5人兄弟とセカイの関わり方 夢見る少女編 (エビデンス海老天むす)
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人物設定

はじめましてのかたははじめまして、エビデンス海老天むすと申します。

前編のニーゴ編、ビビバス編レオニ編も是非読んでいただけると幸いです。

モモジャン編行きまーす


人物設定

 

この物語は5人兄弟の一也(かずや)仁剛(にごう)愛美(あいみ)紫乃実(しのみ)優吾(ゆうご)が、プロジェクトセカイのキャラクターと共に歩んでいくストーリー。と、なっております。

 

 

この小説は紫乃実

 

 

注意!この物語はゲーム「プロジェクトセカイfeat.初音ミク」の二次創作です。メインストーリーの内容を含みます。ゲーム内の全てのグループと関わるのでメインストーリーを読んでおくことをオススメします。

 

と、言うよりメインストーリーガチで感動するので読んでくださいお願いします。

 

 

 

 

 

本文は前回の小説の人物設定と同じ文です。ご理解ください

 

 

一也(かずや)

23才の新任教師。イケメンでなんでもできる。(告白されるが、ピンときた相手がいなく、未だに彼女なし)

兄弟の中では1番頼られる

宮女に勤めていて、テストの製作から雑用まで幅広く仕事をこなすスーパーマン

家でも仕事を持ち帰って没頭している

(作中ではレオニと関わります)

 

 

 

仁剛(にごう)

19才の大学生。普段は適当だが、音楽に関しては一切手を抜かない作詞作曲を一人でこなす。

兄弟の中では1番バカ

音大の1年生で音楽友達と話すためだけに大学へ進学した

音楽の才能はピカイチでバイオリンなどのクラシックからギターなどの現代楽器まで幅広く演奏できる

音楽にハマったきっかけは小学校のリコーダー、妹曰く、音が鳴るのが嬉しすぎて1ヶ月で教科書の全ての曲を吹けるようになったと言う

もちろん歌もプロ顔負けの歌声を、持っている

(作中ではビビバスと関わります)

 

 

 

愛実(あいみ)

紫乃実とは双子

17歳の神高に通う2年生。中学生の頃に1ヶ月間寝込んでしまい常に体が弱い。いつも杖を使っている。

兄弟の中では1番綺麗好き(1日ずっと掃除をしていることもある)

通う学校が紫乃実と被るのが嫌で神高にした

(作中ではニーゴと関わります)

 

 

 

紫乃実(しのみ)

愛美とは双子

17歳の宮女に通う2年生。アイドル顔負けのルックスとダンス技術を持っている

兄弟の中では1番家族想い

家に一人で待つ母の手伝いの為に部活の加入を断り続けている。

一也と家族だということは面倒なことになる為普段は隠している

(作中ではモアジャンと関わります)

 

 

 

優吾(ゆうご)

16歳の神高に通う高校1年生。物語を作るのが大好きで授業中、真剣にノートをとっていると思ったら大体物語を書いている。

兄弟の中では1番運動神経と直感が冴えている。俗にいう感覚派である。

役者としては素人だが、持ち前のノリと勢いでなんとかなっている。

(作中ではワンダショと関わります)

 

 

 

麗奈(れいな)

5人兄弟の母

専業主婦でおっとりしている

怒っても怖くないが、一也の嘘で怒らせてはいけない存在となっている

 

 

 

雄大(ゆうだい)

5人兄弟の父

世界中を飛び回ることで有名な大企業の秘書兼護衛役をしている。

本当は結婚をする予定は無かったが、麗奈を見て一目惚れし、麗奈も一目惚れした為そのままゴールインとなった。

週一回、家族とのビデオ電話を楽しみにしている重度のファミリーコンプレックス(通称スーパーファミコン)



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第0話「オープニング」

私の夢はアイドルになることだった。

 

でも、私はそれを言わなかった。いや、言い出せなかった。私が変わることでまた家族に迷惑をかけるかもしれないから。だから私はもう、変わらない。

 

 

 

 

中学生まで私は積極的な生徒だった。私は出来ないことがあることが嫌いで、だからいろんなことを挑戦したし、納得ができるまでやり続けた。

 

もちろん出来なかったこともあったけど、挫けなかった。だって隣にはお姉ちゃんがいたから。一度だけ、お姉ちゃんにアイドルになりたいと言ったことがある。お姉ちゃんは驚いた様子でこう言った。

 

「紫乃実いいじゃん!じゃあもっと頑張ろ!私も一緒にやるから!」

 

お姉ちゃんは私の夢を肯定してくれた。そこらかもっと努力して2ヶ月がたち、一社だけアイドル事務所の面接まで通った。1週間後にオーディションを控えた私にとあることが起こった。

 

「お姉ちゃん!大丈夫!?お姉ちゃん!!目を覚ましてよ!お姉ちゃん!!!」

 

お姉ちゃんは1ヶ月、目を覚さなかった。面接を受ける事務所には行く気にならなかった、そんなことよりお姉ちゃんが心配だった。

 

お姉ちゃんが倒れた原因は体が無理をしていたかららしい。

私が無理をさせたから。私がアイドルになるなんて言ったから。

 

「もう、やめよ。」

 

私はもう上を目指すのをやめた。私は今までの努力を平行線でやればいいや。もう、どうでもいい

 

 

 

現在

 

私は宮女に進学した。努力すれば大抵のことはできるし、なんとなく宮女に進学した。進学校らしいけど勉強が特に難しいわけじゃないし、1年過ごしただけで学校に飽きてしまった。

 

けど最近は学校が面白くなった。授業は相変わらずだけど授業後の屋上にいる時間は楽しかった。

 

「みーのーりーちゃーーん」

 

「あ!紫乃実ちゃん!また来てくれたの!」

 

「うん!今日は家の手伝いもないし、わかんないことがあったら言ってね。」

 

「本当にいいの!じゃあここのステップ教えてほしいな〜」

 

「見せてみて、あーーーここのステップはねー

 

花里みのりちゃん、いつも明るく笑顔で太陽みたいな女の子、アイドルを目指して日々努力しているようだ。毎日夕方近くまでアイドルになるためレッスンをしている。たまたまみのりちゃんの練習を見た私が少し手本を見せただけですごい褒めるものだから私も調子に乗っちゃったのかなんだかんだ今でも教えている。みのりちゃんを見ているとなんだか懐かしい感覚になってくる。

 

「ねぇ、紫乃実ちゃん、紫乃実ちゃんはどうして私にここまでダンスとか教えてくれるの?」

 

「似てるからかな」

 

「似てるって誰に?」

 

「教えなーい」

 

「ええー!そんなぁ〜気になっちゃうよ〜」

 

そんな私たちの日常は良くも悪くも崩れ去っていった。



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第一話「憧れはいま…」

内容だけ書いて投稿するのを忘れてました。w

すいません。

モモジャン編第一話行ってみよー


宮益坂高校

屋上

 

「紫乃実ちゃーん」

 

私が屋上に来るなりみのりは私に泣きそうな声で抱きついてきた。そういえば今日はみのりの50回目のオーディションの結果発表だったっけ?

 

「どうしたのみのりーまたオーディション落ちちゃったの〜?」

 

「それもそうだけど…違うのASRUNが解散して遥ちゃんが芸能界を引退しちゃったの〜」

 

桐谷遥。国民的アイドルであり、所属しているグループASRUNの不動のセンター、でみのりの推し

そんな彼女が芸能界を引退するなんて、芸能界も大変だなぁ〜

 

「そっか〜推しが引退しちゃうなんて残念だったね」

 

「でもでも、遥ちゃんが私に希望をくれた分だけ私もアイドルになって希望を届けようって思ったの!」

 

すげーポジティブシンキング、本当にみのりちゃんって努力家だなぁ。憧れちゃうよ。

 

「そっかそっか、ならアイドルになるために、今日もダンス始めよっか。」

 

「うん、……いつもはASRUNの曲だけど…そうだ!今日はミクちゃんの歌にしていい?可愛くて元気でるし!」

 

「オッケー、じゃあ……

 

その時屋上の扉が開いた。こんな時間に屋上の扉が開くなんて珍しい。一体誰が……

 

「は、遥ちゃん!」

 

そこには桐谷遥がなんと宮女の制服を着ていたのだ。一個下だとは知っていたけど、まさかこの学校にいたとは…

 

「邪魔しちゃったかな…えっと…」

 

「あ…あ…はい!1年A組出席番号21番花里みのりです。趣味はフリの完コピ!特技はキャチフレーズをつけることです。」

 

なんかオーディションみたいになってない?あ!そうだ。

 

「じゃあ自分にキャッチフレーズをつけてみて、」

 

「えっ、えっ?あ、アイドル界のコタツになりたい、花里みのりです!」

 

私はみのりに対して無茶振りをしてみる。

 

「え?」

 

「うーん、ダメ!ダサいし、よく分からない。」

 

「そ、そんなぁ。辛口だよ紫乃実ちゃん」

 

「ごめんね、桐谷遥さん。私は九十九 紫乃実。2年a組。一個上だけど全然敬語とか気にしなくていいよ〜」

 

「あ、はい。1年c組の桐谷遥です。花里さんは同じ一年生なんだね。読書できる場所を探してるんだけどここにいてもいい?」

 

「も、もちろんです。」

 

「それにしても…C組ってことはお兄ちゃんのクラスか〜、あっ」

 

まずい、ここでバレると学校中に広まる可能性が…お兄ちゃんが教師にいるなんてバレたくないのに…

 

「お兄ちゃん…もしかして九十九先生の事ですか?九十九先生には結構協力してもらって、とてもありがたかったです。」

 

「!!でしょ!やっぱりさすがお兄ちゃん………」

 

うわー、恥ずかし〜。しかも後輩の前でやっぱり家族だってバレたくないわ〜。思わず家族のこと語りたくなっちゃうくせなおさないとなぁ〜

 

「ふふ、九十九先生の事、尊敬してるんですね。」

 

「そ、そうなんだけど。桐谷さん。このことあんまり広げないでくれない?恥ずかしいから。」

 

「うん、大丈夫で…だよ。花里さんは何してたの?」

 

「え?えっとダンスの練習です!あ。そのダンス部とかじゃないんですけど…わ、わたし…遥ちゃんみたいなアイドルになりたくて

 

「みのり!!!!」

 

「ひ、ひゃい!ムググ」

 

私は慌ててみのりの口を塞いだ。遥を見るとやはり少し顔が暗くなっていた。そりゃそうよ。芸能界を引退した桐谷さんにとって「アイドル」っていう言葉は地雷でしかない。

 

「ごめんなさい、桐谷さん。デリカシーにかけた発言だったわ。」

 

「あっ、ううん、いいの。」

 

「はっきりしなさいってば!!!」

 

いきなり大きな声が聞こえた。遥は驚き、みのりは肩をビクッとさせていた。

 

「わっなに?怒鳴り声?」

 

「ちゃんと話すまで返さないからね!早くきなさいよ!」

 

「誰かがケンカしてる?屋上に上がってくるみたいだけど…」

 

「ええ?せっかく遥ちゃんがゆっくり出来る場所なのに。」

 

「今日はやけに来る人が多いな。でも、こういう日もあってもいいかもね。給水塔の裏でやりすごそう。みのり、桐谷さん。こっちこっち。」

 



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第二話「地雷」

前回のあらすじ

屋上で桐谷遥と出会ったのは束の間、喧嘩しながら屋上に上がってくる人あらわる。





屋上の給水塔の裏で隠れていると、ケンカをしていたであろう二人が屋上にやってきた。

 

「あれは…雫と…」

 

「愛莉ちゃん…」

 

「ふ、二人とも日野森先輩と桃井先輩と知り合いなんですか?」

 

「雫とは仕事で何回か会ったことがあるの。」

 

「私は愛莉ちゃんとは何回か話した事があるくらいかな。出会ったのはアイドルをやめた後だから半年前くらい。それにしてもこの学校、桐谷さんもそうだけど芸能人多すぎない。単位制クラスがあるからかな。」

 

「そうだね。私もそれが理由でこの学校を選んだので…」

 

「そ、そうですよね。桐谷さん。」

 

「みのり、緊張しすぎじゃない?同級生なんだから遥って呼んじゃいなよ。私も遥って呼ぶからさ。いいよね、遥。」

 

「うん。もちろん。よろしくね、みのり、紫乃実。」

 

「は、はい。じゃなかった。うん、よろしくね。遥ちゃん」

 

みのりはとってもうれしそうだった。作戦成功かな。それにしても、なんで愛莉ちゃんと日野森さんが一緒にいるんだろう。一方は現役アイドル、もう一方は元アイドル。この二人の関係って…

 

「……雫、わたし、昔の後輩から聞いたのよ。アンタがメンバーとうまく行ってないとか、移籍するとか、変な噂が立ってるって事。」

 

「………」

 

「本当なの?」

 

「……それは……」

 

日野森さんはそれでも答えない。こういった態度をずっととっていたから愛莉ちゃんは怒っているのだろう。物事はハッキリしてほしいタイプだし。

 

「ハッキリしなさいよ。中途半端な態度が1番良くないのよ!アンタがそんなんだと、ファンだって不安になるじゃない。」

 

「わかってる、わかってるけど…」

 

それでも日野森さんは答えない。その態度を取るってことは言ってることは本当なのだろう。でも、言った言葉に責任を持てない、そんな感じなのだろう。ここは話が終わるまで待って、聞かなかったことにしよう。

 

「長くなりそうだね…仕方ない。こっちから出て行こうか。」

 

「「え?」」

 

「!!誰かいるの?」

 

ちょ、ちょっとバレちゃったじゃない。どうするのよ遥!

 

遥とみのりはスタスタと出ていく。みのりがちらりとこちらを向いたが、全力で首を振って訴えた。「私はここで待ってると」

 

みのりはその想いを受け取ったのかスタスタと愛莉ちゃんと日野森さんと元へ向かっていった。

 

「………」

 

無言で話を聞いているがなにやらややこしい話になってしまったが、なんとか治まりそうだ。よかった………

 

「は、はい!わたし、アイドルになる事が夢なんです。」

 

「何言ってんのアンタぁ!」

 

私はみのりのTシャツの首根っこを引っ張って給水塔の裏まで引っ張って行った。

 

「う、うわぁ、紫乃実ちゃん!?話が終わるまで出てこないんじゃないの?」

 

「あんたねぇ、よくこのメンツの前でそんなこと言えるわね。元アイドルが二人に、現役アイドルだけど悩みを抱えてる人かいるのに「アイドルになりたい」だなんで、地雷を踏み抜くどころか地雷の上でタップダンスして、さらにブレイクダンスまでしてるようなものだよ?え?なんなの?体弾け飛んじゃうよ?……あっ………」

 

まずい、みのりの爆弾発言に思わず声に出して突っ込んでしまった。隠れてるつもりだったのに……

 

「紫乃実ちゃんじゃない。まえ、少し話した程度だったけど、覚えているかしら。ところで紫乃実ちゃんははこんなところでなにしてたの?」

 

「え、えっと……」

 

どうしよう。「みのりがアイドルになるためにダンス教えてます。」なんて言えるわけない………どうしよう。

 

「あ、あの、紫乃実ちゃんは私にダンスを教えてくれてるんです。また今度あるオーディションに向けて、教えてもらおうと思ってて……」

 

「それを1番言ってほしくないのに……」

 

私はため息をつきながらその後の地獄を想像するのだった。




いかがでしたでしょうか。

余談ですが、紫乃実ちゃんのツッコミは俺が初見でメインストーリーを読んだ感想も含まれてます。

本当にみのりちゃんやべーよ。
でも好き。


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第3話「諦めない」

今日は一気にいっちゃいますよー


「オーディションってどこの受けるのよ。」

 

愛莉ちゃんはみのりに聞いた。

 

「え、えっと次はモリプロのオーディションを受けようと思ってます。」

 

「モリプロ!?超大手事務所じゃない!あそこの倍率何倍か分かってるわけ?アンタみたいな素人じゃ、通ってせいぜい一次審査よ。」

 

「ひ、ひょえ」

 

「アンタ名前は?」

 

「は、花里みのりです。」

 

「そう。今までいくつオーディション受けたことあるの?結果は?」

 

「お、応募は50回くらいして書類審査に通ったのが3回で…二次審査を通ったことはまだないです。」

 

アイドルの審査回数は基本的に3回か4回くらいに分けられる。多いと5回くらいあるが超大手ならもっとあるかも知れない。

 

「そんなんじゃモリプロに受かるわけないでしょ!弱小事務所のアイドルになれるかどうかすら…」

 

愛莉ちゃんは厳しいことを言うが、それは自分が苦労していたからだろう。

 

「で、でも頑張ります。もっともーっと頑張れば、きっと…!」

 

「頑張る?頑張っただけでアイドルになれるわけないじゃない。アイドルを目指すのはやめたほうがいいわ、アンタ向いてなさそうだし。」

 

「そんな…」

 

愛莉ちゃんはハッキリと言うが、なんか愛莉ちゃんっぽくない。なんだろう、この違和感。やっぱりアイドルのことが関わると少し事情が違うのかな。

 

「待って、愛莉ちゃん。」

 

その時、日野森さんが口を開いた。今まで辛そうな顔をして聞いているだけだったのにどうしたんだろう。

 

「その子の夢を否定しないであげて。愛莉ちゃんは今はお仕事をしていないけどみんなに希望を届ける、アイドルでしょ?だから、愛莉ちゃんにはそうゆうことを言ってほしくないの。」

 

「分かってるわよそんなこと!……分かってるわよ。」

 

「私、向いてなくても頑張ります。」

 

「だからって頑張ったからってどうにかなるわけじゃ」

 

「私、信じてるんです。『今日がいい日じゃなくても、明日はいい日になるかも知れない。だからみんなが、明日こそは大丈夫って信じて頑張れるようにこのステージから"明日を頑張る希望"を届けたいんです。』……この言葉を!」

 

この言葉はいつもみのりが口にしている言葉……座右の銘といっても過言じゃない。でもこの言葉を言ったのって…

 

「だから合格するまで絶対諦めません。ダメでも頑張ってがんばって、頑張り続けます。」

 

「ふふふ♪今の言葉とっても素敵だね。」

 

突然何もないところから声が聞こえてくる。機械音のような音に近いけど少し懐かしさもある声だ。

 

「誰よ!まだ誰かいるの!」

 

「あれ?私のスマホが光ってる。」

 

みのりのスマホを見るとキラキラと虹色の光が出ていた。そこには…

 

「初めまして、みのりちゃん!」

 

「えっ?ミクちゃんの映像?」

 

みのりのスマホからはバーチャルシンガー初音ミクがホログラムの姿となっていた。

 

「それに遥ちゃん、愛莉ちゃん、雫ちゃん、紫乃実ちゃんだよね。全員揃ってくれててよかった!よろしくね。」

 

「……どうゆうこと?どうしてミクが話しかけてきて、私たちの名前まで知ってるの?」

 

「ふふっそれは、ワタシがみんなの想いでできたセカイから来たからだよ。」

 

「想いでできたセカイ……」

 

「そう!わたしね、セカイのステージで、リンちゃんと一緒にアイドルとしてライブしてるの!リンちゃんはダンスがとっても上手なんだよ。ワタシも教えてもらったりするんだ。」

 

「教えてもらって……はっ」

 

「みのり何か思いついたの?」

 

「あ!そろそろライブだから行かなくちゃ!それじゃあセカイで待ってるね。みんな早くきてね。」

 

「な、何今の、新たな広告?」

 

「ミクちゃんとおしゃべりできるなんて不思議ね。」

 

「えーっと、その、いまの広告のミク。あ、広告じゃないかも?とにかくミクが言ったことが、わたし、思いまして。」

 

「大丈夫?落ち着いて話していいのよ?」

 

「みのり、一回深呼吸。」

 

「すーーーはーーーすーーはーー、その!迷惑じゃなければですけど!先輩!私の練習を見てくれませんか?」

 

そこにいる全員が一瞬固まった。

 

 

 

 




ストーリが進まない……めっちゃカットするところ出てくるかも。まずいなぁ〜


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第四話「練習開始!」

「なんで私達がアンタの練習を見なきゃいけないのよ。」

 

「それは……そうなんですけど……」

 

みのり……一体何を考えてるんだろう……

 

「私、ダンスも歌も上手にならなくて……厚かましいことはわかってます!先輩たちみたいな凄いアイドルに教えてもらえたら、もっとアイドルに近づけると思ったんです。それに、入学してからずっと教えてくれてる紫乃実ちゃんにもアイドルになって恩返ししたいんです。私もっともっとアイドルに近づけるように頑張りたいんです!だから……」

 

「みのり……」

 

そこまで考えてくれたなんて…

 

「………わかったわ。」

 

そこで声を出したのは日野森さんだった。

 

「雫!?」

 

「みのりちゃん…だったかしら、お仕事があるから、オフの日だけになっちゃうけどそれでもいい?」

 

「も……もちろんです。ありがとうございます。」

 

「ちょっと、どうゆうつもり?アンタ、自分の仕事。」

 

「愛莉ちゃん、昔言ってたでしょ?アイドルならアイドルを目指す子は絶対に放っておかないものよ。って」

 

「日野森さん、本当にいいの?自分の仕事があるのに…」

 

「紫乃実ちゃん……だったわね。大丈夫よ。無理はしないから。」

 

「はぁ…わかったわよ。私も見てあげればいいんでしょ。ただし、次のオーディションに落ちたらそこでおしまい。いい!?」

 

「……!!はい!ありがとうございます。」

 

「愛莉ちゃん…ありがとう。」

 

 

帰り道

 

私は屋上で少し時間を潰してから兄、一也(かずや)の車で帰ることになった。兄が運転席、私は助手席に座っている。

 

「また今日も花里にダンス教えてたのか?」

 

「うーん、今日はね、遥ちゃんがきたよ〜」

 

「遥……ああ、桐谷か、あの子…芸能人オーラすごいよな…」

 

「うーん、そうだね〜」

 

私は空返事をする。やっぱり初音ミクが私に話しかけてきた方が気になる。

 

「紫乃実どうした?いつもなら咲希の時みたいに興味津々に聞いてくるのに…」

 

「いや……うーん」

 

「悩みか?俺でよければ話聞こうか?兄妹だろ?」

 

ちょうど赤信号で止まった。兄はお茶を飲んでる。

 

「じゃあさ、お兄ちゃんはさ、初音ミクと話せると思う?」

 

「ガハッッッゲホゲホ」

 

その話をするとなぜか兄は飲んでいたお茶を無理やり飲み込んでしまい、むせていた。

 

「わ!大丈夫!?」

 

「そそ、そんなことあるわけないだろ?初音ミクはバーチャルシンガーだぞ?」

 

「そうだよね〜、やっぱありえないかよね〜。」

 

「この話はやめよう。ほら、今日の晩御飯は母さんが腕を振るってくれているらしいぞ?」

 

「本当?やったー。あ!そうだ。お兄ちゃんに相談があるんだけど…」

 

兄は心の底から安心するのであった。

 

 

翌日

 

「日野森先輩!桃井先輩!今日はよろしくお願いします!!」

 

「ふふっよろしくね、みのりちゃん。力になれるように頑張るわ。」

 

「ストレッチは済ませてあるでしょうね?」

 

「はい!教えてもらう時間は全部練習に使いたいので。」

 

「いいねみのり、やる気満々じゃん。」

 

「ふふん!いい心がけじゃない。……ところで、なんであそこで桐谷遥が本を読んでるわけ?」

 

「私が呼んだのよ。」

 

「紫乃実ちゃんが?」

 

「これ見て、」

 

「これは……屋上使用許可証??」

 

「そう。今までなんとなくこの屋上を使ってたけど、使う人も増えたし、許可証を貰っておこうと思って。」

 

昨日のうちに兄に相談しておいて、今日の昼に許可証を取りに行った。

 

「え?じゃあ今持ってきたマットと椅子になにか関係あるの?」

 

そう。私はここにからまでに体育倉庫からマットを1枚と椅子を一脚パクっ………借りてきたのだ。

 

「いや、これは単に私がアクロバットをやりたいと思ったからよ。」

 

「じゃあ関係があるのは遥ちゃんの方?」

 

「いや、遥には私のアクロバットの先生になってもらうために来てもらったの。」

 

「まぁ、アクロバットなんてすごいわね〜」

 

「まぁ、いいわ。そういえばアンタ、自己PRと面接の対策はできてるの?」

 

早速、愛莉ちゃんの熱血指導が始まった。みのり、頑張れ!

 

「じゃあ遥私たちはあっちに行きましょうか。」

 

「……」

 

私はみのりたちが練習している反対側にいた。椅子には遥が座って私はマットでくつろいでいる。

 

「ねぇ、紫乃実。アクロバットやらないの?私は静かだから問題ないけど…」

 

「?アクロバットねーまぁ、やってもいいけどーまだ乗り気じゃないって感じー」

 

 

 

気づけば夕方になり、みのりたちの練習は終わる頃だった。

 

「紫乃実ちゃーーん、遥ちゃーん。」

 

「あれ?みのり、どうしたの?もう練習終わり?」

 

「うん!あ!そうだ。紫乃実ちゃんも今日練習してたんでしょ?ちょっと見せてほしいなぁー」

 

「オッケー。いっくよー」

 

私は立ち上がり、助走をつけてロンダードからバク宙を決めた。

むむ…少し着地ミスっちゃった。やっぱ準備運動は必要だな、反省反省。

 

「わぁーーーーすごーーーい」

 

「ちょっと着地ミスっちゃった。ありがとう遥。おかげで上達できたよ。」

 

「あ、う、うん。」

 

遥は唖然としていたが、私の言葉でハッとしたのか返事をした。そんなにびっくりしたのかな。

 

「じゃあ、私もう帰るねー、じゃーねー」

 

私は屋上を後にした。

 

 



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第五話「ファミリートーク」

数日後

九十九家

 

「なぁ、紫乃実。最近帰りが遅いけど、学校で何やってんだ?」

 

唐突に2番目の兄である仁剛(にごう)が突然聞いてきた。

 

「ん?あー、友達がね、アイドルになりたいっていうからその練習をしてる〜」

 

「へぇー、お前が教えてんのか?」

 

「前まではそうだったんだけど今は元アイドルの子とか、現役アイドルの子とかが教えてるんだよ。」

 

「元アイドルと現役アイドル!?なんで急にそんな豪華なんだ?で?誰なんだ?俺でも知ってるか?」

 

「桃井愛莉と日野森雫よ。超有名アイドルだから知ってるんじゃない?」

 

「え?日野森雫!?超有名アイドルじゃん、すごいな。あと…桃井…

 

「桃井愛莉、結構前にバラエティ番組によく出てたでしょ?ピンク髪の」

 

「あーー、あれ?桃井愛莉ってバラエティタレントじゃなかったのか?」

 

「愛莉ちゃんはアイドルだよ。全く本人が聞いたら…………!!!」

 

あ……わかったかもしれない。愛莉ちゃんがアイドルを辞めた理由。いや、あくまで予想だし…

 

「最近アイドル業界物騒だよなぁ、桐谷遥も引退しちゃったし。」

 

「あー、遥ちゃんね。遥ちゃんもよく一緒にいるよ。レッスンをしてはいないけど一緒に話したりしてるよ。基本的に本を読んでる事が多いかな。あ、後一也兄さんのクラスなんだって」

 

「は?宮女って桐谷遥までいるのかよ?アイドル3人が集まっている場所になんでお前居れるんだよ。」

 

「私もまだ驚いてるよ……。」

 

話していると私たちの隣の扉が開いた。

 

「ちょっと、なんの話?私の部屋の前でうるさいんだけど……」

 

扉から出てきたのは姉である愛美(あいみ)だった。

 

「あ……お姉ちゃん……ごめん。ちょっとアイドルの話してたの。」

 

思わず目を逸らしてしまう。やっぱり顔を合わせると少し気まずい。ご飯食べる時とかならいいけど対面するとちょっと違う。

 

「?、なんでそんなに申し訳なさそうなの、別にそこまで怒ってないわよ?んで?アイドルがなんだって?」

 

「いやほら、最近桐谷遥が引退したじゃん?」

 

「へぇー」

 

「しらねぇのかよ。」

 

「興味ないし」

 

「それで、最近アイドル業界が物騒だなって話よ。俺が思うに、もう一つ事件が起きそうな気がするんだよ……」

 

「え?なになに!?事件?」

 

事件という言葉が出ると弟の優吾が話に割り込んできた。

 

「お前は事件っていう言葉だけで反応してくるな!話がややこしくなるだろ!」

 

「え?紫乃実姉ちゃんの友達が日野森雫と桃井愛莉と桐谷遥の超豪華メンツで、そのうち二人が紫乃実姉ちゃんの友達のアイドル志望の子に教えてる。で、そこからアイドル業界を震撼させる事件がもう一つありそうって話でしょ?」

 

「なんで状況を完全に理解してんだよ。まぁ。そんなもんよ。」

 

「も〜、現役アイドルの子もいるのにそんな物騒な事言わないでよ〜」

 

「それもそうか。まぁ、あくまで予想だから気にすんな」

 

正直日野森さんが1番怪しいけど……大丈夫だよね……

 

 

 

数日後

 

屋上にはわたし、みのり、愛莉ちゃんがいた。

 

遥は日直、日野森さんは仕事のようだ。

 

みのりと愛莉は練習が終わり、何やら話しているようだ。

 

「二人ともなんの話してるの?」

 

「そうだわ、紫乃実。今日雫見てない?」

 

「今日?うーん、見てないかな。最近こないから仕事が忙しいと思ってたけど…なんか用事?」

 

愛莉ちゃんはしばらく黙ってから口を開いた。

 

「わたし、この前雫に酷いこと言っちゃったの。雫は私のこと心配してくれたのに、私は雫に『生まれもってるアイドルだって認められるくせに』なんて言っちゃって…だから雫に謝りたくって………」

 

「ど、どうしてそんなこと言っちゃったんですか?」

 

「きっと本当は羨ましかったと思うわ。私と雫は事務所の同期なんだけど、雫は昔から私にないものをたくさん持ってたの。初めて雫に会った時はびっくりしちゃったわ。もちろんすごくキレイったいうのもあるけど、キラキラしてるっていうか……自然と目で追っちゃって…これが天性のアイドルなのねって、圧倒されたわ。もちろん、負けない!って思ったけどね。それからデビューまで一緒に頑張ってきた。辛いこともあったけど、励まし合って乗り越えて……でも、私はアイドル扱いされなかなっていくのに、雫はどんどん先に進んでいって……私も雫みたいだったらって思もったら。本当最悪よね。」

 

「愛莉ちゃん…」

 

私もお姉ちゃんと一緒に練習してた時、そんなこと思われてたのかな…

だめだだめだ。そんなこと考えてちゃ。今は愛莉ちゃん達を仲直りさせないと!

 

「桃井先輩……じゃあちゃんと謝りに行きましょう。今から日野森先輩に会いに行きませんか?」

 

「そうだよ。わたし、二人の仲が悪いままなのは嫌だな、私たちも手伝うから、日野森さんを探しに行こう?」

 

「二人とも…ありがとう…」

 

その時、私とみのりがつけているニュースアプリの通知がなった。

 

そこには……

 

「「愛莉ちゃん(桃井先輩)大変(です。)これ!!」」

 

と振り返った時、私はみのりとぶつかり、みのりだけ倒れてしまった。

 

「二人とも大丈夫!?」

 

「ご、ごめんみのり。大丈夫?」

 

「うん、大丈夫!」

 

「二人ともどうしたの?そんなに慌てて。」

 

「それが………」

 

私はスマホの画面を見せた。その記事を見て愛莉ちゃんは走り出した。

 

そこには

 

 

『人気グループcheerful*Daysのセンターとして活躍していた日野森雫が同グループを脱退、事務所も退所していた事が判明した。』

 

 

との記載があった。



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第六話「問い詰め」

……お久しぶりです。

失踪しかけてたのはですね……イベントを走ってたのですが……一つ問題が発生しまして……

こはねちゃんが出ない!!!(こはね推し)
いや、マジでなんで出ないのってくらいでないんですよ。なんでやろなぁ(2万敗北)

以上、主のくだらない報告でした。

報酬の遥可愛すぎだろ!!


走り出した愛莉ちゃんは人の波をかき分けていく。愛莉ちゃんはどんどんと進んでいくがなかなか追いつかない。

 

走っていく途中で遥とすれ違った。急いでいた私は要件だけを伝える。

 

「ごめん遥、状況は後ろのみのりから聞いて!私は愛莉ちゃんを追いかけるから!」

 

「え?ちょっと………みのり…いないけど」

 

後ろにいたはずのみのりがいなくなっていることに気づかなかった私は迷わず愛莉ちゃんを追いかける。

 

私はまだまだ走っていく。ついに中庭に出て愛莉ちゃんの背中が10センチに近づいたところで手を伸ばし、愛莉ちゃんを捕まえた。それと同時に目の前に帰り際の日野森さんもいた。

 

「愛莉ちゃん!やっと追いついた。あ、日野森さん…」

 

「待ちなさい!雫。」

 

「愛莉ちゃん、紫乃実ちゃん……」

 

「やっぱり、cheerful*Daysを脱退するって噂は本当だったのね。でもどうして?」

 

「……」

 

「なんで黙るのよ。ちゃんと話してよ、雫」

 

「愛莉ちゃん、一回落ち着いて。日野森さん、ゆっくりでいいから教えてくれない?わたしは最近知り合ったばっかりだけど、もう友達でしょ?」

 

「……」

 

それでも日野森さんは話してくれない。

そこに、後ろにいたみのりとさっきすれ違った遥がきた。

 

「日野森先輩!あの……本当にやめちゃったんですか?」

 

「もう少し…伏せてもらえるはずだったんだけど…」

 

「本当なんだね……」

 

「どうして?どうしてよ!雫がアイドルを辞める理由なんてどこにも無いじゃない!雫は……うらやましいくらいアイドルじゃない!華があって…立ってるだけで存在感があって。みんなが振り返るくらいキレイで」

 

日野森さんは涙ぐんでいた。嗚咽を飲み、言葉を発した。

 

「どうして愛莉ちゃんまでそんなこと言うの!?愛莉ちゃんが教えてくれたんじゃない。大事なのはハートだって。ファンに希望をあげるために頑張るのがアイドルだって。だから私はずっと、そんなアイドルになろうと思って頑張ってきた、なのに……なのにどうしてみんな、私の生まれ持ったもののことばかり言って責めるの?」

 

そうか、日野森さんはルックスや元の才能を見るんじゃなくて一人のアイドル、日野森雫を見て欲しかっだってことだったのね。唯一、見てくれていた愛莉ちゃんにそれを否定されたら……

 

「もしかして、私のせいなの?私が雫にあんなことを言ったから……」

 

「それは……でも、辞めることはずっと考えていたの。みんなとうまくいかなくなってからずっと」

 

「『みんな』ってcheerful*Daysのメンバーのこと?メンバーが人気のある雫を妬んでいたって本当だったの?」

 

「………初めは違ったわ…

 

そこから日野森さんはcheerful*Daysで起こったことを話し始めた。

 

もう、私はアイドルが好きかもわからなくなっちゃったの。」

 

こんなのがアイドル?私が夢見たのはこんなアイドルじゃ……ううん、私はアイドルを目指さないって決めたの。そうだよね、アイドルでも中身は人間。妬んだりするのも普通だって。

 

「私の、せいだ。希望をあげるだなんて言って、私は……逆のことをして……私が雫からアイドルを……そんなのはいや、雫は本物のアイドルなのに…私とは違う…雫は…だから、雫がステージから落ちるなんて嫌!」

 

そうゆうと愛莉ちゃんは走り出した。今度は学校の外に向かって。

私は走り出した愛莉ちゃんの後を追いかけた。

 

愛莉は学校の外に出て走っていると赤信号に捕まった。仕方なく立ち止まった愛莉ちゃんに私は話しかける。

 

「愛莉ちゃん、どこにいくつもり?」

 

「……cheerful*Daysの劇場よ……雫のことについて直談判しに行くの。」



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第七話「今までありがとう」

この話…本当に終わるのか…2000文字…だと?


この話は個人的にめっちゃ好きなので結構セリフが長くなってます。読みにくかったらごめんなさい。


「愛莉ちゃん、どこに行くつもり?」

 

「……cheerful*Daysの劇場よ。雫のことについて直談判しに行くの。」

 

「そっか、じゃあ私も行く。」

 

「えっ?」

 

「愛莉ちゃんは日野森さんがアイドルを辞めてほしくないんでしょ?だったら私も同じことを思ってる。」

 

青信号になって走っていても私は愛莉に話し続ける。

 

「それにもう二人とも友達だから。二人にはずっと仲良くしててほしいし、友達を傷つける人は許せない。」

 

「紫乃実さん…」

 

その言葉をを聞いて愛莉ちゃんは立ち止まった。

 

「ありがとう。よーーっし、できるか分からないけど、やれるだけのことはやりましょう。改めてよろしくね。紫乃実。」

 

「うんよろしくね。愛莉」

 

私達はcheerful*Daysの劇場に走って行った。

 

 

cheerful*Days劇場

 

私達が劇場に着くとcheerful*Daysのメンバー達は日野森さんの悪口を言っていた。テレビともライブとも違う、キラキラもしていない。そこにはアイドルなんかではなく、ただの人間だった。

 

「アンタ達!」

 

「え……愛莉?なんで愛莉がここにいるわけ?それで隣のあなたも誰?」

 

その言葉にわたしは少し怖くなった。言葉はとても冷たく、威圧感があった。

 

「雫のことで話をしにきたの。」

 

「ああ、そのこと?愛莉と雫は仲良かったもんね。でも、事務所と揉めて出て行って人には関係ないでしょ?」

 

「『そのこと?』自分のグループのセンターがいなくなって悲しくないってことですか?」

 

「なに?私達は愛莉に質問してるの。ちょっと黙っててくれない?」

 

「っ!!」

 

すると後ろから日野森さんとみのり、そして遥がやってきた。おそらく追いかけてきたのだろう。

 

「ありがとう紫乃実。私に任せて。そうね、私は逃げた。私はアイドルとして活躍できないことがイヤで逃げて、そこでもアイドルとして見てもらえなくて逃げたわ。本当はもっともっと頑張って理想のアイドルに近づかなきゃ行けなかったのにね。……でも、雫は違うわ!雫はセンターとしてずっとがんばってた!アンタ達と一緒にファンに希望を届ける為にがんばってた!だから!」

 

「だから何?辞めたのは雫の意思でしょ?私たちになんの関係があるの?」

 

「私達別にあの子にやめろなんて言ってないし。それにさぁ、雫ならアイドルやめたってモデル事務所とかが拾ってくれるんじゃないの?」

 

「本当、見た目がいいって得だよね。こっちは必死で頑張ってるのに。」

 

容赦ない言葉が愛莉と日野森さんを襲う。

 

「アンタ達の気持ち、わかっちゃうのが本当にイヤ…そうよ。私もアンタ達みたいに羨ましかった!雫は華があって綺麗で特別で自分の方が頑張ってるのにどうして雫ばっかりって思っちゃうこともあった。でも……でも、ちゃんと見なさいよ。雫は自分の才能にあぐらをかかなかった。みんなが期待したらそれに応えようって努力した。アイドルとしてファンに希望を届けようとしたわ!だから人気があるの!だからセンターにいるの!妬んで、ふてくされてるだけの私たちとは全然違うのよ!」

 

「そんな事ない!」

 

「紫乃実?」

 

「紫乃実ちゃん?」

 

「愛莉は最後まで雫を追い越そうとしてた。でもこの人達は違う。あなた達、雫に変わってセンターになろうとか考えた事ある?ないでしょうね。アンタらは雫の悪口を言ってる時点で既に諦めてるのよ。諦めたやつの努力なんて努力じゃない。だから愛莉。愛莉はこの人達とは違う本当のアイドルだよ。愛莉は雫に酷いこと言っちゃったかも知れないけど、二人なら仲直り出来るはずだよ。」

 

「ありがとう紫乃実。そしてごめんなさい雫。」

 

愛莉は雫に頭を下げた。その目には涙が浮かんでいた。もちろん言葉を受け取った雫にも。

 

「私最低だった。自分のことばっかりで雫を傷つけて、雫はずっと私の言葉を信じて、みんなに希望を与える為に、ずっとずっと頑張ってたのに」

 

「ありがとう、愛莉ちゃん。さっき言ってくれてこと。私とっても嬉しかった。今までアイドルをやってて1番嬉しかったやっぱり愛莉ちゃんは私のアイドルだよ。」

 

「てゆうかなんでまた雫がここに来るの?アンタのせいで仕事の予定もグチャグチャなのによく顔出せたね。」

 

「愛莉に泣きついて文句言いにきたわけ?そうゆうたことがムカつくんだよね。」

 

「あーあ。本当に雫がいなくなってくれてよかった。」

 

cheerful*Daysのメンバーは雫に対してまだ心無い言葉をかける。

 

「雫、気にしちゃダメだよ。雫の選択は間違ってないから。」

 

「ありがとう。紫乃実ちゃん。名前で呼んでくれて嬉しいわ。」

 

「あっ…その…夢中だったから…」

 

私は頬を赤らめ、雫は私にニコッとわたしに笑いかけた。

心無い言葉を言われても雫は落ち着いていた。だが…

 

「……アンタ達……」

 

「あっ!」

 

「愛莉!!」

 

その言葉に触発され、愛莉がメンバー側に走って行こうとした時、

 

「桃井先輩、ダメ!」

 

今まで見ているだけだったみのりが愛莉の前に両手を広げ立ちはだかった。

 

「ダメです。桃井先輩!!桃井先輩は『アイドル』なんですよ!!アイドルはみんなに希望を与える存在なんですよ!」

 

「はぁ?愛莉はとっくの昔にアイドルを辞めて……」

 

「ありがとう、みのり。頭に血が昇っていたわ。アイドルは_____こんなことしちゃダメよね。」

 

「よ、良かったぁ〜。」

 

「よく止めたねみのり。さ、こんなところ帰りましょ。雫、何か言わなくていいの?」

 

「少し、先に行ってて欲しいわ。」

 

「分かった。みんな行こっか。」

 

私達が劇場から出て少し経って雫が出てきた。

 

「言いたいこと言えた?」

 

「ええ、ありがとう。みんな」

 

その雫の笑顔はとても綺麗だった。

 




いかがでしたでしょうか。

前書きでも行ったけど本当に終わるのか?まだメインストーリー11話だぞ?後何話かかるんだ…


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第八話「亀裂」

また2000文字近くなってしまった……

ま、いっか(達観視)


紫乃実side

 

私達は劇場から帰る帰り道、周りはすっかり夕方になっていた。

 

「悪かったわね、みのり、遥。こんなことに付き合わせちゃって。」

 

「いえ、大丈夫です。誰も怪我しなくてよかったです。」

 

「紫乃実ちゃんもありがとうね。」

 

「ううん、わたしは自分の意思であの場所に行ったから。」

 

「雫ごめん。わたし、自分のことだけしか考えてなかった。許してなんて言えない。でも、本当にごめんなさい。」

 

愛莉は再び謝った。

 

「愛莉ちゃん……ねぇ愛莉ちゃんにひとつ、お願いしてもいい?私、愛莉ちゃんにもう一度アイドルをやって欲しいな。」

 

「え?」

 

「さっきね、すごく嬉しかった。わたしのことをちゃんと見てくれる人がいるたんだって。あの一言で本当にたくさんの希望をもらえたの。」

 

「でも、」

 

「愛莉ちゃんは今も昔もアイドルでしょ?辛い時に支えになる言葉をくれたのも、それに"本当のアイドルになる夢"を教えてくれたのも、全部愛莉ちゃんだった」

 

"本当のアイドルになる夢"わたしはその言葉を聞いた時胸が苦しくなった。だんだんと意識が薄くなっていく。動悸と呼吸が止まらない。これやばい…

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

みのりside

 

わたしは今、歴史的な瞬間に立ち会っています。なんとなんとあの、日野森雫ちゃんと桃井愛莉ちゃんがアイドルグループを組もうという瞬間に今わたしはいます。

 

「よかった。桃井先輩も、日野森先輩も…」

 

「ふふっ、愛莉ちゃんとアイドルができるなんて夢見たい。」

 

「そうね!やるからには、世界で1番、ファンに希望を届けれられるアイドルになるわよ!」

 

「うん!」

 

はわわ〜本当にこと二人がアイドルグループを組むなんて!すごいよ、すごすぎるよ〜

 

「どこの事務所に入るとか、二人でどうやって活動するとか、ゆくゆくは具体的なことも考えなくちゃいけないけど……まずは二人で練習から、かしらね。ねえ、雫。明日から屋上で練習しない?」

 

「え!?本当ですか?」

 

「それはとっても素敵ね。お邪魔じゃないかしら?みのりちゃん」

 

「だっ大歓迎です。よろしくお願いします!」

 

「遥。その、アンタもたまにはやらない?正直に言うと教えてもらいたいのよ。ASRUNの時から見てたけど、歌もダンスもずば抜けてたし。わたし、1日でも早く感を取り戻したいから。」

 

も、もしかして、遥ちゃんまで!?そ、そんなぁわたしどうなっちゃうの〜

 

「ごめんなさい、わたしはいいです。」

 

え?遥ちゃんどうして……

 

「わたしからもお願いよ。遥ちゃんが教えてくれたらきっと……」

 

「やめて!わたしはアイドルをやる資格がないの!」

 

え?資格がないってどうゆうこと?遥ちゃんが?

 

「アイドルをやる資格がない?それってどうゆうこと?」

 

「……いえ、深い意味はないです。ただ、言い間違えただけでわたしのことは気にしないでわたしは今、学生として普通の生活を送りたいの。3人とも頑張って応援してる。」

 

うう…遥ちゃんには断られちゃったけど紫乃実ちゃんなら…あれ?

 

「紫乃実なら…ってあれ?紫乃実は?」

 

桃井先輩も紫乃実ちゃんがいないことに気がついたようだ。ずっと後ろにいると思ってたのに…

 

「!?紫乃実!」

 

遥ちゃんは紫乃実ちゃんをみつけたのか、後ろに走り出した。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

紫乃実side

 

「………み!!……のみ!!……紫乃実!!」

 

わたしは遥に大声で呼ばれ、気がついた。まだ頭がフラフラする。

 

「な…なに?遥?どうしたの?」

 

「紫乃実ちゃん!」

 

さらにみのりも走ってきた。後ろからは愛莉と雫もいる。

 

「紫乃実、大丈夫?え?アンタ顔色真っ青じゃない!」

 

「え?ああ、大丈夫大丈夫。」

 

「びょ、病院に行かないと……」

 

「病院?だめ、迷惑かかっちゃう。家…近い。これ、住所」

 

私は住所の書いてあるケータイのメモを見せた。今なら家に誰もいないし、迷惑かからない。

 

「わ、分かったわ。ここに連れて行けばいいのね。雫、おんぶできる?」

 

「分かったわ。じゃあ道案内をお願い。」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

みのりside

九十九家前

 

「ここね。それにしても、誰かいるのかしら。」

 

「はい、誰かいるといいんですけど…」

 

見たところ誰もいる気配がない。紫乃実ちゃんも寝たまんまだし、どうしたら…

 

「あの…うちの前で何やってるんですか?」

 

話しかけられた方を見ると杖を持った少女がいたが、顔立ちはどこかで見たような…って

 

「えええええ〜〜〜〜、紫乃実ちゃんがもう1人〜〜〜〜!?」

 

 

 



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第九話「九十九家上陸」

どうもどうも、今回は完全オリジナルの話です。

今回はみのり視点となります。それを踏まえた上でご閲覧ください。


九十九家

みのりside

 

「こっちが紫乃実の部屋です。あの、妹を運んでくれてありがとうございます。あ、お茶でも飲んでいってください。」

 

紫乃実ちゃんのお姉さんは私たちをリビングに案内してくれた。

私達は軽く自己紹介し、お姉さんの名前は愛美さん、というらしい

 

「一也兄さんには連絡したから、荷物とかは直接持ってきてくれるみたい。」

 

あ!そういえば荷物とかを屋上に置きっぱなしだった!

 

「あ、ありがとうございましゅ。」

 

「い、いえ、こちらこそ」

 

う、うわ〜ん。噛んじゃった。恥ずかし〜

 

「あ、あの!お姉さん!紫乃実ちゃんのこともっと教えてくれませんか?」

 

「紫乃実のこと?」

 

「は、はい。紫乃実ちゃんってあんまり自分のことを話さないし、たまにすごく悲しそうな目をしてるので…なんでかなって気になってしまって…」

 

「みのり…確かにそうね。わたしも紫乃実の昔のことを知りたいです。」

 

遥ちゃんもそう言ってくれた。そうすると紫乃実ちゃんのお姉さんは話し始めた。

 

「紫乃実のことか…そうですね…みんなはアイドルを目指してるんだったよね。紫乃実から聞いてるよ。うーん、この話結構長くなりそうだけど大丈夫?」

 

「はい!大丈夫です。」

 

「じゃあ話すね。私と紫乃実は、中学まで『完璧姉妹』って言われていたの。自分で言うのも恥ずかしいけどね。勉強も、運動もできてすごいね〜ってよく言われたわ。」

 

確かに、紫乃実ちゃんは勉強は…あまり知らないけど、運動はすごくできるよね。小さい頃からそうだったんだ…

 

「でもね、その話には裏があって、ひとことでいっちゃえば紫乃実は天才タイプ、私は努力家タイプだったわけよ。で、わたしは紫乃実に追いつこうとして必死に努力したわけ、そうしたらね、ある日紫乃実が「アイドルになりたい」って言い出したのよ。そこからの紫乃実はすごかったた、すぐに面接関係の資料とかも書いてダンスの振りもすぐ覚えて、やっぱりうちの妹は天才だって思ったね。」

 

紫乃実ちゃんもアイドルを目指してた時期があったんだ…でもなんで‥

 

「で、いざオーディションってときにわたしが倒れちゃったの。そっからわたしが目が覚めて、気づいたら紫乃実はアイドルを目指すのを辞めてた。だから皆さん、紫乃実と一緒にアイドルをしてくれませんか。妹の夢を叶えてくれませんか?」

 

愛美さんの訴えにしばらく沈黙が続いた。すると…

 

「おい、愛美。誰かお客さんでもきてるのか?あらかじめ言っておくとかし……ろ」

 

リビングには突然帽子を被った、ゆうに180を超える大男がリビングに入ってきた。

 

「って!桐谷遥に日野森雫!桃井愛莉まで!?うわ〜握手してください。」

 

そう言って、私以外の3人と自己紹介と握手をした後その大男は私の前に手を差し出した。

 

「紫乃実の兄、九十九仁剛です。紫乃実の友達だよね。よろしく」

 

「はい、花里みのりです。よろしくお願いします。」

 

よし、今度は噛まずにいえた。仁剛さんは私のことをじっと見ていた…

 

「うん、紫乃実言ってたアイドル志望の子だよね。君なら絶対なれるはずだよ、頑張ってね!」

 

「はい!ありがとうございます。」

 

仁剛さんは手を離すと愛美さんの方を向いた。

 

「なんの話してたんだ?」

 

「なんでもないわよ、紫乃実の昔話くらいかな。」

 

「へぇー、そう。なら興味ねぇわ。あ!兄貴がもう少しで着くって連絡きてたぞ。4人とも今日は本当にありがとう。」

 

「紫乃実ちゃんにはいつもお世話になってるので」

 

と、私が言うと

 

「友達のためですから」

 

「紫乃実には今日助けてもらったので」

 

「ええ、愛莉ちゃんの言う通りです。」

 

さらに、遥ちゃん、桃井先輩、日野森先輩が続く、

そのあとは他愛もない話をして、九十九先生が来るまで愛美さんと仁剛さんと話して、九十九先生が来てからはありがたいことに車で家に送ってもらった。

それにしても、愛美さんの言った言葉…

 

『妹の夢を叶えてくれませんか。』

 

どうしたらいいんだろうか…それに遥ちゃんのことも…考えることいっぱいだよ〜

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

それから紫乃実ちゃんが屋上に姿を現すことはなかった。



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第十話「セカイと青」

お待たせして申し訳ありません!

リアルの方で中間テストと重なり、ポケモンのストーリーやバイトetc……でなかなか小説を書く時間が取れず遅れてしまいましたが、今回は大ボリュームでお送りします。

※以下ポケモンの話題
主はホゲータを選びおよそ12時間でストーリー終了。
ストーリー面白かったなぁ


紫乃実side

 

私は学校をサボっていた。もうサボり始めて3日目、なんのやる気もなく寝て起きてを繰り返していた。もう何にもやる気がない、もう一回寝よ………………

 

 

私は目が覚めるととても騒がしかった。大きな声が途方もなく聞こえる。まるでライブ前みたいだ…あれ?私ってライブ来てたっけ?

 

「あ!ミクちゃーん起きたみたいだよ。」

 

「わ!ほんとだ。目が覚めてよかったよ。」

 

「うわっ!だっ誰!?」

 

目の前には緑髪のツインテ少女と、黄色髪と頭に特徴的なカチューシャをつけた少女だった。おそらく初音ミクと鏡音リン。だがその服装はまるでアイドルのようだった。

 

「私?私達は〜紫乃実ちゃん達の想いから生まれたんだ。」

 

「想い?」

 

「そう!紫乃実ちゃん達には、本当の想いをみつけてもらいたいの。」

 

「私の本当の想い?」

 

「うん、紫乃実ちゃんはまだ心の中にしまったままみたいだけど…大丈夫だよ。なんてったって紫乃実ちゃんには仲間がいるからね。」

 

「仲間…多分みのり達のことかな?無理だよ。彼女達は本当のアイドルになるんだから…私が仲間だなんて…無理だよ。私にはそのステージにすらたてない。」

 

「うーん、あ!そうだ。じゃあステージに立ってみようよ!今からライブが始まるし、ね?」

 

「それ、とーーっても素敵なアイデアだよ。さすがミクちゃん。」

 

「ふふ、ありがとう。じゃあ行こっか、」

 

突然、初音ミクと鏡音リンに腕も引っ張られ、ステージに向かっていく。

 

「え?ちょっと、ステージ行って何するの?セトリは?パフォーマンスは?何すればいいの〜」

 

このあとめちゃくちゃ楽しんだ。(ただ手拍子してるだけ)

ライブが終わりそうになると観客の持っているペンライトが青色に光りまるで海のようだった。これって…

 

「ASRUN時代の遥のソロ曲演出…」

 

と、私は確信できた。懐かしいけどもう見ることはできない…

 

「綺麗だよね、ライブが終わると、たまーにペンライトが青く光るの、誰かの想いがそうしてるんだと思ってるよ。」

 

「ありがとう。多分遥じゃないかな。ミク、リン。貴重な体験をありがとう。」

 

「あれ?私たちって自己紹介したっけ?」

 

「2人は超有名人でしょ?すこし姿が変わったくらいじゃあ、私でもわかるよ。そういえば、ここってどうやったら出れるの?」

 

「スマホの中の『untitled』って言う曲の再生を止めれば戻れるよ。」

 

「そっか、じゃあね。今日はありがとう。」

 

「え〜もうかえっちゃうの〜」

 

「リンちゃん大丈夫だよ。また会えるはずだから。またね、紫乃実ちゃん。ここにはまた『untitled』を再生するとこれるから」

 

「うん、またね。また…ライブ見にくるよ。」

 

明日もまた……ううん、明日は学校行こ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

次の日

学校

 

私が倒れてから4日間来なかったことからみんなにたくさん心配された。でも、屋上には行けない、やっぱり私はアイドルには…

 

「あ……」

 

「あ…」

 

私と遥は運命のいたずらのようにばったりとあった。

 

「紫乃実、久しぶり。体は大丈夫?」

 

「遥…ええ、4日間も休んだからね、ばっちり…」

 

「………」

 

「………」

 

すこし会話に間が空いてしまう。

 

「遥は屋上に行くの?」

 

「ううん、今日はもう帰るつもり。」

 

「私ももう帰るつもりだったんだけど…じゃあさ……」

 

 

 

私と遥は学校を出て、ショッピングモールと足を進めていった。

 

 

そこから私たちは服を見たり、映画を見たり少し食べ歩きをしたりして私たちはファミレスにいた。

 

「ねぇ、紫乃実。紫乃実の夢って何?」

 

私たちはそれまで他愛のない話をしていたが急に遥は真剣な顔になり出した。

 

「どうしたの急に、私の夢?それはね……家族みんなに幸せになってもらうことだよ。私は何よりも家族が大事、お兄ちゃん達もお姉ちゃんも弟も、みんな夢を追いかけてる。だからその夢が叶ったらとっても嬉しいから、それが私の夢。」

 

「……!それは…本当の…」

 

遥は私の嘘を分かっているのか分からないが遥の反応を無視して私は逆に遥かに質問する。

 

「じゃあ私からも質問、遥がアイドルをしてた時、1番楽しかった瞬間は?」

 

そこからはお互いが質問をして、質問に答えるを繰り返していた。お互いが5個質問をしたところで私はある質問をした。

 

「じゃあ、遥……ううん、私が倒れたあの日いたメンバーは私の夢について知ってる?」

 

「…………知ってるよ。愛美さんが話してくれたの。」

 

「そっか、お姉ちゃんが…」

 

「紫乃実。アイドル、やってみたら?辞めた私がいうのはなんだけど紫乃実は向いてると思うよ?運動神経もいいしさ」

 

「………遥には分からないよ。教えてもらったんでしょ?私がアイドルを目指したから、お姉ちゃんは体を壊したの。お姉ちゃんは私よりももっとすごかった。将来、いくつもの功績を残してたかもしれない、そんな未来がある人間を私は………」

 

「紫乃実……」

 

「私のやったことは人殺しと一緒よ。未来のある人間を殺して…そんなやつはアイドルになんかなれない。遥には分かんないよ。」

 

私はそう言った。これで諦めてくれるだろう。人殺しがアイドルなんてやっちゃいけない。

 

「……分かるよ。しのみの気持ち…」

 

「え?」

 

なんで?遥が?

 

「2年くらい前かな?ASRUNに真衣って子が入ってきたでしょ?」

 

「うん、辞めちゃったけど結構好きだったんだよね…あの時は残念だったな。」

 

数年前、新メンバーと来て入ってきた真衣ちゃんはメキメキと実力を発揮し出たが、怪我でグループを脱退してしまった。今は足取りが掴めないけど芸能活動は続けていると願いたい。

 

「真衣が怪我したのは私のせいなの。……

 

 

 

そこから遥はASRUNにいた時のことを話し出した。真衣ちゃんがスランプになっても練習し続けて喉を壊した。それは自分のせいでそんな私が希望を届けられるわけがないと、それでついにはステージに立たなくなってしまったと……

 

 

分かった?これが私、桐谷遥のアイドル人生の最期。」

 

「………真衣ちゃんとは仲直りできたの?」

 

「うん、とは言ってもつい昨日の事だけどね。」

 

「そっか……」

 

「変な空気になっちゃったね、もう帰ろっか、」

 

「うん、また明日ね」

 

会計を済ませ、別々の方向に向かう私たちは背を向けて歩き出した。

 




いかがでしたでしょうか、次回はみのり視点から始まるかと思います。


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第十一話「作戦会議」

お久しぶりです。どうも、ランクマッチ(ポケモン)に取り憑かれた魔人とは私の事です。エビデンス海老天むすでございます。

今回はタイトル通り作戦会議だけなので会話だけです。

前回の通り、今回はみのりsideのお話です。時系列だとみのりが遥にむけてライブをやろうと決意した次の日ですね。


みのりside

 

私は急いで屋上の階段を駆け上がる。絶対成功させるんだ…ライブを!

 

「ハァ、ハァ、ハァおはようございます!」

 

「お、おはようみのりちゃん。どうしたの?そんなに息を切らせて」

 

「ライブやるなら体力つけなきゃと思って10キロ走ってきました!」

 

「急に張り切り出してどうした訳?昨日はあんなにへこんでたのに…っていうかライブ?」

 

「私遥ちゃんのためにライブをやろうと思うんです!」

 

それから私はライブをやろうと思った経緯や、自分の考えを愛莉先輩や日野森先輩に話した。

 

青いペンライトの海みたいな景色……。それが遥ちゃんにとって、大切な思い出の景色なのね。」

 

「はい。その景色は世界のステージでライブをやれば見せられると思うんです。だから私、セカイでライブをやろうと思うんです!それで遥ちゃんが少しでも元気になってくれれば」

 

「でも、その景色ってステージの上から見ないと意味ないのよね?景色を見てもらうためにはステージに上がってもらわなきゃいけないけど、遥はステージに上がらないわわけで……そこはどうするつもりなの?」

 

「それに…アイドル時代に見た大切な景色なら見たら余計に辛くなってしまうかもしれないわね……」

 

「それは……そうですけど…でも、今の遥ちゃんは明日はきっといい日になるって、もう信じられなくなっちゃっていて、そんなふうに前を見て進めなくなっちゃうことは、すっごくすっごく辛いことだと思うんです。」だからせめて遥ちゃんが少しでも前を向いて進めるようにあの景色を見てもらいたい。あの光は全部遥ちゃんに希望をもらった人たちの想いの光なんです!だからきっと届きます!『たとえアイドルを辞めたとしても遥ちゃんには前を向いて進んで欲しい』っていう想いが!遥ちゃんをステージに呼ぶ方法はまだ考えてる途中ですけど……でも、考えてるだけじゃ、私も遥ちゃんもずっと止まったままだから、たとえ一回のライブでも遥ちゃんの心を動かさなくても遥ちゃんが前を向けるようになるまで何度だってライブします。」

 

「みのりちゃん…」

 

「それって結局ノープランってことじゃない…ほんとみのりって最初からそうだったわね。無茶なことばっか言うっていうか、無鉄砲っていうか」

 

「ふふ、そんなこと言ってるけど、愛莉ちゃんはもう答えを出しているんでしょ?」

 

「まあね、雫のとこの劇場に飛び込んで行った私がとやかく言えないもの。だから…………みのり、私たちにもそのライブをやらせてくれない?」

 

「ええ、私たちも手伝わせて欲しいわ、渡したにも遥ちゃんを励ましたくてどうすればいいか悩んでいた所だったのよ。…私は愛莉ちゃんが私のために行動してくれたから、また前を向けるようになったわ。だから遥ちゃんのことをいっぱい考えてるみのりちゃんとなら、遥ちゃんを励ませるかもしれないって思うの。」

 

「それに、みのりみたいな頑張り屋、応援しやきゃ、アイドルが廃るもの。」

 

「ありがとうございます!桃井先輩!日野森先輩!」

 

「ただし!一つ条件があるわ!」

 

「ひゃ、ひゃい!なんでしょうか!」

 

「ライブには紫乃実も連れてきましょう。」

 

「え?紫乃実ちゃんもですか?でも今は体調不良で休んでるんじゃ……」

 

「いいえ、紫乃実ちゃんは昨日から学校に来ているわ、でも……」

 

「二日もここに来ないって言うことは……紫乃実はもう私たちと関わる気がないってことかもしれないわ。」

 

「そ、そんなぁ」

 

「愛美さんの話を聞いて、私はアイドルとして、いいえ、友達として黙っていられないわ。それに紫乃実はまだ夢を諦めていないと思うの、だからこのライブの目的は二つ、一つは遥を前を向いてもらうこと。そして、紫乃実の夢をもう一度見つけさせることよ。」

 

「でも……愛莉ちゃん、どうやって紫乃実ちゃんを説得するの?」

 

「そこは任せなさい。その作戦はもう考えてあるわ。」

 

そのあとは愛莉ちゃんの作戦を聞いたあと、セカイに行って練習をし、本物のアイドルから受ける指導は厳しかった。けど絶対ライブを成功させるんだ!




いかがでしたか?会話してるだけに描写をつけるのが難しくて投げやりになっちゃったんですが、もっと文才が欲しいぃ


次回はライブand完結になります(予定)


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