On The Road ~仮面ライダーディケイド・AFTER CHRONICLE~ (地水)
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00:破壊者は再び歩き出す

 初めて入ったTTFCにて、気になったRIDERTIMEを見た。
再び活躍する門矢士の姿と、意外過ぎる結末に活力を入れられ、このSSを作りました。


ココからお送りするのは、ディケイドの物語。
我らが世界の破壊者が再び歩き出すための物語。


――――時代が望むとき、仮面ライダーは必ず蘇る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んん……」

 

 

その日、『門矢士』は目が覚めた。

整った容姿とそれに反して何かを見透かすような視線を有する彼は、その身体をゆっくり起こす。

自分の周囲に広がる光景を目にしながら口を開いた。

 

「どこだ、ここは」

 

士の目の前に広がるのは、荒廃した街並み。

立ち並ぶ高層ビルは所々破壊され、かつては綺麗に舗装されていた道路も抉れ砕け散っていた。

いかにも世紀末な世界にやってきたな、そう思いながら士は自身の衣服についた土塵を払いながら立ち上がる。

 

「変な世界にたどり着いたようだな。毎度のことながら」

 

まるで呆れたように士は目の前に広がる光景に感想を呟いた。

ともかく今自分の立つ場所には周囲に人気がないと判断した士は行く当てもないまま歩き出した。

 

少しして歩き続ける士だったが、一行に人にいる気配はなかった。

未だに広がる荒廃した街並みに辟易すると、近くにあった廃れたベンチに座って一休みする。

そこで士は自分の手を見て、ポツリと言葉を漏らした。

 

「たっく、ようやく終わったんだと思ったけどなぁ……」

 

残念そうに呟いた士の脳裏に浮かぶのは、『自分の最期』。

自分の復活のためにあらゆる世界の過去の自分を集めて争わせていた真実のソウゴが変身する"オーマジオウ"から、全ての世界を守るために次元を超えて戦った。

だが、前の殺人ゲームを繰り広げる館にて負った傷と相手がすべてのライダーの力を有する強大な相手という事もあって、激闘の果てに致命傷を負った。

最後は次世代の仮面ライダーを宿したライドウォッチを"仮面ライダージオウ/常盤ソウゴ"に託し、自身はその結末を見届けた後にこの世から去った。

 

去った、はずだった。

 

「一体、何のためにココにいるんだ……」

 

いつもな不遜な態度はどこへやら、幾多の世界も旅してきた士も何処となく戸惑った表情を浮かべていた。

自分の旅は確かに当てはなかったが、それでも役割を与え、倒すべき敵と守りたい人達、そしてやるべき事は明確にあった。

それがない今、士はどうするか考えていた。

 

「本当に人一人いないな。仮にここが死後の世界だったとしても、人影1人ぐらいいてもいいんじゃないのか」

 

余りにも人がいなさに愚痴を零す士。

――そんな時だった、今まで静寂の中に紛れて小さな喧噪が聞こえてきたのは。

 

 

「ハァァァァァァァ!!」

 

 

喧噪と共に聞こえてきたのは、誰かが上げた雄たけびの声。

耳に入った争う音に気になった士はベンチから立ち上がって走り出す。

少し走った後、辿り着いた場所にいたのは……何体にも及ぶ異形の怪人達と、それと戦う一人の仮面の戦士だった。

 

「まったく、しつこい……オラァ!」

 

怪人達と戦っているのは、イエローと黒を基調とした一人の仮面の戦士。

ダークグレーの複眼や頭部に刺さっているプレート・ライドプレートや、首に巻いた漆黒のマフラーという外見を見て、その戦士がディケイドと同じ仮面ライダーと判明するのは容易であった。

謎の仮面ライダーはその手に持ったディケイドライバーとよく似た意匠が施されている盾型の武器で怪人達からの攻撃を防ぎ、お返しと言わんばかりに鉄拳を叩き込む。

群がるように襲い掛かる怪人達に対してついに愚痴を零す。

 

「鬱陶しいなぁ、アイツがいればなんとかなるんだが」

 

そう言いながら、謎の仮面ライダーは盾型の武器を構えながら、今にも飛び掛かりそうな怪人達を見据える。

怪人達は目の前にいる獲物をどう片づけるか考えており、その中で待ち切れなくなった一体の怪人が地面を蹴り上げ、飛び掛かってくる。

いきなりの奇襲に身構えて対処しようと身構える……だがその前に銃撃によって怪人は撃ち下ろされてしまう。

 

「グギャ!?」

 

「ん? なんだ?」

 

「――多勢に無勢とはな。いい趣味だな、気に入らんがな」

 

怪人達へ向かってそう言葉を投げかけながら、士は一同の前に姿を現した。

その手には銃の方に変形させた本型の武器・ライドブッカーが握られており、先程の怪人を撃ち落としたのもこの武器の発砲のものだとうかがえる。

士は謎のライダーの前に立つと、横顔を向けて訊ねた。

 

「おい、大丈夫か?」

 

「なんとかな。だが、お前は誰なんだ?」

 

「それを聞くか……ちょうどいい、前の世界じゃ名乗る機会がなかったからな。名乗っておくか」

 

士は何処からか取り出したバックル・ディケイドドライバーを腰に装着し、ライドブッカーを開いてそこから一枚のカード・ライダーカードを取り出して構える。

 

「変身」

 

【KAMEN-RIDE…DECADE】

 

ディケイドドライバーの展開したバックルへと装填し、バックルを閉める。

いくつもの鏡像が出現し、士の姿に重なって別の姿へと変えていく。

マゼンタを基調としたボディに緑色の瞳の宿す仮面を宿した仮面の戦士へ変化を遂げると、怪人達へ指を差して名乗り始めた。

 

 

「ディケイド、門矢士……」

 

 

「――通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ」

 

 

士が変身した仮面ライダー……『ディケイド』。

今、未知の世界にて降り立った彼は新たなる戦いへ足を踏み出そうとしていた。



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01:激闘の幕開けと世界の守護者

 

「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ」

 

士の変身したディケイドは手に持ったライドブッカーを銃の形・ガンモードから剣の形・ソードモードへ切り替えると、怪人達へ目掛けて走り出し、その刃を振り下ろした。

怪人達は迎え撃つが、いきなり乱入してきたディケイドに反応しきれず、斬り付けられていく。

全員斬り付けた後、ディケイドは振り向いて挑発を仕掛ける。

 

「どうした?それで終わりか?」

 

「「グルァァァァ!!」」

 

ディケイドの挑発に癪に障った怪人達は一斉に襲い掛かっていく。

その鋭い爪で命を断たんと迫ってきて、ディケイドはライドブッカー・ソードモードを振り上げる。

だがその前に、飛来してきた何かが怪人達に直撃し、思いっきり蹴散らした。

 

「「「グアッ!?」」」

 

「お前ら、俺を忘れてないだろうな?」

 

地面へ叩き落された怪人達に対して言い飛ばしたのは先程戦っていた謎の盾のライダー。

先程の飛来した何か……盾型の武器を戻ってきた所に片手で受け止めると、再び構えて近づいてくる。

ディケイドの隣へ並び立った彼へ、ディケイドが名前を訊ねる。

 

「お前、名前は?」

 

「仮面ライダーディシルド」

 

ディケイドの問いかけに悠然とした態度で言葉を返したイエローカラーの仮面ライダー……『仮面ライダーディシルド』は、シールド型の変身武器・ディシルドドライバーを構えて相手の出方を伺う。

どうやら今は協力体制だと思ったディケイドは、ディシルドの隣に立ってライドブッカーを改めて構える。

 

ディケイド・ディシルドと数多の怪人達。

暫しの静寂の中、先に動いたのは……怪人達の方であった。

 

「「グルァァァァ!!!」」

 

「来たかッ!」

 

怪人達はその鋭い爪をライダー達へ振り下ろすが、それをディシルドはディシルドドライバーで受け止め、攻撃を防ぐ。

勢いが止まったのを見切った瞬間、怪人達の鋭い爪を上へと思いっきり弾き飛ばした。

 

「オリャァ!」

 

「ハッ!」

 

そこへすかさずディケイドの振り下ろしたライドブッカーが斜めに袈裟斬りしていく。

斬撃を叩き込まれた怪人達の何人かは地面へと倒れ、残った方は逃げる勢いで後退。

そして口から火球を生み出し、ディケイド達へ目掛けて放った。

 

「「「ゲハァァ!」」」

 

【ATTACK-RIDE…BARRIER】

 

「させるかっ!」

 

怪人達が放った火球が当たる直前、ディシルドはライダーカードをディシルドドライバーの中央部に備え付けられた装填口へ装填し、前方へ思いっきり突き出した。

ドライバーから大きな光の壁が生み出され、その光の壁が火球を受け止め、そのまま粉砕するようにかき消した。

ディシルドによって攻撃を防がれた怪人達は次の一撃を放とうと再び攻撃を放とうとする。

だが、そこへ聞こえてきたのは、必殺の一撃を示す電子音声だった。

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…DE・DE・DE・DECADE】

 

「一気に片付ける!」

 

ディシルドが展開するバリアの壁から飛び越えて姿を現すディケイド。

ディケイドが飛び越えたと同時にいくつものカード型の光のエフェクトが出現し、それを潜り抜けながら右足を突き出した。

 

「はぁぁぁ……ハァァァァァァ!」

 

ディケイドから放たれた必殺キック・『ディメンションキック』が怪人達へと直撃。

派手な爆発を起こしながら、怪人達は繰り出された一撃をお見舞いされて爆散した。

自分達に襲い掛かっていた怪人達は消滅したのを確認すると、ディケイドはディシルドへ声をかける。

 

「やったな」

 

「ああ。だがお前がディケイドだったのか」

 

「ああ、ディケイドは俺だ。それが何か?」

 

「ああ、いや……俺の持つディシルドドライバーの元になったディケイドが、今こうして出会えた事に不思議に思ってな」

 

短い会話を繰り広げたディケイドとディシルドは互いに変身を解く。

元の姿に戻った士が前をよく見ると、そこには一人の青年が立っていた。

黒いスーツ姿に加え、両目に稲妻模様が走った仮面を被ったその青年は士に視線を向けていた。

 

「確か、門矢士だったな。助かったぞ」

 

「まあな。で? お前は誰なんだ?」

 

「カイル、カイル=ドラシヴァ。多分アンタと同じ、仮面ライダーさ」

 

ディシルドだった男――『カイル=ドラシヴァ』は自身の本名を名乗った。

怪しげな風貌と冷静な口調で話す彼は自身の使っていたであろうディシルドのライダーカードを見せながら、士に感謝の言葉を手短に答えた。

 

「感謝するぜ。俺だけでは厳しい所だった」

 

「まあな。それにしてもさっきの怪人……ファンガイアにワーム、魔化魍と来たか。混合部隊にもほどがあるだろ」

 

「言えてるな。だがこの世界の特徴と言ってもいい」

 

「なんだと?」

 

「この世界は、世界と世界の間に存在する次元の狭間に浮かぶ小さな孤島のような世界だ。ここにはライダーたちに倒された怪人達の残留思念が形となって襲い掛かるんだよ」

 

士の言葉に答えるようにカイルはこの世界の状況を口にする。

その視線の先には、先ほどまで怪人が立っていた場所を見ていた。

 

「いわば失われた者が辿り着く最後の場所……誰が呼んだか、『ロストワールド』なんて名前がついている」

 

「ロストワールド……か、それがこの世界か」

 

カイルが口にしたこの世界――『ロストワールド』の名称を、士は感慨深そうに呟いた。

消滅してなお自分自身が未知の世界に辿り着いた事を改めて実感するのであった。



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02:ロストワールドの出会い

 

 【ロストワールド】、某所。

荒廃した光景が広がる地上……そこに時空のゆがみと言うべき灰色のオーロラが出現した。

灰色のオーロラ――次元の橋と呼ばれるそれは、まるで風になびくカーテンの如く揺らめきながら姿を現すと、そこから三つの人影が出てきた。

1人は元気良さそうな雰囲気の男性。

1人は飄々とした態度の男性。

そして三人目は真面目そうな長髪の女性だった。

 

「ここが、士君がいるという世界ですか」

 

「そうだよ。ここは様々な次元の世界が混じり合って出来上がった場所、いわゆるロストワールドとも呼ばれているんだ」

 

「まるで滅亡したような世界だな……人っ子一人もいない」

 

小野寺ユウスケ。

海東大樹。

光夏海。

彼ら3人は士と共に旅をしてきた仲間であり、同時に仮面ライダーでもある。

彼らの目的はたった一つ、いなくなった士を探しに来たのだ。

荒廃した街の光景を見回しながら海東は呟く。

 

「まあ本来人っ子ひとりもいないはずさ。ここは人間が意図的に来れるような場所じゃないからね」

 

「こんなところに士くんがいるなんて……きっと寂しい思いしていますよ」

 

「まあ、そうだね夏メロン。僕らはいちはやく士に会わなくちゃならない」

 

孤独に支配されているであろう士の事を心配する夏海と、お宝以外の物事には興味ないと言っていいほど自分勝手な一面を持つ割りには珍しく他人の心配する海東。

それほど今の状況に切羽詰まってるだろうと、ユウスケと夏海は理解するだろう。

そうして彼ら3人がロストワールドの街の中を進んでいると、最初に何かを感じ取ったのはユウスケだった。

この世界にはいないはずの人のような気配を感じたユウスケは走り出した。

 

「誰かいる!!」

 

「ユウスケ?」

 

「何か見つけたようだね、急ごう」

 

先に向かったユウスケに続いて、夏海と海東も向かう。

三人が走っていると、次第に喧噪を聞こえてくる。

 

やがて辿り着いた先にいたのは、一体の巨大な怪物と戦う一人の仮面ライダー。

鮮やかなグリーンと黒を基調色とした細身のボディに首に純白のマフラーを巻いている。

両の手で構えているのは大型の槍型武器で、取り付けられた刃によりその巨大な怪物を切り裂いていた。

 

謎の仮面ライダーが戦う光景を見て、夏海は海東へと訊ねた。

 

「あの仮面ライダーは一体?」

 

「恐らく僕達の他にこの世界へとやってきた仮面ライダーだ……それに見覚えがある。あれは確か、仮面ライダーディサルド」

 

海東は目の前で戦う仮面ライダー……『仮面ライダーディサルド』の名を口にした。

一方でディサルドは手に持った槍・ディサルドドライバーを構え、再び怪物へと立ち向かう。

 

「とりゃあ! てやぁっ! はぁっ!」

 

自分より巨大な相手にも拘らず、ディサルドは斬り付けていく。

まるで物語に登場する英雄がの如くの活躍ぶりで追い詰めていき、そして鋭い一撃を叩き込む。

怪物は文字通りの痛手を負い、身動きができなくなり、それを見てディザルドはディサルドドライバーの太刀打の部分に設けられた装填口にライダーカードを装填する。

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…DE・DE・DE・DESSALD!】

 

「てりゃああああ!!」

 

電子音声が鳴り響いた後、怪物の周囲に展開されていく光のエフェクトでできた巨大なカード。

ディサルドは前方に出現した光のカードへと思いっきり突くと、怪物の間に展開したカードからいくつもの槍が放出される。

数多の光の槍による刺突『ディメンショントラスト』が怪物へと炸裂。

断絶魔を上げながら怪物の体は跡形もなく消滅……戦いを終えたディサルドはディサルドドライバーの石突を地面へとつけて一息ついた。

 

「ふぅ……これで4体目。もうこれじゃあアイツを探すのに時間かかるわ」

 

「あれ、もしかして……女性の方なんですか?」

 

「ん?」

 

戦っている光景を見られていたことに気付いたディサルドは変身を解く。

その膝にまで届く綺麗な黒髪をポニーテールが特徴的なその美女は三人に近づいて訊ねた。

 

「貴方達は一体?」

 

「えっと、私達この世界に人を探しに来ました」

 

「へぇ、奇遇ね。私も人捜しに来たの。私はルキナよ。よろしく」

 

ディサルドだった女性――『ルキナ』はにっかりと笑って握手を求めてきた。

その活発な口調の彼女は夏海の手を握ると、三人へと訊ねた。

 

「ねぇ、貴方達は誰を探しているの? このロストワールドにやってきたってことは、その尋ね人ってただ物じゃないのはわかってるけど」

 

「俺達が探しているのは門矢士……仮面ライダーディケイドなんだ」

 

「えっ……ディケイドって、あの? ロストワールドにやってくるなんて何があったの?」

 

ユウスケが告げた尋ね人の名前を聞いて、驚きの声を上げるルキナ。

どうやらディケイドの名前は他の世界のライダーにも轟いているようだが、彼がロストワールドへ漂流してきた事に驚く。

ユウスケはその問いを聞いて気まずそうに笑い、ルキナはユウスケの浮かべた表情に何かを悟った。

 

「ごめんなさい。聞いちゃまずかったね……」

 

「いいえ、気にしないでください! ルキナさんは何故ここへ?」

 

「あなた達と同じ……このロストワールドで探さなきゃいけない相手がいるの」

 

ルキナは簡潔に自分の目的を一同へと述べる。

その際に彼女が見せた真剣な表情を見て、ユウスケと夏海は何らかの通じる物を感じた。

それは海東も同じで、彼はルキナへととある提案を口にした。

 

「ディサルド。君も人探ししているのならば、僕達と協力をしてくれ。いくら君が強いからってこの世界で一人で戦うのは得策じゃない」

 

「あはーん……つまりあなた、手を組みたいってわけ?」

 

「誰かにお願いするのは僕の柄じゃないが、そう受け取ってくれて構わない。人は誰しも、失いたくないお宝があるからね」

 

海東はいつもの余裕ぶった態度でルキナにそう告げた。

人によっては反感を買いかねないその対応だが、ルキナはジーっと海東の表情を見て、少し考えた後納得した表情を浮かべる。

そして元気な笑顔でルキナは三人へ返答した。

 

「いいわ、貴方達に協力する。その代わり私の人探しにも協力してね?」

 

ニッと綺麗な白い歯を見せながら、ルキナは笑みを向ける。

荒廃した世界にて出会った新たなる仮面ライダーに、ユウスケ・夏海・海東の三人は頼もしい協力者を得た。



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03:恩讐の漂流者(ストレンジャー)

 【ロストワールド】、某所。

襲い掛かる怪人達を倒しながら、士とカイルは荒廃した街を彷徨っていた。

彼ら二人は変わらぬ廃れた風景に飽き飽きしながら、会話を続けていた。

 

「そう言えばカイル、お前はなんでこの世界にいるんだ? 何故ロストワールドへ辿り着いたのか?」

 

「そうだな……さっき話してくれたお前の事情と似ている。色んな世界を旅していた時にある事件にあってな……戦う羽目になって、色々あって、気付いたらこの世界に迷い込んでいた」

 

先程出会ったにも拘らず、まるで友人のように語り合う士とカイル。

何処か互いに親近感を覚えた二人は次第に打ち解けていた。

だが、カイルのある事が気になった士はその事について訊ねた。

 

「お前、一人で旅をしているのか?」

 

「……いや、もう一人いる。アイツと再会するために俺はこの世界でも戦っている」

 

「そうか」

 

士は仮面の下から垣間見えたカイルの瞳を伺って納得したように答えた。

その決意に秘めた強い意志を感じ取り、自分の帰りを待つ旅の仲間を再確認する。

 

ユウスケ、夏海、海東。

それに光写真館の仲間や、今まで旅してきた仮面ライダー達の世界にて出会った人々も士の脳裏によぎった。

彼らとまた旅がしたい……そう思えるほど、あの日、あの時の旅は自分にとってかけ外のないものへと変化していた。

先程までは死んでいたか生きていたかもわからない心境だったが、今は生きて会いたいと思っている。

そのためにはこの誰もいない世界から脱出する。また再び彼らに会うために。

 

士がそう内心思いながら、カイルと共に歩いていく。

そうしてたわいのない会話をしながら何処かへ向かっていると、ある気配を感じ取った。

 

「……士」

 

「ああ、わかってる」

 

「「――ッ!!」」

 

士とカイルがそれぞれ別方向へと飛び出すと、その瞬間先程まで彼らがいた場所が爆発。

地面が抉れるほどのその威力に目を見開きながら驚きつつも、攻撃が放たれた場所へと視線を向ける。

 

そこにいたのは、一人の仮面ライダー。

黒と緑で彩られたボディ、胸部につけられた時計のベルトにも見える金色の装飾、腰部には時計を思わせるアイテムを装着した変身ベルト。

そして頭部につけられた仮面には『ライダー』と赤い文字が刻まれていた。

自分達を攻撃してきた仮面ライダーを見て、士は訝しみながらその名前を呟いた。

 

「仮面ライダーバールクス、だと? なんでアイツがここに?」

 

「あのライダーを知っているのか?」

 

「まあな……だがアイツはソウゴが、ジオウが平成ライダーと共に倒したはずだ。なんで今更ここに……」

 

自分のよく知る仮面ライダー『仮面ライダージオウ』をはじめとした平成を駆け抜けた仮面ライダーによって倒されたはずの敵に、戸惑いを隠せない士。

だが、さらに彼らを混乱させる光景が目の前に広がった。

バールクスの背後から別の仮面ライダー達が出てきたのだ。

一人は白いボディに『E』を思わせる三本の鋭い角を生やした黄色い複眼の仮面ライダー。

一人は黒と金色の装飾を持ち、腰部と肩に長いマントを靡かせた神秘的な仮面ライダー。

新たに登場した彼ら二人を見て、今度はカイルが驚く。

 

「エターナルにソーサラー!? アイツらはダブルとウィザードが倒したはず……」

 

「なるほど、大体わかった。どうやら仮面ライダーに恨みを持つのは何も怪人だけじゃないってことか」

 

士はカイルが口にしたライダーの名前を聞いて一人納得する。

白いライダー――仮面ライダーエターナルと、黄金のライダー――仮面ライダーソーサラーは、自身の武器を構えて走り出した。

こちらへと迫ってくる二人のライダーに、士はライドブッカー・ガンモードを構えて、カイルはディシルドドライバーを構えて立ち向かう。

 

「おらよっ!!」

 

ソーサラーの振り下ろしたハルバード型武器・ディースハルバードをディシルドドライバーで受け止めつつ横流しして逸らし、その勢いを乗せたまま体を回転して殴打を叩き込む。

その横では士はライドブッカーから光弾を発射していくが、エターナルはナイフ型武器・エターナルエッジで斬って受け流して迫る。

士は舌打ちを撃ちながらライドブッカーを剣の形をしたソードモードへ変形させると、振り下ろされたエターナルエッジの刃を受け止めた。

 

「チッ、……あぶないなぁッ!」

 

エターナルの握るエターナルエッジによる攻撃をさばき切ると、士はお返しと言わんばかりに横薙ぎの斬撃を繰り出した。

鋭いキレを宿したその一撃はエターナルの胴体へと炸裂するが、後方へと投げ飛ばされた後、上手く着地して態勢を立て直した。

特に何ともない様子を見て、士は眉を顰めた。

 

「チッ、おいカイル。変身するぞ」

 

「ああ、このままだと埒が明かないな」

 

士とカイルはそれぞれのライダーカードを取り出し、愛機であるドライバーへと装填しようとする。

だが、突如鳴り響いたけたたましいプロペラ音を耳にして、上空へと顔を上げた。

そこには色を失った大空を飛んでいる一機の戦闘機の姿があった。

操縦席には、一人の仮面ライダーの姿があり、彼は急降下しながらこちらへ向かって突撃しようとしてくる。

 

「ぐあっ!?」

 

「がぁっ!?」

 

戦闘機の直撃は避けられたが、一気にピンチへと追い込まれた士とカイルは地面へと転がる。

バールクス、ソーサラー、エターナルの三人の前に新たなる仮面ライダーが降り立った。

パイロットスーツを思える見た目に赤い複眼を宿したその仮面ライダー……仮面ライダー4号は、士とカイルへとゆっくりと迫る。

 

「チッ、こんなところで……」

 

「ああそうだ……ルキナ、俺は、お前に……!」

 

悔しそうな表情を浮かべる士とカイル。

だが4号は二人の睨む視線を他所に辿り着くと、その手を首元へと呼ばそうとした。

やられる……そう思った瞬間、二人の元へ声が聞こえてきた。

 

 

「「士/士君!!」」

 

 

「カイル!!」

 

 

聞き立った声が、待ち望んでいた声が聞こえてきた。

その瞬間、二人へ迫る4号を蹴散らすように、光の刃と光弾が炸裂する。

4号が吹き飛ばされた後、士達は後ろを振り向いた。

 

 

そこにいたのは、自分達が一番会いたかった人であった。



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04:再会、そして変身

 かつて歴代ライダーに倒された絶体絶命の士とカイル……彼ら二人を助けたのは、この世界へ彼らを追いかけてきた仲間だった。

士の元へとユウスケと夏海がやってきて、二人は飛びつく勢いで抱き着いた。

 

「士!」

 

「士君!」

 

「なっ、お前らっ!?」

 

「よかったぁ!ちゃんと体触れるし、足あるんだな!!」

 

「ホント、ホントに生きてるんですね……安心しました」

 

ようやく探していた相棒と再会して今にも泣きそうなユウスケと、胸元に頭を預けて心臓の鼓動を聞いて安心する夏海。

二人の様子に何処か安堵した士は、ふと少し離れた位置で見ている海東に気づき、彼へ声をかける。

 

「海東、お前もか」

 

「士。君の旅はあんなところで終わるはずはないよ。それは、僕が、僕達が認めない」

 

「勝手な事を言ってくれるな……だが、ありがとよ」

 

海東が口にした言葉を聞いて、士はニヤリと不敵に笑う。

それが仲間を思っている事への嬉しさからなのか、それとも強敵がいるこの絶望的な状況に打開策となると頼もしさから来るものなのか……。

 

その一方で、立ち上がったカイルの前に一人の人物が駆け寄る。

カイルがその名前を呼び止めようとするが、その前に彼女が抱き着いた。

背中へと腕を回してまでカイルの体を強く抱きしめて、ルキナは噛み締めるように名前を呼ぶ。

 

「カイル……カイル……!」

 

「ルキナ……お前、なんでこんな世界にまで」

 

「馬鹿、忘れたの? 私があなたの刃で、あなたは私の盾……例えどれだけ離れても、絶対追いかけて会いに行くよ」

 

「その言葉、よく覚えていたな」

 

カイルはルキナの言葉を聞いて、フッと笑った。

かつて過去の自分が囁いた言葉……それは、自分達は運命共同体と同じ意味だった。

既に戻る故郷がない自分達にとっては、彼女/彼は大切な存在だった。

 

「当然だよ。カイルがくれた愛の言葉だもの」

 

「まったく、そんな恥ずかしいことよく言えるな……」

 

カイルはやれやれといった表情で自分の体を抱きしめるルキナへ手を回した。

互いの温もりを確かめ合って、暫しのロマンスを繰り広げる。

 

だが、一同の再会を水を差すように、他のライダー達が現れた。

バールクス、エターナル、ソーサラー、4号……それだけじゃない。

彼らの背後には多くの人影が後に続いていた。

歪にかけた炎の体を持った"仮面ライダーコア"、未来と宇宙の力を我が物にしようとした"超銀河王"、とある異世界を天下のもとに支配しようとした"武神鎧武"……。

その他にも仮面ライダーや怪人が迫りくる。

彼らの姿を見て、ユウスケは驚きの声を上げる。

 

「なんだよ、こんなに……!」

 

「どうやら俺達に文句がある奴ららしいぜ、まったく悪魔やら破壊者やらに言われていた頃に戻ったみたいだぜ」

 

「相手は仮にも仮面ライダー達と戦っていた強敵たちだ。こんな状況じゃなければ頂きたいところなんだけどなぁ」

 

士は辟易した態度で言葉を吐き、海東は目の前にある強敵たちの有する『お宝』を頂きたい。

緊張が張り詰めつつある場の中、夏海は声をカイルとルキナへと声をかけた。

 

「あの、ルキナさん……この人がカイルさんですか?」

 

「うん、そうだよ」

 

「お前は?」

 

カイルは夏海に訊ねると、夏海は自分の名前を名乗った。

夏海はカイルへ深々と頭を下げると感謝の言葉を述べます。

 

「カイルさん、士君を守ってくれてありがとうございます」

 

「どうってことない。袖振り合うのも多生の縁だ」

 

カイルは軽く述べた後、ルキナの抱擁から解放されて士の傍に並び立つ。

彼は仮面から覗く瞳を向けて、士に言葉を投げかける。

 

「準備はいいか?」

 

「ああ、当然だ……みんな、行くぞ!」

 

士、ユウスケ、夏海、海東はそれぞれの準備を終えて、目の前の敵を見据える。

まるで、【世界の破壊者】として役目を終えて消えようとした後、仲間たちによって戻ってきたあの時の戦いのように。

そして高らかに叫んだ。

 

「「「「変身!」」」」

 

【KAMEN-RIDE…DECADE!】

 

【KAMEN-RIDE…DIEEND!】

 

眩い閃光と共に、士達の姿が変わっていく。

仮面ライダーディケイド。

仮面ライダークウガ。

仮面ライダーキバーラ。

仮面ライダーディエンド。

四人のライダーへと変身を遂げたディケイド達は襲い掛かる強敵たちへ立ち向かっていった。

 

その一方で、カイルはルキナと共に怪人達の相手をしていた。

斬りかかってくる武神鎧武の刀をカイルのディシルドドライバーが防ぎ、その隙をついてルキナの繰り出したディサルドドライバーによる刺突が炸裂。

そのルキナを狙って超銀河王がマントを変化させた鋭い刃を飛ばすが、カイルが前に出て思いっきり殴り飛ばして止める。

生身の姿でも仮面ライダー・怪人両方を圧倒する二人は、何処か嬉しそうな表情をしていた。

 

「んー! これこれ! やっぱりこれよ!」

 

「俺が守って、お前が攻める。いつもやっていたことなのに、少し離れていただけでこうも懐かしく感じるとはな」

 

「それだけかけがえのないってことかな。比翼連理っていうか……きゃー、自分で言うのって恥ずかしいっ!」

 

「ま、奴さんには関係ないけどな……来たぞ、デカブツがな!」

 

柄にもなくクサい台詞を口にして恥ずかしそうに顔を赤らめるルキナに向けて、カイルは不敵な笑い声を上げながら上を見上げた。

そこにはこちらへと火炎弾を放とうとするコアの姿があった。

カイルとルキナは咄嗟にライダーカードをそれぞれのドライバーへと装填、そして士達と同じ言葉を叫んだ。

 

「「変身!」」

 

【KAMEN-RIDE…DESHIELD!】

 

【KAMEN-RIDE…DESSALD!】

 

電子音声が鳴り響いた後、カイルとルキナの周囲にいくつものライダーエンブレムが刻まれた人型シルエットが出現。

それらがコアが放った火炎弾を防壁のように防ぐと、二人の体に重なって二人は仮面ライダーの姿になる。

仮面ライダーディシルド。

仮面ライダーディサルト。

二人は変身を遂げた後、コア達へと指を向けて同じ言葉を告げた。

 

 

「「さぁ、その野望を砕くぜ!」」

 

 

自分達のキメ台詞と言うべきその言葉を口にした後、目の前の強敵たちへ応戦し始める。

 

 

――ロストワールドの戦いは終わりに近い。



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05:激闘の果てに

 仮面ライダー・怪人による強敵たちを前にディケイド達の戦いは苛烈を極めていた。

ディケイドはライドブッカーによる斬撃で切り倒し。

クウガは超変身によるフォームチェンジを駆使して翻弄。

キバーラはキバーラサーベルによる斬撃で切り払い。

ディエンドは遠くからの銃撃で撃ち抜いてく。

仮にも様々な世界で巡り合った修羅場を潜り抜けてきた彼ら四人によって捌くのは苦ではなかった。

それが相手がライダーだろうと、怪人だろうと、変わらない。

あらかたの敵を倒しおれたディケイドはライドブッカーの刃をなでる仕草をしながら、周囲にいるクウガへ声をかける。

 

「どうやら腕は落ちていないようだな」

 

「当たり前だ士。俺達と何度戦ってきたんだよ」

 

「さぁてな、多すぎて数えるのが面倒だ」

 

仮面の下で眩しい笑顔を浮かべるクウガに対し、ディケイドは素っ気なく返す。

いつものやり取りを見て、キバーラは嬉しそうな笑い声を上げ、ディエンドは安堵した様子を伺わせないように背を向ける。

だが、敵の追撃を収まる事はない……新たなる強敵がディケイド達へと迫る。

突如ディケイド達に襲い掛かる紫の炎。多少のダメージを受けながら四人は耐え凌いだ後、攻撃した方向へと視線を向ける。

……そこにいたのは、黒いボディに白い外骨格に覆われた一人の仮面ライダーがいた。

頭部につけられた"十五"という金色の飾りを見て、ディケイドは忌々しそうに呟いた。

 

「仮面ライダーフィフティーン……アイツもロストワールドに辿り着いていたのか」

 

「それって、確か士君が戦って言う……」

 

「ああ、あの時は苦戦した上、1号ライダーの力を纏った鎧武が倒したが……今回ばかりはそうはいかない!」

 

かつてとある世界で巡り合ったその敵の仮面ライダー……仮面ライダーフィフティーン。

彼を前にして、苦い思い出を浮かべるディケイドだが、フィフティーンはお構いなしに手に持った骨型の剣・黄泉丸を振り回して切りかかってきた。

キバーラがキバーラサーベルを以て接敵に、ディエンドがディエンドライバーで発砲して応援するが、フィフティーンは切り払って凌ぐ。

そこへクウガが助走をつけながら走り出し、大きくジャンプ。

右足に集まったエネルギーを叩き込むクウガ・マイティフォームの必殺キック『マイティキック』を繰り出そうとする。

だがそれを見越していたのか、フィフティーンはある錠前型アイテムを取り出す。

――それは、平成ライダー15人の力を秘めた平成十五ライダーロックシードだった。

 

【平成十五ライダー!】

 

【クウガ!】

 

電子音声が鳴り響いた後、クウガの必殺キックを阻むように炎の塊が現れる。

それはクウガの頭を模した鎧であり、マイティキックの直撃を受け止めた後、蹴り飛ばされた勢いを利用してフィフティーンの体へと装着・展開された。

 

【クウガアームズ!】

 

【超変身・ハッハッハ!】

 

クウガのアームズを纏った形態・フィフティーンクウガアームズへと変貌を遂げると、フィフティーンは両手に炎を生み出す。

それを拳大の火炎弾として、ディエンドとキバーラ目掛けて放つ。

 

「なにっ、ぐあ!?」

 

「きゃああ!」

 

火炎弾が炸裂して吹っ飛ばされるディエンドとキバーラ。

倒れ込む彼らの間を駆け抜けて、クウガがフィフティーンへと殴り掛かる。

互いに殴打の応酬を続けていくが、数々の世界で旅をして修羅場を潜り抜けたクウガの方が次第に押し始める。

 

「これで、どうだぁ!」

 

最後はクウガから繰り出されたストレートパンチがフィフティーンの纏うクウガアームズへと直撃。

フィフティーンは数メートルまで吹き飛ばされてしまい、クウガアームズは砕け散る……だが、平成十五ライダーロックシードを操作する。

 

【オーズ!】

 

【オーズアームズ!】

 

【タトバ・タトバー!】

 

消滅したクウガアームズの代わりの出現したのは、仮面ライダーオーズの頭部を模したアームズが装着される。

今度はオーズの力を得た形態・フィフティーンオーズアームズへ変わると、飛蝗の如きジャンプ力で飛び上がり、両腕から虎の爪を模したオーラで切り裂く。

 

「ぐあっ!?」

 

「ユウスケ、下がれ! ここは……オレがリベンジする」

 

ディケイドはライドブッカーからとあるカードを取り出すと、すぐさまディケイドドライバーへと装填する。

 

【KAMEN-RIDE…DRIVE】

 

「変身」

 

【DRIVE! TYPE-SPEED!】

 

赤い光のエフェクトと共にディケイドの姿は別のライダーへと変わっていく。

一本のタイヤ型パーツを襷のように胸部に嵌めた赤いボディと、自動車のヘッドライトを模したマスクを有する仮面ライダー・ドライブへと変身を遂げると、手元にあるブレスレット・シフトブレスを操作する。

 

【SP・SP・SPEED!】

 

「ハァッ!!」

 

元のドライブが有する能力・重加速による加速能力を駆使し、超高速の世界へと入るディケイド。

フィフティーンが向かう先へ先回りすると、ライドブッカーを構えて逆転の一撃を叩き込もうとする。

 

【FINAL-ATTACK-RIDE…D・D・D・DRIVE!】

 

「食らえ!!」

 

ライドブッカー・ソードモードを構えて、勢いよく回転。

本来のドライブが専用武器・ハンドル剣を用いて発動する必殺技『ターンスラッシュ』を繰り出し、フィフティーンのオーズアームズを叩き斬る。

身に着けていたオーズアームズを見事に真っ二つにされ、空中へと放り出されたフィフティーンはすぐさま別の形態へと変えるべく、平成十五ライダーロックシードを手に取る。

 

だが、ディエンドライバーから発射された光弾がロックシードを撃ち抜き、粉々に砕け散る。

 

フィフティーンが何事かと視界に捉えたのは、こちらへと銃口を向けたディエンドの姿だった。

 

「もったいない気がするけど致し方ない。背に腹は代えられないからね」

 

皮肉交じりに呟く彼へ反撃しようとするフィフティーンだが、その直前に衝撃に叩き込まれる。

クウガが再び放ったマイティキックが体へと直撃したからだ。

 

「おりゃあああああああ!!!」

 

クウガが繰り出したその一撃は、フィフティーンへと突き刺さる。

強力なロックシードを失ったフィフティーンは黄泉丸で切り伏せようとする……。

だが、クウガはさらなる追撃するわけでもなく思いっきり叫んだ。

 

「夏海ちゃん、今だ!」

 

「いきます!」

 

目前に飛び込んできたのは紫色に輝く光の翼で飛ぶキバーラの姿。

彼女は手に持ったキバーラサーベルを構え、そして通り過ぎざまにフィフティーンを一閃。

フィフティーンへ紫の斬撃が刻まれた後、黒と白のボディは塵となって消滅する。

 

「やったな、士」

 

「まあな……だが、相手は残ってるぞ。」

 

かつてディケイドはおろか平成ライダーすら苦戦させた強敵を仲間を含めた4人の力で倒した。

その事を深く噛み締めながら、ディケイド達は次の敵へと立ち向かっていった。



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