クエスト「20人で助け合い、崩壊したセカイを救え」 (夜桜家の壁)
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番外編だよー季節ものとか
ハピハロ〜


せっかくだし描こうかなって。ちょっと未来のifです。ちょっと短めです。


 

レオニのハロウィン(怜華)

 

「怜ちゃん‼︎トラックorトリート」

「う〜んお菓子じゃないけどカボチャならあげれるよ?」

「いや、なんでカボチャ持ち歩いてるの?怜華ってそんな変な事しないキャラじゃん」

「違うの、お父さんが知り合いから小さいカボチャ貰ったんだってさ。で、私はみんなに配ろうとして持ってきててお菓子を忘れたからコレでいいかなって?」

「元々渡すつもりなら………いたずらしてもいいよね⁉︎怜ちゃん、覚悟〜」

「えっちょっと何するつもり⁉︎」

「沢山仮装させちゃうからね‼︎みんな楽しみにしててね」

 

「咲希ちゃん達いっちゃったね。せっかくだし、カボチャを使ったお菓子作ろうかな。一歌ちゃん達も手伝ってほしいな」

「もちろん手伝うよ。一歌もやるでしょ?」

「……………」

「一歌?」

「私もお菓子用意してない。どうしよう⁉︎」

「それなら、お菓子の材料買いに行く時に一緒に買っちゃえばいいじゃん」

「確かに」

「ふふっ、じゃあ早速買いに行こっか」

 

 

 

ニーゴのハロウィン(雷夜)

 

「雷夜先輩、ハッピーハロウィン‼︎」

「いや瑞希今25時だよ、もう11月だよ。それに言うならリアルにしなさいよ。てか今日学校来れば良かったじゃん」

「えーめんどくさい。それに今日だけ行ってもハロウィンだから来たとか言われるじゃん。面倒なんだよねーアレ。それよりもまふゆはどんな感じだったのかが気になるなぁ〜」

「私?色々貰ったけど、私は持ってってないからいたずらしてもいいよって言ったんだけど……何もされなかった」

「なにそれもったいな‼︎私ならすぐに色々仕掛けるのに」

「絵名姉さんはどうだったの?」

「私は愛莉からお菓子もらったよ。そうゆう雷夜はどうだったのよ?」

「天才にすっごいいたずらされた。具体的には今日一日学校でドローンで付け回されてた。しかも屋上に行ったらそのドローンに撃たれたし、お菓子持ってったのに……なんで」

「あーやりそーまぁ中学からのなかってことで」

「ちなみにほとんど家から出無さそうな奏は?何かあった?」

「一人で仮装してたんだけど、望月さんに見られちゃって」

「ハウスヘルパーやってる人だったよね?」

「そう。今日は元々くる予定はなかったんだけど、お菓子作ったから持ってきてくれたんだ」

「良かったじゃん奏‼︎」

「みんなの分あるから今度の打ち上げの前に食べよう」

「さんせーい」

「私もそれでいいと思う」

「じゃあなるべく早く行かないとね。雷夜は次の打ち上げは来なさいよね」

「しばらく予定はないし行けるって」

 

 

 

ワンダショのハロウィン(雷夜)

 

「わんだほ〜いハロウィン‼︎雷夜くん、そんなに疲れてないでもっと楽しもう☆」

「あのなえむ、俺は今日いつも以上に類に振り回されていて疲れてるんだ。少し休ませてくれ。後類、貴様覚えとけよ」

「おぉ怖い怖い。流石に今日はやり過ぎたかな、ごめんね。でも今日は一年で一度しかないハロウィンなんだ、楽しまなくてどうする?」

「放課後集まるんだからそこで暴れてくれ、瑞希がいないから楽だったから良かったものの……」

「そこまでにしとけ雷夜。せっかくのハロウィンなんだ、今日くらいはお前も楽しむ方向に持っていけばよい」

「それにしても類、今年はすごい楽しんでるね。ネネロボもハロウィン仕様になってるし」

「カボチャがキラキラしてて夜とかにほわわぁってしそう」

「ああそれは元々雷夜くんが考えた案なんだ」

「えっ雷夜くんが考えたの?」

「へぇ雷夜が、なんか意外。何かやるならもっと凝ったことしそう」

「本当ならワンダーステージを飾り付けようとしてたんだけど……なんかもう運営さんやってたし、ネタが無くなったんだよなぁ」

「そうゆう割にはこんなもの使ってるじゃないか」

「おっどれどれ………これは⁉︎ネネロボの踊りのデータじゃないか⁉︎」

「えっちょっ類‼︎恥ずかしいからまだ見せないでよ、後少しで完成なんだから。はぁせっかく今日のショーが終わった後にでも実践させようとしたのに」

「雷夜くん元気出して♪これ、今日のハロウィンのためのお菓子☆」

「えむちゃん、ありがとう」

「さて、それじゃあそろそろショーの時間だ。いいか、ハロウィンショーを最高のものにさせるぞ。雷夜、裏の装置をよろしく頼む。俺達はいつも以上に頑張るぞ」

「みんなそれじゃあ行くよ〜わんわん〜〜『わんだほ〜い』」

 

 

 

モモジャンのハロウィン(怜華)

 

「トリックorトリートだよみんな」

「今日はハロウィンの特別ライブよ‼︎みんな楽しんでね」

「今日は特別ゲストとして怜華ちゃんが来てくれたわ〜」

「怜華は私たちの監督というかアイドルとしてじゃなくて、振り付けとかを考えてくれてるんだ。だから毎日は練習に付き合わないんだけどね。後、よく考えられてるから踊ってても楽しいし見てても綺麗なんだ」

「それにね、わたしなんかよりもとっても綺麗でアイドルにもなれそうなくらいなんだ。なんかお人形さんみたいに綺麗なの」

「どうもモモジャンの監督役の怜華です。今日はハロウィンだし夜暇だったので来ました」

「コメント欄凄いことになってるわね」

「ほんとだわ〜みんなスタイルいいって褒めてるわ」

「スタイルいいのはそんなに食べれないのとアイドルじゃないけど音楽活動してるからかな。今日もそのグループの集まりがあったんだけど………疲れた」

「確かお兄さんも一緒にやってたよね」

「兄さんと歌うと楽しくて凄い盛り上がっちゃうんだよね」

「あっそうそう、怜華はお兄さんの事を話す時は少し生気を感じやすくなるよ」

「えっなにそれ?私がブラコンみたいじゃん」

「わたしは4年前に会ったことがあるんだけど、とても優しかったし結構懐いちゃうのもわかるかな」

「あれ?その時ってわたしとみのりはいたけど怜華っていたっけ?」

「4年前だとまだ寝てるかな。いやその出来事のすぐ後に目覚めたはず。兄さんが輪ゴム銃持ってきてくれたし。なんかコメント欄が暗くなってるね。この話はおしまい。早速用意したハロウィンの企画やっていこうか」

「そしたら最初は歌うよー怜華ちゃんも入れてね」

「ちょっと聞いてないんだけど⁉︎」

「言ったらつまらないじゃない。どうせ歌えるでしょ」

「じゃあ『Happy Halloween』いくわよ〜」

「みんな特別バージョンだから良く聴いてね」

 

 

 

ビビバスのハロウィン(雷夜、怜華)

 

「怜華ちゃん、杏ちゃん、これ着てみてくれない?」

「ハロウィンの衣装?」

「あの、こはね?その手に持ってるのは?」

「えっカメラだけど?」

「多分違うと思う。どちらかとゆうとカメラなのは分かってるけど、なんか高性能っぽい事について聞いてるんだと思う」

「小豆沢のお父さんは写真家だからそれで借りてきたんじゃないだろうか」

「あっ冬弥、それに彰人もいらっしゃい」

「彰人、兄さんはいないの?」

「雷夜はまだ学校、どうせ変人ワンツーの相手してんだろ」

「それなら私何か手伝えば良かったかも、なんか申し訳ない事したなぁ」

「兄さんは類とは中学時代から面識があるので楽しんでるから多分大丈夫」

「怜華ってたまに雷夜に対して辛辣だな」

「むしろ絵名姉と彰人が仲悪く見えるから相対的に私と兄さんの仲が良く見えるだけ。だからたまにある事実を述べただけで辛辣に見えるだけだよ」

「私たまに思うけど、雷夜さんが兄って感じがそんなにしないっていうか……怜華ちゃんの方が雷夜さんよりも背が高いからかな?」

「確かに、雷夜の前ではいえねぇけど、怜華の方が姉って朝思うな」

「へぇ彰人そんなふうに朝思ってたんだぁ」

「やべっ」

「まぁ全然いいんだけどね。俺が身長が大体160で、Vividsは160以下、で小さい組で声出すと驚かせられるだろ。だから別にいいの」

「命拾いしたね彰人」

「まぁ正直怜華のことをたまに姉かって思うことあるし」

「それよりも怜華ちゃんと杏ちゃんはこの衣装着てよ〜」

「私は仕事の手伝いあるし……」

「私は兄さんと歌ってくるから後でね」

「なら東雲くん。青柳くん。こっちの衣装着てて」

「オレ達の分まであるのかよ⁉︎」

「俺は着てもいいが」

「はぁ着替えてくるわ、ただ写真はそんなにやらねぇからな」

 

 




大体3時間でできたからよかった。11月がもうそろそろか。


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彰人の誕生日2022

今日は彰人の誕生日である11月12日だ、そのため事前に杏達に今日WEEKEND GARAGEで彰人の誕生日祝いをしたいと伝えてある。

しかし俺はどうやって祝うべきかがわからない。それは怜華も同じようであった。

 

 

「怜華、彰人に誕生日祝いでなにをするべきだと思う?」

「兄さんはパンケーキでも作ったら良いと思います。でも私はなにしましょうか?」

「パンケーキは家で出す予定だからダメ。でもそうなるとなにするべきか………」

「最近練習した新しい曲をやるとか?」

「あぁなるほど、確かにそれならいけるか。よし今日彰人はアルバイトしてから部活のヘルプに行く予定だし、先にWEEKEND GARAGE行って最後のつめするぞ」

「わかった。私も今日は早く行くようにします」

 

 

 

 

 

 

俺はワンダショの手伝いを終え、直ぐにWEEKEND GARAGEに向かった。

 

 

「謙さん、今日ステージ使ってもいいですか?」

「いらっしゃい、雷夜。もちろん使っていいぞ、彰人の誕生日祝いに使うんだろ。何か歌うのか?」

「俺達は新しい曲を練習したからそれを歌いたいと思ってます。なのでちょっと準備してきます」

「やっほー雷夜、なにやってるの?手伝おうか?」

「杏、ちょうどよかった、ステージ使いたいからさセット手伝ってくれ」

「オッケーまかせてよ。なんなら私だけでもいいけど」

「いや俺もちゃんとやるから、今日使うのは俺達ツインダイスだし」

 

 

「謙さん、こんにちは。兄さんもう来てますか?」

「おっもう来てるぞ、ほらあっち見てみろ」

「怜華今日新しい曲歌うんだっけ?私も楽しみにしてるよ」

「新しいっていってもカバーですけどね。まぁ楽しみにしててください」

「怜華、準備できたから最後の確認するよ」

「あっ今行きます」

 

「お邪魔します。白石はいるだろうか?」

「杏ちゃん、きたよ、買いものしに行こう」

「こはね、冬弥、よし行こっか。父さんちょっと買い物行ってきます」

「気をつけていけよ」

「わかってるよ。さて、じゃあとっとと行っちゃおうか。彰人は今日部活の手伝いがあるっていってもこれから大会とかはなから早く帰ってくるかもしれないしね」

 

 

 

 

 

 

そろそろ彰人が来てもおかしくない時間になった。

 

 

「謙さん、あいつら来てますか?」

 

クラッカーの音が鳴る

大きな音を出して

 

 

『彰人、誕生日おめでとう』

「おまえら、ったくありがとな。それにしても今日土曜なのによく店の飾りつけまでしてるよな。他の客は来なかったのか?」

「今日はオレが貸切にしていいって許可したからな。それに今日来た客に話したらみんな盛大に祝ってやれって言って、飾りを持って来たくらいだからな」

「あの飾り雷夜が持ってきたんじゃないんだ⁉︎てっきり雷夜が持ってきたんだと思ってた」

「飾りなんか買ってたら彰人は同じ家に住んでるんだかバレるだろ。そんなことより彰人、誕プレだ」

「俺達Vivid BAD SQUADからは服をプレゼントしたいと思う」

「はい、これどうぞ」

「私達がちゃんと真剣に選んだんだから大切にしないと許さないからね」

「大切にするに決まってるだろうが」

 

「さて、俺達ツインダイスからは最近仕上げた曲を聴いてもらいたい」

「私達の本気見せてあげる」

 

「『King』」

 

 

「相変わらず歌もパフォーマンスもすげぇな」

「私が最初にあった時から凄い上手くなってる。こんなに真剣に見ることなんてそうそうないし」

「やはりツインダイスは歌もそうだが、見た時のインパクトが強いな」

「2人ともかっこいい」

 

「一曲だけですがどうでした?私達の本気伝わりました?」

「怜華ちゃん、とってもかっこよかったよ」

「あぁ、怜華達はとてもかっこよかったと思う」

「兄貴大丈夫か?」

「大丈夫、ちょっと張り切りすぎちゃっただけだから」

「よかった、一瞬ぐらついた時はどうしようかと思ったよー」

「心配かけてごめんね。後彰人、家帰ったらパンケーキ作るから楽しみにしといてね」

「おう、てかすげぇ歌いてぇ、冬弥」

「あぁ、やろう」

「こはね、私たちも行こう」

「うん‼︎思いっきり行くよ」

 

「結局いつもと同じ感じだな。お疲れさん2人とも」

「そうですね、でもこれが一番いいです」

「そうだね。こんな時間がずっと続けばいいのに」

 



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ミクデミー①

エイプリル・フールで嘘ついていいのは午前中までらしい。


「何この世界。しかも俺スーツ着てるし……」

 

「兄さん、早く学校行くよ」

 

 

 学校の制服着てないのに学校に連れてかないで欲しい。怜華もスーツっていうかあれだ、教師みたいな格好してる。そう考えると俺も教師の格好してるように思える。

 

 

 黙ってついて行った先は場所でいえば宮女。でも宮女ではなかった。

 

 

「雷夜くん、今日から新しい生徒が来るのだからちゃんとしなきゃだめダヨー」

 

「ミク⁉︎しかも着ぐるみの⁉︎」

 

「兄さん、この前ミクを助けて教師に誘われたの覚えてた?」

 

「も、もちろん覚えてたよ?」

 

 

 嘘である。いやえぇ……この世界がなんなのか。それはエイプリルフールであったミクデミーである事はわかる。追加された曲のこともありよく覚えてはいる。けど俺ら転生組………正確にはIS組がどうなってるか知らないため全くわかっていなかっただけだ。

 

 

「それじゃ雷夜くん、怜華ちゃん、今日から頑張るんダヨー」

 

「あっはい頑張ります」

 

 

 ミクは何処かに歩いて行った。

 

 

 

 

………いややっぱりなんで学生の俺らが教師になるんだよ‼︎まだシロと茜はわかるよ?だって大学生じゃん。俺と怜華まだ高校生だよ⁉︎

 

 知らないうちに怜華どっか行ってるし……

 

 

「あっ、雷夜先輩‼︎おっはよ〜……ってアレ?制服じゃないの?」

 

「あぁ、俺は教師だ。俺の色々な才能を使って色々と教えてやれとのことでな」

 

「そっか‼︎それじゃもしかしたらボクたちの担任になる可能性もあるのかな?」

 

「流石にないと思うよ?」

 

「だよねぇ。それじゃあボク体育館行ってくるね。クラス前に入学式って珍しいよね」

 

 

 海外だとこれが普通なのかな?確かに気になるな。有名な魔法使いの映画もそんなんだし。

 

そんなことを考えていると生徒があるいて来ている。その中にニゴミクと奏、まふゆもいた。

 

 

「雷夜先生おはようございます」

 

「雷夜………おはよう」

 

「おはよう雷夜」

 

「みんなおはよう。まずまふゆ、俺が嫌いだから皮肉で先生って言ってるのか?」

 

「そんなつもりじゃないんだけどなぁ。優等生ってちゃんと先生ってつけるでしょ?」

 

「……そうなの?」

 

「わたしは通信制だったし、先生からは特に連絡とってないからわからない」

 

「俺も神高だとバカの制御装置とか言われてたけど、先生って言ったこと……あっいやむしろ先生としか全員に言ってないし、わからんや」

 

「なんでみんな私の方向いてるのかな?」

 

 

 いや先生って言ったのまふゆだし、

 

 

「何やってるのよあんた達」

 

 

 すると1人の声が聞こえてくる。

 

 

「絵名……おはよう」

 

「ちょうどよかった絵名、優等生って先生にちゃんと何先生って呼ぶのが普通なのかな?」

 

「なんの話よ全く。まぁそうなんじゃない?後雷夜その格好何よ?」

 

「ちなみに姉さんは優等生?」

 

「なわけないでしょ。はぁ………もうわかったわ。雷夜あんた先生なんだ」

 

「そうだよ。でまふゆが俺を雷夜先生って呼んだから皮肉か?って話になった」

 

「めんどくさ⁉︎雷夜そんなにめんどくさかったっけ?」

 

「そんなこと……ないと思う」

 

「まぁそんな事かにするだけ無駄か。それよりもミクの制服姿かわいい‼︎」

 

「俺に関係ない話するなら体育館行ったら?」

 

「言われなくてもそうしますよーだ。ほらはやく行こ?」

 

「うん………またね」

 

「それじゃ雷夜」

 

「それじゃあ。……喧嘩ならセカイで買うから」

 

 

 俺的には普通に仲良くしたいから喧嘩売らないけどな。まふゆは最後の最後に本性出してくるなよ。バレるぞ。

 

 

「ねぇ雷夜くん、まふゆ先輩と喧嘩してるの?」

 

「うおっ‼︎ビックリした……別に喧嘩してないよ?」

 

「でもでもまふゆ先輩なんかムムムンって感じがして……」

 

「まふゆは今俳句の勉強で怒りとかの表現を探すのに苦労してるからそう見えたのかもね」

 

 

 えむにまふゆの事を誤魔化していると司達がやってきた。

 

 

「えむ‼︎1人で走ってかないで」

 

「ごめんね、でもでも、雷夜くんいたよ♪」

 

「本当だねえむくん。雷夜くんおはよう」

 

「雷夜は何故スーツを着ているのだ?もしや、この学校は制服がスーツなのか⁉︎」

 

「何バカな事言ってんの?普通に考えたら雷夜がおかしいって考えるべき。まぁ普通に見たら先生………だよね?」

 

 

 ツッコミ役が居るってありがたい事なんだな。

 

 

「そうだよ。俺は先生なんだと。まぁ俺が教えるのってダンスやら歌やらだから絶対スーツじゃない方がいいよね」

 

「確かにそうかもしれないね」

 

「雷夜くんがスーツ着てるのとっても珍しいし、似合ってるから私たちはわんだほいだよ?」

 

「えむ………そう思うのは多分今日だけだよ」

 

「確かにそうかもな。だか‼︎いつもと違う変化が有るのは気分をリフレッシュする事に繋がるからな。いい機会だろう」

 

「司のくせにまともなこと言うじゃん」

 

「それな、最近いい事よく言ってるよな」

 

「……何故だろう?褒められたような気がしない」

 

「褒めてないんだから当たり前でしょ」

 

「なっ⁉︎」

 

「喧嘩すんなよ。するなら体育館でやれ」

 

「えぇー‼︎喧嘩はメー‼︎」

 

「雷夜も雷夜で結構ボケに回るよね」

 

「それは中学の時から変わらないよね」

 

「まあいい。それじゃあ俺たちは先に行ってるぞ」

 

「?またね雷夜くん」

 

 

 司達との会話も終えてしばらくすると放送が流れる。

 

『生徒の皆さんは全員体育館に集まるようにしましょう。繰り返します。生徒の皆さんは全員体育館に集まるようにしましょう』

 

 先生側には何もないんかい。まぁいい。生徒は新しく入ってくる様子もないし、みんなすでに登校してたのだろう。俺も体育館の方に向かおう。

 

 

「ああ〜遅刻しちゃう〜‼︎」

 

「みのり、もっと急がないとギリギリだよ‼︎」

 

「遥ちゃんまって〜」

 

 

 残っとくべきだな。それにしてもみのりはまだしも遥が遅れそうになるとは、これまた珍しい。

 

 

「とうちゃーく」

 

「おはようみのり、遥」

 

「おはよございます。って雷夜さん⁉︎

 

「みのり驚きすぎじゃない?おはよう雷夜。色々と聞きたいことはあるけど時間ないしまた今度聞くね」

 

「はいはい。早く行かないと遅れるよ。上履きに履き替えて体育館行きな」

 

 

 2人が体育館に向かったのを見て、他に遅れてる生徒がいないかを確認した後に、俺も体育館に向かう。




長くなるからとりあえず1にした。頭の中で②以降は一応あるけどエイプリル・フールには出さないと思う。


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1周年記念

なんか作りたかった。

掲示板はだるかったからモブの会話。しかも登場は多分これくらいだと思う。

基本会話だけです。


───とあるプロセカ部───

 

「なぁプロセカISが発売されてから1年だってのにさ、思ったよりもゆっくりと進むな」

 

「お前、ゆっくりって……スマホでやってたプロセカと違って、イベントストーリーごとにマップ追加されてるんだぞ?あんな速さで出来るわけないだろ」

 

「確かにそうだけどさ、元のストーリーがある分もうちょい更新ペース速くたっていいだろ。確かに途中に追加のイベントストーリーあるけどさ、誰もいない世界なんて作るの簡単そうだし」

 

『うーん……』

 

 

 

「すまん、ちょっと用事あって遅れた。さて、今日はプロセカISの発売から1年だ。よって、プロセカISについて再度まとめてみようと思う」

 

「部長!!一旦待ってください。新曲の譜面見てるのでもうちょっと待ってください」

 

「新曲早くやりたいのはわかるが、あくまでもここは元々シナリオ制作部の一部だ。ちゃんとストーリーの感想などをまとめるぞ」

 

「………」

 

「集中して聞いてないし、まぁいい。それじゃあプロセカISの遊び方、1年誰か答えられるか?」

 

「はい、私答えられます」

 

「よろしい、ではお願いします」

 

「プロジェクトセカイ・インビジブルソングは、従来のメインストーリー、イベントストーリーを物語を読むだけでなく、音ゲーをする必要が出ました。ストーリー8話分の8回音ゲーします。メインはチュートリアル含めれば20ステージ。チュートリアルは最初の一回のため、他のメインストーリーステージは20ステージあります。そのステージをクリアするとアイテムを確保でき、また、マップ探索できるようになります。このように遊びながら物語を読むものにもなりました。もちろんランクも、カジュアルの対戦も出来ます」

 

「はい、そうですね。纏めると元の遊び方は引き継がれて、ストーリーに関してはゲームを話ごとにするように変わりました」

 

「副部長、まとめてくれてありがとう、それでは追加されたキャラ夜桜兄妹、そしてまだわからない事の多い風真白夜、久城茜についてわかっていることをまとめようか」

 

「それではグループワーク、お願いします」

 

 

「とりあえず俺たちはキャラ設定を見直したりしよう。まず夜桜兄妹だ」

 

「雷夜は、大体中学生になってるくらいまで入院してたのがわかりやすいな。その後は音楽に幅広く触れている。これはメタだけど、ストーリーのお助けキャラだから広く音楽に触れてるな」

 

「それでも技量が頭おかしいくらいにはあるね、しかも天才で類……はタイムマシン作れるけど雷夜は作れないから類より少し学力低いかな?」

 

「プチセカのやつ入れていいのかは疑問だけど天才なのは変わらないな」

 

「妹の怜華も天才だね、これで東雲達と親戚なのちょっと悲しい。あの2人は沢山努力して、それでも才能に悩まされてるのに……夜桜は才能の塊じゃん」

 

「確かにそうかもね。それじゃあ怜華の方まとめよう。レオニードの幼なじみ。後見た目がなんかすごい、とあるイラストはクールだし、とあるイラストは美しいし、すごい好き」

 

「私情混じってるな、まぁわかるが。怜華の情報って少ないな。基本兄とセットみたいなところあるし、少ないのは当然ではあるけど」

 

「じゃあ残り2人のわかってる情報」

 

「はい!!白夜はシロとよく呼ばれていて、イオリとかの同級生。あとちっこい!!」

 

「うん、元気なのはいい事だ。だがもう少し声は抑えよう。白夜は茜の幼なじみ、そしてその茜のお父さんが雷夜なの主治医のようだ」

 

「なんか世界って狭いねセットだね」

 

「わかる。それにしてもこのイラストいいよね、茜と怜華がコーヒー飲みながら雷夜と白夜がなんかイチャついてるの面白くていいよね」

 

「白夜は雷夜の首絞めてそうだけど仲良いのか?」

 

「わかんないけど仲良いのでは?」

 

「雰囲気的に謙さんの店なのかな?」

 

「ビビバスが途中重い話多かったからこのチームも重くなったりするのかなぁ」

 

「軽くあってくれ、頼む」

 

「それにしても雷夜ってニーゴとの関わり面白いよね。まふゆと絵名には苦手に思われて、奏と瑞希には頼りにされてて、半々なのほんと」

 

「私屋上組好きだし、瑞希が中学生の時から仲のいい人増えて良かったと思ってる。よくやったぞ雷夜」

 

 

「そこまで!!大体まとまっただろう。今日の活動はこれを最後に行う。与太話でもなんでもいいから面白い考察をしてみよう。難しかったら雑談してても構わない」

 

 

「考察ね、有名なのは『夜桜の思いの破片』だよね」

 

「イベントクエストマップに落ちてるやつね。なんて書いてあったんだっけ?」

 

「確か『誰かの力になれるように、頼られるように』ってのが今一番有力かな?虫食いだからあってない可能性が高いけど」

 

「雷夜はお助けキャラだし、それを書いてるのかな?それだとメタイかな?」

 

「いや、俺はそうは思わない。多分雷夜は力になれるグループを見つけて助けてるだけだ。雷夜は他のジャンルでも力になれるなら助けに行くんだと思う」

 

「この夜桜って別に雷夜って確定じゃないよね?お父さんだったり怜華だったりもするでしょ?」

 

「なんとも言えないんだよなぁ。正直雷夜じゃないで欲しいと言う思いが強くて、怜華なんじゃないかって思ってしまう。誰かに頼られるようになりたかったつまり、雷夜の力になりたいと思っていたけど、雷夜はみんなに頼られる側になってその想いは砕けたのかもとか」

 

「確かにそんな事も考えられるのか」

 

「考えられるけど雷夜に辛い思いをしてほしくないって思いから出た考えだから違うとは思うんだけどね」

 

「でも正直それが結構いい考察っぽくてこれよりいいの中々出ないよな」

 

「確かにそれはあるかもしれない」

 

「よし、それじゃあプロセカのカードゲームでもするか」

 

「カードゲームって……プロセカキャラの描かれたトランプじゃん」

 

「いいだろ別に、さて真剣衰弱でもやろうか」




間に合わなかった………プロセカの放送見てたら時間取られるに決まってるよね。


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あけおめー

新年一発目は本編より先の未来のお話。雷夜達のお正月。





「あけましておめでとう〜」

 

「「あけましておめでとう!!」」

 

 

 茜の掛け声に続いて俺とシロが声を上げる。

 

 現在時刻は0時になったばっかりの夜更かしパーティーを行なっているのだ。

 

 

「雷夜雷夜、サイコロを使った遊びとかないの?」

 

「サイコロ使う遊びだと、ぱっと出てくるのだとチンチロとか?」

 

「チンチロいいじゃん雷夜、サイコロ持ってきて」

 

「いやなんで俺なんだよ、茜持ってきてよ」

 

「私がこの家のこと知ってるはずないじゃん。もういいや、シローサイコロ持ってきてくれない?」

 

 

 急に俺と茜の会話に巻き込まれるシロ、可哀想だ。

 

 

「私美味しくお酒飲んでただけなんだけど………」

 

「いいじゃん、持ってきてよシローーはーやーくー」

 

「しょうがないなぁ、雷夜持ってこい」

 

「うぇ!?結局俺かよ。しゃぁない持ってくるか」

 

「私の時は持ってこようとしないのにシロのお願いなら聞くんだ!!雷夜ってシロの事好きなの?」

 

 

 めんどくさい酒飲み過保護のだるい姉みたいな存在が出来た。茜はなんで酒飲んだらこんなになるんだろうか?初めて会った時はまだ幼いような、それでいてしっかり者の姉みたいな人だと思ってたのに。

 そんな人はとりあえず無視しよう。無視するんだー!!って言ってる声が聞こえてくるけど知らん知らん。………水持ってってあげるか。

 

 

 

 

 

「ねぇ雷夜、やっぱりシロがお酒飲むのってまずくない?」

 

「あんたの方がまずいけど………絵面はシロの方がアウトだよな」

 

「それは私の背が低いのを煽ってるのかい?」

 

「煽ってるっていうか、見た目中学生言われても通りそうな身長だし、未成年飲酒みたいというか、」

 

「けどお酒に強そうとかいうギャップで頭ぐるんぐるんになるんだよね。でも絵面はアウトです」

 

「ふーん、じゃあ雷夜は平均くらいありそうだし、飲んでもセーフ?」

 

「バカ、な訳あるか!高校生に酒飲まそうとすんな」

 

「じゃあ私はお酒飲める歳だからセーフだよね?」

 

「セーフだけど絵面がアウトって話だよ。別にお酒飲むなって話でもないし」

 

「ま、そうだよね。てかチンチロやらないの?」

 

「雷夜、何賭ける?」

 

「賭けるのって賭博罪にならん?」

 

「一時的な娯楽の範疇なら大丈夫よ、という事で雷夜が勝ったら今年の年始のしばらくは一緒に行動させる権利をあげよう。それに見合うもの賭けてね?」

 

 

 茜暇人なのか?負けるデメリットないじゃん。え、ないよね?俺と一緒にいることがデメリットとか言わないよね?

 

 

「それじゃあ茜が勝ったらマッサージしてあげるよ。最近忙しかったとか聞いたし」

 

「それじゃあ私から振るよ。一回目は2、1、4役なし、二回目は、それっ!!2、2、4だから4だね!!」

 

「4以上だな、そんじゃそれ一回目!3、3、6つまり6で俺の勝ちだね。一回目で6は強すぎるな」

 

「強すぎ、だけどまぁゾロ目とかじゃないし、まぁ出ること結構あるからしょうがないね。それじゃあ私は1週間くらいここにいようかな、そして1週間は雷夜の後ついてくから」

 

「それじゃあうちらのグループで初詣とか行くか?」

 

「いや雷夜普通にそれは中旬くらいにみんなで行くでしょ。どうせなら普段茜が行かないような所に連れてくのが面白いでしょ」

 

「普段行かないのってどこよ?俺らのセカイの俺の秘密基地とか?」

 

「そんなの作ってたんだ。けどそんなんじゃなくて例えばお父さんにお年玉もらいに行くとか、墓参りするとか」

 

「それ何が面白いんだ?」

 

「正月に一応でも息子が女性を連れて帰ってきたらどう思う?それはもう家族への挨拶よ」

 

「けほ、けほっ!それは面白いとかじゃないって、墓参りもそうゆうこと!?死んだ父さんにってこと!?そうゆうのはダメだと思います!!」

 

「あはは、ごめんごめん」

 

「さ、流石に私もお酒で酔って付き合ったりするのは……よくないんじゃないかなって思うよ?」

 

「だよねw。さてさてそれじゃあ私は次何飲もうかなぁ」

 

「なんか俺もう怖くなってきたから寝ようかな」

 

「私も、酔いが覚めちゃったし寝てもいいかもしれない。………雷夜くん一緒に寝る?さっきの一緒に行動させるって賭けしたしさ?」

 

 

 絶対この人酔い覚めてないって!!ちょこっち来ないで、ただの過保護なのはわかるけど普通に考えてアウトだよ!!シロ、シロ助けて!!

 

 そんな事を思いながらシロに助けを求めたらお酒を飲むのを中断して動きかけてた茜を捕まえてくれた。

 

 

「よしよし、茜まだ酔い覚めてないようだし私の酒飲みに付き合え、そんでお子様な雷夜は風呂入ってとっとと寝てしまえ」

 

「シロありがとう、俺今度から茜とは酒飲まないようにする。普通に怖かったし」

 

 

 

 その後は何事もなく寝ることに成功した。そしてこれは朝起きて気づいたのだが、ついて行動するのだいたい命令権をもらった感じだからこっちが命令しなければ大丈夫なのだと気づいた。



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本編だよー
プロローグ


???「なんなのよ、このセカイ」

???「すぐにでも壊れちゃいそう。絶対に救える曲を作らなきゃ」

???「うっわ~空はきれいなのにそれ以外がもうすっっごく禍々しいね!」

???「ミク達はどこにいるのかな」

 

 

???「お空がキララ~ンってしてる♪けど空気はドヨォ~ってしてる…」

???「おそらくここもセカイではあるんだと思う、けど僕たちのセカイとは大違いだ」

???「なんか面倒くさそうな気配を感じるんだけど」

???「なんなんだこのセカイは!!だが、セカイは本当の想いをみつけるところだ。その手伝いもこの俺がスターになるための大切な一歩である!」

 

 

???「ここはいったい?あっちにあるのは何かしら~?」

???「ここどこ~?なんかこわ~い」

???「う~ん、とりあえずここにいても何も変わらなそうだからみんなで帰る方法探そうか」

???「高低差すごいわね。バラエティ番組で鍛えた力発揮させてもらうわよ」

 

 

???「みんな空みて!お星さまがたくさんあるよ!」

???「ちょっと、一人で動くと危ないよ」

???「ここってどこなんだろうね?」

???「どこでもよくない?楽器さえあれば」

 

 

???「あれ?私達セカイにいたよね?」

???「なんだか宇宙にいるみたいだね」

???「ったくめんどくせぇ、とっとと帰る方法探しに行くぞ」

???「しかし、空はきれいだな」

 

 

 

 

~~崩壊したセカイ~~

 

 

「ねえミク、このセカイってさバーチャルシンガー以外の人間は入れないの?」

「そんなことはないよ、例えば君の家族だったりやその知り合い。君が手伝ってるショーの人たちとかなら入って来れるかもしれないよ。まぁ君の深層心理が拒否したら無理だけど」

「ふぅ~ん。そうなんだ。まぁセカイに入れても俺のところまでこれないだろうけどな」

 

 

このセカイは最低8人はいないと来れないところがあって俺らはそこにいるから。しかし、もしプロセカのメンバー全員で来たら来れるかもしれない。

いや、おそらく絶対に来れるだろう。

 

ニーゴ、ワンダショ、モモジャン、ビビバス、レオニード、一応全員知り合いではある。

おそらく神様転生の特典なんだと思う。何なら東雲家の長男である。ちなみに、えななんは姉である。

 

 

俺が転生したことに気づいたのは生まれてすぐだった。しかしそのときはプロジェクトセカイだとは思っていなかった。ただ元の世界よりも初音ミクたちが有名なんだと思っただけだった。

 

時はしばらく経って家族で出かけていたときに俺たちは事故にあった。

 

次に俺が意識を取り戻したのは病院だった。この時の俺はまだ小学校に行く前であった。先生曰くひき逃げにあったらしく、父と母は俺のことを助けて意識不明の重症を負った。それから少し、してしばらくの間俺は引き取られることになった。その家が東雲家である。どうやら遠い親戚らしい。何故俺のことを引き取ろうと思ったのかを聞くと、

「絵をよく描いていると聞いていたから」

とかえってきた。それだけらしい。

引き取られて東雲家に行くことになり、2人の子供と話すことになった。

そしてその時に俺はこの世界がプロジェクトセカイだという事に気づいた。 

 

「私えな、よろしくね」「俺はあきと、なぁサッカーやろうぜ」

 

東雲絵名と東雲彰人。2人はそう言った。

それから俺は東雲雷夜(しののめらいや)と名乗ることになった。




崩壊したセカイはもしかしたらしばらく出てこないかも


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東雲家での夏祭り
彰人の挫折と夏祭り


ストーリーの内容あるので気をつけて下さい。


俺が中学生になった年に彰人の所属するシブヤダイヤモンズSCが明日武蔵野イーストと戦うということを彰人が教えてくれた。相手チームはとても強い子ばかりだけど負けるつもりはないとも教えてくれた。

 

ついに始まった。この試合は負けることになっている。何故ならこの戦いは彰人の小学校最後の大会で、プロセカのイベントストーリー『夏祭り、鳴り響く音は』の冒頭のことであるからだ。とても長かった気がする。実際に7年くらいは待っているのだが、これが最初の原作ストーリーの中で最初に関われるストーリーなのだから余計に長く感じるのも無理は無いと思う。

一応どんなストーリーだったかを思い出しておこうか。確かこのイベントストーリーでは、彰人の挫折から夏祭りを通して音楽に触れる機会があり、音楽の道に進むきっかけとなる物語のはず、少なくも小学生時代はそれで終わりのはず。高校生時代はまた後で思い出してまとめればいい。

また、今問題なのはどのような形で原作ストーリーに関わるべきかである。変に干渉しすぎるといけないから夏祭りに行かせるようにはしなきゃいけない。もし絵名が夏祭りに行かないなんて事があったら最悪俺が絵名のポジションをしなきゃいけない。だがあれは絵名だからこそ輝くポジションだ。だから一応夏祭りに行くかどうか聞くだけでもしとけばどうにかなるというか聞かなきゃ始まらない。その上で浴衣を着せていかなきゃいけないのだ。考えるだけでも少しクラクラしてくる。原作に絡むオリ主って皆んなこんなこと考えてたのかもうちょっと尊敬しとけばよかった。

 

 

「姉さん今いる?ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

「どうしたの?雷夜が聞きたいことなんて珍しいじゃない」

「あー確かにそうだね。まぁそんなことはよくてさ、今度この辺で夏祭りが行われるでしょ。それに今年は行くのかな?って思ってさ。俺たちも中学生になったことだし和服姿で行ってもそろそろ様になるんと思うんだよね。だから一緒に和服借りられる店探しに行きたいな〜って」

「確かにそれもそうね。じゃあ明日にでも探してみようか、それともショッピングモールの中の衣装屋さんで見てみる?」

 

 

衣装屋さん……?もしかしてプロセカで衣装を作ってたところのことか?この世界に存在するんだなぁ。原作だと誰もわざわざ触れることのない普通の店だという認識な気がするけど、こっちだと有名なのかもしれない。まぁあの衣装を製作できるのだからクオリティは信用できるだろう。

 

「じゃあ明日衣装屋さんに行って値段とかを見て買える額だったらそこで買おう。無理だったらレンタルできる所探しに行こうか」

 

ここまできたらもう安心できるかな。



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絵名との買い物。そして意外な出会い

ミラー譜面でバグやると楽しいよ。


「ついた!ショッピングモール」

「とりあえず他の店行く前に衣装ショップ最初に行っちゃおうか」

「そうよね、はやく行っちゃいましょ」

 

 

原作だと確かスクランブル交差点方面の入り口から入ってすぐ左側にあった気がする。あっ、あった。

 

 

「すいません、あの浴衣ってあります?今度ある夏祭りに着て行きたいのですが」

「あら?中学生かしら?かわいいわね。どんなのがほしいの?」

「えっと、私のは藍色のできれいなのを。で弟のは…」

「シンプルでなるべく安いのをください」

「なるほどねぇ。ならお姉さんのは藍色に花の柄が描かれたこちらなんていかがでしょうか。弟さんのはこちらの白と青色のこちらでどうでしょう?これらはお値段も高くないですし」

「かわいい…雷夜これにしようよ」

「そうだね、とても綺麗だしいいと思う」

 

 

そんなこんなで絵名はおそらく原作と同じ浴衣を買ったので驚いたのは言う間もない。ちゃんと下駄も買ったよ。

 

 

 

 

 

 

突然だがショッピングモールはとても広い。高校生でさえそう思うのだから中学1年の小学生とほとんど変わらない俺からすると

 

 

「ここどこ?」

 

 

そう・・・迷子になるほど広く感じるのである。

いやぁここにも音楽ショップがあるって聞いたんだけど…どこぉ?

あの後絵名は先に帰ってると言って帰ってしまったので一人で回ってたんだけど、

 

 

「俺って方向音痴だったのか」

「ここはどこかしら~?」

 

 

知りたくなかった事実におちこんでいると、急に後ろからそんな声が聞こえてきた。迷子かと思って後ろを見ると俺と同じ位の身長をした女の子がいた。その女の子はとても美しい顔立ちで、とてもきれいな水色っぽい髪をしていた。

もしかしたらこの子は日野森雫かもしれない。

 

 

って待て。最近テレビに出てくるようになった雫様では?こんなところに一人でいるのは危なくないか?

 

 

「あの大丈夫ですか?お母さんたちはどこにいるの?」

「あの、どちら様でしょうか?」

「えっと東雲雷夜といいます。あの最近テレビに出ている日野森雫さんだよね?一人でいて危なくないの?」

「雷夜くんね。あと私のこと知っててくれたの嬉しいわ」

「あの、お母さんとかは?一人だと危ないよ」

「あれ?でも雷夜くんも一人よね?雷夜くんも危ないじゃない!?」

「いや俺はアイドルでもなんでもないから狙われる理由がないじゃないですか。でも雫さんはアイドルだから万が一があります」

 

 

どうしよう。この人の話のペース、合わせづらいし話が進まない。この人からスマホ借りて親に連絡するべきかもしれない。流石にスマホは持ってはいるでしょう。機械使えない人だけど。とりあえず少し聞いてから決めよう。

 

 

「今日ってお母さんと来てるの?」

「そうなの。久しぶりにお母さんとしぃちゃんと一緒に遊びに来ているの」

「それは良かったですね。ところでスマホって持ってます?それでお母さんに電話かけましょう」

「あるけど使い方がわからないのよね私」

「なら貸してくれたら俺がかけます」

「ありがとう。はいどうぞ」

 

 

こんなに簡単に信用しないでほしいけど、今は助かった。

「とりあえず衣装ショップの場所で合流できるようにしましょう」

 

 

 

『雫、今どこいいるの?』

『すいません俺東雲雷夜と言います。雫さんとあってアイドルが一人でいるのは危ないと思ってスマホ貸してもらってます。すいません。で、今スクランブル交差点側の入り口近くの衣装ショップにいるのでこちらに来ていただけますでしょうか』

『あ、そうなんですねすぐ行きます」

 

そして少しすると

 

 

「お姉ちゃん」

「しいちゃん」

 

 

日野森志歩がやってきてちょっとだけしてお母さんがやってきた。

 

 

「本当にありがとうございます。雫は方向音痴なので一人でいかれるとどうしようもなくて。今度何かお礼させてください」

「いえいえお礼なんかは大丈夫ですので。それにアイドルと話せただけでこっちがお礼してもいいくらいですし」

「それでしたら連絡先交換しませんか。何か困ったことがあったら力になりますので」

「分かりました。それくらいなら大丈夫かな。」

「ありがとうございます。流石になにかお礼しないと申し訳ないので」

「でしたらこの後私を家まで送ってもらえますか?それだけでもとてもありがたいです。」

 

 

 

そうして日野森さんのお母さんと雫さんの連絡先をもらえた上で楽に家に帰れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あっ、音楽ショップ行くの忘れた

 




雫様のチアフルデイズの活動時期が私は知らないため研究生時代を小学生とし、中学生からアイドルとさせました。もしわかる方いらしたらどこにかかれているか示した上で教えてくださるとありがたいです。


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トラブル発生

「彰人が骨折した」

 

 

帰宅してすぐにそんなことをパパなんから言われた。

 

は?…待って待って待ってまずいまずい。それだと夏祭りに行くことできないのでは?それだとビビバスどうなる?Vividsはどうにかなるけど、BAD DOGSは結成されないし、なんなら冬弥はクラシックに進んでこっちに来なくなる。まずいなどうしたら夏祭りに行かせることができる?

 

 

「彰人は今どういう状態なの?車椅子使うの?」

「しばらくは入院することになる。外に出る時は車椅子を使う予定だ。しばらくは外に出せないが」

「そのさ、夏祭りに連れて行けないかな?一緒に見たいものがあって。」

「夏祭り、まぁ大丈夫だろう。行ってこい」

 

 

パパなんからの許可が出たので人安心。そしたら病院に見舞いでも明日行ってこようかな。でもなんで骨折したんだろう?私がいることで何かが狂ったのか?よくわからない。明日見舞いに行くから早めに寝ちゃおうかな?

 

 

 

新しい太陽が登りました。別に太陽は新しくなかったわ。

 

 

「父さん、彰人のお見舞い行ってくる。何か買ってけばいいかな?」

「花でも買って行くといい後は折紙とかがいいだろう」

「わかった。行っています」

 

 

確かビルとかの方に花屋さんあったよね。あの一歌ちゃんがよく買ってた所あそこで買えるならそこ行こう。まぁ他の場所でもいいから見つけ次第買おうかな?

 

 

花屋さんどこぉ?泣かないけど泣きそう。もういいやそのまま行く。ちなみに俺の方向音痴は行き先がわかればどうにかなる程度だから、でも適当に歩き回ったから今どこかわかってないけど、病院はデカいしまぁどうにかなるでしょう。

 

 

そんなわけで着きました。病院です。ただの病院です。なのでさっさと彰人の病室を聞きましょう。………鳳なんて文字なんか見てません。

 

 

「すいませーん。お見舞いに来たのですが、大丈夫ですか?」

「大丈夫よ。誰のお見舞いに来たの?部屋わかる?」

「東雲彰人のお見舞いです。部屋教えてください」

「4階のこの部屋よ。地図あげるからそれ見るといいわ」

「ありがとうございます」

 

 

地図もらっても迷うけどありがたくもらっていきましょう。印ついてるので分かりやすいかも知れません。

 

 

 

 

 

わかりませんので片っ端からネームプレートを見て探します。高くてみづらいですが背に腹はかえられません。

 

「誰の部屋探しているの?」

 

 

しばらく探していると後ろから声が聞こえました。声の主は一体誰でしょうか。後ろを見てもわかりません。鳳えむではないかとほんの少しだけ期待しましたが、髪色がピンクではありません。ピンクっぽいですが派手でわなく落ち着いています。宮女の高校生の制服を着ているので年上なのはわかりますが、本当に誰でしょう。

 

 




誰か予想してほしいなぁ…なんて。


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彰人の感じたこと

感想って嬉しいのでできたらください。




進級どうしよう…


「あの…お姉さんだれ?」

「あっそうよね。私は鳳ひなた。よろしくね」

 

 

鳳ひなた…えむのお姉さんでは?えっでもなんで?ひなたさんって別に病気とかなってないよね?あれ、おじいちゃんっていつ亡くなったっけ?もしかしてまだ生きてる?

………生きてるわ、えむちゃんが中3か中2の終わりあたりになくなったはずだ。それならおじいちゃんが病院にいてもおかしくない。

 

 

「どうしたの?大丈夫?」

「だ、大丈夫です。鳳ってこの病院と同じだなと思い、もしかして鳳財閥の方なのではないのかという考えになって驚いてるだけです」

「確かに鳳財閥の人だけど……私はただの学生だよ。君に話しかけたのは何か困ってそうだったからだし、特に変な思惑とかはないよ。で、何か手伝おうか?」

「だったら弟の病室を探してほしいです。背が足りなくてプレートが見づらくて、弟の名前は東雲彰人っていいます」

「わかった。ところで君の名前は?ずっと君なんていうのはいい気しないなぁ」

「東雲雷夜です。中学1年です」

「雷夜君ね。私のことは鳳じゃなくてひなたって呼んでね」

「わかりました」

「どっちも学生だし先輩後輩ってわけでもないから楽にしてくれてもいいんだけどなぁ。………あったよ。彰人君の病室」

 

 

軽く話してる間に彰人の病室を見つけることができた。やっぱり高校生あたりになるとプレートが見えやすい位置にあるから探しやすいんだなぁ。

 

 

「ひなたさん。あの、探してくれてありがとうございます」

「気にしなくていいよ。私がしたくてやったことだから。それに初めて会ったわけじゃないしね

 

 

最後の方聞こえなかったがまぁ気にしないでね、的なことだろう。

ようやく彰人の病室が見つかった。車椅子を使ってでも夏祭りに行かせるぞ‼︎頑張れ俺。

 

 

「彰人きたよー起きてる?」

「兄ちゃん?起きてる。」

「骨折したって聞いた。サッカーはしばらく出来ないけど足治ったらまたやろうか」

「やらない。俺はもうサッカーはやらないって決めた。」

「どうして?昨日の試合に負けたから?それとも骨折して戻ることが厳しいから?」

「俺はサッカーに対してずっと本気でやってきたと思ってた。けどあいつらと戦って分かった。俺はあいつらほど本気でサッカーをしてなかった。俺は半端な気持ちだった。だから俺はサッカーをやめる」

「そっか。じゃあさ、これからは何をするのかとかは決めてるの?」

「まだ決めてない。けど半端な気持ちで始めたりはしたくない。半端な気持ちで始めたら上には進めない」

「まぁ入院している間はゆっくりと考えるといいよ。でも最初に言っておく。何かに挑戦することはダサくなんかない、例えすぐに辞めたとしてもだ。それは自分に合わなかった、ただそれだけの事なんだよ。今まではサッカーが偶然自分に合っていただけ。俺は彰人がしたいと思うことはなんであろうと応援するし、一緒にやってもいい。自由にやるといいよ。人間何か熱中できるものがある人の方が輝いて見えるものだからさ。熱中しすぎてもダメだけど、類みたいになると困る。

 

 

我ながらとっても恥ずかしいことを話してしまった。しかも彰人の反応が無いし、もうヤダ恥ずかしい。

 

 

「彰人、せめて何か反応してよ」

「ごめん。でも兄ちゃんが励ましてるの初めて見たから少し驚いてた」

「えぇ…そんなこと言わないでよ。せっかく勇気出して言ったのにさ」

「でも何かやろうとは思った」

「ならいいや。彰人、今度の夏祭り行かない?一緒に見たいものがあるんだ」

「でも俺足動かせないぞ」

「車椅子使っていいんだって。だから行こ?」

「それならまぁ」

「よし、決まり。じゃあそろそろ帰るわ。夏祭りの日にまた来るから。じゃあね」

「兄ちゃん、ありがとな」

 

 

彰人に夏祭り行かせることが出来そうだからもう安心していいな。そしたら当日は楽な靴を持ってけば絵名も含めて3人で音楽を聞くことができるはず。俺ら子供だけで何か同じものを見ることってそうそうないから楽しみだなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶり。まだ寝てるのか?早く意識が戻るといいな、怜華(れいか)




少しだけキャラ増えます。なのでプロットが変わりそうなので更新遅くなるかもです。


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夏祭りと彰人の『想い』の種

長くなっちゃった。


夏祭りがやってきた。なんかおかしいな。夏祭りの開催日になった。うんうんしっくりくる。

という訳で絵名がはけそうな靴を持ったのを確認して、彰人を連れに行くぞー。

 

 

「行ってきます」

 

 

挨拶はとても大切。喧嘩しても挨拶を怠らないあの天馬兄妹を見習うといいかもしれない。そういえば咲希ちゃんは元気してるかな?原作では最初のイベントストーリーで初っ端から少し辛いの出してきてこっちは心臓が締め付けられたわ。今度からテルテル坊主作っとこ。どうせ効果は出ないだろうけど。

 

 

そんなことよりもうすぐ病院に着きそうです。一回場所を覚えとけば迷子なんかになりませんし、方向音痴も発動しない。本当にマシな方向音痴なことで。雫様はこれ以上の方向音痴だと考えると厳しい生活をしてらっしゃる。なんか今日は話が脱線のオンパレードだなぁ。ごめんね。…‥‥いや俺誰に謝ってんの?まぁいいや彰人の病室まできたので早く祭りに行きましょう。

 

 

「彰人きたよー。夏祭り行こうか」

「兄ちゃんなんかテンション高め?いやそんな事ないか。てか車椅子は?」

「借りてきたけど?見た目は…少しおかしいけど、階段を登る事が出来る車椅子らしい」

「そ、そうなんだ」

 

 

この車椅子押すと少し重いけど便利そうだから借りたけど普通のが良かったかな?新しいものは触れたくなる。これが人間の考えでもあるしいいだろ。そんなことよりさっさっと夏祭りの会場に行こうか。家からよりも病院からの方が山まで近くて楽でいいね。

 

 

という訳で着たぞ。俺たちの夏祭りので始まりだ。

 

 

「彰人は欲しいものとかってある?りんご飴とか綿飴とか」

「夏祭りっていったらそれが出てくるよな。どっちも好きだけど今はいいや。むしろかき氷の方が食べたい」

「かき氷ね。あれ頭痛くなるからやなんだよねぇ。でも美味しいんだけどね」

「あれ姉ちゃんじゃないか?」

「姉をあれって…ホントだ姉さんいる。姉さ〜ん」

「ちょっと大きな声で呼ばないでよ。てか彰人もきたんだ」

「ごめんごめん。彰人に見せたいのがあって連れてきた。それより姉さん、足痛くない?一応楽な靴持ってきたけど」

「えっ何、気が効くじゃない。少し足痛かったのよね〜ありがとね雷夜。」

 

 

「……彰人くん?来てたん……って車椅子⁉︎どうしたの?」

 

 

誰?いや彰人と同じサッカーチーム、シブヤダイヤモンズSCのモブか。まぁ知らない人のはずだから彰人に聞いとこう。

 

 

「彰人あの子だれ?」

「あっすいませんお兄さん、お姉さん。おれは翔太っていいます。彰人くんと同じサッカーチームでした。それにしても彰人くん久しぶりだね。怪我してたんだね。何も連絡なかったからびっくりしちゃった。……ねぇ本当にサッカーやめちゃうの?みんな、彰人くんに戻ってきてほしいって言ってるよ」

「…………」

「おれも一生懸命頑張るからさ。彰人が戻って来るまでも、戻ってきてからも。だから、またみんなで「言っただろ。そういうことじゃねぇんだ。俺はもうサッカーはやめたんだよ。………じゃあな」あっ………」

 

 

結構辛辣だよね。原作読んでた時も思ったけど。まぁ自分の意思表明ができるのはとても良いことだと思うけど。

 

 

「同じサッカーチームの子だったのによかったの?」

「せめてもう少し優しく接してあげようよ」

「絵名たちには関係ないだろ。俺はサッカーをやめたんだ。もう同じチームでもなんでもねえよ」

「………ふぅん?けどお見舞いに行った時は暗い顔してるよね、あんた」

「してねえよ」

「してるってば。サッカーやめるのはあんたの勝手だけどお見舞いに行ったのにそんなに暗い顔されると、こっちは嫌でも気になるでしょ」

「うるせぇよ。絵名に、俺の気持ちがわかるわけ『ウオォォォォォ』」

「わっ、なに⁉︎大きな音がする」

「始まったみたいだね。彰人、姉さん早く行こうよ。今日は彰人にこれを見せにきたんだから」

「さっき野外ステージに人が多く集まってたからライブか」

「ライブって、夏フェスみたいな?」

「兄ちゃん、俺興味ないんだけど。」

「言っただろ、『人間何か熱中できるものがある人の方が輝いて見える』ってだから今日は興味なくてもライブ見てみようよ。もしかしたら悪くないかもしれないじゃん?」

「そうね私も靴楽なのに変えたし、行ってみようよ」

「って絵名車椅子早く押すなよ、危ないだろ。後兄ちゃん置いてってるって」

 

 

………車椅子持ってかれちゃった。にしてもやっぱり東雲家の2人やっぱり尊いね。最推しではないけど箱推しの人だったからリアルで見れて嬉しいな。って結構離れちゃった気がする。早く行かないと、3人でいる機会なんて本当に少ないからもったいない。前に3人で行動したのは山に行った時くらいかな?

 

 

「わぁ、結構盛り上がってるね!今歌ってる人、人気なのかな?すごい熱気!」

「そうだな」

「彰人どう?この感覚悪くないんじゃない?」

「まぁ嫌いじゃないってくらいだな」

 

 

「そろそろ彰人を病院に戻さないとだから帰ろうか」

「それにしても、ライブすごかったねー」

「………ああ」

「彰人、いいこと教えてあげるよ。今回のライブすごかったけどねKENって人たちのグループがあるんだけど確かRADderだったかな?そのグループがが来年イベントを主催するらしい。見に行ってみてもいいかもね」

「………ねぇ、彰人。ああいうのやってみたら?」

「は?」

「なんか楽しそうだったしさ。退院して、時間あるなら、試しにああいう音楽、やってみたらいいんじゃない?」

「………試しに?本気でやれるかもわからねぇのに、そんな簡単に始められるかよ」

「なにそれ。気軽に始めたっていいじゃん」

「いや………だってやってみて、やっぱやめるってなったらダセえだろ」

「彰人、やっぱりやめたってなってもダサくなんかないぞ。何かに挑戦するんだから、それだけで十分カッコいいさ」

「あんたねぇ………始めてもいないのに、なにゴチャゴチャ考えてんの?」

「うるせぇな!何も知らないくせに!」

「知らないって………何言ってんの?私が彰人の気持ちなんて、わかるわけないじゃん」

「は…?」

「どうせ、私があんたの気持ちがわかるって言ったってそれはそれでムカつくって思うでしょ」

「まぁそりゃそうだけど」

「ま、細かいことは置いといて、彰人って器用だからなんでもできるでしょ。だったら、いろいろやってみたらいいじゃない。雷夜だって同じこと思ってるはずでしょ」

「そうだね、確かに今日彰人を夏祭りに連れてきたのは音楽の道もあるって伝えたくて連れてきた訳だしね。」

「………気が向いたらな。退院するまでに考えとく」

「そっか。じゃあ、帰ろっか」

「彰人、帰りにコンビニ寄ってチーズケーキでも買ってこうよ」

「ちょっと雷夜、たまには私にも奢りなさいよ。」

「今日は気分がいいからいいよ。好きなの買いな」

 

 

いいな、この感じ。3人で行動する事は最近は少なくなってきていたから本当に嬉しいな。絵名と彰人って天馬家と日野森家と違って兄妹の関係は遠目からみると仲の悪いように見えるけど、この2人だからこその言葉の強さだったりが上手く噛み合ってるのだと思う。絵名がいたから彰人は音楽の道に進んだしね。やっぱり世界に俺がいなくても全然回る。とゆうか俺がいるせいで何か歯車が噛み合わないなんて事にならないといいけど……。

 

 

 

 

 

「彰人じゃあね。またお見舞いに来るから」

「兄ちゃん、今日は夏祭り連れてってくれてありがとう。そんなに悪くなかったよ」

「なら良かった。看護師さん、後お願いします」

「わかったわ。あなた達も気をつけて帰るのよ」

 

 

「ねぇ雷夜、靴ありがとね。下駄履いてると足が少し痛かったからさ。あとチーズケーキも」

「気にしなくていいよ。むしろこっちがお礼を言わないとかな」

「どうして?私何もしてないよ」

「俺は彰人に対して強く話す事は出来なかった。だけど姉さんは彰人に必要な事をちゃんと言えた。今日夏祭りに連れて行く事は出来ても音楽をさせようって気には出来なかった。だけど姉さんは俺が出来ないところをカバーしてくれたからさ。だからお礼を言いたかったんだ。ありがとう姉ちゃん」

「あっそ、………まぁいいか。お礼を言われて気分は悪くはならないし。それよりもう中学生なんだから姉さんじゃなくて、絵名にしなさい」

「わかったよ絵名姉さん」

「だから絵名って言いなさいよ。まぁしばらくはそれでいいわ」

 

 

 

なんか絵名とも彰人ともずっと仲良くなれた気がする夏祭りだった。多分これでイベントストーリーの過去編は。アクシデントもあったけど基本的に原作通りだと思う。もうなんか疲れちゃった。帰ったらやる事やって寝ようかなぁ。



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自分の趣味を見つけよう。
バザー的なのに行ってみよう。


彰人が退院してから少しの時間が経ち、もうそろそろ9月になりそうな時期がきたのだが、暑い。結構暑い。でも今日は曇りなのでまだ涼しい方だ。今日は出かける予定があったのだが、曇りで本当によかった。

 

 

「雷夜、今いる?私今からバザー的なのみてくるけど雷夜は一緒に行く?彰人は興味ないから来ないらしいけど。来てたら荷物持ちさせようと思ったのに

「絵名姉さん少し待ってて、そしたら俺も行く。もともと行く予定だったし、そんなに見るものはないだろうけど。まぁちょっとした荷物持ちくらいはするよ。でもそんなに大きなもの買うの?」

「袋がかさばって持ちづらいとかになったら持たせようかなってくらいだから。それよりも私、荷物持ち口に出してた?」

「小さな声だったけどまぁ、彰人に対しては強く出てるからなんとなく予想しただけだよ。あとただただ俺が荷物持ちくらいはしてもいいかな?って思っただけ。よし、もう行けるよ」

「なら早く行こ。手作りのものが多く売られてるらしいから早くしないと無くなっちゃうかも知れないし」

「そういえば愛莉さんは?誘ってないの?こういうの見るのは俺よりも愛莉さんの方が向いてそうだけど」

「誘ったわよ。ただ愛莉は現地集合する予定なだけ。というか、別に一緒に行かなくてもいいんだけど。ただいたら楽だし、彰人には聞いて雷夜に聞かないのは不公平じゃない」

「あーわかった。とりあえず俺もみたいものあるからそれら見終わったら一緒に回ったり、荷物持ちしたりすることにするよ」

「じゃそれでおねがい。そうと決まったら早く行こ。愛莉を待たせちゃうじゃない」

「ちょっと速くない⁉︎少し話しながらでもいいじゃん」

「どうせあっちで回りながら喋れるでしょ。ほら、さっさと行くよ」

 

 

確かにそうだわ。それに俺も愛莉さんに会ってみたいから早く行こう。何気に絵名から愛莉さんのことを聞いただけで、会ったことがないんだよね。

 

 

 

「雷夜、多分ここよね」

「多分そのはずなんだけど………思ったよりも広いね」

「まぁ広いならいろいろと売ってそうだし、全部いいんだけど、雷夜迷わない?」

「迷うと思います……でもスマホで連絡つくだろうし多分大丈夫」

「………まぁいっか。好きに回ってきなさい」

 

 

許された。正直なところ絶対迷うし、ついて来なさいくらいは言われると思ってた。えななんって凄い優しい。もしかしたらめんどくさいだけかもしれないけど。まぁ自由になったのでいろいろ見に行こう。



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意外と皆んな来るんだね。

ライブ見たり、他の方の小説を読んでいたら描きたい欲がすごくなった。

よかったら感想とか評価ください。


歩き回っていると面白いのを見つけた。

輪ゴム銃なのだがとても小さい。結構本格的で割り箸なんかで作るものではなくって木の板を使っている。しかも5連発出来る。

 

 

「おじさん。この輪ゴム銃凄いね。とても小さくて他では見たこともないよ。しかもデザインがカッコいい」

「お、兄ちゃん中々に目の付け所が良いじゃねぇか。この輪ゴム銃はコルトガバメントっていう実在した銃をデフォルメして作ったんだ。

そしてこの輪ゴム銃は弾から違くて10番の輪ゴムを使っているのさ。だから小型化にする事ができたんだ。

だかその分威力が抑え気味でゼロ距離撃っても痛くない。だからかこの銃は中々売れなくてな。皆んな威力の高い大きめの銃を買ってくのさ。どうだい兄ちゃん[小型輪ゴム銃制作キット]買って作ってかないか」

「へぇ……とっても面白そうだね」

「うわっびっくりした」

 

 

急に後ろで声を出さないでくれ。結構話聞いてて面白かったから気づかなかったじゃないか。そこの薄紫髪の子。

 

 

「おじさん。僕たち2人がその[小型輪ゴム銃制作キット]を買うから少し安くしてくれないかな?そんなに売れてって言ってたし、おじさんにとっては売れるチャンスだし、僕たちは少し安く買える。win winだと思うんだけど……どうかな?」

「ちょっと勝手に買うことにしないでよ。いや確かにまだ中学生には少し高いとは思ってたけど、それを差し引いても買う価値あると思うよ。少し安くなってくれたら即座に買うと言い切れるから安くなるならそれでいいけどもさ」

「そうだなぁ、わかった。ただし条件がある。うちの姪っ子を見かけたらこっちに連れてきてくれ、花里みのりっていうんだが、首から名札ぶら下げてるからすぐわかると思う。見つからなかったらこか仕方ないが見かけたら連れてきてくれ。

まぁ1人につき1,000円安くしよう。1人2,700円だ、俺はもともと趣味で作ってたものでもあるし、そのくらいならいいだろう。もう1人の兄ちゃんはその子に感謝しろよ〜ここまで安くするのは話し相手になってくれたのが大きいからな」

「確かにそうだね。君の名前はわからないけどありがとう、助かったよ」

「あ、いやこっちも思ったよりも安く売ってもらえるようになったし、少なくとも値引き交渉なんて出来ないからちょっと得したよ。あと俺は東雲雷夜って言います」

「雷夜君だね。僕は神代類。よろしく」

 

 

とゆうことで類君と接触しました。俺気づいちゃった、俺が絵名と別行動すると原作キャラに会えるということになるって。

やっぱり天才とは言え小型の輪ゴム銃なんて見たことないから気になるのかな?俺も仕組み気になる人ではあったんだけど俺は普通のですら仕組み知らないしな、むしろ今からは小型の方が詳しくなる。

 

 

「よし、兄ちゃん達まずこのピンを二つ板にさして、ピンを板で挟む。そしたらこれドライバーね。で、このネジをネジ穴にさして、時計回りに回すんだ。ドライバーは押し込みながら回して使うようにな。結構強めに締めるように」

「へぇなるほど。トリガーを引くとロックが外れてもう一つのロックがかかる。これで一発ずつ放てるようになってるのか。トリガーを戻すと

最初に戻るという仕組みになってるのか。とても面白いね」

「ねぇおじさんこうゆうのって設計図とかあるの?」

「あるにはあるけど設計図は複製するためのやつだな。この輪ゴム銃なんかは小型だからいちいち設計図を作ってからやってたら上手くいかねぇ。だから小型の輪ゴム銃の輪ゴムを発射する機構を作って上手くできたのを設計図に書き起こしてる。パソコンに一応データとして残してあるから見るか?」

「あるなら見たいです」

「僕も見せてもらってもいいですか?」

「勿論いいぞ。だかデータを上げることはできないがな。とりあえず兄ちゃん達は作り上げちゃいな」

「僕はもうできたよ」

「えっうそ、もうできたの?類君なんかいつもドライバーとか使って何かやってたりする?爆弾とか作ってないよね?」

「想像にお任せするよ。それに雷夜君だってあとネジ2つで終わりだ。十分早いじゃないか」

「なんだ兄ちゃん達、もうできたのかい⁉︎ちょっと待ってろすぐ準備するから」

 

 

作るの楽しいな。類が舞台装置だったりロボだったりを作るのに熱中できるのが今なら理解できるわ。でも流石に類と同じように作業しすぎて寝落ちするまでは俺はならないな。

 

 

「ところで雷夜君。君はどうして普通のサイズじゃなくて小型の方に興味を持ったんだい?」

「うーん……他では見た事がないのと、小型化できたんだって驚きからかな。あ、機構的な意味でね」

「なるほど…君はこれを買って作ったけども何に使うつもりなんだい?」

「飾っておくのが大体かなぁ。あと威力が低いからちょっとしたドッキリとかそんな感じ。そうゆう類は何に使うんだ?」

「僕はコレを改造してショーに使えないか試そうと思ってるよ」

「ショーとかするんだ。凄いじゃん。何処かでやってたら見に行きたいね。なんなら一緒にやってもいい。類がいいならだけど」

「しばらくは遠慮しとくよ。僕はどちらかというと一人でショーをしたい人間だからさ」

「そっか。ならしょうがないか」

 

 

確かに知り合ってすぐの人に類のショーの内容とかを話すことはできないというか、トラウマになってるから話せてないよな。早く司達と出会ってくれ。

 

 

「兄ちゃん達、コレがデータだ」

「3Dモデルも使ってるんだ。てっきり紙の設計図を写真で撮ったやつでもあるのかなと思ってた」

「ちなみに何故わざわざ3Dモデルも作ったのか理由を伺っても?」

「これはもともとうちの従業員を育てるために分かりやすいものが必要だったのさ。本当なら従業員しか見れないんだが今日はとても気分が良いからな、特別だ」

 

 

3Dモデル………面白そう。もしかしたら物凄く頑張ったら3DMV作れたりするかな?家に帰ったら調べてみようかな。多分ミクが有名な世界だから誰かミクの作り方の動画とか出してるでしょう。俺がいた世界だってMMD(ミクミクダンス)っていうくらいだし。

今日は趣味が見つかっただけでもう大収穫だな。他にも凄い色々あって大収穫じゃ済まなそうだけど。

 

 

「おじさん、ありがとね。じゃみのりさん見つけたらこっちに連れてきます。類もまたね」

「おう、よろしくな。あと買ってくれてありがとな」

「雷夜君、じゃあね。またいつか」

 

 

そしたら絵名と合流して二人と回ればみのりとは会えそうかな。

早く絵名を探さなきゃ。

 




輪ゴム銃凄いかっこいいし、作るの楽しかったです。


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探してる人探すまでもなかった。向こうから来ちゃったよ。

感想とか評価あると嬉しい


えななんみっけ。方向音痴の俺にしては凄いね。すぐに行かないと見失ったら一貫の終わりだと思う。

 

 

「絵名姉さん。ちょっと待って」

「雷夜?えっすごくない⁉︎私絶対に迷子になると思ってた」

「いくらなんでも実の弟にそれはひどいじゃない」

「だってあの雷夜だよ。愛莉には前も言ったけどあのショッピングモールで迷子になるんだから」

「わたしは雫とは同期だからあの対応できるけど、絵名の場合は弟なんだからもう少し優しくしなさいよ」

「俺の接し方とかはどうでもいいよ。まず方向音痴の自覚はあるし。それよりも愛莉さん初めまして。東雲雷夜です」

「初めまして。桃井愛莉です。雷夜君のことは絵名からよく聞いてるわ。けどホントにその接し方でいいの?」

「気にしてないのでホントに大丈夫です。愛莉さんもその接し方でもいいですよ」

「あはは……わたしは普通の接し方にさせてもらうわ」

「二人ともそんなに話してないではやく色々見にいくわよ」

 

 

愛莉さんはモモジャンではよくツッコミに回ってたけどこの頃から既にそうなってるんだ。なんか苦労人だよね。

 

 

 

 

「あ、あの、もしかしてあ、愛莉ちゃんですか?」

 

 

絵名が服を見て回っている途中に愛莉がライトブラウン?明るい茶髪の女の子に声をかけられたてた。この時代の愛莉を知ってるのはなかなかに目の付け所が良いではないか。流石アイドルオタク。まだオタクでは無いのか?

てな訳で花里みのり発見しました。向こうから来てくれました。とりあえず愛莉が話終わったらあのおじさんのところに連れてくか。

 

 

「そうよ。わたしの事知ってくれてるなんて、とても嬉しいわ」

「い、いえわたしの方こそ会えて嬉しいです。あの、握手してもらってもいいですか?」

「もちろんいいわよ。わたしも初めてファンに会ったんだもの。これほど嬉しい事なんてそうそうないわ」

「あ、ありがとうございます。これからは手洗わないようにします」

「いや、流石に手は洗いなさいよ」

 

 

「ちょっとごめんね。花里みのりちゃんだよね?」

「そうですけど、どうかしましたか?」

「君のおじさんから見かけたら戻るように伝えて欲しいって言われててさ。場所わかるかな?」

「わからないです」

「そしたらどうしようか。おれ方向音痴なんだよな」

「なにこっち見てるのよ」

「いや、愛莉さんならどの店か教えたらすぐ見つけられそうだなぁって思っただけですよ」

「しょうがないわね。絵名が服見終わったら行くわよ」

「愛莉さんありがとうございます」

 

 

絵名抜きで決めちゃったけどまぁいっか。

 

 

 

 

そのあとすぐに絵名が服を見終わったのでみのりを送り届けて解散することになった。

 

 

「それじゃ今日は楽しかったわ。また今度遊びましょ」

「そうね。また今度」

「愛莉さん、今日はありがとうございました」

「わたしも楽しかったし。全然大丈夫よ。それじゃまたね」

「うん。じゃあね」

「それではまた」

 

 

「雷夜は何かいいものあった?私はいいの少しはあったんだけど少なかったなぁ」

「小型の輪ゴム銃買ったよ。5連発できるやつ。あとね、やりたいことが見つかったよ。それを帰ったらやるつもり」

「彰人に続いてやりたいこと見つかったんだ。よかったじゃない」

 

 

そんな普通の話しをして今日は一日が終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「ん、うぅ………ここは病院?」




今少し迷走してますので更新頻度落ちてます。すいません


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妹が目覚めた
私、目覚めの時


自分の事ですがプロセカのフィギュアを買ってみました。初めてのフィギュアです。とても嬉しいです。


追記です。少し夏祭りの話を追加しました。


気づいたら私は雲の上にいた。

 

 

上を向けば青空、下を向けば白い雲、横を向いても青空、後ろを向くと神様がいた……………えっ神様⁉︎

 

嘘でしょ⁉︎私はこうゆうマジな神様は信じてなかったんだけど、実物見ると流石に信じるね。

 

それにしてもよく創作物で見るおじいさん神様や女神とは違って神々しさは感じない青年っぽい神様だな。

 

 

「神々しくなくて悪かったね」

 

 

しかも機嫌が悪いようで、………ってか思考見られた?そしたら悪いの私なのでは?……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。私まだ死にたくないです‼︎っていや神様見えて、雲の上にいるならもう死んじゃってるかも⁉︎

 

 

「そうだね。確かに君は死んじゃってるけど、転生してもらうよ。その世界はプロジェクトセカイだ」

 

 

プロセカの世界?やっっっったぁ〜〜‼︎ホント神。いやホントに神様なんだけどさ。

 

 

「ただ、君には少しばかり問題もあってね、もしかしたら喧嘩になるかもしれない」

 

 

えっ喧嘩?誰と?私が神様と喧嘩するの?

 

 

「喧嘩するのは一人の転生者かな。勿論喧嘩しない可能性もあるけどね。君はとあるモブだけどモブじゃない存在に憑依してもらう。ところで

 

君は原作キャラにオリ主が絡むのは大丈夫かな?」

 

 

………………恋愛関係に発展しないならまぁ………

 

 

「すっごい嫌そうだね。でもその子に君が接触してもらう事になる。というかプロセカの世界では君の憑依先の兄になる。複雑な関係だけどね。あともう一つ問題があって、その憑依先の子が今意識不明だからしばらくはこの天界で君の兄になるオリ主や原作キャラを見ててもらう事になるんだ」

 

 

なるほど……私の兄となる人物がどんな行動をするのか気になるしいい機会かも。そこはもうメリットだね。

 

 

「よかった。ならはいこれ、スマホ。これで見ててね」

 

 

ありがとうございます。早速見るぞー!

 

oh………初っ端から東雲の家族になってるね。家族となら恋愛関係にはならないね。これなら喧嘩する事はないのでは?

 

 

へぇ彰人と一緒にサッカーしてるんだ。それにしても2人ともすっごく上手くない?これなら……いや、彰人に挫折を感じで貰わないとビビバス終わっちゃうからダメだな。

 

 

兄は絵も書いてるんだ。何この絵。地獄に沢山の蜘蛛の糸が無数にある⁉︎いや蜘蛛の糸だけども何人登っても大丈夫そうって感じがする?それを降ろしてるのは白い髪の女の子。

 

これを書いてるのは転生者の兄だから、この白い髪の女の子は多分奏の事だと思う。だけど地獄と蜘蛛の糸は何を表してるんだろう?

 

 

あっ、浴衣を買いに絵名と兄が買い物してる。案外仲はいいのかな?ギスギスしてるよりは絶対仲良い方が良いはず。天馬兄妹まで行くとなんか違う気もするけど。

 

兄は方向音痴なんだ。意外とかわいい所あるじゃん。あれは雫かな?やっぱり中学生の頃から美しいなぁ。この2人絆称号あったら『方向音痴組』とかになりそう。

 

 

って待って彰人骨折してる⁉︎今彰人は小6だからイベントのはずで、このイベントで骨折なんてしてなかったよね⁉︎

 

あ〜…なるほどねぇ。兄に勝つって啖呵切って、兄と一緒に鍛えたのに負けて悔しくて、そしてイベント通りに真剣にサッカーをやってると言い切れなくなってその2つが合わさって事故にあって骨折したんだ。

 

鳳病院……えむと会うのかな?

あっそっち⁉︎鳳ひなたさんの方なんだ。へぇ意外な組み合わせ。

その言葉……ひなたさんは何処かで既に兄と面識があったの?でも見てるけど会ってないんだけどなぁ。流石にあのピンク髪は見逃さないだろうし……

 

 

お祭りだ〜‼︎

あの、りんご飴とわたあめの話はメタくないかな?

 

思ったよりもいい事言ってるじゃん。正直、普通のっていうと違うけどオリ主としてはまだ暴れてないよね。

 

機嫌いいとアイス奢ってくれるんだ。これが兄になるなら普通に最高かも。

 

 

思ったよりも普通に楽しんでるね。特に5連発できる小型の輪ゴム銃とかは普通に面白いし。

 

みのりちゃんかわいい。コレは原作と少し違う流れになるかもしれないな。この程度ならそんな問題なんか起きないだろうしいいけど。

 

 

 

 

 

「さて、そろそろ目覚める時間だよ。プロセカの世界を楽しんでおいで」

 

 

もうそろそろ目覚めるらしい。思ってたよりも速く時間が過ぎていてビックリした。それでは神様、行ってきます。

 

 

 

 

 

 

 

「ん、うぅ………ここは病院?」

 

 

痛い  痛い  痛い  痛い 痛い 痛い それに、気持ち悪い

 

なにこれ、この子の記憶の欠片?脳が悲鳴を上げてる。

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、少し収まった。あとこれ、スマホ?何か音楽を医療に使ってたのかな?」

 

「怜華さん、おはようございま……怜華さん⁉︎意識取り戻したんですか⁉︎すいません。すぐに担当医をお呼びします」

 

 

行っちゃった…まぁいいかどうせまた来るらしいし。それよりもこの子の記憶があんまりない。わかるのは兄に懐いていたこと。それぐらいであとは私の記憶だけ。怜華としての昔のことは殆どわからなかった。

 

 

 

「怜華さん、おはようございます。私はあなたの担当医の藤井と言います。今日起きて何か気づいたことなどはありますか?」

「えっと、記憶があんまりないというか、記憶が曖昧でなにも思い出せないんです。ただ、私に兄がいた事は覚えてます」

「お兄さんの名前は覚えてますか?」

「いえ、わかりません」

「なるほど……では明日お兄さんにきてもらいましょう。あと、お兄さんの名前は雷夜です。一応覚えておきましょう」

「ありがとうございます」

「いえいえ。もう約7年の付き合いですのでお気になさらず」

 

 

なんか結構すんなりと兄と会える事になった。ところで私は東雲の家族になるのかな?それとも別の家に引き取られる?流石に東雲の家族になりそうだけど。

 

 

 

 

 

なんかこの子に申し訳ないな。私が憑依しなくても目覚めるだろうし、この子は小さい時の記憶しかないからかもだけど結構なお兄ちゃんっ子だと思うから多分私が憑依した事によって兄にもこの子にも辛い思いさせそう。

記憶がないし、私が憑依した事でこの子の意識はこの先目覚める事はないだろうし。神様はそこだけはどうにかして欲しかったな。



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あ、そう言う事だったんだ

「失礼します。こんにちは、怜華ちゃん。私は鳳ひなたって言います。よろしくね」

 

「は、初めまして、鳳さん。よろしくお願いします」

 

 

ひなたさんがいるってことは、ここ鳳病院なんだ。それにしてもなんでひなたさんは私のところにきたんだろ?

 

 

「ひなたで大丈夫よ。えっとね、ごめんなさい。実は怜華ちゃん達が意識を失ってた時に幼い私が悪戯してたらしいの。私は覚えてないし、雷夜君も怜華ちゃんも意識失ってたから知らないと思うけどごめん」

 

「本当に知らない事ですね。わざわざ言わなかったらバレる事もなかったんじゃないですか?それでも謝ってくれるのは凄いいい人って分かるので嬉しいですね。それよりも兄さんには会ったことあるんですか?」

 

「会ったことはあるんだけど、まだ謝れてないんだよねぇ。なんか鳳家って事で少し驚いてたから謝るタイミングが見つからなかったのよねぇ」

 

「別に謝らなくてもいいんじゃないですか?多分兄さんは優しいですし、気にしてませんよ。そもそも覚えてないんですし。

兄さんに謝るならむしろ私の方ですね。懐いていた記憶はあるけど名前も殆ど覚えてませんし、少し申し訳なく思います。

なんで神さまは私の意識を復活させたんでしょうか。こんな不完全な形で。これならまだ眠っていたかったです」

 

「怜華ちゃん、辛い事言うけどね、多分全部覚えていたらもっと苦しいと思うよ。自分を守る為に記憶を封印したんじゃないかな?雷夜君の少しの思い出を残してさ」

 

そうじゃないんです

 

「っ…‼︎」

 

「あっごめんなさい。私は周りに迷惑をかけたくないんです。特に兄さんにはこんな私じゃなくて、ちゃんと記憶のある私で、せめて兄さんの記憶だけでもちゃんとある私で会いたいんです。兄さんには辛い思いをして欲しくないんです。

明日来るのは兄さんです。親ではありません。だから多分親はまだ意識がないか亡くなっています。どちらにせよ兄さんは既に大変な思いをしてると思います。だからこれ以上辛い思いをして欲しくないんです」

 

 

なんか変な空気にしちゃったな。コレは神様への愚痴と共に私の、私たちの本音でもある。元の私もこの子のどっちでもあってどっちでもない、新しい私の気持ち。

 

 

すると急にひなたさんが私のことを抱きしめてきた。

 

「怜華ちゃんって本当に雷夜君を大切に思ってるんだね。それだけお兄ちゃんのことを思ってるならきっと記憶が曖昧でも嬉しいと思うよ。だから安心して。だから涙なんて流さないで」

 

 

いつのまにか泣いていたらしい。それにしてもひなたさんがとっても暖かい。とても、とてもあったかい。



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妹が目覚めたらしい

視点戻るよ〜。感想とか評価よかったらくださーい。


朝、今日はとってもいい天気だと思う。まだ空は少し暗いから憶測だけど、朝の空気はとってもおいしい。とても空気が冷たいから酸素が多く感じる。今日から3Dモデルを勉強するぞ〜。えい、えい、むん。

とりあえずは動画漁ろうかな?

 

 

急に電話がかかってきた。こんな早い時間に一体誰だろうか、

 

 

「もしもし」

「こちら鳳総合病院の近藤と申します。こちら東雲さまのお宅でございますでしょうか?」

「はい、そうですが……」

「お父様は起きていますでしょうか?」

「いえ、今日はまだ帰ってきてないようです」

「そうしましたらお名前をお伺いしてもよろしいですか?」

「東雲雷夜です」

「雷夜さまでしたか。そうしましたらお伝えしたいことがあります」

「なんでしょうか?」

「怜華さまがお目覚めになりました」

 

 

れいかが目覚めた……?怜華が目覚めた⁉︎

 

 

「本当に怜華が目覚めたんですか!?」

「はい、ですので今日お父様と昼過ぎに病院に来ていただけるとありがたいのですが……」

「父はわかりませんが少なくとも私は行きます」

「了解しました。お待ちしております」

 

 

よかった……ほんとによかった。東雲家のみんなも大切な家族だけど怜華は血の繋がった家族だからかとても大切に思ってるから本当に速く会いに行きたい。そしたら今日は俺が朝食作っちゃおうかな。

 

 

朝ご飯は俺米が好きなんだよね。米に卵焼きにソーセージ。あとのりを用意するとちょっとだけ豪華な朝ご飯の完成。朝食は1日を作る大切なものだから大切にしないとね。

 

 

「あれ?今日は雷夜が作ったの?」

「姉さん、おはよ。今日はとっても気分がいいからね、作っちゃった」

「へぇ、そうなんだ。ちなみに、なんで気分いいの?」

「秘密だよー。姉さんと彰人は知らない人の事だしね」

「なにあんた、彼女でもできたわけ⁉︎」

「ゴホッゴホッ……なわけないじゃん。俺は恋愛とかどうでもいいから。知ってるでしょ?」

「知ってるからこそ彼女ができたんじゃないかって驚いてるの」

「まぁ今後彼女とかはできないし、作る気ないから疑わなくていいね。あ、でも今日会いに行くんだけど、その人女性だよ」

「なら大体彼女みたいなものでしょ」

「違うって、ただの家族だよ」

「家族?なにそれ。意味わかんない」

「なら気にしなくていいよね」

「なにそれ。まぁいっか」

 

 

あっぶねぇぇぇぇ。口が滑ってた。てかなんで言わないんだろう?別に俺が引き取られたのは知ってるバズだし、別に説明しても良くね?まぁパパなんが話してないならわざわざ話さなくてもいっか。

 

 

「今帰った」

「おかえり〜」

「おかえりなさい、父さん。後で話があるんだけど」

「わかった。朝食を食べ終えたら俺の部屋に来なさい」

「了解しました」

 

 

という訳でさっさと朝食を食べ終えてお父さんの部屋に行きましょう。

 

 

「お父さん、話っていうのが、朝早くに病院から連絡が来て、怜華が目覚めたらしいです。なので昼過ぎに病院に来てほしいとのことです」

「そうか、そしたら先に病院に行ってるといい。俺は色々持っていくものがあるから少し遅れて行く」

「では今から行ってきます」

「いや、流石に昼までは待ってやれ。まだ目覚めて時間も経ってないだろうし」

 

 

そっか。じゃあしょうがないかな。退院できるまでどのくらいかかるだろうか。早く一緒に遊んだりしたいなぁ。



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妹は記憶がないらしい?普通に考えてなくて4歳以下の記憶なくても普通では?

とゆう事でお昼過ぎ、病院に到着しました。やっと怜華と喋れると思うとなんだか不思議な感覚。怜華との記憶はそんなにあるわけじゃないけど、とっても仲の良かった事は覚えてるから多分色々と話せるだろう。それに今日は輪ゴム銃も持ってきたし、喜んでくれるかな?女の子だしそうでもないか。

 

 

「こんにちは、雷夜くん。今日も元気?」

 

「あ、こんにちは、ひなたさん。元気ですよ。それにしても俺が病院に来る時にはよく合いますね。今日はどんな用事できたんですか?」

「雷夜くんに会うためだったりして」

「いやいや、ご冗談を。で、実際はどうなんですか?」

「雷夜くん達に会いにきたよ」

「ほとんど変わってないじゃないですか⁉︎」

「ふふっ。さっきまで怜華ちゃんの部屋にいたんだよ」

「なんで怜華が目覚めたの知ってるんですか?そもそもなんで今日俺が怜華に会いにきたの知ってるんですか」

「あぁごめんごめん。ちょっとからかいすぎたかも。前に彰人くんのお見舞いに来た時にあったじゃない。あれ実は初対面じゃないのよ」

「えっ⁉︎ど、どゆこと?俺はひなたさんに会った記憶持ってないよ」

「そりゃそうよ。私が会ってたのは雷夜くんが意識がない時のことだもの」

「あっそうなんですね。じゃあその時からずっと怜華のこと知ってたんですか。所で怜華はどんな調子ですかね?元気ですか?」

「私が案内してあげるよ。そこで見たほうがいいかもしれないし」

 

 

前に何回か来たことあるからわかるけど、まぁせっかくあったわけだし断る理由もないか。

 

 

「あれ?コッチなんですか?」

「怜華ちゃんは今検査中。もうそろそろ終わるはずだから、迎えに行っちゃおうって思って」

「それ怜華はすごいびっくりするんじゃ……」

「今日雷夜くんがくることは伝えてあるし、大丈夫だよ」

 

 

それは病室で会う前提の事では?

検査ってなにしてるんだろうか?レントゲン撮ったりかな。

前世の記憶になるんだけど頭のレントゲンだと酔ったりするからやなんだよね。

 

 

「そしたら、ここで少し待ってると怜華ちゃん出てくるから、その後に一緒に病室で話すといいんじゃないかな。そしたら私は予定入ってるから行っちゃうね。また今度ね」

 

 

行っちゃった……ひなたさんってまだ高1だから結構元気なのかな?原作だと結構大人っぽいって思ってたけど年相応って感じなのかな。

 

 

「………兄さん?」

「わかるの?結構成長してるんだけど」

「勘。なんとなく知ってる気がしただけ」

「勘でわかってもらえるのはホント嬉しいよ」

 

 

なんかとても嬉しくなっちゃって車椅子に座ってる怜華の頭を撫で始めた。

 

 

「ちょっと、いきなりはやめて。後やるならせめて病室にしよて。さすがに恥ずかしい」

「確かにそうかも。ごめんね」

「ううん。なんかとても懐かしくて嬉しいからいいよ」

 

 

車椅子を押すのを看護師さんから変わってもらった。人生前世含めても車椅子を押す機会は2度目だけど最近は彰人の車椅子を押してたから上手くなってる気がする。

 

 

「兄さん意外と車椅子押すの上手いね。それに知ってる人だと安心できるから感覚的に早く病室についた気がする」

「前に車椅子を押す機会があったからそれの影響かな。所で兄さんなんだ。昔みたいに『雷にぃ』でもいいのに」

「『雷にぃ』⁉︎昔の私そんな呼び方してたの⁉︎」

「してたけど、ホント昔のことだよ」

「そ、そうなんだ……」

「なんか引いてる?」

「この年になった妹にそんな呼び方させようとするのは如何なものかと」

「いやそんな本気じゃないし、ちょっとした冗談だし」

 

 

 

 

 

 

そんな会話が長く続いてひと段落した時に怜華が真剣な、それでいて少し震えた声で話しかけてきた。

 

 

「ごめんなさい」

「なんで?」

 

 

本当に何故か急に謝られた。

 

 

「本当は雑談する前に話さないといけなかった事があったの」

 

 

俺は怜華の声に真剣に耳を傾ける

 

 

「私は記憶が……残ってません。だから多分人格も本物ではないかもしれません。だから、ごめんなさい。そしてコレからも多分戻ることはないと思います。もしかしたら思い出せるかもしれないけど、人格はおそらくずっとこのままです。ごめんなさい。本当に迷惑かけてごめん」

 

 

「ねぇ、なんでそれ話したの」

「なんでって、どうゆうこと?」

「それは言わなかったら……あるいは記憶がないってことだけ伝えてもよかったんじゃないの。そしたらどっちも楽な気持ちでいられたんじゃないの?」

「それは、そうなんだけど……」

 

「私は怖かった。人格が私だけど私じゃない気がして。それでもしもっと後でバレたらきっともっと辛い思いをさせたと思う。今の人格は元の私と記憶を無くした私の………お兄ちゃんっ子の私と孤独な私の2つの人格が1つになってるんだと思う。この私は迷惑は絶対にかけたくないの。だから多分元の私は兄さんと本当の家族だけど、今の私は人格のおかしくなった私は血の繋がった他人だから。それで怖くなって説明して逃げようとしたの」

 

「コレが多分全部」

 

怜華の身体を怜華が痛みを感じない程度に思いっきり抱きしめる。

 

 

「ありがとう」

「なんで、そんなこと言えるの。今の私は兄さんの知ってる私とは違うんだよ⁉︎血の繋がっただけの唯の他人だよ⁉︎なんでっ」

「記憶を無くしても、人格が変化しても、それでも家族なのには変わりないんだよ」

「っ……‼︎」

「たとえ君はそう思わなくても、俺からしたらどっちも大切な血の繋がった妹の怜華なんだ。だからそんなに気にしなくていいと思うよ。それにまず4歳までの記憶はなくてもどうとでもなるし、人格が変わったって言っても、もしかしたら大人になるのが早かっただけかもしれない。まぁだからなに、これからは一緒に楽しく過ごそう」

「なん、で、なんで、こんなに、私がかけ、て欲しい言葉が、わかる、んですか。ずるい、じゃないです、か」

 

 

怜華は泣いていた。彼女は記憶がなかったりして不安にずっと駆られていたのだろう。ただそれだけではない気もする。何かもっと大きな不安があるのではないかなとも思えた。

 

 

「ありがとう、兄さん」

 

 

怜華は上手く言葉を出せていなかったが、確かにこう言ってくれたのがわかった。




今回のイベントの編成どうしたものか……


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嬉しかったなぁ

恥ずかしい。

 

兄さんと会ったその日の夜、そんな感情に支配されていた。

 

兄さんなんであんなこと言えるの?たらしじゃんもう。ぼかして言わないではっきりと転生したこと伝えれば良かったんじゃないかな。そしたら神様からのお使いも終わるし恥ずかしい思いはしなくて済んだはず。

 

けど……なんかとっても嬉しかったな。本当に私が欲しい言葉を言ってくれた。好きになっちゃいそう。コレがガチ恋勢の気持ちなのかな?ただガチ恋はしないし、好むとしても推しとしてだし、間違っても恋愛的なのじゃないし。

 

結構真面目な話、恋愛はしないかな。私は本当に恋愛感情が苦手なんだよね。恋愛的に好きになるってどうゆう感情なの?よくわからない。

 

 

 

はぁ、これからどうしようかな?人格の変化を受け入れてくれたけど、変化っていうかもうほぼ前の私が占めてるし、転生したことを伝えたらどうなるかわからないしなぁ。

多分だけど兄さんに本当のこと伝えたら………あぁ本当に無償の愛って怖い。

あり得そうなルートは、知ってる家族はいなくて絶望するルートか、同じ転生者で仲良くなるルートか。

こんなの考えてるの神様のところいる時には想像もしてなかったなぁ。兄さんって言っても私からしたら他人でしかなかった。だから嫌われてもいいやってくらいだったのに、今では客観的に見たら嫌われないようにしてるように見えるし。

本当にこの子の気持ちが入ってるんだろうな。

 

 

はぁ。こんなこと考えてると疲れちゃうな。何か音楽でも聞こうかな。せっかくこのスマホ自由に使っていいって言われたし。

なに聞こうかな〜千本桜とかがいいかな?それかThe Beast.でもいいなぁ。およ?なにこれ?untitled?へぇもう誰かのセカイいけるんだ。流しちゃえ。

 

その瞬間部屋が少し明るくなり、

 

 

空は宇宙、地面は草原が広がったセカイに来ていた。

 

 

「あれ?もう来ちゃったの?怜華」

「この声…もしかしなくてもミク⁉︎」

「そうだよ。いらっしゃい怜華」

「おぉ、ここのミクはなんか大人っぽいっていうか落ち着いてるとゆうか」

「ふふっ、髪色のせいもあるかもね」

「髪色?」

 

 

ミクにそう言われてよく見ると、おとなしめの翠色に薄紫と暗めの青の中間色みたいな色の髪が混ざっていた。確かに大人っぽい気がする。

 

 

「それよりもさっきミクさ、『もう来ちゃったの?』って言ってたよね。あれどうゆうことなの?」

「う〜ん、なんて言うんだろう?このセカイはまだできたばっかりで完成してないんだよね」

「完成してない?そんなことあるの?」

「君たち転生者ならわかるんじゃないかな?例えばなぜか急にセカイにマリオネットが現れたりしてるでしょ。それの規模がでっかいバージョンが起きてるの。ここまで大きいと珍しい現象なんだけどね」

「ちょっと待って、なんで転生者って知ってるの?」

「このセカイは特殊でね、神様と通信できるんだ。神様いわく、雷夜くんとは連絡がつかなかったけどセカイにいるミク達には繋がるらしい」

「そ、そうなんだ」

「あと伝言があるよ。えっとね、要約するけどお使いで頼んだことしなくてもいいから好きに生きるといい。だから雷夜くんに本当のことを伝える必要はない。とのことでした。私も好きに生きていいと思うよ。ここは雷夜くん1人でできたセカイだから怜華ちゃんが何かしなきゃいけないわけでもないしね」

「まぁ色々と考えるよ。それじゃあまたいつか来るね。バイバイ」

 

 

 

 

 

なら、神様の言う通り隠して兄さんと仲良くしてようかな、しばらくは

とゆうか宮女行くまで。




感想とか欲しいです。どうしたら貰えるのかな?


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知り合いだったんだ

体調崩して遅れました。でも少し長いので楽しんでくださいね。
結構大変だったので楽しんでくれないと(´ω`)ってなりますのでなるべく楽しんでください。


結構暇だなぁ。

そう、私は目覚めてからはリハビリくらいしかやることがない上に、兄さんの来れない平日はとても暇なのである。たまにお父さんのパパなんはくるけど、絵を描こうにも長い時間描いてられないので殆どの平日が暇なのである。勉強も転生してるからできるわけだし、本当に暇。

 

なので今日はせっかく病院にいるんだし咲希ちゃんか奏のお父さん探ししようと思う。奏のお父さんは今いるのかな?

えっと、確か奏ちゃんが中学生の頃に入院したはずだけど、あ、いや確か中学生の穂波ママがハウスヘルパーしてるはずだから、今はいないね。あと、確かあの2人が初めて会った時に名前を書く欄には穂波ママは中学生の穂波で奏ちゃんは奏って書いてあったからまとめると、

奏ちゃんが中3の時に奏のお父さんが入院っぽいかな。

 

なら咲希ちゃん探しを始めよう。

 

 

咲希ちゃんはずっと病室にいるはずだから大変だけど一部屋ごとに探さないといけない。幸いにも中に入らなくても誰がいるかはわかるからよかった。それにしてもただの不審者でしかないよね、わかってたことだけども。こんなことせずに司さんがお見舞いに来るの待てばよかったかも知れない。あの大声なら流石に見つけられる。

すると突然後ろから声をかけられる。いや声をかけられたなんて言葉ほど優しくなかった。もう車椅子の後ろから顔をすぐ隣まで近づけていた。

 

 

「怜ちゃん‼︎」

「ひゃっ。誰ですか⁉︎」

「アタシだよ〜ほら昔たまにだけど一緒に私達と遊んだじゃん」

「あの、せめて名前を教えてください。ほんとにわかんないです」

「天馬咲希。ほら、覚えてない?」

 

 

咲希ちゃん⁉︎ 危ない危ない、声に出して驚くところだった。。ほんと私偉いと思う。けど……

 

 

「本当にごめんなさい。咲希さん。私は目覚めてからの記憶くらいしかなくて、昔の記憶がないの」

「そんな〜」(´ω`)

「だから色々昔のこと教えてほしいな、咲希ちゃん」

「怜ちゃん……もちろんだよ‼︎初めて会った時のことからぜーんぶ話してあげるね。それじゃあ、アタシの病室まで行くよ〜」

 

元気でいいねぇ。それにしても驚いたよ。兄さんのこと観察し始めたのは事故にあった後からだったから知りようがなかったからなぁ。もしかしたら志歩ちゃんは兄さんと会ったの初めてじゃない可能性が出てきたわけか。意外と世の中狭いからなぁあり得そう。

 

 

「怜ちゃん、本当に全部覚えてないの?」

「う〜ん、覚えてるのは兄さんのことしかないかな。ごめんね」

「ううん、しょうがないよ。それにまた1から仲良くしていけばいいと思うんだ」

「そっか、ありがとう。それで私のこと色々教えてくれる?」

「えっとね、確か最初に会ったのは志歩ちゃんだったはず。同じ幼稚園にいたって聞いたよ。あっ、そういえば名前だけ言ってもわからないよね。

えっと私達は5人グループでいつも遊んでたの、でその中で怜ちゃんがわからないのは、しほちゃんと、いっちゃんと、ほなちゃんの3人。

しほちゃんはちょっと『ツンッ』ってしてるけどとても優しい子で、いっちゃん……一歌ちゃんは『クール』って感じだけどとっても優しい子なの。そしてほなちゃん……穂波ちゃんはとっても優しくてお姉ちゃんっぽ『優しさ』がある子だよー。

で、そのしほちゃんを通して私達と出会ったの」

「そうなんだ。あっねぇ志歩ちゃんは私の兄さんについて知ってるのかわかる?」

「あーどうなんだろ?そこまではアタシわからないなぁ〜。私達は怜ちゃんのお兄ちゃんがいるのは知ってるけど会ったことないし……」

「そうだよね。ごめんね、話を折っちゃって」

 

 

まぁ兄さんがその時に知ってたらそこから記録見れたか。同じ幼稚園だとしてもそんなに一緒に遊ぶ機会もなさそう……いや絶対に雫様にはあってるじゃん。衣装ショップ行った時に初対面じゃないじゃん。

それにしてももしかしたらお月見の日野森姉妹のイベントを見てた可能性がある…けど……リアルで私が見たかった。悔しい。

 

 

「全然大丈夫だよ。それにほかに何話せばいいかわからないからもう終わりかな。遊びの内容はそこまで重要じゃないし……う〜ん、あっそういえば怜ちゃんはよく珍しい楽器弾いてたよ‼︎オカリナとか、二胡とか」

「ウソ⁉︎私そんなの弾けたの?信じられないんだけど」

「ホントだよ〜。まぁ子供だったから音を出してただけだけど」

 

 

この子意外と才能の塊だったりするのかな?

 

 

「ねぇねぇ、怜ちゃんはどの中学に行くか決めてるの?」

「中学って地元の行くんじゃないの?」

「いっちゃん達は宮女に行くつもりなんだって、だからアタシ今勉強頑張ってるんだ。だからさ、怜ちゃんも一緒に行かない?」

「追加の間目覚めて小学校に全く行ってない人に一緒に中学受験しないかって普通言う?普通に考えてみてよ。目覚めて5ヶ月で1から6年の勉強終わらせて、受験までやる。そんな人っている?」

「確かにそうかもしれない。やっぱり無理だよねぇ」

「でも、誰も出来ないなんて言ってないよ」

「えっ?」

「私なら合格できるって言ってるの、中学受験に体育はない。それなら私は受かる自信がある。実際小4の内容までは終わった。後1ヶ月で小6まで終わらせて過去問をたくさん解けばいけるはず」

 

 

そう、転生した人のメリットとして学びは中学まではほぼできる。高校は少しきついけど、中学受験はいける。本当は神高で兄さんと行っても良かったけど、咲希ちゃんの悲しい顔は見たくない。『No seek No find』の時に思い知ったからね。

 

 

「怜ちゃん……ありがとう〜」

「でもそのかわりと言ってはなんだけど、ドッキリ仕掛けるの手伝って?」

「ドッキリ?」

「そう、ドッキリ。内容はいたってシンプルで咲希ちゃんのお見舞いに3人が同時にきて、その後に私が行くの。それだけなんだけど、咲希ちゃんが3人を同時に呼ばないといけないからちょっとだけ大変かもね」

「おもしろそう‼︎じゃあ早速次の休みにでもきてもらおうよ‼︎」

 

 

 

本当にレオニのメンバーと知り合いだったのは驚いたけど、とっても面白いことになりそうな気がする。早く驚いた顔が見たいなぁ。




感想とかお待ちしてます。


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シンプルなドッキリ

「ほなちゃん達いらっしゃ〜い」

「咲希ちゃん、しばらく来れなくてごめんね。元気にしてた?」

「元気だよ、あとたまに来てくれてるだけでも嬉しいから気にしないでいいよ‼︎」

「咲希、またお花持ってきたよ」

「いっちゃんいつもありがと〜とっても嬉しいよ‼︎」

「元気そうだね咲希。ちゃんと勉強してる?私達と一緒に宮女に行くんでしょ」

「もちろんちゃんとやってるよ、しほちゃん。最近はとてもモチベーションが高いんだ、だからアタシどんどん賢くなってるよ。最近解いた問題とか見る?」

 

 

私は今自分の病室でレオニの様子を見ています。

そう、ドッキリというのは咲希ちゃん達が楽しくお話ししてるところに私が突撃するという、なんとも簡単なドッキリです。ですがみんなは私が目覚めたことを知らないのでとっても驚くはずです。咲希ちゃんがみんなを集めるなんて珍しいなと勘づきそうな志歩ちゃんはいますが、私の存在は予想を絶対に上回ると確信してるから問題はない。

 

誰に向かって説明したんだろ、いや兄さんにこんなことがあったよって伝える練習になったと考えるべきかな。

 

そろそろいい頃合いだと思うから突撃しようかな。

 

 

「咲希前まで出来なかったところもちゃんとできてる。確かにどんどん賢くなってるんだね」

「最近先生ができてね、その人から色々わからないところ教わってるんだ」

「先生?病院の看護師さんとか?」

「ううん、違うよ。私達と同じ学年でね、私よりもずーっと入院してる人で、宮女に行こうとしてる人」

「へぇ、咲希いい友達出来たんだ。良かったじゃん」

「実はみんな知ってる人なんだよ〜」

「そう、この私が先生である」

「あっ先生‼︎」

「先生って……」

「もしかしてだけど……」

『怜華⁉︎』

「そうだよ。みんな久しぶりらしいね」

「怜華ちゃん、意識いつ戻ったの⁉︎そしたら連絡してくれてもいいのに……でも、元気になってくれて良かったよ」

「穂波ちゃん」

「本当によかった。もう目が覚めないって何度も思ってたから……よかった。これからはまた5人で遊ぼうね」

「一歌ちゃん」

「………はぁ、意識戻って良かったじゃん。でもなんで教えてくれなかったの?」

「志歩ちゃん……」

「ドッキリが好きな性格でもなかったじゃん。それに」

「ちょっと待って‼︎」

「咲希?まだ私話してるんだけど」

「あのね、先にみんなに伝えないといけないことがあるんだ。この事はとてもつらいと思うかもしれないけど、怜ちゃんと話して、話さないといけないって思ったの。隠しても絶対にいつかバレちゃうから」

「咲希ちゃんありがとね、ここからは私が話すよ。先に答え的なのを言っちゃうね。私は記憶喪失みたいなことにになってるの」

「ちょっと待って、記憶喪失って……昔の事覚えてないの?」

「一歌の言ってることで大体合ってるよ。ただ兄さんがいたことは覚えてたけどね。で、だから性格が違うように感じるかもだし、呼び方も違うかも知れない。それにみんなの事も覚えてなくて、たまたま咲希ちゃんと会って教えてもらっただけなんだ。ごめんね」

「そう……なら仕方ないか。怜華、ごめん、記憶ないのに言われても何のことかわからないよね」

「こっちもごめん。何年も眠ってて、そんな友達が目覚めたらそうなるのもおかしくないもんね。こっちの見通しが甘かったかもしれない」

「なんか懐かしいよね。いつも2人が何か言い争ってもこうやって、お互いに謝るの。2人とも冷静な判断が出来るよくこうなってたよね」

「確かに‼︎なんだかアタシとっても嬉しい気分」

「私そう思うな、怜華は遊ぶ回数が私達と比べると少ない方だったけど怜華が来ると一段と楽しくなってた気がする」

「私が君たちのラストピースなのかもね」

「ラストピース⁉︎カッコいい〜」

「あっそうそう、実は苗字も変わっていてね、東雲って家に住まわせて貰ってるんだ、私は退院した後に行くことになるんだけどね」

「へぇそうなんだ。お父さん達早く目覚めるといいね」

「そうなんだろうね。けど私は記憶が戻ってから目覚めてほしいけどね。」

「怜華ちゃん、もしかしたら怜華ちゃんよりも状態が酷いことになってるかも知れないんだよ。」

「確かに穂波の言う通りだと思う。雷夜先輩はもっと早く目覚めてるからなんともないと考えられる。怜華ぐらい意識が目覚めないと記憶がなくなるのかも知れない」

「そういうふうに考えられるのか。それにしても良く兄さんは退院してるの知ってたね。会ったことあるの?」

「この前にお姉ちゃんが雷夜先輩に助けられたから。その時に見つけた。怜華、雷夜先輩に会った時にお礼代わりに言っといて」

「ダメだよ。そうゆうのはちゃんと自分で言わないと。まぁでも実際にお世話になったのは雫先輩だから今回は伝えといてあげる」

「ありがとう」

 

 

色々と話せてるのは嬉しいなぁ。私は箱推しだからこうしてレオニが集まるのを見るだけでも嬉しい。そろそろ疲れてきたかな。私がこんなに話す機会がそんなにないからちょっと誤算だった。

 

 

「疲れてきちゃった。ごめん誰か私の病室まで車椅子押してくれない?」

「あっそしたらわたし行ってくるね」

「穂波ちゃんごめんね」

「気にしないで。病人が無理するのは良くないよ」

「ありがとね、私ちょっとすぐ寝ちゃうからもし寝てたらベットに移しといて欲しい」

「わかった。ねぇ怜華ちゃん、怜華ちゃんも宮女目指すんだよね?」

「そのつもりだけど、どうしたの急に、進学校だから大変だよって話?それなら私咲希ちゃんの先生ってくらいだから受かると思うよ」

「ううん、そうじゃなくて、いやそれもあるにはあるんだけど……歩けるようにならないと結構厳しくないかなぁって」

「あぁまぁ一応リハビリはしてるからどうにかなるでしょ。ケセラセラだよ」

「そこまで言うなら大丈夫だと思うけど、何かあったらわたし達を頼ってね」

「穂波ちゃん、ホントにありがとね。なんかママみたいだね。じゃあ私はもう寝ようかな。車椅子押してくれてありがとね。また今度こっちにもおいでね」

「うん。おやすみ、怜華ちゃん」

「おやすみ、穂波ちゃん」

 

 

ドッキリは無事に成功して、色々うまく行って良かった。

 

それじゃホントに眠いから寝ちゃおう。今日はとってもいい一日になった。




体調が悪くてつらい。


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妹と東雲姉弟

 

「怜華、お見舞いに来たぞ」

「兄さんいらっしゃい」

「今日は紹介しなきゃいけない人連れてきたよ」

「怜華ちゃん、初めてまして東雲絵名です。これからよろしくね」

「東雲彰人だ、よろしくな」

「怜華です。よろしくお願いします。一応姉さん達のことは聞いてます」

 

今日俺は怜華に東雲家として暮らすのに姉弟を説明しなきゃいけないため、2人を連れてお見舞いに来た。しかし、俺そんなに絵名や彰人のこと話してないはずなんだけど……なんか知ってるって感じか?いや手が少し震えてるから緊張で適してそうな言葉を並べてるだけだコレ。

 

 

「ちょっと雷夜、こんなに可愛いなんて聞いてないんだけど‼︎」

「えっそこなの⁉︎どちらかとゆうとずっと妹がいたのを隠してた事について何か言われると思ってたんだけど⁉︎」

「いや確かにそうなんだけど、今は驚きの方が勝ってるの‼︎」

「絵名うるせぇぞ病院なんだから静かにしろよ」

「なんで私だけ⁉︎雷夜もおっきな声出してるじゃん」

「いや兄さんは怜華が前から知ってるんだろ。でも俺らは違うだろ、そうゆう事」

「わけわかんないんだけど」

「怜華は兄さん以外初対面だってこと、だからダメだって話」

「確かに。……いや最初からそう言いなさいよ」

 

 

「兄さん、この人たち面白いですね」

「まぁちょっと仲の悪い姉弟だけど仲良くしてね」

「私達とは違いますね。ちょっと新鮮。でも喧嘩になりそうなのを止めなくていいんですか?兄さん」

「なんか妹がこの中で一番大人っぽいのなんなんだろうか。はぁ、二人とも喧嘩しないで」

「ふぅ……雷夜に免じて今日はこれくらいにしてあげる」

「それはこっちのセリフだっつーの」

「まぁいいわ。ところで怜華ちゃん、退院できる日ってわかってるの?」

「詳しくはわからないですけど、クリスマス辺りまでには退院できるようにリハビリも頑張ろうと思ってます」

「そっか、そしたらクリスマスパーティと一緒に怜華ちゃんの退院祝いのパーティもしないとね」

「退院祝いのパーティなんて普通しませんよ」

「いいのいいの、ずっと病院にいるなんて結構大変だったんじゃない?」

「それは……」

「ね、だから退院祝いのパーティしてもいいんじゃない?彰人もそう思うでしょ」

「オレに振るなよ。でもまぁやってもいいんじゃねーの」

「俺もやっていいと思う。怜華、せっかくやってくれるんだから甘えちゃえ」

「そっか……ならやってもらおうかな」

「じゃあ決まりね。退院できそうになったら教えてね。よし、それじゃあ私と彰人は先に帰るわ」

「じゃあ俺は少し話したら帰るわ。じゃ後でな」

 

 

ゆうても喋るネタがないんだよなぁ。前世合わせても役30年しか生きてなくて喋り方の方とか知らないしどうしたもんか。

 

 

「兄さん。結構重要な話がある」

「そんな真面目な声でどうした?」

「私の昔を知ってる4人組にあったの」

「……お?」

「なんか同じ幼稚園の子がいたんだ。兄さんも会ったことあるでしょ。最近。その話聞いたよ」

 

 

最近あった人で、おそらく同年代、えぇクラスで友達そんなにいないぞ。もしかして愛莉さんの知り合いか?嫌同じ幼稚園となると……誰?

 

 

「ごめんホントに分からない」

「日野森志歩ちゃん。後その繋がりで()()()のメンバー達と雫さん。まだ雫さんに会ったことはないけど」

「そんな繋がりあったんだ。てかレオニのメンバーに会ってるってすごいな。………あれ?レオニ?」

「そ、そんな事よりもアイドルの雫さんと同級生ってすごいね。しかも知り合って、連絡先まで知ってるんでしょ。いいなぁ私もちょっと憧れちゃうなぁ。しかも愛莉さんとも知り合いだなんて、こんな幸運そんなにないでしょ。今度私も会ってみたいなぁ」

「おぉそうか今度雫の方は連絡取れると思うから合わせられるけど……でもその前にレオニって言わなかった?」

「れお…に?何それ?」

「へぇならいいや、俺はレオニって言ったの忘れないから。いずれ話してよ、血の繋がった家族なんだ信頼して過ごしたいと思っているからさ」

 

 

転生に気づくきっかけは俺は東雲の2人にあった事だ。もしかしたらレオニの誰かに会って気づいたのかも知れない。

 

 

「じゃあ受験とか色々終わったら話すって事で見逃して。代わりにヒント渡すからさ」

「ヒント?」

「そうそう。スマホに注意を向けとくといいと思うよ」

「スマホとゆうかプレイリストでは?」

「いやスマホ」

「そうか、なんかもう疲れてきた」

「あ、じゃあ一緒に少し寝る?あったかいよ?」

「流石に遠慮しとく。それにもうそろそろ帰るよ。宮女の受験勉強頑張ってね」

「さぁ?まぁただ咲希ちゃんに誘われてはいるね」

「まぁなんでもいいか。じゃあ頑張れ。また来るから」

「ありがとね。後お見舞い来てもいいけど勉強してるかもだから」

 

 

 

 

 

 

それにしてもスマホか、untitledじゃなくて。ミクがホログラムで出てくることだろうけど、多分どうにでもなるはず。まぁまだ原作は始まらないんだ今はどうにかなる。最初の問題は怜華の事だけだ。

 




なんかこの章、長くてすいません。


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受験終わり、答え合わせの時間

長くなっちゃった


怜華の受験が終わりそれから少しの時間が経った。

もちろん怜華は合格していた。

 

 

「怜華ちゃん、合格おめでとう。今度美味しいチーズケーキ食べに行こうね」

「いやそれもだけど退院できたことも祝ってやれよ」

「絵名姉さんも彰人もありがとうね。とっても嬉しいです」

「雷夜もなんか言ってあげたらどう?血の繋がった家族なんでしょ」

「……退院おめでとう。受験は正直まだ簡単だったんじゃないか」

「ちょっと中学生が習うようなの入ってて苦戦したけど、まぁそれくらいかな?けどリハビリは大変だったね」

 

 

怜華の言う通り、怜華は筋肉がほとんど使い物にならないのでリハビリをする事で少しづつ筋肉をつけていった。結構大変だったそうで予定よりも退院する時期が遅れてしまった為合格通知が来た後に退院する事になってしまったのだ。

 

 

「なんか兄さんって最近怜華に対して冷たい空気出てる時あるよな」

「俺は別に喧嘩とかしてるつもり無いんだけど」

「久しぶりで距離感掴めてないだけですから大丈夫ですよ」

「何か食べたいものでもある?なんか作ってくるけど」

「パンケーキ食べたいです」

「あっ私も食べたい」

「兄さん、オレの分もたのむ」

「みんなパンケーキ好きだね⁉︎驚いたよ。いや俺も好きだけどさ」

「東雲なんだし全員好きでしょう」

「怜華は東雲家をなんだと思ってるの?まぁいいや早速つくってきまーす」

 

 

 

パンケーキはというか大抵のスイーツは変にアレンジ加えないでやるのが大切だと思う。と言う事で材料がコレです。

 

 

卵2個、上白糖、薄力粉、牛乳、サラダ油、塩少々、ベーキングパウダー、バニラエッセンス。コレがレシピなんだけど、少々ってわかりずらいのどうにかならないかな?初心者にはわからないよね。

 

まず卵と、上白糖とサラダ油を混ぜて乳化させます。しっかりと混ぜて乳化させるとなめらかな生地ができるのでちゃんとやろう。

 

そしたら牛乳とバニラエッセンス入れて、粉類を入れる。そしたらだまのないように混ぜる。コレで生地の完成。

 

次にフライパンにサラダ油を薄く広げて弱火で焼いていく。しばらく焼いたらひっくり返して、小さな穴があき、火が通ってるのを確認。そして裏面も焼けば完成。最後にメイプルシロップとかかけたりするとなおヨシ。意外と簡単だから初心者にもオススメなパンケーキ。これを4人分意外と時間がかかった。

 

 

「よし、完成」

「おっすげぇ美味しそうじゃんか」

「とってもふわっふわしててかわいい」

「兄さんってスイーツとか作るの好きなんですか?」

「やってみると意外とハマるんだ。沼だと思うよ。それよりも怜華、早く食べてほしいな」

「ではいただきます。……あっ美味しい。お店で出てもおかしくないです」

「流石にそれは言い過ぎだと思うけど、高校生になるまでに沢山練習したらこの辺の店のアルバイトとか出来るんじゃない?やってみたら」

「家で食べる分にはこれで十分過ぎんけどな、どっかでアルバイトしてても気づかないくらいだと思うぜ」

 

 

みんな褒めすぎじゃない?ちょっと恥ずかしいなぁ。でもアルバイトかぁ、杏嬢のところで働けないかな?あるいは、咲希ちゃんとかみのりちゃんが働いてたとこ。

 

 

「雷夜、何か反応しなさいよ。みんな褒めてるんだから」

「みんな褒めすぎで恥ずかしかったから反応しづらいの、俺は褒められるようなこと全然してないし」

「オレたちで兄さんのことたくさん褒めて困らせようぜ」

「彰人は最近俺にも生意気になってきたね。なんか悲しい」

「まぁまぁ、私は兄さんとずっと一緒にいてあげますから………死ぬまでずっと」

「素直な好意ってここまで来ると怖いよ‼その笑顔もだから‼」

 

 

そんな感じで怜華のためのパーティは終わり、もう少しで今日が終わる時刻になった。

 

 

「約束した時が来たね、兄さん。とりあえず先に謝らせて、ごめんなさい」

「なんで謝るのかわからないけど、いいよ。それよりも質問に答えてほしい。君は転生者なの?何がしたいの?目的は?」

「ちゃんと答えるから焦らなりでよ。えっと転生者なのかって話はどうなんだろう、半分正解かな?私の場合は憑依ってなるんだけど……わかる?」

「まぁそれくらいは、何怜華の体が寝ている間に君が入って身体を動かしてるって事?」

「なんだろ?私は転生した魂でもこの子の魂でもないんだよ。混ざってるっていうか。だから初めて兄さんに会った時は成長によって変化したって伝えたの。記憶がないのは事実だけど、この子の考えとかは理解してるつもりだからせめてそれは信じてほしい。

さっき私が死ぬまでずっと一緒にいてあげるって言ったの覚えてますか?アレはこの子の気持ちに影響されてそう思ったんだよ」

「とりあえずは理解した。でも今の怜華との接し方がよくわからない。どう接してほしい?」

「私は兄さんとずっといたいし同じ原作を知っているっていう人がそばにいてくれると孤独感は減る、元からこの子はお兄ちゃんっ子だったしで、だから私の混ざった人格を拒まないでください」

 

 

そう言って目の前の子……怜華は頭を深く下げていた。手は強く握り締められ、少し震えていた。

 

だから俺は怜華に近寄って、抱きしめた。

 

本当ならいろいろと聞かないといけない事があるけど、今はただ抱きしめなきゃいけないと思った。

 

怜華は一人が本当に怖いのだろう。ずっと言えなかった事、拒まれる可能性、元の怜華の気持ち、それらが怜華を不安にさせていた。

 

怜華と病院であった時に話した時、拒まれないように有り得そうな嘘をついていた。それ時大切な家族だと俺は伝えた。それなら俺はあの時のように抱きしめて待つ。多分それで十分。

 

 

 

 

怜華は声を出さずに泣いていた。それも治まってきた。

 

 

「兄さん、ありがとう。今まで言えなくてごめんなさい」

「大丈夫。普通は転生とかそんな話普通は信じる人なんていないよ。でも俺が転生者だってなんでわかってたの?」

「えっと、私が転生した目的にも繋がるのですが、私は憑依する前に神様に会ってきました。そこで兄さんが神様に会ってないと聞いてどうにか連絡を取らせられないかとして憑依した後に話す予定でした。ですが私がセカイに入った時にミクから自由に生きていいって言われて、どうしようか迷っていたら、ボロが出ました」

「ちょっと待ってセカイってもうできてるの⁉︎」

「夜も遅いですし静かにしてください。後そのセカイは兄さんのです。だからスマホに注意してって伝えました」

「ごめん、でも予測はあっていたのか、でも俺のところにuntitledないけど?」

「それは私にもわからないです」

「そこは私が話そうか」

「あっミク。兄さんこれが兄さんのセカイのミクです」

「へぇ髪が綺麗だね」

「えへへ、ありがと。それで雷夜がセカイに来れない理由だっけ?それはね、物語として始まらないからだよ」

『物語?』

「そう。このセカイはちょっと特殊でね、雷夜のセカイは雷夜一人でできてるんだけどそこに神様が手を加えてるんだ。例えば私達バーチャルシンガーは神様の伝言をもらう事が出来るし、他のセカイと連絡が取れたりする。これは少し雷夜達にも関係してくるんだけどね」

「後確かプロセカの原作も知ってましたね」

「そうだね、で物語って何かって話なんだけど、雷夜達には原作のセカイにいずれ入るようになるんだ。その時にバーチャルシンガー側として皆んなを支えてほしい。そうして雷夜が何かを感じたらuntitledが手に入る。ただ例外もあって、怜華と一緒にuntitledを聞けば入れるよ。まぁ簡単に言えば誰かと一緒なら来れるってことだね」

「なるほど、大体は理解した。けど一気に話が進んで疲れたな」

「まぁ原作が進むまでは自由だから楽にしてていいよ」

「兄さん、私もう眠いのでここで寝ていいですか?」

「は?えっ流石にダメじゃないか?」

「私は邪魔かな?じゃあね」

「ちょっとミクどっか行かないで‼︎」

「兄さん、私を拒まないですよね?」

「だれもそんな事予想できないでしょうが」

「私は兄さんとずっといますからね。ほら」

「ほらじゃあなくて、あの押さないで、ねぇ‼︎」

「兄さん、私は原作キャラとオリ主が恋愛関係になるのが大っ嫌いなんです。だからね、私が独占すればそうゆう事が起きないのかの実験なんです。わかります?わかってください」

「わかったから、だから自分の部屋で寝て‼︎」

「疑わしきは罰せよ。なので今日は一緒に寝ます。おやすみなさい」

 

 

もう寝てるし、拒まないって姿勢で接したの間違いだったかなぁ。

後恋愛は苦手だしするつもりないんだけど………



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音楽活動
兄さんの考えと怜華の考え


感想とかよかったらください。


「兄さん、私宮女に行ったらどうしよう」

 

 

パーティが終わってしばらくして3月になろうとしている時期に怜華がよくわからない質問を問いかけてきた。

最近怜華はお互いがプロセカの原作を知ったからか俺が怜華を拒まないと言ったからかとても接しやすくなっていた。

 

「どうって言われても、好きにしたらいいんじゃないの?」

「例えばだけど穂波ちゃんはクラスの味方とか面倒な事でいじめられてるじゃないですか。そこに私が関与して、原作通りじゃないようにしてもいいのかなって話です」

「あーなるほど……正直俺は原作通りがいいと思ってるけど、神様の伝言で好きに生きろって言われてたから自由でいいと思うよ。ただ何か変わってたら報告とかほしいけど」

「それなら特に深く関わらずにある程度にすると楽かな?。あと、まふゆは何か話して兄さんと接触させた方がいいのかな?」

「なんで?」

「兄さんってなんか絵描いてたじゃないですか。あの多分奏をイメージしたようなやつ」

「あれかなんで知ってるの?話したっけ俺?」

「憑依する前に見てたんだけど、あれどうゆうイメージで描いてたの?」

「あの絵は絶望してる人達を地獄に描いて、そこから奏が救うイメージなんだ。だけど救うための糸は無数に置いてあるだけで奏が1人で曲を作ってた時の事をよりイメージさせてた。

後一応4人で作り始めたら多くの人が救えるようになるって考えで糸を螺旋階段に変えたのもある」

「あれを瑞希や絵名姉さんとまふゆみたいに送ったら一緒に活動できて、バチャシンの手伝いがしやすくなると思ったから、ほら、まふゆのセカイに奏達が初めて行った時は返されてたから、それがないようにした方がいいんじゃないかなって」

 

 

なるほど、確かに一理ある。誰もいないセカイのバチャシンを助けるのが目的でもそんな事はまふゆからしたらどうでもいい事だ。その可能性のあるは確かにあり得ると思う。

 

 

「そしたら怜華は中学でまふゆと友達になるのを目標に過ごせばいいか。あと怜華、まふゆの母を誤魔化すためにもテストで学年で上の成績取らないとだから頑張れよ」

「そうゆう兄さんも成績良くしとかないとダメだからね」

「あぁもちろん。まぁ俺らは前世があるからどうにでもなるだろうけどな」

「確かに。兄さんあと先に誰かどのグループを中心に担当するか決めとこうと思うの、私は宮女にいけるからモモジャンとレオニ、兄さんは神高だからワンダショとニーゴ、ビビバスは………」

「俺らわざわざ分けなくてもいいんじゃない?ビビバスに関しては俺も怜華もやればいい。こはねがいるからその繋がりで怜華は参加出来るし、俺は彰人について行けばいい。とゆうか俺は彰人にRADderのこと教えた人になってるし俺が参加しない理由がないな」

「それもそっか、それにどのみち全部のグループに関わりに行くしね。ねぇ兄さん、ビビバスには私達2人が同じくらい手助けするんだよね。だったら2人でなんか活動しようよ」

「2人でやるって言われても、俺は大丈夫だけど怜華はまだ体が大変じゃないのか?あとネーミングセンスなんてないぞ」

「後3年はあるし、私は退院してから歌の練習はしてるし出来ると思うんだ。それにユニット名について考えてるって事は何気にやる気あるのでは?」

「実際楽しそうじゃん。やらない理由がないよね」

「じゃあ早速名前考えようよ」

「名前っていってもな………2と転生とかを表すの何か欲しいよな」

「転生ならウロボロスとか?確かウロボロスには2匹のもあったよね?」

「でもそれは俺らに偏りが出ないか?2匹だと片方は翼がなかったりするし、違う気がする」

「『ツインダイス』なんてどうかな?」

「ダイス?サイコロか。でもどうしてサイコロなんだ?」

「私達って原作とは違う変数みたいな感じだと思うの。それに神様が振った賽とも取れないかなって思って。あとサイコロは2つからゾロ目の概念があるから。私達はこの世界では血の繋がった家族だけど魂は完全にそうとはいえないからたまに揃うところがあることからサイコロっていいなってなって『ツインダイス』になったの」

「神は賽を振った。いいねとっても面白い。じゃあ俺達は今日から『ツインダイス』だ。早速練習するか?」

「まだやらない。明日からは練習出来る所を探すところから見つける。兄さんは方向音痴なのは知ってるから私についてきてもらう」

「じゃあ歌う今日だけ決めとこうぜ。それなら今できるだろ」

「そうだね、じゃあ何がいいかな?劣等上等とか?」

「いいんじゃないかな?少し難しいが前世で聞き込んでた曲だ、どうにかなると思う」

「じゃあ明日から特訓頑張ろう」

 

 

 

そうして俺達はユニット『ツインダイス』を組んで明日から活動を始める事を決めた。

 



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街を歩こう

昨日はユニット名を決めて歌う曲は決めたから今日は歌う場所を探そうと思う。あとついでにRADderが活動してないか探しに行く。後は杏ちゃんが朝練してたらそれををに行きたい。なのでビビットストリートを探しに行こう。

 

 

俺達がビビットストリートを探してしばらく歩いていると怜華から言葉が発せられた。

 

 

「兄さんと別れると兄さんが絶対に迷子になるから探すのが大変」

「今回は自分で迷子になるのわかるから言い返さないけど、実際言われると悲しいよな」

「でも兄さんと街を散策するのは楽しいですからプラスですよ」

「嬉しいこと言ってくれるじゃん。今度アイス買ってあげよう」

「やった。じゃあ今度あの二つで一つの買ってもらおうかな」

「あぁあれね。美味しいよね」

「それにしてもビビットストリートってどこにあるのかな?結構探したと思うけど……」

「もう人に聞いてみるか?歌ってる人いたらその人に聞けばもっと楽だと思うぞ」

「話すの苦手……だけど聞かなきゃ始まらないよね」

「あっちの方に人がいるし聞いてくる」

「ちょっと兄さん先行かないでください‼︎迷子になるから待って」

 

 

怜華の声は聞こえていたが直線だったので流石に迷子になるわけがないので見つけたお兄さんに話しかけた。

 

 

「すいません、ちょっといいですか?」

「どうしたんですか?」

「俺達今ビビットストリートって所を探しているのですがどこにあるのか分からず………お兄さん、わかりませんか?」

「ビビットストリートって事は君はストリート音楽について知りたいのかな?」

「あっそうなんですよ。なんかRADderってのがすごいって聞いて、聴いてみたいのと同時に俺達も歌ってみたいなって思って、それでビビットストリートの空気感を感じてから歌ってみたいってなり、今ビビットストリートを探してます」

「兄さんちょっと長い。もう少しまとめましょうよ」

「そうか兄妹でやってるのか。ちなみに歌えるのかい?」

「今日から少しずつ練習するつもりだったので………ただ、パート分けとかなくてもいいなら多分歌えます」

「そうだな………ちょっと着いてきて」

 

 

そう言われてついていった先は音楽ショップだった。

 

 

「こっちこっち、早く入って」

「ここは……防音室?でもなんで?」

「君たち2人で何か歌ってくれよ。それでいい感じだと思ったらビビットストリートに連れて行ってあげるからさ」

「それでは私達の歌で貴方を認めさせられたらビビットストリートに行けるって事でいいでしょうか?」

「その通り、だか頑張ってね」

 

 

「それじゃあ俺達『ツインダイス』が劣等上等を歌わせていただきます。ではお願いします」

 

 

ここからビビットストリートに行くための試験が始まった。




リアルが忙しいため少し投稿頻度が遅れると思います。


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ビビットストリート

パチパチと手を叩く音が響き渡る

 

 

「君たちなかなか良いものを持ってるじゃないか」

「これで、ビビットストリートに案内、してくれますか?」

「はぁ、はぁ……はぁ………」

 

 

劣等上等を歌った後他にもオルターエゴなど複数の歌を歌い俺はまだ少し体力が残っていたが怜華はもう息切れを起こしていた。流石にリハビリをしているとはいえ、普通の人よりも体力なんかは少ないようだ。

 

 

「まぁいいだろう、まだ体力が足りないし、歌も上手いやつはまだ上にたくさんいるが………期待を込めて良しとしよう」

「お兄さん、なんでこんなテストみたいな事したんですか。ただ道を教えてくれればそれでいいのに」

「知りたいかい?」

「そりゃあ、もちろん」

「だが教えるのは着いてからだ。車出してやるから乗りな」

 

 

うっっっざ。俺こんな感じの人嫌いだ。説明もしないで勝手に動く人。

今回は後で教えてくれるらしいし、何よりビビットストリートを教えてくれるからまだマシだけど。

 

 

「兄さん、私あの人なんか嫌です」

「同感だけどビビットストリートに案内してくれるらしいから我慢しようか」

「お前ら早く来いよ‼︎」

 

 

なんか君たちからお前らになってるし、今度からおじさんって呼んでやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここがビビットストリートだ」

「少し裏にくるだけで空気が変わった気がする………これがストリート音楽」

「おーい、こいつらが俺がさっき言ってた奴らだ」

「少し声下げろ、歌ってる奴らのこと考えろよ」

「すまんすまん、でこいつらがさっき言ってたツインダイスのお二人さんだ。おい挨拶くらいしたらどうだ」

「いやいやおじさん、急にこんな人に会わされても驚きで何もできないって」

「そうです。私達の会えたらいいなぁってくらいの人にいきなり会わせないで下さい」

「嬉しいこと言ってくれる。オレのこと知ってるみたいだが、RADderの白石謙だよろしく」

「どうもツインダイスの雷夜です」

「同じく怜華です、どうも。あのなんで私達に謙さんは会いにきたんですか?理由なんて無いような気がするんですが?」

「オレには娘がいるんだが、最近構ってやらなくてな。今度RADder主催のイベントをやるのは知ってるか?それで忙しくて大河も凪もオレも練習に付き合えなくてな、そこで近い年である程度実力のありそうな人を探してたんだ」

「俺達は謙さんの娘さんと一緒に練習してたらいいって事ですか?」

「そうだ。杏はまだお前たちよりも上手いから色々と教えてもらうといい。練習するならここ以上に適した所はそうないだろう。どうだやってくれるか?」

 

 

正直杏との接点を作れるならそれに越した事はないし、こうやって謙さんに会えたしそのお礼もあわせて受けてもいいと思う。怜華がどうするかで決めることになるか。

 

 

「えっ?兄さん私に決めさせる気ですか?いや全然杏さんと一緒に練習してもいいと思いますけど」

「おっじゃあ決まりだな。よし、今杏を読んでくるから少し待ってろ」

 

 

コレまた歌う流れな気がするけど大丈夫だろうか?もうけっこうクタクタなんだけれど。

 

まぁ杏と練習できれば物語が進みやすいだろう。

 



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春休み

瑞希が出なくて悲しい。120連したのに、奏は2枚出ました。後すり抜け2枚


ついに春休みが始まった。俺は特に宿題が出ているわけじゃ無いけど怜華に関しては結構な量の課題が出ている。まぁ進学校行くわけだし仕方ないけど。

ただ今日は杏に会いに行くから課題はしないようだ。

 

 

「兄さん、今日朝ご飯しっかり食べたい」

「今日は確かにしっかりとしたものがあっているか。少し待ってろ」

 

 

いつもはシリアルとかで済ませているが、今日は多分練習を長時間するだろうからある程度朝からエネルギーをとっておく必要があるだろう。

ベーコンや卵焼き、コーンスープに白米これだけあれば十分だろう。

 

 

「怜華、コレ食べたらすぐに行くぞ」

「わかった、食べたらすぐに出れるようにする」

「それにしても怜華は課題どのくらいで終わらせる予定なんだ」

「今日は多分杏ちゃんと会ったらずっと練習するかもと考えてます。なので明日から朝練して、その後にやれるだけやっていきます。所詮まだ小学生がやる量ですし簡単ですから長くても1週間あれば終わる予定です」

「転生者だしそこまで心配はしてないけど、ちゃんと上位に入れるようにな。高校生になってからは大変だろ」

「転生した時現役の高校生だし大丈夫だとは思います」

「なら大丈夫か。それよりも怜華の喋り方ってどうなってるの?」

「どうとは?」

「転生したことを教えてもらった時はそんな丁寧な口調じゃなかったのに今は結構丁寧になってるじゃん」

「えっとね……キャラ作り的な?実は咲希ちゃんにあった時に『着せ替え人形みたい』って言われてね、だったらお人形みたいなお嬢様?を目指してみようかなって。その練習で兄さんと話してる時に丁寧な口調にしてみた」

「いいんじゃないか?ただ俺と話してる時は素の方がやりやすいし、多分ストリート音楽には合わないんじゃないかな?ストリート音楽に関わるときと俺と話してる時は素でいいだろ」

「そしたらもっとベタベタするけどいいの?それに、私は原作キャラと恋愛関係にならないようにする為になんだってするよ?それに転生した私としても結構兄さんのこと好きだけどいいの?ブラコンって言われても構わないよ?」

「俺そんなに好感度上がるような事した?俺は今の怜華を拒まないって言っただけだよね?」

「それ瑞希の前でおんなじこと言えるの?」

「瑞希は関係ないでしょ」

「私はいずれ瑞希と喧嘩するかもしれない………はぁ」

「てかもっとベタベタされても現在の時点で世間から見たらブラコンと言われてもおかしくないくらいなのに脅しの意味ないじゃん。だったら素の口調で話してほしいやだけど」

「ふーん……じゃ私出かける準備してくる。少し待ってて」

 

 

怜華が準備している間に俺も準備をしよう。とはいえ地図とスマホと財布だけだからそんなに時間はかからないけど。

ちなみに現在の怜華のベタベタは気づいたら夜俺のベッドに忍び込んだり、パソコンで作業してるときにもくっついてきたりと今でも十分ブラコンだと言われてもおかしくない。咲希だってここまでしない。

 

 

すぐに怜華も準備が終わり、流石に急がないと遅れる時間のためビビットストリートに直行した。

 

 

 

 

 

「君たちがツインダイス?私は白石杏。父さんから色々教えてくれって頼まれてるから今日からよろしくね」

「自己紹介ありがとう。俺は東雲雷夜。こっちは妹の怜華」

「杏ちゃん、よろしくおねがいします」

「そんなかたくならないでよ。ゆる〜くやろう、ストリート音楽にはそっちの方があってるからね‼︎」

「じゃあそうしようかな。よろしくね、杏」

「うん、よろしく。さてそれじゃあ早速だけど練習しよっか。まず私に2人の実力を教えてほしいんだ。だからなんか一曲だけでいいから歌ってほしい」

「俺達まだどこ歌うかとかのパート分けをまだしてないんだ、それぞれ当たった方がいいか?」

「うーん、いや2人同時に全部歌って。そっちの方がパート分けの手伝いもできるし」

「わかった。『劣等上等』」

 

 

 

 

 

 

 

 

「いいじゃん‼︎始めたばっかりなんだよね?だとしたら結構やる方だよ。細かいところは色々直さないといけないけど……大体の感じは全然オッケー。そしたら最初にパート分けの話ししちゃってそこで直さないといけないところを確認しよっか」

「分かったそうしたらどうパートを分けようか?」

「えっとねネットで分け方は書いてあるんだけど、そのままじゃあつまらないでしょ?だから最後に一緒に歌うところ増やすとかしてちょっとだけアレンジ加えてもいいと思う」

「ネットに書いてあるんだ……」

「私も初めて知ったよ。調べてみると歌いやすいように分けられてるね。これだったら息が続くんだったら変えてもいけそうな気がする」

「なぁ杏、俺達今は歌だけでやってるけどこれから踊りというか何かパフォーマンスを入れたいんだけどそれを踏まえてだとそのままの方が上手くいく可能性ってある?」

「ダンス混ぜるんだったら息が整えやすいように元の方がいいかもね。ただその場合は私はダンス教えられないし、歌とダンスのどっちも覚えて練習しなきゃだから結構大変かも。私だった歌だけしばらくやって何曲か連続で歌えるようになったらダンスも加えてくかな」

「兄さん、そうしたらダンスもやる事考えたらアレンジ加えないでそのままやった方が今後のためになると思う」

「そうだな、じゃあ元のままでしばらく練習してこうか」

「よし、じゃあ早速やってくよー。まずは体力作りからだねここら辺を走ってくよ。最初だし10分ぐらい、じゃあ私についてきて」

「怜華いくぞ」

「もちろん、ただ10分でもまだ大変だけどね」

「無理はするなよ」

「もちろん分かってます。これから面白いことがどんどん始まるんです。また病院なんてつまらないですし」

「2人ともちゃんとついてきてね」

 

 

こうして杏との練習が始まった。

 



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入学と進級

春休みの杏との練習は怜華が参加できるようになってからは厳しいものになった。それまでは俺は杏が怜華のパートを歌い『劣等上等』の練習をし、怜華はランニングなどの体力作りをしていた。怜華が来てからはツインダイスで練習していたのだか、疲れて練習に遅刻しそうになったことがあるほどに杏の練習はきつかった。ただそのおかげで体力も歌唱力も身についていた。

そして春休みの練習も終わり、杏と怜華は入学、俺は進級の4月になっていた。4月からは杏との練習はなかったが俺達はビビットストリートではないところで歌うようになった。ようは一歌だったり、こはねのような1人で練習していたのを2人で行なっている分けだ。杏からすると俺達は歌は良い感じだから体力と場慣れさえすれば十分とのことで街で歌うように指示された。

こんなのが続いて入学式の日になった。

 

 

「兄さんたち、行ってきます」

「いってらっしゃい。これから頑張れよ」

「怜華ちゃん、楽しんでおいでね」

「はい、友達作ってきます」

「怜華が新入生の代表の話すやつに選ばれたんだろ。すげぇな、オレには絶対に無理だ」

「私は勉強頑張りましたから。ですがこれを兄さんたちに聞かせられないのは残念です」

「それじゃあ兄さんたちも入学式いってらっしゃい」

「行ってくる」

「彰人、先行ってくるね」

「兄貴たちいってらっしゃい」

 

 

 

 

 

 

「こうやって雷夜と話すのも久しぶりよね」

「そうだね、最近はずっと怜華と外に出てるからね」

「あんた達は何やってるの?私は絵を描いてるけど」

「俺達は最近ストリート音楽をやってるんだ。前に夏祭り行った時に見たでしょ、あれ」

「確かあの夏祭りは音楽を聴く為にも雷夜は行ってたもんね。彰人にどうって勧めといて怜華誘って自分でやってるのどうなのよ」

「いや俺は怜華から誘われた側だから」

「嘘、怜華って見た目お嬢様なのにストリート音楽に興味あるんだ。私てっきり怜華が音楽に興味持つならクラシックだと思ってた」

「姉さんって怜華とそんなに話さないの?」

「いや結構話してるわよ。むしろ話してるからお嬢様っぽさが目立つというか」

「あーそれはあるかも。だけど怜華の素の話し方はお嬢様じゃないよ。あれは宮女の学年代表としてのキャラ作りというか、自分の見た目に合うキャラ作りって感じでいるだけ。とりあえず兄弟で練習してるらしい」

「私は普通の話し方にして欲しいな。その方が楽だし」

「後緊張とかで何故かそうゆう喋りになったりもする。まだ意識戻って1年経ってないし、家で過ごすようになってからも2ヶ月も経ってないしね」

「ふーん。あっそういえばなんで怜華と雷夜ってそんなに仲いいの?私と彰人だと絶対に有り得ないんだけど」

「家族が……血の繋がった家族が怜華からすると俺しかいないし俺からすると怜華しかいない。俺は血の繋がった家族が全員意識不明の期間が長かったから慣れたけど怜華はそうじゃない。怜華は俺しか血の繋がった家族がいなくて失う怖さを本能的に覚えているのかも知れない。だから俺は怜華を拒まないし怜華は俺に近寄ってくるんだと思う」

「だからって寝る時まで一緒に居なくていいじゃないの」

「なんで知ってんの⁉︎朝苦手だから見られてないと思ってたのに⁉︎」

「ただその日はたまたま朝早く起きて水飲みに行ったら見えただけよ。彰人には言ってないから安心してね」

「あぁもう最悪。せめてもっと早くそれ言ってくれたら精神落ち着かせてから学校つけたのに」

「しょうがないじゃない。話したタイミングが学校の手前だったんだから。あっ愛莉だ」

「絵名、雷夜君、おはよう。今日は彰人くんの入学だよねどう楽しみ?」

「普通」

「俺も特になんともですね、ただ中学生になるんだなと。俺的には怜華の方が気になりますね」

「絵名から聞いてるわよ、アイドルとしても通用しそうなくらいの妹なんでしょ。後その話を聞いた時に雷夜君のことも聞いたわ、ごめんなさい」

「いや全然大丈夫ですよ。気にしてないですし、怜華のこと話したら俺のことも話さないといけないことなので」

「ありがとう、優しいのね」

「愛莉聞いてよ、この間ね雷夜と怜華が一緒に寝てたんだよ」

「それ話して大丈夫なの?」

「別にいいんですど………客観視するきっかけになるから恥ずかしさがきます」

「話したいのはそこじゃなくて、兄弟とか姉妹で一緒に寝れるのかって話。私は絶対に無理だけど愛莉ならどうなんだろうって思って。確か妹いたよね?」

「私は妹だからできるけど、弟だとアイドルやってるのもあって無理かな」

「そうよね、普通に考えて雷夜と怜華が少しおかしいよね」

「俺先教室行ってるから」

 

 

客観視するとやはりシスコンな気がしてくるがそんな事は考えないようにして今日も教室で無心になる。中学なんて何も考えずとも生活のできるとても楽な所だ。

俺のクラスには絵名も愛莉もいない去年の愛莉と絵名の関わりの始めはみたがそれ以降は特に何も考えていなかった。

 

今日は入学式だけなので更に楽だ。しかも東雲の為彰人が呼ばれるのは早くであるから基本的に無意識で過ごせる。

 

移動も何も本当に楽である。

また無意識で学校を過ごしているが、踊りのことも考えることある。

 

校長の話は長いというが体育祭とかだと5分で終わる為いい時代だと思う。ただ入学式だと長い。

 

踊りについて考えているといつのまにか学校を帰宅していた。絵名を置いてきたがいつもの事なので問題はない。

 

今日は入学式の為大体午前で終わる。よって午後からは怜華と歌を歌いに行くことにした。



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入学式と先輩

怜華視点


私は今宮女に入学しました。今日の目標は取り敢えず慣れる。それだけだ。いや原作メンバーで誰か同じクラスじゃないかを見たり、まふゆ探しをしてできたら友達になる。この2つが目標だ。

 

 

「東雲さん。ちょっといいですか?」

「なんでしょうか先生?」

「新入生代表の挨拶の前に少しだけ生徒会の誰か挨拶しないといけないの。おかしなしきたりだけど、このくらいだったらまだ受け入れられると思うの。今1人会えるから来てください」

「わかりました。今行きます」

 

 

宮女はお嬢様高でもあるためか少し変わったしきたりがある。前世の記憶が残ってるから慣れてこない。大理石などは使われてなさそうなので安心ではあるけど。

 

 

「おはようございます、東雲怜華さん。お元気ですか?私は今年度の生徒会副会長の鳳ひなたです。よろしくお願いします」

「ひなたさん⁉︎お久しぶりです。私退院してからとても元気ですよ」

「貴方達知り合いなの?」

「怜華ちゃんは鳳財閥の病院でずっと入院していてそれで繋がりがあるんです。でもまさかここにこれるとは思ってなかったですし、ましてや代表になるとは全く考えていませんでした」

「そうなの?とても頭の良い生徒ですので勉強の話をしたりする事もあると思うのだけど」

「怜華ちゃんって小学生になる前からずっと意識不明の重体で去年の秋頃に目覚めたんですよ。この子は小学校の内容を4ヶ月でマスターしたんです。そんな事を予想できるはずありません」

「なにそれまさしく天才じゃない⁉︎」

「だから私も驚いていたんです」

「あの、私はどうすればいいのでしょうか?」

「あぁごめんなさい。ただちょっと顔合わせさえすればいいだけですのでそんなにする事はありません」

「私が怜華ちゃんに頑張ってねっていうだけだからね。それじゃあ怜華ちゃん、頑張ってね」

「はい、頑張ります。宮女の学年代表として皆んなの目標となるようにします」

「これでよし、学年代表として模範になるのはいいけど無理はしないでね。定期的に検査はあるからね」

「わかりました。先生、この後はどうすればいいのでしょうか?」

「教室に戻ってもらって大丈夫ですので教室で自由にしていてください。時間になったら放送で呼びますので」

「わかりました。ではまた後でお願いします」

 

 

生徒会室を出ようとするとコンコンっとノックの音が響いた。そして中に入ってきたのは目標の人だった。

 

 

「失礼します。あれ?新入生?どうしたの、迷子ではないよね」

「朝比奈さん、彼女は今年の新入生代表です。去年あなたもやったでしょう」

「そういえばありましたね。緊張してたからか忘れてました。ねぇ、私は朝比奈まふゆ、去年私も新入生代表の挨拶をしたんだ、よろしくね。名前教えてくれるかな?」

「東雲怜華です。これからよろしくお願いします、朝比奈先輩」

「よろしくね、怜華ちゃん。なんか先輩って呼ばれるの初めてだから嬉しいな」

「朝比奈さん何か用があったのではありませんか?」

「それじゃあ私先に教室に戻らせていただきます。また後でお願いします」

「怜華ちゃん頑張ってね」

「はい、完璧にこなしてみせます」

 

 

………ビックリした〜。朝比奈先輩の優等生モード怖かった。ニーゴのまふゆに慣れていたせいもあって怖かったよ。それよりもひなたさんがいることの方がもっと驚きだったけど。

 

教室についたけれど一歌たちはいなかったので、今年はずっとクラスで素を出す事はないと思う。

 

 

「おはようございます。東雲さん」

「おはよう。そんなに硬くならなくて大丈夫ですよ」

「そ、そう?なら楽にさせてもらうね」

「それにしても何故そんなに緊張していたんですか?」

「その東雲さんはなんというか、お人形さん?みたいにきれいで、お嬢様っぽいオーラを感じたというか」

「そうなんですね。でも私はお嬢様ではありませんので気軽に話しかけてもらってもかまいません」

「そうなんだ、ねぇ最近のドラ『中等部1年D組東雲怜華さん体育館まで来てください。繰り返します。中等部1年D組東雲怜華さん、体育館まで来てください』……」

「呼ばれてしまいましたので行ってきます。また今度お話ししましょう」

「呼ばれるって何かしたの?」

「多分新入生代表の挨拶をするのでそのことかと思います」

「東雲さんすごい。新入生代表の挨拶なんて普通できないよ」

「ありがとう。それじゃあ行ってきます」

「いってらっしゃい」

 

 

 

 

 

体育館は校門からみて左側にあったから、こっち行けばあるはず。

あった。このくらいはすぐにみつけないと方向音痴になる。私と兄さんどっちも方向音痴とかは流石に笑えないしね。

 

それよりも早く入学式終わんないかなぁ。




ちょっと変な所だけど一旦終わり


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入学式の後

入学式が終わった。私の新入生代表の挨拶なんかも先生のありがたいお話しもつまらなかったし、特に知りたいとか思う人はいないでしょう。

そして今はもう先生から帰っていいよって言われたから、仲良い子で集まったりしている人や親と帰ってる人もいた。

そんな中で私は今一歌たちに捕まりました。そして一歌たちは私が新入生代表の挨拶をしていた事について話しています。

 

 

「怜華が新入生代表って驚いたよね」

「確かに、新入生代表って試験の結果が全てだからあり得るけど、小学校に通ってなくてもいいんだとは思ったね」

「別に私はずっと病院で過ごしてて学校行けてないだけだから。不登校とはいってもドクターストップ的な事だから」

「そうじゃなくても怜華ちゃんは学校に行かずに試験でトップ取ったってことでもあるから、そっちの方がわたしは驚きかな」

「新入生代表になれたのは多分というかほとんど兄さんのおかげかな。兄さんも頭良くてその兄さんから勉強結構教えてもらってたから。後はずっと病院で受験に特化した勉強法だったからだと思う」

「雷夜さんが頭いいって印象ないんだけど」

「私と穂波は雷夜さんに会った事ないからイメージがつかないな」

「一応学校ではトップ帯にいるくらい頭いいんだけどね。まぁ方向音痴だったらするからそんなに頭いいってイメージ私もないけど」

「怜華もイメージないんだったら私たちがイメージできるはずないじゃん」

「それもそうだね。あっそうだ、この後兄さんに会ってみる?そうしたらどんな人かわかるんじゃないかな」

「悪いんだけど、今日は私たち咲希のお見舞いに行く事にしてるからまた今度お兄さんとお話ししたいかな」

「なにそれ私聞いてないけど」

「怜華ちゃんの挨拶で咲希ちゃんのこと言ってたでしょ、それで咲希ちゃんにこんなことがあったんだって教えに行きたくてお母さんに聞いたら車出してくれるらしいから行く事にさっき決めたの」

「今から県外行くって、早く帰らなくていいの?」

「少し急いだ方がいいかも?ってくらいだからまぁどうにかなるでしょ」

「私お花買ってくるから先に帰るね」

「私とは明日にでも話せるんだしみんな咲希のお見舞いに行ってきなよ。早く着くならそれはそれでいいし」

「怜華ちゃんも咲希ちゃんのお見舞いに行く?」

「今日話す内容私の新入生代表の挨拶でしょ。恥ずかしいから遠慮しとく、それにこの後兄さんと用事あるから」

「それじゃあ怜華、また明日」

「うん、みんなまた明日」

 

 

咲希ちゃんのお見舞いに今度行きたいな、県外だから少しだけ大変だけど。

そろそろ帰らないと兄さん待たせてそうだし。

どんどんツインダイスは歌唱力が通用してきてる。そろそろパフォーマンスを組み込んでもいいくらいだろう。早く練習して2人で戦えるくらいになって音楽を楽しみたい。

早く兄さんを誘って練習しなくちゃ。

 

 

 

 

 

 

 

なんか帰ったら兄さんが落ち込んでるんだけど。なにがあったんだろうか。

 

 

「怜華、いい所にきた。ちょっと雷夜のこと励ましてくれない?なんか私と愛莉は同じクラスだったのに雷夜だけまた別のクラスになって落ち込んでてさ。ホントめんどくさい」

「姉さん。確かに面倒くさいですけどそれ兄さんに言わないでくださいね。余計に落ち込むので」

「それくらいは分かってる。それじゃ後はお願いね、私じゃどうにもならなかったから」

 

 

兄さんも私も原作キャラと同じクラスになる事はなかったのか。

私もせっかくなら絵名と愛莉の中学時代の事とか気になるから落ち込むのもわかるかも。授業の様子とか見てみたいし。

 

 

「兄さん」

「怜華か、今年もまた絵名と愛莉の授業の様子見れないんだけど。ホントつらい。前世ですり抜け大量に出た時くらいつらい」

「私も今年は誰も知り合いが同じクラスにいませんでしたし、同じですね。とゆうかすり抜け大量に出るともういいやって気になりませんか?私はそう思ってたので気楽に過ごしてますよ」

「去年はそうしてたんだけど流石に辛くなってくる。後学校の内容が簡単すぎて暇になる。予習してると怒られるし」

「それじゃあ兄さん授業中にパフォーマンスについて考えてたら?そろそろ私達は歌からパフォーマンスの練習に変わるし、後MMDのためにも時間使えるでしょ」

「そうかもしれない」

「それじゃあ決まり。兄さん元気出して、これから練習なんだから」

「そうだな、よしそれじゃあ練習やるか」

「その調子で頑張ろう」

 

 

 

 

 

 

そうして私達はビビットストリート中で多くの人が知っているユニットとなり私達に憧れてストリート音楽を始めた人もいるぐらいには人気となった。



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崩壊のハジマリ
少しずつコワレテク


最近ぼざろを見てみたいなと思ってるのですが、ネットの反応というかサムネを見ると意外と闇がありそうに思えてきてましてためらってます。


今日はついに伝説の夜といわれる事になる日

だからか少し興奮気味だった

 

 

「彰人、今日は去年の夏祭りで話したイベントが行われる。彰人も見に行くだろ?」

「あぁそうだな、それ見て本気になれそうだったらやってやる」

「私もそれがいいと思います。やるからには本気でやらないと意味がありません」

「ビビットストリートの場所はわかるよな。俺達は先に行ってるから遅れるなよ」

「先に行くって早すぎだろ」

 

 

 

2人は今日も練習がある。ただ謙さん達のライブがあるため午前中で終わる

 

 

 

「それじゃあ今日はこの辺で終わろっか。それにしてもやっぱり楽しいな。後雷夜、最近ランニングサボってたりしてない?いつもよりキレが悪いよぉ〜。それでも全然上手いのはすごいけどね」

「サボってないし、なんなら走る距離は増えてるから」

「杏、大丈夫。私が放課後にランニングしてるの確認してるから」

「う〜ん……まぁいっか。それじゃあ昼食べたら行こっか」

 

 

杏は雷夜の歌にキレがいつもよりないと感じているようだが2人はなにも感じない

 

それもそうだろう。普通ならコンディションの差と言えば納得できるほどに素人からはわからないほどに小さな、それでいて教えている側からすると違和感を感じる何かがあったのだから

 

もし謙さん達がいたら言語化することができたかもしれないが、杏はまだ感覚としてしかわからないためこの3人の間ではコンディションの差として判断された

 

 

 

 

 

そして伝説のイベントは終わる

 

どうでもいい事だがツインダイスと杏はもしかしたら伝説のイベントに参加する世界線もあったようだ。

どうやらこの世界線では雷夜の様子を見て参加する事は無くなったらしい。謙さん達も何かを感じたのだろう

 

 

 

「ねぇ2人とも‼︎私今すごいドキドキした気持ちが止まらないよ‼︎2人も同じ思いでしょ?だからさ、今から練習やらない?」

「兄さん私やりたい。元々今日はいつもより練習が少ないし、今やらなかったらちょっとした後悔になるから」

「うんやろう。俺もまだまだやれるし、昂った気持ちは止められない」

 

 

そうして練習は続き夕方も終わろうとしていたのに終わらない

 

 

ドサッ‼︎

 

 

と音がした。雷夜がその時に倒れたのだ

 

 

「えっ………兄さん?兄さん⁉︎起きて……それよりも………なんで」

「怜華、雷夜の様子見てて。私は一応救急車と父さん呼んでくる」

「わかった。えっと歌ってる時に倒れたから酸素不足かもしれないけど……何かできる事は……わかんない。兄さん、起きて、起きてよ、ねぇ………」

 

 

 

そうして少しの時間が経って雷夜は救急車で搬送された

しかし倒れた時の姿勢が悪かったのかは分からないが雷夜が意識を戻すのは大体24時間後のことだ

 

雷夜の意識が戻らずにいる中怜華は学校に行かなくちゃならない。周りからすると顔色が悪過ぎるように見え、クラスメイトは今日は怜華に何か負担になる事はさせないようにとしていた。勿論先生も頼み事を今日はしなかった。先生は兄が意識不明の状態ということを怜華の父から聞いていたため、保健室で休んでもいいと提案していた。

しかし怜華は授業を受けないと優等生ではないと考えたのか授業は受けていた。

 

本人は気づいていないのだろうが、怜華はとても雷夜の事を大切に思っている。大切な存在だと気づいているが、どれだけ大切だと思っているのかは気づいていない。2人を見ているととてもわかりやすいが

 

 

 

 

 

放課後、雷夜が意識を取り戻す。そして、

 

 

 

雷夜が意識を取り戻した時には、このセカイから花々が枯れてしまっていた




???視点


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病院生活

ぼざろ見てきた。面白かった。


起きると、知っている天井だった。

白い上に皺のない天井、そう病院の天井だ

なんで病院にいるのだろうと思ったが、練習していたのを覚えているし、練習のせいだろう。

とりあえず先生を呼び出そう。ボタンを押すだけで呼び出しができるって普通に考えてみると凄い気がする。

先生が来るまで暇だ。そう思い暇すぎてため息が出る。

 

 

「そんなに大きなため息したら、幸せが逃げちゃうよー」

「………誰ですか?」

 

 

人間って驚き過ぎると反応が薄くなるんだね、多分死を覚悟しそうになったからかもしれない。死を感じそうになってまで理由なんて知りたくなかった。別にそこまで死は感じてないけど。

 

 

「……わたしはただの人間だよ」

「人間以外なら何なんですかって話ですし、人間なのはわかってます」

「……音楽に熱中し過ぎて大学に落ちた人、コレでいいかな?」

「思ったよりも簡単に話してくれるんですね。それに雰囲気も変わってますし、よくわからない人だと思いますけど」

「キャラ作るの大変なの、それより聞きたいことがあるんだけどさ、

雷夜君って敬語使うの?」

「俺のことをなんだと思ってるんですか?普通に考えたら知らぬ間に病室にいて急に話しかけてきた人を警戒しないわけがないじゃないですか」

「うーんどうしたら信用してくれる?」

「まぁそれならまだ少しなら信用するか考えても」

「将来君の味方になれる人」

「ふざけてるの?」

「いや今はまだ言えないけど事実だから信じて」

「ふーんちなみに俺の名前フルネームで言える?」

「?もちろん、夜桜雷夜君」

「貴方誰と勘違いしてるんですか?あっているけど違う。俺は今は東雲雷夜だ」

「……え?」

 

 

目の前の人は自分が東雲家に引き取られる前の夜桜と答えた。ありえる可能性は過去に知り合っていた場合だけどそれなら誰が隠さなくていいと思うし、今説明できないって色々とあやし過ぎる。

 

 

「東雲ってもしかして姉に絵名って人いる?」

「いるよ、後彰人もいるし。こっちの質問答えて貰っていいかな?転生とか憑依って信じる?ちなみに俺は信じるかない状況なんだけど」

 

 

逃げられないように誰かの腕を掴む。

 

 

「信じてるか、ほら答えたでしょ?手話して欲しいなぁ」

「落ち着いて落ち着いて、もしかしたら違うかもだけど、転生者だったら誰かに憑依してたりしてないですか?」

「雷夜君も転生者だったりするの?」

「そうです。なので色々聞きたいことがあるのでしばらくお話しどうですか?」

「あのわかったから手掴むのやめてくれない?結構痛いんだけど」

「逃げない?」

「逃げない、どうせ今後会う可能性が高いしあった時に絶対に聞かれる」

「流石にそこまでは……するかもだけど、とりあえず聞きたいことがあるから。最初に転生って信じる?というか転生した?」

「した。ただ憑依になる。雷夜君は転生したってことでいいの?」

「そうだね。次の質問、なんで俺の名前を夜桜の方で答えたの?」

「なんでって雷夜君も転生したなら知ってるでしょ」

「は?」

「プロセカの据え置き版ゲームの『プロジェクトセカイ・インビジブルソング』のラストボス的立ち位置のキャラの名前が夜桜雷夜だから。あれ?知ってるよね?」

 

 

プロジェクト・インビジブルソング

雷夜も怜華も知らない新たなプロセカ

それを知っている謎の女性が現れた

 

 

物語の歯車はもう少しで動き出す




インビジブルソングとかダサいと思うけどコレぐらいしか思いつかなかったので許して下さい。


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プロジェクトセカイ・インビジブルソング

気付けない歌


「なにそれ、俺の世界には存在してないけど」

 

 

そう、プロジェクトセカイ・インビジブルソング………長い、プロセカISでいいや。プロセカISは俺と怜華のいた世界では存在していない。それどころか据え置き版すらない。

 

 

「もしかして据え置き版の夜桜雷夜についてストーリーとか含めて話しておいた方がいい?」

「その方が助かる」

「面倒くさいけど最初から話すね。このゲームは据え置き版になる前のストーリーを前収録プラスボイス追加。

メインストーリーとかイベントストーリーも変わってないけど、解放条件が据え置き版になって変化してる。

メインストーリーは最初から全部見られるようになっていて、見終わるとニーゴだったら『悔やむと書いてミライ』をプレイする。

そしてイベントストーリーはゲームらしくなってるの。

具体的に言うと、最初のステージは『雨上がりの一番星(ステラ)』一話目はステージに入った時に見れて、そこから1曲ずつレオニードの歌う曲をクリアしたストーリー解放って形でキーストーリーの時は次のステージに行く前に書き下ろし楽曲をクリアする必要がある。こんな感じのゲーム」

「それの最後に俺が出るの?」

「えっとねお助けキャラとして最初から、夜桜雷夜、夜桜怜華、九城茜、そして私、風間白夜が出てくるの。

で話がちょっと戻るんだけど、スマホとかであったイベントストーリーにあたるステージを終わらせると、皆んな誰かを救いたいとかそんな感じにまとまるのよ。で色々な人をステージをクリアして救っていくって物語。

そしてプロセカISでは夜桜雷夜はまぁ怜華もなんだけど天才なの、それで雷夜は自分がいなくても物語は進む事に気づくの。メタいこと言うとお助けキャラだから使わなくてもゲームはクリア出来るからそういう考察もあったりするの。

そこから繋がって最後のセカイでお助けキャラだった雷夜を救うって形かな」

「まぁ大体理解したよ。怜華が天才なのは納得いくし」

「この世界においてプロセカISの原作なんて気にしなくてもいいけどね。所で雷夜君は転生してやりたいことってあるの?」

「俺は原作の流れ通りの世界を眺められたら十分かな」

「そっか。私はこの世界がISかどうかわからないからもう好きに生きるつもりだよ。まぁ好きに生きるって言っても雷夜君と同じように原作を見たいけどね」

「話変わるんですけど大学受験するような年にしては身体小さいですね」

「私まだ高1だよ?」

「えっ?最初に誰か聞いた時は……」

「あれは原作の風間白夜の話で私のことじゃないから」

「騙されてたってことですか?」

「そうゆうことだよ」

「急に明るくなるね」

「キャラ作りは気分がいい時にやっとくと身につくからね。それに今楽しいし。そうだ‼︎せっかくだから何か連絡手段欲しいね」

「ナイトコードでいいですか?」

「それでいいよ」

 

 

それから少し話をして今まで言わなかった事を思い出した。

 

 

「所で今日は平日なんですけど学校は?」

「サボりですけど何か?」

「ちゃんと補修受けたりしましょうね、白夜さん」

「今日は病院で検査あるから仕方なく休んでるだけだから大丈夫だよ。そうだ先生呼んでこようか?あっそういえばシロって呼び捨てでいいよ。茜からもそう呼ばれてるし」

「じゃあシロさん先生呼んできてください」

「やっぱり呼び捨てじゃないと違和感がすごいけどまぁいいや。呼んでくるからまた今度ね」

「それじゃあまたいずれ」

 

 

そうしてシロさんが病室を出て直ぐに先生と思われる人が入ってきた。

そして先生は少し申し訳なさそうな表情を少し浮かべた後色々と話してくれた。

 

 

「はっきりと言わせていただきます。東雲雷夜さんの倒れた原因は酸素不足だと思われるのですが、それだけでは説明がつかないほど意識を失ってましたので検査した所少しおかしな所がありました。

そしてしばらく検査をさせていただきたいと思ってます。またいつ倒れるかもわからない状態でもある為あまり無理もさせられません。これらのことからしばらくの間入院して頂いた上で残りの中学生活をこの近くの学校で過ごしていただきたいのです。学校側には転校しても受け入れられる体制である事は確認しています」

「えっと母や父にはその説明はしてあるのでしょうか?」

「保護者の方には説明してます。また入院や転校に関しても許可はいただいていています。その為後は雷夜さんが転校してもいいと思うのならば転校していただくことになります」

「自分は転校してもいいです」

「ありがとうございます。学校側には車椅子や点滴の持ち込みも許可して頂いてるので安心して登校もできます。もし何かあったら保険室の利用や授業中の途中退室も許可を得てます」

「あの、なんでそこまで良くして貰えるのでしょうか?」

「もし同じ状態の患者が出た時にどうすればいいのかなどを調べる目的も含まれてますので何かあったら困るということもあります」

「分かりました。では無理しないように生活させていただきます」

「では来週から学校に通うことになります。荷物などはこちらで準備しますので楽にしていてください」

 

 

そんな感じで転校する事が決まった。

要は学校が病院に近いと楽で、サポートしやすい。色々とサポートするから国のためにその病気?を解明したいと言うことだ。多分。

まぁどうとでもなる。

 

 

そしてその転校の日となりそこで俺は去年あった紫髪の人と再開することになった。




感想とかよかったら下さい。できればプロセカISなどという、変な物が出てどう思ったかが気になってます。


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転校
転校生と天才


咲希ちゃんって凄かったんだ。


転校初日

今日から新しい学校で過ごすことになるため不安になってる。そういえば今は病院にいます。彰人や怜華が入院していた所とはまた別で、知ってる人もいない、お見舞いにも平日は無理だろうという距離。

今ずっと1人で頑張っている咲希ちゃんの凄さがわかるような気がする

いや実際に凄い。俺はこんな数日で寂しさで少し辛くなっているのに咲希ちゃんはこれを三年間続けていて本当に頑張ったのだろう。

 

 

「雷夜さん、そろそろ学校に行きますよ」

「分かりました」

 

 

俺は点滴をしていても着れるように少しだけ改造された制服を着る。

そういえば俺の今の主治医は久城誠さんというらしい。シロさんがISで追加されたキャラを教えてくれた時に久城と名のつくキャラがいたが………まさかね。

 

 

 

 

 

そして少しだけ歩いて学校についた。現在時刻は7時20分。まだ朝練をしている生徒以外は誰も登校していない時間だ

今日は転校初日ということもあり早めに来たのだ

 

先生達が何か話している。空き教室を使って転校生の挨拶?的なのをするらしい。

点滴してるのに学校にくるなんてとか思われたらどうしよう。まぁ実際はしなくてもいいらしいが保険的につけている。何か言われたら外せばいいし。

 

それにしてもこの学校の制服見たことあるんだよなぁ。そりゃ今きているし、少し離れた学校といっても街で見かけることぐらいあるだろと思われるだろうがそうじゃない。前世から見たことがあるんだ。

 

そう赤い色のブラザーに水色に似た色のネクタイ………そう

屋上組の2人が着ていた制服と一致するのだ。

 

類に関しては去年一度会ったことがあるのでもし同じクラスになれたら安心できるけど………瑞希に関しては多分俺から関わると噂を聞いて接触して来た者として避けられそう。推しに避けられる未来が簡単に予想できるのがつらい。

まぁとりあえず類と同じクラスである事を祈るだけだ。

 

そうして色々と考えているうちに呼ばれた。

 

「それじゃあ自己紹介してください」

「えっと、今日転校した東雲雷夜です。趣味は音楽とかダンスです。まぁ見ての通り点滴してて今はできないけど、よろしく」

「今日からこの学校で一緒に過ごす東雲雷夜君です。それじゃあ一番後ろのあいてる席に座ってね」

 

 

すっごい子供扱いされた気がする。この先生ここを小学校と勘違いしてない?

それはまぁいいや、俺が座ることになった先は一番窓際の一番後ろ。多分点滴があるから邪魔にならない位置にしたんだろうな。そしてその隣には紫色の髪をして少し制服を着崩した背の高い男の子。

 

 

「類、久しぶり」

「久しぶりだね、雷夜くん。まさか転校生が君だとは少しも思わなかったよ」

「予想されてたら怖かったよ」

「確かにその通りだね」

「昼休みとかに前に言ってたショーの事とか色々聞かせてよ」

「………もちろんだとも」

 

 

少し詰め寄りすぎたかな?類が点滴のことについて何も聞いてこないのに俺が類にショーの事聞くのは少し悪いことした気がする。

 

 

 

他の生徒からはある程度声をかけて貰えたが、隣町とかの距離の転校で面白い話もなさそうと判断されたのかみんな興味をすぐに無くしてしまい、点滴について気になる人がいるくらいに落ち着いた。

良く小説とかである質問攻めみたいにならなくてよかったけれども少し寂しくもある。

 

そうして昼休み、類と共に屋上で色々と話す事になった。

 

 

「さて雷夜くん、何を話そうか?」

「できたら類が改造した色々な道具とか見てみたいな」

「悪いけど今日は持ってきてないんだ。ただ次に作る道具の設計図は持ってきてるからそれの話でもしようか」

「設計図ってなんか凄いワクワクするんだよね。俺たちが初めて会った時も設計図的なのを見れて嬉しかったし」

「あぁあの輪ゴム銃のことだね。あれは微調整して初めて動くものだったから作った人は凄いと思ったよ」

「微調整必要なほど精密なのか……所で類が持ってきた設計図ってなんなの?」

「コレは重いものを持ち上げられるクレーンに似たものだ。僕は機械を使ってショーをするんだ。前に言った通り一人でショーをするからね」

「機械だったら正確に思った通りのショーができそうだね。類は一人でショーの内容を考えたりやっているんだろう?そうしたら類が思い描くショーを見れる。いいと思うよ」

「……きみは僕について何か知っているのかい?」

「えっと、なんのこと?ただ類の機械を使ったショーは類の思い描いた最高の景色が俺にも見えるようなショーなのかなって思っただけなんだけど?」

「そうか、……僕の勘違いのようだ、ごめんね」

「ちなみに何処が類の何かについて知っているように感じたのか教えてくれない?」

「きみにならいいかな。僕はもともと一人でショーをしていたわけじゃないんだ。ただみんな僕のショーのギミックに『こわい』『危なそう』って言って離れていったんだ。安全性は保証しているのにね」

「そして機械は僕の思い描いたショーができるんだ。この僕の考えと雷夜くんの感想は大体同じで僕の過去について知っているのかと思ったのさ」

「なるほど、確かに疑いたくなるね。ねぇ類、俺に何か手伝えることとかってあるかな?ショーをするのは見ての通り点滴してて出来ないけど3Dモデルを使った何かなら役に立てると思うんだけど」

「そうだね……しばらくは大丈夫かな。今作りたいものの設計図とかは大体あるし。……ただ僕の話し相手になってよ。それで何かインスピレーションが出た時に手伝ってもらおうか」

「じゃあこれからよろしく」

「うん、よろしく」

 

 

その後も色々と話、昼休みは終わる。そして放課後となってまた類と話していた

 

 

「なぁ類」

「どうしたんだい」

「屋上にくるまでの階段の屋根に登りたいんだけど、点滴ごと上に移動できる方法ってあるかな?」

「ちょっとした階段にスロープつけて上がる方法が一番楽なんだけど……せっかくだから昔作ったリフトを使おうか。明日持ってくるからそれまで待っていてくれないかい?」

「そのくらいなら全然待つよ」

「じゃあ明日楽しみにしててね。そろそろいい時間だし帰ろうか」

「それじゃあ類また明日」

「じゃあね雷夜くん」

 

「………今日は来なかったか」

 

 

 

今日は類と会えたのでとても楽しかった。俺の推しは瑞希だからあってみたいのだが、多分避けられそうなんだよな。

転校生が瑞希と会うのって噂で聞いたから会いたいってなる。

ようは瑞希からしたら噂で面白そうだから会いにきたって形になる。

そうしたら普通に考えて避けられるよなぁ。どうにかして会いたい。

 

 

まぁいずれ屋上にいたら会えるだろうけど




感想とかよかったら下さい。


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転校生と噂の子

「雷夜くんどうだい?この学校で一番高い所から見る景色は」

「やっぱり都会だなって感じ。それよりもここで寝たら一番気持ちいいと思う」

 

 

今俺は学校で一番物理的に高い所にいる。ここからはビルが沢山あってショッピングモールも見える。なんなら前にいた学校すら見える。

今日は天気が良く、昼寝するなら一番適しているだろうと言える。

 

そうして類の舞台装置を見たりしていると屋上の扉が開いた。

 

 

「……誰?」

「やあ瑞希くん、彼は昨日転校してきた東雲雷夜くんだよ」

「どうも、雷夜です。君の名前は?」

「暁山瑞希……よろしく」

「あぁ君が昨日噂されてた瑞希くん?よろしく。呼び捨てしていいか?」

「別にいいけど……そんなに話す気ないから」

「どうせ俺も瑞希も屋上にくるんだから話す事になるよ」

「雷夜先輩は噂でボクのこと聞いてるんでしょ、そんな人と話したいと思うの?」

「噂は噂でしかないよ。俺は個人的に仲良くなりたいと思ってるし、噂が本当だろうと俺からしたら悪いけどどうでもいい。今の瑞希は俺の友達の友達でしかないから」

「そうなんだ。所でなんで学校で点滴してるの?」

「予備、別にしなくてもいいんだけど何かあったら困るから。せっかくの研究材料がなくなったら困るでしょ?」

「ふーん……まぁいいや。類、また放課後くるから」

「またね、瑞希くん」

 

 

 

「類はどうやって瑞希と話せるようになったの」

「瑞希くんと話せるようになるのは時間がかかるから、少しずつ頑張るしかないね」

「方法はなんでもいいのか、ただ時間がいると………しばらくは瑞希にお見舞いに来てもらえるようになるまで仲良くなれるように過ごそうか」

「しかしながら、雷夜くんはいつ噂を聞いていたんだい?」

「親切なことにこの学校には噂を教えてくれた人がいたんだ。ホントにいらないけど今回は話の種に使えたからいいけど」

「噂は気にならなかったのかい?」

「普通の怪談話の噂とかなら興味あるけど人の噂話なんてただの陰口じゃん。それに誰が何を好きであろうとその人の個性でしかないし。瑞希は類の友達だろ?だったら俺は瑞希と色々話せるようになりたい」

「君は優しいんだね」

「どうした急に」

「瑞希くんの周りでは受け入れてる人は少ない。大体の人がそうゆう反応をするのに君はあるがままを受け入れる事が出来る。それを優しいと言わないのならなんて言うんだい?」

「優しいように見えるだろうけど、俺はそんなに優しくなんてないから。じゃあ今日は帰るね」

「またね雷夜くん」

 

 

原作での瑞希をみて、慣れて、解ろうとして、本人の意思を知っていたから俺は瑞希をそのまま受け入れようとした。受け入れるのは推しだったからできた事だ。もし他の知らないキャラ、例えば久城茜はISのキャラでもし茜が瑞希と同じだったとしてすぐに受け入れられるとは思えない。

 

だから俺は優しくなんてない。



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入院中

BLは保険が役に立つ時がきたようだ。


あれからしばらくの時間が経った。大体2ヶ月半だろう。もう11月も後半だ。

類とはあれから色々な事について話す事が出来た。例えばライリー社の経営するテーマパークでのショーについて話したりした。他にも色々な事をして遊ぶんだ。詳細は省くがTRPGのシナリオを制作したりした。ちなみに瑞希も一緒に作っていた。

 

そして本題の瑞希について、結論から言うと類ほどではないものの仲良くなれたと思う。

 

実は放課後に類がいない日があるのだが、そのうちのある1日に瑞希と口論になった。

覚悟していた事ではあるがウザいとか言われたのはショックだった。その時は瑞希から見て俺は噂で面白そうだから話してる転校生という認識だった。同情しているように見えてウザいとの事だ。俺が初めて瑞希に会った時に噂とかどうでもいいと言った言葉は信用されていなかった。

 

ただその口論のおかげか

俺が同情しているわけではないと信じてはくれた。

けれどウザいとか言ったのを少し申し訳なく思っているのか知らないが少し壁があるように感じた。

 

 

 

 

 

今日は瑞希が病院に来てくれる事になったためそんな事はどうでも良くなった。

 

 

「雷夜先輩、来たよ。それと雷夜先輩って妹いたんだね」

「兄さん私も来ました。それと点滴やめたんだ」

「いらっしゃい瑞希。点滴は結構なくてもどうにかなるし邪魔だったからね、あと怜華はくるなら先に連絡くれ」

「私はテスト終わってようやく来れるようになったんだから許してよ」

「雷夜先輩達って仲良いんだね。結構しつこいイメージあったからなんというか意外」

「兄さんはいったい瑞希さんに何やってたの?」

「えっと類の友達だから仲良くなろうとして頑張ってただけなんだけど……あーアレかな?瑞希言ってもいいの?」

「もしボクと同じのを思っているんだったら病人だろうと殴る」

「……まぁいいか。仲良くなろうとしていた時にちょっとした喧嘩になって、ウザいって言われるぐらいにはなんかしてたらしい。ただずっと話しかけてただけなのに……」

「よかった、殴らないで済んだ」

「兄さん、殴られるの嫌で違う事言ったでしょ。私が兄さんの事を守るので本当に言おうとした事言ってよ。ほら瑞希さんなんて簡単に押さえられるから」

「……えっとね一度逃げられそうになったから捕まえようとしたら一回押し倒しちゃったんだよね」

「………っえ⁉︎」

「あーもう言わないでよ‼︎ホント恥ずかったんだから。類も珍しく驚いた声出してたし」

「……今回は兄さんにウザいって言ったのを反省させるために言わせたのですが……流石にやりすぎな内容かも知れないので、軽くなら兄さんを殴ってもいいです」

ボクが本当に殴るわけないじゃん。ボクの事をわかってくれる少ない友達なのに。いいよもう殴るだけの元気もないよ」

「よかった殴られてたら多分先生に怒られてた」

「ただ反撃はするからね」

「えっ⁉︎」

「雷夜先輩は学校での噂知ってる?ボクが押し倒されたの校庭だったんだけど、それを誰が見ていたらしいんだよね。それでボクと雷夜先輩ができてるとかいう変な噂が少したっているんだ。ボクは元から噂されているから全然苦じゃないけど雷夜先輩はどう?」

「えっもしかして最近なんか話しかける人減ったなぁって思ったけどそうゆうこと」

「兄さん、大丈夫。高校行ったらそんな噂なくなるから。って意識ない?」

「えっ嘘でしょ、流石にそれは傷つんだけど」

「瑞希さんは兄さんとできてるって言われててどう思ってるんですか?」

「それ聞く?怜華さんブラコンだから言ったら絶対バラすでしょ?だからダメ。それに雷夜先輩だって本当に意識ないわけないじゃん」

「バレてたか……まぁ今日は俺検査がこれからあるから少し話してなよ」

 

 

そう今日は検査があるのだ。なのになんで瑞希を呼んだかと言うと実際こんなに話す予定もなかったのだ。ただアニメを見るかとかの話をして共通の話題があれば仲良くなれるんじゃないかと軽い気持ちでいた。

軽く話せたらそれでよかった。

 

 

 

 

検査が終わって自分の病室に戻ると2人は仲良くなっているように見えたが、少し暗いようにも見えた。

 

 

「何かあったのか?」

「いえ、ただ話してたらお互いに墓穴掘っただけです」

「ボクも少しやらかした」

「そうなのか……そしたらもう2人とも帰れ。まだ暗くなる時間じゃないけど話も弾まないだろうし、明日はまた学校だ。今のうちに帰っておいて損はない」

「兄さんは私と話したくないの?」

「からかってる余裕あるなら大丈夫だな。学校に悪影響あったら困るから帰れ。瑞希はもう帰ろうとしているぞ」

「あっじゃあボクはもう帰るから。怜華さん、じゃあね。雷夜先輩はまた明日」

「また明日。怜華もそろそろ帰りなさい」

「私帰りたくないんだけど」

「あっお嬢様モード終わった」

「瑞希も帰ったしいいでしょ。ねぇ兄さん墓穴掘った話教えるからもうちょっといさせてよ」

「……少しだけなら居ていいぞ」

「瑞希の墓穴話はね……」

「いやそれはいい。ただ俺の質問の答えを知ってるかだけ聞きたい」

「何が聞きたいの?」

「なんか俺瑞希からまだ距離を感じるというか壁を感じるって言うの?なんかそんな感じでさ、何か知ってる?」

「あー……まぁわかるけど……言っていいのかな?………ヒントだけあげる。私今日は帰る事にするからさ。それでいい?」

「それでいい」

「兄さんって私が憑依する前の人格が混ざってるって話した時に『人格が変化しても、家族なのには変わりない』って言ってくれたよね。アレ私は嬉しかったんだよ?」

「それが瑞希に壁をつくられてる理由に関係ある?」

「それってさ私を……この混ざった私を認めてくれたって事でしょ?」

「まぁそうとも言えるけど」

「さて、ここで問題。今の瑞希が必要とするものってな〜んだ?」

「今の瑞希……?屋上組か?」

「それが答えだと思うならそうなんじゃない?ヒントはこれまで、それじゃあ私帰るね。あっ後ミクからの伝言「セカイから花がなくなった』だって。じゃあね兄さん」

「ありがとう怜華」

「好きでお見舞いしてるだけだから気にしないでください」

 

 

 

しかし今の瑞希に必要なもの、

屋上組だと思うが、それがなんで壁をつくられる理由になるのだろうか。

むしろ謎が深まった気がする。

壁をつくられる理由はいったいなんなんだろうか。



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とある1日

短いです。後今回は会話だけです


「ねぇ今日は雷夜先輩いないの?」

 

「彼はしばらく休みだってさ。そういえば、瑞希は雷夜くんと何も連絡手段がなかったね。やっぱり何か連絡手段があった方がいいんじゃないかい?」

 

「ダメだよ」

 

「………ダメ。それは瑞希が雷夜くんに深く関わりすぎるからかな?」

 

「なに?今日はしつこいね」

 

「いや、そんなつもりはなかったんだけどね」

 

「類は今までボクに嘘をついた事ないのになんで今日は嘘をつくの?ボクをどうしたいの?」

 

「……君は雷夜くんと距離を取るのをやめた方がいい」

 

「なんで類はそう思うの?」

 

「雷夜くんは君のことをわかってくれる。君を助けてくれる。彼はとても優しいからね。僕は言っちゃ悪いけど他人に冷たすぎる。僕には何も言わずただ見ていることしかできない。けれど雷夜くんなら君を助けてあげれる。その可能性を捨てるのはもったいないと思うよ」

 

わかったような事言わないでよ‼︎確かに雷夜先輩はボクを受け入れてくれる、いずれ助けようとしてくれる。それはわかってる。けどボクは……ボクは怖いんだよ……」

 

「瑞希……」

 

「類と雷夜先輩はボクが3年になった時にはもういない。類だってボクの大切な人だ。たとえ類が自分は冷たいって言ってもボクを受け入れてくれる人だ。そんな類が卒業した後から会えなくなって、辛い思いをする」

 

「それなのに雷夜先輩はボクを受け入れて、助けようとして、今でさえ卒業したあとの事を考えると辛いのに、雷夜先輩を受け入れたらボクがどうなるのか……分かるけど分かりたくない。もし雷夜先輩を受け入れたら、ボクは今を生きるのが楽になる。ただ雷夜先輩は仲良くなれたって喜ぶだけ。先輩は無意識にボクを堕とそうとしてくるからボクだけが雷夜先輩を必要として、ボクは辛い思いをして、雷夜先輩には迷惑をかけることになる。だからダメなんだよ」

 

「……僕はどうやら考えが浅かったようだね。瑞希には瑞希なりの考えがあった。本人にしかわからない事もあるからね。僕からはこれ以上言う事はないよ」

 

「ボクも類の考えがわからないわけじゃないから大丈夫。だけどボクは自己防衛しないと生きていけないから。そういえば、雷夜先輩ってどれくらい休むのかわかる?ボクは今の距離を維持してこれからも雷夜先輩と関わりたい。長く休むならお見舞いに行きたいから」

 

「……雷夜くんのお父さんが亡くなったと聞いている」

 

「雷夜先輩のお父さん。それって東雲慎英(しののめしんえい)さん?」

 

「いや、雷夜くんの()()()()()()だ」



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父の死と夜桜家

リアルの夜桜さんは全く関係のないフィクションです。


長くなっちゃったのと書くのに苦労した。


夜桜家、それは物語の鍵、あるいは物語の始まりのページ、もしくは物語の種。

 

世界には沢山の夜桜家がある。その中で夜桜家の末代は物語の中心となり、世界が流れる。それがどんな世界にも存在する夜桜家である。

 

世界の書オカルトブック〜〜夜桜〜〜

 

 

 

 

「お父さんが亡くなられました」

 

 

たったそれだけの言葉で人はなんで悲しくなるんだろうか?

それには自分の答えがある。

 

思い出があるからだろう。

 

それは例え5歳以下の少ない記憶だとしても悲しくなる。

 

 

お父さんが亡くなって数日がたった。俺はずっと寝込んでいた。

主治医曰く検査中の謎の病気はストレスを受けた事に反応して息苦しさを与えているらしく、軽めの精神安定剤を飲んで抑えていた。

もちろん悲しさによるやるせなさもあった。

 

 

少しの時間がまた経って怜華が来てくれた。怜華は大丈夫だったかと聞いたら、『記憶がないからそんなに悲しくないよ。ただ誰かが亡くなってるのを知ると少しは悲しくなる』と言って確かにそっかと思った。

 

 

また時間が少し経って絵名達がやってきた。

絵名は俺を慰めてくれた。『いつも頑張りすぎなのよ、たまにはこうゆう時に甘えてしっかりと休みなさい』と子供をあやす様にも見えた。今の俺はそんなに辛そうなのだろうか。

 

 

他にも色々な人が来てくれて、今は少しずつ元気になってきた。少しずつ外に出て空気を吸ってきたり、少しだけ体を動かす様に主治医に言われたので今は外に出る準備をしている。

 

 

「雷夜先輩、調子はどう?」

「やぁ雷夜くんしばらく来れなくてごめんね」

「類、それに今日は瑞希も一緒なのか」

「雷夜先輩今から外出るの?」

「今日から少しずつ外に出る様にって言われてね。そうだ今日は車椅子を使う予定だったし瑞希、押してくれよ」

「まぁいいけど……」

「ところで雷夜くんは学校来れそうかい?」

「そろそろ行くつもりだよ。ただ授業は受けないと思うけどね」

「そうかい、学校に来てくれるだけで僕は嬉しいよ」

「類がこんなに笑顔なの初めて見た」

「雷夜先輩、車椅子準備したから座りなよ、ていうかまず動ける?」

「激しい運動さえしなかったら大丈夫。っと、よし行こう」

「僕はちょっと用事ができたから2人で先に行っててくれないかい?」

「わかった」

「……類、覚えてなよ」

「瑞希なんか類と喧嘩してる?」

「別にそうゆうわけじゃないから気にしないでいいよ」

 

 

突然だけどこの前にシロがお見舞いに来てくれた。その時に瑞希から壁を作られている様に感じるって話をしたんだけど、どうやらISでは壁を作っていたと明言されたらしい。理由を聞いたら怜華と同じ様にはぐらかされた。だけど怜華とは違ったヒントもくれた。ヒントというかなんというか……。

『瑞希から壁を作られている様に感じるならそれはとても信頼されてるって事だから安心して』って言われた。

なんで壁を作られていたら信頼されてる事になるんだよ。

だから俺は瑞希に直接聞く事にした。今は類もいないし、瑞希と2人っきりだ。

 

 

「ねぇ瑞希」

「どうしたの雷夜先輩?」

「なんで瑞希って俺との間に壁を作ってるの?」

「………そんな事ないよ」

「その反応の遅さが答えじゃないの?」

「どこが壁を作ってる様に感じた?」

「もっと俺に頼ってほしい」

「頼る?」

「そう、俺はもっと瑞希と仲良くなりたい。もし瑞希の事をみんなが認めようとしなくても、俺と類だけは瑞希を受け入れてあげたい。類には壁を作ってない様に感じる。だけど俺は壁がある様に感じた。だから俺はもっと瑞希のためになる事をしたい」

「……エゴだね」

「エゴだよ。俺のエゴ、瑞希と仲良くなりたい。その為にも今を頑張ってる。だから俺は瑞希から頼られる様に、瑞希が信頼できる人になりたい。そうしたら壁なんて作らないでしょ?」

「勘違いしないでよ、ボクが壁を作ってるのは雷夜先輩のせいだけどその方法だと壁は消えないよ」

「……えっ⁉︎」

「2人してボクに壊れてほしいわけ?ボクが雷夜先輩に壁を作るのは自己防衛の為だよ」

「自己……防衛……?」

「ボクは雷夜先輩の事を大切に思ってる。だから卒業した時のことが怖いんだ。ボクは1人になる。今の距離感でもう先輩達が卒業した後を考えて辛くなるのに、これ以上雷夜先輩はボクを辛くさせようとするの?」

「………」

「今度は雷夜先輩が黙ったね。優しいからそんな事を考えることもなかったでしょ?」

「もし、俺達が卒業した後も瑞希と会うことができたらそれはなくなる?」

「なんの話?」

「例えばだけど俺が卒業した後、瑞希に毎日電話したら壁はなくしてくれる?」

「毎日はいらないんだけど」

「じゃあたまにリアルで会う約束したら壁なくしてくれる?」

「そんなんで壁を無くすわけないでしょ」

「じゃあなんだったら壁なくしてくれる?」

「これ以上ボクに優しくしたらボクは雷夜先輩がいなくなった時にもっと辛くなるって言ってるじゃん‼︎」

「だから俺が卒業した後に個人的に瑞希と何か繋がりがあったら壁を無くしてもいいんじゃないかって話をしてるんだ」

「はぁ、もういいや。雷夜先輩、ボクはこれ以上雷夜先輩に優しくされると今の楽を求める様になるってわかってる。ボクは雷夜先輩に迷惑をかけたくないのわかってよ」

「迷惑くらいかけてよ。友達でしょ?」

「ボクは絶対に壁は作るよ」

「そこまで壁を作る意味って本当にあるの?そんな未来の事で不安になってないで今を楽しもうとしなくていいの?」

「……ッ」

「俺はそんなの絶対につまんないと思うよ。そんなんじゃずっとつまらなくなる。人生なんていつ終わるのかわからない。怜華は何年も目覚めなかった。その上記憶のほとんどをなくした。父さんなんか知ってると思うけど亡くなった。母さんはまだ目覚めないし、もしかしたら亡くなるかもしれない」

「雷夜先輩……」

「だからさ、瑞希には今を楽しんでほしいし、好きな様に生きてほしい。だから壁を作って後で苦しまない様にってのはわかるけどもったいないよ」

 

「……………雷夜先輩、ボク今日はもう帰るね。類いるんでしょ、後はよろしく」

「おや?バレてたのかい。それじゃあ瑞希また明日」

「えっホントに帰るの⁉︎瑞希じゃあね」

「じゃあね」

 

 

ホントに帰ってる……壁無くしてほしいな

 

 

「さて雷夜くん、結構思い切ってその事を話したんだね」

「やっぱり壁はあると悲しいしない方が絶対にいいんだよ」

「瑞希の考えも理解してるんだよね?」

「もちろん。だけど俺は父さんが死んで、いつ死ぬかわからないから早く楽しまなきゃもったいないって思ったから反対派。もし父さんが死んでなかったら現状維持で良かったけどね」

「そうだね。僕としても踏み切ってくれた方が良かったからね」

「やっぱり類も壁がない方がいいと思うよね」

「うーん、僕は打算的というか……雷夜くんは瑞希の事を救うことができると思うんだ。僕にはそれはできない。だから瑞希のためにも壁があるのは良くないと思うんだ」

「………俺には救うなんて事できないよ。瑞希の事を認めて瑞希の居場所になる。そんなことしか俺にはできないよ」

「へぇ……。それじゃあ雷夜くん、なるべく早く学校に来れるといいね。思いっきり楽しみたいからね」

「うん、俺も楽しんで生きてきたいからね。あと瑞希が壁を無くすまで俺は諦めない」

「瑞希は今悩んでるからそっとしておいてあげるのもいいと思うよ」

「類なんか中立的な立ち位置だね」

「ふふ、僕はどっちも大切だからね。それじゃあ僕も帰るよ。また今度」

「ああ、また今度。なるべく早く学校に行くから」

 

 

ふぅ、瑞希には楽しんで生きてほしいのは本音だけど、全部俺のエゴだからやめた方が良かったのかな?けど人生なんてすぐに終わる。何気ない瞬間になくなることがあるから今を楽しまなきゃいけない。

やっぱりこれだけは絶対に変わらない。




主人公が瑞希に告白する世界もあるかもしれない。


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学校復帰

お風呂入ってるというかシャワー浴びてる時にに久城先生ってエグ○イドの九条先生と似てるなと思った。名前の漢字は違うけど音は一緒だし、新たな病気について調べてるし、むしろなんで気づかなかったんだろう?。
それでは本編です。


瑞希と色々話してから1週間がたった。本当はもっと早く学校に行く予定だったが今日からになった。なんでも久城先生いわく、本来ならまだ学校には行って欲しくないらしい。

けど俺は学校に行く。学校に行って瑞希と話す。そう言ったら久城先生は許してくれた。やっぱり強く願うのって大事だよね。

 

そして今久しぶりに教室に入る。

 

 

「おはよう……って言ってもまだ誰もいないか」

「いるよ」

「うおっ瑞希⁉︎なんでいるの?ここ2年の教室だぞ」

「雷夜先輩に用があるから。屋上で待ってる。類もいるからなるべく早く来て」

「ああわかった」

 

 

類も来てたんだ。てかもう冬並みに寒いぞ、屋上。もしかしたら暖かくする装置あるのかもだけど。

 

 

「やあ、雷夜くん。いらっしゃい」

「寒い」

「?冬だから当たり前じゃないかい?」

「冬並みだけど冬は12月からでまだだ」

「雷夜先輩、これマフラーとか暖かいの貸すから」

「ありがとう瑞希。でも瑞希のは?」

「ボクは中に暖かいの着てるからなくても大丈夫」

「良かった」

「さて僕から少しだけ話したい事がある。それは雷夜くんの事だ」

「俺のこと?」

「そうだ。僕達は君の病気について久城先生からわかってる事について共有している。その時になるべくストレスを与えない様にするべきだという判断になった」

「なるほど……?」

「ボクが壁を作っているともしかしたら雷夜先輩にストレスを与える可能性があると思ってる。もともと壁を無くすかをボクなりに真剣に考えていた時にそれを聞いてボクは壁を作らない様にしようと思った」

「壁が無くなるのはいいと思うけど………話がよくわかってない。ストレスが原因で俺が体調を崩す可能性がある事は知ってる。でもそれでなんで瑞希が壁を無くすのに繋がるの?」

「前に話した時にボクの壁について話した時に、『瑞希には楽しんで生きてほしい』って言ってたけどそれってボクのことが気がかりになってるんじゃないかって思ったんだ」

「だから僕達は雷夜くんには自分の事を考えて過ごしてほしいと考えた」

「ボクはまだ自由には出来ないけど、壁を無くす事はできる。それで少しでも雷夜先輩がよくなるかもしれないなら壁なんて無くす」

「それは……俺が病気じゃなかったら瑞希は壁を無くす事はなかった?」

「わからない。けどそれ抜きでボクは壁を無くす可能性は全然あった。もともと半々で悩んでて壁を無くす事でのメリットが増えるならそっちの方がいいってだけだから」

「……じゃあ俺は壁を無くしてくれて嬉しいよ。もし瑞希が病気だけが理由で壁を無くしてもそれは瑞希の本心とは絶対に言えなかったからね」

 

 

瑞希は自分の意思で壁を壊さなかったら全く意味がない。そんなことで壁を壊したら俺は瑞希の居場所になる事はできない。そんなんじゃいらない。

 

 

「………い……や……ぱい……雷夜先輩‼︎」

「うおっと、ごめん少し考え事してた」

「雷夜くん今日は授業まだ受けない方がいいかもしれないね」

「屋上寒いし今日は保健室いようかな。でもそれだと学校来た意味がないんだよな」

「類達って今日体育の授業ないの?この時期だとそんなに激しい運動とかないし、少しだけ体育に参加させてもらったら?」

「今は校庭歩いてるだけだしいいかもしれない」

「俺は今日それだけやろう。じゃあ瑞希、また昼休みに」

「うん、雷夜先輩、類、また後で」

「また後で、瑞希」

 

 

 

「そうだもう一つ聞きたい事があるんだった。雷夜くんがストレスを感じることって何かわかってるものはあるかな?」

「ストレス……こんな体じゃ踊れないことかな?」

「へぇダンスしてたんだ」

「そ、怜華と俺で一緒にやってたんだけど曲を1つ2つ仕上げた所で俺が入院になって、それからできてないんだよね。ビビットストリートでは結構上手いって有名な方だったんだけどなぁ。歌だけは隠れて練習してるけど踊りはできてないね」

「うーん、それじゃあ何か僕達がしたらストレスに感じる事はあるかい?」

「あー……類達がして嫌な事常識的にされて嫌な事は嫌だけどそれ以外だと………例えば俺が誰かに告白されたとして、それを振ります。でそれ以降の告白とかはストレスを感じる。なんというか一回目で面倒いとかネガティブに感じたのを二回目以降されるとストレスって感じだからもし類とかに嫌な事を感じたらそれを教えるから二度としないで欲しい」

「なるほどそれは分かりやすくて助かる。はっきりしてるのはとてもいいね」

「気遣ってくれてありがとうね」

「瑞希にとって……いや僕にとっても雷夜くんは大切な人だからね。さてそれじゃあまた後で会おう」

「また後で」

 

 

類も瑞希もホントに優しい。

 

瑞希のいう失った時の辛さはわからない訳じゃないし実際俺も失った時を考える事はある。だからこそやっぱり今を大切にしなきゃいけない。だからはやく体調を戻して類や瑞希と一緒に遊びたい。

 

それ以外にも彰人のライブを見たり、久しぶりに杏とも会いたい。雫は忙しくて会う機会が無かったけど志歩から会いたいって言ってたとは聞いているからいつか会いたいな。

 

今は楽しみな事が溢れてるからこれからは外出て頑張っていこう。




よかったら感想とか評価ください。

そういえば次の投稿はイベント終了後の可能性が高いです。もしかしたら他のイベントの話を書くなら速くなりますが。


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変化した音楽と、始まる音楽
怜華の決意


時間は少し戻り、RADWEEKENDから数週間後。雷夜が頑張って瑞希と仲良くなってる時にその裏での怜華の話。

怜華視点


兄さんが倒れてから数週間が経ってようやく決めた。

 

 

「杏ちゃん、私達のツインダイスに入ってください」

「ちょっと急にどうしたの⁉︎」

「だから私達のチームに入って欲しいの」

「いやそれは聞こえてるし、わかってるんだけど………でもなんで?雷夜先輩とやってるからツインなんでしょ?私が入ったら3人になるよ?」

「えっと、兄さん入院しててしばらくダンスとか禁止されててこのままだとツインダイスはしばらく活動できません。兄さんがいなくなったので実質的にはツインダイスは解散してる様なもの。そうなってるから兄さんが退院した時に兄さんの戻る所がなくなってしまう。だから杏ちゃんにツインダイスに入ってもらって兄さんがいつでも帰って来れる様にしたいんです」

「あー……なるほどね〜。ただなぁ私も私でチーム作りたいんだよねー」

「仮入部的な感じで大丈夫。杏ちゃんがチーム作る相手が現れるまでか、兄さんが戻ってきた時まででいいのでお願いします」

「そんな真面目にならないでよ。それなら全然やるからさ、それに最近2人とも急に成長してて私も負けてられなくなってきてるからね」

「ありがとう、杏ちゃん」

「ただまぁ私、踊りの方はわからないんだよね。劣等上等は私もできるけどそれ以外は無理かな」

「いや、ダンスは兄さんと私でやるものなのでしばらくは歌だけのツインダイスになるかな」

「あっそうなんだ。過去一回しかダンスパフォーマンスのない幻のチームってわけだ」

「そんなんで有名になるの?」

「なるんじゃないかな?実際2人のダンスパフォーマンスは最高だったしみんなそう感じてたよ。あれは何度も見たくなるから一回きりで幻くらいなら言われるって」

「それじゃあダンスに関しては何も言わないでおこうかな?その方が楽しいだろうし」

「悪い顔してる〜まぁいいや。よし怜華、早速今日も練習して思いっきり歌おう」

 

 

ツインダイスは杏ちゃんを入れて私と2人で兄さんが戻ってきた時に私と兄さんの最高のチームになれる様になる。それが私が今できる最大の事だと思う。

 

 

 

「………ここってすごいですね。どこからも歌が聴こえてきて、みんなが歌を楽しんでるっていうか……」

「あぁ……ここでこうやって歌を聴くだけででも楽しいんだよね。……すごい街でしょ?歌声であふれててさ。この街は、こうやって音楽と生きてる街なんだ」

「音楽と、生きてる……」

「特に最近はRAD WEEKENDの影響で、RADderに憧れる若者が増えて、ますます盛り上がってる。ほらあそこに2人組で歌ってる子、まだ中学生になったばっかりでね。君と同い年くらいじゃないか?」

「あれ怜華か?」

「怜華ちゃんの事知ってるんだね」

「怜華は姉なんです」

「って事は雷夜くんの弟か、雷夜くん元気にしてる?最近見てないけど」

「兄さんは……今入院してます」

「そっか早く良くなって欲しいね。それにしても、そしたらしばらくはツインダイスは休みかな」

「ツインダイス?」

「怜華ちゃんと雷夜くんのチーム名だよ。RADderとは違ってダンスパフォーマンスを取り入れながらもなかなかの歌声も出せるチームなんだよ」

「へぇそうなのか」

 

 

「新たなツインダイス、私怜華と杏ちゃんの2人でしばらく活動します」

「雷夜先輩が戻ってくるまで私はいる予定です。後ツインダイスはこれからしばらく歌で勝負していこうと思います。良かったら聞いていってください」

 

 

「へぇ杏ちゃんと組むのか、思い切った行動するなぁ」

「その杏ってやつは有名なのか?」

「杏ちゃんは実は謙さんの……君が会いたがってたRADderのKENの娘さんなんだよ」

「KENの……⁉︎」

「『RAD WEEKENDを超えるイベントをやる!』って張り切ってるんだってさ」

「──は?あれを、超える……⁉︎」

 

「………あの」

「うん?」

「ちょっと、この場所借りていいですか?」

 

「♪────────‼︎」

 

「ん、なんだ?あのCOLの隣で歌ってる子」

「音は外してるけど、声はめちゃくちゃ大きいな」

「へぇ……」

「どう思う?あれ私の弟の彰人って言うんだけど」

「まだまだ、だけど勢いはすごいね。正直もう少し聞いてみたいかな」

「2人とも、もうちょっと歌ってよ!」

「じゃあー、何にしよっか!」

 

 

 

 

「彰人、今日歌ってたの聞きましたよ。杏ちゃんも勢いはいいって言ってましたよ」

「歌ってたの気づいてたのかよ。てかなんでKENの知り合いなの教えてくれなかったんだよ」

「RADderが解散するの知ってたから言わなくてもいいと思ってました。それにその事話さなくても話しても彰人はどの道音楽はやるでしょう?」

「………まぁやるけど。あと前から思ってたけどその喋り方なんなんだよ」

「キャラ作り的な感じですかね?彰人もやってみるといいですよ。めんどくさい相手は軽く流すと楽になりますから」

「そんな暇はない、オレはあの杏ってやつよりも、怜華よりも上手くなるからな」

「じゃああのRAD WEEKENDを超えるのを目指して頑張りましょう」

「もちろんだ。オレはやるからには本気でやる」

 

うん、やっぱりCOLの人の隣で歌ってたし大丈夫だとは思ってたけどちゃんとやる気出たね。

やっぱりこの喋り方は学校の人にしようかな。楽しいけどやるなら学校の人だね。彰人にやっても練習にはなるけどもう練習しなくても良さそうだしね。

さてと後一年後、彰人の失敗が訪れるけどアレはみてて怖かったよね。私が何かフォローして……いや私が本気で盛り上げよう。何かするならこれが最大だと思う。兄さんがもし来れるならそれはそれでいいし。

 

 

私が今やるべきはとにかく練習、そしてツインダイスを守ること。それであってるよね。



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トラブルの種?

弓引け、白の世界で最高だった。

茜視点です。


わたしは茜、久城茜、医者の娘だ。

医者の娘だからって医学に関わる仕事に就きたいとは思わない。

だからといってなりたい物もない。

 

バンドを組んで遊んでいるただの高校生。医者の娘と言うくらいしかアイデンティティのないそこら辺にいる高校生。配信サイトでオリジナルのBGMをたまに出してるくらいの2人組の高校生。

根強いファンが数人いるくらいである。

 

 

転生なんて馬鹿みたい。

この前にシロと最近入院してきた男の子との会話で聞こえてきた言葉が転生。私はシロの事はなんでも話せる良き友人だと思っていたがシロはキャラ作りとかも言っていて私の事を信頼してないんじゃないかって考えたりした。

こうやって考えてる時点で転生とかどこかで信じてるんだろうな。

ホント馬鹿みたい。

 

気づいたら音を頼りに歩いたせいか少し変な道に入ってた。ビビットストリートって言うんだここ。

ビビットストリートに2人の大人がいた。

 

 

「前のツインダイスも良かったけどこの街らしさが感じるのは今の方だよな」

「そうだな、だけど雷夜と怜華の息のあったパフォーマンスは見ていて新鮮な気持ちになるんだよな。踊りながらで他に引け劣らない歌唱力を持ってるのがツインダイスの実力を表してるよな」

「それにあの2人は実の兄妹なのにアレだけ息ピッタリってのも驚きだ」

「そういやRADderの中にも兄妹の関係のやつがいたな。もしかしたら杏ちゃんと怜華ちゃんと雷夜くんで新生RADderになったりして」

「それだったらすごいドラマみたいな展開だな。実力はあの伝説にはまだ敵わないけどな」

「おいおいまだ中学生にそこまで期待しちゃダメだろ。あの子たちが高校生とか大学生になってるくらいに期待しとけって」

「確かにそうだな。あの子たちは上手いから忘れがちだけどまだ中学生なんだもんな」

 

ツインダイス、なんだかちょっと知りたいな。どんな歌を歌うんだろうか。

 

 

「あの、お兄さん。そのツインダイスってどこで歌うかとか教えて下さい?最近この辺りに来る時によくツインダイスの名を聞いて少し興味があって」

 

 

少しだけ嘘をついた。けどこの嘘のおかげで多分教えてくれると思う。

 

 

「すまねぇな俺たちも分かってないんだ。ただこの街に朝来てみるといい」

「あの2人は朝練をよくしてるからな、適当に歩いていれば多分走り込みしてる時に会うことができると思うぜ」

「なるほど教えてくれてありがとうございます」

「気にすんなって。ここのみんなツインダイスの活躍を期待してるから色んな人に見てほしいって思ってるし、何より困ってる人がいたら助けるべきだろ」

 

 

なんか嘘ついたの申し訳ないな。

朝練してるならその時に聞かせてもらえるようにしよう。

 

 

もしいい歌を歌うのならわたしのグループに誘ってもいいかもしれない。




ISではまずツインダイスがないので誘う流れはないです。

なんか悪役みたいな書き方だけど、ただ好きな音楽を最高のパフォーマンスをしたいだけのいい子のはずなんです。


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スカウト


クリスマスも楽しく、今年も終わりが近づいていますね。今年は楽しかったでしょうか?私は色々なイベントがありいつもとは違った年だと感じました。


怜華視点


「────────♪」

 

 

ツインダイスを杏と組んでから何度か練習を繰り返していると赤髪の高校生がこっちを見てました。

特に何もせずに見てるだけだったからそのまま触れずに練習を続けていると声をかけてきた。

 

 

「ちょっといいかな?」

「どうしたのこの辺だと見ない顔だね。あっもしかして迷子だったり?それなら私が案内するけど」

「杏ちゃん多分違うよ。さっきからこの人結構私たちの練習見てたしね。それでなんのようでしょうか」

「バレてた?」

「もちろんです。ただ何もしてこなかったので別にいいかなと思ってたのですが……なんのようですか?」

「怜華さん、わたしたちのバンドのボーカルとして私たちのグループに入らない?わたしたちの曲その界隈だと結構いい曲って言われてるんだけど」

「ちょっと、怜華は渡さないよ。怜華はわたしのライバルなんだからね」

「まずあなた誰なんですか?」

「ちょっと⁉︎怜華まさか入る気じゃないよね?」

「バンドZESTの久城茜」

「茜さんすいませんが私はこの音楽をやめるつもりはありません。バンドの音楽も嫌いじゃありませんが私は兄さんの作ったツインダイスを残さないといけないので」

「怜華……」

「なので諦めてください。もし諦めないのなら私と兄さんの本当のツインダイスを見てから誘ってください。格が違うってわからせてあげますから」

「ちょっと怜華ストップ。なんかとても怖いからストップストップ」

「まぁダメ元なので、もし入ってくれたらいいなぁってだけなので大丈夫。それじゃあね」

 

 

彼女が言ってる事はツインダイスの解散。杏も誘われてたら入ってたのかと言われるとそんな事はない。

バンドは私は興味があっても杏の目標がRAD WEEKENDを超えるという時点で杏がバンドに入るはずがない。

私の目的は兄さんが作ったツインダイスを守る事。他のチームになんかは入らない。

 

 

「怜華落ち着いた?」

「ありがとう杏ちゃん。少し怒りすぎた」

「少し怖いくらいにね。それにしても怜華って怒ると喋り方に威圧感?あるね」

「いつも学校だとさっきの話し方で話してるけどみんな仲良くしてくれてるし、怒ってたからそう感じたんだと思う」

「私その喋り方少し怖いなぁ……」

「ビビットストリートにいる時とかはこっちの話し方だし安心して」

 

 

やっぱり怖いのかなあの話し方。私的には楽しいんだけどなぁ。

 

 

「それにしても怜華って人気だよね」

「それにしてもって何?私スカウトされたの初めてだけど?」

「この街の人結構怜華のこと好きなんだよね。実力あって優しくて、完璧じゃん」

「愛想があるのは杏じゃない?私ただただ頷いてるだけだし」

「私はほら、父さんの娘ってのと小さい頃からみんな知ってるから家族みたいなものだからよくしてもらってるっていうか。それと比べると怜華は音楽始めたばっかなのに私と同じか少しだけ私の方が上手いってくらいだけど雷夜先輩いたら私より上手くなるしでみんな注目してるんだって」

「そうなんだ。だけど私はRAD WEEKENDを超えるのが目的じゃないからみんなの期待を裏切る形になるのかな?」

「そうなの⁉︎怜華はあのイベントを超えるイベントやりたくない?」

「やりたくないって言ったら嘘にならないわけじゃないけど音楽は私が楽しみたいってのと、新たな風を吹かせたいっていうか……兄さんとパフォーマンスを組み合わせた音楽をしてみんなを楽しませたいって目的でツインダイスを作ったわけだから」

「あーだから私が相棒を見つけたら抜けていいって約束なわけね?」

「そういうこと」

「もう暗くなってきたし、今日は終わりにしよっか。また明日ね」

「また明日」

 

 

この時期になんか原作のイベントあったかな?とりあえず1年後に彰人のCrawl Greenでのイベントがあるのはわかるんだけど……まぁとりあえずはあの茜さんがまた来ない事を祈るだけかな。



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家?

遅れたけど続きです。


今日は兄さんのお見舞いに行く日、楽しみだったからか朝の3時には目が覚めていた。

 

「怜華、もう起きていたのか」

「お父さん……」

「雷夜はお見舞いに行くことになった日はいつもはやく起きていた。今の怜華と同じように……。ただこんなに早くは起きてなかったがな」

「兄さんも早く起きていたんだ」

「兄妹似たもの同士だ」

 

 

兄さんは私と似てる……もし兄さんが私の立場なら同じ事をしたのだろうか。あの優しい兄さんならしていてもおかしくない。いや、していたと思う。

 

 

「怜華、今日これから見に行く所があるが一緒に行くか?」

「何見に行くんですか?」

「昔使っていた家だ」

「行きます、ちょっとだけ待ってください。準備してきます」

「家見に行ったらそのまま病院に行くからその用意もしたほうがいい」

「分かりました」

 

 

 

「ついたぞ」

「暗くて見えない。なんの建物なんですか?」

「こっちだ」

 

 

柔らかい芝生の上を歩き、看板に書かれた文字が見えてきた。

『キャンプ場』

そこには地図も書いてあった。そこまで広くなくある程度の広さBBQを楽しむ用だとも書いてあった。

 

 

「ここは昔はキャンプ場として使われていたが今は他の事に使われている。この家がいちばんわかりやすいだろう」

「他のこと……何かの祭りの会場とか?」

「確かに使われることはある。だがこの家は違う。ドアを開けるといい」

 

 

ドアを開けても普通の家と変わらないように見える。ただリビングが広いだけの普通の家じゃないかな?

……いや色々見て回ると生活のしやすさがあまりなく、趣味のための家に思えてきた。

 

 

「ここは俺が昔使っていたアトリエだ」

「アトリエ……」

「ここには台所もあって生活ができる。神高とも病院とも近い上にある程度の自然にかこまれているから雷夜が高校生になった時にいいと思った」

「兄さんをここで一人暮らしさせるつもりですか」

「何かあった時のためにハウスヘルパーはつけるつもりだ。それにまだ候補の段階だからまだ決まったわけじゃない」

「……」

「今日はまだ使えるか確認しに来ただけだ。今度は雷夜を連れて来て雷夜に決めさせる」

「私は……反対です。それじゃあ兄さんが仲間はずれというか……なんというか」

「なら怜華も住めばいい」

「それはそうかもだけど……」

「怜華少しこの家で待っててくれ。俺は今からこの家を借りれるように話してくる」

 

 

兄さんがここに住むのはメリットが大きい気がする。確かにここは病院も近くてもし救急車を呼んだ時に早く着くし、ストレスは感じにくさそうだ。インターネットだって弱いわけじゃない。

悪くない……悪くないどころかいい。

いや、………どうだろう……?

 

 

 

「怜華、そろそろ行くぞ」

「あっはい。……あの誰と話してたんですか?」

「鳳財閥の人だ。ここは最近鳳財閥が所有する土地となったんだ。俺が使っていた頃は他の小さな会社が所有していたのだがおそらく買収されたのだろう。まあその話はいい。少し前にここに見に来たときに幸之助さんにあって色々と話したんだがどうやら娘さんが俺の作品を高く評価しているらしい。幸之助さんはその作品を譲って欲しいと交渉を求められた」

「それでその対価としてこの家をもらったと?」

「そうだ」

「ねぇ父さん。私がいない時に急に兄さんが体調を崩して病院に連絡出来ない時はどうするの?」

「少し不安はあるが雷夜がこっちに来た時に世話をしたいと申し出た者がいた。俺はそれに頼ろうと考えている」

「その人って私会える?」

「今日もしかしたら会うかもしれないな」

「ふーん」

 

 

どんな人なんだろ?私が対応出来ない時に代わりとなってくれるのは助かる。

 

 

 

「初めまして。高校1年風真白夜です。シロって呼んでね」

 

 

高校生なの!?



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お見舞い

あけましておめでとうございます。遅れてすみませんでした。今年もこんな感じに上げていくのでよろしくお願いします。


「兄さん、大丈夫?行くの遅れちゃってごめん」

「いや気にしないでっとはならないか……今は辛くなったりはしてないし、ゆっくり出来てて安静にしてるよ」

 

 

病院につき、すぐに兄さんの病室に行くと点滴を使っている兄さんがいた。兄さんによると点滴をするのは必須ではなくもしものために付けているらしい。

けど兄さんが起きて良かった。こうやって会うことが出来るとさらにそう感じる。

 

 

「雷夜、体調大丈夫?ちょっと話があるんだけど」

「あっシロさん。話少し後でていいかな?今見てわかると思うけど、ほら……」

「あっ怜華ちゃんだ。やっぱり兄思いのいい子だね。それじゃあ私少し後でまたきまーす」

 

 

見られた?私が兄さんに甘えていたの見られた?それも私が泣いてた所を?

 

ふぅ…………完全にやらかした〜〜〜。

何やってるんだ私‼︎恥ずかしい、恥ずかしい……いやこれ私悪くないのでは?急に入ってきたあの人が悪いのでは?泣いていたのはしょうがないじゃん。

 

痛っ

何なんでか兄さんに軽く叩かれたんだけど。でも、なんか落ち着いた気がするからよし。

 

 

「怜華大丈夫?落ち着いた?」

「兄さんありがとう。落ち着けた気がする。それよりあの人誰ですか?なんか兄さんと仲良さそうでしたね?私次あったら何かしてしまいそうです、中学生になっても入院してる兄に慰めてもらう妹って思われてるそうです。」

「何かしないようにね。あの人は……」

「雷夜、それより先は私がいうからね」

「あっ来た」

「貴方は誰なんですか?いやいいです。聞いても聞かなくてもここでやってしまえば変わりません」

「えっちょっと待ってよ。私貴方達と同じだから仲良くしてよ、ほら私も転生者だからさ、話だけでも聞かない?」

「転生者……私たちと同じ世界の人が他にもいたのですか⁉︎」

「あはは……怜華、あの人は俺たちとはまた別の世界の転生者なんだ」

「どうゆう事ですか?」

「私が説明するよ。まずは自己紹介から、初めまして。高校1年風真白夜です。シロって呼んでね」

 

 

風真白夜ってあのお手伝いさんを立候補した人だよね?高校生なの⁉︎大人の誰かだと思ってた、というかひなたさんかなって思ってた。

 

 

「驚いてるけど、なんでだ?私まだ何も言ってないはずなんだけどなぁ」

「私が驚いてるのは、何よりも白夜さんが高校という事です。てっきり大人なのかなと」

「前世含めたら大人だよー。それよりもどこで私のこと知ったんだろ?」

「兄さんが退院した後のお手伝いさんとして立候補したって聞きました」

「あっそうだ今日その話しに来たんだった。まぁとりあえず説明からしようか。

私は君たち2人とは違って、プロセカの新しいゲーム、『プロジェクトセカイ インビジブルソング』のある世界からの転生者。夜桜雷夜、夜桜怜華の存在する世界だと思ってた人。それが私」

「夜桜?私もとの苗字が夜桜なんだ」

「そういえば怜華は記憶ないから知らないのか」

「初めて聞きました。夜桜なんだか綺麗ですね」

「そうだね。で、私はその世界を知ってるから君たち2人の事を知ってたってわけ。ちなみにさっき怜華ちゃんが泣いてたのはプロセカISの中にもあったからあの時見てなくても知ってたよ?」

「私は転生してるからさっきのスチルが精神的には大変な事になってるんです‼︎後その話にわざわざ戻さないでください」

「あはは、ごめんごめん。まぁ話しておかないととダメなのこれくらいかな?あぁ後私のことも話さなきゃか。私もプロセカISのキャラだよ。今はバンドしてて、ZESTって言うんだ。結構地元で有名でネットだと少し有名って感じかな」

「ZESTって………もしかしてなんだっけ、茜?って人と同じバンドじゃないですか?」

「あれ?知ってるの?」

「怜華は何?ツインダイスで活動しない間バンドでもやるの?」

「いやそうゆうわけじゃなくて、昨日杏と練習してたらなんかスカウト?されたんです。断ったけど」

「───えっ。あー……茜が迷惑かけてごめん。後断ってくれてありがとう。私たちは今組むチームじゃないからね」

「シロそれってプロセカISだとチームとして合わさるってこと?」

「そうなんだけど違うというか……本来のストーリー的にはあの彰人が一回音楽をやめようとしたライブがあるじゃん。あそこに雷夜と怜華が現れて彰人と一緒にパフォーマンスをして盛り上げて見せたんだ。観客は全く見たことのない2人を凄く評価して、彰人は自分だと何も出来なかったって思って、茜はその2人に楽曲提供して自分達で作った歌を歌ってもらおうとして、歌う人が今までいなかったから興奮してたね。こんなストーリーになってるんだ。……だからなんか違うんだよね」

「なるほど、というか彰人のライブの時にはもう俺は退院して踊れたりすると」

「あっごめんそれはわからない。もともとは彰人1人で出てたライブだからその感じでこの世界がなるかもだし、確定じゃないかな。後君たちは転生してるんだから不確定な事が多すぎるよ。杏と関わるなんて予想してなかったし。……まぁ頑張って治せばその時には退院して音楽もできるからね」

「じゃあ早く退院できらことを願うしかないな」

「自己紹介から話それすぎちゃった。それじゃあ私の話に来たことの話に移るけどいい?」

「大丈夫です」

「全然大丈夫」

「雷夜が退院した後の話なんけど、雷夜は今の家から変わって他の家で過ごす事になると思う」

「あっそうなの?」

「それって……あの鳳さんから交換で貰った家に住むって話だよね?」

「怜華ちゃんは知ってるんだ。まぁずっと病院にいてもご飯も栄養重視だしね。いいことだらけではないし、高校生になった時にあまり長い距離外を歩かせるのは良くないから中学にも病院にも高校にも近い最高の家に住むのはどうかって話。まだ確定じゃないんだけどね。でも多分そうなるけどね」

「なるほど……1人暮らしか、楽しそうだね」

「私が何かできる時は行きますし、私は詳しく知らないですが白夜さんが色々とサポートしてくれますよ」

「サポート?」

「1人暮らしというわけじゃなくて、私も住むかもしれないんだよね。夜中も対応出来るし、色々メリットはある。私は親がいないから一人暮らしだから色々と都合がいいんだ」

「で、そんな感じになるんだけど………どう?それがストレスになるとダメだから最終的な決定権は雷夜にあるよ。まぁまだ時間があるからしっかり考えてね。じゃあ私はこれで、またねー」

 

「兄さんどうしたい?」

「俺的には絵名と彰人の絡みが見れないのだけはデメリットなんだよな。それ以外だと全然行っていいと思う。怜華もたまに手伝いに来るんでしょ?なら引っ越ししてもいいかもなって」

「兄さんはニーゴとも関わるつもりなんだし、引っ越しとけば絵名にバレる事は無くなると思うよ、後ボイチェンとかあれば余計にバレないし、モモジャンとレオニは私が基本的に担当するから神高近いし、ビビットストリートもそんなに遠くない」

「まだ先のことだし、もう少し考えるようにするよ」

「そうだね。それじゃあ私は父さんの所に行ってくるね。それじゃあまたお見舞いに来るからじゃあね」

「怜華、ありがとうね」

「気にしないでいいからね」

 

 

私だったら引っ越しすると思うけど兄さんは何に悩んでるんだろ?私には良くわからない。絵名と彰人の絡みなんてたまにこっちに遊びに来たら済む話じゃん。

  

 




感想とか評価よろしければお願いします。


今年は運がなかった。悲しい


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退院

雷夜視点です。

後前の話までは雷夜が入院してすぐの話でしたが、この話からは雷夜が瑞希の壁を無くさせた後の時間の話です。


「雷夜さん、そろそろ退院できるようになりますがいつ頃退院しますか?」

 

 

やっと退院できるようになった。

久城先生からそう伝えられ、俺はすぐにでもと伝える。

 

 

「分かりました。それでは1週間後退院しましょうか。色々と手続きがありますのでそれでは」

「久城先生、長い間お世話になりました」

「いえいえ、医者として苦しんでいる人は助けたいですし、新しい病気を調べる必要があったので気にしないでください。

それに白夜の娘以外の友達となってくださったのでむしろありがたく思っています。あの子は君と似た境遇でね。両親がもう亡くなっているんだ。そのせいで中学生の時からアルバイトして、学校行きながらアルバイトしてるから少し不安なんだ。今は音楽活動してストレス発散出来てるから少しだけ安心できてるけど………これからは白夜の事をよろしくお願いします」

 

 

何か勘違いされそうだなと思っているとドアが開きシロが入ってきた。

 

 

「なんか勘違いしてそうな言葉だからやめて」

「いやこれから一緒に住むのに挨拶くらいはしとかないとダメだろう?」

「一緒に住むって………ただ夜何かあったら困るし、面倒見るくらいでしょ。なんだか付き合ってるみたいな感じになるから挨拶なんてなくていいの。雷夜もそう思うでしょ?」

「そうだね。確かに勘違いされそうな言い方だなぁとは思うよ」

「ほら雷夜だってこう言ってるし、挨拶なんてなくてもいいんだって。後久城先生、色々仕事あるんじゃないの?」

「そうだった、白夜ありがとう。それじゃあ雷夜くん健康に過ごせるよう願っているよ」

 

 

そう言って久城先生は少し足早に病室を出て行った。

 

今の会話からわかる通り、シロにお手伝いさんとして一緒に過ごしてもらう事になった。

シロは面白そうと思うのも確かだけど、原作の流れを知っているから真剣に何かさせて欲しいと言っていた。その目はとても曇りなく、いつもの少しやる気のない目とは違っていた。

これが俺が引っ越しし、シロを迎えた大きな理由だ。

 

 

「あぁ本当父さん……なんであんな付き合ってるみたいな感じにするんだろ?恥ずかしい」

「というかシロ本当に一緒に暮らす事になるけどよかったの?結構自由なくなると思うけど?」

「私は久城家もよかったけど、そこだとどうしても『風真白夜』を演じちゃうんだよね。だからこうして転生した人がいる空間だと私は元の私でいられると思うからさ」

「シロも大変だったんだね」

「まぁそれは建前っていうかさ……、私が転生する前は夜桜家結構好きでさ、特に雷夜くんは推しだったんだ。

それからこの世界に転生して原作知識で雷夜くんがこの病院に入院する事を知ってたから見に行って、転生してるのを知って少し残念にも思うけどそれは私が憑依してるのに言える訳ないって思って………それで私は父さんから色々聞いて原作よりも大変な状態だったから推しを助けたい、力になりたいって思って………そんな自己満足なんだよね」

「でもシロの目は綺麗だったよ。それは俺の姿が推しだから助けるとかそういうのじゃなくて、シロの知り合いなら誰であっても助けてたと思う」

「優しいね雷夜は」

「別に優しいわけじゃないよ。俺は俺が見たシロの目を信じてるだけ」

「じゃあそうゆう事にしておこうかな。でもありがとうね。さて1週間後引っ越しだから今家にあるパソコンとかの移動手伝ってこようかな」

「そうかそれじゃあこれからよろしくな」

「任せてよ。この前世で一人暮らしを極めた力を応用して、美味しいご飯作ったりしてあげるから期待しておいてね」

 

 

そう言って彼女は病室を出て行った。

 

 

 

 

────なんかご飯作るとか言ってたけど別に俺も作るしなんか全部任せるような人だと思われてないか心配だけど多分大丈夫だろう。



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たまにはのんびりと。その1

ほのぼの回があるから真面目なのは目立つし、面白くなる。なのでほのぼの回です。

癖で真面目にしないように頑張る。

雷夜視点


「雷夜先輩退院したんだっけ?おめでとう」

「というわけで雷夜くん。君の家に遊びに行ってもいいかな?」

「何お前ら今日遊びに来るつもり?」

 

退院して引っ越しを終えた次の日に授業をサボって屋上にいると2人からこんな話が出てきた。

いや別に俺は何か遊べたら嬉しいし別に家に来てもいいんだけど………不安なのはこの2人がいつまでいるかなんだよな。

今家では俺とシロが順番に料理している。そして今日はシロの日なのでこの2人が晩御飯を食べていく場合シロに負担がかかるから困っているのだ。

 

 

「2人とも今日何時位までいるつもり?」

「僕は帰れと言われたら帰るよ」

「ボクは結構夜までいたいけどなぁ」

「晩ご飯こっちで食べる?」

「いや先輩別にそんな時間まではいないよ」

「あっそうなの?帰りに親に迎えきてもらったりとかで夜までいるもんだと思ってた」

「そういえば今雷夜くんの家はどのあたりか軽く教えてくれないかい?場所によっては夜までいれそうだからね」

「うーん……学校から見て西方面のあの緑の公園的なところにある家」

「なるほどね。なら僕は夜まで入れるかな」

「類夜までいるの?はぁ……ならボクも夜までいるよ。お母さんに夜迎えにきてもらう」

「じゃあ瑞希、なるはやで家帰ってまた学校来い。その後類の家寄って俺の家行くぞ」

「めんどくさいなぁ。まぁいいけど」

「フフフ僕は何持っていこうかな。朝水を注いでくれる機械とかどうだろうか。いやこっちの方が………」

 

 

類はいったい何を持ってくるつもりなのでしょうか。

話がひと段落したところで俺はシロにスマホを使って今日の晩ご飯の当番を変わってもらいたい事を伝える。

……中学生なのにスマホ学校に持ってっていいの?とか聞くなよ。類があんな機械持ってきてるし今更なんだから。

『なんで?』

そしたら物の数秒で返信が返ってきたので話に集中する。

『屋上組くる』

『いやそれだったら私帰りに食材とか買って帰るかし、料理もするよ』

『それシロに負担がかかるじゃん』

『いや鍋とかにすれば変わらんし、それに何より私にとっての屋上組は雷夜、瑞希、類の3人だからそこでの会話とか見てたいし』

『という訳で気にしないでいいよ。私が色々やるからさ』

『ありがとう』

シロ……優しいすぎないか?

 

少し話してて一つの疑問が浮かび上がった。

 

 

「というか家きて何するつもりなの?」

「………アニメ鑑賞とか?」

「僕は新しいショウをしようかな。楽しみにしておいてよ」

「なるほど。それショウ見たら後はノープランなのな、よし、じゃあ帰ったら買い出し行くからついて来い。それで少しぐらい時間潰そう」

 

 

またスマホを取り出し、シロに

『今日課外あったでしょ?そしたら俺たち神高の前で待ってるよ。帰りの買い出しの荷物重いだろうし』

とだけ送ると予鈴がなってしまった。そのためマナーモードにし、通知を切って鞄に忍ばせる。

 

 

「じゃあ俺教室戻るわ。放課後までまたな瑞希」

「ボクも雷夜先輩や類と同じクラスなら良かったのに……」

「そればっかりは仕方ないねぇ。海外なら飛び級で出来そうだと思ったけど………その場合は僕も雷夜くんもどんどん飛び級しちゃいそうだしね」

「本当に類達って天才だよね。雷夜先輩はまだ努力でどうにかなりそうではあるけど………ずるいなぁ」

「いや瑞希だって賢いし、全然優秀でしょうが。瑞希も羨まれる側だからね」

「実際は色々噂されてるから全く羨まれる側ではないけどね」

「そういえばこの前瑞希と雷夜くんが出来てるとか言う噂があったけどどうなったんだい?」

「最近はめんどくさくなって否定して無かったから揶揄い甲斐がなくなってあやふやになってるよ。普通にいいコンビだろって話してるのたまに聞くけどそのくらい。……で早く行かなくていいの?ボクはすぐ教室行けるけど類達次移動教室でしょ?」

「そうじゃん急がなきゃ」

「雷夜くん廊下は走らないように、君の場合何があるかわからないんだから」

「あっそうだった、ありがとう類。じゃあ瑞希また放課後な」

「瑞希、またね」

「わかってるからいちいち言わなくていいよ」

 

 

放課後、今日は皆んなで鍋だしとっても楽しみだ。

類に廊下は走らないと言われたがどうにも楽しみな気持ちが溢れ出てしまい少しだけ走ってしまう。とても足が軽い気がした。




感想とか評価お待ちしています。


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たまにはのんびりと。その2

最近TRPGのリプレイを見るのが楽しい。昨日はプロセカのキャラを使ってた卓があったからそれに夢中で書けなかった。



前回の続きだから前回の読んでね。
また雷夜視点だよ


「ねぇ類、ボク達って買い物に来たんだよね?」

「そのはずなんだけどねぇ……」

「ここどうみても神高じゃん。……雷夜先輩、なんで神高来てるの?」

「いや今はシロの迎えに来てるだけだよ。だから帰りに買い出し行くよ」

「雷夜くん、そのシロっていうのは誰なんだい?」

「シロにあった事ないんだけっけ?むしろすごい確率な気がするけど……まぁいいや。シロは……それ」

 

 

そう言って俺は瑞希の事を指差す。いやほんとのこと言うと瑞希の後ろで隠れてるシロめがけて指を指す。

 

 

「ボク……じゃないよね。って事は後ろかな?」

「わぁ」

「───せめてもう少し大きな声で脅かしたら?」

「冷静な感じだしてるけどビックリしたんじゃないの?」

「あなたがシロさんですか?」

「そうだよ〜」

「シロキャラ作るのやめたら?シロの場合すぐ素になるんだし」

「いや折角ならこっちで挨拶くらいしたいじゃん。まぁいいや。私は風真白夜神高1年。シロって呼んでよ。そうだね何か聞きたい事ある?」

「雷夜先輩と白夜さんってどう言う関係なの?」

「うーんシロでいいんだけどなぁ。私と雷夜の関係だっけ?それはね前世からのふか〜い関係で──いたッ何すんのさ」

「俺とお前は今世からの関係だ。シロは俺のお手伝いさん的な人。ほら俺入院してたでしょ?でこっちに引っ越すとさに俺1人だと夜何かあったら困るよね?って話になってそれで夜何かあった時のための看護師さんみたいな?」

「みたいなって……あやふやだね。と言うか思春期の男女で同じ家で過ごすって大丈夫なの?親許可したの?」

「いや俺とシロはそうゆう関係じゃないし、まず全く考えてなかったよ」

「うん、本当に雷夜とはそうゆうのないから。というか推しにそうゆうのないから。………まぁこの話はどっか投げ捨てといて、買い出し行くよ、今日鍋にするんでしょ?」

「ボクはキノコ系苦手だからいらないかなぁ」

「じゃあ僕は野菜いらないかな」

「瑞希がキノコ系苦手だからいらないはまだわかるけど………類、流石に鍋の野菜は食べようよ。白菜とか美味しいからさ?」

「類も瑞希も苦手でも少しだけは食べようか。鍋なんて肉も美味しいけど野菜だって染み込んで美味しいんだから」

「うへぇ、キノコあの食感嫌なんだけどなぁ」

「まぁ僕は鍋だったら全く食べれないってわけじゃないからいいんだけどね」

「私は年上として本当は少しでも食べてほしいんだけどね。まぁそれで楽しくなくなるなら強制しないけど」

「とりあえず買い物行こうか。よし行くぞ」

 

 

類も瑞希もどうせ食べないだろうし、いや類は少しは食べるだろうけど瑞希のキノコ嫌いは食感もあるだろうから食べないだろうな。

キノコの食感が嫌いな人って少なくないよね。俺は結構好きな方なんだけどなぁ、鍋なんかえのき最高に美味しいじゃん。

 

 

 

 

 

 

 

今はスーパーでの買い物を終え、家に戻っている。帰っている途中類が少しようがあると荷物を持たせてきた。

いや待つけどさ………重い。

 

 

「いやぁ皆んなで鍋やるって考えたらちょっと買いすぎたかな?」

「雷夜先輩やっぱりボク少し待とうか?」

「いやいいよ、これくらいそんなに重くないし」

「少しは重いんじゃん。先輩また入院することになるかもしれないのに……」

「この程度でまた入院するわけないって。それにこれくらいリハビリだと思えば全然……」

「あぁもうめんどくさい。雷夜先輩袋一つちょうだい。やっぱり普通に重いじゃん。無理しないでボクに持たせればいいのに」

「後輩に荷物持たせる先輩がいてたまるか」

「先輩はまだ病人よりでしょ。病人に荷物持たせる人の方がまずいって」

「俺今もう結構ピンピンしてるから‼︎病人じゃないから‼︎」

「瑞希は雷夜にとても優しいんだね。病人だからってだけじゃないでしょ?」

「そりゃまぁ………ボクの大切な友達だから」

「いいね、そうゆう大切だと思える友達は簡単にはできないからね。

ところで、なんで瑞希は雷夜のこと先輩つけて呼んでるの?類はそのままなのに」

「それは確かに。俺は特に気にしてなかったけど言われると気になる」

「ただただボクが……あーなんて言えばいいんだろ?」

「それは壁を作ってた時期の話かな?」

「なんだ知ってるんだ。まぁお手伝いさんなら話しててもおかしくはないか」

「まぁ中学生で壁を作るとか大変だと思うし、しなくていいと思うけどね」

「大変でもする意味があったからいいの。で、その時に雷夜先輩ってずっと意識して呼んでたから、癖で先輩が外せないってわけ」

「へぇそうだったんだ」

「じゃあ意識して先輩抜けば雷夜って呼び捨てにできるんじゃない?」

「うーんもう慣れちゃってるしなぁ」

「瑞希、一度呼び捨てにしてみてよ。それでなんか違うってなったら先輩つけたままでいいし」

「雷夜………………先輩。なんか気持ち悪い。類はほら2文字だし、雷夜先輩は雷夜で3文字だから先輩がないと変な気がする」

「あぁなんかわかる気がする」

 

 

多分これあれだろ、司先輩って言ってるのに聞き慣れてるからだろ。

それだと奏とかはどうなんだってなるけど、何か本人にしかわからないルールがあるんだろうな。

そう考えているといつの間にか家についていた。

 

 

「いやぁ遅かったねみんな」

「いや類速いたけでしょ。てかそれショーに使うように改造したんだろうけど乗り物だから俺たちより早くついてもおかしくないじゃん」

「まぁいいでしょ。私鍋作ってるから3人で遊びなよ」

「じゃあお言葉に甘えて、シロありがとう」

「気にしなくていいからね」

 

 

俺がシロに感謝している後ろで類と瑞希が話していた。

 

 

「類は結局何しに一旦帰ってたの?」

「ショーの動画を色々とね。これからショーをするからその時まで楽しみにしてなよ」

「類、ここ室内だから危険なのはダメだからな」

「それはもちろんさ。所で雷夜くん、この家は少し不思議な形をしているね。リビングの一部………というか半分以上は天井が2階と同じ高さになってるし、この机は元から床とくっついているんだ。どうしてこうなっているのか知りたい教えて欲しいな」

「あっそれはボクも知りたいかも」

「そっか話してなかったのか。この家は元々アトリエとして使われていたんだ。それを暮らせるように少し改造したのがこの家。だからそこの螺旋階段とかオシャレでしょ?あれは元々あったんだ。だからこの家はアートそのものだっだから少し変な作りなんだよね」

「なるほどそうだったのか。天井が高いとドローンを使ったショーがしやすくていいね」

「ショーも芸術の一つと言えそうだから類はこういう家と相性が良さそうだと思うよ」

「類、今度ここでショーの練習したらする」

「ふふふ、確かにそれは面白そうだけど遠慮しておくよ。ドローンは音もショーに意識を割いていないと気になったりするからね。それは雷夜くんにストレスを与えかねない」

「確かにそれはそうだからやめた方がいいかも」

「類も瑞希も俺のこと心配して言ってくれるのはわかるけど、流石にそれは心配し過ぎてない?」

 

 

 

 

そう雑談していると思っていた以上に時間が経過していたようで、シロから声がかかる。

 

 

「ふぅ……やっぱり楽しそうにしてるね。鍋できたから雷夜と類では椅子持ってきてよ。瑞希は食器とか出すの手伝ってくれないかな?」

「よし類椅子取りに行くぞ」

「先にドローンだけ置いてから行くから先に行っててくれ」

「わかった。白夜さん、箸はどれが誰の分?」

 

 

そうして準備を終え皆んなで鍋パして、類のショーを見て楽しんだ。

ついでに俺の作ったMMDを見られたり、ちょっとしたカラオケみたいに歌ったりした。

 

 

 

 

 

そして次の日の学校はみんな屋上で寝ていた事は言うまでもない。




類って鍋の野菜どうするんだろ?わからないから少しだけ食べることにしたけど……


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時間の流れって速いよね

時間の流れとは不思議な物だ。今みたいにいつの間にか夏休みになっていたり、気づかないうちにループしていたり、時には逆走していたり………流石に最後のは冗談だけど本当に不思議だ。

 

夏休み、俺たちは学年が一つ上がり、シロ達は高2、俺たちは中3で、怜華達は中2となった。

 

 

そして夏休み初日、なんと意外な人物が家に遊びに来ていた。

 

 

「初めまして、雷夜さん。怜華さんの先輩の朝比奈まふゆです。今日はよろしくお願いします」

 

「どうも、怜華の兄の雷夜です。よろしくおねがいします。それにしても夏休みの初日に来ていただいてすいません。一応勉強しますが、1人の方が効率よかったでしょう?」

 

「いえいえそんな。確かに効率は少し落ちますけどそれでも怜華さんから賢いと教えてもらったので、もしわからなかったら聞けるのでもしかしたら効率いいかもしれませんし」

 

 

そうあの朝比奈まふゆだ。そして今日はなんと妹が彰人の夏休みの宿題に付き合わさせられてしまって、シロには怜華達が来ると伝えていたため、ZESTの活動に行ったためなんと2人っきりだ。

 

 

「そんなにこっちを見てますけど何かついてます?」

 

「あっいえ、特になんでもありません。ただアイドルに負けないくらい美しい人だと思って見惚れていました」

 

「ふふ、ありがとうございます。そしたら失礼します」

 

 

ちょっとだけ怖かった……

美しいのは嘘じゃないけどこっちを見る目の奥がなんか怖かった。

 

 

「そういえば今日まだ親御さんをば見ていませんがどちらに?」

 

「あぁえっと、俺は少し身体が弱いので病院の近いこっちに住んでいるんです。ですのでこっちに親はいないんですよね」

 

「そうなんですね。そしたらこれを親御さんに届けてくれませんか?」

「あぁすいませんありがとうございます」

 

 

一瞬だけまふゆの目がなんというか変わっていた。なんというか……同情とか哀れに思われてる?ような気がした。

 

 

「それじゃあ早速夏休みの宿題に取り組みましょうか」

 

「そうですね、始めましょう。………そういえば今日のお昼ごはんってどうするか決まってますか?」

 

「私は決まってないですが何か昼にコンビニ行って買いに行こうかなと」

 

「もし良かったら今日のお昼ごはん俺が作るので食べませんか?」

「えっと……流石にそれは大変ではないですか?」

 

「今日怜華がいないですし、そのお詫びも含めてるので気にしないで下さい」

 

「それじゃあじゃあお言葉に甘えて」

 

 

そうして、教えたりして夏休みの宿題のめんどくさいワークの大半を終わらせた。

俺はやっぱり聞くことはなかったが本当に少しだけまふゆが質問してきた。

お昼ごはんはカルボナーラを作った。少し辛めに作っていたが、辛くない?とか言われなかったので味覚が少しづつ感じなくなっているんだろうなぁ。本当にまふゆにあの親はダメなんだよ。あの親が合うのは本当に少数だよ。何かレールがあったらそれに沿うのが楽しい人とかゴールが見えてるような人だよ。

 

 

「ねぇ雷夜さん、ちょっとお願いがあるんだけどいいかな?」

 

「何?流石に内容によっては無理なんだけど」

 

「いえ、勉強に関することなので無茶振りとかではないですよ。宮女の宿題で、英会話する宿題があるのだけれど、それの相手になってくれないかな?」

 

「それくらいなら全然大丈夫だよ。そしたら代わりに読書感想文の作り方教えてくれない?俺あれどうしても苦手でさ」

 

「もちろんいいよ。こっちのお願い聞いてもらっているからね」

 

「先に本文見せてね………I don't like ……youってすごい文だね……」

 

「確かにそうだね。この後に先生に直してほしいことを言う事で生徒の英語力の向上と、先生の質の向上を狙っているらしいよ」

 

「な、なるほどね?よしやるか」

 

 

 

 

 

そして英会話の練習は終わり、もう夕方になっていた。

 

 

「ただいま。雷夜今暇?って誰か来てるのか」

 

「あれシロさん帰ってきてたんですね」

 

「怜華ちゃん、その喋り方何?」

 

「今日はまふゆ先輩が来てるのでお嬢様モードなんです」

 

「なんかツンツンしてて話しづらいね」

 

 

シロと怜華が来たようだ。けどもう結構終わらせたからなぁ。

あっ白夜がまふゆを見て驚いていた。

まふゆはまふゆで少し驚いていた。一人っ子だから兄弟の多さに驚いたのだろう。

 

 

「東雲って何人家族なの?」

 

「あぁ東雲は4人。あの人は高校生で風真白夜さん。東雲は俺と怜華と姉と弟の4人」

 

「雷夜さんのお父さん達すごいね」

 

「凄いと思うよ。本当は姉と弟の2人を育てるだけで良かったのに、俺と怜華を引き取って4人を育ててるんだから」

 

「うん?どうゆう事かな?」

 

「あー俺と怜華は東雲の養子なんだよ。だから少し多いんだよね」

 

「あぁそうゆうことね。ちょっと急に色々話されてビックリしちゃった」

「兄さん、もしかして私達の事話したんですか?」

 

「養子だという事だけ伝えたよ」

 

「ならいいです。朝比奈先輩は夕飯どうします?ここで食べてきますか?」

 

「流石に夜はお母さんが心配するから帰るね」

 

「そうですか、そしたら私家まで送ります」

 

「怜華ちゃんはいいの?」

 

「私は送ったら帰るので大丈夫です」

 

「それじゃあ怜華また遊びにきなよ。まふゆさんも遊べたら来てもいいからな」

 

「雷夜さん今日は本当にありがとうございました。それとまふゆでいいですよ。同い年だしね」

 

「なら俺も雷夜でもいいですよ」

 

「それじゃあまた来た時にはそれで呼ばせてもらいますね。それではまた今度」

 

「じゃあな、怜華いるから大丈夫だとは思うけど気をつけてね」

 

 

まふゆは少しの笑みを浮かべ、怜華と一緒に帰って行った。

 

 

「怜華、ちょっと話しておきたい事がある」

 

「買い物しに行こうと思ったけどまぁいいよ。何の話?まふゆの事?」

 

「そう、今日の昼に胡椒多めのカルボナーラ作ったんだけど何も反応なかったんだよね。ちょっとも驚いてないし、辛いねとも何もおかしいと思ってないのか普通に『美味しいですね』って返ってきたんだ」

 

「そっかそしたらもうまふゆは味覚がなくなってきてるのかもね。やっぱりあのまふゆの親嫌いだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして話していると、するとドアが勢いよく開き、

 

 

「兄さん達ちょっと手伝って‼︎まふゆが倒れて私だけじゃどうにもできないから‼︎」

 




そういえばこの物語の中のキャラで一人だけゴールが決まってる人がいるなぁ


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まふゆの中にある感情

オリキャラの身長は今は怜華<雷夜<茜<白夜

雷夜が高2の時点で雷夜<白夜<茜<怜華


結論から言うとどうやら優等生モードを使ってまだなれないため体力を使いすぎたということにして、まふゆの母親に納得させたらしい。

 

 

 

 

怜華からまふゆが倒れたと言われ、まふゆが倒れた公園に直行すると、公園にはベンチで横になっているまふゆがいた。少しだけ呼吸が不規則に見える。

 

 

「まふゆ大丈夫?」

 

「雷夜は一応救急車呼べるようにしといて、呼ばないなら呼ばないでいいけど呼べるようにしとくといいから。怜華は水を買ってきて」

 

「「わかった」」

 

「さてと、まふゆさんちょっと触るよ。………熱はそんなにかな。ただ微熱くらいはあるかも。とりあえず深呼吸しようか、吸って〜吐いて〜」

 

「はぁ……はぁ……………」

 

「落ち着いた?怜華水をちょうだい。まふゆ飲める?少しずつでもいいからね、ゆっくりと落ち着いて飲もう」

 

「………ありがとうございます」

 

「無理しなくていいからねまふゆ。少ししたら私たちも一緒に家まで送るよ」

 

 

 

 

「……………ところで、まふゆはなんで倒れたのかお姉さんに教えてくれないかな?」

 

「……少しだけ頑張って勉強したから疲れちゃったのかもしれません」

 

「そんな嘘つかなくていいよ。私は心理学結構学んでてね、それくらいわかるんだよ」

 

「……はぁ、わからないけど……雷夜を見るとなんだか………変。少しだけだけど」

 

「俺何かしたかな?」

 

「わからない」

 

「まふゆ先輩のそれは恋愛感情?」

 

「わからない」

 

「それじゃあ俺はいない方がいいかもな。俺は先に帰ってるから2人に頼んだぞ」

 

 

シロが何かいいたげな表情をしていたが気にしない事にする。それに俺はどうせ後でシロと話せるし、大丈夫だろう。

それにしても怜華の恋愛感情じゃないかって聞いた時の顔結構マジだったよな、早めに逃げてよかったかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま」

 

 

ドアの開いた音の後、シロの声が届いてくる。

やっぱりシロは何か話したかった事があったようで話しかけて来た。

 

 

「まふゆの事なのはわかってると思うけど、雷夜を見て少し気持ち悪いって言ってたでしょ。そう思わせてる感情について」

 

「あの怜華が恋愛感情かと聞いたやつか、それが恋愛感情ではないって事だよな」

 

「そうその事で私の感じた事だから間違ってるかもだけど………」

 

「どうしたの?心理学学んでるからあってるんじゃない?」

 

「まぁ学んでるけどまだ中途半端だし不安だけど、うん。もしかしたらまふゆは雷夜に嫉妬してるんじゃないかな?」

 

「………嫉妬?なんで……いや、えぇ…そうゆうこと?」

 

「でしょ?私的には嫉妬しそうなのは高校生あたりだと思うんだけど……まふゆは感情がわからないだけだから有り得そうなんだよね」

 

「家族から離れて暮らしている俺を羨ましく感じる………あるいは、養子だという事を伝えたから今の俺の環境はまふゆからすると理想なのかもしれないな」

 

 

まふゆが倒れた理由がもしそれなら精神状態が少し不安だな。人の境遇を羨ましいと感じるのは危険な気がする。けどもしかしたらまふゆは反発の仕方を知らないからその考えに無意識でなったんじゃないだろうか、それならまだいいかもしれない。

 

 

 

 

 

「そういえばニーゴってもうそろそろ出来るよね?だったらそこで雷夜がまふゆの事観察しておいたらいいんじゃない?」

 

「それならまずは奏に気に入られなきゃな。一応一枚のイラストはあるからそれで興味を持ってもらえるかだよな」

 

「ふーん、それってどんな絵なの?もしISと同じならそれで入れそうだけど。後は雷夜のやってるMMDでも一緒にやれるんじゃない?」

 

「とりあえずイラストはこんな感じのやつ」

 

「何コレ地獄?」

 

「そ、俺さ奏が1人で活動してる時ってさ酷い人だと思うんだよ。それを表したイラスト。

奏は……Kはずっと曲だけ作って終わり、たとえその曲で誰かが救われたり、救われそうになってもそれで終わり、MVがないからってのもあるけど誰にも寄り添わないんだよ」

 

 

シロが何やら驚いた顔をしている。原作の俺と同じ事でも言ってたのかな。まぁまだ話したいし話すけど。

 

 

「で地獄は絶望してる人間の溜まり場ってことにして、そこにいる人を救おうとする奏の曲……この絵の中の蜘蛛の糸って感じ、どうかな?奏に気に入られると思う?」

 

「………」

 

「シロ?」

 

「うん、多分気に入られるとと思うよ。原作でもこの流れで入れるはずだし。それじゃあニーゴに加入はできそうだね。

そしたら雷夜、もうそろそろだよ」

 

「そっかあれからもう一年くらいは経ってるのかそしたら彰人の大切なイベントだ、あのシーンは見てて辛かったからな。復活するツインダイスを見せてやる」

 

 

この時のためにずっと隠れて練習してたんだISを超える展開を作るんだ。

 

 

待ってろ『Crawl Green』




次回、復活のツインダイス この章の終わりはすぐだ。


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復活のツインダイスその1

ようやく書きたいの書ける気がする。この話書くまでになんか色々あったなぁ。

この物語の一番メインの部分ってほのぼのしたところになってるけど本来はイベントストーリー全部終わった後の話なんだよね。多分。瑞希がどうなっていくかで物語全然変わってくるし大変だぁ。


今日は怜華と久しぶりにビビットストリートに来ている。

 

 

「あれ、雷夜じゃん。久しぶりだね、元気してた?」

 

「杏、久しぶりだね。そうだ言っておく事があったんだ、俺もうすぐツインダイスに戻るよ」

 

「ええ⁉︎本当に⁉︎じゃああの最高のパフォーマンスがまた見れるようになるって事だよね‼︎やったー‼︎」

 

「杏ちゃん、声でかいって今度サプライズで『Crawl Green』でうちの彰人が出る時に私達も出るからさ。もう少しだけ声小さくできないかな?」

 

「ごめんごめん。それにしても彰人ってあのオレンジ髪の子だよね、なんか絡まれてて大変そうだね。それに悪いけどまだ彰人は『Crawl Green』に出れるレベルとは言えないよねぇ」

 

「そう、だから俺と怜華でわかす。彰人にはまだ伝えてないから今から伝えにいくけどね」

 

「悔しいけど2人とも今の私よりもわかせられそうだし、『Crawl Green』でも大丈夫そうだしね。私見に行くから」

 

「杏、俺がいない間のツインダイスをありがとう」

 

「じゃあ私が何かイベントに出たい時は雷夜に手伝ってもらおうかな」

 

「任せてよ。それじゃあまた今度な」

 

 

 

杏に挨拶を済ませて、怜華は彰人を捕まえに行き、俺は『Crawl Green』に向かう。箱に入る前にすでにオーナーを見つける事が出来た。

 

 

「すいません、ちょっといいですか」

 

「お、懐かしい人が来たな。どうしたんだ?」

 

「次のイベントの時に代役で東雲彰人って人が入ってませんか?その枠を俺たちツインダイスを合わせた3人でやりたいんですけど」

 

「それは彰人ってやつに話してあるのかい?」

 

「今怜華が連れてきてくれます」

 

「まぁ代役に選んだのあいつらに紹介されたからだが、元々期待してなかったし、増えてもいいか。よしいいぞ、だが俺たちツインダイスがわかせられなかったら、俺が納得してから次のイベント参加だからな。まぁあのツインダイスが復活するなら大丈夫だろうけどな」

 

「もちろんわかせるつもりでやるので良いんですけど、ここの人達ツインダイスを過剰に評価してません?」

 

「なんだ弱気になってんのか?まぁそうだな、お前さんのいるツインダイスはビビットストリートに吹いた新しい風なんだよ。よくも悪くも。

他と比べようがないからな、歌は申し分ないし、その上で見てても楽しいときた。なら気にいる人も多くいる。まぁうちの常連にツインダイスだったらここで盛り上げられると信じる人は少なくないから大丈夫だと思ってるところはあるがな」

 

 

なるほど、やっぱり踊りを含めてやるのは珍しいんだ。そりゃ比べようがないしねぇ、初めて見たら興奮するようなやつだしな。

そんな感じで少し話していると怜華が彰人を連れてきた。

 

 

「雷夜、もう大丈夫なのか?次のイベントで一緒にやるのは良いけど、ドクターストップは出てないのか?」

 

「しばらく安静にしてたし大丈夫だからね。彰人、イベントは俺たちツインダイスが彰人をサポートする形でやるからな」

 

「ああそれで大丈夫だ。オーナーそうゆうわけだからお願いします」

 

「お前さん達の音楽楽しみにしてるからな」

 

 

コレで今俺たちができる限りの事はしたはずだ。後はイベントが始まるだけ、あのシーンは見るのがとても辛かった。彰人にはまだその力はないから俺たちでサポートして、できる限りの最高のパフォーマンスを俺たちでやるんだ‼︎




次回はイベントが始まるところからスタートです。


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復活のツインダイスその2

なんか台本というか、プロセカのイベントストーリーみたいに書くの楽だね。地の文頑張って上手くならないとなぁ。



雷夜視点



途中モブ視点っぽくなると思います。


「お前、本当にきたんだな。てっきり逃げるかと思ってたぜ。でもまぁ逃げなかったのはいいが、助っ人呼ぶなんてな」

 

「……逃げるわけねぇだろ。それに何が言いたいんだよ」

 

「いいや?じゃ、お前らの出番は16時からだからな。そうだせっかく来たんだ、他の参加者のライブも聴いてけよ。お前らがこれからどこで歌うのか、よくわかると思うぜ?」

 

 

そう言って彰人に喧嘩売った奴は別のところに行った。すると兄さんたちが話しかけてきた。

 

 

「彰人、緊張するなよ?俺たちはあくまでもサポートなんだ、彰人が声を出さなきゃ始まらないからな」

 

「いや緊張はするだろ、逆に雷夜達は緊張しねぇのかよ?」

 

「私たちは、オーナーから期待されるくらいだから。そんなに緊張してないよ。だって実質お墨付きみたいなもんだしね」

 

「そうゆうわけだから、今回は彰人が大切だから頑張れって話。まぁ最悪彰人が声出なかったら俺たちツインダイスがメインになるかもだけどな。

さて、まだまだ俺たちの出番まで時間がある。あいつらの言うとおり他のバンド見てみたら?」

 

「そうだな、裏にいても生きが詰まりそうだし、少しステージ見てみるか」

 

 

 

とりあえずここまではほとんど原作と同じ道を辿っているはずだ。

 

問題はここから、アキトに緊張はないかと聞かれた時俺は少しだけ違う意味で緊張していた。それはもし俺たちが失敗したときの話だ。

もし失敗して原作の流れを壊してしまったら、もし彰人が本気で音楽をやろうと思わなくなったらなどと普段なら考えないようなことでも考えてしまう。

 

 

「兄さん、私達なら絶対に大丈夫です。現サウより結果が悪くなることなんてありません」

 

「そうだといいけどね」

 

「それでしたら今回最高に楽しみましょう。兄さんは色々と考えて動きすぎです。それが悪いこととは言いませんけど、まず自分で楽しめないとこの会場を沸かすことなんて出来ません」

 

「……そうだよな、彰人にああ言ったのにこれじゃだめだな。よし、やるぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次は……っと、『東雲彰人とツインダイス』か」

 

「あっ俺たちの番ですか?」

 

「本当に中学生なんだ、まぁツインダイスって書いてあるしそうか。でもここのイベントに出るなんてすごいね。っと、マイクはこれ使ってね、君たちのステージ期待してるよ」

 

 

 

 

 

 

「なぁあの子みろよ」

 

「あれもしかして雷夜じゃないか?」

 

「やっぱり……」

 

「でも真ん中の子は知らないな」

 

「もしかしたらRADderみたいなのが出てくるかもよ」

 

「雷夜の戻ったツインダイスならありえるかもな。万人うけするかはともかく」

 

「らいや?誰?有名なのか?怜華はわかるけど……そういえばツインダイスなのに杏いなくね?」

 

「そうだこいつ知らないんだった。ツインダイスはもともとあの雷夜と怜華の二人のチームだったんだ。だけど急に雷夜が入院したからその代わりとして杏が入ってたんだ」

 

「そうだったのか……でもその雷夜よりも杏のほうがうまいんじゃないのか?だって雷夜は入院してたんだろ?」

 

「あいつらは天才なんだよ、歌は杏に引け劣らないどころか曲によっては雷夜のほうが上だったりする。そして何よりも……いやこれは見ればわかる」

 

 

「♪────────!!」

 

 

「始まった」

 

「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

真ん中の男の子は声が出てないけど、それよりもあの2人の音圧がすごい……そして何よりも、動きが激しい。

 

「ツインダイスやばい」

 

「やっぱり雷夜と怜華は2人で一つなんだよ!!切れが全然違うじゃねえか」

 

「シロ、わたしあの人たちと───」

 

今まででここまで動きのある組はいただろうか、それはここの観客の反応などを見れば一目瞭然だ。

 

 

そして気づくとあの3人のステージは終わっていた。

 

 

「どうだすごかっただろう?おれは一年前もあの2人のパフォーマンスを見たんだ。その時よりもうまくなってる、ここまで熱くなるとはマジでは思ってなかったがな。それにしてもあの真ん中の子はつまらなかったな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彰人……」

 

「すまん雷夜、すこし話しかけないでくれ」

 

「わかった……」

 

 

今回のステージは俺たちツインダイスがメインになった。観客をわかせることは出来たがそこには彰人の功績はない。

もし一人で彰人がステージにたった場合は俺の知る原作どうり、憧れに泥を塗ることになっただろう。

 

 

「くそ。ちくしょう……っ」

 

「どうした坊主」

 

 

謙さん登場

 

 

???謙さんがこっちを見た気がする。だったらあとは謙さんに任せよう。

 

 

その場から離れ、少し別のつうろにいると、

 

 

「あの、私達と一緒に活動しませんか!!もしくは私達に楽曲提供させて下さい!!」

 

 

高校生ぐらいの女子に話しかけられた。



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変わる時

雷夜視点


 

「あの、わたしたちと一緒に活動しませんか!!もしくはわたしたちに楽曲提供させて下さい!!」

 

「ねぇ去年も私に声かけてきたよね?諦めなかったの?」

 

 

 急に女子高生から声をかけられたが、怜華がすぐに対応する。が、今回は女子高生の方に味方がいたようだ。

 

 

「いた、茜……やっぱりこうなるよねぇ。雷夜、怜華ごめんね急に茜どうしてもツインダイスと一緒にしたいんだってさ」

 

「出来たら一緒のグループがいいけど……多分それだと断られると思って、それで私達に楽曲提供させてほしいんです‼︎わたしは1人の音楽を追求する者として、最高の曲を作りたい。そのために、2人の力を借りたいんです‼︎これがわたしの今たった一つしかないやりたい事だから」

 

「私はこのツインダイスをやめるつもりはないから楽曲提供ならしてもらいたいけど、兄さんはどう思います?」

 

「私からもお願いするよ。最高の曲は提供するし、茜の珍しい頼み事だからね」

 

「俺はやっても全然いいよ。ただ俺たちツインダイスとZESTの曲ってまずジャンルが違うじゃん。そうゆう問題があると思うんだけど、シロはどう考えてる?」

 

「それ茜に聞いてよ」

 

「わたしは、2人ならわたしたちが作った曲でも歌いこなせると確信してます。踊りながらも大きな声を出すことができて、そして曲の間奏で怜華さんは観客に声をかけることだってしてしまう。ならもし、歌だけでやるならわたしたちの曲も歌いこなせると思うんです」

 

 

 なるほど、確かに彼女の考え方はわからないわけではない、なんなら確かにと納得するまでである。今俺が思っていることとして、もし踊りながら歌えないのならそれはツインダイスの魅力を無駄にしていることになる点である。

 

 

「ねぇ、雷夜たち流石に帰ろうか。この時間まで中学生を外に連れるのはまずいからね」

 

「そうだな、なら明日俺の家で話そうか。えっと……」

 

「あっごめんなさい。わたしは久城茜です」

 

「茜さんだね。俺は東雲雷夜。もうわかると思うけどこっちは妹の東雲怜華。よろしく」

 

「よろしくお願いします」

 

「よし、じゃあシロ帰ろうか」

 

「兄さん、私は彰人連れて帰ります」

 

「わかった。気をつけるんだぞ」

 

「あの、東雲雷夜って………もしかして少し前まで入院してましたか?」

 

「ん?」

 

「もしかして父……久城霧矢の事知ってますか?」

 

「そうだよ。俺の主治医だよ久城先生は」

 

「だからシロと一緒に帰ってるんだ。………アレ?退院してからまだ半年経ってないよね?運動ダメって言われてない?」

 

「げっ」

 

「兄さん?私その話聞いてませんけど?」

 

「シロちょっと助けて」

 

「私を道連れにしようとしないでくれ‼︎元々私は今日出る事知らなかったんだしさ」

 

「シロも雷夜くんも明日説教だからね」

 

「私も明日説教手伝います」

 

「ちょっと待ってよ茜。私知らなかったんだし理不尽だよ‼︎」

 

「シロは今日ツインダイスについて知ってたんだから出すの止めれたのにしなかったでしょ」

 

「茜さん?流石にそれは可哀想じゃない?俺と怜華はずっと裏にいたし……」

 

「そしたら雷夜くんの説教長くなりますけどいいんですか?」

 

 

 ……説教の時間長くなるのおかしくない?けど怒られるの確定だし、流石にシロが理不尽に怒られるのは流石に違うから甘んじて受け入れよう。

そういう訳で何も言わずに首を縦に振る。

 

 

「わかりました。それじゃあまた明日会いましょう」

 

「兄さん色々聞きますからね」

 

 

そう言って2人は去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

帰っている途中にシロから声をかけられる。

 

 

「ねぇ雷夜。なんかかばってもらってありがとう」

 

「いやだって理不尽に怒られるのはなんか違うじゃん。俺には俺なりのルールというか譲れないもの?みたいなのがあるだけだから気にしないでくれ」

 

「気にしないでくれって言われてもね、本来なら私は雷夜が出るのISのストーリーで知ってたわけだし、怒られて当然なんだけどね」

 

「そういえばそうじゃん。はぁ……」

 

「雷夜、私も怜華もZESTとツインダイスが組んでも組まなくてもいいって思ってるからね」

 

「なんだよ急に」

 

「怜華は多分君が決めた事ならなんであろうとついていくよ。

私はこの世界で自由に生きる。原作を変えて誰かが苦しむとかそうゆう事はしないけど原作関係なしに生きる。茜のことは大切な友達……家族だけど悪く言えばどっちでもいい。

だから雷夜が組むか組まないか決めたらそれが答えになるよ、まぁ組んでも組まなくても楽曲提供はするから関係が消えることはないけどね。でもまぁ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()組むべきだと()()思うけどね。」

 

「俺が俺であること、なんかの哲学?」

 

「何言ってるの雷夜?私はどっち選んでも関係が浅くなるか深くなるかでしかないって言ってるんだけど?」

 

「いやお前が……いやなんでもない。少し疲れてるみたいだ。帰ったらなるべく早く寝る」

 

「まぁ組む組まないだけじゃなくて、第3の選択肢がないわけじゃないからそれでもいいけどね。疲れてるならそれでもいいんじゃない?」

 

「……そうかもな?」

 

「今日は頑張ったんだね。お疲れ様。家までおんぶしてあげようか?」

 

「中学3年生が高校2年におんぶしてもらうって、恥ずかしいし嫌だ。それに俺が言えることじゃないけどシロも小さいじゃん。平均より全然」

 

「そうだった、前世の癖で」

 

「ふぁ〜」

 

「本当に眠そうだね。帰ったらお風呂入ってすぐ寝た方がいいよ。明日の朝はその分少し多めに出してあげるからさ」

 

「シロありがとう。すごい助かる。元々明日は俺だったからどこかで変わるよ」

 

「変わらなくていいよ。ただ、茜の提案なるべく前向きにだけ思ってよ。せっかくだったら一緒にしたいからね。それじゃあ早く帰ろうか」

 

 

俺が俺である、哲学的なことであるけどなんだったのだろうか?

それにシロの一人称、色々と考えることがあったからかベットに入ってすぐに眠りについていた。

結局のところ、組む組まないは決まらないでいるため、第3の選択としてまだ組まないでいようと思う。




いい終わり方がわからない


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新チーム結成?

雷夜視点と茜視点で変わります。


「いいですか、雷夜くんは確かに体調良くなって、体力も戻ってきたから少しの運動ならいいけど、まだ雷夜くんは昨日みたいなライブに出ると何があるかわからないんだよ」

 

 

 突然だけど俺は今何故か楽な状態で説教を受けている。

………そう楽な状態、人によるけど胡座だったり、椅子に座ったり、などがあるだろう。まぁ人間は座ってるだけで負担かかるけど、いいや。正座しようとすると茜さんには止められた。

 

やはり、茜さん俺の事心配しすぎてるのでは?

 

 

「シロもだからね‼︎シロはこれからはちゃんと雷夜くんが無茶してないか確認してよ‼︎」

 

 

やっぱりただこの人は心配症なだけだ。

 

 

「茜、でも雷夜に少し頑張ってもらわないと一緒に曲作れないよ?」

 

「うっ、」

 

「おっ、おやおや茜く〜ん。もしかして忘れてたわけじゃないよね?まさかそんなわけないよねぇ、君が一番雷夜と一緒にしたいって言ってたのに」

 

「わたしだってちゃんとわかってるよ……でも私たちが組んで無理させたらどうしようって迷ってるんだよ」

 

「あーごめんごめん。そんないじけないでよ。でもまぁその気持ちわからないわけじゃないよ」

 

「えっ?」

 

「でも雷夜たちむしろ私たちのストッパーがいないとどんどんあの盛り上がったライブやるよ?」

 

「否定はしない」

 

「私は兄さんがやるならそれについてく」

 

「怜華ちゃんまでそっち側いかないでよぉ。でもそっか……」

 

「茜さん、今日の本題について話しませんか?」

 

「急だね、でもいいや。もうわたしは怒る気ないし、」

 

「あはは……それで一緒にチームを組むという話なんだけど、とりあえずは一回一緒に曲を作って、それから決めたい。怜華が一緒にやりたいって今思ってるならすぐにチームを組んでもいいけど……」

 

「私は兄さんと楽しめればなんでもいいので兄さんの言った通り、とりあえず曲を作ってから考えたい。私は楽しむのが第一だから組んでもおもしろそうくらいにしか考えてないし」

 

「じゃあそうゆうわけで、なんか今日作ろうか。それじゃあとりあえず何かメモ用紙とか取ってくるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シロ、怜華ちゃんも雷夜くんも見た目よりも結構元気だったりするのかな?怜華ちゃんはなんか性格が違うというか雰囲気が昨日とは違うし……なんかすごいね」

 

「怜華、茜がいるからって演じなくていいよ」

 

 

えっちょっ、シロ言わなくてもいいじゃない‼︎

 

 

「ふーん、まぁいいけどね。茜さん、私は音楽に関わる時はこっちだけど、学校の知り合いがいたら演じるからよろしくね」

 

「わ、わかった」

 

 

やっぱり去年怜華ちゃんのこと誘ったの怒ってるのかな?なんか信用されてないというか、冷たい気が………

 

 

「雷夜も結構元気なんだから大丈夫だよ。私も雷夜も栄養バランス考えて作ってるし。元々本人は運動できるんだけど少しのリスクあるだけだし」

 

 

うん?という事はもしかしてだけど、

 

 

「……もしかしてわたし説教したの勘違いだったりする?」

 

「茜が優しすぎるだけだよ。過保護とも言えるけどね」

 

「そんなに過保護かな?」

 

「みんなの優しいお姉さんって感じ」

 

 シロはもうわたしの妹みたいな所はあるけど、雷夜くんと怜華ちゃんが弟と妹になるって事だよね?

 

………いいかもしれない。

 

「なんか悪い気はしないかも」

 

「茜く〜ん。顔が少しだけにやけてるぞ〜ww。悪い気はしないどころじゃなくて、いいかもとか思ってるんじゃない?これだから過保護って思われるんだよ」

 

「シ〜ロ〜?流石にわたし怒るからね?」

 

「「ブルブル」」

 

ちょっとだけ気を出しすぎたかな?怜華ちゃんまで怖がらせちゃったみたいだし、でも今はシロに反撃しないとね。

 

 

「あの茜……さん、その笑顔とっても素敵だと私は思うよ」

 

「ふふふ、ありがとう。でもそれはそれ、覚悟してね?」

 

「………お手柔らかにお願いします」

 

「ごめんね。無理」

 

「あっあぁ〜〜〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………何してるのこの2人」

 

 

雷夜くんに見られた気がするけど気のせいにする事にしよう。




なんかちょっとだけ百合っぽくなった


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新たなチームと奏と遥
36ってどんな数字だと思う?


今回結構無理矢理な設定、オリジナルの設定が出てくるので気をつけてください。


 あれから俺たちは曲作りに力を注いだ。

基本的には全員で曲の方向性や雰囲気などといった大まかな所を決め、ツインダイスは入れたい振り付けに合うリズムを取ったり、振り付けを行い、

ZESTはそのリズムを取り入れてメロディを作り、歌詞を書く。最後に全員で確認して曲の完成がやってくる。

 

 

 

 

 そしてその曲でイベントは大変盛り上がったのがつい昨日のことだ。

そして今日は久城先生の所に行って定期的に行う検査の日である。

 

 

 

 

 

「さて、雷夜さんとりあえず最近の調子はどうですか?音楽活動素晴らしいと思います。ですがそれで体調を崩してしまったらいけません」

 

「俺は元気ですよ、体調的にも精神的にも問題ありません」

 

「白夜からまた雷夜さんの方はどうですか?」

 

「体調崩すって程じゃないけど体力の低下はあると思う。けどそれだけだからむしろ音楽活動で体力を増やしてもいいんじゃないかな?」

 

「医師としてはまた少し軽めの運動にとどめて欲しいんですけど、それがストレスになるのもいけませんからねそうしましょう。さてそれでは………」

 

 

次の話に移ろうとした時に看護師が急いだ様子でやってくる。

 

 

「先生‼︎すいません、患者が1人帰ろうとしてしまっていて、先に見てもらえませんか?」

 

「帰ろうとしている?一体どうゆう事だい?」

 

「桐谷さんがもしかしたら骨に異常があるのかもしれないのですが、練習に戻ろうとしてしまい、看護師が現在押さえていますが」

 

「すまない雷夜くん、ここにいていいから少しだけ他の患者を見させてもらってもいいかな?」

 

「えーと、話に全然ついてけてないですけど大丈夫です」

 

「今桐谷さんを連れてくるけど驚かないでね」

 

 

えーっと?何が起きているんだ?桐谷さんが先に見た方が楽なのはわかるけど……

 

 

「久城先生とか他の先生には企業と契約してタレントの怪我とかを見る契約をしているのよ。病院がこんな都心近くにあるからねそうゆうのがあるだけで企業側にとってはとても助かるのよ。

ただ今日の患者は近いが故に練習に戻ろうとしちゃったのよ。熱心なのはいいんだけどねぇ」

 

 

この場に残って作業していた看護師が色々と教えてくれた。すると扉が開き、テレビで見ることの多い人が来た。

俺は見て少し顔が驚いてしまったがシロは初めから知っていたのかのように驚いたりしていない。

 

その正体アイドルである桐谷遥だったのだ。

 

俺はその事実を確認したのちにシロに顔を向ける。だがシロは遥の方をじっと見ている。不思議に思って俺も遥を見てみると、手に力が入りすぎている。

 

 

「先生、私すぐに練習に戻りたいです」

 

「少し待ちなさい。とりあえず検査して異常がなければいいでしょう。ですがもし足にダメージが入っていたら少し大人しくしていてもらうからね。それじゃあレントゲン撮ってきてください」

 

「失礼します」

 

「すいません失礼しました、雷夜さん」

 

「いえ、大丈夫です。あのもしかして桐谷遥さんですよね?」

 

「そうだよ。今日のこと言ったらダメだからね。

それじゃあ次は1月17日に検査しようか。それまで無理しないように。白夜もちゃんとやってね」

 

「1月17ですね。わかりました。それじゃあ失礼しました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 診察室を出てシロが会計していた時に、ピンク髪の見知った顔のアイドルにあった。絵名姉さんの友達の桃井愛莉である。

 

 

「あれ?もしかして雷夜くんじゃない?」

 

「こんにちは愛莉さん。足の検査ですか?」

 

「あはは……わかる?」

 

「なんと言いますか、さっき桐谷遥さんにあったんですよね。その人も足の検査だったのでもしかしたらって思って」

 

「番組の一つの撮影してたんだけどねぇ、1人が練習で倒れちゃったからそれで結構巻き込まれちゃって一応検査しておこうってなったのよ。

それと私と雷夜くんは同い年なんだし、楽にしゃべっていいわよ」

 

「初めて会った時はただの友達の弟って事で結構子供扱いしてきた人が言う事ですか?」

 

「うっ……ごめんなさいね。私その時てっきり年下かと思ってたのよ」

 

「全然大丈夫、こっちこそからかってごめんね」

 

「事実だったしいいわ。それにやっぱりタメ口の方がいいわよ。それに音楽活動やってるんでしょ?絵名から聞いたわ。確かツイン……ダイスだったかしら?」

 

「絵名姉さんが俺たちの事話すの?なんか意外というか……」

 

「でも少しグチな所はあるけどね」

 

「グチ?それって………」

 

「雷夜、会計終わった……よ………おぉ、桃井愛莉だ」

 

「こんにちは、はじめまして」

 

「はじめまして、雷夜の監視役というか保護者役?の風間白夜です。どうぞシロって呼んでください。ところでなんの話をしていたの?」

 

「いやいや、ちょっと‼︎監視役って何よ監視役って‼︎保護者役もわからないし、貴方達どうゆう関係なのよ⁉︎」

 

「「仲間」」

 

「俺と妹の怜華でやってるのがツインダイスってチーム。そしてこれからはシロと茜のZESTってチームと組む事にしたんだ」

 

「ねぇ愛莉ちゃん。36ってどんな数字かな?」

 

「いきなりね。でもそうね、多分だけど6の二乗って答えて欲しいんじゃないかしら」

 

「あちゃーバレちゃったか〜」

 

「もともと2人でサイコロの出目をかけた数の最大の36を出そうとして頑張ってたけど、ZESTの最後のest、これは比較級とかで使ったりで、4人で組んで毎回最大値の36を出してやろうって意味。だから新しいチーム名をそれに絡ませたいなって感じで考えてる」

 

「そうなのね。今度時間がある時に聴きに行くわ、期待してるわよ」

 

「ありがとう愛莉」

 

「気にしなくていいわよ。それじゃあね雷夜に白夜さん」

 

「またね〜家に来たらご馳走してあげるよ」

 

「俺も作るからいつか来てよ。ヘルシーな食べ物とかは買っておくからさ」

 

「2人ともとても優しいのね。絵名はいい弟たちを持ったわね、彰人くんも怜華ちゃんもできた弟妹だもの。私も今度遥と話したりするしいい機会があったら誘うわ」

 

「あはは……そうだね」

 

「それじゃあ俺たちはこれで、またいつか会いましょう」

 

「ええもちろん。じゃあね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして病院を出て、特に寄り道などはせずに帰る。

 

 

「36ねぇ、雷夜ほんとにチーム名どうするの?」

 

「俺たちはツインダイスだったから俺たちは賽なんだよ、ならZESTはどうなんだってなるでしょ」

 

「私たちはペテン師………かな?賽の目を操るんだし。ペテン師の賽とかにする?」

 

「それも全然ありだと思う。後はイカサマダイスとか?ツインから変化したってのがわかりやすいし。

まぁでもどんなイカサマをしてるのがわからないからペテン師の賽の方がいいかもね」

 

「ペテン師って欺くとかそうゆうのなんだよねぇ。私的には欺くってのが違う気がするんだけど……」

 

「俺たちは踊りでアドバンテージを稼いでるし、間違ってないんじゃない?ある意味で騙してるし」

 

「それはそうかもね。それじゃあペテン師の賽として活動する?」

 

「ペテン師の賽で決定だな」

 

「帰ったら2人に話さないとね。そういえば、最近ネットサーフィンしてるの?ちゃんとKの動画出てるか確認してる?」

 

 

 中学3年の夏、そろそろ奏が活動を初めてもおかしくないくらい時期になった。まふゆが一緒に曲作りを始めるのは来年の事だ。しかし奏はすでに曲を作っている。

シロにちゃんと調べてるかと聞かれたが、

 

 

「探してるけど大変なんだって、動画のタイトルも知らないし、Kだけで調べるといっぱい出てくるし、ハッシュタグがついてるのかもわからない。ただサムネは真っ黒だと思うけどさ」

 

 

 そうなのだ、原作では深く書かれることのなかった部分であるため探すのがとても困難なんだ。

 

 

「まぁその探し方でいいけど私は奏の父親について調べてみるよ。後は父さんに頼んで、宵崎って名前の入院患者がいないか聞いてみる」

 

「ありがとうシロ、確かにそうゆう手もあるな。Kね………新しい順にしたら出てこないかな?」

 

「今出てきたら都合が良すぎるよ」

 

 

よく使う動画アプリで、『K ボカロ』と調べ、新しい順にする。

 

 

「……!シロこれ」

 

「サムネ真っ黒、Kという名前、アイコンはKだけの初期のもの、あははぁ………奏じゃないかな?」

 

「だよね、本当に都合が良すぎてないか?」

 

「多分だけどISもこの流れだったんじゃないかな?」

 

 

ISと同じ流れ?つまり雷夜は何かしらの理由があってボカロを調べる事になっていた。ってことか………ISだと雷夜はお助けキャラらしいけど、関わりのある人物って誰なんだろう?まぁそんなことは一旦置いておこう。

 

 

「雷夜、これはチャンスだよ。少ししたら君の描いた絵をコメントに貼ろう。そしてサムネの担当になろう」

 

「えっちょ……待って」

 

「よし、それじゃあ帰ってやることまとめるよ」

 

 

 奏、ニーゴのストーリーの始めに接触していくのと、愛莉と遥の俺の知らない関わり、色々問題が同時に襲いかかってきそうだ。



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K

物語書くの楽しい。

すごいどうでもいいことなんですけど物語を描くでも二次創作だと間違っていないと思ってるんですよね。コラ画像を作る感覚に近い気がして。


 Kが俺たちが調べたタイミングで動画は上がるのはどうも出来すぎている。転生や憑依がいてもイベントの内容は大きくは変わらなかった。ならこの世界はISで起きたストーリー通りになってもおかしくはないのではないだろうか?

 つまりはストーリーに組み込まれたものであると考えることもできる。だから都合のいい展開が起きるのだ。

 

 

「何バカなこと考えてるの雷夜。私と雷夜、怜華この3人は原作でいた親がいなくなってるんだよ。ストーリーどうりなわけが無いでしょ」

 

「……普通に思考を読まないでほしいんだけど。でもそうか、俺からするといないのが普通だったからそう感じただけか。オーケーわかったからその呆れたような目やめて」

 

「ごめん顔に本音が」

 

「煽んなくていいから」

 

「ま、そんなことよりも早く奏にその絵見せなよ、リンク貼ってさ」

 

「最初に動画上げてから1週間たってるし確かにそろそろいい具合か、よし」

 

 

 素早くパソコンを立ち上げ、Kの動画のコメント欄にピクシェアのURLを貼る。

『曲のイメージっていうか作ってる人のイメージの方が近いかもしれない』

コメントには一応補足として少しだけ説明を載せておいた。

 

 

「これでいいんじゃないかな?」

 

「いいと思うよ。それにしてもいつみてもこの絵はひねくれてるね」

 

 ひねくれてるとは心外だ。実際すごい頻度で曲は上がってるし、1人1人に寄り添ってはないでしょ。そうゆう曲になるのは少なくともまふゆが来てからだよ。

 悪いけど、奏1人で作ってる時はまだ耳には残るけど救うには手が届かないと思ってるし、実際に聞いてわかった。まだ薄っぺらい。

 薄っぺらいっていうのが正しい表現なのかはわからないけどそう感じた。誰かを救うために曲を作っているのは変わらないけど、救うこと自体に重点が向いている。

 ニーゴで奏がまふゆを救う曲を作るようになって、誰かに寄り添った曲。そうゆう曲を作るようになったと思う。少なくとも俺はそう考えている。

 

………なんの話だったっけ?そうだ俺の絵だ。

 

 

「俺の絵は俺のKのイメージだからひねくれて無いよ。呪われてるんだったらこれくらいでも問題ないって」

 

「奏の父の呪いねぇ、だからこの絵の少女は顔が見えづらくて見えても絶望してるんだね。まだまだ話してないで隠してることもありそうだね」

 

「俺の今までで最高の作品だからな、色々考えて描いたもん」

 

 

 

 

 そうして色々と絵について話していると、DMの届いた音がパソコンからなった。

 

 

「ねぇシロ、これは流石に速すぎだと思わない?まだコメントしてから全然時間経ってないよね」

 

「一応話して一時間は経っているから、それにまだ奏だって中学生だし音楽漬けでは無いと思うんだけど………」

 

「とりあえずDM読もうか、え〜」

 

『Lightning Nightさんへ

 

 初めましてKと言います。突然ですがあなたのイラストを拝見しました。突然のお願いなのですが、そのイラストをアイコンなどに利用してもいいでしょうか?また、動画のサムネや背景を作っていただけませんか。わずかばかりですがお礼もさせていただこうと思います』

 

「奏だな」

 

「奏だろうね。はやく返信しちゃいなよ」

 

「そうだね」

 

『初めまして、Lightning Nightです。長いのでNightで大丈夫です。私的には制作に参加したいと考えています。ですがこちらもすることなどがあるため少し難しいところがいくつかあります。ですのでナイトコードで通話をしたいと思うのですがどうでしょう?』

 

『返信ありがとうございます』

 

『アカウントを今作っていますので少しだけ待っていて下さい』

 

『できました。招待リンクを送るので入ってきてください』

 

 

 少しの間隔を空けて返信が返ってくる。そして少し長めの時間の後ナイトコードに招待された。

 

 

「私はどっか行ってるから話してなよ」

 

『初めまして……Kです。今日はよろしくお願いします』

 

 

シロに返答する前に奏から声が掛かられた。

 

 

「初めまして、Lightning Night、まぁNightです。まず俺の拙いイラストを見ていただきありがとうございます」

 

『いえ、とても素晴らしいと思います。ところでNightさんの懸念点みたいなのは……?』

 

「そうですね、まず言葉崩していいですか?Kさんが年上だったら変えませんが」

 

『わたしは14の中学3年だから、多分Nightさんの方が年上だと思う』

 

「だったら俺と同い年ですね。俺は今音楽活動を別でしていて時間が取れるかがわからない事があり、ある程度の時間しか作業できません。後単純にKさんの作曲して動画をアップする間隔が短くイラストを仕上げるのが間に合いません」

 

『それはなんか……ごめんなさい。それでしたら絵が仕上がり次第サムネにつけていく形でいいですか?』

 

「それでいいと思います。制作速度がはやいのはいいことだと思うよ。

あともう一つあって、Kさんの曲は絶望してる人を救うコンセプトがあると思っているんだけどあってるかな?その場合俺は絶望に直面したことがないからイラストがKさんのイメージと離れてしまう可能性があります」

 

『わたしは、……多くの人に曲を聴いて救われてほしいんです。だから多くの人の目につくようにサムネが欲しいんです。

そうじゃなくても、あなたのイラストはわたしを見ているような気がして、だってこのイラストはわたしが多くの人を救うのを表現しているように見えますし。ただいくつか不思議な点もあるけど……でもここまで描けるなら多分わたしの曲にあったイラストを描いてくれると信じてます』』

 

「………すいません、さっきの不思議な点とは?」

 

 

奏は気づいているのだろう。救っている少女は大勢に背を向け振り向いて大勢を見ている。そしてその少女は顔が影で隠れていることに。本当は気づいてほしくないことをKは無慈悲にも口にしていく。

 

『この女の子が救おうとしている人に背を向けていたり、女の子の顔が隠れて見えづらいこととか………ですかね』

 

「それの理由はあなたの否定につながるかもしれませんが聞きたいですか?」

 

『わたしの……否定?』

 

『そうです。聞きたいですか?聞きたくないですか?」

 

『聞きたい。それがつらいものでも必ず、わたしの目的に繋がるはずだから」

 

 

奏からすごい圧を感じる。辛くても自分のためになると信じて、聞くんだという真剣な声だった。

 

 

「絶望したことのある人間は救われる事に意識を奪われて気づかない、気付けない。Kの曲は確かに救うことができるよ、ただ救うことは。

でも救うだけ救ってお終い。悪くいうと勝手に救われてろみたいな感じで、寄り添わないように見えます。投稿頻度が短いのもそう感じさせる要因だと思う。

これらのことからKは救うこと自体に目的が言ってるんじゃないかと思ったので背を向けさせました。

あとは表情について、顔の影に隠れた表情は苦しんでいます。一つの考えとしてメシアコンプレックスに近いものがあるのではと思いました。ただメシアコンプレックスは無意識なものですので当てはまりませんけど、誰かの救世主になる点では同じです。

 Kは救う事に囚われてしまった少女。そんな印象があったのでそうしました」

 

 

奏はしばらく言葉を発しなかった。

 

 

 

 

 

正直たかが中学生相手にする事ではないのは自覚している。

 

 

「すいません。やっぱり聞いてて気持ちのいい話ではないですね。ただ俺はKの曲は好きですよ、それだけでもわかってほしい」

 

『確かに少しつらいですね………でもありがとうございます。一心不乱に作ってて……なんというか、少し落ち着きました』

 

「なんか落ち着けたなら良かったです。それでこれから俺と一緒にやれます?結構キツイ事言った自覚あるんですけど」

 

『確かにキツイ事言われたけど………それでもあなたのイラストはわたしのことを分かってくれてると思うから、多分Nightはわたしの曲にあったイラストを描いてくれると信じてる。だからこれからよろしくお願いします』

 

「こちらこそ、これからお願いします」

 

 

 奏との会話はこうして纏まりがついた、と思えたが実はもう一つだけ話さないといけない事が残っているのだ。

そう、俺はイラストも描いているが今はMMDの方を作っていると言う事だ。

 

そうゆう訳なので、第二ラウンドの始まりです。




アンチヘイトが役に立つ。


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Lightning Night

試験的に奏視点。


『Kさん、あと一つだけ話があってもう少し時間くれますか?』

 

 

わたしは今Nightさんと話していた。

 話………なんの話なんだろう?

Nightさんの描いたイラストに関しては話し終えたけど………

 

 

「えっと、どのような話ですか?」

 

『この動画を見てほしくて』

 

そうしてその動画のURLが送られてきた。

 

 

 

……‼︎MMDだ、しかもこれ………わたしの最初の曲の一部。

もしかしてだけど、

 

 

「これNightさんが作ったんですか?」

 

『そうです。MMD……これをを作る事に最近は力を入れていて、それで俺の作ったMMDも使う事ができたらって話です。イラストはもちろん描くけど、これもやりたいから。

だから俺以外にサムネやMVを作れる人材がいたら俺はMMDに集中したいと思ってるんです』

 

 

MMD、普通は名前の通りダンスで使う事が多いけど………Nightさんは踊りの中に劇が混ざっている。

確かにわたしの曲のことを考えるとその使い方が適しているかもしれない。

 

別にやってもいいんじゃないかな?

そしてこれでNightさんは優しい人だと思えた。イラストが出来次第順次変えていく形だから言わなかったらバレなかったはずなのに。

 

 

「MMDいいと思う。それにわたしは少しのお礼しかできないからダメとは言わないよ」

 

『お礼はいいよ。俺は俺で稼ぎがないわけじゃないし、それに徹夜してやるとかできないから。主治医に怒られる』

 

「主治医に怒られるって………一緒にやる事にしたけど本当に大丈夫なの?」

 

『お礼もらったらバレるんじゃないかな?だからお礼はなくていいよ。それにどちらというと一緒に作れる事にこっちが感謝する側まであるし』

 

 

なんか少しだけ変な人なのかも。何かのファンだったらこうなるのかな?わからない………けど少しいい人すぎないかな?

 

 

『そうゆう事だからお礼はいらないよ。それじゃあこれからよろしくね。俺は最初の曲から順にサムネ描いて………いやちょっと待て、その場合一旦動画あげ直しか?』

 

『かもしれない………それじゃあ今作ってる曲のデモを渡すからそれに合うようなイラストを描いてほしい。だからサムネのある動画が途中からある形になるけどそこまで気にする人いないと思うから大丈夫だと思う」

 

 

『そうだな、ならその形で進めようか。ナイトコードに貼っといてくれたら確認してイラスト書き始めるよ』

 

「わかった」

 

 

わたしがそう言ったのを聞いた後すぐに通話から抜けていた。何かこの後用事でもあったのだろうか?

 

 

「それにしても疲れた」

 

 

ネットで知った人と話すなんて初めてだったし、男の人だった。いやわたしと同い年なんだから男の子だけど。

 

 

「やっぱり人と話す機会はあった方がいいのかな?でも………曲を作る時間が削られるのはちょっと」

 

 

曲を作っている時は集中して話しかけられても気づかない可能性があるから話しながら曲は作れないし………

 

『ピコッ』

 

ナイトコードからの通知?

 

 

『あのK?曲のデモを下さい』

 

 

あっ、曲のデモ貼るの忘れてた。こんな調子で本当に一緒にできるのかな?わたしが足を引っ張りそうだ。

 

 




終わらせかたがわからない。


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お誘い

プロセカのイベントストーリーみたいな書き方したいけどそれだと台本なんだよね……






雷夜視点


 Kの曲にサムネをつけるようにってから数週間の時間がたった。Kの曲にコメントが少しずつだけどついてくるようにもなった。その中にはサムネのあるものとないものについての質問があったため、Kのアカウントの権限を共有することにしてコメントの対応をすることになった。

 これがこの少しのあいだにあったことだ。

 

 

『ピロピロッ』

 

 

 

『K少し待ってて』

 

『わかった』

 

 

Kとチャットでのやり取りをしているとスマホが通知を知らせる音を鳴らした。

 一体誰からだろうか……えー……お!?桃井愛莉?一体どうしたんだろう?とりあえず電話してみるか。

 

 

『雷夜くんありがとう』

 

「何があったの?俺とりあえずかけてきてってあったから、内容全然読んでないんだけど」

 

『大丈夫よ問題ないわ。それで話があってね。次の週に桐谷遥と食事に言ったりするんだけど……』

 

「だけど?」

 

『もともと4人で行く予定だったのが2人行けなくなっちゃったのよ、それで行こうとしてたところなんだけどキャンセル出来ないからそれぞれの知り合いを連れていこうってなったのよ』

 

「姉さんは?だめだったの?」

 

『誘ってみたんだけどその日はだめらしいのよ。雫を誘っても良かったんだけど雫は忙しいって聞いてるしなら雷夜くんを誘おうって思って。どうかしら?』

 

 

 とりあえずくん呼びなことは置いといて、どうしようか。いや、そこまで悩むことではないか、行こう。

 

 

「行きます。あと間違っても桐谷遥の前でくん呼びしないでくださいね?」

 

『気をつけるわ。でもわざわざ忠告するって、もしかして……桐谷遥のことが気になってたりして?』

 

「そうゆう感情は一切ないので勘違いしないように」

 

『私が言い出したことだけどそんなにきっぱりと言わなくてもいいじゃない』

 

「いやきれいな人で普通に好きになる人は多いと思うよ。けど俺の場合は推しではないし、そうゆう感情持ってると妹になにされるかわからないから……」

 

『ちょっとまって、怜華ちゃんってそうゆう子なの?』

 

「ごめん愛莉、忘れて?」

 

『いいわよ、でもその代わり絶対に来てね?』

 

「もちろん行くよ。それじゃあまたね」

 

『それじゃあね雷夜。集合場所決まったらまた連絡するわ。またね』

 

 

 そういって通話は終わった。今更だけど前に病院で言ってた話が今日誘われたものだったのかな?これは俺が知らないものだけど、シロは知っているんだろうか?

 

 

「呼んだ?」

 

「だからこころ読まないでよ。でもちょうどいいか、今愛莉から来週に桐谷遥とかと一緒に食事しないかって誘われたんだけど、ISのストーリーにあった?」

 

「えっと………ちょっと待ってね」

 

 

 すぐに思い出せたいならサイドストーリーにあったのかな?とりあえず行くけど……

 

 

「もしかしたらってのがある。エリア会話でそれらしい話があったはず。ただそこに雷夜がいたかはわからない。でも行く場所はわかるよ」

 

「どこ行くの?」

 

「科学技術館とその周辺に行くよ」

 

 

科学技術館………俺の知ってる限り原作にはなかったし、今世でもどこにあるかわからない。

 

 

「雷夜は誰か行くのか知ってるの?」

 

「俺と愛莉、後桐谷遥で後1人」

 

「あぁなるほど、それじゃ来週楽しんでおいで」

 

 

なんでメンバー聞いたんだ?



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MMD開始とお出かけ

しばらくかけてませんでした。すいません。

雷夜視点です。


『Night、今から話せる?』

 

『いけるよ』

 

『じゃあナイトコードで待ってる』

 

 

 新しい曲をアップロードした奏で通話したいと持ちかけてきた。

 

 

「なんの話?」

 

『Nightの作ってるMMDをそろそろ動画にしていきたいと思う』

 

『ついにか』

 

『うん、それと………本当にわがままなんだけど曲を作ってる時に通話しない?』

 

「確かにその方が詳しく聞けていいかもな」

 

『それもあるけど、わたしは高校通信制の学校行くから人と話す機会がほとんどなくなっちゃうんだ。だから話ができたらいいかもって思って……』

 

「なるほどね、確かにそれは一理ある。それじゃあ今度から話しながら作業しようか」

 

『……‼︎ありがとう。それじゃあなんの曲のMMDを作るかとか考えようか』

 

「それは今のところで再生回数が多いものがいいんじゃない?」

 

『確かにこの曲は多くの人を救ってるかもだし、もっといろんな人に聞いて欲しいけど………わたしはこっちのある程度の平均的なものでもいいと思う』

 

 

 それから話は続きいつの間にか夜遅くなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『それじゃあわたしそろそろ集中して作るから』

 

「流石に俺は寝ようかな………寝ないと怒られるし」

 

『お母さんに怒られるの?』

 

「いや、同居人。親とは別居してるからさ。そうゆうKはどうなのよ?」

 

 

話を聞くいいタイミングだったのではないだろうか?本当はあまりこの話をしたくないけれど、原作に関わっていくならそれがいいだろう。

 

 

『わたしのお母さんはわたしが幼い頃に亡くなっちゃって、それにお父さんは最近はずっと入院してるから』

 

「ご飯ちゃんと食べてるの?」

 

『うっ………』

 

「その反応やっぱり、どうせカップ麺とかですませてるんでしょ」

 

『はい………』

 

「いやK待ってそんなに落ち込まないで、別に怒るつもりじゃないから」

 

『あれ?そんなに落ち込んでるように聞こえた?』

 

「………一応聞くけど、からかっているわけじゃないよな?」

 

『それはもちろんだけど』

 

「ならいいや」

 

 

もし奏にからかわれていたら悲しい………と言うか悔しいと言うか。そうゆう感情が出てくるからしばらく作業止まってたんじゃないかな?

 

 

『それじゃあNightまた今度』

 

「あぁまた今度」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 朝、シロにいつもより早く起こされる。

 

 

「雷夜、今日は愛莉たちと遊びに行くんでしょ?なら少し早く起きて準備しておきなさい」

 

「何俺今日デートかなにかと思われてる?」

 

「原作だとcpにしている人いたけど何か言うことある?」

 

「俺は俺だからそれに含まれるか!!」

 

 

そんなやり取りをしつつもシロの言う通りに準備……は昨日しているため確認を終えて、言い忘れていたが、元の家……つまり東雲姉弟のいる家へと向かう。

 

 

 

 

 

「流石に自分の家までは迷わないわよね」

 

「あってそうそう俺の方向音痴をネタにしないでくれ。俺は行き先がどこかはっきりしていたらわかるタイプの方向音痴だから、雫のとは違うから」

 

「あれが二人分いたら大変よ、それじゃあ駅行きましょう」

 

「結局今日はどこ行くんだ?俺は何も聞いていないんだけど」

 

 

何も愛莉から予定を聞けないまま駅につこうとしていた。

 

 

「あーー!!雷夜じゃん!!やっほー今日はどこに行くの?私はね〰あの桐谷遥とご飯食べに行ったりするんだ」

 

 

「………えっ。もしかしてだけど桐谷遥が連れてくる友達の枠って杏なの?」

 

 

「?どうしたの雷夜?」



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けんかと遊びもお食事 そのいち

少しずつ書いてきます。


「だからあなたはアイドルを推してるとかじゃないからわからないんです」

 

「は?俺には推し活してる人の感情とか普通にわかるから、だからその上で無茶するなって言ってるの」

 

「ふざけないでください。それに私はまず推しにされる側だからあなたがわかるはずないじゃないですか?」

 

「流石にそれはライン越えだぞ。俺はペテン師の賽のメンバーとして推される側もわかるから」

 

「それは杏には悪いけど地域の話じゃないですか。私は全国的に放送されてるアイドルなんです。だから規模が違います」

 

「あんた達何やってるのよ。雷夜あんたも落ち着きなさい‼︎」

 

「遥も落ち着いて、それに地域でも雷夜は私達の世代だとトップレベルに人気なんだから流石にプライドがあるから」

 

 

どうして今俺は今遥と喧嘩しているのか。落ち着くためにも今日を振り返ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日の朝駅に向かう途中から振り返ろう。

 

 

「杏って桐谷遥の幼なじみだったんだっけ?」

 

「そうだよ。私と遥は昔からの知り合いなの。あれ?でもよく幼なじみってわかったね?」

 

「だって普通はトップアイドルと友達になれるなんてそうそうないでしょ?で友達になれるんだったら幼なじみの線が一番あり得そうだと思ったんだよ」

 

「へーそんな事考えて当たるんだね?考えるのも面倒だし、それで外してたら恥ずかしくない?」

 

「普通に恥ずかしいよ」

 

「ちょっと雷夜、ちゃんと着いてきなさいよね」

 

「雷夜もしかして桃井愛莉さんの知り合いなの⁉︎」

 

「うん、まぁそうだね」

 

「ちょっと雷夜、その子は……?」

 

「俺と怜華の音楽の先生謙、桐谷遥の幼なじみ謙、今日遥がつれてくる予定の友達」

 

「情報量が多すぎよ‼︎後名前わからないじゃない‼︎」

 

「あっ私は白石杏です今日はよろしくお願いします。後先生って言ってももう雷夜達の方が上手いけどね」

 

「なるほど、今日は楽しみましょうね杏さん」

 

「杏でいいですよ」

 

「ならわたしも愛莉でいいわ。そっちの方がいつもの呼び方でしょう?」

 

「わかった。それじゃあ杏またせちゃってそうだしはやく駅行こうよ」

 

「そうねはやく行きましょう」

 

 

それから駅にはすぐに着くことができた。

 

 

「あっ杏、それに愛莉さんも、それと………愛莉さんの友達かな?よろしくね」

 

 

 桐谷遥って年下だよな?いや別にタメ口なのが嫌だとかのそんな器の小さいような話じゃないけど、愛莉さんって言っといて、愛莉の友達と思われる人がなんで年下だと思うんだろう?もし愛莉と友達なら同い年って考えないかな?どうせ普通よりも背が小さいからだろうなぁ。ほんと。

 

 

「ちょっと、挨拶くらいすぐに返しなさいよ。ごめんね遥、こいつちょっと身長にコンプレックスがあるって言うか……なんと言うか」

 

「それはちょっと申し訳ないな。ごめんね、多分一度同い年って思っちゃったからタメ口だと思うけどよろしくね。まだ名前聞いてないね、教えてくれないかな?」

 

「タメ口なのは気にしてないから大丈夫だよ。で、俺は愛莉の友達兼、杏の弟子の東雲雷夜、よろしく」

 

「遥、雷夜はセンスの塊みたいな人なんだよ。私の弟子って言ってるけど正直もう雷夜の方が上手いんじゃないかな?」

 

「まぁ俺はと言うか俺達はちょっと特殊だからね」

 

「そうなんだ、さてそろそろ電車に乗って行こうか。少しは余裕あるけど早いに越したことないからね」

 

「それもそうね、はやく行きましょう」

 

 

 電車の中ではよくあるSNSを使い会話をしていた。まぁそこまで遠いところじゃなかったからすぐに電車から降りて普通に話せるようになったけどな。



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遊び編の1

「それじゃあみんな、こっちだよ」

 

 

 今俺達は駅から離れて遥の後をついている。後をつけるってなんか悪いことしてるみたいだけどこれ以外の言い方がわからないだけだ。

 

 

「ねぇ雷夜、これからどこに行くと思う?」

 

「杏はどこに行くか知ってるの?」

 

「いや、知らないよ。まぁ私と杏だと何かスポーツするんじゃないかな?」

 

「それ俺激しすぎると俺倒れるんじゃない?」

 

「あー……ま、まぁ雷夜退院してから四季が一つ変わるくらいの時間経ってるし大丈夫だって」

 

「いや今一瞬認めようとしてなかった⁉︎」

 

「気のせい、気のせい」

 

「まぁ師匠がそう言うならそうなんだろうね」

 

 

 杏がその言葉を聞いた後顔をそっと俺とは反対の方を少し向いたのを見逃さなかったけど、そこを突くのは可哀想だしやめた。実際は愛莉達にはやく来いという視線を感じたためだけど。

 

 

 

 

 

 

「さて2人とも、今日の最初の目的地に着いたよ」

 

「ここで思いっきり楽しむわよ」

 

「ここって………スポジョイパークじゃん‼︎最近流行ってるから行ってみたかったんだよね」

 

「あーそういえばなんか宣伝最近多いなぁとは思ったけど………実際に来るとは思わなかったな」

 

 

 スポジョイパーク、結構昔……少なくとも俺が小学生になる前にはもうあったスポーツセンターだ。原作では奏、絵名、みのり、一歌が中心となったイベントだった。

 そして今、スポジョイパークではなんと来るとヘェニーくんのステッカーが貰えたりする。そう、現在なんとあの鳳グループの経営するフェニックスワンダーランドとコラボしているのだ。

 実は普通に宣伝される前に怜華から聞いていたから宣伝を見ても驚きが少なかったりする。怜華の交友関係どうなってんだ?まぁいいや、それよりも問題として激しい運動はないといいなぁ。

 

 

「それじゃあ最初はローラースケートから行きましょ。杏ちゃんと雷夜はローラースケートやったことあるかしら?」

 

「私は昔少しだけやったことあるよ」

 

「俺は初めてだな」

 

「それじゃあ雷夜はわたしが教えるわ。もし杏ちゃんが指導欲しかったら遥に頼みなさい」

 

「そうだね、アイドルとして完璧に教えてあげるよ」

 

 

 そうして始まったローラースケート。結果を先に言うと俺も杏も全然滑ることができた。

 最初は立っていることも危うかったがコツを少し教えてもらう事でスイスイと滑ることができるようになっていた。それを見た2人は少し驚いていたけど愛莉の方は顔によく出て、遥の方は少し驚いたって程度の反応だった。

 

 

「いやー楽しいね、けど私そろそろ他のやつもやりたい‼︎」

 

「それじゃあバスケとかする?他には卓球とかあるけど」

 

「バスケしたい‼︎私久しぶりに遥とバスケしたい‼︎」

 

「わかったから落ち着いて杏。愛莉さんも雷夜もバスケでいい?」

 

「わかったわ。けどわたし少し席を外すわね。みんなの飲み物買ってくるわ」

 

「なら俺も付いてくよ」

 

「えっと……1人でも大丈夫よ‼︎バラエティ系番組に沢山出てるわたしの体力とか舐めないでよね⁉︎」

 

「そうなの?うーん………じゃあお願いします。こうゆう時は素直に甘えます」

 

「ほっ………それじゃあみんな水でいいわよね?」

 

 

 そう言って買いに行った愛莉、なんだか少し焦っていたようにも見えたけどなんだったんだろ?

 



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遊び編その2〜〜実は〇〇〇〇編

なんかここら辺プロットなしで基本脳死で書いてるからどうやって話を持っていくか私自身わかってない。


 スポジョイパークに来て、ローラースケートをやり、バスケをしていると愛莉が戻ってきた。

 

 

「何男子のあんたが1人で休んでるのよ、体力つけたらどう?」

 

「愛莉は知らないだろうけど俺一年前は入院してたんだよ、だから体力減ってるし、さっき遥と白熱しすぎて杏に休めってドクターストップかかってるの」

 

「そうだったの………それはごめんなさいね、知らなかったわ」

 

「もし誰が録画してたらなぁ〜」

 

「あはは、それならわたしも見ることできるわね」

 

 

 愛莉と話しているとバスケをしていた遥と杏が俺たちの方に戻ってきた。どうやら勝負は遥が勝ったようだ。杏の落ち込んだ表情がとてもそれを表している。

 そして耳を澄ますと杏は小さく、

 

 

『負けた………私の得意なバスケで負けた………前までは私の方が勝っていたのに………バスケで負けた………』

 

 

と繰り返していた。いやぁこんな杏を見たの初めてかもしれない。

 

 

「あーもう‼︎雷夜、私と勝負付き合ってくれるよね⁉︎ね‼︎」

 

「付き合うから落ち着いて落ち着いて、悔しいのはわかるから」

 

「あんたは運動するのもうダメなんでしょ⁉︎ったく、杏ちゃん、わたしと勝負しない?わたしも結構やる方だと思うわよ」

 

「それじゃあ愛莉さん、行きましょう」

 

 

 杏はすぐにコートに戻っていた。愛莉もすぐにコートに向かって行って今は遥と2人で杏と愛莉の勝負を観戦している。

 

 

「ねぇ遥、オフの日に悪いんだけどさ、中学生のうちにアイドルになって全国に顔、名前なんかみんなに知られてどうゆう気持ちなの?」

 

「……そうだね、冷静に考えるとちょっとだけ怖かったかな。でも当時は私達のことがみんなに知ってもらえる事の嬉しさの方が嬉しかったかな。知ってもらうってだけじゃなくて私達のライブや曲で笑顔になってほしいってのが一番の気持ちだけど………それは多分求めてる答えじゃないでしょ?」

 

「まぁそうだね、アイドルなら大体笑顔になってほしいもんでしょ。と言うかアイドルに限らずなんだって嬉しくなって欲しいよ多分」

 

「ふふ、そうだね。ちなみに雷夜は世の中に顔が知られたらどう思う?」

 

「俺?うーん……ちょっとだけ困るかな。俺は色々と活動しててさ、バンドとしては『ペテン師の賽』ストリートミュージックとしては『ツインダイス』、ボカロとしては………チーム名ないな。けどその最後のボカロ……あーボーカロイド、要は初音ミクとかに歌わせるやつね?それは俺の名前を出してないからもしボカロで有名になった時に困るんだよね」

 

「雷夜は色々活動してるんだね」

 

「そうなんだよね、しかも将来的にはここから一つ増えるかもっていうね。まぁそれは置いといて、そのボカロは作ってる相方の実力で伸びてほしいから俺の名前がどこかから出るとちょっとだけ影響が出そうなんだよね、だからまぁなんて言うか名前とか出てもいいけどそのボカロに関わりは一切出したくないって感じ」

 

「じゃあ例えばニュースのキャスターに何か聞かれたりで名前が出てもそれは大丈夫ってことだよね?」

 

「そんな感じ、まぁニュースになることはないと思う………いやあるな」

 

「それは犯罪したとかじゃないよね?」

 

「違う違う。さっき杏にバスケ白熱し過ぎたから止められたじゃん?本当は運動するのアウトの可能性があるんだよね。本当のドクターストップ。まぁ激しすぎるのがダメなだけで軽くはいいんだけど、学校の体育は全部見学だったりする」

 

「それがどう関わってくるの?」

 

「ドクターストップがかかる理由としてなんか新種の病気だったりするからその病気が存在する証明として俺の名前が出るかもってわけ」

 

「そうなんだね、それにしても雷夜って色々と生活しててイベント多そうだね。あっ杏達の勝負終わったみたいだね」

 

「いぇーい、雷夜勝ってきたよ‼︎それにしてもすごい戦いだったなぁ」

 

「わたしもとてもいい運動になったわね。ちょっと疲れたわ」

 

「はい、ちゃんと水分補給してくださいね。杏もこれ、ちゃんと飲んでね」

 

「────ぷはぁ。運動後の水って最高だよね」

 

「ねぇ遥、そろそろ予定通りにご飯食べに行かない?」

 

「そうですね、確かに沢山動きましたしいいと思います」

 

「やったー流石にお腹空いたんだよね」

 

 

 そうしてスポジョイパークを出て、数件隣にある食事出来るところに来ていた。

 普段は人が結構いるらしいのだが今日はとても少なかった。

 

 

「それじゃあみんな何頼む?」

 

「俺はハンバーグでも頼もうかな」

 

「わたしはパスタにするわ」

 

「うーん私もハンバーグにしようっと」

 

「それじゃあ私はパスタにしようかな。後はサラダと……みんな他に頼みたいものある?」

 

「俺枝豆食べたい。塩振ってあるだろうしいいんじゃない?」

 

「それじゃあ枝豆も頼もう。2人とも他には?」

 

「わたしは大丈夫よ」

 

「わたしもいいかなー」

 

 

そうして遥が注文をする。

 

 

「そういえば雷夜は雫とも友達なのよね」

 

「同じ幼稚園だったらしい。俺の妹がその時雫と友達だった」

 

 

などちょっとだけ雑談していると、

 

 

「すいません、こちらエイトエックスの『アイドルの日常を見てみよう』という番組なんですけど」

 

 

は?………ん?えぁ?

 

「ごめんね2人とも、今日はオフじゃなくて撮影の日だよ」

 

「あー………あの番組の運営さん後でちょっとお話あるから時間くださいね」

 

「えっあっはい。コホン、今日はアイドルの日常の一部として午前中の事を見せてもらいましたが友達の方は今どんな気持ちですか?」

 

「まぁ普通に考えて、女子3人しかも半分以上アイドルの中に男子俺1人で遊びに行くとかないから、よく考えてみるとドッキリ?的なのでもあり得るなぁって感じですね」

 

「私は……うーんあんまり言葉にできないけど、なんて言うか、ドッキリみたいな感じでも遥に愛莉さんと遊べたのは嬉しいかなって感じ」

 

「なるほど、ありがとうございました。今日のことを放送してもいいですか?」

 

「もちろん」

 

「いいですよ。ちょっと放送して欲しくないところあるからそこだけはダメですけど」

 

「ありがとうございます。スタジオの方に向けて言いたいことなどありますか?」

 

「私はないかな、雷夜は?」

 

「うーん、じゃ俺からは一つ。えー『アイドルの日常を見てみよう』の皆さん、まず最初に、ありがとうございます。俺はあまりアイドルを見る人ではないけど、ここにいる桃井愛莉さん、そして日野森雫さん、この2人は、この番組の企画の一つの研修生時代を取り扱った役2年前の回を見て、推しになりました。それから友達になって、応援するようになりました。アイドルの推しを作るきっかけをくれて、ありがとうございました」

 

「ありがとうございました。当時私もその回に参加していたのでとても嬉しいです。それじゃあ遥さんと愛莉さん、最後に一曲歌ってもらえるでしょうか?」

 

「任せてください。いつもは同じグループで歌うけど、違うグループの人とも歌えるようにしてきました」

 

「一緒に練習したんだもの、しっかりと見てなさいよね」

 

「それじゃあいくよ」

 

『♪──────』

 

 

 

遥達が歌い、収録を終えようとしていると、

 

 

「遥、ステージ貸して。ほら雷夜もくるくる。あっスタッフさん、今から私達も歌うから撮って撮って、ドッキリ仕掛けられたんだもん、このくらいいいよね?」

 

「撮ってもいいですけど、上手くないと放送されませんからね」

 

「嘘、スタッフも案外乗り気⁉︎しょうがないなぁ。よし、それじゃあこれからストリートミュージックの師弟コンビ、『ビビットダイス』によるカバーを歌います‼︎曲は『劣等上等』」

 

『♪──────』

 

 

「ありがとうございました。とっても素晴らしかったです」

 

「初めて聞いたけどすごかったわね」

 

「うん、すごいね、私達ももっと頑張らないと。──それではこちらからは以上になります。後はスタジオにいる私に任せます」

 

 

そうしてちゃんと収録は終えたのだった。

 

 

「雷夜、ツインダイスでやってるような踊りも見せてよ」

 

「『スーサイドパレヱド』でいい?」

 

「なんでも大丈夫だよ」

 

 

そうしてご飯が来るまで踊ったり、歌ったり、俺はスタッフと俺の活動でボカロをやってる事を放送しないようにして欲しいと頼んだりしていた。

 




長かった、これスタジオ側書きたい。


良かったら感想とか評価下さい。


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ご飯編は殆ど飛ばしていきなりけんか編

なんか書きたかったシーンの一つです。


 そういえば、スタッフさんから後で個人で撮っておきたいのがあるから時間くださいとも言われたな。いやぁ、まさか愛莉、遥、杏、雫、今日のドッキリで出たアイドルの中で本命は誰ですか?って聞かれるとは全く思ってなかったよね。

 どうやら、司会の人がもしかしたらハーレムやんかって言うかもしれないから一応のVTRようにらしい。望まれてるような答え出ませんがいいですか?と聞いたが大丈夫との事なので、

 

 

『俺はまずそうゆう感情ではなく友達でいたいって思ってます。確かにとてもかわいかったり、美しかったりするけどこんな中学生でそうゆうのはないです。高校生になってもそうゆう感情はないと思ってます。あと、みんな妹の推しなのでそうゆう感情持ってたら何されるか………考えたくもないです』

 

 

 と答えておいた。その時のスタッフさんの顔が少し哀れみの顔をしていた気がする。

 

 

 

 さて、その後はなんでけんかになったんだっけ?昼食べて、また遥と2人になって、えー………そうだ完璧だ‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は完璧にならないと……」

 

「完璧?」

 

「あっごめん雷夜、聞こえてたよね。気にしなくて大丈夫だから」

 

「そういえば、今日の杏とのバスケ勝ってたのも完璧とか関わってたりする?」

 

「……そうだとして何かある?」

 

「私は完璧に……なんか俺の中でそうゆうのなんか嫌なんだよね。完璧である必要ないんじゃない?」

 

「ふざけないで、私は、アイドル桐谷遥は、みんなから完璧な姿を望まれてるんだよ。それに応えなきゃいけない。それがアイドルってものだから」

 

「ふざけないで?それはこっちのセリフだよ、その完璧を目指したからこの前病院に来て、色々見て貰ったんでしょ?愛莉から聞いたから知ってるけどさっきのパフォーマンスの練習でぶつかって倒れたって、アイドルだったらまず身体を大切にしろよ。確かに練習で頑張ったから事故が起きたのはわかるよ、でもファンが望んでるのは完璧な姿よりも元気に活動している桐谷遥だ」

 

「何にもわかってない‼︎トップのアイドルはそんなんじゃ足りない、トップっていうのは普通のアイドルとはまた別に求められるものがあるの。そのためには完璧じゃなきゃダメなの。元気に活動するなんて当たり前の当たり前だよ」

 

「なんでまず完璧に拘るんだよ‼︎拘りすぎて病院行って、この前は大丈夫だったかもしれないけど、次はダメかもしれないんだぞ。そんな無茶するなよ」

 

「完璧な桐谷遥をみんな求めるから完璧に拘るんだよ」

 

「それで自分が傷ついてもいいのかよ⁉︎ファンが本当に望んでるのは完璧よりも元気な桐谷遥だ‼︎」

 

「あなたはアイドルを推してるとかじゃないからわからないんです」

 

「は!?桐谷遥、もう一度行ってみろよ」

 

「だからあなたはアイドルを推してるとかじゃないからわからないんです」

 

「は?俺には推し活してる人の感情とか普通にわかるから、だからその上で無茶するなって言ってるの」

 

「ふざけないでください。それに私はまず推しにされる側だからあなたがわかるはずないじゃないですか?」

 

「流石にそれはライン越えだぞ。俺はペテン師の賽のメンバーとして推される側もわかるから」

 

「それは杏には悪いけど地域の話じゃないですか。私は全国的に放送されてるアイドルなんです。だから規模が違います」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あぁ、そうだったこんな流れだ。

 

 

 ふぅ………もういいや。

 

 

「遥、もういい、最後に俺から一つだけ言いたかった事だけ言う」

 

「……わかった」

 

「ありがとう。………1人で完璧目指すなよ、そんなの無茶だ」

 

「………………」

 

 

 なんのためのグループなんだよ。ツインダイスは2人で最高を目指す事を考えてつけたチーム名だ。俺は遥には、遥達にはグループで完璧を目指して無理しないでほしい。

 

 

「それじゃあ俺は帰る。愛莉と杏、空気悪くしてごめん。後はよろしく」

 

 

そうして何か言いたげに見ている杏や心配そうに見ている愛莉、何も言い返さない遥に背を向けて店を出た。




良かったら感想とか残してってください。


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後悔はして………ない……はず

雷夜視点ですよ


 店を出て俺はすぐには帰らずに散策している。

 

 遥にあんなこと言って良かったのかな?冷静になってもう一度考えてみる。確かに完璧な遥を求めている人はたくさんいると思う。けどそう思っているのはある程度桐谷遥を知っている人で、ずっと見ている古参達は違うと信じてる。彼らは元気に活動しているだけでも嬉しく思ってるはずだ。

 やっぱり理想の追いすぎなのかな?先生が同じ考えなはずないし………いや、俺がツインダイスとして戻った時の観客の声や顔を見たらわかるはずだ。嬉しくて泣いてた人、テンションの上がった人、色々いた。だから俺の信念は変えちゃいけない。

 

 

「おや?そこにいるのは雷夜くんじゃないか。こんなところで合うなんてね」

 

「類……」

 

 

 ちょっとした公園で少し休憩しているとなぜここにいるのかは分からないが類がいた。

 

 

「僕は何かあったのかは聞いたほうがいいかい?」

 

「いや、ちょっとした質問に答えてほしい」

 

「いいとも」

 

「よし、なにかのファンは推しに対してこうであってほしいと思うのか、それとも活動さえしてくれればいいのか……どっちだと思う?」

 

「僕だったら後者だね。押される側の時はそのほうが助かるからね」

 

「ま、類ならそう考えるだろうな。今日はそれで口論になったってだけ」

 

「それは大変だったね」

 

「類は何師にこっちまで来たの?ネタ探し?」

 

「それもあるけど今日は部品集めだね」

 

「部品って……ショーのやつ?もしかして機械の部品ってこと?」

 

「そうだよ。いつもなら父さんに車出しててもらってるんだけど、今日は来るのが遅いんだ。だから今は一人で観に行こうとしてるんだけど……ついて来るかい?」

 

「あー……ごめん今日はつかれたし帰るわ」

 

「そっかそれは残念だ。おや?どうやら瑞希も来るらしいよ?」

 

「類、お前まで噂に乗るなよ……お前なら知ってるだろ。俺は瑞希と付き合ったりしてない、しかもその噂俺の家に類たちが遊びに来たときのじゃん。もう古いよ」

 

「でも君は否定してなかっただろう?

 

「最後の方はめんどくなっただけ、普通に否定はしてるから」

 

 

「あれ雷夜先輩いるじゃん。類、今日一人で来たんじゃないの?」

 

「類、貴様似が好きなかっただろ」

 

「やあ瑞希くん、いやあばったりと合っちゃったからねしばらく話してたんだ」

 

「ふーん、それにしてもまた懐かしい話してたね。ボクと雷夜先輩ができてるとかいう噂」

 

「まあ懐かしいって行っても半年前のことなんだけどね」

 

「そうだ、瑞希くんは雷夜くんのことどう思ってるのかな?付き合ったりデキるのかい?」

 

「…………はぁ、これから20年ボクのことを受け入れてくれる人がいなかったら考えてもいいよ:

 

「じゃあ俺と瑞希がデキることはないな」

 

「だといいね。それより早く行こうよ」

 

「いや俺は帰るから……ちょ瑞希放して」

 

「せっかくこっち来たんだったら行こうよ。いい気分転換になるかもよ」

 

 

 そのまま俺は瑞希から類に渡され、類に運ばれながら一緒に部品めぐりに連れて行かれた。



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荷物になる時間

続き遅れてすいませんでした‼︎


瑞希に無理やり連れてこられたのはジャンク部品を取り扱っているお店だった。

 

「類はここに来たかったんだよね?」

 

「そうだよ。ここは安い上に色々とあるからね。しかも隣には色々なおもちゃも売っていたりして、創作意欲の掻き立てられる店なんだよ」

 

「類楽しそうだな。もうすごいニコニコじゃないか」

 

 

 この顔は前世で何度も見たエイ代類みたいな顔している。それに対して瑞希は少し面倒に感じ始めてそうな表情をしていた。いやこれいつもと同じだな。

 

 

「これら見ていて良くテンション上がるね。………まぁ類が好きなものが沢山あるわけだし、テンションも上がるか」

 

「好きなものに囲まれていたら誰だってテンション上がるだろ。瑞希だってそうだろ?」

 

「テンション上がってもボクは顔には出さないよ」

 

 

 瑞希の表情が暗くなり、空気が少し重くなる………かと思ったが類のハイテンションがそれを物ともせず、類は部品を色々と見ていたため俺も瑞希も暗い雰囲気になることはなかった。

 

 

「ねぇ雷夜くん、ガウス加速機ってものは知っているかい?それが売っていたよ。オブジェクトとして雷夜くんの家に飾っておくというのはどうだい?」

 

 

 ガウス加速機。ボールがボールを飛ばす面白いやつ………なのだが家に飾っておくとなると邪魔に感じそうだと流石に思う。

 

 

「……いや、流石にいらないかな。ガウス加速機結構好きだけど飾るとなると少し違ってくるかな」

 

「そうかい?なら僕が買おうかな。そこまで高値ではないし、もしかしたらガウス加速機から何かアイディアをもらえるかもしれないしね」

 

「それで誰かを吹き飛ばそうとしたらダメだからね類」

 

「フフフ、僕は1人でショウをするからね、吹き飛ばすのは人じゃないから安心してほしい」

 

 

 いや、それはそれで人にぶつかったら危ないからダメと、瑞希が注意しているのを眺めているとなんだかとてもほっこりする。

 

 

「なんか飽きてきたなぁ……ねぇ雷夜先輩、何か食べに行かない?」

 

「何か食べにって、瑞希昼ご飯食べたの?」

 

「食べたよ、流石にね。でもやっぱり暇じゃん」

 

「まぁ普通はそうだろうし否定しない」

 

 

 俺にとってはまぁ楽しいんだけどね。中古ってなんか楽しくない?

 

 

「2人とも隣の店見てきたらどうだい?フィギュアとか置いてあるから少しは時間潰せると思うよ」

 

「あーそれはアリかもしれいない。うし、瑞希寄ってみようぜ」

 

「うん、行ってみよう。それならボクも見てるだけで楽しいし」

 

 

 へー色々あるもんだねぇ……うわでか⁉︎しかも高いし、大人になったら買う人結構いるんだろうなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで俺たちは色々な店を見て類の父の車に乗って帰る事になった。なお類が色々部品を買っていたため少しだけ狭かったと残しておこう。

 




全然書けてなかったけどまた次から頑張ります。


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日常のシーンと秋
たまには怜華の日常でもどうですか?


書きたいのがあるからね、息抜きです。


 どうも、東雲怜華です。私は最近とても疲れています。なぜなら最近先生達から第二のまふゆと呼ばれているからです。

 もう少しだけ詳しく話そうかな。

宮女の先生達は授業ごとに変わります。そのせいでまふゆ達のクラスを持つ先生が私たちのクラスを教えるとなんと、私が時々まふゆに見えることがあるらしいです。時々で済んでいるのはどうやらこのお嬢様ロールプレイが活躍しているそうです。

……………ロールプレイやめればまふゆに間違えられなくなるのにロールプレイのおかげで判別がつくのも何か複雑な気持ち。

 

 

「怜華ちゃん大丈夫?疲れてない?」

 

「大丈夫ですよ、小豆沢さん。ただ私は私でまふゆ先輩とは違うってキレているだけですから」

 

「あはは……それは大丈夫じゃないんじゃないかな」

 

 

そういえば、つい先日こはねちゃんと友達になりました。ああめんどい、口調崩そう。2年になってから最初の席替えで隣になれたんだよ。これがいいお知らせ、後で兄さんに紹介しとこ。

 後は悲報よりかな………もう志歩ちゃんはクラスでういてたね。中学生なんてまだまだ幼いから志歩ちゃんみたいな一匹狼さんはすぐに1人になっちゃう。つらいなぁ………去年咲希がいたら……1人にならなかったのかなぁ。

 

 

「ねぇ怜華ちゃん、昨日のアイドル日常見た?昨日は愛莉ちゃんと遥ちゃんの回だったんだよ」

 

「そうだったんですね。愛莉さん出てたなら見ればよかったです」

 

「それでね、その2人のプライベートの友達がね、とっても歌うまかったんだよ」

 

 

………ん?歌が上手い?あの番組って歌うのアイドルの方だよね?

 

 

「みのりさん、あの番組歌うのはアイドルじゃありませんでしたか?」

 

「そうなんだけどね、今回2人が歌ったあとすぐに歌を歌い始めたの‼︎えっとね、ビビットダイスってチーム名だったかな?一応スマホで見れるけど見る?」

 

「ありがとうございます。見させてほしいです」

 

 

ビビットダイスなんて兄さんのつけそうな、というかダイスがある愛莉の友達なんて兄さんしかいないでしょ。

 

 

『それじゃあこれからストリートミュージックの師弟コンビ、『ビビットダイス』によるカバーを歌います‼︎曲は『劣等上等』』

 

「兄さんに杏ちゃん何やってるの……」

 

「えっ⁉︎この人が怜華ちゃんのお兄さん⁉︎」

 

「ちょっとみのりさん、声大きいです」

 

 

はぁ、驚いてというか少し呆れて声漏らしてたぁ……最悪。それになんかみのりの見る目がなんか変な気がする。

 

 

「みのりさんのその目は何ですか?」

 

「あっごめんなさい。ちょっと驚いてて………お兄さんのこと好きなの?」

 

「はい?」

 

 

私が兄さんのこと好きって何でそうなるの?

 

 

「ねぇみのりちゃん。何でそうなるのかな?」

 

「私からするととても遺憾です」

 

「あはは、えっとねそのー構図的に男の人1人でしょ?それでちょっとしたVTRで誰か好きな子いますかー?的なものがあったんだけど、杏っていう人と、遥ちゃんに愛莉ちゃん。そして日野森雫ちゃんの中でいますか?ってなっててみんな怜華ちゃんの推しなんでしょ?それで恋愛感情持ってたら何されるか分からないってお兄さんが言ってたから」

 

 

 あー、なるほどそうゆう感じかぁ。みのりちゃんからすると好きの裏返しにみえたのかな?

 

 

「みのりさん、別にそれは好きの裏返しじゃないですからね?」

 

「みのりちゃんはお兄さんにみんな好きにならないでって事から私だけをみてって受け取ったってことかな?」

 

「違うの?わたしにはそう見えたんだけど……そっかぁ違うのかー」

 

「みのりさんは何というか夢見る少女みたいですね。兄さんは実の兄ですから結婚とか出来ませんし、そうゆう感情は湧きません」

 

 

まぁ精神的に言ったら兄妹でも何でもないんだけどね。兄さんからは兄妹の認識が強いですけど。

 というか過去の私は結構すごいことしてたし、そこだけみたらまぁその……好きになってると思わなくもないというか、あーもうほんとこの怜華ちゃんの魂は私にすごく影響与えてるよ。

 

 

「まぁ私が結構なお兄ちゃんっ子だというのは認めますけどね。ただそれは恋愛感情とは一切関係ありません」

 

「でもでも、お兄さん普通にかっこよくない?記憶喪失なんでしょ?一目惚れとかしてもおかしくないと思うんだ」

 

「何気に痛いところついてきますね。でもそれはみのりさんにもいえますよ」

 

「えっなんで?」

 

「だってあなた小学6年生の時に兄さんとあってるじゃないですか」

 

「………えっえぇ〜〜⁉︎わたし怜華ちゃんのお兄さんにあってるの⁉︎」

 

「あっ、まぁ愛莉さんしか覚えてないんだろうね。ほらバザー的なやつで愛莉さんにあったって言ってたでしょ?その時に隣にいた男の人が兄さんだよ」

 

「確かに、言われてみればそうかも‼︎」

 

 

なんとなーく兄さんのことが頭に思い浮かんだんだろうね。すごい顔に出るからわかりやすくていいなぁ。

 

 

「ふふふっ」

 

「何で笑ってるのこはねちゃん‼︎」

 

「ごめんね、でも変な繋がりがあって面白いなぁって思って」

 

「わたしもそう思うよ。不思議だもんね」

 

「そうですね。私もそう思います」

 

 

まぁゲームの世界である以上不思議でもないけどね。




とあるワンシーン


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シロの日常の一部

「ね、シロちゃん最近どう?いっしょに住んでる子との進展とかないの?」

 

「あるわけないじゃない。ただの監視役、それよりも同情心が先に来てそんなの考えるわけないでしょ」

 

「いつもそればっかり、つまんないの」

 

 

 学校のクラスメイトからそんな事を聞かれる。もう何回目だろ?どうやらこの前鍋パした時にやっぱり下校の様子を見られていたらしい。めんどくさいな。

 推しだけからそうゆう感情ないし、私は壁でいたいんだから何か発展とかあるわけないじゃん。

 

 

「まぁまぁ、そこまでにしといてあげなよ。あの子はシロにそうゆう感情持ってないからさ」

 

「たしかにあの子、多分友達としか思ってなさそう」

 

 すると後ろから声が聞こえてきた。

 

「えっもしかしてイオリとミオその子と会ったことあるの?」

 

「話したこともあるよ」

 

「うん、色々いい事聞けてよかった」

 

「え〜なんかずる〜い。私達も会ってみたいなぁ」

 

「イオリ達はまだ落ち着いてるしいいけど、君たち絶対に質問攻めにするでしょ?だからダメ」

 

 

 ホントに雷夜にストレスかけるのよくないしコイツらは絶対に合わせるかっての。

 あっしぶしぶ帰ってった。

 

 

「ねぇシロ、またバンドの基礎教えてよ」

 

「イオリ達もしかしてだけど、今助けてくれたのそれが目的だな?まぁいいけどさ、雷夜も君達いたら嬉しいだろうし」

 

「もしかしたら私かイオリに惚れてたりして?」

 

「いや流石にそれはないだろうミオ。まず一番ありそうなシロでないんだからさ」

 

 

 結局君達もそうやう話好きなのね。

 

 

「と言うか、イオリはメンバー集め終わったの?」

 

「集めたよ。だから後は楽器をみんな買えたら終わり」

 

「ならオーケー。ミオのベースは私教えられないから茜に聞いてほしい。で、ボーカル、イオリには自分なりの歌い方があると思うから雷夜の歌ってる姿見て使えそうなのを覚えて」

 

 

 さて、やる事は決めたけどいつやろうかな確か次の日曜日空いてたはずだしそこでやるか、練習場所は家でいいでしょ。

 

 

「じゃあ次の日曜日、そこで練習しよう。場所は家、今日帰る時に寄ってもらうからね。ついでに買い物手伝って、さっき助けてくれたけど結果そうゆう話出たから」

 

「あのシロちゃん………その話したの悪いと思ったけど……買い物の荷物待ちくらい普通に手伝うよ?」

 

「ミオの言うとおりそれくらい手伝うって、まずシロは普通よりちっこいし、大変だろう?」

 

 

 2人とも………優しすぎでしょ。普通に前世よりちっこくなってたから助かるし、1人よっては小さいとバカにされてるように聞こえるかもだけど私からすれば白夜だから小さくて当たり前的に思ってるし、本当に助かるわ。

 

 

「普通に助かるよ。よし次の日曜日は腕を奮っていい昼ごはん作るよ。何がいい?2人は結構好きなものと嫌いなもの反対だけど………」

 

「わたしは辛いの好きだけど、イオリちゃんが嫌いだし……」

 

「そうなんだよね、結構大変だし、なんか無難なものでいいんじゃないかな?」

 

「無難って何だよもー、冷やし中華とかどう?無難かと言われると怪しいけど、そろそろ夏休みで夏だしちょうどいいでしょ」

 

 冷やし中華だと何買わないといけないかな………卵減ってきてるし買っておいて………

 

などと考えるといつのまにかチャイムが鳴り響き、昼休みが終わっていた。




イオリとミオの好き嫌いほとんど反対でなんか尊かった。

何とイオリとミオはシロの同級生だった。同じ年っぽいし、バンド繋がりで出さないわけにはいかないよね。


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そっか全く意識してなかった

「東雲、病院の指示で授業ある程度抜けてもいいのはわかるが、流石にもうそろそろ受験になる。志望校の神山高校は実は先生からの評価も関係してくるんだ。だからこの1週間は抜けないで受験をちゃんと受けてくれないか?君にとってはつまらないものだと思うが必要なんだ」

 

 

 急に先生から呼び出されてこんなことを言われた。いや、必死すぎない?でもまぁ仕方ないか、この前に遥と喧嘩してから、少し気分が落ち込んでいたからよく屋上に行くようになったし、今の段階で行くのが困るのだろう。

 

 

「わかりました。それじゃあ今週は授業ちゃんと受けます」

 

「助かるよ、授業には出るだけでいい、授業にいないのは病院から言われて記録つけているからね、出てさえくれれば何も問題ない。それにこうは言ったが、キツそうだったら無理はするな」

 

「先生、本当にお気遣いありがとうございます」

 

 

 そうして先生との会話を終え、職員室から出る。すると目の前にはちょうど登校してきた瑞希がいた。

 

 

「雷夜先輩はどの高校行くつもりなの?」

 

「神山高校行くよ、瑞希もくる?」

 

「多分ボクも神山高校じゃないかな。でも意外だね類と同じ高校行かないんだ。学力的にいけると思うし、誰か知り合いいたほうがいいんじゃない?」

 

「それだと瑞希だけひとりぼっちじゃん」

 

「いやボクだけ学年違うし、今頃高校で2人楽しんでるんだろうなぁって思わないわけじゃないと思うけど、それはボクが1人な事実は変わらないよ。だからボクが1人だけぼっちとか気にしなくてもいいんじゃない?」

 

 

………確かに。

 

 

「俺の場合神高行ってもシロいるからどっちに行ってもいいけどね」

 

「そういえば白夜さんいたね。一年だけは同じ高校でいれるのか」

 

「その後は瑞希が入ってくるから俺は寂しくない」

 

「なんかズルいな」

 

 

 ジト目でこちらをみてきた後、表情を少し暗くした瑞希。何か思うことがあるのかな?

 

 

「ねえ、今度僕と服買いに行かない?」

 

「どうした藪から棒に」

 

「雷夜先輩そろそろ受験で少しは忙しくなるだろうし、今のうちに行っておきたいなって。秋の服って売ってる期間短いしね」

 

「それじゃあ土曜日でいい?日曜日すでに用事入っててさ」

 

「大丈夫だよ。どんな服買おうかな」

 

 

 服か、あんまりおしゃれに興味ないからなぁ。プロセカの衣装は集めたりしたけど自分のはとことん無頓着だったし………あっそうだ。

 

 

「瑞希が俺の服選んでよ」

 

「えっ?」

 

 

 瑞希にしては珍しく普通に驚いていた。

 

 

「……いいの?」

 

「俺が頼んでるんだしいいんじゃない?」

 

「よし、楽しみにしててよ。先輩に合うコーデ考えておくから」

 

 

 そうして瑞希はいたの間にかついていた教室に入って行った。




服のことわからないから服を買いに行くシーンのクオリティは低くなると思われます。


次回予告、瑞希は出ない。多分。


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迷子発見

 日曜日、昨日のイオリに歌の歌い方を教えた疲れがほんの少しだけ残っているが今日は瑞希と服を見に行く日。店にいう途中に久しぶりに会う人がいた。

 

 

「そこにいるのもしかして、雷夜くんじゃないかしら?」

 

「久しぶり雫、もしかして迷子?」

 

「そうなのよ、でもこうやって雷夜くんに会えて嬉しいわ」

 

 

そう日野森雫だ。いや、普通にこの前ドッキリ仕掛けられた時のインタビューのせいでちょっと気まずいんだけど……

 

 

「そういえば雷夜くん、この前アイドル日常の収録の時に雷夜くんのこと聞かれてビックリしたわ」

 

「収録って、俺が出てた回にいなかったよね?何そのネタ引きずられるの?」

 

「私がゲストの回の時にVTRも用意されてて司会に質問されたの。でもそれだけで終わると思うわ」

 

 

………別に雫のことを信用してないとかじゃないけど、それだけで終わるのか?だって雫はオタクのことわかってないと思う。

 

 ハーレム状態にあるただの一般人。ネットからどんな反応をされるのかわかったものではない。それにもしネットで反応があるといつまで経ってもネタは引きずられそうだ。

 

 

「いた‼︎お姉ちゃん……と……雷夜さん⁉︎お久しぶりです」

 

「ん?ああ志歩さん、久しぶり元気してた?」

 

 

 雫から聞いた情報から色々と考えていると志歩が来ていた。少し走っていたのか少しだけ息切れしている。

 

 

「しーちゃん‼︎よかったわぁ、いつのまにかいなくなっててビックリしたわ」

 

「それはこっちのセリフ‼︎あぁもう………本当に雷夜さんありがとうございます。雷夜さんがいなかったらお姉ちゃん見つけるのにもっと時間かかってました」

 

「全然気にしなくていいよ。それと前も言ったと思うけどそんなに畏まらなくても」

 

「怜華があんな感じだからどうしても崩しづらいというか」

 

 

 顔をぷくぅ〜とさせてる雫を横で志歩に言葉を崩すように頼む。

 志歩とはこの前、ペテン師の賽として活動している時に観客として来ていたため話す機会があったのだが………どうしても学校の怜華がお嬢様してて違和感がすごいらしい。

その影響で俺は志歩からは丁寧な口調で話しかけられているという。

 

 

「怜華がこっちで歌ってる姿見てるしどうにかならない?」

 

「一応頑張って崩してみま………みる」

 

「その調子その調子」

 

 

 なんか志歩が調子乗んなって目をしてる気がする。

 

 

「後で相談したいことがあるからよろしく。言葉崩す代わりだから」

 

「つまり拒否権はないと、わかった。それじゃあ2人ともまたな」

 

「雷夜くんまたね」

 

「雷夜さん、それじゃ」

 

 

 そう言って2人は来た道を帰って行った。

 

 

 

 

 現在時刻午前10時。約束した時間だ。そして今まで日野森姉妹と話していたので待ち合わせの場所についていない。

 

 絶対に瑞希怒るだろうなぁ、幸いにもすぐ着く距離ではあるが少し遅れてしまう。

 すると瑞希からメッセージが送られてきた。

 

『雷夜先輩ごめん、少し遅れるかも』

 

………首の皮一枚で怒られずに済みそうだけど、俺は一体どんな感情でいるのが正解なんだろう?

 



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お姉さん

すごいいまさらの話だけど、2月が30日まであると勘違いしていたとかいうマジの馬鹿がいます。そう、私です。


「ごめん、少し遅れた」

 

「大丈夫そんなに待ってないし。でも瑞希って時間は守るよね?何かあった?」

 

「あー……今日行こうと思ってる店実はボクのお姉ちゃんが働いてるからその事話してたら時間かかっちゃって……」

 

 

 そういえば、瑞希のお姉さん、日本にいるの後大体一年か。

 

 

「ボクがたまに雷夜先輩のこと話してるから興味持っちゃって、会いたいんだって」

 

「ねぇそれ噂の話とかしてないよね?」

 

「流石にボクもあの噂をお姉ちゃんに知られるのは恥ずかしいから言ってないよ」

 

 

 その話はしてないよな。よかったけど、それだとお姉さんが俺に会いたい理由がわからないんだよな。

 

 

「お姉ちゃんいるの午後だから先に古着屋行って何か食べてから行こう」

 

「いいね、古着屋なんて行く機会ほとんどないから楽しみだよ」

 

「古着屋結構いいの売ってたりするから暇な時によってみるといいよ。あと値段が安いのがいいね」

 

 暇な時に見に行ってもよくわからんのよな。けど今日はもう瑞希に任せるから服のセンスがない俺でも安心だ。

 

 

 雑談しながら街を歩き、古着屋ではモード系と言われる服を買った。安い。大体7000円だった。

 

 お昼にはカフェによって瑞希パンケーキ。俺はカルボナーラを食べることにした。

………この時代の瑞希なんて見る機会ほとんどなかったし、パンケーキ食べるイラストとかあっても高校生時代だったし珍しい。やっぱりこの時代でもかわいい。

 

 

 そして今、瑞希の姉が働いてるという店に来たのだが……とりあえず今はショッピングモールの中にいるということは伝えておこう。

 

 

「ここだよ、雷夜先輩。ここすごくてドレスから和服まだ幅広く取り扱ってるんだ。服のことわからなかったらここにくれば基本的に大丈夫。ただファッションのテーマが決まってるなら他の店で見た方がいいけど」

 

「あーここなんだ。来たこと何回かあるわ」

 

 

 一昨年の夏、浴衣を買いに来たのがここである。あのお姉さん優しかったな。

 そんな事を思い出していると1人の店員がやってくる。

 

 

「あっ瑞希、そっちが瑞希の友達だね。あれ?もしかしてだけど結構前に浴衣買いに来た子かな?お姉ちゃんと一緒に来てた」

 

「えっ何雷夜先輩とお姉ちゃん面識あるの?」

 

 

 なんかそんな予感はしてたよね。しかもこれ偶然じゃないんだろうなぁ。どうせISのイベントだろ。

 

 

「───そうです。一昨年に買いに来ました。それにしてもよく覚えてましたね」

 

「そりゃあかわいい姉弟が2人で浴衣買いに来るなんて珍しいからね。よく覚えてるよ。……それにしても君が瑞希の友達、世の中不思議な縁はあるもんだね」

 

「まさかボクも雷夜先輩とお姉ちゃんが認識あったなんて驚きだよ」

 

 

 普通に考えたら普通ありえないような関係だよね。普通なら。

 

………なんか瑞希のお姉さんにすごい見つめられてるんだけど、俺何もしてないんだけどなぁ。

 

 

「瑞希の友達が君でよかったよ、ほんとに。正直瑞希に友達ができたって聞いて少し不安だったんだけど………うん、君なら大丈夫かな」

 

「やっぱり、お姉ちゃん。ボクが本当に信用してるんだよ。わかるでしょ。あのボクが認めた友達だよ」

 

「うぅ………わかってるけどさぁ、実際に見てみないと少し心配にならない?」

 

 

 さてはこの姉結構なブラコンだな?まぁ確かにあの瑞希が認める(認めさせた)人だからね、それだけで普通は判断材料にはなるよ。

 それはそれとして瑞希のお姉さん感情豊かだな。今の瑞希はそこまで感情豊かじゃないけど、高校生になって感情豊かなのこの姉あってなのかもな。

 

 

「ま、ほんとに瑞希の友達になってくれてありがとうね。高校生になったら私たちの家に遊びにきて遊んであげてね」

 

「ボクが雷夜先輩の家に行くからいいよ。雷夜先輩の家楽しいしね」

 

「まデザイナーハウスみたいなところはあるからね」

 

「でも私が何かお礼したいからさ。あっそうだ、今度私が雷夜くん用の服作ってあげようか?私服作るの上手だよ〜」

 

 

瑞希のお姉さんの作る服って確か日本だと評価されてなくて外国だと凄い褒められてたよね。

 

 

「ぜひお願いします。ただちょっともらいすぎにも感じますけど……」

 

「お姉ちゃん気に入った人にはとことん甘い人だから気にしなくていいよ」

 

「私も自覚してるわ。でも損してるとは全く思ってないしいいことだと思ってるわ」

 

 

 そうなんだ……まぁわからないこともないけどさ、服作るの結構大変だよ?それ色んな人にしてるのかな?

 

 

そうして瑞希のお姉さんと会い、服も買ってもう空は茜色に染り俺たちは解散した。



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なんか……家に知らないお姉さんがいる

「あっ……」

 

 

───ん?

 

 俺の目の前には知らない人がいる。言葉が足りてないな。瑞希と服を買い、解散した後俺は自宅にすぐに帰ることができた。

 

……できたのだが、リビングに入るとソファーに倒れてるシロ。ここまではまだいい、理解できる。

 問題はリビングの奥のキッチンにいる知らない人。そして脳をショートさせながら見ていると制服を着ているのがわかる。またシロと同じ制服のため神高の生徒だとわかる。

 

 お互い沈黙の状態から動かない。やばいすっごい気まずい。しばらくしたのち知らない神高生が動き出した。

 

 

「あっそうだ、おかゆ作ってたんだった‼︎」

 

「あの……誰ですか?シロのお友達?」

 

「そう。わたしは雛。後勝手にキッチン使ってごめんね、そこにいるシロで察して欲しいな」

 

 

 うん、シロが倒れてるのはわかるよ。でも何で倒れてるとか全くわからないんだよね。まぁ今回キッチン使ってるのはいいや、シロの看病しようとしてだから。

 

 

「よし、とりあえず作れはした。起きたら温めれば食べれるでしょ」

 

「あの雛さん、シロが倒れてるのはわかるんだけど……何で倒れてるとかわからないです」

 

「ごめんなさい、わたしのせいかも。なんか最近疲れてそうだったから遊びに誘ったんだけど、帰り道に急に倒れちゃって。家が近かったから使わせてもらったの。だからわたしにも倒れた原因がわからない……ごめんなさい」

 

「謝らないでください。俺からはシロが普通に見えてたので雛さんが遊びに誘ってくれたことでいい気分転換になったと思います」

 

 

 さて、今一番問題なのはシロが起きてない事だけど、疲労か?でも体力はある方だと思うんだけどな。とりあえず明日……いやなるべく早い方がいいか。久城先生に聞いてみるべきか。

 

 

「すいません、今からシロの親に連絡取ってきます。その間シロの事見ててくれませんか?」

 

「任せてください。わたしではシロの親に連絡取れないのでお願いします」

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

危なかった………雷夜君からしたらただの知らない人だもの。それでも勝手におかゆ作ってるのもおかしいかもしれない。

 

 

「さて、シロの事見ててって言われたけど………一体何をするべきでしょうか?──ん?凄い汗⁉︎」

 

 

 汗が凄いけど表情も辛そうです。ひとまずタオルで汗を拭かないと‼︎

えーとタオルタオル、いや先にハンカチで軽く拭いとくべきだったかも。いや今考えない、悩んで動きを止めちゃダメ。

 

 

「あった‼︎」

 

 

 タオルが見つかったから濡らしてっと。とりあえず額の汗を拭いて、身体は……いや早く拭いちゃおう。ちょうどこの位置からならシロのことは見えないはず。

 

 わたしはシロの身体を雷夜君が戻ってくるまでに拭くことができた。今までで一番ハラハラしたわ。それにしてもあの表情………何か悪夢でもみてたのかな?

 

 それにしても雷夜君よくこんな顔面偏差値の高い人と暮らしてて何で好きになってないんだろう?

 もう彼女とかいるのかな?それだと凄いめんどくさそう。わたしもかわいいって言われる方だけど今日のことは参考にならないしなぁ。

 

シロの表情が柔らかくなってきて雷夜君について色々考えるようになっていた。

 

 

 

 そしてしばらくすると扉が開く音が聞こえてきた。



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過去

ちょっと辛いかも。


『明日は幸いにも祝日だ。明日白夜と一緒に病院に来てください。もし夜に起きず、うなされてたらまた連絡をください』

 

「わかりました」

 

 

 久城先生との会話を終え雛さんにそのことを伝えに戻ると、雛さんは誰かに電話していた。

 

 

「それじゃあお母さんまたね。雷夜君戻ってたんだね」

 

「もしかして俺に気づいて電話終わらせました?」

 

「違うよ。ちょうど終えるところだったし。だから気にしなくて大丈夫。ところでシロの事何かわかった?」

 

 

 先ほどの電話で明日病院に連れてきて欲しいという事、夜にうなされてたらまた連絡を欲しいと言ったことを伝える。

 

 すると雛さんは顔を少し難しくした。

 

 

「一応さっき少しうなされてたんだけど、今は一旦落ち着いてるよ」

 

「あーそれなら次うなされたら連絡入れようかな。それじゃあ雛さん帰るなら出口までは送りますけど」

 

「あのね、雷夜君もしよかったらなんだけど………今日泊めてくれないかな?もちろん色々シロの事手伝ったりするから」

 

 

 助かるけど申し訳なく………いやシロの友達がいてくれる方が色々と助かるか。同性脳死方がいいこととかあるでしょ。

 

 

「わかりました。泊まっててください。シロの事お願いします」

 

「うん、お姉さんに任せて。それでさっそくだけど、何したらいいかな?」

 

「これといってやる事はなくて、シロの事ちゃんと見てて欲しい。目覚めた時に雛さんが近くにいてくれた方が多分いいから」

 

「そんなのでいいの?」

 

「それでいいんです。シロを1人にしときたくないので。俺は食材買いにいってくるからその間お願いします」

 

 

 それを聞いて雛さんには理解してもらえたようである。

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

「それじゃあ行ってきます」

 

 

 そう言って雷夜は出かけに行った。

 

 

「起きてるんでしょ、シロ」

 

「………知ってたの?」

 

「いや、動いてることに気づいただけだよ」

 

 

 バレてた。それにしても今更あんな夢見るとか、この私が吹っ切れてないとでも言うつもり?

 

 

「さっきうなされてたけど、どんな夢見てたのか教えてくれないかな?」

 

「いやだ」

 

 

 私の口から出たのはとても幼稚な否定だった。

 

 

「それは……雷夜君には?雷夜君とても心配していたよ?わたしだって心配だし」

 

「これは私の問題。と言うか問題ですらない。すでに解決してる事だから」

 

 

 もう死んだクソ男のことなんて関係ない。本当なら夢に出てくるはずですらないんだから。

 

 私は私。この世界にはISの原作なんてある様でないんだ。それはあのクソ男が証明してた。

 

 

 私の、風真白夜の父親は私が生まれてすぐに亡くなったらしい。そして母親はシングルマザーで育ててくれた。

 

 そして私が小学生になる頃に新しい父ができた。それがあのクソ男だ。あいつがいなかったらまだISであると思っていた。あいつは虐待なんか当たり前だった。それなのに何故か周囲の人間からは何故か好意的に見られていた。演じるのがうまかったんだ。

 

 それから私が中学生の頃に事件は起きた。私が修学旅行に行った3日間に全て終わっていた。

 

 

 家は燃え、その中にクソ男と母さんはいた。包丁を持って喧嘩していた可能性があるとも警察などから聞いていた。

 

 

 その後私は茜家に引き取られた。ただ苗字は変えなかった。私が私であるためにも必要だと思ったから。

 

 こんな事件があって私はこの世界はISであってそうではない。そう思ったのだ。だから私は私がしたい事をすると決めたのだ。

 

 

 それなのに今更、夢に見るなんて………

 

 

「シ……シロ…───シロ‼︎」

 

「──えっ⁉︎」

 

「やっと気づいた。大丈夫?やっぱり何かあるんだよね?」

 

 

 雛が中出しそうな顔をしながらこっちを真剣に見ていた。

 

 

「大丈夫だよ。私がうなされてたのは思い出したからだよ。私はお母さんが死んじゃってるからそれを思い出しちゃったんだ」

 

「本当に?」

 

「本当だよ」

 

「うーん、一応明日病院には行くらしいから大丈夫……かな?」

 

「そうなの?」

 

「うん、雷夜君がいってたよ」

 

「あー………ねぇ雛、私がうなされてた理由雷夜には絶対に教えないでね。あいつ優しいから結構この話聞いたら感情移入して大変だからさ」

 

「話が話だし、もちろん任せて」

 

 

 ふぅ、これで雷夜に心配を……ストレスを与えることはないな。ま、本当は私がもう吹っ切れてるって思いたいだけなんだけどね。

 

 雛にまた寝るとだけ伝えてソファで同じ様に眠りについた。

 




ISにおける白夜は普通の家庭でシロと茜は普通に友達だった。でもこの世界では違う。


もしこの事を知ったら雷夜のセカイはもっとひどくなる。正確には崩壊が早くなる。



そういえばみんなよかったらお気に入りとか評価お願いします。


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色々あってそのあと。

一カ月に検査で血を4回くらい取られたことがあったなと、この話を書き始めて思い出していた。………流血とかはないから安心して。


 今は病院で検査を何故か受けている。どうにも今日は検査する人がいなかったのでちょうどいいから受けてきたらという事だ。

 

 とりあえず暇、検査の間って無心になるよね。という訳で昨日買い物から帰った時の事を思い出してみよう。

 

 

 

 

 俺が帰えると雛さんがリビングで迎え入れてくれた。

 

 

「おかえりなさい。雷夜君。えっとねさっきシロが起きてたんだけど………今もう寝ちゃってるんだけと、とりあえずシロが起きたよってだけ」

 

「シロ目覚めたんだ。よかった。それじゃあおかゆも食べたのかな?」

 

「食べる前に寝ちゃった。あと見ての通りまたソファで寝てるから、部屋に運んであげた方がいいかも」

 

 

 あっほんとだ。シロ気持ちよさそうにぐっすりしてるじゃん。うなされてる様子は全くないし、全く辛そうじゃない様に見える。

 

 

「ご飯食べてから移動させようか。あと雛さんがここに残っててよかったかもね。だってこんなにぐっすり寝てるんだし」

 

「……そうかもね」

 

「夜ご飯カルボナーラにするつもりだけど大丈夫?アレルギーとかあったら変えるけど」

 

「大丈夫。私は食物アレルギーは持ってないよ」

 

 

 料理しているとピンポーンと家のインターホンがなる。どうやら誰かが来たようだ。

 

 

「多分私の母が来たと思うので出てきます」

 

「そうなのね。いってらっしゃい」

 

 

 どうやら雛さんのお母さんが来て、着替えを持ってきてくれたらしい。………よくよく考えたらシロ起きたし、別に止まらなくてもいいのではないか?いや普通にそんなことしたら薄情な人になってしまうか。

 

 

「あっ美味しい………香りもよく、とても滑らかな舌触り。クリーミーでとても美味しいです」

 

「ならよかった。カルボナーラは俺の好きな食べ物兼、俺の得意料理だからね。レシピ通りに作り続けて4年くらい。カルボナーラだけで言ったらお母さんよりも美味しいものを作れると思ってる」

 

「………ずっとレシピ通りに作っているなら料理を作っている年数的に母親には敵わないのでは?」

 

「───確かに……」

 

 

 レシピ通りに作っているならただの料理人としての経験だけで競うことになるじゃん。うわはずっ。

 

 

「ふふふ」

 

「そんなに人の勘違い面白い?」

 

「いえ、顔を赤くしていて少し恥ずかしいがっているんだなと。もしよかったらわたしの家でカルボナーラのアレンジを考えてみませんか?」

 

 

 なにそれ楽しそう。でもカルボナーラのアレンジって何があるんだろうか?

 

 

「そうですね。例えばわたしの母が作るカルボナーラにはキノコを入れていることがあります。他には野菜を使ったアレンジや明太子を使ったものもあるようです」

 

「知らないだけでいろんなアレンジがあるんだな」

 

「そうですね。最近ではインターネットの発展に伴い、簡単に色々なアレンジが見つかりますね」

 

「………ところで一つ聞きたいことがある」

 

 

 『あらなんでしょうか』と美しく首を傾げる雛さん。普通にその仕草も関係してるけど、

 

 

「その話し方はいったい………?」

 

「?……あっ‼︎ごめんね、なんか謝るのも違うと思うんだけどね。わたしの家なんというかその………裕福でいわゆるお嬢様みたいに育てられてたから、お母さんとさっき会ってその話し方になってたの」

 

「なんか俺の妹みたい。やってることは正反対だけど」

 

「妹がいるの?」

 

「怜華って言うんですけど、学校ではお嬢様みたいに過ごしてて、家ではラフな感じで。だから似てるなって」

 

「いつかわたしも会ってみたいな」

 

 

 そんな話をして風呂を沸かし、特にトラブルとかはなく、客人用の布団を引き出してシロの部屋でシロと雛さんはシロの部屋で寝てもらった。

 

 

 そして翌日………つまり今日は雛さんのお母さんのご好意で病院まで送ってもらい、今に至る。

 

 シロは普通に起きてきたし、特に問題なんかは無さそうだけど。何故か雛さんの方が辛そうだった。シロ寝相とか悪くないし、お嬢様ならお泊まりとかしないだろうし興奮して寝れなかったんじゃないかな。

………普通に失礼なこと考えてるな。

 

 

 

 などなど思い出してるうちに検査とかが終わった。なんかよくわからないけど検査の機械で何故か酔っちゃうのがあるからそれだけは辛かった。むしろ血を抜き取るやつはもう慣れたから痛みがもうそんなにわかんないもん。

 

 

 検査は特に悪化してるものとかはないとの事。シロに関しては何か薬をもらっていた様だ。

 

 

「シロ、薬もらってたけど本当に大丈夫?」

 

「気にしなくていいよ。しばらくは変わらないのはもう朝にはわかってたし」

 

「変わる?」

 

「あっそうだ言ってなかったね。私実は今日雷夜のセカイに入ったんだよね」

 

 

───⁉︎



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セカイと電話

「あのセカイがあれからどんどん変わってくなんて、ホント残酷」

 

 シロがそんな事を言ってるが全然頭に入ってこない。俺のセカイに行っていたって、なんでセカイの主が入れないのに。

 

 俺のセカイは自然が多く、川などもあったと聞いている。だけれど今は花が枯れてしまったセカイらしい。怜華から聞いた話だとそれしかわからなかった。

 

 

「花が枯れてた………ねえ雷夜、何か悩みとかある?」

 

「急に言われても………それに俺は今が最高に楽しいからさ、悩みとかないと思うよ。些細な事ならあるかもしれないけど、多分シロが聞きたいのはそんな事じゃないでしょ?」

 

「……まぁ」

 

 

 シロはそう答えると歩く速度を上げたので俺も歩く速度を上げてシロに質問をした。

 

 

「シロ、ISにおける俺のセカイについて教えてよ」

 

絶対にダメ‼︎

 

 

 シロにしては珍しく強く否定してきた。

 

 

「あっごめんなさい」

 

「俺転生者だけどダメなの?」

 

「わかってないの?雷夜のセカイから花が消えたのよ。この世で原作の雷夜がいないのにそうなる理由は一つしかないよね。雷夜の中にいる君に何かあったからセカイに影響が出た。それしか有り得ないのよ」

 

 

 何か影響が出てるなら俺が感知できるのが普通じゃない?でも俺は別に何かあったとか感じてないけど………

 

 

「やっぱりわかりやすい。無意識のうちに何かあったの。自分の事なんて自分じゃわからないことの方が多いから」

 

「俺に何かあったのはセカイに変化が起きたから絶対だと………一理あるな」

 

「そうでしょ?で君に未来のセカイを伝えると何が起きるか全くわからないよ。だから言えないの」

 

 

 実際そんなセカイ見ないことには何もわからないよね。シロの目的は自由に生きること。なのに俺に何か問題が起きると困るもんね。

 

 なんかシロがこっちをすごい見てる気がする。いや本当にコッチ見てた。

 

 

「電話なってるけどいいの?」

 

「えっ嘘‼︎ホントだ。えっと………あ、志歩だ。ごめんシロちょっとゆっくり歩いてもらっていい?危ないしさ」

 

 

 シロにゆっくりと歩いてもらうように頼み、安全をなるべく意識しながら電話をとる。

 

 

「もしもし」

 

『こんにちは、雷夜さん』

 

「うん、こんにちは。それで前に言ってた相談って何かな?バンドのこと?でもそれは店長から連絡来るはずだし……」

 

『確かに前によかったらバンドの練習を一緒にやるとかの話はありましたけど、今日はちょっと情けない私の話で』

 

 

 なんか志歩が自分のことを下げて話すの珍しい気がする。

 

 

「情け無いだなんて、志歩はベースの練習とかちゃんとやってるって店長から聞いてるよ」

 

『店長何やって……はぁ、とりあえず話させてもらいます。咲希の事は知ってますよね?』

 

「もちろん。何回かお見舞いにも行ったし、結構入院あるあるとか話してたよ」

 

『咲希まだ入院してて、それに私も穂波も一歌もみんな今バラバラになってるんです』

 

「うん」

 

『私は人付き合いが上手くいかなくて、穂波は優しいから、それでみんなにいじめられたりしてて。私はみんなでまた仲良くしたい。けど私がみんなと仲良くしてるとみんなに迷惑がかかるかもしれない』

 

『だからどうすればいいのかわからないんです』

 

「迷惑がかかるかも………『迷惑はどんどんかけてやれ』これが人の感情とかを無視するなら一番楽な答えだと思う」

 

 俺の中でこの疑問………迷惑については前世から考えていたものの一つだ。その中ででた結論の一つを俺は志歩に伝えた。




主人公の答えはご都合主義だったらこうなるよねって答え。物語ならこうなるべきだというものだと思う。


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迷惑

『迷惑をかけてやれって迷惑をかけたくないから悩んでるんだけど』

 

「だから言ったじゃん。感情とか全部無視するならってさ」

 

 

 志歩が一段と声を低くして機嫌を悪くして返答する。

 

 

「感情とか色々無視するなら幼なじみで仲良くしてた方が一番みんなが求めた結果に繋がると思う。それが一番楽かもしれない」

 

『………それは、確かに私はみんなとうちとけてて。けど実際の話そんな事はできない』

 

「そうだろうね。でもこの答えは知ってて損はしないと思うよ。だって望んだものが手に入るなら安い方かもしれないからね」

 

『……………』

 

 

 志歩が黙っちゃった。まぁ普通にこんなこと言われたら考えちゃうよね。

 さて、どうゆうふうに持っていこうかな?原作通りに動かしたいんだけど………

 

 

「でも俺なら頼らないけどね。俺が志歩の立場にいるなら……」

 

『咲希が退院するまで待つ』

 

「───そうするね。どうせ4人で仲良く過ごせるのは咲希が退院してからだ。だったら今行動を起こして一歌たちを傷つけるリスクない方がいい。一歌は優しいって聞いてるから志歩の考えも理解してくれるはずだよ」

 

 

 志歩が自分で答えを出したのはとてもいい。人間って自分で出した結論は疑い辛いからね。

 

 

『雷夜さん、今日はありがとうございます。相談に乗ってもらって、しばらくは様子を見てゆっくりと考えてみます』

 

「それがいいと思うよ。それじゃあね」

 

『待って、あの今度咲希に会って下さい。今忙しい時期だとはわかってるけど、お願いします』

 

 

………まさか咲希に会って欲しいだなんて言われるとは思ってなかった。

 

 

「いいよ、今はまだ行く余裕なんてまだあるからね」

 

『ありがとうございます。それじゃあ』

 

 

 そう言って通話は切れる。

 

 

「迷惑はかけろねぇ、雷夜はそれを言う資格はあったのかな?」

 

「何が言いたいんだよ」

 

「いや?ただ雷夜は頼らないなぁって」

 

 

 俺感情とか全部無視した場合って言ったよね?

 

 

「確かに言ってたけど、あんまし関係ないかな?だって俺がそう言ったのは原作はそれが答えみたいなものだからじゃん」

 

「─────」

 

「何その諦めたような目」

 

「原作関係なく頼れよ」

 

「っ‼︎」

 

 

 背の低いはずのシロがなんだか大きく見える。なんと言うか圧力がすごいというか………よくわからないけど雰囲気は違くてなんか、こわい。

 

 

「なんで頼ろうって考えないの?普通にいつでも頼れよ。私の役割からしても頼って欲しいんだから。それ抜きにしても頼れよ。今まで言わなかったけどさ、いい機会だし色々合わせてもらうけどさ、普段は私と雷夜で料理は当番制にしてるけど、元の予定なら私が作るつもりだったのにさ。他にも色々あるけど」

 

「ちょっ待って、長い、後わかったから。わかった、今後もっと頼って欲しい事はよくわかった。だから止まって」

 

 

 ずっと声かけてるのに不満が爆発したのかずーっと喋ってる。なんかこわいより面倒くさいってのが先にきてる。いや普通に頼ってるじゃん。

 

 

「そもそも病人である自覚は持ってるの雷夜?」

 

「うっ……正直全く持ってない」

 

「はぁ、だよね。持ってるわけなかったよね。でも薬は飲んでるから最低限はあるか。それ抜きで全く持ってないんだろうけど。雷夜これだけは先に言っておくけど、雷夜死ぬ可能性は0じゃないからね」




書くのすごい難しかったのと思ってたより間開いたから投稿しました。


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原作?if?

あーしばらくお待たせしました。体調を崩してしばらく書けなかったので間が空きました。
それにしては少し空きすぎかもしれませんが、えープロット無しで基本作ってるため難しかったり、自分でこの物語読んでて楽しいか?と考えたりしてました。
それで時間を空けて落ち着いてました。
結論としてこれまで通りにゆる〜くやっていこうと思います。元は自分の中にあるものを具現化したかったからなので原点に戻ってみようかなと。


「俺が死ぬ可能性が少なからずあるってことだよな?」

 

「もしかしたらあるっていう程度だけどね」

 

「それは言って良かったの?」

 

 

 ISの俺のセカイは教えてくれないのに俺の生死については軽く言うのなんかすごい複雑な気分。

 

 

「別にISで雷夜は死んだりしてないよ」

 

 

………ん?いつもの如く思考を読まれるのはいいとして、なんで原作で死んでないのに俺が死ぬ可能性があるんだ?

 

 

「原作で死ぬようなイベントはないんだろ?」

 

「この世界が別にISってわけじゃないのはわかるよね?」

 

「まぁそれは自覚してる。瑞希に関しては多分原作よりも深く接してるはずだからさ」

 

「それもだし、他のも一応起きてるんだけどまぁこの世界は原作通りでは絶対にない。これが前提ね」

 

 

 この世界がISでないからISで生きてた俺ではないかもって言いたいわけ?そんなん言ったら誰だってありえる事じゃん。

 

 

「ISのシナリオライターが言うには一度雷夜を終わらせようとしたらしい。実際には家庭用のゲーム機で出来るものにしたから死ぬ事はなかったんだけどね」

 

「シナリオライター的には元々俺は死んでるはずだった。いや物語の終盤で死なされた………ようはもしかしたら死ぬ世界線かも知れないって事か」

 

 

 なんか凄い納得がいかないんだけど。

 

 確かにそれならおかしくないけど、そんなん言ったらシナリオライターが行ってないだけでこの子怪我させてみるのはどうだろうか?とか考えてるかも知れないじゃん。

 

 

「あとは二次創作のキャラが出たりもするかもって考えたらもうキリないじゃん。なんならオリキャラ出さない派の人もいるんだから世界線の話したら終わらなかって」

 

「雷夜?話を勘違いしてない?」

 

「勘違い?」

 

「別に世界線の話は関係ない。雷夜が言ってるのはこの世界がどの世界線かって話。私が言うのは世界線によっては雷夜が死んでたりするよって事。私が言った可能性は数多もの世界線の中で雷夜が死ぬ世界線のある数を考えたものだよ」

 

 

 なんか凄い納得はいく。けども納得したくないなぁ。

 

 

「まぁいいよ。雷夜はなるべく気を付けておけば死ぬなんてことはないしね」

 

「なんか色々と話したはずなのにあっさりした気がするな」

 

「最初に死ぬかもって言っといたけど、実際には自分の体調管理をよくしろってだけだもんね。話のインパクトが強くはなさそうだし」

 

 

 シロの言う通り俺に出来ることがそんなに多くないんだよね。それに死ぬのもまだ後の話だし。

 

 

「雷夜はとりあえず今日のお昼を何にするかを考えておくのが先かもね?」

 

「てかなんで普段の様子で俺とシロで交代でご飯作ってたら少し注意されるの?みんな俺の事病人扱いしすぎだろ………って思ってたけど死ぬ世界線があるなら先生がその可能性をわからないはずがないもんな。俺の病気分かってない事多いから警戒して損ないし」

 

「大体その通りかな。なんだかんだで父さんも結構雷夜の事心配してるからね。なんなら茜よりも心配してるかもだし」

 

「えぇ……流石に俺じゃなくて茜の方をちゃんと見ろよ。自分がいつ亡くなるかもわからないし」

 

「職業病みたいなものだからね、後茜は今やりたい事を探して順調にやれてるからね。心配する事が今はないからね」

 

 

 そんな話をして、家の帰宅路でみつけた茜と共にゆったりと昼食を取ることができた。




誤字報告ありがとうございます。

次回のお話は章が変わる予定なのでまた期間が開くかもです。ストーリー一応読み直したいですし。


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宮女のイベント
宮女のそら


この章では怜華視点というか宮女の話になります。


 皆様ごきげんよう。東雲怜華ですわ。

 

………うん。ロールプレイっていいよね。TRPGとか大好きなのこれがあるからだろうな。学校ではお嬢様………ほわほわしてるのじゃないけどそんな感じのしてて面白い。

 まぁでも結局は普通の喋りが楽なんだけどね。

 あとそういえば、取り巻きみたいなのもいるんだけどなんで?私みんなにロールプレイみたいなものって最初から言ってるはずなんだけどなぁ。

 

 まぁそんなことよりも、最近私は昼休みがとても楽しみなんだ。何故なら、

 

 

「そんなに聞いてても面白くないでしょ。取り巻きの所に戻ったら?」

 

「取り巻きって、ただの友達だよ。まぁ志歩の所に行くとみんな嫌な顔してくるけどね」

 

「ダメじゃん」

 

 

 そう、日野森志歩の屋上練習。普通に聞いてても楽しいんだけどなぁ。

 

そして今年は中学2年生。つまり未羽ちゃんが登場したイベントが起きるはずなのだ。未羽ちゃん声がいいよね。あのイベストは涙なしには見られない。

 

 

志歩がベースを弾くのをやめ、顔を上げてこちらをみる。

 

「はぁ、なんども言ってるけど私といると前みたいに嫌われるかも知れないからね」

 

「確かにこの前ちょっとした言い合いになったけど、解決してるから大丈夫だよ」

 

「言い合いにはなってるんじゃん。私が嫌だからどっか行ってよ。怜華は賢いから私の考えもわかってるでしょ?」

 

「何度も言ってるなら私がどっか行くわけないのも知ってるでしょ?」

 

 

 私は微笑みながら志歩を見つめる。そしていつものように黙ってベースを弾き始める。これがいつもの流れ。でも今日からは違う。

 

 

「ふふ、ごめんね。今日は先生に呼ばれてるから私は戻るね。じゃあね」

 

「……バイバイ」

 

 

 屋上を出入りするための扉の先、階段の踊り場にいる少女。もちろん未羽だ。

 

 

「こんにちは、未羽さんですよね?」

 

「……うん、そうだよ。えっと」

 

「私は東雲怜華です。よろしくお願い申し上げます。さて、貴方はどうしてここに?」

 

 

 まぁ聞かなくてもわかるけど。

 

 

「この辺に来ると、楽器の音みたいなのが聞こえてきて……それで気になってここまで」

 

「そっか、よかったら屋上に行って聞いてあげてよ。きっといい経験になると思うよ」

 

「……?わかった」

 

「それじゃあね、あと彼女放課後も練習してるから放課後もよかったらおいで」

 

 

 彼女が頷いたのを確認して先生の元へと向かう。

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

「あれ?朝比奈先輩も来てたんですね」

 

「怜華ちゃんも来てたんだ。怜華ちゃんはなんで呼ばれてたか知ってる?」

 

「いえ、私は先生に呼ばれてるだけで何も聞かされてないです」

 

「えっとね、多分なんだけど来月の予定に色んな職業の人を呼んで一日使って将来のことを考えようってイベントがあったでしょ?それの話だと思うよ」

 

 

 うわぁ……めんどくさ。確かに去年もやった気がする。なんか一年の時は詳しくってよりも興味のあるものを沢山聞いてこようとかいう楽な奴だったけど、あの時先生『2年生では数を絞って紙にまとめる』とか言ってた気がする。

 

そんな事を考えてる間に先生が待合室にやってきた。

 

 

「ごめんね、ちょっと生徒の問題があって遅れちゃった。それで話っていうのが朝比奈さんは去年もやったと思うけど、来賓の先生たちを案内して欲しいのよ」



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来賓の方々

まだ風邪っぽいけどなんとかこれだけはできたのであげます。

続きはまた遅れると思うからごめんね。


「来賓の方々って何人来るんですか?私の記憶だと去年も結構な数の方が来ていたと思います」

 

 

 私的にはまふゆと行動出来るのはとても嬉しいことなんだけど……2人しか今呼ばれてないのにあんな数いたらすごい疲れると思う。

 疲れるって言い方が良くないね。多分体力的に足りない。一年時の咲希ほどじゃないけど私も体力がない。12歳まで殆ど身体が動いてないから筋肉的な問題が残っているんだよね。

 

 

「くる人数でいえば50人くらいかな。でも先生たちは3人とか4人で構成されてるから実際はそんなに多くないのよ」

 

「今呼ばれてるのは私と怜華ちゃんだけだけど、他の生徒も呼んで行うから自分の担当は1グループだけだよ」

 

「流石朝比奈さんね。ちゃんと後輩にわかりやすく説明しててえらいわ。付け加えると、2人1組で1グループを案内。だから朝比奈さんと、怜華さんで今年は看護師の方を案内してもらいます」

 

「看護師……」

 

 

 看護師という言葉に反応したまふゆ。やっぱり看護師やりたいって思ってたりするのかな?それが親に医者にさせられようとして辛いな。

 

 そうだ、いい事………多分いい事思いついた。

 

 

「まふゆ先輩は看護師になりたいんですか?」

 

「えっ?どうして?」

 

「だってまふゆ先輩看護師に反応してましたし」

 

「実は朝比奈さんの興味のある職業に看護師ってあったから看護師の方の案内を頼んだところもあるのよ」

 

「じゃあまふゆ先輩の将来の夢は看護師であってますよね?」

 

「まだはっきりと何になりたいとかは決まってないんだ。でも看護師が今の所なってみたいかも」

 

「ふふ、まだ中学生なんだからゆっくりと悩めばいいのよ。それにそうゆうことについて学ぶために色々な職業の方を呼んでるわけだしね」

 

 

 そんな話をした後はどの教室を使うのか。運ぶ荷物の大きさで運びやすいルートを決めたりして、今日は解散となった。

 

 

「ねぇ怜華ちゃん」

 

 

 帰る準備をしていると帰る直前のまふゆから声をかけられた。

 

 

「よかったら私と一緒に看護師さんの話聞いてみない?」

 

「いいですよ。私も何になりたいとかは全く決めてないので迷ってたんです」

 

「よかったそれじゃあその時はよろしくね」

 

「はい、それじゃあさようなら。まふゆ先輩」

 

「またね、怜華ちゃん」

 

 

 将来の夢ね……そんなもの未来の私がなんとかしてくれるはず。

 

 それに今はこの世界を楽しむ事が一番の目的だからね。せっかく神様に転生させてもらったんだ。この世界で過ごす学生時代はとても楽しいものだと保証されているようなものだしね。

 

 

 とりあえず今は志歩のイベントとまふゆとの仕事をがんばろう。




よかったら感想とかください。

多分風邪にも効くと思う。


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怜華の楽器

風邪が治らん


「───そのアコギ、どうしたの?」

 

 今私は志歩と一緒に屋上でアコギを弾く未羽を見つけた。

 

 私は来賓の方で忙しいのでは?と思うかも知らないが、この前話を聞かされた後のまふゆとの話し合いでしばらくは何もすることがないとわかったのだ。

 

 

「あ……先週買ってきたの」

 

「なんでまた急に」

 

「この前話を聞いて………私も、音楽を始めたら、寂しくなくなるんじゃないかって思って」

 

 

 原作通り、でも私からしたらなんのことかわからない。だからと言って何も聞くことはしない。

 

 

「………寂しいの?」

 

「うーん………ちょっと違うかもしれないけど、私転校ばっかりでさ。この学校もいつまでいるかわからないから、友達を作るのもなんか……面倒で」

 

 

「確かに転校生でしたね。この前知りました」

 

 

 実際に私の友達が未羽について志歩の所に行ったって話を聞いてそこから未羽のことを教えてもらったらそんな事実を教えてもらった。まさか転校生だとは思ってなかった。

 

 

「うん、いつもそんな感じで、でもひとりでいるには時間が長すぎるなって感じるから。だから買ってみたんだ」

 

「そう……」

 

「あ………でもここでギター弾いてるとうるさい?」

 

「それは…………まぁ、別にいいよ。好きに練習すれば」

 

「本当?ありがとう、助かる」

 

「それに怜華よりはいいよ」

 

 

 おっと私に飛び火してきた。別にいいじゃん。確かにベースとかには合わないけどさ。

 

 

「怜華さんも楽器弾いてるの?」

 

「怜華は二胡って言う楽器を弾いてる事がある」

 

「……にこ?」

 

「中国とかの楽器、馬の尻尾が弦になってるんだよ」

 

「そうなんだ。でも、なんで怜華よりもいいの?」

 

「それは弾いて貰ったらわかるよ」

 

 

あー私今日持ってきてるなぁ。うちの音楽のクラスで二胡の勉強するから持ってきてるなぁ。

 

 

「ふーん、そういえば名前言ってなかったね。私2年の高木未羽」

 

「……2年の日野森志歩」

 

「日野森さんか、よろしくね」

 

「うん……」

 

 

名前に移ってよかった。別に二胡弾いてもいいんだけどさ。持ってくるの大変だし、穂波いるかもだし。

 

 

「それで、怜華さんは二胡……弾いてくれるの?」

 

「えっその話戻るの?」

 

「いいじゃん、穂波だって会いたいと思ってるよ」

 

 

 しょうがない、音楽室よって二胡取ってこよう。あんまし今会いたくないけど………穂波は吹奏楽だしどうせ会うんだろうけどね。というか自分から探すことになりそう。

 

 

 

 

 

───────────────────────

吹奏楽部、活動場所音楽室。

 

 

「すいません、2年の東雲怜華です。準備室にある私の楽器取りたいんですけど入っていいですか?」

 

「怜華ちゃん⁉︎」

 

 

 目の前にいるのは予想できてなかったなぁ。



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二胡

音楽室に二胡を取りに来た怜華は扉を開けると穂波がいた。さてどうなる第74話。


「怜華ちゃん⁉︎」

 

 扉を開けるとすぐ目の前に穂波がいる。

 

 

………人間予想外の事起きると頭動かないもんだね。

 

 

「あっごめんね怜華ちゃん。吹奏楽部に何かよう?」

 

「いや穂波がいるならそれでいいや。私の二胡持ってきてくれない?今から屋上で弾きたいからさ」

 

「うん、ちょっとだけ待っててね。それと……ううん、後ででいいね」

 

 

 何か言おうとしたけど先に二胡を取りに行ってくれた。言いたい事色々あるだろうなぁ。私だって穂波の立場なら色々聞きたいし話したいし。

 

 そんな事を思っていると穂波が二胡を持ってきてくれた。

 

 

「穂波、ありがとうね。吹奏楽の知り合いは穂波だけだからまだ残っててくれて助かった」

 

「先輩たち優しいから私がいなくても怜華ちゃんなら大丈夫だと思うよ?」

 

「元々は私が中に入ろうと思ってたんだけどね。その許可を先輩に取る予定ではあった。それよりも何か言いたいことがあるんじゃないの?」

 

「あっそうだった。あのね、志歩ちゃんの事なんだけど………やっぱり私と一歌ちゃんだと避けられちゃうの。だからというか、志歩ちゃんのことお願いね」

 

 

 優しい子だよね、穂波って。その優しさが毒になるなんて本当に可哀想。クラスによって雰囲気全然違うの不思議な学校だよ。多分えむのいるクラスはみんなハッピーそう。

 

 

「任せて。でも私がいなくても大丈夫だとは思うけどね。ついさっき新しい友達ができたんだ。志歩は友達とは認めないと思うけどね」

 

「それ本当に大丈夫なのかな?」

 

「今から私も屋上に行くし心配しなくていい。それじゃあバイバイ。気をつけて帰るんだよ」

 

「ふふ、怜華ちゃんお母さんみたい」

 

「みんなのお母さんは穂波の方でしょ。穂波のほうが絶対に過保護。それに私今は放課後こっちに今いるけど少し前まではすぐ帰ってたしね。って速く行かないと。今度こそじゃあね」

 

 

 

 

 

 

 それだけ伝えて屋上へと向かうと、屋上ではベースとアコギの音だけが響いていた。

 

 

「ただいま」

 

「………おかえり」

 

「あっおかえり。……それが二胡?」

 

 

 未羽が私の二胡を見て質問をする。未羽の目が少しだけ輝いて見える。結構珍しいとは思うから興味が湧くんだと思う。

 

 

「さて、今日は私のコンサートだよ。二胡の音の良さに溺れさせてあげる。それじゃあ『The Beast.』」

 

「♪───────」

 

 

 二胡のいいところ、色々あるけれども私は特に音の儚さ、綺麗さにあると思う。これは私がそうゆう曲を弾くことが多いのもあるけれどね。

 

 

「凄い………綺麗。それになんか怜華さんの雰囲気が……変わった?なんか悲しそう?……よくわからないけど、いつもとは違う」

 

「普段お嬢様してるのはロールプレイらしい」

 

「そうなんだ……あと、日野森さんが言ってた事の意味がわかるかもしれない」

 

「これの時は合わないから困るって話。でもね二胡は低い音も出せるから全く合わないってわけでもない。まぁバンドでやるような楽器じゃないけどね」

 

 

 今私が弾いてる『The Beast』は悲しい曲だと思っている。だから未羽の感じた『悲しそう』というのは合っている。二胡という楽器は人間の声のような音色を出す事が特徴的でもある。そのため私は曲の中にある想いを引き出すように二胡を弾く。

 例えば私が関わる予定にモモジャン、アイドルのグループがあるけどその書き下ろし楽曲の『アイドル親衛隊』では楽しく元気な気持ちを引き出すつもりだし、逆にバンドのグループであるレオニードの書き下ろし楽曲の『ステラ』なんかは悲しさや辛さを引き出すつもり。

 二胡という楽器はプロセカの曲を弾くのに最も適してると思っている。『てらてら』なんかは咲希の想いの詰まった曲だから、その詰まった気持ちを全面に出すのが二胡だ。

 プロセカは想いが大切な作品だからこそ楽器で人間の声に一番近いとされている二胡が想いを表すのに適していると信じてる。

 

 ミクに歌わせるのもある種同じ感覚なんだと思う。

 

 

「ふぅ……どう?これが二胡って楽器だよ」

 

「……怜華ちゃんも悲しいの?」

 

「違うよ。私には志歩や穂波とかの友達がいるから。でも悲しいように感じるのが普通だよ」

 

「今の曲、怜華は歌わなかったけど歌詞を読んだり、原曲を聴くと悲しい曲なのがわかると思う。怜華は曲の感じ方を上手く表現することに長けているから納得すると思うよ」

 

「そうなんだ。……帰ったら調べてみるよ」

 

 

そうしてその後も雑談したり、外にいる一歌を見つけたりして今日の屋上での出来事は終わった。




曲に対する感じ方は人それぞれだと思います。


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お手伝い。なおお手伝いは何もしない模様。

基本的にこの話に意味はない。


 「はぁなんで私が文化祭の手伝いさせられてるんでしょう?いやなんでは違うかな、理由というか理屈は分かるけれども……」

 

「ごめんね、今日は来賓の方についての話をしてもらうつもりだったんでしょ?」

 

「朝比奈先輩が謝らないでください。悪いのは先生です。私が部活入ってないからと放課後にやる事がないと思ってるのですか」

 

「怜華ちゃんでも部活入ってないのに帰る時間遅いよね?それを踏まえて頼んだんじゃないかな?」

 

 

 それ私が学校でいつも暇してるとか思われてるのかな?私イベストに今すごい大変なんですけど、最近志歩はバンドの練習に行ってるし……そろそろバンドを抜けるところだと思うんだけど。

 

 

「まぁいいです。今日は何を手伝えばいいですか?」

 

「今日は文化祭のクラスごとにやる発表とは別に行われる個人、グループ発表の審査を手伝って欲しいの。今最後のグループを決めようとしてる所」

 

「私の意見でそれが決まるって事ですか。すごい恨まれそうですね」

 

「あはは……でも審査はどっちも音楽の事だからクオリティの高い方を選ぶだけだよ」

 

「それ絶対に私にさせる事じゃないですね。ただの生徒にそんなもの決めさせないでください。クオリティなんて人によって正反対になるものじゃないですか」

 

 

 幸いにもここは女子高生なので男女差別とか言われないけれども、よく聞いてみるとバンドと弾き語りらしい。求めるもの全く別じゃない?バンドは盛り上がりが欲しいならそっちだし、弾き語りは感動させられるし。

 

 

「私それだけ聞くと弾き語りの方が好きなんですけど」

 

「じゃあ弾き語りに投票したらいいんじゃないかな?別に多数決だし、どっちかは絶対に出れないんだし」

 

 

 そうして審査をする教室に着くとそこにはすでに先生とバンドのメンバーがいた………のだけれど話に聞いていた人数よりも1人少ない。

 

「先生、どうかしたんですか?」

 

「朝比奈さん、今ちょっと困ってたのよ。どうやら今バンドのメンバーのベースが抜けちゃったらしくて、他のベースを探すのに時間が欲しいらしいの」

 

「先生はどうするつもりなんですか?」

 

「今日集まってないからクオリティの比較ができないって事で安定をとって弾き語りの子が文化祭に出てもらう事しようと考えてるわ」

 

 

 なんかバンドの人達も色々と言ってるけどどのみち私がいるから弾き語りになってたんじゃないかな?

 あともしかしてだけど私今日来なくてもよかったパターン?というかそれよりも、この人達志歩を抜けさせた人たちだよね。それなら余計に弾き語りかな、クオリティを目指してないの知ってるし。

 

 

「先生私もうここから抜けていいですか?私何もする事なさそうですし」

 

「ええ、大丈夫よ。来てもらったのにごめんね」

 

「いえ、先生のせいではないので気にしないでください。それでは」

 

 

 私は少しだけ早足で屋上へと向かう。教室を出る時にバンドの人たちに何か言われたけど志歩を抜けさせた罰だと思い無視した。

 本当に時間の無駄だった。




 なんかストーリー見てイラッときたからなんか天罰みたいなのを与えたかった。弾き語りは怜華のファンが怜華を真似して始めた二胡を発表したくて枠の取り合いになったという設定。怜華がいる影響ですね。
 ISでは二胡は別に学校では引いてないのでこんな事にはなってないですね。


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変わるもの変わらないもの

 屋上の扉を開けると志歩と未羽がいる。その2人の視線は黄昏に染まった空に向いている。静かにしていると、

 

 

「穂波‼︎」

 

 

 一歌の声が聞こえてくる。志歩は『あ……』と声を漏らしながら中庭へと視線を移動させいた。

 

 

「………だから、私はひとりでいたほうが、いいんだろうな」

 

「それは………わからないんじゃないかな?」

 

「え?」

 

「日野森さん、怜華ちゃんがいない時……ひとりだと寂しそうだしね」

 

「……‼︎そんなこと……」

 

「志歩、認めたら?」

 

「怜華⁉︎なんでここに……」

 

 

 流石にずっと見てだけど耐え切れなかったから2人の会話に私も入ることにした。だって……志歩があんなに悲しい顔してるなんて知らなかったから。

 

 

「私が来たらダメなの?」

 

「そうゆうことじゃ……」

 

「ねぇ怜華ちゃん、中庭にいるあの子達って日野森さんの友達?」

 

「そうだよ」

 

「………」

 

 

 志歩も私も未羽が何か話したいってわかったから口を閉じる。

 

 

「私ね、最初は自分がなんでここに毎日来て、ギター弾いてるのか、よく分かってなかったんだ。日野森さんに会った時も、時間をつぶすためになんとなく、音に惹かれて、怜華ちゃんに誘われて屋上に来てたんだけど………ひとりでベースを弾いて、平気な顔をしてる日野森さんが、すごくかっこよく見えた」

 

「………音楽があれはひとりでも大丈夫な気がするっていうのは、本当だなって思ったよ。ギターを弾いていると、心が落ち着くしね。

 日野森さんがいなくなってからもそれは変わらなかった。だけど──それでもやっぱり、私はここに来ちゃう。やっぱり………ひとりが寂しいんだろうね。

 日野森さんも、そうなんでしょ?本当は誰かと──怜華ちゃんやあの子達と、一緒にいたいんだよね。日野森さんが本当にひとりでいたいなら怜華ちゃんは分かってくれる。でも怜華ちゃんがこうやって来てくれてるって事は、日野森さんはみんなと一緒にいたいんだよ」

 

 

 私兄さんから志歩が電話で相談しに来たって話聞いてるのと原作知識があるからなんだけど………私が普通の人なら一緒に入れなかったんじゃないかな?そこはかとなく罪悪感が出てくる。

 

 

「それは……多分無理だから………」

 

「そうかもしれない。でも──だからって諦められる?誰かとバンドをやることも、あの子達と一緒にいることも……本当に諦められるの?」

 

「それは………」

 

 

「………私はね、私達は前に進むしかないって思うんだ。いつか"そうじゃなくなる日"がくるかもしれないって信じて。私が屋上に来て、ギターを始めたみたいに。日野森さんがバンドを組んだみたいに。

 少しずつ、変わっていくしかないんだって思う」

 

「………」

 

 

 人生どこで何が起きるかわからない。何かに挑戦したらその時点で変化だ。だから全ては変化する。変わらないわけがない。時間の経過が最もわかりやすい変化だ。

 

 

「………私、来月転校するんだ」

 

「え……」

 

 

 未羽からの急なカミングアウトに志歩は驚いた顔をする。

 

 

「慣れてるから、そこまでショックはなかったよ。それに、音楽があれは大丈夫だって、今は思えるから。だから大丈夫。

 次の学校ではね、もうちょっと頑張ってみようと思うんだ。寂しくなったらギターを弾いて、また頑張ってみて……それでうまくいくかもしれないし、いかないかもしれない。でも、諦めないで──やり続けてみようと思う。だから日野森さんも………頑張れるといいね。……もちろん怜華ちゃんも。それじゃあまた」

 

 

 屋上から戻ろうと未羽は歩き始める。

 

「あっ……ねぇ‼︎」

 

「………?何?」

 

「………ありがとう」

 

「………こっちこそ、ありがとう」

 

 

 未羽は屋上の扉を開いて行ってしまった。そこには扉の音だけかが響いて残った。

 

 

「みんなと一緒に………」

 

「志歩はさ、自分でも気づいてたんでしょ?みんなと一緒にいたいってこと」

 

「……まぁね」

 

「諦められたら………とか今思ってるんじゃない?」

 

「………確かに少しだけ思ったよ。けど、今はそんな時期じゃない。咲希の調子が良くなるまではまだ何も変わってこないからね」

 

「志歩は未来の自分に託したわけだね」

 

「そうなるね」

 

 

 ちょっとだけ悪いことを思いついてしまった。

 

 

「ちなみにさ、バンドの練習とみんなと一緒にいるのを両立する方法があるんだけど………聞きたい?」

 

「……怜華すごい悪そうな顔してるよ?」

 

「だってこの方法はなかなかに辛いからね。まぁその案の簡易的なものかな」

 

「はやく言ってよ。どんな案なわけ?」

 

 

 原作を意識させるような案。普通との違いをより鮮明にするための後々の毒。

 

 

「志歩が私達『ペテン師の賽』に入るってのはどう?」

 

 

 私とは一緒にいれて、少なくとも志歩が入ったら過半数がプロを目指すチーム。プロを目指してないのは私と兄さんだけど私達はクオリティを上げることには全力を注ぐからプロを目指すのに問題はない。というかプロにならなくてもその練習にはなる。後は……イオリさん達にやらさてもいい。どっちもプロになりたいのは同じだしね。

 

 

 

 レオニードでプロを目指す時に大変な事になるかもしれないこの案。兄さんは色々とやってるみたいだし、このくらいやってもいいよね?



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今の思い

瑞希の姉の声と立ち絵きてびっくりした。


「私は………怜華達のバンドに入るつもりはない。私は自分の力でプロになりたいから」

 

「それがいいよ。多分というか絶対この提案を受け入れたらこの先、志歩はずっと毒に蝕まれるからね」

 

「───は?何怜華は私に何しようとしたの?」

 

「別に何にも考えてないよ。幼なじみの私には相談しないで兄さんに相談してることに怒ってるわけじゃないでーす」

 

 

 兄さんは別に赤の他人だから普通にイラってくるんだよね。レオニードは私の担当なのにさ。

 まぁこんな事言ってるとミクに怒られるからこの辺にしとくけどさ。

 

 

「何それ、答え言ってるようなものじゃん。っていうか怜華なんで知ってるの⁉︎今日の話とかすごい恥ずかしいんだけど。私の考えてる事知ってる上で黙ってたって事でしょ?私の事内心笑ってたんじゃないの?」

 

「いやそんなわけないじゃん。未羽の言ってることに口を開けなかっただけだって、あんなにシリアスな雰囲気壊せるわけないじゃん」

 

「シリアスって……怜華は昔から色々と自分のことじゃないように話してるけど、そこだけは私気に入らない」

 

「私に昔の話しないでよ。記憶ないんだから」

 

 

 過去の事を知らないのをヒートアップして忘れてたのか志歩は申し訳なさそうにしていた。

 

 私には怜華の記憶はない。でも想いはなんとなくだけど分かる。だから私がイラってくるのも、志歩やみんなと仲良くしたいのも、私と怜華の2人の思いだし。

 

 

「───ごめん、確かに過去の話をしたのは良くなかった。でも今の怜華だって変わってないよ。どこか私達から一線を置いてるような気がする」

 

「いや、だってそれは……元々仲の良かったみんなに私が加わった感じだから距離感がわからないというか……」

 

「へーそう。まぁそうゆうことにしておこうかな」

 

 

 絶対志歩なんか疑ってるってこれ。普通に約2年の関わりあるのに距離感の話持ち出すとかおかしいもん。

 

 

「まぁいいか。怜華、今日は一緒に帰ろうよ。お姉ちゃんもこの前久しぶりに会いたいって言ってたからさ。良かったら夜も食べてきなよ」

 

「いいね、私も雫さんに会いたいし」

 

「まぁ多分お姉ちゃん………怜華の昔話とか色々しちゃうかもだけど」

 

「あはは……対応できるかなぁ。昔の事知らないから反応に困る。それはもう他人の事だし」

 

「怜華は自分の事知りたくないの?普通自分の過去って気にならない?それも覚えてないならなおさら」

 

 

 過去の記憶がいいものとは限らないからね。けど、私の場合はずっと眠ってたわけだから辛い思いとかはないと思うけどね。

 

「私はまずずっと寝たきりだから知る量自体少ないからそんなに興味わかないかな。でも教えてくれるならそれはそれでいいんだけどね」

 

「そうゆう考え方なんだ。さて、それじゃあ今日は夕飯まで食べたてくって事で」

 

「雫さんって今年受験生だよね?私が家にお邪魔して大丈夫?」

 

 

 兄さんは勉強しなくても受かるだろうけど………雫ってそんなに勉強できるイメージがないんだけど。

 

 

「たまには休憩必要って事で休めさせる。そういえば雷夜さんも受験生だよね」

 

「そうだよ」

 

「雷夜さんはどうなの?勉強してる?」

 

「軽くしてる。けど兄さん学力いいから勉強しなくても受かるとは思う」

 

「少しでいいから雷夜さんの学力をお姉ちゃんに分けて欲しいよ」

 

 

 そんな事を話しながら帰り、志歩の家で過ごした。



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受験シーズンとか正月だね
スターとの出会い


病んでそうな時の咲希、No seek No findのあたり。


 俺は今とある人物のお見舞いに行っている。りんご買ってきたけど……流石にそのままは食べないよね。イラストでりんご持ってた気がするけど。

 

 そう今日は天馬咲希のお見舞いだ。この間志歩に行って欲しいと言われたのもあるが、最近は行けてなかったからちょうどいいだろう。

 

 俺と咲希の関係って別に深くないけどなんで志歩は言って欲しいって言ったんだろ?怜華経由で知り合った程度だからそこまでではある。でも俺1人でお見舞いに行くことは前にもあったからおかしくないと言えばそれまでなんだけどね。

 いやでも、原作だと咲希の見舞いに行く感覚が広くなっているから俺が様子を見に行くのはむしろ普通まである?

 

 

 そうして病院につき、咲希の病室へと向かう途中

 

 

「───どうだ?」

 

「すごい、すご〜い‼︎」

 

 

 まだ少し子供らしさの残る男の子の声と、咲希の声が聞こえてきた。まぁこの時点であれだ、もう男の子の声は誰かわかるだろう。

 

 

「はっはっは、そうだろうそうだろう。将来のスター、天馬司の新技だからな‼︎」

 

 

 そう、天馬司である。司について軽く説明すると1人でセカイを作り上げるなかなかのヤバいやつの1人。

 

 

 

………まぁ冗談は置いといて、類に苦労をかけられてるのはとても見ていて面白く、それでいて役者としてはちゃんと成長を感じられる妹愛のすごい人である。

 考察で面白いのがあったりしてその時はとても興味を惹かれたな。

 

 そんな将来のスターである司が咲希のお見舞いに来ている。なんだかんだでいつか会いたいとは思っていたからちょうどいい機会だし、2人と話したいね。

 

 

「咲希ちゃん、久しぶり。そして司さんですね、初めまして。雫から色々と聞いてます」

 

「あっ‼︎雷夜さん。お見舞いに来てくれたの⁉︎ありがと〜」

 

「あぁ、初めまして。すまない、名前を教えてもらってもいいか?」

 

「東雲雷夜です」

 

「ふむ、では雷夜さんとお呼びしてもいいですか?」

 

「雷夜でいいですよ。それにもっと砕けた言い方してください」

 

「わかった。なら俺のことも砕けた話し方で構わないし司で構わない」

 

「わかった。司って呼ぶことにするよ」

 

「む〜、二人ともまだまだかたいよー」

 

「そうだろうか?しかし初対面の相手になかなかすぐに言葉を崩すのは難しくてな」

 

「あれ?お兄ちゃんって雷夜さんに会ったことないっけ?」

 

 

 俺は少なくともあった記憶ない………というか俺が咲希や司に会ったことがあるとしたら憑依前の怜華を公園に迎えに行った時くらいだろう。

 

 

「うぅ……。あんまりこの話したくないけど………ほら、怜華ちゃんのお兄ちゃんだよ‼︎夜桜怜華ちゃんのお兄ちゃん‼︎」

 

「あああーーーー‼︎」

 

「うるさ⁉︎ちょっと司もう少し静かにしてください。ここ病院だから」

 

「す、すまない。しかし思い出したぞ、しかし雰囲気はこうも変わるものなのだな。いや以前と比べるのは違うか」

 

「俺司に会ったことあるの?」

 

「いや、話したりした事はない。俺が一方的に知っていただけだ。怜華を公園に連れてきていた姿を見たことがある。それに………父親の葬式にも行かせてもらった」

 

 

「……そっかそりゃわからないよな」

 

 

 病室には暗い空気が漂っているようであった。

 

 

そんな空気を変えようとしたのはやはり咲希だった。

 

 

「そ、そういえばお兄ちゃんも雷夜さんも今年受験だよね?お兄ちゃんは神高行くって言ってたけど、雷夜さんは?」




切りのいいところわからんかった。


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天翔るペガサス

なんかアクセス解析見ると夜遅くまで起きてる人いますね。GWだからと言って夜遅くまで起きるのは良くないと思うので眠くほどほどにしましょうね。




とか書いてたのにもうGW終わりとか………


「俺は神高を受験するつもりだが………雷夜はどうなんだ?」

 

「俺も神高受けるよ。司は受かりそう?」

 

「ふむ、そうだな………少し英語が不安ではあるが……まぁ受かるだろう。模試の判定も悪くない。そういう雷夜はどうなんだ?」

 

「雷夜くんすっご〜く頭いいから多分受かるよ‼︎」

 

「なぜ咲希が答えてるのだ⁉︎」

 

 

 それはそう。でも咲希ちゃんに褒めてもらえるは、実際嬉しい。

 

 

「自慢だけど俺学校で1位2位を争うほどには頭いいから。………まぁ学校の範囲ではあるけど」

 

「なに⁉︎それはすごいじゃないか。学校の生徒の数がどれだけいるかはわからないが………それでも学力はそう簡単にはつかないからな」

 

 

………いい子すぎないかこの2人。実際に会って初めてわかるけど優しいのがすごく伝わってくる。褒め上手すぎるから2人と一緒にいるとすごい気分いい。

 

 

「いや待てよ、もしかしてだが………雷夜、お前……この間の模試が満点だったりしないか?」

 

「満点だったけど、なんで知ってるの?」

 

「お前があの天才組の1人だったとは………」

 

 

 なんか司質問に答えてくれないんだけど。その驚いてるような──引いてるような表情してるし。しかもいつもの司らしくないからか咲希ちゃんが心配してるしさ。

 

 

「はっ‼︎すまない。ビックリしすぎて言葉も出なかった」

 

「あっ元に戻った」

 

「それでなんだったか、えぇと確か『何故俺が知っているか?』だったな。俺の学校の先生は雑談が好きでな、それですごい人がいたという話をしていたんだ。それが隣の中学ではこの前の模試で満点を取った人が2人もいたと言う話だ」

 

「そんなことあったんだ〜〜お兄ちゃんそうゆう話も聞かせてよ〜〜」

 

「うっすまない。しかしだな、俺もクラスメイトも皆信じてなかったんだ。なかなかにあの模試は難しかったのもあったし、俺達の学校では1教科満点が限界だったのもあってだな」

 

 

 あのテスト……うん、だって歴史自体変わらないから前世の記憶頼りでどうにでもなるし、一度受けた高校受験に緊張なんてそんなにしないよね。その上あれは模試だし、本番はいくらか落とすかもだけどさ。

 それで考えると類はヤバいね。タイムマシンを作れるような人だから疑いもなにもしてなかったけどさ、普通に人間か怪しいよね。

 

 さて、とりあえず目の前で咲希ちゃんがヒートアップしてるから落ち着かせないとね。

 

 

「まぁまぁ、嘘でも楽しそうな話をして欲しいのは分かるけど、司だって話したのが嘘だと分かったら咲希ちゃんをがっかりさせちゃうかもでしよ?だからそんなに司を責めないであげて。司は咲希ちゃんのことを思って話してないだけだからさ」

 

「そうだったんだ………お兄ちゃん、ごめんなさい」

 

「いや咲希、気にしなくてもいいぞ。俺だって咲希の言ってる事は一理あると思ったからな」

 

 

「それにしても咲希ちゃんが元気そうで良かったよ。ところでなんだけど咲希ちゃんは俺に何か用があったりするのかな?」

 

「用?ないと思うよ?」

 

「そっかぁ。今日来たのはさ、志歩に咲希ちゃんにあって欲しいって頼まれたのもあるんだ。だから何かあるのかなって思ってたんだけど違ったのかな?」

 

「わかった‼︎しほちゃんがこの前にお見舞いに来てくれたんだけど………その時に雷夜さんの話になって久しぶりに話したいなぁってアタシ言ってたから頼んだんだと思う‼︎」

 

「そうだったんだ。それじゃあ何かお願いがあったりではないのね。それじゃあしばらく話したら帰ろうかな。司、何か話してよ」

 

「何かって難しい事言うな……それじゃあアイドルの話とかどうだ?最近咲希は桃井愛莉って人を良くみてたんじゃなかったか?」

 

「そう‼︎あの元気なのみてるととっても楽しいんだよ。それに………雷夜さんって確か愛莉ちゃんの知り合いだったよね?」

 

 

 あぁ、これ色々聞かれるやつだぁ。

 

 

 咲希と司に色々聞かれたわ、。そりゃあの番組見てないわけないよなぁ。




雷夜も怜華もあの番組で色々と、聞かれるようになるのなんかあるんだろうなぁって思っちゃう。偶然ってすごい。


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冬休み

誤字報告してくれてる方、ありがとうございます。とても助かります。


「えーまとめると、今年は受験生だから冬休みの宿題は出さないが、その分ちゃんと受験勉強しろよって事だ。それじゃあこれにて解散。安全運転で帰るんだぞ」

 

 

 先生の少し長い話が終わり、この瞬間からは冬休みとなる。

 

 

「雷夜くん、今日このあと時間はあるかな?よかったら実験に付き合って欲しいんだけども………」

 

「類の実験は何が起きるかわからないじゃん。まぁでも暇だしいいよ。それじゃあ今から行くか」

 

「そうだね。それにしても中々酷いことを言う。けど今日の実験は薬品を使わないから安心してほしい」

 

「そうかならまだ安心………できねぇよ‼︎それにちょっと待て、類って薬品取り扱ってたっけ?俺の記憶だと類機械類を扱ってるだけだと記憶してるけど……類って薬品使うの⁉︎」

 

 

 類の発言に驚きつついると類の少し堪えきれない笑みの声が聞こえてくる。

そして

 

 

「ふふふ。雷夜くん、多分だけど…………考えてること口に出てるよ」

 

「えっ?嘘………俺なんか変なこと言ってないよね?」

 

「客観的に見たら失礼な事言ってるように見えるだろうけど、今回は僕がちょっとふざけたからね、気にしなくていいよ。………でも、最近考えてることが少し漏れてるのか独り言が多くなってるね」

 

「まぁちょっと不安なんだよ。だって瑞希が最近屋上に来ること減ってるしさ」

 

「瑞希が最近来てないのはおそらくだけど、君が屋上で勉強してるからじゃないかな?」

 

 

 それだけじゃないと思うんだけどなぁ。俺が勉強してるなら類と喋ってたらいいと思うんだよなぁ。類とも喋らずにいるのが違和感なんだよな。

 

 

「理由は僕にもわからないね。でも僕は今は自分のことの方が気になってるのもあるけど………そこまで心配しなくても大丈夫だと思うよ」

 

「類って結構あっさりしてるよな。まぁ今は瑞希は大丈夫だと信じるしかないか。よし………類、今日は何やるんだ?」

 

「今日は小型ロボットのメンテナンスと新しい機体の制作かな。雷夜くんはメンテナンスした機体を動かしておかしい所はないか、確認して欲しい」

 

「わかった。でもまぁ………俺やること少ないな。あのロボ基本的にプログラムで制御されてるし」

 

 

 類のロボにはまだAIの付いた物は無かったように感じる。まぁネネロボの性能とか考えたら既に入っててもおかしくないけどね。

 今はタブで前進とかまぁWASDみたいになってるし楽なんだよね。コントローラーでも操作はできるな。この機能使うのメンテとかで本番使わないの勿体なく感じるよね。

 

 

 

 そんな事を話しながら類の家に向かってい……なんか視線を感じる。怖いなぁ。なんかシャンプーしてる時に後ろから感じる視線は実は上から見てるって言うよね。

 

 

 でも家に付いたから少し安心だ。これでもし類がいなかったら少し怖かったな。

 

「そうだ。雷夜くんに聞きたい事があったんだった。新しい機体は今までとは違った形にしてみたいんだ。それで何かいい案はないかな?」

 

「無茶振り過ぎない?それ。だって何を変えたいのかわかんないし。でもまぁあれか、ショーで使うんだろうし………水を使うのはどう?船を元に何か作れそうじゃない?例えばだけどさ、ミニ戦艦作って噴水の要領で水出してみるとか」

 

「面白そうじゃないか‼︎そうだな、次の機体も含めて地面以外の水の上や中と空で作ってみよう。空は一旦ドローンだけ買って操作に慣れよう」

 

「今日は水中とか水上を考えるわけね」

 

「そうだね。とりあえず水を使ってどんなショウをしたいかというか話になってくるわけだけれども………………」

 

 

 

 その後も類との話し合いは続いた。



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年越し

やばい全然描いてなかった


 今年の年越しはいつもとは違う。珍しく俺は慎英さんの家に戻っていた。今年は受験なのもあってかだろうか、少し空気が重い。

 

 

「兄さんは受験対策とかちゃんとしてんの?」

 

「してるよ。あの程度ならまだまだ簡単だね。来年の受験に向けて彰人に勉強教えてあげようか?」

 

「いや、そんなことより兄さんは自分の勉強してろよ」

 

「彰人、いい機会だから冬休みの宿題でわからない所教わっておけ」

 

 

 俺と彰人が話してると父さんが加わってきた。

 

 

「雷夜は学年で1番の生徒だと聞いている。受験は当日油断しなければ問題ないだろう。だから彰人、教わっておけ」

 

「わかったよ。ただ明日な今日は勉強する気起きねぇし」

 

 

………なんかすごい家族って感じがする。家族なんだけどさ。

 

 別にシロの事を家族じゃないとか、そうゆうふうに思ってるんじゃなくて、ただ何気ない日常、何か特別なものじゃないが素晴らしいものに思えてくる。

 俺もシロも怜華も転生者だ。怜華は血の繋がりがあるけど、結局のところ他人のような感じだ。チームメイトという関わりからが先に来る。

 そんな仲良くあれども感覚的にはどこまで行っても他人なんだ。家族のようであっても他人の集まり。

 だから彰人や絵名の関係が羨ましく思う。

 

 

「俺ちょっと散歩行ってくる。神社行ってくるよ」

 

「兄さん、私も行く。だからちょっと待ってて」

 

「わかった、気をつけて行ってくるんだぞ。体調が悪くなったらすぐに呼べ、すぐに迎えに行く」

 

「ありがとう、父さん。それじゃあ行ってくるよ」

 

 

 怜華に準備は早く終わり、すぐに家を出ることができた。

 

 

 

 

「家族っていいよね、兄さん」

 

「そうだね、天馬も東雲も、日野森もみんないい関係だし、瑞希の家族なんかもとてもいい家族だ。まふゆのお母さんだってやり過ぎなだけで本当はただ子供の事を考えてる優しい親のはずだし」

 

「やっぱり、………本当なら私たちもいい関係だったのかな?」

 

「本当ならいい関係なのかもしれないね」

 

 

 そんな曖昧な返答しか俺はできなかった。しかし怜華は気にせずに話を続けた。

 

 

「兄さんはさ、慎英さんとか家族だって感じる?私はさ中学生になる少し前に意識がこっちにきて、家族というには少し難しく思う。けど兄さんは小学生になる前からの関係じゃん。まだ家族って感じるんじゃない?」

 

「そんな単純なものでもないよ。俺は………神様に会ったこともないから特にやる気も無く過ごしてた。確かにその時の、夜桜の時は家族に思えたけど、東雲は………やっぱりキャラとしてしか見えてない」

 

「やっぱりそうだよね、それに私のことも多分家族だと言い切れないよね。最初に会った時に記憶がなくても妹だって言ってくれたけどさ、あの後に転生者、憑依した人って知って少し接し辛かったんじゃない?」

 

 

 言葉にしなくても伝わって欲しい、そんな思いじゃ伝わる事はない。それを知るのは何かの運命なのかな。

 

 

「確かに接し辛いって思わなかったわけじゃない。けど少なくとも俺は家族であり続けたいって思ってる。怜華だって孤独は嫌いでしょ?俺だってそうだ」

 

「ふふ、なんか嬉しいな。前も言ったけど私は転生者でもあって憑依されてる側でもある。昔の記憶はないけど、兄さんが大切だと思っていたことは知ってる。もしかしたらだけどさ………今でもいい兄妹かもしれないね」

 

「かもしれないな」




夜桜兄妹の関係は家族でありながらお互いを無下にせず、リスペクトできるそんないい関係であって欲しい。




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仲直りするかどうかはわからない。

プロットみたいなのほとんどないから筆者の私でさえ雷夜と遥が仲直りが今年………作品内での今年で仲直りするかわからない。でも本編入る時ぐらいには仲直りさせたい。


「兄さん、あれって………桐谷遥じゃない?」

 

「げっ……なんで怜華はそれ教えたの?」

 

「えっだって前に一緒にテレビ番組出てたじゃん。仲良いのかなって」

 

「仲良くなると少し怒るくせになんでその発想が出てくるの?」

 

 

 この憑依した妹は前世ではオリ主と原作キャラの恋愛が嫌いな人だったらしく、転生して俺がそうゆう関係にならないように頑張っている。のだが、俺自身そうゆう関係になりたいと思わないし、怜華と同じくオリ主と原作キャラの恋愛は嫌いだから頑張らなくてもいいはずなのだ。

 

 

「仲良くなると、恋愛感情は違うでしょう。私は恋愛に発展しなければいいので」

 

「キャラ作り始めてるし………行くなら1人で行ってきな。俺は遥とは喧嘩してるんだ」

 

「そんな面白そうなこと起きてるのに放って置くわけないでしょう。早く行きますよ」

 

 

 「推しは推せる時に推しておけ』よくVを見ているものなら聞いたことはあるだろう。俺も前世で見ていた。

 アイドルでも同じことは言えると思う。けどアイドルは活動の記録は残るからか少しまだこの世界では浸透していない気がする。Vは活動の記録が消えることもあるから推せる時に推せと言われるのだと思う。

 

 この感覚の違いから俺は遥と喧嘩になった。無理をしてまで完璧にするのを完全に悪だとは思わないけど、長い間みたいものだと俺は思う。推しに怪我とかしてほしくない。推しに元気にしていて欲しい。

 

 

「すいません、桐谷遥さんですよね。私あなたのファンなんです」

 

「わっ‼︎ごめんなさい、急に声をかけられて大きな声を………あれ?どこかでみたことあるような?」

 

「私東雲怜華って言います。昨年度の入学式で入学生代表として発言させてもらったのでそれでみたことあるのだと思います」

 

「そうなんですね。それで私みたことあったんだ。それで………」

 

 

 こっちみんな。スルーして会話してるなら最後までスルーしなよ。

 

 

「何?別に話すことないでしょ」

 

「いいえ、私はあります。と言っても一方的ですけど。───私は、私の信じたやり方でアイドルを続けます。エゴサで雷夜さんと同じ考えの人を見つけました。みんながみんな完璧の私を求めてるわけじゃないと知ったけど、それでも完璧な私を求めてる人達がいる。だから私は完璧であり続ける」

 

「………おぉ、完璧を目指すのはいいんだけどね」

 

 

 完璧を目指して頑張るのは別にいい、いやそれだけだと良くないけどさ。俺が言いたいの完璧って1人で完結するじゃん。それは好ましくない。グループで完璧を目指して欲しいんだよな。それならグループで手を取り合える。誰かに頼る事を覚えて欲しい。

 

 エゴサって自分のことしか引っかからないことあるからな。桐谷遥で調べるのと、ASRUNで調べるのは結構違うしな。

 

 

「あっそうじゃん、ちょうどいいや怜華は推しである遥は長く見たい?それとも完璧な振り付けとかの遥だけど無茶して怪我する可能性があるの?どっちがいい?」

 

「その話こっちに持ってこないでよ。そうですね振り付けとかちゃんとしてるの見たいと思います、それのせいで怪我するくらいなら無茶しないで欲しいですね。この前振り付けの練習で転んだりしてるの聞いてますし、あんまり無茶しないで欲しいですね」

 

 

 正直ちょっとずるいことしてるな俺。

 

 

「兄さんちょっとずるいですね、私を味方につけるなんて。

───桐谷先輩、その完璧を求めるのはいずれ自分を苦しめることになりますよ。別にそれが直接な原因ではないですけど、完璧にするための無茶が自分のことを苦しめるようになります」

 

「俺も怜華もそんなアイドルのプライドで自信を傷つけてほしくないだけだから。アイドルに縛られてほしくない。そうゆう事だから。まぁそれだけ。俺は先に神社行ってるから怜華は遥と神社行ってきな。それじゃあ遥、怜華のことよろしく」

 

 

 みんなの期待に応えたいとかわからないわけじゃないけどそれが精神的に苦しめることになるのは勿体無いしね。

 

 

 




私どこで遥は完璧を目指してるって設定を入れたか覚えてないんですよね。公式かそれとも自分のやつか。
公式だと思うんですかとどこに書いてあったかな?


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神社

怜華視点です。


「兄さんがすいません。さっきも言ってましたけど無茶はしないで欲しいだけなんです」

 

「怜華ちゃん……でいいかな?私は雷夜さんの意見がわからないわけじゃないけど、それじゃあダメだと思ってるだけ。だから無茶しないで欲しいのはわかるよ」

 

「とりあえず神社まで行きましょう。こんな機会なんてそうあるものじゃないのでちょっと嬉しいです」

 

 

 歩きながら話す。ファンと推しが絡むことはそんなにない事。昔からの関わりがない限りはね。

 そして、そんなにない事が起きていて何をするのが正解なのか、わからない。

 

 

「怜華ちゃんは雷夜さんのこと好き?」

 

「???───えっ」

 

「ほらこの歳とかは思春期っていうでしょ。だから兄妹で神社に行くなんて珍しいと思ってさ」

 

「なるほど、どうなんでしょうか?私は嫌いじゃないですし、いい相棒みたいな感じなんです。でも思春期だからとかの考えはなかったです。わかるのは、兄さんは私の大切な人だという事です」

 

 

 私にとっての兄さんは大切な家族で………なんなんだろう。

 

 

「ごめんね、推しと大切なお兄さんが喧嘩してるのってみてて辛いよね」

 

 

 少し考えていると急に謝られた。

 

 

「気にしないでください。アイドル側として遥さんの言ってるのもわかりますし、ファンとして兄さんが言ってることもわかるので、どっちに優先するかの違いだけだとわかってますから」

 

「そっか。ねぇ、さっきの『アイドルのプライドが自身を傷つける』ってどう意味するのかわかる?」

 

 

 言ったらダメだよね。練習で転びかけてたりするのはあるあるの範疇かもしれないけど、完璧を目指してるうちのミスだし………少しくらいならいいかな。

 

 

「遥さんはメンタル強いですか?」

 

「……強いと思ってるよ」

 

「ならいいんですけど。兄さんが言ってたのはアイドルであるということに囚われて、いつかプレッシャーに押しつぶされるかもしれないという事です」

 

「雷夜さんから見て私はメンタルが弱いと思われてる?」

 

 

 ある程度肯定するように軽く頷く。別にメンタルが弱いわけじゃないと思うし、兄さんだって同意見だと思う。

 メンタルが弱いというより、責任感とかが強いのかな?それが悪さして、アイドルの資格とか言うようになって………。

 

 

「遥さんはアイドル、続けられる?」

 

「もちろんだよ。私が小さな時からなりたいって思ってたアイドルになれて、今ではファンも沢山いる。だからこれからもアイドルでいると思う」

 

「もし、何かあったら兄さんとか私も頼って。連絡先渡しとくからさ。何か辛いことがあったら私も兄さんも必ず手を貸すから」

 

「………」

 

「兄さんだって今は喧嘩してるけど、なんだかんだ言って遥さんの事好きなんだよ。あんなに強く当たるのも、心配が強く出てるだけだからさ。多分頑張りすぎて良くない結果になってる人を知ってるから止まらなくなるだけ」

 

 

 兄さんは無茶しすぎるのも良くないって知ってるし、生きてるうちに出来ることは本気でやるべきだと知ってる。矛盾してるけど………夢に向かっては本気で、でもそれが自分の負担にしてはならないと、自分の中で決めてるものがあるからみんなに頼られる。

 

 

「怜華ちゃんって普段はやわらかく喋るんだね。なんかビックリしちゃった。それにしても兄妹揃って心配性、でも────ありがとう。何かあったら相談に乗ってもらおうかな。怜華ちゃんにも、雷夜さんにも」

 

「───‼︎」

 

「ちょっとした仲直り、かな?それじゃあ雷夜さん探して3人でお見舞いに行こう」

 

「うん」

 

 

 ちょっとだけ感動して子供らしい返事になっちゃた。




怜華ちゃんの頑張りで遥は雷夜に対して悪いイメージだけじゃなくなりました。100%ではないけど60%ぐらいはいいイメージ。


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おみくじはみんな引く?

しばらく関係のない話なんですけど、この作品のタイトルの話書くとき視点雷夜たちオリキャラじゃない方がいいんですよね。どうしようか迷ってる。できたらイベストみたいな書き方したいんだけどなぁ。

雷夜視点に戻ります。


 神社の鳥居とかってみんな好きだよね。くぐるだけでも楽しいし見た目もいい。日本人に鳥居が嫌いな人いないんじゃないかな?

 

 

「いた、雷夜さん‼︎ってそっち危ない‼︎」

 

「ん?遥なんで来てんの?2人で回ればよかったのに。というか今夜遅いんだから声小さくしなよ」

 

 

 遥と怜華が何故か俺を探していた。俺今神社の裏側にいたから探すの大変だったろうに、てか電話したらよかったじゃん。

 でもまぁ俺も探すときに電話の存在忘れるし人のこと言えないけどさ。

 

 

「ちょと止まって。そっち傾斜があって危ないから戻って」

 

「あっそうなのね。裏の景色良かったからもっと進もうとしてた。助かったよ。ありがとう遥」

 

「ちょと詳しかっただけだし、そんなに気にしないで。それより雷夜さんも一緒に回りませんか?もしかしてもうくじって引きました?」

 

「まだだよ」

 

 

 ちょとだけ嘘をついた。除夜の鐘が鳴り、その間に自分用のは引いていた。でもまぁミクの分として引くということは出来るだろうし、渡すのは怜華に任せればいい。

 

 

「一つ聞いていいかな?遥はなんで一緒に回ろうと思ったの?」

 

「不満ですか?せっかくアイドルが一緒に回ろうと誘っているのに………」

 

 

 遥が足を止め、こちらを見つめる。

 

 

「不満って………そんな事は普通にないけど、さっきまで普通に喧嘩してたのによく誘う気になったなって疑問なの」

 

「そうだよね………あの後話の中で怜華ちゃんから雷夜さんも私の事心配してくれてるって教えてもらったんだ。喧嘩もさ、よくよく考えてみるとあなたも私のファンだった。拒んでいたのは私だけだった。だから別に雷夜は私のことを否定してなかったと思う。確かに私の考えは否定されたけど、自分の事が一番大切だって伝えてたかっただけなんだって気づいたんだ。……私は自分のプライドがそれを気づけなくさせてた。だからその………罪滅ぼしというか……単純に謝りたかったというか……だからその、ごめんなさい」

 

 

 顔を晒し、下を向く遥。

………年下に謝れるのはどうも苦手だ。どう答えればいいんだろうか?わからない。出来るのは、ただ言いたいことを言うこと。上手く伝えることは苦手だ。直接的にしか言えない。暗喩できない。ぐちゃぐちゃになりながら伝えることしか出来ない。

 

 

「………俺はさ、アイドルの裏側とかわからないから言えた事もあると思う。俺は1人のファンとしてしか話せないし、だからこそ言いたかったんだ。努力で完璧を目指す姿勢は見習うべきいい事だけどそれが自分を傷つけるならやめてほしい。多分だけど最初から応援してたファンや親達はそうなんじゃないかな?」

 

 

 少しだけ下を向いていた顔が上を向く。思い当たるものがあったのだろう。プライドが視界を狭めていたのだろう。あの撮影は少しオフの姿を演じる必要があったから感情的になりやすかったんだと思う。普段から冷静な遥だしきっとそうだろう。

 

 

「まぁ無理しない範囲でこれからもアイドル頑張ってよ」

 

「うん、これからもずっとみんなに笑顔を届ける。これからも応援しててね雷夜」

 

「ああ、これからも応援するよ。それにやっぱり遥は俺にさんとかつけない方がらしいよ。最初に会ったときみたいにして欲しい」

 

「ふふ、私らしいってなに?やっぱり面白いね雷夜。身体は弱くて、運動ほとんど出来ないのに歌ってるときの迫力は強い」

 

 

 なんか褒められてるような褒められてないような、変な感覚を覚える。

 

 

 話をしてると声が聞こえてくる。怜華が俺たちのことを見つけたのだろう。

 

「あっ‼︎やっと見つけた。兄さんも遥さんもなにやってるの?もう早く回ろうよ」

 

「そうだね。熱心な人とかで混み合うかも知れないし、行こうか。おみくじ回しに行くよ」

 

 

 

 

 その後俺たちはお祭りのように色々な屋台を見たり、おみくじを引いたりした。なんと遥は射的でペンギンのぬいぐるみを取ったり、ペンギンの型抜きに挑戦とペンギンにまつわるものをたくさん行なっていた。

 

 ちなみにおみくじの結果は俺が凶、怜華が中吉で遥が大吉。ミクの分は中吉だった。俺だけなんかよくないのなぁ。すごい不安が残ってる感じになったお参りだった。




投稿頻度落ちてたりするけどみんな実際1週間に1本でもちょうど良かったりするのかな?でも俺の短いしなぁ。悩み中。

こいつ悩んでばっかだな。


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声出し。

「おかえり、雷夜。久しぶりの東雲家はゆっくり出来た?」

 

「ただいま、シロ。結構ゆっくり出来たよ。まぁ伝えたとは思うけど遥と仲直り?したから少し疲れたけどね」

 

 

 大晦日が過ぎ、東雲家での行事とかを終え、今は病院近くの家に戻ってきていた。あの後遥の方を2人で送って行った後、帰りが遅いと母親に怒られた。が、その事を話すと今回は見逃してくれた。

 年に一度しか戻ってないのに帰りが遅いとなると不安になるだろうし、少し申し訳ないことをした。

 

 

「……私聞いてないよ?」

 

「えっ?」

 

 

 シロに送ったはずであると考えた後確認してみると、『K』に、つまり奏に送っていた。幸い転生に関わることは何も書いてなかったためどうにかなるが、もしそんな事があれば何が起きるかわからなかった。

 

 

「奏に送ってたみたい。ただ返信とかないから多分見てないことにしてくれると思う。で、そう。遥と仲直りしたよ」

 

「仲直りしたんだ。私ギスギスしてるの好きじゃなかったから嬉しいよ。怜華ちゃんが何かしたのかな?」

 

「そんな感じだと思う。遥が俺を認めた理由に関しては。ただ俺の中で遥が誰か1人の意見だけで変わるとは思わないから元々少しはこっちの言い分を理解してたんじゃないかな?」

 

「確かにそうかもね。仲直りはどのみち解決してたってことで。怜華ちゃんのおかげで早く仲直りした。そんな感じかな」

 

 

 その後も色々とあってない間に起きた事などを話したりしていると、スマホが通知を知らせてくる。

 

「ごめん、ちょっとスマホ開くわ」

 

「雷夜は通知とか気にするタイプ?」

 

「そうだな。俺は通知のマークとかついてるの大嫌いだからすぐに確認したいんだよね」

 

 

 スマホのロックを開くとすぐにその通知の内容がわかった。『K』からの連絡だ。そして、その内容は普段ミク達に歌わせているのを自分達でセルフカバーをしないかというものだった。

 

 

「自分で歌うのねぇ。ネットってわかんないからNIght =俺と結びつくと困るしなぁ。はぁ……どうしたもんか」

 

「何?好きにしたらいいんじゃない?私にはそんなに関係ないし………何より面白そうじゃん。まぁまふゆとかこれからのニーゴのメンバーを考えるとやっぱり声出したくはないけどね」

 

「そんなんだよなぁ。せめてまふゆが入ればまだどうにかなる気はするんだけどなぁ」

 

「待って、流石にえななんの事舐めすぎじゃない?多分歌ったら気づくと思うよ?雷夜がいるからニーゴに入らなそうなのはまふゆとえななんだけど、流石のえななんでも気づくよ⁉︎」

 

「………シロもシロでえななんの事甘く見てるよな。でもそうか、絵名が入ってから声出す方がいいか」

 

 

 という事で、奏には悪いが声出しは出来ないと伝えることにした。ただいずれは声を出すだろうしで、一旦親に許可が取れたら声出しするだけ付け加えておいた。

 

 送ると直ぐに奏から返信が来る。『わかった。まってる』と、淡々とした返事だけど、これはおそらく楽曲作りで忙しいからなのかな。

 

 

「けど実際どっちがいいんだろうね?まふゆが自分を探すのに嫌いな人がいるだけでも感情に気づきやすくなって悪くないし、まず俺が歌うものはこころに響かない可能性の方が高いから俺と気づかないかもだしなぁ」

 

「言わんとしてる事はわかるよ?でも私は声出し反対かな。やっぱり今バレても旨みが少ないし、別に雷夜はニーゴ抜けたりしないでしょ?なら雷夜が与える影響は出るし安定して入ってくれるようにしたらいいと思うんけど」

 

 

 どちらにせよ一旦俺は歌わない選択をしたんだから悩んでもしょうがない。とりあえず2月終わりぐらいまでいつも通りに過ごすくらいだなぁ。




この章はここで終わり、次からは軽く卒業式のあと屋上に集まる3人と、春休みからの、高校入学になる予定です。多分だけどこの次はまふゆの話になりそうかな。というかニーゴのメンバーがフルで集まる話だね。


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卒業式

なお、卒業式を終えたところから始まる模様。


「類、雷夜先輩卒業おめでとう」

 

「ありがとう瑞希。やっぱり義務教育なのもあって屋上でサボってても卒業出来るもんだね」

 

「類……最初に出る感想がそれなの?まぁ瑞希ありがとう。一個言いたいんだけどさ、俺が卒業するまでずっと先輩付けっぱなしだよな。なんで?」

 

「え、それ今聞く?」

 

「確かに、雷夜くんの質問は僕もしたかったねぇ」

 

「類まで……別に深い意味とか何にもないんだけど。類は2文字で言いやすかったけど、雷夜先輩って雷夜で3文字じゃん。だから先輩ってあった方がしっくり来ると思っただけ」

 

 

 いつもよりちょっと早口で話す瑞希は少し可愛らしく思う。

それにしてももう卒業か……。長い時間を過ごした気がする。たった中学の3年間は色々な事が起きたのもあるけどさ。

 

 

「そういえば瑞希は次の日どうすんの?屋上でサボる?」

 

「サボるんじゃない?どーせクラス行ってもつまんないし」

 

「そういえば、今思い返してみると瑞希は自分から何か持ってくると言ったことはしてなかったね。これを機に自分のやってみたい事をしてみるのも、いいかもしれないね」

 

「ボクのやりたい事?」

 

 

 今やりたい事あるのかな?この時期だとアニメ見てるぐらいだったと思うんだけど。絵名の絵で作り始めるのもクールの終わりだし、なにするんだろう。

 

 

「いまやりたい事はこれといってないんだよね。なんとなくでいいならボクの好きなものを見たりとか?」

 

「いいと思うよ。僕だってよく色々なパーツ見にいってるし………雷夜くんなんて色々なジャンルの音楽を見てるしね」

 

「おい、類なんで俺の話出したん?俺を好きに生きてる人間の例に出したのか?」

 

 

 ちょっとだけ微笑み、なにも言わない類。それはもう肯定してるじゃん。確かにアイドル、バンド、ミュージカル。加えてストリートにアンダーグラウンドと幅広く対応してるからなんにも反論できないんだけどさ。

 

 

「まぁ反論出来ないと分かってるのでその話は置いとくけど………後はアニメのイベントとかに参加してみても面白いかもよ。ネットなら隠れて学校でもやれちゃうかもしれないし、そうじゃなくても好きなアニメなら家でも何かしたくなると思う」

 

「やるとしても来年度かな。直ぐ春休みの宿題とか出ると思うし、それに今期はそこまでボク的に魅力的なのはなかったのもあるし、来期に楽しみにしてるのがあるからそれのイベントがあったら参加しようかな」

 

「それがいいと思うよ。ね、雷夜くん」

 

 

 そうして話している中担任の先生の姿が目に入ってくる。

 

 

「お前たち、そろそろ帰ったらどうだ?みんな帰りつつあるぞ」

 

「確かにそろそろいい時間だね」

 

「でもまだ日出てるんだよなぁ」

 

「雷夜先輩、家に遊びにいっていい?そう言ってるんだしどうせ暇でしょ?」

 

「別にいいけど、しばらくシロ帰って来ないよ?」

 

「そうだ、お前たちに聞きたい事があったんだった。少し時間いいか?」

 

「僕達は全然大丈夫ですよ」

 

 

 先生は一旦息を吐き、真剣な声色で質問を投げてくる。

 

 

「なぜ屋上でサボってたりしてるのに成績がいいんだ?」

 

「そんな事?」

 

「そんな事とはなんだ‼︎こっちは学校の先生として教える義務がある。だがお前たち3人………東雲はまだちゃんと授業を受けている姿を見る事があるからまだわかるが………神代は普段から内職してるか教室にいないかだし、暁山は教室にいないと、授業を受けていなかったりするのに他の生徒よりもテストの成績が良い。これでは先生の授業が非効率ではないのかと聞かれるのだ」

 

 

………とりあえず話長くない?しかも愚痴みたいな物だし。でもまぁ先生いない方がテストの点を取ってるという結果が残るわけだもんな。かわいそう。本物の天才と秀才、それに前世の記憶のある中学生だもん。仕方ない事なんだけどなぁ。

 

「先生、多分類と雷夜先輩はしょうがないと思った方が良いかも知れません。ボクもまだ理解を拒んでいるんですけど………類も雷夜先輩ももうある程度の高校の学習を終えてます。類に関しては機械について関わる内容ならその先も学んでます」

 

『その中にいた瑞希の学力が上がるのはある程度当然かも知れないね」

 

 

 先生にトドメを刺すような2人の無慈悲な事実を告げる声を聞き、先生は少し引いていたとさ。




次は学校帰宅後の話を少し書こうかな。


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瑞希音楽への一歩

「この動きかっこいいんじゃないかな?………けどこれは振り付けにするなは続きが作れないし終わりには中途半端だからなぁ」

 

 

 なんか………瑞希がニーゴにいる時みたいに元気に見える………なんで?あの後ただ普通に俺の家に集まっただけなんだけどなぁ。ただ類は用事があるから来てなかったけどさ。違うのそれだけだし。

 本当にこうゆう時どうすればいいんだろう?柔軟な対応は難しい。類ならなにも言わずにそのまま接するんだろうけど、俺がしなきゃいけない対応は…………

 

 

「雷夜先輩?あっやっとこっちに意識向いた」

 

「うおっ⁉︎ごめん考えごとしてた。

 

「ふーん、まぁいいや。ねぇ雷夜先輩はどうゆう考えのもと振り付けを考えてるの?僕も振り付け考えるのやってみたいんだよね」

 

 

………瑞希って振り付けに興味持つんだ。なんか以外かも。自分用の服作るようになるくらいだしどっちかって言うと3Dモデルに興味でると思ってた。

 

 

「振り付けは……これ見るとわかると思うんだけどさ、俺は劇………まぁ1人だけど劇みたいに作ってる部分があるんだよ。ここが俺が一番大切だと考えてるところ。で俺はこの曲はなにを伝えたいのかを大体曲の雰囲気で考えて、つくる。基本的に暗い曲やってるから劇の部分はキャラの動きが小さくなる事が多いから他は激しくキレのある動きにしてるかな」

 

「結構色々な事考えてるって事はわかったけど、まだまだかな。静と動の関係か………大変だね」

 

「まぁ大変だけど楽しいよ。瑞希だってやろうと思えばできるはず。俺は別にプロでもなんでもないし、自分なりのやり方を見つけて数をこなせば俺ぐらい………センスも含めれば俺よりももっといい物が作れるようになると思う」

 

 

 瑞希の表情は今まで見てきた中ではとマジで真剣な顔で、ものすごく悩んでいた。

 

 

「瑞希さ、暇な時に俺の家来て一緒に振り付け考える?どうせ学校でやらない事だし、学校でできる趣味が見つかるまでやるとかも出来るし」

 

「………そうしようかな。これだけにハマってたら学校余計に行かなくなってただろうし」

 

 

「ただいま。……雷夜卒業おめでとう。あっ瑞希来てたんだ」

 

 

 瑞希と一緒に振り付けを考えるのが決まったと同時にシロが帰ってきた。

 

 

「白夜さんお帰りなさい。お邪魔してます」

 

「いらっしゃい。ゆっくりしてっていいからね。夜ご飯も食べてく?全然作るけど?」

 

「じゃあご馳走になってこうかな。そういえば、白夜さんは踊ったりしないんですか?」

 

 

 質問がよく分からずに動きの止まるシロ。話の流れわかってないと普通に考えて伝わらないよね。

 

 

「シロは踊らないよ。踊るのは俺と怜華だけ」

 

「ふーん。なんか雷夜先輩達のグループって複だよね。少し覚えるの大変かも」

 

「瑞希は私たちというか雷夜のグループってどのくらいわかってるの?結構あるんだけど………」

 

 

 少し考えた素振りをした後に瑞希ははっきりと伝える。

 

 

「『ペテン師の賽』と、名前わからないけどこのMMDのやつとか?それくらいかな?あーそういえば『ビビットダイス』?だっけ?なんかテレビで見た気がする。これくらいですね」

 

「『ビビットダイス』知ってるのに『ツインダイス』知らないのね」

 

「俺と怜華で「ツインダイス』そこにシロと茜のグループ『ZEST』が加わって『ペテン師の賽』これが大体かな。で踊るのは俺たちツインダイス側のメンバーって感じ。他は突発的にできてるかな。『ビビットダイス』もそのうちの一つ」

 

「私と茜はもともとがバンドで普通にやってたんだけどね。何故かパフォーマンスが少し加わっちゃったんだ。これが雷夜の関係してるチームっていうのかな?」

 

「思ったより多い………チーム名それぞれ考えてるの大変じゃない?ボクならもう名前&名前にしそう」

 

 

 正直言ってめんどくさい。俺と怜華はサイコロがイメージだからまだ楽だけど決定的にコレってのが無い人はもっと大変だったであろう。

 

 

「さてと、私は少しだけ仮眠取ろうかな。1時間ぐらい寝ようと思うからよろしく」

 

「あいよ。じゃあ瑞希せっかくだしこっちの曲の振り付けとか考えようぜ」

 

「いいね、それやろうか」

 

 

 

 

 

その後仮眠を取り終えたシロがおきてくるまで色々な振り付けを考え、ともに夕食を食べて瑞希は帰って行った。




今回のイベストやばすぎだろ。


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高校入学、ニーゴ活動開始編
神高入学


短め


 神高到着。結構早めに来ないと人が多くて危ないのは前世で経験済みだかし、他の用事含めて早くきたのだが………まぁ多少俺よりも早く来ている人がいる。混んでなければ別に構わないから別にいいけどな。

 

 さて、俺のクラスは────Aか。司の名前もあるじゃん。なんかドッキリでも仕掛けておこうかな?反応面白そうだし。

 

 

 

 

 

 

 

 そう思っていたが世の中上手く都合よく回らない事もあるためこの思考は無駄となった。

 

 

「おおー‼︎雷夜じゃないか‼︎まさか同じクラスだったとは。これから一年よろしくな」

 

「ああ、よろしく。ただ俺はたまに授業出ていない時が来るかもしれないからもしかしたら迷惑をかけるかもしれない。けど基本的にはいるから安心してくれ」

 

 

 そう。司はすでにきていたのであった。

 

 

「それにしても雷夜は早くきたんだな?俺も人のことは言えないが………普通ならもっと遅く来るのではないだろうか?」

 

「それは俺が聞きたいよ。俺は主席で挨拶含めて少し早くきたんだが………司は何かあるのか?」

 

「俺は内装など色々と先に知っておきたかったからな。………しかしなるほど、雷夜は学年で一番学力が高いのか。やはり模試満点の実力は確かだ………しかし‼︎俺はいずれスターになる男だ‼︎いつか雷夜よりも実力をつけてみせるぞ」

 

「───待ってるよ。けどこれはアンフェアな勝負に思えるかな。そこで提案がある」

 

「提案?一体なんだというんだ⁉︎」

 

「それは、司の目指してるもの、スターになるという事で勝負しようという事だ。ルールは簡単。司ってスターになる為に何かオーディションとか受けてたりしない?」

 

 

 ワンダショのメインストーリーを見てみるとキャストのアルバイトの面接から始まっている。ならばこの段階で受けようとしてるあるいは受けている可能性がある。

 

 

「まだ俺は受けていないが………半年後から挑戦してみようと思ってるが、もしやそれで受かった方が勝ちなどというんじゃないだろうな?」

 

「そうだけど?俺は勉強に関して全然余裕があるけど司は勉強に加えてそのスターになるための勉強もある。大変じゃない?」

 

「それはそうだが、俺は………」

 

 

 司が言葉を話さなくなってしまった。

 

 

「………なんかごめんね?この話聞かなかった事にしてよ。それじゃあ俺そろそろ先生のところ行ってくるからさ。じゃ後でね」

 

 

 教室を出て職員室へと向かおうとする俺を止めようとする司の声がかすかに聞こえて来るが無視して進む。

 オーディションで勝負するとはとても屈辱的なものだったかな?よく考えてみれば相手の夢をゲームのように扱ったんだ。普通に考えてよくないだろ。

 

「はぁ、初日からやらかしてんなぁ」

 

 

 

 

その後はなんとなくで入学式を無事に終えてホームルールでさえほとんど話す機会はなかった。



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地雷?

来週はおそらく諸事情により、出せないと思うから長めになったこれで許して


「はぁ本当にあれはダメだよなぁ」

 

 

 ホームルームを終えて、皆が帰ろうとしてる中俺は中庭で目を閉じながら反省していた。相手の夢を踏みにじるのは誰だってしちゃダメだと思う。まぁやる必要があるならまだいいけどさ。

 

 

「あーなんで俺やらかすんだよ。あの司に何も言えなくさせるレベルって………はぁ」

 

「あ、いたいた。普通によかったじゃん。ずっとめんどくさいって言ってたくせにさ」

 

「シロ………何?わざわざ探してたの?」

 

「まぁ私というより」

 

「わたしだよ。入学おめでとう雷夜くん。友達できた?」

 

 

 探しに来ていたのは茜の方だった。シロが俺を探す理由なんてないし当たり前と言えば当たり前なんだけど。

 

 

「友達はまぁいる………かな?というかやっぱり最近少し柔らかくなった気がするけど気のせい?」

 

「気のせいじゃないかもね。流石にもう2年くらいの関係だし、初めて会った時ぐらいはピリピリしてないよ。それよりも………いるかな?ってなんで疑問系なの?流石に今日仲良くなって喧嘩とかしてないよね?」

 

 

………どうしよう。茜ってすこし心配性というか普段関わらないから結構お節介というか………すごく優しいんだけど対応が大変というかで少しなんか申し訳なくなる。まぁズバっと言うと面倒だ。

 

 

「………なんか余計なお世話とか考えてない?」

 

「いやだってさ、元々友達だった人が同じクラスにいるから自分でも曖昧なんだよ」

 

「じゃあその子と喧嘩したんだ」

 

「なんでそうなるのさ」

 

「だって独り言が喧嘩したって教えてくれてるじゃん?」

 

 

 どうやら俺が気づいてなかっただけで俺の独り言を2人とも聞いていたらしい。独り言は言うもんじゃないね。独り言聞かれるとよく茜の目が怖く感じるし。

 

「茜の言うとおり喧嘩したけど後でちゃんと謝るよ。だから安心して、別にこの喧嘩がストレスとなって体調崩したりはしないからさ」

 

「ならいいけど仲直り出来る?独り言の内容的に結構大変な事になってない?」

 

 

 ちなみにだが見てわかるかもしれないが茜は俺の知り合いの中ではかなりの過保護に当たる。茜の親が主治医だということ、普段練習の時はお互い練習に集中してるしで茜と雑談の回数が少ないのが合わさり、たまにの雑談ではよく過保護になっているのだ。

 

 

「まぁ司だし、ちゃんと言えば許してくれるよ。それに俺耳がいいからわかる事なんだけどさ、司がどっかで俺のこと探してるみたいだし多分大丈夫。多分意識すればよく聞こえて来るよ」

 

「あー本当だ」

 

「え?わたし聞こえてないよ?」

 

 

 最初に反応したのはシロ。まぁ司の声知ってるもんな。

 

 

「ふむ、もしやもう帰ってしまったのだろか?いや中庭にいるではないか‼︎おーい、雷夜ー‼︎」

 

「司声でかいよ、もう少し静かにしなよ」

 

「それはすまなかった。しかしすでに帰っているのかと思ったが………中庭か、思ったよりもシンプルに近いところにいたな。まるで灯台下暗しだな」

 

「それよりも司はなんでまた俺探してたの?」

 

 

 謝るの明日でいいかと思ってたんだけどこれは今日やるべきだな。

 

 

「今日の事をちゃんと伝えなければと思ってな。まず雷夜は人の話はちゃんと最後まで聞くべきだ。、でないと今日みたいになるぞ。それで本題なんだが………勝負は別の事で行わないか?オーディションのための練習はかなり幼い頃から俺は行っているのもあって俺に有利過ぎる」

 

「そんな事なの?話したいのってさ、俺に他の事で怒りに来たんじゃないの?」

 

「そうだな……俺はオーディションを勝負とする事は別に構わない。俺が目指すのは遥遠くにあるスターの座なのだ。こんな前提条件のようなもので競うのはお前がいいなら構わない。もしよっぽどの自信のあるようなら、このままの勝負で受けてたとう‼︎」

 

 

 司はものすごく明るい光そのものだと俺は思う。

 明るくて元気なうるさいやつ。そうゆう風に感じてたけど、実際に励まされる側に回るとこんなに話してて楽しいって感情に溢れるのは司の力があるからだ。実際の司は希望の星みたいなんだ。

 

 

「───ふふ、雷夜もう負けてるんじゃない?」

 

「茜もやっぱりそう思うよね。私も雷夜はもう勝負する前に負けてると思うよ。まぁ雷夜、これに関しては相手が悪いね」

 

 

 この話を聞くことに専念していた2人が話に入ってきた。

 

 

「やっぱりそうだよな。だってもうこんなんスターじゃなかったらなんだって言うんだ。負けたよ、1日で勝負がつくとは思わなかったから少し悔しいが、完敗だ」

 

「ちょ、ちょっとまて‼︎何故俺が勝っているのだ⁉︎まだオーディションの一つも受けてないぞ‼︎」

 

「それ────聞きたい?」

 

 

 普通にその話していいものなのか………恥ずかしいのもあるけど慢心とかしない……よな?

 

 

「よし、雷夜。ちゃんと解説しちゃえ‼︎」

 

「あ、茜⁉︎なんか楽しくなってない?でもまぁ司聞きたそうだし、ちょっと真面目な話するぞ」

 

「お、おう。存分に話してくれ」

 

 

 深呼吸を挟み、言いたい事を軽くまとめる。

 

 

「───ふぅ。まず俺が負けたと感じた理由。これは司の人間性というかまぁ適性みたいな話。結構簡単な判断だけど相手の事をリスペクトする事ができ、尚且つ自分磨きにも怠らない。それに自分への自信があるのは無いよりはある方が絶対にいいからな。こういった事を含めて考えると、司はすでにオーディションで受かっててもおかしく無いと思ったからだ」

 

「長いから本当に端折って解説すると、ゴール地点のオーディションに受かる。このレベルはもう越してるんじゃ無いかって事でゲームが始まった時点でもう司くんは勝っていたって事かな」

 

「な、なるほど。しかしいいのか?そのレベルだと認めているのはわかったが、実際にはオーディションに受かっていない。雷夜のもつパフォーマンスの才能などで実際にオーディションに受かるのは雷夜が先かもしれないんだぞ?」

 

 

 やっぱり恥ずかしい理由言わないとダメかぁ。

 

 

「いいか、もらえるものはなんでも貰っとけ。いいか、俺はすでにお前のファンなんだ。素直にかっこいいって思ったよ。多分2人も同じだと思う。だからその、俺の中で司はもうスターなんだよ」

 

「────雷夜、お前すごいいいやつだな。今まで俺の知り合いはみんなスターになれると言ってくれた事はあったが、ここまてストレートにスターだと言ったのは初めてだ」

 

 

 少し話が続かずに気まずい雰囲気になっていく。しかしそれは察知して茜が声を出した。

 

 

「………なんかオチのない話だね。1人は恥ずかしくて使い物にならないし、1人は嬉しくて使い物にならないしで話が続かないよ。よし、そろそろ帰ろうか。私達この後用事があるし、司くんまたね」

 

「雷夜、帰りに買い物してくからね」

 

「ああわかった。それじゃあ司またな明日」

 

「あぁ、また明日」

 

 

 

 

 帰ったら入学祝いとして慎英さんからお肉をもらったので少し季節はずれの鍋を、食べました。



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ニーゴの設立?

どうにか捻り出せそう


『Night、少し相談したい事があるから話せない?』

 

 高校入学して1ヶ月経とうとしている時Kからこんな連絡が届いた。ついにまふゆのニーゴ加入となる。………まだニーゴって名前出てないけど。

 ちなみにだが、俺の基本的な活動時間は10時とかなので活動時間とはほとんど合わないのだ。でも瑞希とかも25時活動だからずらそうかなぁ。でもまふゆと姉さんとも同じ時間だしなぁ。あの2人多分だけど俺と相性悪いよな。

 それはまぁどうしようもない事だし気にするだけ無駄なのでとりあえず今時間空いてるという事をKに伝えるのが優先する事だ。

 

『話せるよ』

 

 そう返すとすぐにKナイトコードに入るのが見えたので俺も入る。

 

 

『ごめんね。時間とって、それで話したい事なんだけど先にこれ聞いて欲しい』

 

「───あー、あの曲のアレンジしたんだ。結構新しいからサムネとかまだ付けられてないやつ。うん、これリメイクで出せるんじゃない?」

 

『えっと、このアレンジしたのわたしじゃなくて、視聴者なんだ。それで、このアレンジをしてくれた人とも一緒に曲を作るのも考えて見みたんだけどどうかな?』

 

「別にいいんじゃない?それを決めるのはKだしさ。少しキツく言うけど俺の立ち位置って俺が好きで作ってるMMDを公式にしてもらってる側だし、金銭のやり取りもしてない。だから俺は何かを言う権利はない」

 

『Nightもしかして怒ってたりする?やっぱり時間なかった?』

 

 

───なんでそうなるんだ?

 

「え?なんで?そんなに怒ってるように感じる?」

 

『なんだろう、わたしNightの事結構いいチームメイトみたいに思ってたからかな?』

 

「あー……それは怒ってるように思うよな。なんとなくわかる。ごめん。俺からすると結構好きにやらせてもらってるからチームとは少し違うように思ってた」

 

『チームをどこまで一緒にするかって話だよね。ゲーム会社とかの音楽担当とシステム担当、ビジュアル担当みたいにチームが分かれてるとも取れるし」

 

「そうゆう事だね。後これは今後の話になるんだけど、Kはその………アレンジしてくれた人と多分曲を作るんでしょ?だったら共同で同じものを作り上げてる人の方が多分チームと言えるから俺の事はそこまで気にしないで。それに俺声出してないからそれも合わせてって感じかな。まぁ色々と言ったけど、曲作りは全部Kに任せるって話。後少し提案があるんだけどいいかな?」

 

『ちょ、ちょっと待って。一気に話されると話の処理が追いつかない。えっと、基本的に私が決めて動いていいんだよね?』

 

「そう、自由に俺の事気にせずやって欲しい」

 

『わかった。それじゃあしばらく考えて必要だと思ったら誘ってみることにする。それで提案って?』

 

「俺の代わりにサムネと動画の絵を描く専門の人、MVを作れる人がもしいい人がいたら誘ってみてもいいかもしれないって話。最近はKどんどん上げているからサムネとか追いついてないしさ」

 

 

 とりあえず先に絵名と瑞希を誘えるようにしておこう。

 

 

『わかった少し考えてみる。こんな夜にごめんね、多分もういつも寝てる時間だよね?前に言ってた気がする』

 

「まぁ遅いけど気にしないで、何かあれば夜でも深夜でも大丈夫だからさ。それじゃあおやすみ。俺は寝るよ」

 

『うん、ありがとうそれじゃあまたね』

 

 

 そうして通話は切れる。普段なら寝ているためすでに眠気は多い。という訳でおれは寝ようかな。どうせ明日には一緒に曲を作れないか聞いてみたとかの報告くるだろうし、明日に備えて少しだけでも早く寝ておきたい。



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雪登場。

来週書けないなら書けなくなる前に書いてしまえばいいのではとなった。


久しぶりの視点移動だよ。奏の視点が少し入ります。


 夜、ビビットストリートから帰宅中にナイトコードにKから連絡が来ていた。その内容は今日の夜11時にアレンジしてくれた雪さんがくるからよかったら来ないか………いや来るようにと書かれている。

 

『それ、俺も声出さなきゃダメ?できるなら俺声出したくないんだけど』

 

 流石に声聞かせるのは無理だなぁ。奏は俺の活動に興味持たないからいいわけでもあったし。

 

『わかった。来てくれさえすれば曲の世界観を共有できると思うから』

 

『ありがとう、助かる。今後も活動する時はチャットに打ち込むよ』

 

『でもなんで声出したくないの?』

 

『……俺地元?だと名前知られてたりするからこの活動バレたくないんだよね。Kに一度だけ話した事あるけどそんなに興味持ってなさそうだったし覚えてなさそうだ』

 

『確かに覚えてないかも』

 

『まぁそうゆう訳だから』

 

 声出す必要がなくなったので、とりあえず帰ってシロにまふゆの加入を伝えて、やる事やって待機しようかな。

 まふゆとかこれからくる姉さんと瑞希には少し騙してる感じで申し訳ないなぁ。

 

 

───────────────────────

 

 

 Nightって普段何してるんだろ?………音楽活動してるのは覚えてるけど、地元で有名ってことは多分色々練習してる………よね?

 それでいてわたしの動画のサムネ作ってくれたり、MMD出したり、どこにそんな時間あるんだろう?だって今高校生だよね?私と同い年のはずだし………通信制とも聞いてないから自由に使える時間なんてほとんどないはずなのに。

 

 

「そういえば、Nightって冷たい人なのか優しい人なのかもよくわからないんだよね………」

 

 

 この前話してる時は壁を感じるように思えたけど………サムネ作りとか無償で作ってくれてるし………チグハグな存在。Nightの事わたし全然わかってないな。

 あ、でも初音ミクの事結構好き………なのかな?自分で歌うのとミクとかボーカロイドで作るようになったのはNightが勧めてきたからだし。

 

 

 そろそろ11時だし、意識を切り替えよう。

 Night来てくれると少し楽なんだけど………やっぱり人と話すのって緊張するな。

 

 

『あの……雪さん、ですか?』

 

 

───────────────────────

 

 

 

『あの……雪さん、ですか?』

 

 

 ふー危なかった。ギリギリ間に合った。どうやらなんとビックリ同時に入ったようだ。

 

 

『──はじめまして。雪です』

 

『あ………はじめまして、雪さん。K、です……』

 

『はじめまして、Lightning Night。長いからNightでよろしく』

 

 

 ちゃんと聞いてるだけでも挨拶は忘れない。奏はまだまだ人と話すことに慣れてないからダイビングが少しゆっくりでも全然間に合うね。

 

 

『……えっと……』

 

『メッセージをありがとうございます。Kさんと一緒に作れるなんて、光栄です』

 

『………俺は?』

 

『もちろんNightさんの書いたサムネイルやMMD……って言うんですか?あのダンスもとても素晴らしいものだと思います。ただ私にそういった才能は持ち合わせてないので………一緒に作業するのはおそらくKさんだと思ったので省略させていただきました。ごめんなさい』

 

 

………どうしよう軽く冗談混じりに言った事なのに結構真面目に返された。しかも優等生モードだからとにかく原作を知っているとむず痒いものがある。

 

 

 少し話に集中せずに聞いていると、無言の時間が訪れる。

 

 

『あの……雪さん?Night?2人とも反応が……ない。あれ?通信エラー?』

 

『あ……ごめんなさい。そんなふうに思っていただけていたなんて、思っていなくて………すごく嬉しいです。改めて、これからよろしくお願いします』

 

『あ……はい、よろしくお願いします』

 

『おー、すごいいい子だ。これから改めてよろしく』

 

『それじゃあ早速、どうやって曲を作っていくか、話しましょうか。Nightはどうする?わたしたちで、まとまった曲の雰囲気を後で伝えた方がいい?それともまだ聞いてる?』

 

「俺は今ある事終わらせないといけないから後で全部教えてよ』

 

『わかった。時間とってごめんね』

 

 

 早めに抜けさせてもらった。さて、今日はやる事やってとっとと寝ないとなぁ。




主人公別に25時起きれるけどシロは怒らなくなったけど茜という新たな夜ふかしの敵が出てきたので25時は厳しいところがあるのだった。


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この人こんなに圧あったかな?

やっと見つけた────ねぇ、東雲さんだよね?」

 

 

 下校し自転車から降りて家の中に入ろうとした時に薄い緑の髪をした誰かに袖を掴まれ、俺であるかの確認をされる。………怖。

 

 

「そうだけど、あの誰?俺たちのファンの人?流石にマナーがなってないよ」

 

「は?ファン?何言ってんの………なんなら反対の存在なんだけど」

 

「なんでキレてるんだよ?しかも初対面だろ?」

 

 

 ほんとになんでキレてんの?てかなかなかの毒舌。やっぱりこの人草薙寧々だよね?ほんと名前教えてくれないとちょっとだけめんどいんだけど。

 

 

「うっ……しょうがない。私草薙寧々、類の幼なじみ。ねぇ、なんで去年までは一緒にショーをやるような関係だったのに今は類は1人でショーしてる……なんで‼︎なんで、離れたの?」

 

「ちょっと待って‼︎離れるって何⁉︎まず俺と類の関係誤解してないか?」

 

 

 離れるって………元々一緒にやってるわけでもないんだけどなぁ………でも遠目に見たらそう勘違いしてもおかしくは……ないか。

 

 あっ寧々が誤解してると言われてなんかすごい顔が真っ青になってる。かわいい。が、それはそれとして、

 

 

「途中から話しても多分ほぼ伝わらないと思うからザックリとだけど最初から話すよ。俺と類は同じクラスでよく喋る友達だったんだけど、学校でショーのための機械のアイデアを出したりしていたのが始まり。それで学校でできた沢山の部品とかを俺が持ってくのを手伝ったんだ」

 

「じゃあもしかしてあの時私が見ていたのって………ショー終わりじゃなくて普段の作業の時だった?」

 

「多分そうだと思う。俺が寧々さんに気づいたりはしてないだろうから確証はないけど……基本的に俺と類は同じ装置を作る仲間みたいな方が近い関係だしね」

 

「ごめんなさい。私てっきり類のショーについて行ける人だとばかり思ってた。いきなり怒ってごめんなさい」

 

「気にしないで、俺は類の過去とかは知らないけど、多分過去に類に辛い事が起きたんだよね」

 

 

 そういえばこの世界では類の過去について俺が知ってるはずがなかったよな。ちょうどいい機会だし少し聞けないかな。

 

 

「う、うん。……えっと、これ話してもいいのかな?類がわざわざ言ってないってのもあるし、まぁ少しだけならいいかな?」

 

「どんな事があったんだ?」

 

「これは私が初めて類と会った時の話でもあるんだけど、大体そのくらいに私と類でショーを見に行ったの。その時から類はショーの演出に興味を持っていった」

 

「まだいいような話に聞こえるけど、何かあるって事だよね」

 

「……うん、類のショーは少し危険だったんだ。本当なら安全性は確保されていたんだろうけど、普通の小学生は怖くなるしやろうと思わない。それでみんな類の周りからは離れていったの」

 

「だから今日会った時になんで離れたのって怒ったんだ。確かにその時期の類と仲いいならそう怒るよな」

 

「ちょっと‼︎流石に何回も言わないでよ。本当に悪いとは思ってるんだから」

 

 

 寧々がすごい怒ってる。というか初対面なのに喋れるのなんでだ?寧々は人見知りだったよね?

 

 

「でもまぁ、そんな過去があったから今はひとりでショーを類は続けてるんだな。でも類は一度俺をショーに誘った事があった。なら多分本心では一緒にショーをする仲間を探してるはずだ」

 

「………なら、一緒にショーができる人見つかるといいね」

 

「もし類が俺を頼ってきたら俺はそれに応えたい。寧々さんももし、類がショーのメンバーを探していたら一緒にやらない?」

 

「私は………わからない」

 

 

 簡潔に答えて寧々は下を向いてしまった。どうしようなんとも言えない空気になってしまった。どうしよう。

 

 

「なんか変な空気になっちゃった。ごめんね」

 

「あっ私の方こそごめん。後私元々人見知りだからどう話せばいいかわからなくて………」

 

「えっ?でも普通に話せてるじゃん」

 

「そっそれは‼︎それは……怒りに任せて話しかけたから、話せるというか………少し冷静になると恥ずかしい………とにかく私はわからないけど、もし類が誘ってきたら前向きには考えとく」

 

 

 冷静になってスラスラとは話せなくなっていった寧々だが、ショーのやる気自体は見受けられる。

 

 

「よし、シリアスな話はおしまい。寧々さん今日うちでご飯食べてかない?せっかく仲良くなった記念にさ」

 

「え?何急に。東雲さんっていつもこんな事してるの?」

 

「ん?仲良くなれたなぁって思ったらご飯誘ったりはしてるけど?」

 

 

 類に瑞希、司あたり普通に誘ってたけど何か問題あるのか?いやまぁ前世だと家に誘ってご飯食べるとかはしなかったけど、ファストフード店とかはよく行ってたし………

 

 

「今日初対面だよ?しかも見方によってはナンパしてるように見えるんだけど、わかってる?」

 

「あ………確かに今まで仲良くなってご飯食べてかないかって誘ったの男子だ、女子来ることはあっても全員シロの知り合いじゃん………どうしよう、普通に喋れてるからどうにかなってるけど通報されてもやってる事おかしくないじゃん」

 

「心の声ダダ漏れしてるんだけど……東雲さん大丈夫?」

 

 

 どうするべきだろうか。とりあえず謝るか?そうだまずは謝ろう、そしてその後はえと、

 

 

「何してんの?買い物少し頼んだけどそれにしては遅くない?ん?あー……初めまして、私は神高3年の風真白夜。めんどいからシロって呼んでよ」

 

 

 シロ………あなたは私の救世主だ。




なんでこの話全然終わらせられないんだ………何故か伸びてく、怖いよもう。
 勝手に話が長くなってくのあるあるだよね?多分。


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恒例のお食事会

なんか最近週一に揃えた方が楽だし、みんな読むタイミングわかりやすいのかな?って思ったりしてる。


「名前聞いてもいいかな?」

 

「く、草薙寧々です。初めまして、シロさん」

 

「うん、シロって呼んでくれてありがとう。所で雷夜は何してんの?」

 

「いやー、どうやったら許してもらえるかなぁってずっと悩んでる」

 

 

 俺は寧々に対し、いつもの男子達と同じようにご飯を誘ってしまったため、ワンチャン通報されるのではないかと怯えているが、そんな事はシロにわかるわけがないのですごい変なものを見る目で見られた。

 

 

「あーこれは雷夜が使い物にならないパターンだ。ごめん寧々ちゃん、何があったか簡潔に教えて欲しいんだけど大丈夫?」

 

「えと、東雲さんにご飯食べてかないかと誘われて………それでいつもの癖の毒舌というか、いつも通りに正論で返答したら何故かこんなになって………」

 

「あー、うーん。多分雷夜はちゃんと謝れる人だからどう謝ったら許してもらえるかとか考えてパンクしてるんだと思う。後もしかしたらだけど、雷夜は後ナンパとして通報されないかにも怯えてる感じだと思うからなんか言ってあげて」

 

「流石に通報とかはしない……それに私はナンパに見えるかもって言っただけだからそんなに反応されてもこっちが反応に困る」

 

 

 今のこの世の中冤罪とか怖いもん。寧々がそんな事する人ではないと思ってるけど、初対面ってのがわからなくさせてる。

 

 

「雷夜はそろそろいつも通りにもどりなよ。寧々ちゃんは別に通報するつもりはないから。さて、結局夜ご飯食べてく?雷夜はこんなだし私がご飯作るけど」

 

「それじゃあ……お願いします」

 

 

 2人は駐輪場から家に向かっていったので、俺もついて行こう。

 

 はぁ、なんで俺もっと先の事を見て行動できないんだろ。原作の事以外に自分のやりたい事優先させすぎてるのかな?でもやりたい事を無視するのは違うじゃん………けどそれがこうやって自分を苦しめたしな。原作の事は覚えているから俺が何をすべきかなんかはわかるのに、リアルの今の時期なんかはうまくいかない。俺は別に元々誰かと積極的に話すやつではなかったんだ。原作知識を使ってでしかやる事に成果をだせない。怜華は原作の知識がなくても仲良くはなれただろうけど、音楽の道に進む事はなかっただろう。そして………シロは俺に原作の知識がなくても仲良くしてたのかな?うーん、わかんないな。けど元々転生してる事知らないのに俺がいる病室に来てたし、あいつからしたら俺は原作キャラだろうし………ちょっとまて、もしかして俺が体調崩す原因知って───いや知ってる上でいえないのもわかってるんだ。聞けないのはつらいけど、シロがわかると言うことはいずれ治るだろう。そう信じて待つべきだな。

 

───────────────────────

 

 

 雷夜………何やってるんだろ?少し遅れてるけど。しばらくすればくるでしょ。それにしてもナンパって、おもしろいじゃん。今度怜華ちゃんにちくってみようかな?おもしろい事になりそうだ。

 

「あの………‼︎シロさんと、東雲さんってどんな関係なんですか?」

 

「私とあいつは、監視者と病人……かな?確かに私と雷夜の関係ってなんて表すべきなんだろうね。私はあいつが1人の時に体調れた時に病院に連絡する役目なんだ」

 

「東雲さんって何か持病があるの!?大丈夫なの、それ?」

 

「ダメだよ普通なら。ただ雷夜の病気に関しては普段の精神状況が大きく関わってくるって考えてるから本人の希望も踏まえて、退院して学校に行かせるの。………ところでだけど、東雲じゃなくて雷夜って呼ベないかな?雷夜には姉弟がいるからわかりづらくてさ」

 

 

 本当は雷夜が東雲と呼ばれる事に対して違和感しかないってわけだけどね。実際今まではみんな雷夜って呼んでたから違和感なく過ごせてたけど、苗字で呼ぶようなキャラが関わるようになってくるとそうはいかない。

 そういえばもうこの世界で雷夜と怜華ちゃん遠東雲って呼んで違和感のあるのは私しかいないのね。

 

「そういえば、私ご飯誘われたけど……よかったの?迷惑とかしてない………ですか?」

 

「気にしないでいいよ。類とか私の友達も来てるし、何より楽しいからね。それに私料理好きなんだ」

 

 

 家に着いたため少し話は途切れたが、話はまだ続く。

 

 

「だから私は誰かが来ると嬉しい。いつもの日常にスパイスがかかるんだから」

 

 

 ソファに座っている寧々がこちらを見ながら話す。

 

 

「すごい……ですね。私はそんな考え思いもしなかった。いつも通りの日常が好きだったのもあるけど、そんな希望のある考え方がすんなりとできるのは少し、羨ましい」

 

「ふふ、確かに今はそう思うかもだけど、寧々ちゃんだって高校生になればこんな考えできると思うよ。中学生なんてまだまだ子供だし、高校生とは大きな差を感じるよ。私は将来何をしたいっていった目標はないけど、こんな風に生きるって心に決めてるから、希望を感じさせるのかな」

 

「シロさんって見た目は少し幼いのに、とても大人みたい………」

 

 

 

「ただいま。自転車の鍵取るの忘れたから遅れたわ」

 

 

 雷夜も帰ってきたし、そろそろちゃんと何か作らないとね。




時間をかけて草薙寧々襲来が終わりました。次回からは………ニーゴか、はたまた別のキャラか、分かりませんが頑張って書きます。


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ニーゴ活動記録〜〜そんなものはない〜〜

『それじゃあ夜の9時からわたしと雷夜で作業する。その後に雪と作業する感じになると思う。何か質問とかはある……?』

 

「いや、俺に関しては特に前と変わらないから大丈夫かな。ただKの体調の面で不安を感じてるくらいだし」

 

『うっ』

 

 

 寧々のきた次の日の夜、ニーゴの曲の制作時間について話していた。俺はたまになら25時に参加する。基本的には9時に通話をする事になった。

 

 

『わたしが言える事じゃないけど……雷夜も心配だよ?色々な活動してるのに学校も行ってそうだし、大丈夫?』

 

「栄養失調だと思われるやつで倒れてるKに言われたくはないかなぁ。俺は今体調は良くなってるし、俺の………何?保護者?みたいな人も夜起きるの見逃してくれてるし」

 

『……?それなら25時に活動できるんじゃないの……?』

 

「今は夜更かしするとその保護者みたいな人の友達に怒られるようになったんだよね。まぁその人は俺の主治医の子ってのもあるかもだけど、そんなんで今はちゃんと寝ないと怒られるからね」

 

『そうなんだ。あっそうだNight、今後一緒に作ってくれる他の人がいたらまた25時に話そうと思うから、その日だけは夜起きて欲しい。無理させるようで申し訳ないけど……おねがい』

 

 

 もう絵名のイラストって存在するのだろうか?奏の言葉的にはいい人がいたみたいに聞こえるけど、まぁ考えるの面倒だし奏に直接聞けばいいか。

 

 

「K的にはいい人いたの?俺的にはイラストとか俺の代わりにやってくれる人の方が助かるんだけど」

 

『うん、まだ誘うか少し悩んでるけど………いい人、いたよ。けど、Nightはいいの?今まで通りサムネとか作る事なくなってくけど……』

 

「俺は別に大丈夫だよ。少し脱線するけどさ、俺はKの作る曲を勝手にイメージ固めて、そしてKのイメージも勝手に決めつけてイラストを作るんだ。でもKの見つけた良いイラストを描く人は多分だけど、Kの曲に救われた人なんじゃないかな?そんな人だからこそKの、K達の作品は多くの人を救うことができるようになるんだと思う」

 

『すごい考えてるんだね』

 

「あはは……俺はあくまでサポートなんだよ。俺は結構自由に好きなようにMMDを作らせてもらってるからね。そのお礼みたいな感じだよ」

 

 

 ま、ニーゴの活動に参加させてもらってるだけでお礼すら価値あるんだけど。

 

 

「てなわけで、その良いイラストを描く人誘っても良いと思うよ。あるいは、その描いてる絵を使っても良いかと聞いてみてもいいんじゃないかな?」

 

『確かに……それはいいかもしれない。それじゃあしばらく考えてみる事にするよ。そろそろいい時間だし、雪に相談してみながら考えるよ』

 

「Kのやりたいようにやっていいからな。それじゃ」

 

 

 ナイトコードのサーバーから抜ける。

 

 

 

 

 そして、それと同時にスマホが光り輝き、気づけば俺は、

 

 

「やあ、雷夜一人でようやく来れるようになったね。もう怜華ちゃんや、白夜ちゃんから聞いてると思し、私自身話した記憶があるけど、セカイにようこそ」

 

 

 俺のセカイに訪れていた。




 奏が絵名のイラストを見つけるのが原作よりも早くなりました。


そしてついに崩壊したセカイになる予定のセカイに雷夜一人で入れるようになりました。


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セカイと世界と転生と、

 この回は説明よりな話ですので時間のある時に読むことをおすすめします。

後この話は私の主観などに支配されているので、他の考えなども尊重しますし、これが正しいと言いたいわけでもありません。


「こうやって一体一で話すのは初めてだね。わかってるだろうけど初音ミク、よろしく」

 

「ああ、よろしく。それにしてもこのセカイ少し危ないね」

 

 

 俺のセカイは空は宇宙だし、地面は浮いてるように見える。そして、地面にはヒビが入っていて、高低差のある山もあったりする。

 

 

「まぁそれは一旦置いとこうか。俺はなんでこのセカイに呼ばれたんだ?」

 

「この世界は雷夜がもともといたプロセカの世界とは違うのはわかるでしょ?」

 

「シロがそれを証明してる。インビジブルソング、シロの存在自体に証明がいるなら俺の元の苗字、夜桜を知ってるのが証明になる」

 

 

 俺の発言を聞いたミクは少し呆れたというように、面白そうに俺のことを見ている。

 

 

「確かにその世界も存在する。けど、この世界はその世界ではない。わかりやすいのは白夜ちゃんの過去なんだけど、まぁそんなのわかるはずないから……今日の事とかどう?」

 

「絵名のことを奏は今日見つけてたけど、本来なら6月の中頃だったのに5月のうちに見つけているって事?でもそれって俺がサムネ作ってるから起きた事とかで、俺が転生してるからって事じゃないの?あぁでもシロと話した時に世界線の話した気もするな」

 

「あんまり整理ついて無さそうだし、ちゃんと初めから話そうか。世界って簡単にたくさんできるんだよ。誰かが見た夢、誰かが妄想した未来なんかでも存在しちゃうんだ。中でも共有される物語なんかは大きな世界になるね。そして二次創作なんかは、その大きな世界から分岐されて作られる─────」

 

 

 話がややこしくなってきた。二人もこの説明を受けたのか?

 

 

「──────この世界はもし、白夜ちゃんが曇りやすい世界なら、もし、雷夜が元気に過ごせたら、という2つの条件が組み合わさった世界なんだよ。転生ってシステムは全体的に不幸な世界を救う目的があるんだ。

でも邪神がそんないい事のために動くはずないらしいんだけど。

 まあ、そんなわけで、この世界は本来なら誰にも知られることのない神様だけの世界なんだけど、転生は記録しておかないと怒られるという事で何処かに記録されるらしいよ」

 

「ミク………話が長いって」

 

「あれ?私色々と話しすぎちゃった………?」

 

「なんか緊張とかなくなったわ。それで結局何が言いたかったの?どこが話の命題かわかんないんだけど」

 

「え〜と、転生してるだけでもう世界は別なわけ。しかも例えば雷夜がこの行動をした、しなかったで世界は分岐するから、この世界は白夜ちゃんの言ってた世界は別のものなの。雷夜の認識が違っていたよって話だね」

 

 

 このミクはそんな簡単に指摘できそうなものを時間かけて話していたのか?

 

 

「そして、ここからが本題になる……のかな?前に伝えたと思うけど、雷夜は何か感じたんだと思う」

 

「何かを感じたって言われても、俺からすればただ動画を俺も追加で作ったりしてるし、それで奏は絵名の事を早く発見したんだなとしか」

 

「多分そこに何かを無意識のうちに感じ取ったんだよ。全然他の所での可能性もあるけどね」

 

 

 俺がまだ話していたのにミクは強引に進めようとしてくる。まるで何かをしなければならない様な、そんな空気を纏っている。

 ならば、それになるべきだろう。

 

 

「ミク、俺は何をすればいいんだ?」

 

「そんなの雷夜の自由だよ。でもこのセカイは、その答えを教えてくれるかもしれないね。でも残念、雷夜はもう寝ないとね、バイバイ。答えは教えたよ。

 

「えっ?ちょっと待っ」

 

 

 おれの言葉が言い終わる前に白色の光に包まれて、気づけば自室のベットの上に戻っていた。



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選択肢

演劇聴きました?
 私二次創作作るって世界線を増やす事の出来る神様になるものだと思ってるので演劇の歌詞、およびまふゆにすごい罪悪感を覚えました。


「ん………戻ってきてる。………何かを感じたってなんだよ、結局俺は何すればいいんだって」

 

 

 白い光にまた包まれた後、気づけばベッドに横たわっていた。

 

 この世界は一体何をするのを求めてるんだ?俺は何がしたいんだ?と、問いただしたところで返答がくるわけのないものをずっと考えてベッドの上でゴロゴロと寝返りを打つ。

 

 

 

 

 

「朝だ」

 

 

 いつのまにか寝ていて、いつも通り朝に起きた。

 

 

『おはよう、雷夜』

 

「あぁ、おはよ……ん?シロの声じゃなくね?」

 

 

 恐る恐る声の聞こえた方を向けば、スマホから飛び出すミクがいた。

 

 

「うおっ⁉︎」

 

『あはは、驚き過ぎだよ雷夜。でも寝顔はかわいいね』

 

「いや、そんな事はない。というか、何のよう?」

 

『そういえば雷夜に今後どうするかのヒントはわたしたけれど、なーんか雷夜はまだまだ悩んでたからさ?もういっそのこと選択肢にしてあげようって。あっ、別にその選択肢に無いことをしてもいいからね?』

 

「選択肢………確かに悪くは無いか。それで?結局俺は何の行動を取れるんだ?」

 

『それじゃあ一つ目。テンプレオリ主みたいにみんなの事を救うルート。頑張ってみんなの勘違いとか喧嘩の種を潰したりする事だね』

 

 

 今からテンプレオリ主やるのは遅く無いかな?

 

 

『二つ目。IS世界みたく、ちょっと俯瞰した視点からみんなと成長していくルート。これは流れに身を流せばなりそうな気はしなくも無いけど、元々天才肌ですぐに技術を身につけるペテン師の賽には向いて無いかもね』

 

『続けて三つ目。さっきの逆で、セカイのバーチャルシンガーの手助けをするルート。私の……というか私たちのオススメかな?原作を知ってるのもあってオススメだと思うな』

 

 

 確かに俺は後者の方があってるだろう。それに面白がる事はあっても俺はあいつらみたいに純粋に仲良くなんて出来ない。絶対にキャラだって思ってしまう。

 

 

『そして四つ目は……今までのことを特に考えずに好きなように生きるルート』

 

「っ⁉︎ちょっと待て‼︎何でそんな提案出来るんだ⁉︎」

 

『そんなって言われても……別に私は雷夜のセカイのバーチャルシンガーだよ?あくまで私は雷夜のためのセカイにいるんだもん。神様の話とか別に聞く必要ないっちゃないし』

 

 

 思ったよりも神様と仲悪い?えぇ……と、確か俺のセカイって神様の伝言とかもらえるとか聞いたんだけど、そのせいで仲悪くなってるわけ?

 

 

『私たちは雷夜が平和に過ごしてくれれば良いんだ。原作を教えてくれた神様は恨んどくけどね』

 

『そして、最後の選択肢。選択肢って言えるものじゃないけどね』

 

 

 うちのミクはすごい笑顔で話を続ける。

 

 

『これらの選択肢のいい所取りをするルート。正直な話すると、神様的にはバーチャルシンガー達の手伝いをして欲しいらしいんだけど……私たちは雷夜が好きに行動して欲しい。美味しいもの食べたり、友達と遊んだり、たまにセカイで何かして遊んだりってね』

 

「………お母さんか?」

 

『ちょっと、結構真面目な話してたのにふざけないでよ〜。ふふ、やっぱり楽しいね。それで今後雷夜はどんな道を辿りたい?今あげた五つのルート。これらは別に選択肢として成り立ってはなくて、どんな道を選べるかを少し出しただけなんだよ。だから1から4までのルートは極端な例。大体それ以外の最後の案になるけどね。これでどんな風に過ごすか学校で色々悩んでくるといいよ』

 

 

 長々と言いたいことだけ言って帰ってしまった。しかし聞きたかった事なんかはすでに答えていたので問題はない。

 

 

「あれ?もう6時半?急がないと」

 

 

 今日はまた一段と忙しい日になりそうだ。



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神高1年の司達

司視点に挑戦してみようと思って書いたよ。

というか皆様こちら諸々含めてですが100話目ですよ。すごくないですか?始めた頃1日に4人くらいに見てもらえたら今日多くの人に見てもらえたと喜んでたのがとても懐かしいです。


「おお、いつもより遅かったじゃないか雷夜‼︎今日は生憎いい天気……とは言い切れないな、午後には雨が降りそうだ………ん?なんだか元気が無いのではないか?表情がまるで今の外と同じだぞ」

 

 

 俺の大切な親友である雷夜は普段家も近い事があって8時には学校にいることが多いらしいのだが、今日はいつもより30分遅く、後5分もしないうちに授業の始まるような時間に来ていた。

 その普段より遅く来るのを裏付けるように、顔色が悪い。

 

 

「……おはよ、今日はちょっと体調悪くてね。もしかしたら屋上でサボってるかも」

 

「待て待て待て待て‼︎いやお前……ちゃんと保健室に行くべきだろ。しかも雨が降りそうなんだぞ⁉︎」

 

「確かにそうかもな。それじゃあ俺は保健室行って休んでくる」

 

 

 

 

 

 

 東雲雷夜という存在はとても不思議な男だ。雷夜と同じ中学だったというクラスメイトからは、

『授業聞いてなくても予習とか完璧にしてきてるから抜き打ちテストに、定期テスト、何でも高得点を取るやつだ』

『もう一人の天才と絡んでて話の内容が普通の人とは違う』

『後輩の男子と付き合っていたという噂があった』

などと言われていた。最後の噂はインパクトが強くて忘れるな忘れられなくて困っている。

 

 雷夜の事を親友だと俺は思っているが、実際には知らない事ばかりだ。元々は咲希の友達である怜華の兄という関係だった。雫と同じ関係なのに雷夜とは関わることは無かった。

 そしてこれは雫から聞いた話でもあるのだが、雷夜は昔とは印象が違う気がすると感じたんだ。ちゃんとした事は言えないが俺が遠目にみた雷夜は誰とも関わらず、ずっと1人でつまらなそうにして、たまに妹の怜華とだけ話していた………と思う。

 しかし今は先輩である白夜さん達を中心として妹達や、雫と多くの人たちと交流していた。

 

 

「おい、司‼︎すでに授業終わってんぞ。もしかしてだけどお前って雷夜いないと少し静かになるんか?抜け殻かってほどだったぞ」

 

「鋼………すまない、少し聞いてもいいだろうか?」

 

「たく、イイぜ。司が元気ないのは違和感しかねぇもん。その質問でうるさくなるなら安いもんよ。ま、質問に答えるくらいなーんにもデメリットはないけどな‼︎」

 

「そうか……ありがとう。早速本題なのだが、俺と雷夜は親友で合ってるのだろうか?俺は雷夜の事を親友だと思っているが……雷夜は俺の事を親友だと思っているだろうか?実際俺は雷夜について妹達よりも知らない」

 

「めんどくせーな、お前はスターになるって自分でずっと言ってんだろ?スターになるんだったら自分が振り回す側になれ、お前から行動して輝け」

 

「俺が振り回す?」

 

「そ、とりあえずお前がアイツからどう思われてるか気にしてるのに、妹さん達の他のお星サマなんて気にしてる余裕はないんだわ。どんな一等星の中でもアイツに気に入られるほど輝かなきゃ親友にはなれねーのの」

 

「なるほど、確かにそうだな。ならば俺は今後より一層輝くため先生にクラス対抗戦をしないか提案してくることにしよう」

 

 

 全生徒の中で一番活躍すれば俺は誰よりも輝いてる事になるわけだ。これならば俺は雷夜の親友であると心から言えるだろう。

 

 

「おーい、さっきあんな事言ったから正直言いづらいんだけど、お前でさえすでに学校の中で最も輝いてっからそんな事しても意味ねーゾ」

 

「何⁉︎既に一番輝いているだと⁉︎それでは一体どうしたらより輝けるのだ‼︎」

 

「おーウルセー……とりあえず頭使えよ。今回は俺が教えてやるけどさ。いいか、俺らから見てお前らが親友だと見えるのはお前が誰よりも輝いてる時だ」

 

「しかし、俺は今一番輝いているように見えるのだろう?ならば何故俺は雷夜と親友であると胸を張って言えないのだ?」

 

「残念、俺は普段と言った。普段は親友のように見えてるんだ。けどさっき俺に質問してきたお前はナヨナヨして、そんなお前が誰よりも輝いてる訳ねーよ。まだ俺の方が輝いてたゼ」

 

「確かに悩んでいて、ぼーっとしてるのはスターではないな」

 

 

 ならば何だ?俺が振り回す側になって、何も悩まずにいたら俺と雷夜は親友だという事か?

 

 

「素直だよなお前。頭使った結果頭を使わないが答えになる訳ねーよ。いいか、普段は親友でそれはお前が誰よりも輝いてるからだ。つまりお前は普段通りに雷夜を親友だと信じてる時は親友だって事だ。親友になる条件とは別にあるわけでもねーけど、アイツに関して言えば自分に圧倒的な自信を持つ司は親友だと思ってると思うぜ。

 と、ゆー訳で、司はとっとといつも通りに戻れ」

 

「鋼……すまない‼︎俺は今までお前のことをもっとお気楽な自由人だと思っていた。しかし、本当はこんなにも素晴らしい事を言えるやつだったんだな‼︎よし、俺はこれからはお前の言葉を胸にしまい、糧としていきてくぞ」

 

「そのセリフ死んだやつに言うようなやつじゃねーの?俺死んでねーからな〜」

 

 

 

 

 

「ちょくちょく司の声聞こえてくるの普通におかしいだろ。この学校結構広いぞ?」

 

「ほほほ、雷夜君は司君という素晴らしい友達を持ちましたね」

 

「堤先生ってそんなに揶揄う側でしたっけ?」

 

「おや、別に揶揄うつもりなんて一切ありませんよ。わしのような定年間際のおばちゃん先生は孫のような年の子達が平和にすごしているのを見ると嬉しくなるんですよ」

 

「堤先生って学校にいるだけで楽しそうですよね」

 

「ええ。もちろん楽しいですよ。ですがもう今年で終わりだと思うとやっぱり悲しいですね。

 さて、それはそれとして、今日も司君に保健室で休んでる生徒学校いることも考えて声量を少なくしてもらうように注意してきましょうか。雷夜君はゆっくり休んでいて構いませんので」

 

 

 この少し後に司の謝る声が聞こえてきたり、鋼は飲み物を買いに降りてきた所を先生に見つかり、珍しく静かになっていた司をわざわざ元気つけなくても良くないかと軽めに怒られてた。

 まぁ内容は司を元気づけるなって話だけどその話の結論は堤先生に無理させないようにって事なので結構ほっこりする話では合あった。

 堤先生ってこの学校出来た当初からいる先生だったりするのかな。




なんか新キャラできてんだけど、何で?しかも2人。少なくとも片方は今後に使えるなぁって思うからいいんだけどさ。

前書き100話書いて褒めてもらおうとしてるけど、文字数で言えばまだ少ないので100話すごいと思った人がもしいたら私みたいに少しずるい人に騙されないように。

 後落ちみたいなのは雷夜視点の方がらくかも?


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ニーゴ集結。姉と友達が匿名で入ってくるぞ。

『……こんばんは、Amiaです』

 

『よろ、Lightning Night。めんどいしNightでいい』

 

『あ、こんばんは、K……です。ええと……今日は来てくれて、ありがとうございます』

 

『いえ、こちらこそ。びっくりしましたけど……すごく嬉しかったです』

 

 

 はい、今日はこの通りAmia……まぁ瑞希と、えななんこと姉さんの絵名がニーゴに入るかも知れないと言う最初の日になりました。

 何気にもう6月なんですよね。時間の流れって早いもんですよ。まぁ来年は何年もあるから時間の流れ何て感じられなくなると思うけどな。

 

 

『そっか……それなら良かった』

 

『K、誘って良かったね。とてもいい人そうだよ』

 

『Amiaさんごめんね。俺身バレしたくないので声出せないです』

 

『全然気にしてないので大丈夫です。それにボク最近MMDについて知り合いに少し教えてもらった事があって、なので作るの大変なの知ってるNightさんのこと尊敬してるので要望とか全然行ってもらって大丈夫です』

 

 

 ……………どうしよう。すごい恥ずかしい。瑞希は俺がNightだと知らないはずだし指摘も出来ない。こっちだけ知ってるのって普通こっちが得するもんじゃん。なのに何でこっちが損?褒められるのを損というのかわからないけど少なくともダメージくらってんの?

 

 俺がよくわからない恥ずかしさなどの変な気持ちで悶えてるとナイトコードの通話ルームに誰かが来た時の音が2度鳴る。

 

 

『……あ、えななんさんと、雪───共作してるメンバーも来たみたいです』

 

『……お、おじゃまします……」

 

『こんばんは。遅くなってすみません』

 

『大丈夫、Amiaとかこっちが早いだけだし』

 

『あ、えっと……』

 

『あ……すみません。先に自己紹介させてもらいますね。私はKと一緒に曲を作ってる、雪って言います。私は基本編曲だけでほとんどKが作ってるんですけどね。Nightとは……何故かわからないけどたまに学校の勉強しるぐらいでほとんど活動の関わりはないですね。おふたりとも、よろしくお願いします』

 

『あ、は、はい。えっと……私は絵……えななんです。その、よろしくお願いします』

 

『あ……えななんさん、DMではやりとりしてましたけど、直接話すのは初めてですね』

 

『え?』

 

『はじめまして、Amiaです。よろしくお願いします』

 

『あ、Amiaさん……‼︎来てたんですね‼︎』

 

『はい、この前は絵の許可をありがとうございました』

 

『はい……!こうして話すのなんだか変な感じですね』

 

 

 年下の瑞希の方がしっかりしてるのなんか面白いね。

 

 

『あ、それでその……話を聞く前に、Kさんに確認したいんですけど……あの……Kさんは、何で私の絵を誘ったんですか?』

 

『え?』

 

『その、Kさん達に声をかけてもらって、すごくすごい嬉しいんですけど………冷静に考えるとKさんの曲にはNightさんの描いているいい絵があるじゃないですか……それに多分ですけど、私よりもNightさんの実力に近い絵を描ける人がいるんじゃないかって………。Nightさんがサムネとかを描くなら私は呼ばれた理由がわからないし、逆に私がサムネとかを描くために呼ばれたなら、もっと上手い人はいたはずだと思って………』

 

『ふーん、これ多分俺が説明した方がいいかもしれないやつだよね。Kに絵を、担当してくれる人探して欲しいって頼んだの俺だし。打ち込むのに時間かかるからKなんか答えといて』

 

 

 小さく『ん、』とだけ返し、奏はえななんの質問に返答する。

 

 

『わたしは………少なくともわたしはえななんさんの絵はすごくいい絵だと思いました』

 

『……そうですね。私もKと同じ気持ちです。激流みたいな強い想いが感じられて───でも悲しそうで……すごく気持ちを込めて描いたんだろうなって感じました』

 

『あ………ありがとう、ございます……』

 

『………確かにえななんさんの絵は俺よりかはまだ少劣る。けど差については時間をかけて、誰か厳しい先生にでも教われば埋まるような差だ。だから俺はえななんさんにサムネも全部任せたい。

 次にえななんさんがサムネを描く場合における質問。他に技術のある人がいるんじゃないかという話。これはさっきのに続くかもだけど、技術なら他にいい人いるかもしれない、けどK達の曲のイラストを描く上ならえななんさんより上手い人は俺を入れてもいないと思ってる。

 えななんさんは絶望ってものを経験してるんじゃないかな?そうじゃなきゃここまで感情を打ちつけた絵は描けないと思うしね』

 

『………わたしがふたりのMVを見かけたのは、おとといの夜だったんですけど───わたしが───わたし達が曲で表現したいと思っていたことを丁寧にくみ取ってくれてるなと感じて。その上、すごく強い……叫ぶような気持ちも伝わってきました』

 

『AmiaさんとえななんさんのMVのおかげで、私達の曲の再生数も伸びて、コメントもたくさんもらえるようになりました。きっと、今まで以上にたくさんの人達に聴いてもらえてるんだと思います。本当に、ありがとうございます』

 

『え、そ、それは曲から良かったからで、その……‼︎でも……役に立てたならよかったです』

 

 

 

 

『………さて、俺たちはKの曲を多くの人に聴いて欲しいと思ってるし、Kも自身の曲を多くの人に聴いてもらいたいと思ってる。だからふたりがMVを作ればそれは叶う筈だ』

 

『もっと多くの人に……ですか』

 

『───はい』

 

 

 しばらく沈黙が続き、Kが依頼をする。

 

 

『それで………次の曲のデモが、これです。まだ少し粗いんですけど、よければ聴いてください』

 

『え、これって未発表の曲って事ですよね。いいんですか?』

 

『はい、この曲のMVを使ってもらいたいので』

 

 

 曲のデモは俺は原作の覚えてないし、デモの聴いて完成したものと小さな、けど決定的な差があると俺の作業的に困るので俺は聴かないが、瑞希と絵名が黙っているので今聴いているのだろう。

 

 

『こっちからの要望は、特にありません。Amiaさんとえななんさんがこの曲を聴いて感じたことを率直に表現してもらえれば、問題ないです』

 

『え……自由に作っていってことですか?』

 

『はい』

 

『Amiaさんは……どうですか?まだ決めかねてるっていう話でしたけど』

 

『え?そうなんですか?』

 

『あ……はい。まずは詳しい話を聞いてから決めようと思って………でも───話とデモを聞いてやってみたいと思いました』

 

『あ……ありがとうございます』

 

『よかったね、K。Amiaさん、よろしくお願いします』

 

『よろしくね、Amiaさん‼︎』

 

『よろしく、Amiaさん』

 

『──はい。よろしくお願いします』

 

 

 大体原作通りになったかな。さて、明日瑞希の家突撃しても面白そうだなぁ。とりあえず明日何か意見もとめられたら答えられるようにはしとこうかな。



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いつもと違う同居人

 結局、瑞希の家に突撃する事はなく夕方に仮眠をとり、23時になる少し前の時間に雷夜は目を覚ました。

 

 

「シロってこの時間も起きてるんだね。何気に初めて知ったかもしれない」

 

「そんな事ないと思うよ。何回かこの時間に雷夜と会ってる………けどあれかな?ほとんど眠そうにしてたから無意識の行動だったのかも」

 

「記憶ないし、多分そうだと俺も思う」

 

「その話はいいや、夜ご飯食べやすいの作ってあるからちゃんと食べてね。一応私今日は起きてるから何かあったら私の部屋おいで。睡眠薬とかならあるから」

 

「夜………というか1人の時間帯?だとシロって結構ふわふわしてるんだね。普段はなんか一段と見た目に反して大人らしい様子だけど、今は見た目と似た様な感じがする」

 

 

 いつもはOLさんみたいなお嬢様みたいな、少し強めな言葉に聞こえたりするのに、今はとても優しい気がする。そういえば初めて会った時はもっと明るいキャラも演じていたし、シロは何個の仮面を持ってるんだろうか。

 いつも優しいのはわかるんだけど何というか忙しそうというか何というか………うん。言語化できないや。

 けど一つ思った事だけど元の何も演技してない時ってこんな感じなのかな?ずっと演技してるのなんか悔しいというか悲しいというか、もうちょっと信頼してくれてもいいと思うんだけどなぁ。

 

 

「何?ふわふわしてたらダメ?私は白夜として誰かと喋ってる時はいつも違和感感じるから仕方なく原作見たく喋ってるんだよ。四六時中白夜でいたら私がいなくなっちゃうよ」

 

「怜華が言ってた事だけどさ、元の精神と転生した精神が混ざる感覚って言ってたんだけどシロのもそれ?」

 

「………私は、混ざらなかった。混ざるのこの子は望まなかった。つまり、いずれどっちかの魂は消えることになると思う」

 

「魂って無くなるの?」

 

 

 シロは少し悲しそうな目を顔をこちらに見せながら、話を続ける。

 

 

「詳しい事はわからないよ。私が多分そうなるんだろうなって思ってるだけだもの。私の中には白夜と私がいて、私か白夜は役割がなくなる」

 

「役割……?そんな物みたいなこと言って」

 

「だって私が転生というか憑依したのは、盾としての役割だと思うもん。まぁ神様との約束だったしわかってたことだけどね」

 

「神様まで出てきてる。俺は実際に神様あった事ないんだけど転生してるんだよね。不思議だよ」

 

 

 シロは俺の思っていたことを肯定するように頷き、少し静かな時間が生まれた。

 

 

「私の過去の話してもいいかなって思ったけど………聞いてていい物でもないのよね。聞いてたらストレス溜まると思うし」

 

「軽くでいいから教えてよ。まだ集まる時間じゃないし」

 

「それじゃあ雷夜がご飯食べてる時に話そうかな。待っててねすぐ準備しちゃうからさ」

 

「ありがとう、寝る前にだったのにごめんね」

 

「気にしないの。私もこうやって話せるの嬉しいからさ」

 

 

 そう言いながらテキパキと夜食の準備をしてくれる。

 

 

 

 

 

「さてと、それじゃあ私の転生した時何が起きてたかから話そうか。簡単に言えば虐待。殴られたりとかかな。元々元気な子だったから、それをウザく感じて子供にあたったのかも知れない。

 私はこの時人格を表に自分からは出せなかったんだ。それは元々だったら自分を守るための人格を作る予定だったから。その枠に私が入る事になって、私は白夜の盾としてこの世界に来たの」

 

「そこまではわかったけどさ、役割ないのってむしろ今裏にいるだろう白夜の方なんじゃないの?」

 

「それはわからないよ。でも元々の白夜に近い生活を私はしてきたからどっちが残ってもみんなは気づかないだろうし、私を消した方が世界に悪影響が出ないかもしれない」

 

「シロがいる事の影響は別に悪じゃないんじゃない?それは俺に悪影響あるって言ってるようにも受け取れるけど」

 

「私からすればこんな話してる時点で悪影響でしかないけどね」

 

 

 シロは誤魔化すような冗談言ってるよと思うような笑みを浮かべていた。

 

 

「多分この話聞いてて面白くないし、優しい雷夜なら多分少しくらい可哀想とか思うんじゃない?そう思わせたらもう雷夜のストレスの原因になっちゃうからね。私は純粋に雷夜にもこの世界を楽しんで欲しい。だから本当はこんな変なことに話すつもりはなかったんだ」

 

 

 それと同時に少し、悲しそうでもあった。

 

 

「うん、やっぱり話すべきじゃなかったかもね。この話はここで終わり。雷夜、MV制作楽しんでおいでよ。それじゃあおやすみなさい」

 

 

 俺の返事は聞くつもりが元々なかったように、自分の部屋にシロは素早く戻っていった。



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MV制作

 時間は経ち、25時。ナイトコードに入るとすでにAmiaとえななんは入っていた。

 

 

『ありゃ、もう集まってる?』

 

『そうだね、でも時間は遅れてないから大丈夫』

 

『そうですね、全然問題はないです』

 

『そっか、なら良かった。とりあえず俺は基本的に2人の手伝いをするので何かやってほしい事ができたらナイトコード通話にいるから言ってくれれば大丈夫。何もなければMVの作り方調べたらしてるから』

 

『わかりました。それじゃあ決まったらお願いします。さて、それじゃあ時間ですし始めましょうか。えーっと……───

 

 

 2人とも作業が始まったようだし俺も勉強始めるか。とりあえずいつものようにまずは動画を見て軽く作り方を調べるのがいいかな。いやー動画はいつもお世話になってばかりだよ。

 へー、なるほどねー。まだ歌詞のない曲しか作ってないからMVは絵を思ったより書く必要あるかもなぁ。歌詞があればその分演出で色々できそうだけどなぁ。……初心者にはまだ演出とかの話じゃないね。作り方がまずわからないと……なんの役にも立てない。幸いにも俺は前世分のボカロMVにこの世界のボカロMVも沢山見てるから表現については人一倍強いはすだ。

 

 

『あの、Nightさん……一応ラフがこんな感じになったんですけど……細かな修正点を探して欲しいです。あと素直な感想をお願いします』

 

『わかった。少し待ってね。まだ曲のデモ聴いてないから。それで判断する。ただ軽く見た限りならラフとしては大丈夫。今はイメージが伝われば良い』

 

『………』

 

 

 今回いつものようにMMDも作るから振り付け考えないとだから、奏に曲のイメージなどがデモから変わってないかを聞く必要がある。これは俺の作り方の性もあるけど、第一印象は何よりも大切なものだから大切にしたいと思っている。

 

 奏とまふゆの作業ルームに移動して疑問に思っていた事を聞く。

 

 

『多分このまま変わることは無いと思う。……けど最後の部分は少し変わるかも』

 

『えっと、今私たちの方では最後の終わり方を考えていて……案として消えていくように終わるか、スタッカートみたいに急に終わるかで悩んでる状態ですね』

 

『それはどちらも仮のリズムとかは出来上がってるの?』

 

『うん……一応は出来てるよ。あっそこの部分送った方がいいよね。………ちょっと待ってね、今送る』

 

『それは助かるんだけど………そうじゃなくてさ、あの2人が持ってくるMVでどっちにするか決めるのはどう?せっかくだし、上手く活かしてみたいじゃん?』

 

『確かにそれはいいかもしれないですね』

 

『うん、いいと思う』

 

『じゃあそうゆうの事で、あっちの手伝いとかしてきます』

 

 

 

 

 奏達の所から離れ、曲のデモを聴く。───とても激しい曲だ。確かに叫んでいるようにも聞こえるな。これはキレのある動きにしたい。

 

うち(ペテン師の賽)の振り付け輸入してみようかな」と作業しながら声が漏れる。

 

 実際の所振り付けは俺と怜華の共同制作な所がいくつかあり、中でも怜華はそのキレッキレな部分の担当だから1人じゃ勝手に輸入出来ないけど取り入れてもいいと本気で思うし、今度ビビットストリートでの練習があるから怜華に許可取りに行こうかな。怜華もこの時間は寝てるだろうし。

 そんなこんなで作業は進む。

 

 

「あ、そういえば絵名の絵の細かな修正とかしてないじゃん」

 

 

 現在時刻、午前2時半となって流石にこれ以上は作業キツイかも知れない。とりあえず2人は何してるか聞かないと。

 

 

『すいません、今2人の進捗教えてもらってもいいですか?』

 

『あ……Nightさん。あの、ごめんなさい‼︎さっきのラフなんですけど全部描き直すことになったのでその、あのラフ修正する必要がなくなっちゃって……』

 

『……全然大丈夫なんですけど、なんでそうなったのかとか教えてくれません?』

 

『えっとまず結論なんですけど、ボク達がこの曲に感じる、表現したい事は"静かな叫び"になりました。元々は最初のラフの激しく反発するような思いで作られてたのですが、えななんさんと話しあった結果どうしようもない苦しみなどの表現になりました』

 

『曲の感じ方の違いだったからどっちが正しいってわけでもないのよ。だから今回は"静かな叫び"を表そうとなったのであのラフは意味が無くなりました』

 

『なるほど……わかりました。それじゃあ私は今する事は無さそう?』

 

『多分今は何もしなくて大丈夫だと思います』

 

『わかった。それじゃあ私は今日は落ちます。それで明日の話だけど明日何かしてほしい事あったらまとめておいて欲しい。それと今度少しえななんさん借りてもいい?今MMD使ってるんだけど、対比的にこっちは激しくすると思うから、何かこの振り付け違うなと思う所を聞きたい』

 

『……大丈夫です。それじゃあお疲れ様でした』

 

『お疲れ様でした』

 

『お疲れ様』

 

 

 パソコンの電源を切って、ベッドに横になるとものの数秒で眠りについてしまった。

 



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並行作業

花火ってでかいの見てると悲しくなるよね。
 儚くて涙が出てくる。


「おーい、雷夜‼︎スマホをずっと見てどうしたんだ?」

 

「………」

 

「鋼、あいつが何してるかわかるか?」

 

「あっはっは、わかるわけねーな。大体なぁこの学校であいつに一番仲良いの1年だとお前だけなんだよ。みーんな話した事ないシ」

 

「そうだろうな。わかってはいた。あいつはなんでも1人でこなすから周りに寄せ付けないオーラ出してるし……この俺でさえわからないほど謎だ」

 

 

 なんか司俺に用事あるのか?

 

 

「……確かに俺は1人でもできる方な人間だとは思ってるけどさ、スマホ覗けばいいじゃん。それでなんか俺に酔用事?」

 

「……そうだナ」

 

「確かにそうだが、覗くのはいくら親友とはいえよくないのではないか?親しき仲にも礼儀ありとも言うことだし」

 

「司って俺が思ってるよりも結構真面目だな」

 

 

 変人のイメージが強いからすごい違和感を感じるが、とりあえずそんなのを考えてるほど暇ではない。

 現在時刻は午後1時。俺は今絵名の描いたラフを直したりしている。あの2人今日はオールしてラフを大体書き上げて来たのだ。その修正をするのが俺の仕事でもあるため4時までに直して欲しいと、朝ナイトコードのボイスチャンネルになんとなくで入ってしまったが故に頼まれてしまった。

 

 

「……でもう一度聞くけど、俺に用事でもあるの?」

 

「あぁそうだった、今度暇な日は無いだろうか?今度咲希のお見舞いに行こうと思ってな。雷夜も一緒にどうだ?咲希も喜ぶぞ」

 

「いいね、お見舞いはなるべく暑くないうちに行きたいし早いうちに行きたいな」

 

「既にもう暑くなっているがな。とりあえずはそれが聞きたかっただけだし、特に用はないぞ」

 

「了解。鋼は何か用ある?ないなら俺また集中するけど?」

 

「別にネーかな………あーいや、そういえばこの前借りた金返すワ」

 

「別に缶ジュースくらい奢るよ」

 

 

 鋼優しいからスーパーの安いやつ買いに行ったし。というかその時にも奢るって言ったんだけどなぁ。記憶力悪いのか?

 

 

「いやだネ。俺は借りた金はなるべくすぐに返すのがいいと思ってるからな」

 

「それならば俺にもお金を返すべきだろう。俺は昨日お前にジュース奢ったんだが」

 

「いやー、司なら別に返さなくてもいいかなーってナ」

 

「おい‼︎何故俺にはそうなるのだ⁉︎何よりも俺だからという理由は一番納得がいかないぞ‼︎」

 

「司さん、ここは学校ですので声量を下げてくださいね」

 

「……鋼ってもしかしてすごい振り回す系の人なの?司は大変だな。振り回されて、俺じゃなくて良かったよ本当に」

 

 

 とりあえずまだマシだよ。振り回す存在が1人だからね。これからえむと類の2人に放課後に振り回されるようになるわけだし、流石に少しは心配してあげた方がいいかな?

 

 

「まーまー……そのくらいにしときなね?司は俺の大切な友だからそのくらいにしておいて欲しいなぁ、なんて」

 

「ァッ……ハイ。このくらいにしておきます………」

 

「うん、そうしてくれるとても嬉しいよ。司良かったね。……司?」

 

 

 なんか司が固まっちゃった。えぇ……どうしよう。なんでまず固まってるんだよ。流石にこれは放置できないかなぁ。

 はぁ、ちょっと先生呼んでくるかぁ。夜えななんには謝ろ。

 

 そう決意して席を立てば司が動き出して、「大丈夫だ」「問題は無い」と繰り返し先生を呼ぶのを止めてきた。

 

「一体なんなんだよもう……わけがわからねぇな」

 



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放課後

 先生の話が終わり、それと同時に今日の学校は終わりを迎える。

 

 

「それじゃあ司、鋼また明日」

 

「おう、安全に帰るんだぞ」

 

「じゃーな、また明日ダ。この後スーパーいかね?コーヒー買ってくれよ

 

 

 あぁ……司のツッコミの声が聞こえてくるよ。いや別に本当には聞こえてないけど、『それはもう奢れと言ったな?』とかそのくらいの事言ってそう。

 てかそんなの意識してる場合じゃないっての。早く手直ししないとMMDの方が間に合わないって‼︎

 

 そのように考えながら駐輪場に向かっているとスマホが震える。電話が珍しくかかってきたようだ。

 

 

「はいもしもし、誰ですか?」

 

『あー、ボクだよ暁山瑞希。それで雷夜先輩って時間あるかな?』

 

どうしようかなぁ。忙しいには忙しいけど……うん、大丈夫だよ。久しぶりに遊びたいの?」

 

『なんというかその……ちょっと実際に話した方がわかりやすいから、この後会った時に話した時に説明してもいい?』

 

「わかった。それじゃあ俺の家集合にする?それとも中学に行こうか?」

 

『大丈夫、雷夜先輩の家に行くよ』

 

「了解。それじゃあまた後で」

 

 

 電話を切り、すぐに自転車を漕ぐ。しかし、忙しい時に限って信号にはよく止められる。

 

 

 

「ついてなさすぎてもう笑えてくるわ。別に笑うわけではないけど」

 

「そんなについてなかったの?雷夜先輩」

 

「そうなんだよ。俺が信号についた瞬間に点滅を始めるのが何回もあっ……て……………?」

 

「どうかしたの雷夜先輩?」

 

「瑞希もう来たの?俺学校から帰って来たばっかりなんだけど……普通は中学に電話持ってかないけどそれは俺らも持ってってたからいいとして、早くない?」

 

 

 瑞希が学校から家に帰ってこっちに来るまでにもっと時間がかかるはずなのだ。こんなに早く来れるわけがない。

 

 

「ボクはほら、今日学校サボったし……気づいたら昼だったから寝過ごしたようなものだけど

 

「あぁ〜確かにサボってる時あったな」

 

「まぁ本題はそこじゃないから。雷夜先輩ってMVの作り方とか知ってる?」

 

「つい最近基礎から学んでる所だからなんか聞きたい事あっても役に立たないと思うんだけど」

 

「別に技術的な事は聞かないよ。前に雷夜先輩がボクにMMD教えて来た時と同じだよ。どんな振り付けがいいかって感じの」

 

「じゃあMVのアイディアを出せばいいって事?」

 

 

 話の流れから大体そうだろうと思った事を聞けば瑞希は『そんな感じであってる』とわかりやすく答えてくれる。

 

 

「それはまぁいいんだけど………MMDよりも自分で好きなもの見つけられたのは良かった」

 

「……ねぇ、なんで頭撫でてるの?それになんだかすごい親みたいな事も言ってるし、大丈夫?」

 

「頭を……撫でてる………?」

 

 

 普段全く意識のしていない自分の腕を見てみると俺の左手は瑞希の頭の上に置いてあった………えぇ、我ながらキモい。

 

 

「ごめん、瑞希悪いんだけど先にリビングで楽にしてて、着替えてくるのと、ちょっと落ち着いて来るから」

 

 

 少しいつもより早く案内して部屋に向かった。



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バレそうでバレない仕組み(相手依存なためそこは運任せ)

「雷夜先輩、それで相談内容のMVがこれなんだけど………3パターンくらい考えてるんだ。それでどれが一番いいかな?」

 

 

 動いやすい服に着替えて、すぐに瑞希からの相談を受けていた。内容はどれが一番適切かを考えるとの事だった。しかし、

 

 

「これ曲は?どんなリズムしてるかとかわからないとどれがいいかの判断むずいんだけど」

 

 

 そう。瑞希が持っているのは曲のデモとこのビデオのため、動画と一緒に曲が流れない。それに他人に曲のデモを聴かせていいものかもわからない。仮に友達の曲と言おうにも瑞希が友達と言っても信用されないためなかなかに難しいのである。

 

 

「ネットの仕事でMV作り始めたんだ。だから曲は聴かせることが出来ないんだよね。ごめん。でも曲のイメージは伝えること出来るからそれに合うのはどのパターンかを教えてほしいんだ」

 

「⁉︎瑞希………普通にネットの仕事って言い切るんだ。てっきりそうゆうのは隠すと思ってた」

 

「?普通ならちゃんと隠すよ。でも雷夜先輩だし、別にいいかなって。………何その顔、どんな感情なわけそれ」

 

「一体なんなんだろうなぁ。こわい、驚き、嬉しい、とかだから喜怒哀楽から哀を抜いたような感情だよ。多分」

 

「ふーん、それは良いとして少女がこう歩いていく姿なんだけど、何かから逃げるようにしたい………けど逃げるって事は後ろを振り向いたりすると思うんだ。でもそれだと絵を描いてくれる人の負担が大きくて」

 

「この後のも見ると走るのをやめて歩いてしまってる事から疲れてしまうのは読み取れた。けどこの子を追ってる何かが俺にはよくわかってないんだ。幽霊みたいな怖いもの?それとも物理的に怖いいじめっ子みたいな感じ?それで少し変わって来ると思う」

 

「この子はなんというか、うん、ボクに似てるところがあって、その………大切なものを守りたいんだ。それはボク自身でもあるけど、人の噂話はされてる聞いてももう何にも思わないけど、やっぱりそこからは逃げるんだよね。その人にとっては話のネタに過ぎない小さな悪意。そんなのがボクにとってのこの追ってくるもの。見えないその人にとって嫌な、怖いもの」

 

「………ならほどね、なら俺はこの子が逃げてる時に振り向く必要はないと言い切ろう。その理由として、いつまでも続くんだから怖いものを撒いたか?という事は一切ない事だ。悪いけど、瑞希は過去から未来まで何か噂され続けると思う。それから逃げる事は出来ない、でも、自分の好きなものは絶対に守る人だと思うから、歩むのをやめても、この子のように大切なものを守る。瑞希に似た子なら後は振り向かないと思うよ」

 

 

 こうして意見の出し合いは続いた。

 なんかこんなに瑞希はネットの活動の事教えてくれてるのに俺だけ知ってるのもすごい罪悪感ある。これが原作を知ってる転生したものの宿命か。どうしたものか、これ俺が瑞希と一緒に活動してると知ってる上で何も言わなかったら、瑞希は人間不信になりかねないのではないか?いや待てよ………俺って多分だけど、曲聞いてないし、MVも見たことがない。つまりネットのNightは知らなくてもおかしくはない。けど瑞希に俺の今描いてるラフの修正の作業を見せたら多分気づくはずだ。イラスト描き直しのこととか知ってるはずだし。

 そういうことから瑞希に俺がNightであると質問させる方がいいかもしれない。質問して来たらそのまま答えるが、質問して来なかったら俺が瑞希をAmiaじゃないかと聞かなくても何もいう事はできないだろう。

 とはいえ、これはネットの事をリアルに持って来るのは良くないよねという派閥に誘導する話であるため、それに乗ってこなかったら全て破綻する。そもそもとしてナイトコードでこっちは瑞希の声を聞いているので乗ってこなかったらこっちはどうしようもないバッドエンド。俺的にはニーゴに関してはNight=東雲雷夜とわかるのはメインストーリーでの事に形式上したいのだ。

 

 

 瑞希のMVの質問などを答えたり、話の流れで何故かMMDの話にも発展してしまい、時間がかかってしまったがどうにか俺のネットの仕事について話す事に成功した。

 

 

「俺はMVで使うような絵のラフを修正する役割をしてる。そのラフってのがこれ」

 

「⁉︎これって………」

 

 

 タブレットに映るのはボロボロな子供がリボンの巻かれた綺麗な箱を持っているものだった。




正体バレるのは確定だけど、この展開どうしたものか作者自身がどうなるのかわかってないので1週間続きが出ないかもしれないですが頑張って続きを書きます。
 良ければ評価、感想をください。


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ネットとリアルは分けたい派

正体バレるとはこの前書いたけどそれだと言葉足らずだと思った。私結構言葉足らずかもと自覚して来た。そんなやつが小説書いてるんじゃないよと思わなくもない。しかし私は書く。自分が描きたいシーンはもっともっと先だからな。


 瑞希はタブレットに映る箱を持った子のラフを見て、驚いた様子になり、少しの間口から声が出てこなくなる。いや、正確には小さな独り言は聞こえて来るのだが……まぁなんと言っているかまではわからないので声が出てこないと言っても差し支えないだろう。

 

 

「俺は今こんな風に箱を持ってる子のラフの修正をしている。まぁ修正する所は少ないし、上手くはあるけどね」

 

「………ふぅ、雷夜先輩って言ったら悪いけどもっと上手く描けるんじゃないの?ボクが見た事ある雷夜先輩の絵ってもっと角度のあるって言うか、そっちの方がいいんじゃないの?」

 

「今回の俺の仕事はあくまでもラフの修正、MVの制作の手伝いだからなぁ。確かに俺の方がまだ上手いけど、やっぱり依頼主の曲に合うのは俺の絵じゃなくて仲間の人なのかなぁって」

 

「曲に合うの意味がボクにはわからないかも」

 

「これは完全に俺の持論でしかないからな。わからないのが普通だと思うよ」

 

 

 大勢に受ける綺麗な絵が俺の絵で、奏の曲のイメージとかその曲の伝えたい事を絵に移したのが絵名の絵って感じ。

 

 

「雷夜先輩って今仕事やってるのってこのラフの修正だけなんだよね?MMDは個人的にやってるって話だし」

 

「まぁ別にMMD仕事でもあるんだけどね。別に仕事じゃないとも絵に関してもMMDに関しても言えるし」

 

「?依頼受けてるわけじゃないの?」

 

「俺はどちらかと言うと元々ファンでボランティアみたいな感じで絵を描いてたんだよね。それでサムネに使ってもらって、それから全部にサムネを描いてほしいという依頼を貰ったんだ」

 

「やっぱり依頼もらってるんじゃん」

 

「でも、俺の返答はこれからも一緒に活動するのと、MMDを出すって条件で受けて、お金貰わなかったんだよね。だから俺とその依頼主の2人が基本的な初期メンバーって感じだと思ってるからお金が発生しない方が普通みたいな?」

 

 

 実際奏の活動が始まってかなり早い段階で一緒に活動する事になってるから初期メンと言っても過言。過言だわ普通に。

 

 

「なんとなくわかったような………わからないような。あ、そういえばもう一回今使ってるMMDの振り付け見せてよ。もしかしたらもっといいアドバイスができるかもしれない。なんでかはわからないけど」

 

「確かに、なんでかは俺もわからないけど今ならもっと具体性のある、適した振り付けを考えてくれそうな気がする。実はさっきのだといい振り付けではあったけど、ダンスに極振りだし、元々の舞台らしさ、静かな動きが少ないんだよね。そして何よりもリズムが合わないところがあった………んだけど今ならそんな問題1個も無くなりそうだよね」

 

 

 こうして、今日第2のMMDについて考える会が始まり、気づけばあっという間に太陽は沈んでいた。



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25時、本題に入る。

『少し抜けるけど話してて、後で必要な事あったら教えて』

 

そういえば、調整入れたい場所とかってないですか?色調とか、───………

 

 

 ヘッドホンから声が漏れて少しだけ聞こえてくる。

 

 あれから約1週間の時間が経ち、MVは完成した。原作と同じ流れでできていて、唯一違う点は作品のクオリティが少し高くなったくらいだろう。

 

 

「冷やしたペットボトルないじゃん。ちょっとめんどくさいなぁ」

 

 

 離席した理由が水を飲みたかったからだが、500mlの水の入ったペットボトルを冷やしてなかった為、コップにわざわざ注ぐ必要が出てしまったのだ。

 この後瑞希たちが一緒に活動してくれるか決まる為遅れたくないのもあって、少し焦りが出ている。しかし、普段行うコップに水を注ぐ行為をミスる理由もないので特に何かアクシデントは起こりもしなかった。

 少し急ぎ足で会話に戻る。

 

 

 

『ただいま戻りました』

 

『おかえりなさい。それでどうでしょうか?一緒に活動を続けてくれませんか?』

 

 

 どうやらちょうどいいタイミングで戻って来れたようだ。

 

 

『……私、やりたいです。……でも1日だけ時間を下さい。少しだけ考えたいので、お願いします』

 

『………ボクも少し、考えさせてください………』

 

『分かり……ました。とりあえず今回はふたりともありがとうございました。それから……その………わたしたちの曲を、たくさんの人に聴いてもらうために、っていう考えは変わってないんですけど………ただわたしは……もう一度ふたりの作るものを見てみたいと思ってます』

 

『俺も、そう思う。ふたりの作るものは、すごく苦しくて……けれどとても優しいから。これは俺には出すことの出来ないふたりの良さだから』

 

『だから、待ってます』

 

 

 その言葉を聞き、絵名と瑞希、まふゆが順に『お疲れ様でした』と言って落ちていく。

 俺も落ちようとタイピングしようと思ったが奏ならボイチャでいいと気づいて、ミュートを外す。それと同じタイミングで奏の声が聞こえて来る。

 

『ねぇ、少しだけ話せないかな?』

 

と………

 

 

「大丈夫だよ。それにしても、ふたりで話すなんてすごい久しぶりな気がするよ」

 

『1週間くらいはずっとあのふたりと活動してたもんね。………それでさ、話し……なんだけど、わたしってNightから見てもっと上手くやれることって何かなかったかな?』

 

「質問の意図がよくわかってないんだよね。どうしたらもっといい曲になったかって話?」

 

「ううん、そうじゃなくて………あのふたり一緒に今後も活動をしてくのを、どっちも考えさせてほしいって言ってたから、何かわたしがしたらちゃんと一緒に活動できたのかなって』

 

「いらない心配だと思うよ。まずだけどえななんはここで必要とされてるから必ず参加するはず。なんなら今日の時点で元々は入ってもおかしくなかったし、Amiaも俺がいるから多分活動続けやすいと思うし………なんにせよ、ふたりは明日絶対に入ってくれる。だこらKが何かしなくても変わらないよ」

 

『ありがとう、Night。ところでなんでAmiaがNightいると活動続けやすいの?』

 

「他のメンバーに言わないなら教える」

 

『わかった。約束は守るよ』

 

「ありがとう、Amiaはリアルの知り合いなんだよね。しかも学校の後輩だった。これをお互いに気づいたのは作業始めた次の日っていうね、だからAmiaの入るか悩んでる理由はわかるし、その解決策には俺の存在がいるという事もあるからって話。流石に悩みまでは教えれないかな」

 

『世界って思ったよりも狭いんだね』

 

「Kみたいに結構引きこもってると元から世界狭そうだけどね」

 

『ふふ、確かにそうかもしれない………そっか、でもわたしに何か問題があったわけじゃなくて良かった。ちょっとだけ……不安だったから』

 

「俺からすればえななんはなんで悩んでるかわからない。こっちの仕事量多いからすんなり入ってくれた方が助かるんだけどなぁ」

 

『あはは………今でも曲をたくさん作るからサムネのないものがたくさんできてすごく忙しいよね」

 

「まぁでも楽しいからいいんだけどね。それにえななんもAmiaも入ってくれるから、今後はふたりに作ってもらうから………まぁMV作る過程でできるんだけど……それで俺はすごく楽になるね」

 

『なんだかNightはひとりで作業させる事になるのは、少し申し訳ないな』

 

「俺はいいんだよ。元々俺がやらせてくれって言って入って、その他の3人はKが直接誘ってるんだから。その3人の相手しないのはダメだよ」

 

『……ありがとう。NightはこれからはMMDだけ作る事になるんだよね………やっぱりちょっとだけ寂しいな。元々はわたしとNightで作ってたのにね』

 

「たまに、この曲はこんなイメージでいいかって聞くくらいだったけどね。基本的に俺は自由に書くから」

 

『そうだったね………ねぇNight、これからもたまにサムネとかMV作らない?Nightの絵はわたしを写してたから……多分多くの人を救う一つのアプローチになると思う。何より……Nightの描く絵がなくなるのは、寂しくて』

 

 

 すごく優しい………これで断るのすごい罪悪感を感じる………けどやったらやったで絵名にも罪悪感感じるしなぁ。何より絵の仕事を取られるってのが一番問題になりそうで怖いなぁ。

 

 

「そう思ってくれるのは嬉しいけど、えななんに俺は任せるよ。でもえななんが忙しい時だけならいいかな」

 

『ありがとう……でもわがまま言ってごめん』

 

「まぁ珍しいKからのお願いだし、えななんの事考えてさっきのがギリギリだしでこっちもわがまま通したし、謝られるのはちょっとな」

 

『そっか………そういえばわたしが誘ったのが悪いんだけど………流石にこんな時間だし、Night寝る?』

 

 

 パソコンに付いている時計を見れば時刻は3:00となっていた。

 

 

「あー、流石に寝るか。ありがとうKこれで明日の学校遅れなくて済むかもしれない。それに色々話せて楽しかったよ。それじゃあおやすみ」

 

『うん、おやすみなさい』

 

 

 ナイトコードの部屋から抜けて、すぐにベットに転がり、目を閉じて眠りに入る。

 

 

 そして気づけばあっという間に眠りについていた。それに気づくのは日光が目に入るから。




一旦ニーゴの話は終わりかな


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メインストーリーまでの少しの間の日常
サプライズ


 お気に入り登録してくださった方がついに100人超えてとっっても嬉しいです。そしてこの小説を書き始めて後少ししたら1年経ちます。
 今後も私の好きなように書いてくので、語彙力なし、表現が乏しい私を是非これからも応援お願いします。


 いつものように俺と怜華で練習していた時の事。

 

 

「お〜いふたりとも!!練習中にごめんね」

 

「全然大丈夫だよ。それより杏ちゃん何かあったの?」

 

「そうだな、呼ばれることはまぁあることだと思うけど、練習してる中呼ばれるのは初めてだし何かあったのかと思うぞ」

 

「えへへ、ごめん。あのねあのね、次の土曜日からお父さんカフェがちょっと新しくなるんだ!!それでふたりにも来てほしいなぁ──って、どうかな?ピアノも置かれる予定だからもっと面白くなるよ!!」

 

 

 なんとWEEKEND GARAGEにピアノが置かれるように改装されるようだ。

 

 

「え、いいじゃん。私は絶対に行くよ。兄さんは来れるの?」

 

「土曜日でしょ?うちの高校別に土曜授業はないし、普通に行くけど?夜とかじゃなくて昼とか朝から空いてるでしょ?」

 

「空いてるよ。まぁ朝って言っても9時前くらいだけどね。いつも通りその時間に空いてるから、いつ来てもいいよ」

 

「それじゃあ金曜日は空いてないのかな?その日は練習休もうかな、最近私楽しくてずっとここ来ちゃってるし………たまには休まないと」

 

「えっ怜華ずっと練習してるの!?俺この前振り付け考えてもらったりで忙しくなかった?怜華ちゃんと休んでくれ、俺みたいに倒れないでくれよ?」

 

「私はどんどん体力付いて行ってるだけだから大丈夫だって、心配しすぎだって」

 

「すごいフラグに聞こえてくるのは何故なのか………とりあえず一旦休憩にするか。WEEKEND GARAGE行ってジュースでも飲もう。ついでに謙さんにピアノ導入した理由聞きに行こう」

 

「あっ確かに私も気になるかも。ちなみに理由って杏ちゃんは知ってるの?」

 

「確かに……私も理由は知らないかも……よし、みんなで聞きに行こ」

 

 

 そうして皆でWEEKEND GARAGEに向かった。

 

 

 

 

 

「父さんただいま。雷夜たちもいるよ」

 

「というわけで休憩に来ました」

 

「私も休憩に来ました」

 

「おう、いらっしゃい。みんな何が飲みたい?今日はサービスで入れてあげよう」

 

 

 ラッキーな事にタダでジュースが飲めた。しかしWEEKEND GARAGEは良心的な値段なので学生にも優しいため、雷夜と怜華からすればいつものお礼も含めて、『そのくらいは普通に払いたい』と思っていたりする。

 

 

「ありがとうございます。それじゃあ俺はアイスコーヒーで」

 

「私はカフェオレでお願いします」

 

「あいよ。杏はどうする?」

 

「んー、私は水でいいかな。この後歌ってきたいしとりあえずの水分補給ってことで」

 

 

 謙さんは注文を聞くとすぐに淹れてくれる。今日は珍しくほとんど客がいないのもあるけれども。

 

 

「そういえば謙さん、杏から聞いたんですけどピアノ置くんですよね?理由聞いてもいいですか?」

 

「理由って言われてもなあ………特にない理由なんてないさ、ただあったら雰囲気が出てくると思ったからだ」

 

「謙さんの言うことわかりはするけど私、それだけじゃない気がするなぁ。だってピアノって高いし、音楽に触れてる人がなんとなくの雰囲気だけって言われても信じずらいし……」

 

「お前たちは疑り深いな。しょうがないか」

 

 

 謙は少しため息を付いて、注文されたものを出してから話を始めた。

 

 

「理由としてさっき言ったことは別に嘘じゃない。けど他の理由があって、それは、お前たちに関係している」

 

「俺たち?」

 

「あぁ………俺は初めてお前さんたちを見た時の事をどうも思い出すんだ。あの時からすでにこの街には新たな風が確実に吹いている。だからこの街らしいカフェじゃなく、そこに新たなものを受け入れるようなカフェにしたかったんだ」

 

「それじゃあ、雷夜たちをイメージしてあのピアノを買ったの?」

 

「別にそれだけじゃあないがな」

 

 

 その後も色々と話が盛り上がって休憩と言うには少し長すぎるほど時間が過ぎていた。

 雷夜たちがそろそろ帰ろうと準備をしていると、謙がふたりに話しかける。

 

「そうだ雷夜、いや怜華ちゃんでもいいんだがピアノをしばらく弾いててくれないか?せっかくならお前達に弾いてほしい。ちょっとしたアルバイトみたいなもんだな」

 

「なら俺が弾こうか。アルバイトなら高校生の俺の方がいいだろ」

 

「でも別にそこまで大きな額でもないだろうし、お小遣いもらうみたいな感じじゃないの?だったら別に私も弾けるし、何曲かごとに弾こうよ」

 

「弾いてくれたらまたサービスしてやるって感じにするから怜華ちゃんの考えでやってくれても問題ない」

 

「それじゃあ土曜日はそんな感じで来て弾きに来ます。コーヒー美味しかったです。それではまた来ます」

 

 

 雷夜が会釈し、それに続けて怜華も会釈しふたりでWEEKEND GARAGEから出ていく。

 WEEKEND GARAGEにはすでに他の客は存在せず白石杏と白石謙しか残ってはいなかった。

 

 

「………雷夜たちってすごいよね、父さん。歌も上手くて、それでいてパフォーマンスがとっっても綺麗で」

 

「そうだな。もし、音楽の神様がいるならあのふたりはものすごく、神様に好かれた子供だ」

 

「はぁ………街の活気も上がって、街の外の人も来たりして、こんなすごい事になってて、凪さん帰ってきたら驚くんだろうなぁ」

 

「凪が帰ってきたら、街の様子が少し変わっていて悲しむのか、活気づいて嬉しくなるのか、全く想像もつかないな」

 

「あはは、確かに………久しぶりに会いたいなぁ、凪さん」



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ピアノ

本当は昨日上げたかった。


「おはよう!!雷夜も怜華、それに彰人も、きてくれてありがとう。今日の演奏楽しみに待ってたよ」

 

「悪いな、どうせならこのピアノは雷夜、お前に最初に弾いてもらいたくてな」

 

「是非是非弾かせてください。本当にWEEKEND GARAGEで初めてのピアニストになれるってのはとても光栄です」

 

「ねぇ杏ちゃん、お冷貰ってもいいかな?」

 

「あ、ごめ〜ん。すぐに持ってくる」

 

「杏、俺の分も頼むわ。それにしてもまだ朝早な、まだ眠いし」

 

 

 なんとも自由な会話なんだ。こっちは結構真面目に話したりしてるのに1年組は仲良く話してるし。

 今日は彰人も来ているためなかなかに人が多い。ただまだ7時30分と言う事で開店前、なんなら彰人を叩き起こしてくるような時間───叩き起こしたのは怜華───なので朝ごはんを食べて無かったりする。

 

 

「謙さん、朝に食べれるようなメニューって何かないですか?それ頼みたいんですけど」

 

「なんだ朝食べずに来たのか。そうだな……ベーコンエッグとかなら今すぐ作れる」

 

「それじゃあそれ3人分お願いします」

 

 

 カフェの朝食メニューというとまぁ色々とあるかもしれないが、今日はフレンチトーストとベーコンエッグ、サラダのセットとなったものを食べることになった。

 相変わらずとてもおいしい。謙さんの作るコーヒーにとてもあっている。それにしても杏と彰人のおしゃれな高校生感すごいな、とても絵になる。

 

 

「私と兄さんも結構絵になると思いません?」

 

「だからこっちの脳内と会話をするな、でもまぁ、自画自賛だけど俺たちってちょっと見ただけだと落ち着いた雰囲気の高校生だからな」

 

「私が兄さんより背が高いから高校生に見えるわけね」

 

「そうじゃなくて普通に怜華もあの2人もほとんど高校生の雰囲気だって話だよ」

 

「メタイこと言ったら高校生の時と中学生って基本立ち絵同じだよね」

 

「おぉ、それメタイというより、前世の記憶だな」

 

「バレちゃった」

 

 

 怜華と軽く話しながら朝食を食べ終わり、ピアノを弾いていると、開店の時間になった。

 

 

「とりあえず俺がしばらく弾いてその後に怜華、誰か弾きたい人いたら杏に言ってもらって、それで交代する感じ………それでいいですよね?謙さん」

 

「あぁ、それで大丈夫だ。当たり前だがちゃんと交代した時に水分補給忘れるなよ」

 

「そのくらいは忘れませんよ」

 

「忘れても夏とはいえ室内だし、どうにかなると思うよ。けど兄さんはちゃんと取らないとシロさんに言うからね?」

 

 

 別にシロに水分補給を少し怠ったくらいの事を報告されても、って感じではあるから痛くも痒くもないが、元々ちゃんと水分補給はするつもりだ。

 

 謙さんから他にも色々と細かい事を言われながら開店の時間になる。俺がピアノで弾いて、杏が接客に入る。

 

 

「いらっしゃいませ‼︎あっ花屋のおばあちゃん、開店してすぐに来るなんて珍しいじゃん」

 

「たまには一番にきても面白いんじゃないかと思っての。けど今日は他にお客さんが来てるのかい?」

 

「今日からピアノを自由に弾けるようになったんだ。それで今日はピアノ弾ける人に頼んで弾いてもらってるんだ。この曲『soft wind』っていうんだけど私この曲好きなんだよね」

 

「そうだったのかい、てっきりお客さんかと」

 

「そうなんだ、えへへ。おばあちゃん注文ってもう決まったりしてる?」

 

「そうだねぇ、それじゃあホットコーヒーにしようかしら。」

 

「お父さん、ホットコーヒー1つ。それと彰人、暇そうだし客集めてきてよ」

 

「なんで俺がそんな事を……まぁ今日くらいはいいか、どこら辺行ってくればいい?」

 

「えっと……良く会うような人たちでいいから呼んできて欲しいな」

 

「あいよ、怜華は行くか?」

 

「私は待ってようかな」

 

「わかった。じゃあ行ってくるわ」

 

「うん、ありがとー」

 

 

 のんきな会話をしながら弾く曲を変えたり、怜華に変わったり、他のお客かんが弾いたりして今日のWEEKEND GARAGEは盛り上がっていたカフェらしくもこの街らしくもあるいい店になったと思う。

 

 今日は1日中WEEKND GARAGEで過ごしたけどこんな日も悪くない。

 



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部活動

オリジナルの設定などが出てきます。ご了承ください。

怜華視点になります。


 WEEKND GARAGEでの軽い仕事みたいな物を終え、そろそろ帰ろうかという中で部活について会話をしていた。

 

 

「そういえば、怜華は部活動に入ってるの?」

 

「杏ちゃんには言ってななったっけ?私は帰宅部の扱いだけどよく将棋部とかにお邪魔してるよ。最近はボードゲーム部が私の中では面白いかな」

 

「そうなんだ、私も似たような感じかなぁ。たまにバスケのお手伝いさんになる感じ」

 

 

 そういえば杏と遥のバスケ対決見たことあったけど確かに上手だったし、確かにお手伝いさんとしてはこれ以上ないよね。

 あっちょっと待って、思い出し笑いしそう。

 

 

「怜華何で笑い堪えてるの?いやまず笑う理由がわからないんだけどさ!!」

 

「あっはは、ごめんっ、ほら前に番組に出てたことあったじゃない?あの時の兄さんが面白くて」

 

「番組?私と雷夜が出たやつって……あれ見てたの!?なんだろ、今更だけど知り合いに見られてたのなんか恥ずかしい!!」

 

「あはは、あの時兄さん遥さんとは喧嘩するし、番組にはいじられるしで可哀想だったの面白いんだよね。私も飛び火食らったけど、そんなに被害ないし、楽しかったの思い出しちゃって」

 

 

 ほんと、当時はきつかったけど今からすれば、面白い他何もないのよ。ふふ、あぁニヤニヤするのが止まらない。

 

 

「それにしても部活かぁ、来年からは色々入れるようになるけどそこまでどこに入りたいとかないんだよね」

 

「そうなの?というか宮女の部活ってどうゆう仕組みなの?」

 

「結構簡単だよ。中学生が入れる部活が少なくて、高校生になって入れる部活が多いの。中学生で部活入る人少ないのはその中学生で入れる部活が魅力が少ないことにあるんだけど、それはまた別の話」

 

「それじゃあ高校生でみんな入りたい部活があるからほとんどの人が帰宅部なの?」

 

「それもあるし、単純に中学の勉強の内容が難しくて塾に通う子も多いから部活動を強制にしてないんだよね。それで入らない子が多いの」

 

「良く知ってるね、怜華って私の中で狭く深くな関係持ちそうだと思ってたからそういう色んな人の意見知ってるのなんだか意外かも」

 

 

 まぁ私は学校では圧倒的お嬢様だけども、それを知らないだろうしなぁ。ちょっと驚かせちゃおうかな。驚いてくれるといいなぁ。

 

 

「そうなのですね。私は普段は周りに多くのお知り合いの友人が話をしてくださるので色々な事を、知ることが出来るのです」

 

「あれ?怜華?……?れ、怜華さーん?」

 

「どうかしましたか?私に何かおかしな事がありました?」

 

「え?えっあれ?これ怜華……だよね、うんそうだよね。雷夜〜!!ついでに彰人も!!怜華がなんか壊れたんだけど、どうしよう!?」

 

 

 壊れたって、むしろ初期設定に戻したみたいな状況だよ。……いや別に私はロボットでもなんでもないんだけど。

 

 

「何怜華壊れたの?怪我とかしてない?」

 

「壊れただなんて酷いです。私はいつも通りのはずなのに」

 

「「あ、」」

 

 

 兄さんと彰人が小さめな声で何かを察したように声を出した。乗ってきてくれるかなぁ。

 

 

「あぁ、なるほど。杏、別に怜華壊れてないよ?ちゃんと腕とか動くし」

 

「え?そうじゃなくて、口調だって!!だって怜華偶に見かけるお嬢様みたいな話し方だよ!?」

 

「?怜華は宮女行ってるし、普通にお嬢様みたいなところあるけど?」

 

「杏、言っておくが、こいつ家だと大抵こんな感じだぞ。家と学校ではお嬢様」

 

「あはは、ごめんね杏ちゃん。ビックリしたでしょ?それはそうと……彰人ネタバラシには早すぎるんじゃないかな?」

 

「兄貴が乗っかってるのに俺まで乗っかったら収集つかねぇだろうが」

 

「それは本当にその通り」

 

「彰人も怜華も良く猫被ってるんだね。兄弟って感じがするね!!」

 

 

 血は繋がってないから少し的外れでもあるし、私がまふゆとか彰人に寄せていってるから似るのが当たり前の話でもあるけど………説明した方がいいかな?けど話さない方が面白い気がするんだよね。

 

 

「そういえば怜華、高等部入ったら部活入るの?」

 

「どうだろうね?私この前見学とかしたけどあんまり興味は惹かれなかったんだよね」

 

「なら無理に入らなくていいと思う。けど、ちょっとでも興味を持ったらやるといいよ」

 

「そういえば彰人もお姉さんに似たような事言われて挑戦しにきたんだっけ?」

 

「確かにそうだな。RADderの事知ったのは兄貴からだったわけだし、俺も怜華も大体兄貴が理由でここにいる所あるよな」

 

「兄さんって私たちの人生の大きな分岐点だね」

 

「なんか確かにその通りで否定もできないけど、君たちにとって大きな存在ってのはなんだかちょっと重いなぁ」

 

 

 そう話しているうちに謙さんがそろそろ帰れと言うので、彰人と別れて兄さん達の家に向かう。

 今日は兄さんの家に泊まりに行くからね、白夜さんとも話すのとてもいい経験になる。

 

 

「まふゆ部活とかちゃんとやってる?やってるとは思うけど、ちょっと不安なんだよね」

 

「出来てると思うよ。やっぱりすごく演技ってわかるくらいには出来てるし、優等生はずっと維持出来てる。ただもしかしたらだけど、まふゆは私の事警戒してるかも」

 

「警戒?」

 

 

 そう、なんとなくだけどそう思う時は何度かあった。偶に廊下の、曲がり角で私と出会うと一瞬だけ反応が違ったりするし、私が普段演じてるのも知ってるから自分の演技を気づいてるかもって思ってる可能性がありそう。

 

 

「警戒って言っても少し気をつけてるだけかもとは思うね。少なくとも私をまふゆのお母さんに合わせる気はなさそうだった」

 

「それは元々誰でも合わせる気ないんじゃないのか……?」

 

「かも知れない………というかそうだと思うけど学年1位の私ならまふゆママに合わせてもいい関係だと言われるだろうし良いと思うんだけど、そうはしないから何か思うのがあるんだと思う」

 

「なるほどな、でもとりあえず普通に………いや演じてるのを普通と言っていいのか疑問はあるけど、普通に過ごしてるなら安心かな」

 

「急に私にナイフ刺してくるじゃん。けどまぁ普通ではないよね、うん、私も自覚はある」

 

 

 キャラ作りしながら学校に通う人は居ると思うけど、大抵すぐに皮は剥がれてくし、私とかまふゆみたいに長い間演じてる人はそういないよね。

 

 でも急に刺してくるのは痛いかなぁ。転生前の年齢入れたら年下のくせに。




落ちが適当すぎる。


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「俺が高一の時ってイベントなにもないのよな」

サブタイ通りなんですけど、イベストの話なくてすぐにメインストーリー行ってもいいんですけど、流石に何か沢山やらないと気が済まないのでもうしばらく、なにかしら書いてるのでいつものようにのんびりと私のわがままに付き合ってくれると嬉しいです。
 長くなりましたが、それでは本編始まりです。


『雷夜くんはクリスマスに友達に何かプレゼントは渡したりするのかな?』

 

「本当なら渡したいけど、俺が渡すのはなんか違うというか……この話去年もしたな?」

 

『確かに去年もこの話はしただろうねぇ、でも僕たちは高校生になった訳だし何か変化するかもしれないと思ってね』

 

「変わらないよ、俺がそう思うのはいつまでも変わんない。去年みたく俺らは喋ってるだけの集まりさ」

 

『おやおや、やっぱり今日は何か嫌なことでもあったのかな?それじゃあ僕から少し早めのクリスマスプレゼントをあげようじゃないか』

 

 

 えっ、ちょっと怖いんだけど、同じ中学にいた時は何にもなかったのに別の高校に行ったらクリスマスプレゼントって……何かの悪戯!?類のは洒落にならないって!!

 

 

「類、いつも俺がいないからたまにの機会に何かしようとしてるな?」

 

『いやいや、別にそんな事はないさ。それに君に悪戯するなら僕はしばらくずっと弄れる環境にしてから行うさ』

 

「それじゃあ俺はそんな環境にはさせないようにしないとな」

 

『ふふふ、そうだね雷夜くん。それでクリスマスプレゼントというのは実は僕神高に転校する事にしたんだ』

 

「あ、そうなのね。え、けどなんで?類の学力的にはそのままの方がいいんじゃないの?」

 

『あんまり驚いてない………いや、少し驚いているけれども好奇心が勝ってそうなのか?ええと、理由だったね、結構単純な理由だけど、面白いことはないし、授業も退屈、それに電車に乗って行ってたから多分だけどそれなら神高の方が全然いいと思ってね』

 

 

 類って元々遠くの学校に行っていたのか。転校生だし、そうだとは思ってたし、どこ受験するかで知ってたけど、やっぱり転校の話聞いて実感するんだな。

 

 

「つまり頭が良すぎてどこの学校でも変わらないと、そしてそれならば学校生活は面白くしたいと、なかなかの事言うね」

 

『いやぁ、それを最初からやってる雷夜くんには言われたくないかなぁ』

 

「いや、俺は別に類ほどの頭持ってないから。正直類は俺の方を過大評価してるよ、俺はテストの点数とかは満点取れるけどそれだけだから、研究職にはつけないレベルだからな?大学の内容をほんの少し齧ってるだけだし」

 

『それでも大概ではあるんだけどね』

 

 

 それは本当にそう、転生前の記憶残ってるのマジで助かる。元々学力高かったし、そこまで嫌いでもなかったし。今世はほんと楽ではあった。

 

 その後色々と変な話をしていると、夕飯の準備をする時間になってきたため、通話を切ろうとすると、最後に聞きたい事があると言って、類が新たな話題を切り出してきた。

 

 

『そういえば、雷夜くんは明日時間あるかい?』

 

「全然時間作れるけど、なんで?また面白そうなパーツ探しにでも行くの?」

 

『それも悪くないね、けど今回は違うんだけどね。雷夜くんに明日神高案内をしてもらいたくてね。さっきも言ったけど神高に転校するから、先生方に挨拶をしておこうと思ってね。会ったことはあるけど、そこまでちゃんと話してないと思ってね』

 

「あーなるほどね、いいよ全然案内するよ。明日ね、昼頃でいいの?」

 

『いや、昼はどうやらサッカー部の練習試合らしくて、午前中がいいと言っていたから、9時くらいに神高の入口に集合しよう』

 

 

 明日の9時なら日課の練習もできるし、悪くないだろう。

 

 

「わかった、それじゃあ明日の9時に神高集合な。それじゃあまた明日」

 

『うん、また明日』

 

 

 通話を切り、冷蔵庫の中にあるものでご飯を作る。

 

 今日はタンを買ってみた為、タンを焼いて、サラダでも作れば十分だろう。昨日シロの作った味噌汁もあるし、なかなかに豪華ではあるね。



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学校案内

はーい、この前は変な設定だしみたいな話しましたね。あれ書くとしたら2周年になるかな?そんな事は置いといて、3周年の内容すごすぎじゃないです?あれ。その中でもセカイが変化する可能性があるとか、設定増えるのかと頭を抱えています。この物語ってみんなの転生前はプロセカがストーリー終わった後の話なんですよね。その性質上みんなは今後のプロセカを全て知ってる設定なのですが、筆者がわからなくて大変な目になるとね。
 さて長話は終わりにして、本編始まります。


「学校案内するのって普通先生の役割では?」

 

 

 別に案内するの類だからいいけど、これがもし先生に頼まれたらとかの部類なら普通にキレそうな事だよね。それはそれとして、先生の仕事じゃないの?

 まぁ実際のところ先生って夜遅くまで頑張ってるの知ってるからこのくらいのお手伝いはしていいと思っているけどさ。

 

 

「確かにそうかもしれないね」

 

 

 肩を誰かに触られた感触の後、よく知る──なんなら昨日聞いた声が聞こえてくる。

 

 

「──!?ビックリした……なんかお前らビックリさせるの好きなのか?」

 

「おや?その様子だと瑞希も何か驚かせてきたのかな?」

 

「瑞希は学校終わった後俺の家に遊びに来るって話だったのね、けど俺よりも早く俺の家にいた」

 

「なるほど、確かにそれは驚かされるね。中学の方が神高より近いし、直行するならおかしくないかもね。あるいは家にいた場合かな?まぁその場合はギリギリな気がするけどね」

 

「その日俺全ての信号が赤で足を止められたね。あんな事あるんだって類でも驚くよ」

 

「それは珍しい事があったみたいだね。けどそのくらいじゃあまだ足りないかな。もっと世界の常識の変わるような事でなければ驚かないよ」

 

「確かにそうかもな。というか類もう先生にあったのか?」

 

「まだだね。という訳で案内よろしく、雷夜くん」

 

「おけおけ、任せろ」

 

 

 職員室って1階にあるから別に案内とかないんだけどね。類が入ってきたら誰か気づくだろうし。

 職員玄関からでいいか。

 

 

「ちょっと先に先生呼んでくるわ」

 

「それじゃあ僕はここで待ってようか」

 

 

 類の問いに肯定だけしておき、職員室の入り口に向かう。

 

 職員室って入るの普通に緊張するんだよな。なんというか呼び出しくらったみたいでちょっと苦手。

 

 

「失礼します。山波先生いますか?」

 

「ん?どうした東雲。お前が休みの日に来るとは珍しいじゃないか。何かわからない所でもあったか?それとも何か用事か?」

 

「用事の方ですね。お客さん連れてきたんので対応して欲しくて」

 

「お客さん?」

 

「転入生連れてきました」

 

「あぁ神代さんの事か。それなら俺じゃないな、適任者呼んでくる。ちなみに神代さんはどこに?」

 

「職員玄関で待ってもらってます」

 

「わかった。連れてきてくれてありがとうな。ただ少し話があるから待っててくれ、校長に神代さんは任せるから」

 

 

 そう言い残して山波先生は校長を呼びに行ってしまった。

 

 俺個人に話あるの?しゃあない、類にそれだけ伝えてこっちいるか。

 

 

「雷夜さん類さんを連れてきてくれてありがとうございます」

 

「あっ、校長先生。全然大丈夫ですよ、元々知り合いだったので連れてきただけですし」

 

「それでも助かったよ。それでは私は類さんの所に行ってきます」

 

 

「山波先生、話ってなんでしょうか?」

 

「それが2つぐらいあってな。1つ目が何か委員会に所属してみてはどうかという話だ。来年体調が良くなっているなら何か所属しておいた方がいいと思う話だ。

 そして、来年度のクラス替えなんだが、類と同じクラスにしても大丈夫か?元々知り合いだったのはお前さん達が知り合いというのは噂には聞いていたからな。お前さん達が同じクラスならいい感じに事が進んでくれるだろうと思う」

 

「全然大丈夫です。類は入学式の時にはうちにいるんです?」

 

「いや、名門校はせめて進級してからにして欲しいとの事で進級の後の1日後になるな。少し面倒なんだよな。そういえばだが、良く噂の2人がうちに来ることになったな。言ったら悪いけどうちはまだ出来て10年ぐらいでそこそこな高校だ。それなのに神代さんに東雲が来て驚いたよ」

 

「そうですね、俺も類も超名門校行けるけど、多分こっちの方がいいんですよね。まぁ先生達からすれば大変な事この上ないですけど」

 

「そうなのか?」

 

「そうですね、うちにはまず司がいる。あいつ結構うるさいし、うるさいし、うるさい……まぁ変人その1。爆弾作ったり機械いじりの大好きな類。変人その2。変人が多くなるのて大変です」

 

「そうか、まぁどうにかなるだろ。司の扱いには慣れてきたかな。神代さんのことよろしくな」

 

 

 慢心の見える笑顔だ。まぁ司はまだいいんだよ。類も基本迷惑かけないしいいんだよ。2人が合わさるとまずいんだよなぁ。学校で大きな音で面白いオモチャを見つけた子供になるんだよな。そしてどれだけ遊んでもオモチャは取り上げられず、オモチャもほとんど壊れない。

 そうなれば先生苦労するよね。

 

 

「先生、慢心は良くないですからね。俺は図書館で勉強してるので類がきたら教えてください」

 

「確かにそうだな。そしてわかった、神代さんを見つけたら伝えておくぞ」

 

「……図書館の位置も教えてくださいね?類ならわからなかったら聞くと思いますけど」

 

「おっと、そうだったちゃんとやっておくぞ」

 

 

 勉強何しようかなぁ。冬休みの宿題先にやっておくか。



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何やろうとしてんのコイツ

 今俺の目の前には何故かスマホ越しに校庭を見ている………本当に何?しかしこれドローンじゃん。これがあの司を監視してたドローンなんだな。

 

 

「って感慨に浸ってる場合ちゃうねん。自分につっこんでも虚しいし、本当になんだよ類、何目的なんだアイツは、というか屋上見えるようになってるし、これ高度上げてるな?」

 

 

 屋上のドア近く、少し影のできているところに人の姿が目に入る。今日は土曜日で休みな日、特に誰も生徒のいない今日はそこに行くような人はただ1人に絞られる。

 

 

「類はなんだ俺に屋上に来いと言いたいわけか?まぁ案内するなら屋上スタートは悪くないから別にいいか」

 

 

『ふふふ、やあ雷夜くん』

 

「うわ!?類、せめて図書館以外で声出して!!」

 

『確かにここは図書館だしよくなかったね。けど誰もいなかったみたいだしいいじゃないか』

 

「いいわけ無いだろ、ったくそれよりもそれ完成してたんだ」

 

 

 音声の出せるドローン。ショーに使えるだけでもなく、災害時などにも役にたつ事はある程度保証されるだろう。………ドローンが壊れなかったりすればの話ではあるけれど。

 

 

『そうだね、ドローンを飛ばす時のプロペラの音が僕の声の邪魔になってしまう……とか色々と思いもしないミスがあったからね、少し時間はかかってしまったけど無事、完成させられたよ』

 

「良かったじゃん、これからは是非とも人の役にたつようなものを沢山作ることを推奨させてもらうよ」

 

 

 屋上の扉を開ける。そうすればもちろんこうなる。

 

 

「『確かにそれもいいけど、僕は僕の作りたいものを作らせてもらうとするよ』」

 

「音声のラグ少ないね」

 

 

 ドローンから聞こえる類の声とリアルの類の声が重なるように聞こえてくる。

 

 類は屋上の梯子を降りてドローンを回収しに来る。

 

 

「類学校案内いる?ドローン飛ばしてるだけで類なら覚えられそうという気はするんだけど」

 

「いらないねぇ、正直僕としてはこれを見せれればよかったところはあるからね」

 

「それじゃああの反応はとってもいいものだったな」

 

「あそこまで驚いてくれたらそれはもう……ね?ショウをするものは驚いてくれたり、大きい反応をしてくれると嬉しくなるものさ。どうだい君も一緒にやってみないかい?」

 

「悪いけど断るよ。ただ、小道具作るとか裏方なら手伝ってもいいけどね」

 

「それならしょうがないね。これからも僕1人で活動していくとするよ」

 

「そういえば、寧々さんは誘わないの?」

 

「寧々かい?彼女は……僕の今のショーには合わないかな」

 

「1人用のを2人でやって上手くいくわけ無いからショー自体を見直すんだよ」

 

「それでも合わないかな」

 

「まぁいいや、類、この間宮女である女の子がショーのメンバー集めてるって言ってたし類誘われるかもよ?」

 

「それは少し興味深いね。けど宮女ということは結構遠いし誘われることはないかな」

 

「完全にないとは言い切れないけどね、まぁ誘われたら一回やってみるのをお勧めするよ」

 

「そうだね。それじゃあそろそろ帰ろうか」

 

 

 扉を開け、階段を下る。

 

「そういえば、瑞希は受験シーズンだね。何か手伝いにでも行こうか」

 

「そう………だな、少しでも手伝いたいし、それがいいと思う」

 

 

 瑞希というかAmiaだけど作業ペース落ちてないってことは勉強時間変わってないわけだし、少し不安だから何か手伝いにでも行ったほうがいいだろう。

 

 という訳で瑞希の家にレッツゴー。




遅くなりました。すいません。


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受験対策

この世界の瑞希は天才と人生二周目に囲まれて元より仲良いためか学力は上がってます。なお、そんな事するまでもなく頭よかったんですけどね。


 瑞希の受験対策の為に瑞希のお家にお邪魔してみた俺たち。しかし瑞希に言われた言葉はなんと、

 

 

「2人とも過保護すぎない?あと流石に舐めすぎ、ボク普通に解けるんだけど?」

 

「はい………ごめんなさい」

 

「ふふ、それはすまなかったね」

 

「まぁでもこの反応でいつも通りって感じがするし、その……ちょっとは不安取り除かれたよ。ありがとう」

 

「はい……うん……」

 

「それなら良かった」

 

 

 怒られました。うん、よくよく考えてみたらあの司の英語の能力、流石に筆記テストだけすごいできるということはないだろうし、それでも入れてるのだから普通に入れるよね。

 

 それにしても俺過保護になるのマジで………あーもーホントに、あー………言葉にならないよもう。

 

 

「さてと、それじゃあ僕はする事も無くなったし帰ろうかな。明日のショーの準備はしておきたいしね」

 

「それなら俺も帰るか………あるいはなんか雑談とかする?瑞希」

 

「あー、それじゃあなんか雑談しようよ。類はもう帰る?」

 

「雑談の内容は気になるけど、今日は帰らせてもらおうかな」

 

「わかった。それじゃあ玄関まで送るよ。雷夜先輩はちょっとそこで待ってて」

 

「あーい」

 

 

 雑談する話とか特にないのどうしよう………というか気まずいよな。

 それにしても過保護って、思った以上になんか心にくるものがあるというか、というか俺からすればあいつらも過保護みたいな所ある気がするんだけど。

 

 そんなことを考えているとノックの音が聞こえてくる。

 

 

「失礼するわね。お茶どうぞ」

 

「瑞希のお母さん……ありがとうございます。喉乾いてたのでとても助かります」

 

「夏ほどじゃないけど、水分補給は大切よ?白湯を持って過ごすことをおすすめするわ」

 

「確かにそれは良いですね。今度やってみます」

 

 

 瑞希の母は手を口にあて、少し笑っていた。

 

 

「今日は瑞希に勉強教えにきてくれたんでしょ?ありがとうね」

 

「はは……瑞希は教わる必要ないくらいには頭よかったので瑞希には過保護と言われてしまいまして、それで教えたりしてないんですよね」

 

「それでも来てくれただけでも嬉しいのよ。最近瑞希はやりたいこと見つけたみたいで楽しそうにしてて嬉しい反面勉強ちゃんと出来てるのか少し不安でもあったのよね。でも2人の天才たちが大丈夫って言うだけですごく安心するわ。改めてありがとうございます」

 

 

 瑞希の母が頭を下げる………そして頭を下げたことでその後ろにいた瑞希の姿が目に映る。

 

 

「あ、瑞希おかえり?」

 

「あら、瑞希戻ってたのね」

 

 

 返事を返すことはせずに肩を振るわせて───かと思えば落ち着き瑞希は言った。

 

 

「2人とも本当に過保護だよ」と。




 さてさて、皆様とても長い間この物語を読んでくださりありがとうございます。現在私は風邪となり体調を崩していますため、また原作のメインストーリーを読み込むので、しばらく続きが上がらないかもしれません。
 なるべく早くあげたいとは思っていますがついに原作に入れるので時間かかるかもしれません。でも頑張って書くので楽しみに待っててください。
 まだ迷ってますけど、グループごとに章を分けるかもしれないし、メインストーリー編として時系列順にするかもしれません。


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それぞれの入学

雷夜との話になります。怜華は次回。そしてシロたちは大学行くけど………設定出てないしぼかす形にしようかなと思ってます。出来たらひなた(えむの姉)と同じ所いかせたいけどね。


───神高入学編───

 

 

「改めて皆さんご入学おめでとうございます」

 

 

 校長の恒例である長くありがたいお話は終わり、クラスに戻るように指示される。

 今年の俺のクラスはわかっている通り、2─B入る事となった。もちろん類と同じクラスだ。

 

 

 

「てか去年喋ってたやつらほとんど隣の方じゃん」

 

「おやおや、それは不幸だったね」

 

「まぁ今思い出すくらいの関係ではあったんだけどね。全然話してなかったし、友達だけど友達の友達くらいな感じだったかな。それにまぁ、あいつらいてもしゃべる暇ないくらい忙しくなりそうだとは思ってるけどね」

 

「そうかい?僕は教室にいる間は設計図書いてる事がほとんどだろうし、流石に暇になるんじゃないかな?」

 

「そうだと良いけどねー、正直何か起きそうな気がしてるよ。ほんとなんとなくだけどさ」

 

「そうだ、今日雷夜くんは放課後暇かい?よかったらフェニランに行こうよ」

 

 

 行くと返事しようとすると、ガラガラガラッと扉が開き先生が入ってくる。

 

 

「よし、ちゃんと全員揃っているな。今日は後自己紹介でもしたら帰っていい事とする。気づいてるやつもいると思うが、転校生もいるからちゃんとやれよー」

 

「あっそうそう明日は1年との交流会をやってみるつもりだ。一緒に遊べるものとか持ってくるように。そしてその後は写真撮影があるから制服の予備あるやつは持ってきてもいいぞ。以上、それじゃ名前早いやつからよろしく」

 

「えーと、私は元1のAにいた池田志穂菜です。趣味は────」

 

 

 類への返事は帰る前とかでもいいだろう。それにしても自己紹介はとてもめんどいと言うか、うーん……テンプレがわかりづらいのもあってイメージができないんだよね。

 

 

「えー、知ってる人しかいないから自己紹介の意味ないんだけど、東雲雷夜です。去年お前たちは天才だとか言ってきたが、今年からは天才の異名は転校生に譲ることにした。後最近体調良くなってきてる気がするから普通に授業受けようと思う。以上」

 

「締め方雑だな。次」

 

「そうだね……雷夜くんから天才を引き継いだ神代類だ。ただ別に天才と言われる者が複数いてもいいと思うし、天才と称号は返却しておくとするよ。ただテストとかそうゆう実力を示せるところでその天才と証明して見せようじゃないか。面白いし、天才の称号をかけて挑戦してもいい。結果はもう目に見えてるけどね。僕からは以上かな」

 

「はい、という訳で転校生の神代くんだ。2人で競い合うのはいいが、この世代はお前ら2人のことみんな知ってるからすでに天才と言ってるやつが普通にいるぞ」

 

「そういえばそうじゃん。類と俺2人して模試満点取って学校噂にさせてたじゃん」

 

「そんな事もあったね……これじゃあせっかく面白い展開にしたのに意味がなくなったじゃないか」

 

「残念だったね、という事で俺は天才から降りるので類のことだけをを天才って行ってくださいねー」

 

「「「いや雷夜も俺らからしたら天才だっての!!」」」

 

 

 クラスの男子陣から声を揃えて怒鳴られた。なんでこうなるんだよー!!

 

 

 

 




怜華のやつどうしようかなぁ。咲希と一緒なら描きやすいけど入れたいのってみのりとかこはねの所なんだけどなあ。悩む。


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高校生になる。なお中学の時と同じ学校ではある。

えー、前回のお話が大量発生してました。私に心当たりは全くないので報告を受けて見た時笑いを抑える事が出来ません出した。体調悪いのに大笑いで辛かった………
 それはいいとして、報告は本当に助かります。もしこの話も大量に出ていたら報告をお願いします。

 という事で本編どうぞ。


「東雲怜華です。私の好きな教科は物理、音楽です。特に音楽は沢山のジャンルを聞いています。特技は……睡眠かな?好きな食べ物はスイーツなどの甘い食べ物で、苦手な食べ物はキノコです。食感が苦手なんですよね。とりあえずはこれくらいですね。最後に一言だけ、学力に自信のある人は私とテストで勝負しましょう」

 

 

 この人、入試の時にはいなかった……と思うから中学生の時から宮女にいたのかな?

 

 

「ねね、小豆沢さん。君って高校生からうちに来た子でしょ?いい事教えてあげるよ」

 

「あ、天野さん?まだ自己紹介終わってないよ?」

 

 

 隣の人に声かけられちゃった。けど東雲さんの次の人が話してる………んだけど、

 

 

「気にしない気にしない。あの子は自己紹介聞いてないだけで怒らないって。それに多分知らないとちょっと悪い印象を与えそうだったし……えっとね、あの子はうちの学年の天才なんだ」

 

「天才?とっても頭が良いの?」

 

「そう、怜華ちゃんってもう高校1年の勉強の内容はもう予習済みなの。さらにさらにカリスマ性みたいなのが強いの。色々な楽器は弾けるし、ダンスだってできちゃう。嫉妬とかみんなする気もなくなっちゃうそんな子なんだ」

 

「す、すごい……」

 

 

 だってそれって天才とか超えてるんじゃってくらいにはなんでもできちゃってる。あの子すごいなぁ。あっ目があっちゃった。

 

 

 

───────────────────────

 

 

 あっ、こはねと目と目があっちゃった。ニコニコしとこうかな?

 

 

 ということでついに高校生になりましたなりました。イェイ。元の年齢に近づいていくのはなんとも嬉しくも悲しくもあるね。けど今そんな事は重要ではなくて、私は1年A組に入る事になりました。同じクラスの原作メンバーは志歩にこはね、みのり、まぁ分かってる通りだったけどね。

 

 

「志歩、同じクラスでよかったよ。実は知り合いが居なかったらって不安だったんだよね」

 

「よろしく、けど嘘はよくない。いつも取り巻きがいるでしょ?怜華」

 

「いやいや、私が集めてるわけでもないし、知らない人達が沢山群がってるだけだから」

 

「なんというか、怜華と一緒に天才って呼ばれたまふゆ先輩と違って友好でもないよね」

 

「知ってると思うけど私の学校での性格はロールプレイみたいなものだから嘘しかついてないんだよね」

 

「こいつ……まぁいいか。怜華、せっかくだからバンドの練習付き合ってよ」

 

「もちろんいいよ。それじゃあ行こうか」

 

 

 こはねとみのりが仲良くしてるところも見れたし今日は大収穫かな。明日からはみのりと仲良くなれるように頑張ろう。

 それにしても眼鏡かけたこはねかわいいなぁ。



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メインストーリー始まるのって思ったよりまだなんだよね。

昨日は何故か1週間を5日と思い込んだ筆者です。


「それにしても私も相棒が欲しいなぁ」

 

「ビビッてくる人見つかるといいね」

 

「ほんとだよ!!彰人は冬弥って相棒見つけてるし、雷夜と怜華は元から組んでるし、私だけ相棒いないんだよ!!」

 

「早く見つけないとオレらに追いつけなくなるぞ」

 

「いや、俺に限れば白石の方が上手いから全体的にはまだ白石の方が先にいると言えるんじゃないだろうか」

 

「冬弥君、そこは嘘でも自分達の方が上手いって言っとくもんだよ。それに冬弥君は上手いし、2人で組めば最強だって自信持っとくといいよ」

 

「兄貴がそれ言うか?正直この中でタッグで最強なのはツインダイスだって思ってるから自信持ちづらいんだが」

 

 

 あ、あれ、なんか俺が責められる展開になってる気がする。いや別に実際の事とか関係ないんだけどなぁ、自信持ってないとほんとに最強にならないと思うし。

 

 

「はいはい、兄さんのこといじめようとしないの。確かに私は達が自信を持たせられない理由になってるのは否定しないけど、正直少し経てば超えると思うよ?」

 

「そんなに早く超えれる訳ないって」

 

「本当にそう思う?だって練習量的には圧倒的に杏達の方が多いんだよ?それにまず目標が違う。あの日の夜を目指してるんだからすぐに私達なんて超えれるよ。というか超えて貰わないと困る」

 

「あ、確かにそれはそう。けどまぁとりあえず俺達の事超えるのを目標にして欲しいかも」

 

「うーん、わかった!!けどその為にも早く相棒見つけなきゃ」

 

「ならとりあえずオレ達が先に超える挑戦権を手に入れたってわけだ」

 

「彰人、なら超える為にも早く練習に戻った方がいいんじゃないだろうか?」

 

「そうだな。謙さん、お会計お願いします」

 

 

 彰人が自分と冬弥君の会計に向かう。今日は冬弥君の分も払うようだ。

 

 

「ねーねー、怜華なんか歌に情熱を込めれるいい人材いない?」

 

「そうだね、別に紹介してもいいとは思うんだけど………それって本当に相棒になれる子?」

 

「確かに……う〜〜私どんな人が相棒になって欲しいんだろ?よくわからずに待ってる気がする」

 

「けど俺からすれば自分の感覚を信じるのが良いと思うよ」

 

「感覚で本当にいいのかな?」

 

「人によっては違うかもしれないけど、少なくとも杏はそれでいいと思うよ。杏がどんな人が欲しいかを考えるのは、相棒を見つけた後の話だ」

 

「相棒を見つけた後?」

 

 

 そう。杏はなかなかに運が良い。本来こはねがこの店に来る確率も高いとは言い切れない事ではあるため、運がいいのは原作からもわかる。そして転生して気づいた事ではあるが自販機でジュースを買った時によくあたりを引いてジュース一本をよくくれる。

 こんな感じで運がいいのと、多分だけど杏は潜在能力を引き出す力に優れている事からそこまで相棒に何を求めるかは考える必要はない。

 そして、ビビバスはお互いの目指す先が同じ、足りないものを補える関係から始まっている。だから相棒を見つけた後に何を求めるかを考えればいいはずだ。

 

 

「ふーん。ならとりあえずは考えなくてもいっか。あ、そういえばこの前ね、変な夢を見たんだ」

 

「変な夢?」

 

「うん、あんまし覚えてないんだけど……なんかここみたいなお店にいてね、そこで誰かと話をしたんだけど───ダメだ、そこから思い出せない!!」

 

 

 これはと思い、怜華に小声で話しかける。

 

 

「怜華これってセカイだよね?」

 

「だと思うよ。ただ私達が詳しく言えないからとりあえずはとぼけるしかないかも」

 

「あ、そういえば!!私その夢の中で宮女の制服着た子とあった気がする!!」

 

「あーうーん」

 

「それだけだとわかんないかな。それだけだと私が放課後にここに来た日のことを脳がまとめてるだけって言えるし」

 

「そっかーでも夢の中でも怜華がいたってすごい事かも」

 

「かもしれないな。さて、俺はそろそろ帰ろうと思うけどどうする?怜華はまだいる?」

 

「私も帰ろうかな。帰って練習するよ」

 

「はいはーい。それじゃあ会計私がするね」

 

 

 それにしてもセカイでもうこはねにあってるなら原作はもうすぐ始まるだろうな。



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原作開始、メインストーリー達
小豆沢こはね、来店!


書くの大変な時期が半分過ぎました。なので今から頑張って書きます。大変でも書かなきゃいけないのが、我らって気がするよ。本当になんで書きたいシーンを書くのに1年の時を使ってるんだろうか私は。もっともまだまだ書きたいシーンまでは遠いんだけど。
 愚痴ですまんね、それじゃ本編お楽しみに。


「今日は怜華友達のダンスの練習にちょいと付き合ってくるから遅れるだってさ」

 

「いやぁ、すっかり怜華も先生の立場になっちゃったね。私今、人の成長ってのをすごく感じてるよ!!」

 

「怜華は普通におかしいやつなんだよな。成長速度がおかしい」

 

「それは認めるけど……妹の事おかしいって言うのやめてあげなよ……」

 

 

 まぁ血は繋がってるし、妹みたいに扱ってるからそれは本当にその通りなんだけど、俯瞰してみるとおかしいんだよ。

 

 

「杏ちゃん、注文いいかい?」

 

「あ、はーい!!今いきまーす」

 

 

 あらま、杏行っちゃった。

 

 

「それじゃあカフェラテ2つとアイスコーヒー1つ。あとクッキーを3人分お願い」

 

「おーけーおーけー。カフェラテ2の、アイスコーヒー1、人数分のクッキーだね。ちょっと待っててね」

 

「いやぁ杏ちゃんも成長したな。お前達もそう思うだろ?」

 

「そうそう、初めて会った時はあんなに小さいってのに、今じゃあんなに背も伸びて」

 

「何今日はみんな人の成長を感じる日なの?」

 

「お、雷夜も一緒におしゃべりするか?」

 

 

 あ、しまった、つい思ったことが口に出てしまった。

 

 

「そりゃ年頃の少年よ。仲良い子の過去の事とか知りたいに決まってるだろ」

 

「青春って感じがするねぇ!!」

 

「おじさんたち俺がそんなんじゃないのわかってて言ってるだろ」

 

 

 このカプ厨が。てぇてぇとか言われる側の気持ちわかんのか、こんにゃろ、あれ結構むず痒いものがあるんだよ。人によるものだけどむず痒いんだよ。

 

 

「釣れないねぇ相変わらず。それよりみんなってなんだよ、みんなって」

 

「いや、杏がうちの妹の怜華が成長したって話をさっきしてたんだよ。で、おじさん達も杏が成長したって話をしたからさ」

 

「なるほどなぁ。そうだ雷夜よ、お前杏の相棒になったらどうだ?」

 

「嫌ではないけどやだよ。まず俺の相棒は怜華だし」

 

「えぇー、兄ちゃん今練習してる様子はたくさん見るけど最近どこのイベントにも参加してないじゃん。今休止してるなら杏ちゃんの相棒になってもいいんじゃないかい?」

 

「別に休止じゃないんだけど………」

 

 

 どうしようこの人たち面倒すぎる。

 

 

「はいはい、雷夜が困ってるじゃん。とりあえず飲み物持ってきたからね。クッキー持ってくるからなんの話してたのか、教えてよね」

 

「別に変な話してないんだけどな」

 

「そうそう」

 

「ダメかもしれないこの人達」

 

「クッキー持ってきたよ。それで、なんの話をしてたわけ?」

 

 

 あれ?カプ厨の話を本人に聞かせることになる………?

 

 

「杏ちゃんが成長したって話と、杏ちゃんの相棒の話をしてたんだよ」

 

「そうそう」

 

「それで雷夜は今イベントに出てないし、相棒になれるんじゃないかと思ってさ」

 

「うーん、雷夜とは組んでいる時はあったけどこれからは無理じゃないかな?」

 

「ん?なんでだよ?」

 

「それはね、私が目指してるのが『RAD WEEKEND』を超えることだからね」

 

「マジかよ!!」

 

「という事で、俺は伝説のイベントを越えようとしてるわけでもないから杏の眼中にもないわけ」

 

「そうだったのか、いやぁ謙さんが羨ましいぜ。そっかぁ、なぁ杏ちゃん今から歌わね?」

 

「いいね、けどコーヒーは熱いうちに飲んでね」

 

 

 まとめるの上手いよなぁ。そのコミュ力は羨ましいな。怜華もしばらく来ないし、外で練習してようかな。

 

 

「謙さん、お会計お願いしてもいいですか?」

 

「あいよ、練習してくるのか」

 

「そうですね、軽くですけど。今日は怜華来てからが本番なので」

 

「そうか、でも最近本当にイベントに参加してないな。正直お前達の成長速度なら『RAD WEEKEND』を超えるやつになれると思ってるんだけどな」

 

「それは……」

 

「お前達が本気なら杏と組んでみても悪くわないかってだけだ。ほらさっさと練習に行ってこい」

 

 

 謙さんの俺たちの事思った以上に評価してる気がする。それよりも謙さんが普通に褒めてくれるのって中々すごい事じゃないか?ちょっと嬉しいしいつもより真面目に頑張ってくるか。

 

 

 

 

 

 ビビットストリートに出て、声出しを始める。ある程度喉を鳴らしたらいつもの歌を歌う。

 

 

「♪──────!!」

 

「歌ってる人いる……あと、あそこのお店からも?」

 

「ふぅ、やっぱり歌うのはいい、何かあったとしてもすぐに吹き飛ばせる」

 

これ話しかけていいのかな?

 

「宮女の制服………性格悪いな怜華」

 

 

 怜華自分の顔より下が光に当たる位置にいやがる。普通にやられたら怖いけど、制服見えてたら怖さも半減されるものだよ。

 

 

「!!あ、あの、今怜華って言いました!?」

 

「え?あー、言ったけど……あー、うーん」

 

「東雲さんの知り合いなんですか?」

 

「知り合いだよ。とりあえず店入ろう。そこでわかりやすい道教えるからさ」

 

「ありがとうございます」

 

 

 それにしてもこはねだったか、とりあえず怜華には伝えとこう。

 

 

「さて、とりあえず道はこの地図見てくれればわかると思う。道に線書いてあるからその通りに歩けば大通りに出るよ」

 

「あ、ありがとうございます。けど、いつもこの地図持ち歩いてるんですか?」

 

「恥ずかしながら方向音痴なので覚えるのに使ってたんですよ。それでもたまに変な所入るので念のために持ち歩いてたんです」

 

「そうだったんですね。それでその東雲さんとの関係っていうのは……」

 

「自己紹介から始めようか、俺は東雲雷夜。神校の2年生だ。名前でわかるかもだけど、怜華の兄妹」

 

「お、お兄さんだったんですね。私は小豆沢こはねです」

 

「うん、よろしくね。あと、できたら俺たち兄妹の事は雷夜と怜華って呼んでほしい。東雲だとわからないんだよね」

 

「わかりました。雷夜さんこれから会う機会があればよろしくお願いします」

 

「喜んで。ちなみに俺は練習戻ろうと思うけど、こはねはまだこの店にいるかい?」

 

「もう少し歌を聴いてたいけど帰らないとお母さんが心配するから」

 

「そっか。それじゃあまた機会があったらここにおいで。多分同い年の子が接客してくれるよ」

 

 

 そうしてWEEKEND GARAGEを出て少し歩けばよくみる顔の人がいた。

 

 

「ちょっと兄さん、こはね来てるの?」

 

「来てるよ、ほら俺の後ろに」

 

「怜華さん?」

 

「そうですよー。良かったら怜華さんですよー」

 

「なんだか学校でみる怜華さんとは別人のような……」

 

「こはねにいい事教えてあげるよ。学校での怜華はロールプレイして遊んでる性格の悪いやつだよ」

 

「そ、そう……なの?」

 

「うん、そうだよ。この事知ってるの私の友達だけだから性格が悪いってのも否定できないかな」

 

「それじゃあ、いつも怜華さんの周りにいる人もロールプレイを、楽しんでいるんだね」

 

「いや?あの人たちは友達じゃないし、なんか勝手にロールプレイにのってきた面白い人だよ?」

 

「そ、そうなんだ」

 

「よし、怜華練習するぞ」

 

「了解。それじゃあこはね、また後日。今日私に会ったのは秘密だからね?」

 

「う、うん。だ、大丈夫。それじゃあまたね」

 

 

 こはねが地図を見ながら歩いていくのを見た後、俺たちはメインストーリーが始まっているんだと気持ちを切り替えて、練習に励んだ。




今回なんか長くなったわ。


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連鎖していくメインストーリー

今回は怜華視点から始まります。そして雷夜です。メインは雷夜になった。


 お昼休み、屋上で練習をしているみのりの事を見ていると隣にこはねが座ってきた。

 

 

「あの、怜華さん」

 

「あれ、こはね?どうかしたの?」

 

「えっと、あの、雷夜さんに連れてってもらった店に行きたいんだけど、道案内お願いしたいと思って」

 

「WEEKEND GARAGEのことね。いいよ、連れてってあげる」

 

「ありがとう、とっても助かる」

 

「──けど、私にも用事あったりするから日時はこっちで決めさせてもらうよ」

 

「う、うん。それくらいはもちろん」

 

 

 本当なら早く行きたいと思うけど、次の土曜日は私BAD DOGSの練習に付き合わないとだから行けるとしても昼の少しだし、どうせなら1日使いたいんだよね。

 兄さん使えればまた楽なんだけど、その日はワンダショが始まりそうだとかなんだとか。

 本当にこはねにはこっちの都合で動いてもらうから申し訳ないよ。

 

 

「あれ?こはねちゃん。──やっぱりこはねちゃんだ!!」

 

「あ、おじゃましてます?」

 

「ね、ねえ!!私どんどん上手くなってない!?怜華ちゃんすごい先生の才能あるよ」

 

「そんな事ないって、ただダンスの知識とかあったから基礎を教えられるだけで」

 

「そういえばわたし怜華ちゃんがなんでダンスの知識持ってるのか知らないや」

 

「んー、まぁなんだっていいじゃん?それよりもみのりはまだ体幹が甘くてたまに崩れそうになる時があるからキッチリと仕上げる。もう少しで格段に見れるようになると思うから」

 

「はい、コーチ。来週までには仕上げてきます!!」

 

「よろしい。まぁ別にコーチでもなんでもないんだけどね」

 

「そろそろお昼休み終わっちゃうし、早く戻ろう?みのりちゃんは着替えなきゃだし、次科学の移動教室だよ?」

 

「そーだった〜!!先に行ってるね。ありがとうこはねちゃん。それに怜華ちゃんも」

 

「気をつけて階段降りるんだよ」

 

「はーい」

 

 

 そう返事したみのりだったけど、階段の下から一際大きな音が聞こえる。どこかで踏み外したりして、ギリギリ踏みとどまれたとかだろう。なんで彼女はちょっと危なっかしいのだろうか。

 

 

 

───────────────────────

 

「よく聞け雷夜。ついに、ついに、この俺がスターになる日家やってきたのだ!!」

 

「うるせ、なんだよ司。どっかからスカウトでも受けたのか?」

 

「ふ、ふ、ふ、なんと実はあの、旧夜桜グループから、と言えればどれほど良かったか。今度フェニックスワンダーランドの団員の募集に応募してきたのだ。この俺ならば夏休みにはすでにフェニランの切り札のようなスターになっているだろう」

 

 

 司は自身ありげに手振り身振り自分を褒め称えるような動きをしながら俺に採用試験がある事を教えてくれた。

 なんというか、俺去年司のこと褒めすぎたかなぁ……まぁそれはそこまで重要ではない。

 

 

「ちょっといいか?夜桜グループってなんだ?」

 

「ん?あぁ旧夜桜グループのことか。あれはショーをするものの中である種憧れの劇団の事だ。元々は夜桜…なんだったか、とりあえず夜桜さんがキャストを集めているチームだ。その夜桜さんはどうにも10年以上前に亡くなっているらしくてな、それで次の人がついだのだが、名前は変えたくないと思っていたようで、妥協のすえ旧夜桜グループとなったのだ」

 

「あーおけおけ、よーくわかった」

 

「む?そうか、というわけで夏休み遊びにくるがいい。スターの俺を見せようではないか!!」

 

「とりあえず試験受かってこい。そしたらチケット買うよ」

 

「そういうわけだから今日はゆっくりと帰ってられないからな。悪いが早く帰らせてもらおう」

 

「了解。それじゃあ俺は今日は一人で帰ってようかな」

 

 

 そう俺が言ってすぐに司は自分の教室へと帰っていった。

 

 というかあいつわざわざ俺に今日は先に帰ると伝えるためだけに来たのか。スマホ持ってきてるんだからいくらでも連絡手段はあっただろうに、司らしいとは思うが。

 

 

「雷夜くん、ちょっといいかい?」

 

「ん?どうした類。類から呼ばれるなんて珍しい事もあるもんだね。それでどうした?」

 

「実は今度のショーに使う道具を屋上に持ってきているんだ。それを見てもらおうと思ってね」

 

「なるほどね。道具はすごい気になるからな。解説とか色々よろしく」

 

 

 類は一体どんな道具を作ってきたのだろうか。この前はチェスをしているような動きをできるようになった小型ロボだったが、どんな予想外のものが現れるのか────そんな思いで登った階段の先、屋上には前世で見慣れた瑞希の姿だった。

 

 

「類、雷夜先輩を連れてきてくれてありがとう。さて、どう?ボクとってもカワイイんじゃない?」

 

「うん、とっても可愛らしいと思う。昔から綺麗な顔してるなぁとは思うことあったけど」

 

「あれ?そんなに驚かないの?てっきりボクは雷夜先輩なら思考放棄くらいするかもとは思ってたのに。類でさえ最初は少し戸惑ってるように見えたのに」

 

「俺は瑞希に好きなものがちゃんと見つかって良かったなってのが先に来たんだよ。あんなにつまんなそうな顔じゃないのは自分でも知ってるんじゃないの?」

 

「それはそうなんだけどさ………というかボク結構雷夜先輩にはこの姿見せるの緊張したんだけど」

 

「へー、ちょっと意外かも。類に普通にその姿で会えるんだし、別に俺にも普通に喋れると思ってた」

 

「ふふふ、なかなかに酷い事言うね。僕と雷夜くんでは大きな違いがあるじゃないか」

 

 

 大きな違い?立場だって同じだし、みんな仲良くなって色々遊んだ仲だよ?やっぱり違いなんてないんじゃないか。

 

 

「もういいや……はぁ。僕の壁を破って土足でボクに踏み込んでこられたんだよ。ボクは雷夜先輩に荒らされたの。その点類はボクとの距離は適切に取ってた。だからこの服でも普通に流してくれるっていう確信があったの。でも雷夜先輩はボクに対してなんというか……おばあちゃんみたいな………過保護?みたいな反応とか変な反応しそうだったからこっちが流れ作りたかったの!!」

 

 

 リアルで対面して話すことなんてほとんどない瑞希には少しきついほど一気に喋ったからか、少し息切れ気味だった。

 

 つまり俺は、なんだ?その姿を見て否定されるかもとか思ったわけ………ではないよな。過保護って言ってるんだし──待てよ!?もしかして前世の推しでもあった瑞希に対する感情がなんかバレてた?だからおばあちゃんみたいにすごく認めてくれるっていいたかった?

 

 

「いや、でもそこから行きたく感情がわからんわ」

 

「ふふ、やっぱり君たちは面白いね。もっとこの会話の続きを見てたいけど、もう時間のようだよ?」

 

 

 類がそういうと、『キーンコーンカーンコーン』と、昼休みを終えるチャイムが鳴り響く。

 

 

「類、なんかボク疲れちゃったから今日はもう帰ることにするよ。幸いにもここしばらくは授業受けてたし、別に帰ってもいいでしょ。それじゃああと、よろしく」

 

「うん、任せてよ瑞希」

 

「瑞希帰り道気をつけるんだぞ、赤信号とか気をつけろよ」

 

「やっぱり訂正、雷夜先輩は絶対にボクに対しては過保護だよ!!身体ボクと同じくらいなのに!!」

 

 

 大きな声を出してわかりやすく怒った素振りをした瑞希は先に階段を降りていった。………いや身体は関係ないでしょ。

 

 

「さて、僕達も教室に戻ろうか」

 

「そうなんだけど、結局なんで瑞希はドッキリみたいなことしようとしたの?流れ作りたかったのはわかるけど、そこから飛躍しすぎじゃない?」

 

「その答えは、思った以上にめんどいものかもね」

 

「はいはい、めんどくさいものなのはわかったからとっとと教えてよ類」

 

「そうだね、瑞希は単純に恥ずかしいだけだったりして」

 

「……客観視すれば瑞希今女子だもんな。そんで、男子の俺とは昔付き合ってるんじゃないかという噂が流れた。変な噂が流れないといいなぁ。確かに恥ずかしいけど、うん、そうね、めんどくさ」

 

 

 変な事にならなきゃもういいわ。噂になったとしても知り合いに繋がらなきゃなんでもいい。だから彰人とか絵名、後冬弥と杏。絶対誰かは聞くんだろうなぁ。特に杏は同じクラスだし。

 胃が痛くなってきた……



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わんだほーい

ついに書けるようになったのでまた1週間おきぐらいに上げてきたいと思います。とりあえず今回はワンダショの序盤の話になりますね。


「おーい、雷夜!!起きろー!!白夜さんはとっくに起きてるぞー」

 

 

 朝、いつものように部屋の窓から入る日光ととある人の声に起こされる。……いや人の声に起こされるなどほぼ無いに等しいから、このように大きな声で起こされるとすごくビビる。

 

 

「起きてる、起きてるから!!司うるさいんだよ。今何時だ?まだ7時だしさ、お前は他の人の事とか考えろよ」

 

「お、おう………雷夜口が悪いがそれはいいとして、この家の周り特に家誰か住んでるわけでも無いぞ?」

 

「知ってるわ、で何だっけ?あれからオーディション受けに行ったのは知ってたけど、受かったの?」

 

「もちろんではないか。そしてこの天馬司、採用されたからには未来のスターとして素晴らしいショーを届けると決めているのだ。だから今日はフェニランについてきてもらうぞ」

 

「急だねー、昨日聞いたばっかだし言うだけ言ってこっちの反応は待たずにどっか行くし」

 

 

 金曜日に合格の発表があって嬉しかったんだろうなぁ。

 

 

「もしかして今日用事があったのか!?」

 

「うん、フェニランに行く用事があったんだよね」

 

「な、なんだって〜!?用事があっ………た?いや行き先同じならなんの問題も無いのでは?」

 

「うん、全く問題ないねw」

 

 

 司はがっかりした様子からすぐに「ん?」となる様子になって面白い。そして今はちょっと真面目っぽくなるのもまた面白い。

 

 

「……一ついいか?」

 

「なんだって問題ないよ?」

 

「それがお前の素なのか?」

 

「え?」

 

「なんというか、雷夜は驚いたり反射的な行動をする時はなんというか、柔らかいような気がするんだ。普段は少しガードが固いというか、うまく言葉には出来ないんだがな」

 

「俺も知らない。ただ寝起きで言葉考えずに喋ってるからじゃないか?」

 

「いや疑問で返されてもわかるわけないだろ」

 

「それもそうだな、司着替えるからとりあえず部屋から出ろ」

 

 

 てくてくと、スマンと言いながら出ていく司。さてと、着替えるんだが……少しここ最近の事を振り返ろうと思う。

 

 実は木曜日になんと鳳えむから電話があったのだ。内容……というか言ってたのが『あの、とっってもキラキララァンってしてた天馬さんの知り合いなんですよね!!あっ、そういえばあたしは鳳えむって言います♪怜華ちゃんの知り合いで、お兄さんの事聞きました!!えっと、えっと』と、こんな感じで大変慌ててて面白かった。ただしののののさんって姉さんが呼ばれる会話は無くなっちゃった。

 そして本題だが、今日司さんと話すから話に入って欲しいとの事だった。とりあえずはそれだけ、まぁ流れで俺も誘われるんだろうけど。とりあえず今日は司と行って、先にワンダーステージに入れば面白いかな。

 

 

「よし、朝ごはんはおにぎりでも途中で買うから大丈夫。司行こう」

 

「おー準備出来たか、それではこの俺の輝かしい未来の一歩を進みだそうではないか」

 

「雷夜ファニー君のお土産なんか買ってきてよ」

 

「どでかいぬいぐるみでも貰ってこようか?」

 

「それ持って帰るの大変なやつ買ってこようとしてるでしょ、そんなんじゃなくてシャーペンとかでいいから。それじゃあ二人とも行ってらっしゃい」

 

「行ってくる」

 

「ぜひ白夜さんも俺のショーを見に来てください」

 

 

 なんでもない雑談をしながらコンビニに寄って、フェニランに歩いてゆく。途中司が夢みたいな話を声高らかに話していて、やっぱり司メンタル強いなぁと思いながら近くにいた類を見掛けながらついにフェニランについた。

 

 

「相変わらずデカいなぁ」




いつも00:00に上げてるけどちょうど書き終わったんでここで上げちゃいます。


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みんなでわんだほーい

私この話書く前に前回上げた日のUA見たんです。そしたら直近1時間に30人以上の人が私の作品を見てるし、その後もたくさんの人に見てもらえてさ、とっても嬉しくて涙が溢れちゃって……本当に私の思い浮かべたシーンを見たいと思って書き始めた拙いお話を読んでくれてありがとう。


「さてと、それじゃあ俺呼ばれてるから別行動な」

 

「雷夜はどこに行くのかもうわかっているのか?」

 

「わかってるよ。まぁ従業員に聞いた方がいいけどね。という事でまた後でな」

 

 

 キャスト、スタッフ、そしてお客様。色々な人が溢れている中を外れて俺は今から木々によって隠れたステージを探す。さっき司と話した時は場所を知ってると言ったが半分くらい嘘だ。本当なのはワンダーステージは一応道があるとか、木々の中だとか、そうゆう手がかりがわかりやすいことだ。そして嘘となるのは木々の中って言っても植物は沢山あるのだから何ヶ所かまでしか絞り込めないのだ。

 

「やっぱりランド内にある掲示板じゃワンダーステージがどこかわからないな、というか方向音痴が地図見てもねぇ」

 

「確かに方向音痴にとって地図は分かりずらいかもしれないねぇ」

 

「そうだよなぁ。まだスマホみたいにぐるんぐるんしないだけマシだけどさ。なかなかに広いんだよここ。誰かワンダーステージ教えてくれないかな」

 

「それならドローンで探してきてあげようか?」

 

「あー、助かる。やっぱりドローンとか便利……だよ……ね?」

 

 

 類がいつのまにかいた。背後に立っていた。類の姿が掲示板のガラスに微妙に映る類がいた。

 

 

「怖いって類」

 

「ごめんね?けどここに来るまでに僕がついてきてたの知ってたんじゃないかな?」

 

「知ってても急に後ろにいるのは怖いって。そんなことより類ワンダーステージどこにあるのか知らない?」

 

「それならこの地図でいう君が向いてる方に真っ直ぐ行って狭い道に曲がる、そうすると右手に木々をかき分けるような道があるからそこがわかりやすい道かな」

 

「なるほど、助かったよ。類はこれからショーとかする?時間によってはなんか手伝えるけど」

 

「いや、今日は慣れ親しんだものをやるつもりだから一人で問題ないはずさ。気にしないで自分のやる事をやってほしい」

 

「わかった。それじゃあ行ってくる」

 

 

 真っ直ぐ行ってY字みたいな道の狭い方だからこっちか、でしばらく右に注意して見る。道……道、どこだ、あった!!多分これだ!!秘密基地探してるみたいで楽しいな。けどこの道ワンダーステージの活動始めたら広くしないと。

 

 そしてしばらく歩けば、ちょうど面白いタイミングで来れたようだ。

 

 

「とーーーーーーーーっ!!」

 

「うわー!?な、なんだ!?何か降ってきたぞ!?」

 

「ようこそっ☆笑顔い〜っぱいの、ワンダーステージへ!」

 

「じゃあみんなでいくよー!!せーのっ、わんだほーいっ☆」

 

「わんだほーい」

 

「……………は?」

 

 

 司は何がなんだかわからずにフリーズしてしまった。しかし、それでも反応を求め続けるえむ、もう一度「わんだほーいっ!!」と繰り返ししてみるも、やはり司には効果がなかった。しかしまたまたそれでも諦めないえむは続けようとするも、司が折れて話してる途中で話してしまった。

 

 

「それに何故雷夜までいるんだ!?用事があったのではないのか!?」

 

「おー、質問色々したな。とりあえずこの子が降ってきたのはあそこ」

 

「上だよー!あのへん!」

 

 

 俺とえむが指差した先をみた司はものすごく驚いていた。まぁ驚かないやついるわけないんだけどさ。

 

 

「司くんが来るから、ビックリさせようって思ったの!」

 

「えむーこれ俺いなくても大丈夫だったんじゃないのー?」

 

「そうかもー!ごめーん、許してー☆」

 

「別に怒ってないよー」

 

 

 なんかすごい孫娘とかと仲良くしてる感じみたいだ。司もそう思ったのだろか、目をぱちぱちさせながらこちらをみていた。

 

 

「すまん雷夜、色々と説明を頼めるか?お前の方が話が通じる気がするぞ」

 

「んー、まぁとりあえずえむ、自己紹介して」

 

 

「わかった!あたし、鳳えむ!キラキラ笑顔い〜っぱいのワンダーステージへようこそ!そして司くんをここに呼んだのも、あたしだよ!」

 

「という事でこちら鳳家の末っ子ですね。俺の知り合い。じゃなくて妹の知り合い。というかもしかしたら親同士は知り合いだったかもしれないね」

 

「いっしょにすばらしいショーをつくろうねっ☆司くんっ♪

 

 

 あっ司が一気に色々な事聞いて気絶したみたいになってる、どうしよう………とりあえず椅子に寝せとくか。

 

 




みんなでわんだほーいってサブタイのくせにわんだほーいしてるのえむと雷夜だけで司入らんかった。


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ショーしよーよー

クリスマスは皆様どう過ごされましたか?満足出来たならいいと思います。


 さて、司はいつ起きるのだろうか?早く起きてくれないと話が進まないんだけど。

 

 

「ねーねー、雷夜くんもいっしょにショーしようよ!!とっっても楽しいと思うんだっ☆」

 

「俺はいいって、俺表に出てくるよりもみんなの事手伝える方が好きなんだって、それくらいは怜華から聞いてるんじゃないの?」

 

「むむむむ〜そうだけどさー、だって絶対いっしょにやったら楽しいんだもん!!」

 

「まぁ否定はしないけどさ、俺はいいの、サポーター、なんならただの1ファンでいたいんだ」

 

 

 ま、ミクに頼まれちゃったしそれは許されざる事だもんね。という事でなるべくヒントを出せるようなポジションにどうにかしてつきたいんだけど………うん、そんな事よりえむが顔をぷくぷくしてフグみたいになってるのを眺めたら方が重要かも、考えてるより流れに任せる方が楽だからね。

 

 

 

「は!?なんだか酷い夢を見たような」

 

「えむにドロップキックされる夢とか?」

 

「あればドロップキックと言うのだろうか?えむがいたと言っていたあのステージの上の方から降りてキックしてくるものだから、ライダーキックのようなものか?」

 

「あーなるほど、それはなかなかの夢だね。実際だったらものすごく痛そうだ」

 

「司くんの夢にあたしがでたの!?なんかとってもハッピーな感じかも☆でも、あれ?夢って寝ている時に思い出とかお片付けしてる時にでるんだよね?さっきの少しの出来事って整理するの?」

 

「「……………」」

 

 

 え、どうなんだ?そんなに詳しくわけじゃないんだけど、もし、もし司が夢でない何かを見てたら……すごい怖い。夢って怖いんだよ。えむの言った説明も諸説あるもので解明されてないわけで、何か突っ込んだらもうダメなやつな気がするんだよ。

 

 

「そんな事は今は問題ではない!!結局俺はなぜこんな所に呼ばれたのだ!?」

 

「それに関して私が説明しましょう。少々時間が押しているので早口でご説明させていただきます」

 

 

 あの着ぐるみ着てる人も忙しいもんね、司が気絶して時間が狂うなんて想定外でしょ、大変そうだ。

 

 着ぐるみの人から何故呼ばれたのか、ここでショーはやっているかなどなどの話を終えるが、まぁそこまでわかってなさそうというか、なんか企んでんのかなって感じのこころの全部がここにあるわけではなさそうな表情だった。

 

 

「なるほどなるほど、それじゃあ達者でな、おかしなファンよ。雷夜帰るか」

 

「行っちゃだめー!!いっしょにショーやろうっ!ほらっ!雷夜くんも手伝ってよー」

 

「裾をひっぱるのはやめろ!息が……!雷夜っ!」

 

 

 どちらもこっちを見てくる。流石に司を助けておくか。

えむの腕を掴み、司を解放した。息ができるようになって良かったね。

 

 

 

 

 

 そんなこんなで話をしていると、前世で見慣れた今世でも見慣れてはいる緑髪の女の子発見。それじゃあ先にセカイに行って出迎えてあげようか。

 

ぬいぐるみたちと共に空飛ぶ汽車に乗って迎えに行くぞー!

 

 



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遊園地ってなんで飽きにくいんだろうか

 私はあまり遊園地等のお金を払ってエリア内で楽しむようなものは行かないからわからないんですけど、なんでみんな長い時間遊べるんだ?飽きないのだろうか?


「おー!!何これすげ〜」

 

 

 現在俺は空飛ぶジェットコースターに乗っていた。なんとこのジェットコースターはレールが空中にできてすぐにそこを通過するため、どこに行くのかがわからないから全く予想のつかない動きをする。一回転するのは当たり前、建物の壁を走るなんてこともした。

 

 そうして、ジェットコースターが速度を落とし止まったのは、

 

 

「あー!ショーの準備のお迎えが来ちゃった!!いそごういそごうレッツゴ〜♪」

 

「?これはトラック映像なんだよな!?ちょ、なんだ!急に押すな!何故ジェットコースターに乗せる!!そして黙っているんじゃないぞ雷夜!!」

 

「うるさいなぁ、後で説明してやるから待ってなよ。まぁ少しぐらいなら今教えてもいいけどな」

 

「ならほど、とりあえずこれはどこへ向かってるんだ。ジェットコースターらしくゆっくり登ってるのはわかるが……それよりもこのジェットコースターは何故上に向かうのだ?」

 

「だってジェットコースターは位置エネルギー使うもんだし……」

 

「いや、まず浮いてるんだからそんなものいらないだろ。トラック映像じゃないし、もうわけがわからん!!」

 

「じゃあそれっぽい説明をしようか。ここはキミのセカイだ、つまり司がジェットコースターとはこんなものだと思っているから、この動きをするんだ」

 

「いやわかるわけあるか」

 

 

 いたっ!えぇ、別にチョップしなくたっていいじゃん。

 

 

「俺はすぐに手が動くのはショーやるのに悪くはないと思うけど、ちゃんとコントロールはできるようになれよ」

 

「ああ、すまん。それよりもこれはどこに向かうんだ?」

 

「それなら……うん、時間切れ。もう落ちてくから楽しみに!!」

 

 

 そろそろ落ちそうというか、落ちかけてたから最後は早口になってしまった。やっぱりジェットコースターって気持ちいいものだね。先頭席はレールが少し見えるから安心感はある。

 

 司のうおおぉや、うわぁぁなどの悲鳴の中ジェットコースターは青い屋根のステージに向かって行く。

 

 

 

 

 

「到着だね」

 

「おまたせ〜☆連れて来たよ〜っ♪」

 

「ミク。わざわざ連れてきてくれたんだね、ありがとう」

 

「あっ、司くん!雷夜くん!ふたりとも一緒に来てたんだね!」

 

「カ、カイト!?それにお前まで……!というかお前、馴染みすぎだろう!もう少し驚け!」

 

「なんでこ〜ゆなに楽しいところに来たんだよ!あっ、でもでもそのビューンって動くジェットコースター?もうコースないからただのジェット?が来た時はビックリしたよ!」

 

「ねぇカイト、これはジェットコースターって言えると思う?解説役の俺の中ではジェットコースターなんだけど」

 

「うーん、ジェットコースターなんじゃないかな?コースがその場で決められてるだけで、一応レールの上を通ってはいるからね」

 

「そういう話じゃないし、雷夜まで自由だし………はぁ。こいつらに話しても無駄か……」

 

「そうそう無駄無駄、楽しむでる相手に何かしようとしても意味ないよ」

 

「うるさい、お前はもう少し俺に味方しろ!しかも解説役とか言ってたな!!」

 

「カイトさん、雷夜くん解説役ってことは色々教えてくれるの?」

 

「そうだよ、解説役のために実は結構前にこのセカイに呼んだりしてるんだよ。それじゃあ雷夜くん、ショーの開演時間までにセカイについて教えといてくれるかい?」

 

「はい、任せてください。ちゃんと頼まれたからにはちゃんとこなしますよ」

 

 

 ようやく初のお仕事だ、正直ワンダショが最初に説明するチームだとは思わなかったけどね。

 




モチベの低下って辛い……メインストーリーさえ終わればあとは楽(比較的)だからしばらく頑張る期間だ。


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セカイでの初仕事

昨日までに上げれなかった、すまん。


あと、司の一人称オレってカタカナだった・・・忘れてた。


「さてと、ここはお前の、司の想いから生まれたセカイだ」

 

「オレの想いから生まれたセカイ……?そういえばミクもそんなようなことを言っていたな。新世界が生まれるなど、にわかに信じがたいが……」

 

「司くん、こんなすごいところまで作っちゃうなんてスターってすごいねー!」

 

「殆どは複数人でつくるものなんだけどね。やっぱりスターってすごい!」

 

「雷夜のはなんか悪意を感じるんだが……」

 

 俺とえむが褒めてる間なにかほっぺをつねるような軽い自傷行為を行い、悲鳴を上げる司。痛みがあるなどといった至極当然のようなことを言っているが、確かに物理法則など知らんということが多々あるセカイは夢のようなセカイなのだから無理もない。

 

 

「このセカイは本来俺たちがいた世界ととある曲で繋がっている。なにか音楽を流したらここにいつの間にかいたんじゃない?」

 

「あたし覚えてるよ!確か『Untitled』って曲だった!」

 

「たしかに、あの曲を再生したらここにきたな。うーむ、理解できなくはない……。だが、聞きたいことはいくつかある。そもそもなぜ、バーチャル・シンガーのミクや介人がいるんだ?」

 

「あの人達は司に本当の想いに気づいてもらうためにここにいるらしい……んだけど、そこは詳しくは知らないんだよね、俺はそのサポートをしてほしいって言われて世界にいるんだ」

 

 

 なんでミクなのか、とかわからないこと、というか多分考えるだけ無駄なことはおいておいてもやるべきことだけはわかる。

 

 

「司が本当の想いを思い出した時、このセカイは音楽が流れずはずなんだ」

 

「本当の想いを思い出した時だと?雷夜は知っているだろう、オレの夢はスターになることだと」

 

 

 そんな話をしてると二つの足音が聞こえてくる。

 

 

「でも、それだけじゃないんじゃないかな?」

 

「あれミクにカイト、準備は終わったの?」

 

「うん、バッチリおわらせて来たよ!」

 

「そっかそれじゃああとの説明お願いしてもいいかな?」

 

「それはいいけどキミ達は今なんの話しをしてたんだい?」

 

「なんでバーチャル・シンガーがいるのかって話で、今司が本当の想いを忘れてるってことを伝えたら話が噛み合わないって状態」

 

 

 少し考える様子を見せたカイトだが、すぐにその素振りをやめ、司に話し始めた。どうやら聞きたいことを最初から疑問に事ェル音にしたようだ。

 

 

「ね雷夜くん、あたしあのジェットコースター乗っていい?」

 

「いいよ、それじゃあ一緒に乗ろうか」

 

「わーい!やった、やったうれしいな~、ガタゴトガタゴト、びゅびゅびゅーん」

 

「そういえばえむってなんでその曖昧というかイメージの音をよく言葉にするの?」

 

「うーん、よくわかんない!けどね、この言葉はちっちゃな子でもおじいちゃんだって一緒のことを楽しめるものだと思う!あたしはみんなに笑顔になって欲しいからたぶんこう表現するんだ!」

 

「いいじゃん。確かにみんな共通して楽しくなれる言葉だね」

 

 

 ジェットコースターはものすごい速度で空を駆け巡り、えむはとっても目をキラキラさせていた。

 




えむが無くのを書くことになったら心がつらくなりそう。


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帰還

「司くん!?つかさくーん!!」

 

「えぇ、なんで気絶してんだ」

 

 

 ウサギのぬいぐるみに驚いて気絶はやっぱり意味わからん。

 

 ジェットコースターを降り、司のもとに戻ると謎のぬいぐるみが喋って司が気絶するシーンだった………んだけど、驚きのあまり気絶しましたって言われても納得はできないよな、本当に意味がわからない。人間って驚いたらむしろ目が覚めて気絶とは遠い関係になるものだと思うよ。

 

「雷夜くん、例えばだけどドッキリ番組とか見たことはない?その中には驚きすぎて動きが止まっちゃう人とかいると思うんだ。司くんはそれに近い状態で、脳が理解しきれなくてバランスを崩すことになったんだと思うよ」

 

「そうなのか?人間ってよくわからないもの多いから確実な話できないしなぁ」

 

「気になった事は帰ったら調べるといいよ、君も学生なんだ、調べる癖はあってそう悪い事じゃないからね」

 

「それもそうか。ありがとうカイト」

 

 

 帰った後の用事が一つできた所で、俺達は司を広場まで運び、司が起きるまでえむとお話しをしていた。

 

 

「えむってワンダーステージで一緒にショーするメンバー他に誘ったりしたの?」

 

「えっとねー他にもちょっとだけ楽しそうな人はいたんだけど……司くんが飛び抜けておもしろそうだったから、司くんしか誘ってないよ?」

 

「後俺が付随して誘われた感じか、てか俺って面白そう?普段そんな事言われないけど」

 

「雷夜くんはほら!怜華ちゃんからすっごくアピールされちゃってるし!楽しいを追い求めてどこまでも行けるって聞いてるよ♪」

 

「へーそんな評価受けてるんだ。少し意外だ。それじゃあ逆に面白くなさそうとか、苦手な人はいる?」

 

「苦手な人………えーっとねーその、この前怜華ちゃんがとある先輩と喋ってたそうなんだけど、その先輩が少し怖いかも……」

 

「……まふゆかなぁ」

 

「知ってるの!?」

 

「まふゆはねぇ、一緒に勉強したりしてたよ。まぁあいつも大変苦労してるのは知ってるんだけど、勘がいいと確かに怖いと思うのもわかるしむずい」

 

「でも雷夜くんの友達なら少し仲良くなれるかもって思う!」

 

「あはは、ごめん、俺とまふゆって変な関係かもしれなくてさ、多分友達ではないんだよね。俺からはどうしても可哀想な人って認識は抜けないし、あいつからして俺は嫌いだろうし。ただ仲良さそうに喋れるだけで外から見たら友達っぽいけど実際は友達というには程遠いかもしれない」

 

「?よくわかんない……だって周りから見たら友達だと思われるんだよね?」

 

「そうだろうね、多分友達っぽいんじゃない?」

 

「それって普通の友達と違うの?今はバチバチって喧嘩してるだけだよね?みんなそうじゃないの?」

 

「喧嘩してるだけ、かぁ。俺はわかんないな、喧嘩してる友達友達ではないのか。一時的に絶交してるだけでそれはみんな乗り越えていくからな」

 

「だから!あたしまふゆ先輩と仲良くなって雷夜くんと仲直りさせてあげる!」

 

「ありがとう、えむ。けど大丈夫だよ。俺たちは自分の力で仲直りするから、だからえむは自分が先輩と仲良くなりたいからってまふゆの友達になってあげて。多分あいつはそれが一番嬉しいはずだから」

 

「わかった!それじゃあ次先輩にあったら友達になってくる!」

 

 

 えむはものすごい笑顔でどうやって仲良くなろうかを考えていた。もう口から漏れてるもんね。

 

 

「なんだ雷夜は先生みたいだな」

 

 

 いつのまにか司が起きていた。本当にいつから?



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前回タイトル詐欺になってたから今回こそ帰還したいところ。

本当に前回帰還とか言っといて雷夜とえむとが喋ってるだけだったの申し訳ない。



「それにしても司起きないなぁ、当たりどころ悪かったか?」

 

「はっ!」

 

 

 フラグだったと言わんばかりに司はいきなり身体を起こした。

 

 

「あっ、起きた!司くん、大丈夫?」

 

「誰かが気にすると起きる、よくあるよな。大丈夫かー?」

 

「ゆ、夢か……!それはそうだな、まさかあんな、変な場所や変なミク、変なぬいぐるみが本当にあるわけ……」

 

「現実を見ろ司」

 

「司くん、大丈夫?」

 

「アタマ、イタクナイ?」

 

「夢じゃないのかよ!!どうなってるんだいったい……!どうしてオレがこんな目に!」

 

「そうゆう運命なんだよ司は、諦めろ」

 

「諦めろだと!諦められるわけないだろう!」

 

「うーん……これは困ったね」

 

「やっぱり今は無理だよカイト。本当の想いを思い出すのは、だって高校入ってからずっとスターになるってしか言ってないし」

 

「何を言ってるのだ雷夜!とにかく!オレは帰るぞ!そうだ。あの『Untitled』って曲を止めれば……───ない……スマホがない!そんな……ああぁぁ!なんでもするから早くここから出してくれ!頭がおかしくなりそうだ!!」

 

「なんでも!?」

 

 

 えむが目を輝かせて自分の利益を求めにゆく。

 

 あーあ言っちゃった、ドンマイ司。まぁ将来の夢に近い道だし頑張れ〜。にしても『なんでもするから』って聞いてすかさず自分の夢に向かってこんな状況でも進むのえむのすごいところだよね。俺なら流石に出来ない事だ。

 

 

「司くん、なんでもしてくれるの?じゃあ、ワンダーステージでいっしょにショーやってくれる?」

 

「ああ!ここから出られるならなんでもしてやる!」

 

「やった〜!約束だよじゃあ、一緒にスマホ探そ!」

 

「それじゃあ俺は先に帰ってるわ」

 

「いや!雷夜には今度雷夜の好きなラーメンを奢ると約束しよう!!だから頼む!スマホを探すのを手伝ってくれ!」

 

「なるほど、いい提案だ。司がそんな提案をするとは思ってなかったよ。だが断る」

 

「なぜだ!?スマホを探すのを手伝うだけだぞ!」

 

「だからだよ!後ろ見ろ、えむが何か言いたそうにしてるぞ」

 

「む?なんだ、もしや見つかったのか!」

 

「あったよ!!けど……ほら、あそこの木に引っかかってるよ」

 

「本当か!?よくわかったな!」

 

「あたし、目いいんだ〜♪よいしょ、っと!はい、司くん」

 

「でかしたぞ!これで『Untitled』を止めれば、ここともおさらばだ!」

 

「それじゃあ俺はお先に失礼」

 

 

 とっとと元の世界に戻るぞ、流石にあの着ぐるみに捕まるとかはされたくないからね。だからこその木の生えてるところで聞いたわけだし。

これがただしい原作知識の使い方だというものだろうな!

 

 そう思っていたのも束の間、なんと気づけば木の上にいた。

 

 

「え?なんで木の上にいるわけ?まぁいいかとりあえず降りて……──っ!た、高いな……」

 

 

 俺がいる木はなかなかにデカかった。い、一旦枝に座ろう。どうにか動けないものか?

 そういえば子どもの頃は降りれたような高さのものでも、大人になると降りれなくなると聞いたことがある。それは身長が伸びたことにより実際の足と地面の距離は変わらずとも、頭と地面の距離は長くなるかららしい。

 さて、何故俺が今こんな事を思い出しているのかと言うと、皆が想像する通り、ビビりすぎて、気が動転しているからだ!!

 

 

「な、何かいい方法はない!?もっと低い位置にある枝……はない!目の前にある木は枝が細そうだし、反対の木の枝はより高い位置になる。もう勇気を振り絞って降りるべきか」

 

 

 独り言を自分に言い聞かせるように呟いているとある一つのものが目に入る。

 

 

「ワンダーステージ……反対側にあったのか」

 

 

 ───!!そうだ!ワンダーステージなら降りるようの梯子があるはずだ!ワンダーステージは木の枝をつたっていけばどうにか屋根にのれる!屋根はえむが乗っていて余裕がありそうだったし、俺でもいける気がする。

 

 

 そう考え、木の枝を乗り継いでワンダーステージの屋根の上にどうにか着くことができた。

 しかし、ワンダーステージにいるのに司の声も聞こえない。不安に思いすぐに降りてステージを見てみるも、見つからない。

 

 

「俺素直に一緒にいた方が良かった気がする」

 

 

 自分の行為を恨んでももう遅いが恨むしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 雷夜が屋根に乗り移る少し前の話、司は脅迫されてワンダーステージで一緒にショーをする事が決まり、メンバーを探していた。

 

 

「メンバーをもう少し集めるぞ!」

 

「あぁっ!そういえば雷夜くんがいない!」

 

「あいつは先にセカイから帰っていたが……一体どこにいるのだ?とりあえず探してみるぞ。15分後にまたここをに集合だ!」

 

「あいあいさー!雷夜くんどこにいるかな〜?」

 

 

 すれ違いが今始まるろうとしている。かも、しれない。




1週間に1話出せてないのなかなかにまずい。本当に申し訳なく思う。けど許してほしい。最近プロセカのモチベが無さすぎるのだ。正しくは学年上がった頃からだけど。


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すれ違いの入れ替わり

なんか前回予約投稿ミスった。


「あいつらいねーし、どうしたもんかなぁ。この後どうなるんだっけな、確かメンバー探しでロボットを………類だ。類に電話すればいいじゃん。いや合流だけなら広場に行けば見つかる」

 

 

 人が集まってるところを探して行けばいいはずだと気づいた俺はすぐに走り出した。

 

 

 そして見つけたと思ったら類はすでに追いかけてられそうだった。

 

 

「おっと。邪魔が入ってしまったね。この続きは、また次回にしようじゃないか」

 

『え〜!?』

 

 

 子供たちの声がフェニランの一部で響きわたる。ついでに言えばえむの声も聞こえる。

 その後ショーの続きを想像していてくれと言い、類は警備の人から逃げるために走り出してしまった。そしてまた、それに続いて警備員さんや、司とえむが追いかけるように走り出す。

 

 とりあえず追いかけないと、見失うことになる。それだけは避けないといけない。もし置いてかれたら………普通に迷子になって家に帰れなくなるぞ。走ってる間に道なんか覚えられるわけもないからな。

───冗談は置いといて、あいつら2人なんでついて行った?俺の知る限り、類を探すのは今日ではない。とりあえず追いかけなければ。

 

 司達を追いかけ続けて役30分!!──30分!?

 

 司との合流には成功した。えむはどっかに行ってしまった。司いわく、類の事を見失ってしまった後えむが自身の勘に任せてかけ出してしまったらしい。

 

「てかなんで、そのショーをしてた人に着いて行ったんだ?」

 

「そうだな………そうだ!雷夜、貴様もオレ達と一緒にワンダーステージでショーをするというのなら教えてやらんでもない」

 

「ほぉ、なら俺は司が追いかけてるやつの情報を教えてやるよ、代わりに追いかけてる理由を教えろ」

 

「なっ!?まさか、雷夜とオレ達の追ってた人は同じ劇団の人だというのか!?」

 

「なんでそうなるんだよ!!あいつはただの友達っていうか、中学からの知り合いだよ!!てか司も知ってるやつだって」

 

「オレの知り合い……なのか?いやオレは見たことないぞ」

 

「中学の時の先生から俺達のこと聞いてたでしょ!!」

 

「中学の先生だと……?」

 

 

 うーむ、という擬音が出るように考えこむ司、かなりの大ヒントを与えてるから早く気づいて欲しい所である。

 

 

「いや、まさかとは思うが、天才と呼ばれたもう一人のことか?」

 

「正解、という訳でなんで追いかけてたのか教えてくれよ」

 

「くっ、忘れてなかったか……それはだな、あいつはオレ達と一緒にショーをするのに相応しいと思ったからだ」

 

「なんか、それだけの理由で隠す必要性とかないのがなんか怪しい、けど嘘は言ってなさそうだしなぁ。本当にあいつを誘う為だけ?」

 

「ああ!もちろんだとも!」

 

「まぁいいよ、一旦信じておこう。とりあえず俺は今日は帰るわ」

 

「また明日学校で会おう!」

 

 

 帰宅後、司の事は少し疑わしい。交渉しようとしてきたりしたからなぁ、けれどまぁ多分司もえむもバ……カ、いやえむは普通に頭いいけど、少なくとも司はそこまで頭回らないだろうと信じたいけど、いやもっと簡単に考えよう。

 おそらく、司は俺をメンバーに加えることが目的だろう。そこから何かにつながるとは一旦いい。ゴールだと仮定しよう。ならなんで類を追いかけるのか、それが問題だ。

 原作通り、仲間にしようと動くのは自然といえる。けど、仲間に誘うまでが速いのが気になるところ。何かしら忙そぐ理由があった、それはなんなのだろうか……………考えてもわからない、ならどうやって俺をメンバーにするかを考えておくべきんじゃないのか?

 

 いつまで考えても結局は人数有利で流れなくするとかしか思いつかない自身の頭に絶望しながらいつのまにか寝ていた。



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ロボットの劇団を操りし者

本当にサブタイトルテキトー


「はぁ。しかし今時放課後に屋上にあるやつなんか、カップルか変人くらいしか………」

 

「おー、司バカにしてくれるじゃん。喧嘩なら買ってやろうか?」

 

「な!雷夜何故こんな所にいる!?」

 

「おー、無視ですかそうですか。俺よく屋上にいるよ?司の探し人とかと一緒にさ」

 

 

 喧嘩売られたから殴りたい気持ちを我慢して───我慢せずに殴っても俺が怪我するだけだからしないが───伝えるべき事は伝える。

 

 

「なに?神代がいるのか?」

 

「やあ!やっと来たんだね天馬くん、待っていたよ。僕に用があるんだろう?」

 

「雷夜からオレが探している事を聞いていたのか」

 

「いいや、僕は君をずっと見ていたからさ」

 

「な……!もしやお前は………オレのファン!?」

 

「ファン……?フフ、それはおもしろい発想だね。やっぱり君は聞いていた通りの面白い人だ」

 

「でしょ類、司はなかなか見てて飽きない奴だよ。司、頭の上見てよ、面白いのが見れるよ」

 

「む……!これは、ドローンか?もしかして、これでオレを見ていたのか?」

 

「ああ、そうだよ。僕について1番知っている雷夜との連絡はつながらず、あたふたしながら学校中を動き回る君がおもしろくてね。つい観察してしまったよ」

 

「なんと……カメラやマイクまでついている!これは2人が作った者なのか?それとも類が1人で?」

 

「僕1人で作ったものだね」

 

「……すると、昨日のショーで使っていたロボットもか?」

 

「そういえば、君は昨日のショーを見ていたんだったね。その後追いかけても来てたし、どうやら君も僕のファンのようだ」

 

「いいや。オレはお前を勧誘しに来た!」

 

「勧誘?」

 

「そうだ。単刀直入に言おう。神代類!このオレとともにショーをするぞ!」

 

「君と、ショーを?………それはなかなかおもしろそうだねえ」

 

「そうだろうそうだろう!よし!そうと決まればさっそく今から……」

 

「悪いけど、今は一緒に組む気はないよ」

 

 

 その類の言葉に司は驚き、そして類は俺を見ている。それもかなり真剣な様子である。

 

 

「天馬くん、一旦雷夜と話したい事があるからどっか行っててくれないかな?」

 

「司、なんか類は俺に話があるらしいからそこの階段の踊り場とかにいてよ」

 

「む、そうか……しかし、神代類!何故なのか後で話聞かせてもらうぞ!」

 

 

 司が降りていって、屋上には類と俺だけが残る。

 

 

「雷夜、一つ聞きたい事がある」

 

「答えられる範囲ならなんだって答えるよ」

 

「君は今楽しめているかい?」

 

「類と話したりしてるのは楽しいと思っている。逆に辛いとかは何にもないし」

 

「……本当にかい?」

 

「?……もちろん」

 

 

 俺の発言を聞いて安心したのか、類の表情が柔らかくなる。

 

 

「それなら良かった。僕からするとなんだか君らしくない行動だと思ってね。中学生の時の君は心の底から楽しんでるという事がものすごくわかったんだよ。けどね、今日の君はなんと言うべきか、ショーの裏方をするような行動だったんだ」

 

「それは……一年の間に俺が色々と覚えたってことじゃない?今回司は類に話があったわけだし」

 

「そうかも知れないね。瑞希だってあんなに変わってたし、君にも変化はあるだろうからね」

 

「そうだ、類は結局のところ司と一緒にショーはする気あるの?」

 

 

 類は顎に手を当てて、わかりやすく悩んでることを伝えて来た。

 

 

「ちなみにだけど、雷夜は天馬君とは一緒にやるのかい?」

 

「俺はやんないかな。たまに手伝いに行くとかはしても、所属するって事はないと思う?正直楽しいからいける限りは行くつもり」

 

「そうか……それなら、うん。ありがとう雷夜、僕は少しだけ前向きに考えてみるよ。これから天馬君とサシで話したいから先に帰ってもらうことになるかもだけど大丈夫かい?」

 

「問題なし、どうなったのか明日教えてくれよ。それじゃあ俺は先に帰るな」

 

 

 前向きに考えてくれるなら原作の流れには沿う事ができるだろう。そんな安心感を胸に、今日が終えれそうであった。

 




体調崩しまして、次回いつになるかわかりませんが、今後ともよろしくお願いします。


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崩壊なんて起きなければいいのに。

 今日というものは終わらず、ワンダーランドでは元気な2人、えむと司が新しく加わる事となった2人……正確にいうと片方はロボットだけどその2人が加わってわちゃわちゃと話をしていた。

 

 

「ネネロボ、というか寧々、煽るのはそのくらいにしてあげたら?」

 

「あ!雷夜くんだ!もー、おそいよ〜」

 

「いや、まず俺は一緒にやるチームってわけでもないんだけど……」

 

「そうだったな……なぁ、やっぱり雷夜も一緒にやらないか?類も入ってくれた事だ。それに癪だが、このロボットだってかなりのレベルではある。これならばお前だって不満はないだろう」

 

 

 何度も誘って俺に断られているからか、どうせ無駄なのかもしれない、でも諦めることは出来ない、などといった不安やらなんやらで多少司はぎこちない様な表情をしながら相変わらず俺を誘ってくる。

 これはあくまでもワンダショのメインストーリー。つまり俺が入るのは1番良くない結果になるだろうと想像することはとても容易で、ならば俺は絶対に入らないべきなのだ。とても申し訳なく思うがそれだけは超えてはならない一線であると思う。

 

 

「何度も言ってるけど、俺は入らないよ。何かのアドバイスとかならする事はできるかもしれないけどさ」

 

「ぬぬぬ、なぜお前はそんなに頑固なんだ!!普段のお前ならば大抵のことはすぐに賛同するというのに!」

 

「そうだよ!あたしの突然のおねがいだってすぐに答えてくれたのに!」

 

『……わたし、初めて会った時の言葉覚えてるよ。『類がショーのメンバーを探していたら一緒にやらない?』って私に言ってきた。わたしだって類とは長い間知り合ってるからわかることだってある。類だって、雷夜と一緒にやりたいと思ってるはず。わたしは……よくわからないけど』

 

「そうだね、僕も出来ることなら一緒にやりたいと思っているのは確かだね」

 

「いやもう待って待って、俺が入らないのって練習に参加できる日がそこまで多くないから、迷惑になると思ってなんだよ!!」

 

 

 普通に入る流れみたいにするのやめてほしい、恥ずかしいし、心が痛むし、精神的ダメージが尋常じゃないっての。

 

 

「あっ、それじゃあお話を書くのはどうかな?あたし雷夜くんのお話でショーしてみたい♪」

 

「な、なるほど?うんー、それじゃあ最初のショーでちゃんと成功させられたならお話を書くのを手伝うくらいならとりあえず参加するよ」

 

「本当か!?ならば今回はオレが最高の脚本を書いてくることにしよう。では、オレは一足先に帰らせてもらう。では!」

 

「あ、あたしも今日この後用事があるから先に帰るね。バイバイみんな」

 

 

 そうして元気な2人は帰っていきましたとさ。この場に残るは俺に類、ネネロボ。そして物陰に隠れている寧々だけとなった。

 

 

「寧々。2人はもういないよ。出てきたらどうだい」

 

「……本当にロボットをメンバーに入れるなんて、どうかしてるんじゃないの?」

 

「最高な奴らでしょ?あの2人。見てて飽きることはないよ」

 

「いやぁ、まったくだね」

 

「……急にロボットを持ってきて『一緒にショーをやらないか』なんて言ってくる類も、大概どうかしてるけどね………」

 

「類ってすごいよね。昔から知ってたことではあるけど」

 

「………言っとくけど、雷夜も大概なうちの1人だからね。なんで1年前にショーのメンバー勧誘をしてるの。わたし、ショーはもう……」

 

「それじゃあ、どうしてここに来たんだい?」

 

「こいつに、1年間の考える期間がなぜか先に与えられてたから」

 

「ふふ、そういう事にしておこうか。まあ、家でゲームばかりも飽きるかと思ってね、新しいゲームだと思って、楽しんでほしいな」

 

「演者が楽しくないとどうしようもないものにしかならないかな」

 

「……………」

 

「そう言えば雷夜。君には本当に無理はしてほしくないからね、アイディア出しをするだけの係だって僕は歓迎するよ」

 

「それなら学校で終わる事だしやってもいいかもなんだけどね」

 




布教なんですけど、クイズのお時間という曲が最高のザビとかだったりするからよかったら聞いてほしいです。


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ビビットね!

ワンダショの最初のショーまではいくらかビビバス初めてくよ。とりあえずビビバス、ワンダショの二つその後にレオニと、モモジャン。最後にニーゴの順で書くつもり。雷夜の話、怜華の話、雷夜の話ってなっていくと思う。


 ワンダショの初めてのショーが始まるまでの練習期間、俺はあいつらの練習は見ないでくれと言われた。司曰く、オレ達の最高のショーを見せて入りたいと思わせる。とのことで、なんだかものすごく盛り上がっているらしい。

 つまり、俺は今ワンダショに関われないので、俺のもうひとつの担当であるビビバスに絡んでいるのだが、特に何か進むことはなく、彰人達と練習したりしている。

 

 

「兄貴、そういえば最近ずっとオレ達に肩入れしてるようだけど良いのか?」

 

「ん?別に何かあるわけでもないけど、なんか不満?」

 

「不満っつーか、切磋琢磨できているように感じられるのは嬉しいけど、杏とはこういうのはやってないだろ。だからなにかオレ達に足りないものがあって、杏よりも劣っている。そう言われているような気もしなくもねぇ。それが微妙にうざったい」

 

「あー、なるほど。劣ってるから練習一緒にしてるとか感じてるのか。普通に関係ないから、まぁ色々と足りないものがあるのは事実なんだけど、それは今解決するものでもないし、なんなら俺はどうやったら身につけられるかわからないものもある。だから俺は純粋な声の出し慣れとかを一緒にすることで鍛えてるみたいな感じ」

 

「で、杏とは最近やってない理由みたいなのはないのかよ?」

 

「単純に相方がいないのに練習するのはなんか、俺の中で違うのがあるんだよ。どうせやってるの基礎みたいなものだし、それなら相方見つけてから一緒にやれれば1番良い気がするって考え。冬弥と早く組めてラッキーだったね」

 

 

 そして俺もラッキーなことに、今杏からこはねがWEEKEND GARAGEに来ていると教えてもらう事が出来た。まぁ本当はこの前の子が来たら教えてくれーって言ってあるから必然的ではある。

 

 

「杏の所行ってくる、怜華の知り合いがWEEKEND GARAGEに来てるみたいでさ、面白そうじゃん?」

 

「…ん?怜華って宮女でここで有名な人とか、活動してるって話してるのか?」

 

「いや、してない。単純に迷い込んで来た子羊がたまたまよく知ってる人を見つけただけ。音楽も初心者の子だから聞き専になるか、これからハマるかって感じ」

 

「ならほどな、それじゃあ行ってこい。そろそろ冬弥も来るみたいだ」

 

「悪いな、冬弥にも悪かったって伝えといてよ」

 

 

 

 

 走って、最近見つけた近道を通り、途中謙さんのっぽい車見つけたり、最近見つけた近道のせいで迷いかけたりして、遂に目的地に着いてドアを開けてみればそこには、

 

 

『♪──!───!──!!』

 

「やっぱりカッコイイ……!」

 

 

 杏の歌に見惚れているこはねの姿がおりましたとさ。



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相棒

 WEEKEND GARAGEに入ると、ちょうど歌い終わった杏と、それを見ていたこはねが目に入る。

 

 

「ふぅ!どうだった……って雷夜じゃん。いらっしゃい!」

 

「連絡ありがとう杏。おかげでこはねちゃん見つけられて良かったよ。そういえばこはねちゃん、さっきの杏はどうだった?かっこよかった?」

 

「すっごく……すっごくカッコよかったです!ありがとう杏ちゃん!特にあのアレンジのところが……!えっと、あそこの……♪────ってところとか、♪〜〜ってところとか!」

 

 

 それを聞いた杏は何か感じたのか、とてもワクワクという言葉が一番合う表情になり、興奮しているように見える。

 俺自身もこはねの歌声はリアルで聴くと何か心の奥から湧き上がる何かを感じる。

 

「……もしかしてこはね、歌えるの?」

 

「え?」

 

「ていうか、ちょっと歌ってみない!?今聴いた感じ、歌詞も覚えてそうだし!はいマイク!雷夜もこはねに何かを感じたでしょ?歌わせるの手伝って!」

 

「え、ちょっと、待っ……!わ、私、こんなところで歌ったりできないよ!怜華ちゃんのお兄さん、た、助けてください!」

 

 

 こんなちっこい子(ほとんどかわらない)からのお願いを無視するのは大変辛いものがあるけれども、俺はこはねの歌をきいてみたいという、我儘のために動くと決めたから助けることは出来ない………ごめん。

 

 

 

「おねがい!こはねの歌、聴いてみたくって!大丈夫、こはねなら、きっとカッコよく歌えるよ!」

 

「………す、少しだけなら大丈夫だけど………でも……笑わないでね?」

 

「もちろん!」

 

「………───♪───♪───♪───♪」

 

 

 こはねが歌い始めて、少しすると杏が我慢できなくなって一緒に歌い始めてしまった。どちらも白熱し、とても気持ちよさそうに歌っている。まだまだ足りないものはあるけれども、合ってまだ半日も経っていないとは思えないほどもっともっと聞きたいと思えるような歌い方をしていた。

 

 

 

 

 

「……見つけた!やっと見つけた!ねぇ、こはね!私と組もう!私と組んで、一緒に最高のイベントをやろうよ!」

 

「……ええっ!?」

 

「やっとだね。こはねちゃんどう?杏と組むの、多分良い経験にはなってくれるはずだよ」

 

「こはねも感じなかった?一緒に歌うと、すっごく気持ちいいって!」

 

「それは………そうだったけど………で、でも、私なんかが、杏ちゃんと一緒になんて………」

 

「こはね。『私なんか』なんて、言わないでよ。私、小さい頃から、イベントやこのお店でいろんな人の歌を聴いてきたよ。その中には、歌の上手い人もたくさんいた。でも、今日こはねと歌った瞬間が、一番ドキドキした!だから、こはねと一緒にもっといろんな歌を歌いたいの!」

 

「ドキドキした……?私の歌に……?……………私、人前に立つと緊張しちゃうし……杏ちゃんに迷惑かけちゃいそうだけど……変われる、のかな………やってみてもいいのかな……?」

 

「うん!やろうよ!それに、迷惑だっていっぱいかけていいし!」

 

「え?」

 

「お互い困った時は助け合う、みたいな感じでさ。こはねが困ったら私が助ける!だから私が困ったら、こはねが助けてよ!」

 

「……!」

 

「こはねちゃん、よかったら怜華に迷惑かけておいで。あいつなら同じ学校だし、杏と同じくらいには上手いからね」

 

「確かに!ていうか、怜華って私より普通に上手いよね、雷夜もだけど、なんていうんだろ?なんかコツ?を知っているから急激に上手くなってるのかな?日々の積み重ねが出るものは負けてないけど………何か私が持ってないものを持ってるよね」

 

「お兄さん、杏ちゃんよりも上手いの?」

 

「昔ならそう言い切れるけど、今だとわかんないって感じだと思うよ。全力を出し切るようなイベントとかになったら確実に杏の方が上。怜華は知らんけど」

 

「こはねは今度学校で歌って貰えばいいんじゃない?」

 

「さすがに学校では無理なんじゃない………かな?」

 

「無理だったとしても今度一緒にここに来ればいいしね」

 

「なんか話すごい脱線してるね。杏そろそろ軌道修正したら?」

 

「そうだった!えっとなに言おうとしてたんだっけ………そう助け合う関係!」

 

 

 杏は父親の謙さんたちの話や、この街で最高のイベントだった『RAD WEEKEND』、そしてそれを超えるという自身の夢についての話などを熱く語った。

 

 

「……やってみたい」

 

「え?」「お?」

 

「私も、そんなイベントやってみたい。杏ちゃんと一緒に……やってみたい!」

 

「本当に!?じゃあ、一緒に歌ってくれるの!?」

 

「やったじゃん、俺もっと2人の歌聴きたかったからよかったよ」

 

「えっと、どこまでできるかはわからないけど、がんびってみる……!」

 

「よしこれで杏も無事に相棒を見つけられた!今日はお祝いしなきゃだな!」

 

「お祝いってそんな……」

 

「確かにいいかも!」

 

 

 そう、浮かれたような会話をしているとお店の扉が開いて、カランコロンっと、音が鳴った。



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悪い犬達、こはねを見定める。

 3人で話していると2人、彰人と冬弥が入ってきた。

 

 

「あ、お客さんだ。ごめん、ちょっと待っててね。いらっしゃ……あ、彰人と冬弥か!」

 

「こんにちは白石さん。今日もお邪魔するね」

 

「いらっしゃい!いつも来てくれてありがと、けどその喋り方……あぁ、なるほど」

 

「別に猫被りしないでいいと思うんだけど」

 

 

 なんか微妙に彰人イラついてんな、まあわざわざ言わなくてもいいような事を口にしてるし、イラってくるのはわかるけど。あ、そのまま通すみたい。

 

 

「……………注文はいつもの………あれ?そっちの子は見ない顔だね。オレは東雲彰人。よろしくね。こっちは相棒の青柳冬弥」

 

「は、はじめまして。小豆沢こはねです。あ、あの!もしかして怜華ちゃんの兄弟ですか?」

 

「……敬語は使わなくていい」

 

「私が説明しちゃおっか。こはねが思った通り、雷夜に怜華の兄弟で、このふたりは私と同じ神高の1年なんだよ。ふたりとも父さんのファンなんだ。BAD DOGSって名前で歌ってるから、近くのハコでやる前とか後とかよくくるよ。あと、雷夜が朝練する時なんかはみんなでうちで練習したりするって感じかな」

 

「白石さんともこの店とま、中学の頃からの付き合いだね」

 

「中学……?ってことは中学の頃からイベントに!?すごい……!」

 

「あはは、出るだけならそんなにすごくないよ。誰でも出られるからね」

 

「そういえば白石さん。いい加減、仲間は見つかった?そろそろ誰かと組んだほうがいいんじゃない?本気でやろうとしているようなヤツで。………本気で『RAD WEEKEND』を越えを目指すならさ」

 

 

 なんか彰人嫌な感じ、妙にこはねに対して圧を強くかけてる気がする。こはねが相棒になるとかわからないはずなのに何か、確信する根拠を持っている。

 

 

「ふふ、いいタイミングで聞いてくれるじゃん。実は見つかったんだ!しかもついさっき!」

 

「さっき?」

 

「それってやっぱり……」

 

「そうこはねが私の相棒!今日、一緒に歌ってみてわかったの!」

 

「多分彰人知ってた、てか予想できてたでしょ。こはねのこと俺が話したし。猫被りやめてとっとと本題いいなよ」

 

 

 喧嘩を始めるような、少し悪い人みたいな、まさしく凶暴な狂犬という雰囲気になった。

 

 

「兄貴とか怜華がこはねって特定の人に絡むなんてそうそうないし、ここにくるようなヤツでそんなに絡むならオレ達と同じ『RAD WEEKEND』目指してるヤツ。そしてそいつと杏を組ませようとなんかしてんのかとも思った。けど、コイツは初心者も初心者覚悟すら持ってねぇ。そんなヤツと杏は組むとは思わなかった。オレは今杏、お前に失望した。あの日にかける情熱はそんな程度だったんだってな」

 

「そんなことない!ふざけないで!私と一緒に何回も練習してるじゃん。そのときには私の情熱がこれでもかというくらい燃えてるのは知ってるでしょ!!」

 

「だからさ!だから初心者とお前が組むって信じられなかった!けどお前は組んだ、組んだんだ。それが何よりもの証拠だ」

 

「そんな……」

 

 

 杏はとてもショックだろう。普段の仲のいい人に裏切り者と言われたような者だ。けど杏はそんな程度のメンタルじゃない。こんなんじゃ挫けない。

 

 

「わかった!!私とこはねから勝負を挑む!どこかのイベントで競ってどっちが盛り上げられるか、どう!?」

 

「それじゃあオレ達が来月に出るイベント、出演者が一組出られないらしいから、そこで勝負だ。オレ達が勝ったらそいつは初心者だからまだいいが、杏の事はこれからずっと見下す。万が一オレ達が負けたら………どうするか」

 

「それじゃあ彰人には俺からなんか罰ゲームしてあげるよ。とりあえずこはねと杏に土下座は確定な」

 

「……いいぜ。けど兄貴と、怜華はコイツらに教えるのも、逆にオレ達に何かするのも無し。干渉すんな」

 

「俺はいいけど、怜華無理だよ?同じクラスですぐに教えてもらえる環境だし」

 

 

 あと、怜華がここのこと教えてるかだから何もしないと、ありえないってか。

 

 

「これはそいつが半端なヤツだって証明されるか、そうでないかな戦いだから杏との2人でなきゃ意味がない」

 

「なるほど、それならしょうがない。それじゃあこはねが半端者じゃなく、ちゃんと覚悟を持っているとそっちが少しでも思ったらこっちの勝ちにしてよ。初心者にはハンドぐらいしたっていいだろ?」

 

「いいざ、そのくらいならな。杏、悪いが注文はキャンセルするぞ。冬弥、行こうぜ」

 

「………………あぁ」

 

 

 それだけ言い残して2人は去っていった。



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鮮やかな光達

「なんなのもう、2人ともこはねの歌聴いてないからそう感じるだけなのに……」

 

「ごめん杏ちゃん………私がすごい初心者だから………」

 

「ああー!大丈夫大丈夫!こはねは少しも悪くないかられ!ね!雷夜からも言ってあげてよ」

 

「そうだねー、とりあえずこはねちゃんは悪くない。どっちかって言ったらまだ杏の方が悪いな」

 

「え!?ひど〜い、悪いのは彰人でしょ〜」

 

「どっちもだよ。杏はもう少し相手の反応を見て話せるようになって欲しいかな。彰人は判断早すぎてなんもいえねーけど」

 

 

 自分の視点だけで物事決めつけるべきではない。まぁ、こはねの歌声とか今聞いてもそこまでな気もするし、しょうがなくはあるけどね。今後成長して驚かしましょう。

 

 

「とりあえずこはねちゃんは何にも悪いことしてないし、なんなら実力が眠っていることも俺と杏は気づいてるからさ、元気出して」

 

「あ、ありがとうございます.

怜華ちゃんのお兄さん」

 

「俺のことは雷夜って呼び捨てにしちゃってもいいよ」

 

「流石に呼び捨てはむずいけど………そ、それなら私も、こはねって呼び捨てにしてください」

 

「それじゃこはねに最初の課題」

 

 

 課題と聞いて杏とこはねは少し首を傾けた。

 

 

「やるべきことだね、彰人たちとの勝負する曲を決めないとでしょ。俺と杏で歌うからそれを聞いて歌ってみたいと感じた曲とかなんとなくでいいから、決めようか」

 

「いいじゃん、私とにかく今歌いたい気分なんだよね。それと一緒にできるなら一石二鳥じゃん!」

 

 

 

 

 こうして数曲の候補を上げ、ときに俺に変わってこはねが歌うこともありながら、たくさんの曲を調べながら聞くことができた。

 

 

 

 ……そして最終的に候補に上げた曲のプレイリストを見ると、『Untitled』が入っていた。

 

 

 ダウンロードミスであると仮定してなんの曲かを調べようと曲を流せば、スマホが光りだして、そして、気づけばセカイに入り込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃい、カフェラテでも飲む?」

 

「雷夜も飲んできなよ。メイコのはとても美味しいし、それに今からこはねちゃんたちも連れてくるからさ」

 

「それじゃあお言葉に甘えて美味しいカフェラテ、飲んで待ってようかな」

 

 

 俺がいたのはメイコのお店のカウンター席で、眼の前と横にメイコにミクがいた。本来ならば終えはこの二人のお手伝いをするべき存在で、こはねたちを連れてくるべきなのは俺なので、一人カフェラテを飲んでいるのはいかがなものかと思わなくもないが飲みたくなっては仕方ない。

 そうこころに言い聞かせてカフェラテを飲んでいると、ミク含めて三人が店に入って来ました。

 

 

「素敵なお店……でも、ここもやっぱり、なんだか来たことがあるような気が……って雷夜さん!?」

 

「いらっしゃい、俺はここに来ることは何回かあったけど、ふたりは何回目?」

 

「それより雷夜はここがどこか知ってるの?」

 

「知ってる、ここはセカイ、杏やこはね達のセカイだ」

 

 

 

 二人は何言ってるのか全く理解できていなそうだった。

 



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ストーリーㇳのセカイ

皆様はイナイレ最新作の体験版は遊ばれましたでしょうか?私はものすごくハマりました。


 とても美味しいコーヒーを味わっていると

 

 

「いや雷夜説明してよ!コーヒーおかわりしてないでさ、なんだったら元に戻ったら私がついであげるからさ!!」

 

「いや説明するの今思えばミクの方が向いてるし」

 

「あの、なんでミクちゃんがいるの?」

 

「あー、なら本当に基礎の説明するよ。けど質問とかはミクに伝えてください。答えてくれるだろうし。まず、ここはセカイって言って、想いが集まって出来たもの………例えば俺はいつか海賊になるんだってユメを掲げていたらセカイは海になるんじゃないかな?」

 

「それじゃあ私とこはねのセカイがカフェなのは、父さんの影響?あれ、でもこはねって父さんにあってないよね?」

 

「あってないはず、一応最初に来た時にあってるけど、目に入ってすらいなそうだし、だから多分違う形でこはねの想いが現れてるはず」

 

 

 そういうと、2人はあたりを見回して自分の記憶にあるものがないか探している。

 ただその想いは2人とも一緒だからほとんど変わらないし、残り2人だって同じ。変化探す方が難しい。

 

 

「はい、続き話すからね。そしてこのセカイは普通の世界ととある曲、『Untitled』って曲で繋がってる。その曲を止めれば元の世界に戻れるようになってる。これが本当の基礎に基礎」

 

「雷夜さん、私の想いって杏ちゃんみたいにしっかりした事はないと思うんですけど………本当なんですか?」

 

「質問にはミクから答えてもらってもいい?」

 

「もちろんいいよ。ここは、キミ達の世界だよ。キミ達が、本当の想いを見つけられた時、私たちは想いを歌に出来る。そう、そして、その想いは、こはねも持ってるね」

 

「なんか微妙にわかりづらいけど、言いたいことは簡単に纏めると、本当の想いは気づいてないだけであるものだよと。だからこはねはその想いに気づけるようになりましょう」

 

「そういえば雷夜の想いも入ってるの?」

 

「入ってないはずだね。俺もそこまでは知らないんだよね。少なくとも4人の想いでできているのはわかってるんだけどさ」

 

「4人?2人3人じゃなくて?」

 

「そうなんだよ」

 

 

 気づいたら店の扉が開き、誰かがやってきたようだ。

 

 

「あら、レン、またリンとケンカしたの?」

 

「だってリンが……って、人が来てる!」

 

「うん。ちょうどこのセカイの話をしてたところ」

 

「たしか、こはねと杏だよね。やっと来てくれたんだ!雷夜は久しぶりかも!」

 

「はじめまして!オレはレン!よろしくね」

 

「うん。よろしくね!」

 

「おかしいな、このセカイって4人の想いでできてたはずだけど……」

 

「あっそれさっき雷夜さんが言ってた……」

 

「そういえば何だけどさ、俺の想いとかこのセカイに入ってたりする?」

 

「オレが知ってる限りは入ってないよ。けど上の人が知ってるかも……くらい?」

 

「それじゃあとりあえず含まれてませんって判断でもいいか、それは神のみぞ知るということで、説明とかは終わり。同じ想いを持つのこり二人を探して見るととてもいいことがあるかもね」

 

「じゃあ『RAD WEEKEND』を超えるって想いを持ってる人が、他にもいるんだ!誰だろう?私の知り合いの中だと彰人たち?でもよう思い出してみようとしても、『RAD WEEKEND』の話あんまりしたことないかも……他にうちの店に来たことある人……あ!ってか、店!」

 

 

 店のことを思い出した杏を見て少し驚いたレン、けれど驚きよりも困惑のほうが強いようで、少し首wpかしげていた。………ついでに少しボーってしてたこはねもびっくりしてた。とても小動物みたいで可愛らしい。

 

 

「どうしたの?」

 

「私、店開けっぱなしで来ちゃったんだよね。早く戻らないと……」

 

「え!もう帰っちゃうの!?もう少し話そうよー!」

 

「もし謙さん帰ってきてたらやばいかもよ、早く帰ったほうがいいよ、夜とかいつでも来れるんだから」

 

「そうだね。また来るよ、レンくん!今日はありがとう!」

 

 

 杏とこはねは現実世界に帰りて、その様子をバーチャル・シンガーたちは心惜しく覆いつつも見送っていた。

 

 

「それじゃあ、俺も帰るよ。彰人たちをこのセカイに誘導できたらしてみるよ」

 

 

 それを聞いてみんなは頷くなり、頑張れとガッツポーズみたいなのをしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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勝負に向けて

最近は新学期に入ったりと忙しいです。皆様も頑張ってください。


 俺は今とあるライブハウスで彰人と冬弥の練習を見ている。まだ始まってなく、お互いと前回の反省点について話してるようだった。

 

 

 

「兄貴来たのはいいけど、口出しは一切禁止だ。あいつらも同じ条件でやっているんだ。これはオレ達が本気だってことをわからせるための勝負なんだ」

 

「……彰人、やはり両方に指導を許可する方でも良かったんじゃないか?」

 

「いーや、ダメだ。冬弥はしらないと思うが、兄貴は小学生の頃から誰かに何かを教えることが得意だった、昔だから簡素な説明で住んだってのもありそうだが…つまりオレは兄貴によるメリットよりもデメリットがでかいと思った」

 

「なるほど……」

 

「なんか彰人が勝ってくれてるのは嬉しいけど、オレそこまで人になにか教えるのは得意じゃないよ」

 

「どうだか、まあいいか。冬弥ラストの合わせやるぞ」

 

 

「♪━━━━━━━━」

 

 

 ふたりの歌声はこの世界でかなりうまく、圧倒されるとでも言うべきか、体の内側から燃え上がる何かを感じる。これが今のふたりの実力である。しかし、前世であんなにビビバスの歌を聞いてきたんだ、ふたり…いや、四人はまだまだ成長するとわかっている、それが俺にものすごい興奮をもたらしている。

 

 そう興奮しているうちに、ふたりの合わせは終わっていた。

 

 

 

「ふたりともいい感じだよ!すごいワクワクする感じ、これならあのふたりにだって負けないよ」

 

「もちろん当たり前だ。オレ達はあの夜を超えるんだからな。それにはどんなヤツらも、オレ達の歌で圧倒しなきゃいけねぇんだ。特にあんな中途半端なあいつには絶対に負けらんない」

 

「彰人はあいつらのこと中途半端だって思ってるんだ」

 

「オレにはそうとしか見えなかったな、小さいやつは甘く見すぎだ。それに何より白石だ。あいつはオレの先生の一人ではあった。……けどあいつが中途半端なヤツを相棒にするとは思わなかった。オレはあいつらとの勝負で中途半端な気持ちじゃ、あの夜は超えられないってわからせる」

 

 

「別にあいつらはお遊びなんかじゃないよ」

 

「白石が本気であいつと組むってわかるならそれは、勝負すればわかる」

 

「……彰人、俺はあのふたりがお遊びだというふうには見えなかった」

 

「お前はあいつらにそう感じたんだな。とりあえずは今日のイベントやるだけだ。勝負の日になればわかるだろ」

 

「それはそうだね。ふたりとも今日のイベント頑張れ、俺は客席で見てるから」

 

 

 BAD DOGSが圧倒的な歌唱力の差を見せつけてイベントは終わりました。他も上手いけど、高一のあいつらがやばすぎる。

 

 

 

 

 

 その日の夜、家に帰って晩御飯を食べているとシロから報告があるということで、シロの話を聞いていた。その内容はとっても簡素なもので、

 

 『OWNが動画を投稿した』

 

 たったそれだけ、それだけでもニーゴのストーリーが始まったと言うことを示す大事なことだった。



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久しぶりの妹との会話

マジでど忘れしてた…今後はもしかしたら2週間に1回になる可能性がなくもないので投稿されてなかったらそうなんだろうなと思って欲しいです。


 ついにあのまふゆの毒の吐き場みたいなチャンネルが動画を上げた。

 その曲はでは奏と似ていて、けれど冷たく、突き刺してくるなにかを押し付けてくるような曲となっていた。実際にあがってる最初の曲は酷く、吐き気がくるような不安定感を全体的に感じさせて、『はやく楽になりたい!!』とか『重りから私を解放して!!』と叫びたくなるようなそんな音楽だった。

 

 

 

 夜寝る前、普段話す機会があんまりないとある人物に電話をかけていた。

 

「もしもし、怜華。ついにまふゆがサブ垢使って動画あげたらしいよ。もう聞いてたりする?」

 

『あ、兄さん。まふゆあげてたんだ、初めて知ったよ。兄さんはもう聴いたの?どんな感じだった?レイピアで刺してくる感じ?それとも刀でかられる感じ?』

 

「なんか怜華知らないうちに表現が過激になった?ってまあそれはいいや。その例えにで言うとしたらレイピアだけど、何だろうな武器っていうよりも岩とか?それに押しつぶされる感じ。何なら物理的なダメージっていうよりも、精神的デバフみたいな方が近いと思うよ」

 

『いや兄さん、精神的デバフ言われても想像つかないんですけど』

 

「いや、まずレイピアとか刀とかで刺されたら切られたりする感覚の方がまだ現代社会に生きる俺たちにはわかんないって!!」

 

『うるさいです兄さん、電話で鼓膜破る気ですか?」

 

「つっこませたのそっちでしょーが……それより敬語辞めて、悲しくなる」

 

『はいはい普通に喋るから悲しまなーい悲しまなーい。兄さん何だから妹に慰めさせられていいの?』

 

「転生する前は怜華の方が年上じゃん。精神年齢怜華の方が上だから実質ねーさんだよ」

 

『まぁ高校生と大学生では結構な差は感じるけどさ、この世界で生きた年数含めたら、いやそれでもまだ私の方が上疑惑あるか』

 

「まぁ多少の冗談は置いといて、曲調べられた?」

 

『もちろん、普通に話してる間に聴く準備くらい出来てるって』

 

「それじゃあ俺しばらく黙ってるから聞いててよ」

 

『はーい、それじゃあ聴いてみるね』

 

 

 怜華はおそらく片方イヤホンをして聞いているのだろう、たまに怜華がビックリして少し声が漏れているのが聞こえてくるだけで音楽は聞こえて来ない。

 

 

『すごい曲だね。たまにニーゴの曲で踊る時はあったからその違いでビックリしてるよ。寒いというか、凍えるというか、凍りつきそう」

 

「実際に聴かないとわかんないやつでしょ、これ。まふゆがこんな曲作るなんて、怜華は普段学校でまふゆを見た時におもうか?」

 

『あんまり見ることはないけどそう感じることは全くといってもいいほどないかな。愛莉さんからまふゆの事聞いてもそんな様子は感じてないって感じだったし。むしろ兄さんがニーゴの活動してる時はどんな感じなのか気になるんだけどなんか変化あったりはしてなかったの?』

 

「俺いるのって23時とかなんだけど。たまに25時前に雪が来ることはあっても全然喋んないし、正直何も変化してたところはないよね」

 

 

 お互い原作を知っているから、その上であの曲を聞いているととても辛くなり、言葉が続かずにいる。初めてこんな気まずい感じになったと思う。

 

 

『ねぇ雷夜。もし良かったらさ明日そっち泊まりに行ってもいい?』

 

「構わないけどどうして急に?」

 

『た、たまにはお兄さんらしいところみ、見せて欲しいかも〜的な?』

 

「?まぁ明日シロには伝えとくから来な。普通に楽しみに待ってるから」

 

 

 明日、何故か怜華が泊まりに来ることになったお兄さんらしいとこって本当に何だ。



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