立てよ、ライナー (エヌラス)
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1.ライナー、異世界に行くってよ

どうもエヌラスです、とうとうヘブバンにも手を出してしまいました。深夜テンションなのでめちゃくちゃな小説ですね突っ込まないで黙ってみやがれください


「…」

 

とある男が朝の支度をしていた、シャツを着てズボンを履き、左手に腕章を付ける。この腕章を忘れたなんて言えば侮蔑されてしまう…たとえそれがマーレの戦士だとしても

 

鏡を見て立ち止まる、かつて壁の中にいた時は自分はこんなに小さく見えただろうか。髭が無造作に生え、頬が少し痩け、目の下にクマがすこしあった…

 

 

そんなおじさんのような見た目をした彼の名前はライナー・ブラウン、年齢は21歳である。こんなおっさんみたいなやつだが21歳である

 

マーレの戦士として鎧の巨人を継承しパラディ島に潜入、結果は散々だったが今こうやって故郷に帰ることが出来た。任務失敗の責任を全て負い一時期は鎧を剥奪され掛けもしたがなんとか忠誠を見せて今では文句を言う奴は一人もいない

 

だが彼は真面目であり優しかった…パラディ島での自らの過ちに毎日うなされ悪夢さえも見る。今でもライナーは思っている…死にたい…消えてしまいたいと…

 

(せめて最期に、ヒストリアに会いたい…)

 

そんなことを考えつつも支度を終わらせて台所に立つ母親に声をかける。

 

「いってくるよ母さん」

 

「ああ、行ってらっしゃい」

 

そんなやり取りを交わして扉を開ける______________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…え?」

 

扉を開けた瞬間、そこに広がっていたのはいつも見ている街並みではなく、一面に木々が生い茂っていた。

 

(なんだ、ここ…扉は…!?)

 

急いで自らが使った扉を見るが、どこにも見当たらない。むしろ元からここにいたかのような感覚に襲われた。

 

高い木々が生い茂る森…無意識にパラディ島での記憶が蘇る、立体機動装置を使い飛び回ったあの日を、エレンを励ましたあの日を…

 

「…っ!」

 

頭を抱えてそれらを忘れようとする、アイツらの生活をぶち壊したのは俺だと、捨てたのも俺だと、潰したのも俺だと…

 

 

 

「…!?」

 

ふと次の瞬間、近くで爆発の音がした____一体次から次へとなんなのか、とにかくここはどこかの戦場だ…

 

とにかく音のする方向へと足を進める。しばらくすると音がすぐ側へとなり、木々に身を潜めて前を伺う。最初に映ったのは”6足歩行で飛びまわる黒い生命体”だった

 

(なんだあの巨人は…!?敵の兵器か…?)

 

そんな驚きに包まれているライナーだったが次の瞬間、更なる衝撃をライナーが襲った。

 

女が武器を振り回して戦っている、ある者は剣を、ある者は鎌を、ある者は弓を、ある者は銃を、ある者は盾を、陣形を組んで指示を出し小型巨人に立ち向かっていた。ライナーはすぐ加勢しようと飛び出そうとしたが、その必要を感じられないくらい彼女達は強かった

 

(なんなんだここは…)

 

次々と小型巨人を蹴散らしていく彼女達を見ながらライナーは頭を抱えた、今まで様々な国を見てきたはずだがまさか女だけで戦わせる国など初めてだ。

 

しかもたった6人でこれだけ大量の相手と戦っている。しかもやられるどころか彼女達は次々と倒していく

 

(なんなんだ本当に…どうなってる、俺は死んだのか…?これは夢なのか…?)

 

頬をつねる、痛い…、どうやらこれは現実らしい。そんなことをしているととうとう彼女たちの声が途切れ途切れで聞こえるようになってきた、どうやら何気にじわじわとこちらに戦場を移してるらしい

 

 

「蔵____頼む!」

 

「よ!____城__ん!」

 

爆風にかき消されて全てを聞くことは出来ないが必死に耳を寄せる。飛び出したいがもし彼女達が俺たちに恨みを持っていれば返り討ちだ、見てわかる通り自分1人ではどうしようも無いかもしれない、それくらいに彼女たちは強かった

 

 

「キャンサーが_____」

 

「ますわ_____」

 

 

(キャンサー…?)

 

巨人のことはある程度知っているはずのライナーですらキャンサーは初めて聞く単語だった

 

(なんにせよ、軍に戻ったら報告しなければ…)

 

 

そこまで考えてとにかくこの場から離れようとするライナー、彼女達を見捨ててしまうことになるが相手がどこの国の奴らか分からない以上どうしようもない_______

 

 

 

 

 

____「く____ったぞ!!」

 

 

 

 

 

「わかったよ!!」

 

 

 

 

 

「え…」

 

先程よりも明確に声が聞こえた、おかしい…そんな近くにいただろうかと思って後ろを見る_____するとキャンサーという生物がライナー目掛けて足を振り下ろしていた_____

 

 

「っ!!」

 

鞄を投げ捨てて大きく左へ飛び込んで足を交わす、キャンサーはそのまま地面に足が刺さり動けなくなっていた。すぐさま一人の女が鎌を振り回して上から切り刻み撃破する。

 

「ん?___ええっ…!?」

 

彼女はライナーを見るなり驚き、大きな声を出した。幸いにも同じ言語を使うために意思の疎通は出来そうだ

 

「蔵、どうした!」

 

大剣を担いだ女が、蔵と呼ばれる人物の横に立つ。

 

「月城ちゃん!!皆!人だよ!しかも男だ!」

 

「なぬ…!?」

 

月城という人物も驚き、戦闘中の仲間も驚きの声を上げていた

 

「なんでこんなとこにいるんだい??いやそんなことよりも…!」

 

戦闘中なので態度が結構キツイ、というより彼女達は自分が戦士であることを知らないように見えた。それよりも保護すべき対象のように扱っているようにも見える

 

「あんたらは一体…____危な……ッ!!」

 

ライナーが口を開いた瞬間、彼女達の後ろに先程より大きめの6足のキャンサーが飛んでくる。片方は確実に気が緩んでおり、もう片方は大剣の為動作が間に合わない…

 

「なっ…!」

 

ライナーが飛び出そうとしたときには既に、銃弾がキャンサーを貫いていた。後ろにいた銃使いがまるで剣を扱うように戦っていた。使い方は…正しいのか…?

 

こっちの地域ではそれが当たり前なのか…

 

「油断禁物ですよ」

 

「助かったよ…あんたとりあえずここに隠れときな!」

 

とりあえず出る幕はなさそうだと従う、逆らっても痛い目をみるのはわかっている、後ろに下がってからもしばらく彼女たちの戦闘は続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「立てるか?」

 

月城と呼ばれる人物の手を取り立ち上がる。

 

「ユイナちゃん、この人どうするんだい?」

 

「司令官から通達があった、保護してドームに届けてとのことだ。だが少しだけ話がしたいそうだ」

 

そう言われ、薄い板のようなものを渡される。それを受け取ると突如板から声が鳴った

 

『初めまして』

 

「うわッ…!」

 

驚くライナーを見た一人が首を傾げる。

 

「使い方、わからないんですか…?」

 

「ああ…、俺の街にはこんなものはないからな…」

 

「だいぶ田舎のほうから迷い込んできたのかしら…?」

 

「キャンサーが来てからだいぶ時間がある、それはないんじゃないか」

 

「どこから来たんです?」

 

そう聞かれ、ライナーは言うべきか迷った。彼女達を見るに敵対しているわけではなさそうだが自分が騙されている可能性もなくはない

 

「わからないのですか?」

 

仮面をつけた女性が覗き込むようにしてライナーを見る、仮面に隠されて表情は読み取れない

 

「ここは…どこなんだ…?」

 

『山、とだけ答えておくわ』

 

「それは見たらわかるんだが…」

 

『残念ながら私たちはあなたを信用できていない』

 

そう言われ周りを見回すと、全員武器はいつでも振れるようにしてあった。

 

『もうひとついえば、日本よ』

 

「日本…?聞いたことがない…」

 

『それは本当かしら…?』

 

まるで信じられないような声が板越しに聞こえる。周りの女性たちも信じられないような顔でライナーを見ていた、そして直ぐにユイナという人物が答える。

 

「司令官、本気です」

 

『そう…なら次は私が質問するわ』

 

内容によっては答えられない…

 

「…」

 

『あなたは、いったいどこからきたの?』

 

「マーレだ…」

 

「「は??」」

 

心外すぎる、自分の故郷言ったらまるでアホみたいに扱われてしまっている。

 

「一応聞いておきたいんだが…名前は?」

 

「ライナー・ブラウンだ」

 

答えておいた方が分かるだろうかと思って名前を言う。するともっと変な目で見られてしまった

 

「外国の方…ですか?」

 

「すまないがさっきから何を言ってるんだ?」

 

「言いたいのはこっちだけどねぇ…」

 

 

絶妙に話が噛み合わない、相手がおかしいのか…それとも自分がおかしいのか分からない…

 

『ひとまず彼を保護しましょう。貴重な生き残りよ』

 

「ああ」

 

そう言ってライナーの腕に触れようとするが、少し払い彼女達に質問をする。

 

「まて…!お前らはなんなんだ、ここは一体どこなんだ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは日本、そして私たちはセラフ部隊だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え…?」

 

 

ライナー、新生活スタート

 

 

 

 



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2.戦士

こんにちは!エヌラスです!なんやかんやでUA3桁でビックリしてますね…

頑張れライナー(他人事)


「済まないな、私達も異性との関わりがあるわけじゃない…」

 

「気にしないでくれ…」

 

ユイナという女性と話すライナー、今はとりあえず迎えのヘリが来るまでその場で待機という司令官からの命令を守っている最中だった。全員で辺りを警戒しながらその場に居座る、守られるということには慣れていないライナーだったが下手に前に出ても蔵という人物に停められてしまった

 

そして何より現在進行形で気まずい、彼女達曰く異性との関わりなんてこの部隊に配属されてからないとの事。だが案外話せてこの数分で案外信用を得たのか、様々な情報が得られた。

 

キャンサーの事

 

彼女達のこと

 

そして今ここにいる世界が_____全く知らないものということ

 

(彼女達はマーレもパラディ島も知らなかった…)

 

その事柄からライナーの所在についてはとにかく後回しにされた

 

「怪しいものは特にありませんでした、ただ一つあるとすれば__このフルーツナイフのようなものだけ…」

 

「ああ、見てくれてありがとう桐生」

 

「いえいえ、というかほんとにこれだけでした。後は本や書類のようなものだけ…私達には読める文字ではありませんでした、貴方本当に…人ですか?」

 

「よせ桐生、彼も自分のことをよく知らないんだ。そんな状態で責めてやるな」

 

「むう…あなたがそういうなら…」

 

何も知らないというか…扉を開けたらこの世界にいました。でもこんな話彼女達にしても信じられるはずがない、ライナー自身でさえ信じていない。

 

「もうちょっとで着くそうです」

 

「ありがとう小笠原」

 

「ええ、これも天才剣士の務めです」

 

(剣…士?)

 

「む…?」

 

その時だった。月城が何かを察知したと同時に風の音が消えた、彼女達の顔つきが一斉に変わる_______それと同時に大きな揺れが襲った。

 

 

「なんだい!?」

 

「5時方向!大型キャンサーだ!!」

 

「……デフレクタは?」

 

「私たち全員さっきの戦闘で殆ど使い果たしてやがりますわ!」

 

「言ってる場合ではないぞ、総員戦闘準備!!」

 

 

『ノブレス・オブリージュ』

 

『鳴らせ退魔の弦!』

 

『風林火山!』

 

『カワイイは最強ですわ!』

 

『寄らば斬る!』

 

『五穀豊穣、刈り入れ時だね!』

 

それぞれが独特のキーワードを叫ぶ、すると彼女達の手には先程戦闘時に握られていた武器が現れた

 

「なっ…!?」

 

どこからどう現れたのかすら見えなかった。

 

 

「クロウホース2体か…、行くぞッ!!」

 

 

どう考えても今の彼女達には自分という重りがある、なら自分も巨人になりたたかえば…

 

(だが正体を明かせばどうなる…?そもそもなれるのか、この日本という場所で…!)

 

そうしてる間にも戦闘が始まり、2体をそれぞれが陣形を組んで攻める。四足歩行の化け物は口から何かを吐き出したり突進をぶつけたりとめちゃくちゃな攻撃をしていた。彼女達は最初こそ防御と攻撃を繰り返していたが________

 

「わたくし…!ここが限界ですわ…!」

 

「ユイナちゃん!菅原ちゃんから鼻血が…!」

 

「何ッ…!?____ぐっ…!」

 

陣形が崩れた、ユイナが剣で突進を受け止めようとしたが軽々吹き飛ばされた……菅原千恵と名乗った子が後ろへ下がる。鼻血位でなぜ下がったのか分からなかったが菅原めがけ走り出す

 

「アンタ!大丈夫か…!?」

 

「え、ええ…!」

 

白い布で鼻血を拭く。ライナーは無意識に聞いていた

 

「なんで鼻血で引いたんだ…?」

 

「…わたくしたちはこのセラフという武器で戦っているんですの、これだけは唯一キャンサーに通用する…でもこれを一定時間使い続けるとわたくしみたいに鼻血が出て、最悪死に至る…」

 

「なっ……!」

 

「鼻血は体が限界というサインですの…、盾は特にデフレクタを消費しやすいから歯がゆいものですわ…」

 

そんな危ない兵器を使って彼女達は戦っているというのか…ライナーは驚愕していた。それと同時に自分に対して情けないという感情も生まれていた

 

 

「ユイナちゃん!!___月城ちゃん!任せられるかい!?小笠原ちゃんは援護を頼むよ!」

 

「白河さん…!」

 

「桐生!前に出るな…!」

 

「桐生ッ…!!」

 

「なっ…!」

 

月城が叫ぶ。だが目の前ではユイナを屠らんとクロウホースが大きな口を開けて球体を放とうとしていた。

 

 

それを見た瞬間、ライナーは本能的に動き出していた。巨人になれるかなんて分からないのに、彼女達が何を思うかなんて分からなかったのに_______

 

「何を…ッ!!」

 

走り出したライナーを菅原が止めようとするが上手く力が入らずふらつく。どういう運の良さかは知らないが菅原の前には木がある、あれなら爆風にも耐えられるだろう____今戦っている彼女達にはなんとか耐えてもらうしかない、もしデフレクタとやらが全損したとしても、自分が2体を倒せばいいだけの事。だって……自分は…

 

 

 

 

 

 

「俺は…_”戦士だ”…!」

 

そう言い前に出る、そのまま自分の手を大きく噛みちぎる。その瞬間だった_____落雷のような音と閃光が彼女たちを襲う。

 

「っ!?なんだい!!!」

 

「蔵ッ!!」

 

月城が蔵を庇うように大剣を構える。

 

「桐生…!?」

 

「きゃっ…!!」

 

体勢を崩し、吹き飛びかけた桐生をユイナが何とか手でつかみ止める。だが…

 

 

「小笠原さんが…!」

 

人一倍体が小さい小笠原はまるで紙がまうように空に浮いた、あのまま地面に落ちれば確実に死ぬ…

 

 

「…!?」

 

だがユイナは目の前のクロウホースが何者かに殴り飛ばされていることに気がついた。セラフではない____拳で

 

「うわあああああっ!!??__いたっ!」

 

宙を舞ったあと、少ししてコチンという音を立てて”手のひらに落ちる”

 

「いたた……って……んえ…?」

 

小笠原は目を開くと、人一倍でかい顔に見つめられていることに気づき顔を青ざめさせる。だがまるでこちらの無事を確認したように目線をユイナ達に持っていく

 

「……え??」

 

そのまま食わずにユイナたちの場所へ降ろす。そのまま後ろにいるクロウホースに今度は左拳で殴り飛ばす、硬い音を巻き散らかしてクロウホースの顔が大きく歪む。

 

「ウオオオオオオァァァァッ!!!」

 

 

口から煙が溢れ出し叫び声をあげる、そのまままるで彼女達からキャンサーを遠ざけるように口を持ち上げ後ろに押し飛ばした。

 

 

 

ありえない光景を目の当たりにし、菅原を覗いた30Gが固まっていた。

 

「な…、なんだこの巨人は…」

 

「…さっきのライナーさん、ですわ…」

 

少しばかり足取りがおぼつかない菅原が、ユイナ達と合流する

 

「菅原…!大丈夫か!」

 

「ええ…なんとか…」

 

「ライナーさんって…?」

 

「わたくしも全部は見てないのですが…走り出したと思った直後に…さっきの落雷のようなものが」

 

「理解が追いつかないね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(なれた…鎧の巨人に…)

 

目の前のクロウホースを後ろに押し倒してライナーは自分が巨人化ができたことに気が付いた。彼女達もなんとか爆発を耐えてくれたみたいだ…

 

(とにかく…こいつらは俺が倒す…!)

 

ヒーロームーブをかまして、ライナーは構えた。彼女達を守る戦士の戦いが幕を開ける

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ライナーはウルトラマンかなにかですかね??


巨人は15mだったりしますけどキャンサーってサイズなんなんでしょうね、フラハンは200Mでしたっけ?


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3.頼り頼られ

ライナーにいい活躍を、そして休憩できる空間を…あげたいよね…

でも情緒不安定なライナーを描きたいのも事実


『30G、応答して。』

 

巨人が表れて数秒後、即座に電子軍事手帳から手塚司令官の声が聞こえる。一瞬遅れて部隊長のユイナが応答する

 

「こちら30G」

 

『無事でよかった、状況は?』

 

「我々の戦闘中、おおきな爆発がして…巨人が現れ…今目の前で二体のキャンサーと戦闘を開始しました。我々を守るかのように…遠ざけて」

 

『男性の人間は…?』

 

「その…信じがたいのですが…菅原の言う通りなら、その男が変身したと…」

 

電子軍事手帳から司令官の息の詰まる声が聞こえた

 

『…変身?』

 

「はい、私たちも未だに状況が…」

 

『…わかったわ、とにかく今は自分たちの身を守りなさい。でもその巨人が味方とは限らない…距離をとるように』

 

「了解」

 

軍事手帳の通信が終わり、菅原を抱えて少し距離をとる。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

後ろに下がった30Gを横目で確認し、突っ込んできた1体に上から拳を振り上げる。鎧をまとった一撃、そう簡単に復帰はできないはず..その間にもう一体を叩く…だが

 

確かな感触があったのだが、先ほどとは違い相手はひるみすらしなかった。ひるむ代わりと言わんばかりにライナーの肩に噛みつく。その様子はまるで犬のようだった

 

鎧の硬さでなんとか噛み千切られるのは阻止したが…

 

(なんだ…!?)

 

ライナーが戸惑う間にも鎧の肩がギシッ、ミシッと音を立てる。確実に鎧を砕く気で噛んでいる

 

二体を相手にして…そして後ろに守る対象がいるならば片腕でもなくなれば難易度は上がる

 

(マズイ…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか…デフレクタが邪魔をしているのか…?」

 

「と、いいますと…?」

 

先ほどまで冷静に戦いを見守っていたユイナが口を開く、すぐさま横にいた桐生が聞き返す

 

「我々がキャンサーと戦うときに使うのはこのセラフのみ、これだけが唯一キャンサーに通用するものだ。だがあの巨人はセラフを持ってはいないだろう…ひるませることはできても、デフレクタを割る決定打とはならないのではないか…?」

 

「なるほど…デフレクタを割れさえすればまともに戦える、そういうことですね」

 

「私の憶測だがな…」

 

そう言いほぼ無意識にセラフに手をかけた、その瞬間隣にいた桐生が咳ばらいを一つ

 

「わたくしのデフレクタはまだいけますよ…?」

 

その言葉の意味を、聞き返す必要はなかった。自分もまだ戦うとそう言っているのだ

 

「…いいのか?」

 

「はい、もとはといえばこの命…すべて預けてありますから」

 

「ふふっ、それは頼もしいな」

 

お互い、その場に似合わない笑みをこぼし後ろで待つ残りのメンバーに声をかける

 

「いまから私と桐生の二人であの巨人の援護に回る、できればコミュニケーションも取れたらいいが…」

 

その意見に真っ先に反対を示したのは蔵だった

 

「正気かい…?助けられたにせよ絶対に味方とは限らないんだよ?」

 

蔵が言うことは正しい

 

「ああ…だが我々が生き残るには正直あの巨人の力を借りなけばならない」

 

「ようするに賭け、かい」

 

「..そうだな、毎度すまないが今回も賭けになる」

 

「…はぁ、本当にユイナちゃんは賭けが好きだね」

 

「…」

 

なにかを確認するそぶりを見せた蔵、そしてユイナの肩をたたく

 

「その賭け、あたいものるよ」

 

「蔵…」

 

「蔵が行くなら我も行こう」

 

大剣を支えにして立ち上がった月城が戦う意思を見せる。外見こそ無事だが万全ではないのが見て取れる、ユイナは首を横に振った

 

「月城は小笠原とともに菅原を守ってくれ、ほかにキャンサーがいないとは限らないからな」

 

ユイナの表情を読み取ったのか、月城は静かにうなずいた。

 

「申し訳ないですわ…」

 

「人は誰しも失敗する、大事なのはそれをどう捉えるかだ」

 

「さて、行きましょうか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(このままじゃ噛み千切られるぞ…!)

 

腕から血が噴き出したのを見て、ライナーは二体の相手をあきらめ即座に右腕で上顎を掴んで口を開けさせようとする。蒸気とともに巨人の口が開き独特な咆哮を上げる

 

(まずはこいつからだ…顎の力は強いがこのままいけばはがせる、そしてそのまま顎を潰してやる…!)

 

「ッ…!」

 

だが二体目が横に立っておりその口からは紫色の何かを溜めこんでいた、すぐにそれが攻撃だと理解したが避けられるとは到底思えなかった。鎧を一点に集中させ防御するのもあるが攻撃力がどれくらいなのかがわからないのと、もし間違えれば腕を食いちぎられる

 

 

 

 

 

 

「今だ桐生ッ!!」

 

 

 

 

 

次の瞬間だった、少し離れたところから声が聞こえ空中に和服の少女が飛び出す。たしか桐生という名前だったのを思い出す

 

弓に変形した武器から無数の光の矢が放たれ攻撃を溜めていたキャンサーをとらえ大きくふらつかせた。ため込んでいたものは露散して消えていく

 

「なにぼーっとしてんだい!」

 

今度は下から声が聞こえ鎌を携えた少女が飛び出す、大きく振りかぶった一撃は腕を噛み千切ろうとしたキャンサーの足を捉え態勢を崩れさせた、顎の力が弱まり食い込んだ歯が離れる

 

 

「高いのは少し慣れないな…」

 

今度は耳元で声が聞こえ眼だけで振り返る、右肩にユイナという少女が乗っているのを確認した

 

「目が合った、ということは意思の疎通ができるようだな…すまないが協力してくれ、作戦は手短に話す」

 

それに対しライナーは頷く、その反応を見てユイナはどこかほっとしたように肩をなでおろすと普段の落ち着きを取り戻す、二人の前では桐生と蔵がそれぞれキャンサーと戦い時間を稼いでいた

 

「やつらキャンサーにはデフレクタと呼ばれるものがある、いわば君のその鎧のようなものだ。キャンサーに攻撃をあてるには我々がもつセラフでデフレクタを完璧に破壊するしかない」

 

(俺の拳が通用しなかったのはそのせいか…)

 

「我々がデフレクタを破壊したらできる限りでいい、援護をしてくれ。無論私たちのことは考えなくていい…こう見えても少数精鋭だからな」

 

それに頷くと、またほっと胸をなでおろしていた。もしかして自分は何か未知の化け物だと思われているのだろうか…いやそのとおりか

 

「それでは…戦って、勝とう」

 

それだけ言うと少女はライナーの肩から落ちていくように消えていった、直後キャンサーの一体に斬撃がはいる。凄まじいスピードだった

 

 

 

 

いつぶりだろうか、支えてくれといわれ…戦うことなど

 

 

ライナーは走り出した…頼られているから…それにこたえよう

 

 

 

その一心で

 

 

 

 

 

 




鎧の巨人の叫び声、表現の仕方わからず


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4.天使…?

お気に入り登録、評価ありがとうございます!
全部マジで励みになってて滅茶苦茶頑張れそうです。

あとこの作品基本的にpcで描いてるので滅茶苦茶誤字脱字が多いと思われます、ビシバシ報告してください!







そして4章終わる気がしねえ、敵が化け物過ぎてマジで勝てねえ

ライナあああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!助けてええええええええええええっ!!




(よかった…!話が通じる巨人でよかったぁ…!)

 

白河ユイナはキャンサーと対峙している、だが当の本人は戦う恐怖よりも先ほどまで自分と会話していた巨人に気がいっていた。人類史上初めて巨人と話した人物のはずだ…

 

(大体なぜ巨人なんだ…!?そんなもの空想の世界だけかと思っていた、赤と銀に光り輝くわけでもないし…!)

 

正直話が通じなければ食われてたかもしれない、キャンサーと戦う前に巨人に食われたらそれこそ散った仲間たちに合わす顔がない

 

だが現実は優しかった、話も通じたしなんなら協力的に戦ってくれている…

 

 

 

(それにしても不思議な感覚だ..今こうやって巨人と肩を並べて戦うなんて…それこそ平和な世界なら妄想や絵にかいていただろうに…)

 

 

「ユイナちゃん!!」

 

少し気が緩み、キャンサーがこちらに突進をかけてくる。だがユイナとキャンサーの間に巨人が挟まり攻撃を止めた。

 

---今だといわんばかりに巨人が咆哮を上げる

 

「はあああああっ!」

 

空を舞い、巨人の肩を踏み台にしてさらに舞うーーそうして落下の勢いに身を任せ剣をキャンサーに突き刺す

 

キャンサーが人一倍大きな声を出し、体に纏わりついたなにかが破砕音をたてて割れた。ライナーはそれが彼女たちが言うデフレクタだと理解するのに時間はかからなかった。

 

(今だ…!)

 

体を大きくひねり拳を後ろに添える、そして全体重をかけて拳を振るう

 

 

 

 

---キャンサーは耐え切れずに後ろに吹き飛びそのまま爆散した。その爆散に反応し構えるが何も起こらない…これがキャンサーにとっての死、というものなのだろうか

 

(いや、今は集中しろ…残りの一体を殺す…!)

 

そう思って後ろを振り返るとーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー既に戦いは終わろうとしていた

 

 

 

 

 

 

「やあっ!!」

 

桐生が頭を狙い弓を放つ、それがうまく視界を潰す役割を果たしキャンサーは全方位に振り向いていた

 

 

「はあっ!!」

 

蔵が鎌を振り回し足を潰していく、一瞬にして足を潰されキャンサーはよろめいていた。同時に破砕音が聞こえキャンサーを守るデフレクタが破砕していた

 

 

「今だよ!!」

 

「ああっ!」

 

 

蔵が大きく声を出し、それに勇ましくユイナが答える。踊るように飛び出しキャンサーを切り裂いていく

 

ライナーはまるで踊りを見ているような感覚に陥っていた

 

 

そしてキャンサーが爆散するまで、10秒もかからなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「終わったな…司令官に報告してくるよ」

 

再び30G全員で集まりライナーはそれを見守り、安全が確保されてから巨人化を解いた。立って解除すれば立体機動装置がないと落下死するのでうつぶせになる…まあなんともシュールな光景だ

 

「「…」」

 

30Gは突如うつぶせになった巨人のうなじからでてくるライナーを見ていた、信じられないというか…自分たちが見ているものが事実だと理解するまで少しタイムラグがあった。ライナーと目が合う…

 

「…」

 

森が生み出す風は巨人化した後のライナーには涼しかった、巨人の繊維が頬から剥がれ解放感が戻ってきた。巨人の体からぴょんと飛び彼女たちの元へと歩く…やはり全員、少し警戒していた

 

「…最初に聞いておきたい」

 

「なにかな…?」

 

ライナーが言葉を発すると、丁度通信を終えたユイナが返事をする。警戒はしているようだが武器の類は見受けられなかった

 

「お前たちは…巨人を、知っているか…?」

 

沈黙が森を覆う、もし彼女たちが巨人をしっているなら…逃げるしかない

 

 

 

 

「巨人…?あの赤と銀に輝くやつですか?」

 

小笠原が首を傾げて言う

 

「小笠原ちゃんそれは…ウルトラ○ン」

 

シュワッチといいながら腕を十字にクロスさせる小笠原に蔵からの手刀がはいる

 

「ウルトラ○ン?」

 

初めて聞く巨人の名前だ…まさかこの国には9つの巨人以外にも存在するのだろうか…

 

「あなたの知る巨人とは何か違うみたいですね…」

 

桐生が会話の食い違いを察したのか横から入ってきた

 

「あ、ああ…そんな名前聞いたことがない…それともうひとついいか?」

 

「なんだ?」

 

「お前たちはここを日本といった、日本とはなんだ?」

 

30G全員が顔を見合わせる、わかって当たり前…そんな感じの空気が漂っていた

 

「東アジアに位置する島国だが…」

 

東アジア…?初めて聞く名前に?を浮かべる

 

「…わからん、世界は広すぎる」

 

眉間にしわが寄る、頭がこんがらがるとはこのことか

 

「私からいいか?」

 

今度はユイナがライナーに質問をなげかける

 

「君はどこの国からきた…?もっとも世界はすでに混沌に包まれていてわかるかは怪しいが…」

 

「あれが…大量にいるのか…?」

 

「ああ、私たちは人間の領土を取り返すために戦いに身を投じている。もっとも…ごくわずかしか取り返していないがな…」

 

後半につれその声から自信がなくなっていくのをライナーは感じた。

 

「そうか…」

 

「…そういえばちゃんと名乗ってなかったな。聞いたかもしれないが私は白河ユイナ…30G部隊長だ」

 

そう言って右手を差し出してくる、果たしてその手を取っていいのか…?

 

「そんなに警戒しないでくれ、少なくとも我々は君に敵対していない」

 

その証明と言わんばかりに、持っていた武器を納めていた。ほかに武器の類は見受けられなかった

 

「…すまないな、俺の場所はいろいろ複雑で…」

 

「思い出したくないことは口にしないほうがいい」

 

あっ…この人めっちゃ優しいやん…変に疑い深い自分が情けなくなってくるくらいいい人オーラを出していた。

 

「…すまない」

 

「色々気になるところはある、だが今は聞けなさそうだ」

 

そう言ったユイナの視線の先には飛行船らしきものが向かってきていた

 

「飛行船…?」

 

「ああ、そんな感じのものだ。上は君にいろいろ聞きたいことがあるらしい」

 

当然のことだろう、彼女たちを見るにここでは巨人という生き物は存在していないようだ。つまり自分はこれから尋問ひどければ拷問最悪の場合その場で殺される可能性もある

 

だが、たいした恐怖はなかった…こんな半端なクソ野郎なんかに居場所はないだろう

 

「できる限り私からも色々進言してみる」

 

横にいたユイナがそういってライナーに笑みを向けた。だめだなんかもういい人を通り越して女神のそれではないか…?

 

なんなら彼女ならこの鎧をよりよく使ってくれそうではある…そんなことを思っていると降りてきた隊員に銃を突き付けられた

 

 

 

 

 

 

 

 

雲行きは怪しい…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ライナー、へブバン世界を笑顔で包め。それがマーレからの任務だ



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5.利用価値

1話1話投稿する度にじわじわと伸びていく…()
そしてお気に入りや評価も増えていく…ほんとにありがとうございます〜!

頑張ります!!ストーリー??そんときの俺に任せて書かせておきますねぇ!


〜司令室〜

 

ライナーはヘリに乗ってユイナ達が言っていた基地に足を運んだ、厳密に言えば運ばれたと言うべきか…?

 

目は隠され両手には枷が嵌められ、彼女達と会話することすら禁止された。ユイナ達の間では少し物議を醸していたがライナーがそれを辞めさせた

 

「仕方の無いことだ」

 

彼女達にそう言い聞かせ、自分にもそう言い聞かせてたのかもしれない…

 

基地に着いてからも目隠しは外されずほぼ捕虜のような扱いを受けていた、微かに聞こえる耳で周りの音を聞きとるとほぼ女性の声しかしないことに気がついた。全員物珍しそうな顔でライナーの事を話しているようだった

 

 

 

窓のカーテンも締め切られ、ライナーともう一人の女性が椅子に腰掛けていた。

 

(なんだ…この感覚、部屋にいるのは2人のはずだが…どこかから監視されているような…)

 

辺りを見渡す、普通の書物だらけの部屋だ…

 

「…」

 

ライナーの反対に腰掛けているのは手塚咲という人物らしくここ日本のセラフ部隊をまとめている司令官という立場にあるそうだ

 

「まずは突如拘束して申し訳ないわね、ライナー・ブラウン」

 

未だ嵌められたままの手枷を見詰めながらそう言う、ライナー自身もこれは仕方ないと思って受け入れている為に特にこれといった反抗心は無い

 

「ああ…それは仕方がないと思ってる…それと名前は長いと思う、好きに呼んでくれ」

 

「そう、じゃあライナーと呼ばせてもうわね…あとはあの子達…30Gを助けてくれてありがとう。貴方の活躍は彼女たちから聞いているわ」

 

頭を下げられ少しばかりたじろぐ、礼を言われるようなことはしていない

 

「ライナー、貴方は巨人になって戦った、彼女たちが言うにはそうなのだけれど…それは事実?」

 

「その通りだ」

 

「そう、じゃあ色々質問していくわね…貴方の身の潔白を証明にもなるから」

 

そこから様々な事を聞いては手に持ったペンで紙に書いて言った、ライナーには読めなかったが多分この国の文字なのだろうなと思いつつ質問に答えていく

 

 

 

故郷、何をしていたか、仲間はいるのか、何故突如森に現れたのか、その腕章はなんなのか、巨人という力についてなど…

 

 

 

「ありえない話ね」

 

 

全てを聞き終わって最初に言われたことはその一言だった、空気が少しだけ詰まるような感覚に陥る。嘘はついてないだろうな?と…そのような圧をかけられているような気がした

 

もし同じ立場なら自分も信じられないだろう、マーレなら拷問にもなりかねない事案でもある

 

(本気で困惑しているのか…?)

 

「アニメや漫画でいう”異世界召喚”や”異世界転生”をしたってことなの?」

 

「い、いせかい…?てんせ…?__なんだそれは…?」

 

突如並べられた意味不明な単語にライナーは困惑を隠しきれずに動揺する、手塚も(知らないの??)という顔でライナーを見ている

 

「…知らないならいいわ、嘘をついているようには見えないもの」

 

眉間に指を置いて考える素振りを見せていた

 

「あ、あぁ…」

 

そこで部屋がノックされる音がする、次に扉の開く音がして一人の女性隊員が手塚に耳打ちをして去っていった

 

「貴方の荷物を見ていたの、どうやら怪しいものは見受けられなかったみたいだわ」

 

「…厳重なんだな」

 

「当たり前よ、ここは軍なの」

 

「…それもそうか 」

 

「私達軍はドーム内の壁の中の人間をキャンサーから守るために戦ってる、貴方も見たはずよ…彼女達が武器を呼び出し戦ったところを」

 

「また壁かよ…」

 

どうしてこうも自分は壁とこんなに縁があるのだろう…

 

「…なにかあるのかしら?」

 

「いや…何でもない、こっちの話だ」

 

「そう、変な隠し事はしない事ね。私達は直ぐに貴方を殺せるわ」

 

「…昔、俺も壁の中の人類を救う為に戦ったことがあってな」

 

「貴方の場所も?」

 

「ああ…そこじゃあキャンサーみたいに巨人が蔓延っててな、そいつらを剣と立体機動装置ってやつで斬り殺していった…」

 

本当は欺いて…始祖を奪還するために大勢を殺して___その壁を破壊したのは自分とベルトルトで……

 

「その言い方、何かあったみたいね……まぁいいわ、今はどうでもいいもの」

 

「随分あっさりなんだな…」

 

正直助かった、うんざりするほど自分に嫌気がさす…

 

「…ところでその力、私たちの為に使ってくれはしないかしら」

 

「…そう来ると思ったよ」

 

「あら、読んでたの?」

 

「お前達にとっては初めて見る力だろ?そんなもん持ってる奴をそこら辺で野放しにするかよ…」

 

いつだってそうだ…力を求めてどれだけ努力して…ようやく上に立てたと思ってもそこにあるのは更に上の奴らから利用されるだけの運命…

 

つかって、使って、使い潰されて…最期はその力を受け継がせる為に死ぬ…

 

神がこの世界にいるなら聞いてみたいものだ、何故…こんな訳の分からない場所に俺を連れていったと…何故、戦う以外の選択肢をくれないのだと…

 

「…断ればどうなる?」

 

「……さぁ、それは私が決めることじゃないわね」

 

大体は予想が着く、こんな野蛮な奴は消すしかない…下手に反逆を起こされでもしたら不利になるのは必然的だ…なら消すしかないだろう

 

「それで?貴方はどうするの?」

 

「俺は…あと任期が2年」

 

「何の任期?」

 

「この鎧の任期だ、巨人の継承者は例外なく13年で死ぬ、これは俺と司令官…2人だけの秘密にしておいてくれ」

 

「…」

 

手塚の纏う雰囲気が少しばかり揺らいだ、驚きを隠せていなかったのだろう

 

「俺には帰らないと行けない理由があるんだ…こんなところでクソみたいにくたばる訳にはいかない…」

 

鎧を継承したいというガビや…どこか似ているファルコ…アイツらを置き去りになんて出来ない、もしここで死ねば鎧がユミルの民に渡り新たな反逆因子を生み出す可能性もある…

 

「タイムリミットは約2年…その間に俺は帰る、その為に今は戦う…それでいいか?」

 

「…ええ」

 

お互いに目を合わせる、ここに少しだけ歪な形の契約が結ばれた…

 

 

 

それは幸せの道となるのか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_______

______

_____

____

___

__

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新たな地獄の始まりか…

 




話がサクサク進んでいくなぁ…濃い内容が書きたいのに…あっさりで進んでいく…

そして感想や評価お願いします!死ぬほど喜びますので…


Twitterフォローもしてくれてもええんやで??
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6.ユイナ先輩と…

皆さんのおかげでなんと評価バーに色が付きましたよ!!

お気に入り登録してくださった方も本当にありがとうございます、ニヤついてます

これからもライナーを見てやってください!


あれから様々な手続きを済ませ、それが上から承認が通り晴れてライナーはセラフ部隊の一人となった

 

デフレクタを搭載した服ではないといけないと言われ今来ている服をそう改造してもらっている、キャンサーがそうであるように、彼女達もデフレクタを装備しているのかと思った…

 

公の場で新戦力として公開されるまで、ライナーは少しばかりこの世界の___日本語を見ていた

 

「…言語は同じなんだが書体は全く違うんだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして紹介が始まった、大人数を想定した部屋に前線で戦うセラフ部隊が呼ばれライナーは司令官の隣に立つこととなった。

 

 

 

 

 

 

(少なすぎる…)

 

初めて公の場でライナーが紹介された時はライナー自身目を疑った、

 

部隊のすべてを女性が占めており…圧倒的に数が少なすぎる。

 

そして比較的若い…

 

ぱっと見ても1部隊に約6名程度…並びから見てそう捉えられた。

 

彼女達のライナーに対する視線はこうだった

 

 

 

ーーーー興味津々に見つめる者

 

 

 

ーーーー興味がなさそうに欠伸をする者

 

 

 

ーーーー何やらそわそわしている者までいた

 

 

 

眼鏡をかけている少女と目が合う…背筋に何かが走った

 

(ほう…この男は少しばかり興味深いな…)

 

眼帯をかけた少女と目が合う…なぜか怯えられた

 

(ひぇ…なんだかあの人の周り”大量”にいる…!?)

 

金髪の片目だけの少女と目が合う…好奇心の塊を投げつけられた気がした

 

(後で話しかけてみよ…)

 

 

 

いざ関わり合えばきっと色々ややこしい事になるだろうな…ライナーはそう思いながらその時間を過ごした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが大浴場だな、使える時間は割と限られているようだ…女性しかいないせいだろうが」

 

「ようするに風呂というわけか…」

 

なんかいい感じの入隊式が終わり、ライナーは司令官の許可のもとユイナに連れられ基地を紹介されていた、ショップにジム?にカフェ?に…初めて聞く単語まみれだったのだがすぐにユイナが説明してくれあまり苦なことにはならなかった。

 

 

 

 

 

ただ問題はひとつ、さっきからずっとあの和服の少女____桐生が着いてきていた

 

お面はどこかへ吹き飛び、その顔には分かりやすく嫉妬という文字が書かれているように見えた

 

「…なにか気になるのか?」

 

「あ、いや…なんでもない」

 

ここは気づいて声をかけてやるべきなのか、それとも無視して歩くべきなのか…

 

「この…周りにいる奴はなんなんだ?」

 

「ああ…それはナービィと言ってな、人畜無害なよく分からない生き物だ」

 

「解明されてないのか…?」

 

ナービィを持ち上げて目を合わせてみる

 

「どうだ?何を考えてるかわからないだろ?」

 

ユイナがクスッと笑いながらそう言う、たしかに分からない…どこを見て何をどう感じてるのかすら…

 

だがなにか引っかかる、これはまるで

 

 

 

______中身のなくなった器だ…

 

 

 

 

 

__________________________

 

〜葬儀場〜

 

 

「ここは葬儀場だ…死んだ仲間を見送る場所だな」

 

自分は普段ずっと戦いに応じていたために死体を送り出すところを見たことは無かった…エルディア人は死んでもそのまま放置にしてあることが多い為に…そういう文化があるのは少し新鮮だった

 

横に立つユイナの顔が少し寂しそうに見えた

 

「大勢…死んだのか?」

 

「…ああ、大勢の仲間が散っていった」

 

「すまない…」

 

「いや、いいんだ。私はその仲間の思いも背負って今ここに立ってるからな…私の中で今も生き続けているよ」

 

「…そうか 」

 

彼女はとてもいい考え方をする、腐った自分とは真逆だ

 

「…もうこんな時間か、ついでに夕食を摂ろう。今日は私も暇だからな」

 

「ああ、助かる」

 

2人は葬式場に一礼を交わしてそのままカフェテリアへ向かった

 

 

 

その日は食欲はあまりなく、ちょっとした軽食と言うものを食べた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして後日、ライナーが所属する隊が告げられた

 

 

 

つい先日斬り込み隊として任命された部隊

 

 

 

その世代で最も優秀と認められた部隊にあてられる特別なアルファベット…A

 

 

その部隊は_____31Aだった

 

 

 

 

ライナー、斬り込み隊の盾になるってよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ライナーが昔話をするときに、ライナーは敵視点で語ってたけどユイナにとっては調査兵団の一人として話してるようにちょっと工夫してみました!

そして時間軸これ1章のつもりです、ユイナ達と会ってたかコレわかんね()

感想や評価おなしゃす!!


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7.顔合わせ

お気に入り登録、感想、評価ありがとうございます!

そして感想でも言われたのですが、キャラの生存ルート…これをすることによって様々なことが変りかねないということ

どうなんでしょうかね…これ



「…」

 

ライナーの朝は早い、電子軍事手帳とやらに設定された時刻より前に起きていた。新しくなった軍服を身にまとい左腕に赤いマーレの腕章をつける、ここではいらないといわれたがこれがないと落ち着かないため勝手につけることとした

 

鏡で最低限の身だしなみを整え顔を洗う、昨日は少し眠れたおかげでまだ顔色は良さそうだ

 

『ここには地図も載っている、迷いそうになったら使うといい』

 

カフェテリアに向かおうとしたときにユイナの声を思い出す、まだ完璧には覚えられていないのを思い出し地図を見ようと電子軍事手帳を手に取る、まだ慣れていない動作で画面をタップするーーーーーその瞬間だった

 

「…!?」

 

持っていた軍事手帳から軽快な音が鳴り響き慌てて落とす。拾い上げてもずっとなり続いている軍事手帳をみつめる…

 

「こんな薄い板からどうやって鳴っているんだ…そしてこれはどう止めるんだ…?」

 

朝から既に雲行きが不安になり始めていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…」

 

いまだに等間隔で鳴り続ける軍事手帳をポケットに突っ込んだまま朝ご飯を済ませる、すでに各部隊がちょろちょろと集まりだしておりここ全体の朝が早いことに気づかされた

 

「四ツ葉~!起きて~」

 

「…」

 

その中でも目立っていたのは四ツ葉という人物だった、まだ寝ぼけているのか知らないが寝巻のままゴロゴロ転がって移動していた。しかも気配が読めるのか人は器用に避けていく…さすがに目を疑った光景だった

 

 

そんな光景を片目に置きながら手帳を開く、朝早くから送られていた司令官からの連絡を見ていた。それにしても本当に便利だ…予定がそれにすべて詰め込まれているおかげで大変わかりやすい、忘れたとしてもすぐに覗けるから作戦にも使えるだろう…

 

座学というもの、その前に31A部隊との顔合わせ…そして戦闘訓練

 

その世代の最強と言われるAを持った部隊…いったいどんな顔ぶれなのだろうか、期待と緊張を抱えたままその席を立ち、カフェテリアを後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初に座学の場所についたのはライナーだった、一番扉に近い席を選びそこに腰を掛ける。一番前に立って頭を抱えている片目に眼帯をした少女がいることに気が付いた

 

確か彼女は司令部の一人だと司令官から聞いていた、名前はたしか…浅見真紀子。負傷により前線から離脱その後は座学を教える教官…キース長官のような人ではないといいが

 

「…?」

 

「来たか…」

 

そうしているとそとからドタドタと騒がしい音が聞こえてくることに気づいた

 

「おい、ライナーブラウン…死にたくなかったらそこをどいたほうがいい」

 

「…え?」

 

「なぜなら…」

 

そこまで言いかけた時だーーーーー扉が勢いよく開かれ少女が一人凄まじい勢いで突っ込んできた

 

 

 

 

 

「どうや月歌ああああああああ!!今日こそウチの勝ちやあああああああ!!ーーーーーーえっ?」

 

 

 

 

 

蹴り破った足がそのまま振り向きかけたライナーの側頭部をしっかり捉えた。少女はその場で倒れこみーーーーーーライナーは椅子から転げ落ちそのまま様々なものを蹴散らし動かなくなった

 

 

「だからめぐみん~それやったら怒られるって…………あっ」

 

そのあとに入ってきた一人の少女も何かを察したような顔をしていた

 

「おいおいなんだ…?すげぇ音したぞ…!ーーーーーーあーあ、恐れてたことが起きた…」

 

それに続き残りのメンバーが入ってくる、倒れて動かなくなったライナーに最初に声をかけてきたのはフードを被ったかわいらしい少女だった

 

「だ、大丈夫…?」

 

「あ、ああ…」

 

手を差し伸べられその手に引っ張られて起き上がる。今回は上半身の神経をすべて下半身に集めたおかげで助かった、だが…

 

「く、首…」

 

金髪の少女が顔を真っ青にする

 

「気にするな…この程度なんとでもなる…」

 

首がちょっととんでもない方向に曲がっていたが両手で掴んで元に戻す、バキっと音がして元に戻した首を軽く動かす

 

 

「ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?!?首ィッ!!首がァァァァァァ!」

 

 

 

「おいおい…お相手さんもなかなかやべぇ…」

 

首を戻したライナーを見ながら眼鏡の少女が頭を抱えた。

 

 

 

「あっ…やってしもた…」

 

頭を抱えて立ち上がる逢川、だが目の前に現れた教官により即座に顔が真っ青になる

 

「逢川…お前なぁ…!」

 

小さいが大きな声が雷槍のように轟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は散々やったわ…」

 

「お前が蒔いた種だろ…」

 

座学が終わった、どうやらまだ最初なのか基本的なことやこの世界の状況、セラフやキャンサーなどを学んだ。正直まださっぱりだったので真面目に聞いていたが…この世界はもうライナーの知るところではなかった。

 

地球、地形すべてがマーレで習った時とは全く関連すらなかった…

 

そして今はアリーナを目指して歩いている、午後からは実践訓練。浅見教官から聞いた話ではどうやら近々適性試験とやらもあるそうだ…そこで本格的な配属が決まるというものらしい、どんなもの戦うかは当日のお楽しみだそう。正直そんなサプライズはいらない

 

 

「いやーほんますまんかったライナー!」

 

「ああ…ケガがなくて良かった」

 

すまんかったという単語は初めて聞くが彼女の態度からするに謝罪の言葉なのだろう

 

「いい人でよかったな」

 

「それにしてもセラフ部隊に男の人なんて、特殊な人なのかしら」

 

「司令官から聞いたがまあまあ特殊らしい、何が特殊かは自分たちで確かめろ。だってさ」

 

「へえ~教えてよ!」

 

「聞いてたか月歌、そんじょそこらでやったらやばいんだよ」

 

「何がどうやばいの」

 

「爆風があるんだとよ、30Gからの情報だ…一応デフレクタで何とかなるらしいが周りがなくなるぞ」

 

「こわっ!」

 

「そんなに期待しないでくれ…大したものじゃない」

 

こんな力があったって、戦争の火種になるだけだ

 

「でもその力があれば、私たちいらないんじゃない?」

 

横で歩いていた可憐がそういう、それにタマが「たしかに!」といった。だがすぐにユキが否定する

 

「それがそうでもないらしい、デフレクタが割れないんだとよ」

 

「デフレクタが割れないセラフ…?」

 

「謎が深まるだけやないか」

 

「その謎ももう解けるわよ」

 

そう言って立ち止まる、そこにはアリーナと呼ばれるものがそびえたっていた

 

「ここが…アリーナ」

 

「はぁ~!見ただけで疲れる…!」

 

「しっかりしろ…部隊長だろ」

 

「えーやだやだ!ユッキーがやってよ!」

 

「任されたんだから放棄すんな…」

 

「適性試験までに頑張らんとなぁ…」

 

「そうね…」

 

中に入ると一人の少女が立っている、服装から見るに司令の一人だろう

 

「では本日はライナーさんの計測も含めた設定で行います、難易度は昨日より下がるかもしれませんが気を抜かずにーーそれではいってらっしゃいませ」

 

何やら機械をいじりながら話し、最後の一言と同時に部屋の色が変わる

 

 

「なっ…!?」

 

気づけばライナーたちは森の中に立っていた、驚いていたのはライナーだけで他のメンバーはもう慣れたといった表情だった

 

「そういえばライナーさんは初めてだった?」

 

「あ、ああ…一瞬で景色が変わった…」

 

前に立っていたつかさがライナーに言う。高次元シュミレート、話は聞いてはいたが実際されてみると驚きが勝つものだ。実際はアリーナの中だが自分たちがいるのは森の中ということ…

 

「12方向キャンサー一体!月歌!」

 

「任せろ!____”あたしの伝説は、ここから始まる”!!」

 

そう叫ぶと宙から二刀流の剣が出現、手に取りそのままの勢いでキャンサーを切り刻み討伐する

 

「あっぶな〜…」

 

「まだおるでぇ!!”救世主様のお出ましや”!」

 

息を吐く月歌の後ろから現れたキャンサーをめぐみが宙から現れた大剣で叩き潰す。気づけば周りの全員武器を携えていた

 

ライナーはこの部隊を少し侮っていたかもしれない、そして横に立つ可憐もセラフを取り出そうとしていた…

 

「”呼吸をするように…息の根を止めるぅっ”!!」

 

可愛らしい声から反転、それはまるで獰猛な獣の声に変わった。目つきも紅く鋭くなり雰囲気さえ変わる

 

「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃぁっ!!! 」

 

そして横で立つライナーを一瞥した、可憐…いや別の誰かがこう叫ぶ

 

 

「ワシの名前はカレンちゃんでぇぇぇぇす!!」

 

 

丁寧な自己紹介の後即座に飛び出した、周りに佇む2体のキャンサーを鎌を振り回し即座に排除。

 

戦い方も見た目にそぐわぬ獰猛さだ、獲物を見つけてはその場で殺す…まるでキラーだ…

 

「驚いたでしょ」

 

銃を片手にまるでイタズラが成功したかのような笑みでつかさが言う

 

「ああ見えても二重人格ってやつなの」

 

「おい東城、そんな当たり前のこと言うなよ…ブラウンさんも困惑するぞ」

 

「いや、初めて聞いた…」

 

「あっ初めて聞きました…?」

 

「ふふん!」

 

「ドヤるな、私達も行くぞ。難易度が低いからってアイツらめちゃくちゃしやがる…これじゃあブラウンさんも戦えねぇぞ…」

 

「いや、いいんだ…気にしなくていい」

 

「そういえばライナーさんはなにか装備はないの?私たちみたいにセラフとか!」

 

「俺には特にない、強いて言うならこのナイフを貰った」

 

手を噛みちぎるという方法もあるがそれだと毎回痛い、ナイフで綺麗に切り裂く方がやり易いし慣れている

 

「総員退避ッ!デカいのが来たぞ!」

 

月歌が大きな声でそう言って後ろに下がる、それに続いてめぐみが下がり______カレンもついでに一体倒して後ろに下がった

 

「どうやらブラウンさん向けの敵らしい」

 

「…だろうな」

 

「本番通りにやろう。月歌、指示をくれ」

 

「ライナーはデフレクタを割れないから私達が割る、その後はライナーに任せてみよう…ちびってない??大丈夫?」

 

「なんちゅーこと聞いてんだ…」

 

「ああ、別になんてことない」

 

「ヒュー!おっとな〜!」

 

隊長としてなかなかセンスのある軽口を叩かれライナーもそれに答える、笑顔にはなれなかったが充分ほぐれた

 

 

ナイフを取り出しながら歩み寄る、後ろからは興味津々な目…

 

___ならそれに答えてみよう…彼女達の為にも…

 

 

 

 

そう思い右手に持ったナイフで左手を斬り裂く___________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷鳴が轟き、彼女達は信じられないものを見ることとなった。

 

 

 




読んで下さりありがとうございます!

かっこよく描きてぇなぁライナー…

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8.叩いて…殴る!

評価バーが伸びたぞやったああああああッ!!!

そして感想にあったんですがヘブバン分からないけど読み始めた人、逆にライナー知らん人は…あんまりいないかもですけどもしこの小説とかで知ったら
YouTubeなどでストーリーを見てくださいハマってください沼ってくださいッ!!
もし進撃の巨人とヘブバンを知るきっかけになれたなら俺はめちゃくちゃ嬉しいです!




「あれが、巨人…」

 

煙が晴れ、モニター越しに鎧の巨人を目に入れていた七瀬と手塚…30Gから寄せられていた情報とほぼ一致していた。だが実物をいざ見ると中々に迫力があるものである、一瞬遅れてアリーナの状況を確認した七海が言葉を発した

 

「アリーナに破損は見受けられません、訓練の環境も安定しています」

 

「ひとまずよかった、もしこれでアリーナが壊れたりなんかしたら…訓練が台無しよ」

 

「ええ…それにしてもあんな人物がいたなんて、上は一体何を…」

 

「あれは上が作ったものじゃないわ、30Gが拾ってきたの。その証拠に彼の書く字は全く見た事がない書体よ、日本の言葉を喋っても日本の文字は分からないみたいだし…」

 

「一体何が起こってるんですか…」

 

「まだそれは分からない、そして今はまだそれを気にする必要は無い。彼が味方ならね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおっ…!?」

 

ユキが耐えらずにふらつく。月歌は2本の剣を地面に突き刺して何とか耐えていた、各々がそれぞれのやり方で爆風を耐えていた

 

「でっっか…」

 

月歌が呟く、大きさはおよそ10…いやもう少し上だろうか、先程までライナーが立っていた位置に巨人が現れていた

 

「ウチの剣よりでかぁないかあれ…」

 

「ひ、ヒィ…!あれ大丈夫なんですかぁ!?」

 

「司令部がここにいさせてるから大丈夫だとは思うんだけど… 」

 

「ひひゃひゃひゃああああっ!!面白いッ!面白い奴じゃあああッ!!」

 

「斬ろうとするな」

 

鎌を振り回してまるで獲物を見つけたような目をしているカレンをユキが止める。

 

「なんじゃ、あんな見た目してたら斬りたくなるじゃろ」

 

まるで邪魔されたと言わんばかりにテンションが下がるカレン

 

「今は作戦中だ、他所でやれ」

 

「他所ならいいのか!?」

 

 

 

(なんで俺抜きで話が進められてるんだ…)

 

巨人になって後ろで物騒な話が後ろから聞こえる中…キャンサーを見下ろす、レベル1のキャンサーが三体、いずれもレベル2以上と言われるものではなく…最初に戦ったやつより明らかに迫力が落ちていた

 

(これが実物では無い…?技術は一体どうなってるんだ…)

 

素早い動きで立ち回り飛び上がるキャンサー、情報によればこいつはノッカー型。前脚の鋭利な刃物で斬り裂くという

 

(なら…)

 

正面から飛び上がるのはまさにそいつがレベル1であることの証、両脚をクロスさせライナーを狙う。

 

 

 

だが両腕を組んで防御姿勢をとった鎧の巨人にはその刃物は全く通用しなかった、攻撃を防御し即座に宙に浮いたままのノッカーに右拳のストレートを叩き込む。

 

(効かないか…)

 

拳から伝わる感触をあてに全く効いていないと推測、即座に伸ばした右腕を這うようにノッカーが動き回る。腕の大まかな場所は傷ついていないものの関節部分などは少しだけ傷が入った

 

ダメージを入れようとノッカーは肩を蹴り飛んだ、目の前にある大きな顔を目掛けてその脚を叩き込まんと________

 

 

「はい、ばーん」

 

(…!?)

 

だがそれは横から放たれた炎の球により阻止された、正確に急所を狙われデフレクタが破砕する

 

「ふふん…さあ殴っちゃって!」

 

「なんでそんな誇らしげなんだよ…あと後半物騒だからな」

 

誇らしげに胸を張るつかさにユキがツッコミを入れた、その横で月歌は剣を持ったまま____寝ている

 

(寝ている…!?作られたとはいえ戦場で、やはり隊長なのか…余裕なのか…!?)

 

寝ている月歌に気を取られ一瞬遅れた、その間にさらに速度を上げてきたノッカーが今度はつかさ目掛けて走り出した

 

「あっちょっ…」

 

完璧に気を抜いていたつかさが後ろにつまづく。そこに突っ込んできたのはおたまさん、剣を持ち果敢に叫んだ

 

「私めもやらせて頂きますっ!!」

 

その気合いが後ろを押したのかノッカーの脚より先に踏み込み、下から一刀両断。砕け散る音がして討伐した

 

「ひぃ…」

 

「東城、お前油断しただろ…」

 

「い、いえ…!ちょっと油断しただけよ!」

 

「油断してんじゃねーか」

 

 

 

「おいタマぁ!!」

 

「は、はいぃっ!?」

 

「ようやった」

 

 

 

「親子か____もうダメだろくすっぽ戦ってないのに疲れてきたぞ〜?」

 

頭を抱えるユキ、カレンは面白くないと駄々を捏ねていた。その横ではタマとめぐみが話しており_____

 

(大変だな、和泉…)

 

ライナーはそう思った__

 

 

 

 

 

「さて、よく寝たしユッキーも疲れたみたいだし_____いっちょ終わらせますか!ライナー手伝って!!」

 

次の瞬間だった、いつの間にか立ち上がっていた月歌が肩を回しながらそういった

 

(いつの間に…)

 

そう思いながらも頷く。

 

「うっわ〜、生きてるうちに巨人と意思疎通できる日が来るとは…」

 

感慨深そうに言いながらキャンサーに近づいて行く、両方ともノッカー型だが1人だと中々難易度は高い

 

「作戦は1つ…」

 

両手に剣を持って走り出す。

 

 

 

 

 

 

「あたしがデフレクタ割って!ライナーが叩く!!」

 

 

1体目を即座に切り落としデフレクタを消滅、大きくバランスを崩した1体目の肩を踏みさらにジャンプ____そのまま宙を回転して舞い、2体目にクロスで斬撃をいれてデフレクタを消滅させた

 

(なっ…)

 

一瞬のことで呆気に取られたら即座に動き出した。

 

右手に1体目を持ち左手にもう一体を持つ。そしてそのままグシャッと握りつぶした

 

 

「に、握りつぶしたァァァァァァッ!?」

 

「中々えぐいことするな…」

 

(デフレクタが割れたら俺でも叩ける…か)

 

確信を得てライナーは内心で拳を握りしめた、その時左肩に誰かが乗った感触があった

 

 

「おお〜!いい景色〜!」

 

そこには二刀流を持った月歌が立っていた、目を輝かせてそこら辺を見渡していた

 

「お前たちにとっては初めてなのか」

 

「うわっ!?びっくりした…!」

 

うなじから蒸気をだし上半身だけ出したライナーに月歌が驚く、まだ腕の接続を切っていないために消滅は始まらない

 

「うなじから出てきた…!そこに入ってんの??」

 

「まあ、そんな感じだ」

 

「へぇ〜見せて見せて……あっつ!!!!??? 」

 

「大丈夫か…!?」

 

「うへぇ…暑くないの??」

 

「俺は…もう慣れだな 」

 

「あー!!月歌さんだけずるい…!」

 

そう言いながらデフレクタを消費してライナーの右肩に乗ったつかさ。わざわざ消費する必要はあったのだろうか…?

 

「高いけど…いい景色…!」

 

「ウチが1番や!!」

 

そう言いながらめぐみが頭の上に乗る、巨人とはいえ年頃の女性に頭踏みつけられてる絵面は少し危険な香りがしなくも無い

 

「めぐみさん____ってギャアアアアアッ!!??高い高い高い高いッ!!」

 

めぐみの真似をして頭の上に乗ったタマ、だが即座に高さにやられそうになっている

 

「じゃあ私はここ… 」

 

気付けば元通りになっていた可憐がライナーが作った右手の手のひらの上に座った

 

「…ユッキーも来なよ!!景色いいよ!!」

 

「私は別に…」

 

ユキだけは自分を制するかのように立っていた、その心意気をぶち壊そうとする月歌

 

「次いつやれるかわかんないよ〜!」

 

「っ!!___あぁもう!!」

 

ぶち壊され、ヤケクソで左手の手のひらの上に立つ。

 

「いい景色でしょ?」

 

「…まあ、そうだな」

 

作り物の仮想空間、それでも自分達にはとってもいい景色に見えた。普段なら絶対に見れない場所で____

 

 

 

_____次は皆で、本当の景色でやりたいな……

 

 

そんな願いと共に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮想空間が切られ全員が手塚司令官にぶちのめされるまであと10秒……




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9.月歌のはなし

シンウルトラマンを箱買いしようかと考えたんですが試しに買った1つで、開けたらまさかのウエハースは個包装されてなかったので諦めました()
もし箱買いしていっき開けとかしてたら…


そして毎話毎話誤字報告ありがとうございますほんとすんませぇん!!


ナービィ広場と呼ばれている場所、そこでライナーはベンチに腰かけて空を見上げていた。既に空は暗くなっており周りも静かだった

 

 

ここに来て5日が経った、彼女達とはなんとかやってはいけているし最初のような周りからの好奇心の視線もいくらか減った。そしてライナー自身も既にこの空気に慣れつつあった、図書室という所で日本語を学びながら座学を受け午後からは実践訓練を重ねていく______

 

「はぁ…」

 

自然とため息が出る、どうしても離れないのだ

 

 

故郷の事が

 

 

だいたい何故自分はここに来てしまったかのかすらその目的も意味も分からずにここに立っている。流れに流されて信念も持たぬまま…

 

「こんばんは〜っと!」

 

ベンチの後ろから金髪と赤色の目が飛び出して挨拶をしてくる。ライナーはすぐにその人物が誰か分かり名を呼んだ

 

「…茅森か」

 

「なんかすげぇ悩んでるような顔してたから声掛けた。ほら…こういうのも部隊長の役目!」

 

ドヤ顔でライナーの横に立つ月歌、察したライナーが横を空けそこに月歌が座る。

 

「…で、なに悩んでるの?」

 

「…今は言えないな」

 

「まぁ人には言いたくないことあるからね〜」

 

お互い目を合わすことなく会話が進んでいく

 

「そう言う茅森はなんでこんな所にいるんだ、もう部屋に居ないとダメなんじゃないか?」

 

月歌を見ながらそう言うと、ライナーの目を見ていた月歌の目が急速に逸らされた。話し方も突如ドギマギした感じに変わる

 

「う〜ん、そうなんだけどぉ……ちょっと散歩したくて」

 

「何か悩んでるのか?」

 

「ん〜、まぁ…そうなるかな」

 

「俺でよければ聞くぞ」

 

ライナーがそこまで言うと、月歌は一度頷いて口を開いた

 

「怖いんだよね、戦うの」

 

「…!」

 

それは当たり前だ、誰だって戦うのは怖い。ましてや死ぬのなんて絶対恐怖に支配される…だがライナーはそれが思うように口に出せなかった、この世界では戦うことは当たり前ではなかったという…もはや憎むべきこととも書いてあった

 

だがライナーはどうだ?マーレはどうだ…

 

エルディア人だという理由で迫害され、戦場で地雷原や敵戦車に身を投げる…戦士になれたならそれは誇りだ…そのはずだ。だがそれも違った

 

毎日巨人になり13年という任期の中で身も心も捧げ四肢がもげようが吹き飛ばされようが当たり前のように戦場へ行く…ライナーにとってはそれが何よりの誇りだった、国のために戦えると、身を尽くせると

 

彼女たちはセラフを手にした選ばれし集団…昔のライナーならそう答えていただろう。だが今はその言葉を言うことはできなかった、パラディ島の時だってそうだ

 

憎き悪魔を滅ぼすために潜入したはずなのに…悪魔なんてどこにもいやしない、ただ壁の中で静かに暮らしているだけの…同じ人間だった

 

彼女たちだってそうだ、人類の最後の希望なんて言われてはいるがまだ子供じゃないか…今だって本来ならもうすでに寝ている、戦いなんて死ぬことなんかに捕らわれず生きていけるはずなのに…

 

「なんで、こうなったんだろうな…」

 

「え…?」

 

夜空を見上げ月歌の横で地面を見ていたライナーが口を開いた、その視線の先にはナービィがちょこんと鎮座してどこかを見ていた

 

「誰だって戦うのは怖いよな…ましてや死ぬなんて、ごめんだ…」

 

「うん」

 

「でも、そんなこと言って立って既に現実はこうだ。戦いが始まり、今こうやって俺たちがいる」

 

「…」

 

「守りたいものはあるか…?」

 

「もちろん、あるよ」

 

「ならそれを守ることだけを考えてみたらどうだ…?もし31Aの皆が大事だとして、キャンサーをすべて駆逐して世界が平和になったとする…お前は仲間と何をしたい」

 

「そうだな…観光したいな、大阪に京都に名古屋に…北海道もいいなあ」

 

「だろ…?その時には今はドームにいる友達だけじゃない」

 

「友達いないよ」

 

「…そうか、でもそのときには31Aの皆がいる。全員で生き抜けばそんな未来がある、他の部隊の奴とも仲良くなればそいつらともだ」

 

「そのためには今を生き抜く…そういうこと…?」

 

「ああ」

 

1番言いたいこと言われたような気がしなくもない

 

「ライナーにも仲間がいたんだよね」

 

「…いたな」

 

「だからその言葉がしっくり来るのか〜!」

 

「…」

 

その言葉が更にライナーの罪悪感を加速させていく

 

「今は何も言わなくてもいいけど、また話したくなったらライナーの過去私たちに話してよ!気になるし!」

 

「ああ…また気が向いたらな」

 

「さて!なんとなくスッキリもしたし!寝る!!」

 

「…!?」

 

次の瞬間、月歌がばたりとその場に倒れて動かなくなった。ライナーが何事だと言わんばかりに覗き込む

 

 

 

 

「すやぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「寝てる…!?」

 

 

 

 




評価や感想お願いいたします!!


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10.適性試験

全くもって忙しくココ最近2週間めちゃくちゃ早く感じてました。そして気づいたらなんと赤評価まで突入しててめちゃくちゃ嬉しいですぜ!!ありがとうございます〜!!


様々な匂いを漂わせる朝のカフェテリアで31Aの6人が食事を囲み談笑していた、部隊が編成されてからまだ数週間だが関係は良好だった

 

「だいぶ連携も上手くいってるな…ライナーの巨人もようやく目に写しても驚かなくなるくらいには慣れてきた…」

 

「あら、ただ大きくなっただけじゃない」

 

「ユッキー怖がりすぎ〜」

 

「お前らの適性どうなってんだよほんと…」

 

「またライナーさんいないね」

 

「仕方ないんじゃねぇか?女ばかりの場所にほっぽり出されてるんだからな…あたしならすぐ逃げ出すよ」

 

「無理もないですねぇ」

 

「ま、ぼちぼち慣れていかせるしかないやろ。月歌肉貰うで」

 

会話しながらもめぐみが月歌の皿から肉を1枚すっと取り口に運ぶ、それを見た月歌はハッとなり

 

「〇〇〇〇!!」

 

聞いてはいけない文字を並べた。

 

「おい月歌やめろ」

 

「月歌さん肉になると豹変します…」

 

「だって今のあたし肉が唯一生きる気力なんだよ!それとられたらいやになるでしょ~」

 

「なるかもしれないけどそんなにはならないな」

 

そんな最近慣れつつあった雰囲気、だが相変わらずライナーの姿はそこになかった。いつどこで何をしているのか31Aの誰も知らない…

 

ユキは少しそれを気にしていた、いくら強くても連携がうまくできてもこういう場面で少しづつ親睦を深めていかなくては本当の意味で仲間になったとは言えない、ユキ自身それに気づかされたのは最近のことだった。それも月歌の奴によってだ

 

 

ーーーーーー

 

「どうも馴染めないな…」

 

先に済ませ一人ナービィ広場に鎮座するライナー、今日の予定を電子軍事手帳で確認し空に目を向ける。

 

異性だからという理由で近寄りがたいのももちろんある、だがそれよりも恐ろしいのは、ここにきてもまだ罪の意識が和らがない…何にも縛られていない今でもまるで彼女たちを騙し、欺いている感覚に落ちていることが一番つらいことだった

 

茅森は優しい、訓練後は必ず話しかけてきて他愛もないことで笑う。だがその後ろに映る亡霊が一瞬忘れかけていた罪の意識を思い出させそしてその手は茅森に伸びていた…彼女を攫おうとでもしているかのように

 

気づけば彼女の静止を振り切り背を向けている、するとその気配も消えていく…

 

あの日ライナー自身が壁を破壊し、潰し、蹂躙し、その命を、その尊厳を奪われた子供が、青年が、夫婦が、老夫婦が彼女たちに手を伸ばす。ライナーの居場所を奪おうと…

 

だが一つ気になるのはマーレにいたときはそんなものは見えなかった、ここにきてから突如現れたのだ

 

壁の世界を滅茶苦茶にした挙句、突如の出来事とはいえ戦士としての使命すら果たせずここに来てしまった自らへの戒めなのだろうか…

 

『31Aは食事後すぐに司令官室へ来るように、繰り返す____』

 

突如鳴り響いた手塚司令官の声、どうやら31Aを呼び出している旨が伝えられた。ライナーは1度考えるのをやめ走り出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆集まったわね」

 

帽子を整えて座っている手塚司令官、それに対し31Aの7人は立っていた。

 

「今日集まってもらったのは、あなた達には適性試験を受けてもらうためよ」

 

「適性試験…?」

 

「ええ、あなた達はここ数週間で様々な知識をつけ訓練に励んだ。今度はそれを実践するの」

 

「つまりキャンサーを倒せってことか!」

 

「月歌、そんな簡単に言うが私達1番初めにキャンサー倒した時…あんまいい気しなかっただろ…」

 

「いいえ、あなた達が戦ってもらうのはキャンサーじゃない」

 

「え?」

 

「ほなら何と戦えって?」

 

 

 

「あなた達が戦うのは、私よ」

 

 

司令官が立ち上がり、プレッシャーを放つかのように目を見据えた。

 

 

「ええええええっ!?」

 

タマが一番最初に反応を示した

 

「て、手塚司令官と戦えってのか?私たちに…?」

 

「ええ、私を倒すことが出来たら…貴方たちを認める」

 

「でも司令官って傷があるんじゃ…?」

 

「あら、そんな心配されるほどの傷を作った覚えはないわ。私ひとりであなた達7人を潰せるくらいには大丈夫よ」

 

「はっ!えらい大口叩くやないか!」

 

1連の会話をライナーはひたすら眺めていた。手塚司令官…元は前線で戦いを繰り広げていた戦闘力を誇り怪我をおってからは司令官の立場…

 

おそらく7人掛かったとしても言われた通り弾き飛ばされるだろう…

 

どう攻略するべきか…どう巨人の力を扱うべきか考えさせられる…

 

「時間が惜しいわ、アリーナに行きましょう」

 

言われるがままに、月歌達31Aはアリーナへと歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、行ってらっしゃいませ」

 

司令官と31Aを入れたアリーナは七海の操作によってその地形を変える、気付けば自然に囲まれ…だが円形状に何も無い更地が用意されたまるで自然が作り出した闘技場のような場所に転移した

 

「さぁ、はじめるわよ」

 

いつの間にか槍型のセラフを右手に持ち司令官が声をかけた、月歌達もそれぞれセラフィムコードを口にしてセラフを手に取る

 

 

「…!」

 

ライナーも小型ナイフを取り出し巨人化させようと__________

 

 

「あなた達はライナーに頼りすぎよ…」

 

 

「っ!?____な…!?」

「瞬間移動!?」

 

気付けばライナーの目の前に姿を表せた手塚が槍を振るう

 

「ぐっ…!」

 

ライナーは何とか後ろに逸れて攻撃を躱すが左肩に激痛が走った

 

 

 

この司令官…確実に自分達を殺す気で試してる...

 




話の流れが早すぎたと思ったそこの君!!これが俺のスタイルだ!!(開き直り)

そしてブリーチとヘブバンを合わせた小説も書いてみたくなってきましたねぇ…


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11.だぁれの世界?

お久しぶりです最近へブバンでようやく推しをみつけることができましたよ奥さん!
ぶんちゃんですよぶんちゃん!!

ロリコンだろうが何だろうが関係ない!

そしてあのクリスマスイベ!!
かっとビングだ!俺ェ!!

そして更新ペースがめちゃくちゃ落ちてしまった…申し訳ない…!


「しまった…!」

 

後ろでセラフを展開していたユキが最初に襲われたライナーを見て思わず声を出す、突如やってきた適性試験自体にも中々衝撃を受けていたのだが…

 

(読まれてたのか…!?)

 

ライナーは何となく優しい、巨人化するときはいつも距離を取る。爆発に誰も巻き込まれないように…最新の注意を払って…

 

「ユッキー!どうする!?」

 

「と、とにかく距離を取るぞ…ライナーが助かるためにも私たちは距離を取るしかない…!」

 

一瞬でいつもの31Aを取り戻し新たな作戦を立てようと…

 

「その一秒が、戦闘では命取りになるのよ」

 

「っ…!」

 

まるで瞬間移動のように月歌の背後をとった手塚が槍を振りかざす。

 

「月歌ッ!」

 

「いい反応ね」

 

「そりゃ…どうもッ!」

 

ギリギリのところで月歌が反応し逆手持ちをしていた左で受け止め、体を回転させながら右で切りつける。

 

「さすが切り込み隊長、でも…」

 

「なっ…!」

 

「余裕で躱せるわよ」

 

(かわされた…剣を振りすぎて戻せない…)

 

 

「おっりゃああああああああああ!!」

 

腹の底からだした叫びとともに空中に大きく飛び上がり大剣を大きく振りかざすめぐみがいた。

 

「槍でも、これだけの高さから大剣叩き込んだら…無事ちゃうやろ…!」

 

「いい判断…けれど」

 

「めぐみん…!ーーうおっ…!」

 

「槍が突くだけって思ったら大間違いよ」

 

二刀で受け止めていた月歌の足をかけて体勢を崩す、その間に空中にいるめぐみめがけて槍を投げ飛ばす

 

「な、投げ飛ばした…!?」

 

「おわっ…!」

 

大剣を慌ててガードに使い槍を防ぐ。だが勢いまでは殺せず離れた場所に落ちていく

 

「めぐみさん…!」

 

タマが飛ばされためぐみを助けようと走り出すが______

 

「國見さんも、自分のことを心配したらどう?」

 

「ひいっ!?」

 

後ろに回られ槍が振るわれるが横からの衝撃で逸れる。

 

「國見さん!」

 

逸らしたのはつかさだった、銃型のセラフを持ち弾を放つ

 

(和泉さんの作戦はもう崩壊してる…!こうなったらなんとか気をそらさせて接近戦の月歌さんか逢川さんに…!)

 

司令官はつかさを見ていた、銃から放たれる弾をすべて槍で落としていく

 

(弾ははじかれてるけど気は引けた…あとはいつ仕掛けてくるか…)

 

 

「ひゃっはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

その横から可憐…いやカレンちゃんが飛び出していく、狙いはもちろん手塚司令官。カレンはただ走るだけではなく凄まじいアクロバティックな動きをみせ動きを読まれないようにしていた。だが…

 

 

「カレンちゃん!パンツ見えちゃう…!」

 

「問題そこかよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ…そがぁ…!」

 

離れた場所に蹴り飛ばされたライナーがアキレス腱を斬られた足を引きづりながら這いずる。

 

(アイツらとの距離は…!?今はどうなってる…!_____距離が分からないと巨人化できねぇ…!)

 

正直舐めていた、まさかここまで自分に対して本気で叩き潰しに来るとは思いもしなかった。そしてもう1つ思ってしまった…ここは巨人の力があるから生き残れる、そういう場所ではないと…

 

(あっちじゃ巨人はまだ通用する…だがここではどうだ?デフレクタは割れずに人相手にもこのザマ…!)

 

無様だ…あまりにも無様すぎる、こんなもんでは…こんなものでは……ダメなのに…

 

 

『あたし達、仲間だから信じれる』

 

 

その時だった、脳内にいつかの月歌の声が流れた。確か他愛もない話をしていた時に言われたことだった気がする

 

(仲間…だから…)

 

自分を思い直せ、ここに来てから…いや前から仲間を信じていたか…?

 

仲間は信じていた。自分から裏切ったが…仲間を信じる心はあった

 

なら何故今、それが出来ない?

 

 

そんなの簡単だ

 

 

 

(ここは俺がいた世界じゃないから…どこか他人事に感じていたのか…?)

 

彼女たちにとってはここは自分達の世界、意味もわからず突如キャンサーによって蹂躙されても今だ抗い続ける…唯一無二の世界だ…

 

 

(いやそれはもう違うよな…同じ飯を食って…同じ場所にいる時点で…)

 

ここは俺の世界の1部でもある、思い出せ…戦士の試験の時の自分を…あんなに嬉しかったじゃないか。鎧の巨人を受け継げることが…

 

彼女たちだって、この試験を合格してキャンサーを倒したいはずだ…

 

ならその手助けをしなければならない…この巨人の力を使って…仲間を信じて、この力を振るわなければならない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「6…いや7人とも…」

 

手塚司令官が息も絶え絶えになっている31Aの6人を見て、少しばかり落胆が混じった声で口を開いた

 

「かっ…うっ…!」

 

月歌は倒れたままセラフを握る。まずい、抵抗しなければ…動いて自分達を示さなければ…今までの時間が無駄になる。

 

(立ち上がれ…動け足…頼む…!)

 

 

「「っ!?」」

 

その時だった。月歌達の後ろから雷鳴が轟き、風が彼女たちを襲う

 

「やっと来たか…?」

 

「デカブツ…遅いぞ…!」

 

 

「やっと…この目で見れたわね」

 

 

煙が晴れる頃には…そこには巨人が立っていた

 

 

 

 

 




司令官の外道!!悪魔!!鬼!!

そして近い日にこの小説と両立(出来るかどうかは別として)ヘブバンとブリーチで作ってみようとしています。出来次第投稿しますのでそちらも何卒…

Twitter!!フォーしてくれると喜ぶよ!(?)

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12.逆転の一手

どうも、年末年始に熱を出して普通に死にかけてました。幸いコロナではなかったのが良かったかもなぁ…

そして最近スランプ気味なんすよ…ブリーチ小説の方にも書いてますけれども、皆さんならこの感じどうやって克服してます??

そしてこの小説ちょっとというかかなり書き方変えてみてます、話を読み返しているとなんとなく自分の書きたいものと違うかったのでw




「ライナーさんが巨人になった!!ディスイズ巨人!!」

 

後ろから這い上がるように出てきた鎧の巨人を見た31A、そして手塚司令官

 

「ほら見ろ司令官なんか見た事ない顔してるぞ…」

 

ユキが司令官から目を離さずに様子を見る、さっきのように急襲をかけてくる可能性を考えての行動だった。だが司令官は襲いかかってくる訳でも無くただ立ってライナーを見ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

_____デカくない??なんか??

 

手塚自体これを見るのは初めてではなかった、というか気になるから毎回どこかから見ていたという方が正しいかもしれない…だけどこんなにでかかっただろうか…対峙すれば相手はいつもより大きく見えるとはよくいったものだ…元からデカいなりして今はさらに大きく見えている

 

冗談抜きで手に持っている槍が普通に落ちそうである、もしかしたら既に落としている可能性もあるかもしれない____それは無かった、ちゃんと握ってた

 

(落ち着くのよ手塚、相手は様子を伺ってるのか何もしてこない…ならこれを利用して叩くしかない。相手は鎧の巨人と聞いている、鎧ならば動きはさほど早くは無いはずだ…)

 

再び槍を握り直し大きく前に出る、ライナーもそれと同時に前に出て防御姿勢をとった

 

(流石にこの距離なら私より速い…!)

 

槍に力を込めて刺突体勢をとる、正面からその鎧を叩き潰すしかない_____直後激突

 

凄まじい火花が鎧の巨人と手塚を覆い尽くす、鎧は少しばかり剥がれ先端だけが刺さっていた、即座に引き抜こうとするが再生する鎧に邪魔をされ反応が遅れた

 

(抜けない…!?)

 

 

 

 

(司令官の槍は強力だ…だからこそ鎧の強度をわざと落として数秒でも刺さるようにしておいた)

 

だが緩めていても思ったより槍の勢いは凄まじく計算が少しばかり狂ってしまった…司令官はどうやら頭だけでは無いことを思い知らされる

 

 

火花で視界が奪われたその一瞬でめぐみと月歌が両反対から手塚司令官に迫る。

 

「あたし達の、勝ちでいいよな?」

 

(___やられた)

 

めぐみと月歌が手塚司令官の首に剣を添え動きを封じた、月歌が強気に言葉を発する

 

「…ええ、やられたわね」

 

手塚司令官がどこか詰まったものを抜き出すようにため息を放ち一言だけはなった。

 

「…っしゃあ!!」

 

月歌とめぐみが同時にセラフを納めてガッツポーズをする。タマも身体をうねらせていた…どういう身体だ

 

「…勝った」

 

巨人化を解いたライナーがうなじから顔を表せる、肩に乗っているカレンと目が合う

 

「物足りんな…おいそこの男、殺るか??」

 

鎌を振り回しライナーに語りかける、冷や汗を出しそうになりながらもなんとか殺人鬼からの誘いを断った

 

「遠慮しておく…」

 

そう返すと舌打ちが返ってきた、その直後にカレンから可憐に変わった

 

「カレンちゃんがごめんなさいね…」

 

「それくらい構わないさ、ソイツに言っといてくれ…気が向いたらしてやるって」

 

その言葉に可憐が少しばかり驚いたような顔をする

 

「…どうかしたか?」

 

「いや、ただ…やっと話せたって」

 

笑顔でそう言葉を放った可憐に少しばかりドキッとするライナー、月歌がうるさいくらいに可愛いと言っていたのが今じゃなんとなく分かるかもしれない

 

 

「娘はやらんぞ…!!」

 

 

その直後カレンちゃんに変わった為にその感情は一瞬で消え失せた。お前は父親か

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして数時間たった後、31Aは本格的にセラフ部隊に入ることとなった。相変わらず隊長はめちゃくちゃな条件をつけようとしていたりしたがユキの扱いのうまさでそこをカバーすることとなった…

 

Aの意味を、これからの鎧の巨人を…そして様々な人物の出会いを経験する彼女たち…そうして最果てになにがあるのか…

 

 

 

 




打ち切り??

違いますぜ新シーズンに入る〜的なやつですよ!!(??)

感想や評価お願いします!!誤字報告などもお願いします!!


作者のついった
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第一章
13.”A”とは


作者沈没()



そして気がついたらもうUA9000突破の赤評価2段階まで来てましたよ!!お気に入りも160超えてました!
ありがとうございます、これからもライナーをよろしくお願いしてやってください

そしてめちゃくちゃ私情ですが…ぼっちざろっく面白いですねw


実戦のための試験が終わり2日の休憩が与えられた、31Aの各々はそれぞれ休みを満喫し(なおほぼ全員で動いていた模様)精神的にも肉体的にも癒せていた。その間ライナーもその休みに付き合い打ち解けて言っていた

 

___もちろん、己の罪は打ち解けられてはいない

 

 

 

そして休み明けの早朝、手塚司令官から呼び出されたライナーと31Aのメンバー。

 

31Aには斬り込み隊という使命を命じられ、大いに期待されていることを知らされた

 

 

そしてライナーには…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______異動を命じられた

 

 

「俺が…司令部直属ですか?」

 

「ええ、その通りよ」

 

「な、なんでまたいきなり…」

 

「そ、そうだよ!ライナーはやっと仲良くなろうとしてたんだよ!?」

 

ライナーより部隊長である月歌がやはり引き留めようとする。だが司令官はそんな月歌を無視し話を続けた

 

「貴方のその力は絶大、それを31Aだけに留めておくのは余りにも勿体ないと判断しただけよ」

 

「ライナーは道具じゃないんだよ…!?」

 

「落ち着け月歌…!____でも確かに司令官の言ってることは真っ当だ…あたし達だけじゃあ宝の持ち腐れってやつだ」

 

「でも…」

 

「月歌、いいんだ」

 

「もちろん言いたいことはわかるわ、この2日間貴方は自分なりに打ち解けていった…だけど今はそんな呑気なことを言ってられる状況でもないの、理解して」

 

「司令官…」

 

司令官の言っていることは至極真っ当である、それに自分は31Aにそれ程思い入れがあるほど仲良くなった訳でもない…はずなのに素直に了承できるほど自分も厳しい人間ではなかったようだ

 

「いいんだ月歌」

 

再びライナーが月歌を止める、月歌の顔にはどうしてと書かれているかのように分かりやすかった

 

「でも…!やっと仲良くなれたのに…」

 

「ああ、確かにそれはある…けれどもこれが最後って訳じゃない…また再びAに命じられたら会えるだろ?」

 

「…」

 

「それに俺の力が役に立つんだったら本望だ、争いしか生まないこの力が…人の役に立つんだったら」

 

「でもライナーの力は!」

 

あるだけで争いに使われ、新たな争いを生み出し…人々に混乱と恐怖、憎しみを産み続けた”この巨人の力”が、今必要とされ人の役に立とうとしている、力に誇りを持てようとしている

 

「…望まない力?」

 

少しばかり不穏なワードにつかさが反応した、こういう時に限って即座に聞き分けてくる…

 

「いや、忘れてくれ」

 

「…行ってしまわれるのですか?」

 

タマがライナーに近寄り再び問いかけた。静かにそれに頷く

 

「ライナーの力は書類仕事に役に立たないのに…」

 

月歌のその一言が司令官室を沈黙させた

 

「待て月歌…お前まさか」

 

それにいち早く言葉を発したのはユキだった。

 

「え…?だって司令部に入って後方活躍じゃないの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちがう…そうじゃない」

 

ライナーは静かに月歌にツッコミを入れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一生会えないかと思ったぁ…」

 

「いやなんでそうなるんだよ、ちゃんと話聞けよ」

 

 

月歌の誤解を司令官達を含めてで必死に言い聞かせた、そしてライナーは司令部直属の人物となった。その意味は任務に応じて様々な部隊に入りその力を発揮し他の部隊にもその力の頼もしさを知ってもらおうという理由もあった

 

そしてAに与えられたその意味も教えられた、戦場で1番手に突撃し味方を有利に導く。それに各々が改めて覚悟を決めさせるということになった

 

「それじゃ解散、各々休憩に入りなさい」

 

「ライナーさんにはお渡ししたい物があるのでここで待機してください、それではお疲れ様………」

 

七海がそこまで言い、終わらせようとした時だった。司令官室の扉が勢いよく開きある人物が入ってきた

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待ったぁ!!!!!」

 

突如としてぞろぞろと現れた6人が司令官室の入り口を塞ぐようにして立つ。

 

 

「「…!?」」

 

驚く31Aとライナー、だが司令官だけは冷静に返していた

 

「あら、揃いも揃ってどうしたの?」

 

その人物はもう一歩歩みを進めて言葉を発した

 

「改めて31Aに自己紹介したいのだけれど、いい?」

 

白い髪に片目の眼帯の少女が前に出て言う。

 

「どうぞ」

 

(…冷たい反応されてないか?)

 

ライナーは内心でそう思うがそんなことを気にもせず白い髪の少女は続ける

 

「いくわよ…私は天才科学者の山脇・ボン・イヴァール、いずれこの世界を滅ぼす女よ…」

 

「なんでそんな奴がセラフ部隊にいるんだよ…」

 

「セラフ部隊は世界を守るんじゃなかったのか…」

 

そんなユキとライナーを他所に山脇の横に現れた左手がカニの小さな少女が口を開く

 

「山脇様の手に掛かれば3日と持たないでゲスよ!けっひっひっ!」

 

どちらかと言えばこの子はかわいい、言ってることは絵に書いたようなしもべキャラなんだけど…見た目のせいか??なんだか愛くるしく見える…マスコットみたいだ

 

「ほら、あんたらも例の自己紹介してやんなさい!」

 

 

 

そこからライナー達は長々と自己紹介を聞かされた…ただその内容はあのタマが「ぐだぐだじゃないですか!?」というくらいめちゃくちゃだった、実験の続きがしたいやの、面白そうだから着いてきただけやの…

 

だが月歌が挨拶をすると山脇と豊後が即座に牙を剥く

 

「え、なんで?」

 

月歌が至極真っ当なことを言っている気がする。山脇と豊後はどうやら31Aをライバル視しているらしい

 

(帰ろう…ややこしそうだから…)

 

ライナーはそっと身を出して帰ろうとするが……

 

「渡したい物があるので残ってください」

 

そういえばそんなことを言われていた…圧に押されてかライナーは元に戻る

 

「なんであたし達をライバル視してるんだ?」

 

ユキが聞く。するとまるで当たり前かのように山脇が答えた

 

「決まってるでしょ、”31期のA”に相応しいのはあなた達では無いってことよ」

 

どういう事だ…?ABCには何かしらの意味が込められているということなのだろうか…

 

「え、Aには何か意味があるの?」

 

可憐が不思議そうな顔をして聞く、月歌達も同じだった。そこで司令官が口を開いた

 

「説明してなかったわね」

 

そこで説明されたのはアルファベットについてだった、6人1組に振られるアルファベットには特に意味はないらしい…

 

 

だがAだけは別…Aはその期で最も優秀な部隊にのみつけられるアルファベットだそう。それを聞いた瞬間に月歌は喜んでいた

 

たが山脇はそれがどうやら気に食わないらしく、司令官に反論していた。冷たくも正論で返していく司令官、どんとんと山脇の口調が荒くなり始める。

 

「私たちのプライドが許さないのよ!」

 

直後即座にチームの1人から私ひとりでいい、巻き込むなと言われていたが…彼女____山脇には突き動かすプライドがあるとのこと。

 

そして彼女は驚くべき発言をする

 

「31Aと31Cで公平に競わせて欲しいの!私たちには彼女たちに勝つ自信がある!!」

 

「勝ったらどうするの?」

 

「私達がAを頂くわ!」

 

何故そこまでAに拘るのだろうか、だが理由はなんであれただの競いでアルファベットが変わるなんてなかなかにありえない…

 

「そうね、いいかもしれないわ…お互いいい刺激になるでしょう」

 

 

「やるの!?」

 

流石のユキも司令官にツッコんだ。ライナーも内心ツッコミを入れてしまう。

 

「でも今日は休みなさい、勝負内容は後日通達するわ」

 

 

そうして本当に解散になった。最後の去り際…ショップの店員であり31Cの隊員である佐月マリがいった

 

「理由はまだ言えませんが私達の方が出世する気持ちは高いと思います。決して生半可な気持ちじゃない」

 

それが無性に印象に残る…覚悟の他に何か悲しい気持ちが乗っていた…そんな気がしたから…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっと渡せるわね」

 

31A、31Cが居なくなり3人きりになった司令官室でライナーはあるものを出せと言われた

 

「攻撃と移動を兼ね備えたセラフです、かつて使っていた人達のセラフを掛け合わせ改造を重ね貴方専用のものを作り出しました」

 

「既に電子軍事手帳にインストールをしてあるわ、セラフィムコードを確認して出してちょうだい」

 

「ああ、わかった」

 

案外気が利くと思った、実質巨人の力だけでは限界が来る…巨人が使えない場所ではただの荷物になること…そしてキャンサーのデフレクタが割れないということ…

 

「セラフィムコードは_____戦士としての、使命を果たす…?」

 

なんか…こう悪意がありかねないセラフィムコードだと思いつつ再び口に出す

 

「戦士としての、使命を果たす…!」

 

すると両腕に銃がついたセラフが現れ直後にその重さが伝わってくる、月歌達のように派手さは無いが形状的に使えそうな形だ…

 

「…え?」

 

だがその形をよく見ると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこからどう見ても対人立体機動装置だった

 




ここまで読んでくださりありがとうございます!!
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14.ささいなこと

めちゃくちゃ伸びててビックリしてますこんにちは(?)
そしてクスクスニヤニヤしながらいつも感想見てます!皆さんライナーに対してもっと優しくなりましょうよ(ブーメラン)


「…何か問題でも?」

 

「い、いえ…なにも」

 

思わず敬語になってしまう、だってこれどっからどう見ても対人立体機動装置じゃないか…

 

(いやまてよ…見た目が同じ武器なんて沢山あるからな、まだ対人立体機動装置って訳じゃあない)

 

「こちらのトリガーを引くとセラフと同じ弾が出ます、本格的なセラフよりかは劣りますが戦えるはずです…そしてこちらのトリガーを引くと…」

 

嫌な予感がする、その銃の部分なんて対人立体機動そっくりじゃないか。トリガーの部分も射出口も全てそっくりだ技術でもパクってきたかと聞きたいくらいに

 

「アンカーが射出され高い場所に固定、後ろのエネルギーガスで飛び上がれます、巨人化をする際や移動の際に使えるかと……どうかしましたか?」

 

「あ、わ、わァ…!」

 

ライナーは少し作画が変わっていた、小さくて可愛い生き物になりかけていたのだ。まさかこんな所で元いた世界の洗礼を受けるなんて…いやまさか寝ているうちに記憶を覗いたという可能性も、なんかここは研究などが画期的すぎるほどに進んでいるからそれくらいは造作もないとか…

 

「凄い汗よ?」

 

「い、いえ…なんでもありません…」

 

言えるわけが無い、自分の元いた世界にこれと同じものがありましたなんて口が裂けても言えない。

 

(確かにこれはあれば本当にありがたいとは思っていた…だがよりによってなんで立体機動装置なんだ…)

 

「名付けて”立体機動装置”」

 

七海が言った一言でライナーの全ての機能が停止した、下手すれば臓器系統もすべて逝ってるかもしれない

 

「…」

 

「いい活躍、期待してるわね」

 

顔を真っ青にして蹲るライナーを他所に、司令官達は期待を寄せ…新しいセラフの授与は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________________________

 

 

そして次の日に31Aと31Cの”A”を賭けた闘いの内容が通達された、基地から北に少し離れたキャンサーがいるダンジョン_____月曜から金曜の間に31Aと31Cのどちらがより深くを潜れるかという内容だった

 

当初ライナーは参加するはずではなかったがCの山脇が「いいハンデ」と言い張り断ろうとするライナーを押しやった。

 

 

〜アリーナ〜

 

 

「なんで日曜日なのにしごかれなきゃいけないんだよぉ…」

 

「隊長がこんなんで大丈夫なのか…?」

 

明らかに不満そうに溶けていく月歌にユキがやれやれと呆れつつも形を直していく、ライナーにとってはいまだに異様な光景に見えて仕方がないのだが、他のメンバーはどうってことないらしい…怖い

 

「……」

 

「それにしてもこのダンジョンはライナーさんが巨人になれないよね…」

 

可憐が送られたマップを見ながら首を捻る、ライナーも地図を確認しておくと確かに巨人にはなれそうにない広さになっていた。

 

「ん?…ああ、なったらAもCも皆ペシャンコだ」

 

「ではライナーさんは役たたずでは…!?」

 

「言い方…」

 

「ほならどないすんねん」

 

「いや、それに対しては大丈夫らしい。ライナーにもセラフが配られたって聞いたぞ」

 

「本当!?」

 

月歌の形を直しながらユキが言うと、一気に人型に戻った月歌が飛び起きてきた。やはり異様な光景だ…

 

だがライナーは詰め寄る月歌から目をそらすようにしてうつむいた、正直ただのセラフだ…形が似たセラフだ。それはわかってる

 

だが心の中、無意識に恐怖を刻んでしまっている…

 

「ん…?どうしたの?」

 

「いや…」

 

「はじめるわよ、各自死ぬ気で戦いなさい」

 

ライナーが口を開いたと同時に司令官からの連絡が入った、全員の空気が一斉に変わりセラフィムコードを唱える

 

 

 

(恐怖を捨てろ…今は俺もセラフ部隊なんだ…)

 

息を整え前を見る、今は怯えている場合では無い________戦え、彼女達の為にも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たとえこの身が消し炭になろうとも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戦士としての使命を果たすッ!!!」




あれ?ライナー曇らせたいな思ってるんやけど……あれ?


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15.いい思い出

遊撃部隊になったのにまだ31Aと絡むのだって!?
対人立体起動……セラフの見せ場を作りたいだけです許して(弱腰)(今回で出るとは言ってない)





「そこまで」

 

司令官からの言葉でキャンサーたちの動きが止まる。手前にいたキャンサーから順に止まっていき______全てのキャンサーが停止したのを確認した瞬間に…

 

「うはぁ〜!!疲れたぁ〜!!」

 

「流石に…キツイな…」

 

ライナー以外のメンバーがそれぞれが倒れ込むように伏せた。

 

「ライナーさんすごい…あんなに戦ってしんどくないの?」

 

「いや…俺は元々体力があるからそんなに気にならなかったな…」

 

「にしてもそのセラフ、初めて見るタイプやな…移動も攻撃も出来る、最強やないんか?」

 

大剣にもたれかかっためぐみが指をさしながら言う。ライナーはそれに首を横に振って否定した

 

 

言われた通り攻撃力がなく傷は着いたものの撃破とまでは行かなかった、移動性能に関してはもとある立体機動装置より確実に上だった

 

アンカーの射出速度や射出する際のスイッチの硬さ、後ろから放たれるエネルギーの奔流もちょうど良かった

 

「飛んでるライナーさん、かっこよかったです…!___おうぇ…」

 

今にも吐きそうな顔をしたタマが口を開いた、ちなみにそのあと吐いた

 

「大丈夫か…?」

 

ライナーがタマの手を取り立ち上がらさせる。

 

「なにせライナーさんがすごく使いこなしていたもの、まるで過去に使っていたみたいな!」

 

「そ、そうみえたか…?」

 

決意を固めたのはいいものの今までにない形のセラフをこんなに器用に使うのは彼女たちにとっては不思議以外の何者でもないだろう

 

(対人立体機動装置…使い心地は立体機動と特に違いは感じられない…、だが性能は格段だ。これがセラフの技術のおかげなのかはわからないが使える)

 

腰に巻き付いてる重さといいガチャガチャとしたこの音といい、まるで今ここがパラディ島の時に思える。ともに切磋琢磨し汗を流し…訓練が終われば笑いあったりして、本当にいい時だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ライナーさーん!」

 

「はっ…?」

 

「また一人の世界入ってたよ?」

 

「あ、ああ…すまない」

 

何がいい時だこの大馬鹿野郎…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして一日が終わった、全員が帰った後もライナーはただ一人アリーナに残り続けてただひたすらにセラフと向き合い続けた、それをある者は練習熱心といい、ある者は何かを忘れたいように感じるという様子に見えたという。そうしてやってきた31Aと31CのAをかけた戦いが今幕を上げた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここがダンジョンか…」

 

ユキが電子軍事手帳を持ちながら入り口を見る、周りは一応安全らしいのだがそこにあるダンジョンから発せられている異様な空気で消し飛びそうになっていた

 

「やべえ…空気がひりついてる…」

 

これにはさすがの月歌も額に汗を浮かべていた、だがそのなかでもライナーの顔はいつもと変わらなかった

 

(当たり前だ…この年で本来こんな場所に戦いに来ることなんてない、何回こんなことを思わされないといけないんだ…)

 

思ってるだけじゃだめだ、彼女達を少しでも前向きにさせなければ…

 

ライナーは全員より数歩先に歩く、そして月歌たちに向けてこう言った

 

 

「行こう、自分たちの誇りを守るためにも…」




話の区切りへたくそか俺は

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16.役たたず

最近小説で誇り誇り言うてるせいでもうなんか訳分からんことになりつつあるなぁっていう今日この頃


「そっち行ったよ!」

 

「任せろ!」

 

ダンジョンに潜り早1時間、31Aはそれぞれ自らの生かせる場所で活躍を繰り広げていた。ただ1人を除いて___

 

 

「…」

 

その男の名前はライナー・ブラウン、元々マーレにいたのだがなんやかんやあって今は彼女達と共にキャンサーと戦っていた。だがこのダンジョンでライナーはほぼ約立たずの化身と化していたのだ

 

彼にもセラフがある、なのになんで役たたずと言われたのだろうか…?

 

事は30分前に遡る…

 

 

__________________________

 

 

 

「最初の方だと思うが…やはりキャンサーはいないか」

 

「31Cが先に入ったからな…道が別れるまでは何も出ないだろ」

 

先頭を歩く月歌があまりのキャンサーの少なさに流石にボヤく、それにユキが状況を説明する。そんな中ライナーは彼女達の殿的なポジションを勤めていた、突如後ろから襲われてもライナーなら何とかしてくれるという謎の期待とともに…

 

(今回ばかりはこの力ともおさらばだ、俺はこのセラフを使って戦う…)

 

「あっ、そうだ___ライナー!」

 

突如として月歌から呼び出されるライナー、だいたい突然呼ばれる時には大抵ろくな事がないとユキから聞かされたせいか少しばかり身構える

 

「ん?なんだ?」

 

「いや、あそこにキャンサーがいるからさ…ライナーのセラフ見せてよ」

 

「…ああ、構わないが」

 

思っているより普通だ、いや確かに見たいからという理由でセラフを使わせるのはどうかと思うがライナー自身も実践でどう使うのかは気になっていた。

 

『戦士としての、使命を果たす…!』

 

忘れられない、忘れられるわけが無い…エレン達と決別した際の言葉を放つ。この世界では何故かこの言葉がライナーのセラフを出現させるセラフィムコードとなっていた。

 

「っ…」

 

腰に少しばかりの痛みが生じ、そのままセラフが出現する。その機体の実験段階ゆえか装着時は少しばかり痛みが伴うという謎仕様だったのだ

 

(相変わらず立体機動だ…、俺のデータから読み取ったとかなんとかだったかその影響なのか…)

 

腰に立体機動装置型のセラフが出現し、両手にやはりマーレ辺りで見たような銃が現れる。欲を言えば剣が良かった気がしなくも無いがいざ触るとなると多分…気が狂う

 

(アンカーを射出して一気に近づき…銃で殺る)

 

「っ!!」

 

走り出し距離を詰めていくライナー、キャンサーもライナーに気付き戦闘態勢をとる。

 

(正面からではなく後ろから奴らを撃つ…!!)

 

そう考えアンカーを射出して______________

 

 

 

「何してるの!!ライナーさん!!」

 

「なんで……ぐぁっ!?」

 

つかさの叫び声が聞こえ、ライナー自身も疑問が駆け巡る…

 

 

”アンカーは射出されなかったのだ”

 

アンカーが無ければただキャンサーに走り寄っただけのライナーはそのままキャンサーの腕で吹き飛ばされてしまった。デフレクタで身体は守られたが衝撃までは殺せずにその場に倒れる

 

「げほっ……はっ…はっ…」

 

少しばかりの吐血をするがそれよりも何故セラフが発動しなかったのか、そればかりがライナーの疑問になっていた。

 

「ライナーさん…!!」

 

「キャンサーに走るよるとは…貴様馬鹿じゃの」

 

目の前のキャンサーが爆散し、カレンちゃんとつかさが走りよってくる。

 

「す、すまん…」

 

「…何を考えてたんだ?キャンサーに走りよるだけならただの自殺行為だぞ…?」

 

「俺のセラフが…使えなかったんだ」

 

「「え??」」

 

「何故かはわからない…だがセラフが発動しなかった」

 

「なぁユッキー、気の所為かもしれないけどさ__」

 

「なんだよ月歌」

 

「ライナーのセラフ、私達みたいに青色にふわっと…光ってなくない?」

 

「___ほんとだ。エネルギーが足りなかったのか?」

 

「でも今までそんな事なかったわよ?」

 

「…また司令官に聞いてみるしかないか」

 

 

 

__________________________

 

 

 

 

 

というわけで、ライナーは全く使えない男となっていたのだ。あれからも何回もセラフを試しては見たもののただの腰にまとわりついたガラクタと化していた。

 

(だが立体機動を付けながら歩くと、あの時を思い出すな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『んなこたわかってんだよ!!お前にわざわざ教えてもらわなくたってな!!』

 

 

 

 

『じゃあ一丁前に人らしく悩んだりしてんじゃねぇよ!! もう人間じゃねぇんだぞ お前らは!! この世界を地獄に変えたのは お前らなんだぞ!! わかってんのか 人殺しが!!』

 

 

 

 

『テメェ…ふざけてんのか??』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…」

 

 

 

 

______やめよう、思い出すのは…

 

 

 

 

 

 

「戦闘の痕も激しくなってきたな…」

 

「私達もしかして31Cの後を追ってるんじゃ…」

 

それなりに進み、少しばかりの休息をとる。

 

 

「後ろから襲われることはなかったな」

 

「ああ、だが油断は全然出来ない。まだ深くなるからな」

 

「とりあえず今日は帰ろう…」

 

「ああ、体力的にも中々辛いな…」

 

31Aはとりあえず基地に戻った、周りの疲労具合からもみて妥当な判断ではある。

 

 

 

__________________________

 

〜セラフ部隊基地〜

 

 

「今は31Cの方が圧倒的に上だな…」

 

「数より質ならこっちも負けてないとは思うんだが…」

 

基地に帰還した後、即座に結果が発表された。数は圧倒的に31Cが勝っておりやはりAはずっとCの後を追っていたと知らされる

 

 

これからどう点を巻き返すか、とりあえず考えようとした時だった

 

 

「ライナー、貴方には31Aを外れてもらいます」

 

 

手塚司令官から突如として、作戦離脱を命じられたのだった




何故セラフが起動出来なかったのか…


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