコ頭のジャマトが、脅迫状を書いていた。

 

アルキメデル「脅迫状まで送りつけられるなんて……………成長したなぁ……………!」

ジャマト「カカジュジュ。」

 

 アルキメデルは、脅迫状を送り付けた事を、褒めていた。

 一方、それを見ていた馬場武とロキは。

 

武「アイツ、新たなゲームを始めたって事か。」

ロキ「その様だな。そうでなくては、面白くない。馬場武、今回はお前にも出てもらおう。」

武「良いぜ。ここ最近、暇で暇で仕方なかったんだよな。待ってろよ、桐ヶ谷湊翔…………!」

 

 そんなふうに話していた。

 そんな中、俺たちは転送された。

 

ツムリ「これより、時限爆弾ゲームを始めます。仕掛けられた時限爆弾を見つけて、解除して下さい。爆弾を配達しているジャマトも居ます。仕掛ける前に、止めて下さい。」

 

 ツムリの説明を聞いた。

 俺たちの転送された場所の前には、ジャマトが居た。

 

ジャマト「イズキョトス。イズキョトス。」

 

 ジャマトは、そんなふうに言いながら、爆弾を配達しようとしていた。

 そんな中、俺たちはそれぞれのレイズバックルを、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が浮かぶ。

 待機音が流れる中、俺たちは、それぞれの変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「「「「変身!」」」」」」」

 

 俺たちはそう叫んで、レイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

FLUTE

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、朱翼はスワン・フルートフォームに変身する。

 俺たちは変身して、ジャマトに向かっていく。

 

白夜「はっ!おりゃあ!」

カズマ「はっ!待てっ!」

 

 白夜は己の爪で、カズマはニンジャデュアラーで、ジャマトに攻撃していく。

 

めぐみん「ハアッ!ふっ!」

ダクネス「てやっ!はっ!」

トウカ「ふっ!はっ!」

朱翼「えい!はっ!」

 

 めぐみんはビートアックスで、ダクネスはゾンビブレイカーで、トウカはソードエクスカリバーで、朱翼はフルートソードで、ジャマトに攻撃していく。

 一方、俺はジャマトが一体逃げたので、追っていた。

 ジャマトが少し休む中、俺は建物の上からジャンプして、マグナムシューターのバレットチャージャーを引く。

 

BULLET CHARGE

 

 引いた後、俺はジャマトに向かって、マグナムシューターから弾丸を放つ。

 

ジャマト「ケケゼラ〜〜〜っ!!」

 

 ジャマトはそう言って爆散する。

 すると。

 

SECRET MISSION CLEAR

 

 その音声が流れる。

 すると、目の前にピンク色のミッションボックスが出現する。

 それを開けると、中にはブーストレイズバックルが入っていた。

 

湊翔「ブーストレイズバックルか。」

 

 これはありがたいな。

 俺はブーストレイズバックルを手に取る。

 一方、それを見ていたある人物は。

 

???「心ゆくまで暴れな、ギーツ。」

 

 そう言った。

 俺は、デザイアドライバーにブーストレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横に、バイクのマフラーから火が出る絵とBOOSTの文字が浮かぶ。

 二つのレイズバックルを操作する。

 すると、ジャマトが迫ってきていたが、炎によって吹っ飛ばされる。

 

DUAL ON

GET READY FOR BOOST & MAGNUM

REDAY FIGHT

 

 俺は、ギーツ・マグナムブーストフォームに変身する。

 すると、カズマと白夜が近寄る。

 

カズマ「マグナムブーストか。」

白夜「これはかなり強力だな。」

湊翔「まあな。」

 

 俺たちがそう話す中、後ろから声がしてくる。

 

トウカ「三人とも!気をつけろ!」

ジャマト「ポスデチャラ!」

 

 トウカの声と共に、ジャマトの声も聞こえてきた。

 振り返ると、リンゴが飛んできていた。

 

湊翔「ん?リンゴ?」

カズマ「え?なんで……………。」

 

 俺たちが首を傾げる中、リンゴは突如、膨張し始めて、爆発する。

 

カズマ「うわぁぁぁぁぁ!?」

湊翔「のわっ!?」

白夜「ぐえっ!?」

 

 俺たちは、リンゴの爆発を至近距離で喰らう。

 すると、トウカと朱翼が近寄ってくる。

 

トウカ「三人とも、大丈夫か?」

朱翼「ごめん!ジャマトが一体隠れてたみたいで。」

湊翔「そういう事か。」

カズマ「無理ねえって。」

白夜「だな。」

 

 俺たちはそう話して、ジャマトを倒していく。

 そんな中、ジャマトはグレープフルーツを振って地面に叩きつけて、煙幕を出し、逃げる。

 俺たちは、変身解除する。

 

朱翼「爆弾のありか、分かりませんでしたね。」

湊翔「ジャマトは、フルーツ型の爆弾を使っていたな。」

カズマ「フルーツ……………。」

めぐみん「確か、リミットは日没までですよね。」

ダクネス「早く急がなければな。」

白夜「日没………………。まさか。急いで屋敷に戻るぞ!」

 

 俺たちがそう話す中、カズマと白夜が屋敷に戻る。

 俺たちも、2人に続く。

 屋敷に入って、リビングに入ると、アクアがパイナップルから伸びてる二本の線に拘束されていた。

 

アクア「ちょっと!何よこれ!?いきなり拘束されたんですけど!?」

めぐみん「あ、アクア!?」

ダクネス「これが、時限爆弾という事か!?待ってろ!すぐに…………!」

湊翔「待て。」

 

 めぐみんとダクネスがそう叫んで、ダクネスが線を切ろうとする中、俺は止める。

 

湊翔「もし本当にそれが爆弾なら、丁寧に扱わないと危険だ。」

白夜「確かにな。下手に扱って、爆発するなんてごめんだぞ。」

トウカ「カズマ。罠の解除スキルでどうにかならないか?」

カズマ「やってみてるけど、無理だ。」

朱翼「それに、間違いの方を切ると、爆発しかねませんからね……………。」

めぐみん「どうしたら良いのでしょうか……………。」

ダクネス「分からん……………。」

 

 俺たちは、一旦、デザイア神殿へと戻る。

 対策を立てる為だ。

 デザイア神殿に着くと、ギロリさんが飲み物を用意してくれていた。

 

ギロリ「皆さん。まずは、一休みしてはいかがでしょうか?ジャマトの方は、我々が捜索しますので。」

湊翔「お願いします。」

 

 俺たちは、ギロリさんが用意してくれた飲み物を飲みながら、相談する事に。

 

白夜「アクアに括り付けられていたのは、パイナップルだったな。」

めぐみん「じゃあ、パイナップルを運んでいるジャマトを見つければ!」

ダクネス「アクアは助かるんだな!?」

朱翼「ミッションの感じからして、その可能性はありますね。」

カズマ「罠感知スキルを使っとけば良かったな……………。」

トウカ「今更言ってもしょうがないさ。」

湊翔「とにかく、ギロリさん達がジャマトを見つけてくれるのを待つしか無いな。」

 

 俺達はそう話す。

 すると、ギロリさんが電話に出ると、しばらくして、俺たちに話しかける。

 

ギロリ「みなさん、ジャマトが見つかりました。」

 

 見つかったみたいだな。

 俺たちは、ジャマトの方へと向かう。

 男性陣と女性陣で別れる事になった。

 俺たちの目の前には、フルーツを運ぼうとしていたジャマトが居た。

 

ジャマト「イズキョトス。イズキョトス。」

 

 ジャマトはそう言っていた。

 

湊翔「パイナップルを使ってるジャマトを見つけるぞ。」

白夜「おう。」

カズマ「ったく、しょうがねぇな!変身!」

「「変身!」」

 

 俺たちはそう言って、デザイアドライバーにレイズバックルを装填する。

 

SET

MAGNUM

NINJA

LIGHTNING

 

 俺たちは変身して、ジャマトと戦っていく。

 何体かのジャマトから荷物を奪って、中を見ると、俺はリンゴ、カズマはグレープフルーツ、白夜はブドウだった。

 

カズマ「違う……………!」

白夜「ブドウか。」

湊翔「こっちはリンゴだ。」

 

 すると、馬のいななきが聞こえてくる。

 ジャマトが馬車を動かし始めたのだ。

 それを見て、俺たちは追いかける。

 すると、ジャマトがフルーツを振る。

 

ジャマト「ポスデチャラ!ポスデチャラ!」

 

 そう言いながら、フルーツ爆弾を投げてきて、俺たちはそれを躱す。

 

カズマ「待て!オラっ!」

 

 カズマはそう言って、ニンジャフォームの力で分身して、馬車の荷台を吹き飛ばす。

 馬は逃げていったが、周囲に荷台の残骸と、ジャマトの荷物が転がる。

 

カズマ「パイナップルはどこだ!?」

白夜「急ぐぞ。日没まで時間が無い。」

湊翔「ああ。………………うん?」

 

 俺たちはそう話して、フルーツを捜索する。

 すると、そこに1人の男性が現れる。

 馬場武だ。

 

武「よぉ、久しぶりだな。」

湊翔「馬場武……………。」

白夜「今はお前の相手をするほど暇じゃねぇんだよ!」

武「釣れない事を言うなよ。俺と戦おうぜ。」

 

 馬場武に俺と白夜がそう言うと、武はそう言って、黒いマグナムレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、馬場武の隣に、黒いシリンダーと英語で黒いMAGNUMという文字が浮かぶ。

 そして、馬場武は言う。

 

武「変身。」

 

 そう言って、レイズバックルを操作する。

 

SCHWARZ

REDAY FIGHT

 

 馬場武は、シュバルツギーツへと変身する。

 

武「行くぜ。」

 

 馬場武はそう言って、俺たちに襲いかかってくる。

 俺と白夜は、奴の攻撃を躱したり、防御したりする。

 

白夜「カズマ!こいつは俺たちが抑える!」

湊翔「お前は、パイナップルを見つけろ!」

カズマ「お、おう!」

 

 俺と白夜がそう言うと、カズマはジャマトの方へと向かう。

 俺と白夜は、連携して、馬場武と戦っていく。

 一方、女性陣の方も、ジャマトと応戦していた。

 

めぐみん「はっ!でやっ!」

トウカ「ハアッ!フッ!」

ダクネス「てやっ!はっ!」

朱翼「ハアッ!フッ!」

 

 4人は、それぞれの武器でジャマトと戦っていた。

 すると、一体のジャマトが、パイナップルを取り出して振る。

 

ジャマト「ポズキョラサスワズガ〜!」

カズマ「パイナップル……………!あいつか!」

ジャマト「ポスデチャラ!」

 

 それをカズマが見つけて、ジャマトはパイナップルを投げる。

 投げられたパイナップルは膨らみながら、女性陣の方へと向かい、爆発する。

 

めぐみん「うわっ!?」

ダクネス「くっ……………!」

トウカ「なっ!?」

朱翼「くぅぅ……………!」

 

 それを食らった女性陣は、倒れる。

 そのジャマトに、カズマは攻撃するが、ジャマトは洞窟に逃げて、パイナップルの爆弾を爆発させて、崩落させる。

 

カズマ「なっ!?このっ!」

 

 カズマは、ニンジャデュアラーで破壊しようとするが、力が足りなかった。

 すると、カズマはダクネスの方へと向かう。

 

カズマ「ダクネス!ゾンビバックルを貸してくれ!急げ!」

ダクネス「あ、ああ!」

 

 カズマにそう言われて、ダクネスはゾンビバックルをカズマに貸す。

 カズマは、ニンジャバックルを抜いて、ゾンビバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、カズマの横に、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が浮かび、レイズバックルを操作する。

 

ZOMBIE

REDAY FIGHT

 

 カズマは、タイクーン・ゾンビフォームになって、ゾンビブレイカーを持ちながら、洞窟の方へと向かう。

 そして、ゾンビブレイカーのカバーをスライドさせる。

 

POISON CHARGE

 

 カバーをスライドさせて、待機音が流れる中、カズマはトリガーを引く。

 

TACTICAL BREAK

 

 タクティカルブレイクを発動して、洞窟の壁を粉砕する。

 

ジャマト「ジャ〜〜〜っ!!」

カズマ「待てっ!」

 

 カズマはゾンビブレイカーで、ジャマトに攻撃する。

 

カズマ「時間が無ぇんだよ!!」

 

 カズマはそう叫んで、攻撃を更に激しくしていく。

 ジャマトは逃げようとするが、カズマが追いつき、抑え込む。

 

カズマ「捕まえた!」

 

 カズマは、ジャマトを体で抑えながら、ゾンビバックルを操作する。

 

ZOMBIE STRIKE

 

 必殺技を発動すると、左手のバーサークローにエネルギーが溜まる。

 すると、地面からバーサークロー状の腕が現れて、ジャマトを拘束する。

 

カズマ「ハァァァァ…………!ハァァァァ!!」

 

 カズマは、バーサークローによる一撃を、ジャマトに叩き込む。

 

ジャマト「ジャ〜っ!ポズキョラサスワズガ〜!」

 

 ジャマトはそう叫びながら吹っ飛び、そのまま爆発する。

 それを見ていたボスのジャマトは。

 

ジャマト「デ………クロスカガジン…………!」

 

 そんな捨て台詞を吐きながら、逃走する。

 ジャマトが爆発した所からは、赤い線が転がっていた。

 

カズマ「赤……………という事は、赤い線を切れば……………!」

めぐみん「急ぎましょう!」

ダクネス「もうすぐ日が暮れるぞ!」

カズマ「おう!」

 

 そこに、めぐみんとダクネスもやって来て、カズマは屋敷へと戻っていく。

 一方、俺と白夜と馬場武は、戦闘を続けていた。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!」

白夜「おらっ!」

武「ハアッ!」

 

 俺が格闘戦とマグナムシューターの銃撃戦を交えた感じに戦い、白夜は格闘戦を行う。

 だが、馬場武は、俺と白夜の2人を相手にしても、互角に渡り合う。

 

武「はっ!強くなったみたいだが、俺には敵わん!」

湊翔「そうかよ!」

白夜「甘く見られたもんだな。」

 

 俺たちはそう話して、戦闘を続行する。

 一方、そんな俺たちを、別の場所で見ていた人達がいた。

 

???「因縁の奴らが戦うのは、盛り上がるよな!」

???「……………俺としては、君やライコウが居ないと、もっと感動するんだけどな。」

???「おい、釣れない事を言うなよ、ジーン!お前の推しであるギーツを鍛えたのは、他でもないライコウなんだぜ!」

ジーン「分かってるよ、クロス。それでも、湊翔は強くなるさ。これからな。」

クロス「かぁ〜っ!言うじゃねぇの。」

 

 ジーンという青年と、クロスという男性がそう話す。

 すると、2人がいるエリアに人が入って来て、2人は銃を構える。

 銃を向けた先に居たのは、ロキと一緒にいた女性だった。

 女性は、キャンディを口にしながら、ジーンとクロスを見る。

 

クロス「おい、勝手に入ってくんじゃねぇよ、カミーユ。……………いや、その姿の時はベロバだったか。」

ジーン「ここは、健全にライダーを応援するオーディエンスルームだ。ジャマト……………ひいては、ロキに協力する奴が来ていい場所じゃ無い。」

ベロバ「あははは!ギフトに闘鬼。………いや、今はジーンとクロスだったわね。なら、おあいにく様。私にも、ライダーの推しが出来たから。」

 

 クロスとジーンがそう言う中、ベロバという女性はそう言う。

 それを聞いて、2人は困惑する。

 

クロス「何だと……………?」

ジーン「誰?」

 

 2人がそう言うと、ベロバは、画面の馬場武を指差す。

 それを見て、2人は悟る。

 

クロス「マジかよ………………。」

ジーン「へぇ………………。」

 

 2人はそう言って、銃を下ろす。

 一方、屋敷に着いたカズマ達。

 アクアに縛りついていたパイナップルは、爆発寸前だった。

 

アクア「ちょっ!やばいんですけど!助けてよ!カジュマさぁぁぁぁぁぁん!!」

カズマ「待ってろ!」

めぐみん「赤い線ですよね!?」

ダクネス「急げ!」

カズマ「分かってるよ!」

 

 カズマは、近くに置いてあった鋏を取り、赤い線に挟み込む。

 皆が固唾を飲んで待つ中、カズマは、線を切る。

 すると、パイナップルは崩れて消える。

 

ダクネス「助かった……………のか?」

めぐみん「恐らく……………。」

カズマ「助かった……………。」

アクア「ありがとうね!カジュマさぁぁぁぁぁぁぁん!!」

カズマ「おい!泣いたまま近寄るんじゃねぇ!鼻水が付くだろうが!」

 

 三人は安堵して、アクアは泣きながら、カズマに抱きつく。

 一方、俺たちは、戦いを続けていた。

 すると、馬場武が呟く。

 

武「爆発が起こらなかったって事は、解除されたか。」

湊翔「良かった……………。」

白夜「だな。あとはお前だけだ。」

武「しょうがない。この勝負は、お預けと行くぜ。またな。」

 

 そう言って、馬場武は撤退した。

 俺と白夜は、顔を見合わせて、変身解除する。

 

白夜「あいつ、強くなってたな。」

湊翔「確かに。それでも、俺たちは更に強くなるだけだ。」

白夜「だな。」

 

 俺たちはそう話して、屋敷へと戻る。

 だが、まだこのゲームは、終わっていなかった。

 一方、別の場所では。

 

ゼウス「……………そうか。新たなゲームが始まったか。」

拓巳「みたいだな。しかも、神の1人が、ロキ側に付いているのは、確実だ。」

ゼウス「……………早急に対策を立てねば。」

 

 ゼウスと拓巳は、そう話す。




今回はここまでです。
時限爆弾ゲームが始まりました。
ターゲットは、アクアです。
そして、どこかで観戦している新キャラが2人も登場しました。
その2人は、何者なのか。
次回は、時限爆弾ゲームの後半戦です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のギーツは、タイクーンの新たな力、ブジンソードが登場しましたね。
ただ、景和が暴走してしまう。
果たして、どうなってしまうのか。
このすばとギーツのカズマは、景和みたいに暴走させない予定です。
ハクビの変身者でリクエストがあれば、活動報告にお願いします。
あと、強化フォームのリクエストもあれば、受け付けます。
トウカの変身するラウンズ、白夜の変身するライコウは、強化フォームは思いついています。
ラウンズは、ワルキューレソードバックルで強化変身させる予定です。
形状は、ブジンソードバックルを洋風にした感じです。
変身音は未定ですが。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第50話 時限爆弾ゲーム(後編)

 アクアに括り付けられた爆弾が解除されたその翌日。

 アクセルの街を、リアが駆けていた。

 

リア「はぁ…………!はぁ……………!」

 

 リアは、自分たちが住んでいる家に駆け込む。

 そこには、メロンから伸びた3本の線に拘束されるシエロとエーリカが居た。

 

リア「シエロ!エーリカ!」

シエロ「リアちゃん!」

エーリカ「何なのよ、これ!」

リア「待っててくれ!直ぐに助けるから!」

 

 動けなくなっているシエロとエーリカに対して、リアはそう言う。

 

ツムリ「時限爆弾ゲーム。今度は、シエロ様とエーリカ様がターゲットにされてしまいました。タイムリミットの日没までに、爆弾を解除してください。」

 

 ツムリから、そういう指令がくる。

 俺たちは、それぞれのグループに分かれて、捜索を行う事に。

 俺、カズマ、白夜が居る所に、リアがやってくる。

 

リア「湊翔!カズマ!白夜!」

湊翔「リアか。」

カズマ「話は聞いてる。シエロとエーリカが、ターゲットにされちまったんだろ?」

白夜「ここは任せろ。めぐみん達の方を手伝ってやれ。」

リア「ああ。頼んだぞ!」

 

 リアはそう言って、トウカ達の方へと向かう。

 そんな中、俺たちはレイズバックルをデザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が現れる。

 俺たちは変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「変身!」」」

 

 俺たちは、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

LIGHTNING

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォームに変身する。

 

ジャマト「ポスデチャラ!ポスデチャラ!」

 

 ジャマトはそう言いながら、フルーツ爆弾を投げてくるが、俺たちはそれを躱す。

 

REDAY FIGHT

 

 その音声が流れる中、俺たちはジャマトと応戦する。

 周囲の人々が悲鳴を上げる中、俺たちはジャマトを倒していく。

 

ジャマト「ポスデチャラ!」

 

 ジャマトがそう言って、箱の中のフルーツをぶち撒ける。

 すると、スイカが当たり、逃げ遅れた人たちの方へと転がる。

 

カズマ「やっべ!」

白夜「くっ!」

 

 カズマと白夜がスイカの方に向かおうとするが、俺が既に向かっていた。

 

湊翔「飛んでけ!」

 

 俺はそう言って、スイカを思いっきり蹴る。

 すると、スイカは空高く飛び、爆発する。

 

SECRET MISSION CLEAR

 

 その音声が流れてきて、ミッションボックスが二つも現れる。

 スパイダーフォンを見ると、『民間人を爆発被害から救う』と書いてあった。

 

湊翔「シークレットミッションを達成したか。」

カズマ「マジかよ。」

白夜「中身は何だ?」

 

 俺たちは、ミッションボックスを開ける。

 その中には、小型レイズバックルが入っていた。

 といっても、ただの小型レイズバックルではなく、片方は仮面ライダーオーガのオーガストランザーで、もう片方は仮面ライダーサイガのジェットパックだった。

 多分、以前手に入れたサウザンドジャッカーと同じ種類だろう。

 

湊翔「2人にやるよ。」

カズマ「良いのか?」

湊翔「ああ。」

白夜「じゃあ、遠慮なく。」

 

 俺は、ブーストがあるしね。

 一方、それを別の場所から見ているのが居た。

 ただ、カエルの置き物だったが。

 

???「ちょっと、おい!キツネ野郎に出し抜かれて、施しみたいに貰うなよ!サトウカズマァァァァァ!!」

 

 そのカエルの置き物は、映像を見て、憤慨していた。

 一方、リアは、女性陣と合流していた。

 

リア「メロンを運んでるジャマトはいたか!?」

めぐみん「ダメです!まだ見つかってません!」

ダクネス「どこに居るんだ……………!?」

朱翼「早く見つけましょう!」

トウカ「ああ!……………リア!危ない!」

リア「えっ?うっ!?」

 

 トウカ達は、ジャマトを倒していたが、メロンを運ぶジャマトは見つかっていない。

 すると、リアに銃撃が当たる。

 弾丸が来た方向を向くと。

 

SCHWARZ

REDAY FIGHT

 

 その音声が流れる。

 そこに居たのは、シュバルツギーツだった。

 

トウカ「シュバルツギーツ!馬場武か!?」

めぐみん「こんな時に…………!?」

武「よお、俺と遊ぼうぜ!」

ダクネス「くっ……………!」

リア「邪魔をしないで!」

 

 そう言って、トウカ達は馬場武と応戦する。

 だが、馬場武の強さに劣勢気味になる。

 それを陰から見ていた人がいた。

 ジーンとクロスに会っていたベロバだ。

 すると、もう1人が声を出す。

 

???「………彼らのミッションを妨害するには、どうしたら良いか。正解は、ここ最近、仮面ライダーになったリアを狙う事。」

 

 その男がそう言う中、馬場武は、リアに攻撃を集中していた。

 

武「おらっ!どうした、どうした!?そんなもんか!?」

リア「つ、強い……………!?」

 

 馬場武は、レイズバックルを操作する。

 

SCHWARZ STRIKE

 

 馬場武は、必殺技を発動して、リアに攻撃する。

 黒いマグナムシューターから放たれた強力な弾丸は、リアに着弾する。

 

リア「キャアアアア!!」

 

 リアは吹っ飛び、変身解除する。

 吹っ飛んだ先には、木があり、頭を思い切りぶつける。

 

リア「うっ!?」

 

 すると、リアは気絶する。

 それを見ていたベロバは、口を開く。

 

ベロバ「ふ〜ん……………やるじゃない。流石は、ロキがスカウトした参謀ね。石井樹。」

樹「当然の事さ。彼女(リア)は、仲間を人質に取られている。ああいう人ほど、仲間を人質に取られた際には、冷静さを欠きやすいからね。」

ベロバ「ふふふふふ……………!あんた、最高よね。」

 

 ベロバと石井樹という人は、ニヤニヤ笑う。

 トウカ達は、リアに駆け寄る。

 

ダクネス「リア!」

めぐみん「どうしましょうか!?」

朱翼「一旦引きましょう!」

トウカ「そうだな!」

 

 トウカ達は、リアを抱えて、地面に向かって攻撃して土煙を上げて、撤退する。

 撤退された事に気づいた馬場武は、変身解除する。

 

武「逃げられたか。まあ良い。」

 

 馬場武はそう呟く。

 俺たちも、トウカ達と合流して、デザイア神殿に戻る。

 

湊翔「そうか。そっちも見つからなかったか。」

カズマ「しかも、馬場武がまた出てきたんだってな?」

白夜「あいつ、しつこいな。」

めぐみん「リアの様子はどうですか?」

トウカ「今はまだ寝てる。」

ダクネス「そうか………………。」

朱翼「ギロリさん達が、ジャマトを捜索しているみたいなので、待ちましょう。」

 

 俺たちはそう話す。

 すると、額に包帯を巻いたリアがやってくる。

 

めぐみん「リア!大丈夫なんですか?」

リア「ああ……………湊翔、カズマ、白夜、朱翼。話がある。」

トウカ「え?」

ダクネス「そ、そうか。では、私たちは別の部屋に向かうぞ。」

めぐみん「は、はい……………?」

 

 そう言って、リアは真面目な表情を浮かべて、トウカ達は首を傾げながらも、今いる部屋から出ていく。

 この部屋には、俺、カズマ、白夜、朱翼、リアだけが残った。

 

湊翔「どうしたんだ?俺たちだけを残して?」

リア「………………思い出したんだ。」

カズマ「思い出した?」

白夜「アンタが以前、どこに居たって記憶をか?」

朱翼「え………………?」

 

 そう。

 俺たちは聞いていたのだ。

 リアが、昔の記憶を失っていたという事を。

 すると、驚くべき事を言う。

 

リア「……………この世界に、親は居ない。率直に言おう。私は、日本からこの世界に転生してきたんだ。」

カズマ「なっ……………!?」

湊翔「…………………。」

白夜「……………マジか。」

朱翼「えっ…………………!?」

 

 そう。

 リアが俺たちと同じく、日本からの転生者だという事だ。

 まあ、薄々そんな予感はしていたが、驚く物は驚く。

 

リア「あの馬場武の攻撃で、木に頭をぶつけた際に思い出したよ。」

湊翔「そうか。」

 

 まあ、衝撃で記憶を取り戻すのは、よく聞く話だしな。

 リア曰く、転生する前は無名のアイドルグループの一員として活動していたそうだ。
 歌う事が大好きだったが、アイドルデビューが決まった矢先に喉の病気に罹った事で声が出なくなってしまう。

 それを悲観していた時、追い討ちをかける様に交通事故に遭い死亡、異世界へと転生したのだった。

 アクアと出会い、魔導鍵盤を受け取って、この世界に転生したそうだ。

 それを聞いた朱翼は、悲痛な表情を浮かべる。

 朱翼も、天才フルーティストの高校生として、頑張る中で死んでしまったのだ。

 無理もない。

 

カズマ「それで、本名は何なんだ?」

リア「………………大勢いるグループの一人でしかないから、名前を言っても分からないさ。」

 

 カズマの質問に対しては、リアは自嘲気味にそう言う。

 そんな中、俺は口を開く。

 

湊翔「まあ、リアが転生者なのは分かった。だが、何で俺たちだけを集めたんだ?」

リア「………………私、どうしたら良いのか、分からなくなってさ。このまま、踊り子として続けて良いのかって。」

白夜「………………どういう意味だ?」

 

 俺がそう聞くと、リアはそう答える。

 白夜がそう聞くと、リアは答える。

 

リア「………………私は、湊翔のギーツ、白夜の能力といった感じに、アクアから魔導鍵盤を受け取ったんだ。だからこそ、魔王討伐に専念すべきなのかと思って……………。」

 

 リアはそう答える。

 それを聞いた俺は、少しずつ苛立ちが出始めていた。

 リアがそう言い終えると、俺は口を開く。

 

湊翔「………………それは、心からの思いなのか?」

リア「……………ああ。私は、勇者としての使命を果たすべきなんだ。」

白夜「湊翔?」

 

 俺の質問に、リアはそう答える。

 それを聞いた俺は立ち上がり、リアの方に向かい、リアを思い切り引っ叩く。

 

朱翼「湊翔さん!?」

カズマ「あいつ、何やって……………!?」

白夜「…………………。」

リア「…………………え?」

湊翔「嘘をつくな。そんな顔で言われても、説得力が無いんだよ。」

リア「…………………っ!」

 

 俺の行動にカズマ達が驚く中、俺はそう言う。

 すると、リアは最初は呆然としていたが、次第に怒りの表情を浮かべて、叫ぶ。

 

リア「君に何が分かるんだ!?私だって、勇者候補の1人なんだ!嘘は言っていない!」

湊翔「……………だったら、何でそんな悲痛な表情を浮かべてるんだよ。」

リア「っ!?」

湊翔「俺には分かる。踊り子としての活動をやりたいという本心がな。」

リア「……………………。」

湊翔「そんな本心を押し込めながら戦っても、後悔が募るだけだ。そんなの……………絶対にどこかでガタが来る。」

 

 リアがそう叫ぶ中、俺はそう言う。

 今のリアは、俺の過去と重なって見えたのだ。

 母さんだって、やりたい事があっただろうに……………。

 そんな姿は、見てられない。

 すると、朱翼達が口を開く。

 

朱翼「湊翔の言う通りですよ。やりたい事を我慢するのは、あまりよろしくないですよ。私だって、定期的にフルートの演奏会を開いていますし。」

白夜「そうだな。俺だって、定期的に格闘大会に参加してるしな。」

カズマ「まあ、こいつらだって、自由にやってるんだし、リアだって、踊り子をやっても良いんじゃないのか?」

 

 朱翼達がそう言う。

 ていうか、この2人、定期的にフルートの演奏会をやったり、定期的に格闘大会に参加してるんだな。

 

リア「皆………………。」

湊翔「まあ、そんな訳だ。ずっと見続けた夢を、そう簡単に諦めるなよ。魔王討伐も大事だけど、夢を追いかけるのも、悪くないと思うぜ。」

リア「私は…………踊り子を続けていいのか?」

カズマ「良いって言った筈だろ?」

白夜「そうだな。」

朱翼「その夢を追う為にも、シエロさんとエーリカさんは、必ず助けましょう。」

リア「………………ああ!私はもう迷わない!踊り子の夢の為にも、シエロとエーリカを必ず助け出す!」

 

 俺たちがそう言う中、リアはそう言う。

 その顔には、憑き物が落ちたかの様な笑顔が浮かぶ。

 ちなみに、引っ叩いた事は、ちゃんと謝った。

 一方、それを見ていたトウカは。

 

トウカ(やっぱり、君のそういう所が良いんだよね。でも、リアのあの顔は、恋する乙女みたいな感じがするよな……………。)

 

 そんな風に思っていた。

 一方、ゼウス達の方では。

 

ギロリ「どうやら、爆弾魔ジャマトの本拠地が分かったみたいだな。」

ツムリ「はい。ここの様です。」

ゼウス「そうか。……………問題は、馬場武が再び妨害してくるかもしれないという事だな。拓巳。馬場武の対応をしてくれ。」

拓巳「分かった。」

 

 そんな風に話す。

 一方、ジャマトの方では、馬場武と石井樹が話をしていた。

 

樹「驚いたな。まさか、退場者の一部のIDデータを掠めて、それをジャマトの品種改良に使っていたとはね。」

武「だから、ジャマトが人間の姿になるんだろうが。」

樹「君は大して驚いてないね。」

武「どうでも良いからな。俺は強い奴と戦えれば、それで十分だ。」

樹「君も大概だね。」

 

 そんな風に話している。

 その視線の先には、無数の小さいジャマトが吊り下げられていた。

 俺たちは、ギロリさんから、爆弾魔ジャマトの本拠地が分かったと連絡を受けて、そこに向かう。

 俺はギーツ・マグナムブーストフォームに、カズマはタイクーン・ニンジャフォームに、トウカはラウンズ・カリバートレインフォームに、白夜はライコウ・ライトニングフォームに、朱翼はスワン・フルートフォームに、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォームに、リアはキュビー・ハーモニーフォームに変身する。

 俺たちは、ジャマトと応戦する。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!」

 

 俺はブーストフォーム側の方でキックを放ったり、マグナムシューターを撃ったりする。

 

カズマ「ハアッ!」

 

 カズマはニンジャデュアラーで攻撃していく。

 

トウカ「ハアッ!でやっ!」

 

 トウカはソードエクスカリバーで攻撃したり、レールを出して攻撃したりする。

 

白夜「オラっ!」

 

 白夜は、素早い動きでジャマトの攻撃を躱して、雷を纏った攻撃を叩き込んでいく。

 

朱翼「ハアッ!」

 

 朱翼は、フルートソードを演奏して、音波攻撃で防御したり、攻撃したりする。

 

めぐみん「ハアッ!」

 

 めぐみんはビートアックスのエレメント攻撃をしたりして、ジャマトにダメージを与えていく。

 

ダクネス「ハアッ!フッ!」

 

 ダクネスは、ゾンビブレイカーでジャマトに攻撃していく。

 

リア「ハアッ!でやっ!」

 

 リアは、ハーモニーランスでジャマトを薙ぎ払っていく。

 

ジャマト「ポスデチャラ!」

 

 ジャマトはそう言って、フルーツの爆弾を投げつけてきて、俺たちは怯んでしまう。

 

湊翔「近づく事も難しいな。」

カズマ「どうすんだよ!?」

リア「なら……………!」

 

 俺とカズマがそう言う中、リアはフィーバースロットレイズバックルを取り出して、ハーモニーレイズバックルの代わりに装填する。

 

SET FEVER

 

 レバーを倒すと、フィーバースロットレイズバックルの絵柄が回転する。

 そして、絵柄が、???の部分に止まった。

 

GOLDEN FEVER

JACK POT HIT GOLDEN FEVER

 

 すると、リアはブーストを引き当てたようで、キュビー・ブーストフォームになる。

 

リア「シエロとエーリカは、私が助ける!」

 

 リアはそう言って、駆け出していく。

 一方、馬場武は。

 

武「出遅れたな。さあ、戦おうぜ。……………あん?」

 

 馬場武はそう言いながら、俺たちの方に向かっていたが、足を止める。

 その理由は、目の前に、黒石拓巳が現れたからだ。

 

拓巳「お前が馬場武か。」

武「そうだが。アンタは誰だ?」

拓巳「俺は、デザイアグランプリのサブゲームマスター……………黒石拓巳だ。」

武「へぇ………………そんなアンタが、何の用だよ?」

拓巳「悪いが、これ以上のルール違反及び妨害行為は黙認できないな。」

武「へぇ。ならやってみろよ。」

拓巳「良いだろう。」

 

 武がそう言う中、拓巳は、ヴィジョンドライバーを取り出して、装着する。

 

VISION DRIVER

 

武「アンタも仮面ライダーか。」

拓巳「そうだ。お前には退場してもらう。」

 

 武がそう言う中、拓巳はそう返して、右手の手袋を外して、親指をバイオメトリクサーに翳す。

 

GLARE, LOG IN

 

 そんな音声が流れて、拓巳は右の腰にあるプロビデンスカードを取り出して言う。

 

拓巳「変身。」

 

 そう言って、ヴィジョンドライバーにスラッシュする。

 

INSTALL

DOMINATE A SYSTEM, GLARE

 

 その音声と共に、拓巳を五つの紫色の円が通り、ヒュプノレイが現れて、拓巳を照射すると、装甲が形成され、ヒュプノレイが装着される。

 拓巳は、仮面ライダーグレアに変身する。

 

武「アンタも仮面ライダーか。なら、相手してくれよ。」

 

 武はそう言って、シュバルツマグナムレイズバックルを構える。

 一方、俺とリアは、ジャマトと戦っていた。

 リアは徒手空拳で、俺はマグナムシューターで攻撃する。

 

リア「私がケリを着ける!」

 

 リアはそう言って、デザイアドライバーを半回転させて、ハーモニーレイズバックルを装填して、操作する。

 

REVOLVE ON

SET

HARMONY

 

 リアは、変則的なハーモニーブーストフォームになって、駆け出す。

 俺は、マグナムレイズバックルを抜いて、デザイアドライバーを半回転させる。

 

REVOLVE ON

ブーストライカー!

 

 俺は、ブーストフォームになると、横にブーストライカーが現れる。

 

湊翔「じゃあ、本日のハイライトと行こう。」

 

 俺はそう言って、ブーストライカーに乗って、ブーストライカーでジャマトの方へと向かう。

 俺とリアは、ジャマトが投げてくる爆弾を掻い潜り、ジャマトの本拠地にかなり近づく事が出来た。

 俺とリアは、ジャマトと戦っていく。

 リアはハーモニーランスを持って、俺は徒手空拳で戦う。

 リアは、メロンを持った爆弾魔ジャマトと戦い、フィーバースロットとハーモニーのレイズバックルを両方操作する。

 

GOLDEN FEVER VICTORY

HYPER HARMONY VICTORY

 

リア「ハァァ……………!」

 

 リアはハーモニーランスを持って、駆け出す準備をする。

 俺は、ブーストレイズバックルを2回捻る。

 

BOOST TIME

 

 俺は、両腕のマフラーから火を出しながらパンチをしていき、もう一回、ブーストレイズバックルを捻る。

 

BOOST GRAND STRIKE

 

湊翔「ハァァァァ……………!ハァァァァァ!」

ジャマト「ジャ〜!!」

 

 俺は、思いっきりジャマトをパンチして、打ち上げる。

 打ち上げられたジャマトが爆発すると、リアは駆け出していく。

 

リア「ハァァァァ…………!でやぁぁぁぁぁ!!」

ジャマト「リンラ〜〜っ!!」

 

 リアは、膝蹴りとハーモニーランスによる突き攻撃をする。

 それを食らった爆弾魔ジャマトは、爆発する。

 

トウカ「リア……………。」

めぐみん「やりましたね!」

ダクネス「ああ!」

白夜「やるじゃねぇか。」

朱翼「強いですね。リアは。」

カズマ「良かったぜ。……………って、あぶな!?」

 

 それを見ていた人たちがそう話す中、カズマの方に、ブーストレイズバックルが飛んできて、それを躱す。

 爆弾魔ジャマトが居たところには、青と黄色の線が転がっていた。

 

湊翔「青と黄色だ。急げ!」

リア「ああ!」

 

 俺がそう叫ぶと、リアは駆け出す。

 一方、馬場武が変身するシュバルツギーツと、黒石拓巳が変身するグレアの方は。

 

拓巳「ふっ!」

武「ハアッ!っと!」

 

 拓巳は、ヒュプノレイは射出して、オールレンジ攻撃をしていく。

 武は、ヒュプノレイの変幻自在の攻撃に翻弄されていた。

 

武「くそっ!ちょこまかと…………!」

拓巳「行くぞ。」

 

 武がヒュプノレイに気を取られる中、拓巳は接近戦へと持ち込む。

 武は、格闘戦と黒いマグナムシューターを交えた攻撃をするが、いなされてしまう。

 グレアの装甲には、デフクレトピットという円形の器官があるが、そこから、電磁偏向シールドであるサークルデフレクターを展開する事が出来、それで攻撃をいなす。

 拓巳も、格闘戦を行い、馬場武と互角に戦う。

 

武「こいつ、強い……………!」

拓巳「今だな。」

 

 武がそう言う中、拓巳はそう呟いて、ヒュプノレイの四つを馬場武の周囲に展開して、バリアを展開して、武を閉じ込める。

 

武「何っ!?」

拓巳「これで終わりだ。」

 

 武が脱出しようと試みるが、拓巳はプロビデンスカードをスラッシュする。

 

DELETE

 

 その音声と共に、拓巳は回し蹴りと共に斬撃波を放つ。

 ヒュプノレイのバリアに当たる直前にバリアが消えて、武に命中する。

 一方、リアは、自分が住んでいる家に戻ると、メロンは爆発寸前だった。

 

エーリカ「リア!助けて!」

シエロ「そろそろ不味いです…………!」

リア「分かってる!青と黄色……………!」

 

 リアは、すぐにコードの方に駆け寄り、エーリカのダガーを借りる。

 まず、黄色のコードを切る。

 リアは、すぐに青のコードを切ろうとする。

 すると、メロンからコードが伸びてきて、リアを拘束する。

 

リア「なっ!?トラップ……………!?」

エーリカ「リア!」

シエロ「リアちゃん!」

リア「くっ……………!」

 

 リアも拘束され、三人は危機に陥る。

 リアは、死ぬ事を覚悟した。

 だが、日没しても、メロンは爆発しなかった。

 そのわけは。

 

リア「湊翔……………!」

湊翔「間に合ったか……………。」

 

 俺が咄嗟に青いコードを切ったからだ。

 それと同時に、メロンは朽ちていく。

 

ツムリ「ミッションコンプリートです!」

 

 ツムリのアナウンスが流れる。

 リア達は、抱きしめあう。

 

エーリカ「リア!ありがとう!!」

シエロ「ありがとう、リアちゃん。助けてくれて。」

リア「いや、私だけじゃないさ。」

 

 そんな風に話すのを見て、俺はその場から離れる。

 それを見て、リアは追いかける。

 一方、拓巳の必殺技を受けた武は、エントリーレイズフォームに戻っていた。

 

武「くはっ。」

拓巳「ギリギリで致命傷を避けたか。なら、トドメを刺してやろう。」

武「良いねぇ、良いねぇ……………!やっぱり、戦いはこうでないとなぁぁ!!」

拓巳「…………………。」

 

 武はそう叫ぶ。

 拓巳が武に向かう中、ロキが連絡を入れる。

 

ロキ『武。もうミッションは終わった。早く戻ってこい。』

武「あ?もうかよ。……………仕方ない。勝負は預けとくぜ。じゃあな。」

 

 武はそう言って、黒いマグナムシューターを地面に向かって撃ち、撤退する。

 拓巳は、変身解除する。

 

拓巳「逃げられたか。」

 

 拓巳はそう呟いて、その場から後にする。

 俺が屋敷に戻る中、リアは俺に話しかける。

 

リア「湊翔!」

湊翔「うん?」

リア「助けてくれて、ありがとう。」

湊翔「気にすんな。じゃあな。」

 

 俺はそう言って、屋敷へと帰る。

 これにて、時限爆弾ゲームは終了した。




今回はここまでです。
新たなオリキャラ、石井樹が登場しました。
喋り方から分かる通り、五十鈴大智の立ち位置的なキャラで、ナッジスパロウに変身します。
そして、カズマの事を見ていた謎のカエル。
リアは、変則的ですが、ハーモニーブーストフォームになりました。
そして、リアも湊翔を意識し始めました。
次回からは、復活のベルディアの話です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のギーツは、景和が暴走していますね。
プレミアムベロバに、プレミアムケケラなる存在が登場する。
そして、ツムリによって、景和の理想の世界が叶う。
だが、世紀末みたいな状態。
そして、新たな仮面ライダー、ギャーゴが登場する。
次回も、どうなるのか。
楽しみです。
ギャーゴに関しては、誰に変身させるのかは、未定です。
あと、このすばとギーツのケケラは、まともな奴とヤバい奴の2人を出そうかなと思っています。
カズマのサポーターとしてのケケラと、カズマを苦しめようとするケケラの2人です。
ギャーゴ、ターボン、ブラーリの変身者に関して、リクエストがあれば受け付けます。
この小説のツムリは、どうするのかは考え中です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第51話 復活のベルディア(前編)

 時限爆弾ゲームから、しばらくが経った。

 アクセルの近くの地面から、何かが出てくる。

 それは、ゾンビジャマトだった。

 そのゾンビジャマトの一団の中で、とある強い存在が出ていた。

 

???「待っていろ……………アクセルの仮面ライダー達よ!」

 

 そいつは、所謂デュラハンだった。

 一方、俺たちは。

 

アクア「カズマー!湊翔達も早くしなさいよ!全く、いつも遅いんだから。先にギルドに行っちゃうわよ〜!」

ダクネス「まあ、アクア。少しは待ってやれ。」

めぐみん「そうですね。」

 

 アクア、ダクネス、めぐみんの三人は、そんな風に話していた。

 すると、とんでもないオーラが近づく。

 そのオーラに気づいて、アクア達は身構える。

 

アクア「い、一体何!?」

めぐみん「何か、物凄い邪悪な気配を感じますね。」

ダクネス「敵か!?アクア!あまり近づくな!」

 

 アクア達がそう話す中、そのオーラから、光が出てきて、アクア達の様子がおかしくなる。

 一方、俺たちは。

 

カズマ「アクアの奴……………!俺たちに掃除、洗濯とかを全部押し付けやがって…………!」

湊翔「全くだな。」

白夜「あいつ、我儘過ぎるだろ。」

トウカ「そうだな。」

朱翼「というより、なんか変な気配を感じませんか?」

 

 俺たちはそう話しながら、屋敷の外へと出てくる。

 アクア曰く、『日頃、この私がやっているんだから、アンタ達もやりなさいよ!』とのことだ。

 ふざけんな。

 俺達もやってるだろうが。

 朱翼がそう言うので、アクア達の方へと向かう。

 アクア達は、背後にある気配と同じオーラを纏い、目を赤く光らせていた。

 

カズマ「お、お前ら……………!?」

湊翔「え?どういう状況?」

アクア「カズマ……………湊翔…………オソかったワネ…………。」

白夜「なんか様子が変だぞ。」

めぐみん「ベルディア様…………ヲ…………マタせては……………イケマせん…………。」

トウカ「ベルディア!?今、ベルディアって言ったか!?」

ダクネス「さあ…………ワレワレと…………一緒に……………行くぞ……………。」

朱翼「どうしたんですか!?」

 

 アクア達の様子が本当におかしい。

 それに、ベルディアの名が出るのは気になるな。

 倒した筈だが。

 すると。

 

???「はっはっはっ!」

湊翔達「っ!?」

 

 その笑い声と共に、首がない馬に乗った首なし騎士が現れる。

 

湊翔「お前は……………ベルディア!?」

カズマ「死んだ筈じゃ……………!?」

ベルディア「くくく……………驚いている様だな。貴様達に復讐する為、黄泉の国から蘇ったぞ!黄泉だけにな!」

「「「「「……………………。」」」」」

 

 復活だけでなく、唐突な親父ギャグに、俺たちは呆然とする。

 ベルディアは、そんな俺たちを気にせず、会話を続ける。

 

ベルディア「この三人は、我が僕となる。そして……………行け!アンデッドナイトにゾンビジャマトよ!」

 

 すると、アクア達がベルディア達の方に向かう中、アンデッドナイトにゾンビジャマトの一団が現れる。

 

カズマ「お前らーーーーっ!!」

湊翔「ゾンビジャマトまで!?」

白夜「ゾンビジャマトが復活させた可能性があるな……………。」

トウカ「恐らくな。」

朱翼「面倒な事になりましたね…………。」

ベルディア「アンデッドナイトにゾンビジャマトよ!その者達に地獄を見せよ!」

 

 俺たちがそう話す中、ベルディア、アクア、めぐみん、ダクネスは姿を消す。

 そして、アンデッドナイトにゾンビジャマトの一団が俺たちの方に来る。

 俺たちは、デザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が現れる。

 全員が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「「変身!」」」」」

 

 俺たちは、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

CALIBER

LIGHTNING

FLUTE

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、朱翼はスワン・フルートフォームに変身する。

 俺たちは、襲いかかってくるアンデッドナイトとゾンビジャマトの一団を倒していく。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!でやっ!」

 

 俺は、マグナムシューターやアーマードガンで銃撃しつつ、格闘戦もしていく。

 

カズマ「ハアッ!とりゃあ!」

 

 カズマは、ニンジャデュアラーをツインブレードの状態で持ち、攻撃していく。

 

トウカ「ハアッ!とりゃあ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーで斬撃をしながら、ジャマトやアンデッドナイトを倒していく。

 

白夜「オラっ!ハアッ!」

 

 白夜は、両手両足から雷を生み出しつつ、高速移動をして、攻撃していく。

 

朱翼「ハアッ!でやっ!」

 

 朱翼は、フルートソードを持って、攻撃していく。

 俺たちは、アンデッドナイトとゾンビジャマトを倒して、ベルディアの後を追う。

 あいつ、復活したのかよ。

 そんな風に思いながら、走っていく。

 すると、ゴーレムが現れる。

 

カズマ「ご、ゴーレム!?」

トウカ「ベルディアが呼び出したのか!?」

白夜「だろうな。」

朱翼「倒しましょう!」

湊翔「だな。」

 

 俺たちは、ゴーレムに向かっていく。

 

湊翔「ハアッ!どりゃっ!」

 

 俺は、ゴーレムの攻撃をマグナムシューターの銃撃で潰したりする。

 

トウカ「ハアッ!ふっ!」

 

 トウカは、斬撃波を放ち、ゴーレムに攻撃していく。

 

白夜「オラっ!はっ!」

 

 白夜は、素早い動きでゴーレムの攻撃を躱し、攻撃を叩き込んでいく。

 

カズマ「はあっ!おりゃっ!」

 

 カズマは、ニンジャフォームの素早さで翻弄して、ニンジャデュアラーで攻撃していく。

 

朱翼「ハアッ!」

 

 朱翼は、フルートソードで攻撃していく。

 しばらくの末、ゴーレムを撃破した。

 すると、ベルディアが現れる。

 

ベルディア「ゴーレムを倒すとは、やるではないか。」

カズマ「3人を解放しろ!」

ベルディア「残念だが、既にあの3人は、我が僕となったのだ。正気に戻したくば、力ずくでやるんだな。」

湊翔「っ!皆、回避しろ!」

 

 ベルディアがそう言う中、カズマを除く全員が回避する。

 すると、カズマに何かが当たる。

 ベルディアは、そのまま消えた。

 

湊翔「カズマ!大丈夫か!?」

カズマ「あ、ああ……………って、レベルが1になってるぞ!?」

白夜「何!?冒険者カードを見せろ!」

カズマ「あ、ああ!」

 

 俺たちは、カズマの冒険者カードを見ると、確かにレベルが1にまで戻っていた。

 

カズマ「おい!どういう事だよ!これ!?」

トウカ「これは……………!レベルドレインの呪いだ!」

湊翔「何だそれ!?」

朱翼「文字通りです。それを食らうと、レベルがリセットされるんです。」

白夜「まあ、リセットされるのはあくまでレベルだけで、スキルは無事なんだがな。」

 

 そんな呪いもあるのか。

 流石は異世界だな。

 俺たちは、顔を見合わせる。

 

湊翔「さて……………どうする?」

朱翼「アクアさんたちを助けに行きたい所ですが………………。」

トウカ「どこに行ったのか、分からないからな。」

白夜「それに、カズマがレベル1になっちまったから、少し態勢を立て直すぞ。」

カズマ「おう。」

 

 そう話して、俺たちは戻る。

 カズマがレベル1になってしまったからな。

 その数日後、俺たちはギルドに呼び出された。

 

ルナ「カズマさん!湊翔さん!探したんですよ!」

トウカ「どうしたんですか?」

ルナ「実は、緊急で相談したい事があるんです!」

カズマ「え?何ですか?」

ルナ「実は、ここ数日、新たな魔王軍の手下と思われる3人組が現れまして……………。」

 

 ルナは、そう言う。

 え、まさか。

 

白夜「おい………………。」

ルナ「その3人組が、街の近くで迷惑行為をしているとの報告がありまして……………。」

湊翔「迷惑行為……………ですか。」

ルナ「青い髪をした酒飲みの女性が、高級シュワシュワを無線飲酒したり…………。」

朱翼「…………………。」

ルナ「やたらと爆裂魔法を撃ちたがる少女が、ここ最近は、1日に何度も爆音騒ぎを繰り返したり………………。」

カズマ「………………。」

ダクネス「怪しげな目つきの女騎士も、変質者として報告されていますね……………。」

トウカ「…………………。」

 

 ルナがそう言うのに対して、俺たちは無言になる。

 やっぱりか………………。

 

ルナ「これって、もしかして……………。」

カズマ「……………アクアとめぐみんとダクネスだと……………思い………ます………。」

ルナ「………………やっぱり。大変言い難いんですが……………街の中には、カズマさんや湊翔さんに賠償をさせるべきだと言う人が居まして……………。」

湊翔「え?」

 

 嘘だろ。

 アクア達がやらかしたのを、俺たちが賠償しなきゃいけないのか?

 マジかよ……………。

 どうにかしないとな。

 俺たちは口を開く。

 

カズマ「……………しょうがない。俺が3人を止めに行きます。同じパーティーですから。」

湊翔「俺たちも手伝う。」

ルナ「そうしてくれると助かります!」

???「サトウカズマァァァァァ!!」

 

 俺たちがそう言う中、そんな叫び声が聞こえてきて、誰かが現れ、カズマの胸ぐらを掴む。

 もちろん、ミツルギだった。

 

湊翔「ミツルギ?」

ミツルギ「サトウカズマ!どういう事だ!?アクア様が人に迷惑をかけるなんてあり得ない!」

カズマ「何だよ、いきなり…………!?」

白夜「ちょっ!?お前、落ち着けよ!」

トウカ「ひとまず落ち着かせるぞ!」

朱翼「はい!」

 

 俺たちは、ミツルギを落ち着かせる。

 相変わらず、アクアに何かあると、頭に血が昇りやすいんだから。

 何とか、ミツルギを落ち着かせる事に成功した。

 

ミツルギ「すまない……………取り乱した。」

カズマ「取り乱したのレベルじゃねぇんだけどな……………。」

ミツルギ「つまり、現在アクア様は、復活したベルディアに操られているというのかい!?」

湊翔「ああ。何で復活したのかは、概ね分かっているが、確証はない。」

白夜「とにかく、これ以上あいつらが面倒を起こす前に止めねぇとな。」

トウカ「そうだな。」

 

 俺たちはそう話す。

 ベルディアが復活したのは、ジャマトが絡んでいる可能性がある。

 ミツルギの取り巻きは、ジャマトの育成に使われたらしいし、その手段を用いれば、可能かもしれない。

 すると、朱翼が口を開く。

 

朱翼「あの……………デザイアグランプリから呼び出しが入りました。ミツルギさんも含めて。」

湊翔「ミツルギも?」

ミツルギ「僕も、仮面ライダーになったからね。」

白夜「そういう事か。」

 

 なるほどね。

 どうやら、ドラゴンもどきを倒した際に受け取ったらしい。

 俺たちは、デザイア神殿へと向かい、事情を聞く。

 

ツムリ「みなさん、お待ちしておりました。」

ミツルギ「ツムリさん!一体どういう事なんだ!?なぜベルディアが復活しているんだ!?」

ギロリ「それに関しては、ジャマトが関与しています。」

 

 ミツルギがそう聞く中、ギロリさんが現れて、そう答える。

 どうやら、ベルディアと融合したゾンビジャマトが、再生して、それにより、ベルディアを復活させたそうだ。

 

湊翔「面倒だな。まずは、アクア達をどうにかしないとな。」

朱翼「でも、仮面ライダーに攻撃するのは、御法度なんですよね?」

ツムリ「その通りです。ですが、今回に関しては、事態が事態ですので、ナーゴとバッファに攻撃する事を許可します。」

白夜「分かった。じゃあ、振り分けるぞ。俺と朱翼でアクア、湊翔とカズマでめぐみん、トウカとミツルギでダクネスを頼む。」

 

 まあ、事態が事態だからな。

 白夜の振り分けに俺たちが納得する中、ミツルギは異を示す。

 

ミツルギ「ま、待ってくれ!僕がアクア様を救う!」

トウカ「いや、肝心な所でアクアへの攻撃を躊躇したら、全滅する危険があるしな。」

ミツルギ「くっ……………!」

白夜「心配すんな。アクアはどうにかしてやるよ。」

ミツルギ「……………頼んだ。」

 

 トウカの指摘に、ミツルギは押し黙る。

 白夜に任せる事にしたのか、ミツルギはそれ以上は反対しなかった。

 一方、ロキ達の方は。

 

ロキ「ほう。ゾンビジャマトによって、ベルディアが復活したか。」

武「結構面白い事になってんじゃん。」

ベロバ「アハハハハ!超ウケるんだけど!アクアの奴、女神のくせにあっさり操られてるじゃない!」

樹「それで、どうするんだい?」

ロキ「様子見だ。どうなるのか、見ものだな。」

 

 そんな風に話していた。

 一方、白夜と朱翼は、アクアが居るダンジョンに向かっていた。

 

白夜「一応、ギロリがアクア達が居る場所を見つけてくれて助かったな。」

朱翼「ですね。最初から、変身していきましょう。」

 

 2人はそう話して、デザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が現れる。

 2人が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「変身!」」

 

 そう言って、2人は、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

LIGHTNING

FLUTE

REDAY FIGHT

 

 白夜はライコウ・ライトニングフォーム、朱翼はスワン・フルートフォームに変身する。

 2人は変身して、内部に入っていく。

 

白夜「はあっ!おらっ!」

朱翼「はっ!でやっ!」

 

 白夜と朱翼は、現れるゾンビジャマトやアンデッドナイト、ブルータルアリゲーターなどを倒していく。

 雪原の方にあったからか、雪精も襲ってくる。

 

朱翼「雪精も居ますね。」

白夜「気をつけろよ。あんまり倒しすぎると、冬将軍が出てくるからな。」

朱翼「ええ。」

 

 2人はそう話して、奥へと進んでいく。

 途中、雪玉が転がってくるので、粉砕したりして、先に進んでいく。

 しばらく奥に進むと、アクアが居た。

 

アクア「ヨク来たワネ……………白夜、朱翼。」

白夜「アクア……………。」

アクア「ワタシ…………は…………女神。ベルディア様の……………僕。」

朱翼「ダメです。早く何とかしないと…………。」

アクア「ワタシ…………は…………女神。アクシズ…………教の…………ゴ神体。アガめなさい……………。女神の……………ワタシ………に、高級……………シュワシュワを……………ミツギナサイ。」

白夜「この飲んだくれ女神が!!」

 

 アクアの言葉に白夜は突っ込む。

 そんな風に話す中、戦闘が始まる。

 アクアは、開始早々にゴッドブローを放つ。

 

白夜「避けるぞ!」

朱翼「ええ!」

 

 2人はゴットブローを躱して、攻撃していく。

 白夜の雷攻撃と、朱翼の音の攻撃によって、アクアはダメージを受ける。

 すると、アクアが動く。

 

アクア「セイクリッド・クリエイト・ウォーター……………!」

 

 アクアはそのスキルを発動させて、部屋全体を水浸しにする。

 

白夜「あぶっ!?」

朱翼「きゃっ!?」

 

 2人は、何とか浮いていた箱に掴まることが出来た。

 だが、アクアは水中から攻撃をしていく。

 

白夜「くそっ!水中戦じゃあ、アクアの方が有利か!」

朱翼「どうしましょう!?一応、水は抜けてきていますが、このままゴッドブローを何度も叩き込まれたら、タダではすみません!」

白夜「そうだな。どうしたもんか……………。」

 

 2人は、水中戦で使えるレイズバックルを持っていなかった。

 ウォーターレイズバックルを持っては居るが、この状況ではあまり使えない。

 すると、白夜が妙案を思いつく。

 

白夜「よし!もう一度水浸しになったら、朱翼は天井に剣を刺してぶら下がれ!俺がどうにかする!」

朱翼「どうやっ……………いえ、そういう事ですね!」

 

 白夜の意図に、朱翼はすぐに察する。

 水が引いて、2人は攻撃を再開する。

 2人が攻撃する中。

 

アクア「セイクリッド・クリエイト・ウォーター……………!」

白夜「今だ!」

朱翼「ええ!」

 

 アクアが部屋を水浸しにする中、白夜は箱の上に乗り、朱翼は天井にフルートソードを刺して、ぶら下がる。

 アクアが攻撃をしようとする中、白夜は、ライトニングレイズバックルを操作する。

 

LIGHTNING STRIKE

 

白夜「ハァァァァァ!」

アクア「あびゃびゃびゃびゃ!?」

 

 白夜は、必殺技を放つ。

 白夜の雷が水に当たると、すぐにアクアにも感電する。

 アクアは感電した後、そのまま倒れる。

 

朱翼「アクアは大丈夫でしょうか…………?」

白夜「加減はしたから大丈夫……………な筈だ。さっさと連れて帰るぞ。」

朱翼「分かりました。」

 

 2人はそう話す。

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声と共に、ミッションボックスが一つ現れる。

 

白夜「ミッションボックスか。」

朱翼「開けてみましょう。」

 

 白夜がミッションボックスを開けると、その中には、ブーストレイズバックルが入っていた。

 

白夜「ブーストか。」

朱翼「白夜にあげますよ。」

白夜「良いのか?」

朱翼「白夜が居なかったら、そもそも詰んでいましたからね。良いですよ。」

白夜「じゃあ、遠慮なく。」

 

 白夜は、ブーストレイズバックルを手に入れて、アクアを連れて、アクセルへと戻る。

 一方、俺とカズマは、めぐみんが居るダンジョンへと向かっていた。

 

カズマ「ここか。」

湊翔「さっさと行くぞ。」

カズマ「おう。」

 

 俺たちは、デザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が現れる。

 俺とカズマは、変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「変身!」」

 

 俺たちは、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォームに変身する。

 そして、ダンジョン内へと入っていく。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!」

カズマ「とりゃっ!ハアッ!」

 

 俺たちは、それぞれの武器を使って、ジャマトやらモンスターやらを倒していく。

 途中、リフトみたいなのがあり、それに乗ったりして、奥へと進んでいく。

 

カズマ「やっぱり、ジャマトも居るよな!」

湊翔「急ごう。」

 

 俺たちは、奥へと進んでいく。

 しばらく歩くと、めぐみんが居た。

 

カズマ「めぐみん!」

めぐみん「ワガなハ……………メグミン………コウマゾ…………ク……………ズイイチのアーク……………ウィザード…………。」

湊翔「それを言うのは、忘れないんだな。」

カズマ「ていうか、何で1日に何度も爆裂魔法を撃てるようになってるんだよ。1日1回がお前の爆裂道の筈だろ?」

めぐみん「ベルディア様…………バンザイ……………。ベルディア様…………バンザイ……………。」

湊翔「多分、ベルディアから魔力を供給されてる影響だろうな。」

 

 そうとしか考えられないよな。

 すると、めぐみんはデザイアドライバーを装着して、ビートレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が浮かぶ。

 

めぐみん「変身。」

 

 めぐみんはそう言って、ビートレイズバックルを操作する。

 

BEAT

REDAY FIGHT

 

 めぐみんは、ナーゴ・ビートフォームに変身する。

 俺たちは、交戦を開始する。

 めぐみんは、縦横無尽に動き回り、ビートアックスで攻撃してくる。

 俺とカズマは、俺がめぐみんの動きを止めて、カズマが攻撃するという戦法を取る。

 すると、めぐみんが爆裂魔法を放ってくる。

 

湊翔「危ねぇ!?」

カズマ「おっと!?」

 

 俺とカズマは、すぐに回避する。

 めぐみんは、動きを止めるが、すぐに動き出す。

 そして、もう1発爆裂魔法を放つ。

 

カズマ「やっぱり、ベルディアから魔力を供給されてる影響か、何度も撃てるのかよ!」

湊翔「困ったな……………。」

 

 そう。

 ベルディアからの魔力供給の影響で、何度も爆裂魔法を撃つ事が出来る。

 ただ、流石に、爆裂魔法を撃った後は、少し動けなくなるみたいだが。

 実際、通常の時も、めぐみんが爆裂魔法を撃った直後は、若干動きが鈍くなるしな。

 狙うとしたら、そこしかない。

 すると、妙案を思いついた。

 

湊翔「カズマ。俺がめぐみんを引きつける。その隙に、潜伏スキルを使って近づいて、一気に倒せ!」

カズマ「そ、そうか!」

湊翔「ああ。じゃあ、頼んだぞ。」

 

 俺はそう言って、プロペラレイズバックルを取り出す。

 ウィズのジェットレイズバックルが無い以上、空中戦はこれしか無い。

 俺は、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、プロペラレイズバックルをレイズバックルが装填されていない方に装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横に、灰色のプロペラと、英語でPROPELLERの文字が浮かぶ。

 俺は、二つのレイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

MAGNUM ARMED PROPELLER

REDAY FIGHT

 

 俺は、アームドプロペラマグナムになる。

 左手でレイズプロペラを、右手でマグナムシューターを持って、空を飛ぶ。

 一方、カズマは。

 

カズマ「それじゃあ……………潜伏!そして、隠れ身の術!」

 

 カズマは、潜伏スキルとニンジャフォームの力で隠れ身の術を使い、めぐみんに近づいていく。

 と言っても、光学迷彩のように、周囲の風景を映し出す特殊シートを使うのだが。

 

湊翔「ハアッ!どりゃっ!」

 

 俺は、レイズプロペラで飛びつつ、右手のマグナムシューターと両足のアーマードガンで、めぐみんの気を引きつける。

 めぐみんは、俺に対して、ビートアックスのエレメント攻撃をしてくるが、俺はそれらを躱す。

 めぐみんは、俺に対して爆裂魔法を撃ってくる。

 俺は、プロペラで躱す。

 すると、めぐみんの動きが止まる。

 

湊翔「やれ!カズマ!!」

カズマ「おう!悪く思うなよ!」

 

 めぐみんの動きが止まった瞬間、カズマが潜伏スキルと隠れ身の術を解き、ニンジャデュアラーとニンジャレイズバックルを操作する。

 

ROUND 1

TACTICAL SLASH

NINJA STRIKE

 

カズマ「ハァァァァァ!」

 

 カズマは、二つの必殺技を同時に発動して、めぐみんに攻撃する。

 その攻撃を喰らっためぐみんは、変身解除して、気絶する。

 

カズマ「大丈夫か……………?」

湊翔「気絶してるだけだ。早く連れて帰るぞ。」

カズマ「そうだな。」

 

 俺とカズマはそう話す。

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声と共に、ミッションボックスが一つ現れる。

 

湊翔「ミッションボックスか。」

カズマ「開けてみよう。」

 

 俺がミッションボックスを開けると、その中には、ブーストレイズバックルが入っていた。

 

湊翔「ブーストか。」

カズマ「…………しょうがない。湊翔にやるよ。」

湊翔「良いのか?」

カズマ「お前が作戦を立ててくれなかったら、そもそも詰んでたからな。良いぜ。」

湊翔「じゃあ、遠慮なく。」

 

 俺はブーストレイズバックルを手に入れて、めぐみんを連れて、アクセルへと戻る。

 一方、トウカとミツルギは。

 

トウカ「ここか。」

ミツルギ「行こう。」

トウカ「それはそうと、魔剣グラムはどうしたんだよ?」

 

 中に入ろうとするが、トウカはそう聞く。

 ミツルギは、苦笑しながら言う。

 

ミツルギ「魔剣グラムは、このレイズバックルの中に取り込まれたのさ。」

 

 ミツルギはそう言って、一つの大型レイズバックルを取り出す。

 そのレイズバックルは、城の形をしていた。

 

トウカ「そうか。少しはマシになったか?」

ミツルギ「まあね。とにかく、行こう。」

トウカ「はいはい。」

 

 2人は、そんな風に話すと、デザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、ミツルギの横に洋風の城と英語でCASTLEの文字が現れる。

 2人が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「変身!」」

 

 そう言って、2人は、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

CALIBER

CASTLE

REDAY FIGHT

 

 トウカはラウンズ・カリバーフォームに、ミツルギはライノス・キャッスルフォームに変身する。

 2人は、城の中へと入っていく。

 

トウカ「ハアッ!フッ!」

ミツルギ「でやっ!はっ!」

 

 2人は、それぞれの剣を振るい、アンデッドナイトやゾンビジャマトを撃破していく。

 途中、色んな仕掛けがあるが、2人はそれを突破する。

 城の奥に着くと、ダクネスが居た。

 

トウカ「ダクネス……………!」

ダクネス「愚民よ……………ワタシ…………の名は……………ダクネス。ダスティネス家…………ノ……………令嬢にして……………ホコリタカキ…………クルセイダー…………。我が城へ攻め込む輩達ヨ……………ワタシ…………を…………どうするツモリだ……………。」

ミツルギ「え?」

ダクネス「強めに…………ノノシッテ…………くれるのか?」

トウカ「どうもしねぇよ!!というより、操られててもブレないのな、お前は…………。」

ミツルギ「えっと……………?」

 

 ダクネスの言葉にトウカはそう叫び、ミツルギは困惑する。

 ダクネスはデザイアドライバーを装着して、ゾンビレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が浮かぶ。

 

ダクネス「変身。」

 

 ダクネスはそう言って、ゾンビレイズバックルを操作する。

 

ZOMBIE

REDAY FIGHT

 

 ダクネスは、バッファ・ゾンビフォームに変身する。

 2人は、ダクネスと交戦する。

 トウカとミツルギは、それぞれの剣で、ダクネスに攻撃していく。

 ダクネスは、ゾンビブレイカーを持って、2人に攻撃していく。

 ダクネスの耐久性とゾンビフォームの耐久性により、2人は苦戦を強いられていた。

 

ミツルギ「強いね……………。」

トウカ「ダクネスは硬いからな。」

ミツルギ「どうする?」

トウカ「とにかく、ダクネスの変身を解くしか無い!」

 

 トウカとミツルギは、更に攻撃していく。

 ただ、ゾンビフォームの機動力は低いので、攻撃を叩き込んでいく。

 すると。

 

トウカ「何だ!?」

ミツルギ「大砲!?」

 

 大砲から弾が発射されてきて、3人は回避する。

 

ミツルギ「面倒な事になったね……………。」

トウカ「大砲の攻撃が止んだと同時に、必殺技を叩き込むぞ。」

ミツルギ「ああ。」

 

 2人はそう話して、頃合いを見る。

 大砲の雨が止み、2人は駆け出す。

 そして、ミツルギはレイズバックルを操作して、トウカはソードエクスカリバーにクローレイズバックルを装填する。

 

CASTLE STRIKE

CLAW

CLAW TACTICAL STLASH

 

「「ハァァァァァ!」」

 

 トウカとミツルギは、それぞれの剣にオーラを宿して、斬撃を放つ。

 トウカの斬撃によって、ダクネスのデザイアドライバーが外されて、ミツルギの斬撃によって、ダクネスは気絶する。

 その際、ダクネスは変身解除した。

 トウカは、ダクネスのデザイアドライバーを拾い上げる。

 

トウカ「何とかなった……………。」

ミツルギ「そうだね。流石は、ダスティネス家のご令嬢だね。」

トウカ「ダクネスが敵になると、こんなにも面倒なんだな……………。」

 

 トウカとミツルギはそう話す。

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声と共に、ミッションボックスが一つ現れる。

 

ミツルギ「これは……………?」

トウカ「ミッションボックスだな。開けてみるか。」

 

 そう言って、トウカはミッションボックスを開ける。

 その中には、ブーストレイズバックルが入っていた。

 

トウカ「ブーストか。」

ミツルギ「……………それは、君に譲るよ。」

トウカ「いいのか?」

ミツルギ「僕としても、それを使いたい所だが、もう少し、仮面ライダーとしての経験を積んでからにするよ。」

トウカ「………………そうか。」

 

 こうして、トウカはブーストレイズバックルを手に入れて、ダクネスを連れて、アクセルの街へと戻る。

 俺たちは、アクア達を連れ戻す事に成功した。




今回はここまでです。
復活のベルディアの話です。
アクアも、女神なのに操られるのはどうかと思いますがね。
そして、ミツルギの変身する仮面ライダー、ライノスが登場。
魔剣グラムは、キャッスルレイズバックルと一体化しました。
次回で、復活のベルディアの話は終わりになる予定です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のギーツは、怒涛の展開でしたね。
新たな仮面ライダー、ターボンにブラーリが登場して、光聖がギャーゴに変身。
次回は、ナーゴが復活して、ファンタジーレイズバックルを受け継ぐみたいですね。
平さんが指摘していた、景和の具体性の無さが最悪すぎる形で現実になってしまうとは。
果たして、景和はどうなってしまうのか。
この小説のギャーゴに関しては、湊翔のお父さんに変身させようかなと思っています。
あと、アンケートを取っているのに申し訳ありませんが、ハクビの変身者は、湊翔のお母さんにしようかなと思います。
アンケートに入れてくれたのに、申し訳ありません。
その代わり、別のアンケートをやります。
それは、アクアが変身するか否かです。
もし、アクアが変身する場合は、何の仮面ライダーに変身させるか意見がある場合は、活動報告にて受け付けます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第52話 復活のベルディア(後編)

 俺たちは、アクアたちを倒して、アクセルに戻った。

 それで、目が覚めたら洗脳も解けていると思ったのだが……………。

 

ミツルギ「一体、どういう事なんだ!?」

湊翔「何で、意識が目覚めないんだ?」

 

 そう。

 アクア達は、未だに意識が目覚めていない。

 ミツルギは、取り乱していた。

 それを聞いていたツムリが口を開く。

 

ツムリ「恐らく、ベルディアが関係しているかと思われます。」

白夜「ベルディアが?」

ギロリ「ベルディアがあの3人に魔力供給を行った影響で、意識が目覚めないのかと。」

トウカ「つまり、結局の所は、ベルディアを倒さないと始まらないって事か。」

白夜「まあ、分かりやすくて良いんじゃねぇのか?」

朱翼「ですね。」

 

 まあ、そうなるよな。

 ベルディアを倒さない限り、アクア達は目覚めない。

 すると、ミツルギが叫ぶ。

 

ミツルギ「なら、一刻も早く、ベルディアを倒さないと!」

湊翔「それはそうだが、問題は、どこにベルディアが居るかどうかって事だ。」

白夜「まあ、ギロリさん辺りが見つけ出したんじゃ無いのか?」

ギロリ「はい。どうやら、アクセルの近くのあの廃城。あそこに居るそうです。」

トウカ「じゃあ、早速行くか。」

朱翼「その前に、少しは休んだ方が良いと思いますよ。」

湊翔「だな。アクア達と戦って、俺たちも疲れた。少し休むぞ。」

ミツルギ「……………分かった。」

 

 そんな感じで、俺たちは休む事にした。

 アクア達と戦って、俺たちも疲労しているのだ。

 流石に、疲労しているままで突っ込むなど、自殺行為だ。

 翌日、そのベルディアが居る廃城へと向かう。

 

湊翔「ここには、初めて来るな。」

カズマ「そうか。ここの廃城に向かうのは、俺以外は初めてか。」

白夜「確かに。ここには、来た事が無いな。」

トウカ「というか、なんか看板が立ってあるぞ。」

朱翼「え?あ、本当ですね。」

ミツルギ「何々……………『ご来城の皆様へのお詫び。当城は、度重なる何者かの爆裂魔法により、そこらじゅうに穴が開いております。危険ですので、足元にはお気をつけ下さい。byベルディア』……………。」

 

 ああ、そういう事か。

 めぐみんがこの城に向かって、何度も爆裂魔法を撃った結果、ベルディアが来たもんな。

 実際、先を見てみると、あちこちで穴が開いていた。

 俺たちは、デザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が、ミツルギの横に洋風の城と英語でCASTLEの文字が現れる。

 全員が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「「「変身!」」」」」」

 

 俺たちは、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

CALIBER

LIGHTNING

FLUTE

CASTLE

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、白夜はライコウ・ライトニングフォーム、朱翼はスワン・フルートフォーム、ミツルギはライノス・キャッスルフォームに変身する。

 俺たちは、城の中へと入っていく。

 道中、色んなモンスターが現れるので、それらを倒していく。

 もちろん、ジャマトも出てくる。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!でやっ!」

 

 俺は、マグナムシューターやアーマードガンで銃撃しつつ、格闘戦もしていく。

 

カズマ「ハアッ!とりゃあ!」

 

 カズマは、ニンジャデュアラーをツインブレードの状態で持ち、攻撃していく。

 

トウカ「ハアッ!とりゃあ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーで斬撃をしながら、ジャマトやアンデッドナイトを倒していく。

 

白夜「オラっ!ハアッ!」

 

 白夜は、両手両足から雷を生み出しつつ、高速移動をして、攻撃していく。

 

朱翼「ハアッ!でやっ!」

 

 朱翼は、フルートソードを持って、攻撃していく。

 

ミツルギ「ハアッ!どりゃっ!」

 

 ミツルギは、キャッスルレイズバックルの拡張装備であるキャッスルグラム…………ミツルギが使っていた魔剣グラム…………で、モンスターやジャマト達を倒していく。

 途中、トロールやら、リザードランナー、ミノタウロスなども居たが、それらも倒して、進んでいく。

 奥に進むと、ベルディアの姿があった。

 

ミツルギ「ベルディア!アクア様達の意識を解放しろ!」

カズマ「3人が正気に戻らないと、俺が困るんだよ…………。」

ベルディア「ほう。魔剣の勇者まで居るのか。だが、俺は言ったはずだ。やるなら、力づくでやれとな。」

白夜「要するに、お前を倒せば良いんだろ?」

トウカ「だろうな。」

朱翼「あなたは、倒させてもらいます!」

 

 まあ、そっちの方が早くて助かるな。

 俺たちが身構える中、ベルディアは言う。

 

ベルディア「ククク……………。良いだろう。ただし、こいつを倒せたら、一考してやろう。出でよ!エンシェントドラゴン!!」

ミツルギ「エンシェントドラゴンだって……………!?」

 

 ベルディアがそう言う中、ミツルギはとても驚いていた。

 俺は、ミツルギに聞く。

 

湊翔「何で驚いているんだ?」

ミツルギ「実は……………エンシェントドラゴンは、僕が君たちと会う直前に倒したんだ。」

白夜「マジかよ!?」

 

 マジか。

 俺たちが驚く中、俺たちとベルディアの間に、一体のドラゴンが降り立つ。

 

カズマ「こ、こいつは!?」

朱翼「エンシェントドラゴン……………!?」

トウカ「なんか、生臭くないか?」

ベルディア「生臭さはどうでも良い!!………このドラゴンは、そこの勇者に一度は討伐されたのだが………………この私が、黄泉からアンデッドとして、呼び戻したのだ!」

湊翔「生臭いとは思ってたんだな。」

白夜「傍迷惑だな、おい……………。」

 

 本当だよ。

 ていうか、ベルディアも生臭いって思ってたんだな。

 エンシェントドラゴンというよりは、エンシェントドラゴンゾンビなんじゃないか?

 すると、ベルディアが命令を出す。

 

ベルディア「さあ、ドラゴンよ!お前の力を示す時が来た…………!我が城を汚す不届者達を排除するのだ!!」

ミツルギ「来るぞ!」

湊翔「ああ!」

 

 ベルディアはそう言って逃げて、エンシェントドラゴンゾンビは、こちらに来る。

 俺たちは、それぞれの武器を手に、エンシェントドラゴンゾンビと応戦する。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!おらっ!」

 

 俺は、マグナムシューターやらアーマードガンで、エンシェントドラゴンゾンビの攻撃を潰しつつ、攻撃していく。

 

カズマ「ハアッ!おりゃっ!」

 

 カズマは、ニンジャデュアラーを二刀流の状態にして、それで分身やら素早く動いて、エンシェントドラゴンゾンビに攻撃していく。

 

トウカ「ハアッ!ふっ!どりゃっ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーを手に、エンシェントドラゴンゾンビの攻撃を躱して、斬撃波を叩き込んでいく。

 

白夜「おらっ!はっ!」

 

 白夜は、両手に雷を纏わせて、素早く動き、雷の拳撃を喰らわしていく。

 

朱翼「はあっ!でやっ!」

 

 朱翼は、フルートソードを手に、フルートソードを吹いて、音波攻撃をしたり、斬撃をしたりする。

 

ミツルギ「ハアッ!でやっ!」

 

 ミツルギは、キャッスルグラムを手に、斬撃波を放っていく。

 俺たちの攻撃に、エンシェントドラゴンゾンビは、怯んだ。

 

湊翔「よし!怯んだぞ!」

カズマ「必殺技を叩き込むぞ!お前も手伝え!カンナギ!」

ミツルギ「僕の名前はミツルギだ!ギしか合ってないじゃないか!」

トウカ「言ってる場合か!」

白夜「さっさと行くぞ!」

朱翼「ですね!」

 

 俺たちはそう話して、レイズバックルを操作する。

 

MAGNUM STRIKE

CALIBER STRIKE

LIGHTNING STRIKE

FLUTE STRIKE

NINJA STRIKE

CASTLE STRIKE

 

一同「ハァァァァァ!!」

 

 俺たちはそう叫びながら、それぞれの必殺技を叩き込む。

 それを食らったエンシェントドラゴンゾンビは、そのまま倒れ、遺体は消える。

 

カズマ「危なかった……………。」

ミツルギ「やっぱり、アンデッドになった事で、更に強くなっているね。」

湊翔「だが、肝心のベルディアには、逃げられたな。」

 

 俺たちはそう話す。

 逃げられてしまったのは痛いな。

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声と共に、ミッションボックスが二つ現れる。

 

白夜「ミッションボックスが出たな。」

トウカ「エンシェントドラゴンゾンビを倒した事が理由か?」

朱翼「とにかく、開けてみましょう。」

 

 白夜達がそう話す中、俺たちは、ミッションボックスを開ける。

 その中には、騎士のヘルメットが丸々付いた物だった。

 説明書があり、どうやら、パラディンレイズバックルだそうだ。

 

湊翔「パラディン……………聖騎士のレイズバックルか。これなら、ベルディアにも攻撃が効くかもな。」

トウカ「確かに。聖騎士の攻撃なら、今のベルディアを倒せるかもしれないな!」

白夜「なら、湊翔とカズマの2人に譲ってやるよ。」

カズマ「良いのか?」

ミツルギ「僕としては、少し不満があるが、問題ないよ。」

朱翼「私も大丈夫ですよ。」

トウカ「ああ。」

湊翔「……………それじゃあ、遠慮なく。」

カズマ「ああ。」

 

 俺とカズマは、パラディンレイズバックルを手に入れる。

 そんな中、ミツルギが口を開く。

 

ミツルギ「それで、どうするんだい?」

湊翔「ベルディアは、この奥に居るのは間違いないはずだ。」

カズマ「はぁ……………行くか。」

白夜「だな。」

トウカ「まあ、少し休むのもありだろう。」

朱翼「ですね。」

 

 俺たちはそう話して、少し休憩する事に。

 そんな中、ミツルギがソワソワしていたので、声をかける。

 

湊翔「おい。そんなにアクアの事が心配なら、そばに居てやったらどうだ?」

ミツルギ「なっ!?」

カズマ「そうだな。俺たちだけでも大丈夫だ。」

白夜「ああ。不覚は取らないさ。」

トウカ「ああ。」

朱翼「大丈夫ですよ。」

ミツルギ「君たち……………分かった。ベルディアを倒すのは、任せたよ。」

 

 そう言って、ミツルギはアクセルへと戻っていった。

 しばらくして、俺たちは、奥へと進んでいく。

 

湊翔「この先に、ベルディアが居るはずだ。」

カズマ「だな。」

白夜「おい、また注意書きが書いてあるぞ。」

トウカ「あ、本当だ。今度はなんだ?」

朱翼「なになに……………『鏡に映る物。それは真実。いかに取り繕い、隠そうとも、鏡は嘘をつかない』…………ですか。」

湊翔「鏡ね………………。」

 

 そう書いてあるのを見て、俺たちは通路の先を見る。

 そこには、無数に鏡があった。

 俺たちは、警戒しつつ進んでいく。

 すると、何もない所から攻撃がくる。

 

湊翔「っ!?攻撃!?」

白夜「だが、前には何もいないぞ!?」

トウカ「どうなっているんだ……………!?」

朱翼「もしかして……………先ほどの注意書きと、何か関係があるかもしれません!」

カズマ「え?」

 

 俺たちが戸惑う中、朱翼はそう言う。

 そう言われて、鏡を見てみると、鏡には、確かにモンスターの姿があったのだ。

 

湊翔「まさか、モンスターの姿が隠されていたのか!?」

トウカ「さっきのあれは、これを意味していたのか。」

カズマ「マジかよ!?」

白夜「なら、鏡も見ながら、先に進んでいくぞ。」

朱翼「ですね。」

 

 俺たちはそう話して、先に進んでいく。

 やはり、鏡を通して、モンスターが居る事が分かるな。

 俺たちは、モンスターを倒していく。

 勿論、鏡を見て、モンスターが居る事を確認しながら。

 俺たちは先に進んで、最奥に到着する。

 そこには、ベルディアの姿があった。

 

ベルディア「よくぞ、ここまで来た。仮面ライダー達よ。このベルディア。些か貴様達を見誤っていたようだな。」

湊翔「そうかい。」

白夜「お前をぶっ倒せば、アクア達の洗脳が解けるんだろ?」

トウカ「そうだな。その方が早いな。」

朱翼「ですね。」

カズマ「ハァァァァ……………ったく。しょうがねぇな。」

ベルディア「良いだろう!まとめてかかってくるが良い!」

 

 俺たちは、ベルディアと戦闘を開始する。

 ベルディアは、魔力弾を放ったり、斬撃波を放ったり、頭を放り投げて、上空から魔力弾を放ったり、アンデッドナイトやゾンビジャマトを召喚したりする。

 

湊翔「ハアッ!はっ!」

 

 俺は、マグナムシューターで上空に放り投げられたベルディアの頭を撃ったり、アーマードガンでアンデッドナイトやゾンビジャマトを倒していく。

 

カズマ「はあっ!おらっ!」

 

 カズマは、ニンジャフォームの素早さや忍術で動き回り、ニンジャデュアラーで攻撃していく。

 

トウカ「はあっ!でやっ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーを振るい、攻撃していく。

 

白夜「おらっ!はっ!」

 

 白夜は、両手に雷を纏わせて、高速移動をして、ゾンビジャマトやらベルディアなどに攻撃していく。

 

朱翼「ふっ!でやっ!」

 

 朱翼は、フルートソードで演奏して、ゾンビジャマトやアンデッドナイトを操って同士討ちさせたり、斬撃で攻撃していく。

 俺たちの攻撃に、ベルディアは膝をつく。

 

ベルディア「や、やるではないか……………。」

カズマ「ここまでだ、デュラハン。」

湊翔「さっさと、アクア達の洗脳を解け。」

ベルディア「クククク……………!」

トウカ「何がおかしいんだ?」

白夜「ん?」

ベルディア「何を勘違いしている。我が望みは、お前達に復讐する事。」

朱翼「っ!?」

ベルディア「見せてやろう。このベルディアが、ただ復活しただけだと思うなァァァ!その体で味わうが良い!!」

 

 俺たちがそう言う中、ベルディアは笑う。

 俺たちが訝しげにする中、ベルディアはそう叫んで、浮かび上がる。

 すると、ベルディアの姿が変わる。

 

湊翔「姿が変わった!?」

ベルディア「これが、最終形態だ。我が全身全霊をかけて、仮面ライダー達よ!貴様達を倒す!!」

白夜「来るぞ!」

 

 俺たちは、ベルディアに備える。

 ベルディアは、空から魔力弾を撃ったり、巨大化した剣で攻撃したりする。

 俺たちは、ベルディアの攻撃を躱したりするが、相手が巨大故に、苦戦を強いられていた。

 

湊翔「くそっ!デカいから、攻撃が効いてるのか分かんないな!」

ベルディア「これでも喰らえ!」

カズマ「まずっ!?」

 

 俺が毒づく中、ベルディアは攻撃をしてくる。

 それを俺とカズマは食らってしまい、強制変身解除してしまった。

 

湊翔「カズマ……………大丈夫か?」

カズマ「なんとかな…………。」

白夜「お前ら!」

ベルディア「次は貴様らだ!」

トウカ「くっ…………!」

朱翼「っ!」

 

 俺たちが倒れる中、ベルディアは、残りの3人に攻撃していく。

 そんな中、俺はある事を思いつく。

 

湊翔「カズマ。パラディンレイズバックルが使えるかもしれないぞ!」

カズマ「そうか!あれなら……………!」

トウカ「カズマ!これを使え!」

 

 そう。

 パラディンレイズバックルなら、あいつにダメージを与えられるかもしれない。

 そう思う中、トウカはブーストレイズバックルをカズマに向かって投げる。

 

カズマ「ブーストバックル!?」

トウカ「お前が使え!」

カズマ「おう!行くぞ、湊翔!」

湊翔「ああ!」

 

 俺とカズマは立ち上がり、パラディンレイズバックルとブーストレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺とカズマの横に、聖騎士を思わせる兜とPALADINの文字と、バイクのマフラーから火が出る絵とBOOSTの文字が浮かぶ。

 俺とカズマは叫ぶ。

 

「「変身!」」

 

 そう言って、レイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

PALADIN & BOOST

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・パラディンブーストフォーム、カズマはタイクーン・パラディンブーストフォームに変身する。

 

白夜「すっげぇな。」

トウカ「さて、私たちも行くぞ!」

朱翼「ですね!」

ベルディア「姿が変わった所で、この俺には勝てん!」

湊翔「どうかな?さあ、ここからが…………ハイライトだ!」

カズマ「行くぜ!」

 

 俺とカズマは、ブーストの力で大きくジャンプをして、パラディンフォームの拡張装備であるパラディンブレードで、攻撃する。

 すると、ベルディアは大きくのけ反る。

 

ベルディア「なっ!?なんだ、この聖なる力は!?」

湊翔「やっぱり、ベルディアには効くよな!この聖騎士の力は!」

カズマ「思ったとおりだぜ!」

白夜「あいつが怯んだ!」

トウカ「よし!このまま攻撃していくぞ!」

朱翼「ええ!」

 

 俺たちは、更に攻撃を激化していく。

 すると、ベルディアは大分弱っていた。

 

ベルディア「な、何だと…………!?」

湊翔「よし!盛大に止めだ!」

カズマ「ああ!」

白夜「おう!」

トウカ「分かった!」

朱翼「はい!」

 

 そう言って、俺とカズマは、ブーストレイズバックルを2回ひねる。

 

BOOST TIME

 

 その音声と共に、俺とカズマはジャンプする。

 そして、俺達は、レイズバックルを操作する。

 

PALADIN BOOST GRAND VICTORY

CALIBER STRIKE

LIGHTNING STRIKE

FLUTE STRIKE

 

一同「ハァァァァァ!!」

ベルディア「ぬわぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 俺とカズマのキック、白夜の雷を纏った爪、トウカと朱翼の斬撃波がベルディアに命中する。

 すると、ベルディアは爆発して、ブーストレイズバックルは、どこかへと飛んでいく。

 ベルディアは、元の姿に戻って、膝をついていた。

 俺たちは、変身解除して、ベルディアのそばに寄る。

 

ベルディア「な、何故だ…………何故、俺は二度も、お前達に負けたのだ……………?」

湊翔「俺たちは…………皆で戦ったから、勝てたんだ。俺1人じゃあ、とてもじゃないが、勝つのは厳しかっただろうからな。」

カズマ「あいつらを倒した時に手に入れたブーストレイズバックルや、エンシェントドラゴンゾンビを倒した時に手に入れたパラディンレイズバックルがあったからな。」

白夜「結局は、俺たち一人一人なんかじゃない。皆で掴んだ勝利だ。」

ベルディア「そ、そうか…………俺が真に侮っていたのは、お前達の絆だったか…………。」

トウカ「まあな。アンタは強い。でも、たった1人で戦うのも、状況によっては辛いだろ。」

朱翼「そうですね。」

 

 俺たちは、そう話す。

 皆が居たから、ベルディアを倒す事ができた。

 それは、紛れもない真実だ。

 すると、ベルディアは笑う。

 

ベルディア「そうか。サトウカズマだったな。貴様には、これを渡そう。」

カズマ「ん?」

湊翔「レイズバックルか?」

 

 ベルディアはそう言って、レイズバックルを渡す。

 そのレイズバックルは、横に倒したベルディアの様な外見だった。

 

ベルディア「この俺の力が宿ったレイズバックルとやらだ。使うが良い。お前達には…………奇妙な友情を感じるな。」

トウカ「まあ、元は真っ当な騎士だったんだろ?それはそれで、ありかもな。」

ベルディア「次に会うときは……………。」

 

 ベルディアはそう言う。

 トウカは、少し嫌そうな顔をしていたが、ベルディアの騎士道には、何かを感じたような表情をしていた。

 すると、見覚えがある魔法陣が見えた。

 

ベルディア「んあ?」

湊翔「あれって……………。」

白夜「爆裂魔法か……………?」

 

 そう。

 ベルディアの真上に、爆裂魔法の魔法陣が現れていたのだ。

 そして、爆発する。

 

ベルディア「ひぎゃああああああ!!」

 

 ベルディアはそのまま再び膝をつく。

 後ろを向くと、アクア達の姿があった。

 

カズマ「めぐみん!!アクア!ダクネス!」

アクア「待たせたわね、アンタ達!」

湊翔「どうしてここに!?」

アクア「アンタ達が戦ってると聞いて、飛んできてあげたわよ!」

めぐみん「やはり、爆裂魔法は最高です!」

トウカ「もう大丈夫なのか!?」

ダクネス「ああ。お前達がデュラハンを弱らせたおかげで、意識を取り戻す事が出来た!」

朱翼「良かったです!」

白夜「良かったが……………もうちょい空気を読めよ。良い感じだったのに。」

 

 まあ、こいつらって、ステータスは高いからな。

 ベルディアを弱らせれば、勝手に意識を取り戻すか。

 とはいえ、良い雰囲気だったのに、台無しだよ。

 

アクア「さあ、過去の怨讐に囚われしアンデッドよ。女神アクアが導くわ。安らかに眠りなさい!セイクリッド・ターンアンデッド!」

ベルディア「あああああれええええええ!?」

湊翔(容赦なしか。)

 

 俺たちが苦笑する中、アクアはスキルを発動して、ベルディアは光に包まれる。

 ベルディアはしばらくして、浄化された。

 これは酷い。

 美味しいところを掻っ攫ってたな。

 俺たちが呆然とする中、アクアは口を開く。

 

アクア「一丁あがりっと!さあ!ギルドで乾杯しましょう!今回は、カズマ達の奢りねっ!」

白夜「はっ!?何でそうなるんだよ!?」

アクア「何よ。デュラハンにトドメを刺したのは私よ!感謝しなさい!」

めぐみん「カズマ!明日、爆裂散歩に行きましょう!大きくて固そうな的を見つけたのです!」

ダクネス「あれだけの攻撃を立て続けに受けたら、ひとたまりもないな。カズマ!ぜひ、私にもあんな仕打ちを!」

 

 アクア達は、そう宣う。

 こいつら……………!

 すると、俺とカズマは口を開く。

 

湊翔「お……………!」

アクア達「?」

湊翔「お前らはまず、俺たちに謝れ!!」

カズマ「そんでもって、街の人たちにも謝れぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

「「「アハハハ………………。」」」

 

 俺とカズマの絶叫が響き、白夜達は苦笑するのだった。

 その後、アクセルに戻り、一旦、デザイア神殿へと向かう。

 

ツムリ「皆さん、お疲れ様です。」

湊翔「全くだ。」

ギロリ「カズマ殿。そのレイズバックルは、あなたが使って構いませんよ。」

カズマ「は、はい。」

白夜「それで、今回の一件は、デザイアグランプリとしては、どうなんだ?」

ツムリ「また、同じような事が起こる可能性があります。十分に注意してください。」

トウカ「分かった。」

朱翼「それでは、失礼します。これから、謝罪ツアーの始まりですので。」

 

 俺たちとツムリとギロリさんはそう話して、俺たちはデザイア神殿を後にする。

 そして、アクセルの街の人々への謝罪周りと、宴会をする事になったのだった。

 一方、ロキ達の方は。

 

ベロバ「べ〜っ!つまんない。」

樹「彼らはまた、強くなったみたいですね。」

ロキ「そうでなくては、面白くないからな。」

武「そうだな。待っていろ、桐ヶ谷湊翔!お前は俺が倒してやる!」

 

 そんなふうに話していた。

 馬場武の手には、ジャマトのバックルが握られていた。

 一方、ジーンの方は。

 

ジーン「感動するよ。君の生き様には。ただ、これからロキ側は更に動くだろう。そろそろ、これの出番かな。」

 

COMMAND TWIN BUCKLE

 

 ジーンはそう言って、何かのレイズバックルを見つめる。

 そのレイズバックルは、飛行機や戦闘機などの計器や操縦席を思わせるようなデザインだった。




今回はここまでです。
今回で、復活のベルディアの話は終わりです。
次回からは、紅伝説の話に入っていきます。
カズマが手に入れたデュラハンレイズバックルは、今後、使います。
そして、ジーンが持っているレイズバックルは。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のギーツは、ナーゴが復活しましたね。
鞍馬家の人たちの思いが、英寿の創世の力を発動させて、復活を果たして、ベロバをボッコボコにしましたね。
めぐみんにも、ちゃんとファンタジーフォームを使わせます。
現状、ギーツIXは、このすばの原作でいう所の13巻のタイミングで出す予定です。
ブジンソードやらの登場タイミングで意見があれば、活動報告にて受け付けます。
白夜のライコウに、トウカのラウンズに関しては、強化フォームを考えていますが、それ以外に意見があれば、受け付けます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第53話 紅魔の里への誘い

 アクセルに迫るドラゴンもどきの討伐、時限爆弾ゲームのクリア、そして、復活したベルディアの討伐。

 アルカンレティアへの慰安旅行以降、そんな出来事があったが、俺たちは頑張っていた。

 色んなクエストをこなしたり、ジャマトを倒したり。

 そんな中、ギルドで集まっていた。

 

湊翔「俺たち、大分頑張ってるよな。」

白夜「まあな。」

トウカ「ジャマトも、今も成長を続けている。警戒するに越した事はないな。」

朱翼「ですね。」

カズマ「まあ、俺たちはやるからな。」

アクア「でも、私だけ仮面ライダーに変身できないのは、納得がいかないんですけど。なんで私だけ変身できないのよ!」

めぐみん「アクア、落ち着いてください。」

ダクネス「デザイアグランプリ側が、どういう基準で選んでいるのかは、分からないからな。」

 

 俺たちがそう話す中、アクアはそう叫ぶ。

 デザイアグランプリとしては、どういう基準で仮面ライダーを選んでいるのかは、全く持って分からないからな。

 その時、ギルドの扉がバンと開かれて、そこにはゆんゆんが居た。

 ゆんゆんは真っ直ぐこっちに来ると、カズマの前に来た。

 だが、ゆんゆんの顔は赤かった。

 

湊翔「おー。ゆんゆん。どうした?」

ゆんゆん「あの、その…………カ、カズマさんの子供が欲しい!」

「「「「「「「………え?」」」」」」」

カズマ「モテ期、入りました!」

 

 開口一番にそう言うのを聞いて、俺たちが呆然とする中、カズマはそう言う。

 俺達は、そんな事を宣ったゆんゆんを連れて、事情を聞く為に屋敷へと戻った。

 そんな事を宣った事で、更に目立つのを防ぐ為にだ。

 その屋敷にて、アクアとちょむすけが喧嘩をする中、カズマはゆんゆんに聞く。

 

カズマ「………今なんて?」

ゆんゆん「カ…………カズマさんの子供が欲しいって言いました。」

カズマ「………俺としては、最初は女の子が良いんだけど。」

ゆんゆん「ダ、ダメです!最初の子は男の子じゃないとダメなんです!」

 

 この子は、一体何を言っているのだろう。

 そんな事を言ったら、ただの痴女じゃないか。

 すると、我に返っためぐみんとダクネスが反論する。

 

めぐみん「いやちょっと待って下さい!いきなりどうしたんですか!?というかゆんゆんは、今自分が、何を言っているのか分かっていますか!」

ダクネス「そ、そうだ!めぐみんの言う通りだ!コイツがどんな男なのか分かっているのか!?」

 

 人聞きの悪い事言われてるぞ、カズマ。

 すると、めぐみんはゆんゆんの肩を掴み、揺らす。

 

めぐみん「正気に戻って下さい!というかあなたは、たまに突っ走って目の前が見えなくなる時があります!一体何がどうなっているのかちゃんと説明して下さい!」

ゆんゆん「だ、だってだって!私とカズマさんが子供を作らないと世界が!魔王が……………っ!!」

 

 いや、本当にどういう事だよ?

 話の流れが全く見えねぇ……………。

 すると、カズマはゆんゆんに近寄り、肩に手を置く。

 

カズマ「そうか、世界が……。大丈夫だ。皆まで言わなくて良い。世界も魔王も俺に任せとけ。俺とゆんゆんが子作りすれば、それで魔王がどうにかなり、世界が救われるっていうんだな?この俺が、困っている人の頼みを断る訳が無いじゃないか。」

 

 カズマは、そんな風にカッコつけながら言う。

 そんなカズマに、俺は突っ込んだ。

 

湊翔「カズマも何を言っているんだ。」

ダクネス「湊翔の言う通りだ!お前は一体何を言っているんだ!」

めぐみん「本当ですよ!どうしてこんな時だけ物分かりが良いのですか!というか、この唐突な流れに少しは疑問を抱いて下さい!」

 

 俺がそう言うと、めぐみんとダクネスがそう言う。

 すると、カズマが叫ぶ。

 

カズマ「うるせー!お前らはさっきから何なんだよ!これは俺達2人の問題だろ!?関係ない奴が横から口出ししてくるんじゃねーよ!折角来たモテ期なんだよ!邪魔すんな!」

 

 そう言って、カズマは逆ギレしだした。

 それを見て、俺たちは呆れていた。

 カズマって、年相応にスケベな面もあるよな。

 めぐみんは、口を開いた。

 

めぐみん「逆ギレ……………。友人が変な男に引っ掛かろうてしてたら、口の一つも出しますよ!」

カズマ「そもそも、俺達は数多の魔王軍幹部を倒してきた英雄だろ!?そろそろ俺に憧れを抱く美少女や、サイン下さいって言ってくる冒険者が現れたっておかしくねーだろ!!そもそも、湊翔と白夜の二人は何でモテて、俺はモテねーんだよ!」

白夜「いや、モテてないと思うがな。」

湊翔「俺も。それに、カズマの日頃の行いがあるんじゃないのか?」

ゆんゆん「お、落ち着いて!すいません、私のせいで……………!落ち着いてください!」

 

 めぐみんがそう言う中、カズマはそう言う。

 俺と白夜は、そんな風に返す。

 まあ、クリスのパンツをスティールしたのが大きいのかもしれないが。

 ゆんゆんがオロオロとする中、カズマは叫んだ。

 

カズマ「うるせー!この鈍感野郎ども!それにこの国では16歳から20歳の間に結婚するのが普通って聞いたぞ!ゆんゆんも14歳だろ!だったら何の問題も無いじゃん!素晴らしい、素晴らしいよ!俺、初めてこの世界が好きになったよ!ってゆーか何なの?お前ら俺の事が好きなのか?ゆんゆんとお付き合い的な事始めるからって妬いてんの!?だったら素直にそう言えよ!ツンデレ共が!!」

 

 カズマはそんな風に叫びながら、めぐみんとダクネスに向かってそう言う。

 それを聞いた2人は、青筋を浮かべる。

 

めぐみん「この男!ダクネス、シメましょう!一度この男をシメときましょう!」

ダクネス「よし、この口の減らないダメ男をぶっ殺してやる!」

白夜「お前ら、落ち着け!」

トウカ「ここで争うのはやめろ!」

朱翼「というより、カズマも煽るのはやめてください!」

湊翔「お前ら落ち着け!!」

 

 めぐみんとダクネスがそう言う中、俺たちは、カズマ達を抑えにかかる。

 今にも一戦始まりそうな空気の中、ゆんゆんが突然叫んだ。

 

ゆんゆん「めぐみん、聞いて!紅魔の里が………………紅魔の里が無くなっちゃう!!」

 

 ゆんゆんがそう叫ぶと、俺たちはゆんゆんに視線を向ける。

 只事じゃ無さそうだな。

 一度、落ち着いて話をする事にした。

 

アクア「粗茶ですが。」

ゆんゆん「ど、どうも、ありがとうございます。」

めぐみん「それで、一体どう言う事ですか?」

 

 ゆんゆんは、アクアからお茶を受け取る。

 だが、それはお湯だった。

 アクアの奴、お茶を淹れてる時に浄化しやがったな。

 めぐみんがそう聞くと、ゆんゆんが2枚の手紙を取り出した。

 それをめぐみんが受け取ると、手紙を読んでいく。

 

めぐみん「これは、族長からの手紙ですか。なになに……………『この手紙が届く頃には、きっと私はこの世に居ないだろう』…………!?」

 

 めぐみんがそう読むと、表情が険しくなって行く。

 どうやら、只事じゃないのは確かだな。

 そして、ゆんゆんが取り乱すのも、無理もない。

 どうやら、紅魔の里の近辺に、魔王軍の幹部が現れて、軍事基地を建設したそうだ。

 そして、めぐみんはもう一枚の手紙を読む。

 

めぐみん「『里の占い師が、里の壊滅という絶望の未来を視た日。同時に、希望の光を視る事になる。紅魔族唯一の生き残りであるゆんゆんは……………』どうして、唯一の生き残りがゆんゆんだけになっているのですか!?」

ゆんゆん「いいから、先を続けて!」

めぐみん「私の身に一体何が!?『…………唯一の生き残りであるゆんゆんは、いつの日か、魔王を討つ事を胸に秘め、修行に励んだ。そんな彼女は、駆け出しの街で、ある男と出会う事になる。頼りなく、それでいて何の力もないその男こそが、彼女の伴侶となる相手であった。』……………。」

 

 めぐみんが手紙の内容に突っ込む中、読み進めていくと、そう書いてあり、俺たちはカズマを見る。

 すると、カズマは不満げに言う。

 

カズマ「……………なんで、そこで俺の顔を見るんだよ。ていうか、俺は仮面ライダーだぞ!ゆんゆんも、それだけの情報でここに来たのか!?」

朱翼「言っては何ですが、情報の確実性が無いじゃないですか。」

 

 カズマと朱翼がそう言うと、ゆんゆんは視線を逸らす。

 そんな中、めぐみんは手紙を読み進める。

 

めぐみん「『やがて月日は流れ。紅魔族の生き残りと、その男の間に生まれた子供はいつしか、少年と呼べる年になっていた。その少年は、冒険者だった父の跡を継ぎ、旅に出る事となる。だが、少年は知らない。彼こそが、一族の仇である魔王を倒す者である事を………。』」

一同「っ!?」

 

 それを聞いて、俺たちは息を呑む。

 まじか。

 

カズマ「お、俺たちの子供が魔王を…………!?」

白夜「話が突拍子すぎないか?」

ダクネス「白夜の言う通りだぞ!まさか、占いなんて曖昧なものを、疑り深いお前が信じはしないだろうな!?」

アクア「ねえ、そんなの困るんですけど!私、そんなの困るんですけど!!私としては、そんな悠長な事を言ってないで、とっとと魔王を倒して欲しいんですけど!カズマの子供が大きくなるまで待てって言うの!?ねえ、3年くらいでまからない?まからないなら、その占いは無かった事にして頂戴!」

トウカ「……………アクア、仮にその話が本当だとしたら、お前は幼児に魔王退治をさせる気か?」

 

 カズマがそう言う中、他の人たちはそう反応する。

 俺は、めぐみんに話しかける。

 

湊翔「めぐみん。悪いんだけど、その手紙を見せてくれないか?」

めぐみん「良いですよ。」

 

 俺は、めぐみんから手紙を受け取って、それを読む。

 周囲が騒いでいる中、俺はもう一枚の手紙の下の方に何か書かれている事に気づく。

 その文を、俺は読む。

 

湊翔「………こっちの手紙には、最後に『【紅魔族英雄伝 第一章】著者:あるえ』って書いてあるんだけど…………。」

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

 

 俺がそう言うと、皆が驚愕の表情を浮かべながら、俺の方を見てくる。

 俺は、続きを読む。

 

湊翔「ていうか、文字の感じが違うな。あ。続きがある。『追伸 郵便代が高いので族長に頼んで同封させて貰いました。2章が出来たらまた送ります』って……。」

ゆんゆん「あああああああーっ!!」

 

 ゆんゆんが突然、叫びながら俺から手紙を奪い取ると、クシャッと丸めて放り投げた。

 そして、絶叫する。

 

ゆんゆん「あんまりよっ!あるえのバカァァァァァァ!!」

カズマ「おい、どういうこった説明しろ!俺の子供はどうなった!?俺はどうしたらいい!?ここで脱げば良いのか!?部屋で脱げば良いのか!?」

トウカ「ここでズボンを脱ぐな。」

 

 ゆんゆんがそう叫ぶ中、カズマはそう言って、ズボンを下ろす。

 それを見ていたトウカがカズマから視線を逸らしながらそう言うと、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「………あるえというのは、紅魔の里の同級生で、作家を目指している子でして。」

ダクネス「なんだ、ただの物語か。」

白夜「それなら、一枚目の手紙はどうなんだ?そっちも物語ってか?」

めぐみん「こっちは本物じゃないですかね。紅魔族は、昔から魔王軍の目の敵にされていましたから、いつか来るとは思っていましたが。とうとう魔王軍も本腰を入れて、里の攻略に動き出しましたか。」

 

 なるほどな。

 そりゃあ、倒すべきだと思うだろうな。

 何せ、紅魔族は殆どがアークウィザードだからな。

 厄介だし。

 

カズマ「おいちょっと待て!俺の男心はどうしたらいいんだよ!?ゆんゆんは?これから俺とゆんゆんが甘酸っぱい関係になるんだろ!?」

ダクネス「ならない!」

トウカ「て言うか、めぐみんは結構冷静よね。」

朱翼「確かに。私なら落ち着いていられませんよ。」

 

 カズマがそう言って、白夜がカズマのズボンを上げる中、トウカと朱翼がそう言う。

 すると、蹲っていたゆんゆんが復活して、めぐみんに聞く。

 

ゆんゆん「はっ!そうだった!どうしようめぐみん!このままじゃ里の皆が!」

めぐみん「私達は魔王軍を苦しめた紅魔族なのですよ。そう簡単に死ぬとは思えません。もし皆が死んでも、族長の娘であるゆんゆんが居るでは無いですか。つまり紅魔族の血筋は途絶えませんよ。なので、こう考えれば良いのです。里の皆はいつまでも心の中に…………と。」

ゆんゆん「めぐみんの薄情者!」

 

 めぐみんがそう言うと、ゆんゆんが掴みかかり、めぐみんを揺らす。

 その後、ゆんゆんを見送る事に。

 

ゆんゆん「あ、あの……………すいませんでした!」

湊翔「いや、大丈夫だ。それより、ゆんゆんはこれからどうするんだ?」

ゆんゆん「はい。今から、紅魔の里に向かおうかと思います。その、里には、と、とも…………だち…………もいるし……………。」

 

 はっきりと、友達と言いきれない仲なのか?

 俺たちは、そう思う。

 そう言って、ゆんゆんは寂しく向かうのだった。

 その翌日、俺たちも紅魔の里に向かう事になった。

 その為に、ウィズの店に向かう。

 

ウィズ「テレポートですか?紅魔の里の近くにですか?」

カズマ「あぁ。このツンデレが里帰りするそうだからな。」

めぐみん「!?誰がツンデレですか!?」

 

 まあ、めぐみんは素直じゃないからな。

 カズマがそう言うのに、めぐみんが反応していると。

 

バニル「おぉ。誰かと思えば。上がりやすい職業の癖にちっともレベルの上がらない男に。」

カズマ「ほっとけ。」

バニル「最近、実家の威光でしか仲間の役に立てない娘!」

ダクネス「なぁ!?」

バニル「色んなことに頭を悩ませて仲間に言えていない男!」

湊翔「ちょ!?」

バニル「ここ最近、ギーツの事が気になっている娘!」

トウカ「ちょっ!?」

バニル「最近、少し太ったかなと悩んでいる娘!」

朱翼「ちょっと待って!?」

バニル「格闘を極めたものの、害虫で我を忘れて暴走する男!」

白夜「おい。」

バニル「鬱陶しい光溢れる、チンピラプリーストに。」

アクア「あぁ!?」

バニル「ネタ魔法しか使わないネタ種族!へいらっしゃい!」

めぐみん「おい。」

 

 バニルは、俺たちの悪感情目当てで、揶揄いながら挨拶をする。

 相変わらずだよな。

 すると、バニルは俺とカズマを呼ぶ。

 

バニル「それはそうと、例の契約書、出来ているぞ。」

カズマ「本当に大丈夫だろうな?」

湊翔「まあ、大丈夫じゃないのか?」

バニル「もちのろん。3億エリスを渡すと言う契約でいいな?」

カズマ「おう。」

バニル「だが、まだだぞ。」

湊翔「何でだよ?」

バニル「まだ、完全に生産のラインが整っていないのだ。もう少し待って欲しい。」

 

 なるほど。

 確かに契約だけしても、生産出来なければ意味はない。

 その時、アクアが何かを落として割ってしまった様だ。

 

バニル「商品に触るな!厄災女め!」

アクア「はあ!?お客様は神様でしょ!私は女神だけど。神様に相応しい態度をとりなさいよ!」

バニル「商品をダメにしておいて、何を開き直っているのだこの貧乏神は!!ええいウィズ、とっとと送還してしまえ!!」

白夜「本当だよ。」

???「少し、良いか?」

 

 バニルがアクアに対してそう叫び、白夜が呆れていると、人が2人ほど入ってくる。

 

湊翔「龍。アフロディテ。」

トウカ「2人も来たのか。」

アフロディテ「まあ、用事がありましてね。」

カズマ「用事?」

 

 そこに居たのは、龍とアフロディテだったのだ。

 カズマがそう聞くと、龍は口を開く。

 

龍「俺とアフロディテも、紅魔の里の近くに用事があってな。」

アフロディテ「良かったら、ご一緒させてもらえませんか?」

湊翔「え?それは良いですよ。」

白夜「ああ、それとな。俺と朱翼は、紅魔の里には行かねぇわ。」

カズマ「え!?なんでだよ!?」

朱翼「実は、バニル達に手伝いを頼まれていまして。」

バニル「そういう事だ。」

 

 なるほどな。

 というわけで、紅魔の里には、カズマのパーティーと、俺、トウカ、龍、アフロディテが向かう事に。

 まず、先行してカズマ達が転送される。

 その次に、俺たちが転送される。

 

ウィズ「では、あなた方の旅が良いもので有ります様に。テレポート!」

湊翔「じゃあ、行ってくる!」

 

 俺たちはそう言って、テレポートされた。

 テレポートした後、ウィズが口を開く。

 

ウィズ「あ。」

バニル「む?どうした?」

ウィズ「紅魔の里といえば……………私の知り合いの魔道具職人がいるんですよ!」

白夜「まじか。」

朱翼「どうやら、私たちも紅魔の里に向かう事になりそうですね。」

 

 そんな風に話していた。

 一方、ロキ側は。

 

ロキ「どうやら、桐ヶ谷湊翔達が、紅魔の里に向かったそうだぞ。お前達も行ったらどうだ?」

武「ふん。お前に言われなくても、行くつもりだ。」

???「へぇ……………少しは手応えがあると良いんだがな。」

???「まあ、俺たちが勝つさ。」

???「そうですわね。」

???「やってやるぜ!」

 

 そんな風に話して、動き出そうとしていた。

 紅魔の里への遠征は、無事では済まなそうな気がする。




今回はここまでです。
今回から、紅伝説のエピソードに入っていきます。
ゆんゆんの爆弾発言が入り、湊翔達も紅魔の里に向かう事に。
そんな中、動こうとしている存在がいる。
次回は、そいつらが湊翔達の前に現れます。
その為、オークとのやり取りは、変わります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のギーツは、ダパーンが復活しましたね。
そして、英寿と景和、ツムリの願いにより、世界が作り変えられていく。
いよいよ、今週の金曜日に、ギーツの映画が公開するので、楽しみです。
ギーツワンネスのIDコアは、絶対に手に入れたいと思います。
あと、今後、墨田奏斗みたいな性格の仮面ライダーを出す予定です。
そして、英寿の髪が白く染まったみたいに、湊翔も見た目が変わる予定です。
白髪ではなく、金髪みたいな感じで。
ちなみに、めぐみんのナーゴ・ファンタジーフォームは、透過能力はありませんが、別の能力が付与されます。
リクエストがある場合は、活動報告にて受け付けます。
コラボをしたいという場合は、お気軽にメッセージを送ってください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第54話 シャドウ軍団襲来

 テレポートで紅魔の里の近くに転送された俺たちは、必死に逃げていた。

 

「「ヒィィィィ!!」」

 

 ただし、逃げていたのは俺とカズマだった。

 どうしてこうなった。

 ウィズのテレポートによって、俺、トウカ、龍、アフロディテは、カズマ達とほぼ同じ座標に転送された。

 流石に少し誤差があったのか、カズマ達とは少し離れた所にいた。

 だが、カズマが何かに追われているのを見て、本能的に危険を感じたので、即座に逃げる事にした。

 砂煙をあげて迫ってくるのは、オークだった。

 

「「ヒィィィィ!!」」

カズマ「ウィズ!なんて所にテレポートしてんだァァァ!!」

オーク「ちょっと待ちなさいよ!あんた達!」

オーク「ねぇ!男前なお兄さん達!私達といい事しない?」

 

 カズマがそう叫ぶ中、後ろのオーク達は、俺たちに対して、そう言う。

 そう。

 雌のオークしか居ないのだ。

 カズマが叫ぶ中、めぐみんが答える。

 

カズマ「なんで女オークばっかなんだ!?」

めぐみん「カズマ!湊翔!現在、この世にオークの雄は存在しません!」

ダクネス「えぇ!?」

トウカ「オークの雄はとっくの昔に絶滅したらしいの!現在、オークと言えば、縄張りに入り込んだ他種族の雄を捕らえて、集落に連れ帰り、それはもう凄い目に遭わせる、男性にとっての天敵なの!」

 

 マジで!?

 この世界は日本での常識が通用しないのか!

 そう思ったが、考え直す。

 よくよく考えたら、この世界は、野菜が空を飛んだり、秋刀魚が畑から収穫される世界だ。

 あり得るのかもしれない。

 

オーク「アンタ達、2、3日ウチの集落でハーレムよ!この世の天国を味あわせてあげるわ!」

「「お断りしまぁぁぁぁす!!」」

 

 初めて女性からの誘いを断ってしまった。

 まあ、完全に誘いに乗ったら、死にそうな気がするしな。

 ていうか、なんで龍は雌のオークに追われてないんだよ!?

 

ダクネス「待て!オークと言えば女騎士の天敵だぞ!性欲絶倫で、女とみるや即座に襲い掛かる、あのオークの雄が……!」

「「もう居ません(ないわよ)!」」

アクア「ダクネス!!」

 

 何でダクネスが落ち込んでるんだよ!

 て言うか、俺たちの生命の危機だろ!

 

オーク「あたし、あんた達の子を産むわ!」

オーク「いや、私よ!」

オーク「最初は男の子がいいわねぇ!オスが60匹にメスが40匹!そして海の見える家で、毎日あたしとイチャイチャするの!」

カズマ「帰りたい!お家に帰りたい!!」

湊翔「そんな事言ってる暇があるなら、走っとけ!」

 

 オークがそう言う中、俺とカズマはそう叫ぶ。

 すると、先頭のオークが突然、倒れる。

 

カズマ「何だ!?」

湊翔「おい、あそこ!」

 

 カズマが驚く中、俺はある方向を指差す。

 そこには、馬場武が居たのだ。

 しかも、見た事の無い人が何人か居た。

 

武「よお。お前ら、雌のオークに襲われてるとか、災難だな。」

湊翔「うるせぇよ。つうか、なんか人が増えてるんだけど。」

???「お前がギーツか。」

???「みたいね。横にはタイクーンが居て、後ろには他の仮面ライダーも居るみたいね。」

???「誰だろうが関係ない。倒すだけだ。」

???「行くぜぇ〜!」

 

 そう言って、馬場武たちがやって来る。

 すると、結界が周囲に張られる。

 

トウカ「結界!?」

???「雌のオークの邪魔が入らないようにする為だ。」

めぐみん「あなた達は、何者ですか!?」

ダクネス「ロキの回し者か!?」

闘轟「俺は牛島闘轟。仮面ライダーバッファノワールだ。」

要「俺は桜井要。仮面ライダーブラックタイクーンだ。」

遥「私は園崎遥。仮面ライダーブラックナーゴよ。」

光太郎「俺は佐々木光太郎。仮面ライダーシャドウパンクジャックだ。」

 

 トウカ、めぐみん、ダクネスがそう言うと、馬場武以外の四人はそう名乗る。

 ギーツだけでなく、バッファ、タイクーン、ナーゴ、パンクジャックのダークverの仮面ライダーを出してくるとは……………!

 すると、馬場武が口を開く。

 

武「お前も強くなったみたいだな。なら、俺はこれで相手をしてやるよ……………!」

カズマ「おいおい、あれって…………!?」

湊翔「ジャマトのバックル…………!?」

 

 そう。

 馬場武が取り出したのは、ジャマトライダーが変身に用いるジャマトバックルだったのだ。

 まさか……………!?

 すると、牛島闘轟も取り出して、二人はジャマトバックルをデザイアドライバーに装填する。

 すると、馬場武は苦しみだす。

 やっぱり、人間が使うには危険すぎるんだ!

 

武「変身……………!ううっ!」

闘轟「変身!」

 

JYAMATO

 

 二人は、ジャマトバックルを使った形態へと変身する。

 残りの3人も、シュバルツマグナムみたいに、それぞれのライダーと相性が良いレイズバックルの黒い奴をデザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 すると、桜井要の隣に、黒い手裏剣と英語で黒いNINJAという文字が、園崎遥の隣に、黒いスピーカーと黒いBEATという文字が、佐々木光太郎の隣に、黒いMONSTERの文字が浮かぶ。

 3人は叫ぶ。

 

「「「変身!」」」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

SCHWARZ

REDAY FIGHT

 

 3人は、それぞれの仮面ライダーに変身する。

 

湊翔「マジか……………。」

カズマ「どうするんだよ!?」

トウカ「応戦するしかないだろうな。」

龍「そうだな。」

めぐみん「行きましょう!」

ダクネス「ああ!アフロディテとアクアは、離れててくれ。」

アフロディテ「分かりました。」

アクア「あんな真っ黒野郎達なんかに負けるんじゃないわよ!」

 

 そう言って、アクアとアフロディテが下がる中、俺たちはデザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、龍の横には、大型の戦艦の絵と英語でFLEETという文字が現れる。

 全員が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「「「変身!」」」」」」

 

 俺たちは、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

FLEET

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、龍はムメイ・フリートフォームに変身する。

 馬場武には俺が、牛島闘轟にはダクネスとトウカが、桜井要にはカズマが、園崎遥にはめぐみんが、佐々木光太郎には龍が向かった。

 俺は、マグナムシューターを撃って、馬場武に攻撃する。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!」

武「オラっ!はっ!」

 

 俺がマグナムシューターを撃つ中、馬場武はそのまま突進してきて、格闘戦を仕掛ける。

 俺は、白夜から教わった格闘戦で、馬場武と応戦する。

 

武「へぇ!やるじゃねぇか……………!」

湊翔「おい!そんな何でそんな物騒なバックルを使うんだよ!人間を辞める気か!?」

武「はっ!それも良いな!俺は強い奴と戦えるなら、化け物にでもなってやるよ!」

湊翔「こいつ……………!」

 

 俺がそう言うと、馬場武は苦しみに堪えながら、そう答える。

 こいつ………………!

 一方、カズマと要は、お互いに剣戟を結んでいた。

 

カズマ「ハアッ!ふっ!」

要「はっ!でやっ!」

 

 カズマと要は両方とも、ニンジャデュアラーを持って、ツインブレード状態で応戦していく。

 二人とも、互角に戦っていた。

 

要「少しはやる様ですね。」

カズマ「うるせぇっ!俺はな、やる時はやる男なんだよ!!」

 

 二人はそう話して、戦っていく。

 一方、めぐみんと遥は、お互いにビートアックスを持って、攻撃していく。

 

めぐみん「ハアッ!ふっ!」

遥「ハアッ!でやっ!」

 

 二人は、ビートアックスにエレメントの力を宿して、お互いに攻撃していく。

 

遥「へぇ。やるじゃない。頭のおかしいネタ種族の癖に!」

めぐみん「言ってくれますね……………。紅魔族は売られた喧嘩は買う主義です。その喧嘩を買おうじゃないか!!」

 

 遥がそう挑発すると、めぐみんはそう叫び、再び戦闘に入る。

 一方、ダクネスとトウカは、牛島闘轟と戦っていた。

 

ダクネス「はあっ!ふっ!」

トウカ「でやっ!はっ!」

闘轟「ふっ!はっ!」

 

 ダクネスとトウカは、連携をして、牛島闘轟と戦っていく。

 当の牛島闘轟は、馬場武と違い、全く苦しんでおらず、二人の連携攻撃にも動じずに戦っていた。

 

ダクネス「こいつ……………!強い…………!」

トウカ「お前、なんでジャマトバックルを使っても平気なんだよ!?人間が使える様な代物じゃないだろ!」

闘轟「あ?俺の力だ。俺は、凡ゆる力をデメリット無しで使える。例え、ジャマトのバックルでもな!」

 

 3人はそう話して、戦闘を再開する。

 一方、龍と光太郎は、戦闘をしていた。

 龍が剣を使っているのに対して、光太郎はモンスターグローブを使った肉弾戦を行なっていた。

 

龍「ふっ!はっ!」

光太郎「はあっ!おらっ!」

 

 龍の剣と、光太郎のモンスターグローブがぶつかり合い、周囲に衝撃波が出る。

 

光太郎「アンタ、結構強いじゃねぇか。」

龍「まあな。」

光太郎「そう来なくっちゃな!」

 

 そんなふうに話して、戦闘を激しくしていく。

 一方、俺と馬場武の方は。

 

湊翔「はっ!でやっ!」

武「おらっ!ふっ!」

 

 相変わらず戦っていたが、苦戦を強いられていた。

 やっぱり、バニルが憑依した時のジャマトライダーみたいに、ジャマトの力に、知性が組み合わさると、マジで強い。

 馬場武がパンチして、俺が地面に倒れる中、俺はマグナムシューターを撃って、攻撃する。

 俺は立ち上がり、マグナムレイズバックルを操作して、必殺技を放とうとする。

 だが、途中で辞めてしまう。

 何故なら。

 

武「ううっ……………!うわぁぁぁぁぁ!!」

 

 あいつは頭を抑えながらそう叫び、変身解除する。

 やっぱり、人間が使うには危険すぎるな、ジャマトバックルは。

 すると、他の人たちと戦っていた連中が集まってきた。

 

遥「武さん!」

要「やっぱりか。」

光太郎「随分と無茶したじゃねぇか。」

武「うるせぇ……………!」

闘轟「まあ、今回はここまでだ。次に会ったら、もっと戦おうぜ。」

 

 そいつらはそんな風に言って、撤退する。

 俺たちは、集まる。

 

湊翔「まさか……………ロキ側に、更に仮面ライダーが増えるなんてな……………。」

カズマ「面倒な事になったよな…………。」

めぐみん「しかも、相手はそれなりに強かったです。」

ダクネス「特に、あの牛島闘轟という奴が危険だな。」

トウカ「ジャマトのバックルを、ほぼノーリスクで使えるからな。」

アクア「何よそれ!そんなのあり得ないんですけど!」

龍「それだけ、連中も本気という事なんだろう。」

湊翔「みたいだな。」

アフロディテ「あの…………湊翔さん、カズマさん。言いにくいんですが、彼らが撤退した事で、結界も消えてますよ。」

 

 俺たちはそう話す。

 ロキも本気という事だろう。

 すると、アフロディテがそう言う。

 そういえば、何か、とんでも無い事を忘れている様な……………。

 

オーク「アンタ達!よっぽど私らを待たせるとはねぇ!」

「「あ。」」

 

 そんな声が聞こえてきて、俺とカズマはそう言う。

 そういえば、雌のオークを忘れてた!

 やばい、今度は俺たちが死ぬ!

 俺とカズマが抱き合って震えていると、雌のオーク達が迫ってくる。

 すると、誰かの叫び声が聞こえてくる。

 

???「ボトムレス・スワンプ!」

 

 その叫び声と共に、オーク達が突如、沼と化した地面に埋もれる。

 後ろを振り向くと、そこには、ゆんゆんが居た。

 

湊翔「ゆんゆん!」

ゆんゆん「大丈夫ですか?」

 

 俺たちがゆんゆんを見る中、オークたちは、その場から逃げ去っていった。

 こうして、危機を脱する事に成功したが、俺とカズマの心には、少なく無い傷を負ってしまったのだった。

 ちなみに。

 

湊翔「龍。なんでオークに襲われてないわけ?」

龍「何でだろうな。」

 

 何故か、龍にオークが襲ってこなかったのかは、結局分からなかった。




今回はここまでです。
オークに襲われ、湊翔とカズマは、トラウマを抱きました。
そして、ロキ側の新たな戦力として、バッファ、タイクーン、ナーゴ、パンクジャックのダークライダーが登場しました。
そして、馬場武も、ジャマトバックルを使います。
その為、馬場武は、ジャマト化が始まりました。
次回は、めぐみんの家に行くまでをやりたいと思っています。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のギーツは、道長とベロバの決着ですね。
英寿が石像になりかけてる中、道長はベロバを倒し、景和とも和解しましたね。
そして、沙羅さんも戻ってきましたし。
4人のエースと黒狐は、面白かったです。
ギーツワンネスのIDコアも手に入れる事が出来ましたし。
クロスギーツは、馬場武に変身させようかなと考えています。
次回のギーツに出てくるジットが変身する新たな仮面ライダーは、ロキに変身させる予定です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第55話 紅魔の里への到着

 馬場武達が撤退して、オーク達が逃げた後、俺たちは休んでいた。

 その際、カズマはアクアに、俺はトウカに慰められていた。

 やはり、雌のオークの存在は、かなり心に傷を残していったのだ。

 

アクア「よしよし、カズマもう大丈夫よ。怖かったわね。」

トウカ「大丈夫だ。オークはもういないからな。」

ダクネス「なぜ……………オークの雄はもう居ないのだ……………。」

アフロディテ「それを気にしますか?」

龍「全くだな。」

カズマ「ゆんゆん、ありがとう。」

湊翔「アクセルに帰ったら、何か奢らせてほしい。」

ゆんゆん「やめて下さい!何か罰ゲームみたいになってませんか!?」

 

 俺とカズマがそう言う中、ゆんゆんは顔を赤くしてそう言う。

 というより、本当になんで龍にオークが襲わなかったんだ。

 そんな中、ゆんゆんはめぐみんに話しかける。

 

ゆんゆん「ところで、皆は何故こんな所に?めぐみんも、やっぱり里の皆が心配になったの?」

めぐみん「………………ちょっと、用事を思い出したのです。」

ゆんゆん「素直じゃないわね!やっぱり、里の皆が心配になったんでしょ!」

 

 まあ、めぐみんは素直じゃないからな。

 すると、めぐみんは立ち上がり、口を開く。

 

めぐみん「カズマ。ついでに湊翔。ゆんゆんの恥ずかしい秘密を教えてあげましょう。実は、我々紅魔族には、生まれた時から体のどこかに刺青が入っているのですよ。ゆんゆんの体に刻まれている刺青の場所は、何と……………!」

湊翔「何で俺まで?」

 

 そんなのがあるのか。

 というより、そんなのを暴露するなよ。

 すると、ゆんゆんは涙目になりながら、めぐみんに向かって叫ぶ。

 

ゆんゆん「やめて!湊翔さんにカズマさんに何を言うの!ていうか、なんで刺青の場所を知ってるのよ!ここじゃあ、爆裂魔法なんて使えないでしょう!?めぐみんを取り押さえる事くらい、簡単なんだから!」

めぐみん「……………アクア、支援魔法を。この子に痛い目見せてやります。」

ゆんゆん「ひ、卑怯者!めぐみんはやっぱりずるい!昔からずっとずるいっ!」

龍「おい、そこら辺で………………。」

 

 めぐみんとゆんゆんが大声で叫びながら構える中、龍は宥めようとする。

 だが、手遅れの様だ。

 

???「こっちだ!こっちから声がしたぞ!」

めぐみん「魔王軍です。短気なゆんゆんが騒いでいるから!」

ゆんゆん「はあ!?私よりめぐみんの方が短気でしょ!!」

めぐみん「何を!」

 

 魔王軍の声が聞こえてくる中、めぐみんとゆんゆんが取っ組み合いの喧嘩を始めてしまい、俺たちは抑える事に。

 

ダクネス「おい!2人とも、騒ぐな!見つかってしまうぞ!」

湊翔「落ち着けよ!カズマも、何か言ってやれ!」

カズマ「おい!そんな事より、ゆんゆんの刺青の場所に関して詳しく!」

魔王軍「居たぞ!こんな所に居た!」

ダクネス「お前という奴は!お前という奴は!」

 

 俺とダクネスがそう言う中、カズマがそう叫んでしまい、見つかってしまった。

 俺たちは、茂みから出る。

 

魔王軍「紅魔族を二匹見つけたぞ!」

 

 そう言って、俺たちの方を睨む。

 俺たちが、それぞれのレイズバックルを構える中、アクアが指を鳴らしながら前に出る。

 

アクア「んー?見た感じ、下級の悪魔擬きじゃないですかやだー!下級悪魔にすら昇格出来ない鬼みたいな悪魔崩れがなんですか?なんですか〜!?プークスクス!今日は見逃してあげるから、あっちへ行って。ほら、あっちへ行って!」

 

 アクアはそう言って、挑発をする。

 何でこう……………人を煽るスキルは高いんだか。

 すると、多数のモンスターが現れる。

 

魔王軍「おい、そこのプリースト。何だって?散々煮え湯を飲まされている紅魔の娘が二匹だ。見逃してやるわけないだろうが!」

湊翔「だろうな。」

龍「行くぞ。」

 

 まあ、だろうな。

 俺たちは、デザイアドライバーに、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、龍の横には、大型の戦艦の絵と英語でFLEETという文字が、ゆんゆんの横には、透明なステルス機と英語でSTEALTHの文字が現れる。

 全員が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「「「「変身!」」」」」」」

 

 俺たちは、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

FLEET

STEALTH

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、龍はムメイ・フリートフォーム、ゆんゆんはギンペン・ステルスフォームに変身する。

 俺達は魔王軍を相手に変身して応戦する。

 だが、数が多く、少し苦戦を強いられていた。

 すると、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「先程はよくもネタ魔法と言ってくれましたね。なら、ネタ魔法の威力をその目に焼き付けるがいいです。」

湊翔「ちょっと待て!?」

ゆんゆん「ここで!?」

めぐみん「エクスプロージョン!」

 

 めぐみんが問答無用で爆裂魔法を放ち、大量の敵を一掃した。

 

めぐみん「見ましたか!我が爆裂魔法の威力を!さあ、これでもまだネタ魔法と言いますか!?どうですカズマ、今の爆裂魔法は一体何点なんですか!?」

カズマ「マイナス90点をくれてやる!どうするんだ!?敵が大量に来るだろ!?」

 

 そう。

 今の爆裂魔法で増援が大量に来てしまった。

 腹を括って倒そうとするが、俺達と魔王軍の間に4人組が現れた。

 その4人組は紅魔族だった。

 

紅魔族「肉片も残らずに消え去るが良い!我が心の深淵より生まれる、闇の炎によって!」

紅魔族「永久に眠るが良い!我が氷の腕に抱かれて!」

紅魔族「I kill you……………!」

紅魔族「今、生まれる!」

 

 何言ってんだ?

 そう思ったが、多分、決め台詞の類だろう。

 魔王軍が怯む中、四人の紅魔族は大きく叫ぶ。

 

紅魔族「ライト・オブ・セイバーッ!」

紅魔族「ライト・オブ・セイバーッ!」

紅魔族「セイバーッ!」

紅魔族「セイバーッ!」

 

 そう叫んで、ライト・オブ・セイバーという魔法で、魔王軍を倒していく。

 地獄の腕や、氷は一体どこ行ったんだというツッコミをカズマがした。

 呆然としながら変身解除すると、一人の紅魔族がこちらの方を見てくる。

 

???「こっちから物凄い爆音がして、魔王軍遊撃部隊で来てみたら、まさか、めぐみんにゆんゆんが居るとは。」

めぐみん「靴屋のせがれのぶっころりーじゃないですか。里の危機と聞いて来たのですか?」

紅魔族「ん?」

「「「「「「「「「ん?」」」」」」」」」

 

 あれ?何か話が噛み合わないぞ。

 紅魔族の内の1人、めぐみんにぶっころりーと呼ばれた紅魔族が前に出て。

 

ぶっころりー「我が名はぶっころりー!アークウィザードにして紅魔族随一の靴屋のせがれ!上級魔法を操る者……………!」

 

 紅魔族はこれをやらないと気が済まないのだろうか。

 俺がそう思う中、カズマも似た様な事を言い出した。

 

カズマ「これはどうもご丁寧に。私はサトウカズマと言います。魔王軍の幹部を打ち倒し者です。どうかよろしく。」

紅魔族「おおーー!まさか外の人も同じ返しをやってくれるとは!」

 

 と、めぐみんや他の紅魔族も俺を見てくる。

 めぐみんの視線の意味は分かる。

 名乗りをやれってか。

 やらねぇぞ。

 すると、ぶっころりーが口を開く。

 

ぶっころりー「なるほどね。君達が噂の仮面ライダーか。まさか、めぐみんとゆんゆんもなるとはね。さあ、紅魔の里へ送ってあげよう。テレポート!」

 

 ぶっころりーが、俺たちをテレポートで送る。

 俺達は長閑な雰囲気の紅魔の里へと辿り着くことが出来た。

 

ぶっころりー「ようこそ!紅魔の里へ!」

 

 俺達はゆんゆんの実家である、族長の家へと向かう事にした。

 ちなみに、龍とアフロディテは、用事があると言って、離脱した。

 そこで、とんでも無いことを聞いた。

 

ゆんゆん「え……………?お父さん、もう一回言って?」

ひろぽん「いやぁ。あれは娘に対しての近況報告だよ。」

湊翔「はぁ?」

トウカ「え?」

カズマ「ちょっと何言ってるか分かりません。」

 

 ゆんゆんの父親で族長であるひろぽんさんからそう聞いた俺とトウカが呆気に取られ、カズマがそう言う中、ゆんゆんは口を開く。

 

ゆんゆん「え?この手紙を読んだ時にはもう生きていないだろうって書いてあったんだけど……………。」

ひろぽん「あぁ。それは紅魔族の時候の挨拶じゃないか。習わなかったのか?……あぁ。ゆんゆんとめぐみんは早く卒業しちゃったから、そこら辺は学ばなかったな。」

ゆんゆん「魔王軍が前線基地を作ったって、それを壊す事は出来ないだろうって……!?」

ひろぽん「あぁ。中々に良い基地を作ったみたいでね。壊すか、観光資源にするかで紅魔の里内で揉めているんだよ。」

 

 普通、魔王軍の前線基地を観光資源にするか?

 どうなってんだ。

 ゆんゆんが呆然とする中、俺とカズマは口を開く。

 

カズマ「なあ、ゆんゆん。この親父さん、一発ぶん殴って良いか?」

湊翔「ゆんゆん。悪いけど、この親父さんに制裁を下して良いかな?」

ゆんゆん「………良いですよ。」

ひろぽん「ゆんゆん!?」

 

 親父さん、ゆんゆんにあっさり見捨てられそうですね。

 俺とカズマの制裁許可をあっさり出すとはな。

 そんな中、トウカが口を開く。

 

トウカ「魔王軍幹部が来ているのは、本当なんですか?」

ひろぽん「あぁ。来てますよ。魔法に強いのが。もうそろそろかなぁ?」

「「「「「「「?」」」」」」」

 

 その時、サイレンと思われる声が流れてきた。

 

『魔王軍警報!魔王軍警報!現在、魔王軍が千匹規模で襲来しています!』

 

「「「「千!?」」」」

 

 俺、カズマ、トウカ、ダクネスが驚いた声を上げた中、紅魔族達は落ち着いていた。

 

ひろぽん「何なら、見ていきますか?」

 

 魔王軍が大量に攻めてきたが、紅魔族はそれすらも返り討ちにしていた。

 数々の上級魔法が飛び交い、魔王軍があっという間に蹂躙されていた。

 後ろに、魔王軍幹部と思われる女がいた。

 魔王軍の中から、シルビア様と聞こえたので、魔王軍幹部の名前はシルビアと言うらしい。

 

カズマ「すっげー……………。なんか、ここまで凄いと、ちょっと引くな…………。」

湊翔「一方的だな……………。」

トウカ「確かに……………。」

ひろぽん「どうです!?観光の目玉にしようかと思っているんですが!」

 

 俺たちがそう言う中、ひろぽんはそう言う。

 何考えてんだ。

 その後、ゆんゆんはあるえという子を制裁してくると言って、離脱して、俺達はめぐみんの家へと向かっていった。

 

カズマ「いやー。凄い物見たな。あれが本物の紅魔族って所か。」

めぐみん「本物がいると言うことは、偽物もいるということですね。おい、誰が偽物の紅魔族か詳しく聞こうじゃないか。」

トウカ「喧嘩しないの!」

湊翔「魔王軍幹部はシルビアか。」

トウカ「どうした?あの幹部が気になるのか?」

湊翔「あぁ。一体、どんな力を持っているのか知っておきたいが。」

ダクネス「まあ、それは明日でいいのでは?」

アクア「そんな事より、ここがめぐみんの家なのね!」

 

 めぐみんの家は、母屋と思われる一軒家で、他の家と比べると、かなり小さい。

 めぐみんがノックをすると、ドアが開き、小さいめぐみんみたいな子が出てきた。

 

ダクネス「ほう。この子がめぐみんの妹か。」

アクア「小ちゃいめぐみんが出てきたんだけど。ねえ、小めぐみん?飴食べる?」

めぐみん「こめっこ、ただいま帰りましたよ。」

 

 もう、紅魔族の名前に関しては突っ込む気力が起きない。

 こめっこと呼ばれた妹は、姉を見て、固まっていた。

 まあ、感動の再会だからな。

 

こめっこ「……………お父さーん!姉ちゃんが男引っ掛けて帰ってきた!」

カズマ「ちょっとお嬢ちゃん!お兄さんとお話ししよう!」

 

 年齢の割には大人びている。

 男を引っ掛けるって。

 そうして、俺達はめぐみんの家にあがり、カズマはめぐみんの両親である、ひょいざぶろーさんと、ゆいゆいさんと話していた。

 俺達はアクアが手を空中で動かしているだけなのにコップが1人でに動き出した芸を見てたら。

 

ひょいざぶろー「それで?君は娘とはどう言う関係なんだね?」

カズマ「何度も言いますけど、唯の友人……。」

ひょいざぶろー「ナァァァァ!!」

ゆいゆい「あなた!やめて!これ以上ちゃぶ台をひっくり返して壊さないで下さい!うちにはもうお金がないのよ!!」

 

 ひょいざぶろーの質問に、カズマがそう答えると、ひょいざぶろーはちゃぶ台をひっくり返そうとして、ゆいゆいに止められる。

 まさかのちゃぶ台返しを見ました。

 その後、落ち着いたのかひょいざぶろーさんがお茶を一杯飲んで。

 

ひょいざぶろー「失礼。取り乱した。いや、君が白々しく唯の友人と吐かすものだからね。」

カズマ「あの。これ……………つまらない物ですが……………。」

 

 そう言ってカズマがアルカン饅頭を出すと、ご両親が抑えつけた。

 

ひょいざぶろー「…………母さん。これはカズマさんがわしにくれた物だぞ。その手をどかしなさい。」

ゆいゆい「あらあら、さっきは君なんて余所余所しい言い方をしてたのに、貰った途端にカズマさん呼ばわり。やめて下さいな、恥ずかしい。これは夕飯にするんです。あなたの酒のつまみにはさせませんよ。」

 

 やめてくれ。

 そんな事をこれ以上言わないでくれよ。

 俺たちが何とも言えない表情を浮かべる中、こめっこもアルカン饅頭を見て。

 

こめっこ「ねえ!?これってお腹に溜まる物!?いつも食べてるシャバシャバに薄めたお粥よりもお腹に溜まる物!?」

湊翔「え………………?」

 

 それを聞いた俺達は、非常食は残して、食べられるものを皆出した。

 

カズマ「……凄く、つまらない物ですが。」

ひょいざぶろー「よく来たね!皆さん!母さん!この家で一番良いお茶を!」

ゆいゆい「家にお茶なんて1種類しかないですわよ。オホホホホ。」

 

 そう言って、お茶を出してもらい、俺達はそれを飲んでいた。

 俺たちがお茶を飲みながらこめっこを見ていると、ひょいざぶろーが口を開く。

 

ひょいざぶろー「いくら食べ物を持って来ても、こめっこはやらんぞ!!」

カズマ「違いますから!……………あとはこめっこで食べな。」

こめっこ「良いの!?わーい!」

 

 こめっこはそう言って、アルカン饅頭を食べまくる。

 こめっこの相手は、アクア、ダクネス、トウカの3人が相手をしていた。

 そんな中、めぐみんの母親であるゆいゆいが口を開く。

 

ゆいゆい「カズマさんは良い人そうですね。私は反対はしませんよ。」

カズマ「ブーっ!?ただの友人だって言ってるでしょうが!!」

ゆいゆい「娘から送られてくる手紙には、そういう親しい間柄みたいに書かれていて…………。」

カズマ「その手紙に何書いてあったのか、聞いても良いですか?」

 

 カズマは、ゆいゆいにそう聞く。

 ゆいゆいが、その手紙に書かれている事を話し始める。

 どうやら、カズマのこれまでのセクハラの事を事細かに書いていたそうだ。

 

カズマ「申し訳ありませぇぇぇぇん!!」

 

 カズマはそう叫んで、土下座をする。

 何やってんだ。

 すると、ひょいざぶろーが口を開く。

 

ひょいざぶろー「それでも、放っては置けない大切な仲間だから、と。スケベで口を開いたら暴言ばかりで常識がない男でも、放って置けない、と。」

 

 そんな事をしみじみと語っていた。

 まあ、カズマはカズマで、年相応にスケベな所もあるが、悪い奴じゃないからな。

 

ゆいゆい「私としては、カズマさんは悪くないと思いますけど、うちはあまり裕福ではないので……………。」

湊翔「まあ、それもそうですね。」

カズマ「ああ、いえ。結構な大金が入ってくる予定でして。」

ひょいざぶろー「……………ほう。ちなみに、おいくら程?」

カズマ「3億エリスですかね。」

「「3億!?」」

 

 ゆいゆいさんがそう言う中、カズマはそう言う。

 ひょいざぶろーに聞かれて、値段を答えると、二人はそう叫ぶ。

 俺は、カズマに話しかける。

 

湊翔「おい!何余計な事言ってんだ。」

カズマ「……………やっぱりか。」

 

 俺とカズマがそう話す中、ひょいざぶろーが近づいて来て叫ぶ。

 

ひょいざぶろー「そうだ、カズマさん!今日は家に泊まって行きなさい!娘の仲間で友人なら当然だ!冒険者なんて、家なんてないだろう!?」

カズマ「い、いえ……………アクセルの方に屋敷がありまして……………。」

「「屋敷!!」」

 

 ひょいざぶろーがそう言うと、カズマは引きながらそう言う。

 すると、再び叫ぶ。

 その後、俺たちは夕食を食べる事にした。

 夕食は鍋だ。

 その後、順番にお風呂に入り、カズマがお風呂に入っている時。

 

ダクネス「何を考えているんだ!あなたは自分の子供が可愛くないのか!?」

ゆいゆい「大丈夫ですよ。娘はもう結婚出来る年齢ですし、カズマさんも分別ある大人……。もし何かあったとしてもそれは……。」

トウカ「親としてそれはどうなんですか?」

湊翔「そこまでする必要があるのか?」

 

 ゆいゆいさんがカズマとめぐみんを一緒に寝かせようとさせていた。要するに、カズマをめぐみんの婿にしようと企んでいた。

 3億に目が眩んだな。

 

ダクネス「あなたは……!」

ゆいゆい「スリープ。」

 

 その時、ゆいゆいさんが俺たちに睡眠魔法をかけたのか、途端に眠くなってきた。

 

湊翔「ちょっと……!」

 

 俺達は意識を手放して、眠ってしまった。

 一方、その頃、紅魔の里の近郊では。

 

???「あと少しで紅魔の里か。さっさと向かおう。雌のオークに見つかる前に。」

 

 一人の男が、紅魔の里へと向かっていた。




今回はここまでです。
今回は、めぐみんの家で泊まるまでです。
紅魔族は、相変わらずという感じですね。
そんな紅魔族には、流石の湊翔も呆れていました。
そして、ゆいゆいによって眠らされる中、紅魔の里に向かう誰か。
果たして、敵か、味方か。
次回は、話が進みます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
アンケートに関しては、締め切ります。
アクアは、変身しない形で行こうと思います。
現在、このファンで涼宮ハルヒの憂鬱というアニメとコラボしていますが、この小説も、他の作品とコラボしようかなと考えています。
もし、意見があれば、下記から受け付けます。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=300816&uid=373253


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第56話 紅魔の里の案内

 めぐみんのお母さんに無理やり眠らされたその翌朝、俺は外に出ていた。

 

湊翔「ったく……………魔法で無理矢理眠らせるとはな……………。」

 

 あの人、何考えてんだ。

 俺がそう思っていると、人がやってくる。

 それも、燕尾服を身に纏っている執事的な人だった。

 雰囲気的に、紅魔族ではない。

 

???「失礼。桐ヶ谷湊翔様ですね?」

湊翔「……………確かに、俺は桐ヶ谷湊翔だけど、あなたは?」

サダメル「申し遅れました。私はサダメルと申します。以後、お見知り置きを。」

 

 サダメルね……………。

 ギロリさんみたいな名前だよな。

 という事は、デザイアグランプリの関係者か?

 

湊翔「それで、何の用ですか?」

サダメル「いえ。あなたを支援したいと思っていまして。」

湊翔「へぇ……………。」

 

 俺を支援か。

 それもありかもな。

 俺は承諾すると、サダメルは去っていった。

 その後、ゆんゆんの家に泊まったというめぐみんが帰ってきて、昨夜にあった事を話した。

 何やってんだ、あいつ。

 俺たちは、朝食を摂る事に。

 

アクア「ねえ、めぐみん。せっかくだし、里の観光案内をして欲しいんですけど。」

めぐみん「構いませんよ。今日1日は里でのんびりして、もう一晩泊まっていきましょうか。」

アクア「やったわ!それで、私はめぐみんに案内してもらうけど、クズマさん達はどうするの?」

カズマ「そうだな。俺も一緒に…………おい、今、俺の事なんて呼んだ?」

 

 アクアがそう言うと、めぐみんはそう言って、アクアはカズマに質問するが、カズマは呼ばれ方を気にしていた。

 

アクア「私、今何かおかしな事言った?」

カズマ「い、いや……………気のせいか?ダクネスはどうするんだ?」

ダクネス「私は、行きたい所がある。カスマ達は遠慮なく観光してきてくれ。」

カズマ「そっか。分かっ……………おい、今なんつった?」

めぐみん「では、アクアと湊翔とトウカ、それにゲスマの四人という事ですね。この里には……………。」

カズマ「待てや、こらあああああ!!」

 

 アクアが首を傾げる中、カズマはダクネスに聞くが、蔑称に反応する中、めぐみんもそう言って、カズマは叫ぶ。

 すると、トウカが口を開く。

 

トウカ「どうした?寝ているめぐみんにイタズラしようとしたロリマ。」

カズマ「……………………すいませんでした。」

 

 トウカが汚物を見る目と共にそう言うと、カズマは頭を下げる。

 ちなみに俺は関わらない様にして、お粥を黙々と食べていた。

 その時に思ったのは、仮面ライダーになっても本質は変わらないという事だ。

 俺、カズマ、アクア、トウカはめぐみんの案内の元、紅魔の里を散策していた。

 まずは、神社に向かったのだが。

 

カズマ「……………何これ。」

 

 カズマはそう言った。

 そう言うのも無理はない。

 めぐみんが『この里の御神体です』と言って見せてきたのだが、完全に猫耳スク水少女のフィギュアだったからだ。

 

湊翔「……………めぐみん。これは?」

めぐみん「その昔、モンスターに襲われていた旅人をご先祖様が助けたらしいのですが…………。その際、お礼にと旅人がくれた物がこの御神体です。何の神様なのかは知りませんが、何かのご利益があるかもしれないと、こうして大切に祀られているのです。この神社も、その旅人が教えてくれたらしいですし。」

 

 めぐみんはそう言った。

 その旅人は、絶対に日本人だろ。

 すると、アクアが少し不機嫌気味に言う。

 

アクア「ねえ、カズマ、湊翔。美少女フィギュアが、私と同じ神様扱いされてるのを見るのは腹立たしいんですけど。」

カズマ「こんな物を持ち込むやつをここに送ったお前は、むしろ紅魔族に謝っとけ。」

湊翔「本当だよ。」

 

 そう宣うアクアに対して、俺たちはそう言う。

 トウカは、微妙な表情を浮かべていた。

 その後、色んな場所を案内してもらった。

 剣が刺さっている岩だったり、願いの泉という場所だったり。

 色々と癖が強い観光名所が多かった。

 そうしている内に、謎の施設に辿り着いた。

 

湊翔「何だあれ?」

めぐみん「あれは謎施設です。あそこには紅魔族の天敵が封印されているんです。」

カズマ「一体何が封印されてるんだ?」

アクア「ねえ、この里、他には何が封印されているのかしら?」

トウカ「確かに気になるわ。」

めぐみん「前は『邪神が封印された墓』や、『名も無き女神が封印された土地』があったのですが色々あって今は封印が解けているのですよ。」

「「お前んとこの封印、ザルじゃねーか!」」

めぐみん「さあて!次の場所に行きますよ!」

 

 謎施設ね。

 ていうより、なんで封印がザルなんだよ。

 それはどうかと思うが。

 その後、めぐみんが寄りたい所があると言ったので、俺たちも着いていく。

 着いたのは、一軒の服屋だった。

 そこには1人の店主がいた。

 

めぐみん「こんにちは!ちぇけら。」

ちぇけら「おや、めぐみん。帰ってきたのかい。という事は、そこの人達は里の外から来た人かね?」

 

 今度はちぇけらか……………。

 もうなんでもありだな。

 すると、俺たちの事を睨んでくる。

 余所者には偏見がある人なのか?

 すると。

 

ちぇけら「我が名はちぇけら!アークウィザードにして上級魔法を操る者!紅魔族随一の服屋の店主!」

 

 この里の人達は、名乗りをやらないと気が済まないのか?

 そう思っていると、ちぇけらが口を開く。

 

ちぇけら「改めていらっしゃい!いや、外の人間なんて久しぶりだよ!名乗りを上げるなんていつ以来だろうか!おかげでスッキリしたよ。」

湊翔「それにしても……………紅魔族随一の服屋とは凄いですね。」

ちぇけら「あぁ。紅魔の里の服屋はウチ一軒のみだからね。」

カズマ「バカにしてんのか!?」

 

 一軒しかないのかよ。

 それで随一と言われても困るんだが。

 

めぐみん「それで、ローブの予備が欲しいのですよ。一着しかないので。これと同じ物はありますか?」

ちぇけら「あぁ。ちょうど染色が終わったのを乾かしてるけど。」

めぐみん「そこにあるのを全部下さい。」

ちぇけら「全部!?めぐみんも随分ブルジョアになったね。」

めぐみん「えぇ!そろそろこの里に私の名前が轟いてもおかしくないですからね!という事で、カズマか湊翔。お金払って下さい。」

カズマ「お前な。まあ良いけど。」

ちぇけら「毎度あり!」

 

 そう言ってちぇけらはローブを取っていたが、俺は気になるものを見た。

 

湊翔「おい。」

めぐみん「なんです?」

カズマ「ってこれ!」

トウカ「2人とも、これを知ってるのか?」

 

 知ってるも何も。

 これはライフルじゃないか。

 

ちぇけら「おや。これを知ってるんですか?これは家に代々伝わる物干し竿ですよ。錆びないし重宝してるんですよ。」

アクア「……………どう見てもライフルなんですけど。」

 

 ライフルを物干し竿にするなんて。紅魔族はやっぱり変わっているな。

 その後、ローブを引き取って、移動を開始した。

 

めぐみん「さて、紅魔の里を色々案内しましたが特に紹介したいところがあるんです!」

「「「「ん?」」」」

 

 そう言ってめぐみんが連れてきたのは、学校と思われる施設だ。

 めぐみんは制服と思われる服装に着替えていて、そこにはゆんゆんもいた。

 

めぐみん「ようこそ!我が魔法学園『レッドプリズン』へ!」

ゆんゆん「よ、ようこそ……。」

カズマ「ゆんゆんまで?」

めぐみん「昨日、泊まりに行ったらぼっちが寂しそうにしていたので誘っておいたのです。」

ゆんゆん「べ、べ、別に寂しくなんて…………!」

湊翔「へぇ〜。それがめぐみん達の学校の制服なのか。」

めぐみん「由緒ある魔法学園を案内するのですから正装に着替えるべきでしょう!」

 

 他の街では学校は見かけないけど、ここにはあるんだな。

 アクセルでも、学校みたいなのは無いからな。

 すると、笑い声が聞こえてくる。

 

???「フフフッ!」

「「「「「ん!?」」」」」

あるえ「我が名はあるえ!紅魔族随一の発育にして、やがて作家を目指す者!」

ふにふら「我が名はふにふら!紅魔族随一の弟思いにして、ブラコンと呼ばれし者!」

どどんこ「我が名はどどんこ!紅魔族随一の…随一の……何だっけ?」

 

 そう言って、3人の女の子が現れる。

 ていうか、一人名乗る内容を忘れてんじゃん。

 俺は気になる事があり、口を開く。

 

湊翔「ブラコンなんですか?」

ふにふら「ま、まだ、かっこいい通り名を思いついていないだけよ!」

 

 俺がそう聞くと、ふにふらはそう叫ぶ。

 すると、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「あるえ……。それに、どどんことふにくら。」

ふにふら「ふにふらよ!わざとね!?わざと間違ってるんでしょ!?」

 

 めぐみんとゆんゆんの同級生と思われる人物達が出てきた。

 その中のあるえは、あの妄想小説を送ってきた奴だろう。

 ふにふらは、めぐみんが名前を間違えた事に歯軋りしながら睨む中、どどんこが口を開く。

 

どどんこ「久しぶりに戻ってきたって聞いてね。」

アクア「…………誰?」

トウカ「知り合いか?」

めぐみん「魔法学院時代の同級生です。」

 

 なるほどな。

 すると、その3人はこちらに近寄ってくる。

 

あるえ「おかえり。無事に戻れたようで何よりだよ。」

めぐみん「誤解を招くので、あんな手紙はやめてください。」

ゆんゆん「ちょっ!?」

どどんこ「ところで、あなた達がゆんゆんのパーティーメンバー?」

ふにふら「本当に存在したのね。ゆんゆんのパーティーメンバー。」

 

 あるえとめぐみんが話す中、ふにふらとどどんこの二人はそう言う。

 ゆんゆんのパーティーメンバーでは無いんだけどな。

 すると、ゆんゆんが叫ぶ。

 

ゆんゆん「し、紹介します!こちらはただの駆け出し冒険者の男の子とアークプリーストの女の子とウェポンマスターの男の子とソードマスターの女の子!ここには居ないけど、やたら頑丈なお姉さんにバトルマスターの男の子と魔法戦士の女の子も居るの!あと、めぐみんがボッチしてたから、最近、パーティーに誘いました!」

 

 ゆんゆんはそんな事を早口で言う。

 それを見て、めぐみん達はドン引きして、あるえたちも、ゆんゆんが嘘を吐いていると察した様だ。

 

あるえ「素敵なパーティーじゃないか。」

アクア「ゆんゆんはパーティーじゃないけど、いつも助けてくれるのよね!パーティーじゃないけど!」

ゆんゆん「ちょっ!?」

めぐみん「ええ。パーティーじゃありません。」

ゆんゆん「なっ!?」

「「でしょうね……………。」」

 

 おい、やめてやれよ。

 見栄を張りたかったとはいえ、そんなゆんゆんを追い詰めるのはやめてやれよ。

 ゆんゆんが顔を赤くして両手で覆っている中、あるえが口を開く。

 

あるえ「そう言えば、ゆんゆんは里の外でも上手くやってるかい?」

アクア「ゆんゆんなら光る剣みたいな魔法で助けてくれたわ!」

どどんこ「それって、ライト・オブ・セイバー?上級魔法よね。」

ふにふら「あれ?ゆんゆんって中級魔法使いじゃなかった?」

ゆんゆん「もう!その話はいいから!」

湊翔(うん?中級魔法使い?)

 

 アクアがそう言うと、ふにふらとどどんこがそう言った。

 それを聞いて、俺は気になった。

 俺達はレッドプリズンを後にして、めぐみんに気になった事を聞いた。

 

湊翔「めぐみん。さっきの話なんだけど。」

めぐみん「はい?」

湊翔「紅魔族って、上級魔法を使うんだよな。なんでゆんゆんは最初は中級魔法使いなんだ?」

カズマ「確かに気になるな。」

トウカ「なんでなんだ?」

めぐみん「……実は、私は爆裂魔法を覚える為にスキルポイントを貯めていたのです。ですが、ある時、こめっこが凶暴なモンスターに襲われていて、ゆんゆんが咄嗟に中級魔法を取得して、こめっこを助けたのです。本当は上級魔法を取得する為に貯めていたのに……。」

 

 そういう事があったのか。

 それなら、無理もないよな。

 

湊翔「なるほどな。ゆんゆんはめぐみんが爆裂魔法を習得する為に庇ったということか。」

めぐみん「別に……頼んだ訳ではないのですけどね。」

カズマ「そうなのか……。一体なんの音だ!?」

 

 突然、爆発音がした。

 まさか、魔王軍が紅魔の里へと侵入し始めたのか!?

 俺たちは顔を見合わせて、その方向へと向かう。

 一方、魔王軍の方には、ダクネスがゾンビブレイカーを手に、応戦していた。

 

シルビア「何だこの女は!?」

魔王軍「シルビア様、お下がりを!こいつ、地味に強いです!」

ダクネス「私の目が黒いうちは、ここは通さぬ!」

 

 そんなふうに応戦する中、俺たちが到着する。

 

湊翔「ダクネス!待たせたな!」

カズマ「よくやったな!」

ダクネス「か、カズマ?湊翔?もう来てしまったのか……………。期待のオークがメスしかいないと聴いてガッカリしていた所に、魔王の幹部は女と来た!」

湊翔「おい!それ以上残念な事を言うんじゃねぇ!」 

トウカ「ダメだこりゃ……………。」

 

 俺たちが来ると同時に、そんな事をダクネスは口走る。

 俺は突っ込み、トウカは呆れていた。

 それを見ていたシルビアという名の魔王軍幹部は。

 

シルビア「まさか、援軍が来るまでの時間稼ぎなのかしら。随分本気では無かったようだけど。」

 

 そんな風に言う。

 少し、言うとしますか。

 そう思うと、カズマが口を開く。

 

カズマ「やるじゃないか。そこのクルセイダーはバニルと互角に渡り合った奴だぞ!」

シルビア「バニルですって!?アクセルに行ったきり帰ってこないと聞いていたけど、まさかあなた達が?」

湊翔「その通り!俺がバニルにとどめを刺した!」

魔王軍「あの、バニル様を!?」

カズマ「それだけじゃない!ベルディアにハンス果てにはデストロイヤーまで!俺達で倒させてもらったぜ!」

シルビア「何ですって!?まさか、貴方達、報告にあった、仮面ライダーとやらかしら!?」

 

 俺たちがそう言うと、シルビアはそう言う。

 どうやら、魔王軍の中でも、仮面ライダーの存在は伝わっていた様だな。

 恐らく、ロキ辺りが伝えている可能性が高いな。

 すると。

 

???「ほう。まさか、魔王軍の幹部がいるとはな。」

湊翔「ん?」

 

 そんなふうに言って、俺たちとシルビア達の間に、一人の男が降り立つ。

 誰だ?

 すると、その男を見た魔王軍は狼狽える。

 

魔王軍「あの人間は…………ま、まさか!?閃光の砲撃者か!?」

魔王軍「シルビア様!危険です!お下がり下さい!」

シルビア「まさか……………閃光の砲撃者まで出てくるなんてね……………!」

 

 閃光の砲撃者?

 そんな異名を持つ奴がいるのか?

 俺たちがそいつを見てる中、口を開いた。

 

???「それで、俺たちともやろうと言うのか?」

シルビア「……………そうね。閃光の砲撃者も居る以上、こちらが不利ね。……………そこのアンタ!アンタがある意味でリーダー格みたいだけど、名前は何なの?」

湊翔「……………俺か。桐ヶ谷湊翔。仮面ライダーギーツだ。」

 

 そいつがそう言うと、シルビアはそう言って、俺の名前を聞いてくる。

 俺はそう答える。

 

シルビア「桐ヶ谷湊翔ね。また会いましょう!総員撤退!!」

 

 シルビアはそう言って、撤退していった。

 そこを、紅魔族達が追撃していた。

 それを見ていた中、俺はそいつに話しかける。

 

湊翔「……………それで、アンタは誰なんだ?」

武劉「そうだな。俺の名は凱装武劉(がいそうぶりゅう)。仮面ライダーダイルだ。」

 

 その男は、そう名乗った。

 俺たちは、事情を聞く事にした。

 ただし、ゆんゆんの家で。




今回はここまでです。
新たなキャラクターであるサダメルと凱装武劉が登場しました。
サダメルに関しては、ニラムことゼウスの側近的な立場のキャラクターです。
凱装武劉は、仮面ライダーです。
どんな人物なのかは、次回明かそうと思います。
次回は、シルビアが動き出します。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今後の展開でリクエストがあれば、活動報告にて受け付けています。
カズマのタイクーンは、ブジンソードを手に入れる予定ですが、どんな感じで手に入れるのかは、考え中です。
ただ、闇堕ちはさせない予定です。
闇堕ちに関しては、ブラックタイクーンが居るので、そっちにさせようかなと検討中です。
他の仮面ライダーの強化形態なども、受け付けています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第57話 魔術師殺し

 俺とトウカは、現れた凱装武劉という人物に話を聞く為に、ゆんゆんの家に向かった。

 何故、めぐみんの家ではないのか。

 それは、どうせ、ゆいゆいの手によって、眠らされるオチが見えるからだ。

 それに、めぐみんの家は手狭なので、流石に申し訳ないからな。

 俺たちがゆんゆんの家に着き、ゆんゆんに泊まっても良いかと聞くと。

 

ゆんゆん「は、はい!遠慮なく泊まっていって下さい!」

 

 ゆんゆんは、嬉しそうにそう言った。

 ゆんゆんのお父さんも、何故か泣いていた。

 娘の成長が嬉しいとかだろうか。

 俺たちは、宛てがわられた部屋に向かい、話をする事に。

 

湊翔「……………さてと。あんたは誰なんだ?閃光の砲撃者なんて聞いた事が無いんだけど。」

トウカ「まあ、私の場合は噂には聞いた事があるんだけどね。」

武劉「そうだな。改めて。俺は凱装武劉だ。」

 

 俺とトウカがそう言うと、武劉は改めて自己紹介を行う。

 名前的にも、日本人だろうな。

 そう思う中、武劉は口を開く。

 

武劉「ちょっと…………日本という遠い国からやって来たんでな。」

トウカ「なるほど。湊翔達と同じというわけか。」

湊翔「みたいだな。」

 

 だろうな。

 そこから、どういう経緯で来たのかを聞いた。

 どうやら、元々は自衛隊に所属していたボディガードである様で、護衛をしていたところ、護衛対象が狙撃されそうになり、庇って死亡した様だ。

 転生特典は、無尽蔵の魔力らしい。

 ちなみに、トウカも居るので、転生したという事は伏せている。

 武劉が変身するのは仮面ライダーダイルという仮面ライダーで、ワニの仮面ライダーだそうだ。

 持っているのは、バスターレイズバックル、ブーストレイズバックル、フィーバースロット、いくつかの小型レイズバックルだそうだ。

 バスターレイズバックルが強力で、荷電粒子砲が撃てる代物らしい。

 ただし、魔力はかなり消費するので、実質的には、武劉しか使えないそうだ。

 

湊翔「なるほどな……………結構強力だな。」

トウカ「確かにな。」

武劉「まあ、色々とネックだがな。それと、そっちの情報も教えるべきだろう。」

湊翔「確かにね。」

 

 武劉にそう言われたので、俺たちも情報を開示する。

 俺たちのそれぞれが持っているバックルに、ここには居ない白夜と朱翼の事を。

 

武劉「なるほどな。他にも仲間が居るという事か。」

湊翔「まあね。今は、諸事情で居ないけど。」

トウカ「私たちの方は、そんな感じだ。」

武劉「分かった。」

 

 俺たちはそんな風に情報交換を行う。

 しばらくして、俺たちは族長が出してきた夜飯を食べる事に。

 夜飯を食べた後、俺たちは宛がわられた部屋で休む事に。

 ベッドで横になっていると、トウカが入ってくる。

 

トウカ「やあ、湊翔。」

湊翔「トウカか。どうした?」

トウカ「少し、話があるんだが、良いか?」

湊翔「良いぞ。」

 

 そう言ってくるので、俺はそう言う。

 すると、トウカが入ってくる。

 

湊翔「どうしたんだ?」

トウカ「なあ、あのシルビアって魔王軍幹部は、諦めたと思うか?」

湊翔「そうだな……………なんの目的で紅魔の里を攻めてるのかは知らないけど、俺がアイツだとしたら、諦めないかな。」

トウカ「やっぱりか………………。」

 

 そう。

 現状、シルビアが何の目的で来ているのかは、全く分からない。

 警戒するに越した事はない。

 すると、トウカが口を開く。

 

トウカ「あ……………あのさ。」

湊翔「うん?」

トウカ「実は、言いたい事があるんだ。」

湊翔「何だ?」

トウカ「それは………………。」

 

 トウカは、顔を赤くしながらそう言う。

 俺は気になり、トウカの方を見る。

 トウカが何かを言おうとした次の瞬間。

 

紅魔族『魔王軍警報!現在、魔王軍が侵入した可能性があります!』

 

 そんな警報が里中に響き渡る。

 俺はトウカに言う。

 

湊翔「その話も気になるけど、まずは魔王軍だな。やっぱり諦めてないか。」

トウカ「………………そうだな。」

 

 俺とトウカはそう話して、服をパジャマから普通の服に着替えて、外に出る。

 武劉とゆんゆんも出てきた様だった。

 すると、スパイダーフォンに連絡が入る。

 どうやら、連絡してきたのは、めぐみんの様だ。

 

湊翔「めぐみん!?どうした?」

めぐみん『湊翔!カズマがシルビアに攫われてしまいました!』

湊翔「はあっ!?」

 

 いや、どういう事だよ!?

 めぐみん達は、事情を話す。

 どうやら、シルビアがめぐみんの自宅の方から侵入した様で、カズマとめぐみんが相手をする中、シルビアはカズマを攫ったそうだ。

 その際、シルビアが元々男で、女のパーツは後から付け足したと知り、カズマは気絶したそうだ。

 あいつ、男だったのかよ。

 カズマも災難だな。

 すると、デザイアグランプリからお知らせが入る。

 

ツムリ『仮面ライダーの皆さん!お伝えする事が出来ました!』

湊翔「どうした?」

ギロリ『現在、紅魔の里の近辺に、大量のジャマトとジャマトライダーが現れた。君たちには、それらの対処にも当たって欲しい。』

トウカ「わ、分かった!」

武劉「へぇ……………。」

 

 ジャマトも動き出したのかよ!

 面倒な事になったな。

 俺たちは、めぐみん達と合流するべく、移動を開始する。

 一方、カズマは。

 

シルビア「ちょっと。ねえ、ちょっと起きなさいな。」

カズマ「………………うおおおおおお!やめろシルビア!俺に寄るな!ぶっ殺すぞ!!」

シルビア「いや、何もしないわよ!昼間は見逃してもらったし、逃してあげるわよ。」

 

 シルビアが起こすと、カズマはそう叫ぶ。

 どうやら、よっぽどトラウマになったそうだ。

 すると。

 

???「何をしている。」

カズマ「っ!?お前、誰だよ!?」

 

 そこに、謎の人物が現れる。

 その人物を見たシルビアが反応する。

 

シルビア「ん?何だ、ロキじゃない。」

カズマ「えっ!?こいつが!?」

ロキ「こうして、対面するのは初めてかな。タイクーン。我が名はロキだ。」

 

 そう。

 ロキがやって来ていたのだ。

 

シルビア「それで、何しに来たのよ。」

ロキ「君を手助けに来ただけさ。これでその封印を解いてやる。魔術師殺しが目当てなのだろう?」

シルビア「……………そう。ならさっさとやりなさいよ。」

ロキ「ああ。」

 

 ロキとシルビアがそう話すと、ロキはヴィジョンドライバーを取り出す。

 それを装着して、ヴィジョンドライバーの上部に触れる。

 

GLARE2, LOG IN

 

 そんな音声が流れると、ロキは右の腰にあるカードを取り出して言う。

 

ロキ「変身。」

 

 そう言うと、ドライバーにスラッシュする。

 

INSTALL

I HAVE FULL CONTROL OVER, GLARE2

 

 ロキは、仮面ライダーグレア2に変身する。

 そして、再び上部に触れる。

 

HACKING ON CRACK START

 

 すると、ヴィジョンドライバーから光が出て、扉が自動で開いていく。

 

カズマ「マジかよ………………!?」

シルビア「一応、感謝しておくわ、ロキ。」

ロキ「あとは好きにしろ。」

 

 シルビアが奥に入っていく中、カズマはロキに話しかける。

 

カズマ「おい!何だってこんな事をするんだよ!?」

ロキ「なぜ………………か。逆に聞くが、お前は何の為に戦う?」

カズマ「え………………?」

ロキ「名誉の為か?お金の為か?」

カズマ「そ、それは………………。」

 

 カズマはそう聞くが、ロキにそう聞かれ、カズマは言葉に詰まる。

 そんな中、ロキは口を開く。

 

ロキ「私は、私が求める刺激の為に動くだけだ。ゲームは面白くないとつまらないだろう?」

カズマ「え……………!?」

ロキ「ああ、それと。早くここから出た方が良いぞ。崩落に巻き込まれたいのなら、話は別だがな。」

カズマ「マジかよ!?」

 

 そう話す中、建物が揺れていた。

 カズマは、すかさず建物から脱出した。

 そこに、俺たちも合流する。

 

めぐみん「カズマ!無事だったんですね!」

カズマ「あ、ああ……………。」

湊翔「どうした?歯切れが悪いぞ?」

カズマ「いや……………っ!?」

シルビア「アハハハハっ!」

トウカ「おい、あれ!」

 

 すると、何かが出てくる。

 それは、下半身が金属の蛇みたいな状態のシルビアだった。

 

武劉「何だあれ?」

めぐみん「あれは……………魔術師殺しです!」

トウカ「魔術師殺し?」

めぐみん「魔術師殺しというのは、我々紅魔族にとっての天敵なのです!」

湊翔「マジか………………。」

 

 俺たちがそう話す中、シルビアは俺たちを無視して、紅魔の里の方へと向かう。

 そして、火炎放射を放ち、紅魔の里を燃やしていく。

 そんな中、ひろぽんが口を開く。

 

ひろぽん「しかし、魔術師殺しの封印は、我々でも分からなかった物だぞ。どうやってその魔王軍幹部は封印を解いたんだ?」

トウカ「カズマ、何があったんだ?」

カズマ「……………ロキが現れて、ヴィジョンドライバーで封印を解いた。」

めぐみん「えっ!?」

 

 マジかよ……………!?

 ロキが介入したのか!

 それじゃあ、封印を解かれても無理はない。

 それを聞いた族長は。

 

ひろぽん「なんてこった。しかし、魔王軍の思惑通りになるのは癪だが、この里は捨てるしかなさそうだ……………。」

 

 そんな風に呟いた。

 だが、諦めるにはまだ早い気がする。

 こういうのは、大体対抗出来る抑止力を作っておくもんだろうからな。

 

カズマ「なあ、どうにか出来ないのか?こう、抑止力的な奴とかさ!」

あるえ「実は…………魔術師殺しが暴走した時に備えて、抑止力が………………。」

カズマ「あるのかよ!なら、それを取りに…………!」

 

 カズマがそう叫ぶ中、シルビアはある方向に向かって炎を吐く。

 

カズマ「おい!あっちって!」

アクア「めぐみんの家がある方向じゃない!」

めぐみん「こめっこが!」

 

 そう。

 炎の先には、めぐみんの自宅がある場所だったのだ。

 めぐみんが慌てる中、ダクネスが言う。

 

ダクネス「安心しろ。めぐみんの家族は、私が守るさ。」

湊翔「よし。カズマ達は、その抑止力を取りに行ってくれ!俺、トウカ、武劉は、シルビアを抑えるぞ!」

トウカ「ああ!」

武劉「分かった。」

カズマ「よし!一か八かやるぞ!」

ひろぽん「一か八か!外の人なのにわかっているじゃないか!」

あるえ「悪くないな。この展開も。嫌いじゃない。」

 

 俺たちがそう話す中、族長とあるえが反応していた。

 どうやら、紅魔族の琴線に触れたらしい。

 俺、トウカ、武劉、ダクネスはシルビアの方に向かい、カズマ、アクア、めぐみんは、その抑止力を取りに行った。

 アクアは、駄々を捏ねていたが。

 その頃、紅魔の里の近くの森では、ウィズ、バニル、白夜、朱翼が来ていた。

 

ウィズ「着きましたよ、皆さん!私の知り合いの職人さんなら、間違いありません!」

バニル「汝がそんなに自信たっぷりだと、不安になるのだが。」

ウィズ「大丈夫です!腕は確かですから…………ほえ〜〜〜っ!?」

朱翼「見事に燃えてますね。」

白夜「何が起こってんだよ……………!?」

 

 紅魔の里に向かっていたが、燃えている事にウィズはそう叫び、朱翼と白夜は、困惑していた。

 一方、龍とアフロディテは。

 

龍「用事を済ませたから戻ってきたら…………どうなっているんだ?」

アフロディテ「とんでもない事が起こっていそうですね。」

 

 燃える紅魔の里を見ながら、そんな風に呟いていた。

 俺たちは、シルビアの方へと向かい、それぞれのレイズバックルを、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、武劉の隣には、大砲の絵と英語でBUSTERの文字が浮かぶ。

 待機音が流れる中、俺たちは、それぞれの変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「変身!」」」

 

 俺たちはそう叫んで、レイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

CALIBER

BUSTER

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォーム、武劉はダイル・バスターフォームに変身する。

 武劉の変身するダイルは、ワニの顔の様な仮面ライダーであり、両肩にはキャノン砲みたいなのが付いていて、腕の部分には、クローが付いていた。

 恐らく、モンスターフォームやライトニングフォームと同様に、肉弾戦で戦うタイプのフォームだろう。

 俺たちは、シルビアの方へと向かう。

 

湊翔「シルビア!」

シルビア「あら、ギーツじゃない。」

トウカ「あんたはここで止める!」

武劉「覚悟しろ。」

シルビア「やれるものならやってみなさい!」

 

 俺たちは、それぞれで攻撃する。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!」

 

 俺は、マグナムシューターをハンドガンとライフルで使い分けたり、アーマードガンを展開して、シルビアや魔王軍、ジャマトに攻撃する。

 

トウカ「ハアッ!ふっ!でやっ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーを持って、シルビアや魔王軍、ジャマトに攻撃していく。

 

武劉「はっ!ふっ!はあっ!」

 

 武劉は、両腕のクローや両肩の大砲から、攻撃していく。

 そんな中、紅魔族達も魔法で攻撃していた。

 だが、シルビアに阻まれ、効果が無いように見えた。

 ただ、幸いなのは、魔術師殺しを取り込んで間もないからか、動きがそこまで機敏では無いことだ。

 まだ慣れていないのだろう。

 

シルビア「アハハハハ!紅魔族は、自らが守ってきた力で滅亡するのだ!エンシェント・ディスペル!」

 

 シルビアはそう叫ぶと、魔術師殺しが光りだし、結界を生み出し、それに飲み込まれる。

 だが、特に変化は見られない。

 俺たちには(・・・・・)だが。

 

どどんこ「地獄の猛火よ!荒れ狂え!インフェルノ!」

 

 どどんこが魔法を発動しようとするが、発動しない。

 どうやら、あの結界内に居た者の魔法を封じるらしい。

 

魔王軍「魔法が使えない紅魔族なんて、ただの肉塊だ!」

魔王軍「勝てる!」

ジャマト「ジャ〜っ!!」

 

 それを見て、魔王軍とジャマトは、魔法が使えない紅魔族に攻撃を集中する。

 俺たちは、紅魔族達と魔王軍・ジャマト連合軍の間に立ち、応戦する。

 

湊翔「これが魔術師殺しの力か!確かに、紅魔族にとって、天敵と言える力だな!」

トウカ「だな!私たちは魔法を使わないから、影響はないけど!武劉は大丈夫なのか!?」

武劉「問題ない。確かに、魔法は使えないが、荷電粒子に変換するからな!」

 

 俺たちは、魔王軍とジャマトを倒していく。

 戦いが始まる前に聞いたのだが、武劉のバスターフォームは、武劉の魔力を荷電粒子に変換して、クローに纏わせたりするそうだ。

 とはいえ、多勢に無勢なのは事実であり、紅魔族を滅亡させる事が出来ると分かって、魔王軍も血気盛んになっていた。

 それに、ジャマトライダーも混じっている為、苦戦を強いられていた。

 すると、シルビアがやってくる。

 

シルビア「あんた達、少しはやるじゃ無い。でも、たった三人でこんな大勢に勝てると思ったら、大間違いよ。やっておしまい!」

魔王軍「うおおおっ!!」

 

 シルビアがそう言うと、魔王軍達は俺たちと後ろの紅魔族の方へと向かっていく。

 俺たちが身構える中。

 

???「ライト・オブ・セイバー!!」

 

 その声と共に、俺たちの近くにある崖が魔法で崩され、その崩落に魔王軍が巻き込まれた。

 ジャマトは、一部が巻き込まれたが、まだ健在だった。

 シルビアが上を向くと、そこにはゆんゆんが居た。

 

ゆんゆん「そこまでよ!魔王軍幹部、シルビア!私の大切な親友に、これ以上は手出しはさせない!」

湊翔「ゆんゆん!?魔法が使えなくなったんじゃ無いのか!?」

トウカ「多分、あれの範囲外に居たからだろうな。」

武劉「恐らくな。」

 

 そういう事か。

 どうやら、エンシェント・ディスペルの範囲外なら、影響は無いみたいだな。

 すると。

 

ゆんゆん「我が名はゆんゆん!アークウィザードにして上級魔法を操る者!やがてこの里の長となる者!」

 

 ゆんゆんはそんな風に名乗りをあげる。

 俺たちは、それを見ていると、スパイダーフォンに連絡が入る。

 

湊翔「カズマか?どうした?」

カズマ『湊翔か!?対抗手段を見つけたから、すぐにこっちに戻ってくれ!ゆんゆんがシルビアを引きつけてる内に!』

湊翔「分かった!」

 

 どうやら、見つけてくれたようだな。

 俺たちは、カズマ達の方に向かう。

 到着すると、そこには、ちぇけらの店に置かれていたライフルが置いてあった。

 

湊翔「それって、ちぇけらの店に置いてあったライフルじゃないか!」

カズマ「これや魔術師殺しを作ったのは、デストロイヤーの開発者なんだよ!」

湊翔「は!?」

 

 どういう事!?

 俺が驚く中、カズマは説明した。

 どうやら、紅魔族も魔術師殺しもこのライフルも全部、デストロイヤーを作った博士が作った物らしい。

 厳密にはライフルではなく、レールガンらしいが。

 レールガンを撃った際、あまりの威力に驚き、こう書き残していたらしい。

 

博士『良い名前が思いつかないから、便宜上、レールガン(仮)としておこう。』

 

 何がレールガン(仮)だよ!?

 それを聞いた俺は叫んだ。

 

湊翔「何でこの博士は、色々と厄介事の種を残していくんだよ!」

カズマ「それは俺も思った。」

 

 あいつ、ちっとも懲りてねぇ!

 まだ負の遺産があるんじゃないか?

 そう思う中、アクアはレールガンに破魔魔法を充填していた。

 

ちぇけら「へぇー。家の物干し竿が。」

湊翔「それで、充填は完了したのか?」

カズマ「あぁ!行くぜ!狙撃!」

 

 ちぇけらがそう言う中、俺がそう聞くと、カズマはトリガーを引く。

 だが、何も起こらない。

 

カズマ「何でだ!?」

ダクネス「どれ、これは叩いてみて。」

湊翔「あまり叩きすぎるな!壊れたらどうするんだよ!」

トウカ「ダクネスは力任せにするのをやめろよ!」

 

 そんな風に俺達が慌てていると。

 

めぐみん「真打登場!」

 

 と、めぐみんが爆裂魔法を撃とうとしていた。

 

ゆんゆん「すいませーん!今の無しで!」

シルビア「出来るか!」

ゆいゆい「やめなさい!そんなネタ魔法を使うなんて、年頃の娘がはしたないわよ!」

めぐみん「行きますよ!穿て!エクスプロージョン!」

 

 ゆんゆんがこっちに向かってきて、ゆいゆいがそう言う中、めぐみんは爆裂魔法を放った。

 その爆裂魔法はシルビア……ではなく、レールガンへと吸い込まれていった。

 

カズマ「どわっ!?」

めぐみん「え?」

 

 俺たちが唖然となる中、レールガンに完全に吸い込まれ、爆裂魔法は消えてしまった。

 シルビアも、何かをしようと勘付いたのか、俺たちの方に向かってくる。

 

カズマ「あぁー!もう!これのせいで!」

アクア「私はこめっこという小さな命を守らないといけないから!」

こめっこ「なんかチカチカしてるよ。」

「「「「「「「え?」」」」」」」

 

 カズマがそう叫んで、アクアが逃げようとする中、こめっこはそう言う。

 俺が覗くと、そこには、FULLの文字が点滅していた。

 それを見て、俺は確信して、カズマはレールガンを構える。

 

湊翔「そうか!壊れていたんじゃ無い!ただ単に魔力不足で動かなかったのか!」

武劉「なるほどな。」

カズマ「シルビア!俺の名を覚えとけ!あの世に行ったら、他の幹部達によろしくな!俺の名は!サ……!」

こめっこ「どーん!」

 

 俺と武劉が納得する中、カズマはそう叫んで、トリガーを引こうとする。

 だが、ひと足先にこめっこがトリガーを引く。

 すると、圧縮された魔力の塊がシルビアへと向かっていき、あっさり貫いた。

 

シルビア「…………あ、あれ?アタ、アタシ、これで終わり……………?」

 

 シルビアはそう言うと倒れて爆発する。

 誰もが呆然とする中、こめっこはポーズを取りながら叫ぶ。

 

こめっこ「我が名はこめっこ!紅魔族随一の魔性の妹!魔王の幹部より強き者!」

「「「「「「「…………………。」」」」」」」

 

 こめっこがそう言う中、俺たちは呆然としていた。

 ちゃっかりしてんな。

 一方、デザイア神殿では。

 

ツムリ「………………割と呆気ない最後ですね……………。」

ギロリ「………………ああ。」

ゼウス「……………ん?何か、シルビアの魂に不穏な動きが?……………よし。拓巳、出番だ。それに、サダメル。湊翔君にあれを転送してくれ。」

拓巳「ああ。」

サダメル「分かりました。」

 

 ツムリとギロリが呆然とする中、ゼウスが何かを勘づき、拓巳とサダメルに指示を出す。

 拓巳はどこかへと転送され、サダメルは、タブレットを取り出して、JETと表記されたレイズバックルの絵を上にスライドする。




今回はここまでです。
今回は、シルビアが一回倒れる所まで行きました。
レールガンによって、シルビアを撃破する事に成功しました。
紅魔の里に、他の仮面ライダー達が集まってくる。
そして、ゼウス側も動き出す。
次回、新フォームが登場します。
新フォームといっても、コマンドフォームですが。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
やっと、コマンドフォームを出せます。
今日のギーツは、景和がケケラを倒して、ジリオンドライバーで変身する仮面ライダー、リガドとリガドΩが登場しましたね。
リガドとリガドΩに関しては、変身者は考えています。
あと、カズマのブジンソードに関して、意見がある人は、下記からお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=301157&uid=373253
ブラックタイクーンが居るので、闇堕ちはそっちにさせる事を考えています。
この小説で、ギーツワンネスはどのように出すのかは、考え中です。
ギーツワンネスになる為には、ガッチャードが必要不可欠なので。
ちなみに、ガッチャードの小説をやろうかなと考えています。
賢者の孫とガッチャードという感じです。
そこら辺は考えていきます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第58話 シルビアとの決戦

 俺たちは、シルビアを撃破した。

 厳密に言えば、こめっこが撃破したような物なのだが。

 そのシルビアはというと。

 

シルビア「私……………一体……………?」

 

 どこかの川の近くを歩いていた。

 すると。

 

???「ハーハッハッハッ!」

シルビア「ん?」

???「おーい!おーい!アハハハハ!おーい!」

 

 笑い声と共に、シルビアを呼ぶ声がする。

 シルビアがその方向を向くと、そこには、ベルディアとハンスの二人がいた。

 

ベルディア「来いよ!こっち来いよ!」

ハンス「綺麗になっちまったよ……。」

シルビア「ベルディアにハンス!?やだ!?まさかここって……………!」

 

 ベルディアとハンスの二人がいるのに気づいて、シルビアは下を向く。

 そこは、三途の川の辺りだったのだ。

 すると、シルビアは既に川の中に入っていて、何かに引き摺り込まれそうになる。

 ベルディアにハンスが引き摺り込もうとしていた。

 

ベルディア「ほら、こっち来て幹部同士で楽しくやろうぜ。」

ハンス「石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤石鹸洗剤……………。」

シルビア「いや…………!嫌よ!私はまだそっちに行きたくない!」

ベルディア「こっち……………来いよ。」

 

 ベルディアとハンスが引き摺り込もうとする中、シルビアは抵抗するが、抵抗も虚しく、川の底に沈んでいく。

 一方、俺たちの方は、シルビアの遺体があるかどうかを確認しに来た。

 すると、レールガンの残骸を持ったアクアが口を開く。

 

アクア「悲惨な戦いだったわ。私は二度と人を傷つけないと誓うわ……………。」

カズマ「おいそこ!そういうフラグっぽい事を言うのはやめろよ!」

湊翔「だな。……………ん?」

 

 アクアがそんなフラグっぽい事を言って、カズマはそう突っ込む。

 すると、早速フラグ回収をしたのか、シルビアが居たところで異変が生じる。

 

シルビア「人…………生…………っ!!」

ベルディア「来いよ!こっち来いよ!!」

ハンス「綺麗に、なっちまったぁぜぇ!」

シルビア「人生………………っ!!」

 

 そう。

 紫色の粘性の強い何かが出たと思ったら、人の手の形になり、見覚えのある形になっていく。

 

カズマ「なっ……………!?」

めぐみん「なんですか、あれ!?」

トウカ「あれってまさか……………!?」

アクア「この間、倒したスライムじゃない!!」

ダクネス「そしてあっちは……………デュラハンか!?」

湊翔「これまで倒した魔王軍の幹部が、まとめて復活したのかよ!?」

武劉「マジか………………。」

 

 そう。

 シルビアだけでなく、ベルディアにハンスといったこれまでに倒してきた魔王軍の幹部の姿もあったのだ。

 

シルビア「ここで……………終わらせてなるものか……………!ここから、私の人生を始める……………!その先に行く…………!!」

 

 シルビアはそう叫ぶ中、スライムに飲まれていった。

 俺たちはやばいと思い、全速力で離れていく。

 

カズマ「やばい!やばい!やばい!やばい!!」

アクア「待ってよ!カズマさん!!」

めぐみん「もっと早く走るのです!」

ゆんゆん「急かさないでよ!」

湊翔「一体、何が起こってんだよ!?」

トウカ「完全に想定外だろ……………。死んだはずの魔王軍幹部二人を引き連れて復活するとか……………!」

 

 俺たちがそう叫びながら走る中、スライムの姿が変わっていく。

 紫色だったスライムは、水色へと変わっていき、甲冑の様なアーマーを装着していた。

 すると、真ん中ら辺から、シルビアが出てくる。

 

シルビア「ふふっ!ははははっ!」

カズマ「なんじゃありゃあああ!?」

湊翔「そんなのありかよ……………!?」

シルビア「危うく魂を持っていかれる所だったわ!アンタ達は絶対潰す!!」

 

 シルビアはそう叫んで、毒の津波を放ってくる。

 俺たちは必死に逃げるが、津波の方が早く、飲み込まれそうになる。

 

???「カースド・クリスタルプリズン!」

 

 だが、そんな叫び声が聞こえてくる。

 すると、氷の魔法が毒の津波に当たり、凍っていく。

 この魔法を使うやつは俺の知り合いには1人しかいない。

 

ウィズ「カズマさん!湊翔さん!皆さん!」

朱翼「大丈夫ですか!?」

白夜「おい、お前ら!どういう状況なのかを説明しろ!!」

 

 そう言って、ウィズだけでなく、朱翼と白夜までやって来た。

 

カズマ「ウィズ!?」

トウカ「朱翼!?」

湊翔「白夜まで!?どうしてここに!?」

龍「白夜達だけじゃないぞ。」

アフロディテ「私達もいます。」

 

 そう。

 ウィズ、朱翼、白夜だけでなく、龍、アフロディテも来ていたのだ。

 それと、バニルも。

 

バニル「姑息な生活の知恵に長けた小僧に、機転の効く小僧よ。汝らのアイデアグッズを商品化する為に、この里に来て、職人に会いに来たのだが……………。ほう。ロキが現れて、ヴィジョンドライバーとやらで魔導兵器の封印が解かれて、現在に至ると。」

カズマ「何で!?」

バニル「見通す悪魔に造作もない。しかし、これでは商談は無理だな。」

 

 なるほど、魔導具職人に会いに来たのか。

 確かに、作れなければビジネスもクソもない。

 すると、凍った波の一部が崩れてくる。

 どうやら、剣で穴を開けたようで、そこからシルビアが覗いてくる。

 

シルビア「ウィズ!それにバニル!?」

ウィズ「お久しぶりです!シルビアさん!どうか一つ、ここは穏便に……。」

シルビア「出来るか!」

バニル「ふぅむ。魔王軍に我輩が生存しているのが知られるのは、ちと面倒だな…………。」

「「「裏切り者どもが!!」」」

 

 俺たちが退避する中、シルビアは波を崩して、ウィズ達に襲いかかる。

 すると。

 

JET

MONSTER

FLEET

LIGHTNING

FLUTE

REDAY FIGHT

 

 そんな音が聞こえてきた。

 どうやら、変身した様で、ウィズ、バニル、白夜、朱翼はシルビアと応戦し始めて、龍は別の方向から現れたジャマトを相手していく。

 すると、アクアが叫ぶ。

 

アクア「ねえ!よく分かんないけど、これ、お金が手に入らないって事よね!?嫌よ!馬小屋暮らしに戻るのは!私、贅沢を覚えちゃったから、馬小屋で内職なんて絶対無理だからね!!」

湊翔「そんな事を言ってる場合か!」

 

 アクアがそう叫ぶので、俺はそう叫び返す。

 一方、バニル達の方は。

 

バニル「ふん!」

白夜「オラオラオラオラ!!」

 

 バニルは指を鳴らし、即席で大量のバニル人形を生成して爆発させ、白夜は高速移動をしながらパンチを叩き込む。

 だが、大して効いておらず、2人に向かってシルビアは攻撃してきて、2人は回避する。

 

ウィズ「シルビアさん!そんな姿になってまで、何やってんですか!もう!」

シルビア「ウィズ!アンタみたいに好き勝手やってる奴に、現場の苦労なんて分からないでしょうね!天然で何事もなかった様に乗り切る女、気に入らないのよ!!」

ウィズ「えぇぇぇぇぇ!?」

朱翼「ウィズさん!今は攻撃しないと!」

 

 ウィズがシルビアにそう言うが、シルビアにそう返される。

 そんな中、めぐみんが俺とカズマに聞いてくる。

 

めぐみん「カズマ!湊翔!何か方法は無いのですか!?あと、さっきのエクスプロージョンを返して下さい。」

カズマ「お前こんな時に何言ってんだ!?ウィズやバニル、白夜に朱翼が戦っても中々隙が出来ないんだぞ!」

湊翔「面倒だな……………!」

 

 そう。

 あの4人は、なかなかの実力者なのだが、攻撃が効いていない。

 

シルビア「アハハハハ!アハハハハ!!」

ウィズ「魔法が…………!」

朱翼「音波攻撃も効きません!」

バニル「ふむ。物理攻撃も大して効かぬようだ。」

白夜「そりゃあ、スライムの特性が入ったらな!面倒だな……………!」

 

 あの4人も、攻めあぐねていた。

 そんな中、俺たちの進行方向に、ジャマトとジャマトライダーの一団が現れる。

 

湊翔「ジャマトライダーか!」

カズマ「俺たちも変身するぞ!」

めぐみん「は、はい!」

ゆんゆん「分かりました!」

ダクネス「ああ!」

 

 俺、トウカ、武劉が応戦する中、カズマ達も変身する。

 

SET

 

 すると、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、ゆんゆんの横には、透明なステルス機と英語でSTEALTHの文字が浮かぶ。

 全員が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「変身!」」」」

 

 カズマ達は、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

NINJA

BEAT

ZOMBIE

STEALTH

REDAY FIGHT

 

 カズマはタイクーン・ニンジャフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、ゆんゆんはギンペン・ステルスフォームに変身する。

 俺たちは、ジャマトとジャマトライダーの一団と応戦していく。

 だが、ジャマトライダーも強くなっていて、苦戦気味になる。

 

湊翔「やっぱり、ジャマトライダーも強くなってるよな!」

トウカ「そうだな。」

カズマ「ハアッ!ふっ!」

武劉「はっ!ふっ!」

めぐみん「でやっ!」

ダクネス「はあっ!」

ゆんゆん「えぇぇい!」

 

 俺たちがジャマトとジャマトライダーと応戦する中、何かが俺に向かって飛んでくる。

 ジャマトライダーの一体を跳ね除け、俺の手に収まる。

 

COMMAND TWIN BUCKLE

 

 俺の手に収まると、そんな音声が流れる。

 そのレイズバックルは、飛行機や戦闘機などの計器や操縦席を思わせるようなデザインだった。

 

湊翔「なんだ、これ……………。」

???「どうやら、贈り物は届いたようだな。」

トウカ「誰だ!?」

 

 俺がそう呟くと、そんな声が聞こえてきて、俺たちはその声がした方を向く。

 そこには、右側が白で左側が黒の衣装と手袋を付けて、仮面を被った男が居た。

 

めぐみん「何ですかあれは!?紅魔族の琴線に触れまくりですよ!」

ダクネス「貴様、ロキか!?」

トウカ「でも、気配が違うぞ。」

武劉「あんた……………何者だ?」

???「私は、デザイアグランプリのサブゲームマスターだ。」

カズマ「サブゲームマスター!?」

アクア「デザイアグランプリの関係者って事!?」

湊翔「…………………。」

???「桐ヶ谷湊翔。それを使いたまえ。ジャマトライダーは、私が抑えよう。」

 

 そのサブゲームマスターはそう言いながら、ヴィジョンドライバーを取り出した。

 

VISION DRIVER

 

 サブゲームマスターは、ヴィジョンドライバーを腰に装着する。

 

カズマ「あれって!?」

めぐみん「ヴィジョンドライバーです!」

ダクネス「本当に……………!?」

 

 俺たちが驚く中、サブゲームマスターは、右手の手袋を外して、親指をヴィジョンドライバーの上部に翳す。

 

GLARE, LOG IN

 

 そんな音声が流れて、サブゲームマスターは右の腰にあるカードを取り出して言う。

 

???「変身。」

 

 そう言って、ヴィジョンドライバーにスラッシュする。

 

INSTALL

DOMINATE A SYSTEM, GLARE

 

 その音声と共に、サブゲームマスターを五つの紫色の円が通り、丸い装甲が現れて、そいつを照射すると、装甲が形成され、浮いてたそれが装着される。

 サブゲームマスターは、仮面ライダーグレアに変身する。

 ロキが変身するグレア2と似ているが、グレア2は装甲や仮面に赤いノイズやバグを起こした画面の様な意匠があったのに対して、グレアにはそういうのが無い。

 

???「行け。」

湊翔「あ、ああ。それじゃあ、早速使わせて貰おうかな!」

 

 俺は、先程手に入れたコマンドツインバックルを、デザイアドライバーの左側に装填する。

 ちなみに、マグナムレイズバックルは抜いてある。

 

SET

 

 すると、待機音が流れてきて、俺はレイズバックルのボタンを押す。

 

GREAT

REDAY FIGHT

 

 すると、マグナムのアーマーが取れて、エントリーレイズフォームになったと思ったら、目の前に矢印とRAISINGの文字が浮かんで回転すると、俺に当たって、バイザー状になって、装着される。

 

カズマ「えっ!?顔だけ!?」

めぐみん「何ですか!?あれは!?」

ダクネス「何っ……………!?」

トウカ「マジか………………。」

武劉「ほう……………。」

アクア「なんか、弱くなってない?」

ゆんゆん「あれは一体……………?」

 

 周囲の人たちがそう反応する中、剣が飛んでくる。

 

RAISING SWORD

 

 その剣は、レイジングソードというらしく、刀身がオレンジと青になっていた。

 そして、束の部分に、レイズバックルが装填されていた。

 

湊翔「これは……………。」

 

 俺は、そのレイズバックルを抜こうとするが、取れない。

 恐らく、何かの条件で、これが外れるのだろう。

 

湊翔「抜けない……………こんな武器は初めてだな。なら、試し切りと行くか!」

 

 俺はそう言う。

 すると、ジャマトが向かってくるので、レイジングソードを使って、ジャマトを倒していく。

 レイジングソードを使った攻撃で、普通のジャマトはあっさりと倒れていく。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!でやっ!」

 

 俺は、アクロバティックな動きでレイジングソードを振るい、ジャマトを倒していく。

 白夜に教わった格闘戦も交えて攻撃していく。

 一方、グレアの方は。

 

???「ふっ!はっ!」

 

 格闘戦で、ジャマトやジャマトライダーと戦い、圧倒していた。

 ジャマトの攻撃も逸らして、必要最低限の動きで圧倒していた。

 

???「……………さて。あんまり長居するのもあれだからな。さっさと終わらせよう。」

 

 サブゲームマスターはそう言って、ヴィジョンドライバーの上部に再び親指を翳す。

 

HACKING ON CRACK START

 

 その音声と共に、グレアの装甲が胸と肩にある物が外れて、三体のジャマトライダーに向かい、ジャマトライダーに被さる。

 すると、ジャマトライダーは動きを止める。

 

トウカ「何だあれ!?」

武劉「まさか、ジャマトライダーをハッキングしたのか?」

 

 2人はそう言う。

 どうやら、ヴィジョンドライバーを使う仮面ライダーは、デザイアドライバーを使う仮面ライダーを操れるらしい。

 すると、ブーストレイズバックルを取り出して、ドライバーの横のスロットに装填する。

 

SET UPGRADE

REMOTE CONTROL BOOST

 

 そんな音声が流れる。

 すると、ジャマトライダーにブーストフォームのアーマーが装着される。

 

カズマ「えっ!?ジャマトライダーがブーストを!?」

めぐみん「まさか、あの人がレイズバックルを使えば、装着されるということですか!?」

ダクネス「なんだと!?」

 

 それを見たカズマ達がそう言う。

 どうやら、そんな事が出来るようだ。

 その人は、ジャマトライダーを操って、ジャマト達を蹴散らしていく。

 

???「さて。ここからは、もうお前らでも出来るだろ。」

武劉「お、おう。」

湊翔「ありがとうございました!」

 

 サブゲームマスターは、乗っ取ったジャマトライダーを連れて、そのまま去っていく。

 すると、チャージ音がレイジングソードから鳴る。

 俺は、レイジングソードに付いてるバックルのレバーを倒す。

 

FULL CHARGE

 

 その音声が流れると、さっきと違い、バックルがあっさりと外れる。

 

湊翔「お。抜けた。って事は……………!」

 

 俺はそう言って、外れたバックルを、デザイアドライバーに装填する。

 

TWIN SET

 

 すると、俺の目の前に、キャノンの絵と英語でCANNONの文字が上側に、飛行機の翼の絵と英語でJETの文字が下側に出る。

 俺は、先ほど装填したレイズバックルを操作する。

 

TAKE OFF COMPLETE JET & CANNON

REDAY FIGHT

 

 その音声と共に、絵が変化したアーマーが両方装着される。

 これが、ギーツ・コマンドフォーム・キャノンモードだ。

 

湊翔「スッゲェな……………!」

めぐみん「か、かっこいいです!何ですか!それは!?紅魔族の琴線に激しく触れますよ!」

カズマ「すげぇ……………!これなら行けるかもしれない!皆、作戦を思いついたから、手伝ってくれ!」

武劉「作戦だと?」

ダクネス「何だ?」

 

 めぐみんが目を輝かせる中、カズマはそう言う。

 俺たちは、作戦の概要を聞いた。

 確かに、それなら行けるかもしれない。

 すると、先ほどまで目を輝かせていためぐみんが不安げに言う。

 

めぐみん「ほ、本気なんですか…………?」

カズマ「本気だよ。これなら、あいつを倒せるかもしれないだろ。」

めぐみん「そ、それは………………。」

湊翔「分かった。それで行こう。ゆんゆんは、めぐみんを連れて行ってくれ。」

ゆんゆん「は、はい!」

武劉「そうだな。やる価値はある。」

湊翔「いくぞ。」

 

 俺たちはそう言って、動き出す。

 その際、カズマ達はフィーバーフォームに変身し、武劉はバスターブーストフォームになっていた。

 どうやら、ブーストレイズバックルも持っていた様だ。

 一方、龍とアフロディテは。

 

アフロディテ「彼ら、何かするみたいですね。」

龍「その様だな。俺も、さっき手に入れたこのバックルを使うか。」

 

 アフロディテと龍はそう話すと、龍は二つのバックルを取り出す。

 片方は、メカメカしい小さなシルクハットの形をした大型レイズバックルで、もう片方は、火と不死鳥がモチーフになっているジェット機の形をしている大型のレイズバックルだった。

 龍は、それを装填する。

 

SET

 

 すると、待機音が流れてきて、片側にシルクハットの絵とFOOLの文字が、もう片方に不死鳥の絵とPHYANIXの文字が浮かぶ。

 龍は、二つのレイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

GET READY FOR FOOL & PHYANIX

REDAY FIGHT

 

 龍はムメイ・フールニクスフォームに変身する。

 龍は、ジャマトを倒していく。

 一方、ウィズは魔法を放ったが、シルビアにあっさり無効化された。

 逆に追い詰められていた。

 

ウィズ「はっ…………!」

シルビア「裏切り者には死を。」

 

 シルビアはそう言って、ウィズを握り潰そうとするが。

 

TACTICAL BREAK

 

ダクネス「ハァァァァァ!」

シルビア「ぬっ!?」

 

 フィーバーゾンビフォームになったダクネスが、必殺技を発動しながら、シルビアにダメージを与える。

 俺たちは、ウィズの方に駆け寄る。

 

湊翔「ウィズ!」

ウィズ「皆さん!」

カズマ「ここからは、俺たちに任せてくれ!ウィズは、他の紅魔族の方に向かってくれ!作戦は考えてある!」

ウィズ「えっ!?」

 

 他の皆がシルビアを抑える中、俺たちは手短にウィズに作戦を伝えた。

 ウィズはそれを聞いて、頷きながら、紅魔族の方へと向かって行った。

 

湊翔「さて。カズマ、いけるか?」

カズマ「ああ。………………ったく!しょうがねぇなぁぁぁぁぁ!!」

 

 俺たちは、シルビアの方へと向かっていく。

 一方、離れた所から見ていた紅魔族は。

 

紅魔族「何だ?あいつら、何をするつもりなんだ?」

紅魔族「おい!あれ!」

 

 紅魔族がそう言う中、1人の紅魔族が、めぐみんとゆんゆんに気づく。

 とはいえ、めぐみんはナーゴ・フィーバービートフォーム、ゆんゆんはギンペン・フィーバーステルスフォームになっていたが。

 

どどんこ「めぐみん!?ゆんゆん!?あの2人、テレポートを使えないのに!?」

そけっと「まさか!?」

あるえ「死ぬつもりでは……………!?」

 

 どどんこがそう言う中、そけっとという紅魔族とあるえはそう言う。

 すると、2人の親が反応する。

 

ひろぽん「なん…………だと……………!?」

ゆいゆい「あぁ……………。」

ひょいざぶろー「我が娘……………死ぬな!めぐみん!!」

 

 ひろぽんが驚愕して、ゆいゆいがショックの余りに倒れて、ひょいざぶろーがそう叫ぶ。

 そこに、ウィズがやってくる。

 

ウィズ「皆さーん!あの!お願いがあるんですが……………!」

 

 ウィズはそう言う。

 一方、俺たちは、シルビアと戦っていた。

 

トウカ「ハアッ!でやっ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーを二刀流にして、攻撃していく。

 

白夜「おらっ!ハアッ!」

 

 白夜は、フィーバーフォームになった事で、更に加速して、攻撃を叩き込んでいく。

 

朱翼「ハアッ!ふっ!」

 

 朱翼は、フルートソードを二刀流にして、音波攻撃を付与しつつ攻撃していく。

 

カズマ「ハアッ!でやっ!」

 

 カズマは、フィーバーニンジャフォームでの素早さを活かして、高速移動をして、ニンジャデュアラーで攻撃していく。

 

ダクネス「ハアッ!ふっ!」

 

 ダクネスは、ゾンビブレイカーの二刀流で、シルビアに攻撃していく。

 

バニル「ハアッ!ほっ!」

 

 バニルは、モンスターグローブでの攻撃をしていく。

 皆の攻撃で怯んではいるが、効いてない。

 

シルビア「忘れたのかしら?今の私には、攻撃は効かないわよ!」

湊翔「分かってるよ。そんな事。」

武劉「だから、俺たちが居るんだろうが!」

 

 俺と武劉はそう言って、攻撃していく。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!でやっ!」

 

 俺は、レイジングソードで攻撃して、両肩についてるトロンキャノンから砲撃を行う。

 

武劉「ハアッ!フッ!」

 

 武劉は、両肩から砲撃をしたり、爪での攻撃を行なったりする。

 すると、シルビアはダメージを受けている様に見えてきた。

 

シルビア「なっ…………!?攻撃が、効いている……………!?」

湊翔「やっぱりな。」

武劉「どうやら、流石に荷電粒子までは無効化出来ないみたいだな。」

カズマ「荷電粒子!?」

 

 そう。

 俺と武劉の攻撃が効いていたのは、荷電粒子を含む攻撃をしていたからだ。

 コマンドフォームのキャノンモードに付いてるトロンキャノンは、荷電粒子砲の一種であり、バスターフォームは、荷電粒子砲を使う事ができる。

 いくらスライムであるハンスを取り込んだとはいえ、この世界に存在しない荷電粒子砲には耐えられないと踏んだのだ。

 俺と武劉は、必殺技の体制に入る。

 

LOCK ON

BOOST TIME

 

 すると、俺の画面には、シルビアをロックオンした事が知らされる。

 俺と武劉は荷電粒子を収束させていく。

 武劉の場合は、両腕を合体させて、一つの大砲にした。

 腰についている翼がアンカーの要領で地面に突き刺さる。

 そして、レイズバックルを操作する。

 

COMMAND TWIN VICTORY

BUSTER BOOST GRAND VICTORY

 

「「ハァァァァァ!!」」

シルビア「なっ………………!?」

 

 俺の両肩のトロンキャノンと、武劉の両肩と両腕の合体した大砲から、荷電粒子砲が放たれ、合計5本の荷電粒子砲が集まって、シルビアの方に向かい、飲み込んでいく。

 爆炎が起こり、武劉からブーストレイズバックルが飛んでいく。

 煙が晴れると、満身創痍の状態ではあるが、シルビアは健在だった。

 

カズマ「あれでも仕留めきれないのかよ……………!」

ダクネス「そんな……………!?」

トウカ「しぶといな………………!」

白夜「マジかよ……………。」

朱翼「…………………。」

バニル「面倒な事になったな。」

湊翔「お前、あれを喰らってまだ無事だとはな。」

武劉「正直驚いたぜ。」

シルビア「当たり前よ……………!私は、こんな所でやられる訳にはいかない……………!」

 

 俺たちが驚く中、シルビアは独白を続ける。

 

シルビア「死の淵に立って、漸く気付いた!私が求めているのは、狂おしいほどの愛!私がどれだけ頑張ろうと、私を見てくれるのはゴブリン達だけ!だから……………そんな愛を手に入れる為には、こんな所で………………死んでたまるか………………!」

湊翔「………………そっか。アンタもアンタなりに必死に頑張ったんだな。」

武劉「だが、それも終わる。」

シルビア「なに……………!?」

 

 シルビアはそう叫ぶ。

 シルビアの貪欲な程の愛が、あの荷電粒子砲を耐えさせたのだろう。

 だが、それも後少しで終わる。

 すると、ある一点に向かって、魔力の塊が向かっていく。

 その場所とは、めぐみんとゆんゆんが居た場所だ。

 遡る事少し前。

 

めぐみん「無茶ですよ!こんな分の悪い賭け!いくらカズマ達とは言えやられてしまったら……………!」

 

 めぐみんはそう叫んでいた。

 そんな中、ゆんゆんは諭す様に言った。

 

ゆんゆん「大丈夫よ。カズマさん達なら大丈夫だと思うよ。それにカズマさんはめぐみんの爆裂魔法を信じてる。そうじゃなかったらこんな作戦を立てないわよ。」

めぐみん「…………。」

ゆんゆん「めぐみんはもう、爆裂魔法を信じてないの?」

 

 ゆんゆんの言葉に、めぐみんは口を結ぶ。

 一方、ウィズの方は。

 

ウィズ「す、凄い魔力の量です…………!めぐみんさん!ゆんゆんさん!受け取ってください!」

 

 ウィズはそう叫んで、集めた紅魔族達の魔力をめぐみんとゆんゆんに向かって送る。

 ちなみに、ドレインタッチの応用だ。

 

ゆんゆん「魔力が!里の皆の魔力が!」

めぐみん「……………漲るぞォォォ!」

 

 めぐみんとゆんゆんはそう叫ぶと、手を繋ぐ。

 

ゆんゆん「我が名はゆんゆん!紅魔族随一にして『最高』の魔法使い!」

めぐみん「我が名はめぐみん!紅魔族随一にして『最強』の魔法使い!ゆんゆんがあの時、私に爆裂魔法への道を行かせてくれたから、今日の私がいるのです!」

ゆんゆん「めぐみんが居てくれたからライバルとしてここまで来れた!」

 

 2人はそう叫ぶ。

 叫ぶと同時に、自分たちの魔法の名前を叫び、フィーバースロットのレバーを倒す。

 

ゆんゆん「ライト・オブ・セイバー!」

めぐみん「吹けよ嵐!響けよ爆焔!爆裂魔法はロマンなんです!どんな不可能も可能にする最強の魔法なんです……エクスプロージョン!」

 

GOLDEN FEVER VICTORY

 

 2人がそう叫ぶと、2人の真上に、ライト・オブ・セイバーと爆裂魔法の合体魔法が浮かび上がり、その周囲に音符とステルス戦闘機のオーラが浮かび上がり、魔法と合わさる。

 その2人の必殺技は、シルビアへと向かっていく。

 

シルビア「っ!させるかぁぁぁぁぁ!!」

ダクネス「バリアか!?」

 

 シルビアは残された力を振り絞ったのか、バリアを展開する。

 俺たちが見守る中、2人の魔法とシルビアのバリアは、拮抗していた。

 

「「ハァァァァァ!!!」」

シルビア「ぜやぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 互いにそう叫んで、力を高めていく。

 だが、シルビアは満身創痍の中、最後の力を振り絞っているが、めぐみんとゆんゆんは紅魔族から貰った魔力で威力は上がっている。

 次第にバリアにヒビが入る。

 そして、バリアが破れ、2人の魔法がシルビアを包み込む。

 

シルビア「私はただ、愛が欲しかっただけなのに………………!!」

 

 シルビアはそう叫ぶが、耐えきれずに消滅した。

 一方、龍とアフロディテは。

 

龍「片付いたみたいだな。」

アフロディテ「ですね。」

 

 ジャマトを倒し終え、一息吐きながらそう言う。

 こうして、紅魔の里での戦闘は終わった。

 一方、それを見ていた集団がいた。

 とはいえ、その中の1人は、カエルの置き物だったが。

 その中には、ジーンとクロスという人物達がいた。

 

ジーン「感動するよ、ギーツ。君の生き様には。」

???「しっかし、よくやったわよ!サトウカズマ!欲を言えば、そのまま決めて欲しかったけどね。」

???「忘れていないかい?あのシルビアにトドメを刺したのは、私が推してるめぐみんなんだよ。」

???「そうだな。まあ、ダクネスにはもう少し活躍して欲しかったけどな。」

クロス「さて、次にはどうなるのか、見守ってやろうぜ。」

 

 そんな風に話していた。

 一体、彼らは何者なのか。

 今の俺たちには、知る由もなかった。




今回はここまでです。
これにて、紅伝説の主な話は終わりです。
次回は、紅伝説の後日談的な話で、デザイアグランプリのオリジナルのミッションをやります。
今回の話にて、コマンドフォームが初登場しました。
そして、湊翔達の戦いを見ていた一団の存在。
果たして、何者なのか。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
最終決戦では、湊翔達と魔王、ロキとゼウス達の戦いを書く予定です。
オリジナルの仮面ライダー達の強化形態について、リクエストがあれば、受け付けます。
白夜が変身するライコウ、トウカが変身するラウンズ、朱翼が変身するスワンなどといった感じに、強化形態を考えているのがありますので。
今後の話の流れでリクエストがあれば、受け付けます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第7章
第59話 魔女狩りゲーム(前編)


 紅魔の里でのシルビアとの戦闘が終わった後、俺たちはアクセルに戻った。

 その間、めぐみんは少し沈んでいたが。

 俺たちは、そっとしておこうという事にした。

 

湊翔「それにしても……………凄いバックルだな。これは。」

白夜「確かに。チャージする手間があるとは言え、かなり強力だよな。」

トウカ「そうだな。」

朱翼「そんなバックルが送られてくるとは……………。」

武劉「凄いな。」

 

 俺たちは、コマンドツインバックルを見ながらそう話す。

 かなり強力なバックルであることは間違いないよな。

 まあ、手間はかかるがな。

 とはいえ、ほぼ使い捨てのブーストや、運に左右されるフィーバースロットと比べると、安定性は高い。

 すると、カズマ達がやってくる。

 

カズマ「なあ、湊翔。」

湊翔「ん?どうした?」

ダクネス「めぐみんを見てないか?」

トウカ「めぐみん?自分の部屋に居るんじゃないのか?」

アクア「それが、めぐみんの部屋を見ても、いないのよ。」

白夜「何?」

 

 カズマ達の問いにそう答えると、アクアがそう言う。

 確かに、変だな。

 めぐみんが見当たらないなんて。

 すると。

 

GATHER ROUND

 

 スパイダーフォンからそう音声が流れる。

 デザイアグランプリからのお呼び出しの様だな。

 

湊翔「デザイアグランプリからのお呼び出しだな。」

武劉「みたいだな。」

カズマ「そうか………………。」

ダクネス「良いのか!?めぐみんを放って!?」

トウカ「ダクネス、落ち着いて。デザイアグランプリからのお呼び出しなら、めぐみんも来ると思うよ。」

白夜「ああ。めぐみんが居るかどうかは、そこで判断するのも悪くないだろ。」

ダクネス「ま、まあ………………。」

 

 そんな感じに話す。

 めぐみんも、なんやかんやでデザイアグランプリを頑張っているからな。

 俺たちは、デザイア神殿へと向かう。

 だが、アクアまで付いてきてしまったのだ。

 デザイア神殿へと向かうと、そこには、ダスト、リーン、バニル、ウィズ、進、アルカ、アクセルハーツの三人も居た。

 

湊翔「あ、皆!」

ダスト「お、湊翔達も来たのか。」

白夜「そりゃあ、召集されたからな。」

リア「そうだな。」

バニル「それにしても、ネタ種族が2人もいないとはな。」

トウカ「言われてみれば、めぐみんだけじゃなくて、ゆんゆんも居ないな。」

進「そうだな。」

 

 俺たちが来ると、そんな風に話す。

 確かに、めぐみんとゆんゆんの2人もいないよな。

 どういう事だ?

 すると、ツムリがやってくる。

 

ツムリ「みなさん、お待たせしました。」

リーン「ツムリさん。」

白夜「どうしたんだ?アクセルにいる仮面ライダーをほぼ集めて。」

ツムリ「これより、デザイアグランプリのミッション、魔女狩りゲームを始めます。」

シエロ「魔女狩りゲーム?」

アルカ「それはどういうミッションなのよ。」

 

 魔女狩りゲーム?

 俺たちが首を傾げる中、ツムリが概要を説明する。

 

ツムリ「まずは、運営側に届いたコチラをご覧下さい。」

 

 ツムリはそう言って、タブレットを操作すると、映像が映る。

 そこには。

 

カズマ「めぐみん!?」

湊翔「ゆんゆんまで居るぞ!?」

白夜「十字架に括り付けられているのか?」

???『やあ、仮面ライダーの諸君。』

 

 そう。

 映像には、めぐみんとゆんゆん、紅魔の里に居たあるえという人物と、誰か1人女性がいた。

 俺たちが驚く中、1人の男が現れる。

 

樹『これを見ているという事は、メッセージは届いたみたいだね。僕は石井樹。まあ、ロキに協力する参謀というところさ。』

バニル「ふむ。どうやら、ロキとやらに協力する存在のようだな。」

武劉「なるほどな。」

 

 その男は、石井樹と名乗った。

 というより、参謀とかも居るのかよ。

 そう思う中、石井樹は口を開く。

 

樹『彼女達は、あと二時間で死ぬ。さて、君たちに彼女たちを助けられるのか、見ものだね。』

 

 そう言って、樹からのメッセージは切れる。

 それを聞いていた一同は、シーンとしてしまった。

 

ダクネス「おい!あれはどういう事だ!?」

ツムリ「どうやら、彼女達は捕まってしまったそうです。今回のミッションは、二時間以内に彼女達を助けて、ジャマーエリアに入っている教会から脱出する事です。」

湊翔「めぐみん達はアークウィザードだから、魔女狩りゲームって事か?」

ツムリ「はい。今回のミッションは、チームを組んでもらう事になります。」

トウカ「チームを?」

ツムリ「はい。そのチーム分けは、私たち運営の独断で行いました。」

 

 なるほどな。

 だから、魔女狩りゲームって訳だ。

 すると、ツムリがタブレットを操作すると、この場に居る仮面ライダーのライダーズクレストがシャッフルされ、四つのチームに分けられる。

 

ツムリ「まず、ギーツ、ラウンズ、キュビー、ダイルのチーム。」

湊翔「トウカとリアと武劉か。」

トウカ「みたいだな。」

リア「よろしく頼む。」

ツムリ「次に、タイクーン、メリー、ライコウ、スワンのチーム。」

カズマ「ダスト達か。」

ダスト「みたいだな。」

ツムリ「タンツェン、パンクジャック、ボアのチーム。」

バニル「フハハハハハ!これは面白い組み合わせであるな。」

進「ふぅん……………。」

ツムリ「最後に、スマッシュ、バッファ、ホーク、シローのチームです。」

ダクネス「シエロ達か。」

ウィズ「よろしくお願いしますね。」

 

 どうやら、そんな組み合わせらしいな。

 そんな中、アクアが口を開く。

 

アクア「ちょっと!私の名前が呼ばれてないんですけど!?それはどういう事かしら!?」

ツムリ「申し訳ありませんが、巻き込むわけにはいかないので。」

進「アルカはどうなんだ?」

ツムリ「アルカ様は、実力もあるので、問題はありませんね。」

アクア「なんでよ!私だって、アークプリーストですぅ〜!実力はあるわよ!」

ツムリ「はぁ……………分かりました。タイクーンのチームに入ってください。」

 

 アクアが抗議した結果、折れたツムリがカズマのチームにアクアを入れる。

 まあ、頑張ってくれ。

 

ツムリ「それでは、ジャマーエリアへと転送します。皆さん、ご武運を。」

 

 ツムリのその言葉と共に、俺たちは転送される。

 一方、石井樹の方は。

 

樹「さて。仮面ライダー達が来るか。」

めぐみん「あなたは、何を企んでいるんですか!?」

 

 樹がほくそ笑む中、めぐみんはそう叫ぶ。

 めぐみん達は、十字架に鎖で縛り付けられていた。

 

樹「別に。特にこれといった目的はないさ。ただ単に、ロキに頼まれてゲームをやっただけに過ぎない。」

ゆんゆん「魔法が使えない………………!?」

あるえ「この鎖のせいか……………!?」

???「これは………………魔絶の鎖!?」

樹「詳しいじゃないか。魔黒浬烏(まくろりお)。」

 

 めぐみんの質問に素っ気なく答える中、他の3人がそう言う。

 プラチナブロンドの髪の美少女がそう言うと、樹が反応する。

 

樹「その通り。その鎖は、生物の体内の魔力の巡りを乱し、完全に遮断する力を持つ魔道具で、この鎖に拘束された者は体内の魔力を体外に放出することができなくなる。すなわち魔法などの魔力を使ったあらゆる芸当が一切できなくなるって代物さ。簡単に言えば、爆裂魔法を撃って動けなくなるのと同じさ。」

めぐみん「そんな物が………………!?」

あるえ「魔黒浬烏………………まさか、レッドプリズンの教科書を作成したのも、あなたが?」

浬鳥「まあね。」

 

 どうやら、魔黒浬烏は、紅魔の里にあるレッドプリズンの教科書を書いたらしい。

 そんな中、樹が口を開く。

 

樹「君たちの事は調べてあるさ。特に、めぐみん……………いや、仮面ライダーナーゴ。君が紅魔族では唯一、ネタ魔法である爆裂魔法を使う人である事もね。」

めぐみん「なっ!?ネタ魔法とは、言ってくれるではないですか!」

樹「事実じゃないか。あんなオーバーキルになって、魔力効率も極端に悪い!そんなネタ魔法をよくもまあ、使う物だねぇ。」

めぐみん「なんですって………………!?」

 

 樹はそう言いながら、めぐみんの事を貶していく。

 めぐみんは怒るが、樹は容赦なく正論を叩きつけていく。

 

樹「それに、紅魔の里で、タイクーンがシルビアに攫われた時、君は何も出来なかったじゃないか。」

めぐみん「………………っ!?」

樹「上級魔法を覚えていれば、タイクーンを助ける事も出来たかもしれないのにねぇ。」

めぐみん「…………………。」

樹「それに、シルビアを倒す事が出来たのは、他の者達のアシストがあったからじゃないか。君だけでは、とてもじゃないが、シルビアを倒す事が出来なかっただろうねぇ。」

めぐみん「………………何が言いたいんですか。」

樹「……………そうだね。君が欠陥魔法使い(・・・・・・)であると言っておこう。」

 

 樹はそんな風に叩きつけていく。

 めぐみんがそう聞くと、樹はそんな風に強調しながら叩きつける。

 その言葉は、めぐみんの心を抉るには、十分過ぎた。

 それを見て、樹はほくそ笑む。

 

樹「さて。ここら辺にして、仮面ライダー達を迎え撃つとするか。」

 

 樹は満足げにそう言いながら、準備を始める。

 

あるえ「めぐみん………………。」

ゆんゆん「めぐみん………………。」

めぐみん「…………………。」

浬鳥「………………。」

 

 めぐみんは顔を俯けて、ゆんゆんとあるえが心配そうに見る中、浬鳥はじっと見ていた。

 一方、俺たちは、その教会の前へと到着した。

 

湊翔「ここがその教会か。」

トウカ「少し大きいな。」

白夜「ツムリによると、この教会のどこかに、ジャマトが鍵を持っているみたいだな。それも4本の鍵を。」

朱翼「四つのチームに分かれて行きましょう。」

武劉「行くぞ。」

カズマ「おう!」

 

 俺たちはそう話して、デザイアドライバーを腰に装着する。

 そして、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

SET FEVER

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が、進の横には、槍の絵と英語でLANCEの文字が、リアの横には、五線譜と音符の絵柄と英語でHARMONYという文字が、シエロの横には、拳の絵柄と英語でFIGHTERという文字が、エーリカの横には、ミラーボールとダンスフロアみたいな絵柄と英語でDANCERという文字が、ダストとリーンの隣には、スロットの絵が、ウィズの横には、戦闘機の絵とJETの文字が、バニルの横には、星が散りばめられていて、モンスターの顔と一体化したMONSTERという文字が、武劉の隣には、大砲の絵と英語でBUSTERの文字が浮かぶ。

 俺たちは叫ぶ。

 

一同「変身!」

 

 そう叫んで、レイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

FLUTE

BUSTER

LANCE

HARMONY

FIGHTER

DANCER

HIT BEAT

HIT MAGNUM

JET

MONSTER

REDAY FIGHT

 

 俺たちは、それぞれの仮面ライダーへと変身して、先ほど提示されたチームで、教会の中へと侵入していく。

 

ジャマト「ジャ〜!」

ダスト「ジャマトが居るぞ!」

リーン「そりゃあ、居るに決まってるでしょ!」

シエロ「皆さん、気をつけて進みましょう!」

ウィズ「はい!」

トウカ「それじゃあ、分かれて探すぞ!」

ダクネス「ああ!」

 

 俺たちは、目の前にいるジャマトを倒しながら、四方向に分かれて捜索する。

 俺、武劉、トウカ、リアは、迫り来るジャマトを倒していた。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!はっ!」

 

 俺は、マグナムシューターやアーマードガンを撃って、ジャマトを倒していく。

 

トウカ「ハアッ!ふっ!でやっ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーを持って、ジャマトに攻撃していく。

 

武劉「はっ!ふっ!はあっ!」

 

 武劉は、両腕のクローや両肩の大砲から、攻撃していく。

 すると、一際豪華な装飾をつけたジャマトが見えた。

 

ジャマト「ジャ〜!」

湊翔「一際豪華なやつがいるな。」

トウカ「もしかしたら、あいつが鍵を持っているかもしれないな。」

武劉「恐らくな。」

リア「なら、早く倒そう!」

 

 俺たちは、そのジャマトにも攻撃していく。

 少し攻撃して、ジャマトが怯むと、俺たちは必殺技を放つ。

 

MAGNUM STRIKE

BUSTER STRIKE

CALIBER STRIKE

HARMONY STRIKE

 

「「「「ハァァァァァ!」」」」

ジャマト「ジャ〜〜〜っ!」

 

 それぞれの必殺技を、ジャマト達に叩き込み、撃破する。

 すると、鍵が一つ落ちた。

 

湊翔「鍵が一つか。」

トウカ「ということは、あと3つ。」

武劉「急ぐぞ。」

リア「ああ。」

 

 俺たちは、めぐみん達が居るであろう場所へと向かう。

 一方、カズマ達の方は。

 

カズマ「とりゃっ!ハアッ!」

 

 カズマは、ニンジャデュアラーでジャマトを倒していく。

 

白夜「はあっ!おらっ!」

 

 白夜は素早く動いて、ジャマトを攻撃して倒していく。

 

朱翼「はっ!でやっ!」

 

 朱翼は、フルートソードを振るい、ジャマトを倒していく。

 

ダスト「おらっ!はっ!」

 

 ダストは、ビートアックスを持って、ジャマトに攻撃していく。

 

アクア「いやぁぁぁぁぁ!!」

 

 カズマ達がジャマトと戦う中、アクアはジャマトに追われていた。

 

アクア「なんで私ばっかり狙われるのよ!」

白夜「うろちょろすんじゃねぇ!」

 

 アクアを追っていたジャマトは、白夜が倒していた。

 その後、カズマ達も奥へと進み、豪華な装飾をつけたジャマトと遭遇する。

 

カズマ「あいつが鍵を持ってるかもしれないな!」

白夜「だろうな。いかにも派手だし。」

朱翼「いきましょうか。」

ダスト「あいよ。」

アクア「皆、頑張ってね!」

カズマ「お前は少しは支援魔法を使えよ!」

 

 カズマ達はそう話して、ジャマトに挑んでいく。

 カズマ達は、それぞれの武器を持って、攻撃していく。

 カズマ達の攻撃に、ジャマトが怯む中、必殺技を放つ。

 

NINJA STRIKE

LIGHTNING STRIKE

FLUTE STRIKE

GOLDEN FEVER VICTORY

 

「「「「ハァァァァァ!」」」」

ジャマト「ジャ〜〜っ!!」

 

 4人の必殺技が命中して、ジャマトは爆散する。

 すると、鍵が一本落ちる。

 

カズマ「鍵か!」

白夜「これで、人質になってる奴らを助けられそうだな。」

ダスト「さっさと向かおうぜ。」

朱翼「ですね。」

アクア「さあ、行くわよ!」

カズマ「何でお前が仕切ってるんだよ。」

 

 カズマ達はそう話して、奥へと進んでいく。

 一方、エーリカ達のチームは。

 

エーリカ「ハアッ!でやっ!」

 

 エーリカは、ダンサーフォームの拡張装備であるダンサーダガーでジャマトを倒していく。

 

バニル「フハハハハハ!そぉらそら!どうしたのだ!」

 

 バニルは、ジャマトを煽りながら、モンスターグローブを使った攻撃を叩き込んでいく。

 

進「ふっ!はっ!でやっ!」

 

 進は、槍を持って、ジャマトに攻撃をしていく。

 

アルカ「はあっ!ふっ!」

 

 アルカは魔法を使って、ジャマトに攻撃していく。

 4人はジャマトを倒し終える。

 

エーリカ「まあ、可愛いエーリカちゃんの敵じゃなかったわね!」

進「可愛いかどうかはさておき、大したことなかったな。」

アルカ「そうだね。」

バニル「では、先を進むぞ。早く商売に戻らなくてはならないからな。」

 

 4人はそう話して、奥へと進んでいく。

 奥へと進んでいくと、豪華な装飾のジャマトが居た。

 

エーリカ「あいつをぶっ倒せば良いのね!」

バニル「そのようだな。」

進「行くぞ。アルカは魔法の支援を頼む。」

アルカ「ええ。」

 

 エーリカ達は、そのジャマトへと向かっていく。

 3人の攻撃に、アルカの魔法での攻撃により、ジャマトは怯んでいく。

 3人は、必殺技を放つ。

 

MONSTER STRIKE

DANCER STRIKE

LANCE STRIKE

 

「「「ハァァァァァ!」」」

ジャマト「ジャ〜〜〜っ!!」

 

 3人の必殺技がジャマトに命中して、爆発する。

 すると、鍵が一本落ちる。

 

エーリカ「これが鍵?」

バニル「うむ。どうやら、その様だな。」

進「早く行くぞ。」

アルカ「ええ。っ!?」

 

 エーリカ達はそれを見て、そう話す中、目の前にジャマトが現れる。

 エーリカ達は、ジャマトを倒していく。

 一方、ダクネス達のチームは。

 

ダクネス「はあっ!ふっ!」

 

 ダクネスは、ゾンビブレイカーで攻撃を叩き込んでいく。

 

ウィズ「ハアッ!でやっ!」

 

 ウィズは、魔法とジェットフォームの能力でジャマトに攻撃していく。

 

リーン「ハアッ!ふっ!」

 

 リーンは、マグナムシューターを撃って、ジャマトに攻撃していく。

 

シエロ「はあっ!ふっ!」

 

 シエロは、両腕のナックルでジャマトを倒して、杖で支援魔法をかけていく。

  

ウィズ「ある程度倒しましたね。」

リーン「でも、なんで私やウィズさんに攻撃が少し集中したんだろ?」

シエロ「もしかしたら、ウィズさんはアークウィザードで、リーンさんはウィザードだからじゃないかと思います。人質になってるのも、アークウィザードの人ですし。」

ダクネス「なるほどな。それなら納得が行く。」

 

 そう。

 今回のジャマトは、アークウィザードやウィザードを狙う様になっていた。

 その為、アルカは大して気にしていなかったが、狙われていたのだ。

 ダクネス達が奥へと進むと、装飾が豪華なジャマトと遭遇する。

 

ダクネス「あれが鍵を持っているジャマトか!」

ウィズ「そうだと思いますね。」

シエロ「早く倒しましょう!」

リーン「分かったわ!」

 

 4人はそう話して、ジャマトに攻撃していく。

 4人が攻撃をしていくと、ジャマトは怯む。

 4人は、必殺技を叩き込む。

 

ZOMBIE STRIKE

JET STRIKE

FIGHTER STRIKE

GOLDEN FEVER VICTORY

 

「「「「ハァァァァァ!!」」」」

ジャマト「ジャ〜〜〜っ!!?」

 

 ジャマトは、ダクネスのバーサークロー型のエネルギーに足を取られ、動けなくなる中、4人の必殺技が叩き込まれ、爆発する。

 すると、鍵を落とす。

 

ダクネス「鍵か。」

ウィズ「これで、めぐみんさん達を助けられますね!」

シエロ「そうですね。」

リーン「早く行きましょう!っ!?」

 

 4人はそう話して、めぐみん達の方へと向かおうとするが、目の前にジャマトが現れる。

 

ダクネス「ジャマトか!」

ウィズ「足止めみたいですね。」

シエロ「早く行きましょう!」

リーン「そうね!」

 

 それを見た4人はそう言って、ジャマトと応戦していく。

 鍵を手に入れた俺たちは、囚われているめぐみん達の方へと向かう為に動きだす。

 

樹「さて。どう来るかな。」

 

 それを見て、石井樹はほくそ笑んでいた。

 魔女狩りゲームは、佳境に入りつつあった。




今回はここまでです。
石井樹が新たに始めたゲーム、魔女狩りゲームが始まりました。
湊翔達が向かう中、めぐみんの心を容赦なく抉っていく石井樹。
とはいえ、ほぼ正論ですがね。
それを見て、何を思うのか。
湊翔達も鍵を手に入れ、奥へと進んでいきますが、アークウィザードであるウィズとアルカ、ウィザードであるリーンがいる影響で、二つのチームが遅れる。
果たして、どの様にしてクリアするのか。
そして、めぐみんはどうなってしまうのか。
次回は、少しカズめぐみたいな感じがします。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日でギーツは最終回ですね。
皆で掴み取った、誰もが幸せに過ごせる世界。
このすばとギーツの最終決戦は、湊翔達と魔王、ロキが変身するリガドΩとゼウス達の戦いになる予定です。
ギーツワンネスや、最終回に出たマグナムブーストに関しては、どうするのかは考えています。
今後のこのすばとギーツの展開でリクエストがあれば、下記からリクエストをお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=301620&uid=373253


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第60話 魔女狩りゲーム(後編)

 魔女狩りゲーム。

 それは、エクソシストジャマトに捕まっためぐみん達を助けるゲームである。

 俺たちは、鍵を見つけることに成功して、めぐみん達が居るであろう場所へと向かう。

 すると、カズマ達と合流する。

 

湊翔「カズマ!」

カズマ「湊翔!鍵は見つけたか!?」

湊翔「ああ!」

トウカ「あとは、めぐみん達を助けにいくぞ!」

白夜「おう!」

 

 俺たちはそう話して、奥へと進んでいく。

 しばらく進むと、めぐみん達の姿が見えてくる。

 

トウカ「めぐみん!」

アクア「ここに居たのね!」

リア「そうみたいだな。」

朱翼「早く助けましょう!」

武劉「待て。誰かいるぞ。」

???「やあ、来たみたいだね。」

 

 俺たちがそう言いながら進もうとすると、人とジャマトライダーが現れる。

 

ダスト「誰だ、てめぇ。」

武劉「お前が石井樹か。」

樹「その通りさ。」

湊翔「あいつが………………。」

ゆんゆん「湊翔さん!」

樹「これから、彼女達は処刑されるんだ。邪魔しないでくれよ。」

白夜「うるせぇな。めぐみんは仲間だからな。助けさせてもらうぜ。」

樹「悪いけど、そうはさせないよ。」

 

 石井樹はそう言うと、デザイアドライバーを装着して、モンスターレイズバックルを取り出して装填する。

 

SET

 

 すると、樹の隣には、星が散りばめられていて、モンスターの顔と一体化したMONSTERという文字が浮かぶ。

 樹は、メガネをずらしながら言う。

 

樹「変身。」

 

 そう言って、変身する。

 

MONSTER

REDAY FIGHT

 

 樹は、仮面ライダーへと変身した。

 

湊翔「変身した……………!」

カズマ「えっ!?」

樹「仮面ライダーナッジスパロウ。僕が変身する仮面ライダーの名前さ。」

白夜「見た感じ………………雀か?」

アクア「雀の仮面ライダーとか、超弱そうなんですけど〜っ!プークスクスクス!」

リア「いや、油断しない方が良さそうだ。」

武劉「確かに。モンスターレイズバックルは、ブースト程では無いが、強力なバックルだ。油断は出来ない。」

樹「さて、行くよ?」

 

 俺たちがそう話す中、樹はそう言って、ジャマトライダーやジャマトと共に襲ってくる。

 俺、カズマ、白夜、武劉は、樹……………ナッジスパロウと応戦して、残りのメンツは、ジャマトライダーや処刑人の格好をしたジャマトと応戦していく。

 

湊翔「はあっ!ふっ!でやっ!」

カズマ「はっ!おらっ!」

白夜「はあっ!おらっ!」

武劉「ふっ!はっ!」

樹「ふっ。はあっ!」

 

 俺たちは連携して攻撃していくが、樹は俺たちの膝に攻撃して、体勢を崩したり、モンスターグローブを使ったパンチ力で周囲の椅子を粉砕して破片を飛ばしてきたりする。

 

湊翔「こいつ………………やっぱり強い。」

カズマ「みたいだな……………。」

白夜「パワーだけって訳じゃない。考えられているな。」

武劉「そうだな。」

樹「まあね。僕を舐めない方がいい。」

 

 樹自身の知識に、モンスターのパワーが組み合わさって、大分強い。

 俺たちは、少し苦戦気味だった。

 一方、トウカ、リア、朱翼、ダストは、ジャマトとジャマトライダーと応戦していた。

 

トウカ「はあっ!ふっ!」

リア「はっ!ほっ!」

 

 トウカとリアは、連携して、ジャマトライダーと応戦していく。

 トウカが接近してジャマトライダーに攻撃して、怯んでいる中、リアがトウカの後ろから攻撃するという手法を取っている。

 

トウカ「やるな、リア!」

リア「トウカもな!」

 

 2人はそう話して、攻撃を集中させる。

 一方、朱翼とダストは。

 

朱翼「はあっ!ふっ!」

ダスト「おらっ!でやっ!」

 

 朱翼はフルートソードでジャマトとジャマトライダーに攻撃していく。

 ダストは、ビートアックスを叩きつける形で攻撃していく。

 

朱翼「少しはやるじゃないですか。」

ダスト「おうよ!これが終わったら、その胸を揉ませろや!」

朱翼「嫌ですよ!」

 

 ダストはナチュラルにセクハラをして、朱翼はそう叫ぶ。

 4人の攻撃で、ジャマトとジャマトライダーは、一箇所に集まる。

 

トウカ「一気に決めるぞ!」

リア「ああ!」

ダスト「ったくよ!」

朱翼「行くわよ!」

 

 4人は、必殺技を放つ為に、レイズバックルを操作する。

 

CALIBER STRIKE

HARMONY STRIKE

FLUTE STRIKE

GOLDEN FEVER VICTORY

 

「「「「はぁぁぁぁぁ!!」」」」

ジャマト「ジャ〜〜〜っ!!」

 

 4人の必殺技によって、ジャマトとジャマトライダーは倒される。

 それを見ていた樹が反応する。

 

樹「へぇ。やるじゃないか。」

湊翔「終わりだ。大人しくしてもらうぞ。」

樹「フフフフ………………!」

白夜「何がおかしい?」

 

 俺がそう言うと、樹は笑いだす。

 白夜がそう聞くと、樹は口を開く。

 

樹「良いさ。ただし、助けられるのは2人だけだよ。」

武劉「どういう意味だ。」

樹「今、君たちが持っている鍵は、二つだけ。この鍵は特殊でね、もし、全てが揃わない状況で開けた場合は、開けられなかった人たちは永遠にロックされて、助けられない。」

湊翔「なっ!?」

トウカ「つまり、皆を助けるには、四つの鍵を揃えないといけないのか!」

樹「そういう事だね。」

 

 マジか。

 随分と厄介な鍵の仕組みだな。

 すると、ジャマトとジャマトライダーが再び現れる。

 

樹「さあ、君たちの選択は二つにひとつだ。人質のうち2人だけを助けるか、誰も助けられずに死なせるかだ。」

湊翔「………………随分と嫌な二択だな。」

樹「ちなみに、他の仲間達は、ジャマトたちが抑えている。来られるとは思えないね。」

トウカ「…………………。」

 

 どうやら、樹としては、ダクネス達のチームと、エーリカ達のチームが来られないと想定しているみたいだな。

 確かに、作戦としては良いかもしれないな。

 だが。

 

湊翔「まあ、確かに、あんたの作戦は良いかもしれないな。」

樹「そうだろう?君たちとは違うんだよ。」

白夜「だが、来る事を想定していないみたいだな。」

樹「あ?」

 

 俺と白夜がそう言うと、後ろにいたジャマト達が吹っ飛ぶ。

 

樹「なっ………………!?」

ダクネス「皆、無事か!?」

トウカ「ダクネス!こっちは無事!」

シエロ「リアちゃん!ごめん!」

エーリカ「待たせたわね!」

リア「シエロ!エーリカ!」

アルカ「お待たせしました!」

進「待たせたな。」

ウィズ「お待たせしました!」

バニル「フハハハハハ!待たせたな!我輩の登場である!」

リーン「行くわよ!」

 

 そう言って、残りの2チームがやってくる。

 それを見て、樹は驚く。

 

樹「なっ……………!?来れないようにジャマトで足止めをしておいたはず……………!?」

バニル「フハハハハハ!!汝のその悪感情、大変に美味である!我輩の事を誰だと思っている?魔王よりも強いかもしれないと言われるバニルであるぞ?あの様な相手、苦戦するまでもないわ!」

ウィズ「ええ!めぐみんさん達は返して貰います!」

 

 樹が驚く中、バニルとウィズはそう言う。

 そりゃあ、元魔王軍幹部に、魔王軍幹部だからな。

 強いに決まってる。

 

樹「なるほどね。だけど、鍵を使わせないよ。」

湊翔「行くぞ!」

カズマ「おうよ!」

 

 俺たちは、めぐみん達の方へと向かっていく。

 だが、樹はジャマトやジャマトライダーと共に、俺たちを阻む。

 樹達は、モンスターの力で攻撃したり、蔦を伸ばしたりしてくる。

 俺とカズマは、鍵を持っているので、樹と応戦する。

 

カズマ「はあっ!おらっ!」

湊翔「はっ!ふっ!」

樹「はっ!はっ!」

 

 俺とカズマは、連携して樹に攻撃していく。

 樹は、俺とカズマの連携攻撃にも、対応していく。

 他の皆は、ジャマトやジャマトライダーと戦っていた。

 

樹「この先には絶対に行かせないよ。」

湊翔「みたいだな。」

カズマ「なら………………!」

 

 俺とカズマはそう言って、突破しようとする。

 樹は妨害しようとする。

 

樹「させないよ……………!」

湊翔「ハアッ!」

カズマ「オラっ!」

 

 樹が妨害しようと攻撃しようとすると、俺とカズマは、樹の肩と頭に足を乗せて、そのまま大きくジャンプする。

 すると。

 

エーリカ「湊翔!」

ダクネス「カズマ!」

 

 エーリカとダクネスがそう叫んで、俺たちに鍵を投げ渡す。

 俺とカズマは鍵をキャッチする。

 そして、カズマはニンジャデュアラーのシュリケンラウンダーを3回回す。

 

ROUND 1・2・3 FEVER

 

カズマ「ハァァァァ!!」

樹「何っ!?」

 

TACTICAL FINISH

 

 カズマは、四つの属性が纏ったニンジャデュアラーから斬撃波を放ち、樹は怯む。

 俺はエーリカからの鍵を、カズマはダクネスからの鍵を受け取り、俺はめぐみんとプラチナブロンドの女性の方に、カズマはめぐみんとあるえの方に向かう。

 

カズマ「いくぞ!」

湊翔「おう!」

 

 俺とカズマはそう叫んで、鍵を同時に回す。

 すると、鍵は四つとも外され、鎖が取れる。

 

カズマ「めぐみん!大丈夫か!?」

めぐみん「は、はい……………。」

あるえ「助かったよ。」

湊翔「大丈夫か?」

ゆんゆん「あ、ありがとうございます!」

湊翔「気にすんな。ところで、あんたは?」

浬鳥「私は、魔黒浬烏よ。こう見えても、仮面ライダーなのよ。」

 

 カズマとめぐみんとあるえが助けられて、そう話す中、俺とゆんゆんはそう話して、プラチナブロンドの女性はそう名乗って、デザイアドライバーを取り出す。

 仮面ライダーだったのか。

 めぐみん達は、デザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを取り出す。

 

SET

 

 すると、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ゆんゆんの横には、透明なステルス機と英語でSTEALTHの文字が、浬鳥の隣には、大きな鎌の絵と英語でGRIM REAPERの文字が浮かぶ。

 

「「変身!」」

めぐみん「………………変身。」

 

 3人はそう言って、レイズバックルを操作する。

 

BEAT

STEALTH

GRIM REAPER

REDAY FIGHT

 

 めぐみんは仮面ライダーナーゴ・ビートフォーム、ゆんゆんは仮面ライダーギンペン・ステルスフォームに、浬鳥という人物は、カラスの頭の仮面ライダーになる。

 それを見ていた樹は。

 

樹「………………どうやら、多勢に無勢という訳だ。ここは退かせて貰うよ。だが、タイクーン。この借りは必ず返す。覚えていろ。」

 

 そう言って、モンスターグローブで思い切り地面を叩く。

 煙が出る中、樹の姿は消えていた。

 

白夜「逃げられたか。」

武劉「色々と情報を吐かせてやろうかと思っていたが、仕方ない。早くここから脱出するぞ。」

ダスト「そうだな。俺ももうクタクタだぜ。」

リーン「私も…………………。」

浬鳥「そうですね。早く脱出しましょう。このジャマト達を倒していって。」

カズマ「そうだな。………………めぐみん?」

めぐみん「え、ええ!そうですね。」

 

 俺たちはそう話して、ジャマトやジャマトライダーを倒しながら、教会の出口へと向かう。

 ただ、めぐみんが落ち込んでいるように見えた。

 何があったんだ?

 そう思いながらも、俺たちはその教会から脱出した。

 一方、ある和風的な部屋では、蛙の置物と1人の女性が話していた。

 

???「あの樹って奴、余計な事を…………!」

???「こいつは面白い事になってきたわね。なあ、メロディア。………………そういや、その姿の時はキューンだったわね。」

キューン「うるさい、ウィンディ。いや、ケケラ。めぐみんは大丈夫なのか………………。」

ケケラ「どうなるのか、ここで見守るしかないわよ。」

キューン「…………………。」

 

 ケケラとキューンの2人は、そう話して、モニターを見ていた。

 その後、ミッションを終えた俺たちは、解散した。

 その翌日、魔黒浬鳥が俺たちの屋敷に訪れていた。

 

湊翔「あなたは…………………魔黒浬鳥でしたっけ?」

浬鳥「ええ。この屋敷の近くの家に住む事になったから、挨拶をしに来たの。」

トウカ「そうなんですか。」

白夜「よろしく頼む。」

浬鳥「ええ。それで………………相談があるのなら、相談に乗るわよ。」

めぐみん「あの……………少し、良いですか?」

 

 あの後、魔黒浬鳥が変身する仮面ライダーは、ツムリの口から、仮面ライダークロウという名前である事が明かされた。

 すると、めぐみんはそう言って、浬鳥についていく。

 

浬鳥「………………どうしたの?」

めぐみん「………………私、どうしたら良いんでしょうか?」

浬鳥「あの樹とかいう奴の言葉を気にしているのかしら?」

めぐみん「…………………それは。」

 

 浬鳥は、めぐみんにそう聞くと、めぐみんはそう言う。

 どうやら、石井樹に言われた事を、気にしていたようだ。

 それを知っている浬鳥は、めぐみんに話しかける。

 

浬鳥「そうね………………どんな道を歩めば良いかなんて、私には決められないわ。だって、あなたの人生は、あなたの物だもの。」

めぐみん「……………………。」

浬鳥「それでも、決められないのなら、仲間に相談するのもありじゃないかしら?」

めぐみん「………………そうですね。すいません。」

浬鳥「大丈夫よ。」

 

 めぐみんはそう言って、俺たちの屋敷へと戻っていく。

 それを見ていた浬鳥は。

 

浬鳥「………………なんでか分からないけど、あなたの道を決めるのは、タイクーン……………佐藤和真って子なのかもしれないわね。」

 

 そんな風につぶやきながら、家へと戻っていった。

 その翌日、俺たちはピクニックに出かけていた。

 俺たちが用意する中、カズマとめぐみんは話していた。

 

めぐみん「………………一昨日はすいません。あんな奴に捕まってしまうなんて。」

カズマ「気にすんなよ。………………それより、話って何だよ。」

めぐみん「………………私、爆裂魔法を封印して、上級魔法を覚えようと思います。」

カズマ「………………おい。今なんつった?」

 

 めぐみんがそう謝る中、カズマはそう言う。

 カズマが質問すると、めぐみんは冒険者カードを見つめながら言う。

 

めぐみん「私、ずっと悩んでいたんです。紅魔の里の人たちは、私に対して、がっかりしていると思います。もう、カズマの荷物にはなりません。だから、爆裂魔法は今日で、封印するんです。」

カズマ「……………おい待てよ。そりゃあ、上級魔法が使えりゃ助かる。でもよ、めぐみんが荷物になった事なんて、無かっただろ。めぐみんだって仮面ライダーなんだしよ。」

めぐみん「そうかもしれません。ですが、爆裂魔法を撃ったら、動きが鈍くなってしまいます。それでは、カズマの足を引っ張っている事になりますから。」

 

 めぐみんは、ある種の決意がこもったように口を開く。

 カズマがそう言うが、めぐみんはそう答える。

 確かに、めぐみんは、爆裂魔法を撃った後も戦闘は出来るが、動きは鈍くなっているのだ。

 めぐみんは冒険者カードを見つめると、カズマに渡す。

 

めぐみん「……………すいません、カズマ。凄く酷い事をお願いしても良いですか?」

カズマ「………………自分じゃ押せないから、俺に上級魔法スキル取得のボタンを押してくれって?」

 

 めぐみんはそう言いながら冒険者カードを渡すと、カズマはそう聞く。

 めぐみんが頷くのを見て、カズマは聞く。

 

カズマ「……………本当に後悔しないのか?」

めぐみん「しません。もう、足手纏いにならないって決めたんです。私が上級魔法を覚えていたら、カズマがシルビアに攫われるなんて事は無かった筈です。紅魔族随一の魔法の使い手!上級魔法を操る者!………………今後はこれで行きます。ゆんゆんよりも潜在魔力が高い私の方が、絶対に紅魔族随一ですし、あの石井樹にギャフンと言わせてやりますよ。」

 

 カズマがそう聞くと、めぐみんはきっぱりとそう答える。

 無理矢理に笑みを浮かべるが、すぐに帽子を目深にして、目元を隠す。

 それを見たカズマは。

 

カズマ(アホだなぁ………………。)

 

 そう思いながら、冒険者カードを操作して、めぐみんに返す。

 めぐみんは無造作に胸元に冒険者カードを突っ込んで、口を開く。

 

めぐみん「では、戻りましょうか。」

カズマ「ああ、めぐみん。ちょっと1発、爆裂魔法を撃ってくれよ。」

 

 めぐみんがそう言う中、カズマはそう言う。

 それを聞いためぐみんは、驚いてカズマの方を振り向く。

 

めぐみん「えっ!?……………あなたという人は……………私が決意してすぐに爆裂魔法を撃ってくれとは、何を考えているのですか?」

 

 めぐみんが呆れながらそう言う中、カズマは無言で微笑みながらめぐみんを見ていた。

 めぐみんは、心の底から笑みを浮かべながら言う。

 

めぐみん「良いでしょう!私の最後の爆裂魔法。それはもう凄いものをお見せしようではないですか!」

 

 めぐみんはそう言って、爆裂魔法を撃つ準備をする。

 しばらくすると、めぐみんは口を開く。

 

めぐみん「………………さようなら。エクスプロージョンッッッ!!!」

 

 めぐみんはそう言って、爆裂魔法を放つ。

 平原の上に爆裂魔法の魔法陣が生まれるが、更に一際大きくなった。

 

めぐみん「えっ。」

 

 それを見て、めぐみんが驚く中、爆発する。

 その爆発は凄まじく、宇宙空間に爆発の勢いが届いていた。

 それを見て、めぐみんは呆然としながら口を開く。

 

めぐみん「これは………………?」

カズマ「………………ニヒッ!」

 

 めぐみんが呆然としながらカズマにそう聞くと、カズマはニヤッと笑って、サムズアップをする。

 それを見ためぐみんは、カズマの方を困ったような、それでいて滲み出る嬉しさを我慢できないような表情でカズマを見ると、吹っ切れたように笑みを浮かべて、名乗りをあげる。

 

めぐみん「我が名はめぐみん!アークウィザードにして、爆裂魔法を操る者!アクセル随一の魔法の使い手にして、いつか、爆裂魔法を極める者!!」

 

 そんな風に名乗りをあげる。

 俺たちは、遠くからそれを見ていた。

 それが、カズマなりの答えなのだろう。

 カズマとめぐみんは、こっちに戻ってくる。

 

ダクネス「カズマ!めぐみん!お茶が入ったぞ!」

アクア「早くしないと、お弁当が無くなっちゃうわよ!」

湊翔「お弁当か。よく言うぜ。貰ってきた賄いの癖に。」

アクア「何よ。詰めたのは私だから、お弁当よ!」

白夜「まあ、この際、どうでも良いか。」

朱翼「ですね。」

トウカ「お昼を食べよう。」

武劉「カズマ!早く来い!」

カズマ「あいよ!」

 

 俺たちはそんな風に話す。

 すると、めぐみんはカズマに話しかける。

 

めぐみん「今のは、何点でしたか?」

カズマ「百二十点!」

 

 めぐみんがそう聞くと、カズマはそう答えて、とびきりの笑顔を見せる。

 爆裂魔法によって出来た煙は、ハート型になっているような気がした。

 それからしばらくしたある日、俺とトウカは、戦闘訓練をしていた。

 トウカはラウンズ・カリバーフォームに、俺はギーツ・レイジングフォームに変身していた。

 その理由は、剣技の上達の為だ。

 レイジングフォームは、レイジングソードを使うので、剣技はある程度はあった方がいい。

 そう思って、トウカに教えてもらっていたのだ。

 

トウカ「なかなかに飲み込みが早いな。良い感じだぞ。」

湊翔「ありがとう。」

 

 俺たちはそう話して、屋敷の方へと戻る。

 すると、カズマとアクアが老人の首を絞めていた事に気付いた。

 

湊翔「………………え?」

トウカ「どういう状況?」

朱翼「実は………………。」

 

 俺たちが呆然とする中、白夜とかがカズマを取り押さえて、朱翼が訳を説明する。

 どうやら、いきなりこの人が現れて、カズマ達が気絶させようとしたようだ。

 そんな中、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「ハーゲンではないか。この屋敷には緊急時以外には来ない筈だが。まさか……。」

ハーゲン「そのまさかに御座います!このままではお嬢様は貴族の身分を剥奪されてしまいます!実は、王都からカズマ様と湊翔様宛にこの手紙が……。」

ダクネス「!」

 

 ダクネスがそう聞くと、ハーゲンという執事は、そう言って、封筒を渡す。

 すると、ダクネスはその封筒を隠す。

 

湊翔「ちょっと、何を隠してるんだ?」

カズマ「おい。見せろ。」

ダクネス「断る!」

武劉「これは……?」

ダクネス「あ!」

 

 いつのまにか武劉が掻っ攫っていて、それを俺とカズマに渡した。

 そこに書かれていたのは、この王国の王女様が魔王軍幹部を倒した俺達に会いたいとの事だ。

 王女の名前はアイリスというらしい。

 すると、ダクネスが叫ぶ。

 

ダクネス「カズマ!湊翔!これは辞退しよう!もし失礼な事があれば、首が飛ぶ!礼儀作法は知らないだろう?だから、ダスティネス家で食事会をしよう!お前達も貴族の作法やマナーは苦手だろう!」

一同「…………。」

湊翔「カズマ……。」

カズマ「おう。」

「「俺達の時代が来たな。」」

 

 ダクネスがそう言う中、俺たちは顔を見合わせる。

 俺達がそう言うと。

 

ダクネス「くっ!殺せぇぇぇぇぇ!!私を殺せぇぇぇぇ!!くっ殺ぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 ダクネスはそんな風に大の字に倒れながら叫んだのだった。




今回はここまでです。
今回は、魔女狩りゲームの後半戦です。
石井樹は、カズマに頭を踏みつけられた上、攻撃をされて、ターゲットにされてしまいました。
そして、魔女狩りゲームも無事に終了。
めぐみんが迷いを持つも、カズマによって、これまで通り、爆裂道を邁進する事に。
そして、王女からの手紙が届きました。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日から、仮面ライダーガッチャードが始まりましたね。
なかなかに面白かったです。
このすばとギーツは、このすばの原作の6巻の話に入っていきます。
更新頻度は、下がるかもしれません。
何故なら、どういう展開にするのかは、少し迷っているからです。
一応、石井樹に嵌められて、カズマが貶される展開は考えています。
ただ、どういう流れにしていくのかが迷っています。
もし、意見がある場合は、遠慮なくお願いします。
今後のこのすばの展開についても、リクエストがあれば、下記からお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=301620&uid=373253
これからも応援の程、よろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第61話 アイリス王女

 この国、ベルゼルグ王国の王女であるアイリスという人から、話を聞きたいという手紙が来た。

 それ以降、俺たちは準備をしようとするが、ダクネスが止めにかかる。

 

ダクネス「……なあカズマ、湊翔。今からでも遅くない、この話は断ろう!な?相手は国のトップなのだぞ?会食と言っても、お前達が期待しているようなものではない。きっと堅苦しいものになる!な?皆もこの話は気にしないでおこう!」

 

 いつになく必死なダクネスが、こうして、定期的に説得を試みていた。

 カズマが絨毯に座り込んだままポツリと呟く。

 

カズマ「……お前、俺達が王女様に、何か無礼を働くかと思ってるだろ。」

湊翔「十中八九そうだろうな。」

ダクネス「そ、そんな事はない……ですよ?」

 

 俺とカズマがそう指摘すると、ダクネスは動揺する。

 おい、目が泳いでるぞ。

 

カズマ「俺の目をちゃんと見て言ってみろ。俺達が何かやらかして、ダスティネス家の名に泥を塗るとか、そんな心配してんだろ。」

アクア「そうなの!?ダクネス酷い!私だって礼儀作法ぐらい知ってるんだからね!」

めぐみん「まったく心外です!ダクネス、もう少し仲間を信頼して下さい!」

湊翔「大丈夫。これでも必要最低限の礼儀作法は前の国で習ったつもりだから。」

トウカ「そうよ、ダクネス。信頼して欲しいな。」

朱翼「私は大丈夫よ!ダクネスの足を引っ張ったりはしないから!」

白夜「王女か。ついに会えるんだな。」

武劉「問題無い。俺は無礼はしない。」

ダクネス「お前達を理解しているから、不安になっているのだが。武劉は知らないが。」

 

 普段強気のダクネスが泣きそうになっている。

 

湊翔「なあ。タキシードとか買っておく必要があるよな。女性陣のドレスも仕立てて貰おう。」

トウカ「良いね!私もちゃんとしたドレスを着るのは初めてだからなぁ。」

朱翼「私は、コンサートで使っているやつを使おうかな。」

白夜「俺も良いやつを仕入れたいな。」

武劉「俺は湊翔と白夜のタキシードと同じ奴でいいぞ。」

 

 カズマ、アクア、めぐみんの組と俺、トウカ、朱翼、白夜、武劉の組で盛り上がっていた。

 どうやら全員、辞退する気は無いらしい。

 そんな俺達を見て、ダクネスがいよいよ泣きそうになる。

 

ダクネス「お、お前ら………………相手は一国の王女様だからな?場合によっては本当に首が飛ぶぞ。」

カズマ「やっぱタキシードってのもありきたりだよな。よし。ここは王女様に強烈な印象を与える為にも、KIMONOとHAKAMAでも仕立ててもらって……。」

湊翔「良いな!それ!」

ダクネス「頼む!何でもする!私に出来る事ならなんでもするから、聞いた事もない奇抜な格好をするのはやめてくれ!」

 

 俺とカズマがそう話す中、ダクネスは涙目を浮かべながら、縋るように言ってきた。

 着物と袴って、奇抜か?

 どうやら、王女が来るまで1週間の猶予があるようだ。

 その間、俺たちは新商品を作る事にした。

 バニルと契約したしな。

 それを、ウィズ魔道具店で売る事にしたのだ。

 その間、カズマがダクネスにメイド服を着させていたが。

 ちなみに、作ったのはライターだ。

 カズマ達が入ってくると、めぐみんが叫ぶ。

 

めぐみん「カズマ、カズマ!早く見せて下さい!この魔道具の力を!」

カズマ「魔道具じゃなく、俺や湊翔の国の便利アイテムだって言ってるだろ?まあ見とけ。」

 

 めぐみんがそう言う中、カズマはライターを使って火をつける。

 

「「「おおっ!?」」」

 

 それを見て、ウィズ、めぐみん、ダクネスが声を上げる。

 まあ、異世界人からしたら、珍しい物だろうからな。

 トウカは、声を出さなかったが、興味深そうに見ていた。

 ちなみに、俺たち日本人組は、大して驚かなかった。

 当然だが。

 

ウィズ「こ、これはすごく便利ですね!本当に、まんまティンダーの魔法じゃないですか!カズマさん、湊翔さん!これは売れますよ!」

めぐみん「簡単な構造なのに、よく出来てますね。魔道具ではないというのが信じられないです。しかもこれ、大事に使えば凄く長く使えそうですし。」

ダクネス「これは私も一つ欲しいな。」

トウカ「確かに。火打石って、湿気た場所では使い難いし、火種が濡れたらアウトだしな。」

 

 異世界人組は、そんな風に好評だった。

 この世界では、ティンダーを使えば燃やす事が出来るが、欠点は、火種が必要になるという事だ。

 これなら、すぐに燃やせるしな。

 ダクネスが財布からお金を出そうとすると。

 

ウィズ「お金なんかいりませんよ。これは、カズマさんと湊翔さんが考案した物を、私たちが作らせて頂いた物ですし。それに、この商品の開発には、皆さんの協力もありましたしね。お好きな物を持って行って下さい。」

 

 ウィズはそう言う。

 ちなみに、俺たち日本人組は、既にライターは受け取ってある。

 その後、アクアが営業妨害をしたりするという事があったりしたが、大繁盛したらしい。

 そして、王女アイリスとの会食の日がやってきた。

 

ダクネス「良いか?無礼を働くなよ。」

武劉「俺を誰だと思っている?いざという時は止めるさ。」

 

 そうして、俺達は正装に着替えて、晩餐会用の広間へと向かった。

 ちなみに、念の為に、デザイアドライバーは携帯している。

 そこには2人の護衛を連れたお姫様がいた。

 

ダクネス「お待たせいたしましたアイリス様。こちらが我が友人であり冒険仲間でもあります、サトウカズマと桐ヶ谷湊翔とその一行です。さあ、皆。こちらのお方がこの国の第一王女、アイリス様です。失礼のないご挨拶を。」

 

 そう言って、アクアとめぐみんが何かをしそうになって、ダクネスに取り押さえられた。

 結構、気品がある感じだよな。

 カズマが見惚れていると、アイリスという王女様は、護衛の1人に耳打ちをする。

 

クレア「下賤の者ども。王族をあまりその様な目で不躾に見るのもではありません。本来ならば身分の違いから同じテーブルで食事をする事も、直接姿を見る事も叶わないのです。頭を低く下げ、目線を合わせずに。それよりも、早く挨拶と冒険譚を。……こう仰せだ。」

 

 ………下賤の者扱いですよ。

 少しイラッと来たが、落ち着け。

 相手は王族だ。

 本来、会えるはずが無いのだ。

 見下されてもそれは仕方はない。

 多少、ギスギスしたが、食事会が始まった。

 話した事は、俺達が如何にして魔王軍幹部を倒したのか、その他諸々などを話した。

 アクアとかが問題を起こしたが。

 その後、ミツルギの話も入った。

 

クレア「まさか、あの魔剣の勇者、ミツルギ殿にまで勝つとは……。無礼だとは思いますが、カズマ殿の冒険者カードを拝見させてはもらえないでしょうか。」

湊翔(あっ。)

 

 クレアはそう言うと、カズマに冒険者カードの提示を求めた。

 これはまずい。

 カズマは、ドレインタッチというリッチーだけが使えるスキルを覚えているんだ!

 それを見られたら、確実に面倒な事になる!

 カズマも、それを分かっているからか、顔を青ざめる。

 すると、めぐみんがフォローをする。

 

めぐみん「ええと、我々冒険者にとって、手の内をあまり明かすというのは、流石に王女様のお付きの方でもちょっと……………。」

トウカ「そ、そうだ!アクア!宴もたけなわになった事だし、とっておきの芸を披露したら……………。」

アクア「え?今日は良い感じの砂絵が描けたからもう良いわ。それよりもこのお酒をもっと持ってきてー!」

 

 めぐみんとトウカが話を逸らそうとするが、アクアは空気を読まずにそう言う。

 おい、少しは空気を読めよ!

 そんな中、クレアが首を傾げながら言う。

 

クレア「我々は同業の冒険者ではなく、王国の貴族です。不用意にカズマ殿の情報は漏らしませんよ?それに、カズマ殿も仮面ライダーとやらなのであろう?」

 

 まあ、カズマが仮面ライダーであるのは間違いないんだがな。

 基本、カズマ以外の面子は、上級職である事が多いからな。

 かくいう俺もそうだし。

 ていうか、ミツルギ辺りが喋ったのか?

 すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「その男は、最弱職と呼ばれるクラス、冒険者なのです。その事を知られるのが恥ずかしかったのでしょう。どうか、この私に免じて、カードを見るのは許してやっては頂けないでしょうか?」

カズマ「そ、そうなんですよ。実は、先ほどの話では省きましたが、俺は最弱職に就いてまして。いやお恥ずかしい。バレちゃいました。」

 

 ダクネスはそんな風にフォローする。

 カズマも、照れ臭そうにそう言う。

 まあ、そうなるわよな。

 すると、クレアは訝しげな表情を浮かべる。

 

クレア「なんと、最弱職……………。とはいえ、あなたも仮面ライダーとやらなのでしょう?まあ、本当にミツルギ殿に勝ったのかは、疑わしいのですが。」

 

 クレアはそう言う。

 まあ、この世界の常識的には、冒険者は最弱職だからな。

 訝しげになるのも無理はない。

 すると、アイリスがクレアのスーツの裾を引っ張り、耳元で何かを言う。

 すると、一瞬口籠った後、口を開く。

 

クレア「そ、その…………イケメンのミツルギ様が最弱職の者に負けるだなんて信じられない。王族である私に嘘をついているのではないのですか?ミツルギ様は首都でも知れ渡っていますが、駆け出しの街の最弱職に負けるのは信じられません。彼はイケメンですし。……と、仰せだ。……私もそう思います、彼はイケメンですし。」

カズマ「おい、お前ら。流石の俺でも引っ叩くぞ。」

湊翔「おい……………!」

 

 クレアがそう言う中、カズマは思わずそう突っ込んでしまった。

 俺が止めようとするが、もう遅かった。

 

クレア「無礼者!貴様、王族に向かって何だその口は!」

 

 クレアはそう言って、抜刀して構える。

 俺はマグナムシューターを、トウカはソードエクスカリバーを出せるように準備する中、ダクネスが叫ぶ。

 

ダクネス「申し訳ない!私の仲間が無礼な事を……………!なにぶん、礼儀作法も知らない男なので、私に免じ、どうかご容赦を…………!この男と湊翔達が華々しい戦果を挙げているのは事実ですし、会食を求めたアイリス様が、それを罰してしまいますと外聞というものも……………!」

 

 ダクネスはカズマの代わりに頭を下げる。

 まあ、カズマも思わずという感じだったからな。

 すると、王女様は、クレアに耳打ちをする。

 

クレア「………………アイリス様はこう仰せだ。今までこの国に対して多大な功績のあるダスティネスの名に免じて不問とする。ですが、気分を害しました。冒険譚の褒美はちゃんと取らせます。そこの最弱職の嘘つき男は、それを持って立ち去るが良い、と。」

 

 随分な言われようだな。

 嘘じゃないんだけどな。

 一部、カズマが話を盛った所もあるわけだが。

 カズマがその場を後にしようとすると。

 

ダクネス「いたたたっ!?こらっ、めぐみん、何を……………!」

 

 突然、ダクネスから悲鳴が上がった。

 めぐみんが、ダクネスの三つ編みを引っ張ったのだ。

 それを見て、俺たちは顔を青ざめていた。

 仲間を大切にするめぐみんが、カズマが貶された現場を見て、キレない筈がない。

 俺たちはめぐみんを取り押さえようとするが、めぐみんはダクネスの三つ編みをにぎにぎした後、料理を食べる作業に戻る。

 王女様とクレアが呆気に取られる中、トウカと朱翼はめぐみんに尋ねる。

 

トウカ「めぐみん、今日はやけに大人しいわね。」

朱翼「確かに。てっきり、爆裂だなんだと騒ぎだすかと………………。」

めぐみん「私1人だったら、もちろん我慢なんてしませんが、ここで私が暴れたら、ダクネスが困るじゃないですか。」

白夜「確かにな。」

武劉「そうだな。」

 

 トウカと朱翼の問いに、めぐみんはそう答えて、白夜と武劉が頷く。

 すると、ダクネスが王女様の方に向かう。

 

ダクネス「申し訳ありませんアイリス様。……………先ほどの嘘吐き男という言葉を取り消しては頂けませんか?この男は大袈裟に言ったものの、嘘は申しておりません。それに、最弱職ではありますが、いざという時には誰よりも頼りになる男です。お願いします、アイリス様。どうか先ほどの言葉を訂正し、彼に謝罪をしては頂けませんか?」

トウカ「ダクネス…………………変わったよな。本当に。」

クレア「何を言われるダスティネス卿!?アイリス様に、一庶民に謝罪させよなどと…………!」

 

 ダクネスは、アイリス王女に対してそう言った。

 ダクネスとの長い付き合いがあるトウカが、そんな風に言い、クレアもそう言う中、アイリス王女は、自分の口で言う。

 

アイリス「………………謝りません。嘘ではないと言うのなら、そこの男にどうやってミツルギ様に勝ったのかを説明させなさい。それが出来ないと言うのなら、その男は弱くて口だけの嘘っ!?」

 

 アイリス王女の言葉は、途中で遮られた。

 なぜなら、ダクネスが無言で頬を引っ叩いたからだ。

 

クレア「何をするか!ダスティネス卿!!」

アイリス「あっ!だっ、ダメ……………!」

 

 それを見たクレアは激昂して、ダクネスに斬りかかる。

 それを見て、アイリス王女は切羽詰まった声を出すが、クレアの剣は、ダクネスに向かってる振り下ろされる。

 だが。

 

クレア「っ!?」

 

 鈍い音と共に、クレアの剣は、ダクネスの腕にめり込む。

 だが、その剣は、ダクネスの腕の皮膚と筋肉を多少切り裂いただけで止まっていた。

 クレアが驚く中、ダクネスはアイリス王女の方へと寄る。

 

ダクネス「アイリス様、失礼しました。ですが、精一杯戦い、アレだけの功績を残した者に対しての物言いではありません。彼には、どうやって魔剣使いに勝ったかを説明する責任もありません。そして、それが出来なかったとしても、彼が罵倒される謂れもありません。」

 

 ダクネスは、アイリス王女の頬を申し訳なさそうに撫で、子供に優しく諭すようにそう言う。

 それを見て、俺はカズマに話しかける。

 

湊翔「で、どうするんだ?カズマ。」

カズマ「………………しょうがねぇな。ここまで仲間が庇ってくれて、教えない訳にもいかないだろ。」

白夜「やっちまえ。」

ツムリ「お待ちください。」

 

 俺がそう聞くと、カズマはデザイアドライバーを装着しながら立ち上がると、そう答える。

 すると、ツムリが現れる。

 

ツムリ「それは同意がなければルール違反ですよ?即脱落となりますが?」

カズマ「なら、同意があれば良いんだろ?良いよな?」

クレア「ああ。」

アイリス「もういい、もう良いから!クレア、私はもう良いから!!」

 

 ツムリがそう言うと、カズマはそう言う。

 クレアが同意する中、アイリス王女は悲痛な声を出す。

 俺たちが見守る中、カズマはウォーターレイズバックルを取り出して、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 デザイアドライバーの右側にウォーターレイズバックルを装填すると、右側に青色の蛇口と英語でWATERという文字が現れる。

 カズマは、変身ポーズを取り。

 

カズマ「変身!」

 

 そう言って、ウォーターレイズバックルの蛇口の部分を捻る。

 

ARMED WATER

REDAY FIGHT

 

 カズマは、タイクーン・アームドウォーターに変身して、右手にレイズウォーターを持つ。

 

クレア「行くぞ!」

カズマ「かかってこいやぁぁぁぁ!!」

 

 クレアとカズマがそう叫ぶと、お互いの武器をぶつけ合う。

 クレアは、あの時のミツルギと違い、己の剣の腕で攻撃してくる。

 カズマも成長したのか、レイズウォーターでクレアの剣を受け止め、攻撃していく。

 カズマも、トウカから剣術を学んでいたようで、難なく戦っていく。

 

クレア「このっ………………!」

カズマ「おらっ!さて、いくぜ。クリエイト・ウォーター!」

クレア「ッ!?」

 

 カズマは、クリエイト・ウォーターを発動して、クレアは身構える。

 だが、カズマのクリエイト・ウォーターは、レイズウォーターに吸い込まれていく。

 そして、ウォーターレイズバックルの蛇口を捻る。

 

WATER STRIKE

 

カズマ「オラァァァァァ!!」

クレア「なっ……………!?」

 

 カズマが、ウォーターストライクを発動して、高圧放水をして、クレアは吹っ飛ばされる。

 

クレア「これは………………!?」

カズマ「これで良いか?こんな感じで、ミツルギを倒したんだよ。」

アイリス「本当に……………!?」

武劉「アイリス様。」

アイリス「え?」

 

 クレアが驚き、カズマがそう言う中、武劉はアイリス王女に話しかけていた。

 

武劉「あいつは、確かに最弱職の冒険者だ。だがな、それをステータスの低さを補う為に、色んな知識やスキルを用いて、立ち回っています。その強さは、ミツルギという魔剣の勇者と互角なのです。強さという物は、ステータスや職業だけでは決まらないのです。」

アイリス「……………………。」

 

 武劉はそんな風に諭しながら言う。

 すると、拍手の音が響く。

 

???「見事だ。まさか、あのクレアを倒すとはな。」

 

 その声と共に、蝶ネクタイにネックのスーツを着た男性が入ってくる。

 それを見たクレアが叫ぶ。

 

クレア「ニラム殿!?王の補佐であるあなたがどうしてここに!?」

ニラム「何。神宮龍にアフロディテの2人が認める彼らを見にきたのさ。もちろん、王の許可は貰ってあるさ。」

 

 ニラムねぇ………………。

 なんか、ギロリさんやツムリと似た名前だよな。

 もしかして、デザイアグランプリの関係者か?

 というより、龍とアフロディテの知り合いか。

 そのニラムという男は、俺たちの方へと向き、話しかける。

 

ニラム「君たちが仮面ライダーだね。私はニラム。ベルゼルグ王国の国王の補佐だ。」

湊翔「どうも、桐ヶ谷湊翔です。」

カズマ「佐藤和真だ。」

めぐみん「我が名はめぐみん!アクセル随一のアークウィザードにして、爆裂魔法を操る者…………!」

ダクネス「ダスティネス・フォード・ララティーナだ。」

トウカ「トウカです。」

白夜「虎雷白夜だ。」

朱翼「白鳥朱翼です。」

武劉「凱装武劉だ。で、そこで寝てるのがアクアだ。」

 

 ニラムさんが自己紹介するのを見て、俺たちも自己紹介をする。

 めぐみんの自己紹介に驚きつつも、気分を害した様子は見られなかった。

 

ニラム「そうか。頑張ってくれ。私は満足したから、帰らせてもらうよ。」

 

 ニラムさんはそう言って、テレポートを使って帰っていった。

 その後、クレアは俺たちに謝る。

 

クレア「その……………こんな事になってしまい、申し訳ありません……………。」

ダクネス「お気になさらず。こちらにも非礼があった。傷はこうして跡形もなく癒えた事だし、水に流すのが一番だと思います。」

 

 クレアが謝る中、ダクネスは微笑む。

 ちなみに、寝てたアクアを起こして、治させた。

 治し終えると、再び寝始めた。

 アイリス王女は、もじもじしていたが、もう1人の魔法使いのお姉さんに耳打ちする。

 

魔法使い「アイリス様。それは、ご自分のお口でおっしゃった方が良いですよ?大丈夫です。カズマ殿は、アイリス様の様な方には甘そうな方ですし、湊翔さんは気にしてなさそうですので。」

 

 しれっと酷い事言われてんな。

 すると、アイリス王女は、俺たちの前にやって来る。

 

アイリス「……………嘘吐きだなんて言ってごめんなさい。……………また冒険話を聞かせてくれますか?」

湊翔「それはもちろん……………。」

カズマ「喜んで!」

 

 俺とカズマは、そう答える。

 その後、別れの時が来た。

 

魔法使い「さて。では我々は、これで城に帰ると致します。ダスティネス卿、そして皆様方。大変ご迷惑をおかけしました。」

ダクネス「こちらこそ、あまりお構いも出来ませんでしたが……………アイリス様。また城にでも参じた時にお話ししましょう。その時には、様々な冒険話を携えて参りますので。」

 

 魔法使いとダクネスがそう話す中、アイリス王女は、年相応の笑みを浮かべる。

 俺とカズマは、口を開く。

 

湊翔「それでは、王女様。」

カズマ「またいつの日か、俺の冒険話をお聞かせに参りますので。」

アイリス「何を言っているの?」

 

 俺とカズマがそう言う中、アイリス王女は、俺とカズマの手を掴む。

 

魔法使い「テレポート!」

 

 その声と共に、どこかへと飛ばされる感覚がする。

 すると、目の前にお城が見える。

 

「「アイリス様!?」」

アイリス「また私に、冒険話をしてくれるって言ったじゃない?」

 

 アイリス王女は、そんな風に笑いかける。

 アイリス王女、結構傍若無人ですね。

 そうして、俺とカズマは、王城へと拉…………招待されたのだった。




今回はここまでです。
今回から、アイリスが登場します。
カズマは、最弱職ではありますが、知恵が働くので、例え相手が強敵でも立ち回る事が出来ます。
次回は、オリキャラを1人出そうかなと思います。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ちなみに、この小説は、このすば原作6巻であったアルダープ関連の話に関しては、オミットする予定です。
特にやる必要もないですからね。
設定的には、ニラムなどを始めとする人達によって、湊翔達の活躍が広まっているからという感じです。
今後のこの小説の展開について、リクエストがあれば、活動報告にて承っています。
MOVIEバトルロワイヤルの話にて、湊翔はパワードビルダーを手に入れる予定です。
ギーツIXや、ブジンソード、ファンタジーなどの強化形態は、どのタイミングで手に入れさせるのかは、まだ考え中です。
もし、リクエストがあれば、受け付けています。
ちなみに、アイリス、クレア、レインの3人は、仮面ライダーになります。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第62話 王都での生活

 アイリス王女によって、拉……………招待された俺たちは、王城を案内されていた。

 どうして、こうなったんだ。

 俺はそう思っていた。

 まじで気まずい。

 俺たち、部外者だよな。

 ちなみに、この場に居るのは、俺、カズマ、アイリス、魔法使いのお姉さんだ。

 白スーツの女騎士は、報告があると言い残して、どこかへと行った。

 すると、アイリス王女が魔法使いのお姉さんに耳打ちをする。

 

???「佐藤和真様、桐ヶ谷湊翔様。ようこそ当城へ。客人として招いたのですから、余計な礼儀作法や気遣いは無用です。どうか、ここを我が家だと思い寛いでください。この部屋が当面のあなたの部屋となります。……………では、冒険話の続きを!………………との事です。」

湊翔「すいません、ちょっと待ってください。」

カズマ「ちょっと。」

 

 魔法使いのお姉さんがそう言う中、俺たちは魔法使いのお姉さんを呼ぶ。

 俺たちは部屋の隅っこに行き、話をする。

 

レイン「何でしょう?……………ああ、自分の事はレインで結構。自分に対しては、敬語も不要です。一応は貴族の端くれですが、ダスティネス家とは比べるべくもない小さな家です。ダスティネス卿のご友人となれば、むしろ貴方様方の方が自分より格上と言える立場ですので……………。」

湊翔「なるほど。ではレインさん。聞きたい事があるんですが。」

レイン「自分には敬語は不要だと言いましたのに……………。名前も呼び捨てでも。…………何でしょう?」

 

 レインというお姉さんはそう言う。

 そんな名前だったんだ。

 アイリス王女やクレアという人と比べると、影が薄いからな。

 そんな中、カズマが口を開く。

 

カズマ「ええっと、レインさん。……………そろそろ状況を説明して欲しいんですが。…………王女様は客人としてお招きだとか言い張っていますが。……………これ、誘拐ですよね?」

レイン「違います。客人としてお招きしたのです。誘拐ではありません。」

湊翔「どう見ても誘拐ですよね?」

 

 カズマがそう言うと、レインさんは即座にそう言う。

 俺がそう言うと、レインさんは俺のツッコミを無視して、囁く。

 

レイン「……………常に厳格な王族である事を強いられて、普段から聞き分けも良く誰の手も煩わせないアイリス様が、生まれて初めてこの様な行いに出たのです。この城には、アイリス様と身分が釣り合い、しかも歳が近い遊び相手がおりません。どうか、アイリス様の初めての我儘に免じて、このまましばらく遊び相手を務めて頂くわけには参りませんか?」

 

 レインさんは、そんな風に言う。

 確かに、王族というのは、厳格でなければならないのだろう。

 言い分は分かるんだがな。

 

湊翔「まあ、言いたい事は分かるんですけどねぇ……………。」

カズマ「とはいえ、冒険話なんて大体終わっちゃいましたよ。その辺を王女様に伝えて帰して頂けませんかね?俺にはもう、王女様の気にいる冒険話は殆どありませんからと。」

 

 俺とカズマはそう言う。

 デザイアグランプリに関しては、ジャマトの真相に関しては伏せているが、仮面ライダーとして活動している事が公になっている為、それを話した。

 それを聞いたレインは、アイリスの方に向かい、耳打ちをする。

 それを聞いたアイリスはシュンとした表情を浮かべると、レインに何か言う。

 

レイン「あなた達を連れてきてしまったのは、私を叩いたララティーナへの軽い仕返しを兼ねてのイタズラと、あなた方とララティーナの様子がとても楽しそうで羨ましかったもので……………。突然、こんな我儘を言ってごめんなさい。少しだけ、ほんの少しだけで良いので、私とも遊んでもらえませんか?との事です。」

 

 レインは、そんな風に通訳する。

 なるほど、そんな理由か。

 ここで無下にして、ダクネスへの評価を下げるのもアレか。

 俺とカズマはアイコンタクトをして、レインに話しかける。

 

湊翔「分かりました。では、ダクネス……………いや、ララティーナの話でもしましょう。」

カズマ「レインさん、仲間が心配するんで、しばらくこちらに泊まるって説明して欲しいんですが。」

レイン「畏まりました。」

 

 俺とカズマはそう言う。

 それを聞いたレインは、一礼して、部屋から立ち去って行く。

 この部屋の中には、俺、カズマ、アイリスの3人が居た。

 というより、こんな光景を王様とかに目撃されたら、打首じゃね?

 死ぬのは嫌だよ?

 そんな風に思う中、見透かしたのか、アイリスは口を開く。

 

アイリス「お父様は、将軍やお兄様と共に、魔王軍との最前線となる街へ遠征に行っております。多少の事なら誰も咎める者もおりませんし……………。こういう時などであれば、普段ララティーナ………………いえ、彼女の事はダクネスと呼んでいるのですよね?その、ダクネスに話しかける言葉遣いで結構です。……………教えて下さい。城の外の色々な事を。」

 

 アイリスは、そんな風に部屋のベッドに腰掛けながら言った。

 そうして、俺たちは話をする事に。

 それからしばらくすると、クレアが戻ってきた。

 

クレア「失礼します。………………アイリス様、色々と手続きを済ませて参りました。これでカズマ殿と湊翔殿は、正式な客人となりましたので、気兼ねなくこの城に滞在していただければ………………。」

 

 クレアがそう言いながら部屋に入ると、話は佳境に入っていた。

 ちなみに、あのサキュバス騒動で、起こった事を話していた。

 俺は、カズマとダクネスがそんな事をしていたとは知らなかったのだ。

 その話を、アイリスは興味深そうに聞き入っていた。

 

カズマ「で、ダクネスは言ったんだ。『うう……………どうしてこんな事に…………』そして、全裸のままに俺の後ろに回ったダクネスは、耳まで赤くなりながら、タオルを握り締め、恥ずかしそうに……………っ!!」

アイリス「は、恥ずかしそうに……………っ!?恥ずかしそうに、どうしたのですか…………!?」

クレア「恥ずかしそうにどうした!アイリス様に何を教え込んでいる!ぶった斬られたいのか貴様はああああっ!」

 

 カズマの話にアイリスがそう言う中、クレアがそう叫んで、俺たちに剣を向ける。

 

カズマ「ま、待ってくれ!待って下さい!これはアイリスが是非にと……………!」

クレア「貴様、ただの冒険者が恐れ多くもアイリス様の名を呼び捨てにするとは……………!王女様と呼べ!それに、先ほどのアイリス様への口の利き方は何だああああ!!」

湊翔「あははは………………。」

 

 カズマがそう言うと、クレアは再び大きく叫ぶ。

 それを見て、俺が苦笑してると、アイリスが口を開く。

 

アイリス「待ちなさいクレア!カズマ様と湊翔様には、私が名前で呼んで良いと言ったのです。言葉遣いも自然なままで良いと言ったのです。そ、それよりもカズマ様、ララティーナは……………!ララティーナは、全裸のまま恥ずかしそうにタオルを握り締め、何をしたのですか!?」

クレア「アイリス様、いけません!その話は聞いてはいけない話です!カズマ殿、アイリス様にその手の話を吹き込まないで下さい!というより、湊翔殿も止めて下さい!」

湊翔「すいません、アイリスが止めるなと言うので、どうしようかと思いまして…………。」

 

 アイリスはそう言うと、続きを催促してきて、クレアはそう叫ぶ。

 クレアにそう聞かれたが、俺としても、教育によろしくないとして、止めようとしたのだが、アイリスが止めるのを阻止してきたので、どうしようかと途方に暮れていたのだ。

 

カズマ「ちなみに、何一つ嘘は言っていないさ。あの嘘をつくとチンチン鳴る魔道具を持ってきても良いぞ?」

クレア「……………嘘を言っているのではないのですか。ですが、この手の話はアイリス様に話さないで頂きたい!」

 

 カズマがそう言うと、クレアもカズマが嘘を言っているのではないと気づき、そう言う。

 その後、色々とはちゃめちゃに騒ぐのを俺は眺めていた。

 しばらくすると、クレアは怒り疲れたのか、寝てしまった。

 アイリスは、眠そうな素振りを見せずに、俺たちの話を聞いていた。

 冒険話では足りなくなったので、前世での話になって行く。

 

アイリス「それで?その、ガッコウという所の、ブンカサイをもっと詳しくお願い!」

カズマ「詳しく………………。湊翔も手伝ってくれ。まあ、アイリスと同年代の子達だけで、色々な出し物とかをするんだよ。例えば、喫茶店みたいなお店だとか。」

アイリス「なんて楽しそうで夢の様な所なの?そんな、そんな……………。ああ、でも、私と同年代の方だけでお店を出すなんて、お金を払わないと言い出す悪いお客が来たらどうするのかしら。それに、大勢でお店を切り盛りするのでしょう?全員分の給料を賄う利益は出るのかしら……………。」

湊翔「まあ、それに関しては、お店を出して楽しむというのが目的だからな。それほど儲けようなんて思わないさ。言うなれば、お店ごっこをして楽しんだり、お揃いの制服を着てお客さんを呼んだりな。」

 

 俺とカズマは、そんな風に話す。

 文化祭の出店というのは、大体そんなもんだ。

 それを聞いたアイリスは、心底羨ましそうに、そして、少しだけ寂しそうにする。

 無理もない。

 俺たちは庶民で、アイリスは王女様。

 庶民の友達なんて、出来るはずがない。

 それに、この世界には、紅魔族を除いて、義務教育という物がない。

 紅魔族は、あのデストロイヤーを開発した博士によって生み出され、その博士は日本人なので、義務教育についてもある程度教えたのだろう。

 それを実行出来るのは、紅魔族が知力が高いという事なのだろう。

 ………………厨二病な点を除けば。

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「そんなに気に入ったなら、ここに学校を作っちゃえば良いんじゃないか?」

湊翔「確かに。作って損になるような施設では無いはずだけどな。」

 

 俺とカズマは、そう言う。

 損になるような施設では無いはずだ。

 俺とカズマの言葉に、アイリスが一瞬、何かを言おうとして止める。

 俺とカズマが顔を見合わせて首を傾げる中、けたたましい鐘の音が鳴り響く。

 すると、クレアがすぐに跳ね起きた。

 

クレア「……………なんだ、また来たのか。」

 

 クレアはそう呟くと、そのまま部屋の外に飛び出していく。

 何事かと思っていると、アナウンスが聞こえてくる。

 

アナウンス『魔王軍襲撃警報、魔王軍襲撃警報!騎士団はすぐさま出撃!冒険者の皆様は、街の治安維持の為、街の中へのモンスター侵入を警戒して下さい!高レベルの冒険者の皆様は、ご協力をお願いします!』

 

 そんな風なアナウンスが響く。

 すると、アイリスがちょっとだけ寂しそうに、儚く笑う。

 

アイリス「こんな状況ですもの。とてものんびりと、学業だけに勤しんでいるなんて出来ません。」

 

 アイリスはそんな風に言う。

 そういや、デザイアグランプリの事を考えていたが、魔王軍も居るんだったな。

 魔王軍には、恐らく、ロキを始めとする面子も居るはずだ。

 それから一時間経つか経たないかというぐらいになると。

 

アナウンス『魔王軍による夜間奇襲は鎮圧された模様です。ご協力頂いた冒険者の皆様には、感謝致します。今回参戦された方々には、臨時報酬が出ますので、ご協力頂いた冒険者の方は、冒険者ギルドの窓口へ……………。』

 

 そんなアナウンスが流れてくる。

 ここは、この国の首都なのだから、奇襲が来てもおかしくないか。

 とはいえ、ジャマトが居るのかどうかは、分からなかったな。

 すると、アイリスが口を開く。

 

アイリス「……………楽しいお話をありがとう。日が昇ったら、レインに街まで送ってもらうと良いです。……………ララティーナに、ごめんなさいと謝っておいてはくれませんか?勝手にあなた達を連れてきてしまって……………。魔王軍との最前線ではないとはいえ、ここもたまにこうして襲撃がある、危険がないとは言えない場所ですから。」

 

 アイリスは、俺たちを気遣ったのか、そんな風に言う。

 まあ、安全とは言い難いからな。

 

カズマ「もちろんだよ。正直、結構小心者だから、早く帰りたいってのが本音だけど。」

湊翔「また、冒険話を溜め込んで、話をしますよ。」

アイリス「ふふっ。ありがとう。特にカズマ様はなんだか……………昔の頃のお兄様みたいです。本当は、まだ残って欲しいですが……………。」

カズマ「今、なんて?」

 

 俺とカズマは、そう言う。

 アイリスがそう言うと、カズマはそう言う。

 

アイリス「……………えっ?あ、あの…………。本当は、まだ残って欲しいですが、と………。」

カズマ「その前になんて言った?そのセリフの前に、俺が何みたいだって?」

アイリス「ええっと……………昔の頃のお兄様みたいだと………………。」

湊翔「カズマ?」

カズマ「もう一度言ってください。お願いします。」

 

 アイリスがそう答えると、カズマは再びそう言う。

 俺が声をかける中、カズマはアイリスに言わせる。

 

アイリス「お、お兄様みたいです。」

カズマ「出来れば、もっと砕けた感じで、もう一度……………。」

アイリス「お兄ちゃんみたい。」

カズマ「湊翔、俺、残るわ。」

湊翔「…………………は?」

 

 アイリスが上目遣いでそう言うと、カズマはそう言って、呆気に取られる。

 マジかよ。

 結局、カズマは王城に残ることにしたそうだ。

 俺は、流石にカズマだけにすると、何をするのか分からないので、残る事にした。

 それから、カズマはアイリスの遊び相手として活動する事になった。

 俺はというと、客人扱いである為、王城を散策したりする。

 ある日、王城を散策していると。

 

???「おや、桐ヶ谷湊翔ではないか。」

湊翔「あなたは………………ニラムさん。」

 

 後ろから声をかけられて、振り向くと、一度会った事のある蝶ネクタイにネックのスーツを着た男性が見えた。

 ニラムさんだ。

 俺がそう言うと、ニラムさんは口を開く。

 

ニラム「ああ……………呼び捨てでも構わないさ。君たちの扱いは客人なのだから、気楽に接してくれて構わない。」

湊翔「はぁ……………。それで、ニラムさん。何の用ですか?」

ニラム「ああ。君たちに会いたいという人が居るんだよ。」

湊翔「俺たちに?」

ニラム「佐藤和真は、既に向かう先に居るから、着いてきたまえ。」

 

 そう言って、ニラムさんは動く。

 俺も、ニラムさんの後ろを着いていく。

 しばらくすると、とある部屋に着く。

 

湊翔「ここですか?」

ニラム「ああ。」

 

 俺が部屋の扉を見る中、ニラムさんは迷わずに中に入る。

 俺も後に続く中、中にはカズマも居た。

 

湊翔「カズマ。」

カズマ「湊翔!?お前も呼ばれたのか!?」

湊翔「まあな。」

ニラム「お連れしましたよ。あとはお任せします。」

???「ほう。中々に骨のありそうな奴らが来たものだな。」

 

 俺とカズマがそう話す中、ニラムさんは誰かを呼ぶ。

 すると、1人の老人が現れる。

 

湊翔「あ、あの………………おじいさんは一体、誰なんですか?」

創師「わしか?わしは創師という者じゃ。この城で、兵士たちの指導を行なっておる。」

カズマ「そんなあんたが、俺たちに何の用だよ?」

創師「なあに。お主らも仮面ライダーであると聞いて、少し、腕試しをしたいと思っただけじゃよ。」

 

 そのお爺さんは、創師と名乗った。

 すると、創師はデザイアドライバーを取り出して、プロペラレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、創師の横に、灰色のプロペラと英語でPROPELLERの文字が浮かぶ。

 創師は叫ぶ。

 

創師「変身!」

 

 そう言って、レイズバックルを操作する。

 

ARMED PROPELLER

REDAY FIGHT

 

 すると、レイズプロペラを持った仮面ライダーに変身する。

 頭部の形状は、ゆんゆんのギンペンや、石井樹のナッジスパロウに似ている。

 

カズマ「マジかよ……………。」

創師「仮面ライダーケイロウというらしいぞ。さあ、2人まとめてかかってくるのじゃ!」

湊翔「……………本人が強そうだな。油断は出来ないな。カズマ、行くぞ。」

カズマ「分かったよ。」

 

 俺とカズマも、デザイアドライバーを装着して、それぞれ、レイズバックルを装填する。

 

SET

 

 俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が浮かぶ。

 俺とカズマは、変身ポーズをとって叫ぶ。

 

「「変身!」」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォームに変身する。

 

創師「では、遠慮なく来るのじゃ!」

湊翔「行くぞ!」

カズマ「おう!」

 

 創師がそう言う中、俺とカズマは、創師に向かっていく。

 

湊翔「ハアッ!でやっ!」

カズマ「おらっ!はっ!」

創師「甘い!甘いぞ!」

 

 俺とカズマが攻撃していく中、創師は、俺たちの攻撃を必要最小限の動きで躱していく。

 時には、俺とカズマの攻撃を逸らしたり、片方の攻撃をもう片方に誘導させたりする。

 やっぱり、強い……………!

 

創師「少しはやる様じゃが、まだまだじゃのう。」

カズマ「強ぇえ………………。」

湊翔「カズマ、連携で行くぞ。」

カズマ「お、おう。」

 

 創師がそう言う中、俺とカズマはそう言って、連携攻撃をしていく。

 俺がマグナムシューターで撃って、カズマがニンジャデュアラーで跳ね返して、跳弾として攻撃したり、カズマがキックをする中、俺はマグナムシューターでレイズプロペラを持つ手を狙撃したりする。

 

創師「ほう。連携をするとは、なかなかやるではないか。」

カズマ「よし、行けるぞ!」

湊翔「油断すんなよ!」

創師「じゃが……………甘い!」

 

 俺とカズマはそう言って、創師の横から攻撃をしようとする。

 だが、創師は慌てずにレイズバックルを操作する。

 

PROPELLER STRIKE

 

創師「そぉれ!」

カズマ「うわっ!?」

湊翔「くっ………………!」

 

 創師は、レイズプロペラを上に持ち上げ、高速回転させる。

 その際、エネルギーによって、プロペラ部分が大きくなる。

 俺とカズマは、そのプロペラの攻撃が当たり、吹っ飛ばされる。

 なんとか、受け身の姿勢を取れたので、変身解除は免れた。

 創師は、レイズプロペラを下ろすと、変身解除する。

 

創師「ふむ。中々にやるが、まだ荒い部分もあるのう。よし、わしが鍛えてやろう。」

カズマ「えっ?」

湊翔「良いんですか?」

創師「うむ。最近、退屈してての。相手をしてやろう。」

湊翔「では、お言葉に甘えて。」

カズマ「ええっ!?……………分かったよ。」

 

 創師はそう言って、俺とカズマを鍛える事になった。

 俺たちは、創師との特訓に付き合う事に。

 一方、その頃、ロキ達の方は。

 

ロキ「ほう。ギーツとタイクーンが、王都にいるのか。」

武「へぇ……………そうなのか。」

闘轟「なら、行くとするか。」

要「確かに。」

遥「そうね。あの時の決着がついていませんからね。」

光太郎「そうだな。」

樹「ちょっと待ってくれ。それは、僕に任せて欲しいな。」

 

 ロキがそう言って、馬場武達が動き出そうとする中、石井樹が止める。

 

闘轟「どういう意味だ。」

樹「タイクーンが居るのなら、僕が行くよ。借りは必ず返さないと気が済まないからね。」

ロキ「そうか。なら、樹に任せるとしよう。」

武「ふん。」

樹「……………今に見ていろ、タイクーン。借りは倍にして返すさ。ふふふふ……………。」

 

 闘轟がそう言うと、樹はそう答える。

 ロキによって、樹が向かう事になり、樹はほくそ笑んでいた。

 雀の策略家が、動き出そうとしていた。




今回はここまでです。
今回は、王都でのカズマと湊翔の話です。
この回にて、仮面ライダーケイロウに変身する人物、創師が登場しました。
創師もまた、小型レイズバックルを上手く活用していました。
アームドプロペラで、マグナムフォームのギーツに、ニンジャフォームのタイクーンと互角に渡り合う。
そして、邪悪な雀の策略家が、動き出す。
果たして、カズマはどうなってしまうのか。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
現在、活動報告にて、ギーツIXや、ファンタジーフォーム、4人のエースと黒狐に相当するエピソードのリクエストを承っています。
下記のリンクから、お願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=302686&uid=373253
ガッチャードも、面白かったです。
ちなみに、冬の映画の内容次第ですが、このすばとギーツ、賢者の孫とガッチャードの組み合わせストーリーをやる予定です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第63話 ナッジスパロウの計略

 俺たちが王城に住んでから、しばらくが経過した。

 俺は、創師に鍛えられていたと言うのもあって、かなり実力が伸びていた。

 カズマに関しては、アイリスの遊び相手というのもあって、そこそこしか出ていないが。

 ある朝、俺の部屋に創師がやってきた。

 

湊翔「創師さん。」

創師「湊翔よ。お主は、よくぞ付いてきている物じゃな。」

湊翔「そりゃあ、デザグラで勝ち抜く為には、強くならないといけないからな。」

創師「ふむ。それもそうじゃの。そうそう。お主とカズマに会いに来た者達が居てな。」

湊翔「俺とカズマに?」

 

 創師は、俺の部屋に入ってきてすぐに、そんなふうに言う。

 ジャマトも、強くなりつつある。

 だからこそ、強くならないといけないんだ。

 それを見て、創師はそう頷く。

 そう言うと、中に人が入ってくる。

 

トウカ「久しぶりね、湊翔。」

白夜「よお。王城での暮らしはどうだったんだ?」

朱翼「随分と頑張ったたみたいですね。」

武劉「久しぶりだな。」

 

 そこには、トウカ達の姿があった。

 いよいよ来たか。

 まあ、だろうな。

 

湊翔「ああ、悪くなかったんだけどな。そろそろお迎えか。」

トウカ「まあ、カズマを帰る様に度々説得してたんでしょ?」

白夜「ちなみに、アクア達も来てんぞ。お前らを連れ戻す為にな。」

湊翔「分かった。でも、カズマが嫌がりそうだけどな。」

創師「ほっほっほ。まあ、湊翔には、わしの教えられる技術は伝えた。問題ないぞ。」

 

 俺がそう言うと、トウカと白夜はそう言う。

 創師も、満足げにそう言う。

 すると、白夜が反応する。

 

白夜「えっ?何?お前、創師に色々と教わってたのか?」

湊翔「まあ、そうだな。」

白夜「おいおい……………マジかよ。お願いします。俺にも教えて下さい!」

朱翼「白夜?」

武劉「完全にやる気になっているな。」

創師「ほう。その心意気や良し。しかし、お主は湊翔とカズマの2人を引き取りに来たのでは無いのか?」

白夜「いや、それは………………。」

 

 俺がそう言うと、白夜は創師に頭を下げる。

 俺たちが唖然となる中、創師はその様に言う。

 そんな中。

 

カズマ「エロ担当!やっぱりお前はエロ担当だ!お前、今日からエロネスって呼んでやるからな!ああああ折れる折れる!」

 

 カズマのそんな叫び声が聞こえてくる。

 何事かと覗きに行くと、カズマがダクネスによって抑えられていた。

 それを見て、大体察した。

 恐らく、カズマが挑発したが、ダクネスに抑えられたのだと。

 すると、アイリスが入っていく。

 

アイリス「あ、あの……………ララティーナ……………!どうか、酷い事はしないであげて……………?」

ダクネス「アイリス様、この男を甘やかしてはいけません!こやつは人の皮を被った性獣です!女とみれば一緒に風呂に入りたがり、スキルを使えば下着を盗む。これはそんな男です。この私が人身御供になります故、アイリス様はどうか外へ……………!」

湊翔「酷ぇ言われ様だな……………。」

 

 アイリスが上目遣いでそう言う中、ダクネスはそう言う。

 酷い言われ様だな。

 俺がそう呟く中、アイリスはしゅんとしていた。

 

アイリス「…………………。」

ダクネス「うっ……………。あ、アイリス様………………。」

カズマ「あーあ、王女様を悲しませるだなんて、最低だないたたたたた!!」

 

 アイリスがしゅんとしたのを見て、ダクネスが狼狽える中、カズマが口を開く。

 最後の方が変な感じになったのは、ダクネスに強く握りしめられたからだ。

 

ダクネス「お前はちょっと黙っていろ!…………アイリス様、どうかお聞きください。この男と湊翔は、アクセルの街に屋敷もあり、それなりに名の売れている冒険者なのです。かの街には、この2人の友人もおり、行方をくらませれば心配する者もおります。………………なのでどうか、この男と湊翔を解放してやってはいただけませんか?」

 

 ダクネスは、カズマに攻撃しながら、アイリスにそう言う。

 まあ、カズマって、何やかんやで結構仲の良い人が多いからな。

 すると、アイリスは口を開く。

 

アイリス「……………そうですね。我儘を言ってごめんなさい……………。ねえ、ララティーナ。それならせめて、今晩だけでも……………お別れの晩餐会を開いてはいけませんか…………?」

 

 アイリスは、おずおずと申し訳なさそうに、上目遣いで言ってきた。

 こうして、俺たちは晩餐会に参加する事に。

 だが………………。

 

アクア「ねえ、カズマ!これ、凄く美味しいわよ!この、天然物の野良メロンに生ハムを乗っけたやつ!これは余程新鮮なメロンの様ね。まだピチピチとしてるわよ。」

めぐみん「カフマ、カフマ。ほれもおいひいれふよ。……………んぐっ。酢飯に乗せた高級プリンにわさび醤油をかけた料理です!何の料理かは分かりませんが、ねっとしとした甘みととろみが絡み合い、まったりとしながらしつこくなく………………!」

 

 会場に用意されたご馳走をモリモリと頬張っていた。

 がめついな。

 まあ、気持ちは分からんでもないが。

 ちなみに、俺たちは城から借りたスーツやドレスを着ている。

 だが、それを着ても尚、パーティーの空気から浮いてしまっていた。

 

湊翔「浮いてんだよな………………。」

トウカ「まあ、それに関しては、流石に大目に見てくれる………………よな?」

白夜「大丈夫……………じゃねぇかな?」

朱翼「みなさん、自信なさげですね…………。」

武劉「そりゃそうだろう。こんなに浮いているんだからな。」

 

 俺たちはそんなふうに話していた。

 ちなみに、アクアはバーテンダーの前に料理が置かれていたテーブルを引っ張っていって、めぐみんは空きの容器を貰って、せっせと料理を詰めていた。

 あと、ダクネスは貴族に囲まれて、歯の浮く様な賛辞を浴びせられていた。

 カズマは、居心地が悪くなったのか、壁の隅っこに居た。

 

白夜「カズマの奴、大丈夫か?」

トウカ「まあ、アクア達の方が綺麗だというのと、最弱職である冒険者だから、舐められてるのかもしれないな。」

湊翔「……………冒険者って、色んな職業のスキルを使えるから、結構便利なのにな。」

朱翼「まあ、言いたい事は分かるんですけどね。」

武劉「それも難しいだろう。いくら仮面ライダーになれるとはいえ、最弱職というイメージがついてるんだからな。」

???「その通りだな。」

 

 そう、カズマが疎外されている様にも思えるのだ。

 とはいえ、最弱職というイメージは、拭い難いのだろう。

 すると、そんな声が聞こえてくる。

 振り返ると、ニラムさんが居た。

 

湊翔「ニラムさん。」

ニラム「確かに、彼はクレアを相手に、機転を生かして勝利を収めた。だが、それでは、イメージを払拭するのは、ほぼ不可能に近いだろう。それが、この世界のリアルだ。」

白夜「そうだな。」

ニラム「まあ、この様な暗い会話は無しにしようではないか。折角のパーティーだ。楽しもう。」

トウカ「そうですね。」

 

 ニラムさんは、そんな風に言う。

 確かに、ニラムさんの言う事は正しいだろう。

 カズマが最弱職である冒険者でも戦ってこれたのは、前世での知識なども組み合わさったからだろう。

 この世界の人からしたら、最弱職である冒険者になる必要性は無いのだから。

 ちなみに、俺たちがそう話す中、カズマはアイリスと話していた。

 それを眺めていると、凄まじいサイレンの音が聞こえてくる。

 

アナウンス『魔王軍襲撃警報、魔王軍襲撃警報!現在、魔王軍と見られる集団が王都近辺の平原に展開中!騎士団はすぐさま出撃準備!今回は魔王軍の規模が大きい為、王都内の冒険者各位にも参戦をお願い致します!高レベル冒険者の皆様は、至急、王城前へ集まって下さい!』

 

 そんなアナウンスが響いてくる。

 マジか。

 今は夜の8時位だが、容赦なく来るのな。

 俺たちは、出撃準備をする。

 一方、その魔王軍の一団の中には、ジャマトも混じっていて、石井樹の姿もあった。

 

樹「さあ、タイクーン。僕を足蹴にした事の借りを返させてもらうよ。」

 

 そんな風にほくそ笑んでいた。

 ちなみに、ナッジスパロウに変身していた。

 一方、俺たちは、王城前へと集まっていた。

 カズマは、最弱職というのもあってか、参加を断られそうになっていたが、クレアの口添えでどうにかなった。

 あと、ミツルギの姿もあった。

 準備が終わったのか、クレアが叫ぶ。

 

クレア「魔王軍討伐隊、出陣せよ!」

 

 クレアがそう叫ぶと、俺たちも動き出す。

 腰にデザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が、武劉の隣には、大砲の絵と英語でBUSTERの文字が浮かぶ。

 俺たちは叫ぶ。

 

一同「変身!」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

FLUTE

BUSTER

REDAY FIGHT

 

 俺たちは、それぞれの仮面ライダーへと変身する。

 平原に出ると、そこには、魔王軍の一団と、ジャマトが混じっていた。

 

湊翔「数が多い上に、ジャマトも混じってるな。」

カズマ「みたいだな。」

白夜「まあ、やる事は変わんねぇよ。」

トウカ「そうだな。ジャマトを倒す。それだけだよ。」

めぐみん「ふっふっふ。私の活躍の時が来ましたね!」

ダクネス「さて、行こう。」

朱翼「ええ。」

武劉「油断するなよ。」

 

 俺たちは、ジャマトや魔王軍と応戦していく。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!はっ!」

 

 俺は、マグナムシューターとアーマードガンを駆使して、ジャマトを倒していく。

 

カズマ「ハアッ!おらっ!」

 

 カズマは、ニンジャフォームの素早さを活かしたり、忍術などでジャマトや魔物を倒していく。

 

トウカ「ハアッ!でやっ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーを振るい、ジャマトや魔物を倒していく。

 

白夜「はあっ!おらっ!」

 

 白夜は素早く動いて、ジャマトと魔物を攻撃して倒していく。

 

朱翼「はっ!でやっ!」

 

 朱翼は、フルートソードを振るい、ジャマトと魔物を倒していく。

 

めぐみん「ハアッ!」

 

 めぐみんは、ビートアックスのエレメント攻撃をしたりして、ジャマトと魔物を倒していく。

 

ダクネス「はあっ!ふっ!」

 

 ダクネスは、ゾンビブレイカーでジャマトと魔物に攻撃を叩き込んでいく。

 

武劉「はっ!ふっ!はあっ!」

 

 武劉は、両腕のクローや両肩の大砲から、ジャマトや魔物に攻撃していく。

 俺たちの攻撃により、魔物達も怯んではいた。

 すると、拳型のエネルギーがやってくる。

 

湊翔「皆、避けろ!」

 

 俺はそう叫び、皆は回避する。

 拳型のエネルギーがやってきた方向を向くと、そこには、ナッジスパロウが居た。

 

ダクネス「ナッジスパロウ!」

めぐみん「懲りずにまたやってきたみたいですね!」

樹「やあ。今日は、借りを返しに来たのさ。タイクーン、よくも僕の頭を足蹴にしてくれたね。」

カズマ「知るかよ、そんなの!」

樹「僕を倒して、王族の前に連れ出せば、最弱職と言われてても、少しは見直されるかもね。捕まえられるものならね。」

カズマ「上等だ!やってやろうじゃねぇか!」

 

 樹はそう言うと、奥へと逃げ出していく。

 それを、カズマが追っていく。

 

湊翔「カズマ!あんまり深追いするなよ!」

カズマ「ああ!」

白夜「それで、こっちはどうするんだ?数が多くなってきたが。」

湊翔「俺はコマンドツインバックルを使うか。」

めぐみん「なら、私たちはフィーバースロットですね!」

朱翼「行きましょう!」

 

 俺たちは、強化形態に変身することに。

 そんな中、武劉が考え込んでいた。

 

トウカ「どうしたんだ?」

武劉「いや、あいつは、何故カズマだけを誘き寄せたんだ?」

トウカ「借りを返すとか言ってたから、それが目的じゃないのか?」

武劉「そう……………か。まあ、こっちも片付けるか。」

 

 トウカが話しかけ、武劉は考え込むが、すぐに戦闘に意識を移す。

 俺はコマンドツインバックルを取り出して、他の皆はフィーバースロットを取り出す。

 俺以外が、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、俺はコマンドツインバックルをデザイアドライバーの右側に装填して、他の皆はフィーバースロットレイズバックルをレイズバックルが装填されていない方に装填する。

 

SET

SET FEVER

 

 待機音が流れる中、俺たちはそれぞれのレイズバックルを操作する。

 

CALIBER

LIGHTNING

BEAT

ZOMBIE

FLUTE

BUSTER

GREAT

HIT FEVER CALIBER

HIT FEVER LIGHTNING

HIT FEVER BEAT

HIT FEVER ZOMBIE

HIT FEVER FLUTE

HIT FEVER BUSTER

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・レイジングフォーム、他の皆は、フィーバーフォームへと変身する。

 レイジングフォームにした理由は、コマンドフォームに少しでも慣れる為だ。

 俺たちは、ジャマトや魔物に向かっていく。

 一方、カズマは、石井樹の方へと向かっていた。

 

カズマ「おい!どこまで行くんだよ!?」

樹「さぁてね。」

 

 カズマは、石井樹の方へと向かっていた。

 樹は、カズマをどこかへと誘導している様に見えた。

 しばらくすると、樹は立ち止まる。

 

カズマ「漸く立ち止まったか。大人しくしろよ!」

樹「……………フフッ。ふふふふ……………!」

カズマ「ん?何がおかしいんだよ!?」

樹「まさか、こうもあっさり引っかかるとはね。僕の罠に。」

カズマ「は?………………っ!?」

 

 カズマがそう叫ぶ中、樹は笑いを漏らす。

 カズマが訝しげにすると、周囲の状況に驚く。

 カズマと樹の周囲には、撒菱などがばら撒かれていたからだ。

 

カズマ「なっ!?撒菱!?」

樹「君は今、僕の罠に嵌ったんだよ。この狭さでは、ニンジャフォームの素早さは上手く活かせない筈だ。」

カズマ「マジかよ……………!?」

樹「これが、偽京の計さ。」

 

 カズマは、樹の策略に嵌まってしまったのだ。

 樹は、撒菱を周囲に京の都の形に巻いて、カズマを逃げられなくしたのだ。

 

カズマ「でも、お前をどうにかすれば…………!」

樹「それはどうかな。」

 

 カズマがそう言うと、樹はそう言って、手を振り下ろす。

 すると、カズマに向かって銃撃が起こる。

 周囲には、兵隊の服装をしたジャマトが沢山いた。

 

カズマ「ジャマトがこんなに!?」

樹「ジャマトにばかり気を取られてて良いのかい?」

カズマ「っ!?」

 

 カズマがジャマトに気を取られていると、樹が容赦なく攻撃してくる。

 

カズマ「くっ……………!」

樹「君は、僕の頭を足蹴にした。そのお返しはたっぷりとしてあげるよ。」

 

 カズマは、樹の策略に追い込まれていた。

 俺たちは、各々でジャマトを倒していた。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!」

 

 俺は、レイジングソードを振るい、ジャマトや魔物を倒していく。

 

トウカ「ハアッ!ふっ!」

 

 トウカは、二刀流となったソードエクスカリバーを振るい、ジャマトや魔物を攻撃していく。

 

白夜「オラっ!はっ!」

 

 白夜は素早く動き、ジャマトや魔物を倒していく。

 

朱翼「ハアッ!フッ!」

 

 朱翼はフルートソードを二本持ちして、ジャマトや魔物を切っていく。

 

武劉「ハアッ!でやっ!」

 

 武劉は、両腕と両足についたクローで、ジャマトや魔物を切り裂いたり、肩の大砲で砲撃したりする。

 

めぐみん「はあっ!でやっ!」

 

 めぐみんは、ビートアックスを二本持ちして、二つのエレメントで攻撃していく。

 

ダクネス「ハアッ!ふっ!」

 

 ダクネスは、2本持ったゾンビブレイカーで攻撃していく。

 ジャマトや魔物は、徐々に数を減らしていく。

 俺たちが戦う中、2人の仮面ライダーが近寄る。

 1人はミツルギが変身するライノスで、もう1人は狼の頭の仮面ライダーだった。

 

ミツルギ「君たちは……………!」

白夜「ミツルギか。で、そっちは?」

狼菜「え、え、ええっと……………孤塚狼菜。仮面ライダーロポという仮面ライダーになります………………。」

武劉「そうか。あと少しだ。早く片付けるぞ。」

湊翔「じゃあ、俺もいくか。」

 

 どうやら、日本人らしいな。

 狼菜という人は、仮面ライダーロポというのに変身するらしい。

 ロポに付いているアーマーは、これまた狼の様な感じの爪が付いたアーマーだった。

 俺は、レイジングソードに付いてるバックルのレバーを倒す。

 

FULL CHARGE

 

 その音声と共に、俺はキャノンのレイズバックルを外して、デザイアドライバーに装填する。

 

TWIN SET

 

 すると、俺の目の前に、飛行機の翼の絵と英語でJETの文字が上側に、キャノンの絵と英語でCANNONの文字が下側に出る。

 俺は、先ほど装填したレイズバックルを操作する。

 

TAKE OFF COMPLETE JET & CANNON

REDAY FIGHT

 

 俺は、ギーツ・コマンドフォーム・ジェットモードになる。

 コマンドフォームは、キャノンモードとジェットモードの二つを使い分けて使う様だ。

 

湊翔「さあ、ここからがハイライトだ!」

 

 俺はそう叫んで、空へと飛ぶ。

 そして、空から強襲攻撃を行い、ジャマトや魔物を倒していく。

 レイジングソードを使ってだ。

 俺は、レイジングソードのボタンを押す。

 

RAISE CHARGE

 

 すると、待機音が流れてくる。

 俺は天高く飛び、ある程度飛んだら、トリガーを引く。

 

TACTICAL RAISING

 

湊翔「ハァァァァァァァァァ!!」

 

 俺はそんな叫び声を上げて、地面に急降下して、その先にいたジャマトや魔物に攻撃する。

 その際、地面が大きく凹む。

 それを見て、魔王軍とジャマトは撤退を始めた。

 

めぐみん「では行きます!エクスプロージョン!」

 

 めぐみんが追撃と言わんがばかりに爆裂魔法をぶちかまし、魔王軍は泣きながら去っていった。

 それを見て、歓声が上がる。

 一方、カズマは、劣勢になっていた。

 

カズマ「くそっ!せめて、フィーバースロットとかが使えたら………………!」

樹「使わせるわけないだろう。……………と言いたい所だが、ここまでにしよう。僕の目的は果たしたわけだしね。」

 

 カズマが毒づく中、樹はそう言う。

 すると、ジャマト達も撤退を始める。

 

カズマ「撤退?どういう意味だよ。」

樹「それは、この後分かるさ。」

 

 カズマの問いに、樹はそう答えて、そのまま撤退する。

 こうして、魔王軍の襲撃は終わったのだった。

 その後、カズマは俺たちとなんとか合流出来た。

 そして、パーティーの続きが始まる事に。

 そのパーティーの盛り上がり具合は、魔王軍による銃撃が起こる前と比べると、今の方が盛り上がっていた。

 その理由は。

 

貴族「いやぁ!此度の襲撃は、大分楽でしたなぁ!」

貴族「それもそうだ。ダスティネスのご令嬢のパーティーともう一つのパーティーの手助けもあったしな!」

貴族「まあ、あの冒険者の男は、敵の罠に嵌った挙句、何も役に立てなかったみたいですが。」

貴族「そうだ。その男を除外して、ミツルギ殿を加えれば、魔王を討伐できるのではないか?」

貴族達「それだ!!」

 

 俺たちがジャマトやら魔王軍を倒した事で、そんな風に盛り上がっていたのだ。

 一部、カズマを貶す様な発言が聞こえたのだが。

 カズマ曰く、石井樹の策略に嵌り、劣勢になっていたらしい。

 やっぱり、侮れないよな。

 俺は周囲に集まる人たちから逃れて、カズマの方に向かう。

 もちろん、目立たない様に。

 目立ってしまうと、カズマを貶す発言が増える気がしたからだ。

 とはいえ、どんな風に慰めたら良いのかを悩んでいると。

 

クレア「………………なんだ。まだ居たのか、貴様。」

カズマ「なんだよ。」

 

 隅っこにいるカズマに対して、クレアがやって来て、バカにした様な顔でカズマに話しかける。

 

クレア「今宵の主賓であるダスティネス卿や、その他の方には城に泊まって頂くが、貴様はもう帰って良いぞ。」

カズマ「なんでだよ。俺だって頑張ったんだぞ。」

クレア「それで?確かに序盤は活躍していたな。だが、突出した挙句、敵の策略に嵌り、無様にも劣勢になっていたそうじゃないか。やはり、私が負けたのはまぐれで、貴様はとんだ口だけ男だったな。今後、あの方々には、ミツルギ殿とパーティーを組んでもらう様に要請が行くだろう。貴様はパーティーを抜けて、アクセルの街でのんびりと過ごすが良い。」

 

 クレアはそう言うと、カズマはそう言う。

 だが、クレアはバカにした様な表情でそう言う。

 流石に言い過ぎだろ。

 カズマだって、頑張ってたんだぞ。

 だが、事実も混じっていた事で、カズマは何も言い返せずにいた。

 それを見て、クレアは薄く笑い、目に蔑む様な色を浮かべて、言う。

 

クレア「貴様は、明日には王都から出ていってもらう。この王都には、貴様の様な最弱職は要らない(・・・・・・・・・・・・・)。無理にでも居座ると言うのなら、力尽くで追い出してやる。まあ、今日の所は引き続きパーティーを楽しむと良い。……………楽しめる程の戦果を挙げたのならな?」

カズマ「…………………っ!!」

 

 クレアがそう言うと、カズマはその場から走り去っていく。

 流石に、クレアを咎める。

 

湊翔「クレアさん、流石にちょっと言い過ぎなんじゃないですか?」

クレア「湊翔殿か。あの男は、実際、あまり役に立っていなかっただろう。」

湊翔「それでも、アイツは頑張ってたんだぞ。いくら何でも言い過ぎだろ。」

クレア「それが?結果が全てだ。」

 

 俺がそう言う中、さも当然の様に言う。

 この女は、嫌いなタイプだな。

 俺の過去が刺激されてしまう。

 今のクレアの目の色は、かつての過去に何度も見た目と同じだ。

 俺は、クレアを睨みつつ、その場から去っていく。

 一方、カズマは。

 

カズマ「悔しいっ!何だあの女!最後の最後まで嫌味を言いやがって!」

 

 カズマはヤケ酒をしながら、そんな風に言う。

 カズマがヤケ酒をする中、後ろから声がかけられる。

 

ツムリ「佐藤和真様。」

カズマ「あ?……………なんだ、ツムリかよ。何の用だよ。」

ツムリ「いえ、あなたに会いたいという人が居ますので。」

カズマ「あ?ほっとけよ。って!?」

 

 背後に居たのは、ツムリだった。

 カズマは、ツムリに対してそう言うが、ツムリはカズマを掴み、デザイア神殿へと向かう。

 

カズマ「何だよ!?無理矢理連れてきて!」

???「私が呼んだからだよ。」

 

 デザイア神殿に着いたカズマがそう毒づくと、そんな声が響く。

 カズマが周囲に視線を向けると、カウンターの方にギロリが居た。

 更に、ギロリの前の机の上には、蛙の置物が置いてあった。

 カズマは、蛙の置物を触る。

 

カズマ「何だこれ?蛙の置物?」

???「ちょっと!レディの身体をベタベタ触るんじゃないわよ!!」

カズマ「喋った!?」

 

 カズマが不思議そうにそれを触る中、その置物はそう叫び、カズマは驚き、元の場所に戻す。

 すると、ギロリが口を開く。

 

ギロリ「彼女はケケラ。仮面ライダーを支援するサポーターの内の1人さ。」

カズマ「サポーター………………?」

ケケラ「ええ。アタシは、アンタのサポーターなのよ。今回呼び出したのは、アンタに説教をする為よ。」

カズマ「説教……………?」

 

 ギロリがそう紹介する中、カズマは困惑して、ケケラはそう言う。

 ケケラが口を開く。

 

ケケラ「説教の内容としては、ナッジスパロウに良いようにされた事と、あのクレアって女に罵倒された時に何も言い返さなかった事よ。」

カズマ「そ、それは………………。」

ケケラ「確かに、ニンジャフォームであの狭い場所での戦闘は不利かもしれないけど、フィーバースロットでゾンビやらブーストを出すか、デュラハンのレイズバックルを使えば負けなかったはずでしょう!」

カズマ「…………………。」

ケケラ「それに、あのクレアって女にボロクソに言われた事も、本当は誰よりも強く一番魔王を倒すのに近い男のくせに、全くその通りだと、自分は弱いのだと受け入れているのが腹が立つのよ!」

 

 ケケラはそう言うと、カズマは事実も含まれているからか、黙ってしまう。

 その次の言葉に、カズマは疑問符を浮かべる。

 

カズマ「どういう事だよ?」

ケケラ「アンタ、他の仮面ライダーとアンタの違いが分かる?」

カズマ「いや…………………?」

 

 カズマがそう聞くと、ケケラはそう言う。

 カズマが首を横に振ると、ケケラは答える。

 

ケケラ「それは、肉体の強さよ。」

カズマ「え……………?」

ケケラ「ギーツにしろ、ライコウにしろ、シュバルツギーツにしろ、転生特典を得た転生者は、肉体がそれを完璧に扱える様に調節され、現地人達は過酷な環境に適応する為に魔法職の者さえ丈夫な体になっているのよ。」

カズマ「そ、そうなのか………………。」

ケケラ「だけど、アンタはアクアを連れていった事で、実質転生特典無しで行ったのよ。あのミツルギって奴が、魔剣グラムに頼る様な感じになってるみたいに、どんどんと脳筋的に戦っていく。そんな中、ミツルギとあのクレアって女の時みたいに、知恵を使って、小型バックルだけでその2人を倒したアンタは十分強いのよ。」

カズマ「…………………。」

 

 ケケラは、そんな風に説明する。

 それを聞いていたカズマは、そんな風に俯く。

 すると、背後から声をかけられる。

 

???「そんな君には、頼みがある。」

カズマ「ん?」

 

 背後から声をかけられて、後ろを振り向くと、そこにはゲームマスターとクリスの2人がいた。

 

カズマ「ゲームマスターに……………クリス!?何でここに!?」

クリス「ち、ちょっとね……………。」

ツムリ「まずは、こちらをご覧ください。」

 

 カズマがそう驚くと、クリスは頬の傷を引っ掻きながら、そう言う。

 すると、ツムリが前に出て、タブレットを見せる。

 そこには、ペンダントが映っていた。

 

カズマ「これ……………アイリスが首から下げてたペンダントだよな?」

ギロリ「その通りです。かつて、女神アクアが転生特典として地上に送り出した神器で、所有者が使用すると相手と自分の身体を自在に取り換えれる危険な物だ。」

クリス「で、私はそんな神器を封印して、天界で管理する為にあっちこっちに出回っては侵入して回収してるんだよ。」

ゲームマスター「君には、クリスと共に変装して、そのペンダントを盗んできて欲しい。」

 

 カズマがそう言うと、ギロリとクリスの2人がそう説明する。

 ゲームマスターは、カズマにそう頼み込む。

 それを聞いたカズマは、口を開く。

 

カズマ「はぁ?いやいや、ちょっと待ってくれよ!王城には、湊翔達に高レベル冒険者が居るんだぞ!そんなの、無理に決まってるだろ!」

ゲームマスター「ところが、そうも言ってられない状況になってな。」

 

 カズマがそう叫ぶと、ゲームマスターはモニターを出す。

 そこには、複数のジャマトとジャマトライダーを連れた石井樹が忍び込もうとしていた。

 

カズマ「石井樹!?何で!?」

ゲームマスター「狙いは、アイリス王女のペンダントだろう。もし、ジャマト側にペンダントが渡ればそれを利用してジャマトと人間が入れ替わるかもしれない。しかも、ペンダントの効果はどちらかが死ぬと永続的な効果に変わる。つまりペンダントを盗られることは仮面ライダー達が不利になる事の片道切符になる。」

カズマ「…………………。」

ギロリ「勿論、タイクーンの状態で行けば、すぐにバレるだろう。これを使ってくれ。」

 

 カズマが、石井樹が忍び込んでいるのを見て驚く中、ゲームマスターはそう言う。

 カズマが唖然となる中、ギロリはそう言うと、ツムリがある物を用意する。

 そこには、緑色と水色の動物の絵が描いていないIDコアと、複数の小型レイズバックルだった。

 

カズマ「これは?」

ゲームマスター「これは、かつて、警備隊を設立する際に試作品として作った量産型の仮面ライダーのIDコアだ。それと小型レイズバックルを使って欲しい。」

 

 ゲームマスターは、カズマにそんな風に言う。

 すると、カズマは叫んで逃げ出そうとする。

 

カズマ「嫌だよ!ライダー同士での争いは御法度だから嫌だ!それに、いくらの俺でも、小型バックルでアイツらとやり合うの無理に決まってんだろ!!」

ツムリ「今回に関しては、不問に致します。どうか、引き受けてくれませんか?」

ギロリ「君にしか出来ないんだ!」

カズマ「無理に決まってるだろ!」

 

 カズマがそう叫んで逃げ出そうとすると、ツムリとギロリの2人が抑える。

 そんな中、ずっと黙っていたケケラが口を開く。

 

ケケラ「もし、アンタの仲間がジャマトにされた王女様を消してしまったら、どうなっちゃうのかしらね。」

カズマ「………………え?」

 

 ケケラがそう言うと、カズマはケケラを凝視する。

 

カズマ「……………どういう意味だよ。」

ケケラ「文字通りよ。歴代の仮面ライダーでも、人間だと知らずに倒して、その後正体を知って心に深い傷をおった奴は沢山いるしね。それをどうにか出来るのは、この場にいるアンタ達2人だけよ。」

 

 カズマがそう聞くと、ケケラはそう答える。

 実際、仮面ライダー鎧武で、葛葉紘汰/仮面ライダー鎧武が、ビャッコインベスと化した角居裕也を殺めてしまい、後にそれを知った紘汰は、心に深い傷を負った。

 それを聞いたカズマは、葛藤したが、緑色のIDコアと小型レイズバックルを取り、叫んだ。

 

カズマ「しょうがねぇなぁぁぁぁぁ!!」

クリス「ちょっ!?カズマ君!?」

 

 カズマはそう叫びながら、デザイア神殿のサロンから飛び出していき、クリスもIDコアと小型レイズバックルを持って、飛び出す。

 それをケケラが満足そうに見ていると、声がかけられる。

 

???「ちょっと悪趣味なんじゃないのかな?」

ケケラ「ん?何だ、ジーンね。」

 

 ケケラに声をかけたのは、ジーンだった。

 ジーンがそう言うと、ケケラは答える。

 

ケケラ「こうでもしないと、私の推しは動かないからね。本来アイツは、危険から程遠い人生を送る筈だった何処までも普通の人間…………もし社会人として元の世界にいたら部下の為に頭くらい下げれるよくいる面倒見のいい男位にしかなってなかった。そんな奴が、仮面ライダーとして、魔王軍の幹部を倒しているのは、まさに運命と言えるわね。」

ジーン「………………俺としては、ギーツに活躍させて欲しいんだけどね。」

 

 ケケラがそう言うと、ジーンは不服そうにそう言う。

 すると、ツムリが口を開く。

 

ツムリ「それにしても……………クリス様の正体をお伝えしなくてよろしいのでしょうか?」

ギロリ「確かに……………コレからも頼りにする事があるかもしれないのに、何も知らせないのは良いのか?」

ゲームマスター「まだその時ではないさ。」

 

 ツムリがそう言うと、ギロリはそう言う。

 それを聞いていたゲームマスター……………ゼウスは、仮面を外しながらそう言う。

 色々な陰謀が蠢く事件が、幕を開けようとしていた。




今回はここまでです。
今回は、ナッジスパロウの暗躍です。
カズマは、石井樹によって、ある意味で追い詰められました。
ここは、あまり進みませんでした。
何故なら、この時のクレアの対応が、自分的にはあまり好きではないので。
カズマを見下すというのは、好きじゃなくて。
ただ、湊翔の抗議に、クレアは結果が全てと言いましたが、奇しくも、ビヨンド・ジェネレーションズでのヒロミに対するジョージ・狩崎みたいな感じになりましたが。
次回は、色々とリクエストが来たオリジナルの小型レイズバックルが登場します。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
現在、4人のエースと黒狐に相当するエピソードのリクエストを受け付けています。
現時点では、魔王討伐の後に、4人のエースと黒狐のエピソードをやる予定です。
もし、リクエストがあれば受け付けます。
今日は、ギーツあにめが配信されたり、このすばの最新情報が来たりしましたね。
今後の展開でリクエストがある場合も受け付けています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第64話 銀髪盗賊団

 カズマとクリスは、デザイア神殿から王城へと着いていた。

 カズマは、バニルから受け取った仮面を持っていた。

 

クリス「ねえ、それって何?ちょっとかっこいいね。一体どこで手に入れたの?」

カズマ「これか?これはな、アクセルに住む魔道具店の店員から貰ったんだよ。一応、売れ筋商品らしいぞ?」

クリス「へぇ。そうなんだ。」

 

 カズマとクリスは、そんな風に話していた。

 しばらくすると、クリスはカズマに言う。

 

クリス「じゃあ下っ端君、覚悟はいいかい?」

カズマ「俺はいつでも大丈夫だよ、おやびん。」

「「…………………。」」

 

 クリスとカズマがそう言うと、お互いに黙る。

 すると、クリスが口を開く。

 

クリス「ねえ、おやびんはやめて欲しいんだけど。」

カズマ「じゃあ、俺を下っ端呼ばわりすんのも止めろよな。大体、なんで俺が手下みたいな扱いになってるんだよ。」

クリス「だって、あたしの職業は盗賊だよ?本職だよ?君の職業は冒険者でしょ?」

カズマ「そうは言っても、千里眼っていう暗視スキルを持ってる俺の方が、盗賊家業をやるには向いてると思うぞ。実力的には俺の方が親分だろう?」

 

 カズマとクリスは、お互いの呼び方で揉めていた。

 すると、クリスが口を開く。

 

クリス「でもでも、この王都で義賊として名前を売ってきたのはあたしの方だよ!このままじゃ埒があかないし、ここは一つ、何かの勝負でもして決めよう!」

カズマ「勝負ねぇ。じゃあ、盗賊には運も必要って事で。俺とじゃんけん勝負ってのはどうだ?」

 

 クリスがそう言うと、カズマはそう言う。

 2人は、じゃんけんの勝負を行う。

 すると、カズマが負けた。

 

クリス「まずは、城内に侵入するところからだね、助手君。」

カズマ「ですね、お頭。ここしばらく城の中で伊達にニートをやってた訳じゃない。暇を持て余してあちこちウロウロしてる間に、城の造りは把握した。案内は俺に任せろ。」

 

 カズマとクリスはそう話す。

 お互いに色々と妥協した結果、こうなった。

 2人は今、城の城壁へと回り込んでいた。

 

クリス「助手君、こんな所から侵入するの?壁の高さがもの凄いよ?三階くらいの高さだし、流石のクリスさんもここからは……………。」

カズマ「狙撃!」

 

 クリスがそう言う中、カズマは先がフック状になったロープ付きの矢を放ち、城壁の縁に引っ掛ける。

 それを見ていたクリスは、感心しながら口を開く。

 

クリス「助手君は便利だねぇ。冒険者稼業を引退したら、あたしと一緒に悪徳貴族専門の盗賊団を結成しない?」

カズマ「溜め込んだ金を使い切って、どうしようもなく暇になったら考えるよ。……………よし、行くか!」

 

 クリスがそう言うと、カズマはそう言って、ロープを伝って、城の中へと侵入する。

 一方、既に潜入していた石井樹は。

 

樹「さて、アイリス王女のペンダントを奪う為には………………一部のジャマトで、宝物庫に侵入して、引き付けてくれ。」

ジャマト「ジャッ!」

樹「さて、僕たちは、アイリス王女の方へと向かおうかな。」

 

 樹は、一部のジャマトに宝物庫の方に向かうように指示をして、樹は、二体のジャマトライダーと盗賊ジャマトを引き連れて、アイリスの元へと向かう。

 一方、俺たちはパーティーに引き続き参加していた。

 

湊翔「カズマ………………。」

トウカ「どうしたんだ?」

湊翔「いや、カズマの奴、落ち込んでないかなって。」

朱翼「まあ、あんな言われ方をしたら、傷つくのも無理はないですけどね。」

武劉「とはいえ、クレア殿の言い分にも一理はある。罠だと気付かずに突出して、一方的にやられていては、話にならないからな。」

 

 俺がそう言うと、トウカ達はそう言う。

 そして、武劉の言い分も、失敗が絶対に許されない自衛隊のボディーガードであるが故の言葉だろう。

 ちなみに、白夜が居ない理由は、創師さんの修行を受けているからだそうだ。

 すると、警報音が鳴る。

 

湊翔「なんだ?」

トウカ「警報?」

武劉「何かあったのか?」

朱翼「さあ?」

 

 そんな警報音が鳴り、俺たちが顔を見合わせる中、スパイダーフォンに連絡が入る。

 

ツムリ『皆さん、こんばんは。』

湊翔「ツムリさん。」

トウカ「どうしたんですか?」

ツムリ『これより皆さんには、怪盗強盗ゲームに挑んでもらいます。』

武劉「怪盗強盗ゲーム?」

朱翼「なんですか?それ。」

ツムリ『現在、ベルゼルグの王城に、強盗ジャマトと義賊が侵入しています。アイリス王女とペンダントを守って下さい。』

 

 ツムリさんから、そんな連絡が来る。

 ジャマトが現れたって、マジか。

 すると、ダクネス達もやってくる。

 

ダクネス「湊翔!ジャマトが現れたとは、どういうことだ!?」

湊翔「俺に聞かれても……………。」

めぐみん「とにかく、どうにかしないといけませんね!」

トウカ「よし、私と武劉は、そのジャマトや義賊の方をどうにかするから、湊翔たちは、アイリス王女をお願い!」

武劉「分かった。」

ダクネス「頼んだぞ!」

アクア「誰だか知らないけど、捕まえれば、更に美味しいお酒がもらえるわよね!」

 

 俺たちはそう話して、動き出す。

 というより、アクアは酒が目当てかよ。

 一方、カズマとクリスは。

 

カズマ「おい!なんでもう警報が鳴ってるんだよ!?」

クリス「宝物庫の中を見てみよう!」

 

 カズマとクリスは、突然の警報に驚く中、宝物庫の中を覗く。

 すると。

 

ジャマト「ジャ〜ッ!」

騎士「なんなんだこいつら!?」

騎士「くそっ!絶対に根絶やしにしろ!」

 

 宝物庫の中では、戦闘が起こっていた。

 石井樹が放ったジャマトが、騎士達と応戦していたのだ。

 

カズマ「お頭。どうやら、石井樹が放ったジャマトが応戦してるみたいですね。」

クリス「みたいだね……………だとしても、これはチャンスだよ!騎士達がジャマトに気を取られてるうちに……………!」

騎士「こっちにも賊が居たぞーーっ!!」

 

 カズマとクリスは、そんな風に話していた。

 すると、他の騎士達に見つかる。

 カズマとクリスは、取り囲まれていた。

 

クリス「まずいよ、助手君!もう今夜は引き上げるよ!」

カズマ「いや、待ってくれ!俺的には今日にはどうにかしたい!明日には、王都を追い出されるんだよ!」

クリス「そ、そう言われても……………盗賊と冒険者の二人組だなんて、真正面からじゃあっさり捕まっちゃうよ!?」

 

 カズマとクリスはそう話していた。

 騎士達がにじり寄る中、カズマは思い出していた。

 アイリスとのこれまでの出来事を。

 すると、カズマは口を開く。

 

カズマ「お頭、俺……………たった今から本気出すわ。」

クリス「……………助手君?」

 

 カズマがそう言うのに対して、クリスが首を傾げる中、隊長格の男が騎士達を連れて現れる。

 

隊長「曲者共め!この城に入ってきたことを後悔させてやる!どちらか片方だけは生かしておけ!なんの目的でこの城に入ってきたのかを尋問してやる!」

兵士「隊長、片方はダガーを持っていますが、もう片方は丸腰です!」

隊長「よし!銀髪の方は手加減なしで行け!もう片方は2人いれば十分だ!」

 

 隊長と兵士達は、そんな風に言う。

 隊長は、カズマ達に警告する。

 

隊長「おい、侵入者ども!投稿するなら今だぞ。場合によっては、命だけは助かるかもしれん。さあ、おとなしく……………!」

 

 隊長がそう言う中、カズマは隊長に手を差し出す。

 隊長は、剣を僅かに下ろす。

 

隊長「おっ?そうか、投稿するのか。よし、そっちの銀髪の坊主も武器を捨てろ!そうすればあああああああああーーーーーっ!?」

クリス達「なっ!?」

 

 隊長は、カズマの手を取ると同時に、悲鳴を上げ、数秒で崩れ落ちる。

 クリス達も、それには驚く。

 何故なら、ドレインタッチを使ったのだ。

 

兵士「こ、こいつ、なにしやがった!?」

カズマ「フハハハハハ!絶好調!絶好調!!なんか知らんが絶好調だ!今夜は俺の本気を見せてやる!」

クリス「じょ、助手君!?さっきから様子が変だよ!?どうしちゃったのさ!?」

 

 兵士たちが後ずさる中、カズマはそう叫んで、兵士たちに向かっていき、クリスはそう叫ぶ。

 一方、石井樹たちは。

 

樹「派手にやってるねぇ。それじゃあ、僕たちはひと足先に向かうとしよう。」

 

 そんな風につぶやきながら、外壁を登っていた。

 一方、白夜と創師は。

 

白夜「うん?なんか騒がしいな。」

創師「そうじゃのう。じゃが、わしが鍛えた兵士たちもいる故、大丈夫であろう。それじゃあ、続きをするぞ?」

白夜「はい!」

 

 創師と白夜は、そんな風に話す。

 白夜は、ライコウ・ライトニングフォームになっていて、創師は、ケイロウ・サムライフォームになっていた。

 一方、カズマとクリスは、兵士達を倒していった。

 

カズマ「お頭!最上階への階段は、そこの角を右ですぜ!」

クリス「う、うん、分かった!そ、それより助手君?なんだかいつもと雰囲気が…………口調も変だし、どうしたの!?」

 

 カズマがそう叫ぶ中、クリスは戸惑っていた。

 カズマは、ドレインタッチや初級魔法を使いこなし、兵士達をあっという間に無力化していたのだ。

 クリスも、魔法使いをスキル・バインドなどを用いて、無力化していた。

 そんな中、クリスはカズマに言う。

 

クリス「ねぇ、さっきの話だけどさ、銀髪盗賊団じゃなくて、仮面盗賊団にしない?主犯格として扱われるのは嫌なんだけど……………。」

カズマ「さっきも言いましたけど、俺だって、主犯格みたいに扱われるのは嫌ですよ。」

 

 どうやら、カズマが銀髪盗賊団と叫んだ事を抗議していた様だ。

 兵士達は、カズマ達を止められずにいた。

 ちなみに、冒険者達は、大半が酔い潰れていて、使い物にならないそうだ。

 しばらくすると、最上階に駆け上がる。

 

クリス「ワイヤートラップ!ワイヤートラップ!ワイヤートラップ!」

 

 クリスは、階段の入り口にワイヤーを張りまくる。

 

クリス「よし、これでしばらくは誰も通れないね!さあ、あとは……………!」

ミツルギ「あとは君たちを捕らえ、侵入した目的を聞き出すだけだね。」

武劉「お前達は何者だ。」

クレア「自分たちで退路を断つとはな。侵入者共め!もはや逃げられないと思え!」

 

 クリスが一息吐きながらそう言うと、背後から声がかけられる。

 そこには、ミツルギや武劉、トウカ、クレア、レイン、騎士達がいた。

 

クリス「助手君、どうしよう!?流石にこの数は……………!」

カズマ「お頭、受け取ったあれを使うしかないですよ!」

クリス「そ、そうだね!」

 

 カズマとクリスは、そんな風に話していた。

 一方、ミツルギは。

 

ミツルギ「クレアさん。あの仮面の男は、かなりの強敵だと聞きました。武器は持っていない様ですが、追い詰められれば何をするか分かりません。あいつは僕が取り押さえますので、騎士団の方々は、あの銀髪の少年をお願いします。」

クリス「……………ねえ助手君。さっきから坊主呼ばわりされたり、少年呼ばわりされたりしてるんだけど、あたしって口元を隠しただけで、そんなに男の子っぽい?」

カズマ「大本の原因は、お頭のスレンダーボディのせいでしょうね。……………お頭、いじけてないでしっかりして下さい。ここからが正念場ですよ。」

 

 ミツルギがそう言う中、クリスはいじけて、カズマはそう言う。

 なんとか立ち直ったクリスは、カズマと共に、デザイアドライバーを取り出す。

 IDコアは、すでに変わっていた。

 

ミツルギ「なっ!?デザイアドライバー!?」

武劉「あいつらも仮面ライダーというわけか。」

トウカ「みたいだな。なら、私たちも行こう!」

 

 ミツルギが驚く中、武劉とトウカは、そんな風に言って、デザイアドライバーを装着する。

 ミツルギ達は、自分たちのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、ミツルギの横に洋風の城と英語でCASTLEの文字が、武劉の隣には、大砲の絵と英語でBUSTERの文字が現れる。

 3人が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「変身!」」」

 

 そう言って、3人は、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

CALIBER

CASTLE

BUSTER

REDAY FIGHT

 

 トウカはラウンズ・カリバーフォームに、ミツルギはライノス・キャッスルフォームに、武劉はダイル・バスターフォームに変身する。

 一方、カズマ達も変身する。

 カズマはウォーター、クリスは受け取ったレイズバックルの一つ、ペンレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、カズマの横側に青色の蛇口と英語でWATERという文字が、クリスの横側に白いペンの絵と英語でPENの文字が浮かぶ。

 2人は叫ぶ。

 

「「変身!」」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

ARMED WATER

ARMED PEN

REDAY FIGHT

 

 2人は、仮面ライダーデザイア・アームドウォーターと、アームドペンになる。

 それを見たミツルギたちは。

 

ミツルギ「小型バックルか。」

トウカ「でも、油断は出来ないな。」

武劉「だな。」

カズマ「お頭、こういった時は、一番強いやつを無力化させてビビらすんです。絶好調のこの俺が、あのサイの頭のスカしたイケメンを瞬殺します。残りの2人は、お頭に任せますよ。」

クリス「嘘っ!?……………しょうがないな。」

 

 カズマ達が変身したのを見て、身構えるミツルギ達。

 カズマは、そう言う。

 すると、ミツルギが反応する。

 

ミツルギ「き、聞こえてるよ、君。スカしたイケメンって、僕の事かい?瞬殺か。小型バックルの相手に随分と舐められたものだね。いいだろう、僕の本気を……………!」

 

 ミツルギがそう言う中、トウカと武劉は、クリスの方に向かっていた。

 カズマは、レイズウォーターを持ちながら、ウォーターレイズバックルを操作する。

 

WATER STRIKE

 

 それを見たミツルギは、油断なく構える。

 

ミツルギ「それでどうしようというのかな?以前、とある男に負けて、この仮面ライダーの力を得てから、小型レイズバックルに関しては、調べたのさ。ウォーターは水源が無ければ、ただの水の入っていない水鉄砲。何も出来ないさ。さあ、大人しく投降するなら…………。」

 

 ミツルギがそう言う中、カズマはレイズウォーターのトリガーを引く。

 確かに、ミツルギの言う通りだ。

 ウォーターレイズバックルは、水源が無ければただの水の入っていない水鉄砲としか使えない。

 ただし、必殺技を発動する際には、それは関係なくなる。

 

カズマ「オラァァァァ!!」

ミツルギ「なっ!?なんのつもりだ!?」

 

 カズマは、レイズウォーターから水を放つ。

 その水を顔面に受けたミツルギは、気にせずカズマの方に向かおうとする。

 だが。

 

カズマ「フリーズ!!」

ミツルギ「なっ!?」

 

 カズマは、フリーズを発動した。

 レイズウォーターから放たれた水は、カズマの氷結魔法により、凍っていき、ミツルギの顔面が凍結した。

 

ミツルギ「なっ!?前が見えない…………!」

カズマ「よしっ!」

 

 ミツルギは、凍結した事により、視界を塞がれてしまい、無力化された。

 一方、トウカと武劉は、クリスと応戦していた。

 

トウカ「はあっ!ふっ!」

武劉「ふっ!はっ!」

クリス「はっ!おっと!」

 

 トウカと武劉は、連携攻撃をして、クリスに攻撃をしていく。

 クリスは、逃走スキルを駆使して、攻撃を躱し、レイズペンで攻撃していく。

 2人の体には、レイズペンから出たインクが付いていく。

 

トウカ「何だこれ?インク?」

武劉「特にダメージは無いが……………。」

クリス「今すぐじゃなくても、無力化出来るからね!」

トウカ「えっ?」

武劉「なっ………………!?」

 

 トウカ達は、クリスの行動を首を傾げる中、クリスはそう言う。

 すると、トウカ達が動けなくなっていた。

 

トウカ「うっ、動けな……………!?」

武劉「まさか……………体のあちこちにインクを塗って、固めさせたのか!?」

クリス「そういう事!悪いけど、突破させてもらうよ!助手君!」

カズマ「おう!」

 

 そう。

 ペンレイズバックルは、インクを無限に出せる能力を持っており、それを自在に固めさせることも可能だ。

 それを用いて、2人の関節部分にインクを塗り、固めた。

 それを見ていた騎士達は、動揺して後ずさる。

 カズマとクリスは、別の小型レイズバックルを取り出す。

 

SET

 

 すると、カズマの横側に緑色の矢の絵と英語でARROWという文字がクリスの横側に灰色のタイヤと英語でWHEELの文字が浮かぶ。

 2人は、レイズバックルを操作する。

 

ARMED ARROW

ARMED WHEEL

REDAY FIGHT

 

 2人は、アームドアローとアームドホイールを装備する。

 ちなみに、クリアverのアローレイズバックルを装備している。

 カズマは、クリスに捕まり、包囲網を突破する。

 すると、クリスが叫ぶ。

 

クリス「助手君、後ろっ!何か来るよ!」

クレア「この先には、アイリス様がいる!このまま行かせるくらいなら、2人とも殺してかまわん!最悪、アクア殿のリザレクションに頼れば良い!!レイン、遠慮なく放つが良い!」

 

 そう。

 クレアは、もう殺す判断をしたそうだ。

 だが、カズマはレイズアローをレインに向けると。

 

カズマ「狙撃!」

レイン「ひっ!」

 

 レイズアローから放たれたエネルギーの矢の攻撃は、レインの杖の先についた宝石を破壊して、レインは小さな悲鳴を上げて動けなくなる。

 

クレア「あいつは本当に何者なのだ!なぜ、あれほどの手だれが盗賊などやっている!」

 

 クレアは悔しそうな声を出して、カズマ達を見送る。

 一方、俺たちの方には、トウカから連絡が入った。

 

トウカ「ごめん!突破された!」

湊翔「分かった。……………どうやら、目的地はここみたいだな。」

めぐみん「ふっふっふ!どうやら、私の出番の様ですね!」

ダクネス「それにしても、何者なのだ。その盗賊達は。」

アクア「そんな事はどうでも良いわよ!私たちが捕まえれば、更に美味しいお酒をくれるに決まってるわよ!」

朱翼「アクアさん………………。」

 

 トウカ達からの連絡を聞いて、俺たちはそう話す。

 小型レイズバックルを駆使して、ミツルギやトウカ達を無力化するとは。

 しばらくすると、タイヤの駆動音が聞こえてきて、外に出ると、2人の仮面ライダーが居た。

 

湊翔「あれか……………。」

めぐみん「ちょっと待ってください!なんですか、あのかっこいい見た目は!」

ダクネス「めぐみん?」

朱翼「行きますよ。」

 

 俺たちはそう言うと、デザイアドライバーを装着して、それぞれの相性の良いレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が現れる。

 全員が変身ポーズを取り、叫ぶ。

 

「「「「変身!」」」」

 

 俺たちは、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

BEAT

ZOMBIE

FLUTE

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、めぐみんはナーゴ・ビートフォーム、ダクネスはバッファ・ゾンビフォーム、朱翼はスワン・フルートフォームに変身する。

 一方、義賊の方は、別の小型レイズバックルを取り出す。

 

SET

 

 すると、緑色の奴の横側にピンクのハンマーの絵と英語でHAMMERという文字と青色のスマホの絵と英語でSUMAHOが浮かび、水色の奴の横側に黄色の爪と、英語でCLAWの文字が浮かぶ。

 2人は、レイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

ARMED HAMMER ARMED SUMAHO

ARMED CLAW

REDAY FIGHT

 

 片方は、小型レイズバックルのデュアルオンで、もう片方はクローのレイズバックルを使っていた。

 俺たちは、それぞれで応戦していく。

 

湊翔「ふっ!はっ!」

カズマ「おっと!くっ!」

 

 俺がマグナムシューターを撃つ中、そいつは、腕についてるスマホでガードする。

 硬いな。

 というか、声的にカズマか?

 何やってんだ、あいつ。

 もう片方の方には、めぐみん、ダクネス、朱翼が対応していた。

 というか、声的にもクリスか?

 すると、カズマと思われる仮面ライダーの腕についてるスマホから、声が聞こえる。

 

???「おい!」

カズマ「あ!?なんだよ、こんな時に!」

???「そんな事は良い!急がないと王女様が危ないわよ!」

カズマ「何っ!?お頭!」

クリス「わ、分かった!」

 

 カズマと思われる仮面ライダーが、クリスと思われる仮面ライダーと合流して、別のレイズバックルを取り出す。

 

ARMED RANCHER

ARMED GATLING

REDAY FIGHT

 

 すると、それぞれの足にガトリングとランチャーを装備する。

 どう見ても、フォーゼのランチャーモジュールとガトリングモジュールだよな。

 

カズマ「行くぞ!」

クリス「OK!」

 

 2人はそう言うと、扉を吹っ飛ばす。

 煙が晴れると、驚くべき光景が目に入る。

 

湊翔「なっ……………!?」

めぐみん「石井樹です!」

樹「おや、もう見つかるとはね。」

ダクネス「何故お前がここに!?」

クリス「そのペンダントは渡さないよ!」

朱翼「ペンダント?」

アイリス「くっ…………!」

 

 そう。

 そこには、ナッジスパロウ・モンスターフォームに変身した石井樹が居て、アイリスの首を絞めていたのだ。

 石井樹がそう言うと、ジャマトとジャマトライダーがこっちに向かってくる。

 ダクネス達がジャマトやジャマトライダーと応戦する中、カズマとクリスと思われる仮面ライダーは、石井樹の方に向かっていた。

 すると、ダクネスが叫ぶ。

 

ダクネス「湊翔!ジャマト達は抑えるから、アイリス様を頼む!」

湊翔「分かった!」

 

 ダクネスがそう叫ぶ中、俺はそう返し、コマンドツインバックルのジェット側を取り出して、マグナムの代わりに装填する。

 

SET

GREAT

REDAY FIGHT

 

 俺は、ギーツ・レイジングフォームに変身する。

 レイジングソードを持って、石井樹の方へと向かっていく。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!どりゃっ!」

カズマ「おらっ!はっ!」

クリス「はっ!でやっ!」

樹「ふっ。ほっ。」

 

 カズマがレイズアローで援護射撃をして、クリスがレイズクローで牽制して、俺がレイジングソードで攻撃するが、石井樹は余裕で躱していた。

 時折、考える人みたいなポーズを取っている。

 正直、ウザい。

 余裕を醸し出しているな。

 時折、こちらが回避できる攻撃をしてきたりする。

 舐めプとしか言いようがない。

 そんな風に回避するので、レイジングソードがなかなかチャージ出来ない。

 すると。

 

樹「ハアッ!」

湊翔「何っ!?」

 

 樹が魔法を放ち、俺のレイジングソードを吹っ飛ばす。

 

樹「コマンドフォームにさえさせなければ、君はエントリーフォームとほぼ同じ。負ける気がしないね。」

湊翔「へぇ……………。」

 

 樹は勝ち誇った笑みを浮かべ、攻撃してくる。

 俺は、創師に教わった格闘術を用いる。

 そんな中、緑色の仮面ライダーは考えていた。

 

カズマ(どうする?このままじゃあ、クレア達が追いつちまう!一応、クリスがワイヤートラップを使ったが、いつまで持つか…………。)

 

 そんな風に考えていた。

 すると、妙案を思いつく。

 

カズマ(これしかない!)

 

 そう思うと、アイリスに叫ぶ。

 

カズマ「アイリス!そのレイジングソードで戦ってくれ!」

アイリス「え……………?」

クリス「助手君!?君はいきなり何を言い出すのさ!?」

樹「そうだね。アイリス王女は今、そう簡単には動けないさ。」

カズマ「うるせぇ!アイリスは、誇り高き王族なんだろ!?だったら、そんな奴をぶっ倒せ!」

アイリス「……………!はい!」

 

 緑色の仮面ライダーがそう叫ぶ中、水色の仮面ライダーと石井樹はそう言う。

 だが、緑色の仮面ライダー…………カズマは、そう発破をかける。

 すると、アイリスはレイジングソードを持って立ち上がる。

 

アイリス「私は……………このベルゼルグ王国の王女です!あなたの様な者には、屈しません!」

樹「やれるものなら、やってみれば?」

 

 アイリスはそう宣言して立ち上がり、レイジングソードを構える。

 樹は、挑発気味にそう言う。

 

アイリス「ハアッ!」

樹「何っ!?くぅ!」

 

 アイリスは、レイジングソードを持って攻撃すると、樹は押され気味になる。

 そう。

 アイリスは、剣と魔法を極めた転生特典を持つ勇者の血を引く高レベルの王族の1人。

 いくら魔法使いとはいえ、仮面ライダーで、モンスターフォームに変身する相手でも、負けるはずがない。

 先を読み攻撃を防ぎ流して、退路を断って急所に確実に決める様は美しささえ感じられた。

 

アイリス「湊翔さん!」

湊翔「おう!」

 

 すると、アイリスはレイジングソードをこちらに投げる。

 俺はキャッチすると、エネルギーが貯まっていた。

 俺は、レイズバックルを操作する。

 

FULL CHARGE

 

 その音声と共に、俺はキャノンのレイズバックルを外して、デザイアドライバーに装填する。

 2人も、別の小型レイズバックルを装填する。

 

TWIN SET

SET

 

 すると、俺の目の前に、飛行機の翼の絵と英語でJETの文字が上側に、キャノンの絵と英語でCANNONの文字が下側に出て、カズマの横には、赤いグローブの絵と英語でGLOVEの文字が、クリスの横には、オレンジ色の輪っかと英語でCIRCLEの文字が浮かぶ。

 俺たちは、レイズバックルを操作する。

 

TAKE OFF COMPLETE JET & CANNON

ARMED GLOVE

ARMED CIRCLE

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・コマンドフォーム・ジェットモードに、あとの2人は、小型レイズバックルを使った形態になる。

 流石に、こんな所でキャノンモードになる訳にはいかないからな。

 アイリスも、自前の剣を取り出し、攻撃していく。

 

カズマ「オラオラオラオラオラ!」

アイリス「ハァァ!」

 

 カズマは、マテリアライズスマッシャーに似たグローブで連打攻撃をして、アイリスは自前の剣で攻撃していく。

 

湊翔「ふっ!はっ!」

クリス「はあっ!でやっ!」

 

 俺はレイジングソードで、クリスはキウイ撃輪に似た武器で攻撃していく。

 

樹「くっ!ジャマトライダー達は何をしているんだ!?」

めぐみん「ジャマトライダーですか。」

ダクネス「悪いが、既に倒させてもらった。」

朱翼「あとはあなただけです!」

樹「なっ!?」

 

 樹は、ジャマトライダー達を応援に呼ぼうとしたが、既にめぐみん達に倒されていた。

 樹の意識が、めぐみん達の方に向いた瞬間、俺たちは動く。

 

CIRCLE STRIKE

 

クリス「ハァァァァァ!」

樹「何っ!?」

 

 クリスが必殺技を発動して、キウイ撃輪の様な武器にエネルギーを纏わせて、斬撃を繰り出すと同時に、樹を拘束する。

 

クリス「助手君!」

カズマ「おう!」

 

 クリスがそう叫ぶと、カズマはそう答えて、レイズバックルを操作する。

 

GLOVE STRIKE

 

カズマ「オラオラオラオラオラ!」

樹「がっ!?ぐっ!?ぐはっ!」

 

 カズマが、マテリアライズスマッシャーに似た武器で、ラッシュを仕掛ける。

 そんな中、俺は空を飛んでいた。

 

カズマ「後は頼むぜ!」

湊翔「ああ!盛大に打ち上げだ!」

 

 カズマがそう言う中、俺はレイジングソードのボタンを押す。

 

RAISE CHARGE

 

 待機音が流れる中、空中に浮かび、身動きが取れない状態の樹に向かう。

 

TACTICAL RAISING

 

湊翔「ハァァァァァ!」

樹「ぐわぁぁぁぁぁ!!」

 

 俺は必殺技を発動して、レイジングソードを振るい、樹を吹っ飛ばす。

 樹は、壁にぶつかり、変身解除する。

 俺は、そんな樹にレイジングソードを向ける。

 

湊翔「さて、お前には聞きたい事があるんだ。大人しくして貰おうか。」

樹「分が悪いね……………テレポート!」

 

 俺が向ける中、樹はそう言うと、テレポートで逃げてしまう。

 すると、外の方から、クレアの声が聞こえてくる。

 どうやら、そろそろ到着するみたいだな。

 すると。

 

カズマ「お頭!本来の目的を果たしましょう!」

クリス「はっ!そうだった!助手君、行くよ!」

「「スティール!」」

 

 2人はそう叫んで、アイリスから何かを奪い取る。

 どうやら、ペンダントも含まれている様だ。

 すると、窓から出ようとする中、アクアが叫ぶ。

 

アクア「なるほど!アンタ達の狙いは、それね!それが何なのか知らないけれど、アンタ達にそのまま持って行かせたりはしないわよ!封印ッ!!」

カズマ「くそったれー!」

 

 アクアがそう叫ぶと、ペンダントに封印が施された様な気配がして、そのままその2人は窓から飛び出していく。

 すると、クレア達もやってくる。

 

クレア「アイリス様!ご無事ですかっ!?」

アイリス「はい。」

ダクネス「まさかとは思うが…………。」

めぐみん「何者だったんでしょうかね。」

朱翼「それにしても、小型レイズバックルを上手く使ってましたね。」

武劉「ああ。まさかとは思うが…………。」

トウカ「やっぱりか。」

 

 他の人たちは、そんな風に話していた。

 すると、俺のスパイダーフォンにメッセージが来る。

 

湊翔「なんだ?」

 

 それを見ると、全てに納得がいった。

 こうして、この1日は終わるのだった。

 すると。

 

白夜「えっ?何があったんだ?」

 

 白夜がそんな風に言って現れたのだった。




今回はここまでです。
今回は、カズマ達が王城で大暴れしました。
元自衛隊所属のボディーガードや、魔剣の勇者なども一蹴しました。
そして、ペンダントを手に入れましたが、アクアによって封印されました。
次回は、エピローグみたいな感じなので、短めになります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
現在、このすばの原作9巻の内容でやる戦国ゲームに関しても、意見を受け付けています。
ギーツのファイナルステージで、タイクーンのブーストフォームマークIIが出たので、こちらでも、タイクーン、バッファ、ライコウにブーストフォームマークIIやレーザーブーストを使わせようかなと思っています。
あと、湊翔のヒロインとして、ゆんゆんとリアも居ますが、湊翔が神になるので、その2人はどうしようかなと思いますね。
2人も神にしようかなとは思いますが。
魔王とロキとの戦いが終わった後に、4人のエースと黒狐に相当するエピソードをやろうかなと思います。
今後の話の流れでリクエストがあれば、受け付けます。
魔王との戦いの際には、魔王には湊翔達が、ロキには運営サイドが戦う感じです。
あと、ジットも出します。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第65話 王女との別れ

 次の日の朝。

 一夜明けた王都は、蜂の巣をつついたような大騒ぎになっていた。

 なにせ、噂の義賊がたった2人で城に乗り込み、魔道具を強奪していったのだ。

 その知らせは、瞬く間に王都を駆け巡り、話題となっていた。

 一方、デザイア神殿では。

 

ツムリ「………………という訳で、王女様が身につけていたペンダントは、そんな危険があったんです。」

ギロリ「私たちは、2人にそのペンダントの回収を頼んだんだ。」

 

 俺たちは、事情を聞いていた。

 とはいえ、めぐみんはともかく、口が軽そうなアクアはここには居ない。

 ちなみに、カズマとクリスの2人は、正座させられていた。

 

白夜「そんな事があったのか。」

トウカ「道理で、戦い慣れてる訳だ。」

武劉「なるほどな。」

 

 白夜がそう言う中、トウカと武劉は、納得が行ったような表情をしていた。

 そんな中、俺は口を開く。

 

湊翔「……………で、あれは止めなくて良いのか?」

トウカ「あれね……………。」

朱翼「どうしましょうか………………。」

 

 俺がそう言うと、トウカと朱翼は微妙な表情を浮かべる。

 その理由は。

 

クリス「ダダダ、ダクネス、お願い、落ち着いてえええええ!!さっきもギロリさんとツムリさんが言った通りだからぁぁぁぁ!!」

カズマ「おい、話は聞いただろ!?お願いしますやめてください!これ以上はヤバいって、死んでしまいます!!」

ダクネス「ああ、本気で締め上げるのだけは許してやろう!だが、これはやらねば気が済まん!」

 

 クリスとカズマは、正座をされながら、ダクネスのアイアンクローを食らっていた。

 ダクネスって、剣での攻撃はスカが多いのに、拳での攻撃は普通に当たるんだよな。

 しばらくすると、ダクネスは落ち着いたのか、口を開く。

 

ダクネス「全く、お前達は……………。なぜ私に言わなかったのだ。最初からきちんと話せば、あんなバカな真似をしなくても、私がちゃんと話をつけてやったものを。」

ギロリ「それに関しては、申し訳ない。」

ツムリ「公にすれば、悪用されるリスクがありましたので。」

 

 ダクネスがそう言うと、ギロリとツムリの2人がそう言う。

 確かに、擬似的な輪廻転生が出来るのだ。

 悪用される可能性もあり得たからな。

 それを聞いたダクネスは、ため息を吐きながら言う。

 

ダクネス「やってしまったものはしょうがない。幸い、お前達の正体は、この場にいる全員にしかバレていない。クリスは銀髪が目立ちすぎるから、すぐに王都から出て、アクセルの街に帰ると良い。カズマは……………私たちと一緒に、今から城へ行くぞ。」

カズマ「えっ!?…………ああっ、お前に締め付けられたこめかみが痛い!悪いんだけど、俺はここで休んでるから……………。」

ダクネス「くだらない芝居をしてないで、良いから来い!めぐみんやアクアを迎えに行かなければならないし、アイリス様への別れの挨拶もあるのだろう!」

カズマ「い、嫌だ!ボロが出てバレるのは絶対に嫌だ!それで、嘘を吐くとチンチン鳴る魔道具を持って来られるかもしれないだろ!」

湊翔「あははは……………。」

 

 ダクネスはため息を吐きながらそう言うと、カズマは抵抗して、俺は苦笑する。

 よっぽど、あれがトラウマになったんだな。

 すると、朱翼が口を開く。

 

朱翼「そういえば、カズマさん、アイリス様から何かを盗んでませんでした?」

ダクネス「何?」

トウカ「どういう事?」

朱翼「いえ。クリスさんとカズマさんは、2人ともスティールを使っていましたけど、クリスさんがペンダントを奪ったなら、カズマさんは何を奪ったのか気になりまして。」

 

 朱翼がそう言うと、俺たちの視線は、カズマの方に向く。

 確かに、あの時、カズマもスティールを使っていた。

 すると、カズマが何かを取り出した。

 

カズマ「もしかして、これの事か?」

ダクネス「………!?ここ、こ、こ………!?これを、アイリス様から盗んだだと!?」

カズマ「そ、そうだけど……………なんだよ、そのリアクションは止めろよ。その反応が怒られたりするより一番怖えよ!そんなに大した物でもないんだろ!?なあ、俺をビビらせてるだけなんだろ!?」

 

 カズマが取り出したのは、アイリスが付けていた指輪だった。

 それを見たダクネスは、驚愕の表情を浮かべる。

 俺たちが首を傾げる中、ダクネスは口を開く。

 

ダクネス「いいか、カズマ。その指輪は絶対に無くすなよ?そして、それは誰にも見つからない様に墓の下まで持っていけ。」

カズマ「おい止めろよ!そ、そんなに大事なものなら、その辺で拾ったって言って返しに行こうぜ!?」

ダクネス「戯け!これは王族が子供の頃から肌身離さず身につけ、婚約者が決まった時にのみ外し、伴侶となる相手に渡す物なのだ。それを賊に奪われ、その辺の冒険者が拾ってきただなどと……………!善意で届けたとしても、お前は口封じに始末されるだろうな。」

湊翔「マジか。」

 

 そんな代物だったとは。

 それを聞いた俺たちが驚き、顔を見合わせる中、トウカとクリスが口を開く。

 

トウカ「それにしても、ダクネスは随分と変わったよな。」

クリス「確かに。証拠隠滅を奨めるだなんてね。これは……………あれかな。助手君に毒されてきたのかな?」

ダクネス「なっ……………!?ま、まて、自分では自覚がないのだが、わたしはそんなに変わったのか!?もしや私は、アイリス様が毒されるのだと心配している場合ではないのか!?」

 

 トウカとクリスはそう言うと、ダクネスはショックを受ける。

 確かに、仲間になった初期は、証拠隠滅を奨めるなんて事はしなかったからな。

 その後、クリスは王都から離れる事になり、俺たちはアイリスの元へと向かう。

 すると、ダクネスはアイリスの部屋の前で立ち止まると、口を開く。

 

ダクネス「………………今の状態のお前を連れていくと何かと面倒臭そうだな。神器の件は私が説明するから、お前はここでじっとしていろ。」

カズマ「お前、何の為に俺を連れて来たんだよ。今の俺はやさぐれてるからな。ここまで連れて来られて1人にされたら、城の中で何するか分かんないぞ。」

湊翔「子供か。」

トウカ「流石に入れてあげたら?」

白夜「まあ、俺らが上手く説明すれば大丈夫だろ。」

 

 ダクネスがそう言うと、カズマはそう言う。

 それを聞いた俺、トウカ、白夜はそう言うと、カズマはさっさと中に入る。

 

武劉「おい!ノックしないのは失礼だろ!」

朱翼「いつの間に………………。」

ダクネス「アイリス様!ダスティネスです!緊急の話があり、参上しました!」

 

 カズマがさっさと中に入った事に、武劉、朱翼、ダクネスがそう言う。

 俺たちも中に入ると。

 

アクア「まあ、この私にかかればチョロいもんよね!そんな訳で、あの危険な神器はガッチリ封印したからもう使えないわ。だから安心してくれて良いわよ!全く、あの盗賊といい、石井樹といい、とんでもない物に目を付けたものね!」

めぐみん「魔道具に関してのエキスパート、紅魔族であるこの私が保証します。あれほどの神器は、もう誰にも作る事が出来ないでしょう。つまり、これにて一件落着ですね!」

 

 アクアとめぐみんが、ドヤ顔でそう言っていた。

 ていうか、めぐみんはともかく、お前は大して何もしてないだろ。

 石井樹が従えていたジャマトを相手にしても、何もしてなかったくせに。

 すると、レインが口を開く。

 

レイン「流石はアクア殿とめぐみん殿!いや、それなら安心しましたよ。アクア殿からあの魔道具の真の力を聞き、青くなりましたよ。」

クレア「……………しかし、石井樹という男はともかく、あの義賊達の目的は何だったんだろうか?巷での評判を聞く限り、その神器を悪用する様な連中とも思えないのだが……………。む?ダスティネス卿に、湊翔殿達…………………なんだ、貴様か。」

 

 レインとクレアがそう言うと、クレアは俺たちに気づく。

 相変わらず、カズマには辛辣な様だな。

 

ダクネス「あの神器について調べた結果、大変危険なものであるとの情報を得たので、報告に来たのですが………………。」

武劉「どうやら、その必要は無さそうですね。」

 

 ダクネスと武劉はそう言う。

 すると、アイリスが口を開く。

 

アイリス「………………もしかして、あの方々は、私を助けに来てくれたのでしょうか。あのネックレスの本当の力を知り、その危険性を素直に告げれば、誰かに悪用されかねないと……………。」

クレア「アイリス様、それは流石に考えすぎです。いくら評判の義賊とはいえ、その様な目的で、わざわざ危険を冒してまで王城に忍び込んでは来ないでしょう。………………もし本当にそうだとしたら、あの者達は、大した男だと言わざるを得ませんが………………。」

 

 アイリスがそう言うと、クレアはそう言う。

 クレアは、悔しそうながらも、少しだけ尊敬の籠もった小さな声でそう呟く。

 というより、正体がバレてないか?

 話を変えるべく、俺は口を開く。

 

湊翔「そういえば、石井樹はどうなりますかね?」

レイン「はい。あの石井樹という者は、アイリス様に危害を加え、誘拐しようとしたので、指名手配されるのは間違い無いでしょう。」

クレア「当然の判断だな。」

 

 俺はそう聞くと、レインとクレアはそう答える。

 そりゃあ当然か。

 王族を攫おうとしたのだ。

 指名手配もされるか。

 すると、アイリスが口を開く。

 

アイリス「お兄様。一つ、お願いがあります。」

クレア「あ、アイリス様?」

 

 アイリスは、真剣な表情でカズマの方を見る。

 アイリスが何かを言おうとした瞬間、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「アイリス様。そのお願いの前に、私からアイリス様に、申し上げたい事があります。このサトウカズマなる者と、桐ヶ谷湊翔なる者は、数多の魔王軍幹部を倒してきました。そしていずれは、魔王を倒すやも知れぬ者たちです。それはとても困難で、常人には成し得難い事ですが……………そんな困難に立ち向かおうとするこの者たちに、何かお言葉を掛けてやっては頂けませんか?」

 

 ダクネスはそう言う。

 まあ、デザ神になる為には、魔王を倒す必要があるからな。

 

アイリス「……………魔王を倒す?本当に?お兄様達は、本当に、魔王を倒そうとお思いですか?」

湊翔「ああ。例え、誰が強くなろうと、最後に勝つのは………………俺だ。」

カズマ「ま、まあ、俺も魔王討伐を考えてはいる……………からな。」

 

 アイリスがそんな真面目な表情でそう聞くと、俺とカズマはそう答える。

 すると、アイリスが口を開く。

 

アイリス「そうですか……………。お兄様達ならきっと出来ます。魔王退治、頑張って下さい。……………どうか、お兄様達にご武運を!」

 

 アイリスは満面の笑みを浮かべながらそう言う。

 それには、誰も何も言えなくなる…………筈だった。

 

めぐみん「お兄様お兄様と、良い加減その呼び名は止めるべきです!あなたには本物のお兄様が居るのでしょう?そっちとイチャイチャしていればいいじゃないですか。その呼び方は、何だか自分の存在が脅かされそうでイラッとするのですよ!魔王なんていずれこの私が葬ってくれます!カズマや湊翔が出るまでもありませんよ!」

 

 めぐみんはそうカッカしながら、そう言う。

 

アイリス「お、お兄様はお兄様です!私がお兄様をお兄様と呼んで何が悪いのですか!それに、あなたが魔王を倒してしまっては意味がありません!私はお兄様に魔王を倒して欲しいんです!」

めぐみん「止めろと言った途端にお兄様を連発するとか、それは私に喧嘩を売っているんですね!」

アイリス「や、やる気ですか!?お、王族は強いんですよ!」

 

 2人はそう言って、取っ組み合いを始める。

 喧嘩するほど仲が良いとは言うが、これはどういう事か。

 それを見たダクネスとクレアが慌てて止める。

 

ダクネス「こらっ、めぐみん止めろ!昨日はいつの間にかアイリス様と仲良くなっていた癖に、今日は突然喧嘩を始めるだとか、一体何のつもりだ!」

クレア「アイリス様、どうか落ち着かれます様に!喧嘩なんてされた事もないのに、突然どうしたのですか!?」

 

 ダクネスとクレアがそう言う中、トウカ達も口を開く。

 

トウカ「まあでも、負けられないのは事実かな。」

白夜「だな。デザイアグランプリの最終目標は、魔王を討伐する事。どの道、誰がデザ神になるのかを決めないといけないからな。」

朱翼「私は大丈夫ですけどね。」

武劉「俺にも、叶えたい理想があるのでな。」

 

 トウカ達はそんな風に言う。

 確かに、デザイアグランプリはそんな感じだからな。

 俺たちは、仲間であると同時に、ライバルでもあるからな。

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「……………で、お願いってのは何だったんだ?ほら、何でも言ってみろよ。」

アイリス「お願い……………私のお願いは…………まだゲームの決着が付いていません。いつかまた、私と勝負して下さい。」

 

 カズマはそう聞くと、アイリスはしばらく考え込み、年相応の悪戯っ子の笑みを浮かべながら、そう言う。

 そして、俺たちはレインが唱えたテレポートで、アクセルの街に戻る。

 俺たちが居なくなった事で、その部屋はシンとなった。

 クレアは、アイリスに話しかける。

 

クレア「アイリス様。その………………どうか、あまり落ち込まれませぬ様に……………あの男達が来てからというもの、アイリス様は本当に楽しげで、幸せそうだった事は承知しております。ですが………………あの男達とは、元々住む世界が違うのです。特定の異性に情が移れば、アイリス様が嫁がれる際に、きっとお辛い想いをするでしょう。お叱りは受けます。ですが、どうかご理解頂けると……………。」

アイリス「私は大丈夫です。2人とも、顔を上げなさい。」

 

 クレアはそんな風に言うと、目を伏せ、深く頭を下げる。

 レインもそうする中、アイリスはそう答える。

 すると。

 

ニラム「失礼します。」

クレア「む?ニラム殿か。どうしたのだ?」

ニラム「いえ。アイリス様達に、お客様がお見えになられました。」

レイン「お客様?」

 

 ニラムが入ってきて、クレアがそう聞くと、ニラムはそう答える。

 すると、ミッションボックスを三つ持ったツムリが入ってくる。

 

アイリス「その方は?」

ツムリ「お初にお目にかかります。ツムリと申します。厳正なる審査の結果、アイリス様達は選ばれました。今日から仮面ライダーです!」

レイン「私たちも……………ですか?」

ツムリ「はい!」

クレア「何?」

 

 ツムリはそう言うと、3人にミッションボックスを渡す。

 3人はミッションボックスを開けると、中にはデザイアドライバーとIDコアが入っていた。

 アイリスは不死鳥を思わせる絵で、クレアは黒豹、レインは白い虎の絵だった。

 レインの奴は、白夜の奴に似ていたが、色は黄色ではなく白だった。

 

アイリス「これで……………お兄様と一緒に戦えますね。」

 

 アイリスは、そう呟く。

 こうして、アイリス達も変身が可能になった。

 一方、石井樹は、ロキ達の方に戻っていた。

 すると、馬場武達が口を開く。

 

武「戻ってきたか。随分とボロボロみたいだな。」

闘轟「人の弱みにばかり漬け込もうとする作戦を考えてたばかりだからだ。」

要「意気揚々に向かい、返り討ちですか。」

遥「情けないですね。」

光太郎「まったくだな。」

ベロバ「ふふふふっ。随分と情けない姿よね。アハハハっ!」

樹「黙れ。それより、ロキ。あの仮面ライダー達は、何者だ?」

 

 ボロボロになって戻ってきた石井樹に対して、馬場武達がそう言うと、石井樹はそう一蹴して、ロキにそう聞く。

 

ロキ「今、調べているところだ。………………ほう。なるほどな。」

武「誰だ?」

樹「何………………っ!?」

要「佐藤和真だったのか。」

 

 ロキはそう答えながら調べると、樹が応戦した仮面ライダーの正体が、カズマとクリスである事を突き止めた。

 

武「ほう。小型バックルだけで戦うとはな。」

闘轟「なかなかやるな。」

要「ふぅん……………少し、興味が出てきたかな。」

遥「やるじゃない。」

光太郎「それで、どうすんだ?」

樹「決まっている。今度はしっかりと下準備をしないとね。ふふふ………………。」

ベロバ「ふぅん。まあ、どうでも良いんだけど。」

 

 それを知った馬場武達は、そんな風に反応する。

 一方、ロキは。

 

ロキ「ほう……………。(この気配、このクリスは確実に女神エリスだろうな。そして、トウカという女が、アテナという訳だ。)」

 

 ロキは考え事をしていた。

 すると、ある事を思いついた様だ。

 

ロキ「(よし。エリスかアテナのどちらかを利用し、私の計画を進めるとしよう。そろそろ、あの男の魂をサルベージ出来そうだしな。)くっくっくっくっ………………!」

 

 ロキは、何を企んでいるのか。

 俺たちがアクセルに戻る中、ロキの企みは、確実に動いていた。




今回はここまでです。
今回で、このすばの原作6巻の話は終わりです。
アイリス達も、仮面ライダーになれる様になりました。
アイリスはオリジナルの仮面ライダーであるフェネクス、クレアとレインは、ランサーとガルンです。
護衛繋がりで。
そして、ロキの企みは加速していく。
クリスがエリス、トウカがアテナである事を、知られてしまった。
果たして、どうなるのか。
次回からは、このすばの原作7巻の話に入りますが、リクエストがあった入れ替わり回をやります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
昨日と今日は、色々とギーツ関連の話がありましたね。
昨日は、ドゥームズギーツという存在が判明して、今日は、尺の都合上、カットされた話を見る事が出来ました。
ガッチャードとギーツの映画の情報は来ませんでしたが、やる事を信じています。
ドゥームズギーツに関しては、この小説でも出す予定です。
誰が変身するのかは、未定ですが。
戦国ゲームや、今後の展開でリクエストを受け付けています。
戦国ゲーム
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=303117&uid=373253
4人のエースと黒狐に相当する話や、ギーツIXなど
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=302686&uid=373253
これからも応援の程、よろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第8章
第66話 入れ替わり騒動


 ベルゼルグの王都から帰ってきた俺たち。

 そんな俺たちは、今……………。

 

湊翔「おい……………。」

トウカ「どうして………………。」

一同「入れ替わってるんだよーーーっ!!」

 

 体と魂が入れ替わっていた。

 どうしてこうなったのか。

 話は少し前に遡る。

 俺たちは、ウィズの店に来ていた。

 

湊翔「ちわーす。」

ウィズ「あっ、皆さん!」

 

 俺たちがウィズの店に来た理由は、少し滞っていた便利グッズに関する相談をするためだ。

 ちなみに、店に来ていたのは、俺、トウカ、白夜、カズマ、アクア、めぐみん、ダクネスだ。

 朱翼と武劉は、用事があるそうだ。

 その為には、バニルが居ないのかと思ったのだが……………。

 

白夜「バニルは居ないのか?」

ウィズ「はい。今は、商談に行っていますよ。」

トウカ「そうか。」

アクア「何よ。肝心な時に使えない悪魔ね。」

めぐみん「まあ、そう言わないであげて下さいよ。」

ダクネス「うむ。バニルを待つ間、少し店の商品でも見るか。」

カズマ「そうだな。」

 

 俺たちはそう話して、ウィズの店の商品を見ていく。

 そんな中、アクアが何かを見つけたのか、口を開く。

 

アクア「ねえ、これは何?」

ウィズ「あっ!それは、つい最近仕入れた物なんですよ!確か……………何でしたっけ?」

アクア「ふ〜ん。まあ、どうでも良いんだけど……………って、うわぁぁ!」

湊翔「ん?あ。」

 

 アクアが見つけた物をウィズがそう説明すると、アクアはそれを放り投げてしまう。

 すると、床に落ちて、中身が散らばり、アクア以外の面子にかかってしまう。

 すると、少しだけ意識が飛ぶ。

 すぐに意識は取り戻したが。

 

カズマ「おい!アクア!お前、それを落とすとか、何考えてんだ!?」

トウカ「ていうか、なんか、体が変なんだけど……………。」

湊翔「え?言われてみれば…………。」

 

 俺たちはそう話すと、体の感覚が変だという事に気づく。

 すると、股がスースーして、胸がやけに重い。

 まさかと思い、窓の方を見ると、トウカの体だった。

 

湊翔「あれ……………?俺、トウカになってる?」

トウカ「ていうか、私はめぐみんになってるんだけど………………。」

カズマ「え?」

 

 そう言われて、俺は皆の方を向く。

 すると、他の人たちも、見た目自体は特に変わっていないが、様子が変だ。

 まさか………………。

 

湊翔「おい……………。」

トウカ「どうして………………。」

一同「入れ替わってるんだよーーーっ!!」

 

 俺たちはそう叫んで、今に至る。

 すると、バニルが戻ってくる。

 

バニル「やかましいぞ、貴様ら!声が店の外にまで漏れているのだぞ!!」

 

 バニルはそんな罵声を浴びせながら、店の中へと入る。

 すると、俺たちの状況を見たのか、少し静かになると、口を開く。

 

バニル「……………おい。貴様ら、何があったのだ?」

 

 バニルはそう言う。

 俺たちは、バニルに事情を説明する。

 ちなみに、説明すると同時に、入れ替わったのを把握した。

 俺はトウカの体、白夜はダクネスの体、カズマは白夜の体、トウカはめぐみんの体、めぐみんはウィズの体、ダクネスはカズマの体、ウィズは俺の体に入ったそうだ。

 ちなみに、分かりやすい様に、名札をつけてある。

 すると、バニルは頭を抱えるような仕草をする。

 

バニル「この……………ポンコツ店主め…………!なぜそのような得体の知れない物を拾ってくるのだ……………!!」

ウィズ「ええっ!?でも、棚が寂しく感じて、何か、新しい商品が無いかと……………。」

バニル「戯け!この様な物を欲しがる者が、何処にいるというのだ!!殺人光線を浴びせてやろうか……………!!」

湊翔「ちょっと待ってくれ!今のウィズの体は俺だから、俺の体が死ぬって!!」

 

 バニルは青筋を浮かべながらそう言うと、ウィズはそう返す。

 バニルが殺人光線を放とうとするので、俺はバニルを止める。

 すると、バニルはすぐに止める。

 

バニル「そんな事は分かっておる。焦燥の悪感情を味わう事が出来たし、ギーツを倒してしまうのは、色々と面倒だからな。ひとまずは、折檻はしないでおく。」

ウィズ「あ、ありがとうございます!」

白夜「ウィズ。あの言い方は、元に戻ったら折檻するって意味だぞ。」

バニル「その通りだ。」

ウィズ「ええっ!?」

 

 バニルはそう言って、お仕置きをやめてくれた。

 悪感情を頂くとか、相変わらずだな。

 ウィズは、元に戻ったら折檻されると知り、顔を青ざめる。

 すると、アクアが口を開く。

 

アクア「そんな事より、この入れ替わってる状況をどうするのよ!!」

白夜「そ、そうだな。」

めぐみん「なら、浬鳥さんに聞いてみてはどうでしょうか?」

ダクネス「そうか!あの人なら、詳しいかも知れない!」

湊翔「なら、さっさと行こう。」

 

 俺たちは、魔黒浬鳥の元へと向かう事に。

 ちなみに、店の方はバニルが対応する事になった。

 しばらくすると、浬鳥の家に着く。

 

浬鳥「あら、皆さん、どうしたんですか?」

湊翔「そ、その……………実は、相談したい事がありまして……………。」

浬鳥「ん?」

 

 俺たちはそう言って、相談に乗ってもらう事に。

 これまでの経緯と、その薬と説明書を持って、説明した。

 すると、顔を青ざめていく。

 

めぐみん「浬鳥さん?」

トウカ「どうしたんですか?そんなに顔を青ざめて。」

浬鳥「ごめんなさい……………その薬を作ったのは、私なの。」

白夜「………………え?」

アクア「アンタが作ったの!?」

浬鳥「はい…………。」

 

 浬鳥は、そんな風に言った。

 詳しく事情を聞く事にした。

 どうやら、元々入れ替わりの薬は、浬鳥が魂に干渉する魔法の研究をしていた際にたまたまできたものだそうだ。

 ちなみに、どうやって作ったのかを聞くと。

 

浬鳥「ああ……………昔、私の事を犯そうとして来た盗賊が居たので、その人たちを実験台にしたんですよ。」

一同「…………………。」

 

 そんな風に語った。

 盗賊の面子は、哀れだな。

 まあ、自業自得なんだけどな。

 どうやら、その薬を作った研究所がダンジョン化して、たまたま回収し忘れたのをウィズが拾ってしまったそうだ。

 

白夜「なるほどな。そんな事が。」

浬鳥「一応、効き目自体は24時間で切れるので、戻らないというのは無いです。」

めぐみん「そうですか。良かったです。」

トウカ「じゃあ、今日は入れ替わった状態でやるしかないわね。」

湊翔「だな。」

 

 俺たちは、そんな風に結論づける。

 そんな中、俺たちは入れ替わった体の事について調べていた。

 

湊翔「トウカの体は……………いつもより速く動けるけど、なんか胸が重…………いだっ!?」

トウカ「あ、あのねぇ!それは、セクハラだからね!!」

アクア「何でそれを素直に言っちゃうのかしら………………。」

 

 俺はそう言うと、トウカは涙目で俺をぶっ叩いてきて、アクアがそう言う。

 

カズマ「それにしても……………何で俺だけ野郎の身体なんだよ!!」

白夜「俺の体に文句言うんじゃねぇよ。」

めぐみん「……………カズマが女性陣の体に入っていないのは、不幸中の幸いでしたね。」

 

 カズマがそう叫ぶ中、白夜は不服そうにそう言って、めぐみんはそう呟く。

 

白夜「すげー丈夫だし、運動神経も申し分ないけど、胸が邪魔だし体が重いな。」

ダクネス「お、おい!私の体に対して、重いって言うな!!」

 

 白夜がそう言うと、ダクネスは顔を赤くして叫ぶ。

 

トウカ「何でだろう……………肩凝りが治った気がするわね。」

めぐみん「何ですか!それは私に対する当てつけですか!?」

 

 トウカがそう言うと、めぐみんはそう叫ぶ。

 

めぐみん「こんな胸、こんな胸!」

ウィズ「め、めぐみんさん!恥ずかしいので、やめて下さい!!」

湊翔「ウィズ。俺の体でそんな事をしないでくれ。やばい光景になるから。」

 

 めぐみんはウィズの胸を揉み、俺の体に入ったウィズが縋るという傍目から見ると、やばい光景になった。

 

ダクネス「くっ…………!こんな脆弱な体じゃ、思う存分楽しめないではないか!」

カズマ「おぉぉぉぉい!!俺の体で何をするつもりなんだ!?」

 

 ダクネスがそう叫ぶと、カズマもそう突っ込む。

 

ウィズ「それはそうと……………なぜか、落ち着かないのですが。」

湊翔「そりゃあ、男の体だからな。」

白夜「無理ないだろ。」

 

 ウィズは、ソワソワしながらそんな風に言う。

 ひとまず、確認はし終えた。

 仮面ライダーに関しては、現在入っている肉体の人が変身する仮面ライダーになるらしい。

 

浬鳥「あ、あと。入れ替わった場合、自分のスキルや魔法は元の肉体と合わないから使えなくなるし、肉体の元の持ち主のスキルも元の持ち主じゃないので使えないから、仮面ライダーに変身するか、物理攻撃で戦うしかないわね。」

めぐみん「そ、そんな!?で、でも、私はウィズの体に入っているので、爆裂魔法は使えるのでは!?」

浬鳥「ごめん、無理。」

めぐみん「そんな!?」

 

 浬鳥はそう言うと、めぐみんは食い下がるが、浬鳥はそう言う。

 まあ、仮面ライダーに変身すれば大丈夫…………だよな?

 ひとまず、俺たちはクエストを受ける事にした。

 

カズマ「なあ、入れ替わった状態でクエストを受けても大丈夫なのか?」

湊翔「大丈夫……………かな。」

トウカ「まあ、やれるだけはやってみてもありじゃない?」

白夜「ウィズも居るから、大丈夫じゃねぇか?」

めぐみん「ですね。」

ダクネス「まあ、行こう。」

ウィズ「よ、よろしくお願いします!」

 

 俺たちはそう話して、デザイアドライバーを装着して、それぞれのレイズバックルを取り出す。

 

SET

 

 俺の横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、カズマの横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、めぐみんの横には、戦闘機の絵とJETの文字が、ダクネスの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、トウカの横には、スピーカーとBEATの文字が、白夜の横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、ウィズの横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が浮かぶ。

 

「「「「「「「変身!」」」」」」」

 

 俺たちはそう叫んで、レイズバックルを操作する。

 

CALIBER

LIGHTNING

JET

NINJA

BEAT

ZOMBIE

MAGNUM

REDAY FIGHT

 

 俺はラウンズ・カリバーフォーム、カズマはライコウ・ライトニングフォーム、めぐみんはホーク・ジェットフォーム、ダクネスはタイクーン・ニンジャフォーム、トウカはナーゴ・ビートフォーム、白夜はバッファ・ゾンビフォーム、ウィズはギーツ・マグナムフォームに変身に変身する。

 なんか、複雑だな。

 俺たちは、戦闘をする事になった。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!」

 

 俺は、ソードエクスカリバーを振るい、魔物に攻撃していく。

 

カズマ「おらっ!はっ!」

 

 カズマは、白夜ほどではないが、高速戦闘で攻撃していく。

 

めぐみん「ハアッ!でやっ!」

 

 めぐみんは、ジェットフォームで飛び、ミサイルなどを放つ。

 

ダクネス「ハアッ!」

 

 ダクネスは、ニンジャデュアラーを持って攻撃していく。

 

トウカ「ハアッ!ふっ!」

 

 トウカは、ビートアックスを手に、攻撃していく。

 

白夜「おらっ!はっ!」

 

 白夜は、ゾンビブレイカーを使わずに、肉弾戦で戦っていく。

 というより、握り潰してないか?

 

ウィズ「ハアッ!ふっ!」

 

 ウィズは、マグナムシューターをライフルモードにして、遠距離から狙撃していた。

 順調……………な様に見えたが、実際には違った。

 

ダクネス「くっ………………!カズマの体は、貧弱で全然楽しめないではないか!」

カズマ「おい!人の体に文句を言うんじゃねぇよ!!」

白夜「くそっ!ダクネスの体、コントロールしきれないな…………!握り潰しちまう!」

 

 ダクネスと白夜は、少し苦戦していた。

 カズマの体は、ダクネス達と比べると、脆弱だしな。

 逆に、ダクネスの体の力を、白夜は制御しきれない感じだった。

 そんな感じに、入れ替わった体の違和感を感じながら戦闘したので、大分苦戦した。

 

アクア「ぐずっ………!私、汚された…………!またジャイアント・トードに汚されたわ!うわぁぁぁぁぁん!!」

湊翔「しょうがねぇだろ……………違和感があるんだからよ……………。」

カズマ「本当だよ。白夜の高速戦闘に、まだ慣れないんだけど……………うぷっ。」

白夜「そりゃあ、俺の特典だからな。」

トウカ「ビートアックスとは、相性が悪いかもしれないわね……………。」

 

 俺たちは、疲れた様子で屋敷へと戻る。

 それで、一旦風呂に入ろうとしたのだが。

 

白夜「やっぱり、目隠しされるんだな。」

湊翔「まあ、当たり前だろ。」

トウカ「はいはい、動かない!」

ダクネス「何でこんな事に………………。」

 

 そう。

 俺と白夜は、トウカとダクネスの体に入ってしまったのだ。

 それなので、トウカとダクネスの2人が、自分たちの体を洗う事に。

 ただ、カズマの体でやっているので、凄い光景だが。

 ちなみに、トイレや着替えの時も、目隠しをされ、2人が対応する。

 そして、食事をする時になり、朱翼と武劉の2人も帰って来た。

 2人にも、事情を説明する。

 

朱翼「私達がいない間に、そんな事があったんですか。」

武劉「お前達も大変そうだな。」

めぐみん「私は不満です!爆裂魔法を撃つ事が出来ないなんて!」

ウィズ「まあ、それなりに楽しかったじゃないですか。」

アクア「そう言えるのはアンタだけよ…………。」

 

 朱翼と武劉は、同情の表情を浮かべる。

 それから、食事をしたりした。

 そして、寝る事になったのだが。

 

湊翔「……………なんか近くない?」

トウカ「いいだろう、別に。」

 

 トウカがかなり近くで眠る事になったのだ。

 ちなみに、アイマスクを付けている。

 

湊翔「まあ、トウカの体は悪くなかったな。流石に、まだ違和感があるけど。」

トウカ「そりゃあ、いきなり女の子の体に入ったからね。私としては、めぐみんの貧乳姿になるのが違和感なんだけど。」

湊翔「それをめぐみんに言ったら殺されるぞ。」

トウカ「分かってるわよ。」

 

 俺とトウカは、そんな風に話す。

 しばらくそんな風に話して、俺たちは寝る。

 その翌日、俺たちはウィズの店に集まっていた。

 

朱翼「それで、あと少しで元に戻るんですよね?」

ダクネス「そうだな。」

めぐみん「くっ……………!この巨乳ともお別れですか……………!」

カズマ「俺としては、女性陣の体に入りたかったけどな……………。」

白夜「まだ言うか……………。」

アクア「それより、まだ戻らないの〜?」

湊翔「もうすぐじゃね?」

 

 俺たちはそんな風に話していた。

 すると、意識が体から離脱するような感覚を感じた。

 しばらくすると、意識が戻る。

 目を開けて、予め用意していた鏡を見ると、元の体だった。

 

湊翔「元に戻った〜っ!」

トウカ「良かったわね。」

めぐみん「くっ………………!巨乳が…………!」

ダクネス「やはり、この体が落ち着くな。」

白夜「だな。」

朱翼「戻って良かったです。」

武劉「ふっ。」

カズマ「ふぅ〜。」

浬鳥「大変ご迷惑をおかけしました。それでは、失礼しますね。」

ウィズ「ありがとうございました。」

 

 俺たちは、元の体に戻った事に喜び、浬鳥は帰って行った。

 これで終わるかと思ったら、そうは問屋が卸さなかった。

 

バニル「……………さて、ポンコツ店主よ。何か申し開きはあるか?」

ウィズ「ば、バニルさん!話を聞いて下さい!あれは絶対に売れたはずなんです!」

バニル「問答無用!バニル式殺人光線!!」

ウィズ「ほぇぇぇぇぇぇ!!?」

 

 バニルがそう言う中、ウィズは弁解するが、バニルは問答無用にバニル式殺人光線を放つ。

 それを食らって、ウィズが黒焦げになって、俺たちは苦笑する。

 そして、屋敷へと戻っていく。

 ただ、この時の俺たちは知らなかった。

 

アルダープ「待っていろ、ララティーナ………!お前はワシの物じゃ……………!!」

 

 アルダープが動き出そうとしていたのを。

 そして……………。

 

ロキ「私の計画も動き出す。私の大いなる計画が。フフフフ…………!」

 

 ロキも、何かを企んでいた。

 俺たちが生活する中、悪意が静かに動いていた。




今回はここまでです。
今回は、オリジナルの話です。
スーパー戦隊ではよくある、入れ替わり回です。
入れ替わった事で、色々な事がありました。
次回からは、このすばの原作7巻の話に入っていきます。
感想、リクエストなどは絶賛受け付けています。
このすばの原作7巻のエピソードで、色んなオリキャラを出していく予定です。
あと、ラフレシアフォートレスジャマトも出していきます。
今日明かされた情報で、ギーツエクストラの仮面ライダーゲイザーのスピンオフをやるみたいですね。
ゲイザーゼロに関しては、出すかどうかは未定です。
今後の話の展開なども、リクエストを活動報告にて受け付けております。
湊翔のヒロインは、トウカ、ゆんゆん、リアの3人ですが、ゆんゆんとリアの2人をどうしようかなと思いまして。
湊翔も、神様になる予定ですので。
2人も死んだ後に神様になるという感じでもありかなと思いますが、どうしましょうか?
ドゥームズギーツに関しては、今後のVシネマ関連の情報待ちという感じにします。
以前話した通り、タイクーン、バッファ、ライコウにも、ブーストマークIIを使わせます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第67話 アクセルの日常

 あの入れ替わり騒動の後、俺達はギルドに呼び出された。

 とは言っても、俺とカズマが対応するのだが。

 

ルナ「それでは、サトウカズマさん、桐ヶ谷湊翔さん。今回お呼び立てした件ですが……。」

 

 ルナさんはそう言って重い袋を持ってきた。

 満面の笑みを浮かべて、ルナさんは口を開いた。

 

ルナ「今回は賞金が高額なので、支払いが遅れましたが、こちら、魔王軍幹部シルビアの討伐報酬、合わせて合計3億エリスです!あなた方が今までに討伐した魔王軍幹部は、これで4人目です!サトウさんと桐ヶ谷さんは、アクセル冒険者ギルドのエースです!……さあ、これをどうぞ!」

冒険者達「おおおおおおお!!」

 

 見守っていた冒険者達が歓声を上げる。

 俺たちは口を開く。

 

カズマ「落ち着けよ。この俺達が大物賞金首を仕留めるのは今に始まった事じゃないだろ。」

湊翔「あの、ルナさん。離しても大丈夫です。なんで名残惜しそうに見るんですか!」

 

 俺達はルナから報酬を受け取った。

 若干、名残惜しそうにしていたが。

 周囲の冒険者が噂している。

 

冒険者「しっかし、湊翔のパーティーはともかく、カズマのパーティーも随分と出世したよな。」

 

 そんなふうな話し声が聞こえてきた。

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「ったく。そんな風に煽てたって何も出ないぞ!…………今日は宴会だー!」

湊翔「今日ぐらいは良いんじゃ無いか?」

 

 カズマがドヤ顔で放ち、俺は苦笑しながらその言葉を言うと、ギルドの皆が歓声を上げた。

 

冒険者「うおおおお!カズマさんと湊翔さんカッケェェェェェ!!」

冒険者「キャーッ!カズマさんと湊翔さん、素敵、結婚して!」

冒険者「流石、仮面ライダーだ!」

 

 周囲の冒険者達がそう叫ぶ。

 その後、トウカ達もやってきた。

 

アクア「全く!アンタ達は全く!帰りが遅いと心配してみたら、私たちに内緒で宴会をやってるだなんてどういう事なの?様子を見にきて正解だったわ!」

トウカ「まあ、捕まる様な出来事じゃなくて良かったじゃない。」

白夜「そうだな。」

 

 アクアがそう言う中、トウカと白夜もそう言う。

 すると、めぐみん達が口を開く。

 

めぐみん「でも、珍しく良い方の呼び出しで良かったですよ。」

朱翼「ええ。アクアさんは、良い知らせか悪い知らせかどうかで賭けをしようと言い出して、カズマと湊翔がギルドで逮捕されてる方に三千エリスと言い出したんですよ。」

湊翔「は?」

ダクネス「そして、2人が大変な事に巻き込まれていたら、逃げられる様荷物をまとめておこうと言い出してな。」

武劉「アクアの足元にある荷物がその証拠だ。」

 

 めぐみん達がそう言うと、俺とカズマはアクアの足元を見る。

 そこには、リュックが置かれていた。

 こいつ、何で俺が捕まる事前提で言ってるんだよ。

 俺は、カズマとアクアが取っ組み合いをするのを見ながらそう思う。

 まあ、平和なのは良い事だ。

 それから一週間が経過した。

 俺たちは、お金を得る事が出来たが、節制していた。

 とは言っても、節制しているのは俺や白夜達くらいだ。

 クエストによく行っているので、お金はたくさんある。

 あるのだが、そこまで使う物がある訳では無いので、そこそこだ。

 俺が戻ると、カズマ、アクア、めぐみんがダクネスの方に集まっていた。

 それを、白夜達は呆れながら見ていた。

 

湊翔「……………え?どういう状況?」

トウカ「あ、ああ、湊翔。」

白夜「それがな…………。」

 

 俺がそう呟くと、トウカ達は、事情を説明する。

 どうやら、我慢大会の練習をしていた様なのだが、カズマ達がくすぐっていたそうだ。

 というより、夏が近いのに暖房を焚くなよ。

 そう言うと、朱翼と武劉が口を開く。

 

朱翼「それがですね……………ダクネスのお父さんは、ここ最近、体調を崩したそうで。」

武劉「ダクネス曰く、気を遣ったそうだ。」

湊翔「ダクネスのお父さんが体調を崩した?大丈夫か?」

 

 ダクネスのお父さんが体調を崩したね。

 大丈夫なのだろうか。

 それはそうと、少し気になるのだが。

 

湊翔「おい、アクア。それ、何だよ?」

カズマ「確かに。何だそれ?」

 

 そう。

 アクアは、膝の上に毛布を置き、小さな卵を載せていた。

 

アクア「あらあら、カズマに湊翔ったら、早速これが気になる様ね?いいわ、教えてあげる。聞いて驚きなさいな。これは何と、ドラゴンの卵よ。」

「「「ドラゴン!?」」」

 

 えっ!?

 ドラゴンの卵を買ったのか!?

 すると、トウカが耳打ちしてくる。

 

トウカ「……………湊翔。あれはドラゴンの卵じゃない。鶏の卵よ。」

湊翔「えっ?」

 

 トウカがそう言ってくるので、よく見ると、確かに前世での鶏の卵に酷似していた。

 すると、アクアがドヤ顔で自慢げに言ってくる。

 

アクア「こないだ、1人で留守番してたら、私たちの活躍を聞きつけた行商の人が来てね?『お目にかかれて光栄です!危険も顧みずに日夜魔王軍と戦うあなた方に、とっておきの品を譲らせて下さい!』って言われたの。今後も魔王軍やジャマトと渡り合うつもりなら、使い魔としてドラゴンくらい必要でしょうって言われて、なるほどって思ったわけよ。」

 

 アクアがそう言う中、驚愕より訝しむ気持ちが強まった。

 それって、俺たちが大金を手にした事を聞きつけたの間違いじゃね?

 すると、アクアが俺とカズマを見たのか、呆れた表情で言ってくる。

 

アクア「良い?カズマに湊翔は、ここの常識を知らないアンポンタンだから教えてあげるけど、ドラゴンの卵ってのはね、本来なら凄く手に入り難いの。市場に出たとしても、貴族か大金持ちが先に手に入れちゃうのよ。そこへ、わざわざ私たちに譲らせて欲しいって人が現れたなら、そんなの買うしか無いでしょう?ドラゴンよ、ドラゴン。ワクワクするでしょ?」

 

 アクアはそんな風に言う。

 お前にアンポンタンって言われるのは、凄く腹が立つな。

 というより、絶対にドラゴンじゃないだろ。

 それを見ていたトウカ達は、トウカと朱翼は、呆れた様に首を振り、白夜と武劉は、アクアに冷たい眼差しを向けていた。

 まるで、残念な奴を見るかの様な視線だった。

 

湊翔「……………ちなみに、その卵は幾らしたんだよ?」

アクア「それがね、なんと、私の持ち金全部と交換で良いって言われたのよ!ドラゴンの卵なんて、最低でも億は下らない代物なのに、何でそんな安い値段にするのかって聞いたらね?貴族やお金持ちみたいに、金持ちのステータスとして飼うんじゃなく、凄腕の冒険者達に育ててもらって、来るべき魔王との戦いに役立てて欲しいから、だって!」

 

 俺がそう聞くと、アクアは卵を大事そうに抱きしめながらそう言う。

 全額使ったのかよ……………。

 詐欺に遭ってるじゃねぇか。

 俺が呆然とすると、カズマは目眩がした様によろけかけて、アクアに聞く。

 

カズマ「……………それで、買っちゃったのか。」

アクア「買っちゃったわ。すでに名前も付けてあるの。この子の名前は、キングスフォード・ゼルトマン。なにせ私が育てるんだもの。この子はいずれ、ドラゴン達の帝王になるわ。この子を呼ぶ時は、ゼル帝とでも呼んであげて。」

 

 カズマがそう聞くと、アクアはそう言いながら、卵に柔らかな光を浴びせ始めた。

 何がドラゴンの帝王だよ。

 ただの鶏の卵だろうが。

 ドラゴンに食われるオチが見えるのは、気のせいか?

 

アクア「というわけで、孵化するまで私はクエストに参加出来ないからね。ねえカズマ、湊翔。どっちでも良いから、私、手が離せないから、晩御飯を持ってきて食べさせて。」

 

 アクアはそんな風に舐めた様に言う。

 ふざけんな。

 その卵を割って、目玉焼きにでもしてやろうか?

 その翌日、俺、カズマ、トウカ、白夜、アクア、ダクネスがウィズの店に向かう。

 ちなみに、残りの面子に関しては、めぐみんが卵を温めており、朱翼と武劉は、めぐみんが倒れない様にサポートをする事に。

 店に到着すると、アクアが叫ぶ。

 

アクア「たのもう!ねえ開けなさいよ!もうお日様はとっくに昇ってるわよ!」

湊翔「アクア、近所迷惑になるからやめろ。」

白夜「本当だよ。」

バニル「朝っぱらからやかましわ!近所迷惑を考えろ公害女め!開店にはまだ時間がある、顔を洗って出直してこい!」

 

 アクアがそんな風に叫ぶ中、俺と白夜はそう突っ込む。

 すると、バニルが怒鳴りながら現れる。

 

アクア「今日は別の用事でやって来たのでした!開店時間に来るとアンタ達忙しいでしょ?わざわざ気を遣って早起きして来てあげたんだから、感謝なさい。ほら、ちゃんとありがとうって言いなさいな。」

白夜「ダメだこいつ……………。」

 

 アクアはそう言うと、白夜は呆れた様に首を振る。

 現在、ウィズ魔道具店は、俺達が作った商品を主軸として、未曾有の大繁盛だ。

 俺達への報酬は開発した商品の知的財産権買い取りなので、ウィズ魔道具店で売れても増えはしないが、売れて嬉しい。

 

バニル「空気を読まない事には定評のある貴様に気を遣ったと言われるのはゾッとせんな。何かオチがあるのではと疑ってしまう。…………まあ良い。用件は分かっている。そこのギーツとタイクーンへの報酬であろうて。今持ってくる。」

 

 バニルはそんな風に言って、店の中に入る。

 すると、アクアがそんなバニルにちょろちょろと纏わりつく。

 

アクア「感謝して!木端悪魔如きにわざわざ時間を割いて頂いて、どうもありがとうございますって感謝して!」

湊翔「アクアもいちいち挑発するなって。」

バニル「やかましいと言っておろうが!現在徹夜続きの過労店主が店の奥で眠っているのだ、静かにしてもらおうか!これ以上騒いで当店の評判を落とす気なら、尻からアロエが生える呪いを掛けるぞ!!」

アクア「やれるもんならやってみなさいか!アンタみたいな雑魚っぴ悪魔の呪いが私に通じるわけないでしょう?バカなの?アンタ仮面が本体だって言ってたけど、脳みそって物はどこにあるの?」

バニル「フハハハハハ!フハハハハハ!!やはり、貴様とは決着をつけねばならんようだ!よかろう、表に出るが良い!!」

 

 アクアがそんな風に言うと、バニルと口喧嘩が始まる。

 俺たちは、そんな2人を抑える。

 

湊翔「お前ら、毎度毎度顔を合わせる度に喧嘩するんじゃねぇよ!!」

カズマ「それにしても、ウィズが徹夜続きって、そんなに儲かっているのか?」

バニル「うむ、笑いが止まらんとはまさにこの事だ。作れば作るほど売れるので、店主には先日の入れ替わり騒動での折檻も含めて、食わせず休ませず、昼は店番、夜は商品の生産というサイクルをさせたら、二週間ほどで、情緒不安定になってしまってな。人様の前に出せる状態では無くなってきたので、今は休ませている。」

白夜「お、お前……………。」

 

 俺たちが仲裁する中、カズマがそう聞くと、バニルはそう答える。

 それって、ブラック企業で働く社畜みたいだよな。

 ウィズが社畜になってる。

 ドン引きしている俺達に袋を持ってきながら口を開く。

 

バニル「我輩は考えたのだ。あの1人にさせると何かやらかすトラブル店主にどうやったら赤字を出させないかを。ここしばらくの観察で、あやつは暇を持て余すと余計な事をすると気付いたのだ。そこで、飯を食う暇もないほどに24時間働かせてみたら、これがまあ上手くいってな。」

 

 バニルはそんな風に言う。

 どっちが店主で、どっちがバイトか分からなくなるよな。

 すると、バニルはダクネスを見ながら口を開く。

 

バニル「おい、先ほどから暇そうにしているそこの。日夜熟れた身体の性欲を持て余し、処女の癖に夜な夜……………。」

ダクネス「ナァァァァ!!」

 

 バニルがそう言うと、ダクネスは大声を上げながらバニルに突っ込んでいく。

 バニルもダクネスを揶揄うなよ。

 ダクネスの突進をバニルは容易く躱した。

 

バニル「……うむうむ、極上の羞恥の悪感情、美味である。……………バッファよ。貴様には破滅の相が出ているな。貴様らの傍には、常に鬱陶しい発光女がいるせいか、未来を見通し辛い。大きな儲け話を持ってきた礼に、我輩の力でじっくりと占ってやろう。」

 

 バニルはそんな風にニヤリと笑いながらそう言う。

 他の人たちの反応は。

 

アクア「ねえ、発光女って私の事?」

ダクネス「……破滅の相だと?」

トウカ「…………聞いても良いんじゃないか?胡散臭いけど。」

白夜「良いんじゃねぇのか?」

湊翔「聞いたらどうだ?」

カズマ「そんな事よりも、さっきダクネスの事をなんて呼ぼうとしたのかを詳しく!」

 

 俺たちがそんな風に反応する中、カズマはそう叫ぶ。

 カズマはダクネスに盛大に殴られた。

 俺達は自業自得として見捨てた。

 そんな中、バニルは口を開く。

 

バニル「では、一つ見てやろうか。貴族としての変な義務感だけは強いくせに、実力が伴わず空回りばかりする娘よ。さあ、ここに来るが良い。」

 

 バニルがそう言う中、ダクネスはバニルの対面に座る。

 すると、アクアが口を開く。

 

アクア「ねえダクネス。悪魔の占いなんて、話半分に聞いときなさいよ。そんな怪しげな物より、尊い私のお告げの方が、絶対ご利益があると思うの。」

「「それは無い。」」

アクア「何でよ〜!!」

トウカ「アクア、落ち着けって!」

 

 アクアがそう言うと、俺と白夜は同時にそう言って、アクアが俺たちにつかみ掛かってくる。

 トウカが抑える中、バニルが口を開く。

 

バニル「ふん。我が占いは、神々のいい加減などうにでも解釈できる、あんな抽象的な物では無いぞ。見通す悪魔である我輩の占いは、本職に引けを取る物ではない。……………では、今から幾つかの質問をする。中には答え難い物もあるだろうが、正直に答えるのだぞ。」

 

 バニルはそんな風に言う。

 ダクネスは躊躇っていたが、最終的に受ける事にしたようだ。

 

バニル「では、汝に問う。防御力も大事だが、攻撃に踏ん張れる重さも重要なクルセイダーなのに、最近こっそり鎧の軽量化を行った様だが、それは何故か?」

ダクネス「……………そ、その……………わ、わ、私は不器用なので、鎧を軽くし、少しでも攻撃を当てやすくしようと……………。」

バニル「我輩は、正直に答えよと言ったぞ。」

 

 バニルがそう聞くと、ダクネスは震えて、しどろもどろになりながらそう言うが、バニルはそう言う。

 ダクネスは、顔を俯かせながら言う。

 

ダクネス「……………最近、ますます腹筋が割れてきたのを気にして、鎧を軽くして……………みました……………。」

トウカ「気にしてたんだ………………。」

 

 ダクネスがそう言うと、トウカはそう呟く。

 親友のそんな一面を見て、そんな風に呟いたのだろう。

 バニルは、満足げに頷く。

 

バニル「よしよし。……………では、汝に問う。風呂場の洗濯籠に放り込まれていた、ナーゴとスワンのワンピース。これらをこっそり自分の体に当て、鏡の前でちょっと嬉しそうにしながら、『うん、これはない。これはないな………』とぶつぶつ言っていたのは何故か?しかも、自分ではこれはないとか言いながら、普段笑いもしない無愛想な顔を首を傾げてニコッと笑ませていたのはなぜか。そして頬を染めて周りをキョロキョロ確認し、そのまま慌てて洗濯籠に戻していたのは何故か。」

 

 そんな事をしてたのか。

 俺がそう思いながらダクネスを見ると、ダクネスは更に顔を赤くして、両手で覆う。

 

ダクネス「……………か、可愛らしい系の服は似合わないし、買うのも買ってきてもらうのも恥ずかしいので、今までは触ることも無く…………ふと目にしてつい、試してみようかな、という出来心で…………。こ、こんな無愛想な筋肉女が出来心で体に合わせてしまいました。ごめんなさい…………ご、ごめんなさい…………。」

 

 ダクネスは震え声で謝る。

 別に、それくらいは大丈夫じゃねぇの?

 

アクア「私は可愛いワンピースを着たダクネス、悪くないと思うの!いつもかっこいい系や大人系の服を着てるしね!お嬢様風のドレスだって着たんだから、可愛いワンピースだって着ていいじゃない!ダクネスがこっそり可愛い服を着る事の何が悪いのよ!」

トウカ「アクア、そこら辺にしてやってあげて。」

白夜「ダクネスに追い打ちをかけるなよ。」

 

 アクアはフォローしているつもりだが、追い打ちになってしまい、トウカと白夜はそう言う。

 バニルは再び口を開く。

 

バニル「では、最後に。同居人であるタイクーンにいやらしい目で見られている事を自覚しながら、それでも屋敷内で、身体の線がくっきり出る服を着てウロウロしているのは…………。」

ダクネス「これはっ!これは本当に占いとやらに関係あるのか!?」

 

 バニルがそう聞く中、ダクネスはそう叫びながら立ち上がる。

 すると、バニルが口を開く。

 

バニル「いつ我輩が、質問しなければ占いは出来ないと言った。この質問は、占いの結果が出るまでの暇つぶし……………こっ、こらっ!やめろ!何故お前達は我輩の仮面に気安く手をかけるのだ!泣きながら仮面を引き剥がそうとするな!」

 

 バニルがそう言うと、ダクネスは涙目を浮かべながら、バニルにつかみ掛かる。

 その後、俺たちはダクネスを落ち着かせて、バニルの占いの結果を待つ。

 すると、バニルが口を開く。

 

バニル「……ほうほう、これは。うむ、やはり破滅の相が出ているな。貴様の実家、父親が、これから大変な目に遭うだろう。そして貴様は、自分を犠牲にすれば全てが解決すると、短絡的な行動に出るであろう。その行動は誰も喜ばず。貴様の父親は後悔と無念を抱き、そのまま余生を送る事になる。良い回避法は……。」

 

 ダクネスも流石に真剣な面持ちになる。

 すると、バニルが口を開く。

 

バニル「……おや、貴様の力ではどうにもならんと出たな。その時が来たならば、いっそ全てを捨てて逃げるが吉。そこのタイクーンと共に遠い地でやり直すが良い。」

湊翔「………どういう事だ?」

トウカ「………ダスティネス家に、一体何が起きるんだろう?」

白夜「さあな。」

 

 バニルがそう言う中、俺、トウカ、白夜はそんな風に話す。

 その時、ダクネスが立ち上がった。

 

ダクネス「……バニル、占いには感謝する。だがどんな事態に陥っても、逃げる事は出来ない。…………まあ、話半分に聞いておこう。今の占いが気になる訳ではないが、久しぶりに実家に寄るとしよう。」

 

 そう言って、ダクネスは出て行った。

 俺たちが見送る中、アクアはバニルに話しかける。

 

アクア「ねえ、木っ端悪魔。アンタもっと具体的な事言えないの?さっきは神々のお告げを抽象的だとか何とか言ってくれたくせに。あと、私の事も占いなさいよ。とりあえず、時期に生まれるゼル帝が何ドラゴンかとか。ドラゴン族を治めるだけの器があるか。あっ、後あれよ。ゼル帝を買ってお金が無くなっちゃったから、楽ちんにお金が稼げる方法とかも教えなさいよ。あんた、何でも見通せるんでしょう?」

白夜「………………アクア。仮にも女神を自称するなら、そんな俗物的な事を言うなよ。」

湊翔「本当だよ。」

 

 アクアはそんな風に言う。

 俺と白夜が呆れながらそう言うと、バニルは心底嫌そうに言う。

 

バニル「ギーツとライコウの言う通りだ。それに、そう言った技能は、欲にかまけて使うと、碌なことにならぬ。貴様はそれでも本当に女神なのか?」

アクア「所詮は悪魔ね。誇大広告も甚だしいわ。は〜使えない、使えない。皆、もう帰りましょう?帰ってゼル帝の孵化に戻るの。早くあの子を孵化させて、この悪魔をあの子の養分の足しにでもしてあげるわ。」

バニル「…………おっと、我輩、ピンと来た。そのゼル帝とやら、名を照り焼きに改名するが吉。さすれば、晩飯の際にでも皆に愛される事、請け合いであろう。」

 

 バニルはそう言う。

 確かに、そういうのって、変に使うとしっぺ返しがくるもんな。

 某国民的猫型ロボットが出てくるアニメでも、それはよくあるからな。

 アクアがそう言うと、バニルはそう返す。

 すると、お互いに睨む。

 

アクア「あらあら。何その名前。卵からはドラゴンが生まれるのよ?高いお金を出して買ったんだから。なぜそんな美味しそうな名前をつけなきゃいけないのかしら?」

バニル「見通す悪魔、バニルの名に賭け宣言しよう。節穴女神の御眼鏡にかなった卵からは、さぞかし立派な鶏肉が生まれるであろうと……………。」

 

 アクアとバニルはそう言いながら、お互いに睨む。

 すると、バニルが俺たちに話しかけてくる。

 

バニル「おい、貴様ら。我輩がこの店で告げた事を覚えているか?」

湊翔「途轍もない試練って奴か?」

白夜「そう言えば、そんな事を言ってたな。」

カズマ「……それが?」

 

 そう。

 バニルには以前、ある事を言われたのだ。

 

バニル『三人の仮面の戦士よ。汝らにこれからとてつもない試練が起こるだろう。その試練は強大で、金髪鎧娘が居なくなるかもしれない。それまでに我らが商売に協力する事が吉と出た。お一つどうか?』

 

 そんな風に言われていたのだ。

 俺たちがそう返すと、バニルは口を開く。

 

バニル「汝ら、その報酬だけで満足する事なく、更なる売れ筋商品を沢山作っておくが良い。お前達の頑張り次第では、どうにもならん事も無いかもしれんぞ?」

湊翔「分かった。心に留めておく。」

トウカ「………………ええ。」

アクア「なら、私からも助言をあげるわ。汝が必死に稼いだ大金は、またもウィズに使い込まれ、しばらくの間、真っ白に燃え尽きる事でしょう。どう?どう?見通すアクアがアンタの未来予想図を立ててあげたわよ?」

「「………………。」」

 

 バニルがそう言うのに対して、俺とトウカはそう返す。

 トウカに関しては、訝しげ気味だが。

 その後、ポーションの割れる音や、2人の罵声が響くウィズ魔道具店から去っていく。

 それにしても、ダスティネス家に何が起ころうとしているんだ?

 そんな風に考えるが、答えは出なかった。

 その夜、全員で食事をしていると、執事服を着た無愛想な男が人の許可もなく、勝手に入ってきた。

 その人は、執事服を着ていた為、執事であろうと推測できた。

 

執事「このような時間、それも食事中に失礼。実はダスティネス卿に火急の用があり、こうして参上したのですが、少し時間を頂けませんか?」

 

 男は名前を名乗らずに不躾に要件だけを告げて、俺たちをどこか冷めた目で睥睨する。

 ダクネスは不機嫌気味に言う。

 

ダクネス「私の事をダスティネス卿と言う事はどこかの貴族の使いか?…………一応、聞くだけ聞こうか。用は何だ?」

執事「いえ、我が主、アレクセイ・バーネス・アルダープがお呼びです。この様な所では何なので、表に馬車を用意しております。詳しくは我が主の屋敷にて。どうぞ、こちらへ。」

 

 ダクネスがそう聞くと、その男は悪びれもせずに外を示す。

 人様の屋敷をこの様な所とは、随分と俺達を見下してるな。

 ダクネスもフォークを自分の握力でへし曲げた。

 だが、フォークを置くと。

 

ダクネス「………少し出かけてくる。私の帰りが遅ければ、鍵は閉めてくれ。では、行ってくる。」

 

 そう言ってダクネスはその執事についていった。

 それを見ていた俺たちは口を開く。

 

めぐみん「……………何だったのでしょうか、あの人は?」

カズマ「アルダープって言ってたな。」

湊翔「確か、アクセルの領主だったな。」

トウカ「何だって急に…………。」

白夜「何が起ころうとしているんだ?」

朱翼「分かりません……………。」

武劉「何がともあれ、警戒するに越した事はないだろう。」

 

 俺たちは、そんな風に話し、表情を曇らせる。

 俺達がダクネスの身を案じている中。

 

アクア「ダクネスが出かけるなら、ハンバーグの残りは私が貰っても良いわよね。ねえめぐみん、今日はめぐみんが食べさせて?カズマったら、人に食べさせるのが下手くそなのよ。昨日なんて、スプーンによそったシチューを鼻から食べさせようとしたんだから。」

 

 空気を読まない事に定評のあるアクアが、そんな風に言う。

 あと、飯を食う時位は、卵を置いておいても大丈夫だろ。

 アクアがそんな風に言う中、俺たちは、何かに巻き込まれそうな空気を感じていた。




今回はここまでです。
大金を受かった矢先、アルダープの陰謀が動き出す。
アクアは、ドラゴンの卵と騙され、鶏の卵を購入しましたが。
次回は、クローンズドヒュドラ戦に入っていきます。
感想、リクエストなどは絶賛受け付けています。
この7巻に相当する話の後は、MOVIEバトルロワイヤルの話をやって、8巻の内容に入っていきます。
つまり、ジャマトグランプリが始まろうとしています。
9巻の内容でやる予定の戦国ゲームでリクエストがあれば、下記のリンクからそのページに飛べます。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=303117&uid=373253
今後のこのすばとギーツの展開でリクエストがあれば、受け付けています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第68話 クローンズヒュドラ

 ダクネスがアルダープの屋敷に向かった後、結局、その日にダクネスは帰ってこなかった。

 その翌日、カズマはちょむすけと戯れていた。

 

カズマ「なあ、ちょむすけ。一体どうやったら、お前は本来の姿に戻るんだ?お前、アレだろ?この子猫の姿は仮の姿なんだろ?本当は語尾に『にゃ』を付ける猫耳美少女なんだろ?」

 

 カズマはそんな風に言っていた。

 それを、俺たちは見ていた。

 

湊翔「何言ってんだ、あいつ?」

トウカ「さぁ……………?」

白夜「まあ、ちょむすけが何者なのかは、気になるよな。」

朱翼「ですね。夏なのに、毛が抜けませんし。」

武劉「分からないな。」

 

 俺たちはそんな風に話していた。

 すると。

 

ダクネス「カズマ!皆!賞金首モンスターを狩ろう!!」

 

 ダクネスがそんな風に叫びながら、この屋敷の中に入ってくる。

 というより、賞金首モンスター?

 

カズマ「……………朝帰りしたかと思えば、いきなり何なの?お前がどこの誰とイチャイチャしようが関係ないけど、一応嫁入り前のお嬢様なんだから、放蕩娘なのも大概にな?」

ダクネス「バカっ!朝帰りではない!夜中遅くに帰っては、お前達に迷惑がかかるから、昨日は実家に帰ったのだ!」

白夜「……………で、いきなり賞金首モンスターの討伐って、何がだよ?」

ダクネス「そ、そうだった。とにかく、これを見てくれ。」

 

 カズマがそう言うと、ダクネスはそう突っ込む。

 白夜がそう言うと、ダクネスはある紙を俺たちに見せてくる。

 そこには、ヤマタノオロチみたいな見た目のモンスターが居た。

 

朱翼「クローンズヒュドラ!?」

白夜「狙う賞金首って、こいつの事だったのか。」

 

 それを見た白夜と朱翼はそう言う。

 俺は、口を開く。

 

湊翔「なあ、クローンズヒュドラって、何なんだよ?」

トウカ「クローンズヒュドラ。アクセルの近くの山に住んでいて、普段は深い眠りについている大物賞金首モンスターなのよ。」

武劉「こいつは、体内に蓄積した魔力を使い果たすと、湖の底で眠りにつき、周囲の大地から魔力を吸い上げ始めるんだ。」

ダクネス「ああ。眠りについたヒュドラが、再び魔力を蓄積させるのにかかる年月は10年ほどで、前回眠りについたのが、今から10年前の話だ。」

 

 俺がそう聞くと、トウカ、武劉、ダクネスはそう説明する。

 確かに、いつ目覚めてもおかしくはないな。

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「こんなもん狩るとか、いくら朝早いからって、寝惚けたこと言うなよ。それよりお前、昨日の執事は何だったんだ?」

トウカ「確かに。アルダープと何があったんだ?」

ダクネス「昨日の件は……………っ!き、昨日の件は、お前達には関係のない事だ。貴族のしがらみという奴だから、巻き込まれたくなければ、首を突っ込むな。そんな事より、そのめぐみんはどこだ?めぐみんなら、この話に乗り気になるのではないか!?」

 

 カズマとトウカがそう聞くと、ダクネスはそう答える。

 何かあったんだな。

 だから、大物賞金首であるクローンズヒュドラを倒す事になったんだろうな。

 ダクネスがそう聞く中、カズマは答えた。

 

カズマ「めぐみんなら、アクアと一緒に出かけたよ。生まれてくるドラゴン用に、かっこいい首輪が欲しいって言ってた。」

ダクネス「……………私もアクアから、ドラゴンが生まれてきたら、小屋作りを手伝えと言われたのだが、あの卵は、どう見ても…………。」

白夜「鶏の卵だろうな。」

湊翔「それはそうと、何で急に大物賞金首モンスターを倒す流れになるんだよ?アルダープと何かあったのか?」

 

 カズマがそう言うと、ダクネスは複雑そうな表情を浮かべて、白夜はそう断言する。

 俺はそう聞くと、ダクネスは口を開く。

 

ダクネス「昨日の件は関係ないと言っただろう!……………実は、つい先日、湖の様子がおかしいとの報告があった。湖周辺の枯れた地に、雑草が生えだしたのだという。これは、ヒュドラが大地から魔力を吸い上げる必要が無くなった事を意味している。つまりは、目覚めの兆候だ。」

武劉「まあ、10年周期で動き出すのなら、動き出してもおかしくないか。」

 

 ダクネスはそう言うと、武劉はそう言う。

 確かに、それはそうだが、何か誤魔化したような感じがするのは、気のせいか?

 すると、ダクネスは芝居がかった声を上げた。

 

ダクネス「……………いいか?この街を救えるのは、魔王軍の幹部をも倒した私たちと湊翔達のパーティー以外にあり得ないだろう!お前も冒険者の……………仮面ライダーの端くれなら、この地を守りたいと思うだろう?さあ、今こそお前達の出番だ!!」

 

 ダクネスはそう熱弁する。

 まあ、そうなるよな。

 とはいえ、ダクネスがアルダープと何があったのかを把握しておきたいが。

 

白夜「まあ、大物賞金首とは戦ってみたいとは思っているがな。」

武劉「確かに、暴れられるのも困るからな。」

朱翼「ですね。」

トウカ「聞きたい事は山ほどあるけど、手伝ってあげるわよ。」

湊翔「まあ良いけどな。」

カズマ「お前ら……………ったく。」

ダクネス「あ、ありがとう!」

 

 俺たちがそう言うと、カズマは諦めた表情を浮かべて、そう言う。

 結果、クローンズヒュドラ討伐へと向かう事になった。

 その翌日、俺たちはヒュドラが住む湖が有る山の麓に向かっていた。

 

カズマ「なあ、そういえばさ。万が一ヒュドラを倒せなかったらどうするんだ?」

湊翔「確かに。現状大人しくしているモンスターを怒らせるだけになるんじゃないか?」

アクア「いやあーっ!いやああああーっ!!」

 

 俺とカズマがそう言うと、ダクネスは答える。

 

ダクネス「その事なら問題ない。今までであれば、クローンズヒュドラには、大軍を持って取り囲み、暴れさせる事で魔力を消耗させ、魔力切れになったヒュドラを再び眠りにつかせるという対処を行ってきた。当然、今回の周期に合わせて、そろそろ王都から騎士団が派遣される事になっている。」

アクア「ヒュドラなんていやあああ!どうしてダクネスは賞金首なんて狙うの?カズマがたまに言ってたけど、本当に貧乏貴族なの?帰ったら、コツコツ貯めてた貯金箱割って、お金を貸してあげるから、それで我慢してよおおおおおお!!」

 

 俺とカズマの質問に、ダクネスはそう答える。

 騎士団が来るのか。

 

武劉「だが、予定していた騎士団の到着よりも早く、ヒュドラが目覚めたという事か。騎士団では、ヒュドラを眠らせる事が出来ても、トドメを刺すには至らないという事か。」

朱翼「それで、根本的な解決にならないから、私たちを頼ったという事ですか。」

アクア「帰らせて!ねえお願い、帰らせて!何だか嫌な予感がするの!」

 

 それを聞いた武劉と朱翼はそう言う。

 それにしても、ダクネスは何を焦っているんだ?

 ヒュドラは、騎士団と一緒に倒せば良いのに、何故、そこまで焦る?

 すると、めぐみんと白夜が口を開く。

 

めぐみん「フハハハハハ!今回は私に任せて貰いましょうか!ヒュドラは亜種とはいえ、下級のドラゴン!こいつを倒せば、堂々とドラゴンスレイヤーを名乗れます!」

白夜「確かにな。クローンズヒュドラがどういう相手なのかは知らないが、燃えてくるぜ。ドラゴンスレイヤーの二つ名は興味無いが、ドラゴンと戦えるのは、血が騒ぐぜ。」

アクア「ゼル帝が生まれたら、ドラゴンを家で飼う事になるのに、なんでそんな物騒な称号を欲しがったり、戦いたがるの!?ねえ、めぐみん、白夜、止めましょうよ!ゼル帝だって、ドラゴンスレイヤーを乗せるのは嫌がる筈よ!お願い、私を帰らせてよお!」

 

 めぐみんと白夜は、そんな風に頼もしい言葉を口にする。

 本当に、この2人は頼もしいな。

 俺とカズマは頷き合い、俺は口を開く。

 

湊翔「よし。それじゃあ、まずは…………。」

アクア「早く帰って、ゼル帝の誕生を見守らなきゃいけないのに!わあああああああーっ!!」

カズマ「さっきからピーピーうるせーぞ!ひよこってのは、生まれるまでに20日以上掛かるから、まだまだ大丈夫だよ!ていうか、良い加減諦めろ!おまえが帰ったら、どうやってヒュドラを起こすんだよ!」

 

 俺がそう言うと、アクアはそう叫び、カズマはそう突っ込む。

 確かに、さっきからやかましかったしな。

 すると、アクアが叫ぶ。

 

アクア「何でドラゴンの卵からひよこが生まれるのよ!大体、どうしてあんな所に大事なゼル帝を預けなきゃならないの!?」

白夜「しょうがねぇだろ。鶏の卵の孵化なんてバカな事を頼める奴は他に居ないし、知り合いの冒険者に預けたら、高確率で食われるぞ。」

トウカ「……………まあ、ウィズが唾を飲み込んでいたけどね。」

 

 アクアがそう叫ぶと、白夜はそう言って、トウカは苦笑しながらそう呟く。

 ちなみに、卵はウィズの店に預けてある。

 ウィズが唾を飲み込んでいたのが気になるけどな。

 

アクア「白夜!あんた、何バカな事言ってんの!?あれはドラゴンの卵よ!?それに、リッチーと悪魔に卵を預けるなんて、生まれてくるゼル帝に変な影響を及ぼさないか心配よ!ドラゴンの卵ってのはね、親ドラゴンが大事に抱いてる期間が長いほど、高い魔力を持ったり、親の属性を引き継いだりするの!あの子は神聖なホワイトドラゴンとして生まれて欲しいのに、なんか闇のパワーの影響を受けて、ブラックドラゴンとか生まれてきそうじゃ無い!」

湊翔「心配するな。生まれたとしても、黒のカラーひよこが生まれるだけだ。」

カズマ「そんなに気になるなら、早くヒュドラを倒して帰ろうぜ。」

 

 アクアが長々しくそう言う中、俺とカズマはそう言う。

 というより、まだドラゴンと言うか。

 あれはどうみても鶏の卵だろ。

 すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「よし、準備は良いか?ではアクア、始めてくれ!」

アクア「しょうがないわね。まあ私としては、水を綺麗にする事自体に文句はないけど。じゃあ、ちょっと行ってくるわね!めぐみんの魔法や一斉攻撃でもダメだったら、すぐに逃げ帰るからね!?」

 

 ダクネスがそう言うと、アクアはそう言って、躊躇なく濁った湖に飛び込む。

 水棲モンスターは、綺麗な水を嫌がるらしい。

 そこで、アクアの出番というわけだ。

 ちなみに、いつクローンズヒュドラが現れても良いように、俺たちの腰には、デザイアドライバーが装着されている。

 アクアが浄化作業をしている中、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「……………あれは、浄化作業をしているんですよね?暑いから水遊びをしている訳ではないですよね?」

 

 めぐみんはそう言う。

 言われてみれば、今のアクアは、痛い子が1人で水遊びをしている様にしか見えないな。

 すると、アクアは、浄化作業に飽きてきたのか、目を瞑りプカプカと漂いだす。

 

ダクネス「………………おい、カズマ。アクアのやつ、大物賞金首が眠っている真上で昼寝を始めたぞ。大丈夫なのか、アレは?というか、前々から思ってはいたのだが、アクアは魔法を唱える素振りも見せず、なぜ触れただけで水を浄化したり出来るのだ?」

めぐみん「それは私も気になってましたね。芸の一つかと思い、あまりツッコミませんでしたが。」

カズマ「本人曰く、水の女神だからだそうだよ。」

「「ふ〜ん……………。」」

 

 ダクネスとめぐみんがそう言う中、カズマはそう言って、2人は聞き流した。

 まあ、普通なら信じられないよな。

 そんな風に話す中、アクアはいつの間にか、湖の中心に流されていた。

 しまった、紐で括り付けるべきだったか。

 そう思う中、しばらくすると、水面に小さな細波が走る。

 そして、めぐみんが叫ぶ。

 

めぐみん「これは…………っ!来ました、来ましたよ!すごい魔力をビンビン感じます!魔力の出所は湖の底からです!」

トウカ「確かに、アクアの真下に、巨大な影が見えるんだけど……………。」

カズマ「アクアー!お前、いつまで寝てるんだ!起きろ!」

白夜「お前がそこに居ると、めぐみんが爆裂魔法を撃てないだろうが!!」

湊翔「皆、変身するぞ!」

 

 めぐみんとトウカがそう言う中、カズマと白夜はそう叫ぶ。

 アクアが器用に立ち泳ぎをする中、俺たちは変身する為に、レイズバックルを取り出して、装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が、武劉の隣には、大砲の絵と英語でBUSTERの文字が浮かぶ。

 俺たちは叫ぶ。

 

一同「変身!」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

FLUTE

BUSTER

REDAY FIGHT

 

 俺たちは、それぞれの仮面ライダーへと変身する。

 すると、カズマが叫ぶ。

 

カズマ「おい、これ聞いてた話よりかなりデカいぞ!大きめの民家並みって書いてあったのに、俺たちの屋敷よりも大きいんじゃないのか!?」

 

 カズマの叫びに、俺たちは顔を引き攣らせる。

 無理もない。

 ダクネスの見せた紙には、ヒュドラの大きさは、大きめの民家並みという記載があったのに、かなり大きいのだ。

 カズマの言う通り、俺たちが住んでいる屋敷並みだ。

 これ、めぐみんの爆裂魔法でも倒し切れるのか?

 すると、アクアの叫び声が聞こえてくる。

 

アクア「か、カズマさーん!なんか凄く大きいのが、私目掛けて追ってきてるんですけどー!」

 

 そんなアクアの叫び声が響いた直後、水面下に8本の首がしっかりと映る。

 これ、やばくね?

 

カズマ「来るぞ!めぐみんは魔法の用意!俺たちはめぐみんを守りつつ、攻撃して行くぞ!」

湊翔「おう!」

ダクネス「分かった!」

めぐみん「そそそ、想定していた物より多少大きい様ですが、わわ我が爆裂魔法の威力なら一撃ですよ!この湖の生態系を破壊し尽くしてやります!」

白夜「やっべぇな……………。」

 

 俺たちがそう身構える中、ヒュドラが姿を見せる。

 その大きさは、ちょっとした小島の様だった。

 すると、カズマの呟き声が聞こえてくる。

 

カズマ「これ、アカン奴や。」

 

 同感だな。

 俺たちは、クローンズヒュドラに攻撃していく。

 

湊翔「ハアッ!」

 

 俺は、クローンズヒュドラの攻撃を躱しつつ、マグナムシューターで銃撃していく。

 ヒュドラの攻撃は、8本の首を使った物なので、躱すのが若干大変だが。

 その場合は、シリンダー型のバリアを張って、防御する。

 

トウカ「ハアッ!でやっ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーを振るい、クローンズヒュドラに攻撃していく。

 

白夜「オラっ!」

 

 白夜は、素早い動きでクローンズヒュドラの攻撃を躱して、雷を纏った攻撃を叩き込んでいく。

 

朱翼「ハアッ!」

 

 朱翼は、フルートソードを演奏して、音波攻撃で防御したり、攻撃したりする。

 

カズマ「とりゃっ!ハアッ!」

 

 カズマは、ニンジャフォームの素早さでクローンズヒュドラを撹乱して、ニンジャデュアラーで攻撃する。

 

ダクネス「はあっ!ふっ!」

 

 ダクネスは、ゾンビブレイカーでクローンズヒュドラに攻撃を叩き込んでいく。

 クローンズヒュドラの攻撃が、めぐみんの方に来そうになった際には、バーサークロー型のエネルギーで防いだり、我が身で防いだりしていた。

 

武劉「はっ!ふっ!はあっ!」

 

 武劉は、両腕のクローや両肩の大砲から、クローンズヒュドラに攻撃していく。

 めぐみんは、爆裂魔法の詠唱をしていた。

 本気を出す為だろう。

 しばらくすると、めぐみんが叫ぶ。

 

めぐみん「皆!もう爆裂魔法を撃てます!早く離れて下さい!」

カズマ「分かった!早く離れるぞ!」

湊翔「おう!」

 

 それを見て、俺たちはすぐにヒュドラへの攻撃をやめて、ヒュドラから離れる。

 そして、いつもの魔法陣が現れると。

 

めぐみん「穿て!エクスプロージョン!!」

 

 めぐみんの爆裂魔法が発動して、それがクローンズヒュドラへと炸裂する。

 凄まじい爆煙が広まる中、俺たちは身構えていた。

 

カズマ「どうだ……………?」

湊翔「これで倒れてくれるとありがたいんだけどな……………。」

武劉「油断するなよ。」

 

 俺たちはそう話して、身構える。

 煙が晴れてくると、クローンズヒュドラの姿が見える。

 クローンズヒュドラは、首を何本か失っていた。

 すると、失われたはずの首が、あっという間に再生していく。

 しばらくすると、再生が終わり、俺たちに向かって叫ぶ。

 

湊翔「嘘〜ん………………。」

トウカ「マジですか………………。」

白夜「おいおい………………。」

朱翼「えぇ〜…………………。」

 

 それを見た俺たちは、顔を引き攣らせながら、そう言う。

 すると、武劉が大きく叫ぶ。

 

武劉「皆、撤退するぞ!」

カズマ「お、おう!?」

ダクネス「待て!逃げるというのか!?」

武劉「めぐみんの爆裂魔法を受けてもすぐに再生する以上、どうにもならん!体勢を立て直すぞ!」

湊翔「わ、分かった!」

 

 さすがは、元自衛隊のSPだな。

 形勢が不利だと悟ったのか、即座に撤退の指示を出す。

 ダクネスは、撤退を渋ったが、武劉の言う事にも一理あるので、撤退する事に。

 クローンズヒュドラは、俺たちが撤退すると、即座に湖の方へと沈んでいく。

 しばらくして、俺たちは街へと戻る事に。

 

カズマ「……………しかし、どうして騎士団がヒュドラにトドメを刺さないのかよく分かった。刺さないんじゃなく、刺せないんだな。」

湊翔「だろうな。失った首の再生に、魔力を使ってるみたいだったしな。」

めぐみん「そうですね。アレを倒すには、再生が追いつかないほどの超火力で吹き飛ばすか、何度も傷を負わせて魔力を消費させて、魔力を尽きさせた所に致命傷を与えるしかないでしょう。」

白夜「まあ、どれも現実的ではないけどな。」

 

 俺たちはそう話す。

 風都探偵のトラッシュ・ドーパントと同じくらいに厄介だよな。

 トラッシュ・ドーパントも、周囲にゴミがある以上、何度でも再生するからな。

 あのエクストリームをも苦戦させた敵だし。

 そんな超火力を出せるのは、めぐみんの爆裂魔法か、コマンドフォーム・キャノンモードやバスターフォームの荷電粒子砲位だろうな。

 俺は、武劉に聞く。

 

湊翔「なあ、武劉。お前のバスターフォームで、どうにかならないか?」

武劉「ふむ……………。一応、可能かもしれないが、今の状態では、例えダメージを与えたとしても、回復されるだけだろうな。」

ダクネス「そ、そうか……………。」

 

 やっぱり、まだ無理か。

 ある程度ダメージを与えないと、不可能に近いという事か。

 すると、トウカが口を開く。

 

トウカ「……………ダクネス。そこまで落ち込んでるけど、ヒュドラを倒さないといけない事情でもあるの?」

ダクネス「っ!?そ、それは……………。」

白夜「アクア、めぐみん。お前達は先に行って、ギルドに報告してくれ。」

アクア「わ、分かったわ。それじゃあ、早く行きましょう!出来るだけ私たちの活躍を大袈裟に吹聴するの!そうすれば、金一封くらい貰えるかもしれないわ!」

めぐみん「任せて下さい!我が爆裂魔法がいかに凄かったか、とくとくと語ってやりますよ!」

 

 トウカがそう聞くと、ダクネスは口籠る。

 白夜は、アクアとめぐみんを先にギルドへと行かせる。

 確かに、ダクネスの行動には、不可解な点があった。

 何しろ、騎士団でもどうにかなる筈のクローンズヒュドラを、自分で討伐しようとしている所だ。

 ダクネスが口籠る中、トウカは口を開いた。

 

トウカ「……………その口ぶりから、何かあるのは察したわ。でも、ダクネスが自分から言うまで、待ってあげる。」

ダクネス「トウカ………………?」

トウカ「ダクネスが色んな事をたった1人で抱え込む人だというのは、分かってるのよ。だって、私は、あなたの親友なんだから。でも、あんまり抱え込み過ぎて、壊れそうになってしまったら、私は遠慮なく介入するからね。というより、私たちを頼ってよ。」

ダクネス「トウカ………………。」

 

 トウカは、ダクネスに対して、そんな風に言う。

 トウカはダクネスの親友だったな。

 だからこそ、ダクネスの異変には気付きやすいのだろう。

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「……………今日はダメだったけど、次にあのヒュドラに挑む際には、入念な準備をして作戦立ててから行くからな?」

ダクネス「カズマ……………。」

白夜「確かに。このまま負けっぱなしなのは、嫌だからな。」

朱翼「私たちも協力しますよ。」

武劉「ああ。」

湊翔「なんだ?民の安全だの言ってた癖に、ヒュドラ討伐を諦めたのか?」

ダクネス「バカなっ!この私を誰だと思っている!民を守る事こそ、ダスティネス家に与えられた使命だ!次こそは、あのヒュドラをぶっ殺してやる!!」

 

 俺たちは次々とそう言う。

 それを聞いたダクネスは、少しだけ、いつものダクネスを取り戻した。

 そうでないとな。

 しばらくして、ギルドへと向かうと。

 

冒険者「どうして、いつもいつも、アンタって人は余計な事ばっかやらかすんだ!」

冒険者「本当よ!アクアさんってば、こないだだって、魚屋の生簀の水を真水に変えて、海で獲ってきた魚を全滅させたんでしょう!?」

アクア「だ、だって!私は良かれと思って!魚屋の件にしても、狭い生簀の中で可哀想だし、せめて水くらいは綺麗にしてあげようと思って!!」

冒険者「どうすんだよ!クローンズヒュドラなんて大物、俺たちじゃどうにもなんねぇ!!」

冒険者「じ、実家に帰りたいよ!お母さーん!!」

ギルド職員「手配書を、もっと手配書を回せ!この街の冒険者全員に、手配書を配るんだよ!!」

 

 ギルド内は、阿鼻叫喚と化していた。

 冒険者やギルド職員が悲鳴をあげて、騒ぎの中心では、アクアが糾弾されていた。

 すると、めぐみんがやってくる。

 

めぐみん「あっ!カズマ、ダクネス、湊翔、トウカ、白夜、朱翼、武劉!いい所に!この状況をなんとかして下さい!」

カズマ「いや、どうしたんだよ、これ。」

白夜「俺たちは、何も悪い事はしてないぞ。」

めぐみん「いえ!それがですね……………。」

 

 めぐみんはそう叫び、カズマと白夜はそう聞くと、めぐみんは狼狽える。

 俺たちは、ルナさんに事情を聞く事に。

 

ダクネス「おい、一体何があった?確かに討伐は失敗したが、これほどまでに騒ぐ事ではないだろう?どうせ騎士団が来るまでの繋ぎであり、ダメ元の討伐だったのではないか?」

ルナ「そ、それがですね……………タイミングの悪い事に、王都で大事件が発生したとの事で……………騎士団達はその事件の始末に追われて、こっちに構っている暇がないらしく……………。」

 

 王都?

 なんか嫌な予感がするのは、気のせいだろうか?

 

カズマ「おい、どういう事だよ!?王都がピンチなのか!?俺の可愛い妹が危機に晒されてんのかよ!?」

白夜「おい、カズマは黙ってろ。」

湊翔「どうなんですか?」

ルナ「その、事件が起きたのは少し前で、今は犯人探しの為に、騎士団が駆り出されていて……………なんでも、王都で銀髪盗賊団と呼ばれる連中と石井樹という魔法使いが、王城に侵入したそうで………………。」

 

 それを聞いて、俺たちは吹き出した。

 俺たちのせいじゃねぇか。

 銀髪盗賊団は2億エリス、石井樹はアイリスの首を絞め、誘拐をしようとした事で、5億エリスの賞金が掛けられたそうだ。

 あいつ、カズマ達の倍近くの賞金がかけられてんな。

 すると、それを聞いたダクネスは。

 

ダクネス「……………2億エリスか。」

カズマ「おい、なんでこっち見るんだよ。」

 

 ダクネスは血走った目でカズマを見る。

 やばいって。

 目がマジだって。

 という事は、金銭面絡みか?

 ルナさん曰く、騎士団達は、いつやって来るのか分からなくなったそうだ。

 そして、紅魔族の占い師曰く、アクセルの街に黒幕がいるとの事。

 それで、阿鼻叫喚のこの光景になってるわけだ。

 結果、カズマは引き篭もる事になってしまった。

 一方、その知らせは、馬場武達の方にも来ていた。

 

武「お前、賞金をかけられたみたいだな。」

闘轟「まあ、あのような事をして、賞金をかけられない訳ないな。」

遥「あなたを売れば、5億エリスが手に入るみたいね。」

要「流石に、それは今後の作戦に支障が出ますよ。」

光太郎「で、どうすんだ?」

樹「……………流石にやり過ぎたかな。少しは大人しくするさ。だが、僕は諦めてないからね。」

 

 馬場武達は、そんな風に話す。

 俺たちがクローンズヒュドラに苦心する中、馬場武達も、確実に動いていた。




今回はここまでです。
今回は、クローンズヒュドラに喧嘩を売る所です。
ちなみに、前回の章でアイリスの首を絞めた石井樹は、カズマ達以上の賞金をかけられて、指名手配されていました。
次回は、クローンズヒュドラとの戦いが終わるまで書こうかなと思っています。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日、ガッチャードとギーツの冬映画の情報が来ましたね。
分かったのは、タイクーン達のケミーが出て来るくらいでしたが。
果たして、どんなストーリーになるんでしょうね。
Vシネマにもどんな風に繋がるのかも気になりますし。
ギーツのケミーの声は、誰が当てるんでしょうね。
ちなみに、この小説と、賢者の孫とガッチャードの小説で、その冬映画のエピソードをやる予定です。
その際、ラウンズやライコウ、スワン、ダイルなどといった仮面ライダーのケミーも出す予定です。
どうなるのか次第ですが。
リクエストがあれば、活動報告にて承っています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第69話 クローンズヒュドラとの決戦

 カズマが指名手配されていると知り、カズマは引き篭もった。

 それからしばらくして、雨の日が続いた。

 

アクア「あるーひー。もりのーなーかー。ドラゴンにー。でああったー。」

 

 アクアはそんな風に歌いながら、卵に魔力を浴びせていた。

 アクア曰く、卵の内から歌を聞かせる事により、胎教を施しているとの事。

 ドラゴンじゃなくて、鶏の卵だろうが。

 すると、めぐみんが大きく叫ぶ。

 

めぐみん「カズマ、リベンジです!あのヒュドラにリベンジするのです!」

 

 めぐみんはここ最近、カズマが引きこもっている事に業を煮やしたのか、そんな風に催促してくる。

 それを聞いた俺たちは、口を開く。

 

湊翔「まあ、負けたままなのは嫌だけど、どうやって倒すんだ?」

カズマ「今の所、あんまり良い作戦を思いついてないんだぞ。高火力を出せるコマンドフォームも、現状は湊翔か、湊翔から借りないと使えないし。」

武劉「バスターフォームも、俺でなければ高火力は出せないからな。」

 

 俺たちはそう言う。

 そう。

 コマンドフォームのキャノンモードやバスターフォームなら、高火力の攻撃を叩き込めるだろう。

 だが、それでも仕留めきれなかったら、再生されてしまう。

 それに、現状、コマンドフォームになる為には、俺か、俺から借りる位しか出来ないのだ。

 すると、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「火力です!更なる火力を浴びせるのです!爆裂魔法の1発で沈まないなら、相手が消えて無くなるまで爆裂魔法を撃ち込むのです!アクアか武劉の魔力をドレインタッチで私に移せば、それも可能となります!」

 

 めぐみんはそんな風に叫ぶ。

 すると、アクアと武劉が口を開く。

 

アクア「嫌よ。どうしてこの私が、ドレインタッチなんて穢らわしいリッチースキルを受けなきゃならないの?嫌よ。カズマや湊翔に脅されようが、ダクネスが私を甘やかそうが、めぐみんがおかしくなろうが絶対に嫌。私の神聖な魔力は、おいそれと与えられる物ではないの。」

武劉「それに、ドレインタッチで補充している時に、攻撃されては意味がないしな。補充している中で、再生されたら、意味がない。」

 

 アクアはそう嫌がり、武劉は正論を叩きつける。

 確かに、言いたい事は分かるがな。

 すると、白夜が口を開く。

 

白夜「その神聖な魔力とやらで、さっきから何をしてんだよ。卵なんて、暖炉の前で炙っとけば良いだろ。炙り過ぎたら、おかずにすれば良いしな。」

アクア「ちょっと、白夜。次にそんな事を言ったら、聖なるグーを食らわせるわよ。…………これはね、ドラゴンの卵に魔力を注いでいるのよ。魔力の塊と言われるドラゴン達は、持っている魔力が高ければ高いほど強さが増すの。この子はドラゴンの頂点に君臨する者。私はこの子の親として、できる事は何だってしてあげたいの。」

湊翔「まだ言うか……………。」

朱翼「鶏の卵なのに……………。」

 

 白夜がそう言うと、アクアは白夜を睨みながらそう言う。

 鶏の卵である事を受け入れろよ。

 トウカが口を開いた。

 

トウカ「それにしても、めぐみん達は、ダクネスの囮スキルでヒュドラを呼んで、めぐみんの爆裂魔法を叩き込むという嫌がらせをやってるみたいだけど、効果はあるの?」

めぐみん「そうですね……………。ある程度は効いてると思うんですが……………。」

カズマ「お前ら、そんな事をやってたのかよ!ダクネスも何してんだよ!?こういう時に止めるのがお前の役割だろ!」

ダクネス「う、うむ……………。しかし、あのヒュドラはどうしても倒したいというか…………。それに、これはヒュドラの魔力を削る事にも繋がるのだし……………。」

 

 トウカが何気なくそう言うと、めぐみんはそう答えて、カズマは叫び、ダクネスは視線を逸らす。

 ダクネスとしては、自らの手でヒュドラを倒したいらしいが……………。

 そう思う中、カズマとめぐみんが騒ぎ合い、ダクネスは鎧を磨いていた。

 それから何日かが経過したが、雨は止む気配を見せない。

 カズマとアクアが引きこもっている中、俺たちもヒュドラの嫌がらせに付き合っていたのだが。

 

めぐみん「帰りましたよー!すいません、ダクネスが色々とアレなので、お風呂の用意をお願いします!」

 

 めぐみんがそう叫ぶ中、ダクネスは酸っぱい匂いを漂わせていた。

 それを見たカズマが口を開く。

 

カズマ「……………食われたのか。」

湊翔「ああ、ダクネスが食われた…………。」

トウカ「どうやら、連日の爆裂魔法には堪えたのか、ダクネスが囮スキルを使う前に奇襲してきたのよ。」

ダクネス「ああ。流石に危うい所だった…………。何とか脱出して、めぐみんの爆裂魔法や湊翔達の攻撃を食らわせて、首を再生している間に逃げてきたのだが……………やはり、そう簡単にはいかないな。」

 

 カズマがそう言うのに対して、俺とトウカがそう言うと、ダクネスは鎧を外しながらそう言う。

 ゾンビフォームのおかげで、ある程度の耐久力は上がっていたので、大丈夫らしい。

 ダクネスは、ヒールを受けたあと、アクアに礼を言い、とぼとぼと風呂場に向かっていった。

 すると、アクアが口を開く。

 

アクア「……………ねえカズマ。どうにかして、楽ちんにヒュドラを倒す手は思い浮かばないの?弱っちぃカズマの取り柄は、数だけは多い中途半端なスキルと、仮面ライダーである事でしょ?」

カズマ「おっ、早速一つ思いついたぞ。まず、お前を鎖で縛り付ける。そして湖に投入する。ヒュドラがパクッと行ったところを冒険者総出で引っ張って一本釣りだ。あとは、湖に逃がさない様に袋叩きにする。どうだ?」

 

 アクアがそう聞くのに対して、カズマはそう言う。

 カズマとアクアが喧嘩をする中、トウカの呟きが聞こえる。

 

トウカ「……………ダクネス。最近のお前は、様子が変だぞ……………。」

 

 そんな風に呟いていた。

 本当に、何があったんだ?

 その後、カズマがダクネスの鎧を修理していた。

 

ダクネス「ふぅ……………。ん?カズマ、私の鎧に一体何を?」

カズマ「今日は随分と傷だらけで帰ってきたからな。お前の鎧を直してるんだよ。どうせ、家に居ても暇だしな。」

 

 ダクネスがそう聞くと、カズマはそう答えながら、鎧を修理していく。

 トウカ達は、興味深そうにそれを見ていた。

 

ダクネス「そういえば、以前、皆で温泉に行った時にも、道中で鎧を直して貰ったな。………また、温泉に皆で行きたいものだ。」

カズマ「俺は嫌だよ。あの街嫌いなんだもん。めぐみん並みに頭がアレな連中が多いし。」

めぐみん「おい、アレとは何か詳しく聞こうじゃないか!」

朱翼「めぐみん、落ち着いて!」

白夜「まあ、アルカンレティアに行きたくないのは、同感だがな。」

湊翔「まったくだ。」

 

 ダクネスがそう言うと、カズマはそう言って、めぐみんが掴みかかる。

 朱翼が落ち着かせる中、俺と白夜はそう言う。

 すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「それでも。また、皆と行きたいな…………。」

トウカ「ダクネス……………?」

 

 ダクネスがそう呟く中、トウカはそれを不安げに見ていた。

 それからしばらくして。

 

めぐみん「カズマ!湊翔!トウカ!白夜!朱翼!武劉!居ません!部屋に起こしに行ったら、もぬけの殻です!」

トウカ「やっぱりか……………!!」

カズマ「あいつは!もう行くなって言ったのに、どうしてこんなに聞き分けねーんだよ!」

 

 めぐみんがそう叫ぶ中、トウカは苛立ちと心配を滲ませた声を出して、カズマはそう叫ぶ。

 そう。

 ダクネスは、これからは1人で行くと告げ、連日、たった1人でヒュドラの元へと向かっていったのだ。

 俺たちが止めるのも聞かずに、単身で湖へと向かい、ボロボロになって帰ってくるのだ。

 そこで、俺たちは交代で見張りを立てたはずなのだが……………。

 

湊翔「……………アクア!!」

白夜「見張りをせずになんで寝てんだよ!お前はよぉぉぉぉっ!!」

アクア「わあああああーっ!私だって、ゼル帝の孵化で疲れてたんだもの!子育てって大変なんだから、アンタ達もちょっとは労りなさいよ!!」

 

 そう。

 その日は、アクアが見張り役だったのだが、寝てしまっていて、俺たちは説教をしていた。

 アクアがそう言うと、カズマが激昂する。

 

カズマ「なにが子育てだバカにしやがって!おいこら、卵をよこせ!なんだこんなもん、俺が美味しく頂いてやる!」

アクア「やめて!卵を温め出して日にちが経ってるんだから、今の状態で割れば、大変な事になるわよ!中を見たらきっと後悔するから!」

 

 カズマがそう激昂する中、アクアは卵を懐に抱いて、丸くなっていた。

 そんな中、武劉と朱翼が口を開く。

 

武劉「それにしても、ダクネスは何を考えているんだ?たった1人でヒュドラを倒そうとするとは……………。」

朱翼「確かに、ダクネスが何を考えているのかは気になりますが、今はダクネスの元に向かった方が良さそうですよ!日に日にダクネスの傷が深くなってますし!」

 

 2人はそう叫ぶ。

 ヒュドラも学習しているのだろう。

 日に日に傷が深くなっていた。

 このままでは、退場して、ジャマトの肥料に使われかねない。

 すると、アクアが口を開く。

 

アクア「ねえ、あのヒュドラ、どうにか出来ないの?私、卵をウィズの店に預けてから、めぐみん達と一緒にダクネスの後を追って、ちょっとあの子に説教してくるわ。」

 

 体を丸くしながらも、珍しくそんな風に言う。

 すると、カズマは髪をくしゃくしゃにしながら、口を開く。

 

カズマ「俺はちょっと行きたい所があるから、お前達でどうにかダクネスを連れ戻してくれ。湊翔。お前も手伝ってくれ。」

湊翔「お、おう……………?」

トウカ「分かった。何とか、ダクネスを連れ戻してくるわ。」

 

 カズマがそう言う中、トウカ達は頷いて、ダクネスが居るであろう湖へと向かっていった。

 俺は、カズマに聞く。

 

湊翔「……………それで、何をするんだ?」

カズマ「……………お前は、冒険者達に協力を頼んでくれ。俺はちょっと野暮用がある。」

湊翔「なるほど。分かった。協力を取り付ける様、頼んでおく。」

 

 そう聞くと、カズマはそう答える。

 確かに、他の冒険者達にも手伝って貰った方がいいだろう。

 俺がギルドに向かっていく中、カズマは別の場所へと向かっていた。

 

???「よお、佐藤和真。その様子だと、覚悟を決めたみたいだね。」

カズマ「こんなメッセージを送ってきて、何の用だよ、ケケラ。」

 

 カズマが会いに来たのは、ケケラだった。

 カズマが見せたスパイダーフォンには、『渡したい物がある』と書いてあった。

 

ケケラ「ああ、それね。渡したい物は、これよ。」

 

 ケケラがそう言うと、カズマの前に、緑色のミッションボックスが現れる。

 

カズマ「これ?中身は何だよ?」

ケケラ「それは、開けてみてのお楽しみってもんよ。」

カズマ「まあ……………。」

 

 カズマがそう言うと、ケケラはそう言う。

 カズマは、首を傾げながらも、それを開ける。

 その中に入っていたのは、コマンドツインバックルだった。

 

カズマ「これ、コマンドツインバックルか!?」

ケケラ「ああ。厳密には、コマンドジェットバックルって言うんだけどね。クローンズヒュドラと戦うには、コマンドフォームが役に立つだろ。」

カズマ「何で……………?」

ケケラ「言ったでしょう。アタシはアンタのサポーターだって。だからこそ、アンタが強くなる事には、一切、労力は惜しまないわ。遠慮なく使いなさい。」

 

 カズマがコマンドツインバックルを見て、驚く中、ケケラはそんな風に言う。

 それを聞いたカズマは、コマンドジェットバックルを持って、口を開く。

 

カズマ「まあ、ありがとうな。遠慮なく使わせてもらうぜ。」

ケケラ「ええ。使いなさい。そして、私を笑わせてみせて。」

カズマ「お、おう。」

 

 カズマとケケラは、そんな風に話す。

 俺は、冒険者達を集めていた。

 中には、知り合いの面子も集めていた。

 翌日、時刻が昼に差し掛かった頃、アクア達と共に姿を現したダクネスが、驚愕の表情を浮かべる。

 俺たちの後ろには、アクセルの街の冒険者たちが居た。

 

冒険者「おっ!遅いぞララティーナ!」

冒険者「ララティーナちゃんが来たよー!」

冒険者「ララティーナ!」

冒険者「ララティーナ!!」

 

 ダクネスがやって来たのを見て、冒険者たちはそんな風に揶揄いだす。

 ダクネスは、無言で俺とカズマの胸ぐらを掴んでくる。

 

ダクネス「………………!」

カズマ「や、やめろよララティーナ!こいつらはお前の名前を呼んだだけだろうが!」

湊翔「というより、無言で俺たちを締め上げてくるのはやめてくれって!」

 

 カズマも、そう言うのはやめろって!

 ダクネスは握力が強いんだから!

 すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「おい貴様ら。これは新手の嫌がらせなのか?それなら私にも考えがあるぞ。」

湊翔「嫌がらせじゃないって。」

カズマ「お前が連日単身でクローンズヒュドラに立ち向かっている事を伝えて協力して貰ったんだよ!」

ダクネス「………っ!」

 

 そう。

 ダクネスがたった1人で立ち向かうのだから、他の人たちにも手伝ってもらう事にしたのだ。

 ダクネスが、慌てて皆を見ると。

 

冒険者「おっ、ララティーナのくせに照れてるぞ。」

冒険者「ねえ、やめなさいよ。ララティーナちゃんって、あれで繊細なのよ?ヒュドラ退治にはララティーナちゃんの力が必要不可欠なのに、泣いて帰っちゃったらどうすんのよ。」

冒険者「カズマと湊翔には、一番高い酒を飲ませて貰ったしな!ちょっとくらい借りを返しといたって、罰は当たんないし。ララティーナの我儘も聞いてやんよ!」

 

 そんな声が、冒険者たちの間から投げかけられた。

 俺は、ダクネスに声をかける。

 

湊翔「ほら。君がアホな事をしてると説明したら、こんなに冒険者の皆が集まってくれたんだぞ。」

カズマ「人様に迷惑をかけるのは止めろよな。」

ダクネス「あ、ありがとう……。」

カズマ「え?何だって!?」

 

 カズマ、リピートを要求するなよ。

 ダクネスは冒険者達の照れ臭そうな顔を見て、笑みを浮かべて。

 

ダクネス「皆、ありが……。」

アクア「わあああ!カズマさん!湊翔さん!ヒュドラが起きるのが早いんだけど!」

 

 ダクネスがそう言うと、アクアのそんな叫び声が聞こえてくる。

 アクアの方を見ると、いつの間にか湖に入っていたのだ。

 

トウカ「アクア!?何してるのよ!?」

白夜「早すぎるんだよ!!」

めぐみん「だから私は言ったではないですか、ヒュドラを起こすのは、カズマと湊翔の合図を待った方が良いって!」

アクア「だって!早く帰って、ゼル帝の誕生を見届けないと!」

朱翼「あははは……………。」

武劉「やれやれ……………。」

 

 それを見たトウカと白夜とめぐみんがそう叫ぶ中、アクアはそう答えて、朱翼と武劉は呆れる。

 

カズマ「お前らって奴はどいつもこいつも!色んな意味で台無しだよ!!」

湊翔「皆、行くぞ!」

 

 俺たちはそう叫んで、変身する。

 

SET

SET FEVER

 

 待機音が流れる中、俺たちは叫ぶ。

 

一同「変身!」

 

 そう叫んで、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

CALIBER

LIGHTNING

BEAT

ZOMBIE

FLUTE

BUSTER

GREAT

HIT FEVER CALIBER

HIT FEVER LIGHTNING

HIT FEVER BEAT

HIT FEVER ZOMBIE

HIT FEVER FLUTE

HIT FEVER BUSTER

REDAY FIGHT

 

 俺とカズマはレイジングフォーム、他の皆は、フィーバーフォームへと変身する。

 周囲には、ダストが変身するメリー、リーンが変身するシロー、ゆんゆんが変身するギンペン、リアが変身するキュビー、シエロが変身するスマッシュ、エーリカが変身するタンツェンの姿があった。

 カズマは、他の冒険者たちに指示を出す。

 

カズマ「盗賊職の連中は、鋼鉄製のワイヤーを持ったな!?アーチャー職の連中は、フックロープ付きの矢を用意して待機!」

アクア「わあああ、早くしてー!早くしてー!」

カズマ「頑丈な連中は、後衛を守る為、盾としてその場で待機!魔法使い職は、いつでも魔法が撃てる様、準備をして後方待機!使う魔法は各自が持ってる中で一番強いやつを頼む!次弾は必要ないから、全魔力を込めてとびきりのを用意してくれ!」

めぐみん「任せて下さい!」

湊翔「俺たちも行くぞ!」

トウカ「ええ!」

 

 カズマがそうやって指示を出して、他の冒険者たちも準備をする。

 俺たちも、各々で攻撃していく。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!」

 

 俺は、レイジングソードを振るい、クローンズヒュドラに攻撃していく。

 

トウカ「ハアッ!ふっ!」

 

 トウカは、二刀流となったソードエクスカリバーを振るい、クローンズヒュドラに攻撃していく。

 

白夜「オラっ!はっ!」

 

 白夜は素早く動き、クローンズヒュドラに攻撃していく。

 

朱翼「ハアッ!フッ!」

 

 朱翼はフルートソードを二本持ちして、クローンズヒュドラに攻撃していく。

 

武劉「ハアッ!でやっ!」

 

 武劉は、両腕と両足についたクローで、クローンズヒュドラを切り裂いたり、肩の大砲で砲撃したりする。

 

カズマ「おらっ!はっ!」

 

 カズマも、レイジングソードを持って、攻撃していく。

 

ダクネス「ハアッ!こっちに来い!」

 

 ダクネスは、囮スキルを使いつつ、ゾンビブレイカーで攻撃していく。

 俺たちの攻撃により、クローンズヒュドラは、8本首を俺たちの方に全て向ける。

 すると。

 

盗賊職「バインド!」

 

 盗賊職の面々が、バインドスキルを発動して、ヒュドラの首を拘束させる。

 そして、アーチャー職たちが放ったフックロープ付きの矢は、ワイヤーの隙間に絡みつき、冒険者たちがそれを引っ張る。

 こうする事で、ヒュドラを逃げれなくするのだ。

 それを見て、俺たちもワイヤーやらロープを切断しない様に攻撃していく。

 すると、レイジングソードから、チャージ音が聞こえてくる。

 

湊翔「カズマ!コマンドフォームになるぞ!」

カズマ「おう!」

 

 俺とカズマは、レイジングソードのバックルを操作する。

 

FULL CHARGE

 

 すると、バックルが外れたので、デザイアドライバーに装填する。

 俺はデザイアドライバーの左側に、カズマはデザイアドライバーの右側に。

 

TWIN SET

 

 すると、俺の目の前に、飛行機の翼の絵と英語でJETの文字が上側に、キャノンの絵と英語でCANNONの文字が下側に出て、カズマの方は、キャノンの絵と英語でCANNONの文字が上側に、飛行機の翼の絵と英語でJETの文字が下側に出る。

 俺達は、先ほど装填したレイズバックルを操作する。

 

TAKE OFF COMPLETE JET & CANNON

REDAY FIGHT

 

 俺とカズマは、コマンドフォームに変身する。

 俺はジェットモードに、カズマはキャノンモードに。

 

湊翔「さあ、ここからがハイライトだ!」

カズマ「行くぜ〜!」

 

 俺とカズマはそう叫びながら、ヒュドラの方へと向かっていく。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!はっ!」

 

 俺は、ジェットモードでの飛行能力で飛びながら、レイジングソードで攻撃していく。

 

カズマ「オラっ!自分の魔力で攻撃を食らいやがれ!」

 

 カズマは、ドレインタッチでクローンズヒュドラの魔力を吸い取りつつ、それを変換して、トロンキャノンから、荷電粒子砲を放つ。

 クローンズヒュドラからしたら、たまったもんじゃないだろうな。

 俺たちの攻撃は、更に激しさを増す。

 俺のレイジングソードでの攻撃で、ヒュドラの首を切断したが、再生しない。

 

リア「ヒュドラの首が!?」

白夜「再生しないな……………。」

 

 それを見たリアと白夜は、そう言う。

 どうやら、魔力を枯らす事には成功したみたいだな。

 

カズマ「魔法使いの皆さーん!!」

湊翔「お前ら、一斉攻撃だ!!」

 

 俺たちがそう叫ぶと、魔法使い職の人たちが魔法を発動しようとする。

 俺たちも、必殺技を放つ。

 

RAISE CHARGE

LOCK ON

TACTICAL RAISING

COMMAND TWIN VICTORY

GOLDEN FEVER VICTORY

 

一同「ハァァァァァ!」

めぐみん「行きますよ!エクスプロージョン!」

 

 俺たちは、必殺技を魔法使い職の人たちと一緒に放つ。

 めぐみんも、同時に爆裂魔法を放つ。

 それらを食らったヒュドラは、悲鳴を上げる間もなく、永遠の眠りに就かされた。

 こうして、ヒュドラ討伐は、無事に成功したのだった。

 

めぐみん「私の勝ちだと認めて下さい!私が消し飛ばしたヒュドラの首は6本!ゆんゆんはたったの2本!どちらが上か、誰が見ても明らかではないですか!」

ゆんゆん「な、何でよ!めぐみんなんて、ヒュドラが瀕死になるまで、ただ待ってただけじゃない!」

 

 俺たちは、冒険者達を引き連れて、晴れ晴れとした顔でアクセルへと戻る。

 めぐみんとゆんゆんは、喧嘩をしていた。

 

湊翔「リア達も、手伝ってくれて助かったよ。」

リア「ああ。頼りにして来てくれたんだから、それに応えただけだよ。」

シエロ「はい!皆さんが力を合わせたから、ヒュドラを倒せたんです!」

エーリカ「私が居たから、楽勝だったでしょ?」

 

 俺は、アクセルハーツとそう話す。

 すると、キースとリーンの2人が口を開く。

 

キース「しっかし、俺たちでも案外何とかなるもんなんだな!いや、カズマんところと湊翔んところのパーティーが居なかったら無理だったか。」

リーン「そうだね。やっぱり、2人ってすごいよ!今回のヒュドラ退治の報酬は山分けって事だったけど、カズマたちは多めに持ってくべきだよ。」

 

 2人はそう話す。

 確かに、コマンドフォームやバスターフォーム、爆裂魔法などの高火力があったから、消し飛ばす事が出来たかもしれない。

 でも、それは皆が居たから成し得たことだ。

 

カズマ「それじゃあ……………ヒュドラとの激戦で皆疲れただろうし、今日の所はゆっくり休んで、明日はその分の報酬でパーっとやろうぜ!」

冒険者達「ひゃっはーっ!!」

 

 カズマがそう言うと、冒険者達は歓声を上げる。

 ダクネスが見ていると、トウカ達が話しかける。

 

トウカ「ダクネス。念願のヒュドラが討伐された気分はどう?」

ダクネス「ああ。おかげで色んな物が吹っ切れた。自分が何を悩んでいたのか馬鹿らしく思えるほどにはな。」

白夜「ふ〜ん……………。」

朱翼「そうですか……………。」

ダクネス「私は、この街の連中が好きだと改めて自覚した。私は幸せ者だ。」

武劉「ダクネス……………?」

 

 トウカ達とダクネスは、そんな風に話す。

 俺たちは、アクセルの街へと戻っていった。

 ただ、この時の俺たちは気づいていなかった。

 ダクネスの吹っ切れたという言葉の意味を、これから起ころうとしている陰謀に、巻き込まれそうになっているという事を。




今回はここまでです。
クローンズヒュドラを撃破しました。
カズマも、コマンドツインバックルを手に入れて、強化されました。
ケケラからの贈り物です。
ただ、いよいよアルダープの陰謀が動き出す。
果たして、湊翔たちはどうなってしまうのか。
あと、アルダープの結婚式にて、ラフレシアフォートレスジャマトを2体やら、何人かのオリキャラ、オリジナルの形態を出します。
ラフレシアフォートレスジャマトの倒し方でリクエストがあれば、受け付けます。
リクエストが来たので、オリジナルの話を1話挟んで、MOVIEバトルロワイヤルの話へと入っていきます。
今後の話の展開などでリクエストがあれば、下記のリンクからお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=286663&uid=373253
ギーツIXなどのリクエスト
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=302686&uid=373253
カズマのブジンソードはこのすばの原作10巻の、ギーツIXは、このすばの原作12巻の話で出す予定です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第70話 離脱するバッファ

 クローンズヒュドラを倒した翌日。

 冒険者ギルドには、たくさんの冒険者達が集まっていた。

 冒険者達の表情は、笑顔だった。

 すると、ルナさんがやってくる。

 

ルナ「冒険者の皆さん!昨日は本当に、ほんっとうに、ご苦労様でした!大物賞金首『クローンズヒュドラ』討伐、おめでとうございます!つきましては、皆さんに多大な賞金が支払われますので!」

冒険者達「うおおおおおーっ!!」

 

 ルナさんの言葉に、冒険者達が歓喜の声を出す。

 ここに居るのは、昨日の討伐に参加した面子だ。

 

カズマ「それにしても、せっかくの報酬受け取りだってのに、ダクネスはどうして来ないんだ?」

湊翔「言われてみれば、来てないな…………。」

白夜「もしかしたら、照れてるかもしれないぞ。」

めぐみん「あり得ますね。昨夜のダクネスときたら、私たちの前でも恥ずかしがっているのか、いつもよりテンションが高めでした。」

朱翼「確かに。めぐみんがお酒を飲もうとしても止めるのに、珍しく勧めていましたからね。」

武劉「珍しいよな。」

トウカ「ダクネス………………?」

 

 そう。

 ダクネスはいつになくテンションが高かったのだ。

 どういう訳なのかは、全く分からないが。

 トウカは、不安げな表情を浮かべていた。

 そんな中、アクアが口を開く。

 

アクア「ダクネスは私たちの中で一番年上だけれど、あれで子供みたいなところがあるしね。不器用で恥ずかしがり屋な子たまから、まだ皆の前に出てこられないのも仕方ないわ。留守番してるダクネスに、お土産買って帰りましょうよ。」

 

 アクアは卵に魔力を注ぎながら、そう言う。

 なんで上から目線なんだよ。

 すると、白夜が口を開く。

 

白夜「何しれっとダクネスを年上扱いして若さをアピールしてんだよ。お前なんか、年齢不詳のババァだろうが。」

アクア「虎雷白夜さん。そんな事を言うのなら、天罰を与えますよ?冷えた飲み物を頼んでも、すぐに生温くなる罰を与えます。」

湊翔「どんな天罰だよ。」

 

 白夜がそう言うと、アクアはそんなバカな事を口走る。

 今回のクローンズヒュドラ討伐の報酬は、10億エリスだ。

 何故、そんなに高額なのかと言うと、ヒュドラが居た湖が、肥沃な土地に変わる為、その開拓地に対する代価との事。

 すると、俺とカズマが呼ばれる。

 

ルナ「では、佐藤和真さんと桐ヶ谷湊翔さんのパーティーは、9人分の報酬、1億8000万エリスと、討伐参加者の希望により、追加で二千万エリス。合計2億エリスとなります!」

カズマ「ありがとうございます!よし、お前ら!この二千万エリスは、皆で派手に…………!」

湊翔「そうだな。離してくれるとありがたいんですが…………。」

 

 俺たちが受け取ろうとすると、ルナさんが渋ってきて、カズマが無理矢理奪い取ると、大きく叫ぶ。

 

カズマ「おいお前ら!昨日は改めて、協力感謝だ!宴会しようぜ!!」

冒険者達「おおおおおお!!」

 

 カズマがそう叫ぶと、ギルドに野太い歓声が響き渡る。

 それからしばらくして、日が暮れた頃、俺たちは屋敷へと帰っていった。

 その間、霜降り赤ガニを購入した。

 屋敷に到着すると。

 

カズマ「おいダクネス、帰った…………ぞ?」

湊翔「居ないのか?」

白夜「おい、テーブルの上に紙が置かれているぞ。」

朱翼「本当ですね。何々……………『領主の元へ、今回のヒュドラ盗伐の報告に行く』…………だそうです。」

武劉「何故、領主の元へと向かう必要があるのだ?」

トウカ「そっか……………。」

 

 屋敷の中には、ダクネスの姿はなく、テーブルに置き手紙が書いてあった。

 ちなみに、聞いた話によると、サボテンナイトジャマトによって破壊された領主の屋敷がやっと再建されたそうだ。

 すると、アクアは孵化作業に戻りながら、晩御飯をせっついてくる。

 

カズマ「おい喧しいぞ。料理が出来ても、ダクネスが帰ってくるまではお預けだからな?」

白夜「ひよこの卵の孵化作業をやってる暇があるのなら、家事の手伝いをしてくれ。」

アクア「ねえ、アンタ達。育児中の女性にはもうちょっと労りを持つべきだと思うの。それに、良い加減ひよこひよこ言うのもやめて欲しいわね。そんなにこの子を邪険にすると、ゼル帝が産まれて大きくなった時に齧られても知らないからね?」

湊翔「まだ言うか……………。」

 

 カズマと白夜がそう言うと、アクアはそう反論する。

 良い加減に認めろよ。

 結局、ダクネスはその内帰るだろうという事で、カズマとめぐみんと朱翼で料理を作り、俺、トウカ、白夜、武劉は屋敷の掃除へと動くことにした。

 アクアは、ソファーの上でずっとゴロゴロとしていた。

 しばらくすると、料理が完成したようだ。

 

アクア「ねえカズマ、湊翔。ダクネスが遅いんですけど。私、料理を目の前にもう耐えられないんですけど。とっととダクネスを探してきてー、探してきてー。」

カズマ「お前、金も出さない、料理もしないくせにまた随分な態度じゃないか。」

湊翔「でも、ダクネスの奴、遅くないか?」

めぐみん「まだ照れているのでしょうか?でも、今日の料理はちょっと凝ってますね。」

朱翼「ダクネスが見たら、驚きそうですよね。」

 

 俺たちはそんな風に話す。

 確かに、ダクネスの帰りが遅い。

 そう思う中、俺たちはダクネスの帰りを待つ事にした。

 やがて、夜の帷が下りる頃、そんな時間になっても、ダクネスは帰ってこなかった。

 

アクア「ねえ、カズマー!湊翔ー!もう冷めちゃったわよ、温め直してー。」

めぐみん「……………ご飯を前にお預けとか。私はダクネスじゃないんですから、こんなプレイは嬉しくありませんよ。」

朱翼「確かに、遅いですね…………。」

トウカ「バニルの占いの通り、実家で何かあったのかしら。」

カズマ「それだったら、何かあったのかくらい知らせろってんだ。」

白夜「まだ分からないな……………。」

武劉「待つしかないだろう。」

湊翔「だな。」

 

 俺たちはそう話す。

 愚痴を言いながら待っていると、苛立ちが怒りへと変わっていき、ダクネスが帰ってきたらどうとっちめるかの会議になっていく。

 そんな中、もう食べようという意見は一切出てこない。

 結局、ダクネスはこの日、帰ってくる事はなく。

 それどころか、その次の日も、またその次の日も、ダクネスが屋敷に帰ってくる事はなかった………………。

 それからしばらくして、今朝、ダクネスから手紙が届いた。

 カズマがダイナマイトのレプリカを作っている中、ダクネスからの手紙を見ていた。

 その横には、トウカがいた。

 

トウカ「ダクネス……………いきなりどうしたのよ……………。」

湊翔「分かんね……………。」

白夜「随分と唐突だよな……………。」

朱翼「ええ……………。」

武劉「何が起こっているんだ?」

 

 俺たちはそんなふうに話す。

 ダイナマイトを爆裂魔法を再現できる物と聞いためぐみんが、窓から全力で投げ捨てると、俺から手紙を受け取り、それに目を通す。

 すると、めぐみんはその手紙をテーブルに置くと口を開く。

 

めぐみん「ダクネスは、本当にパーティーを抜けちゃうんですかね……。」

 

 めぐみんはそう呟く。

 その言葉には、俺たちは何も返す事が出来なかった。

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「………しょうがないだろ、実家が実家だ。そもそも、今まで俺たちと一緒に冒険が出来たって事がおかしいんだよ。」

めぐみん「で、でも!これって絶対変ですよ!ダクネスが何も言わずにパーティーをを抜けるとか!私たちは、そんな薄っぺらい関係ではない筈ですよ!」

アクア「そうよね。私はアレよ。カズマの行き過ぎたセクハラが原因だと思うの。取り敢えず、私たちの洗濯物を浴槽にたくさん入れて、『うひょー!下着風呂だああああー!』って奴はやめた方がいいと思うわ。」

湊翔「……………カズマ、そんな事してたのか?」

カズマ「やってねぇ!今はまだそんな事やってねーよ!」

トウカ「今はまだって言わなかった?」

 

 カズマがそう言うと、めぐみんはそう叫び、アクアもそう言う。

 俺がそう聞くと、カズマは否定して、トウカが突っ込む。

 カズマは、めぐみんがテーブルの上に置いた手紙を見ていく。

 その手紙の内容とは。

 

ダクネス『突然こんな事を言い出して、本当にすまない。お前達には言えない、込み入った事情が出来た。貴族としてのやむを得ない事情だ。お前達とは、もう会えない。本当に勝手な事だが、パーティーから抜けさせて欲しい。どうか、私の代わりのバッファを見つけ出してくれ。お前達には感謝している。それは、どれだけ感謝しても足りない程で……。お前達との冒険は楽しかった。私のこれまでの人生の中で、一番楽しい一時だった。私は今後、お前達との冒険の日々を絶対に忘れる事は無いだろう。今までどうもありがとう。ダスティネス・フォード・ララティーナより。愛する仲間達へ、深い感謝をー』

 

 そんな風に書いてあった。

 トウカが落ち込んだ表情を浮かべ、カズマが持ってたカッターの先が折れる。

 どうやら、力がこもっていたようだ。

 

めぐみん「……………カズマも気になってるんじゃないですか。素直になりましょうよ!そして、もう一度ダクネスの屋敷に向かいましょう!」

 

 めぐみんは、そんな風に叫ぶ。

 実は、ダクネスが帰ってこなかったあの日。

 俺たちは日付が変わってしばらくした後に、冷えた料理を食べた。

 そのまま朝早く、ダクネスの屋敷へと向かったのだが……………。

 

カズマ「また門前払いされるのがオチだって。相手は仮にも大貴族だぞ?」

武劉「強行突破をした時点で、逮捕だろうな。」

白夜「それに、アイツが面会謝絶してる以上、会う手段も無い。」

 

 カズマ達の言葉に、めぐみんはシュンと項垂れる。

 

トウカ「ダクネスの部屋を見てきたけど、ベッドの上に、デザイアドライバーとダクネスが持ってたレイズバックルが置かれていたわ。」

朱翼「そうですか……………。」

湊翔「ダクネスの奴……………。」

 

 トウカがそう言うと、俺たちはそう返す。

 トウカが落ち込んだ表情を浮かべるのを見ていると、ダクネスへの苛立ちが浮かび上がってくる。

 親友を泣かせるんじゃねぇよ。

 そんな中、俺もカズマの作業を手伝う。

 すると、アクアが話しかけてくる。

 

アクア「ねえ。なんだかんだ言って、ダクネスの為に何かできないかって考えてるんでしょ?だから2人とも新しい商品開発を行なってるの?あの役に立たない悪魔の助言を信じちゃってるのね?悪魔ってのはね、屁理屈ばっかりこねる、いい加減な連中なのよ?無償で人助けをする連中じゃないんだからね?」

カズマ「べ、別にそんなんじゃねーし!?真面目に働きたく無いから、更に楽して大金せしめようとしてるだけだし!」

湊翔「……………お前がバニルを信用しなくても、俺は信じる。あいつは、嘘を言っている様には見えなかった。何もせず後悔するよりも、何かをして後悔する方が良い。」

トウカ「湊翔……………。」

武劉「白夜。」

白夜「ああ。」

 

 アクアがそう言う中、俺とカズマはそう返す。

 バニルが何かを企んでいるのは、承知の上だ。

 だが、バニルの力は本物だし、そうやっておくのも悪くは無い判断だと思う。

 アクアがカズマに卵を奪われ、取り返そうとしている中、めぐみんはポツリと呟く。

 

めぐみん「2人のいつものやり取りを見ていても……………。なんか、足りない気がします……………。」

 

 そんな風に、寂しげに言う。

 その後、カズマはめぐみんと共に新たなパーティーメンバーを見つけに行き、白夜と武劉は、デザイア神殿で特訓をしてくると言い、朱翼も少しだけ単独行動をする事に。

 俺とトウカはというと、久しぶりに2人でクエストを受ける事にしたのだが……………。

 

トウカ「…………………。」

湊翔「トウカ………………。」

 

 トウカは落ち込んでいたのだ。

 無理もない。

 今までずっと一緒にいた親友がいきなり居なくなってしまったのだ。

 落ち込んでしまうだろう。

 そんな時の慰め方なんて、俺には分からない。

 戦闘時に関しては、特に問題ないのだが、戦闘が終わると、落ち込むのだ。

 すると、トウカが口を開く。

 

トウカ「………………湊翔。なんで、ダクネスは居なくなるの?」

湊翔「それは……………。」

トウカ「何でなの?どうしてなの?」

 

 トウカはそんな事を聞いてくるが、俺は簡単には答える事は出来なかった。

 ダクネスは貴族で、俺たちは平民。

 身分の差という物が存在してしまっているのだ。

 だが、今はトウカを落ち着かせないと。

 すると、トウカは俺の方に駆け寄り、抱きついてくる。

 

湊翔「と、トウカ……………?」

トウカ「ごめん、いきなりこんな事をして。でも、しばらくこうさせて。」

湊翔「お、おう。」

トウカ「………………ううっ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 俺が戸惑う中、トウカはそう言って、俺は了承する。

 すると、トウカは泣き出してしまう。

 俺は、そんなトウカをそっとする。

 やっぱり、親友と別れるのは辛い物があるのだろう。

 しばらくすると、トウカは泣き止む。

 

トウカ「ごめんね。いきなり泣き出して。」

湊翔「いや、気にすんな。無理もないからな。」

トウカ「……………ありがとう。」

 

 俺がそう言うと、トウカは落ち着いたのか、顔を赤くしつつもそう言う。

 そうして、俺たちはアクセルへと戻る。

 一方、白夜と武劉は。

 

白夜「ハアッ!ふっ!」

武劉「ふっ!でやっ!」

 

 2人は、デザイア神殿内のトレーニングルームにて、特訓をしていた。

 仮想ジャマトを相手に、連携の特訓をしていた。

 しばらくすると、特訓を終えた。

 

白夜「お疲れさん。」

武劉「白夜もな。」

 

 2人は、タオルで汗を拭きながらそう言う。

 すると、拍手の音が響く。

 

???「お疲れ様。ライコウにダイルのお二人さん。」

白夜「うん?」

 

 白夜と武劉が、拍手の音がした方向を向くと、そこには2人の男性がいた。

 

白夜「アンタらは……………。」

武劉「確か、そっちのあなたはニラムさんでしたよね?」

ニラム「ああ。」

白夜「そこのアンタは…………紅魔の里で会ったサブゲームマスターか?」

拓巳「ああ。そういえば、名乗っていなかったな。俺は、黒石拓巳だ。」

 

 そう。

 そこに居たのは、ニラムと紅魔の里で遭遇したサブゲームマスター…………黒石拓巳だったのだ。

 

白夜「なんでアンタがここに居るんだ?王様の補佐だろ?」

ニラム「まあ、それは合っている。だが、別の役職があってね。私は、デザイアグランプリのゲームマスター兼プロデューサーでもあるのさ。」

武劉「何…………!?」

 

 そう。

 ニラムは、ゲームマスター兼プロデューサーであるのだ。

 

白夜「アンタがゲームマスターだったのか……………!?」

武劉「そんなあなた達が、何の用ですか?」

ニラム「それなんだが……………君たちに相談があってな。」

白夜「相談?」

拓巳「実は、ロキ側に不穏な動きがあるんだ。」

武劉「どういう事だ?」

 

 白夜が驚く中、武劉はそう聞く。

 ニラムと拓巳は、そんな風に答える。

 拓巳曰く、スラグフォートレスジャマトや、サボテンナイトジャマトの強さのジャマトが観測されたとの事だ。

 

白夜「なるほどな。つまり、そのジャマトをロキ達がけしかけてくるという事か?」

ニラム「そういう事だ。」

武劉「では、俺たちはそのジャマトをどうにかして欲しいという訳ですか?」

拓巳「ああ。頼めるか?」

 

 白夜がそう言うと、ニラムは肯定し、武劉はそう聞く。

 拓巳の問いに、2人は顔を見合わせると、すぐに答える。

 

白夜「そうだな。やってやるぜ。そういうのを相手にするのは、燃えるからな。」

武劉「ジャマトが現れるのなら、倒すだけだ。」

ニラム「助かる。こちらも、何人かの仮面ライダーが協力してくれるとの事だから、すぐに派遣する。」

武劉「分かった。」

 

 白夜と武劉が了承すると、ニラムはそう言う。

 そうして、2人はデザイア神殿を後にした。

 その翌日、カズマがダストに連れられて、どこかに出かけたが、しばらくすると、カズマが帰ってきた。

 その時、カズマから、とんでもない事が語られた。

 それは、ダクネスがアクセルの街の領主であるアルダープと結婚するという話だった。




今回はここまでです。
今回は、少し短めです。
クローンズヒュドラ討伐の報奨金を貰った湊翔達。
だが、その矢先、ダクネスが離脱してしまう。
色々なやり取りの中、ダクネスがアルダープと結婚するという話が、湊翔達の方にも届く。
そして、サボテンナイトジャマトやスラグフォートレスジャマトに匹敵する力のジャマトが観測される。
いよいよ、アルダープの結婚式や、ジャマトが動き出す。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ラフレシアフォートレスジャマトとの戦闘の際、カズマと白夜が強化形態を手に入れたり、オリキャラが何人か登場します。
ちなみに、ちょくちょく出ているサポーター陣営ですが、その一件の後、それぞれが推している仮面ライダー達と会います。
今後の展開や、ギーツIXやファンタジーフォームの登場、4人のエースと黒狐に相当するエピソードなどは、活動報告でリクエストを受け付けています。
ちなみに、カズマのタイクーン・ブジンソードですが、桜井景和の奴とは、少し変更する予定です。
ギーツのVシネマの情報が一部明かされましたね。
クイーンジャマトを巡る物語のようです。
プロージョンレイジを、ダクネスが手に入れるのか、牛島闘轟が手に入れるのかは、検討中です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第71話 ダスティネス家の借金の真相

 ダクネスとアルダープが結婚する。

 その噂は、カズマがリーンから聞いたそうだ。

 アクセルの街は、その噂で持ちきりだった。

 

カズマ「というわけで、今から厳重に警備された屋敷にどうやって侵入し、どうすればダクネスに会えるのかの作戦会議をする。といっても、大体の考えはもうあるのですが!」

 

 そんな中、俺たちが住む屋敷に、カズマの言葉が響く。

 すると、アクアが口を開く。

 

アクア「なんかカズマ、テンションが高いわね。つまり街では今、あの熊と豚を足したみたいな領主の人とダクネスとの、結婚話で持ちきりなの?」

トウカ「ダクネスは何を考えているの?アルダープは、悪い噂が絶えないのに…………。」

白夜「確かに。普通なら、ダクネスのお父さんが止めるんだろうが、何があったんだ?現状、バニルの占い通りになってるよな。」

湊翔「確かにな。アルダープと何があったのか?」

 

 それを聞いた俺、トウカ、白夜、アクアはそう言う。

 以前、バニルは言ったのだ。

 

バニル『……ほうほう、これは。うむ、やはり破滅の相が出ているな。貴様の実家、父親が、これから大変な目に遭うだろう。そして貴様は、自分を犠牲にすれば全てが解決すると、短絡的な行動に出るであろう。その行動は誰も喜ばず。貴様の父親は後悔と無念を抱き、そのまま余生を送る事になる。』

 

 ……………と。

 占いなんて、普通は信じる奴はあまり居ない。

 話半分に聞くのが主だろう。

 だが、この世界には、魔法もあれば呪いもあるのだ。

 何者かが介入している可能性がある。

 すると、めぐみん達が口を開く。

 

朱翼「それで、湊翔さん達は、バニルの占いを信じますか?バニルに言われた通りに、商品開発に勤しんでいますが……………。」

武劉「俺は、バニルとの付き合いは浅いからなんとも言えんが……………あの悪魔が、無償で人助けをすると思うか?何か裏がある気がするんだがな……………。」

めぐみん「朱翼と武劉の言う通りです。紅魔の里に帰る事が出来れば、私の知り合いにちゃんとした腕利き占い師のお姉さんが居るのですが……………。」

 

 その3人は、そう言う。

 確かに、ドラゴンもどきの一件の際にも、そんな行動をしたのだから、怪しいと思う点はある。

 俺とカズマは、口を開く。

 

湊翔「まあ、バニルが適当な事を言っていない気がするんだよな。色々とぼかしてて、ダクネスを助ける事で、あいつに何の得があるのかなんて、さっぱり分からんし。」

カズマ「まあ、強がらずに言うが、湊翔と一緒に商品開発をしていたのは、占い通り、ダクネスに何かあったら、いざって時に役に立てる様に。占いが外れても、商品開発は損にはならないから、やってたんだけどな……………。」

 

 俺とカズマはそう言う。

 バニルが適当な事を言っているわけでは無いのは、薄々感じているからな。

 何を企んでいるのかは知らないが。

 すると、トウカが口を開く。

 

トウカ「私は、バニルの占いを信じた訳じゃないけど、直接ダクネスに会って確認したほうがいいと思う。今のところ、カズマがリーンから聞いたって言う又聞き状態だしね。あの領主には、色んな目に遭わされてるんだから、どういう状況なのかを知る権利があると思うわ。」

 

 トウカがそう言うと、アクア達も頷いていた。

 トウカとしても、親友として、ダクネスが心配なんだろうな。

 そうして、ダクネスの屋敷に侵入する事になった。

 相談の結果、カズマが単独で潜入する事になった。

 潜伏スキルや暗視スキルなどの侵入系のスキルを持っているのはカズマだけなので、他に忍び込んでも、バレるリスクが上がる。

 その為、ダクネスの屋敷には、カズマ、アクア、めぐみんが向かった。

 俺たちは、屋敷で待機する事に。

 

湊翔「あいつ、大丈夫なのか?」

白夜「カズマは潜伏スキルとか、色々持ってるんだぜ。大丈夫だろ。」

トウカ「ダクネス……………。」

朱翼「トウカ。ダクネスが心配なんですね。」

武劉「今はカズマを信じるしかないだろうな。」

 

 俺たちはそう話す。

 しばらくして、アクアとめぐみんも帰ってきて、俺たちはカズマを待つ事に。

 白夜と武劉は、デザイア神殿に向かい、特訓をするとの事だ。

 しばらくすると。

 

カズマ「ふぐぐぐぐ……………!アクアー!アクアー!!ヒール下さい!ヒール下さいっ!!」

 

 そんな叫び声と共に、カズマが戻ってくる。

 カズマは、結構ボロボロだった。

 

湊翔「カズマ、戻ったか……………え?なんでそんなボロボロなんだ?」

アクア「ダクネスに会えたの?何でそんなにボロボロなの?またバカな事でも言ったの?」

 

 俺がボロボロのカズマを見て唖然とする中、アクアはそれを見て嬉しそうにヒールを掛ける。

 なんでアクアは嬉しそうにしてんだ。

 すると、ソファーで寝てためぐみん達も口を開く。

 

トウカ「おかえり、カズマ。それで、ダクネスは何でアルダープと結婚する事になったんだ?」

めぐみん「またロクでもない一言でも言いましたか?」

朱翼「大丈夫ですか?」

 

 トウカ達がそう言う。

 すると、カズマは2階の自分の部屋に向かいながら、叫ぶ。

 

カズマ「あいつの事はもうほっとけほっとけ!泣きついてくるまで放っておけ!俺はもう知らねえ!後は任せる!!」

 

 カズマは、そんなふうに不貞腐れた様な言い方をする。

 何があったんだ?

 すると、アクアとめぐみんが口を開く。

 

アクア「えー……………。ダクネスにこの子が生まれたら小屋を作るのを手伝ってもらう約束してるんですけど……………。」

めぐみん「カズマ、何があったか知りませんが、不貞腐れてる場合ですか?というかダクネスは、そもそもどんな理由でお嫁に行かなくてはならないのですか?」

 

 2人はそう言う。

 確かに、どんな理由なんだ?

 すると、カズマは答える。

 

カズマ「借金だよ!あいつん家には、莫大な借金があるんだとよ!それで、領主と結婚すればその借金がチャラになるんだとさ!」

朱翼「借金?ダクネスのお家が?」

トウカ「どうなっているの……………?ダクネスの家は、かなりの大貴族よね?」

湊翔「分からん……………少し、調べてみるか。」

めぐみん「う……………お金ですか。一体、どれ程の借金かは分かりませんが、実家に仕送りをした後なので、私の持ち金なんて、たかがしれてますし……………。」

 

 カズマがそう叫ぶ中、俺たちはそう言う。

 ダクネスの実家のダスティネス家は、王国の懐刀と言われていて、アルダープに借金をする様な家とは思えんが……………。

 アルダープの事を調べてみるか。

 すると、アクアが口を開く。

 

アクア「しょうがないわね。お金が必要だって言うのなら、私も虎の子の貯金箱を割っても良いわよ?」

白夜「いや、お前、その卵で全額使ったんじゃないのか?」

武劉「それに、貴族から借りたとなると、アクアだけの金では、どうにもならないはずだが。」

 

 アクアがそう言うと、話を聞いていたのか、白夜と武劉がそう言いながら現れる。

 確かに、俺たちのお金では、焼け石に水だろうからな。

 すると、カズマは大きく叫ぶ。

 

カズマ「あいつが決めた事なんだし、もうほっとけ!俺はあいつが泣いて謝って頼んでくるまで絶対何もしないからな!」

めぐみん「カズマ、拗ねている場合ですか!?ダクネスがお嫁に行っちゃうんですよ!?本当にこれで良いんですか!?」

 

 カズマがそう叫ぶ中、めぐみんはそう叫ぶ。

 本当に、何があったんだ?

 その後、アクセルの街は、お祭り騒ぎとなっていた。

 ケチで知られるアルダープが、金を出して、お祝いムードを作っているらしい。

 その結婚式は、一週間後を予定しているらしい。

 俺は、カズマと一緒に商品開発をしながら、アルダープの事を調べていた。

 それには、トウカや朱翼、白夜と武劉も協力してくれた。

 そんな中、めぐみんとアクアが色々とやらかしていた。

 結婚式まで6日のある日。

 

ハーゲン「すいません、こちらにサトウカズマ様と桐ヶ谷湊翔様はいらっしゃいますか?」

カズマ「どちら様でしょうか?」

湊翔「あれ、あなたは、ダスティネス家の執事さん…………ハーゲンさんですか?」

 

 カズマが商品開発をして、俺がアルダープの素性を調査する中、初老くらいの執事が訪ねてきた。

 確か、ハーゲンという名前の執事だったな。

 

ハーゲン「お久しぶりです。本日は、お二人に折り入ってご相談がありまして…………。」

湊翔「相談?」

ハーゲン「実は当家のポストに、毎日この様な手紙が投函されまして。」

 

 ハーゲンがそう言うのに対して、俺が首を傾げると、ハーゲンは手紙を渡してくる。

 それを見ると、カズマはすぐに土下座をする。

 

カズマ「すいませんでした!あのバカはちゃんと叱っておきますので!」

ハーゲン「い、いえ、これがエスカレートして領主様の元に送られますと問題になりますので、そうなる前に伺った次第でして。」

 

 カズマが土下座をする中、ハーゲンはそう言う。

 ちなみに、手紙の内容は。

 

『ダスティネス家に告ぐ。とある筋の情報により、近々魔王軍幹部の1人が、アクセルのエリス教会にてテロを行うとの情報を得た。テロ決行日は式当日。直ちに結婚を中止しなければ、式当日には教会に爆裂魔法が炸裂する事になる。どうか、この忠告を受け入れられます様……………。親切な魔法使いより』

 

 との事だ。

 十中八九めぐみんだな。

 すると、カズマが叫ぶ。

 

カズマ「めぐみーん!ちょっと話があるからここ開けろ!!」

 

 そんな脅迫状を手に、カズマはめぐみんの部屋へと怒鳴り込んだ。

 結婚式まであと四日のある日。

 

アクア「さあ、続いては!この鞄の中から、鞄よりも大きい初心者殺しが飛び出しますよ!」

カズマ「飛び出させるなそんなもん!何やってんだ、こっち来い!」

 

 アクアがダスティネス家の屋敷の前で初心者殺しを出そうとしていたので、俺たちが阻止した。

 流石にそれは危なすぎる。

 それからしばらくして、結婚式の日を迎えた。

 

めぐみん「カズマ、皆!行きますよ!式なんてぶっ潰してやりましょう!……………ふふふ、うっかり魔法が飛んで式場が消滅したり、うっかり魔法が飛んで領主邸が消滅したりなどはよくある事です。」

カズマ「おいやめろ、マジでやめろ。借金背負うどころか、今度こそ本物の犯罪者だぞ。」

 

 めぐみんがそう言う中、カズマはそう言う。

 ちなみに、商品開発に関しては、もう作業は終わっている。

 すると、めぐみんが叫ぶ。

 

めぐみん「私の好きな人は、いつまでも腐っている様な人ではないはずです!カズマは!このままあの領主とダクネスが結婚して、本当にそれで良いんですかっ!?ダクネスが、あの領主に好きにされても良いんですか!?」

カズマ「良い訳ねーだろーが!!」

 

 めぐみんがそう叫ぶ中、カズマがそう叫ぶ。

 めぐみんは、カズマの罵声に驚き、たじろぐ。

 そんな中、俺たちは口を開く。

 

湊翔「…………調査結果だ。アルダープは好き放題にメチャクチャやっている割には、何故か決定的な証拠が1つも出て来なかった。」

トウカ「不当な搾取に贈収賄、目についた可愛い子や良い女の人をどんな手を使っても物にして、しかも、飽きたら少ない手切れ金を渡してポイで、被害女性も頑なに口を閉ざしてるわね。」

白夜「何でこんなにやってんのに、決定的な証拠が出てこないのかが謎なんだよな。」

朱翼「そうですね。」

武劉「改めて見ると、本当にクズだな。」

 

 俺たちは、調査結果を報告する。

 アルダープって、本当にクズだな。

 その為、ベルゼルグ王国でも、アルダープを持て余している様だ。

 それで、ダクネスのお父さんは、アルダープの悪事の決定的な証拠を得る為、お目付け役として派遣されたらしい。

 すると、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「でも、尚更放ってはおけませんよ!カズマならどうにかなりませんか?」

カズマ「無理だ。まず、ダクネスの借金の額が分からない。次に、借金の額を調達しても説得出来ない。そして貴族同士の結婚で、警備も厳重。結婚式にも乱入出来ない。」

湊翔「シエロの親が貴族らしいから、どうにか出来ないか頼んでみたが、アルダープが手を打ってたのか、ダメと言われたらしい。」

 

 めぐみんがそう言う中、俺とカズマはそう言う。

 そう。

 ある日、聞かされて驚いたのだが、シエロの実家は、エルロードという隣国の名門貴族、ロイエンタール家の長女だそうだ。

 その為、それを使って式に手引きしてくれないか頼んだのだが、アルダープに断られたらしい。

 その後、めぐみんは出かけた。白夜と武劉、朱翼も着いて行かせて、方針が決まり次第連絡する手筈になっている。

 アクアは接客中らしい。

 俺達が作った物を纏めていると。

 

バニル「へい毎度!頼りにならない女神を差し置き、見通す悪魔が助けに来たぞ!我輩の登場に泣いて喜び踊り狂うが吉と出た。さあ!貴様らの持てる知識の数々を見せて貰おう!」

 

 そんな風に、バニルが叫びながら現れる。

 少しは空気を読めよ……………。

 すると、カズマは口を開く。

 

カズマ「おい、美人店主を連れて来い!チェンジだチェンジ!こんだけやさぐれてる時に何でお前と商談しなきゃなんないんだよ!美人店主へのチェンジを希望!ウィズ!ウィズが良い!」

バニル「奴は今頃、もう少しだけ寝かせてほしいと泣きながら、売れ子をしておるわ。『涙ぐみながら働く店主さん可愛い』『商品が売れて嬉し泣きしてるのか!もっと買おう!』などと、予想外の効果も表れホクホクである。それに、あの負債生成装置にまともな商談ができるものか。昨日も少しだけ仏心を出して休憩を与えたら、ちょっと目を離しただけで、これはカップル冒険者に売れますよ!とか言って、このペンダントを仕入れてきたのだ。」

 

 カズマがそう叫ぶ中、バニルはそう言いながら、ペンダントを取り出す。

 トウカは、それを少しだけ興味深そうに見る。

 

トウカ「これ、何のペンダント?」

バニル「これを着けている者が瀕死の重傷を負うと、その最後の命を燃やし、爆発するペンダントである。コンセプトは、『最後の時には、命を懸けて大切な人を守れる様に……………』だそうだ。ロマンチックじゃないですか?などとキャッキャと喜んでいたが、威力が強すぎて、敵どころか守るべき愛する人とやらも皆まとめて吹っ飛ぶという、もう店主の商売センスがどうなっているのか疑いたくなる一品である。お一つどうか?」

湊翔「いらねぇ。」

 

 本当にいらねぇな。

 ウィズの商売センスは本当にどうなっているんだよ。

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「それよりお前、助けに来たって言ったが、どういう事だよ?」

バニル「その件は後だ。まずは商品をキリキリ出すべし。我輩の目利きでズバリ適正価格を見抜いてくれよう。……………とまあ、そんな事を言っても我輩はすでに、貴様らが納得するだけの金をここに用意してあるのだが。」

 

 カズマがそう聞くと、バニルは小さな黒い鞄をポンと叩く。

 効率が良いな。

 

カズマ「と言っても、俺が取引に応じるかは分かんないぞ?これは俺に残された知識の集大成だからな。当然安売りする気なんてないからな?」

バニル「助けに行きたくて行きたくて、しかし助けに行ってバッファに拒絶される事を恐れる男よ。見通す悪魔バニルが宣言しよう。貴様とギーツは全ての知的財産権と引き換えに、この鞄の中身を所望する。」

 

 カズマがそう言う中、バニルは全て分かっていると言わんがばかりにそう言う。

 本当に、見通す悪魔は厄介だなぁ。

 バニルが数々の設計図やら試作品などを詰め込む中、俺はバニルに聞く。

 

湊翔「なあ、バニル。お前、色んな事が分かるんだろ?」

バニル「うむ。全てとは言わんが、大概の事が見通せるな。例えば、今から貴様らが聞きたがっている事も勿論分かる。バッファが何故、領主に莫大な借金をしたのか。助ける方法は無いのか。なぜあの領主は、あれだけの事をやらかしているのにも拘らず、証拠の一つも出ないのか。」

 

 俺は、世間話をするかの様にバニルに聞くと、バニルはそう言う。

 すると、トウカが胡散臭そうな視線をバニルに向けながら言う。

 

トウカ「……………あんた、悪魔の。」

バニル「悪魔のくせに、なぜ貴様らに協力的なのか。何か企んでいるんじゃ無いか、……………などなど。勿論、企んでいるぞ。なにせ我輩悪魔だからな。だがまあ、今回の件では貴様らと利害が一致した。だからこれだけ協力的なのだ。例えば、もしもの為に貴様が手元に置いておきたがっている高値で売れそうな様々な権利も、この際まとめて安く売ってもらおうとな。」

 

 トウカがそう言う中、バニルは食い気味にそう言う。

 本当、敵に回したく無いよな、バニルって。

 

カズマ「そんな物、俺が売らないって言えばそれまでだろ。それより、俺が聞きたい事分かっているのなら、勿体ぶらずに教えてくれよ。」

バニル「良いだろう良いだろう。では、今貴様らが知りたがっている事を教えてやろう!そう、ウチの店主の今日の下着の形と色であるな!フハハハハハ、なんつって……………おや?タイクーン以外しか、美味な悪感情が湧いてこないな。」

カズマ「それはそれで後で聞きたいからです。」

バニル「そ、そうか……………。では、本当に貴様らが知りたい事を教えてやろう。あの娘が何故借金をしたのかと言うと……………。」

アクア「『セイクリッド・エクソシズム』!」

 

 カズマがそう言う中、バニルはそんな風に言う。

 そんな事を暴露するな。

 カズマがそう言うと、バニルが珍しく動揺するが、すぐに説明しようとする。

 だが、アクアの魔法により、あっという間に崩れる。

 

カズマ「ちょっ、バニル!お前大悪魔なんだろ!?大丈夫だ、お前ならあんなトイレの女神の攻撃じゃ終わらないだろ!おい、しっかりしろよ!」

アクア「ああっ!?ちょっと目を話した隙に、カズマが悪魔に洗脳された!?ねえなんで悪魔の味方してるの!?それに私、水の女神よ!」

湊翔「アクア、空気読めよ……………。」

 

 カズマがそう言う中、アクアはそう叫び、俺は呆れ声を出す。

 空気を読んでくれよ……………。

 トウカは、何とも言えない微妙な表情を浮かべていた。

 すると、バニルの体が再生される。

 

バニル「フハハハハハ!不意打ちとはやってくれるな、チンピラ女神、我々悪魔と変わらんでは無いか!見ろ、我輩のかっこいい仮面にヒビが入ったわ!」

アクア「ヤダー、悪魔なんて害虫と一緒じゃ無いですかー!あんた、害虫駆除する時に一々、これから駆除させて頂きます申し訳ありませんなんて断るの?バカなの?プークスクス!」

 

 二人は睨み合いながら、お互いに罵倒していく。

 そんな中、俺は二人を仲裁する。

 

湊翔「二人とも、それは別の日にやれ!今はバニルの話を聞くのが大切なんだ!」

 

 俺がそう言うと、アクアは渋々引き下がる。

 それを見ていたハーゲンは、アクアに何かを話しかけて、そのまま去っていく。

 そんな中、アクアが超至近距離でバニルを睨む。

 

バニル「凄くやりにくいのだが。…………さて、神が隣に居るのにも関わらず、神頼みすら出来ない哀れな男よ。貴様らが知りたいのは、バッファの借金の経緯だったな。事の発端は、貴様ら冒険者が機動要塞デストロイヤーを倒した事に起因する。」

 

 バニルが世間話をする様なノリでそんな風に言う。

 ………………え?

 

湊翔「それはどう言う事だ?」

バニル「どういう事かと言われても。今までの街ならば、デストロイヤーにより蹂躙され、領主は土地を失う物だ。街の住人は焼け出され、領地を失った領主も貴族も責任を取らされ、皆仲良く路頭に迷う。むしろ、根無し草な貴様ら冒険者達には、その方が良い結末だったのかもしれん。だが……………この街は、そうはならなかった訳だ。」

 

 俺がそう聞くと、バニルは勿体つけるでもなく、淡々と言う。

 それに関しては、良いんじゃ無いのか?

 俺とカズマのそんな感情までも見通しているのか、バニルは再びニヤリと笑う。

 

バニル「街自体は助かった。街中で商業に携わっている者たちは、結局何の被害も受けてはおらぬ。ほとんどの住人達もそうだろう。……………そして、デストロイヤーは街の目の前で倒された。すると当然、穀倉地帯や治水施設は破壊されて蹂躙された。」

トウカ「……………最小限なんでしょうね。それでも。」

 

 バニルはそう言う。

 すると、トウカは微妙な表情を浮かべ、そう言う。

 被害自体は、最小限に抑えられたんだが、無事では済まないだろうな。

 

バニル「農業に携わっていた者達は、穀倉地帯を荒らされ、仕事を、財産を失ったも当然だ。荒らされた穀倉地帯は簡単には復興しない。そして、農業に携わっていた者たちは、領主に助けを求めていたが……。」

カズマ「……………まさか。」

 

 バニルがそう言うと、俺たちは嫌な予感がして、顔を顰める。

 まさか。

 すると、バニルが口を開く。

 

バニル「そう、貴様らの予想通りだ!あの領主は、助けを求める人々にこう言った。命が助かっただけでも儲けものだろう、贅沢を言うな。文句があるなら、それは穀倉地帯を守り切れなかった冒険者達には言うと良い。ほら、冒険者達は今、莫大な報酬を得て潤っている。彼らの報酬を補償に充てて貰えば良いだろう?…………と。」

湊翔「マジかよ………………。」

 

 悪代官も真っ青だな。

 アクセルの領主なら、見捨てるなよ。

 そして、責任を俺たちに転嫁するなよ。

 そんな表情を見たのか、バニルが口を開く。

 

バニル「うむ。今回の件は、責務を放棄した強欲な領主以外、誰も悪くは無いのかもしれない。だが被害に遭った住人達も、このままでは路頭に迷ってしまう訳だ。その者達の気持ちも分からんでもない。天災みたいな物だから、諦めろと言われても無理であろう。領主に補填を断られた者は泣きついた。そう、貴様らと関わりの深いダスティネス一族にな。そして、彼らはこう言った。『一介の冒険者達が洪水で壊した建物の弁償金。その大半を負担した、慈悲に溢れるダスティネス様。どうか、我らにもお情けを』……………とな。」

 

 バニルは、実に悪魔らしい笑みを口元に浮かべて、聞き捨てならない事をサラッと言った。

 それを聞いて、全てに辻褄が合う事を悟った。

 

カズマ「今、何つった?洪水で壊した建物が何だって?」

湊翔「………………まさか、ベルディアの時の洪水被害の借金も、ダスティネス家が負担したのか?」

トウカ「えっ!?」

バニル「ほう、気づいたか。その通りである。ダスティネス家は、屋敷を除くその保有資産の大半を、建物の弁償金に充てた。そしてその時に資産の大半を失ったダスティネスの鎧娘は、それでもデストロイヤーに蹂躙された者達を助けようと、責務を放棄した領主に頭を下げ、金を借りた訳だ。」

 

 カズマがそう聞くと、俺はそう言う。

 あの時、ルナはこう言ったのだ。

 

ルナ『ええと、ですね。今回、カズマさんと湊翔さん一行の………アクアさんの召喚した大量の水により、街の入り口付近の家々が一部流され、損壊し、洪水被害が出ておりまして……。………まあ、魔王軍幹部を倒した功績もあるし、全額とは言わないから、一部だけでも払ってくれ………と…………。』

 

 そう、一部だけでも…………と。

 つまり、俺たち以外にも、アクセルの街の洪水被害での借金を負担した者がいたわけで。

 

バニル「金を貸すのを渋る領主に、こういう条件付きでな。『もし、ダスティネス家の当主に何かが起こり、返済が困難になった場合には、担保としてその身体で』。」

 

 バニルがそう言う中、俺とカズマは、壁とテーブルを殴りつけた。

 それに、アクアがびっくりする中、俺とカズマは、無言でアクアに手をスッと出す。

 

アクア「……………ねえカズマ、湊翔。怒りに任せてテーブルと壁を殴ったら痛かったのね?痛かったのね?」

トウカ「ダクネスの奴………………!!」

アクア「トウカも気持ちは分かるけど、落ち着いて。」

 

 アクアがそう言いながらヒールを掛ける中、トウカは苛立ちを滲ませた言葉を出す。

 全てがつながった。

 あの無礼な執事は、アルダープからの使者だったのだろう。

 ダクネスのお父さんが体を壊した事を知り、借金の催促をしたのだろう。

 それで、アイツは借金を何とかしようと、単独でのヒュドラ退治をしようとしたのだろう。

 だが、ダクネスを心配して集まってくれた冒険者達を見て、吹っ切れたのだろう。

 あいつ、俺が1人で抱えるなって言った筈だ。

 トウカを泣かせやがって……………。

 俺とカズマは、バニルに聞く。

 

カズマ「あいつの借金の額はいくらだ?」

湊翔「それを用意出来るか?」

バニル「丁度、お客様2人の資産の半分とこの鞄の中身を合わせると、丁度同額になります。では、商談に入ろうか!」

 

 俺とカズマがそう聞くと、バニルはそう答える。

 やっぱりか。

 とはいえ、半分で済むのなら、それでも良いか。

 一方、別の場所では。

 

ロキ「アクセルの街に、ラフレシアフォートレスジャマトを二体向かわせた。暴れたいのなら、行ってくると良い。」

武「良いねぇ。ここ最近、動いてないから、暴れてくるぜ。」

闘轟「そうだな。戦いたい相手も居るしな。」

要「そうさせてもらいます。」

遥「ええ。遠慮なく。」

光太郎「行ってくるぜ。」

樹「それで、ロキはどうすると言うんだい?」

ロキ「少し、野暮用があってな。」

 

 ロキがそう言う中、馬場武達も、アクセルの街へと向かう。

 樹がそう聞くと、ロキはそう答える。

 樹はそれを聞いて、すぐに馬場武達の方へと向かう。

 そんな中、ロキは仮面を被った一人の男性に話しかける。

 

ロキ「……………さあ、行くぞ。」

???「そうだな。さあ、始めよう!ハラハラドキドキするゲームを!」

ロキ「ああ。期待しているぞ、コラス。」

 

 ロキとコラスという人物は、ある土地へと向かっていった。

 ロキとコラスが向かった土地では。

 

???「鹿夫……………。」

 

 ある女性の幽霊が、棺を見ながらそう呟き、その棺の中には、一人の男性がいた。




今回はここまでです。
今回は、ダクネスの結婚式の直前の話です。
ダスティネス家の借金の理由も、判明しました。
アルダープは、本当に最低な人間ですよね。
領主としての責務を放棄して。
そして、馬場武達も動き出し、ロキとコラスも、ある場所へと向かう。
いよいよ、波乱の結婚式が幕を開けます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ガッチャードとギーツの冬映画で、ギーツがモンスターマグナムフォームになるみたいですね。
ちなみに、トウカのラウンズ、白夜のライコウ、朱翼のスワン、武劉のダイルも、ケミー化させようかなと思います。
ガッチャードも、波乱の展開になってきましたね。
ドレッドライバーが、デモンズドライバーやヴィジョンドライバーに続く、LED搭載型のドライバーですね。
この小説の今後の展開などでリクエストがあれば、下記のリンクからも絶賛受け付けています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=302686&uid=373253
あと、湊翔のヒロインであるトウカ、ゆんゆん、リアに関して、どのタイミングでくっつけて欲しいというのがあれば、お願いします。
今後、闘牛ゲームをやる予定ですが、闘牛ゲームで、湊翔の過去を明かしたいなと思っています。
ベロバとの決着も、下記のリンクから受け付けています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=305236&uid=373253


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第72話 ぶち壊される結婚式

 俺たちが動こうとしてる中、ダクネスは、ドレスを着ていた。

 それを見ていたメイドは。

 

メイド「とても……………!とても綺麗ですよお嬢様……………!式が終わったら、是非お屋敷で臥せっておられる旦那様にもお姿を見せてあげてください!」

 

 そんなふうに言う。

 それを聞いたダクネスは、苦笑を浮かべる。

 このメイドは新人であり、ダスティネス家の細かい事情や結婚への経緯も知らない。

 

ダクネス(この結婚で誰も喜ばないのは分かっている。これは私の自己満足だ。)

 

 ダクネスはそんな風に思う。

 すると、廊下から罵声が響く。

 

アルダープ「なぜ花嫁に会ってはいかんのだ!ええい、どけっ!もう待ちきれぬ!待ちきれんのだ!もう後数時間もしないうちににどうせララティーナはワシの物になるのだ、早いか遅いかの違いだろうが!そこをどけっ!……………ララティーナ!ララティーナ!!」

ダクネス(あの男め。もう本性を隠す気もないらしい。)

 

 アルダープの罵声が響く中、ダクネスはそう思う。

 すると、ダスティネス家の者が、淡々と対応する。

 

守衛「なりません。ここはダスティネス家の控え室。まだ式を挙げてはいない以上、ここから先にはダスティネス家の者しかお通しできません。どうかお引き取りを。」

アルダープ「このバカがっ!いいか、式が終われば貴様の主はこのワシになるのだぞ。そこをよく理解した上で、ここを通すか通さないかを判断しろ!」

守衛「通せません。貴方はまだ、自分の主ではありません。」

アルダープ「…………顔を覚えたぞ。式が終わり、貴様らの大事なお嬢様を満足いくまで嬲った後は、どうなるかを覚悟しておけ。」

 

 ダスティネス家の守衛が淡々と対応し、アルダープの理不尽な罵声にも怯まずにそう言う。

 アルダープはそんな捨て台詞を吐いた後、去っていく。

 ダクネスは口を開く。

 

ダクネス「……………ドアの外の者を呼んでくれないか?礼を言いたい。」

 

 ダクネスがそう言うと、メイドが頷く。

 すると、アルダープの対応をしていた人が中に入る。

 

守衛「お嬢様、これはこれは、とてもお綺麗で……………!」

 

 守衛は、感嘆の声と共に、シワが混じったその顔を綻ばせる。

 この守衛は、ダスティネス家に長く仕えている守衛の一人だ。

 ダクネスは、その守衛に話しかける。

 

ダクネス「すまないな……………。アレを通しても良かったのだぞ?別に私は今更どうって事はない。アレに言って、お前への処罰は絶対にさせないから……………。」

守衛「自分は、お嬢様が嫁がれた後は辞めるつもりですからお気になさらず。自分が仕えるのはダスティネス家だけですから。お嬢様が認めた男になら、仕えても良いのですが。」

 

 ダクネスが申し訳なさそうに言うと、守衛はそうはにかむ。

 ダクネスはふと、認める男というのを考えていた。

 

ダクネス(認める男……………か。アイツ(カズマ)なのかもしれないな。)

 

 ダクネスが思い浮かべたのは、カズマの事だった。

 それを思い出していると、口元が綻び、守衛が口を開く。

 

守衛「お嬢様は、たまに見せるその笑顔が本当にお美しい。最後にその顔を見られて、自分は幸せ者です。………………そ、その。差し出がましい様ですが、それだけお美しく清楚なのですから……………あまり、激しい一人遊びはなさらぬようご自愛下さい………………。」

ダクネス「っ!?」

 

 守衛は満足そうに笑みを浮かべると、背を向けて、そんな風に言い、部屋から去っていく。

 二人のメイドが、ダクネスから目を逸らす。

 それを見て思ったのは。

 

ダクネス(あのロクでもない噂の元凶になった、私の声真似をしたあの男(カズマ)をとっちめてやりたいっ!)

 

 そう思うのだった。

 その後、ダクネスは俺たちとの思い出を思い返し、準備を終える。

 すると、ハーゲンが口を開く。

 

ハーゲン「時間です。参りましょうかお嬢様。今日のこの日の為に祝福を授けて下さるプリーストの方は、この街で1番の実力者です。きっと、最高の結婚式になる事でしょう……………。」

 

 ハーゲンはそう言いながら跪き、片手を差し出す。

 ダクネスは小さく微笑みながら、その手を取る。

 一方、俺たちは、エリス教の教会の中に居た。

 参列者は殆どが街の有力者か近場からやってきた貴族だった。

 茶番だと分かっているのか、緊張感のかけらも無かった。

 どんだけ信頼されてないんだ。

 まあ、当然だろうが。

 しばらくすると、教会の中がシンと静まり返る。

 何故なら、皆、ダクネスの姿に見惚れていたからだ。

 無論、新郎側の控室から出てきたアルダープも。

 ヴァージンロードを歩く二人は、前を向いては居なかった。

 アルダープはダクネスを見て、ダクネスは俯いていた。

 ダクネスのやつ、トウカを泣かせるんじゃねぇよ。

 そう思う中、アルダープとダクネスが祭壇の前に来た。

 ちなみに、カズマとアクアは祭壇の方にいて、俺とトウカは、その近くで待機していた。

 静かな音楽が鳴り止み、それと同時に、厳かとは言えない声がかけられる。

 

アクア「汝ー、ダクネスは。この熊と豚を足したみたいなおじさんと結婚し、神である私の定めじゃないものに従って、流されるまま夫婦になろうとしています。あなたは、その健やかな時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しき時も、おじさんを愛し、おじさんを敬い、おじさんを慰め、おじさんを助け、その命の限り、堅く節操を守る事を約束しますか?出来ないでしょう?私はこのままダクネスと帰って、カズマと湊翔の料理をつつきながら、キュッと一杯やりたいなぁ……。」

 

 そんな場違いにも程がある発言には、周囲の人たちの視線は、アクアに集まる。

 アルダープは、アクアに気づくと。

 

アルダープ「……………!?なっ?お、お前はあのサトウカズマの仲間!?何を!一体ここで何をしている!?」

 

 アルダープの罵声が響く中、ダクネスは驚愕の表情を浮かべる。

 すると、カズマからGOサインが出た。

 

湊翔「行くぞ。」

トウカ「OK!」

 

 俺とトウカは、そんな風に言って、隠れていた場所から飛び出して、カズマ達と合流する。

 ごめん、父さん、母さん。

 あなた方の可愛い息子はこの地で一番偉い貴族に喧嘩を売って、お嬢様を拉致ろうとしています。

 すると、我に返ったダクネスの顔がみるみるうちに青くなり、涙を溢す。

 

ダクネス「な、何て事を……。アクア、トウカ…………カ、カズマ!湊翔っ!放せ!手を放せ!お前達は何をしている!コレは洒落にならんぞ!処刑されてしまうぞ!バカな事を!」

カズマ「バカバカうっせー大バカ女が!お前こそ勝手にバカな事をしやがって!!」

湊翔「君が勝手に離れといて、しかも、勝手に俺達の借金を肩代わりするな!」

ダクネス「お前達は何を言っている、この大バカがっ!」

 

 ダクネスがそう言う中、俺とカズマはそう叫ぶ。

 すると、アルダープは我に返り叫ぶ。

 

アルダープ「こっ、こいつらを捕らえろ!この貧乏人風情が!貴族の結婚を何だと思っている!早く捕まえろ!」

湊翔「領主の責任を放棄したクズに言われる筋合いはねぇ!!」

 

 アルダープがそう叫ぶ中、俺はそう反論し、マグナムシューターを向ける。

 別に、まともな仕事をしているのなら、俺もこうはしないんだけどな。

 俺がそう反論すると、アルダープは一気に顔をドス黒くさせる。

 

アルダープ「黙れ!関係無い貴様らはすっこんでいろ!こいつには膨大な負債があるのだ!この女を買う代金を用意してこい貧乏人供が!!」

湊翔「言ったな!じゃあ、出させてもらいますよ!!」

カズマ「約束守れよおっさん!ダクネスが借りた金、総額20億エリス!これでダクネスは貰っていくぜ!!湊翔、撃て!」

湊翔「ああ!」

 

 アルダープがそう叫ぶ中、俺とカズマはそう叫び、カズマは鞄を放り投げ、俺はマグナムシューターで銃撃する。

 すると、中のお金がばらまかれる。

 その訳は。

 

アルダープ「ああっ!?なっ、二十億!?ああっ、待てっ、ララティーナを!ワシのララティーナを……、ああっ金が!拾ってくれ!!おい、拾ってくれ!!」

 

 そう言って、アルダープはお金を拾い出す。

 そう、強欲なアルダープなら、ダクネスだけでなく、お金にも意識が向いてしまうと踏んだからだ。

 二兎を追う者は、一兎も得ずというが、そうなりそうだな。

 ダクネスを連れて逃げようとすると、ダクネスは叫ぶ。

 

ダクネス「お前達は!誰がこんな事をしてくれと言った!貴様ら、私の覚悟を何だと思っているのだ!それにこの大金はどうした!?」

湊翔「売ったんだよ。俺たちの知的財産権を全部纏めて。」

カズマ「それに、討伐賞金も半分ずつ出したら、ちょうど20億エリスになった。分かったら、とっとと逃げるぞ!」

 

 ダクネスがそう言う中、俺とカズマはイラつきながらもそう答える。

 それを聞いたダクネスは、泣き笑いみたいな表情を浮かべる。

 

ダクネス「そんな事をしてまで、お前達は……、お前達という奴は!」

トウカ「ダクネス!泣いてないでさっさと逃げるわよ!それと、ダクネスにはあとで沢山!説教するんだから!親友である私をこんなにも心配させて!カズマ、湊翔!変身するわよ!」

湊翔「ああ!」

カズマ「お、おう!」

 

 ダクネスがそんな風に言う中、トウカはとても晴れやかな表情でそう言う。

 俺たちは、デザイアドライバーを取り出し、レイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が浮かぶ。

 俺たちは叫ぶ。

 

「「「変身!」」」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

CALIBER

REDAY FIGHT

 

 俺たちは、それぞれの仮面ライダーに変身する。

 それぞれの武器を向けて、領主の部下を牽制する。

 すると、トウカはダクネスのデザイアドライバーとゾンビレイズバックルを取り出す。

 

トウカ「ダクネス!あなたのドライバーよ!」

ダクネス「ここまでやらかしてしまった以上は仕方がない、もう色々と吹っ切れた!領主の犬どもそこをどけっ!どかぬと言うなら、ぶっ殺してやるっ!!」

 

 トウカがそう言いながら渡すと、ダクネスはそれを受け取り、ドレスの裾を破り、ヴェールも脱ぎ捨てる。

 デザイアドライバーを装着して、ゾンビレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、ダクネスの横に、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が浮かぶ。

 

ダクネス「変身!」

 

 ダクネスはそう叫ぶと、ゾンビレイズバックルを操作する。

 

ZOMBIE

REDAY FIGHT

 

 ダクネスは、仮面ライダーバッファ・ゾンビフォームへと変身する。

 そんなダクネスに、領主の部下達が掴みかかってくるが、ダクネスは気にせずに進み、領主の部下にアイアンクローをする。

 

カズマ「ちょっ、俺たちはお前を取り返しに来たのに、当の本人が真っ先に突っ込んでってどうすんだ!」

トウカ「ダクネスらしいわね。」

湊翔「じゃ、俺たちはサポートしますか。」

 

 俺たちも、領主の部下を殺さないようにして気絶させていく。

 マグナムシューターの遠距離からも攻撃できるアドバンテージがあるのか、領主の部下達は、迂闊に近寄れずにいた。

 すると。

 

ゆんゆん「ライト・オブ・セイバー!」

 

 そんな声と共に、教会の壁がドアごと倒れた。

 そこには、五つの人影が。

 野次馬冒険者達は、これから何が起こるのかを楽しそうに見守っている。

 領主の部下は、距離を取った。

 

ゆんゆん「めぐみん、やったわよ!親友の頼みだから、こんな犯罪紛いの事だって大丈夫だから、私!」

めぐみん「はいはい、ご苦労様です。では、もう宿に帰ってもらって良いですよ。」

ゆんゆん「ええっ!?」

 

 なんと、めぐみんは街中で躊躇いなく、爆裂魔法を完成させていた。

 そして、めぐみん、ゆんゆん、白夜、朱翼、武劉は、既に変身していた。

 

めぐみん「悪い魔法使いが来ましたよ。悪い魔法使いの本能に従い、花嫁を攫いに来ました。」

 

 めぐみんがそう言うと、凄く目立っていた。

 俺たちの影が薄くなるくらいには。

 

めぐみん「私のあだ名は知っていますね?なら、もちろんこの杖の先の魔法が何か知っていますよね?制御を失うとボンッ!ってなります。そこら辺をよく注意してから来て下さい。」

白夜「要するに、命知らずはかかってこいって事だ。」

朱翼「まあ、私たちも巻き込まれますけどね。」

武劉「そうだがな。」

 

 めぐみんがそう言う中、白夜達もそう言う。

 本当にそうだよ。

 でも、今は頼りになる。

 すると、ゆんゆんが口を開く。

 

ゆんゆん「あ、あれ?ねえめぐみん。湊翔さんとカズマさんが既に、ほら。」

 

 ゆんゆんがそう言うと、めぐみんは俺たちを見て、何があったのかを悟ったのか、口元を綻ばせる。

 そして、杖をこちらに向けると、アルダープの部下は慌てて参列席へと逃げる。

 俺たちがめぐみん達の方へと向かうと。

 

アルダープ「なっ、何をっ!何を怖気付いているバカ者がっ!あんなものはハッタリに決まっているだろうが!取り押さえろ!」

めぐみん「ほう!この私が怖気付くと!爆裂魔法を撃つのを怖気付くと、本気で言うんですか!良いでしょう!その挑戦を受けましょう!!」

 

 未だにお金を拾っていたアルダープがそう言うと、めぐみんはそう叫ぶ。

 それを聞いたアルダープの部下は。

 

部下「止めろ!近づかない!近づかないからマジでやめろ!」

部下「攻撃なんてしない!だからやめろ、止めろ!」

部下「アルダープ様!お願いですから、これ以上の挑発は止めて下さい!」

 

 その一言に、アルダープの部下達は、顔を引き攣らせながら慌てて離れる。

 めぐみんの悪評は凄まじいな。

 でも、街中で爆裂魔法を撃ったりは…………しないよな?

 流石に。

 

カズマ「これから俺のかっこいいとこを見せようと思ったのに、美味しいとこ持っていきやがって!でも助かったから礼は言っとく。ありがとう!」

湊翔「助かったよ。白夜達もな。」

白夜「おう。俺としては、あの領主のあの無様な姿を晒せたのは満足だな。」

めぐみん「派手に美味しい所を持っていくのは紅魔族の本能ですから。」

ダクネス「めぐみん、白夜、朱翼、武劉!それにゆんゆんまでこんな事を!帰ったら礼を……!」

武劉「そんな事は後にしてくれ!」

 

 カズマがそう言う中、俺たちもそう話す。

 ダクネスはそんな風に言うと、武劉はそう言う。

 そう。 

 あくまで膠着状態になっただけだ。

 めぐみんが爆裂魔法を撃とうとしている為、無闇矢鱈に来るとは思えないが。

 すると、アルダープが野次馬冒険者達に叫ぶ。

 

アルダープ「おい!そこの野次馬達!見るからに冒険者風のお前達だ!そこにおるのは犯罪者だ!ワシの花嫁をそいつらから取り返してくれ!そうしたら、多額の報酬を出そう!なんなら、ワシの屋敷で守衛として雇ってやる!その日暮らしの冒険者家業から足を洗えるぞ!頼む!ララティーナを!ワシのララティーナを!」

冒険者達「…………。」

 

 アルダープは、冒険者達を買収しようとした。

 すると、冒険者達は顔を見合わせると。

 

アルダープ「……………?おい、聞いているのかお前達!報酬を出す!いくら欲しいんだ!」

 

 アルダープは、ちっとも動こうとしないどころか、途端に明後日の方向を向いたり、突然欠伸をしだして聞こえないふりをする冒険者達にそう叫ぶ。

 人望無いな。

 冒険者達の間でも、アルダープは不人気らしいからな。

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「おいダクネス。一人でヒュドラを倒そうとした時みたいに、アホなお前がアホな考えで自分勝手に嫁に行こうとしたのに、こんだけの人数の連中が、またおまえをみのがして、助けようとしてくれてんだ。ちょっとは反省しろよ?」

湊翔「まあ、考えているのは別の事なんだろうけどな。」

トウカ「ダクネスの名誉の為にも言わないであげて。」

 

 カズマがそう言う中、俺はそう言うと、トウカはそう言う。

 考えている事は大体わかる。

 図太い冒険者連中が、ダクネスが貴族だと知っても、今更態度を変えないだろう。

 暫くは揶揄われそう。

 その時。

 

めぐみん「くっ………!カズマ、湊翔。そろそろ魔法の維持が限界です!撃っていいですよね!どうせ私達は犯罪者です!」

 

 めぐみんがそんな風に言うので、俺たちはギョッとする。

 マジで!?

 それはやめろ!

 

めぐみん「あぁ!もうダメです!維持が出来ません!離れて下さい!!」

武劉「皆、衝撃に備えろ!」

 

 まずい、制御不能になった!!

 俺達は突風に備えて腕をクロスしたり、衝撃に備える。

 

めぐみん「エクスプロージョン!!」

 

 めぐみんは、爆裂魔法を発動する。

 街の遥か上空で閃光が炸裂し、ガラスがあちこちで割れる。

 

武劉「やはり凄いな。」

部下「爆裂魔法は1日に1回しか使えない筈だ!取り押さえろ!」

白夜「やっぱり来るか!」

湊翔「皆、戦いに備え……………っ!?」

 

 めぐみんが爆裂魔法を撃ったのを見て、アルダープの部下達が迫ろうとする。

 俺たちが身構える中、上空からの攻撃が教会の上の方に命中して、崩れる。

 俺たちはすぐに躱すと、アルダープの部下達は、瓦礫に阻まれる。

 

白夜「攻撃!?」

朱翼「一体どこから!?」

トウカ「っ!上を見て!」

カズマ「何じゃありゃあああああ!?」

 

 俺たちが戸惑う中、トウカが上空を指差す。

 そこには、二体の巨大な城が飛んでいた。

 

めぐみん「あれって、以前、アクセルに襲ってきたスラグフォートレスジャマトじゃないですか!?」

ダクネス「言われてみれば……………だが、あんな巨大な花は付いていたか?」

アクア「何でここに居るのよ!?」

湊翔「マジか……………。」

朱翼「スラグフォートレスジャマト?」

武劉「そんなの居たか?それより、二体も居るのは不味くないか?」

 

 そう。

 そのジャマトは、二体も居たのだ。

 以前、アクセルを襲ってきたスラグフォートレスジャマトと見た目は似ているが、あっちがウミウシの上に和風の城が建っていたのに対して、こっちは西洋風のお城にラフレシアが生えていた。

 すると。

 

???「あいつらは、ラフレシアフォートレスジャマトだ。」

湊翔「っ!?この声は……………!?」

 

 そんな声が聞こえてきて、後ろを振り返ると、そこには、馬場武達がいて、既に変身していた。

 

湊翔「馬場武!」

カズマ「シャドウライダー達が現れたのかよ!?」

白夜「本気で潰しに来たか……………。」

武劉「こいつらが……………。」

闘轟「俺たちだけじゃないぜ。」

ジャマト「ジャ〜っ!」

ダクネス「ジャマトだと!?」

 

 俺たちが馬場武達の方を見ていると、そんな声がしてくる。

 そう、一般人達にジャマトが襲いかかってきていたのだ。

 既にダスト達も変身して、応戦していた。

 

ダスト「まさか、ジャマトまで現れるなんてな!」

リーン「タイミングが悪すぎにも程があるよ!」

リア「少しでもジャマトを倒すんだ!」

シエロ「はい!」

エーリカ「行くわよ!」

進「アルカ!サポートを頼む!」

アルカ「ええ!」

 

 ダスト達は、応戦していく。

 だが、中にはジャマトライダーも居た。

 

湊翔「ジャマトライダーまで……………!?」

武「それだけじゃねぇぜ。」

トウカ「どういう意味?」

???「ひゃっはぁぁぁぁ!!」

武劉「なにっ!?」

 

 俺たちが備える中、そんな叫び声が聞こえてくる。

 その方を向くと、仮面ライダー達が色々と現れていた。

 ただ、ジャマトではなく、こちらに攻撃してくる。

 

めぐみん「仮面ライダーです!」

ダクネス「まだ居るのか……………!?」

朱翼「ですが、こちらに攻撃してきますよ!?」

要「彼らは、謂わばチンピラの仮面ライダーです。この場を混乱させる為にロキが呼び寄せました。」

カズマ「マジかよ……………!」

武「さあ、戦おうぜ!」

湊翔「来るぞ!」

 

 俺とトウカは馬場武と、カズマとめぐみんは桜井要と園崎遥と、白夜とダクネスは牛島闘轟と、朱翼と武劉は佐々木光太郎と応戦していく。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!」

トウカ「はっ!でやっ!」

武「ふっ!はっ!」

 

 俺とトウカは、連携攻撃で馬場武と戦っていく。

 馬場武は、シュバルツマグナムとジャマトバックルのデュアルオンの形態になっていた。

 馬場武は、ジャマトバックルを使っているのにも関わらず、あまり苦しんでいなかった。

 

湊翔「相変わらず、強い……………!」

トウカ「ジャマトバックルを使ってるのに、どうして苦しんでないの!?」

武「あ?しばらく使ってたら慣れたんだよ。」

トウカ「えっ!?それじゃあ、ほぼジャマトになっている様な物じゃないのか!?」

湊翔「マジかよ……………人間を辞めたのか!?」

武「言った筈だ!強い奴と戦う為なら、人間をやめてやるってな!!」

 

 俺がそう言う中、トウカがそう聞くと、馬場武はそう答える。

 やっぱり、負荷が無くなったという事は、ジャマトになりかけているという事だ。

 馬場武はそう叫ぶと、俺たちに襲いかかってくる。

 一方、カズマとめぐみんは。

 

カズマ「ハアッ!ふっ!」

めぐみん「はあっ!でやっ!」

要「ふっ!はっ!」

遥「はあっ!」

 

 カズマとめぐみんは、桜井要と園崎遥の二人と一緒に戦っていた。

 だが、劣勢気味だった。

 

カズマ「めぐみん、大丈夫か!?」

めぐみん「何とか、大丈夫です!」

要「大変そうだね。」

遥「そりゃあ、爆裂魔法を撃ったら、魔力がかなり吸われるからねぇ。」

 

 そう。

 めぐみんは爆裂魔法を撃った直後というのもあって、動きが少し鈍かった。

 その為、苦戦気味だった。

 カズマは、めぐみんをフォローしつつ戦っているので。

 一方、白夜とダクネスは。

 

白夜「はっ!ふっ!」

ダクネス「はあっ!でやっ!」

闘轟「ふっ!はっ!」

 

 白夜とダクネスも、二人で牛島闘轟と戦っていた。

 牛島闘轟は、ジャマトバックルのパワーで二人と互角に戦っていた。

 

白夜「こいつ、強いな……………!」

ダクネス「あ、ああ……………!」

闘轟「お前らとは、格が違うんだよ!」

 

 2人がそう言う中、闘轟はそう言うと、蔦を伸ばして、ダクネスに攻撃する。

 蔦が当たったダクネスは、ゾンビレイズバックルを落としてしまう。

 そのゾンビレイズバックルは、闘轟が拾い上げる。

 

ダクネス「ゾンビバックルが……………!?」

闘轟「このゾンビバックルは、俺が貰うぜ。」

白夜「マジか……………。」

 

 ダクネスはエントリーレイズフォームに戻ってしまい、白夜と闘轟は、戦っていく。

 一方、朱翼と武劉は。

 

朱翼「ハアッ!でやっ!」

武劉「はあっ!ふっ!」

光太郎「オラっ!はっ!」

 

 その2人は、佐々木光太郎と戦っていた。

 光太郎を相手にしている場合は、あまり苦戦していなかった。

 

光太郎「へぇ!やるじゃねぇか!」

朱翼「この人も強いですね………………。」

武劉「油断するな。」

 

 2人はそう話す。

 一方、リア達の方は。

 

チンピラ「ひゃっはああああ!!」

ダスト「くそっ!どこまで湧いてくるんだよ!」

リーン「チンピラが多くて対処しきれない!」

リア「ジャマトライダーも居るからね!」

シエロ「まずいです……………!」

エーリカ「このままだとやられちゃうわよ!?」

進「数が多いな……………!」

アルカ「キリがない!」

 

 リア達は、ジャマトやジャマトライダーと応戦していた。

 だが、チンピラの仮面ライダーが邪魔をしてきて、苦戦していた。

 そんな中、カズマ達の方は。

 

要「ふっ!どうしたんですか?」

遥「こんなものかしら?」

めぐみん「くっ…………!すいません、足を引っ張ってしまって……………!」

カズマ「気にすんなって!」

要「少しはやりますが、どうですかね?」

遥「その仲間を見捨てたらどうなんです?」

 

 要と遥の連携に、カズマとめぐみんは苦戦していた。

 2人がそう言う中、カズマは叫ぶ。

 

カズマ「うるせぇよ!確かに、今のめぐみんは動きが鈍いさ。でも、だからって、仲間を見捨てられるほど、俺は落ちぶれてねぇんだよ!こんな所でめぐみんを見捨てたら、翔太郎さんにフィリップさん、弦太郎さんに顔向け出来ねぇからな!!」

 

 カズマはそう叫ぶ。

 これまでのレジェンドミッションで邂逅した左翔太郎、フィリップ、如月弦太郎の事を思いだし、彼らからレイズバックルを受け取った事を思い出し、彼らに恥じない仮面ライダーになろうと決めていた。

 すると。

 

要「くっ!?」

遥「なに……………!?」

カズマ「これは……………!?」

めぐみん「何が起こっているんですか!?」

 

 カズマとめぐみん、要と遥の間に、何かがやってきて、それぞれ後ずさる。

 光が浮いていて、それがカズマの方へと向かう。

 カズマがそれを手に取ると、レイズバックルへと形を変える。

 

カズマ「これは……………!?」

 

 そのレイズバックルは、メカメカしい大型のレイズバックルで、小型レイズバックルを装填出来そうなスロットがあり、もう一つが小型レイズバックルが三つ集まった様なレイズバックルだっあ。

 すると、カズマの頭の中に、そのレイズバックルの使い方が流れる。

 

カズマ「こう使うのか……………?」

 

 カズマはそう言うと、ニンジャレイズバックルを抜き、その二つを装填する。

 

SET

 

 すると、寡黙でせせらぎな音楽の待機音が流れてくる。

 カズマは、大型の方のレイズバックルの持ち手を倒す。

 

ANOTHER FORM TO WEAR』


REDAY FIGHT

 

 その音声と共に、ニンジャフォームのアーマーが吹き飛ばされ、ゴツいアーマーが装備される。

 

要「なっ……………!?」

遥「その姿は……………!?」

めぐみん「カズマ……………!かっこいいですよ!」

カズマ「この姿は………………仮面ライダータイクーン・アバターフォームだ!」

 

 要と遥の2人が驚き、めぐみんがそう叫ぶ中、カズマはそう叫ぶ。

 一方、白夜達の方は。

 

闘轟「オラオラオラ!」

白夜「くっ……………!」

ダクネス「………………っ!」

 

 闘轟と白夜は、お互いに一歩も引かずに、格闘戦で戦っていく。

 ダクネスは、それを見ていた。

 

闘轟「へぇ。やるじゃねぇか。やっぱり、お前は俺と同じだ。」


白夜「あ?何の話だ?」


闘轟「強さを追い求め、高みを目指す。俺とお前は同類なんだよ!」

 

 2人が戦う中、闘轟はそう言う。

 その言葉に対して、白夜は口を開く。

 


白夜「………………確かに、強さを追い求めるのは間違いないな。だがな、お前とは決定的に違う所がある。」


闘轟「……………何だと?」


白夜「お前には、守るべき者が居なくて、俺には、守るべき仲間がいる。ただ破壊するだけの強さが、守るべき仲間を守る強さに敵うわけねえだろ。」

ダクネス「白夜……………。」

 

 白夜がそう言うと、闘轟はそう反応するが、白夜はそう言う。

 それを聞いていたダクネスはそう反応する。

 

闘轟「仲間なんて……………馴れ馴れしいのは要らねぇんだよ!どうせ裏切られるんだからよ!この世界は力が全てなんだよ!!」

白夜「お前には、分からないだろうけどな!」

 

 2人はそう叫ぶと、再び戦い合う。

 すると。

 

闘轟「くっ……………!」

白夜「なんだ……………?」

ダクネス「わ、私の所にも!?」

 

 白夜とダクネスの前に、光が出て、闘轟は怯む。

 すると、光はミッションボックスへと姿を変える。

 

白夜「これは……………?」

ダクネス「何が入っているんだ?」

 

 2人はそう言いながらミッションボックスを開けると、白夜の方には、白と黒の虎が描かれており、太極図の様に見える。

 ダクネスには、ブーストレイズバックルが入っていた。

 

白夜「レイズバックル!?」

ダクネス「ブーストレイズバックルか!」

白夜「ダクネス!フィーバーブーストにでもなっとけ!」

ダクネス「あ、ああ!」

 

 白夜とダクネスは、そう話して、デザイアドライバーに装填する。

 

SET LREGULATION

SET FEVER

 

 すると、待機音が流れてきて、二人はレイズバックルを操作する。



 

UNPREDICTABLE EVOLUTION


『MONOCHROME CLUSTER

GOLDEN FEVER

JACK POT HIT GOLDEN FEVER

REDAY FIGHT

 

 すると、白夜は白と黒の虎が組み合わさった様な見た目となり、ダクネスはバッファ・フィーバーブーストフォームになる。

 

闘轟「何だよ、その姿は……………!?」

ダクネス「フィーバーブーストフォームになれたか。」

白夜「俺のこの姿は、仮面ライダーライコウ・クラスターフォームだ!」

 

 闘轟が驚く中、ダクネスと白夜はそう言う。

 一方、朱翼達の方は。

 

朱翼「やりますね……………。」

武劉「モンスターは強力なバックルだからな。無理もない。」

光太郎「てめぇらもやるじゃねぇか。」

 

 実力は拮抗しており、どちらも苦戦していた。

 すると。

 

朱翼「確かに、あなたも強いです。ですから、私もそろそろ本気を出そうかなと思います。」

武劉「本気だと?」

光太郎「どういう意味だよ?」

朱翼「こういう事です!」

 

 朱翼はそう言うと、レイズバックルを取り出す。

 それは、大型レイズバックルで、笛の様なレイズバックルだった。

 それを装填する。

 

SET

 

 すると、朱翼の横に、笛の絵とHAMELNの文字が浮かぶ。

 朱翼は、そのレイズバックルを操作する。

 

HAMELN』


REDAY FIGHT

 

 その音声と共に、朱翼は、スワン・ハーメルンフォームへと変身する。

 

武劉「そのバックルは……………?」

朱翼「ハーメルンレイズバックルです。行きましょう。」

武劉「ああ。」

 

 二人はそう話して、光太郎と向かい合う。

 一方、ダスト達の方は。

 

ダスト「まずいぞ、これ……………!」

リーン「ええ……………!」

リア「このままじゃ……………!」

シエロ「はい……………負けてしまいます。」

エーリカ「どうすんのよ!?」

進「面倒な事になったな……………。」

アルカ「ええ………………。」

 

 現在、かなり劣勢を強いられていた。

 ジャマトライダーも強くなっており、他の仮面ライダーの妨害もあり、劣勢気味だった。

 すると。

 

???「お困りの様だな。」

リア「えっ!?」

 

 そんな声が聞こえてきて、リア達はその声がした方向を向く。

 そこには、多数の人がいた。

 

チンピラ「ああ?何だてめぇら!」

チンピラ「邪魔するのか!?ああ!?」

???「なるほど、チンピラの集まりという事だね。」

???「それでしたら、問題ないですね。」

???「ああ。所詮は烏合の衆だ。」

???「こんな悪党どもに負けるわけにはいかん!」

リア「あなた達は……………?」

拓巳「俺は黒石拓巳。デザイアグランプリのサブゲームマスターだ。君たちの味方だ。」

 

 そう。

 そこに現れたのは、黒石拓巳と協力してくれる仮面ライダー達だったのだ。

 

チンピラ「あぁん?サブゲームマスターだが何だが知らねえが、邪魔するんじゃねえよ!」

拓巳「その様子では、協力してくれるのではないのだな。」

チンピラ「誰がテメェなんかに!」

拓巳「そうか。……………なら、仕方ない。君たちを粛清する。」

チンピラ「ああ?」

 

 拓巳がそう聞く中、チンピラは拒否する。

 すると、拓巳はそう言い、ヴィジョンドライバーを装着する。

 他の人たちも、デザイアドライバーを装着する。

 その面子は、変身を開始する。

 

GLARE, LOG IN

SET

 

 すると、待機音が流れ、一人の男の横には、火山の絵とVOLCANICの文字が、一人の女性の横には炎の絵とBURRNの文字が、一人の男の横には、龍の絵とDRAKEの文字が、茶髪の男性の横には兵士の絵とSOLDIERの文字が浮かぶ。

 その5人は叫ぶ。

 

「「「「「変身!」」」」」

 

 そう言って、変身を開始する。

 

INSTALL

DOMINATE A SYSTEM, GLARE

VOLCANIC

BURRN

DRAKE

SOLDIER

REDAY FIGHT

 

 拓巳はグレアに、それ以外の人は、赤いバッファに似た仮面ライダーに赤いタイクーンに似た仮面ライダー、コモドドラゴンの仮面ライダーに、隼の仮面ライダーに変身する。

 

ダスト「マジかよ……………!?」

リーン「変身した……………!?」

チンピラ「あぁ!?お前ら、何者だ!?」

拓巳「言った筈だ。サブゲームマスターだとな。メリー、シロー!これを使え!」

 

 ダストとリーンが驚く中、チンピラがそう聞くと、拓巳はそう答えながら、何かを投げ渡す。

 それは、レイズバックルで、ダストのは羊を模したレイズバックルで、リーンのは陰陽を模した様なレイズバックルだった。

 

ダスト「これは……………!?」

リーン「レイズバックル!?」

拓巳「君たちへの贈り物だ。」

進「俺も、本気を出すか。」

ダスト「いっちょやるか!」

リーン「ええ!」

 

 ダスト、リーン、進は、新たなレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、ダストの横には羊の絵とARIESの文字が、リーンの横には陰陽の絵とONMYOUZIの文字が、進の横には二又の槍とLONGINUSの文字が浮かぶ。

 3人は、レイズバックルを操作する。

 

ARIES

ONMYOUZI

LONGINUS

REDAY FIGHT

 

 ダストはメリー・アリエスフォーム、リーンはシロー・陰陽師フォーム、進はボア・ロンギヌスフォームへと変身する。

 

ダスト「何だこれ…………!」

リーン「力が湧いてくる…………!」

進「行くぞ!」

リア「ああ!」

シエロ「早いところ倒して、ダクネスさんを逃がしましょう!」

エーリカ「そうね!」

 

 ダスト達はそう言う。

 こうして、戦いは加速していく。




今回はここまでです。
アルダープの結婚式をぶち壊したと思ったら、ジャマトやら馬場武達にチンピラの仮面ライダー達が乱入してくる。
そんな中、色んな人が強化されたり、新たなレイズバックルを手に入れたり、新たなキャラが出てきたり、黒石拓巳も動きだす。
次回は、それらの決着やら、アルダープの末路についてです。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ガッチャードとギーツの映画で、クロスウィザードの声優が、高橋李依さんだと判明しましたね。
この作品と賢者の孫とガッチャードの話で、クロスウィザードとめぐみんで何かしらのやり取りはさせたいなと思っています。
他に強化形態に関するリクエストがあれば受け付けています。
今後の展開なども含めて。
これからも応援の程、よろしくお願いします。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第73話 反撃と領主の末路

 俺たちは、反撃を開始する。

 俺とトウカは。

 

湊翔「トウカ!一緒に行くぞ!」

トウカ「ええ!」

武「かかってこい!」

 

 俺とトウカがそう叫ぶと、馬場武もそう叫ぶ。

 俺とトウカは、連携攻撃をしていく。

 

湊翔「はっ!ふっ!はあっ!」

トウカ「はっ!でやっ!」

武「くっ!このっ……………!!」

 

 トウカが斬撃で攻撃するのに対して、俺はマグナムシューターを撃ち、馬場武に攻撃していく。

 馬場武も、ジャマトライダーが放つ蔦と同じ物を放ってくるが、俺はそれをマグナムシューターで撃ち落とし、トウカも攻撃していく。

 

武「くっ……………!連携攻撃で攻めてくるか………………!!」

湊翔「悪いな!こっちはこっちなりの戦い方でやるだけさ!」

トウカ「そうね!あなたほどの実力者なら、フォームチェンジをする暇も与えないでしょうし!」

武「へっ!そうかよ!!」

 

 俺とトウカがそう言うと、馬場武はそう吐き捨て、攻撃してくる。

 一方、カズマとめぐみんの方は。

 

要「姿が変わった……………!?」

遥「どういう事……………!?」

めぐみん「カズマ………………。」

カズマ「めぐみん、行くぞ!」

めぐみん「は、はい!」

 

 ニンジャフォームからアバターフォームへと姿を変えたカズマに、二人が警戒する中、カズマはそう言って、めぐみんも答える。

 

カズマ「おらっ!はあっ!」

めぐみん「ふっ!はっ!」

遥「勢いが変わった!?」

要「ぐっ……………!!」

 

 二人は連携攻撃の猛攻をしていき、二人を押していく。

 そんな中、カズマはベルトに付いた小型レイズバックルを取り出し、大型レイズバックルの方に装填して、操作する。

 

SHOULDER CHANGE AVATAR

REDAY FIGHT

 

 そんな音声が流れると、カズマの両腕に、ショベルカーのアームの様なパーツが装備される。

 

カズマ「行くぜ、オラァァァァ!!」

遥「えっ!?」

要「くっ……………!!」

 

 カズマはそう叫びながら、攻撃していく。

 カズマの両腕に装備されたショベルカーのパワーアームにより、攻撃力が増しており、二人はあっさりと吹っ飛ぶ。

 

めぐみん「すごいですよ、カズマ!」

カズマ「おう!これで終わりだ!」

 

 めぐみんがそう言う中、カズマは、大型レイズバックルを操作する。

 

必殺技コンボ(Finish Arts)開始(Ready Fight)

 

 その音声と共に、カズマは腕を大きく振り上げると、ショベルアームが巨大化して、要と遥の2人に襲いかかる。

 

要「くっ!」

遥「きゃあああっ!!」

 

 2人は防御態勢を取るが、パワーが凄まじく、2人とも吹き飛ばされてしまう。

 2人は、変身解除に至っていなかった。

 一方、ダクネスと白夜は。

 

ダクネス「それは……………!?」

白夜「すげぇ……………!力が湧いてくるぜ!」

闘轟「それがどうした!俺には勝てねぇよ!!」

 

 ダクネスが驚く中、白夜はそう言い、闘轟はブーストレイズバックルを取り出す。

 

SET

 

 すると、闘轟の横に、バイクのマフラーから火が出る絵とBOOSTの文字が浮かぶ。

 闘轟は、ブーストレイズバックルを操作する。

 

BOOST

 

 闘轟は、バッファノワール・ブーストジャマトフォームへと変身する。

 

白夜「行くぜ!ダクネスも行くぞ!」

ダクネス「ああ!」

闘轟「かかってこい!」

 

 3人はそう言うと、高速移動をしながら戦闘をしていく。

 その激しさから、残像しか残っていなかった。

 白と黒、赤と紫、赤と黒寄りの紫の残像が、周囲に出る。

 

白夜「はっ!ふっ!」

ダクネス「はあっ!はっ!」

闘轟「ぐっ……………!」

 

 白夜とダクネスの連携攻撃で、闘轟は押され気味だった。

 そんな中、白夜は必殺技を放つ準備をする。

 

白夜「一気に行くぞ!」

闘轟「くっ……………!」

 

 白夜がそう言いながら、レイズバックルを操作する中、闘轟もジャマトバックルを押す。

 

調伏(adjustment)開始(Ready Fight)

JYA-JYA-JYA-STRIKE

 

 2人は必殺技を発動して、両者共に、パンチを繰り出そうとする。

 

白夜「うぉぉぉぉぉぉっ!!」

闘轟「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 白夜の手には陰と陽の虎が現れ、オーラとなり、纏われ、闘轟の手にはジャマトライダーが出す蔦を纏わせ、ブーストフォームのマフラーから炎を出しながら、パンチを繰り出す。

 

白夜「うぉぉぉぉぉぉっ!!」

闘轟「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

ダクネス「す、凄い……………!」

 

 2人のパンチがぶつかり合い、周囲に衝撃波が広がっていく。

 それでもなお、2人は吹っ飛ばずに居て、ダクネスは驚いていた。

 その拮抗状態は、しばらく続くと。

 

白夜「うぉらぁぁぁぁぁぁ!!」

闘轟「何っ!?」

 

 白夜の叫びと共に、威力が上がり、そのまま闘轟は吹っ飛ぶ。

 闘轟は、変身解除していなかったが、ダメージは大きかった。

 

闘轟「なんだ……………この力は…………!?」

白夜「……………これがお前が否定した力だ。」

闘轟「何……………!?」

白夜「お前は、仲間は不要と言った。だが、1人でやる事には限界がある。俺は、仲間と一緒に強くなる。」

 

 闘轟が倒れる中、白夜はそう言う。

 白夜なりの思いがこもっていた。

 一方、武劉、朱翼の方は。

 

武劉「はあっ!ふっ!」

朱翼「はあっ!でやっ!」

光太郎「くっ!このっ!」

 

 武劉はバスターフォームの大砲で支援して、朱翼がハーメルン状の剣で、光太郎に攻撃していく。

 光太郎も、シュバルツモンスターフォームで応戦していくが、武劉の支援もあり、劣勢気味だった。

 

光太郎「くっ………!やるじゃねぇの………!」

朱翼「まだまだ行きますよ!」

 

 光太郎がそう言う中、朱翼は持っているハーメルン状の剣を吹く。

 すると、その剣から、音符や五線譜状のエネルギーが現れて、それが光太郎に攻撃していく。

 その攻撃は、フルートフォームの比ではなく強力だった。

 

光太郎「何っ………………!?」

朱翼「武劉さん!一気に決めましょう!」

武劉「おう!」

 

 光太郎が怯む中、朱翼と武劉は、必殺技の体勢に入る。

 

HAMELN STRIKE

BUSTER STRIKE

 

朱翼「ハァァァァァ!」

武劉「ふっ!」

光太郎「くっ……………!?」

 

 2人の必殺技が炸裂して、光太郎を吹っ飛ばす。

 それぞれのシャドウライダーたちは。

 

武「やるじゃねぇか。だが、サブゲームマスターまで乱入して来た以上は、撤退するか。また戦おうぜ。今度は一対一でも良いんだぜ?」

 

 馬場武はそう言うと、黒いマグナムシューターを地面に向かって撃ち、土煙を上げる。

 馬場武は、撤退していた。

 

トウカ「撤退したわね……………。」

湊翔「トウカ、ジャマトたちの方は任せるわ。俺は、あのラフレシアフォートレスジャマトをどうにかする。」

トウカ「湊翔!?大丈夫なの!?」

湊翔「大丈夫だ。それに、今の俺がどこまで行けるのか、試してみたい。」

トウカ「湊翔……………分かった。無理はしないでね。」

湊翔「おう。」

 

 馬場武が撤退した中、俺はそう言う。

 トウカはそんな風に言うが、俺はそう答える。

 トウカは、心配そうに言うが、そう答えて、ジャマトの方へと向かう。

 すると、ミッションボックスが現れる。

 

湊翔「ミッションボックス?中身は何だ?」

 

 俺はそう言いながらそれを開けると、その中身は、ブーストレイズバックルだった。

 

湊翔「ブーストか。ありがたいな。」

 

 俺はそう言いながら、ブーストレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横に、バイクのマフラーから火が出る絵とBOOSTの文字が浮かぶ。

 二つのレイズバックルを操作する。

 すると、ジャマトが迫ってきていたが、炎によって吹っ飛ばされる。

 

DUAL ON

GET READY FOR BOOST & MAGNUM

REDAY FIGHT

 

 俺は、ギーツ・マグナムブーストフォームに変身する。

 一方、他の人たちは。

 

遥「これ、逃げた方が良くない!?」

要「ですね。サブゲームマスターも動き出した以上、下手に留まると、やばい事になりそうですからね。」

 

 2人はそう言うと、要は印を結び、煙を出す。

 2人は、撤退した。

 

めぐみん「撤退しましたね。」

カズマ「だな。皆と合流するぞ!」

めぐみん「はい!」

 

 2人はそう話して、合流しようとする。

 一方、ダクネスと白夜、闘轟の方は。

 

闘轟「ぐっ………!虎雷白夜だったな…………!この借りは必ず返す!」

 

 闘轟はそう言うと、地面を思い切り殴り、土煙を出す。

 闘轟は、撤退した。

 

ダクネス「逃げたか。」

白夜「…………俺は絶対に負けないからな。俺たちも合流するぞ。」

ダクネス「ああ。」

 

 ダクネスがそう言う中、白夜はそんな風に呟く。

 2人も、動き出す。

 一方、光太郎は。

 

光太郎「ちっ!サブゲームマスターも来るし、部が悪いな!退却するか!」

武劉「逃すか!」

 

 光太郎はそう言うと、モンスターグローブを地面に叩きつけ、土煙を出す。

 武劉は追おうとしたが、逃げられてしまった。

 

武劉「逃したか。」

朱翼「一応、他の皆さんと合流しましょう。」

武劉「そうだな。」

 

 武劉は悔しそうにするが、すぐに意識を切り替えて、そう言う。

 一方、ダスト達は。

 

ダスト「おらっ!はっ!」

リーン「ハアッ!でやっ!」

 

 ダストは、手にしたアリエスソードで、攻撃していき、リーンも、魔法と陰陽道を組み合わせた攻撃をしていく。

 

ダスト「なんかこれ、使いやすいな!」

リーン「私たちも行くわよ!」

 

 2人はそう言い、ジャマトに攻撃していく。

 一方、進とアルカは。

 

進「ハアッ!ふっ!おらっ!」

アルカ「ハアッ!ふっ!」

 

 進は、ロンギヌスでジャマトを薙ぎ払いながら攻撃していき、アルカは、進の援護をしていた。

 

進「力が溢れてくる……………!」

アルカ「凄いわね。」

 

 進がそう言う中、アルカはそう呟く。

 一方、アクセルハーツは。

 

リア「ハァァァァァ!」

エーリカ「てぇい!」

シエロ「ハァァァ!!」

 

 3人は連携をしながら、ジャマトやジャマトライダーと戦っていく。

 

リア「このまま行くぞ!」

シエロ「はい!」

エーリカ「ええ!やってやるわよ!」

 

 そんな風に言いながら、ジャマトたちに攻撃していく。

 一方、新たに参戦した仮面ライダー達は。

 

???「ハアッ!ふっ!」

???「はっ!ふっ!はあっ!」

 

 赤いバッファに似た仮面ライダーは、殴打攻撃で攻撃していき、赤いタイクーンに似た仮面ライダーは、手に持ったレイピアでジャマトに攻撃していく。

 

???「大丈夫か?」

???「誰に聞いてるんですか!」

???「そうだったな。行くぞ!」

???「ええ!」

 

 2人はそう話しながら、ジャマトやジャマトライダーに攻撃していく。

 一方、後の2人は。

 

???「はっ!ふっ!はあっ!」

???「よっ!はっ!」

 

 コモドドラゴンの頭の仮面ライダーは、腕についたドラゴン型の装甲で攻撃していき、隼の仮面ライダーは、アサルトライフルを撃つ。

 

???「へぇ。やるじゃねぇか。」

???「まあね。君もなかなかやるじゃないか。」

???「俺を誰だと思ってんだ?」

 

 2人はそんな風に話しながら、ジャマトなどを倒していく。

 一方、黒石拓巳は、チンピラの仮面ライダーと戦っていた。

 

チンピラ「オラっ!」

チンピラ「でやっ!」

 

 チンピラは、数の有利を活かして、グレアに変身した拓巳へと襲いかかるが、拓巳は慌てずに、必要最低限の動きで躱す。

 デフクレトピットからサークルデフレクターを展開して、攻撃をいなしつつ、カウンターを叩き込んでいく。

 

チンピラ「何だこいつ!?」

チンピラ「強いぞ……………!?」

拓巳「お前達に負ける様な私ではない。」

 

 チンピラ達が、拓巳の強さに怯むと、拓巳はプロビデンスカードを取り出して、ヴィジョンドライバーにスラッシュする。

 

DELETE

 

拓巳「ハアッ!」

チンピラ達「ぐわぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 その音声と共に、拓巳は回し蹴りと共に斬撃波を放つ。

 その攻撃に、チンピラ達は吹き飛ばされる。

 1人の仮面ライダーは、かなり吹っ飛ばされていた。

 

チンピラ「やべぇ……………!こいつ、強い!」

拓巳「最終通告だ。大人しくしろ。」

チンピラ「うるせぇ!てめぇなんかに指図される謂れはねぇんだよ!」

拓巳「はぁ………………情けをかけてやったのだが、拒否するのなら、仕方ない。お前達には、処分を下す。」

 

 拓巳はそう言うが、チンピラはそう叫ぶ。

 拓巳はそう言うと、ヴィジョンドライバーの上部に触れる。

 

HACKING ON CRACK START

 

 その音声と共に、グレアの装甲……………ヒュプノレイが全て外れ、5人のチンピラの仮面ライダー達の方へと向かう。

 すると、仮面ライダー達のマスクを外し、そのまま被さる。

 

チンピラ達「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」

 

 チンピラ達はそう叫ぶが、すぐに静かになり、項垂れる。

 乗っ取られたのだ。

 

拓巳「さて。あとは彼らだけでもどうにかなるだろう。」

 

 拓巳は、そんな風に呟く。

 一方、拓巳の攻撃で吹き飛ばされた仮面ライダーは。

 

???「くそっ!あんなのが居るなんて、聞いてないぞ!?」

 

 その仮面ライダーは、グリズリーの頭の仮面ライダーで、マグナムレイズバックルを装填していた。

 拓巳がチンピラの仮面ライダーをハッキングしたのを見て、本能的に逃げたのだ。

 すると。

 

???「あっ!?邪魔だ!!」

住民「ひっ!いてっ!?」

 

 アクセルの住民が目の前に居て、そいつはその住民を突き飛ばす。

 すると。

 

ツムリ「不国暗徒さん。」

暗徒「あ?」

 

 ツムリが現れて、不国暗徒という人物に話しかける。

 

暗徒「何だ、てめぇ。」

ツムリ「私はツムリです。お忘れですか?」

暗徒「ツムリ?ああ……………俺にデザイアドライバーを渡した奴か。何の用だ?」

ツムリ「あなたは仮面ライダー失格となりました。よって、脱落となります。」

暗徒「あぁ!?なんでそうなるんだよ!?」

 

 ツムリがそう言うと、暗徒はキレだす。

 それに、ツムリは怯えずに答える。

 

ツムリ「あなたは先ほど、民間人に攻撃し、ジャマトを倒す仮面ライダー達を妨害しました。よって、脱落となります。」

暗徒「はあっ!?そんな理不尽が罷り通る訳が……………!?」

ツムリ「理不尽ではありません。デザイアグランプリとは、魔王やジャマトを倒すゲームです。それを放棄したのは、そちらです。」

 

 ツムリがそう言うと、暗徒はそう言うが、ツムリはそんなふうに返す。

 すると、ドライバーに装填されていたIDコアが消える。

 

暗徒「くそがっ!覚えてやがれ!!絶対に許さねぇ……………!!」

 

RETIRE

 

 暗徒はそんな捨て台詞を吐くと、そのまま消えてしまう。

 ツムリは、暗徒のデザイアドライバーを持つ。

 

ツムリ「あなたは、仮面ライダー失格となりました。」

 

 ツムリは、そんな風に言う。

 そんな中、白夜達は。

 

白夜「お前ら!」

カズマ「あいつらは撤退したみたいだな。」

めぐみん「湊翔はどうしたんですか?」

トウカ「湊翔は、単独でラフレシアフォートレスジャマトを倒しに行った!」

ダクネス「何だって!?」

朱翼「大丈夫でしょうか………………。」

武劉「今はあいつを信じるしかないだろう。俺たちは、もう一体のラフレシアフォートレスジャマトを倒すぞ!」

進「俺も参加して良いかな?」

 

 白夜達は、そんな風に話す。

 すると、進が話しかけてくる。

 

武劉「お前達は……………?」

進「話は後だ。俺も手伝おう。」

白夜「まあ、頼むわ。」

カズマ「よし!行くぞ!」

白夜達「おう!」

 

 武劉はそう聞くが、すぐに意識を切り替え、ラフレシアフォートレスジャマトへと向かっていく。

 一方、俺はブーストライカーで爆走していた。

 

湊翔「さぁて……………今の俺は、どこまで行けるかな。」

 

 俺はそう言いながら、ブーストライカーを走らせる。

 ある程度走ると、俺はブーストライカーから飛び降りる。

 ブーストライカーは、ギーツモードになり、ジャマトを蹴散らしていく。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!はっ!」

 

 俺は、マグナムシューターを撃ちながら、ブーストの方でキックをして、ジャマトを倒していく。

 俺はデザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 側転しながらリボルブオンを行い、ブーストマグナムフォームになる。

 俺はブーストパンチャーを使って、パンチを叩き込んだり、蹴ると同時に、アーマードガンから銃撃したりする。

 そして、再びデザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 マグナムブーストフォームへと戻り、マグナムシューターをライフルモードにする。

 

RIFLE

 

 ハンドガンモードよりも強力な弾丸を発射して、周囲にいるジャマトを倒していく。

 そして、マグナムシューターにマグナムレイズバックルを装填する。

 

MAGNUM

 

 装填して、マグナムレイズバックルのシリンダー部分を回転させ、トリガー部分を引き、マグナムシューター40Xのトリガーを引く。

 

MAGNUM TACTICAL BLAST

 

 すると、銃身にアプルーバルリボルバー型のエネルギーが溜まる。

 そして、それを発射して、ジャマト達を倒していく。

 俺は、コマンドツインバックルを取り出す。

 

COMMAND TWIN BUCKLE

 

 そんな起動音が鳴る中、俺はコマンドツインバックルをデザイアドライバーに装填して、ボタンを押す。

 

SET

GREAT

REDAY FIGHT

 

 俺は、レイジングフォームへとなり、攻撃していく。

 一方、カズマ達は。

 

カズマ「おらっ!はっ!」

めぐみん「はっ!はあっ!」

ダクネス「でやっ!ふっ!」

白夜「おらっ!はっ!」

トウカ「ハアッ!はっ!」

朱翼「ハアッ!ふっ!」

武劉「ふっ!はっ!」

進「ハアッ!はっ!」

 

 それぞれがジャマトやジャマトライダーと応戦しており、倒していった。

 それぞれの武器で、ジャマトを倒していく。

 

めぐみん「カズマ!さっき、美味しいところは頂きましたし、ラフレシアフォートレスジャマトを倒してください!」

ダクネス「私たちは、ジャマトを倒しておく!」

トウカ「そう言う訳で、よろしくね!」

カズマ「お前ら……………!」

白夜「おう!」

朱翼「行きましょう!」

武劉「ああ。」

進「おう!」

 

 めぐみん、ダクネス、トウカが残る中、カズマ、白夜、朱翼、武劉、進は、ラフレシアフォートレスジャマトの方へと向かう。

 一方、俺は、レイジングソードを振るい、ジャマトを倒していく。

 

湊翔「はっ!ふっ!はあっ!」

 

 レイジングソードでの攻撃は、ジャマトをあっさりと倒していき、背後から迫るジャマトライダーに突き刺して、そのまま撃破する。

 すると、チャージ音がなる。

 

湊翔「さあ……………ここからが、ハイライトだ。」

 

FULL CHARGE

TWIN SET

 

 俺はバックルを操作して、レイジングソードから外し、デザイアドライバーに装填する。

 すると、俺の目の前に、飛行機の翼の絵と英語でJETの文字が上側に、キャノンの絵と英語でCANNONの文字が下側に出る。

 俺は、先ほど装填したレイズバックルを操作する。

 

TAKE OFF COMPLETE JET & CANNON

REDAY FIGHT

 

 俺は、ギーツ・コマンドフォーム・ジェットモードになる。

 

湊翔「ふっ!ハァァァァァ!」

 

 俺は飛行して、ラフレシアフォートレスジャマトへと迫る。

 ラフレシアフォートレスジャマトは、蔦を伸ばしてきたり、対空砲と思われる攻撃をしてくるが、それをレイジングソードで斬ったり、躱したりする。

 

湊翔「さて、これで行ってみるか!」

 

 俺はそう言って、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 ジェットモードからキャノンモードになり、空中でトロンキャノンをラフレシアフォートレスジャマトに向かって撃つ。

 ラフレシアフォートレスジャマトはダメージを受ける。

 そして、再びデザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 キャノンモードからジェットモードになり、空に浮かぶ。

 そして、レイジングソードのボタンを押す。

 

RAISE CHARGE

 

 すると、待機音が流れてくる。

 

湊翔「さあ、打ち上げと行くか!」

 

 俺はそう言って、トリガーを引く。

 

TACTICAL RAISING

 

湊翔「ハァァァァァァァァァ!!」

 

 俺はそう叫んで、レイジングソードの必殺技を発動しながら、ラフレシアフォートレスジャマトへと向かっていく。

 ラフレシアフォートレスジャマトは、ラフレシアの花の部分からビームを出すが、俺はそれを切り裂き、命中する。

 それにより、ラフレシアフォートレスジャマトは空中で爆発する。

 

湊翔「ふぅ………………。」

 

 俺は一息つく。

 一方、カズマ達もラフレシアフォートレスジャマトに攻撃を仕掛けていた。

 

カズマ「おらっ!はあっ!」

 

 カズマは、アバターフォームの力で武器を出して、それで攻撃していく。

 アバターフォームは、小型レイズバックルなどの武装を使い、戦う形態だ。

 

白夜「オラオラオラオラっ!!」

 

 白夜は、ラフレシアフォートレスジャマトへと飛び移り、斬撃攻撃をしていく。

 その速さは、フィーバーライトニングフォーム以上だった。

 

朱翼「ふっ!はっ!」

 

 朱翼は、ハーメルンソードを吹き、音符や五線譜などを出して、音波攻撃をしていく。

 

武劉「はっ!ハアッ!」

 

 武劉は、肩の大砲で攻撃していく。

 その大砲も、荷電粒子が含まれているため、ラフレシアフォートレスジャマトにダメージを与えていく。

 

進「ハアッ!ふっ!でやっ!」

 

 進は、ロンギヌスを手に、攻撃していく。

 投擲したり、そのまま斬撃したり。

 カズマ達の猛攻により、ラフレシアフォートレスジャマトはかなり弱っていた。

 

カズマ「おい!弱ってるぞ!」

白夜「みたいだな。」

朱翼「なら、一気に倒しましょう!」

武劉「ああ。」

進「まかせろ!」

 

 そう叫んで、必殺技を叩き込む為に、レイズバックルを操作する。

 

必殺技コンボ(Finish Arts)開始(Ready Fight)

調伏(adjustment)開始(Ready Fight)

HAMELN STRIKE

BUSTER STRIKE

LONGINUS STRIKE

 

カズマ「オラァァァァァ!!」

白夜「ハァァァァァ!」

朱翼「ハァァァァァ!!」

武劉「ハァァァァァ!!」

進「ハァァァァァ!!」

 

 5人の必殺技が、ラフレシアフォートレスジャマトへと命中して、ラフレシアフォートレスジャマトは爆発する。

 カズマ達の所に、俺、トウカ、アクア、めぐみん、ダクネスが合流する。

 

湊翔「お前ら、倒したんだな!」

カズマ「おう!」

めぐみん「みたいですね。」

アクア「そんな事より、さっさと逃げましょう!ジャマトが現れたどさくさに紛れて、逃げるの!!」

白夜「今回ばっかりは、アクアに同意だな。」

ダクネス「ああ。」

朱翼「早く逃げましょう!」

武劉「だな。」

 

 俺たちはそう話して、逃走する。

 ちなみに、進達はというと、ジャマトの掃討及び、領主の部下が来ない様に妨害していた。

 すると。

 

アルダープ「ララティーナ!行くなララティーナ!ララティーナーっ!!」

 

 アルダープのそんな悲痛な叫び声が聞こえた気がした。

 俺たちは、ダクネスの屋敷へと向かう。

 その後、ある事が分かったのだが、ダクネスのお父さんは呪いをかけられていた様だが、アクアが解呪した模様。

 ちなみに、俺、トウカ、白夜、朱翼、武劉、めぐみんは空気を読んで外に出ていたので、それを後で知った。

 一方、アルダープはというと。

 

アルダープ「ああ……………くそっ!くそっ!くそおっ!」

 

 アルダープはそんな風に言いながら、誰かを足蹴にしていた。

 

???「ヒュー、ヒュー、ヒュー。」

 

 その足蹴にされていた存在は、そんな風に頭を抱えて蹲る。

 すると、アルダープが罵声を出す。

 

アルダープ「お前がっ!お前がもう少し使える悪魔だったら!あそこで、あそこでワシのララティーナを奪われる筈も無かったのに!お前の辻褄合わせの強制力はそんなにちっぽけな物なのかっ!役立たず!役立たず!この、役立たずがぁっ!!」

???「ヒッ、ヒュー、ヒュー。教会は悪魔の力が弱くなるからね。そんな事より、何者かに呪いが解かれた様だよ、アルダープ。」

 

 アルダープがそう言う中、その悪魔は、そんな風に言う。

 それを聞いたアルダープは。

 

アルダープ「呪いが解けただと!?お前はっ!満足に、人間1人、呪い殺す事も出来ないのかっ!」

 

 アルダープは再びそう罵り、蹴り飛ばす。

 そんな中、アルダープは口を開く。

 

アルダープ「マクス!今回の教会への参列者、及び、ワシの言葉を聞いた者達の記憶を明日の朝までに、全て都合の良いように捻じ曲げ、辻褄を合わせておけ!分かったな!」

マクス「ヒュー、ヒュー……………無理だよ、アルダープ。僕にそれほどの力は無いよ。」

 

 アルダープはそう命令するが、マクスという悪魔はそう言う。

 それを聞いたアルダープは、不機嫌を隠さない様に言う。

 

アルダープ「……………無理だと?お前が下級悪魔だという事は、呼び出したワシが一番よく分かっている。この神器にランダムで呼ばれて来た位だからな。……………だが、貴様に拒否権はない。やれ!無理だろうが何だろうが、やって来い!人数が多いからか?記憶の捻じ曲げはお前の得意技だろうが!さっさとやれっ!」

マクス「無理。光が………………ヒュー、呪いを解いた強い光が邪魔をするから、それは無理。」

 

 アルダープはそう叫ぶが、マクスはそう言う。

 強い光……………つまりはアクアの事だ。

 アクアによって、マクスという悪魔の能力が効かなくなっているのだ。

 それを聞いたアルダープは。

 

アルダープ「もういい!この無能な悪魔が!貴様なぞ、契約解除して他の力ある悪魔を呼び出してやる!最後の命令だ!ワシの前にララティーナを連れて来い!そうしたら、貴様に今までの代価を払ってやる!」

マクス「代価?代価を払ってもらえる?」

アルダープ「ああ、本当だ。お前は馬鹿だから、ワシが何度も代価を払っていることを忘れているだけだ。」

 

 アルダープはそう言う中、マクスはそう聞き、アルダープはそんな風に言う。

 嘘である。

 マクスの記憶力が低い事を良い事に、騙していたのだ。

 すると。

 

ダクネス「領主殿は居るか?私だ。今日の事で謝罪に来た。顔を見せてはくれないか…………?」

 

 ダクネスの声が聞こえてくる。

 それを聞いたアルダープは。

 

アルダープ「ララティーナ!ララティーナか!よし、良くやったマクス!褒めてやる!約束通り代価を払い、契約を解除してやろう!」

マクス「まだ何もしてないのに、ヒュ、ヒュー!代価を払ってくれる?」

 

 アルダープはそう叫ぶ中、マクスはそんな風に言う。

 だが、そんな違和感は、今のアルダープには聞こえなかった。

 

ダクネス「申し訳ありません、領主殿…………。昼の事は謝ります。…………なので、どうか、我が身と引き換えに、仲間の助命を…………。」

 

 ダクネスはそんな風に言う。

 ダクネスの格好は、扇情的なネグリジェを着ていた。

 アルダープが近寄ろうとすると、ダクネスの姿が変わる。

 

バニル「フハハハハハ!ララティーナだと思ったか?残念、我輩でした!おっと、これまた凄まじく強烈な悪感情!美味である美味である!フハハハハハ!!」

 

 そう。

 あのダクネスは、バニルの変装だったのだ。

 それを見たアルダープは。

 

アルダープ「な、何だ貴様は!?この感じ…………貴様は、悪魔だな!マクス!この穢らわしい悪魔を殺せ!!」

マクス「…………?なぜ僕が同胞を殺さないといけないの?ヒューッ…………?あれ?君はどこかで会ったのかもしれないな?」

 

 アルダープは苛立ちを見せながらそう言う。

 だが、マクスはそんな風に言う。

 それを見て、アルダープが苛立ちを見せる中、バニルが口を開く。

 

バニル「貴公に自己紹介をするのは何百回目か何千回目か。では今回も、初めましてだマクスウェル。辻褄合わせのマクスウェル。真実を捻じ曲げる者マクスウェル。我輩は見通す悪魔、バニルである。真実を捻じ曲げる悪魔、マクスウェルよ。迎えに来たぞ!」

 

 バニルは、完璧な作法と共に礼を尽くしたお辞儀をするとそう言う。

 それを聞いたマクス改め、マクスウェルは。

 

マクスウェル「バニル!バニル!何故だろう、何だかとても懐かしい気がするよ!以前、どこかで会ったような?」

バニル「フハハハハハ、貴公は会う度に同じ事を言うな!貴公の名前はマクスウェル!さあ、貴公が在るべき場所、地獄へ帰ろう!」

アルダープ「ま、待て待て!そいつはワシの下僕だ!勝手に連れて行くな!」

 

 マクスウェルは懐かしそうにそう言うと、バニルはそう言い、アルダープはそう叫ぶ。

 すると、バニルは笑いながら口を開く。

 

バニル「下僕?我輩と同じく地獄の公爵の一人であるマクスウェルが、貴様の下僕だと?悪運のみが強い、傲慢で矮小な男よ。貴様は運が良かっただけだ。他の悪魔を呼んでいたなら、呼び出した瞬間に、代価も持たない貴様は引き裂かれていた事だろう!だが、貴様は運が良かった!何も分からないマクスウェル!力はあるが、頭は赤子のマクスウェル!彼のおかげでその地位にまで上ることが出来たのだ。深く、深く感謝するが良い!」

 

 バニルは、そんな風に言う。

 それを聞いたアルダープは、困惑の表情を浮かべていた。

 アルダープは、自分の力で登り詰めたと勘違いをしていたのだ。

 

バニル「そして、貴様は先ほど我輩が現れた時、マクスウェルにこう言ったな。…………約束通り、代価を払い、契約を解除してやろう!と。貴様とマクスウェルの間に契約後交わされているというのが問題だったのでな。いやいやまったく。大層回りくどい事をしてしまった。」

 

 バニルは、そんなふうに言う。

 すると、アルダープは全てを察した。

 

アルダープ「き、貴様、貴様…………!貴様が、まさか!!」

バニル「そう!ご想像の通りである!我輩がタイクーンとギーツに借金返済の都合をつけ、貴様の事も教えてやったのだ!フハハハハハ!良いぞいいぞ!素晴らしい悪感情だ!美味である美味である!」

 

 アルダープはそう言うと、バニルは高笑いしながらそう言う。

 アルダープは、拳を握りしめながら叫ぶ。

 

アルダープ「こんな!こんな事をしてくれて……………!この悪魔が欲しいのなら、言えば良い!最初からそうすれば…………!ワシが恥を晒せずとも……………!!」

 

 アルダープはそう言うと、バニルはバカな事をあっさりと告げる。

 

バニル「この方が面白いだろう!フハハハハハ、見物であった!見物であったわ!!今回は、あの女神ですら我輩に踊らされた事になるのではなかろうか!あのチンピラ女神の卵を孵化させられるという屈辱は受けたものの、極上の悪感情を味わえた!恋焦がれ、ようやくその偏愛が実り!そして、後少しで手に入ると思った瞬間に嫁を連れ攫われた時の、貴様のあの悪感情!思わず我輩、このまま滅ぼされてしまっても良いとすら思えるほどの美味であった!」

 

 バニルは高笑いしながらそう言い、アルダープはドン引きする。

 落ち着いたのか、口を開く。

 

バニル「さて領主殿。我輩はもう貴様に用はない。あとはマクスウェルを地獄に帰し、我輩はあのへっぽこ店主の下であくせくと働くのみだ。」

 

 バニルはそう言う。

 アルダープは、自分の保身の事を考えていた。

 すると。

 

マクスウェル「ヒュー!ヒューッ!バニル!バニル!帰る前に、僕はアルダープから代価を貰わないと!さっき言ってくれたんだ、代価を払ってくれるって!」

アルダープ「分かった、分かった。代価だな。払ってやるからとっとと……………っ!?」

 

 マクスウェルは興奮しながらそう言う。

 アルダープの言葉は、最後まで続かなかった。

 何故なら、マクスウェルに腕を折られたからだ。

 

アルダープ「……………えっ、あっ、ああああああぐああああああっ!?ひいっ!?ひいいいいいっ!痛っ、いっ、いだあああああっ!?」

マクスウェル「アルダープ!アルダープ!!良い声だよアルダープ!ヒュー、ヒューッ!」

アルダープ「何をっ!放せマクス!止めろ!痛い、止めてくれえっ!!」

 

 アルダープが悲鳴を上げる中、マクスウェルはそんな風に言う。

 アルダープの悲鳴を聞いて、マクスウェルは、実に楽しそうに笑っていた。

 それを見て、アルダープは恐怖する。

 バニルが口を開く。

 

バニル「フハハハハハ!マクスウェル、続きは地獄へ帰ってからやれば良い。この男の貴公への代価はすさまじい量になっている。地獄へこの男を持ち帰り、ゆっくり代価を払わせるが良い。貴様がマクスウェルを使役していた代価は、その契約に従い、マクスウェルの好む味の悪感情を決まった年数分放ち続ける事になる。……………ふむふむ。貴様、随分と好き放題な生活をして、こやつを酷使したものだなぁ……………。残りの寿命では到底払い切れるものではないぞ?」

 

 バニルは、マクスウェルを嗜めながらそんな風に言う。

 その言葉は、アルダープに絶望を与えるには十分過ぎた。

 

アルダープ「わ、分かった!今まで酷使して悪かった!こうしよう!まず、ワシの莫大な………………!!」

バニル「資産ならば、マクスウェルが地獄に帰る事により、貴様は様々な悪事が全てバレ、全財産を没収される。それはダスティネス家に管理され………………タイクーンにギーツ、街や国に返還される事になる。見通す悪魔、バニルが宣言しよう。貴様はもはや無一文である。」

 

 アルダープは資産を渡そうとするが、バニルは見通していたのか、そんな風に言う。

 無一文という言葉は、アルダープを更に絶望に落とすには十分だった。

 すると、別の事を思いつく。

 

アルダープ「そ……………!」

バニル「『それなら、家の者を何人でもワシの代わりに連れて行って良いから』だと?残念、支払い義務は契約者にのみ請求される!…………おっと、せっかくの悪感情であるが、その絶望の悪感情は我輩の好みではないな。その感情はマクスウェルの好みの味だ。」

 

 アルダープは口を開くが、バニルは見通してそう返す。

 それを聞いて、アルダープは体の震えが止まらなくなる。

 すると、マクスウェルに話しかける。

 

アルダープ「ま、まま、マクス……………マクス……………!わ、ワシはお前に色々と酷いことを………………。酷い事をしてしまった。頼む、助けてはくれんか?見逃してくれ、ワシはああ見えて、お前の事が嫌いではなかったのだよ……………!本当だ!なあ、頼むマクス!」

 

 アルダープは最後の最後まで、嘘を言う。

 バニルは最初から嘘だと分かっていたが、ニヤニヤと笑いながら、訂正しようとはしなかった。

 マクスウェルが手を離すと、アルダープはマクスウェルを見る。

 その顔は、楽しそうに笑っていた。

 まるで、無邪気な子供の笑顔のようだった。

 

マクスウェル「アルダープ!アルダープ!僕もだよ!僕も、君が好きだよアルダープ!アルダープ!アルダープ!君が好きだよアルダープ!地獄に連れて帰ったら、僕がそばにあてあげるよアルダープ!ずっとずっと、君の絶望を味合わせてよ、アルダープ!」

 

 マクスウェルは、顔を紅潮させながら、そんな風に言う。

 アルダープは、マクスウェルの隠し持った本性に心の底で恐怖を抱いていた事を悟ったのだった。

 

バニル「おっと、両想いであるなアルダープ。マクスウェルは献身的に尽くすタイプだ、四六時中貴様を嬲ってくれるぞ!フハハハハハ、フハハハハハ!!」

マクスウェル「大事にするよアルダープ!攫った少女を嬲った後、簡単に捨てていた君とは違い、僕は君が壊れないよう、ずっとずっと大事にするから!ヒューッ、ヒューッ!ヒューッ、ヒューッ!!」

 

 二人の悪魔の笑い声とそんな声が、アルダープの屋敷の地下室に響く。

 それを聞いたアルダープは。

 

アルダープ(ああ……………どうか。どうか、せめてこの壊れた悪魔が、私を嬲るのにすぐに飽きて、楽に死なせてくれますよう……………。)

 

 そんな風に祈る。

 アルダープは、地獄へと連れて行かれたのだった。

 悪魔を酷使し続け、領主という地位を築き上げた男は、その悪魔によって、終わりの見えない絶望へと、叩き落とされたのだった。




今回はここまでです。
ラフレシアフォートレスジャマトにシャドウライダー軍団、ジャマトにジャマトライダー、チンピラの仮面ライダー達が現れましたが、湊翔達はなんとか切り抜けました。
ちなみに、湊翔とラフレシアフォートレスジャマトの戦いは、本家ギーツの15話を参考にしています。
チンピラの仮面ライダーの内、一人は拓巳に洗脳されずに、脱落となりました。
そして、アルダープも破滅の道を辿りました。
悪魔との契約は、代価を用意できなかったり、身の丈に合わない願いをすると、確実に終わりますからね。
転スラのギィ・クリムゾンの時みたいに。
次回でこの章は終わって、次々回から、MOVIEバトルロワイヤルの話へと入っていきます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
メラとメロに関して、色々と分かりましたね。
本編で登場したクロスギーツは、すでにメラとメロが殺害したロキの変身能力で変身したガワで、仮面ライダー鎧武の葛葉紘太も狙われていたという事が。
4人のエースと黒狐でのリクエストも受け付けています。
あと、今後の展開や強化形態にも。
ガッチャードとギーツの冬映画で、杉田智和さんを始めとする豪華声優さん達も、レベルナンバー10のケミーで出演するみたいですね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第74話 サポーターとの邂逅

 アルダープの結婚式をぶち壊し、ダクネスを取り戻した翌日、俺達は夜逃げしようと準備を終え、ダクネスを待っていると、そのダクネスから意外な事を告げられる。

 それは、アルダープが失踪したという事だ。

 

湊翔「アルダープが失踪?」

ダクネス「あぁ。何でも、朝になったら居なくなっていたそうだ。それと同時に数々の不正や犯罪の証拠が湧いて来た。」

武劉「なるほど。その証拠が隠し切れなくなったから、逃げたという事か。」

朱翼「それはそうと、何で急に証拠が湧いてきたんでしょうか?」

トウカ「分かんないけど、まあ、夜逃げする必要が無くなったって事でしょ!」

白夜「そうだな。」

 

 アルダープの奴、逃げたのか。

 証拠を隠しきれなくなって、逃げるとはな。

 まあ、夜逃げしなくて済むのはありがたいな。

 すると、カズマがダクネスに話しかける。

 

カズマ「どうしたんだよダクネス、早く中に入れよ。」

ダクネス「あぁ。……………本当にすまない!今回は自分勝手な事をして、皆に迷惑を掛けた。」

 

 カズマがそう聞くと、ダクネスはそう言って、頭を下げる。

 すると。

 

めぐみん「もう良いじゃないですか。こうして、無事に帰って来られたんですから。」

トウカ「そうね。無事なだけ、それで良いと思うわ。」

武劉「そうだな。」

朱翼「ですね。」

白夜「それにしても、ダクネスのお父さんに呪いを掛けたのは誰だ?」

アクア「まったく、ダクネスってば。そんなのは決まってるでしょう!後であの仮面悪魔にお礼参りに行きましょう!」

 

 ダクネスがそう言うと、他の人たちもそう言う。

 アクアに関しては、バニルに制裁をしようとしていたが。

 すると、ダクネスは俺とカズマを見てくる。

 

ダクネス「カズマと湊翔には、大きな借りが出来た。私の為に金を工面してくれたのだが……………二人が私の代わりに払ってくれた金など、それらは全て、今すぐにではないが国から還付される。父が体力を回復し次第、領主から没収した財産を計算し、それらの補填が行われるはずだ。だが……………お前達が売ってしまった知的財産は、もう戻って来ない。」

 

 ダクネスはそんな風に言ってくる。

 ダクネスの表情は曇っていた。

 

カズマ「その事なら良いよ。料理スキルを覚えたから、屋台でも出して俺の国の料理を作り、小遣い稼ぎをしてみるのも……………。」

湊翔「ん?ちょっと待って?俺とカズマが出した金が戻ってくるのか?」

ダクネス「ああ、返ってくる。今回用立ててもらった20億。そして領主の屋敷の弁償の金や、建物を破壊した金も返ってくる。何せ、この街を守る過程で発生した賠償金だからな。それらは本来、この地を預かる領主が補填すべき物だ。……………しかし、今になってよく考えてみれば、何故私はあんな素直に領主の言い分を受け入れ、ホイホイと金を払ったのか…………。まるで催眠にでも掛けられていた気分だ。それに、何故こんな急に次々と不正の証拠が出てきたのだろう……………?」

 

 カズマがそう言う中、俺はダクネスにそう聞く。

 すると、ダクネスは首を傾げながらそんな風に言う。

 確かに、アルダープ関連で謎な事が多くある。

 裁判の際、アルダープが俺たちの死刑を求めただけで、死刑になりそうになったしな。

 あいつ、事実を捻じ曲げる能力でも手に入れたのだろうか?

 とはいえ、生活費が戻ってくるのは有り難いけどな。

 すると、カズマにめぐみんとアクアが寄り添う。

 

アクア「今日のカズマと湊翔って、なんだかアレよね。凄くアレだわ、イケメンよね。ねえカズマさん。私、ゼル帝の為の立派な小屋が欲しいんですけど!」

めぐみん「ですね、アレな感じでイケメンですね、私は昔から思ってましたよ、カズマはイケメンだって。ちなみに私は魔法の威力を向上させる魔道具なんかが欲しいです。」

 

 二人はそんな風に言う。

 大金の匂いを嗅ぎつけて、そんな風に言い出してくるとは。

 絶対思ってなかっただろ。

 それを見ていたトウカ達は。

 

トウカ「アクア……………めぐみん……………。」

白夜「手のひら返しが早ぇ。」

朱翼「あまりにも露骨ではないですか?」

武劉「全くだな。」

 

 そんな風に呆れたりしていた。

 すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「そ、その……………私は、硬いだけが取り柄のクルセイダーだが…………もう一度…………もう一度、私を仲間にしてもらえますか……………?」

 

 ダクネスはそんな風に言ってくる。

 それを聞いた俺とカズマは、顔を見合わせて、苦笑しながら答える。

 

湊翔「当たり前だろ。」

カズマ「……………お帰り。」

ダクネス「…………た、ただいまっ!!」

 

 俺とカズマの言葉に、ダクネスは安心した様に微笑む。

 すると。

 

ツムリ「皆さん、話は済みましたでしょうか?」

湊翔「ツムリ。」

カズマ「どうしたんだよ?」

ツムリ「皆さん。至急、デザイア神殿へと来て下さい。大事な話がありますので。」

白夜「大事な話?」

アクア「なら、私はゼル帝の孵化に専念するわね!」

ツムリ「いえ、アクアさんも来てください。」

アクア「なんでよーーーーっ!!」

 

 話が終わったのを見計らったのか、ツムリが現れて、俺たちをデザイア神殿へと呼びに来た。

 そんな中、いつも省かれるアクアも呼ばれたと言う。

 俺は首を傾げながらも、デザイア神殿へと向かう。

 しばらくすると。

 

ツムリ「サブゲームマスター。湊翔さん達をお連れしました。」

???「ああ、ありがとう。」

 

 ツムリがそう言うと、そのサブゲームマスターは振り返る。

 周囲には、他の人たちもいた。

 その中には、龍、アフロディテとかの姿もあったのだが、後は知らない人たちだ。

 すると。

 

白夜「………………え?嘘だろ?」

武劉「白夜?」

トウカ「どうしたんだ?」

朱翼「白夜?」

 

 白夜はある二人を見ると、驚愕の表情を浮かべる。

 すると、白夜が見ていた二人が口を開く。

 

???「久しぶりだな、白夜。」

???「元気そうで良かったですよ。」

白夜「お前……………炎魔に先生か!?」

一同「………………誰?」

 

 そいつがそう口にすると、白夜はそう叫ぶ。

 それを聞いた俺たちは、首をかしげる。

 すると、白夜が口を開く。

 

白夜「……………ああ。こいつは紅炎魔(くれないえんま)。そして、こっちは大空隼(おおぞらはやて)。俺の親友とここに来てから会った先生だ。」

炎魔「白夜が世話になってるみたいだな。俺は紅炎魔。仮面ライダータウラスだ。よろしく頼むぜ。」

隼「僕は大空隼。仮面ライダーファルコさ。よろしく頼むよ。」

 

 白夜がそう言うと、その二人はそう名乗る。

 白夜曰く、炎魔は白夜の親友で、キックボクサーを目指していたらしい。

 隼は、白夜がこの世界に来て、白夜に色々と指導をした人物との事だ。

 

めぐみん「……………なるほど。それで、あとの2人は誰なんですか?」

炎魔「ああ、そうだったな。あとの2人は、女性の方が井沢彩花(いざわあやか)で、男の方が黒妖龍牙(こくようりゅうが)だ。」

彩花「初めまして。私は井沢彩花。仮面ライダーレッサーです。」

龍牙「俺は黒妖龍牙。仮面ライダードラコだ。」

 

 めぐみんがそう聞くと、炎魔はそう紹介して、その2人もそう名乗る。

 彩花という人は、黒髪ロングで、龍牙は多少チンピラっぽい見た目だった。

 すると。

 

???「彼らは、ラフレシアフォートレスジャマトやシャドウライダー達の襲撃の際、力を貸してくれた仮面ライダー達さ。」

湊翔「ところで、アンタの名前は何なんだ?」

トウカ「確かに、聞いてなかったわね。」

拓巳「確かに、名乗っていなかったな。俺は黒石拓巳。デザイアグランプリのサブゲームマスターという役職に就いている。」

 

 サブゲームマスターがそう言う中、俺とトウカがそう言うと、サブゲームマスターはそう名乗る。

 拓巳は仮面を取る。

 すると、武劉が口を開く。

 

武劉「……………それで、サブゲームマスター達は、俺たちをデザイア神殿に呼んだのは、どういう要件なんですか?」

拓巳「そうだな。色々と、話したい事があってな。」

朱翼「話したい事……………ですか?」

 

 武劉がそう聞くと、拓巳はそう答えて、俺たちは気を引き締める。

 すると。

 

アクア「ねぇ〜。早く帰らせてよ!私は早くゼル帝を孵化させないといけないの!」

カズマ「アクア!お前、ちょっと黙ってろ!」

 

 アクアはそんな風に駄々を捏ねるが、カズマがそう叫ぶ。

 同感だよ。

 そんな中、拓巳は咳払いをして、口を開く。

 

拓巳「…………まず、君たちには更に強くなってもらう必要がある。」

ダクネス「強く……………だと?」

湊翔「どういう事だ?」

拓巳「今回の一件で、感じたのではないのかな?馬場武達やジャマトが強くなっているというのを。」

白夜「まあ……………確かに。」

 

 拓巳がそう言うのに対して、ダクネスと俺がそう聞くと、拓巳はそう言う。

 確かに、馬場武も強かったし、ジャマトもどんどん強くなっている。

 このままでは、いずれ対応し切れなくなる恐れがある。

 

拓巳「という訳で、今後、彼らが戦闘訓練に付き合ってくれるそうだ。」

白夜「えっ!?炎魔に先生が!?」

炎魔「おう。これからビシバシ鍛えてやるからな。」

隼「ああ。」

湊翔「それは心強いな。よろしく頼む。」

 

 拓巳はそう言うと、炎魔と隼がそう言う。

 確かに、あの4人は戦い慣れているから、心強いな。

 すると、龍が口を開く。

 

龍「そういえば、カズマに白夜。俺からのプレゼントは届いたかな?」

カズマ「えっ?」

白夜「……………まさか、このレイズバックルは、お前が作ったのか?」

龍「その通りだ。」

アフロディテ「ええ。2人のレイズバックルは、龍が作ったんです。」

 

 龍がそう言うと、カズマと白夜は、新たに手に入れたレイズバックルを取り出す。

 マジか。

 まさか、龍がカズマと白夜の新たなレイズバックルを作っていたとは。

 それには、俺たちも驚いた。

 すると、ツムリが口を開く。

 

ツムリ「では、次はこちらに案内します。」

 

 ツムリはそう言うと、俺たちを別の場所に案内した。

 そこは、モニターがたくさん並んでいる様な場所だった。

 

めぐみん「おお〜……………!何ですかここは!?」

白夜「モニターがたくさんあるな。」

拓巳「ここは、レジェンドルーム。君たちが持つレジェンドライダーのレイズバックルのデータを見る事が出来る部屋だ。」

湊翔「レジェンドライダーの?」

拓巳「ああ。」

 

 めぐみんが目を輝かせる中、拓巳はそう言う。

 すると、拓巳はレジェンドライダーのレイズバックルを取り出す。

 しかも、俺たちが持っていない物を。

 

拓巳「例えば、このアークルのレイズバックル。これをここに装填すると……………。」

 

 拓巳はそう言いながら、アークルのレイズバックルを装填する。

 すると、クウガのデータが周囲に出てくる。

 

朱翼「これは…………!?」

ダクネス「仮面ライダー……………!?」

拓巳「そう。こんな風に、装填したレイズバックルの仮面ライダーの歴史を見る事が出来る。それがこの部屋の特徴だ。」

武劉「なるほどな。」

 

 それを見て、朱翼とダクネスが驚く中、拓巳はそう説明する。

 本当に凄いな。

 すると、ツムリが拓巳に耳打ちをして、拓巳が口を開く。

 

拓巳「そうだ。湊翔、カズマ、めぐみん、ダクネス、白夜。君たちに会いたいという人がいるんだ。」

めぐみん「私たちに…………ですか?」

拓巳「ああ。それとアクア。君にもだ。」

アクア「私も?」

 

 そう言われて、俺たちは顔を見合わせて、首を傾げる。

 俺達は、その会いたい人というのがいる部屋に向かう。

 中に入ると、そこにはソファーとカメラがあった。

 周囲を見渡すと。

 

???「どうも。」

湊翔「っ!?」

 

 急に声が聞こえてきて、俺は驚きながらも、その声がした方を見る。

 そこには、1人の青年が座っていた。

 

???「呼び出してすまなかったね、湊翔君。直接会えるなんて、感動だよ!あのラフレシアフォートレスジャマトをたった1人で倒したその実力!君は俺を飽きさせない!」

湊翔「……………随分と馴れ馴れしいけど、どちら様ですか?」

ジーン「ああ……………ごめん。1人で盛り上がっちゃって。俺はジーン。君のサポーターだ。」

 

 その人は、黒髪に青と白のメッシュが入った容姿だった。

 それより、サポーター?

 この人が?

 すると、ジーンは立ち上がる。

 

ジーン「この間送ったジェットバックルは気に入ってくれたかな?」

湊翔「えっ?これ、君が送ってくれたのか?」

ジーン「ああ。」

 

 ジーンはそう言うと、俺はコマンドツインバックルを取り出す。

 このバックルは、この人が送ったのか。

 ジーンが手を出す中、流石に握手をしないと失礼かと思い、俺はジーンと握手をする。

 すると、ジーンは俺を引き寄せる。

 

ジーン「君には期待しているよ。これからの活躍、生き様をね。」

湊翔「……………そうかい。」

 

 ジーンはそんな風に言う中、俺はそんな風に答える。

 この人、何者だ?

 一方、カズマはというと。

 

カズマ「それで、何の用だよ、ケケラ。」

ケケラ「いやね、アタシからのプレゼントはちゃんと届いたのかなって。」

カズマ「プレゼント?これか?これは龍が作った物じゃないのか?」

 

 カズマはケケラと会っており、ケケラがそう言うと、カズマはアバターレイズバックルを取り出しながらそう言う。

 

ケケラ「まあ、神宮龍が作ったのは合ってる。でも、それを作る様に頼んだのは、このアタシなのよ。」

カズマ「ケケラが?」

ケケラ「ええ。」

 

 ケケラはそう言うと、カズマはレイズバックルを見る。

 そんな中、カズマはケケラに聞く。

 

カズマ「……………そういえば、何でお前は俺のサポーターになったんだ?ミツルギとか、強い冒険者は他にもいるだろ。」

ケケラ「ああ……………それね。強いて言えば二つね。」

カズマ「二つ?」

ケケラ「ええ。一つは、小型レイズバックルと知恵を使って、ミツルギやクレアとかいった格上の冒険者を倒した事。もう一つは、アクアに関することね。」

カズマ「アクア?」

 

 カズマはケケラにそう聞くと、ケケラはそんな風に答える。

 

ケケラ「ええ。アクアは、神の間でもなかなかの問題児なのよ。」

カズマ「………………確かに。」

ケケラ「そんな中、そんなアクアを連れて行って、アクアの面倒を文句をいいながら見捨てずに面倒を見て助けるカズマの心良さに惹かれたからよ。」

カズマ「そ、そうか……………。」

 

 ケケラはそんな風に答える。

 カズマは、照れくさそうにする。

 一方、めぐみんは。

 

めぐみん「ここは……………?」

???「やあ、めぐみん。」

めぐみん「っ!?」

 

 めぐみんも、部屋にやってきた。

 すると、声をかけられて、振り返る。

 そこには、1人の人物が居た。

 

めぐみん「あなたは……………?」

キューン「私はキューン。あなたのサポーターです。」

めぐみん「サポーター…………?」

 

 その人物は、ロングコートを着た女性で、髪には黄色のメッシュが入っていた。

 

めぐみん「サポーターというのは、何なんですか?」

キューン「簡単に言えば、あなたを支援する人って事です。」

めぐみん「ほう……………それで、私を支援する理由は何ですか?」

 

 めぐみんはそう聞くと、キューンはそう答える。

 めぐみんはそう聞くと、キューンは理由を答える。

 

キューン「それは、あなたの爆裂魔法に対するこだわりと詠唱を気に入ったからよ。」

めぐみん「ほう!分かっているではないですか!であれば、共に爆裂道を行こうではありませんか!」

 

 キューンはそう言うと、めぐみんはそう言う。

 一方、ダクネスは。

 

ダクネス「ここは一体……………?」

???「来たか。」

ダクネス「っ!?」

 

 ダクネスも、俺たちが入った様な部屋に入ると、声をかけられる。

 ダクネスは驚いて振り返ると、1人の人がいた。

 

ダクネス「お前は……………?」

アーン「私はアーン。お前のサポーターだ。」

 

 ダクネスの目の前に居たのは、黒髪の長髪の女性だった。

 

ダクネス「そ、そうか……………。」

アーン「お前には、渡しておきたい物があってな。」

 

 ダクネスが戸惑う中、アーンはある物を取り出す。

 それは、ミッションボックスだった。

 だが、通常のミッションボックスとは異なり、紫と黒で、!マークや?マークがあった所は、バッファのライダーズクレストになっていた。

 

ダクネス「これは……………?」

アーン「開けてみなさい。」

 

 ダクネスが首を傾げる中、アーンに促され、ボックスを開ける。

 その中には、ゾンビレイズバックルが入っていた。

 

ダクネス「ゾンビバックル……………。」

アーン「アンタ、牛島闘轟に奪われたんでしょ?それを使いなさい。」

ダクネス「あ、ああ……………何故、私にここまでの事を……………?」

 

 ダクネスはアーンからゾンビレイズバックルを受け取る。

 ダクネスはそう聞くと、アーンは答える。

 

アーン「それは……………痛みに耐え、寧ろ快楽を感じる所、例え自分が不幸になろうと、民の為に体を張れるそんな所を気に入ったからよ。」

ダクネス「そ、そうか……………。」

 

 アーンはそう言うと、ダクネスは照れ臭そうにする。

 一方、白夜は。

 

白夜「ここは………………?」

???「よお、待ってたぜ。」

白夜「あん?」

 

 白夜も到着して、周囲を見渡す中、そんな声が聞こえてくる。

 白夜が振り返ると、1人の男がいた。

 

白夜「お前は?」

クロス「ああ、俺はクロス。お前のサポーターだ。俺が送ったのは届いたか?」

白夜「これか?お前が作る様に頼んだのか?」

クロス「おう、あの神宮龍って奴にな。」

白夜「……………それで、俺をサポートする理由は何なんだ?」

 

 白夜はそう聞くと、その男性はそう答える。

 白夜のモノクロクラスターレイズバックルは、クロスが作る様に頼んだのだ。

 白夜はそう聞くと、クロスは答える。

 

クロス「そうだな……………。俺はお前そのものに惹かれたんだよ。」

白夜「ん?」

クロス「お前の格闘センスと強さに弛まぬ努力とその闘争心が気に入ったからだな。それが俺がお前のサポーターになった理由だ。」

白夜「そうか。」

 

 クロスはそんな風に答える。

 白夜はそう言う。

 一方、アクアは。

 

アクア「ねぇ〜。早くして〜!ゼル帝の孵化に戻らないといけないの!」

???「待たせたね。」

 

 アクアはそう駄々を捏ねる中、そんな声が聞こえてくる。

 アクアが振り返ると、そこにはニラムの姿があった。

 

アクア「あぁ〜!アンタ、あの王城に居た!」

ニラム「お久しぶりです。私も、こう見えてデザイアグランプリの関係者なので。」

 

 アクアがそう叫ぶ中、ニラムはそう言う。

 すると、アクアはニラムに向かって叫ぶ。

 

アクア「なら、丁度いいわね!アンタ、この私を天界に連れ帰って!ほら、早く!」

ニラム「それは出来ません。」

アクア「何でよ〜!はぁぁ〜使えないわね。なら、私はさっさと帰らせて貰うわね。早くゼル帝を孵化させて、ドラゴンの王様として育てなきゃいけないの。」

ニラム「……………そうですか。ですが、色々とあなたには問題行動が多いと聞いていますが。」

 

 アクアはそう叫ぶと、ニラムはそう返答する。

 アクアはそんな風に言うと、ニラムは青筋を浮かべながらそんな風に言う。

 

アクア「ハアッ!?誰よそんな事を吹聴してるのは!謝って!ほら謝って!!」

ニラム「………………随分と偉そうに言うじゃないか。」

アクア「えっ!?」

 

 アクアはそんな風に舐めた口調を取る。

 すると、ニラムの声の感じが変わると、姿も変わっていく。

 それを見ると、アクアは顔を青ざめる。

 

アクア「ぜ、ゼウス様……………!?」

ゼウス「そうだ。このゼウスに対して、随分と偉そうな事を言える様になったのだな。」

アクア「いや、それはその……………。」

ゼウス「……………反省の様子がない様だな。あの佐藤和真の特典として、お前を連れて行くのを許可したのは、自堕落なお前を矯正する為だったのだが……………。」

 

 アクアが顔を青ざめる中、ゼウスは頭を抱えながらそう言う。

 アクアが体を震わす中、ゼウスはというと。

 

ゼウス「……………何度言えば分かるのだぁぁぁぁぁぁ!!」

アクア「ごめんなさぁぁぁぁい!!」

 

 ゼウスは怒りながら雷を落とし、アクアはそんな風に謝る。

 俺たちがサポーターに会う中、アクアはゼウスに折檻されていた。

 一方、かつて滅亡したある国では。

 

???「鹿夫……………。」

 

 ある女性の幽霊が、ある男性が入った棺を見ながらそう呟く中、入ってくる人がいた。

 

???「お邪魔しますよ。」

???「っ!?誰ですか、あなた達は!?」

ロキ「私はロキだ。そこの男は私たちのゲームに必要なので、連れて行かせて貰うよ。」

???「鹿夫に手出しはさせない!」

ロキ「おっと。」

 

 中に入ってきたのは、ロキとコラスの2人だった。

 その女性の幽霊は、ロキに向かおうとするが、ロキは何かを取り出すと、女性の幽霊に向かって投げる。

 すると、それに女性の幽霊が吸い込まれる。

 

???「なっ、何よこれ!?」

コラス「ほう。それは一体?」

ロキ「これか?魔封じの水晶という物でな、アンデッドなどを封印できる代物さ。」

 

 ロキが投げたのは、魔封じの水晶という物だった。

 それにより、女性の幽霊は吸い込まれ、そのまま水晶に閉じ込められる。

 

ロキ「さて、彼を目覚めさせるか。」

コラス「そうしよう。ハラハラドキドキのゲームの為に。」

 

 2人はそう話す。

 2人は、何を企んでいるのか。

 この時の俺たちには、知る由もなかった。




今回はここまでです。
今回はエピローグ的な話なので、短めです。
前回、救援に来てくれた仮面ライダー達に、黒石拓巳が名乗り、湊翔、カズマ、めぐみん、ダクネス、白夜がサポーターと対面する。
そんな中、ロキとコラスが暗躍する。
次回は、オリジナルの話で、次々回から、MOVIEバトルロワイヤルの話に入っていきます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のガッチャードは、エックスレックスが登場しましたね。
そして、ドレッドに変身するラケシスとクロトー。
エックスレックスが見た宝太郎の記憶で、過去にホッパー1と会っていた事が判明。
宝太郎は、何者なのか。
次回のガッチャードでは、クロスウィザードも出てくるみたいですね。
果たして、どうなるのか。
ガッチャードとギーツの冬映画も、公開が近づいてきましたね。
どんな映画なのか、楽しみです。
このファンからも、スライムに囲まれたアクアという画像が来ましたが、転スラとコラボするのか。
転スラのゲーム、まおりゅうでもコラボしましたし、このファンでもコラボが来るのでしょうか。
この小説の今後の展開などでリクエストがあれば、受け付けています。
ちなみに、MOVIEバトルロワイヤルの話が終わったら、椅子取りゲームの話になる予定です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第9章 MOVIEバトルロワイヤル
第75話 ハッカージャマト


 サポーター達と会ってから、しばらくが経過した。

 俺たちは、平和に過ごしていた。

 

湊翔「それにしても、このライダーズネットって、便利だよな。」

カズマ「そうだな。色んな事を調べられるし。」

トウカ「剣術についても色々と調べる事が出来るからね。」

白夜「まあ、それを実践できるかは、別だがな。」

めぐみん「ですね。」

ダクネス「だが、悪くないんじゃないか?」

 

 俺たちはそんな風に話す。

 ライダーズネットというのは、スパイダーフォンに入っているインターネットの様な物だ。

 それを使えば、色々と調べ物を行う事が可能なのだ。

 俺も、色々と重宝している。

 ちなみに、この場に居るのは、俺、トウカ、白夜、朱翼、カズマ、めぐみん、ダクネス、アクアだった。

 武劉は、用事があると言って、どこかへと行った。

 あれから、炎魔を始めとする仮面ライダー達とは、特訓をする様な日々を送っている。

 ジャマトも倒しつつ、だが。

 すると、スパイダーフォンの様子がおかしくなる。

 

湊翔「あれ?なんか、様子が変だな。」

トウカ「えっ?」

カズマ「あっ、本当だ。」

白夜「なんだ?」

 

 俺たちはそう話す。

 そう、スパイダーフォンで色々と調べたりしていたのだが、いきなり画面がフリーズしたのだ。

 俺たちが戸惑う中、あるメッセージが送信される。

 そのメッセージは。

 

『やあ、仮面ライダー諸君。この度は、ラフレシアフォートレスジャマトを倒してくれた物だな。そのお礼として、君たちのスパイダーフォンに入っているライダーズネットの検索履歴を、4時間後に全世界に晒す。』

 

 そんな風に書いてあったのだ。

 しかも、ジャマトの言葉で、下に日本語訳が書かれていた。

 それを見た俺たちは。

 

湊翔「……………えっ!?どういう事!?」

カズマ「おい、ライダーズネットの検索履歴を晒すってどういう事だよ!?」

めぐみん「な、何ですと!?」

トウカ「と、とにかく!デザイア神殿にお呼び出しが掛かってるぞ!」

白夜「そうだな!早く行くぞ!」

 

 それを見た俺たちは、すぐにデザイア神殿へと向かう。

 到着すると、ツムリが居た。

 

ツムリ「みなさん、お待ちしておりました。」

朱翼「ツムリさん、さっきのあれはどういう意味ですか!?」

めぐみん「検索履歴が暴露されるというのは、どういう事ですか!?」

 

 ツムリがそう言う中、朱翼とめぐみんはそう叫ぶ。

 気持ちは分かる。

 検索履歴なんて、プライバシーの塊だしな。

 知られたくないだろう。

 すると、ギロリさんが現れる。

 

ギロリ「訳は説明します。ジャマト側が、ライダーズネット……………ひいてはスパイダーフォンにハッキングをしようとしている。」

白夜「マジかよ。」

めぐみん「ハッキングとはどういう意味なんですか?」

湊翔「簡単に言えば、乗っ取ろうとしてるって事。」

 

 ギロリさんがそう言うと、白夜はそんな風に言い、めぐみんはそう言うので、俺はそう補足する。

 カズマはギロリさん達に聞く。

 

カズマ「それで、そのハッキングをしているジャマトは、どこに居るんだよ?」

ギロリ「それに関しては、現在捜索中だ。もうしばらく待って欲しい。」

湊翔「分かった。」

 

 カズマがそう聞くと、ギロリさんはそう答えて、俺はそう言う。

 俺たちは、デザグラ側がそのジャマトを見つけるのを待つ事にした。

 ギロリさんとツムリは、別の部屋へと向かう。

 

ギロリ「黒石拓巳君。状況はどうなっている?」

拓巳「ギロリか。今、スパイダーフォンを一つ使って、逆探知を行っている所だ。」

ギロリ「分かった。」

 

 ギロリさんがそう聞くと、拓巳はそんなふうに答える。

 俺たちものちに知るのだが、拓巳は前世では誰もが知るホワイトハッカーだったそうで、それで培った技術をフル動員して、ハッキングを行っているジャマトを捜索していた。

 すると、ツムリが口を開く。

 

ツムリ「……………それにしても、何故、彼らはこの様なことをしてくるのでしょうか?」

ギロリ「分からないが、警戒するに越した事は無いだろう。」

拓巳「そうだな。俺ももうちょい頑張ってみるさ。」

 

 ツムリの疑問に、ギロリさんと拓巳の2人はそんな風に答える。

 拓巳は、引き続き捜索を行う。

 一方、馬場武達はというと。

 

武「おい、何してんだ?」

樹「ロキに頼まれてね。用事があるから、それを終えるまで時間稼ぎをして欲しいとさ。」

闘轟「時間稼ぎだと?」

要「道理で、ロキの姿が見えない訳だ。」

 

 馬場武がそう話しかけると、樹はそんな風に答える。

 どうやら、ジャマトを出したのは、石井樹の様だ。

 そんな中、要がそう言うと、残りの2人も口を開く。

 

遥「それで、そのロキの用事って何なのよ。」

光太郎「さぁな。」

樹「僕も詳しくは聞いていないさ。ただ、しばらくは待機しててくれとの事だ。」

武「何?」

闘轟「どういう意味だ。」

樹「僕も詳しくは知らないさ。」

 

 遥と光太郎、武と闘轟の問いに、樹はそんな風に答える。

 一方、当のロキはというと。

 

???「……………何だ?」

ロキ「やあ、角淵鹿夫(つのぶちししお)君。」

鹿夫「っ!?」

 

 ロキとコラスは、棺で眠っていた男を起こし、そう話しかける。

 男……………角淵鹿夫は、ロキとコラスを見て、警戒心を見せる。

 

コラス「そんなに警戒しないでくれ。」

鹿夫「いきなり現れて、いきなり起こされたら、警戒するに決まっているだろう。何者だ。」

ロキ「私はロキ。所謂、神だ。」

鹿夫「そんな奴が、一体なんの用だ。放っておいてくれ。」

 

 コラスがそう言うと、鹿夫はそう言い、ロキがそう言うと、鹿夫は突き放す。

 だが。

 

ロキ「君の大切な人が蘇ると聞いても、まだそう言えるのか?」

鹿夫「っ!?……………どういう意味だ。」

コラス「言葉通りさ。私が開催するデザイアロワイヤルで勝ち抜き、デザ神となれば、理想の世界を叶えられるのだからな!」

 

 ロキがそう言うと、鹿夫が反応して、コラスはそんな風に言う。

 それを聞いた鹿夫は、少し考える素振りを見せると。

 

鹿夫「……………一応、話だけは聞いてやる。聞かせろ。」

ロキ「ああ。」

 

 鹿夫はそんな風に言うと、ロキはニヤリと笑いながらそう言う。

 その頃、俺たちは。

 

ギロリ「みなさん。ジャマトの潜伏先を特定しました。」

湊翔「本当か!?」

カズマ「早く教えてくれ!」

ツムリ「この座標です。」

 

 ギロリさんがそう言うのに対して、俺とカズマはそう反応する。

 ツムリがその座標を見せる。

 どうやら、そこに犯人のジャマトが居るようだ。

 

めぐみん「早く行きましょう!」

トウカ「そうね!」

ツムリ「では、その座標に転送します。他にも仮面ライダーも居るので、その人とも協力して下さいね。」

 

 めぐみんとトウカがそう言う中、ツムリはそう言って、俺たちを転送する。

 しばらくすると、どこかへと転送された様な感じがして、目の前には洞窟があった。

 

白夜「洞窟か?」

湊翔「みたいだな。」

???「めぐみん!?湊翔さん!?」

湊翔「ん?」

 

 俺と白夜がそう言うと、そんな声が聞こえてくる。

 俺たちは、その声のした方を向くと、そこにはゆんゆんと魔黒浬鳥の姿があった。

 

湊翔「ゆんゆん!魔黒浬鳥!」

めぐみん「2人もですか!?」

ゆんゆん「そ、そうなの!」

浬鳥「プライバシーを晒されるのは、避けたいですからね。」

白夜「それじゃあ、早速変身して突入するぞ!」

 

 2人がいるのは、頼もしいな。

 俺たちはデザイアドライバーを装着して、レイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が、ゆんゆんの横には、透明なステルス機と英語でSTEALTHの文字が、浬鳥の隣には、大きな鎌の絵と英語でGRIM REAPERの文字が浮かぶ。

 俺たちは叫ぶ。

 

一同「変身!」

 

 俺たちはそう叫ぶと、レイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

FLUTE

STEALTH

GRIM REAPER

REDAY FIGHT

 

 俺たちは、それぞれの仮面ライダーへと変身して、その洞窟の中へと突入していく。

 洞窟の中には、ジャマトやジャマトライダーなどが居た。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!」

 

 俺は、マグナムシューターやアーマードガンの銃撃、格闘戦などでジャマトやジャマトライダーと戦っていく。

 

カズマ「ハアッ!おらっ!」

 

 カズマは、ニンジャフォームの素早さを活かしたり、忍術などでジャマトを倒し、ジャマトライダーにダメージを与えていく。

 

トウカ「ハアッ!でやっ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーを振るい、ジャマトを倒し、ジャマトライダーにダメージを与える。

 

白夜「はあっ!おらっ!」

 

 白夜は素早く動いて、ジャマトを攻撃して倒していく。

 

朱翼「はっ!でやっ!」

 

 朱翼は、フルートソードを振るい、ジャマトを倒していく。

 

めぐみん「ハアッ!」

 

 めぐみんは、ビートアックスのエレメント攻撃をしたりして、ジャマトを倒していく。

 

ダクネス「はあっ!ふっ!」

 

 ダクネスは、ゾンビブレイカーでジャマトに攻撃を叩き込んでいく。

 

ゆんゆん「はあっ!ふっ!」

 

 ゆんゆんは、魔法やステルス戦闘機の能力を使って、ジャマトやジャマトライダーを倒していく。

 

浬鳥「ハアッ!はっ!」

 

 浬鳥は、狭い洞窟内であるのにも関わらず、器用に鎌を使って、ジャマトやジャマトライダーを倒していく。

 俺たちは、ジャマトやジャマトライダーを倒しながら進んでいくと、どこからか、モニターが現れる。

 

???『やあ、仮面ライダーの諸君。まさか、ここを嗅ぎつけるとはね。』

湊翔「お前が犯人のジャマトか!」

ジャマト『いかにも。』

めぐみん「普通に喋ってますよ!?」

白夜「それほど学習したって事だろうな。ジャマトも。」

 

 そのモニターに、キノコの頭の様なジャマトが現れるとそう言う。

 普通に流暢に喋っている事から、それほど、人間というのを学習したという事になるのだろう。

 すると、そのジャマトは口を開く。

 

ジャマト『だけど、来るには早すぎるから、この場にいる人たちの検索履歴を暴露してあげよう!』

湊翔「はあっ!?」

カズマ「おいやめろ!」

 

 そのジャマトはそんな風に言い出し、俺たちは慌てる。

 やばいって!

 それだけはやめろ!

 だが、ジャマトは無慈悲に暴露を開始した。

 

ジャマト『それじゃあ……………まずは桐ヶ谷湊翔からだな。ここ最近の検索履歴は…………『年頃の女の子と仲良くなる方法』に、『銃 かっこいい撃ち方』だな。」

湊翔「ちょっ!?」

カズマ「えっ!?お前、気になる女の子でも居るのかよ!?」

白夜「マジか。」

湊翔「や……………やめろぉぉぉぉっ!!」

 

 ジャマトは俺の検索履歴を暴露してくる。

 それを聞いて、カズマと白夜がそう言う中、俺は頭を抱える。

 こんな事、トウカに知られたくなかったのに!

 ジャマトの暴露は、まだまだ続く。

 

ジャマト『どんどん行くぞ!虎雷白夜は、『かっこいい筋肉』に、『女の子 マッチョな男は嫌いか』で、ダクネスは『緊縛プレイ きつい 興奮する』、『女の子らしくなる方法』、『体重 ダイエット』、『ムキムキの女はモテないのか』だな。」

白夜「おいやめろぉぉぉっ!!」

ダクネス「こ、こんなのは、私の望んでいる羞恥では無い!!」

めぐみん「………………ダクネス、気にしてたんですね。」

 

 ジャマトがそんな風に暴露すると、白夜とダクネスはそんな風に絶叫し、めぐみんはそんな風に呟く。

 

ジャマト『次は……………めぐみんで、『爆発 爆裂 画像』、『かっこいい台詞』、『おとなしい子と仲良くなる方法』、『発育 よくなる方法』で、トウカが『男の子に振り向いてもらう方法』、『男の子が好きな女性のタイプ』だな。』

めぐみん「ななな……………!?こ、こんなのは嘘です!まやかしです!」

ダクネス「トウカ、気になる人が居るのか?」

トウカ「ダクネス、やめてぇぇぇぇ!!」

 

 ジャマトはめぐみんとトウカの検索履歴を暴露して、めぐみんとトウカはそんな風に反応する。

 トウカも、気になる人がいるのか?

 そう思う中、ジャマトの暴露は更に続いていく。

 

ジャマト『次は……………佐藤和真で、『ムラムラ 上手く発散する方法』、『モテる秘訣』、『かっこいい台詞 モテる』、『美味い酒』、『おつまみ 安い店』で、白鳥朱翼は『胸 大きくなって困る どうすればいいか』だな。』

カズマ「おぉぉい、やめろ!プライバシーの侵害だぞ!!っていうか、後の二つは知らねぇぞ!!アクアか!!」

朱翼「それを晒すのはやめて!!」

めぐみん「きっ!」

 

 ジャマトがそう言うと、カズマと朱翼はそう叫び、めぐみんは朱翼に恨みがましい視線を向けていた。

 ていうかアクアの奴、勝手にカズマのスパイダーフォンを使ってたのか。

 

ジャマト『最後は……………ゆんゆんで、『親友のなり方』、『男の子 どうすれば仲良くなれるか』で、魔黒浬鳥は『女性 おばさんと言われない方法』、『若さを保つ方法』だ!』

ゆんゆん「ちょっと、やめてよ!!湊翔さんとかも居るのに!!」

浬鳥「おっと………………?」

 

 ジャマトがそう言うと、ゆんゆんはそう叫び、浬鳥は目元に影が出る。

 そんな中、ジャマトは口を開く。

 

ジャマト『皆、色んな事を調べてるんだねぇ。これが全世界に晒されるのは、後少しさ!じゃあな!』

 

 そう言うと、通信は切れる。

 そんな中、俺たちはというと。

 

湊翔「……………皆、分かってるよな?」

カズマ「……………ああ。」

白夜「おう。」

トウカ「そうね。」

めぐみん「目に物見せてやりましょう…………!」

朱翼「そうね。」

ダクネス「そうだな。」

ゆんゆん「ですね。」

浬鳥「ええ。」

 

 俺たちはそう言って、奥へと進んでいく。

 この時、皆の考える事は一つだった。

 一方、その頃のジャマトは。

 

ジャマト「ふぅ〜……………。アイツらは羞恥心などでそう簡単には動けないだろう。」

 

 そんな風に余裕ぶっこいていた。

 すると、扉が吹っ飛ぶ。

 

ジャマト「な、何だ!?」

 

 ジャマトが驚いて扉のあった方を向くと、そこには、憤怒のオーラを纏った俺たちが居た。

 

ジャマト「ええっ!?」

湊翔「よお、ジャマト。随分と楽しそうだな。」

白夜「本当によ。人のプライバシーを暴露して、そんなに楽しいか?」

カズマ「お前、そんな事をしたんだ。命、賭けろよ?」

トウカ「そうね。少なくとも、無事では済まないからね。」

めぐみん「覚悟は出来てますか?」

ダクネス「貴様、よくもやってくれたな!貴様をぶっ殺してやる!!」

ゆんゆん「覚悟は良いですかね?」

浬鳥「そうね。」

 

 ジャマトが驚く中、俺たちはそんな風に言う。

 プライバシーを暴露した報いを受けてもらおう。

 そのジャマトの周囲には、他のジャマトやジャマトライダーが現れる。

 俺たちは、応戦していく。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!」

 

 俺は、マグナムシューターやアーマードガンの銃撃、格闘戦などでジャマトやジャマトライダーと戦っていく。

 

カズマ「ハアッ!おらっ!」

 

 カズマは、ニンジャフォームの素早さを活かしたり、忍術などでジャマトを倒し、ジャマトライダーにダメージを与えていく。

 

トウカ「ハアッ!でやっ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーを振るい、ジャマトを倒し、ジャマトライダーにダメージを与える。

 

白夜「はあっ!おらっ!」

 

 白夜は素早く動いて、ジャマトを攻撃して倒していく。

 

朱翼「はっ!でやっ!」

 

 朱翼は、フルートソードを振るい、ジャマトを倒していく。

 

めぐみん「ハアッ!」

 

 めぐみんは、ビートアックスのエレメント攻撃をしたりして、ジャマトを倒していく。

 

ダクネス「はあっ!ふっ!」

 

 ダクネスは、ゾンビブレイカーでジャマトに攻撃を叩き込んでいく。

 

ゆんゆん「はあっ!ふっ!」

 

 ゆんゆんは、魔法やステルス戦闘機の能力を使って、ジャマトやジャマトライダーを倒していく。

 

浬鳥「ハアッ!はっ!」

 

 浬鳥は、鎌を使って倒していく。

 俺たちの猛攻により、ジャマトやジャマトライダーは倒され、リーダー格のジャマトだけになった。

 

湊翔「あとはお前だけだ。」

白夜「覚悟しろ。」

ジャマト「な、何っ!?」

 

 俺たちは、そのジャマトを追い詰め、レイズバックルを操作する。

 

MAGNUM STRIKE

CALIBER STRIKE

LIGHTNING STRIKE

FLUTE STRIKE

NINJA STRIKE

BEAT STRIKE

ZOMBIE STRIKE

STEALTH STRIKE

GRIM REAPER STRIKE

 

一同「ハァァァァァ!」

ジャマト「ジャ〜っ!?」

 

 俺たちの怒りがこもった攻撃が、そのジャマトに命中して、ジャマトは爆散する。

 そのジャマトを倒した俺たちは、ただ黙っていた。

 お互いがお互いの検索履歴を見られたのだから。

 そして、俺たちはアイコンタクトをする。

 今回の一件、検索履歴は聞かなかった事にすると。

 そうして、俺たちは洞窟を後にする。

 ちなみに、アクアが勝手にカズマのスパイダーフォンを使った事が発覚した為。

 

カズマ「アクア!お前、勝手に人のスパイダーフォンを使うんじゃねぇぇぇ!!」

アクア「わぁぁぁぁん!許して!カジュマさぁぁぁぁぁぁん!!」

 

 アクアはカズマに折檻されていた。

 その後、俺はジーンに呼ばれて、ジーンが居る部屋へと向かう。

 

ジーン「それにしても、災難だったね。君の検索履歴が仲間に暴露されて。」

湊翔「本当だよ。」

 

 ジーンはお茶を出しながらそう言うと、俺はそう答えて、お茶を飲む。

 すると、ジーンは真面目な表情で口を開く。

 

ジーン「…………それで、君はどうなんだい?」

湊翔「ん?何がだ?」

ジーン「君としては、トウカをどんな風に思っているのかを知りたくて。」

湊翔「いきなり何なんだ?」

 

 ジーンはそんな風に言う。

 俺は訝しむが、ジーンは真面目な表情をしており、俺は答えた。

 

湊翔「……………俺にとって、トウカは大切な仲間。でも、ここ最近、俺の中でトウカの存在が大きくなっている………………そんな気がする。」

ジーン「ふ〜ん……………そっか。」

 

 俺はそんな風に答える。

 ここ最近、トウカの存在が、俺の中で大きくなっている気がするのだ。

 そう思いつつ、俺は疑問に思っていた事を聞く。

 

湊翔「……………それで、君たちサポーターって、一体何者なんだ?」

ジーン「それは、今は言えない。ただ言っておくと、色んな場所を旅する観光客。今はそれだけは言える。」

湊翔「ふ〜ん……………まあ、今はそんな風にしておくよ。」

 

 俺はそんな風に聞くと、ジーンはそんな風に答える。

 まあ、大体の予想は立っているのだが。

 すると、二つのミッションボックスが現れる。

 

湊翔「……………これは?」

ジーン「ああ。君にプレゼントをしようかなと思ってね。受けってくれ。」

湊翔「プレゼント?」

 

 俺がそう聞くと、ジーンはそう言って、視線で開ける様に促す。

 それを見て、俺はその二つを開ける。

 その中には、ビートとモンスターのレイズバックルが入っていた。

 

湊翔「ビートとモンスター……………。良いのか?」

ジーン「ああ。ぜひ、受け取ってくれ。」

湊翔「なら、遠慮なく。」

 

 俺は、ジーンからビートとモンスターの二つを受け取る。

 一方、鹿夫は、ロキとコラスから、話を聞いていた。

 

鹿夫「……………つまり、そのデザイアロワイヤルとやらを勝ち抜き、デザ神とやらになれば、理想の世界を叶えられるという事か?」

コラス「その通りさ!仮面ライダー達を倒し、己の実力を示せばな。」

ロキ「それで、どうする?」

 

 鹿夫は、ロキとコラスから、話を聞き、そう問う。

 コラスはそう答え、ロキはそう聞く。

 

鹿夫「……………お前達を信用したわけじゃない。だが、それで愛する人が蘇るのなら、参加しよう。」

ロキ「それで結構。変身アイテムに関しては、こちらで用意しよう。」

コラス「……………なら、こちらも動くとしよう。これは借りるぞ。」

ロキ「好きにしろ。」

 

 鹿夫はデザイアロワイヤルというのに参加するのを表明する。

 ロキがそう言う中、コラスはどこかへと向かう。

 その手には、ヴィジョンドライバーが握られていた。

 コラスが移動する中、ロキは。

 

ロキ(ふふふ…………素晴らしい。全てが計画通りだ。いよいよ、私の計画が本格的に動き出す。)

 

 そんな風にほくそ笑んでいた。

 ロキは、何を企んでいるのか。

 この時の俺達は、知る由が無かった。

 そして、別の世界の仮面ライダー達が、その陰謀に巻き込まれようとしていたのも。




今回はここまでです。
今回は、MOVIEバトルロワイヤルの前日譚と言える話です。
原作では、英寿がいつの間にか持っていたビートとモンスターは、湊翔がジーンから受け取っていたという設定です。
角淵鹿夫とは、仮面ライダーシーカーの変身者です。
今回のドタバタも、ロキの時間稼ぎです。
次回から、MOVIEバトルロワイヤルの話へと突入していきます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ギーツのVシネマに、いよいよ5日後に迫ったガッチャードとギーツの映画の新情報が来ましたね。
アナザーギーツもとい、ギーツキラーという存在。
果たして、何者なのか。
そして、どの様に倒すのか。
ギーツのVシネマも、プロージョンレイジがどういう物なのかが、大まかに明かされましたね。
ちなみに、ダクネスのバッファは、道長とは違う強化が施され、プロージョンレイジは、牛島闘轟が使う予定です。
今後の展開などでリクエストがある場合は、活動報告にてリクエストを承っております。
ダクネスのバッファの強化形態は、大まかに決まっています。
最強ケミー⭐︎ガッチャ大作戦に相当するエピソードに関しては、映画を見てから判断しようと思います。
そして、このファンで転スラとコラボしたので、このすばとギーツ、転キメのコラボエピソードをやろうかなと考えています。
それの意見も、受け付けています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第76話 動き出す陰謀

 デザイアグランプリ。

 それは、魔王を倒して、世界を救うゲーム。

 それには、仮面ライダー達が挑戦している。

 そんな中、デザイアグランプリの運営であるツムリ、ギロリ、黒石拓巳は、空に現れた裂け目を見ていた。

 

ツムリ「あれは、何でしょうか?」

ギロリ「ジャマトとは関係のないようだが…………。」

拓巳「何にせよ、警戒するに越した事はないな。」

 

 空に現れた裂け目を見て、その3人はそう話す。

 すると。

 

???「懐かしいな。この場所も。」

ツムリ「あなたは……………!?」

 

 背後から声をかけられ、3人が振り返るとそこには、仮面を被った男が居た。

 俺たちは気づかなかったが、世界が変わっていく。

 一方、俺たちは。

 

カズマ「えっ?拓巳達と連絡が取れなくなった?」

湊翔「ああ。相談があって、連絡しようと思ったが、どうにも繋がらなくてな。」

白夜「なるほどな……………。」

トウカ「というより、アクアが見当たらないんだけど。」

めぐみん「それなんですが……………アクアの荷物はそのままなんですが、見つからなくて……………。」

ダクネス「どうなっているんだ?」

朱翼「何かが起こっているのでしょうか……………。」

武劉「さあな。」

 

 俺たちはそう話す。

 そう、拓巳達だけでなく、アクアも所在が分からなくなっているのだ。

 明らかにおかしい。

 アクアも所在不明になるのは、本当に謎だ。

 すると、スパイダーフォンから音が流れる。

 

湊翔「どうやら、デザイアグランプリからのお呼び出しみたいだな。」

カズマ「マジか。」

トウカ「ひとまず、行ってみる?」

白夜「だな。」

 

 俺たちはそう話して、デザイア神殿へと向かう。

 そこには、ダスト、リーン、ゆんゆん、リア、シエロ、エーリカも居た。

 

湊翔「あれ、リア達も居るのか。」

ゆんゆん「湊翔さん!」

リア「湊翔達も来たんだな。」

ダスト「急に呼び出されたんだけどよぉ。」

リーン「というか、デザイア神殿って、こんな感じだったっけ?」

シエロ「さぁ……………?」

エーリカ「何よ急に。」

 

 俺がそう言うと、リア達はそんな風に言う。

 確かに、デザイア神殿の様子が少しおかしい。

 周囲の背景が、サポーターの部屋の物と同じになっていたのだ。

 すると、誰かが来る。

 

めぐみん「あれ?ツムリさん?」

カズマ「姿が違くねぇか?」

ダクネス「確かに……………。」

白夜「違うな。」

朱翼「なんか、ゴスロリみたいな…………。」

武劉「どうなっている?」

ツムリ「ようこそ!みんな〜!」

 

 そう。

 ツムリの服装は、いつもの黒白の服ではなく、小悪魔を思わせるような服装へと変わっていたのだ。

 それを見て、俺は訝しむ。

 そんな中、カズマとツムリが口を開く。

 

カズマ「なんか……………服装が変わったら、キャラも変わってね?」

ダスト「確かに……………。」

ツムリ「これより、悪魔マラソンゲームを始めるね!」

湊翔「悪魔マラソンゲーム?」

 

 カズマとダストがそう言う中、ツムリはそう言う。

 俺が首を傾げると、ツムリは鞄を取り出す。

 というより、悪魔?

 

ツムリ「これから皆には、生まれたての悪魔ちゃんを、ゴール地点にまで運んでもらうわ。」

悪魔「ふふん!この中最高〜!やった〜!」

 

 ツムリがそう言う中、鞄の中の悪魔はそう言う。

 すると、後ろの画面に地図が表示される。

 

ツムリ「距離にして、42.195km。手段は何を使ってもOKよ。」

武劉「約42kmか……………。かなりの長距離だな。」

ダスト「おいおい!徒歩で行けって訳じゃねぇだろうな!?」

リーン「ツムリさんが言ってたでしょ。手段は何を使ってもOKだって。」

 

 ツムリがそう言う中、武劉、ダスト、リーンはそんな風に言う。

 そんな中、俺が考え込む中、トウカが話してくる。

 

トウカ「湊翔?どうした?」

湊翔「いや………………なんか違和感を感じるんだよな……………。」

トウカ「言われてみれば……………。」

 

 俺とトウカはそんな風に話す。

 すると、シエロとエーリカが悪魔の方に寄る。

 

シエロ「それにしても……………悪魔じゃなければ可愛いんですけどね。」

悪魔「ふん!お前らよりは可愛いっての!」

エーリカ「何よ!アタシの方が可愛いに決まってるじゃない!!」

リア「エーリカ……………悪魔と張り合ってどうするんだ……………。」

朱翼「意外と毒舌ですね……………。」

 

 シエロがそう言うと、悪魔はそう吐き捨て、エーリカがムキになる。

 リアと朱翼がそう言う中、俺と武劉は口を開く。

 

湊翔「運ぶのはこいつ一匹だけか?」

武劉「他にも居るのか?」

悪魔「おい!一匹って言うな!悪魔だぞ!」

ツムリ「ええ。今回はチーム戦。ゴールまで悪魔ちゃんを運べた全員が勝ち抜けよ。」

ダクネス「随分と親切だな……………。」

めぐみん「なるほど、普段ならぼっちのゆんゆんには無理ですが、今回はゆんゆんに対する救済措置でしょうかね。」

ゆんゆん「ちょっと!ぼっちじゃないから!」

 

 俺と武劉がそう言うと、悪魔が反論して、ツムリはそう言う。

 ダクネスとめぐみん、ゆんゆんがそう言う中、やはり疑問に感じていた。

 チーム戦というのは、これまでにもあったのだが、違和感を感じる。

 色々と注意点を聞き終えると、俺たちは転送される。

 そこには、たくさんの乗り物があった。

 

湊翔「ここがスタート地点か。」

カズマ「ここに置いてある物を使えって事か。」

めぐみん「色々ありますね。」

トウカ「とはいえ、私たち全員を運ぶとなると、使うのは限られると思うけどね。」

白夜「だな。」

悪魔「なんでも良いから早く行け!」

湊翔「はいはい……………。」

 

 俺たちがそう言う中、悪魔が文句を言ってくる。

 そんな中、俺たちの視線は一つに集まっていた。

 それは、馬車だ。

 それも、一際大きな荷台を付けて、馬も四匹いた。

 あれなら、全員が乗れるな。

 

朱翼「ですね。」

リア「問題は、誰があの馬車の御者の部分に乗るかだが……………。」

ダクネス「なら、私がやろう。シエロ、手伝ってくれ。」

シエロ「分かりました。」

エーリカ「そっか!2人なら大丈夫そうね!」

ゆんゆん「お願いします!」

湊翔「決まりだな。」

 

 朱翼とリアがそう言うと、ダクネスとシエロは、御者の部分に向かう。

 俺たちは、荷台の方へと向かう。

 

ダクネス「行くぞ。」

シエロ「そうですね。行きましょう!」

 

 ダクネスとシエロがそう言うと、馬を動かしていく。

 流石はデザグラが用意した物の様で、なかなかに普通の馬車と比べると速く感じる。

 トラックと同じくらいの速さの様だ。

 俺たちが進み出す中、この世界には存在しない筈の乗り物に乗っている男がいた。

 

???「………………戦いが、始まる。」

 

 その男は、そう呟く。

 この時、俺やカズマといった日本人が見たら、驚いていただろう。

 何故なら、その男は、仮面ライダーナイトの変身者、秋山蓮だったのだから……………。

 俺たちは順調に進んでいた。

 そんな中、俺たちは話をしていた。

 

めぐみん「それにしても、ツムリの様子、変ではなかったですか?」

カズマ「確かに、服装にキャラまで変わってたからな。」

リア「ああ……………それに、あの場所の雰囲気も違ったからな。」

白夜「何が起こっているのか、さっぱり分からねぇな。」

武劉「何にせよ、警戒する必要性はあるな。」

ダスト「そうか?大丈夫じゃねぇの?」

リーン「能天気ね……………。」

トウカ「ひとまず、進みましょう。」

湊翔「ああ。」

 

 俺たちはそう話す。

 そんな中、俺たちの乗っている馬車の上空では。

 

???「ひゃっほ〜う!待ちやがれ!!」

???「あの馬車か……………!」

 

 この世界には存在しない筈のホバーバイクに乗っている人がいた。

 ただの人ではなく、アルティメットリバイだったのだが。

 ホバーバイクも、バイス・プテラゲノムだった。

 アルティメットリバイは、右手に持つレーダーを見ながらそう言う。

 すると。

 

ダクネス「ん?何だ?」

シエロ「ダクネスさん!後ろに何か来てます!」

ダクネス「何?あれは……………。」

 

 ダクネスとシエロはそう話す。

 後ろから迫る存在に気付いた様だ。

 ダクネスとシエロは、ツムリから言われた事を思い出す。

 

ツムリ「途中、悪魔ライダーが妨害してくると思うから、悪魔ちゃんを奪われないようにね。」

悪魔「ちゃんと守れよ!」

 

 ツムリはそう言うと、悪魔はそう言う。

 それを思い出した2人は。

 

ダクネス「あれが悪魔という事か……………。シエロ、皆に伝えてくれ!」

シエロ「はい!皆さん!ツムリさんが言ってた悪魔ライダーが来ています!」

ダスト「早くねぇか!?」

湊翔「早速か。」

 

 ダクネスが馬を操る中、シエロはそう叫び、俺たちは身構える。

 そんな中、アルティメットリバイ達の方は。

 

???「バイス、追うぞ!」

バイス「おうよ!おいお前!待ちやがれ!!」

???「戒斗の悪魔を返せ!!」

バイス「食らえ!」

 

 アルティメットリバイがそう言うと、バイスは銃撃を開始する。

 ダクネスとシエロは、その銃撃に当たらない様に馬を動かしていく。

 俺たちは、もみくちゃにされていた。

 

カズマ「痛っ!?危ねっ!?」

エーリカ「痛いっ!?」

ダスト「痛っ!?何すんだよ!?」

リーン「どさくさに紛れて、女子の胸を揉もうとするからよ!!」

めぐみん「ゆんゆん!クッションになって下さい!」

ゆんゆん「嫌よ!何で私がそんな風にされないといけないの!?」

リア「めぐみんもゆんゆんも喧嘩しないでくれ!」

白夜「攻撃か!?」

朱翼「みたいですね!」

武劉「気をつけろ!」

湊翔「おっと!?」

トウカ「揺れが……………!?」

 

 俺たちは揉みくちゃにされる中、そんな風に叫んだりする。

 ダクネスとシエロは、何とか当たらない様に動いていたが。

 

ダクネス「くっ!?」

シエロ「えっ!?」

 

 ダクネスとシエロは、目の前に銃撃が来たのに驚く。

 銃撃によって、馬を繋いでいた紐が切れてしまい、馬が逃げてしまう。

 その馬車の前に、レックスゲノムのリバイス、ジャンヌ、デモンズが立つ。

 

エーリカ「早速ピンチ!?」

悪魔「目が回る……………。」

???「それをどこに持っていく気だ。出てこい!!」

 

 エーリカと悪魔がそう言う中、馬車の後方には、バットゲノムのライブの姿があった。

 完全に囲まれた状態であった。

 そんな中、カズマが口を開く。

 

カズマ「しょうがねぇな……………ここは俺が引きつけるから、さっさと行け!」

湊翔「なるほど。ニンジャフォームなら、煙幕を出せるな。」

白夜「頼んだぞ!」

 

 カズマがそう言う中、俺と白夜はそう言う。

 カズマは、ニンジャレイズバックルをデザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 カズマは、ニンジャレイズバックルをデザイアドライバーに装填すると同時に、馬車から飛び出す。

 

カズマ「変身!」

???「っ!?カズマだと!?」

 

 カズマはそう叫ぶと、ダクネスが反応する。

 すると、カズマは変身する。

 

NINJA

REDAY FIGHT

 

 カズマはタイクーン・ニンジャフォームに変身すると同時に、煙幕を出す。

 そして、ライブと応戦する。

 

バイス「前が見えない!」

???「くそっ!」

???「鬱陶しいですね!我が爆裂魔法で吹き飛ばしてやりましょうか!?」

???「やめろ!戒斗の悪魔も巻き込まれるだろ!」

 

 リバイ達がそんな風に話す中、俺たちは外へと飛び出して、煙幕に紛れて、その場からすぐに離れる。

 

ダスト「あれ、デモンズか!?」

リーン「ライブ……………!?」

ゆんゆん「どうしてさくらさんが…………!?」

 

 そんな中、ダスト達はそんな風に反応していた。  

 一方、カズマはライブと応戦していた。

 

カズマ「おらっ!はっ!」

???「ハアッ!ふっ!」

 

 カズマはニンジャデュアラーを持って、ライブに攻撃していく。

 ライブは、格闘戦と銃撃を混ぜた攻撃をしていく。

 ライブが銃撃でカズマと距離が離れると。

 

???「ダクネス、俺と変われ。」

 

 そんな声が響くと、ライブは変身を解除する。

 そこに居たのは、ダクネスだった。

 

ダクネス「カゲロウ!今は引っ込んでてくれ!」

カズマ「えっ!?ダクネス!?何でここに……………!?」

 

 ライブに変身していたダクネスがそう言う中、カズマは驚いていた。

 ダクネスはバッファに変身していた筈と思っていた。

 すると、雰囲気が変わる。

 

カゲロウ「違うね。私はカゲロウ。悪魔だ。」

カズマ「えっ!?どうなってんだよ!?」

カゲロウ「人の心には、悪魔が宿る。」

 

 ライブに変身していたダクネスは、カゲロウの人格へと変わり、カズマは困惑する。

 そんな中、カゲロウは姿を消す。

 

カズマ「消えた……………!?」

カゲロウ「お前の悪魔を、見せてみろ。」

 

 カズマが戸惑う中、カゲロウは背後に立っており、カズマが振り返ると同時に、カゲロウは額の部分に触れる。

 カゲロウは、カズマの中を見ていく。

 すると、もう1人のカズマが見えてくる。

 

カゲロウ「お前……………何者だ?」

カズマ?「俺は…………ただの冒険者さ。強い力も持たない……………な。」

 

 カゲロウがそう問うと、そのもう1人のカズマはそんな風に答える。

 普通のカズマと異なり、髪がボサボサ気味で、どこかやさぐれている様な風貌だった。

 それを見て、カゲロウが呆然とすると、カズマが口を開く。

 

カズマ「お前、何なんだよ!?ていうか、誰と話してたんだよ!?……………って!?」

 

 カズマはカゲロウにそう言うと、カゲロウの後ろの景色の変化に気づき、驚く。

 カゲロウも、それに気づく。

 

カゲロウ「おいおい。何だあれは。」

カズマ「ジャマーエリアが縮小してる!?」

カゲロウ「ジャマーエリア?何だそれは。」

 

 カゲロウも驚く中、カズマはそう言う。

 そう、ジャマーエリアが縮小を開始していたのだ。

 カゲロウは、ダクネスへと人格を変わる。

 

ダクネス「聞きたい事が山ほどあるが、今は離れるぞ!」

カズマ「お、おう!」

 

バット!


『Confirmed!

 

 ダクネスはそう叫ぶと、ライブに変身する。

 2人が移動を開始しようとすると、別の仮面ライダーが現れる。

 その仮面ライダーは、黒い竜の意匠が入った仮面ライダーだった。

 

ダクネス「あれは……………!?」

カズマ「仮面ライダー……………リュウガ……………!?」

リュウガ「俺が、全てを滅ぼす!」

 

 ダクネスが戸惑う中、カズマはそう言う。

 目の前に現れたのは、仮面ライダーリュウガだった。

 リュウガはそう言うと、2人に向かっていく。

 2人は、リュウガと応戦する。

 

カズマ「はっ!ふっ!」

ダクネス「このっ!はっ!」

リュウガ「ふっ!はっ!」

 

 2人はリュウガと応戦するが、リュウガの圧倒的な戦闘能力に、苦戦する。

 リュウガの攻撃を受けて、2人は吹っ飛ぶと、すぐそばにジャマーエリアの壁が迫っていた。

 

カズマ「しまっ!?うわぁぁぁぁ!?」

ダクネス「ぐっ………………!?」

 

RETIRE

 

 2人が壁に飲み込まれると、そんなくぐもった音声が聞こえ、2人は消える。

 それを見ていた俺たちは、驚きで言葉を失う。

 あの壁に飲まれたら、消えてしまうという事を。

 そんな中、それを見ていたツムリは。

 

ツムリ「いっけな〜い!あの壁に飲み込まれたら消えちゃうの……………言い忘れちゃった。ふふふ…………!」

 

 ツムリはそんなふうに言う。

 それを見ていた俺たちは。

 

???「ダクネス!」

???「ダメだ、めぐみん!もう間に合わない!」

???「行っちゃダメだ!」

めぐみん「ですが、ダクネスが!」

バイス「あの壁、やばい匂いがプンプンするって!」

 

 リバイ、バイス、デモンズ、ジャンヌはそんな風に話す。

 ジャンヌは、めぐみんと呼ばれていた。

 こちら側は。

 

めぐみん「カズマが……………!?」

ダクネス「消えた……………!?」

トウカ「えっ……………!?」

白夜「いつもの脱落とは違う。」

朱翼「ええ……………あのジャマーエリアの壁に飲まれたら、消えました。」

武劉「どうなっている……………!?」

ダスト「カズマはどうなったんだよ!?」

リーン「分かんないわよ……………!?」

ゆんゆん「うそ……………!?」

リア「消えた!?」

エーリカ「カズマ!?」

シエロ「どうなっているんでしょうか…………?」

湊翔「妙だな………………。」

悪魔「マジヤベェな。」

 

 俺たちはそんな風に話す。

 いつものデザグラとは、訳が違う。

 そんな風に感じた。

 違和感の正体はこれだったと感じた。

 

リュウガ「死にたい奴から、かかって来るがいい。」

 

 リュウガはそう呟くと、移動を開始する。

 一方、ツムリの方は。

 

???「さあ、現れたぜ!仮面ライダーリュウガ!!仮面ライダー龍騎の世界、ミラーワールドからの刺客だ!!ハハハ…………!」

 

 そんな風にハイテンションに言う人物がいた。

 その男は、ジョージ・狩崎だったが、風貌が異なっていた。

 ツムリが話しかける。

 

ツムリ「あなた、誰?」

ジョージ「コラスとかいうゲームマスターから実況を頼まれた、通りすがりの仮面ライダーファンさ。よろしくね。」

 

 ツムリがそう聞くと、ジョージはそんな風に言いながら、顎クイをする。

 ツムリからは、塩対応をされたが。

 すると。

 

???「まずは、1人脱落しましたね。」

 

 そんなふうに言いながら現れたのは、アクアだった。

 だが、服装が異なっていた。

 その衣装は、黒を基調としていた物だった。

 

ツムリ「アクアさん、どう見ますか。」

アクア「下手に仮面ライダーリュウガに立ち向かうから、こうなるのよ。」

ジョージ「それもそうだね。」

 

 その場には、3人の狂った笑みが響いていた。

 それを見ていた他の人たちは。

 

ロキ「ふっ。アクアも言うじゃないか。まあ、下手にゲームを掻き回されるのはごめんだからな。大人しくしていろ。」

 

 ロキはそんな風に言う。

 一方、サポータールームから見ていたケケラは。

 

ケケラ「……………これは、笑えないわね。」

 

 ケケラは、そんなふうに呟いていた。

 この時の俺たちは、まだ気付いていなかったのだ。

 暗躍する存在がいるという事を。




今回はここまでです。
今回から、MOVIEバトルロワイヤルの話へと入っていきます。
アクアは、ロキにより性格を改変されていました。
衣装は、このファンの『禁断の冒険者 アクア』の服装をイメージしています。
カズマの悪魔は、やさぐれていました。
果たして、その意味とは。
ここから、MOVIEバトルロワイヤルの物語が動き出す。
あと、サポーターの描写も入れました。
多分、MOVIEバトルロワイヤルで景和が脱落した際、そんな反応をしてそうですし。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
MOVIEバトルロワイヤルから一年が経過して、今は最強ケミー☆ガッチャ大作戦ですね。
ギーツ達も大活躍です。
英寿のある過去も関係していますし。
あとは、ジャマト・アウェイキングですね。
今日、ギーツあにめが配信されましたが、シーカーの思わぬ登場に驚きました。
ちなみに、前から言っていますが、この小説でも最強ケミー☆ガッチャ大作戦はやります。
ジャマト・アウェイキングも。
今後の話の展開でリクエストがあれば、受け付けています。
今日のガッチャードは、ガッチャードデイブレイクが登場したり、来年から仮面ライダーヴァルバラドにマジェード、レジェンドが本格的に参戦するみたいですね。
楽しみです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第77話 解ける誤解

 カズマが消滅した。

 その事実は、俺たちにとっては大きすぎた。

 めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「これ、かなりまずくないですか!?」

白夜「カズマが消えた……………!?」

ゆんゆん「えっ!?」

トウカ「どうなっているんだ!?」

朱翼「えっ……………!?」

ダスト「おい、どうなってんだよ!?」

リーン「私に聞かれても分からないわよ!?」

リア「どうなっているんだ!?」

シエロ「分かりません……………。」

エーリカ「なんか、いつもと違くない!?」

 

 カズマが消えた事に俺たちは慌てていた。

 何せ、これまでのデザグラでは見た事がないのだから。

 すると、ダクネスと武劉が口を開く。

 

ダクネス「だが、カズマが消えた事も気になるが、これからどうしたら良いんだ?」

武劉「確かに。このチビを一体、誰が運ぶかだが……………。」

悪魔「おい!チビって言うなよ!悪魔だぞ!?」

 

 ダクネスと武劉がそう言うと、悪魔はそんな風に文句を言う。

 俺が周囲を見渡すと、リュックがあった。

 あれを拝借するか。

 

湊翔「これを拝借するか。」

悪魔「えっ!?まさか、おい!?入れるんじゃねぇだろうな!?」

湊翔「目眩しだ。静かにしてくれ。」

悪魔「もう嫌だよ!狭いのも暗いのも!」

 

 俺はそう言いながら、リュックを漁る。

 全員分あるな。

 悪魔が文句を言う中、俺は皆に話しかける。

 

湊翔「皆、これを使ってくれ。ここからは別行動だ。ゴール前で落ち合おう。」

白夜「なるほどな。」

 

 俺はそう言いながら、皆にリュックを渡す。

 考えたのは、別行動でリバイ達を撹乱するのだ。

 俺たちは変身する。

 

SET FEVER

 

 白夜達はデザイアドライバーに自分達と相性が良いレイズバックルとフィーバースロットを、俺はフィーバースロットだけを装填する。

 俺たちはレイズバックルを操作する。

 

一同「変身!」

 

 そう言うと、変身が開始される。

 

GOLDEN FEVER

CALIBER

LIGHTNING

BEAT

ZOMBIE

FLUTE

BUSTER

STEALTH

ARIES

ONMYOUZI

HARMONY

FIGHTER

DANCER

JACK POT HIT GOLDEN FEVER

HIT FEVER CALIBER

HIT FEVER LIGHTNING

HIT FEVER BEAT

HIT FEVER ZOMBIE

HIT FEVER FLUTE

HIT FEVER BUSTER

HIT FEVER STEALTH

HIT FEVER ARIES

HIT FEVER ONMYOUZI

HIT FEVER HARMONY

HIT FEVER FIGHTER

HIT FEVER DANCER

 

 俺はギーツ・ブーストフォームに、他の人たちはフィーバーフォームへと変身する。

 まあ、ブーストは持っているんだが。

 とはいえ、まだ使うべきでは無いだろう。

 

湊翔「ブーストか。当たりだな。」

 

 俺はそう呟く。

 一方、リバイ達はと言うと。

 

???「ダメです!どこにも居ません!」

バイス「あいつら、どこに行っちゃったのよ!?」

???「まだ近くに居るはずだ!」

???「ああ!」

 

 そんな風に話していた。

 リバイ達を他所目に、俺はブーストライカーで走っていく。

 すると、リバイ達も気づく。

 

???「あっ!」

バイス「へへっ!バイバ〜イ!」

???「居たっ!」

バイス「ええっ〜!?」

 

 リバイは俺に気づく中、バイスは呑気にそう言い、リバイの言葉に驚く。

 すると。

 

トウカ「悪魔は何処にいると思うかな!?」

白夜「追える物なら追ってみろ!」

 

 トウカと白夜はそう言いながら、他の人たちと共に現れ、めぐみんとゆんゆん、白夜とトウカとダクネス、残りのメンツで動いていく。

 

???「ちょっ!?待って下さい!」

???「おい、どうすんだよ!?」

???「手分けして追うぞ!」

バイス「えっ!?うわぁぁぁ!!」

 

 それを見て、ジャンヌとデモンズがそう言うと、リバイはそう言って、リバイは俺に、バイスは白夜の組に、ジャンヌはめぐみんの組に、デモンズはダスト達の方を追う。

 俺はブーストライカーを走らせていると、後ろから声が聞こえてくる。

 

???「待て!」

 

 その声に後ろをチラリと見ると、ジャッカルゲノムになったリバイが追ってきていた。

 俺は、リバイの攻撃をブーストライカーを上手く走らせ、躱していく。

 しばらく走っていると、機動要塞デストロイヤーの姿が見えてくる。

 

湊翔「何でデストロイヤーがあるんだよ!?」

 

 俺はそう突っ込む。

 俺はデストロイヤーを避けるようにブーストライカーを走らせる。

 すると。

 

???「はっ!」

 

 リバイが攻撃を仕掛けてきて、爆発する。

 俺が持っていたリュックがデストロイヤーの上部に落ちる中、俺は爆煙から出てきて、デザイアドライバーを半回転させて、マグナムレイズバックルを装填して、操作する。

 

REVOLVE ON

SET

MAGNUM

 

 俺はリボルブオンを実行して、変則的なマグナムブーストフォームになり、デストロイヤーの上に降り立つ。

 リバイも、ジャッカルゲノムからレックスゲノムに戻り、デストロイヤーに降り立つ。

 俺とリバイがお互いを見る。

 そして、戦闘を開始する。

 

湊翔「はっ!ふっ!はっ!」

???「はあっ!ふっ!おらっ!」

 

 俺がマグナムシューターを使った格闘戦をする中、リバイは普通に格闘戦を行う。

 デストロイヤーの上の戦闘は続いていく。

 一方、めぐみんとゆんゆんは、どこかの街へと向かっていた。

 その背後には、ジャンヌが追っていた。

 

めぐみん「おっと!よっ!」

ゆんゆん「はっ!おっと!」

???「待って下さい!」

 

 めぐみんとゆんゆんは、街の中を駆けており、ジャンヌもそれを追っていた。

 そんな中、めぐみんとゆんゆんは、話をする。

 

ゆんゆん「ねえ、あのジャンヌ、めぐみんの声がするのは気のせいかな?」

めぐみん「何を言っているのですか?ぼっちを拗らせて、私の声の幻覚が聴こえるのですか?」

ゆんゆん「そ、そうじゃないから!!」

 

 めぐみんとゆんゆんはそんな風に話す。

 ゆんゆんは以前、仮面ライダージャンヌと応戦しており、違和感を感じていた。

 五十嵐さくらの声では無かった事に。

 そんな風に話しながらも、ジャンヌから逃げていた。

 周囲の荷物を利用して、上手く逃げていた。

 

???「このっ…………!?」

めぐみん「はいっ!」

ゆんゆん「ちょっ!?」

???「居たっ!」

 

 ジャンヌがめぐみんとゆんゆんを見失うと、めぐみんはビートアックスを演奏して、存在をアピールする。

 そんな感じに、鬼ごっこを続けていた。

 一方、ダスト達の方は。

 

ダスト「よっと!おっと!?」

リーン「危なっ!?」

朱翼「気をつけてください!」

武劉「はっ!ふっ!」

リア「はあっ!ふっ!」

シエロ「はっ!」

エーリカ「はあっ!」

 

 ダスト達は、後ろから飛んでくる蜘蛛の糸を躱しながら進んでいた。

 その理由は。

 

???「はっ!おい、待て!」

 

 デモンズが蜘蛛の糸を飛ばしながら追っていたのだ。

 

ダスト「しつけぇな!」

リーン「とにかく走って!」

朱翼「それにしても……………。」

武劉「どうしたんだ?」

朱翼「いえ、あの仮面ライダー、カズマに声が似ている様な気がしまして……………。」

リア「言われてみれば……………。」

シエロ「そんな気がしますね。」

エーリカ「確かに!」

 

 ダスト達はそんな風に話しながら、走っていく。

 一方、白夜達の方は。

 

バイス「こらっ〜!待てって言ってんだよ!おい、待てってんだよ!」

 

 馬車の方に居て、バイスは白夜達を追っていた。

 

バイス「はい、捕まえた!返してもらいますよー!」

白夜「離せ!」

 

 バイスが白夜のバッグを掴むと、白夜はバッグの紐を使ってバイスの首を絞める。

 

バイス「いててて!」

トウカ「悪魔を持ってるのは、私たちじゃない!」

ダクネス「私も持っていない。」

バイス「はははっ!やった〜!」

白夜「ふんっ!」

バイス「卑怯だぞ!尻尾は!!」

 

 バイスの首を絞める中、トウカとダクネスはそう言って、バッグを放り投げる。

 バイスが向かおうとすると、白夜がバイスの尻尾を掴む。

 白夜達とバイスが応戦すると、トウカは馬車の壁にバイスを押し付ける。

 

トウカ「ジャマーエリアに呑まれて消えろ!悪魔!!」

バイス「ねぇ!俺っちを消すのはやめろって!簡単に消えたら、全国のバイスちゃんファンが悲しむでしょうが!!」

ダクネス「ファン……………?」

白夜「バニルとは違う気がするな…………。」

 

 トウカが言葉を荒くしてそう言う中、バイスはそんな風に言い、ダクネスと白夜はそんな風に呟く。

 すると、後ろから悲鳴が聞こえる。

 人たちの間から、仮面ライダーが現れる。

 

???「祭りの場所は、ここか?遊んでくれよ。」

 

 その仮面ライダーはそう言う。

 その仮面ライダーは、仮面ライダー王蛇だ。

 それを見ていたジョージ・狩崎達の方は。

 

ジョージ「第二の刺客は、仮面ライダー王蛇!見る物全てを破壊する、人の皮を被った悪魔だ!はははははっ!」

ツムリ「まだ20km地点!」

アクア「本当にゴール出来るのかしら?」

 

 ジョージ・狩崎がそう言う中、ツムリとアクアはそう言う。

 一方、白夜達は。

 

白夜「お前……………仮面ライダーか?」

王蛇「だから何だ?どうせお前達は死ぬ。」

バイス「ええっ!?」

ダクネス「お前の様な危険な奴は放っては置けない!」

トウカ「行くわよ!」

 

 白夜がそう聞くと、王蛇はそう答える。

 ダクネスとトウカがそう言うと、白夜も含めて、王蛇の方へと向かっていく。

 3人で王蛇と戦う中、王蛇は口を開く。

 

王蛇「面白い。相手をしてやる。」

バイス「面白いな、お前ら!素で悪魔みたいだな!」

トウカ「アンタには言われたくない!」

 

 王蛇がそう言うと、バイスはそう言い、トウカは突っ込む。

 4人は、馬車の壁を突き破って、外に出る。

 

バイス「へへっ!お先にアディオス!」

 

 バイスはそう言って、そのまま馬車に残る。

 白夜達と王蛇の戦いは、互角というところだ。

 王蛇は凄まじい強さの仮面ライダーなのだ。

 

王蛇「弱い!弱すぎる!もっと俺を、楽しませてくれよ!」

 

 王蛇はそう言いながら、ベノサーベルで攻撃していく。

 白夜達は、口を開く。

 

白夜「お前は倒す!」

ダクネス「行くぞ!」

トウカ「ええ!」

 

 白夜達はそう言うと、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

HYPER CALIBER VICTORY

HYPER LIGHTNING VICTORY

HYPER ZOMBIE VICTORY

 

 3人はレイズバックルを操作すると、ダクネスのゾンビブレイカー、白夜の爪、トウカのソードエクスカリバーにエネルギーが纏い、王蛇に攻撃する。

 

王蛇「ううっ……………ふんっ!」

 

 それを食らった王蛇は吹っ飛ぶが、3人に背を向ける。

 3人は、顔を見合わせていた。

 止めを刺すかどうかを決めようとしていた。

 だが、王蛇はその隙を逃さずに、後ろをチラリと見ながら、王蛇専用の召喚機、ベノバイザーにアドベントカードを装填する。

 

ADVENT

 

 その音声が鳴ると、近くの地面から、王蛇と契約したモンスター、ベノスネーカーが現れ、3人に攻撃する。

 

白夜「くっ!?」

ダクネス「何っ!?」

トウカ「うわっ!?」

 

 3人は、ベノスネーカーの攻撃に吹っ飛ばされ、変身解除してしまう。

 すると、3人の近くにジャマーエリアの壁が迫る。

 

白夜「何っ!?」

ダクネス「しまった!?」

トウカ「うわぁぁぁぁ!?」

 

RETIRE

 

 3人はジャマーエリアの壁に飲み込まれてしまい、消えてしまう。

 それを見ていた王蛇は。

 

王蛇「はぁぁ…………ふんっ。甘すぎるんだよ、坊や達。」

 

 そんな風に呟き、その場から離れる。

 一方、ロキ達の方は。

 

鹿夫「本当に最強の力が手に入るんだろうな?」

コラス「やってくれるさ。ギーツなら恐らく。」

鹿夫「ギーツだと?」

ロキ「彼がギーツさ。君と同じく、ウェポンマスターの青年だ。」

鹿夫「こいつが……………。」

 

 鹿夫がそう言うと、コラスとロキはそう言い、鹿夫はモニターに映っている俺を見る。

 一方、俺はというと、リバイと応戦していた。

 

湊翔「はっ!ふっ!はっ!」

???「はあっ!ふっ!おらっ!」

 

 俺がマグナムシューターを撃ちながら格闘戦も行う中、リバイも格闘戦を行う。

 すると、デストロイヤーが左へと移り、リバイは落ちそうになる。

 そんなリバイに対して、俺はマグナムシューターを撃つ。

 

???「やめろって!」

 

 リバイがそう言うと、スタンプを取り出して、押印する。

 

オーインバスター50!

 

 リバイはオーインバスター50を持つと、俺に向かって攻撃してくる。

 俺の腕に当たるが、何とかマグナムシューターを落とさずに済んだ。

 上部へと移り、俺は迫るリバイに向かってマグナムシューターを撃つと、オーインバスターを落とす事には成功したが、かなり近くまで迫られる。

 

???「ハアッ!」

湊翔「ふっ!」

 

 リバイが俺に向かってパンチをしようとすると、俺は地面に倒れながら、マグナムシューターを撃つ。

 すると、デストロイヤーの上部のパーツの一部が落ちてくる。

 俺はそのパーツに紛れて少し離れ、マグナムシューターにマグナムレイズバックルを装填して、トリガーを引く。

 

MAGNUM TACTICAL BLAST

 

 その音声と共に、強力な弾丸を発射する。

 リバイの付近が爆発して、パーツが吹っ飛ぶ。

 俺とリバイが膠着状態になると。

 

湊翔「っ!?」

???「うわっ!?」

 

 急にデストロイヤーが動きを止め、俺たちはたじろぐ。

 すると。

 

悪魔「滑る〜!!あっ、よっとぉ〜!!?」

 

 俺のリュックから悪魔が入ったバッグが出てきて、オーインバスターによって、先ほどの爆発で緩んだ鉄板で宙に浮かぶ。

 

???「まずい!!」

湊翔「っ!!」

 

 俺とリバイは、その悪魔の方へと向かう。

 俺とリバイが向かう中、俺はリバイを蹴って、悪魔が入ったバッグをキャッチする。

 

悪魔「ナイスキャッチ!」

 

 悪魔がそう言う中、俺はキャッチすると、リバイが口を開く。

 

???「返してくれ!その悪魔は俺たちの家族なんだ!」

湊翔「………………悪魔も家族思いとは、意外だったな。」

???「いや、俺達は人間だよ!これには、深い訳があるんだ。話し合えば分かる。」

 

 リバイがそう言う中、俺はそう言い、リバイはそう言う。

 家族思い……………か。

 俺は、少し考えた後、口を開く。

 

湊翔「だったら、顔を見せろ。」

???「分かった。」

 

 俺はそう言う。

 本当に人間なら、人間だって分かるからな。

 リバイはそう言うと、変身解除する。

 その姿には、見覚えがあった。

 

湊翔「……………マジか。」

 

 俺はそう呟くと、変身解除する。

 それを見たリバイの変身者は。

 

???「あれ……………君は確か、旅をしてた時に会った人!?」

 

 リバイはそう言う。

 そう。

 俺は、この人と会っていたのだ。

 ほんの少し前、ジーンから頼まれ、ある世界に行っていたのだ。

 そんな中、ある2人がいた。

 

バイス「結斗!これ、何なんだろうね!?」

結斗「さあ……………?何なんだ?」

 

 その2人はそう言いながら、ピンクのミッションボックスを持っていたのだ。

 ジーンからそれをその中身を受け取る様に言われていたのだ。

 俺はそのミッションボックスを取る。

 

結斗「あっ!?」

湊翔「ごめんな、これは俺の物なんだ。」

バイス「いきなり何なんだよ!?」

 

 結斗という男が驚く中、俺はそう言って、ミッションボックスを開ける。

 その中には、リバイスドライバーのレイズバックルが入っていた。

 

湊翔「じゃあ、またな。」

結斗「また……………?」

バイス「何なんだ、あいつ?」

 

 俺は結斗の肩を叩きながらそう言って、去っていく。

 ちなみに、リバイスドライバーのレイズバックルはちゃんと回収して、ジーンによって元の世界に戻されていた。

 どうやら、俺たちは誤解を抱いていたみたいだな。

 そう思うのだった。




今回はここまでです。
今回は少し短めの話です。
色々と発生していた誤解が解けました。
だが、それまでに王蛇によって、ダクネス、白夜、トウカの面々は脱落してしまう。
ここから、物語は加速していきます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今後の展開などは、活動報告から承っています。
最強ケミー☆ガッチャ大作戦は、1月5日から、特典が変わりますね。
ユニコン、スターガッチャード、ギーツキラーのカードになりますね。
ギーツも、ガッチャードも来年が楽しみです。
ジャマト・アウェイキングも、今後のガッチャードも楽しみです。
MOVIEバトルロワイヤルの話も楽しみにしてて下さい。
良いお年をお迎えください。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第78話 現れる黒幕

 俺が前田結斗/仮面ライダーリバイと話をして、誤解が解けた頃。

 

???「どこに行ったんですか…………?」

 

 ジャンヌはめぐみんとゆんゆんの2人を探して彷徨いていた。

 一方、めぐみんとゆんゆんは。

 

めぐみん「何とか振り切りましたね。」

ゆんゆん「ねえ、めぐみん。やっぱりあのジャンヌ、めぐみんに声が似てるんだけど……………。」

めぐみん「だから、何を言うのですか。私は仮面ライダーナーゴですよ?」

 

 めぐみんとゆんゆんは、そんな風に話していた。

 ジャンヌは、変身解除する。

 すると、2人は驚く。

 

めぐみん「一体、どこに行ったのでしょうか?」

 

 そう。

 めぐみんがもう1人いたのだ。

 

めぐみん「えっ!?私がもう1人!?」

ゆんゆん「嘘っ!?」

めぐみん「えっ!?」

 

 それを見た2人は、そんな風に驚き、ジャンヌに変身していためぐみんも驚く。

 すると、ゆんゆんのスパイダーフォンに、連絡が入る。

 

ゆんゆん「み、湊翔さん?どうしたんですか?」

湊翔『悪い。争うのは無しだ。』

ゆんゆん「えっ!?」

 

 ゆんゆんのスパイダーフォンに連絡したのは俺だ。

 皆の誤解を解く為に。

 一方、武劉達の方は。

 

武劉『随分と急だな。』

朱翼『何かあったの?』

湊翔「ああ。どうやら、訳ありみたいだったからな。」

 

 俺は武劉にも同時に連絡をして、そう言う。

 すると、スパイダーフォンから。

 

ダスト『それにしても……………何でデモンズがカズマなんだよ!?』

カズマ『いや、俺に言われても…………。』

 

 そんな風な声が聞こえてくる。

 どうやら、あのデモンズはカズマの様だな。

 俺は、前田結斗から事情を聞く。

 

悪魔「早く進めよ!」

湊翔「赤ちゃんから悪魔が分離!?」

結斗「ああ。」

 

 俺は、結斗から聞いた言葉に驚く。

 どうやら、俺たちの世界と結斗達の世界は、所謂並行世界で、既に魔王は撃破した様だ。

 そんな中、結斗の子供である戒斗という子供から、悪魔がイザンギとバリデロという奴によって分離されたそうだ。

 

結斗「でも、誘拐されちゃって…………。その悪魔を戒斗の体に戻さないと……………命が危ない。」

悪魔「俺と戒斗は一心同体だからな!」

湊翔「……………道理で、いつものデザイアグランプリとは違うわけだ。」

 

 結斗がそう言い、悪魔がそんなふうに言う中、俺はそう呟く。

 違和感の原因は、これだったのか。

 一方、2人のめぐみんとゆんゆんは。

 

Nめぐみん「なるほど。つまり、こことは違う世界の私と言う事ですか。」

Jめぐみん「その様ですね。」

ゆんゆん「私としては、めぐみんが2人いる事に驚いているんだけど…………。」

 

 そんな風に情報共有を行なっていた。

 めぐみんが2人いるが、デザイアドライバーを付けているか否かで識別していた。

 そんな中、ジャンヌに変身していためぐみんが口を開く。

 

Jめぐみん「それにしても、そちらの私たちが参加しているデザイアグランプリとは、何なんですか?」

ゆんゆん「確か……………魔王を倒して、世界を救うゲームって言われたけど…………。」

Nめぐみん「その通りです!」

 

 ジャンヌに変身していためぐみんがそう聞くと、ゆんゆんとナーゴに変身していためぐみんがそう言う。

 すると。

 

人々「キャアアアア!!」

めぐみん達「っ!?」

 

 悲鳴が聞こえてきて、3人が外を見ると、そこには、既にジャマーエリアの壁が迫っていた。

 その壁に飲まれた人は消えていく。

 

Jめぐみん「皆さん!早く逃げて下さい!」

Nめぐみん「急いでください!」

ゆんゆん「逃げて!」

 

 それを見ためぐみん達は、そんなふうに避難を促す。

 すると、避難する人々の流れに逆らいながらやってくる人がいた。

 そこに居たのは、仮面ライダーナイトだった。

 

Jめぐみん「か、かっこいいです!」

Nめぐみん「あれも仮面ライダーなんでしょうか!?」

ゆんゆん「で、でも、デザイアドライバーじゃないよ?」

 

 ナイトを見た2人のめぐみんがそう言う中、ゆんゆんはそう言う。

 すると、ナイトが口を開く。

 

ナイト「命が惜しければ逃げろ。」

Jめぐみん「言ってくれますね!」

Nめぐみん「行きましょう!変身!」

ゆんゆん「待ってよ!」

 

 ナイトがそう言うと、2人のめぐみんとゆんゆんは、変身する。

 

コブラ!』


仮面ライダー!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!

BEAT

STEALTH

 

 2人のめぐみんは変身すると、ナイトへと向かっていき、攻撃するが、ナイトは攻撃をいなす。

 

ナイト「邪魔をするな!」

Jめぐみん「言ってくれますね!」

Nめぐみん「ハァァァァァ!」

ゆんゆん「待ってよ!危ないよ!!」

 

 ナイトがそう言う中、2人は攻撃して、ゆんゆんはそんなふうに叫ぶ。

 2人のめぐみんは、必殺技を発動する。

 

必殺承認!

コブラ!リベラルスマッシュ!

BEAT STRIKE

 

ラブコフ「ラブ〜!」

めぐみん達「ハァァァァァ!」

 

 ジャンヌの方はエネルギー体のラブコフ、ナーゴの方は音符のエネルギーを纏わせてキックを放つ。

 だが。

 

GUARDVENT

 

 ナイトはガードベントを発動して、2人のキックを防ぎ、そのエネルギーは2人へと戻り、吹っ飛ぶ。

 2人は、ジャマーエリアの壁の方に転がった。

 

めぐみん達「ぐぅぅ…………!?」

ゆんゆん「めぐみん!」

 

 めぐみん達が転がる中、ゆんゆんが近寄るが、壁はすぐ近くに迫っていた。

 

ゆんゆん「大丈夫!?」

Jめぐみん「だ、大丈夫です!」

Nめぐみん「って!壁が!?」

めぐみん達「うわぁぁぁぁ!?」

 

RETIRE

 

 ゆんゆんは助けようとするが、3人まとめて、壁に飲み込まれる。

 脱落したのだ。

 それを見たナイトは、口を開く。

 

ナイト「戦わなければ、生き残れない。」

 

 そんな風に言う。

 一方、武劉達の方は。

 

カズマ「なるほどな。お前達は、違う世界の仮面ライダーという訳だ。」

ダスト「俺もそっちのカズマの世界でも、仮面ライダーになってたのか。」

リーン「そうなのね。」

シエロ「僕たちの知るカズマさんではないという事ですか…………。」

エーリカ「みたいね…………。」

リア「ああ…………。」

朱翼「武劉さん、どうしましょうか?」

武劉「…………ひとまず、湊翔達と合流するしかないだろうな。」

 

 武劉達は、デモンズに変身していたカズマと情報交換を行なっていた。

 朱翼がそう聞くと、武劉はそう言う。

 すると。

 

???「へぇ。他にも仮面ライダーが居たのか。」

???「まあ、そうじゃなきゃゲームは面白くないからな。」

武劉「っ!?」

 

 そんな声と共に、武劉達の周りに、仮面ライダーが現れる。

 そこに居たのは、仮面ライダーガイ、仮面ライダータイガ、仮面ライダーシザース、仮面ライダーライアだった。

 

リア「仮面ライダー!?」

シザース「君たちも仮面ライダーなのか。なら、俺が頂点を目指すのを邪魔しないでくれるかな?」

ダスト「あん?いきなり出てきて何言ってんだよ。」

タイガ「本当だよ。俺が英雄になるんだから。」

ライア「俺の占いは当たる。早く逃げろ。」

武劉「……………なんだと?」

ガイ「邪魔すんなよ。俺のゲームを。」

 

 リア達が驚く中、シザース達はそんな風に言い、武劉達に向かっていく。

 武劉達は、すぐに変身して応戦する。

 

カズマ「おらっ!このやろっ!」

武劉「はっ!ふっ!」

シザース「はっ!はっ!」

 

 カズマと武劉は、シザースと戦っていた。

 相手は警察官だが、武劉は自衛隊というのもあって、互角に戦えていた。

 

タイガ「はっ!ふっ!」

リア「はあっ!はっ!」

リーン「ふっ!はあっ!」

 

 リアとリーンの2人は、タイガと応戦していた。

 互角に戦えていた。

 

ガイ「ふんっ!はっ!」

ダスト「おらっ!このやろっ!」

エーリカ「はっ!ふっ!」

 

 ダストとエーリカは、ガイと戦っていた。

 ガイのパワフルな攻撃には、2人は苦戦していた。

 

朱翼「本当に戦わないんですか?」

ライア「ああ。俺は占い師なんでな。」

シエロ「そうなんですか……………。」

 

 朱翼とシエロは、ライアとは戦っていなかった。

 そんな風に話していた。

 乱戦状態になる中、ある方向から。

 

???「こんなゴチャゴチャした戦いは、好きじゃないんだけどな。」

 

 そんな風に言いながら、持っている銃にアドベントカードを装填する。

 その仮面ライダーは、ゾルダだった。

 

FINALVENT

 

 その音声と共に、ゾルダの目の前に、契約モンスターであるマグナギガが召喚され、背中のジョイントにマグナバイザーを接続し、トリガーを引く。

 すると、マグナギガの装甲が開き、そこからミサイルやレーザーが飛んでくる。

 

武劉「なにっ!?」

 

 武劉は突然の攻撃に驚き、回避しようとするが、範囲が広かった。

 ゾルダの前にいる人たちは、爆発に巻きこまれる。

 

カズマ「ぐっ!?ゾルダか!」

朱翼「いきなり……………!?」

武劉「ああ……………何っ!?」

カズマ達「うわぁぁぁぁぁ!?」

 

RETIRE

 

 エンドオブワールドに巻き込まれるカズマ達。

 ジャマーエリアの壁に飲み込まれ、脱落する。

 それを見ていたジョージ・狩崎達は。

 

ジョージ「仮面ライダーナイトに、仮面ライダーガイ、仮面ライダータイガ、仮面ライダーシザース、仮面ライダーライア、仮面ライダーゾルダ!ライダーバトルで戦った仮面ライダー達さ!」

ツムリ「ゴールまで残り10km。」

アクア「残りは湊翔だけね。」

 

 3人はそんな風に言う。

 一方、俺のスパイダーフォンに、俺を除いた全員が脱落したと連絡が入る。

 

湊翔「えっ?皆脱落……………!?」

結斗「えっ!?カズマ達も!?」

悪魔「早く進めよ!もうお前しかいないんだよ!狐!」

湊翔「……………ああ、分かってる。」

 

 俺が驚く中、結斗も驚く。

 悪魔がそう言うと、俺はゴールへと向かおうとする。

 だが、結斗が叫ぶ。

 

結斗「そいつを返してくれ!奴らは、そいつの力を悪用しようとしている。」

湊翔「………………大勢の命が救えなくなっても良いのか?」

 

 結斗がそう言う中、俺はそう言う。

 すると、結斗が口を開く。

 

結斗「どういう意味だ?」

湊翔「もし、こいつをゴールまで届ける事ができなくなったら、ゲームオーバー。消滅した人達は2度と助からない。」

結斗「そんな……………!?」

湊翔「だけど、届けてゲームをクリアすれば、消えた人たちが助かる可能性がある。」

 

 結斗がそう聞く中、俺はそう答える。

 アルカンレティアでのサボテンナイトジャマトとの戦闘の際、ギロリさんは言っていたのだ。

 

湊翔『………………ギロリさん。逆に、ゲームオーバー…………仮面ライダー達が全滅した場合は、どうなるんですか?』

ギロリ『…………………そのジャマーエリア内は無かった事になり、人々の記憶から抹消され、犠牲になった人たちも戻りません。』

 

 そう。

 ゲームオーバーになったら、大勢の命が助けられないのだ。

 だからこそ、罠だと分かっていても、届けるしかない。

 すると、悲鳴が聞こえてくる。

 

バイス「イヤァァァァァァァ!!」

結斗「バイス?」

バイス「ハァ!ハァ!結斗!うわぁぁぁ!!」

悪魔「なんか賑やかなやつがやって来たな。」

 

 バイスはそんな悲鳴を上げながら、こっちに向かっていた。

 何故か、焼きそばの旗を持っていた。

 

結斗「バイス。何でそんな格好をしてんだよ?」

悪魔「おい、どうゆう状況?」

バイス「色々あったんだけどよ!あの〜…………あの〜…………焼きそばってやっぱ良いよね?」

悪魔「美味いよな〜。」

バイス「ってか、何でこいつと話してるんだよ!?」

 

 結斗がそう聞くと、バイスはそう言う。

 そんな中、俺は口を開く。

 

湊翔「………………悪いけど、何があってもゲームクリアは譲れない。そのあとで連中を倒せば良い。」

結斗「……………分かった。届けよう。」

湊翔「行こう。ゴールまで。」

 

 結斗には悪いが、ゲームクリアにするまでは、これは譲れない。

 結斗も、そう言う。

 俺たちが進もうとすると、目の前にリュウガが現れる。

 

結斗「またアイツか!」

リュウガ「まとめて消えろ。」

湊翔「来るぞ!」

 

 リュウガが迫ってくるのを見て、俺たちは変身する。

 俺はマグナムフォームに、結斗とバイスはコングゲノムに変身する。

 

バイス「結斗〜!俺っち、飯食いたい!」

湊翔「急げ!こっちだ!」

結斗「ん?ああ!」

 

 俺たちは、リュウガから逃げつつ、先に進んでいた。

 逃げた先は、ギルドの酒場だった。

 

バイス「ええっと〜…………ねえ、結斗!3名より4名の方が良いかな?」

結斗「何やってんだ、バイス!そんなの良いから!早く!皆、ここは危ない!早く逃げろ!」

湊翔「早く逃げろ!」

 

 バイスがそんな風に言う中、俺と結斗は、避難させようとする。

 すると、リュウガがギルドの人を吹き飛ばしながら入ってくる。

 

湊翔「バイス!こいつを頼む!」

悪魔「うわぁぁぁぁぁぁ!?」

バイス「ちょっ!?ちょっ!?嘘〜ん!?」

悪魔「投げんじゃねぇよ!!」

 

 俺は、悪魔の入ったリュックをバイスの方に放り投げる。

 すると、リュウガはストライクベントを発動して、炎を吐いてくるので、俺と結斗は、防御する。

 防御を終えて、俺と結斗は攻撃する。

 俺と結斗で連携して攻撃し、結斗のパンチで吹き飛ばす。

 

結斗「よし!バイス!逃げるぞ!」

湊翔「分かった!」

バイス「あいよ!ほぉ〜ら、行きますよ、悪魔ちゃん…………って、全然違うじゃないかい!」

悪魔「こっち!こっち!」

バイス「どこ?あっ、居た!」

悪魔「ふざけてんじゃねぇよ!」

 

 俺と結斗が逃げる中、バイスはそんなふざけを入れつつ、逃げる。

 リュウガから何とか逃げ切った俺たちは、変な自転車で逃げていた。

 

悪魔「おい!壁が来てるぞ!急げ!」

バイス「やべぇ!追いつかれる!助けて!ってか、何でこんなのに乗ってんのよ!ウチら!ああ!ゴール見えてきた!」

 

 バイスと悪魔がそんな風に叫ぶ中、ゴールは目の前だが、壁もすぐ側まで迫っていた。

 

バイス「これさ、走った方が早くねぇか!?」

悪魔「俺は乗り心地良かったけどな!」

 

 バイスがそう言って自転車を乗り捨てると、俺と結斗も自転車を乗り捨てる。

 確かに。

 俺と結斗、バイスは全力で走って、ゴールに到着する。

 

悪魔「走れ!走れ!」

バイス「ゴール!!」

ツムリ「ミッションコンプリート。」

 

 俺たちがゴールすると、そんな声が聞こえてくる。

 すると、ツムリがこっちにやってくる。

 

ツムリ「お疲れ様。……………悪魔ちゃんをこっちに!」

 

 ツムリはそう言うと、悪魔を渡す様に言ってくる。

 結斗とバイスが見る中、俺は意を決して、悪魔の入っているリュックをツムリに渡す。

 

悪魔「ああ〜!お姉さん!また会えましたね!これは運命ですね!」

 

 そんな風に言いながら、悪魔はツムリに連れて行かれる。

 すると、謎の男が拍手をしながら出てくる。

 

???「流石はデザグラ優勝候補、ギーツ。予想通りの展開だが、おかげさまで盛り上がってるよぉ!」

結斗「アイツだ!戒斗の悪魔を連れ去ったのは……………!!」

湊翔「お前……………誰だ?」

コラス「今回のゲームマスター、コラスさ。いかがだったかな?ハラハラドキドキの予選は。」

 

 その男がそう言うと、結斗は反応する。

 アイツが黒幕か。

 俺がそう聞くと、コラスというゲームマスターはそう言う。

 というより、ゲームマスター?

 

湊翔「予選だと?」

コラス「ここからがハイライトだ、ギーツ。血湧き肉躍るショーの、始まりだ。」

結斗「どういう事だ?消えた皆を元に戻せ!!」

 

 俺がそう言うと、コラスは仮面を取って、帽子を被りながらそう言う。

 結斗がそう叫ぶと、コラスは口を開く。

 

コラス「……………ギーツ。君が参加していたのは、デザイアグランプリではない。」

湊翔「何?」

 

 コラスがそう言うと、俺はそんな風に言う。

 どういう意味だ?

 すると、コラスは答えた。

 デザイアグランプリの運営に、何が起こったのか。

 

コラス『……………お前達の動きは制限させてもらおう。』

 

 コラスはツムリを人質に取って、そんなふうに言う。

 拓巳とギロリさんが動きを取れなくなると、コラスはヴィジョンドライバーを取り出して、上部に触れる。

 

HACKING ON CRACK START

 

 その音声と共に、デザイア神殿の雰囲気が変わり、ツムリも姿を変える。

 2人が戸惑う中、コラスは拓巳の持つヴィジョンドライバーに魔法を放ち、ヴィジョンドライバーが使えなくなる。

 

コラス『ゲームマスターの姿が見えないが、今日から俺がゲームマスターだ。』

ツムリ『よろしく、ゲームマスター。』

 

 コラスがそう言うと、ツムリがコラスの腕につく。

 それを見ていたギロリさんと拓巳は。

 

ギロリ『コラス。何をする気だ…………!?』

コラス『世界を作り変えるのさ。』

拓巳『何…………!?』

 

 拓巳とギロリさんが動きを取れない中、コラスはデザイアカードに願いを書く。

 それは、『デザイアグランプリの存在しない世界』という物だったのだ。

 

湊翔「デザイアグランプリの存在しない世界!?……………道理で、拓巳達と連絡が取れないと思ったら……………。」

コラス「君たちが参加していたのは、理想の世界を叶える為に、仮面ライダー同士が戦うゲーム……………デザイアロワイヤル……………!!」

バイス「え?」

 

 俺がそう言うと、コラスはそんなふうにいう。

 デザイアロワイヤル……………?

 俺が首を傾げていると、コラスが口を開く。

 

コラス「予選を生き残ったのは、ギーツ、リュウガ、ナイト、王蛇、ガイ、シザース、タイガ、ライア、ゾルダの9人。そして、もう1人。シードで参加するのが、彼だ!」

 

 コラスがそう言うと、どこからともなく、馬車がやってくる。

 扉が開くと、1人の男が出てくる。

 すると、ツムリがミッションボックスと思われる箱を持ってくる。

 

ツムリ「おめでとう。今日からあなたは仮面ライダーよ。」

湊翔「仮面ライダー!?あいつも!?」

 

 ツムリの言葉に俺が驚く中、その男は箱を開けて、デザイアドライバーを取り出し、装着する。

 

DESIRE DRIVER

 

 その男は鹿の頭の様な絵のIDコアを取り出し、デザイアドライバーの中央部のパーフェクターコアに装填する。

 

ENTRY

 

 その音声が鳴ると、コラスは叫ぶ。

 

コラス「ハッハハハハハ!彼こそが最強の転生者、角淵鹿夫こと、仮面ライダーシーカー!かつて、魔王の討伐に最も近いと言われた男だ!!」

 

 コラスはそう言う。

 あいつも転生者なのか。

 俺が驚く中、その男は見たことの無いレイズバックルを装填する。

 厳密に言えば、カズマが持っているアバターレイズバックルに似ていた。

 

SET WARNING

 

 その音声が鳴ると、ツムリは下がり、その男の右側にパワーアームの絵とPOWERED BUILDERの文字と、左側に赤、青、灰色のコンテナの絵とGIGANT CONTAINERの文字が浮かぶ。

 

湊翔「転生者……………!?」

結斗「アイツも…………!?」

鹿夫「……………変身。」

 

 俺と結斗がそう呟くと、その鹿夫という男はそう言って、大型レイズバックルの方を操作する。

 

WOULD YOU LIKE A CUSTOM SELECTION

 

 その音声が鳴ると、鹿夫の前にSAFETY FIRSTと書かれた文字が現れると、その男の周囲に警告色の鉄骨が現れ、工事現場の様な感じになる。

 それと同時に、鹿夫の横に浮かんでいた二つの文字がパワーアームによって回されるとアーマーになり、装着される。

 あれが、仮面ライダーシーカーという事か。

 モチーフは鹿か。

 それを見ている中、コラスが口を開く。

 

コラス「転生者VS転生者!デザイアロワイヤルを制するのはどっちかな?」

 

 コラスがそう言う中、ツムリが鹿夫の方に近寄る。

 ツムリの手には、あの悪魔が居た。

 

悪魔「何すんだよ!離せよ!やめろよ!」

鹿夫「これが……………最強の力か。フン!」

結斗「やめろ!」

バイス「結斗!」

 

 悪魔が抵抗する中、鹿夫はそう言うと、悪魔を自分の体に当てる。

 結斗とバイスが駆け寄ろうとするが、光が放たれ、俺たちは怯む。

 

鹿夫「うっ!うおぉぉぉぉぉ!!」

 

 鹿夫はそう叫ぶと、紫色の光が鹿夫を包む。

 悪魔を取り込んだのか。

 

結斗「………………ゲームだが転生者だが何だか知らないけど、俺の家族を巻き込むな!戒斗の悪魔を返せ!!」

 

ライオン!

SET

バディアップ!

ガオーン!ゲットオン!野獣の王!ライオン!

見ててください!俺の雄叫び!

MAGNUM

REDAY FIGHT

 

 結斗とバイスはリバイス・ライオンゲノム、俺はギーツ・マグナムフォームに変身する。

 

湊翔「はっ!ふっ!」

結斗「ハアッ!」

バイス「おらっ!」

鹿夫「ふっ!はっ!」

 

 俺と結斗とバイスは、鹿夫に挑んでいく。

 だが、3人がかりであるのにも関わらず、鹿夫は俺たちを圧倒していた。

 俺がマグナムシューターを撃つ中、気にせずに鹿夫は左側に付けていた小型バックルの中の一つの青いハンマーが付いているバックルを取り出すと、大型レイズバックルに装填する。

 

GIGANT HAMMER

 

 その音声が鳴ると、再び大型レイズバックルを操作する。

 

GIGANT HAMMER

 

 すると、左の足の部分から、大きなハンマーが現れる。

 なるほど、ああやって装備するのか。

 俺がそう思う中、鹿夫は。

 

鹿夫「うぉぉぉぉぉ!!」

バイス「危ねぇ!?」

 

 そう叫ぶと、ハンマーを地面に叩きつけて、壁を生み出す。

 ああやって、即座に建築出来るのか!

 そう思いながら、上半身部分にモンスターレイズバックルを、下半身部分にビートレイズバックルを装填し、レイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

MONSTER BEAT

REDAY FIGHT

 

 俺は、ギーツ・モンスタービートフォームになって、攻撃するが、あのハンマーで離されてしまう。

 周囲に鉄骨が建つ中、俺と結斗とバイスは、攻撃していくが、あのハンマーのパワーによって吹き飛ばされる。

 

湊翔「強いな。」

結斗「なら!ハァァァァァ!」

 

 俺がそう呟くと、結斗は炎を出すが、鹿夫は壁を生成する。

 すると。

 

GIGANT BLASTER

GIGANT BLASTER

 

 その音声が聞こえると、壁の一部が開き、鹿夫が銃を持って攻撃してくる。

 

結斗「ぐっ!」

バイス「結斗!うわぁぁぁ!?」

湊翔「くっ!」

 

 その攻撃力は高く、俺たちは吹っ飛んでしまう。

 すると、コラスが口を開く。

 

コラス「仮面ライダーリバイス!中々やるな!君たちも最終戦に招待しよう!その方が盛り上がる!」

結斗「最終戦……………!?」

 

 コラスがそう言うと、何かを結斗とバイスに投げつける。

 それは、チケットだった。

 そのチケットには、『あなたをデザイアロワイヤルに招待いたします』と書かれていた。

 すると、コラスは何かの光を結斗に照射して、リバイスドライバーに当たると、勝手に変身が解けてしまう。

 

コラス「ちなみに、君たちのリバイスドライバーは使えなくさせてもらった。デザイアロワイヤル最終戦で、また会おう。フハハハハハ!」

結斗「待てっ!」

バイス「結斗!」

 

 コラスがそう言う中、結斗が追おうとすると、鹿夫が出したゲートに消えて、ゲートは消えてしまう。

 

結斗「そんな……………!?」

バイス「だぁぁぁぁ!!」

 

 結斗が途方に暮れる中、バイスはそんな風に叫ぶ。

 とんでもない事になってきたな。

 俺はそう思うのだった。




今回はここまでです。
今回は、コラスが湊翔達の目の前に姿を現しました。
そして、ナイトだけでなく、ガイ、シザース、タイガ、ライア、ゾルダも参戦。
シーカーも登場しました。
結斗達は、リバイスドライバーが使用不能になってしまいました。
原理は、アクアがアイリスのペンダントを封印したのと同じ原理です。
ガイ、シザース、タイガ、ライア、ゾルダのキャラが違うという場合に関しては、申し訳ありません。
自分は、カブトから見始めて、龍騎は全ては見れていないので。
次回は、戦いが始まる直前までをやる予定です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ガッチャードは、最強ケミー☆ガッチャ大作戦の影響により、ミナト先生が宝太郎達と敵対する事に。
釘宮リヒトも、随分とやってくれました。
ちなみに、この小説と賢者の孫とガッチャードでやる予定の最強ケミー☆ガッチャ大作戦の話では、釘宮リヒトに相当するキャラを出す予定です。
それらやこの小説の今後の展開について、リクエストがある場合は、活動報告から受け付けています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第79話 明かされる秘密と戦闘の始まり

 俺たちと邂逅して、撤退した角淵鹿夫達は。

 

ロキ「やるじゃないか。流石は、魔王討伐に最も近いとされた男だ。」

コラス「ご満足いただけたようで、何より。」

 

 ロキがそう言うと、コラスは頭を下げる。

 それを見て、ロキはどこかほくそ笑んでいた。

 角淵鹿夫は、興味ないと言わんがばかりに、デザイアドライバーとパワードビルダーバックルとギガントコンテナレイズバックルを見つめていた。

 コラスが話しかける。

 

コラス「デザイアロワイヤルは、仮面ライダー同士が戦い、頂点に立ったデザ神が、理想の世界を叶えられるゲーム。」

 

 コラスはそう言いながら、デザイアカードをチラつかせる。

 それを見た鹿夫は、すぐにデザイアドライバーに視線を戻す。

 一方、俺のスパイダーフォンに、ジーンから連絡が入った。

 

湊翔「………………角淵鹿夫が、かつて、魔王討伐に最も近いとされた人物なのは、間違いないのか?」

ジーン『ああ。角淵鹿夫(つのぶちししお)。かつて、君の仲間であるアクアが送った人物だ。君と同じく、ウェポンマスターとなり、まさに勇者と呼ばれていたんだ。』

 

 俺がそう聞くと、ジーンはそう答える。

 俺と同じウェポンマスターなのか。

 あの強さは、本当に凄いな。

 すると、ジーンが声色を変える。

 

ジーン『………………でも、彼にある悲劇が起こった。』

湊翔「悲劇?」

ジーン『ああ。この世界でできた最愛の恋人……………モナというらしいが、その女性が仲間の裏切りで殺され、しかもその女性を殺したのが鹿夫だと冤罪までかけられ、彼は追われる身となったんだ。』

 

 俺の質問に、ジーンはそう答える。

 冤罪か………………。

 なんか、思うところはあるな。

 

ジーン『それで、鹿夫は怒り狂い、復讐のために禁断の呪術を使って魔人へと変貌し、その冤罪をかけた者たちと国中の者たちをその国ごと焼き払った。復讐を終えた後、魔人となったために死ぬことができなくなり、それに嘆いて自ら眠りについた……………とされているね。』

湊翔「それを、あのコラスとかいうゲームマスターに叩き起こされたって事か。」

ジーン『そういう事。とまあ、鹿夫については、こんな感じかな。負けないでよ?俺は君の推しなんだからさ。』

湊翔「分かってるさ。色々と、聞きたい事はあるがな。それは終わってからにするよ。」

 

 ジーンはそんなふうに言うのに対して、俺はそう言う。

 ジーンを始めとするサポーターの正体に関しては、大まかな予想は立っている。

 果たして、どうなるのか。

 すると、スパイダーフォンにある通知が来る。

 

湊翔「これは………………。」

 

 俺はそれを見て、そう呟く。

 一方、コラス達の方は。

 

コラス「あなたの野望も、着実に進んでいますね。」

ロキ「そうだな。私の野望も、次の段階へと進んでいく。君には、期待しているぞ。」

鹿夫「………………お前らの野望なんざ、俺にはどうでも良い。俺はこの力で、俺の理想の世界を作り上げる。それだけだ。」

 

 コラスがそう言う中、ロキは鹿夫に話しかける。

 鹿夫はそんな風に言う。

 一方俺は、スパイダーフォンに表示されているエリアへと向かっていた。

 かなり奥へと向かうと、ある扉が目に入る。

 

湊翔「………………あれか。」

 

 俺はそう呟きながら、その扉の方へと向かう。

 すると。

 

SPIDER MODO

 

 スパイダーフォンがスパイダーモードになり、糸を出して扉の方に向かう。

 スパイダーフォンが付いた場所は、指紋認証の類の装置が付いていた。

 そこにスパイダーフォンが付くと、ハッキングが行われ、扉のロックが解除され、開いていく。

 

湊翔「良いぞ。」

 

 俺はそう呟くと、扉を開けて、中に入る。

 その中には、結界と思われる物に閉じ込められている拓巳とギロリさんの2人がいた。

 俺が近づくと、2人は俺に気づいたのか、顔を向ける。

 

ギロリ「君なら来てくれると思ったよ。」

湊翔「助けますけど、情報は提供してくれよな?」

拓巳「……………無論、そのつもりだ。」

湊翔「……………伏せろ。」

 

 ギロリさんがそう言う中、俺はそう言うと、拓巳はそう言う。

 俺はマグナムシューターを取り出して、結界の発生装置を破壊する。

 結界が消えると、拓巳は口を開く。

 

拓巳「助かる。ヴィジョンドライバーのロックを外すのは済んでいるからな。あとはお前が助けに来るのを待つだけだった。」

湊翔「なるほどね。コラスが持っているヴィジョンドライバーは、ロキが使っている物って事か?」

拓巳「ああ。」

 

 拓巳がそう言うのに対して、俺はそう聞くと、拓巳はそう答える。

 なるほどな。

 俺は、結斗とバイスの2人を呼びに行き、2人もデザイア神殿の待機場へと連れていく。

 

バイス「うぉはははは!何だここ、広いな!赤を基調としているんですね。」

湊翔「ここはデザイアグランプリの休憩場。デザグラのミッションがあった時は、ここで休憩している。」

結斗「……………敵が来たりはしないのか?」

 

 バイスがそう言う中、俺はそう説明して、結斗はそう聞く。

 確かに、それを心配するのは分かる。

 すると、拓巳とギロリさんがこっちに来ながら、説明をする。

 

ギロリ「問題ない。ここでは暴力、妨害行為は、禁止されているからね。」

結斗「なるほど……………。」

湊翔「……………それで、コラスとかいうゲームマスターの目的は何なんだ?」

拓巳「奴はゲームマスターとして、世界を意のままにコントロールしようとしている。それは確かだ。」

 

 ギロリさんがそう言うと、俺はそう聞く。

 拓巳は、俺の質問を聞いてそう答える。

 なるほどな。

 そんな目的が。

 とはいえ、ロキに利用されているとかもあり得そうだが。

 すると、結斗が口を開く。

 

結斗「……………随分と詳しいだけど、アンタ達は?」

拓巳「安心しろ。敵じゃない。味方だ。」

ギロリ「君たちの事は、最大限サポートすると約束しよう。」

 

 結斗がそう聞くと、拓巳とギロリさんの2人はそう答える。

 この2人が味方なのは、本当に頼もしいな。

 

バイス「マジか!あいつらをギッタギタにしてやろうぜ!」

結斗「バイス。確かにそうしたいけど、リバイスドライバーが……………。」

湊翔「使えないのか?」

結斗「ああ。あのコラスとかいう奴に細工をされたのか、バイスタンプを押印したり装填したりしても、何も反応しない。」

 

 バイスがそんな風に言う中、結斗はそう言う。

 俺がそう聞くと、結斗はそう答える。

 なるほど、使えないのか。

 となると、厄介だな。

 

ギロリ「……………君たちの事は既にリサーチ済みだ。戦力が減っては困る。これを使うと良い。」

 

 ギロリさんはそう言うと、二つのミッションボックスを取り出す。

 どっから出したんだ?

 そう思うが、突っ込むのは野暮だな。

 2人が受け取って開けると、中にはデザイアドライバーとIDコアが入っていた。

 結斗はリバイの、バイスはバイスのIDコアだった。

 

拓巳「デザイアドライバーにそのIDコアを装填しろ。そうすれば、ゲームにエントリー出来る。」

結斗「あ、ああ………………。」

バイス「お、おう………………。」

 

 拓巳がそう言うと、2人はデザイアドライバーの中央部のパーフェクターコアにそれぞれのIDコアを装填する。

 

ENTRY

 

 その音声が鳴ると、バイスはデザイアドライバーを腰に装着する。

 

バイス「おっほほほほ!これ、イカしてんな!」

湊翔「だったら俺も、これを渡しておくよ。2人はバックルは一つも持っていないだろうからな。」

 

 バイスがご機嫌にそう言う中、俺はビートを結斗に、モンスターをバイスに渡す。

 

バイス「うぉぉぉぉ!すっげ〜!」

ギロリ「奴らの計画を、止められるか?」

 

 バイスがそう言う中、ギロリさんはそんな風に言う。

 俺たちは顔を見合わせて、頷く。

 

バイス「ふっ!」

結斗「やってやるさ。」

湊翔「もちろん。俺の世界を取り戻す。」

 

 俺たちはそんな風に言う。

 一方、ツムリ達の方は。

 

ツムリ「それじゃあこれより、最終戦!仮面ライダー!絶滅ゲームのエントリーを始めるわ!」

蓮「……………ルールは?」

 

 ツムリがそう言う中、秋山蓮がそう聞く。

 その周辺には、ミラーワールドの城戸真司、浅倉威、北岡秀一、須藤雅史、手塚海之、芝浦淳、東條悟、角淵鹿夫の姿もあった。

 蓮の質問を聞いたツムリは、口を開きながら、デザイアカードを配っていく。

 

ツムリ「全ての仮面ライダーが戦い合う、バトルロワイヤルゲーム。はい。最後まで生き残った人がデザ神となって、残酷な世界を叶えられるの。」

 

 ツムリは、デザイアカードを配りながらそう言う。

 それを聞いたメンツは。

 

威「フフフフフ……………!暴れさせてくれるのなら、俺は何だって良いぜ。」

秀一「良いんじゃないのかな?ごちゃごちゃした戦いにはなりそうだけど。」

悟「全ての仮面ライダーを倒せば、僕が英雄になれるかもしれないんだ。」

雅史「邪魔者を消せば良いだけですか。分かりやすいですね。」

海之「なるほど。」

淳「へぇ。面白そうじゃん。」

裏真司「悪の……………悪による…………悪の為のゲームか。」

 

 それを聞いた人たちは、そんな風に反応する。

 そして、デザイアカードにそれぞれの願いを書いていく。

 

ツムリ「さて、誰の願いが叶うかしら…………?」

 

 ツムリはそう言いながら、右の人差し指を歯で挟む。

 それぞれが書いた願いは。

 

裏真司『鏡の外が滅亡した世界』

蓮『全てを破壊する力』

威『命尽きるまで戦え』

秀一『永遠の命』

雅史『自分が頂点になる世界』

海之『俺の占いが外れる世界』

淳『デスゲームをやれる世界』

悟『僕が英雄になっている世界』

鹿夫『俺がモナと一緒に暮らせる世界』

 

 そんな風に書いていた。

 そして、俺たちは、ゴール地点にあった闘技場へと向かう。

 その闘技場には、全員が居て、ドライバーは装着済みだった。

 周囲にカメラが飛ぶ中、俺たちは配置につく。

 すると、浅倉が蓮や秀一に話しかける。

 

威「また戦えて嬉しいぜ。信用出来るのは、憎しみだけだからな。」

蓮「お前もしぶといな。大人しく眠っていれば良かった物を……………。」

秀一「全くだよ。俺は面白おかしく暮らせれば良いんだけどな。」

 

 浅倉がそう言うと、2人はそう返す。

 他の人たちも話していた。

 

海之「俺の占いはよく当たるんだ。占ってあげようか?」

雅史「必要ないですね。」

悟「僕が英雄になるんだから、邪魔しないでよ。」

淳「あっそう。じゃあ死んでよ。その方が面白そうだし。」

 

 海之と雅史、悟と淳は、そんな感じに話す。

 すると、城戸真司が口を開く。

 

裏真司「何を願おうが無駄だ。仮面ライダーを滅ぼすのは…………俺だ。」

鹿夫「お前達の願いは叶わない。デザ神になるのは……………俺だ。」

湊翔「勝つのは俺だ。」

結斗「戒斗の悪魔は返してもらうぞ。」

 

 城戸真司がそう言う中、鹿夫、俺、結斗はそう言う。

 すると、明らかに雰囲気に合わないモニターが光り、コラスが現れる。

 

コラス「さあ!デザイアロワイヤル最終戦!仮面ライダー絶滅ゲーム!スタートォォォッ!」

 

 コラスはそう言う。

 俺たちは、変身を開始する。

 ちなみに、俺はジェットバックルを装填している。

 

一同『変身!』

 

 俺たちはそう言うと、変身を開始する。

 

WOULD YOU LIKE A CUSTOM SELECTION

BEAT

MONSTER

GREAT

Vバックル変身音

 

 その音声が鳴ると、結斗とバイスの後ろにはギファードレックスが現れ、横には結斗にはスピーカーとBEATの文字が、バイスの横には、星が散りばめられていて、モンスターの顔と一体化したMONSTERという文字が現れ、ギファードレックスが顔を地面に叩きつけると同時に、アーマーが装着される。

 俺は、目の前に矢印とRAISINGの文字が浮かんで回転すると、俺に当たって、バイザー状になって、装着される。

 鹿夫の前にSAFETY FIRSTと書かれた文字が現れると、その男の周囲に警告色の鉄骨が現れ、工事現場の様な感じになる。

 それと同時に、鹿夫の横に浮かんでいた二つの文字がパワーアームによって回されるとアーマーになり、装着される。

 龍騎勢の仮面ライダーの場合は、目の前に鏡が現れると、そこから各々が契約しているミラーモンスターが現れ、周囲を動き回っていると、鏡が変身者を横切る。

 すると、ミラーモンスターが変身者に合わさり、姿が変わる。

 

湊翔「おお、似合ってんじゃん。」

 

REDAY FIGHT

 

 俺が結斗とバイスに向かってそう言うと、その音声が流れ、俺と結斗とバイスは、鹿夫の方へと向かう。

 

湊翔「ふっ!はっ!」

結斗「ハアッ!はっ!」

バイス「ふんっ!」

鹿夫「ふっ!はっ!」

 

 俺たちが戦っている中、龍騎の仮面ライダー達は、周囲にミラーモンスターを出して、戦っていた。

 こうして、乱戦が幕を開けた。




今回はここまでです。
今回は、戦闘が始まった頃です。
龍騎からの仮面ライダーは、ちゃんと本人です。
もし、イメージと違う場合は、すいません。
一部、原作では見られなかった組み合わせも出来たかなと思います。
次回は、湊翔達と拓巳達の戦闘です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ガッチャードは、新たな形態、ファイヤーガッチャードへと変身しましたね。
そして、ガッチャードデイブレイクの正体は、未来の宝太郎。
次回、最強ケミー☆ガッチャ大作戦で登場したマジェードが本編にも登場する。
楽しみです。
キングオージャーは、権力や力についての話でしたね。
ヤンマが珍しく暴走しますが、ギラがどうにかする。
次回も楽しみです。
この小説の今後の展開についてなどのリクエストは、絶賛受け付けています。
MOVIEバトルロワイヤルでの龍騎勢の仮面ライダーとの戦闘でのリクエストも可能な限りは受け付けています。
一部、あるネタを出来そうですし。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第80話 ゲームマスター同士の対決

 仮面ライダー絶滅ゲームが始まって、俺、結斗、バイスは、鹿夫と応戦していく。

 

湊翔「はあっ!ふっ!はっ!」

結斗「はあっ!はっ!」

バイス「おらっ!はっ!」

鹿夫「ふんっ!はあっ!」

 

 俺たちは、でかい剣を使う鹿夫に苦戦していた。

 パワーが凄まじいからな。

 すると、結斗にリュウガが攻撃する。

 

裏真司「全て俺が潰す。」

結斗「くっ……………!」

 

 リュウガはそう言うと、結斗の方へと向かっていく。

 俺とバイスが攻撃していると、ナイトが俺に攻撃してくる。

 

蓮「お前らに恨みは無いが、手加減はしない。」

湊翔「…………ああ。」

 

 ナイトはそう言うと、ダークバイザーを使ってきて攻撃していく。

 俺も、レイジングソードで応戦していく。

 鹿夫と戦っているのはバイスのみとなっていたが、剣で殴られたと同時に、王蛇に攻撃される。

 

威「獲物を寄越せ。イライラするんだよ……………!」

バイス「またお前かよ!?」

 

 王蛇はそう言うと、バイスは悪態を吐きながら王蛇と応戦していく。

 一方、他の仮面ライダー達は。

 

秀一「ハアッ!ふっ!」

海之「ふっ!でやっ!」

雅史「はっ!」

悟「でやっ!」

淳「ハアッ!ふっ!」

 

 各々で応戦していた。

 相手がいなくなった鹿夫は。

 

鹿夫「頂点に立つのは……………俺だ。」

 

 鹿夫はそう言うと、剣を放り捨て、ハンマーのレイズバックルを装填する。

 

GIGANT HAMMER

 

 その音声が鳴ると、再び大型レイズバックルを操作する。

 

GIGANT HAMMER

 

 その音声が鳴ると、ハンマーを装備する。

 

鹿夫「ふぅ……………はっ!」

 

 鹿夫はそのハンマーで地面を叩くと、柱が立っていき、それは外へと突き出していく。

 一方、ロキとコラスは。

 

コラス「それにしても、あなたは強欲な方ですね。」

ロキ「私は、私が望む戦闘を見たいだけだ。」

 

 ロキとコラスはそんな風に話していく。

 すると、2人がいる部屋の中に、拓巳とギロリさんの2人が入ってくる。

 

ロキ「ほう……………もうここを嗅ぎつけたか。」

コラス「ここは私が。」

ギロリ「コラス。お前はしぶとい男だな。」

コラス「私の時代は、何度でも始まるのだよ。」

 

 ロキがそう言う中、コラスは刀が飾ってある場所へと向かう。

 ギロリさんがそう言う中、コラスはそう答えて、刀を抜刀する。

 

コラス「でやっ!ふっ!」

 

 コラスはそう言うと、刀で2人を攻撃しようとするが、ギロリさんと拓巳の2人はそれを回避する。

 拓巳の腰には、ヴィジョンドライバーが付けられていた。

 

コラス「ギロリ。まさか、ゲームマスターではなく、ただのコンシェルジュに成り下がるとは、情けないな。」

ギロリ「黙れ。例え、ゲームマスターでなくなったとしても、私の意思は変わらない。世界平和に貢献する仮面ライダー達の支援。それが今の私が為すべきことだ。」

 

 コラスは、ギロリさんに対して、そんな悪態をつくが、ギロリさんは毅然とした態度でそう答える。

 すると、拓巳が小声で話しかける。

 

拓巳「ギロリ。あの結晶に囚われている彼女を助け出せ。」

ギロリ「分かった。」

 

 拓巳はそう言うと、ギロリさんは結晶に囚われている人の方へと向かった。

 それを見たコラスは。

 

コラス「なるほど……………ギロリを連れてきたのは、それが狙いか。」

拓巳「お前の相手は俺だ。」

コラス「良いだろう。相手をしてやろう。」

 

VISION DRIVER

 

 コラスはそう言うと、腰にヴィジョンドライバーを装着する。

 2人は、ヴィジョンドライバーの上部に親指を翳す。

 

GLARE, LOG IN

GLARE2, LOG IN

 

 その音声が流れると、2人の周囲に輪っかが出現して、腰に付けているプロビデンスカードを取り出す。

 

「「変身。」」

 

 2人はそう言うと、ヴィジョンドライバーにプロビデンスカードをスラッシュする。

 

INSTALL

DOMINATE A SYSTEM, GLARE

I HAVE FULL CONTROL OVER, GLARE2

 

 拓巳はグレアに、コラスはグレア2へと変身する。

 2人はしばらく睨み合うと。

 

拓巳「ふっ!」

コラス「はあっ!」

 

 2人は、お互いに向かっていき、格闘戦をしていく。

 一方、俺たちは、龍騎の仮面ライダー達と応戦していた。

 俺はリュウガと、結斗はナイトと、バイスは王蛇と応戦していた。

 すると、塔が建つ音が聞こえてくる。

 

結斗「あいつを止めないと!」

蓮「どこを見ている!」

結斗「ぐっ!」

 

 結斗が鹿夫の動向に気を取られると、ナイトに攻撃される。

 

バイス「おっと!」

威「ふんっ!」

バイス「おわぁぁぁ!?」

威「くたばれ……………!」

バイス「いってぇぞ、この野郎!」

 

 バイスが王蛇の攻撃を躱すが、そのまま尻に攻撃をされる。

 バイスは王蛇の攻撃を受け止めると、口を開く。

 

バイス「居るもんだな!人の皮を被った悪魔ってのが!!」

 

 バイスはそう言うと、王蛇と応戦していく。

 一方俺は、リュウガとお互いの剣で攻撃していた。

 俺は鍔迫り合いになると、口を開く。

 

湊翔「俺は………………俺の世界を取り戻すために戦うんだ!!」

 

 俺はそう叫びながら、そのままレイジングソードで攻撃する。

 これは、紛れもない本心だ。

 すると、チャージ音が聞こえてくる。

 他の2人も、王蛇とナイトを相手に善戦していた。

 

湊翔「だから………………こんな世界は作り変える!」

 

 俺はそう言って、レイジングソードでリュウガを攻撃する。

 それを受けたリュウガは。

 

裏真司「くだらない。滅びこそが美しい世界だ!」

 

 リュウガはそう叫ぶと、俺に攻撃してくる。

 俺はレイジングソードで鍔迫り合いへと持ち込む。

 一方、他の仮面ライダーは。

 

雅史「さて、さっさと倒すか。」

 

 須藤雅史はそう言うと、デッキケースからカードを取り出して、シザースバイザーに装填する。

 

FINALVENT

 

 その音声が鳴ると、ボルキャンサーが現れる。

 

雅史「ふっ!」

 

 シザースはジャンプをすると、ボルキャンサーがレシーブの要領でシザースを撃ち上げ、シザースは空中で膝を抱えて丸くなると、そのまま高速で前回転しながら、ガイに向かっていく。

 だが。

 

淳「甘い!」

 

 淳はそう言うと、デッキケースからアドベントカードを取り出して、メタルバイザーに装填する。

 

CONFINE VENT

 

雅史「何っ!?」

 

 その音声が鳴ると、シザースの必殺技がキャンセルされる。

 コンファインベントとは、他の仮面ライダーが発動したアドベントカードを無効化する能力を持っている。

 それは、ファイナルベントでさえも例外ではない。

 必殺技が無効化され、シザースが無防備に落ちていると、別のアドベントカードを装填する。

 

FINALVENT

 

 その音声が鳴ると、ガイはメタルホーンを持って、ジャンプする。

 すると、背後にメタルゲラスが現れ、ガイを肩に乗せて突進していく。

 

淳「ハァァァァァ!」

雅史「ぐわぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 ガイの必殺技であるヘビープレッシャーがシザースに命中して、デッキケースにヒビが入る。

 シザースが吹っ飛ぶと、その衝撃の影響か、デッキケースが割れる。

 

雅史「何っ!?」

 

 デッキケースが割れる。

 それは、ミラーモンスターとの契約が破棄され、変身が不可能になってしまう。

 すると、ボルキャンサーが雅史へと向かっていく。

 

雅史「や、やめろ……………来るなっ!」

 

 雅史はそう言うが、ボルキャンサーには聞こえておらず、そのまま捕食を開始していく。

 

雅史「うわぁぁぁぁ!!馬鹿な…………!私は、絶対生き延びて……………!!」

 

MISSION FAILED

 

 雅史はそんな風に言うが、ボルキャンサーに捕食されていく。

 そんな音声が流れる中、ガイは。

 

淳「良いねぇ……………!こういうのを待ち望んでいたんだよ!ハッハハハハハ!!」

 

 そんな風に、狂った笑みを浮かべる。

 一方、拓巳とコラスは。

 

拓巳「はっ!ふっ!ハアッ!」

コラス「ふんっ!はっ!」

 

 その2人は、装甲であるヒュプノレイを全て飛ばしながら、格闘戦を繰り広げていく。

 2人のヒュプノレイは、お互いにビットとして機能して、攻撃していく。

 ある程度応戦すると、拓巳がコラスを蹴る。

 

拓巳「仮面ライダー同士を戦わせて、どうするつもりだ?」

コラス「世界は破滅の道を進んでいる。」

拓巳「何?…………………っ!?」

 

 拓巳がコラスにそう聞くと、コラスはそう答えながら、拓巳の背後を見る。

 それを見て訝しむと、後ろから攻撃される。

 そこに居たのは、仮面ライダーオーディンだった。

 

拓巳「オーディンだと……………!?」

コラス「ロキに頼んで出してもらったのさ!」

拓巳「くっ!」

 

 仮面ライダーオーディンの攻撃を受けて、拓巳が怯んでいると、コラスが攻撃していく。

 二対一に持ち込まれてしまい、拓巳は苦戦気味だった。

 コラスが口を開く。

 

コラス「空の裂け目は時期に閉じる。ハアッ!そうなる前に、裂け目に破滅の門を建設する!」

拓巳「それが狙いか!」

 

 コラスはそう言いながら、オーディンと連携攻撃をして、拓巳は回避する。

 拓巳は少し離れると、口を開く。

 

拓巳「そんな事をして、どうするつもりだ!?」

コラス「星の数ほど居る、宇宙の侵略者を招待する。この世界は未曾有の、生き残りゲームを繰り広げるディストピアとなる!ハッハハハハハ!最高のエンターテイメントだろう!?ハッハハハハハ!!」

拓巳「狂ってやがる………………。」

 

 拓巳はそう聞くと、コラスは高笑いをしながらそう言い、拓巳はそう呟く。

 すると、コラスはプロビデンスカードを取り出しながら口を開く。

 

コラス「デザイアロワイヤルもフィナーレに、相応しい……………!」

 

DELETE

FINALVENT

 

 コラスはそう言うと、オーディンと共に必殺技を放とうとする。

 コラスはデリート必殺技を、オーディンはエターナルカオスを。

 オーディンの頭上にオーディンとの契約モンスターであるゴルトフェニックスが現れ、が黄金のエネルギーを纏う。

 だが、拓巳は慌てずにヴィジョンドライバーの上部に触れる。

 

HACKING ON CRACK START

 

 その音声が鳴ると、拓巳の右腕からオーラが出て、ゴルトフェニックスに当たる。

 すると、ゴルトフェニックスがコラスとオーディンを攻撃する。

 

コラス「何っ!?」

拓巳「まだだ。」

 

HACKING ON CRACK START

 

 コラスとオーディンが吹っ飛ぶ中、拓巳は再びヴィジョンドライバーの上部に触れて、ヒュプノレイが仮面ライダーオーディンへと向かい、顔に貼り付く。

 オーディンは項垂れると、拓巳の方へと向かう。

 ヒュプノレイは、オーディンの顔から消えていた。

 

コラス「ハッキングしたのか……………!?」

拓巳「勘違いするな。デザ神とは、世界を救った英雄の事だ。その栄誉を讃え、理想の世界を与える。世界を滅ぼそうとする者に、ゲームマスターの資格はない。……………まあ、ギロリからの請け負いだがな。」

 

 コラスが驚く中、拓巳はコラスに対して、そんな風に言う。

 ギロリさんから、ゲームマスターとしての信条を受け継いでいたのだ。

 

コラス「………………でやぁぁぁぁ!!」

拓巳「お前は削除する。」

 

DELETE

FINALVENT

 

 コラスがそう叫びながら拓巳の方へと向かおうとするが、拓巳はプロビデンスカードをスキャンして、オーディンは中断されたファイナルベントを発動する。

 

拓巳「ハァァァァ……………!ハァァァァ!!」

コラス「ぐわぁぁぁぁぁ!?」

 

 2人の必殺技を受けたコラスは爆発する。

 爆煙が晴れると、そこにはコラスは居らず、ヴィジョンドライバーだけが残されていた。

 オーディンも、役目を終えたのか、姿を消す。

 

拓巳「ふぅ……………。」

ロキ「中々にいい物を見せてもらいましたよ、黒石拓巳。」

拓巳「ロキ……………。」

 

 拓巳が一息つくと、ロキが拍手をしながら現れる。

 

拓巳「次はお前が相手になるのか?」

ロキ「まさか。私の目的は達成されたので、お暇する前に挨拶をしに来ただけですよ。」

拓巳「目的だと……………?」

 

 拓巳がそう言う中、ロキは大仰に振る舞いながら、落ちているヴィジョンドライバーを拾い上げる。

 ロキの言葉に首を傾げるが、すぐに見当がつく。

 

拓巳「まさか………………そのヴィジョンドライバーで、新たなゲームを開催できる程に力を貯める為か!」

ロキ「その通り。このデザイアロワイヤルは、あくまで繋ぎでしかない。ハラハラドキドキの不幸を楽しむゲームがまもなく始まるから、楽しみにしていろ。ハ〜ハッハッハッハッ!!」

 

 拓巳がそう言うと、ロキは肯定する。

 その為に、コラスを出してきたのだ。

 ロキはそう言うと、そのまま去っていく。

 

拓巳「……………取り敢えず、このデザイアロワイヤルを終息させるのが先か。ギロリ、彼女は保護出来たか?」

ギロリ「ああ。」

 

 拓巳はそう言うと、ギロリさんに聞く。

 ギロリさんは、結晶に囚われていた女性を連れていた。

 その女性は、幽霊だった。

 

拓巳「それで……………モナさんだったな?今戦っている仮面ライダー達が角淵鹿夫を止める。それで良いんだよな?」

モナ「はい。彼の目を覚まさせてやってください!」

拓巳「分かった。……………このゲームのルールを書き換える。」

 

 拓巳はそう聞くと、モナはそんな風に言う。

 それを聞いた拓巳は、右腕から波動を放つ。

 すると、赤黒く染まっていたエリア一体が元に戻る。

 拓巳はデザイア神殿へと向かう。

 

ジョージ「へ〜い!」

 

 拓巳が現れると、ヒュプノレイから光が放たれ、それにジョージ・狩崎、ツムリ、アクアの3人が包まれる。

 すると、3人は元に戻る。

 

ツムリ「私は………………?」

アクア「どうなっているの?」

拓巳「コラスにマインドコントロールされていたんだ。」

ジョージ「おお……………!かつて見た仮面ライダーじゃないか!」

 

 ツムリとアクアが首を傾げると、拓巳はそう説明する。

 ジョージ・狩崎がそう言いながら拓巳に近寄る。

 

拓巳「さあ、始めるぞ、俺たちのゲームを。」

 

 拓巳はそう言うと、腕を振る。

 一方、俺たちはリュウガ達と戦っていた。

 だが、ミラーモンスターも現れて、乱戦状態になっていた。

 その間にも、鹿夫の塔が建設されていく。

 

結斗「早く止めないと……………!」

 

 それを見て、結斗はそう言う。

 すると、ナイトに銃撃が当たる。

 結斗がそっちを見ると。

 

Lダクネス「ここは私たちに任せろ!!」

 

 ライブに変身したダクネスが、ライブガンを撃つ。

 俺がリュウガと応戦していると。

 

Tカズマ「ハアッ!ふっ!」

Dカズマ「おらっ!はっ!」

 

 タイクーンに変身したカズマと、デモンズに変身したカズマがリュウガと戦う。

 

Bダクネス「ハアッ!」

白夜「オラっ!」

トウカ「ハァァァァ!!」

 

 バイスが王蛇と戦っていると、バッファに変身したダクネスと、白夜とトウカがやってきて、王蛇と応戦する。

 

Jめぐみん「ハアッ!ふっ!」

Nめぐみん「ハァァァァァ!」

ゆんゆん「てやっ!ハアッ!」

 

 ナイトの方に、ジャンヌに変身しためぐみんとナーゴに変身しためぐみん、ゆんゆんがやってきて、連携攻撃をナイトにする。

 

朱翼「ハアッ!ふっ!」

武劉「ハアッ!はっ!」

ダスト「おらっ!このやろっ!」

リーン「ふっ!はあっ!」

リア「はあっ!はっ!」

エーリカ「はっ!ふっ!」

シエロ「ハアッ!でやっ!」

 

 朱翼、武劉、ダスト、リーン、リア、シエロ、エーリカもやって来て、ゾルダ、ライア、タイガ、ガイに攻撃していく。

 

結斗「カズマ!めぐみん!ダクネス!」

バイス「お前達、生きてたのか!」

湊翔「なるほど……………。」

Tカズマ「サブゲームマスターが蘇らせてくれたんだ。」

 

 俺たちは集まると、タイクーンのカズマがそう言う。

 そこに、ツムリがやってくる。

 

Nめぐみん「また服装を変えたんですか?」

ツムリ「皆さん!これより、デザイアグランプリ緊急ミッション、シカゲームを開始します!」

 

 ナーゴに変身しためぐみんがツムリにそう言うと、ツムリはそんな風に言う。

 緊急ミッションか。

 

Tカズマ「えっ?鹿?」

リア「また変わったゲーム名だな………。」

バイス「何それ?」

ツムリ「仮面ライダーシーカーは今、空の裂け目が閉じないように、破滅の門を建設しようとしています。」

 

 それを聞いた色んな人たちが首を傾げる中、ツムリはそう説明する。

 それを聞いて、コラスの目的を悟った。

 

湊翔「それが………………コラスの狙いか。」

結斗「そんな事したら………………世界が大変な事になるぞ!」

バイス「やべぇじゃん!」

 

 それを聞いた俺、結斗、バイスはそう叫ぶ。

 とんでもねぇディストピアを作ろうとしてたんだな。

 すると、ツムリが口を開く。

 

ツムリ「そうなる前に、ラスボスシーカーを討伐する事。見事達成したプレイヤーには、限定的ですが、願いを一つだけ叶える事が出来ます。」

 

 ツムリはそんな風に言う。

 なるほど。

 デザ神とならないのは、デザ神になる為には、魔王を倒さないといけないからか。

 それを聞いたバイスは口を開く。

 

バイス「よぉ〜し!やってやろうじゃねぇの!」

結斗「ああ!あいつの思い通りにはさせない!」

湊翔「だな。結斗、この二つを使え。」

 

 バイスと結斗がそう息巻く中、俺はプロペラとリバイスドライバーのレイズバックルを渡す。

 飛ぶ必要性があるからな。

 

湊翔「ここを任せた。」

白夜「分かった。」

トウカ「負けないでよ?」

湊翔「ああ。」

 

 俺がそう言うと、カズマ達は、龍騎の仮面ライダー達の方へと向かっていく。

 俺は、レイジングソードに付いてるバックルのレバーを倒す。

 

FULL CHARGE

 

 その音声と共に、俺はキャノンのレイズバックルを外し、結斗もプロペラレイズバックルをデザイアドライバーに装填する。

 

TWIN SET

SET

 

 すると、俺の目の前に、飛行機の翼の絵と英語でJETの文字が上側に、キャノンの絵と英語でCANNONの文字が下側に出て、結斗の左下に灰色のプロペラと英語でPROPELLERの文字が浮かぶ。

 俺たちは、レイズバックルを操作する。

 

DUAL ON

TAKE OFF COMPLETE JET & CANNON

BEAT ARMED PROPELLER

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・コマンドフォーム・ジェットモードに、結斗はリバイ・ビートアームドプロペラになる。

 

結斗「バイス、掴まれ!」

バイス「あいよ!」

湊翔「行くぞ!」

 

 俺と結斗はそれぞれの飛行手段で飛び、バイスは結斗の足に掴まる。

 いよいよ、シーカーとの最終決戦が幕を開けようとしていた。




今回はここまでです。
本家ギーツではあり得なかった、グレア対グレア2が出来ました。
ちなみに、コラスのグレア2のスペックは、チラミのグレア2のスペックと同じです。
シザースも、ガイのコンファインベントによって必殺技を無効化されて、ボルキャンサーに食われました。
そして、カズマ達も復活して、いよいよ最終決戦となります。
感想、リクエスト等、絶賛受け付けています。
メモリアルのマグナムブーストが届きましたが、かなり楽しいです。
ジリオンドライバーも届くので、楽しみです。
ガッチャードも、本編でりんねがマジェードに変身しましたね。
良いストーリーでした。
キングオージャーも、ドンブラザーズとキョウリュウジャーとコラボするみたいですし。
ちなみに、この小説で、ギーツエクストラ、タイクーンmeetsシノビに相当するエピソードはやる予定です。
今後の展開などでリクエストがあれば、活動報告にて承っております。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第81話 意志の強さ

 俺と結斗、バイスの3人は飛行して、シーカー/鹿夫の元へと向かう。

 その際、攻撃をしていく。

 

湊翔「ハァァァァァ!」

結斗「でりゃあああ!」

バイス「おらぁぁぁ!」

 

TACTICAL RAISING

TACTICAL FIRE

MONSTER STRIKE

 

 俺たちは必殺技を発動して、鹿夫が建設している柱を破壊して、鹿夫を掻っ攫う。

 近くの平原へと落ちる。

 

湊翔「よお、ラスボス。」

結斗「裂け目には行かせない!」

バイス「俺っち達が相手だぜ!」

鹿夫「俺に勝てる人間は居ない!ふんっ!」

 

 俺と結斗、バイスがそう言うと、鹿夫はそう言って、ギガントハンマーを地面に叩きつける。

 それを見た俺は、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 ジェットモードからキャノンモードになり、トロンキャノンを鹿夫が生成した壁に向かって撃つ。

 

「「「ハァァァァァ!」」」

 

 壁が壊れると同時に、俺たちは鹿夫の方へと向かっていく。

 

湊翔「ふっ!はっ!」

結斗「はあっ!でやっ!」

バイス「おらっ!はあっ!」

鹿夫「ふっ!はっ!」

 

 俺たちは、それぞれの武器で鹿夫に攻撃していき、鹿夫もギガントハンマーで対応する。

 

鹿夫「やるな。そこまでして願う世界は何だ?」

結斗「家族が幸せに暮らせれば、他に願いはない!なのに、どうして他人の不幸を願うんだ!」

バイス「そうだ!そうだ〜!」

鹿夫「黙れ!!」

 

 鹿夫がそう聞くと、結斗とバイスはそう言う。

 鹿夫は2人を吹き飛ばして、語る。

 

鹿夫「戦いには………………必ず勝者と敗者が居る。俺が勝った数だけ、不幸になる奴がいる。戦いとは、そういう物だ。」

 

 鹿夫はそんな風に言う。

 俺は口を開く。

 

湊翔「………………かの劇作家、シェイクスピアも言っていた。『人は泣きながら産まれる。こんな世界に生まれた事が悲しくてな』…………ってね。」

鹿夫「………………何が言いたい!」

 

 その言葉は、シェイクスピアの言葉だ。

 父さんの知り合いのおじさんは、そんな言葉をよく語っていたのだ。

 鹿夫はギガントハンマーで攻撃してくる。

 俺と結斗、バイスはそれを躱すが、吹き飛ばされる。

 それでも、俺は口を開く。

 

湊翔「……………要するに、俺たちは生まれた瞬間から、運命を背負わされてる。生きる為に、戦わなければならない運命を。」

鹿夫「力こそが俺の全てだ。この俺が……………頂点となる。」

 

 俺はそんな風に言うと、鹿夫はギガントハンマーで階段を生成して、そのまま上に向かう。

 一方、カズマ達の方は。

 

Tカズマ「おらっ!はあっ!」

Lダクネス「はあっ!」

 

 タイクーンに変身しているカズマと、ライブに変身しているダクネスが、リュウガと戦っていた。

 

Lダクネス「人々の幸せを、勝手に奪わせたりはしない!」

Tカズマ「俺はやる時はやるんだよ!!」

 

 2人はそう言って、リュウガと応戦していく。

 一方、ダクネス、トウカ、白夜は、王蛇と応戦していた。

 

Bダクネス「例えこの身が朽ち果てようとも、私は民を守る為に戦う!」

白夜「お前の様な奴に負ける訳にはいかねぇんだよ!」

トウカ「ええ!必ず勝つ!」

 

 バッファに変身しているダクネスに白夜、トウカはそう言うと、再び王蛇と応戦していく。

 一方、2人のめぐみんとゆんゆんは、ナイトと応戦していた。

 ナイトがウイングランサーを持つ中、ジャンヌの方はラブコフ・クジャクゲノムを、ナーゴの方はビートアックスを、ゆんゆんは魔法で攻撃していく。

 

Jめぐみん「この世界は、私たちが守ります!」

Nめぐみん「ええ!」

ゆんゆん「この世界は、もっと幸せになれるんです!」

 

 三人はそう言うと、ナイトと戦っていく。

 一方、他の人たちは。

 

淳「ハアッ!お前らは、俺のゲームの駒だ!」

ダスト「へっ!てめえの様な奴に従うわけがねぇだろうが!!」

リーン「全くね!私たちは私たちの意志で動く!それだけよ!!」

 

 芝浦淳/仮面ライダーガイがそう言う中、ダストとリーンはそう言って、ガイと戦っていく。

 一方、タイガとアクセルハーツは。

 

悟「はっ!僕が英雄になる為に死んでよ。」

リア「あなたは、英雄なんかじゃない!」

エーリカ「可愛い私やリア達を殺しても、英雄になんてなれる訳無いじゃない!」

シエロ「そうです!そんな事をしても、何の意味もありません!!」

悟「うるさい!!」

 

 悟がそう言う中、リアにエーリカ、シエロはそんな風に言う。

 それに激昂したのか、攻撃を激しくしていく。

 一方、ライアとデモンズに変身したカズマは。

 

Dカズマ「ライアの手塚さん。頼みがあるんです。」

海之「ほう………………俺の占い通りだな。良いだろう。話を聞こう。」

 

 2人が応戦する中、カズマはライアにそう言い、手塚は話に応じる事に。

 一方、朱翼と武劉は、ゾルダと応戦していた。

 

秀一「やるねぇ。特にワニの君は、ゴローちゃんみたいだねぇ。」

朱翼「ゴローちゃん?」

秀一「いや、こっちの話。」

武劉「そうか。」

 

 武劉を見たゾルダはそう言うと、朱翼は首を傾げる。

 ゴローちゃんとは、由来吾郎の事である。

 すると、ゾルダは。

 

秀一「さてと。俺はこんなゴチャゴチャした戦いは好きじゃないからさ。」

武劉「まさか!?」

朱翼「また!?」

 

 ゾルダはそう言うと、マグナバイザーにアドベントカードを装填する。

 

FINALVENT

 

 その音声と共に、ゾルダの目の前に、契約モンスターであるマグナギガが召喚され、背中のジョイントにマグナバイザーを接続し、トリガーを引く。

 すると、マグナギガの装甲が開き、そこからミサイルやレーザーが飛んでくる。

 それを見ていた他の仮面ライダー達は。

 

白夜「っ!皆逃げろ!」

 

 それに気づき、他の仮面ライダー達は退避する。

 だが、ガイだけが気づいておらず、王蛇はガイの方向へと向かう。

 周囲には、爆煙が広がる。

 煙が晴れると、そこには、ガイを盾にした王蛇の姿があった。

 

トウカ「盾にしたのね………………。」

リア「ああ………………。」

淳「お前……………!俺がゲームを面白くしてやったのに……………!」

威「近くにいた…………………お前が悪い。」

 

 それを見たトウカとリアがそう反応する中、ガイはそう文句を言うが、王蛇はその一言で一蹴する。

 それを聞いたガイは。

 

淳「ふざけるな……………!!」

 

 ガイは満身創痍の体を動かして、王蛇に攻撃しようとする。

 だが、王蛇にあっさりと吹き飛ばされる。

 ガイが吹っ飛ぶ中、王蛇はベノバイザーにアドベントカードを装填する。

 

FINALVENT

 

 その音声が鳴ると、王蛇の背後から、王蛇の契約モンスター、ベノスネーカーが現れる。

 王蛇はベノスネーカーの前を走る。

 王蛇はそのままジャンプすると、ベノスネーカーの前に付く。

 ベノスネーカーは毒液を吐き出すと、その勢いに合わせて、王蛇はバタ足キックを行う。

 

威「ハァァァァァ!」

ガイ「うわぁぁぁぁぁ!」

 

 王蛇の必殺技、ベノクラッシュがガイに命中する。

 すると、ガイは。

 

淳「うわぁぁぁぁぁ………………!」

 

MISSION FAILED

 

 その音声と共に、ガイは爆死して、脱落した。

 ゲームを盛り上げようとした男は、再び死亡した。

 一方、巻き込まれていなかったタイクーンに変身したカズマと、ライブに変身したダクネスは。

 

必殺承認!

ROUND 1』


バット!ジャスティスフィニッシュ!

TACTICAL SLASH

 

 2人は必殺技を発動して、リュウガを吹っ飛ばす。

 それを受けたリュウガは。

 

Lダクネス「今だ!」

裏真司「全てのライダーを……………滅ぼす。」

 

ADVENT

 

 リュウガはドラグセイバーを捨てると、ライブとタイクーンが向かう。

 だが、ドラグブラッカーのアドベントカードを入れていた。

 すると、ドラグブラッカーが現れて、炎を吐く。

 

一同「うわぁぁぁぁぁ!!」

 

 ドラグブラッカーの炎攻撃に巻き込まれて、爆発が起こる。

 すると。

 

FINALVENT

 

「「ハァァァァァ!」」

 

 その音声と共に、爆炎から飛翔斬を発動させたナイトと、ハイドべノンを発動させたライアが現れて、リュウガへと向かっていく。

 ドラグブラッカーを倒した2人は、リュウガに攻撃を当てる。

 それを受けたリュウガは、近くにあった窓に当たり、爆発する。

 すると、爆発で出た炎がまとまっていき、人の形になっていく。

 そこに居たのは、仮面ライダー龍騎だった。

 

ジョージ「おお……………!彼こそ仮面ライダー龍騎!仮面ライダー同士の戦いを止めたいと願う、正義のライダーだ!」

アクア「随分と詳しいわね……………。」

ツムリ「そうですね……………。」

ジョージ「仮面ライダーの事なら、何でも聞いてくれたまえ!」

 

 龍騎が現れたのを見て、ジョージはそんな風に叫ぶ。

 それを見て、アクアとツムリがそう言うと、ジョージはサムズアップしながら言う。

 一方、ナイト達は。

 

蓮「城戸、やっと戻ったか。手間がかかる奴だな。」

海之「本当にねぇ………………。」

真司「俺も………………俺の世界を取り戻す為に戦う!お前の相手は俺だ!!」

裏真司「俺の邪魔をするな………………!!」

真司「しゃっ!」

 

 それを見て、ナイトとライアがそう言う中、龍騎はリュウガに対してそう言う。

 龍騎とリュウガが戦う中、ナイトとライアは。

 

蓮「浅倉。お前の相手は俺だ。」

威「ふふっ。良いねぇ………………ゾクゾクするぜぇ!」

悟「相手になってよ。俺が英雄になる為にさ。」

海之「俺の占いは当たるよ?」

 

 ナイトは王蛇と、ライアはタイガと応戦していく。

 

蓮「ふっ!はっ!」

威「おらっ!」

 

 2人は、それぞれの武器をぶつけていく。

 一方、ライアとタイガは。

 

海之「はっ!はあっ!」

悟「はっ!はっ!」

 

 海之はエビルウィップで離れた場所から攻撃していき、悟はデストクローで攻撃していく。

 一方、龍騎とリュウガは。

 

裏真司「ハアッ!」
真司「ハァァァァ!どりゃああ!」

 

 2人は殴り合いを行なっていた。

 最初はリュウガが優勢だったが、次第に龍騎が優勢になっていく。

 

蓮「ふっ!はっ!」

威「ぐっ!うわぁぁぁ!」

 

 王蛇とナイトも、互いに互角に戦っていた。

 リュウガが膝をつく中、龍騎はデッキケースからアドベントカードを出して、ドラグバイザーに装填する。

 

FINALVENT

 

真司「ハアッ!ハァァァァ……………!!」

 

 龍騎がアドベントカードを装填すると、ドラグレッダーが現れ、龍騎の周りを回りながら上空へと飛ぶ。

 

真司「でやぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 真司は、ドラゴンライダーキックを発動して、リュウガへと向かっていく。

 一方、鹿夫は、破滅の塔を建設していた。

 

鹿夫「うおおおおお!」

 

 鹿夫は、ギガントブラスターを持って建設している。

 そこに、俺たちが向かう。

 

湊翔「ハァァァァ……………!ハァァァァァ!」

結斗「ハアッ!」

バイス「オラっ!」

 

 俺がジェットフォームになってレイジングソードで攻撃すると、結斗とバイスも攻撃する。

 2人の攻撃で鹿夫が立っていた場所が崩れる。

 

HYBRID GIGANT HAMMER

ALL MIGHT GIGANT SWORD

GIGANT ALL MIGHTY

 

 その音声が聞こえて、煙が晴れると、両腕のパワーアームを展開して、残り二つの装備を装備していた鹿夫の姿があった。

 

湊翔「ふっ!はっ!」

結斗「ハアッ!」

バイス「これでも食らえ!」

鹿夫「ふっ!」

「「うわっ!?」」

 

 俺はジェットフォームで縦横無尽に飛びながら、鹿夫に攻撃していく。

 結斗とバイスは、ギガントハンマーを踏みながら攻撃しようとするが、ギガントブラスターとギガントソードによって吹き飛ばされる。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!」

鹿夫「ふっ!」

湊翔「ぐっ!」

 

 俺は鹿夫にレイジングソードで攻撃するが、壁を作られてしまい、ギガントブラスターによって吹き飛ばされる。

 

結斗「ハアッ!」

バイス「この野郎っ!!」

鹿夫「ふんっ!」

「「うわっ!?」」

 

 結斗とバイスが、俺の攻撃を防いだ壁を破壊する。

 だが、別の壁で姿を消して、現れると同時に、不意打ちで攻撃する。

 鹿夫は階段を生成しながら上に向かう。

 俺と結斗とバイスが到着する中、鹿夫はバックルを操作する。

 

鹿夫「俺の………………邪魔をするな!」

 

GIGANT FINISHER

 

 鹿夫はそう言うと、必殺技が発動して、ギガントブラスターに鉄骨に紫色の禍々しいオーラが溜まる。

 

鹿夫「ハァァァァァ!!」

「「「うわぁぁぁぁ!!」」」

 

 鹿夫は、ギガントブラスターに貯めた鉄材と紫の禍々しいエネルギーを込めてビームを放ち、追撃にギガントソードの斬撃やギガントハンマーの光弾を放つ。

 俺たちは、それを受けて爆発する。

 鹿夫は光の裂け目の部分に到着して、門を生成する。

 

結斗「させるか!」

バイス「俺っちたちを忘れんなっての!!」

 

 そこに結斗とバイスが到着して、鹿夫と応戦していく。

 だが、ギガントウェポンのパワーに押され気味になっていて、門も開きかけていた。

 結斗のビートアックスが、鹿夫によって吹き飛ばされる。

 

鹿夫「デザ神になるのは、俺だ!俺には、その力がある!!」

 

 結斗がギガントブラスターを、バイスがギガントソードを抑える中、鹿夫はそう言って、ギガントハンマーで攻撃しようとする。

 だが、ギガントハンマーは、下からの攻撃によって吹き飛ばされる。

 

湊翔「力に溺れた奴に、勝利の女神は微笑まない!」

 

 俺がマグナムブーストフォームにチェンジして、マグナムシューターで吹き飛ばしたのだ。

 俺はそう言って、再びマグナムシューターでギガントソードを吹き飛ばす。

 

鹿夫「ふんっ!」

結斗「うわっ!」

バイス「結斗!」

 

 鹿夫は、ギガントブラスターで結斗とバイスを吹き飛ばす。

 だが、2人は連携をして、ギガントブラスターを捨てさせて、攻撃する。

 

結斗「お前の強さは、ギフの遺伝子でドーピングした偽物だ!」

バイス「そうだ!そんなもんで、俺っち達に勝てる訳ねぇだろ!!」

湊翔「本当の強さってのは、理想の世界を叶えたいという意志の強さだ!お前にその…………意志はあるか?」

鹿夫「……………………黙れぇぇぇぇぇ!!」

 

 結斗とバイスがそう言う中、俺はそう言う。

 今のあいつは、力を得た事で暴走している様なものだ。

 俺がそう言うと、鹿夫はそう叫ぶ。

 

湊翔「………………結斗、バイス!今だ!」

結斗「ああ!バイス!」

バイス「あいよ!」

 

 俺がそう言うと、バイスは結斗の中へと戻る。

 結斗は、ビートとプロペラを取ると、右側部分にリバイスドライバーレイズバックルを装填する。

 そして、そのままリバイスドライバーレイズバックルを操作する。

 

REVICE DRIVER

バディアップ!

オーイング!ショーニング!ローイング!ゴーイング!

仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!

 

 その音声が鳴ると、結斗の目の前にリバイスのライダーズクレストからリバイとバイスのそれぞれのライダーズクレストに分離して、そのライダーズクレストの下には、それぞれ英語でREVIとVICEと書かれていた。

 すると、リバイスドライバーを使ったリバイとバイスになる。

 ギロリさんや拓巳から聞いていたのだ。

 そうすれば、リバイスドライバーを使えると。

 

バイス「うっひょ〜!やっぱりこれが一番良いな!もう!待ちくたびれたよ〜!」

結斗「よし、バイス!一気に………………いや、一緒に行くぜ!」

バイス「あいよ!」

 

 バイスがそう言いながら現れる。

 結斗とバイスは、お互いに腕をぶつけ合い、結斗がリバイスドライバーに装填しているレックスバイスタンプを操作する。

 操作し終えると、2人はジャンプする。

 

レックス!スタンピングフィニッシュ!

 

 その音声が鳴ると、2人の足元にレックスバイスタンプ状のエネルギーが現れる。

 

「「ハァァァァ……………!ハァァァァァ!!」」

鹿夫「ぬわぁぁぁぁ!!」

 

 2人はそう叫びながらライダーキックを鹿夫に向かって放つ。

 鹿夫は、パワーアームを使って迎撃するが、すぐに突破される。

 鹿夫が爆発する中、煙の中から、赤ちゃん悪魔が現れて、結斗がキャッチする。

 リバイスドライバーには、人間と悪魔を分離出来る力があるのだ。

 

悪魔「助かった〜!」

結斗「行っけ〜!ギーツ!!」

バイス「ナイス!結斗!!」

 

 結斗が悪魔をキャッチして、バイスと共に落ちる中、俺は。

 

湊翔「さあ………………ハイライトだ。」

 

 俺はそう言うと、マグナムとブーストの二つのレイズバックルを操作する。

 

BOOST TIME

 

鹿夫「くっ……………!」

結斗「行っけ〜〜っ!!」

バイス「やっちまえ!!」

湊翔「ふっ!ハァァァァ……………!ハアッ!」

 

 鹿夫が呻き、結斗とバイスがそう言う中、俺はジャンプをする。

 すると、ギーツモードになったブーストライカーが俺の方に向かっていき、俺はブーストライカーの上に乗る。

 鳴き声を出す中、俺はブーストレイズバックルのハンドルを捻る。

 

MAGNUM BOOST GRAND VICTORY

 

湊翔「ハァァァァ……………!ハァァァァァァァァ!!」

鹿夫「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 

 俺は足元にギーツのライダーズクレストを出しながらキックを放つ。

 俺のキックは、鹿夫が建設した塔を破壊しながら進んでいく。

 

湊翔「ハァァァァ……………!ハァァァァァァァァ!!」

鹿夫「ぬぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 俺のキックが鹿夫を撃破して、その余波で塔が崩れて、門もまた爆発する。

 俺たち三人は着地すると。

 

バイス「ナイスバイス!」

ツムリ「ミッションコンプリートです!」

 

 バイスがそう言う中、ツムリのそんな声が聞こえてくる。

 後ろをチラリと見ると、空の裂け目も消えて、そこには『Mission Complete!』の文字が浮かんでいた。

 これで、このミッションは完了だな。

 俺はそう思いながら、一息吐くのだった。




今回はここまでです。
今回は、シーカーとの決着までです。
龍騎も出てきて、リュウガと決着がつきました。
ガイは、お約束というべきなのか、ベノクラッシュで退場しました。
次回は、MOVIEバトルロワイヤルのエピローグです。
果たして、シーカーはどうなるのか。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ジリオンドライバーが届きましたが、マジで楽しいです。
リガドにリガドΩ、ゲイザーゼロに変身出来ますし。
ゲイザーゼロは、この小説でも出す予定です。
ただ、どういう経緯で出すのかは、ギーツエクストラ、仮面ライダーゲイザーを見てから判断しようかなと思っています。
考えているのは、拓巳がジリオンドライバーの試運転として変身する感じですかね。
ガッチャードも、まさかの展開に驚いています。
復讐に意味などない。
今のスパナは、黒目のブジンソードになっていた桜井景和みたいですね。
次回、仮面ライダーヴァルバラドへと覚醒しますね。
ジャマト・アウェイキングに関しては、ストーリーを見てから判断します。
ドゥームズギーツをどんな感じに出すのかも考えます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第82話 全ての決着

 俺と結斗とバイスが鹿夫を撃破した直後、龍騎もリュウガを撃破した。

 ナイト達も、それぞれで戦う中、いきなり消えた。

 それを見ていた他の面子は。

 

Jめぐみん「消えた!?」

Dカズマ「マジかよ!?」

Lダクネス「何が起こっているんだ?」

Nめぐみん「多分、ゲームが終わって、脱落したんだと思います!」

トウカ「湊翔………………!」

Bダクネス「やったな。」

Tカズマ「疲れた………………。」

白夜「よくやったな。」

朱翼「お疲れ様です。」

武劉「ああ。」

ダスト「あいつら……………強すぎねぇか?」

リーン「確かに……………。」

ゆんゆん「はい……………。」

リア「お疲れ様。」

シエロ「お疲れ様です。」

エーリカ「疲れた………………。」

 

 龍騎、ナイト、王蛇、ゾルダ、ライア、タイガが消えるのを見て、それぞれそう反応したり、労ったり、ため息を吐く。

 その一方、俺と結斗とバイスは、鹿夫の元へと向かった。

 鹿夫は変身解除して、その場に倒れていた。

 それを見た結斗は、口を開く。

 

結斗「その力……………もっと使い道があった筈だろ?」

鹿夫「…………………。」

湊翔「確かに、アンタの彼女を蘇らせたいってのは分かる。でも、ロキ達に利用されていただけってのは、分かってたんじゃないのか?」

 

 結斗がそう言うと、鹿夫は顔を背ける。

 俺はそう言うと、鹿夫は独白をする。

 

鹿夫「………………俺は、俺の愛する人を奪って、俺に冤罪を掛けたこの世界が許せなかった。分かるだろ?例え利用されていたとしても、大切な人を取り戻したいという気持ちが………………?」

 

 鹿夫はそんな風に独白する。

 気持ちは分からんでもないんだがな。

 すると。

 

ギロリ「……………だが、彼女の気持ちを考えた事があるのか?」

鹿夫「何………………?」

湊翔「ギロリさん………………。」

 

 そこにギロリさんがやって来て、そう言う。

 俺たちがギロリさんの方を見ると、ギロリさんの横には、1人の女性が居た。

 その女性は、透けていたが。

 それを見た鹿夫は、目を丸くして、涙を溢しながら、口を開く。

 

鹿夫「モナ……………!?どうして……………?」

ギロリ「彼女は、君が眠りに就いてから、ずっと君のそばに居たんだ。地縛霊として。」

バイス「つまり、幽霊って事!?いやぁぁぁぁぁ!お化けぇぇぇぇぇ!!」

結斗「いや、バイス。悪魔も似た様な物だからな。」

バイス「ホンマやぁぁぁぁぁ!!」

 

 それを見た鹿夫が驚き、ギロリさんがそう言うと、バイスはそう叫ぶ。

 結斗はそれを見て、突っ込む。

 騒がしいな。

 そんな中、モナという女性は、鹿夫の方へと近寄る。

 

モナ「………………鹿夫さん。私を蘇らせようとしたのは嬉しかった。いつまでも私の事を想っててくれたって、分かったから。でも……………その為に、他の人たちの幸せを奪うなんて、私には耐えられなかった。他人の幸せを奪ってでも、生き返りたくなかった。それじゃあ、あなたがあなたを嵌めた人たちと同じになってしまうんだから…………………。」

鹿夫「…………………っ!そ、それは……………。」

 

 モナはそう言うと、鹿夫は顔を背ける。

 すると、モナは鹿夫を抱きしめる。

 

モナ「………………さっきも言ったけど、私を蘇らせようとしてくれたのは素直に嬉しい。でも……………彼らには彼らの幸せがあるの。それを奪いたくなんて無い。その気持ちだけで十分よ。」

鹿夫「モナ…………………ごめん、ごめんよ………………。」

 

 モナはそんな風に語る。

 すると、鹿夫は涙を流しながらそう言う。

 それを、俺と結斗はただ見つめていた。

 すると、鹿夫の体が崩壊を始める。

 

湊翔「おい、体が崩れてるぞ!?」

結斗「………………魔人になった上、ギフの遺伝子を無理矢理入れたんだ。体が限界を迎えたんだろうな………………。」

鹿夫「これは……………俺に対する罰だろう。あいつらと一緒になってしまった、俺の…………。」

 

 俺がそう言うと、結斗はそう言う。

 鹿夫は、自嘲気味にそう言う。

 すると、鹿夫のデザイアドライバーに装填されていたシーカーのIDコアが消える。

 

RETIRE

 

 その音声が聞こえると、鹿夫の体が崩壊して、デザイアドライバーがその場に落ちる。

 すると、鹿夫の崩れた体から、鹿夫の魂だけが出てくる。

 鹿夫とモナが寄り添う中、バイスが口を開く。

 

バイス「悪魔ちゃん、無事で良かったな。」

悪魔「へへへっ!お前ら、良くやったよ!」

結斗「………………ああ。」

 

 バイスがそう言うと、結斗と赤ちゃん悪魔がそう言う。

 すると、そこに二人組がやってくる。

 片方はツムリだが、もう片方は分からない。

 

ツムリ「皆さん、お疲れ様でした。」

湊翔「ところで、あなたは?」

エリス「私は、女神エリスと申します。」

 

 ツムリがそう言う中、俺はもう片方の女性にそう聞く。

 すると、エリスと名乗る。

 この世界の女神の1人ってことか。

 一方、それを見ていたタイクーンに変身していたカズマは。

 

カズマ(………………あれ?あのエリスって女神、どこかで見た様な……………?)

 

 そんな風に首を傾げていた。

 一方、俺たちの方は、ツムリが口を開く。

 

ツムリ「ラスボスは、桐ヶ谷湊翔様、前田結斗様によって撃破されましたが、願いを叶えられるのは、どちらか1人になります。」

バイス「ええっ!?ちょっと待って!?俺っちは!?」

ツムリ「残念ながら、悪魔は対象外です。」

バイス「ははっ!ですよね!って、おおい!何でだよ!?」

 

 ツムリはそんな風に言う中、バイスが口を開く。

 ツムリはそんな風に言う。

 バイスが詰め寄ろうとする中、女神エリスに牽制され、ツムリは俺と結斗の方に向かう。

 

ツムリ「どうぞ。願いを一つだけご記入下さい。」

 

 ツムリはそう言いながら、デザイアカードとペンを渡す。

 俺と結斗が顔を見合わせる中、結斗は口を開く。

 

結斗「……………被害に遭った世界は、元通りになるんですよね?」

ツムリ「はい。それが、デザイアグランプリのルールなので。」

結斗「………………そっか。なら、他に願う事なんて無いよ。」

 

 結斗がそう聞くと、ツムリはそう答える。

 それを聞いた結斗がそう言うと、バイスが反応する。

 

バイス「ええっ!?ちょっと!?勿体無いって!ねえ、お節介キャラやめちゃったの、結斗!?ほら、他にもあるだろ!?捻り出せってよ!」

湊翔「………………じゃあ、遠慮なく。」

 

 バイスがそう言う中、俺はそう言って、デザイアカードを受け取る。

 俺の願いは決まっている。

 結斗とバイスが喚く中、俺はチラリと鹿夫とモナを見る。

 

エリス「……………それでは、角淵鹿夫さん、モナさん。行きましょう。」

鹿夫「………………ああ。」

モナ「ええ。」

 

 女神エリスがそう言うと、鹿夫とモナはそんな風に頷く。

 2人とも、分かっているのだ。

 このまま別れてしまうという事を。

 すると、結斗が口を開く。

 

結斗「何を願ったんだ?」

湊翔「……………秘密だよ。」

結斗「ふ〜ん……………。」

 

 結斗がそう聞くと、俺はそう答える。

 俺はデザイアカードに願いを記載すると、ツムリに返す。

 それを見たツムリは、一瞬驚くと、微笑み、女神エリスに話しかける。

 

ツムリ「……………エリス様。少しよろしいでしょうか?」

エリス「……………どうしましたか?」

ツムリ「これを。」

エリス「…………………っ!!」

 

 ツムリが女神エリスに話しかけて、デザイアカードを見せると、女神エリスは驚く。

 無論、それを見ていた鹿夫とモナも。

 すると、女神エリスが口を開く。

 

エリス「………………分かりました。鹿夫さん、話したい事があるなら、少しだけなら良いですよ。」

鹿夫「っ!?………………ありがとう。」

 

 女神エリスがそう言うと、鹿夫は俺の方に来る。

 鹿夫は、俺に話しかける。

 

鹿夫「………………良いのか?せっかくの願いだったんだぞ?」

湊翔「ああ。アンタにも、幸せになって欲しかったからな。」

鹿夫「……………やれやれ。変わった奴だな。だが………………ありがとう。お礼に、これをお前に託すよ。」

 

 鹿夫は俺にそう聞くと、俺はそう答える。

 純粋にそう思っただけだ。

 それを見た鹿夫は、そんな風に言うと、パワードビルダーバックルと、ギガントコンテナバックルを俺に渡す。

 

湊翔「……………良いのか?」

鹿夫「ああ。お前は俺より強い。お前なら魔王を倒せる。あとは頼むぜ。ウェポンマスターの後輩?」

湊翔「………………ああ、当然さ。どんなやつが相手でも、最後に勝つのは俺だ。」

 

 俺がそう聞くと、鹿夫は笑みを浮かべながらそう言う。

 俺はそう答えると、鹿夫は笑みを浮かべながら下がる。

 

ツムリ「では、参りましょう!理想の世界へ!」

 

 ツムリがそう言うと、周囲から鐘の音が聞こえてきて、世界が変わっていく気がした。

 その後、結斗は一旦元の世界に戻り、赤ちゃん悪魔を元に戻す事に。

 

悪魔「ただいま〜!また遊んでくれよな〜!!」

 

 悪魔はそう言いながら、結斗と結斗の世界のリアの子供である戒斗に戻る。

 それを見て、結斗とリアは喜ぶ。

 結斗は、バイスと話していた。

 

バイス「終わったな、結斗。」

結斗「ああ………………終わった。」

バイス「これからも、俺っちと結斗は一緒だよな?」

結斗「ああ。当たり前だろ?俺とお前は家族なんだから。」

バイス「へへっ!おうよ!」

 

 結斗とバイスはそんな風に話しながら、拳をぶつけ合う。

 それを、リア達は微笑ましく見守っていた。

 その後、結斗とバイスは、俺の元に来ていた。

 

結斗「湊翔!めっちゃ美味そうだぞ!」

湊翔「ああ、美味そうだ。」

バイス「うっひょ〜!」

 

 俺たちは、一緒に食事をしていた。

 すると、結斗が口を開く。

 

結斗「あっ、そうだ。ありがとうな。これは返すよ。」

湊翔「ああ。」

 

 結斗はそう言うと、俺に結斗とバイスが使っていたデザイアドライバーを渡してくる。

 俺はそれを受け取る。

 拓巳達からも、回収してくれと頼まれていたからな。

 だが、受け取った中にデザイアドライバー、ビートとモンスター、リバイスドライバーのレイズバックルがあった。

 

湊翔「……………リバイスドライバーのレイズバックルもか?良いのか?」

結斗「……………ああ。湊翔の世界は、まだ魔王を倒せて無いんだろ?少しは役に立てるかなと思ってな。」

バイス「俺っち達の力、大事に使えよ?」

湊翔「………………そういう事なら、受け取っておくよ。」

 

 俺はリバイスドライバーレイズバックルを返そうとするが、結斗とバイスはそんなふうに言う。

 なら、受け取っておくか。

 俺は、リバイスドライバーレイズバックルを受け取る。

 

結斗「まあ、食べようぜ!」

バイス「そうだな!俺っちも腹が減ったぜ!」

湊翔「ああ。」

 

 俺たちはそう話して、ご飯を食べる事に。

 ギロリさんが作ってくれた寿司を。

 

結斗「うっひょ〜!たくさん食べられるな。」

バイス「本当にな!最高〜!」

湊翔「美味いな。」

ギロリ「おかわりはまだあります。」

 

 俺たちはそう言うと、ギロリさんは寿司を握りながら、そんな風に言う。

 俺たちは、寿司を堪能していく。

 一方、カズマとめぐみん、朱翼と武劉が街を歩いていると、1人の男性が話しかける。

 

???「君たち、この間戦っていた仮面ライダーだよね?」

カズマ「そ、そうですけど……………。」

武劉「あなたは?」

真司「俺は城戸真司。最後に来た赤いライダーが俺なんだけど……………。」

 

 カズマがそう言うと、武劉はそう聞く。

 その男は城戸真司だった。

 

めぐみん「確か……………仮面ライダー龍騎ですよね!?」

朱翼「あなたが……………。」

真司「君たちは……………この世界で勝ち残ったら、何を願ってる?」

 

 それを聞いためぐみんと朱翼がそう言う中、真司はそう聞く。

 それを聞いたカズマ達は、口を開く。

 

カズマ「俺は……………平和に暮らせればそれで良いかな。」

めぐみん「私は、最強の爆裂魔法使いになってみせます!」

武劉「平和だな。それが一番だ。」

朱翼「私もそんな感じですね。」

真司「そっか。……………俺もずっと願ってる。戦いのない世界を。そうだ。これ、あげるよ。」

 

 カズマ達の答えを聞いた城戸真司はそう言う。

 すると、真司はカズマに何かを渡す。

 それは、Vバックルの絵が描かれていたレイズバックルだった。

 

カズマ「これって……………!?」

真司「Vバックルレイズバックル。俺の仮面ライダー龍騎の力が宿ってるんだ。願いを叶えるのに役に立つかなって。」

カズマ「ありがとうございます!」

 

 カズマは、城戸真司からVバックルレイズバックルを受け取る。

 すると。

 

蓮「……………随分偉そうに語っていたな。」

海之「また城戸は裏の自分に取り憑かれたのか。」

秀一「ある意味疫病神だね。」

真司「ああ!聞いてたのか!?相変わらず性格悪いなぁ!というより、誰が疫病神だ!?」

 

 そこに、秋山蓮、手塚海之、北岡秀一が現れる。

 それを聞いた真司がそう言う中、蓮達はめぐみん達に話しかける。

 

蓮「お前か。俺に挑んできた猫の仮面ライダーは。」

めぐみん「お前とは何ですか!?我が名はめぐみん!アークウィザードにして、最強の爆裂魔法使い!仮面ライダーナーゴです!」

蓮「………………そうか。なら、これを渡しておこう。」

 

 蓮は、めぐみんが自分に挑んできた仮面ライダーだと分かっていたのだ。

 めぐみんがそう叫ぶ中、蓮はある物を渡す。

 それは、ナイトのVバックルが描かれていたレイズバックルだった。

 

めぐみん「これは……………!?」

蓮「さっき、城戸が渡した物とは別の物だ。お前に渡しておこうと思ってな。」

めぐみん「……………はい!」

 

 めぐみんが驚く中、秋山蓮はそう言い、めぐみんは頷く。

 一方、手塚海之と朱翼は。

 

海之「君は確か……………俺の占いを聞いてくれた仮面ライダーだったよね?」

朱翼「え、ええ……………。」

海之「俺の占いを聞いてくれたお礼だ。受け取ってくれ。」

 

 海之がそう聞くと、朱翼はそう言う。

 すると、海之は、ライアのVバックルが描かれたレイズバックルを渡す。

 

朱翼「これは……………!」

海之「俺の仮面ライダーライアの力が宿ったレイズバックルだってさ。それと、君、気になる男の人が居るんじゃないのか?」

朱翼「えっ!?」

海之「言っただろう?俺の占いは当たるって。」

 

 朱翼がそれを見て驚く中、海之は揶揄いながらそんな風に言う。

 一方、北岡秀一は。

 

秀一「君……………職業は何かな?」

武劉「俺は……………元自衛隊のボディーガードで、今はバトルマスターだ。」

秀一「ふ〜ん……………なら、これをあげるよ。」

 

 北岡秀一がそう聞くと、武劉はそう答える。

 それを聞いた秀一は、ゾルダのVバックルが描かれたレイズバックルを渡す。

 

武劉「これは……………!?」

秀一「俺の仮面ライダーゾルダの力が宿ったレイズバックルだってさ。なんか、ゴローちゃんみたいだから、渡すよ。」

武劉「ああ。」

 

 武劉はそう聞くと、北岡秀一はそう答える。

 それぞれのレイズバックルを受け取ったカズマ達は帰る中、秋山蓮が城戸真司に話しかける。

 

蓮「お前がミラーワールドに囚われたせいで、妙なゲームに参加させられた。」

海之「全くだな。」

秀一「じゃあ、これは貸しって事で。」

真司「おいおい!貸しって……………お前ら、別に誰も頼んでないだろ?」

 

 秋山蓮、手塚海之、北岡秀一がそんな風に言うと、城戸真司はそんなふうに反論する。

 まるで、かつての仮面ライダー龍騎の世界でのやり取りの様だった。

 すると、秋山蓮が口を開く。

 

蓮「いつまで続くんだろうな、俺たちの戦いは。」

真司「俺が終わらせるまでだよ。」

海之「ふっ。城戸らしいな。」

秀一「俺はのんびり暮らせたら良いんだけどな。」

 

 秋山蓮がそう言うと、城戸真司はそんなふうに宣言して、それを見ていた2人もそう言う。

 そして、4人は別々の道へと去っていく。

 龍騎達の戦いは、いつまで続くのか。

 それは、誰にも分からない。

 一方、ジョージ・狩崎は。

 

ジョージ「ヘ〜イ!ヘ〜イ!ヘ〜イ!!ラウンズにライコウ、スワンにダイル!キュビー、タンツェン、スマッシュ!シローにメリーにギンペン!私の知らない仮面ライダーがたくさんだねぇ!」

 

 そんな風に、会った事のない仮面ライダー達のデータを見て、盛り上がっていた。

 一方、アクアとトウカは、結斗達の世界のカズマとダクネスと話していた。

 

アクア「へぇ……………そっちは借金を背負わなかったのね。」

Dカズマ「まあな。」

トウカ「そっちのダクネスも大変だったんだな。」

Lダクネス「まあな………………。」

 

 その4人は、お互いの世界の違いについて話していた。

 すると。

 

???「へぇ……………違う世界のアクアか。」

???「そうみたいだな。」

アクア「えっ!?」

トウカ「お前ら……………何者だ!?」

 

 カズマとダクネスの雰囲気が変わり、アクアが驚き、トウカが警戒する中、2人は口を開く。

 

カゲロウ「私はカゲロウ。ダクネスの悪魔だ。」

ムラマサ「俺はムラマサ。カズマの悪魔だ。」

 

 2人の悪魔はそう名乗る。

 すると。

 

アクア「悪魔ですって!?なら、成仏させてあげるわ!ターン・アンデッド!」

トウカ「悪魔なら倒すだけだ!」

 

 その2人はそう叫びながら、ムラマサ達に攻撃しようとする。

 だが……………。

 

カゲロウ「うん?今何かしたか?」

アクア「私のターンアンデッドが効いてない!?」

ムラマサ「ふんっ。」

トウカ「えっ………………!?」

 

 アクアのターンアンデッドは、カゲロウには効いておらず、トウカの攻撃は、ムラマサにはあっさりと回避される。

 すると。

 

Lダクネス「おい、カゲロウ!何をしているんだ!すまない、アクア!」

Dカズマ「ムラマサもだ!トウカだっけ?本当に悪い!でも、カゲロウに関してはナイスだ!」

アクア「何ですって〜っ!!」

 

 元の人格に戻り、ダクネスやカズマは謝るが、アクアに対してはそう言う。

 その結果、アクアはキレた。

 ムラマサは、それを軽くいなした。

 その後、俺たちは呼び出された。

 

カズマ「いきなり呼び出されたな。」

めぐみん「どうしたのですか?」

ダクネス「さあな?」

トウカ「まあ、雰囲気から見て、ジャマト関連では無いみたいだけどね。」

白夜「そうだな。」

朱翼「でも………………ジャマトを倒したからって、平和になるわけではないんですね。」

武劉「意見が合わずにぶつかり合う。それが人間だ。」

ゆんゆん「そうなんですね……………。」

ダスト「それより、まだなのかよ!?」

リーン「駄々を捏ねないの!」

リア「まあまあ……………。」

シエロ「待ちましょうか。」

エーリカ「しょうがないわね。」

 

 カズマ達がそう話す中、ツムリがやって来る。

 

湊翔「ツムリさん。どうしたんですか?」

ツムリ「皆さんには、見せたい物がありまして。」

カズマ「見せたい物?」

 

 俺がそう聞くと、ツムリはそう言って、俺たちが首を傾げる。  

 すると、モニターが出てくる。

 そこには、一組の男女が一緒に学校に通っているシーンだった。

 

白夜「ツムリ、これは?」

ツムリ「これは……………角淵鹿夫さんとモナさんです。」

武劉「どういう事だ?」

ツムリ「桐ヶ谷湊翔さんの願いによって、2人は再び巡り会ったのです。」

トウカ「えっ?」

 

 白夜と武劉がそう聞くと、ツムリはそう言う。

 そう、俺の願いは、『生まれ変わった鹿夫とモナが一緒に幸せになる世界』と書いたのだ。

 あの2人にも、幸せになって欲しいからな。

 それを見て、皆は微笑ましく見ていたのだった。

 

 

 

 一方、拓巳達の方は。

 

拓巳「まさか、あんな願いを書くとはな。」

ジーン「感動するよ、湊翔。」

ギロリ「それにしても、あのバックルを湊翔に渡して良かったのか?」

ゼウス「他ならぬ角淵鹿夫自身が望んだんだ。問題はないだろう。」

 

 拓巳達はそんな風に話していた。

 すると、ツムリが俺が結斗とバイスが使っていたデザイアドライバーを持ってくる。

 

ツムリ「ゼウス様。前田結斗様とバイス様が使っていたデザイアドライバーを持ってきました。」

ゼウス「ありがとう。」

拓巳「まあ、まだ安心は出来ないがな。」

ギロリ「ああ。ロキ達の狙いが、ロキ側が持っているヴィジョンドライバーで、新たなゲームを始められる位に力を溜める事だったとはな……………。」

 

 ツムリが持ってきて、ゼウスが労う中、拓巳とギロリさんがそう話す。

 それを聞いたゼウスが、口を開く。

 

ゼウス「……………ひとまず、作業を始めつつ、監視を続けるぞ。奴が何を企んでいるのか、警戒するに越した事は無いからな。」

拓巳「ああ。」

 

 ゼウスはそう言うと、拓巳達は何かを始める。

 一方、ロキ側は。

 

武「桐ヶ谷湊翔は、強くなってるな。今度戦う時が楽しみだぜ……………!」

闘轟「どんなに強くなろうと、俺たちが勝つ。」

要「気合が入っていますね。」

遥「みたいね。」

光太郎「俺たちはやるべき事をやるだけさ。」

 

 馬場武達はそう言う。

 それを見ていた人たちがいた。

 

樹「気合が入っているね。」

???「まあ、俺は俺が笑えるのなら、それで十分だけどな。」

ベロバ「アンタは相変わらずね。ケケラ…………いや、シャドウケケラとでも呼べば良いのかしら?」

Sケケラ「どっちでも好きな方を呼べば良いさ。」

 

 そこに居たのは、石井樹にベロバ、そしてカエルの置物だった。

 そのカエルの置物は、ケケラと呼ばれていたが、本人はそう言う。

 すると、石井樹が口を開く。

 

樹「……………そういえば、ロキはどうしたんだい?」

ベロバ「ああ、ロキなら自分の部屋に引きこもってるわよ?」

Sケケラ「なんか、面白い事でもあったんじゃねぇのか?」

 

 樹がそう言うと、ベロバともう1人のケケラはそんな風に言う。

 一方、ロキはというと。

 

ロキ(クックックっ……………!いよいよ、私の計画が加速していく。順調だな。アテナかエリス。その2人のどちらかを利用する事が出来れば、行けるだろう。それに、面白い事も分かったしな。)

 

 ロキはそんな風に考えながら、ほくそ笑む。

 すると、ロキは口を開く。

 

ロキ「桐ヶ谷湊翔のあの強さにも、納得が行くという物だ。桐ヶ谷湊翔は……………ゼウス達によって一部がデザインされた存在であるという事だろうな。」

 

 ロキはそんな風に言う。

 その言葉の意味とは………………。




今回はここまでです。
今回で、MOVIEバトルロワイヤルの話は終わりです。
カズマの悪魔であるムラマサも登場しました。
そして、ロキが知った湊翔の真実。
湊翔は、ゼウスによって一部がデザインされた存在であると。
そうしなければ、湊翔がいずれ獲得する創世の力を獲得するのに違和感が生じますからね。
それは、今後、どんな風に物語に関わってくるのか。
次回は椅子取りゲームになる予定です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
仮面ライダーヴァルバラドへの覚醒が良かったです。
両親の想いを受け取り、覚醒するのが良いです。
そして次回、ズキュンパイアが動く模様。
キングオージャーも、グローディを撃破出来ましたね。
ただ、グローディはハーカバーカに行ったけど、そこに暴太郎達がやってくると言う。
どうなるのか。
今後のこの小説の展開でリクエストがあれば活動報告で受け付けています。
4人のエースと黒狐や、最強ケミー☆ガッチャ大作戦、ジャマト・アウェイキングに相当する話はやります。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第10章
第83話 椅子取りゲーム


 デザイアロワイヤルの一件が終わった後、俺たちはというと。

 

湊翔「はっ!ふっ!はあっ!」

隼「ふっ!はっ!」

白夜「はあっ!でやっ!」

炎魔「おらっ!はっ!」

 

 俺と白夜は、大空隼と紅炎魔の2人に、特訓をしてもらっていた。

 ちなみに、全員変身している。

 特訓する理由は、やはり、角淵鹿夫という強い相手と戦ったからだ。

 あれは、結斗とバイスの協力があったから勝てたのであって、俺単独だと、破滅の門が建設されて終わりだろう。

 白夜とかの影響を受けたのか、鍛錬をするというのをよくやる様になった。

 しばらくして、特訓を終える。

 

隼「ふむ。なかなかにやりますね。筋が良いですよ、湊翔さんは。」

湊翔「ありがとうございます。」

炎魔「白夜、お前は相変わらずに強いな。」

白夜「まあな。」

 

 俺たちはそんな風に話す。

 すると。

 

彩花「皆さん!軽食が出来ましたよ!」

龍牙「冷めないうちに食え。」

 

 その2人がそう言いながら、おにぎりを持ってくる。

 俺たちは、変身解除しつつ、おにぎりを食べる。

 

湊翔「美味しいです。」

白夜「美味いな。」

炎魔「やっぱり、彩花の飯は美味いな!」

彩花「まだありますからね。」

隼「それにしても、君が料理が出来るとは、少し意外かな。」

龍牙「悪いか?こう見えても、アクセルの孤児院の子供達に料理を振る舞ってるんだぞ。」

 

 俺と白夜と炎魔がそう言いながら食べ、彩花さんがそう微笑む。

 隼と龍牙はそんな風に話していた。

 すると、白夜が口を開く。

 

白夜「それで、急に鍛えたいとか言ってきたけど、どうしたんだよ?」

湊翔「どうして………………か。前から言われてたわけだし、きっかけは角淵鹿夫との戦いかな。」

彩花「確か………………デザイアロワイヤルで戦った仮面ライダーですよね?」

 

 白夜がそんな風に聞いてくるので、俺はそう答える。

 彩花さんがそう聞くと、俺は頷きながら答える。

 

湊翔「はい。正直言って、あの戦いは、結斗とバイスが居たからどうにかなった面がありますし。」

隼「………………自分をそこまで卑下にしなくても良いんじゃないのかい?」

湊翔「いや、実際、赤ちゃん悪魔を取り込んだあの強さは本当に凄まじい。もちろん、あいつ自身の強さもあったんだろうけどな。」

 

 俺はそう言うと、隼はそんな風にフォローをする。

 だけど、俺はそんな風に言う。

 紛れもない本心だ。

 

湊翔「それに、馬場武達もジャマトも確実に強くなってる。今のままじゃ、どこかで勝てなくなる。だからこそ強くなるんだ。この世界を守るって決めたからな。」

白夜「湊翔…………………ふっ。そうだな。牛島闘轟も本気を出してくるだろうからな。負けてらんねぇわ。」

 

 俺がそう言うと、白夜もそんな風に言う。

 それを、炎魔達は微笑ましく見守っていた。

 

白夜「それじゃあ、この後、特訓を再開するか。」

湊翔「ああ。………………ん?」

 

 俺と白夜はそう話す。

 すると、赤い帽子を被った女の子が見えた気がした。

 

白夜「どうした?」

湊翔「いや、女の子が見えた気が…………?」

 

 白夜がそう聞き、俺はそう答えるが、再び見ると、その女の子は消えていた。

 

湊翔「……………悪い。気のせいだ。」

白夜「そりゃそうだろ。ここには、デザイアグランプリの参加者しか来れないんだから。それより、特訓を再開しようぜ。」

龍牙「なあ、特訓を再開するのは良いんだが……………。」

隼「君たちのデザイアドライバーはどうしたんだい?」

「「えっ?」」

 

 俺と白夜はそう言う中、龍牙と隼はそう言う。

 俺と白夜は腰を見ると、デザイアドライバーが消えていて、足元にIDコアが転がっていた。

 俺たちは困惑していた。

 すると、スパイダーフォンに連絡が入った。

 

湊翔「ツムリさん?」

ツムリ「桐ヶ谷湊翔様、虎雷白夜様!至急、デザイア神殿に来てください!」

白夜「お、おう。」

 

 そんな風にツムリが言うので、俺と白夜は頷く。

 それを見ていた隼達は。

 

隼「招集があったんだろう?早く行った方が良い。」

炎魔「招集があるのなら、仕方ないよな。」

龍牙「デザイアドライバーが消えたことも説明されるかもしれないからな。」

彩花「行ってください。」

湊翔「すいません。」

白夜「じゃあ、あとは頼んだぜ!」

 

 隼達は、そんな風に言う。

 俺たちはそんな風に言って、デザイア神殿へと向かう。

 デザイア神殿に着くと、カズマ達も居た。

 

湊翔「カズマ達もか?」

カズマ「湊翔と白夜もデザイアドライバーが消えたのか!?」

白夜「お前らもか………………。」

 

 俺がそう聞くと、カズマがそう言う。

 カズマ達もIDコアを残して、デザイアドライバーが消えたのか……………。

 俺と白夜は話を聞く。

 トウカと朱翼の場合は。

 

トウカ「………………それで、朱翼。話って何なの?」

朱翼「いえ。トウカは、湊翔さんの事をどう思ってるかなと思いまして。」

トウカ「えっ!?」

 

 トウカはそう聞くと、朱翼はそう聞く。

 トウカが驚く中、朱翼は真面目な表情で見る。

 トウカは顔を赤くしながら言う。

 

トウカ「………………好きだよ。ここ最近だと、抑え切れなさそうになりそうで……………。」

朱翼「なるほど………………。ん?」

 

 トウカはそんな風に言うと、朱翼はそんな風にニヤニヤしながらそう言う。

 すると、朱翼は何かに気づく。

 その視線の先には、赤い帽子を被った少女が居た。

 トウカは気づいたのか、声をかける。

 

トウカ「ん?どうしたの?」

朱翼「いや、赤い帽子の女の子が居て…………。」

トウカ「え?」

 

 トウカがそう聞くと、朱翼はそう言う。

 トウカも朱翼の視線の先を見るが、その先には誰も居なかった。

 

トウカ「………………誰も居ないけど?」

朱翼「気のせいなのかな……………?」

 

 トウカはそう言うと、朱菜は首を傾げる。

 すると。

 

トウカ「ん?」

朱翼「何でIDコアが………………?」

 

 2人の足元にIDコアが転がり、IDコアを拾い上げて、首を傾げる。

 一方、武劉達は、ランニングをしていた。

 

武劉「ふっ。ふっ。」

 

 武劉のランニングは日頃行っている行動だ。

 すると。

 

武劉「ふぅ…………………ん?」

 

 武劉が少し休んでいると、目の前に赤い帽子の女の子が現れる。

 

武劉「何だ……………?」

 

 それを見て、武劉が首を傾げると、ダイルのIDコアが落ちる。

 

武劉「何でIDコアが………………?」

 

 それを見て、武劉は訝しげな表情を浮かべる。

 一方、カズマ達は。

 

カズマ「おい、いつまでその卵を温めてるんだよ。」

アクア「何よ、ヒキニート!あのデザイアロワイヤルに巻き込まれて、卵を温められなかったのよ!」

めぐみん「まあ、アクアもデザイアロワイヤルに巻き込まれていたのは驚きましたよ。」

ダクネス「そうだな。」

 

 カズマがアクアにそう聞くと、アクアはそんな風に叫びながら、卵を温めていく。

 めぐみんとダクネスはそんな風に呟く。

 すると。

 

ダクネス「ん?」

カズマ「どうしたんだよ?」

ダクネス「いや、赤い帽子を被った女の子が居たような気がしたんだが………………。」

めぐみん「えっ?」

 

 ダクネスはそう言うと、カズマとめぐみんもダクネスの視線の先を見る。

 だが、その赤い帽子を被った女の子は居なかった。

 

めぐみん「居ないですが………………。」

カズマ「気のせいじゃないか?」

ダクネス「そうか……………?」

アクア「というより、アンタ達の足元にIDコアが転がってるわよ?」

カズマ「え?」

 

 それを見て、カズマ達が首を傾げる中、アクアはそう言う。

 カズマ達が足元を見ると、それぞれのIDコアが転がっていた。

 

カズマ「何で転がってるんだよ……………?」

めぐみん「普段、外しませんからね。」

ダクネス「どうなっている……………?」

 

 それを見て、カズマ達は首を傾げる。

 俺たちが事情を聞き終えると、ツムリ達が口を開く。

 

ツムリ「皆さん、集まっていただき、ありがとうございます。」

湊翔「それで、何でデザイアドライバーがいきなり消えたんだよ?」

ギロリ「それは………………ロキ側の介入による物です。」

白夜「ロキ側の介入だと?」

 

 ツムリがそう言うと、俺はそう聞く。

 俺の質問にギロリさんがそう答えると、白夜はそう聞く。

 

ギロリ「ええ。どうやら、ロキ側はヴィジョンドライバーを利用して、ゲームを始めたそうです。」

武劉「ゲームだと?」

ツムリ「その名も、椅子取りゲームです。」

朱翼「椅子取りゲーム……………ですか?」

 

 ギロリさんとツムリがそう言うと、俺たちは首を傾げる。

 ツムリがそのゲームに関して説明をする。

 

ツムリ「椅子取りゲームとは、椅子……………つまり、デザイアドライバーを巡ってのゲームです。」

ダクネス「それが………………どういう事なんだ?」

ギロリ「現在、皆さんのデザイアドライバーはロキ側に奪われています。ジャマト全てに奪われ、一定時間が経過してしまうと、皆さんは脱落してしまいます。」

 

 ツムリがそう言うと、ダクネスがそう聞く。

 すると、ギロリさんはそう答える。

 マジか。

 

カズマ「はっ!?何だよそのゲーム!」

武劉「ロキ側が関与していると見て、まちがいないだろうな。」

ツムリ「現在、デザイアドライバーを奪ったジャマトを捜索中です。」

 

 カズマが驚く中、武劉はそう言う。

 このデザイアグランプリの運営の性質から考えると、それは魔王に対抗出来る戦力を低下してしまうからな。

 俺たちは、ジャマトが発見されるのを待つ事にした。

 一方、馬場武達は。

 

武「へぇ。そんなゲームを始めるのか。」

要「相手側の戦力を低下させる為には、良い作戦だと思いますね。」

遥「そうね。」

光太郎「悪くねぇな。」

ベロバ「ふふふふっ!あいつらを甚振って、不幸にさせてやるわ!」

Sケケラ「悪くねぇな。」

樹「そうだねぇ。ふふふふふ……………。」

 

 その作戦を聞いて、馬場武は特に何も反応していなかったが、要達はそんな風に言う。

 そんな中、牛島闘轟は。

 

闘轟「ふんっ!お前達のお膳立てが無いと倒せないみたいにされるのは断る。俺は自分の手で虎雷白夜を倒す!それだけだ!!」

 

 そんな風に言いながら、どこかへと向かっていく。

 一方、サポーター達は。

 

ジーン「………………良くないな。こういうのは。」

ケケラ「よっぽど、カズマ達を脱落させようとしているんでしょうね。」

キューン「めぐみんを脱落させる訳にはいかない。」

アーン「そうだな。こんな卑怯な手で来るとはな。」

クロス「それじゃあ、行きますか。」

 

 ジーン達はそんな風に話すと、謎の銃を持って、その部屋から出ていく。

 一方、拓巳とゼウスは。

 

拓巳「………………まさか、こんな形で湊翔達を脱落させようとしてくるとはな。」

ゼウス「ロキもまた、仮面ライダーギーツを見ていた。そんな流れで落としていこうと思ったのだろうな。」

 

 拓巳とゼウスは、そんな風に話していた。

 すると、ゼウスの横に控えていたサダメルがゼウスに聞く。

 

サダメル「それで………………いかがいたしましょうか?」

ゼウス「………………そうだな。サダメルは情報収集。拓巳はあれを出して、彼らのサポートを頼む。」

拓巳「ああ。それで、ゼウスはどうするんだ?」

ゼウス「………………サダメル。ロキ側の動きはどうなっている?」

 

 サダメルがそう聞くと、ゼウスはそう言う。

 拓巳の質問に対しては、ゼウスはサダメルに質問する。

 

サダメル「はい。ロキ側は、バッファノワールが単独行動をする可能性が高いかと。」

ゼウス「そうか。なら、私自らが牛島闘轟の方へと向かおう。」

拓巳「何?」

サダメル「しかし、ゲームマスター自らが赴くのですか?」

ゼウス「ああ。無論、負けはしない。」

 

 サダメルがそう答えると、ゼウスはそう言う。

 拓巳は反応し、サダメルはそう聞く。

 ゼウスはそう答える。

 それを見たサダメルは。

 

サダメル「……………かしこまりました。」

ゼウス「では、頼んだぞ。」

 

 サダメルはそう言って頭を下げる。

 ゼウスと拓巳は、動き出す。

 お互いに、ヴィジョンドライバーを手に取っていた。

 一方、俺たちはというと。

 

ツムリ「皆さん!ジャマトの潜伏先を突き止めました!」

ギロリ「急げ!現状、全てのデザイアドライバーがジャマトライダーの変身に用いられている!あと1時間で奪還できなかった場合は、君たちは脱落となる!」

湊翔「分かりました!」

 

 ツムリとギロリさんがそう言う中、俺たちは転送される。

 転送されると、カズマが口を開く。

 

カズマ「でも、俺達は変身出来ないんだぞ!?どうやって取り戻せば良いんだよ!?」

白夜「そんなもん、誰か1人が手に入れて、そこから他の奴らのデザイアドライバーを回収するしかないだろ!」

武劉「幸い、レイズバックルは奪われずに済んでいる。レイズバックルの武器で応戦するしかないだろう。」

トウカ「それしか無いわよね。」

めぐみん「ですね。」

ダクネス「アクアには支援魔法をかけてもらった。可能性はあるはずだ。」

湊翔「行くぞ!」

 

 俺たちはそう話して、各々のレイズバックルの武器を出して、ジャマトの潜伏先へと向かう。

 すると、ジャマト達が大量にいて、ジャマトライダーは合計8体居た。

 

湊翔「まずは周囲のジャマトを倒しつつ、ジャマトライダーを何とか倒す!行くぞ!」

カズマ「ったく!しょうがねぇなぁぁぁぁ!!」

 

 俺とカズマはそう叫ぶと、ジャマトへと向かっていく。

 ジャマト達も、俺たちに気付いたのか、俺たちに向かってくる。

 

湊翔「ふっ!はっ!はあっ!」

 

 俺は、ジャマトの攻撃を躱しつつ、格闘戦を行ったり、マグナムシューターを撃ったりする。

 

トウカ「ハアッ!ふっ!でやっ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーを手に、ジャマトを斬っていく。

 

白夜「オラっ!ハアッ!この野郎!」

 

 白夜は、己の能力で素早く動き、ジャマトに攻撃していく。

 

朱翼「はっ!ふっ!でやっ!」

 

 朱翼は、ハーメルンソードを演奏しながら、音波攻撃を行ったり、斬撃攻撃を行っていく。

 

武劉「はっ!ふっ!」

 

 武劉は、格闘戦を行い、ジャマトを最低限の動きで捌き、倒していく。

 

カズマ「はあっ!ふっ!この野郎!」

 

 カズマは、ニンジャデュアラーを持って、ジャマトに攻撃していく。

 

めぐみん「ハアッ!ふっ!」

 

 めぐみんは、ビートアックスを手に、ジャマトに攻撃していく。

 

ダクネス「ハアッ!くっ!」

 

 ダクネスは、ゾンビブレイカーを手に、ジャマトに攻撃していくが、被弾率は高かった。

 それでも、大したダメージになってはいないが。

 俺たちが攻撃する中、強力な攻撃が飛んでくる。

 

湊翔「くっ!」

 

 俺たちが身構える中、煙が晴れると。

 

???「よお、てめぇら。」

トウカ「っ!?シャドウライダー達か!」

白夜「こんな時に!」

 

 煙が晴れると、そこに居たのは、馬場武達を始めとするシャドウライダー達だった。

 マジか。

 ロキ側は、本気で俺たちを脱落させる気みたいだな。

 ただ、牛島闘轟の姿が見えなかったが、代わりに石井樹の姿があった。

 

樹「君たちにはここで脱落してもらうよ。」

武「久しぶりに戦おうぜ!」

要「行きますよ。」

遥「ええ。」

光太郎「おうよ!」

 

 そこから、シャドウライダー達が攻撃してきて、俺たちは苦戦する。

 シャドウライダー達やジャマトライダー達の攻撃は凄まじかった。

 残り時間が10分にまで迫ると、俺たちは追い詰められた。

 

湊翔「くっ……………!」

武「いよいよだな。」

樹「君たちは、脱落確定だ。」

カズマ「くそっ……………!」

 

 俺たちが歯を噛み締め、石井樹を筆頭に嘲笑う表情を浮かべる。

 すると、どこからともなく、攻撃が飛んでくる。

 

光太郎「危ねっ!?」

遥「何?」

 

 その攻撃は、シャドウライダー達やジャマトライダー達に飛んできて、その攻撃が飛んできた方を向く。

 すると。

 

???「変身が出来ない相手を一方的に嬲るなんて、白けた真似をするなよ。」

湊翔「っ!?ジーン!」

 

 そんな声が聞こえてきて、俺はそう叫ぶ。

 そう、視線の先に居たのは、ジーンを始めとする面子だった。

 他の人たちのサポーターも居た。

 

ケケラ「待たせたわね〜!カズマ!」

カズマ「ケケラ……………なんだよな?」

キューン「待たせましたね!めぐみん!」

めぐみん「キューン!?」

アーン「よく持ち堪えたな。褒めてやろう。」

ダクネス「アーンまで!?」

クロス「待たせたな!」

白夜「クロス!?」

 

 それぞれのサポーターも居て、驚いていた。

 そんな中、石井樹達は。

 

樹「せっかく良いところだったのに、邪魔しないでくれるかな。」

ジーン「残念だけど、お前達のそんな事には興味なくてね。」

 

 樹がそんな風に言う中、ジーンはそう言う。

 すると、ジーン達は何かを取り出し、腰に当てる。

 

LASER RAISE RISER

 

 その音声が鳴ると、腰に何か装着される。

 ドライバーの類の様な物だった。

 俺たちが驚く中、それぞれのサポーター達は、腰についている銃みたいな物を取り出す。

 そして、腰に当てた物を合体させる。

 

ZIIN SET

KEKERA SET

KYUUN SET

AAN SET

KUROS SET

 

 その音声が流れる中、サポーター達はその銃———レーザーレイズライザーというのだろう———それを構えて、言う。

 

一同「変身。」

 

 そう言うと、トリガーを引く。

 

LASER ON

 

 その音声が鳴ると、そのレーザーレイズライザーからカードの様なエネルギーが放出され、変身者達の周囲を飛び回る。

 すると、変身者達の周囲からブロック状のエネルギーが現れ、包み込んでいく。

 そこから、姿が変わっていくが、人型になるのはジーンとクロスだけで、残りのメンツは動物みたいな姿になっていく。

 

ZIIN LOADING

KEKERA LOADING

KYUUN LOADING

AAN LOADING

KUROS LOADING

REDAY FIGHT

 

 その音声が終わると、周囲を飛び回っていたカードが装着され、変身が完了する。

 そう、仮面ライダーに。

 

ジーン「俺が求めているのは……………感動だ。」

 

 ジーンは、そんなふうに言う。

 すると。

 

拓巳「待たせたな。」

湊翔「拓巳!?」

 

 そんな風に言いながら、拓巳が現れる。

 その横には、ゴーレムを従えていた。

 ゴーレムの腰にはデザイアドライバーが装着されていた。

 

白夜「何だよそいつ。」

朱翼「なんか………………あの遺跡のゴーレムに似ていませんか?」

トウカ「確かに………………。」

拓巳「こいつらは、ある博士が作ったゴーレムを改良した物だ。それを見せてやろう。ゲームの進行を妨げる連中の排除も兼ねてな。」

 

 それを見た白夜達がそう反応する中、拓巳はそう言いながら、ヴィジョンドライバーを装着する。

 拓巳がヴィジョンドライバーの上部のバイオメトリクサーに親指を触れさせる。

 

GLARE, LOG IN

SET

 

 待機音が流れる中、片方のゴーレムにはスピーカーとBEATの文字が、星が散りばめられていて、モンスターの顔と一体化したMONSTERという文字が現れる。

 

拓巳「変身。」

 

 拓巳がそう言うと、ヴィジョンドライバーの横側にプロビデンスカードをスキャンし、ゴーレム達もレイズバックルを操作する。

 

INSTALL

DOMINATE A SYSTEM, GLARE

BEAT

MONSTER

REDAY FIGHT

 

 拓巳がグレアに変身する中、ゴーレム達は驚きの姿になる。

 片方はリバイ・ビートフォーム、もう片方はバイス・モンスターフォームに変身したのだ。

 

カズマ「リバイとバイス!?」

湊翔「結斗とバイスのデザイアドライバーを使ったのか!?」

拓巳「ああ。戦力の増強の為に、本人達に許可を貰い、ゴーレム達に使える様にしたのだ。」

 

 カズマと俺が驚いていると、拓巳はそう説明する。

 拓巳達も、ジャマトの方へと向かう。

 一方、牛島闘轟は。

 

闘轟「待っていろ、虎雷白夜。……………ん?」

???「バッファノワール……………!」

 

 牛島闘轟はそう言いながら、向かっていたが、その目の前に、ニラムの姿になったゼウスが現れる。

 

闘轟「お前……………ベルゼルグ王国の王の側近か?」

ニラム「お前達は………………我々のデザイアグランプリの進行を妨げるバグだ。」

 

VISION DRIVER

 

 闘轟がそう聞く中、ニラムはそう言いながら、ヴィジョンドライバーを装着する。

 

ニラム「よって………………私が抹消する。」

 

 ニラムはそう言うと、ヴィジョンドライバー上部のバイオメトリクサーに親指を触れさせる。

 

GAZER, LOG IN

 

 そんな音声が流れると、待機音が流れて、右腰のプロビデンスカードを取り出して、言う。

 

ニラム「変身。」

 

 そう言って、プロビデンスカードをヴィジョンドライバーへスキャンする。

 

INSTALL

INNOVATION & CONTROL, GAZER

 

 その音声が鳴ると、ニラムの周囲にドミニオンレイという物が現れ、それがニラムを包み込むように旋回する。

 そして、ニラムは仮面ライダーゲイザーへと変身する。

 それを見た牛島闘轟は。

 

闘轟「ほう………………デザグラの関係者か。なら、相手をしてもらおう。」

 

 そう言って、ジャマトバックルを取り出す。

 一方、ジーン達が変身したのを見た馬場武達は。

 

武「へぇ……………面白い。相手をしてくれよ。」

要「ベロバと同じサポーター達か。」

遥「相手をしてあげるわ。」

光太郎「行くしかねぇか。」

樹「邪魔はさせないよ!」

 

 馬場武達はそう言って、ジャマトライダー達と共に向かってくる。

 だが、サポーター達は慌てていなかった。

 

ジーン「ふっ。」

 

 ジーンがレーザーレイズライザーを撃つと、馬場武達の左肩に命中して、その装甲をあっさりと破壊する。

 馬場武達がその衝撃に倒れる中、躱した石井樹とジャマトライダーが向かってくる。

 

樹「ハァァァァァ!……………うわっ!?」

 

 ジーンが胸の前で指をスライドすると、樹とジャマトライダー達が壁に叩きつけられる。

 

樹「どうなって……………っ!?」

 

 樹とジャマトライダー達が困惑する中、そこにジーンだけでなく、残りのサポーター達も攻撃する。

 

ジーン「はっ!」

ケケラ「でやぁぁぁぁ!!」

キューン「はぁ!」

アーン「ふんっ!」

クロス「おらっ!」

 

 ジーン達が銃撃すると、石井樹達が吹っ飛ばされる。

 

樹「つ、強い……………!」

武「分が悪いか……………。」

要「引いた方が良さそうですね。」

遥「そうね……………。」

光太郎「だな……………!」

 

 馬場武達はそう話すと、そのまま撤退する。

 そんな中、ジーンの銃撃を受けたジャマトライダーが撃破され、デザイアドライバーが落ちる。

 それをジーンが拾うと。

 

ジーン「湊翔!パワードビルダーとブーストも使え!」

 

 そう言いながら、俺にデザイアドライバーとブーストレイズバックルを投げ渡してくる。

 俺はそれをキャッチして、ギーツのIDコアを装填する。

 

ENTRY

 

 その音声が鳴ると、俺はパワードビルダーレイズバックルとブーストレイズバックルを装填する。

 パワードビルダーには、ギガントブラスターのレイズバックルが装填されている。

 

SET CREATION

 

 その音声が鳴ると、俺の右側にパワーアームの絵とPOWERED BUILDERの文字と、左側にバイクのマフラーから火が出る絵とBOOSTの文字が浮かぶ。

 俺は変身ポーズを取ると叫ぶ。

 

湊翔「変身!」

 

 そう叫んで、二つのレイズバックルを操作する。

 

DEPLOYED POWERED SYSTEM

GIGANT BLASTER

READY FIGHT

 

 その音声が鳴ると、角淵鹿夫が使った時と同様のファクトリーが建設され、パワードアームがパワードビルダーのアーマーとブーストのアーマーを装着する。

 俺は、ギーツ・パワードビルダーブーストフォームに変身する。

 その手には、ギガントブラスターが握られていた。

 

湊翔「ここからが、ハイライトだ!」

 

 俺はそう叫ぶ。

 そして、ジャマトライダー達に挑んでいく。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!でやっ!」

 

 俺はギガントブラスターを使い、ジャマトに攻撃していく。

 ギガントブラスターは巨大なので、取り回しは悪いが、その分はブーストの方でカバーをする。

 一応、先端に短剣が付いているので、それで攻撃もする。

 一方、サポーター達は。

 

ケケラ「ギーツに美味しい所を持って行かせないわよ!」

キューン「私たちも行きましょう!」

アーン「ああ!それには同感だ!」

クロス「行くぜぇぇぇぇ!」

 

 そんな風にサポーター達は叫びながら、ジャマトライダーへと向かっていく。

 

ケケラ「おりゃっ!ハアッ!」

 

 ケケラは、ジャンプしながらレーザーレイズライザーで銃撃したりベロ攻撃をしたりしていく。

 

キューン「ふっ!はっ!」

 

 キューンは咆哮をしてジャマトを怯ませ、レーザーレイズライザーで銃撃していく。

 

アーン「ハァァァァァ!!」

 

 アーンは突進をしてジャマトを刎ね飛ばしていく。

 

クロス「オラっ!はあっ!」

 

 クロスはジャマトやジャマトライダーの攻撃を最低限の動きで躱し、レーザーレイズライザーの攻撃で倒していく。

 サポーター達の攻撃により、ジャマトライダーが撃破される。

 デザイアドライバーが落ちて、サポーターが拾い上げる。

 

ケケラ「カズマ!受け取りなさい!」

キューン「めぐみん!」

アーン「ダクネス、受け取れ!」

クロス「白夜!行け!」

 

 サポーター達はそう言いながら、カズマ達にデザイアドライバーを投げ渡す。

 

カズマ「よっしゃ!」

めぐみん「これで戦えます!」

ダクネス「行くぞ!」

白夜「おう!」

 

 カズマ達はそう言うと、デザイアドライバーにそれぞれのIDコアを装填する。

 

ENTRY

 

 その音声が鳴ると、カズマ達はそれぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

SET LREGULATION

SET FEVER

 

 それぞれのレイズバックルを装填すると、待機音が流れてくる。

 カズマ達は叫ぶ。

 

「「「「変身!」」」」

 

 そう叫ぶと、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

BEAT

DUAL ON

ANOTHER FORM TO WEAR

HIT FEVER BEAT

ZOMBIE & BOOST

UNPREDICTABLE EVOLUTION』
『MONOCHROME CLUSTER

REDAY FIGHT

 

 カズマはタイクーン・アバターフォーム、めぐみんはフィーバービートフォーム、ダクネスはゾンビブーストフォーム、白夜はライコウ・クラスターフォームへと変身する。

 カズマ達は、ジャマトの方へと向かっていく。

 一方、拓巳とリバイとバイスは。

 

拓巳「ふっ!はっ!はあっ!」

 

 拓巳は、必要最低限の動きでジャマトの攻撃を躱し、カウンターで攻撃を叩き込んで撃破していく。

 

リバイ「ふっ!はっ!」

バイス「おらっ!このっ!」

 

 リバイとバイスは、それぞれの武器を使って、ジャマトライダーに攻撃していく。

 拓巳達は、必殺技を放つ。

 

DELETE

BEAT STRIKE

MONSTER STRIKE

 

 拓巳はキックと同時に斬撃波を放ち、リバイとバイスは、それぞれの必殺技を発動して、ジャマトライダーを撃破する。

 ジャマトライダーがデザイアドライバーを落とす中、拓巳はその三つを回収する。

 

拓巳「これを使え!」

 

 拓巳はそう叫びながら、三つのデザイアドライバーを、トウカ、朱翼、武劉に投げ渡す。

 

トウカ「ありがとう!」

朱翼「行きましょう!」

武劉「ああ。」

 

 トウカ達は受け取ると、デザイアドライバーにそれぞれのIDコアを装填する。

 

ENTRY

 

 その音声が鳴ると、トウカ達はそれぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

SET FEVER

 

 待機音が流れる中、トウカたちは叫ぶ。

 

「「「変身!」」」

 

 そう叫んで、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

CALIBER

BUSTER

HIT FEVER CALIBER

HAMELN』
『HIT FEVER BUSTER

 

 トウカはラウンズ・フィーバーカリバーフォーム、朱翼はスワン・ハーメルンフォーム、武劉はダイル・フィーバーバスターフォームに変身する。

 トウカ達も、ジャマトの方へと向かう。

 一方、闘轟とニラムは。

 

闘轟「ふっ!はあっ!」

ニラム「ふっ。はっ。」

 

 闘轟はバッファノワール・ジャマトフォームに変身して、ニラムのゲイザーに向かうが、ニラムは闘轟の攻撃に対して、必要最低限の動きで回避したりいなしたりして、カウンターでキックを入れる。

 

闘轟「つ、強い……………!」

ニラム「さあ、ゾンビバックルを返却してもらおうか。」

闘轟「これは俺のバックルだ!誰にも渡さない!」

 

 闘轟がニラムの強さに驚く中、ニラムはそう言う。

 闘轟はそう言ってパンチをするが、あっさり回避される。

 泥がある場所で戦闘していたが故に、顔に泥がつく。

 

ニラム「はぁ………………。」

闘轟「ハァァァァァ!」

 

 ニラムはそう言う中、闘轟が迫る。

 ニラムはドミニオンレイを胸以外の物を射出して、ハンカチを取り出して顔についた泥を拭く。

 

ニラム「ならば、この世界から退場してもらおう。」

 

 ニラムはそう言う。

 

闘轟「ハァァァァァ!ハァ!ハァ!!」

 

 闘轟はそう叫びながら攻撃していくが、ドミニオンレイのバリアに阻まれ、攻撃が届かない。

 闘轟はジャンプをする。

 

闘轟「ハァ!ハァ!ハァァ!」

 

 闘轟はジャンプをして、上空から攻撃しようとするが、再びドミニオンレイに阻まれる。

 攻撃を何度もするがバリアは破れず、バリアが傾き、地面に落下してしまう。

 ニラムは、腕を後ろに組みながら立っていただけだった。

 

闘轟「舐めやがって………………!!」

 

 闘轟はそう毒づき、ジャマトバックルを押し込む。

 

JYA-JYA-JYA-STRIKE

 

闘轟「ハァァァァァァァァ!!!」

 

 闘轟は腕に蔦———ブロイアームズと呼ばれる物———を巻きつけて、パンチをする。

 だが、三度ドミニオンレイのバリアに阻まれてしまい、ブロイアームズも吹き飛んでしまう。

 闘轟はそれでもパンチを続けるが、ニラムは左手を開き、右手の指を鳴らす。

 すると、ドミニオンレイのバリアが解除されて、闘轟のパンチはニラムへと向かう。

 だが………………。

 

ニラム「ふっ!はあっ!」

闘轟「くっ……………!!」

 

 ニラムはそのパンチをあっさり受け止め、カウンターとして右手のパンチを叩き込む。

 そのパンチを受けた闘轟は大きく吹っ飛び、地面に落下する。

 ニラムは闘轟の方へと向かい、闘轟の上に乗り、足で闘轟をなじる。

 そんな中、ニラムはプロビデンスカードをヴィジョンドライバーにスラッシュする。

 すると、ニラムは水色の幾何学模様の軌跡を残して、全てのドミニオンレイと共に上空に飛び上がる。

 ニラムは腕を振り下ろす。

 

DELETE

 

 その音声と共に、金色の光を纏ったドミニオンレイが闘轟へと向かう。

 闘轟は何かをしていたが、そのまま爆発に呑まれてしまう。

 一方、俺たちは。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!でやっ!」

 

 俺はギガントブラスターからギガントハンマーに変えて、ギガントハンマーの一撃でジャマトを吹っ飛ばしていく。

 ギガントブラスターは、取り回しが悪いからな。

 

トウカ「ハアッ!ふっ!でやっ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーを二本持って、ジャマト達を倒していく。

 

白夜「おらっ!ふっ!ハァァァァ!」

 

 白夜は、白と黒と黄色の残像を残しながら高速移動をして、瞬く間にジャマトを倒していく。

 

朱翼「はっ!フッ!でやっ!」

 

 朱翼は、ハーメルンソードを持って、ジャマトに攻撃していく。

 

武劉「はっ!ふっ!はっ!」

 

 武劉は、両手のクローを使った攻撃や格闘技、砲撃でジャマトを倒していく。

 

カズマ「おらっ!フッ!ハアッ!」

 

 カズマは、バイクのタイヤ型のヨーヨーを持って、ジャマトに攻撃していく。

 

めぐみん「ハアッ!てやっ!」

 

 めぐみんは、ビートアックスでジャマトに攻撃していく。

 

ダクネス「ハァッ!でやっ!」

 

 ダクネスは、ブーストの力で加速しつつ、ゾンビブレイカーで攻撃していく。

 他のポーンジャマトが撃破され、あとはビショップのみとなった。

 ビショップジャマトが慌てる中、俺はギガントソードに変える。

 

GIGANT SWORD

 

 レイズバックルを変えて、すぐにブーストタイムを発動する。

 

BOOST TIME

 

 その音声が鳴ると、ギガントソードが巨大化して、パワードビルダーのサブアームでギガントソードを支える。

 

湊翔「俺の力………………見せてやる!」

 

 俺はそう言うと、パワードビルダーバックルを操作する。

 

GIGANT STRIKE

 

 その音声が鳴ると、俺はサブアームを操作して、ギガントソードを振り下ろす。

 そのギガントソードは、大きいままビショップジャマトへと迫る。

 

ビショップJ「ジャ!?ジャ!?ジャ〜!!」

 

 迫るギガントソードにビショップジャマトは慌てるが、時すでに遅く、一刀両断される。

 ビショップジャマトは爆発し、ギガントソードも元の大きさに戻る。

 

ツムリ「ミッションコンプリートです!」

 

 ツムリのそんな声が聞こえる中、ブーストレイズバックルから煙が出てくる。

 

湊翔「やっべ!」

 

 俺はすぐにブーストレイズバックルを誰もいない方に向ける。

 ブーストレイズバックルは、そのままどこかへと飛んでいく。

 サポーター達は、いつの間にか姿を消していた。

 俺たちは、そのまま帰還した。

 一方、ニラムの方は。

 

闘轟「ううっ!」

ニラム「…………………うん?」

 

 倒したと思い、そのまま去ろうとするが、そんな呻き声が聞こえてきて、ニラムは闘轟の方を見る。

 そこには、ゾンビジャマトフォームとなったバッファノワールの姿があった。

 

ニラム「死してなお、生きたか。ゾンビフォームの耐久力で耐えたのか。」

闘轟「ああっ!かかって……………こいよ…………………!!」

 

 ニラムはそう冷静に分析する中、闘轟は立つのもやっとの状態だった。

 それを見ていたニラムは。

 

ニラム「………………満身創痍の身でそう言うとはな。良いだろう。トドメを刺してやる。」

 

 そう言い、満身創痍の闘轟に向かっていく。

 だが………………。

 

ロキ「もう良いだろう。流石に撤退しろ。」

闘轟「なっ!?俺はまだやれ……………!?」

ロキ「今回は挨拶がわりだ。」

ニラム「ロキ………………。」

ロキ「ニラムよ。これで終わりだと思ったか?始まりに過ぎないのだ。」

 

 そこにロキが現れ、ニラムが向かおうとすると、ロキはそう言い残して、そのまま撤退する。

 それを見ていたニラム………………ゼウスは。

 

ゼウス「とんでもない事になりそうだな。対策を講じる必要がありそうだ。」

 

 そう言って、去っていった。

 一方、俺たちは。

 

湊翔「何とか脱落せずに済んだな……………。」

カズマ「本当だよ………………。」

白夜「だが、奴らも本気なのは分かった。警戒するに越した事は無いな。」

武劉「そうだな。」

めぐみん「ところで……………‥それは何ですか?」

 

 俺とカズマがそう言う中、白夜と武劉がそう言う。

 すると、めぐみんが反応する。

 ダクネスが何かを持っていたのだ。

 

ダクネス「これか?実家からアルダープの件でのお礼として、霜降り赤ガニが送られてきたのだ。」

アクア「美味しそうじゃない!私はゼル帝を温めるのに忙しいから、よろしくね。」

朱翼「アクアさん………………。」

トウカ「なら、私と朱翼、ダクネスでいいかしらね?」

「「えっ!?」」

 

 ダクネスはそう言いながら現れると、アクアはそんな舐めた事を口にして、朱翼が呆れる。

 トウカがそう言うと、ダクネスと朱翼は驚く。

 

朱翼「えっ?トウカさんって、料理出来たんですか?」

トウカ「出来るわよ、それくらい。」

ダクネス「えぇぇ………………?」

 

 朱翼がそう聞くと、トウカはそう言う。

 それを聞いて、ダクネスは不安げな表情を浮かべる。

 それを見たトウカは。

 

トウカ「ああっ!今、私が料理できると言った事を、信じていないな!?」

朱翼「いや、そんなことないですよ?ねっ?ダクネスさん!」

ダクネス「あ……………あぁ、そうだぞ。別に私たちは……………。」

トウカ「とぼけるな!その顔を見れば、分かるんだよ!」

湊翔「…………………ん?」

 

 トウカはそう叫ぶと、朱翼とダクネスはそんな風に誤魔化すが、トウカはそう叫ぶ。

 そのやりとりが引っかかった。

 

アテナ『ああっ!今、私が女神だと言った事を、信じていないな!?』

湊翔『い、いや、何の事ですかね………?』

アテナ『とぼけるな!その顔を見れば、分かるんだよ!』

 

 かつて、この世界に転生する際に、女神アテナとのやり取りに似ていた。

 まさか、トウカは本当に………………?

 そんな風に考えている中、しばらくして、トウカ達はご飯を完成させていた。

 俺たちは飯を食べる事にした。

 そんな中、俺は考えながら食べていた。

 思い返せば、トウカとアテナは似ている部分が多い。

 髪の色やら性格やら。

 確信に近い感じになっていた。

 すると。

 

トウカ「湊翔、それは私が作ったんだが…………どうだ?」

 

 トウカは不安そうな表情で聞いてくる。

 俺はトウカの質問に答える。

 

湊翔「「え?あ、うん!美味しいよ。」

トウカ「そうか……………。料理するの久しぶりだったから不安だったが……………上手くできてよかったよ。」

 

 俺がそう答えると、トウカは嬉しそうにはにかむ。

 それを見た俺は。

 

湊翔(……………また今度、聞いてみるか。)

 

 俺はそう思うのだった。

 こうして、波乱の1日が幕を閉じた。

 だが、この時の俺たちは気づいていなかった。

 この椅子取りゲームが、これから起きる出来事の序章に過ぎなかった事を。




今回はここまでです。
投稿が遅れてしまい、すいませんでした。
色々と忙しくて。
今回は、椅子取りゲームです。
ただ、それはゼウス側ではなく、ロキ側が仕掛けていた。
サポーターにゲイザーが、本格的に参戦していきます。
とはいえ、ゼウスの立場上、あまり動けませんが。
次回は、ジャマーガーデンへの攻め込みの話になる予定です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
昨日のガッチャードは、クロトーが特殊なマルガムになるとは。
そして、クロスウィザード以来の日本語を喋るケミーであるズキュンパイア。
果たして、宝太郎達はどうなるのか。
ジャマト・アウェイキングも1ヶ月後に迫りましたね。
どんな話になるのか楽しみです。
今後のこの小説の展開などでリクエストがあれば、活動報告にて受け付けています。
4人のエースと黒狐に相当する話も、魔王討伐後の話としてやる予定です。
最強ケミー☆ガッチャ大作戦に関しては、賢者の孫とガッチャードの方でやる予定です。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第84話 ジャマーガーデンへの攻撃

 椅子取りゲームが終わってから、1日が経過した。

 俺は、アクセルの街を歩いていた。

 今、暇になったからだ。

 とはいえ、考えていることがあったのだ。

 

湊翔(やっぱり……………トウカの正体はアテナなのか……………?)

 

 そう。

 先日、トウカの発言が、かつてアテナが俺にした発言と同じなのだ。

 ちょくちょく、そんな風に思っていたが、確信に至った。

 間違いなく、トウカの正体は、アテナだ。

 だが、それをどうやって聞こうかと考えている。

 普通に聞いては、はぐらかされそうだし。

 そんな風に考えていると、クリスとカズマの声が聞こえてくる。

 

クリス「……………ふふ、流石ですねサトウカズマさん。いいえ、それでこそ私の助手君と言えるのでしょうか。そう、あなたの予想通りです。ある時は冒険者。またある時は義賊の頭領。またある時は、ダクネスの友人の1人……………しかして、その正体は……………!」

カズマ「意外とノリノリですね、エリス様。」

湊翔「ん?」

 

 そんな声が聞こえてきたので、俺は驚いた。

 クリスの正体は、ちょくちょく出会ったあの女神エリス様なのか?

 俺は2人には悪いが、盗み聞きになる様な形で話を聞く事に。

 地上に降りてきた理由は、神器の回収とダクネスと友達になる為だという。

 なるほどね、以前、あのダンジョンで実体化ペンみたいなのを回収した際も、女神エリスとしての仕事だったわけだ。

 しばらくして、カズマとクリスが帰るので、カズマに接触をする事に。

 

湊翔「よお、カズマ。」

カズマ「湊翔?居たのか。」

湊翔「なあ、クリスと何を話してたんだ?」

カズマ「えっ!?」

 

 俺がカズマに話しかけると、カズマは普通に反応する。

 だが、俺がそう言うと、カズマは慌てた反応をする。

 やっぱりな。

 

カズマ「えっ!?何でそれを!?」

湊翔「悪いな。話が聞こえちゃったもんでな。」

カズマ「マジか………………。まあ、湊翔ならギリギリセーフか?」

湊翔「ん?」

カズマ「それじゃあ……………話すよ。」

 

 カズマは慌てた反応をする中、俺はそんな風に言う。

 実際、たまたま聞こえちゃったのを全部聞いたからな。

 カズマはそう言うと、話を始める。

 とはいえ、話の内容は大まかには分かるのだが。

 どうやら、神器関連の話で呼び出されたらしい。

 この街にある聖鎧アイギスという神器を回収して欲しいとの事だ。

 

湊翔「お前も大変だな。」

カズマ「全くだよ……………。」

湊翔「………………そうだ。少し、話を聞いてくれないか?」

カズマ「ええっ?まあ、良いけど……………。」

 

 俺が同情しながらそう言うと、カズマは肩を落としながらそう言う。

 俺がそう言うと、カズマは嫌そうな表情を浮かべるが、ため息を吐いて、聞く姿勢をとる。

 俺は口を開く。

 

湊翔「………………実は、ある事を考えていてな。」

カズマ「ある事?」

湊翔「トウカの正体だ。」

カズマ「えっ?トウカの正体って、どういう意味だよ?」

湊翔「俺は……………トウカの正体が、俺を転生してくれた女神アテナなんじゃ無いかって思ってる。」

カズマ「えっ?」

 

 俺がそう言うと、カズマはそう聞いてくる。

 俺は単刀直入にそう言うと、カズマは呆気に取られる。

 

カズマ「女神アテナって……………お前がちょくちょく話してた人の事か?」

湊翔「ああ。」

カズマ「でも、何でそう思うんだよ?」

湊翔「そう思う理由に関しても、いくつかある。」

 

 カズマがそう聞く中、俺はそう答えると、カズマは当然の疑問を出す。

 俺はそれについて答える。

 

湊翔「まず、アテナだった時の口調が、つい最近、トウカとしても言った事だ。」

カズマ「いや、それは無理がないか?」

湊翔「確かにな。でも、他にも理由があるんだよ。女神エリスであるクリスと友達である事だ。」

カズマ「それは確かにある……………のか?でも、それもあるか……………。」

湊翔「あとは…………………アンデッドとかに対する反応かな。アンデッドや悪魔に対する反応が、アクアみたいだったから。」

カズマ「なるほどな………………。」

 

 俺がそう説明していくと、カズマは最初は訝しげにしていたが、次第に納得していった。

 カズマも思い当たる節があったのだろう。

 

カズマ「まあ、それは分かったんだけどよ、どうするんだ?本人に聞くのか?」

湊翔「いや、本人に聞いてもはぐらかされそうだし、少し、協力して欲しいんだ。」

カズマ「ええっ!?まあ、お前には借りがあるから、別に良いけどよ。」

湊翔「悪いな。あとで何か奢るよ。」

 

 カズマがそう聞くと、俺はそう頼む。

 カズマがそう言う中、俺はそう約束する。

 全責任は俺が取る。

 そうして、俺とカズマは動く。

 トウカがどこかに出かけたので、俺とカズマは後を追う。

 カズマの潜伏スキルを使って。

 

カズマ「……………なんか、ストーカーになってるよな?俺たち。」

湊翔「言うな。」

 

 カズマがそう言うと、俺はそう言う。

 俺もそう思ってるから。

 しばらく歩くと、トウカはクリスと出会っていた。

 俺とカズマが見ていると。

 

クリス「ごめん!助手君に私の正体がバレちゃった!」

トウカ「えっ?バレちゃったの!?」

クリス「うん。多分、デザイアロワイヤルの一件で勘付かれたと思う。だから、しばらくは注意してね。」

トウカ「分かったわ。」

 

 そんな風に話していた。

 やっぱりか。

 俺はカズマに頷き、俺はカズマから離れて、2人に話しかけに行く。

 

湊翔「やあ、2人とも。」

クリス「み、湊翔君!?」

トウカ「湊翔!?何でここにいるの!?」

 

 俺がそう話しかけると、2人は驚いた反応をする。

 俺はその質問に答える。

 

湊翔「いや、たまたま2人が一緒にいるのが見えたから、話しかけようかなって思ってさ。」

トウカ「そ、そうなんだな。何、親友同士の他愛無い世間話だよ!」

クリス「そ、そうそう!近況報告をしてたんだ!」

湊翔「なるほどな。……………それで、アテナ様。こんなところで何をしているんだ?」

「「っ!?」」

 

 俺がそう言うと、2人はそんな風に言う。

 俺はそう言うと、2人は驚いた反応をする。

 どうやら、当たりっぽいな。

 すると、トウカが口を開く。

 

トウカ「い、嫌だなぁ……………私はトウカよ?アテナって人、誰なのかしら?」

湊翔「誤魔化さないで下さいよ。昨日、ダクネスと朱翼に向かって言った発言が、まんまだったんで。」

トウカ「…………………。」

カズマ「マジかよ。」

クリス「えっ!?」

 

 トウカは誤魔化す様にそう言うが、俺はそれを言う。

 すると、トウカが固まる。

 それを聞いていたカズマが出てくると、クリスとトウカも驚く。

 

クリス「助手君!?何でここにいるの!?」

カズマ「いや、湊翔に連れてこられたんだよ。確認したい事があるってさ。」

 

 クリスが驚きながらそう聞くと、カズマはそう言う。

 すると、トウカが口を開く。

 

トウカ「……………まさか、鎌をかけたの?」

湊翔「まあな。ふっ。化かす事に関しては、俺たちの得意分野だ。なにせ、狐と狸だからな。な、カズマ。」

カズマ「まあな。」

 

 トウカがそう聞くと、俺はそう言い、カズマは同意する。

 すると、トウカがため息を吐いて、口を開く。

 

トウカ「………………まあ、いずれバレる可能性があったから、白状するしかないか…………。そう。トウカとは、世を忍ぶ仮の姿。本当の姿は、女神アテナよ。」

 

 トウカはため息を吐くと、そんな風に言う。

 やっぱりか。

 

湊翔「久しぶりですね、アテナ様。」

トウカ「ええ、久しぶり。まあ、トウカとして仲間になってるけどね。……………どう思っているんですか?」

湊翔「ん?」

トウカ「その………………ある意味で騙していた事を。」

 

 俺がそう言うと、トウカ……………アテナもそう答える。

 すると、アテナはそんな風に聞いてくる。

 まあ、確かに騙されてはいるけどな。

 

湊翔「いや、あんまり気にしてないぞ。」

トウカ「えっ?」

湊翔「別に気にしてないさ。アテナはアテナ。トウカはトウカ。それで、トウカは大切な仲間でアテナは恩のある人。だから大丈夫だよ。」

トウカ「そ、そう……………。そんな言い方はずるいよ………………。」

 

 俺はそんな風に言う。

 トウカは大切な仲間で、アテナは俺をこの世界に送ってくれた人だ。

 恨む要素はどこにも無い。

 それを聞いたトウカは、そんな風に言う。

 それを見ていたカズマとクリスは。

 

クリス「湊翔君って……………ああいう事を普通に言えるのが凄いよね。」

カズマ「確かに………………。」

 

 そんな風に話していた。

 すると。

 

GATHER ROUND

 

 スパイダーフォンからそう音声が流れる。

 デザイアグランプリからのお呼び出しの様だな。

 

湊翔「デザイアグランプリからのお呼び出しみたいだな。」

カズマ「マジか。行くか……………。」

トウカ「そうね。」

クリス「ごめんね。あたしはやる事があるから。」

トウカ「分かったわ。」

 

 俺、カズマ、トウカはそう言って、デザイア神殿へと向かう。

 デザイア神殿に着くと、めぐみん、ダクネス、白夜、朱翼、武劉の姿があった。

 

カズマ「お前らも呼ばれてたのか。」

白夜「ああ。何で呼ばれたのかは知らないけどな。」

朱翼「この後発表されると思いますよ。」

武劉「そうだな。」

 

 カズマたちはそんな風に話す。

 一体、何で呼ばれたのだろうか。

 すると、ツムリにギロリさん、拓巳がやってくる。

 

めぐみん「おや、拓巳も居るんですか。」

ダクネス「何かの重大発表か?」

ツムリ「その通りです。」

ギロリ「現状、ロキ側には、ヴィジョンドライバーがあり、こちらのゲームの進行を妨げられる可能性が出てきた。」

拓巳「上層部で協議した結果、こちら側から仕掛け、ロキ側のヴィジョンドライバーを破壊する。奴らの拠点に攻め込む。」

 

 それを見ためぐみんとダクネスがそう言うと、ツムリとギロリさんと拓巳の3人がそう言う。

 なるほど、そう来たか。

 

湊翔「ロキ側の拠点に攻め込むのは別に良いんだが………………。」

カズマ「その肝心の拠点はどこにあるんだよ。」

拓巳「心配ない。既に捜索済みだ。」

 

 俺とカズマがそう指摘すると、拓巳がそう言って、タブレットを操作する。

 すると、画面が表示されて、アクセルから少し離れた場所にマーカーが灯る。

 

白夜「アクセルから少し離れた場所か。」

めぐみん「でも、そこそこ近いですよ!?」

湊翔「アクセル近辺にジャマトが出現しやすいのは、そこに拠点があったからか。」

ツムリ「そうです。ここの拠点を叩き、ロキ側にダメージを与えてください!」

拓巳「これ以上、こちら側を引っ掻き回されるのは困るからな。」

 

 俺たちはそんな風に言う。

 アクセルのジャマトの出現率がやけに高かったのは、それが理由だったのか。

 ツムリと拓巳の2人は、そんな風に言う。

 

湊翔「そうだな。ジャマトを倒すのが目的だからな。異論はない。」

トウカ「そうね。」

白夜「多分、あいつらも居る可能性はあるからな。」

朱翼「シャドウライダー達……………ですね。」

武劉「だろうな。恐らく、こっちの動きを察知している可能性もある。」

カズマ「しょうがねぇなぁ……………!」

めぐみん「ふふふふ!やってやりますとも!」

ダクネス「ああ!アクセルの街の人たちに危害を加えようとするのなら、容赦はせん!」

 

 俺たちはそんな風に話す。

 俺たちは、ジャマーガーデンへと攻め込む準備を始める。

 ちなみに、名称は教えてもらった。

 一方、そのジャマーガーデンでは。

 

樹「どうやら、彼らが攻めてくるみたいだね。」

ロキ「こちら側の拠点を見つけられてしまった様だな。」

武「関係ねぇ。叩き潰すだけだ。」

闘轟「ああ。借りを返さないと気が済まないからな。」

要「僕たちも行くとするか。」

遥「そうね。」

光太郎「だな。」

 

 樹とロキがそう言う中、馬場武達は、そんな風に言う。

 一方、それを見ていたベロバとシャドウケケラは。

 

ベロバ「随分と面白い事になってきたじゃない。」

Sケケラ「どんな風になるのか、見ものだな。」

 

 2人は笑いながらそう話す。

 一方、俺以外の面子でサポーターがいる人達は、サポーターと会っていた。

 

ケケラ「聞いたわよ。敵の場所に乗り込むんでしょ?」

カズマ「……………やるしかないんだよな?」

ケケラ「まあね。アンタが本気になれば、理想の世界を叶えられる。私はちょっとだけ、そう思ってるわよ。」

カズマ「ちょっとって……………。」

 

 ケケラがそう言う中、カズマはそう聞く。

 ケケラがそう答えて、カズマが突っ込む中、カズマの前にタイクーンのマークが付いた緑色のミッションボックスが現れる。

 

カズマ「………………サンキューな。」

ケケラ「ふっ。」

 

 カズマが礼を言う中、ケケラは照れ臭そうにする。

 中身は、ニンジャデュアラーの様な小型バックルだった。

 

カズマ「これは?」

ケケラ「ニンジャデュアラーレイズバックル。それをアバターフォームで使えば、ニンジャフォームにならなくても、ニンジャデュアラーを使えるわよ。」

 

 カズマがそう聞くと、ケケラはそう答える。

 大型レイズバックルの武器を使えるバックルだった。

 

カズマ「やってやるよ。俺はやる時はやるカズマさんだからな。」

ケケラ「天晴れ!それでこそ、私の推しよ!それじゃあ、その心意気に答える為にも、私も行きますか。」

カズマ「……………っていうか、人間としての姿があるなら、最初からそれで良いんじゃないか?」

ケケラ「このカエルの姿も気に入ってるの。」

 

 カズマがそんな風に言うと、ケケラはそう言う。

 カズマがそう突っ込むと、ケケラはそんな風に笑いながら言う。

 一方、めぐみんは。

 

めぐみん「それにしても、敵の本拠地に乗り込むというのは、テンションが上がりますね。」

キューン「めぐみんらしいわね。」

 

 めぐみんは、意気揚々としており、それを見ていたキューンはそう言う。

 

めぐみん「それにしても、キューンも変身できたんですね。あのライオンの様な姿になるとは。」

キューン「まあね。あれが私の仮面ライダーとしての姿って事。……………私も行っていいかしら?」

めぐみん「構いませんよ。」

キューン「じゃあ、そうさせてもらうわね。」

 

 めぐみんは、キューンも変身できる事を聞くと、キューンは肯定する。

 キューンも同行する事になった。

 一方、ダクネスは。

 

アーン「これから、ジャマーガーデンに向かうのだな?」

ダクネス「ああ。アクセルに住む人達は、私が守らなければならないからな。」

アーン「ふむ………………。」

 

 アーンがそう聞くと、ダクネスはそう答える。

 すると、アーンが口を開く。

 

アーン「うむ。やはり、お前は見込んでいた通りだな。」

ダクネス「ん?」

アーン「例え自分が不幸になろうとも、民を守ろうとするその姿勢、本当に私は気に入っている。私も力を貸そう。」

ダクネス「良いのか?」

アーン「ええ。それと、プレゼント。」

 

 アーンはそんな風に言うと、ダクネスは首を傾げる。

 アーンはそう言うと、同行をする事を決める。

 一方、白夜の方は。

 

クロス「聞いたぜ。ジャマーガーデンに向かうんだってな。」

白夜「まあな。………………恐らく、牛島闘轟と再び戦う事になるだろうな。」

クロス「怖くねぇのか?」

 

 クロスがそう聞くと、白夜はそう答える。

 再びの質問に、白夜は振り返りながら答える。

 

白夜「まあ、強い奴と戦えるのなら、俺は文句はねぇよ。」

クロス「そうだな。お前はそういう奴だったな。よし、俺も力を貸してやるぜ!」

白夜「………………好きにしろ。」

 

 白夜はそう答える。

 クロスは笑みを浮かべながらそう言うと、白夜はそんな風に言う。

 そうして、サポーター達も同行する事になった。

 グループに分かれて攻撃する事となり、俺とトウカ、白夜と朱翼と武劉、カズマのパーティーで分かれて攻撃する事になった。

 俺、トウカが向かう中。

 

ジーン「ジャマーガーデンはこの先さ。やっぱり行くんだね。それでこそ、俺の推しだ。」

 

 木の影からそんな風に声をかけられる。

 すると、ジーンが出てくる。

 

トウカ「ジーン……………。」

湊翔「プレゼントでも持ってきたのか?」

ジーン「プレゼントは……………。」

 

 トウカがそう言い、俺がそう聞くと、ジーンはそう言いながら、銃口の先を腰に当てる。

 

LASER RAISE RISER

 

ジーン「俺自身さ。」

 

 音声が流れる中、ジーンはそう言う。

 それを見て、トウカが複雑そうな表情を浮かべる中、俺は口を開く。

 

湊翔「ふ〜ん……………それで、教えてくれよ。お前達サポーターが一体何者なのか。」

ジーン「前にも言ったでしょ?次元を旅する観光客だって。」

 

 俺はそう聞くが、ジーンはそう言う。

 すると。

 

ジャマト「ジャ……………デガラサ。」

ジャマト「キョビルラサキョ。」

ジャマト「デガラサ。」

 

 そんな風に言いながら、ジャマトやジャマトライダーが姿を現す。

 俺たちは構える。

 

湊翔「それで……………本当にやる気か?」

ジーン「大好きなデザグラを邪魔する奴らが許せないからね。それに、ギーツと一緒に戦えるなんて、ちょっと感動だよね。」

湊翔「そうかい。行くぞ。」

トウカ「ええ。」

 

 俺がそう聞くと、ジーンはそう答える。

 俺たちは変身する。

 

SET

ZIIN SET

 

 俺とトウカがレイズバックルを装填して、ジーンが銃口をレーザーレイズライザー本体に装填すると、待機音が流れる。

 待機音が流れる中、俺とジーンの指パッチンが同時に重なり、言う。

 

「「「変身。」」」

 

 そう言いながら、俺たちは変身する。

 

LASER ON

ZIIN LOADING

MAGNUM

CALIBER

REDAY FIGHT

 

 俺たちは変身を終えると、それぞれの武器を手に、ジャマトに向かっていく。

 一方、他の場所では。

 

カズマ「いくぞ、お前ら!」

めぐみん「はい!」

ダクネス「ああ!」

ケケラ「私たちも行きますか。」

キューン「ええ。」

アーン「遅れるなよ?」

 

 カズマ達がそう話すと、変身に入る。

 

SET

SET FEVER

KEKERA SET

KYUUN SET

AAN SET

 

 変身アイテムを装填すると、待機音が流れてくる。

 カズマ達は叫ぶ。

 

「「「変身!」」」

「「「変身。」」」

 

 そう言うと、変身を開始する。

 

BEAT

DUAL ON

ANOTHER FORM TO WEAR

HIT FEVER BEAT

ZOMBIE & BOOST

KEKERA LOADING

KYUUN LOADING

AAN LOADING

REDAY FIGHT

 

 カズマはタイクーン・アバターフォーム、めぐみんはフィーバービートフォーム、ダクネスはゾンビブーストフォームに変身して、サポーター達も変身する。

 すると。

 

 カズマ達は、それぞれの武器で攻撃していく。

 一方、白夜達の方は。

 

白夜「行くぞ。」

クロス「おうよ!燃えてきたぜ!」

朱翼「行きましょう。」

武劉「ああ。」

 

 そんな風に話すと、白夜達も変身開始する。

 

SET LREGULATION

SET

SET FEVER

 

 待機音が流れる中、白夜たちは叫ぶ。

 

「「「「変身!」」」」

 

 そう言って、それぞれのアイテムを操作する。

 

UNPREDICTABLE EVOLUTION』
『MONOCHROME CLUSTER

BUSTER

HAMELN』
『HIT FEVER BUSTER

REDAY FIGHT

 

 白夜はライコウ・クラスターフォーム、朱翼はスワン・ハーメルンフォーム、武劉はダイル・フィーバーバスターフォームに変身する。

 クロスも、自分の仮面ライダーになる。

 すると。

 

龍「待たせたな。」

白夜「龍か!」

 

 そんな声と共に振り返ると、そこには神宮龍の仮面ライダームメイが居た。

 

朱翼「お久しぶりです!」

龍「色々とあって手伝えなかったが、加勢するぞ。」

武劉「ああ!」

 

 白夜達は、ジャマトの方へと向かっていく。

 一方、俺たちは。

 

ジーン「ふっ!はっ!」

 

 ジーンはレーザーレイズライザーで銃撃する中、胸の前で指を動かす。

 すると、重力操作が発動して、ジャマトを吹き飛ばし、レーザーレイズライザーで銃撃していく。

 

湊翔「ふっ!ハアッ!」

トウカ「でやっ!ハアッ!」

 

 俺とトウカは、連携してジャマトやジャマトライダーに攻撃していく。

 俺が瓦礫を持ちあげて、それを投げ、マグナムシューターで銃撃する。

 土煙が上がり、ジャマト達が怯む中、トウカがソードエクスカリバーで攻撃していく。

 そんな中、ジーンが木に付きながら銃撃していると、レーザーレイズライザーのレバーを2回操作する。

 

SUPPORT MODE

 

ジーン「ギーツ!」

 

LASER CHARGE

 

 そんな音声が鳴ると、ジーンの方から板状のエネルギーが飛んでくる。

 そのエネルギーは、ジャマトライダーの攻撃を防ぐ。

 

湊翔「えっ?よっと!」

 

 俺はそのエネルギー体に乗り、マグナムシューターで攻撃していく。

 ある程度攻撃すると、ジーンと合流する。

 

ジーン「やるねぇ……………!」

湊翔「ふっ。」

 

 俺とジーンはそう話すと、それぞれの銃で銃撃していく。

 

湊翔「ふっ!はっ!」

ジーン「はっ!はあっ!」

トウカ「ハアッ!でやっ!」

 

 俺とジーンは、お互いにジャマトに向けて銃撃していき、トウカは銃撃の範囲外から来るジャマトを攻撃していく。

 しばらくして、ジャマトがある程度片付くと。

 

ジーン「湊翔。君の因縁の相手だ。素晴らしい戦いを見せてくれよ。」

 

 ジーンはそう言うと、後ろに下がる。

 俺の視線の先にいたのは、馬場武とジャマトライダーだった。

 

武「よお、久しぶりだな。お前がどれだけ強くなったのか、相手をしてやるぜ。」

湊翔「………………そうだな。相手をしてやる。」

トウカ「湊翔……………。」

武「お前達はあいつを抑えとけ。……………これでタイマンだな。」

 

 馬場武がそう言うと、俺はそう返す。

 馬場武はジャマトライダーをトウカに差し向ける中、シュバルツマグナムとジャマトバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、馬場武の隣に、黒いシリンダーと英語で黒いMAGNUMという文字が浮かび、その周りにはジャマトの植物が生えていた。

 

武「変身。」

 

 そう言うと、レイズバックルを操作する。

 

JYAMATO

SCHWARZ

 

 馬場武は、シュバルツギーツ・シュバルツマグナムジャマトフォームに変身した。

 馬場武は、黒いマグナムシューターを持って、俺に攻撃してくる。

 一方、カズマ達は。

 

めぐみん「ハアッ!ふっ!でやっ!」

キューン「ハアッ!でやっ!」

 

 めぐみんは、二振りのビートアックスを持って、ジャマトやジャマトライダーに攻撃していき、キューンは咆哮の攻撃をしながら、ジャマトに攻撃していく。

 

ダクネス「ハアッ!でやっ!」

アーン「ハアッ!でやっ!」

 

 ダクネスは、ブーストの力で加速しつつ、ゾンビブレイカーで攻撃していき、アーンは突進しながら轢き殺していく。

 

カズマ「オラっ!はあっ!」

ケケラ「おりゃっ!ハアッ!」

 

 カズマは、アバターフォームに付属する三つ目の小型バックルで生成した如意棒みたいな物で攻撃していき、ケケラはジャンプしながらレーザーレイズライザーで銃撃したりベロ攻撃をしたりしていく。

 そんな中、ジャマトライダーは必殺技を発動する。

 

JYA-JYA-JYA-STRIKE

 

 ジャマトライダーが必殺技を発動して、地面を強く踏むと、ブロイアームズが現れる。

 ダクネスとめぐみんが回避する中、カズマはアバターレイズバックルにニンジャデュアラーレイズバックルを装填し、操作する。

 

NINJA CHANGE AVATAR

REDAY FIGHT

 

 その音声が鳴ると、カズマの目の前にニンジャデュアラーが回転しながら現れて、ブロイアームズを防ぐ。

 カズマはそのままニンジャデュアラーでジャマトやジャマトライダーを攻撃していく。

 カズマにジャマトが迫る中。

 

めぐみん「行きますよ、ダクネス!」

ダクネス「ああ!」

 

 2人はそう叫ぶと、必殺技の体勢に入る。

 

FUNK BLIZZARD

POISON CHARGE

TACTICAL BLIZZARD

TACTICAL BREAK

 

 めぐみんの必殺技でジャマトやジャマトライダーを凍らせると、ダクネスの必殺技で一掃する。

 サポーター達も、ジャマトを粗方片づけていた。

 

カズマ「粗方片付いたな。」

めぐみん「ですね。」

ダクネス「ああ。」

 

 カズマ達はそんな風に話す。

 すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「それにしても、カズマは随分と強くなったな。」

めぐみん「そうですね。本当に強くなりましたよ!」

カズマ「いや……………俺だけの強さじゃない。俺1人じゃ、絶対に強くなれなかったからな……………。」

 

 ダクネスとめぐみんは、そんな風に言う中、カズマは顔を俯かせながらそう言う。

 それを見て、ダクネスとめぐみんはどんな風に声をかけたら良いのかと迷った。

 一方、サポーター達は。

 

ケケラ「カズマのあの反応……………悪くないわね。強さに葛藤するみたいな感じで。」

キューン「それはどうかな………………。」

アーン「まあ、葛藤するのも無理は無いが。」

 

 そんな風に話していた。

 すると。

 

カズマ「……………ん?やっぱりか…………。」

樹「やあ、久しぶりだね。」

 

 カズマが誰か来る事に気づき、振り返ると、そこに居たのは、石井樹、桜井要、園崎遥だった。

 

めぐみん「石井樹達が居ますね…………。」

ダクネス「何の用だ!」

樹「正解は……………君たちを倒す。」

要「行くぞ。」

遥「ええ。」

 

 めぐみん達がそう反応する中、石井樹達は、ジャマトを引き連れて攻撃していく。

 一方、白夜達の方は。

 

白夜「おらっ!ふっ!ハァァァァ!」

 

 白夜は、白と黒と黄色の残像を残しながら高速移動をして、瞬く間にジャマトを倒していく。

 

朱翼「はっ!フッ!でやっ!」

 

 朱翼は、ハーメルンソードを持って、ジャマトに攻撃していく。

 

武劉「はっ!ふっ!はっ!」

 

 武劉は、両手のクローを使った攻撃や格闘技、砲撃でジャマトを倒していく。

 

龍「ハアッ!フッ!」

 

 龍は、フールニクスフォームに変身しており、分身を生み出しながら、火炎攻撃を行なっていく。

 

クロス「オラっ!はあっ!」

 

 クロスはジャマトやジャマトライダーの攻撃を最低限の動きで躱し、レーザーレイズライザーの攻撃で倒していく。

 ジャマトライダーは、必殺技を発動する。

 

JYA-JYA-JYA-STRIKE

 

 ジャマトライダーが必殺技を発動して、ブロイアームズを向けてくる中、白夜も必殺技を発動する。

 

調伏(adjustment)開始(Ready Fight)

 

白夜「遅ぇ!」

 

 白夜は黒と白の残光を残しながら高速移動をして、ジャマトライダーに攻撃して撃破する。

 別のジャマトとジャマトライダーが迫る中。

 

朱翼「行きましょう!」

武劉「ああ!」

龍「任せろ。」

 

 朱翼と武劉と龍が前に出ると、必殺技を発動する。

 

HAMELN STRIKE

GOLDEN FEVER VICTORY

FOOL PHYANIX VICTORY

 

 それぞれの必殺技を発動して、ジャマトやジャマトライダーを一掃する。

 

白夜「粗方片付いたな。」

武劉「油断するなよ。」

朱翼「ええ。」

龍「そうだな。」

 

 白夜達はそんな風に話す。

 それを見ていたクロスは。

 

クロス「ふっ。大丈夫そうか?……………ん?」

 

 クロスがそう言う中、何かが近づいている事に気づく。

 白夜達も気づくと。

 

白夜「牛島闘轟……………。」

朱翼「シャドウパンクジャックも居ますね。」

武劉「そりゃあそうか。」

龍「来るぞ。」

闘轟「あの時の借りは返させてもらうぞ!」

光太郎「行くぜ〜!」

 

 そこに居たのは、牛島闘轟と佐々木光太郎だった。

 ジャマトやジャマトライダーを引き連れて、攻撃を開始してくる。

 一方、俺たちの方は。

 

武「ふっ!はっ!」

湊翔「はあっ!ふっ!でやっ!」

 

 お互いにマグナムシューターを撃ちながら、銃撃戦を行なっていた。

 木などを遮蔽物に使って。

 

トウカ「ふっ!ハアッ!でやっ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーを手に、ジャマトやジャマトライダーを倒していく。

 俺と馬場武は次第に、格闘戦を交えた銃撃を行なっていく。

 

武「やるじゃねぇか。」

湊翔「まあな。」

 

 俺と馬場武はそんな風に話しながら、戦闘を行っていく。

 それを見ていたジーンは。

 

ジーン「おお……………感動的な戦いだなぁ……………!」

???「フフフフ……………あら〜!楽しい物見てるじゃな〜い。」

 

 ジーンがそんな風に言うと、ジーンの横に女性が現れる。

 その女性は、キャンディを食べていた。

 

ジーン「ふぅ……………お前か、ベロバ。」

ベロバ「フフフフ…………どっちの推しが勝つのか、賭ける?」

 

 ジーンはため息を吐きながらそう言い、ベロバは笑いながらそう言う。

 

ジーン「………………ベロバ。これ以上、こっちのデザイアグランプリを引っ掻き回すのはやめろよ。」

ベロバ「べ〜っ!アハハハハ!」

ジーン「俺たちは本来、傍観者であるべきだったんだ。」

ベロバ「アハハハハ!良いじゃない!所詮は下位の存在の世界なんだし。」

 

 ジーンとベロバは、そんな風に話していた。

 それを聞いて、何かが繋がった気がした。

 

湊翔「まさか……………。」

武「余所見してんじゃねぇ!!」

 

 俺がそう呟く中、馬場武がそう言いながら、迫ってくる。

 俺はギリギリでマグナムシューターを乱射して、馬場武を離れさせる。

 

湊翔「そうか……………普通に考えたら、そうだよな。」

ジーン「えっ……………?」

湊翔「デザイアグランプリを運営しているのは神々。それは間違いない。でも……………ただ運営しているだけじゃない。ショーとして楽しんでいる。違うか?」

 

 ジーンやベロバの話を聞いて、分かった。

 神々は、俺たちが仮面ライダーとなって戦っているのを見物しているのだと。

 だからこそ、ジーンの部屋には、あんなカメラみたいなのが置いてあったのだろう。

 すると、ジーンは変身解除して、口を開く。

 

ジーン「…………ああ。流石は、エリスとアテナを化かしただけの事はある。そうさ。君たち日本人がギリシャ神話や戦国時代をエンターテイメントとして楽しんでいるように、俺たちも楽しんでいるんだよ。この素晴らしき、人間達が生きる世界をね。」

 

 ジーンはそんな風に答える。

 やっぱりか。

 エンタメ気分で見られるというのは、複雑な気分になるな。

 俺たちの戦いが。

 一方、拓巳達は。

 

拓巳「……………やはり勘付いたか。」

ゼウス「無理もない。神々が介入している時点で、概ね察するだろうからな。」

ギロリ「そうだな。」

 

 そんな風に話していた。

 一方、俺たちの方では、ベロバが口を開く。

 

ベロバ「…………あ〜あ。このジャマーガーデンも、もう使い捨てね。」

 

 ベロバはそう言うと、レーザーレイズライザーを取り出していて、装填する。

 

BEROBA SET

 

 その音声が鳴ると、待機音が流れてきて、ベロバは口を開く。

 

ベロバ「変身。」

 

 そう言うと、トリガーを引く。

 

LASER ON

 

 その音声が鳴ると、そのレーザーレイズライザーからカードの様なエネルギーが放出され、ベロバの周囲を飛び回る。

 すると、ベロバの周囲からブロック状のエネルギーが現れ、包み込んでいく。

 だが、それはどんどんと巨大化していく。

 しばらくすると、巨大な牛の頭を持つ形になり、カードが突き刺さる。

 

BEROBA LOADING

REDAY FIGHT

 

 その音声が鳴ると、ベロバは浮き上がる。

 それは、他のグループの方にも見えていた。

 

めぐみん「な、何ですか!?あれ!?」

ダクネス「なっ……………!?」

カズマ「デカ過ぎだろ!?」

 

 石井樹、桜井要、園崎遥と戦っているカズマ達は、それを見て驚いた声を出す。

 樹達も声には出さなかったが、驚いていた。

 

キューン「あれは……………!?」

ケケラ「ベロバの奴ね。」

アーン「まずいな……………。」

 

 サポーター達もそう反応していた。

 一方、白夜達の方は。

 

白夜「何だあれ!?」

朱翼「えぇぇぇぇぇ!?」

武劉「嫌な予感がするな……………。」

龍「何…………!?」

クロス「やばいな。」

 

 白夜達は、戦いながらもそう反応していた。

 それを見ていたアルキメデルは。

 

アルキメデル「ああ〜!ベロバ様!おやめ下さーい!!せっかく育てたのに!!」

 

 アルキメデルは、ジャマーガーデンが破壊されると悟ったのか、ベロバに向かってそう叫ぶ。

 だが、当のベロバは。

 

ベロバ「いらなくなったらまた作り替えれば良い!そうやって、遊び場所にしてきたのよ!この世界を!!」

 

FINISH MODE

 

 ベロバはそう言うと、レーザーレイズライザーのレバーを引きながら、落ちてくる。

 

湊翔「やべぇな……………。」

ジーン「来るぞ!」

 

 俺がそう呟く中、ジーンはレーザーレイズライザーを構える。

 すると、その直後。

 

ベロバ「ハァァァァァ!」

 

LASER VICTORY

 

 その音声が聞こえる中、ベロバは着地して、地面に向かって攻撃を放つ。

 すると、凄まじい衝撃波が俺たちの方へと向かってくる。

 各々で防御体制を整える中、ジャマーガーデン一帯が大爆発を引き起こす。

 

ベロバ「フフフフ……………!ハハハハハ!ハハハハハ!ハハハハハ!」

 

 俺たちの意識が遠のく中、ベロバの笑い声が聞こえた気がした。




今回はここまでです。
今回は、ジャマーガーデンに攻め込む話です。
今日で、『乖離T:いざ!推しのためなら』から一年が経ちましたね。
今回はその話も入っています。
ジャマーガーデンが吹っ飛ぶ中、ベロバは高笑いをする。
次回は、ジャマトグランプリの開催までは行こうと思います。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今週の金曜日に、ギーツエクストラ、仮面ライダーゲイザーの新情報が明らかになりますね。
ゲイザーゼロに関しては、どうするのかは検討中です。
考えているのは、拓巳用のジリオンドライバーを作成して、そこから最初はゲイザーゼロになって、グレアはギロリさんが引き継ぐ感じです。
どうなるのかは、まだ考え中です。
ジャマト・アウェイキングも楽しみです。
今後の展開でリクエストがあれば、受け付けています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第85話 ジャマトグランプリ

 ジャマーガーデン攻略は、ベロバが破壊した事により、一応は達成した。

 だが、ベロバの必殺技によって、俺たちはダメージを受けた。

 その為、色々と手当てを受けた。

 一応、各々のサポーターがバリアを張ってくれたおかげで、軽傷で済んだ。

 俺は、デザイアグランプリで、俺のサポーターであるジーンの部屋へと来ていた。

 

ジーン「随分と大変な目に遭ったね。」

湊翔「全くだ……………。」

 

 ジーンがそう言うと、俺はそう答える。

 まさか、ジャマーガーデンをまるまる吹き飛ばすとは思わなかったからな。

 俺の右手は包帯でぐるぐる巻きになっており、おでこなどには絆創膏が貼られていた。

 さて、それはそれとして、聞きたい事があるからな。

 

湊翔「………………それで、聞きたい事があるんだが、良いか?」

ジーン「ああ、構わないよ。」

湊翔「お前達、サポーターの正体が分かった。お前達サポーターの正体は…………神。もしくはそれに近しい高位の存在。違うか?」

 

 俺はそう言うと、ジーンは了承する。

 俺はそう言う。

 神々が見ているという点からも、サポーターの正体が神様であるというのは、間違いないだろうな。

 拓巳に関しては、何故かはいまいち分からないが。

 すると。

 

ジーン「………………ふっ。ハハハハハ!いや参ったね!さすがはアテナとエリスを化かしただけはある!その通りさ湊翔!俺はジーンという名前があるが、本当の姿は祝福の神であるギフトさ。」

 

 ジーンは笑いながらそう言う。

 やっぱりか。

 すると、ジーンが口を開く。

 

ジーン「あれ?いまいち反応が悪いね。」

湊翔「まあ、薄々察してはいたからな。それで、どうしてデザイアグランプリとかが始まったのか、聞かせてもらおうか?」

ジーン「そ、そっか……………そうだね。話すとしよう。何故、デザイアグランプリを始める事になったのか。」

 

 ジーンがそんな風に言う中、俺はそう答える。

 ジーンは苦笑しつつも、そんな風に言い、話し始める。

 

ジーン「まず、デザイアグランプリの開催の発起人は、ゼウスさ。」

湊翔「ニラムとしての姿もあるあの人か。」

ジーン「そこまで察してたのか……………まあ良いや。それで、ゼウスは悩んでいたのさ。魔王討伐が上手くいかない現状に。」

 

 ジーンはそう言うと、俺はそう言う。

 やっぱりそうか。

 まあ、アクアが泣いていたのを見て、薄々察したのだが。

 そこから、ジーンは語っていく。

 ゼウスは魔王討伐が進まない現状に悩んでいた。

 それどころか、アクアが送った転生者は、デストロイヤーの開発者みたいに盛大にやらかしたり、馬場武の様な、魔王軍側に着いてしまう人間が何人か居た。

 神器自体は、殺されてもクリスことエリスと、トウカことアテナが回収していた様だ。

 その拮抗状態の中、ゼウスは、仮面ライダーギーツのデザイアグランプリに目をつけた。

 そうすれば、魔王を倒す事が出来るかもしれないと。

 

ジーン「……………そうして、ゼウスはデザイアグランプリを提案して、俺たちはそれを楽しみながら支援をして、魔王討伐に近づける様にとね。」

湊翔「なるほどな。それで、ロキがどうして反乱みたいな事をしたんだ?」

ジーン「初めは、そんな事は無かったんだ。」

 

 ジーンはそんな風に言う。

 俺がそう聞くと、ジーンは答える。

 最初は、神々の誰もが、デザイアグランプリを楽しんでいた。

 理不尽な異世界を必死に生き抜く人たちを応援していたようだ。

 だが、ロキが刺激が足りないとして、ヴィジョンドライバーを複製して、そのまま逃走したとの事だ。

 

ジーン「それで、ロキはヴィジョンドライバーを複製して、そのまま逃走して、魔王軍と結託した。カミーユ……………ベロバも協力者として接触したしね。」

湊翔「それが今の状況か。なあ、ジャマーガーデンを破壊出来たのは良いけど、これで終わりだと思うか?」

ジーン「そうだね……………俺の見解を言って良いかな?」

湊翔「良いぞ。」

 

 ジーンはそんな風にまとめた。

 俺はそう言い、ジーンに聞く。

 すると、ジーンはそんな風に言い、俺はそう言う。

 ジーンは、真面目な表情で言う。

 

ジーン「先日のジャマーガーデンの一件で、これ以上のジャマトの量産は難しくなっただろうね。何せ、拠点が破壊されたからね。でも、ロキは狡猾だ。ジャマーガーデンが無くなるのは、想定の範囲内のはず。何をしてくるか分からないから、気をつけてほしい。それに、ベロバことカミーユがロキ側に付いているから、鍛えた方が良いんじゃないかな?」

湊翔「………………なるほどな。忠告は素直に聞くよ。何が起こっても不思議じゃないしな。」

 

 ジーンはそんな風に言う。

 ロキ側のヴィジョンドライバーが、ゲームを開催出来るようになったのは、デザイアロワイヤルの一件でも分かるしな。

 俺はそう答えた。

 一方、アテナとエリスは、ゼウスの元に居た。

 

アテナ「すいません、ゼウス様。湊翔とカズマの2人に、私たちの正体がバレてしまいました。」

エリス「すいません………………。」

 

 2人は、俺とカズマに正体がバレてしまった事を報告していた。

 それを聞いていたゼウスは、少し考えて、口を開く。

 

ゼウス「……………そうか。まぁいい。とりあえずこれからも引き続き任務は行え。じゃが、これからは正体がバレないように細心の注意を払うように。良いな?」

「「はい。」」

 

 ゼウスはそんな風に言う。

 2人は返事をして、去ろうとすると。

 

ゼウス「そうじゃ。アテナ、お前に話がある。少し残れ。」

アテナ「えっ?は、はい。」

エリス「じゃあ、あたしは先に行ってるからね。」

アテナ「ええ。」

 

 ゼウスはアテナを呼び止める。

 エリスは先に去っていき、アテナはゼウスに聞く。

 

アテナ「それで、話とは何ですか?」

ゼウス「話というのは、湊翔君のことに関してじゃ。」

アテナ「み、湊翔の事!?」

ゼウス「そうじゃ。アテナは、湊翔君の事は、どう思っておるのじゃ?」

 

 アテナがそう聞くと、ゼウスはそう言う。

 アテナは顔を赤くして狼狽えるが、ゼウスは真面目な表情で言う。

 アテナは意を決して、口を開く。

 

アテナ「……………ここ最近、湊翔への想いがどんどん膨れ上がってるんです。自分でも抑えきれないほどに。それに、湊翔もどんどん強くなっていってる。置いて行かれているとは思います。それでも、私は彼を守る為に強くなりたいんです。もう2度と、湊翔のあんな顔は見たくないんですから……………。」

 

 アテナはそんな風に言う。

 ゼウスはそれを聞くと、口を開く。

 

ゼウス「……………そうか。あの男勝りで色恋沙汰や異性には全然興味のなかったお前が湊翔くんを好きになるとはのぉ。面白いこともあるもんだな。ふふふっ。」

アテナ「ゼウス様……………?」

 

 ゼウスはそんな風に笑いながら言い、アテナは顔を赤く染める。

 すると、ゼウスは口を開く。

 

ゼウス「実はのぅアテナ、湊翔君はどうやら、お前がトウカとして初めて接触してきたときから、お前の正体には少し勘づいていたぞ。」

アテナ「えっ!?」

 

 ゼウスがそう言うと、アテナは驚く。

 アテナが驚く中、ゼウスは口を開く。

 

ゼウス「彼はちゃんとお前のことを見てくれている。お前のことをちゃんと大切に思っているんだ。これからも、ちゃんと守ってやれよ?」

アテナ「はい!それでは、自分はこれで。」

 

 ゼウスはそんな風に言う。

 アテナは力強く返事をして、そのまま去っていく。

 それを見ていたゼウスは。

 

ゼウス「あのアテナも随分と女の子らしくなったな。(さて湊翔君。君はこれからどうするのかの?アテナやあの2人の少女の想いにどう答えるのか、じっくり見させてもらおうかの。)」

 

 そんな風に呟きながら考える。

 すると。

 

拓巳「失礼するぞ。」

ゼウス「おお、拓巳か。どうした?」

拓巳「今後の対応で相談があり、来たぞ。」

ゼウス「分かった。」

 

 その中に拓巳が入ってきて、ゼウスは対応をする。

 一方、クリスになったエリスと合流したトウカになったアテナは、俺とジーン、途中から入ってきたカズマが居るデザイアグランプリの待機場に入ってきた。

 

クリス「ふぅ…………。」

湊翔「あれ、トウカにクリスじゃん。」

トウカ「ああ、湊翔。ジーンにカズマも居るんだ。」

カズマ「俺が居て悪いかよ?」

 

 クリスがため息を吐く中、俺がそう言うと、トウカはそう言い、カズマは不機嫌そうにそう言う。

 トウカとクリスがギロリさんに飲み物を頼むと、ジーンが口を開く。

 

ジーン「それにしても、聞いたよ。湊翔とタイクーンに化かされて、正体がバレたって。」

トウカ「聞いてたの……………?」

クリス「あははは…………。それにしても、湊翔さんはまだしも、まさか初見でセクハラしてきた人に正体がバレるとは思わなかったなぁ。」

トウカ「私もだ。湊翔にバレるのはまぁいいとして、よりよってカズマにバレるというのは何か屈辱だ……………。」

湊翔(散々な言いようだな……………。)

 

 ジーンがニヤニヤしながらそう聞くと、トウカは呆れた反応をする。

 すると、クリスがそう言うと、トウカもそう言う。

 散々な言われようだな……………。

 俺が苦笑していると、カズマが立ち上がる。

 

カズマ「おいコラ…………正体を見破られたのにいい度胸だなおまえら!こっちは、お前らが神様と知っていくつかそっちの弱点を掴んでんだぞ!神様の事や盗賊団の事や神様は人々に平等な扱いをするとか言われてるのに今みたいに湊翔とかには優しいのに、俺の事を雑に扱ったりと人々に平等じゃなかったり、ただでさえアクア達のせいで下がった評価もあったのに、クリスと初めて会った時の名誉毀損のせいでさらに下がった評価とか!」

湊翔「カズマ、落ち着け!」

 

 カズマはそんな風に大きく叫ぶ。

 俺がカズマを宥める中、トウカとクリスが反論する。

 

トウカ「アクアからの評価はともかくエリスやめぐみんにやった行為の評価はカズマの自業自得だろ!?」

クリス「盗賊団の事を言ったら君も捕まるよ!それに私たちが神様って言っても、アクア先輩みたいに変な目で見られるよ!」

カズマ「大丈夫だ!安心しろ!盗賊団の方はデザグラの神様から頼まれたからやったと言えばゲームマスターに言われて行ったから嘘じゃねえし、俺はクリスに正体を確認する時に初めて会った時の名誉毀損の恨みで弱点を掴めると思って、スパイダーフォンで録音してたしな!そして今もな!もし死んで天界で初めて会って何も知らずに女神状態であった時なら女神扱いしたかもだが、名誉毀損やこんな屈辱を受けた後なら女神相手でも関係ねえ!俺にとって今のお前らはアクアと同じ扱いだ!それに最近は、もうその評価は挽回しようとして上げようと努力しても何故かさがるからもう諦めてるし!」

湊翔「だから落ち着けって!!」

 

 トウカにクリスがそう反論すると、カズマは長々とそう叫ぶ。

 まあ、そうなるのも無理ないけど。

 それを聞いた2人は。

 

トウカ「おい!やめろ!ていうか、私達をあの怠惰の女神のゴミクズと同じ扱いをするな!流石にそれは傷つく!」


クリス「言いすぎたから、やめて!アクア先輩にバレたら、今まで以上に仕事を押しつけられたり、アクセルの人達に正体を言われたりと色々と本当に大変な事になります!」

???「そうよ!」

湊翔「ん?」

 

 トウカとクリスはそんな風に叫ぶ。

 というより、トウカはアクアに対しては、本当に辛辣だな。

 まあ、本当に怠惰だけどな、アクアは。

 すると、そんな声が聞こえてきて、俺たちは声のした方を向くと。

 

???「あんた達!それ以上私の推しの悪口を言うならこちらにも考えがあるよ!具体的には、カズマに他の人にも正体をバラしてもいい許可を出すとか、アクアに正体を言うとか!」

ジーン「ケケラも来てたんだ。」

湊翔「えっ?あれがカズマのサポーターなのか?」

カズマ「あ、ああ。あいつ、いつもあの姿なんだよ。戦闘時以外は。」

 

 そこにはカエルの置き物が置いてあり、そんな風に喚いていた。

 それを見たジーンがそう言うと、俺はカズマに聞き、カズマはそう答える。

 すると、ケケラは口を開く。

 

ケケラ「大体、エリスがセクハラされたのは、初めて会ったばかりなのにスキルを教える時にカズマを騙したから、その怒りでパンツがとられたんでしょ!その後の行動はアクアのせいで、少し性格が歪んでいたとはいえ、冒険者ならああゆう事が起こるのは普通でしょ!あんたが仕掛けた勝負なのに、それを一方的に悪く言うのはどうなのよ!あんな対応されたら、反撃されてもしかたないわよ!」

湊翔「あんな対応?」

カズマ「ああ。スティールを覚えた後、俺の財布をクリスが返してくれなくて、スティール勝負になったんだよ。」

トウカ「えっ?」

 

 ケケラがそう叫ぶ中、俺が首を傾げると、カズマはそう言う。

 トウカが訝しむ中、カズマとケケラは説明をする。

 どうやら、カズマがクリスにスティールを教えてもらった後、クリスがカズマから奪った財布を返そうとせず、スティール勝負になった。

 その際、大量のその辺で拾った石を見せて、スティール対策を教える。

 で、その結果、パンツをスティールする事になったと言う。

 俺とトウカ、ジーンはクリスを見る。

 クリスは、視線を逸らしていた。

 そりゃあ、そんな対応になっても仕方ないだろ……………。

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「そうだよ!元はと言えばクリスがあの時余計なこと言わなきゃ、俺は今よりはまだマシな評価になってはずだ!あんなこと言わなければお互い様って感じで済んだのにどうしてくれんだ!!」

湊翔「そりゃあ、パンツ取られてショックだったのは分かるけど、流石にそれは…………。」

トウカ「私もカズマの立場だったら怒るな、それは…………。」

ジーン「というより、それをキューンが知ったら、クリスに怒るんじゃないか?」

クリス「本当に申し訳ありませんでした!」

 

 カズマは泣きながらそう言うと、俺とトウカ、ジーンはそう言う。

 クリスが凄まじい勢いで謝る中、カズマは叫ぶ。

 

カズマ「謝って済む問題じゃねえよ!!」

湊翔「まあまあ……………今度、2人で飲みに行こうぜ。色々と愚痴を聞くよ。」

カズマ「湊翔……………!俺の味方はお前しかいねぇ!」

湊翔「落ち着け!涙と鼻水が凄いから!!」

ケケラ「ちょっと!私の事を忘れないでよ!」

 

 カズマが泣きながらそう言うと、俺は慰める。

 流石に可哀想……………。

 すると、カズマは俺に抱きつき、俺が苦笑していると、ケケラはそう叫ぶ。

 俺は口を開く。

 

湊翔「そういえば、その録音データって何なんだ?」

カズマ「おう。それはな……………ん?あれ?」

 

 俺がそう聞くと、カズマは俺から離れて、スパイダーフォンを操作する。

 すると、カズマはそう言う。

 

湊翔「どうした?」

カズマ「あれ?データが無い!?まさか間違って消したのか?この俺がそんなミスを!?」

 

 俺がそう聞くと、カズマは落ち込む。

 まあ、たまにはそんなミスもするだろ。

 一方、拓巳達は。

 

拓巳「……………それで、本当に録音データを消してよかったのか?流石に可哀想じゃないか?」

ゼウス「神のことはあまり地上の者たちに知られるわけには行かない。彼には申し訳ないが……………。」

 

 拓巳とゼウスは、そんな風に話していた。

 どうやら、カズマのスパイダーフォンの録音データを消したのは、拓巳の様だった。

 すると、ゼウスは呟く。

 

ゼウス「カズマくん、すまんのぉ。何か別な形でお詫びをしよう。」

 

 ゼウスはそんな風に呟く。

 一方、俺たちが居る場所に、めぐみん達がやって来た。

 

カズマ「お〜めぐみん、ダクネス。」

湊翔「白夜達も来たのか。」

白夜「今後の対応の相談に来たんだがな。」

朱翼「結局、ヴィジョンドライバーは破壊出来ませんでしたからね。」

武劉「俺たちはそれが理由で来たんだが……………。」

 

 カズマと俺がそう言うと、白夜達はそう答える。

 すると、めぐみんとダクネスが口を開く。

 

めぐみん「カズマ!説明してもらいますよ!カズマのサポーター、女性だったではないですか!」

ダクネス「そうだぞ!いつの間に知り合ったって言うんだ!?」

カズマ「ケケラの事か?それは、ケケラ本人に聞いてくれ。」

 

 めぐみんとダクネスはそう言う。

 それを聞いたカズマは、ケケラに向かって指を指す。

 それを見た2人は。

 

めぐみん「あのカエルの置き物ですか?」

ダクネス「おい!誤魔化すな!」

ケケラ「私に用があるんでしょ?」

 

 2人は困惑しながらそう言うと、ケケラはそう言う。

 すると。

 

めぐみん「えぇぇぇぇぇ!?」

ダクネス「置き物が喋っただと!?」

カズマ「ああ、あいつ、戦闘時以外はいつもああなんだよ。」

 

 2人が驚く中、カズマはそう説明する。

 すると、2人は口を開く。

 

めぐみん「ところで、どうしてカズマのサポーターをしているんですか!?」

ダクネス「そ、そうだぞ!?鬼畜などと言われているあのカズマなんだぞ!?」

カズマ「俺、泣いて良いかな?」

湊翔「泣いて良いんじゃね?」

ケケラ「私は、カズマをサポートしたくて、サポーターになったのよ!それは自由でしょ!?」

 

 めぐみんとダクネスがそう言うと、カズマはそう呟き、俺はそう答える。

 ケケラはそう反論する。

 一方、拓巳達の方は。

 

拓巳「……………それで、今後の奴らへの対応はどうするんだ?今のロキ側が持っているヴィジョンドライバーは、ゲームを開催できるんだぞ。」

ゼウス「そうだな。今後の対応は、ロキ側のヴィジョンドライバーを破壊する。それに限るじゃろうな。」

拓巳「そうだな。その為にも……………。」

サダメル「失礼します!」

 

 拓巳とゼウスは、今後のロキ側への対応を話し合っていた。

 すると、そこにサダメルがやってくる。

 

ゼウス「どうした?」

サダメル「それが……………何者かによって、通信がジャックされています!」

拓巳「なに?」

 

 ゼウスが聞くと、サダメルはそう答える。

 拓巳が反応すると、近くにあったモニターが光り、誰かが映し出される。

 無論、俺たちの方にも。

 そこには、『ジャマトスポンサー ベロバ』と書かれていた。

 

ベロバ『デザイアグランプリには、欠かせない存在がいる。ふふふ…………。それは、ジャマトよ。』

ナレーション『本来ジャマトは、デザイアグランプリの敵役として作られた存在です。あくまでも、ゲームの駒としてデザインされていました。開発者の溢れる愛情を受け、育てられたジャマトは、やがて奇跡の進化を遂げました。』

 

 ベロバがそう言うと、ナレーションの声が入り、そんな風に語りだす。

 どうなってんだ?

 ナレーションの声は続く。

 

ナレーション『人間を栄養分として利用し、言葉や教養、自由と尊厳を手に入れ、人類との生存競争に立ち向かえる様になったのです。もうジャマトは、デザイアグランプリでやられるだけの敵役ではありません。これからは、ジャマトの世界が始まるのです。その名も……………ジャマトグランプリ。』

 

 ナレーションはそんな風に言う中、最後にロゴが映し出される。

 そこには、蔦に囲まれたJGPという文字が浮かび上がっていた。

 

ジーン「ジャマトグランプリ……………!?」

湊翔「なに……………!?」

ケケラ「なに考えてんの…………?」

 

 俺たちは、それを唖然として見ていた。

 まさか、デザイアロワイヤルの次は、ジャマトグランプリか。

 というより、ジャマトグランプリって何なんだよ。

 すると。

 

ベロバ『ゲームの目的はただ一つ。ラスボスであるゼウスか黒石拓巳を倒して、ヴィジョンドライバーを奪う事〜!』

ゼウス「ほう……………?」

拓巳「そう来たか………………。」

ベロバ『見事成し遂げたジャマトはジャマ神となり……………理想の世界を叶える権利を手に入れられる。』

 

 ベロバがそう言うと、別室の拓巳とゼウスがそう反応する。

 その頃、アクセルの街では。

 

ジャマト「ジャ〜!!」

アクア「えっ!?なんでいきなりジャマトが現れんのよ!?」

Jライダー「ビスルクイズクテウチャ!」

 

 アクセルの街では、ジャマトやジャマトライダーが現れ、アクアがそう叫んでいた。

 一方、俺たちの方では。

 

ツムリ「皆さん、アクセルの街にジャマトが現れました!」

ギロリ「至急、向かってくれ。」

湊翔「分かった!」

白夜「おう!」

 

 ツムリとギロリさんがそう言うと、俺たちは駆け出していく。

 一方、ベロバの方は。

 

ベロバ「ジャマトになりかけているアンタ達にも、エントリー権はある。期待しているわ。」

武「ふんっ。」

闘轟「随分と物好きだな。」

 

 ベロバは馬場武と牛島闘轟にそう話しかけ、2人はそう言う。

 

ベロバ「私がアンタ達を気に入ったのは、仮面ライダーに敵意を向けるその姿勢よ。ジャマトになりかけてるアンタ達を見て決めたの。共に世界を変えようって。人間が皆不幸になるゾクゾクする様な世界を私に見せて?」

 

 ベロバはそんな風に言う。

 それを聞いた2人は。

 

武「お前の趣味なんざ興味ねぇよ。強いやつと戦えるなら、それで十分だ。」

闘轟「力を手に入れられれば、それで良い。」

 

 2人はそう言いながら去っていく。

 一方、アクセルの街に戻って来た俺たちは、ジャマトと応戦していく。

 

湊翔「ジャマトグランプリって奴が始まった影響か!」

トウカ「随分と悪趣味なゲームよね!」

白夜「とにかく倒すぞ!」

朱翼「はい!」

武劉「数が多いな…………。」

 

 俺たちはそう話しながら、ジャマトに攻撃していく。

 すると。

 

アクア「わぁぁぁぁ!カジュマさぁぁぁん!!」

カズマ「アクア!?」

アクア「なんで急にジャマトが現れたのよ!?」

めぐみん「そんな事はいいから、ここは私たちに任せてください!」

ダクネス「アクアは避難するんだ!」

アクア「わ、分かったわ!」

 

 アクアが涙目になりながらこっちに向かってくる。

 アクアを逃す中、俺たちは頷き合って、ドライバーにレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が、武劉の隣には、大砲の絵と英語でBUSTERの文字が浮かび上がる。

 そして、俺達は叫ぶ。

 

一同『変身!』

 

 そう言って、レイズバックルを操作して、変身する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

FLUTE

BUSTER

REDAY FIGHT

 

 俺たちは、それぞれの基本フォームへと変身して、ジャマトへと向かっていく。

 

カズマ「ハアッ!おらっ!」

 

 カズマは、ニンジャフォームの素早さを活かしたり、忍術などでジャマトを倒し、ジャマトライダーにダメージを与えていく。

 

トウカ「ハアッ!でやっ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーを振るい、ジャマトを倒し、ジャマトライダーにダメージを与える。

 

白夜「はあっ!おらっ!」

 

 白夜は素早く動いて、ジャマトを攻撃して倒していく。

 

朱翼「はっ!でやっ!」

 

 朱翼は、フルートソードを振るい、ジャマトを倒していく。

 

めぐみん「ハアッ!」

 

 めぐみんは、ビートアックスのエレメント攻撃をしたりして、ジャマトを倒していく。

 

ダクネス「はあっ!ふっ!」

 

 ダクネスは、ゾンビブレイカーでジャマトに攻撃を叩き込んでいく。

 

武劉「はっ!ふっ!はあっ!」

 

 武劉は、両腕のクローや両肩の大砲から、ジャマトに攻撃していく。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!」

 

 俺は、マグナムシューターやアーマードガンの銃撃、格闘戦などでジャマトやジャマトライダーと戦っていく。

 すると、何かが俺に向かって飛んでくる。

 ミッションボックスの様で、それを開けると、中身はブーストレイズバックルだった。

 

湊翔「おっ、ブーストバックルか。」

 

 俺はそう言うと、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、向かって来たジャマトの攻撃を防ぐと、ブーストレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 その音声が鳴ると、ブーストレイズバックルを操作する。

 すると、リボルブオンの際のエフェクトで、ジャマトが吹っ飛ぶ。

 

DUAL ON

GET READY FOR BOOST & MAGNUM

 

 変身音が鳴る中、リボルブオンが実行され、マグナムのアーマーが下にいくと、ブーストのアーマーが装着される。

 

湊翔「はあっ!ふっ!はっ!」

 

 俺はブーストパンチャーを使ったパンチや、膝蹴りと同時に、アーマードガンを銃撃する。

 すると、ジャマトライダーが攻撃してくるが、それを躱す。

 

REDAY FIGHT

 

 その音声が鳴る中、俺はブーストパンチャーを使ったパンチや、アーマードガンを使ったキックなどをして、攻撃していく。

 それを見ていたジーンは。

 

ジーン「感動するよ、ギーツ!そういう所がたまらない!」

ベロバ「あんたも物好きね……………何しに来たの?」

 

 ジーンがそういう風に言う中、ベロバがキャンディを食べながらそう言う。

 ジーンは答える。

 

ジーン「俺はデザグラが大好きだからね。デザグラを守る為には、似合わない努力もするさ。」

ベロバ「フフフッ。その努力…………無駄になりそうね。」

ジーン「それはどうかな?」

 

 ジーンがそう答えると、ベロバはレーザーレイズライザーの銃口の部分を構え、それを見たジーンも構える。

 すると。

 

クロス「なんだ、何だ?盛り上がってるじゃねぇか!」

ケケラ「アタシたちも混ぜてもらうわよ。」

 

 そう言いながら、クロスと人間態になったケケラが現れる。

 

ベロバ「……………クロスはともかく、そっちのあんたは誰?」

ケケラ「はぁ!?私よ!人間としてのデザインも、悪く無いでしょ?」

ベロバ「……………だから〜誰?」

 

 ベロバはそう言うと、ケケラはそう叫びながらポーズを取る。

 ベロバは気づいていなかった。

 

ケケラ「アタシよ!」

アーン「ケケラ、気づいてもらえないな。」

ケケラ「あんたたちも来たの……………?」

キューン「幸せになってほしい人が居ますから。」

 

 ケケラがそう言う中、アーンとキューンもやってくる。

 アーンとキューンがそう言う中、ジーンは口を開く。

 

ジーン「皆、考えている事は一緒か。そりゃあ、推しのライダーがデザ神になって欲しいもんな。」

 

 ジーンはそう言うと、ジーンを含めた5人がレーザーレイズライザーの銃口を腰に当てる。

 

LASER RAISE RISER

 

 その音声が鳴ると、5人の腰にドライバーが出現する。

 それを見たベロバは。

 

ベロバ「ふぅ…………良いわ。」

 

LASER RAISE RISER

 

ベロバ「まとめてかかって来なさい!」

 

 ベロバは一瞬ため息を吐くが、すぐに自分もベルトを装着して、レーザーレイズライザー本体を取り出す。

 

ZIIN SET

KEKERA SET

KYUUN SET

AAN SET

KUROS SET

BEROBA SET

 

 その音声が鳴ると、待機音が流れて来て、それぞれが言う。

 

ベロバ「変身。」

ジーン「変身!」

ケケラ「変身。」

キューン「変身。」

アーン「変身!」

クロス「変身!」

 

 それぞれがそう言うと、トリガーを引く。

 

LASER ON

 

 その音声が鳴ると、そのレーザーレイズライザーからカードの様なエネルギーが放出され、それぞれの周囲を飛び回る。

 ブロック状のエネルギーが形成され、包み込んでいく。

 

AAN LOADING

KYUUN LOADING

KEKERA LOADING

ZIIN LOADING

KUROS LOADING

BEROBA LOADING

REDAY FIGHT

 

 それぞれが変身して、カードが装填されると、攻撃をすぐに開始する。

 ジーンとクロス、ベロバがレーザーレイズライザーでの銃撃を行う中、ケケラ、キューン、アーンはそれぞれの攻撃をしていく。

 ベロバが攻撃すると爆発し、ジーン達は空中に避難する。

 

ジーン「ハァァァァ…………!ハァァァァァ!」

 

 空中から、ジーン達は攻撃をしていく。

 俺たちとサポーター達の攻撃が激化していく。

 一方、それを見ていたゼウス達は。

 

サダメル「ジャマトグランプリが始まってしまうとは……………。」

拓巳「……………ゼウス。いよいよ、あれを出す時ではないか?」

ゼウス「…………あれか。さて、あの放送は、ロキ側からの宣戦布告じゃろうな。受けて立つ。勝つのは我々デザイアグランプリか、ジャマトグランプリか。」

ツムリ「私は信じたい。仮面ライダーの皆さんを。」

ギロリ「……………そうだな。」

 

 サダメルがそう言う中、拓巳はそう提案する。

 ゼウスがそう言うと、ツムリはそう言い、ギロリさんも同意する。

 この日から、デザイアグランプリ陣営とジャマトグランプリ陣営の戦いが始まるのだった。




今回はここまでです。
いよいよ、ジャマトグランプリが始まりました。
サポーター達との話の後、ジャマトグランプリが開幕。
ロキの野望は、着実に進んでいっています。
次回は、このすばの原作の話になる予定です。
とは言っても、ジャマトグランプリの内容も入って来ますが。
エリス祭りとアクア祭り、そして、雷ジャマト祭り。
三つの祭りが始まる。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
雷ジャマト祭りでの流れでリクエストがあれば、受け付けています。
今日のガッチャードは、ドレッド壱式が登場して、ワープテラのマルガムによって、スチームライナー以外のカードを奪われた宝太郎。
禁断の錬金術を用いて、アイアンガッチャードに変身する。
マルガムに近い状態ですが、果たして、どうなるのか。
グリオンの性格から考えると、宝太郎の精神を粉々に破壊すべく、ホッパーマルガムを出して来そうですよね。
そして、ガッチャードからライナーマルガムにさせようとするのかも。
それは、どうなるのか分かりませんね。
仮面ライダーゲイザーの情報も発表されて、ジャマト・アウェイキングにも繋がるみたいですね。
ゲイザーゼロの変身者は、拓巳にしようかなと思っています。
どこかのタイミングで、ジリオンドライバーを渡すので。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第86話 エリス感謝祭とアクア感謝祭

 俺たちとサポーターの戦闘は、最終的にジャマトたちが撤退した事により、中断となった。

 俺たちは、デザイア神殿へと呼び出された。

 

湊翔「アクセルにいるほぼ全ての仮面ライダーが呼び出されるとはな。」

カズマ「確かにな……………。」

トウカ「それほど、ジャマトグランプリを警戒しているって事でしょうね。」

 

 俺、カズマ、トウカはそう話す。

 その視線の先には、俺たちだけでなく、ダスト、リーン、ゆんゆん、アクセルハーツ、龍、デモニオ、進、炎魔、彩花、隼、龍牙が集まっていた。

 他の仮面ライダー達は、別の場所で話を聞いているとの事だ。

 すると、拓巳が現れる。

 

拓巳「仮面ライダーの諸君。デザイアグランプリのサブゲームマスターの黒石拓巳だ。今回、君たちに集まってもらったのは、ジャマトグランプリへの対応に関してだ。」

ゆんゆん「ジャマトグランプリ…………?」

ダスト「あのベロバとかいう奴が始めた奴だったか?」

リーン「そうだったはず…………。」

 

 拓巳がそう言うと、ゆんゆん、ダスト、リーンの3人がそう言う。

 見てたのか。

 すると、アクセルハーツやら龍が口を開く。

 

リア「ジャマトグランプリというのは何なんだ?」

シエロ「少なくとも、私たちがいい事があるというわけではなさそうですが……………。」

エーリカ「何なのよ、あれ!」

龍「対応はどうなるんだ?」

拓巳「ジャマトグランプリへの対応としては、これまで通り、ジャマトが現れたら倒す。それは変わらない。」

 

 リア達はそんな風に言うと、拓巳はそんな風に答える。

 すると、進や炎魔達が反応する。

 

進「なるほどな……………対応は分かった。」

炎魔「まあ、異論はないが……………。」

彩花「ですが、いずれ限界が来るんではないですか?」

隼「こっちも強くなっているとはいえ、ジャマトの方も強くなっているだろうからね。」

龍牙「どうするんだ?」

 

 進達は、至極当然な事を聞く。

 ジャマトも徐々に強くなってきている。

 このままだと、いずれは対応しきれなくなる可能性もある。

 すると、拓巳が口を開く。

 

拓巳「無論、対策はしてある。その為に見せたいものがある。」

湊翔「えっ?」

ツムリ「お待たせしました。」

 

 拓巳がそう言うと、ツムリはワゴンを持ってやってくる。

 そのワゴンには、大型レイズバックルが入っていた。

 ただし、白と灰色を基調とした物ばかりだが。

 中にはコマンドツインバックルやパワードビルダーもあり、コマンドツインバックルは迷彩柄、パワードビルダーも白と灰色を基調とした物だ。

 

カズマ「大型レイズバックル!?」

ダクネス「だが、色が違うな……………。」

めぐみん「これは一体……………?」

拓巳「それらは、量産型の大型レイズバックルだ。スペックはそのままに、量産出来るようにした。それを使ってくれ。」

 

 カズマ達が驚きながらレイズバックルを見ていると、拓巳はそう説明する。

 拓巳曰く、通常の大型レイズバックルは、そこまで量産出来る物では無いとの事だ。

 そこで、量産型の大型レイズバックルを作ったそうだ。

 スペックに関しては、上手く調整して通常の物と同じにできたようだ。

 

デモニオ「なるほどな……………それで、俺にはこのウェポンバックルとやらか?」

拓巳「ああ。」

ダスト「うっひょー!これならいけるぜ!」

リーン「そうね。」

 

 デモニオがそう聞くと、ダストとリーンはそう言う。

 まあ、戦力の増強にはなるか。

 すると、ツムリが口を開く。

 

ツムリ「それはそうと、トウカ様、リア様。お二人には渡しておきたい物がありまして。」

トウカ「私たちに?」

リア「なんだ?」

ギロリ「これさ。」

 

 ツムリがそう言うと、トウカとリアが首を傾げる。

 ギロリはそう言うと、ミッションボックスを取り出す。

 2人が開けると、その中にはコマンドツインバックルが入っていた。

 

トウカ「コマンドツインバックル…………!」

リア「良いのか?」

ツムリ「2人を応援している人たちからのプレゼントです。」

ギロリ「遠慮なく使ってくれ。」

シエロ「凄いね、リアちゃん!」

エーリカ「やるじゃない!」

 

 トウカとリアが驚いていると、ツムリとギロリさんの2人はそう言う。

 それを見て、シエロとエーリカはそう言う。

 そうして、戦力が増えた。

 一方、ロキ側はというと、別の拠点で。

 

ベロバ「ようこそ、ジャマトグランプリへ!私がゲームマスターのベロバよ。」

 

 ベロバは台に乗り、鈴を持ちながらそう言う。

 ベロバの前には、ルークジャマトが2体、サボテンナイトジャマトが2体、ビショップジャマトが2体、ジャマトライダーが8体存在していた。

 ベロバは、鈴を一つずつ配っていく。

 

ベロバ「おめでとう。あなた達は選ばれたプレイヤーよ。」

 

 ベロバはそう言いながら、鈴を配る。

 少し離れた場所で見ていた馬場武と牛島闘轟の手にも、鈴が握られていた。

 ベロバは、ジャマトライダー達にミッションボックスを渡す。

 その中身は、全てがフィーバースロットレイズバックルだった。

 

アルキメデル「ああ…………!これだけになってしまったが、生き残ったお前達は、大切な大切な私の右腕や左腕だ。」

 

 アルキメデルは泣きながらそう言う。

 その両手には、ジャマトが入った植木鉢が握られていた。

 参加者リストが映し出される中、ベロバは口を開く。

 

ベロバ「誰かの大切な物を壊す事によって溜まるスコアを競い合う。アハハハハ!最高にゾクゾクするゲーム!」

 

 ベロバがそう言う中、参加者リストが変わり、得点表が映し出される。

 そこには、人生が1000pt、家が500pt、夢が300pt、健康が200ptと記載されていた。

 悪趣味なルールだった。

 

ベロバ「見事、ラスボスを倒した時、最もスコアが高かった者がジャマ神となり、不幸の世界を叶えられる。」

アルキメデル「さあ!人間達に報復する時だ!ハハハハハ……………!!」

 

 ベロバがそう言うと、アルキメデルはそう高笑いをする。

 すると、馬場武と牛島闘轟が口を開く。

 

武「世界を作り変えられる力なんて、無いだろ。」

闘轟「そこら辺はどうするんだ?」

ベロバ「どうせ手に入るわ。……………ううん。2人が手に入れてくれるんじゃ無い?ラスボスのどちらかを倒して、ヴィジョンドライバーを奪ってね。気に入ってくれた?私のコーディネート。」

 

 馬場武と牛島闘轟がそう言うと、ベロバはそう言い、スクリーンには、黒石拓巳/仮面ライダーグレア、ゼウス/ニラム/仮面ライダーゲイザーが映し出される。

 それを聞いた2人は、その場から離れる。

 少し離れると、後ろから声がかけられる。

 

???「闘轟、お前はどこに向かっているんだ?」

武「あん?」

 

 そんな風に話しかけられると、馬場武が反応する。

 後ろには、1人の男がいた。

 

闘轟「………………お前か、宗介。」

武「知り合いか?」

闘轟「あとで話す。」

 

 その男は宗介と言い、馬場武がそう聞くと、牛島闘轟はそう答える。

 そう言うと、闘轟は答える。

 

闘轟「もう後には引き返せない。仮面ライダーは全員ぶっ潰す。」

宗介「そうだな。力を合わせて潰そうぜ。」

闘轟「何言ってんだ、お前はもう…………!?」

 

 闘轟はそう言うと、宗介はそう言う。

 闘轟が振り返ると、そこには1人の男がいた。

 だが、すぐにサボテンナイトジャマトへと姿を変える。

 

闘轟「何……………!?」

武「驚いたな……………。」

宗介「全ての仮面ライダーが不幸になる世界をな。ハハハハハッ……………!」

 

 それを見て、2人が驚いていると、サボテンナイトジャマトは去っていく。

 すると、石井樹が現れる。

 

樹「興味深い進化だよね。人間の姿形に擬態するだけじゃなく、記憶や知恵も身につけ始めている。そのうち、君の親友そのものになったりしてね。」

 

 石井樹はそう言うと、手に持っているIDコアを見つめる。

 そのIDコアは、白いハリネズミの絵がある青くてひび割れたIDコアだった。

 すると、闘轟は口を開く。

 

闘轟「……………お前は、ジャマトグランプリにはエントリーしないのか?」

樹「そうしたいのは山々だけど、生憎、僕や桜井要達を始めとする人たちはジャマトじゃないから。半分なりかけている君たちとは違ってね。」

武「ふん。俺は強い相手……………桐ヶ谷湊翔と戦えるなら、それでいい。それで、さっきの奴は誰だ?」

闘轟「……………一応教えておいてやる。」

 

 闘轟はそう聞くと、樹は闘轟と武の2人を見ながらそう言う。

 馬場武がそう言うと、牛島闘轟は話し出す。

 大谷宗介。

 かつて、この世界に来た際、牛島闘轟が唯一、気を許した人間だ。

 お互いに、それぞれの夢を語り合った。

 だが………………。

 

宗介「返せよ……………!そのバックルを返せよ!」

???「悪いな、これは貰っていくぜ。」

???「ざまあみやがれ!」

 

 宗介もデザイアグランプリに参加していたが、象とインパラの仮面ライダー、猪と蝙蝠の仮面ライダーの2組にリンチにあった挙句、バックルを奪われて、ジャマトの攻撃によって死亡したとの事。

 

樹「そんな事があったんだね。」

武「お前が仮面ライダーを憎む理由が分かった気がするな。」

闘轟「別にそんなつもりで話した訳じゃない。一つ言っておく。デザ神だろうが、ジャマ神だろうが関係ない。俺が頂点になって、全ての仮面ライダーをぶっ潰す。無論、お前達もな。」

武「ふっ。そうかい。」

 

 樹と馬場武がそう言うと、闘轟はそんな風に言いながら、睨む。

 そんな風に、ジャマト陣営は動き出そうとしていた。

 一方、俺は呼び出しを受けていた。

 黒石拓巳に。

 

湊翔「俺に用事って何なんですか?」

拓巳「用事というのは他でもない。以前、君に送られたブーストレイズバックルの事だ。」

湊翔「これの事か?」

 

 俺はそう聞くと、拓巳はそう言い、俺はブーストレイズバックルを取り出す。

 

拓巳「ああ。そのブーストレイズバックルは特別製でな。お前が世界を守る覚悟を見せた時、お前に新たな力を授ける為のブーストレイズバックルだ。大事に取っておけよ?」

湊翔「あ、ああ………………分かった。」

 

 拓巳はそんな風に言う。

 俺は首を傾げながらもそう答えて、俺は部屋を後にする。

 世界を守る覚悟……………か。

 まだ足りないとか、そういう感じなのだろうか?

 そう考えながら屋敷に戻ると、とんでもない光景が広がっていた。

 

アクア「返してよおおおお!返して!私の可愛いゼル帝を返してえええええっ!!わああああああっ!返してよおおおおおおっ!」

バニル「フハハハハハ!ざまあみろ、寝取られ女神め!貴様の大事なペットは……………フハッ……………ああくそっ!こっ、こらっ!付いてくるでない鳥類め!飼い主のもとへ行くが良い!」

 

 そこには、泣きながらバニルの背中を叩くアクアに、疲れ切った表情のトウカ達、ウィズは薄くなって、ダクネスと共に気絶していた。

 バニルの足元には、まごう事なきひよこがいた。

 えっ、どういう状況?

 それは、カズマとめぐみんも同じリアクションだった。

 話を聞くと、ダクネスのお父さんに呪いをかけた容疑者としてバニルが連れてこられていたが、バニルがバニル式殺人光線を放ち、アクアが反射させるとダクネスは気絶して、アクアの浄化魔法をバニルがウィズを盾にした結果、難を逃れた。

 その矢先、ゼル帝が生まれて、バニルに出して刷り込みを起こしたそうだ。

 

バニル「名前は良いな。威厳溢れる立派な名前であるとは思う。我輩に懐くだけの事はあるな。」

アクア「当たり前でしょ、誰が付けたと思っているの。アンタに懐くのが許せない所だけれど、この子は神である私に選ばれし、ドラゴン族の帝王となるべき定めの者よ。」

 

 アクアとバニルはそんな風に話していた。

 そんな中、俺達は。

 

湊翔「そんな事があったんだな。」

白夜「危なかったぜ。殺人光線に当たると死ぬから、必死に避けて。」

朱翼「というより、ひよこですよね?ひよこがドラゴン族の帝王になる?」

武劉「馬鹿馬鹿しいとしか言えないな。」

トウカ「本当よ………………。」

 

 俺達はそんな風に呆れながら話していた。

 その後、バニルはウィズを連れて帰った。

 そんなアホらしい出来事があった翌朝、俺達は飯を食べていた。

 

アクア「……………ねえ、アンタ達。ゼル帝の前で目玉焼き食べるのやめてあげてくれない?何だかこの子が怯えている気がするの。」

カズマ「そいつはドラゴンなんだろ?なら俺なんかに怯える必要ないじゃないか。」

湊翔「それより、あれをどうにかしてくれないか?」

 

 アクアがそんなふうに言うと、俺とカズマはそう言う。

 俺がそう言いながら箸で指したのは、ゼル帝のベッド代わりになっているバニルの抜け殻だ。

 バニルが帰る際、ゼル帝が離れようとしないので、バニルが抜け殻を置いていったのだ。

 存在感が凄まじいんだよな。

 

アクア「しょうがないじゃない。ゼル帝が気に入ってるんだもの。……………それより、さっきからその子はどうしたのかしら?」

 

 アクアがそう言うと、ゼル帝に突かれながらも、部屋の隅に視線を向ける。

 そこには、ちょむすけがゼル帝を警戒していたのだ。

 

めぐみん「魔力ですね。」

トウカ「どういう事?」

武劉「そのひよこからは、凄い魔力を感じるんだ。」

 

 それを見ていためぐみんが口を開くと、トウカは首を傾げ、武劉はそう言う。

 俺たちが首を傾げると、めぐみんが説明する。

 

めぐみん「卵の孵化の際、私やアクア、バニルやウィズなど、この街でもトップクラスの魔力保持者が寄って集って魔力を注いだせいでしょうか。ドラゴンの親が卵を温める際に魔力を注ぐと、子供も強い魔力を持って生まれてくるのは有名な話ですが、鶏の卵に魔力を注いでも同じ現象が起きるとは興味深いですね。これは、ドラゴンを育てているドラゴン牧場の方達にとっても朗報かもしれませんよ。」

 

 めぐみんはそんなふうに解説をする。

 鶏の卵でもそんな事が出来るのか。

 

カズマ「それじゃあ、こいつを上手く育てれば、魔王軍に対する切り札に…………。」

めぐみん「なりませんよ、ひよこですから。魔法も使えなければ、ドラゴンの様に飛ぶ事もブレスを吐く事もありません。」

 

 カズマが期待を込めてそう言うと、めぐみんはそう言う。

 ダメじゃねぇか。

 魔力の無駄遣いだな。

 

湊翔「…………なあ、そいつを食ったら、魔力が跳ね上がるとか、あり得ないか?」

トウカ「…………そうね。可愛いからあまりやりたくはないけど、あり得るかもしれないわね。」

白夜「やっぱり食うしかねえだろ。」

カズマ「ああ……………それもあるのか。」

めぐみん「魔力が上がるなら、試す価値もありますね。」

アクア「うちの子をそんな目で見るならあっちへ行って!ダクネス、ゼル帝をカズマ達から守ってよー!」

 

 俺がそう言うと、トウカ、白夜、カズマ、めぐみんはゼル帝をじっと見る。

 アクアがそう叫ぶと、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「……………ふふ。お前達を見ていると、本当に帰って来たという実感が湧くな。カズマたちも、アクアをあまりいじめてくれるな。これからは皆でつつがなく平和に暮らせるのだ。喧嘩なんてせず、仲良くしよう。」

 

 ダクネスはそんな風に言う。

 まあ、そうかもしれないな。

 俺は、ダクネスがアクアの口を塞ごうとするのを見ながらそう思う。

 すると、玄関のドアが開かれ、来客が来る。

 

クリス「お邪魔するよー。…………皆、今日も楽しそうだね?」

トウカ「クリスか。」

 

 そこにいたのは、苦笑を浮かべたクリスだった。

 クリスは、神器回収の件を俺たちに頼む為に来た様だ。

 

クリス「……………そんな訳で、ジャマトグランプリなんてのが始まって、大変かもしれないけど、出来れば皆にも神器集めを助けて欲しいなって思ってね。」

湊翔「俺は良いぞ。」

トウカ「私も。」

白夜「まあ、手伝ってやるよ。」

朱翼「良いですよ。」

武劉「構わない。」

ダクネス「手伝ってやりたいのは山々なのだが……………すまない、クリス。現在、前領主が行方不明になった為、まだ体調が回復しきっていない父に代わり、私が領主の仕事を任されているのだ。なので、本格的に手伝うのは、父が回復してからでないと……………。」

 

 クリスはバニルの抜け殻を見ながらそう言うと、俺達は了承する。

 だが、ダクネスはそう言う。

 なるほど、そういう事ね。

 アルダープが失踪したから、ダクネスが代理を務めているのか。

 

クリス「いいよいいよ。そっちの方が大切な仕事だし。手伝いたいって気持ちだけで十分だよ。ありがと、ダクネス。」

めぐみん「私はまあ手伝える事があるのなら手伝いますが。でも、出来ることなんて限られていますよ?その神器とやらが悪人の手に渡っているのなら、私の爆裂魔法が火を噴きますよと脅してあげても構いませんが。」

クリス「あ、ありがと、めぐみん。めぐみんに頼める様な事があれば、その時はお願いするね。ええと、それで……………。」

アクア「残念だけど手伝えないわ。」

 

 クリスはそんな風に言う中、残りの2人の方を見る。

 めぐみんがそう言うと、クリスは苦笑しながらそう言う。

 すると、アクアはそんな風に宣う。

 それを聞いた白夜とカズマが口を開く。

 

白夜「お前、デザグラとかで俺たちがいないときは、ひよこに餌をやってゴロゴロするだけだろうが。」

カズマ「こん中で一番暇を持て余してるんだから、ちょっとくらい手伝ってやれよ。」

 

 確かに。

 白夜とカズマがそう言うと、アクアは鼻で笑う。

 なんかムカつくな。

 すると、アクアはドヤ顔で言う。

 

アクア「ねえカズマ。カズマは親の気持ちって分かるかしら?」

カズマ「…………何だよ急に。そんなもんが分かってれば、ネトゲ友達から母親泣かせのカズマさんなんて呼ばれたりしないよ。」

アクア「まあそうよね。それでこそカズマよね。毎日学校にも行かずにゲーム三昧。学校に行かせようと説得すれば、可愛げのない屁理屈を捏ねるばかりでどうにもならない。…………でもね、例えそんなダメ息子でも、親の立場からすれば可愛いものなのよ。」

 

 アクアがそう聞くと、カズマはそう答える。

 すると、アクアはそんな風に言う。

 卵を孵化している時に、変な母性に目覚めたのか?

 

アクア「ダメな子ほど可愛い。そんな言葉がある事は知ってるわ。でも私は、この子を誰よりも強く、何よりも崇められる立派なドラゴンに育てたいの!この子には英才教育を施して、ドラゴン界の頂点に立ってもらわなきゃいけないのよ。」

武劉「…………それで、何をするつもりだ?」

アクア「よく聞いてくれたわね。そこで、賢い私は考えたわ。ほら、親の背を見て子は育つって言うじゃない?ここは一つ、私の強いところや崇められてる所をこの子に見せてあげようと思うのよ。」

 

 アクアはそんな風に演説をする。

 ドラゴンじゃなくてひよこだろうが。

 武劉が呆れ気味にそう聞くと、アクアはそんな風に答える。

 すると、白夜が口を開く。

 

白夜「具体的にはどうするんだよ?」

アクア「まずは魔王を倒してみようかなって思ったんだけど、今の私の実力じゃあ紙一重で負けちゃう可能性があるのよね。だから、それは最後の手段として取っておくわ。」

カズマ「……………何を指して魔王と紙一重の実力って言ってるのか分かんないが、そもそもお前、そのひよこを買ったのって、魔王と戦う際の戦力にする為じゃなかったのか?なんかもう前提がおかしいぞ。」

アクア「カズマったら、何言ってるの?可愛い我が子にそんな危険なことをさせられるわけがないでしょう。」

湊翔「お前こそ何言ってんだ?」

 

 アクアはそんな風に宣う。

 カズマがそう言うと、アクアはさも当然な様に言い、俺は突っ込む。

 前提条件がおかしいだろ。

 

アクア「まあ、私の強い所を見せるのは今度で良いわ。今はそれよりも、大事なイベントが控えてるしね。」

湊翔「大事なイベント?」

アクア「皆は女神エリス感謝祭って知ってるかしら?」

 

 アクアがそう言う中、俺がそう言うと、アクアは見回しながらそう言う。

 女神エリス感謝祭とは、1年間を無事に過ごせた事を喜び感謝し、幸運の女神エリスを称える祭り。

 毎年、この時期になると世界各地で行われている様だ。

 

湊翔「そんなのがあるんだな。」

トウカ「ええ。その日に女神エリスの仮装をすると、次の祭りの年までの1年間を無事に過ごせるらしいのよ。」

白夜「祭りか……………そういうのも悪くねぇな。」

朱翼「ですね。」

武劉「ここ最近、激闘が多かったからな。悪くないだろう。」

 

 俺たちはそんな風に話す。

 確かに、デザイアロワイヤルでの一件など、激闘が多かったからな。

 そういうのも悪くない。

 すると、アクアが叫ぶ。

 

アクア「皆、何を浮かれているの!?祭りを楽しみましょうって話をしたいんじゃないの!この私を差し置いていたたたっ!ねえゼル帝、どうして私を啄むの!?お母さんの一体何が気に入らないっていうの!?」

 

 アクアはテーブルを叩きながらそう言うと、驚いたゼル帝がに手を突かれる。

 いや、当たり前だろ。

 それに、こういう時のアクアは、ろくでもない事をするからな。

 俺は呆れながら口を開く。

 

湊翔「……………で、何が言いたいんだ?」

アクア「エリス祭りなんてものがあるんだから、アクア祭りもやってくれないと不公平じゃない。今年はエリス祭りを取りやめにして、アクア祭りをやってもらうの。」

 

 俺がそう聞くと、アクアはそう言い、クリスは紅茶を吹き出す。

 ほらな。

 絶対にろくでもない祭りになる。

 すると、アクアは口を開く。

 

アクア「だって、ずるいと思わない!?エリス祭りが行われているのに、どうしてエリスの先輩であるアクア祭りが行われないの!?たまには代わってくれても良いじゃない!だって、ゼル帝に良いとこ見せたいんだもの!」

武劉「アクシズ教徒が祭りを起こすなんて、騒動しか起こらないだろ。」

アクア「武劉、黙ってて!それに、何だかエリスの評判が凄くいいみたいだけど!あの子はね、お淑やかに見えて意外とやんちゃするタイプなのよ?それに勝手に色々背負い込んで、出来るだけ1人で何とかしようって頑張っちゃう子なんだから。まだ未熟だったあの子を私がどれだけフォローしたのか、もう数も覚えてないわ!」

 

 アクアはそんな風に駄々を捏ねる。

 武劉がそう言うと、アクアはそう叫ぶ。

 俺はトウカにチラリと聞く。

 

湊翔「……………本当なのか?」

トウカ「……………一応。でも、それってアクアがエリスに仕事を押し付けて、その仕事をこなしていたら、エリス自身の仕事が膨らんで、それで私も手伝っていると、アクアが『全く、しょうがないわね!エリスにアテナってば、私がいないとダメなんだから!』って、ドヤ顔で仕事を手伝ったんだ。」

湊翔「おい。」

 

 俺がそう聞くと、トウカはそんな風に言う。

 完全なマッチポンプじゃねぇか。

 こりゃあ、ジーンとかもアクアとはあまり会いたくないって言うわけだ。

 ドヤ顔で自慢してくるのがウザいからだろうな。

 

ダクネス「全く。その様に良い加減な事を言ってエリス様を貶めているからアクアは運が悪いのだぞ?アクアがいつも酷い目に遭うのは、きっとエリス様による罰に違いないぞ。」

アクア「何ですって!?それじゃあ私が、からかってた野良犬に突然追いかけられたのも、買ったばかりのアイスを落としたのも、全部エリスの仕業だったのかしら!エリスっまら、可愛い顔してなんて子なの!?」

 

 ダクネスは呆れた様にそう言う。

 すると、アクアはそんな風に叫ぶ。

 いや、アイスを落としたのはともかく、野良犬に関しては、お前が揶揄ってたから逆襲されたんだろうが。

 その後、めぐみんとクリスが手伝う事になったのだが、俺達は拒否した。

 アクシズ教団には、金輪際関わりたくない。

 翌日、俺、トウカ、白夜、朱翼、武劉は炎魔達と一緒に特訓をしていた。

 ジャマトグランプリがいつ始まるのか、分かったものじゃないからな。

 

湊翔「ふぅ…………ひとまず、こんなもんか?」

トウカ「そうね。」

白夜「だな。」

朱翼「皆さんもありがとうございます。」

武劉「おかげで助かっている。」

炎魔「気にすんなって。」

彩花「ジャマトグランプリで何が起こるか分からない以上、備えは必要ですからね。」

隼「そうだね。僕の予想が正しければ…………。」

龍牙「そのジャマトグランプリは、とんでもない事になりそうだぞ。」

 

 俺たちが一息吐く中、炎魔達はそう忠告する。

 ジャマトグランプリと言っても、内容はデザイアグランプリと変わらない気がする。

 ただ、人間とジャマトの立場が逆転したという事になるのだろう。

 つまり………………。

 そんな風に考えながら、俺達は訓練を終えた。

 すると。

 

アクア「ねえダクネスー!お願い、カズマが帰ってきたら私も一緒に叱ってあげるから!だから、良い加減トイレから出てきてー!そこに引き籠られると地味に迷惑だから!」

 

 アクアはそんな風に叫んでいた。

 どういう事かと首を傾げると、めぐみんが説明をする。

 どうやら、ダクネスが色々と揶揄われた結果、トイレに籠城したそうだ。

 やっぱりそうなるか。

 結婚式の際から薄々そうなるんじゃないかなって思っていたが。

 しばらくすると、カズマが戻ってくる。

 カズマ達が何かやり取りをすると、カズマはトイレの前にテーブルを置いて、上に向かった。

 テーブルがドアを開けなくさせているのだ。

 上に向かう際、カズマが俺に耳打ちをしたのだ。

 その言葉を伝えた。

 

湊翔「ダクネス。カズマが今からダクネスの部屋に行ってタンスにクローゼット、ベッドの下まで全てをひっくり返して、欲望の限りを尽くしてくるって言って何処かに行ったぞ?」

 

 俺がそう言うと、トイレの中から大きな音が聞こえる。

 ドアを開けようとするが、テーブルがつっかえ棒になって、開けられずにいた。

 すると、ダクネスは大きく叫ぶ。

 

ダクネス「カズマーっ!止めろっ!貴様、止めろ卑怯者が!おい止めろ!止め……!冗談だろう?アクア、カズマはまだそこにいるのだろう?めぐみん達も、カズマはそこにいるんだろう!?」

 

 ダクネスはそう叫ぶが、段々不安になってきたのか、そんな風に言う。

 俺達は口を合わせて。

 

「「「「「「「居ないよ。」」」」」」」

ダクネス「カズマ、私が悪かった!悪かっ……!ちょっ、出してくれ、出られない!アクア、めぐみん、湊翔、トウカ、白夜、朱翼、武劉、出してくれ!カズマすまない、ごめん!ごめんなさい!許してくださいカズマ様!」

 

 俺たちがそう言うと、ダクネスはそんな風に言う。

 やれやれ。

 その後、カズマが交渉した事で、エリス祭りとアクア祭りが共同開催される事になったのだった。

 何でそうなる。

 俺はこの時、気づいていなかった。

 色んな意味で、やばい生活が続いていくという事に。




今回はここまでです。
デザイアグランプリとジャマトグランプリ側で色んな話がありました。
湊翔達が戦力が増す中、牛島闘轟の戦う理由が明かされる。
牛島闘轟もまた、吾妻道長みたいに、親友を失っていた。
ちなみに、象とインパラの仮面ライダーは、既に登場しています。
猪と蝙蝠の仮面ライダー……………ターボンとブラーリは、いずれ登場させます。
そして、開催の準備に入ったエリス祭りとアクア祭り。
そんな中、ジャマトグランプリがいよいよ本格的に始まる。
ちなみに、原作ギーツのすずなり鬼祭りみたいに、その二つの祭りが中止される可能性もありますので。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のガッチャードは、ミナト先生の過去が明かされましたね。
本当に良い人です。
次回、九堂風雅がアルケミスドライバーを使って変身するみたいですね。
今日は、ギーツあにめも配信されました。
面白かったです。
景和達が王○戦○キ○グ○ー○ャーの名前を出してましたし。
次回で最終回の様です。
ジャマト・アウェイキングも、いよいよ今週から公開されますね。
楽しみです。
このすばの原作8巻に相当するエピソードで、こういう流れにして欲しいというのがあれば、受け付けています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第87話 雷ジャマト祭り

 そんな訳で、エリス感謝祭とアクア感謝祭が共同開催される事になった。

 どうしてそうなったのかというので頭を悩ませていた。

 絶対にトラブルの元になりかねない。

 俺はそんな不安を抱えていた。

 後日、俺たちは冒険者ギルドに集まっていた。

 その冒険者ギルドでは……………。

 

職員「山に巣を作った、レッサーワイバーンを狩りに行く人はこちらです!現在、バインドが使える盗賊と、空の敵という事で、狙撃が可能なアーチャーを特に募集しています!強敵ですが、その分報酬は弾みますよ!参加者あと6人です!」

職員「森に昆虫型モンスターが大発生してまーす!大量に居るので、こちらも人数を必要とします!数十人による大規模な討伐となります!職不問、レベル不問!」

職員「平原にも草食型のモンスターが大量発生してますので、そちらの方もお願い致しますね。放っておくと、彼らを餌にする大型のモンスターが集まってきます。その前に駆除をお願いします。現在ギルドでは、様々な支援物資を無償で提供するキャンペーン中です!討伐報酬も普段より上乗せします!この機会に頑張ってお仕事して下さーい!」

 

 ギルドの職員達がそんな風に叫びながら、駆けていく。

 どういう事かと言うと……………。

 

湊翔「……………これ全部が、祭りの準備に繋がるなんてな。」

トウカ「まぁね。この近辺のモンスターを駆除しないと、祭りが出来ないからね。」

白夜「まあ、ジャマトグランプリってのが始まるが、どうなるのかはまだ分からないからな。」

朱翼「何にせよ、警戒するに越した事は無いですからね。」

武劉「そうだな。」

 

 俺たちはそれを見ながらそんな風に話す。

 そう。

 この集まりは、祭りを無事に行う為に必要だという事で、集まっていたのだ。

 ジャマトグランプリにアクシズ教団の動き。

 それは気にしなければならない事だからな。

 そんな中、俺たちは森のモンスター駆除に向かっていた。

 どうやら、この世界の蝉は、日本での蝉と比べて、鳴き声がとても大きく、夜でもお構いなしに鳴くという特性があるのだ。

 それは、かなりの安眠妨害だ。

 そういう訳で、俺たちはそのクエストに挑む事になったのだが………………。

 

ダクネス「領主代行の私が全てのモンスターを引き受ける!そう、これは民を守る私の役目だ!だからポーションを全て寄越せ!」

職員「ダメですよ!これは単にモンスター寄せってだけでは無いんですから。大量に塗り込むと、モンスター以外の生物にまで攻撃を喰らいますよ!」

ダクネス「ぜ、是非とも望むところではないか!」

 

 その領主代行のダクネスが、ギルド職員に詰め寄っていた。

 俺とカズマは、口を開きながらダクネスに近寄る。

 

カズマ「おい変態、ギルドの人に迷惑かけるな。」

湊翔「そういうのはやめろって。」

ダクネス「ああっ!夏のモンスターは苛烈なんだ!頼むカズマ、後生だから……………!」

 

 俺とカズマはそう言いながら、ダクネスの首根っこを掴み、ダクネスを連れていく。

 この駆除は30人ほどが参加している。

 頑強そうな連中がポーションを体に塗りつけていた。

 無論、ダクネスも。

 

白夜「おい。いくら何でもポーションをかけすぎだろ。」

ダクネス「フフッ。日頃カズマに散々働けだの言っておきながら、自身が矢面に立たないでどうする。クルセイダーは盾職だ。私が全てを引き受ける。お前達は存分に暴れてこい!」

トウカ「ダクネス…………………。」

カズマ「おう!今日のカズマさんは一味違うぞ!」

湊翔「まあ、俺もやるか。」

めぐみん「皆、やる気ですね。なら私は、誰よりも多くのモンスターを討ち取って見せますよ。カズマ、見ていてください!」

 

 白夜がダクネスに呆れた様に言うと、トウカは期待と呆れを滲ませた表情を浮かべる。

 ダクネスの本性を知っているからだろうな。

 俺たちがそう言う中、アクアは大人しかった。

 それを見た朱翼と武劉が口を開く。

 

朱翼「それにしても、アクアは大人しいですね。」

武劉「確かにな。ここでアクアが調子に乗って、何かをやらかす物かと思っていたが。」

アクア「あんた達ね、私を何だと思ってるの?私にだってちゃんと学習能力って物はあるんです。調子に乗ると碌な事にはならないんだって。」

 

 朱翼と武劉がそう言うと、アクアはそう言う。

 俺たちは驚いた。

 アクアが賢く見えてしまうという事に。

 これ、何かが起ころうとしているのか?

 すると。

 

職員「冒険者の皆さーん!モンスター、第一陣が集まってきましたよ!殺虫剤も大量に用意してあります。では、お願いします!」

 

 職員はそんな風に叫ぶ。

 すると、昆虫型のモンスター達がやってくる。

 俺は、白夜に聞く。

 

湊翔「なあ、大丈夫か?」

白夜「大丈夫だ。ゴキブリさえ出なければ、俺は問題ねぇよ。」

  

 俺はそう聞くと、白夜はそう言う。

 なら、大丈夫か。

 俺たちは変身しており、それぞれの武器を使って、攻撃していく。

 そんな中、アクアはというと、調子に乗らずに黙々と回復魔法や支援魔法をかけていく。

 そういうのを日頃からやって欲しいんだがな。

 俺たちは、武器で攻撃したり、殺虫剤を使って倒していく。

 ちなみに、そのクエストは、めぐみんが爆裂魔法を撃った事で大量に倒す事が出来たが、第二陣が大量に来てしまい、俺たちでどうにかなった。

 それから、祭りの準備の日々が始まった。

 祭りまであと6日のある日。

 俺は、アクセルの様子を見ていた。

 

湊翔「本当に祭りで盛り上がっているんだな……………。」

 

 俺はそんな風に呟く。

 エリス祭りは、結構盛り上がるらしいからな。

 1番の懸念はアクシズ教団だが。

 すると。

 

住人「うわぁぁぁぁ!?」

湊翔「っ!?」

 

 そんな声が聞こえてきて、俺はその声がした方へと向かう。

 そこには、ジャマト達が現れていた。

 

Nジャマト「お前が大切にしている物はなんだ?」

 

 ナイトジャマトの内の一体がそう言うと共に、祭りの準備をしている人たちに攻撃していく。

 ジャマトグランプリが始まったって事か。

 一方、それを見ていたベロバは。

 

ベロバ「ジャマトグランプリ第一回戦は、雷ジャマト祭り。雷を落として、街を滅ぼす。人間達を苦しめて、五つの櫓を完成させるの!アハハハハっ!そして、全てを破壊する。災いの祭りを楽しみましょう!」

 

 ベロバはそんな風に言い、石井樹やアルキメデルと共に笑う。

 周囲にいるジャマトは、ナイト、ルーク、ビショップが二体ずつで、ジャマトライダーが八体か。

 かなり多いな。

 俺は住人の避難を終えると、そこにカズマ達もやってくる。

 

湊翔「皆!」

カズマ「ジャマトグランプリが始まったのかよ!?」

アクア「こっちは準備で忙しいのよ!早く片付けちゃって!!」

白夜「ったく……………。」

朱翼「とにかく、行きましょう!」

トウカ「ああ!」

ダクネス「アクアは早く避難してくれ!」

めぐみん「行きますよ!」

 

 俺たちはそんな風に話す。

 アクアも来たのか。

 アクアが下がる中、俺たちはデザイアドライバーにレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横には、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が、めぐみんの横には、スピーカーとBEATの文字が、ダクネスの横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が、トウカの横には、青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵とCALIBERの文字が、白夜の横には、黄色い発電機と英語でLIGHTNINGの文字が、朱翼の横にフルートと英語でFLUTEの文字が、武劉の隣には、大砲の絵と英語でBUSTERの文字が浮かび上がる。

 そして、俺達は叫ぶ。

 

一同『変身!』

 

 そう言って、駆け出しながらレイズバックルを操作して、変身する。

 

MAGNUM

NINJA

BEAT

ZOMBIE

CALIBER

LIGHTNING

FLUTE

BUSTER

REDAY FIGHT

 

 俺たちは、それぞれの基本フォームへと変身して、ジャマトへと向かっていく。

 街の人たちは避難した様だ。

 

湊翔「ふっ!はあっ!」

 

 俺は、ジャマトの攻撃を避けながら、マグナムシューターを撃っていく。

 

カズマ「ハアッ!おらっ!」

 

 カズマは、ニンジャフォームの素早さを活かしたり、忍術などでジャマトやジャマトライダーにダメージを与えていく。

 

トウカ「ハアッ!でやっ!」

 

 トウカは、ソードエクスカリバーを振るい、ジャマトやジャマトライダーにダメージを与える。

 

白夜「はあっ!おらっ!」

 

 白夜は素早く動いて、ジャマトやジャマトライダーを倒していく。

 

朱翼「はっ!でやっ!」

 

 朱翼はフルートソードを振るい、ジャマトやジャマトライダーに攻撃していく。

 

めぐみん「ハアッ!」

 

 めぐみんは、ビートアックスのエレメント攻撃をしたりして、ジャマトやジャマトライダーにダメージを与えていく。

 

ダクネス「はあっ!ふっ!」

 

 ダクネスは、ゾンビブレイカーでジャマトに攻撃を叩き込んでいく。

 

武劉「はっ!ふっ!はあっ!」

 

 武劉は、両腕のクローや両肩の大砲から、ジャマトに攻撃していく。

 すると。

 

「「変身。」」

 

JYA MA TO

SCHWARZ

ZOMBIE

 

 そんな声と音が聞こえてくると、カズマと朱翼が攻撃される。

 そこに居たのは、馬場武のシュバルツギーツと牛島闘轟のバッファノワールだった。

 

カズマ「いった!?」

朱翼「っ!?」

武「よお、お前ら。」

湊翔「馬場武………………。」

白夜「牛島闘轟か……………。」

闘轟「お前達にもスコアが設定されているからな。」

トウカ「スコア!?」

 

 カズマと朱翼がダメージを受ける中、俺と白夜がそう反応すると、牛島闘轟はそう言う。

 そう、ジャマトグランプリには、仮面ライダーに攻撃すると、10000ptも入る様に設定されているのだ。

 ベロバが笑いながらキャンディを食べる中、俺たちはジャマトに囲まれ、馬場武と牛島闘轟が口を開く。

 

武「随分と呑気だな。」

闘轟「そうだな。ジャマトグランプリの敵役に設定されているのにな。」

めぐみん「私たちが敵ですか!?」

トウカ「おい、あれ!」

カズマ「フィーバースロット!?」

 

 馬場武と牛島闘轟がそう言うと、めぐみんがそう言う。

 トウカがそう言って指差すと、ジャマトライダーがフィーバースロットを持っているのが目に入った。

 8体のジャマトライダーは、フィーバースロットレイズバックルを装填する。

 

SET FEVER

 

 その音声が鳴ると、フィーバースロットレイズバックルを操作する。

 

GOLDEN FEVER

CALIBER

LIGHTNING

BEAT

ZOMBIE

MONSTER

MAGNUM

NINJA

JACK POT HIT GOLDEN FEVER

HIT CALIBER

HIT LIGHTNING

HIT BEAT

HIT ZOMBIE

HIT MONSTER

HIT MAGNUM

HIT NINJA

 

 その音声が鳴ると、ジャマトライダーにブースト、カリバー、ライトニング、ビート、ゾンビ、モンスター、マグナム、ニンジャのアーマーが装着される。

 

湊翔「………………やっぱり、デザグラとは立場が逆転してるか。」

カズマ「ていうか、引き強すぎだろ!?」

 

 ジャマトライダーに武装が施され、俺がそう呟く中、カズマはそう突っ込み、再び応戦していく。

 やっぱり、デザイアグランプリとジャマトグランプリは、人間とジャマトの立場は真逆という事だろう。

 俺たちが応戦していくが、やはりジャマト側が強くなっていた。

 

トウカ「くっ!?」

朱翼「連携が取れていませんか!?」

めぐみん「うっ!?」

ダクネス「ぐぅ……………!?」

 

 女性陣が応戦する中、ジャマト達は連携を取って、攻撃していた。

 モンスターなどといった強力なバックルを引き当てたというのもあって、苦戦していた。

 俺と白夜は、馬場武と牛島闘轟の2人と応戦していた。

 カズマ、武劉は、ジャマトライダーを相手に苦戦していた。

 

カズマ「くっ!そっちがその気なら…………!」

めぐみん「こっちも行きましょう!」

トウカ「ああ!」

朱翼「ええ!」

ダクネス「分かった!」

武劉「ああ。」

 

 カズマ達はそう言うと、フォームチェンジを行う。

 

REVOLVE ON

SET

SET FEVER

 

 待機音が流れる中、レイズバックルを操作する。

 

ZOMBIE

CALIBER

BUSTER

DUAL ON

ANOTHER FORM TO WEAR

HIT ZOMBIE

ZOMBIE & BOOST

HIT FEVER CALIBER

HAMELN』
『HIT FEVER BUSTER

REDAY FIGHT

 

 カズマはタイクーン・アバターフォーム、めぐみんはゾンビビートフォーム、ダクネスはゾンビブーストフォーム、トウカはラウンズ・フィーバーカリバーフォーム、朱翼はスワン・ハーメルンフォーム、武劉はダイル・フィーバーバスターフォームに変身する。

 カズマたちは、ジャマトと応戦していく。

 

めぐみん「ハアッ!ふっ!でやっ!」

ダクネス「ハアッ!はっ!」

トウカ「ふっ!でやっ!」

朱翼「ふっ!はっ!」

 

 めぐみんはゾンビブレイカーを手に攻撃して、ダクネスもブーストの力で速く動き、トウカと朱翼は、それぞれの武器を手に攻撃していく。

 だが、めぐみんはゾンビフォームを初めて使うのか、あまり使いこなせていなかった。

 すると、ブーストフォームとなったジャマトライダーが、めぐみんの頭にパンチをする。

 

めぐみん「やってくれますね!!」

 

 めぐみんは怒りながら、ゾンビブレイカーのデッドリーポンプを上まで上げながら攻撃する。

 

POISON CHARGE

 

 その音声が鳴ると、ノコギリ部分が回転して、ジャマトライダーに当たる。

 ジャマトライダーがゾンビブレイカーを上に吹っ飛ばすと、めぐみんはそれをキャッチして、攻撃する。

 

TACTICAL BREAK

 

 タクティカルブレイクが決まり、ジャマトライダーは吹っ飛ぶ。

 だが、ブーストの力で空中で持ち直す。

 

めぐみん「えっ!?」

ダクネス「めぐみん!!」

 

 それを見てめぐみんが驚くと、ダクネスがすぐに攻撃する。

 

めぐみん「ありがとうございます!」

ダクネス「これまでのジャマト達とは、強さが違うぞ!」

トウカ「それほど、学習したって事でしょうね!」

朱翼「みたいですね!」

 

 ジャマトライダーの挙動を見て、トウカ達はそう話す。

 一方、カズマと武劉は。

 

カズマ「このやろっ!はっ!」

武劉「ふっ!でやっ!」

 

 カズマと武劉は、それぞれの武器を手に、ジャマトやジャマトライダーに攻撃していく。

 だが、ジャマト達の方も、連携を取れている為、互角となっていた。

 

カズマ「こいつら……………強くないか!?」

武劉「連携が取れている!奴らも進化したんだろうな!」

 

 カズマと武劉はそう話しながら、戦闘していく。

 俺と白夜は、馬場武と牛島闘轟と応戦していた。

 

湊翔「ふっ!ハアッ!」

白夜「オラっ!はっ!」

武「ふっ!でやっ!」

闘轟「ふっ!はっ!」

 

 俺と白夜、馬場武と牛島闘轟が応戦して、少し離れると、ナイトジャマトの内の一体が俺と白夜に攻撃してくる。

 そのナイトジャマトは、俺と白夜を攻撃した後、少し離れ、俺たちは再び応戦する。

 ナイトジャマトは、オーラを放出すると。

 

めぐみん「うっ!?」

ダクネス「棘か!?」

トウカ「くぅぅぅ!?」

朱翼「うっ!?」

 

 めぐみん達は、突如飛んできた棘を防御する。

 その隙をついて、ジャマト達が攻撃しようとするが。

 

武劉「ふっ!ハアッ!」

カズマ「オラっ!ハアッ!」

 

 武劉の砲撃とカズマのヨーヨーの攻撃により、防がれた。

 だが、別のジャマトが2人に攻撃する。

 

武劉「くっ…………!」

カズマ「やっぱり、これまでのジャマトとは違う!」

Nジャマト「はっ!当然だ。お前ら人間とは、覚悟が違うからな…………!!」

 

 2人が怯む中、ナイトジャマトの内の一体が、2人に剣を突きつけ、攻撃しようとする。

 すると、サイレンが鳴る。

 

ベロバ「第1ターン、終了〜!」

Nジャマト「……………命拾いしたな。」

 

 ベロバのそんな声がサイレンと共に聞こえてくると、ジャマト達は撤退していく。

 馬場武と牛島闘轟は、変身解除しながら、去っていく。

 すると、祭りの準備をしていた人たちが出てくると。

 

住民「ああ……………!祭りが近いってのに、めちゃくちゃだよ………………。」

 

 住民達はそんな風に言いながら、復旧をしていく。

 カズマ達はそれを見て、手伝いに入る。

 俺も手伝おうとすると、ジーンが話しかけてくる。

 

ジーン「本当、この世界って凄いよね。色々なドラマや感動がある。」

湊翔「神の世界はどうなんだ?」

ジーン「……………天国に何もない様に、俺たちの天界は、色々と忙しくてね。魔王軍への対応や、神器の回収、死亡者の案内とかね。」

湊翔「……………そんな感じなんだな。」

 

 ジーンがそう言いながら現れると、俺はそう聞く。

 それを聞いたジーンはそう答える。

 神様も、色々あるんだな。

 一方、馬場武と牛島闘轟の元に、ナイトジャマトが擬態した宗介が話しかける。

 

宗介「こうしてまた2人で、戦う事になるとはな。」

 

 宗介がそう言うと、右手を持ち上げる。

 それを見た闘轟は。

 

闘轟「お前、その傷……………。」

宗介「思い出すよ。2人でよく、喧嘩を買ってたよな。」

 

 闘轟がそう言うと、宗介はそう聞く。

 2人は、荒くれ者の冒険者を相手に、ちょくちょく衝突していたのだ。

 すると、宗介が話しかける。

 

宗介「忘れたのか?」

闘轟「……………忘れるかよ。」

宗介「今度こそ、ぶっ潰そうぜ。仮面ライダーの奴らを。やられた仕返しだ。」

 

 宗介がそう聞くと、闘轟はそう言う。

 宗介がそう言いながら去っていくと、ベロバが話しかける。

 

ベロバ「かつての親友と友情を育む気分はどう?」

武「随分と仲良かったな。」

闘轟「下らない話をする暇があったら、ゲームを攻略出来るアイテムを用意しろ。ゲームマスターなんだろ?」

ベロバ「やる気満々ね。フフフっ…………お望みとあらば、シークレットミッションを用意してあげても良いけど。もちろん、武にもね。」

 

 ベロバと馬場武がそう言うと、闘轟はそう答える。

 ベロバはそんな風に言う。

 一方、アルキメデルは。

 

アルキメデル「さあ、雷ジャマト祭り、第2ターンの始まりだ!思う存分、暴れておいで!」

 

 アルキメデルがそう言うと、太鼓を鳴らす。

 すると、アクセルの外周にジャマトが現れる。

 

ジャマト「ジャ〜…………!ジャッ!ジャッ!」

 

 ジャマトが太鼓を鳴らすと、ジャマトの植物状の櫓が建っていく。

 ルークとビショップの二体が攻撃すると、カズマ達がやってくる。

 

カズマ「それ以上はさせねぇよ!」

めぐみん「祭りは、楽しみにしている人が多いんです!」

ダクネス「させるか!」

 

 カズマ達がそう言いながら現れて、ジャマト達と応戦していく。

 一方、別の場所では。

 

トウカ「させない!」

朱翼「祭りの邪魔はさせません!」

武劉「行くぞ!」

 

 トウカ達も変身して、ルークとビショップ、ナイトの三体とジャマトライダーと応戦していく。

 更に別の場所では。

 

ゆんゆん「邪魔はさせません!」

リア「私たちも行こう!」

シエロ「うん!」

エーリカ「分かったわ!」

デモニオ「やれやれ。」

ダスト「ったく……………。」

リーン「行くわよ!」

 

 ゆんゆん達も、ジャマト達と応戦していく。

 一方、馬場武、牛島闘轟、ナイトジャマトとジャマトライダーは、別の場所に居たが、そこに俺と白夜が到着する。

 

Nジャマト「ギーツとライコウだけか。数はこっちが有利だな。」

ジーン「じゃあ、フェアに4対4と行くか。」

クロス「2対4なんじゃ、つまんねぇからな。」

 

 ナイトジャマトがそう言うと、ジーンとクロスがやってくる。

 

闘轟「上等だ。」

武「かかってこい。」

白夜「行くぞ。」

湊翔「………………アクア祭りはともかく、エリス祭りの邪魔はさせない。」

 

 闘轟と武がそう言う中、俺たちも変身準備に入る。

 

SET

ZIIN SET

KUROS SET

 

 そんな音が鳴ると、待機音が流れてきて、俺たちは言う。

 

「「「「変身!」」」」

 

 そう言って、変身する。

 

LASER ON

ZIIN LOADING

KUROS LOADING

MAGNUM

LIGHTNING

REDAY FIGHT

 

 俺たちはそれぞれで変身して、俺は馬場武と、白夜は牛島闘轟と、ジーンはナイトジャマトと、クロスはジャマトライダーと応戦する。

 ジーンとクロスが口を開く。

 

ジーン「感動の瞬間だね。ギーツとシュバルツギーツ、ライコウとバッファノワール。因縁のライバル対決。」

クロス「お互いに仲間を連れて、勝つのはどっちかな。」

 

 ジーンとクロスは、そんな風に言う。

 俺と白夜は、ジーンとクロスの方へと戻る。

 

湊翔「……………まだ仲間だって認めたわけじゃないけどな。」

白夜「お前らの好きにしろ。」

ジーン「そう言うなって。」

Nジャマト「やるぞ、闘轟。」

闘轟「ああ。」

武「俺も忘れんなよ?」

 

 俺と白夜はそう言う。

 まあ、ジーンはまだ完全に信用している訳ではない。

 そう話すと、再び戦いを始める。

 

ジーン「ふっ!はっ!」

クロス「おらっ!でやっ!」

 

 ジーンとクロスは、それぞれのレーザーレイズライザーを持って、ナイトジャマトとジャマトライダーに銃撃していく。

 

湊翔「ふっ!ハアッ!」

白夜「はっ!おらっ!」

闘轟「ふっ!はっ!」

武「はっ!ハアッ!」

 

 俺たちはそれぞれで応戦していた。

 すると。

 

闘轟「ふんっ!はあっ!」

白夜「くっ!?」

武「ハァァァァァ!」

湊翔「ちっ!」

 

 闘轟が頭の角を使って、白夜を投げ飛ばし、武が俺に近づき、ゼロ距離射撃を行う。

 すると。

 

SECRET MISSION CLEAR

 

 その音声が鳴ると、馬場武と牛島闘轟の目の前に、ミッションボックスが現れる。

 2人がそれを開けると、中身はコマンドツインバックルだった。

 

白夜「コマンドツインバックルか……………。」

闘轟「追加アイテムか。」

湊翔「だったら俺も……………!」

武「行くぜ。」

 

 それを見て、敵の2人がコマンドツインバックルに交換する。

 俺もコマンドツインバックルを取り出し、装填する。

 

SET

 

 その音声が鳴ると、俺たちはバックルを操作する。

 

GREAT

REDAY FIGHT

 

 すると、それぞれのアーマーが取れて、エントリーレイズフォームになったと思ったら、目の前に矢印とRAISINGの文字が浮かんで回転すると、俺たちに当たって、バイザー状になって、装着される。

 ただし、馬場武と牛島闘轟は、下半身にはジャマトの蔓が残っていた。

 それを見たジーンとクロスは。

 

ジーン「ベロバの奴、何やってくれてんだ。」

クロス「全くだ。」

 

 そんな風に悪態をつく。

 俺たちは、ぶつかり合う。

 

湊翔「ふっ!ハアッ!」

武「オラっ!ハアッ!」

 

 俺と武は、それぞれのレイジングソードで攻撃して、鍔迫り合いとなる。

 

闘轟「オラっ!はあっ!」

白夜「ふっ!ハアッ!」

 

 闘轟はレイジングソードをぶん投げて、格闘戦に入る。

 お互いに、殴ったり蹴ったりの応酬を繰り広げる。

 

白夜「やるじゃねぇか!」

闘轟「お前なんかに負けてたまるか!」

武「行くぜぇぇぇ!!」

湊翔「ふっ!」

 

 俺たちはそんな風に話しながら、戦闘を繰り広げていく。

 そんな中、闘轟はレイジングソードを拾うと、白夜にダメージを与える。

 闘轟はレイジングソードに付いてるバックルを取ろうとするが、外れない。

 エネルギーのチャージが足りないのだ。

 すると、何を思ったのか。

 

闘轟「ハアッ!うっ……………!」

 

 闘轟はレイジングソードで、自らを斬ったのだ。

 すると、俺と武のものも含めて、チャージ音が鳴る。

 

FULL CHARGE

 

 すると、バックルが外れたので、デザイアドライバーに装填する。

 全員がデザイアドライバーの左側に。

 

TWIN SET

 

 すると、俺、武、闘轟の目の前に、飛行機の翼の絵と英語でJETの文字が上側に、キャノンの絵と英語でCANNONの文字が下側に出てくる。

 俺たちは、バックルを操作する。

 

TAKE OFF COMPLETE JET & CANNON

REDAY FIGHT

 

 俺、武、闘轟はコマンドフォームへと変身する。

 全員がジェットモードだ。

 

湊翔「ふっ!ハアッ!」

武「はっ!ハアッ!」

闘轟「ハァァァァ!」

白夜「くっ……………!」

 

 俺と武は、空中でレイジングソードをぶつけ合い、闘轟は白夜を捕まえて、屋根に叩きつけたり、殴ったりする。

 俺と白夜は着地する。

 

白夜「やるじゃねぇか……………。」

湊翔「ああ。」

武「お前をぶっ倒す!」

闘轟「ライコウ!お前をぶっ潰す!!」

 

 俺と白夜がそう言うと、武と闘轟の2人が迫ってくる。




今回はここまでです。
いよいよ、ジャマトグランプリ第一回戦、雷ジャマト祭りが始まりました。
エリス感謝祭とアクア感謝祭があるので、それに合わせました。
前の話では、トウカとリアがコマンドツインバックルを獲得しましたが、今回の話は、馬場武と牛島闘轟の2人に獲得させました。
エリス感謝祭とアクア感謝祭ですが、普通にやろうかなと思います。
このすばの世界の人たちは、逞しいですからね。
次回は、真紅のギーツが登場する予定です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
一昨日から、ジャマト・アウェイキングが公開されましたね。
良い映画でした。
プロージョンレイジに関してですが、闘轟が獲得する予定です。
ダクネスは、別ベクトルの強化がされる予定です。
ジャマト・アウェイキングで、ギーツバスターQB9にマグナムレイズバックルを装填する技をやりましたが、こちらではギーツIXが出た後からしばらくして、使う予定です。
今後の話の展開ですが、戦国ゲームと闘牛ゲームの間に、とある話を入れる予定です。
まだ明かす事は出来ませんが。
今後の話の展開でリクエストがあれば、受け付けています。
戦国ゲームでの展開は、下記のリンクから受け付けています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=303117&uid=373253


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第88話 真紅のブースト

 ジャマトグランプリ第一回戦、雷ジャマト祭り。

 それは、本当に悪趣味であった。

 何せ、仮面ライダーが敵キャラとして設定されているのだから。

 そして、俺と白夜は着地すると。

 

白夜「やるじゃねぇか……………。」

湊翔「ああ。」

武「お前をぶっ倒す!」

闘轟「ライコウ!お前をぶっ潰す!!」

 

 俺と白夜がそう言うと、武と闘轟の2人が迫ってくる。

 俺と白夜は、2人のレイジングソードの攻撃を躱す。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!はっ!」

武「オラっ!はあっ!」

 

 俺と武は引き続き、レイジングソードで攻撃していく。

 

闘轟「ハアッ!おらっ!」

白夜「ふっ!はっ!」

 

 闘轟と白夜は、闘轟がレイジングソードで攻撃する中、白夜はレイジングソードの攻撃を躱しつつ、攻撃していく。

 それぞれで攻撃する中、白夜は闘轟に聞く。

 

白夜「お前……………何の為に戦っているんだ。不幸な世界なんて、叶える意味があるのか?」

闘轟「………………お前ら仮面ライダーが全員不幸になるなら、叶える価値はある!!」

 

 白夜がそう聞くと、闘轟はそう言う。

 俺と武は、ただひたすらに戦っていた。

 それを見ていたジーンとクロスは。

 

ジーン「見逃せない因縁の対決だね。生き様か、死に様か。いずれにしろ、感動が待っている筈だ。」

クロス「おいおい………………。」

Nジャマト「ああ。いずれ、この街は滅びる。」

湊翔「ん………………?」

 

 ジーンがそう言う中、クロスはそんな風に反応する。

 ナイトジャマトの言葉に俺は首を傾げる。

 一方、カズマ達の方は。

 

カズマ「このやろっ!」

ダクネス「ハァっ!」

 

 カズマがルークジャマト、ダクネスがナイトジャマトと応戦する中、めぐみんは。

 

めぐみん「アイツをどうにかすれば良さそうですね!」

 

 めぐみんは、太鼓を叩いているジャマトに目をつけて、攻撃しようとする。

 だが………………。

 

ジャマト「ジャッ!ジャ〜ッ!」

めぐみん「うわっ!?うっ!?」

 

 太鼓を叩いていたポーンジャマトはめぐみんの攻撃を躱し、ビショップジャマトがめぐみんを攻撃する。

 すると、ポーンジャマトの動きが変わる。

 

ジャマト「ジャジャ!ジャジャ!ジャッ!ジャ〜ッ!!」

 

 ポーンジャマトが太鼓を叩くと、発生したジャマトの植物状の櫓から、雷が放出される。

 

「「「うわぁぁぁぁぁ!?」」」

 

 その雷は、カズマ達の近くに落ちて、その余波でカズマ達は変身解除してしまう。

 

ダクネス「な、何だ……………!?」

めぐみん「この威力は……………カースド・ライトニングと同じ位です…………!!」

カズマ「マジかよ……………!」

 

 カズマ達はそんな風に言う。

 一方、ナイトジャマトが口を開く。

 

Nジャマト「五つの櫓が完成した時、街中に恐怖の雷が落ちる。それが、雷ジャマト祭りの習わしだ。」

白夜「随分と悪趣味だな……………。」

 

 ナイトジャマトがそう言うと、俺たちは櫓を見る。

 白夜の言う通りだな。

 すると、太鼓を叩いていたジャマトが。

 

ジャマト「ジャジャ!ジャジャ!ジャッ!ジャ〜ッ!!」

 

 そんな風に言いながら太鼓を叩くと、雷が発生する。

 俺と白夜はそれを躱す。

 すると、サイレンが鳴ると。

 

ベロバ「第2ターン終了〜!」

 

 ベロバのそんな声が聞こえてくる。

 すると。

 

Nジャマト「世界を救うゲームは終わった。これからは、人間が不幸になるゲームが続くのさ。ハハハハッ!!」

 

 ナイトジャマトはそう言いながら、馬場武と牛島闘轟と共に去っていく。

 それを聞いていた俺は、拳を握りしめていた。

 その後、俺、白夜、ジーン、クロスは、アクセルの周囲に発生した櫓を見ていた。

 

ジーン「あいつらの言葉が本当なら、櫓があと三つ完成したら、ゲームオーバー。」

クロス「このアクセルの街は滅んじまうって事だな。」

 

 ジーンとクロスはそんな風に話す。

 あと3つか……………。

 すると、トウカ達がやってくる。

 

トウカ「あと三つでアクセルの街が滅ぶの……………?」

朱翼「結構不味くないですか?」

武劉「ああ。アクセルの街が滅べば、魔王討伐から一気に後退して、人類が滅ぶ。」

 

 トウカと朱翼がそういう中、武劉はそんなふうに言う。

 俺は武劉に聞く。

 

湊翔「どういう事だ?」

武劉「アクセルの街は、駆け出し冒険者達の街だ。そこが滅亡したら、新たな冒険者は入ってこれないだろう。つまり、戦力が低下して、そのまま滅亡する。これが最悪のシナリオだな。」

白夜「だからアクセルを狙ってきたのか………。俺たちがいるからって訳じゃないのか。」

 

 俺がそう聞くと、武劉はそう答える。

 確かに、アクセルの街は駆け出し冒険者の街として有名だ。

 その為、ここを滅ぼされたら、一巻の終わりという訳だ。

 

湊翔「……………なら、どうにかして、あの櫓を破壊しないといけないな。」

トウカ「カズマ達が負傷したけど、アクアが回復をしてくれたから、問題ないわ。」

白夜「ただ、手こずるのは間違いないだろうな……………。」

 

 俺がそう言うと、トウカと白夜はそう言う。

 幸い、アクアが居る事により、カズマ達の怪我はどうにかなって、ゆんゆん達が戦っていた場所は、まだ櫓は出来ていないとの事だ。

 一方、ロキ側はというと。

 

アルキメデル「この調子で、ギーツなどを倒せば、デザイアグランプリのゲームマスター達が黙ってないでしょうな。」

ベロバ「あとはラスボスを倒して、ヴィジョンドライバーを奪えば、世界を創り変える力は、私たちのもの!」

「「フフフフフフフフフ!!」」

 

 アルキメデルとベロバはそう話す。

 順調に計画が進んでいるという事に高笑いしていた。

 それを見ていたロキは。

 

ロキ「……………順調だな。ジャマトグランプリも、私の計画を進める為の駒にしか過ぎないんでね。フフフフフフフフフ……………!!」

 

 ロキは、アルキメデルとベロバを少し離れた場所で見ながら、ほくそ笑む。

 そんな中、闘轟の元に宗介がやってくる。

 

宗介「ほら、食えよ。炭水化物。昔から大好きだったもんな。」

闘轟「いつの話だよ。」

 

 宗介はそう言いながら、焼きそばパンを闘轟に渡して、闘轟はそれを受け取る。

 闘轟は宗介に聞く。

 

闘轟「お前は?」

宗介「ああ……………俺は水があれば良いから。」

闘轟「………………そうか。」

 

 闘轟がそう聞くと、宗介はそう答える。

 ジャマトである為だ。

 闘轟がそう言って、焼きそばパンを一口食べると、そこに石井樹がやってくる。

 

樹「仲良いね、二人とも。」

宗介「この世界に転生してからの腐れ縁だからな。」

樹「興味深いね。ジャマトと友情を育む男の心。」

闘轟「……………何が言いたい?」

樹「ううん、別に。君も半分ジャマトだし、ジャマト同士に絆が芽生えても否定しないけど。」

 

 樹がそう言うと、宗介はそう言う。

 樹の発言に闘轟が聞くと、樹はそんな風に答える。

 それを聞いて、闘轟は何を思ったのか………。

 一方、俺はジーンの部屋に居て、部屋から出ようとする。

 すると、ジーンが話しかける。

 

ジーン「本当に一人で大丈夫?なんなら、俺がもっと本気を出してあげても良いけど。」

 

 ジーンはそんな風に言う。

 そんな呑気な発言に、俺は少しキレていた。

 

湊翔「……………本気で世界を守る気もない癖によく言うな。」

ジーン「なんでそんな事言うの?ずっと応援してきたのに。君と一緒に戦えて、こんなに感動してるのに!」

湊翔「俺たちは………………遊びで戦ってるんじゃないんだ。この世界は俺たちの現実なんだよ。」

ジーン「湊翔………………。」

 

 俺がそう言うと、ジーンはそんな風に言う。

 だが、俺はそう言って、部屋を後にする。

 ジーンの部屋には、そんな声が響いていた。

 ジーンの姿勢には、少しだけ、アクアの様な感じを感じた。

 神様故の人間との姿勢の違いだろうが、それが気に食わなかった。

 アクセルが滅んだら、終わりなのだから。

 それを気楽にそう言うジーンが、アクアみたいに重なってしまったのだ。

 俺はアクセルの街へと向かう。

 すると、ダクネスと会う。

 

湊翔「ダクネス。」

ダクネス「ああ、湊翔か。」

湊翔「怪我は大丈夫なのか?」

ダクネス「ああ。アクアに治療してもらったから、平気だ。」

 

 俺はダクネスにそう聞くと、ダクネスはそんな風に答える。

 俺はダクネスに聞く。

 

湊翔「なあ……………エリス祭りとかは、どうなるんだ?」

ダクネス「そうだな………………現時点では、やるかどうかはまだ審議中だ。アクセルが滅ぶという事態に、中止すべきだという意見もあるが、アクシズ教徒が街の修復などを手伝ってくれているそうだ。」

 

 俺がそう聞くと、ダクネスはそう答える。

 アクシズ教徒が?

 

湊翔「どういう風の吹き回しだ?」

ダクネス「さあな。まあ、アクシズ教徒としても、祭りを中止にされたくないのだろう。エリス教徒も頑張っている。ただ、時折勧誘しようとするのが難点だがな………………。」

 

 俺が訝しみながらそう聞くと、ダクネスは苦笑しながらそう言う。

 皆、祭りをやろうとしているのか。

 まあ、アクシズ教徒に関しては、勧誘目当てだろうが。

 俺は口を開く。

 

湊翔「皆………………祭りをやりたいんだよな。」

ダクネス「そうだな。」

トウカ「まあ、アクシズ教徒はどうにかして欲しいけどね。」

 

 俺とダクネスがそう話す中、トウカは呆れた声を出しながらやってくる。

 

ダクネス「トウカ。」

トウカ「やっぱり、エリス祭りは、1年間を無事に過ごせた事を女神エリスに感謝する祭りだから、中止にはされたくないんでしょうね。男の冒険者達がやけに気合が入っているのが、気になるけどね。」

 

 ダクネスが反応する中、トウカはそう言う。

 カズマから聞いた話だが、この街にはサキュバスの店がある。

 アクセルの滅亡は、そこを失うという事になる。

 だからこそ、男の冒険者は気合が入っているのだろう。

 動機が若干不純だが、それでも見習うべきだろう。

 俺は、口を開く。

 

湊翔「……………ダクネス、トウカ。次のジャマトの襲撃の際には、俺は一人で戦おうと思う。」

「「…………………ええっ!?」」

 

 俺はそう言うと、ダクネスとトウカの二人は、そんな風に叫ぶ。

 一方、ベロバ達は。

 

ベロバ「さあ、雷ジャマト祭りの仕上げよ。」

アルキメデル「人間どもへの恨みを晴らせーーーーっ!!」

 

 ベロバがそう言う中、アルキメデルはそう叫び、ジャマト達も答える。

 闘轟は宗介に話しかける。

 

闘轟「今度こそ、あいつらを倒すぞ。」

宗介「ああ。あいつらを倒せば、あとはラスボスだけ。」

武「さて、行くか。」

 

 闘轟と宗介はそう話すと、拳をぶつけ合う。

 武もついて行き、出ていく。

 それを見ていた石井樹は。

 

樹「妬けるね。バッファノワールやシュバルツギーツばかりに贔屓にしちゃって。」

ベロバ「なら、あんたもジャマトになってみる?」

 

 樹はそうベロバに話しかける。

 それを聞いたベロバは、ジャマトバックルを取り出す。

 それを見た樹は。

 

樹「もちろん、必要とあらばね。」

ベロバ「フフフフフ…………!それは楽しみ。」

 

 樹は笑いながらそう言い、ベロバはそう言う。

 その頃、俺たちはというと。

 

カズマ「たった一人で戦うって!?」

めぐみん「正気ですか!?」

ダクネス「一体、何を考えているんだ!?」

 

 俺の発言にカズマ達が驚き、詰め寄る中、トウカは不安そうな表情を浮かべ、白夜達は真面目な表情で見ていた。

 俺は答える。

 

湊翔「次も多分、馬場武と牛島闘轟が二人でやってくる。今の俺でどこまでやれるのか、知りたいんだ。それに、あと三か所にジャマトが現れるだろうから、櫓が現れる場所に向かって欲しい。」

トウカ「でも、一人でなんて無茶だよ!?」

白夜「お前……………死ぬ気じゃないだろうな?」

湊翔「別に死ぬ気はないさ。でも、覚悟を見せないと行けないかなって、思ってさ。」

 

 俺はそんな風に言うと、トウカと白夜はそう言う。

 俺はそんな風に答える。

 すると。

 

カズマ「はぁ………………ったく。しょうがねぇな。任せたぞ。」

めぐみん「カズマ!?」

ダクネス「お前……………!?」

 

 カズマはため息を吐きながらそう言うと、ダクネスとめぐみんが叫ぶ。

 すると、カズマは口を開く。

 

カズマ「あいつは一度言い出したら、絶対に聞かないぞ?あの目だってマジだし。」

ダクネス「だが……………!?」

白夜「そうだな。少しは信じてみるか。俺たちを信じているんだろ?」

湊翔「ああ。」

朱翼「分かりました。」

 

 カズマがそう言うと、ダクネスは止めようとする。

 白夜と朱翼がそう言うと、他の人たちも納得したのか、そう言う。

 すると、トウカが近寄る。

 

トウカ「死なないでよ?絶対に。」

湊翔「ああ。狐に化かされとけ。」

 

 トウカがそう言うと、俺はそう言う。

 しばらくすると、ジャマト達が現れる。

 アクセルの前の平原に、馬場武達が現れる中、俺はたった一人でそこに向かう。

 

湊翔「やっぱり来るか。今、祭りの準備中だ。邪魔すんな。」

宗介「無駄だ。お前一人で雷祭りは止められない。」

武「手加減しねぇぞ?」

闘轟「お前を倒して、次は虎雷白夜だ。」

湊翔「俺は一人じゃない。」

 

 俺がそう言うと、闘轟達はそう言う。

 俺たちは、レイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横には、白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、馬場武の横には、黒色のシリンダーと英語で黒いMAGNUMの文字が、牛島闘轟の横には、紫色の手の絵とZOMBIEの文字が浮かぶ。

 俺たちは叫ぶ。

 

「「「変身!」」」

 

 そう言って、レイズバックルを操作する。

 

JYA MA TO

SCHWARZ

ZOMBIE

MAGNUM

REDAY FIGHT

 

 俺たちはそれぞれのライダーに変身する。

 馬場武達が向かってくる中、俺はマグナムシューターを撃ち、攻撃を躱しながら攻撃していく。

 だが、3人の武器が俺に当たり、攻撃する。

 

湊翔「くっ……………!?」

Nジャマト「聞こえるぞ。雷祭りの災い音頭が。」

 

 俺が吹っ飛ぶ中、ナイトジャマトはそう言う。

 一方、別の場所では。

 

カズマ「おらっ!ハアッ!」

めぐみん「ハアッ!でやっ!」

ダクネス「ハアッ!はっ!」

 

 カズマ達は、ジャマトと応戦していた。

 カズマはアバターフォームに、めぐみんはフィーバービートフォームに、ダクネスはゾンビブーストフォームになっていた。

 

カズマ「俺たちも負けてられねえぞ!」

めぐみん「そうですね!」

ダクネス「湊翔だけにカッコつけさせてたまるか!!」

 

 カズマ達はそう言うと、ジャマトと応戦していく。

 別の場所では。

 

白夜「オラっ!ハアッ!」

トウカ「ハアッ!てやっ!」

武劉「ハアッ!ふっ!」

朱翼「はっ!ハアッ!」

 

 白夜達も、ジャマトと応戦していた。

 白夜はクラスターフォーム、トウカはフィーバーカリバーフォーム、武劉はフィーバーバスターフォーム、朱翼はハーメルンフォームになっていた。

 

白夜「行くぞ!」

トウカ「うん!」

武劉「油断するな!」

朱翼「ええ!」

 

 白夜達はそう話して戦闘をしていく。

 一方、ゆんゆん達は。

 

ゆんゆん「ハアッ!ふっ!」

リア「ハアッ!でやっ!」

シエロ「はっ!ふっ!」

エーリカ「でやっ!はっ!」

デモニオ「はっ!ふっ!」

ダスト「オラっ!ハアッ!」

リーン「ハアッ!はっ!」

 

 ゆんゆん達も、ジャマトと応戦していた。

 ゆんゆん達は、それぞれのフィーバーフォームへと変身して、デモニオはそのまま戦っていた。

 

ゆんゆん「この街は傷つけさせません!」

リア「アクセルは、アクセルハーツの本拠点だからね!」

シエロ「絶対に守ってみせます!」

エーリカ「そうね!」

デモニオ「手伝ってやるよ。」

ダスト「この街を潰されてたまるかよ!安くお世話になってるんだから、ここでまた恩返し出来なきゃ終わってるだろ!!」

リーン「ダスト……………なんでそんなにやる気なの?」

 

 ゆんゆん達はそう叫びながら、応戦していく。

 一人、サキュバスの店にお世話になってるであろう人が居たが。

 一方、炎魔達の方は。

 

炎魔「はあっ!ふっ!おりゃっ!」

彩花「ハアッ!はっ!」

隼「ふっ!ハアッ!」

龍牙「オラっ!ハアッ!」

 

 炎魔達も、ジャマトと応戦していた。

 

炎魔「あいつらが頑張っているんだ!俺らも頑張らないとな!」

彩花「そうですね!」

隼「僕も師匠として、頑張らないとね。」

龍牙「オラっ!そこを退け!!」

 

 炎魔達はそう言いながら、応戦していく。

 だが、ジャマト達に阻まれ、なかなか進む事が出来ていない。

 櫓ができている中、ナイトジャマトが口を開く。

 

Nジャマト「最後の一つが完成すれば、街中に恐怖の雷が落ちる。」

 

 ナイトジャマトはそう言うと、俺に向かって針を飛ばしてくる。

 闘轟の攻撃で爆発が起きる中、俺は攻撃をしようとするが、馬場武に攻撃される。

 俺が怯んでいると、雷が俺に落ちてくる。

 

湊翔「うわぁぁぁぁ!!?うわっ!?ううっ……………!」

 

 その雷を直接浴びてしまい、変身解除して倒れる。

 俺を嘲笑いながら、馬場武達が近寄る。

 

Nジャマト「ギーツの神話ももう終わりだな。」

武「お前の負けだ。楽しかったぜ。」

闘轟「そこを退け。」

 

 その3人はそう言う。

 だが、俺はまだ諦めていない。

 

湊翔「諦めてたまるか……………!そこに願いがある限り……………!!」

 

 俺はそう言いながら立とうとする。

 アクア祭りはともかく、エリス祭りは、一年を無事に過ごせた事を感謝し、来年が良い一年になる事を願う祭りだ。

 そんな祭りを邪魔させない……………!!

 人々が幸せに暮らせる様な願いを。

 俺は口を開く。

 

湊翔「俺の……………覚悟を思い知れ。」

武「ああ?」

闘轟「ん?」

 

 俺はそう言うと、立ち上がりながら、ブーストレイズバックルを取り出す。

 そして………………。

 

湊翔「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 そう叫びながら、ブーストレイズバックルを天に掲げる。

 すると、どこからともなく、荘厳な鐘の音が鳴ると、雷雲に包まれていたアクセルの周囲の空が変化する。

 

Nジャマト「なんだ……………!?」

武「あ?」

闘轟「えっ……………!?」

 

 馬場武達が戸惑う中、俺は体の中心…………いや、心の中が熱く感じていた。

 すると、空から四つの赤い光が現れる。

 

武「あれは……………!?」

闘轟「全部、ブーストレイズバックルか!?」

 

 それを見た馬場武達は、そう叫ぶ。

 そう、あの四つの赤い光は、ブーストレイズバックルなのだ。

 それを見ていた黒石拓巳達は。

 

拓巳「……………遂に覚醒したか。」

ギロリ「ああ。ギーツの覚悟に呼応したんだ。」

ゼウス「さて、どうするのか、見させてもらうぞ。湊翔君。」

ツムリ「ええ……………。」

 

 それを見て、そんな風に反応していた。

 一方、自分の部屋で見ていたジーンは。

 

ジーン「感動するよ、ギーツ。君の生き様に……………!」

 

 ジーンはそんなふうに言う。

 すると、上空を旋回していた四つのブーストレイズバックルは、俺の方へと向かっていく。

 俺はブーストレイズバックルを強く持つと、四つのブーストレイズバックルが組み合わさる。

 すると、衝撃波を放つ。

 

武「ぐっ……………!」

闘轟「うわぁぁぁぁ!?」

 

 その衝撃波は、馬場武達を吹き飛ばす。

 周囲に拡散する中、ブーストレイズバックルの形状が変わっていた。

 それを見た俺は。

 

湊翔「これが俺の求めていた力……………!」

 

 ブーストレイズバックルが変わった姿は、板の様な物が付いた感じだった。

 俺は、それをデザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 すると、俺の周囲にバイクのマフラーから火が出る絵とBOOSTの文字が五つ浮かぶ。

 俺は変身ポーズをとって、叫ぶ。

 

湊翔「変身!」

 

 そう言うと、変化したブーストレイズバックル……………ブーストマークIIレイズバックルのハンドルを捻る。

 

BOOST MARK II

 

 その音声と共に、BOOSTの文字が俺の周囲を回転してアーマーとなり、装着される。

 その姿は、真紅の狐と言える姿だった。

 それを見た馬場武達は。

 

武「マジかよ……………!?」

闘轟「お前は……………!?」

湊翔「……………仮面ライダーギーツ。その言葉を……………お前は信じるか?」

 

REDAY FIGHT

 

 それを見て、馬場武達が驚く中、俺は自然とそう言う。

 俺の声は、多重化している様に感じた。

 俺は歩く中、武達は身構えていた。

 俺は高速移動をして、馬場武達に近寄り、武と闘轟にパンチをする。

 

湊翔「ハアッ!」

闘轟「うわっ!?」

武「くっ………………!?」

 

 俺のパンチを受けて、二人が吹っ飛ぶ中、ナイトジャマトに攻撃する。

 

湊翔「ハアッ!」

Nジャマト「ぐっ…………!うわっ!?」

 

 ナイトジャマトの腹に攻撃して、吹き飛ばすと、すぐにジャンプをして、地面に叩きつける。

 叩きつけられて怯む中、俺は近くの崖へとナイトジャマトをぶつける。

 ナイトジャマトが落ちていく中、俺は少し佇み、すぐにナイトジャマトの方へと向かう。

 

湊翔「ハアッ……………ハアッ!!」

 

 ナイトジャマトは地面にぶつかった後、跳ねて、俺はナイトジャマトを踏みつけながら、地面に着地する。

 そして、俺はデザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 その音声が鳴ると、リボルブオンが実行され、ビーストモードになる。

 

湊翔「ハアッ!」

Nジャマト「うわっ!?うわぁぁぁぁ!!」

 

 俺は尻尾のバーミリオンエグゾーストテールでナイトジャマトを吹き飛ばし、他の櫓へと向かう。

 

湊翔「ハァッ……………ハァッ!!」

ジャマト「ケケゼラ〜!?」

 

 一つ目の櫓へと向かうと、ジャマトを吹き飛ばしながら、櫓を破壊する。

 二つ目へと向かい、そこでもジャマトを吹き飛ばしながら櫓を破壊する。

 それを見ていたカズマ達は。

 

カズマ「おい、あれ!?」

めぐみん「何ですかあれは!?」

ダクネス「狐……………!?」

 

 いきなり現れた俺に驚いていた。

 そんな事は後にして、次の櫓へと向かう。

 

湊翔「ハアッ!ハアッ!」

ジャマト「ジャ〜っ!?」

トウカ「今のは……………!?」

白夜「湊翔か?」

朱翼「でも、あの姿のギーツは見た事がありませんよ!?」

武劉「何なんだ……………!?」

 

 次の櫓でも、ジャマトを吹き飛ばしながら櫓を破壊する。

 それを見ていたトウカたちは、そう話す。

 次の櫓へと向かう。

 

湊翔「ハァァァァ…………!ハァァァァ!!」

ゆんゆん「湊翔さん!?」

リア「何だ、あれは……………!?」

シエロ「どうなってるんですか!?」

エーリカ「分かんないわよ!?」

デモニオ「何……………!?」

ダスト「のわっ!?」

リーン「えっ……………!?」

 

 その櫓に居たジャマトを薙ぎ払い、櫓を破壊する。

 それを見ていたゆんゆん達は、驚いていた。

 俺は次の櫓へと向かう。

 

湊翔「はっ!ハアッ!」

ジャマト「ジャ〜っ!?」

炎魔「なにっ!?」

彩花「今のは……………!?」

隼「湊翔君か?」

龍牙「何が起こってんだ?」

 

 ジャマトを踏みつけながら、櫓を破壊する。

 それを見ていた炎魔達は、そう反応する。

 俺は、元の場所に戻る。

 

Nジャマト「うわぁぁぁぁぁ!?」

 

REVOLVE ON

 

 ナイトジャマトの内の一体が空中にいる中、俺は元に戻り、ブーストマークIIレイズバックルのハンドルを捻る。

 

BOOST STRIKE

 

湊翔「ふっ……………!フッ!ハッ!ハッ!ハアッ!」

 

 その音声が鳴ると、俺は空中でパンチをする。

 すると、拳の形のエネルギー弾が現れる。

 

湊翔「ハァァァァ……………!ハアッ!」

Nジャマト「うわぁぁぁぁぁ!?」

 

 俺は腕から炎を吹き出しながら、ナイトジャマトへと向かい、思い切りパンチをする。

 ナイトジャマトは地面に叩きつけられる。

 ナイトジャマトが倒れる中、近くに闘轟が来る。

 

武「くそっ…………!やるじゃねぇか。この借りは必ず返すぜ。」

Nジャマト「助けてくれ、闘轟…………!」

 

 馬場武がそう言いながら腹を抑えて、撤退する中、ナイトジャマトはそう言うと、宗介の姿へと変える。

 それを見ていた闘轟は。

 

闘轟「計算が狂ったな。お前を利用すれば、ライコウやギーツを倒せると思ったが…………。」

宗介「俺たち……………親友だろ?」

 

 闘轟はそう言う中、宗介はそう言う。

 だが、闘轟の口から出た一言は、非情な物だった。

 

闘轟「ああ?ただの化け物だろ?」

 

 闘轟がそう言うと、宗介の心のひび割れが大きくなっていく。

 

闘轟「宗介はもう……………この世界にはいない。」

 

 闘轟はそう言うと、そのまま去っていく。

 宗介は手を伸ばすが、その途中でナイトジャマトとしての姿に戻る。

 

Nジャマト「ロエゼラビビデウ(待ちやがれ)!!」

 

 ナイトジャマトはそう言うが、体が限界を迎えたのか、崩壊して、そのまま灰となる。

 櫓もまた、崩れていく。

 やったか……………。

 マジで疲れたな……………。

 変身解除すると、俺はそのまま倒れる。

 意識を失う瞬間、トウカ達の叫び声が聞こえた気がしたが……………。

 そして、意識を失う。

 その頃、ゼウスは、別の部屋に居た。

 

ゼウス「覚醒したんだな。湊翔よ。」

拓巳「そうだな。」

 

 ゼウスがそう呟くと、拓巳はそう言う。

 すると、拓巳が口を開く。

 

拓巳「アンタの予定通りって訳だな。あのブーストレイズバックルを介して、あいつ(湊翔)に、創世の力の種が宿った。そうなる様にアンタ達が湊翔の一部をデザインしたんだからな。」

ゼウス「ああ。」

 

 拓巳はそんな風に言うと、ゼウスはそう答える。

 その言葉の意味とは……………。




今回はここまでです。
湊翔が遂に、ブーストマークIIを獲得しました。
湊翔は、エリス祭りにかける願いを見て、覚悟を決めた。
それに呼応して、ブーストマークIIが顕現。
雷ジャマト祭りで、アクセルが滅ぶのを阻止しました。
アクセルが滅ぶと、人類の戦力に大打撃が及びますからね。
戦力が増えなくなり、そのまま滅亡してしまう。
次回は、エリス祭りとアクア祭りの話に入っていきます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のガッチャードは、プラチナガッチャードが登場しましたね。
強いです。
グリオンは、オルテカみたいに再登場しそうですよね。
グリオンが使っていた剣が、SAOのキリトが使っていたユナイティウォークスのリペイントだとわかって、驚きました。
ギーツあにめも、今日で最終回。
面白かったです。
ギーツの物語は、仮面ライダーゲイザーで一旦は終わりだと思いますが、アウトサイダーズでツムリが出てくるので、どうなるのか楽しみです。
リクエストは、活動報告から受け付けています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第89話 祭りの開幕

 雷ジャマト祭りは、俺が新たに獲得した力、ブーストマークIIで終了した。

 その新たな力は、敵味方関係なく、混乱を与える事になった。

 ジャマト側はと言うと。

 

武「おい、なんだあれは!?」

闘轟「なぜ、桐ヶ谷湊翔は、あの赤い狐の姿になった?」

 

 それは、馬場武や牛島闘轟も例外ではなく、ブーストマークIIの存在に驚いていた。

 そう言う中、それを聞いた石井樹は。

 

樹「彼が何者であろうと、こっちは計画を進めるだけさ。幸い、ジャマトグランプリとしての主導権は、ゲームマスターであるベロバにあるからね。」

 

 樹はそう言いながら、ベロバの方を見る。

 その当のベロバは、相当に不機嫌な表情を浮かべていた。

 

ベロバ「せっかく、あと少しで極上の不幸を味わえたのに……………!!」

アルキメデル「復讐だ!復讐だ!!ベロバ様、早く次のゲームを!」

 

 ベロバが不機嫌気味にそう言うと、アルキメデルはそう叫ぶ。

 それを聞いたベロバは。

 

ベロバ「もちろん。スコアトップでラスボスのゼウスか黒石拓巳を攻略すれば、あなた達のどちらかがジャマ神ね、闘轟、武。」

闘轟「ああ。俺の理想の世界を叶えてやる。」

武「俺も忘れんなよ?」

 

 ベロバはそう言うと、2人はそう答える。

 すると、樹は口を開く。

 

樹「そういえば、桜井要の姿が見えないけれど?」

ベロバ「ああ…………なんか、用事があるって言って、どっか行ったわよ?」

樹「用事?」

 

 樹がそう言うと、ベロバはそう言う。

 それを聞いて、樹は首を傾げていた。

 その一方、トウカ達はというと。

 

めぐみん「湊翔はどうでしたか?」

トウカ「……………ずっと寝てる。目を覚ます気配が無いよ。」

ダクネス「そうか……………。」

 

 めぐみんがそう聞くと、トウカはそう答える。

 ダクネスがそう言う中、白夜達が口を開く。

 

白夜「それにしても、あいつのあの姿は何なんだ?」

朱翼「ええ。見た事がありません……………。」

武劉「鍵を握るのは、このブーストレイズバックルだな。」

 

 白夜がそう言うと、朱翼はそう言って、武劉はブーストマークIIレイズバックルを持ちながらそう言う。

 

めぐみん「それは何でしょうか?あの姿は、紅魔族としても、ビンビンと来ますよ!」

ダクネス「まあ、ジャマトを退けてくれたのはありがたいが……………何なんだそれは?」

トウカ「……………少なくとも、湊翔の体に負担がかかっているのは、間違いなさそうね。」

白夜「確かにな。何にせよ、ジャマトの動向とかには気をつけないとな。」

朱翼「そうですね。……………そういえば、カズマとアクアはどうしました?」

武劉「ああ……………カズマとアクアなら、祭りの準備に出かけたぞ。」

 

 めぐみんがそう言う中、ダクネスとトウカ、白夜はそう話す。

 朱翼がカズマとアクアの事を気にすると、武劉はそう言う。

 その頃、カズマはというと。

 

カズマ「くそっ……………!花火は絶対に中止にさせたく無いってのに……………!!」

 

 カズマはそうボヤきながら、歩いていた。

 その顔には傷がたくさんついていた。

 そんな風にボヤいていると。

 

???「やあ、佐藤和真。」

カズマ「ん?………………っ!?」

 

 そんな風に声をかけられて、カズマは前を向く。

 そこには、桜井要の姿があった。

 

カズマ「おまっ……………桜井要!?」

要「やあ、ジャマーガーデンでの戦闘以来かな?生憎、僕たちはジャマトグランプリには参加出来ないからね。」

カズマ「………………何の用だよ?」

要「警戒するねぇ……………まあ良い。単刀直入に言わせてもらうよ。君、僕たちの仲間にならないか?」

 

 カズマが要の姿を見て、警戒する中、要は大して気にせずにそう言う。

 

カズマ「はっ?いきなり何なんだよ。」

要「君の作戦を立てる能力は、あんなへっぽこパーティーでは勿体無いと思わないか?僕たちの仲間になる方が、有益に扱えると思うよ?」

 

 カズマがそう言うと、要はそう言う。

 その誘いにカズマは。

 

カズマ「悪いけど、お前らは信用できないし、こっちも忙しいんだ。さっさと帰ってくれ。」

要「そうですか。では、またいずれ。」

 

 カズマはそんな風に言う。

 要は若干、顔を顰めるがすぐにその場から去っていく。

 それを見ていたカズマは。

 

カズマ「何なんだ、あいつ……………。」

???「まさか、ヘッドハンティングが来るなんてね。」

カズマ「うわっ!?何だよ、ケケラか。」

 

 カズマがそんな風に呟くと、カズマの横にケケラが現れる。

 それを見て、カズマは驚いた。

 

カズマ「それで、何の用だよ?」

ケケラ「いや、祭りがあるって聞いたから、どんな感じなのかなって見にきたのよ。」

カズマ「そうか。まだ祭りは始まらないから、もう少し待てって。」

 

 カズマがそう言うと、ケケラは楽しそうな笑みを浮かべながら、そう言う。

 カズマがそう言う中、ケケラは口を開く。

 

ケケラ「カズマ。」

カズマ「何だよ?」

ケケラ「あんた、もうすぐ誕生日なんでしょ?」

カズマ「ああ……………そういえばそうだったな。」

 

 ケケラがそう言うと、カズマはそう言う。

 祭りの最終日は、カズマの誕生日なのだ。

 

カズマ「確かに、俺の誕生日だけど、それがどうしたんだよ?」

ケケラ「それなんだけど……………気をつけた方がいいわよ。」

カズマ「何でだよ?」

ケケラ「ベロバは、人の不幸を見て楽しむ性格だからね。誕生日に最高の不幸を楽しむのは、あの性悪が考えそうな事だからね。油断しないでよ?」

カズマ「お、おう……………。」

ケケラ「それじゃあ!」

 

 カズマがそう聞くと、ケケラはそう言う。

 それにカズマがそう答えると、ケケラは颯爽と去っていく。

 それを見ていたカズマは。

 

カズマ「まあ良いか。取り敢えず、祭りの準備をしないとな……………。」

 

 カズマはそう言って、移動していく。

 それからしばらくすると。

 

湊翔「……………ううん、ここは?」

トウカ「湊翔!目が覚めたんだな!」

 

 俺が重い瞼を起こしながらそう言うと、トウカがそう声を出す。

 俺は体を起こすと、トウカが抱きついてくる。

 

湊翔「うわっ!?トウカ?」

トウカ「良かった…………!目を覚まさないんじゃないかって思っちゃった……………!」

湊翔「心配かけたな。」

 

 トウカが抱きついてきた事に驚いたが、トウカが泣きながらそう言うので、俺はそう言う。

 心配かけたからな。

 

湊翔「そういえば、俺はどれくらい寝てたんだ?」

トウカ「ええっと……………大体3日くらいかな。」

湊翔「そんなに寝てたのか……………。」

 

 俺がそう聞くと、トウカはそう答える。

 3日も寝てたのか……………。

 俺はベッドのそばに置いてあったブーストマークIIレイズバックルを持つ。

 

湊翔「このバックルを使ったからか…………。」

トウカ「そのバックルは何なの…………?」

湊翔「分からね……………ブーストレイズバックルがこんな感じになって……………。」

 

 俺がブーストマークIIレイズバックルを持っていると、トウカはそう聞く。

 俺はそう言う。

 俺は気になることがあり、トウカに聞く。

 

湊翔「そういえば、ジャマトはどうなったんだ?」

トウカ「ジャマトなら撤退したわ。祭りも無事に始まったわよ。」

湊翔「そうか………………良かった。」

 

 俺がそう聞くと、トウカはそう答える。

 祭りも無事に出来る様で良かった。

 だが、トウカはどこか浮かない顔だった。

 

湊翔「どうしたんだ?」

トウカ「いや……………祭りは開催出来たんだけど、色々とアクシズ教徒がやらかしてね……………。」

湊翔「えっ。」

 

 俺が気になってそう聞くと、トウカはそう言う。

 どういう事かと言うと………………金魚掬いをやろうとした際には、ジャイアントトードのお玉杓子で代用しようとしたり、クラーケン焼きと偽って、イカ焼きを出したり、水槽にデカい魚が入っているのに、マーマンとマーメイドのハーフと偽ったり、エリス様そっくりな人形を的にした射的をやったり、アクアに至っては、色を塗ったトカゲを売ったりしていたのだ。

 何で詐欺物ばっかりなんだよ。

 

湊翔「アクシズ教徒がまともに出来るわけがないと思っていたら、予想以上に酷かったな……………。」

トウカ「…………………そうね。」

 

 俺がそう呟くと、トウカはそう言う。

 一応、カズマが介入して焼きそばを売った事で、何とか持ち直したらしい。

 カズマも苦労してるな。

 聞いた話によると、クリスがアクシズ教団の方を手伝っているとの事。

 

湊翔「なあ、何でエリス様が自分の祭りじゃなくて、アクアの祭りを手伝ってるんだ?」

トウカ「それは………………アクアに押し切られたと思うから……………。」

 

 俺がそう言うと、トウカは苦笑しながらそう言う。

 やっぱりか。

 話を聞くと、カズマが色々な祭りで出る食べ物を提案した事で、アクシズ教団は結構売れているとの事。

 ただし、アクアが調子に乗り始めたらしいが。

 すると、トウカが口を開く。

 

トウカ「ねえ、湊翔。」

湊翔「ん?」

トウカ「祭りにさ……………一緒に行かない?」

湊翔「えっ?」

 

 トウカが話しかけてきたので、俺はそう聞くと、トウカからお誘いが来る。

 俺は戸惑うが、何とか冷静になって、口を開く。

 

湊翔「何で?」

トウカ「いや、雷ジャマト祭りでは、湊翔のおかげで止める事が出来たからね。そのお礼がしたいの。」

 

 俺がそう聞くと、トウカは顔を赤くしながら、そんな風に言う。

 そ、そうか。

 それなら、悪い気はしないな。

 

湊翔「分かった。3日も寝てたから、すげぇ腹が減ったからな。行こうぜ。」

トウカ「うん!」

 

 俺がそう言うと、トウカは良い笑顔でそう言う。

 それを見てると、良い気持ちになる。

 そうして、俺とトウカはアクセルの街へと向かう。

 アクセルの街はかなり賑わっており、人が大勢いた。

 

湊翔「随分と賑やかだな……………。」

トウカ「そうね。やっぱり、祭りは盛り上がるからね。」

湊翔「でも、人が多いから、離れない様に手を繋ごうぜ。」

トウカ「ええっ!?う、うん!」

 

 俺がそう言うと、トウカはそう言う。

 祭りで逸れると面倒な事になるからな。

 そういう意味では、手を繋ぐべきだろう。

 トウカは驚くが、すぐに手を繋ぐ。

 

湊翔(トウカの手って、柔らかいんだな………。やっぱり、女の子なんだよな。女神や仮面ライダーであっても。)

トウカ(湊翔の手、温かくて、逞しいんだ……………。この状況って、まさにデートだよね!?ドキドキする………………。)

 

 俺がそんな風に思う中、トウカもそう思っていた。

 俺は気づいていなかったが。

 しばらく歩いていると、たこ焼きやかき氷などが見えてくる。

 

湊翔「たこ焼きにかき氷か。懐かしいな〜。少し買うか!」

トウカ「あ、うん!」

 

 たこ焼きにかき氷などが見えてきて、懐かしくなり、それらを買う事に。

 

店員「いらっしゃい!森で取れた野生のたこ焼きですよ〜!どうですか?」

湊翔「たこ焼き二つくれ。」

店員「まいど!」

 

 店員さんに話しかけると、『森で取れた』というパワーワードが聞こえてきたが、気にせずに二つ買う事に。

 もう一つはトウカの物だ。

 トウカの方へと戻ると、俺はトウカにたこ焼きを渡す。

 

湊翔「トウカも食べるか?」

トウカ「えっ?良いの?」

湊翔「ああ。誘ってくれたお礼だ。」

トウカ「うん。」

 

 俺はトウカに渡すと、トウカはそう聞いてくる。

 俺がそう言うと、トウカはそれを受け取る。

 俺は、たこ焼きを一つ口に入れる。

 

湊翔「ハフハフ………………うん。やっぱり、たこ焼きは美味いな。焼きそばやかき氷、焼きとうもろこしとかも買いに行こうかな?」

 

 俺はそう言いながら食べていく。

 やっぱり、祭りで食べるこういうのは美味い。

 すると、トウカが俺の顔を見つめていた。

 

湊翔「……………ん?どうしたんだ?俺の顔を見つめて。」

トウカ「あ、いや……………そんな感じに食べる湊翔が可愛いなって思って……………。」

湊翔「そ、そうか……………。」

 

 俺がそう聞くと、トウカはそんな風に言う。

 俺は照れ臭くなって、食べていく。

 このたこ焼きは美味いな。

 

湊翔「たこ焼き、美味かったな。ただ……………嫌な点があるんだよな……………。」

トウカ「嫌な点?」

湊翔「………………包装紙がアクシズ教団への入信書になってやがる………………。」

トウカ「あっ………………。」

 

 俺はそう言うと、トウカは首を傾げる。

 そう、包装紙がアクシズ教団への入信書になっていたのだ。

 誰が入るか。

 俺はそう思い、入信書をゴミ箱に捨てる。

 そんな事はあったが、祭りを楽しんでいく。

 その一方、白夜と朱翼は。

 

白夜「それにしても、人がいっぱい居るな。」

朱翼「そ、そうね。」

 

 白夜と朱翼も、祭りに参加していた。

 白夜と朱翼は、手を繋ぎ合っていた。

 

朱翼(うう……………ドキドキする。白夜とこんなに近くにいるから……………。)

 

 朱翼は、顔を赤くしながらそう思っていた。

 白夜はというと。

 

白夜「朱翼、どうした?」

朱翼「ううん!何でもない!焼きそばがあるから、食べない?」

白夜「焼きそばか。良いな。」

 

 白夜がそう聞くと、朱翼はそう叫ぶ。

 焼きそばを買う事にした。

 

白夜「すいません、焼きそば二つ下さい。」

店員「まいど!」

 

 白夜はそう言うと、店員から焼きそばを受け取り、代金を払う。

 白夜は朱翼に焼きそばを渡すと、2人で食べていく。

 

朱翼「焼きそば、美味しいですね。」

白夜「ああ。カズマが監修したらしいからな。美味いな。」

 

 2人はそう話しながら食べていく。

 しばらくすると、焼きそばを食べ終える。

 

朱翼「本当に美味しかったですね。別の物も食べる?」

白夜「そうだな。それも悪くないな。ただ、一つ嫌な点があるとしたら……………包装紙がアクシズ教団への入信書になっている事だな。」

朱翼「ああ……………。」

 

 朱翼と白夜はそう話す中、白夜はそう言う。

 白夜は入信書をゴミ箱に捨てて、移動をしていく。

 一方、俺たちの方は。

 

トウカ「あ、ゆんゆんじゃない。」

ゆんゆん「湊翔さん、トウカさん!」

???「……………どうも。」

 

 俺たちが歩く中、そこにはゆんゆんともう1人の姿があった。

 その人は、見覚えがあった。

 

湊翔「確か……………孤塚狼菜だったよな?」

狼菜「は、はい!こ、孤塚狼菜と申します……………。」

 

 俺がそう言うと、狼菜は挙動不審気味にそう言う。

 孤塚狼菜。

 かつて、ベルゼルグ王国の王都で出会った仮面ライダーだ。

 すると。

 

カズマ「……………まあ、そんな事だろうと思ったよ。」

湊翔「お、カズマ。」

めぐみん「おや、湊翔達も居ましたか。」

 

 そこに、カズマとめぐみんの2人がやってくる。

 すると、ゆんゆんが叫ぶ。

 

ゆんゆん「私、誰かと一緒にお祭りとか、花火大会とか見に来るの初めてなんだけど!ねえめぐみん、どこかおかしい所はない!?一応気合い入れてきたんだけど!」

めぐみん「そのテンション以外にはおかしい所は無いですよ。お願いですから、祭りぐらいで取り乱さないでください。というより、狼菜でしたか?アクセルに来たんですね。」

 

 ゆんゆんがそうハイテンションに騒ぐ中、めぐみんはそう宥める。

 すると、ゆんゆんが口を開く。

 

ゆんゆん「聞いてよ、めぐみん!私、狼菜さんと友達になったの!」

カズマ「へぇ……………そうなんだな。」

 

 ゆんゆんがそう叫ぶと、狼菜は恥ずかしそうに頷く。

 カズマがそう言う中、めぐみんが叫ぶ。

 

めぐみん「えええっ!?あのゆんゆんに友達が!?騙されてませんか!?……………このゆんゆんと友達になるなんて、何が狙いですか?言ってみなさい。」

ゆんゆん「ちょっと、めぐみん…………!」

狼菜「いや、その………………たまにはアクセルの街でのんびりしようかなって思って、戻ってきたのは良いんだけど……………なかなか会話に入れなくて……………ゆんゆんとは、人と話すのが苦手とかみんなの会話の輪に入るのが難しいこととかを話してたら、気が合って仲良くなったの………………。」

 

 めぐみんがそう叫ぶと、ゆんゆんは止めようとするが、狼菜はそう語る。

 なるほど、ゆんゆんと同じタイプか。

 すると、それを聞いためぐみんは。

 

めぐみん「ああ……………なるほど。確かにゆんゆんが普通の友達……………特に明るい子なんかと友達になるなんて、至難の技ですもんね。要は同じぼっち同士、惹かれあったというわけですか。納得です。」

「「ひ、酷い!?」」

めぐみん「ほら、ピッタリじゃないですか。」

 

 めぐみんは納得しながらそう言い、ゆんゆんと狼菜はそう叫ぶ。

 やめてやれって………………。

 流石に居た堪れないので、俺たちも付き合う事にした。

 ちなみに、カズマがアクシズ教団のブースには行きたく無いと言ったので、俺たちも行かない事にした。

 そうして、カズマが射的の出店を射撃スキルで軒並み荒らしたり、持ち前の運の良さでくじ引き関係の店も全滅させた頃。

 

めぐみん「………………なんというか、カズマは容赦という物を覚えた方がいいと思いますよ。」

ゆんゆん「本当ですよ。射的のお姉さんもくじ引きのおじさんも泣いてましたよ?今日はもう店仕舞いだって。」

トウカ「無慈悲だよね……………。」

カズマ「良いか?祭りってのは本来店主との戦いなんだよ。俺のいた国なんかでは、高価な景品をくじの一等賞に飾っておきながら、くじが完売しても最後まで当たりが出ないなんて事はザラだったぞ?他には、当たりを引いて大喜びで家に持って帰って開けたら、中身は名前を似せただけのバッタ物だったりな。」

湊翔「それを言うのはやめてやれよ……………。」

狼菜「まあ、お祭りあるあるですからね。」

 

 たくさんの景品を手に入れてホクホク顔のカズマを見て、めぐみんとゆんゆんがそう言うと、カズマはそう言う。

 それを聞いて、俺と狼菜はそう言う。

 確かに、お祭りあるあるだけどさ。

 祭りによって、アクセルの街は大賑わいだった。

 すると。

 

カズマ「本当に、異世界なんだなぁ…………。」

 

 カズマはそう呟いていた。

 まあ、気持ちは分からんでもないが。

 すると、アクセルの街の貯水池の方から振動と共に音が鳴る。

 どうやら、花火が始まったみたいだな。

 すると、周囲の魔法使い達が駆け出していく。

 それだけでなく、めぐみんがカズマを連れて引っ張っていく。

 えっ、どういう事?

 すると、トウカが口を開く。

 

トウカ「ああ……………やっぱり。」

湊翔「えっ?どういう事?」

狼菜「そうなるのも無理ないですよね。この世界の花火大会は、集まってきた虫に対する宣戦布告の合図なの。」

 

 トウカがそう言うのに俺が首を傾げると、狼菜はそう言う。

 どうやら、祭りの篝火に釣られて、近くの森や平原から、虫が引き寄せられるらしい。

 そんな虫達に向けて、爆発魔法や炸裂魔法を打ち上げるとの事。

 この世界って、本当にクセが強いよな。

 その後、俺たちも参加して、狼菜とゆんゆんは一緒に帰り、カズマは部屋へと戻っていった。

 そんな中、俺はトウカに話しかける。

 

湊翔「トウカ。」

トウカ「ん?」

湊翔「今日はありがとな。誘ってくれて。」

トウカ「うん。こっちもありがとうね。」

 

 俺たちはそう話すと、部屋へと戻る。

 雷ジャマト祭りでの疲れが癒やされる様な感じがするよな。

 そう思いながら、俺は風呂に入って、そのまま寝る事にした。

 だが……………その時の俺たちは気づいていなかった。

 アクシズ教団が更に面倒なことを起こしていた事を。

 翌朝、目が覚めた俺たちはリビングへと向かうと。

 

武劉「本当に面倒な事になったな……………。」

 

 武劉がそんな風に頭を抱えていた。

 俺とトウカは話しかける。

 

湊翔「どうしたんだ、武劉?」

トウカ「何かあったの?」

武劉「お前達か。いや……………ダクネスから聞いた話なんだが……………カズマ達やアクシズ教団が面倒な事を起こしたんだ……………。」

 

 俺とトウカがそう聞くと、武劉はそんな風に語る。

 ものすごく嫌な予感がするが、聞いておくか。

 

湊翔「………………ちなみに、カズマ達は何をやらかしたんだ?」

武劉「……………貴族の家系であるアンダイン家に盗みを働こうとして、見つかったらしい。アクセルの街は今、カズマとクリスを探す冒険者達がいっぱい居る。」

 

 俺がそう聞くと、武劉はそう言う。

 あいつら、今度は何を盗もうとしたんだ?

 十中八九、神器関連なんだろうけどな。

 すると、トウカが口を開く。

 

トウカ「まあ……………クリス達の事だから、神器関連なんだろうけど……………アクシズ教団は何を言い出したんだ?」

武劉「………………今回、予想外に祭りを盛り上げて、多額の売り上げを叩き出した事を理由に………………来年からは、女神アクア感謝祭の単独開催にしろと要求してきた様だ…………。」

 

 トウカがそう聞くと、武劉はそんな風に言うのだった。

 嫌な予感が的中してしまった。

 俺はそんな風に思うのだった……………。




今回はここまでです。
今回は短めとなり、湊翔とトウカ、白夜と朱翼が距離を縮めました。
要は、ジャマトグランプリを乗り切った日常回みたいな感じです。  
そんな中、カズマに接触する桜井要に、暴走するアクシズ教団。
ジャマトグランプリを乗り切ったのにも関わらず、やばい祭りが順調に進行しているのだった。
次回は、エリスコンテストなどをやる予定です。
感想、リクエストなどは絶賛受け付けています。
次回か次々回に、カズマと桜井要との因縁が生まれる話をやる予定です。
そこで、ブーストマークIIをカズマに手に入れさせる予定です。
その話や次回の話でこんな感じにして欲しいというのがあれば、受け付けています。
このすばの原作8巻に相当する話が終わったら、キツネ狩りゲーム、キバのレジェンドミッション、タイクーンmeetsシノビ、性転換の話をやってから、九巻の内容に入ります。
ちなみに、9巻の内容が終わり、闘牛ゲームなどに入る前に、とあるエピソードをやる予定です。
それはまだ伝えられません。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第90話 エリスコンテスト

 武劉からアクシズ教徒の要求を聞いた俺たちは、アクシズ教団の教会へと赴いていた。

 俺たちは頷き合うと、中に突入する。

 

カズマ「おいアクア!」

湊翔「一体どういう事だ!?」

 

 俺とカズマはそう叫びながら突入する。

 すると、アクアがこちらを見てくる。

 

アクア「あら、カズマに湊翔。そんなに慌ててどうしたの?」

 

 アクアは、セシリーというアクシズ教徒と共に、祝杯をあげていた。

 その様子は、映画とかでよく見る小動物を愛でる悪役の様で、膝の上に乗せたひよこを撫でていた。

 なんかムカつくな。

 すると、アクアが口を開く。

 

アクア「ははーん、カズマに湊翔ったら、宴会の匂いを嗅ぎつけて交ざりに来たのね?しょうがないわね。カズマと湊翔は、アクシズ教徒じゃないけれど、カズマは今回の功労者だし、湊翔はジャマトを倒してくれたしね。ほら、私の隣に座りなさいな。作りたての焼きそばを分けてあげるわ。」

 

 アクアはそう言いながら、小皿を差し出してくる。

 頓珍漢な事を言いやがって。

 すると、カズマが叫ぶ。

 

カズマ「バカっ!そんなもん食ってる場合か!何なんだよこれは!」

 

 カズマはそう叫びながら、紙を見せる。

 その紙は、カズマによると、ダクネスから預かった要望書との事だ。

 それを見たアクアは。

 

アクア「あら、私が出した要望書じゃない。『一つ、来年からは女神アクア感謝祭に名前を変え、エリス教団を関わらせない事。二つ、ところてんスライムの規制緩和…………』ねえ、私、二つ目は書いた覚えがないんですけど。」

セシリー「二つ目は私ですアクア様!私、今回頑張ったので、ご褒美が頂けたらなと思いました!」

アクア「なるほど、それなら良いわ。で、これがどうかしたの?何の問題もないでしょ?」

 

 アクアはそんな風に言う。

 さらっとそんなもんを要望に入れんじゃねぇよ。

 俺とカズマは大きく叫ぶ。

 

湊翔「問題しかねぇよバカ!!」

カズマ「これはどういう事だって聞いてんだ!!」

 

 俺とカズマはそう叫ぶ。

 すると、アクアはセシリーに話しかける。

 

アクア「ねえ、カズマさんに湊翔さんたら、何を怒っているのかしら。祝勝会に呼ばなかったから?」

セシリー「違いますよ、アクア様。要望書を作る際に、あの人たちの要望も入れなかったからですよ。」

 

 アクアがそう言うと、セシリーはそう言う。

 違えよ、バカ。

 こいつらの相手をしてるとすごく疲れるな。

 すると、アクアは要望書に何かを書いて、俺たちに渡してくる。

 その内容は………………。

 

『三つ、今後行われる祭りの売り子は常に水着着用の事』

 

 そんなアホな事を書いていた。

 すると。

 

アクア「ねえ、湊翔は何が良いのかしら?」

湊翔「アホか!俺達が言ってんのはそんな事じゃねぇ!!」

カズマ「お前、あれだけ調子に乗らずに真面目に頑張るって言ってたじゃねぇか!何だこんなもん、こうしてやるっ!」

アクア「わあああーっ!!ちょっと、何すんのよ!せっかくカズマの望みも足してあげて、湊翔の望みも足してあげようとしてるだけじゃない!!」

 

 アクアがそんな事を聞いてくるので、俺はそう叫び、カズマは要望書を破り捨てる。

 アクアが食ってかかる中、セシリーはゆらりと前に出る。

 

セシリー「ちょっと、アクア様の厚意を無にするだなんてどういう事?不肖セシリー、アクシズ教団の名において、あなた達の家の玄関先に毎晩押し掛け、エンドレスで聖歌を歌うわよ?」

カズマ「やれるもんならやってみろ!どいつもこいつもバカにしやがって!お前ら2人とも折檻してやる!!」

 

 セシリーがそう言うと、カズマはそう叫ぶ。

 それは傍迷惑なのだが。

 すると、アクアが叫ぶ。

 

アクア「な、何よ!だって私たち、これだけ頑張ったんだから、ちょっとくらい優遇してくれても良いじゃない!セシリーが言ってたわ。『アクア様はアクア様なのですから、もっとチヤホヤされながら楽ちんに生きるべきなのです。これからはアクシズ教団の総力を挙げてアクア様を甘やかしますので』って!」

湊翔「会ったばかりの奴にあっさりと影響されてんじゃねぇよ!!」

カズマ「ほら、とっとと帰るぞ!もうこの変なのとは付き合うな!アンタもアンタだ!これ以上、アクアをダメ人間にするのはやめろ!」

セシリー「この変なの!?」

 

 アクアはそう叫ぶと、俺はそう突っ込む。

 こいつ、ちょっと何かあっただけであっさりと影響を受けやがって!!

 カズマが連れ帰ろうとするが、アクアはセシリーの後ろに隠れる。

 

アクア「この祭りの期間中は帰らないわ。ええ、私は帰らない!……………賢い私は学習したわ。ここに居ると、皆が崇めてくれるって!それにね、カズマ、湊翔。こうして祭りが大盛況を極めちゃった以上、来年以降もどのみち女神アクア感謝祭をしない訳には行かなくなるわ。外に出て見てきなさいな、エリス教団のお祭りを!日に日にウチのブースに人が流れ、今やエリス教団のほとんどの店には、閑古鳥が鳴いてるわ!」

 

 アクアはそんな風に言う。

 こいつ、全く変わってねぇ。

 それに、アクア感謝祭の単独開催なんて、絶対に碌なことにならないだろ。

 すると、セシリーが口を開く。

 

セシリー「アクア様の仰る通りよ。そして、我々主催の出店の評判がここまで上がった以上、今更エリス教団が盛り返すのは無理というもの。それに……………商才があるのはあなただけと思わない事ね?そう、アクア様にはまだとっておきの秘策があるのよ!」

 

 セシリーは自信満々にそう言う。

 アクアの秘策とか、絶対に碌なもんじゃないだろ。

 俺たちは、諦めて帰る事に。

 すると。

 

セシリー「そうそう、湊翔さん。あなた、デザイアグランプリとやらの運営と仲が良いと、アクア様から聞きましたよ。」

湊翔「……………それがどうした?」

セシリー「いえ。我らがアクシズ教団から、仮面ライダーを選出して欲しいのです!」

 

 セシリーがそう話しかけると、俺は嫌々応じる。

 アクアの奴、何勝手に話してんだ。

 すると、セシリーはそんなバカな事を言いだす。

 

湊翔「……………一つ聞くけど、仮に仮面ライダーの力を得たとして、何をするつもりだ?」

セシリー「それはもちろん、エリス教団への嫌がら……………うぅん!ジャマトを倒す為ですよ。」

湊翔「今更訂正しても遅いっての!エリス教団への嫌がらせの為に使うなら、選ばれるわけが無いだろ!!」

 

 俺がそう聞くと、セシリーはそんな風に言う。

 少しは隠せっての。

 聞いてられるか!

 俺はそう思い、カズマと共にさっさとアクシズ教団の教会から去る。

 俺とカズマは、道中で話し合う。

 

湊翔「どうすんだ。このままじゃあ、アイツらは調子に乗りまくるぞ。」

カズマ「どうしたもんか……………。」

 

 俺とカズマはそう話す。

 このまま、アクシズ教団に調子に乗らせていると、絶対に碌な事にならないだろう。

 とはいえ、できる事なんて、限られるのだがな。

 そんなこんなで、エリス教団の教会へと向かうと、クリスが話しかける。

 

クリス「やあ助手君、湊翔君。どうだった?」

湊翔「どうもこうもない。連中を相手に話をするなんて無理だ。痛い目を見ないと学習しないだろうな。」

カズマ「どうする?こんな事になったのも、元はと言えば、アクア達に祭りの許可を取ってきた俺の責任だ。これ以上、バカに拍車がかかって手遅れになる前に、ちょっと締めてやろうと思ってるんだが。」

 

 クリスは箒を持って掃除をしていたが、そう聞いてくる。

 俺とカズマはそう言う。

 このままじゃあ、このアクセルの街が第二のアルカンレティアみたいになってしまう危険がある。

 そんな事になったら、色々と面倒なんだが。

 すると、クリスは口を開く。

 

クリス「先輩がお祭りを盛り上げて感謝されてたのも事実だからねえ。それに比べてあたしときたら、アイギスの回収もできないままだし。あんなに目立つ鎧の筈なのに、未だ居場所すら掴めてないよ。来年以降のあたしのお祭り、取りやめになっても仕方ないかな。ちょっと寂しいけど、まあ先輩なら来年以降も盛り上げてくれるだろうし!」

 

 クリスはそんな風に言う。

 笑ってはいるが、どことなく寂しさを感じさせる。

 どうしてなんだろうな。

 クリスことエリスは頑張っているのに、あのバカがいい思いをしているばかりなのは。

 どことなく、過去の俺に重なって見えた気がする。

 どうにかしたいが、アクアの言う通り、これからの巻き返しは難しいだろう。

 何せ、今日は最終日なのだから。

 このままでは、アクセルの街にアクシズ教徒が溢れてしまう。

 それだけは嫌だな。

 俺はアクシズ教徒の為に、ジャマトグランプリを止めた訳じゃ無い。

 年に一度の祭りの為に頑張ってきたのにな。

 すると。

 

カズマ「お頭……………いえ、エリス様。エリス教団の人たちに、協力して欲しい事があるんですが。俺に考えがあります。」

湊翔「カズマ?」

 

 カズマはそんな風に言う。

 その後、炎天下にも関わらず、多くの人で溢れていた。

 

司会者『本日お集まりの皆様方。私、この度の司会に選ばれた事を誠に嬉しく、そして光栄に思います。エリス教団主催による今回の祭りのメインイベント!第一回!ミス女神エリスコンテストを、ここに開催致します!』

 

 司会者がそう言うと、周囲から歓声が上がる。

 それを俺とトウカは見ていた。

 

トウカ「まさか……………ミスコンをやる事になるなんてね…………。」

湊翔「まあ、頑張って欲しいけどな。」

 

 俺とトウカはそう話す。

 ちなみに、ミスコンをやる理由としては、聖鎧アイギスの回収と、盛り上げる為だ。

 カズマ曰く、エリス教徒の女性達は嫌がったそうだ。

 とはいえ、このままでは自分たちが崇める女神の祭りが開催出来なくなるのは嫌なのだろう。

 なんとか承諾したそうだ。

 

トウカ「ダクネスは凄い嫌がってたけど……………。」

湊翔「まあ、ああ見えて堅物だからな、ダクネスは。」

 

 俺とトウカはそう話す。

 そう、ダクネスの説得が難航したとカズマは言っていた。

 曰く………………。

 

ダクネス『エリス様をダシにしたミスコンなど、エリス様に対する冒瀆だ!』

 

 と、語っていた。

 とはいえ、ダクネスとしても、女神エリス祭りが出来なくなるのは嫌だったのだろう。

 何とか、承諾したとの事だ。

 俺たちは、普通にミスコンを見る事にしたのだ。

 というより、アクシズ教団のブースに行くと、高確率で利用されかねないのだ。

 俺はトウカに聞いた。

 

湊翔「なあ、アクシズ教徒の1人が、仮面ライダーを選出して欲しいって言ってきたんだが、どうなんだ?」

トウカ「……………やっぱり、アクシズ教徒は除外してるかな。あまりにも問題しか起こさないから。」

 

 俺はそう聞くと、トウカはそう言う。

 人間性に問題がある場合は、選ばれないという事か。

 まあ、ベロバとかみたいなのがいる以上、選ばれないというのは考えにくいが。

 すると。

 

白夜「おお、お前らか。」

朱翼「来てたんですね。」

 

 そんな風に、白夜達が声をかけながらやってくる。

 

湊翔「白夜、朱翼。」

トウカ「2人も来てたのね。」

白夜「まあな。」

朱翼「ミスコンをやると聞いて、見に来たんですよ。」

 

 俺とトウカはそう言うと、白夜と朱翼はそう言う。

 まあ、ミスコンなんて、この世界では見れないだろうからな。

 

白夜「まあ、昨日の祭りは悪くなかったな。焼きそばとかを久しぶりに食えたしな。」

湊翔「そっか。まあ、俺もトウカと一緒に行ったしな。」

朱翼「なるほど!お二人はデートをしてたんですね。納得です。」

トウカ「で、デデデデ……………デート!?まあ、そういう感じかな……………。」

 

 白夜と俺がそう話す中、朱翼はそう言って、トウカは動揺する。

 まあ、ある意味ではデートか。

 とはいえ、付き合ってはいないんだが。

 すると、白夜が口を開く。

 

白夜「まあでも、湊翔、トウカには感謝しとけよ?」

湊翔「ん?」

白夜「お前があの赤い姿になって戦った後に倒れた時はみんな大慌てだったぜ、俺も含めてな。湊翔って今まで戦い終わったあとでも倒れたりしなかったからな。特にトウカはめちゃくちゃ取り乱してたぞ。」

 

 白夜がそう言うと、俺は首を傾げるが、白夜はそう言う。

 まあ、あのブーストマークIIは、本当に負担がかかるからな。

 ぶっ倒れるくらいには。

 厳密に言えば、凄い眠気が襲ってくる様な感じだ。

 どういう事なのかは、全く分からない。

 俺は、チラッと朱翼に話を聞かれて照れてるトウカを見ながら、そう思う。

 すると。

 

住人「脱ーげ!脱ーげ!!」

湊翔「ん?」

トウカ「何?」

 

 そんな声が聞こえてきたので、ステージの方を見ると、住人達が騒いでいた。

 ステージには、ダクネスの姿が。

 誰かが調子に乗って、そんな風に叫んだのだと悟った。

 すると。

 

ダクネス「おのれ貴様ら!ぶっ殺してやる!!」

 

 そんな声が聞こえてきて、ダクネスは周囲の冒険者と争いを始めた。

 こりゃあ、面倒な事になりそうだな。

 すると。

 

ゆんゆん「あ、湊翔さん!」

リア「湊翔達も来ていたのか。」

浬鳥「お久しぶりね。」

 

 そんな声がして、その声がした方を向くと、そこには、武劉、ゆんゆん、アクセルハーツ、孤塚狼菜、魔黒浬鳥、炎魔達が来ていた。

 

白夜「お前らも来たのか。」

炎魔「まあな。せっかくだし、来たぜ。」

彩花「そうだね。今日はお祭りだからね。」

隼「こういうのも、悪くないですね。」

龍牙「俺はエリス教団のブースで、色々と飯を作ってたからな。」

浬鳥「私は、色々と楽しんでたわ。」

武劉「色々疲れたからな。たまにはのんびりしてもいいだろう。」

 

 白夜がそう言うと、炎魔達はそう言う。

 すると。

 

ゆんゆん「トウカさん!そういえば、湊翔さんと一緒に居ましたよね!?」

リア「そういえば、そうだ!一体、何をしていたんだ!?」

トウカ「ああ…………私、湊翔とデートをしてたのよ。」

 

 ゆんゆんとリアが、若干不機嫌気味にそう言うと、トウカは余裕の笑みを浮かべながら、そう言う。

 

ゆんゆん「ええっ!?」

リア「えっ!?」

トウカ「ふふん…………!」

 

 2人が驚く中、トウカはそんな風に言い、不機嫌気味になる。

 それを見ていると。

 

白夜「なあ、あのゆんゆんとリアの反応からしてさ、もしかしてだが……………。」

朱翼「そうじゃないですかね?」

浬鳥「青春してるじゃない。」

エーリカ「あんなリアは初めて見たわよ。」

シエロ「僕も……………。」

狼菜「まあ、見てたら分かりますし。」

 

 白夜達はそんな風に話していた。

 俺は別に、鈍感というわけではない。

 ここ最近、トウカを意識し始めた際に、トウカだけでなく、ゆんゆんやリアからも似た様な感じを向けられると気づいたのだ。

 そして、それは俺も悪くないと思っている。

 だが、男として、全員まとめて恋人にするのはどうかと思うし、かといって、1人を選んで、残り2人を悲しませるのも見たくない。

 難儀なもんだな……………。

 そう考えていると。

 

司会者『いいいいいいええ!とんでも!とんっでもございませんっ!ここ、この度は、女神エリス様コンテストにご参加いただき、ありがとうございますっ!』

 

 司会者のそんな上擦った声が聞こえてきて、俺たち全員は、ステージの方へと向く。

 そこには、エリス様の姿があった。

 えっ、どういう事?

 俺たちが呆気に取られる中、司会者はぎこちなく言う。

 

司会者『そそ、それでは……………これは、参加者全員にお尋ねしている事なので、どうかお許し頂きたいのですが……………その、出来ればお名前なんか伺っても……………。』

エリス『名をエリスと申します。』

 

 司会者がそう聞くと、エリス様は笑みを浮かべると、そんな風に言う。

 すると、それを聞いた瞬間、会場に歓声が轟いた。

 熱狂的な叫びをあげて、ひたすらエリス様と連呼する者や、恍惚とした表情で呆然とエリス様を見上げる人、手を合わせて深く祈りを捧げる人がいて、エリス教徒に至っては、嗚咽して、涙を溢れさせている。

 

武劉「凄いな……………。」

シエロ「エリス様が来た……………。」

エーリカ「嘘っ!?」

狼菜「大物アイドルが現れた時みたいな反応ですよね……………。」

炎魔「確かにな……………。」

 

 それを見て、武劉達はそう反応する。

 すると。

 

住人「エリス様、どうか俺と握手して下さい!ここんとこ本当についていないんですよ、どうか幸運の女神様の御加護を!」

 

 そんな切実な願いを込めた叫び声が聞こえてくる。

 すると、会場内が静まり返る。

 なんか、嫌な予感が。

 

住人「俺も!エリス様、俺も握手を!」

住人「バカっ!俺が先だ!」

住人「エリス様、家には俺の帰りを待っている腹を空かした猫が居るんです!どうか、帰りの宝くじで一等が当たります様…………!」

 

 すると、そんな風に言いながら、観客がステージに上がろうとする。

 それを見て。

 

湊翔「なんか、乱闘騒ぎになりそうだな……………。」

浬鳥「そうね……………。」

白夜「よし!俺たちが何とかする!湊翔、トウカ、ゆんゆん、リアは行ってくれ!」

湊翔「えっ?何で?」

朱翼「そうですね。そうしましょう。」

武劉「異論はない。」

 

 俺がそう言うと、白夜はそう言い出し、俺が首を傾げる中、朱翼と武劉はそう言う。

 すると、浬鳥達が口を開く。

 

浬鳥「湊翔さんは、1日目は寝ていましたからね。その分、楽しんで下さいね。」

シエロ「そうだね。」

エーリカ「リアの事はよろしくね!」

狼菜「ゆんゆんの事も頼みますよ!」

 

 浬鳥達はそんな風に言う。

 まじか……………。

 そうして、俺はトウカ、ゆんゆん、リアの3人と一緒に祭りを見に行く事になったのだった。

 なったのは別に良いのだが………………。

 

湊翔「………………なんか、近くない?」

トウカ「あら、別に良いじゃない。」

ゆんゆん「そ、そうですよ!」

湊翔「周囲の視線が痛いんだけど……………。」

リア「気にするな。堂々とすれば良いじゃないか。」

 

 俺がそう言うと、女性陣はそう言う。

 何せ、右にはトウカ、左にはゆんゆん、背中にはリアがくっついていたのだ。

 トウカとゆんゆんは俺の手を握り、胸が腕に当たっていて、リアは俺の背中にくっついているのだ。

 正直言って、3人の柔らかさと体温、匂いにドキドキしてしまう。

 だが、周囲の視線……………特に男性からの視線が痛い。

 女性からしたら、ニヤニヤとしながら俺を見ていた。

 

冒険者「何なんだ、あいつ……………見せびらかしやがって……………!」

冒険者「殺意が湧いてきたな……………。」

冒険者「あらあら……………。」

冒険者「お熱いわね……………。」

 

 男の冒険者が殺意を向ける中、女性の冒険者からは、ニヤニヤとした視線を向けられる。

 俺はそんな風に過ごしたのだった。

 その頃、桜井要は。

 

ベロバ「何よ、話って。」

要「いえいえ。ジャマトグランプリで、不幸を味わえなかったじゃないですか。」

ベロバ「そうね。ギーツのせいで……………!」

要「そこで、僕から一つ、提案がありまして。」

ベロバ「提案?何よそれ。」

 

 桜井要はベロバと話をしていて、ベロバは苛立ちながらそう言う。

 要の言葉に、ベロバは訝しむ表情を浮かべる中、要は説明する。

 すると、ベロバは表情を良くする。

 

ベロバ「へぇ……………タイクーンが誕生日だから、とびきりの不幸を贈るわけね。」

要「ええ。ですから、ジャマトをお借りしたくて。」

ベロバ「良いわ。百体くらい用意するわ。」

要「ありがとうございます。」

 

 ベロバがそう言うと、要はそう言う。

 要は、動き出そうとしていた。

 その頃、俺たちの屋敷では。

 

???「お兄様、私の指輪、大切にしてくれてますね。」

 

 カズマの部屋で、誰かが指輪を見ていた。

 それは誰なのか。

 俺たちはこの後、その人物の正体を知る事になった。




今回はここまでです。
今回は、エリスコンテストの話です。
アクシズ教団が暴走してしまう。
まあ、こうなる事は分かりきっていましたが。
ちなみに、アクシズ教徒が仮面ライダーにならないのは、色々と問題があるからです。
そんな中、開催されるミスコン。
ミスコンの裏では、湊翔がトウカ、ゆんゆん、リアの3人に密着されるという。
湊翔としては、3人の想いに気づいてはいるが、2人が不幸になるのは見たくないという事を考えています。
そして、暗躍するベロバ達に、カズマの部屋にいる何者か。
果たして、誰でしょうかね。
次回で、このすばの原作8巻に相当する話は終わる予定です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
あと少しで、100話投稿する事になります。
皆様の応援のおかげで、ここまで続ける事が出来ました。
本当にありがとうございます。
原作8巻に相当する話が終わったら、狐狩りゲーム、キバのレジェンドミッション、タイクーンmeetsシノビなどの話をやって、原作9巻及び、戦国ゲームが始まります。
戦国ゲームでリクエストがあれば、下記から受け付けています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=303117&uid=373253
湊翔とヒロイン3人がどのタイミングでくっつくのかも、受け付けています。
このファンで、禁断の冒険者シリーズでカズマが出て、無事にゲット出来ましたが、ブジンソードと雰囲気が合いそうなので、着させるのもありかなと思っています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第91話 狸の戦い

 トウカ達とデートした後、俺たちは屋敷へと戻った。

 すると。

 

ダクネス「おい黒幕。今回の件に関して、何か申し開きはあるか?」

 

 ダクネスがそう言っていた。

 その目の前には、カズマとアクアが正座して座っていた。

 どういう状況だ?

 俺たちが呆然とする中、カズマが口を開く。

 

カズマ「おい、助けてくれた事には感謝してるけど、この扱いはどういう事だよ。それに黒幕って何の事だよ。俺が警察に捕まってる間に何があったのか、ちゃんと説明しろよな。」

 

 カズマはそう言いながら、いつでも土下座が出来るように両手を床に置いていた。

 なんか疚しい事でもあるのか?

 すると。

 

ダクネス「まず聞こう。……………お前、商店街の会長に祭りの共同開催を持ちかける時、こう言ったそうだな。アクシズ教団とエリス教団を煽って対立させれば、それだけで祭りが盛り上がり儲かる、と。」

 

 ダクネスがそう言うと、カズマは流れる様に土下座を敢行した。

 そういう事か。

 アクシズ教団は世間からは嫌われているので、そんな事が出来るはずが無いと思っていたが、これで腑に落ちた。

 そこから、ダクネスは色々と説明を続ける。

 共同開催を提案したのは、アクアではなく、カズマである事、色々ないかがわしい企画の発案者もカズマである事。

 そして、会長が謝礼をここに持って来たことで、露見したという事だ。

 何やってんだ………………。

 俺たちが呆れた視線を向けると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「そんなに申し訳なさそうな顔をするなカズマ。まるで私たちがお前を虐めているようでは無いか。まあ、祭りの売り上げの一部を掠めるなどと行った事は、前領主の残した悪しき風習だからな。だからお前は何も悪く無い。これを堂々と受け取って良いのだ。…………ほら、受け取らなくて良いのかアドバイザー殿?」

白夜「あのおっさん、そんな事してたのか。」

 

 ダクネスはそんな風に言いながらお金が入った袋をカズマに見せる。

 それを聞いて、白夜はそう呟いていた。

 アルダープの性格上、それはやりそうだなとは思うけどな。

 すると、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「まあ待ってくださいダクネス。私はそちらの事よりも、気になる事があるのです。……………カズマ。聞くところによるとあなたは、最近色んな(ひと)と仲が良いそうですね。」

???「そうなのですか!?」

 

 めぐみんがそんな風に言うと、別の声が聞こえてくる。

 俺たちがその方を向くと、そこには、見覚えのある人がいた。

 

トウカ「あ、アイリス様!?」

湊翔「えっ!?嘘っ!?」

 

 その人を見て、俺たちはそう叫ぶ。

 そこに居たのは、アイリスだったのだ。

 俺たちが驚く中、ダクネス達が口を開く。

 

ダクネス「私たちも驚いたのだが…………いつの間にか、アクセルに来ていたのだ。」

湊翔「でも、どうやって来たんだ?」

朱翼「どうやら、アイリス様も仮面ライダーになったようで………………。」

武劉「それで、デザイア神殿を経由して、ここまで来たようだ。」

 

 ダクネスがそう言うのを聞いて、俺がそう聞くと、朱翼と武劉はそう言う。

 アイリスも仮面ライダーになったのか。

 だから、デザイア神殿を介して、ここまで来たってわけか。

 

ダクネス「まあ、時期にクレア殿とレイン殿も来る。しばらくは、この屋敷で預かる事にしたのだ。」

アイリス「クレアとレインには内緒で来ました!」

湊翔「行動力すごいな……………。」

トウカ「カズマは分かったけど、何でアクアも正座させられてるの?」

 

 ダクネスがそう言うと、アイリスはそんな風に言う。

 俺がそう呟くと、トウカはそう言う。

 確かに、アクアも正座させられているという事は、何かをやらかしたという事なのだろうが。

 すると、アクアが口を開く。

 

アクア「……………ねえダクネス。私と話をしましょうよ。あの仮面悪魔ですら言ってたわ。人という物は、会話が成り立つ種族である、って。」

ダクネス「そうだな。話し合うのは大切な事だと思う。最初から話し合えば、そもそもこんな騒ぎにはならなかったからな。」

 

 アクアがそんな理性的な事を言うと、ダクネスはそんな風に言い、めぐみんに目配せをして、アイリスを外に出す。

 そこから、詳しく話を聞く事に。

 女神エリスコンテストが行われた時、アクシズ教徒はエリス教団にとどめを刺すべく、アクア考案の商売を始めた。

 その商売が問題だったのだ。

 それは………………ネズミ講だった。

 それを聞いて、俺を始めとする日本人組は唖然となった。

 

湊翔「アクア……………お前……………!?」

白夜「遂に犯罪に手を染めやがったな。」

朱翼「やりましたね………………。」

武劉「お前………………。」

 

 俺たちはそう言うと、ゴミを見る視線でアクアを見る。

 仮にも女神なのに、遂に犯罪に手を染めやがった。

 ネズミ講……………別名、無限連鎖講という。

 それは、金品を払う参加者が無限に増加するという前提において、2人以上の倍率で増加する下位会員から徴収した金品を、上位会員に分配することで、その上位会員が自らが払った金品を上回る配当を受けることを目的とした金品配当組織のことである。

 要するに、詐欺を行ったのだ。

 こいつ、前の世界ほど法整備されていない事をいい事にやりやがったな。

 ちなみに、儲け過ぎた結果、ダクネスにあっさり見つかったという。

 すると、アクアが口を開く。

 

アクア「だってしょうがないじゃない!何とかコンテストにエリスが大人気なく参加したりしちゃったもんだから、あのままじゃエリス教団に盛り返されてたもの!それに、来年からのアクア祭り単独開催の為には大金が……………!」

武劉「…………それが犯罪を犯す為の言い訳になるか!」

ダクネス「元はと言えば、アクアがアクシズ教団の祭りも開催したいなどと我儘を言い出したからで……………。」

 

 アクアがそう言うと、犯罪には厳しいであろう2人が大きく叫ぶ。

 すると、アクアが駄々を捏ねる。

 

アクア「だってだって!エリスばっかりズルいじゃない!どうして私の祭りがないのよ!どうして私を称えてくれないのよ!私だって崇めて甘やかしてよ!それに、ネズミ講はまだ犯罪じゃないはずよ!」

白夜「今の所は犯罪じゃないが、だからと言って、犯罪を犯して良いわけがあるか!!」

朱翼「確かに、まだ法整備が追いついていませんからね………………。」

 

 アクアがそう言うと、白夜と朱翼はそう言う。

 本当だよ。

 俺は小声でトウカに話しかける。

 

湊翔「……………なあ、アクアの奴。女神としての資格を剥奪しても良いんじゃないのか?流石にやり過ぎだろ。」

トウカ「………………擁護出来ないわね。」

 

 俺がそう言うと、トウカは呆れた表情でそう言う。

 これは、ゼウスによる説教案件か?

 すると、ツムリの声が聞こえてくる。

 

ツムリ「皆さん!」

湊翔「ツムリ。」

トウカ「どうしたの?」

ツムリ「アクセルの周辺にジャマトが出現しています!至急、集まって下さい!」

 

 ツムリが現れた事にそう聞くと、ツムリはそう言う。

 ジャマトが来るのかよ!

 俺たちは、デザイア神殿に向かう。

 そこには、浬鳥や狼菜、アクセルハーツ、ゆんゆんの姿があった。

 ちなみに、アイリスも来た。

 本人曰く。

 

アイリス「私も仮面ライダーなんです!一緒に戦わせて下さい!」

 

 そんな風に言って来た。

 無下にも出来ず、アイリスも連れて来た。

 すると、白夜が口を開く。

 

白夜「そういや、聞き忘れたけどさ、4人でのデートはどうだった?」

湊翔「はっ!?」

 

 白夜がそんなふうに聞いてきて、俺は驚き、顔を赤くする。

 一方、トウカ、ゆんゆん、リアの3人は、満足そうにニコニコしていた。

 あのデートは悪くないけど、恥ずかしいし、殺意を向けられるし。

 すると、朱翼と浬鳥が口を開く。

 

朱翼「楽しめたみたいですね。」

浬鳥「こんな可愛らしい女性たちとデートなんて良かったですね。」

湊翔「まぁ…………うん。その……………楽しめた……………よ。」

 

 朱翼と浬鳥がそう言うと、俺は照れ臭そうにそう言う。

 悪くないけど、3人への対応を考えていたんだよ。

 それを見て、その場にいる狼菜を除く全員がニヤニヤしながら俺の事を見ていた。

 アイリスの場合は、微笑ましそうに見ていただけだが。

 すると、狼菜がダウンしているのを見て、口を開く。

 

湊翔「……………それはそうと、何で狼菜はダウンしてるんだ?」

白夜「ああ……………実はな、お前達がデートに行った後、俺たちは祭りを見てたんだよ。すると、狼菜が人混みに流されて迷子になったり、人見知りだから人に道を聞くのも難しく探すのに時間がかかったたり、おまけに狼菜がナンパされてて人見知りゆえに強く否定もできず困ってたときになんとか見つけたんだ。」

 

 俺がそう聞くと、白夜はそう言う。

 確かに、人見知りにとって、ナンパされるのは本当に酷だろうな。

 人酔いしたのか、狼菜は顔を青くしていた。

 すると、ゆんゆんが申し訳なさそうに言う。

 

ゆんゆん「すいません、置いていってしまって。」

狼菜「だ、大丈夫……………ゆんゆんと話すようになって、今なら人と上手く話せると思って自分のことを過信しすぎてた私が悪いから…………。」

 

 ゆんゆんがそう言うと、狼菜はそんな風に言う。

 顔青いっすよ?

 

湊翔「その……………今日はやめとくか?」

狼菜「いえ、大丈夫です。」

 

 俺がそう聞くと、狼菜はそう言う。

 まあ、本人が大丈夫だって言うなら、大丈夫か。

 そうして、俺たちは話を聞く事に。

 

ツムリ「現在、アクセルの街の近くに、ジャマトが多数出現しました。」

カズマ「もしかして、ジャマトグランプリが始まったのか?」

ギロリ「分からない。ジャマトグランプリ側の考えは、全く読めないからね。」

めぐみん「それもそうですね。」

ツムリ「とにかく、ジャマトを倒して下さい。」

湊翔「分かった。」

 

 ツムリがそう言う中、カズマがそう聞くと、ギロリさんはそう言う。

 まあ、把握出来ないからな、ジャマトグランプリ側の考えは。

 俺たちは、別々に別れて行う。

 俺はトウカ、ゆんゆん、リアの3人と組む事に。

 

湊翔「……………来たな。」

トウカ「ええ。」

ゆんゆん「私も頑張ります!」

リア「ああ!」

 

 俺たちはそう話すと、それぞれのレイズバックルを取り出す。

 俺はブーストマークIIを、トウカとリアはコマンドツインバックルを、ゆんゆんはフィーバースロットとステルスのレイズバックルを。

 それを見たトウカは、不安げに言う。

 

トウカ「それを使うの……………?」

湊翔「少しでも、これに慣れておきたいからな。」

ゆんゆん「はい。」

リア「行こう!」

 

 トウカがそう言う中、俺はそう答え、変身を開始する。

 

SET

SET FEVER

 

 その音声がなると、俺の周囲にバイクのマフラーから火が出る絵とBOOSTの文字が五つ浮かび、ゆんゆんの隣には、スロットの絵柄とステルス戦闘機の絵とSTEALTHの文字が浮かぶ。

 俺たちは叫ぶ。

 

「「「「変身!」」」」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

BOOST MARK II

GREAT

HIT FEVER STEALTH

REDAY FIGHT

 

 俺はブーストフォームマークII、トウカとリアはレイジングフォーム、ゆんゆんはフィーバーステルスフォームに変身する。

 すると、トウカとリアの元に武器が転送される。

 

RAISING SWORD

RAISING SPEAR

 

 トウカはレイジングソードを、リアは槍を持つ。

 それを見た俺は。

 

湊翔「あれ?レイジングフォームは、レイジングソードじゃないのか?」

リア「ああ……………ツムリさん達から聞いたんだが、私は槍が得意だから、そうなるように調整したらしい。」

 

 俺がそう聞くと、リアはそう答える。

 確かに、得意な武器を使う方が良いかもしれないな。

 俺はそう思いながら、トウカ達と一緒に、戦闘を開始する。

 一方、カズマ、めぐみん、ダクネス、アイリスの4人は。

 

カズマ「まさか、アイリスも仮面ライダーになるなんてな。」

アイリス「これで、お兄様と一緒に戦えますね!」

めぐみん「そんな事は良いですから、来ますよ!」

ダクネス「ああ。」

 

 カズマ達はそう話すと、変身を開始する。

 

SET

SET FEVER

 

 レイズバックルを装填すると、待機音が流れてきて、カズマ達の横には、それぞれが装填したレイズバックルの絵が書かれていた。

 4人は叫ぶ。

 

「「「「変身!」」」」

 

 そう言って、レイズバックルを操作する。

 

BEAT

DUAL ON

ANOTHER FORM TO WEAR

HIT FEVER BEAT

ZOMBIE & BOOST

PROMINENCE

REDAY FIGHT

 

 カズマはタイクーン・アバターフォーム、めぐみんはフィーバービートフォーム、ダクネスはゾンビブーストフォーム、アイリスは仮面ライダーフェネクス・プロミネンスフォームに変身する。

 

カズマ「アイリス、それは…………?」

アイリス「私が変身する仮面ライダーフェネクスだそうです!」

めぐみん「ぐぬぬぬ…………!かっこいいではないですか。」

ダクネス「とにかく、行くぞ!」

 

 カズマ達はそう話すと、戦闘を開始する。

 一方、白夜、朱翼、武劉、狼菜、シエロ、エーリカは。

 

白夜「随分と大量だな。」

朱翼「ですね。」

武劉「街に入れるわけにはいかん。食い止めるぞ!」

シエロ「大丈夫ですか?」

エーリカ「無理はしない方が良いんじゃないの?」

狼菜「大丈夫です。行きましょう。」

 

 白夜達はそう話す。

 シエロとエーリカが話す中、狼菜は何とか立ち直り、変身する。

 

SET LREGULATION

SET

SET FEVER

 

 それぞれのレイズバックルを装填する中、白夜達は叫ぶ。

 

「「「「「「変身!」」」」」」

 

 そう言って、レイズバックルを操作する。

 

UNPREDICTABLE EVOLUTION』
『MONOCHROME CLUSTER

BUSTER

FIGHTER

DANCER

HAMELN』
『HIT FEVER BUSTER

HIT FEVER FIGHTER

HIT FEVER DANCER

HUNTER CLAW

REDAY FIGHT

 

 白夜はライコウ・クラスターフォーム、朱翼はスワン・ハーメルンフォーム、武劉はダイル・フィーバーバスターフォームに、シエロとエーリカはそれぞれのフィーバーフォームに、狼菜はロポ・ハンタークローフォームに変身する。

 白夜達は、戦闘を開始する。

 

白夜「おらっ!ふっ!ハァァァァ!」

 

 白夜は、白と黒と黄色の残像を残しながら高速移動をして、瞬く間にジャマトを倒していく。

 

朱翼「はっ!フッ!でやっ!」

 

 朱翼は、ハーメルンソードを持って、ジャマトに攻撃していく。

 

武劉「はっ!ふっ!はっ!」

 

 武劉は、両手のクローを使った攻撃や格闘技、砲撃でジャマトを倒していく。

 

シエロ「ハアッ!でやっ!」

 

 シエロは、パンチや格闘戦などで倒したり、魔法を使って攻撃したりしていく。

 

エーリカ「ハアッ!てやっ!」

 

 エーリカは、ダンサーダガーを使って、攻撃していく。

 

狼菜「はっ!てやっ!」

 

 狼菜は素早く動き、両手の爪でジャマトを切り裂いていく。

 白夜達はジャマトを相手に善戦していた。

 一方、俺たちは。

 

トウカ「ハアッ!ふっ!」

リア「はっ!でやっ!」

 

 トウカとリアは、レイジングフォームの状態でも、それぞれの武器を使って、ジャマトと戦っていた。

 2人がある程度攻撃すると、チャージ音が鳴り、2人はレイズバックルを操作する。

 

FULL CHARGE

 

 その音声が鳴るとキャノンのバックルが外れて、2人はデザイアドライバーに装填する。

 

TWIN SET

 

 すると、トウカとリアの目の前に、飛行機の翼の絵と英語でJETの文字が上側に、キャノンの絵と英語でCANNONの文字が下側に出てくる。

 2人はレイズバックルを操作する。

 

TAKE OFF COMPLETE JET & CANNON

REDAY FIGHT

 

 2人はコマンドフォーム・ジェットモードに変身する。

 2人は、攻撃をしていく。

 

ゆんゆん「ハアッ!でやっ!」

 

 ゆんゆんは、魔法を使って攻撃をしていく。

 

湊翔「ふっ!はっ!でやっ!」

 

 俺は高速で移動をして、ジャマトを倒していく。

 やっぱり、結構負荷があるな。

 すると。

 

武「よお、湊翔。」

トウカ「馬場武!?」

 

 そんな声が聞こえてきて、俺たちはそっちを向くと、馬場武の姿があった。

 

武「もう一回見せてくれよ。お前の新たな力をよ!!」

湊翔「くっ!」

 

 馬場武はそう叫ぶと、俺に向かってくる。

 俺は馬場武と応戦する。

 

武「ハアッ!ふっ!おらっ!」

湊翔「ふっ!ハアッ!」

 

 武は黒いマグナムシューターで攻撃したりする中、俺はそれを躱して、高速移動をして攻撃していく。

 

武「やるじゃねぇか!もっと俺を楽しませてくれ!!」

湊翔「別に、お前を楽しませる為に強くなったんじゃない!!」

 

 俺と馬場武はそう言うと、再びぶつかり合う。

 一方、カズマ達は。

 

カズマ「おらっ!はっ!」

 

 カズマはアバターフォームの状態でニンジャデュアラーを持ち、攻撃していく。

 

めぐみん「ハアッ!ふっ!でやっ!」

 

 めぐみんは、二振りのビートアックスを持って、ジャマトに攻撃していく。

 

ダクネス「ハアッ!でやっ!」

 

 ダクネスは、ブーストの力で加速しつつ、ゾンビブレイカーで攻撃していく。

 

アイリス「ハアッ!でやっ!」

 

 アイリスは、プロミネンスレイズバックルの武器であるプロミネンスソードを持って、攻撃をしていく。

 

カズマ「やるじゃねぇか!」

アイリス「私は王族ですから!」

めぐみん「なんか、複雑ですね……………。」

ダクネス「うむ…………。」

 

 カズマとアイリスがそう話す中、めぐみんとダクネスは複雑な表情で見ていた。

 すると。

 

???「はぁ〜い、タイクーン。」

カズマ達「っ!?」

 

 そんな声が聞こえてきて、カズマ達は声がした方を向くと、そこには一人の女性がいた。

 

カズマ「ベロバ!?」

めぐみん「敵が自ら現れるとは!」

ダクネス「貴様、何の用だ!?」

ベロバ「用があるのは、タイクーンだけよ。」

カズマ「は?」

 

 そこに居たのはベロバだった。

 それを見て、カズマ達が身構えると、ベロバはそう言う。

 カズマが首を傾げる中、ベロバは口を開く。

 

ベロバ「今日はアンタの誕生日らしいじゃない。特別なプレゼントがあるから、来なさい。」

 

CRASH MODE

LASER CRASH

 

 ベロバがそう言いながらレーザーレイズライザーを操作すると、カズマとベロバが転送される。

 

めぐみん「カズマ!?」

ダクネス「消えた!?」

アイリス「お兄様!?」

 

 それを見て、めぐみん達がそう叫ぶが、誰も居なくなっていた。

 一方、カズマは。

 

カズマ「………………えっ!?どこだよここは!?」

 

 カズマは転送された事に驚いていた。

 周囲は、どこかの闘技場の様だった。

 すると。

 

???「やあ、佐藤和真。」

カズマ「っ!?」

 

 そんな風に声をかけられて、カズマが声のした方を向くと、そこには桜井要の姿があった。

 

カズマ「桜井要!?」

要「やあ。早速だが君には、誕生日プレゼントを渡したいと思ってね。」

カズマ「誕生日プレゼント?」

要「ああ。題して、君一人で100体のジャマトと僕に戦ってもらうのさ。」

 

 カズマがそう言うと、桜井要はそう言う。

 カズマが首を傾げる中、桜井要は既に変身しており、背後には大量のジャマトが居た。

 

カズマ「ハアッ!?そんな誕生日プレゼントなんていらねぇよ!!」

要「まあそう言わずに。たっぷりと堪能してくれ!!」

 

 カズマがそう叫ぶと、要もそう言いながらカズマの方へと向かう。

 一方、俺と馬場武は。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!」

武「おらっ!はっ!」

 

 俺と馬場武は、互角に戦っていた。

 すると。

 

武「やるじゃねぇか。今日は目的を達成してるし、お暇するぜ。また戦おうぜ?」

湊翔「おい!」

 

 馬場武はそう言うと、あっという間に去ってしまう。

 俺は追いかけようとするが、眠気が限界にまで来てしまい、そのまま昏倒してしまう。

 

トウカ「湊翔!?」

ゆんゆん「湊翔さん!?」

リア「大丈夫か!?」

 

 トウカ達は俺に駆け寄る。

 

トウカ「寝てるみたいだ……………。」

ゆんゆん「どうして寝ちゃうの……………?」

リア「もしかして、湊翔が使ってたバックルの影響か?」

 

 トウカ達がそう言う。

 すると、スパイダーフォンに連絡が入る。

 

トウカ「何だ?……………えっ!?」

リア「どうしたんだ?」

トウカ「スパイダーフォンを見てくれ!」

ゆんゆん「えっ?」

 

 トウカがスパイダーフォンを見て驚くと、リア達も見る。

 そこには、カズマと要の戦闘の様子が映し出されていた。

 一方、カズマ達は。

 

カズマ「おらっ!はっ!」

要「ふっ!はっ!」

 

 カズマは、アバターフォームのバイクの装備を使って、ジャマトを蹴散らしていく。

 要は、カズマに攻撃を仕掛けていく。

 カズマもジャマトを倒していくが、多勢に無勢というのもあって、追い詰められていた。

 

カズマ「くそっ……………!?」

要「ふっ!」

 

 カズマがそう毒づく中、要は黒いニンジャデュアラーで攻撃する。

 カズマは吹っ飛ぶ。

 それを見た要は、ジャマトに攻撃を止めさせ、カズマに話しかける。

 

要「佐藤和真。僕たちの仲間になりませんか?」

カズマ「誰が……………!」

要「……………よく考えてください。あんな仲間と一緒に戦って何の意味や価値がありますか?」

 

 要がそう言うと、カズマはそう言い、要はそう聞く。

 それを聞いたカズマは。

 

カズマ「当たり前だ、あいつらと笑える世界を守るためなら命だってかけてやる…………!」

要「下らないですね。」

カズマ「うるせぇよ……………どんな人間にだって譲れない大切なもんがある。皆、それを守るために命かけて仮面ライダーやってんだよ……………!だったら、俺も最後の最後まで仮面ライダーとして戦うだけだ!」

 

 カズマはそう言いながら立ち上がると、要はそう吐き捨てる。

 それでも、カズマはそう言う。

 カズマなりに得た仮面ライダーとしての姿なのだろう。

 それを聞いた要は。

 

要「……………そうですか。残念です。始末してください。」

 

 要は失望したかの様にそう言い、ジャマトにとどめを刺す様に指示をする。

 ジャマトがカズマの方へと向かおうとすると。

 

???「アッパレよ!佐藤和真!」

 

 そんな声と共に、ジャマトが吹っ飛ぶ。

 その声の主は。

 

カズマ「ケケラか!」

ケケラ「待たせたわね!」

 

 そう、ケケラだった。

 ケケラは変身した状態で入ってきていた。

 

ケケラ「カズマ!アンタにこれを渡すわ!」

 

 ケケラはそう言うと、バックルをカズマに渡す。

 それは、ブーストマークIIレイズバックルだった。

 

カズマ「これは……………。」

ケケラ「アンタなら使えるんじゃない?」

カズマ「……………ったく。しょうがねぇなぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 カズマはそれを見る中、ケケラはそう言う。

 カズマはそう叫ぶと、ブーストマークIIレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 その音声が鳴ると、カズマの周囲にバイクのマフラーから火が出る絵とBOOSTの文字が五つ浮かぶ。

 カズマは、バックルを操作する。

 

BOOST MARK II

REDAY FIGHT

 

 その音声が鳴ると、カズマはブーストフォームマークIIに変身する。

 

要「何……………!?」

ケケラ「行くわよ、カズマ!」

カズマ「ああ!」

 

 要が驚く中、ケケラとカズマは向かっていく。

 

カズマ「おらっ!ハアッ!」

 

 カズマは素早く動いて、ジャマトを倒していく。

 

ケケラ「ハアッ!はっ!」

 

 ケケラはジャンプしながらレーザーレイズライザーを撃ち、ジャマトを倒していく。

 二人の攻撃によって、ジャマトは倒される。

 

要「ハァァァァァ!」

カズマ「おらっ!はっ!」

 

 要がそう叫びながら向かう中、カズマも要の方に向かい、攻撃をしていく。

 要も攻撃していくが、ブーストマークIIの力に押され気味だった。

 

要「なっ!?こんな筈じゃ……………!?」

ケケラ「一気に決めるわよ!」

カズマ「おう!」

 

 要がそう言うと、カズマとケケラは必殺技を叩き込もうとする。

 

FINISH MODE

LASER VICTORY

BOOST STRIKE

 

カズマ「でやっ!」

ケケラ「ハァァァァァ!」

要「ぐぅぅぅぅぅ!?」

 

 カズマの拳のパンチとケケラの銃撃が要の近くで着弾して、爆発する。

 それを受けて、要は変身解除する。

 

カズマ「俺の勝ちだ。」

要「こんな筈じゃ……………この借りはいずれ返します。」

 

 カズマがそう言うと、要は悔しそうにそう言いながら、去っていく。

 カズマが変身解除すると、倒れかけるが、ケケラが支える。

 

カズマ「ケケラ……………。」

ケケラ「良くやったわね。」

 

 二人はそう話すと、闘技場から去っていく。

 ジャマトを倒した後、祭りの打ち上げが行われていた。

 ただし、俺は寝てしまっているので、参加していない。

 カズマ達は、打ち上げを楽しんだ。

 そして、クレアとレインの二人がアイリスを迎えにきた。

 

クレア「アイリス様!いつの間にアクセルに来ていたのですか!?」

アイリス「ごめんなさい。」

レイン「でも、無事で良かったです。」

 

 クレアがそう言うと、アイリスは謝る。

 レインがそう言う中、カズマが口を開く。

 

カズマ「アイリスだって、来たかったんだから別に良いだろ?」

クレア「貴様、少し黙っていろ。」

ダクネス「とにかく、アイリス様の事、頼みます。」

レイン「はい。それでは、テレポート!」

 

 カズマがそう言うと、クレアはそう言い、ダクネスはそう言う。

 レインのテレポートによって、アイリス達は王都に帰った。

 

白夜「それにしても、湊翔の奴、ブーストマークIIを使ったんだってな?」

トウカ「うん。今は寝てる。」

朱翼「やはり、あのバックルが関係していそうですよね。」

武劉「まあ、カズマも手に入れたわけだが……………。」

 

 白夜達がそう話す中、めぐみんの肩にカズマが寄りかかる。

 

めぐみん「カズマっ!?」

ダクネス「寝ている様だな……………。」

アクア「ったく。こんな所で寝ないでよ。」

めぐみん「まあまあ。今日の所は良いではないですか。それでは、運ぶのを手伝ってください。」

 

 カズマが寄りかかって来た事に驚いたが、寝ていると分かり、アクアはそう言う。

 めぐみんたちは、カズマを連れて、屋敷へと帰るのだった。




今回はここまでです。
今回は、カズマの活躍回です。
カズマも、ブーストマークIIを獲得しました。
ファイナルステージで、タイクーンがブーストマークIIになっていますし。
今回の話で第10章は終わり、第11章に入ります。
次回は、狐狩りゲームをやろうかなと思います。
どんな感じにやるのかは、色々と考えています。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のガッチャードは、色々と落差が激しかったですね。
雉野役とソノザ役の人が出てきたと思ったら、りんねと静奈がアトロポスによって対立されたり。
次回は、ガッチャードが何故かマジェードにライダーキックを行っているので、りんねが死ぬんですかね。
それを見て、『城之内死す』が頭をよぎりましたね。
もしりんねが死んだら、ギーツに続いて、31話で2号ライダーが死ぬ事になりますね。
果たして、どうなるのか。
そして今日は、ギーツエクストラの仮面ライダーゲイザーが配信されましたね。
ニラムの過去が分かったりして、良い作品でした。
そして、ジャマト・アウェイキングへと繋がる。
ギーツエクストラの仮面ライダーゲイザーは、この小説でもやる予定です。
ネメルやミイルも出す予定です。
ゲイザーでリクエストがあれば、受け付けています。
そして、アウトサイダーズで新たな仮面ライダー、ゼロスリーが判明しましたね。
変身者は誰なのか。
自分的には、イズかワンチャン或人社長ですかね。
高橋文哉さんが忙しいので、厳しいと思いますが。
ジョージ・狩崎も動くかどうか気になるので、楽しみです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第11章
第92話 狐狩りゲーム


 エリス感謝祭とアクア感謝祭が終わったその翌日。

 俺は拓巳達と話していた。

 

拓巳「なるほど……………本当に良いのか?」

湊翔「まあ、俺の精神的負担がそこまで大きくないから大丈夫だ。」

ツムリ「分かりました。それでは、その様に手配致します。」

ギロリ「なるべくは、精神的負担をかけない様に配慮しよう。」

 

 俺と拓巳達は、そう話す。

 精神的負担がかかるのは避けられないが、少しでも減らしておきたい。

 ちなみに、どうやら、デザグラの運営は、俺の過去を把握しているらしい。

 多分、ジーンも。

 まあ、それは置いておくとしよう。

 その後、デザイア神殿にカズマ達が集められた。

 

カズマ「まさか、また招集が来るなんてな。」

めぐみん「またジャマト絡みでしょうか?」

ダクネス「それにしては、湊翔の姿が見えないのだが………………。」

白夜「何か知らねえか?」

トウカ「さぁ……………?」

朱翼「朝から見ませんよね?」

武劉「そうだな………………。」

 

 カズマ達はそんな風に話していた。

 そこにツムリと拓巳の二人がやってくる。

 

ツムリ「みなさん、お集まりいただき、ありがとうございます。」

カズマ「それで、またジャマトが現れたのか?」

拓巳「事情は少し異なる。君たちには、あるミッションを受けてもらう。」

トウカ「ミッション?」

 

 ツムリがそう言うと、カズマはそう聞く。

 拓巳がそんな風に答えると、トウカは首を傾げる。

 すると、拓巳の次の言葉に、カズマ達は驚いた。

 

拓巳「受けるミッションは、狐狩りゲーム。」

白夜「狐狩り?」

拓巳「その目的は………………桐ヶ谷湊翔、仮面ライダーギーツと戦う事。」

カズマ達「っ!?」

 

 拓巳がそう言うと、白夜は首を傾げ、次の言葉に全員が驚く。

 すると、カズマ達は口を開く。

 

カズマ「ハアッ!?何だって急に!?」

めぐみん「嘘……………ですよね?」

拓巳「気持ちは分かる。だが、事実だ。」

 

 カズマとめぐみんがそんな風に言うと、拓巳はそう答える。

 すると、トウカが拓巳の胸ぐらを掴む。

 

トウカ「どういうつもり?湊翔を倒せって言うの?ふざけないで!!」

ダクネス「トウカ、落ち着け!!」

朱翼「落ち着いて下さい!」

白夜「マジか………………。」

武劉「どういう事か、説明をお願いしますよ?」

 

 トウカがそんな風に叫ぶ中、ダクネスと朱翼はトウカを抑えて、白夜と武劉はそう言う。

 拓巳は口を開く。

 

拓巳「………………説明する。ジャマトグランプリが始まって、馬場武達やジャマトはますます強くなっている。そこで、君たちには、対人戦に慣れてもらう為に、湊翔をターゲットにしたミッションを行う事にしたのだ。無論、彼の許可は取ってある。」

トウカ「それは………………。」

白夜「そういう事だから、まあ落ち着けよ。」

 

 拓巳がそう言うと、トウカは渋々引き下がった。

 ツムリが口を開く。

 

ツムリ「これから皆さんには、別々の場所に転送します。湊翔様には、GMライダーが誘導する形で、誰か一人の場所に向かわせます。来たら、彼と戦闘をして下さい。」

カズマ「お、おう………………。」

ダクネス「わ、分かった………………。」

 

 ツムリがそう言うと、カズマとダクネスはそんな風に言う。

 そうして、カズマ達は転送された。

 その頃、俺はというと。

 

湊翔「……………さて、まずは誰と戦うのかな。」

 

 そんな風に呟いていた。

 参加者はカズマのパーティーと、俺を除いた残りのパーティーだそうだ。

 まあ、白夜達も強敵だからな。

 どんな感じになるのだろうか。

 すると、GMライダーが現れる。

 

湊翔「あれが誘導役ってわけか。」

 

 俺がそう言うと、GMライダーは俺に向かって攻撃してくる。

 

湊翔「ちょっ!?攻撃してくんのかよ!?」

 

 俺はそう毒づきながら、回避する。

 GMライダーの武装は、アームドドリルとアームドアローだ。

 ドリルは接近に警戒して、アローはちょくちょく警戒する感じだな。

 俺はそんな風に思いながら、移動を開始する。

 その一方で、トウカは。

 

トウカ「……………湊翔と本気で戦うのね。」

 

 トウカはそんな風に呟いていた。

 しばらくすると、俺に向かって攻撃していたGMライダー達が動きを止める。

 すると。

 

トウカ「………………湊翔。」

湊翔「まずはトウカか。」

 

 トウカが話しかけてきて、俺はトウカの方へと向く。

 GMライダー達は、離れた。

 

湊翔「まさか、こうしてガチでぶつかる事になるなんてな。練習で戦ったことはあるけどさ。」

トウカ「そうね。………………ふぅ。覚悟を決めたわ。行くわよ。」

湊翔「ああ。」

 

 俺がそう言うと、トウカはまだ迷いがある表情を浮かべていたが、一息吐いて、顔を叩くと、気合を入れた表情を浮かべる。

 俺とトウカは、それぞれのバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横に白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、トウカの横に青の持ち手と銀色の刀身の剣の絵と英語でCALIBERの文字が浮かぶ。

 そして、俺とトウカは叫ぶ。

 

「「変身!」」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

CALIBER

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、トウカはラウンズ・カリバーフォームに変身する。

 しばらく、お互いに見ていたが、風が少し吹き止むと。

 

湊翔「ハァァァァァ!」

トウカ「ハァァァァァ!」

 

 俺とトウカはそう叫びながら、お互いに向かっていく。

 俺はマグナムシューターを撃ちながらの格闘戦を、トウカはソードエクスカリバーを振るう。

 俺とトウカは、お互いの攻撃を躱しながら、攻撃をしていく。

 

トウカ「やるわね、湊翔!」

湊翔「悪いけど、負けてられないからな!」

 

 俺とトウカはそう話しながら、攻撃をしていく。

 しばらくすると、戦闘の終了のブザーが鳴る。

 

湊翔「ここまでか。」

トウカ「そうみたいね。」

 

 俺とトウカはそう話すと、攻撃をやめる。

 トウカは変身解除するが、俺はそのままだ。

 どうせ、この後も戦うしな。

 すると、トウカが口を開く。

 

トウカ「ねえ、何でこんなゲームをやる事を了承したの?」

湊翔「……………何でか。対人戦に慣れる為というのもあるけど、色んな状況を想定した戦いをしたいかなって思ってさ。」

トウカ「色んな状況を?」

湊翔「ああ。俺たちの仲間を見ても、格闘戦を主体にする白夜に武劉、剣撃を主にする朱翼にトウカ、カズマ、場合によっては変えるダクネスやめぐみん。色々あるからさ、慣れておきたくてな。」

 

 トウカがそう聞くと、俺はそう答える。

 このジャマトグランプリは、デザイアグランプリでのルールが通用しない物が多くある。

 実際、ジャマトグランプリとデザイアグランプリでは、人間とジャマトの立場が全くの逆なのだから。

 だからこそ、あらゆる事態を想定して、これを受ける事にしたのだ。

 それを聞いたトウカは。

 

トウカ「………………そっか。なら、気をつけてよ?相手は強いんだから。」

湊翔「分かってる。それじゃあ。」

 

 トウカはそんなふうに言うので、俺はそう返す。

 俺は別の場所へと移動する。

 次は誰になるのかな。

 しばらくすると、GMライダーが攻撃をやめる。

 到着したみたいだな。

 すると。

 

白夜「よお。」

湊翔「白夜か。」

 

 そんなふうに声をかけられ、俺は声がした方を向く。

 そこには、既にライコウに変身している白夜の姿があった。

 

白夜「こうして、ガチでぶつかる事になるとはな。全力で来い!」

湊翔「ああ。」

 

 白夜はそんな風に言う。

 俺はそれを聞いて、デザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、フィーバースロットレイズバックルを出して、デザイアドライバーのレイズバックルが装填されていない方に装填する。

 

SET FEVER

 

 俺は、フィーバースロットレイズバックルのレバーを倒す。

 スロットが回転して、『MAGNUM』の絵柄に止まる。

 

MAGNUM

HIT FEVER MAGNUM

 

 俺はギーツ・フィーバーマグナムフォームに変身する。

 ここでブーストマークIIを使うのは、この後の戦いに影響を及ぼす可能性が高いからな。

 それを見た白夜は。

 

白夜「フィーバーマグナムか。良いぜ。相手になってやるよ!」

湊翔「ああ!」

 

 白夜はそんな不敵な笑みを浮かべ、俺もそう言う。

 俺と白夜は、お互いに向かっていく。

 

湊翔「はあっ!ふっ!」

白夜「おらっ!はっ!」

 

 俺はマグナムシューターを撃ちながら、両手両足のアーマードガンで銃撃しながらの攻撃をしていく。

 白夜は、素早く動きながら、攻撃をしていく。

 やっぱり、生半可な攻撃は白夜には効かないか。

 俺はマグナムレイズバックルを操作する。

 

HYPER MAGNUM VICTORY

 

 その音声が鳴る中、俺は、二丁のマグナムシューターのバレットチャージャーを引く。

 

BULLET CHARGE

 

湊翔「ハアッ!」

白夜「うおっ!?」

 

 俺はダンスを踊る様に回転しながら、アーマードガンやマグナムシューターから銃撃を行なっていく。

 それにより、周囲に範囲攻撃を行う事で、白夜に確実に攻撃を当てるのだ。

 ダンボール戦機の必殺技であるクレイジーサイクロンを参考にした。

 白夜は被弾覚悟でこっちに向かってくる。

 俺と白夜は攻撃が当たり、お互いに吹っ飛ぶ。

 変身解除には至っていないが。

 すると、ブザーが鳴る。

 

白夜「ここまでか。」

湊翔「みたいだな。」

 

 俺と白夜はそう話して、お互いに立ち上がる。

 白夜は口を開いた。

 

白夜「まあ、お前が何を考えているのかは知らないけどな、頑張れよ。」

湊翔「ああ。」

 

 白夜はそんなふうに言うので、俺はそう答える。

 俺は移動する。

 次は誰が相手だろうな。

 しばらくすると、到着したのか、GMライダー達が動きを止める。

 

朱翼「湊翔さん。」

湊翔「朱翼か。」

 

 そんなふうに声をかけられたので、俺は声のした方を向くと、そこにはスワンに変身した状態の朱翼の姿があった。

 朱翼は、フィーバーフルートフォームの姿になっていた。

 

湊翔「朱翼がフルートのレイズバックルを使ってるの久しぶりに見たな。」

朱翼「まあ、ここ最近はハーメルンレイズバックルを使っていますからね。たまにはこちらも良いかなと思って。」

湊翔「それじゃあ、行くか。」

 

 俺と朱翼はそんなふうに話す。

 俺と朱翼は、それぞれの武器を持ち、向かっていく。

 

湊翔「はっ!ハアッ!」

朱翼「はっ!てやっ!」

 

 俺はマグナムシューターを、朱翼はフルートソードを使って、攻撃をしていく。

 俺はマグナムシューターやアーマードガンを使った中距離からの攻撃を行う中、朱翼は銃撃を躱して、こっちに向かって攻撃をしていく。

 しばらくすると、戦闘終了のブザーが鳴る。

 

湊翔「ここまでみたいだな。」

朱翼「ですね。」

 

 俺と朱翼はそう話す。

 朱翼は変身を解除する。

 すると、朱翼が話しかけてくる。

 

朱翼「トウカさん、湊翔さんがターゲットにされて怒っていましたから、ちゃんと謝って下さいよ?」

湊翔「ああ、分かってるよ。」

 

 朱翼はそんな風に言うので、俺はそう返す。

 心配をかけたからな。

 俺は再び移動を開始する。

 しばらく移動すると、GMライダーは動きを止める。

 

武劉「来たか。」

湊翔「ああ。」

 

 その声の主は、武劉だった。

 武劉はダイル・フィーバーバスターフォームに変身していた。

 

武劉「特に何を話すわけではないが、行くぞ。」

湊翔「ああ。」

 

 武劉はそんなふうに言う。

 俺と武劉は、お互いに攻撃を仕掛けていく。

 

湊翔「ハアッ!ふっ!はっ!」

武劉「ふっ!はっ!ハアッ!」

 

 俺はマグナムシューターとアーマードガンで、武劉は肩と膝の砲台で攻撃を行なっていく。

 とはいえ、銃撃と砲撃だと、無論砲撃の方が威力が上回り、俺は躱す必要があった。

 しばらくすると、戦闘終了のブザーが鳴り響いた。

 

武劉「ここまでだな。」

湊翔「ああ。」

 

 俺と武劉はそんな風に話す。

 流石は自衛隊のSP。

 そう簡単には行かないよな。

 すると、武劉が口を開く。

 

武劉「まあ、あとはカズマ達のパーティーだ。油断するなよ?」

湊翔「ああ。」

 

 武劉はそう言うので、俺はそう答えて、移動を開始する。

 しばらくすると、GMライダーは動きを止める。

 

めぐみん「湊翔じゃないですか。」

湊翔「めぐみんか。」

 

 そこに居たのは、めぐみんだった。

 めぐみんはナーゴ・フィーバービートフォームに変身していた。

 

めぐみん「くっくっくっ……………!こうして、本気で戦うのは初めてですね。」

湊翔「まあな。」

めぐみん「それじゃあ、行きますよ!」

 

 めぐみんは厨二病的なセリフを言い、そんな風に言いながら、攻撃をしていく。

 

めぐみん「はっ!ハアッ!」

湊翔「ふっ!はっ!」

 

 俺は引き続き、マグナムシューターとアーマードガンで銃撃する中、めぐみんはビートアックスを使って攻撃していく。

 めぐみんもずいぶんと格闘戦に慣れている物だな。

 ビートアックスを使って、エレメント攻撃も行なっていく。

 俺も負けじとマグナムシューターとアーマードガンで攻撃していく。

 しばらくすると、戦闘終了のブザーが鳴る。

 

湊翔「終わりか。」

めぐみん「みたいですね。」

 

 俺とめぐみんはそう話し、めぐみんは変身解除する。

 すると、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「くっ!まだ湊翔には勝てませんでしたか。悔しいです!」

湊翔「あははは………………。」

 

 めぐみんがそんな風に言うと、俺は苦笑する。

 そうして、俺は移動を再開する。

 GMライダーの誘導も慣れたもんだな。

 しばらくすると。

 

ダクネス「湊翔か。」

湊翔「なるほど、ダクネスか。」

 

 ダクネスの姿があった。

 ダクネスは、バッファ・ゾンビブーストフォームに変身していた。

 

ダクネス「こうして見ると、お前とは全力でぶつかった事があまり無いな。」

湊翔「そりゃあ、お前の性癖とかでこっちも引いてんだよ。」

ダクネス「くぅん!悪くはないが、全力で行かせてもらうぞ!」

湊翔「本当にいつも通りだな。」

 

 ダクネスがそう言うと、俺はそう答える。

 本当に、ダクネスの性癖は引くんだよな。

 俺たちは、戦闘を開始する。

 

湊翔「はっ!はっ!」

ダクネス「てやっ!ハアッ!」

 

 俺がマグナムシューターやアーマードガンで攻撃する中、ダクネスはブーストの力で被弾を気にせずに突進していく。

 まあ、性癖もあるだろうが。

 とはいえ、ゾンビブレイカーでの攻撃も行うので、それは躱す。

 当たったらひとたまりもないだろうならな。

 しばらくすると、戦闘終了のブザーが鳴る。

 

ダクネス「なんだ、もう終わりか。」

湊翔「その言い方は何だよ?」

 

 ダクネスは少し残念そうにそう言う中、俺はそう突っ込む。

 すると、ツムリから連絡が入る。

 

ツムリ『湊翔様。これまでの連戦、お疲れ様でした。少し、休憩をしてはどうでしょうか?』

湊翔「そうだな………………確かに疲れたからな。休むか。」

 

 ツムリからそう言われ、俺はそう言う。

 流石に疲れたし、腹も減った。

 俺は変身解除して、別室に移動する。

 あとはカズマだけか。

 移動すると。

 

ジーン「やあ、待ってたよ。」

湊翔「……………何でジーンが居るの?」

ジーン「そりゃあ、君のサポーターだからね!それくらいは当然さ。」

湊翔「………………そうか。」

 

 その部屋にはジーンの姿があり、食べ物が置いてあった。

 あまり顔を合わせたくはないが、無下にも出来ないので、食べる事に。

 俺が食べている中、ジーンが口を開く。

 

ジーン「それにしても、タイクーンがラストバトルなんてね。でも彼は最弱職である冒険者。君なら余裕で倒せるでしょ?」

湊翔「…………そうでもないさ。確かに、カズマは冒険者だ。だが、ほぼ制御不可能なアクア達を制御したり、戦う時の機転の良さとかが、あいつの強みだ。正直、味方だと頼もしいけど、敵に回すと一番厄介なんだよな。カズマは。」

ジーン「ふ〜ん………………。」

 

 ジーンがそんな風に言う中、俺はそう言う。

 実際、上級職であるミツルギやクレアにジャイアントキリングを果たしているのだ。

 正直、どんな感じで来るのかは、全く想像がつかない。

 油断は禁物だな。

 そんな風に思いながら、俺は食事をしていく。

 一方、カズマは。

 

カズマ「俺が最後かよ。」

ケケラ「カズマ!差し入れ持ってきたわよ!」

 

 カズマがそう言う中、ケケラはそう言いながら、飯を持ってくる。

 おにぎりだが。

 カズマはそれを食べる中、ケケラが話しかける。

 

ケケラ「それにしても、湊翔と最後に戦うなんてね。大丈夫?」

カズマ「大丈夫って……………アイツが相手だぞ?勝てるかどうか……………。」

ケケラ「大丈夫よ。アンタだって、力を手に入れたじゃ無い。」

 

 ケケラがそう話しかけると、カズマは少し頭を抱えながらそう言う。

 すると、ケケラはそう言う。

 

カズマ「ケケラ……………。」

ケケラ「アンタならやれるって信じてるからね。頑張りなさいよ?」

カズマ「ったく。しょうがねぇな。」

 

 ケケラはそんな風に言うと、カズマは髪をくしゃくしゃしながらそう言う。

 その頃、ギルドの酒場では。

 

白夜「あいつ、かなり強くなってたな。」

トウカ「うん。」

朱翼「そうですね。」

武劉「そっちはカズマだけか?」

めぐみん「そうですね。」

ダクネス「私たちは応戦したのだがな。」

アクア「そんな事をしてたの?」

 

 白夜達はそんなふうに話しながら食事をしていた。

 すると。

 

ダスト「何の話だ?」

白夜「ダストか。」

武劉「というより、他にも沢山いるな。」

 

 ダストがそんなふうに声をかけてきて、白夜達はそう言う。

 そこには、ダスト、リーン、ゆんゆん、狼菜、アクセルハーツの姿があった。

 

狼菜「何の話をしていたんですか?」

リア「気になるな。」

トウカ「あぁ……………実はね。」

 

 狼菜とリアがそう聞くと、トウカは事情を説明する。

 狐狩りゲームのことを。

 それを聞いたダスト達は。

 

ダスト「面白そうじゃねぇか!俺たちも見て良いか?」

武劉「構わないが……………。」

リーン「それにしても、カズマと湊翔が戦うなんてね。どんなふうになるのかしら。」

リア「確かに。気になるよな。」

シエロ「ですね。」

エーリカ「カズマもあのミツルギって人を倒してたからね。ありえるわね。」

ゆんゆん「私は湊翔さんが勝つと思いますけど……………。」

狼菜「まあ、見てみないと分からないわよ。」

 

 そんな風に話して、トウカ達はデザイア神殿へと向かう。

 到着すると、そこには先客がいた。

 

ダクネス「龍に炎魔達も居たのか。」

龍「よお。」

アフロディテ「ご無沙汰しています。」

炎魔「特訓をしていたら、狐狩りゲームをやるなんて聞いてよ。見に来たんだ。」

彩花「どんな感じに戦うのか、気になりますからね。」

隼「そういう訳で、お邪魔しているよ。」

龍牙「色々作ったから、食べながら見ようぜ。」

トウカ「……………そうしましょう。」

 

 ダクネスがそう言うと、龍達はそんな風に言う。

 トウカ達は、龍牙が作ったスナックを食べながら、観戦をする事に。

 その一方で、俺はGMライダーの誘導のもと、カズマの方へと向かっていた。

 しばらくすると、GMライダーは動きを止める。

 

カズマ「………………よお。」

湊翔「うん?カズマか。」

 

 カズマがそんなふうに声をかけてきて、俺はそう答える。

 GMライダー達が下がる中、俺は口を開く。

 

湊翔「それにしても……………こうして対面で、更には本気で戦う事は、特訓の時にもなかったな。」

カズマ「お前には色々と感謝してるよ。でも、俺だって負けてられねぇんだよ。」

湊翔「………………ふっ。強くなったな。」

 

 俺がそう言うと、カズマはそう返す。

 俺とカズマは、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

 

 すると、俺の横に白色のシリンダーと英語でMAGNUMという文字が、カズマの横に、緑の手裏剣の絵とNINJAの文字が浮かぶ。

 そして、俺とカズマは叫ぶ。

 

「「変身!」」

 

 そう言って、それぞれのレイズバックルを操作する。

 

MAGNUM

NINJA

REDAY FIGHT

 

 俺はギーツ・マグナムフォーム、カズマはタイクーン・ニンジャフォームに変身する。

 俺たちは互いを見ていると、お互いに駆け出していく。

 

湊翔「ふっ!はっ!」

カズマ「ハァァァァァ!でやっ!」

 

 俺はマグナムシューターを撃ちながらカズマに向かい、カズマはそれを躱しながら、ニンジャデュアラーを構える。

 お互いに攻撃し合い、攻撃を躱していく。

 だが、流石に躱しきれずに、お互いに攻撃を喰らって、吹っ飛ぶ。

 そんな中、お互いにデザイアドライバーのリボルブアンロックを押して、ドライバーのロックを外して、半回転させる。

 

REVOLVE ON

 

 そして、フィーバースロットレイズバックルを出して、デザイアドライバーのレイズバックルが装填されていない方に装填する。

 

SET FEVER

 

 俺とカズマは、フィーバースロットレイズバックルのレバーを倒す。

 スロットが回転して、俺は『MAGNUM』、カズマは『NINJA』に止まる。

 

MAGNUM

NINJA

HIT FEVER MAGNUM

HIT FEVER NINJA

 

 俺はギーツ・フィーバーマグナムフォームに、カズマはタイクーン・フィーバーニンジャフォームに変身する。

 

湊翔「ハアッ!でやっ!」

カズマ「おらっ!はっ!」

 

 俺たちは、それぞれの武器を手に、攻撃をしていく。

 カズマは素早く動く中、俺は弾幕を張り、範囲攻撃をしていく。

 素早く動く奴には、範囲攻撃で制圧するのが定石だからな。

 実際、仮面ライダージオウで、クロックアップをするアナザーカブトに対して、ウォズギンガファイナリーの惑星攻撃で倒していたからな。

 その範囲攻撃にカズマは当たるが、俺もニンジャデュアラーの攻撃を受ける。

 俺たちは少し離れて、コマンドツインバックルを取り出して、装填する。

 

SET

 

 待機音が鳴る中、俺とカズマはバックルを操作する。

 

GREAT

REDAY FIGHT

 

 俺とカズマはレイジングフォームになり、レイジングソードを持つ。

 ちなみに、カズマはデザイアドライバーの左側に装填して、俺はデザイアドライバーの右側に装填した。

 

カズマ「ふっ!」

湊翔「ふっ!ハアッ!」

 

 俺とカズマは、レイジングソードを持って、お互いに攻撃していく。

 鍔迫り合いをしたり、お互いに斬ったり。

 カズマも強くなってるな。

 すると、レイジングソードからチャージ音が鳴り、レイジングソードのバックルを操作する。

 

FULL CHARGE

 

 すると、バックルが外れたので、デザイアドライバーに装填する。

 俺はデザイアドライバーの左側に、カズマはデザイアドライバーの右側に。

 

TWIN SET

 

 すると、俺の目の前に、飛行機の翼の絵と英語でJETの文字が上側に、キャノンの絵と英語でCANNONの文字が下側に出て、カズマの方は、キャノンの絵と英語でCANNONの文字が上側に、飛行機の翼の絵と英語でJETの文字が下側に出る。

 俺達は、先ほど装填したレイズバックルを操作する。

 

TAKE OFF COMPLETE JET & CANNON

REDAY FIGHT

 

 俺とカズマは、コマンドフォームに変身する。

 俺はジェットモードに、カズマはキャノンモードに。

 

湊翔「ふっ!はっ!」

カズマ「オラっ!はっ!」

 

 俺とカズマは、レイジングソードをぶつけるだけでなく、カズマはトロンキャノンから砲撃を行い、俺は飛行しながら攻撃をしていく。

 狙撃スキルも用いているのか、命中率が高い。

 俺とカズマはある程度戦うと、バックルを交換する。

 

SET CREATION

SET

 

 バックルを装填すると待機音が流れ、俺たちは互いにバックルを操作する。

 

DEPLOYED POWERED SYSTEM

GIGANT SWORD

ANOTHER FORM TO WEAR

READY FIGHT

 

 俺はギーツ・パワードビルダーフォームに、カズマはタイクーン・アバターフォームに変身する。

 

湊翔「ふっ!はっ!」

カズマ「ハアッ!おらっ!」

 

 俺はギガントソードで、カズマはショベルカーを模したアームで攻撃していく。

 お互いにパワーが凄まじく、周囲には衝撃波が拡散される。

 カズマは、別のバックルに変える。

 

PSYGA CHANGE AVATAR

REDAY FIGHT

 

 その音声が鳴ると、カズマの背面にジェットパックが装着される。

 俺はギガントブラスターに変えて、壁や柱などを生成する。

 だが、カズマはそれを躱す。

 

湊翔「やるな!」

カズマ「俺はやる時はやるカズマさんなんだよ!」

 

 俺とカズマはそう話す。

 攻防の末、俺たちは互いにブーストマークIIレイズバックルを取り出し、デザイアドライバーに装填する。

 

SET

 

 その音声が鳴ると、俺とカズマの周囲にバイクのマフラーから火が出る絵とBOOSTの文字が五つ浮かぶ。

 俺とカズマは、バックルを操作する。

 

BOOST MARK II

REDAY FIGHT

 

 その音声が鳴ると、俺とカズマはブーストフォームマークIIに変身する。

 俺とカズマは、しばらくお互いを見ていた。

 

湊翔「ハァァァァァ!」

カズマ「オラァァァァァ!」

 

 俺とカズマはそう叫ぶと、お互いに向かっていく。

 

湊翔「ふっ!はっ!」

カズマ「おらっ!はっ!」

 

 俺とカズマは、お互いにパンチで攻撃していく。

 俺とカズマの攻撃は、周囲に衝撃波を生む。

 高速移動も行なっていく。

 だが、次第に眠くなってくる。

 

湊翔「そろそろ限界か……………。」

カズマ「俺も……………次で決めるぞ。」

湊翔「ああ。」

 

 俺とカズマはそんな風に話す。

 そして、ブーストマークIIレイズバックルを操作する。

 

BOOST STRIKE

 

「「ハァァァァ!!」」

 

 俺とカズマはそう叫ぶと、お互いに強力なパンチを叩き込んでいく。

 俺とカズマがしばらく叩き込む中、溜まったエネルギーが爆発する。

 

湊翔「くっ!?」

カズマ「うわっ!?」

 

 俺とカズマは吹っ飛び、変身解除する。

 そして、意識を失う。

 それを見ていたメンツは。

 

白夜「凄え戦いだな……………。」

龍「ああ。」

リーン「カズマって最弱職の冒険者だけど、あんなに互角に立ち回るなんて凄いわね…………。」

 

 白夜達は、そんなふうに話していた。

 そんな中、トウカは心配そうに俺の事を見ていた。

 無論、ゆんゆんとリアもだ。

 そうして、狐狩りゲームは終わりを迎えた。

 その後、カズマは目を覚ました。

 

カズマ「ここは……………デザイア神殿か?」

 

 カズマはそんな風に呟く。

 起きると同時に、何があったのかを思い出す。

 引き分けになったのだと。

 

カズマ「やっぱり、アイツは強いよな。(でも…………だとしたら、あれは何だったんだ?あの裁判での湊翔は。)」

 

 カズマはそんな風に呟く中、そんな風に考える。

 カズマは思い返していた。

 アルダープとの裁判で見た俺は、あまりにも弱々しく、怯えていたと。

 そんな風に考えていると。

 

ジーン「お邪魔するよ。」

 

 そんなふうに言いながら、カズマの居る部屋にジーンが入ってくる。

 

カズマ「お前は……………湊翔のサポーターのジーンだろ?」

ジーン「どうも。君と湊翔の戦いは本当に感動したよ!激しい攻防戦を繰り広げた君に、お礼をしたくてね。」

 

 カズマがそう言うと、ジーンはそんな風に言う。

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「それで、それを言いに来ただけか?」

ジーン「いや、他にも用事があってね。ゲームマスター達の許可を得て、ある事を話そうと思ってね。」

カズマ「ある事?」

ジーン「君も気になったんじゃ無いのかな?なぜ、あんなに強い湊翔が一度だけ、あんな弱々しい姿を見せたのか。」

 

 カズマがそう聞くと、ジーンはそう答える。

 それを聞いたカズマが驚いた表情を浮かべる中、ジーンは話し始める。

 俺の過去を。

 しばらくして、それを聞き終えたカズマは、驚いた表情を浮かべる。

 

カズマ「………………マジか。」

ジーン「本当だ。気になるのなら、アテナにでも聞いてみると良い。それじゃあ。」

 

 カズマがそう呟く中、ジーンはそう言って、その場から去っていく。

 カズマは少し考えて、トウカが居る場所へと向かう。

 カズマは俺の看病をしているトウカの元へと着く。

 

カズマ「トウカ、ちょっと良いか?」

トウカ「カズマ。目が覚めたのね?」

カズマ「ああ。湊翔は?」

トウカ「まだよ……………。」

カズマ「そうか。」

 

 カズマがそう聞くと、トウカはそう言う。

 すると、カズマは意を決して、口を開く。

 

カズマ「それでさ……………ジーンから聞いた。湊翔の過去を。」

トウカ「っ!?ジーンが?」

カズマ「本当なのかを聞きたくて。」

 

 カズマがそう言うと、トウカはそんなふうに反応する。

 カズマは俺の過去を語ると、トウカは苦々しい表情で口を開く。

 

トウカ「ええ、本当よ。」

カズマ「そうか……………。そういえば湊翔のサポーターのジーンやケケラが言ってたけど、トウカは湊翔の過去を知って湊翔のことが心配になったから地上に来たんだよな?湊翔を守るために。」

トウカ「なっ!あいつら、余計なことを言いやがって!」

 

 トウカが肯定する中、カズマはそう言い、トウカは恥ずかしそうにそう言う。

 すると、トウカは口を開く。

 

トウカ「というか今思ったんだけど…………。」

カズマ「ん?何だ?」

トウカ「いや、ただカズマってこういう人の恥ずかしい秘密を知ると、特に女に対しては何かしら要求してくるやつだと思ったから少し意外に感じて……………。」

カズマ「いや!流石に秘密を揺さぶりにかけて女を脅すような真似はしねぇよ!」

トウカ「ほぉ……………紅魔の里でめぐみんと部屋で2人きりになったとき、めぐみんにイタズラしようとしたお前が言ってもあまり説得力がないんだが。」

カズマ「うっ!いや、あれは別にイタズラとか襲おうとかしたんじゃなくて…………ちょっとした戯れというか……………。」

 

 トウカがそんな風に言うと、カズマはそう叫ぶ。

 トウカのツッコミにカズマがたじろぐ中、トウカは冷たい目でカズマを見る。

 

カズマ「……スーッ。……あの時はすみませんでした。」

 

 カズマはそんな視線に耐えきれなくなったのか、そんな感じに謝る。

 すると、カズマは口を開く。

 

カズマ「というより、トウカや湊翔のサポーターも湊翔のことについても配慮して湊翔のプライバシーを言ってないのに、なんでアクアは、俺のプライバシーを人前で言うんだ、いや別に湊翔よりはマシだが、マジで。」

トウカ「ホントすまん、ゼウス様に頼んで、一度折檻してもらったらどうだ?」

 

 カズマはそう言うと、トウカは同情しながらそう言う。

 

カズマ「アイツが湊翔の過去を見てたら、秒で他の奴にバラしそうだな。」

トウカ「その時は、容赦なくアクアを斬るけどね。」

カズマ「お、おう……………。」

 

 カズマがそんな風に言うと、トウカは光が消えた目でそんな風に言い、カズマは少し引く。

 すると。

 

湊翔「うぅ……………。」

トウカ「湊翔!起きたのか!」

カズマ「悪い。起こしちまったか?」

湊翔「大丈夫だ。なぁ。ゲームはどうなった?」

 

 俺は起きて、トウカとカズマはそう言う。

 俺はそう聞くと。

 

トウカ「あぁゲームのことな。それなら湊翔とカズマの引き分けという形で終わったぞ。ゲームが終わった後、2人ともボロボロだったから担いで帰ってきたんだ。」

湊翔「そうか……………。」

トウカ「湊翔?大丈夫か?どこか痛いところとかないか?」

湊翔「あぁ大丈夫だ。少し寝ぼけてるだけだ。」

カズマ「まあ、あんな連戦が続いたり、GMライダーに誘導されたりしてたら、疲れるよな。俺もそうだし。」

 

 俺の質問にトウカがそう答えると、俺はそう呟く。

 トウカが心配してそう言いながら手を握ってくる。

 俺がそう答えると、カズマはそう言う。

 俺は気になる事があり、口を開く。

 

湊翔「そういえば2人で何話してたんだ?なんか話し声がずっと聞こえてたけど。」

トウカ「っ!?」

カズマ「えっ!あ〜……………。もしかして、俺たちの会話、聞こえてたか?」

湊翔「いや?なんか話してるとは思ってたけど、会話の内容までは分かんなかったけど?」

 

 俺がそう聞くと、二人は慌てる。

 カズマがそう聞くと、俺はそんな風に答える。

 実際、寝ぼけてたし、分からんかったな。

 

トウカ「そうか…………良かった…………。」

湊翔「ん?なんか言ったか?」

トウカ「え?あ、いや!なんでもない!」

 

 トウカが小声で何かを言ったような気がしたが、そんなふうに言われた。

 すると、カズマが口を開く。

 

カズマ「そ…………それじゃあ!そろそろ夕飯だから俺は出るぜ!」

湊翔「ていうかカズマこそ体は大丈夫なのか?」

カズマ「あぁ!大丈夫大丈夫!ぐっすり眠れたから問題ない!それじゃあ先に行ってるからな!お前らも早く来いよ!」

 

 カズマはそんなふうに言うと、俺はそう言う。

 カズマはそう言いながら去っていく。

 俺はトウカに聞いた。

 

湊翔「カズマと何話してたんだ?」

トウカ「あ…………あ〜、そう!アクア!アクアのことだ!」

湊翔「アクア?アクアがどうしたんだ?また何がやらかしたか?」

トウカ「ほら!アクアって金遣いが荒くて借金作るし、祭りのときとかはネズミ講とかやってたろ?だからいい加減、金の使い方を改めさせようと話し合っててな。」

 

 俺がそう聞くと、トウカはそう答える。

 話をしている二人の顔を見ると、深刻そうだったが、アクアの事に関してか。

 

湊翔「あ〜…………確かに借金とかは今に始まったことではないけどネズミ講は流石にな…………。そろそろ金の使い方を教えた方がいいよな。」

トウカ「そうだろ?さぁさぁ!もうそろそろ夕飯だし行こう!今日は白夜たちが用意してくれたんだ!食欲はあるか?」

湊翔「ああ。」

トウカ「行こう!」

 

 俺がそう言うと、トウカはそう言う。

 俺とトウカは、夜飯を食う為にデザイア神殿を後にする。

 

トウカside

 

 皆と一緒に夕食を食べて、風呂に入り、寝る準備に入っていた。

 その時、私は思い出していた。

 アルダープが起こした裁判の際、死刑判決が下されそうになった湊翔の顔を。

 あの顔は、思わず身震いしてしまう程に恐ろしい物だった。

 目には光が灯っておらず、その表情はまるで絶望以外の感情の一切を感じさせないような無の表情でただただ何かを呟いていた。

 それを思い出して、私は胸を抑える。

 

トウカ「もうあんな湊翔は見たくない。湊翔には笑っていてほしい。」

 

 私はそんなふうに呟く。

 私は思い返していた。

 

ゼウス『……………よし。アテナ。お前が彼を守ってやれ。』

アテナ『ゼウス様……………?』

ゼウス『神器回収と共に、桐ヶ谷湊翔のサポートも行ってやれ。』

アテナ『良いんですか……………?』

ゼウス『ああ。仕事に関しては、お前の部下の天使に任せておけ。それに…………お前は少し働きすぎな気がするからな。息抜きしてこい。』

アテナ『ゼウス様……………。はい!行ってきます!』

 

 そんなふうに言われた事を。

 その時、私は決めたのだ。

 

トウカ「そうだ。私は湊翔を助けるためにここに来たんだ。今度こそ湊翔に幸せな人生を歩んでほしい。もしも湊翔がまた苦しい思いをした時は、私が湊翔を守ってやるんだ…………!」

 

 私はそんな風に言う。

 パジャマに着替えて、ベッドに寝転がると、ある事を思う。

 それは、いつ、湊翔に気持ちを伝えるかだ。

 私は女神として生まれてから、恋愛なんてした事ないし、男勝りな性格で、恋愛なんて関係ないと思っていた。

 そんな私が、湊翔に恋をした。

 湊翔の事を考えるとすごくドキドキする。

 こんな気持ちは初めてだけど、悪い気はしない。

 

トウカ(いつか湊翔にこの気持ちを伝えたい。そして湊翔といっぱい愛し合いたい。)

 

 そんな風に思う。

 ゆんゆんとリアの二人も、湊翔に惚れているというのは分かる。

 女神である私が、湊翔を独占してはいけないのかな。

 それでも……………。

 

トウカ「やっぱりこの気持ちに嘘はつけない。この思いを我慢することなんてできない。」

 

 私はそう呟く。

 湊翔への想いが日に日に大きくなっていく。

 

トウカ「いつか、湊翔とお互い本当の姿と思いで一緒に愛しあいたい。湊翔にアテナって本当の名前で呼ばれたい。」

 

 私はそんなふうに言う。

 私は少し妄想する。

 

湊翔『アテナ……………。』

アテナ『湊翔………………。』

 

 そんな風にお互いの名前を言って、お互いの口が合わさろうとして……………。

 それを思った瞬間、私は顔を赤くして、枕に顔を埋める。

 

トウカ「そして、いつの日か湊翔と……………。うふふふ……………。やっぱり、湊翔の事が好き。」

 

 私はそんな風に言う。

 その日の夜は、湊翔と男女の一線を越えた関係という妄想に耽っていた。




今回はここまでです。
今回は狐狩りゲームの話です。
遂に、この小説もオリキャラ紹介とかも含めると、100話に到達しましたね。
狐狩りゲームが終わる中、カズマは湊翔の過去を知る。
果たして、それを聞いたカズマは、何を思うのか。
そして、トウカは湊翔への想いを再確認して、妄想に耽っていました。
湊翔に対する恋はどうなるのか。
次回は、レジェンドミッション(キバ)に入ります。
その裏で、カズマとアクアの二人が、シノビの世界に転送されますが。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
いよいよ、このすばの3期が始まりましたね。
紅伝説でカットされた話をやるみたいな感じでしたね。
シルビアも容赦なく下ネタを言いますし。
そりゃあ、トラウマになりますよ。
ちなみに、この小説でも、3期第一話の話をやろうかなと考えています。
その話は、カズめぐにとっても、大事な話でしょうし。
それらの意見についても、受け付けています。
目次から、これからの話や4人のエースと黒狐、最強ケミー☆ガッチャ大作戦、ジャマト・アウェイキングについてのリクエストを受け付けています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第93話 レジェンドミッションTYPEキバ

 狐狩りゲームを終えて、しばらくが経った。

 アクアが何かを持ってきた。

 

アクア「ねえカズマ、セシリーから感謝状を貰ってきたわよ。『この度、無事アクシズ教団アクセル支部の教会が立派なものになりました。しかも来年からのお祭りも、エリス教会からの計らいで、無事共同開催して頂ける様です。それもこれも、多額の寄付金を納めてくれたサトウさんのおかげです。よってここに、あなたとついでに湊翔さんを勝手に名誉アクシズ教徒に認定を』……………。」

湊翔「ふんっ!」

 

 アクアはセシリーというアクシズ教徒が書いた手紙を読む中、俺は即座に破る。

 何で俺までアクシズ教徒にされなきゃいけないんだ。

 すると、アクアが叫ぶ。

 

アクア「わぁぁぁぁぁ!!酷い酷い!うちの教団の子が一生懸命作った感謝状の、一体何が気に入らなくてこんな事をするのよ!?」

湊翔「全部が気に入らねぇんだよ!何で俺やカズマまでお前の信者にならないといけないんだ!」

カズマ「湊翔の言う通りだ!完全に罰ゲームじゃねーか!」

 

 アクアがそう叫ぶ中、俺とカズマもそう言う。

 カズマは、アドバイザーとして稼いだお金を、アクシズ教団に寄付した様だ。

 ギャーギャー口喧嘩をするカズマとアクアを見ていると、トウカ達が話しかけてくる。

 

白夜「まあ、アクシズ教徒にされるのは本当にごめんだよな。」

朱翼「そうですね。」

武劉「あまり関わりたく無いのだがな。」

トウカ「まあ、祭りも無事に終わってよかったよ。」

湊翔「それもそうだな。」

 

 俺たちはそんな風に話す。

 まあ、エリス祭りが無事に終わってよかったな。

 ちなみに、女神エリスが降臨した事で、アクセルの街はエリス教の聖地として認定されたとのことだ。

 その為、たくさんのエリス教徒が聖地巡礼として、このアクセルの街に来る様になった。

 そんな訳で、俺たちは束の間の平穏を過ごしていた。

 幸い、ジャマト側は動きを見せていないので。

 そんなやり取りの翌日、俺たちはウィズの店へと向かっていた。

 

カズマ「いよっす!」

ウィズ「あっ、カズマさん!皆さんも!」

バニル「フハハハハハ!よく来たな、色々とやらかしたアドバイザーの男よ!」

カズマ「うるせぇよ!」

 

 カズマがそう言いながら入ると、ウィズとバニルはそんな風に言う。

 バニルがそう言うと、カズマはそう叫ぶ。

 ウィズの店へと来た理由は、色々と仕入れを行う為だ。

 カズマも新商品の開発は辞めておらず、時折、作っているのだ。

 俺たちが話をする中、アクアは何かに気づく。

 

アクア「あら、何かしら、これ?」

ウィズ「あ、気になりますか?実は先ほど、この店の事を聞いた人が譲ってくれたんですよ。」

バニル「貴様、また我輩の目が離れている間にそんな事をしていたとは……………!」

ウィズ「だ、大丈夫ですよ!かなり綺麗ですし、結構力を感じませんか!?」

アクア「確かに、結構力を感じるわね。」

 

 アクアは棚に飾られていた水晶を手に取ると、ウィズはそんな風に言う。

 バニルが青筋を浮かべると、ウィズはそんな風に弁明する。

 バニルも苦労してんだな。

 すると。

 

アクア「えっ!?水晶が割れたんだけど!?」

カズマ「ていうか、何が起こってんだよ!?」

湊翔「カズマ!?」

トウカ「二人が吸い込まれてない!?」

白夜「マジかよ!?」

 

 突然、水晶が割れたと思ったら、謎のゲートみたいなのが出現して、それにカズマとアクアの二人が吸い込まれる。

 二人が吸い込まれると、そのゲートは閉じてしまう。

 

めぐみん「カズマ!?」

ダクネス「アクア!?」

朱翼「二人が吸い込まれてしまいましたよ!?」

トウカ「えぇぇぇ……………!?」

湊翔「どうなってんだ!?」

白夜「マジか。」

バニル「それ見た事か!やはり問題が起こったではないか!」

ウィズ「ほええええええ!?」

 

 俺たちが呆気に取られる中、バニルはウィズに説教をしていた。

 というより、ウィズにそんなもんを渡したのは一体誰なんだ?

 すると、スパイダーフォンにメッセージが飛んでくる。

 

GATHER ROUND

 

湊翔「何だ?」

トウカ「デザイアグランプリからの呼び出しかしら?」

めぐみん「こんな時に!?」

ダクネス「うむ………………。」

白夜「とにかく、行くしかねぇだろ。」

朱翼「ですね。」

武劉「ああ。」

バニル「我輩は行かんぞ?このポンコツ店主に折檻しなければならないからな。」

ウィズ「ほぇぇぇ……………!」

 

 デザイアグランプリからの招集か。

 俺たちは、デザイア神殿へと向かう事に。

 途中、ウィズの悲鳴が聞こえた気がするが、聞かなかった事にする。

 デザイア神殿に到着すると、ツムリが口を開く。

 

ツムリ「皆さん、お待ちしておりました。」

めぐみん「それより、カズマが!」

ダクネス「カズマとアクアが、謎の魔法みたいな物に吸い込まれてしまったんだ!」

拓巳「事態は把握している。あの二人が飛ばされた世界に関しては、こちらでも調査中だ。今は、君たちにできる事をしてくれ。」

湊翔「…………………分かった。」

 

 ツムリがそう言うと、めぐみんとダクネスがそう叫ぶ。

 拓巳も調査中との事で、俺たちは事情を聞く事にした。

 

ツムリ「実は、何者かが、キバットベルトレイズバックルを盗んだ様でして。」

湊翔「キバットベルト?仮面ライダーキバか。」

めぐみん「何ですか?仮面ライダーキバというのは?」

ギロリ「仮面ライダーキバ。人間とファンガイアという種族のハーフである紅渡が変身する仮面ライダーだ。」

 

 ツムリがそう言うと、俺はそう呟く。

 誰かがキバのレイズバックルを盗んだのか?

 めぐみんが首を傾げると、ギロリさんは映像を見せながら、キバについて解説する。

 それを聞いた白夜が口を開く。

 

白夜「それで、そのキバのレイズバックルが奪われたのは分かるが、それがどこにあるのかは分かっているのか?」

拓巳「それについては問題ない。出現した謎の城に、キバのレイズバックルの反応を確認した。そこに向かってくれ。」

武劉「分かった。」

 

 白夜がそう聞くと、拓巳はそう答える。

 俺たちは、ひとまずその謎の城へと向かう。

 転送されると、目の前には巨大な城が目に入る。

 

湊翔「でかいな……………。」

トウカ「確かに……………。」

白夜「ここがその例の城か。」

朱翼「そうみたいですね。」

武劉「慎重に進むぞ。」

めぐみん「え、ええ。」

ダクネス「わ、分かった。」

 

 俺たちはそう話して、その城の中へと入っていく。

 しばらく進むと、何かの声が聞こえてきた。

 

???『やあ、仮面ライダーの諸君。』

湊翔「っ!?誰だ!?」

トウカ「どこからか、拡声魔法で声を出しているのかしら。」

???『ようこそ、キバの城へ。』

白夜「キバの城だ?」

 

 そんな声が聞こえてきて、俺がそう言うと、トウカはそう言う。

 そんな魔法もあるのか。

 白夜が首を傾げる中、その声の主は言う。

 

???『これから君たちには、この城を攻略してもらう。』

めぐみん「攻略ですか?」

???『この城には、敵の仮面ライダーが何体かいる。そいつらを倒して、最奥の部屋へと来たまえ。』

 

 その声はそんな風に言うと、めぐみんは首を傾げる。

 すると、目の前に四つの扉が出現する。

 

湊翔「どうやら、ここから先に行くには、この扉の向こう側にいかないといけないみたいだな。」

トウカ「そうみたいね。」

めぐみん「そうですね。」

白夜「ひとまず、先に進むぞ。」

武劉「そうだな。」

ダクネス「ああ。」

朱翼「ですね。」

 

 俺たちはそう話すと、先に進んでいく。

 それぞれ、俺とトウカ、白夜と武劉、朱翼、めぐみんとダクネスの組に分かれる。

 朱翼だけが単独になってしまうが、本人は大して気にしていない様だった。

 その頃、拓巳達はと言うと。

 

拓巳「………………それにしても、キバのレイズバックルは、誰が盗んだんだ?」

ギロリ「別の世界に転送されたタイクーン達も心配だな。」

ツムリ「そうですね。」

 

 拓巳達は、キバのレイズバックルを盗んだ犯人や、別の世界に転送されたカズマとアクアについてを考えていた。

 拓巳は、すでにカズマが転送された世界に関しては、見当をつけており、画面にタイクーンのライダーズクレストが表示されていた。

 その世界は、『KAMEN RIDER SHINOBI』と書かれていた。

 一方、ロキはというと。

 

ロキ「……………タイクーンはあの世界に行ったか。あなたの予想通りというわけだな。」

???「ええ。タイクーンというのも忍者ライダーであるので、いただきますね。」

 

 ロキは誰かと話をしていた。

 その誰かは、カズマを狙っていた様だ。

 

ロキ「そちらは任せる。好きにしろ。」

???「言われなくても、そのつもりだ。」

 

 ロキがそう言うと、その男はそう言って、通信を切る。

 ロキは呟いた。

 

ロキ「……………さて。果たして、どうなるのかな。見させてもらおうか。」

 

 ロキはそんな風に呟く。

 一方、俺とトウカはというと。

 

湊翔「しっかし、キバのレイズバックルが盗まれるとはな。誰の仕業だ?」

トウカ「ロキとかはあり得そうだけど…………誰なのかしら?」

 

 俺とトウカはそんな風に話す。

 やっぱり、キバのレイズバックルを盗んだ犯人が気になるんだよな。

 しばらく歩くと、部屋が見えてくる。

 俺とトウカは頷くと、中に入る。

 その部屋の中にいたのは、ダークキバだった。

 

湊翔「ダークキバか………………。」

トウカ「かなりの強敵ね。最初から本気でいきましょう。」

湊翔「ああ。流石にブーストマークIIは使えないから、コマンドで行くか。」

 

 俺とトウカはそう言うと、ダークキバはこちらに向かってくる。

 俺とトウカは、コマンドツインバックルを取り出して、装填する。

 

SET

 

 その音声が鳴ると、俺たちは叫ぶ。

 

「「変身!」」

 

 そう言って、バックルを操作する。

 

GREAT

REDAY FIGHT

 

 その音声と共に、レイジングフォームに変身して、レイジングソードを持って、ダークキバに攻撃していく。

 

湊翔「ふっ!ハアッ!」

トウカ「てぇぃっ!はっ!」

 

 俺とトウカは、レイジングソードを持って、攻撃をしていく。

 相手はダークキバだ。

 正直言って、あまり油断はできない。

 ダークキバも、俺とトウカの攻撃を避けつつ、的確に攻撃していく。

 とはいえ、完全に避けている訳ではなく、多少は被弾しているが。

 

湊翔「あまり強くはないのか?」

トウカ「多分、キバのレイズバックルを使って生み出した存在だから、本来の力を発揮出来ないと思うわ。」

 

 俺がそう呟くと、トウカはそう言う。

 なるほどな。

 つまり、ガワはダークキバだが、そこまで強くないという事か。

 それなら、勝機はある。

 俺とトウカのレイジングソードからチャージ音が鳴ると、バックルを操作する。

 

FULL CHARGE

 

 すると、バックルが外れたので、デザイアドライバーに装填する。

 全員がデザイアドライバーの左側に。

 

TWIN SET

 

 すると、俺とトウカの目の前に、飛行機の翼の絵と英語でJETの文字が上側に、キャノンの絵と英語でCANNONの文字が下側に出てくる。

 俺たちは、バックルを操作する。

 

TAKE OFF COMPLETE JET & CANNON

REDAY FIGHT

 

 俺とトウカはコマンドフォームへと変身する。

 両方とも、ジェットモードだ。

 

湊翔「ハアッ!はっ!」

トウカ「はっ!てやっ!」

 

 俺とトウカは、ジェットモードで縦横無尽に飛びながら、攻撃をしていく。

 俺とトウカの連携攻撃には、ダークキバも押されていた。

 

湊翔「行くぞ、トウカ!」

トウカ「ええ!」

 

 俺とトウカはそう言うと、レイジングソードでダークキバを打ち上げ、ボタンを押す。

 

RAISE CHARGE

 

 待機音が流れる中、空中に浮かび、身動きが取れない状態のダークキバに向かう。

 

TACTICAL RAISING

 

「「ハァァァァァ!」」

 

 俺とトウカはそう叫びながら、レイジングソードを一閃する。

 それを受けたダークキバは爆発する。

 

湊翔「やったな。」

トウカ「ええ。」

 

 俺とトウカはそう話すと、レイジングソードをぶつけ合う。

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が鳴ると、レイズバックルが現れて、トウカの方へと向かう。

 そのレイズバックルは、ダークキバットベルトのレイズバックルだった。

 

湊翔「ダークキバのレイズバックルか。」

トウカ「私に?」

湊翔「良いんじゃないか?受け取っても。」

トウカ「………………ありがとう。」

 

 俺がそう言うと、トウカは若干戸惑う様な表情を浮かべる。

 とはいえ、トウカに渡しても異論はないからな。

 こうして、トウカはダークキバのレイズバックルを手に入れた。

 一方、朱翼は。

 

朱翼「たった一人でどこまでやれるのかは分からないけど、やれるだけはやろう。」

 

 朱翼はそう呟きながら進んでいく。

 朱翼は進んでいくと、部屋が目に入り、その部屋に入る。

 そこには、仮面ライダーイクサのバーストモードの姿があった。

 

朱翼「確か………………仮面ライダーイクサでしたね。」

 

 朱翼はそう言うと、ハーメルンレイズバックルを取り出して、装填する。

 

SET

 

 すると、朱翼の横に、笛の絵とHAMELNの文字が浮かぶ。

 

朱翼「変身!」

 

 朱翼はそう言って、ハーメルンレイズバックルを操作する。

 

HAMELN

REDAY FIGHT

 

 その音声と共に、朱翼は、スワン・ハーメルンフォームへと変身する。

 

朱翼「行きますよ!はっ!ハアッ!」

 

 朱翼はそう言うと、イクサへと向かう。

 朱翼はハーメルンソードを、イクサはイクサカリバーを持って攻撃していく。

 二人は互角に戦っていた。

 

朱翼「私だって、いつまでも弱いままではありません!」

 

 朱翼はそう叫んで、攻撃を叩き込む。

 イクサがそれに怯む中、朱翼はレイズバックルを操作する。

 

HAMELN STRIKE

 

朱翼「ハァァァァァァァァ!!」

 

 朱翼はそう叫びながら、音符状のエネルギーを纏ったハーメルンソードを一閃する。

 それを受けたイクサは、爆発する。

 

朱翼「ふぅ………………。」

 

 朱翼が一息つくと。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が鳴ると、レイズバックルが現れて、朱翼の方へと向かう。

 それは、イクサベルトのレイズバックルだった。

 

朱翼「イクサのレイズバックルですか。ありがたいです。」

 

 朱翼はそう言う。

 一方、めぐみんとダクネスは。

 

めぐみん「行きますよ、ダクネス。」

ダクネス「あ、ああ……………。」

 

 めぐみんとダクネスはそんな風に話しながら、先に進んでいく。

 すると、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「カズマとアクアは大丈夫だろうか……………。」

めぐみん「あの二人なら大丈夫だと思いますよ。早く行きましょう。」

 

 ダクネスが不安げにそう言う中、めぐみんはそう言う。

 とはいえ、めぐみんも少し不安げだったが。

 そんな風に進んでいく中、部屋が目に入り、二人は中に入る。

 その部屋の中には、仮面ライダーレイの姿があった。

 

ダクネス「仮面ライダー……………か?」

めぐみん「あの仮面ライダーもかっこいいですが、早く倒しますよ!」

ダクネス「あ、ああ!」

 

 ダクネスとめぐみんはそう話すと、それぞれのレイズバックルを装填する。

 

SET

SET FEVER

 

 変身アイテムを装填すると、待機音が流れてくる。

 めぐみん達は叫ぶ。

 

「「変身!」」

 

 そう言って、レイズバックルを操作する。

 

BEAT

DUAL ON

HIT FEVER BEAT

ZOMBIE & BOOST

REDAY FIGHT

 

 めぐみんはフィーバービートフォーム、ダクネスはゾンビブーストフォームに変身する。

 二人は、それぞれの武器を持って攻撃していく。

 

めぐみん「ハアッ!はっ!」

ダクネス「てやっ!はっ!」

 

 めぐみんはビートアックスを、ダクネスはゾンビブレイカーを使って攻撃していく。

 仮面ライダーレイは、ギガンティック・クローを展開した状態で攻撃していく。

 冷気が出ており、めぐみんとダクネスは寒さに震える。

 

めぐみん「結構寒いですね……………。」

ダクネス「そうだな。だが、これもまた悪くないな………………!」

めぐみん「言ってる場合ですか!行きますよ!」

ダクネス「あ、ああ!」

 

 めぐみんが震える中、ダクネスはドMさを出す。

 二人は、必殺技を発動する。

 

ROCK FIRE

POISON CHARGE

TACTICAL FIRE

TACTICAL BREAK

 

 めぐみんの必殺技でレイを怯ませると、ダクネスの必殺技がレイに命中する。

 レイはそれを受けて爆発する。

 

めぐみん「やりましたね。」

ダクネス「ああ。」

 

 ダクネスとめぐみんはそんな風に話す。

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が鳴ると、レイズバックルが現れて、ダクネスの方へと向かう。

 それは、レイのレイズバックルだった。

 

ダクネス「これは……………!?」

めぐみん「ほう。ダクネスに行きましたか。」

 

 ダクネスが驚く中、めぐみんはそう言う。

 その頃、白夜と武劉は。

 

白夜「それにしても、結構広いな。」

武劉「ああ。いつ現れるか分からないから、警戒しながら行くぞ。」

 

 白夜と武劉はそう話しながら奥へと進んでいく。

 すると。

 

???「お〜い!誰か助けてくれ〜!!」

白夜「うん?」

武劉「何だ?」

 

 そんな声が聞こえてきて、白夜と武劉は顔を見合わせると、走り出す。

 しばらくすると、牢屋と思われる場所に到着する。

 

白夜「牢屋か?」

???「おお!誰か来たぞ!」

武劉「誰か居るぞ。」

 

 白夜がそう言うと、牢屋から声がして、白夜達は中を覗く。

 そこには、一人の男が捕まっていた。

 その側には、蝙蝠が飛んでいた。

 

白夜「あれは……………?」

武劉「キバットか?」

キバット「お?俺を知ってるのか?俺様は、キバットバットIII世だ!」

 

 白夜と武劉がそう呟くと、その蝙蝠はそう名乗る。

 キバットバットIII世だったのだ。

 

白夜「じゃあ………………。」

武劉「あの男は………………。」

渡「僕は………………紅渡。」

 

 白夜と武劉がそう言うと、その男はそう名乗る。

 紅渡。

 仮面ライダーキバの変身者である男だ。

 

白夜「マジか………………。」

武劉「何故こんなところに居るんだ?」

キバット「それが……………急にここに飛ばされて、牢屋に入れられちまったんだ。」

渡「うん。」

 

 白夜がそう言う中、武劉がそう聞くと、キバットと渡はそう答える。

 どうやら、キバのミッションの影響で捕まった様だ。

 

白夜「………………一応、助けておくか。」

武劉「そうだな。」

 

 白夜と武劉がそう話すと、二人は牢屋の扉を破壊する。

 すると、二人が出てくる。

 

渡「ありがとう。」

キバット「助かったぜ。」

白夜「ああ。」

 

 渡とキバットは礼を言う。

 白夜はそんな風に答える。

 すると。

 

SECRET MISSION CLEAR

 

 その音声が鳴り、二人の目の前にレイズバックルが現れる。

 

白夜「これって…………ブーストマークIIか!?」

武劉「見た事がないレイズバックルだな………。」

 

 それを見た二人は驚く。

 白夜が手に入れたのはブーストマークIIで、武劉は大型のマグナムを思わせる形状だった。

 すると、渡とキバットが口を開く。

 

渡「僕たちも一緒に行って良いかな?」

白夜「良いのか?」

キバット「おう!俺たちを連れ去った奴に1発かまさないと気が済まなくてな!」

武劉「ああ。頼む。」

渡「うん。」

キバット「おうよ!」

 

 渡とキバットも同行を申し出て、二人もそれに応じる。

 そうして、白夜達は奥に進んでいく。

 俺とトウカは、大きな扉の前に到着した。

 

湊翔「ここが最深部か。」

トウカ「みたいね。皆を待ちましょう。」

 

 俺とトウカはそう話して、待つ事にした。

 しばらくすると、皆がやってくる。

 

湊翔「皆来たか!」

白夜「待たせたな。」

めぐみん「………………そういえば、そちらの方は?」

ダクネス「ああ、誰なんだ?」

朱翼「えっ?」

渡「僕は紅渡。仮面ライダーキバだ。」

キバット「そして、俺様がキバットバットIII世だぜ!」

 

 俺たちは無事に合流した。

 そこに紅渡が居たのが驚いたが。

 すると、朱翼が口を開く。

 

朱翼「な、何で紅渡さんが!?」

武劉「捕まってたんだが、助けたんだ。」

キバット「この気配……………この奥には、あいつが居るな!」

渡「うん。」

トウカ「ひとまず、奥に進みましょう。」

湊翔「ああ。」

 

 朱翼がそう聞くと、武劉はそう言う。

 まあ、キバが味方なのは頼もしいよな。

 俺たちは、その扉を開けて、中へと入っていく。

 すると、蝋燭が手前から徐々に灯っていき、奥に進んでいく。

 その奥には、巨体が居た。

 

湊翔「嘘だろ……………!?」

白夜「あれは……………!?」

武劉「仮面ライダー……………。」

朱翼「アーク………………!?」

 

 俺たち日本人組はそんな風に言う。

 そこに居たのは、仮面ライダーアークだったのだ。

 

めぐみん「あれも仮面ライダーなんですか!?」

ダクネス「大きすぎないか!?」

トウカ「大きいわね……………。」

渡「キバット!」

キバット「よっしゃあ!キバって、行くぜ!」

 

 それを見ためぐみん、ダクネス、トウカはそんな風に言う中、渡はそう言うと、キバットは渡の方に向かう。

 

キバット「ガブッ!」

 

 キバットは渡に噛み付くと、顔にステンドグラスの様な模様が浮かび、腰にはベルトが出現する。

 白夜と武劉は、レイズバックルを装填する。

 

SET

 

 その音声が鳴ると、白夜の周囲にバイクのマフラーから火が出る絵とBOOSTの文字が五つ浮かび、武劉の左右にリボルバーの絵とBORRELOADの文字が浮かぶ。

 3人は叫ぶ。

 

「「「変身!」」」

 

 そう言って、変身を開始する。

 

(キバフォーム変身音)

BOOST MARK II

BORRELOAD

REDAY FIGHT

 

 渡はキバに変身したが、白夜と武劉は見た事が無い姿になる。

 厳密に言えば、白夜は見た事があるが。

 

湊翔「白夜!?それは!?」

朱翼「ブーストマークII……………!?」

トウカ「なんで!?」

白夜「さっき手に入れたんだよ。」

めぐみん「武劉もですよ!?」

ダクネス「それは一体……………!?」

武劉「仮面ライダーダイル・ヴァレルロードフォームだ。」

 

 俺たちが驚く中、二人はそう答える。

 すると、白夜と武劉が口を開く。

 

白夜「お前らはサポートを頼む。あいつは、俺たちで倒す。」

湊翔「行けるのか?」

武劉「この新しい力を試してみたいんだ。」

トウカ「………………分かったわ。」

朱翼「ええ。」

めぐみん「頼みましたよ。」

ダクネス「負けるなよ?」

白夜「おう。」

 

 白夜と武劉がそう言う。

 俺たちは、二人の顔を見てそう答える。

 そうして、俺たちは仮面ライダーアークへと向かっていく。

 白夜達以外は、変身したままだが。

 

湊翔「ハァ!ハァァァァァ!」

 

 俺は縦横無尽に飛びながら、レイジングソードで攻撃していく。

 

トウカ「はっ!ハアッ!」

 

 トウカもまた、縦横無尽に飛びながら、レイジングソードで攻撃していく。

 

朱翼「ハアッ!はっ!」

 

 朱翼は、ハーメルンソードを使った斬撃や音波攻撃を行なっていく。

 

めぐみん「ハアッ!はっ!」

ダクネス「てやっ!はっ!」

 

 めぐみんはビートアックスを、ダクネスはゾンビブレイカーを使って攻撃していく。

 

白夜「オラっ!ハアッ!」

 

 白夜は、ブーストマークIIで素早く動きながら、攻撃をしていく。

 

武劉「ふっ!はっ!」

 

 武劉は、砲撃を行っていく。

 

渡「はっ!ハアッ!」

 

 渡はアークに対して、攻撃を仕掛けていく。

 俺たちの攻撃に、アークが怯む。

 

キバット「こいつ、ガワがアイツなだけで、大して強くねぇな!」

湊翔「3人とも、決めろ!」

白夜「おう!」

武劉「ああ!」

渡「うん!」

 

 キバットがそう言う中、俺はそう叫び、3人は必殺技の体勢に入る。

 白夜はブーストマークIIレイズバックルを一回捻り、武劉はシリンダーを回し、トリガーを1回引く。

 

キバット「ウェイクアップ!」

 

BOOST STRIKE

BORREL STRIKE

 

 すると、白夜はパンチとキックの二発のエネルギー弾を生み出し、武劉はエネルギー弾の発射の構えを取る。

 渡の方は、右足の封印をキバットが解き、翼が解放され、背後に月が映る中、ジャンプする。

 

「「「ハァァァァァ!」」」

 

 白夜のキック、武劉のエネルギー弾、渡のダークネスムーンブレイクがアークに命中する。

 アークは爆発する。

 

白夜「よっしゃ!」

武劉「やったか。」

渡「ふぅ……………。」

 

 3人はそう言って、一息吐く。

 すると。

 

MISSION CLEAR

 

 その音声が鳴ると、レイズバックルが現れて、白夜の方へと向かう。

 それは、アークのレイズバックルだった。

 

白夜「アークのレイズバックルか。」

武劉「みたいだな。」

渡「なら、これを渡しておくよ。」

 

 白夜がアークのレイズバックルを手に入れる中、渡はそう言って、レイズバックルを武劉に渡す。

 

武劉「これは?」

渡「キバットベルトレイズバックル。僕の仮面ライダーキバの力が宿ってるんだ。」

湊翔「奪われてたんじゃ無いのか?」

キバット「それなら、俺が奪ってやったのさ!ただではやられないからな!」

 

 武劉は、キバットベルトレイズバックルを受け取った。

 どうやら、キバットが奪い返していたそうだ。

 そんな事もあるんだな。

 すると、渡とキバットの姿が薄くなる。

 

めぐみん「二人の姿が……………!?」

ダクネス「薄くなっているぞ!?」

渡「元の世界に戻る時が来たんだね。ありがとう。助けてくれて。」

武劉「こちらこそ、ありがとう。」

キバット「もし会えたら、また会おうぜ!じゃあな!」

 

 それを見て、めぐみんとダクネスが驚く中、渡と武劉はそう話す。

 二人は、元の世界へと帰っていった。

 俺たちは変身解除する。

 

湊翔「それにしても、白夜は眠くないのか?」

白夜「眠くねぇぞ?」

トウカ「湊翔やカズマが眠くなってるのに、何で白夜は眠くならないのかしら?」

白夜「それだが………………分かったかもしれないぜ。」

湊翔「え?」

 

 俺は、ブーストマークIIに変身していた白夜にそう聞くと、白夜はそう答える。

 トウカが不思議がると、白夜は口を開く。

 

白夜「多分だけど、湊翔とカズマは、高速戦闘に慣れてないからだと思うぜ。」

めぐみん「どういう事ですか?」

白夜「俺はライトニングフォームとか、クラスターフォームでよく素早く動いてるけど、湊翔やカズマはそこまで高速戦闘を行うわけじゃねぇからな。まあ、時差ボケみたいなもんだろ。」

湊翔「そういう事か………………。」

 

 白夜はそう言う。

 確かに、高速戦闘は主にブーストフォームじゃなければしてないな。

 俺たちは、城から帰っていく。

 カズマなら、上手くやれていると信じて。

 俺たちが城から帰った後。

 

???「ダークキバのデータを手に入れた。これより帰投する。」

 

 誰かが、俺とトウカがダークキバと戦ったところでデータを集めて、そんな風に言う。

 すると、その男は口を開く。

 

???「この世界も掌握されるのも近い。我ら、ハンドレッドの手によって。」

 

 その男はそう言うと、そのまま消える。

 その男は何者なのか。




今回はここまでです。
今回は、レジェンドミッションのキバ編です。
カズマとアクアが別の世界に転送される中、湊翔達は、キバのミッションを挑む事に。
紅渡と合流して、アークなどを倒し、レイズバックルを獲得しました。
そんな中、何者かが暗躍する。
果たして、何者なのか。
次回は、タイクーンmeetsシノビの話になります。
カズマとアクアはどうしているのか。
それは、次回明かされます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のガッチャードは、ハンドレッドだったり、ギギストなど、新しいキャラが登場しましたね。
ラスボスであろうギギストが動き出す中、ハンドレッドは次回、幹部がダークキバ、エターナル、グレアに変身するとは。
次回は、レジェンダリーレジェンドが登場したり、ゼインも登場する様で。
もうカオスとしか言いようがありませんね。
ゼインに関しては、何しに来たとしか言いようがありませんが。
今後のこのすばとギーツのリクエストは、活動報告にて承っております。
賢者の孫とガッチャードのコラボエピソードである最強ケミー☆ガッチャ大作戦についても、受け付けています。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。