幻想の賢者はトップ動画配信者を目指すようです。 (架空柿)
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動画配信をする為の環境作り

さてさて、ちょっと挑戦的な作品ですね。


 MyCable…外の世界で物凄く利用されている動画配信サービス。活動者を『MyCabler』と呼び、その内人気な活動者は名声や富を得ると言う。

 

 

 

 紫は最近外の世界で流行りの『MyCable』を菫子に見せられていた。

菫子「どうですかね?面白いですよね?」

紫「まあ確かに。面白いわね。こんな馬鹿みたいなことで人気を得られるなんて。」

菫子「それって褒めてるんですか?」

紫「さあね。」

 紫は微笑んだ。

菫子「あ、そろそろ目覚めるので、ではまた今度。」

 菫子は夢から覚め、幻想郷から消えた。

紫「ふふふ、良い事聞いたわ。面白そうじゃないの。治安維持とかは霊夢とかに任せて、結界の管理も霊夢に任せて私も始めましょ!藍?居る?」

藍「紫様、どうされましたか?」

紫「聞いてたわよね? 」

藍「聞いてました。」

紫「取り敢えず外の世界で住居とカメラとかを用意してきて頂戴。」

藍「かしこまりました。」

 藍をスキマで送った、紫はどんな動画を投稿しようかを考えた。

紫「確か『しーじー』?て言うのがあるのよね。で、そのレベルが上がってるから非現実的なのは全てしーじーを疑われる…最高じゃない。なら、外の世界に幻想をばら撒きましょ!そしたら妖怪の地位向上するし生きやすくなるわぁ。」

 開いておいたスキマから藍が帰ってきた。

藍「終わりました。」

紫「早いわね。さすが私の優秀な式神、藍ね。私を住居に案内して頂戴、そしたら休憩してていいわよ。」

藍「了解しました。」

 藍は紫をスキマに入らせた。

       〜外の世界 東京〜

 紫と藍は外の世界に着いた。(因みに、紫が境界を弄ってるので幻想郷の住人の能力は問題無く使えます。)

紫「あら、広いのね。」

藍「はい。紫様が渡したお金ではここが限界でした。」

紫「十分よ。」

 土地面積は400㎡であり、相当広い家である。中古だから安く、時間短縮ができたが。

紫「撮影機器は?」

藍「こちらに。」

 藍は性能の高いパソコンやカメラなどを出した。

紫「ふふ、完璧ね。」

 紫と藍は機械を家に入れ、箱から出し、組み立てて、それぞれを置いた。

紫「ふう、まあこれで後は撮るだけね。」

藍「では、私は休憩してきます。」

紫「お疲れ様。」

 藍はスキマに入っていった。

紫「さてと、どんな動画を撮ろうかしらね〜。」

 そう考えながら、紫はMyCableのアカウントを作り、チャンネルを創設した。

紫「チャンネル名は…『幻想賢者 紫』が良いわね。」

 紫はチャンネル名を決めた。そして、紫はカメラをセットした。




紫は少し金持ちにしました。(鈴奈庵で博麗神社に外の世界の二千円札ぽいのを賽銭箱に入れてた気がしますので。)


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初動画撮影

 のーこめ


紫「どうも、皆さん初めまして。幻想賢者、紫よ。」

 紫は境界を弄って、ほんの少しだけ見た目年齢を若くして撮影を始めた。

紫「さて皆さん、まずは最初なのでこのチャンネルの趣旨を話すわ。突然だけど、私はとある能力を持ってるわ。今からそれをご覧に入れましょう。」

 紫はスキマを開き、カメラを落下、一回幻想郷の迷いの竹林に落とし、再度スキマで回収し、元の場所に落とす時に、衝撃を境界を弄ることで無くした。

紫「このように境界を操れるわ。あ、今のを見て『しーじー』だと思った人はちょっと待って頂戴。」

 紫は立ち上がり、動画の『画面の中と外の境界』を弄り、罠っぽいものを仕掛けた。

紫「ふふふ、今頃そちらでは私の手が出てるでしょうね。まあ、理解して貰えたかしら?理解して貰ったとして話を進めるわ。それで、このチャンネルでは私の『友達(幻想少女) 』を呼んで、その子達と色んな事をやったり、私のこの能力を使って色々な事をしていく予定よ。それじゃあ、今回の動画はこれぐらいで終わるわ。それでは、次回からお楽しみにね。」

 紫はスキマでカメラの撮影を止めた。

紫「…ふう、意外と疲れるものね。」

藍「お疲れ様です、ところで紫様、お言葉ですが、普段よりお肌の色が良いですね。なんというか、普段よりも若い気がしますが…」

紫「…さてと、編集ねぇ。」

藍「あの、聞いてますか紫様?」

 紫はスキマに手を突っ込み、メイド服の銀髪の少女、『十六夜咲夜』を引っ張り出した。藍はもう諦めて今回気にしたことは無視するようにした。

紫「私と貴方以外の時を止めれるかしら?」

咲夜「…厳しいですね。 」

 咲夜はイライラしながら答えた。

紫「あらそう。急に引っ張り出してごめんなさい。」

紫は咲夜をスキマに入れ、帰した。

紫「頑張るしかないわね。」

 紫はパソコンを開き、編集をしようとした…が、初めて触るものに戸惑い、編集どころでは無かった。

藍「ちょっとやってみます。」

 藍は予めこの事を予想し、店で練習していた為順調と進められた。紫はその様子を見て、編集方法を理解した。

藍「理解しましたよね?」

紫「ええ。勿論。」

 藍の三途の川の川幅を求める頭脳もそうだが、紫は北斗七星が北極星を食うまでの時間を一瞬で求めることもできるという藍よりも良い頭脳を持っており、藍の一連の動作を見て、完全に編集方法を理解した。そして、14分程で動画は完成した。途中で自分の手が襲ってきたが、扇子で叩いて反省させた。そして、完成した動画を『MyCable』に投稿した。

 タイトル:『初めまして。賢者です。』




 サムネイルは脳内補完してください。
 動画が短い気がしますが、一応動画時間は3:54です。


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反応と交渉

のーこめ



 『初めまして。賢者です。』

視聴回数:43回 チャンネル登録者数:+14人

コメント:2件

青い部屋好き:『うわなんだこの腕!?どんな仕組みだ!?』

アンハッピーメタルフレンズ:『途中の景色が変わったところ、竹林みたいなの見えなかった?』

 

紫「まあ初めはこんな感じよね。これから人気になればなる程この数字が伸びる…楽しみね。」

 紫はテレビをつける。するとニュース番組で、『幻の料理』特集をしていた。紫がチャンネルを変えると普通のニュースしかやってなかった。

紫「ま、この位の認知度だとこうよね。」

 紫は不敵に笑い、テレビを消した。

藍「どうされましたか紫様。」

紫「あ、藍。ちょっと私幻想郷に行ってくるわ。」

藍「わかりました。お気をつけて。」

 紫はスキマを開き、その中に入り、幻想郷へと向かった。

      ~幻想郷 博麗神社前~

 紫は神社の前の鳥居に降り立った。

霊夢「……何の用よ。」

紫「取り敢えずこれ見て頂戴。」

 紫は例の『初めまして。賢者です。』を霊夢に見せた。

霊夢「うわ!何この腕!新しく妖怪作ったわね!」

 例の腕はお祓い棒で叩かれ、拗ねて帰っていった。

霊夢「…で、見たけど。」

紫「私ね外の世界でこの活動写真…動画っていうのを公開してるの。」

霊夢「げ、まさか…」

紫「貴方も出て頂戴♪」

霊夢「やだ。」

紫「何でよ。」

霊夢「何でもよ。」

紫「…あーあ。折角撮って公開したらお金が貰えるかもしれないのに。」

 霊夢が少し反応した。

霊夢「ふーん…で、どんぐらい?」

紫「稼げてる人は1000万位…」

霊夢「ふ~~…そうねぇ。最近神社の経営費とかピンチだし…ま、たまにはあんたの欲求も叶えてあげようかしら。」(アガサクリスQの新作とかお酒とかお茶が買い放題…!)

 霊夢はそう思い、同意した。しかし、紫は一つだけ隠した。それは…

紫(まあ、『MyCable』で収益を得るための条件には程遠いけどね。)

 収益化の条件を全然達成しておらず、まだ収益は一円も入ってこないことである。

霊夢「早速動画にしましょ!」

紫「何を撮るのよ。」

霊夢「決まってるでしょ!神降ろしよ。」

 霊夢はさらっとヤバイことを言った。そんなことを投稿して(宗教的な問題で)炎上しないか心配になり、紫は一応調べた。すると意外と神降ろし(胡散臭いが)の動画は出てきた。

紫「コメントも…そんなに荒れてないわね。よし。それじゃあ撮影しましょうか。」

霊夢「わかったわ!」

 紫は外の世界からカメラをスキマで取り出し、カメラの前に立ち、撮影を始めた。




 ちなみに紫はネット用語を少し勉強してます。


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真・神動画

 嘘はついてない。


紫「はいどうも皆さんこんにちは。幻想賢者、紫です。今日は私の友達が巫女をしている神社に来ています。それじゃあ、早速、友達に出てきて貰いましょう。」

 霊夢は紫に『友達』と言われたことを少し不服に思いながらカメラの前に立った。

霊夢「どうもこんにちは。幻想巫女、霊夢よ。」

 霊夢は紫を真似て言った。

紫(あ、良いわねそれ。『幻想○○、□□よ。』を他の出演者にも言わせましょ。)

 紫はそう思った。

紫「さて、今回は霊夢の特技を見せるわ。霊夢には空中浮遊とかの特技が沢山あるんだけど、その特技の中の一つ、神降ろしを今回は見せるわ。」

霊夢「普通神降ろしていうのは自分の身に神様を宿して言葉を代弁するものなんだけど、私は神様の力を使うことができるわ。」

紫「私が昔教えたわ。」

霊夢「それじゃあまずは『金山彦命』を降ろすわよ。」

 霊夢はしゃがみ、何か呪文のようなものを唱え始め、暫くして、詠唱を止めた。

霊夢「降ろしたわ。」

紫「そしたらこの鉄塊を触れずに鉄板にして頂戴。」

 霊夢が鉄塊を見つめると、一瞬で鉄塊は砂のようになり、板状に再構成された。

霊夢(なんか見たことあるな…主に月で。)

紫「見たかしら?まあ少し地味だったけど。」

霊夢「こら。神様になんて事を。」

紫「あら御免なさい。」

霊夢「まあいいわ。それじゃあ、一回『天宇受売命』を挟むわ。勘の良い人ならわかるかしら?」

 霊夢は呪文を唱え、その後舞を披露した。

霊夢「これで下準備は良いわ。それじゃあ、私の修行の成果を披露してあげるわ。さあ、岩戸は開かれるわよ!」

 霊夢は『天照大御神』を降ろした。すると太陽に等しい光が四方八方に放たれた。紫は傘を差して日光から自分を守った。

霊夢「毎日ちょっとずつやってやっと降ろせるようになったわ!」

紫(成長したわねぇ。)

 霊夢はカメラの前で日光の起動を使って『終わり』という字を書いた。紫はスキマを使ってカメラの撮影を止めた。

紫「ふふ、お疲れ様。成長したわね。」

霊夢「勿論よ。勉強も少しやってるわ。」

紫「そうだったのね。てっきり毎日サボってるのかと。」

霊夢「失礼ね!」

 紫はスキマで家に帰った。

霊夢「あ、逃げた。」

        ~外の自宅~

 紫はパソコンを開き、編集を始めた。

        ~数分後~

 動画が完成した。完全に編集をマスターしたことで数分で終わるようになった。

藍「お帰りなさいませ。探しましたよ。何処に行ってたんですか?」

紫「博麗神社に撮影しに行ってたわ。」

藍「そうなんですね。心配しました。」

 紫は『【神動画】友達の特技紹介』をアップした。




 あの時から15年位。流石に霊夢も修行してると思います。(東方内の時間の流れは分かりませんが。)


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神事への反応と睡眠

 そんなにタイトル関係無いかも。


 『【神動画】友達の特技紹介』

視聴回数:154回 チャンネル登録者数:+57人 高評価数:46

 

コメント:5件

 

黒木:『これってCG?』

終わった夏休み:黒木さんへの返信『でも前回の動画見た感じCGじゃない可能性も…』

かきくけこ:『うおっ!眩しっ!』

ブルー兄さん:『霊夢ちゃんの腋めちゃえっっっだな。』

赤い鯨:『しかしながら宗教的にMyCableに投稿して大丈夫なのか?』

 

紫「前回よりもまあまあ上がったわね。」

 紫は霊夢と一緒にコメントを見た。

霊夢「この『えっっっ』てなにかしら?」

紫「さあ?でも調べちゃいけない雰囲気…検索してはいけないような雰囲気の言葉ね。」

霊夢「け、検索?」

紫「御免なさい。独り言よ。」

霊夢「で、収益はいつ頃出るの?」

紫「うーん、この調子だとまだかかるかしらね。まあ安心して頂戴。私が頑張るから。」

霊夢「…はぁ、話と違う気がするけどまあ良いわ。昨日の撮影で疲れたからまた寝るわ。」

 霊夢は神社の奥に入った。

紫「ま、取り敢えず外に行きましょ。」

 紫はスキマを開いた。

紫(…このぐらいだとあまり期待してる結果は出ないでしょうね。)

          ~外の世界~

 紫は外に到着した瞬間にテレビをつけ、ニュースを流した。

キャスター「続いてのニュースです。本日、全国各地で気温が例年よりも7℃高い値を観測しました。先日までは通常だったのに一体何が起こったのでしょう?また、紫外線も強いとの事なので日焼け対策を徹底してください。」

紫「さすが、最高神ね。あんな少人数でも力が増す。」

 紫はテレビを消した。

藍「お帰りなさいませ。」

紫「ええただいま。」

藍「今回の動画はどうでしたか?」

紫「ぼちぼちね。もう少し頑張りましょ。」

藍「私も御一緒させていただきます。」

紫「有り難う。まあ取り敢えず今日は寝るわ。最近よく寝れてないの。」

藍「そうでしたね。では、おやすみなさいませ。」

 紫はベットに入り、藍は電気を消した。

紫(…さてと、次の企画はどうしようかしらね。まあ無難に早苗にでも任せようかしら。ま、早苗にしましょ。そういえば、菫子も『MyCable』使ってるのよね。私の動画を発掘したらどんな反応するかしら?楽しみだわぁ。あ~流石に眠くなってきたわ。おやすみなさい。)

 紫は眠りについた。

        ~日本の何処か~

 秘封倶楽部初代会長こと宇佐見菫子は『MyCable』で面白そうな動画(もとい炎上しそうな動画)を探していた。

菫子「皆勇気無いねぇ。…お、何これ?『【神動画】友達の特技紹介』?」

 サムネイルには楽園で知り合った巫女の姿があった。




 活動報告にもあるように、コロナ陽性でした。


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人工奇跡

のーこめ


 紫は最近眠れてなかったのも関係して32時間後に目が覚めた。時間帯は朝。

藍「おはようございます。紫様。」

紫「ああ、藍。おはよう。」

藍「本日は撮影されるのですか?」

紫「ええ。ちょっと幻想郷に行ってくるわ。」

 紫はスキマを開き、幻想郷へと向かった。

        ~守矢神社~

 早苗が早起きし、朝食を調理していたとき、スキマが開き、紫が現れた。

紫「早苗、ちょっと良いかしら?」

早苗「はい?何でしょう。」

 早苗は奇跡の火を消し、エプロンを外して紫のところに向かった。

紫「早速だけど、私最近ね動画を全世界に公開し始めたの。」

早苗「ああ、『MyCable』ですか?でもあれって少し無名じゃないですか?私が幻想郷に来る前の知識ですけど。」

紫「けっこう人気になったのよ。『MyCable』は。」

早苗「そうなんですね。」

紫「で、貴方も出てみない?」

早苗「ええ!是非。」

紫「で、外の世界で海を割る奇跡ってできるかしら?」

早苗「外の世界ですか…外では信仰がないので無理ですね…そこの湖ならできますけど…」

紫(まだ私のチャンネルも認識されてないのも考えると湖が妥当ね。)

紫「それで行きましょう。」

 紫はカメラをスキマから取り出し、二人は湖に向かった。

早苗「準備しますね。準備『サモンタケミナカタ』」

 赤と青の五芒星が描かれ、分解されていく。

早苗「……これで準備は大丈夫です。」

 紫は撮影を開始した。

紫「どうも皆さんこんにちは。幻想賢者、紫よ。今日はとある神社に来ています。今日はここの巫女さんが奇跡を起こしてくれるようです。巫女さんを紹介します。」

 早苗を写す。

早苗「どうも!幻想奇跡、早苗です!」

紫「では早速見せて貰いましょう。」

早苗「お任せください!」

 早苗は湖の方を向き、呪文を詠唱し始めた。3分後、湖は中心から割れていった。『モーゼの奇跡』を応用した『開湖の奇跡』である。

早苗「どうでしょう!守矢を信じればこのような奇跡が!」

紫「というわけで!」

 早苗が暴走(布教)し始めたため紫は強制的に止めた。

紫「チャンネル登録もお願いね。では、また次にお会いするときまで。」

 紫は撮影を終えた。

紫「お疲れ様。」

 早苗は我に返る。

早苗「すいません。勝手に布教してしまって。」

紫「大丈夫よ。」

 紫はスキマから帰った。

          ~外の世界~

 紫は編集を始めた。(呪文詠唱は倍速した。)

紫「よし、終わりっと。」

 紫は『【奇跡】現代のモーゼ』を投稿した。

藍「撮影してきましたか?」

紫「ええ。ばっちり。」




 余談ですが風神録頒布時点でYou████は存在してました。関係ない余談ですが。


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類は友を呼ぶ

 のーこめ


 『【奇跡】現代のモーゼ』

視聴回数:5917回 チャンネル登録者数:+1465人 高評価数:46 計:1536人

 

コメント:53件(一部抜粋)

スケルトン先生:『モーゼとは聖書において海を二つに分ける奇跡を起こしたといわれる人物。(超ザックリ)』

黒木:『ところでこの神社何処?』

犬のラーンくん✔️:黒木さんへの返信『見たところ過去にあった神社消失事件の際に消えた神社に似てますね…』

ウミヘビさん:『この動画のサムネ見たら無性に見たくなったけど何でだろ?』

ブルー兄さん:『早苗ちゃんの服装も霊夢ちゃんみたいで良いね 』

 

紫「……はい?」

 紫は突然増えた数字に困惑した。ちなみに、この影響で過去動画も視聴回数が2000回ぐらい増えた。

藍「紫様、先程幻想郷見回りの際、早苗様よりこの手紙が。」

 紫は手紙を受け取り開封した。

早苗『紫さんの動画に商材繁盛、今回の場合、視聴回数増加の奇跡をかけておきました。』

紫「…早苗、有り難う。」

 紫はテレビをつける。

キャスター「続いてのニュースです。日本各地で湖が真ん中で割れるという現象が…」

 チャンネルを変える。 

キャスター「速報です。先程、神明神社にて一人の男性の焼死体が発見されました。男は日光に焼かれたような跡が残っており、賽銭泥棒であると推測されています。」

藍「紫様。何かされましたか?最近の動画に関連があるように思えますが。」

紫「…幻は広く知られると現となる。天照大御神は最高神なだけあるわ。」

藍「…どういう意味ですか?」

紫「じゃあ私は次のネタ探して来るわ。」

 紫はスキマに入った。

藍「?」

          ~地霊殿~

 紫はさとりの前に現れた。

さとり「…こいしですか?こいしの場所は分かりませんね。ああ。ペットに探させてみます。」

 お燐がさとりのところに来る。さとりが何か話し終わると燐が何処かへと行った。

さとり「まあ暫くお茶でも。」

紫「…相変わらずね。」

さとり「それはどうも。」

紫「能力の過大評価も相変わらずと。」

 燐が戻ってきた。

燐「今回は割りと近くにいました!」

さとり「お疲れ様。」

 燐は何処かへとまた行った。

紫「こいし。この機械を持って外の世界で『メリーさん』をやってくれるかしら?殺しはしないで。」

こいし「いいよー。どうせ暇だし。」

紫「有り難う。それじゃあ、今良いかしら?」

こいし「わかった!」

 二妖はスキマに入った。

さとり「さてと、作業でも終わらせちゃいましょう。」

         ~外の世界~

紫「じゃあ、これ持ってと。よし。じゃあ、頑張ってね。『メリーさん』。」




 どうやら紫は何か企んでるようです。


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無意識な電話

 のーこめ


 紫はこいしを別の場所から放浪しないか念のため監視するためにスキマを開いた。こいしは紫から渡された紙に書かれた電話番号(こっそり紫が適当な人のを盗み見たもの)に電話を架け、カメラを起動した。紫がこっそり対象の家に侵入し、相手の電話に『メリーさん』で登録していたため、相手はすぐ出た。

相手「もしもし?」

こいし「もしもし~!私メリーさん!今██駅に居るの!」

相手「え?」

 こいしは電話を切り、撮影を中断したこいしは地図アプリ(紫に教わった)を開き、紙に書かれてる住所を入力した。こいしは奇跡的にその指示の通りに動き始めた。

紫(こいしが放浪しないわ。『無意識』と『意識的』の境界を少ーし弄ったからかしら。)

 紫も後を追う。

         ~数分後~

 こいしは次の電話スポットに着き、早速電話を架け、撮影を再開した。

相手「もしもし…」

こいし「もしもし~!私メリーさん!今███商店街に居るの!」

相手「さっきからなんn」

 こいしは相手が話してる途中に電話を切り、撮影を中断した。

こいし「ふんふふーん!」

 鼻唄を交えながら次の目的地へと進んでいった。

         ~数分後~

 目的地に着いたから、電話とカメラを準備した。

相手「……もしもし…」

こいし「もしもし!私メリーさん!今███公園に居るの!」

相手「近づいてる…本物?」

 電話を切り、撮影を中断した。歩き始めようとしたとき、変な男が絡んできた。

男A「そこの嬢ちゃん!俺らと遊ばね?」 

こいし「…」

 紫はこいしの背後にスキマを開いた。

紫「思いっ切りやっちゃって良いわよ。」

 こいしはそれを聞くと、笑顔になった。紫が離れるとこいしはこう宣言した。

こいし「『サブタレイニアンローズ』!」

 赤と青の弾幕が同心円状に広がり、球が順番に薔薇が咲いていき、球に戻っていった。男達はこれに10発程当たり気絶した。こいしは次の目的地へと向かった。

          ~数分後~

 到着し、準備した。

相手「辞めてください辞めてください辞めてください…」

こいし「もしもし!私メリーさん!今██████マンションに居るの!」

相手「私のマンション…」

 電話を切り、撮影を中断した。

こいし「…入れない。」

紫「手伝うわ。」

 紫は外とマンションの中をスキマで繋げた。

         ~数十病後~

 着き、準備した。

相手「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

こいし「もしもし!私メリーさん!今扉の前に居るの!」

相手「ひい!」

 電話を切り、撮影を中断した。紫は部屋の外と中をスキマで繋げた。

こいし「最後はさ、貴方が撮影してさ、視聴者が状況を分かりやすくしようよ!」

紫「わかったわ。」

 こいしはカメラを渡した。

         ~数秒後~

 こいしは低空飛行で相手の真後ろに止まった。そして、電話を架けた。

相手「見逃してください!」

こいし「もしもし!私メリーさん!今あなたの後ろに居るの!」

 相手は驚いて後ろを振り向いた。その瞬間、こいしは相手をナイフで刺…すわけなく、ハグをした。

こいし「怖がらせてごめんね!」

 こいしは紫から渡されてた三十万円を渡した。

こいし「これ協力料と謝罪料!」

相手「え…あ…え?私生きてるの?」

 相手は戸惑いを隠せずにいた。そこに紫が現れる。

紫「部屋に勝手にお邪魔して申し訳ございません。私『My

Cabler』なのですが、この『メリーさんごっこ』を動画にしたくてお邪魔させていただきました。投稿してよろしいですか?」

相手「は、はあ…まあ良いですけど…顔にモザイク入れてください。部屋侵入に関しては犯罪目的ではなさそうですし大丈夫です。」

紫「分かりました。有り難うございます。」

 こいしと紫は外へ出て、紫はこいしを地霊殿へ、自分は家へとスキマで移動した。

          ~自宅~

 紫はいつも通り編集(今回は周りの風景をぼかしたり、相手の顔にモザイクを入れたり、施設名を伏せたり、最後に『この動画は関係者の許可を得て撮影、投稿しております。』と記載したりと炎上対策を万全に)し、『もしもし…私…』を投稿した。




 紫とかは犯罪紛いのこと(住居侵入罪とか)をしてましたが、皆さんは真似しないでくださいね。


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短時間動画の影響

 のーこめ


 『もしもし…私…』

視聴回数:35624回 チャンネル登録者数:+2456人 高評価数:4523 計:3992人

 

コメント:152件(一部抜粋)

黒木:『メリーさん的に結末が不安でしたがMyCableにも投稿できるようにしていて安心しました。』

野球辞めようぜ集団:『いつもとテイストが違うけどこの雰囲気も好き。』

heaven in puppy:『Prrrrrr…』

植物を育ててしまった少女:『電話の時の主さんの声が違う…』

MMM普通放送:植物を育ててしまった少女さんへの返信『この動画の撮影者は主さんとは別人じゃないの?』

 

紫「ふふふ、やっぱりこっちだと再生数も稼げるわね。」

 なぜ今回の動画がこんなに伸びたのか、気になる人もいるだろう。そう、今回の動画は今までとは違い、『brief』という、短い動画が次々と流れてくる形式の物を投稿した。『brief』はその性質上、様々な人に見てもらいやすいため、伸びやすい傾向にある。紫はテレビのニュースを着けた。

キャスター「速報です。現在全国的に背面から何者かに抱きしめられるという事件が発生しております。被害者によりますと、『メリーという人から数回電話が架かり、【今、あなたの後ろに居るの。】と言われた後に抱きしめられた。放された後に後ろを見ても誰も居なかった。』とのことです。」

 テレビを消した。

紫「これでも影響出るわね。」

 紫が次のネタを考えてると部屋に藍が入ってきた。

藍「前言ってた『幻は広く知られると現となる』ってこっちでは『非常識』、つまり『架空』とされてるものを動画で拡散し、架空ではないことを示すことで『現実』となることですか?でもこれだと問題が起こる気がしますが…」

紫「…『常識』と『非常識』の境界を弄ることは少し難しいの。そこで動画にすることで少しでも『常識』に近づけることで『非常識』を『常識』にしやすくすることができる。そうすることで幻想郷から外に出せる。まあ動画の内容で本来の性質から変わってしまうようだけど。それじゃあ、私は幻想郷に行ってるわ。」

 紫はスキマを開き、中へと入った。

         ~博麗神社~

 神社に出てみた紫の目の前には外の女子高生、『宇佐見菫子』が立っていた。

菫子「紫さん、『MyCable』に動画投稿してますよね!」

紫「人違いよ?」

菫子「霊夢さんからも証言もらってます!」

 誤魔化しきれないと察した紫は諦めて説明した。

  ~少女説明中~

菫子「はえ~、そうなんですか。私も出してくださいよ!」




 ついに菫子に見つかる!


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サイキッカーU!!

 のーこめ


 紫は少し困った。菫子はただ(超能力者)の外のJKであり、その力を公にすると守りきれないかもしれないからだ。しかも最近は眠ってることが多く無防備。

紫「ちょっと失礼。」

 紫は色々な境界を弄って声質、容姿、服装、輪郭、歯並び、指紋に至るありとあらゆる個人情報を一回別の物にした。安心して欲しい、今の菫子は夢の中の菫子であり、目覚めたら元に戻る。。

菫子「はぇ~、まったくの別人ですね。」

紫「撮影するわよ。あ、馬鹿正直に本名はいわないように。」

 紫は撮影を始めた。

紫「どうも皆さんこんにちは。幻想賢者、紫よ。そして今日はこの子よ。」

菫子「どうもー!幻想怪異、サイキッカーUです!」

紫「分かると思うけどサイキッカーUは偽名よ。今日は趣向を変えてみようと思うわ。」

 紫は前に『秘と(おおやけ)の境界』を弄って入手した視聴者の住所にスキマを繋げた。

紫「今回はファンの方のご自宅で撮影しようと思うわ。」

菫子(ゆ、紫さん!?大丈夫なのかな…)

 菫子は不安になったが一回考えないようにした。きっと紫には何か考えがあると思ったからだ。

紫「それじゃあ、行きましょう。」

菫子「おおー!」

 二人はスキマに入った。

       ~ファン(黒木)の家~

 割りと初期から見ていてコメントもしている『黒木』である。

黒木「…え…は…え!?」

紫「どうも。いつも視聴していただきありがとうございます。」

黒木「し…CGじゃないんだ…」

紫「いまから撮影するのでご協力お願いします。」

黒木「は、はい喜んで。」

 紫は撮影を再開した。

紫「着いたわ。じゃあ早速、サイキッカーUに特技を見せてもらいましょう。」

 こっからは菫子に流れ作りを任せた。(もしものために止めはいれるが。)

菫子「はい!では、私の特技である超能力見せます!」

 菫子はそこから一切動かずに窓を開け、石を持ってくる『サイコキネシス』、その後石にのみ熱が伝わるように炎を出し、どろどろにとかす『パイロキネシス』、そのどろどろを凍らせた『クリオキネシス』を見せた。

菫子「いかがでしたか?『キネシス』三連発。」

黒木「す、凄いですね!」

菫子「じゃあ次!紫さん、魚ください!」

 紫はその辺の川から適当に『アリゲーターガー』を庭に置いた。

菫子「あ、土の中にお願いします。」

 土の中にスキマで移動させた。そして、菫子はそこに手向けると植物が育っては枯れを繰り返し、10分程やったあと、菫子は念力でそれを取り出した。

菫子「『時間操作』による化石です!でもこれやると疲れるんですよね…」

 菫子は疲れで気絶…もとい、元の体で目覚めた。

紫「今日はこれで終わりよ。それじゃあ。」

 紫は撮影を終了した。

紫「今日はありがとうございました。」

 スキマで家に帰り、編集し、『超能力者、サイキッカーU参上!』を投稿した。(『黒木』の顔はモザイク、『時間操作』時の10分は早送りにした。)




 菫子は原作よりも強くなってますが許してください。

 プロフィール
 黒木
 紫の美しさと動画の不思議に魅了された最古参のファン。メラニズムの生物が大好きであり、名前には、ありえない「木」のメラニズムの意が含まれている。
メタ的名の由来:『木が白くなっていた』


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サイキッカーは志す

 のーこめ


 『超能力者、サイキッカーU参上!』

視聴回数:37542回 チャンネル登録者数:+452 高評価数:356 計:4444人

コメント:523件(一部抜粋)

黒木:『この度はわざわざ私の為に来てくださり有り難うございました。』

ナマヨミガエリ他3名:黒木さんへの返信『いいなー。』

世界の裏を知りたがる者:『うわ、登録者数私で4444人だ…不吉ー!』

 

紫「この『世界の裏を知りたがる者』の言う通り不吉ね…多分だけどこれを打ったのは貴方よね?」

 紫は後ろを指差す。

菫子「流石ですね。」

紫「で、どうしたのよ。」

 菫子はちょっと巫山戯た態度から一変し、真面目な顔をしてこう言った。

菫子「私、単独チャンネルを作ろうと思うんです。」

 紫は予想した内の最も最悪なパターンが来て何故か喜びや面倒くささを感じた。

紫「ふーむ…どうしようかしら。撮影する度に私の所に来られても困るし…」

菫子「あぁ、見た目ですか?」

紫「そうよ。」

菫子「なんだそんなことですか。」

 "そんなこと"で片付けられる問題ではない。流石の紫でも唯の人間が境界を操れるようになるマジックアイテムは作れない。かといってそのままやったら間違いなくいつかやらかして何処かの施設に連れ去られる未来が見える。そんなことを紫が考えてると菫子は口を開いた。

菫子「私、『VCabler』になろうと思うんです。」

紫「ぶ、『VCabler』?」

 聞き慣れない単語に困惑した。

菫子「あれ知りません?調べてみてくださいよ!」

 紫は調べて幾つか見てみた。すると動画には普通とは違い、二次元の絵のような物が喋ったり感情が変化したりしている不思議な現象を目にした。

菫子「つまり分かりやすく言えば、『もう一つの肉体』を使った動画手法です。」

 紫は無理やり理解した。

紫「じゃあその『肉体』はどうするの?」

菫子「質問返しします。紫さん。今後動画に出なさそうな人は誰ですか?」

紫(出なさそうな人…地獄の奴らかしら…それなら…)

紫「『饕餮尤魔』ね。」

菫子「成る程…それなら姿を確認できるものありますか?」

紫「ちょっと待っててね。」

 大体言いたいことを察した紫は『派手と地味の境界』を弄って存在感を0にし、スキマで尤魔のところにカメラを持って行った。数分後には30枚程撮って帰ってきて『写真と絵画の境界』を弄り、写真を絵にした。

紫「これでどうかしら?」

菫子「十分です!有り難うございます!」

 紫は『単と複の境界』で複製、『二次元と三次元の境界』でそれらを菫子のスマホのフォルダに入れた。菫子はSNS『murmuring』でそれをLIVE2Dにすることを依頼した。

         ~数日後~

 この日の午後12時半ぐらいのこと、個人勢VCabler『饕餮尤魔』がデビューした。     




 ちなみに作品内世界では空前絶後の『VCabler』ブームであり、菫子のデビューを志す理由の一つになりました。そのブームは異常とも呼べ、デビューすれば1万登録者は安定であった…が、VCablerが爆増し、その安定は崩れつつあった。


おまけ VCabler『饕餮尤魔』のプロフィール
種族:饕餮
誕生日:10月29日
趣味:石油掘り、旨いものを食うこと
好物:石油、人の感情
ファンネーム:ウェイター
紹介文:地獄の底の血の池地獄からやってきた羊のような妖怪の饕餮。池の管理をしていたが新たな味の感情を求め地上へとやってきた。手始めに『尊死』する際の感情を食す為に配信を始めた彼女は今日も先割れスプーンを持ちながらその機会を待っている。


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実験と交渉/配信風景

 前回のプロフィールで書き忘れてたのここに書いときます。
嫌いな物:ペガサス、カメ、龍、カワウソ、オオカミ
メンバーシップ名:地獄レストラン


 藍が全国油揚げ堪能旅の中、紫はある動画を3時間程探して、ようやくその動画を見つけた。

紫「再生回数、登録者数共に0。『万引きしてみたwwwww』。ようやく見つけたわ、『無名すぎて炎上すらしない動画』。この動画の『無と有の境界』が吃驚(びっくり)する程偏ってて今後一生、発見されることは無いでしょうね。」

 紫はスキマから火打石と打ち金を取り出した。

紫「ただ、よく燃える素質は有るわね。」

 紫はあることを知りたかった。それは『こちらから動画に干渉した場合、影響はでるのか』という事である。紫は2つを打ち合わせ、火の粉が出ることを確認した。そして画面付近の『二次元と三次元の境界』を弄り、画面のなかに手を入れ、打ち合わせた。さっき確認した通り火種は問題なく発生、動画は着火された。みるみるうちに燃え、紫の手は火傷しかけるほど火が大きくなるのと同時に、再生数が凄まじい速度で増加していくのが見えた。

紫「コメントも避難の嵐。こちらから干渉はできるのね。それに他の健全な動画には全く燃え移らない。やっぱり素質が必要なのかしら。」

 動画を閉じると既に動画は消えていたが『murmuring』では動画の切り抜き、投稿者の個人情報が晒されていた。

紫「ま、覚えとこうかしらね。」

 紫は火打石と打ち金をスキマに戻した。

紫「そういえば次の動画の出演者探さないと。」

 紫はスキマに入った。

        ~妖怪の山~

 紫は妖怪の山にある河童のアジトの中に出た。

にとり「おっと、あんたか。」

 そして、目的はすぐ見つかった。

紫「外の世界の『海』で水を使ってみたいかしら?」

にとり「なんだ急に?詳しく聞かせてくれ。」

紫「貴方は自由に能力を外の世界の海で使って良いわ。ただ、私はその様子を活動写真、動画にして世界中にその様子がみれるようにするわ。動画にすることを撮影と言うんだけど撮影開始の時に挨拶と途中で一回だけ指令出すからその指令に従ってくれれば飽きるまでやってて良いわ。」

にとり「良いね。乗った。」

紫「じゃあ、早速行きましょう。」

 紫はスキマを開き、にとりの境界を弄り、問題なく能力を使えるようにした。2妖はスキマに入った。

──────────────────

 ある日のVCabler『饕餮尤魔』の雑談配信風景の一部。

尤魔「こんてつ。饕餮尤魔だ。」

 尤魔はその女子高生を思わせるような声とは裏腹に男性的なカッコいい方面の口調、配信中に見せる天然、寝落ちなどで人気になり、短期間で20万の登録者を獲得した。

尤魔「今日は雑談していくぞ。まあ適当なコメントを拾って返すだけだが。」

コメント『初見です。チャンネル概要のプロフィールの嫌いな物の理由は何ですか?』

尤魔「お、初見か、感情置いてけよ。」

 先割れスプーンが出る。

尤魔「ま、それは置いといて。『ペガサス、カメ、龍、カワウソ、オオカミ』が嫌いな理由?言ってなかったか?地獄で私は巨大組織の長だったんだ。それで対立組織の長がペガサスのやつとカメと龍のハイブリッドの『吉弔』ていう種族のやつでそいつらの部下がカワウソの霊とオオカミの霊なんだ。」

コメント『じゃあ好物の理由は?』

尤魔「旨いから。」

コメント『旨いからww』『石油って旨いのか…』『今度友達の石油王に貰って飲みます。 4500円』

尤魔「お前らは真似すんなよ?あとハイチャ(ハイパーチャット)ありがとな。」

コメント『最近は眠れてますか?』

尤魔「まあまあだな。まあ配信中も含めてだが。」

コメント『じゃあ眠れてなくね?』『大丈夫?おじさんが膝枕しようか?』『10000円』

尤魔「無言赤ハイチャ辞めてくれ。自分の生活とか大事にしてくれよ?」

コメント『わかりました 10000円』『9999円』『すいません 10000円』『子供の修学旅行費です 100000円』

尤魔「ちょウェイター!?黒ハイチャまで!」

 ネットの団結力は謎である。とある無言赤ハイチャを皮切りに赤ハイ祭りが始まってしまった。尤魔は祭りを強制終了(配信終了)した。

コメント『良い子だね。 10000円』




 ねっとのだんけつりょくはこわいなー。(追記:後半の配信風景書いてるときある黒狐が頭に浮かびました。)
 語録
ハイチャ…ハイパーチャットの略称。ハイパーチャットとはLIVE中のコメントの内、配信者に直接お金が入り、他のコメントより目立つようになるコメントの事。

黒ハイ…100000円のハイチャの色のみ黒のため、この名が付けられた。この黒ハイチャは特別で50000円までの赤ハイとは違い、配信者が返却することもできる。返却を選ぶ配信者が多い。(今回の尤魔もそうである。)


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河童の海デビュー

 ノーコメ


 目の前には白い砂浜が広がり、青い水が奥から手前へと動いている。そうここは幻想郷から見た幻想、『海』である。

にとり「都市伝説通りだ!水が勝手に動いてるよ!」

紫「不思議でしょう。」

 紫はカメラを構え、撮影を始めた。

紫「どうも皆さんこんにちは。幻想賢者、紫よ。」

にとり「幻想発明、にとりだ!」

紫「今日はこの子が遊ぶ様子を見せるわ。それじゃあ、行ってらっしゃい。」

 その言葉を聞いたにとりは走りだし、海に飛び込んだ。飛び込んでから数秒後、突如海から水柱が立ちその水柱が飛び立った。その水柱は紫の前に墜落し、魚とにとりが残った。

にとり「ロケット漁法だ!」

 砂に染みた水分が集まり、薄く広がった。水の塊は中心が膨らむことで日光を集め、魚を焼いた。

にとり「一ついるかい?」

紫「じゃあ貰うわ。」

 にとりは適当に一つ水で砂埃を洗い流し、紫に渡した。

紫「器用ねぇ。」

 紫は魚を一瞬で食べた。

にとり「じゃあ今度はこうだ!」

 にとりがそういうと2つの人形の水が海の上に立ち上がった。一つは霊夢、もう一方は魔理沙のような形になり飛んだ。両方から弾幕が放たれ始め、弾幕ごっこが再現された。

紫(ちょっと境界弄りやり過ぎたかしら。前見たときはあんな精巧じゃなかった筈…まあいいわ。)

 霊夢が恋符『マスタースパーク』を避け、『夢想天生』を当てきったところで弾幕ごっこショーは幕を閉じた。

にとり「次は…こうしよう!」

 またにとりが海に飛び込むと今度は海上から城が生えてきた。

にとり「おーい紫!入ってみてよ!」

 紫はスキマで城の前まで移動し、水の階段に足を置いてみた。すると何故か問題なく立つことができた。

にとり「1cm3(1立法センチメートル)に大体10m3位の水を圧縮してるからほぼ固体みたいになってるんだ!」

 やはり弄りミスして境界されていることを察しながら紫は城内へと進んだ。城内は水に囲まれているお陰で少し涼しく心地良かった。

にとり「良い城だろ?」

 にとりが壁から顔を出してきた。

にとり「まあまあ壁を厚くしてるから泳げるんだ。」

紫「いいわねそれ。便利で。じゃあそろそろ例の指示出すわよ。」

にとり「ばっちこい!」

紫「外にカメラを置くからそこに向かって水の龍をぶつけて頂戴。」

にとり「任せてよ!」

 紫はスキマで外に出て、三脚でカメラを固定した。にとりはそれを確認すると、水を龍の形に整え、カメラに向かって飛ばした。カメラにぶつかる直前、紫が『中と前の境界』を弄り、初回の腕のようなギミックを作った。

紫「完璧よ。」

 紫は撮影を止め、パソコンを取り出して編集をした。例のギミックに『湿と乾の境界』で触っても手が濡れないようにして『【季節外れの】河童の海遊び』を投稿した。




 クリスマスですが予定もないので書けました。そういえば噂で聞いたのですが、彼氏彼女がいるかたは下の空白を長押しとかで文字を反転させると良いことがあるようです。
"あかしげ やなげ 緋色の鳥よ くさはみ ねはみ けをのばせ"
 ちなみに撮影場所はオーストラリアとかの南半球なので夏でも海遊びができてます。


















locker作
SCP-444-JP - █████[アクセス不許可]
http://scp-jp.wikidot.com/scp-444-jp
CC BY-SA 3.0


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番外編 【特別企画!】新年来させないでみた!

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。


 大晦日、紫は藍と橙と共に幻想郷で蕎麦を食べた後いつもなら寝て過ごす『大晦日と元日の境界線(1月1日午前0時)』が過ぎる瞬間だが、今年は違う。何故ならあることをしたいからだ。それはつい最近解禁されたLIVE配信機能で年越し配信を年越し5分前に始め、1時間後に年を越す配信だ。

紫「それじゃあ、行きましょう。」

 現在夜11時55分。紫はスキマで富士山山頂に行った。

         ~富士山山頂~

 山頂に着いた紫はカメラをセットし、LIVE配信を開始した。

紫「どんも皆さんこんばんは。幻想賢者、紫よ。」

黒木:『紫さんこんばんは。』

紫「あら黒木さん。早いわね。」

黒木:『そりゃあファンですから。あとファン代置いておきます 10000円』

紫「ふふふ、良いファンを持ったわ。あとハイチャ有り難う。」

 どんどんと同時接続人数が増えていき11時59分頃。

紫「じゃあ、そろそろやるわね。」

コメント『ん?』

 紫は立ち上がり山麓を見ながら、『早と遅の境界』を弄り、極限まで遅くすることで擬似的な時間停止を再現した。星々の動きは全て極限まで遅くなり、時計の針は59で止まっていた。人も対象のため、感覚的には通常と同じだ。

紫「さて、視聴者の皆さん。あと1時間で新年です。」

コメント:『え?』『どういうこと?』『時計が止まってる…』

 コメントは当然困惑していた。

紫「ところで皆さんは今年で1番嬉しかった出来事とかはあるかしら?」

黒木:『紫さんに会えた事ですね。』

紫「あら、嬉しいことを言ってくれるじゃない。」

コメント:『まあそれはそう』『同感』『わかりみが深い』

紫「どうも有り難う。」

 こんな感じの緩めの雑談が1時間、延々と続いた。

        ~1時間後位~

 とうとう年が明ける時間となった。

紫「さて皆さん、もうすぐ年越しよ。『大晦日と元日の境界』の丁度間。何をするかしら?」

コメント:『ジャンプ』『ジャンプ!』『ジャンプしかねえよなぁ!?』

紫「へえ、ジャンプ?そんなに人気なら私もやろうかしらね。」

 紫は立ち上がる。

紫「それじゃあ行くわよ。3.2.1.新年おめでとう。」

 紫は0の瞬間、ジャンプし、『高と低の境界』を弄り、ものすごい高度まで飛び上がった。紫は上空でスキマを通してLIVE配信を切った。

      ~1時間前、尤魔の配信にて~

 尤魔(菫子)は年越し配信をしていた。

尤魔「お前ら、もうすぐ2023年だ。ジャンプすんのか?」

コメント:『子供かw』『でもやっちゃう』『やろう!』

尤魔「それじゃあ、私もやるぞ。カウントダウン、3.2.1.ハッピーニューイヤー!」

コメント:『テンション高w』『あれ?時計が止まった』『俺も』

尤魔「えお前らもか?私もだ。」

 こちらの1時間は同時に時計が止まった謎を探る1時間であった。

 

 こうして、世界は紫によって新年早々大混乱になった。




 一発目から紫やり過ぎですね。


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河童の人気異常

 のーこめ


 『【季節外れの】河童の海遊び』

視聴回数:153284回 チャンネル登録者数:+35428人 高評価数:6821 計:39872人

コメント:1325件(以下は一部抜粋)4444

清A:『綺麗…なんだけどなんか水の龍が画面から出てきたw』

黒いヒトナラザルモノ:『最初の動画の腕みたいな演出があってエモい(まあこの動画で初めてこのチャンネル知ったけど)』

黒木:黒いヒトナラザルモノさんへの返信『この方の動画面白いので是非他のも見てみてください!』

一人っ子分離:『水…城……ありの‥まま?』

結構新しいアフリカの画像:『河童っていたんやなって。』

 

紫「お、登録者が一気に増えたわね。やっぱり河童は興味を惹くのかしら?」

 紫は予想以上の伸びに驚愕したが、河童が有名なことを考慮して妥当の伸びだと考えた。紫はテレビを付けた。

キャスター「続いてのニュースです。今日の早朝、オーストラリアの█████████海岸*1にて身元不明の少女およそ34人が保護されたとのことです。█████州警察からの情報によると『少女達の正体は今のところ何も分かっていない』とのことです。」

 紫はテレビを消し、急いで妖怪の山の河童のアジト近くにスキマを繋げた。

         ~妖怪の山~

 河童のアジト付近に予想通り裂け目が生まれていた。恐らく一ヶ所で急激に外の世界の『現と幻の境界』が曖昧になり、その事に関係している河童にその反動が来たのだろう。 

にとり「紫、これは一体?」

紫「言えることは想定以上に有名になった。」

 紫はスキマをオーストラリアの開き、█████州の警察署に繋げて入った。

         ~警察署~

 紫が スキマから出ると目の前で河童達が警察に質問されているところを見つけた。

警察「Who are you!(誰だお前!)

紫「ええと、私は紫よ。」

 雰囲気で名乗った紫だったが日本語だったため、英語圏の相手には伝わらなかった。

警察「Ready(構えろ)!」

紫「あら、敵対してしまったわ。」

 警察は紫をいつでも撃てるように銃を構えたが、紫は『敵と味方の境界』を弄り、敵対心を無くした。構えられた銃は下げられ、紫は歓迎された。

紫「悪いけど返して貰うわよ。」

 紫は河童の真下にスキマを作り、アジトに送った。紫も自身の真下にスキマを開いて帰った。

          ~妖怪の山~

 スキマから出ると目の前ににとりが居た。

にとり「お、紫。皆帰って来て良かったよ。正直少し疑ってた。悪い。」

紫「いや、私も少し悪かったわ。」

 紫も謝った後、作業があるためにとりは何処かに去った。

紫「…人気急上昇がこんな現象を起こすなんてねぇ。ま、対策しましょ。さて次は…」

 紫は菫子との『column』の画面を開き、『コラボして頂戴』と送った。菫子からは『勿論良いですよ!』と返ってきた。

*1
紫が撮影した海岸




 ちなみにこの作品内では有名なサービスは別の物に置き換わってます。(現実と違う状況を作りやすくするため。)
 下は今まで出てきたサービスです。
MyCable…動画配信サービス。
murmuring…SNSの1つ。何気なく思ったことなどを呟けたり、他者にイラストの依頼などができる。
column…メッセージサービスの1種。個人やグループでのメッセージができ、文字だけでなく気軽に送れるスタンプもある。


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real goes to virtual world

 タイトルの文法間違ってたら報告してください。


 菫子は雑談配信中に(ママ)から来た『コラボして頂戴』という文言に脳死で『良いですよ!』と返したがよくよく考えると現実と拡張現実、realとvirtualと活動場所が違う。どうやってこちらに来るのだろうと。

菫子(まあ境界を弄るんだろうなぁ。)

尤魔「お前ら速報だ。たった今、コラボ配信の予定ができた。コラボ配信はこの雑談配信から変更して送る。コラボ相手は私の『ママ』だ。」

コメント『ママキター(゚∀゚)』『そういやママって誰だろ?』『楽しみ!』

 コメントが盛り上りを見せ、ハイチャも飛び交う。

─────────────────

 紫は菫子の配信を見ながら自分の出るタイミングを見計らっていた。

紫「それにしても登録者73万人…凄いわねぇ。ちょろっと無と有の境界を弄ってあげただけなのに。本人の努力もあるわね。」

 そんなこんなで出るのに丁度良い感じになった。紫は『二次元と三次元の境界』を弄り、スマホの画面の前にスキマの様なもの(通常のスキマとは違い目が微笑んでいるのと怒っている『ファンとアンチ』を表した目となっている。)を開き、紫はスキマに入った。

        ~バーチャル世界~

 紫は尤魔の横に立っていた。配信画面上では紫が先程使用したスキマが突然現れ、その中から紫が歩いて出てきたかのように見えていた。

紫「どうも皆さんこんにちは。幻想賢者、紫よ。」

黒木『ゆ、紫さん!?』

コメント『初めて見た。』『ふつくしい…ふぅ…』『登場の仕方すこ。』

 コメントは驚愕や好意(行為)のものが多かった。

尤魔「というわけで、私のママの紫です。」

紫「よろしく。」(この子から呼び捨てされるのもも良いわね。)

尤魔「じゃあ何します?」

紫「そうねぇ…」(現在の同時視聴者数は10万…多いわね。そしたら…)

紫「『平面と立体の境界』と『近と遠の境界』を弄れば…」

コメント『?』『?』『?』

 その瞬間、同時視聴していた者のスマホ、パソコン、さらには携帯ゲーム機から『饕餮尤魔』が立体的に写し出された。その写し出された饕餮尤魔に触れようとした者も大勢いたが手を近づけた瞬間に延々と反発…手と尤魔の体が遠くなり触れることは叶わなかった。

コメント『スゲー』『ホログラム?にしてはすげえな。』『【速報】たまごっち勢のわい、尤魔ちゃんが写し出される』『どういう仕組だこれ?』

紫「まあこれは私の力のようなものです。信じて貰えるかは分かりませんが。」

尤魔「実は私も超能力者だけどね。」

コメント『え???』『新設定?』

紫(…言ってしまったわね。)

 紫は菫子の超能力発言に嫌な予感、『この配信を機会に過去の動画を見た人が尤魔と菫子との関係に勘づく』事態を防ぐために『解明と不明の境界』の呪いをかけ、関係性に気づく…解明されてもまた未知に戻すようにした。視聴者に細工をしないのはアーカイブを見る人も居るためである。しかもこれが初コラボなのもありアーカイブを残さざるを得ない。その後2人は質問などを読みつつ、配信を終えた。

       ~配信終了後10分後~

紫「今度から超能力発言は控えるように。」

菫子「はい…」

紫「分かったなら良いわ。それじゃあ、私は帰るわ。」

 紫はスキマに入る直前に『普と怪の境界』を弄り、これから来る会社を普通の、大企業にした。菫子(尤魔)の『murmuring』にダイレクトメッセージが来た。相手は大手VCabler事務所、『ソニウムライブ』からであり、内容はタレントへのオファーであった。




 どうやら内定を貰ったようです。
ソニウムライブ…現在もっとも注目されている大手事務所。所属ライバー(タレント)はまだ不足気味で直接オファーを出している。ライバルには『うしとら』という事務所があげられる。


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会社見学

 今回はほぼ菫子とオリキャラ回です。
✔️…登場する全SNS上での公式マーク


ソニウムライブ✔️DM『饕餮尤魔さん、我々の事務所に入りませんか?』

菫子DM『良いのですか!?是非!』

ソニウムライブDM『では明日(日曜日)の13:00頃に█████████までお越しください。』

 菫子はすごく有名な事務所からのオファーに心を踊らせていた。

           ~翌日~

 菫子が目覚めると紫がスキマを開いて立っていた。

紫「おはよう。目的地まで繋いであるわよ。」

菫子「あ、有り難うございます。どうしてここに?」

紫「応援してはいけないかしら?」

菫子「…いえ。使わせて貰います。」

 菫子は着替えなどの準備を済ませ、スキマに入った。

     ~ラバー株式会社(『ソニウムライブ』運営元)本社前~

 菫子は人目のつかない茂みを中継して目的地前に到着した。

??「あ、君が尤魔ちゃん?」

菫子「あ、はい。そうです。」

踊命「初めまして。私は『愛月踊命(あいつくようめい)』、最初のソニウムライブ所属VCablerだよ!」

菫子「失礼かもしれませんが…本名なのですか?」

踊命「いや違うよ。『ソニウムライブ』に所属する子同士で本名を教えるのは禁止なの。」

菫子「あ、そうなんですね。」

踊命「うん!それじゃあ、案内するからついてきて!」

 踊命が歩きだし、その後を追うように菫子も歩いていった。

          ~社内~

 社内は様々なグッズが置いてあり到底会社の中とは思えない場所だった。

踊命「今日は最初に必要書類を少し書いてもらってその後は軽く君の同期になる子達を紹介するね!」

 踊命と菫子はエレベーターに乗り、最上階へと上がって一つの部屋に入った。

          ~社長室~

??「初めまして尤魔さん。」

菫子「初めまして。」

虎龍「僕はラバー株式会社代表取締役の『白尾虎龍(しらびこりゅう)』と申します。本名です。タレントからは『SHIROO』とも呼ばれています。」

菫子「よ、よろしくお願いします…」

虎龍「緊張しなくて良いですよ…とは言うものの、社長といきなり話すなんて緊張してできませんよね。誰だってそうです。さて、本題に入ります。尤魔さんにはこちらの3枚の書類にサインしてもらいます。」

 菫子は渡された書類を早読し、理不尽な項目などがないことを読み取ったためサインした。

虎龍「早いですね。では、ソニウムライブでの生活、楽しんでください!」

 踊命と菫子は立ち上がり、社長室を後にした。

虎龍「さて…また『ソニウムライブ』が賑やかになりますね。僕の夢のアイドルからは離れている気がしますが…

          ~会議室~

 踊命と菫子は最後の目的地の前に到着した。

踊命「君の同期の子達がこの先にいるんだよ。」

菫子「名前だけでも教えてくれますか?」

踊命「名前は、『徳川生子(とくがわしょうこ)』ちゃんと『叶月ルナ(かなつきるな)』ちゃん、後は『ホーリック・サナエル』ちゃんと『台目ハケリン(たいめはけりん)』ちゃんだよ!」

菫子「すっごい名前が独特ですね。」

踊月「そうかな?素敵だと思うけど…それはともかく!この子達はもともと個人勢だったのをスカウトして『ソニウムライブ』に所属するようになった子達なの。」

菫子「そうなんですね。」

踊命「それじゃあ、扉開けるよ。」

 踊命は扉を開けると部屋の中には少女が4人座っていた。

生子「初めまして!」

ルナ「ようやく来たのね。」

サナエル「同じぐらいの年齢かな?」

ハケリン「『尤魔』ちゃんだよね?」

 4人は一斉に喋りだしたため菫子は対応しきれなかった。

踊命「それじゃあ、1時間ぐらい雑談してて!私は用事があるから!」

 踊命が部屋を出ると5人は雑談を始めた。

         ~1時間半後~

 踊命が帰ってきた。

踊命「どう?仲良くなった?」

サナエル「はい!」

踊命「それは良かった。それじゃあ、ここに、『ソニウムライブ5期生結成』を宣言する!」

 こうして菫子は『ソニウムライブ』に所属した。

         ~20分後~

 菫子が皆と別れて会社の外に出た時、スキマが足元に開き、中に落ちた。

紫「『ソニウムライブ』所属おめでとう!」

菫子「有り難うございます!」

紫「これは祝い品よ。」

 紫は『疲れが全てなくなる薬』を渡した。

菫子「おお…必須アイテムじゃん!」

紫「後貴方に『現実と空想の境界』を弄る力をあげるわ。好きに使ってちょうだい。」

菫子「え…前境界を操る力は与えられないって言ってませんでした?」

紫「1つの境界なら1日寝れば与えられるわ。それじゃあ、ふぅぅん…」

 紫は力を集め、菫子に力を与えた。

紫「それじゃあ、家に帰るわよ。」

 紫はスキマで菫子を家に帰した。その後紫はスマホを取り出した。

紫「登録者15万人…コラボして正解だったわね。今回は裂け目も出てなかったわ。ふふふ、あともう少し…」




 なんか紫が企んでるようです。
 後私は会社員になったことないので会社とかの描写はほぼイメージで書きました。(参考にしたものはありますが。)

 VCablerプロフィール(絵文字はハーメルンでは表示できないため、絵文字の名前を書いてます。)
名前:愛月踊命
種族:神
誕生日:11月4日
趣味:神話読書
好物:禁断の果実
嫌いな物:マンドラゴラのサラダ
ファンネーム:信仰者
メンバーシップ名:神話登場者楽屋
推しマーク:『シルエット』(目立たない神だったから。)
紹介文:あらゆる神話に脇役として登場した『インターネットアイドル』を司る神様。自身の司る対象が知られていないと神様は消えるため自身の存在を強めるために『ソニウムライブ』を立ち上げた。夢は『ソニウムライブ』を世界一の事務所にすること。


名前:徳川生子
種族:人間
誕生日:3月24日
趣味:生物採取、標本作り
好物:豚肉
嫌いな物:鉱石
ファンネーム:幕府軍
メンバーシップ名:幕府生物課
推しマーク:『蚊』(生類憐れみの令では蚊を潰すのも駄目だった。)
紹介文:歴史から消された徳川家康の不老不死娘。2953年にタイムマシンが完成し、恐竜の時代に戻ってそれ以降の時代の全生物種の標本を作り上げ、バーチャル世界の生物の標本を作りに来たという来歴を持つ。

名前:叶月ルナ
種族:神
誕生日:7月20日
趣味:星占い、月面着陸ゴッコ
好物:月の石
嫌いな物:太陽で焼いた肉
ファンネーム:月面観測者
メンバーシップ名:月面観測所
推しマーク:『満月』
紹介文:月を司る女神。非常に強力であり、その美貌はあらゆる生物を振り向かせる。しかし、太陽神に勝てないのが悔しく、月の印象をあげるために活動をしている。

名前:ホーリック・サナエル
種族:天使
誕生日:10月4日
趣味:恋人作り、悪戯
好物:綿飴、コーラ、ビール
嫌いな物:なし
ファンネーム:小天使
メンバーシップ名:天使の休憩所
推しマーク:『コーヒー』(コーヒーブレイク)
紹介文:天界ではそこそこ有名な天使。しかしその有名とはサボりの有名であり、サボり過ぎてとうとう天界から落とされた。天界に戻る条件は多くの人を魅了することであり、最も楽に達成できるかもしれないVCablerでの活動を選択した。

名前:台目ハケリン
種族:台風
誕生日:9月26日
趣味:物を吹き飛ばすこと
好物:飛ばされて電線に当たって感電した鳥
嫌いな物:晴れ
ファンネーム:台風楽しみ隊
メンバーシップ名:暴風警戒区域
推しマーク:『竜巻』
紹介文:台風から誕生した少女。風を操作することができ、いつもその力を使って悪戯をしていた。ある日間違ってとある神様にそれまでの歴史上最悪の悪戯、人前で服を全部吹き飛ばしてしまい、怒った神様により『インターネットアイドル』となってしまったため仕方なく、ノリノリで活動をする。


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今後のための大切な実験

 今日は某Pさんの妖怪ウォッチ配信リアタイしたいので早めの時間に書きます。


 紫は幻想郷の何処かにあるという自宅にて菫子をもてなすための準備をしていた。

紫「ティーポッドの中に産地からスキマで直接仕入れまして…これで準備完了。火を使っちゃ駄目だからこのままね。」

 紫は席と外の世界にいる菫子の足元(配信外なのは確認済み)にスキマを開き、席に座らせた。

菫子「え、紫さん?どうしました?」

紫「ちょっと最近頑張ってるじゃない、だから労いと実験のためにね。」

菫子「え、今実験って…」

 紫は『濃と淡の境界』を弄り『紫が実験と言った』という記憶を淡くした。

紫「まあこれでも飲んで。」

菫子「あ、有り難うございます。」(紅茶かな…少し濃い気がするけど。)

 菫子がそれを口に運ぶと今まで味わったことのない、舌が溶けるような味が流れてきた。菫子のそれを飲む勢いは止まらず、ティーポッドの中身も全部飲み干した。

菫子「美味しい!!これ何処産なのですか!?」

紫「……知りたい?」

菫子「はい!」

紫「旧血の池地獄産よ。」

菫子「"旧"…ということは今は血ではなく紅茶で満たされているということですか?」

紫「紅茶?何のことかしら?」

菫子「えっ?さっき私が飲んだやつですよ?」

紫「あぁ、あれ?紅茶じゃないわ。

菫子「じゃあ一体……」

紫「あれ石油よ。」  

 菫子にとてつもない衝撃が走った。

菫子「え、そんな筈は…だって美味しかったですけど…」

紫「そりゃああなたの好物だからしょう?饕餮尤魔。」

菫子「え…」

紫「実験成功。やはり有名VCablerはその声に対する印象により、幻想郷では性質(設定)のみが中身に反映される。外見の変更とか外の世界での反映は…まあ自分で考えてみなさい。今の貴方ならできるわ。」

 紫は菫子をスキマに落とし外の世界に帰した。

紫「さて、そろそろ投稿しないとね。」

 紫は霧の湖にスキマを繋げた。

         ~霧の湖~

 湖に着くと早速対象を発見した。

紫「貴方、ちょっと良いかしら?」

チルノ「お、何だ?」

紫「貴方、最強なのよね?」

チルノ「当たり前だ!あたいはさいきょーの妖精だ!」

紫「じゃあこの湖は凍らせられるのよね?」

チルノ「当たり前だ!」

紫「なら外の世界で最大の湖でもいけるのよね。」

チルノ「よゆーだ!」

紫「それじゃあ確かめましょうか。」

 紫はスキマを動かしてチルノを入れさせ、自分もスキマに入った。

         ~カスピ海~

 チルノは目の前に広がる霧の湖とは比較にならない程の大きさの湖に少し興奮しているような様子を見せていた。

紫「ちょっと待ってて頂戴。」

 紫は湖に住まう生物全てを対象に『現在世界と異世界の境界』を弄って生物が死滅した異世界のカスピ海に移動させた。紫はさらにカメラも設置した。




 紫は何故あんな実験をしたのでしょうね~?


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世界一冷凍

 のーこめ


紫「どうも皆さんこんにちは。幻想賢者、紫よ。」

チルノ「幻想冷凍、チルノだ!」

 瞬間、チルノは辺りの気温をを20℃程下げる冷気を放出させたが紫が『温と寒の境界』を弄って気温を正常に戻した。

紫「ここは何処か分かるかしら?」

チルノ「誰にはなs……」

 紫は『黙と騒の境界』で言ってはいけないお約束を言わせないようにした。

紫「ここは世界最大の湖、『カスピ海』よ。そしてこの子は氷の妖精。というわけで今日はカスピ海を凍らせます。安心して頂戴、魚とかの生き物は全て安全な場所に移動させてるわ。それじゃあ、チルノお願い。」

チルノ「任せろ!」

 チルノは飛んで湖の中心に移動し、両手を湖に向けると向けられた場所を中心に水が凍っていった。できていく氷はさっきまでの波の形のまんま氷になっておりあり得ないぐらい透明であったため何も知らない人が写真を見れば氷だと分からないかもしれない。早くも紫の近くの岸辺に氷が到達したとき、チルノはさすがに疲労してきたのかさっきより飛行高度が低くなっていた。

紫「ほら、あと50%程よ。頑張って。」

チルノ「あと、半分…か…」

 チルノの羽の氷にヒビが入り、墜落しそうになっていたため、『疲労と快調の境界』で体を快調状態にさせ続けた。すると凍結のスピードは3倍程になり、あっという間にカスピ海は凍結しきった。

チルノ「はっはー!どうだあたいの力は!!」

紫(……ちょっと尺が足りないわねぇ……)

紫「まだまだいけるかしら?」

チルノ「当たり前だ!」

紫「そう……」

 紫はスキマでチルノと共に移動した。

         ~鹿児島湾~

 遠くに火山の見える場所へとやって来た紫はチルノに念のため『強と弱の境界』による能力強化、さっきの『疲労と快調の境界』で常に絶好調の状態を維持させている。

紫「あそこに見えるは日本の活火山の一つ、桜島。今から噴火させてそれを凍結します。」

チルノ「え…」

 紫は『噴火と休眠の境界』を弄って休眠状態の桜島を大噴火させた。ついでに『固体と気体と液体の境界』を弄って火山灰と火山ガスを分類上、液体にした。

紫「さあやってみなさい。」

 周囲に警報音が鳴り響く中、チルノは手を銃のようにし『バン』と言った。すると桜島までの直線上の海水と桜島、溶岩や火山灰、火山ガスが全てを凍り、噴火が収まった。

チルノ「おおお!力が湧いてくる!」

 紫は『強と弱の境界』を弄って弱体化させた。

紫「それじゃあ、今日はここまでよ。」

 紫は撮影を止め、スキマでチルノを幻想郷に、自分を家に送った。

           ~自宅~

 いつも通り高速編集をし、『【世界最大】カスピ海を凍らせてみた【おまけあり】』を投稿した。




 凍らせた桜島はそのままです。


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氷結した火山、外への勧誘

 のーこめ


『【世界最大】カスピ海を凍らせてみた【おまけあり】』

視聴回数:566342回 チャンネル登録者数:+45365 高評価数:23355 計:196254人

コメント:52345件(一部抜粋)

黒木:『相変わらず凄いですね。』

ウィルス浄化:黒木さんへの返信『さすがに今回のはCGだろw』

もえぎいろおおかみ:ウイルス浄化さんへの返信『ニュース見ろ。』

明るい月曜日:『鹿児島県民ワイ、朝桜島を見て驚愕』

元カノ生カス『桜島が注目されがちだけどカスピ海もやばくないか?』

 

紫「なかなか伸びたわねぇ。」

 紫は偽造の履歴書(後で『疑心と信用の境界』を弄って見た者は必ず信用して疑わない履歴書にする)を書きながら『オンとオフの境界』を弄ってテレビを点けた。

キャスター「続いてのニュースです。本日未明、桜島が凍結しました。専門家の調べによりますと原因は全くの不明であり不可解な現象であるとのことです。この桜島はいかなる手段を用いても溶かすことはできなかったとのことです。」

 紫はテレビを消し、履歴書が書き終わったため菫子のチャンネルを見た。

紫「『5期生オフコラボ』……」

 見てみると画面には例の5期生が写っている。しかし背景が普通とは違った。

紫「ふふふ……正解。VCabler…菫子であれば『現実と空想の境界』で饕餮尤魔の見た目や能力を現実の菫子の見た目や能力にする事ができる、飲油実験で確信してたのよ。他のVも同様。さ、今日の用事はもう少しあるわね。」

 紫はスキマを博麗神社に繋げた。

         ~博麗神社~

 神社には霊夢とついでに魔理沙と用事のある2人がいた。

霊夢「紫じゃない。稼げた?」

紫「もう少しね。それより貴方達VCablerでもやらないかしら?VCablerてのは簡単に言うと自分とは別の人として配信…見てもらった方が早いわね。」

 紫は適当な尤魔のアーカイブを見せた。

魔理沙「声質的に菫子……で見た目は尤魔…違和感あるな。つまりこの動く絵画を動かしながら色々するやつってことか?」

紫「そういうこと。人気になれば結構稼げるわ。」

霊夢「ふーん…面白そうじゃない。」

魔理沙「同意見だ。」

紫「それじゃあやるってことで良いわね?」

霊夢「ええ。」

魔理沙「勿論だ!」

紫「了解。取り敢えずこっちで色々準備しとくわ。」

 紫はスキマを次の目的地の紅魔館に繋げた。

          ~紅魔館~

レミリア「珍しい客だこと。」

紫「珍しい客よ。」

 咲夜が紅茶を紫の手に持たせた。勿論時を止めて。

咲夜「何の用でしょう?」

紫「貴方達、VCabler……他人になりきりながら動く絵画を動かしながら色々とやる様子を色んな人に見てもらいたくない?」

 二人は意味が分からなそうな顔をした。紫が適当なVCablerの配信を見せるとある程度理解したようだった。

レミリア「面白そうじゃない。やりましょう。」

咲夜「……他に誰を誘ってるのですか?」

紫「霊夢と魔理沙よ。」

レミリア「……これまた懐かしいことをするのね。そのVCablerの設定は実際に反映されるといったとこかしら?」

紫「正解。」

咲夜「……理解しました。私もやります。」

紫「了解。」

 紫はスキマで自宅に戻った。

         ~自宅~

 紫は履歴書を『ラバー株式会社』にスキマで送った。




 ちなみに『ラバー』の英語表記はrubber(ゴム、イメージは輪ゴム)であってlover(愛人)ではありません。
 さて、紫の計画が分かった人もいるのではないでしょうか?今後もご期待を。


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入社前準備

 『ラバー』の関係回です。


        ~面接当日~

 紫は勧誘した4人をスキマで呼び寄せ、ついでに履歴書を送っといた藍が旅行から帰ってきた。

藍「えぇと…何をすれば?」

紫「面接してもらうわよ。私が『採用と落選の境界』で必ず採用されるから。」

藍「採用されたらどうすれば?」

紫「藍はそうねぇ……依姫になりきって動画配信してもらうわ。」

藍「はぁ…分かりました。」

 紫は『人間と人外の境界』で全員人間にし、『普段着と正装着の境界』でスーツにし、「どんなキャラクターをやりたいか」を聞かれたときのためのメモを渡してスキマで会社に送った。

        ~『ラバー』本社前~

 建物の前には2000を越えると思われる人が会社に向かっていた。5人はその人の流れについて行くように歩いていった。紫は上空でスキマから見ていた。

紫(……『採用と落選の境界』…なにもしなくてもあの5人、採用に傾いてる…)

 紫は『可視と透明の境界』で透明になってからレミリアに近づいた。

紫「ねえレミリア、ちょっと五人の運命見てくれるかしら?」

レミリア「えぇ、お安いご用よ。」

 レミリアは能力を使用した。

紫「採用されてるかしら?」

レミリア「…えぇ。もう境界弄ったのね。」

紫「いや、何も。」

 レミリアは少し驚きの表情を見せたがすぐに冷静さを取り戻した。紫はその様子を見てスキマで一度自宅に戻って別の準備をすることにした。。

紫(あの5人が凄いのか他の人がハズレだったのか…まぁどっちでも良いわ。)

          ~自宅~

 紫は『熟者と素人の境界』を弄って物凄く上手い絵を描けるようにし、記憶上にある『地獄の女神』『狂気の妖精』『無理難題の出題者』『相反を繋げる姫』『八百万を仕えし月巫女』を描いておいて『murmuring』*1で自分の画風に似ている絵を出してるアカウントを『自と他の境界』で乗っ取った。更にアカウントに『活動と睡眠の境界』の術を施すことで『murmuring』を開いてもすぐに寝落ちするようにした。

紫「よし、次で最後ね。」

 紫は『部外者と関係者の境界』を弄ってから例の会社にスキマを繋げた。

   ~ラバー 『ソニウムライブ管理部署』~

 紫は境界弄りにより、ソニウムライブ新タレントのイラスト依頼担当者になった。(ちなみに本来の担当者は事前に眠らせて記憶を色々弄って改竄した。)紫は権利濫用紛いのことをして、自身の物となった絵師アカウントに依頼した。紫は自身のパソコンをスキマから操作して返信しといた。

紫(これで準備万全。)

 紫はばれないようにスキマで帰った。

*1
SNSの1つ。何気なく思ったことなどを呟けたり、他者にイラストの依頼などができる。青い背景に白い鳥のアイコンが特徴。




 5人は素質があったようです。


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単独動画撮影

 のーこめ


 紫は自宅に戻ってくると早速撮影の準備にとりかかった。

紫(後は私の方でチャンネル登録者数を……取り敢えずは100万位を目指しましょう。)

 紫は撮影道具一式を準備し終えると幻想郷にスキマを繋げ、今回使う小道具をあらかた取り出し、カメラを起動した。

紫「どうも皆さんこんにちは。幻想賢者、紫よ。今日は単独よ。今日は私の友達が沢山住んでる場所で見つかる不思議な物を紹介するわ。」

 紫がまず最初に手に取ったのはヤスリとそこら辺にありそうな石。その石の唯一普通じゃないところは何故か水が内から出てきていたことたが。

紫「まずはこれをちょっと削っていくわ。」

 そう言うと紫は石にヤスリがけをし始めた。

          ~数十分後~ 

 紫の手にはとても美しい水晶のような透明な球体が存在していた。その球体の中には赤い魚が泳いでいるのが確認できる。

紫「これは通称『魚石』。光が上手い具合に屈折してとても美しく見えるでしょう?今回は魚だったけど時々龍が入ってることもあるわ。まぁ、龍は雷雨を巻き起こすから魚の方が良いのだけども。それじゃあ、次に行きましょう。」

 紫は色とりどりの玉のようなものが付いた木の枝を取り出した。

紫「これは『蓬莱の玉の枝』。かぐや姫が出した難題の一つね。これをネットに落としてみましょう。」

 紫は『10ch』*1のとあるスレに『内と外の境界』を弄って枝を落とし、15秒程してから回収した。すると玉は68個程実り、蕾ができた。

紫「穢れを吸収し成長する植物よ。やっぱり美しいでしょう?何も知らない人にこの美しさが地上の穢れから作られているって言っても信じてもらえないと思うわ。さあ次に行きましょう。」

 紫は黒い帽子の周りに青いコードが描かれているカードを取り出した。

紫「これは結構凄いわよ。」 

 紫がそれを上に掲げるとカードは光だした。その光がやむとカメラには紫が写っていなかった。

紫「これは使用すると周りから認識されなくなる『小石ころ帽子』っていうカード。(…何故カメラにも認識されないかは分からないけど。)で、このカードには他にも種類があって『3回まで蘇生(不死鳥の尾)』できるようになったり、『滅茶苦茶足が速くなる(疾風の下駄)』だったりまぁ色々あるわ。(尺的にそろそろ終わりね。)それじゃあ、今日はこんなところで終わるわ。では、また次回。」

 紫はカメラを止めると映像記録をパソコンに移し、5秒程で編集を終わらせ、『幻想道具紹介』を投稿した。ちなみに魚石と玉の枝は飾り、カードは持ち主に返した。

*1
超大手掲示板。利用者は『テンラー』と呼ばれる。




 先週はめっちゃ忙しくて投稿できませんでした。すいません。


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【衝撃】幻想の道具が知れ渡った結果……

 のーこめ


視聴回数:1325642回 チャンネル登録者数:+115235人 高評価数:25438 計:311489人

コメント:12654件(一部抜粋)

杉山:『あの玉近くの竹林の竹に実ってたんだけど……』

一般ダルマ:杉山さんへの返信『同じく』

黒木:『金魚が石の中に……不思議ですね。』

植物を飼った少女:『あのカードってどんな仕組みなんだろ?知りたい。』

6人の日本人:『紫さんの故郷行きてー!蓬莱の玉の枝があるってことはかぐや姫もいるのかな?本当に行きてなぁーーーー!』

 

紫「今回のサムネはまあまあ自信作だったからねぇ。タイトルも中々。さ、こんぐらいの再生数なら……」

 元々点けてあったテレビからニュースが流れる。

キャスター「全国に存在する『竹』。その竹に謎の玉が発生する異変が起こっています。調査によりますと玉は東京都に近くなるにつれ付着数が上がるとのことです。」

 チャンネルを変える。

キャスター「██県の███採石場にて大量の金魚が石の中から出てきました。」

 また変える。

キャスター「玩具販売会社『KANOMU』が有する商品の一つ、『決闘平民』のパックの中身が全く別のカードになっているという事件が発生しました。現在カードは85種類確認されており、特定の操作を行うと身体的異常が現れるため、カードを発見次第、近くの行政施設にお届けください。」

 テレビを消す。真っ黒な画面のテレビには不敵に微笑む紫が映っていた。

紫「さあ、どんどん動画を撮影していきましょう。……いやその前にちょっと『murmuring*1』で炎上してる投稿がないか見ようかしらね。」

 スマホを操作し、目的のアプリを開く。

紫「『九尾の狐*2居てワロタw(画像付き)』『東京の某竹林にて(画像付き)』……つまんないわねぇ……」

 適当にスワイプしていると一つの投稿に目を光らせた。

投稿『地球が球状というのは嘘であり平面である。』

紫「何を言ってるのかしら。まぁ良いわ。これを再現しましょう。色々と境界を弄ったりして。」

 紫は『地球平面説』の矛盾点について調べた。大体は境界を弄ることで解決することができそうだったが星の位置だけは正確な調整が難しいため他の妖怪に頼むことにした。

紫「あの大天狗って確か『星空を操る程度の能力』…ま、星々の位置調整とか可能よね。」

 紫は早速スキマを妖怪の山に繋げた。

*1
SNSの1つ。何気なく思ったことなどを呟けたり、他者にイラストの依頼などができる。

*2
藍ではない




 結構再生されるようになってきましたね。


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大天狗様は事情を知る/『ソニウムライブ 幻想期生』

 のーこめ


     ~妖怪の山 大天狗専用部屋~

 紫は大天狗の一人、『飯綱丸龍』が生活する部屋にスキマを通して出てきた。

龍「賢者様か。プライバシーも糞もないな。」

紫「それはどうも。」

龍「誉めてないんだよなぁ……それで、どうしたんだ?」

龍「外の世界で星々をこういう感じに移動させてくれるかしら?」

 紫は地球平面説のために必要な星の移動を示した絵を見せた。

龍「『地球平面説』だったか?烏天狗の誰かがこれに関する新聞を書いてたな。」

紫「文々。……」

龍「それじゃない。外の世界と言ったな?私は消滅したりしないのか?」

紫「大丈夫よ。河童と妖精で実験したわ。」

龍「なら大丈夫か。ところで何故こんなことをするんだ?」

紫「活動写真って知ってるかしら。」

龍「動画か?」

紫「知ってたのね。私はそれを撮影、公開してるのよ。貴方達の新聞に似たような感じよ。」

龍「それでどうするんだ?」

紫「動画には『幻と現の境界』を曖昧にして具現化する力があることが分かったの。今回のは具現化しても私がもとに戻すけど。けれど具現化できるにはそこそこ有名にならないといけないのよ。」

龍「つまり話題を呼ぶために?」

紫「そうよ。」

龍「……ふふふ、面白いじゃないか。今日は忙しいから明日やろう。」

紫「協力感謝するわ。それじゃあこれで。」

 紫はスキマを家に繋げて入った。

          ~外の自宅~

 明日まで時間があるため紫は描いた霊夢達が使うアバターを担当者(紫)に送った。そして紫は『関係者と部外者の境界』を弄って『ラバー』の本社にスキマを繋げた。

    ~ラバー 『ソニウムライブ管理部署』~

 紫は『動と静の境界』を弄って作ったLIVE2D絵を担当者に送り、境界を弄ってプロフィール作成関係者に成り代わった。

紫「ま、本物とほぼ一緒で良いよねぇ…月の姉妹の名前は変えないと…信仰が集まるかもしれないし。」

 紫は綿月依姫と豊姫をそれぞれ『月神八百(つきがみやお)』と『月橋桃海(つきばしももみ)』という名前に改名した。後のプロフィールは編集で鍛えたタイピング力を活かして高速で書き上げて担当部署に提出した。紫はスキマで自宅に戻り、境界を弄って部外者となった。

           ~自宅~

 紫はやることをやって暇になったため少し昼寝をすることにした。

       ~8時間後 午後10時頃~

 目覚めた紫はスマホで『murmuring』*1を開き、ラバーからの発表を見た。

ラバー「『幻想期生』でヒュー決定!█/██~█/██にかけて、以下の順番で初配信を行います!(画像)」

*1
SNSの1つ。何気なく思ったことなどを呟けたり、他者にイラストの依頼などができる。青い背景に白い鳥のアイコンが特徴。




 ついに5人が配信を行うようです。


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異説と定説の境界

 木曜はすいませんでした。


          ~翌日 夜~

 紫と龍は宇宙でカメラの前に立ち、自己紹介を始めた。(音は『静と騒の境界』を弄って聞こえるようにしている)

紫「どうも皆さんこんにちは。幻想賢者、紫よ。」

龍「どうも、幻想星空、龍だ。」

紫「突然だけど地球の形ってどんな感じか知ってるかしら?」

 紫はカメラを地球に向ける。カメラには美しい青い球体が写る。

紫「そう、球体よね。でも中には平面と答えた人も居るかしら?今日は『地球平面説』を実現させるわ。まずは手始めに。」

 紫は『立体と平面の境界』を弄って地球を平面にした。

紫「これで『地球平面説』の完成!」

龍「いやいや、私の意味は!?」

紫「冗談よ。さ、次は貴方の番よ。」

 龍は『星空を操る程度の能力』を応用して月と太陽を丁度良い位置に移動させ、紫が『暑と寒の境界』を弄ることで急な温度上昇を抑えた。

紫「これで天体の位置は良いわね。次に『端に着いたら反対側から出る』を再現するわ。ちょっと大変そうね。」

 紫はスキマを隙間無く埋めつくし『可能と不可の境界』を弄って視認不可にした。それぞれのスキマは反対側のスキマに繋がれておりこれで再現完了である。

紫「次は時差と太陽の動きね。それはこうよ。」

 紫は『遅と早の境界』を弄って各地の時刻を通常と同じに調整し、『縦と横の境界』などを弄って通常の太陽の日周運動をしているように見えるようにした。

紫「後は細かいのを弄れば…これで矛盾の無い平面の地球…地平ができたわ。」

龍「私そんなに要らなかったんじゃないか…?」

紫「今日はここまでよ。」

 紫はカメラを止めた。

龍「なあ、私の意味「帰らせてあげるわよ。」」

 紫は龍をスキマで強制的に幻想郷に帰らせた。

紫「さ、編集しましょ。」

 紫はその場で編集、『陰謀再現してみた』を投稿した。

紫「今回の動画あの子好きそうねぇ……」

 紫は配信してないかの確認をしてから菫子に電話をした。

紫「ねえ、今回の動画は貴方が好きそうな感じになったわよ。」

菫子『紫さん、最初は『もしもし』ですよ。見てみます。』

          数分後

菫子『陰謀論が現実に……さすが紫さん!好みを分かってますね!』

紫「たまたまよ。ところで貴方達の調子はどう?」

菫子『順調……ですけどびっくりしましたよ!まさか霊夢さん達が後輩になるなんて!なにがあったんですか!?』

紫「…………気紛れよ。」

菫子『その間怖いですよ!』

紫「それじゃあ電話切るわね。」

 紫は電話を切り、スマホの電源をオフにした。スキマを開き、地平へと戻った。




 菫子は順調そうですね。後、平面説についてですが残ってる矛盾点を発見しても気にしないでください。


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視察と実験と交渉

 のーこめ


 『陰謀再現してみた』

視聴回数:3214532回 チャンネル登録者数:+231456人 高評価数:15324 計:54294人

コメント:12654件(一部抜粋)

buried room soup:『地球は元から平面です。訂正してください。(翻訳済)』

Girl out The sphere":buried room soupさんへの返信『現実見ろw(翻訳済)』

水海の拾い物:『紫さんの力すっご。』

男子小学生木材:『戻せやw』

背中一ヶ所の花:『さすがに戻したか(なお、3日放置)』

 

 さすがに紫はニュースで取り上げすぎていたため地球に施した細工は投稿から3日後に元に戻した。そして今紫は『ラバー』の本社の前に居る。昼時のためあまり本社前に人はいない。

紫「やっぱりここだと『仮想現実と本体現実の境界』が集まってるのがはっきり見える。あちら(バーチャル)こちら(リアル)を隔てる境界がここまで集まってると何があったら大変ねぇ……しかも何故か曖昧に…これはこれに干渉できる人がなんか弄ったら大変ねぇ……」

 紫は不気味な笑みを浮かべながら自宅にスキマを開き、入った。

           ~自宅~

 自宅の作業用のパソコンには紫が描いた人物画…VCablerの立ち絵が写し出されていた。これから行う実験に欠かせないものだ。紫は『二次元と三次元の境界』を弄って二次元の世界に入り、自身にその立絵を適応した。月の下級兎を模した立ち絵を。そして次に紫は今いる場所と月の都を繋ぐスキマを『二次元と三次元の境界』を応用し、開いた。

          ~月の都~

 都に到着し、暫く歩いても誰も何も言ってこない。

紫(やっぱり。穢れが無いわね。)

 当然である。穢れとは、生と死だ。VCablerの立ち絵は死ぬこともなく生きていることもない、言ってしまえば無生物に近い。故に穢れが無い。仮想現実もファンの理想が集まり、月のような穢れ無き土地となっている。

紫(まぁ知りたいこと知れたし、次のネタ探しに行きましょ。)

 紫は仮想現実にスキマを繋げて入り、姿を戻してから幻想郷に繋げて入った。今回の行き先は永遠亭だ。

          ~永遠亭~

 紫が出た目の前には薬師の八意永琳が居た。

永琳「…なんか用かしら?」

紫「外の世界に来てみない?」

永琳「何故?」

紫「あなたのその能力で外の難病を治して欲しいのよ。」

永琳「……期間はどのくらいなのよ?」

紫「1日だけよ。」

永琳「……ま、この時期暇だし良いわ。やってあげる。」

紫「ふふ、有り難う。今日でも良いかしら?」

永琳「ええ。」

紫「それじゃあ、スキマを繋げるわよ。」

 紫は外へのスキマを開き、永琳と共に入った。(つきはしやお)




 完全に忘れてたプロフィール(幻想期生)書きます。

名前:月神八百(つきがみやお)
種族:月人
誕生日:10月4日
趣味:鍛練
好物:団子(思い付かなかった by作者)
嫌いな物:地上
ファンネーム:八百万の民
メンバーシップ名:民の鍛練場
推しマーク:『刀』(元ネタが持ってるから。)
紹介文:月に住む巫女。日々剣の鍛練を積んでおりその剣術は最強レベル。それに加え彼女には『日本神話の神様を体に宿す能力』を持っており彼女の師匠以外に敵う者は居ない。

名前:月橋桃海(つきはしももみ)
種族:月人
誕生日:7月19日
趣味:桃食
好物:桃
嫌いな物:地上
ファンネーム:桃農家
メンバーシップ名:農家とのくつろぎ場所
推しマーク:『桃』(好物だから。)
紹介文:月に住むお嬢様。普段は桃を食べてくつろいでいるが彼女も妹の八百のように『月と地上を繋ぐ能力』を持っている。これは応用すれば遠距離移動が可能になるためこちらも強い。さらに彼女は森を一瞬で粒子レベルまで分解する扇子も持っているため戦闘力は高い。

名前:蓬莱山輝夜
種族:蓬莱人
誕生日:4月18日
趣味:蓬莱の玉の枝の盆栽
好物:月の兎の餅
嫌いな物:月で出てたご飯
ファンネーム:輝夜親衛隊
メンバーシップ名:難題提示会場
推しマーク:『十三夜月』(満月が少し欠けてるから。)
紹介文:『竹取物語』のかぐや姫本人。本来の話とは違い、月からのお迎えを彼女の友人が皆殺しにしたために地上に居る。彼女は月で飲むと不死になる『蓬莱の薬』を飲んだ罪で地上に落とされたため彼女は不老不死である。

名前:ヘカーティア・ラピスラズリ
種族:神
誕生日:8月14日
趣味:地獄巡り
好物:地獄の業火で炙った動物霊
嫌いな物:天界の食べ物、月
ファンネーム:地獄鬼
メンバーシップ名:職場
推しマーク:『地球』『月』『丸(赤)』のいずれか+『炎』
紹介文:月、地球、それ以外の異界の地獄を司る女神。彼女は3つの体で1つであり、さらに魂は地獄の何処かにあるため倒すことは不可能である。服のセンスも地獄級であるが当の本人は気にしていない。案外フランクな性格であり話していると楽しい。

名前:クラウン・ピース
種族:妖精
誕生日:3月18日
趣味:人を狂わせること
好物:ヘカーティアの料理
嫌いな物:特に無し
ファンネーム:地獄サーカス団員
メンバーシップ名:サーカステント
推しマーク:『サーカス』+『妖精(オレンジの服)』
紹介文:ヘカーティアに仕える地獄の最強妖精。持っている松明の火を見てしまった人は狂気に陥るため配信の際には特殊なフィルターを通して行う。その能力も相まってときどき狂ったような発言も多々ある。


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世界健康作戦

 新作(嘘)が発表されてましたね。


           ~翌日~

 紫はアフリカで薬配りをすることにした。紫がアフリカに到着しカメラとかの準備が完了した後スキマを開き、永琳を呼び出した。

永琳「ここが治療する場所?」

紫「そうよ。ここは結構色んな病気とか流行ってるから治しがいあるんじゃない?」

永琳「……エイズ、結核、肺炎、狂犬病、その他多数…本当、病気のよろず屋ね。」 

紫「あら、見ただけで分かるのね。」

 紫はカメラを設置し永琳をカメラ目線にしてから録画開始ボタンを押した。

紫「どうも皆さんこんにちは。幻想賢者、紫よ。」

永琳「幻想薬師、八意永琳よ。」

紫「今日はアフリカのとある場所に来てるわ。今日はアフリカの全病気治していくわ。」

 紫はカメラを持ち、具合が悪そうな人のところに行った。

紫「こんにちは。」

              *1「من أنت」病人

紫「あ、忘れてた。」

 紫は『日本語と異国語の境界』を弄ろうとしたとき、永琳が行った。

      *2「نحن أطباء لقد جئت لأشفيك.」永琳

*3「أنا مصابة بداء الكلب! إذا كان بإمكانك إصلاحه ، فحاول إصلاحه!」病人

                 *4「أفهم」永琳

 永琳は持ってた鞄から材料をいくつか出し、調合を始め、およそ30秒程で錠剤が出来た。恐らく月の技術で生み出したコップに入った水と一緒に渡した。

                *5「جربها」永琳

 病人は薬と水を受け取り、半信半疑で飲むとみるみると顔色が良くなった。

         *6「شفاء عظيم! وهو لذيذ!」健康人

         *7「شكرا لك على مساعدتك.」永琳

 永琳はその後もどんどんと治していき、アフリカの病人率を減らしていった。

          ~12時間後~

 アフリカの健康人率が100%となった。

紫「さ、最後よ。」

永琳「あら、もうここには不健康の人なんていないし川には完全濾過装置を設置、媒介蚊の消毒、あらゆることをしたけど?」

紫「今なんか世界中で新型病の『プロミネンス』っていうやつがあるらしいの。」

永琳「あ~、患者の一人がそれだったからもう薬を作ってるわ。」

紫「ちょっとそれ貸して。」

 紫は薬を受け取ってから『有害と無害の境界』で完全無害に、『速効と遅効の境界』ですぐに効くように、『個体と液体の境界』でスプレー式にしようとしたが、その必要は無かった。何故ならもうそうなっていたからだ。

永琳「読んでたわ。後は『単と複の境界』でも弄って頂戴。」

 言われた通り紫は弄りつつ、スキマを開いた。空を覆う程多いスキマが一斉に開いたのを確認し、紫はスプレーをスキマに放った。永久的に複数になり続けるためスプレーが切れることはなく、スプレーを出す力も複数にし続けているため一度のプッシュで十分だった。

           ~1時間後~

 着地したのを見て紫はスプレーを辞めた。一度全てのスキマを閉じてから幻想郷と自宅へのスキマを開き、紫と永琳はそれぞれのスキマに入った。

           ~自宅~

 紫は『【救世主】アフリカの病気、撲滅してみた』を投稿した。

*1
お前達は誰だ

*2
我々は医者です。あなた方を治しに来ました。

*3
俺は狂犬病にかかってる!治せるもんなら治してみろ!

*4
分かりました。

*5
試してみてください。

*6
凄い治ったぞ!しかも美味い!

*7
お役に立てて何よりです。




 永琳さんマジパネェっす!


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批判者を黙らせよ

 ちなみにVの依姫と豊姫ですが八百(依姫)、桃海(豊姫)っていう風に書いていきます。


 『【救世主】アフリカの病気、撲滅してみた』

 

 視聴回数:5312645回 チャンネル登録者数:+342565人 高評価数:235123 計:885510人    

 

コメント:521351件(一部抜粋)

黒木:『相変わらず凄いですね。まさに神のよう。』

日本か一生戸惑う画像:『紫さん何かした?』

あの山レベル高すぎ:日本か一生戸惑う画像さんへの返信『いやいやあのポータル開いてたやんけ。』

主菜おばさん:『永琳さん革命起こせるんじゃね?』

ファイアーウーマン:『永琳って名前どっかで聞いたことが……輝夜ちゃんのところだったけな…』

 

紫「……ねぇ咲夜。」

咲夜「はい、何でしょう。」

 少し冷や汗をかいている咲夜に紫は問いを投げ掛ける。

紫「これってどういうことかしら?」

咲夜「………あぁ……えぇ…」

 咲夜が突然消えた。

紫「時止めて逃げるんじゃないわよ!」

 紫は追いかけようとしたが今回は見逃すことにした。

紫「後でこの動画と聞いたことがある人の『忘と覚の境界』を弄らないと……あれ妖力ごっそり持ってかれるから嫌なのよねぇ…幻想郷のバランス壊しかねないし…」

藍「ただいま終わりました。」

 さっきまで配信をしていた(八百(依姫))が紫に報告した。紫はとある画面を写し出し、藍に見せた。

紫「藍、これを見て頂戴。」

藍「はい…ってこれ何ですか!酷いですね!」

 そこには『どうせCG』『偽善乙w』『つまらない』『痛すぎワロタ』『死ね』等々の所謂アンチコメントの数々だった。

紫「『善と悪の境界』を応用してアンチだけを写してるんだけど、やっぱり多かったのよねぇ。ま、気にしてないけど。」

藍「これがどうしたのですか?」

紫「これを見て嫌な気持ちになる人もいるじゃない。」

藍「まあそりゃ居ますよ。」

紫「だから私はこれに鉄槌を下そうとね。」

 そう言うと紫は手に『秘と(おおやけ)の境界』をいじって入手したアンチの住所を出した。そして『単と複の境界』で分身した。

紫「「「「「「「「幸いまだアンチは少ないからこの位で十分よ。」」」」」」」」

藍「お言葉ですが…煩いです。」

紫「それは失礼。」

 紫(本体)が合図をすると分身達は各々の武器を持って『可能と不可の境界』と『現在と過去の境界』を弄って作った不可視の過去へのスキマを開いた。

 ここでお仕置きの一部を見せよう。

 

CASE.1

 学生でイライラしてやった場合。

学生「あの糞教師…俺ばっか怒りやがって!」

 学生は目についたチャンネルにアンチコメをしようとした。そのとき突然手に針で刺されるような痛みがした。

 

CASE.2

 『アンチカッケー』と思ってる痛い大学生の場合。

「アンチたっのしーw」

 彼が取り敢えず紫のチャンネルにアンチコメントしようとしたそのとき包丁で切られたような痛みの後、大量出血した。

「いってーー!!なんだよこれ!」

 

CASE.3 

 紫の3つめの動画、『【奇跡】現代のモーゼ』から徹底アンチしてる引きこもりニートの場合。

「アンチきもちぇー!」

 そいつがいつも通り紫の新着動画にコメントしようとしたとき手に焼かれたような痛みと熱さが伝わりそれが1時間ほど続いた。もうそいつの手は使い物にならない。

 

 

紫「ね、どんどん減ってきてる。」

藍「ところで後どの位…」

紫「んー…後1日2日分身を働かせれば終わるわね。」

藍「相変わらず部下使いが荒いようで。」




 妖怪をおこらせるなんて……怖い怖い。


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八雲紫のぶらりスキマ本職旅行in上野

 今回は私の推し場所の登場です。


 紫は今アンチ撲滅の為パソコンを使えない間を利用して本職である妖怪の仕事をしようと考えた。

紫「さて、取り敢えず怪奇現象でも起こしましょ。」

 紫はスキマを東京の上野に繋げた。

         ~上野上空~

 上野は日曜なのもあってかなり賑わっていた。紫は上空から何処に狙いを定めるかを決めていた。

紫「動物園も良いんだけどねぇ……あそこ、『死』が濃くて中々良いじゃない。」

 紫は数多くの標本()を展示している場所である『国立科学博物館』にスキマを再度繋げた。

        ~国立科学博物館~

 手始めに紫は日本館2F北翼のレプリカの人体骨格標本が置いてある『日本人と自然』という展示エリアに来た。

紫「ふーん……結構良いわね…でもレプリカねぇ…本物置けば良いのに。」

 紫は数ある展示の中で一つだけ注目したものがある。『江戸時代の女性のミイラ』。平成11年辺りに発掘され、余りにも状態が良いため研究に大いに貢献したという。

紫「へぇ……良いじゃない。本物も。」

 紫は『生と死の境界』を弄ることでそのミイラを蘇生した。とはいっても体の節々は乾燥しており動かすことはできない。ただ生きていることを知る方法は一つ。それは……

紫「『大と小の境界』を弄れば……」

 心音を聞くことだ。境界を弄るとエリア全体に心音が響き渡り、そのエリアに居た人々は困惑した。

紫「放置しちゃうと腐敗が進んじゃうのよねぇ…戻しましょう。」

 紫は『生と死の境界』の状態を元に戻した。勿論心音は聞こえなくなった。

紫は「『軟と硬の境界』を弄っても良かったけど……まぁいいわ。」

 紫は『地球館』の方にスキマを繋げた。

          ~地球館~

 地球館にも面白い場所がある。勿論境界を弄ったら面白い場所だが。

紫「ふふふ……死がかなり濃いわ…唯、所詮詰め物された動物の毛皮なのよねぇ…まぁやってみる価値はあるわね。」

 紫は『生と死の境界』を弄った…が何も起こらなかった。

紫「やっぱりそうなるよねぇ…ま、打つ手が無くなった訳ではないけど。」

 次に紫は『動と静の境界』を弄ってみた。すると今度は動物達はちゃんと動き、元気にガラスを割り、何処かへと走り去った。

紫「走り去る 音に続くは 悲鳴音」

 季語を無視した俳句を読んだ紫は満足したため、『事前と事後の境界』を弄って動物達を元に戻し、ガラスも直した。

紫「ただこの境界弄ると半分位妖力持ってかれるのよねぇ…色々と他の境界でも持ってかれちゃったし、帰って寝ようかしらね。」

 紫はかなり疲れた体に鞭をうち、最後の妖力を振り絞り、ベットの上に境界を開き、倒れるように入った。




 ちなみに余談ですが地球館3F『大地を駆ける生命』(紫が最後に行った所)には鳥類を含めると276体の剥製が展示してあるそうです。紫は276体全ての『動と静の境界』を弄ったわけです。


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恐らく最後となるであろう交渉

 のーこめ


 深い眠りから目覚めた紫は次の動画について考えていた。

紫(多分この伸びだったら次の動画で登録者百万人……計画の開始の合図となるのよねぇ……そしたら注目を集めるためには……異変を起こしましょう。炎上しても消火できるし。なら……起こしやすい紅霧異変と永夜異変、間欠泉異変、そして四季異変を起こしましょう。)

 そう決めると紫は最初にレミリアの所に向かった。

         ~紅魔館~

 配信外なのを確認済みの紫は直接レミリアの前に現れた。

レミリア「あら、どうしたのかしら?貴方がまた来るなんて。」

紫「計画の最終章に入ったの。それで最後の動画で貴方の力が必要なのよ。その、霧を出す力が。」

レミリア「ふふふ、成る程。良いわ。外を素晴らしい紅で染めましょう!」

紫「話が早くて助かる。」

 紫は次の目的地へと向かった。

         ~魔法の森~

 かつての永夜異変では紫が止めていたが今回は動画の都合上それは信用問題(ほぼ関係なくなるが)に関わるため、紫はとある二人に依頼をしに来た。

魔理沙「お、よう紫!」

アリス「珍しいわね。」

 犬猿の仲の筈なのに何故かお茶会をしている二人である。

紫「ねぇ、『夜を止める魔法』なんて無いわよね?」

魔理沙「あ?私は聞いたこと無いな。」

 紫は知っている。そんな魔法の存在を。あえて聞いたのだ。

アリス「……確か禁書とされる魔道書『グリニッジグリモワール』。その第3章に特定の物の時を止める魔法がある。使えるわよ。」

紫「へぇ……じゃあ、外で永夜異変の再現、お願いしても……」

魔理沙「おぉ!面白そうじゃねえか。手伝おう!」

アリス「まぁ、これも訓練ね。良いわよ。」

紫「ふふ、じゃあ、明日の夜スキマで落とし呼ぶわね。」

 紫はそう告げ、次の目的地へと向かった。

          ~地霊殿~

紫「外で間欠泉出して頂戴。」

 紫は来るや否や言った。

燐「えぇ……あれ?あれここだからできたのであって外でできるかなぁ……」

紫「『空と満の境界』と『液体と個体の境界』、『清と汚の境界』に『静と動の境界』を弄ってサポートするわ。」

 燐は顎に手を乗せ考える。そんな中、彼女の主人が声をかけてきた。

さとり「別に行ってきても良いわ。」

燐「さとり様!」

さとり「……たまには外に出てそういう事も良いでしょう……お空なら一緒に行って水を暖めてもらえば良い。」

燐「さとり様が言うのであれば……」

紫「ふふ、決定ね。じゃあスキマでこっちに来させてあげるからその前に烏に話つけておくのよ。」

 紫は最後の目的地へと繋げた。

         ~後戸の国~

隠岐奈「話は聞いたよ。」

紫「あらそう。」

 隠岐奈は目の前に開けていた扉、紫の後戸を閉めて紫の方を見る。

隠岐奈「外の季節を乱れさせろと言うんだろ?」

紫「ええ。」

隠岐奈「畏れで信仰が増えるだろうなぁ……協力しよう。明日の夜だな?」

紫「そうね。」

隠岐奈「じゃあ、また明日。」

 紫はそれを聞くとスキマを使い、自宅へと戻った。




 次回が動画撮影ラストとなります。最終回ではありませんがね。


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最終撮影

 のーこめ


 紫達は東京の上空で集合していた。

紫「じゃあ、撮影開始するわよ。」

 紫はカメラを起動する。

紫「どうも皆さんこんにちは。幻想賢者、紫よ。」

レミリア「幻想運命、レミリアスカーレットよ。」

魔理沙「幻想魔術、魔理沙だ。」

アリス「幻想人形、アリスよ。」

燐「幻想死体、お燐だよ!」

空「幻想……核融合!お空だよー!」

隠岐奈「幻想後戸、隠岐奈だ。」

紫「今回は一杯呼んでみたわ。で、やることだけど、今日は私の故郷のような場所での事件を再現するわ。」

 紫が合図をとると、各々が必要な準備をした。

レミリア「それじゃあ、始めるわよ!」

 レミリアが指先から紅い霧を出し始めたのを引き金に、魔理沙とアリスが呪文を詠唱し、紫が日本全土の地面の『空と満の境界』、『液体と個体の境界』、『清と汚の境界』、『静と動の境界』を弄り、地下を大水洞にしつつ地面が崩れないようにして、お燐とお空が地下に潜り協力して間欠泉と怨霊を出し、隠岐奈が日本の妖精達の後戸を開けることで四季をめちゃくちゃにした。

紫「おお!桜が咲いたわねぇ。でちょっと先では雪が降ってる。綺麗ね。」

 景色を堪能しているうちに紅くなっていき景色が見えなくなっていく。

紫(……想像より濃いわねぇ……あと広がりが遅いし。よし。)

 紫は『濃と薄の境界』、『遅と早の境界』を弄り、霧を薄くし広がりを早くした。そして、そんなことをしているうちに夜が止まった。

アリス「終わったわ。」

魔理沙「意外と簡単だったな。材料がすげぇ手間なだけで。」

紫「ふふ……ありがとう。」

魔理沙「珍しいな。お前が感謝なんて。」

紫「感謝ぐらいするわ。じゃあ後は……」

 紫が下を確認すると間欠泉から湧いた水が近づいてきた。

紫「良い感じね。」

 紫はカメラに間欠泉ができていく様子を収め、できる様子が見えなくなったところで自分を写した。

紫「じゃあ、今日は早いけどここまでね。それじゃあまた今度。」

 紫は撮影終了ボタンを押した。

紫「いつもよりクオリティが低いけど……まぁ良いわ。」

 紫はパソコンを取り出し、編集を終わらせた。今回は編集にプラスして『騒と静の境界』を応用利用して、静かになっているところを誰かしらが喋ってるようにした。そして、紫は『【炎上覚悟】異変起こしてみた』を投稿した。

紫「これで100万はいくかしらね。」

燐「ぜー……はー…………終わったよ。」

空「楽しかった!」

紫「お疲れ様。それじゃあ、スキマで帰してあげるわ。」

 紫はスキマで6人妖を幻想郷に帰した。




 ラストスパートですね。


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鎮火と進行

 のーこめ


『【炎上覚悟】異変起こしてみた』

 視聴回数:235632423回 チャンネル登録者数:+1235426人 高評価数:23563 計:2120936人

コメント:123421件(一部抜粋)

黒木:『流石にこれは……擁護できませんね。』

男の子のしょんぼり:『炎 上 案 件』

主菜おばさん:『やりすぎw』

サーモン捨て:『迷惑なんだけど』

真アメリカ合衆国:『早く投稿者逮捕されて』

 

紫「投稿後8時間でこの数字……凄いわねぇ。」

 それもそうだ。日本全国での異常現象、その原因の動画でニュースなどで大々的に宣伝され、消去されないとなると大注目される。

紫「代償として物凄い炎上ねぇ。まぁ結局炎上商法が数字を稼げるのねぇ……なんか切ないわねぇ……」

 紫は言葉とは裏腹にそんなに切なくなさそうに、むしろ嬉しそうに語った。

紫「……前に試した境界を用いた炎上のさせかた、あの逆をやればいいだけ。」 

 紫はスマホの『二次元と三次元の境界』を弄り、湧き出している間欠泉にスマホを投げ入れた。スマホは間欠泉で多量の水を浴びるとブーメランのように紫の手に戻ってきた。

紫「ふふふ……やっぱり。炎上で荒れてたコメントが鎮火されて平和なコメント欄に変化したわ。」

 こうして歴史上最大のインターネット炎上事件になる筈だった動画の火は、強制的に鎮火された。

紫「ま、これは置いといて、確認でもしましょうかね。」

 紫はスマホの画面にソニウムライブ幻想期生の個々のチャンネルページを開いた。

紫「……凄いわね。全員100万人越えてるわ。ついでに……」

 紫はソニウムライブ5期生の饕餮尤魔(菫子)と叶月ルナのチャンネルページを開いた。

紫「……こっちも凄いわねぇ。」

 それぞれ150万人と130万人。結構最近デビューにしては多い。

紫「これで戦闘員は十分っと。後は……」

 紫はスキマを開き、すぐに入った。

        ~『ラバー』本社前~

 紫が繋げたのはラバーの本社。前に視察に来たところだ。

紫「まぁただの視察の予定だけど。」

 紫はさらに濃く、曖昧となっている境界を眺めていた。

紫「きっとこの異変も関係してるわねぇ……こんな幻想的で、非現実的なこと、仮想現実が本体の2つがいつひとつになってもおかしくないわ。」

 紫は『仮想現実と本体現実の境界』を指にかけたりあやとりしたりして遊んでいたところ、力加減を誤ってしまい境界が壊れてしまった。壊れてしまった境界はドミノのようにどんどんと崩れてゆき、仮想現実と本体現実の一体化が進んでしまう。

紫「アーヤッチャッタナー。」

 棒読みの声が響き渡る。

紫「まぁVCablerの中がV側のアバターと設定に置換されるだけだけどね。それに境界なら私が再制定すればいい。」

 今度は余裕が含まれた声が響き渡った。




 ちなみに紫から見て『仮想現実と本体現実の境界』はこう見えてます。
【挿絵表示】


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史上初

 のーこめ


 紫はスキマに入り、とある湖の真上に来ていた。その湖は滋賀県に存在し、日本国内最大の湖であるが法律上河川と分類されている琵琶湖である。

紫「今夜は見事な満月。そして月は真上で停止。後は……」

 紫は『静と動の境界』と『清と汚の境界』により水面を平面にし、湖に映る月を綺麗な鏡写しにした。

紫「これで準備完了。」

 念のため『満と欠の境界』を見て、完全な満月であると確認した。

紫「ネタ被りは……うん、無いわね。さぁ、これから歴史上初、月からの配信が始まるわ!」

 紫は配信枠を作っておきいつでも配信できるようにした。

黒木『久しぶりのライブ配信、ありがとうございます。 1000円』

紫「相変わらず速いわねぇ……あとハイチャも。」

 紫は待機画面の様子を見ながら呟く。着々と増えていく同接数を見ながら、紫は7つのスキマを開いた。開いたスキマはどんどんと下降していくと人影のようなものが見えてきた。

霊夢「ようやくやるのね。」

紫「ええ。もうほとんど準備は終わってる。後は月とここを繋ぐだけ。」

菫子「……あの……何するんですか?」

紫「第三次月面戦争。」

菫子「で、何で私が尤魔になってるんですか?」

紫「『仮想現実と本体現実の境界』を"うっかり"壊しちゃったから。」

菫子「それでこのあとは?」

紫「戦って貰うわよ。」

菫子「拒否権はありますか?」

紫「そんなもん無いわ。」

 菫子は物凄く嫌な顔をしてテレポーテーションしようとした。しかし、いくら念じても発動しなかった。

紫「無駄よ。今の貴方は尤魔なの。超能力は封印よ。」

菫子「えー!超能力あった方が強いですよ。」

レミリア「さっきからうっさいわね!黙って従いなさい!」

 レミリアは菫子を担ぎ、池へと投げた。紫は慌てて『天蓋月と湖浮月の境界』を弄り、湖の月と本物の月を繋いだ。

魔理沙「もう入って良いのか?」

紫「ええ。構わないわ。」

レミリア「じゃあお先!」

 4人はレミリア、魔理沙、咲夜、霊夢の順で湖へと飛び込んだ。

藍「私は紫さまと同伴します。」

紫「あらそう。じゃあ、行きましょう。」

 紫と藍も一緒に入った。湖の側にはただ一人、完全に置いてけぼりの人が居た。

ルナ「……私も行った方が良いよね。」

 ルナも遅れて湖に飛び込んだ。

          ~月面~

 表の月で紫は配信の準備をしながら、注意事項を話していた。

紫「これから月の都の結界を破壊、侵攻するわ。本来の能力は封じられてることを頭にいれておいて頂戴。」

霊夢「了解」

魔理沙「任せろ!」

レミリア「余裕よ!」

咲夜「お任せください。」

 その声を聞き届け、紫は配信を開始した。

紫「どうも皆さんこんにちは。幻想賢者、紫よ。」




 最終回近い……かも。


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配信の開始

 のーこめ


 『月の裏にある都で戦争してみた』というタイトルで始められたLIVE配信は、そのタイトルのインパクトや紫自身の知名度もあり同接は32万人に上った。

紫「さて、今からタイトルにある通り、あそこにある都へ襲撃しに行くわ。でも、その前に、私が本当にここに居るかどうか、気になるでしょう?」

 そう言って紫は『表と裏の境界』を弄って地球から見える月の面を裏にした。

紫「ふふふ、見えるかしら?まぁ、流石に遠すぎて見えないわね。失敬失敬。」

 今度は紫は『近と遠の境界』『幻影と実物の境界』等10の境界を弄り、地球に何の影響もなく月の裏の様子が見える程に近づけ、更にその月の幻影を全世界の空に配置した。

紫(同接200万突破。順調ね。)

 地上ではニュースが大々的に流れ、チャンネルの宣伝兼指名手配でニュースで紹介されることでさらに同接が上がる。『死亡と生存の境界』の応用利用によりチャンネルは(BAN)なない。

『よく見ると後ろに尤魔ちゃんいる!』『コスプレ?』

『紫さんならもしかしたら……』

紫「あ、そうそう。今日はソニウムライブ幻想期生の皆と5期生のルナちゃんと尤魔も来てるわ。後……」

 紫が指パッチンをすると無数のスキマが現れ、数々のVCablerが現れた。

紫「観客としてVCablerの方々を呼んだわ。」

 本来、こんなに力を使えば紫は失神していたであろう。しかししないのは何故か。それは200万人による畏怖と信仰により、紫は境界を司る神となったのだ。

霊夢(ヘカーティア)「もう始めて良いよね?」

紫「ええ。存分に暴れなさい。」

 紫のその発言を皮切りに幻想期生は結界へと攻撃を仕掛け始める。神の炎、素粒子にする扇子、須臾の間に行われる千に等しき攻撃、狂気的な月、地獄の女神3柱による圧倒的な打撃。それに『強固と脆弱の境界』によって弱体化され、月の都を囲う結界は粉砕された。崩壊の様は余りにも美しく、配信を視聴していた全員が息を飲んだ。

??「『建速須佐之男命』よ 目前の煩わしき無法者全てを破壊せよ!」

(八百)「『素戔嗚命』よ 我らを再創造せよ!」

 同存在と解釈される神による破壊と再生、勝利したのは再生のようである。

紫「ふふふ、久しぶりね依姫。」

依姫「また貴様ですか。どえやら今回は中々なメンバーを揃えたようだな。私と姉上の偽物まで用意するなんてね。」

紫「ふふ、さてその余裕はどこまで続くかしらね。」

 紫はスキマを開き、その中から三種の道具を取り出した。

紫「『引退と現役の境界』で仕上げよ。」

 そして、その三種の道具は神器である現役時代へと返り咲いた。




 いよいよ次回はVS綿月姉妹です。


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最終決戦

 のーこめ


合図無くして戦闘は始まった。戦闘は第二次のような弾幕ではなくお互いの力(Vの力を応用したものが殆どだが)をぶつけ合うガチ勝負である。

依姫「『経津主神』よ 全てを切り裂く刀を我に与えよ!」

 依姫の手に祇園様のものとは違う、禍々しく感じる刀が現れた。依姫は祇園様の剣を地面に突き刺し、紫の他計7人を拘束した。

紫「『拘束と自由の境界』」

 紫がそう発すると、紫等を拘束していた剣の檻は全て砂のように崩れ去った。

紫「これも登録者(信仰者)が増えたからできる芸当よ。」

依姫「……神に近づいたのか。」

紫「ま、簡単に言えばそうね。」

 二人が会話している最中、横から攻める者がいた。依姫は横からの気配を察知し、避けようとした。しかし、遅かった。依姫は横からの小さい惑星で腹に衝突させられ、衝撃で10m程後ろへと飛ばされた。

霊夢(ヘカーティア)「油断しないことね。」

依姫「ヘカーティア……いや、贋物のくせに。」

 思わず敬語が崩れる。しかし、地獄の女神と同じような力での攻撃によって10mも吹き飛ばされてもなお、依姫の体には3箇所程の傷しかなく、致命傷を与えられていない。

依姫「どうやらお前等は信仰を集めてから来たようだけど、信仰者には種類があるのよ。存在を信仰する者が大多数だけど、その見た目を信仰する偶像崇拝。偶像崇拝の信仰は私にも来る。だから私も強化されてる。例えば……」

 依姫は目を閉じ、深呼吸して息を整えた。

依姫「『ポセイドン』よ 全なる海を従え、煩わしい雑魚を流し殺せ!」

 突然降るはずのない雷雨が発生、都の方から津波が襲ってきた。

魔理沙(クラウン)「なあ、お前なら行けるんじゃないか?尤魔。」

菫子(尤魔)「あぁ……確かに。やってみよ。」

 菫子(尤魔)は前に出て、口を大きく開けた。すると、津波は全て菫子(尤魔)の口の中へと吸収され、消えていった。

紫「中々良い盾ね。」

依姫「糞!」

??「珍しく苦戦してるじゃない、依姫。」

依姫「姉上!」

 豊姫が館の中と戦場を繋げて現れた。豊姫は仰いでいた扇子を閉じる。すると突然津波が尤魔の後ろから流れ出た。

豊姫「あの羊の前後を繋げれば良いのよ。」

依姫「加勢感謝します。」

 姉の登場で敬語を取り戻し、依姫はポセイドンの力を強め、津波を強化した。

紫「……津波も動かなければ何の意味がない。」

 紫は『個体と液体の境界』を弄って津波を凍らせた。

豊姫「成る程……紫、大分強くなったのね。面白いわ。」

 豊姫は扇子を再び開いた。




 久し振りにこの二人書くから口調忘れてしまった……復習しておきます。


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決着

 のーこめ


 紫は後ろへと下がり、霊夢達もスキマで下げた。

依姫「ゼウスよ 全知たるその知恵と、全能たるその力を我に授けよ!」

 そう告げると依姫の刀は分解、再構成して小型の武器、『ケラウノス』に、服装の一部が肩当てや胸当てなどに変化した。

紫「本気ねぇ……尤魔。」

菫子(尤魔)「まったく、紫さんは人使いが荒いですね……」

 菫子(尤魔)は前へと出る。依姫は菫子(尤魔)を狙ってケラウノスを投げつけた。投げられたそれは月が溶けるような温度に達し、菫子(尤魔)に襲いかかろうとしたが、菫子(尤魔)はそいつを口に含んだ。

菫子(尤魔)あっふ(あっつ)!」

 菫子(尤魔)はケラウノスを頑張って飲み込もうとしたが吐き出してしまった。

依姫「それは貴方に飲み込めるようなちんけなものでは無い!」

 依姫は敬語を忘れる程本気になっていた。吐き出した反動で動けない菫子(尤魔)のところに豊姫が扇子を自身に仰ぎながら近寄る。

豊姫「これで一人。」

 豊姫は自身を仰いでいた扇子を菫子(尤魔)に向ける。あらゆるものを一瞬で素粒子まで分解するという菫子(尤魔)を襲う。しかし、菫子(尤魔)は分解されない。それどころか扇子の紙部を吸い込んでいっている。

菫子(尤魔)「『お腹をすかせたグリードモンスター』」

 それは菫子がしらないはずのスペルカード。自身に血液を纏わせ、周囲のもの全てを吸い付くすスペルカード。しかしここには血液が無い。では何を纏うのか。

紫「……『個体と液体の境界』」

 そう、先程凍らせた津波である。菫子(尤魔)は……いや、尤魔の幻影は着々と水を纏わせ、依姫らを吸い始める。

霊夢(ヘカーティア)「あれ不味いんじゃないの?」

紫「ええ。あの子の『偽物と本物の境界』が崩壊し始めてる。」

魔理沙(ピース)「崩れきったらどうなるんだ?」

紫「……恐らく、尤魔との完全融合ね。」

(八百)「どうするんですか!?」

 紫は思考を巡らせる……しかし、ある一人が提案した。

レミリア(桃海)「私達のこの体と本体を分離させて、あれに食わせればいいんじゃないかしら?」

紫「……それね。」

 紫は早速、『偽物と本物の境界』を応用して、レミリアス達のVの体と本体を分離させ、スキマで尤魔の前に送った。作戦通り尤魔は体を食べた。

紫「……完璧よ。良い塩梅で偽物の濃度が高まったわ。」

 2人を見てみると、既に刀と扇子は吸い込まれ、地面に手を付けていた。

紫「行きなさい。」

 その合図で尤魔は元の姿に戻った。戻ると手には扇子と刀を持ち、防止回りには惑星が飛び、髪は黒いロングに、そして服装が道化師のようになっていた。

菫子(尤魔)「これで……最後!」

 菫子(尤魔)は飛びかかり、二人を切った。




 次回、(多分)最終回。


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最終回 トップ動画配信者は幻想の賢者だそうです。

 ついに最終回です。お楽しみください。


『月の裏にある都で戦争してみた』

現公式同時接続数:2526442553人

非公式同時接続数:約80億人

現ハイパーチャット総額:23564258532683円

登録者数:+2432564238人 

計:2432469527人

コメント:オーバーフロー(一部抜粋)

無関心死団病院:『すげーーー!!!!』

おあおおおおお!:『8888888888888』

ユーア・ア・スモールフィッシュ:『何だこいつ(称賛)』

唯一気持ちいい雑談:『世界一位w』

黒木:『おめでとうございます』

 

 

 物凄い反応の数を見て、紫は須臾の間、気絶しそうになった。こんなに反応を貰ったのは配信にある言語に関する境界をほぼ全て破壊したのもあるだろう。それよりも大きいのは、ニュースによる宣伝だ。

紫「皆、反応やハイチャありがとう。」

 紫はあまり見せることのない笑顔を見せた。紫がカメラの前で話していると、集合体となっている菫子(尤魔)が近づいてくる。

菫子(尤魔)「私大活躍だったろ!」

紫「ええ、そうね。」

 紫は『そいつとその他の境界』によって菫子(尤魔)とそれ以外の体を分離し、霊夢達に返した。

紫「という訳で、幻想期生と5期生の二人、その他全てのVCablerとのコラボ配信いかがだったかしら?楽しんで貰えたら光栄よ。これで私は配信業からは引退するけど、この子達は続けるから、宜しくね。それじゃあ、また会う日まで、さようなら。」

 紫は配信を閉じた。閉じて早々、紫は『可能と禁止の境界』で登録者全員の解除を禁じ、登録者を維持できるようにした。

紫「今日はお疲れ様。家でゆっくり休むと良いわ。」

ルナ「あ、あの……」

紫「何かしら?」

ルナ「何もできなくてすいません。」

紫「良いのよ。居てくれるだけで。それじゃあ、帰すわよ。」

 紫は『仮想現実と本体現実の境界』を直してから、スキマを開いてV全員を地球に帰し、自分もスキマで自宅に帰った。

藍「いやぁ……まさかあの作戦を完遂させるとは流石です。」

紫「ありがとう。それじゃあ藍、撤収の準備をするわよ。」

藍「分かりました。」

 紫と藍は自宅にセットしてあった機材や家具などを全て片付け、自宅の売却(色々な境界を弄って変装済み)をし、幻想郷へと帰ってきた。

 

 

MyCable…かつて伝説の動画配信者、『幻想賢者 紫』が居た動画配信サービス。そこでは日夜、伝説と呼ばれることを目指して頑張る配信者やVCablerが居て、今日も個性的な動画が投稿されている。時折人ではないと配信者も居て、伝説の配信者もその一人とされているが、真相は誰にも分からない。

 

           ~完~




 ご愛読、ありがとうございました。この作品はとある動画を見て思い付いたものです。今までにない(……と思う)ジャンルの開拓によってまた別の作品が生まれると良いですね。まあ、この作品も、作者は満足のいく出来だと思いますが。では、また別の作品でお会いしましょう。


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