この悪魔の戦士に祝福を (仮面大佐)
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プロローグ

???「あれ…………ここは?」

 

 俺は目が覚めると、見知らぬ空間に居た。

 確か、仮面ライダーリバイスの最終回を見て、そこから、出かけたはず………。

 確か…………ダメだ、思い出せない。

 すると。

 

???「前田結斗(まえだゆいと)さん。」

結斗「っ!?」

 

 突然、名前を呼ばれたので、俺は前を向くと、そこには、黄色の髪に青色の瞳の人物がいた。

 誰?

 俺がそう思っていると。

 

アルテミス「私はアルテミス。所謂、女神という存在です。」

結斗「女神…………?」

 

 いきなりそんな事言われても………。

 困惑する俺の事を見たのか。

 

アルテミス「分かります。いきなり、女神と言われても、混乱しますよね?」

結斗「は、はい…………。」

 

 まあ、誰だって混乱するし。

 すると、アルテミスという女神は、とある事を言った。

 

アルテミス「…………単刀直入に申し上げます。貴方は死んだんです。」

結斗「……………えっ?」

 

 俺が、死んだ?

 何でだよ…………。

 俺の驚く顔を見たのか。

 

アルテミス「驚くのも無理はないです。何故なら、貴方は、落下してきた鉄骨に潰され、死んでしまったのだから………。」

結斗「そう…………ですか…………。」

 

 そうか…………。

 俺、死んじゃったんだな………。

 父さんと母さんが居たらしいけど、交通事故で亡くなって、幼馴染のあの人も死んじゃって、遂に俺か…………。

 かなり、早く死んじゃったな…………。

 すると、アルテミスが話しかけてくる。

 

アルテミス「…………結斗さん。後悔している事はありませんか?」

結斗「…………え?」

アルテミス「…………………。」

 

 アルテミスはそう言って、俺を見つめてくる。

 すると、一つ後悔が浮かぶ。

 

結斗「…………アルテミスさんは、俺の事は知ってるんですよね?」

アルテミス「…………はい。貴方の事は、プロフィールで確認しました。」

結斗「…………なら、俺が天涯孤独の身である事も?」

アルテミス「…………はい。」

結斗「…………俺は、羨ましかったんです。仮面ライダーリバイスの、一輝とバイスが。」

アルテミス「………………。」

 

 そう。

 五十嵐一輝とバイスの関係が羨ましかった。

 あんな風に、お互いに笑い合える仲の良い人がいる事が。

 俺は、両親を失ってから、施設に引き取られた。

 だが、施設の人と馴染めず、ずっと孤独だった。

 アイドルを目指していた黒髪の幼馴染の女の子とは仲が良かったが、その人も、交通事故で死んでしまった。

 そんな孤独を感じていた日々の癒しが、仮面ライダーを見る事だった。

 俺は、仮面ライダーリバイスを1話からずっと見ていた。

 五十嵐一輝とバイスは、最初こそあまり仲が良くなかったが、話が進むにつれ、真のバディと呼べる仲になった。

 リバイスの最後の、一輝とバイスが戦うのには驚いたが、それも、一輝の為という、バイスなりのお節介だった。

 そんな事を考えていると、涙が流れてくる。

 

結斗「…………両親や幼馴染を失って、施設でたった一人で過ごしてきた。でも…………家族というのが、羨ましいんです…………!他の皆が、家族と一緒に帰っているのを見て、自分だけが、どうして家族が居ないんだと思って………!」

アルテミス「…………………。」

結斗「勿論、分かってますよ。交通事故で死んじゃったんだから…………。でも、やっぱり、家族が居ないのは……………!」

 

 俺はそこまで言うと、椅子から崩れ落ちて、地面に顔を埋めて、泣く。

 改めて思うと、家族が居ない事に、悲しさを感じてた。

 死んでしまった事で、抑え込んでいた気持ちが溢れてくる。

 すると。

 

???(ブヘヘヘヘ!ブハハハハ!)

結斗「え?」

 

 変な笑い声が聞こえてくる。

 すると、俺の目の前に、マスクを付けた、誰かが居た。

 

結斗「うわっ!?」

???(あれ?お前、俺っちが見えてんの?)

アルテミス「これは…………!少し、待ってて下さい!」

 

 そう言って、アルテミスは、慌ててどこかへと向かう。

 俺の目の前に居る奴は、見覚えがあった。

 

結斗「まさか…………バイス?」

バイス(へへへっ!泣く子が笑う、悪魔のバイスだぜ!)

 

 まさかの、本当にバイスだった。

 でも…………何で?

 すると、バイスが声をかける。

 

バイス(へへ!お前、どうして俺っちが居るのか、気になるのか?)

結斗「ああ…………。」

バイス(実は、お前が両親を失った時から、俺は自我が生まれてたんだ。)

結斗「え…………!?」

バイス(そして、お前の事をずっと見守ってた。そして、お前が死んだ事で、その思いを吐露した結果、俺っちが生まれた訳!)

結斗「……………そう、なのか…………。」

 

 俺の中にバイスが居たなんて…………。

 これは、運命なのか?

 自分の中の悪魔が、五十嵐一輝と同じく、バイスなのが。

 バイスは、おちゃらけた雰囲気から、真面目な感じになった。

 

バイス(俺っちはさ、結斗の事を心配だったんだ。)

結斗「俺が?」

バイス(お前、家族を失って、かなり辛そうだったからな。心配してたんだよ。それに、鉄骨が結斗に向かって落ちてきた時、俺っちは、止めようとした。でも、止められずに、結斗は死んじまった…………。)

結斗「バイス……………。」

バイス(だから、結斗は俺っちが守ってみせる!)

 

 バイスは、そう言った。

 すると。

 

???「話はまとまったかい?」

結斗「っ!?」

 

 そんな声をかけられて、後ろを振り向く。

 そこには、アルテミスともう一人、男性が居た。

 その男性も、見覚えがあった。

 

結斗「ジョージ・狩崎…………。」

ジョージ「そうさ!ジョージ・狩崎さ!」

 

 そう、ジョージ・狩崎が居たのだ。

 どういう事かと思っていると。

 

ジョージ「その話は、この後するよ。それより、君にこれを渡しておこうと思ってね。」

 

 そう言って、ジョージ・狩崎が渡してきたのは、レックスバイスタンプだった。

 

結斗「レックスバイスタンプ…………。」

ジョージ「それを使えば、君の悪魔と契約出来るよ。どうする?」

バイス(おお!)

 

 それを聞いて、俺は、重大な決断が迫っている事を実感する。

 だが、迷いは無かった。

 バイスと一緒なら、大丈夫だと。

 そう思い、レックスバイスタンプを自分の体に押印する。

 すると、バイスが実体化する。

 

バイス「うっひょ〜!ありがとうな!」

ジョージ「やっぱり、バイスだったか。」

バイス「やっほ〜!カリちゃん!」

ジョージ「…………君は、相変わらずだね。」

バイス「へへへっ!あ、そうだ。」

 

 バイスがそう言うと、俺の方を見てくる。

 

バイス「まあ、何はともあれ、お前の契約は、どんな契約を考えたんだ?」

結斗「…………バイス。俺と家族になって欲しいんだ。」

バイス「…………あいよ。契約成立だな!これで、俺と結斗は、家族だ!」

結斗「ああ…………!まさか、家族が出来るなんてな…………。」

バイス「おいおい、泣くなよ。」

 

 俺は、気がついたら、涙が溢れていて、その場に蹲る。

 嬉しいのだ。

 悪魔とはいえ、家族が出来た事が。

 

ジョージ「…………どうやら、話は済んだみたいだね。」

結斗「……………はい。そういえば、狩崎さんは、どうしてここに?」

ジョージ「それは、アルテミスから、話してもらう事にしよう。」

 

 そう言って、ジョージは、アルテミスの方を見る。

 俺とバイスも、アルテミスを見る。

 アルテミスは、真面目な顔で話し始める。

 

アルテミス「…………はい。結斗さん、ジョージさん。貴方達には、異世界へと行って貰います。」

結斗「異世界?」

 

 アルテミスは、話し始めた。

 話を要約すると、異世界に魔王が居て、その魔王軍の侵攻のせいで、その世界がピンチとの事だ。

 ファンタジーな感じの世界との事だ。

 

アルテミス「その世界で死んだ人って、魔王軍に殺されたから。だから、またあんな死に方はしたくないって言って、その世界での転生を拒否するんですよ。このままじゃ、その世界が滅んでしまいます。そこで、他の世界で死んでしまった人たちを、そこに送り込んではどうか?という事になりまして。」

結斗「はぁ…………。」

 

 なるほど、随分と大胆な移民政策だな。

 ていうか、拒否するレベルって、どんだけ世知辛いんだろう。

 そんな風に思っていた。

 

アルテミス「………で。どうせ送るなら、若い人の方が良いって事になりまして。でも、ただ送るだけでは死んでしまいますから、特典を持たせて、その異世界に送るんです。」

結斗「なるほど…………。でも、それならわざわざ、俺じゃなくても…………。」

アルテミス「…………そう言ってられる状況ではなくて。」

結斗「…………と、言うと?」

アルテミス「その世界に、ギフの存在が確認されたんです。」

結斗「ギフ!?」

 

 ギフ。

 それは、仮面ライダーリバイスのある意味でのラスボスで、悪魔の始祖だ。

 何故、ギフが居るんだ?

 そう思っていると。

 

アルテミス「…………実は、仮面ライダーリバイスの世界で、五十嵐三兄妹に倒された後、理由は不明ですが、魔王の元に転送されたそうなのです。」

ジョージ「…………で、アルテミスは、天寿を全うした私の魂を、一輝たちが戦ってた頃に戻してくれてね。ギフを倒して欲しいと頼まれたんだ。…………ついでに、その世界に転生した、ダディーとも会いに行くつもりだしね。」

結斗「そうなんですか…………。」

 

 なるほど、ギフがその世界に転送されたから、狩崎さんの力を頼ったって事か。

 ていうか、真澄さんも、転生したんだ。

 まあ、答えは一つだな。

 

結斗「分かりました。その世界に、俺も行きます。」

バイス「俺っちも!」

アルテミス「ありがとうございます。」

ジョージ「なら、君には、これを託しておこう。」

 

 そう言って、狩崎さんが渡したのは、リバイスドライバーだった。

 

ジョージ「今の君なら、リバイスドライバーを扱える筈だ。是非、使ってくれたまえ。」

結斗「ありがとうございます。………というより、いつ、俺の体にギフの遺伝子が入ったんですか?」

 

 俺がそう言うと、ジョージはその体勢で固まる。

 そう。

 自我がある悪魔が居るという事は、俺の体に、ギフの遺伝子があるという事になる。

 アルテミスは、少し呆れたように、首を振って、口を開く。

 

アルテミス「…………結斗さん。貴方の体には、もうギフの遺伝子が入っているんです。」

結斗「…………え?」

ジョージ「その事に関しては、私が話そう。」

 

 そう言って、狩崎さんは口を開く。

 

ジョージ「君には、アルテミスに頼んで、両親を失う交通事故の直前に、ギフの遺伝子を埋め込んだんだ。」

結斗「そうなんですか…………。」

ジョージ「君にギフの遺伝子を埋め込んでソーリー。だが、君も分かっているだろう?ギフに対抗するには、仮面ライダーしかない事を。」

結斗「それは…………まあ…………。」

バイス「確かにな。」

 

 確かに、普通の人では、ギフに挑んだ所で、返り討ちに遭うのが見えている。

 すると。

 

ジョージ「ギフの遺伝子を埋め込んだ事は謝る。だが、ギフを倒す為に、力を貸して欲しい。」

 

 狩崎さんはそう言って、頭を下げる。

 それを見て、俺は。

 

結斗「…………頭を上げて下さい。狩崎さん。」

ジョージ「結斗…………。」

結斗「確かに、いつの間にギフの遺伝子を埋め込まれた事には、驚きました。…………でも、貴方がそうした事で、こうして、家族が出来たんですから、責める気はありませんよ。」

ジョージ「……………すまない。」

バイス「でも、カリちゃん!あんまり、結斗に内緒でそんな事すんじゃねぇぞ!」

ジョージ「ああ。分かっている。」

 

 俺、狩崎さん、バイスは、そう話す。

 それを見ていたアルテミスは、咳払いをする。

 

アルテミス「…………オホン。どうやら、話は終わった様ですね?」

結斗「はい。」

アルテミス「では、これから異世界へと送ります。」

結斗「あの…………その世界の言語は、俺、知らないんですけど…………。」

アルテミス「それに関しては、心配しなくても良いよ。私たちのサポートによって、一瞬で習得できる。…………まあ、副作用として、運が悪いと、頭がパーになる可能性があるんだけどね…………。」

結斗「…………副作用が大きすぎません?」

ジョージ「それは、私もそう思うね。」

バイス「頭がパーだって!?結斗がそんな頭がパーになるなんて、嫌!」

アルテミス「だ、大丈夫ですよ!」

 

 ちょっと、不安になったが、まあ、大丈夫だと信じよう。

 すると、俺、バイス、狩崎さんの足元に、魔法陣が現れる。

 

アルテミス「それでは、貴方たちの活躍を、ここから見守るとするよ!あと、ささやかながら、この女神からの贈り物です。ギルドに行って、冒険者登録する際には、右ポケットを確認して下さい。」

結斗「はい。色々と、ありがとうございます。」

バイス「ありがとよ!」

ジョージ「サンキュー。」

アルテミス「大丈夫ですよ。貴方たちに、女神である私の加護がある事を祈るよ。それじゃあ、行ってらっしゃい!」

結斗「ありがとうございました!」

 

 そう、激励をもらい、俺達は、異世界へと向かう。

 しばらくして、目を開けると。

 

結斗「おおっ!!」

バイス「すっげー!」

ジョージ「ここが、異世界か。」

 

 そこには、異世界が広がっていた。




今回はここまでです。
賢者の孫とリバイスを投稿していましたが、自信が無くなってしまい、賢者の孫とリバイスの代わりに、こちらを投稿する事にしました。
タグにある通り、結斗のヒロインは、リアです。
ちなみに、リバイスのキャラが、何人か登場します。
カズマ達も変身して、カズマがデモンズ、めぐみんがジャンヌ、ダクネスがライブになる予定です。
感想、リクエストは、受け付けます。
リクエストは、目次のURLから、その活動報告に行けます。
どうか、よろしくお願いします。
ちなみに、リアがヒロインなのは、やっぱり、リアがヒロインの小説を見た事が無いのと、リアが、このすばのキャラで、一番好きだからです。


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第1章
第1話 到着する始まりの街


 俺が目を開けると、そこには、異世界が広がっていた。

 

結斗「すげぇな!」

バイス(うっひょ〜!ここが異世界か!)

ジョージ「中々に興味深いねぇ………。」

 

 俺たちは、そう言う。

 ちなみに、バイスは、俺の体の中に戻ってもらった。

 何せ、出したら、混乱の元になるからな。

 さて、まずは冒険者登録をするか。

 近くにいたおばさんに声をかける。

 

結斗「あの、すいません。冒険者ギルドはどこにありますか?」

おばさん「ギルド?ひょっとして、他所から来たのかい?」

結斗「ええ、まあ。ついさっき、この街に着いたばかりの物で………。」

おばさん「あらあら………。この街に来るって事は、冒険者を目指している方かしら。駆け出し冒険者の街、アクセルへようこそ。ここの通りを真っ直ぐ行って右に曲がれば、看板が見えてくるわ。」

結斗「ありがとうございます。」

ジョージ「サンキュー。」

 

 俺と狩崎さんは、そのおばさんに礼を言って、ギルドへと向かっていく。

 その間に、周囲を見渡す。

 どうやら、中世時代の異世界みたいだな。

 そんな風に見ていると、ギルドへと着く。

 すると、目の前を二人組が通る。

 

???「で、俺達はこのジャイアントトードって奴を倒せば良いんだよな?」

???「そうよ。ジャイアントトードって、でっかいカエルだから。」

???「カエルか。ま、なんとかなるだろ。」

 

 1人は緑のジャージを着た青年で、もう1人は水色の髪の女の人だった。

 ジャージの男の方は、どう考えても日本人だな。

 俺はギルドへと入っていった。

 

ウェイトレス「どうしましたか?食事ですか?それとも仕事ですか?」

結斗「あの、冒険者登録をしたいのですが……。」

ウェイトレス「なら、右手の方に向かって下さい。」

 

 ウェイトレスから受付を聞いたら、突然、モヒカン頭の男に話しかけられた。

 

荒くれ者「おい兄ちゃん達。見た事のない格好だが、冒険者になりに来たという事だな?」

結斗「そんな所です。」

荒くれ者「そうかい、命知らずめ!ようこそ地獄へ!まあ、行って来な!」

ジョージ「何なんだろうね、あの彼は。」

 

 何だ、あのモヒカン男?

 そんな風に首を傾げながら、カウンターへと向かう。

 

結斗「あの……。すみません。」

受付嬢「はい、どうされました?」

結斗「冒険者登録をしたいんですけど……。」

受付嬢「そうですか。なら、1000エリス頂きます。」

 

 ええっ!?

 この世界の金なんて、持ってないぞ!?

 すると、上着のポケットに何かが入っている様な感覚がして、調べてみると、お金が入っていた。

 そういえば、何か恵みを与えるとか、言ってたな。

 

結斗「ええっと、これで良いですか?」

受付嬢「はい、1000エリス頂きました。」

 

 へぇぇ。

 この世界の通過の値は、エリスって言うのか。

 ちなみに、狩崎さんも渡していた。

 受付嬢が青い水晶に下に針がついた魔道具を持って来た。

 

受付嬢「では、この水晶に手を翳して下さい。」

結斗「分かりました。」

 

 そう言われ、水晶に手を翳す。

 すると、下にある冒険者カードに、情報が記載されていく。

 

受付嬢「はい。これでOKです。では、前田結斗さん、ですね。ステータスは……。ええっ!?何ですか、このステータスは!?かなり高いじゃないですか!?」

結斗「えっ………?あ、本当だ。」

バイス(へぇぇ!結構高いじゃん!)

 

 確かに、ステータスはかなり高かった。

 これに関しては、意外だったな。

 

受付嬢「それで、どの職業になりますか?」

結斗「そうだな……………。」

バイス(結斗!この悪魔使いって、奴になろうぜ!)

結斗「ん?」

 

 バイスがそう言って、指差す。

 それを見ると、悪魔使いという職業があった。

 確かに、リバイスになるから、これと相性が良いかもしれないな。

 

結斗「あの、ルナさん。悪魔使いにします。」

ルナ「ええっ!?いいんですか?」

結斗「ダメですかね?」

ルナ「いや…………ダメという訳ではありませんが…………分かりました。」

 

 そうして、俺は悪魔使いという職業になった。

 次は、狩崎さんだ。

 

ルナ「お次は…………ジョージ・狩崎さん………ですね。ステータスは……………ええっ!?知力が高い上に、他のステータスも高いです!」

ジョージ「まあ、これでも、鍛えてるんでね。」

ルナ「どうされますか?これなら、アークウィザードになれますが?」

ジョージ「私の職業は、超錬金術師で、頼めるかい?」

ルナ「ええっ!?それで良いんですか?」

ジョージ「ああ。」

ルナ「分かりました。…………それでは、前田結斗さん、ジョージ・狩崎さん。頑張って下さいね!」

 

 そう言われる。

 俺は、早速金を稼ぐ事にする。

 

結斗「あの、早速クエストを受けたいんですが。」

受付嬢「はい。何を受けますか?」

ジョージ「それでは、ジャイアント・トードのクエストを頼むよ。」

受付嬢「分かりました。」

 

 そう言って、俺たちは、クエストを受ける事にする。

 先ほどの2人と鉢合わせるが、まあ、問題ないだろう。

 

結斗「じゃあ、行ってきます。」

受付嬢「待って下さい!」

結斗「ん?」

受付嬢「丸腰じゃないですか。こちらの方で、武器を貸し出せますが………。」

ジョージ「ノープロブレム!私たちには、これがある。結斗。これを、手に押印してくれ。」

結斗「あ、はい。」

 

 そう言って、狩崎さんは、俺にオーインバスターのオーインスタンプを渡す。

 それを押印して、オーインバスターを出す。

 いきなりオーインバスターが現れた事に。

 

受付嬢「えっ!?それをどこから出したんですか!?」

ジョージ「そのスタンプから、出てくるんですよ!」

受付嬢「はぁ…………。」

 

 受付嬢が困惑している中、俺は、出かけようとするが、とある事を思い出す。

 

結斗「あの。」

受付嬢「はい。」

結斗「そういえば、名前をまだ聞いてなかったなと思いまして。」

ルナ「そういえば、そうですね。私はルナです。今後ともよろしくお願いします。」

結斗「こちらこそ、よろしくお願いします。」

ジョージ「よろしく。」

 

 俺はそう言って、ギルドから出る。

 ジャイアントトードが出現する平原には、徒歩で向かっていく。

 アクセルの街から出た時点で、バイスを実体化させる。

 到着すると、先程のジャージの青年が現在進行形でジャイアントトードに追われていた。

 

???「あぁ!助けて!!」

???「プークスクス!カエルに追われるなんて情けないんですけど!超情けないんですけど!!」

 

 あの青髪の女性、性格悪すぎだろ。

 見た目は良いんだけど、性格でかなりマイナスだな。

 すると、背後に気配を感じて、振り返ると、ジャイアントトードが居た。

 

結斗「来たか!なら、これで行くか!」

 

 俺はそう言って、オーインバスターのオーインスタンプを、オーインジェクターに押す。

 

スタンプバイ!

オーイングストライク!

 

 オーイングストライクを発動して、ジャイアントトードに向かって撃つ。

 すると、ジャイアントトードの体に大きい風穴が開いて、そのまま絶命する。

 冒険者カードを見ると、レベルが1上がっている。

 

結斗「こんなもんか?」

バイス「ハハーッ!結斗、すっげぇじゃん!」

ジョージ「早速使いこなすとはね。」

 

 あの2人組の方を見ると、青髪の女性が食われて、ジャージの青年が助けていた。

 

???「ハァ、ハァ。カエルがアクアを飲み込んでいて、動けなくなってて助かった。」

???「うぅ、うぅ!ありがとう、カズマぁ。ありがとう!ありがとうね!」

カズマ(生臭ぇ!)

 

 あのカズマって奴、苦労してるなぁ。

 その後、何を思ったのか、女性の方がジャイアントトードに向かって突進していった。

 

???「神の力、思い知れ!私の前に立ち塞がった事、そして神に牙を剥いた事!地獄で後悔しながら懺悔なさい!ゴッドブロー!」

 

 ルナさんの話によれば、ジャイアントトードに打撃攻撃は効かない筈だが。

 

???「ゴッドブローとは、女神の怒りと涙のこもった一撃!相手は死ぬ!」

 

 だが、ジャイアントトードには効いた素振りがない。

 

???「………カエルってよく見ると可愛いと思うの。」

 

 流石に可哀想なので、腰にリバイスドライバーを装着する。

 

結斗「バイス!行くぞ!」

バイス「あいよ!」

ジョージ「行ってきたまえ。」

 

 リバイスドライバーを装着すると、バイスが俺に吸い込まれる。

 俺は、レックスバイスタンプを構えて、起動する。

 

レックス!

 

 すると、背後にチャット画面みたいなのが現れる。

 俺は、レックスバイスタンプに息を吹きかける。

 

結斗「ハァァァァ………。フッ!」

 

 そして、オーインジェクターに押印する。

 

Come On!レ!レ!レ!レックス!

Come On!レ!レ!レ!レックス!

 

 待機音が流れる中、俺は、五十嵐一輝と同じ変身ポーズを取り。

 

結斗「変身!」

 

 レックスバイスタンプを、バイスタンプゴースロットに装填して、一回倒す。

 

バディアップ!

オーイング!ショーニング!ローイング!ゴーイング!

仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!

 

バイス「フフフフ!いやっほう!」

 

 俺たちは仮面ライダーへと変身する。

 そして、リバイスといったらの決めポーズを取る。

 

結斗「行くぞ、バイス!」

バイス「へへへ!悪魔の凄さ、舐めんじゃねぇぞ!」

ジョージ「頑張ってくれ。」

 

 俺とバイスは、青髪の女性を食べようとしているジャイアントトードに向かって、俺はオーインバスター、バイスはガンデフォンで銃撃する。

 すると、そのジャイアントトードは、倒れる。

 

カズマ「えっ!?」

???「えっ!?」

 

 あの2人からしたら、いきなり現れた二人組にジャイアントトードが撃ち抜かれた様に感じただろうな。

 

結斗「大丈夫か?」

???「大丈夫…………って!片方、悪魔じゃない!」

バイス「俺っちはバイス!イケてる悪魔だぜ!」

カズマ「おい、大丈夫か?」

???「大丈夫よ。この人が助けてくれた。」

カズマ「ありがとう。誰だか知らないけど、助かったよ。ていうか………仮面ライダー?」

結斗「いやいや、助かってよかった。それと、仮面ライダーリバイだ。」

バイス「ちょっと!俺っちを忘れないでよ!俺っちは、仮面ライダーバイス!」

ジョージ「二人とも、よくやったよ。」

 

 その後、情報交換をして、ジャージの青年がカズマで、青髪の子がアクア。

 やはり、カズマは転生者で、特典として女神のアクアを連れてきたそうだ。

 連れてきた理由は、自分の死を馬鹿にされた事への仕返しだそうだ。

 まあ、自業自得だな。

 

結斗「さて、残りのカエルを倒そうぜ。」

「「ええっ!?」」

結斗「うん?」

カズマ「いやちょっと、俺達には難易度が高いというか……。」

アクア「ちょっと私も……。」

バイス「さては、ビビってる?」

アクア「ビ、ビビってないわよ!」

 

 腰が引けてるよ。

 まあ、あんな事もあったなら、しょうがないのだろうが、この世界では、そんな事をしていると、生きていけない。

 

ジョージ「やれやれ。君たちにも、これを貸してあげよう。」

 

 そう言って、狩崎さんが渡したのは、ガンデフォンだった。

 

カズマ「これって…………スマホ!?」

ジョージ「ガンデフォンさ。それで、銃攻撃が出来るよ。」

アクア「へぇぇ…………。」

カズマ「ていうか…………仮面ライダーリバイとバイスなんて、聞いた事が無いんだけど………。」

ジョージ「ヘ〜イ!なら、私が教えてあげよう!仮面ライダーの歴史を!」

 

 そう言って、狩崎さんは、嬉々として、仮面ライダーの事を語る。

 そういえば、この人は、そういう人だったな。

 しばらくすると、狩崎さんは、話を締めくくる。

 

ジョージ「…………という訳で、彼が使っているリバイスドライバーとバイスタンプは、私が開発したものさ。」

カズマ「すっげぇ〜!」

アクア「悪魔の力を使うとか、あり得ないんですけど!」

ジョージ「まあ、そういうものだから。」

 

 それを聞くと、狩崎さんは、一部、悪魔の力を用いない物を作っただろうと言ってやりたい。

 バリッドレックス、デストリームドライバー、キメラドライバー、ジュウガドライバーは、悪魔の力を用いない訳だし。

 そうして、俺たちは、残りのカエルを倒していく。

 風呂で汚れを落として、ギルドで報酬を受け取り、カズマ達と共にジャイアントトードの唐揚げを食べていた。

 なるほど、鶏肉の唐揚げを食べてる感覚だな。

 まあ、前の世界でも、カエルの肉は、鶏肉に近いってよく言ってたしな。

 すると、俺と狩崎さんの冒険者カードを見ていたアクアが声を出す。

 

アクア「悪魔を連れてるアンタが悪魔使いで、狩崎って人が、超錬金術師って事ね?」

カズマ「何だよ、それ?」

アクア「ああ、物作りに役に立つ職業よ。あんまり戦闘には役に立たないと思うんだけどね。ていうより、何で、悪魔使いなんて職業を選んだのよ。」

ジョージ「まあ、色々な物をを作る為には、必要でね。」

結斗「悪魔使いを選んだのは、リバイスと相性が良いかもしれないと思ったからだ。」

カズマ「なるほどな。」

 

 カズマはそう言うと、俺と狩崎さんを真剣な眼差しで見てくる。

 

カズマ「結斗。狩崎さん。」

結斗「どうした?」

カズマ「俺達とパーティーを組まないか?」

ジョージ「ホワッツ?藪から棒にどうしたんだい?…………まあ、判断は、君に任せるよ。」

バイス(どうすんの?)

 

 カズマは、俺と狩崎さんを、パーティーに誘った。

 俺は、少し悩んだ。

 正直、どうしようかなと思っている。

 でも、アクアはともかく、カズマは悪い奴じゃないと思うから、大丈夫かな。

 俺は、少し考えて、答えを出す。

 

結斗「…………良いぞ。」

ジョージ「君が言うのなら、私も問題ないさ。よろしく頼むよ。」

バイス(ま、俺っちと結斗が活躍するけどさ!)

カズマ「マジでか!いやぁ助かるわ。俺は最弱職で、アクアは支援と回復は良いけど、攻撃手段が無いからさ。」

アクア「ちょっとカズマ、どういう意味よ!」

カズマ「うるさい。結斗達に断られるのを覚悟してたんだぞ。」

 

 そんな感じで、カズマとアクアが仲間になったのだった。




今回はここまでです。
カズマとアクアが、仲間になりました。
まあ、アクアにとっては、ストレスの元ができた訳ですが。
ちなみに、アクアがバイスに浄化魔法を撃たなかったのは、カズマに抑えられていたからです。
感想、リクエストは、絶賛受け付けています。
リクエストに関して、オリキャラを出して欲しいという要望も受け付けています。
ちなみに、このすばの原作キャラで変身するのは、カズマがデモンズ、めぐみんがジャンヌ、ダクネスがライブ、ミツルギがオーバーデモンズ、クリスがアギレラの予定です。
あと、リアも変身します。
オリジナルライダーに。
意見がある場合は、活動報告にて受け付けています。
ヒロインがリアですが、どのタイミングでくっつけたいのか意見がある場合も、よろしくお願いします。


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第2話 紅魔族との邂逅

 俺が、カズマに仲間を増やす事を提案して、カズマはそれを了承した。

 その後、俺と狩崎さんは稼いだお金で、宿に泊まる事にしたのだが、カズマとアクアは、馬小屋へと向かった。

 俺は、金を出すと提案したのだが、カズマは、俺達に依存しそうだからという理由で断った。

 カズマって、意外と常識的だよな。

 

結斗「あの、泊まりたいんですけど……。」

店主「らっしゃい。」

結斗「1週間の連泊でお願いします。」

店主「なら、1400エリスだよ。」

結斗「分かりました。ありがとうございます。」

店主「ほれ、鍵だ。無くすなよ。」

ジョージ「では、私も。」

 

 俺と狩崎さんは、店主に充てがわれた部屋へと入り、一旦別れた。

 ベッドに座ると、バイスが話しかけてくる。

 

バイス(なあ、アイツら、本当に大丈夫かよ?)

結斗「カズマとアクアの事?」

バイス(そうだぜ!アクアって奴、なんか、俺っち嫌い!)

結斗「そうだな。でも、何とかしようぜ。俺とお前なら、出来るさ。」

バイス(そ、そうだな。俺っちの事、信じてくれるか?)

結斗「当たり前だろ。」

バイス(さっすが、結斗!)

 

 俺たちは、そう話す。

 まあ、バイスの懸念は分かるんだが。

 そんな事を考えつつ、俺は就寝する。

 その翌日、俺と狩崎さんは、カズマとアクアと合流して、仲間の募集を行う。

 一応、アクアが採用条件を見せてくれたのだが…………。

 

 急募!

 メンバー アークプリースト、超錬金術師、冒険者、悪魔使い

 『アットホームで和気藹々としたパーティです!美しく気高いアークプリーストアクア様と共に冒険したい方を募集しています!』

 「このパーティに入ってから毎日がハッピーですよ! 宝くじにも当たりました!」

 「アクア様のパーティに入ったら、病気が治ってモテモテになりました!」

 採用条件:上級職の冒険者に限ります。

 

 …………こんな感じだった。

 どう見ても、胡散臭い宗教勧誘のそれじゃないか。

 それを見て、俺とカズマ、狩崎さんは、ハードルを下げる様に言ったのだが。

 

アクア「大丈夫よ!私は女神なのよ!誰かさんのせいで地上に堕とされて、本来の力からはほど遠い状態とはいえ、ちょろっと募集をかければ、『お願いですから連れてって下さい!』って輩が山ほど居るわよ!」

 

 そんな風に、ドヤ顔で言う。

 そんなアクアに、俺とカズマ、狩崎さん、バイスは、少し話し合う事にする。

 バイスは、俺のガンデフォンの中に入っている。

 

結斗「な、なぁ、アイツ、ああ言ってるけど、来ると思うか?」

カズマ「多分………ていうか、絶対に来ないだろうな。」

結斗「だよなぁ………。」

バイス「ていうか、自分の事を女神って言うなんてな!」

ジョージ「オチが見えるよ。」

 

 そんな不安な感情を抱きつつ、俺たちは、パーティーメンバーが来るのを待っていたのだが。

 貼り出して、半日が過ぎる。

 結果、誰も来ない。

 

アクア「…………来ないわね………。」

カズマ「………なぁ、やっぱり、ハードル下げようぜ。」

ジョージ「そうしよう。ここは、駆け出しの街だ。上級職なんて、そうそう居ないからね。」

アクア「うう………。だってだって………。」

 

 アクア曰く、カズマに魔王を倒してもらわないと、天界に帰れないとの事。

 まあ、焦る気持ちは分かるんだけどさ……。

 

結斗「でも、そうこうしてるうちに、どんどんパーティーが組まれていくぞ。」

バイス「そうだよ!俺っち達のパーティーメンバーが減っちゃうよ!」

カズマ「それに、お前は上級職でも、俺と結斗は、上級職じゃないんだぞ。肩身が狭くなる。もう少しハードルを下げて………。」

 

 そんな風に話していると、背後から話しかけられる。

 

???「募集の張り紙、見させて頂きました。」

「「「「「え!?」」」」」

 

 振り返ると、いかにも魔法使いみたいな格好の、女の子が居た。

 一応、この世界は、16歳から20歳の間に結婚するのが普通らしいから、こんなに小さくても、働いていてもおかしくはないか。

 

???「この邂逅は世界が選択せし運命。私はあなた方のような者の出現を待ち望んでいた。」

 

 すると、彼女は、マントをたなびかせて。

 

めぐみん「我が名はめぐみん!アークウィザードにして、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操りし者!」

「「「「「……………。」」」」」

 

 この子、厨二病じゃねぇか。

 俺とカズマ、バイスは戸惑って、アクアと狩崎さんは呆然としている。

 

めぐみん「クックック、あまりの強大さゆえに世界に疎まれし我が禁断の力を汝は欲するか。」

「「「「「…………。」」」」」

めぐみん「ならば、我と共に究極の深淵を覗く覚悟をせよ。人が深淵を覗く時、深淵もまた人を除いているのだ……。」

カズマ「冷やかしに来たのか?」

めぐみん「ち、違うわい!」

 

 カズマの言葉に、そのめぐみんという娘は反応する。

 すると、アクアが何かに気付いたのか、声をかける。

 

アクア「その赤い瞳、もしかして紅魔族?」

めぐみん「いかにも!我は紅魔族随一の魔法の使い手、めぐみん!我が必殺の魔法は、山をも崩し、岩をも砕く………。」

結斗「おい、どうした!?」

バイス「大丈夫かよ!?」

 

 そう言って、めぐみんは倒れ込む。

 すると、めぐみんのお腹の方から、盛大に腹の虫が暴れる音が聞こえた。

 

めぐみん「み、3日も何も食べてないのです。何か、食べさせては貰えませんか………?」

結斗「いや、飯を奢るのは別に良いんだけどさ、その左目はどうしたんだ?」

カズマ「怪我でもしてるのなら、こいつに治して貰ったらどうだ?」

めぐみん「………フ。これは、我が強大なる魔力を抑えるマジックアイテム。もしこれが外される事があれば………その時は、この世に大いなる災厄が齎されるだろう………。」

カズマ「封印………って事か?」

めぐみん「まあ、嘘ですが。単に、オシャレで着けてるだけ。」

 

 その言葉に、俺はめぐみんの眼帯を容赦なく引っ張る。

 嘘かよ!

 そんな、紛らわしい事を言うんじゃない!

 

めぐみん「ああっ!引っ張らないで下さい!やめ、やめろー!!」

アクア「ええと。3人に説明すると、彼女たち紅魔族は、生まれつき高い知力と強い魔力を持ち、大抵は魔法使いのエキスパートになる素質を秘めていて、全員、変な名前なのよ。」

「「「へぇ。」」」

めぐみん「ああっ、でも、そのまま離されると痛いので、ゆっくりと………。あああ!痛っい!目がァァァ!!」

 

 アクアの解説に、俺は眼帯から手を離す。

 なるほど、揶揄われているのかと思った。

 すると、めぐみんが口を開く。

 

めぐみん「変な名前とは失礼な。私からしたら、街の人たちの方が変な名前ですよ。」

 

 まあ、これに関しては、文化の違いという事だろうな。

 すると、狩崎さんが気になったのか、口を開く。

 

ジョージ「………ちなみに、君のご両親の名前は?」

めぐみん「母はゆいゆい!父はひょいざぶろー!」

「「「「「………。」」」」」

 

 その言葉に、俺達は全員絶句した。

 特に父親のひょいざぶろーだ。

 

カズマ「………この子の種族は素晴らしい魔法使いが多いんだよな?」

めぐみん「お!おい!私の両親の名前について言いたい事があるなら聞こうじゃないか!」

 

 その後、めぐみんは食事をして、めぐみんの実力を試す事に。

 平原に出ると、2体のジャイアントトードが居た。

 

めぐみん「爆裂魔法は最強の攻撃魔法。それゆえに準備に時間がかかります。」

結斗「じゃあ、俺たちは、手前のカエルをどうにかするか。」

カズマ「そうだな。おい、行くぞアクア。今度こそリベンジだ。お前、一応は元なんたらなんだろ?たまには元なんたらの実力を見せてみろ。」

アクア「元って何!?ちゃんと現在進行形で女神よ、私は!アークプリーストは仮の姿よぉ!」

結斗「喧嘩すんなよ。ったく。」

ジョージ「これは、最悪だね。」

 

オーインバスター50!

 

 そう言って、カズマとアクアは喧嘩をしだす。

 俺は、オーインバスターを構えている。

 めぐみんは、目を輝かせていたが、アクアの女神発言に首を傾げる。

 

めぐみん「…………女神?」

結斗「…………を、自称してる可哀想な子だ。そっとしておいてやれ。」

 

 俺がそう言うと、アクアは泣きながら、ジャイアントトードへと向かっていく。

 

アクア「女神の本気、思い知れ!ゴッド・レクイエム!!」

 

 なんか、凄そうな技を放ったけど、オチが見える様な気がするな。

 あの杖、結構強そうだな。

 

アクア「ゴッド・レクイエムとは、女神の愛と悲しみの鎮魂歌!相手は死ぬ!」

 

 だが、極彩色のオーラを纏った杖がジャイアントトードに届く前に。

 

アクア「プフッ!!」

 

 アクアは、見事に食べられた。

 やっぱり、良い武器を持っていても、当たらないと意味はない。

 アクアは、知力のステータスが著しく低い。

 それは仕方ない。

 

カズマ「さすがは女神。身を挺しての時間稼ぎか。」

ジョージ「なかなかに、度胸があるじゃないか。」

結斗「…………助けるか。」

 

 俺は、オーインバスターのオーインスタンプを取り外して、オーインジェクターに押印する。

 

スタンプバイ!

オーイングストライク!

 

 オーイングストライクを発動して、光弾がジャイアントトードに向かって行き、貫通して、そのまま先へと向かっていく。

 アクアはその時に吐き出されていた。

 

カズマ「……………。」

結斗「威力が高すぎたかな?」

ジョージ「いや、威力は正常だ。」

 

 カズマは、エネルギー弾のあまりの威力にドン引きしていた。

 狩崎さんは、俺の呟きに反応して、そう言う。

 一方、めぐみんはというと。

 

めぐみん「ハァァァァ!」

 

 凄く目を輝かせていた。

 その視線から、ものすごく使いたいと言う気持ちが溢れている。

 いや、多分、使えないと思うし………。

 

結斗「めぐみん。カエルに集中しようかな。」

バイス(あのめぐみんって奴、目を凄いキラキラさせてんですけど!)

めぐみん「あ。すみません。では次に私が格好良く決めましょう!」

 

 そう言って、杖を構え、詠唱し出す。

 

めぐみん「『黒より黒く、闇より暗き漆黒に我が深紅の混交を望みたもう。覚醒の時来れり。無謬の境界に落ちし理。無業の歪みとなりて現出せよ!踊れ踊れ踊れ。我が力の奔流に望むは崩壊なり。万象等しく灰塵に帰し深淵より来れ!』これが人類最大の攻撃魔法!『エクスプロージョン!!』」

 

 めぐみんの詠唱が始まると、1番遠いカエルの周囲に魔力が満ちている。

 エクスプロージョンと言った途端、虹色の星が輝き、迸る。

 そして、爆音と爆風が同時にやってきて、そこに残ってたのはカエルだった炭と、巨大なクレーターだった。

 

カズマ「スゲー!」

結斗「これが爆裂魔法か。」

ジョージ「これは、グレイトな威力だね。」

バイス(すっげー!マジやべぇじゃん!)

 

 やっぱり凄い!

 これは、小さい砦の一つくらい容易く吹っ飛ばすだろう。

 こんなのがアクセルで放たれたら、大惨事になるな。

 すると。

 

 ヌモッ!

 

結斗「何?」

 

 なんとカエルが大量に湧いてきた。

 

カズマ「ええっ!?」

結斗「まさか、さっきの爆裂魔法で湧いてきたのか!?」

ジョージ「ガッデム!どうやら、その様だね!」

バイス(なんか、すっげぇ大量に居るんですけど!?)

 

 やっぱり、爆裂魔法は凄まじい。

 それ故にあんな爆音と爆風が同時に来ると、他のカエルが目を覚ましてしまう。

 流石に大量はまずい。

 

結斗「みんな、散開!!すぐに離れて………めぐみん?」

 

 めぐみんがうつ伏せで倒れていた。

 まさか。

 

めぐみん「プフッ!我が奥義である爆裂魔法は、その絶大な威力故に、消費魔力もまた絶大。簡単に言うと、身動き一つ取れません。」

「「「えぇぇ〜〜〜!!」」」

バイス(一発屋じゃん!)

ジョージ「非効率極まりないね。」

 

 おいおい!それって一発屋じゃねぇかよ!

 ダメじゃねぇか!

 魔力効率が悪すぎだろ!

 俺は、頭を抱えながら、指示を出す。

 

結斗「あぁぁ、たくもう!カズマ、アクア!全員来い!」

 

 俺は、めぐみんの傍に行き、カズマとアクアが傍に来た。

 狩崎さんは、すぐ近くにいた。

 俺は、リバイスドライバーを装着して、レックスバイスタンプを構える。

 

結斗「沸いてきたぜ………!」

 

レックス!

 

 すると、背後にチャット画面みたいなのが現れる。

 俺は、レックスバイスタンプに息を吹きかける。

 

結斗「ハァァァァ………。フッ!」

 

 そして、オーインジェクターに押印する。

 

Come On!レ!レ!レ!レックス!

 

バイス「フハハハハハ!いやっほう!」

 

Come On!レ!レ!レ!レックス!

 

 待機音が流れる中、俺は、変身ポーズを取って、叫ぶ。

 

結斗「変身!」

 

 レックスバイスタンプを、バイスタンプゴースロットに装填して、一回倒す。

 

バディアップ!

オーイング!ショーニング!ローイング!ゴーイング!

仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!

 

バイス「フハハハハハ!いよっしゃあ!」

 

 俺たちは、仮面ライダーに変身する。

 チラッとカズマ達を見ると、アクアは呆然としていて、めぐみんは、オーイングストライクの時よりも目を輝かせていて、そこから、『カッコいい!』『私もなりたい!』と言う感情が読み取れる。

 一方、カズマは。

 

カズマside

 

 俺は、結斗の変身を初めて見た。

 勿論、湊は結斗が変身する仮面ライダーがリバイという物で、その姿自体は、一度見ている。

 何か、恐竜みたいだな。

 やっぱり仮面ライダーの変身は凄く良い。

 俺は小学生の頃、本気で仮面ライダーに憧れ、本気でヒーローになろうとしていた。

 だが、いつからだろうか。仮面ライダーはTVの中の絵空事だと言う事、俺にはなれないと言う事を。

 でも、俺の目の前に仮面ライダーはいる。ならばこそ、俺もこの世界での新たな人生でまた、仮面ライダーを目指してみようかな。

 

結斗side

 

 何か、カズマが色々な感情を込めた視線で見ているな。

 そう思う中、ジャイアントトードが近寄ってくる。

 

結斗「バイス!行くぞ!」

バイス「あいよ!」

 

 リバイスの決めポーズを取り、俺はオーインバスター、バイスはガンデフォンを持って、ジャイアントトードに挑む。

 俺とバイスは、それぞれで銃撃していき、倒していく。

 だが、数が多く、キリがない。

 

バイス「ちょっと、数が多すぎない?」

結斗「なら、リミックスで行くぞ!」

バイス「そうこなくっちゃ!」

結斗「しっかりアシストしろよ?」

バイス「あいよ!」

 

 俺とバイスは、再びリバイスの決めポーズを取って、レックスバイスタンプを倒して、ボタンを押して、もう一度倒す。

 

リミックス!

バディアップ!

 

 俺たちは、組体操のサボテンの体勢をとる。

 そして、俺たちの紋章が合わさる。

 

結斗「よーし!」

バイス「シャキーン!」

 

必殺!繰り出す!マックス!レックス!

 

 俺たちは、リバイスレックスへと変化した。

 それを見ていたカズマ達は。

 

カズマ「ええぇっ!?」

アクア「二人が、恐竜になった!?」

ジョージ「リミックスも完璧だ。流石だね。」

めぐみん「何ですか、あれ!紅魔族の琴線に激しく触れます!」

結斗「行くぜ!」

バイス「俺っち、こっちかよ!?」

 

 ジャイアントトードが動きを止める中、俺とバイスは、ジャイアントトードに向かっていく。

 俺とバイスのリバイスレックスは、ジャイアントトードの一体の足を咥えて、一箇所にぶっ飛ばす。

 

結斗「これで決めるぜ!」

 

 俺たちのリバイスレックスが、尻尾を使って空に跳躍する。

 そして。

 

レックス!スタンピングフィニッシュ!

 

「「ハァァァァ!!!」」

 

 巨大なキックが、ジャイアントトードに炸裂する。

 

バイス「3!2!1!」

 

 バイスのカウントダウンと共に、ジャイアントトードは爆発する。

 

バイス「イエイ!決まったぜ!アハハ!ねえ、俺っち達ベストコンビじゃねぇ?」

結斗「そうだな。」

 

 バイスが、ガンデフォンで写真を求めてきたので、一緒に撮る。

 俺は、変身解除して、カズマ達の方へと向かう。

 

結斗「こんなもんかな?」

カズマ「すげぇな…………あんだけ居たカエルが全滅したぞ…………。」

めぐみん「くっ、私の魔法の方が威力は上ですがこんなに殲滅されるとは、悔しいですッ!」

アクア「これ、結斗1人で十分じゃない?」

ジョージ「お疲れ!グレイトだよ!」

 

 カズマは驚き、めぐみんは悔しがり、アクアはそう言い、狩崎さんは、労う。

 ていうか、アクア、そういう事を言うんじゃない。

 俺とバイスだからな。

 こうして、クエストを終えた俺たちは、アクセルへと戻る事になった。

 魔力切れで動けないめぐみんは、カズマが背負っている。

 ギルドに向かう中、めぐみんの処遇について、話し合う。

 カズマが、「これからは他の魔法で頼む。」と言った時、めぐみんは「私は爆裂魔法しか使えません。」と言った時、嘘だろ。と思った。

 

アクア「え?爆裂魔法が使えるレベルなら、他の魔法も使えるでしょ。」

 

 あのアクアがまともな指摘をしているのだ。

 それに対するめぐみんの返答は。

 

めぐみん「私は、爆裂魔法をこよなく愛するアークウィザード!爆発系統の魔法が好きではなく、爆裂魔法だけが好きなんです!確かに、他の魔法を覚える事は出来ますし、覚えれば楽に冒険出来るでしょう。でもダメなのです!私は、爆裂魔法しか愛せない!例え1日一発が限界でも、魔法を使って倒れるとしても!それでも私は爆裂魔法しか愛せない!だって私は爆裂魔法を使う為だけに、アークウィザードの道を選んだのですから!」

 

 と、いかに自分が爆裂魔法を愛しているのかを語ってくれた。

 熱量が凄いな。

 まあ、判断はカズマに任せよう。

 その後、めぐみんが押し切って、仲間になった。

 俺たちは、ギルドが運営している風呂場へと全員で向かう。

 そして男性陣と女性陣で別れて風呂に入る。

 

湊翔「ふぃ〜。やっぱ風呂はいいな。」

ジョージ「デリシャスなお湯だね………。」

バイス(俺っちも、お湯に浸かりたい!)

カズマ「なぁ、結斗。」

結斗「ん?」

カズマ「めぐみんを本当に入れるのか?」

結斗「不安か?」

カズマ「そりゃあ、なぁ………。」

 

 まあ、気持ちは分かるけどな。

 だけどな。

 

結斗「でも、考えてみろ。使い所さえ考えれば、敵を一掃出来るんだぜ。」

ジョージ「上手く立ち回れば、彼女も役に立つだろうね。」

カズマ「それは………そうだが………。」

結斗「まあ、仲間になったんだし、どうにかしようぜ。」

カズマ「…………そうだな。」

 

 俺とカズマ、狩崎さんはそう話して、風呂から上がる。

 どうやら、アクアとめぐみんは、まだ風呂に入っている様で、一足先に食事を開始する。

 

結斗「さて、金を稼ぐためにももう少し難易度が高い奴いくか。」

バイス「良いね!」

カズマ「いや、待てよ。結斗は良いけど、他の奴はダメだろ。」

結斗「それもそうだな。それも考慮にいれるか。」

ジョージ「ノープロブレムさ!」

 

 その時、後ろから声を掛けられる。

 

???「……すまない、ちょっとだけ話を良いだろうか?」

「「「!?」」」

 

 そこに居たのは、金髪の女騎士だった。

 職業的には、騎士とかその類か?

 

???「まだ、パーティの募集はしているだろうか?」

結斗「そうですが。」

カズマ「そ、それで何の御用でしょうか?」

ジョージ「見た所…………騎士といった所かい?」

 

 カズマ、緊張しすぎ。

 まぁ、でも、マジで凄い美人だな。

 

ダクネス「そうか。ちょうど良かった。私の名はダクネス。クルセイダーを生業としている者だ。はぁ、はぁ、はぁ。」

 

 えっと………何か、息が荒くなってる。

 

ダクネス「私をパーティに入れてくれないか?」

 

 ダクネスは、そう言った。




今回はここまでです。
今回の話で、リミックスも発動しました。
次回は、キャベツの襲来です。
リバイス系列のライダーに変身する人は、大体決まっていますが、デストリームが決まっていません。
誰がデストリームに変身するのか、意見がある人は、お願いします。
あと、アイリスも変身させる予定ですが、何のライダーにするのか、それとも、オリジナルライダーにするのか、意見がある場合も、お願いします。
感想は感想欄に、リクエストは、活動報告にて受け付けます。
ちなみに、狩崎さんは、ジュウガに変身出来ます。
この世界には、ギフだけでなく、真澄さんも来ています。


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第3話 キャベツの襲来

 金髪に蒼眼の女騎士、ダクネスは言った。

 

ダクネス「私をパーティに入れてくれないか?」

 

 ただ、息を荒くして、顔を赤く染めながら。

 

ダクネス「さっきの粘液まみれの青髪の彼女は、2人のパーティメンバーだろう?一体何があったらあんなめに!?」

結斗(アクアの事か?ていうか、若干、期待の目をしているのは、何でだ?)

バイス(なんか、嫌な予感がすんな。)

 

 俺が、ダクネスという人の事に首を傾げる中、カズマが答える。

 

カズマ「えっとそれはジャイアントトードに丸呑みにされてですね………。」

ダクネス「なぁ!?想像以上だ………!」

 

 え?

 何が想像以上なんだよ?

 ていうか、絶対この人やばい奴だろ。

 関わると面倒臭そう…………。

 

ダクネス「………いや!あの彼女があんな目に遭うのは良くない!是非私をパーティに入れてくれ!」

 

 喜んでるよ、この人。

 普通、険しい顔をする所でしょうが。

 やばい、俺の本能が言っている。

 こいつは、かなりやばい!

 すると、狩崎さんが、敢えてネガティブな事を言う。

 

ジョージ「申し訳ないが、私達は、つい最近結成したばっかりで、連携もまともに取れませんよ?」

ダクネス「それなら気にしなくていい、実は………言いにくかったのだが、私はクルセイダーなのにあまりにも不器用で………。攻撃が………全く当たらないのだ。」

「「「…………………。」」」

バイス(うっわ〜!まじでポンコツじゃん!)

 

 それは、いくらなんでも酷すぎる。

 ポンコツかよ。

 すると、ダクネスは俺たちにグイグイ迫る。

 

ダクネス「だが!力と体力だけは自信がある。だから、いくらでも前に出るので、盾がわりにこき使ってくれ!いやむしろ!捨て駒としてモンスターの群れの中に放り投げてくれていい!!」

結斗「えええ…………。」

 

 ダクネスの言葉に、俺はドン引きする。

 見た目は美人なのに、性格でマイナスだな。

 

結斗「女性の人を盾にするなんて………。」

ダクネス「臨む所だ。」

カズマ「?………いや、もしかしたら、モンスターに食べられるかも………。」

ダクネス「むしろ臨む所だ!!」

ジョージ「え?」

 

 そう言って、さらに息を荒くする。

 分かった。

 この人、見た目は良いのに、中身がポンコツなやつじゃん。

 俺とカズマ、狩崎さんは、口裏を合わせて、仲間と相談する為に、明日にしてくれと頼んだ。

 そうして、カズマとアクアは馬小屋に、残りの面子は、同じ宿へと向かった。

 部屋に入った俺は、バイスに話しかける。

 

結斗「バイス。あの人、どう思う?」

バイス(シンプルにヤバい人!悪魔の俺っちですら、ドン引きするぜ!)

結斗「だよな…………。」

 

 バイスですらドン引きするって、かなりヤバいだろ。

 あんな人とは、関わりたくないな………。

 そう思いながら、俺は寝る事にした。

 翌日、俺は、狩崎さんと共に、とある場所へと向かっていた。

 

結斗「この先なんですか?」

ジョージ「ああ。ウィズ魔道具店には、ダディーが良く物を仕入れているそうだ。」

 

 そう。

 ウィズ魔道具店に向かっていた。

 そこには、狩崎真澄さんが、良く物を仕入れているそうだ。

 狩崎さんからしたら、死別してしまった父親との再会だからな。

 そのウィズ魔道具店に到着する。

 俺と狩崎さんは、ウィズ魔道具店の中へと入っていく。

 すると、1人の女性が声をかける。

 

ウィズ「いらっしゃいませ。ウィズ魔道具店へ。私は、店主のウィズと申します。」

結斗「前田結斗です。よろしくお願いします。」

バイス(俺っち、バイスだよ〜!)

ジョージ「私は、ジョージ・狩崎だ。よろしく頼むよ。」

ウィズ「はい。」

 

 ウィズと名乗る店主が、入ってきた俺達に気づいて、挨拶をする。

 ただ、ウィズが、バイスの居る方をチラチラと見ているが、何でだろうか。

 すると。

 

???「ウィズさん。頼んでいた物は、届いたかな?」

ウィズ「ああ、真澄さん。ええ。届いていますよ。」

結斗「あ…………。」

 

 後ろから、ウィズに声をかける人が居て、俺と狩崎さんが振り返ると、そこには、一人の青年が居た。

 それは、紛れもなく…………。

 

ジョージ「ダディー…………!」

真澄「もしかして………ジョージか?」

 

 そう。

 狩崎真澄さんだった。

 ただ、リバイスが放送していた時の服装ではなく、かつての姿になっていた。

 すると、真澄さんは、ウィズに話しかける。

 

真澄「…………ウィズさん。申し訳ないが、店の奥を借りて良いかな?」

ウィズ「え?ええ………良いですけど………。」

ジョージ「ダディー。話したい事がある。」

真澄「私もだ。」

 

 そう言って、狩崎さんと真澄さんは、店の奥へと向かっていく。

 ウィズは、俺に話しかける。

 

ウィズ「ええっと…………真澄さんとあのジョージって人は、どういう関係なんですか………?」

結斗「ちょっと…………一言では言えないんですが…………。」

バイス(あれが、カリちゃんパパの若い頃の姿って事?)

 

 俺は、ウィズさんにそう答える。

 

ジョージside

 

 やっと、ダディーと再会出来た。

 私とダディーは、向かい合っていた。

 すると、ダディーが口を開く。

 

真澄「……………久しぶりだな、ジョージ。」

ジョージ「そうだね。」

真澄「お前も…………死んだのか?」

ジョージ「私の場合は、天寿を全うしたが、女神アルテミスによって、一輝達が戦っていた頃の姿にしてくれたんだ。」

真澄「お前も………女神アルテミスに………。」

ジョージ「ダディーも分かっているだろう?この世界にも、ギフが居ることを。」

真澄「……………。」

 

 私の言葉に、ダディーは黙る。

 ダディーも、分かっている筈だ。

 

真澄「……………そうだ。女神アルテミスから聞いた。一輝君達が、ギフを倒した後、どういう訳か、この世界に転送された事を。」

ジョージ「……………ああ。それと、私との思い出を、取っておいてくれたんだろ?」

真澄「…………あの扉を、開けたのか?」

ジョージ「ああ。といっても、一輝やヒロミ達のおかげさ。」

真澄「…………そうか。一輝君が、見つけたのか。」

 

 私の言葉に、ダディーはそう言う。

 すると、ダディーは頭を下げる。

 

真澄「…………25年、父親らしい事を出来なくて、済まなかった。ジョージ。」

ジョージ「………………。」

真澄「…………お前に悪魔を移植してしまった事も、本当に済まない!」

ジョージ「……………まあ、ダディーの悪魔は、厄介事を起こして、死んだよ。」

真澄「そうか…………。」

ジョージ「…………償いをしたいのなら、一つ、頼みがある。」

真澄「…………何だ?」

ジョージ「この世界では、ちゃんと父親らしい事をしてくれ。それを償いとして受け取るよ。」

真澄「……………分かった。」

 

 私の言葉に、ダディーはそう頷く。

 これで、良いかい?

 一輝、ヒロミ…………。

 私は、もう会えない彼らに、そう思う。

 

結斗side

 

 狩崎さんと真澄さんの二人が、店の奥に行ってからしばらく、ウィズ魔道具店の物を見ていた。

 だが、殆どが使えないガラクタばかりで、呆れていた。

 この人、大丈夫かよ………。

 すると、店の奥から、狩崎さんと真澄さんの二人が出てくる。

 

結斗「狩崎さん!」

ジョージ「結斗、ありがとう。ある意味、君のおかげで、ダディーと会えた。」

結斗「…………俺は、何もしてませんよ。」

バイス(まあ、そうだな!)

真澄「ウィズさん。それで、頼んでいた物は?」

ウィズ「はい。こちらです。」

真澄「ありがとう。」

 

 狩崎さんが俺に話す中、真澄さんは、荷物をウィズから受け取っていた。

 そうして、俺たちはギルドへと向かう。

 ギルドに入るとアクアが『花鳥風月』という宴会芸スキルを披露していた。

 カズマとめぐみんは、昼食をとっていたので、俺達も昼食にする事にした。

 勿論、真澄さんも一緒に。

 その際に、真澄さんの事を紹介する事に。

 

真澄「息子が世話になっているみたいだね。私は狩崎真澄。ジョージの父親だ。」

カズマ「狩崎さんのお父さん!?」

めぐみん「なるほど…………。」

 

 そんなふうに、話す。

 めぐみんが納得していたのは、この世界は、20歳までに結婚するのが常識らしいからだ。

 若干、訝しげにしていたが。

 

カズマ「溜まったポイントで、スキルを覚えられるんだよな。」

結斗「そうだな。カズマは何のスキルを取ったんだ?」

カズマ「いや、俺まだ、5ポイントしかないから、変なスキルを覚えないようにしないとな。」

 

 なるほどな。確かに5ポイントしかないと慎重にならざるを得ないよな。

 俺の場合は、かなりポイントがあって、まだスキルポイントには余裕がある。

 すると、カズマはめぐみんに質問をしていた。

 

カズマ「なあ。聞きたいんだが、スキルの習得ってどうやるんだ?」

めぐみん「そんなの、カードに出ている現在習得可能なスキルという所から………ああ、カズマは冒険者でしたね。初期職業と呼ばれる冒険者は、誰かにスキルを教えてもらうのです。」

カズマ「つまり、結斗に教えて貰えば、悪魔使いのスキルとかを、狩崎さんに教えて貰えば、超錬金術師のスキルを、めぐみんに教えて貰えば、俺でも爆裂魔法を使えるって事か?」

結斗「そうだな。」

ジョージ「その通りさ!」

真澄「ああ。」

めぐみん「その通りです!」

カズマ「うおっ!」

 

 カズマの何気ない一言に、意外にもめぐみんが食いついた。

 

めぐみん「その通りですよカズマ!まあ、習得に必要なポイントはバカみたいに食いますが、冒険者はアークウィザード以外で唯一爆裂魔法が使える職業です!爆裂魔法を覚えたいなら、幾らでも教えてあげましょう!というか、それ以外に覚えると価値のあるスキルなんてありますか?いいえ、ありませんとも!さあ、私と一緒に爆裂道を歩もうじゃないですか!」

バイス(うわ〜。すっげぇ食いつくな。)

 

 すごい食いつくな。

 よっぽど、爆裂魔法を覚えさせたいのか。

 まあ、俺はアークウィザードでも冒険者でもないので、関係ないが。

 その後、カズマがめぐみんに対してロリっ子と言った事で、落ち込んでいた。

 すると、背後から声をかけられた。

 

ダクネス「探したぞ。」

「「「!?」」」

めぐみん「ん?」

真澄「………ん?」

 

 そこに居たのは、昨日接触してきたダクネスと、銀髪の人物が居た。

 

ダクネス「改めて、昨日の話の続きをさせてもらう、私を貴方達のパーティに。」

「「お断りします!」」

ジョージ「残念だが、お断りだ。」

ダクネス「!クゥン!!………即断、だと……。ハァ、ハァ………。」

結斗(えぇ〜………。)

カズマ(え、この人喜んでる?やっぱヤバい!)

バイス(うわ〜!こいつ、やべぇな!)

 

 俺とカズマ、狩崎さんが断ると、ダクネスは顔を赤らめる。

 やっぱり、やばい奴だ。

 すると。

 

???「アハハ、ダクネス。そんなんじゃ話を聞いて貰えないよ。」

 

 そう言って、銀髪のショートヘアーで、緑の服を着た女性が近寄る。

 ダクネスの知り合いか?

 

結斗「あの、貴方達は?」

クリス「私はクリス。格好を見て分かると思うけど、盗賊だよ。」

結斗「前田結斗だ。よろしく。」

 

 何か、コミュ力高いな。

 そう思っていると、クリスが、カズマに声をかける。

 

クリス「ところで君。」

カズマ「え?」

クリス「聞こえたけど、スキルを覚えたいんだっけ?よかったら、私のスキルを教えようか?」

カズマ「いいんですか?」

クリス「今ならシュワシュワ一杯で教えるよ。」

カズマ「安いな!すみません、この人にキンキンに冷えたシュワシュワ一つ!」

 

 まぁ、大丈夫だろ。

 クリスはカズマとダクネスを連れて、スキルを教えに行った。

 すると、真澄さんが俺に話しかけてくる。

 

真澄「君が、この世界のリバイスかい?」

結斗「はい。真澄さん。俺は、前田結斗です。」

真澄「改めて…………狩崎真澄だ。よろしく頼むよ。」

バイス(こんなに若いカリちゃんパパ、初めて実際に見たよ!)

 

 俺と真澄さんは、そう話す。

 しばらくすると、カズマ達が戻ってくる。

 でも、カズマは渋い顔、クリスは泣いていて、ダクネスは顔が赤い。

 何があった?

 

結斗「えっと、何があった?」

バイス(何か、泣いてない?)

カズマ「えっ〜と………。」

ダクネス「うむ。彼女はカズマに窃盗のスキルを教えた後、パンツを取られて、有り金全てを巻き上げられて泣いている所だ。」

カズマ「おい!あんた!何口走ってんだ!」

 

 え?

 おい、嘘だろ。

 

クリス「グスッ………お金返すだけじゃダメだって言うから……スンッ……じゃあお金払うからパンツ返してって言ったら……自分のパンツの値段は自分で決めろって……。」

カズマ「待てよ!おい待て!間違ってないけど本当に待てって!!」

 

 うわ〜〜。

 

クリス「さもないとこのパンツは我が家の家宝として、奉られるだろうって!!」

 

 カズマ、それはやりすぎ。

 素直に財布を返してもらってパンツも返してあげればよかったのに。

 周囲の男性冒険者は、サムズアップしてるが、女性冒険者の視線は、絶対零度並に冷たい。

 無論、めぐみん、アクアは、カズマをゴミを見るかのような目で見ている。

 

カズマ「おーい!ちょっと待て!なんか周囲の女性の視線が冷たいから、本当に待て!」

 

 そりゃあなぁ。

 まぁでも、ちょっとした仕返しだろうから。

 その程度で済んだから、それで良いだろうよ。

 

めぐみん「それで、カズマはスキルを覚えれたのですか?」

カズマ「!ふふん、まぁ見てな。いくぜ!スティール!」

 

 カズマがスティールと唱えた途端、カズマの右手が光った。

 

アクア「ん?」

めぐみん「…………!ううっ………!」

 

 アクアは何ともなかったみたいだが、めぐみんは何かに気づいたみたいで、目に涙を浮かべている。

 まさか。

 

カズマ「…………何だこれ?」

 

 カズマの手の中には、黒い女物のパンツが握られていた。

 めぐみんは、か細い声で、カズマに言う。

 

めぐみん「…………何ですか? レベルが上がってステータスが伸びたから、冒険者から変態にジョブチェンジしたんですか?………あの………スースーするので、パンツ返してください。」

アクア「カズマ…………あんた………。」

ジョージ「何をやっているんだい………?」

結斗「………………。」

真澄「…………これは、ダメだな。」

バイス(フハハハハハ!変態カズマじゃねぇか!)

カズマ「あ…………あれ?おかしい、取れるのはランダムのはずなのにどうして?」

 

 俺達は、そんなカズマの行動にドン引きしていた。

 すると。

 

ルナ『緊急クエスト!緊急クエスト!冒険者各員は至急街の正門前に集まって下さい!繰り返します!冒険者各員は至急街の正門前に集まって下さい!』

 

 ルナさんのアナウンスが聞こえる。

 それには、俺、カズマ、バイスは慌てる。

 

結斗「緊急クエスト!?」

バイス(なになに!?)

カズマ「えっ!?」

ジョージ「一体、何事だい?」

 

 俺たちは、街の正門へと向かう。

 すると、冒険者達が集まっていた。

 

荒くれ者「今年は荒れるぞ!」

めぐみん「嵐が………来る!」

冒険者達「収穫だぁぁぁーーーー!!」

アクア「マヨネーズ持ってこーい!」

 

 何だか、俺とカズマ、狩崎さんは、置いてけぼりにされていた。

 狩崎さんは、真澄さんに話しかけていた。

 

ジョージ「ダディー?これは一体、何が起こるんだ?」

真澄「ジョージ。この世界は、前の世界の常識が通用しないんだ。」

 

 え?どういう事?

 その時、何かが近づいてきた。

 それは緑色の丸い物体でまるで………。

 更に近づいてくると「キャベキャベキャベ」と聞こえてきた。

 まさか。

 

「「………なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」」

バイス(えええっ!?キャベツが空を飛んでるんですけど!?)

ジョージ「ホワイ!?どうなっているんだ!?」

 

 本当にキャベツが飛んできたぞ!

 嘘!なんで?物理法則どうなってんだ?

 

冒険者達「おぉぉぉぉ!!!」

アクア「この時期のキャベツはね、飛ぶの!味が濃縮して、収穫の時期になると、簡単に食われてたまるかと言わんばかりに、街や草原を疾走し、最後は人しれぬ荒野で、ひっそりと息を引き取ると言われてるわ。それなら!私達は、一玉でも多く彼らを捕まえて、美味しくいただこうってわけよ!」

ルナ「みなさーん!今年もキャベツの収穫時期がやってきました!今年のキャベツは出来が良く、一玉につき、10000エリスです。出来るだけ多く捕まえて、こちらのケージに入れて下さいね!」

 

 一玉10000!?

 金稼ぎにはもってこいじゃないか!

 すると。

 

ジョージ「結斗。相手は空を飛んでいる。これを使いたまえ!」

 

 そう言って、バイスタンプを投げ渡してくる。

 それは、イーグルバイスタンプだった。

 

結斗「ありがとうございます!」

カズマ「………俺、帰って良いか?」

結斗「カズマ、割り切ろう!ここはそう言う世界だってな!バイス!行くぞ!」

バイス(あいよ!)

 

 俺は、腰にリバイスドライバーを装着して、イーグルバイスタンプを起動する。

 

イーグル!

 

結斗「ハァァァァ………。フッ!」

 

 俺は、イーグルバイスタンプに息を吹きかけて、オーインジェクターに押印する。

 

Come On!イ!イ!イ!イーグル!

 

バイス「ブハハハハ!!」

 

Come On!イ!イ!イ!イーグル!

 

結斗「変身!」

 

 待機音が流れる中、俺はそう叫んで、イーグルバイスタンプをリバイスドライバーに装填して倒す。

 

バディアップ!

荒ぶる!高ぶる!空駆け巡る!イーグル!イーグル!

お前の羽を数えろ!

 

バイス「俺っちカッコよすぎて、飛んでっちゃいそう!」

 

 俺とバイスは、大型の猛鳥の鷲と、2人で1人の探偵こと11番目の平成ライダーの仮面ライダーダブルをモチーフにしたイーグルゲノムへとゲノムチェンジする。

 

ジョージ「フォウ!イーグルゲノム!………では、私も。こんな所で使いたくはないが、使うとしようか。」

 

 狩崎さんはそう言うと、ドライバーを取り出す。

 それは、ジュウガドライバーだった。

 

ジュウガドライバー!

 

 狩崎さんは、ジュウガドライバーを装着して、ジュウガバイスタンプを起動する。

 

ジュウガ!

 

 すると、狩崎さんの周囲に、10体の動物達が現れる。

 

真澄「ジョージ、これは………?」

ジョージ「ダディー、見ていてくれ。これが、私の最高傑作だ!」

 

 そう言って、ジュウガバイスタンプをジュウガドライバーに装填する。

 

レックス!メガロドン!イーグル!マンモス!プテラ!ライオン!ジャッカル!コング!カマキリ!ブラキオ!

 

 待機音が流れる中、狩崎さんは変身ポーズを取って叫ぶ。

 

ジョージ「変身!」

 

 そう言って、ジュウガバイスタンプを一回倒す。

 

スクランブル!

十種の遺伝子、強き志!

爆ぜろ、吼えろ、超越せよ!

仮面ライダージュウガ!

Go Over…!

 

 狩崎さんは、仮面ライダージュウガに変身した。

 味方だから、頼もしいな!

 

結斗「バイス!早速リミックスで行くぞ!」

バイス「あいよ!」

 

 俺は、バイスにそう声をかけ、イーグルバイスタンプを一回倒して、ボタンを押す。

 

リミックス!

 

 そして、もう一回倒す。

 

バディアップ!

 

バイス「フハハハハハ!そんじゃ、行っくよ〜!」

 

 バイスは、俺を肩車する。

 すると、俺とバイスのイーグルの紋章が重なる。

 

必殺!ミラクル!グルグル!イーグル!

 

 俺とバイスは、リバイスイーグルになって、空を飛びつつ、キャベツを掻っ攫っていく。

 一方、狩崎さんは。

 

狩崎「ヘイ!ヘ〜イ!私の研究の為に、捕まってもらおうか!」

 

 やる気になっていて、ジュウガの力で、キャベツを捕まえていく。

 俺とバイスは、冒険者達から少し離れた場所で、竜巻を起こす。

 

イーグル!スタンピングフィニッシュ!

 

「「ハァァァァ!!」」

 

 俺とバイスが起こした竜巻は、キャベツ達の意識を刈り取り、地面に落ちていく。

 リミックスを解除して、回収する。

 流石に、他の冒険者の取り分を減らしてはまずいので、これぐらいにしておく。

 それでも、随分と大量に収穫できた。

 変身解除したその後、ギルドへと戻り、収穫したキャベツを渡す。

 しばらくすると、カズマ達も戻ってきた。

 そうして、打ち上げになった。

 キャベツの炒め物を食べていたのだが。

 

結斗「美味いな。(これまで食ってきたキャベツよりも遥かに美味い。)」

バイス(結斗だけ、狡い!)

 

 カズマも微妙な表情になっていた。

 そりゃあ、キャベツがこんなに美味いなんて。

 そんな表情にもなるわ。

 あと、ごめんな、バイス。

 流石に、出したら大騒ぎになりそうだからな。

 

アクア「貴方、流石クルセイダーね。あまりの防御力の高さには、キャベツ達も攻めあぐねていたわよ。」

ダクネス「!いや、私などただ堅い女だ。それくらいしか取り柄がないからな。」

 

 ダクネスは、冒険者からキャベツの攻撃から庇っていた。

 でも、やっぱり喜んでたよな。

 

めぐみん「アクアの花鳥風月も中々でしたよ。冒険者の士気を高めつつ、キャベツの鮮度を保つとは。」

アクア「まぁね。皆を癒すのがアークプリーストの役目だもの。アークプリーストが出す水は清いのよ。」

 

 別にそれはクリエイトウォーターでいいんじゃないか?

 俺は心の中でそう突っ込む。

 

真澄「流石だな、ジョージ。あれほどのキャベツを収穫するとはな。」

ジョージ「まあ、あれくらいは、容易いさ。」

めぐみん「それを言ったら、カズマも潜伏スキルで近付いて、スティールで一気に収穫してしまうなんて。」

 

 そう、カズマも結構活躍していたのだ。

 まあ、俺や狩崎さんの収穫量を見たら、霞んでしまうのだが。

 

アクア「ふふん。私達も中々いい感じのパーティになったわね。クルセイダーのダクネス、アークウィザードのめぐみん、アークプリーストの私、超錬金術師のジョージと真澄、冒険者のカズマに悪魔使いの結斗。7人中5人が上級職なんて、そうは居ないわよ!」

めぐみん「ただ、結斗とジョージだけが仮面ライダーなのは、羨ましいですね。」

バイス(おい!俺っちを省くなよ!)

 

 こうして、ドMクルセイダーのダクネスと、超錬金術師の真澄さんが仲間になった。




今回はここまでです。
狩崎さんと真澄さんは、この世界で、やっと和解しました。
イーグルゲノムにジュウガを登場させました。
狩崎さんは、もう会えない一輝とヒロミの事を思っていました。
いずれ、狩崎さんは、カズマにデモンズドライバーを渡すでしょう。
その時に、ヒロミの事を語るかもしれません。
結斗のヒロインはリアですが、どのタイミングに出しましょうか。
オリジナルライダーを出して欲しいという意見があれば、活動報告にお願いします。
もしかしたら、リアも変身するかもしれません。
現状、リアは、オニヤンマのバイスタンプと、デモンズドライバーと同形状のベルトで変身させようかなぁって思ってます。
ドレイクとデモンズを合わせた様な見た目のライダーに。
まあ、あくまで思ってるだけで、変わったり、変身させない可能性もありますが。


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第4話 魔王軍幹部の襲来

 あのキャベツの襲来の後、報酬が支払われた。

 カズマも、スキルポイントが大分手に入った様で、初級魔法を習得していた。

 

カズマ「まっ、初級魔法じゃこんなもんだろ。魔法を覚えたし、冒険者らしくなってきたな。」

結斗「確かにな。」

バイス(まあ、俺っち達が活躍するからな!)

 

 そんな風に話していると、ダクネスが近寄ってくる。

 

ダクネス「2人とも見てくれ!」

結斗、カズマ「うん?」

ダクネス「キャベツの報酬で鎧を直したのだが、ピカピカに。どうだろうか?」

 

 ダクネスもダクネスで結構報酬を貰っていた様だな。

 ダクネスでも捕獲は出来るらしい。

 

カズマ「なんか、成金主義の貴族のボンボンが着けてる鎧みたい。」

ダクネス「………私だって素直に褒めて欲しいのだが………。」

結斗(あれ、戦闘以外では普通なのか?)

ダクネス「……カズマは……どんな時でも容赦がないな。はぁ、はぁ、はぁ。」

バイス(ダクネスって、本当にブレないよな!)

 

 ほら、こんなもん。

 ダクネスは本当にブレないな。

 

カズマ「今は構っている暇は無いぞ。」

ダクネス「?」

カズマ「お前を越えそうな勢いの、そこの変態を何とかしろよ。」

 

 カズマが言う変態とはめぐみんの事だ。

 彼女も報酬で、杖を新調したらしいが。

 

めぐみん「はぁ、はぁ、魔力溢れるマナタイト製の杖の色艶……はぁ……。」

 

 おいめぐみん、君も変態扱いされるぞ。

 どうやら、めぐみんもステータスが上がったみたいだな。

 そこに、狩崎親子がやって来る。

 

ジョージ「グッドモ〜ニング!」

真澄「おはよう。」

結斗「おはようございます。」

バイス(カリちゃん親子、オッハ〜!)

 

 すると、カウンターの方からアクアの怒号が飛んできた。

 

アクア「何ですってぇぇぇー!?」

 

 アクアがルナさんの胸倉を掴んで揺さぶっていた。

 

アクア「ちょっと!それってどう言うことよ!どんだけキャベツ捕まえたと思ってんの!」

ルナ「うぅ……それが……。」

アクア「何よ?」

ルナ「アクアさんが捕まえたのは殆どがレタスでして………。」

アクア「何でレタスが混じってんのよー!!」

ルナ「わ、私に言われてもーー!」

 

 レタスも居るのかよ。

 あんだけキャベツがいたのにレタスしか捕まえられないのはある意味凄い。

 

ダクネス「確かにレタスの換金率は低いな。」

カズマ「よくわからんがそうなのか?」

 

 キャベツとレタスの換金率の違いって、何だろうか?

 分からん、ちっとも分からん。

 

アクア「くぅ……。」

 

 アクアがこっちに来る。

 しかも作った笑顔で。

 何を言う気だ?

 

アクア「カ〜ズ〜マさん、ゆ〜い〜とさん、ジョージさん!今回のクエストの報酬はおいくら万円?」

バイス(こいつ、金を集りに来たぜ!)

 

 アクア、俺かカズマか狩崎さんに集るなよ。

 まぁ、隠す意味も無いので言うが。

 

カズマ「百万ちょい。」

達也「二百万くらい。」

ジョージ「私は、百五十万だね。」

「「「えっ!?」」」

 

 そう、俺たちは小金持ちになりました。

 カズマが収穫したキャベツは、新鮮な物が多かったらしく、高い値段になったらしい。

 俺と狩崎さんは、まあ、収穫した量が多かったからな。

 

アクア「………ウフッ!結斗様、貴方ってその、強くて……素敵よね。」

結斗「褒め言葉として受け取るよ。でもお金は貸さない。使い道も決まってるしな。」

アクア「ウッ!」

バイス(うっわ〜。泣いてるよ?)

 

 俺がそう言い切ると、アクアは目に涙を浮かべて、こっちに来る。

 

アクア「結斗さん!!」

結斗「どうした?」

アクア「私、今回のクエストが相当な額になるって聞いて、持ってたお金全部使っちゃったの!て言うか、この酒場に10万近いツケがあるの!」

 

 はい!?

 いくらなんでも多過ぎだろ!

 気になった俺は、カズマに聞いてみる。

 

結斗「そうなのか、カズマ?」

カズマ「あぁ。」

 

 まさかカズマ達が未だに馬小屋生活なのは、アクアの金遣いが荒いからか。

 ていうか、そういうのは、どれくらい稼げるか分からないから、そこまで使わないんじゃ。

 

結斗「それって俺、関係ないよね。アクアが作った借金だから、アクアが返すのが道理だろ。」

アクア「だって!私だけ大儲けできると思ったんだもの〜〜!」

結斗「最低だな。」

バイス(最低じゃん!)

アクア「お願い!お金貸して〜!ツケ払う分だけでいいから!」

 

 このまま断ったら、駄々を捏ねられて、面倒くさいな。

 仕方ないか。

 

結斗「分かった。」

アクア「え!?良いの?」

結斗「ただし、ちゃんと返せよ。」

アクア「わ………分かってるわよ。」

結斗「じゃあ、10万だな。」

アクア「ありがとう!やっぱり仲間は最高ね!」

 

 アクアが10万を渡している時に。

 

結斗「アクアに10万貸したっと。」

バイス(返して貰うのを、忘れんなよ?)

 

 ガンデフォンのメモにそう記載する。

 それを見ていた人たちは。

 

めぐみん(結斗も結構えげつないですね。)

ダクネス(あぁ、ちゃんと記録してるぞ。)

ジョージ「というより、ちゃんと金銭の管理をしたまえよ。」

真澄「そうだな。」

めぐみん「ジョージさんは、お金は何に使うつもりなんですか?」

ジョージ「無論、ライダーシステムの開発さ!今のままじゃあ、心許ないからね。」

真澄「開発なら、私のラボを使うと良い。」

ジョージ「ああ。遠慮なく使わせて貰うよ。」

 

 そんな風に話していた。

 その翌日、皆で俺とカズマの装備を整える事にした。

 何せ、俺とカズマは、転生した時の服装そのままなのだ。

 アクアから、ファンタジー感ぶち壊しだから変えろと言われたのだ。

 その結果、カズマは上から緑のマントに白のシャツに腰に剣を携帯するためのベルト、紺のスボンに茶色のブーツ、と如何にも冒険者っぽい装備になっていた。

 俺の場合は、紺色のシャツに紺色のズボン、黒のブーツ、薄手のコートを着用する。

 まあ、寒くなったら、厚手のコートに変えるつもりだが。

 ちなみに、狩崎さんは、服装はそのままだ。

 

「「「「おおお!!」」」」

めぐみん「二人が、冒険者っぽい格好をしています。」

アクア「前の服のままだと、ファンタジー感ないものね。」

ダクネス「?ファンタジー感?」

真澄「折角、装備が整ったのだ。クエストに行ってはどうだろうか?」

 

 真澄さんがそう提案すると、めぐみん達が口を開く。

 

めぐみん「カズマ、結斗、早速討伐に行きましょう!それも、沢山の雑魚モンスターがいる奴です!新調した杖の威力を試すのです!」

ダクネス「いや、ここは強敵を狙うべきだ!一撃が重くて気持ちいい、凄く強いモンスターを………!」

アクア「いいえ、お金になるクエストをやりましょう!ツケを払ったから、今日のご飯代も無いの!」

結斗(纏まりが無ぇ………。)

バイス(こんなんで、本当に大丈夫かよ?)

 

 要約すると、めぐみんは爆裂魔法で雑魚モンスターを一掃したいようで、ダクネスは強いモンスターにやられたい、アクアはお金が欲しいと。

 それを見て、俺、カズマ、狩崎さん、真澄さんは呆れる。

 どうやら、このパーティーの常識人枠は、この4人らしい。

 それで、俺たちは掲示板を見に行ったが、高難易度の物しか残っていなかった。

 

カズマ「おい、これ、どういう事だよ!?依頼が殆ど無いじゃないか。」

ダクネス「カズマ、結斗!これだ!これにしよう!山に出没するブラッドファングと呼ばれる巨大熊を………!」

カズマ「却下だ却下!仮面ライダーになれる結斗とバイス、狩崎さんならまだしも、俺たちには無理だ!」

結斗「それはそうと、何で高難易度の物しか残ってないんだ?」

ルナ「実は、ですね………。」

 

 そう言って、申し訳なさそうにルナさんがやってくる。

 

ルナ「最近、魔王の幹部らしき者が、街の近くに住み着いてしまって………。その影響か、弱いモンスターは軒並み隠れてしまったんです。なので、今は高難易度の物しか残っておらず………。」

カズマ「ええ………。」

結斗「なるほどな…………。」

バイス(えぇぇぇ!?魔王軍幹部のせいかよ!)

 

 まあ、そういう事ならしょうがない。

 その結果、ダクネスは実家でトレーニングをしてくるとの事で、アクアはバイト、めぐみんは爆裂魔法を撃ちに行き、カズマはめぐみんに同行し、狩崎さんと真澄さんは、ライダーシステムの開発に勤しんでいた。

 俺とバイスは、二人の連携を強める為に、クエストに出かけていた。

 この日も、俺とバイスは、クエストを二人だけで終えた。

 

バイス「いやっほ〜う!俺っち達って、最高のコンビじゃね?」

結斗「だな。」

 

 俺とバイスの連携も、徐々に良くなっている。

 バイスと家族だというのも、悪くないな。

 そんな生活をしていて、しばらくが経ち、ギルドへと向かうと、アクアが号泣していた。

 

結斗「…………どういう状況?」

バイス(うっわ〜。机がびしょ濡れじゃん!)

真澄「実はだね………。」

 

 真澄さん曰く、カズマがアクアに対して、『宴会芸しか取り柄がない穀潰し』と言った事で泣いたとの事。

 カズマも言い過ぎな気がするが、アクアを調子に乗らせると、ロクな事にならないと思っているので、放っておく。

 ちなみに、狩崎さん曰く、デモンズドライバーが完成したそうだ。

 すると。

 

ルナ「緊急!緊急!冒険者の皆さんは、直ちに武装をして正門前に集まって下さい!」

 

 ルナさんの叫び声に、只事じゃないと察して、動く。

 アクセルの正門前へと来ると、そこには、首のない馬に乗った首無し騎士が居た。

 

???「…………。」

アクア「なになに?」

カズマ「なんだあいつ、めっちゃ強そう。」

ダクネス「あれは、デュラハンか!」

バイス(ギャアアア!!首が!首が斬れてますよ!誰か、誰か、あの人と馬の首を治してあげて下さい!!)

 

 デュラハン。

 それはファンタジー物ではお約束のモンスターの一つだ。

 あいつは、自分も馬も、首がない。

 自分の頭は自分で抱えていた。

 バイス、少し騒ぎすぎだろ。

 

デュラハン「俺は先日、この近くの城に越してきた魔王軍の幹部の者だが……。」

真澄「魔王軍幹部だと!?」

ジョージ「まさか、この駆け出しの街に来るとはね…………。」

 

 やっべぇ、魔王軍幹部が来ちゃったよ。

 でも、何で来たんだ?

 

デュラハン「お……お……俺の城に……毎日毎日欠かさずに爆裂魔法を撃ち込んでく頭のおかしい大馬鹿野郎は、誰だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 魔王の幹部は、それはもうお怒りだった。

 爆裂魔法…………。

 めぐみんだな。

 めぐみんの方をチラリと見ると、めぐみんも自分だと気づいた様だ。

 めぐみんが前に出る。

 一応、俺はいつでも変身出来る様に、リバイスドライバーを装着する。

 

デュラハン「お前が……お前が毎日欠かさず爆裂魔法を撃ち込んでくる大馬鹿者かぁ!俺が魔王軍幹部だと知っていて喧嘩を売るなら、堂々と城に来い!そうでないなら、街で震えていろ!ねぇ……何でこんな陰湿な嫌がらせするの〜〜!どうせ雑魚しかいない街だと思って放置していれば、調子に乗って毎日毎日ポンポンポンポンポンポン!!撃ち込みに来やがって!頭おかしいのか貴様ァァァ!!」

めぐみん「…………我が名はめぐみん!アークウィザードにして、爆裂魔法を操る者………!」

デュラハン「………めぐみんって何だ。バカにしてんのか?」

めぐみん「ちっ、違うわい!」

 

 デュラハンは、バカにされたと感じたのか、そう聞いてくる。

 まあ、あれが普通の反応だよな。

 暫く見守っていると、めぐみんが突然呼んでくる。

 

めぐみん「………フッ、余裕ぶっていられるのも今のうちです。こちらには、対アンデッドのスペシャリストに仮面ライダーが居るのですから!お願いします!」

 

 結局は俺達とアクアに丸投げじゃねぇか!

 まあ、呼ばれた以上、出ざるを得ない。

 

結斗「ったく。結局俺任せかよ。」

アクア「さあ、アンタを浄化してあげるわ!」

デュラハン「ほう、これはこれは。アークプリーストか。だが、そこの小僧は、一体何なんだ?」

結斗「仮面ライダーさ!バイス!」

バイス(あいよ!)

 

 俺は、前に狩崎さんから貰ったマンモスバイスタンプを構える。

 

マンモス!

 

 マンモスバイスタンプを起動して、オーインジェクターに押印する。

 

Come On!マ・マ・マンモス!

Come On!マ・マ・マンモス!

バディアップ!

巨大なキバ持つ!陸のボス!マンモス!

はなっからクライマックスだぜ!

 

バイス「俺!バイスです。」

 

 俺たちは、絶滅した巨大な象の類縁のマンモスと、時の運行を守る8番目の平成ライダー、仮面ライダー電王がモチーフの、マンモスゲノムに変身する。

 すると、デュラハンが驚いたのか。

 

デュラハン「な、何だ、貴様ら!?」

結斗「俺は、仮面ライダーリバイ!」

バイス「そして、俺っちは仮面ライダーバイス!二人揃って、リバイスだ!」

 

 俺とバイスは、そう答えて、ベルディアに向かっていく。

 バイスが、シールドを使った打撃攻撃をして、俺はマンモスガッシャーをぶん投げる。

 デュラハンは、戸惑っていた。

 

デュラハン「おわっ!このっ…………!」

バイス「フハハハハハ!行くぜ!」

結斗「バイス!調子に乗んなよ!」

 

 俺とバイスは、攻撃していく。

 デュラハンが怯む中、俺とバイスは、リミックスを発動する。

 

結斗「行くぞ、バイス!」

バイス「あいよ!」

 

 俺は、マンモスバイスタンプを倒して、ボタンを押す。

 

リミックス!

バディアップ!

 

バイス「オーケイ!よいしょ!」

 

 俺たちは向き合い、組み合う。

 すると、マンモスの紋章が光る。

 

必殺!ドスドス!倒す!マンモス!

 

 俺たちは、リバイスマンモスへとリミックス変身した。

 

バイス「それでは皆さん、出発進行です!」

結斗「行くぜ!」

 

 俺たちは、仮面ライダー電王が使うデンライナーよろしく、線路を召喚して、デュラハンに突進していく。

 

結斗「ハァァァァ!!」

バイス「でやァァァァァ!!」

 

マンモス!スタンピングフィニッシュ!

 

デュラハン「ぐわァァァァ!!」

 

 デュラハンを真上に跳ね飛ばして、そこから、デュラハンに向かって突っ込む。

 

冒険者「うおおおお!!」

めぐみん「まさか、魔王軍幹部を倒したのですか!?」

アクア「何よ、大した事ないじゃない!」

カズマ「おい、それフラグ!」

 

 嫌な予感がして、デュラハンが居る所から離れると、煙が晴れて、膝をついてはいるものの、デュラハンは健在だった。

 

結斗「マジかよ………!?」

デュラハン「…………今のは、ヒヤッとしたぞ。」

バイス「今のを食らって無事とか、聞いてないよ〜!」

 

 あれを食らって無事なのかよ!?

 伊達に魔王軍幹部だって事か。

 

デュラハン「リバイス………と言ったな。此度はとても楽しめたぞ。だが、そろそろ紅魔の娘には俺の城を破壊した報いを受けてもらわねばならない。」

 

 そう言って、デュラハンはおもむろに指先をめぐみんに向ける。

 何だ………!?

 

デュラハン「汝に死の宣告を!」

結斗「めぐみん逃げろ!!」

デュラハン「お前は1週間後に死ぬ!」

 

 だが、デュラハンの死の宣告は、めぐみんではなく、ダクネスに命中した。

 ダクネスは、何ともなかった様だ。

 

結斗「今のは………!?」

真澄「デュラハンが使う危険なスキルの一つ、死の宣告だ!」

デュラハン「ほう、よく知っているな。少し予定が狂ったがお前達冒険者は結束が硬いからな。そのクルセイダーは一週間後に死ぬ!死の恐怖に怯え、苦しむことになるのだ。こうしたほうがその娘も苦しむだろう、精々自分の行いを悔い改めるといいっ!フハハっ!」

 

 なるほどな。

 ダクネスを人質に、来させるつもりか。

 だが、デュラハンは、このドMクルセイダーのヤバさを知らない。

 

ダクネス「な、何ということだ!すると、お前は呪いを解いてほしければどんないかがわしい要求でも飲めと、そう言うんだな!?」

デュラハン「えっ?」

バイス「ちょっと、何言ってんの?」

 

 ダクネスの場違い発言に、去ろうとしていたデュラハンは振り返り、素で返す。

 その発言に、俺、カズマ、狩崎さん、真澄さんも呆然とする。

 何言ってんの?

 

ダクネス「見てくれカズマッ!あの兜の下のデュラハンの目を!あれは私を城へと連れ去り呪いを説いてほしくばどんなにハードコアな変態プレイを強行する変質者の目だ!」

デュラハン「………えっ。」

 

 デュラハンが変質者呼ばわりされる。

 ダクネスの言葉を真に受けたのか、女性冒険者がゴミを見るかの様な目でデュラハンを見て、男性冒険者もドン引きしていた。

 

ダクネス「囚われの女騎士、なんとも燃えるシチュエーション……だが、行きたくない!行きたくはないが……仕方ない、行ってくりゅ!」

カズマ「止めろ、行くな!デュラハンの人が困ってるだろ!」

ジョージ「クールダウン!」

結斗「ごめんなさい!うちの変態が本当にすいません!」

デュラハン「あっ………いや…………。」

 

 デュラハンも、こっちの空気に飲み込まれたのか、呆然とする。

 だが、すぐに大声を出す。

 

デュラハン「と、とにかく!これに懲りたら俺の城に爆裂魔法を放つのは止めろ!呪いを解いて欲しくば、俺の城に来るが良い!城の最上階に来れたら、その呪いを解いてやろう!………本当に何を言ってるんだ、あの女騎士は。」

 

 デュラハンは、最初はめぐみんにそう言ったが、最後の方は、ダクネスの変態ぶりに動揺していた。

 そうして、デュラハンは去って行った。

 すいません、うちのドMクルセイダーが、本当にすいません。

 すると、めぐみんがデュラハンを追おうとする。

 

結斗「めぐみん、どこに行く気だ。」

 

 俺は一人デュラハンが去っていった方向に歩き出すめぐみんの手を掴んで止める。

 

めぐみん「今回は私の責任です。私が城に行って呪いを解除させてきます。」

結斗「待て。俺も行く。戦力は少しでも多い方が良いだろ。」

カズマ「俺も行くぞ。」

真澄「私も行こう。といっても、戦力にはならないと思うが。」

ジョージ「ダディー。無理するな。私が行ってこよう。」

バイス「フハハハハハ!いっちょ、カチコミに行こうぜ!」

 

 そんな風になっていたのに。

 

アクア「『セイクリッド・ブレイクスペル』!」

「「「「「「え。」」」」」」

ダクネス「あ、あれ………?」

アクア「私にかかればデュラハンの呪いなんて楽勝よ!」

 

 そうして、冒険者達から歓声が上がる。

 その際に、俺が思った事は。

 

結斗(勝手に盛り上がってた、俺たちの気持ちを返せ。)

 

 そう思った。




今回はここまでです。
ベルディアが襲来しました。
ベルディアは、ギフテクスのデッドマンになります。
そして次回、カズマが狩崎さんから、デモンズドライバーを受け取ります。
真澄さんは、ベイル及びデストリームになる予定です。
アイリスはオリジナルライダーになる予定です。
オリジナルライダーに関しても、リクエストを受け付けています。
アイリスが変身する仮面ライダーは、アクティオンゾウカブトのバイスタンプと、デストリームドライバーと同形状のドライバーで変身します。
結斗のヒロインは、リアですが、どのタイミングで出るのか、そして、どのタイミングで二人がくっつくのか、リクエストがある場合は、活動報告にて、受け付けています。
ダクネスは、ライブになりますが、ホーリーライブに変身すると、カゲロウが消えますが、カゲロウが消えたら、ダクネスはどうなるんですかね。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。


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第5話 魔剣の勇者VSデモンズ

 魔王軍幹部のデュラハンが襲来した日の翌日、俺たちは、ギルドに集まっていた。

 

結斗「よし。デュラハンに備えるぞ。」

「「「「!?」」」」

 

 俺がそう言うと、狩崎親子を除いた全員が、驚いた表情を浮かべてくる。

 

結斗「ん?何で驚くんだ?」

めぐみん「結斗、今すぐあのデュラハンの所に行かなくていいんですか?」

カズマ「あいつ、今なら油断しているはずだからな。」

 

 ああ、そう言う事か。

 だが、今はダメだ。

 

結斗「いや、あいつはかなり高いステータスを有しているだろう。今の俺とバイスじゃあ、とても変身しないと勝てない。」

ダクネス「それでいいじゃないか?」

結斗「いや、あいつと同じくらい強くならないとダメだと思う。それにあいつは奥の手を隠してそうだしな。」

真澄「確かに、備えあれば憂いなしと言うしな。」

 

 俺と真澄さんの言葉に、全員が納得してくれた。

 めぐみんが質問してくる。

 

めぐみん「それで、実際、何をしますか?」

結斗「あいつは、一週間の猶予をくれた。」

カズマ「一週間?何でだよ。」

 

 あいつは、ダクネスに一週間後に死ぬ呪いをかけた。

 だがまあ、実際には解呪された訳だが。

 あいつは、解呪された場面は見ていない。

 あの真面目なデュラハンが、少なくとも一週間は待ってくれる。

 それを伝えると。

 

めぐみん「なるほど。一週間の間に強くなってしまおうという事ですね。」

結斗「あぁ。多分、一週間も来なかったら、あっちから来るだろうし。」

バイス(俺っちが、倒しちゃうもんね〜!)

 

 会議を終えて、デュラハン…………ベルディアを倒す為に動く。

 まずは、ギルドに報告して、王都からの救援をお願いした。

 戦法も、ベルディアには俺とバイス、仮面ライダーが相手をし、その他の相手を後の冒険者に任せるという事にした。

 狩崎さんは、カズマを呼び出していた。

 

カズマ「えっと…………どうしたんですか?」

ジョージ「カズマ。君には、これを渡しておこうと思ってね。」

 

 そう言って、狩崎さんは、アタッシュケースをカズマに渡す。

 

カズマ「開けて良いんですか?」

ジョージ「勿論さ!」

 

 その言葉と共に、カズマがアタッシュケースを開けると、そこには、デモンズドライバーとスパイダーバイスタンプが入っていた。

 

結斗「デモンズドライバー!?」

バイス(ええっ!?カズマも変身すんの!?)

カズマ「えっ!?良いんですか………?」

ジョージ「of course!君は冒険者だから、デモンズとの相性が良いと思ってね。」

 

 確かに。

 ゲノミクスチェンジで、様々な武装を使えるデモンズと、全ての職業のスキルを使う事が出来る冒険者のカズマとは、相性が良い。

 でも……………。

 

結斗「そのデモンズドライバーって、悪魔を幽閉するタイプなんですか?それとも、O.V.E.R.を使うタイプなんですか?」

ジョージ「このデモンズドライバーは、悪魔を幽閉するタイプさ。」

カズマ「悪魔って…………バイスみたいなのをですか?」

バイス(俺っちの他に、悪魔が増えるの!?)

ジョージ「That's right!その通りさ。」

 

 つまり、カズマにもギフの遺伝子を埋め込む必要がある。

 それを聞くような視線を狩崎さんに向けると、狩崎さんは真面目な表情になる。

 

ジョージ「……………その為には、君に、ギフの遺伝子を埋め込む必要がある。」

カズマ「その……………ギフって何だよ?」

ジョージ「まずは、そこから話そう。」

 

 そうして、狩崎さんは語った。

 ギフが、狩崎さんが元々いた世界に居た悪魔の始祖で、五十嵐三兄妹によって撃破された後、この世界に送られた事。

 俺の中にバイスが居る理由が、ギフの遺伝子が入った事。

 デモンズドライバーは、ギフの遺伝子が無ければ、寿命を悪魔に奪われる事。

 ギフに対抗するには、同じギフの力が必要で、カズマは、適合率が高い事が分かった事。

 それを聞いたカズマは、複雑そうな表情を浮かべる。

 それもそうだ。

 

ジョージ「…………無論、どうするのかは、君自身が決めたまえ。」

カズマ「俺は……………なります。そのデモンズドライバーを使って、仮面ライダーに。」

結斗「カズマ……………。」

ジョージ「…………本当に、良いのかい?」

カズマ「ああ。」

ジョージ「…………分かった。少し、準備があるから、待っててくれ。」

 

 そう言って、狩崎さんは、移動する。

 

ジョージside

 

 まさか、承諾するとはね。

 私は、そう思いながら、ダディーの研究室に向かう。

 すると、ダディーが話しかけてくる。

 

真澄「カズマ君は、何だって?」

ジョージ「……………彼は、ギフの遺伝子を埋め込む事を了承してくれたよ。」

真澄「そうか……………。」

ジョージ「……………ダディー。今なら、あんたの気持ちが分かるよ。」

真澄「……………そうか。早速、準備をしよう。」

ジョージ「ああ。」

 

 本当に、ダディーの気持ちが分かる。

 少し、後悔している。

 それでも、カズマの為にも、やるとしよう。

 そう思うのだった。

 

結斗side

 

 あの後、カズマは狩崎さんに呼び出され、真澄さんの研究室に向かった。

 そこで、ギフの遺伝子を埋め込まれた。

 これで、カズマも変身出来るようになった訳だな。

 

ジョージ「これで、君も変身出来る様になった訳だ。」

カズマ「ありがとうございます!」

ジョージ「ただ、君は戦闘に関しては、かなり未熟と言えるだろう。」

カズマ「それは、まあ…………。」

ジョージ「そこで、この私が直々に、特訓をしようと思ってね。良いかい?」

カズマ「良いんですか!?」

ジョージ「構わないさ。ただ、時間がないから、少し荒く行くよ。」

結斗「…………俺たちも特訓するぞ。」

バイス(ハァァ…………あいよ!)

 

 そうして、俺とカズマ、バイスは、狩崎さんの特訓を受ける事にした。

 ベルディアに対抗する為に。

 カズマはデモンズに変身して、狩崎さんはジュウガに変身する。

 その際に、ゲノミクスチェンジも行った。

 まあ、一個ずつだが。

 無論、ただ狩崎さんと戦うだけでなく、高難易度クエストも受けたり、体を鍛えたりしている。

 そんな生活を6日続けたある日。

 

アクア「クエストを受けましょう!」

結斗「どうしたんだ、薮から棒に。」

バイス(急すぎない?)

カズマ「多分、金が欲しいんだろ。」

アクア「お願いよおおおおお!もうバイトばかりするのは嫌なのよお!コロッケが売れ残ると店長が怒るの!頑張るから!今回は、私、全力で頑張るからあぁっ!」

バイス(うっわ〜!凄い泣いてるじゃん!)

 

 そう言って、カズマに泣きつく。

 そう、アクアを除いた全員は、懐は潤っているのだ。

 現状、ベルディアのせいで高難易度クエストしか残っていないので、無理して受ける必要はない。

 その後、アクアが掲示板に行き、カズマが見に行った。

 すると、めぐみんが話しかける。

 

めぐみん「結斗。」

結斗「どうした?」

めぐみん「カズマ、ここ最近、狩崎さんと一緒にいる事が多いですが、何をしてるのですか?」

ダクネス「確かに。何をしているんだ?」

結斗「まあ、色々とね。」

真澄「そうだな。」

ジョージ「…………どうやら、クエストが決まったみたいだね。」

 

 そんな風に話す中、カズマとアクアが戻ってくる。

 クエストが決まった様で、湖の浄化クエストを受ける事に。

 その際、アクアをモンスター捕獲用の檻に入れて湖に放り込むらしい。

 まあ、リバイス関連で、浄化をする能力がある物は無いからな。

 その際、アクアは。

 

アクア「………私、今から売られる希少モンスターか、出汁を取られる紅茶のティーパックの気分なんだけど。」

 

 そう語る。

 俺たちは、目的の湖へと向かい、檻に入ったアクアを湖に放り込む。

 その際に、めぐみん、ダクネス、真澄さんは見守り係で、俺とカズマ、狩崎さんは特訓をしていた。

 カズマも、デモンズの力をかなり使いこなしていた。

 

ジョージ「カズマもやるじゃないか。」

結斗「確かに。」

カズマ「いや…………狩崎さんと比べると、まだまだですよ。」

ジョージ「まあ、それもそうだけどね。君の成長は、著しいよ。」

バイス(まあ、俺っち達の次にな!)

 

 特訓を終え、カズマは狩崎さんに話しかける。

 

カズマ「狩崎さん。」

ジョージ「何だい?」

カズマ「俺…………夢の中で、門田ヒロミって人に会ったんです。」

結斗「えっ…………?」

ジョージ「ヒロミに…………?」

 

 門田ヒロミ。

 それは、仮面ライダーデモンズに変身していた人だ。

 それを聞いた狩崎さんは、驚いていた。

 

ジョージ「…………どんな事を話したんだい?」

カズマ「そうですね…………。仮面ライダーになったのなら、全身全霊を尽くして戦えって言われました。」

ジョージ「そうかい…………。彼らしいね。」

カズマ「だから…………俺、デモンズとして、頑張りたいです。ヒロミさんの為にも………。」

ジョージ「カズマ。それは違う。別に、私は君にヒロミになれとは言わないよ。」

カズマ「え…………?」

 

 カズマの言葉に、狩崎さんはそう言う。

 狩崎さんの言いたい事は、分かった気がする。

 カズマとヒロミさんは違う。

 ヒロミさんの真似をするだけでは、ダメなのだと。

 無論、それは、俺にも言える。

 五十嵐一輝になるのではなく、俺らしいリバイスを目指すべきなのだと。

 

ジョージ「君は、君らしいデモンズになりたまえ。誰かにそう言われたからではなく、自分の意思で、君らしいデモンズになって欲しい。」

カズマ「狩崎さん…………。分かりました!」

結斗「俺も、俺なりのリバイスになってみせるよ。バイスと共にな。」

バイス(へへっ!おうよ!)

 

 狩崎さんの言葉に、カズマはそう頷いて、俺は、バイスに話しかける。

 すると、アクアの悲鳴が聞こえてくる。

 

アクア「アアアアアアァァァァ!!!」

「「「!?」」」

 

 アクアの悲鳴に俺たちは反応して、見てみると、アクアの周囲に大量のブルータルアリゲーターが湧いてきていた。

 

アクア「なんか出た!なんか出てきたァァァァァァァ!!助けて!皆助けてェェェェ!!」

バイス(うわっ!ワニに取り囲まれてる!)

 

 浄化開始から、4時間が経過した。

 出てきたワニはアクアが入っている檻を破壊しようとしている。

 アクアはそれはもう一心不乱に自前の浄化能力と浄化魔法を使ったとな。

 

アクア「ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!」

 

 だがそんな事をすれば、ワニは更に怒る訳であって。

 次第に檻からヤバい音がし始めてきた。

 

アクア「ヒイィィィィィ!!ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!」

結斗「………ギブアップなら、言ってくれ。すぐ引き揚げるからな!」

 

 流石に助け舟を出しておく。

 なんか、可哀想に思えてきた。

 だが、アクアの返事は。

 

アクア「い……嫌よ!ここで諦めたら、報酬が貰えない!」

 

 アクアってビビりなのに変な所で意地を張るよな。

 だが現実は甘くはなく、ワニが力を込めて顎を閉じると、鉄格子が音を立てて、曲がり始めた。

 

アクア「イヤァァァァァァァ!!メキッって言った!今、檻から鳴っちゃいけない音がしたァァァァァ!!」

結斗「…………仕方ないな。」

 

 俺は、オーインバスターを持って立ち上がる。

 

カズマ「おい!?結斗、何するんだ?」

結斗「流石に可哀想だから、ワニを討伐しておく。」

カズマ「いや、アクアが頑張れば、ワニはどっか行くだろ。だから、悪いけどアクアにもうちょい頑張ってもらおうぜ。」

 

 確かにな。

 

結斗「あいつらの討伐金も出るからいいだろ。それに。」

カズマ「それに?」

結斗「見てて、良心が痛む。」

カズマ「はぁ、しょうがねぇーな。」

 

 俺とカズマで、ある程度ブルータルアリゲーターを倒す。

 適度にオーインバスターで銃撃して威嚇しておく。

 この戦闘でレベルが上がる。

 威嚇の効果もあってか、ブルータルアリゲーターが中々近寄らなくなった。

 それをやってて、浄化を開始してから7時間が経過した。

 残っていたアリゲーターも何処かへ気配が散っていく。

 アクアは、檻の中で体育座りをしていた。

 

結斗「アクア。アリゲーターは居なくなったぞ。」

アクア「ハァァァァ………。終わった……。」

ジョージ「まあ、この後、何か奢ろう。」

アクア「そうね!………ていうか、出れないんですけど。」

カズマ「何でだ?」

真澄「ああ………。恐らく、アリゲーターに齧られて、鍵穴が変形したんだろう。」

アクア「えええ!?」

 

 他の隙間も試してみたが、無理だった。

 仕方ないので、ギルドまで中に居てもらう事にしよう。

 ただ、アクアを檻に入れたままにする、この判断を、俺は後悔した。

 

???side

 

 僕の名前は御剣響夜(ミツルギキョウヤ)

 どこにでもいる普通の高校生だった。

 だがある日、自分でも訳が分からない内に命を落としてしまった。

 そんな時、美しい女神と出会い『魔剣グラム』を与えられ、この世界に転生した。

 今は上級者クエストの『エンシェントドラゴンの討伐』を終えて、ギルドに報告に行っている。

 

フィオ「流石、私のキョウヤよね。エンシェントドラゴンを一撃で倒すんだから。」

 

 彼女はフィオ。盗賊に就いている。

 

クレメオ「な!!ちょっと、誰が貴女の物よ!キョウヤは私の物なんだから!」

 

 彼女はクレメオ。戦士の女の子だ。

 慕ってくれるのはありがたいんだけど、事あるごとに喧嘩しないでほしいな。

 そんな2人と一緒に日々冒険者として頑張っている。

 必ずこの世界を救って見せる。

 女神様との約束だから。

 

ミツルギ「………うん?」

 

 その時、僕の耳に聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

アクア「ねぇ、まだ着かないの?」

ミツルギ「この声って?」

 

 声のする方向に向かうと、そこには荷車に檻を乗せた冒険者の一団がいた。

 檻には、女性が1人いた。

 その女性は、僕が知っている人だった。

 

ミツルギ「め………女神様!!」

 

結斗side

 

 俺たちは、アクアを檻に入れたまま、アクセルへと戻っていった。

 

アクア「ねぇ、まだ着かないの?」

真澄「もう少しだ。」

ジョージ「君はもう少し、落ち着きを持ちたまえよ。」

 

 アクアと狩崎親子は、そんな風に話していた。

 すると、後ろから。

 

???「女神様!女神様じゃないですか!」

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

 そう言って1人の男が檻を素手で強引に広げてしまった。

 

カズマ「な!?」

ダクネス「おい!これは鋼鉄製の檻だぞ!」

バイス(檻をねじ曲げちゃったよ!?)

 

 俺では少し厳しいかな。

 まぁ、コイツには檻の弁償をしてもらおう。

 

結斗「おい、君の事を女神様って呼んでるから、君の関係者だろ。」

アクア「え〜っと。………とりあえず話を聞いてみるわ。」

 

 え、まさか覚えてないのか!?

 コイツ100%転生者だろ!

 流石に覚えておこうぜ。

 アクアは、その男が広げた隙間から外に出る。

 

アクア「それで、私に何の用かしら?………て言うかあんた誰?」

ミツルギ「な!僕ですよ。御剣響夜です。貴女にこの魔剣グラムを頂き、この世界に転生した御剣響夜です!」

アクア「え?」

ミツルギ「え!?」

「「え?」」

 

 まさか本当に覚えてないのか?

 

アクア「………ちょっと待ってね。」

 

 アクアは何処からともなく手帳を取り出してめくっていく。

 

アクア「ミツルギ……ミツルギ……あ!あったわ。ごめんなさい、沢山この世界に転生させたから、すっかり忘れてたわ。」

ミツルギ「あ〜、はい、そうですか。お久しぶりです女神様。ところで、女神様はどうして檻の中に居たんですか?」

 

 そう言って、俺とカズマを睨む。

 これは、説明しないといけなさそうだな。

 俺とカズマは、経緯を説明する。

 すると。

 

ミツルギ「はぁ!?女神様をこの世界に連れて来ただけでなく、檻に閉じ込めて湖につけた!?君は一体何を考えているんだ!!そして、君も君だ!何故、そんな事を許すんだ!」

 

 そう言って、俺とカズマの胸ぐらを掴む。

 ていうか、お前に文句を言われる筋合いは無い。

 

アクア「ちょっ、私としてはこの世界に連れてこられたのはもうそんなに気にしてないし、毎日楽しい日々を過ごしてるし、今回のクエストだって私が言い出しっぺなんだから。」

ミツルギ「女神様、この2人にどう唆されたのか知りませんが、貴女は女神様なんですよ。こんな扱いで良いんですか?」

 

 言いたい放題だな。

 この男、俺達が黙ってるのを良い事に言いまくるじゃないか。

 俺達の事を知らないだろ。

 年下にこんなに言われるのはムカつくな。

 

ミツルギ「ちなみに女神様は何処で寝泊まりしているんですか?」

アクア「え〜っと、馬小屋で……。」

ミツルギ「はぁ!?」

 

 と、更にキツく締めて来た。

 

アクア「ちょっと!」

ダクネス「おい貴様、いい加減にしろ。」

ジョージ「君、初対面の人に対して、失礼じゃないのかい?」

 

 流石に無視できなくなったのか、ダクネスと狩崎さんがミツルギの腕を掴んで止める。

 ダクネス達の方を見たミツルギは。

 

ミツルギ「君達は……クルセイダーにアークウィザード、超錬金術師が2人……成程。パーティメンバーには恵まれているようだね。君達は、こんな優秀な人達がいるのに、女神様を馬小屋に泊らせるなんて、恥ずかしく思わないかい?」

バイス(うっわ!こいつ、上から目線で言ってくるぜ!)

 

 ええ………。

 そんな事言われても………。

 ミツルギの言う事は、説得力が全くないな。

 まあ、俺もリバイスの力を貰った事で、お金にはあまり苦労していないから、人の事を言えないけどな。

 つまり、五十歩百歩だ。

 だが、俺は文句の一つも言ってやらないと気が済まない。

 

結斗「お前さ、説得力が無いんだよ。まあ、俺もお前の事はとやかくは言えないけどさ。だからって、冒険者全員が、お前みたいに宿に泊まれると思うなよ?大体、アクアが馬小屋なのは、アクアの金遣いが荒いからだ。」

ミツルギ「…………そんな言い訳をするんじゃない。それに、そうやって責任を女神様に擦りつけるのか?」

バイス(おいこら〜!結斗の服から手を離せ!)

 

 ダメだ、人の話を聞きやしない。

 思い込みが激しいタイプか?

 アクアの事を知っている俺からしたら、アクアの自業自得だとしか言えないのだが、それを言ったら、火に油を注ぐような真似になるだろうな。

 すると、アクア達に同情の視線を向ける。

 

ミツルギ「君達。今まで苦労したね。今日から、ソードマスターである僕の所に来ないかい?高級な装備を買い揃えてあげるよ。」

 

 剰え、こちらのパーティーから、狩崎さん達を抜き取ろうとしていた。

 ていうか、言い方が援助交際を求める中年親父じゃねぇか。

 アイツからしたら、悪者である俺とカズマから、アクア達を救う感じなんだろうな。

 

「「「「「…………。」」」」」

アクア「ねぇ、あの人ヤバくない?あの人本気でひくぐらいヤバいんですけど。て言うか勝手に話進めるしナルシストも入ってる系で、怖いんですけど。」

ダクネス「どうしよう、あの男は何だか生理的に受けつけない。攻めるよりも受けるのが好きな私だが、あいつだけは何だか、無性に殴りたいのだが。」

めぐみん「撃っていいですか?あの苦労知らずのスカしたエリート顔に、爆裂魔法を撃っても良いですか?」

ジョージ「あんな上から目線で言ってくるやつに、着いていく義理はないね。」

真澄「同感だな。」

 

 すごい不評だな。

 まあ、援助交際を求める中年親父みたいな言い方だったからな。

 悪印象なのは間違いない。

 俺も、ミツルギの印象は最悪だ。

 こちらの事情を考えずに言ってくる奴など、仲良くなれないな。

 

バイス(結斗、もうそろそろ帰ろうぜ。俺っち、お腹空いちゃったよ!)

結斗「そうだな。…………まあ、そんな事で、仲間達は、お前のパーティーには入りたくないそうだ。」

カズマ「じゃあ、俺たち、ギルドに報告があるから。」

 

 そう言って、俺たちは移動しようとする。

 だが。

 

ミツルギ「待て!」

結斗「うん?」

 

 ミツルギが、俺たちの前へと回り込み、通せん坊する。

 

結斗「何の用だ?」

ミツルギ「悪いが、女神様をこんな境遇に置いてはおけない。」

 

 こいつ、しつこくないか?

 そして、こう言った後には大体………。

 

ミツルギ「僕と勝負だ!」

 

 やっぱり。

 

ミツルギ「僕が勝ったら、女神様はこちらに引き渡してもらおう。君が勝ったら、言う事をなんでも聞こうじゃないか。」

 

 勝手に話を進めやがって。

 しかも、こっちは負けたらアクアが奪われるのに、そっちが負けても、大した損害じゃない。

 完全に不公平その物じゃないか。

 すると。

 

カズマ「結斗。こんな奴、お前が相手をするまでもないぜ。」

結斗「カズマ?」

カズマ「俺にやらせてくれ。」

 

 カズマは、そう言った。

 ここは、カズマにやらせるか。

 

結斗「そうだな…………頼む。」

カズマ「ああ。」

ジョージ「カズマ。良かったらこれを使いたまえ。」

 

 狩崎さんがそう言って渡したのは、モグラバイスタンプだった。

 

バイス(カズマに任せて良いのかよ?)

結斗「あいつは強くなった。信じよう。」

バイス(お前がそう言うのなら、良いけどよ…………。)

 

 俺の言葉に、バイスはそう言う。

 

カズマ「おい。お前の相手は俺だ。」

ミツルギ「構わないさ。冒険者である君に、ソードマスターである僕が負ける筈が無いからね。」

カズマ「後悔すんなよ?」

 

 そう言って、デモンズドライバーを取り出す。

 

デモンズドライバー!

 

 その起動音が鳴って、腰に装着される。

 

ミツルギ「何だ?」

カズマ「見せてやるよ。俺の全身全霊を!」

 

 そう言って、スパイダーバイスタンプを構えて、起動する。

 

スパイダー!

Deal……!

 

 カズマは、デモンズレッドパッドに、スパイダーバイスタンプを押印する。

 すると、カズマの横に蜘蛛が現れる。

 カズマは、バイスタンプを構えて、叫ぶ。

 

カズマ「変身!」

 

 そう言って、オーインジェクターに、バイスタンプを押印する。

 

Decide up!

Deep.(深く)Drop.(落ちる)Danger.(危機)

(仮面)Rider Demons!

 

 その横に現れた蜘蛛が、カズマの周囲を糸を出しながら旋回して、カズマに糸を巻いていく。

 その糸がデモンズのアンダースーツになり、蜘蛛が右肩に付いて、蜘蛛の巣を生成して、アーマーになる。

 これが、仮面ライダーデモンズ・スパイダーゲノムだ。

 それを見た他の人たちは。

 

ダクネス「カズマが…………変身した?」

めぐみん「かっこいいですよ!その見た目は、紅魔族の琴線に激しく触れます!」

アクア「何よ、それ…………。」

ジョージ「フォウ!仮面ライダーデモンズだ!」

真澄「さて、どう立ち回るかな?」

ミツルギ「へ、変身………?」

カズマ「行くぞ。」

 

 ミツルギは、カズマの姿が変わった事に戸惑ったが、すぐに魔剣グラムで攻撃する。

 だが、デモンズには、蜘蛛の特性が反映されていて、八つの目からは、ほぼ全周囲を見る事が出来る。

 それに、全身に張り巡らせた人工筋肉「ゲノマッスル」によって、人間が持てる身体能力の可能性を極限まで拡張している。

 その為、カズマは、ミツルギの攻撃を余裕で躱す。

 ミツルギは、攻撃が当たらない事に焦っていた。

 

ミツルギ「あ、当たらない………!」

カズマ「オラっ!」

 

 カズマは、ミツルギの攻撃を躱して、カウンターにパンチを叩き込む。

 ミツルギが怯む中、カズマはデモンズドライバーのデモンズノックを押し、モグラバイスタンプを構える。

 

add……!

モグラ!

Dominate up!

モグラ!ゲノミクス!

 

 カズマの右腕に、モグラを模した武装、デモンディグゾンが装着される。

 カズマは、デモンディグゾンを使って、ミツルギに攻撃していく。

 

カズマ「ハアッ!」

ミツルギ「くっ………!」

 

 カズマの攻撃に、ミツルギは防戦一方となっていた。

 カズマは、一度、デモンディグゾンを分解して、モグラバイスタンプをオーインジェクターに押印する。

 

モグラ!

charge!

デモンズフィニッシュ!

 

 押印した後、デモンズノックを押す。

 再び合体した右腕のデモンディグゾンに、緑色のエネルギーを纏わせ、ミツルギに向かっていく。

 

カズマ「ハァァァァ!!」

ミツルギ「グゥゥゥゥ…………!」

 

 デモンディグゾンのドリル攻撃に、ミツルギは、咄嗟にグラムを盾にして、何とか堪える。

 カズマは追撃と言わんがばかりに、デモンズノックを2回押す。

 

More!

 

 待機音が流れ、カズマはもう一度、デモンズノックを押す。

 

モグラ!デモンズレクイエム!

 

カズマ「ハァァァァ!!」

ミツルギ「ぐわァァァァァ!!」

 

 カズマは、デモンディグゾンのエネルギーを右足に纏わせ、ライダーキックを放つ。

 ミツルギは、再びグラムを盾にするが、堪えきれずに吹っ飛ぶ。

 

ジョージ「勝負ありだね。」

カズマ「ふぅ…………。」

 

 狩崎さんはそう言って、カズマは変身解除する。

 すると。

 

取り巻き「ひ………卑怯者!!」

「「「「「「うん?」」」」」」

取り巻き「卑怯者!卑怯者!卑怯者!」

結斗「はい?」

バイス(なんか騒いでるよ?)

 

 なんか、カズマがミツルギの取り巻きに非難されてる。

 

ミツルギ「クレメオ、フィオ!何を!?」

カズマ「あんた達、コイツの仲間か?」

クレメオ「そうよ!この卑怯者!」

真澄「………一応聞くが、どうしてだい?」

 

 いや、卑怯呼ばわりされる様な事はしてないだろ、カズマは。

 

フィオ「そんなのを使うなんて、卑怯よ!」

クレメオ「そうよ!無効よ!無効!」

カズマ「あのな。魔剣使いのソードマスターが、巷では最弱職と呼ばれてる冒険者に勝負を挑む方が卑怯だろ。」

ジョージ「大体、其処の彼は、決着方法を碌に説明していなかった。そして、カズマは持てる力を使って、勝負に挑んだんだ。卑怯どころか、正々堂々としてるじゃないか。」

ダクネス「それに関しては、どうなんだ?」

ミツルギ「………いや、彼は正々堂々と戦って勝った。………僕の負けだ。」

クレメオ、フィオ「キョウヤ!!」

 

 意外と潔いな。

 どうやら、頭に登ってた血が下がったみたいだな。

 

カズマ「さて、と。取り敢えず、その魔剣でも頂こうかな。」

ミツルギ「え!?」

カズマ「うん?」

ミツルギ「ま、待ってくれ!出来れば、この魔剣以外で………。」

 

 ミツルギは、焦りながらそう言う。

 さっき、何でも言う事聞くって、言ってただろ。

 

カズマ「いや、お前、さっき、負けたら何でも言う事を聞くって、言ってただろ。」

ミツルギ「そ、それは………。」

カズマ「都合が良すぎるんじゃ無いか?」

ミツルギ「うっ…………。」

 

 ぐうの音も出ない正論だな。

 まあ、助け舟を出すか。

 

結斗「カズマ。魔剣は諦めて、檻の修理費を払ってもらおうぜ。」

カズマ「何でだよ?」

結斗「明日、ベルディアが来る。一応、こいつも戦力として参加させるぞ。それに、こいつから魔剣を取ったら、一気に弱くなるからな。」

ミツルギ「なっ!?」

カズマ「どういう事だよ?」

 

 首を傾げるカズマに、俺は説明した。

 恐らく、魔剣グラム頼りの戦闘スタイルなのが分かった。

 レベル自体は、カズマより先に来ている事もあって、高いだろうけどな。

 

ミツルギ「な、何故、最弱職の冒険者に、この僕が!?」

ジョージ「現に君、負けたじゃないか。それに、この私が直々に鍛えたから、君よりも強い事は、分かるよ。魔剣頼りの君では、カズマには勝てない。」

ミツルギ「………………。」

 

 その後、ギルドに共に向かい、ミツルギに檻の弁償代20万エリスを払わせた。

 ミツルギは、俺の言葉を聞いてから、妙に思い詰めていた。

 取り巻きの女の子2人が話しかけるが、ほとんど上の空だ。

 一応、明日魔王軍幹部が来るから、街には居るように伝えたが、ミツルギは、ギルドを出て行った。

 後はあいつ次第だ。

 俺は、明日に備えて寝た。

 

ー翌日ー

 

 俺達は早くに合流して、その時を待っていた。

 その時。

 

ルナ「緊急!緊急!冒険者の皆さんは直ちに武装して正門前に集まって下さい!特に、サトウカズマさんと前田結斗さんのパーティメンバーは絶対に来て下さい!」

 

 遂に来たか。

 俺たちは、街の正門へと向かう。

 そこにはやはり、ベルディアが居た。

 ベルディアはプルプルと震えていて遂には。

 

ベルディア「何故城に来ないのだ、この人でなしどもがああああああっ!!」

 

 と、絶叫した。




今回はここまでです。
カズマがデモンズに変身しました。
カズマの悪魔は、いずれ出します。
名前は、リバイスのVシネマで出る、ヒロミさんの悪魔と同様に、ムラマサです。
ただ、ムラマサに関しては、リバイスのVシネマを見てから出す感じです。
現状、変身を考えているのは、ダクネスはライブ、めぐみんはジャンヌ、ミツルギはオーバーデモンズ、クリスはアギレラ、ゆんゆんはキマイラ、真澄さんはベイル及びデストリーム、アイリス、リアはオリジナルライダーの予定です。
ダクネスの悪魔は、勿論カゲロウです。
雰囲気としては、ドSのダクネスで、攻撃は普通に命中します。
カゲロウは、ダクネスの性癖のストッパーの役割を果たします。
感想、リクエストは、絶賛受け付けています。
ちなみに、赤石長官も登場します。
どこかのタイミングで。
ミツルギ、リアの悪魔も出ますよ。
リア達アクセルハーツが、どのタイミングで出るのか意見がある場合は、よろしくお願いします。


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第6話 魔王軍幹部との戦い(前編)

ベルディア「何故城に来ないのだ、この人でなしどもがああああああっ!!」

 

 魔王軍幹部は大変お怒りの様だ。

 

カズマ「ええっ?何で?もう爆裂魔法は撃ってないはずだろ?」

ベルディア「はぁ!!何を抜かすか白々しい!」

 

 ベルディアは自分の首を地面に叩きつけて器用にキャッチした。

 痛くないの、あれ?

 

ベルディア「そこの紅魔の娘が、あれから毎日欠かさず撃ってるわ!」

カズマ「ええっ!?」

結斗「はい?」

ジョージ「ワッツ?」

真澄「何だって?」

 

 俺とカズマ、狩崎さん、真澄さんは、めぐみんの方を見る。

 めぐみんは、すぐに視線を逸らす。

 カズマは、めぐみんの頬を引っ張る。

 

カズマ「お〜前〜か〜!!」

めぐみん「痛い痛い痛い!待って下さい!聞いて下さい!」

結斗「さて、どうしてベルディアの廃城に爆裂魔法を撃ち込んだんだ?」

バイス(こいつ、何やってんの!?)

めぐみん「今までは、平原で爆裂魔法を撃ち込むだけで満足出来たんですが、その、廃城への爆裂魔法を撃ち込む内に、大きくて硬い物じゃなきゃ満足出来ない体に………。」

カズマ「モジモジしながら言うな!」

ジョージ「ていうか、めぐみんは爆裂魔法を撃ったら倒れるんだから、共犯者が居るはずだよね…………。」

 

 狩崎さんがそう言うと、アクアが口笛を吹きながら外方を向く。

 つまり………。

 

カズマ「お〜前〜か〜!!」

アクア「痛い!痛い!アイツのせいで碌なクエストが受けられないのよ!そのせいで今日もバイト先で怒られたし!」

結斗「それって、君の自業自得じゃないのか?」

バイス(本当だよ。)

 

 俺がそう突っ込むと、ベルディアの方から物凄いオーラがこちらに届く。

 

ベルディア「聞け!俺がここに来たのは爆裂魔法の件だけではない!お前達を庇って死の宣告を受けたあのクルセイダーの鑑みたいなやつをお前たちは見殺しにした!もはやお前たちがあのクルセイダーを殺したに等しいのだぞ!」

結斗「ああ………。」

 

 そういえば、ベルディアはダクネスが解呪されたのを知らないんだったな。

 すると、タイミング良くダクネスが現れ、ベルディアは驚く。

 

ダクネス「や、やあ………。クルセイダーの鑑とは、照れるではないか………。」

ベルディア「は?………へっ?あんるええええええええええ!!!???」

 

 ベルディアの絶叫が周囲に広まった。

 まあ、それが当然の反応だよな。

 

ベルディア「あれ?なんでお前、生きて……。」

アクア「なになに?あのデュラハンずっと私達を待ってたの?帰った後、私にあっさり解呪された事に気づかず?プークスクスッ!ウケるんですけど!超ウケるんですけど!!」

 

 アクア、お前、人を煽る才能はピカイチだよなぁ。

 すると、ベルディアはプルプルと震え出す。

 

ベルディア「き、貴様巫山戯るなよ!俺がその気になれば、この街の住人を、皆殺しに出来るんだぞ!」

アクア「あぁん!?アンデットの癖に生意気よ!私が浄化してあげるわ!」

 

 アクアは浄化魔法の準備を始める。

 そして放った。

 

アクア『ターン・アンデット!』

 

 さて、アクアの浄化魔法の効果は一体?

 

ベルディア「駆け出しプリーストの浄化魔法が通じると思って…………ギャアアアアアア!!」

 

 凄い。効いた。

 馬は完全に消滅したが、当のベルディアは地面を転がっていた。

 ベルディアには一応効いてるみたいだな。

 

アクア「な、私の浄化魔法が、効いてない!?」

カズマ「ギャアアアって言ってたし、効いてるんじゃないのか?」

ジョージ「そのようだね。」

 

 カズマの言う通り、効いてはいる。

 だが、仮にも魔王軍幹部が、プリーストの浄化魔法にあっさりやられてはダメなので、おそらく魔王がそこら辺の強化を行なっているのだろう。

 

ベルディア「グゥッ!ゼェ!ゼェ!一応言っておく。俺は魔王様より神聖魔法に対する耐性を獲得している。しているのだが………この街は一体なんなんだ!リバイとバイスといい、貴様といい、お前ら駆け出しか?ここは駆け出し冒険者が集まる所なんだろ!?」

 

 まあ、駆け出しなのは、間違い無いけど。

 すると、ベルディアがふらつきながら立ち上がる。

 

ベルディア「まぁ良い。わざわざこの俺が相手をするまでもない。『眷属召喚』!アンデットナイト達よ、この者達に地獄を見せてやれ!」

 

 眷属召喚というスキルを使ってアンデットを大量に召喚する。

 これってまさか。

 

カズマ「あ!あいつ、アクアの浄化魔法が予想以上に効いて、ビビったんだぜ!」

アクア「うんうん。」

ミツルギ「流石アクア様です!」

ジョージ「居たんだ、君。」

 

 ミツルギも居たんだ。

 まあ、あんなに効いたら、警戒するのも無理はないと思うが。

 

ベルディア「ち……違うわ!いきなりボスが戦ってどうする!まずは雑魚から………。」

アクア『セイクリッド・ターン・アンデット!』

ベルディア「ヒャァァァァァ!!あぁ、目が!目が!」

 

 ベルディアが言い終わる前にアクアが問答無用で上位の浄化魔法を放った。

 地面をのたうち回っているぐらいは効いているだろう。

 だが、流石に黒い煙が出ていた。

 

アクア「ど………どうしよう、カズマ、私の浄化魔法が効かない!」

カズマ「ヒャァァァァって言ってたし効いてるんじゃないのか?」

真澄「効いてる…………のだろうな。」

 

 何だろう。

 物凄く、緊張感が無い。

 本当に魔王軍幹部が来ているのにも関わらずにだ。

 

ベルディア「ブハァ!!………もう良い!街の住人を皆殺しにする。」

冒険者「不味い!早くプリーストを呼べ!」

冒険者「誰か!教会から聖水を持ってきて!」

 

 アンデットナイトがアクセルに迫ってきた。

 俺らも変身しようと構えるが。

 様子がおかしい。

 

ベルディア「ハッハッハッ!さあ、お前達の絶望の叫びをこの俺に……!……うん?」

冒険者「………うん?」

アクア「………え?」

 

 アンデットナイトは向かっていた。ある一点に向かって。そこに居たのは。

 

アクア「……え?……え!イヤァァァァァ!!」

 

 アクアだった。

 どういう訳かアクアに殺到していた。全ての個体が。

 

アクア「何で私ばっかり狙われるの!?私女神なのに!日頃の行いもいい筈なのに!?」

バイス(お前がそれを言うか!?)

ジョージ「君、日頃の行いは悪いじゃないか。」

ダクネス「あぁ!ずるい!私も日頃の行いはいい筈なのにどうして?」

真澄「なぜ羨ましがるんだ?」

カズマ(成程。アンデットは迷える魂だから本能的に女神に救いを求めてるのだな。)

 

 まあ、アクアがアンデッドナイトに引き付けられてるのは、チャンスだ。

 どうにかして、アンデッドナイトを全滅させれば………!

 

結斗「めぐみん、爆裂魔法で一掃出来ない?」

めぐみん「いやぁ、あんなに纏りがないと撃ち漏らしが出るのでは…………。それにアクアが巻き込まれますよ。」

 

 まあ、それもそうか。

 しょうがないな。

 

結斗「よし!めぐみんは爆裂魔法の準備!撃つタイミングはカズマに一任する。」

カズマ「俺!?」

結斗「大丈夫だ。お前なら出来る。ちょっくら行ってくるわ。」

ジョージ「なら、これを使いたまえ!」

 

 狩崎さんはそう言って、プテラバイスタンプを渡す。

 

結斗「はい!行くぞ、バイス!」

バイス(あいよ!)

 

 俺は、腰にリバイスドライバーを装着して、プテラバイスタンプを起動する。

 

プテラ!

 

結斗「ハァァ…………。フッ!」

 

 俺は、プテラバイスタンプに息を吹きかけて、リバイスドライバーのオーインジェクターに押印する。

 

Come On!プ・プ・プテラ!

Come On!プ・プ・プテラ!

バディアップ!

 

結斗「変身!」

バイス「よォ〜し、行ってみよう!」

 

 俺はそう叫んで、プテラバイスタンプを一回倒す。

 

上昇気流!一流!翼竜!プテラ!

Flying by!Complete!

 

 俺は翼竜の代表的存在のプテラノドンと、人の夢を守る為に戦った4番目の平成ライダーの仮面ライダーファイズがモチーフになったプテラゲノムへと変身する。

 バイスが、ホバーバイクみたいな形になって、俺の隣に滞空する。

 

結斗「行くぞ、バイス!」

バイス「あいよ!」

カズマ「バイスがホバーバイクみたいになったぞ…………。」

めぐみん「かっこいいです!ホバーバイクとやらが何かは、知りませんが!!」

 

 カズマが呆然として、めぐみんが目を輝かせる中、俺はアクアの方へと向かう。

 

結斗「アクア!飛び乗れ!」

アクア「嫌よ!何で悪魔なんかに乗らないといけないの!?」

バイス「ちょっと!そんな事言われると、俺っちショックなんだけど!!」

結斗「つべこべ言うな!このままアンデッドナイトに追われてて良いのかよ!?」

アクア「あ〜!もう!分かったわよ!乗れば良いんでしょ!?乗れば!!」

 

 アクアは、少々嫌がりながらも、プテラゲノムになったバイスに飛び乗り、俺とバイスは、ベルディアに向かっていく。

 ただし、アンデットナイトとは微妙な距離感を保って。

 

カズマside

 

 結斗の奴、俺に任せるって言って変身して、ホバーバイクで爆走して、アクアを回収して、ベルディアに向かっていった。

 

カズマ「なるほどな。そう言う事か。」

めぐみん「えぇ!絶好のシュチュエーションですよ!」

ミツルギ「しかし、女神様を危険に晒すのはどうかと思うが?」

カズマ「あいつなら大丈夫だ。」

ジョージ「さすがは、プテラゲノムだ!」

真澄「そうだな。」

 

 そしたら、ベルディアを通過して、アンデットナイトもベルディアに近づいた。

 

カズマ「めぐみん、やれ!」

めぐみん「分かりましたよ!『我が名は、めぐみん!紅魔族随一の魔法使いにして、爆裂魔法を操る者!我が力見るがいい! エクスプロージョン!』」

 

 めぐみんの詠唱が完了し、虹色の星が輝き始める。

 詠唱の内容違うけどいいのか?

 結斗達は離れているから問題無しだろう。

 ベルディアに爆裂魔法が炸裂し。

 

ベルディア「ギャアアアアアア!!」

 

 と言う叫び声が聞こえた。

 

結斗side

 

 俺が、プテラゲノムになったバイスでベルディアの横をスレスレで避けて、後ろから爆裂魔法が炸裂した。

 相変わらず凄えな。

 まあ、めぐみんは戦闘不能になった訳だが。

 

めぐみん「我が爆裂魔法の前に誰も傷一つ残らないとは。はぁ………快感です。」

カズマ「おんぶは居るか?」

めぐみん「ああ…………お願いします。」

冒険者達「オオオオオオオォォォォォォ!!」

 

 冒険者達の歓声が上がった。

 

冒険者「やるじゃねぇか!頭のおかしい子!」

冒険者「名前と頭がおかしいだけで、やる時はやるじゃ無いか!」

冒険者「流石、頭のおかしい子だ!」

めぐみん「ムカッ。」

 

 めぐみんが暴れようとして、カズマに取り押さえられる。

 

カズマ「おい!落ち着けよ!」

めぐみん「離してください!あの頭のおかしい子と呼んだ奴らを血祭りにあげてやります!」

ジョージ「落ち着きたまえよ。」

真澄「やれやれ…………。」

 

 めぐみんの欠点は、喧嘩っ早いとこかな。

 俺は、カズマの元に戻り、バイスと共に、レックスゲノムになる。

 すると、クレーターから、何かが出てきた。

 それは、鎧が凹んでいるとはいえ、無事だったベルディアだった。

 

ベルディア「ふっふっふ、ハッハッハッ!」

カズマ「何!?」

結斗「嘘だろ!?」 

バイス「無事なのかよ!?」

めぐみん「そ、そんな……!?」

ジョージ「ヘイ、ヘイ、ヘ〜イ………!?」

真澄「無傷ではないが、無事だとはな………。」

 

 流石のめぐみんも驚いていた。

 あの爆裂魔法の直撃を受けて、無傷じゃないとは言え、生きているとは。

 だが、アンデットナイトは全滅できた。

 

ベルディア「面白い!面白いぞ!まさか配下を全滅されるとはな!!それに…………あのお方の言う通りだな。これを使ってみるとしようか!」

ジョージ「アレは…………!?」

真澄「バイスタンプ…………!?」

 

 そう言って、ベルディアが取り出したのは、バイスタンプだった。

 ベルディアは、バイスタンプを起動する。

 

サーベルタイガー!

 

 ベルディアは、サーベルタイガープロトバイスタンプを起動して、自らに押印する。

 すると、ベルディアは、サーベルタイガー・デッドマンのフェーズ2になる。

 

結斗「えっ!?」

バイス「嘘だろ!?」

ベルディア「覚悟せよ!冒険者共!俺を本気にさせた事、後悔しながら地獄へと行くがいい!」

 

 どうやら、ここからが本番らしいな。

 というより、何でベルディアはバイスタンプを持ってたんだ!?

 気になる事は色々とあるが、気を引き締める。




今回はここまでです。
ベルディアが、サーベルタイガー・デッドマンになりました。
その為、借金は発生しません。
次回、ベルディアとの決着がつく時です。
ベルディアを、デッドマンに変身させた理由としては、ギフの復活の為です。
ギフは、ギフテクスを取り込んで、復活したので。
その為、これから登場する魔王軍幹部は、一部を除いて、プロトバイスタンプを持っています。
何故、プロトバイスタンプを、魔王軍が持っているのかは、次回明かします。
ギーツとリバイスの映画である、MOVIEバトルロワイヤルが、いよいよ今月に公開しますね。
このすばとギーツ側で、MOVIEバトルロワイヤルの話をやるので、この小説は、そのMOVIEバトルロワイヤルの物語に巻き込まれる感じです。
そもそも、本家リバイスとは、違う終わり方にする予定なので。
感想、リクエストは、絶賛受け付けています。
更新が遅れてしまい、申し訳ありません。
リクエストは、下記のリンクから受け付けます。
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第7話 魔王軍幹部との戦い(後編)

ベルディア「覚悟せよ!冒険者共!俺を本気にさせた事、後悔しながら地獄へと行くがいい!」

 

 ベルディアは、サーベルタイガー・デッドマンになる。

 

ベルディア「こうだったかな…………。」

 

 更に、別のバイスタンプを取り出す。

 それは、ギフジュニアのバイスタンプだった。

 

ジュニア!

 

 ベルディアが、ギフジュニアバイスタンプを地面に押印すると、ギフジュニアが現れる。

 

結斗「何でバイスタンプを!?」

バイス「どうなってんの!?」

ジョージ「とにかく!倒すぞ!」

カズマ「おう!」

真澄「私も行こう。」

 

 そう言うと、真澄さんも前に出る。

 

カズマ「真澄さん!?」

ジョージ「ダディー!?何をするつもりだ!?」

真澄「私は……………元太の様にはなれないかもしれない。それでも、私なりにやってみせるさ。」

 

 そう言うと、ベイルドライバーを取り出す。

 それを見ていた狩崎さんは、驚愕の表情を浮かべるが、すぐに顔を引き締める。

 今は、ベルディアを倒す事が先決なのだ。

 カズマ、狩崎さん、真澄さんは、それぞれのドライバーを装着する。

 そして、バイスタンプを起動する。

 

スパイダー!

ジュウガ!

カブト!

Deal……!

 

 それぞれのバイスタンプを起動した後、カズマと真澄さんは、それぞれのドライバーの上部に押印して、狩崎さんは、ジュウガドライバーに装填する。

 

レックス!メガロドン!イーグル!マンモス!プテラ!ライオン!ジャッカル!コング!カマキリ!ブラキオ!

 

 それぞれの待機音が流れる中、三人は叫ぶ。

 

「「「変身!」」」

 

 カズマと真澄さんは、バイスタンプをそれぞれのオーインジェクターに押印して、狩崎さんは、バイスタンプを倒す。

 

Decide up!

Deep.(深く)Drop.(落ちる)Danger.(危機)

(仮面)Rider Demons!

スクランブル!

十種の遺伝子、強き志!

爆ぜろ、吼えろ、超越せよ!

仮面ライダージュウガ!

Go Over…!

Bane Up!


『破壊!(Break)世界!(Broke)奇々怪々!(Broken)

仮面ライダーベイル!

 

 カズマは仮面ライダーデモンズに、狩崎さんは仮面ライダージュウガに、真澄さんは仮面ライダーベイルに変身する。

 俺とバイスも合流して、ベルディアとギフジュニアを見つめる。

 

結斗「皆…………行くぞ!」

バイス「あいよ!俺っち、全力全開!#ハッスルバイス!レッツゴー!」

カズマ「おう!」

ジョージ「ああ!ダディーも、遅れるなよ?」

真澄「分かっているさ!」

 

 俺たちはそう言って、ベルディアの方へと向かっていく。

 その際に、狩崎さんから、ジャッカルとメガロドンのバイスタンプを受け取っておいた。

 俺たちは、それぞれの手段で、ギフジュニアを倒していく。

 俺はオーインバスター、バイスはガンデフォン、カズマはモグラゲノミクス、狩崎さんと真澄さんは徒手空拳で倒していく。

 すると、背後から攻撃される。

 

結斗「うわっ!」

バイス「のわぁぁ!?」

カズマ「は、速い!?」

ジョージ「結斗!ジャッカルバイスタンプを使いたまえ!」

真澄「急げ!」

結斗「はい!バイス!行くぞ!」

バイス「あいよ!」

 

 俺は、レックスバイスタンプを抜いて、ジャッカルバイスタンプを起動する。

 

ジャッカル!

 

 俺は、リバイスドライバーのオーインジェクターに、ジャッカルバイスタンプを押印する。

 

Come on!ジャ・ジャ・ジャ・ジャッカル!

Come on!ジャ・ジャ・ジャ・ジャッカル!

 

 待機音が流れる中、俺は、ジャッカルバイスタンプを一回倒す。

 

バディアップ!

テクニカル!リズミカル!クリティカル!ジャッカル!

ノンストップでクリアしてやるぜ!

 

バイス「いよっしょお!」

 

 スケートボード状になったバイスを俺が持つ。

 俺とバイスは、イヌ科の肉食獣のジャッカルと、天才ゲーマーにしてドクターたる平成18番目のライダー、仮面ライダーエグゼイドをモチーフにしたジャッカルゲノムへと変身する。

 

バイス「うっそーん!俺っち板なの?ねぇ、板になっちゃったの!?」

 

 そう。

 リバイスのジャッカルゲノムの特徴は、バイスがスケボーになる事だ。

 それを見たベルディアは。

 

ベルディア「そんな物、こけおどしだ!」

 

 そう言って、高速移動をする。

 

結斗「逃すか!」

 

 俺は、バイスに乗って、ベルディアを追う。

 

必殺!軽々!乗っかる!ジャッカル!

 

 ジャッカルゲノムのリミックス変身音が鳴り、リバイスジャッカルになる。

 ただ、スケボーに乗っているだけなのだが。

 

カズマ「え!?スケボー!?」

ジョージ「これが、速くてかっこいいゲノムさ!」

 

 2人がそう言う中、俺はベルディアの横に行き、オーインバスターで攻撃する。

 

バイス「ァァァ!!やめて、やめて、やめて!」

 

 俺が、オーインバスターでの攻撃と同時に、蹴りを入れて、ベルディアから少し離れる。

 

バイス「ねぇ、強く踏み込まないで!」

結斗「しょうがないだろ!しっかり前に集中しろ!」

バイス「なら、顔はやめて!アアッ!」

 

 俺は、バイスにそう言って、ベルディアに向かって行き、回し蹴りをする。

 一方、カズマ達は。

 

カズマ「ハアッ!オラっ!」

 

 カズマは、デモンディグゾンを振るって、ギフジュニアを倒していた。

 

狩崎「ヘイヘ〜イ!これでどうだい!?」

 

インパルスゲノムエッジ!

 

 狩崎さんは、インパルスゲノムエッジを発動して、高速移動をしながらギフジュニアを倒していく。

 

真澄「ハアッ!フッ!」

 

 真澄さんは、攻撃する度に赤黒い衝撃波が出て、その衝撃波で、ギフジュニアを倒していく。

 俺も、攻撃していく。

 

結斗「ハアッ!」

ベルディア「ぬっ…………!ハアッ!」

 

 俺のオーインバスターとベルディアの腕についている牙で、攻撃するが、手数はベルディアの方が多く、少し押され気味だった。

 

結斗「くっ…………!」

ベルディア「どうした?そんなもんか?」

結斗「な訳…………ねぇだろ!」

 

 俺は、リバイスドライバーからジャッカルバイスタンプを抜いて、メガロドンバイスタンプを構える。

 

メガロドン!

 

 俺はオーインジェクターに、メガロドンバイスタンプを押印する。

 

Come On!メガロドン!

Come On!メガロドン!

 

 そして、バイスタンプゴースロットに装填して、倒す。

 

バディアップ!

潜るドンドン!ヨーイドン!ドボン!メガロドン!

通りすがりのハハハハンター!

 

バイス「シャァク……くぅ〜!サメちゃん姿もイカすぜ!」

 

 俺とバイスは、絶滅した巨大なサメのメガロドンと、世界の破壊者こと10番目の平成ライダー、仮面ライダーディケイドがモチーフになったメガロドンゲノムになる。

 

アクア「ええっ!?なんか、ディケイドに似てるんだけど!?」

めぐみん「ディケイド?」

ダクネス「ディケイドとは、何だ?」

 

 アクアが、ディケイドに似た見た目のメガロドンゲノムに反応していた。

 まあ、世界の破壊者だからな。

 俺は、ディヴァインソードを振るい、ベルディアにダメージを与える。

 バイスは、サメの顎のオーラを纏った回し蹴りを放つ。

 

ベルディア「グゥゥゥゥ…………!」

 

 ベルディアは、ダメージを受けた事が理由か、かなり弱っていた。

 そこに、ギフジュニアを殲滅したカズマ達がやって来る。

 

カズマ「あとは、アイツだけか!」

ジョージ「その様だね!」

真澄「皆!一気に止めを刺すぞ!」

結斗「はい!バイス!リミックス行くぞ!」

バイス「待ってました!」

ジョージ「カズマ君!これを使いたまえ!」

カズマ「はい!」

 

 俺はメガロドンバイスタンプを一回倒し、操作して、カズマはデモンズノックを押し、バッタバイスタンプを構える。

 

リミックス!

add……!

バッタ!

 

 そして、俺はもう一回メガロドンバイスタンプを倒して、カズマは、デモンズドライバーの上部に押印して、オーインジェクターに押印する。

 

バディアップ!

 

 バイスが逆立ちして、俺がバイスの足を持つと、メガロドンの紋章が重なる。

 

必殺!何トン?メガトン!メガロドン!

Dominate up!

バッタ!ゲノミクス!

 

 俺とバイスは、リバイスメガロドンに、カズマはデモンズのバッタゲノミクスになる。

 そして、俺とバイスが、空中を泳ぐように動いてベルディアの方へと向かい、ベルディアを咥える。

 

ベルディア「な、何っ!?離せ!」

 

 ベルディアは、脱出しようと踠くが、そう簡単には脱出させない。

 ベルディアを引き摺る中、残りの三人は、必殺技の体勢に入る。

 

More!

charge!

 

 そして、三人は必殺技を発動する。

 

バッタ!デモンズレクイエム!

アメイジングフィニッシュ!

ベイリングインパクト!

 

 三人は、大きくジャンプして、空中にいるベルディアへと向かっていく。

 俺とバイスも、必殺技を発動する。

 

メガロドン!スタンピングフィニッシュ!

 

「「「「「ハァァァァ!!」」」」」

ベルディア「グワァァァァ!!」

 

 カズマ達のライダーキックと、俺とバイスの突進が、ベルディアに決まる。

 そして、俺とバイスは、リミックスを解除して着地する。

 

バイス「それでは皆さん〜、3!2!1!メ・ガ・ロ・ド〜ン!」

 

 バイスのカウントダウンと共に、ベルディアは爆発する。

 俺、バイス、カズマ、狩崎さん、真澄さんは変身解除する。

 ベルディアの方を向くと、デッドマンとしての姿ではなく、普通にデュラハンとしての姿だった。

 

ベルディア「見事だ…………名を聞かせてもらえないか…………?」

結斗「前田結斗、仮面ライダーリバイ。」

バイス「俺っちはバイス!仮面ライダーバイスだぜ!」

カズマ「佐藤和真、仮面ライダーデモンズ。」

ジョージ「ジョージ・狩崎、仮面ライダージュウガさ。」

真澄「狩崎真澄、仮面ライダーベイル。」

ベルディア「仮面ライダーか…………。一つ、教えておこう。このバイスタンプとやらは、ギフという存在から受け取った。」

 

 やっぱりか。

 そう思っていると、ベルディアは徐々に消滅し始める。

 

ベルディア「貴様らの強さは見事だ。騎士として誇りに思う。それではな…………。」

 

 ベルディアは、消滅した。

 ベルディアから出た光の粒子が、どこかへと向かっていく。

 こうして、俺たちは魔王軍幹部の1人であるベルディアを撃破できた。

 ただ、ミツルギが思い詰めていたが。

 一方、魔王城の地下にあるとある棺に、ベルディアだった光の粒子が吸い込まれていく。

 

???「まずは1人……………。ギフ様の復活は、着実に行っているな。」

 

 そう言う男性が居た。

 その男性が見つめる棺は、まさに、ギフの棺だった。

 その翌日、俺たちの前に、ミツルギが現れる。

 

結斗「何だよ?」

バイス(魔剣の勇者って言われてるけど、大した事ない奴じゃん!)

ジョージ「何の用だい?」

ミツルギ「僕も……………仮面ライダーにして欲しいんだ!」

真澄「唐突だね…………。」

ジョージ「what's?カズマ君に負けた君が?」

ミツルギ「今のままじゃあ、アクア様の期待に応える事が出来ない!だから…………!」

 

 ミツルギはそう言って、頭を下げる。

 それを見た狩崎さんは、無言で一つのアタッシュケースを取り出す。

 

ジョージ「なら、君にこれを使いこなせるのかい?」

 

 そう言って、狩崎さんがアタッシュケースを開けると、デモンズドライバーとクワガタバイスタンプが入っていた。

 

ミツルギ「これは…………佐藤和真と一緒のドライバー…………!?」

ジョージ「君は、このデモンズドライバーを使いこなす覚悟があるのかい?」

ミツルギ「覚悟…………。」

結斗「狩崎さん…………。」

バイス(カリちゃん…………。)

 

 俺とバイスが、狩崎さんとミツルギのやり取りを見守る。

 ミツルギは、しばらくの沈黙の末、答えを出す。

 

ミツルギ「……………ああ!僕も、使いこなしてみせる!」

ジョージ「そうか…………。なら、着いてきたまえ。」

 

 そう言って、狩崎さんは、ミツルギを連れて行く。

 しばらくして、戻ってきた。

 おそらく、ギフの遺伝子を埋め込んだのだろう。

 ミツルギは、覚悟を決めた表情で、そのアタッシュケースを持って行く。

 その後、俺たちがギルドに向かうと、中はお祭り騒ぎになっていた。

 

アクア「あっ!ちょっとカズマ、結斗、狩崎親子!遅かったじゃないの!もう既に、皆出来上がってるわよ!」

結斗「出来上がってるじゃないよ。ベロンベロンじゃねぇか。」

バイス(酔っ払いアクアの出来上がりですな!)

ジョージ「まあ、魔王軍幹部を倒したからね。たまには良いんじゃないかい?」

めぐみん「あ!カズマ、結斗、ジョージさん、真澄さん!聞いて下さい!ダクネスが、私にはお酒は早いと、どケチな事を………!」

ダクネス「いや待て、ケチとは何だ、そうではなく………!」

ルナ「カズマさん、結斗さん、お待ちしておりましたよ。」

 

 そこに、ルナさんがやって来る。

 何だ?

 

ルナ「カズマさんと結斗さんのパーティーには、特別報酬が出ているんです。」

カズマ「え?何で………?」

荒くれ者「魔王軍幹部を倒すなんてな。俺は最初から、お前らの中の輝きを信じてたぜ。」

カズマ「俺の中の、輝き………?」

荒くれ者「地獄の入り口に光が差すな。古い言い伝えだが。」

結斗「そんな言い伝え、あったんだ。」

冒険者「それに、2人のパーティーが居なかったら、デュラハンなんて倒せなかったしな。」

 

 そうだな。

 すると、ルナさんが口を開く。

 

ルナ「サトウカズマさんと前田結斗さんのパーティーには、3億エリスが贈呈されます!」

「「「「「「さっ!?」」」」」」

 

 すると、ギルド内から、奢れコールが来る。

 カズマ、アクア、めぐみん、ダクネスが集まって話してる中、狩崎さんは言った。

 

ジョージ「ちょっと待ちたまえ!これは、私の研究の為にも使わせてもらうからね!」

めぐみん「私も仮面ライダーになりたいですよ!」

 

 そんな風に和気藹々と盛り上がって行く。

 たまには、こういうのも悪くないな。

 前世では、絶対に体験する事が無かったであろう光景だ。

 すると、バイスが話しかけてくる。

 

バイス(結斗!今日は楽しもうぜ!)

結斗「バイス…………。そうだな!たまにはパーってやるか!」

バイス(そうこなくっちゃ!)

 

 俺とバイスはそう話して、パーティーに混じる。

 バイスを実体化させて、食べ物を食べさせた。

 バイスとなら、一緒に生きていける。

 そんな気がするな。




今回はここまでです。
アクアがセイクリッド・クリエイト・ウォーターを使わなかったので、借金は負いません。
そして、ミツルギがオーバーデモンズの資格を得ます。
ミツルギと牛島光は、似ていると思いまして。
とある女性の人を守ろうとする感じが。
今回の話で、原作の第1巻に相当する話は終わりです。
リアは、変身させる予定ですが、どんな仮面ライダーにしましょうか?
現状思いついているのは、デモンズドライバーをベースにして、トンボのバイスタンプを使って変身する感じです。
もし、違う方が良いという人がいれば、目次のリンクから、その活動報告に行けるので、そこからリクエストをお願いします。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。


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第2章
第8話 対決!冬将軍!


 魔王軍幹部、ベルディアを倒して、しばらくが経った。

 俺は、狩崎さんの研究室に顔を出す。

 首にぶら下げたガンデフォンには、バイスが映っていた。

 

結斗「狩崎さん。」

バイス「やっほ〜!カリちゃん!」

ジョージ「ん?……………ああ、君たちか。丁度良かったよ。」

結斗「ん?」

バイス「どういう事?」

ジョージ「これを、渡そうと思ってね。」

 

 そう言って、狩崎さんは、一つのバイスタンプを渡してくる。

 それは、ライオンバイスタンプだった。

 

結斗「ライオンバイスタンプ…………。」

ジョージ「丁度、完成した、出来立てホヤホヤさ!使ってくれたまえ!」

バイス「サンキュー、カリちゃん!」

結斗「ありがとうございます!」

ジョージ「いやいや。それに、完成したよ!この二つがね!」

 

 そう言った狩崎さんは、机に置いてある物を指差す。

 そこには、ツーサイドライバーとリベラドライバーが置いてあった。

 

結斗「ツーサイドライバーにリベラドライバー!完成したんですね!」

ジョージ「that's right!…………ただ、誰が使うかなんだけどね。アクアは確実に嫌がるだろうしね。」

バイス「アクアって、妙に俺っちを嫌うしね!」

 

 まあ、アクアはああ見えて、女神だしな。

 悪魔の力を使うリバイス系列のライダーシステムは嫌うか。

 すると、そこに真澄さんが入ってくる。

 

真澄「やあ、結斗君。」

結斗「お邪魔してます。」

バイス「カリちゃんパパ、やっほ〜!」

真澄「やあ。ジョージ、準備は出来たか?」

ジョージ「ああ。」

 

 そう言う真澄さんは、外に出る格好をしていた。

 よくよく見ると、狩崎さんも、外に出る格好をしていた。

 

結斗「どこかに出かけるんですか?」

ジョージ「ああ。ちょっと、王都の方に行ってくるよ。」

バイス「えっ?何しに行くの?」

ジョージ「私が開発したデモンズトルーパーを売り込みに行くのさ。」

真澄「実は、私は、ベルゼルグの王族に色々と物を売っていてね。王国自体の戦力の強化の為に、デモンズトルーパーを提供する事になったのだ。」

 

 なるほど。

 確かに、デモンズトルーパーなら、ギフの遺伝子を持っていなくても、変身出来るしな。

 魔王軍側に、ギフがいる可能性は高いしな。

 俺たちが納得していると、狩崎さんは、俺に話しかける。

 

ジョージ「あ、そうそう。ライオンバイスタンプなんだけど、リミックスも使って欲しい。」

結斗「リミックスも?」

ジョージ「色々とデータを取ってはいるが、君と一輝とでは、データに僅かに違いがある事が分かってね。バリッドレックスの完成の為にも、頼むよ。」

バイス「任せてくれよ!」

真澄「では、行ってくる。」

 

 そう言って、狩崎親子は、ベルゼルグ王国の王都へと向かって行った。

 あの2人なら、うまくやってくれるよな。

 そう思い、俺はカズマ達の方へと向かう。

 すると、バイスが話しかけてくる。

 

バイス「なあ、結斗。」

結斗「ん?」

バイス「俺っち達、良いコンビだよな?」

結斗「ああ。良いコンビだよ。」

バイス「そっか…………そうだよな!へへっ!」

 

 俺とバイスは、そんな他愛のない話をして、ギルドに向かう。

 そこには、カズマ達も居た。

 

結斗「よお、カズマ!」

カズマ「ああ、結斗。」

バイス(おっはよ〜さん!イカしてる悪魔のバイスの到着だぜ!)

 

 俺はカズマに話しかける。

 すると、アクアが叫ぶ。

 

アクア「クエストに行きましょう!」

バイス(おお、何か唐突!)

結斗「どうしたんだよ、いきなり。」

カズマ「こいつ、ベルディアを倒した報酬金を、使い切ったんだと。」

結斗「は?」

 

 え?

 ベルディアを倒した報酬金を使い切った!?

 一部は、狩崎さんが研究費として受け取っていたけど、それでも、結構あった筈だろ!?

 すると、俺たちに泣きついてくる。

 

アクア「お願いよ〜!私、このままじゃあ、生活出来ないの!助けてよ〜!」

バイス(結斗。アクアって、金遣い荒いよな!)

結斗「そうだな。…………そもそも、アクアが金遣いが荒いのが原因だろ?」

アクア「待って!そもそも、ジョージが、あんな悪魔の力を使う仮面ライダーの研究費なんかに突っ込むのが悪いのよ!」

カズマ「こいつ、開き直りやがった…………!」

アクア「そもそも、仮にも女神であるこの私を、毎日毎日馬小屋になんかに泊めてくれちゃって、恥ずかしいと思わないんですか?分かったら、仮面ライダーの力で、もっと私を贅沢させて!もっと私を甘やかして!」

 

 カズマがそう言う中、アクアはあまりにも舐めた事を言い出す。

 ダメだこりゃ。

 

カズマ「そう言うんだったら、お前1人で稼いでみろよ。」

アクア「待って!お願い!見捨てないで!」

 

 カズマがそう言うと、アクアはすぐに泣きつく。

 本当に女神なのかどうか、疑う光景だよな。

 すると、めぐみんとダクネスがやって来る。

 

ダクネス「朝から何を騒いでいるんだ。」

めぐみん「クエストに行くんですか?」

アクア「え、ええ、そうよ!」

結斗「調子良いんだから。」

バイス(本当に女神なのかよ?)

 

 俺とバイスは呆れつつ、周囲を見渡す。

 他の冒険者は、朝から酒を飲んでいた。

 めぐみん曰く、ベルディア討伐の報酬は、参加した冒険者全員に支払われたそうで、懐が暖かく、わざわざ冬の冒険に出かける気はないそうだ。

 仕方なく、アクアの金稼ぎに付き合う事にした。

 クエストを見ると、雪精討伐のクエストがあった。

 雪精とは、冬場に宙を漂っている存在で、低レベル冒険者でも楽に倒せる。

 1匹倒すたびに冬が半日縮まるという謎な生態がある。

 しかし、そんな楽なのにも関わらず、高額報酬だと言う。

 絶対裏があるだろ。

 そう思って受けていないのだが、こうなっては背に腹は変えられないという事で、俺たちはそのクエストを受ける事にした。

 その際、ダクネスの顔が妙に赤い事が少し気になった。

 という訳で、冬服に着替えて、雪精討伐を行う事にした。

 移動は、徒歩で行った。

 流石に、バイスのプテラゲノムでは、全員を運べなさそうなので。

 俺たちは、それぞれの武器で雪精を倒す事にした。

 ちなみに、バイスも実体化させる事に。

 だが、一つ、突っ込みたい。

 

結斗「お前、何でそんな格好をしてんだ?」

バイス「真冬にセミ採りをするバカな子供みたいじゃねぇか!」

 

 俺は、冬に使うコートを着て捕虫網といくつかの小さい瓶を抱えた、冬場、セミ採りに行くバカな子供の様なアクアの格好に、呆れて言った。

 すると、アクアは見下した顔で言ってくる。

 

アクア「はあー?あんた達、バカなの?」

 

 この野郎。

 俺より知恵のステータス低いだろうが。

 

アクア「これで雪精を捕まえて、この小瓶の中に入れておくの!で、そのまま飲み物と一緒に箱にでも入れておけば、いつでもキンキンのネロイドが飲めるって考えよ!つまり、冷蔵庫を作ろうって訳!どう?頭いいでしょう!」

 

 なんかオチが読めそうだが、本人が勝手にやる事なので好きにやらせておこう。

 どうせ、泣くのはアクアなんだしな。

 ダクネスには、カズマが尋ねていた。

 

カズマ「お前、鎧はどうした?」

ダクネス「修理中だ。」

 

 ダクネスは、鎧も着けずに私服姿で、剣だけを持っていた。

 

カズマ「ダクネスはそんな格好で本当に寒くないのか?」

ダクネス「……問題ない。ちょっと寒いが……我慢大会みたいな物と……思えば。」

 

 どうやら頭の温かい変態は、基本体温も高めらしいな。

 めぐみんは、いつもの服ではなく、首から太腿まで覆える黒のインナーを着用しており、足には黒のブーツ、白のケープを纏っている。

 手にも白色のグローブに、頭は猫みたいな意匠のフードを被っている。

 

カズマ「めぐみんは寒くないのか?この中でも1番薄着だろ。」

めぐみん「大丈夫ですよ。私は基本体温は高めでインナーも保温性が高いので。」

カズマ「そうか。」

結斗「じゃあ、雪精討伐、始めるか!」

バイス「あいよ!」

アクア「見てなさいよ、悪魔!私の方が倒してみせるわよ!」

バイス「望む所だぜ!」

 

 そうして、俺たちは討伐を開始する。

 俺は、オーインバスター50のガンモードやアックスモードで、雪精を倒していく。

 バイスやカズマは、ガンデフォンを使って、雪精を倒していく。

 アクアは、虫取り網で雪精を捕まえていた。

 ダクネスは、まあ、戦力外だしな。

 めぐみんは、爆裂魔法を撃って、雪精を倒す。

 だが、本当に気になるな。

 

結斗「なぁ。」

カズマ「ん?」

結斗「何で、こんなに報酬があるのに、誰もやらないんだろうなって。」

カズマ「確かに………。」

バイス「そんな事、どうでも良いじゃん!稼げるんだからさ!」

 

 すると、ダクネスが叫ぶ。

 

ダクネス「出たぞ!」

「「!?」」

 

 ダクネスの視線の先には、冷気が立ち込めていてよく見えないが、なんか鎧武者のようなやつがいて、日本刀を構えていた。

 

カズマ「なんだあれ!?」

ダクネス「ワクワク!」

結斗「え?」

 

 何でダクネスが喜んでんだ?

 ていうか、アイツは何?

 めぐみんは、死んだふりをしていた。

 

アクア「ねぇ、カズマ、結斗。」

カズマ「何だ?」

アクア「貴方達も日本に住んでいたなら、何度か天気予報で聞いた事があるでしょう。」

結斗「天気予報?」

バイス「何言ってんの?」

 

 こんな時に何言ってんだ。

 

アクア「雪精の主にして、この世界の、冬の風物詩、冬将軍の到来よ!」

「「はい?」」

 

 アクアがそう言った瞬間、冷気が晴れてそいつの全体図が顕になった。

 そいつは本当に鎧武者だった。

 なんか、怒ってるように見えるが。

 

ダクネス「冬将軍!……国から懸賞金が掛けられている特別指定モンスター!」

「「はぁ!!」」

 

 大体わかったぞ。なんで雪精討伐がこんなに楽なのに高額報酬が掛かっているのか。

 なんで誰も受けないのか。

 なんでダクネスが喜んでいたのか。

 全部こいつのせいか!

 

ダクネス「きっと将軍の地位を利用して私を手込めにするだろう……。できる限りは抵抗するが、力及ばず、組み伏せられて……。」

カズマ「バカー!この世界は!人もモンスターも食べ物もみんな揃って大馬鹿だァァァ!!」

結斗「本当にろくでもないな!」

 

 冬将軍は、駆け出してダクネスに襲っており、ダクネスは、剣で迎撃しようとするが、あっさり斬られる。

 

ダクネス「ああっ!剣が………!?」

カズマ「こいつヤバい!」

アクア「まあ、冬将軍も雪精なんですけどね。」

結斗「はい!?」

 

 アクア曰く、精霊は人が思った姿になる。

 だが、こんな冬にクエストに出るのは、余程の物好きか、チート持ちの日本人くらいしかいないそうだ。

 つまり。

 

カズマ「つまり、こいつは日本から来た誰かが、冬と言えば冬将軍のノリで連想したから生まれたのか!?」

結斗「なんて傍迷惑なんだ!!」

バイス「俺っちなら、もっとイカした姿にしてやったのに!」

結斗「言ってる場合か!」

 

 正直言って冬将軍を生み出した奴がこの場にいたなら、ぶん殴ってやりたい。

 ダクネスから一旦離れた冬将軍を見据えて、流石に変身せざるを得ないと判断して変身する。

 俺はリバイスドライバーを装着して、バイスは俺に吸い込まれる。

 カズマは、デモンズドライバーを装着する。

 俺とカズマは、それぞれのバイスタンプを起動する。

 

レックス!

スパイダー!

Deal……!

 

 俺は、レックスバイスタンプをオーインジェクターに押印して、デモンズレッドパッドに、スパイダーバイスタンプを押印する。

 すると、カズマの横に蜘蛛が現れ、待機音が流れる。

 

Come On!レ!レ!レ!レックス!

 

バイス「フハハハハハ!いやっほう!」

 

Come On!レ!レ!レ!レックス!

 

 俺とカズマはポーズを取って、叫ぶ。

 

「「変身!」」

 

 そう言って、俺はリバイスドライバーにレックスバイスタンプを装填して、一回倒し、カズマはデモンズドライバーのオーインジェクターに、バイスタンプを押印する。

 

バディアップ!

オーイング!ショーニング!ローイング!ゴーイング!

仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!

Decide up!

Deep.(深く)Drop.(落ちる)Danger.(危機)

(仮面)Rider Demons!

 

 俺とバイスは、レックスゲノムに、カズマはデモンズ・スパイダーゲノムに変身する。

 

結斗「行くぞ、バイス、カズマ!」

バイス「フハハハハハ!冬将軍がなんぼのもんじゃい!俺っち達の方が強いんだよ!」

カズマ「ああ!」

 

 俺達は、冬将軍と戦闘を開始する。

 俺はオーインバスターを、バイスはガンデフォンを使い、カズマは徒手空拳スタイルで戦っていく。

 だが、冬将軍に効いているのか、いまいち分からなかった。

 

バイス「これ、効いてんの?」

結斗「なら、ライオンバイスタンプだ!」

カズマ「モグラで行くか!」

 

 俺はライオンバイスタンプを構えて、カズマはデモンズドライバーのデモンズノックを押し、モグラバイスタンプを構える。

 

ライオン!

add……!

モグラ!

 

 俺は、リバイスドライバーのオーインジェクターにライオンバイスタンプを押印して、カズマはデモンズレッドパッドに、モグラバイスタンプを押印する。

 

Come on!ラ・ラ・ライオン!

Come on!ラ・ラ・ライオン!

 

 待機音が流れる中、俺はライオンバイスタンプをリバイスドライバーに装填して倒し、カズマはオーインジェクターにモグラバイスタンプを押印する。

 

バディアップ!

ガオーン!ゲットオン!野獣の王!ライオン!

見ててください!俺の雄叫び!

Dominate up!

モグラ!ゲノミクス!

 

結斗「ハアッ!」

バイス「ニャオ!」

カズマ「フッ!」

 

 俺とバイスは、百獣の王として知られるライオンと、皆の笑顔を守る為に戦った最初の平成ライダー、仮面ライダークウガがモチーフになったライオンゲノムになる。

 カズマは、右腕にデモンディグゾンを装着する。

 

結斗「行くぜ!」

バイス「あいよ!」

カズマ「おう!」

 

 俺とバイスは、足や手に炎を纏わせての攻撃をしていき、カズマはデモンディグゾンで攻撃していく。

 冬将軍も、反撃として、刀を振るってくるが、俺たちはそれを躱す。

 

結斗「よし!効いてるぞ!」

バイス「ごろにゃ〜ん!ねえ、結斗!いつものアレ、やっちゃおうよ!」

結斗「OK!」

 

 俺はバイスタンプを一回倒して、ボタンを押して、もう一回倒す。

 

リミックス!

バディアップ!

 

バイス「ウッヒョォ!結斗が下ね!」

結斗「え!?」

 

 ちょっ、配置が違う!?

 そう思う中、ライオンバイスタンプの紋章が重なって、招き猫の姿になる。

 

バイス「ニャ〜ン!猫ちゃん最強!」

カズマ「……………何やってんだ?」

アクア「ちょっと!ふざけないでよ!」

結斗「猫じゃない!ライオンだ!ライオン!!」

 

 俺がそう叫ぶと、変なリミックス形態は解除される。

 

バイス「あ。そうでした。じゃあ、失礼しまーす。」

結斗「わざとやってるだろ!?」

 

 今度は、正しい位置に行き、再びライオンバイスタンプの紋章が重なる。

 

バディアップ!

必殺!チャンピオン!爆音!ライオン!

 

 本当の意味で、リバイスライオンになる。

 

カズマ「悪いけど、乗っけてもらうぜ!」

 

 カズマがそう言って、俺たちの背中に乗る。

 そして、俺たちは冬将軍に向かって行き、引っ掻き攻撃と、カズマのデモンディグゾンでの攻撃で、ダメージを与えていく。

 冬将軍は、反撃なのか、斬撃波を放ってくる。

 俺達は、それを咆哮で打ち消す。

 

結斗「一気に行くぜ!」

バイス「おう!」

カズマ「ああ!」

 

 俺たちは、冬将軍の方に向かい、冬将軍を捕まえ、引っ掻きや齧ったりして攻撃していく。

 カズマも攻撃していく。

 

「「ハァァァァ!!」」

カズマ「オラっ!」

 

ライオン!スタンピングフィニッシュ!

モグラ!

charge!

デモンズフィニッシュ!

 

 俺たちの必殺技が、冬将軍に命中して、爆発する。

 俺たちは離れて、リミックスを解除する。

 冬将軍の方を見ると、煙が晴れていき、冬将軍は倒せなかったが、鎧にはヒビが入っていた。

 俺とカズマの力を認めたのか、そのまま消えていく。

 

カズマ「やったのか………?」

結斗「多分な。」

バイス「疲れたぜ!」

めぐみん「凄いですよ!冬将軍を倒すなんて!」

ダクネス「ああ!」

アクア「何よ……。やるじゃない。」

結斗「さて、今回はこのまま帰ろう。これ以上、冬将軍を怒らせちゃ不味いし。」

 

 そうして、俺たちはアクセルに帰ることに。

 俺たちは、アクセルに無事に着いた。

 俺たちのパーティは、かなり有名になった。

 何せ、冬将軍と遭遇しつつも、退け、雪精討伐を行えたのだから。

 アクアは冬将軍に気づかれない様に数匹の雪精を連れてきていて、夏にかき氷屋を開いたり、暑い夜に一緒に寝る等と語っていたが、そもそもの話、夏まで雪精が存在を保てるのかという疑問を感じた。

 何か、春になったら消えてるっていうオチが見えるな。

 こうして、何とか冬を越せそうだった。

 

ジョージside

 

 私たちは、王城に到着して、応接間に案内された。

 

真澄「まさか、王城に入るとはな。」

ジョージ「そうだね。」

 

 私とダディーがそう話す中、扉が開き、人が入ってくる。

 ダディーは立ち上がり、挨拶をする。

 

真澄「ご無沙汰しています。クレア殿。」

クレア「真澄殿。お待ちしておりました。………ところで、そちらの方は?」

真澄「私の息子の、ジョージだ。」

ジョージ「お初にお目にかかります。私は、ジョージ・狩崎です。」

クレア「なるほどな…………。ところで、今日は何を売りに来たのだ?」

真澄「ジョージ。」

ジョージ「ああ。本日は、これを売りに来ました。」

 

 私はそう言って、アタッシュケースを開ける。

 そこには、デモンズドライバーが二基と、スパイダートルーパーとクワガタトルーパーのバイスタンプが入っている。

 

クレア「これは?」

ジョージ「これは、デモンズドライバーという物です。」

クレア「デモンズドライバー…………?」

ジョージ「私から、説明させてもらいましょう。」

 

 私は、説明をした。

 このデモンズドライバーと、トルーパースタンプを使えば、デモンズトルーパーに変身出来るという事を。

 しかも、量産も出来ているという事を。

 それを聞いていたクレアという人物は、驚いていた。

 

ジョージ「……………以上で、説明を終わりにします。」

クレア「…………一つ、宜しいですか?」

真澄「何でしょうか?」

クレア「もしや、アクセルで噂になっている…………。」

???「仮面ライダーの仲間、ですね?」

クレア「っ!?」

 

 そう言って、1人の女性が入ってくる。

 

ジョージ「あなたは、もしや………!?」

アイリス「初めまして。私はベルゼルグ王国第一王女、ベルゼルグ=スタイリッシュ=ソード=アイリスです。」

 

 そう。

 第一王女だったのだ。

 私とダディーは、驚きつつ、挨拶をする。

 

ジョージ「お初にお目にかかります。私は、ジョージ・狩崎です。」

真澄「私は、狩崎真澄です。」

アイリス「いえ、畏まる必要はありません。」

 

 私とダディーがそう挨拶をすると、アイリス王女はそう言う。

 

アイリス「それで、貴方達は、魔王軍幹部の1人であるベルディアを倒した、仮面ライダーの仲間なのですか?」

 

 アイリス王女は、そう聞いてくる。

 私とダディーは、顔を見合わせ、事情を話す事にした。

 私たちが、仮面ライダーである事を、アクセルに、仲間の仮面ライダーが居ることを。

 すると、クレア殿が聞いてくる。

 

クレア「そういえばここ最近、ミツルギ殿も同じような物を持っていたような…………。あれも貴殿らが?」

ジョージ「はい。私が、彼にデモンズドライバーを授けました。」

アイリス「これを使えば、変身出来るのですか?」

真澄「はい。」

 

 まあ、そういう物だからね。

 すると、クレア殿が聞いてくる。

 

クレア「なるほどな……………。流石に、アイリス様には、相応しくない姿かと…………。」

ジョージ「まあ、あくまで量産型ですからね。」

アイリス「…………では、私も変身出来るような物を作って欲しいです。」

 

 王女は、そんな事を言い出してきた。

 え?

 

クレア「アイリス様、それは…………。」

アイリス「ベルゼルグの王家は、代々、勇者の血を引く家系です。それなのに、私だけ安全な場所で居たくないのです!」

クレア「それは………………。」

アイリス「勿論、私の立場は理解しています。それでも、私は民を守りたいのです!」

 

 アイリス王女は、そう言う。

 なら、答える必要があるかもね。

 

ジョージ「…………分かりました。」

アイリス「っ!じゃあ…………!」

ジョージ「ただし、少し時間を下さい。最高の仮面ライダーを仕上げてみせますよ。」

アイリス「はい!」

クレア「………………分かりました。真澄殿、ジョージ殿。そのデモンズトルーパーとやらは、買い取らせて貰おう。」

真澄「はい。」

 

 こうして、交渉は終わり、うまく行った。

 ただ、少し、ハードルを上げてしまったかな。

 まあ、やれるだけはやろう。

 私はそう決意した。




今回はここまでです。
冬将軍の討伐に、原作よりも早く登場したアイリスとクレアです!
アイリスは、仮面ライダーに変身させようかなと思います。
どういう仮面ライダーにするのかは、考え中です。
ツーサイドライバーに、リベラドライバーも出しました。
その二つを使って変身するのは、ツーサイドライバーはダクネス、リベラドライバーはめぐみんです。
アギレラに関しては、クリスにしようか、別のキャラにしようかで悩んでいます。
キマイラも、出そうかなと思っています。
狩崎親子が力を合わせれば、キメラドライバーの欠点をどうにか出来そうな気がしますし。
誰が変身するのかは、未定です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
オリジナルの仮面ライダーに関しても、受け付けます。
リアも、仮面ライダーになりますが、何のモチーフの仮面ライダーにしようかなと思っています。
もし、意見がある場合は、活動報告にお願いします。
いよいよ、リバイスのVシネマが近くなってきましたね。
ヒロミさんがどうなるのか。
楽しみです。
私が投稿しているこのすばとギーツとこの作品で、MOVIEバトルロワイヤルに関するエピソードをやる予定ですが、魔王とギフの討伐後なので、ある意味でネタバレになります。
アンケート次第で、このすばとセイバーとこの作品でのビヨンド・ジェネレーションズをやるかどうかを判断するので、良かったら、票を入れて欲しいです。


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第9話 幽霊屋敷の獲得

 宿屋で目が覚めると、寒かった。

 

結斗「寒っ…………。」

バイス(うっわ!凄い寒いんですけど!)

 

 そう、現在、冬真っ只中だ。

 流石に、拠点が欲しくなるな。

 カズマも、家を手に入れる為に節制して、馬小屋にしているらしい。

 カズマからは、その手の愚痴は結構聞いていて、朝起きた時たまに『まつ毛が凍っていたことがある』と言っていた。

 やはり、日本と比べて、ここは寒い。

 不幸中の幸いで、アクセル近辺は豪雪地帯じゃないのは助かる。

 

結斗「さて。今日も頑張りますか。」

 

 俺はそう呟く。

 顔を洗い、服を外での服装に変えて、宿を出る。

 途中、カズマとアクアと出会い、ウィズ魔道具店に二人が行くらしいので、俺も同行する。

 暇だからだ。

 

結斗「カズマもウィズと知り合いだったんだな。」

カズマ「まぁな。」

 

 なんでも以前、『ゾンビメーカー討伐』のクエストを受けたときに墓地で知り合ったとか。

 なんでそんなところにウィズがいたんだろうか?

 そんなことを考えていると、店についた。

 

カズマ「着いたな。アクア、一応言っておくが絶対に暴れるなよ。」

アクア「ちょっと!カズマは私をなんだと思ってるの!私、チンピラや無法者じゃないのよ!女神よ私は!」

結斗「どういう事?」

バイス(分かんね。)

 

 アクアが暴れるって、どういう事だ?

 そんな事を考えながら、店内に入る。

 中には店の商品を磨いているウィズがいた。

 

ウィズ「いらっしゃ………ああっ!?」

アクア「あああっ!?出たわねこのクソアンデッド!アンタ、こんな所で店なんて出してたの!?女神であるこの私が馬小屋で寝泊まりしてるってのに、アンタはお店の経営者ってわけ!?リッチーの癖に生意気よ!こんな店、神の名の下に燃やしていだいっ!?」

結斗「リッチー?」

バイス(ウィズって、リッチなの!?)

 

 アクアは、ウィズに掴みかかるが、カズマがガンデフォンでアクアの頭を叩く。

 リッチーって、確か、高位のアンデッドだった筈だ。

 まさか、そんな者と遭遇するとはな。

 あと、バイス、そういう意味じゃない。

 

ウィズ「ハッ?!」

カズマ「よっ、ウィズ。久しぶり。」

結斗「やあ、ウィズ。」

ウィズ「カズマさん、結斗さん。」

バイス(やっほ〜!俺っち、バイスです!)

 

 しばらくして、アクアも多少は落ち着いたのか、今は大人しくしている。

 ウィズの店のテーブルと椅子に腰掛け、不貞腐れているが。

 

アクア「…………お茶も出ないのかしら、この店。」

ウィズ「はっ!す、すみません!今お持ちしますので!」

結斗「やめなさいよ。」

 

 カズマ曰く、ウィズは、ゾンビメーカー討伐のクエストで出会い、知り合ったそうだ。

 まあ、俺は知らなかったが。

 そのクエストは、俺が居なかった時に受けたらしい。

 ゾンビメーカー討伐の際に知り合った理由は、定期的に彷徨える魂を天に還してあげていたようだ。

 カズマ達は彼女を見逃す代わりに、定期的にウィズの代わりに除霊を行う事になったのだ。

 ていうか、この街の聖職者は、碌な仕事をしないのか?

 しばらくすると、ウィズがやって来る。

 

アクア「………アンデッドの癖に店なんて出して、アンデッドの癖に温かいお茶なんて出して………。」

ウィズ「すみませんすみません!私ばかりがこんな贅沢して!」

結斗「嫌味をやめなさいよ。」

ウィズ「それで、今日はどの様な要件でしょうか?」

結斗「ああ。暇だから来たんだ。」

ウィズ「なるほど。ところで、カズマさんの方は?」

カズマ「ああ。スキルポイントに余裕ができたから、何かスキルを教えてくれないか?」

アクア「ブーーーーーーーー!!!」

カズマ「おわ!!」

 

 アクアが思いっきり噴いた。

 カズマは避ける事ができず、噴き出たお茶を顔面から受けた。

 

アクア「ちょっとカズマ!女神の従者がアンデットのスキルを覚えるとか見過ごせないわよ!!ていうか、女神の従者2号も、何でアンデッドと普通に話してんのよ!」

カズマ「誰が従者だ!」

結斗「従者じゃないから。」

バイス(俺っちは、お前の従者じゃないやい!)

 

 そんな風に思われてたの?

 地味にショックだな。

 

アクア「いいカズマ、結斗。リッチーはね、暗くてジメジメした所が大好きな、言ってみれば『ナメクジの親戚』みたいな連中なのよ。」

ウィズ「酷い!!」

 

 それはいくらなんでも酷すぎるだろ。

 まあ、女神故の感覚だろうけど。

 

カズマ「いや、リッチーのスキルなんて普通覚えられないだろ。そんなスキルが使えれば、うちのパーティの戦力アップになると思ってな。」

結斗「確かにな。」

ウィズ「あ、あの………。女神の従者とは?」

アクア「まあね。私はアクア。そう、アクシズ教団で崇められている女神、アクアよ。控えなさいリッチー!」

ウィズ「ヒィッ!?」

 

 相性が悪いんだな。

 まあ、ある意味で天敵だしな。

 

結斗「おい、ウィズ。そんなに怯えなくても良いだろ?」

カズマ「確かに、アンデッドと女神なんて、水と油みたいな関係なんだろうけどさ。」

ウィズ「い、いえその………。アクシズ教団の人は頭がおかしい人が多く、関わり合いにならない方が良いというのが世間の常識なので、アクシズ教団の元締めの女神様と聞いて………。」

アクア「何ですってぇっ!?」

ウィズ「ごごごご、ごめんなさいっ!」

「「話が進まねぇ………。」」

バイス(アクアって、頭おかしいもんね!)

 

 アクアを、商品が置いてある場所に追いやって、話を進める事に。

 そんな中、ウィズが思い出したかの様に言い出す。

 

ウィズ「そう言えば皆さん、あのベルディアさんを倒したんですよね。あの方は、幹部の中でも剣の腕だけはトップクラスの実力でしたのに、凄いですね。」

カズマ「…………なんか、ベルディアのことを知っているような口ぶりだけど?」

結斗「…………まさか。」

バイス(え?どういう事?)

ウィズ「はい。私、魔王軍の八人いる幹部のうちの一人なので。」

アクア「確保おおおおおおお!!!」

ウィズ「きゃああ!!」

 

 ウィズが魔王軍の幹部だと分かるとアクアがウィズに覆い被さり、背中から押さえつけた。

 ただでさえアンデットを毛嫌いしているのに、目の前にいる相手が魔王軍の幹部なら尚更だろう。

 

ウィズ「待ってーっ!アクア様、お願いします、話を聞いて下さい!」

アクア「やったわねカズマ、結斗!これでまた一人幹部を倒せるわね!」

結斗「ちょっと待て。」

カズマ「え〜っと、流石に魔王軍の幹部というなら、冒険者として見過ごせないんだけど?」

ウィズ「違うんです!魔王城の結界の維持にのために頼まれたんです!もちろん今まで人に危害を加えていませんし、私を倒してもそもそも懸賞金もかかっていませんから!」

 

 その言葉に、俺、カズマ、アクアは顔を見合わせる。

 

アクア「………よく分かんないけど、念の為に退治しておくわね。」

ウィズ「ヒイイィィィィィィ!!!」

「「やめんか!!」」

 

 俺とカズマは、アクアを取り押さえ、ウィズの話を聞く事に。

 ウィズ曰く、魔王城の結界を維持しているだけの、『なんちゃって幹部』で人里で店を出すのは構わないから、せめて結界の維持は協力して欲しいと頼まれたらしい。

 条件として、お互いの行うことには干渉しないし敵対もしない、ただ戦闘に携わる者以外の人間を殺した場合は干渉するし場合によっては敵対行為もする。

 これを条件に魔王の頼みを受けたらしい。

 ちなみに、アクア曰く、幹部2、3人ぐらいなら、破れるそうだ。

 

結斗「という事は、残りの幹部を倒さないと、魔王城には入れないって事か?」

ウィズ「そ、そうです。」

アクア「なら、討伐しましょう。」

ウィズ「待って!待って下さい!せめて、アクア様が結界を破れる程度に幹部が減るまで、生かしておいて下さい………!私には、まだやるべき事があるんです………。」

 

 ウィズの言葉に、アクアも微妙な表情をして、こちらをチラチラ見てくる。

 

結斗「まあ、良いんじゃないのか?現状の戦力じゃあ、返り討ちに遭うのが目に見えてるしな。それに、人に危害を加える気がないのなら、放っておいても無害だし。」

ウィズ「ありがとうございます!!」

カズマ「でもいいのか?」

ウィズ「はい?」

カズマ「ベルディアを倒した俺達に恨みとか………。」

ウィズ「………ベルディアさんとは、それほど仲が良かったわけではありませんし、それに………。」

結斗「それに?」

ウィズ「………いつも自分の頭を私の足元に転がしてきて………。スカートの中を覗こうとするような人でしたから…………。」

「「「……………。」」」

バイス(うっわ〜!ベルディアって、実は変態じゃん!)

 

 アイツ、そんな事してたのか。

 それって、まごう事なきセクハラじゃないか。

 まさか、ダクネスに変態呼ばわりされて、焦っていたのは、図星を突かれたからか?

 ウィズは、プロトバイスタンプは持っていないそうだ。

 その後、カズマは改めてウィズに、ドレインタッチというスキルを教えてもらった。

 魔力や体力を吸い取ったり、逆に分け与えたりする事ができるスキルだ。

 ちなみに、アクアは嫌がったので、俺が代わりにウィズに魔力を吸わせて、カズマに習得させた。

 ちゃんと魔力は返して貰った。

 すると、突然、男の人が入ってくる。

 

男性「ごめん下さい!ウィズさんは、いらっしゃいますか?」

「「「ん?」」」

バイス(誰この人?)

 

 その人が言うには、幽霊屋敷の除霊とのこと。

 ウィズは、俺の発明品の材料を仕入れる用事があるので、代わりにアクアが引き受けた。

 俺たちは、各々の荷物を持って、その件の幽霊屋敷に来る。

 その際、狩崎親子も呼んだ。

 

カズマ「ここか。」

アクア「悪くない、えぇ、悪くないわ!この私が住むのに相応しい屋敷じゃない!」

めぐみん「本当は貴族の隠れ別荘だったみたいです。」

結斗「そうなんだな。」

ダクネス「しかし、除霊の報酬としてここに住んでいいとは。」

ジョージ「随分と、太っ腹な大家さんだね。」

カズマ「なんでも、ウィズは聡明な魔法使いで、この手の案件が持ち込まれるそうだ。」

真澄「その様だな。」

 

 これで、拠点が手に入る。

 つまり、寒さに震えることは無くなったと言えるだろうな。

 皆で暮らすなんて、施設以来だけど、楽しく暮らせそうだな。

 

アクア「これで冬の問題は解決ね!災い転じて福となるとはこの事ね!流石私!」

カズマ「でも、大家さんが言うには祓っても祓ってもまた新たな霊が湧くらしい。」

アクア「任せてよ!私はアークプリーストにして女神!謂わば対アンデットのエキスパートよ!」

 

 そう言って、アクアは屋敷に両手を向けて何やら手を動かし始めた。

 

「「「「「「おぉぉぉ。」」」」」」

アクア「見える。見えるわ。この屋敷には貴族が遊び半分に手を出したメイドの子供、その子供が幽閉されてたみたいね。……。」

「「「「「「……………。」」」」」」

 

 なんか、インチキ霊媒師が言いそうな事を言い出したアクアに当初は期待を込めた目で見ていたが、次第に全員ジト目になった。

 その変な事を言っているアクアを俺達は放っておいて、屋敷へと入る。その時に俺とカズマはとある事を呟いた。

 

カズマ「……なんでそんな余計な事まで分かるんだって突っ込みたいんだが。」

結斗「……………俺もだよ。」

バイス(アクア、頭おかしいじゃん!)

 

 俺達は屋敷へと入り、部屋の割り当てと埃が被っていた部屋を掃除した。

 

めぐみん「ふぅ〜。こんなもんですかね。」

ダクネス「部屋の割り当ても決めたしな。」

結斗「後は夜を待つだけだな。」

ジョージ「ラボも作れたから、発明品を作りやすくなったしね。」

カズマ「流石に埃っぽいな……。」

 

 カズマが窓を開けた途端に言葉を止める。

 何事かと見てみれば、アクアがまだ、外にいて未だに鑑定を行っていた。

 

アクア「名前はアンナ・フィランテ・エステロイド。好きな物はぬいぐるみや人形、冒険者達の冒険話……!でも安心して、悪い霊ではないから。おっと……、子供ながらに大人びた事が好きみたいね。……。」

「「………………。」」

 

 俺とカズマは何も見なかった事にして窓を閉めた。

 

達也「じゃあ、これから自由時間だ。」

カズマ「悪霊が出たら、すぐに報告する事!」

「「解散!!」」

「「「………。」」」

真澄「放っておいて良いのかい?」

 

 そうして、俺はすぐに部屋へと向かう。

 

結斗「ハァァ…………皆と一緒に暮らすなんてな。」

バイス(良かったな、結斗。)

結斗「ああ。」

 

 ここなら、きっと楽しく暮らせるよな。

 そんな風に考えていると、アクアの悲鳴が聞こえてくる。

 

アクア「あぁァァァ!!ァァァ!!」

結斗「!?何だ!?」

 

 俺は、アクアの部屋に向かうと、カズマと合流する。

 

カズマ「おい結斗、アクアの叫び声が聞こえたよな!?」

結斗「あぁ!アクアの部屋に行くぞ!」

 

 俺とカズマはアクアの部屋に向かって、状況を確認する。

 

結斗「おいアクア!大丈夫か!?」

カズマ「何があった!?」

 

 そこには地べたに座っていたアクアがいた。

 クソ!やられたか!?

 アクアが振り返ると酒瓶を持って泣いていた。

 

アクア「カズマ〜。結斗〜。」

「「……………おい。」」

 

 ………まさか。

 

アクア「これは大事に取っておいた高いお酒なのよ。お風呂から上がったらちびちび飲もうと大事にしてたの!それが!お風呂から上がったら、見ての通り空だったのよ!」

カズマ「そうか。おやすみ。また明日な。」

結斗「静かに眠れよ。」

バイス(ったく!人騒がせだよな!)

 

 俺達は下らない理由で泣いていたアクアを見てすぐさま、自分の部屋へと戻ろうとすると。

 

アクア「これは悪霊の仕業よ!ちょっと私、屋敷に見える霊をしばいてくるわ!おらーー!!出てこいやー!!」

 

 そう言って飛び出していった。

 他の面子が何事かと廊下に出てきたが、問題はないと言って戻らせて俺達も部屋に戻った。

 その後、アクアのターンアンデットの発動の声が周囲に響いていた。

 時折、花鳥風月と言う宴会芸スキルを使った声も聞こえたが。

 しばらくして、目が覚めた。

 その理由は。

 

結斗「なんか、変な気配がするな…………。」

 

 そんな感じの気配を感じた。

 その時、トサッと何かが落ちる音がした。

 少し怖くなって音の鳴った方を見ると、そこには謎の人形があった。

 

結斗(コワッ!!えっ?あんな人形この部屋に置いてないよね!?て言うか体が動かないんだけど!?バイス、助けて!)

バイス(くか〜……………。)

結斗(寝てるーーーっ!?)

 

 俺は恐怖かまたは金縛りにあったかのように身体が動かなくなった。

 バイスは、呑気に寝ていたので、俺は絶句する。

 暫くカサカサと言う何が動いているような音がしたと思ったら、ベットに何かが乗っかった様な音がして音がしなくなった。

 目を開けてはいけない。

 だが、確認しなければならない。

 そう思って、目を開けると、そこには、大量の人形がまるで俺を取り囲む様に置いてあった。

 

結斗「あぁぁ!!ギャアアアァァァ!!」

バイス(ふわぁぁ…………何…………って、ギャアアアアアア!)

 

 俺は、そんな風に叫びながら外に出て、迫ってくる人形に対しては、ガンデフォンを撃ちまくって、落とす。

 バイスは、絶叫を上げていた。

 

結斗「なんなんだよ!一体どうなってんだよ!!」

バイス(いやぁぁぁ!!悪霊!悪魔!………って、悪魔は俺っちだな!)

結斗「言ってる場合か!」

 

 バイスのボケに、俺はそう突っ込む。

 その後、俺は屋敷を走り回った。

 カズマ達の方に向かうと、アクアが倒れ、カズマ、めぐみん、ダクネスが呆然としているのを目撃した。

 翌朝、衝撃の事実を知る。

 それは、この屋敷に悪霊が住み着いていた原因が、アクアが墓地に結界を張った事が原因でこの空き屋敷に悪霊が住み着いたと言う。

 つまり、俺達は盛大なマッチポンプを行っていたと言う事だ。

 ギルドから出た臨時報酬もカズマの判断で受け取らなかった。

 その後、カズマとアクアは大家さんに謝罪したが、屋敷に住んで良いと言われたらしい。

 なんて懐の深い大家さんだ。

 その後、ウィズがやってきて、カズマと少し話をして帰った。

 安定した拠点を手に入れた。

 どうにか、頑張るか。




今回はここまでです。
結斗達は、屋敷を手に入れました。
バイスも、相変わらずです。
カズマの悪魔は、ムラマサですが、どういう扱いにするのかは、リバイスのVシネマを見た後で判断します。
リアが変身する仮面ライダーで、こういうのが良いというのがあれば、リクエストを活動報告にお願いします。
アイリスも、変身させますが、オリジナルの仮面ライダーになる予定です。
次回辺りで、ダクネスとめぐみんに、ギフの遺伝子を入れる予定です。
ビヨンド・ジェネレーションズのアンケートは、続けます。
どういう感じにやるべきなのか、意見がある人はお願いします。
あとは、どのタイミングでやるのかというのも。


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第10話 運命の再会

 ある日の夜。

 俺達はそれぞれが自由な時間を過ごしていた。

 ダクネスとめぐみんはチェスみたいな物に興じている。

 カズマは暖炉の前に置いてあるソファーで温まっていた。

 アクアはカズマを暖炉の前からどかして温まっていた。

 ちなみに、めぐみんとダクネスは、ギフの遺伝子を入れてもらったらしい。

 そんな中、俺は狩崎さんのラボに向かっていた。

 

結斗「狩崎さん。」

バイス「やっほ〜!」

ジョージ「ああ、結斗か。今回は、このバイスタンプを使いたまえ。」

 

 そう言って、狩崎さんが投げ渡してきたのは、コングバイスタンプだった。

 

結斗「コングか…………。」

ジョージ「この調子で、リミックスのデータを集めてくれ。」

結斗「分かりました。」

バイス「あいよ!俺っち達にお任せ!」

結斗「…………ところで、何を作っているんですか?」

ジョージ「ん?ああ…………これね。」

 

 狩崎さんは、作業をしていた様だった。

 そこに置いてあったのは、ホワイトレオ、ケツァルコアトルス、カジキ、トリケラのバイスタンプだった。

 

結斗「その四つのバイスタンプをどうするんですか?」

ジョージ「実はね、アイリス姫から、ライダーシステムを作って欲しいと依頼されてね。」

 

 狩崎さん曰く、デモンズトルーパーを売り込みに行った際に、この国の王女であるアイリス姫と出会い、アイリス姫から、ライダーシステムの開発を依頼されたそうだ。

 流石に、デモンズトルーパーを使わせる訳にはいかないのだろう。

 

ジョージ「…………という訳で、私とダディーは、アイリス姫の為のライダーシステムの開発に勤しむよ。無論、バリッドレックスなどの開発も進めていくが。」

結斗「ありがとうございます。」

バイス「カリちゃん、サンキュー!」

 

 俺たちは、狩崎さんにお礼を言って、ラボを後にする。

 明日、コングのバイスタンプも使うか。

 そう思いながら。

 翌朝、俺は一人で出かけた。

 特に用事も無くブラブラしているだけだ。

 アクア、めぐみん、ダクネスは、女子会を開催しているようだ。

 すると、路地裏を覗く3人がいた。

 

結斗「お前ら、何してんだ?」

「「「!!!」」」

ダスト「何だ結斗か。驚かすな。」

キース「本当だよ。」

カズマ「良かった。結斗で。」

 

 いや、かなり目立ってたぞ?

 というより、そこの路地裏に何があるんだ?

 気になった俺は、3人に質問する。

 

結斗「ところで三人共、こんな所で何してるんだ?」

バイス(何してんだろうね?)

「「「フヒュ〜ヒュ〜。」」」

 

 3人は暫く口笛を吹いていると、急に俺を引き寄せた。

 

ダスト「いいか?この街の男性冒険者のみが知っているんだが、サキュバスがいい夢を見せてくれるサービスがあるらしい。」

結斗「サキュバス?」

 

 サキュバスってあのサキュバス?

 何で男性冒険者しか知らないんだ?

 気になった俺は、ダスト達に尋ねる。

 

結斗「何で男性冒険者しか知らないんだ?」

ダスト「え!?こいつってまさか、性欲そこまで無いタイプか?」

キース「マジかよ。」

カズマ「まあ、こいつ、女性にはそこまで鼻を伸ばさないからな。」

バイス(そうでもないよ!結斗には、好きな人が居たんだからね!)

 

 何で変な目で見られるんだ?

 あと、バイス、それはあまり言わないでくれ。

 すると、ダストが説明しだす。

 

ダスト「いいか?この街にはサキュバスがいて、俺達、男性冒険者とサキュバスは、共存している仲なんだよ。」

 

 ダスト曰く、男性冒険者は、ムラムラする事があるらしく、女性冒険者にちょっかい出そう物なら、隠し持ってるナイフで大事なところを斬られたり、周囲の女性冒険者に連絡される。

 そこで、男性冒険者はお金を払い、サキュバスに夢を見させてもらい、サキュバスは性欲を男性冒険者が枯れない程度に加減し吸収して、お互いに共存共栄の関係にあるらしい。

 

ダスト「どうだ?結斗も興味持ったか?」

結斗「いや、興味ないな。」

キース「え!?何でだよ!?」

カズマ「性欲を消費する事が出来るんだぞ!」

 

 確かに俺もたまにムラムラすることもある。

 だが、そこまでムラムラしないので、特に問題は無い。

 それを伝えると3人が俺に同情の視線を向けてきた。

 

ダスト「結斗。たまにはさ、発散しようぜ。」

キース「お前ってさ、仲の良い女の子って居るんだろ?」

カズマ「夢の中だから、怒られないって。」

結斗「なんだ、その同情の視線は?ていうか、俺、仲のいい女子なんて居ないし。」

ダスト「いいからさ!たまにはな?」

結斗「気にならなくも無いけど、そういうのって高いんだろ。」

カズマ「それがさ、結構安いんだよ。」

ダスト「だからさ、いいだろ?な?」

結斗「いや、俺は良いや。」

 

 俺は、3人の誘いを断って、色々と歩いていた。

 すると、バイスが話しかけてくる。

 

バイス(結斗。まだ、あの子の事を忘れられないの?)

結斗「バイス…………。ああ。忘れられない。」

 

 そう。

 バイスが言った事は合っている。

 前世で、好きな人が居たのだ。

 その人は、幼馴染で、アイドルを目指していた。

 俺とも仲が良かった。

 だが、交通事故で亡くなってしまった。

 忘れたくても、絶対に忘れたくない。

 そんな存在だ。

 そう思いながら、ギルドに入ると、3人組の女の子が居た。

 

???「ああ、どうしたら良いの!?アタシが高難易度クエストに行かなくちゃならないなんて!こんなに可愛いアタシじゃ高難易度クエストなんて無理よ!」

???「だ、大丈夫だー、私が付いているー。こう見えても槍の武術の大会で優勝したことがあるんだー。」

???「そ、そうですよー。ボク、アークプリーストですが、武道の心得もあるんです!」

???「なんて頼もしいのかしら!可愛いアタシがついているし、これならドラゴンとかでも怖くないわね!」

バイス(なんだよ、あれ?)

結斗「………………っ!?」

 

 そんな風に棒読みしているのは、ピンクの髪のツインテールの子と、ショートカットのボクっ娘。

 そして、黒髪ロングの子だ。

 だが、あの黒髪ロングの子は、見覚えがある。

 というか、あの幼馴染の子にそっくりだった。

 まさか……………!

 気になった俺は、周囲の人に聞く。

 

結斗「なあ?あの娘達って?」

冒険者「あぁ。あの娘達は、アクセルハーツって言う踊り子集団だよ。ピンクの髪の子がエーリカちゃん、ショートカットの子がシエロちゃんで、黒髪の子がリアちゃんだよ。」

結斗「………もしかしてファンか?」

冒険者「余計な詮索は無しだぜ。リバイス。」

 

 そう言ってチケットを渡してきた。

 その冒険者は、サムズアップしながら去っていった。

 すると、バイスが話しかけてくる。

 

バイス(なあ……………あの子って、まさかだと思うけどよ。)

結斗「ああ。まさかな……………。」

 

 まさか、あの子なのか?

 ただ、名前がリアになってるし。

 どうなってんだ?

 俺がそう思っていると、一瞬視線が合い、逸れる。

 すると、エーリカという子に腕を掴まれていた。

 

エーリカ「ちょっと!?視線が合っといて無視なんて有りえなくない!?」

結斗「な、何!?」

リア「す、済まない!高難易度クエストと言っておけば高レベル冒険者が来てくれると思って!」

バイス(選り好みしてただけかよ!)

 

 リアの言葉にバイスが突っ込む。

 ただ、俺はあまり突っ込む気になれなかった。

 幼馴染と再会出来たのだから。

 ただ、いきなり久しぶりと言う訳には行かないので、黙っておく。

 すると。

 

シエロ「え、え〜っと。その男の人も、困ってるし……。あ!」

 

 シエロの視線の先には、俺が先程受け取ったチケット。

 そういえば、渡されたな。

 

シエロ「見てよ、リアちゃん!この人、ボク達のチケット持ってるよ!」

リア「本当だ!もしかして私達のファンなの?」

結斗「あ、あの……………。」

エーリカ「もう、そんなにアタシ達に会いたいのなら、正直に言えば良かったのに。」

 

 いや、偶然だよ?

 たまたま通りかかっただけだし。

 まあ良いか。

 

結斗「それで、何であんな大根芝居をしてたんだ?」

リア「実は…………少しお金がなくてな…………。」

シエロ「そういうわけで、換金率の高いクエストに行こうかと。」

エーリカ「そういう事よ!」

結斗「なるほどね……………。」

 

 そういう事か。

 まあ、付き合うか。

 どうせ暇だし。

 

結斗「それなら、手伝っても良いぞ。」

リア「良いのか?」

結斗「まあ、今、暇だしね。」

エーリカ「ありがとう!」

シエロ「ありがとうございます!」

リア「ところで、名前を聞いてなかったな。」

結斗「ああ。俺は前田結斗。よろしく……………。」

シエロ「いやぁぁぁぁぁ!」

 

 そう言って、シエロに握手をしようとすると、思い切り殴られる。

 

結斗「ぐはぁっ!?な、なんで…………!?」

シエロ「あ……………つい!」

エーリカ「大丈夫?」

リア「すまない。シエロは、男性恐怖症で……………。」

バイス(男性恐怖症って、危ねぇじゃねぇかよ!)

 

 そういう事か……………。

 ていうか、リア達も、アクア達とは別ベクトルで変わった人が多そうだよな。

 そんな事もありつつも、俺たちはクエストに出る事にした。

 受けたクエストは、鉱石の採取クエストだ。

 そして、俺たちはアクセルハーツの護衛という扱いでクエストに出る事に。

 それで、俺たちはその洞窟に向かう中、色々と話をする事に。

 

結斗「なるほど。アクセルハーツは、アクセルを拠点にしてるんだな。」

リア「ああ。」

シエロ「そうです。」

エーリカ「可愛い私がいれば、こんなクエストはどうにかなるわよ!」

バイス(うっわ〜!ナルシストだよ!)

リア「前田結斗だっけ?結斗は、職業は何なんだ?」

結斗「ああ。俺は悪魔使いだ。」

 

 そんな風な他愛無い話をする。

 しれっと、リアは何処から来たのかと聞くが、本人曰く、覚えていないそうだ。

 どうやら、何らかの要因で、記憶を失ったみたいだな。

 そんな事に複雑な思いを抱きながら、目的地に到着する。

 

結斗「さてと。狩崎さんからも、データを集めろって言われてるからな。変身するか。」

バイス(待ってました!)

リア「変身?」

シエロ「それは、どういう意味ですか?」

エーリカ「ちゃんと説明しなさいよ!」

結斗「今、見せるから。」

 

 アクセルハーツが首を傾げる中、俺は腰にリバイスドライバーを装着して、レックスバイスタンプを構える。

 

レックス!

 

 レックスバイスタンプを起動して、スタンプ面に息を吹きかける。

 

結斗「はぁぁ…………フッ!」

 

 息を吹きかけた後、オーインジェクターに押印する。

 

Come On!レ!レ!レ!レックス!

 

バイス「フハハハハハ!いやっほう!」

 

Come On!レ!レ!レ!レックス!

 

 待機音が流れる中、俺は叫ぶ。

 

結斗「変身!」

 

 そう言って、俺はリバイスドライバーにレックスバイスタンプを装填して、一回倒す。

 

バディアップ!

オーイング!ショーニング!ローイング!ゴーイング!

仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!

 

 俺とバイスは、仮面ライダーに変身する。

 

シエロ「ええ!?」

エーリカ「結斗の姿が変わって、何か出てきたわよ!?」

リア「まさか…………君たちが噂の仮面ライダーだったのか!?」

結斗「ああ。」

バイス「やっほ〜!俺っちバイス!イカした悪魔のバイスだぜ!」

 

 俺とバイスはそう言う。

 その後、俺たちはダンジョンへと入っていく。

 ダンジョンのモンスターは、俺たちが倒していく。

 リア達も戦っている。

 話を聞く限り、リアはランサー、シエロはアークプリースト、エーリカはレンジャーだそうだ。

 モンスターを退治すると同時に、鉱石の回収も行う。

 しばらくすると、ある程度鉱石が集まった。

 

結斗「まあ、こんなもんか?」

バイス「そうじゃね?」

リア「2人とも、ありがとう!」

シエロ「これだけあれば十分ですよ!」

エーリカ「ありがとう!」

 

 そう話す。

 結局、コングバイスタンプを使えなかったな。

 そう思っていると、リアの足元が赤く光る。

 

リア「な、何だこれは!?」

結斗「トラップか!」

 

 すると、リアの足元の地面が崩れる。

 落とし穴か!

 

リア「キャアアアア!」

シエロ「リアちゃん!」

エーリカ「リア!」

結斗「っ!」

バイス「結斗!?…………ったく!」

 

 リアが落ちる中、俺はリアの手を掴み、受け身の姿勢を取り、バイスも俺と一緒に落ちる。

 しばらくの衝撃の末、衝撃が来なくなる。

 どうやら、最下層まで落ちてしまったようだ。

 

バイス「イテテテテテテテ……………。」

結斗「バイス、大丈夫か?」

バイス「もう!無理すんなよ!」

結斗「悪い。リアは、大丈夫か?」

リア「ううぅ…………大丈夫だ。ありがとう。」

結斗「気にすんな。」

 

 どうやら、全員無事みたいだな。

 落ちてきた方を見ると、穴はかなり上にあって、レックスゲノムでは届かない上に、イーグルやプテラで通るには狭すぎる。

 

バイス「どうする?結斗。」

結斗「そうだな……………。何処かで、上に上がるルートがあるかもしれない。そこに行こう。」

リア「それしか無さそうだな……………。」

 

 俺たちはそう話して、上へと向かっていく。

 途中、現れるモンスターに攻撃していく。

 凄い湧いてくるな……………。

 俺たちは、モンスターを撃退しつつ、上へと向かっていく。

 途中、休憩する事にした。

 

結斗「疲れた……………。」

リア「ああ。……………一つ、良いか?」

結斗「ん?」

リア「どうして、身を挺して私を守ってくれたんだ?」

結斗「…………………。」

 

 どうして、か。

 語るか。

 

結斗「どうしてって……………仲間を助けるのに、理由なんているのか?」

リア「えっ?」

結斗「俺はお節介でね。仲間がピンチになるのを見ると、助けちゃうんだ。」

バイス「まっ、それが結斗の良いところだよな!」

 

 バイス、ありがとうな。

 すると、リアは笑う。

 

リア「そっか…………。君がいい奴だっていうのは分かった気がするよ。」

結斗「ありがとうな。」

リア「……………それに、何故か、君とは初めて会った感じがしない気がするんだ。」

結斗「……………俺も、そんな気がするよ。」

バイス(まどろっこしいな……………。)

 

 俺とリアはそう話す。

 しばらく休憩して、俺たちは移動を再開する。

 モンスターやゴーレムの類などを倒していき、地上が近くなった。

 

リア「もうすぐじゃないか?」

結斗「ああ。」

バイス「よぉし!行こうぜ!」

結斗「待て。どうやら、そう簡単には通してくれ無さそうだな。」

 

 すると、一際大きいゴーレムが居た。

 おそらく、こいつがボスと言った所か。

 

リア「大きい…………!」

バイス「デカすぎんだろ!」

結斗「行くぞ!バイス!」

バイス「ったく!悪魔使いが荒いんだから!」

 

 俺とバイスは、そのゴーレムに攻撃する。

 だが、硬くてダメージが通っていない。

 

バイス「こいつ、硬すぎだろ!」

リア「大丈夫か!?」

結斗「ああ!なら、これで行くぞ!」

 

 俺はそう言って、コングバイスタンプを取り出して、起動する。

 

コング!

 

 レックスバイスタンプを抜いて、コングバイスタンプをオーインジェクターに押印する。

 

Come On!コン!コン!コング!

Come On!コン!コン!コング!

 

 待機音が流れ、リバイスドライバーに装填して、一回倒す。

 

バディアップ!

アームストロング!戦いのゴング!鳴らせ!コング!』


ドラミングキター!

 

 俺たちは、密林に生息する大型の霊長類のゴリラと、友情と正義を燃やし、宇宙と地球と学園の平和の為に戦った平成13番目の、仮面ライダーフォーゼをモチーフにしたコングゲノムへとゲノムチェンジする。

 

リア「姿が変わった…………。」

結斗「行くぞ、バイス!」

バイス「あいよ!」

 

 俺とバイスは、いつものあの決めポーズを取って、そのゴーレムに向かっていく。

 ゴーレムにパンチで攻撃する。

 レックスゲノムの時と比べると、攻撃は効いていた。

 

結斗「よし!効いてる!」

バイス「よっしゃあ!」

 

 すると、ゴーレムは反撃なのか、パンチ攻撃をしてくる。

 それを見て、俺はすぐにコングバイスタンプを2回倒す。

 

コング!スタンピングフィニッシュ!』

 

 

 スタンピングフィニッシュを発動して、俺はコングリバイパンチャーを、バイスはパンチデマッシグラーをゴーレムに飛ばす。

 その二つを食らったゴーレムの腕はもげる。

 

バイス「よっしゃあ!」

結斗「リミックス行くぞ!」

 

 俺は、コングバイスタンプを操作する。

 

リミックス!


『バディアップ!』



 

バイス「ウホホーイ!行ってみよう!」


 

 俺は、四つん這いになったバイスの尻尾を掴み、乗る。
 

 コングバイスタンプの二つの紋章が重なり、リミックスが発動する。



 

必殺!キング!パンチング!コング!

 

 俺とバイスはリバイスコングになり、そのゴーレムに向かっていく。

 ゴーレムは攻撃してくるが、俺たちは躱して、攻撃していく。

 そして、とどめを刺す。

 

「「ハァァァァァァ!!」」

 

コング!スタンピングフィニッシュ!

 

 必殺技を発動して、思い切りパンチを叩き込む。

 ゴーレムはそのパンチを食らうと、倒れて、動かなくなる。

 

結斗「ふぅ……………。」

バイス「お疲れ〜!」

リア「すごいな……………。」

 

 俺たちは変身解除して、その先へと進む。

 しばらく歩くと、シエロとエーリカが居た。

 

シエロ「リアちゃん!」

エーリカ「全く!心配かけて!」

リア「ごめんな。心配かけて。」

結斗「よかったな。」

バイス「ああ。……………ところで結斗。」

結斗「ん?」

バイス「お前、リアに思いを伝えなくて良いのか?」

結斗「……………リアは、踊り子の夢を進んでいる。それを邪魔する訳には行かないよ。」

バイス「はぁ……………ったく。お前らしいよ。」

 

 そう。

 まだ思い出していないし、夢を邪魔する訳には行かない。

 そう思って、黙っておく事にする。

 その後、アクセルに戻って、俺たちとアクセルハーツは別れた。

 

リアside

 

 前田結斗か……………。

 アイツ、良い奴だったな。

 それにしても、初めて会った気がしないのは、気のせいか?

 どこかで……………。

 

シエロ「リアちゃん?どうしたの?」

リア「ええっ!?な、何でも無い!!」

エーリカ「怪しいわね。さっきから上の空だし。」

リア「な、何でも無いよ!それより、早く帰るぞ!」

 

 私はそう言って、歩き出す。

 何故か、結斗の事を思うと、顔が赤くなる。

 なんでなんだ……………?

 

結斗side

 

 俺たちは屋敷に戻る。

 すると。

 

アクア「あ!カズマ、結斗!見なさいよ。今日の夜はカニよ!カニ!」

ダクネス「実家から、引っ越し祝いと言って送られてきたのだ。」

 

 へぇ、すごいな。

 良いカニだと言うのが分かるような気がする。

 

めぐみん「これは霜降り赤蟹と呼ばれていて最高級なんですよ!」

 

 高級な蟹を持ってくるなんて、ダクネスの実家は貴族なのだろうか?

 

アクア「今日はこれでカニパーティーよ!」

結斗「あ、俺は……………。」

真澄「分かっているさ。君がお酒に強くないのは。」

 

 実はこの世界で酒は何度か飲んだのだが、その時は2杯までが限界で、その時は大抵酔い潰れている。

 その為、俺は宴会の時には酔い潰れた人達を連れて帰る為にお酒は飲まない事にしている。

 

アクア「何よ。辛気臭い話をして。結斗も酒を飲みましょうよ。」

ダクネス「アクア、流石にお酒に強くない人に飲ませるのは良くないぞ。」

 

 仲間の擁護もあって、俺は酒を飲まずにカニパーティーを終わらせた。

 そして風呂に入り、ベットで寝た。

 翌日、気持ちいい朝を迎えた。

 そして、深夜にカズマにサービスをしようとしたサキュバスが見つかり、カズマがアクア達にしばかれた事を知った。

 どんまい。カズマ。

 俺達は朝食を摂って、ゆっくりとしていたら、警報が聞こえた。

 

ルナ『デストロイヤー警報! デストロイヤー警報!冒険者の皆様は直ちに装備を整えて冒険者ギルドへお集まり下さい!そして住民の皆さんは直ちに避難を開始して下さい!!』

 

 デストロイヤー?




今回はここまでです。
いよいよ、結斗のヒロインであるリアが登場しました。
ただし、結斗の事は覚えていませんが。
狩崎親子は、アイリスの為の新たなライダーシステムを開発しています。
そして、デストロイヤーがアクセルに接近しています。
結斗とリアがどのタイミングでくっつくのか、意見がある場合は、お願いします。
リアは、現状、結斗の事は少し気になるという感じです。
リアも、仮面ライダーになりますが、どんな感じの仮面ライダーになって欲しいのか、意見があればお願いします。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。


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第11話 機動要塞の襲来

ルナ『デストロイヤー警報! デストロイヤー警報!冒険者の皆様は直ちに装備を整えて冒険者ギルドへお集まり下さい!そして住民の皆さんは直ちに避難を開始して下さい!!』

 

 その時、アクアが荷車に荷物を纏めて来た。

 

アクア「カズマ!結斗!逃げるの!遠くに逃げるの!!」

結斗「何言ってるんだよ。招集が掛かってるだろ。」

めぐみん「機動要塞デストロイヤー。あれと戦うなんてどうかしてますよ。」

カズマ「だから、そのデストロイヤーって何だよ!?」

 

 確かに、機動要塞デストロイヤーとは一体何なんだろう?

 そこに装備を整えたダクネス、狩崎さん、真澄さんがやって来る。

 

ダクネス「暴走した古代兵器だ。」

真澄「そいつが通った後には厄介なアクシズ教徒しか残らないって言われている。」

ジョージ「つまりこのままじゃアクセルは滅ぶという事だね。」

アクア「ねぇ、真澄?なんでウチの子が厄介者扱いされてるの?」

真澄「事実だろう。」

 

 なるほどな。なら、俺も行くべきだろう。

 

カズマ「みんな、ギルドへ行くぞ!」

アクア「どうしてなのよ!」

結斗「折角手に入れた屋敷を壊されてたまるかよ!それに俺達は仮面ライダーだ!街の危機も救ってみせる!」

バイス(それでこそ、結斗だぜ!ハハッ!)

 

 こうして俺達は駄々をこねるアクアも連れてギルドへと向かった。

 ちなみに、狩崎さんから、ブラキオとカマキリのバイスタンプを受け取った。

 そこにはアクセルの全ての冒険者達が集結していた。

 俺達が入ると冒険者から歓声が上がった。

 その中には、魔剣の勇者であるミツルギも来ていた。

 あいつも来るとはありがたい。

 

ルナ「皆さん、お集まり頂きありがとうございます。皆さんが最後の砦です。討伐が不可能と判断された場合、街を捨てて逃げる事になります。どうかよろしくお願いします!それではデストロイヤーについて説明が必要な方は、手をあげてください!」

 

 俺やカズマを含める一部の冒険者が手を挙げていた。

 それを見て、ルナさんは説明を始める。

 

ルナ「機動要塞デストロイヤー。それは元々、魔王軍に対する兵器として魔導技術大国ノイズによって作られました。この兵器は、走り出せば、馬以上の速度を出せます。恐るべきはその巨体と進行速度です。どんなに大きなモンスターでもひき肉と化します。強力な魔法結界が張られているので魔法攻撃は意味を成しません。」

 

 なるほど。それならアクアが逃げ出そうとするのも納得がいく。

 

ルナ「現在、デストロイヤーは、開発責任者が乗っ取って暴走させているとの事で、一度来たら過ぎ去ってから街を建て直すしかないという、天災として扱われています。現在、デストロイヤーは街の北西方向から接近しています。では、意見等をおねがいします。」

 

 マジかよ。勝てるかどうか微妙になってきたなぁ。

 その後、色々な意見が出されたが、全て無駄だと言う事が判明した。

 すると、バイスが俺を見てくる。

 

バイス(なあ、結斗。どうにかなんねぇ?)

結斗「そうだな…………。」

 

 そんなもんには、バリッドレックスの10種のリミックス全てを使った必殺技を使う必要がある。

 だが、カマキリとブラキオのリミックスのデータは取れておらず、時間がない。

 すると、カズマが何かを思いついたのか、アクアに話しかける。

 

カズマ「なぁ、アクア?お前ならその結界を破れるんじゃないか?」

アクア「え?うーん。やってみないと分からないわよ。」

ルナ「破れるんですか!?あの結界を!?」

カズマ「え!?でも、やってみないと分からないんですが。」

ルナ「それでもお願いします。後は強力な魔法を叩き込めれば……!」

 

 強力な魔法……ではないが、一応言うか。

 

冒険者「いるだろ。火力持ちなら頭のおかしいのが。」

冒険者「そういや居たな!」

冒険者「頭のおかしいのが!!」

 

 そう言ってめぐみんに視線が集中した。

 

めぐみん「おい!それは私の事を指すのならその通り名はやめてもらおう!さもなくば私の頭がいかにおかしいか証明する事になる!!」

 

 冒険者達が気まずそうに視線を逸らした。

 すると、タイミングよくウィズが入ってくる。

 

ウィズ「遅れてすいません!私も冒険者の資格を持っているので、お手伝いを……!」

冒険者「店主さんだ!」

冒険者「貧乏店主さんが来たぞ!」

冒険者「勝てる!勝てるぞ!」

 

 おい、貧乏店主はやめてやりなさいよ。

 確かに、貧乏なのは間違い無いけど。

 俺は、一つ思いついたので、皆に向かって話す事に。

 

結斗「俺からも、一つ案がある。」

ルナ「結斗さん?」

結斗「めぐみんとウィズの爆裂魔法だけでなく、俺とカズマ、狩崎さん、真澄さんの攻撃で、デストロイヤーにダメージを与えます。」

冒険者「そうか!仮面ライダーも居たな!」

冒険者「これなら勝てる!!」

 

 そうして、作戦は纏まった。

 それは、アクアが結界を吹き飛ばした後、めぐみんとウィズの爆裂魔法でデストロイヤーの足を破壊し、俺、カズマのライダーキックでデストロイヤーにダメージを与える事に。

 俺達は、ミツルギを呼び出す。

 

結斗「ミツルギ。」

ミツルギ「何だい?」

結斗「お前も変身出来るだろ?手伝え。」

ミツルギ「ああ。」

 

 そう。

 ミツルギも、狩崎さんからデモンズドライバーとクワガタバイスタンプを受け取っているので、変身可能だ。

 

ジョージ「それで……………。」

真澄「これから、デストロイヤーの迎撃に向かうわけだが………………。」

結斗「戦う理由は見つかったか?」

ミツルギ「…………理由は見つかってるよ。」

結斗「それは?」

ミツルギ「僕は、アクア様と約束したんだ。この世界を救うって。だから、アクア様とこの世界を救う。」

結斗「………なら、大丈夫だな。よろしく頼むぜ、仮面ライダーオーバーデモンズ。」

ミツルギ「ああ。」

 

 こうして、デストロイヤーからアクセルの街防衛作戦が開始される。

 アクセルのデストロイヤーが来る方面の門周辺には街の工事作業員が突貫工事でバリケードを仕上げて、バリケードの内側には冒険者達が集結していた。

 俺はバイスとカズマと共にダクネスの説得に当たっていた。

 ダクネスは、最前線に剣を突き刺したまま微動だにしない。

 

カズマ「なぁ、ダクネス。いい加減に言う事を聞いてくれよ。」

結斗「そうだぜ。そこに居たら危ないだろ。」

ダクネス「私は、どうしてもここを離れる訳にはいかない。」

バイス「性癖の為か?」

ダクネス「違う!私は民を守る為にここにいるのだ。」

カズマ「民?」

ダクネス「私の本名はダスティネス・フォード・ララティーナ。貴族の娘だ。」

 

 やっぱりダクネスは貴族だったか。

 

ダクネス「3人とも大して驚いていないな。」

カズマ「そりゃ、なぁ。」

結斗「霜降り赤蟹なんて高級品を持って来たらな。」

バイス「俺っちは分かってたけどな!」

ダクネス「まだみんなには内緒にして欲しい。」

結斗「分かった。」

カズマ「だから、俺達を信じろ。」

バイス「任せろって!」

ダクネス「そうか。」

「「「………ララティーナ。」」」

ダクネス「そっちの名で呼ぶなァァァァ!!」

 

 俺達は少しララティーナ……ではなくダクネスを揶揄っていると、ルナさんから連絡が入ってきた。

 

ルナ『皆さん!もうすぐ、デストロイヤーが見えてきます!備えて下さい!』

 

 ルナさんの連絡通りに機動要塞デストロイヤーが見えた。

 確かにでかい。

 俺達もすぐ様、めぐみん達の所に向かった。

 

カズマ「おい!これって大丈夫なのか!?」

 

 カズマ、弱気発言はやめてくれ。

 

アクア「ちょっとウィズ!大丈夫でしょうね!」

ウィズ「アクア様が結界を破ってくれれば大丈夫ですよ。もし失敗したらみんなで仲良く土に還りましょう。」

アクア「冗談じゃないわよ!ちょっとカズマ!結斗!そっちは大丈夫なの!?」

 

 めぐみんを見ると。

 

めぐみん「大丈夫。私は強い。私は強い。」

ジョージ「不安だね………。」

真澄「確かに。」

結斗「とにかく、カズマ、ミツルギ!変身するぞ!狩崎さんと真澄さんも!」

カズマ「ああ!」

ミツルギ「うん!」

ジョージ「任せてくれたまえ!」

真澄「ああ。」

 

 俺たちは、それぞれのドライバーを装着する。

 俺はブラキオバイスタンプを、他の人たちは、変身用のバイスタンプを構える。

 

ブラキオ!

スパイダー!

ジュウガ!

カブト!

クワガタ!

Deal……!

 

結斗「ハァァ……………フッ!」

 

 俺はブラキオバイスタンプに息を吹きかけ、オーインジェクターに押印すると、待機音が流れてくる。

 

Come on!ブ・ブ・ブラキオ!


『Come on!ブ・ブ・ブラキオ!

レックス!メガロドン!イーグル!マンモス!プテラ!ライオン!ジャッカル!コング!カマキリ!ブラキオ!

 

 それぞれの待機音が流れる中、俺たちは叫ぶ。

 

「「「「「変身!」」」」」

 

 そう言って、俺と狩崎さんはバイスタンプを一回倒して、カズマ、ミツルギ、真澄さんはバイスタンプをそれぞれのオーインジェクターに押印する。

 

バディアップ!』


最大!最長!最古で最強!ブラキオ!』


祝え!長き王の誕生を!

Decide up!

Deep.(深く)Drop.(落ちる)Danger.(危機)

(仮面)Rider Demons!

スクランブル!

十種の遺伝子、強き志!

爆ぜろ、吼えろ、超越せよ!

仮面ライダージュウガ!

Go Over…!

Bane Up!』


破壊!(Break)世界!(Broke)奇々怪々!(Broken)

仮面ライダーベイル!

Delete up!

Unknown.(未知なる)Unlest.(混乱が)Unlimited…(越える)

仮面ライダーオーバーデモンズ!

 

 俺とバイスはジュラ紀後期から白亜紀前期にかけて栄えた竜盤目の恐竜、ブラキオサウルスと、平成ライダーを統べる時の王者にして、最後の平成ライダー、仮面ライダージオウがモチーフになったブラキオゲノムに、カズマはデモンズに、ミツルギはオーバーデモンズに、狩崎さんはジュウガに、真澄さんはベイルに変身する。

 

冒険者「来るぞ〜〜!!」

 

 その冒険者の声と同時にデストロイヤーが迎撃ラインへと突入した。

 その時、遥か上空から、杖を召喚したアクアが魔法を発動する。

 

アクア『セイクリッド・ブレイクスペル!』

 

 アクアの魔法がデストロイヤーへと向かい、デストロイヤーの魔法結界と衝突する。

 デストロイヤーは、アクアの魔法を気にせず前進するが、アクアが更に力を込めた結果、魔法結界は消滅した。

 

カズマ「今だ!!」

ウィズ「皆さん!同時攻撃です!!」

結斗「あぁ!」

 

 だが、めぐみんが緊張のあまり、動けなくなっていた。

 

カズマ「おいめぐみん!」

めぐみん「ァァァァァァァァ……。」

カズマ「おい!お前の爆裂魔法への愛はそんなもんか!?ウィズに負けたらみっともねぇぞ!」

めぐみん「!!」

カズマ「お前の爆裂魔法はあんなもんも壊せないヘナチョコ魔法か!?」

めぐみん「何を!?我が名をコケにするよりも1番言っては行けない事を口にしましたね!見せてあげましょう!本物の爆裂魔法を!!」

 

 めぐみんとウィズは爆裂魔法の準備に入った事から俺たちも準備を開始する。

 めぐみんとウィズが魔法を唱えている間、俺たちは必殺技の発動を準備する。

 俺はブラキオバイスタンプを一回倒して、ボタンを押す。

 

リミックス!

 

 そして、再び倒す。

 

バディアップ!

 

 俺は四つん這いになったバイスの上に乗っかって、腕を顔の横に置く。
 二つの紋章が重なり、リミックスが発動する。

 

必殺!発動!激闘!ブラキオ!

 

 俺とバイスは、リバイスブラキオになる。

 カズマ、ミツルギ、真澄さんは、それぞれのバイスタンプをドライバーに押印する。

 

スパイダー!

クワガタ!

カブト!

charge!』


 

 どうやら、準備は完了したな!

 すると、めぐみんとウィズが叫ぶ。

 

めぐみん、ウィズ「エクスプロージョン!!」

 

 めぐみんとウィズが爆裂魔法を放つ中、俺たちは必殺技を発動する。

 

ブラキオ!スタンピングフィニッシュ!

デモンズフィニッシュ!

アメイジングフィニッシュ!

ベイリングインパクト!

 

「「「「「「ハァァァ!!!」」」」」」

 

 爆裂魔法と俺たちの必殺技が炸裂して、デストロイヤーの脚を破壊する。

 両足を失った事でデストロイヤーは滑り出し、ダクネスの直前で止まった。

 

めぐみん「はぁ、流石リッチーです。」

カズマ「お疲れさん。」

結斗「ふぅ〜〜。」

バイス「やってやったぜ!」

 

 俺、バイス、カズマ、狩崎さん、真澄さん、ミツルギは変身した状態でめぐみん達の元へと戻る。

 冒険者達からも歓声があがった。

 

冒険者「やった!やったぞ!!」

冒険者「俺、これが終わったら結婚するんだ。」

 

 おい、死亡フラグが聞こえたぞ!

 やめろ、そんな事を言うな!

 

アクア「さぁ〜て!今日は宴会よ!報酬が楽しみね!!」

結斗「おい待て!」

カズマ「そんな事を言ったら……。」

 

 なんかデストロイヤーの様子が変だ。

 

カズマ「それみた事か!!」

アクア「えぇぇぇぇ!?」

 

 カズマとアクアがそう叫ぶ中、デストロイヤーから音声が流れる。

 

『この機体は停止致しました。排熱及びエネルギー消費が出来なくなりました。このままだとこの機体は自爆します。』

 

「「「「「なんだって!?」」」」」

バイス「マジかよ!?」

 

 まだ、災難は終わっていなかった。




今回はここまでです。
ブラキオバイスタンプを使って変身して、デストロイヤーを迎撃しました。
ただし、まだ終わりませんが。
ミツルギも、オーバーデモンズに変身しました。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
リバイスのVシネマが公開しましたね。
見に行って、良かったです。
勿論、この小説でも、インペリアルデモンズ、ライブマーベラス、エビルマーベラスは出します。
ちなみに、カズマの悪魔はムラマサになります。
ジョージ・狩崎が、カズマの悪魔にムラマサと命名する感じです。
あと、オリジナルの仮面ライダーを考えており、コーカサスバイスタンプとクリオネバイスタンプを用いて変身する仮面ライダーです。
ちなみに、コーカサスバイスタンプを使って変身するのが仮面ライダートライホーンで、クリオネが仮面ライダーホーリーデモンズです。
変身者は、トライホーンがリア、ホーリーデモンズがダストの予定です。
あとは、アイリスの為のライダーシステムも、絶賛開発中です。
ダクネスとめぐみんは、ライブとジャンヌに変身しますが、近いうちに変身させたいと思っています。
アンケートは、今回の話で終了します。
ビヨンド・ジェネレーションズに相当する話を、どんな風にやって欲しいのか、リクエストがある場合は、よろしくお願いします。
勿論、オリキャラを出して欲しいというのも受け付けます。
あと、仮面ライダーオルテカに関しては、出そうかなと考えています。
ただ、ジュウガVSオルテカがどういう感じなのかで判断しますが。


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第12話 終焔の機動要塞

      緊急クエスト!!

  デストロイヤーの自爆を阻止せよ!!

 

冒険者「無理だ。」

冒険者「あんなの無理だって!!」

 

 冒険者達が逃げ出していく。

 俺達も万が一に備えて離脱の準備を始める。

 

カズマ「ダクネス!!逃げるぞ!!」

ダクネス「私は、ここから逃げ出す訳にはいかない。」

結斗「ダクネス……。」

バイス「かっけぇな!」

 

 お前………貴族の意地を果たすつもりか。

 

ダクネス「それに、もうすぐ爆発するものの近くにいると考えると……。」

結斗「え?」

バイス「ダメだこりゃ。」

 

 まさか、こんな時まで性癖を発動する気か?

 

ダクネス「こうしてはいられない!カズマ、結斗!私は行くぞ!!行ってくりゅ!!」

 

 ダクネスは、やばい笑みを浮かべつつ、突入して行く。

 

冒険者「おい!ダクネスさんが突撃してくぞ!」

冒険者達「!?」

 

 ダクネスがデストロイヤーに向かって突撃していくのを他の冒険者達も見ていた。

 

冒険者「やるぞ!俺は!この街には散々世話になったからな!」

冒険者「俺も。もうレベル30を超えているのに、なぜ未だにこの駆け出しの街にいるのかを思い出した。」

ダスト「むしろ今まで安くお世話になって来た分ここで恩返し出来なきゃ終わってるだろ!」

親方「びびってんじゃねぇ!俺達も行くぞ!」

作業員「おォォォ!」

 

 と、どんどんデストロイヤーに冒険者や、作業員の方達まで突撃していった。

 心の中で、サキュバスの影響力って凄いなと思った。

 

ウィズ「カズマさん、結斗さん。中にある動力源を断てば自爆を阻止できる筈です。」

カズマ「そうだな。」

結斗「俺達も行くか。」

バイス「あいよ!」

アクア「みんな頑張ってね。私は帰るわ。後の宴会でね!」

カズマ「行くぞ!駄女神!」

アクア「え!イヤァァァ!!」

ジョージ「行くぞ、ダディー!」

真澄「ああ!」

 

 俺たちは、デストロイヤー内部へと突入していく。

 その際、カマキリバイスタンプを取り出して起動する。

 

カマキリ!

 

結斗「ハァァ……………フッ!」

 

 俺はカマキリバイスタンプをオーインジェクターに押印する。

 

Come on!カ!カマキリ!

Come on!カ!カマキリ!

 

 待機音が流れる中、カマキリバイスタンプをリバイスドライバーに装填して、一回倒す。

 

バディアップ!』


いざ無双斬り!俺が横切り!カマキリ!


『俺たちオンステージ!

 

バイス「へへっ!ここからは、俺っち、オンステージ!」

 俺たちはブラキオゲノムから、他の昆虫を両腕で捕獲、捕食をする肉食昆虫のカマキリと、全てを守るために人を捨ててでも戦い抜いた平成15番目の仮面ライダー、仮面ライダー鎧武をモチーフにしたカマキリゲノムへとゲノムチェンジをする。

 めぐみんは置いて行く事に。

 冒険者達を見ると、野盗が行われているような感じになっていた。

 

冒険者「おらっ!この中に居るんだろ!開けろ!このドア、ハンマーでぶっ壊すぞ!」

冒険者「出て来い!街を襲った責任者出て来い!とっちめてやる!!」

 

 何か、こっちが侵略している様な気分になるな。

 俺、バイス、カズマ、ミツルギ、狩崎さん、真澄さんは変身したまま突入していく。

 

結斗「ハアッ!はっ!」

バイス「ねぇ、結斗だけ武器持ってて、狡〜い!はいぃぃ!!」

 

 俺はカマキリゲノムの装備、カマキリックアローでゴーレムを貫いていく。

 バイスはカマキリ拳法的な攻撃で、周囲のゴーレムを倒していく。

 

カズマ「ハアッ!オラっ!」

 

 カズマは、スパイダーの力でゴーレムを拘束して、そこから攻撃する。

 

ミツルギ「ハアッ!でやっ!」

 

 ミツルギは、オーバーデモンズの力を使いこなしており、縦横無尽に駆け回り、魔剣グラムで攻撃する。

 

ジョージ「ハアッ!ホッ!フッ!」

 

 狩崎さんは、ジュウガの力でゴーレムを倒していく。

 

真澄「ハアッ!はっ!」

 

 真澄さんは、パンチやキックの際に、赤黒い衝撃波を放ちつつ、ゴーレムを倒していく。

 だが、ゴーレムはまだまだ湧いてくる。

 

バイス「もうしつこいってば!」

結斗「なら、リミックスで行くぞ!」

バイス「待ってました!」

 

 俺はカマキリバイスタンプを一回倒して、ボタンを押し、もう一回倒す。

 

リミックス!


『バディアップ!』



 

バイス「はいぃ!!」



 

必殺!コマ斬り!ブッチギリ!カマキリ!

 



 バイスが逆立ちし、俺の両肩に足を乗っけて、二つに分離したカマキリックアローを逆手持ちして、リバイスカマキリになる。

 リバイスカマキリになって、ゴーレムを切り裂いていく。

 

「「ハァァァァァ!!」」

 

カマキリ!スタンピングフィニッシュ!

 

 俺たちは必殺技を発動して、ゴーレムを細切りにしていく。

 しばらくすると、冒険者の叫び声が聞こえる。

 

冒険者「開いたぞーー!」

アクア「帰りたーい!!」

 

 そこに居た冒険者は、突撃時の気迫はどこへ行ったのか、微妙な表情で立っていた。

 

テイラー「見ろよ。あれを。」

 

 ダストのパーティのリーダーのテイラーが指を指した先には白骨化した遺体があった。

 

ウィズ「乗っ取った開発者でしょうか?」

アクア「既にこの世に未練もないくらいに成仏してるわね。」

カズマ「いや未練ぐらいあるだろ。」

結斗「これって1人寂しく死んでいったみたいな感じだよな。」

 

 すると、アクアがテーブルに日記が置いてあったのを見つけた。

 

アクア「何これ?日記かしら。国のお偉いさんが無茶言い出した。こんな低予算で機動兵器を作れと言う。無茶だ。」

結斗「彼の日記なのか?」

ジョージ「余程ブラックだったんだろうね。」

真澄「恐らくな。」

 

 低予算で機動兵器を作れと言われるとか、どんだけブラックなんだよ。

 余程の葛藤が書かれてるんだろうな。

 

博士『動力源をどうこう言われたけど知るか!伝説のコロナタイトを持ってこいと言ってやった。本当に持ってきちゃったよ。どうしよう。これで動かなかったら死刑じゃないの?動いて下さい!お願いします!』

 

 あれ、葛藤してない。

 それを聞いているうちに、俺たちはジト目になっていた。

 ミツルギ、狩崎さん、真澄さん、バイスでさえも。

 

博士『あれ?何か揺れるな。何だろう、何だろうこれ。俺どれだけ飲んだっけ?覚えてない。いや、昨日の記憶がない。あるのは、動力源のある中枢部分に行って、コロナタイトに向かって説教してた所までしか覚えてない。いや待てよ。その後、お前に根性焼きしてやるって言って、タバコの火をコロナタイトにつけた様な……………。』

 

 それが原因じゃん。

 暴走した理由は絶対にそれじゃん。

 ていうより、この博士は一体何をやっているんだよ。

 

博士『終わった。現在ただいま暴走中!国滅んだヤベェ、滅んじゃったよ!ヤベェー!でもなんかスカッとした。満足だ!よし決めた。もうここで余生を暮らすとしよう。だって降りられないしな。止められないしな。これ作った奴絶対バカだろ!…………おっと!これ作った責任者、俺でした!』

「「「「「「…………。」」」」」」

アクア「…………終わり。」

「「「「舐めんな!」」」」

ジョージ「ガッデーム!!この男は一体何を考えているんだ!?」

真澄「科学者に向いていない男だな…………。」

 

 あまりの下らなさに俺、カズマ、ミツルギ、バイス、狩崎さんは絶叫した。

 こいつ、科学者になっちゃダメな奴だろ。

 その後、遺体を他の冒険者に任せてミツルギ達は、デストロイヤーから降りた。

 コロナタイトがある部屋には、俺、バイス、カズマ、アクア、ウィズ、狩崎さん、真澄さんの7人がいた。

 

カズマ「ダスト達は先に避難させたけど、どうするんだ、これ?」

アクア「ねぇ、ウィズならなんとかなんない?」

ウィズ「無理ですよ。」

結斗「どうする?」

バイス「俺っちに言われても……………。」

ジョージ「なら、私たちのラボの動力源にしてしまおう。」

カズマ「…………ちゃっかりしてんな。」

ジョージ「有効利用出来るのなら有効利用しないとね。」

アクア「でも、どうやって運ぶのよ。」

ジョージ「それに関しては、任せたまえ。」

 

 狩崎さん曰く、アメイジングフィニッシュで、運ぶ事が可能らしい。

 確かに、10種の遺伝子を持つジュウガなら、可能っちゃあ、可能か。

 狩崎さんは、コロナタイトを持って、運んでいった。

 その際、ウィズとアクアにデストロイヤーの冷却を頼んでいた。

 その後、デストロイヤーは何とか冷却されて、コロナタイトは、狩崎さん達のラボの動力源となった。

 俺は狩崎さんのラボに向かっていた。

 

結斗「狩崎さん。」

ジョージ「結斗君か。ありがとう!デストロイヤーとの戦いで、10種のリミックスのデータが集まった!これで、バリッドレックスの開発に着手出来るよ!」

バイス「へっへーん!俺っちと結斗は、ナイスコンビだからな!」

ジョージ「そうだね。君とバイスは、ナイスなコンビだ!これからも頼むよ。」

結斗「はい!」

真澄「ここに居たか。丁度、王都の方から騎士が派遣された。君に用があるそうだ。」

結斗「分かりました。」

 

 そんな風に話して、俺たちはギルドへと向かう。

 ギルドに着くと、そこには騎士を従えた、黒髪の眼鏡をかけた制服の女性がいた。

 雰囲気からして恐らく、王都の役人さんなのだろう。

 だが、その役人さんは、俺を親の敵を見るかの様に睨んでいる。

 あれ?

 

???「佐藤和真!前田結斗!貴様らには現在、国家転覆罪の容疑がかけられている。」

結斗「は?」

???「一緒に来てもらおう。」

結斗「……………え?」

バイス「うっそーん!?」

 

 どういう訳か、俺とカズマは、捕まる事になってしまった。

 は?




今回はここまでです。
少し短めですが。
今回で、デストロイヤーの件は片付きました。
ただし、結斗とカズマの二人が、捕まります。
やっと、バリッドレックスの開発に着手出来そうなのに。
何故、そうなったのかは、次回辺りに明かします。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
結斗のヒロインはリアですが、どのタイミングでくっつけるのかは、考え中です。
あと、オリキャラやら、オリジナルの仮面ライダーを出して欲しいというのがあれば、受け付けます。


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第3章
第13話 冤罪の結斗とカズマ


 機動要塞デストロイヤーを倒し、アクセルの街を守った俺たち。

 だが…………。

 

???「サトウカズマ、前田結斗!貴様らには国家転覆罪の容疑が掛かっている!大人しく来てもらおう!」

 

 どういう訳か、国家転覆罪という罪が付いていた。

 

結斗「えっと、貴方は?」

セナ「これは失礼した。私はセナ。王国検察官です。」

カズマ「それでなんで、俺達は国家転覆罪の容疑が掛かっているんですか?」

バイス(本当だよ!俺っち達、この街を救ったヒーローなんだぞ!)

 

 確かに俺達は何もしてない。

 

セナ「この街の領主、アルダープの屋敷に、暗殺者が現れたのだ。」

結斗「えっ?」

セナ「その暗殺者は、貴様達が使うバイスタンプとやらを持っていたそうで、領主が告発したのだ。」

 

 え?

 バイスタンプ?

 何でそんなのを持ってる奴が居るんだ。

 しかも、何で俺たちが関係しているという暴論になるんだ。

 完全に濡れ衣だろ。

 

ダクネス「待ってくれ!それは完全に濡れ衣じゃないのか!?」

ジョージ「そうだね。私達は、デストロイヤーの対応をしていた。そんな事をしている暇はない筈だがねぇ。」

 

 ダクネスはそう叫び、狩崎さんは、そう言ってくれる。

 そう言ってくれるだけでも嬉しいよ。

 俺たちは、そんな事を出来る力は無いしな。

 

セナ「無論、それは分かっています。しかし、告発がある以上、動かざるを得ないので。貴方達を逮捕します。」

 

 そうなるのか…………。

 少し、俺は過去を思い出して、顔を顰める。

 冤罪なのに、俺が悪いみたいになっている。

 どうにも納得がいかない。

 

セナ「貴方達には、テロリストもしくは、魔王軍のスパイの疑惑がかかっています。手荒なことはしたくありません、署までご同行願います。」

カズマ「どうすんだよ、結斗…………。」

結斗「………………着いていくしかないだろうな。」

バイス(結斗………………。)

 

 そう。

 今ここで逃げれば、益々面倒な事になる。

 大人しく行くしかないな。

 だが。

 

ダスト「おい!それは横暴じゃねぇのか!?」

結斗「ダスト!?」

ダスト「こいつらはな、デストロイヤーを倒して、この街を救ったんだぞ!?」

冒険者「そうだ!そうだ!」

冒険者「国家権力の横暴かよ!!」

 

 ダストの叫び声と共に、他の冒険者たちもそう叫ぶ。

 そう言ってくれるのは嬉しい。

 だが……………。

 

セナ「ちなみに、国家転覆罪は主犯以外にも課される事がある。言葉には気をつけろ。」

『………………。』

 

 セナのその言葉に、周囲は黙ってしまう。

 いや、黙らされたの方が正しいだろう。

 俺とカズマは、頷く。

 

カズマ「…………分かったよ。」

結斗「ただ、少し、仲間に物を預けても良いですか?」

セナ「まぁ、良いだろう。さっさと預けろ。」

 

 俺たちは、リバイスドライバーとデモンズドライバー、それぞれが持っているバイスタンプを狩崎親子に預ける。

 そうして、俺たちは連行されていった。

 アルダープって奴、何考えてんだ。

 それにしても、暗殺者か。

 一体、誰なんだ?

 

ジョージside

 

 私たちは、結斗とカズマが連行されていくのを黙って見る事しか出来なかった。

 ギルド内では、怒り心頭だった。

 

冒険者「何でだよ!何で結斗とカズマが捕まんないと行けないんだよ!!」

冒険者「そうだ!横暴だ!!」

冒険者「アイツら、結構良い奴なのに!!」

 

 あの2人、結構慕われてるね。

 まあ、納得はいく。

 私たちは話し合う事に。

 

めぐみん「それにしても、バイスタンプを持つ謎の暗殺者ですか……………。」

アクア「まさか、アンタら二人がそいつにバイスタンプを渡したの!?」

ジョージ「ちょっと待ちたまえ。バイスタンプは、君たちにしか渡していない。それに、魔王軍幹部であるベルディアが、サーベルタイガーのプロトバイスタンプを持っていただろう?」

ダクネス「確かに………………。」

真澄「恐らく、魔王軍の何者かが、二人に罪をなすり付けようとしたのではないか?」

 

 その可能性は十分に高いね。

 問題は裁判だ。

 リーン君に聞いた話によると、弁護人は被告人の身内から出すそうだ。

 一応、私とダディーの2人が、弁護人として出るのだが、問題はアクアだ。

 あんな性格じゃあ、何をしでかすか分からない。

 ちゃんと監視しないとね。

 

結斗side

 

 俺達はその後、牢屋へとカズマと共に入った。

 

カズマ「何で俺たちが捕まるんだよ。」

結斗「さあな。」

カズマ「俺たち…………どうなるんだろうな。」

結斗「取り調べがあるとか言ってたから、そこで変な事をしなければ、大丈夫だろ。」

カズマ「そうだな。」

 

 俺たちはそう話す。

 というより、何で俺たちが冤罪を被らないといけないんだ。

 少しイラついてきたな。

 俺とカズマは、今日は寝る事にした。

 その日、俺は夢を見た。

 それも、過去の出来事の記憶を…………。

 

???『見て。あの子よ。』

???『本当だ。家族が亡くなったのに、気丈に振る舞った奴か。』

 

 そんな声が聞こえてきて、周囲からは、蔑みと畏れの視線が……………。

 

結斗「……………ハアッ!?」

 

 俺は、飛び起きる。

 そこは、昨日と変わらず、牢屋だった。

 

結斗「……………最悪だ。」

バイス(結斗……………大丈夫か?)

結斗「バイス……………大丈夫だ。」

 

 思い出したくない事を思い出したな。

 ここ最近、過去を刺激するような出来事ばかりだな…………。

 その後、カズマも起きて、俺達は揃って同じ部屋に連れてこられた。

 おそらく取調べ室だろう。

 俺達は隣同士に座り、反対側にセナが座る。

 

セナ「これから貴様らの取り調べを行う。言っておくが嘘は通じないぞ。そこにあるのは嘘を見抜く魔道具だ。」

 

 この世界には嘘発見器があるのか。

 まあ、嘘を吐く気はないが。

 

セナ「まずはサトウカズマ。貴様からだ。16歳で冒険者。では出身地と冒険者になる前に何をしていたのかを言え。」

カズマ「出身地は日本で学生してました。」

 

チーン。

 

 カズマがそう言うと、魔道具から音が鳴る。

 

セナ「……………出身地と経歴詐称か。」

カズマ「すいません。日本で学生とは名ばかりでグータラしてました。」

バイス(カズマって、ニートなんだな!ブハハハハ!)

 

 今度は鳴らない。

 カズマってニートだったんだ。

 まあ、俺には関係ない話だが。

 ていうか、バイスもあんまり笑うなよ。

 

セナ「そ、そうですか。次は貴様の番だ。前田結斗。18歳で冒険者。なら、先程のと同じだ。」

結斗「出身地はカズマと同じく日本で大学生をしていました。」

 

 俺がそう言っても、魔道具は鳴らない。

 事実だからな。

 

セナ「そうか。そこの男とは違い、真面目に勉学をしていたと言う事か。しかし、ニホンとは聞いた事が無いな。」

 

 そりゃ、異世界だからな。

 聞いた事がないのは当然の事だ。

 

セナ「では、冒険者になった動機をサトウカズマから言え。」

カズマ「魔王軍に苦しんでいる人達を助けようとして……。」

 

チーン。

 

 カズマがそう言うと、再び魔道具から音が鳴る。

 

カズマ「…………冒険者になってカッコいいし、活躍したら人気者になれそうだからです。魔王を倒す気はありますけど。折角、デモンズの力を得た訳ですし。」

 

 今度は鳴らない。

 カズマらしいといえば、カズマらしいな。

 

セナ「次はお前だ。」

結斗「俺は、偶然、仮面ライダーの力を手に入れて、これがあれば、魔王を倒せると思い、冒険者になりました。」

 

 その言葉を聞いたセナさんは、魔道具をチラリと見る。

 だが、魔道具から音は鳴らない。

 転生した事で、バイスというかけがえのない家族と出会えたのだから。

 魔王を倒す気はある。

 ただ、まだ挑むには早いが。

 

セナ「ふむ。では領主殿に恨みの類はあるか?」

結斗「そりゃあ、ありますよ。ベルディアを倒したのは俺たちなのに、外壁の修理費をケチった領主のせいで、俺たちは借金を負う事になったわ、デストロイヤーを倒したのに、俺たちがテロリスト扱いされるわ。」

カズマ「一応、憤る仲間をそんな感じに説得しましたが、本音を言えば、恨んでますよ。」

バイス(そうだ!そうだ!俺っち達をテロリスト扱いすんなよな!)

 

 セナさんは、俺たちの言葉に少し引きながら、魔道具を見る。

 魔道具は鳴らない。

 セナさんは俺たちに少し、同情の視線を向ける。

 

セナ「ごもっともですね。では次に…………。」

カズマ「あのすみません。そんな回りくどい言い方しないでくださいよ。」

結斗「さっさと、俺たちに魔王軍関係者かって聞けばいいじゃ無いですか。そもそも俺達は魔王軍とは関係ないですよ。」

 

 その言葉に、当然の如く鳴らない。

 セナさんはため息をつきながら、俺たちに話しかける。

 

セナ「………どうやら私が間違っていた感じのようですね。あなた方は魔王軍関係者ではない。すみません。」

結斗「信じてくれて有難いです。」

カズマ「容疑が晴れて良かったです。それに俺達はデストロイヤーにベルディアの討伐をしたんだから。」

セナ「それはもちろん存じ上げております。あなた方仮面ライダーが居てくれたお陰でアクセルの街は2度も助かった。しかし、結斗さんはともかく、貴方の方は悪い噂があるようで。」

 

 ああ、スティールの一件か。

 カズマも、心当たりがあるのか、少し罰の悪い表情を浮かべる。

 

セナ「まあ、それはともかく、あなた方は魔王軍関係者ではなく、幹部の知り合いがいないと言う事だな。」

結斗「魔王軍の知り合いは流石に居ないとは言い切れません。それに、スパイがいて、そいつと知り合っている可能性がありますけど、魔王軍とは一切関係ありません。」

 

 鳴らない。

 それは事実だしな。

 一応、魔王軍幹部であるウィズとは知り合いなのだが、知り合った時は、魔王軍幹部だとは知らなかったので、大丈夫だろ。

 

セナ「スパイ?もしかして心当たりが?」

結斗「無いですよ。あくまで保険。それに駆け出し冒険者の街に送っても大して意味は無いと言えるでしょう。」

カズマ「そうですよ。」

 

 少々、怪しかったがどうか?

 セナは、少し訝しげにしながらも、納得した表情を浮かべる。

 

セナ「なるほど。あなた方は無罪である事は確認出来ました。しかし、私は検察官として領主アルダープに雇われた身。領主側になりますが、お二人が無罪になる様に善処します。」

カズマ「分かりました。」

結斗「ありがとうございます。」

 

 なんとか無罪だと証明出来た。

 しかし聞きたい事があるので聞く。

 

結斗「あの…………セナさん。」

セナ「はい?」

結斗「領主を襲ったという暗殺者は、どういう奴なんですか?」

セナ「確か…………カメレオンみたいな見た目の怪物に変身したそうです。」

結斗「そうですか…………。分かりました。呼び止めてすいません。」

セナ「いえ。」

 

 カメレオンみたいな見た目の怪物ね。

 という事は、カメレオン・デッドマンの可能性が高いな。

 俺たちは、牢屋へと戻った。

 

カズマ「なあ…………そのカメレオンみたいな奴って……………。」

結斗「恐らく、ベルディアと同じく、カメレオンのデッドマンと上級契約をした何者かだろうな。」

カズマ「マジか!じゃあ、俺たちの無実は証明できたな!」

結斗「ああ。」

バイス(よっしゃあ!俺っち達は無実なんだよ!)

 

 俺たちはそう話す。

 そして、こっそり持ってきたガンデフォンを使って、狩崎さんにメールを送る。

 その内容は、『アルダープを襲ったのは、カメレオン・デッドマン。』という物だ。

 これで、対策が出来るってもんだ。

 

ジョージside

 

 私たちが、結斗達の無事を祈りながら、アイリス姫の為のライダーシステムや、バリッドレックス、その他にも、デストリームをベースにした新たな仮面ライダーや、デモンズの別パターンの仮面ライダーの作成を行なっている中、ガンデフォンに通知が来る。

 

真澄「どうした?」

ジョージ「結斗からだ。何々……………『アルダープを襲ったのは、カメレオン・デッドマン。』だってさ。」

真澄「という事は………………!」

ジョージ「デッドマン絡みという事だね。」

 

 よくやった。

 これなら、どうにか出来そうだ。

 だが、少し不安が残るな。

 すると。

 

真澄「ジョージ。」

ジョージ「ダディー?」

真澄「ツーサイドライバーをダクネス君に、リベラドライバーをめぐみん君に渡さないか?」

ジョージ「どうしたんだい?急に。」

真澄「彼女達も、ギフの遺伝子が入っている。変身させるのもありだと思うが。」

ジョージ「…………………。」

 

 確かに、あの二人にも、ギフの遺伝子が入っている。

 という事は、悪魔が生まれてもおかしくはない。

 

ジョージ「まあ、いずれ渡す予定だったけど、めぐみんがリベラドライバーなのは?」

真澄「彼女………………さくら君に似ているとは思わないか?」

 

 なるほどね。

 確かに、めぐみんの性格は、五十嵐さくらと似ている。

 勝気な性格とか、喧嘩っ早い所とか。

 

ジョージ「分かった。彼女達に、ドライバーを渡そう。」

真澄「ああ。」

 

 そう話して、めぐみんとダクネスの二人を呼ぶ。

 

めぐみん「どうしたんですか?」

ダクネス「?」

ジョージ「君たちに、渡す物があってね。」

真澄「これだ。」

 

 私とダディーは、めぐみんにリベラドライバーとコブラバイスタンプを、ダクネスにツーサイドライバーとバットバイスタンプを渡す。

 

めぐみん「これは!?」

ダクネス「ドライバーにバイスタンプ!?」

ジョージ「ああ。結斗からの連絡でね。デッドマンが現れる可能性がある。二人にも、戦って欲しくてね。」

真澄「頼めるか?」

めぐみん「良いでしょう!いよいよ、変身する時が来ましたか!」

ダクネス「ああ。」

 

 その後、私とダディーは苦労したが、二人が変身出来るように手伝った。

 裁判は、どうなる事か。




今回はここまでです。
カメレオン・デッドマンが、アルダープを暗殺しようとして、アルダープは、二人がカメレオン・デッドマンとグルじゃないかと思い、そうなりました。
そして、ダクネスはツーサイドライバーを、めぐみんはリベラドライバーを受け取りました。
次回、ダクネスとめぐみんが変身します。
それだけでなく、新たなライダーシステムの開発も進んでおります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日、ジュウガVSオルテカの情報が来ましたね。
この小説でも、仮面ライダーオルテカは出す予定です。
ただ、誰が変身するのかは、未定ですが。
もし、誰が変身して欲しいというのがあれば、活動報告にお願いします。


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第14話 運命の裁判

 遂に裁判の日が来た。

 この世界の裁判は意外と単純で、検察官が集めた証拠を提示し、弁護人が反論して、それを見て裁判官が判断を下すと言うものだ。

 被告人の知人が弁護人を引き受ける物だが、俺達の弁護人が不安だった。

 それも、約2名が。

 

めぐみん「任せて下さい!紅魔族は知力が高いのです!あんな検察官に負けませんよ!」

アクア「私、一度、『異議あり!』ってやってみたかったのよ!」

 

 不安だ。

 特にアクア辺りが。

 

ダクネス「どうしようも無くなったら私がなんとかする。だから心配しなくていい。」

真澄「何とか、アクアは抑えておく。」

ジョージ「だから、私たちに任せて欲しい。」

 

 残りの人達は本当に頼もしい。

 でも、いくら無罪を証明出来ているとは言え、相手は領主だ。

 油断は出来ない。

 そして裁判が始まる。

 

裁判長「静粛に!これより国家転覆罪に問われている被告人サトウカズマと前田結斗の裁判を開始する!告発人アレクセイ・バーネス・アルダープ!」

 

 あの太ったおっさんがアルダープって領主か。

 いかにも悪徳領主だと言う感じがする。

 第一印象はとても良くない。

 すると、バイスが出てくる。

 

バイス(んん?)

結斗「どうした、バイス?」

バイス(いや、アイツから悪魔の匂いがするんだよな。)

 

裁判長「それでは検察官は前に嘘を見抜く魔道具があるので、分かる様に正直に話す事。」

 

 裁判長は、そう言う。

 すると、セナさんが前へ出る。

 

セナ「それでは、起訴状を読み上げます。被告人サトウカズマと前田結斗、謎の魔物を使役して、領主館を襲わせました。幸いにも死者は出ませんでしたが、これはアルダープ氏の命を狙った事から、被告人達に国家転覆罪を求めます。」

アクア「異議あり!」

 

 アクアがいきなり叫ぶ。

 ちょっと待て、そんなゲームじゃ無いんだよ!

 

裁判長「弁護人はまだ発言出来ませんよ。発言したいなら許可を貰うように。………まぁ、初めてですし大目に見ます。では発言をどうぞ。」

アクア「いえ、異議ありって言ってみたかっただけです。」

裁判長「弁護人は弁護の発言をするように!」

ジョージ「君は何考えているんだい!?」

 

 アクアの言葉に、裁判長はそう叫び、狩崎さんはアクアに対してそう叫ぶ。

 

セナ「………私からは以上です。」

 

 セナさんは、若干引きながら、そう言う。

 本当に、うちの駄女神がすいません。

 

裁判長「では被告人及び弁護人の発言を許可します。」

 

 そう言って、俺たちの発言が許された。

 ヘマをしなければ、大丈夫な筈だ。

 

結斗「俺達は、その魔物……………デッドマンを使役する事は出来ず、アクセルに迫っていたデストロイヤーの迎撃をしていた為、そんな事は出来ません。」

カズマ「そ、そうだ!俺たちだって、デッドマンはよく分からない存在だしな。」

 

 鳴らない。

 事実だしな。

 確かに、デッドマンは、バイスタンプを押印すれば生まれるが、そんな事はしていない。

 それにしてもセナさんの配慮か、簡単に反論出来る。

 

裁判長「被告人の発言は以上ですね。それでは、検察官。証拠の提示を。」

セナ「はい。彼等がテロリストもしくは魔王軍関係者である事を証明する為に証人を連れてきました。それではこちらに。」

クリス「あはは……。なんか呼ばれちゃった。」

 

 そう言って出てきたのはクリスだ。

 と言う事はカズマ関連か。

 

セナ「クリスさん。貴方はサトウカズマに公衆の面前でスティールで下着を剥ぎ取られた。そうですね?」

クリス「はい。……といってもスティールはランダムで、幸運値によって奪うものも変わってきますので、カズマ君の場合は事故です。」

アルダープ「………本当に証拠になるのか?」

セナ「下着が取られたと言う事実を確認出来たので。」

 

 意外と図太いな、セナさん。

 クリスは、下がった。

 2人目として出てきたのは、ミツルギだった。

 ミツルギの視線は、俺たちに向いて、頷いた。

 

セナ「ミツルギさん。あなたは以前被告人の前田結斗さんから、魔剣を奪われそれを返してほしければ、全財産をよこせ、と脅されたそうじゃないですか。」

 

 いや、そんな事してねぇよ。

 どういう事だ?

 

セナ「それに関しては、どうですか?」

ミツルギ「そんな事は彼はしてません!彼は、本当の強さについて諭してくれたんです。そんな事を言われる筋合いはありません。」

 

 ミツルギがそう言うと、俺の方をチラリと見て、セナさんも、ウィンクをする。

 なるほど。

 裁判長に好印象を抱かせる為か。

 すると。

 

アルダープ「はぁ〜、もう良いだろ。そいつらは魔王軍の関係者だ。さっさと死刑にしろ。」

 

 先ほどまでずっと黙っていたが、そんな事を言い出す。

 なら、利用させて貰うだけだ!

 

カズマ「違う!俺達は魔王軍関係者でも無ければ、テロリストでもない!」

結斗「そうだ!俺たちはそんな事をしていない!」

バイス(そうだ!そうだ!)

 

 俺たちの言葉に、全員の視線が、魔道具に向く。

 だが、何も鳴らない。

 それを見た裁判長は。

 

裁判長「魔道具が鳴らないことを見ると、被告人達の言葉は真実であり、検察官の証拠は不十分。よって被告人達は無罪に……。」

アルダープ「いや、そいつらは魔王軍関係者だ。即刻死刑だ。」

バイス(ちょっと、何言ってんのよ。)

 

 は?

 アイツはいきなり何を言い出すんだ。

 無実なのは、魔道具でも証明されているだろ。

 

裁判長「しかし、怪我人及び死亡者が出てないのにも関わらず、死刑は言い過ぎかと。」

アルダープ「ワシに恥をかかせたいのか?」

裁判長「…………被告人サトウカズマ、前田結斗。貴方達の行ってきた行為は領主の命を狙った物。よって被告人達を死刑にする。」

 

 は?

 ちょっと待て!

 身分を盾にゴリ押しかよ!

 これだから中世の異世界は!

 

バイス(これ、かなりヤバくない!?)

結斗「本当にやばいな……………。」

 

 待って、これマジでやばい。

 すると。

 

???「がぁぁぁぁ!」

結斗「っ!?」

 

 すると、デッドマンが現れた。

 しかも、プラナリアのデッドマンだった。

 

カズマ「おい、アレって!?」

めぐみん「デッドマンじゃないですか!?」

ジョージ「しかも、プラナリアのデッドマンみたいだね………………。」

真澄「誰がデッドマンを放ったのだ?」

ダクネス「プラナリア?」

バイス(お!?俺っちの出番!?)

 

 プラナリア・デッドマンが現れて、俺たちはそう話す。

 ちなみに、ギフジュニアも連れてきていた。

 一方、それを見ていたアルダープは。

 

アルダープ「ヒィィィィ!!」

 

 アルダープは、腰を抜かして驚くと、そのまま逃げ去っていく。

 その場にいる全員を放置して。

 

カズマ「アイツ、逃げやがった!」

結斗「ほっとけ!」

ジョージ「私とダディーで避難誘導に当たる!君たちは、変身したまえ!」

結斗「分かりました!」

真澄「結斗君!カズマ君!君たちのドライバーとバイスタンプだ!」

 

 真澄さんから、俺はリバイスドライバーとレックスバイスタンプを、カズマはデモンズドライバーとスパイダーバイスタンプを受け取る。

 ダクネスとめぐみんとミツルギも、ツーサイドライバーとリベラドライバーとデモンズドライバーを装着する。

 どうやら、ダクネスとめぐみんも変身出来るようになったみたいだな。

 すると、プラナリア・デッドマンがもう一体現れる。

 

カズマ「もう一体!?」

ダクネス「だが、誰が……………!?」

結斗「皆、行くぞ!」

めぐみん「はい!」

ミツルギ「ああ!」

 

 俺たちは、それぞれのドライバーを装着して、バイスタンプを起動する。

 

レックス!

バット!


『Confirmed!

コブラ!

スパイダー!

クワガタ!

Deal……!

 

 バイスタンプを起動した後、俺、ダクネスはオーインジェクターに押印する。

 めぐみんもコブラバイスタンプを装填する。

 カズマとミツルギは、デモンズドライバーの上部に押印する。

 

Come On!レ!レ!レ!レックス!

 

バイス「フハハハハハ!いやっほう!」

 

Come On!レ!レ!レ!レックス!

What's Coming-up!?What's Coming-up!?

What's Coming-up!?What's Coming-up!?

 

 待機音が流れる中、俺たちは叫ぶ。

 

「「「「「変身!」」」」」

 

 そう言って、変身する手順を踏む。

 ダクネスは、バットバイスタンプを装填した後、ツーサイドライバーをライブガンの状態にする。



 

Eeny, meeny, miny, moe…!

Eeny, meeny, miny, moe…!

Eeny, meeny, miny, moe〜!

Eeny, meeny, miny, moe〜!

 

 そして、俺たちは変身する。

 

バディアップ!

バーサスアップ!

リベラルアップ!

Decide up!

Delete up!

オーイング!ショーニング!ローイング!ゴーイング!

仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!』
『Precious!Trust us!Justis!バット!

仮面ライダーライブ!

Ah Going my way!』


仮面ライダー!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!

Deep.(深く)Drop.(落ちる)Danger.(危機)

(仮面)Rider Demons!

Unknown.(未知なる)Unlest.(混乱が)Unlimited…(越える)

仮面ライダーオーバーデモンズ!

 

 俺とバイスは、リバイス・レックスゲノムに、ダクネスはライブ・バットゲノムに、めぐみんはジャンヌ・コブラゲノムに、カズマはデモンズ・スパイダーゲノムに、ミツルギはオーバーデモンズに変身する。

 すると。

 

ラブコフ「ラブラブ〜。」

 

 そう。

 ラブコフが居たのだ。

 俺、バイス、ミツルギは片方を、カズマ、めぐみん、ダクネスはもう片方を倒す事に。

 

結斗「ハアッ!」

バイス「よいしょ!」

ミツルギ「ハアッ!」

 

 俺はオーインバスターを持って、プラナリア・デッドマンに攻撃していく。

 バイスは、ガンデフォンや格闘技で攻撃していく。

 ミツルギは、魔剣グラムを使いつつ、格闘戦も交えて攻撃していく。

 他のギフジュニアも倒しつつだ。

 

結斗「ハアッ!ミツルギ、やるじゃん。」

バイス「フハハハハハ!俺っち達の次にな!」

ミツルギ「佐藤和真に負けた後、鍛え直したからね。それにしても、再生していないかい?」

結斗「まあ、プラナリアだしな…………。」

 

 そう。

 俺たちが攻撃しても、すぐに再生するのだ。

 すると、バイスがキックをする。

 

バイス「ハアッ!」

 

 バイスがキックをして、プラナリア・デッドマンが吹っ飛ぶ。

 

バイス「あ痛……………お尻、消えた?俺っちのお尻、知りませんか?」

 

 バイスがそう言う中、俺とミツルギは、プラナリア・デッドマンに攻撃していく。

 一方、カズマ、ダクネス、めぐみんは、連携攻撃でデッドマンやギフジュニアに攻撃していく。

 

カズマ「ダクネスにめぐみんは、いつの間に変身出来るようになったのか!?」

ダクネス「まあな。」

めぐみん「狩崎さん達から、ドライバーとバイスタンプを受け取ったんです。まあ、流石にそう簡単には変身出来ませんでしたよ。」

カズマ「じゃあ、めぐみんが変身した時に現れたあの悪魔は?」

めぐみん「………………実は、ずっと気にしていたんです。私は、爆裂魔法を撃った後は、皆に守られてばかりだと。」

 

 めぐみんはそう気にしていた。

 だが、爆裂魔法は、撃った後、動けなくなるのだから、無理はない。

 

めぐみん「だからこそ、そんな弱さを私は受け入れて、強くなります!ジョージさん曰く、ラブコフは、私の弱さの象徴だそうです。」

カズマ「なるほどな。」

ダクネス「私だって、苦労したのだぞ!」

 

 ダクネスはそう叫んで、バットバイスタンプのボタンを押す。

 

必殺承認!』


バット!ジャスティスフィニッシュ!』


 

 ダクネスは必殺技を発動して、ギフジュニアを倒していく。

 

カズマ「ダクネス、銃なら当たるのかよ。」

ダクネス「どうやら……………そうみたいだ。」

???「おい。とっとと変われ。」

ダクネス「ま、待て!」

 

 すると、ダクネスがそう言うと、項垂れて、変身解除する。

 顔を上げると、顔や服装はそのままだが、髪が少し荒れていた。

 

カズマ「お前………………誰だよ!?」

カゲロウ「俺はカゲロウ。ダクネスの悪魔だ。」

めぐみん「ダクネスの悪魔ですよ。」

カズマ「ええっ!?」

 

 カズマがカゲロウに驚く中、カゲロウはツーサイドライバーを一回戻し、ライブガンからエビルブレードに変える。

 そして、変身する。

 

バーサスアップ!

Madness!Hopeless!Darkness!バット!(Hehe!)

仮面ライダーエビル!(Yeah!Haha!)

 

 カゲロウは、仮面ライダーエビルに変身する。

 カゲロウの攻撃で、ギフジュニアが倒され、プラナリア・デッドマンが怯む。

 それを見ていたカズマは。

 

カズマ「えっ!?ダクネスの攻撃が当たってる!?」

めぐみん「私たちも驚きましたよ。まさか、カゲロウになったら、剣での攻撃が当たるんですから。」

カズマ「こりゃ……………カゲロウのままの方が良いんじゃないか?」

ダクネス(お、おい!そんな事を言うな!)

 

 カズマがそうぼやく中、ダクネスは意識は出なくても、そう突っ込んだ。

 そんな中、ギフジュニアは倒され、あとはプラナリア・デッドマンのみとなった。

 

カゲロウ「おい、さっさと決めるぞ。」

カズマ「あ、ああ!」

めぐみん「ええ!」

 

 3人は、必殺技の体勢に入る。

 

スパイダー!

charge!

必殺承認!

 

 ドライバーを操作して、キックの体勢に入る。

 

「「「ハァァァァァァ!」」」

 

デモンズフィニッシュ!

バット!ダークネスフィニッシュ!

コブラ!スタンピングスマッシュ!

 

 3人のライダーキックがプラナリア・デッドマンに決まり、プラナリア・デッドマンは爆発する。

 一方、俺はメガロドンバイスタンプを取りだす。

 

メガロドン!

 

 俺はレックスバイスタンプを抜いて、メガロドンバイスタンプをオーインジェクターに押印する。

 その際、バイスが吸い込まれる。

 

バイス「ちょっと何!?ってうわぁぁぁ!?」

 

Come On!メガロドン!

Come On!メガロドン!

 

 そして、バイスタンプゴースロットに装填して、倒す。

 

バディアップ!

潜るドンドン!ヨーイドン!ドボン!メガロドン!

通りすがりのハハハハンター!

 

 俺とバイスは、メガロドンゲノムになる。

 

結斗「ハアッ!でやっ!」

バイス「ハアッ!ふっ!どりゃあ!」

 

 俺は両腕のディヴァインソードを振るい、プラナリア・デッドマンにダメージを与える。

 バイスは、サメの顎のオーラを纏った回し蹴りを放つ。

 ミツルギも攻撃して、プラナリア・デッドマンは怯んだ。

 

結斗「よし!一気に行くぜ!」

バイス「あいよ!」

ミツルギ「ああ!」

 

 俺たちは、必殺技の体勢に入る。

 俺はメガロドンバイスタンプを一回倒して、ミツルギはクワガタバイスタンプをオーインジェクターに押印する。

 

クワガタ!

charge!

 

 そして、必殺技を発動する。

 

「「「ハァァァァァァ!」」」

 

メガロドン!スタンピングフィニッシュ!

デモンズフィニッシュ!

 

 俺たちのキックが、プラナリア・デッドマンを貫く。

 

バイス「そんじゃ行きますよ!3!2!1!」

 

 バイスのカウントダウンと共に、プラナリア・デッドマンは爆発する。

 俺たちが変身解除すると、戻ってきた狩崎さんが言う。

 

ジョージ「裁判長。これでもまだ、結斗とカズマの2人を死刑にすると言うのかい?」

裁判長「…………分かりました。では、改めて。前田結斗さん、サトウカズマさん。あなた方の嫌疑は不十分な為、無罪とする。」

 

 こうして、裁判は幕を閉じた。

 だが、誰がプラナリア・デッドマンを放ったんだ?

 謎は残ったままだが。




今回はここまでです。
裁判は、無事に終わりました。
まあ、厳密には無事ではなくなるんですがね。
そして、めぐみんはジャンヌに、ダクネスはライブに変身しました。
次回は、あのぼっちの紅魔族が登場します。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。


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第15話 孤高の紅魔族

 あの裁判からしばらくが経った。

 俺たちの屋敷の物は、殆ど差し押さえに遭ってしまった。

 その理由としては、アルダープが、裁判所に差し押さえるように命じたからそうだ。

 その為、冬を過ごすのが厳しくなってしまったのだ。

 

アクア「ぶへっくしょい!うぅ〜寒いよ……。あっためてよ…………誰か私を温めてよ!」

カズマ「………ァァァァァァ!!」

アクア「!いきなりどうしたのよ!?」

カズマ「分からないのか!?ダクネスがあの領主の元に行ったきり帰ってこないんだぞ!もしかしたら今頃は!」

「「アァァァァァ!!」」

 

 カズマとアクアは、そんな風に叫んでいた。

 まあ、ダクネスに関しては、大丈夫な気がするが。

 あのドMクルセイダーだぞ?

 ご褒美にしかならないだろ。

 ちなみに、ダクネスが居ない理由は、差し押さえに対する抗議をしに行ったのだ。

 そんな中、俺、バイス、狩崎さん、真澄さんは話していた。

 

結斗「なあ、そんなにあの領主ってやばいのか?」

ジョージ「ああ。何せ、悪い噂が絶えないらしい。」

真澄「その割には、裁判になったら、領主が勝っているのだ。」

バイス「それに、あの領主から、悪魔の匂いがしたぜ!」

結斗「という事は、悪魔が関与している可能性があるって事か?」

ジョージ「おそらく。」

真澄「その可能性は十分に高いだろう。」

 

 あの領主、何者なんだ?

 悪魔が関与しているという事を考えると、バイスタンプを持っている可能性があるという事か?

 何にせよ、警戒するに越した事はないな。

 ちなみに、狩崎さん達のラボは、差し押さえを免れた。

 その理由は、現在、狩崎さん達は、この国の王女であるアイリス姫の為のライダーシステムを開発中であり、どうにかなったそうだ。

 すると。

 

???「なーお。」

 

 そんな猫の鳴き声が聞こえてきて、俺たちは鳴き声がした方を見る。

 すると、めぐみんが一匹の猫を抱えていた。

 

カズマ「めぐみん?何だその猫?」

めぐみん「迷惑はかけないと思うのですが。」

ジョージ「飼いたいって事かい?」

真澄「それにしても可愛いじゃないか。」

結斗「そう言う癒しは必要かもな。」

バイス(ちょっと!俺っちよりも目立とうとしてんじゃないの!?)

めぐみん「ダメでしょうか?」

 

 俺達はめぐみんが連れてきた猫の顎を掻いてやると気持ちよさそうに目を細めていた。

 なぜかアクアが触ろうとすると、引っ掻いたけど。

 

アクア「ちょっ!なんで私には爪を立てるの!?なんてことかしら。この太々しい態度と言い、漆黒の毛皮といい、何か邪悪さを感じるわ。ねぇ、この邪神の名前はなんて言うの?」

めぐみん「ちょむすけです。」

「「「「「…………。」」」」」

カズマ「……………今、なんて?」

めぐみん「ちょむすけです。」

「「「「「…………。」」」」」

 

 まあ、紅魔族のネーミングセンスの無さは今更だしな。

 めぐみんが口を開いた。

 

めぐみん「ところで、カズマとアクアの2人は何を騒いんでいたんですか?」

カズマ「お前、冷静だな。ダクネスは今頃…………!」

めぐみん「確かにあの領主の良くない噂は聞きますが、あのダクネスが流石に……。」

カズマ「これだからお子様は!まだあの変態の事が分かってないのかよ!『くっ!私の身体は好きに出来ても心まで自由に出来ると思うなよ!』って言うに決まってるぞ。」

 

 めぐみんも事態に気付いたのか、目を見開く。

 すると、ちょむすけを落としてしまう。

 

めぐみん「ど、どどどうしましょう!カズマ!」

カズマ「もう遅い。いいか?ダクネスが帰ってきても普段と変わらず優しく接してやるんだぞ?」

アクア「分かったわ!大人の階段を先に登ったダクネスには何も聞かないのね!」

めぐみん「ダクネスがぁ……ダクネスがぁ。」

結斗「ダクネスは大丈夫だよな…………?」

ジョージ「さあね。」

真澄「カゲロウも居るんだ。大丈夫だと思うが。」

 

 俺たちはそう話す。

 すると。

 

セナ「サトウカズマ!前田結斗!両方ともにいるかーー!?」

「「「「「「ん?」」」」」」

 

 そう叫びながら、セナさんが入って来る。

 俺たちは、アクセル近郊の草原へと来ていた。

 その理由は…………。

 

アクア「イヤァァァァァ!!」

 

 アクアはそう叫びながら、ジャイアントトードに追われていた。

 何故かと言うと、めぐみんが毎日欠かさずに爆裂魔法を連発してしまい、カエルが冬眠から目覚めてしまったそうだ。

 俺たちは、その後始末に来た。

 ちなみに、狩崎さんと真澄さんは、アイリス姫の為のライダーシステムや、他のライダーシステム、バリッドレックスの開発の為に、屋敷に残った。

 

アクア「カエルに食べられるのはもうイヤァァァァァ!!!」

カズマ「カエルがこの寒さで動きが鈍くならないなんて逞しすぎやしないか?」

めぐみん「私たちも負けてはられませんよ。この厳しい世界を生き抜くのです。」

結斗「そうだな。生き抜かないといけないしな。」

バイス「よぉ〜し!行くぜ!」

 

 俺たちは変身して、ジャイアントトードの対応をする。

 俺とバイスは、連携攻撃でジャイアントトードを倒していた。

 カズマは、デモンディグゾンでジャイアントトードを貫く。

 めぐみんは、ラブコフのクジャクゲノムを使って、ジャイアントトードを倒していく。

 しばらくすると、ジャイアントトードは粗方倒された。

 

結斗「ふぅ〜。こんなもんか。」

カズマ「そうだな。」

アクア「ちょっと!今、私のチャームポイントに弾丸が掠めたんだけど!!」

バイス「食われなかっただけ、マシじゃね?」

めぐみん「そうですよ。」

セナ「みなさん、お見事です。」

 

 俺たちは、そんな風に話す。

 すると、めぐみんが叫ぶ。

 

めぐみん「待って下さい!カエルが!!」

「「「「「「え!?」」」」」」

 

 なんと、カエルが湧いて来た。

 そしてカエルの舌がアクアとセナとめぐみんを捕らえて、飲み込む。

 

アクア「いやあああああああ!!」

めぐみん「あああああああああ!!」

セナ「きゃあああああああ!!」

 

 三人はそんな風に叫びながら飲み込まれた。

 

カズマ「アクア!めぐみん!!」

結斗「やっべ!早く助けるぞ!」

バイス「あいよ!」

 

 俺たちは、ジャイアントトードに食われた人たちを助けようとする。

 だが、他のジャイアントトードも湧いてきて、そちらの対処もする事に。

 早くしないと、食われてしまう。

 すると。

 

???「ライト・オブ・セイバー!!」

 

 光の一閃がカエルを切り裂き、飲み込まれた面子が全員吐き出された。

 俺たちが見た先には、1人の女の子がいた。

 

???「ふぅ…………。」

 

 その女の子は、めぐみんと同じ特徴を持っていた。

 アクアとセナさんは、カエルに食われたのがショックだったのか、落ち込んでいた。

 めぐみんが変身解除すると、めぐみんもヌルヌルになっていた。

 

ラブコフ(ラブ……………。ヌルヌル〜。)

バイス(ブハハハハ!ラブコフ、ヌルヌルじゃねぇか!ヌルコフってか!ギャハハハハハハハ!)

ラブコフ(コブ!クズ!アホ!)

バイス(えぇぇぇぇ!容赦なく毒を吐いていったよ!)

 

 バイスとラブコフがそんな風に話す中、俺とカズマは、その紅魔族と思われる女の子に話しかける。

 

カズマ「誰だか知らないけど助かった。」

結斗「ありがとうな。」

ゆんゆん「いや、そんな、ライバルがカエルにやられたなんて見てられないし。」

「「ライバル?」」

 

 ライバルなのか?

 俺たちが首を傾げる中、めぐみんは、粘液に濡れながらも、立ち上がる。

 すると、その子はめぐみんに指を指す。

 

???「ひ、久しぶりね!めぐみん!今日こそ長きに渡った決着をつけるわよ!!」

めぐみん「…………どちら様でしょう?」

???「えぇェェッ!?」

めぐみん「大体名乗らないなんておかしいじゃないですか。これは以前カズマと結斗と狩崎さん達が言ってたオレオレ何とかって奴じゃないですか?」

 

 十中八九、めぐみんの関係者だろうな。

 ていうか、やめてやれよ。

 その子が涙目になってんじゃん。

 すると、その子は叫ぶ。

 

ゆんゆん「分かったわよ!知らない人が居るから恥ずかしいけど!我が名はゆんゆん!アークウィザードにして上級魔法を操る者!やがては紅魔族の長となる者……!」

めぐみん「とまぁ、彼女はゆんゆん。紅魔族の族長の娘で私のライバルです。」

ゆんゆん「ちゃんと覚えてるじゃない!」

バイス(いかにも、ぼっちって感じがするな!)

 

 揶揄っていたんだな。

 それを聞いたカズマが口を開く。

 

カズマ「なるほどな。俺はこいつの仲間のカズマだ。よろしくなゆんゆん。」

ゆんゆん「何で驚かないんですか?」

カズマ「世の中にはな、おかしな名前なのに頭のおかしい爆裂娘なんて不名誉な称号を持ってるやつもいるんだよ。」

めぐみん「それって私の事ですか!?私の知らない間にそれが定着しているのですか!?」

 

 まあ、ベルディアがそう言っちゃったからな。

 定着しても仕方ないだろ。

 まあ、本人の前で言うと、爆裂魔法を撃たれかねないと言う事で、黙っているが。

 すると、ゆんゆんが感心した様に言ってくる。

 

ゆんゆん「さ、さすがめぐみんね。いい仲間を見つけたようね。それでこそ私のライバル!私はあなたに勝って、紅魔族1の座を手に入れる!さぁ、めぐみん!私と勝負しなさい!」

めぐみん「嫌ですよ。寒いですし。」

ゆんゆん「え!?なんで?」

 

 ゆんゆんの勝負の誘いを、めぐみんはバッサリと断る。

 ゆんゆんは、勝負を受けてくれない事に、慌てふためいた。

 すると、セナさんが話しかける。

 

セナ「本日はありがとうございました。それでは、私はこれで。」

アクア「じゃあ、ギルドに報告と、ジャイアントトードの肉の回収を頼んでくるわね。」

 

 そう言って、セナさん、アクアはその場から去っていく。

 この状況をどうしろと。

 俺、バイス、カズマが呆然としていると、めぐみんはため息を吐きながら口を開く。

 

めぐみん「ハァ…………。しょうがないですね。その代わり、勝負の内容は私が指定しますよ。体術勝負でどうですか?」

ゆんゆん「え?いいの?学園ではろくに体術の授業に出なかっためぐみんが?昼休みの時間になるとこれ見よがしに私の前をチョロチョロして、勝負をさせて私からお弁当を巻き上げていたあなたが?」

「「「……………………。」」」

めぐみん「………………。」

 

 ゆんゆんの言葉に、俺たちは、めぐみんをジーッと見る。

 そんな事してたのか?

 

カズマ「お前……………。」

めぐみん「私だって、死活問題だったんです。家庭の事情で、彼女の弁当が生命線だったのです。」

結斗「生命線?」

バイス(何言ってんの?)

 

 何言ってんだ。

 そういえば、以前、めぐみんの実家は貧しく、ちょくちょく仕送りをしてるって言ってたな。

 

ゆんゆん「……………分かったわ。体術勝負でいいわ!」

カズマ「え?いいの?」

めぐみん「よろしい。では、何処からでもかかって来なさい!」

 

 そう言って、めぐみんとゆんゆんは構える。

 体格的にゆんゆんに軍配が上がるな。

 だが、狩崎さん曰く、ジャンヌに変身出来るようになってからは、体術も学ぶようになったそうだ。

 まあ、ジャンヌ自体、格闘戦主体の仮面ライダーだしな。

 すると、ゆんゆんが何かに気づいたのか、目を見開いて、掠れ声を出す。

 

ゆんゆん「……………め、めぐみん。その………貴女の体が、テラテラしてるままなんだけど……………。」

めぐみん「そうですよ。この全身ぬっちょりは、全てカエルのお腹の中の分泌物です。さあ、近づいて来た瞬間、思いっきり抱きついて、そのまま寝業に持ち込んであげます。」

 

 えげつねぇ…………。

 一応は、アクアによって無臭化されているのだが、ヌメヌメするのは間違いない。

 めぐみんは、目を紅く光らせてゆんゆんに近づいていき、ゆんゆんは同じタイミングで下がる。

 

ゆんゆん「う、嘘でしょ?私の戦意を削いで降参させようって作戦なのよね?でしょう?」

 

 ゆんゆんは、虚勢を張りながら後ずさる。

 その言葉にめぐみんは。

 

めぐみん「…………私たち、友達ですよね。友人とは、苦難を分かち合う物だと思います。」

 

 めぐみんは、そんな事をよくもまあ良い笑顔で言う。

 そして、どうなったのかと言うと。

 

ゆんゆん「いやああああああああああ!!」

めぐみん「ヌーン!ヌーン!」

 

 ゆんゆんは悲鳴を上げながら逃走して、めぐみんは変な事を言いながら追いかけていく。

 

ゆんゆん「降参!降参するから、こっち来ないでぇぇぇっ!!」

 

 ゆんゆんはそう叫ぶが、めぐみんに問答無用に抱きつかれる。

 それを、俺たちは呆然としながら見ていた。

 

ゆんゆん「降参!降参したのに!!」

めぐみん「今日も勝ち!!」

 

 ゆんゆんの言葉に、めぐみんはドヤ顔でそう言う。

 その後、めぐみんは、ゆんゆんからマナタイトを掻っ払った。

 俺たちは、屋敷へと戻る事にする。

 そんな中、ゆんゆんから奪ったマナタイトを渡してくる。

 

めぐみん「カズマ、結斗。戦利品です。借金返済の足しにして下さい。」

結斗「良いのか?」

めぐみん「…………フッ!私の様な規格外な大魔導師には、不要な物なのです。」

カズマ「へいへい……………。」

 

 めぐみんはそうドヤ顔で言う。

 カズマは、そう言いながらマナタイトを受け取る。

 すると、ため息を吐く。

 

カズマ「ハァァ……………。」

めぐみん「ん?何です?」

カズマ「……………さっきの子(ゆんゆん)より、めぐみんの方が可愛いなって。」

 

 カズマはそう言う。

 揶揄ったのだろうな。

 すると、それを聞いためぐみんは。

 

めぐみん「…………それはどうもありがとう!お礼にギュッとハグをしてあげましょう!」

カズマ「ちょっ!こっち来んな!!」

めぐみん「もっと喜んでも良いですよ。ヌルヌルの女の子に抱きつかれるだなんて、場合によっては、お金を払う人だって居ますよ!」

カズマ「うぉぉぉ!カエル臭い!見てないで助けてくれよ!」

結斗「……………悪い。がんばれ。」

カズマ「ひでぇぇ!」

 

 助けを求めたカズマに、俺はそう言う。

 その後、無事に屋敷に着いた。

 

カズマ「うう…………こんなに嬉しくない抱擁は初めてだ…………。」

結斗「まあ…………先に風呂に入れ。俺はあとで入るから。」

バイス(カズマもヌルヌルになってんの!)

 

 俺とバイスは、リビングへと向かう。

 その際、カズマのデモンズドライバーとめぐみんのリベラドライバーを預かった。

 メンテナンスしてもらう為だ。

 すると、廊下の方から、声がしてくる。

 

カズマ「……………何だよ?」

めぐみん「レディーファーストって、知ってますか?」

カズマ「俺は真の男女平等を願う男。都合の良い時だけ女の権利を主張し、都合の悪い時は男のくせにとか言う輩は許さない人間だ。」

 

 2人のそんな会話の直後に、風呂場へと駆け出していく音が聞こえた。

 まあ、どっちかが折れるだろ。

 そう思いながら、少し休んで、狩崎さん達が居るラボへと向かう。

 

結斗「狩崎さん。真澄さん。」

ジョージ「ああ、結斗か。どうしたんだい?」

結斗「カズマとめぐみんのドライバーのメンテナンスを頼みたくて。」

ジョージ「分かった。………………ていうより、何故、リベラドライバーはヌメヌメしているんだ?」

結斗「ジャイアントトードに食べられまして……………。」

真澄「そういう事か。分かった。」

 

 狩崎さんは、デモンズドライバーとリベラドライバーを受け取る。

 すいません。

 俺達は、少し休んで、ギルドへと向かう。

 食事をする中、アクアがカズマに対して、ロリニートと言っていたのは気になるが。

 

翌日

 

 俺達はめぐみんが昨日、ゆんゆんからパクったマナタイトを持ってウィズの店に向かって行った。

 ちなみに、狩崎さんと真澄さんも来た。

 

カズマ「ちわーす。これを買い取って欲しいんだが……。」

 

 そこにはウィズだけでなく、ゆんゆんも居た。

 

めぐみん「あ……………。」

ウィズ「実は……。」

ゆんゆん「わ、我が名はゆんゆん!何という偶然こんな所で鉢合わせるなんてやはり終生のライバル!」

ウィズ「皆さんのことを聞いてずっと待ってらしたんですよ。」

ゆんゆん「な、何を言ってるんですか店主さん!わ、私はただマジックアイテムを買いに来ただけで!あ!これ下さい!」

 

 事情を聞いた。

 その時アクアは、クッキーとお茶をウィズに出してもらっていた。

 

カズマ「なるほどな。」

結斗「そんな事せずに家に来ればよかったのにな。」

ゆんゆん「そ、そんないきなり人様の家に行くなんて…………。」

めぐみん「煮え切らない子ですね。これだからボッチは。」

「「「「え?」」」」

アクア「そうなの?」

めぐみん「ゆんゆんは、紅魔族の中でも変わった子で友達が1人も居ないのですよ。周囲をこれ見よがしにウロチョロしていると喜んで勝負を挑んで来ました。」

 

 おい、やめてやれよ。

 まあ、ゆんゆんって、紅魔族にしては、常識的だしな。

 周囲から浮いたんだろうな。

 

ゆんゆん「そんな事無いわよ。友達くらいいるもん!」

めぐみん「今、聞き捨てならない事が。ゆんゆんに友達?」

ゆんゆん「居るわよ友達くらい!ふにふらさんやどどんこさんが私達友達よねって言って、奢ったり。」

カズマ「おいやめろ!」

結斗「それ以上は言うな!!」

バイス(悪魔の俺っちが言うのも何だけどさ、この子、やばいって!)

 

 ああ、奢らされたんだ。

 一体過去に何が………!?

 

めぐみん「ところで、私としては魔法の勝負は避けたい所ですが。」

ゆんゆん「いい加減に他の魔法を覚えなさいよね。スキルポイントも貯まったでしょう?」

めぐみん「貯まりましたよ。漏れなく全て、《爆裂魔法威力上昇》や《高速詠唱》に注ぎ込み………。」

ゆんゆん「バカっ!どうしてそんなに爆裂魔法に拘るのよ!」

 

 めぐみんの言葉に、ゆんゆんはそう言う。

 まあ、めぐみんの場合は、仮面ライダーになれるしな。

 大丈夫じゃね?

 その時、アクアが何かを見つけたようだ。

 

アクア「ねぇねぇ、これなんてどうかしら?仲良くなる水晶!」

ウィズ「あぁ、それは、熟練した魔法使いじゃないと使えないんですよ。」

ゆんゆん「それを使えば仲良くなれるの?」

ウィズ「えぇ、まぁ。そうだ!折角ですし試してみませんか?」

 

 なんか、胡散臭いな。

 ウィズの店の商品だから、致命的な欠陥がありそうだが。

 同じく胡散臭い物だと気付いたのか、めぐみんは呆れながら言う。

 

めぐみん「別に仲良くなる必要は無いです。」

ゆんゆん「怖気ついたの?めぐみん?」

めぐみん「アァン!?」

ゆんゆん「これはどちらかが使えた方が強い魔法使いである証明!勝負よめぐみん!」

 

 と、本質の所は、ゆんゆんもめぐみんも同じように感じた。

 

めぐみん「そこまで言うのなら、見せてあげましょう。真の大魔法使いの力を!」

ゆんゆん「今日こそ決着をつけるわよ!」

 

 そう言って二人は水晶に魔力を流し始める。

 ゆんゆんも、一緒にクエストに行った時に、中々の実力者だと感じていたが、間違いないそうだな。

 すると、周囲が暗くなって何かが映し出された。

 

ウィズ「こんなに投影されたのは初めてです!すごいです2人共!」

カズマ「何だ…………あれ!?」

結斗「………………え?」

バイス(へ?)

 

 俺たちは唖然となった。

 とんでも無いものが映ったのだ。

 まず一つは、めぐみんがどこかに忍び込んで、パンの耳を必死に集めている映像。

 

めぐみん「あぁぁぁぁぁ…………!!」

カズマ「あれ………パンの耳集めてるのか?」

結斗「おい、アレって…………。」

 

 俺が指差した先には、ゆんゆんの物が映っていた。

 大きなケーキと沢山の料理が映っている。

 しかし、その場にいるのはゆんゆんだけである。

 

ゆんゆん「あぁぁぁぁぁ…………!!」

アクア「1人…………なの?」

 

 え、おい待てよ。

 これって、まさか…………!

 そう思う中、映像はどんどんと映っていく。

 農家の畑から野菜を盗み、おそらくめぐみんの妹であろう小さな女の子と一緒に、野菜に齧り付いている映像。

 ゆんゆんが1人チェスに興じている映像。

 めぐみんと、めぐみんの妹が川に行き、ザリガニに似た奴を捕まえて、寸胴鍋で茹でて、齧り付く映像。

 ゆんゆんが動物を撫でようとすると逃げられて、花の匂いを嗅ごうとしたら、花にも逃げられる映像。

 めぐみんが、今度はセミを捕まえ、焼いて妹と共に食べる映像。

 ゆんゆんが、『もう、悪魔が友達でも良いかな…………。』と死んだ目で言いながら、悪魔を召喚しようとしている映像。

 そう。

 映し出されたのは、めぐみんとゆんゆんの黒歴史と言える思い出の数々。

 

カズマ「友達に奢る為に…………アルバイトするのか?」

アクア「えっ?ちょっと待って。虫…………食べてる?」

結斗「ザリガニ茹でてんぞ……………。」

バイス(悪魔の俺っちがドン引きするレベルでやばいじゃん!)

真澄「悪魔が友達って……………拗らせすぎじゃないかい?」

ジョージ「……………いくらなんでも、貧乏すぎないかい……………?」

ウィズ「………………。」

めぐみん、ゆんゆん「アァァァァァ!!」

 

 とんでも無い黒歴史に、俺たちがドン引きする中、めぐみんとゆんゆんは、体をくの字にしながら叫ぶ。

 

めぐみん「何なんですか、これは!?」

ゆんゆん「店主さん!仲良くなれる水晶だって言いましたよね!?」

ウィズ「これは、お互いの恥ずかしい過去を晒しあって友情や愛情をさらに深められる大変徳なアイ…………テム…………です。」

ジョージ「いや、これはダメじゃないかい?」

 

 狩崎さんの言う通りだ。

 絶対にやばいって、これ!

 魔力を注いだら、黒歴史を強制的に公開するなんて!

 誰だよ、こんな魔道具を作ったのは!!

 傍迷惑じゃねぇか!!

 

ゆんゆん「め、めぐみん!これで私達仲良くなれるの!?」

めぐみん「おん、ドリャァァァ!!」

「「「「「アァァァァァ!!」」」」」

 

 めぐみんが耐え切れなくなったのか、水晶を地面に叩きつけて、割った。

 

ウィズ「これはカズマさんにつけときますね。」

カズマ「待て。壊したのはめぐみんだろ。」

めぐみん「その水晶を使おうと言い出したのはゆんゆんです。ゆんゆんが払います。」

ゆんゆん「勝負が、折角の勝負が…………。」

 

 カズマとめぐみんで、お金のなすりつけあいをして、ゆんゆんは呆然としながらそう呟く。

 

めぐみん「いつまでメソメソしてるのですか?」

ゆんゆん「だってこれじゃどっちが強いのか分かんないじゃない。ねぇ引き分けでいい?」

めぐみん「構いませんよ。もう、勝負事で熱くなるほど子供じゃないので。」

ゆんゆん「そういえば紅魔の里で発育勝負なんてやったわね!またあの勝負をしてもいいわよ!」

 

 一体、何種類勝負をしたんだ?

 ていうか、発育勝負って、絶対にめぐみんが負ける奴じゃん。

 ゆんゆんがそう言う中、めぐみんは余裕そうに首を振る。

 

めぐみん「子供じゃないとはそう意味での子供じゃないという事です。だって私は……。ここにいるカズマとお風呂に入る仲ですから。」

カズマ「ちょっ!?」

ウィズ「まぁ!?」

ゆんゆん「え。えぇェェェェ!?」

 

 めぐみんのその言葉に、ウィズはそう反応して、ゆんゆんは叫ぶ。

 ていうか、やっぱり一緒に入ったんだ。

 

カズマ「お前ふざけんな!この口か!この口がまた俺の悪評を広めるのか!?」

 

 カズマはそう言いながら、めぐみんの口を引っ張る。

 すると、ゆんゆんは震えて。

 

ゆんゆん「き、きょ、今日の所は私の負けで良いから!えぇぇん!!」

 

 ゆんゆんは泣きながら、そう叫んで、店を出ていく。

 

ウィズ「またどうぞ。」

アクア「賑やかな子ねぇ。」

カズマ「お前もな。」

結斗「ホントだよ。」

ジョージ「全くだよ。」

真澄「めぐみん君も、随分と大胆だね。」

バイス(ある意味で、盛大な自爆をしてやがんの!)

ラブコフ(ラブラブ!)

 

 めぐみんは顔を赤くして、メモ帳に丸印を書いていた。

 

めぐみん「今日も勝ち!」




今回はここまでです。
ゆんゆんが登場しました。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
ちなみに、ゆんゆんは変身させるかどうかは未定です。
バニル戦では、リクエストで来たオリジナルのデッドマンを出します。
そのオリジナルのデッドマンを、どのように倒すのかは、未定です。
現状、リアとダスト、アイリスの3人が、オリジナルの仮面ライダーになる予定です。


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第16話 ダンジョン探索

 ゆんゆんが泣きながら去っていてから、しばらくが経過した。

 カズマとめぐみんは、日課の爆裂散歩を続けているそうだ。

 何やかんやで付き合うんだな。

 ある日、俺達はギルドのテーブルに集まっていた。

 カズマが口を開いた。

 

カズマ「明日はダンジョンに行きます。」

めぐみん「嫌です。」

カズマ「行きます。」

めぐみん「嫌です!嫌です!ダンジョンなんて私の存在価値無いじゃないですか!爆裂魔法を使えない私なんてただの一般人。」

カズマ「言っておくが、仮面ライダーになれる奴は一般人とは言わない。」

 

 確かに、俺たちのパーティは、アクア以外が仮面ライダーになれるしな。

 ちなみにダクネスは、領主の元に向かう前に、バットバイスタンプとツーサイドライバーを狩崎さんに預けた。

 

アクア「ねえ、ダクネスが戻ってからじゃダメなの?」

カズマ「いいか!俺達の借金はいまや国家予算並なんだぞ!」

結斗「流石に内職やバイト、高難易度クエストでも厳しいな。」

バイス(本当だよ。生活が苦しいんですけど!)

真澄「確かにな。」

狩崎「問題はどうやって稼ぐかだ。」

 

 俺達の借金はカズマの言う通り、国家予算並だと思う。

 というより、あの領主、国家予算並みの借金をさせやがって。

 

カズマ「そんな小遣い稼ぎをしても追いつかないんだよ!」

 

 カズマはそう言って、2枚の紙を出した。

 1枚目は、『キールダンジョンの新たな部屋の調査』。2枚目は、『新たなダンジョンの調査』と書かれていた。

 

結斗「カズマ?これは一体?」

ルナ「実はですね。キールダンジョンに新たな部屋が、新たなダンジョンも確認されたのでこれから大々的に調査クエストを出すつもりだったのですが。」

カズマ「俺がルナさんに無理言って斡旋してもらったんだ。」

ルナ「だから、誰も手をつけてませんよ。」

 

 そう言う事か。

 悪いなカズマ。お前に無理させて。

 

狩崎「確かに未発見の部屋と新たに見つかったダンジョンなら、お宝があるかもしれないしね。」

アクア「お宝!?」

カズマ、ルナ「うん。」

ダスト「何だ何だ?儲け話かよ?」

 

 俺達が話している時に、ダストが聞こうとしていた。

 すると、カズマが近寄る。

 

カズマ「極めて深刻な話なんだ。お前を巻き込みたくない。」

ダスト「これ、割引が今夜までの奴じゃないか。」

カズマ「大事に使ってくれ。」

ダスト「任せろ。」

 

 買収しやがった。

 あれ、サキュバスサービスの奴じゃないか。

 カズマは、股間を抑えながら何処かに行くダストに対して、敬礼をしていた。

 結果として、キールダンジョンにはカズマ達が、新たなダンジョンには、俺、狩崎さん、真澄さん、リア、シエロ、エーリカの面子で向かう事になった。

 なぜ、アクセルハーツの面々も居るのかというと、あの後、アクセルハーツが声をかけてきて、手伝って欲しいと頼まれた。

 その後、俺たちはそのダンジョンに到着する。

 

結斗「ここがその件のダンジョンか。」

ジョージ「新たなダンジョンという事なら、お宝やら素材とかが見つかりそうだね!」

真澄「ああ。」

リア「手伝ってくれて、ありがとう。」

シエロ「本当にありがとうございます。」

エーリカ「可愛い私の力になってくれるのね!」

バイス(自己顕示欲強すぎじゃね?)

 

 まあ、エーリカの自己顕示欲は本当に強いからな。

 そんな中、俺はリバイスドライバーを装着して、レックスバイスタンプを起動する。

 

レックス!

 

 レックスバイスタンプを起動して、スタンプ面に息を吹きかける。

 

結斗「はぁぁ…………フッ!」

 

 息を吹きかけた後、オーインジェクターに押印する。

 

Come On!レ!レ!レ!レックス!

 

バイス「フハハハハハ!いやっほう!」

 

Come On!レ!レ!レ!レックス!

 

 待機音が流れる中、俺は叫ぶ。

 

結斗「変身!」

 

 そう言って、俺はリバイスドライバーにレックスバイスタンプを装填して、一回倒す。

 

バディアップ!

オーイング!ショーニング!ローイング!ゴーイング!

仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!

 

 俺とバイスは、仮面ライダーに変身する。

 すると、狩崎さんが話しかけてくる。

 

ジョージ「へい!これ、使ってみない?」

 

 そう言って、バイスに渡したのは、オストデルハンマー50だった。

 

バイス「うっひょ〜!サンキュー!カリちゃん!」

結斗「ありがとうございます!」

ジョージ「それじゃあ、早速使って、データを集めてくれ。」

真澄「私たちとしても、武器の量産の必要性もあるからな。」

 

 そういえば、デモンズトルーパーも、オーインバスターやらリバイスラッシャーとかを使うもんな。

 それなら、やるべきだな。

 俺たちは、ダンジョンの中に突入していく。

 

結斗「ハアッ!ふっ!おりゃあ!」

 

 俺は、オーインバスターを持って、モンスターを倒していく。

 

バイス「ハアッ!あい〜っ!」

 

 バイスは、オストデルハンマーを持って、モンスターを倒していく。

 狩崎親子は、データ収集を行っていた。

 リアたちも、鉱石回収を行っていた。

 しばらく進むと、最深部に到着する。

 そこには、巨大なドラゴンが居た。

 

結斗「ドラゴンかよ……………。」

バイス「うっひょ〜!でっかいトカゲちゃんじゃないの!」

ジョージ「私も行こう。ダディーはデータ収集を頼んだよ。」

真澄「ああ。」

リア「大丈夫なのか?」

エーリカ「大丈夫でしょ。」

シエロ「だと良いんですが………………。」

 

 俺たちがそう話す中、狩崎さんはジュウガドライバーを装着して、ジュウガバイスタンプを起動する。

 

ジュウガ!

 

 起動したあと、ジュウガドライバーに装填する。

 

レックス!メガロドン!イーグル!マンモス!プテラ!ライオン!ジャッカル!コング!カマキリ!ブラキオ!

 

 待機音が流れて、狩崎さんは変身ポーズを取って、叫ぶ。

 

ジョージ「変身!」

 

 そう言って、ジュウガバイスタンプを一回倒す。

 

スクランブル!

十種の遺伝子、強き志!

爆ぜろ、吼えろ、超越せよ!

仮面ライダージュウガ!

Go Over…!

 

 狩崎さんは、仮面ライダージュウガに変身する。

 

ジョージ「結斗、バイス!レッツゴー!」

結斗「はい!」

バイス「よっしゃあ!」

 

 俺たちは、ドラゴンへと向かっていく。

 俺はオーインバスターで、ドラゴンに銃撃していく。

 バイスは、オストデルハンマーで攻撃していく。

 狩崎さんは、ジュウガの能力でドラゴンに攻撃していく。

 攻撃していく中、ドラゴンは炎を吐いて攻撃してくる。

 

バイス「あわわわわ!」

 

 バイスは慌てながらも、オストデルハンマーのオストデルノックを押す。

 

レッツイタダキ!

 

 音声が流れて、バイスはその炎を叩く。

 

ネイチャー!イタダキ!

 

 バイスが叩いた炎は、ドラゴンの方へと帰っていく。

 

バイス「あっつい!暑いんですけど!燃えちゃう!燃えちゃう!」

結斗「バイス!早くその炎を元に撃ち返してやれ!」

バイス「わ、分かってるよ!」

 

 俺がそう叫ぶと、バイスはトリガーを引く。

 

エレメント印!オストデルクラッシュ!

 

 オストデルクラッシュを発動して、ドラゴンにダメージを与える。

 すると、狩崎さんが叫ぶ。

 

ジョージ「バイス!それを変形させて、結斗に渡すんだ!」

バイス「あいよ!ったく!悪魔使いが荒いんだから!はい、結斗!」

結斗「ああ!」

 

 俺は、バイスから変形済みのオストデルハンマーを受け取って、オーインバスターと合体させる。

 

リバイスラッシャー!

 

 更に、マンモスバイスタンプを取り出す。

 

マンモス!

 

 マンモスバイスタンプを、リバイスラッシャーのオーインジェクターに押印する。

 

スタンプバイ!

Here We Go!Let's Go!

Here We Go!Let's Go!

リバイバイスラッシュ!

 

 俺は、冷気を纏ったリバイスラッシャーで、ドラゴンを攻撃する。

 すると、ドラゴンの動きが鈍くなる。

 やっぱり、変温動物だからな。

 

バイス「へへっ!俺っちたちを甘く見たな!」

結斗「バイス!狩崎さん!一気に行きましょう!」

ジョージ「OK!」

 

 そう言って、俺たちは必殺技の体勢に入る。

 俺はレックスバイスタンプを2回倒して、狩崎さんは4回倒す。

 

レックス!スタンピングフィニッシュ!

アメイジングフィニッシュ!

 

結斗「ハァァァァァ!」

バイス「でやぁぁぁぁぁ!」

ジョージ「ハァァァァァ!!」

 

 俺たち3人はジャンプして、ライダーキックを放つ。

 俺たち3人のキックがドラゴンに命中して、貫通する。

 

バイス「はい、そんじゃあ、行きますよ!3!2!1!はい、ドッカーン!」

 

 着地した後、バイスのカウントダウンと共に、ドラゴンは爆発する。

 そこに、リア達がやってくる。

 

リア「大丈夫なのか!?」

結斗「ピンピンしてるぜ。」

バイス「余裕のよっちゃんでした!」

シエロ「凄いですね……………。」

エーリカ「ええ……………。」

ジョージ「さあ、鉱石とかを回収しよう。」

真澄「そうだな。」

 

 俺たちは、ダンジョンの奥にあったお宝や鉱石などを回収して、撤収する。

 ちなみに、山分けとなった。

 その後、アクセルハーツとは別れた。

 ギルドに調査を完了したという報告をした時にカズマ達も戻ってきた。

 キールダンジョンの新たな部屋にリッチーとなったキールがいたそうで、そのキールから浄化してくれたお礼という事でお宝を受け取った様だ。

 

アクア「私の活躍でどうにかなったんだから、取り分は9:1で良いわよ!」

カズマ「バカ!借金の返済に充てるだろうが!」

アクア「でも、たまには良いわよね。すいませーん!じゃんじゃん持ってきて!」

めぐみん「私も偶には……。」

カズマ「子供にはまだ早い!」

 

 と、宴会騒ぎになっていた。

 その後、酒に酔ったカズマがスティールでクリスのパンツを剥ぎ取ったり、ダストが酒場のメイド達にボコボコにされたりと色々あったが、なんだかんだでこの世界での生活が楽しいと感じていた。

 

アクア「今日は朝まで飲むわよー!!」

「「「「おぉぉぉぉ!!」」」」

 

 その後、アクアはゲロを吐いて、なんとか生き抜かなければいけないと決意した。




今回はここまでです。
仮面ライダージュウガVS仮面ライダーオルテカが配信されたので、投稿しようと思い、投稿しました。
カズマ達がキールダンジョンに向かう中、結斗たちも別のダンジョンを捜索していました。
次回は、お見合いの話となります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
現状、ダストとリアの2人は、オリジナルの仮面ライダーに変身させます。
あと、仮面ライダーオルテカの変身者でリクエストがあれば、受け付けます。
あとは、オリジナルの仮面ライダーについても。
活動報告にて、リクエストを受け付けています。


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第17話 ララティーナのお見合い

 アクセルハーツと共に、ダンジョン探索を行なってから暫くが経った。

 ある日の冬下がり。

 

アクア「へっくしょい!」

カズマ「おやおや風邪かい?……気をつけるんだよ。」

アクア「カズマさんこそ鼻声じゃない。早くこのジャージ直してあげるわね。」

カズマ「………それ暖炉に入れて燃やしたの、お前だけどな。」

「グゥゥゥゥ〜」

カズマ「おやおやお腹が空いたのかい?」

アクア「そういえば、朝ご飯まだだったわね。」

カズマ「調子に乗って有り金全部酒代に使ったのお前だけどな。」

 

 と、カズマとアクアが変な会話をしていた。

 その時、アクアが震え出して。

 

アクア「……だって皆楽しそうに飲むんだし!」

カズマ「…………。」

アクア「それ、ベットの下に隠してた高級シュワシュワに見えるんだけど……。」

カズマ「質屋、開いてるよな。」

 

 一方、俺達は。

 

めぐみん「ちょむすけ、置いで。」

結斗「あいつらどうするんだ?」

ジョージ「知らないな。元々、アクアが悪いんだしね。」

真澄「関わらない方が良い。」

バイス(フハハハハハ!アクアの奴、泣いてやがるぜ!)

 

 関わらない様にした。

 バイス、あんまり笑うなって。

 

アクア「返して!その子が最後の一本なの!最後の希望なの!!」

カズマ「今すぐ金に換えてきてやる!それが嫌だったら今、ここで飲んでやる!少しは冷えた体もあったまるだろ!」

アクア「やめて!私、それを抱いてないと眠れないの!!」

カズマ「人のジャージ燃やしといてよく言うな!だったらその羽衣、ちょっと売ってこい!」

アクア「何言ってんの?この羽衣は女神としてのアイデンティティだから、売れる訳ないでしょ!バカなの?何バカ言ってんの!?」

カズマ「………スティール!!」

 

 駄々をこねたアクアにカズマがスティールを唱えると、羽衣がカズマの手に。

 

アクア「あ、アァァァァァ!!カズマ様!調子に乗ったのは謝るから!やめて、やめて!」

カズマ「うるさーい!借金は減らないしダクネスは帰ってこないんだぞ!!おまえもう少し緊張感持てよ!!」

 

 確かに、借金は減らないし、ダクネスは未だにあの領主の元から帰ってこない。

 カズマの言う通り、もう少し緊張感を持った方が良いのかもしれない。

 その時、ドアが勢いよく開かれた。

 

???「大変だカズマ!大変なんだ!!」

「「「「「「「…………誰?」」」」」」」

 

 そこにいたのはドレスを着た1人のお嬢様であった。

 

カズマ「………。あんた誰?」

???「ウゥゥン!カズマ、今はそんなことをしてる場合じゃない!」

 

 この声の感じ……。まさか!

 

カズマ「お前、ダクネスか?あぁ!心配かけやがって!」

アクア「ダクネス!!カズマが、カズマが!私の大事な物を売り飛ばそうと!!」

ダクネス「なっ!?」

カズマ「おーい!言い方!?」

 

 確かにその言い方じゃ、誤解が起こる。

 めぐみんが涙ぐみながら、ダクネスに近づく。

 

めぐみん「お帰りなさい。ダクネス。」

ダクネス「あぁ。ただいま。?その猫は?」

めぐみん「何があったのかは聞きません。まずはゆっくりお風呂に入って下さいね。」

ダクネス「いや、何を言っている。それよりアクアの特殊プレイが気になる………?」

 

 アクアがダクネスのドレスの腕の部分を摩っていた。

 

アクア「間違い無いわ。高級品よ。」

カズマ「……苦労を掛けたなぁ。」

結斗「……本当にすまない。」

ダクネス「一体何を言っている!?領主に弄ばれたと思っているのか!?」

 

 俺達が泣き出すと、ダクネスが叫んだ。

 

カズマ「そうだよ。ほら、暖かいお風呂に入って泣いてくると良い。」

結斗「そうだぜ。大人の階段を登ったんだからさ。望まない形とはいえ、良かったな。」

バイス(ダクネスのやつ、大人になったよな。)

ダクネス「違う!領主も私相手にそんな事をする度胸は無い!!それよりこれを見てくれ。」

 

 と、一枚の絵を渡された。そこには中々のイケメンの男が写っていた。

 

結斗「なんだこれ?」

カズマ「おーーー。何だこのイケメンは?ムカつく。」

ダクネス「何をするんだ!?」

カズマ「手が無意識に。」

 

 カズマがその絵を引き裂いた。

 ただし上半分のみだったので、修復をアクアに任せて、俺達はダクネスに事情を聞く事にした。

 

カズマ「あれが領主の息子ねぇ。」

ダクネス「奴め、カズマと零士の猶予の代価として、息子との見合いを持ち掛けてきたのだ。父もそれに乗り気でここ数日帰って来れなかったのは何とか見合いを阻止しようとしたのだ。頼む!私と一緒に父を説得してくれないか?」

結斗「でも、俺達の意見を聞いてくれる可能性はかなり低いぜ。」

ジョージ「確かに。相手は貴族だ。我々の意見を無視できるだろう。」

真澄「確かにな。」

 

 そう、相手は貴族。

 俺達平民の意見なんて無視出来る。

 と、アクアが修復した絵をカズマに渡した。

 

アクア「はい、これ。どう?完璧じゃない?」

カズマ「お前、こう言う所だけは多芸だよな。」

 

 確かに、何の問題も無く修復されていた。

 そんな事よりダクネスの見合いに関してだ。

 どうしたもんかな。

 その時、突然カズマが叫んで紙を完全に引き裂いた。

 

カズマ「これだァァァァァァ!!」

「「「「「「アァァァァァ!!」」」」」」

結斗「何かいい案を思いついたのか?」

カズマ「あぁ!ダクネス。見合いを受けろ。」

 

 その後、外で。

 

ダクネス「見合いを受けろとはどう言う事だ!」

めぐみん「このままダクネスがお嫁に行っていいんですか!?」

ジョージ「一体何を考えてるのかい?」

真澄「理由を説明してくれ。」

 

 カズマに非難が殺到した。

 理由は本人が言ってくれるから。

 まあ、俺も大体分かっているのだが。

 

カズマ「見合いを断った所であの領主はさらに無理難題をふっかけてくるに決まってる。」

めぐみん「!確かに。」

結斗「だから、あえて見合いを受けた上でぶち壊す。」

ダクネス「ブ!?」

カズマ「流石に家の名前に傷がつかない程度にやるけどな。」

ダクネス「それだ!それで行こう!上手く行けばいちいち父が持ってきた見合いを張り出さないですむ!!」

 

 親父さん可哀想。

 よほど苦労したんだな。

 その時、セナさんがまた来た。

 

セナ「あの、前田結斗さんと佐藤和真さんは居ますか?」

結斗「どうしたんですか?」

セナ「実は、キールダンジョンで、謎のモンスターが発生したんです。」

 

 キールダンジョンで、謎のモンスター?

 待ってくれ。

 それ、俺は関係ないだろ。

 

結斗「でも、キールダンジョンには、俺は行ってないですけど………。」

セナ「それは、分かっているんですが、一度、確認してもらえたらなと………。」

めぐみん「悪いですがお断りします。今、大事な仲間の危機なんです。」

ダクネス「めぐみん……!」

カズマ「おい、落ち着けよ…………。」

 

 カズマがそう言おうとする中、何かを考えるような仕草をして、めぐみんに声をかける。

 

カズマ「めぐみん。そっちはお前に任せる。謎のモンスター相手なら爆裂魔法で一掃できるだろうな。」

めぐみん「しかし、ダクネスが……………!」

カズマ「何、俺たちに任せろ。そっちはお前にしか出来ないんだ。」

めぐみん「私にしか……………!?」

カズマ「任せたぜ!最強のアークウィザードにして仮面ライダージャンヌ!」

めぐみん「任して下さい!!」

 

 多分、今のは口実で、本当は来て欲しくないんだろうな。

 俺達は、めぐみんを手伝うと言って離脱した狩崎親子を除いて、ダクネスの屋敷に向かう。

 

イグニス「本当か!?ララティーナ。見合いを受けてくれるのか?」

ダクネス「えぇ、お父様。ララティーナは見合いを前向きに受けてみようかと思います。」

「「「「……………。」」」」

バイス(ブヘヘヘヘヘ!ダクネスの言葉遣い、面白いな!!!)

 

 俺達はダクネスが普段使わないお嬢様言葉に吹き出しそうになった。

 実際、バイスは笑っていた。

 ダクネスが涙目で睨んできた。

 親父さんが後ろの俺達を見て聞いてきた。

 

イグニス「ララティーナ?その後ろの4人は?」

ダクネス「私の冒険者仲間です。今回の見合いには臨時の執事とメイドとして同伴させようかと思いまして。」

イグニス「…………。」

 

 その後許可を貰えた俺達はダクネスの家のメイド達から俺とカズマは執事服を、アクアはメイド服を借りた。

 

メイド「サイズはどうですか?カズマ殿、結斗殿?」

カズマ「あ、はい。」

結斗「大丈夫です。」

 

 俺達は執事服に着替えた。

 まさか、この世界で、執事服を着ることになるとはな。

 前世では執事服は着たことがないからな。

 女性陣もメイド服に着替えたらしい。

 

カズマ「似合ってるじゃないか。一流の使いっ走りみたいだぞ。」

アクア「カズマこそ、先輩に虐められて、屋敷の裏で泣いてる執事見習いみたいね。」

カズマ「………おっと、面白い事言ってくれるじゃねぇか。ここが貴族の屋敷じゃなかったらエライ目に合わせてたぞ。なぁララティーナお嬢様?」

ダクネス「ラ、ララティーナと呼ぶな!」

 

 ドレスに着替えたダクネスと共に親父さんの元へ向かう。

 だが、俺はカズマと共に親父さんに頼まれた事がある。それは、娘が粗相をしない様に頼むという事である。

 もし、縁談がうまく行ったら、報酬を出すという。

 俺はカズマに、その事を任せて、1人の執事としてあろうとした。

 

イグニス「お前が縁談を受けてくれて良かった。幸せになるのだぞ。ララティーナ。」

ダクネス「嫌です。お父様。ララティーナは見合いを前向きに検討するといっただけです。」

イグニス「何だと……!?」

ダクネス「そして前向きに検討した結果、やはり嫁入りは早いと分かりました。…今更もう遅い!見合いを受けはしたが、結婚するとは言っていない!ぶち壊してやる!見合いなんてぶち壊してやるぞ!!」

イグニス「ララティーナ……!?」

 

 我慢の限界と言わんがばかりに親父さんに本性を現す。

 その時、俺達はダクネスを止めにかかった。

 

カズマ「はしたない言葉遣いはお辞めください。先方に嫌われてしまいますよ。」

ダクネス「貴様、裏切る気か!?」

結斗「今の私達はダスティネス家の臨時執事。お嬢様の幸せが自分の幸せです。」

イグニス「おお!カズマくん!結斗くん!」

ダクネス「カズマ!結斗!貴様ら!!」

 

 と、掴みかかってきた。

 その時、取っ組み合いが始まろうとした時に、タイミング良く、ドアが開いた。

 そこには従者を2人連れた、例のバルターがやってきた。

 

イグニス「おお!バルター殿。あ!」

ダクネス「よく来たな!貴様が私の見合い相手か私はダスティネス・フォード・ララティーナ!私の事はダスティネス様と呼………ベッ!」

カズマ「お嬢様!お足元にお気をつけて!」

 

 カズマがドレスを踏んで、物騒な事を口走ろうとしたダクネスを転ばせた。

 その後、怪我は無いかどうかの確認をさせて欲しいと言って一旦退出した。

 そしてダクネスに文句を言われた。

 

ダクネス「手助けをしてくれるのでは無かったのか!?」

カズマ「お前さ、家の名前に傷をつけないというのを忘れてないか?」

結斗「流石にさっきのはダメだろ。」

ダクネス「悪評が立って、嫁の行き手がなくなれば、心置きなく冒険者稼業が続けられる。勘当されるのも覚悟の上だ。それでも必死に生きようと無茶なクエストばかり受けるようになるかもしれない。そして、やがて力及ばず魔王軍の手先に捕らえられ、組み伏せられて……っ!……私はそんな人生を送りたい!!」

カズマ「それは魔王じゃないよ。乳だよ。……お前とうとう言い切りやがったな。」

零士「何でこうなるの?」

バイス(ダメだこいつ。)

 

 俺達はダクネスの妄想を聞いていて、呆れてきていた。

 ていうか、カゲロウはどうした?

 

ダクネス「大体、あの男は私の好みのタイプでは無いのだ。まずこいつは、人柄が物凄く良いらしい。誰に対しても怒らず、努力家で、最年少で騎士に叙勲されたらしい。」

アクア「良い相手だと思うけど。」

結斗「ダメな要素が何一つ無い。」

バイス(貴族として、パーフェクトじゃん!)

 

 ダクネスの言葉に、俺たちはそう言う。

 確かに、あのアルダープの息子とは思えない程に、良い奴だな。

 すると、ダクネスは大きく叫ぶ。

 

ダクネス「どこが!?まず、貴族なら貴族らしく常に下卑た笑みを浮かべていろ!あの男の曇りなき真っ直ぐな視線はなんだ!もっとこう……。よくカズマが向けてくる、舐め回す様ないやらしい視線で見られないのか!?」

カズマ「そそそ、そんな目で見てないし!?」

 

 カズマ、挙動不審になってるぞ。

 俺は、カズマにジト目で見る。

 

ダクネス「何をしても怒らない?バカが!失敗したメイドに、お仕置きと称してアレコレやるのは貴族の嗜みだろうが!」

結斗「そんな考えを持ってるのはお前だけだと思うぞ。」

バイス(何言ってんの?)

 

 そんな俺のツッコミを気にせず、ダクネスは熱弁する。

 

ダクネス「そもそも私の好みのタイプは、あの様な男とは正反対なのだ!外見はパッとせず、体型はひょろくてもいいし太っていてもいい。私が一途に想っているのに、他の女に言い寄られれば鼻の下を伸ばす意思の弱いのがいいな。年中発情していてスケベそうなのは必須条件だ。出来るだけ楽に人生送りたいと、人生舐めてるダメな奴がいい。借金があれば申し分ないな!そして、働きもせずに酒ばかり飲んで、俺がダメなのは世間が悪いと文句を言い、空の瓶を私に投げてこう言うのだ!『おいダクネス、そのいやらしい体を使ってちょっと金を稼いで来い!』…………んあっ!んんっ!!」

 

 あぁ。この女はもうダメだ、手遅れすぎて逆にドン引きする。

 

結斗「ダメだこりゃ。」

バイス(そんな奴なんて、カズマとアクアの性格が合わさった人じゃないと無理でしょ!)

 

 俺とバイスの嘆きが小さく響く。

 その後、ダクネスの親父さんとバルターが歓談している所を合流した。

 親父さんには一応、アイコンタクトで謝っていたが、気にするなと視線で送られた。

 

バルター「………では、改めて自己紹介を。アレクセイ・バーネス・バルターです。」

ダクネス「私はダスティネス・フォード・ララティーナ。当家の細かい紹介は省きますわね。成り上がり者の領主の息子でも知っていて当然ァァァァァァ!!」

バルター「ど、どうされました?」

 

 ダクネスはカズマにフリーズを掛けられて失礼な事を妨害された。

 

ダクネス「い、いえ……。バルター様のお顔を見ていたら気分が悪くんんーっ!」

カズマ「お嬢様は、バルター様とお会いになるのを楽しみにしておりましたので。」

バルター「そ、そうなんですか?い、いやお恥ずかしい……。」

 

 カズマのフォローにバルターは照れたのか顔を赤くする。

 そしてカズマはダクネスにのみ聞こえるぐらいの声で。

 

カズマ「……おいお嬢様、これ以上いらん事言ったらもっと冷やすからな。」

ダクネス「……ご、ご褒美だ……。」

 

 当家のお嬢様はいつだってブレない。

 それはリナも見ていたようで、ブレないダクネスに呆れた表情を見せていた。

 

イグニス「ハハハッ!私がいてはお邪魔かな?」

 

 そう言って親父さんは席を外した。

 去り際に俺とカズマに『頼む。』とボソリと囁いた。

 現在は、ダクネスとバルターは、俺達4人を引き連れて、庭の散歩をしていた。

 カズマにダクネスを任して、俺とバイスは今の流れを確認していた。

 なんかアクアが池の魚を集めていた。

 

結斗「一応、問題無く進んでいるみたいだ。」

バイス(ダクネスの親父さんに頼むって言われたけど、俺っち、このままで終わるとは思えないんだけど。それに、ダクネスが望んではいないとは言え、あの人悪くないと思うぜ!)

結斗「………そうなんだよな。ダクネスの幸せを求めるか、親父さんの為にバルターと結婚するかどうかなんだよな。」

 

 まあ、ダクネスなら前者を選ぶだろうけど。

 その時、少し目を離して、戻すと、ダクネスがスカートを切り裂いて、決闘騒ぎになっていた。

 

30分後……。

 

 修練場にて。

 

バルター「もういいでしょう!何故諦めないんですか貴女は!」

ダクネス「どうした、遠慮などせずもっとどんどん来い!徹底出来る強さを見せろ!」

 

 バルターは、勝負には優勢なのにも拘らず、切羽詰まった声を出していた。

 実力は、バルターの方が上だ。

 だが、この変態はしつこかった。

 バルターは木刀を捨てた。

 

バルター「参りました。技量では勝っていても、心の強さで負けました……。あなたは、とても強い人だ。」

 

 一見、固い意思を示したダクネスに折れたみたいな感じになっているが、内情を知っている俺には感動出来ない。

 カズマとバイスも同じ様な表情をしていた。

 その後、ダクネスはカズマと決闘を行い、カズマが勝った。

 その際、カズマとバルターが処刑されそうになっていた。

 その後、カズマとバルターは、何とか誤解を解き、応接間へ。

 その時に俺とカズマとアクアの素性もバルターに明かした。

 だが、既に気づいていたそうだ。

 

イグニス「娘は、元々人付き合いが苦手でな。カズマ君に結斗君。君達は娘と同じパーティなんだろう?娘はあまり、自分の事を話さなかったんじゃないか?」

 

 確かに……。

 考えてみると、あまり自分の事は明かさずにデストロイヤー戦で初めて明かした。

 

イグニス「娘は、クルセイダーになっても1人きりで、エリス様に毎日、冒険仲間が出来ます様にとお願いしていて、ある日、娘が初めて仲間が出来た、盗賊の女の子と仲間になったと喜んで……。」

結斗「……………そうなんですか。」

バルター「ララティーナ様は、素晴らしい女性だと思いますよ?カズマ君か結斗君がいなければ僕は本気でララティーナ様を妻に貰いたいと思っています。」

結斗「……バルター殿。ダクネスはどちらかと言うとカズマの方に惚れてると思いますよ。」

バルター「そうですか。カズマ君はララティーナ様を幸せに出来るだろう。」

カズマ「よし、お前ちょっと表に出ろ、ぶっ飛ばしてやる。」

アクア「カズマさん落ち着いて!」

 

 カズマが俺に恨めしい目を向けている。

 すまんな、ダクネスは、俺の事を意識してるとは思えないからな。

 

イグニス「バルター殿。娘がもし生き遅れた時はもらってやってはくれないか?」

バルター「えぇ?いや、それはいいのですが。」

イグニス「そして、カズマ君、結斗君。」

カズマ「えっあ、はい。」

結斗「何でしょうか?」

イグニス「この娘が馬鹿をやらないように見張ってくれ。頼む。」

 

 親父さんから頼まれたんじゃあ、とても断れないよな。

 その時、ダクネスが目覚めた。

 

ダクネス「ん……。ここは。はっ!もしかして事後なのか?」

カズマ「違うわ!ただ単に気絶させられただけだからな!!」

ダクネス「…………フヒッ。」

カズマ「え?フヒッ?」

 

 ダクネスがカズマを見てなんか思いついたかのように笑った。

 

ダクネス「バルター殿。今回のお見合いは無かった事にしてくれませんか?実は、お腹にこのカズマとの子供が……。」

カズマ「おぉい!童貞に対して何言ってんだ!」

 

 ダクネス、結構大胆な事をするね。

 バイスは嘘だと分かってるからか、呆れた表情をしている。

 

バルター「分かりました。父上には私から断った事にします。」

 

 そう言って、バルターは退室していった。

 そんな中。

 

イグニス「おぉぉぉ!私に孫が。」

アクア「広めなきゃ。カズマさんとダクネスがそこまで行った事を広めなきゃ!」

カズマ「なんで、お前ら信じてるんだー!」

 

 親父さんとアクアが動揺している所にタイミング良く。

 

セナ「前田結斗さんと佐藤和真さんは、居ませんか!!」

「「「「「「…………ん?」」」」」」

 

 めぐみん、狩崎親子の3人を引き連れて乱入してきた。




今回はここまでです。
今回は、ダクネスのお見合いの話です。
次回は、バニル戦に入っていきます。
ただ、予期せぬ存在が乱入してきますが。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
この小説とこのすばとギーツのMOVIEバトルロワイヤルに関しては、リバイスとしてのストーリーはこちらで投稿して、MOVIEバトルロワイヤルの本筋の話は、このすばとギーツで投稿しようと思います。
この小説で、キマイラ、ダイモンの変身者に関しては、未定です。
あと、仮面ライダーオルテカは誰に変身させましょうか?
もし、リクエストがあれば、受け付けます。


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第18話 絆の真価 バディの進化

 突然、めぐみんと狩崎親子を引き連れたセナが入ってくる。

 



結斗「どうしたんですか?」

バイス(随分と急に来るね。)


セナ「実は、街の近くにあるキールのダンジョンにおいて謎のモンスターが大量に湧き出してるという報告を受けました。最後にあのダンジョンを探索したのは、カズマさん達なのは分かっています。最後に探索した時に何か予兆みたいなものを感じはしませんでしたか?」


結斗「そこんとこどうなんだ、カズマ、アクア、めぐみん。」


カズマ「いや、特におかしい物はなかった筈だぞ。」


アクア「私も、アンデッドの浄化をしたくらいよ?」


めぐみん「私は、そもそもダンジョン内には入らなかったので。」

 



 となると、俺にも分からん。


 何せ、俺、バイス、狩崎親子の四人は、キールダンジョンには行っていないのだから。


 すると、アクアが気になる事を言ったのだ。



 

アクア「私がリッチーのキールを浄化する為に書いた魔法陣ならばまだ残ってるかもしれないわね?なんせ、アレは水の女神である私が本気の本気を出して書いたんだから、邪なモンスターなんて寄せ付けないわよ?」


結斗「おい!?今の言った事は本当か!?」



 

 え。
 

 じゃあ、ダンジョン内に居たモンスターは、漏れなくダンジョン内に居場所を失い、外に出てしまった訳で………。


 それに気づいたカズマが、セナさんに思いっきり頭を下げる。

 



カズマ「すいませぇぇぇん!!ウチのバカが、本当にすいませぇぇぇん!!」



 

 カズマはセナさんにそう言った直後、アクアに拳骨を叩き込む。


 まあ、アクアも悪気があったわけじゃないだろうが。
 

 その後、俺たちはセナさんと共にキールダンジョンへと向かう事に。

 

 そんな風に考えている中、キールダンジョンへと着いた。
 

 その際、アクアのやらかしに関しては、どうにかすれば黙認すると、セナさんは言った。


 悪気がないのは気づいたのだろう。


 そうして、俺、バイス、狩崎さん、真澄さん、カズマ、アクア、めぐみん、ダクネスは、キールダンジョンへと向かう。



 

結斗「それで、謎のモンスターは?」
セナ「あれです。」


 

 そこにいたのは、仮面を被った男と思われる小さい人形だった。


 

結斗「なんか、小さいな。」

バイス(ちびっこいぜ!)


ジョージ「あれ、めっちゃ厄介なんだよね。」


結斗「どう言う事ですか?」

真澄「見てれば分かるさ。」


めぐみん「見てれば分かります。」

 

 俺とバイスがそう言う中、狩崎親子とめぐみんはそう言う。

 すると、人形の一体がアクアの足にしがみつく。

 


アクア「あら、何よこれ?見てるとムカついてくる顔だけど意外と可愛いじゃない……!」
 

 


 人形に掴まれたアクアは人形の自爆に巻き込まれた。


 

 セナ「という感じで、この人形は攻撃はしませんが、自爆するタイプでして。」


カズマ「なるほど。」


アクア「なんで冷静なのよ!」

 

 

 その後、カズマとダクネスと俺とバイスの四人で向かう事になった。


 めぐみんは爆裂魔法を使えない事もあって、外で待機。


 アクアは以前キールダンジョンに行った時に刻まれたトラウマで行くのを拒否した。


 ダンジョンに入る際にカズマが術者を封じるお札をもらっていた。
 

 ダンジョンにて。

 


 
ダクネス「当たる!当たるぞ!カズマ、結斗、バイス!こいつら私の攻撃でも当たるぞ!!」


 

 ダクネスはライブガンを持って、喜んでいた。

 この場合は、クルセイダーとしてまともに戦えている事からだろうか。

 


結斗「よかったな。ダクネス。」


バイス「だったら両手剣スキルを覚えなよ。」


カズマ(でも、こいつらがいると魔法陣を消せないな。)



 

 その時、冒険者の方に人形が張り付いて、冒険者達はその対応に追われていた。


 彼らには悪いが、俺達は先に行ってるとしようかね。


 そうしてダクネスを先頭に俺達はカズマの案内の元、最深部へと向かった。
 

 そうして最深部へとついたが、変な男がいた。


 そいつは土を捏ねてあの人形を精製していた。


 あいつがあの人形達の首領か?
 

 


ダクネス「おい貴様だな?変なモンスターを作り出しているのは!」


 

 
なんと、ダクネスがいつの間にかそいつにライブガンを突き付けていた。
 

 俺とカズマは、それぞれのドライバーを腰に装着する。


 だが、その男は動揺の気配を見せず、俺達の方を見る。


 

バニル「ほう。よもやこの場所までたどり着くとはな。いかにも。吾輩がこの人形達を作り出していた元凶、魔王軍幹部にして地獄の公爵、全てを見通す大悪魔、バニルである。」
 


 

 まさかの魔王軍幹部が登場するとは!

 


結斗「全員、警戒を緩めるなよ!!」


バニル「まあ、落ち着くが良い。我輩はただ、魔王にベルディアが消息を絶った理由を調べてこいと言われただけだ。自分の悪魔と語りかける戦士よ。」

バイス(俺っちの事が分かるのかよ!?)

 


 
バニルの言葉に、俺とバイスは驚く。

 見通す悪魔と自称していたが、本当に見通していたのか。


 その後、バニル曰く、魔王軍幹部といっても結界の維持をしているだけのなんちゃって幹部らしい。


 バニル達悪魔は、人間の悪感情を食事する関係上、美味しいご飯製造機と人間を見ており、人間が傷つくことはナンセンスとしている。


 悪感情と言っても悪魔によって好みは分かれるようで、バニルの場合は、絶世の美女だと思わせて誘惑させた所で「残念吾輩でした!」と、血の涙を流す感情が好みだと言う。
 

 カズマが気になった事があると言って、バニルに聞いた。


 

カズマ「だったら、あの人形はなんだよ?人間達が苦労してるんだが?」


バニル「なんと。吾輩はバニル人形を使ってモンスターを駆除していた筈が、外に溢れていたとはな。なら、バニル人形の量産は中止して、計画を次の段階へと移行するか。」
 

 


 そう言うと、先程まで作っていたバニル人形が土に戻った。


 

カズマ「お前、何を企んでるんだ?」

バニル「失敬な!鎧娘が数日戻らないだけで、自室を熊の様にウロウロしずっと落ち着きのなかった小僧よ。」

結斗「そうなの?」

バイス(カズマの奴、素直じゃねぇな!)

カズマ「おいちょっと待て!何見て来た見たいに言ってるんだよ!うん?」

 

 カズマも素直じゃないな。

 すると、ダクネスはモジモジしながら顔を赤くして、チラチラとカズマを見ていた。

 

カズマ「お前もモジモジするんじゃねぇ!」

 

 それを見たカズマはそう叫ぶ。

 それを見たバニルは、満足げに言う。

 

バニル「汝らの羞恥の悪感情、大変に美味であるな。さて、吾輩は悠久に近い時を過ごしてきてなとびきりの破滅願望があるのだ!まず、ダンジョンを手に入れる!次にそのダンジョンに大量の罠と吾輩の部下の悪魔達を待機させ、冒険者が最終的に最深部に辿り着いた時に相手をするのはもちろん吾輩!激戦の末に吾輩は敗れ、宝箱が出現する。その宝箱の中身は……!スカと書かれた紙切れが。それを見て呆然とする冒険者を見て、吾輩は滅びたい。」


結斗「随分と碌でもないな。」

バイス(………まじかよ。)


 

 
それは冒険者にとって物凄い不憫な物だ。

 下手したら、再起不能になりかねないよな。

 



バニル「その計画を実行するために、友人の店で金を貯めダンジョンを作ろうとしていたのだが、運よくこのダンジョンを発見し、主が居なかったようなので、このダンジョンを使わせてもらおうと思ったのだ。だが、どういうわけか、この先には入れないのだ。まるで結界が敷いてあるかの様だ。」


カズマ(またあいつか。)


バニル「ほう。貴様の仲間がこれを設置したという事か。どれ、ちょっと拝見……。」
 

 


 カズマを見ていたバニルが唐突に大きな笑い声を出す。

 


 バニル「何という事か!吾輩ですら入れない結界を敷くとはな!!よもや!!ふむ、見える、見えるぞ。プリーストが優雅にお茶を飲んで寛いでいる姿が!!」


 

 アクアの奴!何のんびりしてんだ!!


 

バニル「さぁ、そこを退け仮面ライダー共!何、人間は殺しはしないさ。あくまでも………人間は、な!こんな迷惑な魔法陣を敷きおって!一発キツイのを喰らわしてくれるわ!!」

 



 どうやら、アクアが女神だという事は認識したらしいな。


 

 
ダクネス「エリス教徒として、アクアには手を出させない!!」


結斗「しょうがない!行くぞ!」

バイス(待ってました!)

 



 俺、カズマ、ダクネスは変身する体勢を取る。


 それぞれ、バイスタンプを取り出す。

 

レックス!

バット!』


Confirmed!

スパイダー!

Deal……!

 

 それぞれのバイスタンプを起動して、俺、ダクネスはオーインジェクターに押印し、カズマは、デモンズドライバーの上部に押印する。

 

Come On!レ!レ!レ!レックス!

 

バイス「フハハハハハ!いやっほう!」

 

Come On!レ!レ!レ!レックス!

 

 待機音が流れる中、俺たちは叫ぶ。

 

「「「変身!」」」

 

 そう言って、変身する手順を踏む。

 ダクネスは、バットバイスタンプを装填した後、ツーサイドライバーをライブガンの状態にする。

 

Eeny, meeny, miny, moe…!

Eeny, meeny, miny, moe…!

Eeny, meeny, miny, moe〜!

Eeny, meeny, miny, moe〜!

 

 そして、俺たちは変身する。

 

バディアップ!

バーサスアップ!

Decide up!

オーイング!ショーニング!ローイング!ゴーイング!

仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!


『Precious!Trust us!Justis!バット!

仮面ライダーライブ!

Deep.(深く)Drop.(落ちる)Danger.(危機)

(仮面)Rider Demons!

 

 俺とバイスは、リバイス・レックスゲノムに、ダクネスはライブ・バットゲノムに、カズマはデモンズ・スパイダーゲノムに変身する。

 すると、バニルが口を開く。

 

バニル「ほう…………それを使うか。」

結斗「何の話だ?」

バニル「魔王軍に、バイスタンプとやらを使う人間がいるのだ。まあ、揶揄いがいがある人間なのだがな。」

カズマ「えっ!?」

 

 まじかよ!?

 魔王軍にそんな奴が居るのか。

 とはいえ、これはあとで狩崎さんに教えるとして、まずはバニルだ。

 



結斗「行くぞ!」

バイス「覚悟しろよ!」


バニル「掛かってくるが良い!仮面ライダー達よ!」



 

 俺はオーインバスターを、バイスはオストデルハンマーを、ダクネスはライブガンを構えて、バニルに向かっていく。

 


 バニルは、見通しているのか、攻撃を全て避けている。


 俺達も連携攻撃をしてはいるものの、なかなか当たらない。


 何とか、連携攻撃で倒す事が出来た。
 

 すると、土塊に戻る。



 

ダクネス「やったのか……?」


結斗「分からない。気をつけろ。」


カズマ「でも、倒したよな。」

バイス「俺っち達、最強!」


バニル「……と、思わせて。」
 

 


 バニルの仮面が1人でに動き出し、土が入る事でまた体を精製していた。
 


 

バニル「討ち取ったと思ったか?残念!それはただの土塊である!!おっと、汝らの悪感情は大変に美味であるな。しかし、これでは乗っ取る事は出来ないな。まあ良い!一足先に地上へと行かせてもらおう!」



 

 俺達が変身している事で、乗っ取る事を断念したらしく、そのまま地上へ。



 

結斗「早く地上へ向かうぞ!」


「「「あぁ!!」」」
 
 

 

 俺達もバニルの後を追って地上へ。
 暫くして、アクアの声がしたと思ったら、バニルは土塊から再生していた。

 

結斗「待たせたな!」

アクア「ねえ、そいつ何なの?」

カズマ「魔王軍幹部だ!」

セナ「確かに、あれは見通す悪魔バニル!皆さんお願いします!!」

 

 セナさんがそう言うと、冒険者達が前に出る。

 めぐみん、狩崎親子もドライバーを装着して、前に出る。

 

コブラ!

ジュウガ!

カブト!

Deal……!

 

 めぐみんはコブラバイスタンプを装填する。

 真澄さんは、ベイルドライバーの上部に押印する。

 

What's Coming-up!?What's Coming-up!?

What's Coming-up!?What's Coming-up!?

レックス!メガロドン!イーグル!マンモス!プテラ!ライオン!ジャッカル!コング!カマキリ!ブラキオ!

 

 待機音が流れる中、三人は叫ぶ。

 

「「「変身!」」」

 

 そう言って、変身する。

 

リベラルアップ!

Bane up!

スクランブル!

Ah Going my way!

仮面ライダー!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!

破壊!(Break)世界!(Broke)奇々怪々!(Broken)

仮面ライダーベイル!

十種の遺伝子、強き志!

爆ぜろ、吼えろ、超越せよ!

仮面ライダージュウガ!

Go Over…!

 

 めぐみんはジャンヌに、狩崎さんはジュウガに、真澄さんはベイルに変身する。

 俺たちは、バニルに向かっていく。

 一方、それを遠くから見ていた人物が居た。

 

???「へぇ……………あれがこの世界のリバイスって所か。」

 

 その男は、パッとしない外見だった。

 その手には、二つの時計があった。

 

???「こいつを差し向けてみるか。」

 

 その男はそう言って、二つの時計を放り投げる。

 すると、その時計は姿を変える。

 

リバイ!

バイス!

 

 その音声と共に、リバイとバイスを歪めた感じの存在を生み出す。

 

???「更に。」

 

 その男はそう言って、その二体を組み合わせる。

 謎のデッドマンとなった。

 そのデッドマンは、結斗達の方へと向かう。

 

???「さあ、俺を楽しませてくれ。」

 

 その男は、そう呟く。

 その顔には、狂気的な笑みが浮かんでいた。

 一方、俺たちの方は。

 

バニル「フハハハハハ!こんなに大勢でかかってきても、我輩の敵ではないわ!」

 

 バニルはそんなふうに笑う。

 俺たちは、苦戦を強いられていた。

 何せ、バニルはこちらの攻撃を見通しているのか、躱し続けている。

 すると、とんでもない気配が俺たちの方に近づいてくる。

 

結斗「なんだ!?」

バイス「やばい気配がするぜ……………!」

バニル「うむ?」

 

 すると、キールダンジョンの上の方から、何かが落ちて来て、バニルの真上に落ちる。

 

アクア「何っ!?何何何!?」

めぐみん「何が落ちてきましたよ!?」

ラブコフ「ラブっ!?」

ダクネス「気をつけろ!」

カズマ「何だ……………!?」

 

 俺たちが身構える中、バニルが潰され、その上に、デッドマンと思しき存在が居た。

 

ジョージ「デッドマン!?」

真澄「だが、あんなデッドマンは見た事がない……………。」

バイス「何だよ、あいつ……………!?」

結斗「というより、リバイとバイスに似てないか………………?」

 

 そう。

 そのデッドマンは、リバイとバイスを歪めたような形のデッドマンで、それが二体合わさっている。

 そのデッドマンの足元には、バニルの仮面があったが、真っ二つになっていた。

 

アクア「あの悪魔、あっさりやられてるんですけど〜!プ〜クスクスクス!」

真澄「笑っている場合じゃない!」

ジョージ「何でリバイとバイスに似てるのかが気になるねぇ………………。」

バイス「まじかよ……………!」

結斗「どうなってんだ……………!?」

 

 俺たちがそう見てる中、そのデッドマンが動き出して、俺たちに攻撃してくる。

 その勢いは強かった。

 俺たちは、少し押され気味だった。

 完全に劣勢じゃないのは、スペックが高いジュウガにベイルが居るからだ。

 すると、周囲からギフジュニアが大量に出てくる。

 

ダクネス「ギフジュニア!?」

めぐみん「誰かが生み出したんでしょうか!?」

真澄「まずい……………!」

 

 すると、ギフジュニアは、カズマ、めぐみん、ダクネス、狩崎さん、真澄さんに殺到して、謎のデッドマンの前には、俺とバイスだけが残された。

 

バイス「嘘ーん!?俺っちたちだけ!?」

結斗「分断された!?」

ジョージ「これは……………。」

カズマ「マジかよ!?」

 

 カズマ達は、ギフジュニアを倒そうとするが、次から次へと湧いてきて、俺とバイスの方に来れなくなっていた。

 

結斗「バイス!行くぞ!」

バイス「あいよ!」

 

 俺たちはそう話して、そのデッドマンに向かうが、そのデッドマンは、俺たちの攻撃にも怯まず、戦っていた。

 その為、俺たちは苦戦を強いられていた。

 

バイス「ねぇ!こいつ、強くない!?」

結斗「確かに………………。バイス!俺に考えがある!」

バイス「何!?」

 

 俺は、バイスに作戦を伝える。

 それを聞いたバイスは、不安げに言う。

 

バイス「確かに、それならどうにかなるけどよ、大丈夫か!?」

結斗「そうかもしれない。」

バイス「じゃあ、狩ちゃん達を助けようよ!」

結斗「でも、俺とバイスなら、行ける気がする!俺はお前を信じる!だから、バイスは俺を信じてくれ!」

バイス「結斗…………………。」

 

 俺はそう叫ぶ。

 それを聞いたバイスは、呆れたように頭を振り、口を開く。

 

バイス「ハァァァァ………………こんなにも頑固になるなんてな。分かったよ、相棒!」

結斗「よし!」

 

 そうして、作戦をやる事に。

 メガロドンバイスタンプを取り出して、起動する。

 

メガロドン!

 

 起動した後、バイスタンプをオーインジェクターに押印して、バイスタンプゴースロットに装填して、倒す。

 

バディアップ!

潜るドンドン!ヨーイドン!ドボン!メガロドン!

通りすがりのハハハハンター!

 

 俺とバイスは、メガロドンゲノムになる。

 バイスがメガロドンの顎の形のキックを放ち、俺はディヴァインソードを振るう。

 やる事は、連続のゲノムチェンジだ。

 そして、次にイーグルバイスタンプを取り出す。

 

イーグル!

バディアップ!

荒ぶる!高ぶる!空駆け巡る!イーグル!イーグル!

お前の羽を数えろ!

 

 イーグルゲノムにゲノムチェンジして、俺は緑色の風を纏いながら宙を飛び、バイスと一緒に攻撃する。

 次に、プテラバイスタンプを取り出す。

 

プテラ!

バディアップ!

上昇気流!一流!翼竜!プテラ!

Flying by!Complete!

 

 次にプテラゲノムになる。

 

バイス「プテラノド〜ン!」

 

 プテラゲノムとなったバイスの横から、光の翼を出して、それでデッドマンに連続攻撃をする。

 

結斗「ハァァ……………!ハァ!ハァッ!」

 

 バイスから降りて、赤い残光を出しながら、キック攻撃をしていく。

 マンモスバイスタンプを取り出す。

 

マンモス!

バディアップ!

巨大なキバ持つ!陸のボス!マンモス!

はなっからクライマックスだぜ!

 

 マンモスゲノムにゲノムチェンジする。

 マンモスは格闘戦で攻撃して、俺はマンモスガッシャーで攻撃していく。

 そのデッドマンにマンモスガッシャーを投げて、怯ませる。

 その隙に、ライオンバイスタンプを取り出す。

 

ライオン!

バディアップ!

ガオーン!ゲットオン!野獣の王!ライオン!

見ててください!俺の雄叫び!

 

 ライオンゲノムになる。

 俺とバイスは、炎を纏った拳とキックで攻撃していく。

 デッドマンが怯む中、ギフジュニアが向かってくる。

 俺は、ライオンバイスタンプを一回倒して、ボタンを押す。

 

リミックス!

 

バイス「よっしゃ!行くよー!」

 

バディアップ!

必殺!チャンピオン!爆音!ライオン!

 

 俺とバイスは、リバイスライオンになって、咆哮を出し、ギフジュニアを倒しつつ、デッドマンにダメージを与える。

 次に、ジャッカルバイスタンプを取り出す。

 

ジャッカル!

バディアップ!

テクニカル!リズミカル!クリティカル!ジャッカル!

ノンストップでクリアしてやるぜ!

 

 俺とバイスは、ジャッカルゲノムになる。

 ジャッカルゲノムで高速移動をして、デッドマンとギフジュニアの攻撃を躱し、攻撃する。

 次は、コングバイスタンプを取り出す。

 

コング!

バディアップ!

アームストロング!戦いのゴング!鳴らせ!コング!

ドラミングキター!

 

 俺とバイスは、コングゲノムになる。

 俺はジャンプして、両腕で地面を叩きつけて、ギフジュニアを倒しつつ、デッドマンにダメージを与える。

 バイスも、パンチで攻撃する。

 次は、カマキリバイスタンプを取り出す。

 

カマキリ!

バディアップ!

いざ無双斬り!俺が横切り!カマキリ!』
『俺たちオンステージ!

 

 俺とバイスは、カマキリゲノムになる。

 俺はカマキリゲノムの装備、カマキリックアローでギフジュニアを貫いていく。

 バイスはカマキリ拳法的な攻撃で、周囲のギフジュニアを倒していく。

 最後に、ブラキオバイスタンプを取り出す。

 

ブラキオ!

バディアップ!

最大!最長!最古で最強!ブラキオ!

祝え!長き王の誕生を!

 

 俺とバイスは、ブラキオゲノムになる。

 俺とバイスは、衝撃波を纏ったパンチやキックで、デッドマンとギフジュニアに攻撃していく。

 一方、カズマ、めぐみん、ダクネスは。

 

カズマ「あいつら、やるじゃねぇか!」

めぐみん「私たちも負けてられませんよ!」

ダクネス「ああ!」

 

 三人はそう言って、バイスタンプを取り出す。

 

スコーピオン!

クジャク!

ジャッカル!

 

 そして、カズマはデモンズドライバーの両側を押して、めぐみんはリベラドライバーにクジャクバイスタンプを、ダクネスはツーサイドライバー本体にジャッカルバイスタンプを装填する。

 

add……!

リスタイル!

ウエポンポンポーン!ポンポン!

ウエポンポンポーン!ポンポン!

Eeny, meeny, miny, moe〜!

Eeny, meeny, miny, moe〜!

 

 待機音が流れる中、三人はドライバーを操作する。

 

Dominate up!

スコーピオン!ゲノミクス!

リバディアップ!

 

ラブコフ「ラブ〜っ!」

 

Ah~!クジャク!ダダダダーン!

バーサスアップ!』


Overdrive!Power dive!


『仮面ライダーライブ!ジャッカル!

 

 カズマはスコーピオンゲノミクスを発動して、めぐみんはラブコフをクジャクゲノムにして、ダクネスはライブ・ジャッカルゲノムになる。

 

カズマ「おらっ!」

 

 カズマはデモンライドルスティンガの刺突攻撃を行う。

 

めぐみん「ハアッ!」

 

 めぐみんはクジャクゲノムとなったラブコフで、攻撃する。

 

ダクネス「ハアッ!でやっ!」

 

 ダクネスは高速移動をしながら、ライブガンで銃撃していく。

 すると。

 

カゲロウ「おい、私にもやらせろ。」

ダクネス「わ、分かった!」

 

 ダクネスの人格から、カゲロウの人格に変わり、自動的に姿が変わる。

 

バーサスアップ!


『(Yeah!Haha!)Feel a thrill!Spiral!』


仮面ライダーエビル!ジャッカル!

 

 ライブのジャッカルゲノムから、エビルのジャッカルゲノムに変わり、エビルブレードで高速移動しながら攻撃していく。

 そして、ダクネスの人格に戻り、ライブ・ジャッカルゲノムに戻る。

 

カズマ「行くぞ!」

めぐみん「はい!」

ダクネス「ああ!」

 

 三人はそう言って、必殺技を発動する。

 

スコーピオン!

charge!

必殺承認!

 

カズマ「行くぞ!」

めぐみん「サクッと倒しましょう!」

ダクネス「大事に決めるぞ!」

 

 三人はそう言って、ドライバーを操作する。

 

デモンズフィニッシュ!

ジャッカル!ジャスティスフィニッシュ!

クジャク!リベラルスマッシュ!

 

 三人は必殺技を発動して、ギフジュニアを倒す。

 一方、狩崎親子は。

 

ジョージ「やるじゃないか!ダディー!私たちも行こうじゃないか!」

真澄「ああ!」

 

 そう話して、攻撃を激化していく。

 狩崎さんは、ジュウガとしての力を使って、ギフジュニアを倒していく。

 真澄さんは、赤黒い衝撃波を放ちつつ、攻撃していく。

 そして、2人は必殺技を放つ。

 

カブト!

charge!

 

 真澄さんは、ベイルドライバーの両側を押して、狩崎さんは、ジュウガバイスタンプを4回倒す。

 

アメイジングフィニッシュ!

ベイリングインパクト!

 

「「ハァァァァァ!」」

 

 2人の攻撃によって、ギフジュニアは倒れる。

 一方、俺たちの猛攻に、デッドマンも怯む。

 俺たちは、レックスゲノムに戻っていた。

 

結斗「バイス!一気に行くぜ!」

バイス「あいよ!」

 

 俺とバイスは、いつものあのリバイスの決めポーズを取って、レックスバイスタンプを2回倒す。

 

レックス!スタンピングフィニッシュ!

 

「「ハァァァァ!!!」」

 

 俺とバイスは、ジャンプして、デッドマンの前に、カウンターが現れる。

 カウンターが50になった瞬間、俺とバイスが通過して、デッドマンにライダーキックを叩き込む。

 デッドマンが吹っ飛ぶ中、バイスはカウントダウンをする。

 

バイス「3!2!1!」

 

 バイスのカウントダウンと共に、デッドマンは爆発する。

 

バイス「やっほー!やっぱり俺っち達、最高だな!」

結斗「ああ!」

 

 俺とバイスは、そう話す。

 これで、戦いが終わった。

 狩崎さんは、デッドマンが爆発したところに向かう。

 すると、時計を二つ見つける。

 

ジョージ「これは……………。」

 

 狩崎さんがそう言うと、その二つの時計は壊れる。

 真澄さんが話しかける。

 

真澄「ジョージ?どうした?」

ジョージ「いや、何でもない。(あれは…………アナザーウォッチなのは間違い無いね。それも、リバイとバイスのアナザーウォッチ。だが、誰がそんなものを?)」

 

 真澄さんがそう話しかけてきて、狩崎さんがそう答える中、そう考える。

 一方。

 

???「あ〜あ。倒されたんだ。まあ、面白い物を見れたから、いっか。また遊ぼうぜ。」

 

 そう言って、その男は去っていく。

 翌日、俺たちはギルドに来ていた。

 どうやら、魔王軍のスパイの容疑が晴れたみたいだ。

 スパイなら、バニルと必死に戦う筈がないしな。

 それに、アイリス姫の勅命もあり、アルダープは引き下がらざるを得なかったそうだ。

 それにより、バニルとデストロイヤーの討伐賞金から、借金分を引いて、4000万のお金を得た。

 

結斗「バイス……………やったよな、俺たち。」

バイス(ああ。俺っち達、やったよな!)

 

 俺とバイスは、そう話しかける。




今回はここまでです。
バニル戦、そして、アナザーリバイとアナザーバイスが合体したジェミニデッドマンとの戦いでした。
暗躍する謎の人物。
その人物と、ジェミニデッドマンは、リクエストで出来たキャラです。
今回で、第3章は終わりです。
次回から、第4章に入っていきます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
現状、登場していないアギレラ、キマイラ、ダイモンですが、誰に変身させましょうか?
考えているのは、アギレラはクリスかゆんゆんです。
もし、意見があればお願いします。
MOVIEバトルロワイヤルのリバイス側のエピソードは、こちらで投稿します。
あと、ライブマーベラス、エビルマーベラス、インペリアルデモンズなどは、魔王を倒す前に出そうかなと考えています。
もし、どのタイミングで出して欲しいというのがあれば、教えてください。
ちなみに、リバイス系列は、アルティメットリバイスを除けば、どのタイミングで出すのかは、決まっています。
オリジナルライダーやオリキャラに関しても、受け付けます。


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第4章
第19話 休息の仮面ライダー達


 ある日の穏やかな春が近づいている1日。俺達はアクアの説得に当たっていた。

 

アクア「嫌ーよ!どうして外に出ないといけないの!?」

めぐみん「外に出ないと爆裂魔法が撃てないじゃないですか。」

ダクネス「春先は凶暴なモンスターが出る。冒険者の務めだ!」

ジョージ「それに、冬はあまり動けてないから動いておきたいしね。」

真澄「そろそろ活動するぞ。」

結斗「駄々を捏ねるんじゃない!」

バイス(面倒だな!)

 

 だが、説得は難航していた。

 何せ、アクアは暖炉の側に置いてあるソファーから、一歩も離れないのだ。

 

アクア「子供なの?皆、そんなにお外に出たがる子供なの?そんなに外に出たいなら、私以外で行って!」

めぐみん「何が子供ですか!」

ダクネス「今のアクアの方が子供みたいだぞ!」

ジョージ「いいから!さっさと動きたまえ!」

真澄「駄々をこねるな!」

結斗「さもないと…………!」

「「「「「「あんな風になるぞ。」」」」」」

カズマ「…………。」

アクア「私だってああはなりたくないけど、でも私よりもあっちを説得しないの!?」

カズマ「おい、アクア。俺だってこの後、出かける用事があるんだぞ。それに、お前を説得し終えるまでの約束だからな。」

 

 カズマは見事なこたつむりと化していた。

 

アクア「それをそこから出て言いなさいよ。」

 

 何故、この屋敷にこたつがあるのかというと。

 以前、俺、カズマ、狩崎親子は、ウィズにバニルを倒した事の報告へと向かった。

 

結斗「バニルが死んだ事は俺から報告する。」

ジョージ「その方がいいさ。」

カズマ「それにしても、良いのか?俺達もここに来て?」

結斗「そっちの方が1人で行くより安心できるからな。あいつは、不意打ちで死んだとはいえ、あいつはあいつなりに良い奴だと思うよ。」

「「…………。」」

バイス(結斗………………。)

 

 無言になって俺達は意を決して、ウィズ魔道具店の中へ。

 

結斗「ウィズ、話したい事が……。」

バニル「へいらっしゃい!店の前で何やら恥ずかしいセリフを吐いて遠い目をしていた男よ、汝に一つ、言いたい事がある。良い奴だと思うよとの事だが、我輩は目的の為にそうしただけだ。おっと、これは大変な羞恥の悪感情、美味である!どうした、膝を抱えて蹲って?よもや我輩が滅んだとでも思ったか!?フハハハハハ!」

 

 バニルがそこにいた。

 俺は店の床に三角座りをして、あまりの恥ずかしさに震えていた。

 カズマと狩崎親子とバイスが慰めていると。

 

ウィズ「カズマさんに結斗さん聞きましたよ。バニルさんを倒してスパイ疑惑が晴れたとか!おめでとうございます!」

カズマ「いや、どうしてコイツ、ピンピンしてんの?」

ジョージ「無傷ってどう言う事だい!?」

真澄「驚いたな……………。」

バイス(どうなってんのこいつ!?)

バニル「あんな物を喰らえば、流石の我輩とて無傷でおられる筈がなかろう。この仮面をよく見るがよい。残機が1人減ったので、2代目バニルと言う事だ。」

「「「なめんな!」」」

 

 それを聞いた俺もカズマとバイスと共に絶叫しないといけないと思った。

 

ウィズ「バニルさんは前々から魔王軍幹部を辞めたがってたんですよ。なので、今のバニルさんは魔王城の結界の管理をしていません。なので、とても無害な筈ですよ。」

結斗「無害なのか?」

バイス(俺っち、あいつ嫌い!)

ジョージ「人をおちょくってきそうだね。」

カズマ「大丈夫なのか?」

 

 そうやってバニルを見ていると、俺達が呼ばれた。

 

バニル「リバイス、デモンズ、ジュウガにベイルよ。汝らにこれからとてつもない試練が起こるだろう。その試練は強大で、ライブが居なくなるかもしれない。それまでに我らが商売に協力する事が吉と出た。お一つどうか?」

 

 バニルの言う儲け話とは、俺とカズマ、狩崎親子の祖国、日本の便利グッズを売る事だった。

 そこでカズマは、試しにこたつを制作して、使った所、好評だった。

 

カズマ「さて、十分暖まったし、出るか。」

結斗「カズマ。アクアの説得を手伝って欲しいんだけど。」

ジョージ「て言うか、アクアが居ないんだけど。」

「「え?」」

 

 アクアが居なくなっていると思ったら、アクアはこたつに移動していた。

 

結斗「アクア!なんでこたつに移動すんの?」

アクア「カズマさんが出たということは、このこたつは私のもんよ!分かったら、とっととクエストに出かけなさいよ!!」

結斗「………。カズマ。お前、用事があるんだよな。」

カズマ「あぁ。」

結斗「アクアは俺が説得しとくから、用事を済ませて来い。」

カズマ「おうよ。」

 

 カズマは、ついてきためぐみんとダクネスと共に、用事を済ませて、クエストを受注しに行ってもらった。

 そして、カズマ達が帰ってきたが、アクアは未だにこたつから動こうとしない。

 その際、カズマは刀を持っていた。

 

アクア「嫌よ!だって嫌な予感がするんだもの!女神の勘よ!だから絶対外には行きたくない!」

ジョージ「また女神だのなんだの言ってきて!」

真澄「良いから、さっさと外に出るぞ!」

結斗「諦めて外に出ろ!」

バイス(さっさと出てこいや!)

 

 カズマが何かを思い付いた様な表情をして、アクアに声をかける。

 

カズマ「皆。そんなに嫌がってるんだし、今回はアクアには留守番していてらもらおう。俺達全員仮面ライダーなんだし、問題無いだろ。」

アクア「さすがカズマね!本当にたまにだけど、良い事言うじゃないの!分かったら、全員早くこの手を離してちょうだい!」

結斗「どう言うつもりだ?」

カズマ「それより皆、今日は久しぶりのクエストだ。報酬を得たら、たまには外で食おうか。鍋でもつついて宴会しようぜ。」

 

 カズマが何気なく放った一言に、宴会の女神はピクリと反応する。

 俺達全員、意図を理解して話を合わせる。

 

めぐみん「そうですね。冬が明けて、冒険再開の初日ですし。」

結斗「確かに、これからの英気を養うにはちょうど良いかもな。」

バイス(鍋!?俺っちも食べたい!)

ジョージ「そうだね。今日ぐらいは楽しんでも良いかもな。」

真澄「それもありだな。」

ダクネス「貴族御用達のいい店があるんだ。そこに予約を入れておこう。」

 

 俺達全員、アクアを放す。

 アクアは不安そうに。

 

アクア「……ね、ねえ皆。材料を買ってきて、家で鍋パーティーしても良いのよ?そうだわ、冒険を終えて疲れて帰ってきた皆のために、私が鍋の材料揃えて準備しておいてあげる。だから、ここで宴会すれば良いと思うの。」

 

 そんな事を宣うアクアに俺達は。

 

「「「「「「「留守番よろしく。」」」」」」」

アクア「わあああ、私が悪かったから置いてかないでよー!」

 

 そして、俺達はリザードランナーの目撃情報があった草原に来ていた。

 ちなみに作戦を立てていた。

 カズマの狙撃スキルで王様ランナーと姫様ランナーを射抜く。失敗した場合は、俺達が時間を稼いでいる間にもう一度狙撃。それすら失敗した場合は、めぐみんの爆裂魔法と俺たちの必殺技で一掃する手筈になっている。

 全員変身しており、俺とバイスはレックスゲノム、狩崎さんはジュウガ、真澄さんはベイル、カズマはデモンズ、めぐみんはジャンヌ、ダクネスはライブに変身している。

 リザードランナーの群れが見えてきた。

 見た目自体はエリマキトカゲを大きくした物だ。

 その群れの中で、一際大きい奴が1匹いた。

 おそらくあれが件の姫様ランナーだろう。

 だが肝心の王様ランナーが見当たらない。

 その時、アクアがとんでもない事を言う。

 

アクア「そうだわ!任せて皆!私に考えがあるわよ!王様ランナーは一番早い筈だから、モンスター寄せの魔法で1番にここについたのが王様ランナーよ!」

カズマ「ちょっと待て!もう王様ランナーの目星はついてるんだ!頼むから余計な事を……!」

アクア「フォルスファイア!」

 

 アクアが魔法を発動し、それを見たリザードランナーは奇声を上げて、俺達の方向へと走り出してきた!

 

「「「「「「「速っ!?」」」」」」」

 

 俺達はリザードランナーのあまりの速さに驚愕していた。

 すぐさま爆裂魔法の準備を開始させる。

 カズマがアクアに対して怒鳴る。

 

カズマ「このクソバカ!毎度毎度やらかさないと気が済まないのか!?王様と姫様をこっそり討ち取れば無力化出来たのに、なんでわざわざ呼び寄せるんだよ!!」

アクア「何よいきなり!私だって役に立とうとしてやった事なんだから怒らないでよ!どうせこの後の展開なんて分かるわよ!きっとあのランナー達に酷い目に遭わされんでしょ!分かったわよ!さあ!殺すなら殺せー!!」

結斗「言ってる場合か!!」

バイス「アクアの奴、何やってんだよ!?」

ジョージ「開き直るな!」

真澄「とにかく!早く倒すぞ!」

 

 俺たちは、迫り来るリザードランナーを迎撃する。

 

結斗「ハアッ!ふっ!」

バイス「でりゃっ!はあっ!」

 

 俺とバイスは、連携攻撃でリザードランナーを倒していく。

 

ジョージ「ハアッ!ヘイヘ〜イ!」

 

 狩崎さんは、ジュウガの能力を駆使して、リザードランナーを倒していく。

 

真澄「ハアッ!ふっ!」

 

 真澄さんは、両手と両足から赤黒いオーラを出しながら、攻撃していく。

 

カズマ「ハアッ!おりゃっ!」

 

 カズマは、デモンディグゾンを右腕に装備して、リザードランナーを倒していく。

 

めぐみん「ハアッ!フッ!」

 

 めぐみんは、格闘戦を行い、リザードランナーを倒していく。

 

ダクネス「はっ!でやっ!」

 

 ダクネスは、ライブガンを撃ち、リザードランナーを倒していく。

 しばらくして、俺たちはリザードランナーを倒して、帰った。

 その後、屋敷にて、狩崎親子は。

 

ジョージ「皆、結構良い感じだね。」

真澄「ああ。ところで、ジョージ。彼にバリッドレックスを渡すのかい?」

ジョージ「ああ。バニルとの戦いの際に、バリッドレックスが完成したからね。いつでも投入可能さ。」

 

 そんな風に話していた。




今回はここまでです。
今回は、少し短めとなります。
アルカンレティアに行くまでの話です。
次回から、アルカンレティアに向かいます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日は、この小説でのヒロインであるリアの誕生日ですね。
リアは、変身します。
この小説とこのすばとギーツの小説のMOVIEバトルロワイヤルでのリバイスのストーリーは、こちらで投稿します。


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第20話 水の都への旅立ち

 ある日、カズマとアクアが優雅に紅茶を飲んでいた。

 

カズマ「お湯なんだけど。」

アクア「私ったらうっかりしてたわ。」

カズマ「もしかして、紅茶を浄化したのかな?」

アクア「ごめんなさいね。カズマさん。」

カズマ「入れ直せば良いさ。ありがとうアクア。これはこれで受け取るよ。うん!お湯!」

めぐみん「気持ち悪いですゥゥゥゥ!!」

結斗「これ、何が起こってるんだ?」

バイス(カズマ達、気持ち悪くね?)

 

 はっきり言おう。現在のカズマは凄く気持ち悪い。

 まあ、あんな事があれば当然だけど。

 遡る事、少し前。

 俺とカズマは、日本のグッズを考えていた。

 ちなみにめぐみんと狩崎親子は用事で出掛けていた。

 狩崎親子に関しては、ベルゼルグ王国から、デモンズトルーパーの変身に用いるデモンズドライバーの量産に関しての相談だそうだ。

 

結斗「なあ、これなんてどうだろうか?孫の手は?」

バイス(俺っちも良いと思うんだけど!)

カズマ「確かに孫の手はあると背中を掻きたい時にありがたいよな。」

ダクネス「カズマ達の国にはこんなに便利なアイテムがあるのだな。」

アクア「て言うか、カズマさんに結斗さんって結構作ったわよね。」

 

 まあ、色々な便利グッズがあるから、作りがいもあるよな。

 その時、ドアがノックされた。

 

結斗「はーい。誰だろ?郵便屋かな?」

バニル「フハハハハハ!!郵便屋かと思ったか?残念!我輩でした!ポンコツ店主に変わり、目利きには定評がある我輩が来た!さあ、我輩にその便利グッズとやらを見せるが良い!!おや?」

バイス(なんだよ、バニルかよ!)

 

 そこにいたのは、バニルであった。

 相変わらずに見通すんだな。

 アクアがゆらりと立ち上がる。

 

アクア「ねえ、アンタ?どうやってこの屋敷に入ったの?」

バニル「あぁ。あの半端な奴か。なんと、あれは結界であったのか。あまりにも弱々しいものだったので、何処かの駆け出しプリーストが張った失敗作かと思った。いや、失敬!超強い我輩が通るだけで崩壊してしまったようだな!!」

 

 アクアとバニルがお互いに罵り合いを開始し始めた。

 アクアが睨む中、突然、笑みを浮かべて、口を開く。

 

アクア「あらあら、体のあちこちがボロボロですよ。超強い悪魔さん。あらま、どうしましょう。確か地獄の公爵だとか聞いてましたのに、あの程度の結界でそんなになるなんて………!」

バニル「フハハハハハ!この身体はただの土塊。変わりなどいくらでもある。屋敷の周りを覆っていたあの薄っぺらい物に興味が湧いてな。いやー駆け出しプリーストにしてはそこそこの物ではないか?うん。人間のそれも駆け出しのプリーストにしてはな!フハハハハハ!!」

 

 アクアがキレ始める。

 流石に俺とカズマが仲裁に入る。

 

カズマ「おい!流石に落ち着こうぜ!」

結斗「屋敷内で戦闘するな!」

バイス(俺っちも消えるかもしれないんだぞ!)

アクア「フン!」

 

 アクアがそっぽを向いた。

 

アクア「ねえ?2人とも?」

「「ん?」」

アクア「こたつだの孫の手だの作ってたのって、コイツと商談するためだったの?」

カズマ「そうだけど。」

アクア「人の悪い感情を啜って辛うじて生きているこの害虫と?」

結斗「君も相当な顔してるよ。」

アクア「やっだー!笑えない冗談なんですけど!プークスクス!」

カズマ「いや、笑ってるし。」

バイス(言ってる事とやってる事がチグハグじゃねぇか!)

 

 本当だよ。

 何で笑ってんの?

 すると、バニルが俺たちに話しかけてきた。

 

バニル「我々悪魔は契約にはうるさいので、信頼して結構である。信じるだけで幸せになれるだの胡散臭い甘言で人を集め、寄付と称して金集めをしている詐欺集団とは違うのだ!」

結斗「おい。そう言う事をあまり言うんじゃない。」

バニル「連中の殺し文句はなんであったか?………そうそう。神はいつでも見守っていますよ…………だったか?おお!何という事だ!我輩、その神に該当する者を目撃したぞ!風呂場を生暖かい目で見守っていた所、警察に捕まったあの男は神であったのか!!フハハハハハ!!」

バイス(ダストのことだな。)

 

 俺、そいつ知ってる。ダストとか言うチンピラだったな。

 バニルは派手に笑い、アクアが引き攣った顔をしていて、暫くの無言の末。

 

アクア「セイクリッド・エクソシズム!」

「「危ね!」」

バイス(危ね!危ねぇ!)

バニル「華麗に脱皮!」

 

 アクアは破魔魔法を放ち、俺たちはそれを躱す。

 アクアの破魔魔法がバニルに当たったが、バニルは咄嗟に仮面を投げ捨てて、身体の方が土塊として崩壊した。

 仮面から土塊が出てきて、再生しようとした時にアクアに掴まれた。

 

アクア「アハハハハ!!これね!これがアンタの本体ね!!さあ、どうしようかしら!これどうしようかしら!!」

バニル「フハハハハハ!その仮面を破壊した所で第二第三の……ちょっ!我輩がセリフを言ってる時に仮面を動かすな!身体が崩れる!せめてセリフを言い終わらせてからに……!」

カズマ「おーい。お前ら落ち着け!一旦落ち着けよ!」

結斗「喧嘩なら外でやれ!」

バイス(話が進まねぇぇぇぇ!!)

 

 その後、なんとかアクアとバニルを引き剥がせて、商談を開始する。

 ちなみにこたつで商談していて、アクア、ダクネスは暖炉の前のソファで待機していた。

 俺たちが作った物を見聞していたバニルが口を開く。

 

バニル「では、商談を始めようか。本来、これらの利益の一部を支払う事になっているが……。どうだ、貴様ら。これらの知的財産権自体を売らないか?3億エリスで買ってやろう。」

「「「「3億!?」」」」

バイス(マジかよ!?)

 

 マジかよ!

 3億あるなら、安定した生活を送っていけるぞ。

 

バニル「月々の利益還元ならば、月々100万エリスだ。」

「「「「月々100万!?」」」」

バイス(うっひょ〜!すっげぇじゃねぇか!)

 

 それを聞いたアクア、ダクネスもこたつの側へと駆け寄った。

 それにしても、売れ続けるとは限らないので、3億を受け取るべきか。それとも、管理がしやすい100万にしとくべきか。

 俺とカズマが悩んでいるとバニルが立ち上がった。

 

バニル「まあ、ゆっくり考えるが良い。我輩はこれで失礼する。」

アクア「私の家に悪臭が付くから出てって!ほら早く出てって!!」

バニル「グヌヌヌヌヌ!!フン!」

アクア「フン!」

 

 最後の最後まで喧嘩をし続けるアクアとバニルの2人であった。

 

カズマ「お湯だね。お湯。」

アクア「私ったらうっかり。」

ダクネス「……………と言う具合であんな感じなのだ。」

ジョージ「それで、あんな似非セレブ状態になっているんだね。」

真澄「気持ちは分かるのだがな。」

結斗「いつまでやってんだ?」

バイス(似非セレブはやめろって!)

めぐみん「まあ、お金があるのは良い事です。そこで、とある事を提案します。」

 

 と、めぐみんが提案して来た。

 

結斗「提案?」

カズマ「なんだ?」

めぐみん「日頃の活躍を見て、慰安旅行に行きたいと思います!」

ジョージ「慰安旅行か。良いじゃないか。」

真澄「たまには、羽を伸ばすのも、ありかもしれないな。」

ダクネス「それで、一体どこに行くのだ?」

めぐみん「それは、水と温泉の街、アルカンレティアです!」

アクア「アルカンレティア?今、水と温泉の街アルカンレティアって言わなかった!?」

 

 なんかアクアが物凄く反応している。

 その後、全員でアルカンレティアへと向かう事になった。

 そして、狩崎さんに呼ばれた。

 

結斗「どうしたんですか、狩崎さん?」

ジョージ「結斗。君には、これを渡しておこうと思ってね。」

 

 狩崎さんはそう言って、小さいケースを開けて、中身を見せる。

 その中には、バリッドレックスバイスタンプが入っていた。

 

結斗「バリッドレックス…………!」

ジョージ「バニル戦で、見事な連携をした時、完成したらしくてね。君に託すよ。」

結斗「ありがとうございます!」

バイス(サンキュー!カリちゃん!)

 

 こうして、俺は、バリッドレックスバイスタンプを手に入れた。

 早朝に、俺はカズマに叩き起こされ、残りの皆をアクアに任せてバニルの元へ向かう。

 

バニル「へいらっしゃい!……おや、こんな朝早くにどうした?リバイスにデモンズよ。」

カズマ「いや、俺達、ちょっと温泉旅行に行く事になってさ。」

結斗「例の商売の話はアクセルに帰ってからで良いか?」

バニル「何だ、そんな事か。まだ、準備には時間がかかるので、ゆっくりと羽を伸ばすなり、混浴に期待するなりしてくるが良い。」

カズマ「ここここ、混浴なんて期待してねーし!ただ単に、慰安旅行に行くだけだし!」

結斗「挙動不審になるな。………それより、何でウィズが焦げてるんだ?」

バイス(本当だ。)

バニル「ハァァァァ。」

 

 バニル曰く、ちょっと目を離した隙に、商品を勝手に仕入れて、お仕置きに殺人光線を放ったらしい。

 ウィズはリッチーなので、バニルの殺人光線を喰らっても、特に影響は気絶するくらいしか無いらしい。

 

バニル「という訳で、このガラクタを返品しようと思って箱詰め中だが、買うか?」

結斗「何だそれ?魔道具?」

バニル「旅のトイレ事情が解決できる簡易トイレである。用を足す際に、プライバシーを守る為、音まで出る水洗仕様だ。」

カズマ「何それ!凄い!!」

 

 確かに、それは凄いな。

 でも、ウィズが仕入れたと言うことは。

 

バニル「欠点は消音用の音がでかすぎて、モンスターを呼び寄せる事と、水を精製する機構が強力すぎて周囲が大惨事になる事か。」

 

 ほら、やっぱり。

 

結斗「この店にはまともな魔道具は無いんですか?」

バイス(店が赤字になる一方だな!)

バニル「ハァァァァ…………。当店のポンコツ店主は使えない物を仕入れてくる事に関しては類稀なる才能を持っておってな。我輩がちょっと目を離すと、よく分からん物を勝手に仕入れてな……。そう言えば小僧共。温泉に行くと言ってたな。」

「「ん?」」

 

 バニルは、俺たちにウィズを押し付けた。

 暫くして。

 

アクア「ちょっと!先に行って、席を取っといてって頼んだのに……!って何を背負ってるの?」

 

 俺とカズマはバニルからウィズのお守りを頼まれた事を伝えた。

 

アクア「ふーん…………まぁ良いけど。それよりその子だんだんと薄くなってるんだけど。」

カズマ「おい!これ大丈夫なのかよ!回復魔法をかけないと!」

結斗「カズマ!リッチーに回復魔法は逆効果だぞ!」

真澄「まずは、ドレインタッチで体力を分け与えるのだ。」

 

 そうして慌ててるうちに、カズマがダクネスの体力をドレインタッチでウィズに流していって解決した。

 その後、カズマのパーティ+ウィズと俺のパーティの二手に分かれて、馬車に乗る事になった。

 なんか、アクアの泣き声が聞こえて来たが、気のせいだろ。

 それからしばらくして。

 

御者「アルカンレティア行き、出発します!」

 

 そう言って、一団が動き出す。

 それにしても、初めてアクセルの街以外に行くな。

 

ジョージ「こうして、この世界を旅するのは、初めてだね。」

真澄「そうだな。王都にはちょくちょく行っているが、テレポート屋を利用しているからな。」

結斗「良い感じだよな。バイス。」

バイス(へへっ。そうだな。)

 

 俺たちは、そう話す。

 俺達は、変わりゆく景色を眺めながら、旅行を満喫していたが、突然、馬車の動きが止まって、ガンデフォンにカズマから連絡が入る。

 

結斗「カズマ?どうした。」

カズマ「悪い!ちょっと俺達は交戦するぞ!」

結斗「何で!?」

カズマ「走り鷹鳶って奴が来たんだけど、俺達、というか、ダクネスが原因で来たんだよ!」

結斗「どう言う事だよ!?」

 

 話を聞くと、走り鷹鳶は硬い物を見つけて突撃していくそうで、ダクネスの余りの防御力の高さが走り鷹鳶を引き寄せてしまったそうらしい。

 俺たちも同じ仲間として、カズマ達と共に出撃する事になった。

 俺達は全員変身する。

 

レックス!

バット!


『Confirmed!

コブラ!

スパイダー!

カブト!

Deal……!

ジュウガ!

 

 バイスタンプを起動した後、俺、ダクネスはオーインジェクターに押印する。

 めぐみんもコブラバイスタンプを装填する。

 カズマと真澄さんは、デモンズドライバーの上部に押印する。

 狩崎さんは、ジュウガバイスタンプをジュウガドライバーに装填する。

 

Come On!レ!レ!レ!レックス!

 

バイス「フハハハハハ!いやっほう!」

 

Come On!レ!レ!レ!レックス!

What's Coming-up!?What's Coming-up!?

What's Coming-up!?What's Coming-up!?

 

 待機音が流れる中、俺たちは叫ぶ。

 

「「「「「「変身!」」」」」」

 

 そう言って、変身する手順を踏む。

 ダクネスは、バットバイスタンプを装填した後、ツーサイドライバーをライブガンの状態にする。

 

Eeny, meeny, miny, moe…!

Eeny, meeny, miny, moe…!

Eeny, meeny, miny, moe〜!

Eeny, meeny, miny, moe〜!

 

 そして、俺たちは変身する。

 

バディアップ!

バーサスアップ!

リベラルアップ!

Decide up!

Bane up!

オーイング!ショーニング!ローイング!ゴーイング!

仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!


『Precious!Trust us!Justis!バット!

仮面ライダーライブ!

Ah Going my way!

仮面ライダー!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!

Deep.(深く)Drop.(落ちる)Danger.(危機)

(仮面)Rider Demons!

破壊!(Break)世界!(Broke)奇々怪々!(Broken)

仮面ライダーベイル!

十種の遺伝子、強き志!

爆ぜろ、吼えろ、超越せよ!

仮面ライダージュウガ!

Go Over…!

 

 俺とバイスは、リバイス・レックスゲノムに、ダクネスはライブ・バットゲノムに、めぐみんはジャンヌ・コブラゲノムに、カズマはデモンズ・スパイダーゲノムに、真澄さんはベイルに、狩崎さんはジュウガに変身する。

 

御者「お客さん!勝手に外に……!って!仮面ライダーかよ!」

 

 俺達は走り鷹鳶の討伐を開始する。

 

結斗「ハアッ!でやっ!」

バイス「オラっ!はっ!」

 

 俺とバイスは、連携して攻撃して行く。

 

カズマ「はっ!おらっ!」

 

 カズマは、徒手空拳で攻撃していく。

 

めぐみん「はあっ!はっ!」

 

 めぐみんは、ラブコフ・クジャクゲノムを持ちながら、攻撃していく。

 

ダクネス「ハアッ!ふっ!」

 

 ダクネスは、ライブガンを撃って攻撃していく。

 

真澄「ふっ!はっ!」

 

 真澄さんは、赤黒い衝撃波を出しながら攻撃していく。

 

ジョージ「へい!はっ!」

 

 狩崎さんも、徒手空拳で攻撃していく。

 俺たちが撃ち漏らした走り鷹鳶は、ウィズが魔法で倒していく。

 そうして、走り鷹鳶は全滅する。

 その夜、一団のリーダーがやってくると。

 

一団のリーダー「いやぁ!まさか、巷で話題になっている仮面ライダーの一団と合間みえるとは実に光栄です!」

 

 と言って、お金を渡された。

 だが、俺達は受け取るのを拒否した。仲間が原因で集まって、それを一掃した。

 つまりはマッチポンプになってしまうからだ。

 リーダーは、こんな世知辛い世の中にまだ、本当の冒険者がいると泣いていたが、こっちは罪悪感でいっぱいだった。

 その後の夜にて。

 

結斗「………………ん?」

バイス(どうしたんだよ?)

 

 何だ?

 俺は、周囲を見渡すが、特に誰も起きていない。

 いや、起きていた。

 カズマとダクネスが。

 すると、狩崎親子も目が覚める。

 

ジョージ「何だ……………?」

真澄「何かいるのか?」

結斗「多分な。」

バイス(マジかよ!?)

 

 俺とバイスと狩崎親子は、そう話す。

 すると、周囲の人たちも目を覚ます。

 俺たちは、カズマとダクネスの方に向かう。

 

結斗「おい、カズマ。何か居たか?」

カズマ「結斗か。千里眼スキルで見てみたんだが、人型なんだが、動きが鈍い!」

 

 なるほどな。

 他の冒険者が、焚き火の火を長めの棒に移して、外に向かって投げる。

 すると、そこにはゾンビが居た。

 

「「「なあああああーっ!?」」」

 

 周囲の人が叫び声を上げる中、俺はオーインバスターを構える。

 

カズマ「俺はアクアを起こしてくる!こんな時位は、アイツも役に立つだろ!」

結斗「分かった!」

 

 カズマはそう言って、アクアの方に向かう。

 俺たちは攻撃しようとするが、ゾンビの群れは、俺たちを無視して、アクアの方に向かう。

 

結斗「あれ?何でアクアの方に向かってんだ?」

ジョージ「ああ……………ん?なんか、この光景に、既視感が……………。」

バイス(あれ?)

 

 奇遇だな、俺もだ。

 俺と狩崎さんがそう言う中、アクアの叫び声が聞こえてきた。

 

アクア「わあああああーっ!何事!?何で私、目が覚めたらアンデッドに集られてるの!?カズマさーん!」

 

 アクアはそう叫ぶ。

 すると、既視感の正体が分かった。

 分かったと同時に、罪悪感が再び出てくる。

 つまり………………。

 

結斗「これ、また俺たちのせいじゃね?」

真澄「だろうね……………。」

バイス(なぁ〜にぃ〜?やっちまったな!)

アクア「迷える魂よ、眠りなさい!ターンアンデッド!」

 

 俺たちがそう話す中、アクアは浄化魔法を発動させる。

 ゾンビ達が浄化されていく。

 

ウィズ「ほえ〜!!」

ダクネス「ああっ!ウィズ!」

真澄「ウィズ君!しっかりするんだ!!」

 

 ウィズも浄化されかけ、ダクネスと真澄さんの慌てた声が聞こえる中、俺は心の中で謝っていた。

 そう。

 既視感の正体は、ベルディア戦にあった。

 ベルディア戦にて、ベルディアが召喚したアンデッドナイトが、アクアに集中した事があった。

 つまり、走り鷹鳶の時に続いて、俺たちの仲間がやらかしたという事だ。

 俺は、カズマと合流する。

 

結斗「カズマ、これって……………。」

カズマ「言うな。俺もそう思ってるから。」

 

 俺とカズマがそう話す中、浄化をし終えたアクアが、ドヤ顔でこちらに来る。

 

アクア「どう、カズマ、湊翔?この私の女神っぷりは!この旅の間、活躍しっぱなしじゃないかしら?そろそろ私に、お供え物の一つぐらい捧げてくれても、罰は当たらないわよ!」

バイス(何ドヤ顔してんだよ!)

 

 こいつ!

 お前のせいでこうなってるんだろうが!

 何ドヤ顔してんだ!

 すげぇムカつく。

 その後、リーダーが再び礼金を俺たちに払おうとしたので、即座に拒否した。




今回はここまでです。
今回は、アルカンレティアに向かうまでです。
そして、結斗も、バリッドレックスを手に入れました。
ハンス戦にて、バリッドレックスを投入する予定です。
バリッドレックスなら、ハンスとも戦える気がしますし。
あと、ギファードレックスに繋がる出来事も入れる予定です。
感想、リクエスト等は絶賛受け付けています。
ビヨンド・ジェネレーションズに相当する話をやる予定ですが、どんな感じでやるのかが、思いつきません。
もし、意見がある場合は、お願いします。
あと、オリジナルの仮面ライダー、オリジナルフォーム、オリジナルのデッドマンに関しても、受け付けます。
現状、変身者が出ていない仮面ライダーアギレラ、仮面ライダーオルテカに関してもです。


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MOVIEバトルロワイヤル
動き出す陰謀


 ベルゼルグ王都。

 ここでは、人々が忙しなく動いていた。

 その人々は、ブルーバードの面々だ。

 どういう事かというと、ギフの撃破後、アイリスの直属の部隊として、ブルーバードが編成されたのだ。

 何故、ブルーバードが動いているのか。

 それは、前田結斗、バイス、カズマ、めぐみん、ダクネスなどを始めとする仮面ライダー達によって、ギフは倒された。

 だが、謎の光が出現して、ブルーバードは、それの警戒に当たっていた。

 暫くすると、謎の熱源が探知され、ブルーバードは捜索をしていた。

 その一方で、その光の裂け目から、謎の生物が現れる。

 その2体の生物は、この世界では存在しない筈のレーダーを使い、何かを探す。

 

???「まさか、こんな下等な生物に、ギフが倒されるとはな。」

???「行くぞ。」

 

 探し当てると、虫を大量に解き放つ。

 何が起ころうとしているのか。

 そんな事があった翌日、とある温泉旅館では。

 

結斗「温泉が良いな………!」

カズマ「だな……………。」

ダスト「いやぁぁ…………風呂は良いな!」

 

 温泉に入っているのは、前田結斗とカズマ、ダスト。

 三人の2人は、ギフを倒した仮面ライダーのうちの、リバイとデモンズだ。

 ダストも、仮面ライダーホーリーデモンズという仮面ライダーだ。

 

ダスト「それにしても、サンキューな。俺たちも誘ってくれて。」

結斗「良いって、良いって。今日は風呂を楽しもうぜ。」

バイス(結斗!俺っちにも風呂に入らせてよ!)

結斗「おっと、そうだったな。」

 

 結斗はそう言うと、レックスバイスタンプを押印して、バイスを実体化させる。

 

バイス「いやっほ〜う!良い湯だぜ!」

ダスト「悪魔が風呂に入るなんて、随分と凄い光景だな。」

カズマ「まあ、良いんじゃね?」

 

 そんなふうに、男湯は盛り上がる。

 何故、温泉旅館に居るのかと言うと、ギフを倒した後、結斗とバイスは、この世界を旅した。

 色んな物を見て回る為に。

 それから暫くして、結斗とバイスは、アクセルに戻り、結斗とリアは結婚した。

 二人は日本では幼馴染で、ウォルバク戦が終わった時に、二人は付き合い出した。

 ちなみに、ファンに関しては、二人の結婚は素直に祝福しており、ファンの増加にも役立っている。

 男性陣とバイスが風呂から上がると、リア、アクア、めぐみん、ダクネス、クリス、リーンが部屋に戻っていた。

 

結斗「戻ったぜ。」

バイス「良い湯でした!」

リア「お帰り。」

カズマ「ふぅ………。」

めぐみん「お帰りなさい。」

ダスト「それにしても、こんな良い温泉に入れるなんてな。」

リーン「本当に、結斗には感謝しないとね。」

ダクネス「ああ。」

クリス「折角、私も呼んで貰ったしね。」

アクア「悪魔と一緒なのが気に食わないけどね。」

結斗「戒斗の様子はどうだ?」

リア「ああ。ぐっすり寝てるよ。」

 

 結斗の質問に、リアはそう答える。

 リアの視線の先には、男の子が居た。

 彼は、前田戒斗。

 結斗とリアの子供だ。

 

バイス「フハハハハハ!可愛い子ちゃんだね!」

結斗「バイス。あんまりうるさくすると、戒斗が起きちゃうだろ。」

バイス「あっ……………ごめん。」

めぐみん「子供ですか…………。」

リーン「良いかもね…………。」

クリス「カズマもダストも、頑張ってね!」

カズマ「うっ…………。」

ダスト「わ、わぁーってるよ。」

 

 そう。

 実は、カズマとめぐみん、ダストとリーンも結婚しているのだ。

 ただ、子供はまだ居ないが。

 その後、皆で食事をすることに。

 

結斗「それじゃあ…………乾杯!」

一同「乾杯!」

 

 全員が乾杯をして、食べ始める。

 結斗とリアは、食事をしつつ、戒斗の面倒を見る。

 その後、皆で卓球をする。

 

めぐみん「ていや!」

カズマ「はっ!」

ダクネス「当たらん!」

ラブコフ「ラブ!」

 

 めぐみんとラブコフ、カズマとダクネスで卓球をしていた。

 結斗とリア、アクアはのんびりとしていた。

 ダクネスがいつもの如く、卓球のボールを打ち返せずにいた。

 めぐみんがボールを打って、カズマが打ち返そうとすると、いきなりダクネスの動きが良くなり、ラブコフに当たる。

 

ラブコフ「コブッ!?」

カゲロウ「ハハッ!私の勝ちだ!」

 

 ダクネスは、カゲロウの人格になった。

 カゲロウは、ダクネスと違い、まともに武器を使う事が出来、性格もまともだ。

 ただ、若干捻くれている所はあるが。

 カズマ達が卓球をしている中、結斗は感慨深げに息を吐き、口を開く。

 

結斗「ふぅ……………。」

アクア「どうしたのよ?」

結斗「いや…………まさか、こんなに楽しい人生を過ごす事が出来るなんてな…………。日本に居た時の俺に言っても、信じられないだろうなって。」

リア「確かにな……………。」

バイス「あの時の結斗、結構辛そうだったからな……………。」

 

 結斗は、前世では両親を失い、辛い日々を過ごしていた。

 それが、今では幼馴染と結婚して、子供も授かった。

 こんなに幸せなのは、前世ではあり得なかった。

 

結斗「だから…………リア、バイス。ありがとうな。」

リア「いや。私も、結斗と結ばれる事になって、嬉しいよ。」

バイス「俺っちも、結斗と一緒に居る事が出来て嬉しいぜ!」

アクア「……………アンタ、一体前世ではどんな人生をしてたのよ。」

 

 そう言って、結斗とリアは、手を繋いで、イチャイチャしだす。

 バイスは、少し呆れているが、微笑ましそうに見守る。

 そんな中、近くの柱に、謎の虫が居た事には、誰も気づいていない。

 そして、その虫から送られた情報を、謎の生命体2体が見ていた。

 

???「見つけたぞ…………。」

???「行くぞ。」

 

 その2体の生命体は、動き出した。

 一方、王城にあるブルーバードの本部では、狩崎親子、ゆんゆん、ミツルギ、シエロ、エーリカ、アイリスが居た。

 

ジョージ「調子はどうだい?ダディー。」

真澄「ジョージか。問題無い。」

エーリカ「それにしても、リア達は、今頃楽しんでるのかな……………。」

シエロ「そうだと良いね。」

アイリス「ええ。」

ゆんゆん「良いなぁ……………。」

ミツルギ「そうだな。……………狩崎さん。あの光の裂け目の最新の調査結果が来ました。」

 

 狩崎親子達がそう話す中、ミツルギは、ギフが倒された時に出現した光の裂け目に関してのデータを渡す。

 ジョージは、それを確認する。

 

ジョージ「ありがとう。」

アイリス「あの光の裂け目は、一体、何でしょうか…………?」

真澄「何にせよ、何が起こっても不思議ではない。警戒を怠る事はしない様にしよう。」

エーリカ「分かったわ。」

シエロ「はい。…………ん?」

 

 そう話す中、新たな反応が出た。

 

シエロ「何か…………反応がありますよ。」

ミツルギ「これは……………生命体か?」

エーリカ「それが、移動してるわね。」

アイリス「待って下さい。この2体が向かってる先って……………!」

真澄「彼らが慰安旅行に行っている先じゃないのか!?」

ゆんゆん「ええっ!?」

ジョージ「不味いな…………!」

 

 それを見て、彼らは動き出す。

 一方、当のカズマ達は。

 

カズマ「良い景色だな!」

ダクネス「ああ。」

めぐみん「それにしても、結斗は残念でしたね。」

リア「仕方ないさ。ベルゼルグ王都で、謎の虫が発生したり、デッドマンが現れたりして、それの対応に当たってるんだから。」

 

 そんなふうに話していた。

 結斗とバイスは、ベルゼルグ王都に戻っていた。

 リア達は、海岸の方に向かっていた。

 すると、何かが空から降ってくる。

 

リア「何だ!?」

アクア「デッドマン……………じゃないわね。」

ダクネス「貴様ら、何者だ!?」

???「本当に驚いたな。まさか、こんな下等な生物に、ギフが倒されるとはな。」

???「われらに、ギフの力を授けよ。」

めぐみん「ギフ!?」

カズマ「マジかよ………………。」

 

 そいつらはそう言って、カズマ達は身構える。

 

???「バリデロ。我々が欲しいのは、ただ1人。」

 

 そいつは、バリデロにそう言うと、戒斗が入っているカートを見る。

 それを見て、リア達は察した。

 

リア「まさか、狙いは戒斗か!?」

カズマ「リアと結斗の家族に手を出すんじゃねぇ!」

バリデロ「家族?そんなの、ただの群れではないか。」

 

 リアは、自分の息子が狙いと気づき、カズマはそう叫ぶ。

 だが、バリデロはそのまま近づいてくる。

 すると。

 

???「ルーン・オブ・セイバー!」

???「ライト・オブ・セイバー!」

バリデロ「っ!?」

 

 二つの攻撃がバリデロに命中する。

 すると、ミツルギとゆんゆんが現れる。

 

ミツルギ「皆!」

ダクネス「ミツルギ!」

ゆんゆん「大丈夫ですか!?」

めぐみん「ゆんゆん!?」

ミツルギ「狩崎さんからドライバーを預かった!」

カズマ「サンキュー!」

 

 ミツルギはそう言って、皆の分のドライバーを渡して、ドライバーを装着する。

 

カズマ「お前ら、絶対に渡さないからな!」

 

スパイダー!

 

めぐみん「売られた喧嘩は買ってあげましょう!」

 

キングコブラ!

 

ダクネス「奴らの狙いは戒斗だ!絶対に守るぞ!」

 

パーフェクトウイング!

 

リア「家族は……………私が守る!」

 

コーカサス!

 

ミツルギ「行くぞ!」

 

クワガタ!

 

ゆんゆん「はい!」

 

クイーンビー!

 

 その場にいる全員が、バイスタンプを起動して、変身にはいる。

 

Deal……!

Contract!

Wings for the Future!Wings for the Future!

Come with me!Go with me!

Come with me!Go with me!

 

「「「「「「変身!」」」」」」

 

 六人はそう言って、変身する。

 

Decide up!

Spirit up!

Fly High!パーフェクトアップ!

ハイパー!リベラルアップ!

Delete up!

Subvert up!

Deep.(深く)Drop.(落ちる)Danger.(危機)

(仮面)Rider Demons!

Blake!Clash!Spike!Finish!

仮面ライダートライホーン!

仮面ライダーエビリティライブ!

I'm Perfect!

We are!We are!仮面ライダー!インビンシブル!蛇!蛇!蛇!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!

ハァー!ハーッ!

Unknown.(未知なる)Unlest.(混乱が)Unlimited…(越える)

仮面ライダーオーバーデモンズ!

Wow!Just believe in myself!

仮面ライダー!Ah!アギレラ!

 

 カズマはデモンズに、リアはトライホーンに、ダクネスはエビリティライブに、めぐみんはインビンシブルジャンヌに、ミツルギはオーバーデモンズに、ゆんゆんはアギレラに変身する。

 その六人は、バリデロという存在に戦いを挑む。

 六人の連携に、バリデロは押される。

 

???「バリデロ。時間の無駄だ。早く始末しろ。」

ラブコフ「奥歯、ガタガタ言わせるで〜!」

めぐみん「ハアッ!」

 

 静観していた奴がそう言う中、バリデロは、六人の連携に阻まれて、なかなか動けずにいた。

 

???「仕方ない。」

 

 そいつはため息を吐きつつ、戒斗の方に向かおうとする。

 だが、アクアが阻む。

 

アクア「やらせないわよ!」

???「邪魔をするな!」

 

 アクアが阻む中、そいつは虫を放出して、アクアを引き離す。

 虫が戒斗を取り囲む。

 

リア「戒斗!!」

戒斗「あぁぁん!!」

 

 リアが叫ぶ中、戒斗は泣く。

 すると、戒斗からオーラが放出され、周囲の虫を追い払う。

 それを見ていた奴は。

 

???「おお……………!これは危険で、素晴らしい……………!フハハハハハ!」

リア「戒斗!」

 

 そう言う中、リアが向かおうとするが、バリデロに阻まれる。

 そんな中、めぐみん、ダクネス、ミツルギ、ゆんゆんが向かう。

 

「「「「ハァァァァァ!!」」」」

???「ふっ。」

「「「「うわぁぁぁ!!」」」」

 

 だが、4人が向かう中、そいつは金色の触手を伸ばし、4人に巻きつけ、地面に叩きつけて、変身解除に追い込む。

 

アクア「皆!」

カズマ「マジかよ……………!」

リア「戒斗には、指一本触れさせない!」

 

 アクアが叫ぶ中、カズマとリアも、そいつに向かう。

 だが。

 

???「ふん!」

「「ううっ…………!うわぁぁぁぁ!!」」

 

 カズマとリアの攻撃にカウンターを叩き込んで、2人も変身解除に追い込む。

 そいつは、戒斗に向かおうとするが、リアは足を掴む。

 

リア「私の家族に……………手を出させない……………!」

???「何が希望なのか分からないな。」

 

 リアがそう言う中、そいつは金色の触手を再び出して、リアに巻きつけ、地面に叩きつける。

 だが。

 

リア「レイン……………!」

レイン「無茶をしないで!」

 

 リアは無事だった。

 リアの悪魔であるレインが、咄嗟に出てきて、リアをキャッチしていたのだ。

 だが、その2人は意に介さずに、戒斗が入った籠を持つと、そのまま去っていく。

 

リア「戒斗ーーーーっ!!」

 

 リアの悲痛な叫び声がその場に響き渡る。

 その知らせは、結斗の方にも来ていた。

 

結斗「戒斗が攫われた!?」

バイス「うっそーん!?これ、かなりやばくね!?」

結斗「分かった!すぐに向かう!」

 

 結斗は、すぐに向かおうとする。

 すると。

 

???「ジャ〜っ!」

結斗「何だこいつら!?」

バイス「なんか、植物みてぇだな!」

結斗「バイス!行くぞ!」

バイス「あいよ!」

 

 結斗とバイスの前には、植物みたいな生命体が居た。

 そいつらは、本来、この世界に存在しない。

 何故なら、そいつらは、ジャマトと呼ばれる存在だったのだ。

 それを遠くから見ていた人達がいた。

 

???「悪いな、前田結斗とやら。今はまだ、行かせる訳にはいかない。」

???「相変わらず、性格悪いよな。なあ、ロキ。」

ロキ「フフフ……………。あのイザンギとバリデロが裏切る確率は高い。お前はそこで見ていろ。馬場武。」

武「まあ、そうさせてもらうわ。」

 

 ロキと馬場武という存在は、ジャマトと戦う結斗とバイスを眺めていた。




今回はここまでです。
今回は、MOVIEバトルロワイヤルのリバイス側のエピソードです。
その為、今後のこの小説のある種のネタバレみたいな感じです。
リア、ゆんゆん、ダストも変身します。
リアはデストリーム、ダストはデモンズをベースにした仮面ライダーです。
そして、このすばとギーツから、ロキと馬場武の2人が登場しました。
結斗は、一輝みたいにバイスとお別れしていませんが、ロキと馬場武が放ったジャマトによって、妨害されています。
このMOVIEバトルロワイヤルのリバイス側のエピソードは、前後編で分けます。
次の話は、後編です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
このすばとギーツの物語ともクロスしたMOVIEバトルロワイヤルでリクエストがある場合は、下記からお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=290040&uid=373253


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最強コンビ

 イザンギとバリデロの2人に戒斗を攫われたリア達は、ブルーバードの方へと戻っていた。

 

リア「何なんだ、あいつらは!?」

シエロ「リアちゃん……………。」

エーリカ「それにしても、片方はバリデロって言うのよね?」

ミツルギ「ああ。片方がそう言っていた。」

アイリス「戒斗君を攫うなんて……………。」

アクア「何を考えてるのかしら?」

カズマ「ていうか、あいつら自体は何者なんだよ。」

ダクネス「悪魔の類ではなさそうだが…………。」

めぐみん「何なんでしょうか?」

ゆんゆん「分からないわよ……………。」

 

 リア達はそう話す。

 そんな中、ジョージ・狩崎が口を開く。

 

ジョージ「奴らは地球外生命体。片方はイザンギ、もう片方はバリデロだ。」

アクア「何でそんな事を知ってんのよ?」

ジョージ「私が前にいた世界にも、奴らはやって来たからね。」

真澄「本当なのか?」

ジョージ「ああ。恐らく、ギフの遺伝子が狙いだろう。アイリス姫を除いて、仮面ライダーになれる者は、ギフの遺伝子が入っているからね。戒斗君にも、ギフの遺伝子が入っている可能性はある。」

 

 そう。

 ジョージ・狩崎がこちらの世界に来る前、本来のリバイスの世界でも、イザンギとバリデロは現れていたのだ。

 そんな中、リアが口を開く。

 

リア「奴らは何処にいるんだ?」

ジョージ「奴らは、あの裂け目から現れた筈だ。逃げる前に迎え撃つ。ミツルギ、ダクネス、カズマ。これを使いたまえ。」

ミツルギ「これは……………!」

 

 リアがそう聞くと、ジョージ・狩崎は、そう答えながらアタッシュケースを渡す。

 その中には、ギラファバイスタンプ、メガバットバイスタンプとリバイスドライバー、ジャイアンスパイダーバイスタンプが入っていた。

 

ミツルギ「魔王との最終決戦で使ったバイスタンプですか。」

ダクネス「ありがとう。」

カズマ「おうよ。」

シエロ「そういえば、結斗さんは?」

真澄「それが……………何者かに足止めを食らっているようだ。」

エーリカ「足止め!?」

カズマ「あいつが来れない以上、俺たちが何とかするしかない!」

リア「絶対に取り戻す!」

 

 カズマ達はそう話す。

 その翌日、イザンギとバリデロは。

 

バリデロ「イザンギ。ゲームマスターを裏切るのか?」

イザンギ「ギフの遺伝子があれば、宇宙の支配も夢ではない。」

バリデロ「ギフに文明を滅ぼされた我々が……………皮肉なものだな。」

リア「私の息子を、返してもらうよ。」

 

 イザンギとバリデロがそう話す中、リアがそう言う。

 2人が視線を向けると、デモンズドライバーをつけたカズマとミツルギ、リバイスドライバーをつけたダクネス、ホーリーデモンズドライバーをつけたダスト、トライホーンドライバーをつけたリア、リベラドライバーをつけためぐみん、ウィークエンドライバーをつけたゆんゆん、デストリームドライバーをつけた狩崎真澄、ジュウガドライバーをつけたジョージ・狩崎、キメラドライバーIIをつけたアイリスが現れる。

 

イザンギ「理解できない。なぜ、同じ事を繰り返す?」

ジョージ「人類を馬鹿にしてもらっちゃあ困るね。」

 

 イザンギの問いに、ジョージ・狩崎はそう答えて、バイスタンプを起動して、ドライバーに装填したりする。

 

ギラファ!

ジュウガ!

ヘラクレス!

キングコブラ!

クイーンビー!

クワトロキメラ!

クリオネ!

 

ダクネス「教えてやろう。」

カズマ「俺たちは、諦めが悪くてな。」

リア「返してもらうぞ!」

 

メガバット!

ジャイアントスパイダー!

コーカサス!

 

 それぞれのバイスタンプを起動して、変身する。

 

Deal……!

Contract!

レックス!メガロドン!イーグル!マンモス!プテラ!ライオン!ジャッカル!コング!カマキリ!ブラキオ!

Come On!メメ!メガバット!

Come On!メメ!メガバット!

ケツァル!ホワイトレオ!カジキ!トリケラ!Come on!キメラ!キメラ!キメラ!

ケツァル!ホワイトレオ!カジキ!トリケラ!Come on!キメラ!キメラ!キメラ!

Come with me!Go with me!

Come with me!Go with me!

 

 待機音が流れる中、全員が叫ぶ。

 

一同『変身!』

 

 そう言って、変身の動作をとる。

 

Decide up!

Spirit up!

マーベラスアップ!

ハイパー!リベラルアップ!

Delete up!

Subvert up!

スクランブル!

Wow!Just believe in myself!

仮面ライダー!Ah!アギレラ!

We are!We are!仮面ライダー!インビンシブル!蛇!蛇!蛇!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!

ハァー!ハーッ!

ケツァルコアトルス!ホワイトレオ!カジキ!トリケラ!仮面ライダーオウガ!オウガ!

Deep.(深く)Drop.(落ちる)Danger.(危機)

(仮面)Rider Demons!

輝くほどシャイニング!激しくなるダークネス!Crossing Crossing!

仮面ライダーライブ&エビルマーベラス!

Blake!Clash!Spike!Finish!

仮面ライダートライホーン!

Light.(明るく)Dark.(暗く)Holy.(聖なる)

(仮面)Rider Holy Demons!

十種の遺伝子、強き志!

爆ぜろ、吼えろ、超越せよ!

仮面ライダージュウガ!

Go Over…!

Slash!Sting!Spiral!Strong!

仮面ライダーデストリーム!

Unknown.(未知なる)Unlest.(混乱が)Unlimited…(越える)

仮面ライダーゲットオーバーデモンズ!

 

 ゆんゆんはアギレラ、めぐみんはインビンシブルジャンヌ、アイリスは仮面ライダーオウガ、カズマはインペリアルデモンズ、ダクネスはライブマーベラス、カゲロウはエビルマーベラス、リアはトライホーン、ダストはホーリーデモンズ、ジョージ・狩崎はジュウガ、狩崎真澄はデストリーム、ミツルギはゲットオーバーデモンズに変身する。

 

イザンギ「ふっ。やれやれ。」

バリデロ「ハアッ!」

 

 イザンギはため息を吐きながら、戒斗が入った籠を虫達に預けて、バリデロは攻撃する。

 

一同『ハァァァァァ!!』

ラブコフ「しばき回したれ!」

 

 バリデロの攻撃を防いだり叩き落としたりして、仮面ライダー達は、イザンギとバリデロに向かう。

 イザンギにはジョージ、アイリス、ゆんゆん、カズマ、リアが挑み、残りのメンツは、バリデロに挑んでいた。

 だが、イザンギもバリデロも本気を出したのか、苦戦気味だった。

 すると、イザンギは両腕を伸ばして、ダクネスとカゲロウを引っ張ってくる。

 

ダクネス「なっ!?ぐっ!?」

カゲロウ「何っ!?わっ!?」

アイリス「ララティーナ!カゲロウ!」

カズマ「悪い!」

ダクネス「ハアッ!」

カゲロウ「この野郎!」

 

 イザンギは、ダクネスとカゲロウを盾にして、カズマ達の攻撃を防ぐ。

 ダクネスとカゲロウは、ライブガンとエビルブレードを使った攻撃をしようとするが、イザンギに跳ね返され、カズマとリアとジョージにぶつかる。

 ゆんゆんも攻撃するが、イザンギに吹き飛ばされる。

 ゆんゆんは、バリデロに攻撃をする。

 

バリデロ「ハアッ!ふっ!」

めぐみん「くっ……………!」

ゆんゆん「強い……………!」

ミツルギ「本気じゃなかったのか!」

ダスト「くそ!」

真澄「皆!必殺技を叩き込んでくれ!めぐみんちゃんも、手伝ってくれ!」

めぐみん「はい!」

 

 めぐみんと真澄さんがバリデロに向かう中、ミツルギ、ゆんゆん、ダストは必殺技を叩き込む準備をする。

 

ギラファ!

クリオネ!

Charge!

 

めぐみん「はあっ!」

真澄「はあっ!」

バリデロ「ふんっ!」

「「うわぁぁぁ!!」」

 

 めぐみんと真澄さんが攻撃をするが、バリデロに吹き飛ばされる。

 だが、必殺技の時間稼ぎが出来た。

 

デモンズフィニッシュ!

ホーリーデモンズフィニッシュ!

クイーンビー!スタンピングブレイク!

 

 三人の必殺技が、バリデロとぶつかり合う。

 そんな中、めぐみんと真澄さんも必殺技の体勢に入る。

 

必殺承認!

ヘラクレス!

Charge!

超必殺!超必殺!

 

 2人は、大きくジャンプする。

 ミツルギ達は、バリデロに必殺技を叩き込んでいたが、弾かれて変身解除する。

 だが、ある程度のダメージを与えていた。

 

キングコブラ!インビンシブルクラッシュ!

デストリームフィニッシュ!

 

「「ハァァァァァ!!」」

バリデロ「ぬわぁぁぁ!!」

 

 2人の上空からのライダーキックを、バリデロは持っている棒で防ごうとするが、競り負けて爆発して、少し離れた場所に倒れる。

 だが、めぐみんと真澄さんも変身解除する。

 

めぐみん「くっ……………!」

ゆんゆん「めぐみん!」

ミツルギ「真澄さん!大丈夫ですか!?」

真澄「ああ。少し無理をしたな。」

ダスト「あいつら……………。」

 

 めぐみん達は、カズマ達を見守る。

 そんな中、カズマ達は、イザンギに攻撃を仕掛けていくが、イザンギは最小限の動きでカウンターを叩き込んでいく。

 

アイリス「強いですね……………。」

ダクネス「だが、諦めてたまるか!」

カゲロウ「戒斗はなぁ……………俺の弟分なんだよ!」

ジョージ「行けるかい?」

カズマ「ああ!」

リア「行くぞ!」

 

 六人はそう言って、イザンギと戦っていく。

 流石に6人……………それも、先ほどよりも攻撃が激化した状態の攻撃には、イザンギも少しずつ押されていく。

 6人は、必殺技を叩き込む為に、ドライバーを操作する。

 

コーカサス!

Charge!

ジャイアントスパイダー!

Charge!

 

「「「「「「ハァァァァァ!!」」」」」」

イザンギ「ふんっ!」

 

アメイジングフィニッシュ!

トライホーンフィニッシュ!

メガバット!マーベラスジャスティスフィニッシュ!

デモンズフィニッシュ!

クワトロキメラエッジ!

 

 6人のライダーキックが炸裂して、イザンギはバリアを展開する。

 だが、6人のライダーキックがバリアを破壊して、イザンギにキックが命中する。

 イザンギが倒れる中、6人は着地する。

 だが、イザンギはすぐに起き上がる。

 

イザンギ「ふむ。実験の相手くらいには、なりそうだな。」

カゲロウ「は?何言ってやがる?」

ジョージ「ホワッツ?」

 

 イザンギがそう言う中、カゲロウ達が身構えると、虫が戒斗を運んでくる。

 

アイリス「あの虫は!?」

カズマ「というより、何をする気だ!?」

イザンギ「ギフの力を使わせてもらおう!フハハハハハ!」

 

 身構える中、イザンギはレーダーを取り出して、蓋を外す。

 それを、戒斗に向けて振り下ろす。

 

リア「戒斗!」

 

 それは、戒斗に当たり、戒斗から何かが出てくる。

 

悪魔「うっひょー!こーんにちーはー!」

めぐみん「あれは……………!?」

真澄「彼の悪魔か?」

悪魔「ここが外の世界か!ひゃっほーう!」

イザンギ「何処へいく?」

 

 そう。

 出て来たのは、戒斗の悪魔だった。

 戒斗の悪魔は、周囲を走り回るが、イザンギに捕まる。

 

悪魔「やめろよ!離せ!離せってば!」

イザンギ「うおおおお!」

アイリス「悪魔を取り込んだ……………!?」

カズマ「マジかよ…………。」

イザンギ「おい!いつまで昼寝をしている!」

バリデロ「あぁ……………。」

 

 すると、イザンギは悪魔を取り込む。

 そして、倒されたバリデロを復活させた。

 

ジョージ「おい。まだ行けるな?」

カゲロウ「人使いの荒い奴だぜ。」

ダクネス「だが、ここでやらなければ、何をしでかすか分からない!」

リア「ああ。」

アイリス「行きましょう!お兄様!」

カズマ「おう!」

 

 6人はそう話して、イザンギとバリデロに挑む。

 だが、ただでさえ強かったのに、悪魔を介して、ギフの力を取り込んだ事で、更に強くなっていた。

 6人は劣勢に追い込まれていた。

 

カズマ「くっ……………!」

アイリス「強い……………!」

リア「戒斗…………!」

 

 六人が追い詰められる中、イザンギとバリデロは、攻撃を叩き込む。

 

「「「「「「うわぁぁぁぁ!!」」」」」」

 

 6人は、その攻撃を喰らって、変身解除してしまう。

 それを見たイザンギは。

 

イザンギ「全員、消去しろ。」

 

 イザンギは、バリデロにそう指示をする。

 バリデロは、棒から炎を出して、リア達を殺害しようとする。

 すると、バイクのエンジン音が聞こえてくる。

 

「「ハァァァァァ!」」

 

 その叫び声と共に、イザンギとバリデロの後ろから、エアバイクが現れて、バリデロに体当たりをする。

 そのエアバイクは、リア達の前に着地すると、姿を変える。

 

リア「あ、あぁぁぁ……………!」

カズマ「ったく。遅ぇんだよ!」

アイリス「待ってました!」

 

 皆はそう反応する。

 そこに居たのは、結斗とバイスだった。

 

結斗「待たせたな。リア。」

リア「ううん。待ってたよ……………。」

ラブコフ「結斗!バイス!」

イザンギ「何だ、貴様ら。」

バイス「へっへ!どうも、どうも!前田…………バイスで〜す!」

結斗「これ以上、誰も傷つけさせない。」

「「湧いて来たぜ……………!」」

 

 結斗が現れたことに、涙を流すリア。

 結斗とバイスは、リバイスドライバーを装着して、ギファードレックスバイスタンプを取り出す。

 

ギファードレックス!

 

「「ハァァァァ………。フッ!」」

 

 結斗とバイスは、ギファードレックスバイスタンプを起動して、息を吹きかけて、リバイスドライバーに押印する。

 

ビッグバン!Come On!ギファードレックス!

ビッグバン!Come On!ギファードレックス!

 

 待機音が流れ、2人の背後に、ギファードレックスが現れる。

 2人は変身ポーズを取って叫ぶ。

 

「「変身!」」

 

 そう言って、リバイスドライバーに装填して、一回倒す。

 

アルティメットアップ!

溢れ出す(Overflowing!)熱き情熱!(Hot passion!)一体全体!表裏一体!宇宙の力は無限大!

仮面ライダー!リバイ!バイス!Let's go Come On!

ギファー!ギファー!ギファードレックス!

 

 結斗とバイスは、アルティメットリバイスへと変身する。

 

ジョージ「グーレーイト!!」

結斗「いくぞ、バイス!」

バイス「あいよ!」

 

 結斗とバイスは、いつものリバイスとしてのポーズを取り、イザンギとバリデロへと向かう。

 結斗はイザンギと、バイスはバリデロと応戦する。

 

結斗「ハァァァァ!ハアッ!でやっ!」

イザンギ「くっ…………!」

 

 結斗は、連続でパンチを叩き込んで、イザンギに攻撃していく。

 

バイス「おらおらっ!ハアッ!でやっ!」

バリデロ「はっ!ふっ!」

 

 バイスも、バリデロと応戦して、攻撃していく。

 

ダクネス「やはり、あの2人は強いな。」

カズマ「だな。」

めぐみん「結斗!バイス!やって下さい!」

 

 それを見ていたカズマ達は、そう言う。

 

バイス「へへへっ!おっと危ねぇ!」

 

 バイスは、バリデロの棒による攻撃を抑えて、攻撃を叩き込む。

 

ミツルギ「やるね。」

ゆんゆん「頑張って!」

アイリス「思いっきりやっちゃってください!」

バイス「へへっ!どんなもんじゃい!どうもです。」

 

 バイスはそう言う。

 結斗とバイスは、イザンギとバリデロの2人を追い詰めていた。

 

イザンギ「離せっ!」

結斗「ハアッ!ふっ!はっ!」

バリデロ「くっ…………!」

バイス「でやっ!」

ジョージ「これこそが……………リバイス!」

真澄「流石だな。」

ダスト「そんな奴ら、ボッコボコにしちまえ!」

ラブコフ「リバイス!ラブ!」

リア「行けぇぇぇぇ!!」

 

 結斗とバイスがイザンギとバリデロを追い詰める中、ジョージ、真澄、ダスト、ラブコフ、リアはそう言う。

 

イザンギ「これが……………真のギフの力なのか!?」

結斗「違う!俺たちは………………仮面ライダーリバイスだ!!」

バイス「そうだぜ!へへっ!」

 

 イザンギがそう言う中、結斗とバイスはそう返す。

 2人は、ギファードレックスバイスタンプを2回倒す。

 イザンギとバリデロは、逃げるように上空に飛ぶ。

 結斗とバイスも、上空に飛んで、イザンギとバリデロの周囲で高速回転して、磁気嵐を発生させる。

 

リバイ!ギファードフィニッシュ!

バイス!ギファードフィニッシュ!

 

 2人は、イザンギとバリデロに向かって、挟み込む形でライダーキックを放つ。

 

「「ハァァァァァ…………!ハァァァァ!!」」

「「うわぁぁぁぁぁ!!」」

バイス「しゃき〜ん!」

悪魔「いやっほ〜う!」

 

 2人のライダーキックが、イザンギとバリデロを貫くと、リバイスドライバーの効果で、イザンギから戒斗の悪魔が分離される。

 2人は着地する。

 

バイス「そんじゃあ、行きましょう!」

「「「3!2!1!」」

バイス「はぁーい!決まった!」

 

 2人のカウントダウンと共に、イザンギとバリデロは爆発する。

 ギフの力を狙った存在は、ギフの力を持つ仮面ライダーに敗れ去った。

 2人は、変身解除する。

 2人のもとに、カズマ達が駆け寄り、リアが結斗に抱きつく。

 

リア「遅い。もう少し早く来れなかったのか?」

結斗「悪い。足止めを食らった。」

バイス「でも、俺っち達の敵じゃないぜ!」

カズマ「まったく。」

アイリス「でも、よかったです。」

ダスト「ったくよ。」

ジョージ「よくやった。2人とも。」

真澄「グッジョブだ。」

 

 リアが抱きつく中、結斗も抱きしめ返し、良い感じになっていた。

 そんな中、ダクネスが口を開く。

 

ダクネス「まあまあ。それより、戒斗から分離した悪魔を戻さないとな。」

ゆんゆん「そ、そうですね!」

ミツルギ「だね。」

めぐみん「あの悪魔も、結構悪くなかったですよね。」

ラブコフ「コブっ!?」

 

 ダクネス達はそう言う。

 すると、謎の男が現れる。

 その男は、赤いマントと赤い仮面を被っていた。

 

???「遂に手に入れたぞ。ギフの遺伝子を。」

悪魔「なにすんだよ!どこだよ、ここ!」

ジョージ「君は………………。」

結斗「お前、何者だ。その悪魔を返せ!」

???「さあ、始めよう。世界を作り変えるゲームを。」

 

 その男は、リュックみたいなのを持っていて、その中には、戒斗の悪魔がいた。

 結斗がそう言うと、その男は戒斗の悪魔を連れて、消え去る。

 その先には、あの光の裂け目が存在していた。

 それを遠くから見ていたロキと馬場武は。

 

ロキ「遂に奴が動いたか。我々も元の世界に戻るぞ。」

武「そうだな。」

 

 そう言って、光に包まれ、光の裂け目へと向かう。

 まだ、事件は終わっていなかった。




今回はここまでです。
MOVIEバトルロワイヤルのリバイスパートの後編が終わりました。
イザンギとバリデロの2人を撃破した、結斗とバイス。
だが、それはあくまで序章に過ぎなかった。
コラスにロキ、馬場武が動き出す。
ここから先は、このすばとギーツの方で投稿します。
アイリスは仮面ライダーオウガに変身します。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
次回は、普通に本編を投稿します。
MOVIEバトルロワイヤルに関するリクエストは、絶賛受け付けています。
このすばとギーツの方も、頑張っていきます。


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