渋谷事変阻止隊 (jlake)
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渋谷事変阻止し隊

 

 

映画の上映中、思わず言葉がこぼれた。

 

「素晴らしい……」

 

男は映画を1人で見る事が好きだった。

今年で12歳になる小学6年生である。

 

「生きてて良かった……」

 

素晴らしい映画やアニメ、漫画などのサブカルチャーに不意に出会えた時、心から幸せを感じられる、根っからのオタクであった。

 

「守らなければ……このサブカルをメロンパンの暴虐から…」

 

転生して12年。

男は決意を固くした。

 

 

〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

やあ、みんな。転生して12年、通算39歳の小学6年生だよ。

まあ、仮の名として、ゆたぽんって呼んでくれ。

 

前世でありふれた理由で死に、気づいたら転生していたんだ。

神様に会ったりって事は無かったよ。

 

そんで転生して10年位経つと、この世界がどんな所なのか判明した。

なんと、、、呪術廻戦の世界でした!

まさか現代ファンタジーの世界に転生するとはなあー。

この世界がどんな世界か簡単に説明すると、悪さをする幽霊、通称呪霊達を高校生の主人公達が退治する、っていう世界観である。まあ、呪霊より悪さする人間の大人のがタチ悪いんだけどね。

 

なんで呪術廻戦の世界って分かったかと言うと、母が窓をしていたからである。

代々うちは、見える系の家系らしくて、ゆたぽんも呪霊が見える感じでした。

そんで、母からこの世には呪霊ってのがいて、悪さをしてるから近づいてはいけないよってレクチャーされました。

母は、ただ見えるだけで、術式も戦闘能力も無いので、高専に通ってたってなんて事もなく、主婦の合間、窓として活動してるらしいです。一回通報すると数千円のバックがあるってニンマリしてましたわ。

 

そんな見えやすい家系に生まれた俺なんだが、どうやら術式を持って生まれたみたいです。

 

名付けて、『強化睡眠』

ルビは、寝る子は育つって所かな。

術式効果は、夜寝るときに頭の中に浮かぶ前世の物語の中に出てくる武器や道具を選択すると、夢の中でその武器や道具を装備した敵が現れて、戦う事になるんだ。

で、そいつに勝つと見事その武器や道具を術式として扱えるっていう訳。

 

うん。まさにチートである。実質最終的にはめちゃくちゃ強くなれると思う。

 

ただ、問題がある。それは、敵が容赦ないって事です!

対峙する仮想敵は、選択した武器を十全に扱える上に、身体能力は俺と同じなのである。

つまり、ゲームで例えると、スマブラで操作テクニック知らないキャラVSキャラコントロール激ウマ武器持ちニキが戦うようなものである。

マリカで例えるとアイテムなしショートカット知らない中戦う感じ。

もう、勝ち目ないよね。

しかも倒すって、気絶させるとかじゃなくて息の根止めるって事だから。夢の中で殺されて、痛みも普通に感じた。

 

あとは、細かい説明になると、

・開始時は敵と10メートル離れてる。

・寝るときに持っている道具や武器をこちら側は使える。

・選択できる物語は前世に所有していた物に限る。

・呪術廻戦は選択できない。

って所かな。

 

普通に無理ゲーのトラウマ製造機なんだよなあ。

10歳の時にあれ?俺今術式使えるな、って直感的に思って使ったら術式のルールを頭に入れられて、仮想敵に一方的に殺されて、起きたら朝になってておねしょしてたのである。

それから一回も使ってないんだよね。痛すぎて。

ただ、このままだとメロンパンに日本の東京が壊されて、サブカルチャーを破壊されるんだよなあ。

 

なんとかして、この能力を攻略しないとだわ。カギは寝る時に身につける道具や武器と、相性のいい仮想敵の選択か。

 

これからしばらく悪夢が続きそうだわ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜One week later〜〜〜

 

むりむりむりむり!!!

強すぎるって!仮想敵半端ないって!

この1週間、キングダムに出てくる普通の小盾を仮想敵に選択して、こっちはシャベルとか、投石用の石とか用意して戦ったけど全部撲殺されたわ!

 

…これは、道具を持たせた仮想敵から攻略しないと無理ゲーか??

ただ、たいした事ない道具持ってるやつ倒しても、何の特にも何ねえし、無手だと格闘技使ってくんだよこれ……。

 

というか、せめてもの救いは相手が呪力を使ってこないって事だよなあー。

俺って呪力で身体強化とか出来ないから、相手に使われてたらさらに無理ゲーになってたわ。

おそらく俺と同じ身体能力って所で、制限かかってるんだろうなあ。

これ俺が呪力操作覚えても、相手も同じに呪力操作してくるっていう糞ゲー感極まってるわ。

なお今俺は、直感で術式のみ使用できる模様です。

 

 

 

 

 

〜〜〜2 week later〜〜〜

 

 

キングダム ノ タテ ツヨイ。

メロンパン ゆるすまじ。

 

 

 

 

〜〜〜3 week later〜〜〜

 

倒した。

奇跡起きて、投石が相手の急所に当たって、何とか倒した!!!

当たった瞬間、盾構えた腕が下がったから、シャベルでどつき回して、息の根を止めたわ……。このゆたぽん容赦はしない…。

 

長かった………。

これで、メロンパンに一歩近づいたか………。。。。

 

って、近づいてねーよ!!!!

相手は術師の最高級で、呪霊数万体扱える敵だぞ!!!!

こっちは3週間かけて、何の能力もない小楯一個だぞ!!

あと4年くらいしかないのに勝てるわけないわ!!!

ばーかばーか!無理ゲーだわ!!!

やめてやるわ!こんなもん!!

 

 

ちくしょう。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜Many months later〜〜〜

 

 

 

 

 

ID非公開さん

2015/10/4 20:01

 

友達が作ったすっごい難しいtrpgのゲームがあって、クリアできません。このままだと僕の大事な物が破壊されてしまいます。助けてください。

 

ルールは、対戦回数を重ねていくごとに主人公を強化していき、最終的に激つよボスを倒す、ハクスラの様なゲームです。

対戦ルールなのですが、相手の武器や道具などをこちらが選べて、それに勝つとこちらは次の対戦からその武器が扱えるというルールです。

空想上の武器でも良く、エクスカリバーや、エリクサーなどでも大丈夫です。

ただ、相手は選択された武器を十全に扱えて、無手の場合は格闘戦を仕掛けてきます。

ただし、身体能力はどちらも同程度です。

あと対戦回数の上限は最高千回位です。

 

こちらの初期スペックは

・一般人的身体操作技術(格闘経験なし)

・一般人が入手できる物なら使用可能(スコップや石等)

 

と、こちらがかなり不利です。

どうか私にあなたの知恵を貸してください。

よろしくお願いします!!

 

カテゴリ エンターテイメントと趣味 | ゲーム

 

 

 

「……ヤホー知恵袋投稿っと。」

 

……

………

【悲報】全世界に術式開示【デジタルタトゥー】

 

…ま、まあtrpgって書いてるし!セーフだろ!誰も呪術師が術式のこと相談してるって思わないだろ!

 

「頼む…あとは知恵袋が頼りだ。。何とか攻略法見つけてくれ!」

 

ゆたぽん、一か八かのYαhoo!知恵袋の質問展開!!

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜Three hours later〜〜〜

 

 

回答(1件)

 

10102437564さん

2015/10/4 22:10

とても特殊なtrpgをされてるんですね。

面白そうなので、自分もその友達にゲーマスしてもらいたいです笑

 

選択するといいだろう武器を考えたのですが、ハーメルンの笛などはどうでしょうか?

初期装備はある程度用意できるということなので、耳栓を用意して戦い、ハーメルンの笛を勝ち取ったら、次からその笛を使って相手を操作すればさらに良い武器を勝ち取れるのではないでしょうか?

 

 

 

 

………

 

きちゃー!!!!

「ベストアンサー!!!!」

 

きた!きた!これでかつる!!

流石知恵袋だ…

家の本棚にも昔子供の頃読んでもらってたグリム童話の本があったから行けるぞこれ!

これはマジでハメ技かもしれない。

今夜早速ハーメルンをぶっ倒す!

 

「ハーメルンをぶっ壊す!」

 

 

 

 

 

 

〜〜〜the next day〜〜〜

 

勝てた。

何とか俺のスコップ術で笛吹いてる中倒し切った。

よし!

順調順調!

ここらか俺の快進撃が始まる!

 

今夜の対戦相手はエクスカリバーだ!!

 

 

 

 

 

 

術式発動!

 

 

 

 

 

 

 

『芳文社

→伝説の武器防具刀剣

→エクスカリバーが選択されました。

仮想敵の召喚を行います。

…召喚完了。

10秒後に戦闘を開始します。

準備を行なってください』

 

 

きたきた。

ハーメルンの笛顕現!

獲得した武器の顕現は呪力操作使えなくても直感的に出来るぜ。

 

『3』

 

耳栓もつけた。

 

『2』

 

スコップも一応持ってきたぜ。

 

『1』

 

いくぜ!

 

『let's go ahead!』

 

 

笛「ぴゅーーー!」

 

 

 

…へ?

 

 

 

ザンッ!

恐ろしいほどの切れ味で、身体が真っ二つに切り分けられた。

身体が切られた事を認識してないのか不思議と痛みは無かった。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

「はっ!?」

 

 

次の日飛び起きたら朝だった。

 

はははは…

そりゃそうか…

笛吐くのにもある程度技術はいるよな。。。

 

 

ふう。。。

クールに、クールにいこう。

 

 

よし。

 

 

次回!中学吹奏楽部編!

「俺たちの戦いはこれからだ!」

 

 

 



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ピューと吹くジャガーノートドライブ編

 

やあ、みんな。あれから笛を猛練習した、ゆたぽんだよ!

もうほんと死ぬ気で練習した。半年くらい。

 

まあ流石に吹けるようになったよね。人間死ぬ気でやればある程度できない事は無いよ。

 

で、無事にハメ技は成立した。

もうそれからはとんとん拍子で、倒していきました。

本当にYαhoo知恵袋には感謝、感謝しかない。ハッピースマイル。

将来はYαhooに就職しようと思います。

 

で、実は渋谷事変なんだけど、明日である。

そう、前日なのだ。

笛を勝ち取ってから3年経過した。

これまでで、出来る限りの準備は完了した。

今日も渋谷駅の下見は済まして、家に帰ってきた所だ。

 

3年間原作介入はしなかったのかって?

 

もちろんしていない。

順平、メカ丸、生存ルート?

ノンノンノンノン。

相手は千年間機会を伺っている化物である。

少しの疑念も持たせてはいけないのである。

 

 

 

で、最終的な作戦と使用する武器道具を整理しようと思う。

一分の隙もない作戦を詰めていく。

 

 

当日10:00渋谷に到着

 

着いたら、『黒刃の狗神』(出典:ハイスクールdd)で渋谷駅ホームの影に潜り込む。

 

その後とばりが降りるまで影の中で待機。

 

19:00とばりが降りたら、影の中を転移しつつメロンパンを捜索。

 

見つけたら少し離れた位置に着き、『孤独な黒子』(出典:魔法先生ネギま!)で、限りなく気配を薄める。

 

その後メロンパンが、隙を晒した際に一気に決める。

 

 

千年前から計略を練っている羂索だが、作中一度だけ決定的な隙を晒した事がある。

それは五条悟が領域展開後、術式が焼き切れて、獄門疆で捕えられた時、五条悟から正体を詰められて、頭の中を晒した瞬間である。

やはり、五条悟という世界で一番難しいであろう獲物を捕らえた時に、気が緩んだんだろうね。

まあ縛りの可能性もあるか。

 

だから、そこを狙う。

 

 

 

羂索が、正体を明かした瞬間、『黒刃の狗神』で羂索の影に転移し、『赤龍帝の籠手』、『白龍皇の光翼』(出典:両方ハイスクールdd)を同時に禁手化し展開する。

 

『赤龍帝の籠手』を選んだ理由は2つあり、1つは身体能力の向上。基本能力である能力の倍加の重ねがけにより、身体能力は指数関数的にアップ出来る。そして2つ目は『透過』の能力である。この能力は術や特殊な防御を文字通り「透過」させて、力をダイレクトに与える能力である。これでもし呪霊の術式、呪具で防御されていても突破する予定である。

『白龍皇の光翼』は、反射能力があるので、領域対策として展開する。

 

その後『ゴロゴロの実』(出典:ONE PIECE)で、雷速の透過能力により殴り続ける作戦である。

 

前世でドラえもんを購入してなかったのが悔やまれる。所持していればもっとスマートにいけたのに。

 

 

この日のために、呪力操作も練習して、独学で軽く纏える様になった。

多分お粗末だけど、これで呪霊化は抑えられると信じたい。

あと、身体能力を上げるため、『幽世の聖杯』(出典:ハイスクールdd)で、生命力が著しく高い身体にし、呪力もとんでもなく多くなるように自己改造した。

 

 

 

この6つの能力で、メロンパンを撲殺する!!!

 

未来は僕らの手の中!(出典:カイジ)

 

 

 

 



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コンバートハンズ編

 

 

ピピピピピピピピ

 

「うーん……キタちゃん……こんな写真までイソスタに上げないでよ……」

 

ピピピピピピピピ

 

「……。」

 

 

ふう。いい朝だぜ。

今日という運命の日を乗り越えるのにちょうどいい寝覚めだ。

 

よし時間通りに起きれた。ただいま18:30。

アラーム通りだ。

 

 

 

 

ん?

 

18:30?!?!

へ?!へ?!ふぁ?!

ふぁーー!!!amとpmで、アラームの設定間違えた!!!!!!

緊張により、丸々寝てたのか?!?!!!!

ど、どうする!??

雷速で向かうか?!

いや、メロンパンに少しの疑念も抱かせたくない!!

 

ギリギリまで電車で進んで19時に間に合わなそうなら電車の窓から雷速で東京メトロ渋谷駅に滑り込む!!!

 

家のドアを勢いよく開け外に出る。

 

ガチャ

「(日本を救いに)行ってきます!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

カダンゴトン

ガタンゴトン

 

揺れる電車の中、何とか間に合いそうで安心しているパジャマの男がいた。

 

 

やべえ、時間なさすぎてパジャマで出てきたけどハロウィンだから奇跡的に仮装っぽくなってる。そこまで目立ってないか。

 

『次は〜渋谷〜渋谷。』

 

よし、渋谷現着。

 

「作戦開始。」

 

人知れず1人の男が闇の中に沈んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

こちら、ゆたぽん。無事にとばりが降りたのか、人混みが騒いでおります。

メロンパン捜索を開始!

 

 

!!

高い呪力を一方向から感じる。

あちらに特級呪霊たちがいるはずだ。

そりゃそうか。別にとばりが降りた時点でコソコソ動く必要は、あちらには無いわけだね。

 

念のためもう『孤独の黒子』で気配を消しておこう。

『孤独の黒子』は攻撃を行うと解除されてしまうから慎重に行こう。

 

 

 

 

随分時間が、経った。

おそらく相当数の人が殺されているだろう。

今、陀艮とメロンパンが一緒にいる所を影から監視している。

 

動いた!

そろそろ、か。

気合を引き締めよう。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

「ははっ!マジで当たんない!!」

 

真人が五条悟に攻撃を仕掛け、無限に阻まれた。

 

渋谷駅で五条悟対特級呪霊達が一般人を盾に戦闘を行なっていた。

 

 

「超新星」

 

「撥体」

 

加速度的に一般人が、呪霊たちの攻撃により殺される中、五条悟が打開の手を選択する。

 

「無量空処」

 

現代最強術師の、領域展開である。

 

その後299秒で、特級以外の1000体の敵を排除。

しかしここで羂索の策が発動する。

『獄門疆、開門』

 

 

「や、悟」

 

「は?」

 

「久しいね」

 

五条悟唯一の親友の身体を使っている羂索により、五条の思考力が奪われた。

 

 

 

…ああ、羂索の策は成ったか。

あと、少し…。もう少し……!

 

 

 

 

「ダメじゃ無いか悟。

戦闘中に考え事なんて。」

 

獄門疆により身体を封じられている五条悟は既に詰んでいた。

 

「で、誰だよお前。」

 

しかし、親友の身体を使っている奴の正体を探らずにはいられなかった。

 

「夏油傑だよ。忘れたのかい?かなしいね。」

 

「肉体も呪力も、

この目に写る情報はお前を夏油傑だと言っている。

 

だが俺の魂がそれを否定してんだよ!!

さっさと答えろ!!

お前は誰だ!!」

 

羂索が額の糸をすーと、抜いて自分の脳を見せて正体を表した。

 

「きっしょ。

なんでわかる『今だ!!!!!』

 

羂索の影に転移!!!

 

バランスブレイク!!!

『Welsh Dragon Balance Breaker!!/Vanishing Dragon Balance Breaker!!』

 

赤と白が混ざった鎧を纏い雷速で影から飛び出す。

 

ここで全て決める!!

 

『boost!boost!boost!boost!boost!boost!boost!boost!boost!boost!boost!boost!boost!boost!』

禁手化した赤龍帝の鎧から発せられるブーストの掛け声一回毎に、全ての能力が2倍ずつ上昇していく。

 

出し惜しみはしない!この身体が耐えられる14回、フルに上げる!

 

 

 

『雷速ペネレイト!!!!』

 

強化された雷の速さで、この世界が生まれてから1番エネルギーを持った正拳突きが、解放された。

 

『オラオラオラオラ!!!ッ』

『ペネレイト!ペネレイト!ペネレイト!ペネレイト!ペネレイト!ペネレイト!ペネレイト!ペネレイト!ペネレイト!ペネレイト!ペネレイト!』

 

鎧のペネレイトの掛け声に合わせて透過が発動される。

 

 

そして、雷速以上の打撃に呪いが合わさることにより、打撃と呪力との誤差0.000001秒は意味をなさない。

 

呪力は常時黒く光る。

 

 

 

 

 

もはや既に、羂索は膝から下しか残っていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「は?」

 

五条悟は混乱の中にいた。既に詰んだと思っている中、敵の影から鎧を纏ったドラゴンが偽夏油を消滅させたからである。

 

「やったか!?やったのか!?!?」

 

ゆたぽんも気が動転していた。この世界に転生して、ほとんどの時間を羂索を倒す事を第一目標として生きてきた。どんな時でも頭の片隅には黒幕の事がチラついていた。それを達成した直後なのである。

 

 

「あー。君、人間?それとも呪霊?」

 

獄門疆により呪力を感じ取れない五条にとって、ゆたぽんは判別不可能な存在であった。

 

 

「よし!よしよしよしよし!!!東京を救ったぞ!!努力は実った!!」

 

しかしゆたぽんには、アドレナリン解放と黒閃発動による全能感により何も聞こえていなかった。

 

「おーい。赤白鎧くーん」

 

なお、莫大な呪力をまとったエネルギーが羂索を屠った為、呪霊操術により身体に入れていた呪霊ごと透過により消滅されていた幸運を、生涯ゆたぽんは知る事は無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで、五条悟により意識を混濁させられていた特級呪霊達、漏瑚、真人、脹相が目を覚ます。

 

「これは、どういう状況だ?」

 

「うはっ!何あの鎧!呪力量ヤバすぎでしょ!!」

 

「……」

 

呪霊たちも目が覚めたら、五条悟が封印されてる様に見えるが、夏油の姿が見えず、謎の鎧がいることに状況が理解出来ていなかった。

 

だが、真人が直感により、獄門疆に走りより閉門を行おうと駆け寄る。

 

 

『雷速ペネレイト』

 

雷の速度で、特級呪霊真人は祓われた。

 

「な?!」

『雷速ペネレイト』

『雷速ペネレイト』

 

漏瑚、脹相は、祓われ、殺された。瞬殺である。

脹相はのちに主人公を助けると知っていたが、今現在敵であることからもろとも鏖殺した。

夢の中で何回も殺し合いをしているゆたぽんに甘さは無かった。

 

五条悟は瞬殺により祓われた特級呪霊達を見て、鎧に対する警戒をさらに高めた。しかし、呪霊を祓ったという事はそちらのサイドでは無い事を予想して、話しかけた。

 

「助かったよ。もう少しで封印される所だった。」

 

「……」

 

ゆたぽんは五条悟に話しかけられたがなんと応答するか、迷っていた。

これからの生活を守る為、呪術師なんて言うクソオブクソ職業には絶対に着くわけにはならないので、正体を隠すのに頭を働かせていた。

 

「おーい。聞こえてますかー。ニホンゴワカリマスカー。」

 

「……」

 

ゆたぽんはボロを出す前に撤退しようと決定した。

それを感じ取ったのか五条悟が焦って話しかける。

 

「ちょっと!ちょっと!このままの状態で置いてかれると、もし敵がまだいた場合封印されちゃうよ。封印を解いてから移動してくれないかい?」

 

む。

五条悟が封印されてパワーバランスが狂うと呪詛師が日本で悪さするかもな……。

ここは、動けるようにしてから退散するか。

 

『ペネレイト』!

獄門疆を透過により殴り抜いた。

その衝撃により、獄門疆は五条悟の拘束を解き、箱の形状に戻った。

 

「ふう。ありがとう。これで自由に動けるよ。

それにしても、すごい呪力だね……。僕の何百倍かな。」

 

「…?!」

 

やべえ、六眼で見られとるやんけ!!

退散退散!

 

ゆたぽんは焦りながら渋谷駅にあるだろう自販機のコンセントを探した。

五条悟はさらに話しかける。

 

「君どこに住んでるの?名前は?この眼で見る限り、人間なのはわかるけど。」

 

「……」

 

 

見つけた!

「ワタシのナマエはゆたぽんデス」

 

ゆたぽんはそう言い残しコンセントから雷になり侵入して家に帰った。

ゴロゴロの実は現代社会において、どこでも雷速で行ける超便利能力となっていた。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

「あらら、行っちゃったか。」

 

五条悟はゆたぽんの事について考えていた。

 

「あんな莫大な呪力を持った呪術師なんか聞いたことないし、呪詛師でも見当がつかない。在野の術師か…。」

 

声の感じからは男、若者、高校生くらいかな。

 

「必ず見つけるよ。ゆたぽん。」

 

いつもの五条悟になったのか、ニヤリと笑みを深めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

やあみんな!おはよう!

東京を救った男、ゆたぽん(仮名)です!

渋谷事変のハロウィンから1ヶ月、どうやらあれは毒ガステロとして処理されたらしい。幻覚作用を引き起こすガスがウンチャラカンチャラってNHKでやってましたわ。

まあ亡くなった人には申し訳ないが、千年間の因果を断ち切ったって事で成仏してほしい。…親族には関係ないだろうがなあ。

 

今日も高校へ電車で向かう為駅に向かっている途中である。

今世はとびっきりイケメンと言う訳ではないのだが、そこそこの顔+ドラゴンの気配(ドラゴンの気配は異性を惹きつける)により女の子からの反応が前世と違くて、毎日学校に行くのが楽しいのである!

ルンルン気分で、駅に入ろうと改札に向かっている途中なぜか、やたらと混んでいる事を確認した。

 

「なんだなんだ。人身事故でも起きたのか?」

 

やたらと女子が多いような。。。。

 

?!

 

ふぁ?!

五条悟サングラス版……?!?

ナンデ?!ナンデココニイル?!

 

心を平常心にして、通り過ぎるんだ…。

いや!?、あの時六眼で見られたんだから、もう一度見られたらまずいか?!

自然とUターン自然とUター「おーい!ゆたぽーん!こっちこっち!」

 

お、おわた!!!

呪術師は嫌じゃあ!!!

 

「や!待ってたよ。ゆたぽん。」

 

いや、まだしらを切れる!

「はい?誰でしょうか」

 

「君のことだよ」

 

五条悟はニッコリとして言った。

 

「田中一郎君!」

 

俺の名前を。

 

ゆたぽん改め田中一郎。

ここまでのようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

場所は少し変わり、ファミレスの中、五条悟と向かい合って座っていた。

口を開いたのはこちらからである。

 

「…なぜ自分だと分かったのでしょうか」

 

冷静に考えて1億分の1を探すのは無理ゲーだと思うのだが。

 

「Suicaの履歴からだよ。」

 

は?

Suicaの履歴?

 

「君帰る時、術式使って帰ったよね。だから思ったんだよね。もし行きは術式を使って無かったなら、行きだけ渋谷で降りて、帰りは渋谷から移動してない人で、かなり絞られるんじゃないかってね。」

 

ふぁ!?

どんな推理やねん!!

いや、まてよ。

 

「それはおかしいです!確かに自分は行きに電車を使いましたが、改札を出なかったので、履歴には残っていないはずです!」

 

「そうそう!それで、あの時間以降で他の窓口、関東近郊で精算した人も含めて、男、高校生で絞ったんだよ!そしたらビンゴ!1人親が窓をしてる、いわゆる見える家系の子が1人絞られた訳。」

 

そんな、行きも術式で来てたら成り立たないようなガバガバな推理で当てられるなんて理不尽です!!

「ふぁーー!!!!???」

 

「ふふ。もし行きも術式だったら、例年と比べて極端に呪霊の発生件数が少ない場所や、呪力濃度が例年より高い場所を五条家の力を使って虱潰しに探す気だったよ」

 

な、なんだこいつは!

イケメンストーカーに追われています!!

 

「で、本題なんだけど、君呪術高専に来てよ。」

 

「(青春送れなさそうなんで)むりです。」

 

六眼からは逃げられない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「転校生を紹介するよー!テンション上げて皆!」

 

呪術高専東京高1年の教室で五条悟の声が響いた。

 

「え!?マジかよ!」

 

「だれ?男?女?」

 

「…この時期に転入か」

 

虎杖悠仁、釘崎野薔薇、伏黒恵の声話し声が教室から聞こえる。

 

「じゃ入ってきて!」

 

 

スパーン!!!!

ドアを勢いよく開けて一郎が中に入って行った。

 

「東京と五条悟を救った男、田中一郎です!

ここにいる4人は僕に命を救われたので、その事を噛み締めるように生きてください!

気軽にゆたぽんって呼んでね!」

 

 

……

 

「お、おう!ゆたぽん!!」

 

「はあ、ほんと私って環境に恵まれないのよね…」

 

「……」

 

「じゃ!午後の授業を始めるよ!!!」

 

 

 

 

渋谷事変 完



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