人魔転生〜異世界行ったら魔物を狩りまくる〜 (奈鱈)
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第一話「とある魔族の誕生」

 

俺は十七歳住所鳥取の一軒家学生。

 

とあるモンスターをハントするゲームにハマっているフツメンのナイスガイだ。

 

そんな俺だが、最近不幸にも森から出てきたモンスター、サススクロファ(猪)の突進攻撃をゲームと間違いフレイム回避しようとしたら、現実では重度の運動不足だったことを思い出し、戻ろうとしたがその時には俺は、死んでいた。

 

そして、その後なんやかんやあり、よく分からない場所で俺の目の前にいるのが、魔物の女神を自称する怪しい奴だ。

 

「貴方には、異世界に転生し、とある者達と、とある者を許してほしいのです。」

 

「なんですか、その具体性がミジンコレベルな説明は、要領を得ません、拒否します。」 

 

俺がそう断言すると、女神が仕方ない顔でなにか唱え始める。

 

数秒ほど唱えて、最後に『ステータス』言うと、俺の目の前にゲームとかでよく見るステータス画面が現れた。  

 

「そこの下部分をみてください。」

 

そこには『魔物変身魔術』とはっきりと表示されていた。

 

「この魔術は一度見たことのある魔物の形質、性質を自分の体に取り込むことができる魔術です、これを使ってください。」

 

「あのー、魔物の女神様?話を聞いていましたか?今は依頼の詳細な説明を頼んでいたのに、なんですり替えたんですか。」

 

「なんですか、貴方は魔物、言い換えればモンスターと言う単語を聞いただけでワクワクする人間だと聞いていましたが。」

 

おい、どこの野菜人だ、俺は戦闘狂じゃないぞ!

 

「まあ、いいです、どうせ貴方には拒否権など最初からないんですから、依頼の内容はそのうちわかりますよ。」

 

女神が言葉を言い終えたあと、俺の足元が光りだした。

 

「それでは、頑張って下さいね。」

 

そうして、俺は転生したわけだが、俺が産まれた場所は魔大陸という所で、そして、俺は魔族のムチョトロ族の普通の両親で長男ミガナ・ムチョトロとして産まれた。

 

ムチョトロ族とは。

 

五歳の時に腕から生えてくる大人が両手で持たないと持てないほどの長い持ち手と大きな刃の付いた武器………両剣を武器とした、両剣術を使い、強い魔物が多い魔大陸を生き残ってきた少数派種族。

  

この両剣が特殊で、ムチョトロ族は魔術を全く使えないと伝承にあるのだが、それと似たことは両剣で出来るのだ。

  

ムチョトロ族は一人つづ決まった一属性のもの両剣で纏うことができる、例えば火とかだ。

 

しかも、熟練の戦士なら、飛ばしたり、かなり応用が効く。

 

ちなみに、どうやって自分が纏える属性を判断すかというと、両剣に魔力を流して、そこから出るもので判断ができる。

  

そして、俺がこの異世界に転生して、五年の月日が過ぎ、自分の体から両剣がでる日が来た。

 

「ミガナ!ミガナ!ミガナ!頑張れミガナ!」

 

そう、村の女性が歌い、村の男性が太鼓のようなものを叩く。

 

くッ、何だこの感覚は、まるでゲロを吐く寸前の気分だ……!まあ、自分より大きいものを出そうとしているから当然だけど。

 

一瞬気持ち悪すぎて気を失いかけたが、立ち直った。

 

俺は気持ち悪くなりながらも、必死に耐え、冷静になり踏ん張ること、一時間。

 

遂に両剣が俺の体から切り離され、楽になる。

 

「よっしゃー!」 

 

俺は切り離された両剣を支えられながら両手で掴み、雄叫びを上げた。       

 

その雄叫びを聞き、村の皆が喜んだ。

 

俺の父親ミナガがこちらに近づいてきた。

 

「ミガナ、その両手に魔力を流しなさい。」

 

「分かった、父さん。」

 

と言っても、俺は、魔物変身魔術が使えるから、多分、何も出ないと思うが、仮に出ても碌でもないやつだろう。

 

俺は若干察しがつきつつ、深呼吸をして、魔力を流すと、俺の予想を外し白い光が俺の両剣に纏わった。      

 

それを周りの村の皆はジロジロと見て。

  

「おお!見たことのない属性だ!やったな、ミガナ!」  

 

「ありがとうございます。」

 

俺は、そういった後自分の予想が大幅に外れて唖然と突っ立つしかなかった。

  

 

  



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第二話「遭遇」

 

俺は、あの自分の体から両剣がでる日からさらに約五年の月日が経った。

 

そんな今、俺が何をしているかというと、四年にも渡る両剣の修行を終えて、両親から惜しまれながらも自立、その後、冒険者になり魔大陸を渡り歩きながら大王陸亀《グレートトータス》、アシッドウルフ、パスクヨコーテ、等を狩って暮らしていた。

 

にしても、リアルハント気持ち良すぎだろ!

 

狩れば狩るほど、そのモンスターに魔物変身魔術で変身した時に、効果があがる!

 

いやー、あの自称魔物の女神が言った時には、俺は戦闘狂じゃないと思っていたが、改めて思うわ、俺根っからの戦闘狂(ただし、モンスターに限る)だった。

 

あと、四年で魔物変身魔術を調べてみたが、完全にその魔物に変身するわけでは無くて、例えば腕を指定して、大王陸亀《グレートトータス》に変身すると甲羅が盾みたいに現れる、みたいに今の所はウェポンとして使えるって感じだ。

 

今の所、変身出来るやつの能力は。

 

 

大王陸亀《グレートトータス》:甲羅の部分が現れる

 

アシッドウル:顔だけ限定で変身でき、酸を吐くことができる

   

パスクヨコーテ:腕だけ限定で、指が増える

 

ストーントゥレント:指定した部分が岩みたいになる

 

 

ちなみに、ムチョトロ族は人間にかなり近い見た目をしている。

 

「さーて!!!見たことのないモンスターはいないかなー!!!」

 

俺はわざとモンスターに見つかるように、できる限りの大声で言った。 

 

その思惑が見事にハマり、見たことのない、怨念をまき散らす、ゴーレムのモンスター、デス・グラッチゴーレム(命名俺)がこちらに向かってきた。

 

「おお、久し振りに俺の両剣の属性を使えるときが来たか!」

 

そう言いつつ、俺は相棒の両剣、ラートジャンに魔力を流し、白い光を纏わせる。

 

そして、さらに両剣を構えて、口を開く。

 

「両剣術『爆転』!」

 

その、叫びとともに、ラートジャンを構えた状態で中で周り、デス・グラッチゴーレムの腕を切り落とした。

   

だが、ゴーレムの腕など最初から飾りだとでも言わんばかりに黒い尖ったオーラの手が生えてきた。

 

その手でデス・グラッチゴーレムは反撃するが、如何せん動きが遅かった為、俺は魔物変身魔術のなにかに変身した後三秒だけ無敵になる特性を利用した、『フレーム回避・超』で華麗に避けきり、遠くの地面に着地した。  

 

だが、避けきったのはいいが空振ったデス・グラッチゴーレムの拳は地面と接触して、その際に人間の苦しんでいる黒い魂が腕の先に集まり地面を消してクレイターを作った。

 

あぶねぇ、当たっていたら、一応当たる部分を大王陸亀《グレートトータス》に変身ておいたが、それでも貫通して確実に潰れていたな。

 

そう思いながら、次の攻撃の構えをとっていると、デス・グラッチゴーレムも次の攻撃の構えをとる。

 

そして、0.2秒のタイムラグを経て、黒い魂のようなものが大量にデス・グラッチゴーレムの中から飛び出してきた。

 

「『聖なる壁《シャイニングウォール》!」

 

俺はそれに前かは考えていた、前方向に両剣を回転させて壁を作り、デス・グラッチゴーレムの攻撃を受け流した。  

 

よし!プロハンターの実力を舐めるなよ、今のでお前の行動パターンはだいたい分かった!

 

俺は、もう一度タイミングを見計らい、『爆転』でもう1本の腕も切り落とすと、またもや黒い尖ったオーラの腕が現れたが、ラートジャンに魔力を多めに注ぎ込み、大量の白い光を纏わせ、コアがある胴体目掛けて。

 

「俺流両剣術、初撃『空中斬』!」

 

俺は、飛び上がり、そのままの勢いで、両剣の一振りをぶつけた。

 

その一撃をうけてデス・グラッチゴーレムのコアは完全に体と分離した。

 

「勝った!」

 

そう空を向いて叫ぶと、空から男の子と女の子がこちらに向かって降ってくるのを見つけた。

 

やばい!どうしよう親方!空から女の子だけじゃなくて男の子も降ってくる!取り敢えず、着地点に緩衝材となるものを置かないと!    

    

俺は、急いでそこら辺の緩衝材となり得るものを探し、女の子と男の子が落下するであろう場所に置いた。

 

そして、女の子と男の子が無事に緩衝材に使った魔物の素材の上に落ちて、怪我一つもなく無事だった。

 

ふ~、良かった、アシッドウルフの毛皮を重ねに重ねただけの緩衝材でなんとかなるもんだな。

 

さて、よく見たら小洒落た服を着ている二人を布団を作って、寝かせてっと、さて、起きるまで、焚き火でもしながら待っとくか。   

 



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第三話「ルーデウス」

前半が殆ど、原作のコピペです。


 

--- ルーデウス視点 ---

 

目覚めると夜だった。

 

目に入るのは満点の星空。

 

木が燃えるパチパチという音。

 

ゆらゆらと揺れる炎の影。

 

 

どうやら焚き火の側で寝ていたらしい。

 

もちろん、俺には焚き火を起こした記憶もなければ、野宿を始めた記憶もない。

 

最後の記憶は………そうだ。

 

空がいきなり変色したと思ったら、白い光に包まれたのだ。

 

そして、あの夢だ。

 

くそ。

 

嫌な夢を見た。

 

「はっ……!」

 

慌てて自分の身体を見下ろす。

 

鈍重で何もできない身体ではない。

 

幼くも力強いルーデウスに戻っていた。

 

それを確認すると同時に、先ほどの記憶が夢のように薄れていく。

 

ほっと一安心。

 

「大丈夫か。」

 

「へっ?」

 

--- ミガナ視点 ---

 

やっと起きたな、どうやら困惑していたようだが、まぁ、魔術かなにかでブレーキをかけていたが、異世界の住人があんな高いところから落ちて無事(肋骨は数本逝っているかもしれない)な事なんて早々ないだろうからな。

 

男の子は数秒間をとり、口を開いた。

 

「おはようございます。」

 

「ああ、所でお前の名前を聞いていいか?あっ、俺の名前はミガナ・ムチョトロだ。」

 

「僕の名前はルーデウス・グレイラットです、この度は助けていただきありがとうございます。」

 

「ああ、助けたことは礼には及ばないが、なんで魔族でないルーデウスと女の子が空から降ってきたんだ?」

 

「女の子……?もしかしてエリスの事ですか!」

 

「エリスかどうかは分からないが、近くに赤髪の女の子を寝かせてある。」   

 

ルーデウスが俺が指さした方を見ると、安心したように息を吐いた。

 

「すいません、話を脱線させてしまって、まず、僕とエリスはアスラ王国のフィットア領にある城塞都市ロアという所に居たんですが、空が光ったと思ったら、光輝のアルマンフィって人がきて、異変を止めに来たと言いました、その人と話していたら、いきなり白い光が押し寄せてきて……、次の瞬間にはここで眼が覚めました。」

 

「アスラ王国か、少し前に聞いたことはあるが、ここからだと結構な距離があるな。」

 

「所でここは何処なんですか?」

 

「ここは魔大陸の端の場所、ナタミタ地方だな。」   

 

俺とルーデウスの会話で目が覚めたのか、エリスが起きてきた。 

 

「うん?誰よ、こいつ。」

 

そう、エリスが俺に向かって恐れを含んだ声でいうと、ルーデウスがエリスに「駄目ですよ、あの人は命の恩人なんですから」的なことを一通り話し終わった後エリスが口を開く。

 

「は、初めましてお目にかかります、エリス・ボレアス・グレイラットです。」

 

「?」

 

俺はエリスの言っていることが頭の上に?を浮かべると心なしか、エリスの顔がひくついた気がした。

 

「すいません、エリスは魔神語習っていないので、人間語しか喋れないんです。」

 

「そうなのか、すまないが翻訳を頼む。」     

 

そう俺が言うと、ルーデウスがエリスに俺が魔神語しか喋れないことを伝えた様子だった。

 

「まぁ、名前とかは良いとして、ルーデウスはこの後どうしたい?」

 

「僕はエリスを預かる身なので、必ずフィットア領に帰したいです。」

 

「そうか、それなら、今日から俺のことは呼び捨てでもいいぞ。」

 

俺が高らかに宣言すると、ルーデウスが顔をかしげ、確認をするような声で聞いてきた。

 

「どういうことですか?」

 

「それは俺が仲間になるという事だ、あと敬語禁止!」

 

「金とかは、大丈夫なのか?」

 

「大丈夫だ、問題ない。」

 

「本当にか?」  

 

「魔物狩りまくって、冒険者ギルドで売り払うサイクルを繰り返していたら何故か自然とかなりの量は溜まっていたから大丈夫だ。」

 

「それなら…、良いが。」

 

「取り敢えず、ここから近くの街に行って乗り物用の魔物を買いに行くぞ!」

 

俺がそう言って、ルーデウス達を引き連れて近くの街、サナに行こうとして行こうとしてたら、エリスが話についていけないのと、挨拶?を無視されてストレスを感じたのが我慢できなくなったのか、顔を真っ赤にして今にも襲いかかってきそうだった。

 

ともあれ、ルーデウスが冒険者ギルドに行くと言ったら、顔色を変えてとてもワクワクしていた表情をした。

 

俺と同じ戦闘狂の匂いを微かに感じた。

  

俺達はルーデウスが「今日は疲れたし寝ていいか?」と言ってきたので、一旦寝て、サナに向かった。 



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第四話「迷宮 前編」

 

俺達は現在、サナでルーデウスとエリスの冒険者登録を済ませて、魔大陸での移動の強い味方のトカゲと二人の武器、防具を買い、魔大陸を横断している。 

 

基本的には、できるだけ速く移動できるルートを選び、途中まで、魔物は俺が倒していたが、ルーデウスがいつ俺が居なくなってもいいように自分達にも戦闘経験を積ませてほしいと言ってきたので、現在はできるだけ連携して戦っている。

 

その時に、俺とエリスが言語の壁に阻まれて、意思疎通がし辛いので、俺はルーデウスから人間語を習っている最中だ。

 

因みに、今の俺の人間語をどれくらい話せるかというと、まだ雑談までは出来ないが、戦闘中の意思の疎通まで出来るようになった、さらに、俺達は現在半年かけて、魔大陸の半分位の地点にいる。  

 

「それにしてもだが、ここら辺、妙に魔物がいないな。」

 

俺のそんな呟きを聞いたルーデウスが口を開く。

 

「たしかに変だな、魔物が居ない分には安全に旅出来るが、ここまで見つからないのも異常だ。」

 

「ルーデウスが居ればきっと大丈夫よ!」

 

エリスがそう断言すると、地面が大きく割れた。

 

俺達はその大きな割れ目に無慈悲にも、飲み込まれた。

 

---

 

「いてて、ここは迷宮か?」

 

俺は、目の前に広がるまるで前に冒険者から聞いたことのある迷宮の特徴を持った建物を見た。

 

「そうらしいな。」

 

ルーデウスがそう言って見つめた先には大量の魔物が居た。

 

「魔物だ!行くぞ!ルーデウス!」

 

俺は両剣を持ち、魔物変身魔術で腕の部分をデス・グラッチゴーレムに、足の部分を大王陸亀《グレートトータス》に変身させて食い気味に魔物達に突っ込んだ。

 

「俺流両剣術、初撃『空中斬』!」

 

俺の放つ一撃でかなりの量の魔物が倒れた。

 

ルーデウスは俺に当たらないように、『岩砲弾』を撃ち、魔物を殲滅していた。

   

途中から、起きたエリスも参戦して、大量の魔物を倒した。

 

そして、魔物変身魔術の影響で俺の腕から生えてきている、デス・グラッチゴーレムの腕での攻撃で倒した敵が最後だった。

 

「ふー、スッとしたぜ。」

 

俺はしばらく魔物を狩れていなかった影響で、溜まっていたストレスを解消できスッキリしていたら、ルーデウスが話しかけてきた。

 

「ミガナ、どうやらここは迷宮らしい。」 

 

「まぁ、そうだろうな。」

 

「ルーデウス!所でここは何処なのよ!」

 

エリスが後ろ方向から、そう大声で聞いてきたのでルーデウスが振り向き、説明した。

 

「迷宮!ワクワクするわね!」 

 

「エリス、僕達の目的はあくまでこの迷宮から出る事ですからね、ですから、エリスの望む、ワクワクする冒険は出来ないと思います。」

 

「そう、それは残念ね!」

 

「取り敢えず、疲れてるだろうし、一旦ここで休憩を取るか。」

 

俺がそう言うと、二人は了承の言葉を発して、地面に座り、武器などの整備を始めた。   

 

因みに、俺の両剣は鉄製でもない為、錆びないのと、普通の武器であれば、血糊を浴びれば切れ味が落ちるが、俺の両剣は何故か血糊を浴びても、吸収して切れ味が増す、妖刀の様な仕様なので手入れがいらないのだ。

 

さて、状況を整理するか。

   

まず、ここは推定迷宮、そして、ここがどこまで深いのかもわからない、地上に出る方法としては、落ちてきたなら、落ちた所から登ればいいじゃない作戦も、さっき見たが、それらしきものが見つからなかったからな。

 

どうしたものか、俺一人なら、迷宮内の魔物を絶滅させて出るだけで良かったんだが、その作戦を今の状況でやるとなるとなると…、まだ幼いエリスをそんな滅茶苦茶な作戦と呼べるか怪しい作戦に巻き飲めないからなー。

 

無難に、外に出れるまでマッピングしながら行くか、あっ、一応、ルーデウスの意見も聞いておくか。

 

俺は座り込んで休んでいるルーデウスに話しかけた。

 

「ルーデウスはなにか案はないか?」 

 

「そうだな…、やはり、外に出るまで地図を書きながら探索するしかなさそうだな。」 

 

「よし!ルーデウス、エリスにもう少しで、移動すると伝えておいてくれないか?俺はサンドリザードを探しに行く。」

 

「分かった。」

 

トカゲを早く見つけて、出発だ!  

 



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第五話「迷宮 中編」

 

俺は近くで身を潜めあっていたトカゲ3体を回収して、迷宮脱出の冒険に出た。

 

俺達が落ちた所から、しばらく進んで、分かったことがある、それはこの迷宮が大迷宮と言われる程、広いことだ。

 

どれだけ広いのかと言われれば、数日間歩いていても、上に上がる階段が見当たらない程ある。

 

正直言って、この迷宮に階段が有るのかは分からないが、確実にこのままの状態だった場合、俺達は全滅するだろう。  

 

原因は何かというと、食糧問題だ、水はルーデウスの水魔術で何とかなるが、他のものは、今持っている数日分の干し肉しか無い。

 

魔物を食べようにも、ここの魔物は全てが食えたものではない程硬かったり、毒があったりするものばかりなのだ。

 

なので、何としても数日以内にこの迷宮から出ないといけない。

 

そして、そんな俺の願いに応えたのかは分からないが、一本道を歩いていると、扉が見えてきた。

 

俺達はその扉に罠が無いことを確認して、恐る恐る開けた。

 

その扉の先で待っていたのは、電光石火の勢いで広い部屋を駆け巡る、羽がない鳥だった。      

 

その姿はあまりにも速い、そんな速度で走っている為、己の体を物理的に燃やしながら、残像を作っている。

 

そして、その奥には日がさしている階段があった。

 

「ヒャッハー!魔物だ!守護者《ガーディアン》だ!」 

 

俺は初めて見た守護者《ガーディアン》に興奮して、魔物変身魔術を使い、腕をデス・グラッチゴーレム。

 

頭をこの迷宮に腐る程いた、騎士の甲冑みたいな頭をしているダンゴムシの魔物、ナイトヘルバックにし。

 

胴体をこれまた迷宮に腐る程いた、岩を纏っていたモグラのモンスター、ロックモルに。

 

最期に足を以下同文の水で構成されていた像のモンスター、ウォーターエレファンㇳにして突っ込んだ。

 

食糧問題で若干おかしくなっていたテンションで、守護者《ガーディアン》に突撃し、俺流両剣術、連撃『狙い付き』を使って、攻撃したが、急に加速し、守護者《ガーディアン》は、俺の『狙い付き』を回避した。

 

俺が突っ込んだ後から、エリスが飛び込んで来て、守護者《ガーディアン》の眼の前に立ちはだかるが、器用にエリスを避けて、エリスを弾き飛ばした。

 

少し燃えながら、弾き飛んいるエリスをルーデウスが『水壁』を使い、エリスを受け止める。

 

守護者《ガーディアン》がこちらに向かって、足止めの為にブレスを吐き。

 

部屋の壁まで突進する。

 

「『泥沼』!」

 

ルーデウスが部屋の壁に突進している守護者《ガーディアン》の先に、そう簡単には避けられないほどの泥沼を作った。

 

そこに見事に守護者《ガーディアン》がハマった。

 

俺とエリスはそのチャンスを見逃すものかと、守護者《ガーディアン》に近づくと、守護者《ガーディアン》は力尽くで、沼から出た。 

 

そして、壁に見事にぶつかった。

よ俺とエリスは怯んでいる、守護者《ガーディアン》に再び向かった。

 

守護者《ガーディアン》は俺とエリスを無視し、また他の壁にぶつかりに行く。

 

その行為を俺達は邪魔しようとしたが何十回度も繰り返させてしまい、俺は一旦冷静になって考える。

 

そう言えばだが、なぜわざわざ、自ら壁にぶつかりにいこうるんだ?もしかして、壁にぶつかることにより、何かギミックでも発動するのか?

 

そう思い、守護者《ガーディアン》に目線をやりつつ、部屋になにか無いかと探すと、天井になんの魔術の魔法陣か分からないが、とんでもなく、大きく緻密な魔法陣を見つけた。 

 

そして、床には守護者《ガーディアン》が残した跡を見る。

 

……まさか!これは!

 

「ルーデウス!エリス!危ないから下がれ!」

 

俺がそう言うと、急いでエリスとルーデウスが下がった。

  

エリスとルーデウスが下がったと同時に、守護者《ガーディアン》が残した跡に大量の魔力を流し始めた。

   

 



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第六話「迷宮 後編」





魔力は、巨大な魔法陣に徐々に流れていく。

 

一部の魔法陣が発動したのか、俺達は守護者《ガーディアン》の描いた魔法陣の下に引き寄せらせられる。 

 

「ルーデウス!俺は大丈夫だ!先にエリスを助けくれ!」

 

ルーデウスはエリスを間一髪で風を作り魔法陣の外に出し、ついでにルーデウス自身も魔法陣に脱した。

 

続け様に俺を助けようとした時。

 

魔法陣に魔力が完全に流れ、魔術は発動される。

 

魔法陣の中から出てきたのは、白亜紀の恐竜も絶滅するほどの巨大な隕石だった。  

 

「やっぱり、巨大な技を避けるのは狩りの基本だよな!」

 

俺は高速で落ちてくる、隕石をギリギリの所で変身を解除して、『フレーム回避・超』で避けた。

 

だが、これでは終わりではなかった、そう、雷が雨のごとく降ってき、隕石が再生して、爆破の兆しを見せたのだ。

 

くそっ、まだ終わりな訳はないか、だが、ハンターとしてはモンスター相手には絶対に負けたくはない!

 

ルーデウスとエリスがあまりの雷の雨に何もできないでいた。

 

俺は、死ぬ程以下略、雷のカタツムリ、サンダースネールに頭を変身させて、雷を無効化した。

 

隕石が爆破すると同時に『フレーム回避・超』を使い、隕石の爆破を防ぎ、そのまま、守護者《ガーディアン》目掛けて向かう。

 

俺は、防御を完全に捨てて、一撃を放つ。

 

「俺流両剣術、特撃『神風一天突き』!」

 

守護者《ガーディアン》は俺の攻撃を避けようと、横に避けようとしたら。

 

ルーデウスが作った、泥沼で邪魔され、俺の攻撃をモロに食らった。

 

だが、守護者《ガーディアン》はしぶとく、まだ生きていた。

 

しかし、その数秒、守護者《ガーディアン》が魔力を流さなかった為、雷の雨は止み。

 

そこにエリスが『無音の刀』で真っ二つにし、止めをさした。   

   

止めをさすと、守護者《ガーディアン》の中から、魔石、貴金属、魔付与品《マジックアイテム》が出てくる。

 

「勝った!さて、報酬の魔石等を回収して外に出るぞ!」

 

俺のその言葉にルーデウスとエリスは賛同し、魔石等を回収し。

 

瀕死になっていたトカゲをルーデウスが回復して、日が差す階段より、外に出た。

 

翌日。

 

俺達は、無事に近くの街に着き、宿を取った。

 

そして、今はルーデウスとエリスを集めて、話し合いをしている。

 

「さて、報酬の分配をするか、まず、報酬は、大きく鮮やかな黄色の色がついた魔石、魔付与品《マジックアイテム》等、貴金属、貴金属はミリス大陸に着いたときに換金して、旅の資金にしようと思っているが、いいか?」

 

因みに、魔付与品《マジックアイテム》は合計6つと普通の迷宮攻略と比べたら、ショボいがそのどれもが実用的で価値を持っているものだった。

 

「異論はない。」 

  

「ルーデウスが言うなら私も同じよ!」

 

「そうなると、残るのは魔石と魔道具になるわけだが、なにか欲しいものはあったか?」

 

「私はこれがいいわ!」

 

そう言って、エリスが指さした、魔付与品《マジックアイテム》は、とても青く、清々しい程、禍々しい剣で、炎を纏うことが出来る魔道具だった。  

 

「俺は、勿論いいがルーデウスはなにか言うことはないか?」

 

「ああ、特に異論はない。」

 

「それじゃ、エリスの取り分は炎を纏うことが出来る剣の魔付与品《マジックアイテム》と何にする?」

 

「ミガナはどうするんだ?」

 

「俺は残ったものをもらう。」

 

俺の言葉を聞いたルーデウスは再度確認するようにこちらに、話しかける。

 

「良いのか、それで?」

 

「ああ。」

 

「それなら、俺は、このものに引っ付く事が出来る手袋の魔付与品《マジックアイテム》を貰う。」

 

そこから、残りの跳躍力が上がる靴の魔付与品《マジックアイテム》をエリスが、ルーデウスは防御膜?のようなものが出る腕の魔付与品《マジックアイテム》と、鋼のように硬くなる首巻きの魔付与品《マジックアイテム》を。

 

残りの、無限に伸びるロープの魔道具と魔石は俺が貰うことになった。

 

これで、ルーデウスとエリスはかなり強くなるな、と言っても、完全に魔付与品《マジックアイテム》頼りだから、エリス辺りに必要以上に上長しないように釘を刺して置こう。

 

俺達は迷宮での疲れを取るのに一週間使い、街から出発した。

 

魔大陸からミリス大陸に渡るために必ず行く、ウェンポートまでもうすぐだ。 

    

  

 

    

 

 

 



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