アニメオタクだらけのシェアハウスで、俺は特撮に人生を捧げる。 (naogran)
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#始まり#
プロローグ・おあにた荘へようこそ


東京都・千代田区。秋葉原駅。

 

???「遂に上京ししちゃったなぁ・・・こんな日が来るとは思ってもみなかったなぁ〜・・・」

 

彼の名は、愛川優之。年齢19歳。佐賀県出身。この春から佐賀から上京。東京のイラストレーターの会社に就職する予定だ。

 

優之「さてと、まずは引っ越し先を探さないとな。えっと・・・」

 

バッグから地図を取り出す。

 

優之「ここから1Kmを歩くと目的地か。よし。」

 

キャリーバッグを引っ張って引っ越し先へ向かう。

 

 

 

 

住宅街。

 

優之「ここか。」

 

シェアハウス・おあにた荘。

 

優之「おあにた荘。しかもシェアハウス。どんな人が住んでるんだろう。よし、入ってみるか。」

 

”ピーンポーン”

 

おあにた荘のインターホンを鳴らした。

 

優之「すみませーん。誰かおりますかー?」

 

すると玄関のドアが開いた。ドアを開けたのは、女性だった。

 

女性「はい。どちら様ですか?」

 

優之「えっと、おあにた荘に引っ越す事になりました。愛川優之です。」

 

女性「まあ!あなたですね!ここに引っ越す愛川さんは!私はこのおあにた荘の大家をやっております東山真奈美です。」

 

優之「はい。宜しくお願いします。」

 

東山「ささっ、中へどうぞ。」

 

優之「失礼します。」

 

 

 

 

おあにた荘・リビング。

 

優之「わぁ〜!結構広いんですね!」

 

東山「ここは元々父が所有していたの。今は私が大家になってシェアハウスにしたのよ。」

 

優之「こんな立派な家をシェアハウスにするなんて贅沢ですね。」

 

???「やっと終わった〜。」

 

東山「あ。淳一君。課題は終わった?」

 

小太りの男性・淳一がリビングに来た。

 

淳一「うん。もう肩に力入れ過ぎちゃって。ん?真奈美さん。そのお方は?」

 

東山「今日からおあにた荘に住む愛川優之君よ。」

 

優之「初めまして。愛川優之です。」

 

淳一「おぉ!新しい住人は君だったのか!俺は日高淳一!大学生の20歳!宜しくな!」

 

優之「19歳?1つ上の先輩か。」

 

日高「そうなのか!じゃあ今日から俺の事を淳一と呼んでくれ!勿論タメで構わないぞ!」

 

優之「あー、えっと・・・淳一?」

 

淳一「イエスイエス!」

 

東山「愛川君。あなたの部屋を案内するわ。」

 

優之「あ、はい。」

 

 

 

 

2階・優之の部屋。

 

東山「今日からここがあなたの部屋よ。」

 

優之「おぉ!」

 

部屋にはテレビ、ベッド、エアコン、机等が揃ってある。

 

優之「家具が揃ってる他、日差しも良いなぁ!」

 

部屋の窓を開ける。

 

優之「住宅街が一望出来る!」

 

東山「1階には大浴場があって、1階と2階にトイレがあるから自由に使ってね。」

 

優之「ありがとうございます。」

 

東山「じゃあ私は1階に居るから、何かあったら呼んでね。」

 

優之「はい。」

 

ドアを閉め、東山が1階へ降りた。

 

優之「さてと、荷物の整理をしますかな。その前に。」

 

ウォークマンを出し、大音量で【Brave Love, TIGA】を流す。

 

優之「よし。整理しますか!」

 

 

 

 

1時間後。部屋の整理が出来た。

 

優之「こんなもんかな。さてと最後は・・・」

 

もう1つのバッグから、ウルトラマンのS.H.Figuartsを出し、棚に綺麗に飾る。

 

優之「こんなによく集めたものだな。今年もまた収集しないと。」

 

”コンコン”

 

優之「はい。」

 

ドアを開けた東山。

 

東山「愛川君。1階に来てくれる?皆を紹介したいの。」

 

優之「あ、分かりました。」

 

 

 

 

1階に降りると、おあにた荘の住人が集まっていた。テーブルには豪華なご馳走が並べられている。

 

東山「紹介するわね。まずは大学生の日高淳一君。」

 

淳一「東京電機大学の1年生!改めて宜しく!」

 

東京電機大学1年生の日高淳一。元気。

 

東山「高校生の三峯悠里ちゃん。」

 

悠里「青山高校1年!宜しくね!」

 

青山高等学校1年生の三峯悠里。元気いっぱい。

 

東山「淳一君と同じ大学1年生の竹下有香奈ちゃん。」

 

有香奈「宜しく。こう見えて東大生よ。」

 

ロリータファッションの女子大生・竹下有香奈。お姉さん的存在。

 

東山「会社員の松浦康介さん。」

 

康介「IT企業で働いているよ。宜しくね。」

 

会社員の松浦康介。お兄さん的存在。

 

東山「最後は、中学生の新田樹々ちゃん。」

 

樹々「中学1年。宜しく。」

 

中学生の新田樹々。寡黙。

 

東山「そして私は大家の東山真奈美。真奈美って呼んでね。皆はこのおあにた荘の仲間達。愛川君、皆にご挨拶して?」

 

優之「は、はい。愛川優之です。佐賀県出身で19歳。この春からイラストレーターの仕事に就職する事になりました。宜しくお願いします。」

 

東山「宜しくね。」

 

康介「優之君。僕と話す時はタメでいいよ。」

 

有香奈「私もタメでお願いね。皆家族同然だから。」

 

優之「分かった。」

 

真奈美「さて、歓迎パーティーを始めましょうか。」

 

皆がジュースやビールが入ったグラスを持つ。

 

東山「それでは、愛川優之がにあたお荘の住人になった記念を祝して、乾杯!」

 

全員「乾杯!」

 

乾杯し、ジュースとビールを飲む。

 

淳一「クゥ〜!旨い!」

 

優之「ふぅ〜。カルピス美味い。」

 

淳一「なぁ優之。何か好きな物とか特技とかない?」

 

優之「俺?好きな物は特撮。特技はイラスト。」

 

康介「特撮。へぇ〜珍しいね。ここに住んでいる方々は皆アニメ大好きなのに。」

 

優之「へ?アニメ好き?」

 

樹々「にあたお荘は、アニメ好きが集まるシェアハウス。」

 

悠里「私達、偶然にもアニメオタクが集まった烏合の衆だね!」

 

淳一「俺もアニメ大好きだぜ?アイドルアニメに異世界アニメに日常アニメなどなど!」

 

康介「僕はミステリー系やサスペンス系のアニメが好みだね。」

 

樹々「私は少女アニメ。」

 

有香奈「恋愛アニメが私の好物よ。」

 

悠里「私が学園アニメが大好き。」

 

優之「・・・あ、これは俺仲間外れにされた気分だな。」

 

淳一「げ、元気出してくれよ。勿論特撮も好きだぜ?あんまり見ないけど。」

 

優之「うん、分かってる。皆アニメに人生注いでるんだよな・・・」

 

康介「でも優之君も、特撮に人生注いでいるんだよね?僕達と同じじゃないか。」

 

優之「フォローありがとう・・・あ、因みに真奈美さんもアニメがお好きで?」

 

真奈美「そうね。部屋にグッズ沢山揃ってるわ。」

 

優之「凄いなぁ・・・」

 

悠里「でも、優之さんもアニメ見ているんだよね?」

 

優之「うん。特撮もだけど、アニメも好きだよ。」

 

悠里「じゃあさ、皆でアニメ見ない?今日は取って置きの奴だよ!」

 

Blu-rayプレイヤーにアニメBlu-rayを入れて再生する。

 

淳一「お!これ好きだったな!」

 

真奈美「ふふ。懐かしいわね〜。」

 

優之「・・・懐かしいな。」

 

 

 

 

 

 

歓迎パーティーを終えた優之は、部屋に戻った。

 

優之「ふぅ〜・・・皆良い人達だなぁ〜。でもまさかアニメオタクが集まるシェアハウスだとは知らなかった。」

 

棚に飾ってるウルトラアーツを眺める。

 

優之「・・・まぁでも、これから仲良くなれそうだ。来週から入社。新しい生活頑張るぞ!」

 

こうして、愛川優之とアニメオタク達の新たな生活が始まったのであった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜

     東山真奈美:後藤邑子


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設定集1

愛川優之(あいかわまさゆき)

 

CV・濱田龍臣

 

 

 

モデル・濱田龍臣

 

生年月日・2002年8月5日

 

年齢・19歳→20歳(11話から)

 

好きな物・特撮(ウルトラマン専門)

 

好きなウルトラマン・平成三部作

 

出身地・佐賀県

 

職業・イラストレーター、インスタグラマー

 

髪型・黒髪ウルフ

 

私服・赤い服、白いジャケット、青いジーンズ、白いスニーカー

 

インスタフォロワー数・80万人→96万人→100万以上

 

愛車・ゴールドウイングツアー

 

佐賀の高校を卒業と同時に上京した男。

アニメオタクが集まるシェアハウス・おあにた荘に引っ越す事になった唯一の特撮オタク。

幼少の頃から特撮をこよなく愛しており、特にウルトラマンシリーズは人一倍好み。

TSUBURAYA IMAGINATIONでウルトラマンシリーズを見るのが憩い。

絵心はプロレベルで、中学の時に始めたインスタグラムやTwitterでイラストを披露すると、瞬く間に登録者数が増えた。

現在は東京のオールジャンル制作会社・SKY ANGLE(スカイアングル)の仕事をしながらインスタグラマーとして活動している。

インスタグラムでは、イラストだけでなくウルトラアーツのジオラマ撮影をしている。

ウルトラマンの事になると興奮し、早口になってしまう。

転売ヤー撲滅派。

創作イラストが得意で、被写体を見てアレンジする程の画力。

ウルトラアーツは欠かさず収集している。

たまにS.H.MonsterArtsも買ってる。

5つ年上の姉がおり、姉も優之と同じ会社で主任を務めている。

姉は現在結婚して娘が誕生しており、3年前に叔父になった。

中学時代にマウントが趣味のお金持ちの息子や会社の重役の令嬢達を何度も屈服させた事があり、周りから「マウントキラー優之」と異名が付けられた。

SKY ANGLEでは吉岡社長や、諸星財閥当主で大株主の諸星志揮からのお墨付きを得ているが、彼自身は『普通に地道に仕事しているだけ』とコメントしている。

先輩の雨原佑美からの告白を受け、付き合う事になり、結婚して夫婦となった。

食通な一面があり、食レポが身に付いてる。

 

高校の時に普通二輪免許を取得しバイクに乗っていたが、自転車の性に合ってると言ってそれ以降乗ってない。

諸星財閥が新しく開校したモロスタードライブで大型二輪免許を取得し、バイクを納車した。

 

諸星からの勧誘を受け、モロスターアートに所属した。SKY ANGLEはモロスターアートからリモートで仕事してる。

 

後ろ盾に諸星財閥が付いてる。

 

特撮の神様である円谷英二をとても尊敬している。

 

 

 

 

東山真奈美(ひがしやままなみ)

 

CV・後藤邑子

 

 

 

モデル・松風真由

 

年齢・不詳

 

好きな物・色んなアニメ、住人達

 

出身地・東京

 

職業・大家

 

髪型・茶髪ロングヘアー

 

私服・白いセーター、赤いストール、紺色のロングスカート、黒いブーツ

 

アニメオタクが集まるシェアハウス・おあにた荘の大家を勤めている女性。

幼少の頃から沢山のアニメを見て来ており、部屋にはアニメグッズがこれでもかと揃えてある。

料理が得意で、住人達に料理を振舞ってあげてる。

 

 

 

 

日高淳一(ひだかじゅんいち)

 

CV・宮田俊哉

 

 

 

モデル・宮田俊哉

 

生年月日・2001年7月21日

 

年齢・20歳→21歳(11話から)

 

好きな物・凡ゆるアニメ、声優、酒

 

出身地・石川県

 

職業・大学生

 

髪型・赤髪癖っ毛

 

私服・黒いジャケット、オレンジのシャツ、黒いジーンズ、黒いスニーカー

 

愛車・トヨタ:ヤリスクロス

 

おあにた荘に住む東京電機大学に通う小太りの大学1年生。(現在2年生)

東京の高校に合格し、中学卒業と同時に単身上京した。

小太りだが、着痩せする。

凡ゆるジャンルのアニメが好きで、アニメの事になると早口になる癖がある。

アニメイベントには必ず参加する程。

部屋にはFigmaや色んなアニメフィギュアが揃ってある。

酒類を愛しており、ビール飲みながらアニメを観るのが至福の時。

SNSで漫画も描いており、評価が高い。

モロスタードライブで普通免許を取得。車を納車した。

 

 

 

 

三峯悠里(みつみねゆうり)

 

CV・近藤玲奈

 

 

 

モデル・伊予島杏

 

生年月日・2006年5月17日

 

年齢・16歳→17歳

 

好きな物・学園アニメ

 

出身地・東京都

 

職業・高校生

 

髪型・黒髪ツインテール

 

私服・緑色のブラウス、青いジャンパースカート、赤い靴

 

おあにた荘に住む、青山高等学校に通う女子高校生。

元気いっぱいで、にあたお荘のムードメーカー。

学園アニメが大好き。

近所で、真奈美の親友が経営しているカフェでバイトをしている。

無可動フィギュア収集が趣味。

樹々を誘ってモロダストのアイドルオーディションに合格し、デビューが決まった。

 

 

 

 

竹下有香奈(たけしたゆかな)

 

CV・大西沙織

 

 

 

モデル・メジロマックイーン

 

生年月日・2002年1月15日

 

年齢・20歳→21歳

 

好きな物・恋愛アニメ、ファッション

 

出身地・香川県

 

職業・大学生、コスプレイヤー

 

髪型・金髪ロングヘアー

 

私服・ロリータファッション、黒いローファー

 

おあにた荘に住んでいる女子大生。

実は東大に通う成績優秀な大学1年生。(現在2年生)

にあたお荘のお姉さん的存在で、皆を慰めてくれてる。

ロリータファッションが好みで、毎日違う衣装を着ている。

コミケやイベント等ではコスプレイヤーとして活躍している。

コスプレの事になると暴走する程。

更には、コスプレの靴は外用と屋内用とそれぞれ使うと言う拘りも。

宝塚歌劇団のファン。

 

 

 

 

松浦康介(まつうらこうすけ)

 

CV・寺島拓篤

 

 

 

モデル・桐生瞬

 

生年月日・1996年9月2日

 

年齢・25歳→26歳

 

好きな物・ミリタリーアニメ、サスペンスアニメ、勉強

 

出身地・京都府

 

職業・会社員

 

髪型・青髪ショート

 

私服・白いシャツ、黒いジャケット、紫色のジーンズ、茶色のスニーカー

 

おあにた荘の住人で、東京のIT企業で働く会社員。

にあたお荘のお兄さん的存在で、皆を励ましてくれてる。

京都大学出身で、高校生の悠里と中学生の樹々に勉強を教えてあげている。

実は大学時代に家庭教師のバイトをした事がある。

部屋にはモデルガンが飾られてる。

優之の義兄の裕樹とは同僚。

 

 

 

新田樹々(にったきき)

 

CV・佐藤亜美菜

 

 

 

モデル・橘ありす

 

生年月日・2009年11月9日

 

年齢・14歳→15歳

 

好きな物・少女アニメ

 

出身地・東京都

 

職業・中学生

 

髪型・茶髪ポニーテール

 

私服・灰色の服、緑のネクタイ、黒い吊りスカート、黒いメリージェーン

 

おあにた荘に住む中学2年生。

小柄で小学生に見えるが、立派な中学生。

いつも寡黙であまり喋らないが、皆が大好き。

少女アニメが好きで、ニチアサは早起きしてリアルタイムで見る程。

実はヤクザである藍澤組の孫娘。

おあにた荘に入居前は、ヒモである父に苦しめられる日々を過ごしていた。

しかし母と共に藍澤組へ助けを求め、父を借金返済まで働かせる事が出来た。

後に父は脱走したが、祖父の源一郎の策によって父は送り返され、隔離部屋に監禁されながら働く日々を過ごしてる。

悠里と響子と共にモロダストのアイドルオーディションに合格、デビューが決まった。

後ろ盾に藍澤組が付いている。

 

 

 

 

三峯舞(みつみねまい)

 

CV・大空直美

 

 

 

モデル・橘直美

 

生年月日・2017年7月1日

 

年齢・5歳

 

出身地・東京都

 

髪型・茶髪ショートボブ

 

私服・黄色いブラウス、白いスカート、青いフラットシューズ

 

三峯悠里の叔父の娘で彼女の従妹。

実の両親から虐待を受け、父親におあにた荘に置き去りにされた所を優之と悠里に助けられた。

今まで真面なご飯を与えて貰えず、シャワーしかさせて貰えなかった。

おあにた荘の皆と悠里の家族が協力してくれて、自分を守ってくれた。

当初は肋骨が浮き出る程痩せ細り、身体中に虐待の痕の痣まであった。

更に母親が藍澤組に借金したのと、人身売買しようとした事がバレて藍澤組へ連れて行かれた。

父親も藍澤組に連れて行かれ、両親の呪縛から解放された。

事件終息後は自らの希望でおあにた荘に住む事となり、おあにた荘の最年少になった。

現在は保育園に通いながら、康介から読み書きの勉強に勤しんでる。

小学生になり、双葉と梨奈の友達になった。

将来はピアニスト。

 

 

 

 

 

『おあにた荘』

 

所在地・東京都千代田区

 

大家・東山真奈美

 

アニメオタクが集まるシェアハウス。

1階にリビングと大浴場とトイレ、2階には住人達の部屋やトイレがある。

部屋にはそれぞれ家具や家電が完備されており、住人達は快適な暮らしをしている。

リビングには8Kの大型テレビがあり、住人達はアニメや映画鑑賞会、更にゲーム大会を開く事もある。

庭があり、真奈美が野菜を育てている。

駐車場と駐輪場も完備されている。

庭も広く、バーベキューが可能。

 

おあにた荘の由来は、”アニオタ”のアナグラム。

 

 

 

 

藍澤源一郎(あいざわげんいちろう)

 

CV・小杉十郎太

 

 

 

モデル・菅田俊

 

生年月日・1959年10月21日

 

年齢・64歳→65歳

 

出身地・東京都

 

職業・藍澤組組長

 

髪型・銀髪ロングヘアー

 

私服・黒い着物

 

都内にあるヤクザ事務所・藍澤組組長で、樹々の祖父。

コワモテだが性格は優しく、樹々にやりたい事をやらせる程孫に甘々。

実際怒らせると怖い。

おあにた荘の住人達と親しい仲。

最初優之を怖がらせたが、すぐに仲良くなった。

娘の陽子(樹々の母親)は真奈美の高校時代の同級生。

陽子がヒモ男と結婚した後、助けを求めて来てそれを承った。

現在もたまにおあにた荘にお邪魔する事がある。

 

 

 

 

 

 

杉原響子(すぎはらきょうこ)

 

CV・本渡楓

 

 

 

モデル・衛藤可奈美

 

生年月日・2008年9月21日

 

年齢・15歳

 

好きな物・少女アニメ

 

出身地・東京都

 

職業・中学生

 

髪型・黒髪ツインテール

 

私服・白いブラウス、青いジャンパースカート、赤いスニーカー

 

新田樹々の幼馴染み。

実は康介が勤務する大手IT企業杉原カンパニーの社長令嬢。

祖父は杉原カンパニーの総帥を務めている。

とても明るく、皆のムードメーカー。

最初ボロボロだった樹々を気遣い親友になった。

更に樹々がヤクザの孫娘だと知った時は、家柄関係なく友達になりたい言って更に樹々が好きになった。

樹々と悠里と共にモロダストのアイドルオーディションに合格し、デビューが決まった。

 

 

 

 

 

『トミー・ブライアン』

 

CV・福原かつみ

 

 

 

モデル・望月冬夜

 

生年月日・2003年9月10日

 

年齢・19歳→20歳

 

好きな物・ウルトラマン、アニメ

 

出生地・アメリカ合衆国

 

出身地・マレーシア

 

職業・イラストレーター

 

髪型・金髪ショートカット

 

私服・黒い服、赤いジーンズ、黒いスニーカー

 

優之と同じオールジャンル制作会社・SKY ANGLE(スカイアングル)に勤めるイラストレーター。

アメリカ人だが、12歳の頃両親の仕事でマレーシアに移住した。

マレーシアで同世代の子供達からイジメを受けていた。

しかしたまたま観たアニメ・ウピンとイピンに登場したウルトラマンリブットに心を惹かれて正義を知り、イジメっ子達に立ち向かった。イジメっ子達は彼の強さを認めトミーと和解、仲良くなった。

16歳の時に両親と妹と共に日本へ移住し、日本の高校へ編入した。

日本の文化が大好き。

 

 

 

 

 

『フィオ・ブライアン』

 

CV・花井美春

 

 

 

モデル・村上巴

 

生年月日・2003年11月2日

 

年齢・19歳→20歳

 

好きな物・アニメ

 

出生地・アメリカ合衆国

 

出身地・マレーシア

 

職業・イラストレーター

 

髪型・青髪ポニーテール

 

私服・白いブラウス、黒いロングスカート、青いローファー

 

兄トミーと同じオールジャンル制作会社・SKY ANGLE(スカイアングル)に勤めるイラストレーター。

日本のアニメが好きで、特にドラえもんが大好き。

ウルトラマンの事になると興奮する兄に少し引いてる。

 

 

 

 

嶋村冴子(しまむらさえこ)

 

CV・友永朱音

 

 

 

モデル・風見一姫

 

生年月日・1998年5月28日

 

年齢・24歳→25歳

 

好きな物・東映特撮

 

出身地・佐賀県

 

職業・イラストレーター

 

髪型・茶髪ポニーテール

 

私服・青いブラウス、赤色のショール、黒いキャミワンピース、茶色のブーツ

 

オールジャンル制作会社・SKY ANGLE(スカイアングル)で若くして主任を務める女性で、優之の姉。

4年前にIT企業社員の男性と結婚し、3年前に長女・双葉を授かった。

旦那と共に東映特撮が好きで、夫婦揃って鑑賞するのが楽しみ。

両親とはリモートで会っている。

弟の優之とは対照的に、仮面ライダーとスーパー戦隊等の東映特撮が好み。

家にはライダーアーツや戦隊アーツ、更にメタルヒーローアーツも揃ってる。

 

 

 

 

嶋村裕樹(しまむらひろき)

 

CV・興津和幸

 

 

 

モデル・岸田タツヤ

 

生年月日・1997年2月12日

 

年齢・25歳→26歳

 

好きな物・東映特撮

 

出身地・千葉県

 

職業・会社員

 

髪型・金髪オールバック

 

私服・黒い服、紺色のオーバーオール、黒いスニーカー

 

TI企業に勤める社員で、冴子の夫で優之の義兄。

実はおあにた荘に住む松浦康介の同僚。

4年前に愛川冴子と出会い、佐賀へ向かって優之と冴子の両親と会った。

優之と冴子の両親は、『冴子が素晴らしい男と出会えて良かった』と喜んでくれたと言う。

その後結婚し、3年前に長女・双葉を授かった。

実家は高級フレンチレストランのFRENCH SHIMAMURA。

夫婦揃って東映特撮が好み。義弟の優之と仲が良い。

 

 

 

 

嶋村双葉(しまむらふたば)

 

CV・久野美咲

 

 

 

生年月日・2017年3月7日

 

年齢・5歳

 

好きな物・パパとママと優之おじちゃんとプリキュア

 

出身地・東京都

 

裕樹と冴子の娘で、優之の姪っ子。

初めて優之と出会った当初から彼に懐いており、彼やおあにた荘の皆に凄く懐いてる。

祖父母である優之と冴子の両親とはテレビ通話でしか見てないが、祖父母は彼女に甘々である。

現在プリキュアシリーズにどハマり中。

小学生になり、舞と梨奈と友達になった。

 

 

 

 

吉岡美咲(よしおかみさき)

 

CV・有村蓮

 

 

 

モデル・カスミ(モナ・リザの戯言)

 

生年月日・2003年3月2日

 

年齢・19歳

 

好きな物・ディズニー

 

出身地・東京都

 

職業・イラストレーター

 

髪型・銀髪ショートボブ

 

私服・灰色のブラウス、青いハイウエストスカート、黒いメリージェーン

 

仕事服・白い服、紺色のリクルートスーツ、紺色のリクルートスカート、黒いメリージェーン

 

オールジャンル制作会社・SKY ANGLE(スカイアングル)の新入社員。

実はSKY ANGLE(スカイアングル)の社長の娘で、コネ入社せず実力で入社した。

優しくて大人しい性格で、周りからの人気が高い。

ディズニーが好きで、東京ディズニーリゾートは月に15回以上入園する程。休日には家族と行く事もある。

他にもスタジオジブリが好き。

最近では優之やトミー達と仲良しになった。

父の亡き親友の息子と去年結婚しており、両親に孫の顔を見せたいと意気込んでいる。

 

 

 

 

宮本義徳(みやもとよしのり)

 

CV・増岡大介

 

オールジャンル制作会社・SKY ANGLE(スカイアングル)の新入社員。

実は専務の息子で、親の権力を使って周囲に威張り散らす厄介者。

マレーシアから来たトミーとフィオの事をバカにしており、親の権力を盾にしながら威張り散らした。

上司の冴子に対しても威張る案外度胸ある男。

優之にも絡んだが、彼に無視されて怒りを燃やした。

だが優之に暴言を録音されてしまい、父の説教を喰らった。

更には会社の金を横領し、横領した金でパチンコやキャバクラに使っていた事が発覚し、入社僅か2ヶ月で会社をクビになった。

現在は損害賠償請求を支払う為、両親の監視下の中、父の知り合いが働いている建設現場で働いて借金返済に向けて頑張っている。

尚、彼にはSKY ANGLEに入社予定の妹が居る。

現在はまだ建設現場で借金返済の為に働いており、改心して励んでいる模様。

諸星財閥記念パーティーで優之達と再会し、彼らに誠心誠意に謝罪し和解した。

今は妹とトミーの結婚式を楽しみにしている。

 

 

 

 

愛川佑美(あいかわゆみ)

 

CV・伊藤美来

 

 

 

モデル・伊藤美来

 

旧姓・雨原

 

生年月日・1999年3月19日

 

年齢・24歳

 

好きな物・特撮全般

 

出身地・東京都

 

職業・企画部社員

 

髪型・黒髪ロングヘアー

 

私服・黒いブラウス、赤いジャンパースカート、黒いブーツ

 

SKY ANGLE企画部の女性社員。

優之、トミー、フィオ、美咲の先輩。

弟の影響で特撮に興味を持ち始め、今でも特撮をこよなく愛する熱狂的ファン。

ウルトラマンファンの優之と気が合う。

会社でSKY ANGLE公式クラブ・魂クラブを設立した部長で、入社した優之を誘った。

特撮の事になると興奮する。

優之への告白に成功し、正式に付き合う事になった。

遂に優之とゴールインし、おあにた荘で暮らす事になった。

 

 

 

 

栗田雅春(くりたまさはる)

 

CV・梶原岳人

 

 

 

モデル・水石亜飛夢

 

生年月日・1999年3月19日

 

年齢・23歳

 

好きな物・スーパー戦隊

 

出身地・岐阜県

 

職業・音楽部社員、音楽系YouTuber

 

髪型・金髪オールバック

 

私服・青い服、黒いジーンズ、青いスニーカー

 

SKY ANGLE音楽部の男性社員。

優之、トミー、フィオ、美咲の先輩。

魂クラブの部員。

スーパー戦隊ファンの父の影響でスーパー戦隊を愛する。

最近スーパー戦隊のアーツの新作が中々出ない事を残念がっている。

家ではYouTubeで音楽動画を配信している。

 

魂クラブでは唯一の既婚者で、19歳の時に結婚し、来年小学生になる娘も居る。

しかし妻が不倫してる事を義家族に教えられ離婚を勧められ、娘の意思を尊重し妻と離婚した。

シングルファザーとなったが、仕事の日は近くに住む義家族が娘の面倒を見てくれてるので助かっている。

 

離婚後、再婚を考えていて、優之の親友の伊織と再婚を果たした。

 

 

 

 

猪本涼子(いのもとりょうこ)

 

CV・茜屋日海夏

 

 

 

モデル・ジルコン

 

生年月日・2000年5月22日

 

年齢・23歳

 

好きな物・マクロスシリーズ

 

出身地・秋田県

 

職業・3DCGデザイナー

 

髪型・緑髪ショートボブ

 

私服・黄色のセーター、ピンクのロングスカート、白いショートブーツ

 

SKY ANGLE3DCG部の女性社員。

優之、トミー、フィオ、美咲の先輩。

魂クラブの部員でマクロスシリーズが好みで、ライブも欠かさず行ってる程。

地元は秋田だが、なまはげにトラウマを持ってる。

誰に対しても丁寧語で話す。

 

 

 

 

澁谷胡桃(しぶやくるみ)

 

CV・山口立花子

 

 

 

モデル・吉永アユリ

 

生年月日・1999年9月23日

 

年齢・23歳

 

好きな物・ウマ娘

 

出身地・千葉県

 

職業・広告部社員

 

髪型・金髪ポニーテール

 

私服・白いシャツ、赤いパーカー、紺色のショートパンツ、黒いスニーカー

 

SKY ANGLE広告部の女性社員。

優之、トミー、フィオ、美咲の先輩。

一人称が僕な僕っ子。

魂クラブの部員でアニメではウマ娘が好みで、サイレンススズカが愛馬。

ウマ娘の影響で最近競馬にハマり、毎月給料日の翌日に競馬へ行ってる。

競馬ではほぼ的中し、かなりの収入を得ている。

モロダストのアイドルユニット・アンジェリカのお陰か、競馬で連勝を続けている。

 

 

 

 

長谷部幸彦(はせべゆきひこ)

 

CV・松風雅也

 

 

 

モデル・エンジ(モナ・リザの戯言)

 

生年月日・1996年10月14日

 

年齢・28歳→29歳

 

好きな物・ガンダムシリーズ

 

出身地・埼玉県

 

職業・撮影部社員、YouTuber

 

髪型・赤髪ウルフ

 

私服・黒い服、紺色のジャケット、赤いジーンズ、赤い革靴

 

愛車・V-MAX

 

SKY ANGLE撮影部の男性社員。

優之、トミー、フィオ、美咲の先輩。

魂クラブのメンバーでガンダムシリーズが好み。

家には、無数のガンプラが飾られてある。

ガンプラのみならず、ROBOT魂やMETAL BUILDなど揃ってある。

魂クラブの最年長。

皆の兄貴分で頼れる存在。

休みの日はツーリングやガンダム関連のYouTubeを投稿している。

 

妹がおり、妹は結婚していたが、元夫の浮気が原因で離婚。

その後妹は、元夫の浮気相手の男性と再婚してる。

現在妹夫婦は神奈川に住み姪っ子2人が居り、姪っ子達に甘々。

今の義弟を深く気に入っている。

 

最初結婚を考えていたが、実は無精子症で結婚を諦めた。

姪っ子達を娘のように可愛がっている。

 

 

 

 

吉岡達雄(よしおかたつお)

 

CV・桐本拓哉

 

 

 

モデル・ヤナギ(モナ・リザの戯言)

 

生年月日・1966年12月24日

 

年齢・56歳→57歳

 

好きな物・アニメ

 

出身地・東京都

 

職業・会社社長

 

髪型・緑髪ショート

 

仕事服・白い服、茶色のリクルートスーツ、茶色のリクルートパンツ、黒い革靴

 

オールジャンル制作会社・SKY ANGLE(スカイアングル)の社長。

入社した吉岡美咲の父親。

性格は温厚で、会社と社員を大切にしている。

ただし怒らせると恐ろしい程怖いと言う。

新入社員の優之の仕事ぶりを深く気に入り、彼を期待している。

亡くなった親友の息子が、娘の美咲と結婚して婿入りしている。

将来孫の顔を見るのが楽しみでしょうがないのだと。

 

 

 

 

SKY ANGLE(スカイアングル)

 

所在地・秋葉原

 

就業時間・9時〜17時(残業あり)

 

資本金・8億

 

社長・吉岡達雄

 

イラスト部・トミー、フィオ、嶋村冴子、吉岡美咲

 

撮影部・長谷部幸彦

 

企画部・雨原佑美

 

音楽部・栗田雅春

 

3DCG部・猪本涼子

 

広告部・澁谷胡桃

 

東京都にある優之が勤めるオールジャンル制作会社。

イラスト部、撮影部、企画部、音楽部、3DCG部、広告部などの部署がある。

更には自由にクラブを作れる制度があり、先輩後輩括りなく楽しく出来る。

申請があれば、副業が可能。

有給は無制限。

イラスト部の優之は現在モロスターアートからリモートで参加している。

 

最初は倒産寸前まで追い込まれていたが、諸星財閥の依頼を受けイラストを制作。

そのイラストが諸星財閥に高く評価され、多額の出資を受け業績を伸ばした。

以来、諸星財閥を最大手取引先と重宝している。

 

 

 

 

『魂クラブ』

 

部長・愛川佑美

 

メンバー・愛川優之、栗田雅春、猪本涼子、澁谷胡桃、長谷部幸彦。

 

応援団・おあにた荘の方々

 

企画部社員の雨原佑美を筆頭に設けられたSKY ANGLE公式のクラブ。

特撮とアニメを好むメンバーが集い、特撮、アニメ、ゲーム、フィギュア等の活動を行う。

名前の由来は、魂ネイションズから取ったもの。



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設定集2

広瀬悟(ひろせさとる)

 

CV・浦和希

 

 

 

モデル・潔世一

 

生年月日・2003年2月9日

 

年齢・21歳

 

好きな物・ガンダムシリーズ

 

出身地・佐賀県

 

職業・会社員

 

髪型・青髪癖っ毛

 

私服・青い服、黒いジャケット、黒いジーンズ、黒いスニーカー

 

優之の幼馴染みの1人で、IT会社の杉原カンパニーに勤める男。

同窓会で優之と再会し、二次会で彼に佐賀支部から東京本社への異動を告げた。

3月に上京し、優之と再会。

更にガンダムシリーズが人一倍好みで、ガンダムベース東京が1番のお気に入り。

優之の先輩で同じガンダム好きの長谷部幸彦と意気投合し仲良くなった。

好きなシリーズはガンダム00。

最近二輪免許を取得し、CB400 SUPER BOL D'ORに乗ってる。

 

 

 

 

星川志歩(ほしかわしほ)

 

CV・鬼頭明里

 

 

 

モデル・堀北鈴音

 

生年月日・2003年7月20日

 

年齢・20歳

 

好きな物・小説

 

出身地・佐賀県

 

職業・小説家

 

髪型・金髪ツインテール

 

私服・赤いシャツ、ピンクのジャケット(肩掛け)、茶色のスカート、黒いフラットシューズ

 

優之の幼馴染みの1人で、人気小説家。

子供の頃、何の興味を持たず心配になった両親から小説を読ませてくれた事が切っ掛けで小説が好きになった。

高校1年の時に新人小説家を応募すると、見事新人賞を受賞し、一躍有名人になった。

主に執筆してるジャンルは、ファンタジー系と日常系とスカット系。

持っている印税で上京する事を両親に告げると、両親はあっさり快諾し許してくれた。

悟達より先に同窓会から1週間後に上京し、東京に住む事になった。

今まで自覚が無かったのか、ギャンブルの才能があり、くじ引きでは毎回1等を当てていた。

 

 

 

 

松宮絵梨子(まつみやえりこ)

 

CV・夏吉ゆうこ

 

 

 

モデル・枇々木めぐる

 

生年月日・2003年8月11日

 

年齢・20歳

 

好きな物・グルメ

 

出身地・佐賀県

 

職業・会社員

 

髪型・金髪ロングヘアー

 

私服・ピンクのワンピース、黒いメリージェーン

 

優之の中学時代の同級生で、佐賀を拠点とする松宮財閥の令嬢。

外見はザ・お嬢様で、一見高飛車な雰囲気に見えるが本人は常識人。

父の会社が東京へ移る事になり、家族全員で上京する事となった。

上京後は東京のグルメを満喫するのが楽しみ。

実は幾ら食べても太らない羨ましい体質を持ってるが、本人は食べた分のダイエットと言う自分ルールを持ってる。

 

 

 

 

内原武憲(うちはらたけのり)

 

CV・武内駿輔

 

 

 

モデル・結城将司

 

生年月日・2002年5月2日

 

年齢・21歳

 

好きな物・筋トレ、自慢のボディ

 

出身地・佐賀県

 

職業・建設業

 

髪型・黒髪ショート

 

私服・黒いシャツ、黒いジャケット、黒いジーンズ、赤いスニーカー

 

優之の中学時代の同級生で、佐賀の建設会社で働いている。

自慢の怪力で木材を何本も軽々と運べる程。

強面だが、友達思いで良い男。

仕事現場を見に来た神奈川の大将の勧誘を受け、神奈川の建設会社で働く事になった。

休日は筋トレやスポーツジムに通っている。

 

 

 

 

栗田伊織(くりたいおり)

 

CV・赤崎千夏

 

 

 

モデル・三輪霞

 

旧姓・中岡

 

生年月日・2003年1月29日

 

年齢・21歳

 

好きな物・お金

 

出身地・佐賀県

 

職業・銀行員

 

髪型・茶髪サイドテール

 

私服・黒いシャツ、翠のカーディガン、黒いショートパンツ、黒いパンプス

 

仕事着・黒いリクルートスーツ、黒いリクルートスカート、白いソックス、黒いパンプス

 

優之の中学時代の同級生で、銀行員。

同窓会で再会した優之の収入を聞いて興奮する程金好き。

現在彼氏募集中(ハイスペックじゃなく一般人男性重視)。

千葉支店への異動が決まり、3月から千葉に住む。

7月に雅春と結婚し、同時に千葉支店から東京本社へ異動した。

 

 

 

 

愛川宗太郎(あいかわそうたろう)

 

CV・高木渉

 

 

 

モデル・宮川一朗太

 

生年月日・1965年4月1日

 

年齢・57歳

 

好きな物・特撮(主にゴジラ)

 

出身地・佐賀県

 

職業・カメラマン

 

髪型・銀髪オールバック

 

私服・白いシャツ、黄色いジャケット、白いジーンズ、茶色のスニーカー

 

優之と冴子の父、裕樹の義父、双葉の祖父。

プロのカメラマンで、若い頃は世界中を回って絶景や世界遺産を撮ってきた。

冴子が彼氏を連れて来た時は嬉しくなったが、それを隠して平常心を保った。

裕樹の人柄と意志を非常に気に入り、彼を冴子との結婚を認めた。

その後妻の翠と共に海外へ住み、後に翠が東京で教鞭を取る事になり東京に住む事となった。

子供の頃からゴジラシリーズが好みで、中でもゴジラVSビオランテが一推し。

孫の双葉にデレデレ。

 

 

 

 

愛川翠(あいかわみどり)

 

CV・ゆきのさつき

 

 

 

モデル・広瀬仁美

 

生年月日・1968年7月11日

 

年齢・55歳

 

好きな物・アニメ

 

出身地・佐賀県

 

職業・美術教師

 

髪型・黒髪ロングヘアー

 

私服・白い服、赤いストール、黒いスカート、白い靴

 

優之と冴子の母、裕樹の義母、双葉の祖母。

美術教師で、佐賀の中学校で美術を教えている。

海外からの依頼を受け、夫の宗太郎と共に海外へ飛んだ。

その後東京の大学で教鞭を取る事になり、夫と共に帰国し東京に住む事になった。

佐賀に居た頃は自前のアトリエを持っていて、優之が小さい頃によくそこに来て絵を描いていた為、これが優之がイラストに興味を持つ切っ掛けとなった。

 

 

 

 

高梨蒼子(たかなしあおこ)

 

CV・小澤亜季

 

 

 

モデル・ソラ(モナ・リザの戯言)

 

生年月日・2001年3月1日

 

年齢・24歳

 

好きな物・ガンダムシリーズ

 

出身地・埼玉県

 

職業・会社員

 

髪型・空色セミロング

 

私服・マゼンタのシャツ、青いカーディガン、紺色の半ズボン、青いローファー

 

長谷部幸彦の妹。

結婚して娘2人が生まれ幸せ絶頂だったが、元夫の浮気が原因で離婚。

その後、気を遣ってくれた浮気相手の元旦那の賢一と再婚。

兄も賢一を非常に気に入っている。

それから元夫から復縁要請を受けたが、全て拒否。

現在は埼玉で娘と夫と夫の娘と4人で暮らしている。

 

 

 

 

 

 

 

横沢圭一(よこざわけいいち)

 

CV・狩野翔

 

 

 

モデル・神谷幸広

 

生年月日・2001年4月11日

 

年齢・21歳

 

好きな物・漫画、アニメ、百合

 

出身地・東京都

 

職業・大学生

 

髪型・茶髪ショート

 

私服・白いシャツ、水色のジャケット、青いジーンズ、青いスニーカー

 

東京電機大学に通う大学2年生。

大学内で設けられた同人誌サークルの代表。

毎年行われるコミックマーケットに参加している。

顔立ちはイケメンだが百合男子で、女子同士のイチャイチャを見るともっこりする程。

 

 

 

 

小野雅美(おのまさみ)

 

CV・和多田美咲

 

 

 

モデル・寺本優佳

 

生年月日・2002年7月19日

 

年齢・20歳

 

好きな物・漫画、アニメ、コスプレ

 

出身地・群馬県

 

髪型・銀髪ロングヘアー

 

私服・黒い服、黄色いジャンパースカート、赤いブーツ

 

東京電機大学に通う大学2年生。

同人誌サークルのメンバー。

得意ジャンルは日常系。

趣味はコスプレで、SNSに投稿している。

 

 

 

 

曽根川佑規(そねかわゆうき)

 

CV・小林大紀

 

 

 

モデル・水嶋咲

 

生年月日・2002年6月29日

 

年齢・20歳

 

好きな物・漫画、アニメ、女装

 

出身地・神奈川県

 

髪型・灰色癖っ毛、茶髪ツインテール(女装時)

 

私服・オレンジの服、黒いジーンズ、黒いスニーカー

 

女装・赤いフリルロリータファッション、黒いメリージェーン

 

東京電機大学に通う大学2年生。

同人誌サークルのメンバー

得意ジャンルはアイドル漫画。

高校時代に、文化祭で女装コンテストに出場し優勝した事が切っ掛けで女装に目覚めた。

SNSで女装姿を投稿すると若者達の間で大人気になった。

女装姿はサークルでもモデルとして役立ってる。

 

 

 

 

瀧本文典(たきもとふみのり)

 

CV・諸星すみれ

 

 

 

モデル・如月ツバサ

 

生年月日・2002年10月10日

 

年齢・20歳

 

好きな物・漫画、アニメ

 

出身地・宮崎県

 

髪型・黒髪ショートヘアー

 

私服・緑のシャツ、チェック柄のジャケット、白いジーンズ、オレンジのスニーカー

 

東京電機大学に通う大学2年生。

同人誌サークルのメンバー。

得意ジャンルはバトル漫画。

東京電機大学の受験に合格し、高校卒業と同時に上京。

アニメ好きだが、たまに特撮を見る。

顔立ちは女子っぽいが、正真正銘の男。

 

 

 

 

古川真知子(ふるかわまちこ)

 

CV・M・A・O

 

 

 

モデル・若狭悠里

 

生年月日・2002年8月21日

 

年齢・20歳

 

好きな物・漫画、アニメ

 

出身地・大阪府

 

髪型・金髪ロングヘアー

 

私服・青い服、黒い吊りスカート、黒いローファー

 

東京電機大学に通う大学2年生。

同人誌サークルのメンバー。

得意ジャンルはファンタジー漫画。

百合で興奮する圭一を鎮める役に立ってる。

 

 

 

 

『同人誌サークル』

 

代表・横沢圭一

 

東京電機大学で設けられたサークル。

同人漫画やグッズを制作し、コミケなどの即売会に出展して売ってる。

売上金の半分は部費に費やしている。

 

 

 

 

吉岡早苗(よしおかさなえ)

 

CV・大原さやか

 

 

 

モデル・クルミ(モナ・リザの戯言)

 

生年月日・1970年1月5日

 

年齢・53歳

 

好きな物・家族

 

出身地・千葉県

 

職業・専業主婦

 

髪型・茶髪ロングヘアー

 

私服・白い服、茶色のジャンパースカート、オレンジの靴

 

SKY ANGLE社長の吉岡達雄の妻。

元々SKY ANGLEの社員で、達雄と結婚して寿退社した。

専業主婦で孫の夏美を可愛がっている。

温厚で優しいお母さんだが、怒らせると般若のように怖い。

 

 

 

 

吉岡充(よしおかみつる)

 

CV・酒井広大

 

 

 

モデル・フジ(モナ・リザの戯言)

 

生年月日・2003年1月24日

 

年齢・20歳

 

好きな物・家族

 

出身地・東京都

 

職業・弁護士

 

髪型・藤色ショート

 

私服・黒い服、白いジャケット、黒いジーンズ、黒いスニーカー

 

SKY ANGLE社員の美咲の夫。

幼い頃に両親を亡くし、父の親友の達雄の提案で吉岡家の養子となった。

頭脳明晰、スポーツ万能、若き弁護士でこれまで全勝無敗。

美咲と結婚し、長女夏美を授かった。

 

 

 

 

 

 

Kei(ケイ)

 

CV・???

 

竹下有香奈が憧れる超人気コスプレイヤー。

メディアでも取り上げられ、コスプレの完成度が高い。

実は彼女には、広瀬悟とある関係が・・・詳細は設定集3にて。

 

 

 

 

 

 

栗田梨奈(くりたりな)

 

CV・和多田美咲

 

 

 

 

モデル・すみれの妹

 

生年月日・2017年5月11日

 

年齢・6歳

 

出身地・東京都

 

髪型・黒髪ツインテール

 

私服・ピンクの服、白いジャンパースカート、赤いローファー

 

雅春の娘で小学生。

母の麗花が不倫した為遊んで貰えず不満を募り、両親の離婚の時に父雅春に付いて行く事になった。

雅春や、雅春の義家族が大好きで皆を癒してくれている。

小学生になり、嶋村双葉と三峯舞と友達になった。

 

 

 

 

麗花(れいか)

 

CV・島本真衣

 

 

 

雅春の元妻。

営業職の男と手を繋いで歩いている所を母と兄に目撃されたが、それに気付かなかった。

娘の梨奈の誕生日を忘れる程不倫に夢中になっていた。

その後不倫旅行から帰って来て、家族に激昂され、娘にも愛想尽かされ家族から絶縁された。

離婚し慰謝料を支払った後行方を眩ませた。

 

 

 

 

『雅春の義家族』

 

義父:(しげる)

義母:晴子(はるこ)

義兄:晋太郎(しんたろう)

義妹:美子(よしこ)

 

CV・土師孝也(繁)

CV・倉田雅世(晴子)

CV・赤羽根健治(晋太郎)

CV・真堂圭(美子)

 

雅春の元妻、麗花の家族で彼の義家族。

不倫に手を染めた麗花と違い常識があり、雅春をとても気に入っている。

ある日晴子と晋太郎が長女麗花が不倫してる光景を目撃し、家族全員で麗花の不倫の証拠を集めた。

それから雅春にこの事実を教え、離婚を決意した雅春を全力で支援した。

不倫旅行から帰って来た麗花に激昂し、彼女を勘当した。

雅春の娘の梨奈が大好きで、何時もメロメロ。

シングルファザーになった雅春を支援し続けている。

 

 

 

 

諸星志揮(もろぼししき)

 

CV・???

 

マニマニピーポーからのゲスト出演。

 

日本が誇る世界財閥のトップ諸星財閥の若き当主。

ビジネスが趣味で、数多くの企業を経営しており、主に医学に力を入れている。

実は優之が勤務するSKY ANGLEの大株主。

当初経営難に陥ったSKY ANGLEのイラストをとても気に入り、出資し大株主になった。

モロダストのアイドルオーディションのイラストを描いてくれた優之を気に入ってる。

自分とニコの絵を描いた優之の画力を気に入り、彼をモロスターアートへ勧誘した。

普段は温厚で優しいが、怒らせると恐ろしい程怖く、怒らせた人間は社会的に抹殺する程。

ニコと夫婦関係にあり、娘2人を授かってる。

 

 

 

 

『ニコ』

 

CV・???

 

マニマニピーポーからのゲスト出演。

 

諸星財閥のメイド長及び、当主の諸星の専属メイド。

諸星に忠実で、彼を人一倍慕っている。

数多くの資格を取得しており、多くの外国語を話せる。

将来ピアニストになりたい舞に、ピアノを教えてあげている。

7年前に長女のカイネを授かり、現在は次女カイリが生まれ、メイド長を退いた。

メイド長を退いた身だが、メイドを育成する養成機関・諸星メイドアカデミーの教官を継続している。

モロスター学園の特別講師も務めている。

 

 

 

 

諸星財閥(もろぼしざいばつ)

 

総資産・計算不能

 

当主・諸星志揮

 

メイド長・ニコ

 

経営一覧・モロダスト

     モロスターアート

     モロスターアスリート

     諸星総合病院

     諸星塾

     モロスター学園

 

諸星志揮が当主を務める日本が誇る世界財閥のトップ。

数多くの企業や事務所を運営経営しており、更に多くのIT企業や会社の出資している。

使用人のメイド達はモロメイドと呼ばれ、凡そ80人雇われている。



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設定集3

宮本結子(みやもとゆうこ)

 

CV・前田佳織里

 

 

 

モデル・セルカ・ツーベルク

 

生年月日・2002年11月21日

 

年齢・18歳

 

好きな物・ゲーム、イラスト

 

出身地・東京都

 

職業・イラストレーター

 

髪型・茶髪ハーフアップ

 

私服・白い服、ピンクのブラウス、黒いスカート、白いパンプス

 

SKY ANGLEの新入社員で、優之達の後輩。

傲慢な兄孝徳と対照的に明るく優しい性格。

入社後、兄に代わってトミーとフィオに深く謝罪した。

その後トミーと気が合い、専務である父の後押しを受け正式にお付き合いする事となった。

 

 

 

 

 

 

矢口遥香(やぐちはるか)

 

CV・若松来海

 

 

 

モデル・結城まどか

 

生年月日・2006年1月15日

 

年齢・18歳

 

好きな物・可愛い物、飼い犬

 

出身地・東京都

 

髪型・黒髪ロングヘアー

 

青山高等学校に通う悠里の同級生。

明るく天真爛漫な性格で、友達には子犬のように可愛がられてる。

同級生で親友の悠里と茜と美佳子と一緒に居る。

可愛い物を見付けるとスマホで撮影する一面も。

青山学院大学に入学する為、康介の授業を定期的に受けてる。

 

 

 

 

 

 

石原茜(いしはらあかね)

 

CV・大和田仁美

 

 

 

モデル・小鳥遊暦

 

生年月日・2006年10月16日

 

年齢・17歳

 

好きな物・読書

 

出身地・東京都

 

髪型・茶髪ショートヘアー

 

青山高等学校に通う悠里の同級生。

真面目で几帳面、先生からも頼りにされてる委員長な性格。

あがり症で人前に出るのが苦手で、遥香と美佳子の2人には何時も振り回される苦労人。

しかしかなり不器用で絵心がない故に、その自覚がないのが玉に瑕。

祖父の書斎で読書するのが好きで、自分で小説書く事も。

青山学院大学に入学する為、康介の授業を定期的に受けてる。

 

 

 

 

 

 

赤坂美佳子(あかさかみかこ)

 

CV・黒木ほの香

 

 

 

モデル・佐伯リツカ

 

生年月日・2006年8月14日

 

年齢・17歳

 

好きな物・歌とダンス

 

出身地・東京都

 

髪型・金髪ロングポニーテール

 

青山高等学校に通う悠里の同級生。

両親と兄に甘やかされて育ったお嬢様。

性格はポジティブで、どんな事にも果敢にチャレンジする。

他校の男子からアプローチされる事が多いが、恋愛はまだ興味なく、女の子同士で遊んでる方が楽しいと感じてる。

だが褒められると恥ずかしがる意外な一面がある。

青山学院大学に入学する為、康介の授業を定期的に受けてる。

 

 

 

 

 

 

石田彩乃(いしだあやの)

 

CV・佐藤聡美

 

 

 

モデル・椎名心実

 

生年月日・1997年9月11日

 

年齢・26歳

 

好きな物・アニメ、家事

 

出身地・東京都

 

髪型・茶髪ロングヘアー

 

クレイドホールディングス社長の娘で、クレイドジャパン東京本社に勤める女性。

会社で社員の1人が会社の金を横領している場面を目撃した人物で、駅の階段の上からその社員に押され落下した。

しかしたまたまそこに居た康介に助けられ、軽傷で済んだ。

その後度々康介と食事するようになり、父のススメもあり正式に付き合う事になった。

因みに横領した社員は懲戒解雇され逮捕された。

そして康介と結婚し、おあにた荘で暮らす。

 

 

 

 

 

 

広瀬恵(ひろせけい)

 

CV・村瀬歩

 

 

 

モデル・華房心

 

生年月日・2000年2月25日

 

年齢・23歳

 

好きな物・コスプレ

 

出身地・佐賀県

 

職業・コスプレイヤー

 

髪型・ピンク髪ツインテール

 

私服・黒いクラシカルロリィタ、赤いローファー

 

人気コスプレイヤーkeiの正体。

実は悟の兄で、幼少の頃から女の子っぽい容姿が切っ掛けで女装趣味に目覚めた。

高校卒業と同時に上京し、コスプレイヤーkeiとして人気を博した。

悟の他に優之もあまり関わりたくない人物。

小学校の頃から空手を習っており、九州大会制覇する程の実力を持っている。

有香奈が憧れている。

正体が男だと知った有香奈だが、そこが魅力だと益々ファンになったと言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

畦間茂成(あぜましげなり)

 

CV・上村祐翔

 

 

 

 

モデル・清水みなと

 

生年月日・2002年7月19日

 

年齢・20歳

 

好きな物・アニメ、YouTube、ニコニコ動画、Amazonプライム

 

出身地・千葉県

 

職業・画家、YouTuber

 

髪型・青髪ウルフ

 

私服・赤い服、チェック柄ジャケット、白いジーンズ、青いスニーカー

 

芸術の才能がある若者を育成するモロスターアートに所属している優之の親友。

千葉出身だが、中学1年の時に父の転勤で佐賀へ引っ越し、優之の通う中学校に転校した。

元々人見知りで大人しかったが、広瀬悟が気軽に接していく内に明るくなり人見知りを克服した。

中学2年の時、再び父の転勤で東京へ引っ越した。

現在は母と2人暮らし、父は北海道へ単身赴任中。

中学の時、優之と一緒にイラスト部に入った経験を活かしモロスターアートに所属した。

YouTuberとして活動しており、主にゲーム実況系を投稿している。

 

 

 

 

 

 

宗像紫(むなかたゆかり)

 

CV・礒部花凜

 

 

 

 

モデル・藤井かな

 

生年月日・2007年5月26日

 

年齢・16歳

 

好きな物・絵描き

 

出身地・東京都

 

職業・高校生

 

髪型・赤髪緑メッシュ

 

高校生で、モロスターアートに所属に所属している画家見習いの少女。

明朗快活なムードメーカー。

画家である母に憧れて、自分も画家の道に進みたいと思っている。

結衣と奈々とは、中学の時からの親友同士で今でも交流は続いている。

優之と茂成の大人の世界に興味を示してる。

結衣と奈々と同じ高校の芸術科に通ってる。

 

 

 

 

日野結衣(ひのゆい)

 

CV・堀内まり菜

 

 

 

 

モデル・五城玲美

 

生年月日・2007年4月29日

 

年齢・16歳

 

好きな物・絵描き

 

出身地・東京都

 

職業・高校生

 

髪型・金髪ロングヘアー

 

高校生で、モロスターアートに所属している画家見習いの少女。

世界的有名な画家の両親を持っているお嬢様。

両親は海外へ飛び回っており、メイドと2人暮らし。

大人の世界に興味を示している紫のツッコミ担当。

紫と奈々と同じ高校の芸術科に通ってる。

 

 

 

 

 

坪川奈々(つぼかわなな)

 

CV・熊田茜音

 

 

 

 

モデル・森嶋響

 

生年月日・2007年2月3日

 

年齢・16歳

 

好きな物・絵描き、子供

 

出身地・東京都

 

職業・高校生

 

髪型・緑ショートボブ

 

高校生で、モロスターアートに所属している画家見習いの少女。

おっとりした性格で、お母さん的存在。

弟妹が多い事から、子供をあやすのが得意。

都内の田舎出身で、中学1年の時に両親の後押しで都会に引っ越した。

現在はモロスターアートの寮で1人暮らしをしている。

紫と結衣と同じ高校の芸術科に通ってる。

 

 

 

 

淡島穂花(あわしまほのか)

 

CV・中村繪里子

 

 

 

 

モデル・天海春香

 

生年月日・2002年6月11日

 

年齢・21歳

 

好きな物・勉強

 

出身地・佐賀県

 

職業・大学生

 

髪型・茶髪ロングポニーテール

 

私服・白い服、赤い吊りスカート、黒いローファー

 

優之と同じ佐賀県出身の女性。

実は優之の初恋の女性。

学生時代は成績優秀、スポーツ万能、容姿端麗で完璧な生徒で生徒会長を務めた事がある。

だが議員の父を持つ3人の女子生徒からイジメの標的にされ、それをひた隠ししながら学校生活を送っていた。

だが優之に本心を打ち明け、彼が親友の松宮絵梨子に相談してくれて、3人の父の不正を暴いてくれた。

それからイジメがピタリと止み、本来の自分を取り戻した。

高校卒業後に上京し、慶応義塾大学に通っている。

大学3年生だったが、現在は飛び級して4年生になった。

松宮財閥の顧問弁護士に憧れを抱き、司法試験を1発で合格、司法研修生を卒業し弁護士になった。現在内定を貰っている。

大学卒業後、弁護士として活動開始。

尚、逮捕された議員の娘達は自暴自棄になり中学校の破壊活動に走ったが、警察に逮捕され、家族共々何処かへ引っ越して行方を眩ませた。

 

優之は彼女の前では今でもタジタジになる。

 

 

 

 

氷川翔太(ひかわしょうた)

 

CV・KENN

 

 

 

 

モデル・喜多川翔太

 

生年月日・2002年1月29日

 

年齢・21歳

 

好きな物・サッカー、スポーツ

 

出身地・佐賀県

 

職業・サッカー選手

 

髪型・青髪ウルフカット

 

私服・黒い服、白いジャケット、青いジーンズ、黒いスニーカー

 

優之と同じ佐賀県出身の男性。

中学時代に議員の娘達からいじめを受けていた穂花を優之達と共に支えてあげた。

穂花とは学生時代の恋人だが、高校卒業と同時に疎遠になってしまった。

それでもメールや文通を通して交流を続けている。

京都産業大学に入学し、サッカーのエースとして活躍していた。

関西サッカーリーグで優勝した時、モロスターアスリートの監督にその才能を見出されスカウトされた。

大学側とチームメイト達に意志を尊重してくれて、大学中退しモロスターアスリートに入った。

秋葉原で優之と穂花と偶然出会い、嘗て穂花をいじめた主犯・藪沢香奈子の情報を伝えた。

そして藪沢が目の前に現れ、穂花を身を挺して守った。

そこに現れた優之の機転で藪沢は逮捕された。

事態収束後、再び穂花と結び恋人同士になった。

 

 

 

 

国生蛍(こくしょうほたる)

 

CV・大野柚布子

 

 

 

 

モデル・国土亜耶

 

生年月日・2009年8月2日

 

年齢・15歳

 

好きな物・歌、お掃除

 

出身地・東京都

 

職業・中学生

 

髪型・クリーム色のロングヘアー

 

私服・赤いベレー帽、白い服、青いジャンパースカート、エナメルの靴

 

樹々と響子の幼馴染みで、心優しい中学3年生。

誰に対しても優しく笑顔を絶やさない。その事から『天使』と呼ばれている。

樹々と響子と3人で遊んでいた時、優之と出会い、彼と知り合った。

杉原カンパニーの総務部長の父を持っている。

歌唱力も高く、諸星に歌の才能を見出され、アンジェリカのメンバーとしてスカウトされたが、加入はモロスター学園入学後の予定。

 

 

 

 

 

9C(ナインシー)

 

 

 

リーダー・RIA:渚カオリ

 

メンバー・エミリ:葉山カナ

     さえな:寺坂ユミ

     Koi:桜田アンナ

     WAON:雨森セラ

     向日葵:白雪ミハル

     しぇりー:小宮山アサミ

     白:皐月ユナ

     ローラ:楠本コトリ

 

 

モデル・純情のアフィリア

 

 

コスプレ業界で知名度が高い9人組のコスプレグループ。

全員同じ中学からの親友同士で、その時からコスプレとして活動を開始した。

更には、悟の兄でコスプレイヤーのKeiとも仲良しで、同じ高級住宅に住んでる。

コスプレの完成度と身体能力が高く、まるでアニメみたいな動きだと話題絶頂。

 

 

 

 

藍澤組(あいざわぐみ)

 

組長・藍澤源一郎

 

若頭・秋良

 

令嬢・新田陽子

 

都内にある最大勢力のヤクザ。

おあにた荘に住む樹々の実家。

組員は総勢300人を超えている。

日本各地に事務所を構えている。

カタギの人間達には手を出さないが、借金や道理を持たない輩には容赦しない流儀。



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#本編#
1話・特撮とアニメ


おあにた荘へ引っ越ししてから2日目の朝。

 

優之「・・・ん・・・?」

 

ベッドから優之が起き上がった。

 

優之「ふあぁ〜・・・もう朝か・・・」

 

 

 

 

1階の洗面所で歯を磨いて、うがいをする。

 

優之「ふあぁ〜・・・」

 

 

 

 

リビングへ向かうと。

 

康介「おはよう優之君。」

 

優之「あ、おはよう。康介さん。」

 

悠里「おっはよーございまーす!」

 

優之「三峯さん。おはよう。」

 

悠里「優之さん。悠里で構わないよ。ホラもう一声!」

 

優之「あ、えっと・・・悠里?」

 

悠里「OKOK!」

 

淳一「あはは。悠里ちゃんは元気だね〜。」

 

樹々「テンション高い。」

 

優之「淳一。樹々さん。おはよう。」

 

淳一「おっす優之!おはよう!」

 

樹々「おはよう。」

 

有香奈「おはよう。優之君。」

 

優之「有香奈さん。おはよう。」

 

皆が既に食卓を囲んでいた。

 

真奈美「おはよう優之君。朝ごはん出来てるよ。」

 

優之「あ、おはよう真奈美さん。」

 

挨拶しながら椅子に座った。

 

優之「すみません遅くなって。」

 

真奈美「気にしないで。それじゃあ皆。」

 

全員「頂きます。」

 

朝食を食べる。

 

 

 

 

朝食を食べ終えた後、朝のテレビ番組を見る。

 

真奈美「どう優之君?暮らしは慣れたかしら?」

 

優之「あ、うん。皆優しくて暮らしやすい。」

 

真奈美「良かった。」

 

淳一「昨日のアニメ鑑賞会、楽しかったな。」

 

優之「どれも面白かったしね。」

 

悠里「優之さんってアニメは見るの?」

 

優之「まぁ見てるっちゃあ見てるよ。配信でね。」

 

淳一「なぁ優之。ラブライブは好きか?」

 

優之「え?ああ、好きだけど。」

 

淳一「因みにだけど、μ`s、Aqours、虹ヶ咲、Liella!の中で誰推し?」

 

優之「一気に4グループ来るなぁ・・・」

 

悠里「因みに私は、絵里ちゃんとダイヤちゃんとせつ菜ちゃんと恋ちゃんだね。」

 

康介「生徒会長勢揃いだね・・・」

 

悠里「ねぇねぇ、優之さんの推しは誰?」

 

優之「俺は希、花丸、しずく、千砂都だな。」

 

淳一「バラバラなんだな。」

 

樹々「優之さんは、何で特撮が好きなの?」

 

優之「え?」

 

康介「子供の頃から好きなのかい?」

 

優之「まぁそうだね。小さい頃VHSでウルトラマンを見て、それからウルトラマンにのめり込んで。それから今に至るまで多くの作品を見てきたんだ。どれも良い回で視聴者さん達を考えさせる回もコメディやギャグ回が多くて、どれも素晴らしいよ!」

 

淳一「お、おう。凄い興奮してる。」

 

樹々「落ち着いて。」

 

優之「おっと、これは失礼・・・それで去年に、TSUBURAYA IMAGINATIONに入会して多くの作品を見ているんだ。」

 

真奈美「凄いわね。」

 

康介「ねぇ、ウルトラマンの他に仮面ライダーとか戦隊シリーズとか見てるの?」

 

優之「あ〜、TVシリーズは殆ど見てないな。最近ゴジラにも首っ丈だな。」

 

悠里「ゴジラも良いよね〜。シン・ゴジラとか。」

 

優之「あ、俺もシン・ゴジラでゴジラにハマったんだ。」

 

淳一「俺もシン・ゴジラ見たなぁ〜!庵野監督凄えって思ったなぁ〜あの当時!」

 

優之「皆はアニメ好きなんだよね?何か切っ掛けでも?」

 

淳一「俺は・・・自然に?」

 

悠里「学園アニメで、青春を謳歌する皆の活躍が見たくて。」

 

有香奈「昔から恋愛小説を読んでて、それから恋愛アニメを見てのめり込んでね。」

 

康介「子供の頃、ミリタリー系のアニメを見て理解出来なかったけど、大人になって見たらそう言う事なんだって感心してね。登場人物達のいざこざとか凄く面白くてね。」

 

樹々「小女アニメは私の青春。今でも青春。」

 

真奈美「学園アニメ、アイドルアニメ、少女アニメ、ファンタジーアニメ・・・どれも見逃せないわね〜。」

 

優之(個性豊かだなぁ〜・・・)

 

 

 

 

 

 

部屋に戻った優之は、S.H.Figuartsウルトラマンレオを被写体にして、タブレットで描く。

 

優之「・・・右目はもうちょっと上かな?頭部はちょいと苦労するんだよなぁ・・・」

 

少しずつ修正しながら描く。

 

”コンコン”

 

優之「ん?はい。」

 

ノックしてドアを開けたのは、真奈美だった。

 

真奈美「優之君。そろそろお昼だよ。」

 

優之「あ、もうそんな時間?」

 

真奈美「あら?絵を描いてるの?」

 

優之「うん。」

 

ウルトラマンレオの絵を見る。

 

真奈美「ウルトラマンレオ!凄く上手ね!本物みたい!ねぇ、私達の絵を描いてくれるかな?」

 

優之「良いよ。」

 

 

 

 

 

 

スケッチブックで、おあにた荘の住人全員を描く。

 

優之「樹々さん。もうちょっと顔上げて?」

 

樹々「うん。」

 

優之「OK。そのまま。俺、子供の頃から絵を描くのが好きで。毎日描いて、親と姉に見せてたんだ。」

 

康介「絵が好きなのは、ご両親の影響かい?」

 

優之「母が画家で。何時も母のアトリエにお邪魔してて。」

 

有香奈「それで、上京してイラストの仕事をしようと?」

 

優之「成り行きでそうなった。」

 

淳一「成り行き?」

 

優之「高校卒業1年前に、親が海外へ行く事になってな。親父からこう言われたんだ。『来年は俺達と一緒に海外へ行くか、上京して楽しむかのどっちか選べ。』って。姉は中学卒業後に上京。東京に住んでるんだ。」

 

淳一「へぇ〜。」

 

悠里「お姉さんはどんなお仕事をしているの?」

 

優之「イラストレーターさ。俺が入社する会社で主任をしているんだ。」

 

淳一「なぁ、今度お姉さん紹介してくれよ。」

 

優之「俺の姉目当てか?」

 

淳一「挨拶だけ。」

 

優之「まぁ、タイミングが合えば良いけど。それと姉さん、結婚してる。」

 

淳一「そうなの!?」

 

優之「ああ。4年前に結婚して、3年前に長女が誕生した。」

 

悠里「じゃあ優之さんは、叔父になったんだね。」

 

淳一「めでたいな!」

 

優之「よし描けた!」

 

出来上がった絵を皆に見せた。

 

悠里「わぁ〜!そっくり!」

 

淳一「本当、写真みたいなクオリティだ・・・!」

 

樹々「写真と言っても違和感ない。」

 

康介「凄い才能を持っているね。」

 

有香奈「ねぇ優之君。この絵、撮って良い?」

 

優之「どうぞ。」

 

その絵を皆がスマホで撮った。

 

真奈美「さてと、皆お昼ご飯食べましょ?」

 

淳一・悠里「は〜い!」

 

有香奈「優之君、行きましょ?」

 

優之「うん。」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜

     東山真奈美:後藤邑子


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1・5話・トラウマな生物

優之がオールジャンルの制作会社に入社する3日前。

 

悠里「うぅぅ・・・・」

 

優之「ん?どうした悠里?」

 

今日のおあにた荘は、優之と悠里の2人だけ。

 

悠里「優之さん・・・このアニメ見たんだけど・・・」

 

彼女が視聴したアニメのBlu-rayを見せる。

 

優之「エルフェンリート。ああ、1度だけ見た事がある。かなりグロシーンが多いアニメだろ?」

 

悠里「初めて見た時は本当にトラウマで、今再び見て克服しようとしたんだけど・・・もう断面が描かれていて・・・」

 

優之「克服出来なかったと・・・」

 

悠里「他にも色んなトラウマや鬱アニメを揃えているよ。」

 

優之「うわぁ・・・こんなにいっぱい・・・げっ、School days・・・!誠め・・・」

 

悠里「優之さんはどれがマシだと思う?」

 

優之「俺はやっぱり・・・まどマギかな?マミるシーンは今でもショックだけど。」

 

悠里「ねぇ、ウルトラマンでトラウマの奴とかあるの?」

 

優之「トラウマねぇ・・・色々あるけど、俺が挙げるとなると、ウルトラマンティガの第6話かな?」

 

悠里「ウルトラマンティガ?」

 

優之「そっ。1996年に放送がスタートした平成ウルトラマンの記念すべき第1作。主人公のマドカ・ダイゴを演じたのは、当時デビュー1周年を迎えたV6の長野博さん。主題歌はV6の4枚目のシングル『TAKE ME HIGHER』。因みにこの曲はウルトラマン主題歌ランキングで上位に挙がる色褪せない曲だ。俺もウォークマンで聴いてる。」

 

悠里「V6!お母さんが好きだったけど、解散しちゃったのは残念。」

 

優之「んで、ウルトラマンティガ第6話『セカンド・コンタクト』。これはトラウマの1つとして有名なんだ。」

 

悠里「どんな物語なの?」

 

優之「あ、見てから俺の解説いる?」

 

悠里「いや、解説からでお願い。」

 

優之「分かった。物語の序盤、電離層に生息するクリッターと言う生物が、人類の流す大量の電磁波やマイクロ波の影響を受けて、群れごと融合してガゾートと言う怪獣を誕生させた。因みにこのガゾート、平成ウルトラマンシリーズ初の人食い怪獣なんだ。」

 

悠里「ひ、人食い!?それ聞いただけで既にトラウマだけど・・・」

 

優之「余談だが、クリッターはクリオネと酷似している小さい生物なんだ。んで、神出鬼没の黒い雲が観測され、TPC(地球平和連合)はGUTSのホリイ隊員の恩師であるミズノ博士を中心とした調査チームを現地へ派遣したんだ。」

 

悠里「何か情報とか掴めた?」

 

優之「しかし、博士達を乗せた探査機のフィンチが消息を絶ってしまい、更にダイゴ隊員が搭乗するガッツウイング1号も、強烈な電磁波で連絡不能になってしまった。そして雲は繭状の姿に変形すると、そのまま市街地へ落下した。その繭からガゾートが姿を現した。更に繭の中にはフィンチの残骸と、機能を停止したガッツウイング1号の姿があったんだ。」

 

悠里「残骸って・・・殺されちゃったの・・・!?」

 

優之「ガッツウイング1号に搭乗したダイゴは意識を失っただけで大事には至らなかった。んで、ガゾートが謎の言葉を発しながら侵攻する。ホリイ隊員は動物用に開発したサウンドトランスレーターを使って、ガゾートと対話出来ないかと思い付いた。」

 

悠里「動物と対話出来る装置?」

 

優之「そうだ。ガゾートは人間を襲う為前進する。っで、サウンドトランスレーターで対話した結果、ガゾートは動きを止め、ホリイ隊員の姿が見えず困惑する。」

 

悠里「対話が成功したんだね?」

 

優之「ホリイ隊員は現場へ急行した。その間にガゾートは人間を捕食して服だけを吐き捨てた。そして、ホリイ隊員はガゾートと対話を試みた。」

 

悠里「ゴクリ・・・」

 

優之「『君は、何て言うんや?僕はホリイや!』その言葉を聞いたガゾートが動きを止め、ホリイ隊員の方に顔を向けた。『僕は君の敵やない!友達や!』するとガゾートが、『ガゾート、ココ、スキ。』と返したんだ。」

 

悠里「良かった!対話が出来たんだね!」

 

優之「『お願いや!暴れたり僕の友達襲ったりせんといてくれ!』『トモダチ?』『そうや!僕も君もこの星の同じ仲間や!』」

 

悠里「良かったぁ・・・これで解決ですね・・・」

 

優之「だが、ガゾートが返した言葉は予想しなかった言葉だった。」

 

悠里「へ?」

 

 

 

 

トモダチハ、ゴチソウ!
トモダチハ、ガゾートノ、タベモノ!

 

 

 

 

悠里「・・・・・・・!?」

 

衝撃的な言葉に悠里がショックを受けてる。

 

優之「話が通じたのに通じないと言う始末。」

 

悠里「ど、どう言う事!?何で友達を食べちゃったの!?」

 

優之「実はクリッターは元々小さい生物で、寿命が長くないんだ。そこでクリッターは電離層の中で自分達の仲間を共食いしたんだ。つまりクリッターにとって友達は、『自分の為に身を捧げて命を与えてくれる生贄』と言う間違った解釈を持ってしまったんだ。」

 

悠里「た、確かにクモやカマキリとサソリは共食いする習性があるけど・・・まさか自分達だけじゃ飽き足らず人間を食べるなんて・・・これ程までにないトラウマを持ってしまったかも・・・」

 

優之「ガゾートはホリイ隊員を『トモダチ』と認識して食べようとした時にダイゴがウルトラマンティガに変身してガゾートと戦うんだ。」

 

悠里「まさかこんな衝撃的な展開があるなんて・・・その回って観れるの?」

 

優之「観れるよ。ツブイマで独占配信中だからな。」

 

スマホを操作し、テレビにツブイマを繋げる。

 

ウルトラマンティガ第6話『セカンド・コンタクト』視聴開始。

 

 

 

 

 

 

視聴後。

 

悠里「ショッキング・・・優之さんの解説通り・・・」

 

優之「俺も何回も観てるからな。最初観た時は唖然としたけど。」

 

悠里「アニメだけじゃなく、特撮にもトラウマがあるんだね。」

 

優之「殆どのファンがトラウマを抱える切っ掛けを与える回があるからね。」

 

悠里「でも、ティガとガゾートの戦いは燃えました!格好良かった!」

 

優之「そうだろ?ティガは美しいデザインで、夜景が似合うウルトラマンでもあるんだ。」

 

悠里「それで、そのクリッターってまた現れるの?」

 

優之「今後の展開にお楽しみって事で。」

 

悠里「さっきのお話を観て、もう1度トラウマを克服しようと思う!」

 

優之「ああ。頑張れよ。」

 

 

 

 

その後。

 

悠里「うぅぅ・・・やっぱり無理ぃ・・・」

 

優之「あはは・・・こりゃあ、ムルチとシルバーブルーメは当分見せられないなぁ・・・」

 

トラウマ克服はまだ先のようです。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      三峯悠里:近藤玲奈


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2話・通じ合えるM人

引っ越しから1週間後。優之は、オールジャンルの制作会社SKY ANGLE(スカイアングル)に入社した。

 

優之「愛川優之です。宜しくお願いします。」

 

 

 

 

女性上司「ここがあなたのデスクよ。」

 

優之「はい。」

 

女性上司「今日から宜しくね。」

 

優之「宜しくお願いします。」

 

 

 

 

自分のデスクに座り、参考書を読みながら作業を進める。

 

優之「成る程・・・ここをこうして、こうすれば良いんだな。いつも使ってるPCとちょっと違うな。でも、結構楽しい。」

 

参考書を読みながら作業がどんどん進んだ。

 

 

 

1時間後。

 

女性上司「どう?進んだかしら?」

 

優之「木島さん。」

 

先程優之をデスクへ案内した女性上司の木島凛花。

 

木島「参考書、何処まで進んだ?」

 

優之「ここまで進みました。」

 

今やってるページを木島に見せた。

 

優之「早いわね。もうちょっとしたら仕事を回すから、残りも頑張ってね。」

 

優之「分かりました。あ、そうだ。主任の嶋村冴子さんは居ますか?」

 

木島「主任は出張中よ。主任に会いたいの?」

 

優之「はい。実は姉なんです。」

 

木島「そうだったの!分かったわ。帰って来たら愛川優之君が会いたいって言ってましたって伝えておくわ。」

 

優之「ありがとうございます。」

 

 

 

 

昼になり、食堂で弁当を食べる。

 

優之「・・・・」

 

???「あのぉ。」

 

優之「ん?」

 

そこにやって来たのは、2人の男女だった。

 

???「ここ、宜しいですか?」

 

優之「あ、どうぞ。」

 

彼が座るテーブル席に2人が座る。

 

優之「先輩さんですか?」

 

???「いえ、昨日入社したばかりの新人ですよ。」

 

優之「あ、同期ですね。俺は愛川優之です。お2人は?」

 

???「僕はトミー・ブライアンです。彼女は妹のフィオ・ブライアンです。」

 

フィオ「宜しくお願いします。」

 

トミー「あ、僕達の事は普通に接して下さい。」

 

優之「分かった。苗字が一緒って事は兄妹?」

 

トミー「そうです。」

 

優之「出身はアメリカ?」

 

フィオ「はい。でも幼少の頃マレーシアに住んでいたんです。」

 

優之「マレーシア!へぇ〜珍しいね!どうして日本に?」

 

トミー「12歳の時、親が仕事で日本へ移住する事になって。僕達も一緒に移住したんです。」

 

優之「親御さんは何の仕事してるの?」

 

フィオ「美術講師です。日本で美術を広めたいって。」

 

トミー「僕達も子供の頃から絵が好きで、日本のこの会社に就職したんです。」

 

優之「成る程。・・・あ、そうだ。そろそろアレの情報はまだかな。」

 

スマホで、S.H.FiguartsウルトラマンZ ベータスマッシュの発送情報を見る。

 

優之「お、来週か。よしよし。・・・ん?」

 

トミー「ジー。」

 

何故かトミーが優之をジーっと見てる。

 

優之「と、トミー?どうした?」

 

トミー「今の、ウルトラマンですか?」

 

優之「え?ああ。」

 

トミー「もしかして優之さん、ウルトラマンのファンですか?」

 

優之「そうだけど・・・」

 

トミー「実は・・・」

 

スマホを操作する。

 

優之「ん?」

 

トミー「僕もなんです!」

 

ウルトラマンリブットの画像を見せた。

 

優之「リブット!え、君もウルトラマンファン!?」

 

トミー「はい!」

 

優之「・・・そっかぁ〜!ここに俺の仲間が出会えたんだ〜!」

 

フィオ「ど、どうしたんですか?」

 

 

 

 

昼食後。屋上で会話をする。

 

フィオ「アニメが好きな方々が集まるシェアハウス?」

 

優之「うん。俺そこに引っ越してね。そこではアニメオタクの方達が住んでいるんだ。その中で俺は特撮オタクでね。でも皆良い人達だよ。個性豊かで楽しそうだし。」

 

トミー「是非機会があったら紹介して下さい。皆さんと仲良くしたいんです。」

 

優之「ああ良いよ。にしてもトミー、君がウルトラマンが好きなんて。」

 

トミー「僕、マレーシアに引っ越して来た時、周りからイジメられていたんです。」

 

優之「え、酷いな・・・」

 

トミー「でもある時、ウピンとイピンのアニメを見た時にウルトラマンリブットに出会ったんです。それで僕はリブットを見て、正義を学んだんです。どんな時でも諦めない事を。そしてそのイジメっ子達に屈せず立ち向かったんです。」

 

優之「そっか。リブットの勇姿がトミーの心に火を灯したんだな。」

 

トミー「それから僕は、ショーで多くのウルトラマン達の戦いを見たんです。それからファンになって。」

 

優之「そっか。」

 

フィオ「私ウルトラマンはあんまり知らないです・・・」

 

優之「あ、これ完全に俺達の世界に巻き込まれたみたいだ。フィオは好きなものとかない?」

 

フィオ「私は日本のアニメが好きです!日本のアニメはどれも素晴らしくて面白いです!お兄ちゃんもハマってます!」

 

トミー「うんうん!アニメも大好きなんだよね!」

 

優之(こりゃあ・・・淳一と悠里が相手だと五月蝿くなりそう・・・)

 

 

 

 

オフィスに戻り、仕事を再開する。

 

優之(トミーとフィオ。本当に面白い兄妹だな。今後とも交流が深めれそうだ。)

 

木島「あら?愛川君、何だか嬉しそうね。」

 

優之「はい。さっき同じ趣味の持つ同期と出会いまして。」

 

木島「良かったわね。参考書は何処まで進んだかしら?」

 

優之「ほぼ終わりですね。」

 

木島「お〜早いわね。じゃあ明日から仕事を回すわ。頑張ってね。」

 

優之「はい。」

 

 

 

 

 

 

午後5時。

 

優之「お疲れ様でした。」

 

定時になり退社した。

 

 

 

 

外に出た優之。

 

優之「ふぅ〜。明日から頑張るか。」

 

トミー「優之さん!」

 

優之「あら、お2人方。」

 

フィオ「お疲れ様です。」

 

優之「お疲れ様。2人も定時?」

 

トミー「はい!親が入社祝いしてくれるので。」

 

優之「良い親御さんを持ったな。気を付けて帰れな。」

 

トミー「はい!ではまた明日!」

 

フィオ「お疲れ様でした!」

 

2人は家路を急ぐ。

 

優之「さて、俺も帰るか。」

 

駐輪場に停めてる電動自転車に乗っておあにた荘へ帰る。

 

 

 

 

 

 

おあにた荘。

 

優之「ただいま〜。」

 

真奈美「お帰りなさい。お仕事どうだった?」

 

優之「初日から楽しかった。素晴らしい同期と出会えたし。」

 

真奈美「良かったね。」

 

優之「淳一達は今日から・・・」

 

真奈美「そう。学校だよ。」

 

優之「淳一と悠里と有香奈さんと樹々さんは進学かぁ。」

 

真奈美「皆待ってるよ。」

 

優之「あ、はい。」

 

 

 

 

 

 

皆で夕食。

 

淳一「優之。どうだった仕事?」

 

優之「初日から賑やかだった。マレーシアから来た新入社員の兄妹と仲良くなってね。」

 

悠里「マレーシア!?珍しいですね!」

 

優之「その2人アニメ好きで、兄の方は俺と同じウルトラマンが好きなんだ。」

 

有香奈「だったら、今度紹介してくれるかしら?是非会ってみたいわ。」

 

樹々「興味ある。」

 

優之「機会が出来たら会わせてあげる。」

 

康介「良かったね優之君。同じ趣味を持つ方に出会えて。」

 

優之「偶然だけどね。」

 

 

 

 

 

 

夜。浴槽に浸かる。

 

優之「ふぅ〜・・・風呂気持ち良い〜。・・・」

 

 

 

 

トミー『是非機会があったら紹介して下さい。皆さんと仲良くしたいんです。』

 

 

 

 

優之「・・・楽しくなりそうだな。」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜

 トミー・ブライアン:福原かつみ
 フィオ・ブライアン:花井美春
      木島凛花:水橋かおり

     東山真奈美:後藤邑子


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3話・同盟結託

土曜日。トミーとフィオがおあにた荘に招かれた。

 

トミー「初めまして皆さん。トミー・ブライアンです。」

 

フィオ「妹のフィオ・ブライアンです。宜しくお願いします。」

 

優之「俺の同僚だ。」

 

真奈美「おあにた荘の大家の東山真奈美です。歓迎します。」

 

淳一「俺は日高淳一!マレーシアからようこそおいで下さいました!」

 

悠里「三峯悠里!高校2年生!宜しくね〜!」

 

トミー「Wow・・・元気いっぱいですね・・・」

 

有香奈「こらこら。お2人を困らせないの。私は竹下有香奈です。東大に通う大学生です。」

 

康介「松浦康介です。東京でIT企業の仕事をしております。」

 

樹々「新田樹々。中学2年生。宜しく。」

 

優之「っとまぁ、個性溢れる方々とシェアハウスで暮らしていると言う訳だ。」

 

トミー「優之さん。とても素晴らしい方々ですね。」

 

優之「まぁ、最初の時は少し戸惑ったけどね。」

 

淳一「所でトミーさんにフィオさん。」

 

トミー「あ、僕の事はトミーで結構ですよ。」

 

フィオ「フィオと呼んで下さい。」

 

淳一「じゃあトミーにフィオ。アニメの中で何がお好き?」

 

悠里「私達、いっぱいアニメBlu-rayあるよ!」

 

トミー「嬉しいですけど、その前に。」

 

淳一・悠里「ん?」

 

トミー「優之さん。彼の活躍を見たいのですが。」

 

優之「彼ね?OKOK。」

 

淳一・悠里「彼?」

 

 

 

 

テレビにツブイマを繋げた。

 

有香奈「何を見ようって言うの?」

 

トミー「実は僕、幼い頃にウルトラマンを見て正義を学んだんです。だから、僕が初めて見たウルトラマンの日本での活躍が見たくて。」

 

優之「そう言うトミーには、ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズだ。」

 

ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズを鑑賞。

 

 

 

 

 

 

鑑賞終了。

 

トミー「今やこの日本で活躍されているなんて・・・素晴らしいです!流石ウルトラマンリブットです!」

 

優之「凄い熱意・・・」

 

淳一「俺初めて観たけど・・・面白かったわ!」

 

悠里「私も手に汗握っちゃった!」

 

康介「今のウルトラマンって進化しているんだなぁ。」

 

淳一「しかも声優豪華過ぎだな!」

 

悠里「知ってるお方が居たね!」

 

トミー「ありがとうございます優之さん!良い思い出が増えました!」

 

握手してブンブン上下に振る。

 

優之「あああありがと〜ちょっと揺れが激しい〜。」

 

トミー「ああ、失礼しました!」

 

すぐに手を離した。

 

フィオ「すみません。お兄ちゃん興奮のし過ぎで。」

 

優之「いや、これ程までに熱意を持つなんて良いお兄さんじゃないか。さて、そろそろ淳一達の相手をした方が良いんじゃない?」

 

トミー「そうでしたね。えっと、皆さん。どんなアニメがありますか?僕達アニメも大好きなんで。」

 

淳一「これとかどお!?これとかこれとか!」

 

悠里「これも良いよ!こっちも面白くて!」

 

樹々「物凄い勧誘。」

 

フィオ「う〜ん・・・最近のアニメはあんまり見ないですね。」

 

有香奈「じゃあ、2人はどんなアニメが良いかしら?」

 

トミー「そうですねぇ・・・」

 

真奈美「だったら、これはどうかしら?」

 

そう言って取り出したのは、ドラえもんのDVDだった。

 

トミー「ドラえもん!小さい頃から大好きです!」

 

真奈美「映画シリーズありますよ。」

 

映画ドラえもん全巻。

 

フィオ「あ、私これ好きです。」

 

ドラえもん のび太のアニマル惑星。

 

優之「アニマル惑星!俺も好きなドラえもん映画!」

 

真奈美「皆、これを見ようかしら。」

 

淳一「良いね!」

 

康介「では、早速見ましょう。」

 

 

 

 

映画ドラえもん のび太のアニマル惑星を鑑賞。

 

トミー「この映画、初めて見ます。」

 

悠里「私も初めて。」

 

樹々「私も。」

 

優之「ん〜・・・」

 

淳一「ん?優之どうした?」

 

優之「いや、ドラえもんの事で超思い出せない事があってな。」

 

淳一「思い出せない事?」

 

優之「幼稚園の頃だったかな。その時見た回が思い出せないんだ。のび太、ジャイアン、スネ夫がどこでもドアで何処かへ行った後、中盤あたりだったか?のび太が何かにぶっ飛ばされてさ。次のシーンは森が開けた場所に立つジャイアンとスネ夫。そこにぶっ飛ばされたのび太にぶつかってジャイアンが怒った直後に砂煙りが発生し、砂煙りが晴れるとジャイアンの服だけが残されたって言う回なんだけど・・・」

 

淳一「う〜ん・・・ごめん。俺でも分からねえ。」

 

情報求む。BY 作者。

 

 

 

 

鑑賞終了。

 

トミー「やっぱりドラえもんも良いですね。両親と見ていた頃を思い出します。」

 

有香奈「2人がアニメ好きになったのは、ご両親の影響?」

 

トミー「そうですね。親も日本が好きで、日本の文化をこよなく愛しているんです。」

 

康介「初めて日本に来た時、どんな感じだった?」

 

フィオ「もう凄過ぎました!東京ってこんなに人が多いんだって!」

 

トミー「どの料理も美味しくて、観光地は素敵で、日本はなんて素晴らしい国なんだって今でも思っています。」

 

樹々「嬉しい感想。」

 

淳一「うんうん。外国人が日本を好きになる理由が分かるなぁ〜。」

 

悠里「じゃあさ、今ここでマレーシア人と同盟を結ぼうよ!」

 

淳一「お!それは良いですな!」

 

真奈美「あらあら。ここで同盟が結ばれそうね。」

 

悠里「トミーさんフィオさん!今ここで、私達と同盟を結びましょう!」

 

淳一「是非ともお願いします!」

 

2人が手を伸ばした。

 

トミー「はい!此方こそ!」

 

淳一と握手した。

 

フィオ「宜しくお願いします!」

 

悠里に握手をした。こうしておあにた荘に、新たな同盟が結ばれた。

 

樹々「新たな同盟結託。」

 

優之「あはは・・・本当だね。」

 

 

 

 

夕方。2人が帰る時間になった。

 

トミー「皆さん、またお邪魔しても宜しいでしょうか?」

 

真奈美「勿論よ。何時でも遊びに来ても良いわよ。」

 

フィオ「ありがとうございます。」

 

トミー「優之さん。また月曜日から宜しくお願いします。」

 

優之「ああ。その時はウルトラマントークしような。」

 

トミー「はい!では皆さん、お邪魔しました!」

 

フィオ「さようなら!」

 

2人は家路を歩いて行った。

 

淳一「いやぁ〜楽しかった〜。優之、良い同僚を持って良かったな。」

 

優之「ああ。でもまさか、初めての会社の友達がマレーシア人って何か珍しい気もするな。」

 

真奈美「さてと、そろそろ夕ご飯の支度をしなきゃね。」

 

康介「あ、真奈美さん。手伝いますよ。」

 

真奈美「ありがとう康介君。」

 

この日は、トミーとフィオと楽しく遊んだ優之達であった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
 トミー・ブライアン:福原かつみ
 フィオ・ブライアン:花井美春

     東山真奈美:後藤邑子


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4話・逃げた男

夕方。木曜日のおあにた荘。

 

優之「よし、明日の企画のイラストが出来た。」

 

タブレットで企画用のイラストが完成した。それをUSBに移してバッグに仕舞う。

 

優之「さてと、そろそろ晩飯食うか。」

 

 

 

 

リビング。真奈美が作っておいた夕食を食べる。

 

淳一「仕事は順調か?」

 

優之「ん?まぁな。明日の企画用のイラストが完成したばかり。」

 

悠里「どんな企画なの?」

 

優之「アイドルオーディション用でな。今度開催される新生アイドルのオーディションがあって、そのイラストの制作を任されたんだ。」

 

康介「ほほう。もう優之君に大きな仕事が入ったのか。」

 

優之「上司の木島さんが俺を見込んでいてね。」

 

”ピーンポーン”

 

インターホンが鳴った。

 

有香奈「あら?お客さんかしら?真奈美さん。」

 

真奈美「ごめんね?食器の片付けで手間取ってて。」

 

優之「あ、俺が出るよ。」

 

 

 

 

おあにた荘のドアを開けた。

 

優之「どなたですか?・・・ん?」

 

訪れて来たのは、1人の女性と、サングラスをした厳つい男性だった。

 

優之「あ、あの・・・」

 

サングラスの男「よう、ここの住人か?」

 

優之「そ、そうですが・・・(何だ・・・!?見るからに怖いこの男は・・・!まさか取り立て屋!?それとも誰かの借金を回収しに来たのか・・・!?)」

 

真奈美「優之君?」

 

優之「ま、真奈美さん・・・!」

 

真奈美「あら!源一郎さんに陽子ちゃん!」

 

優之「へ?」

 

源一郎「よう真奈美ちゃん!元気そうだな!」

 

陽子「真奈美。相変わらずね。」

 

優之「あのぉ、真奈美さん・・・この方々は・・・?」

 

真奈美「あ、ごめんね?樹々ちゃーん!」

 

樹々「ん?お祖父ちゃん!お母さん!」

 

優之「へ!?」

 

 

 

 

 

 

2人を招き入れた。

 

源一郎「いやぁ〜驚かせてすみません。えっと、優之君でしたっけ?」

 

優之「は、はい。今月からここに引っ越した愛川優之です。」

 

源一郎「ワシは藍澤源一郎です。藍澤組の組長をしております。こっちは娘の陽子です。」

 

陽子「初めまして。」

 

真奈美「因みに、私と陽子ちゃんは高校時代からの親友同士よ。」

 

源一郎「皆も元気そうだな。」

 

淳一「源一郎さん久し振り!」

 

悠里「陽子さん元気そうですね!」

 

優之「え?皆知り合いなの?」

 

有香奈「ええ。樹々ちゃんが入居した時に知り合ってね。」

 

康介「最初は君と同じ反応だったけど、今はすっかり仲良し同然だよ。」

 

優之「へぇ〜・・・って、今思った。樹々ちゃんってヤクザの子・・・?」

 

樹々「そう。」

 

源一郎「ハッハッハ。樹々にはやりたい事をやらせておりますから、ご心配ありませんよ。」

 

樹々「お祖父ちゃん。お母さん。急に来てどうしたの?」

 

陽子「あのね樹々。実はね・・・」

 

源一郎「樹々。お前の親父が脱走しやがってな。」

 

樹々「っ・・・!?」

 

父親が脱走。その言葉を聞いた樹々が怯え始めた。

 

有香奈「樹々ちゃん!」

 

怯える樹々を有香奈が抱擁して落ち着かせる。

 

優之「樹々ちゃん?どうしたの?」

 

淳一「優之。こりゃあ厄介事になりそうだ・・・」

 

優之「ちょ、ちょっと待て。理解が追い付かないんだけど・・・」

 

源一郎「なら、ワシが話しましょう。」

 

 

 

 

樹々が怯える理由を話した。

 

優之「親父さんが元凶?」

 

陽子「そうなの。15年前、私が堅気の世界で生きて行けるようになる為に、仕事を沢山して、運命の人と出会ったの。」

 

優之「それが樹々さんの親父さん?」

 

悠里「樹々ちゃんのお父さんはね、私達から見ても相当のクズなんだよ!」

 

康介「そうそう。僕でもムカムカする男でね。」

 

優之「それで、親父さんってどんな感じなんだ?」

 

淳一「一緒くたに語るとな。かなりのヒモ男だ。結婚して自分を養う為に、良い男を演じていたんだ。」

 

優之「うへぇ・・・それ誰から聞いたんだ?」

 

淳一「陽子さんと源一郎さんから聞いたんだ。」

 

陽子「主人は私と結婚した途端に自堕落になって・・・」

 

源一郎「樹々が生まれても、子育てを全くしなかったんだ。」

 

有香奈「自分は働きもせず競馬にパチンコばっかり。しかも負けたら陽子さんと樹々ちゃんに暴力を振るってたわ。完全にストレス発散。」

 

優之「酷いな・・・」

 

康介「それ所か、陽子さんに働くなと命令していたんだ。」

 

優之「・・・はぁ?」

 

陽子「あの人に言われたの。『お前が働いたら、俺が不甲斐ない男だと思われるだろ』って。」

 

優之「え・・・マジで意味分かんない・・・仕事しなきゃ借金とか返せないんですよね?」

 

淳一「それがさ、『借金?何それ美味いんか?』って訳分からん事を言って一蹴しやがったんだ。」

 

優之「マジで意味分かんねえ・・・」

 

源一郎「だが、そいつが借金してる所はな、ワシら藍澤組が経営している金融機関だった。」

 

陽子「それを知った私は、こっそり家から抜け出してお父さんに助けを求めたんです。」

 

優之「それで、どうなったんですか?」

 

源一郎「すぐにそいつはワシらに連行されたんだ。『お前がヤクザの娘だなんて何故言わなかったんだ』と発狂しながらな。今は組が経営する工場で住み込みで働かせておる。借金返済まで相当掛かるがな。」

 

真奈美「でもまさか脱走するなんて・・・このままじゃ樹々ちゃんに危険が及ぶわ・・・」

 

樹々「あの人は嫌・・・絶対に会いたくない・・・」

 

淳一「明日は俺達学校で、優之達も仕事。樹々ちゃんに危険が及ばなきゃ良いんだけど・・・」

 

悠里「それ所か、学校に押し寄せて来るかもだよ・・・」

 

優之「源一郎さん。何か策はないんですか?」

 

源一郎「心配には及びません。今日は樹々の親父の近況と、その策の事を話しに来たんです。」

 

樹々「・・・?」

 

 

 

 

 

 

翌日。樹々が通う中学校前。

 

???「樹々・・・樹々何処だ・・・」

 

物陰から登校する学生達を覗く男。この男こそが、樹々の父親である。

 

樹々の父「樹々出て来い・・・お父さんと一緒に暮らさせてやる・・・お!?」

 

そこに、樹々の姿があった。1人で登校している。

 

樹々の父「居た・・・」

 

物陰から離れ、こっそりと樹々に近付く。

 

樹々の父「やっと見付けたぞ。樹々!」

 

声を聞いた樹々が振り返った。だが・・・

 

 

 

 

 

 

樹々ではなく、全くの別の女子中学生だった。

 

 

 

 

 

 

樹々の父「・・・は?」

 

女子中学生「おじさん、誰?私に何か用?」

 

樹々の父「て、テメェ!!紛らわしい格好してんじゃねえぞ!!」

 

突然樹々の父が逆ギレして、女子中学生に暴力を振るおうとした。

 

???「おい!」

 

樹々の父「アァ!?」

 

そこに現れたのは、ヤクザの男だった。

 

ヤクザ「テメェ、他所のお嬢さんに何しやがってんだ!!!」

 

樹々の父「ヤ・・・ヤクザ・・・!?」

 

ヤクザ「ん?よく見たらお前、ウチの工場で働いていたはずの・・・」

 

樹々の父「チッ!!」

 

その場からすぐ逃げた。

 

ヤクザ「親父!そっち行きました!!」

 

源一郎「ご苦労だったな。」

 

逃げた先に、源一郎達藍澤組が立ちはだかった。これは、樹々の父を誘き出す為の作戦だった。

 

樹々の父「あ・・・ああ・・・お・・・お義父さん・・・」

 

源一郎「お前にお義父さんと呼ばれる資格はない!!もう逃げられはせぬぞ。娘や孫、ましては他所様のお嬢さんに手を出そうとした罪の償いをさせてやる。連れてけ!」

 

ヤクザ達「ヘイ!」

 

樹々の父「離せ!!離しやがれ!!もう俺はあんな生活はしたくないんだ!!!」

 

抵抗も虚しく、藍澤組に連れて行かれた。

 

源一郎「樹々。もう良いぞ。」

 

そこに樹々がひょこっと出て来た。

 

樹々「お祖父ちゃん。ありがとう。」

 

源一郎「どう致しまして。これで安心して学校へ行けるな。」

 

樹々「うん。響子、大丈夫だった?」

 

響子「うん大丈夫!樹々の為に体張るよ!幼馴染みなんだし!早く行こ?」

 

樹々「うん。」

 

響子と一緒に中学校へ登校した。

 

 

 

 

 

 

その日の夕方。

 

優之「そっか。親父さん捕まったんだね。」

 

樹々「うん。お祖父ちゃんのお陰。」

 

淳一「また逃げ出したら怖いなぁ。」

 

真奈美「大丈夫よ。陽子ちゃんから聞いた話だとね、今は隔離部屋に監禁されながら働からせてるって。」

 

悠里「じゃあもう安心だね!良かったね樹々ちゃん。」

 

樹々「うん。」

 

康介「じゃあ今日は、樹々ちゃんが見たいアニメを見ようか!」

 

有香奈「良いわね!」

 

樹々「良いの?」

 

淳一「勿の論!樹々ちゃん何見たい?」

 

樹々「えっとね、これとかこれとか!」

 

何時も寡黙な樹々がワクワクしながらアニメを選ぶ。

 

優之「樹々さん、元気になって良かったね。」

 

真奈美「ええ。そう言えば優之君、企画用のイラストどうだった?」

 

優之「好評だったよ。そのイラストが決定稿に選ばれたんだ。」

 

真奈美「凄いじゃない!それで、そのオーディションは新生アイドルのオーディションって言ってたけど、どんな人が対象なの?」

 

優之「下は中学1年生。上は高校3年生。女性アイドルのオーディション。」

 

真奈美「悠里ちゃんと樹々ちゃんなら受けれそうね。期間は?」

 

優之「まだ準備中で、来年の2月辺り。来年のオーディションが楽しみだ。」

 

この日の夜は、樹々の見たいアニメで大盛り上がりしたと言う。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜

     藍澤源一郎:小杉十郎太
      新田陽子:三森すずこ

     樹々の父親:柳晃平
        響子:本渡楓

     東山真奈美:後藤邑子


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5話・危ないオタク

あれから1ヶ月後。5月真っ只中。

 

 

 

 

東京都・秋葉原。

 

優之「さてと、何か良いお宝はないかなぁ〜?」

 

今日の優之は、おたちゅう。秋葉原へ来ていた。

 

優之「まだ手に入れてないウルトラアーツとかあったら良いな〜。ん?」

 

階段を駆け上がる太ってる男を見た。

 

優之「何だあの人?何かアニメTシャツや缶バッジやキーホルダー身に付けてたな。本場のラブライバーみたいだったな。」

 

 

 

 

おたちゅう。秋葉原・ウルトラマンコーナー。

 

優之「ん〜・・・どれも殆ど持ってるなぁ〜。殆どプレ値化してるのあるけど。レプリカはどうだ?」

 

ウルトラレプリカ。

 

優之「やっぱりどれも高いなぁ。」

 

???「よう優之!」

 

優之「ん?淳一!有香奈さん!」

 

偶然淳一と有香奈と会った。

 

有香奈「ここで何をしているの?」

 

優之「何か俺が欲しいお宝がないか探してたんですよ。」

 

淳一「へぇ〜。フィギュアーツのウルトラマン、こんなにあるんだな。」

 

優之「殆どプレ値化してるけどな。でも殆ど持ってるし。2人はどうしてここに?」

 

淳一「今日の講義が終わったからな。さっきそこで有香奈さんと偶然会ったんだ。有香奈さんも講義が終わったから。」

 

有香奈「寄り道序でにここに来たの。」

 

優之「成る程。」

 

淳一「そうだ!優之、俺と有香奈さん2号店行って来るわ!」

 

優之「そう?分かった。後で合流しとく?」

 

有香奈「ええ。」

 

2人はトレカがある2号店へ向かった。

 

優之「カードかぁ。遊戯王やデュエマやったの思い出すなぁ。お、そうだ!モンスターアーツ見てみるか!」

 

 

 

 

S.H.MonsterArtsコーナー。

 

優之「ウルトラアーツも良いけど、モンスターアーツも捨て難いな。うわっ、メカキングギドラ高・・・ん〜・・・よし、これにするかな!」

 

手にしたのは、S.H.MonsterArtsのビオランテSpecial Color Ver.。

 

優之「ビオランテをウルトラアーツと戦わせるか。」

 

S.H.MonsterArts・ビオランテSpecial Color Ver.を購入。

 

 

 

 

おたちゅう。から出た。

 

優之「さて、帰って飾るか。ん?」

 

遠くに階段を駆け上がった先程の男が、不自然にキョロキョロしていた。

 

優之「何だあの男?挙動不審な動きしてるし。」

 

淳一「おーい!」

 

そこに2人が戻って来た。

 

淳一「お待たせ〜。」

 

優之「淳一。あの男何か可笑しい動きしてるんだ。」

 

淳一「あの男?・・・ゲッ!」

 

その男を見た途端、淳一がビビった。

 

有香奈「淳一君?」

 

優之「おいどうした?」

 

淳一「帰りながら話そう。」

 

 

 

 

おあにた荘へ帰る途中。

 

優之「どうしたんだいきなり?」

 

淳一「優之。有香奈さん。あの男は関わらない方が良いぞ。」

 

優之「何で?」

 

淳一「奴の名は清水真。俺の小学校時代の同級生だ。」

 

有香奈「え?淳一君の幼馴染み?」

 

淳一「幼馴染み・・・って言うのは違うかな?まぁ悪い意味で間違ってないかも・・・」

 

優之「それで、彼はどんな人なんだ?」

 

淳一「何考えてるか分からないちょっと厄介な奴でな。ただ、アニメに関しては人一倍好みだ。何かと周りの人にアニメ好き?アニメ好き?みたいな事を繰り返している。」

 

優之「それはちょっと鬱陶しいなぁ。」

 

淳一「だがな優之。お前だけは関わらない方が身の為だぞ。」

 

優之「何で?」

 

有香奈「まさか、優之君がイケメンだから嫉妬を買ってしまうとか?」

 

淳一「それもあると思うけど・・・まぁ、兎に角関わらない方が良い。」

 

優之「わ、分かった。近くに居たとしても無視しとけば大丈夫かな?」

 

淳一「そうしてくれ。」

 

優之「ってか、お前新潟出身だろ?小学校時代の友人が何で上京してるんだ?」

 

淳一「友人から聞いたんだ。彼奴、高校の時神奈川へ引っ越ししたんだ。」

 

優之「成る程な。」

 

 

 

 

 

 

おあにた荘に帰宅。優之は部屋にビオランテSpecial Color Ver.を開封し、ウルトラアーツの真骨彫ティガ、Zオリジナル、レオ、ジャックと戦わせた。それを撮影してインスタに投稿した。

 

優之「やっぱモンアツも良いな。お、もういいねが増えた。・・・」

 

 

 

 

淳一『だがな優之。お前だけは関わらない方が身の為だぞ。』

 

 

 

 

アマゾンプライムでゴジラVSビオランテを視聴する。

 

優之(どう意味なんだ本当?まさかイケメンだから嫉妬を買ってしまうのかな?)

 

 

 

 

 

 

翌日。優之はサイクリングしていた。

 

優之「今日も天気が良いな。ちょっと遠くへ行ってみるか。」

 

 

 

 

 

 

40分後。東京ビッグサイト会場棟前。

 

優之「ビッグサイトまで来たな。ちょっと汗掻いた。そう言や、今年の夏にコミケがあるな。初めてだし、行ってみようかな?・・・」

 

パソコンの画像で見た列の光景を思い出した。

 

優之「いやぁ、あの規模だと入るのに時間費やしちゃうなぁ・・・」

 

昨日キョロキョロしていた清水と言う男が、ビッグサイト会場棟前に立って笑顔を見せていた。

 

優之(あ、昨日淳一が言っていた清水と言う男か。何か怖いし、淳一の言う通りにするか。)

 

その場から去ろうとした瞬間。

 

優之「?」

 

後ろを見ると、清水が優之に近付いて来てる。

 

優之(ほえ?)

 

清水「ねぇ君、アニメ好き?ねぇアニメ好き?」

 

優之(な、何だいきなり?初対面の人にアニメ好き?って尋ねるその姿勢・・・怖過ぎるんだけど・・・)

 

清水「ねぇ?どうなの?ねぇ?」

 

優之「あ・・・あ〜・・・うん、好きだよ?」

 

清水「よしよし。」

 

満足した顔して歩いて行った。

 

優之(本当に怖いなぁ・・・)

 

”ピリリリ”

 

優之「ん?トミーだ。もしもし?」

 

トミー『優之さん。今何処ですか?』

 

優之「俺、東京ビッグサイト前。」

 

トミー『ゆりかもめで行ったんですか?』

 

優之「いや、サイクリングで。」

 

トミー『す、凄いですね・・・かなりの長距離なのに・・・』

 

優之「久々の長距離サイクリング楽しかったな。んで、どうしたんだ?」

 

トミー『来週公開するシン・ウルトラマン一緒に観に行きませんか?』

 

優之「え?良いよ!シン・ウルトラマン、3年前から待ち望んでたんだよな〜!」

 

清水「っ?」

 

優之「いつ観に行く?」

 

トミー『公開初日の夜でどうでしょうか?』

 

優之「良いね。たまには夜の鑑賞も良いよな〜。あ、淳一達も誘って良いか?」

 

トミー『大歓迎です!皆さんで一緒に観ましょう!』

 

優之「ああ。来週楽しみにしてる。じゃあな。」

 

通話を切った。

 

優之「いやぁ〜、シン・ウルトラマン楽しみだ。ん?」

 

先程の清水が、満足した顔から怒りに満ちた顔になっていた。

 

優之「・・・へ?(な、何だいきなり?そうだ!淳一!)」

 

急いで淳一に電話する。

 

淳一『もしもし優之?どうした?』

 

優之「淳一、お前が昨日話してた清水って男が目の前に居るんだけど・・・」

 

淳一『え、マジで!?』

 

優之「何か、凄え怖い顔でこっち見てるんだけど・・・」

 

淳一『あ〜・・・マジか。秘密教えるわ。そいつアニメ好きだけど・・・特撮が大の苦手だ。』

 

優之「・・・はい?」

 

淳一『だから、彼奴の前で特撮の話をするとな、何故か怒りに満ちて相手に暴力を振るおうとするんだ。』

 

優之「何だそれ?どんな性癖だよ?」

 

淳一『彼奴の特性だろ。兎に角お前、早く逃げた方が良いぞ。』

 

優之「そ、それもそうだな。今両拳を絶賛振り上げ中だ。」

 

淳一『お、俺から言える事は、気を付けて帰って来い。じゃあな。』

 

優之「お、おう。」

 

通話を切った。

 

優之「さて、逃げるか。」

 

すぐに逃げる。

 

清水「おい待てやゴルァ!!」

 

逃げる優之を清水が追う。

 

優之(ひえぇ〜!凄え怒号!!)

 

清水「特撮が好きってどう言う事!!ねぇ!!」

 

優之「もうしつこい!!」

 

 

 

 

駐輪場。

 

優之「よし!」

 

自分の自転車に乗って逃げ出した。だが。

 

”ガシッ!!”

 

優之「へ!?」

 

自転車のリアキャリアを清水が掴んだ。

 

優之「嘘だろ!?」

 

清水「ねぇ!!何で特撮が好きなの!?アニメ好きって嘘だったの!?ねぇ!!教えてよ!!」

 

優之「お、落ち着いて!」

 

清水「ねぇ!!何でなの!?ねぇ!!」

 

優之(だ、ダメだ・・・全然話が通じねえ・・・一体彼の頭の中で何が湧いてるんだ・・・!?)

 

???「真!!」

 

清水「・・・!?」

 

優之「ほえ・・・?」

 

そこに現れたのは、2人の人物だった。

 

清水「お父さん・・・お母さん・・・?」

 

清水の母「アンタまたこんな所に居たの?」

 

清水の父「しかも、他の人に迷惑掛けてるとはどう言うつもりだ!」

 

自転車から息子を引っ張った。

 

清水「だって!!だって!!」

 

清水の父「お前はアニメの見過ぎだ!!すみません、ウチのバカ息子がご迷惑をお掛けしてしまって。」

 

優之「だ、大丈夫です。あの、息子さんはどう言うお方なんですか?」

 

清水の父「すみません。実は息子は、知的障害者なんです。」

 

優之「そうなんですか?」

 

清水の母「はい。子供の頃からアニメの見過ぎで、何時の頃からか、アニメは僕の全てだって言うようになってしまって・・・」

 

優之「変わった生い立ちですね・・・」

 

清水の父「襲われたって事は、あなたは特撮がお好きなんですか?」

 

優之「えぇ。特にウルトラマンが。」

 

清水の父「そうでしたか。何故か特撮を嫌うんですよ。私達も手を焼いてまして・・・」

 

清水の母「あの、お怪我はありませんか?」

 

優之「あ、それは大丈夫です。寧ろ、息子さんを厳しく叱ってやって下さい。」

 

清水の父「そのつもりです。ホラ帰るぞ。」

 

清水「嫌だ嫌だ!!この人と話がしたいの!!ねぇ!!何でなの!?アニメが嫌いなの!?ねぇ!!」

 

優之「いや寧ろ、質問を繰り返す君が苦手だね。」

 

清水の母「では、お気を付けて。」

 

3人は帰って行った。清水は泣きながら父親に引っ張られながら帰って行った。

 

優之「・・・はぁ・・・知的障害者かぁ。彼の等級はA2辺りかな?まぁ、あんまり刺激を与えると脳に影響を及ぼしちゃうからな。清水君、お元気で。」

 

 

 

 

 

 

その日の夕方。淳一はカードを開封しながら優之から今日の事を聞いた。

 

淳一「そうか。ご両親が来て丸く収まったんだな。」

 

優之「まさか、清水君が知的障害者で特撮嫌いだったとは。俺が彼に関わるなって言ったのはそれだったんだな。」

 

有香奈「怪我がなくて良かったわ。」

 

優之「ありがとう。お、そうだ!なぁ淳一。」

 

淳一「ん?」

 

優之「俺さ、コミケ初めてなんだ。今年の夏に行く予定とかある?」

 

淳一「ああ、電気大学の同人誌サークルで参加するんだ。」

 

有香奈「私はコスプレイヤーとして参加する予定なの。コスプレネームはYu-Naよ。」

 

淳一「当日、お前を要介助者として入れるぞ。」

 

優之「ありがとう。列の画像見たんだけど、めっちゃ凄いんだな。」

 

有香奈「そう思うでしょ?生で見たら凄いわよ?」

 

優之「楽しみだね。そうだ、来週の金曜の夕方に映画観に行かないか?」

 

淳一「映画?五等分の花嫁?あ、それは再来週か。」

 

優之「トミーから、シン・ウルトラマン観に行かないかって誘われてね。」

 

有香奈「シン・ウルトラマン。結構話題沸騰中の映画ね。」

 

淳一「あ、俺も気になってな。一緒に行こうって?」

 

優之「ああ。もし都合が悪かったら・・・」

 

淳一「いや、観に行く!どんな映画か気になるし!」

 

有香奈「私も行くわ。」

 

優之「そっか。じゃあトミーにLINE送っとく。」

 

淳一「OK。ん?おおおおおおォォォ!!!」

 

優之「ど、どうした!?」

 

淳一「見ろよこれ!!青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)が出た!!しかも初期の奴だぜ!!」

 

買ったカードの中に、激レアの青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)が入っていたのだ。

 

優之「えええーーー!?マジで!?凄えじゃん!!!」

 

有香奈「本物!?凄ーーーい!!」

 

淳一「クゥ〜!幼少の頃からの憧れがここで舞い降りて来た!!これは後世への宝にしよう!!」

 

優之「良かったな淳一。所で、初期の青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)ってどれ位の相場なんだろう?」

 

有香奈「軽く100万位行くんじゃないかな。」

 

優之「す、凄え・・・流石世界で3枚しかない超ウルトラレア・・・」

 

大変で楽しい1日を過ごした優之なのだった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
     竹下有香奈:大西沙織
 トミー・ブライアン:福原かつみ

       清水真:安里勇哉

      清水の父:野瀬育二
      清水の母:難波佑香


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6話・弟と姉と家族

火曜日。オールジャンル制作会社・SKY ANGLE(スカイアングル)・イラスト部。

 

優之「・・・」

 

今日も優之はイラストの仕事に集中している。

 

木島「愛川君。」

 

優之「はい。」

 

木島「どれ位進んでる?」

 

優之「今は下塗りして着色中です。」

 

木島「今回の仕事は広告ポスターの制作依頼。愛川君って本当イラストのクオリティが高いのね。」

 

優之「母の影響を受けただけですよ。」

 

木島「謙遜する事ないわよ?皆愛川君を信頼しているんだから。」

 

優之「何か、大型新人の扱いを受けているみたいでちょっと・・・」

 

木島「うふふ。そろそろ休憩したら?」

 

優之「あ、はい。」

 

 

 

 

休憩所の自販機でココアを買って飲んでると。

 

???「優之。」

 

優之「あ。姉さん。」

 

主任で姉の嶋村冴子(旧姓・愛川)が来た。冴子は自販機でコーヒーを買った。

 

冴子「ここに入社して1ヶ月経ったね。仕事は慣れた?」

 

優之「まぁな。にしても姉さんがここの主任を務めてるなんて最初驚いたよ。」

 

冴子「ちょっとしたサプライズよ。お陰で今、IT企業の男性と結婚して娘も居るんだし。」

 

優之「姪が誕生して、俺が叔父になったか。」

 

冴子「明日遊びに行っても良いかしら?優之の住むシェアハウスがどんな感じか見たいし。」

 

優之「ああ良いよ。」

 

トミー「優之さん!」

 

フィオ「優之さん!」

 

休憩所にブライアン兄妹がやって来た。

 

優之「よう。」

 

トミー「あ、嶋村主任!お疲れ様です!」

 

冴子「トミー。フィオ。お疲れ様。」

 

フィオ「あの、優之さんとお知り合いですか?」

 

冴子「ええ。優之は、私の弟だもの。」

 

フィオ「え!?嶋村主任が優之さんの弟さん!?」

 

優之「姉さん結婚してるんだ。」

 

トミー「そうだったんですね!」

 

優之「そうだ。明日おあにた荘来るか?」

 

トミー「良いんですか?と言いたいですけど、明日は親と食事へ行く約束してまして。」

 

フィオ「明日はバイキングで色々食べて来ますので。」

 

優之「そっか。また今度遊びに来いよ。」

 

トミー「はい。」

 

冴子「楽しい同僚さんね。」

 

優之「ああ。俺と同じウルトラマンのファンだ。」

 

冴子「へぇ〜。そう言えば、優之の住むシェアハウスはアニメファンが多いの?」

 

優之「俺以外アニメオタクだ。」

 

冴子「そっかぁ〜。これは楽しくなりそうね〜。ウフフフ♪」

 

優之「・・・・・」

 

不敵な笑みを浮かべる冴子に、優之は少々苦笑いした。

 

 

 

 

 

 

翌日。仕事が終わり、冴子と旦那と娘がおあにた荘にお邪魔した。康介は不在。

 

優之「こちら、姉の冴子だ。」

 

冴子「初めまして。何時も弟がお世話になっております。」

 

優之「姉さんの夫で義兄の裕樹さん。」

 

裕樹「嶋村裕樹です。」

 

夫の嶋村裕樹。

 

冴子「そして、娘の双葉よ。双葉、ご挨拶して?」

 

双葉「こんにちは。」

 

5歳の娘の双葉。

 

真奈美「初めまして。おあにた荘の大家の東山真奈美です。」

 

淳一「日高淳一です。電気大学に通う生粋の大学2年生です。」

 

悠里「三峯悠里です!青山高校2年生です!」

 

有香奈「竹下有香奈です。東京大学2年生です。」

 

樹々「新田樹々。中学2年。」

 

真奈美「ごめんなさい。後1人帰ってなくて。」

 

冴子「いえいえ大丈夫です。」

 

康介「ただいま〜。」

 

丁度そこに康介が帰って来た。

 

真奈美「お帰りなさい康介君。お客様が来てるわよ。」

 

康介「お客様?ああ、昨日優之君が言ってたお姉さんとそのご家族ですか?」

 

優之「康介さん。こちら姉と家族だ。」

 

冴子「初めまして。姉の冴子です。」

 

康介「どうも。松浦康介です。」

 

裕樹「ん?康介?」

 

康介「え?あ!裕樹!!」

 

裕樹「お前ここのシェアハウスに住んでたんだな!」

 

康介「まさかお前が優之君のお姉さんの旦那さんだったなんて驚いたよ!」

 

有香奈「康介さん。お知り合いなの?」

 

康介「そうなんだよ。裕樹は僕の同僚だ。」

 

優之「マジで!?」

 

康介「4年前結婚したって言ってたけど、まさか優之君のお姉さんと結婚してたなんて。」

 

裕樹「それに今娘が居るんだ。ホラ、見てご覧?」

 

康介「うわぁ〜可愛いなぁ〜。良いなぁ〜。僕も結婚して子供作りたいなぁ。」

 

裕樹「いずれチャンスが訪れるさ。それまで頑張れ。」

 

康介「ありがとう。冴子さん、裕樹がお世話になっております。」

 

冴子「こちらこそ。主人がお世話になっております。」

 

優之「まさか裕樹さんが康介さんとお知り合いだったんて。」

 

淳一「何処かで偶然が生まれるか、分からないもんだな。」

 

真奈美「さて。お客様が来た事だし、ご飯の準備をしなくちゃ。」

 

有香奈「あ、真奈美さん。私手伝います。」

 

真奈美「ありがとう有香奈ちゃん。」

 

キッチンで真奈美と有香奈が料理を作る。

 

優之「双葉〜!」

 

双葉「おじちゃん!」

 

優之に近寄り、双葉が優之に抱き着いた。

 

優之「あ〜・・・やっぱり姪っ子可愛い〜・・・」

 

裕樹「優之君。素敵なお姉さんを持って良かったね。」

 

優之「ありがとう。俺も姉さんの旦那さんの裕樹さんが優しくて良かった」

 

裕樹「今後とも宜しくね。」

 

優之「ああ。義兄さん。」

 

双葉「おじちゃん。」

 

優之「ん?双葉どうしたの?」

 

双葉「あっちいきたい。」

 

優之「そうか。双葉、行ってらっしゃい。」

 

双葉が淳一達に向かって歩く。

 

淳一「お!双葉ちゃん来た!」

 

悠里「わぁ〜!双葉ちゃん可愛い〜!」

 

樹々「可愛い。妹みたい。」

 

優之「双葉は相変わらず人懐っこいな。」

 

冴子「そうなの。将来の成長が楽しみでしょうがないのよ〜。」

 

優之「この反応。もしかして親バカ?」

 

裕樹「あはは。ごめんね?冴子は双葉に溺愛中なんだ。」

 

優之「姉さん?双葉に溺愛するのは良いけど、一生溺愛し続けたら双葉がワガママになっちゃうから気を付けてよ?」

 

冴子「勿論よ。もし道を外れた時は優之。あなた。私を止めてね?」

 

優之「いや、それやっちまった前提で言うなよ。」

 

裕樹「まぁ止めるけど。」

 

優之「来年小学生になるんだっけ?」

 

冴子「ええ。」

 

樹々「お姉さんは好きなアニメとかある?」

 

悠里「どんなアニメが好きですか?色んなジャンルがありますよ?」

 

冴子「私はアニメって言うか・・・あなた。」

 

裕樹「うん。」

 

すると裕樹がタブレットを出して操作する。

 

裕樹「優之君。テレビにこれ繋げれる?」

 

優之「ああ、繋げれるよ。」

 

裕樹「ありがとう。」

 

有線ケーブルでテレビに繋ぐ。

 

淳一「どんなアニメなんだ?」

 

優之「いや、姉さんは・・・」

 

再生したのは・・・

 

 

 

 

 

 

仮面ライダーオーズ。

 

 

 

 

 

 

冴子「やっぱりオーズは最高ね!」

 

裕樹「分かる!」

 

淳一「まさかの仮面ライダー!?もしかして冴子さんはライダーファン?」

 

優之「そうなんだ。姉さんは生粋のライダーファンって言うか東映特撮ファン。スーパー戦隊とメタルヒーローも含む。」

 

康介「そこん所、優之君と真逆なんだね。」

 

優之「姉さんは子供の頃からライダーと戦隊に首っ丈でね。ニチアサは毎週欠かさず観てるんだ。」

 

樹々「そこ。私も同じ。私もプリキュア観てるから。」

 

優之「そう言えばそうだったね・・・」

 

冴子「でも復活のコアメダルは今も許せない。」

 

裕樹「うんうん。脚本どうにかしろって話。」

 

優之「復活のコアメダルに対する辛口評価・・・」

 

悠里「友達も言ってたよ?復活のコアメダルで意気消沈したって。」

 

優之「俺も観た事ある。あれは・・・ね。」

 

冴子「そうでしょ?優之も許せないでしょ?ストーリーは。」

 

優之「うん。でもテン・ゴーカイジャーは好きだったな。」

 

裕樹「分かる分かる!山田裕貴さんが出演発表した時は僕も歓喜したなぁ〜。」

 

淳一「あの、冴子さん。裕樹さんとの馴れ初め聞いても良いですか?」

 

冴子「見ての通りよ?私と主人は共に東映特撮ファン。4年前に映画村へ旅行へ行った時に出会って意気投合して結婚したの。」

 

裕樹「まさか僕と同じ趣味を持つ素敵な女性と出会えたなんて、僕って幸せだな〜。」

 

冴子「私も幸せだね〜。」

 

悠里「な、何か凄いインパクトを感じる・・・」

 

樹々「これが夫婦・・・」

 

優之「でも、姉さんと裕樹さんが結婚出来て良かったな〜。」

 

淳一「それで良いのか?」

 

 

 

 

 

 

夕食が出来た。皆が頂く。

 

冴子「双葉。あーん。」

 

双葉「あ〜ん。」

 

玉子焼きを双葉に食べさせる。

 

裕樹「うん!美味いな!東山さん、後でレシピ教えてくれませんか?」

 

真奈美「ええ。良いですよ。」

 

淳一「裕樹さん料理作れるんですか?」

 

裕樹「そうなんだ。僕料理が趣味でね。」

 

優之「裕樹さんの料理はどれも美味いんだよ。ご両親が都内でフレンチを経営しているんだ。」

 

淳一「へぇ〜。じゃあ裕樹さんはフレンチのご子息ですか?」

 

裕樹「そうなるね。」

 

優之「確か裕樹さんの実家は、FRENCH SHIMAMURAだったね。」

 

樹々「FRENCH SHIMAMURA。都内のフレンチレストランで5つ星の評価を得ている人気店。しかも辛口レビューからの評価も高い。」

 

優之「おお。樹々さんの長ゼリフ初めて聞いた。」

 

悠里「彼処中々行けないのよね〜。高校生の私には遠いレストランだよ。」

 

裕樹「良かったら今度父さんに頼んで招待しますよ。サービスを提供します。」

 

真奈美「良いんですか?」

 

有香奈「ありがとうございます。是非。」

 

悠里「やったー!FRENCH SHIMAMURA行ってみたかったんだよね〜!」

 

 

 

 

 

 

夕食後。皆でアニメを見る。今日は双葉が居るので、樹々のリクエストでハートキャッチプリキュアを鑑賞。

 

優之「双葉。樹々さんに懐いてる。」

 

双葉は樹々の膝に乗ってハートキャッチプリキュアを観てる。

 

冴子「樹々ちゃん楽しそうね。」

 

優之「樹々さん、少女アニメが好きだからね。」

 

冴子「優之。楽しい皆に囲まれて良かったね。」

 

優之「うん。でも皆アニメオタクだと聞いて驚いたな。」

 

冴子「そっかぁ〜。私ね?最初優之がシェアハウスへ引っ越すって聞いた時は不安だったの。」

 

優之「そうなの?」

 

冴子「ガラの悪い人が住んでるんじゃないかって心配して。」

 

優之「知ってたら今引っ越してるよ。」

 

冴子「もしくは・・・優之だけ男で他女性ばかりだったと思うと、弟が変な道へ進んじゃうんじゃないかって思うと・・・もう想像したくない!!」

 

優之「犬吠埼風かあなたは。」

 

有香奈「優之君。何の話をしているの?」

 

優之「世間話。かな?」

 

有香奈「そうなんだ。冴子さん。」

 

冴子「ん?何有香奈ちゃん?」

 

有香奈「私は一人っ子で、兄弟に憧れを持っているんです。優之君を、弟として見ているんです。」

 

優之「・・・はい?」

 

冴子「そうだったのね。有香奈ちゃん、弟を宜しくお願いします。」

 

優之「有香奈さん、俺の事をそんな風に見てたの・・・?」

 

有香奈「ごめんなさいね?中々言い出せなくて。他の皆も弟や妹、康介さんは兄と思っているわ。」

 

冴子「だったら有香奈ちゃんは、私の妹になるのかな?」

 

有香奈「そうなりますね。」

 

冴子「妹よ〜。」

 

有香奈「お姉ちゃ〜ん。」

 

2人は抱き合った。

 

優之「何だこれ・・・?そうだ姉さん。たまに親父と母さんに電話してるか?」

 

冴子「勿論してるわよ。テレビ通話で双葉に会わせてるわ。お父さんったら双葉に甘々なのよね〜。」

 

優之「念願の孫だしな。2人が帰省したら会いに行こうか。」

 

冴子「そうね。リアルの孫を見せてあげたいわ。」

 

 

 

 

 

 

夜9時。

 

冴子「お邪魔しました。」

 

裕樹「とても楽しかったです。」

 

真奈美「ありがとうございます。」

 

冴子「優之。楽しい毎日を過ごしなさいね?」

 

優之「勿論さ。」

 

裕樹「康介。また遊びに来るからな。」

 

康介「うん。何時でも待ってる。」

 

裕樹「優之君。また会おうね。」

 

優之「ああ。双葉、また叔父ちゃんに会いに来てね?」

 

双葉「うん。おじちゃんまたね。」

 

冴子「では、また遊びに来ますね。」

 

姉家族が帰って行った。

 

 

 

 

おあにた荘・リビング。

 

真奈美「とっても楽しいお姉さんだったね。優之君。」

 

優之「本当。」

 

淳一「しっかし、綺麗なお姉さんだったな。俺は妹が居るけど、やっぱり年上の兄弟に憧れるな〜。」

 

悠里「双葉ちゃん可愛かった〜。」

 

樹々「うん。とっても可愛かった。」

 

康介「僕も裕樹みたいに、素敵な彼女さんを見付けなきゃね。」

 

有香奈「頑張って下さい。康介さん。」

 

優之「応援しているよ。」

 

姉家族と再会し、おあにた荘を紹介した優之だった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
 トミー・ブライアン:福原かつみ
 フィオ・ブライアン:花井美春

      嶋村冴子:友永朱音
      嶋村裕樹:興津和幸
      嶋村双葉:久野美咲

     東山真奈美:後藤邑子


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7話・シン・カイカン(ネタバレ注意)

シン・ウルトラマン未見の方は視聴後にご覧下さい。


2022年5月13日。シン・ウルトラマンが3年の時を経て遂に公開された日。

 

 

 

 

その日の夕方5時30分。TOHOシネマズ新宿。

 

優之「シン・ウルトラマンキターーーー!!」

 

トミー「遂に来ましたね!この日が!」

 

優之「やっと待ちに待った公開日!」

 

テンション上がる2人に、他の皆が少々引いてる。

 

淳一「彼処までテンション上がる優之初めて見た・・・」

 

悠里「そんなに楽しみだったの?」

 

優之「当然さ!本来なら去年の初夏に公開予定だったんだけど、更なるクオリティや強い拘りの為に1年延期が発表されたんだ。当時は絶望して引き籠りになり掛けたけど、ポジティブに考えてみたら延期なんてもう慣れてるから大丈夫だなって思うようになったんだ。」

 

トミー「僕もですよ!1年延期は残念だったけど、スタッフさん達の熱意が伝わって、頑張って下さいと願掛けした位ですよ!」

 

康介「流石ウルトラマンを愛する2人だね。」

 

優之「今日俺達はIMAXレーザーを鑑賞する。上映時間まで1時間あるな。トミー!グッズ見に行こうぜ!」

 

トミー「はい!行きましょう!」

 

2人はグッズ見に行った。

 

有香奈「私達はどうする?」

 

樹々「チケットはもう持ってるし、待つ?」

 

 

 

 

皆で待つ事にする。

 

真奈美「Twitter見たら、高い評価がいっぱいよ。」

 

フィオ「SNSでもシン・ウルトラマンで持ち切りです。」

 

淳一「初日の朝の上映見た友達から聞いたらさ、朝の上映はほぼ満席だったって言ってた。」

 

悠里「凄い・・・そんなに人気なのね・・・」

 

淳一「なんてたって、あのエヴァンゲリオンやシン・ゴジラの庵野秀明氏が企画と脚本を務めているからな。」

 

康介「そして監督は樋口真嗣さん。ガメラシリーズで特技監督を務めたお方だしね。」

 

樹々「シン・ゴジラコンビ。」

 

優之「お待たせー!」

 

トミー「お待たせしましたー!」

 

そこに2人が戻って来た。

 

真奈美「す、凄い量ね・・・」

 

両手には大量のグッズが入った紙袋が握られてある。

 

トミー「いやぁ〜、ほぼ全部制覇しちゃいました。」

 

淳一「にしては買い過ぎだろ?」

 

優之「えっと、これがパンフレットとデザインワークス。下敷きに名刺ケースにクリアファイルにピンバッチにポストカードにキャップ。Tシャツとスライドペンと腕章ラゲッジタグとマグカップとドッグタグとメタルキーチェーンとボディバッグとパスケース。」

 

悠里「凄い買ってる・・・」

 

優之「これだけ買えば充分だな。」

 

樹々「ん?パンフレットに帯がある。」

 

パンフレットには『ネタバレ注意』の帯がある。

 

優之「これはアレだな。シン・ゴジラのパンフレットと同じ帯だな。シン・ウルトラマンもある程度しか情報解禁されてないから、全貌が楽しみだ。これは帰ってから読むとしよう。」

 

 

 

 

 

 

 

上映10分前。優之達が座席に座る。

 

優之「いよいよだぁ〜・・・!」

 

トミー「凄く緊張します〜・・・!」

 

フィオ「そんなに楽しみだったのね。」

 

真奈美「優之君。ポップコーン食べる?」

 

優之「あ、ありがとう真奈美さん。」

 

ポップコーンを食べる。

 

樹々「私、夜に映画観るの初めて。」

 

悠里「私も初めてだよ。いつもは土日に行くのに。」

 

康介「2人からしたら、ちょっとした贅沢になるのかな?」

 

悠里「だね。」

 

淳一「お、始まるぞ!」

 

シン・ウルトラマン上映開始。

 

 

 

 

タイトル。

 

トミー(おぉ〜始まった〜!)

 

悠里(シン・ゴジラ!?)

 

優之(タイトルがシン・ゴジラからシン・ウルトラマン・・・!凄え始まりだなおい!)

 

 

 

 

オープニング。

 

トミー(色々な怪獣が出てる!)

 

淳一(どれも格好良いなぁ〜!)

 

優之(うはは・・・!まさかのウルトラQオマージュ・・・!ラルゲユウスとかマニアックだなぁ〜・・・しかもゴーガじゃなくてカイゲル・・・NG脚本の名前じゃねえか・・・!)

 

 

 

 

冒頭・ネロンガ戦。

 

トミー(ウルトラマン来た!あれ?予告で見た時と違う?)

 

有香奈(ウルトラマン来た。)

 

優之(ウルトラマン来た。・・・マジで!?ガチの銀色でマスクがAタイプ!?モノクロ時代の時か!!)

 

 

 

 

禍特対。

 

康介(何かアットホームな職場っぽいね。)

 

優之(滝君のデスク凄いな・・・サンダーバードにマイティジャックのプラモが揃ってる・・・神永さんめっちゃ本を読むな。これ、ウルトラマンの趣味が読書の元ネタか。成る程。最重要機密案件の符丁って意味で名付けられたのか。)

 

 

 

 

ガボラ戦。

 

トミー(キックが格好良い!)

 

真奈美(回転キック凄い!)

 

優之(お?そう言えば掛け声が無いな。何か神秘性を感じる。・・・ワオワオマジか。ラインが緑色とか・・・昔の児童誌で掲載された宇宙警備隊でないウルトラ族のカラーかよ・・・!)

 

 

 

 

ザラブ登場。

 

樹々(声が津田健次郎さん。)

 

優之(津田健次郎さんピッタリだな。しかも何だ?背面が透明って・・・お!にせウルトラマン出た!凝視したら目が微妙に違う・・・あ、神永さんの正体バレた。)

 

 

 

 

ザラブ戦。

 

トミー(にせウルトラマンとの戦い!)

 

フィオ(ビルを突き破った!)

 

優之(オォ〜!下からウルトラマンの手が現れて神永さんを掴んで登場した!この発想無かったな・・・そしてこのBGM!?最高かよ・・・!動きとオマージュが完璧・・・!あ、痛がってる。ヤバい・・・ニヤニヤが止まらへん・・・お、ザラブはスペシウム133じゃなくて八つ裂き光輪で倒されたか。)

 

 

 

 

メフィラス登場。

 

トミー(あわあわ・・・浅見さんがデカくなっちゃった・・・)

 

淳一(長澤まさみさんの脚!)

 

優之(禁じられた言葉のオマージュか。しかもリクルートスーツだからエロ過ぎる・・・防護服なら良かったものの。山本耕史さんメフィラス、凄いマッチしてる。公園から居酒屋。お?マルチバースの用語が出た。)

 

 

 

 

メフィラス戦。

 

トミー(お〜。激しい戦い!)

 

悠里(BGMがエヴァっぽい!)

 

優之(まさかの赤坂さん・・・!?って事はやっぱりシン・ゴジラと繋がってるのか?お、特報で聞いたBGMがここで披露か。ウルトラマン喋った。これ神永さんか。キックとキックのぶつかり合い・・・スペシウム133とグリップビームの激突・・・!ん?何だあのウルトラマン?)

 

 

 

 

ゼットン召喚。

 

トミー(ゾーフィ?ゾフィーじゃなくて?ゼットン!?大きい!)

 

康介(凄くでかい・・・)

 

優之(リピア?ウルトラマンの本名か。ゾーフィって、宇宙人ゾーフィの事か。しかも声は山寺さんか。光の星って、光の国と違うのかな?ん?この音・・・ゼットン!?光の星は人間を危惧してるのか。うわ、ゼットンデカ・・・1キロ程ありそう・・・1兆度の火球凄いな・・・太陽系を滅ぼす威力持ってんのかよ・・・)

 

 

 

 

ゼットン戦。

 

トミー(こんなのどうやって倒すんだろう・・・あ!ウルトラマンがやられた!)

 

悠里(嘘!?負けちゃった!)

 

優之(スペシウム133は通じないか。八つ裂き光輪を巨大化させた。これスペリオン光輪のオマージュか?あー、ウルトラマンが・・・)

 

 

 

 

解析。

 

トミー(人間達は平穏に暮らしてる。これで良いのかな?)

 

有香奈(知らない方が幸せなのかな?)

 

優之(何も知らないまま破滅の時を待つのか。知らぬが仏って事か。お?神永さんが残したデータか。滝君と船縁さんが解析中。ん?マグカップにキュウべえ?まどマギあるのか?この世界に。おっと、ゼットンが変形して火球を生成したぞ。)

 

 

 

 

ゼットン戦2。

 

トミー(頑張れウルトラマン!)

 

淳一(最後の戦いか!)

 

優之(ここでぐんぐんカットか!エモいなぁ〜!ベーターカプセルを2度点火して高速回転しながら突っ込んだ。回れば何とかなる。ゼットンを倒したが、異空間のゲートが開かれてウルトラマンが踏ん張ってる・・・!赤から緑に変色した・・・エネルギーが消耗してる・・・ああ・・・ウルトラマンが消滅してしまった・・・)

 

 

 

 

終盤。

 

トミー(ウルトラマン生きてた。良かった・・・)

 

悠里(助かって良かったぁ・・・)

 

優之(ゾーフィが助けたのか。ってかウルトラマンの声、誰だ?このシーン、さらばウルトラマンのオマージュか。お、ティザーポスターのキャッチコピーの台詞がここで使われたか。ゾフィーじゃなくゾーフィの台詞だったか。ぐんぐんカットの逆再生で神永さんを帰還させたか。)

 

 

 

 

エンディング。

 

トミー(良かった〜・・・)

 

淳一・悠里(面白かった〜!)

 

優之(M八七。声ノ出演は山寺さんと津田さん。あ、ウルトラマンの声って高橋一生さんか。シン・ゴジラに続いて出演か。そう言えばコスモスとウルトラQ dark fantasyとウルトラゾーンに出演した経験があったな。モーションキャプチャーは、庵野監督と、お!古谷敏さんか!やっぱりウルトラマンは古谷さんだよな〜。庵野監督は総監修をやってたのか。そして樋口監督!スタッフの皆さん!ありがとう!)

 

シン・ウルトラマン上映終了。

 

 

 

 

 

 

上映終了後。

 

淳一「いやぁ〜面白かった〜!」

 

悠里「シン・ウルトラマン凄かった〜!」

 

真奈美「手に汗握っちゃったわ〜!」

 

康介「凄いかったな〜!」

 

樹々「圧倒的!」

 

有香奈「また観に行こうかな〜?」

 

フィオ「お兄ちゃん、どうだった?」

 

トミー「もう凄かった!まさにウルトラマンって映画だったよ!」

 

優之「・・・・・」

 

シアターから出た優之は放心状態になってた。

 

淳一「優之?どうかしたか?」

 

優之「カ・イ・カ・ン・・・!」

 

真奈美「何で急にセーラー服と機関銃?」

 

優之「最初から最後までカイカンだった・・・!今まで観て来たウルトラマン映画の中でダントツ1位になった!もう毎日観たい位面白かった!!」

 

トミー「ぼ、僕より凄い熱意を感じます・・・!」

 

優之「よし決めた!毎週土曜はシン・ウルトラマン観続けるぞ!」

 

淳一「毎週も!?そんなに観れるのか!?」

 

優之「何言ってんだよ!ファンならこの映画を観続けなくてどうする!上映終了まで観るぞ〜!あ、そうだ。来年のシン・仮面ライダーは姉さん達と一緒に観に行くか!」

 

淳一「もう来年の予定が決まってんのかよ・・・」

 

シン・ウルトラマン。私の好きな映画です。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
 トミー・ブライアン:福原かつみ
 フィオ・ブライアン:花井美春

     東山真奈美:後藤邑子


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8話・フィギュアの魅力

5月のとある土曜日。

 

優之「いやぁ〜、シン・ウルトラマン鑑賞2回目完了♪」

 

この日、優之は2回目のシン・ウルトラマンを観たのだ。

 

 

 

 

おあにた荘着。

 

優之「ただいま〜。」

 

真奈美「お帰りなさい。」

 

優之「いやぁ〜、2回目観ても面白いわやっぱ。」

 

悠里「本当に好きなんだね・・・」

 

優之「当ったり前よ!制作発表から3年の月日が流れてやっと公開されたんだ!これを毎週観ずにどうする!」

 

有香奈「筋金入りね。」

 

淳一「お、優之。お前宛に荷物届いてるぞ。」

 

優之「荷物?」

 

届いた荷物を見る。

 

優之「あ!そうだそうだった!」

 

荷物を開ける。

 

優之「忘れてた。今日発売だった。」

 

荷物の中身は、S.H.Figuarts真骨彫製法ウルトラマンティガ パワータイプ。

 

康介「ティガ?」

 

優之「S.H.Figuarts真骨彫製法ウルトラマンティガ パワータイプ。12月6日、授業中にこっそり予約しておいて良かった。」

 

淳一「アーツ系か。俺もちょくちょく集めてるな。」

 

優之「やっぱマルチと一目瞭然だなぁ。流石中村さん。」

 

樹々「中村さん?」

 

優之「中村浩二さん。このパワータイプを演じたスーツアクターさんだよ。」

 

悠里「他にフィギュアあるの?」

 

優之「興味ある?ちょっと幾つか持って来る。」

 

淳一「あ、俺も何個か持って来る。」

 

優之「え?お前もアーツ持って来んの?」

 

淳一「俺はFigma系かな?」

 

優之「あ、グッスマね。」

 

 

 

 

部屋の棚に飾られてるウルトラアーツを眺める。

 

優之「もう完璧に揃ってる。後はトリガーダークとトリガースカイタイプと真骨彫ウルトラマンで100体かぁ。俺のコレクションが遂に100体に達したな。そう言や魂之工房のティガ。あれも12月に予約してたな。どんなデッカーさか楽しみだ。ってか俺の部屋に入るのかな?まぁ入れなかったらリビングで飾るか。」

 

 

 

 

 

 

一方、淳一の部屋。

 

淳一「俺も結構集めてるな。今度はLiella!のFigmaを集めなきゃな。」

 

 

 

 

 

 

リビングで、一部のウルトラアーツとFigmaを並べた。

 

康介「結構集めてるね。」

 

有香奈「淳一君のも凄いね。」

 

優之「μ`sとAqours全員揃ってるな。」

 

淳一「俺は可動フィギュアが好きなんだ。」

 

悠里「私は無可動が好きだね。静止でも魅力感じるし。」

 

樹々「分かる。」

 

真奈美「このティガ、2つ共身体が違うのね。」

 

優之「真骨彫製法って言う技術を使っていてね。拘りは、当時のスーツアクターの体型を全身スキャンして、それをフィギュアーツに落とし込むんだ。」

 

悠里「そうなんだ。ウルトラアーツって、どれも完成度が凄いんだね。」

 

優之「気付いたか。ウルトラアーツはな、実は円谷プロの造形部門の方々が監修しているんだ。」

 

淳一「って事は、本物そっくりになってるとか。」

 

優之「そうなんだ。円谷プロはフィギュアにも拘りを持ってな。細かい箇所の修正とか色々な課題を出して、ファンの皆さんにお届けするのがモットーだ。だが、このウルトラアーツに危機が迫ってな。」

 

全員「?」

 

優之「ウルトラアーツを狙う転売ヤー共が群がり始めてな!彼奴ら転売する暇があったら働けって殴りたい気分なんだよ!」

 

悠里「優之さんって、転売撲滅派?」

 

優之「って事は、2人も?」

 

樹々「私も同じく。」

 

康介「勿論僕もさ。」

 

淳一「俺も!予約しようとした時は即完売になったりもするしな!」

 

悠里「私だって!欲しかった物を買う為に並んでたら、転売ヤーが割り込んだんだよ!?あれって酷くない!?」

 

優之「それな。でも転売ヤーに負けず予約出来た時は快感にならない?」

 

淳一・悠里・康介・樹々「それな!」

 

優之「ってか、何で転売ヤーの話になってるんだ?」

 

淳一「つい成り行きで。」

 

優之「っでだ。ウルトラアーツは完成度が高くて、本物そっくりで自由に動く事をテーマにしている。前はアーツじゃなくULTRA-ACTって言うシリーズで販売していてな。2016年からアーツシリーズでスタートしたんだ。」

 

淳一「ライダーとか戦隊のアーツとか集めないのか?」

 

優之「それは姉さんと裕樹さんがコレクションしてな。これ。」

 

スマホで姉・冴子から送られた画像を見せる。

 

全員「ワオ・・・!」

 

棚には、ライダーアーツと戦隊アーツ、更にメタルヒーローアーツが全種類飾られてある。

 

優之「これの為に貢いだって姉さん言ってた。中にはプレ値の奴もあるし。」

 

淳一「って事は、ウルトラアーツもプレ値化してる奴も?」

 

優之「そうなんだ。そこはAmazonや中古で買う。まぁ俺インスタの収益があるから。」

 

悠里「成る程〜。」

 

優之「例えばこのウルトラマンAタイプのアーツ。Amazonで23000円だぞ?」

 

悠里「た、高い!」

 

優之「これは店で買って今も大事にしているからな。転売から買うより、再販で買うのが1番だ。」

 

淳一「それな。ネットで買うより効率良いしな。」

 

真奈美「そう言えば、さっき優之君が言ってた真骨彫製法って何かしら?」

 

優之「真骨彫製法は、S.H.Figuartsの新たな造形技術で、表面的じゃなく骨格からの造形から始まって、ヒーロー本来の存在感とフィギュアとしての自然な可動の両立を追求した製法なんだ。」

 

真奈美「テレビで見たヒーローがフィギュアとなってお茶の間にやって来たって事かな?」

 

優之「簡単に言えばそうだね。真骨彫はウルトラマンと仮面ライダーが展開されてるんだ。」

 

淳一「骨格ってあれか。フィギュアサイズの人骨を造形してるってのか?」

 

優之「そうだ。」

 

康介「ウルトラアーツも骨格を造形しているのかい?」

 

優之「ウルトラアーツの真骨彫は凄い拘りを持ってな。当時のスーツアクターの全身をスキャンして、その体躯と骨格をベースに造形を重ねるんだ。んで、それを円谷プロ造形部門のLSSの方々と、スーツアクター本人が監修して、細部のディテール再現に拘って本物感を追求しているんだ。例えば、この真骨彫ウルトラマンティガ マルチタイプは、当時演じた権藤俊輔さんの全身をスキャンして造形しているんだ。」

 

悠里「じゃあ、このパワータイプはさっき言ってた中村浩二さんの全身をスキャンして造形してるって事?」

 

優之「ご名答。ただこのウルトラアーツシリーズ、人気が高いが故に、転売ヤーのターゲットにされてるんだ。その事に俺は常に怒りを燃やしてる。」

 

樹々「転売ヤーの収束はその先みたい。」

 

有香奈「でも、転売ヤーに負けない情熱は素敵よ。」

 

淳一「そうだ!ウルトラアーツとFigmaで色々オモ写撮ろうぜ!」

 

悠里「面白そう!」

 

優之「あ、俺ジオラマ結構持ってるからこれでやろうぜ!」

 

 

 

 

ジオラマを使って色々オモ写を撮る。

 

淳一「あはは!これ中々良いなぁ〜!」

 

優之「ゼロとギルガメッシュのバトル!」

 

悠里「だったら私はランサー召喚!」

 

 

 

 

康介「あの3人、凄く楽しそうだね。」

 

有香奈「ええ。まるでモルモットみたいね。」

 

樹々「その表現はどうなの?」

 

真奈美「うふふ。でも、とっても楽しそうね。」

 

フィギュアで大盛り上がりの優之達だった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜

     東山真奈美:後藤邑子


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9話・マウントキラー優之

6月のSKY ANGLE。

 

優之「〜♪」

 

今日も優之は仕事をこなしている。

 

優之「お、そろそろ昼だな。」

 

 

 

 

食堂へ行くと。

 

フィオ「はぁ〜・・・」

 

トミー「フィオ、元気出して。」

 

優之「ん?」

 

落ち込んでいるフィオと、慰めるトミーが居た。

 

優之「どうしたんだお2人さん?」

 

トミー「あ、優之さん。」

 

優之「フィオ、何か落ち込んでるみたいだけど。」

 

フィオ「実は・・・」

 

彼女は、事の経緯を話した。

 

優之「マウント?」

 

フィオ「はい。その人にマウント取られて威張られて・・・」

 

トミー「その人は宮本って言うんです。しかも僕達と同僚みたいで。」

 

優之「宮本・・・あ〜居たなそんな奴。っで、どんなマウントと取られたんだ?」

 

フィオ「それが・・・」

 

 

 

 

先程。

 

宮本『お前ってさ、マレーシアから来たんだよな?』

 

フィオ『え?そうですけど・・・』

 

宮本『何でこんな外人がウチの会社に来てんのかさっぱり分かんないんだよね〜w』

 

フィオ『ちょっと!どう言う意味なんですか!?』

 

宮本『本当の事言ってるだけなんだけど〜?何?本当の事を言って何が悪いの?』

 

フィオ『あなたね!』

 

宮本『お前、僕に逆らったらパパに言い付けてクビにしてやるよ。クビになりたくないなら、僕に逆らうのは止めた方が良いよ?w』

 

フィオ『・・・・!!』

 

 

 

 

現在。

 

フィオ「何なの?僕のパパって・・・」

 

優之「彼奴、ウチの会社の専務の息子だからな。」

 

フィオ「え!?」

 

トミー「そうなんですか!?」

 

優之「他の同僚から聞いたんだ。自分が専務の息子だから威張り散らしてるって。しかも逆らったら父親の権力を使う卑劣な奴だって。」

 

フィオ「優之さん、主任でもどうにかなら・・・ないですよね?」

 

優之「姉さんは俺達の部署の主任だからな。専務とは程遠い役職だぞ。」

 

???「何?何の話してるの?」

 

優之「姉さん。」

 

姉の冴子が来た。

 

優之「実は宮本の事なんだけど・・・」

 

冴子「あー、専務のご子息ね。実は私達も手を焼いているのよ。」

 

 

 

 

以前。

 

宮本『主任、ここ分からないんですけど。』

 

冴子『ここ?ここはこうしてこうすれば良いのよ。』

 

宮本『いや、もっと具体的に教えてくれませんか?そんな教え方じゃ分かりませんよ。』

 

冴子『だから、ここをこうして・・・』

 

宮本『ああもう主任やって下さいよ!僕じゃ手に負えませんよ!』

 

冴子『何言ってるのよ!ちゃんと話を聞きなさいよ!』

 

宮本『良いんですか?僕に逆らって。僕は専務の息子なんですよ?僕に逆らった・・・分かりますよね?』

 

冴子『・・・はぁ・・・』

 

 

 

 

現在。

 

優之「典型的な脅し文句。」

 

冴子「一応は社員なんだけど、専務の息子だから何を仕出かすか分からないのよね。他の社員達から苦情とか来てるけど。」

 

優之「その言動からすると、恐らくコネ入社したんだろうな。」

 

トミー「このまま彼のマウントを取られるしかないんですか?」

 

冴子「残念ながらね・・・」

 

優之「・・・お、あの子ちょっと。」

 

冴子「え?」

 

近くに、可憐で大人しい女性社員が弁当を食べていた。

 

優之「あのぉ。」

 

???「ん?はい?」

 

優之「えっと、急に声を掛けてすみません。吉岡美咲さんですね?」

 

美咲「はい。えっと・・・」

 

優之「あ、あなたと同僚の愛川優之です。」

 

美咲「あー、愛川さんですね?イラストが凄く上手で、上司からの評判が凄い方だって聞いてます。」

 

優之「いやぁ〜、何か照れちゃうなぁ〜。宜しければ、一緒にお昼食べませんか?急な誘いにすみません。」

 

美咲「大丈夫ですよ。」

 

優之「ありがとうございます。おーい皆ー!」

 

 

 

 

トミー達と一緒にお昼。

 

美咲「トミーさんとフィオさんですね?主任から話は聞いています。」

 

トミー・フィオ「ありがとうございます。」

 

冴子(優之、いきなり吉岡さんと仲良くなったんだろう?)

 

美咲「嶋村主任は、愛川さんのお姉さんですよね?」

 

冴子「ええ。」

 

優之「吉岡さん。俺の事は優之で構いませんよ。」

 

美咲「分かりました。優之さん、私も美咲と呼んで下さい。それから、話す時は私語で良いですよ。」

 

優之「分かった。宜しくね、美咲さん。あ、そうだ。今週のシン・ウルトラマンの上映時間確認しなきゃ。」

 

ポケットからスマホを出した。

 

冴子「優之。食べる時にスマホ弄るの止めなさい。」

 

優之「あ、ごめんごめん。」

 

スマホをポケットに仕舞った。

 

???「おやおや?さっきのお嬢さんがここに居たとは。」

 

そこに、あの宮本が現れた。

 

フィオ「あなた・・・」

 

冴子「宮本君、どうしたの?」

 

宮本「別に何でもないですよ?ただ、外人がどんな食事してるのかな〜って思って見物に来てるだけですよ。ふぅ〜ん・・・僕より庶民なんだね。」

 

トミー「ちょっとあなた!その言い方は酷いんじゃないですか!?」

 

宮本「おいおい、僕に逆らったら分かるよね?僕は専務の息子なんだぞ!?パパに言い付けてクビにしてやる!」

 

トミー「クッ・・・!」

 

美咲「・・・・」

 

宮本「ん?何だお前?僕に文句があるのか?」

 

美咲「い、いえ・・・」

 

宮本「あっそ。じゃあね庶民の諸君〜♪」

 

彼は去って行った。

 

優之「落ち着けトミー。あんな奴ほっとけ。」

 

トミー「けど、僕の妹が傷付いたんですよ!?落ち着いてる場合じゃないですよ!」

 

優之「心配するなって。ちょっとした切り札を持ってる。」

 

トミー「?」

 

 

 

 

 

 

午後の休憩。優之が自販機でコーヒーを買って飲んでいると。

 

優之「ふぅ〜。」

 

宮本「お?あの外人と一緒に居た男か。」

 

優之「ん?」

 

専務の息子の宮本が来た。

 

宮本「お前、あの外人と仲良しか?アハハ!あんなのと仲良くしてるなんて、君は面白くないねぇ〜。」

 

優之「・・・・」

 

何も言わず、黙々とコーヒーを飲む。

 

宮本「ん?何ダァ?僕を無視するのかぁ?僕を無視するなんて、君は道徳が無い男なんだね。」

 

優之「・・・・・」

 

宮本「おい、何とか言ったらどうなんだ?おい!」

 

無視し続ける優之はコーヒーを飲み干し、ゴミ箱に空き缶を捨てて去って行った。

 

宮本「何だ彼奴?ムカつく野郎だ。」

 

 

 

 

 

 

休憩を終えて部署に戻った時。

 

美咲「あの、優之さん。」

 

優之「ん?美咲さんどうしたの?」

 

美咲「イラストを完成したんですけど、どうしても雰囲気が出なくて・・・」

 

優之「かなりダークなイラストだね。これは、彩度を少し落としたら雰囲気が出るよ。」

 

美咲「やってみます。」

 

完成したイラストの彩度を少し落としてみる。

 

美咲「凄い!」

 

優之「また分からない事があったら、相談しに来てね。」

 

美咲「ありがとうございます!」

 

宮本「おいおい、僕を放って何してんだァ?」

 

優之「まぁたお前か。何処までもしつこい野郎だな。」

 

宮本「僕を無視した君が悪いんだ。」

 

優之「あのな、どうしてマウントを取るんだ?」

 

宮本「五月蝿いなぁ。僕よりこの人が君と話したいって。」

 

優之「ん?」

 

宮本の後ろから、1人の人物が現れた。

 

優之「専務。」

 

全員「・・・!?」

 

トミー「優之さん・・・」

 

フィオ「・・・!」

 

その場に居る全員が凍り付いた。

 

専務「愛川君。私の息子が、君に意地悪されたと報告を受けていてな。」

 

優之「意地悪ですか?そうした覚えはないんですけど。」

 

宮本「嘘を吐け!僕は君に悪口言われたんだぞ!!僕は傷付いたんだ!!パパ!早くコイツをクビにして!!」

 

優之「クビを宣告する前に専務。これを聴いて下さい。」

 

そう言って取り出したのは、スマホだった。

 

専務「スマホ?」

 

 

 

 

宮本『おやおや?さっきのお嬢さんがここに居たとは。』

 

フィオ『あなた・・・』

 

冴子『宮本君、どうしたの?』

 

宮本『別に何でもないですよ?ただ、外人がどんな食事してるのかな〜って思って見物に来てるだけですよ。ふぅ〜ん・・・僕より貧乏なんだね。』

 

トミー『ちょっとあなた!その言い方は酷いんじゃないですか!?』

 

宮本『おいおい、僕に逆らったら分かるよね?僕は専務の息子なんだぞ!?パパに言い付けてクビにしてやる!』

 

トミー『クッ・・・!』

 

美咲『・・・・』

 

宮本『ん?何だお前?僕に文句があるのか?』

 

美咲『い、いえ・・・』

 

宮本『あっそ。じゃあね庶民の諸君〜♪』

 

 

 

 

食堂での会話が流れた。

 

宮本「え・・・!?」

 

専務「こ、これは・・・!?」

 

優之「もう1つ聴いて下さい。」

 

 

 

 

宮本『お?あの外人と一緒に居た男か。』

 

優之『ん?』

 

宮本『お前、あの外人と仲良しか?アハハ!あんなのと仲良くしてるなんて、君は面白くないねぇ〜。』

 

優之『・・・・』

 

宮本『ん?何ダァ?僕を無視するのかぁ?僕を無視するなんて、君は道徳が無い男なんだね。』

 

優之『・・・・』

 

宮本『おい、何とか言ったらどうなんだ!おい!』

 

 

 

 

休憩室での会話も録音されていたのだ。

 

優之「これでお分かりですよね?俺は専務のご子息に意地悪なんてしていませんよ。寧ろあっちから意地悪された位ですよ。」

 

専務「そんな・・・愛川君、誤解してすまなかった!」

 

宮本「ちょ、ちょっと待てよ!!何で会話を録音したんだよ!!プライバシーの侵害だぞ!!訴えてやる!!」

 

専務「黙れ!さっきと話が違うぞ!このバカ息子が!何時もそんな言葉を散らしたのか!!」

 

宮本「そ、それは・・・」

 

美咲「あの、専務。落ち着いて下さい。」

 

宮本「部外者は黙ってろ!!」

 

専務「おい!口を慎め!!吉岡美咲さんは社長のご令嬢様だぞ!!」

 

宮本「はあぁぁ!?」

 

そう。美咲はSKY ANGLEの社長の娘だったのだ。

 

宮本「社長の娘!?何で早く言わなかったんだ!?」

 

美咲「父から教訓を教えてくれたんです。縁故入社なんて実力がないと思われるので、あまり言わないようにしなさいって言われて。」

 

優之「コネ入社したお前と大違いだな。」

 

宮本「う・・・嘘だ・・・!僕は信じない・・・信じないぞ・・・」

 

専務「全くお前は・・・学校で色々問題起こして退学されたお前を仕方無く入社させたのが間違いだったみたいだ。本当に情けない。愛川君、美咲さん、そして皆さん。愚息が本当に申し訳ありません。ほら行くぞ!社長に話して処分を覚悟するんだな!」

 

宮本「僕は信じない!!信じないぞ!!」

 

現状を認めないまま、専務に連れて行かれた。

 

優之「ふぅ。」

 

トミー「優之さん凄いです・・・でもどうして?」

 

優之「美咲さんと昼飯食ってる時、映画の上映時間調べてただろ?あれ実はレコーダーアプリを起動してたんだ。食堂に宮本が来るのが見えたから。」

 

トミー「流石優之さん・・・」

 

優之「フィオ。これで大丈夫だ。」

 

フィオ「ありがとうございます。」

 

女性社員「優之さん、ありがとうございます。」

 

男性社員「彼奴に散々言われてストレスだったけど、君のお陰で助かったよ。」

 

他の社員達からお礼を言われた。

 

優之「な、何か賞賛されちゃった・・・俺は同僚を助けただけなのに・・・」

 

 

 

 

定時になり、3人が帰る。

 

フィオ「そう言えば優之さん。どうして美咲さんに近付いたんですか?もしかして、美咲さんが社長の娘さんだからですか?」

 

優之「まぁそんな感じだ。美咲さんに相談すれば、社長に言ってくれるだろうって思って。」

 

トミー「意外と策士ですね。優之さん。」

 

優之「まぁ一部卑怯な手だと自分でも思うけどな。」

 

 

 

 

 

 

翌日。会社にて。

 

木島「愛川君。宮本君の事なんだけど。」

 

優之「宮本がどうかしたんですか?」

 

木島「彼、会社をクビになったのよ。」

 

優之「そうなんですか?」

 

木島「ええ。愛川君が提出した証拠で左遷する予定だったんだけど。」

 

優之「左遷からクビに?どうして?」

 

木島「実は彼、会社のお金を横領していたみたいなの。」

 

優之「はえ?」

 

木島「毎日夜遅くまで残業していると思っていたら、毎日数万程こっそり横領していた事が発覚していたの。しかも横領したお金でキャバクラやパチンコに通っていた事が判ったの。」

 

優之「うわぁ〜・・・社員の風上に置けないクズだったな。」

 

木島「何人もその光景を目撃していたらしいんだけど、彼に脅されて口に出さなかったみたいなの。」

 

優之「まぁ専務の息子だから、クビになりたくなかったんでしょうね。」

 

木島「それで今損害賠償請求され、両親の監視下の中。専務の知り合いの建設現場で働きながら借金返済を頑張っているわ。」

 

優之「こりゃあ、借金返済は程遠いでしょうね。」

 

木島「でもあなたのお陰で彼の悪行が発覚出来たわ。ありがとう。」

 

優之「そんなそんな。」

 

木島「それにしても、マウントされても動じない感じだったって、目撃した社員が言ってたわ。」

 

優之「ああ言う輩は過去に経験ありますからね。俺はそいつらを懲らしめて、周りからマウントキラー優之って呼ばれてるんです。」

 

木島「マウントキラー・・・」

 

こうしてマウントキラー優之は、会社の平穏を取り戻したのだった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

 トミー・ブライアン:福原かつみ
 フィオ・ブライアン:花井美春
      木島凛花:水橋かおり

      吉岡美咲:有村蓮
        宮本:増岡大介
        専務:小西克幸
      男性社員:浜田洋平
      女性社員:衣川里佳

      嶋村冴子:友永朱音


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10話・令嬢とカフェ

7月上旬。日差しが差す東京を走る自転車があった。

 

優之「ふひぃ〜・・・今日もあっついなぁ〜・・・まさか梅雨が早く明けるなんて、前代未聞だなぁ。まぁでも、こうしてサイクリング出来てる訳だし。」

 

再び自転車を漕ぐ。

 

 

 

 

途中で自転車を止めた。

 

優之「ん?」

 

前を歩くSKY ANGLE社長令嬢の吉岡美咲の姿が見えたのだ。

 

優之「美咲さんだ。1人でお出掛けかな?」

 

自転車を漕いで、美咲に近付こうとすると。

 

優之「ん?」

 

彼女の前に、ヒゲを生やした男が立ち塞がった。

 

優之「何だ彼奴?新手のチンピラか?」

 

ナンパ「ねぇ君、俺と一緒に遊ばない?」

 

美咲「え、えっと・・・大丈夫です・・・」

 

ナンパ「そんな事言わずに、俺と遊ぼうよ〜♪」

 

優之(何て恐ろしい光景なんだぁ〜・・・ここで見捨てたら最後。ここは敢えて偶然を装ってみるか。)

 

自転車を漕いで、ナンパされてる美咲の横に止まる。

 

優之「あれ?美咲さん。偶然だね。」

 

美咲「あ、優之さん。」

 

ナンパ「あぁ?何だお前?」

 

優之「アンタこそ誰?白昼堂々と若い女性をナンパするなんて何が楽しいの?ナンパした後は何すんの?一緒に遊ぶ事か?それともホテルへ連れてアレコレするのか?他の人を誘拐しちゃダメってお母さんから襲わなかったの?もしここで誘拐したら警察に通報するけど、それで良いの?ねぇ?ねぇ?ねぇ?」

 

ナンパ「す・・・すみませんでした!」

 

正論で何も言い返せず、謝罪して走り去った。

 

優之「意外と小心者だな。」

 

美咲「あの、優之さん。ありがとうございます。」

 

優之「いや、実はさっき偶然そこに居てさ。ナンパしてる所を見て、敢えて偶然を装ったんだ。」

 

美咲「そうだったんですね。」

 

優之「美咲さんはお出掛け?」

 

美咲「はい。今日はカフェへ行こうかと思いまして。」

 

優之「そっか。」

 

美咲「あの、優之さんもどうですか?」

 

優之「え?俺も良いの?」

 

美咲「はい。さっき助けてくれたお礼です。お時間はありますか?」

 

優之「ありがとう。今日の俺、ただサイクリングしてるだけだし。特に何の予定も無いよ。」

 

美咲「そうですか。では、一緒に行きましょ?」

 

優之「うん。それで、何処のカフェへ行くの?」

 

美咲「私の行き着けです。」

 

こうして優之は、美咲の行きつけのカフェへ行く事になった。

 

 

 

 

 

 

そのカフェへ到着。

 

優之「へぇ〜。良い雰囲気だね〜。」

 

店員「いらっしゃいませ。あ、美咲さん。今日も来てくれたんですね。」

 

美咲「はい。今日も来ちゃいました。」

 

優之「凄いな。店員さんと顔馴染みだなんて・・・ん?」

 

悠里「あ!優之さん!偶然だね!」

 

優之「悠里!」

 

店員が悠里だと気付いた。

 

優之「悠里、ここでバイトしてたんだね!」

 

悠里「うん!雰囲気が良くて働き易いよ!このカフェ、真奈美さんの友達が経営しているの。」

 

優之「そうか。そう言ってたね。」

 

美咲「優之さん、お知り合いなんですか?」

 

優之「俺が住んでるシェアハウスの住人の三峯悠里さんだよ。青山高校2年生。」

 

悠里「優之さん、美咲さんと知り合いなの?」

 

優之「実は美咲さん、俺が勤めてる会社SKY ANGLEの社長令嬢なんだ。」

 

悠里「え!?そうなの!?あ、あの美咲さ・・・いえ!吉岡様!」

 

美咲「そ、そんなに畏まらないで下さい。いつも通り美咲で結構ですよ。」

 

 

 

 

カフェのテラス。

 

優之「都会が見えるね。」

 

美咲「このテラスで景色を見るのが、私のお気に入りなんです。」

 

優之「へぇ〜。」

 

ココアが入ったカップを手に取る。

 

美咲「優之さんはココアがお好きなんですね?」

 

優之「恥ずかしながら、コーヒーが苦手で。カフェではココアを飲んでいるんだ。」

 

ココアを啜る。

 

優之「あぁ〜。旨い。」

 

美咲「あの、優之さん。好きな物とかあるんですか?」

 

優之「俺?俺は特撮、特にウルトラマン。子供の頃からずっと首っ丈で。」

 

美咲「そうなんですね。ウルトラマンは父が好きでして。」

 

優之「そうなんだ!社長もお好きとは。美咲さんは何かアニメとか見るの?」

 

美咲「私、ジブリとディズニーが好きでして。」

 

優之「ジブリとディズニーかぁ。俺も好きだなぁ〜。ジブリはラピュタともののけ姫で、ディズニーは、ピクサーが好きだな。」

 

美咲「ジブリとディズニーは、お母さんの影響で見始めたんです。初めて見た時は、心惹かれるかのように。」

 

優之「やっぱりこの2つは不朽なんだよね〜。帰って色々見返そうかな?」

 

美咲「ふふふ。」

 

優之「美咲さんってもしかして、休日はカフェ意外も?」

 

美咲「はい。ディズニーリゾートへ行くんです。月に多ければ15回程。」

 

優之「す、凄え・・・ディズニー通だねぇ・・・」

 

美咲「今月も行く予定です。」

 

優之「あはは。予定と言ったら、俺も来月予定があるんだな。」

 

美咲「え?」

 

優之「あ、おあにた荘で一緒に暮らしてる日高淳一って言う大学生が居てな。コミケの抽選が当たったから、来月コミケへ行くんだ。」

 

美咲「楽しそう。どんな感じなのですか?」

 

優之「めっちゃ規模が凄い。かな?」

 

 

 

 

 

 

2時間後。カフェを出た。

 

優之「すっかり長話になっちゃったね。」

 

美咲「でも楽しかった。では優之さん、また会社で会いましょう。」

 

優之「うん。じゃあね。」

 

2人は別れた。

 

 

 

 

 

 

おあにた荘。優之がラピュタを鑑賞中。

 

淳一「珍しいな。お前がラピュタを見るなんて。」

 

優之「いやぁ、何か久々に観たくなっちゃって。」

 

有香奈「何かあったのかしら?」

 

悠里「実は優之さん、会社の社長のご令嬢様とカフェで楽しく会話してたの。」

 

康介「お?遂に優之君に恋が芽生えたのかい?」

 

樹々「だとしたら、お祝い。」

 

優之「いや全然。ただ長話しただけだよ。自分の好きな物を聞いてる内に、急にジブリ観たくなっちゃっただけ。」

 

真奈美「青春ねぇ〜。」

 

淳一「真奈美さんも、恋とかしたの?」

 

真奈美「ん〜。秘密♡」

 

優之「そうだ淳一。来月はコミケだよな?」

 

淳一「ああ。俺達電気大学同人誌サークルが作った同人誌を販売するんだ。優之、お前はその手伝いと、生のコミケを思う存分堪能してくれ。」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜

      吉岡美咲:有村蓮
       ナンパ:浜添伸也

     東山真奈美:後藤邑子


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11話・夏コミ

8月14日。東京ビッグサイト。

 

優之「遂に来たな。夏コミ。」

 

真奈美「今年も賑やかになりそうね。」

 

優之「凄いなぁ・・・待機列が・・・」

 

悠里「もう何万人の人達が、暑い中待っているね。」

 

樹々「私達は売り子。淳一さんの手伝い。」

 

康介「よし、淳一君の居るブースへ行こうか。」

 

 

 

 

東京ビッグサイト内。

 

淳一「いやぁ〜皆!来てくれてありがとう!凄く助かるよ!」

 

康介「お安い御用だよ。」

 

???「あ!皆さん、今日も来て下さりありがとうございます。」

 

5人の人物が居た。

 

優之「淳一のサークル仲間?」

 

淳一「優之は初めてだったな。皆、彼が今年入居した愛川優之だ。」

 

???「あなたが愛川さんですね?初めまして。僕は同人誌サークル部長の横沢圭一です。」

 

???「私は小野雅美だよ!宜しくね!」

 

???「俺は曽根川祐規。初めまして。」

 

???「僕は瀧本文典です。宜しくです。」

 

???「古川真知子です。」

 

優之「あ、愛川優之です。宜しくお願いします。」

 

圭一「皆愛川さんとほぼ同い年だから、普通に接してくれるとありがたいな。」

 

優之「あ、だったら俺も優之って呼んでくれ。」

 

圭一「うん。宜しくね。優之君。」

 

真奈美「淳一君。今日売る同人誌は何かしら?」

 

淳一「読んでみ?」

 

同人誌サークルが作った同人誌を優之達に見せた。

 

優之「ウマ娘、ラブライブ、リコリコの同人誌。しかもジャンルが百合とは。」

 

圭一「僕の趣味でね。中学の頃に百合にハマってね。」

 

優之「圭一が百合男子とは。」

 

真知子「部長ったら、百合の事になると目を輝かせるんだよ?オタク特有の早口も披露するし。」

 

優之「それだったら、俺もウルトラマンの話になると興奮して早口になるな。」

 

祐規「そうか。優之は特撮が好きだったんだな。」

 

優之「まぁ、おあにた荘は全員がアニメ好きだからなぁ。」

 

文典「でも特撮も魅力ありますよね。人間ドラマもしっかり描かれているんですから。」

 

優之「文典も特撮ファン?」

 

文典「アニメファンですが、たまに特撮見ますよ。」

 

優之「そっか。何か安心する。自分以外に特撮を見てる人が居る事に。そう言えば有香奈さんは?」

 

淳一「有香奈さん改めYu-Naさんはスタンバイ中だ。開始直後にファンの方々に囲まれるのが見える。」

 

 

 

 

準備を終えた時。

 

『ただいまより、C1002日目を開催致します。』

 

アナウンス放送が流れた瞬間。

 

淳一「来たぞ。」

 

優之「え?うお!?」

 

待機列に並んでいた人達が一斉に流れ込んで来た。

 

優之「凄いな・・・皆走りたいのにギリギリな早歩きで流れて来た!」

 

真奈美「今年の夏も賑やかね〜。」

 

圭一「よし、東京電機大学同人誌サークルの販売開始だ!」

 

メンバー「オーーー!」

 

 

 

 

その後、他のサークルにも長蛇の列が出来た。優之は真奈美達と一緒に手伝いをする。

 

優之(中暑いなぁ・・・流石夏コミ・・・熱気に溢れてる・・・)

 

 

 

 

外では、多くのコスプレイヤー達が参加しており、ファン達がカメラ撮影をしている。

 

 

 

 

 

 

しばらくすると、列が落ち着いた。

 

優之「ふぅ・・・ここまで来てくれるなんて、何か嬉しいな。」

 

淳一「毎年こうだからな。今回もほぼ完売。いやぁ〜、俺達が精魂込めて作った同人誌が売れて良かった〜。」

 

圭一「優之。外回って来たらどう?色々楽しめるよ。」

 

優之「いいの?」

 

真知子「こっちは落ち着いていますし、色々見に行って下さい。」

 

悠里「こっちも私達で大丈夫だから。」

 

優之「そっか。じゃあ行って来る。」

 

 

 

 

 

 

コミケの外へ向かった。

 

優之「凄いなぁ・・・多くの方々がコスプレイヤーを撮影しているな。お、仮面ライダーが居る。ウルトラマンも!皆完成度高いなぁ〜。あ、Yu-Naさんは何処だろう?」

 

ファン「Yu-Naさーん!こっち見て下さーい!」

 

優之「ん?あっちか。」

 

 

 

 

Yu-Naを呼ぶ声へ向かった。

 

優之「居た。」

 

Yu-Naは、メジロマックイーンのコスプレをしていた。

 

優之(メジロマックイーンか。凄え似合ってる。)

 

ファン「ありがとうございます!」

 

囲み達から撮影が殺到。

 

優之(凄えなぁ・・・こんなに囲みが出来てるなんて。)

 

Yu-Na「ん?フフ♪」

 

気付いたYu-Naが優之にウインクした。

 

優之(おっふ・・・麗しのウインク・・・!)

 

 

 

 

 

 

夕方。

 

アナウンス『これにてC100を終了します。皆さんお疲れ様でした。また冬にお会いしましょう。』

 

コミケ100が終了し、サークル参加者達が拍手した。

 

 

 

 

優之「ただいま。」

 

淳一「よう。おかえり。どうだった?」

 

優之「流石としか言いようがない。生のコミケって凄いもんだな。」

 

圭一「それは良かった。」

 

有香奈「皆ー!」

 

そこにYu-Na改め有香奈が戻って来た。

 

真奈美「お帰り有香奈ちゃん。」

 

悠里「今回もどうだった?」

 

有香奈「今回も大盛況だったよ。優之君、この衣装どうかな?」

 

優之「メジロマックイーンの衣装。似合ってるね。」

 

有香奈「これ、私が作ったの。」

 

優之「自作!?」

 

康介「有香奈ちゃん凄いんだよ?中学の頃から裁縫習っててね。コスプレ衣装はデザインを見てイチから自作すると言う拘りを持っているんだ。」

 

優之「はぇ〜・・・流石コスプレイヤー。」

 

有香奈「帰ったら他のコスプレ衣装を見せてあげるわ。」

 

優之「それは、ちょっと楽しみかも。」

 

雅美「淳一君、今年の冬に向けて新作を考えようね!」

 

淳一「おう!」

 

真奈美「お疲れ様。帰って打ち上げしましょう。」

 

有香奈「皆さんもどうかしら?」

 

圭一「良いですね。是非。」

 

 

 

 

 

 

おあにた荘で、夏コミの打ち上げパーティーが開かれた。有香奈のコスプレ披露宴も同時挙行。

 

有香奈「どうかな〜?」

 

リコリス・リコイルの1st制服。

 

優之「えっと・・・リコリス?」

 

有香奈「正解!リコリコの1st制服!これ可愛くてお気に入りなの〜♪」

 

雅美「凄いですね有香奈さん!劇中そのままのクオリティです!」

 

有香奈「実は2ndの制服があるの。悠里ちゃん着てみる?」

 

悠里「着たい着たい!」

 

 

 

 

2nd制服の悠里。

 

悠里「どうかな?たきなっぽい?」

 

康介「いや、どっちかと言うと性格は千束だね。」

 

悠里「え、そうかな?」

 

樹々「でも似合ってる。」

 

悠里「ありがとう樹々ちゃん。」

 

淳一「優之、初めてのコミケどうだった?」

 

優之「本当に凄かった。今年の冬も行きたいな。」

 

圭一「僕達今年の冬も参加予定だから、来てくれたら嬉しいな。」

 

有香奈「ねぇねぇ、皆もコスプレしようよ!いっぱい衣装あるよ!」

 

優之「あ、あの・・・有香奈さん?」

 

康介「有香奈ちゃん、コスプレの事になると暴走するんだ。」

 

優之「何それ初耳。」

 

 

 

 

有香奈「ウフフ♪」

 

水原千鶴コスの有香奈。

 

悠里「あはは。」

 

ライスシャワーコスの悠里。

 

淳一「サイズピッタリ!」

 

ルルーシュコスの淳一。

 

樹々「樹々肉が好き。」

 

アーニャ・フォージャーコスの樹々。

 

康介「あわよくば断ろうと思ってたが、止めておこう。」

 

ロイド・フォージャーコスの康介。

 

真奈美「トーンタンタン♪」

 

羌瘣コスの真奈美。

 

優之「凄いな有香奈さん・・・どれも完成度高い・・・」

 

圭一「うん・・・流石Yu-Naさん・・・」

 

淳一「優之、下見ろ。」

 

優之「下?」

 

下を見ると、淳一達が靴を履いている。

 

淳一「有香奈さんは外用と屋内用の靴をそれぞれ持ってな。こう言った強い拘りを持ってるんだ。」

 

優之「成る程。役になりきる為の拘りか。」

 

有香奈「ねぇ優之君!あなたもコスプレしてみない?」

 

優之「俺?いや俺はいいよ・・・コスプレとかあんま向いてなさそうだし・・・」

 

有香奈「何言ってるのよ!優之君にピッタリの衣装があるの!確かここに・・・」

 

優之「あの俺は・・・」

 

有香奈「あったこれよ!」

 

優之「・・・え?」

 

その衣装とは、GUTSの隊員服だった。

 

優之「GUTSスーツ?有香奈さんが作ったの?」

 

有香奈「高校の時に友人から貰ったの。誰も着てくれる人が居なくて、捨てるの申し訳ないと思ってずっと保管してたの。優之君がウルトラマン好きって聞いて、これを保管しておいて良かったわ。」

 

優之「そう・・・だったんだ。」

 

有香奈「ねぇ、早速着てみて?」

 

優之「・・・うん!」

 

 

 

 

GUTSスーツを着た優之が出て来た。

 

全員「おぉー!」

 

優之「ど、どう?似合ってる?」

 

有香奈「サイズピッタリ!格好良い!」

 

文典「本当にGUTSに入ったみたいです!」

 

淳一「サイコーにクールだ!」

 

優之「・・・有香奈さん、これ俺に譲ってくれる?」

 

有香奈「勿論!気に入ってくれるなら!」

 

優之「ありがとう!これ一生の宝にするから!そうだ有香奈さん、俺のスマホで俺を撮って?」

 

有香奈「良いわよ。」

 

スマホを有香奈に渡して、スパークレンスを掲げるGUTSスーツの優之を有香奈が撮る。

 

 

 

 

 

 

翌日。

 

優之「うおっ!?マジか!」

 

昨日の写真をインスタに投稿すると、物凄いイイネ数を獲得し、フォロワー数が96万人に突破した。

 

優之「イイネとフォロワーがこんなに沢山!100万まで後4万・・・凄いなぁ・・・ここまでフォロワーが増えるなんて最初思ってもなかった・・・でも、昨日のコミケ楽しかった。今年の冬はGUTSスーツで行ってみようかな?」

 

夏コミをたっぷり堪能し、有香奈からGUTSスーツを譲り受けた優之であった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜

      横沢圭一:狩野翔
      小野雅美:和多田美咲
     曽根川祐規:小林大紀
      瀧本文典:諸星すみれ
     古川真知子:M・A・O

     東山真奈美:後藤邑子


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12話・海水浴と魂クラブ

夏コミ終了から1週間後の金曜日の夕方。

 

優之「えっと・・・ここらだったな。」

 

仕事終わりの優之は、待ち合わせ場所へ向かう途中だった。

 

 

 

 

待ち合わせ場所は、秋葉原にあるカフェ。

 

優之「お待たせ〜!」

 

そこには、5人の男女が居た。

 

???「来たわね優之君。」

 

SKY ANGLE企画部・雨原佑美。優之の先輩で特撮ファン。

 

???「待ってたぜ。」

 

SKY ANGLE音楽部・栗田雅春。優之の先輩でスーパー戦隊ファン。

 

優之「いやぁ〜遅れてごめん。」

 

???「そんな待ってないですよ。」

 

SKY ANGLE3DCG部・猪本凉子。優之の先輩でアニメファン。

 

???「僕もさっき着いたばかりだしね。」

 

SKY ANGLEWeb広告部・澁谷胡桃。優之の先輩でアニメファン。僕っ子。

 

???「会長さん。そろそろ始めようぜ。」

 

SKY ANGLE撮影部・長谷部幸彦。優之の先輩でアニメファン。

 

佑美「じゃあ、魂クラブの集会会議を始めましょ!」

 

この6人は、SKY ANGLEの社員だけで集まった『魂クラブ』のメンバーである。

 

 

 

 

魂クラブとは、企画部社員の雨原佑美を筆頭に設けられたSKY ANGLE公式のクラブである。特撮とアニメを好むメンバーが集い、特撮、アニメ、ゲーム、フィギュア等の活動を行うクラブ。他にもクラブは存在している。優之は6月頃に佑美から誘われ、クラブに入会した。

 

 

 

 

佑美「皆は、今年の11月にTAMASHII NATION2022が開催されるのを知ってるよね?」

 

胡桃「勿論知ってるよ。今年も新作が出るの楽しみ。」

 

佑美「そこで、今開催中の開催記念アイテムの抽選が始まったけど、皆はどれに抽選するの?」

 

優之「俺はイーヴィルトリガー。」

 

雅春「ゼンカイザーブラックだ。」

 

凉子「グフ&ドダイ YSセットです。」

 

胡桃「僕はストライクノワールだよ。」

 

幸彦「俺もストライクノワールだ。」

 

佑美「私は勿論、旧1号とゼンカイザーブラックとイーヴィルトリガーとジャックリバイスこの4つ!」

 

優之「佑美先輩って、抜け目ないなぁ〜。」

 

幸彦「流石特撮好きの会長さんだ。」

 

佑美「そこで今回は、TAMASII NATION2022で発表される新作フィギュアを予想すると言う会議であります。」

 

胡桃「僕はそうだねぇ・・・やっぱりウマ娘のスズカかな?この前発表があったし。」

 

幸彦「やっぱりMETALBUILDだな。今後の展開に期待出来そうだ。」

 

凉子「私はマクロスですね。」

 

雅春「俺は戦隊アーツを期待してる。ドンブラザーズやゼンカイザーのアーツ。それに真骨彫で戦隊出て欲しい位だね。」

 

佑美「私はやっぱりライダーに戦隊にウルトラマンの新作アイテムが楽しみでしょうがないの。優之君は?」

 

優之「俺はウルトラアーツだな。ギャラファイ3とシン・ウルトラマンの新作が出るって公式サイトに載ってたし。それに俺、真骨彫のダイナとかガイアにアグルが出て欲しいなぁ〜。」

 

佑美「これ程のアイテムを予想すると、あの転売ヤー達の餌食になっちゃう可能性があるね。」

 

幸彦「全くだよな。俺達ファンをコケにしてるしな。」

 

胡桃「僕もだよ。店頭へ行くと長蛇の列が並んでたの見て虫唾が走ったよ。」

 

優之「でも、運良く買えた時って他にない達成感って感じない?」

 

雅春「分かる分かる!俺ってツイてるって感じが凄いよな〜。」

 

佑美「次回の新作アイテムも、絶対に手に入れようね。」

 

優之「それで祐美先輩。今年のTAMASHII NATIONは行く予定?」

 

佑美「勿論よ。何せ今回はあのT.M.Revolutionさんとアイドルマスターの4名がアンバサダーに就任しているから、今年は一味違いそうで楽しみよ。去年は皆で行ったんだよ?」

 

優之「へぇ〜。さぞ楽しかっただろうな〜。」

 

雅春「今年は優之が加わったんだ。更に楽しくなるに決まってる。」

 

優之「ああ。是非とも皆で行きたい。初めてのTAMASHII NATIONだし。」

 

佑美「あ、そうだ!皆明日何か予定ある?」

 

幸彦「え?ないけど。」

 

佑美「丁度良かったわ。明日皆で海行かない?」

 

凉子「あ!良いですね!」

 

胡桃「僕も行きたい!」

 

雅春「海かぁ〜。久々に泳ぎますかな。」

 

優之「あ〜・・・」

 

幸彦「優之はどうだ?海。」

 

優之「実は明日、おあにた荘の皆で海へ行く予定があるんだ。」

 

佑美「え?そうなの?何処へ行くの?」

 

優之「おだいばビーチ。」

 

佑美「え!じゃあ、私達も来ても良いかな?」

 

優之「良いよ。皆喜ぶだろうし。」

 

 

 

 

 

 

翌日の土曜日・おだいばビーチ。

 

淳一「ヒャッホー!海だーーーー!!」

 

悠里「海来たーーーーー!!」

 

佑美「やっぱり海はチョーイイネ!サイコーね〜!」

 

真奈美「皆さん、2ヶ月振りです。」

 

佑美「真奈美さん。此方こそ。」

 

幸彦「皆元気してたか?」

 

樹々「相変わらず元気。」

 

淳一「俺達魂クラブ応援団は無病息災さ!」

 

魂クラブ応援団とは、優之のようにクラブに参加出来ない人達を仮入会させる独自制度である。淳一達も6ヶ月前に応援団に入会してる。

 

康介「今年の夏も暑いから、皆海で泳いでいるね〜。」

 

有香奈「さぁ、早く行きましょ!」

 

 

 

 

淳一「ヒャッホー!」

 

悠里「イエーーイ!」

 

幸彦「ヤッホーー!」

 

海を泳ぐ3人。

 

康介「ふぅ〜♪極楽極楽♪」

 

胡桃「うん〜♪」

 

2つの浮き輪ボートで寛ぐ康介と胡桃。

 

樹々「フンフンフン♪」

 

浮き輪で泳ぐ樹々。

 

 

 

 

浜辺。

 

凉子「よっ!」

 

雅春「ほいっと!」

 

ビーチバレーしてる2人。

 

優之「海綺麗〜。」

 

真奈美「毎年夏になると、何時もここに来るのよ。」

 

優之「そう言えば佑美先輩。何で魂クラブなんだ?」

 

佑美「それはね、特撮やアニメや自分の好きな物に魂を捧げて応援するって言う意味よ。勝手に解釈したけどね。」

 

優之「成る程ね。確かに俺はウルトラマンに命と魂を捧げてるみたいなもんだし。」

 

そう言いながらおだいばビーチをスマホで撮影した。

 

優之「綺麗だなぁ〜。」

 

”ゴンッ!”

 

優之「いってぇ!?」

 

ビーチボールが優之の頭にクリーンヒットした。

 

雅春「おーい!優之も一緒に遊ぼうぜー!」

 

凉子「海ばっかり見ないで来て下さーい!」

 

優之「俺にボールをぶつけるとは良い度胸だなぁ〜!よっしゃ行くぜーーー!!」

 

ビーチボールを持ってビーチバレーに参加する。

 

佑美「元気ね優之君。」

 

真奈美「ええ。」

 

この日は、おだいばビーチで大いに遊んだ優之だった。

 

 

 

 

 

 

その日の夜。優之に電話が入った。

 

優之「もしもし?姉さん?どうした?・・・ああ。・・・え、マジで?分かった。皆に伝えておく。じゃあな。」

 

通話終了。

 

優之「まさかこのタイミングで来るとは。」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜

      雨原佑美:伊藤美来
      栗田雅春:梶原岳人
      猪本凉子:茜屋日海夏
      澁谷胡桃:山口立花子
     長谷部幸彦:松風雅也

     東山真奈美:後藤邑子


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13話・親が来た

おあにた荘。優之からの報せが入った。

 

真奈美「ご両親が来る?」

 

優之「そうなんだ。一時帰国でな。こっちへ来て子供達の顔を見たいって。」

 

康介「そっか。それで、何時来る予定なの?」

 

優之「今週の金曜に来る予定だって姉さんが言ってた。」

 

淳一「優之のご両親って、どんなお方なんだ?」

 

優之「それは会ってのお楽しみって事で。」

 

 

 

 

 

 

金曜日。夕方。

 

冴子「お邪魔しまーす。」

 

真奈美「冴子さん、裕樹さん、双葉ちゃんいらっしゃい。」

 

嶋村一家がお邪魔した。

 

裕樹「お邪魔します。」

 

康介「裕樹、来たか。」

 

裕樹「おう。来てやったぜ。」

 

双葉「おじちゃーん!」

 

優之「よ〜双葉〜!おじちゃん会いたかったぞ〜!」

 

姪っ子を抱いて撫でる。

 

悠里「叔父バカになってるね。」

 

樹々「でも、微笑ましい。」

 

有香奈「ちょっと羨ましいね。」

 

冴子「お父さん達はまだかしら?」

 

優之「ああ。今LINEでこっちへ向かってるって。」

 

裕樹「義両親、生で会うの久し振りだなぁ・・・」

 

優之「最近リモートで会ってるっけ?」

 

裕樹「お義父さん達は海外だしね。」

 

”ピンポーン”

 

優之「お?来たのか?」

 

真奈美「はーい。」

 

 

 

 

玄関のドアを開ける。

 

男性「あ、お邪魔しまーす。」

 

女性「こんばんは〜。」

 

真奈美「初めまして。愛川優之君のご両親ですね?」

 

 

 

 

愛川姉弟の両親を招き入れた。

 

父親「初めまして。優之と冴子の父の宗太郎です。」

 

愛川宗太郎。優之と冴子の父親。

 

母親「母の翠です。」

 

愛川翠。優之と冴子の母親。

 

宗太郎「皆さん、何時も娘と息子と裕樹君がお世話になっております。」

 

真奈美「いえいえ。こちらこそ。」

 

優之「親父、母さん、こちらがおあにた荘の皆さん。電気大学2年生の日高淳一。三峯悠里さん、青山高校2年生。竹下有香奈さん、東大2年生。松浦康介さん、IT企業社員。新田樹々さん、中学2年生。そして、おあにた荘大家さんの東山真奈美さん。」

 

淳一・悠里・有香奈・康介・樹々・真奈美「宜しくお願いします。」

 

宗太郎「皆さん個性豊かですな。優之、良い方々に恵まれているようで良かった。」

 

優之「本当だよ。毎日飽きない位元気でね。」

 

裕樹「お義父さん、お義母さん。お久し振りです。」

 

翠「裕樹さん、久し振りね。」

 

宗太郎「やぁ裕樹君。優之の卒業祝い以来だね。元気してるかい?」

 

裕樹「はい。お陰様で。」

 

双葉「おじいちゃ〜ん!おばあちゃ〜ん!」

 

宗太郎「おぉ〜!我が孫の双葉〜!お祖父ちゃん会いたかったぞ〜!」

 

淳一「す、凄い溺愛っぷり・・・」

 

翠「ごめんなさいね。主人ったら双葉ちゃんに甘々なの〜。」

 

冴子「リモートの時も、双葉は何処だ?って興奮してたのよね〜。」

 

優之「親父ったらもう・・・」

 

 

 

 

 

 

ご馳走が並ぶテーブル。全員が椅子に座って食す。

 

宗太郎「そう言や優之、20歳になったんだよな?酒は飲めるか?」

 

優之「ああ飲めるよ。その証拠に、コレ。」

 

KIRINビールを見せる。

 

宗太郎「いやぁ〜、息子も飲めるとなると、一家全員で晩酌が出来るな〜。」

 

冴子「お父さんの長年の夢だったもんね。」

 

宗太郎「では、愛川家の晩酌を祝して乾杯!」

 

優之・冴子・裕樹・翠「かんぱ〜い!」

 

愛川家の乾杯。

 

宗太郎「ぷはぁ〜!」

 

優之「あぁ〜旨い!」

 

冴子「ふひ〜!」

 

翠「ふぅ〜!」

 

樹々「これが家族の晩酌。」

 

淳一「良いな〜こう言うの。」

 

康介「ちょっと羨ましいね。」

 

悠里「楽しそうだね。」

 

真奈美「皆、沢山あるからどんどん食べてね。」

 

優之「そう言えば親父、俺の高校卒業前におあにた荘をススメてくれたんだよな。」

 

宗太郎「ああ、そうだが。」

 

優之「何でここにしたんだ?」

 

宗太郎「実はだな、このおあにた荘は、父さんの高校時代の親友が住んでたんだ。」

 

優之「え!初耳!」

 

淳一「宗太郎さんの親友が?」

 

宗太郎「上京した時にここに住んでたんだ。当時はとっても楽しかったって。その親友は茨城へ転勤になってな。だから優之がいつか上京する時になったらここをススメようと思って。」

 

翠「でも、冴子はここを住むの嫌がってたのよね〜。」

 

冴子「シェアハウスに住んだら、怖い人が居るかも知れないから。」

 

宗太郎「そこで優之の為に取っておいたんだ。」

 

優之「そっかぁ。俺も最初アパートかマンションにしようか迷ってたんだよな。」

 

悠里「お2人は絵描きのお仕事をしているんですよね?」

 

翠「ええ。私は画家で、主人は写真家よ。」

 

悠里「写真家!宗太郎さん、宗太郎さんの写真見たいです!」

 

康介「僕も興味あります!」

 

宗太郎「あはは。では、夕食後にお見せしましょう。」

 

 

 

 

 

 

夕食後。宗太郎が写真を見せる。

 

宗太郎「これが、私が撮った数々の写真です。」

 

今まで撮った写真を皆に見せた。

 

全員「おぉ〜!」

 

淳一「パリにアメリカにオーストラリア!いやぁ〜、どれも良い風景ですな〜!」

 

優之「俺インスタグラマーやってるけど、やっぱ親父には程遠いなぁ〜。」

 

宗太郎「そんな事ないぞ?優之、お前の投稿見たけど写り映えは良い方だ。」

 

優之「そう言ってくれてありがとうな。」

 

翠「そうだわ!皆さんの似顔絵を描いてあげましょうか?」

 

真奈美「良いんですか?」

 

翠「ええ。久々に腕が鳴りますよ。」

 

 

 

 

早速翠が本格的なキャンバス、優之達の似顔絵を描いた。

 

淳一「おぉ〜!凄え!」

 

悠里「凄い!写真みたい!」

 

樹々「凄くリアル!」

 

翠「うふふ♪ありがとう♪」

 

優之「やっぱ母さんも凄えや。」

 

翠「ん?あの額縁の絵は優之が描いたの?」

 

額縁には、優之が描いた集合絵があった。

 

優之「うん。引っ越しした後皆を描いたんだ。どうかな?」

 

翠「高校の時より上達したみたいね。仕事で活かせているかしら?」

 

優之「そりゃあ勿論。最近デカい仕事任されてる位だし。」

 

冴子「優之は近い内、出世するんじゃないかって期待されているから。」

 

翠「それは良かったわ〜。」

 

裕樹「お義父さん、帰るのはいつ頃になるんですか?」

 

宗太郎「裕樹君、それは心配いらんよ。」

 

裕樹「はい?」

 

宗太郎「実は翠が東京で教鞭を取る事になってな。だから私達帰国する事になったんだ。」

 

優之・冴子・裕樹「えええーーーー!?」

 

宗太郎「フフフ♪ビックリ帰国作戦大成功!だから毎月数回には顔を出しに行くから心配するな。」

 

優之「マジか・・・お帰りなさい。」

 

宗太郎「ああ!ただいま!」

 

冴子「そうだとすると、住む家は決まってるの?」

 

翠「ええ。新橋のマンションで暮らす事になったから。」

 

裕樹「でしたら、是非僕達の所へも遊びに来て下さい。双葉が喜びますので。」

 

冴子「うんうん。」

 

宗太郎「ああ。そうさせて貰うよ。」

 

翠「双葉ちゃん、いつでも会いに行くからね。」

 

双葉「うん!」

 

宗太郎「さてと優之に冴子、そして裕樹君。そろそろアレを観ようか。」

 

冴子「アレね!」

 

裕樹「アレですね!」

 

優之「え?またアレ?もう何回も観てるのに・・・」

 

宗太郎「折角再会したんだ。これを観ずにはいられないからな!」

 

真奈美「皆さん、宗太郎さんと何を観るの?」

 

優之「親父が好きな映画。もう子供の頃からずっと観てて目にタコだぜ・・・」

 

 

 

 

 

 

鑑賞作品。ゴジラVSビオランテ。

 

宗太郎「やっぱりビオランテは良いなぁ〜!」

 

優之「もうセリフ丸暗記する位観てるのに・・・」

 

淳一「もしや宗太郎さん、ゴジラファン?」

 

優之「そっ。親父は子供の頃からずっとゴジラファン。そして俺が特撮好きの切っ掛けも親父。ゴジラを通してウルトラマン。姉さんは東映特撮。」

 

裕樹「僕もお義父さん達と初めて会った時にススメられてね。」

 

樹々「翠さんもゴジラファン?」

 

翠「いいえ。私はアニメファンよ?」

 

康介「結構変わったご家族だね。」

 

悠里「でも、こう言う家庭も楽しそうで良いね。」

 

優之「・・・まぁ、それはそれで良い。」

 

両親と再会した愛川家でした。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜

      嶋村冴子:友永朱音
      嶋村裕樹:興津和幸
      嶋村双葉:久野美咲

     愛川宗太郎:高木渉
       愛川翠:ゆきのさつき

     東山真奈美:後藤邑子


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14話・新作真っ盛り

2022年11月18日。突如、それは訪れた。

 

優之「マジか・・・!」

 

この日は、S.H.Figuarts真骨彫製法ウルトラマンダイナ フラッシュタイプの発表日である。

 

優之「遂に真骨彫ダイナの発表が来たかぁ・・・予約開始日は来週の月曜日の16時・・・今回も転売ヤー共が群がる可能性が100%確定。予約開始と同時に予約せねば一生後悔してしまう。まぁ発売日に店頭に並んで一足早く買うってのもアリだけどな。」

 

佑美「優之くーーん!」

 

優之「うおっ!?」

 

そこに佑美が滑り込みでやって来た。

 

佑美「見て見て!真骨彫ダイナの情報が解禁されたわ!」

 

優之「お、俺も今見てるけど。」

 

佑美「本当!?勿論優之君も予約するよね?」

 

優之「当たり前じゃないか!これを買わずにいられないからね!佑美先輩もオンラインで?」

 

佑美「オンラインもいいけど・・・たまには店頭で予約しようかな?」

 

優之「そうだなぁ・・・俺も予約はオンラインでやるけど、店頭で予約してみるか。初めてだけど。」

 

佑美「じゃあヨドバシで予約しよう。その日休暇取ってね。」

 

優之「OK。」

 

佑美「それと、今週の金曜からTAMASHII NATION2022が開催だから忘れずにね。」

 

優之「ああ。」

 

 

 

 

 

 

11月19日金曜日。本日はTAMASHII NATION2022の開催日。多くの客達やコレクター達が最新フィギュアやアイテムに興奮してる。

 

 

 

 

TAMASII CORE。

 

優之「生で来たの初めてだが、凄い人集りだなぁ。」

 

雅春「毎年はこんな感じさ。多くのファンやコレクターが最新アイテムを生で見れるのを楽しみにしているからね。」

 

佑美「ここはTAMASHII CORE。特撮ヒーローの最新アイテムや最新フィギュアが展示されているの。」

 

優之「そう言えば魂ウェブのブログを読んでビックリしたけど、アイドルマスターの七尾百合子さんが特撮コーナーを紹介するって。」

 

雅春「百合子ちゃんの中の人繋がりだね。」

 

佑美「涼子達も他のコーナーを満喫してるみたいだし、私達もここで満喫しますかな?」

 

 

 

 

仮面ライダーコーナー。

 

佑美「いよいよギーツのアーツが始まったのね。凄いこれ取り付け出来るんだ!あ、凄い!南光太郎と秋月信彦のアーツリアルー!バイスにラブコフにデモンズまである!シン・仮面ライダーのアーツも見逃せないね〜!」

 

 

 

 

戦隊コーナー。

 

雅春「お!真骨彫のゴーカイレッド!凄いなぁ・・・スーツアクターの福沢さんを全身スキャンしてるんだ!あ!こっちはドンムラサメも展示してある!」

 

 

 

 

ウルトラマンコーナー。

 

優之「デッカーとトリガーとカルミラのアーツ。完全劇中再現だなぁ〜。デッカーは今日届く予定だから劇中再現するかな。」

 

 

 

 

ウルトラギャラクシーファイトコーナー。

 

優之「来年にはレグロスが到着するし、ディアボロのアーツも欲しいな〜。後タルタロスも。でもジョーニアスも早く発売してくれねぇかな〜。お!ウルトラマントもあるじゃん!」

 

 

 

 

シン・ウルトラマンコーナー。

 

優之「遂にメフィラスが来るのかぁ。ゾーフィ浮いてるし。お!これは!降着バージョンのウルトラマンじゃん!しかもスペシウム光線付いてる!これ欲しいなぁ〜!っで、こっちはにせウルトラマン。やっぱ近くで見ないと判別出来ねえな。目が微妙にカクカクだし。」

 

 

 

 

一番くじ。

 

優之「こっちは一番くじのウルトラアーツか。全部欲しい〜。」

 

 

 

 

ULTRAMANコーナー。

 

優之「漫画版の方か。ジャックにエースにゾフィースーツの参考出品かぁ。」

 

 

 

 

ウルトラマントリガーコーナー。

 

優之「パワータイプもそろそろ発売してくれるかな?ここにはないけど、トリガートゥルースも欲しい。」

 

 

 

 

真ん中の什器。

 

優之「いよいよ目玉の真骨彫ダイナ!これも権藤さんのボディを全身スキャンしてるんだよなぁ〜!来年にはガイアとアグルも出て欲しい〜。アグルは清水さんのボディだろうな。来週の月曜日は予約開始日。佑美先輩と一緒に予約してみせる!」

 

 

 

 

 

 

11月21日月曜日。ヨドバシカメラ。

 

佑美「ここに並んでからほぼ5時間。開店時間と同時に並んでるから結構疲れたね・・・」

 

優之「腹減った・・・でも俺は負けんぞ・・・予約するまで立ち尽くす・・・!」

 

佑美「流石優之君。にしても・・・」

 

後ろを見ると、既に長蛇の列が。

 

優之「殆どは転売ヤーだろうな。クソ下らない事で金儲けしたがる害虫共め。」

 

佑美「でも中にはれっきとしたファンの方々も居るからね。」

 

優之「先輩、残り30分。そろそろ来るぞ。」

 

佑美「ええ。」

 

16時。真骨彫ダイナ予約開始。

 

 

 

 

 

 

夕方。優之が帰って来た。

 

優之「フヘヘヘヘ♪」

 

淳一「今日の優之、何かキモいな・・・」

 

真奈美「今日フィギュアの予約で見事予約出来たみたいね。」

 

樹々「これ。」

 

スマホで優之が予約した真骨彫ダイナのサイトを見せた。

 

樹々「真骨彫製法ウルトラマンダイナの予約で完勝したっぽい。」

 

悠里「だからニヤニヤしているんだね。でも分かるよその気持ち。」

 

有香奈「でも淳一君の言う通り、ちょっと顔が・・・」

 

優之「フヘヘヘヘヘ♪いやぁ〜、長時間並んだ疲れが一気にぶっ飛んだな〜♪」

 

彼の手には、予約完了のレシートが握られている。

 

優之「店頭での予約は初めてだったけど、オンラインと違った達成感があるね〜♪」

 

 

 

 

雨原家でも。

 

佑美「また私のコレクションが増えるね〜♪」

 

見事真骨彫ウルトラマンダイナを予約出来た優之と佑美なのでした。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      新田樹々:佐藤亜美菜

      雨原祐美:伊藤美来
      栗田雅春:梶原岳人

     東山真奈美:後藤邑子


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15話・白は黒を塗り潰す

11月。SKY ANGLE・イラスト部。

 

優之「よし、ちょっと休憩するか。」

 

 

 

 

食堂へ行くと。

 

優之「あ、栗原さん。胡桃先輩。」

 

栗原「愛川君。」

 

そこで出会ったのは、優之の1歳上の先輩の澁谷胡桃と栗原良太。

 

優之「お仕事はどう?」

 

栗原「うん。前の職場より本当に快適だよ。」

 

優之「9月の頃はあなたの事でヒヤヒヤしたからな。」

 

栗原「あはは。あの時は面目ない。」

 

胡桃「そうそう。あの頃は本当に大変だったんだよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7月頃。

 

栗原「栗原良太です。宜しくお願いします。」

 

キャリアとして栗原が入社した。胡桃と同じ広告部に配属された。

 

 

 

 

広告部。栗原が入社して2ヶ月が経過して9月。

 

栗原「・・・・・・」

 

胡桃「栗原さん仕事が早いですね。」

 

栗原「ええ。これ位楽勝ですよ。」

 

胡桃(・・・・・)

 

彼女は栗原に少し違和感を抱いてる。

 

胡桃(キャリアで入社したって聞いたけど、目の下のクマで痩せぼそってる。)

 

 

 

 

昼の食堂。魂クラブが会食。

 

優之「栗原さんが変?」

 

胡桃「入社して3ヶ月経つけど、何か違和感があるんだよね〜。入社した時からクマと痩せぼそった体が治ってないんだよ。」

 

涼子「それは、ご病気なのでしょうか?」

 

幸彦「それはちょっと考え過ぎじゃないのか?」

 

胡桃「いや、僕の勘が違和感を感じているんだよ。きっと何か訳アリがあるんだよ。」

 

佑美「広告部で何か異変とかない?栗原さんがパワハラに遭ってるとか。」

 

胡桃「それはないよ。皆栗原さんと仲良くやってるし。でも、広告部の仕事がここ3ヶ月連続で仕事の量が減ってるみたいなんだよ。」

 

雅春「まさか、誰かが多くの仕事をやってくれているとか?」

 

胡桃「実は栗原さんが全部やってたみたい。」

 

優之「え?全部1人で?」

 

胡桃「うん。他の皆は喜ぶ反面、少し心配してるみたいなの。」

 

???「あ、君達。」

 

全員「吉岡社長!」

 

そこにやって来たのは、SKY ANGLE社長で美咲の父である吉岡達雄。

 

吉岡社長「実は来週に我が社が迫田制作社を買収する事になるんだ。今日はその報告をしに来ただけだ。」

 

優之「迫田制作社?」

 

佑美「うへぇ〜・・・彼処って超ブラックで有名な会社じゃん。離職率が高く、レビューでは星0.5と酷評だらけの酷いブラック企業だよ?」

 

優之「佑美先輩知ってるの?」

 

佑美「知ってるわよ。私の高校時代の同級生がそこ入社したけど、僅か3ヶ月で辞めたって。それに、彼処残業代未払いらしいよ?」

 

優之「そんなブラック企業を買収するとは。」

 

吉岡社長「澁谷君。広告部に配属された中途入社の社員さんが居るはずだよ?」

 

胡桃「え?・・・もしかして、栗原さん!?」

 

吉岡社長「うん。」

 

胡桃「栗原さんがそんなブラックから転職して来たとは・・・」

 

吉岡社長「そうだ愛川君。」

 

優之「はい?」

 

吉岡社長「昨日君が描いた背景イラスト、ゲームのパッケージに採用されたそうだぞ。」

 

優之「え!?本当ですか!?」

 

吉岡社長「君は入社したばかりなのに、素晴らしい才能を開花させている。君は我が社の期待の新人だ。これからも頑張ってくれたまえ。」

 

優之「光栄です!ありがとうございます!」

 

幸彦「凄えな優之。社長のお墨付きを得たな。」

 

 

 

 

 

 

昼食後。広告部で胡桃が仕事をする。

 

胡桃「まさか栗原さんがそんなブラックから転職して来たなんて。」

 

部長「栗原君。あんまり無理はしてはダメだぞ?」

 

栗原「大丈夫ですよ部長。これ位どうって事ありません。」

 

胡桃「ん?部長、どうしたんですか?」

 

部長「澁谷君。実は栗原君は、ここ3ヶ月休暇を取っていなくてな。」

 

胡桃「休暇を取ってない!?私なんて月に2〜3回取ってるのに!」

 

部長「なのに、彼はそれを拒んでいるんだよ。私と他の社員も栗原君の体調が本当心配で・・・」

 

胡桃「私も彼が心配です・・・」

 

栗原「部長、終わりました。」

 

部長「あ、ありがとう。栗原君、少し休みなさい。」

 

栗原「大丈夫ですよ。これ位・・・」

 

すると、栗原が突然倒れた。

 

部長「栗原君!?」

 

胡桃「栗原さん!?大丈夫ですか!?」

 

部長「澁谷君!救急車を!」

 

胡桃「はい!」

 

 

 

 

 

 

病院。

 

栗原「ん・・・ん・・・?」

 

病室のベッドの上で栗原が目を覚ました。

 

栗原「ここは・・・?」

 

部長「良かった・・・」

 

その横には、胡桃と部長が座っていた。

 

胡桃「栗原さんが突然倒れてビックリしたんですよ?2日間倒れたんですよ?」

 

栗原「2日間・・・あ!部長!僕の仕事は!?」

 

部長「心配はない。他の社員に回してある。君はゆっくりしてなさい。」

 

栗原「それは出来ません!そうしないと会社の負担が!」

 

胡桃「栗原さん。もしかして、前の職場の鉄則が抜け切れていないんですか?」

 

栗原「え・・・」

 

胡桃「あなたの前の職場の迫田制作社。彼処は巷で有名なブラック企業。栗原さんはそこの元社員で、このSKY ANGLEに転職した。違います?」

 

栗原「・・・はい。元の会社の環境に耐え切れず退職して、母の勧めでSKY ANGLEへ転職したんです。」

 

部長「だが君は、元の職場の癖が抜け切れていない。それはどうしてだい?」

 

栗原「社長に言われたんです。『お前がしっかりしなきゃ日本中の会社の負担が増え、いずれ倒産してしまう』と。」

 

胡桃「それは大事な事だけど、それってウチの会社と無関係ですよ?」

 

部長「そうだ。我が社のモットーは凡ゆるジャンルに適した社員を健全に育成する事だ。君は元の会社に縛られる必要はないんだ。」

 

栗原「部長・・・澁谷さん・・・」

 

部長「君はまだ休む必要があるな。退院したら、その日から1週間の休暇を取りなさい。」

 

栗原「え?」

 

胡桃「私達は、元気な栗原さんを待っていますから。」

 

部長「休暇を取るのも社員の仕事だ。1週間の休暇中、何処かへ遊びに行くなり、ご家族の皆さんと旅行へ行くなり好きにしなさい。」

 

栗原「・・・すみません・・・僕の為に・・・ありがとうございます!」

 

 

 

 

翌日。

 

優之「じゃあ、栗原さんは今日から1週間休暇を取ったんだな。」

 

胡桃「部長の計らいでね。1週間後には栗原さん元気になって出社してると思うよ。」

 

雅春「いやぁ〜良かった良かった。」

 

 

 

 

その翌日。吉岡社長の言葉通り、SKY ANGLEが栗原の元職場の迫田制作社を買収し合併した。迫田社長は買収する事を最後まで反対したが、迫田社長には脱税が明るみになり逮捕され、事実上解雇された。

 

 

 

 

その1週間後。

 

栗原「おはようございます!」

 

元気な姿で出社した栗原。

 

 

 

 

 

 

そして現在に至る。

 

優之「あれから栗原さん、人が変わったようにハキハキして、1人で負担抱えずに済んで良かった。」

 

栗原「本当、胡桃さんと部長に感謝しているよ。」

 

胡桃「もうあんな事になっちゃダメだからね?」

 

栗原「はい。」

 

トミー「優之さーん!」

 

優之「お!トミーにフィオ!」

 

フィオ「休憩?」

 

優之「ああ。ひと段落したから少し。」

 

トミー「ん?あなたは確か栗原良太さん?」

 

フィオ「優之さんから話は聞いています。」

 

栗原「あ、どうも。」

 

トミー「何の話をしていたんですか?」

 

優之「まぁ、ちょっとね。」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

 トミー・ブライアン:福原かつみ
 フィオ・ブライアン:花井美春

      栗原良太:石谷春貴

      雨原祐美:伊藤美来
      栗田雅春:梶原岳人
      猪本凉子:茜屋日海夏
      澁谷胡桃:山口立花子
     長谷部幸彦:松風雅也

        部長:橘龍丸
      吉岡達雄:桐本拓哉


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16話・可愛い子を可愛いって言って何が悪い?

ある日のおあにた荘。優之がリビングである本を読んでいる。

 

優之「・・・・」

 

淳一「ん?優之、何読んでんだ?」

 

彼が読んでいる本を覗いてみる。

 

淳一(ん?ゆゆゆいのオフィシャルブック?珍しいな。優之がゆゆゆいにハマってるなんて。サービス終了していても好きなのか。)

 

優之「なぁ淳一。」

 

淳一「ん?」

 

優之「伊予島杏って、可愛くね?」

 

淳一「・・・・へ?」

 

優之「なぁ、杏って可愛いよな?」

 

淳一「え、ま、まぁ可愛いっちゃ可愛いけど・・・」

 

優之「だよな!」

 

淳一(コイツ、まさかワザリングハイツに興味を持っているとは・・・年下を好む杏を・・・)

 

優之「ひなたも良いよな〜。包容力もあってお母さんみたいで。」

 

淳一(まさかひなたまで・・・俺にとっては嫉妬が怖いひなたを好むとは・・・)

 

優之「いや!藤森水都も良いし、郡千景も弥勒夕海子も良いよな〜。花本美佳とか秋原雪花も。」

 

淳一「ち、因みにだけど優之。お前ゆゆゆいはやった事は・・・」

 

優之「未プレイ。」

 

淳一「未プレイでハマってるのは何故だ?」

 

優之「会社の先輩がやっていてな。プレイを見せてくれたら、俺の好みが色々出て来て。勇者であるシリーズは少し見てるけど。」

 

淳一「お前って、少しズレてる気ぃするな・・・」

 

優之「淳一だったら誰を推してるんだ?」

 

淳一「俺?俺は何と言っても乃木若葉と犬吠埼風と古波蔵棗だな。俺は格好良い女性に憧れてるからな。」

 

優之「それもあるな。」

 

淳一「じゃあ優之は何で杏に興味あるんだ?あの子ワザリングハイツでロリコンだぞ?」

 

優之「可愛い子を可愛いって言って何が悪いんだ?伊予島杏は確かにロリコンだけど、病弱で守ってあげたい気持ちが昂るんだ。よく見てみろ。杏可愛いだろ?」

 

淳一「・・・まぁ、黙ってればだけど。」

 

 

 

 

 

 

その夜。淳一が悠里と有香奈と樹々を集めて会議を開いた。

 

淳一「優之が伊予島杏に興味を持ってしまった。」

 

悠里「・・・ど、どうしたのいきなり?」

 

樹々「ワザリングハイツが好み?」

 

有香奈「優之君、変わった趣味してるわね。」

 

淳一「他にもちーちゃんやみーちゃん、花本ちゃんと弥勒さんと雪花が好みでな。」

 

樹々「好みがバラバラ。」

 

淳一「そこでだ!悠里に杏をコスプレして貰って、優之がどれ程反応するのか見てみたいんだ!」

 

悠里「成る・・・程?」

 

樹々「優之さんの新たな一面・・・」

 

有香奈「面白そうね!」

 

悠里「えっと・・・」

 

 

 

 

 

 

その後。優之が部屋でウルトラアーツの写真を撮っていると。

 

淳一「優之〜。お前に見せたい人が居るぞ〜。」

 

優之「誰だ?」

 

そこに、伊予島杏のコスプレをした悠里が入って来た。

 

悠里「こ、こんばんは優之さん。」

 

優之「・・・・・・・」

 

悠里「あ、のぉ、どうしたの?」

 

優之「ーーーーー!!」

 

突然優之が鼻血を噴射して俯せに倒れた。

 

悠里「え!?」

 

淳一「優之どしたー!?」

 

有香奈「優之君!?」

 

優之「ご、ごめん。杏が目の前に居て興奮しちまった。悠里だよな?ほんま杏にピッタリ〜!ねぇねぇ、撮ってもええか?」

 

悠里「う、うん・・・」

 

優之「あぁ〜良いね良いね!本人そのもの!やっぱ杏は可愛いな〜!」

 

淳一「コイツ、逆ワザリングハイツに覚醒しちまってる・・・」

 

有香奈「もしくは、ワザリングキラーになってるね。」

 

優之「はぁ〜〜〜〜!可愛い!可愛いぞ〜!」

 

悠里「か、可愛いって言わないで・・・恥ずかしい・・・」

 

樹々「悠里さんが照れてる。」

 

優之「今日は良い日になるなぁ〜♪」

 

伊予島杏に感服した優之であった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      新田樹々:佐藤亜美菜


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17話・年末と正月

12月31日。おあにた荘。今日は大晦日。

 

優之「もう年末かぁ。早いもんだな。」

 

淳一「何かあっと言う間だったな。色々楽しかったし。」

 

悠里「本当だね。ねぇ優之さん、今年楽しかった事は何?」

 

優之「やっぱり皆でコミケ行ったり、海行ったり、クリスマスパーティーしたり、TAMASHII NATION2022行ったり、シン・ウルトラマンを皆で観たりしたな。でも楽しかった事が1つある。」

 

樹々「何?」

 

優之「佐賀から東京へ上京する時。ホラ、新幹線で東京へ行く時って何かワクワクしない?」

 

淳一「あ!分かるそれ!俺東京で暮らせるんだって思うとドキドキするよな〜!」

 

有香奈「私も〜。飛行機で上京する時もとってもワクワクしたものだわ〜。」

 

康介「確かに。」

 

真奈美「皆〜!年越し蕎麦出来たよ〜!」

 

 

 

 

今日の夕飯は、年末と言う事で年越し蕎麦とオードブル。

 

優之「いやぁ〜、温まる〜。」

 

淳一「プレミアムビール旨い〜♪」

 

樹々「ここ数日、かなり寒い。」

 

淳一「もう毎朝寒いから布団に包まりまくりだよ。」

 

真奈美「ねぇ皆、今日は大晦日だし夜に行こうよ。」

 

康介「良いね!」

 

悠里「はいはーい!」

 

優之「ん?何処へ?」

 

淳一「毎年神田明神へ行くんだ。」

 

優之「年末詣か。しかも神田明神。もしやラブライブの影響?」

 

真奈美「そうね。」

 

 

 

 

 

 

23時58分。神田明神。

 

優之「結構並んでいるね。」

 

真奈美「年末だからね。でも結構近いし丁度良いわ。」

 

悠里「あ、後1分で年が明けるよ。」

 

淳一「お!良いタイミングだな!」

 

樹々「寒い・・・」

 

有香奈「樹々ちゃんおいで?」

 

寒くて震える樹々が有香奈に寄り、有香奈が樹々を抱いた。

 

樹々「有香奈さんあったかい・・・」

 

有香奈「うふふっ♪」

 

優之「有香奈さん、樹々ちゃんのお母さんみたいだ。」

 

康介「お姉さんを超えちゃったね。」

 

有香奈「ん?優之君康介さん失礼よ。私はまだまだお姉さんなんだから。」

 

優之「でも有香奈さん、将来結婚して子供も産むからお母さんになるんだし。」

 

淳一「お子様も結婚して将来はお祖母ちゃんになるんだし。」

 

有香奈「もっと先の話は止めて!私は今の人生を謳歌するのに精一杯なの!」

 

樹々「将来の話も人生の謳歌の1つだよ。」

 

有香奈「うっ・・・」

 

優之「あはは・・・」

 

悠里「あ、年が明けちゃった。」

 

淳一「うわっ!マジだ!皆明けましておめでとう!」

 

真奈美・有香奈「おめでとう♪」

 

康介「おめでとうございます。」

 

悠里「おめでとう!!」

 

樹々「おめでとう。」

 

優之「明けましておめでとう。」

 

 

 

 

賽銭に小銭を入れ、拝む。

 

 

 

2023年正月。おあにた荘。

 

真奈美「皆さん改めまして、新年明けましておめでとうございます。」

 

全員「おめでとうございます。」

 

真奈美「今年も宜しくお願いします。」

 

皆がおせちを食べる。

 

康介「悠里ちゃん。樹々ちゃん。どうぞ。」

 

2人にお年玉を渡した。

 

優之「そうだった。俺からもどうぞ。」

 

有香奈「私からも。コスプレの収入からだけど。」

 

優之と有香奈から、悠里と樹々へのお年玉。

 

悠里「ありがとう2人共!」

 

樹々「ありがとう。大切に使うね。」

 

淳一「優之〜。俺にもお年玉くれよ〜。」

 

優之「何でやねん。コミケの売上金があるだろ?」

 

淳一「めんごめんご。にしてももう2023年か。何か早いもんだな。」

 

優之「そうだ、トミー達に新年のLINE送らなきゃ。」

 

スマホでトミー達に新年のLINEを送った。

 

有香奈「優之君。双葉ちゃんにお年玉あげないの?」

 

優之「ん〜・・・3月で双葉6歳になるから渡そうか。」

 

悠里「そう言えば双葉ちゃんって今年から。」

 

優之「ああ。いよいよ小学生だ。友達100人出来るかな♪」

 

康介「宗太郎さん、双葉ちゃんと遊ぶの楽しみにしてそうだね。」

 

優之「目に見えてるよ。親父が双葉にデレデレなのが。」

 

真奈美「双葉ちゃん、良いお祖父ちゃんを持って良かったね。」

 

優之「親父から変な影響受けなきゃ良いんだけどね。」

 

2023年。おあにた荘に新たな1年が始まった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜

     東山真奈美:後藤邑子


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18話・姉と義兄と馴れ初め

愛川冴子・19歳。佐賀県出身。中学卒業と共に上京し、東京の高校へ入学。

高校卒業後は、SKY ANGLEへ就職。多くの仕事をこなし、会社内で一目置かれる存在となった。


入社から1ヶ月後の5月。京都府・太秦映画村。

 

冴子「遂に来たわ・・・!」

 

今日の冴子は、ここ太秦映画村へ訪れていた。

 

冴子「映画村。1度行ってみたかったんだよね〜。それじゃ、色々見て回りますかな?」

 

 

 

 

映画村を歩き回る。

 

冴子「やっぱり江戸の町って風情あるわね〜。ん?」

 

横を見ると、修学旅行生が歩いている。

 

冴子「修学旅行みたいね。あの子達中学生かな?さて、写真を撮らなきゃだけど・・・あ!そこのお兄さん!」

 

男性「はい?」

 

冴子「写真撮ってくれませんか?」

 

男性「良いですよ。」

 

スマホを男性に渡し、冴子がオーズのポーズを取る。

 

男性「行きますよー。はいチーズ。」

 

シャッターを切った。

 

冴子「ありがとうございます。」

 

スマホを返して貰った。

 

男性「あの、僕もお願い出来ますか?僕を撮って下さい。」

 

冴子「あ、はい。」

 

彼からスマホを貸して貰い、男性を被写体にする。

 

男性「フッ!」

 

リュウレンジャーのポーズを取る。

 

冴子(ムッ!?この人、ダイレンジャーのファンかしら?)

 

そのままシャッターを切る。

 

男性「ありがとうございます。」

 

スマホを彼に返した。

 

冴子「さっきのポーズは、リュウレンジャーですか?ダイレンジャーの。」

 

男性「あ、はい。あなたの先程のポーズはオーズですよね?映画村繋がりで。」

 

冴子「あなた、中々の通だね。もしや東映特撮ファン?」

 

男性「はい。あなたも?」

 

冴子「勿論!ライダーから戦隊、メタルヒーローなど様々な東映特撮を熟知してるわ!あ、私は愛川冴子。東京で働いているの。」

 

裕樹「僕は嶋村裕樹です。東京のIT企業で働いています。」

 

冴子「あら?私達お住まい東京なのね!偶然だね!」

 

これが、冴子と裕樹の馴れ初めだった。

 

 

 

 

 

 

意気投合した2人は休日の日にデートしたりもして、8月に同居生活を送る事に。

 

 

 

 

 

 

8月。交際から3ヶ月のある日。

 

冴子「ねぇ裕樹。私達結婚しない?」

 

裕樹「・・・え?」

 

冴子「私さ、何時か結婚して子供を産んでお父さん達に孫の顔を見せてあげたいの。」

 

裕樹「それって、冴子の実家の佐賀へ行ってご挨拶したいと?」

 

冴子「勿論じゃない。」

 

裕樹「僕も結婚したいと思ってるけど・・・冴子のご両親に挨拶しに行くんでしょ?冴子のご両親ってどんなお人なの?」

 

冴子「ん〜・・・お母さんは優しい。お父さんは見た目怖いけど、性格は気さくで面白い人だよ?」

 

裕樹「教えてくれても、緊張するよ・・・」

 

冴子「大丈夫だって。挨拶は何時行く?その日の翌日に休暇取るから。」

 

裕樹「そうだなぁ・・・来週の木曜日はどうかな?」

 

冴子「分かった。来週の木曜ね。じゃあお母さんに電話するね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐賀県・愛川宅。

 

翠「もしもし?冴子?どうかしたの?・・・え?ええ、分かったわ。来週の木曜ね?ええ。お父さんと優之に伝えるね。じゃあ。」

 

通話終了。

 

優之「姉さんから?」

 

愛川優之・当時15歳。

 

翠「優之。あなた。冴子が彼氏さんを連れて帰って来るって。」

 

優之「え!?彼氏さん!?」

 

宗太郎「もしや、結婚のご挨拶とかかね?」

 

翠「正しくその通りよ。」

 

宗太郎「そうか・・・」

 

優之「流石の親父も驚いてるだろ。いきなり姉さんが彼氏連れてご挨拶の為に帰って来るって言われたら。」

 

宗太郎「そうか。冴子が彼氏さんを・・・」

 

優之「おぉ、親父が真剣になってる・・・」

 

翠「うふふっ。」

 

 

 

 

 

 

木曜日。冴子が裕樹と一緒に佐賀へ帰省した。

 

裕樹「・・・・・」

 

冴子「お父さん、お母さん、優之。此方が私と交際している嶋村裕樹さんです。」

 

裕樹「は、初めまして!嶋村裕樹です・・・東京のIT企業に勤務している者です・・・」

 

翠「冴子の母の翠です。」

 

宗太郎「父の宗太郎です。」

 

優之「弟の優之です。」

 

裕樹「ぼ、僕は今年の7月に冴子さんと出会って意気投合して、3ヶ月間交際していました。き、今日はご家族の皆さんにご挨拶にお邪魔しています・・・」

 

宗太郎「・・・・・」

 

冴子「裕樹さんは良い人よ。料理上手で、私が疲れてる時には家事を率先してくれるんだよ?」

 

翠「あらまぁ。」

 

冴子「それで私、裕樹さんと結婚前提に同居していて。黙っててごめんなさい。」

 

裕樹「宗太郎さん・・・翠さん・・・優之さん・・・その・・・どうか・・・冴子さんを・・・僕に・・・」

 

宗太郎「嶋村君。」

 

裕樹「は、はい!」

 

急に名前を呼ばれて裕樹が驚き、緊張が走る。

 

宗太郎「君は、冴子を全身全霊で守り抜く覚悟はあるかね?」

 

裕樹「はい!勿論です!この命に替えても守る覚悟はあります!」

 

宗太郎「そうか・・・では、私から君に課題を与えよう。それをこなせる覚悟は?」

 

裕樹「あります!宗太郎さんから渡される課題は何でもやります!!」

 

宗太郎「そうか。なら君に与える課題は・・・」

 

裕樹「・・・・・!」

 

優之・冴子・翠「・・・・・」

 

真剣な表情の宗太郎が、優しい笑顔になり。

 

宗太郎「今日から私を、お義父さんと呼んでくれないかな?」

 

裕樹「へ?」

 

優之・冴子「ガクッ!!」

 

翠「あらあら。」

 

宗太郎「いやぁ〜、君のような好青年が冴子の彼氏で良かった〜。冴子が素晴らしい男と出会えて良かった!そうだろう翠?」

 

翠「えぇ勿論よ。裕樹さんなら、冴子を任せて貰えそうですし。」

 

裕樹「あ・・・えっと・・・お義父さん・・・?」

 

宗太郎「うむ。」

 

裕樹「・・・お義母さん・・・?」

 

翠「うんうん♪」

 

宗太郎「裕樹君。末長く、娘を宜しくお願いします。」

 

裕樹「・・・!はい!お義父さん!」

 

冴子「やったわね!あなた!」

 

優之「って事は裕樹さんは・・・俺の義兄になるのか。」

 

翠「そうなるね。」

 

裕樹「優之君。これから宜しくお願いします。」

 

優之「あ、はい!義兄さん!」

 

宗太郎「今日はお祝いじゃ!翠!ご馳走を!」

 

翠「はい!」

 

 

 

 

数日後。東京に戻った2人は、裕樹の両親へ結婚の報告をしに行った。裕樹の両親は冴子をとても気に入り、結婚を快く了承してくれた。

 

 

 

 

9月。冴子と裕樹の結婚式が佐賀県で行われた。

 

 

 

 

 

 

結婚から6ヶ月後。待望の長女・双葉が誕生した。佐賀へ帰省した時、宗太郎は初孫にデレデレ。勿論優之も姪っ子に甘々。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在。おあにた荘。

 

優之「いやぁ〜懐かしい話だね〜。」

 

翠「本当に。」

 

淳一「宗太郎さんが裕樹さんに与える課題って、まさかお義父さんと呼んでって・・・」

 

宗太郎「いやも本当に。あの頃は冴子が裕樹君を紹介するって聞いたから、心の中の歓喜を抑えて父親面をしていたからね。」

 

裕樹「あの時は物凄く緊張しましたよ・・・」

 

宗太郎「いやぁ〜あの時は申し訳ない。でも君のお陰で、冴子は今幸せな生活を手に入れたんだ。」

 

双葉を遊んでる冴子を見る。悠里と樹々も一緒に遊んでる。

 

康介「冴子さん、今でもとっても幸せそうですね。」

 

翠「皆さんも、冴子や優之と一緒に居てくれてありがとうございます。」

 

真奈美「いえいえ。何時も楽しく遊んで貰っておりますので。」

 

有香奈「双葉ちゃんも可愛いですし。」

 

悠里「双葉ちゃんおいで〜。」

 

双葉「おねえちゃ〜ん。」

 

冴子「あ、樹々ちゃんに抱き付いた。」

 

樹々「双葉ちゃん。」

 

双葉「エヘヘ〜。」

 

樹々「・・・!」

 

双葉の天使のような笑顔に、樹々は双葉をギュッと抱き締めた。

 

冴子「あらあら♪樹々ちゃんすっかりお姉ちゃんになったね。」

 

康介「良いな〜。僕も冴子さんみたいな素敵な女性に出会いたいな〜。」

 

優之「俺も俺も。何時か結婚して、子供作って、親父と母さんに2人目の孫の顔見せたいよ。」

 

宗太郎「そんな焦る事ないぞ?優之と康介君はまだ若いんだ。何れ出会いが舞い降りて来るさ。」

 

康介「ありがとうございます。」

 

優之「流石親父。人を励ます天才だ。」

 

真奈美「宗太郎さん、翠さん、今日は晩御飯食べて行きます?」

 

宗太郎「そうですね。夕方ですので、頂きましょうか。」

 

翠「お言葉に甘えて。」

 

優之「姉さん、晩飯食って帰るか?」

 

冴子「うん食べる。」

 

双葉「たべる〜!」

 

優之「じゃあ双葉、ご飯出来るまで叔父ちゃんと遊ぶ?」

 

双葉「あそびた〜い!」

 

宗太郎「ムッ!?優之抜け駆けズルいぞ!お祖父ちゃんも遊ぶぞ〜!」

 

ハイテンションで双葉と遊ぶ。

 

淳一「宗太郎さんの祖父バカは何処まで続くんだろう?」

 

有香奈「小学校までかな?」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜

      嶋村冴子:友永朱音
      嶋村裕樹:興津和幸
      嶋村双葉:久野美咲

     愛川宗太郎:高木渉
       愛川翠:ゆきのさつき

     東山真奈美:後藤邑子


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19話・社員と社長一家

2月2日。SKY ANGLE・イラスト部。

 

木島「愛川君。」

 

優之「はい。」

 

木島「来月から、オーディションが始まるね。」

 

優之「ああ、もうそんな時期ですか。アイドルオーディション。」

 

木島「ええ。それで、素晴らしいイラストを提供してくれた愛川君に、アイドル事務所の社長からこれを。」

 

1枚の用紙を優之に渡した。その用紙には、名前と現在の学歴が書かれている。

 

優之「オーディション参加者のリストですね。」

 

参加する女学生の名前を見る。

 

優之「高校1年が結構多いですね。」

 

木島「その中に、愛川君が知ってる子が居るわよ?」

 

優之「え?・・・あ!悠里に樹々ちゃん!」

 

リストの中に、悠里と樹々の名前が入っていた。

 

木島「三峯さんと新田さんも参加するなんて、驚いたわ。」

 

優之「まさか真奈美さんの言葉が伏線回収するとは。」

 

 

 

 

 

 

お昼。食堂。優之がトニーとフィオと昼食食べてる中、悠里と通話してる。

 

優之「まさか悠里と樹々ちゃんがオーディションに出るとはね。」

 

悠里『うん。私将来何をするか迷ってた時、新しい自分に挑戦してみようと思ってオーディション受けるんだ。樹々ちゃんを誘って。』

 

優之「樹々ちゃん迷惑じゃなかった?」

 

悠里『源一郎さんに相談してみたら、『やってみても良いんじゃないか?』って後押しされてね。』

 

優之「そっか。もし2人が合格したら、おあにた荘にアイドルが誕生するな。」

 

悠里『私達がアイドルになったら、優之さんをファン第1号にしてあげるね。』

 

優之「それだと淳一が反発しそうだな。まぁ、オーディション頑張れよ。」

 

悠里『うん!頑張るよ!じゃあね。』

 

優之「ああ。」

 

通話終了。

 

トミー「アイドルですかぁ。何か憧れますね。」

 

優之「でも女性アイドル限定だけどな。フィオがもし学生だったら受けたかった?」

 

フィオ「う〜ん・・・私はちょっと目立つのは。」

 

優之「そうか。フィオはスタイル良いし、アイドルかモデルに向いてそうだけどな。」

 

フィオ「や、止めて下さい・・・」

 

優之「照れてる。」

 

トミー「悠里さんと樹々さん、合格出来れば良いですね。」

 

優之「だな。」

 

 

 

 

 

 

午後3時59分。優之が休憩室でスマホを睨んでいる。

 

優之「後5秒・・・3・・・2・・・1!」

 

午後4時。スマホを素早く操作。そして。

 

優之「っしゃ!!メビウスのアーツ予約出来た!!」

 

今日はS.H.Figuartsウルトラマンメビウスの予約開始日。優之は無事予約完了。

 

優之「いやぁ〜、連続予約成功。この調子で行けるか、途中で失敗なるか。メビウス届いたら6兄弟と並べたい。後ガイアのアーツが出れば超ウルトラ8兄弟の再現が出来るな。」

 

 

 

 

 

 

午後5時過ぎ。イラスト部は優之だけになった。

 

優之「あ〜・・・やっと仕上がった〜。彩度と影の調整が難しかった〜。ん?」

 

周りを見ると、誰も居ない。

 

優之「この感じ、残業してる感じだ。んじゃ、俺も帰りますかな。」

 

 

 

 

イラスト部の戸締りをしていると。

 

???「愛川君。」

 

優之「あ、社長。」

 

社長の吉岡がそこに居た。

 

吉岡社長「珍しいね。君が遅くまで残ってるなんて。」

 

優之「彩度と影の調整に苦戦してましてね。けどやっと完成しました。では社長、お疲れ様です。」

 

吉岡社長「あ、愛川君。この後予定あるかい?」

 

優之「え?無いですけど。」

 

吉岡社長「少し、飲みに行かないか?」

 

優之「・・・ほえ?」

 

 

 

 

楽蔵・秋葉原駅前店。

 

優之(まさか社長から飲みの誘いを受けるとは・・・)

 

心の中で緊張している。

 

吉岡社長「愛川君はジュースで良いかな?」

 

優之「はい。今日自転車で帰りますので。」

 

吉岡社長「愛川君。乾杯しよう。」

 

優之「あ、はい。」

 

グラスとビールジョッキを持って乾杯して飲む。

 

吉岡社長「ん〜旨い!」

 

優之「社長ってこうやって飲みに行かれる事あるんですか?」

 

吉岡社長「ああ。とは言っても、週に1回位。今日は宮本君と飲みに行く約束をしていたんだがな。」

 

優之「専務とですか?」

 

吉岡社長「今日は娘さんの誕生日なんだ。」

 

優之「宮本の妹さんですか。確か今年から入社するんですよね?」

 

吉岡社長「ああ。君と同じイラスト部だ。宮本君が言うには、お兄さんと違って優秀な妹だそうだ。」

 

優之「そうですか。何か宮本に対して本当辛辣だな。まぁあんな事のせいか・・・となると彼女は、俺の後輩になるんですね。」

 

吉岡社長「そうなるな。」

 

”〜〜〜♪”

 

M八七の着信音。

 

優之「あ、電話だ。失礼。もしもし?」

 

真奈美『優之君、今日は帰り遅いね。残業してるの?』

 

優之「あ、実は社長に飲みのお誘いを受けて居酒屋で焼き鳥食べてるんだ。だから少し帰りが遅くなる。」

 

真奈美『分かったわ。皆に伝えておくね。』

 

優之「うん。じゃあ。」

 

通話終了。

 

吉岡社長「真奈美さんかい?」

 

優之「ええ。」

 

吉岡社長「君の住んでるシェアハウス、とても楽しかったよ。」

 

優之「ありがとうございます。俺もあのシェアハウスに引っ越して毎日楽しいです。」

 

吉岡社長「そうだ愛川君。今週の土曜も何か予定はあるかい?」

 

優之「特に無いですけど。」

 

吉岡社長「実はね、その日私達は代々木公園でピクニックするんだ。美咲が君に会いたいと言ってな。」

 

優之「あれ?美咲さん産休終わるんですか?」

 

吉岡社長「来週に復帰するよ。」

 

優之「そうですか。俺も美咲さんに久々に会いたいです。分かりました。お誘いありがとうございます。」

 

吉岡社長「うん。また土曜日に。」

 

優之「はい。」

 

 

 

 

 

 

今週の土曜日。自転車で代々木公園へひとっ走りする優之の姿があった。

 

優之「美咲さん、久し振りに会えるな。まぁ去年の社長の誕生日パーティーに会ったばかりだけど。」

 

 

 

 

代々木公園に到着。

 

優之「社長達、まだ来てないか。早く来ちゃったみたい。」

 

吉岡社長「お待たせ愛川君。」

 

優之「あ!」

 

社長一家が来た。

 

優之「おはようございます社長。美咲さん、元気そうで何より。」

 

美咲「優之さんもお元気そうで。」

 

優之「早苗さん、充さん。ご無沙汰しております。」

 

充「お久し振りです優之さん。」

 

吉岡充。吉岡家の養子で美咲の夫。

 

早苗「去年の主人の誕生日パーティーを企画してくれてありがとうございます。」

 

吉岡早苗。達雄の妻で美咲の母。

 

優之「お、美咲さんその子が?」

 

美咲「はい。娘の夏美です。」

 

そしてこの黒髪の赤ん坊が、美咲と充の娘で達雄と早苗の孫の夏美。

 

優之「初めまして夏美ちゃん。優之おじちゃんだよ〜。」

 

指をパクパクさせて夏美に挨拶する。夏美は優之に笑顔を見せた。

 

優之「スクスク育ってるね。」

 

充「優之さん、あやすの上手ですね。」

 

優之「姪っ子が居るので。」

 

 

 

 

昼。お弁当を食べる。

 

優之「美咲さんがまた俺に会いたいとは。」

 

美咲「心配しちゃいけないと思って。」

 

優之「大丈夫だよ。社長から近況聞いているし。」

 

充「本当にすみません。」

 

優之「いえいえ。にしても、今日は天気が良いですね。」

 

吉岡社長「雲一つない快晴だな。」

 

優之「俺、ちょっと遊んで来ます。」

 

充「あ、僕も遊びたいです!」

 

優之と充が遊びに走った。

 

早苗「元気ね。」

 

美咲「うん。」

 

吉岡社長「若者は羨ましいな。私もあの頃に戻りたい位だ。」

 

 

 

 

???「・・・・」

 

背後から近付く人影。

 

 

 

 

優之「充さんサッカー上手いですね。」

 

充「中学の頃サッカー部に入ってましたからね。よっ。ほっ。」

 

綺麗なリフティングを披露した。

 

優之「おー凄え!・・・っ!美咲さん!!」

 

 

 

 

美咲「え?きゃっ!!」

 

???「動くな!!」

 

フードを被った男に捕まった。

 

 

 

 

充「美咲!!」

 

吉岡社長「美咲!!」

 

早苗「っ!?」

 

男「動くな!!」

 

ナイフの先を美咲に向けた。

 

男「お久し振りですね。社長。」

 

その男がフードを脱いだ。

 

吉岡社長「藤村!?」

 

早苗「え?」

 

優之「社長、知ってるんですか?」

 

吉岡社長「ああ。奴は我が社の元常務。3年前パワハラとモラハラを起こして私がクビにした男だ。」

 

優之「成る程。」

 

美咲「・・・!」

 

藤村「あなたのせいで、俺の人生は滅茶苦茶だ!!家族から絶縁され、挙句慰謝料請求されて借金地獄だ!!」

 

優之(元々アンタが元凶なのに責任押し付けんなよ。)

 

藤村「だから俺は、アンタに俺の苦痛を味合わせる為に来たんだ!!」

 

吉岡社長「止めろ!!娘を離せ!!」

 

藤村「安心してくれ。娘は殺さない。お前が余計な事をしなければ。」

 

吉岡社長「っ・・・!!美咲・・・!!」

 

美咲「・・・・!」

 

すると早苗に抱えられてる夏美が泣き出した。

 

藤村「ほう、お孫さんか。随分充実してるみたいだな。もし娘を返して欲しければ、この場で誠心誠意の謝罪をしろ。しなかったら、どうなると思う?」

 

吉岡社長「・・・・!!」

 

充「美咲・・・!」

 

緊迫した空気。だが優之が口を開いた。

 

優之「元々アンタが原因だろ?」

 

藤村「あ?」

 

吉岡社長「愛川君・・・?」

 

優之「アンタがパワハラとモラハラをしなければこんな事にならなかったのによ。」

 

藤村「何だお前は!!!」

 

優之「俺?SKY ANGLEの新入社員だけど?」

 

藤村「ハッ!新入社員の分際で常務の俺に楯突くのか!!」

 

優之「常務?クビにされても常務だと?バカかお前。」

 

藤村「っ・・・!」

 

優之「それにお前、人質が無いと相手をイキれない根性無しか?大の大人が人質取って何になるんだ?もしかして自分が勝った気になった感覚か?大人なら大人らしく素手で勝負すら出来ないのか?は〜情けない。」

 

得意の煽りで藤村を苛立たせる。

 

藤村「ば・・・バカにすんじゃねえ!!」

 

人質の美咲を手放した。

 

吉岡社長「美咲!」

 

倒れそうになる美咲を吉岡社長が受け止めて下がった。

 

藤村「この俺を苛立たせやがって!!上司が部下をコキ使うのが当たり前じゃないか!!!」

 

優之「それ何年前のルール?頭の中の時は止まってんの?今は昭和じゃなく令和だぞ?」

 

藤村「・・・お前を殺す!!!」

 

ナイフを強く握って優之に向かって走る。

 

藤村「死ねえェェーーーーー!!!ぐほあっ!?」

 

横からサッカーボールが飛び、藤村の顔に直撃した。

 

充「お義父さんの大切な部下に手を出すのは許しませんよ。」

 

優之「ナイス充さん!」

 

充「大丈夫ですか?優之さん。」

 

優之「何事にも気迫ですよ。」

 

充「流石ですね。美咲、大丈夫?」

 

美咲「ありがとうあなた。大丈夫よ。」

 

吉岡社長「充君。藤村を頼む。」

 

充「はい。」

 

藤村「く、クソォ・・・!」

 

充「あなたはとんでもない事をしましたね。妻だけでなく、お義父さんの部下まで殺そうとするとは。裁きの覚悟は出来てますか?」

 

藤村「裁き・・・だと・・・!?どう言う意味だ!」

 

充「言葉通りですよ!」

 

襟の弁護士バッジを見せた。

 

藤村「弁護士・・・だと!?」

 

優之「充さんは東京地裁で期待されてる大型新人弁護士だ。」

 

充「あなたには相応の罰を下しますので、覚悟して下さい。」

 

藤村「・・・負けた・・・」

 

負けを認め、手に持ってるナイフを落とした。

 

 

 

 

後日。藤村は東京地裁で人質による強要行為及び殺人未遂による罪で実刑判決が言い渡された。

 

 

 

 

SKY ANGLEでは、美咲が産休から復帰した。

 

トミー「美咲さんお帰りなさい!」

 

フィオ「元気そうで良かったです!」

 

美咲「ただいま皆さん。」

 

優之「やっと何時ものメンバーになったな。」

 

美咲「あ、優之さん。さっきお父さんが優之さんを呼んでくれって。」

 

優之「俺に?」

 

 

 

 

社長室のドアを4回ノックする。

 

吉岡社長「どうぞ。」

 

優之「失礼します。吉岡社長、お呼びですか?」

 

吉岡社長「愛川君。先週のピクニックでの事件、君を巻き込ませてしまい申し訳ない。」

 

優之「気にしないで下さい。俺から巻き込んで行っただけですから。」

 

吉岡社長「それで、私から君にお詫びを申したいと思って。愛川君、私にして欲しい事を何でもする。何か希望はあるかい?」

 

優之「・・・いえ、お気持ちだけで充分ですよ。先程言いました通り、俺は巻き込みに行っただけですって。社長が気負う必要なんて無いんですから。」

 

吉岡社長「・・・君は本当に優しい男だな。いやぁ、呼び出してすまない。戻って良いぞ。」

 

優之「はい。失礼します。」

 

彼は社長室から出た。

 

吉岡社長「良い社員を持ったものだ。」

 

秘書「はい。とても良いお方です。」

 

吉岡社長「今度また、飲みに誘おうかな?」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

 トミー・ブライアン:福原かつみ
 フィオ・ブライアン:花井美春

      吉岡美咲:有村蓮
       吉岡充:酒井広大
      吉岡早苗:大原さやか

      三峯悠里:近藤玲奈

      木島凛花:水橋かおり
        秘書:難波佑香

        藤村:藤原侑聖

      吉岡達雄:桐本拓哉
     東山真奈美:後藤邑子


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20話・従妹

2月6日。秋葉原。

 

優之「最近コレの沼にハマったなぁ。」

 

最近の優之は紡ギ箱にハマっている。

 

優之「箱開けた時の匂いはちょいキツい・・・でもデザインが好きだし、ティガとトリガーとの相性合うし好きだな。」

 

今日も紡ギ箱・第2節を購入した。

 

優之「アデラの配下達を数人欲しいしな。」

 

 

 

 

自転車でおあにた荘に帰宅した時。

 

優之「ん?」

 

門の前に座り込んでる小さな女の子が居た。年齢的に4〜5歳程。

 

優之「あの・・・そこ俺のシェアハウスなんですけど・・・何かご用ですか?」

 

少女「あの・・・パパがここから動くなって・・・」

 

優之「パパ?えっと・・・どうしよう。」

 

悠里「あ、優之さん今帰ったの?」

 

学校帰りの悠里が来た。

 

優之「あ、悠里。ちょっと女の子が門の前に座ってて・・・」

 

悠里「女の子?」

 

優之「ああ。パパにここから動くなって言われたって・・・」

 

悠里「あれ?もしかして舞ちゃん?」

 

舞「・・・」

 

名前を呼ばれて頷いた。

 

 

 

 

舞と言う少女をおあにた荘に招き入れた。

 

真奈美「舞ちゃん久し振り。元気してた?」

 

舞「うん・・・」

 

悠里「舞ちゃんは私の従妹なの。」

 

優之「え?そうなの?」

 

悠里「父の弟の子なの。」

 

優之「成る程。悠里の叔父の娘さんか。」

 

樹々「あ、舞ちゃん。」

 

淳一「舞ちゃんじゃん!」

 

有香奈「本当!舞ちゃんだわ!」

 

2階から淳一と有香奈と樹々が降りて舞を見掛けた。

 

舞「樹々お姉ちゃん。淳一お兄ちゃん。有香奈お姉ちゃん。」

 

淳一「久し振り!」

 

有香奈「しばらく見ない内に大きくなって〜!」

 

樹々「どうしたの?」

 

優之「2人のあの反応だと、知り合いみたいだね。」

 

悠里「実はおあにた荘皆知り合いなの。優之さんが入居する前から。」

 

優之「そうなんだ。でも、そんな子が何で・・・」

 

真奈美「何か事情があるんじゃないかな?」

 

悠里「事情・・・真奈美さん、今からお父さん達を呼んで良い?」

 

真奈美「そうね。ご両親なら何か分かるかも知れないわ。」

 

悠里はスマホを出して両親に電話する。

 

康介「ただいま〜。」

 

そこに康介が帰宅した。

 

真奈美「康介君おかえりなさい。」

 

康介「あれ?もしかして、舞ちゃん?」

 

舞「うん。」

 

 

 

 

 

 

数分後。悠里の家族が来た。父の三峯毅、母の香澄、姉の麻知子。

 

優之「初めまして。愛川優之です。」

 

毅「悠里から聞いております。何時もお世話になっております。」

 

麻知子「悠里。元気にしてる?」

 

悠里「うん。元気してるよ。」

 

麻知子「あなた、アイドルのオーディション受けるんでしょ?応援してるわ。」

 

悠里「ありがとうお姉ちゃん。それでお母さん、舞ちゃんについて何か分かる事ない?」

 

香澄「実は昨日、おじさんからお父さんに連絡が来てたのよね。『しばらく入院するから預かって欲しい』って。電話掛け直しても出ないから、そのままにしてたんだけど・・・舞ちゃん、ママが何処に居るの?」

 

舞「ママ、ずっと帰って来なくて・・・」

 

香澄「そう。どうしたのかしら・・・」

 

毅「隆介の奴、入院するなんて聞いてないぞ。」

 

真奈美「取り敢えずご飯にしましょう。皆さんもご一緒にどうですか?」

 

麻知子「はい、ありがとうございます。」

 

舞「あの・・・お庭に出てもいい・・・?」

 

真奈美「え?いいけど・・・」

 

舞「ありがとうございます。」

 

庭に出た舞が、とんでもない行動に出た。

 

悠里「え!?ちょっと舞ちゃん!!何食べてるの!?」

 

淳一「何で草食べてるの!?」

 

舞「え・・・ごめんなさい・・・ご飯って言ったから・・・勝手に食べてごめんなさい・・・」

 

優之「舞ちゃんの主食が庭の雑草?」

 

 

 

 

その後。夕食が出来た。

 

舞「わあ・・・凄い・・・見た事ないご飯ばっかり・・・皆一緒に食べるの?」

 

真奈美「そうよ。皆で頂きますしましょう!」

 

全員「頂きます。」

 

舞「・・・美味しい・・・この葉っぱ、何時も食べてる草とは全然味が違う。これは何?」

 

優之「これはお味噌汁。飲んでみて?美味しいぞ?」

 

舞「美味しい・・・この粒々は何?」

 

悠里「え!?それはご飯だよ?舞ちゃん、まさかご飯食べた事って・・・」

 

舞「初めて・・・ご飯って、美味しいんだね。」

 

香澄「舞ちゃん。何時もお家で何食べてるの?」

 

舞「えっと・・・お庭に生えてる植物とか、カップラーメンとか、四角いパン・・・」

 

麻知子「パパとママも同じ物を食べてるの?」

 

舞「パパとママとは、一緒にご飯食べた事ないから分からない・・・」

 

麻知子「そ、そう・・・」

 

香澄「舞ちゃんは確か5歳よね?幼稚園か保育園には通ってるの?」

 

舞「なあに?それ・・・」

 

香澄「あ、ううん、何でもないの。」

 

淳一(まさか、幼稚園すら通わせて貰えてないのか?)

 

有香奈「ねぇ舞ちゃん。ご飯が終わったらお風呂に入ろっか。」

 

舞「いいの?」

 

有香奈「ええ。」

 

 

 

 

ご飯が終わり、有香奈が舞を連れて浴室へ行った。

 

優之「舞ちゃん、ご飯食べさせて貰えてないのか。」

 

康介「みたいだね。しかもあの体型、かなり痩せ細ってるみたい。」

 

優之「皆は前に会った事あるんだよね?その時にご飯は?」

 

悠里「預けたのは昼の2時から3時だけ。ご飯は一緒に食べてない。それに、前会った時はあんなに痩せてなかった。」

 

毅「そうだとしたら、舞ちゃんの身体は・・・」

 

 

 

 

浴室。有香奈が舞の服を脱ぐと。

 

有香奈「え・・・!?」

 

舞「うわあ、凄い!凄い!舞、この中にお水いっぱい入ってるの初めて見た!」

 

有香奈「もしかして、湯船に入った事ないの?」

 

舞「シャワーしかした事ない!凄い!でもちょっと怖い・・・」

 

有香奈「怖くないよ。気持ち良いよ?一緒に入ろ。」

 

 

 

 

 

 

夜8時。舞を寝かせた後。

 

麻知子「お父さん。叔父さんから電話来ない?」

 

毅「ああ・・・」

 

香澄「変よね、何か・・・」

 

悠里「有香奈さん。舞ちゃんどうだったの?」

 

有香奈「実はさっきお風呂に入った時、背中に紫色の痣があったの。それに、服を着ていている時は分からなかったけど、ガリガリで肋骨とかも浮き出てて・・・」

 

毅「そうか・・・隆介の奴・・・ちょっと親戚中に電話してみる。何か分かるかも知れない。」

 

スマホで親戚に電話してみる。

 

優之「紫色の痣に浮き出た肋骨・・・これは完全に虐待だな。」

 

淳一「ああ。小さい子を何だと思ってるんだか。」

 

毅「そうか、ありがとう。」

 

通話終了。

 

悠里「お父さん、何か分かったの?」

 

毅「隆介の奴、親戚中に金を工面して欲しいって電話を掛けていたらしい。だけど、何処の病院に入院してるかまでは分からなかった。」

 

悠里「そう・・・」

 

毅「困ったなぁ・・・」

 

真奈美「あの、毅さん。舞ちゃんをしばらくウチで預からせて貰えませんか?」

 

毅「真奈美さん?」

 

真奈美「ずっと1人にさせるの可哀想ですし。ウチなら皆と和気藹々で楽しいですし。」

 

毅「分かりました。真奈美さん、舞ちゃんを宜しくお願いします。」

 

こうして舞は、しばらくおあにた荘に預けられる事になった。

 

 

 

 

 

 

 

2月7日。1本の電話が入った。

 

真奈美「はい、もしもし。え!?はい、はい、分かりました。」

 

優之「真奈美さん?どうかしたの?」

 

真奈美「今毅さんから電話が来て。隆介さんが万引きして警察署へ行って引き取りに行ったって。」

 

優之「万引き!?」

 

樹々「入院中じゃなかったの?」

 

 

 

 

 

 

警察署。

 

毅「お世話になりました。行くぞ。」

 

隆介「・・・・・」

 

万引きした弟の隆介を引き取って家路を歩く。

 

毅「一体どう言う事だ?入院してたんじゃなかったのか?勝手に舞を家の前に置いて・・・何かあったらどうするつもりだったんだ?」

 

隆介「・・・・・」

 

毅「何とか言えよ。聞きたい事は山程ある。取り敢えず、話し合いをしよう。」

 

隆介「っ!!」

 

突然、隆介が走り出した。

 

毅「あ!おい待て!!」

 

逃げた隆介を追うが、見失ってしまった。

 

 

 

 

 

 

おあにた荘。

 

悠里「それで逃げられちゃったのね。」

 

毅「ああ。それも一言も言葉交わさず走って逃げられた。」

 

康介「追い付けなかったんですね。」

 

毅「日頃の運動不足が祟ったかも知れない。それにしても・・・隆介、許せん!」

 

康介「毅さん。僕の知り合いに警官が居るんです。連絡しておきますね。」

 

 

 

 

 

 

それから隆介は結局見付けられず。3日が経過した。舞は香澄が務める保育園へ通い、だんだん笑顔も増えて来ている。ただ、隆介に似ているからなのか、毅にだけは中々懐かない。

 

 

 

 

 

 

そして2月13日。再びおあにた荘に電話が入った。

 

真奈美「はい、もしもし。・・・え!?本当ですか!?すぐ行きます!」

 

優之「真奈美さん、どうかしたの?」

 

真奈美「舞ちゃんのお母さんが来たって・・・優之君、悪いけど一緒に着いて来てくれる?」

 

優之「分かった。すぐ支度する。」

 

その日、優之は休暇で会社を休んでいた為、真奈美と2人で急いで保育園へ向かった。

 

 

 

 

 

 

保育園へ行くと。

 

舞の母「娘を返して頂けますか!?」

 

香澄「こんなに長い間、舞ちゃんの事を放置しておいて、今更返せなんてどの口が言うのよ!」

 

舞の母「だからこうして迎えに来たんじゃない!おばさんは黙って言う事聞いてればいいのよ!!」

 

真奈美「随分な言い草ね。自分の義姉に向かってその態度とは。」

 

優之「なぁ、隆介さんは何処行ったか知らないか?」

 

舞の母「はあ?そんなの知らないわよ。私が必要なのは舞だけ。あんなおっさんどうだっていいわ。」

 

香澄「どうして急に舞ちゃんを迎えに来ようと思ったの?」

 

舞の母「関係ないでしょ!いいから早く舞を連れて来なさいよ!こっちは時間がないんだから!!あの子が居ないと借金が返せないのよ!!早くして!!」

 

香澄「お断りします。」

 

舞の母「そう・・・分かった。誘拐事件として警察に通報してもいいのね!?」

 

香澄「どうぞご勝手に。きちんとした手続きを踏んで養子縁組をしているので、誘拐にはなりませんから。」

 

舞の母「私が知らない間に勝手な事を・・・覚えてなさい!!」

 

捨て台詞を吐いて去って行った。

 

香澄「何考えてるのかしら・・・舞ちゃん、こんな両親の下で育ったなんて・・・」

 

優之「さっき言ってた借金って言葉、引っ掛かるなぁ。」

 

真奈美「もしかして、闇金に売ろうとしてるのかしら・・・」

 

優之「香澄さん。明日から舞ちゃんをしばらく休ませて下さい。何か嫌な予感がすると思うんです。」

 

真奈美「優之君。」

 

香澄「・・・そうですね。園長にはそう伝えておきます。」

 

翌日から舞をおあにた荘で休ませてあげる事にした。

 

 

 

 

 

 

翌日の2月14日。優之がSKY ANGLEから出た。

 

優之「じゃあ今週の土曜日ね。」

 

佑美「ええ。S.H.Figuarts 15th GALLERYでね。にしても優之君。チョコ貰い過ぎじゃない?」

 

優之「ほえ?」

 

彼の両手には大量のチョコが握られてる。

 

優之「今日バレンタインデーだからね。」

 

佑美「来月のホワイトデー、期待してるわよ。」

 

優之「ああ。じゃあまた明日。」

 

 

 

 

自転車で秋葉原を走っていると。

 

”ピリリリリ”

 

スマホの着信音が鳴った。途中の脇道に自転車を停めて電話に出る。

 

優之「え?舞ちゃんの母親が逮捕された?」

 

真奈美『ええ。逮捕って言うか、藍澤組に連れて行かれたの。』

 

優之「やっぱり借金を背負ってたのか?」

 

真奈美『そうみたい。しかも自宅には人身売買の計画書が見付かったらしいのよ。』

 

優之「成る程。だから舞ちゃんを返して欲しくてあんなに急いでたのか。」

 

舞の母親は藍澤組に連れて行かれ、借金返済の為に働く日々を送る事になった。

 

 

 

 

その夜。優之の部屋。

 

優之「ん?もしもし?うん。うん。分かった。すぐ行く。」

 

誰かからの通話を終了して部屋を出た。

 

 

 

 

外に出て自転車に乗る。

 

真奈美「優之君、夜にお出掛け?」

 

優之「ちょっと呼ばれたんだ。すぐ帰って来るから。」

 

自転車である場所へ向かった。

 

 

 

 

 

 

2月15日の夜。この日は毅達がお邪魔している。そこにおあにた荘のインターホンが鳴った。

 

真奈美「はーい。どちら様ですかー?」

 

ドアを開けると。

 

???「ご無沙汰しております・・・」

 

真奈美「あなたは・・・!!」

 

毅「隆介・・・!!今まで何処に行っていたんだ!!」

 

舞「パ、パパ・・・」

 

父親の姿を見て、舞が怯える。

 

悠里「舞ちゃん。一緒に2階に行って遊ぼっか。」

 

真奈美「そうね。おやつ持って2階行きましょ。有香奈ちゃん。」

 

有香奈「うん。舞ちゃん、私の部屋へ。」

 

女性陣が舞を2階へ連れて上がった。

 

 

 

 

リビングには男性陣のみ。

 

優之・淳一・康介・毅「・・・・」

 

隆介「あいつが・・・舞の母親が逮捕されたって聞いて、真っ当に生きようと思ったんだ。」

 

毅「それで何故今出て来た?」

 

隆介「兄さん、頼む。700万貸してくれ。」

 

毅「何・・・!?」

 

優之「700万?」

 

隆介「むしゃくしゃして、ついギャンブルに突っ込んじゃって・・・投資で儲けようと思ったけど、それも失敗して・・・気付いたら借金が膨れあがっちゃってたんだ・・・借金を返して、舞と真面に生きていきたいと思ってる。」

 

その話を聞き、毅と淳一と康介が激怒した。

 

毅「巫山戯るな!!真面な生活を何1つさせて来なかった癖に今更一緒に暮らしたいだぁ!?」

 

淳一「舞ちゃんは、やっと普通の子みたいに笑うようになったんだ!!」

 

康介「あなた達のせいで、真面じゃなかった舞ちゃんがようやく普通の子と同じになったんだ!!今更それを崩そうとするなんて!!」

 

隆介「3人の言う通りだ・・・だったら、せめてお金だけでも貸してくれないか・・・?」

 

優之「・・・!!」

 

反省してない隆介に、優之が口を開いた。

 

優之「お前は結局金目的でウチに来たのかよ!!何1つ反省せずに来れもんだ!!舞ちゃんを虐待する光景が目に見えてんだよ!!それに舞ちゃんは虐待レベルで痛め付けられて、アンタの元に戻りたいとは言わないと思うぞ!!」

 

隆介「・・・さい・・・五月蝿い・・・五月蝿い!!舞は俺の子供だ!!虐待の証拠なんてない癖に、関係ないお前達まで偉そうな事を言うんじゃねえ!!俺は父親なんだから!舞と一緒に暮らす権利ってものがあるんだよ!!」

 

毅「権利を放棄しておいてよく言うよ。」

 

康介「証拠だってあるよ。」

 

虐待された時に出来上がった痣と肋骨が浮き出る程に痩せた身体の写真を見せた。

 

康介「この写真は全て知り合いの警官に提出済みだからね。」

 

優之「それにこっちは知り合いの弁護士に相談した。懲役と罰金は免れないだろうな。」

 

淳一「俺の同級生達に協力して、Twitterに呟いて貰った。アンタは世間から批判されてるかも知れないな。」

 

隆介「舞と一緒に暮らす為には、お金が必要なんだ!!なあ頼むよ!!たった1人の兄弟だろ!舞の事を思うならどうにかしろ!!」

 

毅「巫山戯るな!!もう帰れ!!二度と私達の前に現れるな!!」

 

隆介「チィッ!!」

 

椅子から立って、2階へ駆け上がった。

 

毅「なっ!!」

 

優之「野郎!逃すな!!」

 

 

 

 

2階・有香奈の部屋の前。

 

隆介「舞!!俺と一緒に帰るぞ!!」

 

ドアを開けるとそこには。

 

源一郎「ん?」

 

藍澤組の組長源一郎と組員4人が待っていた。

 

隆介「は・・・?な、何で!?」

 

源一郎「見付けたぞ。三峯隆介。組の借金の為に来てくれるとは根性あるな。」

 

隆介「何でヤクザがここに居んだよ!!舞は何処だ!!」

 

悠里「舞ちゃんはここだよ。」

 

部屋の奥に悠里達が立ってる。後ろには舞が居る。

 

樹々「こうなる事を予想してたから。お祖父ちゃんに頼んで待機させて貰ったのよ。」

 

源一郎「借金とは、借りた本人が返すってのが流儀だ。おい、連れてけ。」

 

組員達「ヘイ!」

 

隆介「く、くそッ!!」

 

その場から逃げようとしたが。

 

康介「逃がさない!!」

 

目の前に康介が現れ、逃げ道を塞いだ。

 

隆介「邪魔だ!!どきやがれ!!」

 

立ち塞ぐ康介を殴ろうとしたが。

 

淳一「おい止めろ!!」

 

康介「ハァッ!!」

 

隆介「ぐあああ!!」

 

避けた康介が、隆介の腕を掴んで背負い投げした。

 

康介「こう見えて僕、空手の有段者なんだよ?関西大会で優勝した事あるからね♪」

 

隆介「うう・・・」

 

優之「凄え〜康介さん。」

 

淳一「康介さん、腕は衰えてないみたいだね。おい隆介さん、さっき止めとけって言ったのに〜。」

 

隆介「紛らわしい事を・・・!」

 

康介「優之君、バッチリ撮れた?」

 

優之「ああ。バッチリ。」

 

持ってるスマホで一部始終を収めた。

 

優之「アンタの言動と、正当防衛の証拠もバッチリだ。」

 

隆介「くそ、どけろ!!離せ!!」

 

康介「もう暴れないでよ。疲れるから。」

 

組員「組長!確保しました!」

 

源一郎「ウム。ご苦労。」

 

 

 

 

藍澤組の車に乗せられた隆介。

 

隆介「嫌だ!!誰か助けてくれ!!!」

 

毅「自分で撒いた種だ。自分で償え。」

 

こうして隆介は舞の母親同様、藍澤組の元で借金生活を送る事となった。尚、虐待の証拠が決めてとなり、保護者責任遺棄罪及び不保護罪で書類送検された。

 

 

 

 

 

 

2月17日。

 

優之「ただいま〜。」

 

淳一「よう、おかえり。」

 

優之「舞ちゃん、ただいま。」

 

舞「おかえり。優之お兄ちゃん。」

 

おあにた荘に舞が居る。

 

優之「にしても驚いたな。舞ちゃんがウチで暮らしたいって言うから。」

 

舞「だって、ここは楽しいし、皆優しくて。」

 

そう。舞は昨日からおあにた荘で暮らす事になった。

 

真奈美「でも、麻知子ちゃんちょっと残念がってたけどね。」

 

悠里「お姉ちゃん、お母さんと同じ保育士を目指しているから。でもたまに遊びに来るって言ってたから大丈夫だよ。」

 

樹々「お祖父ちゃんから聞いたよ。2人を舞ちゃんに絶対に会わさせないって。」

 

康介「その方が舞ちゃんにとって天国だろう。舞ちゃん、今年から小学生だから、読み書きのお勉強しよっか。」

 

舞「はーい!」

 

テーブルで康介が舞に読み書きを教えてあげる。

 

 

 

 

 

 

その夜。優之の部屋。

 

優之「〜♪」

 

淳一「なぁ優之。ちょっと聞きたいんだけど。」

 

優之「ん?何じゃらほい?」

 

淳一「お前、紡ギ箱買い過ぎだろ?」

 

優之「ほえ?」

 

棚の上には、燕巫女ニョジュが量産されてる。

 

優之「いやぁ〜。もうすっかり沼にハマっちゃって。でも色々シチュエーションとか出来るし良いかな〜って。」

 

淳一「だとしても16体は多過ぎだろ・・・」

 

こうして、舞の虐待事件は無事終息した。おあにた荘に舞が入居した。

 

 

 

 

 

 

一方、ある男の方の事件も終息していた。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜

       三峯舞:大空直美

       三峯毅:小上裕通
      三峯香澄:増田ゆき
     三峯麻知子:田中那実

      雨原佑美:伊藤美来

     藍澤源一郎:小杉十郎太
        組員:小林竜之

      三峯隆介:片山公輔
      舞の母親:的場加恵

     東山真奈美:後藤邑子


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20・5話・仕打ち

2月6日・SKY ANGLE。

 

優之「今日も帰りに紡ギ箱買おうかな〜。ん?」

 

食堂へ行くと、落ち込んでる雅春の姿を発見。

 

優之「雅春先輩〜。」

 

雅春「・・・あ、優之。」

 

優之「どしたの?そんなに落ち込んで。何か嫌な事あった?」

 

雅春「ああ・・・優之は俺が既婚者だって事知ってるよね?」

 

優之「勿論。今年小学生になる娘さんも居るよな。」

 

雅春「実は・・・」

 

 

 

 

 

 

1月29日。栗田家。

 

麗花「じゃあ、ママはお友達とランチに行って来るね!」

 

雅春「楽しんで来てね。」

 

麗花「行って来まーす。」

 

妻の麗花は友達とランチに出掛けた。

 

 

 

 

雅春は高校卒業後に上京し、東京の大学へ通った。大学時代友人の紹介で麗花と出会い、19歳で結婚して大学を卒業。その翌年に娘の梨奈が誕生した。

 

今は家族3人で平穏な暮らしを送っている。

 

 

 

 

その翌日の1月30日。雅春のスマホに義父からのLINEが来た。

 

雅春「お義父さん?」

 

LINEを見る。

 

『雅春君。今夜麗花達に内緒でウチに来てくれないか?話したい事がある。』

 

雅春(麗花に内緒でって・・・一体何の話だろう?来月は麗花と梨奈の誕生日だから、プレゼントの相談かな?麗花に遅くなる事を連絡しとこう。)

 

 

 

 

 

 

仕事終わりに雅春は、約束通り義実家に向かった。義母が出迎えてくれたのだが、顔が暗かった。リビングへ行くと、義父と義兄と義妹も居た。3人の顔も暗かった。5人から察するに誕生日プレゼントの相談の話ではなかった。

 

繁「雅春君、よく来てくれたね。」

 

義父の繁。

 

雅春「皆さん、どうしたんですか?」

 

繁「取り敢えず、座りなさい。」

 

雅春「あ、はい。」

 

テーブルの椅子に座った。そして義父から信じられない言葉が出た。

 

繁「・・・実はね、麗花が梨奈の幼稚園の保護者と不倫をしているようなんだ。」

 

雅春「え!?」

 

晋太郎「その時、僕とお母さんが買い物へ出掛けていた時に、麗花が知らない男と腕を組んで歩いていたのを目撃してね・・・相談して興信所に依頼して調べたんだ。これがその結果だよ。」

 

義兄の晋太郎が、興信所からの結果を雅春に見せた。

 

晴子「2人は頻繁に会っていたらしくてね、時には遠出をしていたのよ・・・」

 

義母の晴子。

 

雅春「・・・この日も・・・この日も・・・この日も!俺にはママ友とランチって・・・プチ旅行に行って来るって言ってたのに!?」

 

美子「相手の男は営業職らしくて、自分の奥さんには都合良く嘘を吐いたかも知れない。」

 

義妹の美子。

 

繁「不倫を止めさせようとも考えたが、雅春君に話して、決断を委ねようと思って・・・」

 

 

 

 

その帰り道。雅春は家路を歩く。

 

繁『ウチの娘が、申し訳ない!』

 

晋太郎『愚かな妹ですまない!』

 

帰り際に繁と晋太郎から謝罪された。

 

 

 

 

家に帰った雅春。彼は義家族からの衝撃的な事実が受け入れず、これから何をどうしたら良いのか分からないでいた。

 

麗花「ちょっと〜!ねえ!雅春!」

 

雅春「っ!?うぉぉ!?な、何!?」

 

麗花「来週末に、友達と旅行して来ていい?」

 

雅春「え・・・その日、何か他に予定あるって言ってなかったっけ?」

 

麗花「そうだっけ?()()()()()でしょ?」

 

雅春「ぁ・・・そうか。」

 

麗花「ん?まぁ良いわ。じゃあ梨奈の事宜しくね!」

 

この時雅春は、麗花に対する愛情は完全に冷め切っていた。来週の土曜日は梨奈の誕生日だからだ。

 

 

 

 

麗花が部屋に戻った後。雅春はすぐに義父の繁に電話した。麗花は子供の誕生日を忘れる位浮気相手に夢中らしい。そう考えると、麗花への気持ちが無くなったのだ。

 

雅春「もしもし、お義父さんですか?」

 

繁『雅春君か。どうしたんだい?』

 

雅春「麗花、来週末旅行へ行くらしいです。」

 

繁『・・・そうか、分かった。興信所に連絡をして尾行して貰うように言っておくよ。本当にすまない。あんな娘になってしまって・・・』

 

雅春「お義父さんは悪くないですよ。」

 

 

 

 

 

 

そして現在。

 

優之「娘さんの誕生日を忘れる程浮気相手に夢中とか・・・最低な奥さんだな!!」

 

雅春「だから、もうこれ以上麗花と一緒に居ると子供に悪影響が出ると思う。でも、梨奈が麗花に付いて行くと考えると・・・」

 

優之「先輩・・・そうだ!梨奈ちゃんの誕生日、俺達も参加して良い?」

 

雅春「え?俺達って・・・?」

 

優之「魂クラブの皆とだよ!大勢で誕生日を祝った方が梨奈ちゃん喜ぶだろうと思って!」

 

雅春「・・・ありがとう。お義父さんに参加して良いか連絡しておくよ。」

 

優之「んで、問題は麗花さんだな。証拠を集めたとしても、ただの友達と言い張るだろうな。」

 

雅春「・・・そう、だよな。」

 

 

 

 

 

 

2月11日。旅行当日と梨奈の誕生日。

 

麗花「行って来まーす!」

 

雅春は梨奈と一緒に車で麗花を駅まで送った。しばらくして義父から、『旅行の相手は不倫相手だった』と連絡が来た。そして義父から、優之達が梨奈の誕生日に参加してくれる事を喜んで快諾してくれた。

 

 

 

 

駐車場。雅春が梨奈にある質問をした。

 

雅春「なぁ、梨奈・・・パパとママどっちと一緒に居たい?(バカだな・・・俺は。普段一緒に居るのは麗花の方なんだから、俺を選ぶはずないのに・・・)」

 

心の中でそう後悔していた時。

 

梨奈「梨奈はね〜、パパと一緒に居たいよ!」

 

雅春「え!?」

 

梨奈「だってね、最近のままはちっとも梨奈と遊んでくれないんだよ〜!ずっとスマホ!遊んでって言ったら『後でね!』って言ってずっとスマホなの!パパは一緒に遊んでくれるでしょ?だからパパ大好きだよ!パパのご飯も大好き!!後ねー。」

 

雅春(・・・・・!)

 

後部座席で一生懸命に雅春の好きな所を話す梨奈の声を聞いて、雅春は思わず泣いてしまった。梨奈のそんな話を聞いているウチに、雅春は麗花と離婚して、梨奈を1人で育てようと決断をした。

 

 

 

 

家に帰った雅春は考え事をした。

 

雅春「・・・とは言え、このまま離婚して親権取って慰謝料じゃなぁ・・・」

 

 

 

 

優之『証拠を集めたとしても、ただの友達と言い張るだろうな。』

 

 

 

 

雅春「そうだ!荷物を相手の家に送ってやろ〜!」

 

あの時の優之の言葉を思い出し、麗花の荷物を浮気相手の家に送る事を思い付いた。

 

 

 

 

しばらくして、麗花から電話が来た。

 

麗花『もっしも〜し。梨奈も家の事も大丈夫?』

 

雅春「滞りなく〜♪」

 

麗花『何〜?その言い方。私が居ないからって浮気しちゃダメよ♡』

 

雅春「ハハッ。する訳ないじゃ〜ん♪(お前が言うなあああーーーー!!!)」

 

心の中でツッコミの怒号を叫んだ。

 

 

 

 

 

 

義実家。優之達も来てる。

 

繁「雅春君、麗花は何だって?」

 

雅春「私が居ない間に浮気しちゃダメよ♡ですって。」

 

繁「全く!どの口が言っているんだか!」

 

梨奈「お祖母ちゃん、浮気ってなぁに?」

 

晴子「え、あ、梨奈ちゃん!今日は梨奈ちゃんが大好きな唐揚げを沢山作るから楽しみにしててね?」

 

晋太郎「梨奈!おじちゃん達と遊ぼっか!」

 

美子「おばちゃんも遊ぶぞ〜!」

 

梨奈「わ〜い!遊ぶ遊ぶ〜!」

 

晋太郎と美子が梨奈と遊ぶ。

 

優之「麗花さん、何時帰って来るんだ?」

 

雅春「14日に帰るって。」

 

佑美「バレンタインね。にしても、麗花さん酷いわね。梨奈ちゃんの誕生日を忘れるなんて。」

 

涼子「本当ですよ!聞いただけで反吐が出ます!」

 

胡桃「離婚するのは最適な判断だよ!梨奈ちゃんに悪影響が出るからね!」

 

雅春「ああ・・・」

 

幸彦「全くだな。俺の妹もそんな感じだったな。」

 

優之「そう言えば幸彦先輩の妹さん、再婚してたっけ?」

 

幸彦「まあな。離婚原因は元夫の浮気。奴は勝ち誇ったようにあっさり離婚して、親権を破棄したんだ。。んで、浮気相手の元旦那は、家庭的で家族を大事にしてるって言ってた。俺は彼を気に入って妹と再婚させた。本当のおしどり夫婦全開さ。」

 

雅春「常識のある両親に育てられたのに、麗花は何で浮気なんかを・・・」

 

幸彦「浮気する女にはな、2つの特徴があるんだ。1つは刺激。毎日同じ人と一緒に居ると興味を無くし、何か刺激を求めたくな。そこで浮気に手を染めてしまうんだ。2つは金。女は大抵金の事しか考えないんだ。だから、自分の夫より稼ぎの良い男を選んで、秘密裏に交際をする。これが浮気女の2つの特徴だ。」

 

優之「流石幸彦先輩。浮気に関する事は物知りだな。」

 

幸彦「まぁな。俺の友人が探偵やっててな。」

 

 

 

 

それから雅春は、義家族に今後の事を話し、岐阜県に住んでいる両親にも報告した。両親は雅春と梨奈の意思を尊重してくれた。

 

 

 

 

そのまま梨奈の誕生日会をした。梨奈はごちそうもプレゼントも喜んでいた。そして優之達と遊んで盛り上がった。

 

 

 

 

 

 

2月14日。この日雅春は休暇を使って、住んでる家を手放し、義実家付近の一軒家に引っ越した。

 

 

 

 

夕方。優之が佑美と一緒にSKY ANGLEから出た。

 

優之「じゃあ今週の土曜日ね。」

 

佑美「ええ。S.H.Figuarts 15th GALLERYでね。にしても優之君。チョコ貰い過ぎじゃない?」

 

優之「ほえ?」

 

彼の両手には大量のチョコが握られてる。

 

優之「今日バレンタインデーだからね。」

 

佑美「来月のホワイトデー、期待してるわよ。」

 

優之「ああ。じゃあまた明日。」

 

 

 

 

 

 

新居に引っ越した雅春は、夕飯を作った。

 

梨奈「いただきま〜す!」

 

”ピリリリリリリ”

 

雅春「ん?麗花か。もしもし?」

 

麗花『これ一体どう言う事よ!!!!』

 

雅春「うっ!?」

 

彼女の怒号が響いた。

 

雅春「・・・何が?」

 

麗花『何がって・・・旅行から家に帰って来たら、ウチは売地になってるし。家に入ったら2人共居ないし、家の中には何もないし・・・あるのは部屋に置かれた離婚届だけ!!』

 

雅春「娘の誕生日よりも、不倫旅行を取ったお前に感情が冷めたんだよ。離婚届と一緒に内容証明置いてあるだろう?見なかったのか?」

 

麗花『梨奈の誕生日は忘れてないわよ!!友達がその日じゃないといけないって言うから・・・第一、こんなの合成写真でしょ!?私は不倫なんかしてないから!!』

 

雅春「俺が聞いた時はただの土日って答えただろ?まあいいや・・・じゃあこれからお前の実家で話し合おうか?」

 

麗花「い、いいわよ・・・(後で後悔させてやるから。)」

 

通話を切った。

 

雅春「梨奈を1人にさせるのは不安だな・・・そうだ!」

 

 

 

 

 

 

一方優之は、部屋でインスタを投稿していると。

 

優之「ん?もしもし?うん。うん。分かった。すぐ行く。」

 

雅春からの通話を終了して部屋を出た。

 

 

 

 

外に出て自転車に乗る。

 

真奈美「優之君、夜にお出掛け?」

 

優之「ちょっと呼ばれたんだ。すぐ帰って来るから。」

 

自転車である場所へ向かった。

 

 

 

 

 

 

義実家。リビングで麗花が家族に言い訳を始めた。優之もお邪魔してる。

 

優之「あれが麗花さん?」

 

雅春「ああ。」

 

麗花「ねぇお父さん!お母さん!お兄ちゃん!美子!私不倫なんかしてないわ!本当にお友達と一緒に旅行に行ってたの!梨奈の誕生日は残念だったけど、日を改めれば良いと思って・・・」

 

繁「はぁ・・・」

 

晋太郎「・・・・」

 

見苦しい言い訳に、繁と晋太郎は呆れた。

 

晴子「あのね、麗花。あなたの不倫現場を目撃したのは私と晋太郎なの。」

 

美子「父さんと母さんと兄さんが悩んだ挙句、興信所に頼ったのよ。それで姉さんの不倫が証明されたのよ。その後雅春さんに打ち明けたんだよ!」

 

麗花「嘘でしょ・・・こんなの絶対にありえないんだけど!!」

 

”ピリリリリリリ”

 

今度は麗花のスマホに着信が。

 

雅春「どーぞどーぞ。」

 

電話に出る。

 

麗花「・・・もしもし・・・」

 

浮気相手『てめぇ!!巫山戯んじゃねぇよ!!こんな荷物送り付けやがって!!お陰で嫁に不倫の事バレてこっち修羅場になってんだけど!!!』

 

麗花「は?荷物!?何言ってんのよ!!こっちだって大変なんだから!!お互い離婚しようって言ってたんだから丁度良いじゃない!!」

 

浮気相手『おい!そんな事今言うな!!今スピーカーで嫁が聞いてるんだよ!!』

 

麗花「そんなの知ら・・・ちょっと!!」

 

通話中に雅春がスマホを取り上げ、スピーカーONにして話す。

 

雅春「もしもし、麗花の夫の雅春です。」

 

優之「その後輩でーす。」

 

雅春「荷物を着払いで受け取って頂いてありがようございます。」

 

浮気相手『くそ!!テメェの仕業かよ!!テメェのせいで家庭は滅茶苦茶だよ!!迷惑料として金寄越せ!!』

 

優之「は?お互い結婚してるのに不倫してる奴が何言ってんだよ?アンタは奥さんが居ながら不倫して何が楽しいの?これ以上不倫して何時か興味無くすだろうによく続けられるな。それともあれか?奥さんが怖いから自分に優しくしてくれる運命と出会う為に手を汚くしたのか?」

 

浮気相手『クッ・・・!だ、黙れ!!部外者は引っ込んでろ!!』

 

雅春「どっちが悪いか分からないなら、裁判で決めようか?」

 

浮気相手『ふ、巫山戯んな!!』

 

雅春「こっちは離婚します。裁判で悪い人には慰謝料を払って貰う事にしましょう。」

 

優之「逃げれると思うなよ?通話内容を録音中だから、言葉遣いには気を付けた方が良いぞ?」

 

浮気相手『ちょっと声掛けたら簡単に着いて来るお前の嫁がいけねぇんだよ!!ハッ!』

 

雅春「つまりあなたのせいですね?家庭が壊れるのは自業自得!自分がした事をしっかり考え直して下さい。」

 

浮気相手『あわわわわ・・・!ごご、ごめんなさい!!!』

 

大声で謝罪され通話終了。

 

雅春「って言う事で、俺達は離婚。手紙通り梨奈は俺との生活を望んでいる。親権は俺が取る。」

 

麗花「許して下さい!私は専業主婦です!慰謝料を払うお金がありません!何より梨奈は私の宝物!離婚はして良いので親権は取らないで!!」

 

雅春「その宝の誕生日に不倫旅行に行っておいて何言ってんだよ?」

 

優之「親権が欲しいのか?」

 

麗花「そうです!!だから!!」

 

優之「それって、養育費が欲しいだけじゃねえの?親権を取ったら先輩から養育費が振り込まれる。アンタはその養育費を梨奈ちゃんに使わず自分の欲望の為だけに使う。その未来が見えてんだよ。」

 

麗花「そんな事しません!!お願いします!!」

 

雅春「そんなに信じられないなら本人に聞いてみようか。優之。」

 

優之「ああ。」

 

2階に居る梨奈を連れて来た。

 

梨奈「お兄ちゃん、どうしたの?」

 

優之「梨奈ちゃん。パパとママ、どっちと一緒に暮らしたいんだっけ?」

 

梨奈「パパだよ!ママはスマホばっかりで楽しくないもん!パパやお祖父ちゃん達と居る時の梨奈は幸せだよ!」

 

麗花「嘘でしょ・・・!?毎日一緒に居るのに・・・ちょっとしか会わない父親を選ぶなんて・・・」

 

優之が梨奈を2階へ連れて行ってあげた。

 

晋太郎「まだ現実が見えないのか!お前は梨奈を放って置いてスマホばっかりやってる!その事自体が梨奈がママへの興味を無くしたんだよ!!」

 

麗花「嘘よ・・・そんなの・・・そんなの絶対ありえない!!!」

 

繁「はぁ・・・麗花。お前みたいな子供は親の恥だ。お前は今後一切の縁を切る。」

 

麗花「え!?嘘でしょ!!私は娘なのよ!?捨てられて、お金も無いのに助けてくれないの!?それでも親なの!?」

 

繁「子供の誕生日も忘れて不倫を楽しんでいるお前に、親を語れる資格があるのか!!!!」

 

麗花「・・・!ねぇお兄ちゃん!!助けてよ!!妹が可哀想とは思わないの!?」

 

晋太郎「僕はそんな妹に育てた覚えはない!!自分で撒いた種は自分で回収しろ!!」

 

麗花「美子!お姉ちゃんを助けてよ!!もう不倫なんてしないから!!」

 

美子「近寄らないで気持ち悪い!!私には姉なんて居ません!!兄の晋太郎と義兄の雅春さんしか兄弟は居ません!!」

 

麗花「ううう・・・」

 

誰も助けてくれず、その場で項垂れるしかなかった。

 

 

 

 

 

 

2月16日。裁判や新居や引っ越しでドタバタした生活を送っていたが、離婚は成立し、親権は無事雅春に渡った。その後麗花には接近禁止命令が言い渡され、今後一切雅春達への接近を禁じられた。麗花も不倫相手も、雅春と不倫相手の嫁に慰謝料と養育費を一括で支払って貰った。その後2人は行方知らずとなった。

 

 

 

 

 

 

2月17日。

 

晴子「まぁ・・・ランドセルがよく似合うわ!」

 

美子「梨奈ちゃ〜ん!こっち向いて〜!」

 

晋太郎「あぁ〜、姪っ子が天使になった〜!」

 

繁「ううぅ・・・」

 

ランドセルを背負った梨奈に、繁と晋太郎と美子が泣きながらスマホで連写する。

 

繁・晴子「孫万歳!」

 

晋太郎・美子「姪っ子万歳!」

 

梨奈「お祖父ちゃん、お祖母ちゃん、伯父ちゃん、叔母ちゃん、ランドセルありがとう!」

 

雅春「もう皆さん泣き過ぎですよ。」

 

繁「いやいや雅春君!可愛い孫が小学生になって私は嬉しいよ!」

 

晋太郎「これから大変だと思うけど、僕達も協力するからね!」

 

今年の春から小学1年生になる梨奈。まだまだ親子2人の生活に慣れないけど、義家族が梨奈の事を見ていてくれているので安心。素敵な女性に育って貰いたいと心から願う雅春だった。

 

 

 

 

 

 

その夜。優之の部屋。

 

優之「どう?梨奈ちゃん元気してる?」

 

雅春『うん。今日お義父さん達、梨奈のランドセルと制服を買ってくれてね。』

 

優之「今年から梨奈ちゃん小学生かぁ。」

 

雅春『そう言えば、優之の方も。』

 

優之「ああ。新しく入居した舞ちゃん。あの子も春から小学生になる。康介さんから読み書きの勉強を教えて貰ってる。後双葉も小学生になる。」

 

雅春『もしかしたら、梨奈と舞ちゃんと双葉ちゃんお友達になれるんじゃないかな?』

 

優之「そうなったら嬉しいね。じゃあ先輩、子育ても頑張って!」

 

雅春『ありがとう!じゃあね!』

 

通話終了。

 

優之「ふぅ〜・・・そう言えば、俺がおあにた荘に引っ越ししてから1年になるなぁ〜。」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      栗田雅春:梶原岳人
      栗田梨奈:和多田美咲

      雨原祐美:伊藤美来
      猪本凉子:茜屋日海夏
      澁谷胡桃:山口立花子
     長谷部幸彦:松風雅也

         繁:土師孝也
        晴子:倉田雅世
       晋太郎:赤羽根健治
        美子:真堂圭

      栗田麗花:島本真衣
      浮気相手:武田幸史

     東山真奈美:後藤邑子


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21話・15周年

2月18日。TAMASHII NATIONS TOKYO前。

 

優之「早く来ちゃったかな?」

 

佑美「お待たせ〜!」

 

そこに佑美が走って来た。

 

優之「お、先輩来た。」

 

佑美「ごめんなさい。準備に遅れちゃって。今日が楽しみで昨日眠れなくて。」

 

優之「子供かよ・・・まぁ入ろうぜ。」

 

今日2人がここへ来たのは、現在開催中のS.H.Figuarts 15th GALLERYを見に来ただからである。

 

佑美「フムフム。外ではギーツのアーツが展示されてるね。」

 

優之「新作アーツが大々的に展示されるのは当たり前だけどね。」

 

佑美「じゃあ中に入ろっか!」

 

 

 

 

ギャラリー。

 

優之「S.H.Figuartsはもう15周年かぁ。改めて思うと早いもんだな。」

 

佑美「だね。」

 

 

 

 

2008年。

 

佑美「1番最初は仮面ライダー THE NEXTの3人だね。」

 

優之「確かこの当時、合金が使われていたから自立が安定してたみたい。」

 

佑美「今見ると、デザイン今でも通用しそうだね。」

 

優之「下にはデネブと地獄兄弟、コーカサスにドモン・カッシュか。」

 

佑美「ドモンがアーツに出たのはちょっと意外だったけど。」

 

 

 

 

2009年。

 

佑美「ここからプリキュアシリーズが展開されたんだね。」

 

優之「特撮系だけに絞るかと思っていたが、アニメキャラも展開。しかもキュアドリームとか懐かしいな。姉さん小学校時代にプリキュア5にハマってたからな。」

 

佑美「その後にNEW電王とモモタロスかぁ。モモタロスは椅子とテーブル。デンライナーの車内の再現してるね。」

 

 

 

 

2010年。

 

優之「そっか。ドラゴンボールも結構昔から展開されてたんだな。」

 

佑美「悟空とピッコロ。へぇ〜、ルフィもそうなんだ!今はフィギュアーツZEROでしか出てないから意外!」

 

優之「下はディケイドにW、そしてハードボイルダーとブレイドブレードとTHE FIRST版のサイクロン号か。」

 

 

 

 

2011年。

 

佑美「私、タイバニ好きだったな〜。」

 

優之「俺タイバニ詳しくないけど、全身に企業ロゴがあるのって新鮮だな〜ってずっと思ってたな。」

 

佑美「龍騎もここからね。それにドラグレッダーデカいなぁ〜。」

 

優之「真骨彫並の造形だな。この龍騎。あ、ライドベンダーあるし。しかも自販機モード。バイクモードまだアーツに出てないもんな。」

 

佑美「サイクロンアクセルエクストリーム。劇中に一度しか登場しなかったレアもアーツに出てたね。」

 

優之「ツナシ・タクトとか懐かしいな。それに殿とマーベラスもパーマンもここからか。」

 

佑美「ドラえもんとのび太のアーツも出てたね。しかも昼寝ポーズを再現出来るとか造形凄過ぎでしょ?」

 

 

 

 

2012年。

 

優之「アキバレンジャー。非公認戦隊がここでお出ましかぁ。」

 

佑美「フォーゼからは、フォーゼとパワーダイザーと宇宙服。戦隊からはバスコとサリー、イエローバスターとウサダね。あ、腑破十臓も出てた!そうそうそうだったね!」

 

 

 

 

2013年。

 

佑美「ここからアイアンマンが展開されたね。しかも最初がマーク6とは。」

 

優之「ToLOVEるにサイボーグ009、ルルーシュとセーラームンに両さん。」

 

佑美「このファイズあれだね。ブラックライトで発光する奴だ。仮面ライダーサイクロン。小説版でフィリップが変身した幻のライダー。これ風都探偵で出ないかな?」

 

 

 

 

2014年。

 

優之「アーツ発表から6年。早くも真骨彫が発表か。」

 

佑美「最初はカブト。私真っ先に買いに行ったな〜。何せ最初より造形が格段と上がってたから欲しくて欲しくて。」

 

優之「やっぱ真骨彫はテンション上がり系?」

 

佑美「上がり系。」

 

優之「そうそうマリオもこの年からだったな。俺ルイージ持ってたな。ナルトに貞子もアーツで出たな。」

 

佑美「プククククク・・・!」

 

優之「ん?先輩どうしたの?笑い堪えてるけど。」

 

佑美「いや・・・貞子をシンケンレッドの名乗りポーズにしたのを思い出して・・・シュール過ぎて笑い転げた時を思い出して・・・!プククククク・・・!」

 

優之「あ、それは流石にシュール過ぎるね。下にはバットマンとアイアンマンマーク42。あ〜そうそう!カメラ男とパトランプ男!NO MORE 映画泥棒!」

 

 

 

 

2015年。

 

優之「こっからスターウォーズ展開の予兆だな。そうそうここからだったな!アクトアーツのULTRAMAN!この時からULTRA-ACTの終了間近だったな。」

 

佑美「トライドロン。今も持ってるわ。今もドライブを乗せてる。助手席にFigmaのアスナ乗せてる。」

 

優之「ブッ!おいおいキリト激怒案件だぞそれ・・・」

 

 

 

 

2016年。

 

優之「ULTRA-ACTが終わってウルトラマンがアーツシリーズに移ったな。」

 

佑美「この時はまだLSSの監修が無かったね。」

 

優之「オーブのスペシウムゼペリオン辺りからだったな。LSSの監修。今のウルトラアーツは拘りを追求してるからな。」

 

 

 

 

2017年。

 

優之「パイレーツオブカリビアン。ジャック・スパロウ。ストリートファイターのリュウと春麗。」

 

 

 

 

2018年。

 

優之「アハハ。有野課長のアーツ。見てるだけで草生えるな。あ、キングダムハーツの王様もそうだったな。」

 

佑美「ダウンタウンの再現度高いな〜。檀黎斗・・・顔がウケる。」

 

 

 

 

2019年。

 

佑美「アベンジャーズエンドゲーム。あれ凄く面白かったな〜。帰ってBlu-ray見直そうかな?」

 

優之「アマゾンズの最後ノ審判セット、真骨彫キバ、斬月カチドキ。姉さんにBlu-ray貸して貰ったな〜。凄く面白かった。真骨彫キバは本当鎖の造形とか苦労してたんだな〜。」

 

 

 

 

2020年。

 

優之「こっからコナンが出たな。トニー・スタークもそうだ。」

 

佑美「ゼロワンのイズ、バットマンとワンダーウーマン。」

 

 

 

 

2021年。

 

優之「ウルトラアーツ展開から5年で早くも真骨彫がスタートしたな。いやぁ〜、真骨彫ティガ並んで買ったな〜。」

 

佑美「私予約争奪戦で勝って手に入れたな〜。ウルトラアーツの真骨彫って凄い拘りを感じるね。」

 

優之「ライダーだと実際の骨格を造形して、肉体とアーマーを装着させてるから。ウルトラアーツは当時のスーツアクターさんの肉体をスキャンしてアーツに落とし込んでるからな。」

 

佑美「シン・ウルトラマン。公開延期になったのは残念だったなぁ〜。やっと公開されて開封したね〜。」

 

優之「え、1年も開けてなかったの!?」

 

佑美「だってぇ〜、映画見た後に動かしたいじゃん?」

 

優之「拘りが凄い・・・」

 

 

 

 

2022年。

 

優之「ウルトラアーツ100体目記念で初代ウルトラマンの真骨彫。いやぁ〜、古谷敏さんの体型がまだまだ現役なのが凄いなぁ〜。」

 

佑美「ウマ娘シリーズも去年から展開したね。胡桃、皆集める気みたいよ?」

 

優之「Figmaも含めて?」

 

佑美「らしい。あ、そうそう。戦隊アーツが復活して嬉しいわ〜。もう真骨彫並の造形。」

 

優之「BLACK SUNのアーツ。上様もアーツで出るとは笑ったな。」

 

 

 

 

2023年。

 

優之「チェンソーマンも今年かぁ。後シン・仮面ライダーも。」

 

佑美「公開日が決定されて良かった。私17日に行くわ。優之君は?」

 

優之「ああ、姉家族と17日に見に行く予定。」

 

佑美「ギーツは予約してあるから後で買いに行かなきゃ。」

 

優之「スレッタ・・・幸彦先輩、1期の最終回でドン引きしたって話だぞ。」

 

佑美「聞いた。結構苦笑いしてたね。」

 

優之「遮るんじゃなく潰したんだよなぁ〜。」

 

 

 

 

仮面ライダーギーツができるまで。

 

佑美「スーツデザインのチェックから、商品仕様の細部まで決める。原型制作に入る為のデータ作成して、原型出力と彩色マスターを経て、商品化の開発スタートかぁ。彩色工程が350とか凄〜い!」

 

優之「データが事細かに指示や修正が書かれてるな。劇中スーツに限りなく近付ける為の試行錯誤を繰り返して、遂に発売と。」

 

佑美「しかもパーツが換装出来るから、今後の展開が楽しみね〜。」

 

 

 

 

展示ブース・仮面ライダー編。

 

佑美「歴代のマシンが展示されてる!」

 

優之「まだ未発売の奴もあるな。」

 

佑美「優之君、もし現実にあったらどれ乗りたい?」

 

優之「俺は・・・ライドシューターかな?近未来的なデザインだし、雨風とか遮れるし。」

 

佑美「それだったらライドロンとかトライドロンが良くない?お、ギーツの展示!あナーゴが参考出品されてる!」

 

優之「先輩もう予約したの?」

 

佑美「予約しない私が何処に居るの?」

 

優之「真骨彫ファイズの展示。やっぱりスーツに見えるなぁ〜。しゃがみポーズが自然だし。」

 

佑美「クウガのライジングドラゴン!これゴ・ベミウ・ギの再現じゃん!細かいなぁ〜!」

 

優之「爆発がちゃんと海から爆発してるし。」

 

佑美「真骨彫バースとCLAW.sサソリ。これももう予約した。」

 

優之「先輩、財力どんだけあんの?下手すると破産するよ?」

 

佑美「大丈夫大丈夫。インスタで収益稼いでいるから。」

 

優之「そうだった。先輩も副業してたな。」

 

佑美「あ、ギーツのフィーバーブーストも展示されてる!」

 

優之「BLACK SUNとSHADOWMOONとバトルホッパー。西島さんリアルだなぁ・・・田村班長のイメージが強いな。」

 

 

 

 

スーパー戦隊編。

 

優之「戦隊の真骨彫もスーツアクターさんのボディをスキャン。」

 

佑美「腕組みポーズが自然に出来てるね〜。あ〜あ、サイト開いたらもう在庫切れだったなぁ・・・」

 

優之「あれ、もしかして予約出来なかった?」

 

佑美「そうなのそうなの!転売ヤーにやられちゃったのよ!悔しい〜!」

 

 

 

 

ウルトラマン編。

 

優之「やっぱり俺はウルトラマンだなぁ〜!ニュージェネヒーローが勢揃いしてる!もう全部持ってる!」

 

佑美「これニュージェネレーションスターズのビジュアルを再現してるね。」

 

優之「ゼロはまだディメンションナイザー握ってないな。今後出るかも。」

 

佑美「テラフェイザーもある。」

 

優之「もう予約した。」

 

佑美「シン・ウルトラマンね。」

 

優之「メフィラスもそうだが、にせウルトラマンと降着したウルトラマンの到着が楽しみだ。お!トリガートゥルースあるじゃん!これも欲しいなぁ〜!」

 

佑美「最終回でカルミラが消えるシーンを再現してるね。」

 

優之「レグロスとタルタロスも予約した。今後ディアブロが出るな。まだ参考出品だけど。メビウスも楽勝だったな。」

 

佑美「優之君、ウルトラアーツだと無敗だね。」

 

優之「これを手に入れず何すればいいんだよって話だよ。はやく6兄弟並べたい。後ガイアが出れば超ウルトラ8兄弟が再現出来る。」

 

佑美「怪獣アーツも全部展示されてるね。」

 

 

 

 

 

 

ヨドバシカメラ秋葉原で佑美が予約したギーツのアーツを買った。

 

 

 

 

 

 

GiGO コラボカフェ秋葉原4号館。

 

佑美「ふぅ〜。いやぁ〜、良い展示ばっかりで良かった〜。」

 

優之「そう言えば先輩。普段クラブの皆で行こうって言う企画じゃなかったの?」

 

佑美「実はね、他の皆待ち切れず開催日当日に行っちゃってたみたいなの。」

 

優之「あ、そうなんだ。」

 

佑美「もう、来週のクラブで反省会しなきゃ!」

 

優之「あはは・・・」

 

佑美「そうだ。おあにた荘はどお?新しい子が住んでるって聞いたけど。」

 

優之「ああ、舞ちゃんね。悠里の従妹で、両親から虐待されて、更に人身売買されそうになったけど藍澤組に連行されたから。」

 

佑美「んで、今は優之君の新しい仲間になったと。」

 

優之「まぁそんな所だ。」

 

佑美「子供を虐待し、人身売買しようとするなんてどう言う神経しているのかしらね。」

 

優之「あれじゃない?胡桃先輩みたいにギャンブルで億万長者を目標にしてるとか。」

 

佑美「でも胡桃は給料日の翌日に月1の競馬やってるだけだし。そこまで目標にしてないよ。」

 

優之「競馬かぁ。俺競馬あんま分かんないんだよな〜。」

 

佑美「だったら今度胡桃と一緒に競馬やってみたら?凄く楽しいって言ってたよ?」

 

優之「う〜ん・・・そこは考えてみる。お、そうだ!この後彼処行きたい!」

 

佑美「ん?何処?」

 

 

 

 

 

 

おたちゅう秋葉原店。

 

優之「あったあった。給料日前に見付けてずっとマークしてたんだ〜。」

 

S.H.MonsterArtsデストロイアスペシャルカラーを買った。

 

佑美「そうだった。優之君モンスターアーツも好みだったね。」

 

優之「おたちゅうに来ると、ついつい買いたくなるんだよね〜。これでウルトラアーツと組み合わせれば俺の世界が出来るし。」

 

佑美「最近紡ギ箱も買ってるって噂が。」

 

優之「そうそう。最近インスタに投稿しててね。コレ。」

 

インスタで投稿された写真。16体の燕巫女ニョジュと戦うウルトラマン達と、燕巫女アデラと戦うティガの写真。

 

佑美「多過ぎじゃない?ニョジュ。」

 

優之「沼にハマっちゃってね。」

 

S.H.Figuarts 15th GALLERYを堪能し、優之の投稿に少し苦笑いした佑美であった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      雨原佑美:伊藤美来


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22話・青年と少女と大学生

2月22日。朝のおあにた荘。

 

優之「あぁ・・・」

 

この日、優之は風邪でダウンしてしまっていた。

 

真奈美「優之君大丈夫?」

 

優之「あぁ・・・鼻詰まりが凄い・・・」

 

鼻にティッシュ詰めてる。

 

真奈美「私今から外出するから。ご飯はテーブルの上にあるから食べてね?」

 

優之「はぁい・・・」

 

真奈美は外出した。

 

優之「よし、ちょっと会社に連絡を・・・」

 

スマホでSKY ANGLEに電話する。

 

木島『もしもし?』

 

優之「あ、木島さん。愛川です。」

 

木島『あ、愛川君。どうかしたの?』

 

優之「実は・・・」

 

吉岡社長『あ、木島君。』

 

木島『社長!』

 

電話越しに吉岡社長の声が聞こえた。

 

優之「社長・・・?」

 

吉岡社長『誰かと通話中かい?』

 

木島『はい。愛川君からです。愛川君、どうかしたの?』

 

優之「今日風邪引いてしまって・・・お休み頂きたいのです・・・」

 

木島『そっかぁ。社長、愛川君風邪で倒れたみたいです。』

 

吉岡社長『そうか。愛川君、大丈夫かい?』

 

優之「すみません社長・・・今日は企画用のイラストを制作しようとしたんですが・・・」

 

吉岡社長『大丈夫。会議は来月だから焦らなくて良いよ。今日はゆっくり休みなさい。あ、明日も祭日だから休みか。今日と明日、ゆっくり休みなさい。部長には私が伝えておくよ。』

 

優之「ありがとうございます・・・失礼します・・・」

 

通話終了。

 

優之「ふぅ・・・」

 

 

 

 

 

 

SKY ANGLE。

 

木島「愛川君、何時も頑張ってましたものね。」

 

吉岡社長「ああ。本当に優秀な社員だ。私の目に狂いは無かったな。」

 

木島「はい。」

 

 

 

 

 

 

おあにた荘。

 

優之「・・・風邪引いたの2年振り・・・2021年の1月以来か・・・家には誰も居ない・・・俺1人か・・・だとしたら暇だ・・・リビングに下りるか・・・」

 

 

 

 

リビングに下りる、ソファーに座る。

 

優之「頭がクラクラする・・・ツブイマ観るか・・・」

 

テレビを点けて、ツブイマを開いてウルトラニャンを観る。

 

優之「今日は猫の日・・・癒すには丁度良い・・・」

 

視聴中に眠気が襲って来た。

 

優之「ヤバ・・・眠気が・・・起きるの早過ぎたか・・・でもこのまま・・・zzz・・・」

 

そのまま眠ってしまった。

 

 

 

 

 

 

昼12時。

 

優之(・・・ん?何か、枕が柔らかい・・・あれ・・・?枕使ってたっけ・・・?)

 

ゆっくり目を開けると。

 

有香奈「優之君、大丈夫?」

 

優之「・・・ほえ?」

 

今の優之は、有香奈の膝枕で眠っていた。

 

優之「あのぉ・・・有香奈さん?俺を何処で寝かせてるんですか・・・?」

 

有香奈「何って、私の膝枕よ?どお?気持ち良いかしら?」

 

優之「・・・まぁ、気持ち良いっちゃ気持ち良いけど・・・舞ちゃん?」

 

ジッと見てる舞に、優之が冷や汗流してる。

 

舞「お兄ちゃん、大丈夫?」

 

優之「ある意味大丈夫じゃないかも・・・」

 

 

 

 

起きて昼飯を食べる。

 

優之「有香奈さん、今日の大学早かったの?」

 

有香奈「ええ。今日は課題を提出して少し勉強してたの。んで、帰りに舞ちゃんを迎えに行って帰って来た。それより風邪は大丈夫?」

 

優之「ああ、めっちゃ腹減ってるから。」

 

昼飯をガツガツ食べる。

 

舞「物凄い食べてる。」

 

有香奈「食欲あるって事は、風邪が治ってるって言う証拠よ。優之君、これ帰りに焼き鳥買ったんだけど食べる?」

 

優之「焼き鳥!」

 

焼き鳥を頬張る。

 

優之「あぁ〜食った食った〜。」

 

 

 

 

ソファーに座り、テレビを観る。

 

優之「あ〜、昼飯食ったお陰で気分が楽になった。」

 

有香奈「良かった。」

 

優之「にしても、有香奈さんの膝枕柔らかかったな。樹々ちゃんが落ち着く理由が分かるわ。」

 

有香奈「どお?また膝枕で寝る?」

 

優之「いや、さっきので充分。」

 

舞「有香奈お姉ちゃん、膝枕して。」

 

有香奈「舞ちゃん、いらっしゃい。」

 

膝枕に舞を寝かせた。

 

舞「柔らか〜い。」

 

有香奈「うふふ。」

 

舞を優しく撫でる。

 

優之「やっぱり有香奈さん、お母さんみたいだ。」

 

有香奈「だから、私はお姉さんなのよ?」

 

舞「お母さ〜ん・・・」

 

有香奈「え?・・・もう。」

 

 

 

 

 

 

その後、有香奈と舞は眠った。優之は眠ってる2人を描いた。

 

優之「気持ち良く寝てるね。」

 

描いた2人の絵にアレンジを加える。

 

優之「良いね。」

 

完成した絵は、ディアンドルを着た2人がフラワーガーデンのベンチに座って眠ってる絵だった。

 

優之「これ、2人が見たらびっくりするだろうな〜。」

 

 

 

 

起きた2人に絵を見せると、2人は驚きと喜びを優之に見せた。

 

 

 

 

翌日の2月23日。

 

優之「いやぁ〜面白かった〜。」

 

映画館でウルトラマンデッカー最終章を鑑賞し終えた。

 

優之「去年は配信で観たけど、やっぱり劇場に限るね〜。」

 

 

 

 

 

 

帰宅。

 

優之「ただいま〜。」

 

真奈美「お帰りなさい。優之君、お手紙届いてるよ?」

 

優之「手紙?」

 

届いた手紙を読む。

 

優之「ありゃりゃ。」

 

真奈美「どうしたの?」

 

優之「真奈美さん。来週の土日、皆で俺の地元へ行かない?」

 

真奈美「・・・へ?」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

     竹下有香奈:大西沙織
       三峯舞:大空直美

      木島凛花:水橋かおり

      吉岡達雄:桐本拓哉
     東山真奈美:後藤邑子


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23話・帰省

3月3日。夕方。大空を飛ぶ飛行機に優之達が乗ってる。その中に姉夫婦と両親も乗ってる。

 

優之(こんな形で参加する事になるとはな。)

 

 

 

 

夜。佐賀空港に到着。

 

淳一・悠里「佐賀県来たー!」

 

樹々「ここが佐賀県。私初めて。」

 

宗太郎「久し振りだな。我が故郷よ。」

 

真奈美「優之君。どうして佐賀へ私達を連れて帰省を?」

 

優之「それはホテルに着いて話す。親父が予約したホテルへ行くぞ〜。」

 

宗太郎「私一推しのホテルへご招待しますよ〜。」

 

双葉「お祖父ちゃん凄ーい!」

 

宗太郎「うんうん。もっとお祖父ちゃんを褒めて?」

 

翠「もうあなたったら。」

 

 

 

 

 

 

ホテルに到着した。

 

全員「同窓会?」

 

優之「ああ。中学の同窓会の招待状が来てな。俺だけ帰省する訳にはいかないから、折角だし皆を連れて帰省しようかって。」

 

有香奈「同窓会ね〜。優之君は中学時代はどんな子だったの?」

 

優之「俺は・・・」

 

冴子「優之はね、色んな悪い人をあれやこれやで正論ぶっ放してねじ伏せた。その頃からだっけ?マウントキラー優之って。」

 

優之「ああ。俺の幼馴染みの悟が勝手に名付けた名誉の名前だとほざいてな。」

 

淳一「マウントキラー優之・・・噂は本当だったか。」

 

優之「何の噂だよ。」

 

康介「それで、同窓会は何時行くの?」

 

優之「明日の午後5時。晩飯は皆でディナー楽しんでってくれ。」

 

裕樹「マウントキラーって事は、君に恨みを持つ人も来てるかもだよ?」

 

優之「そうなったら俺の必勝法を喰らわせてやるさ。」

 

淳一「何だよ?必勝法って。」

 

 

 

 

 

 

翌日。一行は佐賀を観光する。

 

舞「佐賀って良い所なんだね〜。」

 

真奈美「本当ね〜。」

 

 

 

 

吉野ヶ里遺跡。

 

淳一「あ!ここ!逃走中で見た事ある!」

 

悠里「弥生時代にタイムスリップしたみた〜い!」

 

樹々「勾玉作りの体験がある。」

 

 

 

 

清水の滝。

 

翠「やっぱり清水の滝は良いわね〜。」

 

冴子「お父さんとお母さん、ここが初めてのデートスポットだったよね?」

 

宗太郎「あの頃が懐かしいなぁ〜。落ちて濡れちゃった事あったな。」

 

双葉「お祖父ちゃん濡れちゃったの?」

 

宗太郎「そうだぞ?危ないから落ちちゃダメだぞ?」

 

 

 

 

その途中。

 

優之「あ。」

 

嘗て愛川一家が住んでいた家を見付けた。

 

淳一「ここが優之の家?」

 

優之「今は誰かが住んでる。表札がある。」

 

翠「私達東京に住み始めたからね〜。」

 

 

 

 

 

 

午後4時半。

 

優之「お、そろそろ行かなきゃ。じゃあ皆、また夜頃に。」

 

冴子「思いっきり楽しんでらっしゃい。」

 

舞「またね〜!」

 

優之「じゃっ!」

 

同窓会へ向かった。

 

翠「それじゃあ、私達で今晩のディナーを頂きましょうか。」

 

淳一「ディナー?どんなんですか?」

 

宗太郎「今晩は佐賀牛ですよ?」

 

淳一・有香奈「佐賀牛!!」

 

悠里「私食べてみたいです!」

 

康介「僕も食べてみたいです!」

 

宗太郎「まぁまぁ落ち着いて。時間はたっぷりあるからゆっくり観光しよう。」

 

 

 

 

 

 

午後5時。同窓会の会場前。

 

優之「さぁてと、アイツら元気してるかなぁ〜?」

 

会場の扉を開けた。

 

 

 

 

同窓会会場。

 

優之「おぉ〜。皆結構来てる〜。」

 

???「お!優之!」

 

???「優之君!」

 

そこに、数人のクラスメイトが優之を見付け声を掛けた。

 

優之「よう悟!志歩!絵梨子!武憲!伊織!」

 

悟「久し振りだなぁ!」

 

広瀬悟。優之の幼馴染みで会社の社員。

 

志歩「変わってないね〜。」

 

星川志歩。優之の幼馴染みで小説家。

 

絵梨子「お元気そうですわね。」

 

松宮絵梨子。優之の友人で佐賀のIT企業の社長令嬢。一見高飛車な雰囲気を醸し出しているが、本人は常識人。

 

武憲「よう愛川!元気そうだな!」

 

内原武憲。優之の友人で建設会社に勤めてる。巨漢で怪力自慢で強面だが、友達思い。

 

伊織「ねぇねぇ、仕事は順調?」

 

中岡伊織。優之の友人で銀行員。独身で彼氏募集中。

 

優之「俺?ああ、社長に一目置かれる立場にあるよ。それにインスタ含めて収入はバリバリある。」

 

伊織「収入バリバリ!キャー!抱いて!」

 

志歩「バカ!」

 

伊織「冗談冗談。でも凄いな〜。社長さんに一目置かれる存在だなんて。」

 

優之「いや〜、努力と運の賜物だよ。」

 

 

 

 

 

 

その頃淳一達は、宗太郎一推しの焼肉店に居た。

 

淳一「おぉ〜・・・これが佐賀牛・・・!」

 

初めての佐賀牛を食べる。

 

淳一「ん〜〜〜!!ジューシーで柔らかい!舌に溶けるような食感!これが佐賀牛の真骨頂かぁ〜!」

 

悠里「とっても美味しい〜!柔らか〜い!」

 

樹々「ん!ん!美味しい!」

 

康介「物凄い食べてる。でも美味しいなぁ〜。」

 

真奈美「本当ね〜!宗太郎さん、ありがとうございます。」

 

宗太郎「いえいえ。皆さん美味しそうに食べてくれて、佐賀県民の私達も嬉しいです。」

 

舞「お肉美味しい〜!」

 

康介「舞ちゃん、野菜もちゃんと食べなきゃだよ?ホラ、とうもろこしあるよ。」

 

冴子「双葉。あ〜ん。」

 

双葉「あーん。」

 

翠「優之も楽しんでるのかしらね。」

 

宗太郎「悟君達にも会ってるだろうな。」

 

 

 

 

 

 

同窓会会場。

 

優之「ふぅ〜。」

 

ワインを飲んだ。

 

優之「他にも来てる奴らいっぱい居るな。」

 

武憲「ああ。皆成功してる奴も居れば、失敗してる奴も居るさ。」

 

優之「なぁ、瀬尾美沙はどうしてるんだ?」

 

伊織「美沙?ああ、彼処に居るよ?」

 

1人ポツンと立ってる女性・瀬尾美沙を見た。

 

優之「あれ?あんなに暗かったけ?中学の時、鈴井洋介と付き合ってた時あんなにイキってたのに。そう言えば彼奴、鈴井と結婚するって言ってたなかった?」

 

伊織「そうそう。高校卒業した後同棲生活を送ってたんだけど破局したのよ。」

 

優之「え?どうして?」

 

志歩「鈴井の暴力よ。彼奴DVに変貌しちゃったのよ。」

 

優之「あ〜。そう言えば彼奴、色々周りの生徒に暴力振るってたもんな。もしやあれがDVへの前兆だったとは。」

 

武憲「んで鈴井は、破局後に小学生に暴行して逮捕されたんだ。をまぁ、イキってた奴の末路って奴さ。」

 

絵梨子「ああ言うの男らしいって勘違いする女子居るもんですわね〜。」

 

悟「優之、覚えてるか?大塚と和田。」

 

優之「ああ、よくイチャイチャしてた2人か。」

 

志歩「とっくに別れてるよ。理由は分からないけど。んで気まずいのか2人共離れた所に居るし。」

 

優之「うわぁ・・・大塚の前髪禿げてるし、和田も結構太ってるし・・・」

 

悟「それと和田の奴、確かバツイチだぞ。バイト先の居酒屋の社員と付き合ってすぐ別れた。今日は男見付けるって張り切ってたし。」

 

優之「ほえ〜。皆色々失敗してるんだなぁ。」

 

絵梨子「まぁ、女性の殆どはお金目当てですしね。」

 

優之「そう言えば安原はどうしたんだ?彼奴中学で1番チャラチャラしてたし。それに上京するって言ってたし。」

 

武憲「彼奴、高校卒業した後に上京して大学通ってたんだが、未成年飲酒がバレて中退。今はフリーターをやってる。」

 

悟「パチンコ屋と深夜コンビニの掛け持ちで食い繋いでる。それに趣味がパチンコと競馬だから、働いても金ないみたいだし。」

 

志歩「安原と一緒になってイキってた取り巻き達も居ないわね。」

 

悟「今の自分の姿を見られたくないんじゃねえの?知らねえけど。」

 

優之「彼処に緑川が居るな。スポーツ選手か大学行ってんの?」

 

伊織「普通の会社員だよ。昔はモテたけど、今は普通だね。」

 

悟「おい優之。彼処見ろ。」

 

優之「お?」

 

周りにマウント取ってる男を見付けた。

 

悟「富岡だよ。まだ懲りずにマウント取ってるよ。」

 

優之「あはは。頭の中中学生だな。」

 

富岡「よう愛川。久し振りだな。」

 

優之「ああ。」

 

富岡「お前、わざわざ東京に来てるなんて関心だなぁ。お前、今何の仕事してんだ?」

 

優之「・・・・・・」

 

富岡「聞いて驚けよ?俺はな、九州一の大企業で働いてるんだ!お前には遠い地位に居るんだぞ?」

 

優之「・・・・・・」

 

富岡「ん?おい、無視するとは良い度胸だな。所詮平社員のお前に俺の凄さが理解出来ないか。」

 

優之「・・・・・・で?」

 

富岡「だから、平社員のお前が俺の凄さに勝らないだろうって話だよ!」

 

優之「で?」

 

富岡「いやだから、お前は俺の凄さに気付いてないだろ!」

 

優之「で?」

 

富岡「だからあ・・・!」

 

 

 

 

悟「出た。優之のマウント必勝法の1つ。”一点張り”。」

 

志歩「”で?”とか”それで?”で相手を困惑させる技。」

 

 

 

 

富岡「お、お前・・・!俺をバカにするとどうなるか分かってんのか!?俺の父はその大企業の社長だぞ!?パパに言い付けてお前を訴える事が出来るんだよ!!」

 

優之「ソウナンダ〜。キャ〜コワ〜イ。」

 

富岡「バカにしてるのか!!何様のつもりで俺に逆らってるんだ!!」

 

優之「何様って・・・俺様だ!!」

 

デデンっと威張る。

 

富岡「巫山戯てるのか・・・!!」

 

優之「生憎俺、お前の出世なんぞに興味はない。俺は俺のやりたい事で充分だよ。」

 

富岡「ハッ!どうせお前は東京の小さい会社に居るんだろ?」

 

優之「ああ、SKY ANGLEね。」

 

富岡「SKY ANGLE!?」

 

優之「何だよその反応。お前から見たら小さい会社じゃねえの?」

 

富岡「あの会社はパパの会社との取引先なんだぞ!?何でお前があんな会社に入ってるんだ!」

 

優之「何でって、俺が就職したんだから当たり前だろ。それに姉さんもそこで主任やってるんだ。」

 

富岡「ふ、フン!どうせ雑用ばかりやらされてるだろ?俺には分かるぞ?」

 

優之「ん。」

 

スマホからある写真を見せた。

 

富岡「ん?」

 

それは、吉岡社長と飲み行った時の写真だった。

 

優之「俺社長に気に入られてんだよ。それにこれも。」

 

次に見せたのは、社長一家との写真。

 

優之「これで俺が雑用じゃないって分かるだろ?」

 

絵梨子「優之さん。お父様からお噂を聞いたのですが。」

 

優之「ん?」

 

絵梨子「SKY ANGLEの大株主が諸星様らしいですわよ?」

 

優之「諸星様って・・・あの諸星財閥の若きご当主の!?」

 

絵梨子「ええ。」

 

優之「絵梨子の親父さんの会社も諸星様が大株主だよな?」

 

絵梨子「ええ。」

 

富岡「そんな・・・!バカな・・・!」

 

優之「あ〜、俺泣かせる事しちゃったな。」

 

悟「気にすんな。彼奴の自爆だ。それよりさ、この後二次会行かね?」

 

優之「お!良いね!」

 

伊織「行こう行こう!」

 

 

 

 

 

 

 

その後二次会で盛り上がった。

 

悟「お、そうだ優之。1つ報告があります。」

 

優之「報告?あ、もしかして悟と志歩の結婚か?」

 

志歩「違う違う。」

 

優之「じゃあ何だ?」

 

悟「実は俺達5人・・・この春から関東へ異動する事になりましたー!」

 

優之「ええ!?マジで!?」

 

悟「そうなんだよ!東京本社から俺に本社異動が来たんだよ!」

 

志歩「私は印税で上京するの。」

 

絵梨子「お父様の会社が東京へ移る事になりまして。」

 

武憲「俺は神奈川の凄腕大将に腕を見込まれてな。」

 

伊織「千葉支店への異動が決まったの。」

 

優之「へぇ〜。人生何があるか分からねえもんだな。お前ら地元を離れるのは寂しいか?」

 

志歩「寂しいのは寂しいよ。でも、私達にはやりたい事はいっぱいあるから。それに、何時までも親の臑を嚙るのはダメだと思って。」

 

悟「東京で新しい自分を見付けるのも人生の1つさ。」

 

優之「そっかぁ。だったら、気軽に会えるな。俺達。」

 

伊織「だね!」

 

悟「いやぁ〜、東京と言ったらガンダムベース東京だもんな!」

 

優之「お前そっちでテンション上がってるな。」

 

 

 

 

 

 

3月4日。新幹線で東京へ帰る。

 

真奈美「じゃあ、お友達皆関東に移住するのね。」

 

優之「人生何があるか分からないもんだからな。」

 

淳一「良いな〜。友達と気軽に会えるなんて。」

 

優之「淳一の場合、同人サークルの皆が居るだろ?」

 

淳一「それもそうだな。」

 

優之「さてと、明日休暇だから家でのんびりするか。」

 

有香奈「良いわね〜。」

 

 

 

 

 

 

3月6日。優之は休暇でおあにた荘でゆったりしてる。

 

優之「お、LINEがゾロゾロ来たな。」

 

同窓会で再会した友人達からLINEが来た。

 

優之「引っ越して来たら、東京を案内してあげようかな?」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美

      嶋村冴子:友永朱音
      嶋村裕樹:興津和幸
      嶋村双葉:久野美咲

       広瀬悟:浦和希
      星川志歩:鬼頭明里
     松宮絵梨子:夏吉ゆうこ
      内原武憲;武内駿輔
      中岡伊織:赤崎千夏
        富岡:松田修平

     愛川宗太郎:高木渉
       愛川翠:ゆきのさつき

     東山真奈美:後藤邑子


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24話・大株主からの招待

3月8日。SKY ANGLE。

 

優之「ん?」

 

廊下の掲示板に貼られてる広告を見た。

 

優之「お、今週の8日か。アイドルオーディション。」

 

トミー「遂に始まりますね!」

 

優之「おわあ!トミー驚かすなよ。」

 

トミー「すみません。」

 

フィオ「悠里さんと樹々さん、合格出来るかな?」

 

優之「そりゃあ分からんよ。2人の努力次第。」

 

トミー「フィオ!僕達で2人の合格の波動を送ろう!」

 

フィオ「だね!」

 

アイドルオーディションの広告に両手を突き出して波動を送る。

 

トミー・フィオ「ムムムムムム・・・!!」

 

優之「そうやっても無意味なんじゃ・・・」

 

 

 

 

 

 

午後の仕事中。姉の冴子が来た。

 

冴子「愛川君。」

 

優之「主任。どうしたんですか?」

 

冴子「社長がお呼びよ。」

 

優之「社長が?分かりました。」

 

すぐに社長室へ向かう。

 

トミー「優之さんと冴子さん。仕事では姉弟じゃないね。」

 

フィオ「上司と部下。会社では基本よ。」

 

 

 

 

 

 

社長室のドアを4回ノックする。

 

吉岡社長「どうぞ。」

 

ドアを開ける。

 

優之「失礼します。社長、お呼びでしょうか?」

 

吉岡社長「急に呼び出してすまないな。君に会いたい方がいらっしゃったんだ。」

 

優之「俺にですか?」

 

???「初めまして。愛川優之君。」

 

吉岡社長の隣に立つ人物が挨拶した。

 

優之「え・・・!?諸星様!?」

 

その人物の正体は、諸星財閥の若き当主でSKY ANGLE大株主の諸星志揮だった。

 

優之「ほ、本物だ・・・!」

 

諸星「君に会えて嬉しいよ。」

 

笑顔で優之に握手する。

 

優之「こ、こちらこそ!諸星様にお会い出来るなんて恐悦至極でございます!」

 

諸星「そんなに緊張しなくて大丈夫だよ。」

 

優之「それで、どうして俺に?」

 

諸星「君は、アイドルオーディションのイラストを制作してくれたよね?」

 

優之「あ、はい。」

 

諸星「実は、俺が運営しているモロダストのアイドルオーディションに使うイラストだったんだよ。」

 

優之「モロダスト!?芸能事務所の中で最高トップを誇る大手!まさか俺、入社してすぐそんな大任を任されていたんですか?」

 

諸星「企画当初はイラストを別々の会社に依頼したんだけど、どれも派手で分かり難く、俺でさえ選べなかったんだ。」

 

没になった沢山のイラストを見せる。

 

優之「・・・確かに。過激や派手が多過ぎですね。主張が強いのもありますね。」

 

諸星「そこで俺は、SKY ANGLEの吉岡社長に依頼したんだ。そしたら、君の事を聞かされてね。」

 

優之「社長が。」

 

諸星「早速、君の描いたイラストを説明してくれるかな?」

 

優之「あ、はい。」

 

 

 

 

2人が座り、優之が諸星にモロダストのアイドルオーディションのイラストのプレゼンを始めた。

 

優之「今回のアイドルオーディションは3姉妹系アイドルと言う話を聞いて、1番ピッタリだと思う物を描きました。それは、天国から舞い降りた三つ子の天使が、暗雲から照らされる天使の梯子で舞い降りて、地上の人々に美しい歌と笑顔を届けると言うコンセプトです。地上を見ると、人々が喜んで手を振ってるのが分かります。そして薄らと明るくなっているのがお分かりでしょうか?」

 

諸星「成る程。この三つ子の天使のモデルは誰かな?」

 

優之「それは、中学校時代に描いたオリジナルです。それを思い出して描きました。」

 

諸星「・・・・」

 

優之「・・・あの、何かお気に召さない表現がありましたら修正か没を・・・」

 

諸星「いや、とても気に入った。天使が地上人の為に笑顔と歌を届ける。シンプルかつ分かり易い表現だ。」

 

優之「良かった・・・」

 

諸星「やはり君は、このSKY ANGLEに必要不可欠の人材だ。」

 

優之「光栄です。」

 

諸星「さて、そろそろ行かなきゃ。」

 

吉岡社長「諸星様、今日はありがとうございました。」

 

諸星「こちらこそありがとう。では失礼するよ。」

 

彼は社長室から去った。

 

優之「神々しいお方だったな・・・」

 

 

 

 

 

 

3月8日。モロダストのアイドルオーディション。悠里と樹々が挑む。

 

 

 

 

 

 

その日の夕方。悠里と樹々が帰って来た。

 

優之「おかえり。」

 

淳一「どうだった?手応えあった?」

 

悠里「樹々ちゃんがステップを外しちゃったけど、何とか持ち直してやり切ったよ。」

 

樹々「あの時からずっと不安。」

 

康介「まぁまぁ。無事やり切ったんでしょ?もしかしたら合格かもだよ?」

 

淳一「通知は何時郵送されるんだ?」

 

優之「明日。諸星財閥の技術は素晴らしい。」

 

 

 

 

 

 

3月9日。

 

悠里「た、ただいま・・・」

 

樹々「ただいま・・・」

 

真奈美「おかえりなさい。2人共、モロダストから通知が来てるわよ。」

 

悠里「い、いよいよだね樹々ちゃん・・・」

 

樹々「うん・・・」

 

通知の封筒を開けて、通知内容を読む。

 

悠里・樹々「・・・っ!!」

 

優之「どうだった?」

 

悠里「・・・やった・・・やったよ!!」

 

樹々「合格した!」

 

淳一「やったぜー!!」

 

有香奈「おめでとう2人共!」

 

2人はオーディションに合格したのだ。

 

悠里「康介さんの言う通り、やり切った結果が功を奏したね!」

 

康介「僕の言った通りだっただろ?」

 

優之「にしても、2人共合格とは・・・諸星様、もしや俺の身内だからって特別扱いしたんじゃ・・・」

 

悠里「ん?もう1枚何か入ってる。」

 

封筒の中にもう1枚の紙が入ってた。

 

悠里「何これ?」

 

優之「見せて。・・・これ諸星様のお邸の招待状だ!」

 

全員「ええ!?」

 

優之「手紙もある。えっと、何何?」

 

『この度は、モロダストのアイドルオーディション合格おめでとうございます。合格者3名は、3月10日諸星邸にご招待します。尚、付き添いの方数人の同伴も可能でございます。皆様が来るのを心待ちにしています。代表取締役社長:諸星より。』

 

淳一「す、凄え・・・俺達諸星様にお会い出来るのか・・・?」

 

舞「住所もある。」

 

悠里「付き添いの方数人かぁ・・・どうしようかなぁ〜?」

 

樹々「う〜ん。」

 

淳一「なぁ悠里!樹々ちゃん!お願いします!俺達を連れて行って下さい!!」

 

悠里「しょうがないねぇ〜。特別に連れてってあげるよ〜。」

 

淳一「ハハ〜!」

 

舞「淳一お兄ちゃん、悠里お姉ちゃんを崇めてる。」

 

優之「茶番としか言いようがない。」

 

真奈美「それじゃあ、今日は2人の合格祝い!たっぷりご馳走作るわ!」

 

有香奈「私も振る舞うわよ〜!」

 

 

 

 

 

 

3月10日。夕方。

 

優之「こ、ここが諸星様のお邸・・・」

 

おあにた荘一行が、諸星邸に着いた。

 

淳一「立派だぁ・・・」

 

優之「インターホンがある。悠里。」

 

悠里「うん。」

 

”ピンポーン”

 

諸星『はい。』

 

悠里「あ、私モロダストのアイドルオーディションに合格した三峯悠里です。付き添いの方々を連れてご招待を受けました。」

 

諸星『三峯悠里さんだね。新田樹々さんも一緒だね。おや、優之君も一緒なんだね。』

 

優之「諸星様、ご無沙汰しております。どうして分かるんですか?」

 

諸星『カメラで君達を見てるからね。ようこそ皆さん、どうぞお入り下さい。』

 

ゲートが開いた。

 

 

 

 

 

 

諸星邸。

 

メイド「お待ち致しておりました。」

 

1人のメイドが出迎えてくれた。

 

樹々「メイド・・・!」

 

メイド「諸星様に仕えております諸星財閥メイド長のニコと申します。以後、お見知り置きを。」

 

真奈美「初めまして。」

 

ニコ「愛川優之様ですね?諸星様からお話を伺っております。」

 

優之「あ、はい。」

 

ニコ「荷物はこちらがお持ちします。」

 

メイド達が、優之達の荷物を持ってくれた。

 

 

 

 

 

 

諸星の部屋。

 

ニコ「諸星様。お連れしました。」

 

諸星「ありがとうニコ。皆さん、ようこそ諸星邸へ。皆さんを歓迎します。」

 

ステージの上に、諸星が立っていた。

 

淳一「す、凄え・・・!本物の諸星様・・・!近くで見るの初めて・・・!あ、あの!握手して下さい!」

 

優之「おい淳一!諸星様に失礼だぞ?」

 

諸星「気にしないで優之君。君の名前は。」

 

淳一「日高淳一です!東京電機大学に通う大学生です!」

 

諸星「宜しくね。淳一君。」

 

2人が握手を交わした。

 

淳一「やったぁ・・・!!諸星様と握手出来た・・・!!」

 

康介「淳一君って、諸星様の大ファン?」

 

淳一「勿論さ!大学で諸星様の特別講義を受けた事あってな。その時見た諸星様からカリスマ性のオーラを感じたんだ。それ以来ファンになってな。」

 

諸星「そうそう。君達よりも前に来た3人目がそこに居るよ。」

 

優之「え?」

 

???「ヤッホー!樹々!」

 

樹々「響子!」

 

3人目の合格者は、樹々と同年代の女の子だった。そして2人の人物も居た。

 

優之「知り合いなの?」

 

樹々「私の幼馴染みの杉原響子。淳一さん達とも知り合い。」

 

優之「あ、俺が初対面か。初めまして、愛川優之です。」

 

響子「優之さんですね?樹々から話は聞いています。杉原響子です。こちらは、私のご両親です。」

 

道茂「杉原道茂です。初めまして。」

 

千夏「妻の千夏です。」

 

優之「杉原・・・もしかして、康介さんと俺の義兄の裕樹さんが勤めている杉原カンパニーの?」

 

道茂「はい。社長を勤めております。嶋村君がお世話になっております。」

 

優之「義兄がお世話になっております。」

 

諸星「三峯悠里さん。新田樹々さん。杉原響子さん。我がモロダストのアイドルオーディションの合格、おめでとう。君達は来月からデビューだよ。そして君達にこれを受け取って欲しい。」

 

ニコがアタッシュケースを持って来た。

 

響子「それは?」

 

諸星「俺から君達への契約金。」

 

ニコがアタッシュケースを開けた。中には札束が入ってる。

 

淳一「す、凄い・・・!!」

 

有香奈「契約金凄い・・・!!」

 

優之「流石諸星様・・・!!」

 

悠里「こんな沢山のお札初めて!良いんですか?」

 

諸星「勿論。自由に使って欲しい。」

 

悠里「だとしたら、今のバイトを辞めなきゃならないね。」

 

 

 

 

 

 

食堂。

 

全員「おぉー!」

 

テーブルに沢山のご馳走が並べられてる。

 

諸星「今日は皆の合格祝いと歓迎会です。どうぞ、沢山召し上がって下さい。」

 

全員「頂きます!」

 

優之「松葉蟹のチャーハンに天使の海老のグラタン!どれも美味え!」

 

淳一「シャトーブリアンのステーキ!口の中がとろける〜!」

 

悠里「ウニの海鮮丼!ん〜美味しい!」

 

康介「僕達では滅多に食べれない高級食材をふんだんに使っている。流石諸星様。」

 

有香奈「どれも美味しいわ!」

 

舞「こんな豪華な料理初めて!」

 

響子「全部美味しいよ!」

 

樹々「響子、口にタレ付いてるよ?」

 

ナプキンで響子の口元を拭いてあげた。

 

響子「ありがとう。」

 

淳一「・・・・・」

 

優之「淳一?」

 

淳一「いやぁ〜、樹々ちゃんと響子ちゃん尊いなぁ〜。」

 

優之「アカン、百合モードに入ってる。」

 

諸星「喜んで貰えて何よりだよ。まだあるから、沢山食べてね?」

 

優之「あの、諸星様。悠里と樹々ちゃんが俺と同じシェアハウスに住んでる事は。」

 

諸星「勿論知ってるよ。でも、だからって2人を特別扱いせず公平に審査したから。」

 

優之「そうですか。」

 

悠里「あの、ステップを外したのにどうして?」

 

諸星「君達はステップを外した。でも、すぐに立て直してやり切った。その諦めないと言う気持ちが高く評価されたんだよ。」

 

樹々「諦めない気持ち。」

 

諸星「中には、自意識過剰な子や親の凄い所を語る子が居たけど。3人は自分の実力でオーディションを合格したんだ。とても誇らしい。」

 

悠里「恐縮です。」

 

樹々「ありがとうございます・・・」

 

道茂「流石、私達の娘だ。」

 

千夏「よくやったわ。」

 

響子「えへへ〜。」

 

優之「杉原社長は、響子ちゃんに会社を継がせたりは・・・」

 

道茂「最初はそう考えていたんですが、響子が生まれた後、総帥の父に言われたんです。『親は子供のやりたい事を見守ってあげる義務がある。』と。だから、響子のやりたい事をやらせてあげるつもりです。」

 

優之「俺の両親と同じですね。好きな事をやらせてくれますし。」

 

道茂「それに、娘がアイドルになれば我が社の知名度が爆上がりになりますし。」

 

優之「ああ、それも視野に入れてるんですね。」

 

淳一「あの、諸星様。このお邸には色々あると噂で聞きましたけど。」

 

諸星「勿論。ニコ、食事の後皆さんを案内してあげて?」

 

ニコ「畏まりました。」

 

食事後、ニコが淳一達をそれぞれの部屋に案内した。

 

 

 

 

 

 

漫画ルーム。

 

淳一「こ、コイツは超最新型のタブレット!着色が細かく調整出来る!良いな〜欲しいな〜!」

 

 

 

 

アニメルーム。

 

樹々「おジャ魔女どれみのBlu-rayBOXがある!」

 

悠里「アニメのBlu-rayがいっぱいある!」

 

悠里「あ、これ限定品のプレミアフィギュア!」

 

 

 

 

地下射撃場。

 

康介「世界中のモデルガンが勢揃いしてるなんて、諸星様は凄いお方だ!しかも展示だけど、RPG-7やカールグスタフ等のロケランがあるなんて!」

 

 

 

 

衣服室。

 

有香奈「これ全部ポリエステル!?凄い!コスプレ衣装の生地が他にも沢山ある!これ頂ける事は・・・ちょっと聞きに行ってみようかな?」

 

 

 

 

パーティールームに残ったのは、優之と舞と真奈美。

 

舞「あ。」

 

ピアノを見付けた舞。

 

舞「ニコさん、あのピアノ。」

 

ニコ「舞様、ピアノを弾きたいのですか?」

 

舞「はい。私、将来ピアニストになりたいんです。」

 

ニコ「素敵な夢ですね。では、少し弾いてみますか?」

 

舞「はい!」

 

ピアノを弾きに行った。

 

優之「舞ちゃん、ピアニストになりたいんだ。」

 

真奈美「あの子の部屋、音楽雑誌とか色々あるからね。」

 

優之「そう言えば諸星様、どうしてSKY ANGLEの大株主になったんですか?」

 

諸星「良い質問だね。SKY ANGLEは5年前元々小さな会社だったと言う話を聞いた事あるかい?」

 

優之「ええ。姉さんから聞きました。」

 

諸星「当初は経営難に陥っていてね。当時の俺は諸星総合病院で広告イラストの依頼を多くの会社に申したんだ。どれも派手だったり意識し過ぎる物ばかりで、どうするか迷っていた所を、偶然SKY ANGLEを見付けてね。吉岡社長に諸星総合病院の広告イラストを依頼したんだ。そしたら、素晴らしい物を描いてくれたんだ。優之君と同じように、シンプル且つ親しみやすいイラストにね。俺はそのお礼として、経営難で倒産しそうになったSKY ANGLEに出資して大株主になったんだ。」

 

優之「そうだったんですか。あの、ありがとうございます。SKY ANGLEを救ってくれて。」

 

諸星「いえいえ。」

 

そこに淳一と悠里と有香奈が飛び込んだ。

 

有香奈「あの!諸星様!」

 

諸星「ど、どうしたんだい?」

 

有香奈「あの!衣服部屋にある生地、譲って頂けませんか?」

 

淳一「諸星様!あの最新タブレット・・・可能で良ければ1つ下さいませ!」

 

悠里「プレミアフィギュア欲しいです!諸星様!」

 

優之「ちょ、ちょっと3人共・・・強引に交渉しても諸星様は・・・」

 

諸星「勿論。好きなだけ譲ってあげるよ。」

 

有香奈「あ、ありがとうございます!」

 

淳一「タブレットー!」

 

悠里「プレミアフィギュアー!」

 

真奈美「良いんですか?」

 

諸星「大切に保管するよりも、誰かが使ってくれたら俺は嬉しいよ。」

 

優之「器が広い・・・」

 

 

 

 

 

 

夜9時。

 

優之「諸星様。今日はありがとうございました。」

 

諸星「こちらこそありがとう。皆が楽しんでくれて嬉しかったよ。」

 

ニコ「皆さん、また来て下さいね。」

 

諸星「悠里さん。樹々さん。響子さん。来月からのデビュー、宜しくね。」

 

悠里・樹々・響子「はい!」

 

真奈美「では、お邪魔しました。」

 

 

 

 

 

 

3月11日。秋葉原公園。優之と冴子がベンチに座ってる。

 

冴子「凄いわね優之。社長のみならず諸星様から気に入られるなんて。」

 

優之「俺はただ、普通に地道に仕事してるだけなんだけどなぁ。」

 

冴子「その地道と普通が、お2人に気に入られたのかも知れないね。」

 

優之「そうだと良いんだけど。」

 

冴子「真奈美さんから聞いたけど、淳一君達喜んでたって言ってたわ。」

 

優之「あ〜。諸星様が大切に保管していた生地や機材やフィギュアを貰ったからな。有香奈さんは帰った直後にポリエステルでコスプレ衣装作ったし。淳一は超最新タブレットで同人漫画描いたし。悠里はプレミアフィギュアに崇拝してたし。」

 

冴子「優之は何か貰ったの?」

 

優之「俺はいいよ。何か申し訳ないと思うし。」

 

冴子「謙虚ねあなた。そうそう、いよいよ来週よね。アレ。」

 

優之「ああ、シン・仮面ライダーの公開ね。姉さん予約出来るの?最速上映。」

 

冴子「任せて。仮面ライダーに関しては予約無敗だから。あなたもウルトラマンの予約無敗なんでしょ?」

 

優之「まあな。ウルトラアーツに関しては完勝無敗。」

 

冴子「3人で観に行こうね?」

 

優之「楽しみにしてる。」

 

”ピコン”

 

優之「ん?通知か?」

 

スマホで通知を確認する。

 

優之「インスタのフォロワーか。えっと・・・え!?諸星様!?」

 

なんと、フォロワーに諸星が追加されたのだ。

 

冴子「良かったじゃない優之。諸星様にフォロワー貰えて。」

 

優之「さっきの姉さんの言葉が現実になるとは・・・」

 

冴子「でも何か、凄い弟を持ったわね。私。」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美

      杉原響子:本渡楓
      杉原道茂:速水奨
      杉原千夏:志田有彩

      嶋村冴子:友永朱音
 トミー・ブライアン:福原かつみ
 フィオ・ブライアン:花井美春

      諸星志揮:???
        ニコ:???

      吉岡達雄:桐本拓哉
     東山真奈美:後藤邑子


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25話・女装とメイド

3月16日。今日が休暇の優之は、秋葉原で満喫しているが。

 

優之「・・・・・」

 

後ろをチラリと見る。ロリータファッションの女性が付いて来てる。

 

優之(凄え付けられてる・・・)

 

 

 

 

 

 

5分前。ボークス秋葉原ホビー天国2。

 

優之『アーツも良いけど、Figmaも集めてみようかな?メジロマックイーン・・・この子もジードと並べるか。』

 

Figmaメジロマックイーンを購入した。

 

 

 

 

ウルトラアーツを見る。

 

優之『やっぱどれもプレ値化してるな。そう言や真骨彫ウルトラマン再販中だったな。やっぱ待ってれば再販してくれるもんな〜。ん?』

 

コチラを覗いてるロリータファッションの女性を目撃した。

 

優之(お、俺?俺を見てるのか?あの子・・・まさかストーカー・・・?)

 

 

 

 

 

 

アニメイト秋葉原。

 

優之『ウルトラマンまっしぐらな俺でも、やっぱり何かアニメでも観ようかな?でも何が良いのかな〜?』

 

またしてもコチラを覗いてる女性を目撃した。

 

優之(またあの子かよ・・・一体俺に何の要件だ・・・?)

 

 

 

 

 

 

GiGO秋葉原5号。

 

優之『よしよし・・・慎重に・・・よっしゃ!』

 

クレーンゲームで、英雄勇像ティガトルネードを獲得した。

 

優之『ティガの形態は今の所全部かな?今年は中村さんティガとグリッターティガが出るから全部揃うな。』

 

 

 

 

 

 

そして現在。

 

優之(このまま後を付けられても埒が明かない。逃げるか!)

 

近くの駐輪場で自転車に乗って逃げる。

 

 

 

 

 

 

何とか撒いた。

 

優之「ふぅ・・・ここまで来れば大丈夫だろう。さてと。」

 

 

 

 

神田明神。

 

優之「神田明神はやっぱラブライブのイメージが強いな。ここでμ'sが居たりして・・・何ちゃって。」

 

しかし、あの女性がそこに居た。

 

優之「と思ったらさっきの子がそこに居た!?」

 

女性「・・・・・」

 

優之「ああもう何なんだよアンタ!!ストーカー行為で通報するぞ!!」

 

女性「ま、待って待って!付け回したのはごめん!通報は止めて!」

 

優之「じゃあ何で俺をストーカー紛いな事を?」

 

女性「気付いてくれるかなって。」

 

優之「気付く?」

 

女性「え?声聞いてまだ気付かないの?」

 

優之「声?・・・え、君まさか・・・」

 

女性「そうだよ。」

 

その女性が髪を取った。その正体は・・・

 

 

 

 

 

 

淳一と同じ電気大学に通う曽根川祐規だった。

 

 

 

 

 

 

優之「祐規!?」

 

祐規「久し振りだね。優之。」

 

 

 

 

 

 

近くのベンチに座る。

 

優之「え?何?お前女装に趣味あったの?」

 

祐規「僕童顔だから、高校の時文化祭で女装コンテストがあって。それに出場したら優勝したんだ。それ以来女装も趣味になってね。」

 

優之「確かに・・・お前の顔童顔だし女性から見たら可愛いと評判ありそう。」

 

祐規「実際人気なんだよ。ユキって言う名前で活動してるんだ。SNSでもホラ。」

 

自身のSNSを優之に見せる。

 

優之「女装が可愛い。フォロワー凄。しかも女性ファンからのコメントが殺到してる。インスタのフォロワー、俺より多い。流石だな。」

 

祐規「同人サークルでも、女装した僕をモデルにする事あるし。」

 

優之「必要不可欠な人材だな。ん?お前、今日大学じゃないのか?」

 

祐規「今日の講義が早く終わったから。」

 

優之「そっか。お、そうだ祐規。お前の絵、俺が描いてあげようか?」

 

祐規「え?良いの?」

 

優之「久々に会えたんだし。」

 

ボディバッグからスケッチブックを出した。

 

祐規「それ何時も持ってるの?」

 

優之「たまに何かアイディアが浮かびそうだなって時に持ってるんだ。祐規はそのまま座って。」

 

ベンチから立って、祐規の前にしゃがむ。

 

優之「良いね。絵になるねぇ。」

 

ベンチに座ってる女装の祐規を見る。

 

優之「やっぱりこうして見ると、本当の美女だなぁ。」

 

祐規「な、何か照れるね・・・」

 

優之「ん〜・・・アレンジ加えようか。祐規、そのまま寝て?」

 

祐規「え?寝る?」

 

優之「良いから良いから。」

 

祐規「う、うん。」

 

目を閉じて寝る。

 

優之「良いよそのまま。あ〜イイね。眠ってる美女、俺にはドストライクな絵だなぁ。」

 

ペンがシュバシュバ進む。

 

優之「描けたよ!」

 

祐規「え、早くない!?」

 

優之「どーよコレ!」

 

出来上がった絵を祐規に見せた。

 

祐規「え、可愛い!もう絵画レベルじゃん!ゴッホ顔負けだよ!」

 

優之「俺の絵が遂に偉人レベルに達しちゃったよ。」

 

祐規「これインスタに上げて良い?」

 

優之「ああ、ドシドシやってくれ。」

 

祐規「優之は顔出しとかしてる?」

 

優之「え?まぁ一応してる。優って言う名義でインスタ活動してる。」

 

祐規「それじゃ。一緒に写ろうよ!」

 

優之「コラボが始まったな。」

 

自撮り棒を伸ばし、被写体を自分と優之に向けて撮影。祐規は絵を見せ、優之はスペシウム光線(左手首反り)。

 

祐規「ありがとう優之。これで君とのコラボが出来たね。」

 

優之「何か、バズれる物がないかを探してる自称インフルエンサーみたいな言い方だな。」

 

祐規「それとこの絵、大切にするね!」

 

優之「気に入ってくれて何よりだ。」

 

祐規「お礼にお気に入りの店で奢ってあげる!」

 

優之「ん?」

 

 

 

 

 

 

ザ・フレンチトーストファクトリー ヨドバシAkiba店。

 

祐規「ん〜美味しい〜❤️」

 

優之(祐規はもしや、おしゃれ女子の転生した姿なのか?)

 

祐規「ん?どうしたの?」

 

優之「いや、何でもない。ここのパンケーキ甘いね。」

 

祐規「でしょ?最初に来た時に心が躍って、もう抜け出せない位好きなんだよ〜。」

 

優之「もういっその事、女子のままで人生過ごしたらどお?」

 

祐規「ダメだよ。素の自分の人生も謳歌したいから。」

 

優之「冗談冗談。」

 

 

 

 

スイーツを食べ終えて店を出た。

 

祐規「美味しかった〜。」

 

優之「たまにはスイーツも良いな〜。ん?」

 

祐規「どうしたの?」

 

前を歩いているピンク髪の女性を見付けた。

 

優之「あの人もしや・・・ニコさーん!」

 

ニコ「ん?あ、優之様。」

 

優之「やっぱりニコさんだ。私服だったから一瞬分かりませんでした。」

 

ニコ「今日は非番ですので。」

 

祐規「優之の知り合い?」

 

優之「あ〜、この人混みだと面倒になりそうだから公園へ行こう。」

 

 

 

 

 

 

千代田公園。

 

祐規「ええ!?諸星財閥のメイド長!?」

 

優之「そう。ニコさんは諸星様に仕える専属メイドでもあるんだ。」

 

ニコ「初めまして。」

 

優之「ニコさん、こちらユキ。」

 

ニコ「存じております。若者に大人気のインフルエンサーですね?」

 

祐規「こ、光栄です。」

 

ニコ「それにしても、本当に女性にしか見えませんね。」

 

祐規「え、いやぁ〜。」

 

ニコ「優之様は今日は休暇ですか?」

 

優之「ええ。たまに休暇を使って秋葉原を巡るのが好きなんで。ニコさんは秋葉原でお買い物だったんですか?」

 

ニコ「はい。今日も諸星様に料理を振る舞おうと思いまして。」

 

優之「良いですね〜。」

 

ニコ「あ、それともう1つ。もし優之様にお会いしたら、これを渡すようにと諸星様から。」

 

ショルダーバッグから1枚のカードを出して、優之に渡した。

 

優之「カード?」

 

ニコ「諸星邸の許可証です。それを門のカメラに見せれば何時でもお邪魔する事が出来ます。同伴者は問いません。」

 

優之「あ・・・ありがとうございます。あ、でも失くしたりしたら・・・」

 

ニコ「ご心配なく。そのカードは諸星財閥の特別製カードです。中にGPSがあります。偽造は不可能ですのでご安心を。」

 

優之「そうなんですね。」

 

祐規「淳一の言った通りだ。優之は諸星様のお墨付きを得ているって。」

 

優之「仕事の依頼を受けただけなんだけどね。ニコさん、ありがとうございます。」

 

ニコ「では、私はこれで失礼します。」

 

彼女はその場を後にした。

 

祐規「ねぇ優之。機会があったら僕達同人サークルも行っても良いかな?」

 

優之「その時になったら連絡してくれ。」

 

 

 

 

 

 

3月17日。夜9時。優之は姉夫婦とシン・仮面ライダーの鑑賞を終えていた。

 

冴子「すっごく面白かった〜!」

 

優之「庵野監督色々拘り過ぎだろ〜。」

 

裕樹「キャストが色々豪華過ぎる・・・エンディングも鳥肌立った・・・ライダーキックやラスボスが凄かったな・・・」

 

優之「あらら。裕樹さんが興奮しまくってる。」

 

裕樹「冴子!またもう1回・・・いや後5回位観に行こうよ!」

 

冴子「いやぁ、2〜3回で充分じゃないかな?」

 

優之「5回程って・・・俺もシン・ウルトラマン10回観たしな。」

 

裕樹「だったら優之君!またもう1回観に行こうよ!」

 

優之「俺に振るなよ・・・」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

     曽根川祐規:小林大紀

        ニコ:???

      嶋村冴子:友永朱音
      嶋村裕樹:興津和幸


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26話・幼馴染みと先輩

3月21日。春分の日。

 

優之「やっとこっちに来れたな。悟。」

 

悟「いやぁ〜、憧れの東京に住めるなんて夢みたいだ。」

 

最近上京した悟と秋葉原を歩いている。

 

悟「秋葉原、テレビで見た事あるけど生で見ると人集りが凄いなぁ。アニメの天国だなぁ〜。」

 

優之「学生時代の修学旅行は大阪だったもんなぁ。そう言や他の皆は引っ越し済んだのか?」

 

悟「ああ、志歩は同窓会から1週間後に上京済みだ。他の皆も既に引っ越し終えてる。」

 

優之「また皆で集まったら飲み会とか行こうぜ?後俺が住んでるおあにた荘に遊びに来いよ。」

 

悟「楽しみにしてる。なぁ、まず行きたい場所があるんだ。」

 

優之「ああ、彼処だろ?ここだ。」

 

悟「遂に来た!コトブキヤ秋葉原館!フレームアームズやFAガール、創彩少女庭園〜!」

 

歓喜しながら店内へ走る。

 

優之「ったく、プラモの事になると何時もこうだ。」

 

 

 

 

コトブキヤ秋葉原館。

 

悟「あ!コイツ買えなかった奴だ!限定品も揃ってある!ああもう迷っちゃう〜!」

 

優之「ヤバい、テンションフォルテッシモになってる。」

 

悟「すみません!ここの全部下さい!」

 

優之「落ち着け落ち着け。お前破産するぞ。」

 

悟「おっといっけねぇ。ほんの一部の興奮が目覚めてしまった。」

 

優之「あれが一部とか狂ってるな。メインディッシュはこの後だろ?それまで温存しとけよ。」

 

悟「だな。そろそろ昼になるな。どっか飯食うか。」

 

優之「だったら、ダイバーシティに良い物があるぜ。」

 

 

 

 

 

 

ゆりかもめに乗る。

 

悟「ゆりかもめ初めて乗るなぁ。海が綺麗だ〜。」

 

優之「全面展望よく見えるだろ?俺の特等席だ。」

 

悟「お、ダイバーシティが見えた!」

 

 

 

 

 

 

ダイバーシティ東京。

 

悟「おぉ〜!」

 

実部代のユニコーンガンダムに悟が見惚れてる。

 

優之「丁度変形時間だから良いタイミングだったな。」

 

悟「なぁ優之・・・俺ユニコーン乗りたい。」

 

優之「お前ニュータイプじゃねぇだろ。仮に乗れたとしてもニュータイプを持つ奴が居ないとデストロイ出来ねえだろ?」

 

悟「あ、彼処のガンダムカフェ・・・そっか、閉店しちゃったんだな。」

 

優之「俺も食ってみたかったな。ガンプラ焼き。」

 

 

 

 

親子丼 TORIKAI。

 

悟「ん〜!この濃厚チーズカルボナーラ丼美味いなぁ!初めての味だ!」

 

優之「だろ?初めて食った時に衝撃受けたんだ。コイツは当たりだって。」

 

悟「1階のフードコート、色々あるもんだな。あのわたあめ美味そうだ。」

 

優之「彼処のカールスジュニアのハンバーガーも良いぞ。」

 

悟「さてさて・・・そろそろ本題へ行きましょか。」

 

優之「もうウズウズしてやがる。」

 

 

 

 

 

 

ガンダムベース東京。

 

悟「・・・・・・・」

 

優之「どうだ?お前の憧れのガンダムベース東京。ここでしか買えない限定ガンプラや展示がある。」

 

悟「・・・・・・・」

 

優之「俺も最初生で見たけど、本当に凄いもんよ。どうだ悟?満足した・・・か?」

 

悟「・・・・・・・!」

 

優之「な、泣いてやがる!?興奮を通り越して泣いてやがる!?おい悟、しっかりしろ!」

 

悟「なぁ優之、俺生きてて良かった・・・!福岡の時も興奮したけど、総本山に来るとまた違う感動に包まれた・・・」

 

優之「お前をここまで育ててくれた親御さんに感謝しなきゃだな。さてと、入ろうぜ?」

 

悟「おう!」

 

 

 

 

中に入り、ガンプラを見て回る。

 

悟「旧キットやBB戦士、HGにFGにMGにPGが全部揃ってる!あ〜どれ買うか迷うな〜!」

 

優之「もし異動先が違ってたら、尚がっかりするだろうな。」

 

???「あれ?優之?」

 

優之「ん?あらら!幸彦先輩!」

 

後ろに長谷部幸彦が居た。そして青髪の女性と双子の女の子も一緒。

 

幸彦「ここで会えるなんて偶然だな。」

 

優之「本当にな。蒼子さん、久し振り。」

 

蒼子「お久し振りです優之さん。」

 

この女性は高梨蒼子。幸彦の妹で既婚者。

 

優之「美菜子ちゃん、光里ちゃん。元気してる?」

 

美菜子「元気だよ〜!」

 

光里「元気元気〜!」

 

高梨美菜子と光里。双子の姉妹で蒼子の娘。そして幸彦の姪っ子達。

 

幸彦「お前がここに来るなんて珍しいな。ガンプラに目覚めたか?」

 

優之「最近上京した奴を案内しにここに来たんだ。」

 

幸彦「上京した奴?」

 

悟「おーーーい優之ーーー!」

 

出す「お、来たか。」

 

両手に袋を持った悟が戻って来た。

 

悟「もう色々買っちった♪ん?優之、その方々は?」

 

優之「ああ、紹介しよう。俺の先輩の長谷部幸彦先輩。そして妹の蒼子さん、蒼子さんの娘さんの美菜子ちゃんと光里ちゃん。」

 

悟「あ、初めまして。広瀬悟です。優之がお世話になっております。」

 

幸彦「君が優之の幼馴染みか。話は聞いているよ。宜しくな。」

 

優之「にしてもお前、何買ったんだ?」

 

悟「フッフッフ♪念願の彼奴がやっと買えたんだ!ジャジャーン!」

 

MGEXストライクフリーダムガンダム。

 

悟「佐賀の頃は何処へ行っても売り切れてたから、やっと買えたよ!それと他にもMG真っ盛り。」

 

幸彦「ほう、悟君はMGが得意分野か。」

 

悟「そうです。」

 

幸彦「こんなに多いと、完成に数日掛かるんじゃないか?」

 

悟「俺は大丈夫ですよ!あのEx-sなんて半日で作っちゃいましたから!」

 

幸彦「す、凄え!筋金入りのガノタだ!」

 

悟「もしかして、幸彦さんもガノタですか?」

 

幸彦「ああ!今日ここへ来たのもガンプラを買う為に!」

 

悟「そうだったんですか!」

 

幸彦「嬉しいな〜!会社以外のガノタと会えるなんて!悟君、LINE交換しない?」

 

悟「しましょうしましょう!」

 

2人はすぐにLINE交換した。

 

 

 

 

 

 

ダイバーシティから出た。

 

幸彦「ほほう。フレームアームズやFAガール、ヘキサギアまで作ってるのか。」

 

悟「そうなんですよ。それらをガンプラとのクロスオーバーする事によって新たな世界を創り出せるんですよ。」

 

幸彦「分かるわ〜!」

 

優之「もうあの2人、親友同士になっちゃったな。」

 

蒼子「お兄ちゃん、凄く楽しそう。」

 

優之「そう言えば、賢一さんは?」

 

蒼子「主人は今日寝ています。」

 

優之「毎日仕事頑張ってる証拠だよ。」

 

蒼子「ええ。」

 

美菜子「あのね、今日はパパの為に料理作ってあげるんだ!」

 

光里「パパの大好きなハンバーグを作るんだ!」

 

優之「そっかぁ〜!パパ喜んでくれると思うぞ〜。」

 

 

 

 

その後、新橋駅で幸彦達と別れた。

 

 

 

 

帰り道。

 

悟「いやぁ〜、今日は収穫祭だったなぁ〜。」

 

優之「あんまり金使うなよ?家賃とか電気代とか色々支払わなきゃならないんだし。」

 

悟「分かってるって。折角上京出来たんだし、ここで仕事バリバリ頑張るからな。」

 

優之「もし志歩に会ったら宜しく言っといてな。」

 

悟「分かった。今日はありがとう。じゃあな。」

 

優之「ああ。」

 

悟は家へ帰って行った。

 

優之「さてと、俺も帰るか。」

 

 

 

 

 

 

その夜。マンション。

 

悟「〜♪」

 

MGEXストライクフリーダムガンダムを完成させ、ウキウキの悟であった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

       広瀬悟:浦和希

     長谷部幸彦:松風雅也
      高梨蒼子:小澤亜季
     高梨美菜子:鈴木絵里
      高梨光里:大森日雅


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28話・勉強会と懐かしい物

3月30日。優之が自転車で帰宅途中。

 

優之「ふぃ〜。今日も仕事終わった〜。」

 

 

 

 

おあにた荘。

 

優之「ただいま〜。ん?」

 

玄関に、3足のローファーが並べられてる。

 

優之「ローファー?誰か来てるのか?」

 

 

 

 

リビング。

 

優之「?」

 

康介「ここは、この公式を当て嵌めるんだ。」

 

???「あ!成る程!」

 

テーブルで康介が悠里と3人の女子高生に勉強を教えてあげてる。

 

康介「あ、優之君おかえり。」

 

悠里「おかえりなさい。」

 

優之「ただいま。」

 

???「ん?あ!もしかして、悠里が話してた愛川優之さん?」

 

優之「え?えぇ、まぁ。えっと・・・悠里のお友達?」

 

悠里「うん。矢口遥香ちゃん。石原茜ちゃん。赤坂美佳子ちゃん。中学からの友人達だよ。」

 

優之「初めまして。愛川優之です。」

 

茜「悠里さんから聞いております。初めまして。」

 

優之「それで、悠里のお友達がどうしてウチに?」

 

康介「悠里ちゃん達は来月から高校3年生になる。高校3年生になったらあのシーズンが来るから。」

 

優之「・・・あ、受験?」

 

悠里「そう。今の内から色々早期予習しようと勉強会を定期的にやるんだ。」

 

美佳子「お泊まりで来てるんだよ。」

 

優之「受験かぁ。4人は同じ大学を受けるの?」

 

美佳子「そうだよ!青山学院大学を受けるんだ!」

 

優之「へぇ〜。あ、そっか。皆はもう春休みだもんな。あ、勉強の邪魔になっちゃいけないから部屋行っとくね。」

 

真奈美「淳一君の部屋に有香奈ちゃんが居るわ。」

 

優之「樹々ちゃんと舞ちゃんは?」

 

真奈美「淳一君の部屋よ。」

 

優之「そっか。ありがとう。」

 

 

 

 

 

 

2階・淳一の部屋。

 

優之「お〜い皆〜。」

 

淳一・有香奈「ゴーシュート!」

 

樹々「有香奈さん頑張れ!」

 

舞「淳一お兄ちゃん頑張って!」

 

淳一と有香奈がベイブレードをやってる。樹々と舞は応援してる。

 

淳一「あー!バーストされたー!」

 

有香奈「勝っちゃった☆」

 

優之「えーっと・・・」

 

淳一「よう優之!おかえり!」

 

優之「た、ただいま。何だこのカオスな状況。」

 

淳一「いやぁ〜、悠里達の勉強会の邪魔しちゃいけないから、俺の部屋で皆と遊んでるんだ。」

 

優之「ベイブレードでか・・・懐かしいなぁ。」

 

淳一「他にもあるぞ?」

 

懐かしいおもちゃ等を出した。

 

優之「うわぁ〜。青春時代が蘇る〜。うわっ、メルヘヴン・THE・ARM BATTLE。ARMも全部あるやんけ。」

 

淳一「おたちゅうで偶然見付けてな。懐かしいから買っちった。」

 

優之「凄えな。」

 

???「ミー。」

 

優之「ようミィミィ。」

 

三毛猫の子猫ミィミィ。舞の卒園式の祝いで真奈美が舞にプレゼントした猫。

 

優之「元気してるか〜?」

 

ミィミィ「ミー。」

 

有香奈「ねぇ。優之君もベイブレードやろうよ。」

 

優之「懐かしいなぁ。やっちゃるか!」

 

 

 

 

ベイブレードをカスタマイズする。

 

優之「出来た!」

 

ランチャーに取り付ける。

 

有香奈「準備は良い?」

 

優之「ああ、行ける!」

 

有香奈「行くわよ?3、2、1!」

 

優之・有香奈「ゴーシュート!」

 

2つのベイブレードが回転する。

 

優之「行け行け!!」

 

有香奈「頑張れ頑張れ!」

 

そして、有香奈のベイブレードがバーストした。

 

優之「っしゃ!勝った!」

 

有香奈「あ〜ん負けちゃった〜。」

 

 

 

 

メルヘヴン・THE・ARM BATTLE。

 

優之「勝った!」

 

淳一「え、強くね!?」

 

 

 

 

人生ゲーム。

 

優之「あがりー!」

 

有香奈「優之君強いね〜。」

 

淳一「懐かしくなって強くなったとか?」

 

優之「それはあるかも。」

 

舞「この指輪綺麗〜。」

 

ジムノートのARMを嵌めてる。

 

樹々「それおもちゃだよ?」

 

優之「ARMが気に入っちゃったみたい。」

 

淳一「お、もう6時か。」

 

真奈美『皆〜!ご飯だよ〜!』

 

1階から真奈美の声がした。

 

淳一「飯だ飯!」

 

優之「あ〜、腹減った〜。」

 

有香奈「2人も行こ?」

 

樹々・舞「うん。」

 

 

 

 

 

 

リビング。夕食。遥香達も頂いてる。

 

淳一「あ〜美味い!4人はどお?早期受験勉強は順調?」

 

遥香「うん!康介さんの教えがとても分かりやすくて助かるよ〜!」

 

優之「流石京都大卒だ。」

 

康介「実は僕、大学時代に家庭教師のバイトをした事があって。」

 

優之「え、初耳!」

 

康介「父から『お前は教えるのが上手いから、家庭教師やってみたらどうだ』って言われて。僕が担当した教え子達皆、難関高や難関大学に入学出来た子が多くて。」

 

茜「康介さんは先生に向いているかも知れませんね。」

 

康介「いや、僕は今の仕事が性に合ってるよ。」

 

美佳子「私だったら、康介さんを家庭教師として雇いたい位だよ〜!」

 

康介「そ、それは勘弁・・・」

 

悠里「美佳子ちゃんの家、資産家だからね。」

 

優之「資産家の赤坂家・・・もしかして、諸星財閥と関わりがあるの?」

 

美佳子「そうだよ。パパは諸星様と親しいんだ。」

 

優之「ほえ〜。今度諸星様に聞いてみよう。」

 

淳一「ぷはぁ〜!いやぁ〜、刺身はビールに限るね〜!」

 

ビール飲んでご満悦の淳一。

 

優之「あ、ズルい。俺も!」

 

刺身食べてビールを飲む。

 

優之「ぷへぇ〜!」

 

美佳子「大人の人って、ビールが好きなんだね。」

 

優之「好きなのは人それぞれ。」

 

淳一「3人も大人になれば分かるよ?」

 

悠里「茜ちゃん、酔ったら人格変わりそう。」

 

茜「え、えー?」

 

優之「ん〜・・・」

 

遥香「ん?優之さんどうしたの?」

 

優之「3人も、アイドルになれそうな気がするんだよね〜。」

 

遥香「え?そうかな?」

 

優之「うんうん。スタイル良いし、可愛いし、おまけに輝いている。」

 

樹々「優之さん。アイドルマネージャーみたい。」

 

優之「3人は悠里達がアイドルになるの知ってるよね?」

 

遥香「そうだよ。私達もう悠里ちゃん達のファンになったんだよ。」

 

優之「ねぇねぇ、飯の後に君達の絵を描いてあげようか?」

 

茜「え?絵をですか?」

 

優之「君達を見て閃いたんだ。」

 

 

 

 

 

 

夕飯の後。遥香達3人をソファーに座らせ、優之がスケッチブックとペンを持って被写体の3人を見る。

 

優之「フムフム・・・茜と美佳子は遥香に寄って。」

 

茜「はい。」

 

美佳子「こうで良い?」

 

優之「そうそうそのまま。」

 

ペンがスラスラ走る。

 

優之「ここで衣装をお嬢様風にすれば・・・出来た!」

 

遥香・茜・美佳子「早い!?」

 

優之「テーマは、3人をモデルにした3姉妹。」

 

完成した絵を見せる。

 

遥香「わぁ〜!凄く可愛い!」

 

美佳子「え!?これ私達!?」

 

茜「別人のように綺麗です!!」

 

淳一「本当お前、こう言うアレンジ得意よな〜。」

 

優之「何かと創作が湧くんだよ。こう言うのが好きなんだよ俺。」

 

美佳子「凄く良いな〜!ねぇ優之さん、これSNSにアップして良い?」

 

優之「ああ、良いよ。」

 

描いてくれた絵を早速SNSに投稿する。

 

”ピリリリリリ”

 

優之「ん?諸星様だ。」

 

全員「?」

 

優之「もしもし?」

 

諸星『優之君、今大丈夫かい?』

 

優之「ええ、大丈夫です。どうされたんですか?」

 

諸星『君と淳一君にプレゼントした2台の整備が終わったから。その連絡を伝えたくて。』

 

優之「本当ですか?いよいよですね。」

 

諸星『明後日の朝におあにた荘に送るから、期待しててね。』

 

優之「ありがとうございます。失礼します。」

 

通話終了。

 

淳一「諸星様から?」

 

優之「ああ。例の2台の整備が完了したんだ。明後日の朝に送るって。」

 

淳一「お!遂にかぁ!」

 

遥香「ん?例の2台って何?」

 

淳一「俺達免許取ってな。諸星様から好きな車とバイクをプレゼントしてくれたんだ。」

 

優之「まぁ俺は普通二輪から大型二輪にアップグレードしたけど。」

 

茜「免許ですか。」

 

美佳子「良いね免許!私達も将来免許取るのも良いかもね!」

 

康介「さて4人共、そろそろ勉強再開する?それとも明日にする?」

 

茜「そうですねぇ・・・」

 

遥香「予習今日で終わらせて、明日皆で遊ぼうよ!」

 

優之「俺明日仕事だしな。」

 

淳一「お前の分まで皆と遊ぶから大丈夫だ。」

 

優之「俺の分を俺に与えてくれよ。」

 

悠里達は勉強会を再開し、翌日は皆で遊んだのであった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美

      矢口遥香:若松来海
       石原茜:大和田仁美
     赤坂美佳子:黒木ほの香

      諸星志揮:???

     東山真奈美:後藤邑子


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29話・開校!モロスタードライブ

3月24日。朝8時。

 

淳一「また来たな。」

 

優之「えっと、これを翳せば。」

 

諸星邸の門のカメラに許可証を翳すと、カメラがそれを認証しゲートが開いた。

 

優之「諸星様からの呼び出し。一体何のご用だろう?」

 

 

 

 

諸星邸。

 

ニコ「お待ち致しておりました。」

 

メイド長のニコとメイド達が出迎えてくれた。

 

ニコ「優之様、淳一様、荷物をお持ちします。」

 

淳一「どうも。」

 

優之「ありがとうございますニコさん。それで、諸星様は?」

 

ニコ「自室で待っております。どうぞ。」

 

 

 

 

諸星の部屋。

 

ニコ「諸星様。優之様をお連れしました。」

 

諸星「ニコ、ご苦労様。優之君、淳一君、来てくれてありがとう。」

 

淳一「いえいえ!今日は授業必修じゃないので、一緒に来たまでです!」

 

優之「諸星様、昨日社長から諸星様の召集状を貰い受けたのですが。一体何を?」

 

諸星「2人は、諸星財閥が経営している企業や学校があるのを知っているよね?」

 

優之「ええ、それは・・・」

 

淳一「勿論ですとも!芸能事務所のモロダスト!将来有望な子供達が専門知識やビジネスを勉強する諸星塾!世界中のスポーツ選手の卵達を育成するモロスターアスリート!音楽家や画家などの芸術を育成するモロスターアート!初等部から高等部があるエスカレーター式の進学校のモロスター学園!更に最先端医療を扱っている諸星総合病院など!」

 

諸星「流石淳一君。」

 

優之「本当すみません。コイツ諸星様に首っ丈で・・・」

 

諸星「いや、それだけ俺を知ってくれるのは嬉しいよ。」

 

優之「多くの企業や学校があるのは知っていますけど、それをどうして?」

 

諸星「今日2人を呼んだのは、俺と一緒に企業や学校を見学しようと思って。」

 

優之「ええ!?諸星様と!?」

 

淳一「ヒョエエエーーー!憧れの諸星様と見学ーーー!?」

 

優之「でも諸星様、普段はそれらを回っているのでは?」

 

諸星「俺は諸星財閥の当主。仕事が多くてあまり見て回れないんだよ。今日は仕事が一段落したからね。」

 

優之「もしかして、見て回るだけじゃなく俺達を紹介したいからですか?」

 

諸星「そう言う事になるね。ニコ、車を用意して。」

 

ニコ「畏まりました。」

 

淳一「うへへへ〜諸星様と社会科見学〜♪」

 

優之「あはは・・・」

 

リムジンに乗り、見学へ出発。

 

 

 

 

リムジン車内。諸星の隣に淳一、ニコの隣に優之。

 

淳一「諸星様諸星様、俺SNSで漫画を描いているんです!これどうですか?」

 

スマホでSNSに上げた漫画を見せる。

 

諸星「ふむふむ。どれも面白くて好きだよ。」

 

淳一「ありがとうございます〜!」

 

優之「もうテンション高過ぎ・・・」

 

ニコ「淳一様、結構楽しんでいますね。まだ目的地前なのに。」

 

優之「諸星様目当てですからね、彼奴の場合。・・・・」

 

ニコ「?」

 

彼女のスタイルに優之が見惚れてる。

 

ニコ「優之様?」

 

優之「あ、いや、すみません!・・・ニコさんってメイドの他にモデルとかやってたりするんですか?凄くスタイルが良いし。」

 

ニコ「はい。私も前は色々スカウトとか受けました。けど、私は諸星様に仕えるメイドが私の人生です。」

 

優之「そうなんですね。でも本当スタイル良いですね。それに可愛いですし。」

 

ニコ「か、可愛い!?そ、そんな・・・」

 

優之「あ、赤くなった。何かごめんなさい。」

 

 

 

 

最初に着いた場所は、モロスターアート。

 

優之「モロスターアート。音楽家や画家などの芸術家達が所属している芸術事務所。」

 

淳一「凄え!廊下に絵画が飾られてる!しかもどれもプロレベルだ!」

 

諸星「世界中で活躍している画家達が描いた絵画だよ。」

 

ニコ「日本各地で個展を開いてる方もここに所属しております。」

 

 

 

 

音楽家ブース。

 

”〜〜〜♪”

 

淳一「ん〜。聴いてるだけで心が安らぐ〜。」

 

優之「ん?あの女性ピアニスト、世界で活躍しているピアニストじゃないのか?」

 

淳一「本当だ!ウィーン国立音楽学校の校長が大絶賛しているピアニストだ!」

 

ニコ「あの方は4月から海外コンサートへ行くんですよ。」

 

優之「良いな〜。俺1度でも良いから音色味わいたいな〜。」

 

 

 

 

 

 

モロスターアスリート。サッカーの練習試合。

 

優之「俺達が知ってる選手達が練習試合をしている・・・!」

 

淳一「お互いを仲間、ライバルとして切磋琢磨して技を磨き上げる。そこがモロスターアスリートの選手達の座右の銘だ。」

 

優之「そこまで調べてるとは。」

 

淳一「確か中には、偏見を受けたり親から金の無心を受けた選手も居ますよね?」

 

諸星「そうだよ。彼処のディフェンダーの彼は、優秀な弟と区別されて孤独を経験したんだ。でも彼はサッカーの実力を持っていて。俺がモロスターアスリートにスカウトしたんだ。」

 

優之「その家族はどうなったんですか?」

 

ニコ「弟さんは難関高校に入学したんですが、タバコや酒が明るみになって退学処分。両親が彼を見付けてヨリを戻そうとしたんです。」

 

優之「都合が良過ぎる親ですね。」

 

ニコ「ですが、彼はそれを拒否したんです。それ依頼彼の親と弟さんは姿を現していません。」

 

淳一「流石ですね。俺も金の為に縋り寄る奴が1番嫌いですし。」

 

諸星「そんな彼も、今はレギュラーとして活躍しているよ。」

 

 

 

 

 

 

諸星塾。

 

優之「これだけの生徒・・・神童の子達でしょうか?」

 

諸星「うん。今日は株に関する授業を受けているね。」

 

淳一「これだけの子供達がビジネスや専門的な授業を受けてると思うと、何か凄いなぁ。」

 

ニコ「諸星様、そろそろお昼になります。」

 

諸星「分かった。次のモロスター学園の食堂でお昼にしよう。」

 

優之「え、良いんでしょうか?」

 

諸星「校長に許可貰ってるから。」

 

 

 

 

モロスター学園・食堂。

 

優之「金曜日はカレーって、海上自衛隊かよ。」

 

淳一「何時か軍隊系を目指す子達に教える一環なんじゃないかな?ん〜、美味い!」

 

優之「ん〜。この苦み、隠し味にコーヒーを使ってる。更にコクや苦みが増して、美味いな。それにこの野菜や肉。野菜はゴロゴロしてホックホク。肉は柔らかく、食べ応えがある。」

 

淳一「何か食レポが始まった。」

 

生徒「あ!諸星様!」

 

生徒「諸星様ー!ニコ様ー!」

 

そこにモロスター学園・初等部の生徒達が駆け寄って来た。

 

諸星「やぁ皆、元気してるかい?」

 

生徒「はい!」

 

ニコ「元気ですね〜。」

 

生徒「ん?諸星様、此方のお2人方は?」

 

優之・淳一「ん?」

 

諸星「彼は愛川優之君。モロダストのアイドルオーディションのイラストを描いてくれた人だよ。」

 

ニコ「日高淳一様。優之様と同じシェアハウスに住んでいる大学生です。」

 

優之「あ、え〜っと、初めまして。愛川優之です。」

 

淳一「日高淳一!宜しく!」

 

生徒達「宜しくお願いします。」

 

優之「おぉ〜、礼儀正しい子達だぁ〜。」

 

淳一「流石モロスター学園初等部の生徒さん。何か、こっちが見習いたい位だ。」

 

 

 

 

 

 

リムジン車内。

 

淳一「諸星総合病院も凄かったなぁ〜。最新医療が取り入れられてるし。」

 

優之「もし親父達が入院や通院する事になったら、諸星総合病院をススメてやるか。」

 

淳一「それにモロスター学園。青春時代を思い出すなぁ〜。諸星様、これで全て見学しましたね。」

 

諸星「そうだね。でも実は、もう1つの見学場所があるんだ。」

 

優之・淳一「もう1つの見学場所?」

 

ニコ「着いてみてのお楽しみです。」

 

 

 

 

 

 

着いた場所は、自動車教習所。

 

淳一「ここって、自動車教習所?」

 

諸星「使われなくなったここを、去年の4月に諸星財閥が買い取ったんだ。今は完成しているけど、今年の4月からこの、モロスタードライブが開校するんだ。」

 

優之「ほえ〜!諸星財閥が経営する自動車教習所!」

 

諸星「実は、2人を呼んだのは見学だけじゃないんだ。2人は免許とか興味あるかな?」

 

淳一「免許ですか?ん〜、何時か車に乗ってみたいな〜って思ってます。」

 

優之「実は普通二輪免許持ってるんですよ。」

 

淳一「え!?初耳だぞそれ!?」

 

優之「高校の時に取得して乗ったんだけど、自転車の方が性に合ってるから、それ以降乗ってないんだ。」

 

淳一「あー成る程な。」

 

諸星「そうか。2人をこのモロスタードライブの先行入学生として招待しようと思うんだ。」

 

優之・淳一「えええ!?」

 

淳一「俺達が、先行入学生ですか!?」

 

諸星「2人が先行入学生として合格出来れば、免許取得。欲しい車種を諸星財閥が無償で贈呈するよ。」

 

優之「・・・淳一。」

 

淳一「・・・ああ。」

 

優之「諸星様、是非俺達を先行入学生として入学します!」

 

淳一「ご指導宜しくお願いします!」

 

諸星「決まりだね。ニコ、2人に入学手続きを。」

 

ニコ「はい。では、コチラのタブレットで手続きをお願いします。」

 

2つのタブレットを優之と淳一に渡した。

 

優之「大型二輪にレベルアップするか。」

 

淳一「おあにたで普通免許持ってるの真奈美さんと康介さんだけだしなぁ。」

 

 

 

 

まずはモロスタードライブの特徴を教えて貰った。

 

ニコ「・・・と、ここまでがこのモロスタードライブの特徴です。何がご質問はありますか?」

 

優之「ニコさん、このモロスタードライブの受講って基本何日で合格出来るんですか?車だと1ヶ月、バイクだと13日程ですが。」

 

ニコ「はい。ここでは多くのテクノロジーを取り入れております。最短ですと、車とバイク同じ3日で合格出来るんです。」

 

淳一「す、凄え!たった3日で合格!?」

 

ニコ「はい。長くても1ヶ月です。」

 

優之「自動車教習所の普通免許の期間と変わらないですね。」

 

 

 

 

 

 

その日の夕方。

 

真奈美「え?自動車教習所?」

 

優之「うん。諸星財閥が新しく開校するモロスタードライブの先行入学生として入学するんだ。」

 

淳一「これに合格すれば、免許取得。諸星様から好きな車種を贈呈されるんだ。」

 

康介「おぉ。僕と真奈美さんに続き3人目4人目のドライバーが誕生するね。」

 

悠里「優之さんも車?」

 

優之「俺はバイクだな。合格したら、2人乗りで乗せてやるよ。」

 

樹々「2人乗り。」

 

有香奈「楽しみね。」

 

舞「頑張ってね!」

 

 

 

 

 

 

3月25日。モロスタードライブで受講を受ける。講師はニコ。

 

 

 

 

実技では、教官達が2人に運転の仕方を教える。

 

優之(教習時代を思い出す。)

 

淳一(運転初めてで難しいけど、何か凄く面白い!教官の教えも分かり易い!)

 

 

 

 

2人は学科と実技を見事にやり遂げた。

 

 

 

 

3月27日。

 

ニコ「おめでとうございます。お2人共合格です。」

 

優之「っしゃ!」

 

淳一「よし!後は合格試験を突破出来れば!見事免許取得!」

 

ニコ「それでは、裏の諸星免許センターへご案内します。」

 

ここモロスタードライブの裏には、諸星財閥が経営している諸星免許センターがある。

 

 

 

 

諸星免許センター。

 

ニコ「それでは、始めて下さい。」

 

淳一「ッ!!」

 

ペンがスラスラ動く。

 

淳一(たった3日なのに、凄え分かる。やはり教官達の教えが分かりやすくて助かった!)

 

 

 

 

試験が終わり、淳一の結果は・・・合格。

 

 

 

 

 

 

諸星「おめでとう淳一君。」

 

淳一「ニコさんと教官の教えが分かりやすかったので。」

 

諸星「優之君は既にバイクを決めているよ。」

 

淳一「マジか。」

 

 

 

 

免許センターの隣にある大型施設モロスターモーターショップ。ここでは、世界中の車やバイクが取り揃えてある。更に、その裏には試運転場があり、色々な車種を試運転し、自分に相性が合う車種を決める事が出来る。

 

優之「ん〜!ゴールドウイングツアー、1度乗ってみたかったんだよな〜!」

 

大型バイクのゴールドウイングツアーを試運転してる。

 

淳一「彼奴、結構楽しんでやがる。」

 

ゴールドウイングツアーが淳一の前に停まる。優之がヘルメットを外す。

 

優之「よっ。」

 

淳一「優之、それにするのか?」

 

優之「ああ。」

 

淳一「まるでホワイトベースみたいなバイクだな。」

 

優之「ゴールドウイングツアー。HONDAのバイクの最高峰だ。諸星様、コイツを下さい。」

 

諸星「分かった。契約成立だね。納車まで1週間掛かる。手続きを済ませておいて。」

 

優之「はい。」

 

諸星「淳一君は、何にするか決めたかい?」

 

淳一「俺はですね・・・・・・お!アレが良いですね!」

 

 

 

 

 

 

4月1日。午前10時。おあにた荘にバイクと車が納車された。

 

優之「遂に来たかぁ。」

 

ゴールドウイングツアー。

 

淳一「ウヒョヒョー!」

 

トヨタ:ヤリスクロス。

 

樹々「新しい車種が到着した。」

 

悠里「この2台、無償だよね?」

 

優之「ああ。これで高速道路とか色々走れるな。」

 

淳一「おい優之、折角だし2人でドライブしないか?」

 

優之「お!良いね!」

 

舞「私も行きたい!」

 

悠里「私もドライブしたいな〜!」

 

康介「淳一君のドライブテク、どれ程か確かめたいしね。」

 

優之「真奈美さんも行く?」

 

真奈美「私は待ってるわ。今日は皆で楽しんでね。」

 

優之「よし、じゃあ行きますかな。」

 

有香奈「優之君、後ろに乗せてくれるかな?」

 

優之「オーケー。ほい。」

 

ゴールドウイングツアーに優之と有香奈が跨り、ヘルメットを被る。

 

淳一「康介さんは助手席。悠里達は後ろの席に。」

 

助手席に康介、後部座席に悠里と樹々と舞が乗る。

 

淳一「優之、目的地は何処にする?」

 

優之「ん〜、そうだなぁ。思い切って横浜行っちゃう?」

 

淳一「イイネ!」

 

優之「よし淳一、付いて来いよ!」

 

ゴールドウイングツアーのアクセルを捻って出発し、ヤリスクロスがゴールドウイングツアーに付いて行く。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美

      諸星志揮:???
        ニコ:???

     東山真奈美:後藤邑子


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30話・新しい春

4月5日。SKY ANGLE・イラスト部。

 

優之「いやぁ〜、俺達が入社して1年が経つな。」

 

トミー「はい。早いもんですね。」

 

フィオ「遂に後輩が出来ますね。」

 

優之「このイラスト部に新しく入る方が来るしな。」

 

トミー「優之さんがおあにた荘に入居して1年が経ちましたね。」

 

優之「そだな。盛大なパーティーを祝ってくれてありがとな。2人共。」

 

トミー・フィオ「いえいえ。」

 

冴子「皆、注目。新入社員を紹介するわ。今日からSKY ANGLEイラスト部に入る事になった宮本結子さん。挨拶して?」

 

結子「宮本結子です。宜しくお願いします。」

 

社員達が拍手した。

 

冴子「それじゃあ宮本さんは、彼処の愛川君の前にあるデスクに着いて貰うわ。」

 

結子「はい。」

 

冴子「それじゃあ皆、宮本さんと仲良くね。」

 

優之「俺が指導するのか。」

 

トミー「なら、先輩として頑張らないとですね。」

 

優之「先輩らしい事をする機会なんて皆無なんだよなぁ〜。でも、社会人としてしっかりやらないとだな。」

 

結子「愛川先輩、宮本結子です。宜しくお願いします。」

 

優之「ああ、宜しく。愛川優之だ。優之で結構。」

 

結子「はい。優之先輩。」

 

優之「早速だけど、この参考書で仕事を覚えて。終わったら仕事を回すから。」

 

結子「はい。」

 

参考書を読みながら仕事の確認をする。

 

優之(この子があの宮本の妹さんだもんな。兄妹のギャップが凄い。)

 

 

 

 

 

 

青山学院高校。

 

遥香「もう私達、3年生かぁ〜。」

 

茜「はい。そして受験生ですから。」

 

美佳子「志望大学に合格出来るよう、定期的に勉強しなきゃだね。」

 

茜「今日は悠里さんは居ませんね。」

 

美佳子「そりゃあそうだよ。今日からアイドルデビューなんだから。」

 

遥香「アイドルかぁ〜。良いな〜、私もなってみたいな〜。」

 

美佳子「今からでもなっちゃう?3人組アイドル!」

 

茜「いやそれは・・・」

 

 

 

 

 

 

モロダスト。

 

女性トレーナー「それじゃあ、まずはステップから行くわよ。」

 

悠里・樹々・響子「はい!」

 

まずはステップ。3人はトレーナーに付いて行くようにステップを踏む。

 

女性トレーナー「そうそう良いよ。綺麗に踏んでるよ。」

 

悠里・樹々・響子「ッ!ッ!ッ!」

 

女性トレーナー「はいOK!」

 

悠里・樹々・響子「ふぅ・・・」

 

女性トレーナー「あなた達流石ね。初心者とは思えないステップだったわ。」

 

悠里「ありがとうございます。」

 

樹々「実は、今日までいっぱい練習しました。」

 

響子「頑張ったんです。」

 

女性トレーナー「成る程ね。デビューまで堕落せず、練習を積み重ねたのね。あなた達のデビューは近いわ。そう言えば、あなた達のグループ名は決めてあるの?」

 

悠里「はい。Angelicaです。」

 

女性トレーナー「Angelica。天使って意味ね。」

 

響子「私達にピッタリなグループ名ですよ。」

 

 

 

 

 

 

東京電機大学。

 

淳一「遂に大学3年!ここから心機一転!頑張って頑張って頑張りまくるぞ!」

 

圭一「心機一転って、俺達は何時もの同人誌制作しかないけど。」

 

真知子「また百合ものじゃないでしょうね?」

 

圭一「その可能性は0じゃないな。」

 

文典「もう確定じゃないですか。」

 

雅美「相変わらずですね部長。」

 

圭一「その時はモデル頼むよ。祐規。」

 

祐規「また僕に・・・まぁ良いけど。」

 

淳一「もうお前、女装が天職になるんじゃね?」

 

 

 

 

 

 

東京大学。

 

有香奈「ふぅ。もう大学3年生かぁ。来年は4年生。そろそろ将来の事とか考えなきゃね。」

 

???「有〜香奈〜!」

 

有香奈「深雪。」

 

彼女の名は、有香奈の同級生の三枝深雪。

 

深雪「な〜に?そろそろ将来考えなきゃいけないな〜みたいな顔してどうしたの?」

 

有香奈「鋭いわね。」

 

深雪「コスプレイヤーとして活躍すれば良いんじゃないの?結構有名なんだしさ。」

 

有香奈「まぁそれもアリだけど。深雪の方こそどうなの?将来看護師になるんじゃないの?」

 

深雪「勿論そうよ?お父さんが院長を務める病院で働くのが私の夢!それに私、付き合ってる彼氏と結婚する約束してるし。」

 

有香奈「気が早いわね。」

 

深雪「有香奈も彼氏さん見付けたら?楽しいよ?」

 

有香奈「余計なお世話。私は普段のペースで彼氏見付けるの。」

 

深雪「はいはい。とは言え、私達は遂に大学3年。お互い頑張ろうね。」

 

有香奈「ええ。」

 

 

 

 

 

 

杉原カンパニー。

 

康介「裕樹、双葉ちゃん元気してる?」

 

裕樹「ああ元気してるよ。お義父さん達と楽しく遊んでるし。」

 

康介「宗太郎さんと翠さん、本当お孫さんにデレデレだね。」

 

裕樹「僕の両親も同じさ。父さんはね、『仕事サボって双葉と遊びたい!』って毎回言うんだよ?」

 

康介「あはは。それだけ愛してる証拠だよ。」

 

???「嶋村先輩羨ましいですね。」

 

裕樹「まあね。悟君も彼女さんとか居る?」

 

2人の後輩はなんと、優之の幼馴染みの広瀬悟。

 

悟「彼女ですねぇ・・・友達なら居ますけど、付き合った経験は無いです。そう言えば聞きましたよ。嶋村先輩の奥さん、愛川冴子さんだって事。」

 

裕樹「え?知ってるの?」

 

悟「知ってるも何も。冴子さんは優之のお姉さん。優之は俺の幼馴染みなんですから。」

 

康介「あー。優之君言ってたね。悟君の事。」

 

悟「今度会いたいです。冴子さんに。」

 

裕樹「じゃあ今度機会があれば、ウチに遊びに来なよ。」

 

悟「ありがとうございます。」

 

 

 

 

 

 

SKY ANGLE・食堂

 

トミー「舞さん、小学生になったんですよね?」

 

優之「ああ。入学式の時に雅春先輩と梨奈ちゃんに会ってね。もうすっかり梨奈ちゃんと仲良し。」

 

フィオ「良かった。」

 

結子「あ、優之先輩!」

 

そこに結子が来た。

 

優之「おや、結子さん。」

 

結子「優之先輩。昨年の兄の愚行、お詫び申し上げます。」

 

優之「あ〜去年のね。俺は別に気にしてないけど、そこに居るトミーとフィオはすっごい傷付いたからね。」

 

結子「トミー先輩、フィオ先輩、兄に代わって私が謝罪申し上げます。本当にごめんなさい!」

 

トミー「あ、頭を上げて下さい。結子さんは悪くありませんから。」

 

フィオ「そうそう!悪いのはお兄さんの方なんだから!」

 

優之「兄と違ってしっかりしてるなぁ。そう言えばお兄さんの方はどう?」

 

結子「あ、はい。兄は今も神奈川の建設現場で汗水垂らしながら仕事してます。借金返済はまだまだですが。」

 

優之「神奈川に居るんだ。」

 

結子「でも、あれから信じられない事が起きたんです。」

 

優之「え?何?」

 

結子「実は、兄は心を入れ替えて頑張ってるんです。」

 

優之・トミー・フィオ「え?」

 

結子「家でもあんなに横暴な態度を取っていたのに、建設現場で働いてる最中に改心するなんて信じられません・・・」

 

トミー「建設の仕事って・・・歪んだ心を改心させる仕事なんですね・・・」

 

フィオ「それは違うと思う。」

 

優之「1つ気になったんだけど。宮本って何であんあ横暴な態度を取ってたんだ?」

 

結子「実は兄は、高校の時にいじめグループに入っていたんです。そこで生徒さんを殴ったり、弱い人を脅したりと多くの愚行を行ったんです。ですが高校2年のある日、兄に未成年飲酒やタバコが発覚して退学させられて引き篭もりになったんです。引き篭もりしてから凡そ4年。」

 

トミー・フィオ「4年!?」

 

優之「当時高校2年で引き篭もり4年・・・だとすると21歳。それで、専務であるお父上のコネで入社したと。」

 

結子「はい。ですが専務の息子って言う肩書で社員さん達を脅して・・・挙句の果て、マレーシア人であるお2人にも迷惑を・・・」

 

優之「んで、会社の金を横領してギャンブルやキャバクラに溺れたと。そして横領現場を目撃した社員に対して鋭く脅迫したと。本当人間なのか?あの時の彼奴。」

 

トミー「宮本は僕達の事を人一倍バカにしてました。その原因が何なのか未だに・・・」

 

結子「それなんですが・・・兄は中学の頃、マレーシア人の上級生にイジメられてて・・・」

 

優之「え?まさかそれが・・・」

 

結子「はい。それ以降マレーシア人に酷い恨みを持っていまして。」

 

優之「それ、完全に逆恨みじゃ。」

 

結子「クビになったあの日、兄は言ったんです。『あの2人もマレーシア人だから同罪だろう!』って。」

 

フィオ「確かに私達はマレーシア人だけど、国籍はマレーシアで元々アメリカ人だけどね。」

 

優之「色々話してくれてありがとう。結子さんはお兄さんと違って真面目なんだね。」

 

結子「はい。私は両親の教えの通りに人生を送っています。」

 

専務「結子。」

 

結子「あ、お父さん。」

 

父である専務が来た。

 

優之「専務。お疲れ様です。」

 

トミー・フィオ「お疲れ様です。」

 

専務「お疲れ様。どうかね?結子と仲良くしているか?」

 

トミー「もうすっかり仲良しです。それと先程、お兄さんの事を聞いたばかりです。」

 

専務「そうか。彼奴は色々困ったものだ。しかし今、すっかり改心したみたいだ。」

 

優之「不思議ですよね。」

 

トミー「結子さんは、権力を振らないんですね。」

 

結子「はい。権力使うと自分が恥ずかしい思いを背負う事になりますし。」

 

専務「・・・・・」

 

結子「ん?どうしたの?」

 

専務「いや、お前とトミー君、何か馬が合いそうだなって。」

 

トミー・結子「え?」

 

 

 

 

 

 

おあにた荘。

 

舞「ただいま〜!」

 

真奈美「舞ちゃん、おかえりなさい。学校楽しかった?」

 

舞「うん!梨奈ちゃんと双葉ちゃんと遊んだんだ!」

 

真奈美「それは良かったわ。おやつのプリンあるから食べてね。」

 

舞「ありがとー!」

 

 

 

 

 

 

定時になり、優之が退社しようとイラスト部から出た時。

 

佑美「優之くーん!」

 

廊下の奥から佑美が走って来た。

 

優之「ん?佑美先輩?どしたの?」

 

佑美「優之君、今週の金曜日も休暇取ってる?」

 

優之「金曜日?ああ、取ってるよ。それがどうかしたの?」

 

佑美「それでさ、その日私とデートしない?」

 

優之「・・・ほえ?」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美

      宮本結子:前田佳織里

      嶋村冴子:友永朱音
      嶋村裕樹:興津和幸

       広瀬悟:浦和希
      杉原響子:本渡楓
      三枝深雪:尾崎由香

 トミー・ブライアン:福原かつみ
 フィオ・ブライアン:花井美春

      雨原佑美:伊藤美来

      横沢圭一:狩野翔
      小野雅美:和多田美咲
     曽根川祐規:小林大紀
      瀧本文典:諸星すみれ
     古川真知子:M・A・O

      矢口遥香:若松来海
       石原茜:大和田仁美
     赤坂美佳子:黒木ほの香

        専務:小西克幸
   女性トレーナー:新田ひより

     東山真奈美:後藤邑子


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31話・先輩後輩デート

4月7日。佐久間公園。

 

優之「・・・・」

 

駐輪場で優之がゴールドウイングツアーに腰掛けて待ってる。

 

優之「佑美先輩からデートのお誘いかぁ。」

 

佑美「お待たせー!」

 

そこに佑美が来た。

 

佑美「ごめん。待った?」

 

優之「いや全然。にしても先輩、俺にデートのお誘いをするとは。」

 

佑美「そろそろ私も恋しようと思うけど、ホラ私、優之君と同じ特撮好きじゃん?だから私と趣味が合う人とデートがしたくてあなたを誘ったの。」

 

優之「先輩も心機一転するって訳か。」

 

佑美「そゆ事。」

 

優之「それで、デートって言ってたけど、荷物持参って言ってたね。まさか宿泊デートだなんて、最初に聞かれた時ビックリしたよ。」

 

佑美「でしょでしょ?優之のバイク凄いね!戦艦みたい!」

 

優之「HONDAのゴールドウイングツアー。HONDAのバイクの中で最高峰。」

 

佑美「これアレでしょ?諸星様から無償で貰い受けた奴でしょ?」

 

優之「そうそう。淳一も車を貰い受けたからな。それで、宿泊地は決まってあるの?」

 

佑美「新横浜プリンスホテル。」

 

優之「うっへ〜・・・超名ホテルやん・・・」

 

佑美「そだよ。しかも最上階!」

 

優之「副業やってる俺達だからこそ泊まれるな。」

 

佑美「さて、そろそろ出発しましょ?」

 

優之「そうだな。これ、ヘルメット。」

 

フルフェイスヘルメットを佑美に渡す。佑美はゴールドウイングツアーのリアトランクに荷物を入れた。

 

佑美「よっ。へぇ〜、乗り心地凄いね。」

 

優之「っと。」

 

2人が乗り、優之がエンジンを入れる。

 

優之「まずは何処?」

 

佑美「バンダイナムコ Cross Store。」

 

優之「よっしゃ!」

 

 

 

 

ゴールドウイングツアーが東京を走る。

 

佑美「すっごい快適だね!」

 

優之「初めてツーリングした時は物凄い爽快感を感じたよ!」

 

佑美「プライベートはやっぱツーリング?」

 

優之「遠出する時はね。でもそう言う機会は今後あまり無いかな?自転車で秋葉原散策の方が性に合ってる。」

 

佑美「私も免許取ろうかな?」

 

優之「車?」

 

佑美「いえ、バイクよ。」

 

 

 

 

 

 

バンダイナムコ Cross Store 東京3階。

 

佑美「やっぱりここよね!」

 

シン・ジャパン・ヒーローズ・アミューズメントワールド。

 

優之「SJHUも最近勢いを増してるな。」

 

SJHU:シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース。シン・ゴジラ、シン・エヴァンゲリオン劇場版、シン・ウルトラマン、シン・仮面ライダーの4作品が奇跡のコラボで送る新たなメディアミックス。

 

優之「何気に俺も初めて来るな。ここ。」

 

佑美「早速レッツゴー!」

 

優之「あ!先輩落ち着いて!」

 

 

 

 

 

 

その日の昼。SKY ANGLE・食堂。

 

胡桃「良いな〜。佑美に優之君。」

 

幸彦「何だ?2人がデートしてる事を想像して妬んでんのか?」

 

胡桃「だってぇ。デートだよ?デート。」

 

涼子「落ち着いて下さい。」

 

胡桃「僕も彼氏が欲しいよ〜。皆も恋人欲しくないの?」

 

雅春「いや、僕はもう懲り懲りだよ・・・」

 

幸彦「俺もだ。結婚しても子供が産まれないし・・・」

 

胡桃「あ、そっか・・・じゃあ涼子は?涼子はどうなの?」

 

涼子「私は・・・どうですかね?」

 

胡桃「何それ?もしかして涼子・・・」

 

涼子「ウフフ♪」

 

 

 

 

 

 

東京ソラマチ・エクセルシオールカフェ。

 

佑美「いやぁ〜。収穫収穫〜♪」

 

優之「いっぱい買い過ぎだって。」

 

佑美「優之君。こう言うのはね、沢山買ってこそ価値があるんだよ?彼処は期間限定なんだから。」

 

優之「まぁ分かるけど。」

 

ココアを啜る。

 

優之「ココア甘い。」

 

佑美「やっぱりここのカフェラテは美味しい〜。」

 

優之「ソラマチ入る時見たけど、やっぱり高いなぁ〜。スカイツリー。」

 

佑美「ねぇ、折角だしスカイツリー登らない?」

 

優之「あ、登る?登ろう登ろう!」

 

 

 

 

 

 

東京スカイツリー。

 

佑美「キレー!」

 

優之「スカイツリーはやっぱり良いな〜!」

 

佑美「天気も良いし、本当眺めが良いね〜。あ!富士山が見える!」

 

優之「今度静岡旅行行こうかな〜?」

 

佑美「ねぇ、あの富士山メガ・カイジュウ出るかな?」

 

優之「パシフィック・リムじゃねえんだから。しかもアップライジング。」

 

佑美「もしくはゴジラ?」

 

優之「それがメカゴジラじゃなきゃ良いんだけど。」

 

佑美「ねぇ、次は東京タワー行かない?」

 

優之「忙しいデートだなぁ。まぁ楽しいから良いけど。」

 

 

 

 

 

 

ゴールドウイングツアーに乗り、東京タワーがある浜松町へ向かう。

 

 

 

 

 

 

東京タワー。

 

佑美「やっぱり東京って言ったら東京タワーよね〜!」

 

優之「長い歴史を誇る東京のシンボルだしな。」

 

佑美「お!議事堂見える!ねぇ、初代ゴジラが議事堂を破壊した時、当時の観客達はどんな反応してたと思う?」

 

優之「凄い歓声を挙げた。当時の日本人は政府に不満を持ってたから鬱憤晴らし。」

 

佑美「流石ね。こう言うトークは優之君が適任ね。」

 

優之「じゃあさ、ゴジラ・モスラ・メカゴジラ東京SOSで議事堂が破壊されるシーン。あのシーンの裏話知ってる?」

 

佑美「勿論よ。綺麗に崩れるように美術班が組み上げて、一発勝負までロープ張ってたって言うでしょ?」

 

優之「知ってたかぁ。」

 

佑美「実は私、東京SOSが好きなの。機龍が海に突っ込むシーンは何度も涙を流したわ。」

 

優之「SAYONARA.YOSHITO。」

 

佑美「そのワード止めて・・・泣きそう・・・」

 

優之「あははは・・・」

 

 

 

 

 

 

ゴールドウイングツアーが東京を走る。

 

優之「そろそろ横浜行く?」

 

佑美「そうね。ある場所へ行って聖地巡礼したいし。」

 

優之「聖地巡礼?何処行く?」

 

 

 

 

 

 

運河パーク。

 

佑美「運河パーク到着〜!」

 

優之「ここって確か、ウルトラ8兄弟のダンディ4が立ってた場所か。」

 

佑美「よく分かったね。」

 

優之「ウルトラマンファン舐めんなよ?」

 

佑美「じゃあここで。」

 

スマホスタンドを立てた。

 

佑美「それぞれのポーズを取ろっか。」

 

優之「え?ああ。」

 

スマホの前に立つ。優之はジャックの変身ポーズ、佑美はAの変身ポーズを取ってタイムで撮影。

 

佑美「うんうんイイねイイね。」

 

優之「団さん・・・見ていてくれていますか・・・?」

 

 

 

 

 

 

おあにた荘。住人達が夕飯を食べてる。

 

淳一「優之がデートとか良いなぁ〜。」

 

樹々「まだ根に持ってる。」

 

淳一「樹々ちゃん!俺も成人した男!彼女作ってデートの1回2回位したいよ!悠里ちゃん達もデートとかしたくなる事あるよね?」

 

悠里「え、っと・・・プライベートでデートしたらスキャンダルになりそうかも・・・」

 

康介「芸能界って難しいんだね。」

 

悠里「そのお相手の方がファンから嫉妬買われたら危ないと思って。」

 

有香奈「幼馴染みの男子だったらセーフじゃないかな?」

 

真奈美「その人も嫉妬されちゃうんじゃないかしら?」

 

舞「そうだったら可哀想になる。」

 

康介「同人サークルの誰かと付き合えば良いんじゃないかな?」

 

淳一「雅美と真知子?う〜ん・・・」

 

 

 

 

 

 

横浜中華街・北京烤鴨店 中華街店。

 

佑美「ん〜。流石ランキング1位のお店ね。」

 

優之「エビチリに小籠包、焼売も美味いな。それにこの、北京ダック。」

 

佑美「私北京ダック初めて食べたけど、本当美味しいわね!」

 

優之「そうだ先輩。チェックインは何時?」

 

佑美「えっと・・・夜7時だね。」

 

優之「後1時間半か。後もう1箇所回れるね。」

 

佑美「それだったら、良い所あるよ!」

 

 

 

 

 

 

横浜みなとみらい。

 

優之「みなとみらいかぁ。」

 

佑美「ここ、夜になれば映えるね〜。」

 

優之「お!赤レンガ倉庫あるじゃん!」

 

 

 

 

赤レンガ倉庫。

 

優之「ゲスラ来そうだな。」

 

佑美「ガオオオーーー!」

 

優之「ん?セアッ。」

 

メビュームシュート。

 

佑美「ガアアーーー!」

 

優之「何してんだよ。」

 

佑美「ゲスラの真似。似てた?」

 

優之「いや微妙。みなとみらいつったら、ゴジラVSモスラも外せないな。」

 

佑美「モスラの可愛さと、バトラのスタイリッシュさの差が凄かった記憶があるわ。」

 

優之「モスラをモフモフしてみたいな〜。」

 

佑美「モフラ。」

 

優之「ブッ!」

 

佑美「え?そんなに笑うとこ?」

 

優之「いや俺・・・小さい頃、モスラをモフラって勘違いした事があって・・・」

 

佑美「へぇ〜。可愛いトコあるじゃ〜ん。」

 

優之「ちょ、腹突っ突かないで・・・」

 

佑美「さて、そろそろホテルへ行きましょうか。」

 

 

 

 

 

 

新横浜プリンスホテルへチェックイン。

 

優之「ウッヒョー!横浜の夜景が一望出来るー!」

 

佑美「気に入ってくれて良かった。」

 

優之「にしてもよく良い部屋予約出来たね。」

 

佑美「お父さんに言われたの。彼氏と宿泊するなら、新横浜プリンスホテルがオススメだって。」

 

優之「ほう。親父さんからのアドバイスか。・・・ん?彼氏?」

 

佑美「お父さん、若い頃お母さんに告白したホテルだって。ここ。」

 

優之「いやいやちょっと待て!?え!?何!?彼氏!?俺が!?」

 

佑美「え?そうだけど。」

 

優之「俺何時から佑美先輩の彼氏になったの!?」

 

佑美「えっと・・・魂クラブに誘った時から。」

 

優之「去年からかよ!?ってか、何で俺を彼氏にしたの?」

 

佑美「朝も言ってたけど、私特撮好きだから、趣味が合う相手が居ない。去年に入社した君の噂を聞いて見たら、この子なら趣味が合いそうだなって。」

 

優之「最初から俺をターゲットにしてたのかよ。」

 

佑美「でもそれだけじゃないよ?さっきのデート中、私が少しワードを言うとそれと同じワードで返してくれるから嬉しくなっちゃって。」

 

優之「あー。メガ・カイジュウとメカゴジラとゲスラか。あれは生粋のファンじゃないと返せないしな。」

 

佑美「普通の男性と付き合っても、中々話が弾まないし。」

 

優之「前に他の男とデートした事あるんだ。」

 

佑美「でもあんまり理解してくれなくて、別れちゃった。だから優之君、私はあなたしか居ないの。だから・・・付き合って下さい!」

 

頭を下げて右手を伸ばす。

 

優之(・・・まさか佑美先輩からの告白・・・俺もそろそろ彼女とか作りたいと思ってたけど・・・でもここで逃したら、後々後悔しそう。それは先輩も後悔してしまう。それに佑美先輩なら毎日楽しそうな人生送れるな。)

 

心の中で決意し、佑美の手を握った。

 

佑美「っ!」

 

優之「宜しくお願いします。佑美先輩。」

 

佑美「〜〜〜!!ありがとー優之くーーん!!」

 

優之「むぎゅ!?」

 

強く抱き締められた。

 

優之(せ、先輩の胸がでかくて・・・苦しい・・・!!)

 

 

 

 

 

 

4月8日。秋葉原。

 

佑美「楽しかったわ〜。」

 

優之「ありがとな。素敵なデートを誘ってくれて。」

 

佑美「お礼したいのは私の方。私の告白を受け入れてくれてありがとう。」

 

優之「え、あ、ああ・・・」

 

”ピロリン”

 

佑美「ん?あ、LINE来た。」

 

優之「ん?」

 

佑美「・・・あはははは!」

 

優之「え?誰から?」

 

佑美「クラブの皆。胡桃だけすっごい悔しがってるよ?」

 

『2人共ズルいよ!!』

 

優之「あはは・・・そりゃあ付き合いましたって突然発言したらそうなるよな。」

 

佑美「優之君。これからも、宜しくね。」

 

優之「ああ。」

 

ゴールドウイングツアーに乗り、家へ帰って行く。

 

佑美「さて、帰ってお父さんに報告しなきゃ。」

 

こうして、優之と佑美のデートは幕を閉じた。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      雨原佑美:伊藤美来

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美

      栗田雅春:梶原岳人
      猪本凉子:茜屋日海夏
      澁谷胡桃:山口立花子
     長谷部幸彦:松風雅也

     東山真奈美:後藤邑子


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32話・再現ドラマシナリオ

4月1日。この日優之は、品川区で星川志歩に会っていた。

 

優之「え?再現ドラマの脚本?お前が?」

 

志歩「ええ。モロダストの依頼でね。是非再現ドラマの脚本をお願いしたいって。」

 

優之「モロダストが企画する再現ドラマかぁ・・・まさか嘘じゃねえよな?」

 

志歩「エイプリルフールだから嘘吐いてると思ったら大間違いよ。」

 

優之「んで、一体どんな内容なんだ?」

 

志歩「斉藤貴紀って知ってる?」

 

優之「ああ。モロダストに所属している今人気急上昇中の俳優だろ?」

 

志歩「彼、高校時代演劇部だったんだけど、1回のミスで雑用ばかりやらされて、挙句の果て卒業アルバムの自分の写真だけ黒く塗り潰されると言う酷い仕打ちを受けてたの。」

 

優之「最低だな。」

 

志歩「企画は斉藤貴紀とモロダストの共同企画の再現ドラマ。張本人である顧問と同級生の男に仕返ししたいって言うの。」

 

優之「成る程。んで、もう構想は決まったのか?」

 

志歩「ある程度はね。でも、1つだけ懸念がありそうなの。」

 

優之「懸念?」

 

志歩「それは・・・」

 

 

 

 

 

 

モロダスト・会議室。諸星と俳優の斉藤貴紀が座って待っていた。

 

志歩「失礼します。」

 

諸星「星川さん。脚本は完成したかい?」

 

志歩「はい、バッチリです。」

 

完成した台本を見せる。

 

諸星「・・・うん。素晴らしい内容だね。」

 

志歩「ありがとうございます。斉藤さん、これで良かったですか?」

 

貴紀「うん。星川さんありがとうございます。」

 

志歩「それにしても酷いですね。雑用された挙句、卒業アルバムを黒く塗り潰されるなんて。あの2人、自分の事しか考えてないみたいですね。」

 

貴紀「高校の時でも、2人はずっと威張ってばっかりでしたから。」

 

諸星「でも良い脚本が出来て良かった。これで制作を始められるよ。」

 

志歩「あ、諸星様。」

 

諸星「ん?」

 

志歩「ドラマの撮影日、愛川優之が見に行きたいって言ってましたけど、宜しいでしょうか?」

 

諸星「そうか。君は優之君の幼馴染みだったね。歓迎するって伝えておいて。」

 

志歩「ありがとうございます。それと斉藤さん、私から1つ懸念を伝えても。」

 

貴紀「懸念?」

 

志歩「それは・・・」

 

 

 

 

 

 

4月2日。ドラマの制作が始まった。高校時代の貴紀に縁のある人達に次々と取材が行われた。

 

スタッフ「2人は貴紀さんとどんな関係だったんですか?」

 

光秋「はい!俺は貴紀と凄く仲が良くて、切磋琢磨してきた仲なんです!」

 

元同級生の本庄光秋。

 

秀成「俺は演劇部顧問で皆が帰った後、2人で熱心に練習してたりしてました。」

 

顧問の青島秀成。

 

スタッフ「成る程。」

 

 

 

 

 

 

その帰り道。

 

光秋「いやー、上手く行きましたねw!」

 

秀成「これで俺達の株は爆上がり。この脚本も素晴らしいw!」

 

光秋「俺達は貴紀と仲の良い設定になってるしw!」

 

秀成「名演技をするしかないなw!」

 

光秋「そして貴紀に恥掻かせてやるぜw!」

 

 

 

 

 

 

4月5日。ドラマの撮影が始まった。

 

優之「ドラマの撮影現場なんて初めてだな。」

 

志歩「優之〜!」

 

優之「お、志歩!」

 

そこで志歩と出会った。

 

優之「このお方が斉藤貴紀さんか。」

 

志歩「そうよ。」

 

優之「初めまして。愛川優之です。」

 

貴紀「斉藤貴紀です。宜しくお願いします。」

 

優之「ん?そのアルバムはもしや。」

 

貴紀「そうです。」

 

卒業アルバムを捲って優之に見せる。

 

優之「うげぇ〜・・・えげつねぇ・・・」

 

 

 

 

撮影現場には、悠里の姿もあった。

 

光秋「うぉぉ!本物の悠里ちゃんだ!」

 

秀成「凄い!やっぱり生で見ると可愛いな!」

 

光秋「先生、良い演技して悠里ちゃんとも仲良くなりましょう!」

 

秀成「そうだな!」

 

 

 

 

優之「あの2人が?」

 

貴紀「はい。俺を陥れた張本人です。」

 

志歩「まぁ、出演を快諾した事を後悔すると良いわ。」

 

優之「ナチュラルに悠里と仲良くしようとしてるな?」

 

 

 

 

 

 

そして撮影が始まった。

 

悠里「貴紀君、大丈夫?」

 

貴紀「うん、大丈夫・・・もっとしっかり演技出来るようにならないと!」

 

 

 

 

秀成「な、なぁ、皆演技上手くないか?」

 

光秋「う、上手いっすよね・・・」

 

2人の迫真の演技に、光秋と秀成は驚いている。

 

 

 

 

優之「俳優の生の演技を見るとやっぱり違うなぁ。悠里も良い演技してる。」

 

 

 

 

更に。

 

秀成「しかも、こんな展開だったか?」

 

光秋「それ、俺も思いました。何か俺達がスタッフに伝えてない展開になってるような・・・」

 

秀成「一体どうなってるんだ?」

 

 

 

 

志歩(気付いたみたいね。でももう遅いわ。)

 

 

 

 

撮影途中、貴紀は卒業アルバムを取り出した。

 

光秋「な・・・何で卒業アルバムを!?」

 

秀成「一体どうするつもりだ!?」

 

 

 

 

貴紀「これが・・・俺の卒業アルバム!?」

 

そのアルバムは、貴紀が最初に貰った物と同じように貴紀が黒く塗り潰された物だ。

 

貴紀「何だこれ・・・何で俺の所が塗り潰されているんだ・・・!?」

 

この台詞を言うと、2人は青ざめた。

 

 

 

 

悠里「あれ?次はお2人の台詞ですよ?早く演技して下さい。」

 

光秋「ち、違います!!」

 

秀成「そ、そうだ!!」

 

悠里「でもここに書いてますよ?『だって、お前雑用係じゃんw』『そうそう、台詞を忘れうような奴を教え子にしたつもりはないからなw』って。」

 

光秋「なっ・・・!?それは俺達が本当に言った言葉!?」

 

秀成「何でスタッフに伝えた話と変わってるんだ!?監督!!俺達が何でこんな役に!?」

 

2人が監督にそう詰め寄って行った時。

 

諸星「再現ドラマだから、リアルなものじゃなきゃ意味がないよね?」

 

光秋・秀成「も、諸星様!?」

 

貴紀「はあー・・・2人共、あんな内容で撮るはずがないじゃないですか。」

 

志歩「どうかしら?私が書き上げた最高傑作のシナリオを。」

 

優之「自分を褒めてどうする。」

 

志歩「斉藤さんから聞いたわよ。1回のミスしただけなのに雑用係をさせるなんて、あなた達それでも人間なの?」

 

光秋「で、でも俺達はあの台本を渡されたんだぞ!!何で台本が変わってるんだよ!!」

 

志歩「あ〜。あれ、私が作った偽台本よ?」

 

光秋・秀成「偽台本!?」

 

志歩「私の懸念が的中したようね。あなた達は撮影前、斉藤さんと仲の良い仲間を演じるかも知れない。だから事前に書き留めた偽台本を渡すようにスタッフさんに伝えておいたの。」

 

諸星「それに、これは実際に君達がやって来た事だよね?ちゃんとこのまま世に出るから安心して。」

 

秀成「そ、そんな・・・」

 

光秋「こんな事が・・・」

 

放心状態になった2人。そして・・・

 

秀成「こんな役やってられるか!!」

 

光秋「ああもう辞めだ辞め!困ると良いさ!!」

 

2人は役をバッサリ切り捨て帰ろうとした。

 

貴紀(まあそりゃそうだよな・・・)

 

志歩「私の懸念がまた的中したようね。スタッフさん。」

 

スタッフ「はい。それでは代理の方お願いします!」

 

代理キャスト「はい!」

 

代理キャスト「宜しくお願いします!」

 

代理のキャストも事前に用意していた。

 

秀成「はぁ・・・!?」

 

光秋「嘘だろ・・・!?」

 

志歩「フフッ♪」

 

 

 

 

 

 

あの時。

 

志歩『斉藤さん、私から1つ懸念を伝えても。』

 

貴紀『懸念?』

 

志歩『それは・・・あの2人は仲の良い仲間の皮を被る可能性があるんです。だからこれをスタッフさんに渡して下さい。』

 

渡したのは、別の台本。

 

志歩『それは私が書き留めた偽台本。本番の台本とは違う内容です。』

 

貴紀『星川さん。』

 

志歩『それともう1つ懸念が。本番の台本を読んで、2人は役を降りる可能性がありそうなんです。だから、事前に代理のキャストさんを用意してくれませんか?』

 

諸星『成る程。分かった、代理の2人は俺が用意しておくよ。』

 

 

 

 

 

 

翌日の打ち合わせ。

 

志歩『と言う訳なんです。お願い出来ますか?』

 

秀成の代理キャスト『そうなんですか。いやぁ〜酷いお2人ですね。』

 

光秋の代理キャスト『任せて下さい。僕達が最高の悪役を演じますので。』

 

志歩『ありがとうございます。』

 

光秋の代理キャスト『斉藤さん、僕達の演技でその2人をギャフンと言わせましょう!』

 

貴紀『はい!』

 

 

 

 

 

 

そして現在に至る。

 

監督「それじゃあ、貴紀君が卒業アルバムを取り出し開く所から行くよ。よーい、スタート!」

 

 

 

 

撮影再開。

 

貴紀「な、何で俺だけ黒く・・・」

 

光秋の代理キャスト「だって、お前雑用係じゃんw」

 

秀成の代理キャスト「そうそう、台詞を忘れるような奴を教え子にしたつもりはないからなw」

 

貴紀「そ、そんな・・・」

 

秀成「や、止めろぉぉぉぉ!!!!」

 

光秋「映さないでくれぇぇぇ!!!」

 

2人は耐え切れず、撮影しているカメラの前で必死に訴えた。

 

監督「カット!」

 

 

 

 

諸星「2人の良い表情が取れたよ。今回は出演してくれてありがとう。」

 

志歩「私の小説と脚本はね、最後に逆転するシーンが定番なの。あなた達のリアルな反応が貰えて嬉しいわ♪」

 

優之「自分達のやった事を、しっかり反省するんだな。」

 

秀成「そんな・・・」

 

光秋「最悪だ・・・」

 

 

 

 

 

 

4月14日。ドラマが全国に放映された。このドラマは、貴紀が悔しい思いをして来た事が忠実に描かれ、最後にはスカッとしたと視聴者からの反響も大きかった。

 

 

 

 

その結果。

 

女性「あのドラマの悪役の張本人らしいよ。」

 

男性「うわ、本当だ。」

 

2人は会社でも学校でも何処に行っても後ろ指を指される人生を送っている。

 

光秋「こんなはずじゃなかったのにぃぃぃ・・・」

 

秀成「俺の教師人生が・・・終わった・・・」

 

 

 

 

 

 

一方で貴紀は。

 

女性ファン「あのドラマを観て勇気を貰いました!」

 

女性ファン「私も夢に向かってがむしゃらに頑張ります!」

 

貴紀「ありがとう!応援してるよ!」

 

高校時代のエピソードにより、更に応援してくれるファンが増えて行った。

 

 

 

 

 

 

おあにた荘。

 

優之「いやぁ〜悠里。結構良い演技だったな。」

 

悠里「緊張したけど、ドラマの撮影も面白かった〜。」

 

淳一「良いな〜。俺もドラマの撮影現場を見学したいな〜。」

 

悠里「え〜?」

 

淳一「悠里様〜!機会があれば是非お願いします〜!」

 

悠里「どうしよっかなぁ〜?」

 

 

 

 

 

 

星川家。

 

志歩「あの脚本のお陰で、また新たな構想が湧き上がったわ。次のジャンルはっとぉ〜♪」

 

あのドラマの脚本のお陰で、また新しいアイディアが浮かび上がり、筆が高速に進んだ。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      星川志歩:鬼頭明里

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈

      斉藤貴紀:安田陸矢

   本庄光秋・代理:山口和也
   青島秀成・代理:佐久間元輝

      スタッフ:亀谷祐馬
        監督:浜添伸也

     女性ファン:八木侑紀
     女性ファン:難波佑香

      諸星志揮:???


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33話・夜

4月22日・深夜3時(4月23日・午前3時)。

 

優之「・・・ん・・・?」

 

真夜中に優之が目を覚ました。

 

優之「ふぁ〜・・・あれ?起きちゃった・・・今何時?」

 

時計を確認する。

 

優之「うげっ、まだ3時じゃん・・・もっかい寝よ。」

 

再び眠る。だが。

 

優之「やべ、寝れねえ・・・」

 

ベッドから起きる。

 

優之「寝れねえ・・・リビング行くか。」

 

 

 

 

リビングで緑茶を飲む。

 

優之「ふぃー。起きたけど暇だ。皆まだ寝てるし。」

 

ミィミィ「ミー。」

 

リビングにミィミィがやって来た。

 

優之「ようミィミィ。ツブイマ観るか。」

 

テレビでツブイマを繋ぎ、ウルトラマンタロウ47話を視聴する。

 

優之「ゲランってマイナーだよな〜。ボルケラーやミエゴン、ゴンゴロスもだし。」

 

視聴完了。

 

優之「ダメだ、ゲラン見ても眠れねえ・・・ん〜・・・お!」

 

 

 

 

私服に着替えて外に出た。

 

優之「よっ。」

 

ガレージのシャッターを開けて、自転車に乗る。

 

優之「深夜の東京へゴー!」

 

自転車で深夜の東京を走る。

 

 

 

 

深夜の秋葉原。

 

優之「深夜でもやってる店あるんだな。まぁカラオケか飲食店が殆どだな。」

 

秋葉原を見渡す。

 

優之「深夜の東京なんて初めてだし、こう言うのも良いかも。」

 

”グゥ〜”

 

優之「あ、腹減った・・・お!」

 

 

 

 

ごっつ秋葉原店。

 

優之「美味そ〜!」

 

ごっつAセットを食べる。

 

優之「ん〜。こってりしてて美味え〜。水餃子も絶品で美味え〜。深夜にラーメン食べるなんて背徳感あるけど、昼間と違って体に沁み渡る〜♪」

 

 

 

 

完食し、再び自転車で秋葉原を走る。

 

優之「いやぁ〜、めっちゃ美味かった〜。また深夜に起きたら行きてえな〜。」

 

 

 

 

しばらく走る。

 

優之「ありゃ、もう中央区に来ちゃった。」

 

気が着くと、既に中央区に居た。

 

優之「ん〜・・・そうだ、彼処行くか。」

 

 

 

 

 

 

晴海ふ頭公園。

 

優之「夜の東京綺麗だな〜。」

 

ベンチに座り、コーヒーを飲みながら東京の街を見る。

 

優之「東京港を挟みながら東京の夜景を眺める。なんて贅沢な。今深夜4時半か。」

 

???「あれ?優之さんじゃないですか。」

 

優之「え?あ!ニコさん!」

 

偶然にも、諸星財閥当主の諸星とメイドのニコと出会った。

 

諸星「珍しいね。優之君がここに居るなんて。」

 

優之「諸星様まで!いやぁ〜、起きたら深夜3時で寝ようとしても寝れなくて。折角だから深夜の東京をサイクリングしようかって事になって。お2人はここで何を?」

 

諸星「朝7時から大事な取引があって早寝したけど、起きたら4時になってて。」

 

ニコ「それで、丁度起きた私と一緒にこの公園で外の空気を吸おうと。」

 

優之「諸星財閥のメイドさんって、朝が早いんですね。」

 

ニコ「はい。」

 

優之「こりゃあ、早起き出来ない人はまず無理でしょうな。」

 

 

 

 

午前5時頃。陽が昇り始めた。

 

優之「夜明けか・・・あ、眠気が・・・zzz・・・」

 

彼はそのまま眠ってしまった。

 

諸星「優之君、寝ちゃったね。」

 

ニコ「諸星様、どうしましょう。」

 

諸星「俺の邸で寝かせよう。ニコ、優之君を。」

 

ニコ「はい。」

 

優之を背負って歩き、諸星は優之の自転車を持ってリムジンへ戻る。

 

 

 

 

 

 

朝8時。

 

優之「・・・ん?」

 

目が覚めると、ベッドに居た。

 

優之「ありゃ?ここ何処?」

 

ニコ「お目覚めはどうですか?」

 

優之「ニコさん?ここは何処です?」

 

ニコ「諸星邸です。」

 

優之「・・・あ、夜明けと同時に寝ちゃったか。それで諸星様とニコさんが俺をお邸へ連れて行ったんですか?」

 

ニコ「はい。」

 

優之「諸星様は?」

 

ニコ「お仕事へ行かれました。」

 

優之「そうですか。じゃあ俺はこれで。」

 

ニコ「あ、待って下さい。朝食をご用意しましたので、食べて行って下さい。」

 

優之「・・・すみません。戴きます。」

 

食堂で朝食を食べた。

 

 

 

 

 

 

帰宅後。諸星邸で寝た事を話すと、淳一から泣きながら責められたと言う。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      諸星志揮:???
        ニコ:???


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34話・憧れの秘密

4月24日。

 

優之「こうやって・・・よし。」

 

今日も優之は、帰宅してすぐウルトラアーツを撮影してインスタに投稿した。今回は真骨彫ダイナがゴルザにスペシウム光線を放つシーン。

 

優之「真骨彫ウルトラマンのパーツ、汎用性あるな。昨日なんてダイナのサムズアップ、デッカーに付けれたし。」

 

 

 

 

リビングを降りると。

 

優之「ん?」

 

有香奈「やっぱりどれも可愛いわね〜。」

 

優之「有香奈さん、またコスプレ雑誌読んでんの?」

 

有香奈「そうだよ?今日の特集はね、私の憧れのコスプレイヤーのインタビューが掲載されてるのよ。」

 

優之「へぇ〜。有香奈さんの憧れのコスプレイヤーねぇ。」

 

有香奈「私ね、その人に憧れてコスプレ始めたの。」

 

優之「どんな人に憧れてるの?」

 

有香奈「この人だよ。Keiって言うの。」

 

コスプレイヤーKeiのインタビュー写真を見せる。

 

優之「・・・ゲッ。」

 

有香奈「Keiさんはコスプレイヤーの中でダントツ人気高いから、私が憧れる理由が分かるわ〜。」

 

優之「・・・・・」

 

Keiのインタビュー写真を見て、優之が引いてる。

 

有香奈「ん?優之君どうしたの?」

 

優之「え?いや、物凄いお方なんだな〜ってちょっと驚いてるだけ。」

 

有香奈「そう。あ〜、本人に1度会ってみたいな〜。」

 

優之(あの人はちょっと・・・)

 

 

 

 

 

 

夜7時。広瀬悟が渋谷区のマンションへ帰宅した。

 

悟「ふぅ。今日も仕事疲れた〜。」

 

???「お帰り〜!」

 

悟「うっ・・・」

 

帰って来た悟を待っていたのは、有香奈の憧れのコスプレイヤーのKeiだった。Keiはメイド服のコスプレでご飯を作ってる。

 

Kei「ご飯もうすぐ出来るわよ。ちょっと待っててね〜。」

 

ご飯を作ってるKeiを見ながら、カバンをソファーに置いた。

 

悟「ま〜た俺の家に勝手に上がり込みやがって。断り位入れろよ。」

 

Kei「良いじゃない。私とあなたの仲なんだし。」

 

悟「仲って言っても・・・」

 

Kei「さっ、ご飯出来たよ!Keiちゃん特製のオムライスだよ!」

 

悟「もうメイド喫茶じゃねえんだから。」

 

”ピリリリン”

 

儚くも永久のカナシの着信音が鳴った。

 

悟「ん?優之か。もしもし?」

 

優之『悟、Keiは居るか?』

 

悟「ああ、勝手に家に上がり込んで晩飯作った。」

 

優之『そっか。実はそのKeiに憧れを抱いている人が居るんだ。』

 

悟「え?」

 

優之『その人と1度会わせてやってくれねえか?』

 

悟「あ〜・・・ちょっと聞いてみる。なぁ。」

 

Kei「ん?」

 

悟「今優之から電話が来てるんだけど。」

 

Kei「あら、優之君が?」

 

悟「それで、アンタに憧れてる人が居るって言うんだけど、1度会わせてやれねえか?」

 

Kei「私に憧れ!?勿論大歓迎よ!」

 

悟「会ってくれるって。」

 

優之『マジか。じゃあその人にも伝えておく。』

 

悟「お前は来ないのか?」

 

優之『あまり関わりたくないけど・・・まぁ、一応仲介人として行くわ。明日の夕方に練塀公園に。』

 

悟「分かった。じゃあな。」

 

電話を切る。

 

Kei「私に憧れを持ってる人ね〜。会うの楽しみね〜。」

 

悟(ドン引きされなきゃ良いけど・・・)

 

 

 

 

 

 

4月25日夕方。秋葉原練塀公園。

 

優之「悟、この人が竹下有香奈さん。俺の住むおあにた荘の住人で東大に通うコスプレイヤーだ。」

 

悟「初めまして。広瀬悟です。優之がお世話になっております。」

 

有香奈「そっか〜。君が優之君の幼馴染みの悟君ね。改めまして、竹下有香奈です。Yu-Naって名義でコスプレイヤーしています。初めまして。」

 

悟「いえいえ。」

 

有香奈「それで、Keiさんは今何処へ?」

 

悟「ああ、今こっちに向かってる最中です。」

 

有香奈「ねぇねぇ悟君、Keiさんとどう言う関係か知りたいな〜。」

 

悟「え?まぁ、俺はKeiの弟で・・・」

 

有香奈「弟さんなんだ!」

 

悟「んでKeiは・・・」

 

Kei「お待たせ〜!」

 

丁度そこに、コスプレイヤーKeiがやって来た。今回はジャンスカJKのコスプレをしている。

 

有香奈「キャー!Keiさんだー!」

 

悟「遅えよ。」

 

Kei「ごめんなさい。支度に手間取ってて。あら優之君、久し振り!」

 

優之「え、あ、ああ・・・久し振りだな・・・」

 

目を逸らしてそう言った。

 

有香奈「あ、あの!Yu-Naです!Keiさんにお会い出来て嬉しいです!」

 

Kei「お〜!人気急上昇のコスプレイヤーの新星のYu-Naちゃん!あなたのコスプレ、どれも完成度高くて私好きだよ!」

 

有香奈「ありがとうございます!私、Keiさんに憧れてコスプレを始めたんです!」

 

Kei「そうなんだ〜!嬉しい〜!」

 

優之(悟さんよぉ、俺やっぱ関わりたくねえよ・・・)

 

悟(お前はまだ良いとして、俺の方が人一倍関わりたくねえよ・・・)

 

有香奈「ん?どうかしたの?2人共。」

 

優之・悟「別に?」

 

???「お?可愛い子発見!」

 

優之・悟・有香奈・Kei「ん?」

 

そこに現れたのは、2人組の男。

 

男A「ねぇねぇそこのお2人さん、俺達と遊ばない?」

 

男B「良い所連れてってやるからさ。」

 

優之(おいおい、いきなりナンパするとは。)

 

悟(突飛な展開舞い降りたってか?)

 

Kei「ごめんなさい。私達はもう間に合ってま〜す!」

 

有香奈「そうなんですよ〜!」

 

2人は優之と悟の腕を抱いた。

 

優之・悟「ほえ?」

 

男A「アァ?何だテメェら。この2人の彼氏か?」

 

男B「おいおい、そんな男達より俺らと遊ぶ方が楽しいぞ?」

 

Kei「ちょっと。私の弟を侮辱しないでくれる?」

 

有香奈「弟をバカにしないでくれます?」

 

優之(弟じゃねえけど・・・)

 

男A「チッ、気に入らねえな。ならその弟共をぶっ飛ばしてやるよ!」

 

悟「おいおい、暴力は止めとけ。」

 

優之「後で後悔するぞ?」

 

男B「五月蝿え!お前から黙らせてやる!!」

 

2人の男が襲って来た。

 

Kei「トイヤッ!!!」

 

男2人「グハアア!!」

 

走り出したKeiがジャンプし、男2人の顔面にダブルキックをお見舞いした。

 

優之「あーあ。だから止めとけって言ったのに。」

 

男A「な、何だこの女・・・!?」

 

Kei「おいお前ら!!俺の弟に手ェ出すんじゃねェよ!!」

 

悟「兄貴、あまり怒ると老けるぞ?」

 

男B「え・・・俺・・・?兄貴・・・?」

 

有香奈「Keiってまさか・・・」

 

悟「そっ。広瀬恵。俺の兄貴だ。」

 

有香奈・男2人「エエーーーー!?」

 

そう。Keiの正体は悟の兄である。

 

悟「兄貴は昔から女装が趣味でな。それを活かしてコスプレイヤーになったんだ。」

 

優之「小学校の時から空手を習ってて。九州大会の優勝経験者。」

 

恵「おいテメェら!!俺の弟や弟の親友に手を出した罪は重いぞ!!これ以上痛い目に遭いたくなかったら消えろ!!」

 

男2人「す、すみませんでしたーーーーー!!もう2度としませーーーん!!!」

 

謝罪しながら退散した。

 

恵「はっ!つい本性を露わにしちゃった・・・」

 

悟「いや、逆に助かった。あんなナンパ野郎共を蹴散らす兄貴には敵わねえよ。」

 

優之「有香奈さん、Keiが男だって知ってしまったけど・・・」

 

有香奈「そ、そんな・・・Keiさんが・・・悟君のお兄さん・・・だったなんて・・・」

 

顔を下に向け、両手を震わせる。

 

優之(あ、こりゃあ完全に激怒確定だな・・・)

 

 

 

 

 

 

有香奈「かっこ可愛い〜〜〜〜!!!」

 

 

 

 

 

 

優之・悟「はえ?」

 

有香奈「悟君のお兄さんがかっこ可愛いなんて凄いよ!益々ファンになっちゃった!」

 

悟「あ、あのぉ・・・ドン引きとか怒ったりしないんですか?」

 

有香奈「悟君!私がそんな事をする女性だと思ったら大間違いよ!あの、Keiさん!今後ともコスプレイヤー同士宜しくお願いします!」

 

恵「うん。此方こそ。お互い頑張りましょうね!」

 

有香奈「はい!あ、一緒に写真良いですか?」

 

恵「撮ろう撮ろう!インスタにも載せちゃおうよ!」

 

悟「有香奈さん、兄貴をすんなり受け入れたな。」

 

優之「まぁ、何はともあれ一件落着だな。」

 

有香奈は、憧れで悟の兄のKeiの事が益々ファンになったとさ。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

       広瀬悟:浦和希

     竹下有香奈:大西沙織
       広瀬恵:村瀬歩

         男:橘龍丸
           小林竜之


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35話・怪我の功名

4月26日。杉原カンパニー。

 

裕樹「康介、何かご機嫌だな。何か良い事あったのか?」

 

康介「実は好きなアニメアーティストのサイン入りCDが当選したり、好きだった漫画がアニメ化されるし、Twitterでファンだった声優さんからリプ貰えたんだよ!」

 

悟「おお!良いですねー!幸せ続きで!」

 

康介「そうなんだよ〜!こんなに良い事ばかりあって良いのかなって思う位良い事尽くしで・・・」

 

???「ふふふ・・・運を使い果たしていないと良いですね・・・」

 

不気味な女性社員に声を掛けられた。

 

康介(うっ!オカルト好きな白崎伽耶子さん・・・!?)

 

伽耶子「幸運と不幸はバランスがありますから・・・悪い事ばかりあれば良い事もあります。しかし逆に良い事ばかり続けば何れ・・・ふふふ・・・ヒヒヒヒ・・・」

 

不気味に笑いながら去って行った。

 

康介「僕・・・そろそろ不幸ラッシュに見舞われるのか・・・?」

 

裕樹「いやいや!気にし過ぎだよ!こう言うのは気の持ちようだから、運が良いって思い続けた方が良いよ!」

 

悟「そうそう!ポジティブに考えれば運が味方してくれますって!」

 

康介「そ、そうだよな・・・」

 

 

 

 

 

 

翌日、康介は悟と一緒に大手取引先との打ち合わせに行って来た。

 

 

 

 

その帰り道の上野駅。

 

悟「あー緊張したぁ・・・クレイドホールディングスは特に大企業な会社だから、康介先輩と一緒に行っても謎の威圧感に押されたなぁ・・・」

 

康介「これも社会人経験の1つだよ。将来は悟君1人で大企業との打ち合わせしなきゃならないし。」

 

悟「そうですね。でも康介先輩のフォローのお陰で話が上手く纏まったし助かりました。」

 

康介「どういたしまして。上手く纏まったって事は、僕の幸運タイムはまだ続いているらしいな。」

 

悟「そうですよ。毎日不幸だと思わず過ごすのが人生ですから。」

 

康介「にしても悟君、上野駅の動画撮ってるの?」

 

悟「最近上京したばかりですから、少しでも色々見たいですから。」

 

だがその時。

 

???「きゃ!!!」

 

康介・悟「ッ!?」

 

声の方を振り返ると、階段の上から女性が落ちて来た。

 

康介「あっ・・・!!」

 

その女性を康介が庇ったが、バランス崩して階段から女性と共に転げ落ちた。

 

周囲の人々「キャアア!!」

 

男性「おい大丈夫か!?今救急車を呼ぶから!」

 

悟「先輩!!あの野郎!!」

 

女性を突き落としたと思われる男性が逃げ出した。

 

悟「おい待て!!」

 

逃げた男性を追い掛けるが、見失ってしまった。

 

悟「くそッ!でも、咄嗟に撮影しておいて良かった。」

 

 

 

 

 

 

都内の病院。

 

悟「先輩、大丈夫ですか?」

 

康介「ありがとう悟君・・・」

 

医師「肋骨にヒビ入ってるからコルセット巻いてありますけど、安静にね。頭打ったかも知れないので、今夜はここえ様子見て。明日異常がなければコルセット巻いたまま退院です。」

 

康介「ありがとうございます・・・」

 

医師「女性を庇って一緒に階段から落ちたんだって?やるねぇー。お兄さん、女性は擦り傷とちょっとした打ち身位だったよ。不幸中の幸いだね。」

 

康介「はは・・・どうも。その人が大怪我しなくて良かったです・・・」

 

医師「階段の上の方だったんでしょ?こんな軽傷で済むとは運が良かったね。2人共。」

 

看護婦「松浦さん。助けた女性の処置が終わって松浦さんに会いたいと仰ってるんですが、お連れして大丈夫ですか?」

 

康介「あ、はい!大丈夫ですよ。」

 

その女性を連れて来て貰った。

 

女性「あの・・・この度は本当にありがとうございました・・・!大丈夫ですか・・・?」

 

康介「あ、全然大丈夫ですよ!肋骨にヒビが入っただけみたいで。それより、お怪我はありませんか?」

 

女性「私はあなたのお陰で本当に大した事なくて・・・!あなたは、命の恩人です。」

 

康介「はは・・・そんなに気にしないで下さい。」

 

悟「そうですよ。」

 

女性「後程治療費やお礼についてお話ししたいのでご連絡頂けますか?こちら、私の名刺です。」

 

2枚の名刺を康介と悟に渡した。女性の名は石田彩乃。クレイドジャパン東京本社の秘書課に務めている女性社員。

 

康介「あ、クレイドジャパンってって・・・クレイドホールディングスの!僕達、本日クレイドコーポレーションにお伺いした所だったんです!クレイドコーポレーションさんには何時もお世話になっておりまして・・・」

 

彩乃「まあ!そうだったんですか!」

 

康介「あ、すみません・・・名刺が今出せなくて・・・悟君、代わりに出してくれる?」

 

悟「はい。では、どうぞ。」

 

康介と自分の名刺を彩乃に渡した。

 

彩乃「杉原カンパニー!こちらこそ大変お世話になっております。杉原カンパニーさんには私の方からもご連絡しますね。」

 

康介「ありがとうございます。でも、こんな事があったばかりですから、まずゆっくり休んで下さい。」

 

彩乃「お優しい言葉、痛み入ります。松浦さんもご養生下さい。広瀬さん、私はこれで失礼します。」

 

悟「あ、そうだ!石田さん。これお使いしますか?」

 

あの時の動画を見せた。

 

彩乃「これは?」

 

悟「上野駅の動画を撮影中に、あなたを突き落とした男を偶然撮った動画です。証拠としてお使いしますか?」

 

彩乃「あ、ありがとうございます。アドレス教えますので、送って頂けませんか?」

 

彼女のアドレスを教えて貰い、彩乃に動画を送信した。

 

 

 

 

 

 

夕方。病室に優之達が見舞いに来てくれた。

 

優之「康介さん、怪我はない?」

 

康介「皆、来てくれたんだね。」

 

優之「悟から連絡があったから見舞いに来たんだ。」

 

舞「康介お兄ちゃん。大丈夫?」

 

康介「ありがとう舞ちゃん。大丈夫だよ。」

 

淳一「その様子だと、命に別状は無いみたいで良かった。」

 

康介「肋骨にヒビが入ってるけどね。」

 

悠里「でも、どうして階段から転げ落ちたんですか?もしかして、良い事尽くしでハメ外しちゃったとか?」

 

康介「違う違う。上野駅で女性の方が男に突き落とされて、僕が咄嗟に庇って一緒に転げ落ちたんだ。」

 

有香奈「その女性の方は大丈夫だった?」

 

康介「うん。打ち身と軽傷で済んだって看護婦さんが言ってた。」

 

樹々「その男の人、許せない。康介さんまで巻き込ませて。」

 

康介「でも悟君がその男を偶然撮影しててね。その映像を証拠品として女性に送ってあげたんだ。」

 

優之「流石悟だ。偶然男は今も健在か。」

 

真奈美「退院は長引きそう?」

 

康介「大丈夫。何の異常もないから、明日にはコルセット巻いたまま退院出来るよ。」

 

真奈美「良かった。明日帰って来たら退院祝いしなきゃね。」

 

 

 

 

 

 

4月27日。康介はコルセットを巻いたまま退院し杉原カンパニーへ出社した。

 

道茂「松浦君!大丈夫か?クレイドジャパンの石田さんからお礼の電話が来たぞ!よく助けてくれた!」

 

康介「あ、いや社長、あれは無我夢中だったもので・・・」

 

裕樹「でも肋骨にヒビ入ってるんだよな?痛そう・・・」

 

康介「全治2週間みたいでな。身体をずっと直立にしてないと激痛が走るんだ。でもこれ位で済んで本当に運が良かった。」

 

悟「流石康介先輩。」

 

職場の皆にも褒められ、康介は人助け出来た事を誇りに思っていた。

 

 

 

 

 

 

その日の夜。おあにた荘で康介の退院祝いでパーティーをしていた時。テレビであるニュースを観た。

 

女性アナウンサー『速報です。クレイドホールディングスのクレイドジャパンの社員が、同じグループ会社の会長令嬢を階段から突き落とそうとしたとして逮捕されました。証拠の映像を見せられた男性は、被害者に横領を知られこのままじゃ会社に居られなくなると思って犯行に及んだと供述しており・・・』

 

康介「ぶっ!?」

 

優之「あれ?このニュースって、康介さんが言ってた?」

 

康介「これって、一昨日の!?え!?犯人はクレイドジャパンの人!?突き落とされたのは会長令嬢!?頭が追い付かない・・・!」

 

淳一「こんな事ってある・・・!?」

 

”〜〜〜♪”

 

美しい鰭の着信音。

 

康介「知らない番号・・・?もしもし?」

 

彩乃『あの、先日助けて頂いた石田ですが・・・』

 

康介「あ、どうも!」

 

彩乃『中々お電話頂けないので、こちらからお電話しました。えっと・・・ニュース観ましたか?』

 

康介「ああ、はい!今さっき・・・」

 

彩乃『そうですか。あの・・・1度会ってお話出来ませんか?』

 

 

 

 

 

 

4月28日。昼・レストランにて。

 

彩乃「怪我の具合は如何ですか?」

 

康介「まだコルセット巻いてますが大丈夫ですよ。(咳とかクシャミとか出たら激痛で魂飛びそうになるけど。)」

 

彩乃「私のせいでごめんなさい・・・ニュースで報道された通り、私はクレイドホールディングスの会長の娘です。普段はクレイドジャパンの秘書課に務めておりますが、たまたまクレイドコーポレーションで仕事中に横領に気付きまして・・・」

 

康介「それで狙われたんですね・・・」

 

彩乃「はい。会社のゴタゴタに松浦さんを巻き込んでしまった事、本当に申し訳なく思います。治療代はお支払いしますので、ご請求下さいね。」

 

康介「いいですよ。僕は巻き込まれたとかじゃなくて、自分からあなたを助けようと動いただけなんです。だから、これは僕の怪我です。石田さんが責任を負う必要はありません。」

 

彩乃「そんな・・・でも。」

 

康介「格好付けて助けようとしたんですから。最後まで格好付けさせて下さい。」

 

彩乃「松浦さんは素敵な方ですね・・・では他の方法でお礼させて下さい。」

 

その後。康介と彩乃は食事を済ませてそれぞれの会社へ戻った。

 

 

 

 

 

 

定時になって帰ろうとした時、康介は呼び出しを受けた。

 

康介「何だろう?」

 

 

 

 

会議室へ行くと、クレイドホールディングスの石田会長と令嬢の彩乃が居た。

 

石田会長「お礼が遅くなって申し訳ない。先日は、娘を助けて下さりありがとうございます。」

 

康介「とんでもないです!まさか今日はお礼を言う為に会長と石田彩乃さんがいらっしゃったんですか!?」

 

石田会長「娘から、あなたのお話をよく聞いてね、お礼を兼ねてお伺いしに来たんだ。」

 

康介「御足労お掛けします・・・」

 

石田会長「彩乃。松浦君をどう思うんだ?」

 

彩乃「お父さん、松浦さんはとても素敵な方です。」

 

石田会長「そうか。松浦君。」

 

康介「は、はい。」

 

石田会長「いや、康介君。君は娘を助けてくれた命の恩人だ。これからも、娘と仲良くしてくれるか?」

 

康介「そ、それって・・・」

 

石田会長「娘は君をとても気に入っている。末長く、娘を宜しくお願いします。」

 

そう言って康介に深く頭を下げた。

 

康介「え・・・」

 

突然の事で困惑した。康介と彩乃はまだそのような関係ではなかった。だが会長である彩乃の父にお願いされて何もせずにいられない。

 

康介「わ、分かりました!彩乃さん。不束者ですが、宜しくお願いします。」

 

彩乃「はい。こちらこそ。」

 

こうして、康介は彩乃と交際を始めた。

 

 

 

 

 

 

おあにた荘。

 

優之「親父の言葉が現実になったな。」

 

康介「えへへ。まぁ運が良かっただけだよ。でも石田会長から娘をお願いしますって言われたら、断れる訳ないよ。」

 

有香奈「何はともあれ、めでたいわね。」

 

淳一「康介さんおめでとう!」

 

康介に新しい恋が始まった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美

      石田彩乃:佐藤聡美

      嶋村裕樹:興津和幸
       広瀬悟:浦和希
     白崎伽耶子:吉田有里

      石田会長:楠大典

        女性:難波佑香
  女性アナウンサー:水谷麻鈴

     東山真奈美:後藤邑子


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36話・遺産は誰の手に?

5月3日。あるニュースが流れた。

 

女性アナウンサー『昨日午後7時。都内に住む男性が、祖父の葬式で暴行を行った行為で逮捕されました。調べに対し男性は、『俺だけ遺産が貰えないのが可笑しい。パチンコやギャンブルの借金をチャラに出来ると思ってたのに』と供述しているとの事です。』

 

優之「遺産か。あの男、自分のお祖父さんに何1つ恩返ししなかったんだろう。」

 

真奈美「怖いわねぇ。遺産を借金に使おうとするなんて。」

 

悠里「有香奈さんはどう思う?遺産を欲しがる人って。」

 

有香奈「不愉快で気持ち悪いに決まってるわよ。」

 

樹々「私のお祖父ちゃん、遺産たっぷりあるかも。」

 

康介「樹々ちゃん、洒落にならない言い方だね・・・」

 

淳一「・・・・・」

 

舞「淳一お兄ちゃん?どうしたの?」

 

淳一「遺産って言や、俺にも1回あったな。」

 

優之「え?そうなのか?」

 

淳一「中学2年の時だったな。俺の祖父ちゃんが大病を患って入院生活を送る事になって。」

 

康介「淳一君のお祖父さんも遺産持ってたの?」

 

淳一「ああ。石川県を誇る実業家だったからね。でも、俺の従兄夫婦がクソな人間でな。表は出来る夫婦と評判なんだが、裏ではギャンブルとかで多額の借金を背負ってたんだ。」

 

樹々「あのニュースの男と同じ。」

 

淳一「でも役職は結構偉い方でな。将来は社長の座に就くんじゃないかって言われてるんだ。んで、祖父ちゃんが大病を患った時に・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

石川県の病院。

 

淳一『祖父ちゃん。見舞いに来たよ。』

 

淳一の祖父『おぉ、淳一と麻美か。今日も来てくれたのか。』

 

淳一『当たり前だろ?祖父の見舞いを孫の俺達が行かなくてどうするんだよ。』

 

麻美『そうだよ。お祖父ちゃんが居なきゃ私寂しいよ。』

 

彼女は日高麻美。淳一の妹で当時中学1年生。

 

淳一の祖父『ハハハ。ワシは立派な孫を持ったもんだな。そうだ、お前の従兄夫婦はどうじゃ?』

 

淳一『ああ、かなり喜んでたよ。祖父ちゃんが入院生活を送ってしばらくすれば遺産が手に入るって。』

 

淳一の祖父『全く、ワシの長男夫婦は常識人なのに、何故次男の息子夫婦はあんなになってしまんじゃ・・・』

 

麻美『多分伯父さんと伯母さん、どっかで育て方を間違えたんじゃない?』

 

淳一の祖父『今度あったらまた厳しく説教しないとな。』

 

淳一『説教は良いけど、あんまり無理してると病気が悪化するよ?』

 

淳一の祖父『そうじゃな。お前達が見舞いに来てくれたお陰で気持ちが晴れたよ。ありがとう。』

 

淳一『いいって。』

 

麻美『お祖父ちゃん、今日学校で面白い事があってね。』

 

それから淳一は、毎日祖父の見舞いに行ったりもした。たまには両親と妹を連れて。

 

 

 

 

そんなある時。

 

麻美『ねぇお兄ちゃん、前から気になってたんだけど、私達の家の敷地内にあるあのボロい小屋あるじゃん?あれってお祖父ちゃんの大事な物なんだよね?』

 

淳一『ああ、昔からそう言ってたし。』

 

麻美『何であの小屋を大事にしてるんだろう・・・不思議に思うんだ〜。』

 

淳一『また見舞いに行った時、祖父ちゃんに聞いてみようよ。』

 

 

 

 

祖父の入院生活から1週間が経った。

 

淳一の祖父『もうワシの命はこれまでかもな・・・』

 

淳一『祖父ちゃん、まだ未練があるんじゃないのか?』

 

麻美『お祖父ちゃんを慕ってくれてる人達に会いたいんじゃないの?』

 

淳一の祖父『アイツらなら見舞いに来てくれているよ・・・』

 

淳一『そっか。ん?』

 

テーブルにある1枚の封筒がある。

 

淳一『祖父ちゃん、その封筒は?』

 

淳一の祖父『ん?ああ、これか・・・これはワシの遺言じゃ・・・この中に遺産に対する事も書いてある・・・』

 

麻美『そうなんだ。』

 

淳一の祖父『じゃが、お前達に良い事を教えてやろう・・・』

 

淳一・麻美『良い事?』

 

2人は祖父から良い事を耳打ちで教えられた。

 

 

 

 

 

 

そして祖父は他界し、葬式が挙行された。その中には従兄夫婦も居る。2人は内心喜びながら葬式に参加している。

 

淳一(・・・・・・)

 

麻美(お兄ちゃん抑えて。あの2人は後で今に痛い目見るわよ。)

 

 

 

 

 

 

そして和室で、遺産相続の話が始まった。

 

弁護士『それでは、お祖父さんの遺言書を読み上げます。』

 

封筒から祖父の遺言書を取り出して読む。

 

弁護士『お祖父さんの遺産の5000万は、全て従兄夫婦に相続するとの事です。』

 

全員『・・・・!?』

 

従兄『よっしゃーーー!!』

 

従兄妻『流石あなたのお祖父さん!』

 

伯父『そんな・・・父さんどうして・・・』

 

伯母『何で私達の子供に相続させたの・・・』

 

従兄『父さん母さん!祖父ちゃんはね、借金を背負ってる俺達に助けを与えてくれたんだよw!』

 

従兄妻『私、あなたと結婚して良かったわぁ〜w!』

 

淳一『そんな・・・俺と麻美は毎日欠かさず見舞いに行ったってのに・・・』

 

従兄『おいおいw見舞いしただけで祖父ちゃんがお前みたいなオタクに相続させてくれると思ってんのかぁ?』

 

従兄妻『まっ、社会人になってコツコツと安い金で過ごす事ねw!』

 

従兄『俺達は勝ち組確定だーw!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在。

 

優之「酷い従兄夫婦だな。」

 

有香奈「裁判でも起こしたい程ムカムカするわね。」

 

淳一「そう思うだろ?実はあの話には続きがあるんだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遺産相続の話の後解散し、従兄夫婦は家へ帰って行った。

 

淳一『・・・いやぁ〜、あんなに喜んでくれて良かった〜。』

 

残った全員が何故か笑顔と安堵の表情になった。

 

淳一『あの2人に演技を見せるの疲れたわ〜。』

 

麻美『何も知らずに受け取っちゃって〜。もうお兄ちゃん笑い堪えるのに必死だったね〜。』

 

 

 

 

葬式の時、淳一が従兄夫婦を見て我慢してたのは、怒りではなく笑いだった。

 

 

 

 

淳一『さて、あの小屋を見に行きますか。』

 

 

 

 

祖父が大事にしていたと言うボロボロの小屋の中へ。

 

淳一・麻美『おぉ〜〜〜!!』

 

小屋の中にあったのは、古い美術品や陶芸品やアンティーク物が沢山飾られてあった。

 

伯父『父は昔からアンティーク等の歴史的な物をコレクションするのが趣味でね。』

 

伯母『息子達は『汚い物に興味ない』って言ってくれたお陰で壊されずに済んだわね〜。』

 

淳一の祖母『本当、どれも素敵ね〜。』

 

 

 

 

 

 

時は遡り、病室。

 

淳一の祖父『じゃが、お前達に良い事を教えてやろう・・・』

 

淳一・麻美『良い事?』

 

2人は祖父から良い事を耳打ちで教えられた。

 

淳一の祖父『実は、この遺言書は遺産5000万を記した表向きの遺言書。これはワシの端金じゃ。』

 

淳一『え、そうなの?』

 

麻美『もしかして、その表向きの遺産を従兄達に相続させるの?』

 

淳一の祖父『御名答w。そしてお前達兄妹には、あの小屋の中の宝を相続させるんじゃ。これは妻とお前の両親と息子達に話して了承済みじゃw。勿論ここにお前達宛ての本命の遺言書もある。』

 

麻美『あのボロボロの小屋に何かあるの?』

 

淳一の祖父『ワシが趣味で集めたアンティーク物や美術品や陶芸品があるんじゃ。ワシのコレクションを全てお前達兄妹に譲渡する。』

 

淳一『アンティーク・・・売れば高いんじゃ・・・』

 

淳一の祖父『勿論コレクションするなり売るなり好きに使いなさい。未来ある若者のお前達2人に、ワシからのプレゼントじゃ。』

 

 

 

 

 

 

そして、淳一達は祖父のコレクションを全て売った。その買取金額は10億円に達した。淳一と麻美は頭の中パニックになったが、冷静を取り戻した。従兄夫婦に内緒で両親と伯父夫婦と祖母に山分けしようとしたが、『お前達兄妹のお金だ。祖父からの遺産を大切に使いなさい。』と言われ、10億の遺産は正式に淳一・麻美兄妹の物となり、兄妹で半分の5億円を受け取った。

 

 

 

 

 

 

そして現在。

 

淳一「これが、祖父ちゃんが残した遺産のお話だ。」

 

優之「凄えな。従兄達に内緒で歴史的な物をコレクションしてたなんて。」

 

有香奈「人間、真面目に生きていけば天の恵みが舞い降りて来るって事ね。」

 

康介「それで、従兄さん夫婦はそれからどうしたの?」

 

淳一「手に入れた5000万の遺産をギャンブルで使い果たした。俺達が10億の遺産が手に入った事を知って憤慨。俺の家に凸して来たんだ。けど、待機していた警察に暴行して公務執行妨害で逮捕された。執行猶予付きで釈放された。んで、俺が高校に合格して上京した頃に2人は蒸発して行方知らず。」

 

悠里「まさか、淳一さんを探す為に探し回ってるんじゃ・・・」

 

淳一「それはないよ。父さん達に俺の居場所を教えないでって言っておいたから。」

 

康介「なら安心だね。」

 

優之「妹さんは大学生?」

 

淳一「ああ。地元の大学に通ってる。妹は祖父ちゃんの遺産を大学の学費に使ってる。俺も妹もまだ祖父ちゃんの遺産は大量に残ってる。」

 

優之「じゃあ、これからも有意義に使わないとだな。」

 

淳一「そのつもりさ。」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美

      日高麻美:高田憂希

     淳一の祖父:家中宏

        従兄:田所陽向
       従兄妻:小若和郁那

       弁護士:橘龍丸
  女性アナウンサー:水谷麻鈴

        伯父:山本祥太
        伯母:衣川里佳
     淳一の祖母:仲村かおり

     東山真奈美:後藤邑子


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37話・天使に迫る魔の手

アンジェリカ。大手芸能事務所モロダストに所属する3人組のアイドルグループ。メンバーは三峯悠里、新田樹々、杉原響子。オーディションで狭き門を突破した3人はライブやメディアに引っ張り凧。中高生のファンが多く、彼女達の学校にファンが沢山居る。更に親衛隊が結成される程人気絶頂中。

 

 

 

 

GW明けの5月10日。

 

優之・淳一・康介「・・・・・・」

 

有香奈・真奈美・舞「・・・・・・」

 

おあにた荘に届けられた数十枚の手紙をテーブルに置いて見てる。

 

康介「これは、由々しき事態だね・・・」

 

真奈美「見てるだけで鳥肌が立つわね・・・」

 

淳一「まさかこれが全部ファンレターかと思いきや・・・」

 

優之「全部ストーカーからの手紙とは。」

 

この手紙は全てストーカーからの手紙だったのだ。

 

康介「一昨日から送られて来てるし。」

 

優之「それに横にある荷物。これはストーカーからのおにぎりやぬいぐるみ。」

 

テーブルの横にある段ボール。中にはおにぎりとぬいぐるみ。

 

淳一「しかもおにぎり見てゾッとした。コレ、コンビニのじゃなく手作り。」

 

おにぎりはストーカーの手作りだと言う。

 

優之「しかも、握りが粗い。」

 

有香奈「悠里ちゃんと樹々ちゃんは?」

 

舞「まだ帰ってないよ。」

 

”ガチャ”

 

康介「あ。噂をすれば。」

 

悠里と樹々が帰宅した。

 

真奈美「おかえりなさい。どうだった?」

 

悠里「うん・・・ここ最近気配が止まないの・・・」

 

樹々「夜が怖い・・・」

 

有香奈「響子ちゃんの方は?」

 

樹々「響子は家政婦さんの車で帰った。」

 

有香奈「それは安心だね。」

 

優之「しかし、3人を執拗に付き纏うストーカー野郎は何処のどいつなんだ?諸星様に相談した?」

 

悠里「うん。セキュリティ強化と警備員と監視カメラを増やすって言ってくれた。」

 

樹々「後私服のSPさんを各地に配置するって言ってた。」

 

優之「私服警官ならぬ私服SP。流石諸星財閥。」

 

 

 

 

 

 

翌日。アンジェリカはバラエティ番組に出演。

 

 

 

 

一方SKY ANGLEの食堂。

 

トミー「アンジェリカにストーカーするなんて、命知らずですね。」

 

フィオ「しかも送られた荷物の中に手作りおにぎりがあったんでしょ?気持ち悪い・・・」

 

優之「淳一はそれを見て吐き気がしたって。」

 

佑美「ストーカーは悠里ちゃん達に何か恨みとかあるのかな?」

 

幸彦「もしくはあれか。自分以外の害虫を近寄らせない為のアプローチ。独占欲の一種かもな。」

 

涼子「怖いですね・・・私もストーカーされたら背負い投げしたいです・・・」

 

結子「涼子先輩、戦闘モードに入らないで下さいね?」

 

雅春「このまま続いたら、裁判沙汰になりそうだ。いやもうなってるか。」

 

胡桃「アンジェリカ・・・私ファンなのに!3人のお陰で競馬で勝ち続けてるんだよ!」

 

佑美「どれ位勝ってるの?」

 

胡桃「大穴で勝ったり、ランキング最下位えお選んだらそれが勝ったりしたんだよ?それが数回的中して、総最高額は史上最多の1000万だよ?もう天使の恵みが付いてるんだよ!」

 

優之「全額また競馬で無くなりそうだな。」

 

胡桃「失礼な優之君!半分の500万は実家の仕送りと寄付してるんだよ?それと私は倹約派。」

 

優之「分かってるって。茶番は置いといて、アンジェリカを救わないと・・・」

 

涼子「こう言うのはどうです?誰かが変装して、ストーカー犯を欺くって言うのは。」

 

優之「変装って言っても・・・3人居る訳だし。ストーカーは3人の内誰を狙ってるのか分からねえし・・・」

 

雅春「こう言うのって、警察に任せた方が良いんじゃない?」

 

優之「まぁそうだよねぇ。諸星様も手筈を打ってくれるって言ってるし。・・・お!そうだ!」

 

幸彦「ん?どうしたんだ?」

 

優之「私に良い考えがある。」

 

 

 

 

 

 

モロダスト。

 

悠里・樹々・響子「・・・・・」

 

諸星「3人共、大丈夫かい?」

 

響子「諸星様・・・」

 

諸星「君達を狙うストーカー犯。まだ正体は分からない。」

 

悠里「一体何で私達に執着するんでしょうか・・・」

 

諸星「分からない。モロスターテクノロジーのドローンで周辺を捜索しているけど、ストーカー犯らしき人物は見当たらない。」

 

”コンコンコンコン”

 

諸星「どうぞ。」

 

そこに、ニコが社長室に入って来た。

 

ニコ「諸星様。ストーカー犯らしき人物を捉えました。」

 

悠里・樹々・響子「え?」

 

諸星「見せてくれ。」

 

タブレットでドローンカメラを映す。

 

ニコ「モロダストの事務所の周りを彷徨く男です。」

 

諸星「この男だね。君達の中で、この男に見覚えはないかい?」

 

響子「・・・分かりません。樹々は?」

 

樹々「私も・・・」

 

悠里「この人・・・喫茶店の常連客!」

 

樹々・響子「え?」

 

ニコ「喫茶店って・・・悠里さんがバイトしてた喫茶店ですか?」

 

悠里「はい。私がシフトの時にだけ来店してた男です。」

 

諸星「もしかすると、狙いは悠里さん。」

 

ニコ「その可能性がありますね。」

 

”ピリリン”

 

諸星「ん?優之君からだ。」

 

優之からの電話に出る。

 

諸星「もしもし優之君?え?作戦?成る程。それは面白そうだね。快く協力するよ。じゃあ、また夜に。」

 

通話終了。

 

諸星「皆、少し協力してくれるかな?」

 

悠里・樹々・響子「え?」

 

 

 

 

 

 

夜8時。千代田区にある公園。今悠里達3人だけ居る。

 

悠里「・・・・・」

 

響子「樹々、大丈夫?」

 

樹々「・・・うん。」

 

怯える樹々の手を握った。

 

悠里「・・・・」

 

”ガサガサ”

 

???「見付けたァ。」

 

悠里・樹々・響子「っ!?」

 

茂みから男が現れた。ドローンが捉えたストーカー犯。

 

響子(あれがストーカー犯・・・)

 

ストーカー「やっと会えたねぇ。悠里ちゃん。」

 

悠里「何で私に付き纏うんですか・・・」

 

ストーカー「僕はね、君に一目惚れしたんだよ。喫茶店でウエイトレス姿でこっちを見た君の眼差しにトキめいて恋が芽生えたんだ!けど君が居なくなって、僕はショックだった・・・でも君がアイドルになった時驚いたよ!アイドルになったら他の男達に集られてしまう可能性がある!だから僕が君を守ってやらねばと言う正義感に目覚めたんだよ!!」

 

悠里「それなら私だけで充分なのに!どうして樹々ちゃんと響子ちゃんまで巻き込むんですか!」

 

ストーカー「簡単さ!その2人も僕が守らなければならないと!!」

 

樹々「・・・・!」

 

ストーカー「これからも僕が君達を守ってあげるから、安心してね?」

 

悠里「困ります!!私達はあなたの粘着に恐怖を抱いているんですよ!!」

 

響子「正義の味方の皮を被った歪んだ悪党に過ぎないね!あなたは!」

 

ストーカー「そんな事言わずに。僕に任せて安心してアイドル頑張ってね。」

 

悠里「嫌です!!あなたに守られる位なら死んだ方がマシです!!」

 

ストーカー「・・・ああそうかよ。」

 

怒りが爆発したストーカーがナイフを取り出した。

 

悠里・樹々・響子「っ!?」

 

ストーカー「アイドルになった途端調子に乗りやがって・・・そんなに自分達が偉いってのかよ!!僕が嫌いなら、僕がお前達の遺体を一生愛でてやるよ!!!」

 

3人に迫る。だがその時。

 

 

 

 

???「おやおや?何か面白そうな事やってんなぁ〜。」

 

 

 

 

悠里・樹々・響子「え?」

 

ストーカー「あぁ?」

 

そこに現れたのは、3人組のチンピラ。

 

チンピラA「お?おい兄貴、彼処に可愛子ちゃんが居るぞ?」

 

チンピラB「しかもアンジェリカの3人じゃねえか。」

 

チンピラC「俺達運が良いなぁ〜。なぁお嬢ちゃん達、俺達と遊ばない?」

 

そう言って3人に近寄る。

 

ストーカー「何だお前達!彼女達に触れるな!!」

 

ナイフでチンピラ達を刺そうとしたが、チンピラ3人がナイフを避け、ストーカーは転んだ。

 

チンピラA「なぁ、あんな男より俺達と遊んだ方が楽しいぞ?」

 

悠里「え、えっと・・・」

 

ストーカー「おい!!汚い手で彼女達を触るな!!」

 

チンピラC「五月蝿え兄ちゃんだなぁ。おい、連れて行け。」

 

チンピラ2人「おう!」

 

2人のチンピラが悠里達3人を何処かへ連れて行った。

 

 

 

 

木の下へ連れて行った。

 

悠里「あの、何なんですかあなた達?」

 

チンピラA「おいおい、俺だよ。」

 

チンピラB「俺もだよ。」

 

するとチンピラ2人がサングラスを外した。

 

響子「優之さん!」

 

樹々「雅春さん!」

 

その正体は、優之と雅春だった。

 

優之「驚かせてごめんな。」

 

響子「じゃあ、あの男の人は?」

 

優之「幸彦先輩だ。」

 

 

 

 

幸彦「おいお前。何ナイフ持ってんだ?警察行きの覚悟を持っての勇気か?」

 

ストーカー「黙れ!!僕があの子達を守るんだ!!お前みたいな輩から守る為にな!!」

 

幸彦「ふぅ〜ん。今すぐナイフ仕舞え。そうすれば見逃してやる。」

 

ストーカー「っ・・・!」

 

幸彦「おいどうした?ナイフ仕舞ったら通報されず済むぞ?」

 

ストーカー「・・・五月蝿い五月蝿い!!そんな甘い考えに引っ掛かる僕じゃない!!」

 

説得を拒否し、幸彦を刺そうとする。

 

幸彦「ほいっ。」

 

横に避けた。ストーカーはまた転んだ。

 

ストーカー「よくもやったな・・・!!」

 

幸彦「いや自分で転んだ癖に。でももうこれで終わったな。」

 

ストーカー「どう言う意味だ!!」

 

幸彦「おーーい!」

 

上に向かって手を振った。すると1機のドローンが降りて来た。

 

幸彦「流石諸星財閥のカメラドローン。静音で現場を撮ってくれるとは。」

 

ストーカー「へ・・・?」

 

幸彦「気付かないのか?お前の行動は全部諸星財閥のドローンが一部始終撮ってくれてたんだ。俺達を刺そうとしてる場面もな。だが俺達は反撃せず避けた。この意味が分かるか?」

 

ストーカー「う、嘘だろ・・・?」

 

すると遠くからサイレンの音が聞こえた。

 

幸彦「もうお前は、普通の人生を歩めない。」

 

ストーカー「そんな・・・」

 

優之「流石先輩。」

 

幸彦「俺は避けただけだけどな。」

 

こうして、アンジェリカを苦しむストーカー犯は御用となった。

 

 

 

 

 

 

翌朝。おあにた荘。

 

優之「気分はどうだ?」

 

悠里「うん!やっと憑き物が取れたって感じ!」

 

樹々「気分上々。」

 

淳一「良かった良かった。」

 

悠里「優之さん、ありがとう。」

 

優之「お礼なら俺だけじゃなく、雅春先輩と幸彦先輩と諸星様に言ってくれ。」

 

有香奈「あ、見て?昨日のストーカー犯のニュースよ。」

 

逮捕されたストーカー犯が報道されてる。

 

康介「あれじゃもう、普通の生活は送れないね。」

 

舞「うん。」

 

真奈美「今日もお仕事?」

 

悠里「うん。今日はクイズ番組に出るんだ〜♪」

 

有香奈「それは楽しみね〜。」

 

アンジェリカの魔の手は消え去り、再び平穏が訪れた。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美

      杉原響子:本渡楓

 トミー・ブライアン:福原かつみ
 フィオ・ブライアン:花井美春

      雨原佑美:伊藤美来
      栗田雅春:梶原岳人
      猪本凉子:茜屋日海夏
      澁谷胡桃:山口立花子
     長谷部幸彦:松風雅也
      宮本結子:前田佳織里

    ストーカー犯:柳晃平

      諸星志揮:???
        ニコ:???

     東山真奈美:後藤邑子


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38話・創作インスピレーション

5月18日。青山高校。

 

悠里「ふぅ。」

 

放課後、悠里がスクールバッグを持って帰ろうとすると。

 

遥香「悠里ちゃん。」

 

クラスメートの遥香達3人が来た。

 

悠里「あ、皆どうしたの?」

 

遥香「今日さ、おあにた荘に遊びに行っても良い?」

 

悠里「え?良いけど。今日は勉強会の日じゃないんじゃ。」

 

美佳子「実はね、以前優之さんが描いてくれた創作絵をSNSに投稿したら物凄いバズっててね。」

 

以前、優之が描いた遥香達3人の絵がSNSで話題になっている。

 

美佳子「だから今日はね、優之さんに創作イラストが描ける秘訣を教えて貰いたいな〜って。」

 

悠里「成る程〜。」

 

茜「是非、優之さんの技法を伝授したいんです。」

 

悠里「あはは。茜ちゃんの画力はアレだけど・・・うん、良いよ。」

 

 

 

 

 

 

おあにた荘・リビング。

 

優之「成る程。俺に創作絵が出来る方法を教えてくれって訳か。」

 

美佳子「そう!優之さんの絵はどれも好きなんだよー!」

 

遥香「だから、どうやったら創作絵が描けるのかなーって思って。」

 

優之「ほうほう。光栄だね。」

 

悠里「所で、何で淳一さんのセクシーポーズを描いてるの?」

 

今優之は、淳一のセクシーポーズ(私服着用)の絵を描いている。

 

優之「いや、淳一がたまに人肌脱ぎたいって言って俺に絵の依頼をしたんだよ。」

 

淳一「どうだ?綺麗に描けてるか?」

 

優之「後3秒。・・・出来た。」

 

淳一「どれどれ?」

 

世紀末な淳一のセクシーポーズ。

 

遥香「な、何これ・・・」

 

茜「セクシーって言うか・・・」

 

美佳子「もう世紀末だね・・・」

 

淳一「おぉ〜。やっぱりお前の創作絵は流石だ。」

 

優之「要望通りこれで良いのか?」

 

淳一「エロさと思いきや世紀末。この転覆さが良いんだよ。」

 

優之「淳一が満足した所で。授業をしようか。」

 

 

 

 

まず手始めに、優之が椅子に座った遥香達3人の絵を描く。

 

真奈美「今日はどんな絵が出来上がるのかしら?」

 

ジュースをテーブルに置いた。

 

遥香「優之さんって、どうやったら創作絵が描けるの?」

 

優之「インスピレーションだね。」

 

茜「インスピレーションですか?」

 

遥香「どんな時に思い浮かぶの?」

 

優之「そうだねぇ・・・今座ってる君達を見ると、自然と思い浮かぶんだ。頭の中で背景を選ぶ。そしてその背景に合う衣装をイメージする。それを着せて、君達が眠っているイメージを描く。はい出来た。」

 

完成した絵を見せる。草原の椅子に座って眠っている遥香達3人の絵。

 

茜「す、凄いです・・・!」

 

美佳子「最早絵画レベルじゃん!」

 

遥香「やっぱり優之さん凄いよ!」

 

優之「褒めても何も出ないよ?」

 

遥香「私やってみたーい!」

 

茜「私もやってみたいです!」

 

美佳子「私も私も!」

 

優之「よし。じゃあ悠里。君が被写体だ。」

 

悠里「え?私が?」

 

 

 

 

 

 

被写体の悠里の前に、遥香達3人がスケッチブックを持ってイメージを膨らませる。

 

淳一「ん〜・・・こうして見ると、宗教の何かか?」

 

優之「俺も思った。」

 

遥香「頭の中で背景を選ぶ・・・」

 

茜「背景に合う悠里さんの衣装をイメージ・・・」

 

美佳子「そして悠里の表情や仕草をイメージ・・・」

 

遥香・茜・美佳子「・・・これだ!!」

 

インスピレーションが発動し、3人がペンを進める。

 

優之「お。」

 

遥香・茜・美佳子「出来たー!」

 

完成した3人の絵を優之が見る。

 

優之「遥香の絵は・・・ほうほう。白いドレス姿の悠里が歌っている絵か。」

 

遥香「悠里ちゃんは人気アイドルのアンジェリカのメンバーだから。歌っているイメージが湧いたんだ!」

 

悠里「わぁ〜!凄いよ遥香ちゃん!」

 

優之「良いね。次は美佳子。美佳子は・・・おぉ、軍服姿の悠里が足組んで鞭持ってる・・・鬼教官かな?」

 

美佳子「心優しい悠里のギャップを追求したんだ!」

 

悠里「私、こんな性格だったらやだなぁ・・・」

 

優之「最後は茜。えっと?・・・何コレ?」

 

彼女の描いた絵は、ピカソみたいになってる。

 

優之「あのぉ茜さん?コレ何?ピカソ?」

 

茜「え?違いますよ。これは悠里さんが動物と戯れる情景を描いたものですよ。」

 

悠里「え、えっと・・・」

 

優之「あー、えっと・・・なぁなぁお2人方。茜ってもしや・・・」

 

遥香「実は茜ちゃん、とても不器用で絵がそれ程上手くなくて・・・」

 

美佳子「でも物凄く自覚が無いのが玉に瑕なんだよ・・・」

 

優之「こりゃあ、ゴッホレベルまで先が長そうだな・・・」

 

 

 

 

 

 

5月19日。SKY ANGLE・食堂。

 

優之「ええ!?あの絵バズったの!?」

 

なんと、茜の描いたピカソっぽい悠里の絵がSNSでバズったのだ。コメントには、『独特で癖があって好きになった。』など。

 

優之「あはは・・・茜、ある意味人気になったみたいだ・・・」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈

      矢口遥香:若松来海
       石原茜:大和田仁美
     赤坂美佳子:黒木ほの香

     東山真奈美:後藤邑子


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39話・合宿と勧誘

5月26日・午後5時。

 

圭一「え〜、我々同人誌サークルは今、諸星邸の前に来ましたー!」

 

東京電機大学・同人誌サークル+優之は諸星邸に来ている。

 

真知子「諸星財閥のお邸・・・初めて生で見るけど凄いわね・・・」

 

文典「流石諸星様ですね。」

 

雅美「初めて会えるの緊張する〜・・・」

 

祐規「僕達は分かるけど、何で優之まで?」

 

優之「俺社会人だし、大学生じゃねえよ。」

 

淳一「いやお前諸星様のお墨付きだし、何より許可証持ってるだろ?」

 

優之「そうだったな。それに祐規も今度諸星様に会いたいって言ってたし。」

 

圭一「諸星様に連絡は入れたか?」

 

優之「即快諾してくれた。諸星様は本当に器が広い。合宿目的は夏コミか?」

 

圭一「そうだ。今年の夏コミも我が同人誌サークルも参加するからな。」

 

優之「楽しみだな。」

 

許可証をカメラに翳す。許可証が認証されゲートが開いた。

 

圭一「では行くぞ諸君!」

 

優之「いや待て俺が先に行く。色々話しておかないと。」

 

 

 

 

 

 

諸星邸。

 

ニコ「お待ちしておりました。」

 

優之「ご無沙汰しておりますニコさん。」

 

ニコ「お久し振りです。優之様。」

 

文典「おぉ。本物のメイドさん。」

 

祐規「メイドのニコさんだ。」

 

優之「ニコさん、こちら東京電機大学同人誌サークルのメンバーです。」

 

ニコ「お話は聞いております。ようこそいらっしゃいました。こちらへどうぞ。」

 

 

 

 

諸星の部屋。

 

ニコ「諸星様。お連れしました。」

 

諸星「ありがとうニコ。皆さん、ようこそ俺の邸へ。」

 

文典「本物の諸星様だ!!」

 

真知子「見ただけでカリスマ性を感じる・・・!」

 

圭一「諸星様、私達を招いて下さりありがとうございます。」

 

諸星「優之君の友人なら大歓迎だよ。今日からここで合宿するって聞いた時は少し驚いたけど。」

 

優之「やっぱり迷惑だったんじゃないでしょうか?」

 

諸星「ううん。お客が大勢来てくれると賑やかで楽しそうだし良かったよ。優之君も合宿に参加するの?」

 

優之「参加はしないけど、まぁ2泊3日過ごしてみようかなって思ってまして。」

 

 

 

 

 

 

来客大室。

 

ニコ「皆さんは、こちらの来客大室をご利用下さい。」

 

淳一・圭一・真知子・祐規・文典・雅美「おぉーーー!!」

 

その部屋は広く、色々な家具が揃っている。

 

真知子「このベッド、高級素材使ってるわ!」

 

雅美「このパソコンも超最新型!まさかこの日の為に用意してくれたの!?」

 

ニコ「諸星様に皆さんの事をお話したら、すぐにご用意してくれました。」

 

優之「流石諸星様。判断が早い。」

 

 

 

 

来客室。

 

ニコ「優之様はこちらのお部屋をご利用下さい。」

 

優之「おぉ。1人暮らしにピッタリな広さ。パソコンとテレビもあるし、ベッドも高級素材を使ってる。ありがとうございますニコさん。」

 

ニコ「これもメイドとしての仕事ですから。」

 

優之「そう言えば諸星邸はメイドさんだけですよね使用人。何でメイドさんだけなんですか?」

 

ニコ「人には言えない秘密があるんですよ?」

 

優之「あ、詮索はこれまでにしておきます。」

 

ニコ「うふふ。ではごゆっくりどうぞ。」

 

来客室からニコが出た。

 

優之「さてと、ちょっと散歩でもするかな。」

 

 

 

 

邸内を散歩する。

 

優之「改めて見ても本当に広いなぁ。メイドさんだけとは、もうハーレム状態だな。」

 

仕事をしている周りのメイドを見る。

 

優之「これもしや、諸星様の趣味か何かか?まぁでもSPも居るからハーレムじゃなさそうだ。」

 

 

 

 

中庭。優之がベンチに座り、花園を眺める。

 

優之「いやぁ〜長閑な庭だなぁ〜。もうフラワーガーデンだな、こうして見ると。そうだ、折角だし。」

 

来客室へ行った後、すぐ中庭へ戻った。

 

優之「このフラワーガーデンを描いておくか。」

 

スケッチブックで中庭を描く。

 

優之「仕事で活かせそうだな。」

 

メイド「ん?」

 

窓拭きをしているメイドが優之の描いている絵を見た。

 

優之「・・・・・」

 

メイド「お上手なんですね。」

 

優之「うおあ!ビックリした!」

 

メイド「ご、ごめんなさい。」

 

優之「あ、大丈夫です。」

 

メイド「優之様は絵がお上手なんですね。」

 

優之「母の影響で絵を描き始めて、今SKY ANGLEで仕事をしています。」

 

メイド「優之様は創作イラストが得意と伺っておりまして。もし良かったら、私の絵を描いてくれませんか?」

 

優之「え、でもまだお仕事中じゃ。」

 

メイド「そろそろ休憩の時間ですので。」

 

優之「じゃあ、良いですよ。」

 

 

 

 

休憩時間が入り、優之が椅子に座ったメイドを中庭をバッグにして描く。

 

優之「良いですね。インスピレーションが閃きました。」

 

メイド「自然と思い浮かぶんですか?」

 

優之「中学の頃に1人の友人とイラスト部に入部して絵を描いたんですが、何か物足りないと自分で感じたんです。そこで創作のインスピレーションを使えば俺と相手が満たせると思って。その結果、凄い反響を呼んで学校中からイラストのお願いが殺到したんです。中にはお金払いたいって言う生徒も居たんです。」

 

メイド「凄いですね。」

 

優之「出来ました。」

 

完成した絵は、フラワーガーデンに差し込む光に当たる天使メイドの絵。

 

メイド「わぁ!凄いですね!とても綺麗です!」

 

優之「そうですか?」

 

メイド「あの、これ貰っても良いですか?」

 

優之「えぇ、どうぞ。」

 

描いた創作イラストをメイドにプレゼントした。

 

メイド「ありがとうございます!大切にしますね!」

 

優之「気に入って貰えて良かった。」

 

 

 

 

来客大室。

 

優之「淳一達は同人誌制作に励んでるかな?」

 

ドアを開ける。

 

優之「失礼しまー・・・」

 

圭一「あーくそっ!また負けた!!」

 

真知子「部長まだまだですね。」

 

淳一「やっぱり真知子強えわ!」

 

雅美「流石スマッシュ真知子ね。」

 

同人誌サークルは現在、スマブラSPで大乱闘中だった。

 

優之「何やってんだお前ら?」

 

圭一「お!優之!」

 

祐規「作業がひと段落したから、皆でスマブラやってたんだ。」

 

優之「スマブラやるのは良いけど、ちゃんと仕事してるのか?」

 

淳一「テーブルを見てみろ。」

 

優之「ん?」

 

テーブルを見ると、10冊以上完成していた。

 

優之「あんな短時間でここまで出来たのか・・・流石同人誌サークル。」

 

文典「優之君も一緒にスマブラやりましょうよ。」

 

優之「俺も?まぁいいけど。」

 

スマブラに参加する事になった。優之はカービィを選んだ。

 

 

 

 

対戦の結果は。

 

真知子「う、嘘でしょ・・・!?」

 

優之「勝っちゃった。」

 

圭一「ありがとう優之!俺の仇を打ってくれて!」

 

優之「いや別に敵討の為にやった訳じゃねえよ。」

 

真知子「あなた強いわね・・・秘密裏に特訓してたの?」

 

優之「いや特訓してねぇし。普通に遊んだだけだけど。」

 

”コンコン”

 

ニコ「失礼します。優之様は居ますか?」

 

淳一「ニコさん。優之ならここに。」

 

優之「どうされました?」

 

ニコ「実は、優之様に絵を描いて欲しいとメイド達が殺到してまして。」

 

優之「ほえ?」

 

 

 

 

来客大室を出ると、諸星邸の全メイド達がニコの後ろに立っていた。

 

優之「す、凄い大所帯・・・」

 

メイドA「優之様!私の絵を描いて下さい!」

 

メイドB「私もお願いします!」

 

メイドC「代金は払いますので是非!」

 

優之「お、落ち着いて!1人ずつお願いします!」

 

 

 

 

 

 

メイド全員の絵を描き終えた後。

 

優之「つ、疲れた・・・あれだけのメイドさんが居ると指が痛い・・・このまま続けたら指の感覚が麻痺しそう・・・」

 

諸星「お疲れのようだね。」

 

優之「あ、諸星様。」

 

目の前に諸星が立っている。

 

諸星「ウチのメイド達の絵を描いてくれたんだね。」

 

優之「良かったんですか?メイドさん達、仕事中のはずなのに。」

 

諸星「俺が許可したんだ。優之君、今度は俺の絵を描いてくれないかな?」

 

優之「いや、俺の指が限界なんですけど・・・」

 

諸星「明日でも構わないよ。その時はニコと一緒に描いてくれる?」

 

優之「構いませんよ。」

 

 

 

 

 

 

夕方・おあにた荘。

 

康介「男性が僕だけなんて、6年前以来だね。」

 

有香奈「そうね。あの頃の康介さん、とてもぎこちなかったのよね。」

 

悠里「ハーレム状態だったからね。」

 

康介「でも皆優しくて、こうして打ち解けたんだし。」

 

樹々「康介さん、最初は怖い人かと思った。でも優しかった。」

 

康介「ありがとう樹々ちゃん。」

 

舞「康介お兄ちゃん、もっとお話聞かせて?」

 

康介「いいよ。何処から話そうか〜。」

 

真奈美「皆、ご飯出来たわよ〜。お話はディナーの後でね。」

 

 

 

 

 

 

諸星邸・食堂。

 

圭一「こんな高級料理食べたの初めてだ!」

 

真知子「キャビア、フォアグラ、トリュフ、松葉蟹、オマール海老・・・」

 

文典「どれも美味しいです〜!」

 

優之「2回目だけど、やっぱ美味いわ。」

 

淳一「ん〜!幾らでも食えるやっぱ〜!」

 

諸星「皆は作業は進んでるの?」

 

圭一「勿論。後5冊程完成すれば終わりです。」

 

淳一「諸星様もどうですか?今年の夏コミを訪れてみては。」

 

諸星「ん〜・・・その時は仕事で忙しいけど、時間が空いたら行ってみるよ。」

 

雅美「やっぱり財閥の当主ですから、休む暇はないんですね。」

 

諸星「幾つもの事業や学校を運営しているからね。」

 

優之「諸星様って何時から当主になったんですか?」

 

諸星「俺が高校の時に父が病気で亡くなったんだ。父の遺言書に息子に当主を継がせると書かれてあってね。俺は自前の頭脳とビジネスを活かして事業や運営会社を急成長させたんだ。」

 

優之「そうなんですね。ニコさんは何時からメイドに?」

 

ニコ「実は私の両親は代々諸星財閥に仕えていたんです。」

 

淳一「って事は、ニコさんは小さい頃から諸星様とご一緒だと。」

 

ニコ「そうです。」

 

 

 

 

 

 

夜。来客室のベッドに優之が寝る。

 

優之(何気に2度目だな。諸星邸のベッドで寝るの。)

 

以前深夜3時に目を覚まし、夜の東京を満喫した事がある。その途中で寝てしまい、諸星邸のベッドで寝た事があった。

 

 

 

 

 

 

翌日。

 

圭一「淳一、ここのペタ塗り頼む。」

 

淳一「OK!」

 

同人誌サークルは残りの仕事を進めていた。そして。

 

圭一「よし出来た!」

 

夏コミに出す品が完成した。

 

圭一「これで夏コミへの準備が整った!」

 

祐規「キーホルダーとクリアファイルも完成したし。」

 

真知子「今年の夏も私達が席巻するわよ。」

 

雅美「そう言えば優之君は?」

 

淳一「朝から居なかったけど。」

 

”コンコン”

 

ニコ「皆さん、お茶をご用意しました。」

 

ティータイムを挟む。

 

圭一「ふぅ〜。紅茶美味ひい〜。」

 

ニコ「作業は順調ですか?」

 

淳一「それが先程完了したんです。」

 

ニコ「そうなんですね。お疲れ様です。」

 

文典「ニコさん、優之君は何処へ行ったんですか?」

 

ニコ「朝にコンビニ等へ行って、先程帰って来ましたよ。」

 

 

 

 

 

 

来客室。同人誌サークルのメンバーがお邪魔する。

 

圭一「優之、居るか?」

 

部屋では、優之が何かをスマホで撮影している。

 

圭一「何やってんだ?」

 

優之「本日の戦利品を撮ってる。」

 

淳一「戦利品?」

 

優之「一番くじのティガ・ダイナ・ガイア。フィギュア揃えたかったけど、D〜F賞ばっかりでね。でもこのビジュアルタオル見てくれよ!ティガ・ダイナ・ガイア・アグルの横顔が最高にCoolだぞ?フィギュアが当たらなかったのは残念だけど・・・俺は後悔しない!フィギュアが誰かの手に渡ってくれればそれで良い!あ、転売ヤーに渡って欲しくない。だからこのタンブラーとチャームとタオルが手に入っただけで俺の心は満たされた!」

 

文典「さ、流石ウルトラマンファンの鏡ですね・・・」

 

祐規「本当にウルトラマン好きなんだね・・・」

 

優之「もしまだ残ってたらまたリベンジするけど。」

 

 

 

 

 

 

夕方。諸星の部屋で優之が椅子に座ってる諸星とニコの絵を描く準備が整った。淳一達は見物。

 

優之「どんな創作イラストにしますか?」

 

諸星「君の自由で構わないよ。」

 

ニコ「私も。」

 

優之「自由だと少しプレッシャーが・・・じゃあやってみます。・・・・・」

 

諸星とニコをジーッと見る。

 

 

 

真知子「優之どうしたのかしら?」

 

淳一「静かに。」

 

 

 

優之「・・・来た!」

 

インスピレーションが舞い降り、スケッチブックにペンを走らせる。

 

優之「諸星様はカリスマ性が溢れる神々しいお方。そしてニコさんは可憐と凛々しさ、そして聖母のようなオーラを兼ね備えている。これらを全て組み合わせれば・・・出来た!」

 

完成した絵は、イエス・キリストの諸星と聖母マリアのニコの絵。

 

ニコ「わぁ〜!」

 

優之「カリスマ性が溢れる諸星様は、キリスト風にしてみました。そしてニコさんは聖母マリア風にしてみました。どうでしょう?」

 

ニコ「素晴らしいです!もう絵画レベルですね!」

 

諸星「やっぱり君には特別な才能があるようだ。どうかね優之君、君を芸術の才能がある若者を育成するモロスターアートにスカウトしたいんだ。」

 

淳一・圭一・真知子・雅美・祐規・文典「ええ!?」

 

優之「お、俺がモロスターアートにですか!?いやでも俺SKY ANGLEの社員で・・・」

 

諸星「大丈夫。吉岡社長に頼んでリモートで仕事を貰うよう話しておく。それでどうかな?」

 

優之「リモート・・・・」

 

圭一「良いんじゃないか?お前の絵が世界中に広まったら著名人になれるぞ?」

 

淳一「お前の創作イラストの成長、楽しみにしてるぜ!」

 

優之「・・・分かりました!そのお誘い、承ります!」

 

諸星「宜しくね。優之君。」

 

優之は、諸星の勧誘を受けモロスターアートに所属する事になった。

 

 

 

 

 

 

翌日の午後。優之と淳一がおあにた荘に帰宅した。

 

真奈美「優之君がモロスターアートに!?」

 

優之「うん。諸星様とニコさんの創作イラストを描いたんだ。諸星様とニコさんがとても気に入って、それで勧誘を受けたんだ。まぁ仕事と両立するつもりで所属するけど。」

 

康介「確かに。リモートだと便利だしね。」

 

優之「モロスターアートは以前淳一と見学に行った事があったからな。新しい仲間に出会えそうだ。」

 

淳一「でも良いな〜。お前がモロスターアートにスカウトされるなんて。俺もスカウトされたいな〜。」

 

優之「お前の場合、ただの諸星様目当てだろ?」

 

淳一「あ、バレた?」

 

 

 

 

 

 

5月29日。朝8時。

 

優之「と言う訳でして。今日からリモートで仕事する事になりました。」

 

吉岡社長『諸星様から聞いているよ。君は本当に諸星様のお気に入りになったな。』

 

優之「ただ諸星様の要望に応えただけですけどね。会議の日にはそちらに出社しますので。」

 

吉岡社長『うん。愛川君もモロスターアートで日々精進し、頑張ってくれたまえ。』

 

優之「ありがとうございます。では失礼します。」

 

通話終了。

 

優之「ふぅ。さて、そろそろ行くかな?」

 

 

 

 

ゴールドウイングツアーに乗り、モロスターアートへ向かう。

 

 

 

 

モロスターアート前。

 

優之「何か、違った緊張感がする・・・よし!」

 

彼は、モロスターアートへ足を踏み入れた。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美

      横沢圭一:狩野翔
      小野雅美:和多田美咲
     曽根川祐規:小林大紀
      瀧本文典:諸星すみれ
     古川真知子:M・A・O

      吉岡達雄:桐本拓哉

      諸星志揮:???
        ニコ:???

       メイド:月村あさみ
           伊香綾野
           音海奈々

     東山真奈美:後藤邑子


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#2部#
40話・芸術仲間


6月2日。優之がモロスターアートの20畳ある共同アトリエで絵を描いている。

 

優之「もうちょっと吹雪の色合い足すか。」

 

今日の被写体は、ウルトラアーツのレオ、アストラ、レグロス。色と背景を雪にして描いてる。

 

優之「イイね。この3人は惑星ブリザードが映えるな。」

 

絵が完成した。

 

優之「よし、描けた。」

 

それをスマホで撮って、インスタに投稿した。

 

優之「もうインスタのフォロワーが150万達したな。もうお陰で広告収入が更にガッポリ入った。」

 

”ピリリン”

 

優之「ん?姉さんからLINEだ。」

 

LINEには、『仕事入った。リモート繋げて。』

 

優之「了〜解。」

 

アトリエの隅にあるパソコンを起動し、リモートを繋げる。

 

 

 

 

 

 

モロスターアート・廊下。

 

???「今週に入った優之さん、凄く絵が上手だったね。」

 

宗像紫。

 

???「凄い特撮好きだって諸星様から聞いたけど、予想以上ね。」

 

日野結衣。

 

???「創作イラスト、本当凄いのよね。見ただけで閃くんだもの。」

 

坪川奈々。

 

この3人は同じ高校に通う親友3人組の高校1年生。去年中学3年だった彼女達は描いた絵が諸星の目に留まり、共にモロスターアートにスカウトされ所属した。

 

 

 

 

共同アトリエ。

 

紫「おはようございま〜す。」

 

優之「えぇ、そうなんです。」

 

紫・結衣・奈々「?」

 

今リモート中の優之を見た。

 

優之「今回の案件はこれで行こうと思いまして。」

 

冴子『分かりました。では部長に掛け合ってみます。それまで待機していて下さい。』

 

優之「お願いします。」

 

リモートをスタンバイモードにして待機する。

 

優之「ふぅ・・・」

 

奈々「お疲れ様。」

 

優之「ん?あぁ、君達か。おはよう。」

 

結衣「今日もリモート?」

 

優之「うん。ウチの会社の大手取引先が新たな企画を進めていてね。その企画のティザーポスターを依頼されたんだ。」

 

紫「ねぇねぇ、どんな企画なの?教えて教えて?」

 

結衣「ちょっと紫。私達まだ高校生なのにもう大人の世界に入ろうとしてるの?」

 

紫「だって気になるじゃん。」

 

優之「この企画は極秘なんだ。誰にも口外するなって言われてね。」

 

紫「そっかぁ〜。」

 

優之「まぁ箝口令が解かれたら教えるけど。さて、待機してる間また絵を描くか。次は何にするかな〜。」

 

奈々「今週の月曜に入って来てから5日目。もうこれだけの絵が描けてる。」

 

紫「でも殆どウルトラマンとゴジラ・・・」

 

結衣「優之さん、筋金入りね。」

 

優之「俺の場合、三度のアニメより特撮(ウルトラマン)が好きな男。俺の住んでるおあにた荘も、実際俺以外アニメオタクの方達だし。」

 

紫「でもどれも凄い!ありそうでない風景を使っているから、現実かどうかなんて分からないよ!」

 

優之「創作イラストは得意だし。例えば、このウルトラマンとゴジラの写真。」

 

インスタに投稿した真骨彫ウルトラマンとゴジラ(1954)の戦闘シーンを見せる。

 

優之「可動フィギュアとムービーモンスターでポーズを撮って被写体にして、モノクロで雨が降っていて、空に戦闘機が飛んでる背景にしたんだ。これが見てよ。今まで投稿した中で最高記録のいいねとコメントを獲得したんだ。」

 

紫「はえ〜・・・」

 

優之「やっぱりこの2大巨匠は格別だね〜!」

 

???「ま〜たお前の暴走が始まったなぁ。」

 

そこに、1人の男性がやって来て優之に呆れている。

 

優之「これが俺の性なんだから良いだろ?茂成。」

 

茂成「佐賀県出身のお前の性ってか?」

 

彼の名は、畦間茂成。モロスターアートに所属している芸術家。実は優之の中学時代からの親友であるが・・・

 

優之「お前、そのギャグで笑い取るつもりか?」

 

茂成「言ってみただけだ。気にするな。」

 

紫「あはは。」

 

奈々「お2人って、確か中学の頃からの親友なんですよね?」

 

優之「そうだ。茂成は佐賀生まれじゃないけど。」

 

茂成「俺は元々千葉出身。中学1年の時父さんの転勤で佐賀へ引っ越したんだ。そこで優之達と出会った。」

 

優之「最初は人見知りで大人しかったけど、俺の親友が気軽に接していく内に明るくなって人見知りを克服し、俺達の親友になったんだ。」

 

茂成「でも、中学3年の時にまた父さんの転勤で東京へ引っ越したんだ。あの学校で一緒に卒業したかったけど・・・」

 

優之「そんなお前が、まさか今モロスターアートに入ってるとは最初ビックリしたぜ。親御さんと東京で暮らしてるのか?」

 

茂成「いや、父さんが迷惑掛けまいと俺と母さんを東京に住まわせて自分は北海道へ転勤したんだ。毎月の生活費を送ってくれている。今は母さんと2人暮らし。」

 

優之「そっか。なぁ、今度飲みに行こうぜ?悟達にも会いたいだろ?」

 

茂成「ああ。その時はゲームで勝負だ!」

 

紫「これが、大人の会話・・・!何か楽しそう!」

 

結衣「まだ私達には入れない領域よ。」

 

ワクワクする紫を結衣が静止した。

 

茂成「さて、雑談は一旦置いて絵を描くか。」

 

優之「そう言やお前、近日中に個展開くんだよな。どんな絵を出展するんだ?」

 

茂成「転勤の引越し途中に見た景色だ。まだ記憶が鮮明に残ってるし。もう大半が描けてる。」

 

結衣「どんな景色の絵なんですか?」

 

茂成「見てみるかい?」

 

出展予定の絵を4人に見せる。

 

茂成「千葉から佐賀へ引っ越す時、飛行機に乗ったんだ。その時の雲海が綺麗でな。」

 

雲海の絵。

 

紫「わぁー!凄い綺麗ですね!」

 

茂成「雲が柔らかそうだったから、あの時飛び込みたいって思っててな。」

 

優之「いや、普通に死ぬぞ。」

 

茂成「もう1つが、吉野ヶ里歴史公園だ。」

 

吉野ヶ里歴史公園の絵。

 

奈々「ここって確か、弥生時代の暮らしを知る事が出来る観光スポットですよね?」

 

茂成「そうだ。この公園に入った瞬間、弥生時代にタイムスリップしたみたいだった。ちゃんと観光客も描いてるのが分かるか?」

 

紫「本当だ!あ、顔の表情も鮮明だ!」

 

茂成「後ろ向きでも良いが、やっぱり観光に来た人達の表情も見たいなって思って描いたんだ。」

 

優之「俺も休みの日毎回行って絵を描いてるからもう慣れてる。」

 

茂成「個展の資金は諸星様が出してくれる。初めての個展だから、緊張するなぁ〜。絵を買ってくれる人が居るかも知れないしな。」

 

紫「絵を買うかぁ〜。ねぇ茂成さん、私達もその個展へ行っても良い?」

 

奈々「私も。色んな絵が見れますし。」

 

茂成「勿論勿論。結衣ちゃんも来る?」

 

結衣「私?まぁ、行ってみようかしら?」

 

茂成「優之も勿論来るか?」

 

優之「そうだな。姉さん達を誘ってみるわ。」

 

茂成「そうと決まれば、早速出展する絵を仕上げるぞ!」

 

残りの絵を描き始める。

 

紫「もし私達に個展の話が来たら・・・」

 

結衣「紫は子供向けの個展になりそうね。」

 

紫「ムッ!失礼な!私だってちゃんとした絵を描くよ!その為に奈々ちゃん!色々コツ教えて!」

 

奈々「しょうがないな〜。」

 

結衣「もう、奈々はそうやって紫を甘やかすんだから。」

 

優之「あはは。君達本当に仲が良いんだね。」

 

”ピリリン”

 

パソコンから音が鳴った。

 

優之「お。仕事の続きか。リモートリモート。」

 

パソコンに向かってリモートを再開した。

 

 

 

 

 

 

夕方。モロスターアートから優之が出た。

 

優之「あ〜、今日も仕事が終わった〜。何か、SKY ANGLEが恋しくなった。でも、諸星様の期待を裏切ったらダメだ。ここに来たからには、全力で成長しなきゃだな。」

 

彼の新たな仲間達とモロスターアートの活動は始まったばかり。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      畦間茂成:上村祐翔

       宗像紫:礒部花凜
      日野結衣:堀内まり菜
      坪川奈々:熊田茜音

      嶋村冴子:友永朱音

   


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41話・姪と両親

6月3日。モロスターアート。

 

茂成「よう。お3方。」

 

結衣「茂成さん。」

 

茂成「今日も絵の修行かい?」

 

紫「そうだよ!将来は立派な画家になる為に日夜励んでいるからね!」

 

結衣「日夜って、あなた夜は寝てるんじゃないの?」

 

紫「そんな事ないよ!」

 

奈々「遅くまで絵を描いてたんだよね?」

 

紫「そうだよ!やっぱり奈々ちゃんは分かってるね〜!」

 

結衣「もう、奈々は本当に紫に甘いんだから。」

 

茂成「完全に親子みたいだな。」

 

 

 

 

共同アトリエ。

 

紫「おはようございま〜・・・およ?」

 

茂成・結衣・奈々「ん?」

 

扉を開けた時、4人が下を見た。4人の目に映ったのは・・・

 

 

 

 

双葉「おはようございます。」

 

 

 

 

嶋村双葉だった。

 

紫「女の子?」

 

結衣「この子もモロスターアートの子なの?」

 

双葉に目線を合わせる為、奈々がしゃがむ。

 

奈々「こんにちは。私は坪川奈々だよ。お名前教えてくれるかな?」

 

双葉「嶋村双葉です。」

 

奈々「双葉ちゃんね。双葉ちゃんはモロスターアートに所属してる子なの?」

 

双葉「ううん。叔父ちゃんと一緒に居るの。」

 

奈々「叔父ちゃん?」

 

優之「双葉!」

 

双葉「はーい!」

 

そこに優之が来て、双葉が優之に抱き付く。

 

優之「驚かせてごめんな。」

 

茂成「その子、お前の姪っ子か?」

 

優之「そう。嶋村双葉。姉夫婦の娘。小学生。」

 

紫「へぇ〜、可愛いね!」

 

結衣「でもどうして姪御さんを?」

 

優之「姉夫婦が出張でな。しばらく俺が面倒見る事になって。今日は小学校休みで、最初親父達が面倒を頼もうって言ってたんだけど。」

 

奈々「優之さんのご両親も出張か用事があったんですか?」

 

優之「いや、親父が孫大好き過ぎてね。双葉を預けたら、仕事に支障が出るんじゃないかって姉さんが言ってた。親父凄い落ち込んでた。『孫と遊べないなんて、アイツは鬼じゃ・・・』ってしくしく泣いてた。」

 

奈々「あらら・・・」

 

優之「今日本当はおあにた荘で留守番させるつもりだったんだけど、双葉がどうしてもモロスターアートへ行ってみたいって言ってな。だから連れて来たんだ。」

 

茂成「成る程な。」

 

優之「双葉、ここへ来たのは良いけど邪魔はしないようにな?叔父ちゃんとの約束だ。」

 

双葉「うん!約束する!」

 

優之「紫、結衣、奈々。すまないけど、双葉の面倒を見てやってくれないか?俺、絵の続きを描かなきゃいけないから。」

 

紫「任せて!」

 

優之「双葉、お姉ちゃん達の言う事聞けるか?」

 

双葉「うん!」

 

 

 

 

 

 

しばらくの間、紫達3人は双葉の面倒を見る事にした。

 

双葉「お姉ちゃん達の絵、上手なんだね。」

 

紫「そお?ありがとう。」

 

双葉「お絵描きのお仕事をしてるの?」

 

奈々「まだお仕事じゃないけど、将来は画家になるんだ。だから今は見習いなの。」

 

双葉「あのね、お祖母ちゃんも画家をやっているんだ!」

 

結衣「へぇ〜。双葉ちゃんも画家になりたいの?」

 

双葉「ん〜・・・分からない。」

 

結衣「分からないんだ・・・」

 

双葉「お母さんからね、双葉がやりたい事をやっても良いよって言われてね。」

 

紫「良いお母さんを持ったね〜双葉ちゃん。」

 

双葉「ねぇねぇ、私も絵を描きたい!描いても良い?」

 

奈々「良いよ。」

 

余ってるペンと画用紙を双葉に渡した。

 

 

 

 

茂成「3人共、双葉ちゃんとすっかり仲良しだな。」

 

優之「良い事だ。双葉に新しい友達が増えるのは。」

 

茂成「今は小学生?」

 

優之「ああ。今年入学したばかりだ。」

 

茂成「年上の友達ばかりで大丈夫なのか?」

 

優之「心配するな。小学校の友達も多いって双葉言ってたぞ。」

 

茂成「そっか。」

 

優之「でも、何だろう。双葉があの子達と楽しく遊んでるのを見てると何か寂しくなるな。」

 

茂成「何だそれ?ヤキモチか?」

 

優之「それは認める。そうだ!」

 

キャンバスボードを紫達に向けて、彼女達を被写体にして描く。

 

茂成「何してんだ?」

 

優之「4人が楽しくやってるのを見て、創作が閃いたんだ。」

 

創作イラストを描く。

 

優之「出来た!」

 

茂成「早いな。中学の頃より早くなってね?」

 

優之「努力の賜物さ。コンセプトは、中世ヨーロッパの4人姉妹の戯れ。1つの家庭に生まれた4人の姉妹達が中庭の草木の上で遊ぶ光景を思い付いたんだ。」

 

茂成「4人のドレスから見ると、かなりのお金持ち生まれだな。若草物語みたいだな。あれはアメリカか。ん?」

 

スマホで電話をする優之を見た。

 

茂成「何処に電話するんだ?」

 

優之「親父だ。双葉と遊べなくてショックしてたから、帰りに寄ろうかと思って。あ、もしもし親父?」

 

 

 

 

 

 

夕方。優之が双葉を連れて、両親が住んでいる新橋のマンションへ遊びに行った。

 

宗太郎「会いたかったぞ〜双葉〜!」

 

双葉を見るなり、宗太郎が愛する孫を抱いた。

 

双葉「お祖父ちゃん苦しいよ〜。」

 

宗太郎「だって、久し振りに孫の顔が見れてお祖父ちゃん嬉しいんだよ〜!」

 

双葉「私も、お祖父ちゃんに会えて嬉しいよ。」

 

孫の天使のような笑顔を見て、宗太郎が号泣した。

 

宗太郎「双葉〜〜〜〜!」

 

優之「ああもう親父。泣くんじゃねぇよ。」

 

宗太郎「ありがとう優之!双葉を連れて来てくれて!」

 

優之「あの時親父ショックだったから、可哀想と思って今日来てやったんだ。」

 

双葉「お祖父ちゃんお祖父ちゃん!見て?これ、双葉が描いたんだよ!」

 

モロスターアートで描いた絵を見せる。その絵は、双葉と祖父母と両親、そして叔父の絵だった。

 

宗太郎「お〜!上手に描けてるね〜!上手いぞ双葉!将来は絵描きになれるかもだぞ?」

 

双葉「えへへ〜。」

 

優之「もうベタ褒め過ぎ。」

 

翠「うふふ。主人の元気がやっと戻って良かったわ。ありがとう優之。」

 

優之「母さん、俺は大した事はしてないさ。」

 

翠「今日は夕飯食べて行く?」

 

優之「そうだね。腹が減ったし。双葉もここでご飯食べて行くか?」

 

双葉「うん!お祖母ちゃんのご飯美味しいし!」

 

翠「それじゃ、今日は唐揚げを作りましょう!」

 

優之「マジで!?俺母さんの唐揚げめっちゃ好き!」

 

 

 

 

夕飯の唐揚げを食べる。

 

宗太郎「どうだい優之?モロスターアートの居心地は。」

 

優之「おあにた荘みたいにアットホームな所だよ。講師の人達も丁寧に教えてくれるし。」

 

宗太郎「本当、ワシらはとんでもない息子を持ってしまったな・・・」

 

翠「あの諸星様に気に入られてるんでしょ?少し怖いわ・・・」

 

優之「おい、ナチュラルに俺に対する嫌悪感抱くな。」

 

この日は、両親宅でご飯を食べた優之だった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      畦間茂成:上村祐翔

       宗像紫:礒部花凜
      日野結衣:堀内まり菜
      坪川奈々:熊田茜音

      嶋村双葉:久野美咲

     愛川宗太郎:高木渉
       愛川翠:ゆきのさつき


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42話・神様の聖域

6月8日。ジェット機内。

 

優之「ハァ・・・ハァ・・・」

 

茂成「おい優之。そろそろ行くぞ。」

 

優之「いや、待て・・・まだ心の準備が・・・」

 

茂成「まだやってんのかよ。心の準備してからもうすぐ3分だぞ?」

 

優之「3分?」

 

茂成「ああ。後10秒で3分経つぞ。」

 

優之「10・・・9・・・8・・・7・・・6・・・5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・3分!」

 

茂成「うおぉい!?」

 

3分になったと同時に優之がジェット機から飛び出した。

 

優之「・・・本当に・・・本当に来るなんて思わなかった・・・遂に来た・・・」

 

 

 

 

 

 

「福島県!須賀川市ーーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

両手を天に掲げて叫ぶ優之を見て、茂成達は少し引いてる。

 

茂成「本当にテンション高いな・・・」

 

紫「余程行きたかったんだね。」

 

奈々「あんなにテンションが高い優之さん初めて見た。普段はクールなのに。」

 

佑美「それが優之君の性よ。」

 

一行の中に雨原佑美の姿もあった。

 

茂成「諸星様やニコさんも同行なんて思ってもみなかったですよ。」

 

諸星「君達は面白い事をしてそうだからね。俺の我儘でニコと一緒に来たんだ。」

 

奈々「お久し振りですニコさん。」

 

ニコ「こちらこそ。諸星様がお世話になっております。」

 

 

 

 

 

 

1週間前。

 

優之・茂成・紫・結衣・奈々『野外活動?』

 

諸星『そう。モロスターアートでは野外でアイディアを取り入れる事も必要なんだ。自分達が行きたい場所を赴いてインスピレーションを受け取り、絵や音楽に取り入れる。これが野外活動の目的だよ。既に他のアトリエの班や音楽の班が行く場所を決めている。残るは君達の班だよ。』

 

茂成『行きたい場所でのインスピレーションかぁ・・・皆何処行きたいんだ?』

 

紫『う〜ん・・・やっぱり北海道かな?広大な牧場を生で見てみたいし!』

 

奈々『私は大阪かな?道頓堀行ってみたいかな?』

 

結衣『ちょっと。野外活動に観光する暇なんてあるの?』

 

諸星『観光も野外活動の1つだよ。観光中に自分がコレだと決めた物を取り入れるのも大事だよ。それと、この野外活動はご家族やご友人との同伴も可能だから。』

 

茂成『だったら俺は屋久島行きたいな。』

 

紫『屋久島って鹿児島の?あのもののけ姫で有名な?』

 

茂成『そっ!もののけ姫好きだから1度位行ってみたいんだよな〜。結衣は何処か行きたい場所ある?』

 

結衣『私ですか?ん〜・・・広島かな?厳島神社に行ってみたいんです。』

 

諸星『そうそう。言い忘れていたけど、このくじ引きで、当たった人が行きたい場所へ行く事になってるから。』

 

紫『よぉ〜し!絶対私が当ててやるぞ〜!』

 

全員がくじを引いた。結果は。

 

優之『あ、当たった!』

 

紫『外れた〜!』

 

当たりを引いたのは、優之だった。

 

諸星『じゃあ優之君。行きたい場所はあるかな?』

 

優之『行きたい場所。ん〜・・・あ!そうだ!昔から行ってみたい所があったんです!福島県の須賀川市に!』

 

 

 

 

 

 

そして現在に至る。

 

茂成「優之がまさか、先輩女性と付き合ってるなんて思わなかった。」

 

佑美「私達、結婚を前提に付き合ってるからね。」

 

優之「6月中に結婚する予定になってる。」

 

奈々「おめでとうございます!」

 

佑美「いやいやどうもどうも。」

 

紫「それと凄いよね!諸星財閥が所有している自家用ジェット機で福島に来るなんて!」

 

結衣「流石諸星様ね。もう何でもアリって感じね。」

 

茂成「それで、お前が行きたがっていた須賀川市に何があるんだ?」

 

優之「フッフッフ。では行ってみよう!須賀川市の全貌を!」

 

 

 

 

 

 

須賀川駅前。

 

優之・佑美「おぉ〜!」

 

市内にあるウルトラマンのモニュメントに目を輝かせてる。

 

茂成「ウルトラマンのモニュメント?」

 

佑美「優之君撮るよ〜!」

 

優之「撮って撮って!」

 

ウルトラマンの出現ポーズを取る優之を撮った。

 

優之「次!次行ってみよう!」

 

佑美「レッツゴー!」

 

次の場所へ向かう2人。

 

茂成「ああ、おい!」

 

諸星「優之君と佑美さんが何時もより輝いているね。」

 

 

 

 

 

 

松明通り。

 

優之・佑美「おぉ〜!」

 

ウルトラマンと怪獣のモニュメントが13体並んでいる。

 

紫「ねぇ優之さん、何でこんなにウルトラマンと怪獣のモニュメントがあるの?」

 

優之「よくぞ聞いてくれた。ここ福島県の須賀川市はな、ウルトラマンとゴジラの生みの親で、特撮の神様として語り継がれる円谷英二さんの出身地なんだ。高校卒業までずっと佐賀に住んでたからな。1度行ってみたかったんだよ!んで、佑美さんに話したら。」

 

佑美「同伴可能なら行きたいって言って同伴する事になったんだ!私は過去に何回か行った事あるけど、優之君と一緒なら行きたいって言ったの!」

 

茂成「もしや、優之が佑美さんと結婚する事になったのって。」

 

結衣「特撮好き同士って事ですね。」

 

優之「佑美さん撮って撮って!」

 

佑美「流石優之君、拘ってるね〜!」

 

スペシウム光線(左手首反り)のポーズを撮ってあげた。

 

紫「ねぇ優之さん、円谷英二さんってどんな人なの?」

 

優之「良いだろう。教えてやろう。俺が調べた円谷英二さんの生い立ちと生涯を。」

 

 

 

 

 

 

須賀川市内を歩きながら円谷英二について話す。

 

優之「円谷さんは、1901年7月7日に須賀川市に誕生した。子供の頃から機械いじりが好きで、憧れの飛行機パイロットになる為に日本飛行機学校に入学したんだ。だが、訓練中に起きた教官の事故死により学校は閉鎖された。」

 

紫・結衣・奈々「え?」

 

優之「飛行機パイロットの夢を絶たれた円谷さんは、新たな進路を見付けるべく、当時神田電機学校と呼ばれていた現在の東京電機大学の夜間部に入学したんだ。」

 

佑美「東京電機大学って、確か淳一君が通っている大学だったね。」

 

優之「学費の足しにと、玩具会社で玩具の企画立案や、実際の商品発明に携わる嘱託考案係として働くようになった。そうそう。皆もよく知ってる証明写真機あるだろ?」

 

結衣「ええ。街中でよく見ます。」

 

優之「実はあの証明写真機は、円谷さん発案なんだ。」

 

紫「凄い!」

 

優之「結構特許とか持ってたんだ。そして円谷さんが18歳の時、偶然に映画関係者と知り合った事が縁となり、カメラマン助手として映画人のキャリアをスタートさせたんだ。」

 

茂成「詳し過ぎるな。」

 

優之「円谷さんは須賀川市から上京し、東宝に入社し映画界に入った。その当時の映画は勃興期で、円谷さんは日々映画の撮影の仕事に追われながらも、より完成度の高い作品を目指して、様々な撮影技術、撮影機材の研究と開発、その実践、実現に情熱を傾けた。そして、ある作品を生み出した。1942年に公開したマレー・ハワイ沖海戦。本物と見間違えるような映像技術を生み出した事で大ヒットを記録したんだ。」

 

茂成「ほう。」

 

優之「だが、この映画で円谷さんは公職追放された。」

 

奈々「え?何でですか?大ヒットしたのに追放?」

 

優之「諸星様、GHQをご存知ですか?」

 

諸星「連合国軍最高司令官総司令部。第二次大戦の連合国が結成した組織だね。」

 

ニコ「かのダグラス・マッカーサーが最高司令官に就任したと知られています。」

 

優之「戦後にGHQはこの映画を見て、『戦時中に教材映画、プロパガンダ映画に加担した』と言って、円谷さんが公職追放されたんだ。当時は特撮と言う概念が浸透していなかったからな。そして1952年に公職追放期間が解かれ、円谷さんが映画界に復帰したんだ。そしてこれが、円谷さんがある大スターを生み出す切っ掛けとなった。」

 

佑美「お?遂にあのスターが誕生するんだね?」

 

紫「大スターって誰だろう?」

 

優之「1954年。東宝のプロデューサーの田中友幸さんが、ある企画書を持ち込んだ。それは、『インド洋で大蛸が日本船を襲う』と言う企画書。田中さんはその作品を元に『G作品』を企画したんだ。これが、今でも人気を博している『ゴジラ』だ。」

 

紫「お!あの怪獣が誕生したんだね!」

 

優之「今までの特撮技術は、人形を少しずつ動かして映像にするコマ撮りが当たり前だった。だが完成するのに3年程費やす事もある。そこで円谷さんは、世界で初めて着ぐるみ作法を思い付いたんだ。それを使えば、制作期間が大幅に短縮出来るんだ。」

 

佑美「世界初めての着ぐるみ撮影だね。」

 

優之「ゴジラの由来は、ゴリラとクジラの合成語。円谷さんはこのゴジラで世界初の特技監督として参加した。そして、ゴジラは空前の大ヒットとなったんだ。封切り初日は都内だけで、14〜15万人の動員があったと言う。しかも観客動員数は、驚異の961万人を記録したんだ。その当時の日本の人口が約8800万人と言われており、国民の10人に1人がゴジラを観た事になるんだ。」

 

佑美「そして、ゴジラが国会議事堂を破壊するシーンでは歓声があがった。」

 

優之「その通り。」

 

紫「え?何で?国会議事堂を破壊されたら驚くんじゃないの?」

 

優之「当時の吉田内閣に不満を持つ人が多くてな。国会議事堂破壊シーンは最早パーティーだった。そしてゴジラの大ヒットを皮切りに、多くのゴジラシリーズが制作された。この瞬間、東宝に新しい組、円谷組が誕生したんだ。勿論アメリカでも大ヒットし、あのジョージ・ルーカスやティム・バートン、そしてスティーブン・スピルバーグ等、名だたる巨匠達がファンになったんだ。」

 

奈々「凄いですね。ハリウッドの巨匠さん達がファンになったなんて。」

 

紫「流石円谷英二さん!特撮の神様と称されるのも納得だよ!」

 

佑美「でも、円谷さんの活躍はこれからだよ?」

 

紫・奈々「ん?」

 

佑美「だよね?」

 

優之「うん。円谷さんは、ある夢を実現する為に独立したんだ。」

 

紫「夢?」

 

優之「円谷さんは、テレビで怪獣映画を作ろうと言ったんだ。1963年に独立し、円谷プロダクションを設立。日本中のお茶の間で、子供達が怪獣映画を毎週観る事が出来るような作品を作ったんだ。それが、1966年にスタートしたウルトラQだ。」

 

佑美「人間が怪獣や未知の驚異に立ち向かう特撮テレビドラマ!ここから伝説がスタートしたんだよ!」

 

優之「ウルトラQは平均視聴率が32.4%と言う大ヒットを記録した。そして同年7月17日に、ウルトラマンがスタートした。」

 

佑美「それ行け!我らのヒーロー!」

 

茂成「それが切っ掛けでウルトラマンが始まったのか。」

 

優之「その通り!最高視聴率42.8%の大ヒット!」

 

紫「ほぼ43%だね。」

 

優之「ウルトラマン、ウルトラセブン。多くのウルトラマンシリーズを生み出し続けた。しかし、1970年。円谷さんは療養の為、静岡県伊東市にある別荘で過ごしていた。そして、同年1月25日。狭心症で逝去。享年68歳・・・」

 

茂成「・・・・」

 

優之「その日、円谷さんは日記にこう書き残したんだ。」

 

 

 

 

『意味のない1日だった。完全静養の退屈さを味わう。今日もヒコーキ野郎の企画書脱稿に至らず。わが無能を嘆くのみ。明日は東京に帰るので今更止むを得ず、東京に於て完成せん。』

 

 

 

 

優之「生涯現役で映画の企画を練っていたんだ。円谷さん亡き後も多くのウルトラマンシリーズや円谷作品が作られたんだ。そして、その円谷さんの魅力を知る施設がここだ!」

 

円谷英二ミュージアムに到着した。

 

結衣「円谷英二ミュージアム?」

 

優之「円谷さんの生涯やアトリエがあるって言われている。ここも行きたかったんだ〜!」

 

 

 

 

 

 

円谷英二ミュージアム。

 

紫「凄い!優之さんが言ってた円谷さんの生涯がピッタリ合ってる!」

 

結衣「根っこからのファンだから言える神様の生い立ちね。」

 

奈々「うん。」

 

諸星「やっぱり優之君は侮れないな。」

 

ニコ「あら?優之様は?」

 

優之「おぉ!これが!」

 

初代ゴジラのスーツを眺めてる。

 

佑美「初代ゴジラの復刻スーツ!これがないと円谷さんは語れないね!」

 

優之「ニコさん!撮って下さい!」

 

佑美「こっちもお願いします!」

 

ニコ「はい。行きますよ?」

 

ゴジラに向かってウルトラマンのファイティングポーズを構える優之と、ウルトラマンジャックのファイティングポーズを構える佑美を撮った。

 

茂成「円谷さんは本当に凄いお人だなぁ。」

 

諸星「あのお方は偉大なお人だね。」

 

優之「もし円谷英二さんが生まれてなかったら、俺の人生は無かったかも知れない。」

 

佑美「それめっちゃ分かる!」

 

 

 

 

 

 

昼食の時間。そば処はなたに。

 

紫「ん〜、美味しい〜!」

 

結衣「本当!カツ丼も美味しいわ!」

 

奈々「鴨ねぎそばも絶品ね!」

 

優之「・・・・」

 

スマホで撮った写真を見る。

 

優之「これだけ撮れば、インスピレーションが湧き上がるな。」

 

茂成「殆どウルトラマンばかりだな。」

 

優之「最後に撮った佑美さんとゴジラとの3ショット。頭の中で完成しちゃった。」

 

佑美「本当に凄いわね優之君。諸星様のお墨付きを得た事が納得だよ。でもさ、たまに会社に顔を出して来てよね?」

 

優之「大事な会議とかに出社するけどね。そうそう、トミー達は元気してる?」

 

佑美「勿論よ。トミー君とフィオちゃん、それに美咲ちゃんは優之君が居ないって寂しがってるけど。電話だけでも良いから会ってあげてね?」

 

優之「そのつもり。」

 

佑美「そうそう。トミー君と結子ちゃん、進展あったみたいよ?」

 

優之「マジで?」

 

佑美「最近デートを始めたらしいのよ。」

 

優之「あらあらまあまあ〜♪」

 

紫「ん?優之さんの会社の人がデートなの?」

 

優之「同期と後輩が付き合っててな。」

 

諸星「皆。お昼を食べ終えたら、モロスターアートに戻るよ。」

 

優之「あ〜あ、須賀川特撮アーカイブセンターも行きたかったな〜。」

 

茂成「流石に無理があるだろ。こっから徒歩2時間だぞ?」

 

優之「ま、機会があったら行くとするか。」

 

昼食後。ジェット機に乗って東京に戻る。

 

 

 

 

 

 

モロスターアートに戻った。優之が早速創作イラストを描く。

 

優之「〜〜〜♪」

 

茂成「ペンがスラスラ走ってる・・・」

 

紫「何の迷いも無く・・・」

 

結衣「スマホで撮った写真を見ながら描いてるわね。」

 

奈々「どんな仕上がりになるのかな?」

 

優之「出来た!」

 

茂成・紫・結衣・奈々「早!」

 

完成した絵を見る。夕方の街中で優之と佑美がゴジラと戦う絵。

 

優之「テーマは、落日の対峙。沈んでいく太陽をバックに俺と佑美さんがゴジラと戦うシーンを描いたんだ。」

 

紫「凄く格好良いね!」

 

結衣「何だろう?物凄くしっくり来るようなこの感覚は・・・」

 

奈々「優之さんって本当凄いインスピレーションが閃くんですね。」

 

優之「あんまり褒めないでくれ。何か恥ずかしい。」

 

茂成「お前、中学の時は褒められて調子に乗ってた癖に。」

 

優之「言うなよ。」

 

紫「また野外活動があったら北海道行きたいな!」

 

奈々「大阪も行きたいな〜。結衣ちゃんは?」

 

結衣「私?う〜ん・・・広島かな?原爆ドームや宮島とか行ってみたいかな?」

 

茂成「俺はやっぱり屋久島!」

 

優之「俺も、他の所へ行ってみたいな〜。」

 

野外活動は、優之のテンションMAXと共に幕を閉じた。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      畦間茂成:上村祐翔

       宗像紫:礒部花凜
      日野結衣:堀内まり菜
      坪川奈々:熊田茜音

      雨原佑美:伊藤美来

      諸星志揮:???
        ニコ:???


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43話・絡む転売

6月10日。秋葉原・おたちゅう秋葉原店。

 

優之「さて、今日も何か収穫品を探さないとな。」

 

???「巫山戯ないでよ!何で売ってないのよ!!」

 

優之「ん?」

 

レジの店員に怒鳴り散らしてる女を目撃した。

 

店員「ですから、もう他のお客様が買われておりまして・・・」

 

女「私が狙ってたのに何で保管してないんだよ!!この店頭可笑しいじゃないの!!」

 

優之(何だアイツ?店員さんが商品を保管してくれる訳ねぇだろ。バカか。)

 

女「使えないわね・・・」

 

怒りを募らせながらレジを後にした。

 

女「くそッ、高く売れると思ったのに・・・」

 

そう呟きながら去って行った。

 

優之(高く売れる・・・アイツ転売ヤーか。今時転売しても無駄だっつーの。)

 

 

 

 

モンスターアーツを見る。

 

優之「もうモンアツも殆ど買ってるし。この前のデストロイアなんて結構高額だったけど。そう言や初代ゴジラのアーツが今年の9月に再販されるな。あれ持ってなかったな。9月まで待つか。」

 

 

 

 

ウルトラアーツを見る。

 

優之「もう全部揃ってるしなぁ。これだけ並ぶとまた買いたくなっちゃうこの感覚は何なんだ?ん?」

 

S.H.Figuartsウルトラマンジードプリミティブを退かす。すると。

 

優之「おぉ!コレは!?」

 

ある激レア商品を見付けた。

 

優之「上海限定のS.H.Figuarts ウルトラマンジード プリミティブ ULTRA HEROES TAMASHII Limitedじゃねぇか!そうだこれ持ってなかったんだよ!まさかここで出会えるなんてウルトラ感激でございますな〜!価格は結構するな。新たな収穫品手に入れた!」

 

 

 

 

レジに持って行き、上海限定のジードを買う。

 

優之「大丈夫ですか?先程の女に怒鳴られて。」

 

店員「あ、大丈夫です。あの人毎日のように来るのでもう慣れてますし。」

 

優之「気を付けて下さい。あの人転売ヤーですよ。」

 

店員「え?」

 

優之「レジから去る時、高く売れるって呟いてましたし。」

 

店員「そうですか・・・」

 

優之「まぁ気にしないで下さい。」

 

 

 

 

 

 

おたちゅう秋葉原店を出た。

 

優之「新たな収穫品ゲット!もうすぐで12時か。何処か昼飯食うか。えっと、何処で飯食おうかな〜?」

 

スマホで周辺の飲食店を調べていると。

 

???「ねぇあなた。」

 

優之「ん?」

 

先程の転売女が優之に絡んで来た。優之はスマホをジャケットの胸ポケットに仕舞った。

 

転売女「ねぇ、さっき買ったそれ譲ってくれないかな?」

 

優之「あ?」

 

転売女「ねぇ頼むよォ。それ譲ってくれたら大助かりなのよォ。」

 

優之「もしやあなたもウルトラマンがお好きで?」

 

転売女「私がそんな女に見えるの?転売よ転売。それ転売すれば高値で売れて大儲け!もう私には1000万の利益があるのよ。」

 

優之「へぇ〜。」

 

転売女「だから譲ってくれたら見逃してあげるから。ね?」

 

優之「嫌だと言ったら?」

 

転売女「はぁ?断るの?あなたに断る権利はないのよ?さぁ早く渡しなさいよ。渡さないと、分かるわよね?」

 

こっそりとナイフを出し、刃先を優之の喉に向ける。

 

優之「(コイツの目、イカれてる。過激派転売ヤーか。こっそり凶器を持って、特定の品を買った購入者を脅して商品を奪って転売する新たなやり口か。)良い年した大人が転売なんて恥ずかしい事辞めて、真っ当に働く事だね。じゃあ、俺はこれで。」

 

その場を去ろうとした時。

 

転売女「うわあああーーーーん!!!」

 

優之「ん?」

 

突然転売女が号泣した。その女の頬には切り傷が。周囲の人達がこちらに注目する。

 

転売女「酷い!!私に振られたからって叩く事なんてないのに!!!!」

 

優之「・・・・・・」

 

周りの人達の冷たい目線が優之に集中した。

 

転売女「あ!お巡りさん!あの人が私の頬をナイフで切ったんです!!」

 

たまたまそこに居た2人の女性警官が優之を取り調べる。

 

警官A「すみませんが、彼女の頬をナイフで切ったのは本当ですか?」

 

転売女(フフフフフww冤罪で地獄送りにしてあげるわww私の要求に応えなかった罰よw!)

 

大ピンチになった優之。だが。

 

優之「その前にお巡りさん。これを見てくれますか?」

 

警官A「ん?」

 

ジャケットの胸ポケットからスマホを出した。

 

優之「実は先程の一部始終を録画してあるんで。」

 

転売女「・・・へ?」

 

優之「この動画を見て、判断して頂けますか?」

 

警官B「は、はい。」

 

スマホで撮った動画を見せた。

 

 

 

 

転売女『ねぇ、さっき買ったそれ譲ってくれないかな?』

 

優之『あ?』

 

転売女『ねぇ頼むよォ。それ譲ってくれたら大助かりなのよォ。』

 

優之『もしやあなたもウルトラマンがお好きで?』

 

転売女『私がそんな女に見えるの?転売よ転売。それ転売すれば高値で売れて大儲け!もう私には1000万の利益があるのよ。』

 

優之『へぇ〜。』

 

転売女『だから譲ってくれたら見逃してあげるから。ね?』

 

優之『嫌だと言ったら?』

 

転売女『はぁ?断るの?あなたに断る権利はないのよ?さぁ早く渡しなさいよ。渡さないと、分かるわよね?』

 

こっそりとナイフを出し、刃先を優之の喉に向ける所までクッキリ撮られてる。

 

 

 

 

転売女(嘘・・・!?全部撮られてたの・・・!?相手に夢中でスマホに気付けなかった・・・!!どうしようどうしよう・・・!!)

 

優之「これを見て俺が彼女に危害を加えた事になりませんよね?」

 

警官A「これは・・・すみませんでした。」

 

警官B「申し訳ありません。」

 

優之「分かれば良いんですよ。」

 

転売女「ちょっとあなた!!盗撮なんて立派な犯罪よ!!お巡りさん!騙されないで下さい!!この人はきっと盗撮犯ですよ!!」

 

警官A「その前にあなた。この動画を見る限り、脅迫とナイフを持っているじゃないですか。まだ隠し持っていますよね?お荷物確認させてくれますか?」

 

転売女「何でそんな事しなきゃいけないのよ!!盗撮の方が悪いでしょ!!」

 

警官B「あなたの荷物を確認してから判断しますので。」

 

転売女「触らないでよ!!!」

 

警官A「うっ!?」

 

ナイフで女性警官の腕を裂いてしまった。

 

警官B「大丈夫?」

 

警官A「大丈夫。制服が切れただけ。」

 

転売女「あ、あなたが悪いのよ!!あなたが手を伸ばすから!!」

 

警官A「・・・分かりました。では今のを公務執行妨害の現行犯で逮捕します。」

 

手錠を転売女に掛けた。

 

転売女「何でよ!!私は悪くない!!悪いのはあの男なのよ!!!!」

 

警官B「はいはい暴れないで。」

 

警官A「あなたも交番に来てくれますか?」

 

優之「勿論です。先程の動画を証拠品として出しますので。」

 

 

 

 

 

 

近くの交番へ行き、転売女は優之が撮った証拠動画を見せても否認した。更に、女の腕に痣があり、調べると彼女が薬物中毒者だと判明した。

 

 

 

 

 

 

解放された優之は。

 

優之「まさかあの女の人、転売ヤーと麻薬中毒者の両立だったなんて思いもしませんでした。」

 

警官A「はい。しかも確定申告もされていないようなので、懲役は免れないでしょう。」

 

優之「目がイキってた理由がそれだったって訳か。何はともあれ、事件は解決。お巡りさん。毎日の勤務、ご苦労様です。」

 

警官B「いえ。私達はそれがお仕事ですので。お気を付けて。」

 

優之「ありがとうございます。それじゃ。」

 

交番を後にした。

 

 

 

 

 

 

ごっつ秋葉原店。

 

優之「まさか転売ヤーに絡まれるなんて初めてだったな。しかも中毒者だったとは思いもしなかった。まぁ、あんな事なんて忘れて飯食いまくろう!」

 

注文した料理を食べる。

 

優之「ん〜!夢塩と水餃子が美味え〜!米との相性もバッチリ!」

 

 

 

 

 

 

おあにた荘に帰宅。

 

淳一「過激派転売ヤーかぁ。また新たな種が現れたもんだ。」

 

有香奈「凶器を持ってる上に薬物中毒なんて。」

 

優之「ああ言う輩は本当厄介なもんだ。下手して刺激したら殺人を起こし兼ねないからな。」

 

淳一「にしてもお前、動画を撮ってたなんて凄い判断だな。」

 

優之「おたちゅうで転売女の顔を記憶してたからな。絡まれた時、咄嗟に録画モードで撮ってたから。」

 

有香奈「その動画、ニュースになるんじゃないかな?」

 

 

 

 

その夜。優之が撮った動画がニュースで流れ、転売女は麻薬使用と脅迫罪と転売による罪で懲役刑が科せられた。

 

優之「本当に流れた。」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
     竹下有香奈:大西沙織

      女性警官:鈴木亜里沙
           鈴木絵里

       転売女:くるすみや


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44話・コスプレの切っ掛け

6月15日。おあにた荘。

 

有香奈「うわああああーーーーーー!!!」

 

突然、有香奈の断末魔が響いた。

 

優之「有香奈さん!?」

 

淳一「どしたの急に!?」

 

有香奈「そんな・・・楽しみにしてたのに・・・」

 

佑美「な、何があったの?」

 

雨原佑美。最近優之とゴールインし結婚。今はおあにた荘で暮らしてる。

 

有香奈「公演が・・・中止・・・」

 

彩乃「公演?」

 

石田彩乃。クレイド・ジャパン会長の娘。父の後押しで康介と付き合いゴールインし結婚。おあにた荘で暮らしてる。

 

有香奈「楽しみにしていた宝塚の公演が、団員さんの体調不良で中止になっちゃったのよ・・・」

 

真奈美「あらあら。」

 

有香奈「公演日が来るまで頑張ったのに、全てが水の泡・・・」

 

佑美「有香奈ちゃんって宝塚ファンなの?」

 

悠里「はい。東京公演は毎回欠かさず鑑賞する程のファンで。」

 

淳一「本当だ。サイトに月組の公演中止の知らせが掲載されてる。」

 

有香奈「月組は私とお母さんのファンなの・・・あの天海祐希さんが入ってた劇団・・・」

 

優之「それで、公演再開の知らせはまだないの?」

 

有香奈「ない・・・払い戻しはあるけど・・・」

 

樹々「想像以上に落ち込んでる・・・」

 

舞「あんなに落ち込む有香奈お姉ちゃん初めて見た・・・」

 

真奈美「元気出して有香奈ちゃん。新しい公演日が決まったら行けば良いんだし。」

 

有香奈「真奈美さん・・・」

 

真奈美「そうだわ!今日の鑑賞会は宝塚にしましょう!有香奈ちゃん、オススメの公演はない?」

 

有香奈「っ!!それだったらエリザベートはどうかな?でもルパン三世もるろうに剣心も捨て難いな〜!」

 

優之「有香奈さん、元気になって良かったね。」

 

淳一「あのまま落ち込み過ぎたら大変だからな。」

 

 

 

 

 

 

宝塚歌劇団のエリザベートのBlu-rayを鑑賞。

 

佑美「ねぇ有香奈ちゃん。コスプレとして有名な有香奈ちゃんだけど、宝塚が好きな理由は何?」

 

有香奈「実は私のお祖母ちゃんが宝塚の劇団員だったんです。」

 

佑美「え!初耳!」

 

有香奈「お母さんから聞かされてね。お祖母ちゃんは宝塚の月組の劇団員で活躍してたって。それからファンになったんです。」

 

彩乃「もしや、お母様も劇団員なんですか?」

 

有香奈「お母さんも元々宝塚に入りたかったんですけど、不合格になっちゃって。それで私がお母さんの代わりに宝塚に入るって言ったんですけど・・・私も不合格になって。」

 

彩乃「それは残念ですね・・・」

 

有香奈「お母さんに謝ったら、あなたは良く頑張ったって褒めてくれて。でも宝塚の夢を諦めた私に目標が無かった時、本屋でたまたまコスプレイヤーの写真集を見付けて、そこからコスプレにハマったんです。」

 

佑美「もしかして、有香奈ちゃんがコスプレイヤーになった切っ掛けって。」

 

有香奈「そうなんです。何時か東京に出てコスプレイヤーになりたいと決心したんです。でもその為には東京の大学に合格して上京する事が最初の目標。東大に合格し上京し、今に至ります。」

 

佑美「そうなんだ〜。もし宝塚に合格してたら、有香奈ちゃんはここに居なかったと。」

 

有香奈「そうなりますね。あ!皆観て!ここからが名シーンだよ!」

 

佑美「優之君。有香奈ちゃんも苦労してたんだね。」

 

優之「最初聞かされた時も、佑美さんと同じ反応だったよ。今でも想像するんだ。宝塚の舞台に立つ有香奈さんを。」

 

佑美「確かに。今ならもうトップ娘役に出世しそうだもんね。」

 

月組のトップ娘役として舞台に立つ有香奈を想像する。

 

優之「でも俺的には、今の有香奈さんの方が好きだな。」

 

佑美「うんうん。私もコスプレしてる有香奈ちゃんが好きだよ。」

 

彩乃「あの、有香奈さん。コスプレしてるって事は、宝塚の衣装を模した物もあるんですか?」

 

有香奈「いえ、私のコスプレはアニメだけですけど。自作が多いですよ。」

 

彩乃「でしたら今度、宝塚の衣装を作って着て下さい!きっと似合うと思います!」

 

有香奈「え、いや私は・・・」

 

彩乃「絶対似合いますよ!私が保証します!」

 

淳一「彩乃さんが保証して大丈夫なの・・・?」

 

有香奈「・・・分かりました。今度作ってみますね。」

 

彩乃「楽しみにしてます。」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美
      愛川佑美:伊藤美来
      松浦彩乃:佐藤聡美

     東山真奈美:後藤邑子


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45話・憩いのBAR

6月23日。夜19時。秋葉原。

 

佑美「さぁ着いたよ!ここが私のお気に入りの場所!」

 

優之「・・・・」

 

今日優之と佑美夫妻は、秋葉原にある空想科学特撮M87に訪れていた。

 

優之「ここが、佑美さんが通っていた特撮BAR?」

 

佑美「そっ!SKY ANGLE入社して1ヶ月後に偶然見付けてね。それから1週間に2〜3回位通い続けてたの。そこで今日は、優之君を連れてやって来ましたって訳。」

 

優之「俺BARは初めてだな。しかも特撮BARとか。」

 

佑美「それじゃ、早速入ろー!」

 

 

 

 

空想科学特撮M87。

 

佑美「こんばんは〜!」

 

???「おお佑美ちゃん!」

 

???「佑美いらっしゃい!」

 

1人のマスターと、3人の女性従業員が出迎えてくれた。

 

佑美「やっほーマスター。マリン、ソラ、ケイナも。」

 

優之「・・・・・」

 

店内には、歴代仮面ライダーの変身ベルトやスーパー戦隊のロボット、そしてウルトラマンの変身アイテムがズラリと並んである。

 

優之(これが特撮BAR。想像してたより凄いな。あ、凄い。フィギュアーツも結構あるな。)

 

マスター「お?佑美ちゃん、彼が旦那さん?」

 

佑美「そう!私の夫の優之君でーす!ホラホラ、挨拶して?」

 

優之「あ、えっと・・・愛川優之です。佑美さんの旦那をやっております。」

 

マスター「ようこそ空想科学特撮M87へ。俺はこのバーのマスターだ。こちらの3人はマリン、ソラ、ケイナ。ウチの店の隊員だ。」

 

マリン「宜しくね。」

 

ソラ「私はソラ!」

 

ケイナ「ケイナです。初めまして。」

 

マスター「皆ここで働きながら大学を通っているんだ。」

 

優之「皆大学生?」

 

マリン「そうなの。私達皆去年上京して来たの。」

 

優之「ほ〜。」

 

マリン「優之さんは特撮は何が好き?私仮面ライダーなの。」

 

ソラ「私もライダーが大好き!」

 

ケイナ「戦隊が好きですね。優之さんは?」

 

優之「俺はウルトラマンだな。小さい頃からずっと見てるし。」

 

マリン「凄い!ウルトラマンが好きな人殆ど居なかったけど。」

 

優之「え、マジで?マスターこれマジ?」

 

マスター「そうなんだ。訪れるお客様も殆どがライダーファンでね。」

 

優之「マジかよ・・・」

 

佑美「で、でも気にしないで?マスターは私と同じで3大特撮を制覇してるし、きっと話が弾むと思うよ?」

 

優之「・・・そう言ってくれるとありがたいな。」

 

”チリン”

 

数人のお客が訪れた。

 

マスター「お、お客さんだ。さぁ皆、今日も持て成すぞ!」

 

 

 

 

しばらくして、客席は埋まり、店内は賑わう。

 

優之「凄いな。もうこんなにお客さんが。」

 

佑美「うん。私も最初来た時驚いたの。こんなにも特撮ファンの方々が訪れてるんだもの。中には特撮初心者の人も居るけど。でもそのお陰で他のお客さんとも意気投合したの。」

 

男性客「佑美ちゃん!」

 

佑美「あら久し振り!」

 

知り合いのサラリーマンと出会った。

 

優之「あはは。」

 

マリン「佑美は凄いよね。」

 

優之「ん?」

 

マリン「初めて来た時、1回の会話ですっかり店に馴染んだの。特撮好き同士だと会話が弾むかな?」

 

優之「多分ね。俺もウルトラマンファンの人と会ったらすぐトークが出来るから。」

 

マリン「優之さんってインスタやってるって佑美から噂を聞いたんだけど、どんなの投稿してるの?」

 

優之「あ、見る?」

 

スマホを取り出し、自身のインスタをマリンに見せる。

 

優之「俺は佑美さんと同じSKY ANGLEに勤めていて。中学の時からインスタやってて、主にイラストとウルトラアーツとモンアツのジオラマを投稿してるんだ。」

 

マリン「わぁー!凄い!絵が上手なんだね!」

 

優之「まぁ母さんの譲り受けだけどね。」

 

マリン「フォロワーも凄いね。あ、私もインスタやってるんだ。」

 

優之「マジで?」

 

彼女も自身のインスタを開いて、優之に見せた。

 

優之「おぉ。どれも良いじゃん。」

 

佑美「おやおや?2人で仲睦まじそうで何よりですな〜。」

 

優之「佑美さん、コレ不倫展開じゃないから睨まないでよ?」

 

佑美「分かってるよ。それで優之君どお?初めての特撮BARは。」

 

優之「初めてだけど、めっちゃ楽しいなここ!」

 

佑美「良かった。優之君に新しい憩いの場所が見付かったみたいで。ねぇ、次からは2週間に1回ここで飲まない?」

 

優之「あ、イイねそれ!ウルトラマンの事で会話が更に弾みそうだし!」

 

 

 

 

 

 

翌日の6月24日。

 

優之「あぁーーーー・・・・・」

 

真奈美「・・・佑美ちゃん、優之君どうしちゃったの?」

 

佑美「BARの皆と会話が弾み過ぎて、カクテル飲み過ぎちゃったみたいなの。」

 

真奈美「あらあら。それ程楽しかったみたいね。」

 

優之「あぁーーーー・・・・・飲み過ぎた・・・・」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      愛川佑美:伊藤美来

       マリン:沖佳苗
        ソラ:潘めぐみ
       ケイナ:茜屋日海夏

      マスター:諏訪部順一

     東山真奈美:後藤邑子


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46話・新たな恋

6月29日。東京タワー。

 

優之「千葉の居心地はどうだ?伊織。」

 

伊織「うん。凄く良い所だね。私の好きなきんいろモザイクの舞台となった場所だから運命感じるよ。」

 

優之「そうか。そう言えばお前、東京本社へ異動するって志歩から聞いたんだが。」

 

伊織「そうだよ!私ずっと真面目に勤務してたから、一目置かれる存在になったのよ?支店長さんからね、『君の能力を是非東京で活かすべきだ』と誉めてくれてたんだ。」

 

優之「流石だな。」

 

伊織「にしても、本当に見晴らし良いね!流石東京タワー!」

 

優之「スカイツリーじゃなく東京タワーに登りたかったんだな。」

 

伊織「東京って言ったら東京タワーじゃん?今度はスカイツリーに行く予定だから。おぉー!スカイツリー見える〜!」

 

優之「東京に初めて来た田舎の人みたいなテンション。」

 

伊織「え?私達佐賀出身だから、このテンションが普通なんじゃない?」

 

優之「それな。」

 

 

 

 

東京タワーを降りた。

 

伊織「いやぁ〜景色堪能出来たし、そろそろ昼ごはん食べない?」

 

優之「あ、良い店あるぞ。彼処の蕎麦屋美味いぞ?」

 

伊織「え?本当?食べたい!ん?」

 

優之「どうした?」

 

伊織「あの子、何か落ち込んでるみたいだよ?」

 

優之「ん?」

 

フードコート前のベンチで落ち込んでる様子の女の子を見付けた。

 

伊織「迷子かな?」

 

優之「あれ?あの子。」

 

女の子に見覚えがあり、優之が女の子に寄る。

 

伊織「え?ちょっと優之?いきなり近付くと不審者になっちゃうよ!?」

 

優之「梨奈ちゃーん!」

 

梨奈「あ!優之お兄ちゃん!」

 

伊織「あ、本当だ!梨奈ちゃん!」

 

梨奈「伊織お姉ちゃん!」

 

伊織は梨奈と知り合い。優之と佑美の結婚式に1度会ってる。

 

優之「梨奈ちゃん、1人で何してたの?パパと一緒じゃないの?」

 

梨奈「あのね、パパトイレが長くてここで待ってて疲れてるだけなの。」

 

優之「ありゃそうなの。」

 

雅春「梨奈ーーー!!」

 

梨奈「あ!パパ!」

 

トイレから雅春が戻って来た。

 

雅春「いやぁーごめんごめん。ん?優之!」

 

優之「やぁ雅春先輩。生で会うのお久し振りだね〜。」

 

雅春「ああ。何時もリモートで会ってるしな。」

 

優之「先輩も休暇?」

 

雅春「ああ。今日梨奈の学校特別行事で休みなんだ。」

 

伊織「雅春さん、お久し振りです。」

 

雅春「伊織さん!優之と佑美の結婚式以来ですね。」

 

”グゥ〜〜〜”

 

伊織「あ、お腹空いちゃった・・・」

 

優之「そうだな。彼処の蕎麦食おうぜ。」

 

梨奈「パパ。お兄ちゃん達とご飯食べたい。」

 

雅春「一緒に食べようか。優之、一緒に良いか?」

 

優之「ああ。」

 

梨奈「伊織お姉ちゃん、早く行こう?」

 

伊織「え?ちょっと梨奈ちゃん引っ張らないで〜。」

 

 

 

 

 

 

昼食後。近くの公園のベンチに座る。梨奈が野良猫と遊んでる。

 

伊織「梨奈ちゃん可愛いですね。雅春さんは奥さん居るんですか?」

 

雅春「え?それは・・・」

 

優之「結婚式の時に言ってなかったな。雅春先輩、奥さんの不倫で離婚したんだ。」

 

伊織「え?」

 

優之「去年だったな。奥さんの麗花さん、梨奈ちゃんの幼稚園の保護者の男性と不倫していてな。専業主婦なのにも関わらず、梨奈ちゃんに目もくれず不倫相手ばかり夢中になっててな。」

 

伊織「それで離婚を?」

 

雅春「そうなんだ・・・でも梨奈は俺と一緒に暮らしたいって言ってくれて。離婚後は俺と義家族で梨奈を育てているんだ。」

 

伊織「そうだったんですね・・・」

 

雅春「でも、お義父さん達は梨奈を愛してるから。俺が仕事の時はお義父さんとお義母さんが面倒見てくれてるから梨奈を安心させてるし。」

 

優之「その証拠に、梨奈ちゃんは元気に遊んでるし。」

 

伊織「雅春さん、大変な日々を送ってたんですね。」

 

すると梨奈が、伊織のスカートの裾を引っ張った。

 

伊織「ん?」

 

梨奈「伊織お姉ちゃん、遊ぼ?」

 

伊織「うん、良いよ!」

 

ベンチから立ち、梨奈と一緒に遊ぶ。

 

優之「伊織、梨奈ちゃんにすっかり懐かれてるな。」

 

雅春「だね。・・・」

 

優之「ん?先輩どうした?」

 

雅春「俺、再婚しようか迷ってて・・・」

 

 

 

 

 

 

遊んだ後。

 

伊織「いやぁ〜遊んだ遊んだ〜。」

 

優之「めっちゃ汗出てるやん。」

 

伊織「そりゃあ初夏だしね。」

 

雅春「ん?梨奈、帰るからこっちに来なさい。」

 

梨奈「やだ。伊織お姉ちゃんとまだ遊びたい。」

 

伊織「え?」

 

雅春「我儘言っちゃいけません。」

 

伊織「梨奈ちゃん?お姉ちゃんそろそろ帰らなきゃいけないから、また今度遊ぼうね?」

 

梨奈「・・・伊織お姉ちゃんがママなら毎日遊べるのに。」

 

雅春・伊織「へ・・・?」

 

梨奈「伊織お姉ちゃんはね、昔のママみたいにいっぱい遊んでくれるの。パパ、伊織お姉ちゃんがママになっちゃ嫌?」

 

雅春「梨奈・・・」

 

優之「梨奈ちゃん。もしかして、ママが居なくなった事に少し落ち込んでるの?」

 

梨奈「うん。ママが1番悪いけど、やっぱりママが居なくなると寂しいの。」

 

雅春・伊織「・・・・・」

 

優之「お2人さんはどうしたい?このまま結んで新しい家族になるか、それとも別の人と出会って家族になるかは、2人の自由だ。」

 

伊織「・・・雅春さん。」

 

雅春「はい?」

 

伊織「私、昔から素敵な男性と出会って結婚して幸せな家庭を持つのが夢だったんです。でも、梨奈ちゃんが私にママになってくれって言われたら・・・」

 

雅春「・・・・・」

 

伊織「だから、その・・・あなたの妻になりたいんです!」

 

頭を下げて右手を伸ばす。

 

雅春「・・・伊織さん。」

 

伊織「は、はい!!」

 

雅春「正直俺は、離婚した後も麗花の裏切りがたまに頭に入って来るんだ。もしかしたら、再婚しても麗花みたいに不倫してしまうかも知れないって思ってて。」

 

伊織「そんな事しません!!私は雅春さんの力になりたいから、こうして右手を伸ばしてるんです!!もし私が裏切ってしまったら、即刻捨てても構いません!ですから・・・お願いします!」

 

雅春「・・・伊織さん。」

 

伊織「はい!」

 

彼女の右手を雅春が握った。

 

雅春「そんなに僕を思ってくれてるなんて嬉しいよ。ありがとう。俺は君と再婚するよ。」

 

伊織「・・・やったー!!」

 

こうして伊織は、雅春への告白に成功した。

 

 

 

 

 

 

6月30日。伊織は雅春の義家族へ挨拶へ行った。

 

伊織「あの、皆さん・・・この度、雅春さんと結婚する事になりまして・・・その・・・」

 

繁「そうか・・・伊織さん。」

 

伊織「は、はい!?」

 

繁「雅春君は素晴らしい男だ。彼を死んでも愛し続ける覚悟はあるかい?」

 

伊織「はい!あります!何があっても、私は雅春さんを愛し続けます!」

 

繁「そうか。君のような女性が雅春君の新しいパートナーになる事は、とても頼もしいな。伊織さん、雅春君を宜しくお願いします。」

 

伊織「は、はい!お任せ下さい!」

 

美子「伊織ちゃ〜ん!」

 

伊織「ちょ!?美子ちゃん!?いきなり抱き付かないで下さい!!」

 

美子「だってだってぇ〜!私ず〜っと妹が欲しかったのよ〜!伊織ちゃんが妹になってくれて良かったよ〜!」

 

晋太郎「また僕に妹が出来たみたいだね。」

 

晴子「あらあら。今日はお祝いしなきゃね。」

 

 

 

 

 

 

7月1日。伊織は、雅春の再婚相手として正式に結婚した。そして、千葉支店から東京本社へ異動。栗田家で順風満帆な生活を手に入れた。

 

 

 

 

 

 

7月5日。おあにた荘。優之は部屋で伊織に電話してる。

 

優之「どうだ?結婚生活は。」

 

伊織『うん!とっても幸せだよ!もう梨奈ちゃんが可愛くてしょうがないのよ〜!』

 

優之「それは良かった。」

 

伊織『でも、美子さんが私にべったりしててね。』

 

優之「美子さん、ずっと妹が欲しかったって言ってたもんな。」

 

伊織『でも義家族の皆さん、良い人達だね。繁さんは梨奈ちゃんに溺愛してるけど。』

 

優之「孫が可愛くてしょうがないからな。伊織、大変な事があるかも知れないが、頑張れ。」

 

伊織『ありがとう。じゃあね。』

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      栗田伊織:赤崎千夏

      栗田雅春:梶原岳人
      栗田梨奈:和多田美咲

         繁:土師孝也
        晴子:倉田雅世
       晋太郎:赤羽根健治
        美子:真堂圭


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47話・特撮姉妹の挑戦状

7月5日。優之が伊織と電話を終えてリビングへ降りる。

 

優之「お。」

 

真奈美「あら優之君。もうすぐで夕飯出来るわよ。」

 

優之「ああ。」

 

康介「伊織さん、再婚して良かったね。」

 

優之「ずっと結婚に憧れていたからな。雅春さんの新しいパートナーとして結婚したんだ。」

 

悠里「雅春さんと梨奈ちゃん、喜んで良かったね。」

 

佑美「やっと、雅春君に救済が舞い降りて良かったわ。」

 

優之「だな。」

 

淳一「お!そろそろモロスターTVが始まるぞ!」

 

テレビのチャンネルを変え、モロスターTVを映す。

 

優之「本当ハマってるなそれ。」

 

淳一「憧れの諸星様が企画、司会を務める人気番組だからな。毎日欠かさず観てるからな。」

 

 

 

 

 

 

7月6日。モロスターアート。

 

優之「さて、今日も被写体を描くか。」

 

ウルトラアーツの真骨彫ダイナとアブソリュートタルタロスを被写体にし、キャンバスに描く。

 

茂成「本当好きだな。創作。」

 

優之「創作は俺の人生の一部だからな。これが欠けたらやる気無くすし。」

 

紫「もしかして、死ぬまで手放せないの?その創作。」

 

優之「いや、死んでも天国で描き続ける。」

 

奈々「拘りが凄いですね・・・」

 

紫「だったら私も創作イラスト描こうかな?」

 

結衣「いや私達は普通で良いんじゃないの?」

 

するとそこに、ニコがやって来た。

 

紫「あ!ニコさん!」

 

茂成「どうしたんですか?個展は来週と打ち合わせしたはずですが。」

 

ニコ「いえ、今日は優之様にお話がありまして。」

 

優之「俺ですか?」

 

ニコ「実は優之様にお客様がいらしておりまして。」

 

優之「お客様?通して下さい。」

 

ニコ「分かりました。どうぞ。」

 

そのお客さんは、2人の女子高生だった。

 

???「あなたが愛川優之さんですね?」

 

???「お会い出来て嬉しいです。」

 

優之「その制服、桜蔭高校の?」

 

茂成「桜蔭高校って、女子校じゃん。しかも偏差値高い難関校の。」

 

???「そうです。私は徳原彩月です。」

 

???「私は徳原司沙です。」

 

茂成「同じ苗字。って事は姉妹?」

 

真由姫「はい。私が姉で、詩織が妹です。」

 

紫「そんなお2人が、どうして優之さんに用があるの?」

 

優之「徳原彩月・・・徳原司沙・・・まさか!あの特撮姉妹!?」

 

彩月・司沙「その通り!」

 

茂成「特撮姉妹?」

 

優之「特撮界隈で人気を博している特撮大好き姉妹。その知識は通常の特撮ファンよりも博識で、しかもファンのみならず、初心者の方々にも分かりやすく説明してくれる動画などを投稿しているんだ。YouTubeでの登録者数は驚異の500万人。インスタのフォロワーは90万人を誇ってるインフルエンサーでもあるんだ。そんな姉妹が、どうして俺に?」

 

彩月「愛川さんが物凄いウルトラマンファンである事を噂で聞いてね。是非とも会ってみたくて。」

 

優之「成る程。」

 

司沙「実は私達、今日のモロスターTVに出演してウルトラマンに関するクイズに出場するんだけど、相手のお方が怪我で出演を辞退してね。そこで、熱狂的なウルトラマンファンである愛川優之さんに出演をオファーしたいのよ。」

 

茂成「優之がモロスターTVに?」

 

紫「しかもウルトラマンのクイズに?」

 

優之「そう言う事か。実は俺も、君達の動画やインスタを常々視聴しているんだ。どれも分かりやすくて、グッズが凄いって驚かされたよ。良いだろう。君達の対戦相手として出演するよ!」

 

彩月「ありがとう!今日を楽しみにしてるよ!」

 

司沙「ニコさん、優之さんが出演する話を諸星様に伝えてくれますか?」

 

ニコ「そう言うと思いまして、既に連絡してありますよ。」

 

手に持ってるスマホを見せた。

 

ニコ「諸星様も、優之様の出演を楽しみにしておりますよ。」

 

司沙「ありがとうございます!」

 

優之「初めてのテレビ出演・・・すっごい緊張するなぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

モロスターTVスタジオ。

 

諸星「今日のゲストは、今特撮界で人気を博している特撮姉妹の徳原彩月さんと、徳原司沙さんです。」

 

スタジオに特撮姉妹が入り、椅子に座る。

 

諸星「今日は出演してくれてありがとう。」

 

彩月「こちらこそありがとうございます。」

 

司沙「素敵な番組に出演させてくれて光栄です。」

 

諸星「早速だけど、俺からの質問を良いかな?」

 

彩月「はい。どうぞ。」

 

諸星「君達は生粋の特撮ファンである事を公言していてるね。特撮が好きになったキッカケは何かな?」

 

彩月「そうですねぇ。キッカケは両親ですね。両親が物凄い特撮、特に仮面ライダーが大好きで。私達が子供の頃に両親のススメで見たんですよ。」

 

司沙「私達は悪と戦うヒーローの格好良い姿を見て感銘を受けたんです。それから色んな特撮に触れて来たんです。」

 

彩月「それから中学に入り、自分達の知識をSNSに投稿したんです。そしたら多くのファンから沢山のフォロワーやコメントを頂いたんです。」

 

諸星「成る程。そんなお2人にゲストが来ています。愛川優之君です。」

 

スタジオに優之が入って来た。

 

諸星「ようこそ愛川優之君。」

 

優之「初めまして。愛川優之です。SNSでは優と言う名義で活動しています。現在テレワークしながらモロスターアートに所属しております。」

 

自己紹介し、ゲスト用の椅子に座る。

 

諸星「実は優之君も、お2人と同じ特撮ファンだと言う事で急遽オファーしました。」

 

優之「ええ。まさかこの素敵な番組にオファーしてくれるなんて思ってもいませんでした。オファー受けた時、緊張しっぱなしでした。」

 

諸星「優之君もお2人と同じ特撮ファンなんだよね?」

 

優之「はい。特にウルトラマンに関してはガチです。幼少の頃からずっと見続けまして。今は可動フィギュアを収集していまして。」

 

諸星「そんな優之君が提供してくれた、自前のコレクションを撮った写真があります。コチラです。」

 

モニターに、現在収集しているウルトラアーツとモンスターアーツの写真が映し出された。

 

彩月・司沙「おぉー!」

 

優之「いやぁ〜、ここまで集めるのに苦労しましたよぉ。あの左端に映ってるデストロイアのアーツ、あれ中古品だけでも7万位しましたよ。」

 

彩月・司沙「高!!」

 

モニターが切り替えられた。

 

諸星「流石優之君だね。ファンも伊達じゃない。」

 

優之「いえいえ。」

 

諸星「実はね、お2人から優之君にある要望があるんだ。」

 

優之「要望ですか?」

 

諸星「徳原彩月さん。」

 

彩月「はい。愛川優之さんとクイズ対決がしたいです!」

 

司沙「特撮ファン同士である私達と優之さん。全力でクイズ勝負したいんです!」

 

優之「ファン同士でクイズ大会。良いでしょう。受けましょう!」

 

司沙「ジャンルは、優之さんが大好きなウルトラマンで!」

 

諸星「優勝者には豪華賞品が用意してあります。」

 

 

 

 

ウルトラマンクイズが始まった。

 

クイズ司会者「このクイズは全部で6問。それでは第1問。今年で創業60周年を迎えた円谷プロダクション。では、創業当時の円谷プロダクションの正式名称は何?」

 

”ピンポン!”

 

クイズ司会者「はい!愛川さん!」

 

優之「株式会社円谷特技プロダクション。」

 

クイズ司会者「正解です!」

 

優之「因みに創業から5年後の1968年に、株式会社円谷プロダクションと変更されたんです。」

 

クイズ司会者「凄い!物知りですね!では第2問。昨年公開されたシン・ウルトラマン。ウルトラマンがスペシウム133で倒した敵の数は?」

 

”ピンポン!”

 

クイズ司会者「はい!特撮姉妹!」

 

彩月・司沙「1体!」

 

クイズ司会者「正解!お見事!」

 

彩月「スペシウム133で倒した禍威獣はネロンガだけで、それ以降は防がれたり押し出したりしました。」

 

クイズ司会者「流石特撮姉妹!さぁ続いて第3問!平成三部作として今なお人気を博しているウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ・ウルトラマンガイア。この3作で、それぞれ最高視聴率を獲得した回と、その視聴率は?」

 

”ピンポン!”

 

クイズ司会者「はい!愛川さん!」

 

優之「えー・・・ウルトラマンティガ第14話・放たれた標的・9.9%。ウルトラマンダイナ第1話・新たなる光前編・9.0%。ウルトラマンガイア第3話・その名はガイア・8.4%。」

 

クイズ司会者「凄い!正解です!」

 

優之「余談で、ウルトラマンガイア第3話で初めてアグルが登場した回でもあります。」

 

クイズ司会者「細かい所までお詳しいですね!続いて第4問!ウルトラマンの故郷のM78星雲の姉妹都市・・・」

 

”ピンポン!”

 

クイズ司会者「特撮姉妹!」

 

彩月・司沙「福島県須賀川市!」

 

クイズ司会者「正解お見事!」

 

彩月「これは有名だよね。」

 

クイズ司会者「さぁ続いて第5問!ウルトラセブン生誕40周年記念で放送されたULTRASEVENXはどんな形態?」

 

”ピンポン!”

 

クイズ司会者「愛川さん!」

 

優之「セブンの弱体形態。」

 

クイズ司会者「お見事!」

 

優之「あれが強化形態と勘違いしてる人も居ますが、弱体形態ですからね。異世界へ飛んだセブンが、主人公ジンと一体化する時に何らかの不具合が起きて、セブンの意識が表に出られなくなり、ジンも記憶を失った事からあの姿に変貌してしまったんです。」

 

クイズ司会者「抜かりない知識ありがとうございます。さぁ最後第6問!1972年に放送がスタートしたウルトラマンA。その初期タイトルは?」

 

”ピンポン!”

 

クイズ司会者「特撮姉妹!」

 

彩月・司沙「ウルトラエース!」

 

クイズ司会者「正解です!」

 

彩月「その当時、玩具メーカーのマルサンが発売した怪傑透明ウルトラエースが発売され、急遽ウルトラマンAと変更されたんです。」

 

クイズ司会者「その知識もあるとは素晴らしいですね。さぁ結果は、おっと?両者同点!それでは、サドンデス問題に入ります!この問題を正解すれば勝ちになります!尚、不正解になればお手付き。1回休みになります。」

 

 

 

 

ニコ「お2人共凄い接戦でしたね。」

 

諸星「お互いファンなら、譲れない戦いになるね。」

 

 

 

 

クイズ司会者「それでは!サドンデス問題!ウルトラマンやゴジラの生みの親、円谷英二さんが飛行機パイロットになる為に通っていた日本飛行機学校。その学校で教官を務めた・・・」

 

”ピンポン!”

 

クイズ司会者「おっと!ここで正解し優勝なるか!特撮姉妹!」

 

彩月・司沙「玉井清太郎!」

 

クイズ司会者「・・・・・・・・残念!!!」

 

彩月「え!?嘘!?」

 

司沙「違ったの!?」

 

クイズ司会者「特撮姉妹は1回休みになりました。まだ続きがあります。その学校で教官を務めた日本の民間飛行機家の玉井清太郎さんと弟の玉井藤一郎さんに付いた異名は何でしょう?」

 

彩月「え?知らない・・・」

 

司沙「これ、優之さん分かるのかな?」

 

”ピンポン!”

 

クイズ司会者「ここで正解なるか!愛川さん!」

 

優之「日本のライト兄弟。」

 

クイズ司会者「・・・・・・・・正解!!!!」

 

優之「っし!!!」

 

クイズ司会者「優勝は、愛川優之さんです!!」

 

彩月「いやぁ〜優之さん流石だねぇ〜!」

 

司沙「私達もまだまだ知識を蓄える必要があるよ!」

 

優之「いや、君達の知識も中々だったよ。これからもお互いファン同士頑張ろう。」

 

彩月・司沙「はい!」

 

3人は固い握手を交わした。

 

 

 

 

優勝賞品は、一番くじティガ・ダイナ・ガイアのABC賞のフィギュアとラストワン賞。4つのフィギュアをゲット出来なかった優之は大喜びで賞品を受け取った。このモロスターTVは特撮界隈で話題となり、今までの平均視聴率を獲得した。

 

 

 

 

7月7日。モロスターアート。

 

優之「今日は七夕。そして、ウルトラマンコスモス22周年かぁ。」

 

紫「優之さん、昨日のモロスターTV観たよ!とっても面白かったよ!」

 

優之「そうか。」

 

紫「私、今日から特撮に目覚めようかな?」

 

優之「それだったら、まずは全ての特撮をぶっ通しで全話観なきゃだな。徹夜を惜しんで。」

 

紫「あ、それ多分無理かも。」

 

結衣「諦め早。」

 

奈々「特撮姉妹のお2人と仲良くなったんですか?」

 

優之「ああ。お互いのLINEを交換し、お互いのインスタにフォローしてる。勿論佑美さんもLINEとインスタを交換してるから。」

 

茂成「またお前の同士が増えたな。」

 

優之「同士が増えるとこれまた嬉しい。来週の12日だったな。茂成の個展。」

 

茂成「ああ。会場は諸星美術館でやるんだ。」

 

優之「お前の絵を気に入ってくれる人が居たら良いな。」

 

茂成「そうなるよう祈ってるよ。」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
      愛川佑美:伊藤美来

      畦間茂成:上村祐翔

       宗像紫:礒部花凜
      日野結衣:堀内まり菜
      坪川奈々:熊田茜音

      徳原彩月:松田利冴
      徳原司沙:松田颯水

      諸星志揮:???
        ニコ:???

     東山真奈美:後藤邑子


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48話・畦間個展

7月18日・モロスターアート。

 

茂成「よし、これで全部かな?」

 

個展に出展する為の全ての絵をケースに入れ終えた。

 

優之「いよいよ明日か。お前の個展。」

 

茂成「テーマは、見えた景色達。佐賀へ引っ越した時や、東京へ引っ越した時の間に見た景色や観光地を展示するんだ。」

 

紫「沢山の人、来てくれるかな?」

 

茂成「どうだろうな。諸星様は大丈夫だって言ってくれてたし。」

 

結衣「場所は、諸星美術館でしたよね?」

 

茂成「ああ。最高峰の画家が個展を開く為に諸星様が創設した美術館。モロスターアートの人や、将来画家になる人の登竜門としても有名だ。」

 

奈々「私、明日絶対行きますね。」

 

茂成「ありがとう奈々。」

 

諸星「茂成君。支度は終わったかな?」

 

そこに諸星がやって来た。

 

茂成「はい。丁度終わった所です。皆が手伝ってくれました。」

 

諸星「よし。業者を手配したから、運ばせてあげて。」

 

茂成「はい。」

 

手配された業者が到着し、茂成の絵を運ばせた。

 

 

 

 

 

 

諸星美術館。業者が茂成の絵を慎重に飾る。優之達が美術館を見学する。

 

優之「初めて諸星美術館を見たんだが、結構デカかったな・・・」

 

茂成「ルーブル美術館と同等の大きさだったな。」

 

奈々「ここで明日個展が開かれるんですね。茂成さんの大きな一歩ですね!」

 

茂成「この調子で行けば、俺も世界の画家になれるのか?」

 

優之「お前の画力は流石だ。自信持て。」

 

茂成「サンキューな。」

 

 

 

 

 

 

夕方。おあにた荘。

 

優之「と言う訳で、明日諸星美術館へ行って個展の様子を見に行く。」

 

康介「個展かぁ。僕も地元の個展見に行ったなぁ。絵を買ってくれる人が沢山居たよ。」

 

佑美「私も茂成君の個展行きたかったな〜。休暇届出しとけば良かった〜。」

 

優之「個展の様子を撮影しとくから大丈夫。そう言や悠里、樹々ちゃん、アンジェリカ3人でアニメ出演が決まったらしいんだが。」

 

悠里「そうなの。来月からアニメ映画の妖精役としてゲスト出演する事になったの。」

 

樹々「アフレコ未経験・・・」

 

淳一「そうだろうな。俳優さんがアフレコやると棒読みになるから。だったらさ、ベテランの声優さんにアフレコのコツを伝授したらどうだ?」

 

樹々「アフレコのコツ?」

 

有香奈「良いアイディアね。キスマイの宮田さんや、SnowManの佐久間さんもベテラン声優さんにアフレコ演技を受けてたってニュースで見たわ。」

 

悠里「成る程。確かにそれは良いアイディアかも。明日諸星様にアフレコ演技を伝授したいから、ベテランの方を呼んで頂けませんかって伝えるよ。」

 

樹々「アフレコ前に出来る限りの準備をしたい。」

 

淳一「頑張れ2人共!響子ちゃんも!」

 

 

 

 

 

 

その日の深夜。何処かの家。

 

???「・・・・・」

 

1人の男が、真っ暗な部屋で畦間個展開催のページを閲覧していた。そして不適な笑みを浮かべ、キーボードを操作した。

 

 

 

 

 

 

7月19日。諸星美術館で畦間個展が開場された。だが。

 

茂成「どうなってるんだ・・・!?」

 

個展に来場客は1人も居なかった。

 

優之「可笑しい。今日開場なのに、誰も居ないなんて・・・なぁ、まさか日程間違えて個展を開いたんじゃ?」

 

茂成「そんなはずはない。諸星様と一緒にスケジュールを組み込んだはず。」

 

紫「茂成さーん!」

 

そこに、紫達3人が駆け込んで来た。

 

茂成「皆。」

 

奈々「これは一体どうなってるんですか・・・?」

 

茂成「俺にも分からない・・・何で誰も来ないんだ・・・」

 

結衣「もしかして、開催日時が知らないだけなんじゃ・・・」

 

優之「それだったら、俺がSNSで宣伝しよう。」

 

スマホでSNSを開いて宣伝しようとした時。

 

優之「ん?何だこのコメント?」

 

Twitterで呟かれたコメントを優之が睨む。

 

優之「おい茂成。個展に関係ありそうなコメント見付けたぞ。」

 

茂成「何?」

 

そのコメントを見せた。

 

茂成「『畦間個展は贋作だらけだ。皆騙されるな。彼奴は詐欺師だ。』・・・何だこれ!?」

 

紫「え!?茂成さんの絵は本物だよ!!贋作なんてありえないよ!!」

 

結衣「ん?茂成さん、このアカウント画像を見て下さい。」

 

茂成「アカウント?」

 

そのアカウントの画像は、蛇の画像。

 

結衣「このアカウントの持ち主は、YouTuberでもあるみたいです。」

 

そのアカウントの人物は、YouTuberとして活動しているらしい。茂成がその動画を見る。

 

茂成「まさか・・・仁科か!?」

 

紫・結衣・奈々「え!?」

 

優之「仁科?誰だソイツ?」

 

茂成「そうか。優之は知らなかったんだな。仁科浩信。嘗てモロスターアートに所属していた男だ。奴は素行が悪く、他人の描いた絵を自分の手柄にするなど卑劣極まりない奴だった。」

 

優之「マジで?」

 

茂成「マジだ。しかもそいつの父は議員でな。下手に逆らうと親の権力を使って脅す事もあった。だが不幸中の幸いか、諸星様がソイツの父と知り合いでな。諸星様が不貞行為を重く受け止め、奴をモロスターアートから追放したんだ。それから父に勘当を言い渡され消息不明になっていたんだが、まさかアンチ系YouTuberになっていたなんてな。」

 

奈々「仁科さんがあのコメントは、茂成さんが個展を開いた事に腹を立てたんじゃないでしょうか?」

 

茂成「ありそうだな。ずっと個展をやりたがっていたからな。しかも仁科のSNS、結構バズってやがるな。皆がコレを鵜呑みにして誰も来ないって事か。このままじゃ俺の個展が失敗に終わる・・・」

 

優之「諦めるのは早いぞ茂成。諸星様に電話しよう。」

 

すぐに諸星様に電話した。

 

優之「あ、諸星様。茂成の個展が・・・」

 

諸星『こっちも確認したよ。仁科君がまさかこんな事をするなんて思ってなかったよ。彼の事は俺に任せて。皆で個展を宣伝してあげて。』

 

優之「ありがとうございます。お忙しい中すみません。では。」

 

通話終了。

 

優之「仁科の事は諸星様が対処してくれるって。」

 

茂成「流石諸星様。仕事が早い。」

 

紫「でも茂成さん。このまま閑古鳥の個展じゃ成り立たないよ。」

 

優之「案ずる事はない。俺達で茂成の個展を宣伝しよう。俺のSNSで宣伝しまくろう!それと、贋作はガセだって事を報せよう。」

 

5人で茂成の個展の宣伝と贋作はガセと報せると、一気に注目の的となった。

 

 

 

 

 

 

30分後。多くの来場客が個展にやって来た。外では行列が出来る程になった。

 

茂成「結構人来てるなぁ・・・ありがとう優之。」

 

優之「良いって事よ。困った時は助け合い。だろ?」

 

結衣「これで、一件落着ですね。」

 

奈々「お客さん、茂成さんの絵を見ていますね。」

 

来場客は、茂成の絵を興味深く見ている。

 

茂成(俺の絵を見られると、何か恥ずかしいな・・・)

 

来場客A「すみません。」

 

茂成「あ、はい。」

 

1人の男性来場客に声を掛けられた。

 

来場客A「この絵は吉野ヶ里歴史公園ですか?」

 

茂成「そうです。中学の時に佐賀へ転校して、描いたんです。」

 

来場客A「ほほう。実は亡くなった私の父が佐賀出身でして、特にこの吉野ヶ里歴史公園が大好きだったんです。どうです?1枚売って頂けませんか?」

 

茂成「本当ですか!?ありがとうございます!」

 

来場客A「それで、お値段は幾らで?」

 

茂成「そうですね・・・1枚5万円でどうでしょう?」

 

来場客A「5万!?いやいや勿体無いです!50万で売って下さい!」

 

茂成「ご、50万!?」

 

来場客A「はい!君の絵は実に素晴らしい!もっと価値があるはずだ!」

 

茂成「俺の絵が・・・50万・・・!?」

 

来場客B「すみません!この雲海の絵を100万で売ってくれませんか!?」

 

茂成「え、ええ!?」

 

沢山の絵が、来場客の言い値で多く売れた。こうして、茂成の個展は無事成功を収めた。

 

 

 

 

 

 

その後、嘘のコメントを投稿した仁科浩信は、諸星の制裁によって警察に逮捕された。取り調べに対し、『自分がこんな目に遭っているのに、他の奴が個展を開く事に腹を立ててデマを流した』と供述した。仁科には、茂成の絵を贋作とデマを流した事で名誉毀損として訴えられた。

 

 

 

 

 

 

7月20日。モロスターアート。

 

茂成「諸星様。これが個展の売上表です。」

 

個展の絵の売上表を諸星に提示した。

 

諸星「凄いじゃないか!茂成君の絵が全部で500万売れるなんて!」

 

茂成「いやぁ、殆どがお客様の言い値なんですけど・・・」

 

諸星「それでも素晴らしい実績だよ。俺が保証する。これからも期待しているよ、茂成君。」

 

茂成「ありがとうございます。これからもモロスターアートの画家として精進します!」

 

紫「次は誰が個展開くんかな?もしかしたら、私達かな!?」

 

結衣「それはまだ早いんじゃないの?」

 

奈々「私達の個展の予定日はまだ分からないんだし。」

 

諸星「君達の個展は、早くても年末か来年辺りになるかな?」

 

紫「そうですか・・・」

 

諸星「次に個展を開くとしたら・・・」

 

紫・結衣・奈々「?」

 

全員が優之に顔を向ける。

 

優之「・・・え?俺?」

 

諸星「優之君の個展も楽しみだね。」

 

茂成「お前の場合、特撮向けの個展になりそうだな。」

 

優之「それ面白そうだな。」

 

茂成「やるんかい。」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      畦間茂成:上村祐翔

       宗像紫:礒部花凜
      日野結衣:堀内まり菜
      坪川奈々:熊田茜音

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
      愛川佑美:伊藤美来

       来場客:狩野翔
           衣川里佳

      諸星志揮:???


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49話・日野家のメイドさん

7月25日。モロスターアート。

 

優之「キタキタ〜。」

 

SKY ANGLEから給料明細が郵送された。

 

優之「ウヒョヒョ〜。」

 

給料の金額を見てウキウキしてる。

 

茂成「おい、顔きめェぞ。」

 

優之「今日は給料日なんだよ。SKY ANGLEから給料明細が来たらテンション上がるだろ?」

 

茂成「まぁ気持ちは分かる。」

 

紫「あ!2人共!」

 

アトリエに紫達3人が来た。

 

茂成「よう。今日は少し遅いな。」

 

結衣「紫が夏休みをだらけてて、少し寝坊してたんです。」

 

優之「そうか。殆どの学校は夏休みに入ったもんな。今頃学生さん達は海行ったり旅行行ったりしてるかな?」

 

紫「そうなんだよ〜。」

 

奈々「でも紫ちゃん?夏休みだからって浮かれてちゃダメだよ?宿題とか色々あるんだから。」

 

紫「うっ・・・頑張ります・・・あ、そうだ!2人共ちょっと良いかな?」

 

優之「俺達2人に?」

 

茂成「一体何を?」

 

紫「一緒に合宿しようよ!」

 

優之・茂成「合宿?」

 

奈々「実は紫ちゃんが、夏休み中に合宿しようって提案してくれて。折角だからお2人も一緒にどうかなって誘おうとしまして。」

 

優之「合宿かぁ。場所は何処だ?」

 

紫「結衣ちゃん家だよ。」

 

茂成「日野家か。でも良いのか?君達3人の合宿なんだろ?」

 

結衣「そうなんですけど、紫が大勢の方が楽しそうってお2人を誘ってるんです。」

 

優之「・・・なぁ、その合宿って同伴者OKか?」

 

紫「勿論だよ!佑美さんを連れて来てもOKだよ!」

 

優之「んじゃぁ・・・佑美さんを誘うか。」

 

茂成「それで、合宿日は何時だ?」

 

紫「明後日の午後12時。午前11時に秋葉原に集合ね。」

 

優之「OK分かった。」

 

 

 

 

 

 

7月27日。秋葉原に全員集合した。

 

佑美「皆さん、お久し振り。」

 

紫「佑美さん久し振り!」

 

優之「合宿に誘ったら昨日急遽休暇届だしたんだ。んで、今日から1泊2日か。」

 

奈々「はい。」

 

佑美「結衣ちゃんの家かぁ。確かメイドさんが居るんだよね?」

 

結衣「はい。私の家族です。」

 

紫「よーし!それじゃあ出発!」

 

6人は日野家へ向かった。

 

 

 

 

 

 

日野家に到着すると、1人のメイドが出迎えてくれた。

 

メイド「お待ちしておりました。」

 

優之「おぉ!メイドさんだ!」

 

紫「メイドさんの椎名渚さんだよ!」

 

茂成「初めまして。畦間茂成です。」

 

優之「愛川優之です。こちら妻の佑美さん。」

 

渚「お嬢様から話は伺っております。」

 

茂成「確か美大に通っていると伺っていますが。」

 

渚「はい。将来は画家になるのが夢なんです。」

 

茂成「諸星財閥のメイドさんは何度もお会いしてるけど、渚さんはお淑やかでザ・メイドさんって感じでイメージ通りですね。」

 

渚「恐れ入ります。どうぞお入り下さい。」

 

 

 

 

リビングで昼食。

 

渚「半熟オムライスです。どうぞお召し上がり下さい。」

 

茂成「おぉ!美味そう!」

 

半熟オムライスを実食。

 

茂成「ん〜!半熟で口の中がトロける〜。むっ!?このデミグラスソース、マッシュルームの代わりに干し椎茸を使ってる。しかもチキンライスの肉は比内地鶏を使ってる。なんて贅沢なオムライスなんだ。」

 

奈々(美味しい!このオムライスはこの前ニコさんに連れて行って貰った5つ星レストランの味に匹敵!と言うかそのもの!)

 

紫「渚さん!やっぱり料理上手!」

 

渚「いえ、作ったのは私ではありません。」

 

優之・佑美「え?」

 

渚「日野家御用達のレストランに注文しました。」

 

奈々「ビンゴ!」

 

佑美「普段は渚さんが料理作ってるんですか?」

 

渚「はい。普段は簡単ですが、何時も私が支度させて頂いています。」

 

結衣「それも美味しいんですよ。」

 

渚「ありがとうございます。」

 

優之「渚さん。そのレストランって何処なんですか?」

 

渚「FRENCH SHIMAMURAです。」

 

優之「やっぱり!食べた事ある味だと思っていたら。」

 

紫「FRENCH SHIMAMURA!5つ星のレストランとして有名じゃん!優之さん知ってるの?」

 

優之「いやぁ〜そのレストラン、ウチの義兄の裕樹さんの実家なんだ。」

 

紫「そうなの!?」

 

優之「皆もこの前会っただろ?嶋村双葉。」

 

奈々「そうか!双葉ちゃんのお父さんのご実家ですね!」

 

優之「そゆ事。」

 

茂成「凄えなぁ。お前の義兄さんが5つ星レストランの息子さんなんて。義兄さんもそこに?」

 

優之「いや、杉原カンパニーで働いてる。親父さんが引退して、今裕樹さんの兄さんがオーナーをやっててな。兄さんが引退したら裕樹さんにオーナーの座を譲るって決まってるんだ。」

 

紫「へぇ〜!私今度行ってみたい!」

 

優之「今度聞いてみるよ。」

 

 

 

 

 

 

昼食を終え、渚がアトリエへ案内する。

 

渚「こちらが、日野家のアトリエです。ご自由に使って下さい。」

 

茂成「広っ!」

 

優之「道具も全部揃ってるな。」

 

 

 

 

アトリエで絵を描く。

 

茂成「さて、今後の個展に備えて色々描くか。」

 

紫「ねぇねぇ、私達の個展はどんなコンセプトにする?やっぱり子供向けとかかな?」

 

結衣「親子連れが多そうね。」

 

奈々「じゃあさ、似顔絵個展とかどうかな?」

 

紫・結衣「似顔絵個展?」

 

奈々「来場したお客さんの似顔絵をその場で絵に描くって言うのはどう?」

 

紫「それ面白そう!諸星様に聞いてみよう!」

 

結衣「それまで似顔絵の特訓をしなきゃだね。」

 

茂成「ほほう。似顔絵個展か。」

 

優之「・・・・・・」

 

茂成「ん?優之どうした?」

 

優之「折角日野家にお邪魔してるんだし、渚さんの創作イラストを考えてるんだよ。」

 

茂成「今回はどんな創作が湧くんだ?」

 

優之「ん〜・・・難しいな。」

 

茂成「マジ?」

 

優之「渚さんの創作がピンと来ないんだ・・・」

 

茂成「お前の強敵現るか?」

 

優之「かもな。」

 

 

 

 

一方佑美は、渚と会話をしていた。

 

渚「優之様は創作イラストが得意なんですね。」

 

佑美「そうなんですよ。頭の中で思い浮かんだ景色や被写体の衣装とか全部頭の中で閃く特技を持ってるんですよ。創作イラストの私を見ますか?」

 

スマホから、優之が描いた佑美の創作イラストを見せる。英国のドレス姿で花園椅子に座ってる佑美のイラスト。

 

渚「わあ!素敵な絵ですね!」

 

佑美「彼は本当凄いんですよ!私の自慢の夫です!」

 

渚「お2人の馴れ初めとか聞いても宜しいですか?」

 

佑美「お話しますね。私達は特撮ファンで、彼が入社した時にこの人だ!って刺激が走ったんです。それで、神奈川でデートした時に私から告白したんです。彼は告白を受け入れ、結婚したんです。」

 

渚「趣味が合うお2人が結婚。素敵な馴れ初めですね。」

 

佑美「えへへ〜。」

 

 

 

 

 

 

午後3時のティータイム。

 

渚「お噂通りのお2人方ですね。」

 

優之「お噂通り?」

 

茂成「俺達がですか?」

 

渚「お2人の事、お嬢様方からよく伺っております。茂成様は観光地や風景を描くのが得意と。」

 

茂成「いえいえそんな。」

 

渚「優之様は創作イラストがお得意と聞いております。」

 

優之「ありがとうございます。」

 

渚「あの、宜しければ私に創作イラストを依頼したいんですが。」

 

優之「え?」

 

渚「佑美様から話をお伺いしまして。」

 

優之「あ、えっと・・・すみません。渚さんの創作が思い浮かばないんです。」

 

紫「え?」

 

結衣「難しいんですか?」

 

優之「紫達は英国風がピッタリなんだけど、渚さんの創作が難航してて・・・」

 

佑美「何か周りの物でアイディアが思い浮かばない?」

 

優之「周り・・・ん?」

 

窓の外の中庭を見た。

 

優之「中庭があるんだな。」

 

結衣「はい。父の趣味がガーデニングでして。両親が海外へ行っている間、渚さんが手入れをしているんです。」

 

優之「中庭・・・そうだ。結衣、ぬいぐるみとかある?」

 

結衣「え?あるにはありますけど。」

 

優之「持ってるぬいぐるみ、あるだけ全部持って来て。」

 

結衣「え?はい。」

 

 

 

 

持ってる動物のぬいぐるみをリビングに持って来た。

 

優之「ん〜・・・・」

 

そのぬいぐるみからどれかを選んでる。

 

紫「結衣ちゃんって可愛いんだね。」

 

奈々「可愛いぬいぐるみね。」

 

結衣「五月蝿い。」

 

佑美「どお?どれが良いか決まった?」

 

優之「・・・っ!コレだ!」

 

選んだのは、イルカのぬいぐるみ。

 

茂成「イルカのぬいぐるみ?」

 

優之「よし。中庭へ行こう。」

 

 

 

 

中庭にの真ん中に椅子を置いた。

 

優之「渚さん。このぬいぐるみを持って、そこの椅子に座って下さい。」

 

渚「はい。」

 

イルカのぬいぐるみを抱いて、椅子に座る。優之もキャンバスボードの前の椅子に座って渚を被写体にする。

 

優之「イメージ通りだ。」

 

そう言うと優之の筆がスラスラ動いた。

 

茂成「お!筆が動いた!」

 

佑美「創作が閃いたんだよ。」

 

優之「渚さんはお淑やか。そして美しい顔立ち。英国風や異界の姫様と創作してたが、イメージ通りにはならなかった。イルカのぬいぐるみを見て、渚さんは海の姫様にしようって閃いたんだ。出来た!」

 

創作イラストを見せた。海の中で貝殻を装飾した水色のドレスを身に纏った渚が、子供のイルカを優しく抱いてる絵。

 

渚「わあ!素敵ですね!」

 

優之「海の創作は初めてでしたので。」

 

茂成「創作に難航していると、周りを見てアイディアを取り入れる。お前のもう1つの長所か。」

 

優之「渚さんどうですか?この絵をプレゼントしますよ。」

 

渚「本当ですか?」

 

創作イラストを渚にプレゼントした。

 

渚「優之様はどんな時に創作が閃くんですか?もしコツとかあったら教えて下さい。」

 

優之「どんな時にですか?ん〜・・・まずは被写体となる人を見て、そこから頭の中で似合う衣装を選ぶ。どれでも良いです。そして背景を選んで、そのイメージ通りに描く。これが創作イラストが閃くコツですね。」

 

渚「成る程。」

 

さっきの言葉をメモに書いた。

 

渚「私にも出来るのでしょうか?」

 

優之「簡単ですよ。実際にやってみて下さい。」

 

渚「では、お嬢様。被写体をお願い出来ますか?」

 

結衣「ええ。」

 

被写体を結衣にし、渚が頭の中でイメージを膨らます。

 

渚「閃きました!」

 

閃いたイメージ通りに描く。

 

紫「どんな絵が出来るかな?」

 

奈々「楽しみだね。」

 

 

 

 

5分後。

 

渚「・・・出来ました!」

 

完成した絵は、森の中で小鳥と戯れる結衣の絵。

 

佑美「おぉ〜!凄い凄い!」

 

奈々「結衣ちゃん可愛い!」

 

結衣「これが、私・・・?」

 

渚「はい。誰にでも優しい妖精をイメージに描いてみました。どうでしょうか?」

 

結衣「ええ!凄く綺麗!ありがとう渚さん!」

 

茂成「確かに凄えな。おい優之、お前の生徒さんが現れたようだぞ?」

 

優之「いや俺、弟子取らない主義なんだよ。」

 

茂成「あらら。それは残念。」

 

賑わいと絵の見せ合いで楽しめた合宿だった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      畦間茂成:上村祐翔

       宗像紫:礒部花凜
      日野結衣:堀内まり菜
      坪川奈々:熊田茜音

      雨原佑美:伊藤美来

       椎名渚:花守ゆみり


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50話・財閥創立記念パーティー

8月初旬。おあにた荘。

 

淳一「あぁぁ〜〜〜〜・・・・・」

 

リビングのソファーでグータラしてる淳一を見て、優之は呆れてる。

 

優之「朝からグータラしてんなぁ。夏休みだからって浮かれて大丈夫なのか?」

 

淳一「ご心配なくぅ〜。」

 

優之「大学生だから課題とかレポートとかあるんじゃねぇの?」

 

淳一「そうしたいのは山々なんだけど〜。何時も有香奈ちゃんと一緒にやってるけど、今日は友達の深雪さんとプール行ってるし、真奈美さんは舞ちゃんと買い物行ってるし、悠里ちゃん達は今日もメディア出演で居ないし、康介さんと彩乃さん、佑美さんは仕事行ってるから。今俺達2人だけなんだよ〜。」

 

優之「賑やかを欲してるのかお前。」

 

淳一「優之〜。今日モロスターアートは休みか〜?」

 

優之「ああ。何か行事があるって諸星様が言ってたから今週中は休みだ。」

 

淳一「そっかぁ〜。なぁ、マリパ6しない?」

 

優之「切り替え早いな。」

 

Wiiを準備していると。

 

真奈美「ただいまー。」

 

舞「ただいまー!」

 

丁度、真奈美と舞が帰宅した。

 

淳一「お!おかえりお2人共!」

 

優之「おかえり。」

 

淳一「舞ちゃん!一緒にマリパしない?」

 

舞「うん!やる!」

 

真奈美「優之君。優之君宛に郵便が来てるわ。」

 

優之「俺宛に?」

 

その手紙を受け取る。

 

優之「諸星様だ。」

 

それは、諸星様から優之宛の手紙だった。シーリングスタンプを破いて、封筒から手紙を出した。

 

優之「盛夏の候、皆様と健やかにお過ごしのこととお喜び申し上げます。実は明日、諸星財閥創立50周年記念パーティーが開かれます。そこで、皆様に創立記念パーティーをご招待致したく郵送しました。封筒の中にパーティーの招待状が同封されています。皆様がお越し下さる事を楽しみに待っております。諸星財閥当主・諸星志揮より。」

 

封筒の中に招待状が同封されている。

 

真奈美「それが諸星財閥の創立記念パーティーの招待状ね。」

 

淳一「招待状見せて見せて!」

 

優之「うおっ!食い付いて来た!えっと?会場は諸星邸のパーティーホール。同伴者は複数可。お迎えはリムジンで送迎します。尚、遠方に住んでいる方は、諸星財閥が所有するジェット機でお迎えしますって書いてある。その下に電話番号も書いてある。」

 

淳一「やっぱり凄えなぁ諸星財閥は。」

 

優之「あ、そうか。行事ってパーティーの準備の事だったのか。」

 

淳一「ん?もう1枚手紙入ってるぞ?」

 

優之「え?本当だ。小さいな。」

 

封筒に入ってる3枚目の小さな手紙を読む。

 

優之「ニコさんからだ。P.S。愛川優之様、三峯舞様。パーティーでは余興としてコンテストがあります。ジャンルは自由です。優之様と舞様もコンテストに参加してみては如何ですか?余興って・・・プレッシャー感じる。」

 

淳一「でもやってみても良いんじゃねぇか?」

 

優之「そうだな。折角だし余興で楽しませてやるか。」

 

 

 

 

 

 

その日の夕方。優之が皆にパーティーについて話した。

 

悠里「うん。それ今日諸星様から聞いてるよ。明日にパーティーやるって。」

 

康介「同伴者は何人でも良いって?」

 

優之「うん。遠方に住む人はジェット機で迎えてくれるって書いてあった。」

 

樹々「諸星様流石。」

 

舞「私、パーティーなんて初めてだよ。私行きたい!」

 

佑美「そうだね。私も是非!ねぇ彩乃?」

 

彩乃「はい!」

 

優之「じゃあ、全員招待って事で良いな。」

 

有香奈「そうだわ。ねぇ優之君。深雪も呼んで良いかな?」

 

悠里「私も!遥香ちゃん達も一緒に!」

 

優之「勿論。皆に会えるの楽しみだ。」

 

 

 

 

 

 

翌日の午後17時。おあにた荘を出ると、諸星財閥のリムジンが停車していた。

 

SP「お待ちしておりました皆様。どうぞ、乗って下さい。」

 

優之「諸星財閥のSPのお方だ。」

 

有香奈「あ!深雪!」

 

車内に三枝深雪が乗っていた。

 

深雪「ヤッホー有香奈!先に乗ってまーす!」

 

淳一「よう深雪ちゃん!」

 

真奈美「久し振りね。」

 

深雪「皆さんも久し振り!優之君も。」

 

深雪「久し振り深雪さん。」

 

リムジンに乗り、諸星邸へ向かう。

 

 

 

 

 

 

諸星邸に到着し、SPに招待状を見せる。

 

SP「どうぞ。」

 

優之「ありがとうございます。」

 

 

 

 

パーティーホール。

 

全員「おおー!」

 

もう既に多くの招待客が来ていた。

 

淳一「ウッヒョー!皆さん勢揃いですな!」

 

優之(モロスターアートやモロダスト、モロスター学園の方々も居る。それに財閥企業のトップ、警視総監、警察庁長官、オペラ歌手や俳優。大御所が勢揃いだな。)

 

???「悠里ちゃーん!」

 

悠里「あ!皆!」

 

そこに、遥香、茜、美佳子がやって来た。

 

悠里「来てくれたんだね!」

 

茜「悠里さんに誘われましたので。」

 

美佳子「お!皆お久し振り〜!」

 

佑美「皆、久し振りね。勉強頑張ってる?」

 

美佳子「勿論!」

 

遥香「康介さん、今度また勉強会しましょう!」

 

康介「うん。勿論。」

 

???「おーい!」

 

優之「お、来たな?」

 

そこに、紫達4人がやって来た。

 

優之「どうだ皆?このパーティーは。」

 

奈々「本当に凄いですね!知っている方々が沢山居ますよ!」

 

結衣「もう最初、物凄い圧倒されました。」

 

茂成「にしても凄いよな。警視総監様に警察庁長官も招待されてるなんて。」

 

悠里「諸星様に聞いたんですけど、諸星財閥にはホワイトハッカー集団があって、警察に情報を提供しているんです。」

 

茂成「え!?アンジェリカの悠里ちゃん!?と樹々ちゃん!?」

 

優之「ああそうか。皆は初めてだったな。こちら、同じおあにた荘に住んでいる皆だ。」

 

紫「そうなんだ!」

 

茂成「あー、お前がよく言ってる皆さんか。初めまして。畦間茂成です。」

 

紫「宗像紫だよ!宜しく!私アンジェリカのファンなんです!」

 

悠里「ありがとう。」

 

結衣「日野結衣です。」

 

奈々「初めまして。坪川奈々です。」

 

淳一「優之、結構可愛い後輩さんじゃねぇか?」

 

優之「年下だけど、モロスターアートでは先輩だ。ん?」

 

その時、優之が悟達を発見した。

 

優之「おい茂成!悟達が居るぞ!」

 

茂成「マジ!?本当だ!おーーい!」

 

手を振る茂成に気付いた悟達がこっちに来た。

 

茂成「皆久し振り!」

 

悟「茂成じゃねぇーか!中学校以来だな!」

 

絵梨子「お元気そうですね茂成!」

 

武憲「その様子だと、楽しくやってるようだな。」

 

茂成「まぁな。俺モロスターアートに所属してるんだ。」

 

志歩「茂成が!?凄い!もしかして、個展とかやったの?」

 

茂成「そうなんだよ。しかも、お客さんの言値で500万売れたんだ。」

 

志歩「流石ね茂成。」

 

優之「志歩。貴紀さんは?」

 

志歩「彼は今日、映画の撮影に行ってるわ。だから不参加なの。」

 

悟「およ?その3人は誰だ?」

 

茂成「ああ。同じモロスターアートに所属してる宗像紫、日野結衣、坪川奈々だ。」

 

紫「優之さん。茂成さん。この方々はお知り合いなの?」

 

優之「俺の親友達さ。学生時代からな。」

 

悟「まぁ俺と優之と志歩は幼馴染みで、武憲と絵梨子と伊織は中学の頃から・・・」

 

優之「あれ?伊織は居ないのか?」

 

志歩「伊織なら彼処。SKY ANGLEの皆と一緒に居るわ。」

 

優之「本当だ。社長も居る。ちょっと挨拶して来る。」

 

佑美「私も。」

 

SKY ANGLEの皆が居る方へ向かった。

 

紫「あの人達は?」

 

悠里「優之さんと佑美さんが勤めているSKY ANGLEの社員さんと社長さん。優之さんはリモートで会ってるから、リアルで会うの久し振りなのよ。」

 

淳一「お!皆も来てる!」

 

同人誌サークルのメンバーの方へ走った。

 

奈々「あれは?」

 

悠里「淳一さんが通う東京電機大学の同人誌サークルのメンバーだよ。」

 

響子「樹々ー!」

 

樹々「響子!」

 

響子「皆さんも来てたんですね!」

 

 

 

 

吉岡社長「愛川君久し振りだな。」

 

優之「吉岡社長。ご無沙汰です。美咲さん、早苗さん、充さんもお久し振りです。」

 

美咲「元気そうで良かったです。」

 

トミー「やっと会えましたね!優之さん!」

 

フィオ「お兄ちゃん、ずっと優之さんに会いたがってたんですよ?」

 

優之「そうか。ありがとうなトミー。結子さん、トミーと交際してるって弓さんから噂で聞いたんだけど。」

 

結子「聞いたんですね?はい。父の後押しを受けて交際中なんです。」

 

優之「凄いなぁ〜。おい伊織。随分ラブラブじゃないか。」

 

伊織「フフ〜ン♪良いでしょ?家でも常にラブラブなんだよ?」

 

梨奈「パパとママ、ずっとくっ付いているんだよ?」

 

雅春「コラ梨奈。あまり言っちゃダメだよ?」

 

幸彦「まぁ良いじゃねえか。雅春にまた新しい春が来たんだし。雅春だけに。」

 

蒼子「お兄ちゃん、ちょっと寒いよ?」

 

光里「伯父ちゃん親父臭い。」

 

美菜子「美菜子ガッカリ。」

 

幸彦「あはは。悪い悪い。」

 

優之「賢一さん。お久し振りです。」

 

賢一「お久し振りです優之さん。」

 

高梨賢一。蒼子の妻で幸彦の義弟。漫画家。

 

優之「先月の漫画、面白かったですよ。」

 

賢一「ありがとうございます。蒼子のお陰でアイディアが膨らむんですよ。」

 

優之「良い奥さんを持ちましたね。」

 

幸彦「だろ?俺の自慢の義弟(おとうと)だ!」

 

優之「何で幸彦先輩が自慢するんだよ・・・」

 

胡桃「ねぇねぇ優之君!私この前、大穴当てて最高記録更新したんだよ!」

 

優之「尽きないねぇ。胡桃先輩のギャンブル運。」

 

胡桃「アンジェリカのお陰だよ!まさに幸運の女神様だよ!」

 

涼子「もしアンジェリカが解散したらどうします?」

 

胡桃「いや!3人は永遠に不滅!だよね良太君!」

 

栗原「ええ。僕も同じです。」

 

優之「あれ?栗原さん最近競馬始めたの?」

 

佑美「胡桃に誘われてね。やってみたら1発で大穴当てたのよ。」

 

栗原「お陰で親孝行が出来て幸せです。」

 

優之「そっかぁ。そうだ結子さん。お兄さんは今どうしてる?武憲と同じ場所で働いているけど。」

 

結子「ええ。物凄く懸命に働いています。この前トミーさんに会って、あの頃の事を深く謝罪して和解したんです。」

 

???「結子!」

 

結子「義徳兄さん!」

 

兄の宮本義徳がやって来た。

 

優之「宮本。」

 

宮本「愛川・・・本当にすまなかった。あの頃は人一倍自惚れていたんだ。でも、君の親友の内原先輩のお陰でこうして変われた。本当に申し訳ありませんでした!」

 

深く頭を下げて優之に謝罪した。

 

優之「頭を上げてくれ。俺もお前に色々言い過ぎた事があるんだ。だから俺の方こそ申し訳ありませんでした。」

 

深く頭を下げて宮本に謝罪した。

 

宮本「寧ろ感謝してる。君があの時僕に反論しなければ、今の僕は無かった。仲直りの握手、お願い出来るかな?」

 

優之「ああ。勿論だ。」

 

2人は握手を交わして和解した。

 

宮本「そうだ結子!トミー君!2人の結婚式は何時だい?」

 

トミー・結子「え!?」

 

優之「性格が180度変わってる・・・」

 

 

 

 

一方淳一達の方は。

 

紫「双葉ちゃん久し振り〜!」

 

双葉「久し振り〜!」

 

遥香「久し振り〜双葉ちゃん!」

 

優之の家族と挨拶していた。遥香達は雅春と伊織の結婚式で1度会ってる。

 

双葉「舞!梨奈!」

 

舞・梨奈「双葉ちゃん!」

 

冴子「皆さん、ご無沙汰しております。」

 

裕樹「お元気そうで何よりです。」

 

真奈美「皆さんもお元気そうで何よりです。」

 

宗太郎「優之は何処に居ますか?」

 

彩乃「SKY ANGLEの皆さんと一緒に居ますよ。」

 

翠「優之、皆さんと会って楽しそうですね。」

 

するとそこに、モロメイド達が料理を運んで来た。

 

 

 

 

ステージに諸星とニコが立った。

 

諸星「皆さん、本日は諸星財閥創立50周年記念パーティーにお越し下さり誠にありがとうございます。今日は、思う存分パーティーを楽しんで下さい。」

 

 

 

 

演説が終わり、招待客が料理を皿に取る。

 

淳一「キャビアにフォアグラに鴨肉!たまんねぇ〜!」

 

響子「淳一さん!あのローストビーフも美味しそうだよ!」

 

淳一「マジで!?」

 

ローストビーフに向かう淳一と響子。

 

優之「淳一と響子ちゃん、食い意地凄いな。」

 

圭一「まぁあれが淳一の良い所だ。」

 

樹々「響子大食い。でもそこが良い。」

 

真知子「樹々ちゃん、それ褒めてるのかな?」

 

文典「でも、どれも美味しそうですね!いっぱい食べましょう!」

 

祐規「あ!文典待って!走ったら危ないよ!」

 

雅美「文典も大食いだったわね。」

 

圭一「あはは。」

 

優之「ん〜。この鴨肉、歯応えがあって、こってりしてて美味い。それにこの味付け、岩塩使ってるな?こってりとパンチの味が合わさって良い。」

 

圭一「こっちは食レポかよ。」

 

 

 

 

おあにた荘の皆は。

 

冴子「優之、モロスターアートで頑張ってますか?」

 

悠里「はい。」

 

諸星「楽しそうだね。」

 

そこに諸星とニコがやって来た。

 

淳一「諸星様!パーティーにご招待してくれてありがとうございます!」

 

諸星「相変わらず元気だね。淳一君。」

 

宗太郎「初めまして諸星様。愛川宗太郎です。息子がお世話になっております。」

 

翠「妻の翠です。お初にお目に掛かります。」

 

諸星「こちらこそ。優之君がお世話になっております。」

 

ニコ「優之様はとても絵が上手で、創作イラストが素晴らしいです。」

 

宗太郎「そうですか。ありがとうございます。」

 

諸星「所で、優之君は何処ですか?」

 

翠「あ、彼処に居ます。」

 

 

 

 

並べられた料理のワゴンで、それぞれの料理を食べている。

 

優之「浜松産のうなぎの蒲焼き。身が柔らかく、タレの味がしっかり絡んでて美味い。」

 

次はローストビーフ。

 

優之「このローストビーフ、さっぱりとして、それでいて食欲を刺激するタレの酸味がイイ。燻製が丁度良い。幾ら噛んでも顎が疲れない。溢れて来る肉汁に全集中出来る。」

 

山積みの焼売。

 

優之「さて、次はこの山積みの焼売。料理で見た目は大事だな。このインパクトは眼を奪われる。早速食べよう。・・・成る程。生姜、オイスターソースが隠し味か。よく練り込まれてタネに馴染んでいる。しかも、中にエビが入ってる。エビはプリプリしてて美味い。」

 

エビチリ。

 

優之「車海老をふんだんに使ったエビチリ。車海老はきめ細やかな肉質とプリプリの食感がたまらねぇ。チリソースは丁度良い辛さで、辛いのが苦手な人でも食べれる。しかもこのネギ、チリソースを絡んでて美味い。」

 

寿司の盛り合わせ、グラタン、サラダ等の料理を食べて食レポし続ける。

 

 

 

 

ニコ「何か、食レポ始めてますね。」

 

冴子「すみません。優之は昔から食通で食レポが身に付いてるみたいなんです。」

 

悟「本当相変わらずだなアイツ。」

 

諸星「でも、彼の表現は的確で嬉しいよ。」

 

冴子「おーい優之ー!」

 

姉の呼び声に気付いた優之が戻って来た。

 

優之「いやぁ〜、どの料理も凄え美味い。」

 

裕樹「食レポの為に来てるようにしか見えないね。」

 

優之「お!諸星様にニコさん!ご招待ありがとうございます。」

 

諸星「どういたしまして。」

 

宗太郎「ウチの息子が諸星様のお墨付きを得ているって今思うと・・・」

 

翠「まさか諸星様のお墨付きを得ているなんて思ってもみなくて・・・」

 

優之「まだ怯えてんのかよ。もういいよ。」

 

双葉「叔父ちゃん凄〜い!」

 

優之「ありがとう双葉。」

 

諸星「優之君、この後の余興楽しみにしているよ?」

 

優之「プ、プレッシャーが凄い・・・」

 

舞「私も参加するから大丈夫だよ。」

 

優之「舞ちゃんは何のジャンル?俺は創作イラストで出るけど。」

 

舞「ピアノを演奏するんだ!」

 

美咲「うふふ。優之さんの余興楽しみにしていますよ。」

 

充「僕も楽しみですよ。」

 

優之「もうお2人まで勘弁して・・・」

 

 

 

 

 

 

食事中、諸星がステージに上がった。

 

諸星「それでは皆さん、ここからはコンテストを始めたいと思います。参加者はステージへ上がって下さい。」

 

ステージに余興を披露する参加者が登壇した。その中に優之も登壇した。ニコが正方形の箱を運んで来た。

 

諸星「ここにくじ引きがあります。くじに名前があります。その名前を引かれた人が余興を披露して頂きます。コンテストを優勝した人は、豪華賞品として、君達の願いを俺が1つだけ叶う切符を贈呈します。」

 

ニコ「皆さん、準備は宜しいですか?」

 

参加者達「はい!」

 

諸星「それでは、まず最初の1組目は・・・」

 

箱からくじを引いた。

 

 

 

 

モロスター学園と諸星塾の共同クイズ大会、モロダストの劇団の即興演劇、モロスターアスリートの選手による特技披露などがステージで繰り広げられた。

 

 

 

 

ニコ「さぁ皆さん。残るくじは2枚になりました。」

 

諸星「残る2枚。まず1枚目は・・・」

 

箱からくじを引いた。

 

諸星「三峯舞さん。」

 

舞「あ!来た!」

 

5人のモロメイドが、ステージにピアノを運んで来た。

 

諸星「舞さん。君はピアノで何を演奏するんだい・」

 

舞「剣の舞です。私の好きな曲で、ずっと練習していたんです。是非聴いて下さい。」

 

諸星「それは楽しみだね。」

 

ピアノの前に舞が座り、深呼吸する。

 

舞「っ。」

 

指先が素早く動き、剣の舞を弾く。

 

優之(ま、舞ちゃん凄え!)

 

 

 

 

淳一(小学生とは思えない弾き速度!)

 

悟(凄え舞ちゃん!)

 

真奈美(ずっと練習してたものね。)

 

 

 

 

素早い演奏に、招待客が首っ丈。

 

諸星「凄い演奏だね。小学生とは思えない技術だよ。」

 

ニコ「はい。凄く圧倒されますね。」

 

 

 

 

剣の舞の演奏が終わり、招待客が舞に拍手を送った。舞はカーテシーで挨拶した。

 

 

 

 

諸星「さぁ残るは1枚。それは勿論!」

 

最後のくじを引いた。

 

諸星「愛川優之君!」

 

優之「俺ですね。」

 

諸星「では優之君。君は何を披露してくれるんだい?」

 

優之「得意の創作イラストです。」

 

諸星「被写体は誰にするんだい?」

 

優之「そうですねぇ・・・じゃあ、この招待客の皆さんにしましょう。」

 

 

 

 

巨大キャンバスボードの前に立ち、招待客全員を被写体にする。

 

ニコ「どんな創作イラストにするんですか?」

 

優之「今日が諸星財閥創立記念日なんで、この招待客の皆さんが、パレードでニコさん、ご当主の諸星様に拍手や歓喜を巻き起こしてる光景が浮かびました。10分待って下さい。」

 

そう言ってキャンバスに絵を描く。

 

 

 

 

10分後。

 

優之「出来ました!」

 

巨大キャンバスには、パレードに招待された招待客が、登場した諸星とニコに拍手と紙吹雪を送る創作イラストが描かれている。

 

招待客「オオ〜!!」

 

諸星「おお!これはまた凄い創作イラストだね!」

 

ニコ「私達が皆さんに祝福されていますね!素晴らしいです!」

 

優之「テーマは、財閥の祝福です。どうですか?」

 

諸星「ありがとう優之君。この絵は大事に飾らせて貰うよ。」

 

優之「ありがとうございます。」

 

 

 

 

 

 

コンテスト終了。

 

諸星「君達は素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。では、コンテストの優勝を決めます。優勝は・・・」

 

スポットライトが・・・

 

 

 

 

 

 

諸星「三峯舞さん!」

 

三峯舞に当てられた。

 

舞「え!?」

 

会場が拍手に包まれた。

 

 

 

 

真奈美「舞ちゃん凄ーい!!」

 

康介「凄いよ舞ちゃん!!」

 

悠里「流石だよ!!」

 

 

 

 

舞「え?本当に、私?」

 

ニコ「おめでとうございます。それでは舞様、舞様のお願いは何ですか?」

 

舞「・・・あの、諸星様じゃなくニコさんにお願いがあるんです。」

 

ニコ「え?私?」

 

舞「諸星様。ニコさんにお願いしても良いですか?」

 

諸星「構わないよ。」

 

舞「ニコさん!また、ピアノを教えてくれませんか!?」

 

ニコ「え?」

 

舞「この前、ニコさんが私にピアノを教えてくれた。とても丁寧でやりやすかった。だから、またピアノを教えてくれませんか?私将来、ピアニストになりたいんです。」

 

ニコ「舞様・・・ええ。勿論です。またピアノ教えてあげますね。」

 

舞「ありがとうございます!」

 

優之「舞ちゃん。それだったらモロスターアートに入れば良いんじゃないの?」

 

舞「ううん。ニコさんの教えが良いの。」

 

優之「そうか。ニコさん、舞ちゃんを宜しくお願いします。」

 

ニコ「はい!お任せ下さい!」

 

そして、パーティーは無事終了した。

 

 

 

 

 

 

それからニコは、舞のお願い通り、1週間に1回の時におあにた荘にお邪魔し、ピアノ教室を実施した。

 

優之「舞ちゃんって、憧れのピアニストが居るの?」

 

舞「うん。私、クララ・シューマンさんに憧れているんだ。」

 

コミック版世界の伝記のクララ・シューマンを優之に見せた。

 

優之「クララ・シューマン。世界史上初の女性ピアニストだね。」

 

舞「うん。暗譜や作曲家と演奏家の区別を定着させた女性ピアニストって言われてて、この本を読んだら感動したの。」

 

優之「じゃあ舞ちゃんは将来、令和のクララ・シューマンになれるかもね。」

 

舞「なれるか分からないけど、世界一のピアニストになる為に頑張る!」

 

ピアニストへの道を進む舞であった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美
      愛川佑美:伊藤美来
      松浦彩乃:佐藤聡美

      嶋村冴子:友永朱音
      嶋村裕樹:興津和幸
      嶋村双葉:久野美咲

     愛川宗太郎:高木渉
       愛川翠:ゆきのさつき

       広瀬悟:浦和希
      星川志歩:鬼頭明里
     松宮絵梨子:夏吉ゆうこ
      内原武憲;武内駿輔

      杉原響子:本渡楓
      三枝深雪:尾崎由香

 トミー・ブライアン:福原かつみ
 フィオ・ブライアン:花井美春

      栗田雅春:梶原岳人
      猪本凉子:茜屋日海夏
      澁谷胡桃:山口立花子
     長谷部幸彦:松風雅也

      宮本義徳:増岡大介
      宮本結子:前田佳織里

      栗田伊織:赤崎千夏
      栗田梨奈:和多田美咲

      高梨蒼子:小澤亜季
      高梨賢一:天崎滉平
     高梨美菜子:鈴木絵里
      高梨光里:大森日雅

      吉岡達雄:桐本拓哉
      吉岡美咲:有村蓮
       吉岡充:酒井広大
      吉岡早苗:大原さやか

      横沢圭一:狩野翔
      小野雅美:和多田美咲
     曽根川祐規:小林大紀
      瀧本文典:諸星すみれ
     古川真知子:M・A・O

      畦間茂成:上村祐翔

       宗像紫:礒部花凜
      日野結衣:堀内まり菜
      坪川奈々:熊田茜音

      矢口遥香:若松来海
       石原茜:大和田仁美
     赤坂美佳子:黒木ほの香

      諸星志揮:???
        ニコ:???

     東山真奈美:後藤邑子


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51話・初恋先輩

8月13日。優之が自転車に乗って東京を走ってる。

 

優之「会社もお盆休みに入ったなぁ。モロスターアートもお盆休みがあるなんて凄いな。まぁ諸星様が仰るには・・・」

 

 

 

 

諸星『休み中にインスピレーションを取り入れるのも芸術家の仕事だからね。』

 

 

 

 

優之「茂成達も休み中に何かインスピレーションを取り入れてるだろう。さて、今日は1人か。佑美さんは中学時代からの親友と遊びに行ってるし。淳一達はそれぞれ用事や遊びがあるって言ってたな。さて、また秋葉原で遊びまくるか。」

 

 

 

 

秋葉原に到着し、おたちゅうで掘り出し物を探したが、何もなかった。クレーンゲームで英雄勇像ウルトラマンティガ~輝けるものたちへ~を獲得した。TAMASHII STORE TOKYOで展示品を見た。

 

 

 

 

スマイリークレープのテリヤキチキンたまごソースを食べる。

 

優之「さて、今日も色々見て来たし。お台場行こうかな?」

 

???「優之君!」

 

優之「お。有香奈さんに深雪さん。」

 

偶然、有香奈と深雪と出会った。

 

深雪「今日はお1人?」

 

優之「佑美さんは中学校時代の親友と遊びに行ってるから、今日は1人。」

 

有香奈「そっか。淳一君達は夏コミに行ってるし。」

 

優之「有香奈さん、今日の夏コミはいいの?」

 

有香奈「ええ。昨日思いっきり楽しんだし。今日は深雪とたっぷり遊ぶの。」

 

深雪「ねぇ〜。」

 

有香奈の腕を深雪が抱く。

 

優之「2人って本当仲良しだなぁ・・・」

 

深雪「当然!大学1年生からずーっと仲良しなのよ!」

 

優之「もう恋人みたいだね・・・」

 

???「あれ?愛川君!?」

 

優之「え?」

 

そこにやって来たのは、ロングポーニーテールの綺麗な女性だった。

 

女性「やっぱり愛川君だ!」

 

優之「え?ええ!?淡島先輩!?」

 

淡島「こんな所で会うなんて偶然!まさかあなたも東京に居るなんて!」

 

優之「お、お久し振りです。偶然会えるなんて思ってなかったです。」

 

淡島「あら?そちらのお2人は、愛川君の友達?」

 

優之「友達って言うか・・・」

 

有香奈「優之君、このお方は?」

 

優之「淡島穂花先輩。俺の中学、高校からの先輩で・・・俺の初恋。」

 

有香奈・深雪「初恋!?」

 

優之「先輩、今慶大に通ってるんですよね?」

 

穂花「ええ。」

 

優之「今3年生ですよね?」

 

穂花「いえ、飛び級して4年生なの。」

 

優之「飛び級!?スゴッ!」

 

穂花「そしてなんと先月、司法研修生を卒業したの!」

 

優之「本当ですか!?じゃあもう弁護士に!?」

 

穂花「その通り!見て?」

 

服の襟の弁護士バッジを見せた。

 

優之「おめでとうございます!」

 

穂花「小さい頃からの夢の弁護士になれたって思うと、今でも胸がドキドキするの。もう事務所の内定は決まってるわ。来年所属するの。」

 

優之「先輩、学生の頃から物凄い成績優秀で生徒会長を務めてましたもんね。」

 

 

 

 

 

 

近くの広場。

 

穂花「愛川君、左手の指輪はもしかして?」

 

優之「はい。結婚したんです。」

 

穂花「そうなんだ〜!おめでとう!」

 

優之「ありがとうございます。」

 

有香奈「深雪。あ〜ん。」

 

深雪「あ〜ん。」

 

イチゴソフトクリームを深雪に一口食べさせた。

 

深雪「ん〜美味しい〜!有香奈も。」

 

有香奈「あ〜ん。」

 

メロンソフトクリームを有香奈に一口食べさせた。

 

穂花「恋人みたいな2人だね。」

 

優之「ええ。」

 

穂花「竹下さんと三枝さんは何処の大学に通ってるの?」

 

優之「2人共東大なんです。」

 

穂花「凄い!愛川君は何処の大学?」

 

優之「いえ、今SKY ANGLEに勤めています。」

 

穂花「SKY ANGLE?あのオールジャンル制作会社の?」

 

優之「はい。そのSKY ANGLEの先輩社員と結婚してまして。そして今在宅ワーク優先です。」

 

穂花「在宅?」

 

優之「俺実は、モロスターアートに所属しているんです。」

 

穂花「モロスターアート!?諸星財閥が経営している芸術の才能がある若者を育成する事務所じゃない!え?愛川君が応募して所属したの?」

 

優之「違いますよ。実はSKY ANGLEの大株主が諸星様で、俺のイラストを諸星様が気に入ってくれたんです。その縁で諸星様が俺をスカウトしてくれたんです。」

 

穂花「凄いな〜!愛川君の絵はどれもクオリティ高いから、諸星様が気に入るのも納得だよ。もしかして、今でも創作イラスト描いてたりする?」

 

優之「勿論してますよ。」

 

穂花「あの頃も凄かったよね。あなたの絵が話題になって、全校生徒から依頼が殺到してたもんね。」

 

優之「はい。中にはお金払いたいって言う生徒も居ましたし。」

 

穂花「それだけ、あなたの絵が認められたって言う証拠だよ。それにしても凄いよね〜。あの諸星様のお墨付きを彫られているんだもん。」

 

優之「いやいや。俺はただ普通に仕事してるだけで、何故かこう言う運命に巡り合っただけなんですから。」

 

穂花「謙遜しないの。」

 

深雪「ねぇねぇ優之君!」

 

優之「うおあっ!ビックリした!!」

 

深雪「淡島さんとの出会いは何が切っ掛けだったの?教えてくれない?」

 

優之「ええ・・・」

 

穂花の方を見る。穂花は優之に優しい笑顔を見せた。

 

優之「初めて会ったのは、俺が中学1年の頃だったかな?その時先輩は3年生でしたよね?」

 

穂花「そうだね。」

 

優之「先輩は、成績優秀でスポーツ万能。容姿端麗で誰にでも優しい先輩。生徒会長を務めていて、皆から天使のような人って言われてて大人気の生徒だったんだ。そのお陰か、ファンクラブまで作られたんだ。」

 

有香奈「ファンクラブがあったなんて凄い!」

 

優之「俺も先輩に一目惚れした1人だった。でも、ある時先輩がイジメの標的にされたんだ。」

 

深雪「イジメに?誰から?」

 

優之「先輩と同じ3年生の3人の女子生徒。成績が良い先輩に嫉妬して、陰湿なイジメを行ったんだ。」

 

 

 

 

 

 

中学時代。穂花は3人の女子生徒から陰湿なイジメを受けていた。机を削られたり、教科書やノートを破かれたりもした。

 

 

 

 

 

 

優之「でも先輩は、それを気にしてないのか、何時も笑顔を絶やさなかった。でもある時・・・」

 

 

 

 

 

 

中学時代。

 

優之『さぁ〜てと、部活終わったしそろそろ帰りますかな?』

 

当時中学1年生の愛川優之。イラスト部の部活が終わり帰り支度をしていた。

 

 

 

 

その帰り道。

 

優之『ん?』

 

公園のベンチに座って、夕陽を眺めてる穂花が居た。

 

優之『淡島先輩?』

 

穂花『ん?あなたは・・・』

 

優之『1年の愛川優之です。どうしたんですか?夕陽を眺めて。』

 

そう言って穂花の隣に座る。

 

穂花『今日も夕陽が綺麗だなぁ〜って。』

 

優之『先輩、毎日夕陽を眺めてるんですか?』

 

穂花『ええ。子供の頃、お父さんとよく夕陽を眺めてたの。だから今もこうして。』

 

優之『そうなんですね。・・・あの先輩。』

 

穂花『ん?』

 

優之『毎日イジメに遭ってて、辛くないですか?』

 

穂花『ん?どうして?』

 

優之『毎日イジメに遭ってて、それでいて笑顔を絶やさない。それで良いんですか?』

 

穂花『・・・大丈夫よ。私なら大丈夫。』

 

優之『そうでしょうか?では、この腕は?』

 

穂花の制服の腕を袖を捲った。腕に痣が出来ていた。

 

穂花『・・・!』

 

優之『あの3人から暴力を受けてたでしょ?悟と茂成が目撃して、それを俺達に教えてくれたんです。悔しくないんですか?イジメの標的にされた事を皆にひた隠しにして、このまま卒業するまで受け続ける気ですか?』

 

穂花『・・・・・・』

 

優之の言葉を受け、穂花が涙を流した。

 

穂花『本当は私・・・誰かに相談したかった・・・でも・・・それが出来なかった・・・あの3人は・・・佐賀の議員の娘達なの・・・反抗したら親の権力を使って脅して来るの・・・皆あの3人が怖いの・・・だから・・・』

 

優之『相談しようにも出来なかった。あの先輩達は親のコネを利用するクズですからね。』

 

穂花『だから私・・・このまま我慢しながら学校生活を送る事しか出来ない・・・でも私は・・・私は・・・』

 

泣きじゃくる穂花を、優之が優しく抱いた。穂花は優之の胸の中で泣いた。

 

穂花『うわああああああーーん!!』

 

優之『先輩・・・俺に任せて下さい。』

 

穂花『え・・・?』

 

優之『先輩を助ける唯一の方法がありますので。』

 

 

 

 

 

 

現在。

 

有香奈「それからどうなったの?」

 

優之「俺の親友で、松宮財閥の令嬢の絵梨子に相談した。絵梨子はその相談を承諾して、探偵を紹介してくれた。松宮財閥があの3人の父親の不正を暴いてやったんだ。3人の議員には、収賄罪や横領罪の疑いがあったんだ。そして絵梨子は顧問弁護士を俺達に紹介してくれて、3人の議員を徹底的に追い詰めた。」

 

 

 

 

 

 

中学時代。3人の父親の不正がニュースで大々的に報道された。これにより、3人は警察に逮捕され議員を辞任せざるを得なかった。3人は家族が払ってくれた保釈金によって釈放された。

 

 

 

 

娘A『パパが辞職なんて絶対認めない!!!!あのニュースは偽物だ!!!!あれはパパじゃない!!!!』

 

娘B『こうなったのも全部お前達のせいだ!!!!お前達のせいで私達の人生が台無しだ!!!!!!』

 

娘C『責任取れクソ野郎!!!!!!!死んで詫びろ!!!!!!』

 

 

 

 

優之「議員を辞職した3人の娘達はそのニュースを見て自暴自棄になり、学校で暴れ回ったんだ。バットを持って廊下のガラスや教室の机、果てには校長室までも壊したんだ。だが当然、父親を逮捕された事で権力は使えず警察に逮捕され、退学処分になった。今は何処かへ引っ越して行方を眩ませてる。事件が収束し、先輩はようやく本来の自分を取り戻したんだ。」

 

深雪「そんな事があったのね。」

 

 

 

 

 

 

あの事件から翌日。

 

穂花『愛川君!』

 

優之『ん?』

 

穂花『ありがとう!助けてくれて!』

 

優之『いえ。俺は当然の事をしただけですから。それに、不正を暴いてくれたのは親友の絵梨子なので。』

 

穂花『ううん。あなたが居なかったら、私は今も苦しんでたかも知れない。だからお礼を言わせて?本当にありがとう!』

 

優之『あ、あはは・・・どういたしまして。』

 

 

 

 

 

 

現在。

 

穂花「本当に今でも感謝してるわ。あなたが居なかったら、今の私はなかったかも。」

 

有香奈「素敵なお話ね〜。」

 

優之「それから俺と先輩は、同じ高校に進学し、先輩は慶大を受かった為上京した。そして俺も、SKY ANGLE入社の為に上京した。そう言えば先輩、どうして弁護士になったんですか?高校の時、弁護士になりたいって言ってましたよね?何か理由が?」

 

穂花「松宮さんが紹介してくれた顧問弁護士さんに憧れを抱いたの。だから私、何時か弁護士になって世の為人の為の力になりたいって思って弁護士になろうって決めたの。」

 

優之「そうだったんですか。先輩なら、誰からも頼れる立派な弁護士になれますよ。応援してます!」

 

穂花「ありがとう愛川君。」

 

深雪「あら。そろそろお昼ね。」

 

有香奈「ねぇ、一緒にお昼食べない?」

 

優之・穂花「え?」

 

有香奈「折角だし、お2人もどうかしら?」

 

優之・穂花「・・・・・」

 

穂花「そうね!是非呼ばれて貰うわ!」

 

優之「折角だし、学生の頃の話もしたいし。」

 

有香奈「決まりね!」

 

その後優之は、初恋の先輩の淡島穂花と学生時代の話をして盛り上がったと言う。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

     竹下有香奈:大西沙織
      三枝深雪:尾崎由香

      諸星志揮:???

      淡島穂花:中村繪里子


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52話・見たくないモノ

8月16日。朝のおあにた荘で優之は佑美と一緒にテーブルの椅子に座ってミルクココアを飲んでる。

 

優之「ふぅ〜。休みに家でのんびり飲むココアは美味いなぁ〜。」

 

佑美「だね〜。」

 

優之「皆は1週間に1回の映画鑑賞会を楽しんでるね〜。」

 

佑美「今日は五等分の花嫁ね〜。」

 

今日は映画鑑賞会で、淳一達はソファーに座ってAmazonプライムで映画五等分の花嫁を鑑賞中。

 

佑美「今日の鑑賞会は4作品だっけ?」

 

優之「ああ。今これが1作目だ。次は淳一が気になる映画を見るって。」

 

佑美「どんな映画か楽しみね。」

 

 

 

 

五等分の花嫁鑑賞終了。

 

淳一「いやぁ〜面白かったわ〜。」

 

樹々「感動した。」

 

淳一「ありがとう悠里ちゃん!」

 

悠里「いえいえどういたしまして。」

 

彩乃「次は淳一さん、何の映画を選んだんですか?」

 

淳一「実は前々から気になっていた映画があるんだよねぇ〜。」

 

優之「気になる映画。どんな映画だろうな〜。」

 

そう言ってミルクココアを飲む。

 

佑美「淳一君が好きなアニメ映画かもね〜。」

 

ミルクココアをソーサーに置いた。

 

淳一「これこれ。大怪獣のあとしまつ。」

 

優之「ブッ!」

 

口に含んでるミルクココアを吹いた。

 

佑美「ッ!?」

 

タイトルを聞いて固まった。

 

康介「大怪獣のあとしまつ?」

 

淳一「前々から気になってた特撮映画なんだけど。去年の2月に公開されて映画で、コンセプトが面白くてさ。突如現れた大怪獣にヒーロー、例えるならウルトラマンが現れて大怪獣を倒して世界が救われたって言うお約束の展開がある。けど、倒された大怪獣をどうやって後始末するのかって言う。」

 

真奈美「面白そうな映画ね。」

 

悠里「主演は山田涼介さん、ヒロインは土屋太鳳さん。キャストが豪華なんだね。」

 

舞「優之お兄ちゃんと佑美お姉ちゃんが好きそうな映画だね。」

 

有香奈「そうね。お2人も一緒に・・・ん?」

 

優之・佑美「・・・・・・」

 

テーブルの方を見ると、優之と佑美が固まってる。

 

有香奈「どうしたの2人共?」

 

優之・佑美「・・・・・」

 

淳一「どした一体?2人の好きな特撮映画だぞ?」

 

佑美「実は私達・・・その映画・・・」

 

優之「俺らにとって酷い映画でな・・・」

 

淳一「酷い?」

 

優之「初公開されたコンセプトを見て面白そうって期待を膨らませたんだけど、蓋を開けて見た瞬間、めっちゃガッカリした・・・料金返せって言いたい程酷くて、トラウマ・・・」

 

佑美「私も同じ・・・もう二度と見たくないって心の底から叫んだんだもん・・・」

 

優之「んで、同日に公開された鹿の王を見てお色直ししたんだ。佑美さんは。」

 

佑美「ゴーストバスターズ アフターライフでお色直しした。」

 

淳一「そんなに酷い映画なのか・・・でも気になってたし折角だから見てみようかな?」

 

優之「一言言っとく。後悔するぞ?」

 

淳一「お、おけ。」

 

優之「佑美さん。終わるまで俺の部屋でウルトラアーツと遊ばない?」

 

佑美「あ、良いね。行こ行こ。」

 

2人は優之の部屋へ行った。

 

舞「本当に後悔する映画かな?」

 

淳一「まぁ、見ずに後悔より見て後悔しよう!早速鑑賞スタート!」

 

大怪獣のあとしまつ鑑賞開始。

 

 

 

 

 

 

優之の部屋。

 

佑美「やっぱり毎日遊んでも楽しいわね〜。」

 

2人はウルトラアーツとモンスターアーツで遊んでいる。

 

優之「フィギュアだからこそ出来るコラボが実現出来るもんな〜。」

 

佑美「今年のネイションズも行かなくちゃね。」

 

優之「だね。真骨彫のグリッターティガ欲しいし、新作フィギュアの展示も見なきゃな。」

 

佑美「真骨彫タジャドルの最終回verとBLACK SUNの初変身verが欲しいな〜。」

 

優之「佑美さんは期待している新作アーツは何だと思う?」

 

佑美「ん〜。ガッチャードかな?後、大量発生型相変異バッタオーグ。優之君は?」

 

優之「俺はやっぱり、真骨彫ティガのスカイタイプ、真骨彫ダイナのミラクルタイプとストロングタイプ、デッカーストロングタイプ、アブソリュートティターンも期待してるけど、真骨彫ガイアとアグルが一番期待してる。」

 

佑美「ティガとダイナも出たものね。あの2人も出て来そうな気配するもんね。」

 

優之「皆今頃楽しんでる?だろうな。」

 

佑美「いや、多分ドン引きかもね。」

 

優之「大怪獣希望の造形は好きだな〜。密かにモンスターアーツ化願ってる俺。」

 

佑美「それ私も同じ。」

 

優之「思ったんだけど、あれ円谷プロが作ったらストーリーどうなるんだろう?」

 

佑美「面白くなるんじゃないかな?」

 

 

 

 

 

 

1時間45分後。2人がリビングに降りた。

 

優之「あらら。」

 

淳一達が落ち込んでた。

 

優之「後悔しちゃったみたい?」

 

淳一「ラストシーン・・・あれ何なんだよ・・・」

 

悠里「最初からやってって今も思ってるよ・・・」

 

佑美「ね?」

 

淳一「もう特撮ファンが好きそうな映画だって事を履き違えてる映画だったな・・・」

 

樹々「私・・・あの映画もう見ない・・・」

 

康介「同じく・・・」

 

優之「じゃあさ、気分転換に3作目どれが見たい?」

 

淳一「優之が決めてくれ・・・どれでも良いから・・・」

 

優之「じゃあシン・ウルトラマン見るか。」

 

3作目、シン・ウルトラマン鑑賞開始。

 

 

 

 

 

 

シン・ウルトラマン鑑賞終了。

 

優之「うん。安心感があるね。」

 

佑美「やっぱり特撮はこうでなくちゃね。」

 

淳一「俺もウルトラマンの方がマシだな。」

 

彩乃「面白かったです!」

 

淳一「それじゃ、最後4作目は誰が選ぶ?舞ちゃんは何か見たいのある?」

 

舞「私?えっとね〜・・・あ!コレ見たい!ゾロアーク!」

 

劇場版ポケットモンスター 幻影の覇者ゾロアークを鑑賞開始。

 

 

 

 

 

 

劇場版ポケットモンスター 幻影の覇者ゾロアーク鑑賞終了。

 

淳一「うん。やっぱりポケモンも良いな。」

 

優之「淳一、さっきよりテンション低くないか?」

 

淳一「大怪獣のあとしまつがあまりにも・・・」

 

優之「もしやトラウマ?」

 

淳一「かもな・・・」

 

優之「そう落ち込むなよ。今度俺がオススメする特撮映画紹介してやるから。」

 

淳一「俺が好きそうな映画があったら教えてくれ・・・」

 

優之「おう。任せとけ。」

 

映画鑑賞会は無事終了。淳一は終日少しテンション低くなったのであった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美
      愛川佑美:伊藤美来
      松浦彩乃:佐藤聡美

     東山真奈美:後藤邑子


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53話・初恋、お借りします

8月18日。渋谷区。この日、優之は佑美と淳一に初恋の穂花に会わせた。

 

優之「佑美さん。淳一。こちら淡島穂花先輩だよ。」

 

穂花「淡島です。今は慶大の大学生です。初めまして。」

 

佑美「優之君の妻の佑美です。優之君がお世話になっております。」

 

淳一「日高淳一です。おい優之〜、可愛い初恋さんだね〜。」

 

いたずら笑顔で優之に肘を突く。

 

優之「茶化すの止めて。一応言うけど、初恋であって浮気じゃないからな?」

 

佑美「分かってるよ〜。ねぇ穂花ちゃん。もし優之君から告白受けてたらどうしてたの?」

 

穂花「う〜ん・・・素直に受け入れてたかも知れませんね。」

 

優之「ッ!?」

 

それを聞いて、優之がドキッとなった。

 

穂花「愛川君は、イジメに苛まれてた私を助けてくれた恩人です。私は彼のご恩を一生忘れません。」

 

佑美「だってさ。優之君。」

 

優之「・・・・・・・」

 

淳一「ありゃりゃ。悶絶してるみたいだな。」

 

穂花「愛川君。改めて言わせて?もしあなたが私を助けてくれなかったら、今の自分が居なかったわ。本当にありがとう。」

 

優之「・・・と、とんでもないです。先輩に褒められるなんて光栄です・・・」

 

穂花「タジタジになってるね。」

 

佑美「ホラホラ優之君。もっとシャキッとしなさい!」

 

淳一「そうだぞ!先輩の前で堂々としないと!」

 

優之「しようにも出来ないよ・・・何しろ俺の初恋の先輩に褒められるなんて・・・」

 

佑美「今日の優之君、情緒不安定だね。穂花ちゃん、私がしっかり優之君を愛し続けるから安心して?」

 

穂花「はい。宜しくお願いします。」

 

優之「何で見合いみたいになってんの・・・」

 

佑美「そうそう。慶大って私立大学の中で物凄く最難関って言われてるよね?大学でどんな勉強しているの?」

 

淳一「俺も聞きたい!電機大学に通ってるんだけど、慶大の話も聞きたいんだ!」

 

穂花「えっと、今はですね・・・」

 

優之(3人共、もうすっかり仲良くなってる。でも、淡島先輩に褒められて嬉しかった・・・あの時も・・・)

 

 

 

 

 

 

穂花『あなたが居なかったら、私は今も苦しんでたかも知れない。だからお礼を言わせて?本当にありがとう!』

 

 

 

 

 

 

優之(先輩、救われて良かった・・・)

 

淳一「にしても良いな〜。俺は初恋の人なんて居なかったのに〜。穂花さんみたいな人が初恋だったらな〜。」

 

穂花「だったらさ!」

 

すると穂花が、淳一の腕を抱いた。

 

淳一「え?」

 

穂花「今日から私が、日高君の初恋になろっかな〜?」

 

淳一「え?えへ・・・?」

 

優之「先輩!?」

 

佑美「ワオ!大胆!」

 

淳一「お、俺で良いの・・・?」

 

穂花「プチレンタル初恋って事でどうかな?」

 

淳一「・・・喜んで!優之!初恋、お借りします。」

 

優之「彼女、お借りしますみたいに言うな!」

 

 

 

 

 

 

穂花は淳一にプチレンタル初恋になって、渋谷109で遊ぶ。愛川夫妻は付き添い。

 

佑美「楽しそうね。淳一君。」

 

優之「先輩がまさか淳一にレンタルするなんて、あの頃より活き活きしてるような・・・まぁでも、楽しそうなら良っか。」

 

佑美「昔はイジメられてたんだよね?」

 

優之「3人の佐賀議員の娘達にな。逆らうと権力を使って抹消されるかも知れないって恐れられてたんだ。」

 

佑美「確か、優之君の相談を快諾した絵梨子ちゃんが助けてくれたんだよね?」

 

優之「あの3人の議員は、松宮財閥と深い関わりがあってな。絵梨子が探偵や弁護士を諸々紹介してくれたんだ。んで、3人の議員には、県の金の横領罪や自分の娘を入学させる為に校長との密会による収賄罪で逮捕されたんだ。んで、3人の娘は自暴自棄になって発狂。学校を暴れ回ったが、最後は逮捕された後、何処かへ引っ越しして行方不明。」

 

佑美「酷い人達だね。コネじゃなく自力でやらなきゃ人間が完成しないのに。」

 

優之「全くもってその通り。」

 

佑美「そう言えば穂花ちゃん、在学中に司法研修所を卒業して弁護士になったんだって?」

 

優之「ああ。内定貰ってて、卒業したら弁護士事務所に入る予定なんだ。」

 

佑美「弁護士かぁ〜。良いね。女性弁護士ってクールで格好良いね。」

 

優之「未来は、エリート弁護士になってたりして。」

 

佑美「楽しみだね。」

 

 

 

 

 

 

その後、渋谷からバイクと車に乗って墨田区へ向かう。佑美は優之のバイク、穂花は淳一の車に乗ってる。

 

穂花「徒歩でしか観光しなかったけど、車で観光すると一味違うわね〜。」

 

スマホで車窓の景色を撮る。

 

 

 

 

 

 

だが、途中で事件が起こった。

 

優之「ん?」

 

淳一「何だ?」

 

前方の車が蛇行運転している。更に、2人の男女が窓から顔を出して優之達に中指立てたり、親指を下に向けたりもした。

 

佑美「何?あれ?」

 

穂花「まさか、煽り運転?」

 

淳一「生で初めて見るな。優之どうする?」

 

インカムマイクで優之に言った。

 

優之「所詮バカのやる事だ。平常にしとこうぜ。」

 

淳一「だな。穂花ちゃん、俺の好きなアニソンあるんだけど一緒に聴く?」

 

穂花「良いね!私もアニソン聴きたい!」

 

優之「佑美さん、俺達は僕らのスペクトラでも聴く?」

 

佑美「グッドよ優之君!」

 

オーディオでそれぞれの曲を再生し、煽り運転を無視した。

 

 

 

 

しばらく走行していると、煽り運転の車から石を投げられ、クラクションが聞こえた。石は優之と佑美の乗るゴールドウイングツアーの横に落ちた。

 

優之「ん?淳一、何か音がした?」

 

淳一「いや何も?空耳じゃない?」

 

優之「それもそっか。アハハ!」

 

佑美「あ!彼処右折すれば江東区へ行けるよ?」

 

淳一「よし!じゃあレッツゴー!」

 

穂花「ゴーゴー!」

 

優之「よいしょ!」

 

2台は右折し、煽り運転の車から逃げた。

 

 

 

 

 

 

東京ソラマチ。スイーツ食べながら景色を眺める。

 

淳一「いやぁ〜、あの煽り野郎メチャクチャ怒ってたなぁ〜。」

 

優之「相手されなくてクラクション鳴らすなんてアホだよなぁ〜。」

 

佑美「早くスカイツリーに登ろ?」

 

穂花「良いですね!行きましょう!」

 

 

 

 

東京スカイツリーのエレベーター。

 

佑美「ん?ねぇ見てコレ。」

 

優之・淳一・穂花「ん?」

 

スマホにあるネットニュースが掲載されていた。

 

佑美「さっきの車、煽り運転で逮捕されたみたいよ?」

 

淳一「おやまあ。悪い事が自分に返ったみたいだな。」

 

佑美「逮捕されたのは4人の男女で、全員酒飲んでて、運転手の男は免停期間中だったらしいよ。」

 

穂花「それはそれは・・・懲役刑間違いなしね。」

 

 

 

 

 

 

スカイツリー・展望台。

 

穂花「広ーーい!やっぱりスカイツリーは良いね〜!!あ!富士山が見えるよ!」

 

優之「先輩、ずっとスカイツリーに憧れてましたもんね。」

 

穂花「そうなの!学生の頃からずっと登ってみたかったの。上京して落ち着いた頃に登った時は凄い景色が目に映ったの!あ!」

 

スカイツリーにあるガラス床。

 

穂花「やっぱりこのガラス床、怖いけどついつい乗りたくなっちゃうの!」

 

淳一「初めて会った時、清楚で優しいお方と思ってたけど、意外と活発なんだな。」

 

優之「先輩が言うには、子供の頃からだそうだ。ご両親がとても明るく元気で、その性格を受け継いでるって。」

 

佑美「清楚に見えて明るく活発なギャップ。私好きかも。」

 

優之「ん?佑美さん?」

 

 

 

 

 

 

夕方の帰り道。優之と穂花はバイク、淳一と佑美は車に乗ってる。

 

穂花「今日は楽しかった!ありがとうね愛川君。」

 

優之「いえ。先輩が楽しんでくれて何よりです。」

 

穂花「ねぇ、今度は愛川君が住んでるシェアハウスにお邪魔しても良いかな?」

 

優之「勿論ですよ。その時は皆に伝えます。」

 

淳一「佑美さんどお?あの2人、お似合いじゃない?」

 

佑美「確かにね。もし私じゃなく穂花ちゃんが優之と結婚してたら、もう1つのベストマッチになってたかもね。」

 

この日は、穂花と楽しい観光を満喫した優之達であった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      愛川佑美:伊藤美来

      淡島穂花:中村繪里子


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54話・個展の下準備

8月21日。モロスターアート・共同アトリエ。

 

優之「・・・・・」

 

この日の優之は、集中して描いてる。

 

紫「今日の優之さん、何時になく集中してるね。」

 

結衣「諸星様から個展の話が舞い込んで来たって茂成さんが言ってたわ。」

 

奈々「もう個展の話が来たんだね。」

 

茂成「まぁ、彼奴の事だからウルトラマンとゴジラの絵が並んだ個展って決まってるしな。」

 

優之「それだけじゃない。創作イラストを兼ね備えた空想創作個展だ。俺の持ってるウルトラアーツとゴジラアーツをリアルのように組み合わせた絵の創作やクロスオーバーの創作イラストを展示する。」

 

茂成「それ、ジオラマも被写体にしてるのか?」

 

優之「持ってるけどジオラマ使ってない。俺の頭の中で創作した物だけだ。」

 

”ピリリリン”

 

スマホが着信した。

 

優之「ん?諸星様だ。」

 

諸星からの電話に出る。

 

優之「もしもし?諸星様。はい。はい。分かりました。今行きます。」

 

通話を終了し、椅子の横に置いてる丸めたポスターを持つ。

 

優之「皆。俺ちょっと会議室行って来る。」

 

茂成「諸星様からのお呼びか?」

 

優之「個展の打ち合わせで話があるって。」

 

アトリエを出て会議室へ向かった。

 

 

 

 

 

 

モロスターアート・第1会議室。

 

優之「失礼します。」

 

会議室に入ると、諸星とニコが待っていた。

 

諸星「優之君。久し振りだね。」

 

ニコ「ご無沙汰しております。」

 

優之「お盆期間中は会えませんでしたものね。まぁ個展の電話は頂きましたけど。」

 

席に座り、諸星と打ち合わせを始める。

 

諸星「君の個展の開催期間が決まったよ。10月7日から9日の3日間だよ。」

 

優之「結構先ですね。諸星美術館で何か展示会とかあるんですか?」

 

諸星「そうだね。他のモロスターアートのアーティストの個展がびっしり詰まっててね。」

 

優之「確かに。10月7日からだと親子で行ける絶好のチャンスですね。」

 

ニコ「そうです。優之様、絵の作業は順調ですか?」

 

優之「ええ。半分以上完成したんです。後は、ウルトラマンとゴジラのクロスオーバーシリーズの絵だけです。」

 

諸星「実は俺とニコと他のメイド達も来るから楽しみにしててね?」

 

優之「ありがとうございます。あ、そうだ諸星様。ちょっと2つお願いがあるんですが。」

 

諸星「ん?何だい?」

 

優之「1つは、俺の個展で俺の拘りがあるんですよ。これ、見て貰えますか?」

 

持って来たポスターを広げた。ポスターには、個展の設計図が書かれていた。

 

優之「ウルトラマンには、それぞれ世代があるんです。なので、俺が設計した展示ブースを取り入れて欲しいんです。ここが46歳以上の昭和世代。そしてここが26〜45歳の平成世代。最後にここが25歳までの令和世代。それぞれのブースに世代別の展示を試みているんですが。どうでしょうか?」

 

諸星「成る程。それぞれ交わらず、自分が世代だったウルトラマンの絵を見て楽しむ。君らしい拘りだね。決めた。それを採用しよう。」

 

優之「ありがとうございます。そしてもう1つは、それぞれのブースで主題歌を流したいんです。昭和世代なら昭和うウルトラマン。平成世代なら平成ウルトラマン。令和世代なら平成〜令和ウルトラマン。と言う感じにしたいんです。」

 

諸星「見て楽しむだけでなく、聴いて楽しんで懐かしむ。とても素晴らしい拘りだね。」

 

優之「まぁ、殆どは俺の我儘ですけどね・・・」

 

諸星「いや、是非とも採用しよう。」

 

優之「恐縮です。」

 

諸星「じゃあ、今日の打ち合わせはこれで以上だ。またあった時は俺から連絡するから。」

 

優之「分かりました。失礼します。」

 

彼は第1会議室から出た。

 

ニコ「優之様、目が輝いていましたね。」

 

諸星「あれが優之君の良い所だ。自分の好きな物をプレゼンする姿勢が彼の長所だ。」

 

 

 

 

 

 

共同アトリエ。

 

優之「ただいま〜。」

 

茂成「おう。おかえり。どうだった?打ち合わせ。」

 

優之「諸星様が俺の拘りを採用してくれるって仰ってた。」

 

紫「やっぱり、諸星様は誰に対しても優しいね。」

 

結衣「甘く見てると、怖いかもよ?」

 

茂成「まぁ、怒らせたら社会的に抹消されるって有名だし。」

 

優之「んじゃ、作業再開するか。」

 

仕上げ途中の絵を描く。

 

紫「今どんな絵を描いてるの?」

 

優之「ウルトラマンブレーザーと-1.0のゴジラの戦闘シーン。ゴジラ-1.0の特報で凄い絶望を感じたから、そこにブレーザーを登場させて戦わせてる。」

 

茂成「俺も見たぞその特報。ストーリーがめっちゃ気になるな。」

 

優之「公開初日は佑美さんと一緒に観なきゃな〜♪」

 

紫「ねぇ、優之さんの個展は私達にも楽しめるのかな?」

 

優之「そこは心配無い。俺が指南書を作っておくから。知らない人でも知ってる人でも楽しめるから。」

 

紫「それなら安心だね。」

 

茂成「でも大丈夫なのか?ウルトラマンの絵を飾るって言っても、著作権とか・・・」

 

優之「実はな、インスタのフォロワーの中に円谷プロがあってな。個展でウルトラマンの絵を展示したいって話したら、快く承知してくれたんだ。」

 

茂成「インスタの人脈凄いな。相変わらず。」

 

 

 

 

 

 

30分後。

 

優之「よし出来た。」

 

ウルトラマンブレーザーVSゴジラ(2023)の戦闘絵が完成した。

 

優之「絶望に希望?を取り入れてみたら、イイなコレ。早くフィギュアーツとモンアツで並べたいなぁ〜。」

 

 

 

 

 

 

夜。おあにた荘・優之の部屋。

 

優之「色んな展示会があるんだな。」

 

モロスターアートの入り口にあった諸星美術館の展示会のフライヤーを拝見している。

 

優之「この世界紙幣展覧会が面白そうだな。諸星様が集めた世界の歴代の紙幣の展覧会。こりゃあ、康介さんと有香奈さんを連れて行こうかな?」

 

個展まで後44日。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      畦間茂成:上村祐翔

       宗像紫:礒部花凜
      日野結衣:堀内まり菜
      坪川奈々:熊田茜音

      諸星志揮:???
        ニコ:???


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55話・ファン同士

8月25日。午後5時の秋葉原。TAMASHII NATION STORE TOKYOにある男が居た。

 

悟「ガンプラも良いけど、ROBOT魂も中々やなぁ。」

 

彼の名は広瀬悟。優之の幼馴染みで、東京の大企業、杉原カンパニーに勤めるガンダムのオタク通称”ガノタ”の会社員。

 

悟「今年のネイションズ2023行こうかな?さて、そろそろ行くか。」

 

STORE TOKYOを出て、CB400 SUPER BOL D'ORに乗ってある場所へ向かった。

 

 

 

 

 

 

千代田区にある一軒家。インターホンを押す。

 

???「はーい。」

 

玄関のドアを開けた人物。

 

悟「あ、蒼子さん。広瀬です。」

 

蒼子「あ!悟さん!」

 

それは、高梨蒼子だった。

 

悟「幸彦さんは居ます?」

 

蒼子「娘達と遊んでいますよ。どうぞ。」

 

悟「お邪魔します。」

 

ここは、幸彦の家である。

 

 

 

 

玄関で靴を脱ぐ。

 

悟「賢一さんも来ているんですね?」

 

蒼子「はい。」

 

悟「わざわざ埼玉から遊びに来て、大変じゃないでしょうか?」

 

蒼子「いいえ。兄の顔を見る為なら何だって行きますよ。それに、娘達は兄に凄い懐いていますし。」

 

悟「強いですねぇ。幸彦さん、逞しい妹さんを持ちましたね。」

 

 

 

 

リビング。幸彦が美菜子と光里と遊んでいる。

 

蒼子「お兄ちゃん、悟さんが来たよ。」

 

悟「お邪魔します。」

 

幸彦「おお!来たな悟!」

 

悟「どうも幸彦さん。賢一さんもご無沙汰しております。」

 

賢一「いらっしゃい悟さん。」

 

美菜子「悟お兄ちゃんいらっしゃい!」

 

光里「いらっしゃい!」

 

悟「いらっしゃいました〜。珍しいですね。幸彦さんが急に俺を誘ってくれるなんて。何か情報とか仕入れたんですか?」

 

幸彦「実はな、ある物がやっと手に入ったんだ。」

 

テレビの近くにある箱を悟に見せた。

 

幸彦「コレだ!」

 

悟「なっ!?そ、それは旧HGガンダム!システムインジェクション21による金型磨耗が激しいと言う理由で絶版されたキット!」

 

幸彦「流石詳しいな。」

 

悟「図鑑で見た事あるけど、リアルで見るの初めてだ。」

 

幸彦「これを、悟君にプレゼントだ。」

 

悟「え!?マジですか!?それ激レアですよ?」

 

幸彦「実はな、他の絶版キット持ってるんだよね。」

 

悟「他の絶版キット!?HGのガンダムMk-Ⅱや、HGZとZZもあるんですか!?」

 

幸彦「如何にも。実はこの絶版ガンダムも持ってるんだよね。」

 

悟「って事は、それ2個目ですか?」

 

幸彦「ああ。だから悟君にプレゼントだ。」

 

絶版ガンダムを悟にプレゼントした。

 

悟「ありがとうございます!めっちゃ嬉しいです!」

 

幸彦「悟君。ガンダムゲームがめっちゃあるぞ。どれやりたい?」

 

悟「え〜?そうですねぇ・・・あ!Another Century's Episode:R!これ妙にプレイしまくってたなぁ〜。」

 

 

 

 

Another Century's Episode:Rをプレイ。

 

悟「うわぁ〜懐かしい〜。ずっとストフリでプレイしてましたぁ〜。」

 

幸彦「俺Hi-νでプレイしてたぞ。」

 

悟「最初の頃、これマクロスゲーかよって思ってました。でも俺クロスオーバーが好きで何度もプレイしてました。」

 

幸彦「やっぱり悟君もか。俺もクロスオーバーが好きなんだよ。」

 

悟「スパロボもあるんですか?」

 

幸彦「勿論あるぞ。」

 

悟「よし。シースタンド・コア倒せた。」

 

 

 

 

 

 

夕方6時。夕食。ハンバーグ、ビーフシチュー、パン、サラダのフルコース。

 

光里「ビーフシチュー美味しい〜!」

 

美菜子「ママ!このサラダも美味しいよ!」

 

蒼子「ありがとう美菜子。光里。」

 

悟「蒼子さん!このハンバーグめっちゃ美味いです!噛んだ瞬間に溢れ出てくる肉汁が食欲をそそります!」

 

蒼子「喜んでくれて良かったです。」

 

悟「もしかして料理が大得意ですか?」

 

賢一「実はね、蒼子は料理本を出版しているんです。」

 

悟「成る程!」

 

幸彦「蒼子の作る料理は美味いぞ?低コストだけど、絶品料理を作れる腕前なんだ。」

 

悟「そうなんですね。毎日自炊してるけど、簡単な料理しか作ってないから、今度蒼子さんの料理本買おっかな?」

 

幸彦「そうだ悟君。この後俺の部屋を見ないか?」

 

悟「お!是非是非!」

 

 

 

 

 

 

夕食後。幸彦が悟を自分の部屋へ案内した。

 

悟「おおお〜〜〜〜〜!!」

 

目をキラキラさせてる悟が見た光景は、沢山のガンプラが飾られている幸彦の部屋だった。

 

悟「幸彦さん凄いっす!」

 

幸彦「これだけ集めるのにめっちゃ苦労したよ。激レアキットなんて今高騰してるから。」

 

悟「ヤバい!俺の持ってる奴や持ってない奴がめっちゃある!ん?」

 

RGストライクガンダムがI.W.S.Pパックを換装している。

 

悟「このI.W.S.P、自作ですか?」

 

幸彦「そうなんだよ。めっちゃ苦労したよ。」

 

悟「良いな〜。」

 

 

 

 

 

 

リビングに戻り、悟と幸彦は美菜子と光里と遊ぶ。

 

悟「そう言えば幸彦さん。幸彦さんと蒼子さんのご両親は居るんですか?」

 

幸彦「・・・実は、高校の頃に事故死してな・・・」

 

悟「え・・・?」

 

幸彦「親を亡くした俺達は、親の遺した遺産を使ってお互いを支え合ってここまで来たんだ。」

 

蒼子「お父さんとお母さんが亡くなった時、私はずっと落ち込んでました・・・」

 

悟「そうだったんですね・・・」

 

幸彦「でも、俺達は幸せを手に入れたんだ。俺は好きな仕事に就けて、蒼子は賢一君と結婚して子供達を授かった。」

 

悟「幸彦さんは結婚しないんですか?」

 

幸彦「あ・・・いやそれは・・・賢一君、説明してやれ。」

 

賢一「実はお義兄さん、無精子症なんです。」

 

悟「あ・・・何かすみません・・・」

 

美菜子「でもね?伯父ちゃんはねパパみたいに優しくて面白いよ!」

 

光里「パパもママも伯父ちゃん大好き!」

 

幸彦「美菜子〜!光里〜!」

 

号泣しながら姪っ子2人を抱き締めた。

 

悟「伯父バカ・・・」

 

蒼子「アハハ・・・」

 

 

 

 

 

 

夜8時。悟が帰る時間になった。

 

悟「今日はありがとうございました。」

 

幸彦「また遊びに来てくれよな。」

 

悟「はい!その時もガンダムトークで盛り上げましょう!では!」

 

バイクに乗って家路を走る。

 

美菜子・光里「バイバーイ!」

 

 

 

 

 

 

翌日。悟は家で優之に電話していた。

 

悟「って事があってな。」

 

優之『幸彦先輩、本当に姪御さんが好きなんだな〜。』

 

悟「美菜子ちゃんと光里ちゃんを本当の娘のように可愛がっているから、2人に凄く懐かれてる。幸彦さんから聞いたんだけど、個展の話が入ったって?」

 

優之『ああ。10月7日から3日間開催するんだ。悟も行くか?招待してやるぞ?』

 

悟「ん〜・・・兄貴が行くって言ったら行こうかな?」

 

優之『そうか。まぁ考えといてくれ。じゃあな。』

 

悟「ああ。」

 

通話終了。

 

悟「さてと、プレゼントを作っちゃおうかな?」

 

絶版HGガンダムの制作を始めた。

 

『END』




         キャスト

       広瀬悟:浦和希

     長谷部幸彦:松風雅也
      高梨蒼子:小澤亜季
      高梨賢一:天崎滉平
     高梨美菜子:鈴木絵里
      高梨光里:大森日雅

      愛川優之:濱田龍臣


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56話・小説家と競馬女

8月29日。港区にある古本屋。

 

店主「お。いらっしゃい志歩ちゃん。」

 

志歩「こんにちは。」

 

彼女は星川志歩。優之の幼馴染みで、小説家にして、脚本家。彼女が出版した小説は毎回ベストセラーを記録している。この日は、彼女の行き付けの古本屋に来ている。

 

店主「今日も何かお探しかい?」

 

志歩「そうね。次の小説のアイデアを取り入れる為にね。」

 

店主「そう言や先月発売された志歩ちゃんの小説面白かったよ。もう既に500万部売り上げてる程人気だね〜。」

 

志歩「ありがとう。」

 

店主「もう高額印税入ってるんじゃないの?」

 

志歩「そうね。でも生活費と親の仕送り以外殆ど使わないし、あんまり気にしてないけど。」

 

店主「少しでも私に分けてくれないかなぁ〜?」

 

志歩「巫山戯ないでよね?」

 

店主「冗談冗談。」

 

志歩「もう。・・・あ、悪ノ大罪シリーズじゃん。しかも絶版前の奴。」

 

店主「最近入荷したんだ。今は復刻版が発売されてるけど、絶版前はここだけにしかないぞ?」

 

志歩「ふむふむ。店主、これ全部頂戴。」

 

店主「はいよ!毎度あり!」

 

悪の大罪絶版を全巻購入した。

 

 

 

 

 

 

古本屋を出た。

 

志歩「うっ・・・今日も暑いわねぇ・・・」

 

日差しが志歩を襲う。

 

志歩「夏だから仕方無いわね。」

 

そう言って麦わら帽子を被って歩く。

 

 

 

 

東京タワーの下から見上げる。

 

志歩「スカイツリーも良いけど、やっぱり外せないよね。東京タワーは。」

 

下から東京タワーを撮る。

 

 

 

 

サーティワンでアイスクリームを食べる。

 

志歩「ん〜。冷えるわ〜。」

 

ベリーベリーストロベリーとチョップドチョコレートのダブル。

 

志歩「やっぱり夏はアイスに限るわ〜。」

 

 

 

 

 

 

東京タワーに登り、東京の街を一望する。

 

志歩「日本アルプスが見えるわね〜。」

 

???「あれ?星川さん?」

 

志歩「ん?あ、澁谷さん。栗原さんも。」

 

そこで出会ったのは、澁谷胡桃と栗原良太の2人だった。

 

良太「ご無沙汰しております。」

 

志歩「ええ。」

 

胡桃「ここで会うなんて奇遇だね。何してるの?」

 

志歩「小説のアイデア探しに行きつけの古本屋に行った後ここ東京タワーに来たのよ。」

 

胡桃「そうなんだぁ〜。」

 

志歩「2人はここで何をしてるの?」

 

胡桃「あ、そうだった。実はこの後良太君と一緒に東京競馬場へ行くんだよ。」

 

志歩「今日も競馬なのね。最近勝ってるの?」

 

胡桃「それが凄いんだよ?先月3000万更新したんだよ?」

 

志歩「幸運の女神に取り憑かれてるのかしら?」

 

良太「アンジェリカのお陰らしいです。」

 

志歩「人気アイドルのあの子達ね。」

 

胡桃「そうだ!ねぇ、星川さんも一緒に行かない?」

 

志歩「え?私も?」

 

胡桃「この後何か予定とかあるの?」

 

志歩「いや、無いけど。」

 

胡桃「だったら行こうよ!楽しいよ!」

 

志歩「あ、ちょっと!」

 

良太「待って2人共!」

 

無理矢理胡桃に引っ張られ、東京競馬場へ向かう。

 

 

 

 

 

 

東京競馬場。

 

志歩「私、競馬なんてやった事ないんだけど。」

 

胡桃「大丈夫。私が教えてあげるから。えっとね?まずは・・・」

 

競馬の基本を志歩に簡単に教える。

 

胡桃「これが競馬の基本。分かった?」

 

志歩「ええ。何となく。」

 

胡桃「じゃあ早速馬券を買おう!」

 

志歩「ねぇ栗原さん。あなたも澁谷さんに誘われて競馬にハマってるの?」

 

良太「ええ。でも競馬は胡桃さんと一緒だけにしていますので。」

 

志歩「もう澁谷さんの彼氏みたいな言葉だねそれ。」

 

良太「え、えへへ・・・」

 

 

 

 

馬券を買って客席に座る。

 

志歩「・・・真夏なのに凄いお客さんね。」

 

胡桃「競馬はね、賭けだけじゃなく、お客さん達の熱狂も醍醐味なのよ。星川さんはどれ買ったの?」

 

志歩「この複勝って奴だけど。」

 

胡桃「1着から3着までを予想する奴だね。私と良太は単勝だよ。」

 

志歩「それって、1着する馬を予想する王道?」

 

良太「はい。僕達毎回これを選んでます。」

 

志歩「そうなのね。これって、買ったら後は当たるの待つだけ?」

 

胡桃「そうだね。宝くじだと思えば良いよ。」

 

志歩「そう。じゃあ私、今日買った絶版小説読んでおくから。」

 

良太「あれ?見ないんですか?」

 

志歩「私のは外れると予想してるから。ごめんけど、私の分まで楽しんで?」

 

馬券をショルダーバッグに入れて、悪ノ大罪を読む。

 

良太「あはは。自分の世界に入っちゃった。」

 

胡桃「まぁでも、星川さんの分も楽しもうかな。」

 

良太「あ、始まりますよ。」

 

胡桃「お!キタキタ!」

 

 

 

 

競馬場が盛り上がってる中、志歩は小説に夢中。

 

志歩(このシーン、新作のアイデアに使えそう。ちょっとアレンジして、主人公とヒロインのドロドロした展開に取り入れよう。ここはスカッとシーンのアイデアとして使おう。新作の悪役はかなりクズ野郎に設定しているから、読者が求めるスカッとを送らなきゃ。)

 

 

 

 

その後も、志歩は小説に夢中。

 

志歩「・・・・」

 

胡桃「星川さん。星川さん。」

 

志歩「ん?あれ?競馬もう終わった?」

 

良太「もう終わりましたよ。にしても、あの熱狂の中黙々と小説読んでましたものね。」

 

志歩「ごめんなさい。私、小説読むと止まらなくなる習性なの。」

 

胡桃「そっか〜。好きな物に集中するのも大事だよね。ねぇ、星川さんの馬券は・・・見てないか。」

 

志歩「ええ。外れてると思うけど、一応払い戻しして来る。」

 

 

 

 

 

 

換金しに行った。

 

胡桃「いやぁ〜、今日も勝った〜。良太君は?」

 

良太「僕も勝てました。」

 

胡桃「やっぱり、アンジェリカのご加護のお陰ですなぁ〜。あ、戻って来た。」

 

そこに志歩が戻って来た。まだ馬券を持ってる。

 

胡桃「あれ?星川さん。馬券持ってるけど、払い戻しの仕方が分からないの?」

 

志歩「いえ、私の馬券自動払い戻しされなかったのよ。」

 

良太「え?」

 

志歩「壊れてるのかしら?」

 

胡桃「・・・ん?」

 

彼女の持ってる馬券を見て、胡桃が凝視する。

 

胡桃「・・・え、嘘・・・」

 

志歩「ん?」

 

胡桃「星川さん、ちょっとその馬券見せて?」

 

志歩「え?ええ。」

 

持ってる馬券を胡桃に見せた。胡桃は馬券を見て、目を丸くした。

 

胡桃「やっぱり・・・星川さん、大当たりだよ・・・」

 

志歩「え?」

 

胡桃「ちょっと待って?オッズは?」

 

オッズを確認しに行って、5秒で戻って来た。

 

胡桃「星川さん!すぐに窓口行こう!急いで!」

 

志歩「え、ええ。」

 

 

 

 

 

 

窓口で払い戻し金を受け取った。

 

志歩「す、凄い・・・こんな大金初めてよ・・・」

 

1000万が入った封筒を持って戻って来た。

 

胡桃「凄いよ星川さん・・・!」

 

良太「初めての競馬で高額を手に入れたなんて快挙ですよ・・・!」

 

志歩「もしかして私、ギャンブルの素質があるのかしら?」

 

胡桃「す、凄い冷静だね・・・」

 

志歩「私、あんまりお金は気にしないタイプなの。趣味の小説が書ければそれで良いと思ってるの。」

 

良太「花より団子みたいなお人ですね・・・」

 

志歩「ん〜・・・ねぇ2人共、この後予定ある?」

 

胡桃「え?うん。何処か食べに行こうかと思って。」

 

志歩「そう。ねぇ、食べに行きたい場所行こ?私が奢ってあげるから。」

 

胡桃「え!?良いの!?」

 

志歩「競馬を教えてくれたお礼に奢らせてよ。」

 

良太「あ、ありがとうございます。」

 

胡桃「じゃあさ!お寿司行こうよ!お寿司!」

 

志歩「寿司ねぇ。最近食べてないから丁度良いわ。」

 

この日は、志歩の奢りで寿司を堪能した胡桃と良太だった。

 

 

 

 

 

 

夕方6時。ここは、諸星財閥が経営している会員制スポーツジム・モロスターフィット。

 

優之「よっ!はっ!」

 

会員の優之が、バク転の練習をしていた。

 

優之「ふぅ。」

 

インストラクター「良いですよ愛川さん。3週間でここまで上達しましたね。」

 

優之「インストラクターさんの教えが良かったからですよ。」

 

インストラクター「しかし、どうしてバク転をやりたかったんですか?」

 

優之「俺の場合、座って絵を描く事が当たり前だから、メチャクチャ運動しなきゃならないなーって思って。それでバク転やろうって思い付いたんです。」

 

インストラクター「目標がぶっ飛んでますね〜。」

 

優之「でも、これだけ動ければ自分でも上出来な気がします。」

 

 

 

 

 

 

モロスターフィットから出ると。

 

優之「ん?」

 

偶然に志歩を見掛けた。

 

優之「志歩。」

 

志歩「あら優之。奇遇ね。」

 

 

 

 

歩きながら会話する。優之は自転車を押して歩く。

 

優之「何時もの小説探しか?」

 

志歩「ええ。でも澁谷さんと栗原さんと会って競馬を初体験したわ。」

 

優之「先輩達と?そっかぁ。初めての競馬どうだった?」

 

志歩「それがね、高額払い戻し貰ったわ。1000万。」

 

優之「・・・マジ?」

 

志歩「マジ。」

 

優之「うっは〜・・・志歩にギャンブルの素質あったって事か?」

 

志歩「いいえ?適当に選んだら当たっただけよ。払い戻し金でさっき澁谷さん達に寿司を奢ってあげたわ。」

 

優之「寿司かぁ。最近食ってないなぁ。」

 

志歩「競馬楽しかったわ〜。またやろうかしら?」

 

優之「破産する奴の言い草だな。その金今後どうするんだ?何時もの貯金か?」

 

志歩「ええ。500万は実家に仕送りするわ。将来の老後の生活を謳歌して欲しいから。」

 

優之「本当、親が好きなんだなお前。」

 

志歩「私に小説をススメてくれた大切な親だもの。親孝行しなきゃ気が済まないのよ。あ、家の近くに来たわ。」

 

優之「また会おうぜ。」

 

志歩「ええ。今度皆を誘って飲もう?」

 

優之「ああ。楽しみにしてる。じゃあな。」

 

志歩「じゃあね。」

 

彼女は家へ帰って行った。

 

"ピリリリン"

 

優之「ん?悟からだ。もしもし?・・・おう。おう。ああそれは大丈夫。準備完了してる。じゃあまた来週に。ああ。またな。」

 

通話終了。

 

優之「さて、早く帰って飯食わなきゃ。」

 

自転車に乗っておあにた荘へ帰って行く。

 

『END』




         キャスト

      星川志歩:鬼頭明里

      澁谷胡桃:山口立花子
      栗原良太:石谷春貴

        店主:田中進太郎
  インストラクター:加藤渉

      愛川優之:濱田龍臣


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57話・筋肉は裏切らない

夏下旬。横浜のスポーツジムのラックプルダウンで筋肉を鍛えている男が居た。

 

武憲「196・・・197・・・!」

 

彼の名は、内原武憲。優之の親友で、神奈川の建設会社で働いている。

 

武憲「198・・・199・・・200!」

 

ラックプルダウンを200回達成した。

 

武憲「ふぅ〜。筋肉のお陰でラックプルダウン200回達成したぜ。おい義徳、そっちはどうだ?」

 

義徳「はい・・・!後5回で100回達成・・・です・・・!!」

 

そこには、宮本義徳の姿もあった。彼は今ペンチプレスで筋肉を鍛えている。

 

義徳「99回・・・!100回!」

 

武憲「大分成長したんじゃないか?お前の筋肉が喜んでるぞ?」

 

義徳「ええ。お陰様で。」

 

武憲「にしても最初は驚いたな。お前が優之の勤める会社の元社員だったなんて。」

 

義徳「あの時は本当、親のコネと学歴に自惚れていましたから。それが原因で会社の金を横領してクビになり、今の建築業に左遷されましたから。最初はとても嫌々ながら作業してました。でも、何故か徐々に楽しくなったんです。」

 

武憲「もしかしたら、こっちの方が性に合うって体が納得したんじゃないのか?」

 

義徳「かも知れません。実際僕、小さい頃から鍛えるのが好きでして。その影響かも知れませんね。SKY ANGLEで色々やらかした自分が恥ずかしいです。もし過去に戻れるなら、SKY ANGLEの頃の自分を殴りたいです。」

 

武憲「鍛えるのは良い。筋肉が喜ぶし、やり甲斐がある。」

 

義徳「武憲先輩は、どうして建築業をやりたいと思ったんですか?」

 

武憲「俺の親父が建設業の大工をやっていてな。小さい頃から親父の仕事や、親父の筋肉に強い憧れを抱いてな。幼稚園の頃から鍛え来たんだ。鍛えれば、親父のような強い男になれるんじゃないかって。」

 

義徳「す、凄いですね・・・」

 

武憲「お陰で筋肉が付いた。それのお陰で、園児が持てない物を軽々と持つ事が出来た。それ以来鍛えるのが趣味になってな。」

 

義徳「確かに。筋肉は裏切らないって言いますよね。」

 

武憲「なぁ、この後焼肉食いに行かないか?」

 

義徳「良いですね!行きましょう!」

 

 

 

 

 

 

スポーツジムを出て、焼肉屋へ行く。

 

義徳「ん?先輩、アレ。」

 

武憲「どうした?」

 

前を見る。3人組のチンピラが3人の女子高生に絡んでる光景を見た。

 

義徳「ナンパですかね?」

 

武憲「最近の若者は暇だらけだねぇ。んじゃ、ちょっと懲らしめましょうかな?」

 

義徳「はい。」

 

荷物を置いて、絡まれてる女子高生達を助けに行った。

 

武憲「おいおいおい〜。白昼堂々とナンパとは楽しそうですな〜。」

 

チンピラA「ア?何だテメェら?」

 

義徳「無防備の女学生に絡むなんて、恥ずかしくてしょうがないとは思わない?」

 

チンピラB「うるせェ。部外者は引っ込んでろ。」

 

武憲「悪いが、お前達を懲らしめるまで俺達はこっから動かねえぞ?」

 

チンピラC「チッ。じゃあ先にお前らをボコボコにしてやるよ。」

 

標的を女子高生から武憲と義徳コンビに変えた。

 

武憲「ほほう。俺達と戦うって事か。良いだろう。」

 

義徳「生憎、君らと比べて僕らは強いよ?」

 

2人が服を脱いで、自慢の鍛え上げられた筋肉を見せた。

 

チンピラ達「なっ!?」

 

武憲「さぁ、俺達と勝負しよう。」

 

チンピラA「お、おい・・・こんなの勝てそうにねぇよ・・・」

 

チンピラC「き、今日はこの辺にしとくわ・・・」

 

武憲「あれあれ〜?俺達の筋肉を見て怖気ついちゃったのかなぁ〜?」

 

チンピラA「あぁ・・・?」

 

義徳「そっかぁ〜。自分より強い奴には媚びを売るって事なんだね〜。じゃあこれからは自分より弱い人相手にしかイキれない生活を送る事だね〜。」

 

2人の巧みな煽りでチンピラ達が奮起した。

 

チンピラB「巫山戯んじゃねェ!俺らが強いって事を証明してやるよ!!」

 

3人が一気に武憲と義徳を襲う。

 

武憲・義徳「よいしょー!」

 

だが、鍛え抜かれた2人にチンピラなど敵なし。一瞬でチンピラ達を戦闘不能にした。

 

武憲「あら?もう終わりか。」

 

義徳「おいお前ら、二度とナンパすんじゃねぇぞ。」

 

チンピラ達「はい・・・もうしません・・・ごめんなさい・・・」

 

武憲「君達、大丈夫だったかい?」

 

女子高生A「は、はい。ありがとうございます!」

 

女子高生B「凄く強いですね・・・!」

 

女子高生C「逞しい筋肉ですね・・・!」

 

義徳「怪我がなくて良かった。気を付けて帰るんだよ。」

 

3人の女子高生は2人にお礼を言って帰って行った。

 

武憲「なぁ、最後の子、俺達の筋肉に惚れてたな。」

 

義徳「え?気のせいじゃないですか?」

 

武憲「なら良いけど。」

 

 

 

 

 

 

焼肉屋で肉を食べまくる。

 

武憲「ん〜!やっぱりここの肉は美味いな〜!」

 

義徳「先輩、ちゃんとブラックコーヒー持って来てます?」

 

武憲「勿論だ。焼肉の後にブラックコーヒーを飲んで帳消しダイエット。これも筋肉を付ける習慣の1つだ。そうだ、お前の妹さんの結婚式を楽しみにしてるんだってな。」

 

義徳「ええ。将来妹とトミー君の子供が生まれて来るの楽しみで〜。」

 

武憲「結婚かぁ。俺もそろそろ彼女欲しいな〜。」

 

 

 

 

 

 

一方、おあにた荘では。

 

佑美「優之君、こんな感じでどうかな?」

 

優之「・・・うん。俺のデザイン通り。完成したな。」

 

愛川夫妻が、ある物を完成していた。

 

佑美「これで準備完了だね。」

 

優之「佑美さんは何で行くの?」

 

佑美「それは当日のお楽しみ。」

 

果たして、2人が完成した物は何なのか。

 

『END』




         キャスト

      内原武憲:武内駿輔
      宮本義徳:増岡大介

      女子高生:難波佑香
           八木侑紀
           水谷麻鈴

      チンピラ:加藤渉
           市川蒼
           松田修平

      愛川優之:濱田龍臣
      愛川佑美:伊藤美来


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58話・財閥令嬢と栗田家

9月2日。原宿でクレープを食べてる女性が居た。

 

絵梨子「ん〜!やっぱり本場のクレープは美味しいですね〜!」

 

彼女の名は、松宮絵梨子。優之の親友で、日本の財閥企業、松宮財閥の令嬢。

 

???「お嬢様。買い出し完了しました。」

 

絵梨子「古島。ご苦労様です。」

 

松宮財閥の執事・古島がグルメの買い出しから戻って来た。

 

古島「しかしお嬢様。これだけのグルメをお1人で食べるおつもりですか?」

 

絵梨子「いいえ。それは使用人の皆さんのお土産です。何時も懸命に働いて下さっている皆さんへの褒美です。勿論、古島もその1人ですわ。」

 

古島「恐悦至極でございます。」

 

???「絵梨子ちゃん。奇遇だね。」

 

絵梨子「ん?あら伊織じゃないですか。」

 

栗田一家と偶然出会った。

 

絵梨子「雅春さんに梨奈ちゃんもお元気そうで。」

 

梨奈「こんにちは。絵梨子お姉ちゃん。」

 

絵梨子「はいこんにちは。」

 

挨拶した梨奈を優しく撫でた。

 

古島「お初にお目に掛かります。栗田雅春様。私は松宮家の執事をしております古島と申します。」

 

雅春「栗田雅春です。初めまして。」

 

伊織「ねぇ絵梨子。原宿で何やってたの?もしかして、何時ものグルメかな?」

 

彼女の名は、栗田伊織(旧姓・中岡)。優之の親友で、東京本社に勤める銀行員。

 

絵梨子「ええ。原宿はクレープの聖地と言っても過言ではありません。なので、今日は原宿のグルメを制覇しようとここに来たんです。」

 

伊織「相変わらずだね〜。優之が聞いたら何時ものアレ言われちゃうよ?」

 

 

 

 

優之『絵梨子。あんまり食い過ぎると太るぞ?』

 

 

 

 

絵梨子「優之はデリカシーのない言葉が玉に瑕ですけど、ご心配には及びません。食べた分のダイエットは毎日やっておりますので。」

 

雅春「ダイエット?」

 

絵梨子「はい。グルメを食べてばかりじゃなく、食べた分を消費する為に常日頃ダイエットで補っておりますわ。」

 

梨奈「そっか〜。だから絵梨子お姉ちゃん、ずっと綺麗なんだね。」

 

絵梨子「もっと褒めて下さいな〜。」

 

伊織「自惚れてる・・・」

 

絵梨子「そうだ!皆さんも一緒にグルメを堪能しませんか?」

 

伊織「え?良いの?」

 

絵梨子「ここで会ったのも何かの縁。皆と一緒なら楽しさが倍になります。」

 

伊織「雅春さん、どうする?」

 

雅春「折角だし、お言葉に甘えようか。」

 

伊織「だね。絵梨子、古島さん。宜しくね!」

 

栗田家が加わり、グルメ堪能が再スタートした。

 

 

 

 

 

 

原宿のグルメを隅から隅まで制覇し尽くす。

 

梨奈「これ美味しい〜!」

 

伊織「ん〜!やっぱり本場のクレープは格別だね〜!」

 

絵梨子「ロブスターロール!インパクトで美味しいです〜!」

 

雅春「絵梨子さんって、本当何でも食べますね・・・」

 

古島「はい。実は松宮財閥は幾つものレストランを経営しております。お嬢様が幼少の頃から料理に囲まれた生活を送っておりましたから。」

 

雅春「成る程。しかし松宮財閥はITじゃなくどうしてグルメを?」

 

古島「旦那様のお父上つまり先代様が日本のみならず全世界の料理研究の為に出掛けた事がキッカケでした。旦那様は日本全国の地元料理や郷土料理に深く感銘を受け、料理に特化した松宮財閥を創設したのです。財閥が経営するレストランやフレンチが瞬く間に話題になり、今に至ります。」

 

雅春「確かに。料理は人を幸せにするって言いますものね。古島さんも料理は得意方ですか?」

 

古島「はい。私の実家は和食店でして。実は私が幼い頃、店が経営難に陥った所を松宮財閥に救われました。そこで旦那様にお声を掛けて頂き、松宮財閥の執事となりました。雅春様も料理はお得意ですか?」

 

雅春「ええ。伊織と二人三脚で家事をやっていまして。特に梨奈は、俺の作るオムライスが大好きでして。娘の幸せな顔を見るのが俺のメインディッシュなんです。」

 

古島「素晴らしいご家庭に囲まれて、幸福ですな。」

 

伊織「雅春さーん!あっちに美味しそうなレストランがあるよー!」

 

梨奈「パパー早くー!」

 

絵梨子「古島も早くー!」

 

雅春「今行くよー!」

 

古島「畏まりました。」

 

 

 

 

 

 

その日の夜。絵梨子は爆買いしたグルメを使用人全員にプレゼントした。

 

絵梨子「さて、私は。」

 

買ったチーズホットドッグを食べる。

 

絵梨子「ん〜!外はサクサク中はホックホク。チーズの旨味と衣がベストマッチですわ〜。」

 

『END』




         キャスト

     松宮絵梨子:夏吉ゆうこ

      栗田伊織:赤崎千夏

      栗田雅春:梶原岳人
      栗田梨奈:和多田美咲

        古島:小形満

      愛川優之:濱田龍臣


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59話・コスプレパーティー前編

9月6日。優之、佑美、有香奈、淳一達同人誌サークルは悟の家でスマブラをしていた。

 

優之「悟。Keiからの連絡が来るって言うけど、まだなのか?」

 

悟「ああ。色々準備があるって言っててな。」

 

文典「何の準備でしょうか?」

 

悟「さあな。兄貴は当日まで楽しみに待っててねって言ってたから。」

 

圭一「でもまさか、俺達同人誌サークルも招待してくれるなんて思ってなかった。」

 

悟「優之のルームメイトの淳一が同人誌サークルに入ってるって言ったら、皆さんも招待してって兄貴が。」

 

祐規「そっか。」

 

佑美「Keiってあの有名なコスプレイヤーでしょ?まさか悟君のお兄さんだったなんて。」

 

悟「昔から女装すると可愛いから、それがキッカケでコスプレ始めるようになったんです。」

 

有香奈「あ〜。早くKeiさんに会いたいよ〜!」

 

悟「有香奈さん、相変わらずですね・・・」

 

優之「悪いな。Keiにしか目がないから。」

 

”ピリリリリリ”

 

雅美「ん?電話?」

 

悟「あ、兄貴からだ。もしもし?・・・おう。分かった今から行く。」

 

真知子「Keiさんから電話?」

 

悟「準備完了したって。そろそろ行こうか。」

 

スマブラを終了し、荷物を淳一の車に乗せて、それぞれの愛車で目的地へ向かう。優之と佑美はゴールドウイングツアー、淳一と有香奈と同人誌サークルはヤリスクロス、悟はCB400SB。

 

 

 

 

 

 

江東区にある3階建の高級住宅。ここが目的地。

 

淳一「コミケから近い場所だな。」

 

悟「お。」

 

高級住宅からKeiこと広瀬恵が出て来た。

 

Kei「やあやあ諸君!よく来てくれたね!」

 

有香奈「Keiさん!私達を招待してくれてありがとうございます!」

 

Kei「あらYu-Naちゃん!元気そうだね。」

 

有香奈「はい!もう元気ピンピンですよ!」

 

悟「よう兄貴。」

 

Kei「悟も元気そうだね。優之も。」

 

優之「久し振りだな。」

 

Kei「佑美さんも、結婚式以来ですね。」

 

佑美「Keiちゃん、相変わらず可愛いね〜。」

 

圭一「凄え・・・人気コスプレイヤーのKeiだ・・・!」

 

祐規「生で会うの初めて・・・!」

 

Kei「皆が同人誌サークルのメンバー達だね?来てくれてありがとう!早速だけど、中入って?」

 

 

 

 

 

 

高級住宅に招かれた。

 

圭一「この住宅、誰が住んでるんだ?」

 

Kei「()()だよ?」

 

文典「え!?Keiさんの住まいなんですか!?」

 

真知子「ん?()()?他に誰か住んでるの?」

 

Kei「そうよ。真相は3階にあるわ。」

 

 

 

 

 

 

3階のスタジオ。

 

淳一「凄え〜。3階にめっちゃ広いスタジオがあるなんて。しかも壁一面が鏡とは。」

 

優之「ダンススタジオかな?」

 

悟「それで兄貴。ここで何をやろうって言うんだ?」

 

Kei「その前に、皆は例のアレ持って来た?」

 

優之「ああ。あるぞ。」

 

皆がデカいバッグからそれぞれの衣装を出した。

 

優之「まさかKeiが、皆でコスプレパーティーを企画してたんてな。」

 

Kei「実はね、皆でコスプレパーティーをやろうって企画したのは私じゃなく、ある人達なの。」

 

淳一「ある人達?」

 

Kei「皆が気になってる()()の真相だよ。皆ー!出て来てー!」

 

???「はいはーい!」

 

スタジオに、9人組の女性達が入って来た。

 

悟「兄貴、この人達は?」

 

淳一「ええ!?マジ!?9C(ナインシー)だ!」

 

有香奈「ええ!本物よ!」

 

悟「コスプレ業界で超有名な9人組のコスプレグループじゃねぇか!」

 

有香奈「リーダーのRIAさん、メンバーのエミリさん、さえなさん、Koiさん、WAONさん、向日葵さん、しぇりーさん、白さん、ローラさん!」

 

優之「そんなに有名なのか?」

 

悟「ああ。中でも彼女達が拘ってるのは、アニメさながらの動き。彼女達は身体能力やダンススキルがめっちゃ高い。」

 

有香奈「そうなのよ!これまでコスプレして来た中で1番人気なのが・・・コレ!」

 

コスプレ雑誌の9Cのコスプレランキングを優之に見せた。

 

有香奈「この宝石の国の宝石達のコスプレが凄くクオリティ高いのよ!」

 

淳一「おまけにコレ!宝石達の戦闘シーンを忠実に再現してる動画もめちゃくちゃバズってるんだよ!」

 

YouTubeの9Cの動画を見せた。

 

優之「本当だ。アニメ顔負けの動きだ。」

 

悟「皆さんは、どうやって兄貴と知り合ったんだ?」

 

RIA「実はKeiはね、私達9C結成の立役者なの。」

 

悟「兄貴が!?」

 

ローラ「Keiさんには感謝しているの。」

 

Kei「ヘヘ〜♪実はね、RIAは私と同期なんだよ。当初人気が著しくなかったRIAが心配でね、私がRIAにコスプレグループ結成を勧めたのよ。サイトで募集したら、皆が集まってくれて9Cが結成したの。他の皆はそこそこ人気あったけど、結成した途端バズってね。」

 

有香奈「Keiさんは9Cのプロデューサーさんですね。」

 

Kei「そう言う事になるね。それじゃあ早速、コスプレパーティーを始めましょう!」

 

 

 

 

 

 

コスプレパーティーが始まった。

 

優之「それで、コスプレパーティーって何をすれば?」

 

Kei「皆はもうコスプレ衣装持って来てるよね?それぞれのコスプレを着て、このCC(コスプレクラブ)って言う私が作ったYouTubeチャンネルに生配信するの。」

 

圭一「おお!今やフォロワー数数百万超えてる人気チャンネルか!」

 

Kei「ここにくじがありまーす!紙に番号があります。1人ずつくじを引いて、番号順にコスプレを披露して貰います。」

 

悟「んで、参加するのは、俺と兄貴と優之、佑美さんと有香奈さんと祐規、そして9Cか。」

 

圭一「それで、俺達はどうすれば?」

 

Kei「皆はコスプレした私達を模写して、冬コミに使ってね。」

 

真知子「そう言う事なら、遠慮しないわ。」

 

Kei「それじゃあ、生配信スタート!」

 

 

 

 

カメラを起動し、CCチャンネル生配信スタート。

 

Kei「皆さんこんにちはー!コスプレイヤーのKeiでーす!今日のコスプレパーティーは生配信でお送りします!そして、豪華キャストの皆さんの紹介です!どうぞー!」

 

9C「どうも!9Cでーす!」

 

優之「インスタグラマーの優です!」

 

祐規「ユキだよ〜!皆宜しくね〜!」

 

佑美「初参戦ユーミンです!」

 

有香奈「コスプレイヤーのYu-Na!宜しくお願いしまーす!」

 

悟「初めまして。Keiの弟の悟でーす!」

 

Kei「そして、スペシャルサンクスとして、同人誌サークルの皆さんも来ております!」

 

圭一「どうも!同人誌サークルです!今日は、皆さんのコスプレを模写しますので、宜しくお願いします!」

 

Kei「自己紹介ありがとう皆!さて、今日のコスプレパーティーは、このくじを引いて、番号順にコスプレを披露します。それじゃあ皆、くじを引いて?」

 

参加者がくじを引く。9CはRIAが代表して引く。

 

 

 

 

結果は、1番・9C。2番・Kei。3番・祐規。4番・悟。5番・佑美。6番・有香奈。7番・優之。

 

 

 

 

優之「トリは俺か。」

 

Kei「それではまずは、9Cの皆さん!」

 

RIA「ええ!私達のとっておきを見せてあげるわ!」

 

WAON「ビックリしますよ!」

 

早速9Cが、スタジオにあるカーテンの奥の巨大試着室へ入った。

 

優之「とっておきの衣装か。楽しみだな。」

 

淳一「ワクワク♪」

 

 

 

 

ローラ『着替え完了したよー!』

 

 

 

 

Kei「それじゃあ9Cのコスプレ!オープン!」

 

カーテンを開いた。9Cが少女歌劇レヴュースタァライトのスタァライト九九組の衣装を纏っている。

 

9C「スタァライトしちゃいます!」

 

淳一「ウッヒョー!レヴュースタァライトの九九組!」

 

有香奈「皆さん本人そっくりでクオリティ高いです!」

 

悟「2次元が3次元にそのまま飛び出したような感じだ・・・!」

 

向日葵「そこまで褒めて貰えるなんて、ばなナイス!」

 

ローラ「もっと褒めてもエエんやで?」

 

文典「喋り方まで本物そっくりですね・・・」

 

RIA「皆、どうかしら?」

 

Kei「イイよイイよ!じゃあ皆、アクションお願い出来る?」

 

RIA「OK!それじゃあ皆、行くよ!」

 

9C「ええ!」

 

アニメさながらのアクションシーンを披露した。

 

圭一「生でアクション見るの初めてだ・・・!」

 

雅美「創作意欲が引き立つね〜!」

 

同人誌サークルの皆が模写しまくる。

 

Kei「おお!コメント数が凄く増えてるね!」

 

チャンネルのコメント数が急速に増えてる。

 

Kei「はいOK!いやぁ〜スタァライトのようなアクションが際立ってるね〜!」

 

しぇりー「メルシーKei!」

 

白「次はKeiの番だぜ。」

 

Kei「はいはーい!」

 

真知子「役になりきってる。」

 

悟「兄貴のコスプレは多分アレかな?」

 

 

 

 

Kei『準備完了!さえな!開けて!』

 

 

 

 

さえな「それじゃあ開けるよ。3、2、1。」

 

カーテンを開けた。Keiのコスプレは原神のバーバラ。

 

Kei「旅人さん、バーバラがあなたを元気にします。」

 

淳一・圭一「バーバラちゃーん!」

 

有香奈「可愛いー!」

 

Kei「視聴者の皆さんも、バーバラが元気を与えましょう。」

 

コメントでは、”可愛い!””元気になりました!”等のコメントが殺到した。

 

Kei「それでは、お次はユウさん。行きましょう。」

 

祐規「はい。バーバラさん。」

 

 

 

 

着替え完了。

 

Kei「それでは行きましょう。どうぞ!」

 

カーテンを開いた。祐規のコスプレはアイドルマスターSideMの水嶋咲。

 

祐規「パピプペプロデューサー!おっはよー!今日も宜しくお願いしまーす!」

 

淳一・圭一「咲ちゃん可愛いー!」

 

祐規「ありがとー皆ー!」

 

コメントでは、”咲ちゃん可愛い!””咲ちゃーん!”等のコメントが殺到した。

 

Kei「ユキちゃん!私と2ショット撮ろう!」

 

2人が抱き合ってカメラを見る。コメントでは”あら^〜””尊い・・・”等のコメントが寄せられた。

 

悟(本当、女性って間違われるよなぁ・・・まぁそこは伏せておこう。)

 

Kei「それでは次は、私の弟の悟!」

 

悟「あ、俺か。」

 

 

 

 

着替え完了。

 

Kei「それでは弟の勇姿をご覧下さい!どうぞ!」

 

カーテンを開いた。悟のコスプレはガンダム00の主人公、刹那・F・セイエイ。

 

悟「武力を行使し続けても、世界の抑止力となって生きる!俺がガンダムだ!」

 

真知子「刹那様ー!」

 

雅美「私もガンダムよー!」

 

コメントでは、”カッコイイー❤️””めっちゃイケメン!””俺がガンダムだキター!!”等のコメントが殺到した。

 

Kei「イイね!可愛い姉とイケメンの弟の対比が堪らないね〜!」

 

悟「初めてYouTubeに出演したけど、めっちゃ緊張するぅ・・・」

 

Kei「大丈夫よ。堂々としてれば問題ナッシングよ!それでは、私達姉弟の2ショットを撮りましょ!」

 

可愛いポーズのKeiと、クールなポーズの悟の2ショットを見せた。”素敵な姉弟!””見ただけで眼福眼福・・・”等のコメントが沢山寄せられた。

 

RIA「それではお次は、佑美さんですね!」

 

佑美「はいはーい!遂に来ましたー!」

 

 

 

 

着替え完了。

 

RIA「では佑美さんのコスプレまで、3、2、1・・・どうぞ!」

 

カーテンを開いた。佑美のコスプレは五等分の花嫁の中野三玖。

 

佑美「責任・・・とってよね?」

 

淳一・圭一・真知子・雅美・祐規「三玖ー!」

 

9C「可愛いー!」

 

コメントでは、”三玖ちゃーーん!””めっちゃ似合ってる!可愛い!””声もそっくり!”等のコメントが殺到した。

 

優之「ほっほ〜。まさか佑美さんが三玖のコスプレとは。」

 

佑美「えへへ。最近ごと嫁にもハマっててね。私の推しの三玖ちゃんにしてみました〜。」

 

淳一「佑美さんめっちゃ似合ってますよ!」

 

ローラ「本物そっくりですな〜!」

 

佑美「いやいやどうもどうも〜。」

 

Kei「ではお次は・・・Yu-Naちゃん!キミに決めた!」

 

有香奈「Yu-Na行きまーす!」

 

悟「ポケモンとガンダムを合わせんなよ・・・」

 

 

 

 

着替え完了。

 

Kei「それではYu-Naちゃんのコスプレ!どうぞ!」

 

カーテンを開いた。有香奈のコスプレは、ラブライブ!スーパースター!!の葉月恋。

 

有香奈「秋あかね 歌にいざよう 葉月恋 想いはいまだ 十六夜なり。」

 

淳一「恋ちゃんだー!可愛い!」

 

圭一「短歌とはマニアックだねぇ〜!」

 

祐規「ラップじゃなく短歌って、初見の時は草生えたね〜。」

 

有香奈「どうですか?」

 

”可愛い♡♡””♡♡♡♡♡♡♡♡♡””緊張してる笑””生徒会長さん””いいぞいいぞー”と言うコメントが多数寄せられた。

 

Kei「視聴者の皆さん、アニメの再現のコメントありがとうございます!実は私、スーパースターでは恋ちゃんが推しなの!恋ちゃんのコスプレありがとう!」

 

有香奈「嬉しいです!光栄です!」

 

Kei「さぁ最後は、優さん!」

 

優之「いよいよ俺かぁ・・・俺のはちょっと時間掛かるけど。」

 

Kei「お?皆さん、どうやら優さんのコスプレは気合い入っていると思います。どれ位掛かります?」

 

優之「ん〜・・・3分程かな?」

 

そう言ってカーテンを閉める。

 

Kei「それでは皆さん、優さんの着替え完了まで3分お待ち下さい。」

 

果たして、優之のコスプレは何なのか。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
     竹下有香奈:大西沙織
      愛川佑美:伊藤美来

      横沢圭一:狩野翔
      小野雅美:和多田美咲
     曽根川祐規:小林大紀
      瀧本文典:諸星すみれ
     古川真知子:M・A・O

       広瀬悟:浦和希

       RIA:渚カオリ
       エミリ:葉山カナ
       さえな:寺坂ユミ
       Koi:桜田アンナ
      WAON:雨森セラ
       向日葵:白雪ミハル
      しぇりー:小宮山アサミ
         白:皐月ユナ
       ローラ:楠本コトリ

       広瀬恵:村瀬歩


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60話・コスプレパーティー後編

3分着替えの猶予を貰い、優之がカーテンへ入った。

 

Kei「それでは、3分の間、優さんのコスプレを予想しましょう!」

 

淳一「3分間だから・・・ムスカとかかな?」

 

優之『3分間待ってやる・・・じゃねぇよ!』

 

RIA「優さんからノリツッコミが来たね〜。」

 

 

 

 

3分後。

 

優之『着替え完了しましたー!』

 

Kei「それでは優さんのコスプレまで!3、2、1!どうぞ!」

 

カーテンを開いた。優之のコスプレはウルトラマンティガ。

 

優之「タァッ!」

 

圭一・文典「ティガだァーーー!!」

 

佑美「劇場版と同じクオリティでイケメンだーー!!」

 

コメントでは”ティガアアーー!””このティガめっちゃイケメン❤️””権藤ティガみたい!!””ウルトラマンティガカッコイイ!!!”等のコメントが殺到した。

 

Kei「凄い!ウルトラマンティガ本人だー!」

 

優之「皆がアニメとゲームのコスプレするだろうって予想したので、大好きなウルトラマンティガにコスプレしてみました。」

 

Kei「そうなんですね!にしても、造形凄いですね!」

 

優之「特注の材料を仕入れて、拘りを込めながら作りました。」

 

ローラ「スーツ着てると、暑くないですか?」

 

優之「実はうなじと背中に冷却パッドがあるんです。それも特注です。暑さを感じると自動で全身を冷やしてくれます。」

 

RIA「成る程ー!」

 

優之「因みに、ユーミンさんが持ってるリモコン。あれを押すとカラータイマーが鳴るようになっています。」

 

RIA「カラータイマーの拘りも忘れない!流石ファンですね!」

 

優之「ーーーータァッ!!」

 

ゼペリオン光線ポーズを披露した。”完成度高い!””流石ファン!””ゼペリオン光線キターーー!!”のコメントが殺到した。

 

Kei「それでは!全員のコスプレのお披露目が出来た事で、ここでクロスオーバー撮影会を始めまーす!」

 

 

 

 

クロスオーバー撮影会。バーバラと三玖と咲の仲良し撮影会。

 

Kei「三玖さーん!咲さーん!」

 

佑美「えへへ・・・」

 

祐規「もう苦しいよ〜バーバラさん。」

 

淳一・圭一・文典・雅美・真知子「キマシタワー!」

 

悟「本当、この3人が尊過ぎる・・・」

 

有香奈「見てるこっちもホッコリしちゃう〜。」

 

 

 

 

葉月恋と刹那・F・セイエイの共演。

 

有香奈「私達Liella!が、ラブライブを優勝します!」

 

悟「葉月恋。お前はお前の信じる神の為に戦え。」

 

淳一「サンライズ繋がりの2人が並んでる!これはこれで!」

 

文典「しかも刹那が恋に激励している!胸熱展開!!」

 

真知子「私・・・このカップリング好きかも!」

 

佑美「凄い・・・皆釘つけだよ。」

 

Kei「コメントでも、2人の2ショットを見ていいねが増えてるよ!」

 

 

 

 

Kei「さぁここからは、ウルトラマンティガとスタァライト九九組によるコラボバトルが始まります!このバトルは、先程のクロスオーバー撮影会の合間に打ち合わせした物を披露するようです。それでは、コラボバトルをお楽しみ下さい!レヴュー名は、超古代のレヴュー!」

 

 

 

 

ウルトラマンティガとスタァライト九九組のコラボバトル。BGM:Star Divine

 

RIA「99期生!愛城華恋!ティガを、スタァライトしちゃいます!」

 

ティガ「フッ!」

 

スタァライト九九組にファイティングポーズを向けるティガ。

 

エミリ「はぁっ!」

 

しぇりー「ヤァッ!!」

 

ティガ「フッ!」

 

ひかりのCaliculus Brightと、クロディーヌのEtincelle de Fierteを受け止め、そのまま流した。

 

Koi「喰らえ!」

 

ティガ「タァッ!」

 

純那の翡翠弓をバク転で避ける。

 

ティガ「タァッ!!」

 

マルチ・スペシウム光線の動作を取る。

 

Koi「あああああ!!」

 

光線を受けた演技をする。

 

白・ローラ「ヤアァァァッ!!」

 

ティガ「ッ!」

 

前にジャンプして双葉のDeterminaterと香子の水仙花を避けた。

 

ティガ「ハァッ!」

 

右手を突き出してハンドスラッシュを放つ動作をする。

 

白・ローラ「うわあああ!!」

 

地面にハンドスラッシュが直撃し、それに吹き飛ばされるように後ろへ飛んだ。

 

ティガ「ッ!!」

 

振り下ろされる真矢のOdette the Mavericksを白刃取りで受け止めた。

 

さえな「中々やりますね。ですが!」

 

ティガ「アッ!」

 

サマーソルトキックでティガの手を退かした。

 

さえな「隙あり!!」

 

ティガ「ハッ!」

 

さえな「なっ!?」

 

怯んだティガだが、真矢の右腕を掴んだ。

 

ティガ「タァッ!!」

 

ウルトラリフターで真矢を投げ飛ばした。

 

WAON「えいっ!!」

 

ティガ「ドゥアッ!!」

 

後ろから、まひるのLove Judgementを受けた。

 

向日葵「行くよ!!」

 

ななの輪と舞がティガに迫る。

 

ティガ「フッ!ハッ!」

 

だがティガが輪と舞を避け続ける。

 

ティガ「タァッ!!」

 

向日葵「あっ!!」

 

しゃがんでからのマルチキックでななを転ばせた。

 

RIA「ハァッ!!」

 

ティガ「フッ!!」

 

華恋のPossibility of Pubertyにティガの格闘で対抗する。

 

RIA「ハッ!」

 

ティガ「タッ!」

 

お互い背中合わせになり、バク転とジャンプでお互いの距離を取る。

 

RIA「これで!!」

 

ティガ「ッ!!」

 

両者が走ってジャンプする。

 

RIA「ハァッ!!」

 

ティガ「タァッ!!」

 

Possibility of Pubertyとウルトラプレーンチョップが交互に受け、両者が着地してそのまま動かない。

 

ティガ・RIA「・・・ウッ!」

 

両者はダメージを負った。ティガは集まった9人を見る。

 

”ピコン”

 

ティガ「フッ!!」

 

両腕を前に突き出し交差させ、大きく横にゆっくり広げる。

 

ティガ「タァッ!!」

 

スタァライト九九組「ウッ!!」

 

ゼペリオン光線を武器で防ぐ9人。

 

ティガ「ハァッ!!」

 

スタァライト九九組「うわああああ!!」

 

威力を上げたゼペリオン光線に耐え切れず吹き飛ばされ、肩掛けが落ちた。

 

ティガ「・・・・・」

 

勝利したティガが、膝を付いた。

 

 

 

 

Kei「ありがとうございました!!いやぁー凄いバトルでしたね!!」

 

淳一「めっちゃ手に汗を握る戦いに見惚れちゃったよ!」

 

圭一「バトルの模写が色々描けたし満足満足!」

 

優之「いやぁ〜、まさか完璧になるとは思わなかったけど。」

 

RIA「でも凄く楽しかったよ?」

 

Kei「あ!凄い!視聴者数がめっちゃ増えてる!コメントでは、夢のコラボバトルが観れて鳥肌立ちました!って!皆さん、このバトルは後日SEとエフェクト付きの切り抜き動画を投稿しますので、ご期待下さい!」

 

 

 

 

生放送のお開き。

 

Kei「さて皆さん、本日のコスプレパーティー楽しんで頂けましたか?また何時か、このメンバーでパーティーを催しますので、またお会いしましょう!それでは皆さん、さようなら!」

 

コスプレパーティーの生放送はこれにて終了した。

 

 

 

 

 

 

その帰り道。

 

優之「いやぁ〜楽しかった〜!」

 

佑美「凄いよね優之君!アクロバティックな動きもそうだけど、ウルトラマンの覗き穴の視界が狭いのに。」

 

優之「実は諸星様に頼んで、モロダストの専属殺陣師に色々教わって貰ったんだ。何時かティガにコスプレしたい時に備えてね。」

 

佑美「じゃあ、コスプレパーティーが初めての殺陣だったね。」

 

優之「ああ。」

 

 

 

 

 

 

9月9日。CCのチャンネルのコスプレパーティーの生配信が歴代の生配信の視聴回数を大いに上回った。更に、ウルトラマンティガとスタァライト九九組の超古代のレヴューのエフェクトとSE付きの動画がもう200万回再生を突破していた。

 

優之「あはは。こりゃあ凄い成果になったなぁ。」

 

佑美「優之君のお陰だね。ねぇ、もしまたコスプレパーティーのお誘いが来たら行く?」

 

優之「だね。また参加したいな。そう言えば淳一は?」

 

佑美「冬コミに出す同人誌を描いてるよ。」

 

優之「気が早いな。」

 

次のコスプレパーティー。乞うご期待。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
     竹下有香奈:大西沙織
      愛川佑美:伊藤美来

      横沢圭一:狩野翔
      小野雅美:和多田美咲
     曽根川祐規:小林大紀
      瀧本文典:諸星すみれ
     古川真知子:M・A・O

       広瀬悟:浦和希

       RIA:渚カオリ
       エミリ:葉山カナ
       さえな:寺坂ユミ
       Koi:桜田アンナ
      WAON:雨森セラ
       向日葵:白雪ミハル
      しぇりー:小宮山アサミ
         白:皐月ユナ
       ローラ:楠本コトリ

       広瀬恵:村瀬歩


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61話・デート生放送

9月19日。東京電機大学・同人誌サークル。

 

淳一「圭一、ここのコマはどうだ?」

 

圭一「ん〜・・・もうちょっとデンッとした方が良いな。」

 

淳一「カービィSDXみたいに?」

 

圭一「いやそうじゃない。」

 

真知子「トラウマ言わないで・・・」

 

淳一「デンッだな?よっしゃ!」

 

文典「ふぅ〜・・・こっちの作業終わりました。」

 

祐規「この前のコスプレパーティーの同人誌が完成したよ。」

 

雅美「特に優之のティガ、凄かったね。」

 

圭一「テレビで観たあのアクションを思い出すよ。」

 

淳一「またパーティーやってくれねぇかな〜?」

 

真知子「その時はユキちゃん。新しいコスプレ宜しくね。」

 

祐規「考えておくよ。」

 

 

 

 

キャンパスを出ると。

 

???「おやおや。君達か。」

 

2人の大学生に絡まれた。

 

淳一「またお前か。田澤。」

 

彼の名は、田澤光雄。淳一達と同じ東京電機大学に通う大学生。だが彼には厄介な点がある。そしてもう1人は、田澤の恋人の江角里香。

 

田澤「君達、まだ恋人作ってないのかw?相変わらず呑気だね〜w。」

 

圭一「もうお前の武勇伝には聞き飽きた。とっとと行け。」

 

田澤「それってアレw?自分達はもうリア充にならないって事かなぁ〜w?」

 

圭一「ちっ・・・」

 

祐規「相変わらずの自慢話・・・」

 

厄介な点とは、自分がリア充でそれを非リア充達に絡むと言うタチの悪い性格である。

 

真知子「ねぇ、そんなに自慢話するならリア充達に言ったらどうなの?」

 

田澤「えぇ〜w?俺は君達に興味があるだけだよ〜w?自慢話なんてしてないぞw?」

 

文典「自覚なしの言い訳だね・・・」

 

田澤「まっ、君達も早く恋人作れるよう祈っておくよw。俺みたいな()()()()()()な人に君達にはなれないけどね〜w。それに君達じゃ恋人作ってもすぐ別れるだろうね〜w。じゃあね〜w童貞諸君〜w。」

 

腹立つ台詞を吐いて、田澤は去った。

 

里香「光雄が本当にごめんなさい。」

 

しかし恋人の里香は田澤とは正反対。

 

里香「あの性格は、私でも困ってるの。」

 

淳一「知ってるよ江角。気にするな。」

 

真知子「私達、もう慣れてるから。」

 

里香「本当にごめんなさい。じゃあね。」

 

彼女も去って行った。

 

 

 

 

 

 

その夜。おあにた荘で。

 

淳一「全く、田澤には手を焼くよ・・・」

 

優之「非リア充にリア充の武勇伝を言いまくる。嫌な奴だなぁ。」

 

淳一「だろ?本音を言うと俺も彼女とか作りたいのによ。」

 

悠里「でも淳一さん、お祖父さんの遺産持ってるんでしょ?それ目当ての彼女だったらどうするの?」

 

淳一「即刻切り捨てる。俺が欲しいのは、誠実で優しくて、尚且つ明るい子!」

 

樹々「それだったら・・・悠里さん?」

 

悠里「え?私!?」

 

淳一「ん〜・・・スキャンダルになりかねない。」

 

樹々「やっぱり?」

 

佑美「そんなに落ち込まないで淳一君。淳一君にもきっと良い人に会えるよ。」

 

淳一「佑美さん優しい〜!」

 

 

 

 

 

 

夜10時。淳一の部屋。

 

淳一「んじゃ、残りの仕上げをやりますかな。」

 

”〜〜〜♪”

 

スマホにJump Into the New Worldの着信音が鳴った。

 

淳一「ん?誰からだ?え?諸星様?もしもし?」

 

諸星『やあ淳一君。こんな時間にすまないね。』

 

淳一「ど、どうしたんですか?夜に?」

 

諸星『実はね、明日のモロスターTVの事なんだけど、君に協力して欲しい事があるんだ。』

 

淳一「き、協力ですか?」

 

諸星『でもこれは、優之君にだけ内緒でお願いね。』

 

淳一「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9月20日。朝7時。

 

優之「さぁてと、そろそろ行くかな。行って来まーす。」

 

モロスターアートへ行った。

 

淳一「行ったか。」

 

樹々「昨日諸星様から電話があったんだって?」

 

淳一「今日のモロスターTVの事で連絡があってね。優之には内緒でって言われて。佑美さんにも協力して欲しいって。」

 

佑美「私に協力?どんと来なさい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午前10時。東京電機大学。

 

里香「光雄。今日の午後3時にデートしない?」

 

田澤「え?デート?」

 

里香「うん。恋人同士になったから、そろそろ初デートしたいな〜って。」

 

田澤「勿論だとも!実はこの日の為にデートプランを計画してたんだ!」

 

里香「うん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後12時。モロスターアート・食堂。

 

優之「あ〜、カツ丼美味い。」

 

”〜〜〜♪”

 

僕らのスペクトラの着信音が鳴った。

 

優之「ん?ニコさんからだ。もしもし?」

 

ニコ『優之様。今日の午後3時にデートしませんか?1度デートって言うの体験してみたいんです。』

 

優之「え!?ニコさんとのデート?いや俺には佑美さんが居ますし・・・」

 

ニコ『佑美さんに話したら、1日デートって事で快諾してくれました。場所は原宿です。今日の午後、宜しくお願いします。』

 

優之「え?いやちょっと・・・切れた。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後3時。モロスターTVスタジオ。

 

諸星「皆さん。モロスターTVへようこそ。今日は特別編として生放送でお送りします。今日のスタジオゲストは、アンジェリカの3人と、同人誌サークルの皆さんとユーミンさんです。」

 

アンジェリカ「こんにちは〜!」

 

同人誌サークル「どうも〜!」

 

佑美「初めまして〜!」

 

諸星「今日は生放送でお送りしておりますが、実はある特別企画をお送りしようと思います。」

 

淳一「特別企画ですか。」

 

諸星「そう。生放送の企画は、デート王決定戦です!」

 

モニターが映った。ニコが優之を待っている映像と、田澤と里香がデートしている映像が映し出された。

 

諸星「今日のデート王は、この2人で決定戦をします。実はニコと江角里香さんにも事前に話しており、彼氏役の優君と田澤光雄君は何も知られてないまま進行します。カメラは、モロダストのスタッフの隠しカメラで撮影しています。」

 

響子「諸星様は、このデートに何か仕掛けを加えているんですか?」

 

諸星「鋭いね。俺が用意した仕掛けが幾つかあります。その仕掛けをどう対応するのかが鍵となります。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原宿。

 

ニコ「・・・・・」

 

優之「ニコさーーーん!」

 

ニコ「あ!」

 

そこに優之が遅れてやって来た。

 

優之「すみません。遅れてしまって。」

 

ニコ「いえ、私も来たばかりですから。」

 

優之「ニコさん、私服お綺麗ですね。」

 

ニコ「ありがとうございます。このデートの為にちょっとおめかししたんです。」

 

優之「それで、原宿でデートですけど、ニコさん何処か行きたい所があるんですか?」

 

ニコ「はい!行きましょう!」

 

 

 

 

 

 

一方田澤・里香組。

 

里香「ねぇ光雄。まずは何処へ行くの?」

 

田澤「まずは竹下通りだな。」

 

 

 

 

 

 

モロスターTVスタジオ。

 

諸星「2組が動き出したようだね。それじゃあ、最初の仕掛けを始動しよう。」

 

圭一「どんな仕掛けだ?」

 

 

 

 

 

 

原宿。田澤・里香組。

 

???「お母さーーーーん!!」

 

田澤・里香「ん?」

 

目の前に大声で泣いてる迷子の女の子が居た。この女の子はモロダストの天才子役。

 

里香「迷子みたいだよ光雄。」

 

田澤「そんな事より、早く行こうぜ?」

 

里香「え?ちょっと!迷子を放って置くの!?」

 

田澤「迷子に構ったらタイムロスしちゃうだろ!時間通りじゃないと気が済まないんだよ!」

 

里香「でも・・・!」

 

田澤「・・・チッ。おいガキ。泣いてる暇があるならママを探せや。それ位出来るだろ。」

 

助ける所か、迷子の子に説教した。

 

里香「・・・・・」

 

 

 

 

 

 

モロスターTVスタジオ。

 

淳一「おいおい田澤の奴、助けねえで説教し始めたぞ・・・!?」

 

真知子「表ではリア充だけど、裏は黒い性格なのね。」

 

文典「これ、炎上間違い無しだね。」

 

佑美「諸星様、優さんとニコさんの方は?」

 

諸星「2人は・・・」

 

 

 

 

 

 

一方の優之・ニコ組は。

 

女の子「うわああああーーん!」

 

天才子役が演じる迷子を見付けた。

 

ニコ「優之様、迷子の子が居ます。どうしましょう?」

 

優之「迷子は可哀想ですね。お母さんを探してあげましょう。ニコさんはお嬢さんに話して。もしお母さんの事が分かったら、俺が電話するから。」

 

ニコ「分かりました。」

 

しゃがんで、迷子の女の子の目線に合わせる。

 

ニコ「どうしたんですか?」

 

女の子「・・・お母さんと逸れて・・・」

 

ニコ「そうなんですね。私はニコです。後ろのお方は優之様です。お名前、教えて頂けないでしょうか?」

 

女の子「・・・美沙子・・・」

 

ニコ「美沙子さんですね?お母さんの連絡先とかありますか?」

 

美沙子「あ・・・うん・・・コレ・・・」

 

ポシェットから、母の連絡先が書かれた名札をニコに見せた。

 

ニコ「・・・分かりました。優之様。」

 

母の連絡先を優之に見せた。優之がすぐに電話する。

 

優之「もしもし?美沙子ちゃんのお母様ですか?娘さんが迷子になっておりまして・・・」

 

ニコ「大丈夫ですよ。お姉ちゃん達がお母さんを探していますから。」

 

美沙子「・・・うん・・・」

 

優之「近くに居ます。すぐに来ますって。」

 

ニコ「良かった・・・」

 

母親「美沙子!」

 

そこに、美沙子の母親がやって来た。

 

美沙子「お母さん!」

 

走って母親に抱き付いた。

 

母親「無事で良かった・・・」

 

ニコ「一件落着ですね。」

 

優之「はい。」

 

美沙子「お姉ちゃん!お兄ちゃん!ありがとー!」

 

手を振る美沙子に、優之とニコも手を振った。

 

ニコ「少し時間が過ぎちゃいましたね。」

 

優之「構いませんよ。迷子を助ける事が出来たんですから。さぁ、クレープ食べに行きましょう!」

 

 

 

 

 

 

モロスターTVスタジオ。

 

諸星「優之君の対応は素晴らしいね。」

 

祐規「ニコさんも優しく話し掛ける行動も素敵ですね。」

 

雅美「これは結構高得点じゃないかな?」

 

 

 

 

 

 

原宿。田澤・里香組。

 

田澤「どうだ?クレープ美味いだろ?」

 

里香「うん。」

 

田澤「あ?まさかさっきのガキが気になるのか?」

 

里香「だって可哀想じゃん。」

 

田澤「迷子とデートの関係性はあるのか?」

 

里香「それは・・・」

 

田澤「迷子は迷子の事情。デートはデートの楽しみ。関係のない事に一切口を出すな。」

 

里香「・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

モロスターTVスタジオ。

 

樹々「完全に束縛系彼氏。」

 

悠里「もうこれ以上やっても埒が明かない展開になりそうですね・・・」

 

 

 

 

 

 

原宿。優之・ニコ組。

 

ニコ「ん〜!美味しいです〜!」

 

優之「やっぱり原宿と言ったらクレープ。ん〜。イチゴの甘みと冷えたアイスクリームと生地がマッチしてておいひい〜❤️」

 

ニコ「ん?優之様!彼処に猫カフェがありますよ!」

 

優之「ニコさん、猫お好きなんですか?」

 

ニコ「はい!もふもふで可愛くて大好きなんです!」

 

 

 

 

猫カフェ。

 

ニコ「可愛いです〜。」

 

優之「あ〜。猫のもふもふした毛並みが心地良い〜。このままスリスリしたい〜。ってか枕にしたい。」

 

ニコ「枕にしたら、猫さんが可哀想ですよ?」

 

優之「あはは。すみません。」

 

 

 

 

 

 

モロスターTVスタジオ。

 

佑美「猫可愛い〜。帰って飼い猫もふもふしなきゃ〜。」

 

樹々「同じく。」

 

諸星「さて、最後の仕掛けを発動しよう。」

 

 

 

 

 

 

原宿。田澤・里香組。

 

田澤「いやぁ〜楽しかったわ〜。」

 

里香「そうだね。」

 

チンピラA「お〜可愛子ちゃんはっけーん!」

 

そこに、4人組のチンピラが絡んで来た。このチンピラはモロダストに所属している俳優達。

 

チンピラB「なぁ、俺達と一緒に遊ばな〜い?」

 

里香「あ、あの・・・光雄助けて!」

 

しかし田澤が、予想だにしない行動に出た。なんと、里香を置いて全速力で逃げ出してしまったのだ。

 

里香「ちょっと光雄!?何で!?」

 

チンピラ達「・・・・・・」

 

真っ先に逃げた田澤を見て、チンピラ役の俳優達と里香が唖然とした。

 

チンピラC「まさか逃げるなんて思ってなかったです・・・」

 

チンピラD「江角さん、大丈夫ですか?」

 

里香「あ、はい。」

 

 

 

 

 

 

モロスターTVスタジオ。

 

同人誌サークル「・・・・・・・」

 

同じく同人誌サークルのメンバーも、田澤の行動に唖然としている。

 

佑美「彼女さんを置いて逃げちゃったよ・・・」

 

真知子「何がパーフェクトの彼氏よ・・・」

 

諸星「では、もう1組はどうかな?」

 

 

 

 

 

 

原宿。

 

ニコ「すみません。スイーツ全部奢って貰って。」

 

優之「これ位お安いご用ですよ。メイドさんへのお土産。俺も諸星財閥に恩がありますから、少しでも恩返ししたいと思いまして。」

 

ニコ「ありがとうございます。」

 

優之「そう言えばニコさん、カイネちゃんは健やかですか?」

 

ニコ「はい。元気に育っていますよ。」

 

カイネとは、諸星とニコの間に生まれた女の子。現在7歳。

 

チンピラA「お〜可愛子ちゃんはっけーん!」

 

そこに、4人組のチンピラが絡んで来た。同じくモロダストに所属している俳優。

 

チンピラB「なぁ、俺達と一緒に遊ばな〜い?」

 

ニコ「あ、あの私は・・・」

 

優之「ちょいと待った。」

 

怯えるニコの前に、優之が立った。

 

優之「ニコさんと遊びたいなら、俺を倒してからにしろ。」

 

ニコ「優之様・・・」

 

チンピラA「なんだ、彼氏持ちか。おい、2人に手を出すな。行くぞ。」

 

チンピラ3人「おう。」

 

2人に手を出さず、大人しく去った。

 

優之「ニコさん、大丈夫でしたか?」

 

ニコ「ありがとうございます。助かりました。」

 

優之「あなたは諸星様のメイド。諸星様の大事なお人を傷付ける訳にはいきません。」

 

ニコ「優之様・・・・」

 

するとそこに、1台の車がやって来た。

 

優之「ん?」

 

ニコ「あ、来ましたね。優之様、行きましょう。」

 

優之「え?何処へ?」

 

ニコ「行けば分かりますよ。」

 

車に乗り、何処かへ行った。

 

 

 

 

 

 

一方逃げ出した田澤は。

 

田澤「あんなチンピラには勝てねえよ・・・俺に傷が付いたらプライドが成り立たねぇよ・・・」

 

そこに、1台の車がやって来た。

 

田澤「ん?」

 

車から降りた数人の男に捕まれ、車に乗せられた。

 

田澤「おい!何だお前ら!!降ろせ!!降ろせよ!!!」

 

そのまま何処かへ連れて行かれた。

 

 

 

 

 

 

モロスターTVスタジオ。

 

諸星「皆さん、2組が来ましたよ。」

 

そこに、4人が連れて来られた。

 

優之「モロスターTVのスタジオ?」

 

田澤「あれ君達!?どうしてここに!?」

 

諸星「よく来たね優之君。田澤光雄君。実は今日は、デート王決定戦って言う企画でね。君達2人のデートを見せて貰ったよ。」

 

優之「ええ!?何時の間に!?ニコさん知ってたんですか!?」

 

ニコ「はい。私達が仕掛け人として演じたんです。」

 

里香「実は私も、仕掛け人の1人なんです。」

 

田澤「マジか!」

 

諸星「そこで、君達のデートを見せて貰ってジャッジしようと思う。ジャッジはゲストの皆に決めて貰いましょう。」

 

優之「デート王・・・」

 

田澤「それは勿論俺達に決まってる!」

 

淳一・圭一「は?」

 

優之「ん?」

 

田澤「デート王は勿論俺達だ!さぁ君達!早くジャッジしてくれ!」

 

諸星「では、一斉にどうぞ!」

 

スタジオゲストがジャッジメント。結果は、満場一致で優之・ニコ組に決まった。

 

優之「マジで!?」

 

ニコ「やりましたね優之様!」

 

優之「はい!」

 

田澤「何でだ!!君達何で俺達を選ばなかったんだ!!」

 

淳一「何でって、お前迷子の子に無関心だったろ。」

 

田澤「あれは迷子になった方が悪いんだから!俺は悪くない!!」

 

真知子「じゃあ里香を置いて逃げたのはどう説明するつもり?」

 

田澤「俺はパーフェクトな彼氏じゃないとダメなんだ!多少の犠牲は必要だろ!」

 

圭一「パーフェクトな彼氏って、迷子の子を説教した時点と、里香を置いて逃げた時点でパーフェクトじゃなくなっただろ。」

 

田澤「何言ってるんだ!パーフェクトな彼氏は、常に無傷だからこそパーフェクトなんだよ!」

 

雅美「意味分かんない・・・」

 

淳一「お前のパーフェクトってそう言う意味か・・・」

 

里香「ごめんけど光雄、あなたと付き合えないよ。」

 

田澤「な・・・!?」

 

里香「子供に強く当たるし、私を置いて逃げた癖に。もうあなたの彼女は今日限りで辞めます!」

 

田澤「そ、そんなぁ・・・」

 

佑美「優之君、とっても格好良かったよ!」

 

真知子「逆に優之は、迷子の子を助けてくれたし、ニコさんの要望に応えてくれて、絡まれた時は自ら前に立ってニコさんを守る!全体的に評価が高い!」

 

諸星「それに優之君は、ニコを俺の大事な人って言ってくれた。凄く感謝しているよ。」

 

優之「え、いやぁ〜・・・凄い褒められたけど、何か出来レースみたいな展開でちょっと怖いんですけど・・・」

 

淳一「何言ってんだよ!先の事を考えず、今の自分を誇れ!」

 

デート王決定戦の生放送は、これにて終了した。

 

 

 

 

 

 

翌日。あの生放送がキッカケで、田澤は『子供を説教する器が小さい男』、『彼女を置いて1人だけ逃げた腰抜け』と言うレッテルを貼られ、東京電機大学では孤立するハメになった。

 

田澤「あんな事しなきゃ良かった・・・」

 

今では、自分のやらかした事を深く反省中。

 

 

 

 

 

 

一方で優之は『迷子の子に神対応!』、『ニコさんを守る姿はまさに勇者!』などと視聴者達から高い評価を得た。

 

優之「何だろう・・・ここまで俺の評価が上がると、逆に怖いな・・・」

 

佑美「でも諸星様は優之の評価を保証してるよ?」

 

優之「そうかなぁ・・・」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
      新田樹々:佐藤亜美菜
      愛川佑美:伊藤美来

      杉原響子:本渡楓

      横沢圭一:狩野翔
      小野雅美:和多田美咲
     曽根川祐規:小林大紀
      瀧本文典:諸星すみれ
     古川真知子:M・A・O

        ニコ:???

      田澤光雄:梅田修一朗
      江角里香:菱川花菜

      諸星志揮:???


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62話・離婚寸前!?

9月23日。諸星邸で異常事態が起きていた。

 

ニコ「諸星様は分からず屋です!!」

 

諸星「分からず屋なのはニコの方だろう!?」

 

なんと、諸星とニコが過去最大の喧嘩が勃発していた。

 

ニコ「諸星様なんて大っ嫌いです!もう出て行きます!」

 

諸星「訳が分からない!もう帰って来なくて良いから!」

 

喧嘩の末、ニコが部屋を飛び出してしまった。

 

ソフィア「ニコ様は出産されたばかりの身ですし、すぐに追い掛けて仲直りをされては?」

 

彼女の名は、ソフィア。諸星邸の服メイド長を務めている。

 

諸星「・・・・・」

 

ソフィア「お互い意地を張っても、良い事ありませんよ。」

 

本当は諸星もニコと喧嘩したい訳じゃない。だが最近、何故か最近のニコは怒りっぽい。

 

 

 

 

 

 

一方、ニコはと言うと。

 

ニコ「もう信じられません!」

 

諸星の態度に耐えられず、娘のカイネとカイリと荷物を持って諸星邸を飛び出すと。

 

優之「おーいニコさーん!暇なので遊びに来ましたー!」

 

佑美「ヤッホーニコさん!カイネちゃーん!」

 

愛川夫妻が遊びに来た。

 

優之「って、あれ?ニコさん?そんな大荷物で何処へ行くんですか?休暇がてらの旅行ですか?」

 

カイネ「あのね・・・」

 

ニコ「諸星様と喧嘩して、諸星邸から出て行く所です!」

 

優之「あー喧嘩で家出ですかぁ。」

 

佑美「諸星様と喧嘩を。成る程成る程。」

 

優之・佑美「・・・って、ええーーー!?」

 

佑美「ち、ちょっと待って下さい!」

 

優之「お話し聞かせて下さい!」

 

怒っているニコの前に立ち、2人は優しく話を聞いた。

 

 

 

 

 

 

諸星『成る程・・・それなら・・・そうだ。』

 

ソフィア『諸星様なら・・・気に入って・・・』

 

ニコ(また2人で楽しそうにしている・・・)

 

ここ最近、諸星がメイド長のソフィア(元副メイド長)と仲良く話をしている所をよく見掛けた。

 

ニコ(諸星様・・・私やカイネやカイリを放って置いてソフィアと仲睦まじくなるなんて・・・もしかしてソフィアと・・・)

 

彼女は、2人の関係を怪しんでいた。明らかに2人は、ニコの目を盗んで話しているから。

 

 

 

 

 

 

諸星邸のフラワーガーデンのベンチ。

 

ニコ「諸星様が優秀な後継を残したい気持ちは理解しています。でも、今の私には余裕が無くて・・・」

 

優之「そっかぁ・・・ニコさん大変でしたね。」

 

佑美「でも、諸星様がニコさんを裏切るはずがないですよ!」

 

カイネ「そうだよママ!パパが裏切るなんてありえないよ!」

 

ニコ「私も信じたいのですが・・・中々気持ちが追い付きません・・・何だか怒りが先に来て・・・つい・・・」

 

優之「きっと諸星様も、急にニコさんが怒りっぽくなって戸惑ってるかも知れません。諸星邸に戻って、諸星様と話をしてみましょうよ。ね?」

 

ニコ「ですが・・・」

 

カイリ「ふぎゃー!ふぎゃー!」

 

突然カイリが大泣きし始めた。

 

佑美「ホラ!カイリちゃんがパパに会いたがってますよ!」

 

優之「カイネちゃん、パパに会いたいの?」

 

カイネ「うん!会いたい!」

 

ニコ「うぅ・・・そう言われると・・・」

 

優之「大丈夫ですよ!素直な気持ちを言えば、きっと和解出来ます!」

 

ニコ「・・・・」

 

2人の説得を聞いて、ニコは諸星邸を出て行こうとする足を渋々止めた。

 

ニコ「でもどうやって謝ったら良いでしょうか・・・」

 

優之「謝り方ですか・・・う〜ん・・・」

 

佑美「あ!だったら、サプライズで謝るのはどうでしょうか?」

 

 

 

 

 

 

寝室。

 

佑美「これなら、ニコさんも勢いで謝りやすいでしょ!」

 

ニコ「確かにこれは良い案ですね!とても可愛いです!」

 

優之「ここの風船は・・・ここに飾ろう。」

 

カイネ「お花は、ここが良いかな?」

 

3人の協力もあり、ニコは諸星邸へ戻って寝室の飾り付けを始めた。

 

ニコ「次は・・・お料理ですね。」

 

4人は諸星が好きな夕食を準備する為、キッチンへと向かった。

 

 

 

 

 

 

だが4人がキッチンを出て行った後、諸星が一度頭を冷やそうと外から戻って来て、寝室を見て目を疑った。

 

諸星「何だこれは・・・!?」

 

そこには風船やおもちゃが散らばっていた。

 

諸星「これはカイリのおもちゃ?何でこんな事に・・・」

 

彼は、寝室の飾り付けを10分で片付けてしまった。ニコ、カイネ、優之、佑美が準備したサプライズだとも知らずに。

 

諸星「うん、元の綺麗な部屋に戻った。」

 

だがそこへ、ニコ、カイネ、優之、佑美がキッチンから戻って来た。

 

カイネ「あ!パパ!」

 

ニコ「嘘!?全部片付けられている・・・!?」

 

優之「ありゃ!?俺達が居ない間に何かあったのか!?」

 

佑美「あ!諸星様!」

 

諸星「4人共、何でここに!?まさか寝室を散らかしたのは、ニコなのか?」

 

その言葉を聞いたニコが更に激怒した。

 

ニコ「勝手に片付けたんですか!?仲直りする為に一生懸命飾り付けしたのに・・・散らかしたなんて・・・」

 

諸星「俺はニコが準備してくれたと知らなかったんだ!」

 

優之・佑美・カイネ「あちゃー・・・」

 

ニコ「やっぱり私なんて・・・居ない方が良いのですね!分かりました!」

 

諸星「待ってくれ!ニコ!」

 

必死に誤解を解こうとする諸星だが、ニコは聞く耳持たず出て行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

結局、ニコはカイネとカイリを連れて諸星邸を完全に飛び出してしまった。

 

佑美「ニコさん待って!ストップストップ!」

 

ニコ「無理です!止まれません!」

 

優之「ニコさん、行く宛が無いのなら、俺達のシェアハウスへ来ませんか!?」

 

ニコ「え・・・?」

 

優之「流石にカイネちゃんとカイリちゃんを連れて歩くのは危ないでしょ?」

 

ニコ「はぁ、確かに・・・」

 

 

 

 

 

 

おあにた荘へ行くと、淳一達が居た。

 

淳一「よう!お2人さんおかえりー・・・って、ニコさん!?」

 

康介「カイネちゃんにカイリちゃんまで!?」

 

悠里「え!?どうしたんですか!?」

 

ニコ「まぁ・・・色々とありまして・・・」

 

真奈美「いらっしゃいニコさん。何か事情があるんですね?ゆっくりしていて下さい。」

 

ニコ「すみません、お邪魔します・・・」

 

カイネ「ここが優之お兄ちゃんが住むシェアハウス?」

 

優之「うん。」

 

カイネ「アットホームなお家だね。」

 

康介「あ、お茶淹れましょうか?美味しい紅茶があるんです。」

 

ニコ「ありがとうございます。頂きます。」

 

彩乃「この子がカイリちゃんですか。可愛いですね〜。」

 

 

 

 

淳一「おい優之、佑美さん、どうしてニコさん達を連れて来たんだ?」

 

優之「実は、ニコさんが諸星様と喧嘩して家出しちゃったんだ。」

 

淳一「なぬぅ!?」

 

有香奈「それでウチへ招いたって訳ね?」

 

佑美「そうなの。このままだとニコさんと諸星様の関係が終わっちゃって、離婚の危機が・・・」

 

樹々「大変な状況になってる・・・」

 

舞「それで、これからどうするの?」

 

佑美「優之君、私達がニコさんを見ているから、諸星邸へ行って諸星様を説得してあげて?」

 

優之「分かった。また行って来る。」

 

 

 

 

 

 

2人の喧嘩を食い止める為、再び諸星邸へ戻って来た。

 

優之「ん〜・・・諸星様も素直に謝れば事が収まるのに・・・ん?あれって・・・」

 

ある部屋で諸星がソフィアと仲睦まじく話している光景が目に映った。

 

優之(諸星様とソフィアさん・・・確かにニコさんの言う通り、距離が近いし、めっちゃ楽しそう・・・ニコさんが疑うのも無理はないかも・・・兎に角、何を話してるのはこっそり聞いてみよう。)

 

 

 

 

ソフィア「昨夜はとてもお上手でした。」

 

諸星「そうか、今夜も頼むよ。」

 

ソフィア「ふふふ、畏まりました。」

 

 

 

 

優之(な、何ィーーーー!?2人はもしかして・・・!?)

 

”ブーブー”

 

スマホのバイブ音が鳴った。

 

優之「ん?佑美さんからだ。」

 

佑美『もしもし優之君?どう?仲直りさせられそう?』

 

優之「あー・・・実は・・・仲直り出来ない方向になっちゃったかも・・・」

 

佑美に状況を伝えると、ニコの声が聞こえた。

 

ニコ『優之様、今の話、詳しく聞いても良いですか?』

 

優之「え!?ニコさん聞いてたんですか!?あー・・・えーっと・・・何の話でしたかな〜?ブレーザーの9話が神回過ぎて頭から離れられない話でしたかなぁ〜?」

 

ニコ『優之様?』

 

優之「ニコさん怖え・・・ごめんなさい・・・お話しします・・・」

 

圧に負けて、正直に話した。

 

ニコ『信じられません・・・!本当に私との約束を破るなんて!!』

 

今まで生きてきた中で1番と言って良い程憤慨中。

 

ニコ『すぐに諸星邸に行くので、諸星様にそうお伝え下さい!』

 

優之「り、了解しました!!」

 

佑美『待って!私達も行くよ!』

 

 

 

 

 

 

急いで諸星邸に戻ったニコ。突然ニコが戻って来た事に戸惑っている諸星だが、ニコにとってはそんな事は関係無い。

 

諸星「ニコ・・・」

 

ニコ「ソフィアとどうかお幸せになって下さい!それだけ言いに来ました!」

 

諸星「ソフィアとお幸せに・・・?ニコ、何の事だい?」

 

ニコ「もうしらばっくれなくてもいいです!証人も居るので!」

 

諸星「え?何を言っているのかが分からないんだが・・・」

 

それでも諸星は謝罪しなかった。ニコの限界は頂点に達した。

 

ニコ「もう2度と顔も見たくありません!」

 

諸星「本当に訳が分からないよニコ!そこまで言うなら勝手にすれば良い!!」

 

ニコ「言われなくてもそうします!!」

 

遂に2人の仲が切れてしまい、ニコが飛び出してしまった。

 

淳一「あ!ニコさん!・・・」

 

優之「諸星様・・・あんな言い方はありませんよ。」

 

諸星「優之君までニコの味方をするのかい?意味が分からないよ・・・」

 

優之「だって・・・諸星様はニコさんとカイネちゃんとカイリちゃん一筋で、3人を一生愛し続けるって。ニコさんとの約束を破ってしまったんでしょ?」

 

ソフィアとの事を諸星に話した。すると諸星は。

 

諸星「俺がソフィアと?それは誤解だ!」

 

優之「え?」

 

諸星「ソフィアと仲良くしていたのは・・・」

 

 

 

 

 

 

数日前。メイド寮でメイド服へ着替え終えた服メイド長のソフィアを尋ねた。

 

諸星『ソフィア、今1人かい?大事な話があるんだ。』

 

ソフィア『あ!諸星様!私に何の御用でしょうか?』

 

諸星『実は俺・・・カイリをお風呂に入れてあげたいんだ・・・出来れば、ニコに内緒で・・・』

 

実は諸星は、カイリが生まれた頃からずっと悩んでいた事をソフィアに相談したのだ。

 

ソフィア「それは実践あるのみですよ!今晩早速やってみませんか!?」

 

諸星「ああ、お願いするよ。」

 

こうして諸星は、ソフィアと一緒に毎晩沐浴の練習をこっそり始めたのだ。

 

 

 

 

そして先程優之が聞いた会話。

 

ソフィア『昨夜はとてもお上手でした。』

 

諸星『そうか、今夜も頼むよ。』

 

ソフィア『ふふふ、畏まりました。』

 

優之(な、何ィーーーー!?)

 

 

 

 

 

 

そして現在に至る。

 

優之「成る程!あの時の会話ってそう言う意味だったんですね!」

 

淳一「カイリちゃんの為だったんですね!」

 

諸星「そうなんだ。カイネの時はニコがずっと世話してたから、俺も手伝わなきゃって思って。」

 

佑美「でも諸星様、そうだって事をニコさんに言わなきゃならないんじゃ?」

 

諸星「それは・・・」

 

樹々「プライドが許せない。そうなんですね?」

 

優之「何でも完璧でなきゃいけない。何か分かります。」

 

諸星「それで、君達にお願いがあるんだ。」

 

淳一「お願い!?何で御座いましょう!何でも引き受けますよ!」

 

佑美「食い付きが凄いね相変わらず・・・」

 

諸星「俺のせいで、ニコがここを出て行ってしまった。俺はニコに戻って来て欲しい。だから何としてもニコを連れ戻す為、協力して欲しいんだ。」

 

優之「分かりました。それで、どうすれば良いんですか?」

 

 

 

 

 

 

9月30日。おあにた荘。あれから1週間が経過した。

 

ニコ「今日もカイリはご機嫌ですね。」

 

彩乃「カイリちゃんいないいないばあ〜。」

 

カイリ「きゃっ!きゃっ!」

 

カイネ「カイリ〜。お姉ちゃんと遊ぼ〜?」

 

カイリ「きゃっ!きゃっ!」

 

諸星邸を飛び出したニコは今、おあにた荘で皆と暮らし始めたのだ。

 

真奈美「ニコさん、お茶をどうぞ。」

 

紅茶をニコに差し出した。

 

ニコ「ありがとうございます。・・・今頃、諸星様はソフィアさんと・・・」

 

真奈美「落ち込んでちゃダメですよ?カイリちゃんに見られたら、カイリちゃんが悲しみますよ?カイネちゃんも。」

 

カイネ「ママ・・・」

 

ニコ「真奈美様・・・」

 

康介「もう1週間が経過してますよ。そろそろお戻りになられた方が・・・」

 

ニコ「でも、今回のように諸星様は約束を破って・・・ソフィアさんも辛い思いをするのでは・・・」

 

淳一「ニコさん・・・・」

 

ニコ「このままじゃダメ。私が諸星財閥を変えなくては!」

 

悠里「え?変えるって!?」

 

するとニコがスマホを取り出し、彼女を信頼しているメイド達に電話した。

 

ニコ「皆さんへのミッションはただ1つ。諸星様とソフィア様の関係を暴く証拠を掴んで下さい。」

 

そしてスマホを切った。

 

有香奈「証拠を暴くって、そこまでしなくても・・・」

 

ニコ「諸星様が約束を破った事が分かれば、メイド達も気付くはずです。」

 

悠里「それでスパイ活動をさせる訳ですね?」

 

淳一・佑美「・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

1週間前。

 

諸星『俺のせいで、ニコがここを出て行ってしまった。俺はニコに戻って来て欲しい。だから何としてもニコを連れ戻す為、協力して欲しいんだ。』

 

優之『分かりました。それで、どうすれば良いんですか?』

 

諸星『君達は、ニコの誤解を解いてあげてくれ。』

 

優之『誤解を解く・・・難しそうですね。』

 

諸星『大丈夫。君達にコレを渡しておく。』

 

モロスターテクノロジー開発のマイクロイヤモニと、高性能イヤホンカメラを渡した。これを使えば、ニコの状況を把握し、リアルタイムで指示する事が出来る。

 

有香奈『でもこれは、メイドさん達にやらせてあげた方が良いんじゃないでしょうか?』

 

諸星『ニコは君達のシェアハウスで暮らしている。君達ならニコの誤解を解いてくれると信じている。』

 

 

 

 

 

 

そして現在。

 

淳一「俺、ちょっとトイレ。」

 

トイレへ行く淳一。行く前に淳一は悠里達にアイコンタクトをした。

 

 

 

 

トイレのドアを閉めて、マイクロイヤモニを操作する。

 

淳一「諸星様、指示をお願いします。」

 

諸星『ニコは幼い頃から俺とよく遊んでいた。そこから何とか俺の話に誘導してくれ。』

 

淳一「了解。」

 

 

 

 

トイレから戻り、ニコに話し掛ける。

 

淳一「そう言えば、ニコさんは昔はよく遊んでいた元気っ子でしたよね?」

 

ニコ「ん?まぁ・・・子供の頃は何でも楽しかったので、全てが良い思い出です。」

 

淳一(諸星様の話は触れないな・・・)

 

その後も淳一は、諸星の指示通りに話を引き出そうとするが、ニコは諸星の話題に触れようとしなかった。

 

淳一(中々手強いな・・・)

 

その後も何度かトライするが。

 

淳一「えっと、ニコさん・・・」

 

ニコ「さっきから何なんですか!?」

 

淳一「うっ・・・!?」

 

彼女の癪に触ってしまい、事態は急変する。

 

ニコ「そもそも、何で淳一様が私の過去を知っているんですか?」

 

淳一「あ、それは、えっと・・・噂でお聞きしまして・・・みたいな?」

 

ニコ「この話は、私以外の皆さんは知らない情報です。」

 

淳一(あちゃー・・・盲点だった・・・ニコさんの優秀さが裏目に出ちゃった・・・)

 

ニコ「淳一様は、私と諸星様しか知らない情報を恰も見て来たかのように知っている・・・この2つが意味する事は・・・淳一様や、皆さんが諸星様のスパイとなっている事です。」

 

淳一「・・・流石ですね・・・完敗です・・・」

 

悠里「ごめんなさい・・・」

 

佑美「悪気は無かったんです・・・」

 

ニコ「諸星様!どうせ聞いているんですよね!?」

 

諸星『・・・ミッションは失敗だ・・・』

 

有香奈「ごめんなさいニコさん・・・」

 

淳一達は、マイクロイヤモニとイヤホンカメラを置いて謝罪した。

 

優之「ただいま〜!モンアツゴジラ(1954)買えた〜!って、おやぁ?」

 

丁度そこに、優之が帰って来た。

 

優之「はは〜。その様子だと、もうバレちゃったみたいだね。」

 

ニコ「優之様、あなたも諸星様のスパイになっている事はお見通しです。」

 

優之「流石ニコさん。素直に降参します。」

 

マイクロイヤモニとイヤホンカメラを外した。するとニコのスマホに、スパイメイドから写真が送られた。

 

ニコ(成る程、私が居なくなったから、堂々と仲を深め始めたのですね・・・)

 

諸星とソフィアが接触する写真が次々と送られた。諸星がニコとの約束を破ったと言う材料が着々と溜まっていく。

 

ニコ(でもこれだけでは、証拠として弱いです。)

 

困ったニコは、スパイメイド達に指示を出した。

 

 

 

 

 

 

諸星邸。スパイメイドにニコからの指示が送られて来た。

 

スパイメイドA(もっと決定的な写真か・・・リスクは高いけど、ニコ様の為にやらねば!)

 

 

 

 

ニコから指示を受けたスパイメイド達が諸星の様子を窺っていると。

 

スパイメイドB「2人が寝室に!」

 

スパイメイドC「チャンスよ!」

 

隠れながら寝室に侵入して行った。だが諸星とソフィアの様子は思ったものと違った。

 

 

 

 

赤ちゃんの人形を沐浴している諸星の光景があった。

 

諸星「ニコが出て行ってから1週間か・・・寂しい・・・折角ここまで上達したのに、実践する事はなさそうだな・・・」

 

ソフィア「諸星様、まだ希望はありますから。そう肩を落とさないで下さい。何時かニコ様も誤解だったと気付いて下さいます。」

 

 

 

 

スパイメイドB「えぇ・・・これはどう言う状況なんだろうか・・・」

 

 

 

 

 

 

おあにた荘。

 

淳一「なぁ優之、このままだと本当にお2人が離婚しちゃうよ・・・どうすれば・・・」

 

樹々「私達だけじゃ手に負えない・・・」

 

作戦が尽きた淳一達。だが優之は、ニコを説得する。

 

優之「ねぇニコさん。本当に戻らないんですか?」

 

ニコ「当然です。私を裏切った諸星様が悪いんですから。」

 

優之「・・・それって、ニコさんの本心ですか?」

 

ニコ「え?」

 

優之「カイネちゃん。カイネちゃんはお家に帰りたい?」

 

カイネ「うん!私、パパに会いたい!お家に帰りたいよ!」

 

優之「確かに諸星様は裏切ってしまったかも知れません。ですが、前に言いましたよね?諸星様にもきっと何か事情があるんじゃないかって。それはニコさんが嫌いになってしまったとかそう言う意味じゃないんですよ。」

 

ニコ「・・・・・」

 

優之「あなたも、本当は諸星様と仲直りしたい。けど、カイリちゃんが生まれてから、ニコさんちょっと可笑しくなっているって気がするんです。」

 

ニコ「私が?そんな訳ないじゃないですか!」

 

怒るニコに、優之は説得し続ける。

 

優之「すぐに怒ってしまう所、きっとニコさんに原因があるんじゃないでしょうか?」

 

ニコ「え・・・?」

 

優之「気持ちを落ち着けば、きっとその時が来ますよ。俺を信じて下さい。」

 

ニコ「優之様・・・」

 

すると、ニコのスマホに電話が来た。

 

康介「ん?電話?」

 

ニコ「?」

 

不思議に思いながらも、電話に出てみる。

 

スパイメイドA『ニコ様、今すぐ諸星邸に来て下さい!』

 

ニコ「え?」

 

優之「どうやら、その時が来たかも知れません。行きましょう。諸星邸へ。」

 

ニコ「・・・はい・・・」

 

ゴールドウイングツアーにニコを乗せ、諸星邸へ向かった。

 

 

 

 

 

 

諸星邸に着いた。すると。

 

メイドA「ニコ様!」

 

メイドB「お越しいただきありがとうございます!」

 

ニコ「ど、どう言う事ですか?」

 

スパイだったメイド達に導かれ、ニコは真っ暗な部屋に通された。

 

メイドA「優之様もどうぞ。」

 

優之「はい。」

 

 

 

 

真っ暗な部屋にある椅子に座ると。

 

ニコ「え!?」

 

突然壁にプロジェクターで映像が映し出された。

 

 

 

 

そしてそこには、沐浴の練習をしたり、離乳食を作っている諸星の姿が映し出された。

 

 

 

 

ニコ「な、何ですか・・・この映像は・・・」

 

そこに、服メイド長のソフィアがやって来た。

 

ソフィア「ニコ様、誤解をさせるような行動をしてしまい、申し訳ございませんでした。諸星様は今までカイネ様の為に育児の勉強をしていたのです。」

 

ニコ「諸星様が・・・育児の勉強・・・何で私に言わなかったんですか?」

 

優之「見せたくなかったんですよ。」

 

ニコ「見せたくない・・・?」

 

優之「子育てを完璧に出来る姿をニコさんに見せてあげたい。諸星様のプライドでニコさんに相談しなかったんです。完璧に子育てが出来るまで、ソフィアさんと一緒に隠れて子育ての練習をしていたんです。諸星様から聞いたんです。カイネちゃんの時は、ニコさんやメイドさん達が世話してるのを見て、自分でも子育てを手伝いたいと言ってたんです。」

 

ニコ「そんな・・・じゃあ私は勝手に誤解して・・・」

 

真実を知ったニコは、諸星にとんでもない事をしてしまったと後悔し涙を流した。

 

ニコ「どうしましょう・・・私は・・・私は・・・」

 

するとそこに、諸星がやって来た。

 

諸星「ニコ・・・」

 

ニコ「諸星様・・・申し訳ございませんでした・・・!」

 

諸星「ニコが謝る事はないよ。ニコは『マタニティ・ブルーズ』だったんだ。」

 

ニコ「マタニティ・ブルーズ・・・?」

 

優之「はい。この前姉さんに聞いたんです。」

 

 

 

 

 

 

6日前。都内のカフェ。優之は姉の冴子にニコが出て行った事を話した。

 

冴子『そうなのね。ニコさんが諸星邸を出て行ってしまったのね。』

 

優之『ああ。姉さん、ニコさんが怒りっぽくなった理由、何か知ってる?』

 

冴子『ん〜・・・ニコさんって最近カイリちゃんを産んだのよね?』

 

優之『そうだ。』

 

冴子『それって、マタニティ・ブルーズじゃないかしら?』

 

優之『マタニティ・ブルーズ?姉さんも経験したあの精神状態だっけ?』

 

冴子『そう。産後2週間前後に現れる精神状態。気持ちが不安定になっちゃう事が多いの。私も双葉を産んでマタニティ・ブルーズになっちゃった事があるから、ニコさんの気持ちは分かるわ。』

 

優之『やっぱり、女性って子供を産んだ後も大変なんだな。』

 

冴子『そうよ。佑美さんもマタニティ・ブルーズになる可能性もあるわ。その時になったら、私に頼っても良いわよ。』

 

優之『教えてくれてありがとう。』

 

 

 

 

 

 

そして現在に至る。

 

優之「まさに今のニコさんの事ですよ。怒りっぽくなったのも、マタニティ・ブルーズの影響なんです。」

 

諸星「俺の理解が足りなかったばかりに、不安にさせてごめん。」

 

ニコ「諸星様〜〜!これからも着いて行きます〜〜!!」

 

2人はお互いを抱き締め、遂に和解を遂げた。

 

優之「これにて一件コンプリート。かな?」

 

 

 

 

 

 

おあにた荘。

 

淳一「もしもし優之?お2人が仲直りした?良かった〜!」

 

悠里「一件落着だね。」

 

 

 

 

 

 

諸星邸。

 

優之「ニコさん、これも姉さんから教わった事です。マタニティ・ブルーズになった時は十分な休息が必要です。今の諸星様なら、カイリちゃんを預けても大丈夫です。しばらくは自分の時間を作りましょう。」

 

ニコ「優之様、ありがとうございます!あの、先程は怒ってごめんなさい。」

 

優之「気にしないで下さい。お2人が和解したのならそれで十分ですよ。」

 

こうして諸星とニコはお互いの誤解が解けて和解し、何時もの夫婦に戻ったのだった。

 

 

 

 

 

 

その日の夕方。優之の部屋。

 

優之「やっと並べられた〜!マン兄さんとゴジラ!」

 

真骨彫ウルトラマンとゴジラ(1954)のクロスオーバーが実現出来たのであった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      諸星志揮:???
        ニコ:???
       カイネ:???
      ソフィア:???

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美
      愛川佑美:伊藤美来
      松浦彩乃:佐藤聡美

      嶋村冴子:友永朱音

       メイド:月村あさみ
           伊香綾野
           音海奈々

     東山真奈美:後藤邑子


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63話・準備と監修。そして、脅迫。

10月5日。諸星美術館。

 

優之「その絵はここでお願いします。あ、ここにソファーを置いて下さい。」

 

明日の個展に備えて、優之が監修している。

 

スタッフA「愛川さん、こちらの絵はどうします?」

 

優之「それはあちらへ。」

 

諸星「順調そうだね。」

 

そこに諸星とニコが歩み寄って来た。

 

優之「この個展は、俺の一大イベントでもありますから。準備も気合い入れさせ頂いております。」

 

諸星「お客さんは、ご家族が多そうだね。」

 

優之「何たって創作と特撮ですから。これを機に、俺の名前を響かせたいです。」

 

スタッフB「愛川さん、BGMの選曲ですが。」

 

優之「あ、今行きます!諸星様、また後で。」

 

スタッフの方へ行った。

 

ニコ「優之様、今日は活き活きしていますね。」

 

諸星「そうだね。」

 

 

 

 

 

 

夕方。おあにた荘。

 

真奈美「いよいよ明後日からね。優之君の個展。」

 

康介「初めての個展だね。」

 

優之「とは言っても、実は心の隅でちょっとした不安があったりして。」

 

淳一「そうなのか?俺から見たら何時ものお前に見えるが。」

 

優之「顔は平常だが、心の隅では不安を抱えてる。」

 

悠里「気にし過ぎだよ。」

 

樹々「深呼吸必須。」

 

佑美「優之君の個展は大成功する!私の未来がそう言ってる!」

 

優之「心配してくれたりがとう。」

 

有香奈「優之君、私達も個展行っても良いかな?」

 

舞「私も。ウルトラマンは詳しくないけど、面白そう。」

 

優之「そう言うと思って、実は人数分のチケットを持ってるんだ。」

 

彩乃「本当ですか!?」

 

個展のチケットを皆に配った。

 

優之「はい樹々ちゃん。」

 

樹々「ん?何で私だけ4枚?」

 

優之「響子ちゃんと道茂さんと千夏さんにも渡してあげて。」

 

樹々「本当に?ありがとう。」

 

優之「それと諸星様に頼んで、トミー達にチケットを郵送して置いたから。」

 

淳一「警備員も準備完了か?」

 

優之「ああ。諸星様が手配してくれたんだ。諸星財閥の屈強のSP。」

 

悠里「迷惑客を一網打尽確定だね。」

 

優之「ただ、スーツ姿で警備させると、お子さんが怖がりそうだから。諸星様に頼んで私服にして貰ってる。」

 

佑美「確かに。私も初めてSPの皆さんを見たけど、結構コワモテでムキムキマッチョが多かったね。」

 

悠里「でも、とても優しくて面白い人達。」

 

真奈美「明日も個展の準備?」

 

優之「うん。BGMと会場の最終確認をしなきゃならないから。」

 

 

 

 

 

 

10月6日。諸星美術館。

 

スタッフB「選曲どうですか?」

 

優之「OK。それで行きましょう。」

 

スタッフB「これでBGMの最終確認は完了ですね。」

 

優之「はい。後は、会場の最終確認だな。」

 

スタッフA「あ!愛川さん!」

 

そこに、スタッフが慌てて駆けて来た。

 

優之「ん?どうしました?」

 

スタッフA「美術館にこんな物が!」

 

優之「手紙?」

 

渡されたのは、1通の手紙。

 

優之「手紙。ファンレターじゃなさそうですね。どれどれ?」

 

 

 

 

『お前の個展に爆発物を仕掛けた。爆発されたくなければ、今すぐ中止しろ。さもなくば、強制的に爆発し、お前諸共殺す。』

 

 

 

 

それは、脅迫状だった。

 

優之「成る程な・・・」

 

スタッフA「どうしましょう?開催を中止しますか?」

 

優之「いえ、これは寧ろ好機です。このまま続けます。」

 

スタッフA「え?」

 

優之「こうなる事は予想してましたので。この脅迫状、預かっても良いですか?」

 

スタッフA「あ、はい。」

 

優之「んじゃ早速。」

 

そう言うと何処かへ電話する。

 

優之「あ、諸星様?お時間良いですか?」

 

 

 

 

 

 

30分後。諸星がやって来た。優之が諸星に届けられた脅迫状を見せた。

 

諸星「成る程。優之君の一大イベントを壊そうと必死みたいだね。」

 

優之「その脅迫状、筆跡鑑定してくれますか?」

 

諸星「任せて。犯人が分かったら逮捕して君に連絡するから。」

 

優之「それと一応聞きますが、美術館のセキュリティーは大丈夫ですか?」

 

諸星「今日はメンテナンス日だから。今作業してるよ。」

 

優之「そうですか。お時間ありがとうございました。」

 

諸星「気にしないで。仕事はひと段落したからこっちに来たんだ。」

 

 

 

 

 

 

午後3時。

 

優之「これで全部OKですね。」

 

遂に、個展の準備が完了した。

 

優之「スタッフの皆さんありがとうございました。ご苦労様でした。」

 

スタッフA「愛川さんも監修ご苦労様でした。」

 

”〜〜〜♪”

 

優之「ん?諸星様だ。もしもし?」

 

諸星『優之君。脅迫状を送った犯人が捕まったよ。』

 

優之「本当ですか?犯人は?」

 

諸星『犯人は男女。女性は麗花と名乗っていた。』

 

優之「麗花・・・あの女か。」

 

諸星『知っているのかい?』

 

優之「ええ。俺の先輩の、栗田雅春先輩の元妻。不倫に手を出して離婚・絶縁され、不倫相手と共に慰謝料を一括で支払って行方を眩ましていました。まさか俺の個展に手を染めようとしてたなんてな。それで動機は?」

 

諸星『私の人生を狂わせた報いらしい。』

 

優之「雅春先輩じゃなく俺に矛先を向けたか。まぁ俺の正論が非常にムカついたんでしょうね。」

 

諸星『でも大丈夫。あの2人には告訴しておくから。』

 

優之「モロスターアートの個展って、必ず誰かから狙われてるんですか?」

 

諸星『今までこんな事はなかったけど、茂成君の個展から急に現れ始めたね。』

 

優之「今後は警備やセキュリティーを強化した方が宜しいかと思います。」

 

諸星『勿論今後も強化しておくよ。監修は終わったかい?』

 

優之「ええ。丁度終わりました。」

 

諸星『明日からの個展、楽しみにしているよ。じゃあまた。』

 

優之「はい。失礼します。」

 

通話終了。

 

 

 

 

 

 

その日。脅迫罪として告訴された麗花と不倫相手には、懲役刑が課せられた。

 

 

 

 

 

 

10月7日。諸星美術館。午前8時50分。

 

優之「おぉ〜・・・」

 

外を見ると、既に行列が出来ていた。

 

優之「凄い・・・もうこんなに行列が・・・」

 

茂成「殆どがご家族だな。」

 

紫「流石だね。優之さん人気者になるね。」

 

結衣「警備は万端ですよね?」

 

優之「ああ。8時頃に最終チェックしたから。」

 

奈々「なら大丈夫ですね。」

 

茂成「奈々、それフラグとしか言いようがないぞ。」

 

優之「何はともあれ。この個展が皆を楽しませてくれる事を祈ろう。」

 

そして、9時。個展が開展した。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美
      愛川佑美:伊藤美来
      松浦彩乃:佐藤聡美

      畦間茂成:上村祐翔

       宗像紫:礒部花凜
      日野結衣:堀内まり菜
      坪川奈々:熊田茜音

      諸星志揮:???
        ニコ:???

     東山真奈美:後藤邑子


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64話・空想と創作。そして、個展。

10月7日。朝9時。諸星美術館で優之の個展が開催した。既に多くの客達がこぞってやって来てる。

 

茂成「初日から大盛況だな。」

 

優之「これ程とは、予想外だな。」

 

奈々「小さなお子さんもいっぱい来てますね。」

 

優之「大半が男の子だな。何せウルトラマンだから。」

 

紫「ねぇねぇ、中はどんな感じになってるの?私見てみたい!」

 

優之「そうだな。俺が案内しよう。こっちだ。」

 

 

 

 

 

 

昭和ブース。BGMには、昭和ウルトラマンシリーズと昭和ゴジラの音楽がランダムで流れてる。

 

優之「昭和ブース。初代ゴジラからメカゴジラの逆襲。初代ウルトラマンからウルトラマンUSAまでのシリーズの創作絵を展示してある。」

 

結衣「お客さんは、ご年配の方が居ますね。」

 

優之「まぁ、初代ゴジラは1954年公開だからな。当時見てたご年配の皆さんが懐かしんでいるんだ。」

 

茂成「この初代ゴジラ。皮膚も細かく描かれてるな。」

 

優之「ゴジラシリーズでの皮膚は結構苦労するんだよなぁ。それに、結構ジオラマにも拘りぶち込んだからな。」

 

茂成「初代なんか、モノクロが凄いな。」

 

優之「カラーだと色が付けやすいからな。モノクロだと、光の反射の描写が難しいからな。キングコング対ゴジラからカラーになって作業が進んだんだ。」

 

紫「でも、見てるだけで凄い臨場感が出てるよ。」

 

男の子「ねぇお祖父ちゃん。お祖父ちゃんもゴジラ見た事あるの?」

 

祖父「勿論だとも。お祖父ちゃんが子供の頃に初めて見た映画でな。懐かしいなぁ〜。」

 

横で、男の子とそのお祖父ちゃんがそう会話をしていた。

 

茂成「何か良いな。ああ言う会話。」

 

優之「それな。何かホッコリする。」

 

???「おーーい!」

 

優之「ん?よう皆!」

 

そこに、おあにた荘の皆と響子、遥香、茜、美佳子がやって来た。

 

奈々「皆さん、ご無沙汰しております。」

 

真奈美「お久し振りね。」

 

紫「遥香ちゃん!」

 

遥香「紫ちゃん!結衣ちゃん!奈々ちゃん!久し振り!」

 

康介「初日から凄いね。」

 

優之「俺でもびっくりしたよ。モロスターアートのアーティストは、毎回こう言う大盛況を収めるって噂で聞いたけど。」

 

茂成「俺の時もそうだったよ。」

 

響子「優之さん凄いなぁ。絵が何か昔の画質みたいだね。」

 

優之「昭和時代のテレビや映画は画質が少し粗いからな。そこら辺も拘ったんだ。んで、昭和ゴジラシリーズから昭和ウルトラマンシリーズ。持ってるウルトラアーツを模写して絵に落とし込んだんだ。」

 

淳一「ジオラマはやっぱり、頭の中で描いて描いたのか?」

 

優之「ああ。実物のジオラマで描くとどうしてもそのジオラマ通りに描いちゃうから。敢えて頭の中で描いたジオラマを使って描いたんだ。」

 

悠里「やっぱり優之さんの拘りは凄いね。」

 

有香奈「ねぇ、この平成ブース見てみたいわ。」

 

ガイドブックの平成ブースを指差す。

 

優之「ああ。案内するよ。」

 

 

 

 

 

 

平成ブース。BGMには、平成ウルトラマンシリーズと平成ゴジラの音楽がランダムで流れてる。

 

優之「ん?」

 

既に平成ブースの絵を見てるトミーとフィオの姿があった。

 

優之「おーい!お2人さーん!」

 

トミー「あ!優之さん!久し振りです!」

 

フィオ「ご無沙汰です!」

 

佑美「トミー君フィオちゃん。来るの早いね。」

 

トミー「佑美先輩!」

 

優之「2人共もう来てたのか。昭和ブースはまだ見てないのか?」

 

フィオ「ううん。もう見終えたんです。」

 

優之「え!?早!」

 

トミー「昭和ならではの絵の描写が凄い好きでした!特に初代ゴジラのモノクロの描写が凄い好きです!」

 

フィオ「もう完全にテンション上がってる・・・」

 

優之「いや、そのテンション見れただけで俺も嬉しい。」

 

舞「平成ブースはどんな絵があるの?」

 

優之「平成ブースは、文字通りウルトラマンティガからウルトラマンR/B。そして海外ウルトラマンや劇場版限定ウルトラマンの平成ウルトラマンシリーズ。そしてゴジラ(1984)からゴジラ キング・オブ・モンスターズまでの平成ゴジラシリーズ。そしておまけとして、平成モスラとガメラシリーズの創作絵が展示してある。」

 

茜「わぁ!このガメラさん、丸くて可愛いですね!」

 

優之「それはトト。小さき勇者たち〜GAMERA〜のガメラなんだ。」

 

美佳子「お客さんを見ると、若い人達が多いんだね。殆どは30代の方達かな?」

 

樹々「平成世代の皆さん。」

 

響子「皆、絵を見て当時を懐かしんでいるね。」

 

男性A「ティガ懐かしいなぁ〜。子供の頃から凄い好きだな〜。」

 

男性B「俺はダイナだな。つるのさんを初めて知った作品でもあるし。」

 

男性C「僕はガイアが好きだね。アグルもイケメンで好きだし。」

 

男性A「やっぱり、平成三部作は俺達の青春だぁ〜。」

 

3人の男性が、平成三部作の絵を見て当時を懐かしんでいる。

 

彩乃「あの3人は、ウルトラマンシリーズがお好きな方々でしょうか?」

 

康介「会話を聞いた所、幼馴染みみたいだね。」

 

優之「分かる分かる。俺も平成三部作世代だし。」

 

茂成「感情移入してる男が居まーす。」

 

優之「平成三部作で特に拘ったのは、体型だな。ティガ、ダイナ、ガイアは権藤俊輔さんの体型。アグルは清水一哉さんの体型。」

 

佑美「ん〜・・・確かに体型もどれも権藤さんだね!」

 

トミー「スーツアクターまでの拘りも凄いですね!」

 

優之「んで、ネクサスも拘っている。序盤は市街地での戦闘シーンが無かったから。序盤に登場したスペースビースト達と市街地での戦闘シーンを描いたんだ。」

 

茂成「ネクサス・・・確かめっちゃダークなウルトラマンだったよな。」

 

優之「そう。姫矢准編で視聴者がどんどん離れちゃったからな。でも後半の千樹憐編が好評で市街地での戦闘シーンが実現出来たんだ。」

 

佑美「そして、原点回帰となったマックス。ウルトラ兄弟の共演で話題になったメビウス。そしてゼロから続くニュージェネレーションヒーローズの創作絵。ん〜!どれも最高だね!ねぇトミー君!」

 

トミー「ですです!僕の大好きなリブットもあります!」

 

有香奈「優之君、ちょっと気になっているんだけど。」

 

優之「ん?何?」

 

有香奈「このガイドブックにある、18禁ブースって何なの?」

 

淳一「そうそう。俺も気になってた。まさかお前、アダルトな創作絵も展示してるのか?」

 

優之「ん〜・・・まぁアダルトだけど、皆がイメージするアダルトじゃないぞ。何なら行ってみるか?」

 

淳一「え?マジ?」

 

優之「一応紫達も行けれるんだけど、遠慮するなら今の内だよ?」

 

紫「そんな事言われたら気になるよ!行ってみたい!」

 

響子「あ!私も行きたい!ね?樹々!」

 

樹々「え?あ、うん。」

 

優之「そうか・・・後悔するよ?」

 

 

 

 

 

 

18禁ブース。入り口の黒い垂れ幕を潜る。

 

優之「ここが18禁ブースだ。」

 

淳一「・・・え!?」

 

結衣「な、何コレ・・・!?」

 

遥香「ええ・・・!?」

 

18禁ブースは、身の毛もよだつグロテスク絵。悍ましいタッチで描かれたビーストや死体、胎児、ダークファウストらしき不気味な絵画が壁一面に貼られている。

 

康介「こ、これって一体・・・!?」

 

佑美「ねぇ優之君。これってもしかして・・・」

 

優之「リコの絵だ。」

 

佑美「やっぱり!」

 

遥香「リコの絵・・・?」

 

優之「ウルトラマンネクサスのEpisode11・人形-マリオネット-。主人公孤門一輝の恋人の斉田リコが描いたトラウマ絵。いやぁ〜初めて見た時はゾッとしたなぁ〜。」

 

佑美「今でもリコの絵は、検索してはいけないってNGワードにされてるよね〜。」

 

優之「これを朝に放送するって言うのが狂ってるよな〜。」

 

悠里「凄く怖い・・・」

 

遥香「夢に出て来そう・・・」

 

樹々「お、恐ろしい・・・」

 

響子「へぇ〜。ウルトラマンでもこう言うトラウマがあるんだね!」

 

美佳子「初めて見たけど、結構個性的で面白いね!」

 

響子・美佳子「ね〜!」

 

茜「な、何でお2人は平気なんですか!?」

 

男性D「うおお!?凄え!あのシーンのまんまだ!」

 

女性A「初めて見たあの頃のシーンを再現してるなんて、愛川さん凄過ぎるよ!」

 

男性D「当時凄くトラウマだったけど、大人になって見ると何か悲しみを感じるよね〜。」

 

女性A「だね〜。」

 

2人組のカップルが、リコの絵を見て当時を懐かしんでいる。

 

淳一「あのカップル、凄い度胸だな・・・」

 

優之「大人になれば分かりみがある。そう言う作品なんだよネクサスは。」

 

真奈美「これ、呪われたりしないのかしら・・・?」

 

優之「大丈夫。一応天井に魔除けの風鈴があるから。諸星様が提供して下さったんだ。んじゃ次は令和ブースへゴー!」

 

 

 

 

 

 

令和ブース。BGMには、令和ウルトラマンシリーズがランダムで流れてる。

 

優之「令和ブース。ウルトラマンタイガから今のウルトラマンブレーザー。ゴジラVSコングからゴジラ-1.0の創作絵が展示してある。」

 

淳一「ここは小さなお子さんが多いな。」

 

優之「いやぁ〜、デッカーとブレーザーの色彩大変だったな〜。」

 

淳一「んで、最新作のゴジラ-1.0。」

 

優之「全貌がめっちゃ気になる。初日にIMAXで観なきゃな。」

 

トミー「4DXで観ないんですか?」

 

優之「4DXやMX4Dはモンスターバースシリーズで観る。-1.0は絶望を味わいたいからIMAXで観る。」

 

男の子「見て見てお父さんお母さん!トリガーだよ!デッカーにブレーザーもあるよ!」

 

父親「本当だね!」

 

母親「いっぱいあるね〜!」

 

親子がトリガー、デッカー、ブレーザーの絵を見てる。

 

優之「そうだ皆。この個展のとっておきなブースがあるんだ。」

 

 

 

 

 

 

そのブースへ行くと。

 

淳一「うおっ!?」

 

100人程の行列が出来ていた。

 

悠里「物凄い行列・・・!」

 

優之「ここがとっておきのブースだ。行くぜ。」

 

専用の入り口へ入る。

 

 

 

 

ブース内へ入った。

 

トミー「おおー!」

 

このブースに展示してある絵画は、ウルトラマンとゴジラのクロスオーバーの絵画だった。

 

優之「とっておきのクロスオーバーブース。ウルトラマンとゴジラの共演を描いたクロスオーバーがコンセプトだ。」

 

茂成「かの円谷英二が生み出した2大スターの共演か。」

 

優之「子供の頃、夢見てたなぁ〜。ウルトラマンVSゴジラ。当時こう思ってたんだ。テレビや映画で実現出来ないなら、俺が絵で実現してやるって。一時期2人のバトルシーンをめっちゃ描いてたなぁ〜。」

 

佑美「アーツでも実現出来るってのも良いよね〜。」

 

トミー「やっぱり2大スターの共演は燃えるね〜!」

 

フィオ「お兄ちゃん落ち着いて。」

 

スタッフ「愛川さん!そろそろお時間です!」

 

そこにスタッフが優之を見付けて声を掛けた。

 

優之「お、そろそろですか!今行きまーす!じゃあ皆、楽しんでね。」

 

そう言ってスタッフの方へ行った。

 

有香奈「打ち合わせなのかな?」

 

舞「テレビの取材かも知れないよ?」

 

佑美「何れ会えるかもだよ。さっ!色んな絵を見て回りましょう!」

 

 

 

 

皆が個展の絵を見て回る。

 

???「皆、楽しんでいるね。」

 

全員「諸星様!!」

 

個展に諸星とニコとカイネとカイリがやって来た。

 

茜「お久し振りです諸星様。創立記念パーティー以来ですね。」

 

諸星「君達も来てたんだね。また会えて嬉しいよ。」

 

優之「カイネちゃん、元気してる?」

 

カイネ「元気だよ!」

 

遥香「この子がカイリちゃんですか!」

 

美佳子「ヤッホ〜!美佳子お姉ちゃんだよ〜!」

 

カイリ「きゃっきゃっ!」

 

茂成「今日は視察ですか?」

 

諸星「うん。初日でこんなに多くのお客さんが来るとは予想通りだよ。」

 

ニコ「小さなお子さんからご年配の方々。優之様の計画が当たりましたね。」

 

有香奈「そうだ諸星様。優之君がスタッフさんに付いて行ったんですけど。彼は今何処ですか?」

 

諸星「そのガイドブックの一番奥の小さな部屋があるの分かるかな?」

 

有香奈「えっと・・・あ、ここですね?」

 

ガイドブックの青く塗られてる正方形の部屋。

 

諸星「そこへ行けば、優之君が何をしているか分かるよ。」

 

 

 

 

 

 

その部屋へ向かった。

 

淳一「ここか。行列が出来てるな。」

 

部屋の前には、10人程の行列が。

 

 

 

 

部屋の中を専用入り口から覗く。

 

優之「・・・・・」

 

2人の女子高生を被写体にして絵を描いてる優之の姿があった。

 

優之「はい。描けました。」

 

完成した絵は、ドレスを纏った英国貴族のご令嬢。

 

女子高生A「凄ーい!」

 

女子高生B「可愛いー!」

 

優之「お2人は顔立ちやスタイルが良いので、英国貴族のお嬢様風にしてみました。」

 

女子高生A「えー!ありがとうございます!」

 

女子高生B「これ、インスタに上げても良いですか?」

 

優之「勿論。寧ろ拡散して下さい。」

 

 

 

 

茜「成る程。このお部屋でお客さん達に創作イラストを描いてあげているんですね。」

 

佑美「サービス精神が半端ないね〜。」

 

樹々「お客さん皆喜んでる。」

 

 

 

 

 

 

翌日の10月8日。諸星美術館。今日も個展は大盛況。

 

優之「今日も大盛況だな。俺の創作絵を見てくれてる人が多く居てめっちゃ嬉しい。」

 

男性「すみません。絵を私に売って頂けないでしょうか?」

 

優之「はい。どの絵にしますか?」

 

男性「コチラの絵です。」

 

ウルトラマンジャック(本家)とバグジュエルのバトルシーンを描いた絵。

 

男性「父が帰ってきたウルトラマンが好きでして。是非とも父にプレゼントしたいんです。」

 

優之「ありがとうございます。お父上も喜ばれるでしょう。」

 

絵を男性に売った。

 

祖父「すみません。この絵を売って頂けないでしょうか?孫が喜びますので。」

 

優之「はいただいま!」

 

次々と優之の絵が売れ続けた。

 

 

 

 

この日も優之が来場者達に創作絵を描いてあげた。

 

 

 

 

 

 

最終日。10月9日。

 

優之「今日で最終日か。昨日は絵が結構売れたな。どうだお2人さん、楽しんでるか?」

 

今日は広瀬兄弟が来場している。

 

悟「相変わらず凄え画力だな。写真と見違える程だ。」

 

Kei「懐かしいな〜。私も一時期ウルトラマンにハマってた時あったな〜。」

 

優之「何なら1枚だけでも買うか?」

 

Kei「気持ちだけ頂くわ。」

 

優之「そっか。さて、今日も創作絵サービスを始めますかな。」

 

スタッフ「あ!愛川さん!!大変です!!」

 

優之「どうしました?」

 

スタッフ「2人の男性が暴れています!」

 

優之「由々しき事態ですね。行きましょう。」

 

悟「兄貴、俺達も。」

 

Kei「ええ!」

 

 

 

 

 

 

2人の男が暴れている場所は、平成ブース。

 

優之「あれまこれはこれは。」

 

ブースの中では、20代後半の2人組の男がハンマーとバールで絵を破壊していた。

 

青年A「この個展クソつまんねぇなァ!」

 

青年B「やるならアニメの絵にしとけよなァ!」

 

来場客は端っこに避難している。

 

青年A「おいそこの警備員!こっち来んじゃねェぞ!!」

 

青年B「近付いたら、お前らの脳味噌破壊してやるからな!!」

 

武器を振り回してSP達を近付けさせないようにしてる。

 

スタッフ「ど、どうしましょう・・・SPでも太刀打ち出来ないなんて・・・」

 

悟「イカれてるな。優之どうする?」

 

優之「予想通り。スタッフさん、平成ブースの消灯準備を。」

 

スタッフ「愛川さんは・・・?」

 

優之「悪党宇宙人を懲らしめます。」

 

Kei「もしかして、あのモード発動?」

 

優之「もしかしてだ。」

 

笑顔でそう言って、暴れてる青年2人に近付く。

 

優之「ハロー。元気してっか?」

 

青年A「アァ?何だお前?」

 

優之「この個展の主催者だけど、何か?」

 

青年A「主催者が何の用だ?」

 

優之「まぁ落ち着け。1つだけ聞きたい。何故俺の絵を破壊してる?」

 

青年A「決まってんだろ!俺達は特撮が嫌いなんだよ!!時代はアニメが一番だろうが!!」

 

青年B「それをこんな所で特撮の個展をやりやがって!!虫唾が走るから壊してんだよ!!」

 

優之「・・・フッ。」

 

青年B「おい、今笑ったのか?」

 

優之「時代はアニメ?何言ってんだお前ら?特撮も文化の1つだろう?世界がアニメだけで動いてると思ったら大間違いなんだよ!大体、特撮が嫌いなら何で俺の個展に入って破壊活動してんだ!!無視すりゃあ良いだけの話だろうが!!!」

 

怒りが爆発し、青年2人を叱る。

 

青年A「そ、それは・・・」

 

青年B「は、話を変えるんじゃねえよ!!」

 

優之「ほほう。飽く迄白を切るつもりか。なら、お前らに良い物を見せてやろう。スタッフゥ〜!」

 

合図を聞いたスタッフが平成ブースを消灯し、仕掛けていたプロジェクターを映した。そこには、先程のやりとりがYouTubeの生配信で晒されていた。

 

青年A「な、何だこれは!?」

 

優之「実はな、この諸星美術館にはカメラが多数設置してある。遠方に住む方々にも生配信で個展の様子を見せてあげるって言う諸星様の意向でね。つまり今、お前達はSNSの生配信で愚行を晒しちゃったって訳さ。」

 

 

 

 

『アニメ嫌いだから特撮壊すとか、マジ意味不明w!』

 

『愛川さんの個展をメチャクチャにして許せない!!』

 

『あの2人の特定完了!制裁ヨロ〜!』

 

 

 

 

大炎上のコメントが多数寄せられた。

 

青年B「う、嘘だろ・・・!?じ、実は俺はコイツに脅されて仕方なくやったんです!!」

 

青年A「はぁっ!?巫山戯んじゃねえぞ!!お前も最初ノリノリでやろうって言ってただろうが!!」

 

青年B「五月蝿い!!信じて下さい!!本当に脅されたんですよ!!」

 

優之「あのぉ、見苦しい罪の擦り付け合いは止めてくれる?」

 

青年A「だ、だがお前の個展の絵がメチャクチャになった!!もう続ける事は不可能だ!!ハハハハハハ!!」

 

優之「そうだな。()()()()()()のならな。」

 

青年A「はぁ?」

 

優之「実は、展示してある絵は全部俺の作ったレプリカ。絵の右下の端に小さくサインしてある。」

 

壊されてないウルトラマンナイスとザゴン星人軍団の絵の右下の端を見せる。そこには小さく、『キエテ カレカレータ』と書かれてる。

 

優之「レプリカを壊してキエテ カレカレータ(良い気分だ)。SPの皆さん、この悪党宇宙人達をお願いします。」

 

2人はSP達に取り押さえられ、個展から追放された。

 

優之「皆さん、このような事態になってしまって申し訳ありません。急いで代わりの絵をご用意しますので、どうかご容赦下さい。優之拝。」

 

女性「いえ、毅然と立ち向かって格好良かったです!」

 

男性「俺達を助けてくれてありがとう!」

 

男の子「格好良かったよ!」

 

来場客から称賛の声が響いた。スタッフ達が急いでもう1つのレプリカの絵を運んで展示する。

 

悟「相変わらず度胸があるな。お前は。」

 

Kei「マウントキラーの賜物かしら?」

 

優之「そうかもな。」

 

 

 

 

 

 

閉場時間。

 

優之「いやぁ〜、終わった〜。3日間創作絵描き過ぎて指が痛い・・・」

 

諸星「お疲れ様優之君。」

 

優之「いやぁ〜、個展大変でした〜。」

 

諸星「でも楽しかったでしょ?」

 

優之「それは勿論。次の個展は、本格的な創作絵を展示しますかな。」

 

 

 

 

 

 

その夜。諸星邸で優之が売上金の半分を家族に送る手続きをしている。

 

諸星「半分をご家族に送るのは、何か理由があるのかい?」

 

優之「両親の老後の為と、姉夫婦の生活費です。それと双葉の養育費として送りたいんです。」

 

諸星「とても家族思いだね。ご家族も喜ぶね。」

 

 

 

 

 

 

おあにた荘に帰宅。

 

優之「ただいま〜。」

 

真奈美「おかえりなさい。」

 

淳一「個展どうだった?成功したか?」

 

優之「ちょっとしたハプニングがあったけど、難なく成功したよ。」

 

佑美「絵、どれ位売れたの?」

 

優之「これ、売上金を纏めた書類のコピー。」

 

売上金を拝見する。

 

悠里「す、凄い!」

 

有香奈「物凄く売れたのね!」

 

優之「その半分を家族に送ったんだ。両親の老後と、姉夫婦の生活費と双葉の養育費の為に。」

 

彩乃「そうなんですね。きっと喜んでくれますよ。」

 

真奈美「さぁ、ご飯出来たわ。皆で優之君の個展成功の祝杯を挙げましょう!」

 

 

 

 

 

 

10月10日。モロスターアート。

 

優之「おいっす〜。あれ?紫達は?」

 

茂成「さっき諸星様に呼ばれて行ったよ。」

 

優之「何かあったのか?」

 

茂成「さぁな。」

 

紫「ただいま〜!」

 

優之「ようおかえり。諸星様に呼ばれたって聞いたんだが。」

 

紫「実はね、私達に個展の話が来たんだよ!」

 

優之・茂成「おお!!」

 

紫「やっと私達にも個展が出来るんだよ!もうワクワクするよ!」

 

結衣「喜ぶのは早いわよ。ちゃんとどう言う個展にするか企画しなきゃ成り立たないわよ。」

 

奈々「紫ちゃん、ちゃんとコンセプトは決まったの?」

 

紫「それは・・・まだかな?」

 

結衣・奈々「やっぱりね。」

 

優之・茂成「あはは。」

 

空想創作個展は成功した。次なる個展は、紫達になりそう。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美
      愛川佑美:伊藤美来
      松浦彩乃:佐藤聡美

      杉原響子:本渡楓

 トミー・ブライアン:福原かつみ
 フィオ・ブライアン:花井美春

      畦間茂成:上村祐翔

       宗像紫:礒部花凜
      日野結衣:堀内まり菜
      坪川奈々:熊田茜音

       広瀬悟:浦和希
       広瀬恵:村瀬歩

      矢口遥香:若松来海
       石原茜:大和田仁美
     赤坂美佳子:黒木ほの香

      諸星志揮:???
        ニコ:???
       カイネ:???

     東山真奈美:後藤邑子


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65話・ピアニスト舞

10月13日。おあにた荘。

 

真奈美「〜〜〜〜♪」

 

今日の真奈美は、大部屋から聞こえるピアノの音色を聴きながら紅茶を飲んでる。

 

 

 

 

ピアノを弾いてるのは、舞だった。今日もニコが指導に来てくれている。

 

舞「〜〜〜♪」

 

ニコ「そうそう。良い感じですよ舞様。」

 

舞は器用にピアノを楽しく弾いている。

 

舞「・・・ふぅ。」

 

演奏が終わり、ニコが拍手をする。

 

ニコ「舞様、今日も素晴らしい演奏でしたよ。」

 

舞「ありがとうございます。上手く出来たのは、ニコさんの教えが良かったからです。」

 

 

 

 

 

 

リビング。ニコを交えてティータイム。

 

真奈美「ニコさん、今日も来て下さってありがとうございます。」

 

ニコ「いえいえ。舞様にピアノを教えるのが楽しいですし。」

 

真奈美「舞ちゃん、ピアノは上達した?」

 

舞「うん!難しい曲も弾けるようになったよ!」

 

真奈美「これで、舞ちゃんはプロピアニストの仲間入りになったかもね。」

 

舞「う〜ん・・・どうかな?」

 

ニコ「そうでした。舞様、諸星様からこれを預けていました。」

 

バッグから出したのは、1枚のチラシ。

 

舞「諸星聖歌隊?」

 

真奈美「え?それって、諸星様がモロスターアートから自ら厳選した隊員達だけで結成された楽団ですよね?」

 

ニコ「はい。実はピアニストの方が体調を崩して引退しまして。それで諸星様が、是非舞様を推薦したいと。」

 

舞「え?私が聖歌隊のピアニストに!?」

 

真奈美「因みに、聖歌隊のコンサートは何時頃でしょうか?」

 

ニコ「来週の20日です。」

 

舞「でも私、上手く弾けるのかなぁ・・・」

 

真奈美「大丈夫よ!舞ちゃんなら、きっと成功するって!」

 

舞「そうかなぁ・・・」

 

ニコ「舞様。ご安心下さい。私がそれまできちんとご指導しますので。」

 

舞「・・・分かりました。その推薦、受けます!」

 

ニコ「ありがとうございます!」

 

舞「それでニコさん、歌う曲は何ですか?」

 

ニコ「エリヤです。」

 

 

 

 

 

 

モロスターアート。真奈美から優之に電話が来た。

 

優之「へぇ〜!舞ちゃんが諸星様の推薦で聖歌隊のピアニストに!」

 

真奈美『そうなのよ!舞ちゃん誇らしいわ!』

 

優之「ハレルヤ。世界で最も有名な讃美歌。それで、コンサートは来週の20日だっけ?」

 

真奈美『ええ。ニコさんがそれまで指導してくれるって。』

 

優之「諸星財閥の記念パーティー以来の舞台だね。コンサート観に行こうよ。」

 

真奈美『勿論よ。それじゃあまたね。』

 

優之「うん。」

 

通話終了。

 

茂成「何かコンサート行くのか?」

 

優之「舞ちゃんが諸星聖歌隊のピアニストに推薦されたって真奈美さんが。」

 

紫「諸星聖歌隊!?諸星様が自ら厳選したモロスターアートの隊員だけで結成された聖歌隊だよね!?」

 

奈々「その歌声は、聴く人の心を癒すとも言われているのよ?」

 

結衣「並のアーティストでも、その歌声は真似出来ないって言われてるしね。」

 

紫「ねぇねぇ!私達も行っても良いかな?」

 

優之「構わないよ。舞ちゃんも喜ぶだろうし。あ、姉さん達も誘うか。」

 

 

 

 

 

 

夕方。おあにた荘。

 

佑美「お?舞ちゃんが練習してるよ?」

 

大部屋から舞のピアノが聞こえてる。

 

悠里「聖歌隊のピアニストに選ばれるなんて、凄いよね。」

 

真奈美「何しろ、諸星様の推薦があったからなのよ。」

 

有香奈「しかも諸星聖歌隊は、聴く人々の心を癒すって言われてるし、凄く楽しみだわ。」

 

彩乃「私もです!聖歌隊のコンサートなんて初めてですし!」

 

樹々「心を癒す歌声。是非堪能したい。」

 

康介「女子トークが盛り上がってるね。」

 

淳一「もう俺ら萎縮トリオだな。こうなると。冴子さんも誘うのか?」

 

優之「ああ。姉家族と両親も誘った。そしたら即OKって。」

 

淳一「麻美が居たら、誘ってあげたのになぁ。」

 

優之「ああ、妹さん?」

 

淳一「そっ。今地元の総合病院で働いてる。」

 

康介「ともあれ、来週のコンサートが楽しみだね。確かエリヤって、聖歌隊で一番難しい曲名だって聞いたけど。」

 

優之「その難しい曲名が歌える聖歌隊って凄いよな。」

 

 

 

 

 

 

10月20日。都内の大劇場。

 

優之「あっと言う間に当日が来たな。」

 

淳一「舞ちゃんはもうスタンバイしてる?」

 

有香奈「LINEしたら、聖歌隊の隊員の皆さんと待機中って。」

 

悠里「舞ちゃん緊張してるのかな?」

 

樹々「大丈夫。だと思う。」

 

冴子「私聖歌隊のコンサート初めてだわ。」

 

双葉「双葉も初めて!」

 

宗太郎「お祖父ちゃんも初めてじゃ!」

 

優之「おい親父。孫のペースに乗るな。」

 

冴子「お父さんまた双葉に甘えて・・・」

 

裕樹「良いじゃないか。お義父さん楽しそうで。」

 

翠「そうよ。双葉ちゃんもお祖父ちゃんに会えて嬉しいって言ってたんだから。」

 

冴子「お母さん、あんまりお父さんを庇わないでよ?ずっと祖父馬鹿になっちゃうわよ?」

 

翠「そお?」

 

紫「双葉ちゃん、元気してた?」

 

双葉「うん!元気だよ!」

 

奈々「双葉ちゃん可愛い♪」

 

優之「そうだ姉さん。親父。俺が仕送った金入った?」

 

冴子「ええ。バッチリ入ってるわ。」

 

宗太郎「だが良いのか?個展の売上金の半分を私達に。」

 

優之「親父と母さんの老後の資金と、姉さん達の生活費と双葉の養育費。家族だからこれまでの親孝行って事で受け取ってよ。」

 

翠「優之。あなたもまた立派になったわねぇ。」

 

宗太郎「流石、私達の自慢の息子だ!」

 

冴子「自慢の弟を持って幸せだわ。」

 

???「あら、皆さんお揃いね。」

 

全員「ん?」

 

そこで偶然出会ったのは・・・

 

優之「志歩!」

 

志歩「ハロー優之。茂成も。」

 

茂成「お前も来てたのか?」

 

志歩「ええ。諸星様に招待されてね。諸星様がプロデューサーのドラマの脚本を何本も執筆してくれたお礼にって。それに、最近アイデアが煮詰まってね。聖歌隊の歌声を聴いてリラックスしようと思って。」

 

優之「お前、諸星様プロデュースのドラマ何本執筆したんだ?」

 

志歩「えっと・・・ざっと20本。」

 

淳一「多い!でもどれもヒットしてるんだよね?」

 

志歩「ええ。8割がスカッと系ドラマ。どれも好評でね。」

 

宗太郎「お、そろそろ時間だ。」

 

優之「んじゃ、教会へ入ろっか。」

 

 

 

 

 

 

大劇場の客席に座った。

 

結衣「星川先生、新作の小説読みました!とても面白かったです!」

 

志歩「ありがとう。次の新作も楽しみにしててね?」

 

結衣「はい!」

 

茂成「結衣って、志歩のファン?」

 

紫「そうなんだよ。星川先生の新作が出る度に真っ先に買いに行く程だよ?」

 

奈々「私も読んだんですけど、どれも面白くて。」

 

優之「流石志歩だな。」

 

淳一「お。彼処に諸星様とニコさんが座ってる。」

 

大劇場のVIP席に諸星とニコとカイネとカイリが座ってる。

 

真奈美「あ、皆始まるよ?」

 

教会に15人の諸星聖歌隊が壇上した。ピアノの前に聖歌隊の衣装を纏った舞が立つ。

 

 

 

 

指揮者が一礼した。客席から拍手が響く。そして、諸星聖歌隊のハレルヤが始まった。

 

優之(ん〜。心まで癒される歌声・・・)

 

淳一(これが聖歌隊の歌の力かぁ・・・)

 

有香奈(安らぐわぁ〜・・・)

 

志歩(聖歌隊の歌声。生で聴くと迫力あるわぁ〜。)

 

真奈美(舞ちゃん上手だわぁ〜。)

 

全員が、諸星聖歌隊の歌声に魅了された。

 

舞(〜〜〜♪)

 

楽しくピアノを弾く舞の姿もあった。

 

 

 

 

 

 

聖歌隊のコンサートが終わった後。客達が満足した顔で帰る中。

 

舞「皆ー!」

 

そこに舞が駆け込んでやって来た。舞が真奈美に抱き付いた。

 

舞「皆どうだった?楽しかった?」

 

真奈美「ええ。とっても楽しかったわよ。」

 

悠里「心がとっても癒されたよ。」

 

裕樹「聖歌隊の歌声も素敵だったけど、舞ちゃんの演奏も素敵だったよ。」

 

舞「えへへ!ありがとう!」

 

双葉「舞。演奏心地良かったよ。」

 

舞「双葉ちゃんありがとう!」

 

ニコ「舞様。」

 

カイネ「舞ちゃん。」

 

そこに、諸星とニコとカイネと1人の女性が歩み寄って来た。カイリはニコに抱かれてる。

 

舞「ニコさん!諸星様!」

 

諸星「舞ちゃん。君の演奏、とても素晴らしかったよ。君の演奏が、隊員達の歌声を引き立たせてくれた。」

 

舞「ありがとうございます!」

 

優之「諸星様、そちらの方は?」

 

諸星「こちらは平中真鈴さん。諸星聖歌隊の元ピアニストだった人だよ。」

 

真鈴「あなたが舞ちゃんね。あなたの演奏、とても素晴らしかったわ。私の代わりに演奏してくれてありがとう。」

 

舞「どういたしまして。えっと、体の具合が悪くて引退したんですよね?」

 

真鈴「そうなの。乳癌でね。だから治療に専念する為に引退したの。」

 

舞「・・・」

 

真鈴「でも大丈夫よ。諸星様の医術なら乳癌は治るわ。」

 

舞「良かった・・・」

 

諸星「舞ちゃん。君を是非この諸星聖歌隊のピアニストとして勧誘したいんだけど、どうかな?」

 

舞「え?」

 

真奈美「舞ちゃん。舞ちゃんの演奏なら、初めての人でも魅了出来るわ。」

 

悠里「そうだよ!舞ちゃんの演奏は間違い無いよ!」

 

佑美「頑張れ!舞ちゃん!」

 

舞「・・・はい!お願いします!」

 

真鈴「舞ちゃん。聖歌隊のピアノ、あなたに託すわ。」

 

舞「頑張ります!」

 

こうして諸星聖歌隊のコンサートは今回も人々を魅了させた。舞は諸星の推薦で諸星聖歌隊のピアニストとなった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美
      愛川佑美:伊藤美来
      松浦彩乃:佐藤聡美

      嶋村冴子:友永朱音
      嶋村裕樹:興津和幸
      嶋村双葉:久野美咲

     愛川宗太郎:高木渉
       愛川翠:ゆきのさつき

      星川志歩:鬼頭明里

      畦間茂成:上村祐翔

       宗像紫:礒部花凜
      日野結衣:堀内まり菜
      坪川奈々:熊田茜音

      平中真鈴:新井里美

      諸星志揮:???
        ニコ:???
       カイネ:???

     東山真奈美:後藤邑子


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66話・コラボ企画

10月21日。福島県須賀川市。特撮姉妹がYouTubeを撮影してる。

 

彩月「あなた達に教えるのはただ2人。私達よ!どうも特撮姉妹でーす!姉の彩月と!」

 

司沙「妹の司沙です!」

 

彩月「今日はなんと特別企画として、あのお方とコラボする事になりました!どうぞ!」

 

優之「どうも初めまして!インスタグラマーの優です!」

 

彩月「いやぁ〜優さん、本日はゲストとして出演して下さりありがとうございます!」

 

優之「いえいえどういたしまして。」

 

彩月「さて、今私達が立っている場所は何処かお分かりですか?」

 

優之「ん?」

 

周囲を見ると、ウルトラマンのモニュメントが沢山ある。

 

優之「勿論ですよ。福島県の須賀川市ですよね?」

 

司沙「そうなんです!なんと私達は、福島県須賀川市に居ます!優さん、須賀川市はご存知ですか?」

 

優之「知ってますよ勿論!特撮の神様である円谷英二さんの出身地ですから!」

 

彩月「優さんは来た事あります?」

 

優之「実は今年の6月に来た事あるんですよ。その日はモロスターアートの野外活動で、松明通りや円谷英二ミュージアムを回りましたから。」

 

彩月「諸星様と一緒に行ったって言う噂もあるんですが、本当なんですか?」

 

優之「本当です。諸星様とメイドのニコさんと一緒に行きましたから。」

 

司沙「羨ましいですね〜!さぞ至福の時間だったんじゃないでしょうか?」

 

優之「そうですねぇ。私が住んでるシェアハウスに諸星様の熱烈なファンが居まして。その場に居たら気絶していたでしょう。」

 

彩月・司沙「あははは!」

 

優之「それで、今日はコラボって聞いたんですけど、何をするんですか?」

 

彩月「実はですね、今日はこれをご用意したんです!」

 

そこに3台の電動自転車が並んで会った。

 

彩月「電動自転車をレンタルしたんです。これに乗って、あの須賀川特撮アーカイブセンターへ一緒に行こうと思いまして。」

 

優之「須賀川特撮アーカイブセンター!実は1度も行った事ないんですよ!」

 

 

 

 

 

 

電動自転車に乗り、須賀川特撮アーカイブセンターへ向かう。

 

彩月「どうですか優さん?自転車に乗りながら松明通りを通るのは。」

 

優之「あの時は徒歩で回りましたが、自転車に乗って回るとまた違う格別を感じますね。お2人はアーカイブセンターへ行った事は?」

 

司沙「ありますよ。ご両親が連れてってくれました。」

 

彩月「お父さんとお母さんがその情報をいち早く察知して、オープンと同時に家族で行きました。」

 

優之「お2人のご両親って本当特撮好きなんですね。想像すると、何か面白いですね。」

 

彩月「えへへ〜。」

 

 

 

 

 

 

須賀川特撮アーカイブセンターに到着。

 

彩月「さぁ着きました!須賀川特撮アーカイブセンターです!」

 

司沙・優之「イエエエーーイ!!」

 

彩月「どうですか?初めて来た感想は。」

 

優之「いやぁ〜やっとです!やっと来ました!もうずっと行きたかったんですよ!」

 

彩月「オープンした日は?」

 

優之「2020年の11月3日。11月3日は、あのゴジラの誕生日なんですよ。」

 

彩月「尚、ここからは動画撮影は禁止されていますので、スライドショーでお送りします!」

 

 

 

 

 

 

入り口。

 

彩月「あ!見て下さい!シン・ウルトラマンのスタチューがありますよ!」

 

優之「やっぱりシンプルなのに凄いオーラを感じますね。」

 

彩月「因みにですけど、ウルトラマンは元々カラータイマーがないのご存知ですか?」

 

優之「知ってますよ勿論。あの成田亨先生が元々カラータイマーを酷く嫌っていたんですが、1966年はカラーテレビの普及があんまり進んでいなくて、当時のスタッフ達が、カラータイマーの方が、警報と点滅音の表現によって戦闘中の緊張感を視聴者側にわかりやすく伝えられるからって言う結論に至った訳なんですよ。」

 

彩月「凄い!めちゃくちゃ的確じゃないですか!」

 

優之「因みに成田亨先生がカラータイマーを嫌った理由は、『人工的な機械が胸にデカデカとくっついている違和感』と、『宇宙の人間である宇宙人にロボットのようなピコピコ言うモノが付いている不自然さ』。って言う理由だったんですよ。」

 

司沙「そこまで調べてたんですね!流石ウルトラマンの専門家!」

 

 

 

 

先へ進むと。

 

司沙「あ!見て下さい!ここに巨神兵がありますよ!」

 

優之「巨神兵東京に現るの巨神兵ですね。」

 

彩月「父が観たって言ったんですよ。もう衝撃的だったって言ってました。」

 

優之「そうなんですね。ねぇねぇお2人さん。この後ろの背景、迫力ありますよ?」

 

彩月「凄い背景ですね。これ絵ですか?」

 

優之「絵なんですよ。あの特撮の背景画家、島倉二千六さんが描いた絵なんです。」

 

彩月「島倉二千六さん・・・初めて聞きましたね。」

 

優之「島倉さんは凄いお方なんですよ。今までの特撮や映画の背景を描いたレジェンドなんですよ。」

 

 

 

 

更に次へ進む。

 

彩月「あ!特撮のセットと道具がありますよ!」

 

優之「全て造形師達が作った小道具、そして戦闘機!どれも興奮しますな〜!」

 

 

 

 

2階へ行く。

 

司沙「お!こちらに樋口真嗣監督のパネルがありますよ!」

 

優之「平成ガメラシリーズ、シン・ゴジラ、シン・ウルトラマンなど多くの特撮を手掛けた名監督ですな。」

 

 

 

 

2階のミニチュア展示。

 

優之「ミニチュアセット。これを見ただけで興奮しますなぁ〜!この家の外観や内部まで細かく作られていますね〜!」

 

司沙「車も細かいですな〜!」

 

 

 

 

奥へ進むと。

 

優之「お!見て下さい!展示されてるあの背景画を!」

 

司沙「凄い背景画ですね!あれも島倉さんが?」

 

優之「そうなんですよ。全て島倉さんが描いた絵なんですよ。あの地球の絵、ガメラ大怪獣空中決戦で使用した絵なんです。」

 

彩月「地球の絵も描けるなんて凄いですね!」

 

優之「因みに、あの夕暮れの空。あれも絵なんです。」

 

司沙「え!?これ絵!?」

 

優之「黒澤明監督の遺作、まあだだよのラストシーンで使用されたんです。写真と見間違える程の画力。あのお方は素晴らしい!」

 

司沙「黒澤明って、あの世界の黒澤明監督!?」

 

優之「そう。そして黒澤監督は、島倉さんにお酌した事もあるんです。」

 

彩月「凄〜い!」

 

優之「尚、あの岡本喜八監督も島倉さんに惚れ込んだ人物で、彼の希望で、島倉さんに大山を描いてくれって頼んだ事もあるんです。」

 

司沙「大山?鳥取県にある?」

 

優之「岡本監督は鳥取出身。彼の葬儀で岡本監督は島倉さんが描いた大山に眠ったんですよ。」

 

彩月「凄い詳しいですね!」

 

 

 

 

 

 

須賀川特撮アーカイブセンターを出た。

 

彩月「さぁ!どうした優さん?初めてのアーカイブセンターは。」

 

優之「いやぁ〜、もう興奮が収まりません!やっぱり特撮は私の人生の一部ですから!これが無かったら、私の人生無かったと思います!」

 

司沙「特撮を生み出してくれた円谷英二さんに感謝しなくちゃ!」

 

彩月「そして優さんのお陰でまた新しい知識を身に付けました。ありがとうございます。」

 

優之「お役に立てて何よりです。」

 

司沙「優さん、来月公開されるゴジラ-1.0は観に行く予定ですか?」

 

優之「情報公開された時から観に行く予定を立てています。完成披露試写会のツイートを見たんですけど、今作は凄い評判が良いと噂されていますから、これは期待大ですね!」

 

彩月「皆さん、コラボ企画楽しめましたか?楽しんだ方は、チャンネル登録と高評価のボタンを押して下さい!」

 

司沙「それでは次の動画でお会いしましょう!せーの!」

 

彩月・司沙・優之「キエテ・カレカレータ!」

 

 

 

 

 

 

その日の夕方。コラボ動画がアップされた。

 

優之「もう既に40万再生突破してる。流石特撮姉妹。次のコラボ企画、何やるんだろうな。」

 

特撮姉妹のコラボ企画は、検討中。

 

『END』




         キャスト

      徳原彩月:松田利冴
      徳原司沙:松田颯水

      愛川優之:濱田龍臣


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67話・パーティと絶望と興奮

10月29日。広瀬宅。

 

悟「アキバコスプレパーティ?」

 

Kei「そうなの!明後日に開催されるイベントで、秋葉原電気街全体がコスプレイヤーの街になるの!」

 

悟「そっか。明後日ハロウィンだもんな。」

 

Kei「飛び入り参加もOK!色んなコスプレイヤーと親交を深めるのもイベントの醍醐味だよ!」

 

悟「兄貴も勿論参加するんだよな。」

 

Kei「当然!9Cも参加するから、悟も参加する?」

 

悟「折角の誘いだし、俺も参加するわ。」

 

Kei「決まりだね!」

 

 

 

 

 

 

おあにた荘。

 

淳一「いよいよ明後日は、アキバコスプレパーティかぁ。」

 

優之「そっか。ハロウィン恒例のイベントか。」

 

樹々「秋葉原の電気街全体がコスプレの街になる大型イベント。」

 

悠里「他のコスプレイヤーの皆さんと親交を深めたり、クロスオーバーの写真を撮るのも醍醐味!」

 

有香奈「今年はどんな人が参加するのか楽しみだわ〜!」

 

彩乃「あのぉ、私コスプレに疎いのですが、どんなアニメのコスプレが良いのですか?」

 

有香奈「彩乃さん、それはご心配に及びません!お化けや魔女、修道女やフランケンシュタインなどの王道なコスプレもOKですよ!コスプレに制限なんてないんですから!」

 

康介「彩乃なら、修道女のコスプレが似合うんじゃないかな?」

 

舞「彩乃さんなら、民族衣装が似合ってると思うよ?私の好きなディアンドルが似合いそう!」

 

彩乃「そう、かな?」

 

佑美「優之君は勿論アレで行く?」

 

優之「ティガね。でも折角だし、この前有香奈さんから譲り受けたGUTSの隊員服にしようかな?」

 

真奈美「私はどんなのが良いかな〜?」

 

 

 

 

 

 

迎えた10月31日の夕方。秋葉原電気街が、コスプレイヤーの街と化した。

 

Kei「さぁ!今日も参りました!アキバコスプレパーティ!!」

 

原神のウェンティのコスプレをしたKei。

 

RIA「今年も盛り上がって行こう!」

 

白「凄い大賑わいだね〜。去年と同じ!」

 

しぇりー「今年はどんな参加者が居るのか楽しみだね〜。」

 

Kei「皆のコスプレは、僕らのLIVE 君とのLIFEの衣装だね。」

 

エミリ「はい!これ私のイチオシです〜!」

 

ローラ「とっても可愛くて、とってもオシャレ!」

 

さえな「他にも色々衣装を検討してたんだけど。」

 

向日葵「多数決でこれになったの。」

 

Kei「皆可愛くてチョーサイコーだよ!」

 

Koi「ありがとうKei!」

 

WAON「じゃあ早速、街中を歩きましょう!」

 

Kei・9C「おーーー!!」

 

 

 

 

 

 

秋葉原駅前。

 

悟「これがパーティの全貌かぁ。凄いなぁおい・・・」

 

刹那・F・セイエイのコスプレをしてる悟が、アキバコスプレパーティの現場を見て度肝を抜いてる。

 

悟「兄貴は9Cの皆と街中を歩く為別行動中。これだけ多いと、どんな人と親交深めようかなぁ・・・」

 

優之「おい悟!」

 

悟「ん?おお優之!佑美さんも!」

 

そこに、GUTSのコスプレをした優之と、近江彼方のコスプレをした佑美と出会った。

 

佑美「悟君久し振りね。」

 

悟「コスプレパーティ以来ですね。優之、お前も来てたのか。」

 

優之「まぁな。」

 

悟「おあにた荘の皆さんと一緒じゃないのか?」

 

優之「今別行動してる。」

 

 

 

 

 

 

おあにた荘の皆は。

 

淳一「ウッヒョー!色んなコスプレイヤーが沢山!」

 

悠里「すみませーん!写真良いですかー?」

 

有香奈「撮りますよ〜!チーズ!」

 

他のコスプレイヤー達と親交を深めている。

 

 

 

 

 

 

秋葉原駅。

 

悟「それ、GUTSの隊員服か。」

 

優之「この前はティガだったけど、今回はGUTSの隊員服で来たんだ。おまけに。」

 

内ポケットから、ウルトラレプリカ スパークレンス 25th Anniversary ver.を出した。

 

悟「流石ウルトラマン専門家。抜かりないな。」

 

???「あら、お2人共揃ってるわね。」

 

優之・悟「志歩!」

 

偶然にも志歩と出会った。志歩は博麗霊夢のコスプレをしている。

 

佑美「あら志歩ちゃん!久し振りね!」

 

志歩「佑美さん、お久し振りです。諸星財閥のパーティー以来ですね。」

 

悟「お前にコスプレの趣味があるなんて知らなかった。」

 

志歩「何?悪いの?」

 

悟「いや悪くねぇけど。」

 

志歩「こう言うイベントがあるって知ったから、コスプレ衣装の店へ行って、霊夢の衣装を買ったのよ。」

 

優之「お前、小説家より巫女の方が似合うな。」

 

志歩「あらそお?」

 

悟「他に誰か知り合いと会ったか?」

 

志歩「いえ、現状あなた達だけよ。」

 

???「じゃあ私を追加して良いかしら?」

 

優之・悟・志歩「え?」

 

後ろを振り向くと、エマ・ヴェルデのコスプレをした淡島穂花が立っていた。

 

優之・悟・志歩「淡島先輩!?」

 

穂花「ヤッホー♪」

 

佑美「穂花ちゃん!」

 

穂花「佑美さーん!」

 

佑美・穂花「イエーイ!」

 

出会った2人がハイタッチした。

 

優之「先輩も来てたんですか!?」

 

穂花「勉強ばっかりで、ちょっと息抜きにって思って。広瀬君、星川さん、久し振りね。」

 

悟「ご無沙汰しております、淡島先輩。」

 

志歩「先輩、元気そうで何よりです。それ、エマ・ヴェルデのLa Bella Patriaの衣装ですか?」

 

穂花「よく気付いたわね。私エマちゃん推しなの。」

 

佑美「私の見て?彼方ちゃんだよ〜?穂花ちゃんの膝枕、柔らかそ〜。」

 

穂花「後で寝てみます?」

 

佑美「寝た〜い。」

 

悟「あのお2人、あんなに仲良くなってるな。」

 

優之「LINEで会話する程までにな。」

 

志歩「でもこうして見ると、先輩と佑美さん、お似合いね。」

 

優之・悟「うん。・・・ん!?」

 

 

 

 

 

 

5人で秋葉原電気街を歩く。

 

志歩「凄いわね。澁谷のハロウィンと匹敵するイベントね。」

 

悟「彼処は色々騒動とかあるけど、ここは穏やかで良いな。」

 

周りには、多くのコスプレイヤー達が写真を撮ったり、遊んだりもしている。

 

佑美「どお穂花ちゃん?生のアキバコスプレパーティは。」

 

穂花「皆楽しそうですね!」

 

優之「・・・・・」

 

志歩「ん?優之どうかしたの?」

 

優之「え?いや・・・」

 

悟「まさかお前、初恋の淡島先輩と一緒で緊張してんだろ?」

 

優之「ウッ・・・」

 

佑美「あらあら♪」

 

穂花「緊張してるの?愛川君。大丈夫!私が落ち着かせてあげる!ギュー!」

 

突然穂花に抱き締められた。

 

優之「え!?ちょ、ちょちょちょ先輩!?」

 

穂花「良い子良い子。」

 

優之「あばばばばば・・・!!!」

 

悟「母性溢れるハグ・・・」

 

志歩「優之がめっちゃタジタジ・・・」

 

穂花「はいおしまい。どお?緊張解れた?」

 

優之「・・・あ、解れました。」

 

穂花「良かった。」

 

悟「優之、憧れの先輩のハグどうだった?」

 

優之「何か、姉さんと同じ安心感を感じた。」

 

佑美「穂花ちゃん、後で私にもハグして?」

 

穂花「はい♪」

 

志歩「折角だし、私達も他の皆さんと楽しくやりましょうよ!」

 

悟「だな。優之も行くぞ!」

 

優之「おう!今行く!」

 

3人が他のコスプレイヤーの皆と親交を深めに行った。

 

穂花「あの3人、中学の頃から変わってないですね。」

 

佑美「幼馴染みだからね。」

 

穂花「佑美さん、今も3人に感謝しているんです。勿論松宮さん達も。」

 

佑美「穂花ちゃんを救ってくれた恩人を、今でも忘れてないんだね。」

 

穂花「当然ですよ。感謝してもしきれません。何時か皆に恩返しがしたいんです。」

 

佑美「うん。穂花ちゃんなら、きっと良い恩返しが出来ると思うよ。」

 

穂花「はい!」

 

アキバコスプレパーティは、大盛り上がりのまま無事幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

11月3日。朝8時半。TOHOシネマズ新宿。

 

優之「遂に来たこの日を!ゴジラ-1.0の公開初日!」

 

佑美「いやぁ〜やっと来たね〜!この日を!」

 

彩月「ゴジラ生誕70周年記念作品が発表された時は、どれ程興奮したのか!」

 

司沙「この日の為に涙と汗を流しながら学校生活を送った甲斐がありました!」

 

そう。この日は待ちに待ったゴジラ-1.0の公開初日。優之は、妻の佑美と、特撮姉妹の彩月と司沙と4人でTOHOシネマズ新宿に訪れていた。

 

優之「今回は2人に紹介したい人が居る。俺の親父です。」

 

宗太郎「どうもどうも。優之の父の愛川宗太郎です。何時も息子がお世話になっております。」

 

彩月「コチラこそ初めまして。徳原彩月です。」

 

司沙「妹の司沙です。」

 

佑美「お義父さんは昔から生粋のゴジラファンなんだよ?」

 

宗太郎「今日は待望のゴジラ-1.0の公開初日!これを観ずにはいられないからな!ハッハッハ!」

 

彩月「元気なお父様ですね・・・」

 

優之「グッズもパンフレットも買った。後は上映を待つのみ!」

 

佑美「今回はIMAXレーザー!絶望を体感するわよ〜!」

 

司沙「むむむむむ・・・!」

 

彩月「あら司沙、どうかしたの?」

 

司沙「パンフレット見たい気持ちが昂ってる・・・!」

 

優之「いやいや内容はネタバレ要素満載かもだぞ?読みたいなら観た後にしてくれ。」

 

 

 

 

 

 

10シアター内。

 

優之「いよいよ上映開始かぁ・・・」

 

宗太郎「ワシの方がドキドキして来たぁ・・・!」

 

佑美「ヤバい、緊張して来た・・・!」

 

彩月「70周年記念映画だから、気合い入ってるだろうな〜・・・」

 

司沙「凄く楽しみぃ・・・!」

 

佑美「お、始まったよ・・・!」

 

 

 

 

 

 

鑑賞中。

 

優之・宗太郎(おおぉぉーー・・・!!)

 

佑美(うぎゃーー・・・!!)

 

彩月・司沙(わあーーー・・・!!)

 

 

 

 

 

 

鑑賞終了。佑美達女性陣は興奮していた。

 

佑美「すっっっっっごく面白かったーーーー!!」

 

彩月「はい!!絶望と興奮が今でもよぎっています!」

 

司沙「怖かったけど、凄かった!!」

 

優之・宗太郎「・・・・・・・!」

 

一方の優之と宗太郎は、笑みを浮かべながら震えていた。

 

優之「絶望と衝撃。そして、興奮。・・・最初から最後までめっちゃ面白かったし、ラストシーンでのアレは・・・」

 

宗太郎「海のシーンやクライマックスシーンは今でも鳥肌と興奮が迸るなぁ・・・!」

 

佑美「凄い語ってるね。」

 

司沙「優之さん、宗太郎さん、完全に虜になっちゃってますね。」

 

優之「ヤバい、また後何回か観に行きたい!」

 

佑美「シン・ウルトラマンの時のようにリピーターになりそうだね。」

 

優之「親父、今度2回目観に行く?」

 

宗太郎「そうだな!またあの衝撃を味わいたいな!」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美
      愛川佑美:伊藤美来
      松浦彩乃:佐藤聡美

       広瀬悟:浦和希
      星川志歩:鬼頭明里

      淡島穂花:中村繪里子

       広瀬恵:村瀬歩

       RIA:渚カオリ
       エミリ:葉山カナ
       さえな:寺坂ユミ
       Koi:桜田アンナ
      WAON:雨森セラ
       向日葵:白雪ミハル
      しぇりー:小宮山アサミ
         白:皐月ユナ
       ローラ:楠本コトリ

     愛川宗太郎:高木渉

      徳原彩月:松田利冴
      徳原司沙:松田颯水

     東山真奈美:後藤邑子


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68話・ゲーム祭典

11月10日。諸星邸前に優之達モロスターアートの5人組が立っている。

 

優之「よっと。」

 

許可証をカメラに翳して、ゲートを開けた。

 

 

 

 

諸星邸。

 

ソフィア「皆さん、お待ちしておりました。」

 

優之「ご無沙汰しております。ソフィアさん。」

 

茂成「そっか。ニコさんメイド長を退いたんだったな。」

 

ソフィア「お仕事お疲れ様です。荷物をお持ちします。」

 

奈々「ありがとうございます。」

 

荷物をソフィアと4人のメイドに預けた。

 

優之「もう皆来てますか?」

 

ソフィア「はい。第2パーティーホールでお待ちしております。」

 

紫「何だろうね?諸星様からの急な招待状がモロスターアートに郵送されて。」

 

結衣「内容は書かれてなかったけど、何か重大な事かも知れないわね。」

 

 

 

 

 

 

パーティーホールより広い第2パーティーホール。多くの招待客が来ていた。

 

淳一「お!来たか皆!」

 

優之「よう淳一。皆も来てるか?」

 

淳一「ああ!お前の家族と友人達と、SKY ANGLEの社員さん達も来てるぞ!」

 

悟「おいっす〜!」

 

トミー「優之さーん!」

 

優之「よう悟。トミーも元気そうだな。」

 

フィオ「優之さんも元気そうだね。」

 

優之「吉岡社長。早苗さんも、ご無沙汰しております。」

 

吉岡社長「愛川君も息災で何よりだ。」

 

早苗「お久し振りね。」

 

優之「美咲さん、充さん、夏美ちゃんも。」

 

美咲「はい。」

 

充「お久し振りです。」

 

夏美「ひさしぶり〜。」

 

優之「皆も何があるか知らないのか?」

 

武憲「そうなんだよ。俺と義徳にも招待状が届いたんだけど。」

 

義徳「詳しい内容まで書かれてなくてね。」

 

優之「じゃあ一体何なんだ?」

 

するとそこに、諸星がステージに立った。

 

諸星「皆さん、本日はお越し頂き誠にありがとうございます。招待状には、招待内容は書かれていないと思う方が居ます。ですが、ここで事実が明かされます。ライトオフ!」

 

そう言うと、第2パーティーホールの照明が完全に消えた。

 

悠里「え?何?」

 

響子「何が起こるの?」

 

樹々「落ち着いて。」

 

”パチン”

 

諸星が指を鳴らすと、第2パーティーホールの照明が点いた。

 

全員「おおおおーーーー!!」

 

招待客全員が驚いた。その理由は・・・

 

 

 

 

 

 

第2パーティーホールに沢山のゲーム筐体が並べられていたのだ。

 

 

 

 

 

 

優之「何やこりゃーーー!?」

 

佑美「全世代のゲーム筐体が勢揃い!!」

 

宗太郎「ウッヒョー!インベーダーゲーム懐かしいなぁー!」

 

諸星「ただいまから、全世代ゲーム祭典を開催します。」

 

翠「全世代ゲーム祭典?」

 

諸星「昭和から令和までのゲーム筐体を集めて、皆さんに堪能して貰う目的です。それでは皆さん、自分の好きなゲーム、興味あるゲームを思う存分楽しんで下さい。」

 

 

 

 

全世代ゲーム祭典開幕。招待客がそれぞれのゲーム筐体を遊ぶ。

 

幸彦「悟!俺とEXVSMBで協力プレイだ!」

 

悟「望む所です!」

 

機動戦士ガンダムEXVSMBで協力プレイ。悟はダブルオークアンタ、幸彦はデスティニーガンダム。

 

 

 

 

涼子「ラブandベリー、懐かしいですね。」

 

胡桃「じゃあさ涼子!一緒にやろうよ!」

 

オシャレ魔女♥ラブandベリーをプレイ。

 

 

 

 

武憲「はあぁぁぁぁ・・・フンッ!!」

 

パンチングマシンでパンチを叩き込み、500と言う記録を打ち出した。

 

義徳「先輩流石です!」

 

結子「武憲さん凄い・・・!」

 

武憲「義徳、お前もやってみるか?」

 

義徳「はい!」

 

今度は義徳が挑戦。

 

義徳「ハァッ!!!」

 

パンチを叩き込み、499を打ち出した。

 

武憲「うん。上出来だな。」

 

結子「兄さん凄い!」

 

義徳「結子!俺が必ずお前とトミー君を守ってやるからな!」

 

結子「え?」

 

 

 

 

悠里・響子「よっ!ほっ!」

 

ダンスダンスレボリューションでダンス対決。

 

樹々「2人共良い踊り。」

 

舞「凄い!」

 

真奈美「流石アイドルね。」

 

 

 

 

有香奈「ふんふんふ〜ん♪」

 

深雪「らららら〜♪」

 

ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ~after school ACTIVITY~をリズム良く奏でる。

 

 

 

 

裕樹「これでどうだ!」

 

ガンバライジングで敵を倒した。

 

雅春「裕樹さん強いなぁ。」

 

裕樹「楽しいよコレ!雅春さんもやってみる?」

 

 

 

 

優之「本当に凄いなぁ。全世代のアーケードゲームを揃えてるなんて。」

 

諸星「殆どは俺の我儘で収集したんだけどね。」

 

優之「やっぱり諸星財閥は侮れないですね。」

 

ニコ「驚かれました?」

 

優之「ええ勿論。久し振りだね海斗君。」

 

海斗「優之お兄ちゃん久し振り!」

 

この少年は諸星海斗。元々は養護施設の少年だったが、諸星に引き取られ彼の養子になった。頭脳は諸星と同等。

 

優之「この全世代ゲーム祭典は、全世代のアーケードゲームを遊び尽くすのが目的ですか?」

 

諸星「そうだね。でも、この祭典の本領発揮はこの後だよ?」

 

優之「本領発揮?何ですかそれ?」

 

諸星「それは後のお楽しみだよ。」

 

 

 

 

宗太郎「ウヒョヒョー!インベーダーゲーム!この感覚懐かしいわぁー!」

 

インベーダーゲームでハイテンションの宗太郎。

 

翠「ウフフ♪若い頃に戻ったようで良かったわ。」

 

宗太郎「うわあーー!負けたーーー!!」

 

冴子「お父さん元気満々ね。」

 

双葉「お祖父ちゃん楽しそうだね。」

 

宗太郎「インベーダーゲームは、お祖父ちゃん世代では青春なんだ!だからこうして、若い頃の自分を取り戻しているんだ。」

 

双葉「お祖父ちゃんの若い頃ってどんな感じなの?」

 

宗太郎「そうじゃなぁ〜。」

 

 

 

 

優之「親父ィ、少年時代に戻ったな・・・」

 

茂成「おーーい優之ー!ここにムシキングあるぞー!」

 

優之「マジで!?」

 

茂成「しかもカード全種類あるぞー!」

 

優之「マジか!!俺もやらせろーーー!!」

 

ムシキングをやりに走った。

 

 

 

 

 

 

淳一「うおおおお!!」

 

圭一「わわわわわわ!!」

 

紫「おっとっとっと!!」

 

真知子「そこ!!」

 

マリオカートアーケードグランプリVRで4人対戦。モニターで他のメンバーが観戦。

 

文典「紫さんギリギリ!」

 

祐規「真知子頑張れー!」

 

雅美「あ!淳一がこうらに当たった!」

 

 

 

 

 

 

2時間後。招待客がゲームを遊び尽くした。

 

優之「いやぁ〜面白かった〜!」

 

志歩「凄い白熱したわ〜!」

 

伊織「懐かしさと興奮が蘇ったね〜!」

 

絵梨子「当時を思い出しますわ〜!」

 

諸星「皆さん、お楽しみ頂けましたか?実は、この祭典の本番はここからなんです。」

 

ステージに6台の正方形の巨大なカプセルが出現した。

 

充「何ですか?」

 

諸星「これは、モロスターテクノロジーが叡智と最先端技術を持って開発したVRシミュレーター・ドリームです!」

 

全員「ドリーム?」

 

諸星「このドリームは、自分の好きな世界へ行く事が出来る夢のVRシミュレーションです。」

 

優之「自分の好きな世界へ行く!?」

 

海斗「実は、僕も開発に携わっているんだ。」

 

淳一「もしや、好きなアニメの世界へ行けたりするのですか!?」

 

諸星「勿論!ゲームの世界は勿論、特撮の世界だって何処へでも行ける!」

 

茂成「本当に凄いなぁ諸星財閥・・・ビジネスだけじゃなく、俺達の夢も叶えてくれるなんて。」

 

胡桃「因みにですが!プレイヤーは諸星様が選ぶんですか!?」

 

諸星「プレイヤーを選ぶのは、メイド達だよ。皆!」

 

すると6人のメイド達が、バズーカのような武器を構えた。

 

諸星「このバズーカに込められてる赤いボール。それをキャッチ出来た人がドリームを体験出来る。」

 

ニコ「それでは皆さん・・・発射!」

 

ニコの合図で、6人のメイド達がバズーカの赤いボールを発射した。

 

優之「うおっ!」

 

淳一「ほっ!」

 

悟「おっと!」

 

幸彦「おっ!」

 

紫「よっと!」

 

美咲「きゃっ!」

 

この6人が、赤いボールをキャッチした。

 

 

 

 

6人がステージに上がった。

 

諸星「おめでとう!今回はこの6人がプレイヤーになります!それでは、好きなドリームに入って下さい。」

 

6人が、ドリームに入る。

 

優之「えっと、こっからどうすれば?」

 

諸星「天井にVRヘルメットがある。それを装着するんだ。」

 

天井のVRヘルメットを装着する。

 

諸星「プレイ時間は10分。それまで充分楽しんで。それでは海斗。」

 

海斗「うん!ドリーム、スタート!」

 

ドリームを起動するスイッチを押した。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美
      愛川佑美:伊藤美来
      松浦彩乃:佐藤聡美

      嶋村冴子:友永朱音
      嶋村裕樹:興津和幸
      嶋村双葉:久野美咲

     愛川宗太郎:高木渉
       愛川翠:ゆきのさつき

       広瀬悟:浦和希
      星川志歩:鬼頭明里
     松宮絵梨子:夏吉ゆうこ
      内原武憲;武内駿輔

      杉原響子:本渡楓
      三枝深雪:尾崎由香

 トミー・ブライアン:福原かつみ
 フィオ・ブライアン:花井美春

      栗田雅春:梶原岳人
      猪本凉子:茜屋日海夏
      澁谷胡桃:山口立花子
     長谷部幸彦:松風雅也

      宮本義徳:増岡大介
      宮本結子:前田佳織里

      栗田伊織:赤崎千夏
      栗田梨奈:和多田美咲

      吉岡達雄:桐本拓哉
      吉岡美咲:有村蓮
       吉岡充:酒井広大
      吉岡早苗:大原さやか

      横沢圭一:狩野翔
      小野雅美:和多田美咲
     曽根川祐規:小林大紀
      瀧本文典:諸星すみれ
     古川真知子:M・A・O

      畦間茂成:上村祐翔

       宗像紫:礒部花凜
      日野結衣:堀内まり菜
      坪川奈々:熊田茜音

      諸星志揮:???
        ニコ:???
      ソフィア:???
        海斗:???

     東山真奈美:後藤邑子


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69話・VRプレイヤーβ

優之「・・・ん?」

 

6人が立っている場所は、真っ白な空間。

 

優之「ここが、VRの世界・・・」

 

淳一「何もないけど・・・」

 

幸彦「ん?おい、見ろあれ。」

 

空間に現れた10のゲート。

 

悟「ゲートが10コあるな。」

 

優之「アニメワールド、特撮ワールド、アイドルワールド、マシンワールド、ディズニーワールド、アドベンチャーワールド、ゲームワールド、ミステリーワールド、ホラーワールド、カジノワールド。」

 

紫「じゃあ、どれか好きな所へ行くって事だね。」

 

淳一「じゃあ俺はアニメワールド!」

 

悟「あ、俺もアニメワールド!」

 

幸彦「俺はそうだなぁ・・・マシンワールドへ行くか。」

 

紫「私はどれにしようかなぁ?」

 

美咲「あの、紫さん。一緒にディズニー行きませんか?私ディズニー好きなんです。」

 

紫「良いんですか?じゃあ是非!」

 

優之「俺は勿論。」

 

6人がそれぞれのワールドへ入って行く。

 

 

 

 

アニメワールドのゲート前に来た淳一と悟に、2つのモニターが出現した。

 

淳一「お?」

 

悟「何だこれ?」

 

モニターには、アニメのタイトルが並んでいる。

 

淳一「成る程な。自分の好きなアニメ世界に入るよう設定して下さいか。」

 

悟「俺はそうだなぁ・・・やっぱりガンダムかな?」

 

モニターのガンダムをタッチした。

 

悟「えっと、こうしてこうして・・・こう!」

 

淳一「俺はやっぱりラブライブだな!μ'sのラストライブ観たいし!」

 

モニターのラブライブをタッチし、設定する。

 

淳一「これでOK!じゃあな悟!」

 

悟「おう!またな!」

 

 

 

 

マシンワールドのゲート前。

 

幸彦「えっと・・・地平線の彼方に続く一本道。バイクは・・・コレだな!」

 

 

 

 

ディズニーワールドのゲート前。

 

紫「やっぱり、ディズニーランドかな?」

 

美咲「ううん。私、魔法使いになりたかったの!」

 

紫「魔法使い!美咲さん可愛いですね!」

 

美咲「あはは。」

 

紫「私も魔法使いになりたい!一緒になりましょう!」

 

 

 

 

特撮ワールドのゲート前。

 

優之「ん?何だ?このクロスオーバーって?」

 

モニターには、クロスオーバーの表示もある。

 

優之「ちょっと押してみよう。」

 

クロスオーバーを押す。すると。

 

優之「な、何・・・だと・・・!?」

 

色んな特撮作品と組み合わせると言う神設定に驚いた。

 

優之「ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊、ゴジラ、メタルヒーローのヒーローと怪獣の組み合わせが可能なのか・・・!ヤベェ、どれにしようかなぁ・・・お?ランダムがある。どれが良いか選べないから、ランダムにしよう。」

 

6人がゲートを潜った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第2パーティーホール。

 

武憲「6人の様子をモニター出来るのか。」

 

諸星「皆がどんなプレイを見せてくれるか楽しもう。」

 

 

 

 

 

 

マシンワールド・草原の世界。

 

幸彦「よっと。おおお!!」

 

目の前には、地平線の彼方へ続く1本道があった。

 

幸彦「地平線へ続く1本道!俺のバイクは・・・あった!」

 

傍に停まっているKawasakiのNINJA H2R。

 

幸彦「NINJAのH2R。サーキット専用で公道を走れないバイク。一度乗ってみたかったんだよな〜!」

 

早速H2Rに跨る。フルフェイスヘルメットを被り、エンジンを始動。

 

幸彦「おおお!?エンジン音が凄い!標識は・・・アウトバーン!よぉし、行くぜ!」

 

アクセル全開で一本道を突き進む。

 

幸彦「イヤッホーーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

アニメワールド・ラブライブの世界。

 

淳一「ウオオオオオーーー!!!!!μ'sの生ライブサイコーーーーー!!!!のんたーーーん!!!」

 

 

 

 

アニメワールド・ガンダムSEEDの世界。

 

悟「ッ!!」

 

迫り来る敵モビルスーツに、フリーダムガンダムで立ち向かっている。

 

悟「フリーダムに乗れるなんて、サイコーーだな!!よし!マルチロック!当たれえぇーーーーー!!!」

 

ハイマット・フルバーストで敵モビルスーツのコックピット以外の部分を破壊した。

 

 

 

 

 

 

ディズニーワールド。

 

美咲「ビビディ・バビディ・ブー!」

 

魔法で、枯れた木を一気に蘇らせた。

 

紫「流石美咲さん!よーし私も!ビビディ・バビディ・ブー!」

 

枯れてる花を満開しようとしたが、花が超巨大になった。

 

紫「わあああーーー!美咲さん助けてーーーー!!」

 

美咲「あらあら。意識し過ぎちゃダメですよ?」

 

 

 

 

 

 

第2パーティーホール。

 

結衣「紫ったら、間違った魔法の使い方してるわね。」

 

奈々「花を大きく出来るなんて、ある意味凄いのかも。」

 

佑美「さて、優之君の方は?」

 

 

 

 

 

 

特撮ワールド。

 

優之「はっはっはっ!」

 

逃げ惑う人々を掻き分けながら走る。

 

優之「あ!」

 

上空を見ると、メガニューラの大群が飛び回っている。

 

優之「メガニューラか。って事はここは首都となった大阪か。」

 

メガニューラが優之に狙いを定めて急接近する。

 

優之「おっと!」

 

横に転がって避けた。

 

優之「VRなのにリアルそのものだ。何かないか・・・」

 

服のあちこちを触ると。

 

優之「お?」

 

ある物が出た。ジードライザー。

 

優之「ジードライザー。ウルトラマンジード・・・よぉし!ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!」

 

 

 

 

変身開始。

 

優之「融合(ユー、ゴー)!」

 

ウルトラマン『シェアッ!』

 

優之「アイゴー!」

 

ウルトラマンベリアル『ヘアッ!』

 

優之「ヒア、ウィー、ゴー!」

 

ジードライザー『フュージョンライズ!』

 

優之「決めるぜ、覚悟!ジィィィィド!」

 

ジードライザー『ウルトラマン!ウルトラマンベリアル!』

 

『ウルトラマンジード・プリミティブ!』

 

 

 

 

ウルトラマンジード・プリミティブが、メガニューラの大群の前に出現した。

 

メガニューラ「ーーーーーー!!」

 

ジード「おおお!ジードになっちゃった!っしゃ!レッキングリッパー!!」

 

レッキングリッパーで、メガニューラの大群を駆逐する。

 

 

 

 

 

 

第2パーティーホール。

 

佑美「ちょっと待って!?ウルトラマンジードとメガニューラの戦いなんて胸熱じゃん!!」

 

宗太郎「息子がウルトラマンになるとは、何か感慨深いなぁ。」

 

 

 

 

 

 

特撮ワールド。

 

ジード「ハァッ!!」

 

最後の1体を駆逐した。

 

ジード「ッ!!」

 

上空から、本命のメガギラスが舞い降りた。

 

メガギラス「ーーーーーーー!!!」

 

ジード「出やがったなメガギラス!」

 

 

 

 

 

マシンワールド。

 

幸彦「凄え続くな、この道。もう夕方になっちまった。どこまで続くかな〜♪お?ゴールポールらしき物発見。どうやら、彼処がゴールか。よぉし!」

 

 

 

 

 

 

アニメワールド・ラブライブの世界。

 

淳一「いやぁ〜、最高だった!最後のライブで大盛り上がりだったぜ!」

 

すると、淳一の体が透け始めた。

 

淳一「ん?何だこれ?もしかして10分経った?ライブ観れて満足したし、帰るか。」

 

光に包まれ、淳一が現実世界へ帰った。

 

 

 

 

 

 

アニメワールド・ガンダムSEEDの世界。

 

悟「これで最後だ!マルチロック!行けえぇーーーー!!」

 

フリーダム・ミーティア装備のハイマット・フルバーストが、モビルアーマーを破壊した。

 

悟「よし!めちゃくちゃ白熱したバトルだったー!お?」

 

全身が透け始めた。

 

悟「10分経ったか。フリーダムに乗れて満足した。」

 

光に包まれ、悟が現実世界へ帰った。

 

 

 

 

 

 

マシンワールド。

 

幸彦「っと。」

 

ゴールに到達し、H2Rから降りてヘルメットを外す。

 

幸彦「おおー!」

 

空には、無数の星空が輝いている。

 

幸彦「夜になっちまったが、これだけの星空を見れるなんて贅沢極まりないな。」

 

全身が透け始めた。

 

幸彦「お、時間切れか。この星空、また見れたら良いな。」

 

光に包まれ、幸彦が現実世界へ帰った。

 

 

 

 

 

 

ディズニーワールド。

 

美咲「紫ちゃん、一緒に行きましょう!」

 

紫「はい!最高の魔法をお届けしますよ!」

 

シンデレラ城の上空を飛ぶ美咲と紫が、杖を掲げて魔法の光を集める。

 

美咲・紫「ビビディ・バビディ・ブー!」

 

魔法が空に輝き、無数の流れ星と、無数の花火を咲かせた。

 

紫「皆凄く喜んでますね。」

 

美咲「うん。」

 

全身が透け始めた。

 

紫「うわ!何これ!?」

 

美咲「時間切れかな?」

 

紫「もっと遊びたかったな〜。」

 

美咲「じゃあ最後の魔法を使いましょう!」

 

紫「ですね!」

 

美咲・紫「ビビディ・バビディ・ブー!」

 

その魔法で、美咲と紫が光に包まれ現実世界へ帰った。

 

 

 

 

 

 

第2パーティーホール。

 

淳一「いやぁ〜面白かったー!」

 

悟「憧れのフリーダムに乗れて幸せだった〜!」

 

諸星「どうだった?VRをプレイして。」

 

幸彦「最高です諸星様!普段乗れないH2Rに乗れて眼福でした!」

 

紫「魔法使いになれました!楽しかったです!」

 

吉岡社長「美咲、小さい頃の夢の魔法使いになれてどうだった?」

 

美咲「夢みたいだったよ!」

 

充「僕も君の魔法に掛けられたいなぁ。」

 

美咲「では、私と永遠の愛を育みましょう!ビビディ・バビディ・ブー!」

 

淳一「さて、これで残るは優之だけか。佑美さん、優之は今どうしてる?」

 

佑美「見て見て。今メガギラスと戦ってるよ。」

 

 

 

 

 

 

特撮ワールド。

 

ジード「アアッ!!」

 

メガギラスにエネルギーを吸収された。

 

ジード「ウッ・・・!」

 

”ピコン”

 

メガギラス「ーーーーーーー!!」

 

全身を光らせ、吸収したエネルギーを光球にしてジードに放った。

 

ジード「ハァッ!!」

 

立ち上がったジードが、ジードバリアで光球を防いだ。

 

メガギラス「ーーーーーーーー!!」

 

だがメガギラスが、針を出して再び接近して来る。

 

ジード「ッ!!」

 

メガギラスの針が、ジードの顔を突き刺した。

 

 

 

 

 

 

ジード「レッキングロアー!!!」

 

 

 

 

 

 

しかしジードのレッキングロアーが、メガギラスを押し返し、更に針も破壊した。

 

メガギラス「ーーーーーーーー!?」

 

ジード「ハアアァァァァァ!!!!」

 

困惑するメガギラスを前に、ジードがエネルギーを解放する。

 

ジード「レッキングバースト!!!!」

 

両腕を十字に組んで放つ必殺技・レッキングバーストがメガギラスに直撃。

 

メガギラス「ーーーーーーーーー!!!!!」

 

断末魔を上げながら、メガギラスが爆発四散した。

 

ジード「・・・・・」

 

すると、ジードの全身が透け始めた。

 

ジード「タイムリミットか。シュワ!」

 

青空の彼方へ飛翔し、そのまま光に包まれ現実世界へ帰った。

 

 

 

 

 

 

第2パーティーホール。

 

優之「ふぅ。」

 

諸星「お帰り優之君。どうだい?楽しめたかな?」

 

優之「夢のようでした。まさかVRでここまでコラボ出来るとは思いませんでした。」

 

諸星「皆さん、本日のゲーム祭典お楽しみ頂けましたでしょうか?本日遊んだアーケードゲームは、諸星財閥が経営する諸星ゲーム館で何時でも遊べます。更に、最新VRのドリームはβ版で、来年完成予定です。それまでお楽しみ頂ければ幸いです。」

 

こうして、ゲーム祭典は大盛り上がりのまま幕を閉じた。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      愛川佑美:伊藤美来

     愛川宗太郎:高木渉

     長谷部幸彦:松風雅也

      吉岡達雄:桐本拓哉
      吉岡美咲:有村蓮
       吉岡充:酒井広大
      吉岡早苗:大原さやか

      内原武憲;武内駿輔

       宗像紫:礒部花凜

      諸星志揮:???


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70話・焼き鳥食べたい

11月17日。SKY ANGLE・会議室。

 

優之「私からのプレゼンは以上になります。」

 

他社の社長「素晴らしいプレゼンだったよ。是非、君のを採用したい。」

 

他社の社長「我が社にも、君のイラストを採用したい。」

 

優之「ありがとうございます。」

 

 

 

 

夕方。優之がSKY ANGLEから出た。

 

木島「愛川君。君のプレゼン成功して良かったわ。」

 

優之「ええ。大手企業からの依頼なんて、モロダスト以来でしたよ。」

 

木島「何れまた依頼が来るかも知れないね。そうなったら、SKY ANGLEの柱になれるなって社長が仰るかもよ?」

 

優之「止して下さいよ。そうなったらプレッシャーが俺に悪影響を及しちゃいますから。」

 

木島「ははは。それじゃ、気を付けて帰ってね。」

 

優之「はい。お疲れ様でした木島さん。」

 

 

 

 

 

 

秋葉原へ向かう途中。

 

優之「ちょっと佑美さんに遅れるとLINEしとこ。」

 

 

 

 

 

 

秋葉原。

 

優之「いやぁ〜、新作真っ盛り!ウルトラアーツどんどん集めるぞ〜!」

 

”グゥ〜・・・”

 

優之「ありゃ?腹減った。早く帰って飯食いたい・・・いや、折角だし何か買って帰るか。何買おうかな〜?ん?あれは・・・」

 

 

 

 

 

 

おあにた荘・夕方18時。

 

淳一「ただいま〜。」

 

真奈美「おかえりなさい。コミケの準備は終わった?」

 

淳一「うん。今日やっと準備完了。後は冬コミ開催を待つのみ。」

 

樹々「そして年末年始。」

 

悠里「だね。2024年が終わるの早いな〜。」

 

有香奈「じゃあさ、来年の抱負を皆で言わない?」

 

佑美「いや早くない?有香奈ちゃん。」

 

舞「私はねぇ・・・ピアノをもっと上手くなりたい!」

 

康介「舞ちゃん、乗らなくても良いんじゃない?」

 

淳一「いやぁ〜腹減った〜。真奈美さん、今日の晩飯は何?」

 

真奈美「それがね、材料がこれだけしかなくて・・・」

 

冷蔵庫を開けて、今残ってる材料を淳一に見せた。

 

淳一「あらら。」

 

真奈美「お米は沢山炊いてあるけど。」

 

淳一「じゃあ今日は何処か食べに行くって計画?」

 

真奈美「もしくは特大チャーハンにしようか迷ってて。でも優之君がまだ帰ってないし。帰って来たら何処へ食べに行くか、特大チャーハンにするか。」

 

佑美「優之君は、ちょっと寄る所があるから少し遅くなるって。」

 

真奈美「そお。」

 

丁度そこに、優之が帰って来た。

 

優之「ただいま〜。」

 

真奈美「おかえりなさい。」

 

佑美「どうだった?TAMASHII NATIONS 2023は。」

 

優之「いやぁ〜、展示が豊作ばかり!来年が楽しみだ!それとコレ!アーツのブレーザー!予約したから買った!後は来週のモンアツのマイナスゴジラが楽しみだ。」

 

佑美「ん?優之君、その2つのデカい袋は何?」

 

優之「ん?」

 

床に置いてる2つのデカい袋を見る。

 

優之「ああ、これ?」

 

 

 

 

リビングのテーブルに置いて、袋を開ける。

 

優之「最近食ってないから、コレを見て大量に買ったんだ。」

 

その袋の中身は・・・

 

淳一「や、焼き鳥!?」

 

そう。焼き鳥全種類だった。

 

康介「しかも全種類・・・これ何処で?」

 

優之「焼き鳥の移動販売車が秋葉原に来ててな。しかも全種類。最近焼き鳥食ってねえから、全種類買ったんだ。しかも10本ずつ。販売員の人凄く喜びながら焼いてくれたよ。」

 

康介「今日で最高の売り上げ記録しただろうね。」

 

真奈美「助かるわ〜!実は材料が殆どなくて、外食か特大チャーハンにしようか迷ってたの!」

 

優之「あらそんな深刻な状況下に置かれてたの?」

 

佑美「でも助かったよ。」

 

優之「真奈美さん、ビールはまだあったっけ?」

 

真奈美「ええ勿論よ!さぁ、早速食べましょう!」

 

 

 

 

特大プレートに、全種類の焼き鳥を乗せ、ご飯を茶碗に乗せて準備完了。

 

真奈美「では、頂きます。」

 

全員「頂きます。」

 

彩乃「こんなに大量・・・食べれますかなぁ・・・」

 

康介「野菜串もあるよ。」

 

悠里「ん〜!もも肉美味しい〜!」

 

淳一「めっちゃ美味え!ももにねぎまに肝!ビールが止まらねぇ〜!」

 

佑美「つくねも美味しいわ!それに米にも合う!」

 

舞「これ何のお肉?」

 

有香奈「それはハツだね。」

 

舞「もぐもぐ。ハツ美味しい!」

 

淳一「いやぁ〜、やっぱり焼き鳥は美味いな〜!ん?」

 

そんな中、優之はと言うと。

 

優之「ん〜。もも肉はやっぱり柔らかく歯応えが良い。やっぱ定番だな。」

 

ねぎまを試食。

 

優之「そしてねぎまは、むね肉の味わいと、トロトロとした長ネギの相性が抜群。」

 

鶏皮を試食。

 

優之「カリッとした食感の後に、口に広がるジュワッとした脂のうま味がたまらない。」

 

レバーを試食。

 

優之「ほんのりとした苦味だが、深いコクが癖になるなぁ。」

 

なんこつを試食。

 

優之「なんこつはやっぱこのコリコリした食感が良い。」

 

淳一「あはは・・・相変わらずの食レポ。」

 

優之「うん。米との相性も良い。そして何より、ビールが進む!」

 

佑美「もう優之君、美食家になっちゃうんじゃない?」

 

優之「焼き鳥買って来て良かった〜。ゴクジョーな夕飯だ。」

 

悠里「うん。野菜串はヘルシーで美味しい。」

 

樹々「うん。これなら無限に食べれる。」

 

この日の晩は、焼き鳥パーティーで盛り上がった。

 

 

 

 

 

 

夕飯後。

 

優之「いやぁ〜、焼き鳥食べて満足満足〜♪」

 

淳一「食い過ぎた・・・でも美味かった・・・」

 

真奈美「まだ余ってるわね。これは明日に取っておきましょう。」

 

康介「明日は買い物しなきゃだね。」

 

真奈美「そうね。」

 

優之「焼き鳥食えて満足〜♪次回は特大サーモン食べたいな。」

 

佑美「じゃあコストコ行かなきゃだね。」

 

焼き鳥の次は、サーモン?

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美
      愛川佑美:伊藤美来
      松浦彩乃:佐藤聡美

      木島凛花:水橋かおり

     東山真奈美:後藤邑子


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71話・養成機関

愛川優之。佐賀県出身。彼は幼少の頃、父・宗太郎の影響でゴジラを見始めた。姉の冴子も父の影響でゴジラを見始めた。

 

それから優之は、宗太郎にウルトラマンを勧められ、ウルトラマンシリーズに目覚めた。

 

一方の冴子は、母の勧めでイケメンが出演する仮面ライダーとスーパー戦隊を見て、東映特撮に目覚めた。

 

 

 

 

優之はそれからずっとウルトラマン一筋。勿論アニメも見るが、ウルトラマンまっしぐらな人生を送っている。

 

 

 

 

 

 

11月25日。

 

優之「なんて事、ありましたなぁ〜。」

 

諸星「好きなものこそ上手なれ。優之君は楽しい人生を送れてるようで何よりだ。」

 

ニコ「好きな物を好きになる。それが人間ですものね。」

 

優之「はい。それで諸星様、何故ツブコン帰りの俺を諸星邸へ招いたんですか?」

 

今彼が居るのは、諸星邸の食堂。

 

諸星「まあまあ、それは後で話すよ。夕飯にしよう。」

 

優之「はあ。」

 

そこに、メイド長ソフィアと数人のメイド達が入って来た。

 

ソフィア「諸星様。ニコ様。お食事の用意が出来ました。」

 

諸星「ありがとう。」

 

食堂に料理が運ばれた。

 

ソフィア「どうぞ。」

 

優之「ありがとうございます。」

 

昼食は、普通のチャーハンと中華スープ。

 

優之「チャーハン?」

 

諸星「それには隠し味があるんだよ。食通の君なら分かるかもだよ?」

 

海斗「美味しそー!頂きまーす!」

 

チャーハンを食べる海斗。

 

海斗「美味しいー!」

 

優之「・・・・」

 

中華スープを啜る。

 

優之「うん。あんかけ風味の中華スープ。生姜も入ってて美味い。」

 

ニコ「最近寒いですから、温まりますね。」

 

優之「そして、何の変哲もチャーハンだな。」

 

普通のチャーハンを凝視しながら、一口食べてみる。

 

優之(ッ!?何じゃこの美味さ!!!え!?これ、普通のチャーハンのはず!なのに何だこの深い味は!)

 

心の中で衝撃を受けながらチャーハンをバクバク食べる。

 

ニコ「優之様、チャーハンに首っ丈ですね。」

 

優之「食材や見た目は普通のチャーハン・・・なのにこの深い味は何なんだ・・・?何か隠し味があるはず・・・」

 

諸星「さて、その隠し味は何かな?」

 

優之「卵?野菜?肉?ええ?どれだ?・・・・・・ん?まさか・・・・調味料ですか?」

 

諸星「気付いたようだね。さて、どの調味料か当ててみて?」

 

優之「胡椒・・・塩・・・油・・・諸星様、1発で当てて良いですか?」

 

諸星「どうぞ。」

 

優之「・・・・・塩ですか?」

 

諸星「・・・・・お見事。流石だね。」

 

ニコ「優之様凄いです!」

 

海斗「優之お兄ちゃん流石だよ!」

 

優之「塩は何を使用してるんですか?」

 

諸星「宮古島の雪塩だよ。」

 

優之「WAO!ギネス世界記録に載ってる宮古島の雪塩をふんだんに使ってる!流石諸星様!食材のみならず、調味料も拘ってますね!」

 

 

 

 

 

 

昼食後。

 

優之「あ〜美味かった〜。雪塩を使ったチャーハンなんて初めて食った〜。」

 

諸星「満足してくれて何よりだよ。」

 

優之「はい。あ、それで諸星様。俺を招いた訳をお聞かせ下さいますか?」

 

諸星「そうだったね。優之君は、諸星財閥のメイドの養成機関があるのを知ってるよね?」

 

優之「はい。諸星様に見出された見習いメイド達を育成する養成学校・諸星メイドアカデミー。確か今、ニコさんが教官を務めていますよね?」

 

ニコ「その通りです。メイド長のソフィアさんも務めています。」

 

優之「それをどうして俺に?」

 

諸星「丁度今から、メイドアカデミーの授業があるんだ。それを君に見せたいと思ってね。」

 

優之「なぬ!?メイドさん達の授業参観ですか!?」

 

諸星「そうだね。」

 

 

 

 

 

 

諸星メイドアカデミー。

 

優之「おぉ・・・」

 

見習いメイドが実技を行っている。優之は諸星と海斗の隣の椅子に座って参観。

 

優之「この人達が、見習いの方々ですか?」

 

諸星「そう。俺が見出した未来のメイド達だよ。」

 

優之「何か、見てるこっちが緊張する雰囲気ですね・・・」

 

諸星「立派なメイドになる為、真剣に取り組んでいるからね。」

 

ニコ「それでは、諸星様と優之様にお茶を淹れて下さい。」

 

見習いメイドが、優之と諸星にティーセットを運び、ティーカップに紅茶を淹れる。

 

優之「・・・・・」

 

見習いメイドA「諸星様、海斗様、お茶をご用意しました。」

 

諸星「うん。ありがとう。」

 

紅茶を飲む。

 

諸星「うん。美味しい。」

 

海斗「とっても美味しい!」

 

見習いメイドB「優之様、紅茶を・・・きゃっ!」

 

優之「おわあ!?」

 

見習いメイドが躓き、優之のジャケットに紅茶が掛かってしまった。

 

優之「ありゃりゃ・・・」

 

見習いメイドB「ご、ごめんなさい!」

 

ニコ「優之様!大丈夫ですか!?」

 

優之「・・・いやぁ〜、ジャケットに新たなデコレーション完成ですね。」

 

見習いメイドB「え?」

 

優之「大丈夫ですよ。見習いは見習い。まだまだ分からない事があって、それを教わりながら経験を積むのが仕事ですから。」

 

見習いメイドB「優之様・・・」

 

優之「だから諸星様。俺に免じて、許してあげて下さい。」

 

諸星「そうだね。」

 

見習いメイドB「あ、ありがとうございます!」

 

優之「そうだ。俺から課題良いですか?」

 

見習いメイドB「え?」

 

優之「俺のジャケット、洗濯して下さい。」

 

 

 

 

 

 

諸星メイドアカデミーの実技終了後。

 

優之「おお〜。汚れが綺麗サッパリ!流石ですなぁ!」

 

紅茶で汚れたジャケットが綺麗に洗濯された。ジャケットを着る優之。

 

優之「あ〜。着た瞬間に溢れる良い匂いと、まるで新品の着心地。こりゃあ良い物ですなぁ〜。」

 

ニコ「気に入って貰えて何よりです。」

 

優之「見習いメイドはまだまだ実技を積むんですか?」

 

諸星「うん。彼女達は入ったばかりだから、一人前には程遠いね。」

 

優之「なら、1日でも早く立派なモロメイドになれるよう祈りましょうか。そうだ!諸星様、スケッチブックはありますか?」

 

諸星「勿論あるよ。」

 

優之「貸して貰えませんか?」

 

 

 

 

スケッチブックを借り、ペンを走らせる。

 

優之「出来ました!」

 

椅子に座ってる諸星とニコ、その周りにソフィアを始め、モロメイドと新人メイドが立っている絵が完成した。

 

優之「どうですか諸星様?新人メイド達がモロメイドの仲間入りの未来を見据えた創作絵です!」

 

諸星「これは凄いね!養成機関に飾っても良いかな?」

 

優之「どうぞどうぞ!」

 

 

 

 

メイドアカデミーに、優之が描いた創作絵を飾った。

 

 

 

 

夜8時。

 

優之「諸星様、今日はありがとうございました。」

 

諸星「また何かあったら招待するよ。それと、もし暇があれば何時でも遊びに来てね。」

 

ニコ「またお会いしましょうね。」

 

優之「はい。では。」

 

海斗「またね優之お兄ちゃん!」

 

優之「またね海斗君!」

 

バイクに乗って家路を急ぐ。

 

 

 

 

 

 

おあにた荘に帰宅。

 

優之「ただいま〜。」

 

淳一「おい優之!お前だけ諸星様に招かれるなんてズルいやろうだぞ!!」

 

帰った瞬間、淳一が泣きながら優之を責め始めた。

 

優之「しょうがないだろ?淳一お前、明後日まで提出するレポートがまだあって、それやってたんだろ?」

 

淳一「だからって・・・」

 

悠里「優之さん、しばらく淳一さんに睨まれるかもね。」

 

樹々「何時もの事。」

 

有香奈「今度は淳一君を連れて行ってあげようね。」

 

優之「俺は淳一の親か。」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      新田樹々:佐藤亜美菜

      諸星志揮:???
        ニコ:???
      ソフィア:???
        海斗:???

       メイド:月村あさみ
           伊香綾野


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72話・天使の子

11月27日。午後4時。

 

優之「うへぇ〜寒いぃ・・・冬だから寒いのは当たり前か・・・モロスターアートの暖房が恋しいわぁ・・・」

 

 

 

 

千代田区の公園。

 

優之「ふぇ〜あったまるぅ〜。」

 

ホットココアで体を温めてる。

 

優之「そろそろ学生の皆は冬休みに入るな。まぁ俺らも正月休みに入るし。ん?」

 

公園に訪れた3人組の少女を発見した。それは樹々と響子と1人の少女だった。

 

優之「樹々ちゃんに響子ちゃん。それと、誰だ?」

 

響子「あ!優之さーん!」

 

優之「あ。」

 

こっちに気付いた響子が手を振り、3人が優之に駆け寄る。

 

響子「偶然だね!ここで遊んでるの?」

 

優之「いや、ホットココアであったまってる。」

 

樹々「こりゃあ美味いココア?」

 

優之「それフラグになるから止めて。所で、そちらのお嬢さんは?」

 

樹々「私と響子の幼馴染み。」

 

響子「紹介するね!国生蛍だよ!」

 

蛍「初めまして、国生蛍です。」

 

優之「俺は愛川優之。樹々ちゃんと同じおあにた荘に住んでるんだ。優之で構わないよ。」

 

響子「蛍はね、学校では天使って呼ばれてるんだよ。」

 

優之「天使?」

 

樹々「そう。何時も笑顔で、優等生で、誰にでも優しく、歌が上手な事から天使って呼ばれてる。」

 

響子「おまけに可愛いんだよ?ホラ!ギュー!」

 

蛍「わっ?」

 

笑顔で蛍を抱き締めた。

 

響子「抱き締めるととってもあったかいんだ〜!」

 

蛍「響子ちゃんくすぐったいよ〜。」

 

優之「そうなんだ。」

 

響子「優之さんもどお?蛍を抱いてみる?あったかいよ?」

 

優之「いや遠慮しとく。変質者になりたくないから。それで、君達はここで何を?」

 

響子「何時もの遊びだよ?」

 

優之「本当に仲良しなんだね。」

 

樹々「2人は私の大事な友達。遊ぶのは当たり前。」

 

優之「これは野暮な質問だけど、ご家族は何人?」

 

蛍「はい。お父さんとお母さんの3人家族です。」

 

響子「蛍のお父さんはね、杉原カンパニーの総務部の部長さんなんだよ?」

 

優之「おお!」

 

蛍「優之さんは、お仕事は何をやっているんですか?」

 

響子「俺?SKY ANGLEって知ってる?」

 

蛍「はい。イラストや音楽などを制作している会社って樹々ちゃんから聞いています。」

 

優之「俺はそこの社員だけど、今はリモートを中心に仕事をしているんだ。」

 

蛍「リモート?もしかして、何処かご病気になってしまったんですか?」

 

優之「違う違う。諸星様にスカウトされ、モロスターアートで画家として活動しているんだ。」

 

蛍「わあ!諸星財閥のご当主様の推薦でモロスターアートに!?凄いです!優之さんは将来、立派な画家になれますよ!」

 

優之「うおお・・・これが天使のご加護か・・・」

 

響子「ね?可愛いでしょ?」

 

優之「そうだね・・・そうだ、褒めてくれたお礼に、俺が絵を描いてあげようか。」

 

蛍「絵ですか?」

 

優之「3人の絵を描いてあげるよ。ベンチに座って?」

 

 

 

 

ベンチに3人を座らせ、優之が地面に膝を付いてスケッチブックとペンを握る。左に響子、右に樹々、真ん中に蛍。

 

優之「樹々ちゃん、もうちょっと蛍ちゃんに寄って?」

 

樹々「こお?」

 

優之「うんそのまま。蛍ちゃん、優しい笑顔を俺に向けて?」

 

蛍「はい!」

 

優しい笑顔を優之に向けた。

 

優之「良いよそのまま!よし!」

 

ペンが素早く走り出した。

 

優之「出来た!」

 

完成した絵を見せる。

 

蛍「わあ!これ私達ですか!?」

 

天使のような3人の絵が描かれている。

 

優之「蛍ちゃんが学校で天使って言われてるから、樹々ちゃんと響子ちゃんも天使にしてみたんだ。どうかな?」

 

響子「うんうん!やっぱり優之さんは創作イラストの天才だよ!」

 

優之「いやいやそれ程でも・・・そうだ、皆はちゃんと受験勉強してる?」

 

樹々「してる。」

 

響子「モロスター学園入学の為に日々勉強してるよ!」

 

蛍「一緒に同じ高校に入ろうね!」

 

樹々・響子・蛍「ねー!」

 

優之「仲良いなぁ〜。」

 

 

 

 

 

 

翌日の11月28日。午後5時。公園。

 

優之「今日も寒い・・・」

 

佑美「ねえ。もう冬だもんね・・・」

 

優之「早く帰ってこたつで丸くなりたい・・・」

 

佑美「帰ってホットコーヒーで暖まりたい・・・」

 

優之「ん?」

 

目の前を歩く蛍を発見した。

 

優之「蛍ちゃんだ。」

 

佑美「蛍ちゃん?」

 

優之「おーい!」

 

蛍「あ!優之さん!」

 

優之「また会ったね。今日は1人?」

 

蛍「はい。お母さんにおつかいを頼まれまして。今日はお鍋なんですよ。」

 

手に持ってる袋を見せる。

 

優之「偉いね。」

 

蛍「あの、そちらのお方は?」

 

優之「ああ、紹介しよう。俺の妻の佑美さん。佑美さん、こちらは国生蛍ちゃん。樹々ちゃんと響子ちゃんの幼馴染みだよ。」

 

佑美「まあ!樹々ちゃんと響子ちゃんの!初めまして。優之君の妻の愛川佑美です。」

 

蛍「こちらこそ。」

 

佑美「あらあら。蛍ちゃんってとっても可愛いわね〜。」

 

優之「響子ちゃんが言うには、天使って言われてるんだ。」

 

佑美「成る程!ねぇ優之君、私達の子供は蛍ちゃんのような子が欲しいな〜!」

 

優之「佑美さん、暴走してね?」

 

蛍「うふふ。優之さんの奥さんは、とっても個性的で面白いですね。」

 

優之「蛍ちゃん、それ褒めてる?」

 

???「やあ優之君。」

 

優之「ありゃ諸星様!」

 

そこに偶然、諸星とニコとカイネと出会った。

 

カイネ「優之お兄ちゃん!佑美お姉ちゃん!久し振り!」

 

優之「久し振りカイネちゃん。」

 

佑美「ご無沙汰しております。諸星様。」

 

諸星「今日は佑美さんと一緒なんだね。」

 

優之「仕事帰りの佑美さんと偶然会いまして。」

 

ニコ「あら?可愛らしいお嬢様とご一緒なんですね。」

 

蛍「初めまして、諸星様。国生蛍です。」

 

優之「樹々ちゃんと響子ちゃんの幼馴染みなんです。」

 

ニコ「そうなんですね。」

 

蛍「諸星様。樹々ちゃんと響子ちゃんがお世話になっております。これからもお2人を宜しくお願いします。」

 

佑美「蛍ちゃん、2人の母親みたいになってるよ。」

 

優之「そう言や蛍ちゃん。響子ちゃんが言ってたけど、歌が上手なんだよね?」

 

蛍「はい。小さい頃から歌が好きなんです。」

 

優之「折角だから、諸星様の前で少し歌を披露したらどお?」

 

蛍「え?諸星様にですか?」

 

佑美「私も聴きたい!」

 

諸星「国生さん。君の歌を聴きたいな。」

 

蛍「・・・分かりました!頑張って歌います!えっと・・・アンジェリカのデビュー曲を歌います!」

 

 

 

 

彼女は、得意の歌を諸星に披露した。

 

 

 

 

歌が終わった。

 

蛍「ふぅ・・・どうでしたか?」

 

優之「・・・はっ!昇天しそうになった。」

 

佑美「何?今の癒しの歌声・・・」

 

カイネ「心が落ち着く歌声だったよ〜・・・」

 

蛍「だ、大丈夫ですか!?」

 

優之「大丈夫・・・」

 

佑美「蛍ちゃんが可愛くて固まってた・・・」

 

ニコ「とても素敵な歌でしたね。」

 

諸星「また新しい逸材を見付けたね。国生蛍さん。どうかな?君をモロダストのアイドルグループ、アンジェリカのメンバーとしてスカウトしたいんだ。」

 

蛍「え!?私をですか!?」

 

諸星「君のその歌声で、色んな人に癒しと希望を与えてみないかい?」

 

蛍「・・・あの、でしたら帰ってお父さんとお母さんに相談してみます。それからで大丈夫ですか?」

 

諸星「勿論。スカウトを受けるかどうかは君次第だよ。」

 

蛍「分かりました!」

 

 

 

 

 

 

12月1日。午後5時。

 

優之「よっしゃ!予約完了!」

 

ヨドバシカメラで、真骨彫ガイアとエフェクトパーツの予約が取れてウキウキ。

 

優之「これで平成三部作と8兄弟揃うな!」

 

佑美「ガンマフューチャーの3人も揃うね!来年の6月が楽しみだわ!」

 

優之「この調子でアグルも来て来んねえかな〜。」

 

佑美「あ!見て!」

 

優之「ん?」

 

アンジェリカのトレーラーが走ってるのが見えた。

 

佑美「蛍ちゃん、スカウトを受けたみたいだね。」

 

優之「樹々ちゃんが言うには、蛍ちゃん、お父さんとお母さんから後押しを受けて、モロスター学園入学後に、アンジェリカの仲間入りになったって言ってた。」

 

佑美「幼馴染み3人組が同じグループになるなんて、運命を感じるね。」

 

優之「悠里に小さな天使が舞い降りたみたいだな。」

 

佑美「だね。嬉しいなぁ〜。蛍ちゃんがアイドルになるなんて。」

 

優之「佑美さん、何時から蛍ちゃんの身内になったの?」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      新田樹々:佐藤亜美菜
      愛川佑美:伊藤美来

      杉原響子:本渡楓
       国生蛍:大野柚布子

      諸星志揮:???
        ニコ:???
       カイネ:???


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73話・隠された女性

12月11日。杉原カンパニー。

 

悟「ふぅ。」

 

部長「広瀬君、お疲れ様。そろそろ定時になるぞ。」

 

悟「はい。丁度終わった頃です。」

 

 

 

 

午後5時。悟が定時退社した。

 

悟「ふぅ〜。今日も完璧。帰って作りかけのガンプラを作るかな。ん?」

 

公園のベンチに座って、泣いているクールな女性に気付いた。

 

悟(あの人どうしたんだろう?キャリーバッグを持って、1人で泣いてる。これは声を掛けるべきか・・・いや、何か良からぬ事が起こるかも知れない。でも・・・)

 

泣いてる女性を見て、悟は悩んだ。悩んだ結果。

 

悟(やっぱり困り事は放っとけない!)

 

覚悟を決めて、泣いてる女性に声を掛けてみる。

 

悟「あの、すみません。」

 

女性「え・・・?」

 

悟「どうしたんですか?1人で泣いて。」

 

女性「・・・ぐすっ・・・」

 

悟「あ、すみません。俺は広瀬悟と言います。杉原カンパニーの社員です。」

 

女性「杉原・・・カンパニー・・・」

 

悟「あの、一応お名前聞かせて貰えないでしょうか?」

 

女性「・・・田代芹香です。」

 

悟「田代さん。どうして1人で泣いてたんですか?キャリーバッグを持って。もしかして、ご家族と喧嘩して家出したとか?」

 

芹香「ううん・・・夫に捨てられたんです・・・」

 

悟「捨てられた?」

 

芹香「うん・・・それで・・・ううっ・・・」

 

悟「うっ、寒くなって来た。あの、良かったらウチに来ませんか?」

 

芹香「え・・・?」

 

 

 

 

 

 

マンション。芹香と言う女性を招いた。

 

悟「ん?」

 

玄関にローファーがあった。

 

悟「あの野郎、また勝手に・・・」

 

 

 

 

リビング。

 

Kei「おかえり悟!ご飯出来てるわよ〜!」

 

悟「何度も言ってるだろ?断りぐらい入れろって。」

 

Kei「兄弟の仲だから良いじゃない。それと、そちらのお方は誰かしら?」

 

悟「ああ、田代芹香さん。ちょっと訳ありでな。」

 

Kei「そう。詳しい話はご飯食べ終えてからにしましょう。芹香さんもご一緒にどうかしら?」

 

芹香「え?あ、はい・・・」

 

 

 

 

 

 

夕飯。メニューはKei特製のチーズ煮込みハンバーグ。

 

芹香「・・・・」

 

Kei「どうぞ。冷めない内に召し上がって?」

 

芹香「・・・・」

 

チーズ煮込みハンバーグを一口食べる。

 

芹香「美味しい・・・!」

 

Kei「良かった!」

 

悟「うん。やっぱり兄貴の飯は美味いな。」

 

芹香「え?お兄さんなんですか?」

 

悟「はい。こう見えて俺の兄なんです。コスプレイヤーやってて。」

 

芹香「そう・・・ですか・・・」

 

 

 

 

 

 

夕飯の後。食器を洗ってから芹香に事情を聞く。

 

悟「それで芹田さん。夫に捨てられたって言ってましたけど。何があったんですか?」

 

芹香「・・・私の元夫の雄大は、大学時代から恋人同士。1年前に結婚して幸せな生活を送ったの。でも今朝・・・」

 

 

 

 

 

 

今朝。元夫の雄大が年下の女性を家に連れて来た。

 

雄大『芹香、お前は今日で終わりだな。』

 

芹香『え?何で!?』

 

雄大『だって俺、可愛い年下しか興味ないからw』

 

芹香『嘘でしょ!?あんなに順風満帆だったのに!!』

 

雄大『いや、お前が俺と離れたくないって言ってたから、仕方無〜く同棲生活してただけwだからお前に隠れてずっと不倫してたんだよ〜w』

 

芹香『酷い・・・私を騙してたのね!?』

 

雄大『いやいや、騙される方が悪いんだろw?兎に角お前とは今日で終わりwじゃあこれ離婚届w書いてから出て行ってね〜w!』

 

そうバッサリ切り捨てて、芹香を追い出した。

 

 

 

 

 

 

そして現在に至る。

 

芹香「それから裏切られた事にショックして、放浪したの・・・」

 

悟「何だよそれ・・・酷過ぎるだろ!?」

 

Kei「本当に酷い!人の気持ちが分からないなんて人間じゃない!!」

 

芹香「友達に話したら、皆同情してくれて・・・」

 

Kei「同情なら、私達もするわ!あんなクズ旦那の事なんか忘れて人生を謳歌すれば良いんですよ!」

 

悟「そうそう!嫌な事は水に流しましょうよ!」

 

芹香「・・・ありがとう・・・!」

 

悟「芹香さん、これからどうするんですか?」

 

芹香「・・・私は、自分の人生を歩むわ。助けてくれてありがとう2人共。2人のお陰で自信が付いたわ。」

 

悟「元気になって良かった。今日はどうします?泊まって行きます?」

 

芹香「いえ、お気遣いありがとう。早速、お父さんに連絡して、迎えに来させるわ。」

 

悟「そう言や芹香さん、お仕事は何を?」

 

芹香「私?実は私、篠崎証券に勤めているの。」

 

悟「篠崎証券。ウチの会社の取引先だ!ん?お父さん?芹香さんって何者?」

 

芹香「実は私、篠崎証券の社長令嬢の篠崎芹香です。黙っててごめんなさい。」

 

悟「マジか・・・!」

 

Kei「凄いじゃない悟!証券会社のご令嬢さんを助けるなんて!」

 

悟「凄いって言うか・・・・」

 

 

 

 

 

 

30分後。マンション前に1台のリムジンが停まった。

 

悟「わお、リムジン・・・!」

 

Kei「凄いわ・・・!」

 

リムジンの窓が開き、1人の男性が顔を出した。篠崎証券の社長だ。

 

篠崎社長「芹香。大丈夫だったかい?」

 

芹香「お父さん。心配掛けてごめんなさい・・・」

 

篠崎社長「いや、お前が無事ならそれで良い。」

 

悟「あ、あの。篠崎社長。杉原カンパニーに勤めている広瀬悟と申します。」

 

名刺を篠崎社長に手渡した。

 

篠崎社長「おお。杉原の会社か。彼とは昔からの親友でね。」

 

悟「そうなんですか?」

 

篠崎社長「娘が世話になったようだね。後日、改めてお礼しに伺いたい。」

 

悟「は、はい・・・」

 

芹香がリムジンに乗り、家へ帰って行った。

 

Kei「お礼だって。何が貰えるか楽しみだね〜♪」

 

悟「別に兄貴が貰う訳じゃないだろ?」

 

 

 

 

 

 

この日の深夜。離婚して不倫してる田代雄大は、不倫相手とベッドで寝ている。

 

不倫女「ねぇ雄大、私達の子供そろそろだねw」

 

膨らんでる不倫女のお腹。

 

雄大「ああ。お前に似て可愛い子だったら良いなw」

 

不倫女「あははw嬉しいな〜w」

 

”ピリリン”

 

雄大「お?新しいニュースの通知か。」

 

不倫女「もう雄大ったら、ニュースが好きね〜w」

 

ニュースの通知が来た。そのニュースを見て雄大が驚愕した。

 

雄大「は、はあ!?芹香が篠崎証券の社長令嬢だと!?」

 

ニュースの内容は、篠崎証券が本日で創業50周年を迎えたと言う内容。そこには、篠崎社長と娘の芹香の写真が掲載されていた。

 

不倫女「どうしたのぉ〜?そんなに慌てて〜。」

 

雄大(アイツ・・・俺に隠し事してたのかよ・・・!巫山戯やがって・・・!!俺を騙しやがって・・・!!!!)

 

彼は心の中で怒りを燃やした。

 

 

 

 

 

 

12月12日。杉原カンパニー。

 

裕樹「悟君。これお願い出来るかな?」

 

悟「はい。分かりました。」

 

資料を貰った。

 

裕樹「わざわざすまないね。今日飲みに行くかい?」

 

悟「良いですね!」

 

するとそこに、部長が悟に。

 

部長「広瀬君。社長がお呼びだよ。」

 

悟「社長が?はい、すぐ行きます。」

 

 

 

 

 

 

社長室のドアを4回ノックする。

 

道茂『どうぞ。』

 

社長室のドアを開ける。

 

悟「失礼します。杉原社長、お呼びでしょうか?」

 

道茂「広瀬君。急に呼び出してすまないね。君にお客さんが来ているんだ。」

 

悟「お客さん?」

 

篠崎社長「広瀬君。」

 

悟「し、篠崎社長!それに芹香さんまで!」

 

道茂「彼からお嬢さんの事を聞かされてね。是非君にお礼がしたいと言ってな。」

 

篠崎社長「広瀬君。昨日娘を助けてくれてありがとう。改めてお礼をしたい。」

 

悟「い、いえ篠崎社長!私は当然の事をしたまでですから!1人で泣いているお嬢さんが放っておけなくて・・・」

 

篠崎社長「ははは!謙虚なんだな君は。昨日娘から君の事を聞かされてね。」

 

悟「はあ・・・」

 

篠崎社長「そこでどうかな?今度は君が、娘を貰ってやってくれないだろうか?」

 

悟「ええ!?お嬢さんを私がですか!?」

 

篠崎社長「君は娘の恩人でもあるんだ。そして杉原から聞いたんだが、君は会社では優秀だと聞いてね。そんな君になら、娘の傷付いた心を癒してくれるだろうと考えたんだ。」

 

悟「・・・・」

 

芹香「悟さん。私で良かったら・・・」

 

悟「・・・芹香さん、俺は正直恋とか未経験な身です。・・・ですが!芹香さんの為なら、俺で良ければ宜しくお願いします!」

 

芹香「・・・はい!」

 

道茂「うんうん。」

 

篠崎社長「悟君、末長く頼むよ。」

 

悟「はい!」

 

こうして悟は芹香と結ばれ、芹香は悟と再婚した。

 

 

 

 

 

 

夕方5時。

 

悟「ずっと社内で待ってたなんて、疲れてない?」

 

芹香「ううん。愛する旦那の為なら何時間でも待てるよ。」

 

悟「クールなのに健気だねぇ。」

 

???「芹香!!」

 

だがそこに現れたのは、元夫の雄大だった。

 

芹香「雄大!?何でここに!?」

 

雄大「なぁ芹香、俺とよりを戻さないか?」

 

芹香「はあ?何言ってんの?アンタとはとっくに離婚してるんだけど!」

 

雄大「あの時は悪かったって!ちょっと魔が差しただけなんだ!」

 

芹香「私よりあの不倫女が良かったんじゃないの?」

 

雄大「あれはただの遊びなんだよ!だから・・・」

 

不倫女「ちょっと!!遊びってどう言う事!?私の方が好きって言ってたじゃない!!」

 

そこに不倫女がやって来て、雄大に怒った。

 

雄大「お、お前何で来てんだよ!!」

 

不倫女「急に朝から居なくなったから探したのよ!!そしたら何よ!!私と遊びだって!!」

 

雄大「お前が俺に誘惑したのが悪いんだよ!!」

 

不倫女「はあ!?あんなババアよりお前の方が好きって言ったのはアンタじゃない!!」

 

芹香「見苦しいわね。もうこんな光景見てられないわ。行きましょ悟さん。」

 

悟「ああ。行こうか。」

 

雄大「おい待てよ!!」

 

悟「何だよ。そろそろ行かせてくれよ。」

 

雄大「黙れ!!お前誰なんだよ!!俺達夫婦に関係ない奴は引っ込んでろ!!」

 

悟「誰って、芹香の旦那だけど。」

 

雄大「はあ!?」

 

芹香「あなたと離婚した後、彼と再婚したのよ。だから私達に関わらないで。」

 

雄大「ふ、巫山戯んじゃねえよ!!俺に言わずに何勝手に再婚してんだ!!この詐欺女が!!」

 

芹香「は〜あ。そんな言われても痛くも痒くもないわ。」

 

悟「それにアンタ、急に芹香とよりを戻そうと言ってるよな?大方、彼女が篠崎証券のお嬢さんだから、ここに来て手のひら返す発言してる。違うか?」

 

雄大「ぐっ・・・!」

 

芹香「ますます呆れるわ。私と再婚して逆玉の輿を狙おうとするなんて。」

 

雄大「そ、そもそもお前が悪いんだ!!お前が篠崎証券の娘だって教えたら離婚しなかったのによ!!!!こうなったのも素性を隠したお前の責任だ!!責任取れ!!」

 

不倫女「そうよ!!アンタのせいで雄大が可笑しくなったのよ!!責任はお前が取れ!!!もしくは金払え!!!!」

 

芹香「って言ってるけど、お父さんどう思う?」

 

篠崎社長「そうだな。これは由々しき事態だ。」

 

後ろから篠崎社長が現れた。

 

雄大「お、お義父さん・・・!?」

 

篠崎社長「貴様にお義父さんと呼ばれる筋合いはない!!!よくも私の娘を愚弄したな。この罪は重いぞ。」

 

雄大「ぐ、愚弄だなんてそんな・・・!!俺は騙されたんですよ!!!社長令嬢だって事を隠した芹香が悪いんですよ!!俺は悪くありません!!!」

 

不倫女「いいから早く金寄越しなさい!!社長なんだから簡単なんでしょ!!!!」

 

篠崎部長「黙れッ!!!!!!」

 

雄大「ヒィ・・・ッ!?」

 

物凄い怒号に、雄大と不倫女が怖気付いた。

 

篠崎社長「これ以上娘と悟君に近付くな。もしそれが出来ないなら、裁判で決着を付けようか。」

 

雄大・不倫女「くっ・・・!!」

 

芹香「それと雄大。あなたとその女の子供のDNA鑑定した方が良いわよ。」

 

雄大「は?」

 

芹香「その女、色んな男と遊んでるって噂よ。まぁ、信じるか信じないかはあなた次第ね。」

 

篠崎社長「悟君、娘を頼むよ。」

 

悟「はい。行こうか。」

 

芹香「ええ。」

 

2人は家へ帰って行った。

 

 

 

 

 

 

その後。雄大と不倫女は破局した。理由は勿論、不倫女が芹香とよりを戻そうとした雄大に失望した事。そしてもう1つは、なんと不倫女のお腹に眠る赤ちゃんのDNAは、別の男との子供である事が判明。芹香の言う通り、不倫女は幾つもの男と浮気・不倫をしていたのだ。不倫女は芹香に慰謝料を支払うハメになった。そして家族や親族、友達から完全絶縁され、誰からも助けて貰えず狂乱し、子供を中絶させ消息不明。雄大も不倫した慰謝料を支払い、多額の借金を背負い酒に溺れた。だがその後飲酒運転を繰り返した挙句、交通事故に遭い、長期入院生活を送るハメになったのだ。

 

 

 

 

 

 

12月13日。午後5時の広瀬家。

 

Kei「結婚おめでとう悟!」

 

悟「結婚って言うか、芹香の再婚相手って形になったけど。」

 

Kei「再婚と言っても、結婚は結婚。必ず幸せにするんだよ?」

 

悟「分かってる。」

 

Kei「芹香さん。弟を末長く宜しくお願いします。」

 

芹香「はい!お義姉さん!」

 

悟「おいそこはお義兄さんだろ?」

 

芹香「でも私から見たら、お義姉さんだよ?」

 

Kei「芹香ちゃんは正直者だね〜!お義姉さん嬉しいよ〜!」

 

悟「ったくもう。」

 

楽しく話すKeiと芹香に微笑んだ悟であった。

 

 

 

 

 

 

同時刻。秋葉原。

 

佑美「ふぇ〜。寒いね〜。」

 

優之「もう冬だからね〜。」

 

愛川夫婦が歩いていた。2人はこの後、ある事態に巻き込まれてしまう。

 

『END』




         キャスト

       広瀬悟:浦和希
      広瀬芹香:末柄里恵

      嶋村裕樹:興津和幸

      篠崎社長:咲野俊介

      杉原道茂:速水奨

        部長:山本祥太

      田代雄大:田所陽向
       不倫女:音海奈々

      愛川優之:濱田龍臣
      愛川佑美:伊藤未来


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74話・忌々しい者

12月13日。秋葉原。

 

佑美「今年ももうすぐ終わりだね。」

 

優之「何かあっと言う間だったな。」

 

佑美「ねぇ、今年は何か良い思い出とかあった?」

 

優之「思い出か〜。アレだな。佑美さんと結婚出来た事とか。俺が諸星様の勧誘を受けてモロスターアートに入った事とか。それと、ゴジラ-1.0が怖かったり。」

 

佑美「だね。ゴジラが怖いのは私も同じだよ。」

 

優之「他には、俺の初めての個展やったり、コスプレパーティーで盛り上がったり、そうそう。悟が結婚した事だな。」

 

佑美「お相手は篠崎証券のお嬢さんだよね。SKY ANGLEの取引先でもあるよ。」

 

優之「それと・・・」

 

???「私と再会した事とか?」

 

優之「そうそうそれそれ!・・・って、淡島先輩!?」

 

穂花「ヤッホー♪」

 

後ろに立ってる穂花に優之がビックリした。

 

佑美「あら穂花ちゃん!ご無沙汰ね!」

 

穂花「佑美さん!」

 

優之「あ、あの先輩、どうしてここに・・・?」

 

穂花「2人が歩いてるのを見掛けたから近付いたんだよ。」

 

優之「・・・・・」

 

穂花「あ、またタジタジになってるね。」

 

佑美「もう優之君ったら。穂花ちゃんの前で緊張し過ぎだよ?」

 

優之「いやぁ・・・」

 

穂花「それだけ私に憧れてるって証拠だね。」

 

???「ん?穂花か?」

 

穂花「え?」

 

後ろから声が聞こえた穂花が振り向くと、1人の男性が立っていた。

 

穂花「あ!翔太君!?」

 

翔太「やっぱり穂花か!ん?お前、愛川か?」

 

優之「え?あ!氷川先輩!!」

 

佑美「え?知り合いなの?」

 

翔太「愛川、そのお方は?」

 

優之「あ、俺の妻の佑美さんです。」

 

翔太「え!?お前結婚したの!?」

 

優之「ええ。お陰様で。」

 

翔太「へぇ〜!凄い美人な奥さんだな!」

 

佑美「美人だなんてそんな・・・」

 

翔太「あ、申し遅れました。俺は氷川翔太です。愛川の中学時代からの先輩で、穂花の恋人だった男です。」

 

佑美「愛川佑美です。初めまして。ん?穂花ちゃんの恋人だった?」

 

優之「氷川先輩は高校卒業後に京都産業大学に入ったんだ。」

 

穂花「違う大学になって離れ離れになっちゃったけど、今でもメールや電話でやりとりしてるんです。」

 

佑美「そっかぁ〜。遠距離恋愛だね。」

 

優之「氷川先輩、京都産業大学での生活は満喫してますか?」

 

翔太「あ俺?実は、大学中退したんだ。」

 

優之「ええ!?プロサッカーになる為に京都産業大学に行ったのに!?まさか先輩・・・不祥事を起こしたとか!?」

 

翔太「あはは、違う違う!実は1年前、関西大学サッカーリーグで優勝してな。その時にモロスターアスリートの監督さんにスカウトされたんだ。」

 

優之「モロスターアスリートに!?」

 

翔太「そうだ。俺のプレーを見て感激したらしくてな。是非モロスターアスリートで実力を活かさないかって言われたんだ。大学側とチームメイトが俺の意志を尊重してくれてな。それで大学を中退し、今はモロスターアスリートで日々技を磨いているんだ。」

 

優之「そうだったんですか!」

 

翔太「所で愛川。お前今モロスターアートに入ってるんだってな。」

 

優之「おっと、先輩お得意の情報共有ですか?」

 

佑美「情報共有?」

 

穂花「翔太君は中学時代からサッカー部の皆で、相手チームの弱点や特徴の情報を共有する事が得意なんです。」

 

佑美「つまり、一目見ただけでそれが分かると?」

 

翔太「そうです。それで愛川。俺の元チームメイトがお前の個展があるのを聞いて行ったんだ。それを俺に教えてくれた。」

 

優之「流石先輩!離れていてもチームの絆は永遠ですな!」

 

翔太「まあな。あ、そうだ穂花。お前に伝えたい事がある。」

 

穂花「ん?何?」

 

すると翔太が、険しい顔をした。

 

翔太「藪沢が、お前を探してる。」

 

穂花「え・・・!?」

 

藪沢の名を聞いた瞬間、穂花が怖気付いた。

 

優之「それ本当なんですか!?先輩!」

 

翔太「間違いない。1ヶ月前に元チームメイトから情報共有されたんだ。」

 

佑美「藪沢って?」

 

優之「佑美さんに話したよな。淡島先輩が3人の議員の娘達に虐められたって。」

 

佑美「ええ。聞いただけで胸糞悪い3人ね。」

 

優之「その主犯が、藪沢香奈子って女だ。」

 

穂花「もしかして・・・取り巻きの2人も私を・・・?」

 

翔太「いや、あの2人に関しては心配ない。」

 

穂花「え・・・?」

 

翔太「3人はあの一件で別々の場所へ引っ越した。2人はそれを知ってるな?」

 

穂花「え、ええ。」

 

優之「あの後行方を眩ませてたからな。」

 

翔太「取り巻きの2人。1人は愛媛。もう1人は愛知に引っ越してな。主犯の藪沢は埼玉に。」

 

優之「かなり遠くへ行ったんですね。」

 

翔太「ああ。愛媛に引っ越した彼奴は、あの後父が愛媛議員に立候補したんだが、あの事件の事で落選。無職となった父は酒に溺れて、暴行罪で逮捕。母は専業主婦だが、稼ぎ頭の夫の逮捕で蒸発。独り身となった自分にストレスを爆発させて暴飲暴食。急激に太った挙句、糖尿病を患った。今集中治療中。もう普通の生活は送れないだろう。」

 

優之「うわぁ・・・」

 

翔太「愛知に引っ越した彼奴は、自分の否を反省せず、愛知の学校で1人の女子生徒を虐め始めた。だが虐められたのは、愛知県知事の娘。それを知った知事は、娘の為に権力を使ってそいつを退学まで追い詰めた。退学された彼奴は引きこもりになった挙句、両親が多額の借金を背負った事を知った。失望して家出したが、交通事故に遭った。一命は取り留めたものの、事故の後遺症で幼児退行した。両親は蒸発して行方不明。彼奴は施設で暮らすハメになった。」

 

優之「そうか・・・ってか先輩、本当に情報良いですね。」

 

翔太「愛媛と愛知に旅行した元クラスメイト達から情報が入ってな。穂花、藪沢に接触されるのは危険過ぎる。これからは1人で帰るのはしばらく控えた方が良い。」

 

穂花「でもどうすれば・・・私の家は港区にあって、今から帰ると遅くなるし・・・」

 

佑美「だったらさ!今晩からおあにた荘に泊まらない?」

 

優之「え!?」

 

翔太「お泊まり?」

 

佑美「穂花ちゃんに危険が迫るって言うなら、私達が全力で守ってあげる!ね?優之君!」

 

優之「え!?あ、ああ・・・うん・・・」

 

佑美「そして、送り迎えは翔太君に任せる!それで良い?」

 

翔太「ありがとうございます佑美さん!穂花をしばらく、宜しくお願いします!」

 

佑美「お任せあれ!」

 

 

 

 

 

 

夕方。おあにた荘。

 

真奈美「じゃあ、事態が収束するまで穂花ちゃんがお泊まりするのね。」

 

佑美「そう。元いじめっ子に何されるか分からないから、しばらくここに居座らせようと思って。」

 

淳一「穂花さん久し振り!」

 

穂花「あら淳一君!元気そうで何より!」

 

優之「いやさっきの不安は何処行ったんですか?」

 

康介「穂花ちゃんは慶大に通ってるんだっけ?」

 

穂花「そうです!司法研修を卒業して弁護士になったんです!今内定貰ってて、来年卒業したら弁護士デビューです!」

 

康介「凄いなぁ〜。何処の内定貰ったの?」

 

穂花「東京地裁です!」

 

悠里「東京地裁!?」

 

有香奈「凄いわ!最初から東京地裁に入ろうと頑張ってたの?」

 

穂花「いいえ。所長が言ったんです。君の才能は素晴らしい。東京地裁で活躍してる教え子の元で活躍すると良いって言われて。確か、吉岡充さんって方です。」

 

彩乃「吉岡充さんですか?」

 

優之「初耳ですよ!充さんの元で活動予定なんて!」

 

穂花「え?吉岡充さんって方を知ってるの?」

 

優之「SKY ANGLEの社長令嬢の旦那さんですよ!」

 

穂花「わあ!凄い偶然だね!」

 

樹々「人生何が起こるか分からない。」

 

真奈美「さぁ皆!ご飯出来たわよ!」

 

舞「わー!美味しそー!」

 

 

 

 

 

 

12月14日。慶大前。

 

翔太「・・・・・お!」

 

大学から穂花が出て来た。

 

穂花「お待たせ!待たせてごめんなさい。」

 

翔太「いや、今来た所だ。」

 

穂花「モロスターアスリートは終わったの?」

 

翔太「ああ。さっき練習が終わった。さぁ、乗れ。」

 

 

 

 

バイクに乗った2人がおあにた荘へ向かうと。

 

穂花「ん?」

 

路地の真ん中に立つ女性に気付いた。

 

翔太「誰だ?」

 

ブレーキを握って停車する。

 

穂花「何してるんだろう?道の真ん中で。」

 

その女性は、ボロボロの服を着ており、髪がボサボサ、右手を後ろに隠している。

 

翔太「何か可笑しい。穂花はここで。」

 

穂花をそのままにし、翔太がバイクから降りる。

 

翔太「おい。道の真ん中に立つと危ないぞ。」

 

???「・・・お前が・・・お前が居なければ・・・!!」

 

穂花「そ、その声・・・!」

 

翔太「ッ!お前まさか!!」

 

???「お前が居なければ!!!」

 

その女性の正体は・・・

 

翔太「藪沢香奈子・・・!!」

 

そう。嘗て穂花を虐めた元佐賀議員の娘の藪沢香奈子だった。右手にはナイフを持ってる。

 

藪沢「お前のせいで私の人生が狂わされた!!」

 

穂花「・・・・!!」

 

翔太「腑抜けた事を抜かすな!元はと言えば、お前が穂花をいじめなければこんな事にならなかったんだぞ!!」

 

藪沢「五月蝿い!!お前は成績が良いってだけで周りからチヤホヤされて、それにムカついて何が悪いんだ!!」

 

翔太「だったら自分も勉強に勤しんでればチヤホヤされてたのによ!!」

 

藪沢「私はな!!努力が嫌いなんだよ!!楽に勉強出来ればそれで良かったのによ!!」

 

翔太「努力してこそ人間は上達するんだ!!それなのに議員の娘はよ!!」

 

藪沢「パパは議員では最高権力を持ってた・・・!けど松宮財閥に横領を暴かれ辞任され・・・私達は退学・・・!!反抗しようとしても・・・松宮財閥はパパですら抗えない財閥・・・!!その財閥の友達が、何であの生意気な後輩なんだよ!!!」

 

翔太「・・・・・」

 

藪沢「パパとママはあの日以来壊れてしまった・・・パパは酒に溺れ・・・ママは現実逃避する為ホストに溺れた・・・私には目もくれなかった・・・パパとママは麻薬に手を染めてしまい・・・精神が壊れた・・・もう私には何も残ってない・・・全ての原因はお前達だ・・・!!お前達がこの世に居なければァ!!!!!」

 

翔太「・・・因果応報だ。穂花をいじめた報いを受けただけだ。俺達に関わるな。」

 

藪沢「黙れッ!!!!お前を殺せば・・・私は救われる!!!!」

 

穂花「っ・・・!!」

 

翔太「そんなに先輩を殺したいなら、俺を殺してからにしろ!」

 

穂花「翔太君!!無茶だよ!!あなたが死んじゃう!!」

 

翔太「穂花を身を挺して守るのが、俺の本望だ!!」

 

穂花「翔太君・・・!」

 

藪沢「生意気な!!なら貴様から死ねェ!!!!!」

 

ナイフを握った右手を前に突き出して、翔太に向かって走る。

 

翔太「・・・!!」

 

 

 

 

 

 

だが藪沢が後ろから誰かに掴まれた。

 

 

 

 

 

 

藪沢「ッ!?」

 

???「オルァ!!!」

 

掴んだ人物が、そのまま藪沢を背負い投げした。

 

翔太・穂花「ッ!!」

 

優之「お2人共、お怪我は?」

 

翔太「愛川!」

 

穂花「愛川君!」

 

藪沢「あ、あの時の後輩か・・・!!」

 

倒れた藪沢がフラフラしながら起き上がる。

 

優之「藪沢!お前の行動は全てドライブレコーダーに映されてる!」

 

ゴールドウイングツアーに搭載されてるドライブレコーダーを指差した。

 

優之「もう諦めろ!アンタは自分で地獄に落ちたんだ!その報いを受けろ!」

 

藪沢「クッ・・・クソがァ!!!!」

 

 

 

 

 

 

その日。藪沢香奈子は逮捕された。先程のドライブレコーダーの映像と翔太と穂花の証言により、優之の行動は正当防衛と認められた。一方藪沢の両親は、麻薬の過剰摂取により精神を壊し、精神病院へ収容された。

 

 

 

 

 

 

12月15日。おあにた荘。

 

真奈美「事態が収束して何よりね。」

 

穂花「はい。これで私を締め付ける悪夢は完全に去りました。」

 

優之「にしても、昨日の氷川先輩の勇姿、カッコ良かったな。流石淡島先輩の恋人ですな。」

 

翔太「あはは。俺は穂花を危険な目に遭わせたくなかったからな。」

 

優之「先輩、また付き合い始めたんですよね?」

 

翔太「ああ。学生時代と同じように、また穂花に添い遂げてみせる。穂花、また改めて宜しくな。」

 

穂花「うん、こちらこそ!」

 

淳一「良いな〜。俺も彼女さん欲しいな〜。」

 

悠里「何時か見付かるよ。淳一さんの運命の人。」

 

事態は収束を迎え、翔太と穂花が再び付き合い始めたのだった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美
      愛川佑美:伊藤美来
      松浦彩乃:佐藤聡美

      淡島穂花:中村繪里子
      氷川翔太:KENN

     藪沢香奈子:くるすみや

     東山真奈美:後藤邑子


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75話・年末年始

12月31日。おあにた荘。

 

淳一「ふぃ〜、寒寒!もう朝から寒いなぁ〜。」

 

悠里「そりゃあ冬だしね。寒いの当たり前だよ。」

 

淳一「でも、ストーブと床暖房と炬燵は俺達を温めてくれる〜。」

 

樹々「温まり過ぎて自堕落になった。」

 

舞「炬燵あったか〜い・・・」

 

彩乃「はい〜・・・」

 

淳一、舞、彩乃が炬燵で丸くなった。

 

康介「今日は大晦日。1年間早かったな〜。」

 

優之「だな。今年も色々楽しかったな〜。」

 

佑美「夏コミにコスプレパーティー、諸星財閥でのパーティーも色々イベント堪能したね〜。」

 

優之「色々映画観たな〜。シン・仮面ライダー、クロスギーツ、ガッチャ大作戦。でもやっぱり、ゴジラ-1.0が1番面白かったな〜。」

 

淳一「それ、同人誌サークル皆で観たけど、凄え怖かったな〜。ゴジラってやっぱ怖いんだなって思ってた。」

 

優之「だろ?」

 

有香奈「深雪、映画終わった後もしばらく泣いてたわ。ゴジラ怖いって。」

 

優之「その怖さがゴジラの醍醐味の1つだからね〜。」

 

”ピリリン”

 

佑美「ん?あら、胡桃からだわ。」

 

胡桃からLINEが来た。

 

佑美「ん?え、凄!」

 

優之「ん?どうした?」

 

佑美「胡桃、先日の有馬記念で2000万。ホラこれ。」

 

写真には、自撮りした胡桃の後ろに2000万の札束がテーブルに置かれていた。

 

優之「ラスベガスのカジノ制覇しそうだな。」

 

佑美「アンジェリカのご加護のお陰かもね。」

 

悠里「照れるな〜。」

 

樹々「私達は皆のアイドル。胡桃さんだけじゃない。」

 

佑美「そうだね。アンジェリカは皆に癒しの歌声を届ける歌の天使だもんね!」

 

”ピリリン”

 

優之「ん?志歩からLINEが来た。」

 

今度は優之のスマホに志歩のLINEが来た。

 

優之「・・・え、マジで?」

 

佑美「どうしたの?」

 

優之「志歩も胡桃先輩と有馬記念行ったって。」

 

佑美「志歩さんも?」

 

優之「うん。んで、全部的中して3000万記録したって。」

 

淳一「有馬記念で3000万!?」

 

佑美「す、凄いわね・・・ギャンブルの才能あるんじゃないの・・・?」

 

優之「志歩は昔からギャンブルの才能に恵まれているからな。福引き1回で1等当たった事がままあったからな。」

 

真奈美「皆〜!年越しそば出来たわよ〜!」

 

 

 

 

 

 

年越しそばを食べる。

 

優之「2人はどお?受験勉強の方は。」

 

悠里「うん!順調だよ!来年の2月の受験日まで気を抜けないしね!」

 

樹々「2月のモロスター学園の受験。3人で頑張って合格してみせる。それが来年の目標。」

 

優之「なら、合格祈願のお守りと絵馬を買わないとだね。」

 

淳一「俺達も大学4年生。そろそろ就職について考えないとだな。」

 

有香奈「私も私も。4年生になるし、将来を選ばないと。」

 

優之「進路はどうなの?2人共。」

 

淳一「俺は・・・サークル同好会の皆と漫画描きたいな〜って思ってる。」

 

有香奈「私はやっぱり、コスプレイヤーかな?」

 

優之「Keiとユニットコスプレイヤー結成しそうだな。」

 

淳一「諸星財閥って、同人誌の会社とかあるのかな?」

 

優之「分からない。諸星様本人に聞いてくれ。」

 

舞「あ、もうすぐ年が明けるよ!」

 

テレビでカウントダウンがスタートし、2024年になった。

 

全員「あけましておめでとうございます。」

 

 

 

 

 

 

神田明神。樹々と舞が有香奈に抱き付いて温もってる。

 

舞「有香奈お姉ちゃんあったかい・・・」

 

樹々「あったかい・・・」

 

有香奈「もお、私お母さんじゃないのよ?お姉ちゃんなんだから〜♪」

 

優之「とか言いながら、嬉しそうに抱いてるじゃん。」

 

有香奈「2人共柔らかいな〜♪」

 

佑美「私も。」

 

そこに佑美も、樹々と舞を抱いた。

 

佑美「ん〜。柔らかくて気持ち良いな〜♪」

 

淳一「待ってる間の目の保養〜。退屈せずに済むな〜。」

 

優之「ああもうこの百合男子め。」

 

悠里「こうして見ると、有香奈さんと佑美さんが、2人の聖母みたいだね。」

 

康介「何か、ポカポカした空気が出てるね。」

 

真奈美「あら。周りの皆が4人で体を温めてるわ。」

 

周囲の参拝客が、4人のポカポカした空気を全身に浴びて癒されてる。

 

彩乃「わぁ〜。皆さんぬくもってますわ〜。」

 

優之「なんでやねん。」

 

康介「ホラ皆。そろそろ出番だよ。」

 

賽銭箱に16円をそっと入れてお参りする。

 

優之(神様。神様のお陰で楽しい1年を過ごせました。本当に助かりました。ありがとうございます。今年1年間、宜しくお願いします。)

 

心の中で神様に感謝の言葉を述べた。

 

 

 

 

 

 

1月1日の朝。

 

真奈美「さぁ、今年の抱負を発表しましょう!まずは、淳一君から順にどうぞ!」

 

淳一「今年の抱負は・・・将来について考える!今年は大学4年生!俺の将来を徹底的に決める為に奔走するぜ!」

 

悠里「私は、大学生!受験合格して、青山学院大学に入学する事!遥香ちゃんと茜ちゃんと美佳子ちゃんも一緒に入学する!」

 

有香奈「私は、淳一君と同じ将来!」

 

樹々「私は高校生。モロスター学園に絶対合格して入学する。響子と蛍と一緒に。」

 

康介「僕は昇進かな?主任でも良いから。」

 

彩乃「私は康介さんと更に愛を育みたいです。そして、子供を授かりたいです。」

 

舞「ピアノ上達!ピアニストになる為の新たな第1歩を進みたい!」

 

優之「俺はやっぱり、モロスターアートで俺の絵を広めたいな。」

 

佑美「私は優之君との子供が欲しい!お父さんとお母さんに孫の顔を見せたいし、優之君と一緒に大切に育てたい!」

 

真奈美「皆どれも良い抱負ね。私は、今年も皆と楽しく過ごしたいわ。皆さん、今年も宜しくお願いします。」

 

全員「宜しくお願いします。」

 

真奈美「それでは!毎年恒例の、桃鉄祭りよ!」

 

 

 

 

桃太郎電鉄ワールド ~地球は希望でまわってる!~をプレイ。

 

淳一「ぐあー!優之に先越されたー!」

 

優之「よっしゃ目的地のロサンゼルスに到着ー!」

 

悠里「優之さん強いよ〜!」

 

彩乃「あ〜!貧乏神が私に取り憑かれました〜!」

 

淳一「んじゃ次の目的地は・・・ここだ!ヨハネスバーグ!」

 

優之「ゴールドラッシュで急成長した南アフリカの鉱山都市か。」

 

悠里「ゴールドラッシュ?」

 

優之「採掘者の事だよ。新しく発見された地へ赴き、金脈を探し当てて金を掘って一攫千金を狙う人達だ。」

 

悠里「へぇ〜!」

 

 

 

 

真奈美「桃鉄は地理の勉強にも役立つわね〜。」

 

樹々「私、桃鉄で地理が得意になった。」

 

佑美「桃鉄。お父さんと勝負した頃を思い出すな〜。私が勝ったら、泣きながらもう1回って懇願したお父さんの顔を思い出すな〜。ねぇ!後で私もやりたーい!」

 

康介「今年も、賑やかな1年になりそうだね。」

 

真奈美「ええ。」

 

明けましておめでとうございます。おあにた荘・2024年。スタート。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美
      愛川佑美:伊藤美来
      松浦彩乃:佐藤聡美

     東山真奈美:後藤邑子


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76話・藍澤組の正月

1月2日。藍澤組事務所。

 

優之「藍澤組。来るの初めてだな。」

 

淳一「そっか。優之は来た事なかったか。」

 

優之「組長の源一郎さん、若頭の秋良さん、それと組員の皆さんは顔馴染みだけど。事務所自体初めてだし。」

 

悠里「お屋敷、凄い立派でしょ?」

 

優之「うん。まさにヤクザ事務所って感じだな。」

 

秋良「樹々お嬢。お帰りなさいませ。」

 

藍澤組若頭の秋良と6人の組員が出迎えてくれた。

 

樹々「秋良。お迎えご苦労様。」

 

秋良「皆さんもようこそおいで下さいました。奥で親父が待っております。」

 

樹々「ありがとう。」

 

優之「秋良さん、お久し振りです。」

 

秋良「優之坊ちゃん。ご健勝で何よりです。」

 

 

 

 

事務所・大広間。

 

樹々「お祖父ちゃん。」

 

源一郎「樹々。元気してたか?」

 

樹々「うん。お祖父ちゃんは?」

 

源一郎「この通りピンピンしておるぞ。」

 

陽子「樹々。アイドル生活充実してる?」

 

樹々「お母さん。お陰様で充実してるよ。」

 

陽子「それは良かったわ。」

 

源一郎「皆さんもよくおいで下さいました。ささ、どうぞ座って下さい。」

 

真奈美「ご招待頂きありがとうございます。」

 

おあにた荘の面々が座る。組員達も座る。

 

源一郎「皆、明けましておめでとう。」

 

秋良・組員「おめでとうございます!」

 

全員が頭を下げる。

 

陽子「2024年が始まりました。皆さん、今年も宜しくお願いします。」

 

秋良・組員「宜しくお願いします!」

 

源一郎「それでは、今年のお年玉を贈呈しよう。」

 

1人の組員がお年玉を乗せた台を持って来た。全員1人ずつお年玉を贈呈した。

 

源一郎「樹々。お前にもお年玉だ。」

 

樹々「え?良いの?」

 

源一郎「お前は私の大事な孫だ。そして、私はお前のファン第1号だ。」

 

陽子「樹々。お母さんからのお年玉をどうぞ。」

 

樹々「ありがとうお祖父ちゃん。お母さん。」

 

2人からお年玉を貰った。

 

佑美「良かったね樹々ちゃん。」

 

樹々「うん。」

 

康介「お年玉、大事に使わないとね。」

 

 

 

 

お年玉の後は、おせち料理。

 

淳一「うん。どれも美味いな!」

 

有香奈「黒豆に伊達巻に数の子、そしてエビ!今年も良い年になりそうだわ〜!」

 

舞「黒豆・・・私初めて食べる。」

 

真奈美「舞ちゃん。黒豆美味しいよ?」

 

舞「うん。」

 

人生初めての黒豆を食べる。

 

舞「美味しい!」

 

真奈美「でしょ?」

 

佑美「舞ちゃん。おせちにはね、色んな願いが込められてるんだよ。」

 

舞「そうなの?」

 

佑美「黒豆はね、魔よけの意味があって、「まめ(豆)に働けるように」という無病息災と言う意味が込められてるんだよ。」

 

舞「そうなんだ!じゃあ、この伊達巻は?」

 

佑美「巻物に似ている事から、学問や教養を身に付ける願いだよ。」

 

舞「学問と教養・・・もしかして、これを食べたらピアノがもっと上手になるって事!?」

 

佑美「そうだね。沢山食べれば、立派なピアニストへの近道へ進めるよ。」

 

舞「私、黒豆沢山食べてピアニストになる!」

 

佑美「他のも食べようよ。ね?」

 

彩乃「舞さん。海老も美味しいですよ。」

 

優之「もう2人共、舞ちゃんの母親みたいだね。」

 

佑美「だって舞ちゃん可愛いんだもん!ねー彩乃さん!」

 

彩乃「はい!本当の娘みたいです!」

 

優之「舞ちゃん、完全にウチのアイドルになったな。」

 

陽子「そうだわ!お父さん、アレを出さなきゃ。」

 

源一郎「おぉ!忘れておったわ。樹々、お前の好きなアレを出してあげよう。」

 

樹々「本当!?」

 

源一郎「秋良、例の物を。」

 

秋良「へい。」

 

ある物を取りに行った。

 

 

 

 

1分後。

 

秋良「親父、持って来ました。」

 

源一郎「ウム。ご苦労。」

 

持って来たのは、1つの壺。

 

優之「壺?」

 

秋良「お嬢。どうぞお召し上がり下さい。」

 

壺の蓋を開けた。中に入っていたのは、野菜のぬか漬けだった。

 

樹々「美味しそう・・・!」

 

優之「糠漬け?樹々ちゃん、漬物が好きなの?」

 

樹々「元お父さんが連れて行かれた後、お祖父ちゃんが食べさせてくれたの。それから好きになってて。」

 

優之「意外な一面・・・」

 

樹々「・・・美味しい!」

 

源一郎「そうかそうか!」

 

淳一「源一郎さん!俺にも下さい!」

 

源一郎「ええ。皆さんでどうぞ。」

 

全員が糠漬けを食べる。

 

淳一「ん〜!このにんじんのぬか漬け、めっちゃ美味い!」

 

康介「うん!この大根のぬか漬けもとっても美味い!」

 

有香奈「ナスも絶品だわ!」

 

優之「そんなに美味いんだ。では俺も。」

 

きゅうりのぬか漬けを実食。

 

優之「んっ!?きゅうりのあっさりした味にコクのある酸味が口の中に広がって、更に爽やかな柑橘系の香り、そして酸味とあっさりに、ぬかの甘み加わった事でボルテージが高まった!あ〜、今まで食べたぬか漬けの中で頂点の美味さだ〜!」

 

陽子「す、凄い食レポね・・・」

 

真奈美「優之君は食通で、食レポが身に沁みてのよ。お姉さんの冴子さんから聞いてね。」

 

源一郎「ほっほっほ。我が組のぬか漬けを彼処まで表現してくれるとは。作った甲斐がありました。」

 

樹々「お祖父ちゃん。ぬか漬け貰って良い?」

 

源一郎「勿論じゃ。好きなだけ持って行きなさい。」

 

 

 

 

 

 

おせちとぬか漬けを食べた後、組員やおあにた荘全員で余興が行われた。

 

優之「立派な事務所だな。樹々ちゃんって凄い家系だなって改めて思うわ。」

 

樹々「私も最初聞いた時は驚いた。でも、お祖父ちゃんや組の皆が私に優しくしてくれてる。だから何時も感謝している。」

 

優之「もしあのまま源一郎さん達が助けに来なかったら?」

 

樹々「あのまま死んでたと思う。」

 

優之「ゾッとするなぁ・・・樹々ちゃんのクズ親父は何でヒモになったんだろうな。」

 

秋良「アイツの親に聞いた所によると、昔から楽したい生活に憧れていて、自分を優しくしてくれる女と結婚したかったって言ってました。」

 

優之「女好きですか。」

 

秋良「ええ。ウチの組に借金してるにも関わらず、それに無関心な素振り。陽子様がヤクザの娘だと知った途端に発狂しましてね。大事な組員に暴行した程でした。」

 

優之「何処までも腐ってますね。」

 

秋良「だがアイツは脱走し、杉原カンパニーの響子お嬢に逆ギレして手を出そうとしましたからな。」

 

樹々「でも結局、藍澤組に再び連れて行かれ、厳重管理下に置かれ、借金返済の為に働いている。」

 

優之「親父さん、もう一生普通の生活送れないですね。」

 

秋良「当然でしょう。借金は借金した人間が必ず返す。それが当たり前ですから。坊ちゃん。これからも皆さんでお嬢を支えてあげて下さい。」

 

優之「勿論です秋良さん。」

 

佑美「優之く〜ん!そろそろ番だよ!」

 

優之「おお!今行く!」

 

 

 

 

 

 

1月3日。おあにた荘。

 

優之「ん〜。ぬか漬け美味いな〜。」

 

真奈美「優之君、すっかりハマってるね。」

 

樹々「お祖父ちゃん達が作ったぬか漬け。ハマるのは当然。」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美
      愛川佑美:伊藤美来
      松浦彩乃:佐藤聡美

     藍澤源一郎:小杉十郎太
      藍澤陽子:三森すずこ

        秋良:梅原裕一郎

     東山真奈美:後藤邑子


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77話・姉弟デート

1月12日。東京駅。

 

冴子「・・・・・」

 

駅前で冴子が誰かを待っている。

 

冴子「あ。」

 

誰かを見付けた冴子が手を振った。

 

優之「姉さんお待たせ!」

 

それは、愛する弟の優之だった。

 

優之「支度に遅れちゃって。待った?」

 

冴子「ううん。今来たばかりだから。そろそろ電車が来るわね。行きましょ?」

 

優之「ああ。」

 

 

 

 

電車に乗って座席に座る。

 

優之「しかし姉さんからデートのお誘いとは。何か計画立ててるの?」

 

冴子「私達、結婚してからあんまり一緒になってないじゃない?だから今日は休暇を貰って、弟と一緒にデートしようって事よ。」

 

優之「姉弟デートって、昔を思い出すな。」

 

冴子「中学時代によくデートしてたものね。あなた当時彼女居なかったから。」

 

優之「五月蝿いな。でも初恋は居たぞ?」

 

冴子「穂花ね。あの時私、弟よ、早く穂花に告らないかな〜ってずっとうずうずしてたものよ。」

 

優之「初恋で憧れの先輩だったからな。緊張してたもんよ。」

 

 

 

 

 

TOHOシネマズ新宿でゴジラ-1.0/Cを鑑賞。

 

優之・冴子(おぉ〜!)

 

 

 

 

鑑賞後。

 

優之「カラーも良いが、モノクロだと恐怖感凄まじいな〜!」

 

冴子「初代ゴジラが令和に蘇った感じで良かったわ〜!」

 

優之「やっぱ相変わらずゴジラ怖かった〜。」

 

冴子「優之は今日で何回目?」

 

優之「俺?5回目。」

 

 

 

 

 

浅草。

 

優之「やっぱ雷門は立派だなぁ〜。浅草のシンボルだな。」

 

冴子「外国の方もいっぱい観光してるわね。」

 

 

 

 

浅草寺でお参りをする。

 

優之・冴子「・・・・・・・」

 

心の中で神様に感謝を伝える。

 

冴子「さて、神様に感謝を精一杯込めた事で、おみくじ引こっか!」

 

優之「切り替え早いな。」

 

 

 

 

おみくじを引く。

 

優之「お!中吉だ!姉さんは?」

 

冴子「大吉!今年幸先良いわね!」

 

優之「そう言や姉さん、今年の抱負を聞きたいんだが。」

 

冴子「あら。レディの秘密を知ろうとしてるの?」

 

優之「姉弟なんだから良いだろ?」

 

冴子「冗談よ。私の今年の抱負は、安産よ。」

 

優之「ほほう。・・・え?安産?」

 

冴子「そっ。言ってなかったけど、2人目を妊娠してるの。」

 

優之「マジで!?姉さんおめでとう!!え?性別は?」

 

冴子「女の子よ。」

 

優之「って事は、妊娠5ヶ月!?うわぁ〜!6月に俺と佑美さんに新しい姪っ子が産まれるのか〜!」

 

冴子「双葉も喜んでたわ。あの子ずっと弟か妹が欲しかったって。」

 

優之「そうだったんだ。妊娠の事、裕樹さんや親父達に伝えたの?」

 

冴子「勿論よ。お父さん衝撃で気絶してたわ。」

 

優之「孫が増える事に感極まったんだな。仕事に支障はない?」

 

冴子「当たり前よ。社長に話して、気分悪かったら早退しても良いって言ってたわ。」

 

優之「良かった。そうだ!ちょっと待ってて。」

 

冴子「?」

 

彼は何処かへ行った。

 

 

 

 

そして1分後戻って来て、冴子にある物を渡した。

 

優之「はいコレ。」

 

冴子「これって・・・安産のお守り?」

 

優之「妊娠しているなら、お守りを身に付けないと。新しい命を無事産んでくれよ。」

 

冴子「フフっ♪私ったら、頼もしい弟を持って良かったわ。あなたに可愛い姪っ子を見せてあげるわ。」

 

優之「その前に裕樹さんに娘の顔を見せてやりなよ。」

 

 

 

 

 

 

 

原宿。

 

女性店員「お待たせしました。」

 

優之「どうも。」

 

クレープを受け取った。

 

冴子「良いわねクレープ。私も食べたいな〜。」

 

優之「いやいや、妊娠中の姉さんはオレンジや柿食べなきゃダメでしょ。」

 

冴子「そうよね。オレンジジュース美味しいわ。」

 

優之「そう言や、SKY ANGLEの皆は元気してる?」

 

冴子「ええ。皆相変わらずよ。そうそう、トミー君と結子ちゃん、今年の3月に式を挙げるみたいよ。」

 

優之「お!遂に門出を祝う日が来るのか!」

 

冴子「宮本君がスピーチを務めるって。」

 

優之「ははっ。泣きながらスピーチする光景が目に見えるな〜。」

 

冴子「それと宮本君、こっちに復職するみたいよ。」

 

優之「え?マジで?」

 

冴子「専務が彼の働きぶりを見てね。深く反省しているなら、戻って来て良いって。」

 

優之「そっか。アイツが報われる日が来るとは。イラスト部に戻るのか?」

 

冴子「いいえ。撮影部に入るみたいよ。鍛えた体で、重たい機材を運んでアシスタントしたいって。」

 

優之「適材適所の道を選んだんだな。」

 

冴子「今でも思うわ。自意識過剰な彼が、あんなに謙虚に様変わりになっちゃうなんて。」

 

優之「俺も最初そう思ってたわ。」

 

 

 

 

 

 

東京タワー。

 

冴子「やっぱり東京は何時見ても壮観ね〜。」

 

優之「佐賀出身の俺らからしたら、本当に憧れの都会だもんな。」

 

冴子「ねぇ、最近募金してる?」

 

優之「してるよ。石川の地震災害。SKY ANGLEに設置されてる?」

 

冴子「設置されてるわよ。小銭やお札が沢山入ってね。私もお札募金したわ。そっちも募金箱ある?」

 

優之「モロスターアートに募金箱があってね。もう既にお札がはみ出る程大量に入ってた。俺も1万円札入れて募金したよ。」

 

冴子「流石諸星財閥が運営する芸術事務所ね。」

 

優之「何しろ石川県は淳一の出身地だからな。」

 

冴子「淳一君のご家族は大丈夫だったの?」

 

優之「ああ。家は半壊しちゃったけど、ご家族全員無事だって言ってた。そうそう、諸星財閥が被災地に多額の寄付したって聞いたな。」

 

冴子「やっぱり。諸星様は規模が大きいだけじゃなく、器も大きいよね。」

 

優之「色々物資とかも寄付してるってニコさんが。」

 

冴子「なら、私達も少しでも出来る事をやりましょ?」

 

優之「そうだな。でも姉さんは無茶するなよ?」

 

 

 

 

 

 

夕方・東京駅。

 

冴子「ふぅ〜。久々のデート楽しかったわ〜!」

 

優之「昔より超張り切ってたな姉さん。」

 

冴子「やっぱりね、弟を間近で見ると元気が出るのよ私。」

 

優之「姉さんのエネルギー源は、俺?」

 

冴子「フフッ♪さて、そろそろ帰らなきゃ。じゃあね優之。モロスターアート頑張ってね。」

 

優之「ああ。姉さんも安産祈ってるよ。」

 

 

 

 

 

 

家路を歩く優之は、頭の中で何かを考えている。

 

優之「姉さんと裕樹さんの娘・・・双葉の妹・・・親父と母さんの2人目の孫・・・俺と佑美さんの2人目の姪・・・これからも楽しい家族になりそうだ。」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣
      嶋村冴子:友永朱音

      女性店員:月村あさみ


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78話・最大都市の世界遺産

2月2日。新宿バルト9。

 

優之「いやぁ〜、555見れた〜。」

 

冴子「20周年に相応しい作品だった・・・今年のCSMが楽しみだわ・・・」

 

優之「姉さん555好きだもんね。」

 

 

 

 

近くのカフェでランチ。

 

優之「今年は555を見て、2月にブレーザー、夏にデカレンジャー見なきゃだな。」

 

冴子「私はギーツそう言やあなた、来週にまた野外活動行くんだっけ?」

 

優之「ああ。しかも今回は、結衣が行きたがってた場所だ。」

 

冴子「何処なの?」

 

優之「それは・・・」

 

 

 

 

 

 

2月9日。プライベートジェット内。

 

カイネ「わぁー!雲が広ーい!」

 

佑美「雲海だよカイネちゃん。」

 

紫「雲に乗れるのかな〜?」

 

結衣「アンタ落ちるわよ?」

 

紫「雲が綿飴になったら良いな〜。」

 

奈々「それだと胸焼けしそうだね・・・」

 

同行者は、佑美とニコとカイネとソフィア。

 

優之「ニコさん、諸星様は仕事とかでお忙しいんですか?」

 

ニコ「はい。正月に発生した石川県の地震で諸星財閥が被災地で支援活動を行っております。諸星様も度々現地へ赴く日があるんです。」

 

優之「大変ですね。正月にまさか大地震が起きたなんて。」

 

ソフィア「はい。諸星様は、1人1人と被災者の方々と触れ合う事に情熱を注いでおります。」

 

茂成「流石諸星様ですね。なら、俺達も出来る事をやらなくちゃですね!募金とか復興を願う絵を描いたりとか。」

 

優之「だな。あ、ニコさん。カイリちゃんはお留守番ですか?」

 

ニコ「はい。メイド達が育児をしてくれていますのでご心配ありません。勿論、諸星様も育児に貢献してくれていますよ。」

 

優之「それなら安心ですね。」

 

 

 

 

 

 

そして、広島県広島市に到着。

 

結衣「ここが広島県ね・・・」

 

野外活動の舞台は広島県広島市。

 

茂成「広島かぁ・・・」

 

奈々「私初めて来たよ!」

 

紫「私も私も!広島って、お好み焼きと牡蠣が有名な所だよね?本場を食べてみたかったんだ〜!」

 

結衣「ちょっと紫。今日は野外活動の目的で来てるのよ?」

 

ニコ「まあまあ結衣様。グルメ巡りも野外活動の1つなんですから。」

 

ソフィア「その通りです。」

 

カイネ「私、広島なんて初めて来たよ。」

 

佑美「カイネちゃん。私も広島初上陸だよ。」

 

同行者は、佑美とニコとカイネとソフィア。

 

優之「何か、懐かしいな。」

 

紫「え?優之さん広島に来た事あるの?」

 

優之「実は俺、中学校の卒業旅行で広島に来た事があってな。その時色々食べ歩きしたな〜。」

 

紫「じゃあ広島に詳しいのは優之さんだね!」

 

優之「いや、そうでもないぞ?諸星様に聞いた所によると、同行してくれるソフィアさん。旅行が趣味で、広島の知識を把握しているって。」

 

ソフィア「広島の事なら、何でも言って下さい。」

 

紫「ソフィア先生!お願いします!」

 

茂成「しかし今見ると、男は俺とお前だけだな。」

 

優之「ちょっとしたハーレムだな。」

 

男2人。女9人。

 

 

 

 

広島駅の南口に出た。

 

カイネ「駅、工事しているね。」

 

優之「確か今、広島駅は再開発が進んでるって。完了は来年の春頃みたいだね。」

 

茂成「完成が楽しみだ。」

 

優之「皆、市電で行こう。」

 

 

 

 

広島電鉄・通称”広電”に乗ってある場所へ向かう。

 

紫「街並み凄いな〜!都会みたいだね!」

 

ソフィア「広島市は、中国地方最大の都市部なんですよ。」

 

優之「市内には、数多くの店が立ち並ぶ事で有名だ。」

 

カイネ「へ〜。ん?」

 

前に立つお婆さんを見たカイネが、座席から立った。

 

カイネ「お婆ちゃん。どうぞ。」

 

お婆さん「あら。ありがとうね。」

 

席を譲ってあげたのだ。

 

茂成「カイネちゃんしっかりしてるね。」

 

優之「ご年配に席を譲る。立派な行いだよ。」

 

 

 

 

 

 

紙屋町西駅に降りた。

 

紫「着いた!紙屋町!」

 

結衣「ソフィアさん。広島城って確かここら辺でしたっけ?」

 

ソフィア「はい。こちらです。」

 

 

 

 

広島城。

 

奈々「立派だね〜。」

 

優之「毛利輝元が築いた広島城。別名鯉城とも呼ばれている。そして、1945年に原爆投下で倒壊。しかし再建され、1989年の平成元年にリニューアルされて現在に至るって訳だ。」

 

茂成「原爆投下・・・惨いな時代だな。何度聞いても。」

 

 

 

 

 

 

折り鶴タワー。

 

佑美「わぁ〜!広島市が一望出来る〜!」

 

結衣「折り鶴タワーから見る景色は素敵ね〜!」

 

ソフィア「折り鶴タワーは、『復興と未来』をテーマに、明るい夢や希望を世界に発信する事を願う施設で、 そのシンボルマークとして、古来より『吉祥』や『再生』を表す『鶴』をモチーフに、ビルの建築的意匠スパイラルスロープを組み合わせ、鶴が群れをなし空高く舞い上がっていくさまをデザイン化にしたそうですよ。」

 

奈々「復興と未来。素敵なテーマですね。」

 

優之「そうそう。ここ滑り台もあるんだった。」

 

カイネ「滑り台!?私滑りたーい!」

 

 

 

 

滑り台を滑るカイネ。優之達は階段で降りる。

 

 

 

 

そして原爆ドーム。

 

優之「原爆ドーム。広島の世界遺産の1つ。」

 

茂成「テレビとかで見た事あるけど、リアルで見ると生々しいなぁ・・・」

 

 

 

 

原爆資料館。

 

紫「凄く惨い時代だったんだね。」

 

優之「何しろ、第二次世界大戦の真っ只中だったからな。8月6日に原爆が投下された事から、広島の8月6日は原爆の日になったんだ。」

 

茂成「同月の9日に長崎にも原爆が投下されたしな。」

 

 

 

 

 

 

原爆資料館から出た。

 

結衣「原爆ドームの歴史が知れて良かったわ。」

 

カイネ「見ただけで胸が苦しかったよ。」

 

奈々「見て?噴水が綺麗だよ。」

 

紫「ホントだ!」

 

原爆資料館の近くにある祈りの泉と言う噴水。

 

ソフィア「それでは皆さん。厳島神社へ向かいましょう。」

 

紫「どうやって行くんですか?」

 

結衣「さっきの広電で行くんでしょ?」

 

優之「いや、それよりも早く行ける方法あるぞ?」

 

元安川に停泊してる船。ひろしま世界遺産航路の船だ。乗船して厳島神社へ出港した。

 

 

 

 

 

 

45分後。厳島神社に到着。

 

紫「厳島神社キター!」

 

茂成「遂に来た神様の島!」

 

カイネ「あ!見てママ!鹿だよ!」

 

ニコ「まぁ可愛い!」

 

宮島に生息する鹿を発見。

 

カイネ「ご飯あげたら喜ぶかな〜?」

 

ソフィア「カイネ様、鹿への餌やりは禁じられています。」

 

カイネ「え?そうなの!?」

 

優之「宮島の鹿は山の中で植物などを食べてるから、餌やりすると市街地への誘導になりうる可能性があるから禁止されているんだ。」

 

カイネ「そうなんだ。ごめんね鹿さん。」

 

すると鹿は、カイネに近付いて顔を頬ずった。

 

カイネ「くすぐったいよ〜。」

 

結衣「カイネちゃんが気に入ったみたいね。」

 

奈々「可愛い〜♡」

 

”グゥ〜〜”

 

紫「あ、私お腹空いちゃった・・・」

 

ソフィア「もうお昼ですね。そろそろ昼食にしましょう。」

 

優之「ソフィアさん。俺美味い店知ってますよ。」

 

ソフィア「本当ですか?」

 

 

 

 

 

 

穴子と牡蠣まめたぬき。

 

紫「ん〜!牡蠣フライ柔らかくて美味しい〜!」

 

佑美「ホント!タルタルソースとの相性バッチリね!」

 

結衣「う〜ん!衣はサクサクで中の身はトロトロで美味しいわ!」

 

カイネ「そんなに美味しいの?」

 

ニコ「美味しいわよカイネ。食べてみれば分かるわ。」

 

カイネ「そうなの?」

 

ソフィア「はい。どうぞお召し上がり下さい。」

 

初めての牡蠣を実食。

 

カイネ「わ!美味しい!」

 

奈々「広島は牡蠣が有名なのは知ってたけど、あなごも有名だなんて初めて。」

 

優之「実は牡蠣自身が出す泥が海の底へ溜まって、海底が泥池になるんだ。その泥池へあなごの餌となる小魚や甲殻類が豊富に生息し始めてな。餌が豊富な牡蠣筏の海底に、あなごが集まってくる事から、広島・宮島はあなごが有名となったんだ。」

 

奈々「詳しいんですね!」

 

優之「来る前に色々調べたからな。」

 

茂成「お前ソフィアさんと張り合ってるのか?でもあなご丼美味いな。広島であなごが食えるなんて凄いな。」

 

優之「ん〜。脂がしつこくなく、少しあっさりしてて食べやすい。そしてタレとの相性も良い。そしてこの牡蠣フライ。衣はカリカリ。身は噛めば噛むほどクリーミーな味わいが口いっぱい広がって、まるで海のミルクを体現するかのような旨みだ。そして、タルタルを付けて食べれば、牡蠣のクリーミーな味とタルタルの酸っぱさが絶妙にマッチしてる。」

 

茂成「また始まったよ。お前の食レポ。」

 

カイネ「ママが言った通りだ。優之お兄ちゃんは料理を表現するのが上手だって。」

 

優之「あれ?そんなに有名俺?」

 

 

 

 

 

 

昼食後。

 

茂成「あ〜美味かった〜!」

 

紫「ねー!」

 

佑美「そろそろ神社行きましょっか。」

 

優之「お!潮が引いてる!今がチャンスだ!」

 

 

 

 

 

 

潮が引いてる間に、皆で大鳥居を間近で見る。

 

結衣「大きいわね・・・」

 

佑美「こんな近くで見れるなんて荘厳だね〜。」

 

結衣「ん?あれ?この大鳥居、地面に埋まってないわね。」

 

奈々「本当だ!台の上に乗ってるように見えるね。」

 

優之「杭打ちした上に乗せた石の上に自重で立っているだけなんだ。」

 

紫「え!?それだと倒れちゃうんじゃ!?」

 

優之「この宮島自体が神様の島と昔から言われていてね。大鳥居を埋める事が出来なかったんだ。でもきちんと補強工事されてるから。」

 

ソフィア「お詳しいんですね優之様。」

 

優之「ここに来るまで調べただけなんですけどね。」

 

 

 

 

 

 

宮島水族館でアシカライブで大盛り上がり。

 

 

 

 

ペンギン撮影会で仲良く撮影。

 

 

 

 

アザラシふれあいタイム。

 

カイネ「アザラシ可愛い〜!」

 

紫「おお〜!凄く柔らか〜い!」

 

茂成「ふむふむ。感触は布に近いな。」

 

佑美「優之君、アザラシ欲しいね。」

 

優之「世話大変そう。」

 

 

 

 

 

 

お土産屋でお土産を買った。

 

ニコ「それでは皆さん。モロスターアートへ戻りましょう。」

 

カイネ「私楽しかった〜!」

 

紫「また広島行きたいね〜!」

 

優之「姉さん達に土産たっぷり買ったし満足♪」

 

結衣「紫。帰ったら活動の絵を描くわよ。」

 

紫「は〜い!」

 

茂成「俺も色々描くかな。」

 

ジェット機に乗り、モロスターアートへ戻った。

 

 

 

 

 

 

午後5時。嶋村宅。

 

優之「姉さんコレ。広島のお土産。」

 

佑美「お義姉さん、本場のもみじ饅頭もありますよ。」

 

冴子「あらありがとう!」

 

優之「それと、広島で撮った写真。」

 

スマホで撮った写真を見せた。

 

冴子「あらいっぱい撮れたのね!あはは!カイネちゃん鹿ちゃんと戯れてて可愛い!もう絵は描いてるの?」

 

優之「ああ。紫達はもう描き上げたって。」

 

冴子「確かあの子達、個展開くって言ってたのよね?」

 

優之「まだ未定だけどね。でも諸星様がもうすぐ準備に入るって言ってた。」

 

冴子「楽しみね。」

 

野外活動広島編・完。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      畦間茂成:上村祐翔

      愛川佑美:伊藤美来

       宗像紫:礒部花凜
      日野結衣:堀内まり菜
      坪川奈々:熊田茜音

        ニコ:???
       カイネ:???
      ソフィア:???

      嶋村冴子:友永朱音


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79話・運命の受験

2月3日。おあにた荘で悠里、遥香、茜、美佳子。そして樹々、響子、蛍が受験勉強をしている。

 

佑美「皆集中しているね。」

 

優之「今月受験だからな。もう申し込み出してるし、後は受験勉強に集中して合格を掴むのみ。」

 

佑美「康介君大変ね。1人で7人の勉強を教えるのは。」

 

優之「家庭教師の経験があるからね。」

 

康介「じゃあ少し休憩しよっか。」

 

遥香「は〜、やっと休憩だよ〜。」

 

茜「大学の受験勉強は、難しい問題が多いですね。」

 

美佳子「だね。でもやっぱり康介さんの教え方が分かりやすくて助かるよ!」

 

真奈美「皆お疲れ様。お茶をどうぞ。」

 

 

 

 

ティータイム。

 

蛍「ふぅ。紅茶美味しいです。」

 

響子「樹々どお?高校の受験勉強。」

 

樹々「志望校はモロスター学園。難しい問題がいっぱいあるけど、弱音吐いてる暇はない。」

 

響子「強気で可愛いね〜。」

 

優之「康介さんどう?1人で大学と高校の受験勉強教えるの。」

 

康介「そうだね。流石に2つの受験勉強を教えるのはちょっと骨が折れるよ。」

 

真奈美「もう1人助っ人が欲しい感じ?」

 

康介「うん。もう1人居ると助かるんだけど。」

 

優之「ん〜・・・お!だったら、最適なお方を紹介するよ!」

 

スマホを出して、ある人物に連絡する。

 

 

 

 

 

 

30分後。おあにた荘にある人物がお邪魔する。

 

穂花「愛川君が私を呼ぶなんて珍しいね。」

 

優之「今回は先輩の力をお借りしたくて。」

 

そう。慶大生の淡島穂花である。優之が穂花に呼んだ理由を話す。

 

穂花「成る程。樹々ちゃん達のモロスター学園の受験勉強を手伝って欲しいと。」

 

優之「どうです?お願い出来ますか?」

 

穂花「そうね。愛川君の頼みなら、お安い御用よ!」

 

優之「ありがとうございます。」

 

穂花「康介さん。樹々ちゃん達3人は私が面倒を見ます。」

 

康介「助かるよ穂花ちゃん。」

 

 

 

 

休憩を終えて、受験勉強再開。

 

響子「ん〜・・・」

 

穂花「響子ちゃん、何処か解らない問題ある?」

 

響子「ここなんだけど。」

 

穂花「あ、ここはね。これをこうすれば・・・」

 

響子「わあ!穂花さん教え方が分かりやすいね!」

 

穂花「ありがとう!」

 

蛍「穂花さん、先生みたいですね!」

 

樹々「流石弁護士。」

 

穂花「卒業したら。だけどね。」

 

 

 

 

優之「そう言やさ、4人は青山学院大学の何学部希望なの?」

 

悠里「私達は、経営学部経営学科だよ。」

 

優之「おお、結構な難関だね。」

 

茜「はい。経営学科で金融やマネジメントを勉強して、将来の為に使おうと皆さんで考えて選んだんです。」

 

美佳子「お金は将来の為の大事な物!いっぱいお金があったも破産しちゃダメだから!」

 

優之「成る程ね〜。でも遥香ならお金何でも使いそうだな。」

 

遥香「ムッ!失礼だよ!」

 

康介「遥香ちゃんなら・・・やりかねないかも。」

 

遥香「康介さんまで!?もう酷いよ!」

 

康介「冗談だよ冗談。確かにお金は大切。でも、それを間違った方向に使うと自分の人生に狂いが芽生える。悠里ちゃんは兎も角、君達3人は適材適所や、自分がやりたい仕事を見付ける。それが人生の課題だよ。」

 

遥香・美佳子「うん!」

 

茜「はい!」

 

樹々「私達も、負けてられない。」

 

響子「だね!アンジェリカは日本のみならず、何れ世界中を席巻するアイドルとして頂点に立つんだもの!」

 

蛍「世界の頂点!何だか凄そう!」

 

穂花「でもまずは、モロスター学園に合格してからだよ?」

 

響子「そうでした!テへッ♪」

 

優之「あはは。今年の春からまた賑やかになりそうだね。」

 

 

 

 

今日は節分。楽しく豆まきをした。そして夕飯は、恵方巻き。7人は受験合格を願って食べる。

 

 

 

 

 

 

2月中旬。7人はそれぞれの学校へ受験。

 

優之「皆合格出来るかな?」

 

淳一「大丈夫だって!7人はこれまでずっと受験勉強を鍛えて来たからな!」

 

有香奈「今その結果を発揮する時!信じましょう!」

 

優之「信じてるけど、何しろ難関だからなぁ・・・」

 

すると、悠里と樹々が帰って来た。

 

優之「お、帰って来た。」

 

彩乃「2人共、受験の手応えはどうでした?」

 

悠里「はい。燃え尽きちゃいました・・・」

 

樹々「凄く難しかったけど、何とか・・・」

 

佑美「合格発表は来週だっけ?」

 

樹々「うん・・・」

 

悠里「はぁ〜。物凄く緊張するなぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

1週間後。青山学院大学。

 

悠里「皆、いよいよだね・・・」

 

遥香「緊張するよぉ・・・」

 

悠里「でも私達はここまで頑張ったんだもの!絶対合格出来てるよ!」

 

茜「はい・・・」

 

美佳子「見るのが怖いけど・・・勇気を出そう!」

 

 

 

 

合格発表の掲示板を見る。

 

悠里「・・・あ!」

 

遥香・茜・美佳子「あ!」

 

自分達の受験番号が合格発表にあった。

 

 

 

 

 

 

同じ頃モロスター学園。

 

響子「運命の日が来たね。」

 

樹々「うん。」

 

蛍「皆でせーのっで見よう?」

 

響子「うん、行くよ!」

 

樹々・響子・蛍「せーの!!」

 

 

 

 

 

 

おあにた荘。

 

優之「それでは!悠里、遥香、茜、美佳子の大学。そして樹々ちゃん、響子ちゃん、蛍ちゃんの高校合格を祝して乾杯!!」

 

全員「乾杯!!」

 

無事に合格した7人の合格祝いパーティーが開かれた。

 

淳一「いやぁ〜おめでとう諸君!これで春から新しい学校生活が始まるな!」

 

悠里「うん!緊張した〜!」

 

蛍「これで私も、アンジェリカの仲間入りですね!」

 

悠里「そうだね!」

 

有香奈「うふふ。私と淳一君に新しい後輩が出来たね。」

 

淳一「大学で解らない事があったら、俺達が教えるから期待しててね!」

 

美佳子「はい先輩!」

 

優之「いや2人は別の大学だろ。」

 

舞「憧れるな〜。大学生って。」

 

悠里「舞ちゃんも大きくなったら立派な大学生になれるよ!」

 

舞「そうかな〜?」

 

有香奈「でもまずは、小学生から中学生、そして高校生になってからじゃないと。ね?」

 

舞「うん!」

 

康介「舞ちゃん。」

 

舞「ん?」

 

康介「舞ちゃんは、僕達の中で誰に憧れてるのかな?」

 

舞「え?憧れ?う〜ん・・・ニコさん?」

 

康介「やっぱり?」

 

優之「皆無事合格し、アンジェリカは4人にグレードアップ。いやぁ〜、この先の未来が楽しみだ。」

 

志望校合格。アンジェリカに新メンバーが加わった。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美
      愛川佑美:伊藤美来
      松浦彩乃:佐藤聡美

      杉原響子:本渡楓
       国生蛍:大野柚布子

      矢口遥香:若松来海
       石原茜:大和田仁美
     赤坂美佳子:黒木ほの香

      淡島穂花:中村繪里子

     東山真奈美:後藤邑子


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80話・10周年の英雄(ヒーロー)たち

3月15日。

 

彩月「動画の撮影、(ゼロ)から(プラス)へ!どうも特撮姉妹でーす!姉の彩月と!」

 

司沙「妹の司沙です!」

 

彩月「今日の私達は何処へ来ているのかと言いますと、こちら!TAMASHII NATIONS TOKYOに来ておりまーす!」

 

司沙「イエーーーイ!」

 

彩月「今日はですね、スペシャルなゲストをお招きしております!どうぞー!」

 

優之「どうも皆さん!インスタグラマーの優之です!」

 

佑美「特撮インフルエンサーのユーミンでーす!」

 

優之「まさか再びコラボするとはね。」

 

佑美「特撮姉妹とのコラボ動画!これは期待しかないね!」

 

彩月「そして今回、また新たなゲストを呼んでおります!どうぞー!」

 

冴子「皆さん初めまして。嶋村冴子です。」

 

裕樹「夫の嶋村裕樹です。こんにちは〜。」

 

司沙「なんとこちらのお2人方は、優之さんの姉夫婦なんですよ!しかも特撮ファン!美人なお姉さんとイケメンなお義兄さん!理想なご家族ですね!」

 

冴子「うふふ。ありがとう。」

 

裕樹「君達は確か、優之君とお義父さんと一緒にゴジラ観に行ってたんだよね?」

 

司沙「そうなんですよ!優之さん宗太郎さんが凄く熱く語ってましたよ!」

 

冴子「本当、お父さんと優之ったら。」

 

優之「えへへ。そう言や双葉はどうしてるの?」

 

冴子「お父さんとお母さんが面倒見てるわ。今頃デレデレよ。」

 

彩月「お2人はYouTube出演は初めてですか?」

 

裕樹「実は僕達はですね、SHIMAキッチンって言うチャンネルのオーナーなんです。自宅で色んな料理を投稿しているんです。」

 

司沙「SHIMAキッチン!私も大好きなんです!どれも美味しそうで!あの、今度コラボお願い出来ますでしょうか!?」

 

冴子「ええ。喜んで承りますよ。」

 

彩月「さてさて。皆さん、今日は何を目的でここへ来たのかご存知ですか?」

 

優之「勿論。絶賛開催中の真骨彫製法10周年記念展-手のひらの英雄(ヒーロー)たち-。だろ?」

 

彩月「今日は、特撮が大好きな皆さんと一緒にこのイベントを回ろうと企画したんです!」

 

冴子「もう10周年なのね。」

 

彩月「冴子さんは真骨彫を集めたりしているんですか?」

 

冴子「私よりも、夫がコレクションしているの。部屋がとても荘厳で凄いわよ?」

 

彩月「凄いですね!」

 

司沙「それでは皆さん、会場へ行きましょう!」

 

 

 

 

 

 

TAMASHII NATIONS TOKYO・真骨彫製法10周年記念展-手のひらの英雄(ヒーロー)たち-。

 

彩月「さぁ見て下さい!入った瞬間にイベントビジュアルがありますよ!」

 

佑美「ワオ!」

 

裕樹「凄いな〜!真骨彫の歴史がこれだけで感じれるよ!」

 

優之「ってか、改めて10周年って聞くと早いもんだな〜。」

 

冴子「入口に4つのフィギュアがあるわよ。カブトとティガ、ゴーカイレッドと牙狼。」

 

 

 

 

仮面ライダーブース。

 

佑美「まずはライダーブースね。かれこれ100体突入するのね。」

 

冴子「新作が鎧武とバロンの真骨彫。やっぱり劇中スーツと同じクオリティで凄いわね。」

 

裕樹「しかもこれ、アームズチェンジ出来るんだろ?パインアームズとイチゴアームズも商品化決定だし。凄いよな。」

 

冴子「もう10年ですからね鎧武。今後龍玄や斬月も出て来そう。」

 

司沙「もしかしたら、次世代ライダーもズラリと登場するかもですよ?」

 

優之「しかも3月29日に99体目の発表だろ?100体目は近日公開。」

 

佑美「99体目は何だと思う?」

 

優之「俺は・・・龍騎かな?555が出てるし、そろそろ龍騎も真骨彫として出て来そうなんだけどな。佑美さんは?」

 

佑美「私は(ブレイド)かな?今年20周年だから。100体目は・・・多分新1号のVer.2かな?」

 

優之「真骨彫初代ウルトラマンみたいな?」

 

冴子「ラインナップ見てると、壮観ね。キバなんて何年待ってたのやら。」

 

裕樹「全部集めるとなると、数百万になりそうだね。」

 

優之「裕樹さん、下手すればそれ以上になるかもだよ?殆どプレ値化してるし。」

 

司沙「良いな〜!全部!全部欲しいな〜!お姉ちゃん全部欲しいよ〜!」

 

彩月「こう言う時だけ駄々こねないの。」

 

 

 

 

 

真骨彫仮面ライダーファイズができるまでの展示。

 

冴子「凄いわね。徹底的に拘りを追求して完成したって思いが伝わるわね。」

 

佑美「しかもキック待機ポーズや、複眼の境目が目立たない製法やファイズギアも事細かく造り上げてるのが凄いですよ?」

 

冴子「佑美さん、製作工程を見てどう思う?」

 

佑美「フィギュアにも魂が宿るんだなって思いました。」

 

冴子「やっぱりあなたとは気が合うわね。」

 

彩月「優之さん、お2人ってあんな感じなの?」

 

優之「俺や裕樹さんを差し置いて、義姉妹で特撮トークするのが恒例になっててね。」

 

裕樹「僕達、その時だけ形見が狭いと感じてね。」

 

彩月「優之さん、裕樹さん、お強い奥様を持ちましたね。」

 

裕樹「でも僕は、そんな冴子をとても愛しているんだ。」

 

優之「俺も佑美さんに心惹かれたから、未来永劫愛し続けるさ。」

 

彩月「いやぁ〜!良い旦那さんですな〜!」

 

 

 

 

真骨彫ウルトラマンガイアV2ができるまでの展示。

 

優之「成田さんの造形は素晴らしいな。何より、権藤さんのスタイルは当時と変わらないのがスゲェよなぁ。」

 

佑美「そうだね。やっぱりスーツアクターさんは何年経ってもヒーローのスタイルを持ってるね。」

 

優之「しかもガイアは、あの名着地シーンの拘りも抜かりないしね。6月の発売が楽しみだ。それと姪っ子の出産も。」

 

司沙「え?お2人に姪っ子さん産まれるんですか?」

 

佑美「そうなのよ〜!お義姉さん!頑張って下さい!」

 

冴子「ありがとう佑美さん。佑美さんも優之との子供を楽しみにしているわよ。」

 

佑美「はい!私も優之君と一緒に頑張ります!」

 

優之「何時の間にか家庭の話になっちゃってるな。」

 

彩月「優之さん、今後の真骨彫ウルトラアーツで楽しみにしているのは?」

 

優之「やっぱりアグルかな?それとコスモスにネクサスも期待してる。今年ネクサス20周年だもの。」

 

 

 

 

 

 

キョウリュウレッドの展示。

 

裕樹「可動域凄いな。」

 

優之「裕樹さん、4月のVシネマ観に行く?」

 

裕樹「勿論行こう!冴子と双葉と一緒に!」

 

優之「戦隊アーツ今後増えて行きそうだな。裕樹さんどのシリーズを期待してる?」

 

裕樹「僕はやっぱりダイレンジャーかな?いやゲキレンジャーも良いな。」

 

優之「名乗りがベリーハードな2作品を選ぶとは、やっぱり通だね。」

 

 

 

 

 

 

一方仮面ライダー555の展示では。

 

佑美「サイドバッシャーもそうだけど、ジェットスライガーデカいですね。」

 

冴子「私小さい頃、ジェットスライガーに憧れてたのよ。将来ああ言うバイク乗りたいな〜って。」

 

佑美「意外とワイルドですねお義姉さん。」

 

冴子「でも架空だって知った途端気力ダウンしちゃったな〜。懐かしいわね〜。」

 

彩月「意外だね司沙。通常のカイザよりネクストカイザが先に出るなんて。」

 

司沙「言われてみればそうだね。今年中に販売するのかな?でもデルタも出て欲しいね。」

 

彩月「ミューズも、サイガとオーガも出て欲しいね。」

 

 

 

 

 

 

イーヴィルティガの展示。

 

裕樹「やっぱり中村浩二さんはマッシブだね。」

 

優之「これで名シーン再現出来るな。光線激突のエフェクトがあるの嬉しいな。お?中村さんのインタビューが近日公開か。」

 

裕樹「優之君は予約したの?」

 

優之「即予約した。でもメインはやっぱりガイアだな。これでTDG揃うってなると楽しみでしょうがないよ。」

 

裕樹「これで展示は終わりかな?」

 

優之「今後のウルトラアーツの参考出品の展示があるかと思ってたけど・・・それは今後のお楽しみにしておくか。」

 

 

 

 

 

 

ショップゾーン。

 

彩月「新1号とクウガの真骨彫無くなってる・・・」

 

司沙「ウィザードも・・・」

 

佑美「真骨彫ティガが沢山並んでる・・・嬉しい光景だよ・・・」

 

優之「まだまだ余裕あるな。そう言えば姉さん、カブトと響鬼は買うの?聞く必要もないかもだけど。」

 

冴子「勿論よ。私がカブト、夫は響鬼を注文したわ。」

 

彩月「あ!それ私達も注文しましたよ!」

 

司沙「カブトハイパーモードも買う予定です!」

 

冴子「2人は高校生なのに財力凄いわね。あ、そうか。YouTubeで収入得てるのよね。」

 

 

 

 

 

 

TAMASHII NATIONS TOKYOから出た。

 

優之「いやぁ〜堪能した〜。スペシャルブックも手に入ったし満足満足♪」

 

佑美「暇があったらまた行こうね?」

 

優之「だね。」

 

彩月「さあ皆さん!どうでしたか?真骨彫製法10周年記念展は!」

 

司沙「楽しめましたか?」

 

優之「満足しましたねー!」

 

佑美「今後どんな真骨彫が出るのか楽しみです!」

 

冴子「フィギュアはただ楽しむだけじゃなく、職人さん達の拘りが込められた一級品。その熱意が伝わりましたね〜。」

 

裕樹「楽しかったですね。また新たなイベントが楽しみです。」

 

彩月「皆さん、コラボ企画楽しめましたか?楽しんだ方は、チャンネル登録と高評価のボタンを押して下さい!」

 

司沙「それでは次の動画でお会いしましょう!せーの!」

 

彩月・司沙・優之・佑美・冴子・裕樹「キエテ・カレカレータ!」

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣
      愛川佑美:伊藤美来

      徳原彩月:松田利冴
      徳原司沙:松田颯水

      嶋村冴子:友永朱音
      嶋村裕樹:興津和幸


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81話・新しい門出

春休み。おあにた荘。

 

優之「いよいよ来週、2人が進学するのか。」

 

樹々「モロスター学園。楽しみで緊張してる。」

 

悠里「大学生活、私楽しみだよ。」

 

淳一「大学で困った事があったら、何時でも俺に言ってくれ!」

 

優之「だからお前違う大学だろ。」

 

淳一「色々サークルがいっぱいあるよ?それとゼミとか色々。」

 

優之「話聞けよ。」

 

悠里「あはは。」

 

康介「そう言えば、先週の結婚式とても良かったね。」

 

優之「トミーと結子の結婚式だろ?あれは良かったな。宮本がスピーチで大泣きしてたのが印象深かったけど。」

 

 

 

 

 

 

結婚式。

 

義徳『トミーくーーーん!妹を末長く幸せにぃーーーー!!』

 

号泣しながらスピーチした義徳が頭に浮かんだ。

 

 

 

 

 

 

佑美「良かったじゃない。宮本君も幸せそうで。」

 

優之「今でも思うわ。あの宮本が彼処まで更生されるなんて。」

 

佑美「確かにそうよね。やっぱり筋肉は全てを解決するのかしら。」

 

有香奈「それじゃ脳筋じゃないですか。」

 

彩乃「そうそう。ブーケトスの時、穂花さんに渡ってましたね。」

 

 

 

 

 

 

結婚式のブーケトス。結子が投げたブーケが、穂花の手に渡った。

 

 

 

 

 

 

舞「次の結婚式は、穂花さんかな?」

 

優之「だとしたら、やっぱり氷川先輩との結婚式だろうな。」

 

佑美「ねぇねぇ樹々ちゃん。制服が届いたんだし、ちょっと私達に試着した姿見せてよ。」

 

舞「私も見たい!」

 

樹々「・・・うん。」

 

 

 

 

モロスター学園の制服を試着し、皆の前に立つ。

 

樹々「どお?」

 

青いブレザー、グレーのチェック柄のスカート、白いソックス、黒いローファー(新品)。

 

佑美「可愛い〜!とっても可愛いよ樹々ちゃん!」

 

優之「佑美さんが発狂した!?」

 

悠里「樹々ちゃん、少し大人になった?」

 

樹々「え?そうかな?」

 

有香奈「そうね。大人の階段を登り始めた頃かな?」

 

淳一「将来、クールで誰もが憧れるお姉さんになりそうだね。」

 

樹々「お姉さん・・・」

 

お姉さんになった自分の将来を想像した。すると樹々が笑顔になった。

 

樹々「エヘヘ・・・」

 

優之「あ、笑った。」

 

樹々「お姉さん・・・エヘヘ・・・」

 

淳一「将来の自分に憧れを抱いてるね。アレ。」

 

真奈美「悠里ちゃんはどお?大学楽しみ?」

 

悠里「うん。新鮮な感じがするよ。私服で学校行くなんて。」

 

優之「悠里はどんなサークルに入りたいんだ?」

 

悠里「ん〜。それは入学してからじゃないと分からないな〜。」

 

優之「遥香達と考えてからかな?」

 

悠里「そうだね。」

 

佑美「樹々ちゃんはどんな部活に入りたい?」

 

樹々「もう決まってる。」

 

モロスター学園のパンフレットを出して、部活一覧のページを見せる。

 

樹々「私達が入る学科は芸能科。響子と蛍と一緒にアイドル部に入るの。」

 

優之「スクールアイドルみたいだね。」

 

樹々「うん。ここに入部して、アイドルの技を磨きたい。」

 

彩乃「流石アンジェリカの一員ですね!頑張って下さいね!」

 

樹々「うん。」

 

 

 

 

 

 

4月8日。モロスターアート。

 

茂成「今日から入学式か。悠里達と樹々ちゃん達、今日から新しい学校生活が始まるな。」

 

優之「紫達も新しい後輩が出来て嬉しく興奮してるだろうな。そう言えば気になってたんだけど、紫達は毎日モロスターアートに通ってるだろ?授業とか大丈夫なのか?留年しそうな予感がする。」

 

茂成「それは心配ないぞ。あの3人が通ってる高校、実はモロスター学園の姉妹校なんだ。」

 

優之「えっ!?初耳だぞそれ!?」

 

茂成「逆に知らなかったのかよ。んで、理事長は実はニコさんが勤めているんだ。モロスターアートに通うと、出席扱いになるんだ。あの3人、芸術科に在籍しているからな。」

 

優之「成る程な〜。」

 

茂成「それで、行かなくて良かったのか?2人の入学式。」

 

優之「流石に1人で同時に2人の入学式へ行くのは無理があるだろ。樹々ちゃん達はご家族の皆さん。悠里には真奈美さんとご家族の皆さんが行ってる。」

 

茂成「モロスター学園の入学式にヤクザが来てるのか・・・?」

 

優之「それはないない。母の陽子さんと祖父の源一郎さんが行ってる。学校にヤクザが押し寄せたらカオスになるだろ。」

 

茂成「空気がピリピリしそうだな。」

 

優之「さて、俺達もこの春から頑張って行こうか!」

 

茂成「次は俺がお前より凄い個展開いてやるからな!」

 

優之「面白い!どっちが頂点に立つか勝負だ!」

 

新しい春の幕開けが訪れた。

 

『END』




         キャスト

      愛川優之:濱田龍臣

      日高淳一:宮田俊哉
      三峯悠里:近藤玲奈
     竹下有香奈:大西沙織
      松浦康介:寺島拓篤
      新田樹々:佐藤亜美菜
       三峯舞:大空直美
      愛川佑美:伊藤美来
      松浦彩乃:佐藤聡美

      宮本義徳:増岡大介
      畦間茂成:上村祐翔

     東山真奈美:後藤邑子


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