機動戦士ガンダム GGの危機一髪 (モノアイの駄戦士)
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序章 頭痛と共に
運命の別れ道は12番目のプル


メイン二つをほっぽり出して思い付いたネタを書いた愚か者はここです。
シンプルにギュネイとマリーダさんの死亡回避エンドにしてみたいが為に書きました。

後悔はしていないが、反省もしていない(諦観)

タグから伝わるように、感想をくれるとテンション上がります。
ただ、ネガティブ思考と説明と語彙が足りない奴なので勝手にテンション下がる事が基本。
別の方を書き始めたら気長に待ってくれるとありがたいです。



 

閃光と共に意識が戻ったような気がした。

いや、それどころじゃなくて今は頭が痛い。

その原因を痛みで遮られながらも何とか思い出した。

ああそうだ、俺はシャア総師が率いる新生ネオ・ジオンに志願して、それで決戦の場になった場所で使えるサイコミュを………

 

「おうえぇぇぇ……」

 

吐き気をよもおした俺は無理矢理着けていたヘルメットを脱いで吐いた。

口から出る液体が球になって出ていき、俺は全部吐き出すのと同時に全てを思い出した。

 

「ギュネイ……ガス………ウッソだろオイ………」

 

俺の名前はギュネイ・ガス。

将来、宇宙世紀最強のパイロット、アムロ・レイに呆気ないやられ方をする強化人間だ。

今は強化される前、つまり年代も考えるに今のギュネイは13歳であるが………

 

「だ、大丈夫………?」

 

目の前に少し怯えながらもこちらを気遣う一人の少女に俺は目を惹かれる。

 

「プ、プル……?」

 

「プルトゥエルブ、それが私の名です」

 

その見覚えのある顔に、その名を告げると先程の様子とはうって変わって毅然とした無表情で己の名を答えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだズキズキと痛む頭を我慢しながら、俺は前世の記憶を確認していた。

前世の【私】の記憶は不完全だが、しかし今の【俺】と言う人格に影響を与えるくらいにはあると何となく理解する。

型落ちのハイザックのコクピットの中で俺は隣で心細そうにうずくまるプルトゥエルブを横目に、俺は前世の私の経歴を振り返る。

前世の私はそこそこ裕福な家庭に生まれた子供だった。

あまり詳しいことは思い出せないが、良き両親なのは理解できた。

そんな私がアニメやゲームという世界に足を踏み入れて、その中で沼にハマった作品があった。

【機動戦士ガンダム】という、リアル系ロボットSFアニメ。

初めてはビルドファイターズだったが、そこから広がった私の【好き】はガンダム作品全般に広まり、その中で私は【逆襲のシャア】というものが一番好きになったのだ。

ガンダムの全てが始まった初代ガンダムのパイロット、アムロ・レイとそのライバルであるシャア・アズナブルとの決着を着ける映画。

ギュネイ・ガスというキャラクターはそこで登場した。

彼は強化人間で、そして年相応な青年だった。

故に、経験豊富な戦闘NTとして覚醒したアムロに呆気なく撃墜された。

その彼に、今なっている。

 

「マジか………マジでかよ……」

 

ヘルメットの中でボソリと軽く絶望に浸って呟いてしまったが、近くにいるプルトゥエルブには聞こえなかったようだ。

だが、自分の未来に悩むのと同時に彼女の存在に俺は頭を抱える。

プルトゥエルブ、後にマリーダ・クルスと名乗る彼女はオリジナルであるエルピー・プルのクローン人間である。

彼女は本来、俺と共に新生ネオ・ジオンの秘密基地に戻るとかそんなことはなく、量産型キュベレイの脱出ポッドにいた彼女は漂流した後にとあるコロニーに流れつき、かなり酷い環境で風俗嬢として生きることになる。

まあこれは小説情報であるから、アニメ版は少々違うところもあるかもしれないが、少なくとも俺の人生は【ギュネイ】という名前で映画基準の世界になるだろう。

小説版は【グラーブ】という名前であり、ファミリーネームは変わらない。

ただ、俺と彼女には共通点がある。

それは強化人間である事と、死亡していること。

そう、過酷という言葉でも表せないような酷い環境で生き残ったプルトゥエルブは幸せを噛み締める暇もなく戦死してしまう。

それでも、その一瞬ともいえる幸せは彼女にとって大切な物には変わらないだろうが………

 

「俺はどうすればいいんだ……」

 

突然、第三者視点で見ていた人物になったことに、これからのことを考えることができないくらい放心しかけている。

思わず愚痴気味に吐いた台詞にハリのいいやまちゃんの声に違和感を拭えないまま、俺は秘密基地……というには小さい小惑星群の一つの中に降り立つ。

一応、頭が痛い原因としては間が悪く頭同士をぶつけたことだろう。

そのショックで前世の事を思い出したのかと思うと、ギュネイとしてはなんだか色々複雑で、私としては放心したい有り様だ。

前の私を知るのは私だけ。

そんな孤独に、私は心が苦しく感じる。

でも、まだ子供である俺にはもうネオ・ジオンの一員となった以上、抜けることなんて出来ない。

そんなことをした次の日には頭に風穴ができているだろうから。

俺は半ば自棄っぱちに覚悟を決めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハイザックから降りてから、俺は大人たちから扱いに困ったプルトゥエルブの世話を任されて渋々することになった。

いやホンマなんでだよ。

確かにあまり年齢的には変わらないかもしれないが、一応思春期入っている男だぞ……

普通の13歳は恋心とは全く違う性欲に振り回される事もしばしばあるから、嫌な話、ギュネイである俺が言うのもあれだがプルトゥエルブとアレしてもおかしくはないのだが……

いや、そこは(精神的)歳上のプライドがあるから我慢だ、そう我慢。

シャアの反乱まであと五年。

それまでに俺はベストを尽くしてあの天パを倒しうる戦法を得なければならない。

え?パイロットをやめればいいって?

この小惑星の中じゃ、俺くらいしかMS動かせないんだよ。

他の大人はだいたいメカニックか艦艇のクルーで、肝心のパイロットは出払ったり、負傷とかでいないんだと。

フジャケルナッ!!

 

そんな日々の不安をよそに、無邪気に少しばかり固い笑顔で「お兄ちゃん」と呼んでくるプルトゥエルブ。

これが妹萌えっていう奴か………(吐血)

最初はマスター呼びだったが、それだとグレミーのように、彼女を道具として見ているようで嫌だった。

だから変えさせたのだが………やはりプルというべきか、思い付いたのがお兄ちゃん。

なあ、どこかにいるジュドー君よ。

唯一生き残った妹はとっても可愛いんだ………リィナを助けるために戦い続けた君の覚悟が少しは理解できたかもしれない。

ただ、一番の懸念は某赤い人だ。

一応、ララァは18歳だったのでロリコン疑惑はないともいえるが、しかしロリコン疑惑が晴れない男である。

故に!故にッ!

シャアにだけはプルトゥエルブをやらせはせん!やらせはせんぞぉ!!!

 

「お兄ちゃん、シャアって誰なの?」

 

「あーえっと………仮面の人だな!ジオンのエースパイロットで、ガンダムと唯一タメを張れた変t……じゃなくて強い人だ。うん」

 

クローン人間であるが故、彼女は一般常識や基本的な知識がない。

ただ戦闘マシーンとして産み出された彼女にはいらない物であるから。

だけど、今は、いや俺にとってはそうではない。

一人の人間として生きて欲しいから。

 

「ガンダム………」

 

あっ、不味い、グレミーの洗脳が強いせいでガンダムという単語に反射で敵意を抱くのを忘れていた………

同時に、何人もの姉と妹をガンダムによって失ったトラウマも………

 

「いやぁぁぁぁッ!!??」

 

「トゥエルブ!落ち着け!トゥエルブ!」

 

「嫌だ……死にたくない………ううっ……」

 

グレミーによって生まれた犠牲は、まだ彼女を苦しめるだろう………

同時に、俺自身のことも解決しなければならない。

パイロットとしての基礎は体と元々あった知識で、MSで戦うことはできる。

だが、そこに経験はなく、今もシミュレーターで戦って予行練習をするしかない。

だが、それだけでは俺はアムロに勝つことも逃げる事もできない。

何か、何か勝てる道はある筈だ。

俺だって死にたくない。

生き残るために、俺も努力をしなければならない。

最強と言ったって、完全無欠じゃあないんだ。

………まあその前に泣き出してしまったトゥエルブをあやさなければならないのだが。

 

 

 





感想を沢山下さい(ドストレート)
ネガティブ思考のせいで、自信が持てない、調子に乗れない臆病者にはおだてまくるのが一番とか聞いたので()

ガンダム界隈、水星の魔女で盛り上がらないかなぁ……


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一番のライバルはトゥエルプでした

幼女にボコられるギュネイが見られるのはここだけです()

誤字修正報告、感想ありがとナス!
感謝の文はその時の色々で入れられない時もありますが、なるべく書き入れておきたい。
こういう説明がすぐにできないのが作者クオリティ()なんです。
皆も心をNTにして読もう!(←何言ってんだコイツ)

というかギュネイの過去話があまりないから前半のトゥエルプとのほのぼのの構成に時間がかかる……
そして張り切るとどんどん文字数が増えて、容量が多くなって時間が………スタミナ切れたらと考えるとやはり恐ろしい(経験済)



 

悲報、ギュネイ・ガス君13歳、CPUハイザックにも負ける。

いやまあ、まだ戦士としては未熟どころか戦士の「せ」の字も知らないから当たり前なんだけどね?

流石に劇中の動きの三分の一くらいはできるだろうと思ってたけど………才能ありつつ平凡って奴なんでしょうかね?

素直に言って悔しいです、はい。

お古のシミュレーターで何度もCPUハイザックに挑むも、少破できてもその直後にやられるんだからさ。

 

「まだだ!まだ終わらんよ!」

 

と気合いを入れて何度もチャレンジする。

まだゲームのように例えるとLv1。

なら自分の成長方針を決められると言うことだ。

射撃が上手いなら射撃を伸ばしたり、逆に格闘戦を伸ばせばいいし、まずは自分を知る。

やっぱりこれだね。

まあ、シミュレーターをやる前に水分を取ろう。

 

「お兄ちゃん、何してるの?」

 

「ん?トゥエルブ?こんなところに来てどうしたんだ?」

 

水を飲んでいると、トゥエルブがやって来た。

ちなみに近くにあるコロニーから買ってきた茶色のジャケットと灰色のハーフパンツでトゥエルブの衣服は構成されている。

オシャレとかそういうのに俺は分からないし、そもそも俺自身もらえる給金はそこそこなのであまり高いのは買ってやれない。

そういう事情もあってそんな衣服しか買えなかったが、トゥエルブ自身、あまりそういうのに興味がないおかげで特に文句もなく着てくれている。

 

………フル・フロンタル事件は繰り返してはならぬのだ………(遠い目)

 

ただ、どことなく嬉しそうにしてたのは俺の錯覚か、それとも………

おっと、話が勝手にそれてしまうな……妹愛も毒になるわな、これ………

 

「シミュレーター?お兄ちゃん、戦うの?」

 

「まあ、パイロット候補生だけどな。だけど、これから強くなるさ!……だが、トゥエルブ、あんまり見ない方が良いと思うんだが………」

 

俺がそういうのはトゥエルブのトラウマに起因する。

本来、キャラ・スーンのゲーマルクによってプルクローンたちはトゥエルブを除いて全滅させられたが、その時の恐怖でグレミーによって植え付けられたガンダムへの悪感情と幼心故のメンタルの弱さでゲーマルクがガンダムにすりかわるという、記憶の混乱があるのだ。

周囲の大人は手伝いはするが、トゥエルブの事は基本俺に任せっきりなので、もしギュネイの幼少期の人生が正史でもそんなもんなら、確かに生き急ぐように戦うギュネイであってもおかしくはないかもしれない。

まあ、ギュネイと私の人格が混ざっている今、原作ほど何かに執着したり、プライドが高い、なんてことはないだろう。

とにかく、トゥエルブにトラウマを思い出させないためにもやめた方がいいとトゥエルブに告げたのだ。

だが、トゥエルブはハッキリと答える。

 

「お兄ちゃんが言っていた通り、いつまでもお姉ちゃんたちの事を考えてても仕方がないって思ったから……でも何かすることもないからシミュレーターでもしようかなって」

 

彼女を拾ってもう一年手前になるが、こんなになついてくれるとは思わなかった。

そういえば、俺が前世を思い出すキッカケとなったサイコミュ集めはやっぱりというか、それに詳しい人が研究の為に必要だったんだとか。

腕の立つパイロットや部隊なら、サイコミュの説明くらいはされるだろうが、あいにくたまたま【モンサ】の近くにいた俺達の秘密基地は元々その重要性の薄さからパイロットは出払ってたり、ハマーンの戦争で負傷したりで子供の俺にパイロットを任せるくらいに人材が不足している。

勿論、シャアの反乱までにはパイロットは百人程度は増えるのであろうが俺が強化人間になるか、ならないかで俺の命もどうなるか別れるだろう。

恐らく、ならなかったら天パにすれ違い際に撃ち落とされるのが目に見える。

かと言って強化人間になるのは………正直言って怖い。

どんな目に合うのか、とにかくそれが苦しいことには変わりないはずなのだから。

その当の強化人間であるトゥエルブは、最初からその為に作られたとはいえ、彼女をまた戦争に巻き込むのは個人的にはとても嫌である。

俺に拾われたが故にジンネマンと会わない、そんなことになればかなり不味い。

例えシャアの反乱を生き残っても、UCで詰む可能性が高い。

トゥエルブは幸せになるか解らない、というか強化人間のジンクスで原作より酷い事になりかねない。

ギュネイ・ガスという人間が、己の死を知り、魂が混ざった時点で原作崩壊は始まっている。

だが、予期できぬ事が起こるよりはなるべく原作通りに進めなければならない。

実戦経験には良いだろうムーンガンダムには介入はできないな。

そもそも俺はまだ名も知られないただのモブパイロットだ。

ギュネイの人生がどんなものかは解らないが、少なくとも今は生き残れる術を身に付けなければならない。

そんな深いことを考えている内に、トゥエルブはシミュレーターでCPUハイザックを余裕で倒していた。

……………………師匠!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分の今後を考えてから、モビルスーツ戦の先輩になるトゥエルブから基礎を教わり今はUC0090。

ムーンガンダムが始まるまで二年だが、ムーンガンダムの原型機は既にミスター・エンキドゥによって製作が開始されているだろう。

いやぁ、誰ですかねぇ?()

まあそれはさておき、トゥエルブも俺も成長期で大きくなる物で、特にトゥエルブも………まあ女の子らしい体つきになってきたので、未だに一緒にシャワー浴びようとか言うトゥエルブに色々困ってるが、それ以外ではそこそこ良い生活というか、なんというか………

なんか、大人たちもいつの間にか暖かい目でこっちを見るのだが、大人らしく仲裁や手伝いとかしないの、頭に来ちゃいますよ。

まあ、皆自分に精一杯で周りを見る余裕がないというのもあるだろうが(トゥエルブ曰く)。

そしてトゥエルブを師匠に、ハイザックで倒せる機体は増えていった。

俺のもっぱらの武装構成はザクマシンガン改とビームサーベル。

ビームライフルでも良いのだが、同時にドライブできない以上、どっちかを実体にしなければならない。

この時代、ビームへの対抗手段も色々あるから、なら維持コストはかかるが実弾への対策が盾か避けるくらいしかないマシンガンにした。

ビームサーベルは必殺の武器とも言える武器である。

サーベルによるダメージはほとんどの機体は避けられない。

勿論、耐ビームコーティングなんかで対策は取られるが………

そこは実弾で通せばいい話なのである。

まあ、トゥエルブには当然の如くボコられたけどな!

強化人間とはいえ、NTに近い存在だから、そりゃ勝てんわ。

手加減してもらってようやく良い線をいくか行かないかって所までは成長できたけど。

やっぱりというかハイザック使う時点でかなり手加減されてるっぽい。

そりゃ数世代も差もある量産型キュベレイとハイザックじゃなぁ………

というかそもそもモビルスーツの武装とかがインフレしてる第一次ネオ・ジオン戦争がそもそもおかしい機体ばかりなんだがな、正直アクシズの機体は何を乗っても過剰かつコストがかかりそうなんだよな。

ロマンも良いけど、流石にロマンを扱いきれない内は現実を見て選びたい。

 

 

 

 

なんだかんだでトゥエルブもトラウマは薄らいできて、唐突に夜泣きしたり、NTの感覚がそうさせるのか、寒くて怖いと言って俺のベッドの中に入ってくる事はなくなった。

……最後のは忘れてくれ。

ただ、寝るときスポーツブラとパンツだけなのどうにかしてくんないかな……?

え?そっちの方が暖かいし、着替えるのが楽?そう……

しかし、トゥエルブは無意識に人の温もりを求めるが故か俺への依存が少し強くなってきた。

クォレはまずいですね………

ミネバさんと仲良くならないと、色々始まらない。

ついでに友人を得ると言う意味でも、ミネバとの出会いは必須である。

とはいえ、どのみち無事に逃げ切るムーンガンダム編にわざわざ送る必要はないだろう。

ただ、あの赤い奴からトゥエルブに対して何も言わないのが一番妙である。

流石にそろそろ結論付けられていると思うのだが……………そう思っていたらすごーく見覚えのある民間の輸送艦【ガランシェール】が、物資補給とその他諸々でやって来ましたではないか。

噂をすればなんとやらだが、重要なのはどうやってジンネマンにトゥエルブを預けるかだ………

どうにかして彼女を預けないと、なんていうか………俺の身がとんでもないことをされるような気がしてならない。

勿論、そんな曖昧な事で預けれる筈がないので考えていると………

 

「おい、坊主。なんでここに子供がいる?」

 

ジンネマンが来た。ウッソだろお前。

 

「トゥエルブですか?あの子は………その、前の戦争の……」

 

その情報だけで理解したのか、「グレミーのか………」と言葉を溢し、ジンネマンは少し苦い顔をしながらどこか懐かしんでいる表情が見えた。

恐らく、彼の本来の亡くなった娘の姿を見ているんだろう。

 

「………急にこんなことを言うのもアレなんですが、トゥエルブを……彼女を連れていって貰えませんか?」

 

「……なに?」

 

何か俺に企みがあるのではないかと、俺を疑うジンネマン。

まあ唐突過ぎるわな。

だがここで引き下がる訳にはいかん。

 

「トゥエルブに広い世界を見せてやってほしいんです。作られた存在だとしても、一人の女の子で、俺に依存してたらいつまでも自立できないですから………」

 

そう言うと、何やらジンネマンは苦笑気味に溜め息をついた。

どういうこと?そう思っている俺に、ジンネマンは語る。

 

「総師からのご命令だ。ギュネイ・ガス、プルトゥエルブは今日より我々【ガランシェール隊】の一員として各地に物資を輸送して貰う」

 

「(・ο・)ポカーン」

 

えっとぉ、つまりはぁ………どゆこと?

そんな顔をしていたのか、ジンネマンは何やら優しい目で俺を、いやトゥエルブも含めてその視線を向けながら答えた。

 

「つまりは、今日からお前は俺達の仲間、家族って事だ」

 

その日から、俺とトゥエルブ……いや、マリーダ・クルスはガランシェール隊の一人として、そしてスベロア・ジンネマンの半ば公然の養子として迎えられた。

えぇ…………(困惑)

 

 





二年くらい、普通に生活してれば原作みたいなクール系女子な普通の女の子にはなるよね。まだその時まで遠いけど。(作者は混乱している)
とまあ、結構ガバな所もありますが頑張って完結まで頑張りたい所存。
とりあえず、原作開始まではトゥエルプとほんわかして仲良くしている所を書くだけですわ。

少し調子に乗って書いてたらドンドン増えてきていつの間にか投稿から一日経ってた。
だが、私は謝らない(`・ω・´)キリッ

感想が私のパワーで時に暴走させる劇毒()です。
メンドイ奴ですね、我輩。
次回は………早ければ5日後くらいかも。


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はじめてのじっせん

まず最初に感想と誤字報告ありがとナス!
誤字に関しては我輩の執筆に使ってる媒体が3DSというのもあって細かい修正は後回しになります。
違和感ありすぎで嫌になる人もいるでしょうが、なるべく誤字を起こさないよう気を付けていく所存ですので、ご容赦くだせぇ………(土下座)

毒親はガンダムの主人公の親で充分だよ…(クズ発言)

ほのぼのを入れつつギュネイの人生が始動するよぉ!(尚、今回はほのぼのはないという虚偽)
……今度は前書きと後書きを短くしないとなぁ……反省ッ!



 

あれまという内にガランシェールの一員としてクルーたちや先任のガランシェール隊の護衛パイロットさんたちとワイワイと歓迎会をして、プルトゥエルブもといマリーダ・クルスもその場のノリと勢いで彼らを受け入れたのだった。

そういうところはやっぱり女の子なんだよな。

ノリでなんか俺も歓迎されたが、やっぱりノリが乗ってる奴が強いんですかね?

まあそれはさておき、プルトゥエルブは名前じゃないから、と言って名付けてくれたジンネマンにはそこそこ貯まってる貯金で今度、そこそこ良さそうなお酒でも買ってあげよう。

ちなみにその前は俺が名付けろって言われたけど、親になれないだの、立派な人間じゃないなどと言って断固拒否した。

シンプルにジンネマンがやった方が良いし、それは。

というかさ………護衛パイロットさんがどうも見覚えのある顔立ちと性格なんだよなぁ………

 

「よお、今日もシミュレーターか?」

 

「あ、おはようございます、カズイさん」

 

俺より2つ歳上のカズイ・サトーさん。

彼はガランシェールの中でも随一、頭のキレるパイロットらしい。

ただ、その性格はクズだのカスだのと言われているが実際は普通に接しているだけなら普通に良識人、って感じなんだよな。

いやぁ、凄く死亡フラグ臭がしますねぇ!

 

「シミュレーターばっかやってても実戦はやったことないんだろ?だから性能と技量で勝る相手に勝てないのさ」

 

彼はとても面倒見がよく、今もこうして俺がシミュレーターで訓練している時に実戦で必要な知識や工夫を教えてくれる。

凡人なりの知恵と言う奴だろうか、セコい手や小賢しい小細工をよく多用してくる。

おかげで俺も中々アレになった。

特にマリーダなんか「今のズルいー!」と戦いに卑怯もクソもないというのは理解しつつ、それでも感情が爆発しているようだ。

あ、そうそう、ようやく十回に一、二回勝てるようになった。

勿論、シミュレーター上の戦いなので、実戦では性能やGによって大きく変わるだろうから、実戦ではマリーダには勝てないだろうが、それでも勝てるようになってきたのは嬉しい事実である。

ただ、そのせいか、いや歳のおかげもあるだろう。

思春期特有の反抗期が来たようで最近俺に冷たい。

それによる寂しさを埋めるように俺はシミュレーターの訓練に熱中するようになった。

参入から数ヵ月経った今の生活は、秘密基地にいたときよりすごく満たされている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガランシェールの隊員の一人になってから半年が過ぎた。

勿論、その間にネオ・ジオンへの物資配達や各コロニーへの偽装配達もこなし、なんかいつの間にかプロよりのアマだが特殊部隊が必要そうな工学知識を学ばされ、ついでとばかりにガランシェールのメカニックたちにモビルスーツの整備の仕方を学ばされ、あげくの果てに女性の口説き方とかソッチ方面の知識なんかを教え込まれた。

いや、最後のはいらなすぎるだろ!?いや、反乱後の将来を考えるなら必要かもしれないが………いや一応、俺はまだ未成年なのよ………?

 

とまあ、原作から大いにギュネイの人生を変えてしまった気がするがあの赤い奴は何するか解らんから、ガランシェールに入ったからといっても反乱に巻き込まれないとは限らない。

まだ警戒は必要そうだ……

 

「おい、なにボケっとしてる。ロンド・ベルの奴等が来るからとっととコクピットに待機だ」

 

「ッ!すんません!」

 

ボケっと考え事してたせいでもしもの時の備えをしていなかった俺に向けて、メカニックの人が少し険しい声で伝えてきたので急いで俺のハイザックに乗り込む。

流石にもう新しい機体に乗り換えたいが、カズイさんがマラサイなのと資金に余裕がそこまであるわけじゃないこともあって機種更新は全くできていない。

だが、やるときにはやるしかないのだ。

ハイザックのコクピットに収まった俺は、マシンガンを持たせて待機する。

例えすれ違いになるとしても、念には念を入れなければならない。戦場はいつどこになってもおかしくないのが今のネオ・ジオンなのだ。

 

「こちら地球連邦軍ロンド・ベル隊だ。……より………からの民間輸送艦とは貴殿らの事か?」

 

ノイズ混じりながらもジンネマンと会話をしているが、できることなら戦わずに済むことを願う。

殺しあう事が怖いわけではない。

いや、確かに怖いのだが一番は何事もなく事が過ぎるのがこの艦のベストだからだ。

ただ必要な物資を送るだけの任務。されど簡単なものではない。

 

「では荷物を検閲させてもらう。ここ最近ティターンズの残党やらネオ・ジオンの残党やらが騒がしくてな、拒否した場合、問答無用で撃沈する」

 

ああ、遂にこの時が来たか。

俺は深呼吸をして張りつめた気を少し緩める。

小説なんかで戦場ではテンパるのが一番アウトと書いてあったし、実際主人公らは深呼吸等で気分を落ち着かせていた。

そして落ち着かせられなかったものたちは呆気なく散る。

ここで死ぬわけにはいかない。

折角、シャアの反乱に巻き込まれないようになりそうなのだ。

死んだら可愛いマリーダに会うこともできない。

絶対に生きて帰る。

少し重いかもしれないが、それぐらいが丁度良いかもしれないと客観的に見ている俺がそう感想を告げる。

そして、コンテナハッチが開き【ジムIII】とそのバリエーション機【ジムIIIパワード】が姿を現す。

こうなれば先手必勝。

カズイさんのフェダーインライフルのサーベルでヌケヌケと中を覗きこんだジムIIIのコクピットを潰す。

 

「一つ!ギュネイ!」

 

「はい!」

 

外から同僚が突然通信が途絶えたのに動揺していて、そこから離れようとする頃には身を乗り出した俺のマシンガンが火を吹く。

実に静かにパワードは風穴を空けられて爆散。

これが本当の宇宙戦闘かと、効果音のない戦いにちょっとした寂しさを感じる。だが、そんな暇はない。

爆発の光を確認しただろう相手の【サラミス改】は艦砲をこちらに向けている筈。

外に出た俺はマシンガンをサラミスに発砲し、気を此方に向けさせる。

思わずと言った感じに砲塔が此方に向けられる。

 

「バカもん!艦を撃つんだ!モビルスーツに撃ってどうする!?」

 

ミノフスキー粒子が巻かれていないので、相手の通信をたまたま捉えるが迷うことなく俺はトリガーを引く。

 

「死ぬか………死ぬもんか!」

 

マシンガンがサラミスの甲板に穴を空け、飛びたつジムIIIの盾に当たる。

流石にマシンガンでは少々遠いためかレティクルが良くない。

 

「ンソゲキッ」

 

カズイさんのフェダーインライフルの狙撃がブリッジに直撃し、サラミスは動きを止める。

だが、周囲には二機のジムが飛び回っている。

サラミスにトドメを刺すのは後回しだ。

 

「クソがぁ!」

 

「正面から来るのか!?」

 

正面にパワードがサーベルを振り下ろして来たので、俺は咄嗟にマシンガンを手放してサーベルで受け止める。

だが、やはり型落ち間近とはいえ、パワーはあっちの方が上で、押し込まれている。

 

「チィッ!」

 

とりあえず下がって体勢を立て直す。

そう思ってスラスターを吹かして後ろへ下がろうとするが、その時、電流のような物が俺の思考をフラットにさせる。

 

『お兄ちゃん!左下から敵が来る!』

 

「ッ!!クラブッ!!」

 

ただその言葉に従って俺はハイザックのシールド裏に初見殺しとして設置していたクラブを、左下方向に向けて撃つ。

視界には納めていなかったが、後から聞かされた話ではカズイさんが抑えていたジムIIIが、片足失いながら道連れにと俺に狙いを変えていたらしい。

しかし、クラブが撃たれた事でビームがクラブに当たり、ビームが爆発のエネルギーで相殺。

同時にフェダーインの射撃が当たって撃墜されたそう。

で、肝心の俺はガムシャラにシールドを投げて視界を塞ぎ、そこからサーベルを突き入れる。

若き頃の天パも使っていた戦法だが、付け焼き刃の攻撃なので相手のサーベルがハイザックの右腕を肩ごと持っていきやがった。

スラスター全開でその場で離脱、光の玉になったパワードに俺は呆気ない終わりに放心していたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

尚、これは彼は知るよしもないのだが、ここに彼がいなかった場合、カズイはガランシェールが逃げる時間稼ぎとして肉壁となって四機のジムを相手に二機を撃墜、一機を中破させてギュネイに仕掛けられそうになった奇襲で散る最後であった……

 

 

 




基本、あんまり登録者数とか評価とか見るのがめんどくさくて最近は見ないですが(厚顔無恥)投稿してから数日でいつの間にか百を越えてたから少しビックリ。

同時に飽き性なので、他の作品書いてる時は寂しくなるなぁと勝手に悲しくなる。
事前に伝えるなんてできないので結構メンタルがイクッイクッ

だがしかし、自分の描きたい内容にすべく愚直に書き進めていく所存です。
完結できた作品なんて駄作含めて一つしかないし………(ボソッ)

ちなみにカズイ君の元ネタはお察しの通りかと()
戦闘シーンを入れてみましたが、何かあればどうぞご指摘ください。自分が解らない物はとことん解らないので………お手数かけるでしょうが、よろしくお願いします。



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メーティスでグルメ周りするんだよッ!


昨日は登録数が150人くらいだったのにいつの間にか400人でビックリしつつほのぼのを長引かせる作者です。
いやほのぼのが大好きという訳でもないんですが、こういう戦闘がない平和回を書くのが見つめ直すとあんまりないイメージなので、そういう作者の成長という面に寛大にご容赦してくだされば、感謝の極みでございます…

ちなみに知らない人のために説明するとメーティスはナラティブに登場する学園都市コロニー。
ゾルタンがはっちゃけた場所で有名()な場所ダヨ!




 

 

実戦から三日が経った。入港も戦闘後で、一週間休憩なので何度かコロニー内に入ったが、気分は晴れているようで曇っているようで、形容しがたい感じだった。

人を殺したと言う感覚はない。

モビルスーツごしに殺したからだろうか?それとも俺の精神が歪んでいるからなのか?

そんな解る筈もない自問自答をしていても、無意味だと気付いたのが三日目。

俺が登場する逆シャア開始まで、あと三年……いや、そろそろ一年が過ぎようとしているし、二年になるだろうか?

しかし、本当にあそこまで過敏に反応して殲滅する必要があったのだろうか?

色々おざなりな部分があったが、荷物に関しては何も言われなかったし、マリーダはとある輸送コンテナから奇妙な物を感じたと言うし、何がどうなっているのやら。

というか、あの電流が走る感覚、あれってNTの……?

そう考えてからマリーダがツンツンと俺をつつくので、何かあったのかと彼女に意識を向ける。

今日はマリーダとお出掛けである。

 

「あのパフェ、食べてみたい……」

 

俺と一緒にいた二年間の元気な姿がなりを潜め、どことなく落ち着いた雰囲気を放つマリーダ。

最近色々話しかけてみたが、俺に対する態度があんまり芳しくない。

いや、ちゃんと慕ってくれているのは何となくだがこうして俺にもちゃんと話しかけてくれる時点でわかる。

それにしてもパフェか………しかも指差すのはチョコパフェ。

やっぱりプルの妹なんだな……そう思いつつ、パフェを作っているモヒカンのおっちゃんにパフェを2つ頼むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、俺達がいるのは学園都市メーティス。

ナラティブで舞台となったコロニーだ。

俺の世界で言う近代世界を感じさせる建物は、どこか心を落ち着かせてくれる。

マリーダは静かながら、いろんなものに興味津々だ。

カズイさんはちょっと知り合いに会いに行くと言っていたが、一体誰なんだろうか。

なんだかんだでカズイさんって女たらしな所もあるから、ガランシェールの若い人たちには嫉妬されている。

刺されない辺り、コミュニケーションが高そうだぁ……羨ましい。

 

「兄さん、アレ食べてみたい」

 

「ちゅ、中華料理?あれ辛いぞ?」

 

「食べてみたい」

 

「ハウッ」

 

あっ、この顔はダメだ……目がキラキラしててヨダレもちょっと垂れてる。

実はここまで幾つか飲食店に入ったのだが、マリーダは多彩な美味しい料理を食べ始めてから食に目覚めてしまい、結構大食いになっているのだ。

お、俺の腹はもう一杯なんだが……それでも食べまくる。

そしてその食べてる時がすごく可愛いからついつい許してしまうのが、兄の弱みとも言うのだろうか。

ハムスターみたいにモグモグと食べてる彼女は、嬉しそうで、本当に美味しく食べている。

太らないかと心配になるが、一応、外面は民間輸送会社なので体は鍛えてないといけない。

故に、太ってはいない。だが………その…………原作と違ってしっかり栄養を取れてるからか、胸の方に行ってるのだ。

12歳にしては豊かな感じで、もうブラが必要になったのだ。

女性クルーがいないので、女性の下着を買うときすっごく気まずかったのは記憶に新しい。

親切な金髪の女性のおかげで、途中からはマリーダの為のアイスクリームを買いに行くだけで済んだのは本当にありがたかった。

………あれ、よくよく考えてみたらあの顔と豊満な体つきに見覚えがあるな………まあいっか。

 

「辛い、けど美味しい……!」

 

「ウップ………やっぱりお前は最高に可愛い妹だぁ…」

 

可愛い妹の姿を見て精神が癒されつつ、食べないのは申し訳ないので炒飯だけでもとゆっくり食べる俺。

マリーダの大食いっぷりにジンネマンは苦笑しながらそこそこ多めのお金をくれたので、本当に何かお返ししなければ。

というかジンネマン、輸送関連の事がなければ一緒に行きたそうにしてたので心の中で彼を応援するしかなかった。

 

 

 

その後、幾つか飲食店を周り満足したマリーダと少々リバースしてゲッソリしたギュネイが本屋で料理関連の本を買ったり、デパートでお土産で売られているお酒を買ったりしていた二人の姿があったという。

尚、ギュネイの財布はかなり軽くなったと記しておこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、コロニーの一端にある連邦の駐留軍が寝泊まりする一画で、ジンネマンと一人の連邦兵の姿があった。

勿論、その内容は至って簡単な輸送の手続き関連だが、ジンネマンのとある質問がその場を凍り付かせていた。

 

「あの箱の中にあるものはなんだ?」

 

目の前の将校は元ジオン軍のスパイで同時にティターンズでスパイ活動をしていた精鋭中の精鋭スパイだ。

一体何を運ばされていたのか、どうして総師の愛人兼研究者であるナナイ・ミゲル女史から検閲をする連邦を例外なく排除せよと言われるのか、そういう仕事関連に対して何か口出しをすることをあまりしないジンネマンだが、艦長である自分でさえ中身を見させてもらえなかったのもあり、そこまでする必要がある価値があるものなのか、聞かなければ納得ができなかったのだ。

勿論、それはダメ元だったので答えは期待していなかった。

だが、目の前の将校はただ一言だけ伝える。

 

「これからの戦争を大きく変える物であることは保証しよう。それ以上は言えんな」

 

その部屋から退室したその将校の脳裏には一機のガンダムの姿がよぎる。

 

「【MRX-013-3 サイコガンダム Mk-IV】………コードネームは【G-ドアーズ】……その完成に必要な物が総師が用意してくださった新開発された装甲板……」

 

【サイコフレーム】………それが、彼らの運んだ物であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特報、ガランシェールに帰ってきたらなんか増えてた件。

 

「カズイ!なんでこんな貧弱な物を使っているんです!?汎用性は認めますが、ロマンを含まない兵器など言語道断ですッ!」

 

「それで死んだら元も子もないから!?」

 

「今は消されし試作ガンダム…GP02【サイサリス】を作った私に逆らうなど、三百年早いです!」

 

「戦場に出たこともないくせに偉ぶるな!!それにお前は副任だったろ!?」

 

「【アトミックバズーカ】を作ったのは私ですよ!?あれのおかげで【星の屑作戦】は成功したのですよ!?」

 

「馬鹿!こんなところでそれを大声で叫ぶな!?」

 

見たことのある黒髪のロリッ娘が、ガランシェールの格納庫でカズイさんと口喧嘩しながらチョップとドロップキックの応酬で大喧嘩していた。

マリーダも口を開けたままで、俺も気付けば口を開けたままだった。

そんな中、後ろから誰かの手が俺の肩に置かれる。

 

「オッス、オラはアナベル・ガトー、よろしくな!」

 

首だけ振り向けば、銀髪の天然パーマに死んだ目をした男の顔。

 

「嘘をつくな、ギン。ああ、私は「あ、コイツはヅラな」ヅラじゃない、ゼランだッ!!」

 

黒髪ストレートの男、もう俺は考える事を止めた。

 

 

 

 

 




AEから伝えられるまで存在すら解らなかったんだし、これくらいはしてそうだよね!って感じで前回の戦闘を半ば無理矢理正当化する駄目作者。

そしてネタの渋滞。
いつからただのほのぼのだと思った?この作品はギャグでもあるのだ。(←何様だコイツ)
彼らの詳しい紹介は次回になります。
………他作品輸入のタグ、付けないとアカンかな…?
作風が壊れるとか、あんまり評価がよくないなら出演数は減らす予定です。
え?なかったら?出せるときは出すゾイ。


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※彼らはギャグ要素部員のネームドモブです()

ランキングで面白いのないかと見てたらランキング入っててビビった作者です。
意外と今のところは続けられてるから、ゆっくりな今のペースを続けてみたいと思います。
ぜ、前回は筆が乗っただけなんだからねッ!(←ウォェ!)

今回は日本人ならとても馴染み深い食べ物が出るよ!
ギャグのソースはかかるけど()




 

メグ・ニューラ、16歳。

九歳でモビルスーツ工学やプログラム等、モビルスーツに関連に関することでは天才と呼ばれた麒麟児。

ガンダム開発計画【GP計画】にも携わり、サイサリスを担当した。

義務教育をスッ飛ばしてAE社に手伝いという名目で勤務していたが、サイサリス強奪後、彼女はティターンズに技術協力を要請されるが拒否したため、一時行方不明になる。

実際のところは、復興中の日本に住むカズイ・サトーの家で居候し、紆余曲折あってネオ・ジオンに技術協力。

 

 

 

ギンル・ウーデウス

32歳、独身。

連邦軍に所属していたが、戦時中に脱走。

以降、アルバイトを各コロニーでしつつ最終的になんでも屋として【リボーコロニー】で経営を始める。

今回、傭兵として雇われ自前のMSはジム・スナイパーIIのカスタム機。

後述のゼラン・ギィスとは旧知の仲。

 

 

 

ゼラン・ギィス

32歳、独身。

元ジオンの諜報部の人間だったが、公国軍の敗北後、デラーズ・フリート、エゥーゴと陣営を変えて来た。

自作の爆弾、ジャスタウェイによる拠点爆破等、工作任務を得意とする。

特殊工作員としての活動は10年以上。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はジンネマンから渡された三人の簡単なプロフィールを読んで、どうしてこんなちょっと口にするのは駄目な三人がいる理由に、全く答えが出ないことを理解した。

 

「それでボロボロなジムがあるんですか………」

 

「マニピュレーターは交換しなければならんがな。今、突貫でAEのマニピュレーターを取っ付けてる」

 

武装が互換性のないビームガンに旧式のハイパーバズーカを持ってきたギンさんのジム・スナイパーIIは、彼のコレクションとして公式には登録されている。

まあ、海賊退治とかで必要になるらしいしリボーコロニーの治安も考えても役員の人達は許可したんだろう。

何故か、彼の使うジムには木刀を模したヒートサーベルというには剣よりな武器があるが………

いやもう狙ってないか?

いつからこの世界はギャグ世界になった?

 

 

そんな懸念、というか場違いな妄想を膨らませながらも新しい仲間にこれまた歓迎会を開くことに。

ギンさんは雇われなので、ずっとではないが暫く仲間として活動するのだから歓迎はしないとな。

尚、メグ・ニューラこと愛称めぐみんはメカニックチーフとしてこれから現場を仕切る……らしいが、あの子供みたいな身なりで(実際、年齢的には子供だが)これからテロリストの中でやっていけるのだろうかと不安にはなる。

いつか彼女のライバル()も現れそうなのは気のせいでありたい。

さて、なんで唐突にメンバーが増えたのか、その疑問は一パイロットである俺には知らされる事はないだろう。

ただ、どことなくカズイさんや新規のギンさんとヅr……じゃなくてゼランさんが懐かしそうにしているのは色々気になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は飛んでメーティス滞在も残り一日となった今日。

今日も今日とてグルメ巡りをすることになった。

とはいえ、大体は既に食べたことのあるジャンルだし、一種の思い出周りみたいなもんだろう。

勿論、マリーダも俺も食うが。

そんな俺達が学園都市と言われる由縁の学園の近くを通った時の事である。

路地にヒッソリと佇む、懐かしき昭和を感じさせる屋台が存在感を放っていた。

立て掛けには【らーめん】の日本語で書かれた文字。

前世、一度だけ食べたことのある屋台ラーメンに思わずヨダレが口の中で沸き上がるが、マリーダは「ラーメンって何?」と聞いてきた。

可愛い妹の質問に答えようと、口を開こうとした瞬間、気配を感じさせずにヅラが俺達の背後で解説を始めた。

 

「ラーメンとは日本文化で生まれた麺類を使った伝統ある料理だ。高カロリー、高糖質がややネックだがその味は絶品と言うに相応しく、グローバル化した宇宙世紀の今でも根強い人気を誇る…」

 

「いやなんでいるんですかヅラさん!?」

 

「ヅラじゃない、ゼランだッ!」

 

マリーダは糖質やカロリーという知らないワードに疑問を抱いたようだが、今はそれに答えない事を許してくれマリーダ。

 

「まさかストーカーですか…?」

 

「仲間にそんなことをする理由がないのだが」

 

いや、アンタ特殊工作員やってたらしいじゃんか、と言うのは堪える。

流石に公共の場で言うほど馬鹿になった覚えはない。

 

「私はシンプルにあのラーメン屋でラーメンを食いに来ただけだ。それにここだけの話だが、あのラーメン屋は美食家には幻のラーメン屋等と言われる程、出没場所が不定期なのだ。せっかく相見えたのに食わないと言うのは勿体ないだろう」

 

絶対その情報は特殊工作の力を存分に無駄遣いしているのが容易に浮かんだ。

言いはしない、だが本当にそれでいいのかお主………

とはいえ、そんなに珍しいのなら食べよう、ということでマリーダも一先ず疑問を脇に置いてラーメン屋から匂う美味しそうな匂いに、釣られるように屋台へと歩く。

 

「へい、いらっしゃい!」

 

「………あっ、豚骨ラーメン2つ」

 

「あいよ!」

 

………なんでラーメン屋の店主がモヒカンの男なのか。

あれぇ?この人、少し前はパフェやってたよね!?

なんだコイツ!?もうやだぁ!お家帰りゅぅぅ!

 

「フム、私は塩ラーメンだ」

 

「毎度!」

 

理解することを諦めて大人しく屋台の椅子に座り、俺は彼のラーメンを作るところを見ていた。

ああ………懐かしすぎて涙でちゃいますよ。

マリーダは興味深そうに、ヅラは瞑想か居眠りか、そんなに長くはない筈なのに目を閉じている。

 

「へいおまちぃ!」

 

五分くらいだろうか?

出てきたラーメンは今まで見てきたラーメンと遜色代わりない姿で、俺の目の前に現れた。

 

「………ッ!」

 

ヨダレと共に何だか目頭が熱くなってるな。

いや、これは多分湯気が目に入ってちょっと涙腺が緩んでいるんだ、きっと。

割り箸……ではなく備え付けの箸を取り、レンゲも取り、ゆっくり味わう。

前世、俺には味わいとかよくわからないので、ただ美味しいか不味いかとかのシンプルな感想しか湧かなかった。

今でもそれは変わらないが(恐らく記憶を思い出した副作用なのだろう)ただシンプルにかつて食べていたラーメンに涙が止まらなくなる。

屋台で食べたのは一度きり。

ラーメンはどこの店でも食べれた。

だが、あの屋台のラーメンだけは格別に美味しかった記憶がある。

もっちりとした、しかし少し硬さの残る歯応えある麺。

海苔は代用なのか解らないが恐らく韓国海苔、ピリッと舌に辛さを与える。

スープはまさにラーメン。コク?のある味わい。思い出を刺激してくれる。

あれ、なんか今まで食べてきたラーメンまで思い出してきた。

レンゲの上にひっ捕らえた麺を一旦乗せて、軽く冷やし、すする。

それを見てか、マリーダも真似て食べる。

マリーダは「美味しい……ッ!」と歓喜し、ヅラは「これが幻のラーメン屋の塩ラーメン……!」とどちらも絶賛する。

すべてを食べきったあと、俺に残されたのは満足感と感涙。

 

「涙流して喜ばれるとはぁ、料理人冥利に尽きるぜ」

 

と店主さんは照れるが、そのイカツイ髭を生やした顔とモヒカンだとちょっと吐き気がするので止めてくれませんか?

ちょっと口からターンエーしそうなので……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後の言い掛かりは酷かったと自戒しつつ、俺は料金を払ったが、「あんな顔を見せられたらサービスしちまうよ」と店主がサービスで四割引いてくれた。

破格のサービスで、俺は驚いたが遠慮するなということでありがたくそうして貰った。

 

「親父ィ。トシモトスペシャルラーメン一つ」

 

「あっしは醤油ラーメンで」

 

入れ替わりで連邦の軍服を来た優男とクール系イケメンが来たが、ヅラがなんでかとっとと歩いていくので、感動の余韻を置いてきぼりにしつつ、俺達はメーティスを後にするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地球圏にあるどこかの施設の一室。

そこには何人もの個人情報を記したプロフィールが机に放置されており、その中にはギュネイ・ガスの名前もあった。

 

「選定は決まったわね。後は大佐に報告して、彼らを招くだけね」

 

そう疲れ気味に呟く女性は、一つの計画書を眺める。

タイトルは【強化人間化と強化人間の安定化】と、シンプルに目的が書かれていた。

 

「一番は自ら望む事だけれども、数が取れないなら幾人かは強制的に大佐に連れてきて貰うしかないわね……」

 

全てはあの方の計画を完遂させる為に。

そして、あの方に愛して貰うために。

だが、彼女は気付けない。

彼女が慕う彼は、仮面に仮面を被り続けてきてしまったが故に本当の自分を晒けることができない人間であることを。

故に、彼女……ナナイ・ミゲルに求めている彼の考えは解らない。

いや、もしかしたら誰も解らないかもしれない。

ニュータイプの出来損ないと評価し、死した女たちに粛清された男ならば、もしかしたらその頭脳明晰な頭で理解できていたのかもしれない。

結局、誰にも解らないのだ、シャア・アズナブル、いやキャスバル・レム・ダイクンの事を誰も見ようとはしないのだから。

いや、あの白い死神は彼を理解できているかもしれない。

まあどのみち、それは歴史に記される事ではないだろう…………

 

 

 

 

 





という訳でラーメン回と個人的なシャアの見解を交えた伏線回でした。
まあ伏線つっても皆結末は想像できるだろうけどね()

数話やったら伏線回収される予定でござる。

そういえば下らない話だけど、佐々木Verのマフティー構文があったんだよね。
まあただの類似なんで構文じゃないけど()
GジェネWARSとかもう二十年くらい前のゲームなんだぜ?
時の流れって早かったり遅かったり、ワケワカンナイヨ。

次回も読んで頂けたらありがたい……アリガタイ……


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三つ巴合戦に巻き込まれた件


ジオン人滅殺!残党とジオン万歳!残党とベルを鳴らしてる部隊の誰も得しない暗礁宙域の話。

なんで書いたん?と疑問に思われても仕方がない回です。
勿論、文に手を抜いてたりはしてませんぞ。多分!

………シンプルに戦闘カッコいいよね、だから書きたくなったんだ。反省はしているし、ちょっぴり後悔もしている。だが私は謝らない(`・ω・´)キリッ



 

ラーメンであれだけ感動したのか、と我ながら困惑しつつ受け入れてるギュネイ・ガスでございます。

食べているときは何て言えば良いのか、解らなかったが、メーティスを後にしてゆっくり味を思い出していると故郷………日本を思い出して故郷への懐かしさとか、帰郷の想いが昂っていたのだろう。

今も、こんなことをさっさと止めて元の日本に帰りたいと思う俺がいる。

だが、こうしてギュネイという人間になっている以上、それは無理なことなのも解っている。

虹の彼方に何かあったのか、それとも外的要因でもあったのかと推察するがどのみち人間には手に負えない領域の話だ。

大人しく諦める他はない。

ガランシェールのブリッジの窓際で俺はメーティスで買ったポテトチップスを頬張りながら、流れ行く小惑星の欠片やかつての戦争の残骸らを特に思うこともなく見ていた。

最初の頃は色々と思うものはあったが、今は見慣れたもんで何かを思うことはなくなった。

まあ、知らない誰かの為にいちいち悩んでも仕方がないんだが。

 

「ん?」

 

今、光ったな……何の光だ?

救難信号なら助けなければならないが………それとは少し違うな。

何となく、死の気配……とでも言うのだろうか?それらが窓越しに感じる。

俺では経験不足なので判断を、操舵手のギルボアさんとフラストさんに委ねるために聞いた。

 

「ギルボアさん、フラストさん、あれは爆発の光ですか?」

 

最初に答えたのはギルボアさん。

間近で見ててもやはり人懐っこい顔をしていて、マリーダともすぐ打ち解けていた。

ギルボアお父さんはやはり偉大である。

 

「あれは……不味いな……」

 

「ああ………」

 

ギルボアさんの答えに同意するフラストさん。

ベテランの二人が言うのならば確かなのだろう。

 

「戦闘準備、しておきますか?」

 

「頼む、場合によっちゃあギンの奴にも前で戦ってもらわんとな……」

 

「まだ片方しか取り付けできていないんだぞ?そんな状態で出ても危なさ過ぎる」

 

ジンネマンは艦長室で仮眠を取っているが、すぐに叩き起こされるだろうし、俺はハイザックに乗り込むべく、パイロットスーツを着込む。

その間に情報伝達は終えているようで、ハイザックとマラサイの最終確認をしていた。

 

「トムラさん!」

 

「ああ!準備はあと少しで終わる!今回もマシンガンとサーベルのセットで良いんだな!?」

 

「はい!」

 

まあ実はヒートホークも腰に懸架させているのだが、事前に伝えあっておかないと戦場でポカをやらかしたら死ぬからな。

確認は大事。特に報連送は大事。

カズイさんはやっぱりと言うか、ブーたれるめぐみんを引き剥がしてマラサイに乗り込む。

めぐみんが「いつか使わせてやりますからね!?ドリルを!」と、なんか不吉な予感がするが俺は聞かなかったことにしてハイザックのシステムを立ち上げる。

 

「ミサイル!爆発の衝撃に備えろ!」

 

唐突に告げられた艦内放送。

直後に爆発の衝撃が振動として俺達に伝わる。

 

「トムラさん!確認まだですか!?」

 

「もうOKだ!いっていいぞ!」

 

格納庫のハッチが開き始め、俺はコクピットハッチを閉じる。

姿勢制御装置でまだ周りを動き回る整備員の人達にぶつからない為にも、最低限の動きで外に出る。

AMBAC機能で姿勢制御すると、作業している人が危ないしな。

 

「ギュネイ・ガス!ハイザックで出るぞ!」

 

憧れていた台詞を、その場に相応しい場で使うと、なんと言うか、達成感があったのは俺の秘密である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガランシェールの船員が睡眠を取るための一室。

そこは年齢的にギュネイとの同棲はアカンだろというもっともな理由で割り当てられたマリーダの部屋。

自分の機体がない故に、こうして閉じ籠って戦いが終わるのを待つしかないマリーダは、未だ解けぬグレミーの呪いに人知れず苦しんでいた。

子供の心と、作られた兵士として精神に埋め込まれた戦意。

二つが攻めぎあい、彼女を苦悩させていた。

今までシミュレーターを欠かした事はないので、マリーダもリニアシートがあろうが無かろうがモビルスーツであるならば戦える。

しかし、ガランシェールにはマリーダのモビルスーツはない。

勿論、マリーダに戦ってほしくない親心を持つジンネマンと、兄貴として然るべき時までは子供でいさせたいギュネイの気持ちもある。

戦うか、否かはその時の彼女の答え次第でギュネイはなんでもやるだろうが、それはガランシェールの皆も同じだろう。

それくらい、ガランシェールの面々にとっては大切な存在だと思われている証拠であるだろう。

まあ、そんなときが来る事自体が来てほしくないだろうが。

さて、肝心のマリーダだが彼女はどうすればこの無力感と燻る戦意を抑えきれるのか、悩んでいた。

今もきっと宇宙では撃ち合いをしているだろう半ば恋心とも言える愛は、気付かぬ内にギュネイの為に戦うこと以外に何かやれないかと考える。

ガランシェールの皆、とならないのはまだ彼女が幼いからか、もし聞いたら彼らは落ち込みそうだが安心しろ、ちゃんと大切な存在と見ていますよ、彼女は。

 

「私は………兄さんの為に……あっ…!」

 

悩みに悩む彼女に、その時、電流が走る。

そして、マリーダは部屋から出て食堂へと向かう。

そこで何をするのか、それはまだ誰にも解らない……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、場面は変わりギュネイ機はいつもより武装を増やしたマラサイに乗るカズイ機の後ろを随伴し、ガランシェールの甲板には何とか取り替え作業を終えたギンの乗るジムが、スナイパーライフルを構えて援護の態勢でいた。

激しい爆発の光は近付き、流れ弾のビームや弾丸、ミサイルも飛んでくる。

ガランシェールへの直撃コースのミサイルはカズイ機とギュネイ機が、バルカンとマシンガンで破壊し、ビームはガランシェールの観測員の指示で回避運動。

弾丸はマラサイとハイザックのシールドで弾く。

こうして何とか安全に進路方向へ進むガランシェール隊。

本来なら航路を変えるべきなのだが、彼らのいる宙域では転進するには航路が狭く、そのための切り替え地点がその先にあるのである。

コロニー等のデブリに隠れても、他の巨大なデブリが衝突してこないとは限らないため、彼らに残された道は一つしかなかったのである。

先行するカズイ達が警戒する中、はぐれたのか一つの機影が襲いかかってきた。

 

「ジオンに!ジオンに栄光をぉぉ!」

 

オープン回線でボロボロのビームナギナタを振り回すゲルググから聞こえた興奮しきった声に、カズイは舌打ちしながら器用にフェダーインライフルのストックの部分でナギナタの持ち手を受け止めて、ギュネイがコクピットに一発弾を送り込む。

 

「チッ…気色わりぃ……」

 

「一発だけで充分だ………か」

 

各々、今の動きで感じた己の感情を漏らしつつ、目の前の戦闘を見る。

ゼク・ドライが、ハイザックが、ガザDが、ドラッツェが、ジム・クゥエルが、ガ・ゾウムが、ゲルググが、ドライセンが、一年戦争後期からネオ・ジオン戦争までの機体がただ己の死に場所を求めるように戦い、散っていく。

 

「戦争博物館……なんて言ってる暇はないな。ガランシェール!全速力で戦闘区域を突っ切れ!俺達が気を逸らさせる!」

 

「了解した」

 

俺は目の前の戦いに、いつの間にか惚けていた。

爆発の光が瞬く度に、綺麗に光る大きな大輪の火花が俺の視線を釘付けにする。

まるで、死者に呼ばれるかのように………ッ!?

 

「今、俺は何を視ていた………!?」

 

幻覚か、それとも何か体に不調があるのか。

いや違う、魅了されていた……?

何だか、冷や汗が止まらない。

なんだこの感覚は。

まるでNTみたいな話し方じゃないか?

 

「おい、ギュネイ?どうした?」

 

カズイさんが動かない俺に心配して接触通信で呼び掛けてきた。

それで俺はようやく自分の世界から戻ってきた。

 

「いや、なんだか、その、気分がその」

 

そううわ言の様に言い訳をすると、カズイさんは悟った表情で俺に語る。

 

「戦場の空気に飲まれていたんだな。戦争の狂気に」

 

俺も経験したから気持ちは解る、とカズイさんは穏やかな声で話す。

 

「だがな、俺達は生きてなきゃ駄目なんだ。帰る場所が、待っている人がいるからな。見入ったら、死者に引っ張られるぞ」

 

「……!はい!」

 

よくやく俺は正気に戻り、頬を叩いて集中する。

これは失敗だ。

だが、先にしておいて良かった失敗だ。

狂気の空気に一度飲まれたおかげで、もう飲まれないように気張れるようになった。

もう失敗はしない、強気で行くんだ。

そう、自分に言い聞かせて操縦桿を握り直す。

 

「気を抜けば死ぬ、そうだここは戦場なんだ。だから止まるなよ、俺……!」

 

フットペダルを押し込み、スラスターを吹かして先を行くマラサイを追う。

俺の生きるための戦いは、まだ始まったばかりなのだ…!

 

 




というわけで、次回も続く無益な遭遇戦。
何か読みにくい、もう少しこうすればいいのでは、といったご指摘や意見があれば遠慮なくどうぞです。
こういうのは他人に聞かないと解らないと、学習したからな…………(遠い目)

ついでに感想も一杯くれると感謝なのです!(本音)



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三つ巴合戦に巻き込まれた件 続


久しぶりに夢の国に行ってたり、ネタが浮いて書いたり、疲れながらの初投稿ッ
次回辺りから本格的にCCA編に入ることを宣言いたします。
まあまだCCAの前座というか、プロローグ的なのは変わらないのですが()

そして感想、修正報告ありがとナス!
同時に駄目な所を教えてくれた読者様にも感謝!
自分で書くのもアレですが、ネガティブ思考な癖にバカも入っているめんどくさい人種なので、教えてくれないと学習できないアホ作者なので……()
でもやっぱりシンプルに短くても良いから感想ほちぃ

せっかくの初(?)ギュネイ主役作品なので、馬鹿みたいな失敗はしたくない……!




 

あまり信じたくはないが、俺はNTに少し覚醒したようだ。

なるとしても強化後だと思ってたから尚更に。

 

カズイさんとは一度別れてデブリの中で隠れつつ、マシンガンの弾丸をばらまきながら、ガランシェールにも飛び火をさせようとする敵を撃墜する時、少しだけ断末魔が聞こえるときがある。

そうでなくとも、たまに相手の動きの先が見えてくるようになって、俺は悟る。

 

「マリーダのNT能力が伝染したのか……?」

 

弾切れになったマシンガンをリロードしつつ、俺は一人己の現状に独白する。

NTは伝染する、そんな話を聞いたことがある。

いや、ガノタなら当然の知識だろうか。

NTと関わると、オールドタイプ……所謂普通の人間もNTへと開花するという話だ。

俺もマリーダの影響を受けてなのか、それとも元々NTの素質があったのか。

原作を見るにその可能性が高いが、ここまで能力が高いだろうか?

程度が解らないのでなんとも言えないが、アニメ等で描写されるモッサリだったり普通に見れてる映像は視聴者に状況をしっかり理解してもらう為にゆっくりになっている。

本来はそれより早く、意外とあっさりした物が多い。

特にアムロとシャアの決戦なんかめっちゃ速いからな。

かつてあったアトラクション、ガンダム・ザ・ライドなり他の作品を見れば解るとは思う。

俺の動きも相手も動きもとにかく早い。

そんな中、突然先読みが出来てもよく実感できないのだ。

 

「まあ、今はガランシェールを守ることが先決だよな……!」

 

意識を切り替えて、俺はたまたまそこにいたティターンズのサラミス改のメインエンジンに弾丸をプレゼントして沈める。

仇討ちか、SFSに乗ったジム・クゥエルがビームライフルを撃ってくるので、俺はマシンガンでSFSを破壊してからビームサーベルを抜き放つ。

相手もサーベルで応戦しようと抜いてきたが、大振りに振ろうとしてたのでマシンガンを腰に当てながら撃つ。

 

『ひ、卑怯なぁ!?』

 

「戦闘に卑怯なんてねぇんだよ………」

 

距離があるのに愚直に真っ直ぐ来る方が悪い。

弾切れと誤認させるためのブラフだったが、引っ掛かる奴は引っ掛かる、役に立つテクニックだ。

まあ、距離が離れているという条件があるが………あのティターンズがそんなのに引っ掛かる辺り、新兵同然だろうがモビルスーツを扱えるなら乗せているのだろうか。

ティターンズの戦力を考えながら、俺は殴りかかってきたガルスJをギリギリで回避し、サーベルでアームを切り落とす。

 

「ぬぅ!」

 

「カズイさん!」

 

「任されたッ!」

 

丁度、こちらの様子を見に来ていたカズイさんが見えたので踵で蹴り飛ばし、フェダーインライフルで撃ち抜かれてガルスJは散る。

 

「フェダーインライフルも弾切れだな。ビームライフルと交換してこねぇと」

 

カズイさんは愛用のライフルの弾切れに愚痴を溢すが、俺は少し前に撃破していたマラサイのビームライフルをたぐり寄せてカズイさんに渡す。

 

「丁度、代わりのもんが落ちてましたよ」

 

「運が良いな。残弾は……少し不安だが大丈夫だろう」

 

「戦闘はどうなっているんです?」

 

「ガランシェールはなんとか突き抜けれた。だがティターンズの奴等が劣勢で、ガランシェールの方向に逃げてきやがってる」

 

「チッ、ネオ・ジオンの方を殺ります?」

 

「それしかないな。いつも通り、俺が前で…」

 

「俺が後ろで援護かトドメですね」

 

作戦も訓練等で慣れてくるとスムーズに行けるもんで、弱者なりの戦い方で俺達は生き抜いてきた。

まあ、経験がまだほとんどない俺が言うのはおかしいが………

俺達はチベ改やムサイ等のお古の戦艦達の後ろから奇襲を仕掛けることにした。

成功しようがしなかろうが、一つは確実に落とせる。

そう自信を持って、俺はカズイさんの後ろを付いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、混沌とした戦場に近付く部隊がいた。

地球連邦軍所属、ロンド・ベル隊のクラップ級が三隻、目前に見える爆光に向けて突き進んでいた。

 

「各員、第一種戦闘配備!モビルスーツもすぐに出せ!」

 

各艦のジムIIIや新型の配備予定の試作ジェダ数機が出撃準備をするなか、旗艦である【リューン】の艦長は、ただの偵察任務が戦闘になるなど己の不幸を呪っていた。

 

「明日は俺のお袋の誕生日なんだ、死んだら許さんぞ!」

 

「「了解!」」

 

彼なりの激励の元、ロンド・ベル隊は戦闘態勢を取り、眼前の敵を駆逐するために三隻の戦艦は直進し続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり脆いな、戦艦は」

 

マシンガンで蜂の巣になったムサイのエンジン部を眺めながら、次の獲物に移るべくスラスターを吹かして離脱する。

直後、ムサイは爆発し宇宙ゴミと化す。

 

「こっちはチベも落とした。やっぱり残党なだけに戦艦も古いな」

 

「ムサイは後期型が多かったですがね。まあ、ザンジバルは前で相手はしたくはないです」

 

さて、俺達もそろそろ物資が限界なのでガランシェールまで後退しようと機体の向きを変えた、その時だ。

カズイさんのレーダーに何か引っ掛かったらしい。

 

「この反応は……ロンド・ベルか!面倒な時に面倒な奴等が!」

 

流石にそれはキツい。というか不味い。

俺達の機体は公式では作業と自衛用に買ったとされているから、別にここにいるのは問題ないのだが理由となるガランシェールが近くにいないのが問題だ。

下手すると問答無用で撃たれるかもしれない。

そこまでバカだとは思いたくないが、このまま彼らの進行上に居ても良いことがないのは確かである。

 

「急いで離脱するぞ!」

 

「はい!」

 

こうして母艦の一部を壊滅させた俺達は今度はティターンズが盛り返してきた所を、傍観しつつガランシェールへデブリに隠れながら移動する。

ガランシェールに追い付ける、というか停泊してくれているのでティターンズがガランシェールを見つけていなければ攻撃を受けている事などないだろうが………

あってほしくない事はそういう時に限ってその通りになる。

ギンさんのジムが既に格闘戦でリゲルグと切りあっている。

木刀とビームサーベルの二刀流が宇宙で煌めく。

相対するリゲルグは機体カラーを灰色にペイントされているが、左足を失ったのみ。

残りはザクIIIとバーザム四機。

だがすぐにバーザム四機の連携でザクIIIはビームライフルの直撃で四肢をもぎ取られ、サーベルで頭から両断されて爆散した。

 

「手慣れた奴等か………」

 

ハイザックじゃ厳しい。だがやるしかないだろう?

リゲルグはギンさんに任せるとして、フリーになったバーザム小隊を野放しにする理由がない。

 

「見えたッ!」

 

慣れてきたNTの先読み能力。

まだ若干のブレがあるが、簡易的には解る!

 

「まずは一機!」

 

マシンガンの銃口から火が吹く。

弾丸はしっかりバーザムを捉えて右腕を砕き、バルカンポッドを破壊する。

 

「バレルを焼いたか!?」

 

明らかに銃身が曲がっているような当たり方。

間を空けずに撃ちすぎて過熱し過ぎたか?

そんな俺の戸惑いを余所に、バーザムの一機が俺にサーベルを突き入れてくる。

 

「チィッ!」

 

こっちもサーベルで受け止めたが、とてもじゃないがパワーが違いすぎる!

 

「どうせもうマトモに使えないんだ、くれてやる!」

 

手詰まりになった俺は、切り下ろされる勢いでマシンガンを首にさしこむ。

ゴギン、というヤバそうな音がしたが構わずトリガーを引く。

 

「ニュ、ニュータイプとでも言うのか…ッ!?」

 

接触通信から聞こえた、バーザムのパイロットの驚きを最後にバーザムは機能を停止する。

その頃のカズイさんはビームライフルでバーザムの足を破壊して、先程俺が仕留め損ねたバーザムをバルカンでバックパックを攻撃して推進剤を引火させて撃破。

残りのバーザムを相手にしていた。

 

「俺も援護に……」

 

「坊主!」

 

突然、ギンさんの声が聞こえた。

後ろからのロックオン、つまり敵に狙われた。

 

「う、うぉぉぉぉぉっ!?」

 

本当に唐突過ぎて、パニックになりながら機体を上にスラスターを吹かして両足を破壊されるだけに留める。

リゲルグから舌打ちが聞こえそうな、恨めしそうなモノアイで此方を見つめるがギンさんのビームガンの直撃でバックパックに被弾し、派手に散った。

 

だが、これで戦いは終わったのだ。

残りのバーザムは救難信号に気付いて救援に来てくれたジェダとジムが撃墜し、俺達はなんとか生き残れたのだから。

ただ、旗艦がやられたらしく、モビルスーツも積載オーバーになるので彼らの駐留しているコロニーまでなら護衛してくれる代わりに機体を収容してくれるスペースをくれ、という事なので特にバレてヤバイ物はないので快く貸すことになった。

まあ………根っからのジオン軍人にとっては屈辱的ではあるだろうが………

ここは割りきってほしい所である。

 

 

 

 

 

 

 

 





最近、左肩がちょっぴり痛くて揉んでる作者です。
同時にドライアイ気味で目薬さすとめっちゃ染みる。
まあそんな近辺の話は置いておいて。

次回からCCAに入っていくぜ!
最悪、CCA編だけでも終わらせたいずんだもんなのだ。(意味不明)

ちなみにジェダは色々思慮した結果、試作先行量産のジェダという設定にしました。
漫画もバトオペでもジェダ手に入れてないから許して………

ちなみにすごくどうでも良いけど、ロボ風味お月様パワー全開ヒーローアカデミアとSFロボ金字塔×超有名SF映画シリーズ、どっちが見たい?
まあ、まだ出す気ないけどね!()
せめて三作の内の一つを終わらせてからじゃないとまたエタる。(自戒)



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第一章 ギュネイ・ガスの危機一髪
赤い変態が現れた!そして時は流れた!!



我ながら酷いタイトル付けたなと苦笑しながら投稿。
まあタイトル通り、手早く前半強化人間化、後半CCA直前といった所。
適当な繋ぎみたいなもんだから、短いのは許し定期…

ちょっと頭を冷やしに色んな方々の二次創作読んでたらちょっと所じゃなくて草も生えない。
そして自分の情緒不安定さにワケワカメ。



 

無益な戦闘から帰ってきた俺に待っていたのはマリーダの手作りサンドイッチだった。

え?ちょっと萌死しかけたよ?

 

「えっと……その、良かったら食べて………」

 

何故か顔を赤らめて去っていく彼女の背に目をそらして渡されたサンドイッチを見る。

二枚のトーストの間にベーコンエッグを挟み、三角形に切っただけのサンドイッチと呼ぶべきかちょっと戸惑うが、サンドイッチとする。うん、妹を泣かせたら俺はクズになる。

まあせっかく作ってくれたのだから、ありがたく頂こう。

サクッという音と共に、俺の舌にはちょっと塩が効きすぎるベーコンエッグとパンの味がした。

 

「……美味しい」

 

シンプル故に美味しい。

これで不味かったら彼女の明るい将来が不安になるので一緒に料理指導する所だったが、安心である。

 

「ヒューヒュー!良いねぇ、青春!」

 

「なっ!?カズイさん、茶化さないでくださいよ!?」

 

まあその光景を見ていた周囲は生暖かい目で此方を見てくるので、たまったものではない。

その場から俺は逃げるように、自室に戻るのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<><><><>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギュネイ・ガス伍長、今日より本部に異動である。辞令は本部で改めて指示する」

 

三つ巴の戦いからほんの数日後、奴が直々にガランシェールを訪れ、そして俺を本部にへ異動であることを告げられた。

本当に突然である。

赤いディジェを見たとき、察してはいたが………威圧……いやプレッシャー?

とにかく重い何かを感じたのだ。

そしてチラッと俺を見て奴は一言だけ、恐らく周りには聞こえない程度に呟いたのだろう言葉が、俺の耳に異様に聞こえて残っていた。

 

[良い掘り出し物を手に入れたかもしれん]

 

聞こえたとき、ゾッとしましたよ。

背筋にいつの間にか冷や汗をかいていた。

同時に、俺の人生がルナティックな難易度になったのを悟った。

アムロからは逃げられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガランシェールの面々は泣いてたり、何かを悟っているのか、無表情だったり、雰囲気を紛らわせる為に笑顔を作って泣きながら別れを告げたり。

ガランシェール隊と同型艦に乗り込みつつ、ガランシェールの皆の見送りに手を振りながら別れを告げた。

色んな意味で俺もガランシェールの皆がドン引きするくらい泣きわめきたかったが、ギュネイの運命だと思ってなんとか気持ちを入れ替えた。

 

「随分と仲が良かったようだな」

 

と、赤いロリコン……もといシャア・アズナブルは少し何かを思い返すように話しかけてきた。

ガルマとの思い出でも脳裏に浮かべているのだろうか?

そんなことを考えているなんて知るよしもないシャアは、俺の返答を促すように、いや促すために視線をこちらに向けた。

 

「まあ、一ヶ月も一緒に生活してれば仲良くはなれるかもしれませんね」

 

「マリーダ君の事は安心したまえ。新しいMS……まあ試作だが彼女の為の力を与えた。それで彼女自身も、ガランシェールも守れるだろうからな」

 

「そうですね…」

 

ちなみに俺のハイザックは本部で俺が将来的に受領するらしい機体へのチューンのために、データ取りになるらしく、パパッと整備された以外は武器はガランシェールに置いてきた。

でも正直、そんなことはどうでもよくてやはりマリーダのことが心配なのだ。

マリーダは「行かないで」と言っていたが、俺には拒否権なんてないのだ。

だが、マリーダのとある言葉に俺は未来に起きるだろう戦いに戦慄するしかなかった。

 

「絶対に、虹の向こう側には行かないでね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マリーダと別れてから半年。

本部で受けた命令はNT能力の強化処置である。

ある者は喜び、ある者は無表情で、ある者は悲嘆に暮れた。

勿論、最後は俺で他にも嫌そうな顔や白目剥いてる奴もいたが。

そうして迎えた強化人間化の日。

心理操作や薬物等によってNT能力を強化する日が来たのだ。

まさか、自分から(強制的に)強化人間になる奴とか早々いないだろう。

注射器を腕に刺され薬品を注入された時、俺はリタ・ベルナルの事を思い出していた。

あの少女は、宇宙のどこかにいるのだろうか?

自分と同じように強化人間にされて生きていた彼女を、もしかしたら強化された力で探せるかもしれないと、場違いな妄想をしつつ、歪む視界の中、ナナイ女史の質問に………あれ?ナナイ女史だっけ?

 

……シャアだった気がする。いや、天パだろう?

宇宙はもっとパーッてしてるんだけど、ネコもいるんだ。アグニカ万歳!

団長!団長!バナナ!グラハムガンダム!

#ふへせすよゆふijいへの#<«???

二重の極み!タチバナザン!

ネオじおん?ああ、そういえばガンダム作ってる会社だっけ………え?違う?

アーッ!イクイク!俺のぶーつニハガラガラ蛇ィ!

ウッキー!今年はパン屋の日!天パも脳波コントロールダッヨォーン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

300年だ………もう隠れる必要はないのだ!

なんていうバエル構文?は置いておいて、記憶が混濁しているけど割と元気なギュネイ・ガスです。

混濁した記憶にはムーンガンダムの戦いもあったが、詳しくは思い出せない。

なんか総師と殴り愛宇宙してた気もするが、絶対に俺の勘違いだ。そうに決まっている。

ただ、ナナイ女史がどことなくやつれていたのは何故だろうか?

美人がするような顔じゃなかったゾ………

 

まあ、これで俺も晴れて強化人間。

宇宙世紀じゃ俺の知る限り一人しか強化人間で幸せになれた奴はいない世界にやって来たのだ。

ちなみにその強化人間は火星か木星のどっちかに行った様な感じだったが、少なくとも最悪、原作ギュネイのような散り様はしないようにしたい。

ギュネイのような生意気はメスガキで充分なんだ、と思っても5thルナ落としてスウィートウォーター?いやロンデニオンか?

どのみちそこでクェス・パラヤを拾ってきてしまうんだし、面倒を見させられると思うとちょっと頭が痛い。

いや、マリーダが大人しすぎるのもあるんだろうなぁ。

勿論、彼女は彼女で我を出すときは結構腕白だが。

クェスを救うか?と聞かれるとかなり微妙である。

年頃の思春期少女にまだ18の男が何を言っても説得力なんてあるまいし、精神年齢込みだとしてもクェスを抑え込める気がしない。

彼女はシャアやアムロに感じた父性に惹かれていた。

父性なんて出せれるわけがない俺にはどうしようもない。

クェス本人もその言動から父親を求めているのは確かである。

だが、クェスを見殺しにすればハサウェイがマフティーになるのは確実になる。

だが、それで俺に何か影響はあるのか?となると特に関わらなければ影響はないだろうと思う。

悪い言い方をすれば自分の身勝手なエゴをただ周りに押し付けている子供など、ただ面倒でしかない。

が、某甘ちゃんコーディネーターは言っていた。

 

【命は誰にだって一つだ】

 

正直、脚本家と監督のせいでクソみたいな構成になったが、内容自体は悪くなかった。

バンクの多用を除けば、作画だって良かった。

確かにあのご負債は憎い人には憎かろうが、死後も誹謗中傷を滅多刺しにするのはなんかこう……違うと思うんだよね。

ノーリアクション、それで良かったんじゃないか?

………話が別にそれてしまったので修正しよう。

結局、俺が何を言いたいかというとクェス・パラヤという少女もまた、この世界で生きる命で本来、部外者の「私」が彼女の結末知りつつ何もしなくていい訳がないのだ。

勿論、別に原作の通りに死なせるのもまた正解だ。

だってこれは哲学の分野になる。

むしろ、私の考えこそが一番余計なお節介とも言える。

だが、知っているのに助けずにクェスの命が散るのは夢見がガチめに悪くなりそうだから嫌だ。

だから俺は、できる限り助けてみようと思う。

何も変わらないかもしれないが、何もしないよりは絶対にマシだ。

 

 

 

 

 

え?赤い奴は助けないのかって?

いやなんで?ぶっちゃけ死の間際にララァ母親発言してる奴とか性癖が救いようがないんだが。

というかアムロに負けたら脱出ポッドを岩盤に某野菜人の王子如く叩きつけられるんだから、助けるに助けられないと思うんだが。

 

 

 

 

 

 




ちなみに思考が混乱している部分は、割と作者の混乱の仕方に似せていたりする。

感想、よろしくお願いします。


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5thルナを落とすけど、なんか文句ある?


大有りだよ!()
さて、気を取り直してCCA編始まるゾイ!
筆が乗ったから書き初めは早かったぜ。

そして感想を下さった方々に感謝ッ!

追記
それと作者のミスでラー・カイラム級のモビルスーツ保有量が一番となっておりました。訂正しましたので見捨てないで………



 

ヤクト・ドーガという機体をご存じであろうか?

まあ逆襲のシャアを見ていれば解らない筈はないのではあるが、知らない人のためにも一度(ガノタ的には)軽く説明しよう。

ギラ・ドーガサイコミュ試験型から始まったヤクト・ドーガの血筋だが、大本は量産型MSのギラ・ドーガである。

ギラ・ドーガの設計を流用した設計なので、フォルムのあちこちにギラ・ドーガの面影を残しているので、わかりやすいだろう。

シャアのサザビーはヤクト・ドーガの上位互換だが、ムーンガンダムの血を受け継いでいる機体なので純粋なギラ・ドーガの発展型かと言われるとNOだ。

まあそこはともかく、ヤクト・ドーガはハマーンの率いるネオ・ジオンの過ちから生まれたとも言える機体である。

ロマンを詰め込んだ武装や当時の流行であった大型化・火力重視によって生み出されたモビルスーツたちは整備性の悪化や構造的に弱い部分を生み出し、ただでさえ懐事情が厳しいのに弾薬を浪費する機体を作りまくっていた。

それを踏まえて、ヤクト・ドーガはシンプルな武装構成になり、ギュネイとクェスの使うヤクト・ドーガになるのである。

ちなみにギラ・ドーガサイコミュ試験型はマリーダの機体として送られていた。

 

 

まあ、強化人間になる前は本編開始まで残り三年だったし、用済みになっていてもおかしくはなかろう。

ただ、ムーンガンダムでの俺の活躍か、それともそれ以前での俺の行動を評価してなのか、レズン・シュナイダーを副官に部隊を率いることになった。

いや、俺は強化人間よ?

フォウやロザミアみたいに情緒不安定ではないが、部隊を率いる程俺は指揮官としての才能、あるとは思わないんだけど………

そんな感じの言葉をやんわりシャアに伝えたんだが、「君ならできると信じて任せたのさ」とどこぞの足癖の悪いセミ君を連想させる事をぬかしやがった。

ムーンガンダムの俺は一体何をやってんだ……?

同期の奴等のほとんどは強化に失敗か戦死するかのどちらかで、生き残っている奴はあまりいない。

そんな数少ない同期の奴等に俺の事を聞くと、なんかヤベー奴の印象らしい。

同時に、俺が最初の被験者だったから調整を少しミスったせいで言動が時折混沌だったらしい。

そのせいで戻すのに時間がかかったとかなんとか。

………まさかシャアにヤベーことしてないよな?と、思って聞いてみたがそんなことはなかったと言われたのでないのだろう。

 

……とても不安だが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、最初に解説したヤクト・ドーガだが、俺の機体には俺の要望で少し武装と機体にチューンを入れている。

ファンネルは予備としてもう一対、ファンネルラックを増設してもらい、ファンネルを計八つに。

メガ粒子砲を四門持つシールドはシールドの形状自体を変えて、シナンジュの装備するシールドの小型版に変えた。尚、あくまで例えとしての形状なので、シナンジュのシールドではない。

まあ破損したら大人しく本来のシールドに変えるつもりだが。

そして最後にもう一つあるが、今回の戦いでは本当に最後の切り札なので、秘密である。他にもいくつかあるが長くなるので割愛だ。

 

そして、戦いは既に始まっている。

ネオ・ジオンの動きをようやく察知したロンド・ベルの先行部隊と、既に落下を開始する5thルナの周囲で戦闘を開始している。

 

「レズン!各小隊の状況は!?」

 

「まだどこもやられてはいないみたいだね。でも、厄介なデカブツが邪魔だね!」

 

実はレズンとはそれなりに良好な関係を築けている。

最初は強化人間なんて、と信用ならない様子だったがギュネイ・ガスというただの人間として見てくれって言ったら笑い出したのが関係の始まり。

彼女もまた、最後はサイコフレームの異常性を見せるために犠牲になったが、準備期間の間で実戦形式の訓練をしていたので俺も強くなれるし、彼女たちも強くなれるでwinwinの関係から始まって友人としても互いを信頼できるようになった。

うーん、頑張った俺!でももう二度とレズンと唐揚げにかける調味料の話で喧嘩にはなりたくないな!

ちなみにレズンはマヨ派らしいが………俺は雑食なのだが、マヨの素晴らしさをめっちゃ説かれた。

強化の代償として感情が少々荒ぶりやすくなっていたので、俺でもわからん奇声?語録?を発しながら黙れとぶっちゃけたのは記憶に新しい。

それはさておき、デカブツ……ラー・カイラム級が邪魔なのは確かだ。

何せ、モビルスーツ保有量はUC0090年代の中ではゼネラル・レビルを除けば連邦軍の艦艇の中で最も多い戦艦だ。

Gジェネでも優遇される通り、こっちでもラー・カイラム級は優秀で、敵にすると厄介だ。

同時に、いつアムロが来るかすげぇ冷や汗が止まらない訳だが。

 

「デカブツは俺がやる。援護頼むぞ、レズン」

 

「あいよ!」

 

カイラム級を守るジェガンの一個小隊の真ん中をヤクト・ドーガが出せるトップスピードでつき進む。

後ろではレズンがビームマシンガンをバラまいて途中で止めようとするジェガンを足止めする。

 

「なっ!?体当たりでもするのか!?」

 

「そうだ!ビビって避けちまえ!」

 

装甲越しに伝わる困惑の感情。

だが冷静な隊長機がシールドを構えて前に出て来た。

 

「行かせはせん!ここで止めるッ!」

 

「流石はロンド・ベルってところか!」

 

だが加速を止める程、俺も肝っ玉は小さくない。

ジェガンはビームライフルを撃って、進路を変えさせようとするが、俺は経験とNTの勘で回避運動。

 

「避けられた!?コイツ、ニュータイプか!?」

 

「正確な射撃程、視えやすい!」

 

ベテランにしごかれた日々は無駄ではない、その事実は嬉しいが感情を抑える。

そして遂にヤクト・ドーガとジェガンがぶつかる瞬間、俺は飛び蹴りの体勢を取らせ、シールドごとジェガンをカイラム級の船首に叩きつける。

 

「グアッ!?……お、おのr」

 

衝突の際、燃料漏れを引き起こしたのだろう。

ショートするバックパックが引火して爆発する。

俺のヤクト・ドーガも右足にかなり負荷がかかったが、ラー・カイラム級を潰すには必要な代償だろう。

それくらいの価値が、アイツにはあるのだ。

後出しで残りがこっちにライフルを構えるが、レズンと彼女が率いる直属の部下が海蛇やビームマシンガンで撃墜する。

俺はそれを尻目に、カイラム級のメガ粒子砲をビームライフルで破壊し、こちらを見て絶望しているブリッジにいる兵士達をライフルの下部にあるグレネードランチャーで破壊する。

だが、カイラム級には戦闘用のブリッジが下部に存在する事を俺は識っている。

なので、確実に戦闘力を無くすためにブリッジの真上からビームライフルをブチ込み、ブリッジを完全破壊する。

メインエンジンにも数発、ビームをプレゼントして離脱。

航行不可能になったカイラム級に、別部隊のギラ・ドーガがトドメを刺しにマシンガンやグレネードを撃つ。

カイラム級のクルー達の悲鳴や断末魔を心を殺して聞き流し、次の獲物を狙う。

 

「お見事」

 

「レズンの援護のおかげさ」

 

ヤクト・ドーガと紫に染められたギラ・ドーガの軽いグータッチをしてからだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーレウルーラ艦橋ー

 

 

「戦闘区域と別方向に熱源接近!MA……いや、戦闘機?」

 

「フフフ……やっと来たか、アムロ……」

 

遂に、物語の始まりであり、一つの終わりが始まろうとしていた…………

 

 





原作との相違点を軽ーく。

ヤクト・ドーガ改造<サザビーの様に対アムロに初見殺し武器を備えた。まあ、本人は最後の切り札以外は期待値ゼロだが()

ギュネイ君記憶混濁<ナナイ「ごめんね☆テヘペロ」尚、報いは受けた模様。主にメンタル面で。

レズン<ギュネイを除き、強化人間への信用なし。オリジナル要素盛れる年上お姉さんなので、唐揚げはマヨ派にしてみた。

天パ<シャアをわからせないと……(変化なし)

赤い変態<ケッチャコ………(変化なし)


感想をよろしくお願いします。

今日の異世界おじさんが楽しみだぁ………

追記

もう一隻のラー・カイラム級<まあもう一隻ぐらいはコネとかで融通してくれてそうだし、ね?(自己嫌悪)とはいえ、今回の撃沈されたカイラム級にはモビルスーツはあまり積載してない模様。


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主人公レ○プ!隕石と化した先輩


(特にタイトルに深い意味は)ないです。なんか思い付いた。
つーか、今更になって作者名を変えたことを報告するとか無能すぎる。
そしてまーたガバる。前回なんて完全に言葉足りてないし……
け つ あ な確定じゃねぇか(本当に申し訳ない)

本当に情報提供、指摘、感想と共に投下して下さった読者様方、ありがとうございます!
これで作者の称号が【後付けとキャラのヒモ】ですよ、畜生!(猛反省)

尚、今回はギュネイがみっともない情けない回です。
上げて落とすとか人の心ないんか?(自問)



 

ラー・カイラム級撃破後、5thルナで待機するムサカ級から補給してもらい、別方向から来た戦闘機……いや、BWSリ・ガズィに乗っているだろう存在に、身を震わせる。

シャアよりも重い、そのプレッシャーは武者震いが止まらない。

事前に通達があった通り、ロンド・ベルの本隊が来たようだ。

 

「レズン!雑魚は任せる!エースは俺が相手する!」

 

「了解!各機、死にたくなきゃアタシに付いてきな!」

 

………レズンには頼り甲斐のあるエースのように言ったが、実のところ足はめっちゃ震えてるし、ちょっとチビりかけてた。

あの死神が来たんだ………こうもなろう?

 

「ッ!!」

 

遠くに点になって浮いているブライトが乗っているだろうラー・カイラムとクラップたち。

その少し手前から、光が輝いた。

反射で[回避]の単語が浮かび、サイコミュが反応してギリギリ飛来したビーム避けた。

 

「あの距離から撃ってくるとかマジでどうかしてるぜ、アムロ・レイ!」

 

「ギリギリで避けたか。となるとパイロットはNTか?」

 

だんだん見えてきたその姿はやはりというか、BWS被ったリ・ガズィだ。

弾幕をグレネードランチャーとBWS備え付きのビーム砲で形成してきた。

ならばと俺はファンネルを六つ、周囲に展開してこっちも弾幕を張る。

だがその隙間を縫うように飛んでくるリ・ガズィに、俺は怯えた。

 

「ヒュ……!?」

 

「怯えているのか?ならとっとと逃げれば良い物を!」

 

ビームキャノンも撃ってきたが、俺は回避。

だがファンネル一基を落とされ、回避で5thルナの近くまで後退してしまった俺は変形を解除したリ・ガズィのビームライフルの弾を、耐ビームコーティングしてあるシールドで防ぐ。

 

「グゥ…!」

 

駄目だ、恐怖で鳥肌が立っているし、汗も凄い。

NTとしての感覚が本能レベルで警鐘を鳴らしている。

ア・バオア・クーのアムロなら努力次第でギリギリ倒せるかもしれないが、このアムロはベテランだ。

少年時代でも初見殺しを回避した奴に、俺が勝てるわけがない。

俺の思考はそれで一杯になってしまった。

だから、俺は思考の片隅に残る命令の実行でとにかく避けながらも、命令を果たそうと壁になる。

思考が混乱してきて頭痛がしてきた。

攻撃?したらその隙で死ぬ。

防御?近付かれてサーベルかライフルで墜ちる。

ファンネル?全部撃ち落とされる。

混乱が極まってしまった俺は、スラスターを全開にリ・ガズィから離れようとして5thルナの岩盤にヤクト・ドーガを強かに打ち付けてしまう。

 

「は………ハハッ、ハハハ!」

 

もう何がおかしくて笑ってるのか。

 

「天パ相手とかやってられるか!俺は逃げるぞ!」

 

俺はマトモに戦うことすらなく、すれ違うサザビーの事も脇に置いて逃げた。

敵前逃亡は銃殺刑、そんなのも思考に浮かぶが俺はそれに振り向く事すらせずにレウルーラへと逃げ帰るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5thルナを地球に落とす作戦は、結果的に成功した。

だが、敵前逃亡という罪を犯した俺はレウルーラの独房で沙汰を待つことになった。

 

「ああ………やらかしたなぁ………」

 

最初から天パの放つプレッシャーに呑まれて錯乱していた。

自分を保てず、恐怖の渦に入り込んでしまった。

戦闘経験はそれなりに積んだつもりだったが………そんなのは甘えだった。

即よろけ武器でよろけを取らずに正面で下格叩き込むくらい甘い。

どこかまだ「私」の持つ傍観者視点が抜けきっていなかったのだろうか。

だがもう、後悔してもどうしようもない。

アムロを前にして、勝てるビジョンが浮かばない。

撃墜は諦めてなんとか撃退する、なんて考えてたが本当に甘ちゃんだよ。

自己嫌悪で自虐し、自傷している俺。

前世の私もまた、何度かしていた。

ああ、でもまだちゃんと思い出せないな。

一杯やってたかもしれないし、ほんの数回かもしれない。

前世を思い返していた所、独房の扉が開いてご立派な衣装に身を包んだ男……シャア・アズナブルが入ってきた。

 

「………そんなに怖かったのか?」

 

俺の涙の跡を見て、そう聞いたのだろう。

うんともすんとも言わない体育座りの俺を見て、シャアは「いつまでもうじうじするな。私の後継者とも言える男がこんなところでつまずく程、情けない奴ではあるまい」と言い放つ。

ん?ちょっと待て。

 

「え…?後継者?」

 

「たった一人の個人に、しかも強化人間に部隊を預けると思うか?」

 

いや、その返しは最もだけどさ……

戸惑う俺に、奴は衝撃の事実を伝える。

 

「ムーンムーンでの出来事では、君は今より落ち着きはなかったが、本来の部隊長を押し退ける様に指揮を取っていたぞ?」

 

おいおい、ウッソだろ!?

錯乱してる俺はそんなことしてたのか!?

 

「………俺にアンタの尻拭いをさせられるのは御免なんですが」

 

内心驚愕しつつも、俺はシャアの意図に何となく気付き、それを指摘する。

原作でもそんな台詞を放っていたしな。

 

「勿論、然るべきものはやってからさ。私は政治家より、パイロットをやってた方が性に合う」

 

アンタがやってこそのジオンなんだが、とは言わない。

一応、彼も彼なりで自分の父の事やジオンの未来を考えていた。

アムロと戦う建前とはいえ、それが嘘かと言われればNOだろう。

しかし、高いプライドが無ければ原作ギュネイもこういう立ち位置にいたのだろうか?

そう考察したが、シャアが俺に一枚の紙を渡す。

その内容を見た途端、何だか暗い気持ちはなんでか晴れてきた。

いや、吹っ飛ぶに決まっているな。

今の俺の顔には、これをした時の未来への不安で顔を青ざめているだろう。

照明が暗めのおかげで、気付かれずに済んだが。

 

「シャア総師の護衛……?」

 

「君は将来有望なパイロットだ。護衛をやらせてもしもの時があってはならないのだがね。ロンデニオンでの交渉の際の護衛として出ることで君の処罰を軽くした」

 

つまり、下手するとアムロと顔を会わせる可能性もあるという事ですよね………

いや、あのシーンは俺がホビー・ハイザック……いや、俺はホビー・ハイザックもってないぞ!?

あれ?原作ブレイクするけど、結構不味いか?

クェスが来ないと、α・アジールは誰が乗ることになるんだ…?

俺はモビルアーマーよりモビルスーツの方が良いし。

まあ、後の事は後で考えておこう………

 

 

 

それにしても、まさか俺を後継者にするとか、狂ってたりとかしてないよな……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロンデニオン。

ロンド・ベル隊が拠点を置くコロニーで、原作ではアムロの巴投げがシャアに炸裂した場所でもある。

そういえば、空に飛ばされる総師の動画があったな………本当にあれで始末されてたら、アムロがガチで化け物になるんだが………

つーか、なんか煩い鳥の声が聞こえる。

これから交渉なのに幻聴を聞くとか不味いですよ、クォレは。

そんなシャアも知らない悩みに頭を抱えつつ、俺は豪華な会議室で、クェスの父親であるアデナウアー・パラヤのアホ面を拝みつつ、他にいる連邦のお偉いさんとカムラン・ブルームの顔も眺める。

勿論、周囲の警戒も怠ってはいないが、カムランさんはともかく、他の連邦官僚の醜く笑う姿は本当に気持ち悪い。

本当の意味で毒電波くらいそうで早く離れたい。

カムランさんも汚くない訳ではなかろうが、まだ罪悪感を持てる辺りはまだ許せる。

本当に、優秀な人が多く散ったんだな、と俺は一年戦争への感傷に浸る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

交渉後、体調が悪いので先にシャトルに戻っていたのだが、ロンデニオンにてスパイをしている者から近くにアムロ・レイがいるとの事で、俺は慌ててエレカに乗り込もうとした、その時だ。

 

「これが歴史の修正力ってか?笑えないぜ……」

 

目の前に、ホビー・ハイザックが輸送されてきたのだ。

俺は謝罪しつつ、輸送していた男たちを殴って気絶させて強奪した。

二号機でもないのに奪われるとか伝統破壊ですよ。

いや、そんなことはしょうもないんだけどさ、ホビー・ハイザックで比べれば。

 

 

 

 





実はGジェネWARSのギュネイは艦長適性がBだったりする。

書き終わった後、投稿前に情報見てみたらお気に入り千件超えていた………(°∀°)ポケェ…………は、初めての千件突破で体感一分くらい文字を眺めてしまったよ。
タカキのごとく、頑張らないと!(タカキは休め)

これからもガバり、ボケやらかすかもしれませんが、暖かく見守って下さるとありがたいです。
感想があればもっと嬉しい!(←醜い欲望)

少し真面目な話ですが、タイトル、【機動戦士ガンダムGG(ギュネイ・ガス)の危機一髪】という、ギャグ味含めた物に変えようかなって思ってるんですが、どうですかね……?

アンケートにしたので二話更新後か三日連続で数に変動がなければ締め切るので、よろしかったら投票お願いします!


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これで助けられたら俺、運命信じる!

お気に入り千件突破の記念で書いてたらガチでつまらない内容になってしまった……(苦悩)

尚、タイトルの元ネタのガンダムXは良いゾォ……NT信者なら否定論も受け入れなければならない、これ常識ね。(←何様)

感想欄ではシャアの後継者発言で反応があって作者はしてやったりとニヤニヤしながら返信させて頂きました。
本当に感想と誤字報告、ありがとナス!
そして何故、ギュネイが後継者というめんどくさい、つーか押し付けをされたのか、この回で簡単に説明だッ!と、思ってたけどなんでこんな駄文になった………

そして作者のNT論もぶっちゃける。(←自爆する馬鹿)
多分、というか絶対につまらない回ですね、クォレは。
ほぼほぼ自己満足の繋ぎなので流し読みでも良いです。
ただ、作者と同じガノタやニュータイプの概念がよくわからないから深く知りたい、みたい人には、これは個人の結論というのを前提に見てほしいという気持ちもあります。
というか、これってウィキとかに乗ってる通りなのでは……?繋ぎにするには哲学過ぎて己の文才のなさに溜め息ついちゃいますよ……途中から自分でもよくわかってない。(←馬鹿じゃないの)

ガチでつまらん内容でしょうが、それでも良ければどうぞ!ただ、作品は見捨てないで!しつこいけどさ!(自戒)




 

ホビー・ハイザック。

白を基調に派手目にカラーリングされた民間用のモビルスーツだ。

原作ではギュネイの機体とかなんとか言われてたが、今の俺にはそんなもん買う趣味はないし、むしろ反乱前まで付き合いのあるレズンやその部下たちと貯金を幾らか崩してパーッとやって来たりしてただけだ。

まあ、未成年なので酒は飲まないが。

ただ、レズンとのデート?はかなり緊張したが。

アニメ作品なので、昔と今で作画が変わるのは確かだが、レズンさんは同じ世界の人間として見ると結構キツそうな美人だ。

俺の好きなタイプは可愛い系なのだが、酔うと可愛く見えるからメンタルに悪い。

しかもいつもキツメの服を着てるからだろうが、服を緩めるとアッという間に形の良い小さめながら弾力ある巨乳ですよ。

隠れ巨乳とか聞いてません!シャア総師ッ!?

 

まあ、そんなおっかなビックリを思い返している内に巴投げされてるシャア総師を見つける。

機体を下ろして、シャアを収容しようとするが翡翠色に輝くツインテールの少女が、シャアに引っ付いて来た。

ここも再現かよ、と思わずジト目になるが幻聴の鳥のさえずりに混じって『La…La…La…』と聞こえる。

ああっクソ!煩い!黙れ!纏めて焼き鳥肉団子にしてやろうかッ!?アアン!?

半ば自棄になりながらも、俺は二人を連れてシャトルまで逃げる。

強奪してしまったホビー・ハイザックだが、どうしよう?

そう思ってたが普通に乗り捨てた。

なんか巻き込まれた輸送の人が可哀想だしさ……とりあえずせめての謝意を示すために、降りる際に土下座モーションを設定しておいた。

尚、後に【ホビー・ハイザック怪事件】等と呼ばれる都市伝説がしばらく流れるが、未来の俺には与り知らない事である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クェス・パラヤは確かに美少女である。

彼女が男性の求める理想の性格であれば、彼女は周囲からチヤホヤされていただろう。

だが、現実はそうでもない。

 

「……………」

 

「……………」

 

特に会話することもなく、彼女のヤクト・ドーガも組み上げられ、シャアはクェスが求める父の姿を利用して彼女を兵器にした。

一端の兵士ごときが言える立場ではないので俺は沈黙を貫くしかない。

テロリストだとしても、シャアという錦旗が、自分達を軍と、そう呼ぶのならば俺は軍人でならなければならない。

いや、屁理屈こねないでストレートに言おう。

残党とはいえ、元は軍なのだから軍人らしくあるべきだと、俺の勝手な解釈でそう動いているだけだ。

NTだってそうだ。

一人の男の思想がたった一人の存在によって意味を歪め、結果その言葉は化け物を意味する言葉として残ってしまった。

そして、それを観る傍観者、私達【ガノタ】はNTとは何かと疑問を問い続ける。

作り出した男は人の闇と光を行き来した結果、隣人に優しくできる者だと語った。

だが、それではアムロ・レイ、カミーユ・ビダン、ジュドー・アーシタ、ウッソ・エヴィン、彼に生み出されたNTたちはNTとして何のために生まれたのだろうか?

そして、NTという言葉によって生まれた強化人間たち、フォウ・ムラサメ、ロザミア・パダム、プル姉妹、マシュマー・セロ、ギュネイ・ガス、ファラ・グリフォン……戦う為だけに肉体をいじられた彼ら、彼女らは人工NTとして何のために犠牲にされたのだろうか?

一時の感情で生まれたのならそれは自己投影の一部を写しているようなものだ。

いや、彼の作る作品に限らず、創作物には幾らかは創作者の自己投影が混じる。

人間が人間である限り、自分の一部でも、それが偽物でも幸福に至らせたいという気持ちは少なからずあるのだ。

あーだこーだと考えて私は私の結論に至る。

答えはシンプルだ。他の人ならもっとあるかもしれないし、そっちが納得行くかもしれない。

だが私は未だ一部では醜く論争する同胞を見て、彼らの意見も見て、私は答える。

 

[劇中で言われるNTとは人類の新種であり、亜種で革新への種なのだ。そして革新としてのNTは人類を辞めた者なのである]

 

何事も原点から始まる。

地球の発端だって、遡ればビックバンという起因が謎の現象から始まる。

ギラ・ドーガだって、先祖であるザクの設計思想に基づいた原点回帰している。

ガンダムを生み出した作者がNTとは人類の革新である、というのならばそうなのだろう。

だがそれは同時に人類ではないとも言える。

革新、良いことに聞こえて良くもない物でもある。

NTが他人とわかりあう為にミノフスキー粒子を使った会話を行うのなら、確かに進化だ。

だが革新ならそれはただの進化で革新ではない。

アムロも語っていたわかりあえるのがNTという言葉。

わかりあえるだけで、真の意味でわかりあうことはない。

わかりあえたら最後、それは人と呼べるのだろうか…?

もしかしたら革新したNTは死後のララァなのかもしれない。

もしかしたら答えを出すべきではないかもしれない。

だが私はあえて言おう、革新とはもう一人の自分を作ることだと。

そういう意味では、シャアの残留思念がフロンタルに宿っていたのは革新なのかもしれない。

心と言う、人である為の精神構造を象る物を完全にコピーやトレースさせるのが革新なのかもしれない。

勿論、自分同士で殺し合うのも有り得なくはない。

だが、全員が同じ思想で同じ思考であれば、よっぽどの事がなければ殺し合うなど考えないだろう。

例え殺しあってもいつかは必ず全員ほぼ同時に無意味だと悟る。

人は根本的に楽をしたがり、快楽を求める。だから楽をするために全員で技術革新し、すべてをこなせるAIを作り知識欲を満たされたNTは不自由な肉体から離れて自分の世界に引きこもるだろう。

革新したNTは人類を越えて、そして欲求が満たされる世界を作るが故に滅びるのだ。

作られる世界が仮想世界なのか、それとも夢と言う人類がフルスペックで活用する事ができない脳という中で作る世界なのかは解らない。

だが、革新したNTはゆっくりと滅びるのは確実だろう。

NTは戦争の道具ではないが、人は道具を使うことで弱肉強食の世界を生き残り、人は自らの欲を満たせる世界を作る。

NTの能力は精神的な道具であり、進化の過程で生まれたものだ。

モビルスーツを使えば化け物になるのは確かだ。

先読みも、時間逆行を可能にするミノフスキー粒子ならば原理は理解不能だが可能なのだろう。

NTとは二種類ある。

劇中に語られるNTとは革新へと至る種で、革新したNTは滅びを待つ人類を辞めたものなのだ。

結局のところ、ガンダムXで語られた「NTとは幻想」という言葉がしっくりくる。

そして多くのシャアを理解しようとするファンたちが言う、シャアのNTに対する理想はまさに幻想であった。

相互理解は良い、だがそこで対立なり方向性の違いが出たり、賛成して自分にできることを考えることで人は人でいられるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギュネイ?ギュネイ!」

 

バシンッ、という音と共に深い記憶の海から戻る。

以前の俺は一体、何を考えているのやら………結局のところはNTは人間の進化である事には間違いないだろう。

特殊な力を持つものたちをNTと呼ぶしかないからNTで、原点で語られる革新はNTとは別のもの。

所謂、【神】とも言えるだろう。

以前の俺のNT論は上手く纏められていないが、今もそうだろう。

結局NTとは何か、解らないのだから。

ヒリヒリする頭を撫でて痛みを誤魔化しながら、むくれてるクェスのレウルーラの案内役をすることになった。

 

「NT、か……」

 

人類の革新は神の滅び……クトゥルフとかで出そうだな?

まあ、どのみち今を生きる俺には関係無い。

人はただ今を生きるだけだから。

 

 

 





以上、ギュネイ君に作者のNT論を語らせる最低な繋ぎ回でした()
いやぁ、クェスを毛嫌いさせてたから必然的にギュネイとの会話がなくなってさあ大変。
レズンとの会話は次回になりますが、どうしよう、レズンドウシヨウ……

あくまで個人的なNT論なので、哲学脳がアホになって言葉じゃないようなものもあるかもしれませんが、語りたいことは語れたので(φώφ)bヨシ!
もしかしたら誰かのNT論かもしれませんが、これが作者なりに感じて語るNT論なのでパクってないよ。
人類に投げ掛けられたニュータイプという哲学、ガンプラが自由で良いように、個人のNT論もまた自由。

以上、頭がおかしい作者の後書きでした。
これ、後で黒歴史認定しそうで後悔してきた()
結局のところ、真の意味でNTに革新しても人類は勝手に滅びるよって所でしょうかね。
バナージみたいに虹の彼方に行くのもまた滅びの一つでしょうし。

次回は原作後半。ああ、UC編どうしよう……


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往け!十一話目!忌まわしい記憶と共に!


謎の責務感か取り憑かれたような衝動で書いた繋ぎはなかったことにしてくれ………
本当に頭どうかしてて、消そうかとも思ったけど自分の考え方と他人の考え方を知る、という意味で残しておこうと思いました。
自分、国語にある感想とかそこらが凄く……苦手です………

というかなんで増えるんですか……(困惑)
まあ応援してくれる方々が増えるのはとても嬉しいので頑張ります!

尚、時系列がおかしくなっているかもしれません、作者の鳥頭を笑ってくれ………

前回の口直し。なのでちょっと短いのはご愛嬌ということで……




 

作戦は第二段階に入った。

詐欺によってアクシズを奪取し、地球にアクシズを落とす作戦は速やかに行われた。

士気高揚の為の演説も盛大に行われた。

シャアの演説に拍手とジークジオンの言葉が巻き起こる中、俺は横に座るクェスに再度問う。

 

「本当にネオ・ジオンの人間として戦うのか?」

 

クェス・パラヤ………いや、クェス・エアに改めて問う。

 

「しつこいよ、ギュネイ。あたしはシャア大佐についていくって決めたんだよ」

 

「……俺が言うのもアレだが、お前は子供だ。アムロ・レイのように戦う必要なんてないんだからな」

 

「子供扱いしないでよ!」

 

まあ反抗期だわな。

これが普通の反抗期。

………前世の黒歴史を思い出したからもうやめよう………

だが、一応は軍人なんだ、軍人として最低限のマナーは守ってもらわなければ。

まあ堅苦しいのは嫌だ!って拒否するのは目に見えてるが、ネオ・ジオンとして活動するなら無理矢理でも解ってもらうからね……?(暗黒微笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクシズ強奪作戦開始まで後数分といったところ、俺はレズンとはちあわせした。

 

「おや、元気だったかい?」

 

おどけて聞いてくる彼女に俺は「亡霊が俺の耳元で騒音起こすせいで散々ですよ」と冗談交じりに答えておく。

 

「元気なら良いさ。敵前逃亡なんて、アンタらしくないからね」

 

「アレは俺が悪いんです。俺のメンタル…覚悟が足りなかっただけですから」

 

「フ……一丁前な事を言うじゃないか」

 

もしかしたらこれでレズンとはお別れかもしれない、そう頭をよぎるがそれを振り払う。

原作と違って彼女は俺の部下だ。やらせはしない。

俺が生き残る以上、俺に付いてきてくれる戦力は多くていいからな。自惚れでなければ、だが。

ヤクト・ドーガのコクピットでヘルメットのエア調整と被り心地を確かめながら、俺は先に出るクェスのヤクト・ドーガを眺める。

 

「クェス、今回は戦場に慣れるだけで良い。子m…ゴフン、カバーは俺に任せな」

 

「………今、子守りって言おうとしたの、解ってるんだからね!」

 

まあ、流石に感受性が高いから解ってしまうか。

 

「なに、気を緩めるためのジョークだよ」

 

そう言うが、まあ詭弁である。

だが、クェスは何を思ったのか。

 

「……ありがと、ギュネイ」

 

と、ツンとした感じで返して飛び出す。

………アレで惚れたりなんて俺はしないからな。

 

「おやおや、ギュネイ。子守りは大変そうだね!」

 

「うるさい!俺だって渋々なんだよ、総帥の野郎………」

 

「ま、アタシはアタシで頑張らせてもらうよ。レズン・シュナイダー、出るよ!」

 

良いようにからかわれてしまった。

まあ、気にしないで俺は俺の責務を果たすか。

 

「ギュネイ・ガス、ヤクト・ドーガで行く!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱりというか、戦闘自体はあっさりと終わり、クェスも無事()父親殺しを達成した。

核パルスエンジンに火を入れ、シャアの台詞と共に地球へと向かうアクシズを感慨もなく見つめて次の戦いに備える。

次のロンド・ベル隊との戦いが本当の正念場だ。

その時まで最後の食事になるかもしれない食事をして、ヤクト・ドーガのメンテナンスを手伝う。

その為、クェスには「シャアはロリコンなんだぜ?」みたいな話はしてない筈なのにたまたまシャアと作戦の確認をしていたらクェスが割り込んできた。

 

「あたしはララァの代わりなんですか!?」

 

周囲にいた士官や兵士たちの緊張の糸を引っこ抜くような唐突さに、啞然としつつ、しかしシャアの反応にちょっとだけ好奇心を抱く。

勿論、そんなことをわざわざ聞かせることではないので外に出る。

後でクェスには色々O☆HA☆NA☆SIしなければならない。

シャアにも何か言おうか、そんなことを思ったが結局何も思い付かず俺はクェスを追いかけることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クェスを探したがどこにもいない。

α・アジールの場所にはいないし、レウルーラにもいない。

かといって、自分のヤクト・ドーガの所にもいないしもう作戦時間だ、というところで俺は渋々ヤクト・ドーガに乗り、戦闘に備える。

レズン達とは2つに別れて、片方は艦艇の守りに専念してもらい、もう片方は敵を迎撃する部隊に分ける。

戦力は両者共に半分だが、強化人間と訓練で経験を積んでいるのだ、他の部隊とは違う。

そして先行するα・アジールに接触して、クェスの独断先行を止める。

 

「クェス!前に出すぎるな!艦隊の砲撃がお前にも当たるから援護できないぞ!」

 

「うるさい!あたしが大佐からララァを忘れさせるんだ!」

 

「総帥の過去の恋人は死んでいる!アイツの為に戦ったところで振り向きはしない!そもそも前に出るだけが戦いじゃないんだぞ!」

 

「クッ……」

 

流石に正論を突き付けられては無視できないだろう。

総帥のラブロマンスは置いておいて、とにかく下がってもらわなければこっちが良いように撃たれるだけだ。

 

「クェス、俺がカバーするから真正面から来るモビルスーツ隊を叩くんだ!残しは俺と部下がやる!」

 

「嬢ちゃん、少しは頼りにしてくれよな!」

 

茶化すように部下の一人がα・アジールに当たるミサイルを、クェスより先に迎撃する。

この後からロンド・ベル隊のモビルスーツたちが来る。

それに核ミサイルだってまだ来ては……!!

 

「時系列がおかしいのか、俺の記憶がおかしいのかはともかく、ファンネル、行ってくれよ!」

 

数秒後、核爆発がアクシズの手前で起き、眩しさで思わず手で遮ってしまう。

 

「そしてミサイルに混ぜて核を……やはり知らなかったらハマるよな」

 

迎撃直後、別方向からミサイルに混じって核弾頭も送り込まれ、端が砕ける。

ジェガンもじきに来る。

ファンネルの補充をしたらすぐに出なければ。

 

 

 

 




タイトルをサイレント変更した作者です。
いやぁ、めでたくスマホが手元に戻ってきました。
まあ、フィルターのせいで3DSは手放せませんが()

いやぁ、本当にあのタイトルで良かったのかね?
まだいくつか思いついたり、思いつきそうだったけど、ありがたく変更させて頂きました。
旧タイトル【ギュネイ「天パ相手とかやってられるか!俺は逃げるぞ!」】の回収もしちゃったし、今後は変化球にするか……()

それはさておき、感想、評価、ありがとうございます!
こんな短期間でこんなことになっていいのか、ワイ……
ちなみにこれが終わったらオリジナルのファンタジー系ロボ小説書こうかなと、早い幻想を抱く馬鹿。
どう考えてもダブル主人公でもなろう系主人公の血が混じりそうで文才のなさが身に染みる……


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ガバとミスがなんでこんなに持つんだ!?

(ガバが酷くて)本当に申し訳ない。
さりげなく言葉遊びで誤魔化して台詞にする作者を笑うがいい……

まだ若いのに鳥頭とかヤバイわよ!()

見苦しい所もある拙作ですが、これからも応援よろしくお願いいたします。
……ギュネイ君の二次創作増えたら皆そっちに行きそうだなぁ…(ボソッ)

色々原作把握できてないですがまあ大体原作通りという認識で……は無理か………まあ、ここからは覚えているので少しは安心してください。(確実とは言わない臆病者)



 

 

 

 

 

 

 

皆、もしもの世界を創作にしろ、現実にしろ考えるだろう。

俺もそうだったし、転生してもそうだ。

それは理想や妄想だが、しかし夢を見るというのは人間の生きがいとも言える。

さて、俺はガノタがよく考えそうなアムロとの戦い方を考えよう。

少年時代のアムロはNT能力のインフレがあるが経験は足りない、故に一年戦争初期からエースなどと呼ばれるくらい強くなればアムロ打倒は可能だろう。(その後の原作崩壊には目をつぶる)

では、Zはどうか?

やっぱりというか、普通に強い。

なまっているので強さは高くないかもしれないが、しかし普通のエースコンよりは強いのだから質が悪い。

そしてここから手がつけられなくなる。

グリプス戦役を戦い抜いた後のアムロならお察しだろう。

 

勝てないわ!

 

なので本当に死神である。

よっぽどの機体じゃないと負ける。

ユニコーンガンダムでもNT-D使っても負けるのが容易に想像できる。

だから俺は撃墜ではなく、天パという【災害】をやり過ごすという方針に変えた。

アムロと対峙してあのプレッシャーを受け続けられる自信はないので、程々足止めしつつ死なないように動く。

そもそもなんで勝とうと思っていたのか、バケモンにはバケモンをぶつけんだよ精神でシャアとクェスに頼るしかないという情けない状態だが、生きるためならなんだってやってやる。

マリーダの元に生きて帰るためにもな!

 

「切り札は切るべき時に切るってな!」

 

八基のファンネルが迫りくるνガンダムを囲む。

 

「クェス!無理はするなよ!」

 

「邪気が来たか!」

 

「わかったわ、ギュネイ!」

 

そういえば、少し前にケーラ・スゥのリ・ガズィは戦闘不能にしただけだったが、まさかチェーン乗ってたりするかな……?

いや、そんなことを考えている暇はない!

 

「サラダァ!」

 

「コイツ、遊んでいるつもりか!?」

 

ちょっと思考の漏れがあったが、別におちょくってるわけではない。

だが、攻撃より回避と防御に専念しなければアムロに落とされるのは必須だ。

だが、俺のファンネルはあっという間にライフルとフィン・ファンネルで破壊されていく。

 

「格闘戦でッ!」

 

格闘に持ち込めば少しは消耗させられるか、そう思いα・アジールの手厚い援護を受けつつ突撃する……だがここで俺は気付いた。

 

「……バズーカがない?」

 

そう、ニュー・ハイパー・バズーカが背中にない。

チラッと見えただけだが、それくらいやってこなせなければエースはやってない。

後継者?なんのことやら?(震え声)

そして、俺はあの光景を予知した。

背中からバズーカが当てられる瞬間を………

 

「ギュネイッ!!」

 

「クェス!?」

 

俺の予知を感じ取れたのか、クェスが身を張ってバズーカを変わりに受ける。

ダメージは大きくはないが、小さくもない。

しかし、彼女に無理をさせてしまった自分に怒りを募らせる。

 

「ええい、いっけぇ!ファンネルッ!!」

 

本来、ミサイルがマウントされている肩のシールド裏。

そこにはサイコミュ兵器を積載していたのである。そう、これが切り札だ。

 

「ファンネルか?だがそれなら……ッ!?」

 

撃ち落とそうとして、だがその挙動に虚を突かれるνガンダム。

初めて、彼の意表を突いた。

あのアムロ・レイにシールドとはいえ、当てた。

 

「は、ハハハッ……」

 

あまりの事に一瞬、手放しで喜ぶがすぐに気を引き締める。

俺が特製で用意して貰ったサイコミュ兵器、それは今より十二年も後に登場する兵器【ファンネルミサイル】。

今より何十年もさきの未来、宇宙海賊【クロスボーンバンガード】の主人公トビアがアムロ・レイのデータで動くMS【アマクサ】対して、【シザーアンカー】という彼の知らない武器を使って倒したのだ。

ならば、経験豊富とはいえど、知らない武器ならダメージは与えられる……天パと対峙したあと、考え方はこう変わった。

元々はただ、アムロへの対抗策として未来の武装を先取りしただけの物だった。

そんな深く考えてない、短慮ながらこうして巡り巡って利する事になるとはなんとも言えない気分だ。

 

「ファンネルをぶつけるサイコミュか!だがもう通じはしない!」

 

「フフフ……よく持たせた、ギュネイ。アムロは私に任せて、核パルスエンジンに向かったモビルスーツ部隊の排除を頼む」

 

「了解!」

 

これで最凶の厄ネタは凌げた。

だが、補給をする暇もなく前線が不味いことになっているのでクェスには前線に向かってもらい、俺は核パルスエンジンに取り付き、破壊工作をするジェガン達を掃除する。

 

「がぁ!?」

 

「ぼ、ボッシュさん!助けッ」

 

「邪魔だ邪魔だぁ!」

 

弾切れになったライフルに取り付けてあるヒート剣でジェガンの一機を貫き、サーベルで横薙ぎで胴体を切り、もう一機のジェガンを破壊する。

ん?グレネードランチャーはどうしたって?グレランもどうせ外れるから変えたんだよ!(情緒不安定)

しかし、ほとんどエンジンを破壊されていて、もう手遅れだった。

そのためか、敵の隊長は撤退し、追撃を仕掛けられるほど余裕のないヤクト・ドーガをレウルーラに戻すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

補給を済ませたが、戦いはもう終わりを迎え始めていた。

そして、ガノタたちに見せたあの光もまた、この世界で見せられようとしている。

俺は、まだアムロとシャアを助けるか悩んでいた。

どちらかというとどちらも助けない方針だった。

助けたら、UCが面倒くさいことになることは間違いないからだ。

悩みに悩みつつ、俺はクェスの救援に向かう。

彼女は、まだ無事だろうか……いや、まだ無事であってくれ。

 

 

そう、俺は願う。

………正直に言えば、どちらでもいいのだが。

勿論、死んでは欲しくない。

だが、死んだら死んだで俺は感傷は持たないだろう。

ガンダムを観ていると、いつの間にか誰かの死に深く痛むことがなくなって、リアルでもそうなった、私の感情。

それはギュネイ・ガスになった今も引き継がれているのが、感覚で理解したから………

ガンダムが悪いのではない、何かが私を変えたんだ。何かが……

 

 

俺はそれがなんだったのか、思い出せない。

思い出してはいけない、なのかもしれない。だがしかし、俺は俺の持てる力をぶつけるんだ。

今は、そう誤魔化すことにした。

もう二度と、そう考えることのないように。

余計に思考する、この精神性にフタをするように。

 

 

 




感想が暖かい…暖かいよぉ、アムロォ……

それはさておき、次回で逆シャアが終わる!
勝ったな、ガハハ。νガンダムのポーズ変えてくる。

それはさておき、今回はギュネイよりクェスの未来がどうなるのか、ヒントを文の中に入れたので予想してみてくださいね!
なぞなぞみたいな感じ、なのかなぁ、これの答えは。



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バブみレッドマンと天然パーマの決着


逆シャアの〆なのでボリュームを少しでもと増やしつつ質を維持するのに時間かかりました。申し訳ない。(結局、千文字程度しか増やせなかった。文才ィ……)

ガンエボ、遂にPS4でも始まりましたねぇ……2時間ちょいだけ、やりましたけど楽しい。

ちなみに前回のクイズ()の大ヒントは「ボッシュ→ゲーム・漫画媒体」という部分。
答えはすぐなのでちょっと予想してから見てみると良いかも。

尚、後半はマリーダ目線の諸々です。




 

ハサウェイ・ノア、一年戦争の英雄ブライト・ノアの息子。

彼が戦場に来ることとなったのは、ただ一人の少女に恋焦がれての行動であった。

ジェガンに乗り、敵を殺して、そして彼女は目の前で死んだ。

そして、アムロの恋人チェーン・アギを殺害してしまう。

クェスを助けられるか、それは恐らく俺の手にかかっているだろう。

ラー・カイラムには既にアクシズに取り付かれて爆弾をセットされている。

故に俺は原作通りになると予測しつつ、俺はクェスの救援に向かう。

 

長時間動けるよう調整を受けたモビルアーマーとはいえ、限界はある。

間に合え、間に合えと某ニンジン嫌いの少尉のごとく、俺はペダルを限界まで踏み込む。

 

「ッ!見えた!」

 

ジェガンがα・アジールに取り付いていた。

コクピットハッチが開いているところを見ると、やはりハサウェイなのだろう。

 

「クェ…!…緒に…ろう!」

 

混線でα・アジールから雑音混じりに聞こえるパイロットの声は、まさに若き日の佐々木氏である。

 

「クェス!レウルーラに戻るんだ!ソイツは俺が追い返す!」

 

「ギュネイ!」

 

「ッ!新しい敵!?」

 

蹴飛ばして離れさせよう、ハサウェイもニュータイプとはいえ、未成熟。

蹴飛ばして気絶させるだけで十分だ。

まあ、そう簡単に事が進むこともなく……

 

「ハサウェイ!駄目!」

 

中破したリ・ガズィが腰のグレネードランチャーを射出。

俺はライフルで撃ち落とすが、果敢にサーベルで俺と切り結ぶ。

 

「ハサウェイ!離れて!」

 

「チェーンさん!?」

 

「ええい!邪魔をするんじゃない!」

 

俺はヒートナイフ付きのサーベルでリ・ガズィのサーベルを受け止めた直後、シールドのビームソードで残っていた腕を切り飛ばす。

ライフルはサーベルを抜くのに捨ててしまったが、後で拾えばいい。

 

「このぉ!」

 

「民間人の攻撃に当たるほど、俺は下手くそじゃないッ!」

 

ジェガンがライフルを撃ってくるが、当てずっぽうでちゃんと照準できていない。

俺はサーベルでライフルを持つ腕を切り飛ばす。

トドメなんて刺すつもりはないのだが、敵である二人にとってはそんなことは知る由もない。

リ・ガズィが体当たりを仕掛け、俺は衝撃に耐えながらクェスに撤退するよう叫ぶ。

 

「クェス!さっさと行け!」

 

「あ、ありがと、ギュネイ……」

 

しおらしい感じになってるクェスだが、俺はそれを気にすることはできない。

ただ目の前で必死に攻撃してくるジェガンとリ・ガズィを抑えるので精一杯である。

特にリ・ガズィ、やはりサイコ・フレームの恩恵か動きが良い。

ハサウェイも素質はあるからクェスと一緒に下がることができない。

 

「クソっ!お前達とは殺りあうつもりなんかないのに!」

 

リ・ガズィなんか攻撃手段なんかバルカンくらいしかない筈だ。

それでも尚、くらいついてくる二人に【窮鼠猫を噛む】のことわざを思い出す。

そんな危うげな均衡の中、ハサウェイが突然叫ぶ。

それは俺の頭にも入ってきて、鮮明に聞こえた。

 

「クェス!駄目だ!ソイツは…!」

 

その直後、俺の後方で巨大な爆発が起きる。

 

「な……に……?」

 

「クェス!クェェェス!!」

 

「クェス?クェスが死んだの…!?」

 

爆発の光から現れたのは胴体を蒼く塗られたジェガン。

 

「ボッシュがいるならアイツもいるか……クソッタレェ!」

 

己の想定が甘かったことに、ヘルメットを思わず投げ捨てる。

ユウ・カジマ、蒼い死神と呼ばれた男の存在を忘れていた俺は、自分の迂闊さに自分を殺してやりたくなった。

 

「クソッ!クソッ!」

 

もうここでの戦闘は無意味、冷静な部分がヤクト・ドーガを撤退させ、激情に揺れる部分がこの場にいる敵を殲滅することに思考が引っ張られる。

 

「何が救うだ、結局肝心なことを忘れてるんじゃあそんなのは夢のまた夢じゃないかッ……!」

 

激しい後悔と共に、俺は感情を抑え込む。

ここで俺も死んでは、ギュネイとして生きて戦ってきた意味が無くなってしまう。

ジェガン部隊の攻撃を避けながら、俺はアクシズを離れ始めたレウルーラに一度帰還するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクシズが割れて、片方が落ち始めた頃。

俺は撤退を開始するネオ・ジオン達を援護する形で前線に出ていた。

割り切るしかないのだ、クェスの事は。

割り切らなければ死んでしまう。

ネタにされてるが、ハイネの言っていた事は正しいのだ。

アスラン?アイツは迷い過ぎなんだよ、一々。だから中の人にも嫌われるんだよ。

まあそれを言ってしまうと全部脚本家と監督が悪いことになるのだが。

 

「レズン!生きてたか!」

 

「アンタも生きてたのかい。嬢ちゃんは……いや、なんでもない」

 

クェスの事は俺の近くにいないことから、察してくれて謝罪してきた。

 

「いや、良いんだ。守りきれなかったのは事実で、あの子の未来を奪った俺達はその事実を背負うしかない」

 

「……帰投する」

 

ふと、アクシズを見る。

赤く染め上げられているアクシズの片割れで、一つのバーニア光がアクシズに取り付いた。

 

「アムロ・レイ……νガンダムか」

 

割り切る、と言いつつ、まだ割り切れてなかったと後の俺はそう思う。

結局、過去に縛られる人間なのだろう、【私】という人間は。

 

「人の心の光……これがそうなのか……あの奇跡を呼ぶ、虹の光……」

 

俺は無自覚のまま、アクシズに取り付く。

もうどうでもいいや、ただこうしてれば何となく罪が晴れる気がするから、これでいいや。

そう思っていた。

 

「ロンド・ベルだけに、良い思いはさせませんよ」

 

「地球が駄目になるかがかかってるんだ!」

 

「皆……やめてくれ!こんなことに付き合う必要なんかない!」

 

「アムロさん、お供させてください!そうでなければ、カラバから付いてきた甲斐というものがありません!」

 

「ボッシュ……!そういうことはしなくていい…!」

 

「どのみち、こうなる運命だったのだ……」

 

ミノフスキー粒子が集まってきているのだろうか、皆の思考が通信でも頭にも入ってくる。

このままアクシズ諸共焼け焦げるか、そう思っていた。

 

『兄さん……!!』

 

「ッ!?マリーダッ!?」

 

マリーダの声が聞こえた。

そして、続いて聞こえる幼きマリーダの声と同じ声も聞こえてくる。

 

『トゥエルブを……マリーダを独りにさせないで!』

 

『アンタがいなくなったら、誰があの子の支えになるんだ?』

 

『あの子の心を死なせないで!』

 

他にも色々聞こえた。

きっと、マリーダの姉妹達なんだろう。

木霊のような存在だとしても、ようやく俺は帰るべき場所を思い出す。

 

「ああ…そうだったな……マリーダ!絶対にお前のところに帰ってみせるからなぁ!!」

 

それと同時に、俺の意識はブラックアウトした。

シャアとアムロの聞こえてくる会話を最後に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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私はマリーダ・クルス。元の名前はプルトゥエルブ。

私には兄がいて、兄さん……ギュネイ・ガスは私の初恋の人である。

最近、ミネバ様の勧めで読んでみた恋愛小説では初恋と義理兄妹は失恋しやすいとか書かれていたが、初恋が叶う小説だってある。

だから、私は諦めない。

でも………彼がシャアの直属の部下になって数年も経過した。

正直言って寂しい。

ミネバ様という、友人が出来たのは兄さんに良い報告ができると思ったが兄さんも私もここのところは忙しくて連絡が取れないでいた。

そんな中で総帥が隕石落としを始めて、戦争がまた始まるんだな、と私は無感情に思った。

まだガンダムという言葉には反射で憎悪を抱くが、ほんの一瞬だ。

これはガランシェールの皆のおかげなんだと私は思う。

でなければ、きっと私はずっとプルトゥエルブだっただろうから。

 

 

兄さんとの思い出は楽しいことばっかだ。

ご飯を一緒に食べた記憶だって私にはとても大切な思い出だ。

あまり娯楽がなかったからか、私は料理を趣味にし始めた。

そのために兄さんが貯金を崩して器具や料理本を買ってくれたときには絶対に美味しいものを食べさせたいと思うのは自然だろう。

手始めにサンドイッチを作ったが、後から考えるともっと良いものを作れたと思うし、その……正直、好きな人の前だとやっぱり今までのクール?さを維持できない。

これをめぐみんさんはクーデレだと言っていたけど、カズイさんとの関係はどうだって聞いたらすごく顔を赤らめてた。

ちょっと面白くて時折それで弄ってしまうが、めぐみんさんは凄い手腕と発想でカズイさんやガランシェールのために色んな物を開発してくれた。

また少し前に立ち寄ったメーティスでマラサイがハンブラビという、トリッキーな機体になってたのはよく解らなかったが。

ただ、ハンブラビの武装を大幅アップデートしたため、カズイさんはなんだかんだで感謝していたけど。

……ここだけの話、メーティスのとある御令嬢と親密だとか聞いたけど、まさかとは思いたい……

 

めぐみんさんの話はここまでにして、彼との出会いを思い返す。

頭をぶつけてしまった時、謝罪と感謝でどっちを言おうか悩んでしまったけど、どのみち兄さんならあまり気にしなかったかもしれない。

あのまま漂流していたら……そう思うと今でも体が震える。

当時と違い、知識と常識を識る今だからこそ思うが、あのまま流されていたら飢え死にしていた可能性がとても高い。

例えコロニーなどに漂着してもマトモに生活することなんてできないだろう。

明らかに軍用の脱出ポッドに乗っている少女なんて、厄ネタでしかない。

多分、私でもそうしてしまうのではないか。

だから、本当に運が良かったのだ。

兄さんと出会えたことは。

そしてあの時から恋心を抱いていたのかもしれない。

兄さんは「一目惚れなんて都合のいい理由だよ、作者にとってね。だから、君はちゃんと理由を持ってお付き合いしなさい。あ、でも付き合うなら付き合うでその人紹介してな?」と言っていた。

やけに怖い顔だったけど、その話を聞いていた周囲のクルー達も殺気立っていたなぁ。

まあ、私は兄さん一筋なのだが。

身近で歳の近い異性が彼しか居なかったのもあるだろうが、少なくとも私は文句や愚痴を言いつつ、私を助けて甘やかしてくれた兄さんが好きだ。

だから、兄さんを支えたいし、兄さんの子を産みたいかと聞かれればYESと答えるだろう。

ちなみにミネバ様は兄さんの自慢話をすると苦笑するのだが、「私にも兄がいたらそんなふうにしてくれたんでしょうか」と肉親のいない彼女は想像する。

きっとそうですよ、と答えると少し寂しそうな顔で感謝してくるが、私は何もできていない。

ロマンチストな考えなのは解っているが、彼女にも愛する人がいればあのような悲しい顔をすることなどないかもしれないと、そう思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーシャアの反乱から数ヶ月

 

 

 

 

 

 

シャアの反乱は終わったはずなのに、兄さんが帰ってこない。

でも、きっと生きていると私は信じている。

なぜだか解らないけどそう確信している。

夢で観た、あの虹の光の先に彼はいない……筈だ。

反乱から、シャア総帥の不在によって新生ネオ・ジオンはバラバラになり、別れた残党は連邦に討滅されるか、仮初めの平穏に戻るか、地球にいるジオン残党のように各地で潜伏するかになった。

 

ただ、最近になってとある残党一派の噂が民間、連邦軍内問わずに広がる。

モビルスーツのカラーリングを赤をベースにした一団、【赤備え】と呼ばれる日本のとある武将の率いる軍隊の名前を冠したネオ・ジオン残党。

だが、誰もその存在を事実だと確認できる証拠はなかった。

だが、【赤】という、シャア・アズナブルを想起する色は連邦軍内、特に宇宙で治安維持する部隊に恐怖を確かに植え付けていた。

 

 

 

ガランシェールは今のところ、どこに付くこともなくただ民間企業としての活動をしていた。

サイコミュ持ちのギラ・ドーガ……この際、プロト・ヤクトとでも名付けようか。

プロト・ヤクトはガランシェールの格納庫に置いておくと目立つのでしばらく封印され、私はめぐみんさんがどこからか用意してくれたバーザムで輸送作業と警護をしている。

ジンネマン……いや、父さんはやらなくても良いと言ってくれたが私だけ何もしないというのは凄く落ち着かないので、初めて父さんにお願いをした。

あのときは父さんは立ったまま気絶……というか心肺停止していたから、本当に大変だったが。

まあ、そんなことがありつつ、私は社員として働いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、あの日。

私は己の宿命じみた何かが動いたような気がした。

 

 

 

 




ギュネイの自棄っぱちは肉体年齢に引き寄せられたのもありますが、彼の前世の影響もあります。
なのであんなことをしでかしましたギュネイ君には次回、お仕置きが待ってるゾ(・∀・)ニヤニヤ

次回予告すると、多分原作UCは崩壊してるかもしれない。

感想よろしくお願いします!


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第二章 結成!赤備えと目覚めたユニコーン
祝福は呪いに、呪いは力に


感想、誤字報告ありがとナス!
ここからはUC編!バナージ達の運命は!?
そしてギュネイは何をなすのか!いや、まずどこにいるんだ、ギュネイ……

多分色々衝撃走る展開になると思います、この回。





 

シャアの反乱から3年の月日が流れた。

世界はあの奇跡を現象とでしか理解しようとせず、しかしあの場にいた者達には人の光を、人類の可能性を示してくれた。

だが、奇跡の光を見て尚、自らの理想を諦めきれない者達は未だ宇宙と地球で愚かな戦いを続けていた。

 

ところ変わってインダストリアル7。

そこには一人の青年が、顔も知らない父の紹介でAE社の技術士育成学校で平和を堪能していた。

これが普通の、この世界の当たり前であるべき日常である。

そして、それとは別にインダストリアル7の裏ではとある取引が行われようとしていた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ママ!あれ食べてみたい!食べたい!」

 

「わかったわかった、今買ってあげるから待ってくれ」

 

母親によく似た顔立ちの幼女と、その母親はインダストリアル7の隠れた名店とも言われるソフトクリーム屋で共に食べ周りを楽しんでいた。

それに付き添う一人の少女もまた、それを楽しげに見ていた。

 

「ミn……ゴホン、オードリー様もお一つ如何ですか?」

 

「いえ、自分の分は自分で買います。気持ちは感謝します。ありがとう、マリーダ」

 

三人のそれぞれの会話から解るとおり、母親はマリーダ・クルスであり、もう一人の少女は…まあ、お察しの通りだろう。

 

「アカリ、あまり走り回るなよ」

 

ソフトクリーム屋の前でソフトクリームを待つのに落ち着けないのか、走り回る娘にマリーダは注意をする。

 

「ママ、私ってそんなに、落ち着きがない?」

 

「ああ、昔の私にソックリな程に走り回ってるよ」

 

「むー…」

 

そんな可愛らしい光景だが、マリーダの内心はこれから起きるだろう出来事に少し憂鬱になる。

 

「また、争いをするのか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー宇宙ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インダストリアル7の外壁近くには、深い緑に塗装されたハンブラビと紫に塗られたギラ・ズールが周囲を警戒していた。

元々少し前からロンド・ベルにつけられている為、出力を絞って潜伏していたが、哨戒しているロンド・ベルのリゼルにハンブラビのパイロット、カズイは冷や汗を流す。

 

「なあ、レズンさん。これいつまで持ちますかね…?」

 

無闇に通信をするわけにはいかないので、これは独り言なのだが、合図である信号弾が放たれるまでこうして待ち続けるのはとてもキツイというのがカズイの本音である。

精神安定剤とでも言うように懐から取り出した写真を見て、ささくれ立つ精神を抑え込む。

 

「……家族の為にも、死んでたまるか。意地でも生きてやるからな」

 

その写真には色々ありつつ、嫁達とまだ新しい命たちが写っていた。

 

「ゼランさんの爆破作戦、使うことにならなきゃ良いが……」

 

そんな独白は、フラグであることを後に思い出すカズイであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、インダストリアル7の最奥部で、連邦にも、ましてやテロリストである袖付きにも話せない交渉……というよりは譲渡だろうか。

【ラプラスの箱】という地球連邦政府を転覆させるという、中身が謎の箱が。

 

「正直、こんな早くに渡してくれるとは思わなかったが…良いのか?」

 

「袖付きにはいまいち信用を持てないのでな。ならば同じジオンとはいえ、恩のある赤備えに渡しても私の父は許してくれよう」

 

「袖付きには何と言うつもりだ?」

 

「どうとでも言おう。まあ、ギラ・ズールをいくつかあちらに送らなければならなくなるが」

 

この場にいるのはカーディアス・ビストとジンネマン、そして異様に目立つ黒塗りのフルフェイスヘルメットを被った男。

ゴーグル状に視界を通しているが、どうも見えにくそうであるデザインだ。

そして変声機能を付けられているのか、元の声がわからないくらいに低い。

 

「私個人としては、君達が世界を変え、ラプラスの箱を正しく使うとは思っているよ。だが、父は試練を与えたいようだがね。私としても簡単に折れるとは思わないが、試したくなってな」

 

「意地の悪い爺さんだな。では、ユニコーンは我々が受けとr…」

 

謎の男が言葉を紡ぎ出している途中で、衝撃がコロニーに走る。

 

「ムッ……!」

 

「……こちらの不手際だな。ジンネマン、急いで出港の準備だ。カーディアス、貴方は早く避難を」

 

「ああ。君達が、赤備えが世界をより良い方向に導いてくれるのを期待している」

 

「俺は遠回りにユニコーンを取りに行く。俺のことは安心してくれ」

 

男達はそれぞれに別れて、通路を走り始める。

だが、変わり始めた運命は、それでも尚本来の運命に惹かれるように歯車は動き始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り、宇宙。

カズイとレズンは襲い来るリゼルをビームマシンガンとサーベルで、四肢をもいで戦闘不能にする。

 

「あークソ!フェダーインライフルじゃねぇから慣れねぇ!」

 

「我が儘言うんじゃないよ!マリーダ達が戻るまで持たせるんだよ!」

 

バルカンを撃って少しでも抵抗しようとするジェガンを、レズンはビームマシンガンに装備されているグレネードで頭部を吹き飛ばす。

だが、後ろからビームサーベルがレズンのギラ・ズールを斬り裂こうとする。

 

「チッ!」

 

被弾は逃れられないか、そう割り切り肉を切らせて骨を断つ覚悟で受けようとする。

 

「行け!ファンネルたち!」

 

突如として四方八方から放たれたビームがギラ・ズールに斬り掛かっていたジェガンをダルマにして、戦闘能力を無くす。

 

「マリーダか!」

 

「お待たせしました、レズンさん。ですが、中にミネバ様がいるので、出入り口の守備は任せます」

 

「了解した!」

 

展開されたファンネルが四枚の羽に戻り、黄緑に彩られたその機体はインダストリアル7にへと戻る。

 

「ったく、強化人間様々かね?」

 

レズンは強化人間に対して、戦力として当てにしてはいない。

それは強化人間特有の不安定さによる、妥当な判断だがマリーダやギュネイと関わる内に、彼らに対しては信頼を置くようになった。

そんな彼女が、袖付きのあの男に嫌な感情を持つのはなんら不思議ではないのかもしれない。

まあ、理由は気に食わないと、理由と言えるか微妙なものであるが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バナージ・リンクスは迷ったらしい少女を友人のタクヤ達と共に、戦闘が始まったインダストリアル7内で避難していた。

ただ、いつものように学校に通って、友人達とご飯を食べて、遊んだりして……そんな日常が崩れ去った。

あのデカい四枚羽と、戦車に変形…いや人型にか?まあ、バナージにとってはどっちでも良くて、ただ目の前で消えた知り合いたちにショックを隠せないのは事実なのだ。

そして、あんなことこんなことがあったが、アナハイム・エレクトロニクス社の一般人は入れない区画に、バナージは入り込んでしまった。

タクヤ達とは離れてしまい、そして見知らぬ男達に銃を突きつけられ、挙句の果てに白亜の巨人が目の前にバナージは状況の移り変わりの速さに混乱していた。

 

「なんなんだ……なんなんだよ、クソォ!」

 

火の手があちこちから上がり、もう安全なところがない。

バナージは目の前にあるユニコーンのように一本角のモビルスーツのコクピットハッチに入り込む。

だが、そこには既に先客がいた。

カーディアス・ビスト、ビスト財団のトップであり、箱の持ち主であり、バナージの父であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガランシェールのブリッジ。

そこには、大昔の武士が着けていた黒き髪を持つ兜のような物を被る男がいた。

顔は面頬……に似せたフルフェイスマスクで覆われて、やはりというか指示を出す声は変声されていて元の声は判別できない。

服装も銃撃戦を想定してか、赤と黒で混じったボディアーマーを身に着けており、見た目は本当に武者のような立ち住まいである。

 

「ジンネマン達が乗るまでギリギリまで持たせろ。こっちは輸送船なんだ、ユニコーンは後で拾えばいい」

 

「了解」

 

ミネバ様はどうするのか、という質問は操舵を務めるギルボアはしない。

彼は彼女がどうなるか、既に予見しているようで何故か彼の言葉に納得してしまう力が、あの声にある。

NTでもあるらしい彼が言うのなら、きっとミネバも無事だろうと彼を信じることにした。

彼の予見した事は殆ど外さないからだ。誤差はあるとはいえ、未来予知をしているかのごとく当たるのだ。

本当に限られた人しか知らない彼の正体、ギルボアは気になるが一兵卒である彼には質問権はない。

そして、その秘密は絶対に守るべきという暗黙の了解もあった。

まあ、それでも何も言及がないのは不安なのだが。

 

「……箱の鍵に、腐った連邦政府…やはり革命は必須である…これ以上、命を散らさぬ為にも」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、一角獣は目覚め、主を乗せて運命を突き進む。

ガンダムの名と共に。

 

 

 

 




UC編のキャラ紹介的な例のアレ。

アカリ<元気一杯、今年で3歳児の女の子。原作小説の堕胎された子供が元ネタ。親譲りの整った将来有望の幼女だが、漆黒に彩られた透き通った黒髪が意味深。()
NTの感性のおかげなのか、既にある程度の日常会話ができる。でもまだお子様なのでよく泣くし笑うし好奇心旺盛。

マリーダ<3年前にアカリ・クルスを出産。未成年だったが、どのみち戸籍には登録されてないのでぶっちゃけ法律には引っ掛からない……?まあ本人はとても幸せ絶頂なので死にフラグからどんどん遠ざかる。やったね皆!

ジンネマン<突然の孫娘に当初は荒れたり困惑したが、今ではアカリをめっちゃ甘やかしてるお爺ちゃん。マリーダにも未だ甘い。

黒尽くめの男<某なんちゃってシス卿なマスク付けてる怪しい人。黒尽くめで、目立つがガランシェールクルーには割と正体を知られている。尚、ユニコーンを目の前でNTRた()

レズン<無事に生き残って赤備えに合流。つまりギュネイがいるという事だが……??

カズイ<めでたく結婚して子供も出来たけどハーレムしてて割と妬まれる。だが嫁達が癖強すぎて、それを知る人々はいつも苦笑気味。

バナージ<迷子の女の子見つけたけど、無自覚に惚れてる。でも原作の運命からは逃れられない。

ミネバ<オードリー・バーンに名前変えてるけど、雰囲気が高貴で誤魔化しきれてない。アカリをよく甘えさせてるが、時に厳しいので実母のマリーダ以上アカリに恐れられている節がある。
ちょっとバナージへの好感度が上がってる。ワンサマーならこれから好感度落ちてた()

赤い武者<ガランシェールの皆も知らない、正体を知るものが限りなく少ない謎の男。どうやら赤備えのリーダーらしい。


感想くれると活力になりナス!



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一角獣と侍と明日の全裸

感想本当にありがとナス!
誤字報告もありがとナス!
感謝の極み……!
尚、タイトルの最後の部分は意味はあったりなかったりする。

尚、戦闘は原作通りだと大体スキップなので期待してた人には大変申し訳無い……無駄は省きたがる怠け者の作者に石を投げて許してください。

ちなみに赤備えに関して説明すると、都市伝説的な存在として語られてるので軍と政府の上層部は割と信じてない。
兵士の間にも信じてたり、信じてなかったりとまちまち。



 

 

ユニコーンの日。

白亜の巨人は、正史の通りに動いた。

そして、ロンド・ベルに収容されたがミネバ姫もあちらにいることが赤備えの追尾が始まるのは当然だった。

そして、赤備えの追撃を避けるために暗礁宙域に航路を取るのは常套手段である。

ロンド・ベル所属、ネェル・アーガマに確保されたユニコーンは父の死と、事情聴取に頭が混乱するバナージを置いてけぼりにして時間は進む。

 

ラプラスの箱と呼ばれる存在。

それの鍵がユニコーンだとアルベルト・ビストは語る。

そしてダグザ・マックールは、避難してきた民間人の中にジオンの姫君がいる事実に衝撃を受けつつ、袖付きへの切り札になると踏む。

だが、既に戦いの気配は近い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガランシェールから現れた四つの影。

マリーダのクシャトリヤ、レズンのギラ・ズール、カズイのハンブラビ、そして赤く染められたリ・ガズィ・カスタムに乗る黒尽くめの男。

ネェル・アーガマ側はモビルスーツ隊を出撃させるが、艦長であるオットー・ミタスは中々にグダる。

それに周囲は場違いに苦笑しつつ、出撃シークエンスをこなし、迎撃行動を開始する。

 

「ネェル・アーガマ……ブライトがかつて宇宙で乗っていた艦か……」

 

ネェル・アーガマの白き巨体に哀愁を感じさせる言葉を呟きつつ、リ・ガズィのビームマシンガンで的確に対空砲を破壊していく。

 

「モビルスーツはアタシ達でやるよ!なるべく殺すんじゃないよ!」

 

「わかってる!サムライ殿のご命令だからな!」

 

「援護は任せてください、レズンさん」

 

ギラ・ズールとハンブラビは前衛、クシャトリヤは後衛と役を分けてモビルスーツ隊を相手する。

 

「そこだ!ファンネル達!」

 

「リゼルにジェガン!贅沢な機体なこって……!」

 

ファンネルが先に飛び出したジェガンの頭部を破壊し、ハンブラビがメグ作の【ビームネイル】で右腕を破壊し、フェダーインライフルで左腕を溶断する。

 

「なっ!?一瞬で……!?」

 

「クソッ!下がれ!コイツは俺がッ!?」

 

前に出て逃げる時間を稼ごうとする隊長機のリゼル。

だが、ギラ・ズールが放つビームマシンガンに意識を持っていかざるをえない。

 

「アタシを無視しようなんて百年早い!」

 

「ッ!!手練れかッ!」

 

マシンガンでライフルを破壊されたリゼルは、投棄してビームサーベルを抜刀。

ギラ・ズールに近接戦を仕掛ける。

だが、最初から突っ込んでしまい、それのカバーに入った隊長機とジェガンは既に陣形を形成しているレズン達に敵うはずがなく、各個撃破される。

そして隊長機はファンネルによって四肢をもがれ、頭部もビームで焼かれて沈黙した。

 

「隊長!?ぬわっ!?」

 

「隊長がやられた!?それに曹長も…!?」

 

リディの駆るリゼルと同じく、カタパルトの上を進むジェガンはリ・ガズィ・カスタムのビームキャノンで両腕を失い、AMBAC制御が効かずに射出され、斜め上に飛んでいき頭部を派手にデブリに衝突して砕かれる。

他のリゼルもまた四肢を破壊されて動けない機体だけである。

 

「な、なんて強さなんだ……!?」

 

これにより、新兵同然のリディは戦意を消失。

武器を投棄して降伏する。

あまりにも強すぎた。故に、リディの戦意は呆気なく折れてしまった。

特にあのリ・ガズィ、どうやって手に入れたのか分からないがパイロットが化け物染みている。

弾幕の中を飛びながら砲台だけを潰すなど、本当に赤い彗星ではないか……そうリディは放心の中、かの赤い機体にそう感嘆と、憧憬を抱いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あっという間に味方のモビルスーツが全滅し、己の死の気配を濃密に感じるブリッジ。

ちなみにアルベルトは失禁している。

だが、そんな彼でもリ・ガズィ・カスタムのカラーリングにまさかとは思いつつ、口が勝手に動き出す。

 

「まさか……まさか赤備えなのか!?」

 

「赤備え……!?どういうことだ!?赤備えなんぞ、都市伝説だろう!?」

 

悲鳴に近い声でオットーはアルベルトに問い詰める。

 

「私も詳しくは知らん!だが、カーディアス・ビストが赤備えに恩があるなんていう与太話があったが……事実だったのか…!?」

 

「なぁにぃ!?」

 

正直、これを聞いた者達にとって頭が痛い事実だ。

つまり、箱の鍵はあの都市伝説の赤備えが譲渡されようとした所を連邦が横から横取りしたようなものだ。

そりゃ追撃してくるわ、と思うし戦力がいまいちハッキリしないせいもあって赤備えの脅威度は全くと言っていいほど不明だ。

噂の一部には倍返しの精神がある、なんていう噂もある。

もうおしまいか、そう諦めたときブリッジに入ってきたダグザが一人の少女を連れてきた。

 

「おい!ここに民間人は立ち入りk」

 

「彼女は民間人等ではない。彼等にとって、一番大切な存在だからな」

 

「な、なんだと?」

 

オットーはもう考えることを放棄したかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フウ……久しぶりにコイツに乗ったが、やはりライフルで充分かな…」

 

ここ最近はご無沙汰なモビルスーツ戦で戦闘の勘を取り戻していた黒尽くめの男は、回線をオープンにしてネェル・アーガマに交渉を始める。

 

「ネェル・アーガマの諸君、君達と交渉をしたい。私の名前はペイシュヴァル、仮面は訳あって外せないのは承諾していただきたい」

 

「……それで、交渉とは?」

 

「テロリストとは交渉できない、とは言わないのだな」

 

「今のところ、テロらしいテロを全くしていないからな。それに、追いかけてきたのは箱の鍵だけではあるまい?」

 

そうして出てきたのがオードリー・バーン。否、ミネバ・ザビである。

 

「すみません、ペイシュヴァル。私のミスです」

 

「いや……私たちもコロニーの近くで戦闘を仕掛けるとは想定しなかった。貴女が謝ることはありません」

 

己のミスに謝罪するミネバだが、ペイシュヴァルはそれを止める。

そのままだと謝り返しになりそうなのを予想してダグザは不躾に話の続きを聞く。

 

「それで、君達は何を求める?」

 

「箱の鍵……ユニコーンとミネバ姫の返還を要求する。その対価として、その艦と乗組員の命は保証しよう。グラナダ方面まで送り届けるも良し、此方を追っかけ回さないというのならそのまま行くがいい」

 

「それは少々、そちらに得があり過ぎではないか?」

 

ここでオットーが余計な口出しをする。

それを副長のレイアムとダグザが鋭い視線でオットーをビビらせて口を閉ざさせるが、ペイシュヴァルは気にせず答える。

 

「そちらは命と一緒に赤備えの存在が事実で、攻撃されたという情報を持っていける。そうなれば、エコーズの諸君らも本格的に赤備えの捜査に走れるだろうからな」

 

「………交渉成立だ。ああ、エスコートはいらない」

 

「了承した」

 

「艦長なのに……」

 

最後、ボソリと愚痴るオットーの台詞を最後に通信は終わる。

それに仮面の下で苦笑するペイシュヴァルだが、しかしネェル・アーガマのハッチから現れたのはユニコーンであった。

 

「ッ!!」

 

直勘が今すぐそこから放れろと告げる。

ペダルを踏んでバックすれば、カタパルトを強制解除したユニコーンがカタログスペックで見たビームマグナムがこちらに向けて放たれた。

 

「何!?いや、この感触…!」

 

ニュータイプの能力がユニコーンから発せられる光に、エコーズの人間の裏切りではないと理解する。

 

「こんな純粋な想い……それを逆手に取ったのか!アルベルト・ビスト…!」

 

ブリッジから感じる新しい気配。

歪んでいるような、真っ直ぐなような、よくわからない気配だがしかし抱いている物は闇に染まっていた。

赤武者……紅蓮がインダストリアル7に潜入させていたスパイからの情報で、アルベルト・ビストがインダストリアル7にいたことは知っていた。

その血縁関係も、カーディアスとの関係を持つ際に調べている。

そして、己の目で見たユニコーンの光景。

あれに乗った少年の姿は、確かにあの写真で見ていた。

 

「バナージ・リンクス……乗っているのは君か…!」

 

「オードリーの力になりたいんだ…!オードリーの為なら、何だってする…!」

 

ペイシュヴァルは変形して、高速移動してマグナムの照準を合わさせない。

 

「クッ…!」

 

「筋は良い。だがやはり、若い!」

 

デブリに隠れてからユニコーンに突撃し、ビームキャノンで回避を誘導する。

だが、ユニコーンはシールドを構えて受け止めようとするではないか。

 

「まずい!?」

 

流石にこれはやり過ぎたか、そう思った瞬間、盾に着弾する前にビームは弾けた。

 

「まさかIフィールドを盾に仕込んでいるのか…!」

 

ユニコーンのカタログスペックは軽くしか見ていないペイシュヴァルには、発想はあっても然う然う実装するような物ではないと考えていた。

だが、目の前でそうされたことでペイシュヴァルの認識は変わる。

 

「これは少々、手加減は出来ないかな…?」

 

ペイシュヴァルはどう戦うか、悩むのだった。

 

 

 

 

 




(困ったときの)例のアレ

アルベルト<一応原作で霊体のマリーダを認識できていたので彼も未覚醒ながらニュータイプということで、ペイシュヴァルが彼の感情とか諸々を少し感じ取りました。

ダグザ<何やってんだミカァァァー!?

オットー<ワシ、艦長なのに…(⁠´⁠;⁠ω⁠;⁠`⁠)

バナージ<赤い彗星だとしても戦うしかないじゃない!

リディ<え?もう出番おしまい?嘘だと言ってよ、ミネバァァァァ!

感想、フル・フロンタルで待機しております。()




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処女厨と情けない奴


水星の魔女、観てると狂気度上がってる気がするのは何故だろう。(小並感)

初っ端から戦闘……まあ、前回の続きですね。頑張って四千文字近くまで書いちゃった☆
後半はバナージとの会話。原作より穏やかですよ、シュルク!
ちなみに作者も処女厨だったりする(大嘘)
だが作者は情けない奴ではない!(大嘘)




 

ビームマグナムというユニコーンの兵装をご存知の方はわざわざ説明する必要はないだろう。

だが、知らない人の為にも一応説明しよう。

ビームマグナムとはユニコーン用のビームライフルで、普通のライフルならそこそこの数を撃てるEパックを丸々一つ分消費して放つ武器である。

その為、威力は半端ではない物で、直撃を受けなくてもかするだけで爆散という視聴者に驚きとインパクトを与えた。

ちなみに豆知識だが、ビームマグナムはZZガンダムのダブルビームライフルよりは低威力だったりする。

まあ、3か所にジェネレーター突っ込むという頭がおかしくなりそうな構造してこその出力なのだが。

それを簡易的にしたのがビームマグナムともいえるだろう。

 

さて、ベテランでもこの初見殺しな攻撃はペイシュヴァルにとってはただのクソデカ判定の弾丸なだけで、軽く機体を拗らせたりするだけで華麗に回避する。

 

「は、早い!?」

 

「フッ…!」

 

リ・ガズィのキックがコクピットに叩きつけられバナージは衝撃で胃液を吐き出す。

口の中が酸っぱいが、それでもとバナージはマグナムを向けて撃つ。

それでも当たらない。

そしてそれを見てられないとでもいうかのように、NT-Dが起動する。

 

「フルサイコフレーム機……NT-D……やはり危険な機体だな」

 

その異様を見ていたペイシュヴァルは、改めてそう感想を呟く。

ユニコーンから発せられる光と威圧感、だがペイシュヴァルはまだ余裕そうである。

 

「こちらは複数人、質のある数では……ッ!!」

 

だが、その余裕は一瞬で消え去る。

赤い閃光が通り過ぎた後には、サーベルで斬られた痕跡の残る翼部。

 

「早い!だが動きが単調だな!」

 

だが、パイロットが慣れていないことも見抜いたペイシュヴァルは急旋回してまた加速するユニコーンにビームサーベルを抜刀する。

 

「うおおおぉぉぉぉっ!!」

 

「かつての自分を見ているみたいだな…」

 

ビームの鍔迫り合いによって激しい光を発しながら弾ける。

 

「退いてくれよ!でなきゃオードリーが……!」

 

「あの方はミネバ様だ……と言っても君にとってはオードリー・バーンか、少年」

 

「黒い仮面!?」

 

接触通信が開いたのか、映し出されたモニターにはお互いの顔が映された。

バナージは中身が赤くないことに驚き、ペイシュヴァルはバナージの守りたい心と優しさに仮面の下で微笑む。

 

「君の名前は?」

 

「何!?」

 

「君の名前はと聞いた」

 

突然の質問にバナージは動揺して聞き返すが、ペイシュヴァルは気にせず問う。

名前なぞ知っている。だがペイシュヴァルにとっては改めて本人に名乗ってもらいたかった。

ただ、そんな気持ちだけの話である。

 

「バナージ・リンクス…」

 

「そうか……君がカーディアスの子か」

 

「ッ!?父さんを知っているんですか…!?」

 

しかし、バナージは会話の内容に意識を持っていかれて戦闘に集中できなくなった。

彼の心境はきっと複雑なもので、それを抱え込んだままこの場に出てきてしまっている。

それを見越していたペイシュヴァルだが、あんなに憤っていたのに今や落ち着いている。

良くも悪くも民間人だということを、ペイシュヴァルはよく感じた。

 

「ああ、元々そのユニコーンは私が受け持つ物だった。だが、今は君がユニコーンのパイロットだ。こちらとしては君を殺すつもりなど毛頭ないし、巻き込んでしまった我々の落ち度だ」

 

「なんで……なんでこうして話し合えるのに戦うんだ…!」

 

「それが今の連邦政府だという事さ。腐敗しきった政府で懸命に言葉で語りかけても、民衆は既に自分の事で手一杯だ。ならば力で捻じ伏せなければならない」

 

「だからって……だからってオードリーを巻き込むんですか!?」

 

「それを話すにはここは少し場所が悪い。結局姫を取り返せず、戻ってきたのは箱の鍵か……紅蓮、これも予想していたのか?」

 

「紅蓮…?」

 

紅蓮の名の意味が解らないバナージは、首をかしげるが、戦闘不能にしたネェル・アーガマ所属の機体を格納庫にブチ込んできたレズン達が戻って来たので、会話は打ち切られる。

 

「漆黒さん、仕事はキッチリしてきたよ。で、そこの一本角はどうしたんで?」

 

そうレズンが問うと、ペイシュヴァルはただ一言。

 

「箱の鍵は戻って来た」

 

とだけ告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方達は一体何なんです。ラプラスの箱も、オードリーの事も。一体なんなんですか」

 

ガランシェールの艦長室でバナージが最初に告げた言葉はそれだった。

眼の前にいる赤武者としか言いようがない男に物怖じせず、ただ知りたいことを伝える。

それに答えるべく、口を開いたのは赤武者【紅蓮】。

 

「まずは君の父親について、謝りたい。私達のミスで彼を死なせることになってしまった。申し訳ない」

 

出た言葉は期待していたものではなく謝罪。

それにバナージは一瞬、呆気にとられるがすぐに「良いんです、あのことは…」と返す。

 

「そうか……」

 

それを最後にほんの少し沈黙が艦長室に漂う。

二人だけの密室の空間。

見張りもいないのに重要人物らしき男がこうして会話している事に改めてバナージは気付くと、緊張してしまう。

それを察してか紅蓮はチューブ式のアイスティーを彼に手渡す。

 

「そんなに緊張しなくても良い、というのは少し違うか。まあ、それを飲んで少し落ち着きたまえ。粗末な物で申し訳ないが…」

 

「……ありがとうございます」

 

毒がないことを示すためか、彼もアイスティーを口の部分を上にスライドさせることで口に含む。

 

「さて、どこから話そうか……」

 

ある程度飲むと、元に位置にスライドさせて窓を戻してバナージとの会話をし始める。

 

「まず、我々について語ろうか」

 

そう言って彼は懐からあるものを取り出す。

 

「これは…」

 

「我々は赤備え。今の世の中を未来に引き継がせない為に、我々は行動している」

 

「赤備え……あの都市伝説の?」

 

「都市伝説自体は我々がわざと流したものだ。情報を辿ればある程度我々の目的が解るが、まあそれは関係ない話だ」

 

ゴホン、と咳払いして紅蓮は話し始める。

 

「我々赤備えは現政府の解体と新政府樹立、富裕層の宇宙への移民、地球環境の保護を目的としている」

 

「そんな事、全部できるんですか?」

 

赤備えの目的の多さに、バナージは少し呆れるが紅蓮は堂々とそれをできると肯定する。

 

「誰かがやらなければならない。赤い彗星と違って我々は本気でやる」

 

「赤い彗星……?貴方は赤い彗星じゃないんですか?」

 

「……赤い彗星はアクシズの戦いで地上に落ちた。だが、私を赤い彗星と見るか見ないかは君次第だ」

 

「その言い方、狡いですよ」

 

「少なくとも、再来を語る器よりはマシだ」

 

「再来…?」

 

「いや、こちらの話だ。それで、ラプラスの箱についてか」

 

まだ疑問に思うことはあるものの、ラプラスの箱が何なのか聞こうと耳を傾ける。

だが、答えはバナージにとって少々苛立たしい事であった。

 

「ラプラスの箱とは……中身の分からないパンドラの箱だな」

 

「………人をおちょくってるんですか?」

 

「いや、至って常識的に答えたよ。君もラプラスの箱が何かなんてわかるまい?袖付きも我々も中身に関しては君の父と曽祖父、その二人に近い者しか中身を知るものはいない。まあ、連邦政府の官僚の一部は知っているだろうが……」

 

「そんな中身の分からない物で貴方達は争っていたんですか!?」

 

激怒するバナージ。

しかし紅蓮は狼狽えることもなく淡々に告げる。

 

「そうだ。力による世界の改変など、最終手段に過ぎない。言葉で、箱の力で政府を弱体化だけでもさせられるのなら切羽詰まらない限りは手に入れるさ」

 

「ッ……!!」

 

怒りのままに殴ろうかと、バナージは手を上げるがしかしここで彼を殴っても何も解決しないと察してその手を下ろした。

 

「殴りたいなら殴ればいい。君の友人達の事は残念でならないが、だが今の政府が続けば未来に生きる人々を殺し続ける事になる。争いも終わらず、人類は宇宙世紀を闇に葬ることになる。だから、私は死ぬまで戦い続ける」

 

紅蓮の気迫のある語りに、バナージは本気で為そうとしていると直感が告げる。

同時に、この人ならやり遂げるのではないかと、そう思ってしまう。

それを振り払うようにバナージは最後の質問をする。

 

「何故、何故オードリーを巻き込むんです…!」

 

その言葉に紅蓮は何かを言おうとして、一度口籠る。

そしてほんの数秒、間を開けて紅蓮は彼の質問に答える。

 

「……彼女の言葉には力があるのだ。彼女の存在は、我々にとっての錦旗と言ってもいい」

 

「それって…!それって彼女を道具として使うって事じゃないてすか!」

 

「私も、既に過ぎたジオンの栄光などどうでもいいし、ミネバ様には自由に生きてほしい。たが、彼女を今の世の中で放置しては彼女は我々とは違う者達に道具として扱われるだろう」

 

違う者達、というワードにバナージはとある単語を思い出す。

 

「…袖付きですか」

 

「ああ、彼らより先にミネバ様を確保できたのは幸運だった。彼女の存在だけでもジオン再興にしがみつく残党という戦力が付いてくるからな。ソイツらを目に届く場所で首輪を付けれるだけでも儲け物だ」

 

「そんなに…そんなにジオン公国なんて物を復活させようなんて…」

 

「……過去に縛られた者達は幾らでもいる。どのみち、ミネバ様に関しては彼女の意思次第だ。彼女も、君もまだ子供で、将来を考える時期だからな」

 

そう言い、紅蓮は席から立ち上がる。

 

「バナージ君、君は何をしたい?君が言う通り、彼女のために戦うのなら覚悟を決めたまえ。生半可な覚悟では彼女を守るなど夢のまた夢だ。もし、彼女の為に戦うのなら私かペイシュヴァルに話しかけなさい。我々は君へできる限りサポートするよ、ユニコーンの操り手よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガランシェールは袖付きと赤備えの中立拠点、【パラオ】にへ航路を進む。

そして、連邦は反撃の時を待っていた………

 

 

 

 




感想欄での皆の反応が楽しい。(小並感)
これだから創作はやめられない!

それと登録者数、1500人を超えました!ありがとうございます!日間ランキングも十二位……こんなに嬉しいことはない…!
最近、なんでか気持ちが軽い。死にフラグですかね……?(震)
感想良かったらお願いします!


例のアレ

バナージ<やっべ、めちゃくそヤベー事を聞いちまった…どーしよ。

紅蓮<赤武者って格好良くない?(某キラメキ風)

ペイシュヴァル<実はとある言語の言葉だったりする。バナージに対しては好印象。

アカリ<ユニコーンさんカッコいい!乗りたい!

マリーダ<ガンダムが憎いか?いや全く。でも身構えちゃう。

ミネバ<配管工事の男、バナージを待つお姫様。



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パラオという国があるそうですよ、ギュネイ

太平洋の小さな島国の一つだとか。

まずは感想と誤字報告、ありがとナス!
そして1万UA突破!感謝の証にアクシズ押し返さなきゃ…!(錯乱)
日々の執筆の活力にさせてもらってます!本当にありがとう!

さて、パラオの展開は意外なことに…?
久々のほのぼの……が少し入っています。ハイ。



 

パラオは小惑星に居住区を作った資源小惑星だ。

金属の採掘目的でここにドラム式のコロニーを作り、そこで人々は貧しい生活をしつつも平穏に生活していた。

しかし、ここ最近は袖付きと赤備えの対立によって2つに分けられている。

たがそれはあってないようなもので、住民の交流は普通に行われている。

一度はパラオ近郊にて赤備えと袖付きがとある事故で交戦したものの、両者のリーダーが即座に戦闘を中止命令を出して、パラオの中立拠点としてパラオ近郊と内部では一切の戦闘を禁ずる契約の元、現在は袖付きと赤備え、両軍の拠点として利用されている。

まあ、実は赤備えは他にもいくつか拠点を持っているが居住に適する所が少ないため、家族などを移住させるにはここしかないのである。

そもそもパラオが出身の兵士もいるが、それは別の話だ。

さて、袖付きは本来合流する筈だった旧ネオ・ジオン軍の大半が赤備えへと流れたことによって袖付きは常に人材に不足していた。

ジオン共和国からの秘密裏に支援してもらわなければ中々厳しい袖付きであるが、箱の鍵であるユニコーンが運ばれたのという情報に袖付き内はざわついた。

 

「まさか先に交渉した我々袖付きではなく、赤備えに渡すとは……」

 

「カーディアスは赤備えに恩があるという噂を聞く。それが事実だったのだろう。だからといって焦る必要はない、アンジェロ」

 

「しかし大佐、このまま指を咥えたままでいるのですか!?」

 

宮殿のように綺麗かつ豪華な部屋で、フル・フロンタルは直属の部下であるアンジェロ・ザウパーに微笑みを浮かべる。

 

「安心したまえ、既にできることはしている」

 

「流石は大佐……!」

 

ラプラスの箱、それを巡る戦いは混沌に近付いて行く………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パラオに着いたバナージは、ギルボア・サントとマリーダに連れられてサント家にやって来ていた。

まだこれから何をするのか、何をしたいのか悩むバナージだが腹を空かせては考えるだけでも思考が別の方に行ってしまう。

マリーダとギルボアの妻の手作り料理をありがたく味わいつつ、ギルボアの子供達と細々と会話をする。

だが、それをつまらなく思ったのか、同席していたアカリはバナージの好きな物を聞いたり、自分の趣味を話したりと雰囲気を和らげた。

とはいえ、まだ気不味いのは確かでバナージはマリーダとアカリと共に夜の散歩をしていた。

掘り抜いただけの礼拝堂で、ジオンの話や赤備えの話など、バナージにとって知らないことをマリーダは教えた。

ふと、バナージはアカリの事で気になった事を聞いた。

否、聞いてしまったと言うべきか。

 

「そういえば、アカリちゃんはマリーダさんのことをお母さん呼びしてますけど、何か理由があるんですか?」

 

そう言ってしまった後に、バナージは聞くべきことではなかったと自省するが、既にもう遅い。

どんな言葉が来るか、内心震えつつマリーダの返答を待つ。

少し間を置いてマリーダの口から出てきた言葉は、バナージのような民間人からすれば途方もない深い闇を感じさせる物だった。

 

「アカリは私の子供だよ、血の繋がった娘だ」

 

「……その、すみません。聞いてはいけないことを……」

 

「いや、良いんだ。娘の事は私も望んだことだ。元々私はシャアの反乱より前の戦争で生まれたクローン人間で、戦うことしか私にはできなかった。でも、兄さんに出会ってから私は普通の人間として生きていれる」

 

マリーダは微笑んだ。本当に幸せそうにマリーダは語る。

 

「兄さんは私を人間にしてくれた。私は兄さんが好きで、兄さんの子供が欲しかった。私の人間たる証が欲しかった。色々あるけど、私はアカリが生まれてきてくれて本当に幸せだよ」

 

マリーダのその口調には一切の険はなく、バナージは思わず自分もそんな人ができるだろうかと考えてしまったのだった。

 

「ママ〜!そろそろパパが帰ってくるんじゃない?」

 

「そうだな……またいつ会えるか解らないし、帰ろう」

 

アカリは持参する子供用の小さなデジタル腕時計を見て、自身の父親の帰宅を告げる。

バナージはアカリの父親が気になったが、家族団欒の場所に自分がいるのは場違いだと思い、「じゃあ、自分はギルボアさんの家で寝ます」と言おうとしたがマリーダは全く問題ないから来てくれと言うので申し訳ないと思いつつ、彼女の家にアカリに手を引っ張られて向かう。

 

「パパはね、ママより強いんだよ!でも今のお仕事は大変みたいだけどね!」

 

「アカリちゃんのお父さん、凄いんだね」

 

「うん!」

 

心が暖かくなる。

バナージはアカリから放たれる可愛さに、ちょっとロリコンを目覚めさせかけていたが、オードリーを思い出して邪な考えを振り払う。

決してペロペロなどと、親の目の前でするなど言語道断、というか普通にヤベー奴である。

一線を越えず、なんとか性癖の彼方へ行くことを免れたバナージ。

マリーダはそんなことを気付いてないのか、笑顔で少々粗雑でこぢんまりだが綺麗な一軒家にやってきた。

そして、扉の前で待っていたのは容姿は変わっているが我らの主人公、ギュネイ・ガスであった。

 

「君が艦長が言っていたバナージ・リンクス君か。俺はギュネイ・ガス、よろしく」

 

「は、初めまして…」

 

「ハハハ!そう固くなるなって!」

 

ギュネイはここ数年で色々あったのか、顔には目と頬に一筋の斬られたらしい古傷が残り、髪の手入れはパラオでの生活環境のせいか背中まで伸ばしっぱで、かなりボサボサで癖毛が所々できている。

しかし、汗臭さはなくちゃんと体と頭は洗っている事がわかる。

恐らく、古傷はまだ着込んでいるスーツの下にもあるだろうと容易にわかるくらいには、立ち住まいが細身なのにマッチョのような錯覚を覚えさせる。

バナージのギュネイへの印象はそんな感じだったが、何処か言葉にできない違和感を感じる。

若干困惑するバナージを強引に家の中に入れ込み、バナージは客室でインダストリアル7の生活と今の生活に複雜な感情を抱きつつ、ほんの一日くらいの筈なのに睡魔によってゆっくりと眠りにつくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、バナージはアカリの相手をしたり、朝食の手伝いをしたり何故か違和感なく馴染んでいた。

 

「バナージ、洗濯物はそこに置いておいてくれ」

 

「あ、はい!」

 

バナージは洗濯物を入れたり、ギュネイはプレゼントをアカリに渡す。

 

「アカリ、お父さんからプレゼントだ」

 

「あ!チョコレート!ありがとう!パパ!」

 

「兄さん、あまりアカリにチョコレートは渡さないでよ?」

 

「マ、マリーダ、足が、足が痛い…イヅ!?」

 

これが日常的な家族の形、といえばそうなのだろう。

素性や場所を考えなければ、確かにそこは幸せな家庭を現したかのように心が暖かくなる世界だった。

 

「ママにチョコ!」

 

「ありがとう、アカリ」

 

「パパも!」

 

「ありがとナス!」

 

「ナス……?」

 

「気にしてはいけない、バナージ。時折兄さんは変な言葉をを使うんだ」

 

「は、はい…」

 

「バナージお兄ちゃんも!はい!」

 

「ありがとう、アカリちゃん」

 

ギュネイの言葉に引っかかるバナージだったが、マリーダに気にするなと言い、アカリはバナージにも8つあるチョコのパッケージの中から一つバナージに手渡す。

笑顔で渡してくれるアカリに、親二人とバナージは内心で〈天使だ……〉と癒やされるのだった。

 

 

 

 

それはさておき、バナージは紅蓮にお呼ばれされたのでジンネマンとペイシュヴァルの監視の元、パラオの宇宙港施設のとある部屋で彼は紅蓮と昨日ぶりの再会をする。

 

「……バナージ君、君を助けようとロンド・ベルがこちらにやって来ている」

 

「え……!?」

 

バナージに告げられたのはロンド・ベルによるユニコーン奪還作戦であった。

 

「考える時間としては短いかもしれない、だが問おう。君は戦う覚悟はあるか?そして、姫を守る意志はあるか?」

 

「俺は……俺は……」

 

クルス家でも家事を手伝いつつ、考えていた。

自分は何をしたいのか、為すべきことなのだろうかと。

 

「殺し殺されての世界だ。本当ならもっと悩んでから決めてほしかった。だが、時間がない。君の返事次第でここの運命も変わる」

 

「それって…!パラオの人達を人質に迫ってきているようなものじゃないですか…!」

 

「人質にせざるを得ない、というのが今の判断だ。それほど切羽詰まっているし、我々も袖付きも拠点としてパラオを失うのは嫌でね」

 

「クッ………!」

 

早急に決めなければいけない。

そう考えると思考の回転が早くなる。

 

「あの艦には姫様もいるだろう。ユニコーンの操り手として為すべきことを為せ、等とは言わない。だが我々も、ロンド・ベルも、袖付きも、君にとっては不本意だろうが求めている存在だ。君がやりたいと、するべきだと思ったことをすればいい」

 

そう諭す紅蓮に、バナージはやがて覚悟を決めた目で紅蓮を見つめる。

 

「やります…!オードリーを守って、ユニコーンも守る!俺は鍵なんかじゃない、俺は俺なりのやり方で守って見せる!」

 

「…いい目だ、やはりガンダムに選ばれた者は一際何かを持っているというのは事実だな」

 

独り、そう呟くと早速バナージはどう動くのかを説明される。

 

「君はユニコーンに乗ってただネェル・アーガマに戻ればいい。武装も持って行ってもらって構わない」

 

「それだけ……ですか?それに武器まで……」

 

「ああ、一応防衛隊には君のことは伝えておくが全てに伝えきれるとは限らない。もしものための保険だ」

 

まあ情報は捕えたエコーズの人間から聞いたものだがな、と紅蓮はさっきまでの雰囲気を彼なりに消そうとするがあまり受けなかったようだ。

 

「紅蓮、慣れない事はするもんじゃあない」

 

「そうだぞ、大将」

 

「………(´・ω・`)」

 

ジンネマンとペイシュヴァルの総ツッコミに何となくしょんぼりしているらしい紅蓮に、バナージは赤備えが信じられる人達だ、と思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、時は既に奪還作戦という名の救助作戦が始まる時であった。

 

 

 

 

 




例のアレ

ギュネイ<待たせたな!(某蛇風)

紅蓮<時折お茶目な大人。こんな大人になりたい人は多いハズ

ペイシュヴァル<申し訳程度に登場。え…これだけなの?

ジンネマン<流石に夫妻のお宅に堂々と住むほど恥知らずではない。尚、本人はアカリに一度引っ付くとベッタリ。

アカリ<皆にもチョコレート上げるよ!そぉーれ!美味しかった?

マリーダ<幸せそうで何よりです、マリーダさん……それはそれとしてギュネイ、ちょっと話がある。

ギルボア<つい前まではアセべで大活躍だったギルボアさんも息がしてない。この作品でも死なないでくれ……

バナージ<赤備えを信じることにした。後、ミネバの為に覚悟ガンギマリ。これで砂漠でも平気だネ!それはそうとマリーダの過去にビックリ。

ダグザ<まさか既に作戦を看破()されてるとは思ってない。でも歯車には歯車の意地があるのでバナージを助ける素晴らしい大人で軍人。

アルベルト<実は次回以降、運命の出会いをしたりする……かもしれない。

リディ<ミネバをマーセナス家に保護してもらおう!と見切り発車。見切り発車は怖いぞぉ……

オットー<ムカついてエレベーターを破壊してたら部下に見られて自腹で修理費を出すことになった。不幸だ……(某トゲ頭風)尚、シス卿の成り損ないは何故か親近感を抱いたそう。


今年も終わりが近付いてきましたね……怪獣八号がアニメになるし、他にも続編も出たりでヤベーなぁ。
そしてアーマード・コアも新しいの出るっていうし、ガノタだけど手を出してみようかと悩んでおります。バトオペ、エーペックス、ガンエボのローテで既にかなりゲーム時間パンパンなんですけどね()

クリスマス……バーニィ……何か思いつきそう(⁠@⁠_⁠@⁠;⁠)

感想、よろしくお願いします!


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ロリコーン、起動ス!

水星に合わせてる訳じゃないですが内容的にこうするしかなかったの(^^;)

それと何気なしに我が家のガンプラ隊を撮ってみた。
改めて見ると油性ペンでスミ入れしてたワイは我慢できなかったんやなって……


【挿絵表示】


ちなみにペイルライダー君は古本市場で箱を買った。
そしてユニコーン覚醒くんとグフカス君がいたけど無惨な姿になられていたので入れてない。()

後、今回は多分みんなちょっとビックリする機体と急展開が出たりする。
そして要請があったのでちょっと頑張ってR-18書きます。
いつ出るかは私にもわからん。




 

「ハイパーメガ粒子砲、テェェッ!」

 

オットーの命令と共に、ネェル・アーガマのハイパーメガ粒子砲が放たれたのと同時に戦いの火蓋が切り開かれた。

エコーズの【ロト部隊】も既に取り付いて出撃する袖付きのガザDやドライセン等の機体を撃墜していく。

だが、宇宙港ドックから現れたムサカ級や赤く塗られたサラミス改がビーム砲で反撃しつつ姿を現す。

エンドラ級もまた、モビルスーツを吐き出しつつ前に出る。

 

「貰った!」

 

「なにぃ!?」

 

ロトのビームキャノンによって放たれたビームが袖付きのドラッツェに直撃し、撃墜する。

ミサイルも気付いて近付いてきたギラ・ドーガに撃って近寄らせない。

だが、プロト・スタークジェガンの対艦ミサイルが運悪くギラ・ドーガの横に着弾。

爆風だけで機体がバラバラになり、推進剤も誘爆する。

だが、袖付き側も負けじと応戦する。

一方でロンド・ベルのモビルスーツ隊のほとんどが投入されている赤備えは出てくる全ての機体が赤い。とにかく赤いのだ。

 

「み、見掛け倒しだ!突っ込め!」

 

そう言ってジェガンのパイロットはビームライフルを撃ちながらパラオに近付くが、自分の死を感知できずコクピットごと断ち切られて爆散する。

 

「ば、バイアラン……!?」

 

相対したジェガン達のデータ照合で出されたのはバイアラン。

しかし、顔はどことなくガンダムになっている。

 

「リ・ガズィの代わりにバイアランを宛がうのか、紅蓮。確かに高機動だがもう少し手数が欲しいな…」

 

正式名称【バイアラン・イゾルデ】、パイロットはペイシュヴァル。

彼は手数の少なさに少々愚痴をボヤくが、ジェガンやリゼルが放つビームやミサイルをバイアランの機動力と運動性で回避し、サーベルとビームガンで敵機を撃破していく。

そして、同じく赤く染まったガンダムもまた姿を現す。

 

「久々に動くとしようか……」

 

赤くなった【ガンダムトリスタン】はビームライフルを的確に機体の手足を撃ち抜き、あっという間に周囲の鎮圧をする。

それを見計らい、背後からこちらも赤く染められた【ドーベン・ウルフ改】が現れる。

尚、「改」と銘打ってはいるが実のところはただの改修機であり、関節各部とコクピットに予備パーツとして残されていたサザビーのサイコフレームを少量使って運動性と機動性を上げただけである。

 

「紅蓮殿!ユニコーンが出ました!」

 

「了解した」

 

ドーベン・ウルフのパイロットはユニコーン出立の報に、この不毛な争いもすぐに終わると思いつつ、ビームサーベルで斬り掛かってきたリゼルに見向きもせず、腕だけを向けてガトリング砲で蜂の巣にして撃破する。

 

「ノーム隊長ぉぉ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し時は遡る。

バナージはユニコーン専用のパイロットスーツを着て、マリーダと別れを告げる。

 

「ご飯、ありがとうございました、マリーダさん」

 

「良いんだ、君は無事にネェル・アーガマに戻ればいい」

 

「はい!」

 

だが、ここでトラブルが発生してしまった。

しかもバナージがコクピットに乗り込む際にだ。

既に戦闘が始まり、誰も彼もが戦闘に集中している今、バナージの目の前にいるノーマルスーツもなしにいる幼女……アカリに困惑と驚愕で動きを少しの間停止させていた。

ようやく再起動してバナージは怒鳴る。

 

「な、なんでここにいるんだ!?ここは危険だ!」

 

「ユニコーンさんの中に入ってみたかったの……」

 

怒鳴られた事によって涙目になりつつ、子供らしい探究心と好奇心に溜息を吐きつつ、既にアカリを降ろす暇はなく仕方がなくネェル・アーガマに連れて行くことにした。

 

「アカリちゃん、しっかり俺の上に座っててね。これから戦いになる」

 

「うん……」

 

怒鳴られてことで反省したのか声にいつもの元気はない。

だが、それを気にしていられるほどバナージは世話焼きではないし、余裕もない。

片手で彼女の頭を撫でて機嫌を取りつつ、機体をパラオの外に出す。

CG加工でくっきり見えるモニター越しの宇宙に、爆発の光とビームの光が交差していた。

持たされていたビーム・ガトリングガンの武装ロックを解除しつつ、ネェル・アーガマのいる方向へ進む。

だが、袖付きのドライセンが立ち塞がり攻撃してきた。

ビームガトリングの乱れ撃ちをシールドに備えられているIフィールドでガードしつつ、ガトリングガンのロック解除を待つ。

 

「クッ!早く解除してくれ…!」

 

焦るバナージを知ってか知らずか、ドライセンは加速してトライブレードを射出、そしてビーム・アックスを構えて仕留めにかかる。

それを見てバナージはトライブレードをバルカンで迎撃しつつ、ガトリングガンを構える。

後2秒……1秒……この間にトライブレードは3つとも破壊され、ドライセンは覚悟を決めてかかってきた。

 

「今だッ!」

 

横薙ぎに構えたドライセンに、ビームの雨が胴体に叩き込まれる。

火花を散らしながら爆散したドライセンに、バナージは心の中でドライセンに乗っていたパイロットに謝罪の念をしつつ、連邦機との合流を急ぐのだった。

 

 

 

 

 

場所は変わり、トリスタンは隊長機のリゼルとライフルで撃ち合いをしていた。

 

「ほう……やるな」

 

「クソッ!強い…!」

 

リゼルの攻撃はことごとく外れ、逆にトリスタンの攻撃は的確に関節部を狙った攻撃で、そこをノームはシールドで何とか受け切っていた。

そこを何度もサーベルで斬りつけようとしてきた紅蓮だったが、ノームの咄嗟の判断とリゼルの性能に助けられて回避に成功していた。

だが、それももう終わりである。

 

「もらった……!」

 

後腰部に懸架していたシュツルムファウストで、リゼルの下半身が吹き飛ぶ。

トドメにサーベルをコクピットに突き込もうとしたが、ノーム機を救助する為のビームが飛んできたのでその場から離脱する。

新たに紅蓮の前に現れたのは【デルタプラス】。

パイロットであるリディと、サブシートに座るオードリー・バーンことミネバ・ザビはモニター越しとはいえ、複雑な思いで目の前の赤いガンダムに視線を注ぐ。

 

「む……姫様が乗っているか…!」

 

ミネバを殺すわけにはいかない紅蓮は、即座にそこから離れる判断をして、リディは緊張を解く。

まだ戦闘は続いているが、リディに植え付けられた完封された暗礁宙域の出来事は軽くトラウマになっていた。

 

トリスタンが離脱した直後、ユニコーンがデルタプラスと合流し、バナージはリディにミネバを預けることになるがそれはまた別の話だ。

 

 

 

 

 

 

 

戦闘は既に終盤、否ほぼ終わりと言っていいだろう。

元々少ない袖付きのモビルスーツ隊は、一部の兵士の練度の低さもあって被害は大きく、逆に赤備えはベテランが多くいるため撃墜された機体はほとんどなく、少破や中破で済んでいた。

対して連邦は多くのジェガン、リゼルを失っており、ユニコーンを奪還するには多すぎる犠牲を払うことになった。

その主な要因とも言えるのが赤備えの揃える機体の性能である。

一部は、シャアの反乱より以前の恐竜的進化をしたアクシズの機体も多くいるが、ギラ・ズール、ギラ・ドーガを主体に鹵獲やアナハイムや連邦軍内にいるスパイ等から横流ししてもらったジェガンとその兵装もあって、装備はかなり潤沢である。

勿論、ジェガンを使う赤備えの兵士達はほとんどいないが……評価は彼らにとっては憎々しくとも優秀の一言で、使うパイロットは少数だがいる。

まあ、新兵や持ち機体のないパイロットに配備したりと、場違い感は凄いが普通に使われていたりする。

そんな赤備えの裏事情はともかく、ジェガンとジェガンが殺傷出力で撃ち合い、斬りあいをするという演習でも絶対にしない光景であった。

幸か不幸か、赤備えの機体が総じて赤く塗られているので区別は付くがそれでも味方を誤射しかねないほど集中力を必要とする状態であった。

 

「ユニコーンは無事にネェル・アーガマに辿り着いたか」

 

「そのようだな…………紅蓮、仮面を外してても良いのか?」

 

戦闘は終了し、赤いガルスKや袖の付いたギラ・ドーガ等がパラオに帰投する中、トリスタンとイゾルデはその光景を見ながら殿を務める。

流石に仮面を着けっぱなしは息苦しいのか、外す紅蓮。

それにペイシュヴァルは咎めるが紅蓮はこう答えた。

 

「いずれ、私の素顔はバレるさ。次に会う時にはバナージ君にもきっとバレる」

 

武者兜の形を模した仮面を外した黒髪の男は容易に想像する。

 

だって【私】は既にこの世界の本来の未来を識っているのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バナージはネェル・アーガマに舞い戻った。

友人のタクヤとミコットに出迎えられ、そしてアカリがノームのリゼルを整備するメカニックの後ろでキラキラと目を輝かせて(いるように見える)アカリがいた。

 

「なあ、バナージ……」

 

「あの子、バナージの隠し子だったりする……?」

 

「誤解だッ!」

 

タクヤ達にとんでもない誤解が起き、バナージは必死に誤解を解くが、アカリはそんなバナージの苦労を知る由もない。

持参していたポーチに一杯入れた飴を、先程のメカニックに渡して「すごいすごーい!」と褒めてメカニックを照れさせてたり、それを見ていたノームが険しい顔が穏やかな顔になってたりしていたが。

 

 




例のアレ

ドーベン・ウルフ改<撃墜されたドーベン・ウルフの残骸や残ってた予備パーツ等で組み立てられたドーベン・ウルフの改修型。サイコフレームを少し使ってる。コストの問題で一機のみの運用だが、予備パーツを含めれば二機存在する。

ガンダムトリスタン<ブッホ・ジャンクがNT-1を改修したものを密かに横流ししてもらった機体。基本性能は変わらないが、維持費の問題で本体と武装のみだけ送ってもらった。今作では紅蓮の機体。

バイアラン・イゾルデ<バイアランの改修型。手数が足りないと文句言われてしまった子。()多分、今回のみの出演である。

サザビー<赤備えがユニコーン開始前に回収済み。残っていたMAやMSも回収したので、捜査隊は無駄足を踏むことになった。多分。

ユニコーンガンダム<幼女にデレてハッチを開けたイエスロリータノータッチ変態。もしもし、ポリスメン?

マリーダ<アカリがいつの間にか家から抜け出してユニコーンに乗ってたなんて知らなかった少女(18)

赤いジェガン<赤く染められた上にパイロット達から連邦の機体というだけで少し嫌われる可哀想な子。でも彼らにも優秀と言われるんだから胸を張って生きて……

バナージ<ぅゎょぅιょっょぃ

ギュネイ<あれ、アカリがいない……嘘でしょ……

アカリ<飴ちゃん持って無邪気にネェル・アーガマを観光。子供が運用していた艦にまた幼い子供が乗るのは因果か……

全裸<シナンジュに乗って全裸待機してたけど、結局出番なし。

紅蓮<流石にお察しの正体。実は仮面はカツラと地毛が重なってる。

ペイシュヴァル<今作一番の謎仮面。さぁて、君は誰でしょうね……



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小話 クルス夫妻の休日

感想でもっと夫婦の会話を見たいというのがありましたので書いたぜ!

最近足りないギャグとほのぼのにワチャワチャをここで補うのだ!小話なので短めなのはご愛嬌ということで……

なのでとんでも馬鹿騒ぎ(キャラ崩壊)してても良いよって方のみ、お読みください。
時系列的にはユニコーン本編開始より前です。




 

それはパラオにてのある日の事である。

しばらくは休暇ですることもなくなったギュネイとマリーダは、娘のアカリと共に朝から家でダラけていた。

 

「「「ファ〜……」」」

 

仲良くぐだぁっとしている三人はあくびを噛み殺しながら、ギュネイは時計を見る。

 

「まだ8時半か……」

 

本当にすることがない。

アカリはNTの素質があって、結構早くに言葉を学習してるので結構賢い子になった。

まあ、それでも子供がわかる一般的な事ぐらいでまだまだ幼いが。

 

「…ゲーム!そうだ、ゲームしようよ!」

 

「お祖父ちゃん、頑張るぞぉ〜」

 

「うわ!?親父!?」

 

「義父さん……どこから入ってきたんですか」

 

アカリが思いついた言葉を待ってたかのようにジンネマンが居間の部屋に突入してきた。

ギュネイは背伸びしてたので、驚いた拍子でソファから後ろへ転げ落ちた。

マリーダは冷静にジンネマンに侵入方法を問うが、ジンネマンは工作員らしく「ピッキングで入ってきた!」と言い放つ。

 

「親でもそれはアウトです……」

 

と、マリーダは苦笑しつつジンネマンがアカリを甘やかしているのを見つつ、ギュネイはアカリの【ゲーム】という言葉に名案を思いついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、休暇中の我々がお呼ばれになったと」

 

「まあ、ちょうど嫁達がトラブル起こしてて面倒くさかったから良いか」

 

いや、それは駄目だろカズイさん、とギュネイは突っ込むがカズイは気にしない。

今頃、めぐみんやララティーナ(本人はダクネスで呼べと言っているが)達がパラオに迫ってきているだろうが。

 

「ヅ…じゃなくてゼランさんは仕事なかったのか?」

 

「ふ……知っているくせに何を言う」

 

カズイの他にゼラン、フラスト、トムラがやって来ており、結構ムサ苦しい面子になったがアカリは気にせず、むしろ知り合いが沢山来て喜んでいる。

さて、気を取り直してギュネイはあるものを取り出す。

 

「パーティゲームといえばこれだろ!」

 

と言って皆に見せたのは【マリ○パーティー】である。

 

「うわっ、懐かしいなオイ!」

 

「まあ、パーティゲームの王道だな」

 

「フム……信長のゲボエはないのか?」

 

フラスト、トムラ、ゼランの順で感想が出るが最後のはギュネイが頭をチョップして黙らせる。

 

「さぁーて、やっていこう!」

 

「おー!」

 

アカリだけは癒やしである。

 

 

 

 

 

そうして始まったスゴロクゲームはやはりというか、波乱万丈である。

 

「畜生ぉー!あと1マス!1マスなのにぃ!」

 

「へっ、ギュネイ!残念だったな…!」

 

「あ、フラストもあと一歩だな」

 

「ウソダドンドコドーン!?」

 

あと一歩が足りない二人であったり。

 

「縄跳びゲームはクソゲーや、クソゲー!」

 

「ゼラン、絶対に早く回すなよ?フリじゃないからな?」

 

「ゼランじゃない!ヅラだ!」

 

「ヅラさん!優しくしてね?」

 

「……私はロリコンではないゼランではないロリコンではない……」

 

ゼランがアカリの特級回復薬によって少々錯乱したり。

 

「マリーダ……その、当たってる…」

 

「……当ててるの。言わせないで」

 

「クッ、夫相手でも容赦ないッ!」

 

「パパ、スタート地点に戻されちゃったね」

 

妻のキャラに轢かれてスタート地点に戻されるギュネイだったり。

 

「俺のスターが……まあ、アカリなら良いか…」

 

「パパ、なんかお祖父ちゃん死にかけてない?」

 

「戻れ!?戻れ親父ィ!?」

 

「キャプテン!?こんなとこで死なないでくださいよ、キャプテン!?」

 

「義父さん……」

 

アカリにスターを奪われるだけで使命を果たしたかのように燃え尽きるジンネマンだったり。

 

「フフフ……死なばもろとも!」

 

「と、トムラー!?」

 

「ウッソだろぉ!?」

 

「フラストおじさぁーん!?」

 

「そんなバカなぁー!?」

 

トムラが全員のコインをゼロにするマスに止まってしまったり。

 

「あ、ジャスタウェイ」

 

「我が社のジャスタウェイ、好評発売中だ」

 

「ゼラン、いつから会社作ってたんだ!?」

 

「それは機密という奴なのだ」

 

ゼランの会社の商品が出てきたり。尚、本社はモビルスーツ&モビルアーマーのプラモデルも販売している。

 

ワチャワチャと遊んであっという間にお昼を過ぎた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、マリーダ」

 

「ん?」

 

マリーダとギュネイがキッチンで全員分の食事を用意している中、ギュネイは妙に口をニヤけて話しかけてきた。

マリーダは長年の経験でそれが笑顔を噛み砕いた結果、微笑んでいるものの顔だと理解する。

 

「俺、マリーダが俺の嫁で良かったと改めて思う。こうして、まだ平和とは言えないけど、こうして笑い合える所で好きな人と一緒にいられるんだからな」

 

「………私も好きです。兄さん」

 

「ギュネイとは呼んでくれないんだな」

 

「今更呼び方なんてどうでもいいじゃないですか。兄さんは兄さんです。私の兄でもあり、夫でもあるんですから」

 

「…そう言ってもらえて、俺は幸せ者だな、やっぱり」

 

尚、そう良い雰囲気の夫婦を余所に今度は大乱闘をやり始めた大人達と子供一人はギャーギャーと騒々しいのだった。

 

「「ちょっともう少し静かにしようか」」

 

『あっ、ハイ……』

 

 




例のアレ

ギュネイ<ロリコン云々はともかく、とっても幸せ。マリーダの事はちゃんと責任を持って添い遂げる覚悟。でもちょっと警察署行こうか?

マリーダ<愛する夫でも遊びでは手を抜かない妻。誰でも容赦なくブッ飛ばす事から、ゲーム界のケリ姫とか言われてる。(カズイ談)

ゼラン<ネームドモブのくせにいつの間にか会社を設立して赤備えの資金調達する有能。ジャスタウェイは伏線だったりする……かもしれないし、違うかもしれない。読者の想像力が試される。

ミネバ<アカリたちが大乱闘中に何かを察してやって来た。ハブられてたことに一同、土下座をかますことになった。

ペイシュヴァル<実はこの時、運悪く食あたり引き起こしてトイレでダウン中。でも、ユニコーン開始直前にはバリバリ動けるあたり、まだ若い……のか?

ジンネマン<アカリにヒゲをよく引っ張られたり等とイジられるお祖父ちゃん。でも、本人は痛いが満更ではない。愛は盲目と謂うべきだろうか。

フラスト<アカリにはフラストおじさんと呼ばれてちょっと傷ついた男。でも、愛くるしいアカリなら良いかとすぐに立ち直った。

トムラ<どこぞの日本兵のごとく、全員を巻き込んでバンザーイ!死を遂げる。メカニックなのに……

ジャスタウェイ<爆弾でもあり、味噌の出汁にもなる万能人形。そのダサさが地味に宇宙世紀民にウケるというちょっと闇の深そうな人形。市販品は普通にただの人形である。


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箱の鍵は過去を呼び覚ます


幼女で卒業(意味深)するという業の深すぎる夢を見たので初投稿。
最近はペースというか、モチベが落ち着いてきたというか落ちてきた感じの作者です。
でも感想のおかげで浮気しないで済んでいる!
本当に読者様方、ありがとナス!

序盤はほのぼの。
途中からバトルって感じですね。ハイ。

他の作者様達のを見てると、支援絵を貰うって憧れるなぁ……
まあ、Twitterとかなんかやってないし無理な話か。
自分は自分なりに頑張る、うん、ガンバル。

……まあそもそもどうやって貰ってるのか知らないし()



 

ユニコーンに搭載されたラプラスプログラム。

NT-D発動後に、特定の場所であれば次の座標を示す箱への道を導くシステム。

そのプログラムが次に示した座標は宇宙世紀一年にテロによって崩壊したコロニー【ラプラス】を指していた。

連邦はこの際、箱を確保してしまおうとネェル・アーガマを座標の場所まで移動させることを指示した。

ビスト財団の関係者であるアルベルト・ビストは、箱の中身への興味と利権が脅かされている事が混ざった結果、アルベルトはその肥満体の体をみっともなく震わせていたがまあそれはさておき。

 

アカリはとにかく暇であった。

故に、タクヤたちやアルベルト、たわけ艦長に絡むのは致し方ないのである。

彼女は賢くもまだ年相応の子供なのだ。

精神的には他の子供より形作られているが、それでも子供なのである。

なので、大人相手にでも容赦ない言葉をかけるし、愛くるしい姿も見せるし、大人達を感嘆させるような事もする。

 

「オットーおじさん!」

 

「ん?紅茶でも飲みに来たか?」

 

オフのオットーは普通に善人である。

というか彼のバカさに目がいき、カッコつけたりとダサさが目立つが彼は良くも悪くも普通の人間だからだ。

まあ、そんなところが愛される部分なのかもしれないが。

艦長室でティータイムを満喫していたオットーは、入ってきたアカリに少々呆れの表情を見せつつ招き入れる。

実は彼女にもちゃんと余計な場所には入らないようにと忠告されていたのだが、子供心故に好奇心のままネェル・アーガマ内を飛び回るアカリをご覧になれば無意味だったのがご理解頂けるだろう。

監視を付けてもいつの間にか抜け出してオットーの元や格納庫に入り込んで、メカニック達の精神的癒しになったりしている。

流石にダグザもお怒りになったが、副隊長の説得で彼女には一部を除いた自由行動が特別に許されている。

ほぼほぼ彼らの独断だが、成長真っ盛りの子供に一々叱りつけては大人気ないので致し方なくである。

 

「紅茶、飲む!」

 

「そう思ってもう一つ用意しておいたぞ」

 

勿論、ミルクや砂糖は忘れない。

まだ子供舌であるし、そこまでの配慮を忘れたことなどはオットーの記憶にある限りはない。

周囲から見れば疑わしいものではあるが。

 

「美味いか?」

 

「うん!……ケプッ」

 

「ハッハッハッ、ゲップをするようじゃあまだ一人前のレディは先かな?」

 

「む〜」

 

ふくれっ面するアカリに、オットーは孫娘がいたらこうなんだろうかと想像するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アルベルトおじさ〜ん!」

 

「またお前か……」

 

今度はアルベルトの元へやって来たアカリ。

うんざりしたように見えるが、全く嫌な顔をしないのは完全にアカリに絆されているのだろう。

ぶっちゃけてどちらも暇人なのである。

とはいえ、アルベルトにとってはマーサ・ビスト・カーバインの事や仕事の事を一々考えなくてもいい、都合のいい時間を得れるので否定はしているが実のところアカリの相手をするのは嫌ではなく、むしろ求めていた。

勿論、他の人間がいるときはいやいやと相手してるが。

 

 

 

さて、二人が戯れている間にネェル・アーガマはラプラスに航路を向け、遂に近郊までやってきた。

勿論、まだユニコーンを狙う袖付きもまたこの場所にやってきたが。

 

「ビームガトリングにウイルスを流し込む……なるほど…!」

 

フロンタルからネタ明かしされて感嘆するアンジェロは、やはり尊敬を持つに値すると思いつつコクピットのレーダーや視覚で周囲を警戒する。

既にユニコーンはラプラスへ向けて動いているが、袖付きは更に後ろからガランシェールがやって来ているが一番の懸念事項であった。

攻撃能力がモビルスーツに依存しているとはいえ、パイロットの技量は袖付きにいる者達より上である。

特に、強化人間であるギュネイ・ガスが率いた【ホークス隊】は一番強い。

とはいえ、ガランシェールに載せれる数は三機から四機程度。

ならば出てくるのは当然、一騎当千のパイロットだ。

最大望遠でガランシェールから出てきたモビルスーツは、データ照合ではNT-1アレックスと表示されたが、前回の戦闘で本来の姿とは大きく違うのはアンジェロら親衛隊には周知の事実である。

 

「チッ……大佐の偽物風情が……」

 

本当は赤備えの戦力も、こちらのものなのに。

そう考え始めると苛立ちが収まらないアンジェロであった。

 

 

 

 

 

 

 

一方でガランシェールでは。

再び仮面を被った紅蓮がジンネマン達の反対を押し切って、ブースターユニットによる先行をしようとしていた。

 

「大将が前に出てどうするんだ!?」

 

「そうです!ペイシュヴァルに任せれば良いでしょう!?」

 

そう説得するが紅蓮はたった一言。

 

「安心しろ、アカリの居場所を聞き出すだけだ」

 

『お前もか!』

 

割と正体バレしそうな台詞を吐いたが、それよりもコイツもアカリ中毒だったのか、という意外性で何とか誤魔化せていた。

とはいえ、本人にはもう既に隠す気はもうないのだが。

3年近く正体を隠し続け、遂に世界が変わる分岐点が来たのだ。

それを利用できず何が未来を変えるだ、守るだ。

 

「………」

 

「…………行ってくる」

 

とはいえ、紅蓮といえど……いや、ギュネイといえどマリーダを置いていくことに罪悪感を抱かないなんてことはない。

だが、行かなければならない。

解ってくれるとは思わないが、それでももしかしたら顔を合わせるのは最後になってしまうかもしれない故に、ギュネイはただ短く行くことだけを伝えながら目を合わせる。

変な事を言って期待させたり、フラグを建てるような無粋な真似はしない。

もうマリーダの元に帰るのは確定事項なのだから。

通信モニター越しにマリーダの目を見たギュネイは、何も言わずただギュネイを信じている目をしていた。

アカリの捜索もそうだが、一番はこちらのミスでユニコーンにウイルスをまかれたことだ。

厳重に対策を施したり、人員を選抜していたのだが、どうしてもスパイや工作員は入ってくるときは入ってきてしまう。

 

「原作通り、ってか」

 

フルアーマーユニコーンに使われていたブースターユニットにモビルスーツが握れるだけの柄を突貫で引っ付けただけの、やっつけだがまだガランシェールの速度だと辿り着いても戦闘中になるかもしれない。

その間に原作とは違う条件の今、下手するとバナージが死んでしまう可能性がある。

だからこそ、先に向かうのだ。

 

「ガンダムトリスタン、出る!」

 

ブースターが点火され、ギュネイの体に大きなGが体を締め付ける。

マスク越しの戦闘も慣れてきたが、やはりない方が見やすい。

 

「宇宙世紀を黒歴史なんて呼ばせるかよ、クェスみたいに死なせるなんて起こしてたまるかよ……!」

 

仮面を脱いだ男は、識っている悪夢のような未来を回避すべく娘の為にも、戦う覚悟を改めて決意するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして場面はユニコーンにへと戻る。

袖付きのモビルスーツ、【シナンジュ】がユニコーンに近付く中、ダグザはユニコーンのコクピットから出て、トラップを仕掛ける。

〈歯車には歯車の意地がある〉そう言って飛び出したダグザに、バナージは不安を募らせる。

ユニコーンから発せられるかつて、ラプラスで初代連邦政府首相リカルド・マーセナスが死亡する直前までの演説がオープン回線でここにいるあらゆる者たちに届く中、シナンジュはそれに意を介する事なくユニコーンを目指して来た。

 

「来たか…!バナージ!牽制でいい、バルカンを撃て!」

 

ダグザの指示でバナージはバルカンをロックオンせずに乱射する。

 

「ムッ…」

 

勿論、フロンタルは回避するがそれこそが罠で、殺意のないブービートラップによる爆発が起きる。

それにより、フロンタルはコクピットを揺さぶられながらも致命的なダメージは避ける。

着地した所で、ダグザは携行用バズーカをシナンジュの頭部に狙いを付けて引き金を引いた。

モノアイが輝く頭部に爆炎と煙に包まれるが、塗装を剥げさせ、本来の姿であるスタインのツインアイが煌めく。

その瞬間、ダグザは避けようがない己の死を悟る。

エコーズの隊員として生きてきた下積み時代、ベテランとしてジオン残党のマークやそれを利用しようとする輩の暗殺。

部隊の隊長としての記憶。

そして、なんの罪もない子供達を宇宙の塵にしてしまったあの事故。

だが最後に脳裏をよぎったのはユニコーンにいるバナージ。

その走馬灯の間にも、シナンジュはビーム刃を輝かせてダグザの命を消滅させようと振り被る。

 

「バナージッ!!」

 

ダグザの敬礼と共に…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シナンジュが爆発に巻き込まれダグザもまた、煙と炎に巻かれて姿を消したのだった。

 

「ダグザさぁぁぁぁん!?」

 

 

 




例のアレ

ギュネイ<3年近くも隠してきたし、もう良いよね?って感じで仮面を脱いだ男。脱いだ理由は後程解る。

全裸大佐<突然の爆発オチ。でも生きてる。爆発オチなんてサイテー!

バナージ<ダグザさんという、頼れる大人を失くす。そりゃデストロイまっしぐらですわ。

ダグザ<本日の被害者。原作とは違う展開だが……?

マリーダ<何も言わず、ただギュネイを信じる。やだ、この子、良妻過ぎる…!それはさておき、アカリが帰ってきたらキツく叱る予定。

アカリ<暇人同士は惹かれ合うとかなんとか。まあ、アカリ統合計画は本人も知らぬ間に進んでいる……
ちなみに髪型は作者イメージで継星あかりスタイル。

アルベルト<自分の素を出す事ができるアカリちゃんに色んな感情持ちつつ、普段のハードな仕事の合間に癒やされてる。

アンジェロ<流石、ガンダム界のイケメンホモ。目力先輩達もきっと盛り上がったはず()みんなおホモダチ!

ジンネマン<アカリの行方不明にちょっとあの世に逝きかけてたりする。

モノアイの駄戦士<………ちょっと浮気してくるかも。()



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落ちろ!…落ちたな(確信)


まず最初に感想、誤字報告、ありがとナス!
そしてそろそろクリスマス……うむ、クリスマス特別編でも作るか……多分、間に合わないかも。()

前回のあらすじ→ダグザさんが場外にスマッシュ、バナージブチギレて切り札ブッパァー!

では短いですが本編どうぞ!



 

バナージの怒りに応えたユニコーンが、NT-Dを起動する中、ラプラスの残骸に穴を開けた張本人、ギュネイは全身に襲いかかる寒気とプレッシャーという針に刺されている感覚に陥る。

 

「これがNT-Dの威圧ってやつか…!」

 

全身から冷や汗がどっと出てくるが大丈夫だ、天パを相手にするよりは全然マシだ、とギュネイはこれまでの経験で恐怖心を抑え込む。

 

「貴方だけは……貴方だけは許さないッ!!」

 

その怒りは誰に向けられているのか。

だが、現実はギュネイにもフロンタルにもビームマグナムを撃ってくるという事実しかない。

とはいえ、ギュネイには確信があった。

ダグザは生きているはずだ。

だから、彼ならば救難信号を発して救出を待つだろう。

 

「チィッ!」

 

「…………ッ!!」

 

下手に相手するより、フロンタルに押し付けようとするがフロンタルも同じ考えだったらしく、きっと第三者から見ればトリスタンとシナンジュがDNAを描くように交差している擦り付け合いが見れただろう。

しかし、そんな茶番も外から観察していた一同の新たな動きによって、それも終わる。

マグナムの光を確認した直後、ネェル・アーガマはすぐに戦闘態勢に移り、警護していたジェガンとリゼル達もライフルのセーフティを外す。

そして、そこから少し遠い場所にいた袖付き部隊はアンジェロの号令によってネェル・アーガマのモビルスーツ達との戦闘を開始する。

 

「大佐の邪魔はさせないッ!!」

 

「ノーマルカラー!なら袖付きか!」

 

お互いの姿を肉眼でも視認できるほど近付いた袖付きとネェル・アーガマのモビルスーツ部隊は、ビームと弾薬の応酬を始める。

それを脇に、ガランシェールはようやくラプラスにへと到着し、カズイの新型モビルスーツ【デナン・ゾン】の試作機と、マリーダのクシャトリヤがガランシェールから出る。

 

「ギルボアさんはガランシェールの直掩に付いてくれ!俺達は紅蓮を連れ戻す!」

 

「わかった!俺達のリーダーを頼むぞ!」

 

先に出た二機とは違い、後から出てきたギラ・ズールにはギルボア・サントが搭乗しており、臨時パイロットであるがガランシェールの守護をカズイは任せる。

 

「シミュレーターは何度もしてるんだ。守るくらいはできる筈だ」

 

「そんなに固くなんなよ、ギルボア」

 

「久しぶりのモビルスーツ戦闘なんだ、緊張するに決まってるだろ?」

 

「ちげぇねぇな」

 

フラストがギルボアの緊張をほぐす一方、カズイとマリーダはラプラスの残骸の中を潜り抜けてユニコーン、トリスタン、シナンジュの戦闘に割り込む。

 

「紅蓮様!すぐにお戻りください!」

 

「その心配はないぞ、カズイさん」

 

「んぅえ!?ギュ、ギュネイ!?」

 

紅蓮の正体を知らないカズイは、トリスタンのパイロットがギュネイだったことに驚くが、驚愕は後でとでも言うかのようにすぐに切り替える。

 

「マリーダ、カズイさん、バナージ君は怒りで周囲が見えなくなってる。相手は俺がするから二人は時折援護してくれ。なんとか落ち着かさせる……!」

 

「わかった!信じるぞ!」

 

「了解、兄さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

---

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、アカリはNT-Dによる殺意と憎悪の波動のような何かによってアカリは怯えていた。

 

「怖い……怖いよぉ……」

 

戦闘宙域から離れようとしているのは、アルベルトを迎えに来た民間シャトル。

そこにコッソリと忍び込んだアカリだったのたが、NT-Dの発動によって暗い密室にいたという状況もあり、飛び出してアルベルトにしがみついていた。

 

「怖い……?」

 

「ユニコーンさんから、凄く怖い何かを感じるの……怖いよぉ……」

 

涙が止まらなくなり、アルベルトのご自慢のスーツを汚してしまうが、アルベルトはそんなことを気にせず頭を撫でてやる。

黒服を纏うボディガード達はアカリを引き離そうとしたが、アルベルトは止める。

 

「泣いてる小さな子供を放っておけるのか?ん?」

 

「あ……いえ……すみません。職業柄でして」

 

アルベルトから聞くとは思わなかった言葉に、ボディガード達は驚愕と半ば放心しながら下がる。

アルベルトはアカリをあやしながら、短い思い出に浸る。

 

(最初は邪険に扱っていたのに、変わらず怒鳴られても肝っ玉が座っていて、私に変わらず付き纏ってきたアカリ……どうして私なんかに構う。そして、それを良しとする私も何なんだ……この温かい気持ちは何なのだ…カーディアスを、父を殺しておきながら……!)

 

後悔、嫌悪、そして温かい気持ち。

アルベルトの心には、彼の光がアカリによって開かれようとしている中、シャトルは母なる地球にへと降りていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、戦闘は終わりを迎えていた。

 

「邪魔だッ!」

 

「凡俗如きが…!私の邪魔をするなぁ!」

 

アンジェロのギラ・ズールと、カズイのデナン・ゾンが撃ち合い、マリーダはファンネルで袖付きを蹂躙する。

そんな中、バナージが乱射していたマグナムの一発が、袖付きのギラ・ズールの一機にカスる。

 

「なっ…!?」

 

「カスっただけで撃墜だとッ!?」

 

初めて見るユニコーンのビームマグナムの威力に、アンジェロは動きを止めてしまう。

そこを見逃すカズイではなく……

 

「レズンとギュネイにシゴかれたんだ!この程度、勝たなきゃ馬鹿だろぉ!?」

 

「グガァァァ!?」

 

デナン・ゾンの蹴りがコクピットに直撃し、さらにショットランサーに備え付けられているマシンガンがコクピットの周囲に当たる。

爆発と弾丸の貫通によって体をズタズタにされたアンジェロは気絶し、カズイはその場から後退する。

 

「限界点!マリーダ!戻るぞ!」

 

「了解!」

 

大気圏に突入し始めた今、ガランシェール以外に大気圏を突破する能力はなく、シナンジュもユニコーンの追撃を振り切って重力の井戸から離れる。

 

「ッ!ギュネイはどこだッ!?」

 

「兄さん…!どこ!?」

 

ガランシェールの上に降り立つ二機だが、トリスタンの姿がなく、二人は周囲を探すが摩擦熱でレーダーも使えず、視認による確認も視界が真っ赤で悪化している。

だが、そんな中でマリーダは見つけた。

 

「兄さん!」

 

ユニコーンを抱えつつ、ガランシェールにへと戻るガンダムの姿を。

 

 

 

 

 





例のアレ

デナン・ゾン<全長17.1mの試作機。ギラ・ズールとかジェガンとかのデータを赤備えへの協力と引き換えに手に入れたので完全なダウンサイジングはできなかったが、デナン・ゾンのプロトタイプが開発され、赤備えにデータ取りに回された。
ビームシールドは技術不足で実装されず、コーティング処理した実体シールドが装備されている。

ギュネイ<危なかったけど何とか逃げ切れた。この後は地上で残党とOHANASIが待っている。

バナージ<ダグザムッコロされたので怒りのチンパンモード突入。シナンジュ君とトリスタン君を追っかけ回す。

カズイ<実は内心では最新鋭のモビルスーツを貰えて喜んでる。

モノアイの駄戦士<ギュネイが終わったら次はオデロ君を救う事になりそう。

摩擦熱<なんか違うとか聞いたけど、作者の知識不足でとりあえず入れた。間違ってたら申し訳ない……

マリーダ<良かった…良かった…

ダグザ<死んだか、生きてるか、それはバナージ達がまた宇宙に戻るときに判明する……筈。

ペイシュヴァル<パラオでお留守番。パラオのパイロット達を阿鼻叫喚させてる。

レズン<ペイシュヴァルと一緒にパイロット達を阿鼻叫喚させてる。でも、ペイシュヴァルにも阿鼻叫喚させられてるの中間管理職的な所になり、気苦労が絶えなかったりする。


感想、よろしければお願いします!


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小話 アカリのクリスマス

メリークリスマス!
ということでアカリのクリスマス回です。
一日遅れたのは許してくれ……
家の中も外も寒いけど、感想が温かいんじゃぁ……

前回の小話と同じように、ワチャワチャするだけなのでキャラ崩壊とかしてても良いよ!って方のみお読みください。
小話は大体キャラが崩壊する()
そして小話の通り、短め。



 

アカリは賢い子である。

可愛い上に賢く、そして心優しいという天は二物以上の物を与えていた。

ギュネイはそれはそれで誇らしいが、それ故にシャアの様になるのを恐れた。

彼女は図らずともパラオにいれば、嫌でも大人の汚いところも目にしてしまう時もある。

だから、ギュネイはその日が近いのもあって、とある作戦を執行するのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「〜♪」

 

パラオで放送される遥か昔のアニメーションの主題歌を口笛をしながらパラオの商店街を散歩する姿はアカリである。

商店街の人達も、アカリに挨拶してアカリはそれに答える。

まさに現代社会が求めてそうな理想の街であるが、まあそれは置いておいて。

今日はクリスマス、どんなプレゼントを貰えるのか楽しみなアカリは口笛から最終的に歌声になる。

歌い始めた歌が【空を見上げて】なのは、クリスマスへの皮肉か…

とりあえず、ギュネイはギルティである。

 

「お父さん、作曲家とかしてるのかな…?」

 

と、たまたまギュネイの口ずさんでいた歌を教えてもらったアカリは、ギュネイの仕事に作曲家があるのだろうかと考える。

そうしている内に、家に戻ってきたのでアカリは「ただいま〜!」と叫びながら家に駆け込む。

リビングは、既にクリスマス模様。

様々な食事と共に、プラスチック製のツリーの根本にアカリへとプレゼント箱が沢山置かれていた。

 

「お帰り、アカリ」

 

「お祖父ちゃんだぞぉ〜!」

 

「きゃ〜!♪」

 

「キャプテン……」

 

「諦めろ、フラスト」

 

元々は資源衛星であったパラオには、豪華な料理などある筈はないのだがここ3年は赤備えの自腹でクリスマスのような大きな行事には老若男女関係なく、プレゼントやチキン等の料理が配布されていた。

勿論、資金的にまだまだ苦しい赤備えとしては更に苦しめる要因だが、時にはその年を振り返ったり今を楽しむことが必要だという紅蓮の方針もあり、できる限りの範囲で行われている。

勿論、このイベントの根幹にアカリという存在がありのはお察しの通りだろう。

ちなみにサンタクロースという文化はこのパラオでは貧民層というのもあって、いつの間にか廃れていたりする。

 

「アカリ、手を洗ってまずは飯を食べてからな」

 

「うん!わかった、パパ!」

 

手を洗い、椅子に座ってキッチンカウンターで料理をまだか、まだかと待ち望むアカリ。

そうして出されたのは豪華な肉の数々。

ギュネイの自腹で多めに肉を買い漁ったので、また少し懐が寂しいのは内緒である。

 

「美味しい!」

 

食べ始めたアカリ。

そこから発せられた感想は、ギュネイの疲れた心をあっという間に昇天させる。

 

「エフッ、エフッ…」

 

なんだか河の向こう側にプル達が見える……ギュネイは逝きかけたが、マリーダが頭を叩くことで現実に引き戻す。

 

「兄さん、気持ちは解るけどまだ逝くときじゃない」

 

「さ、最近は容赦なくなってきたな、マリーダ…」

 

ちょっと鈍い痛みに頭をかきながら苦笑するギュネイ。

昇天してた間に食べ終えたアカリは、早速プレゼント箱の元へテコテコと歩く。

 

「昔を思い出すなぁ……」

 

「キャプテン、あんまり飲み過ぎないでくださいよ?」

 

かつての妻と娘に涙を流しながら飲み続けるジンネマンと、酒をお猪口に入れるフラスト。

ここ最近はよくみる光景なのだが、それを注意するのは野暮だろう。

 

「わぁ!紅蓮さんみたいな人形だぁ!」

 

最初のプレゼント箱を開けたアカリ。

出てきたのは確かに紅蓮似のガンダムの顔をした人形である。

 

「紅蓮さんからのプレゼントだって」

 

「ハハ…」

 

トムラがプレゼントの主を告げるが、紅蓮の本人たるギュネイがそこにいるので思わず苦笑いするギュネイ。

次にアカリが手に取ったのは包み紙。

包み紙から取り出したのはジオン公国軍の階級バッジである。

 

「バッジだぁ……!」

 

「ワシの古いモノだ。返却を忘れてそのままだったしな」

 

どうやらジンネマンの物らしい。

階級は中尉とあり、アカリはキラキラ光るバッジに目を輝かせる。

 

「お古だし、あんまり良いものじゃないが、これでも良いか…?」

 

プレゼント、というには無骨なものだ。

だが、アカリは笑顔で答える。

 

「大丈夫だよ!ありがとう!大切にする!」

 

といって、散歩する時に身につけるポーチの中にしまい込む。

ジンネマンは、嬉し涙でまたフラストに慰められるが……まあ、そっとしておこう。

他にも、トムラやギルボア、マリーダから小さなスパナ、地球産の江戸切子、とある有名チェーン店のパフェ無料券数枚がアカリにプレゼントされた。

だが、その中でもアカリに微妙な顔をされた物をあげよう。

 

「……ナニコレ?」

 

そう言って持ち上げたのは手乗りサイズの人形ジャスタウェイ。

アカリにはどうやら不評のようだ。

 

「ムッ……ジャスタウェイ人形は良いものだろう?」

 

「うーん……とりあえず貰っておくね……」

 

と言って、リビングのテーブルの上に置かれるのだった。

ちなみにギュネイは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わあ…!」

 

少々大きめの箱から出てきたのは、最近アカリが欲しいと言っていた過去に活躍したモビルスーツのプラモデル【ガンダム】である。

 

「ありがとう!パパ!」

 

「どういたしまして」

 

「何故だ……何故我が社の製品なのにこの差は……!?」

 

勿論、ゼランのセンスのなさが、彼の敗因である。

 




例のアレ

商店街の皆様<皆のアイドル、アカリちゃん親衛隊。手を出そうとひたロリコンは撲殺の上に滅殺されるのでご注意。

ギュネイ<作者からも読者からも罪深き事をしでかした元凶。お前、船降りろ。

アカリ<皆の悪夢の曲を歌いながらクリスマスを待ち望んだ幼女。本人には曲の意味とかは知らんのでシンプルにいい曲だと思っている。そのままでいてくれ……

ゼラン<ジャスタウェイ人形が喜ばれるわけないだろ!いい加減にしろ!プレゼント勝負では勝利の美幼女の微笑みはギュネイに向けられた……

ジンネマン<来年はもっと良いものをと、ネットを漁る日々がしばし続いた模様。

マリーダ<また外に出たら食べようねとアカリと約束。萌え…

サンタクロース<ザクになってでもプレゼントしに行ってやる

感想、よろしくお願いします!


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砂漠のバナージ

感想、ありがとナス!
祖母の飼い猫にマイバッグでまた爪研ぎされたので初投稿。
十八歳という高齢の癖にそれがまた可愛いんだ……度難い…!

ちなみにイデとかいうヤベー奴はいないです。
ムーンガンダムで空白の時間補填されたし、そうでなくとも逆シャアに合わせるとアムロが時期的に矛盾してるし。
イデによる再構築後前提なら既に逆襲のギガンティスでしょうが。
その代わりと言っては何ですが、公式で∀とターンX以上にヤベー奴というか、出来事という感じなのがちゃんといくつかはいるし……

それはさておき、今年最後の投稿です。
よいお年をお暮らしくださいね!




 

 

 

 

 

 

久しぶりの地球に、ギュネイはここが日本ならば、と思う。

ここ3年でガランシェールに乗って降りたこともあったが、故郷たる日本へは一度も行っていない。

アカリにも、いつかはと言ったがまずは為すべきことを、為したいことを為さなければならない。

そのために、俺とバナージとジンネマンで近くのジオン残党軍へコンタクトを取るために徒歩で砂漠を歩き続ける。

こまめに水を飲みつつ、ただ何もない砂の光景に地球連邦の罪深さを感じる。

 

「はぁ……はぁ…!」

 

「バナージ、こまめに水を飲んでいるのか?」

 

「……い、いえ」

 

「砂漠じゃ少しでもこまめに水分を取らなきゃ死ぬぞ。自分で思うより、体から水が出ているからな」

 

俺の後ろを歩くジンネマンが、バナージの様子を察して彼に注意しつつ、俺は周囲を警戒する。

こんな砂漠のど真ん中に連邦の哨戒部隊がいるとは思わないが、それでも用心に越した事はない。

それから更に数時間も彼らは歩き続けた。

何もない砂の世界。

夜になると、暑さはなくなり今度は寒さが砂漠を襲う。

砂嵐を防げるだろう大きい岩のそばでテントを張り、飯盒を炊く。

 

「…………」

 

「……………」

 

無言の時間が過ぎる中、ジンネマンが横になりイビキをかき始める。

 

「気を張らさせすぎたな……」

 

それを皮切りに、バナージも話し始める。

 

「……貴方が、紅蓮だったんですか……」

 

それを何てこともないようにギュネイは「ああ、そうだ」と認める。

 

「何故、仮面なんか被って……マリーダさんやアカリちゃんをだましてたんですか…!?」

 

「マリーダには教えていた。ジンネマンにも、レズンにも。ゼランにもな。素顔を隠してたのは俺が、シャア・アズナブルに選ばれた後継者であったからな…」

 

「赤い彗星の……後継者…!?」

 

「俺も当時はなる気なんてなかったし、驚いたよ。でも、アイツは有無を言わせず俺に押し付けやがったよ。だが同時に、シャアにとってはそれで良かったのかもしれないがな」

 

ギュネイの擁護する言葉に、バナージは訳が解らないと顔に出る。

それを見てギュネイは苦笑しつつ、自分の知るシャアを語る。

 

「シャア・アズナブルという人間はな、他人の仮面を被って大人になるしかなかった子供なんだ。俺には彼の本心なんて解らないし、聞いても答えるわけがないだろう。でも、キャスバル・レム・ダイクンでなく、復讐のためにシャアとなり、そして偽装のためにクワトロになり……大人になりきれない大人だよ」

 

だから、女性を口説いても続かなくて後ろから刺されるような事をされたんだけどな、と苦笑しながら告げると、バナージもまた苦笑いになる。

 

「だから、バナージ。これから君はNTとして覚醒していくだろう。でも、誰かの意志に、死者に飲まれるなよ。一度、飲まれれば……戻れなくなるからな」

 

遠いなにかを睨むような瞳に、バナージはいつの間にか自分が萎縮しているのを自覚する。

自覚と同時に、直感がバナージに告げる。

コイツはソレを経験している、と。

だが、確証のない話だ。

バナージ自身、ニュータイプなのか懐疑的でわからない。

だからこそ、バナージという人間はギュネイに問う。

 

「ギュネイさんは……そうなったことがある、と?」

 

それにギュネイはしばし沈黙して、答えた。

 

「…俺は、オールドタイプ寄りのニュータイプで、アレを言葉にすることができない。だが、これだけは言える。過去を生きた命達の器になる必要なんてないし、それを許してはならない」

 

死者が出しゃばっては死という言葉に意味がなくなる。

死者にも、生者にも。

そこでタイマーがpipipi!と鳴る。

 

「炊けたようだな。こんな暗い話なんて、寒い夜にするもんじゃないな」

 

あ、お椀出してくれ、と飯盒の中身を確認しながらお椀を要請するギュネイにバナージはお椀の入った袋を取り出しながら、ニュータイプとは何かと、答えなどない題に考え込んでしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

食事後、バナージは星空を見ながらギュネイの言っていたことを思い出す。

 

「誰かの意思に飲まれるな、器になるな……か」

 

よくわからない。

でも、きっと今の自分に必要な言葉なんだろうとは思う。

そう感じたバナージは、オードリーの事を想う。

 

「オードリー……君は一体、どこにいるんだ……?」

 

この星空の下、何処かに彼女がいる。

早く君に会いたい、君と面と面を合わせて話し合いたい。

その念が強くなったバナージであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから数日かけて、何とかジオン残党が拠点とするジオン公国軍がかつて建築して放棄していた地下基地に辿り着いた。

岩肌が目立つ峡谷の最中に建てられたこの基地は、元々は連邦によって破壊されたものを赤備えとジオン残党の共同作業によって、再建された基地、名称【ミカワ】だ。

基地、というにはお粗末な物だが地下水脈が海とアクセスできるという魅力はここに基地を再建する理由に足るたろう。

ここには、赤備えと同盟を結んだジオン残党の一派【カークス隊】がいる。

他にも赤備えと協力関係にある一派はいるが、纏めてしまうとそうなるだけなので、他の者達の事はここでは省く。

 

「いつみてもこのペガサス級はすげぇなぁ…」

 

「こんなのが赤備えにあるんですか…?」

 

「正確には残党の物だけどな。でも、同盟を組んでるし、あながち間違いでもないか」

 

地下ドッグに鎮座するペガサス級【ナオマサ】は、その白亜の巨体を、バナージ達に見せつける。

元々は、ティターンズが地上で運用していた物だったらしいが、エゥーゴとの戦闘で不時着。

グリプス戦役の終戦後、ジオン残党と組んだティターンズ残党が壊れた本艦を利用し続けていた物だったが、赤備えと一部のアナハイム社の工作によって政治家達を金で黙らせて飛行可能まで修復し、その後は来るべき時が来るまでミカワにこうして鎮座しているのだ。

 

「お久しぶりです、紅蓮、いやギュネイ」

 

そう言って、現れたのはヨンム・カークス大尉だ。

 

「ようやく、仮面を取ったのか」

 

「ああ、ようやくだよ。防諜は徹底していたが、まだ不安があるからな、もう少し必要だけどな」

 

HAHAHA!と笑い合う二人。

年齢差を感じさせない仲のいい雰囲気だが、実際は十歳近く離れている。

もっと同年代の友人を作って欲しいなぁ……と親心で思ってるのはジンネマンだが、それを顔には出さない。

そして、ギュネイの目を塞ぐ者の影。

 

「だぁーれだ?」

 

「…ロニか、ビックリしたぞ」

 

ロニ・ガーベイ、少女の面影を少し残した女性は親しげにギュネイに抱きつく。

ギュネイは押し付けられる2つの実りに心を無にしつつ、ロニを引き剥がす。

 

「ギュネイさん、酷いですよ!また私に何も言わずに帰っちゃって!」

 

「すまない、ロニ。宇宙で急用ができて……アイタッ!?チョッ、痛い!?」

 

ポカポカとギュネイを叩くロニだが、割と痛いようでギュネイが痛みで叩かれたところを擦りながらロニから離れる。

 

「カークス、あれじゃ婿さん貰えないぞ…」

 

そう愚痴るギュネイだが、カークスはさも当然のように言い放つ。

 

「ロニの呪いを解いてくれたのは感謝する。だが、ロニの心も射止めてしまったお前にはちゃんと責任を取ってもらうからな…」

 

「ヒェッ」

 

「これはお前が始めた物語だ、覚悟はできているだろう?」

 

こんな結果になるとか予想できる訳がないだろう!?、と叫びたいギュネイであるが親バカを発動したカークスはギュネイの頬をつねりあげる。

 

「あいぃいぃ!?」

 

「お前が宇宙に帰ってから今日まで、お前の事を裏切りまいと買い出しに行った街で数人の男に告白されて全部NOを突き出している。その意味が解るか?」

 

何故こうなった、ギュネイは泣きたくなった。

それを見ていたバナージは、割と彼もシャアに似ているのではと思うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

そんな事がありつつ、砂漠からガランシェールを引き上げ、ミカワに収容する事丸二日。

ギュネイは二人の女性に挟まれていた。

 

「兄さんは私のだ!」

 

「ギュネイさんは私の物なの!」

 

「俺は物じゃないんですが……」

 

「「ギュネイ(兄さん)は黙ってて!」」

 

NTは分かりあえても争いをやめることができない縮図が、今ここに完成していたのであった。

 

 

 

「俺は一体何を見せられているんだろう…」

 

彼らを見つめる死んだ瞳を持った少年は、己の存在意義を一時見失ってしまうのであった………

 

 

 

 





例のアレ

ギュネイ<ロニをカークスと同盟時に落としてた。マリーダとロニの修羅場に突入中。

マリーダ<年相応に独占欲はあるので、ロニとはお互いにギュネイへの好意を理解しているが独占欲で修羅場を形成する。そんなマリーダさんも可愛い。

ロニ<ギュネイのヒロイン第三号。自分に巣食う呪いから解放してくれたギュネイに、好意を抱いてそれを恋だと自覚、それからはギュネイに猛烈アタックを仕掛けている。彼女の想いが報われるかはこの後の展開とマリーダ次第。

レズン<実は相棒系ヒロイン第二号だったりする。宇宙で盛大にクシャミして隊員達に笑われるが、鬼が出現した。早く襖に急いで逃げ込むんだよ!妖怪バトルなんてしてられるか!

カークス<ロニが浄化されたので親バカに。でも、底に眠る死に場所を求める心はまだ残ってる。だがロニが気がかりで死ねない、そんな板挟みにちょっと悩んでる。

ジンネマン<ギュネイ……

バナージ<大人として、人間として尊敬はする。だが、それはそれとしてちゃんと責任取ってあげてくださいね?(無慈悲)
尚、心が一時期死んでいた。

ユニコーン<ハーレムだと!?けしからん!俺のマグナムで穴を空けてやる!(意味深)


今年も最後。
なので欲張って感想、高評価を皆様にお願いします!(俗物)

遂に正体を現したわね!?そんな訳で来年もこの作品をよろしくお願いします!


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動き出した亡霊たち

新年明けましておめでとうございます!
今年もこの小説を読んでくださるとメチャクソ嬉しいの一言でございます!

さて、今年最初の内容はロニとギュネイの過去を少し、そしてトリントン襲撃前夜の二本立てでお送りします。

え?ダカールが抜けてるって?理由は後程…
後、最後辺りはコメディブッこんでます。
あと、お年玉に5000文字プレゼントや!



 

ジオンの亡霊、そう呼ばれるようになったジオン公国軍残党は世界各地にヒッソリと息を潜めつつ、無意味に思える時間を此時まで過ごしていた。

ジオンの独立を願って戦い続けた者たちは、今は既にかつての栄光の錆となり、そして死に場所を求めるようになった。

それは、そんな彼らと共にあった父親を持つ次世代を担う若者、ロニ・ガーベイにも乗り移ってしまうのは必然だった。

死した親の思想に取り憑かれ、共にカークス達と過ごす日々を暮らした彼女だったが、シャアの反乱から一年経過したとき。

その男は現れた。

 

「赤備え頭領、紅蓮だ。よろしく頼む」

 

仮面を被った謎の男。

赤にサムライの鎧姿をした彼に、ロニは当初は嫌悪感が強かった。

シャアを名乗る偽物か、と。

そう言わなくとも、赤い時点でシャアを示唆させるのだ。

どうせ自惚れた愚か者が夢のままに協力を要請しに来ただけだと、カークスたちもロニも最初は話を聞くだけ聞いて追い返そうとした。

ロニはすでに興味はなく途中から抜けたが、カークスにだけ素顔を見せたらしい、というそんな話を年上の野郎たちの雑談で耳に挟む程度だった。

何も変わらない、そう思っていたロニ。

だが、連絡が取れる残党をテキパキと各地から集結させ、どういう訳かアナハイムも味方にして放置されていた軍艦までも基地再建の折に引っ張ってきた。

突然、時間が動き出したかのように集められたジオン残党たちは基地再建で忙しなく動き、いつの間にか親睦も深まっていた。

そして、ようやく未来を見つめる者達もほんの少数だがいたし、勿論離反する者もいた。

止まっていた時間にいたロニにとっては余りにも信じられない光景で、変わり果てた光景だったのだ。

だからこそ、彼女の感情が爆発するのは必然だったのだろう。

自分だけが取り残された、自分だけが孤立しているという疎外感に耐えきれなくて。

 

「お前は一体なんなんだ…!お前は私から大切なものを奪う奴なのか…!?また私を一人にさせる存在なのか……!」

 

紅蓮…ギュネイがお忍びで彼女と出会った時、被害妄想まで膨らんで現実と想像が混ざり込んだ思考になっていた。

そして、NT能力による直感でギュネイが紅蓮であることをすぐさま理解して彼を殴ろうとした。

そこから、ようやくギュネイとロニの関係は始まったのだ。

勿論、それは両者にとって最悪のファーストコンタクトとも言えるだろう。

いや、顔合わせはしていたのだからファーストではないが。

 

「お前が!お前がぁ!」

 

「俺を打つな!」

 

殴られかけた俺は背負い投げで彼女を取り押さえるが、彼女は暴れたままだ。

そのため、興奮によって呼吸速度が早くなったロニは過呼吸になり、ギュネイは落ち着くようにと宥めるが獣のうめきのようなものしかあげない。

ギュネイはすまん、と言葉をかけてロニを気絶させた。

幸い、周囲にロニの声が聞こえる位置にいる人物はいなく、通路だった事もあって目撃者はゼロだ。

医務室にロニを運び込み、カークスを呼んでギュネイは最近のロニの様子を彼から聞き出す。

 

「カークス大尉、ロニ少尉が暴力を振るう要因に心当たりはあるか?」

 

「……いえ。しかしここ最近は何か思い詰めているようには見えました」

 

「そうか……」

 

ギュネイは考える。

戦力としても、原作の展開としてもこのままにするのはよろしくない。

袖付きからのコンタクトも今後ありえなくもないため、ここで確実に仲間にしておきたい。

そう考えた結果、ギュネイはロニを一度基地からニューホンコンに連れ出すことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……先日の件は、誠に申し訳ありませんでした」

 

後日、改めて地球にへと降りてギュネイとロニはニューホンコンで再会した。

尚、ロニとの関係修復を仕事と言って妻子との時間を削ったので宇宙に帰った際、マリーダに限界まで搾られたのは完璧なギュネイの自業自得である。

 

「気にするな、人間、時に感情を爆発させなきゃ腐るからな」

 

そう言ってギュネイはあっさりと許す。

ロニは本当に申し訳無さそうだったが、まだ不満は残っているなとギュネイは感じ取る。

 

「さて、こんなところで立ち話もアレだ。良い店を知ってるんだ、ついてきな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュネイは目の前で中華料理を頬張るロニ・ガーベイを見て、考えていた。

 

……………………(手持ち足りるかな……)

 

あまり食えるものが多くはない地域で生きてきた少女だ。

だから少々食い意地が張ったり、大食いだったりするのは全然大丈夫だ。

だが、一応同盟を組んだ相手の頭領の前で一言もなしに食べているのはちょっとビックリした。

まあ、ロニの意外な一面を見れて得したかな、とギュネイは思ったが。

しかし、下っ端時代にマリーダの世話焼きで染み付いた癖で体が疼くが、ギュネイは抑えて麻婆豆腐を黙々と食べる。

ピリッと来る辛さがまたたまらなく、そして炒飯も胃にかきこんでいく。

胡椒のスパイスが効くのと同時に、さらに食欲を刺激される。

なんだかんだでギュネイもネットのオススメでやって来た中華料理店の味に取り込まれるのだが、ある程度腹が膨らんだ所でギュネイはロニを改めて見る。

古ぼけたようなジオンの制服から一般人が着るような服を着ていれば、どこにでもいそうなアラビア系の少女だ。

 

「ふぅ……さて……」

 

では、話をしよう。

雰囲気を悟ってか、ロニもこちらに意識を向ける。

 

「ロニ・ガーベイ、君は何のために戦う?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<><÷<÷<><><

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーとあるジオン残党拠点ー

 

 

 

「何?第一次降下作戦時の周波で通信だと?」

 

「はい!我、ダカールに情報工作仕掛けたり、しかしそれは陽動!本命はトリントン基地にあり!連邦に一泡ふかせる!」

 

距離的な問題でカークス隊に合流できなかった残党や、合流後、離反した残党、最初から合流しなかった残党関係なく発せられた協力要請。

それは、ジオンの亡霊と化していた者達へ良くも悪くもキッカケとなる。

 

「……カークス隊からの通信か……何かあるんだろうが、しかし一泡ふかせることには同意だ」

 

「ッ!隊長!」

 

「全機!出撃準備だ!帰りの事は考えなくともいい、連邦に一泡ふかすぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

動き出した亡霊たちは別の地域でも、活動を始める。

 

「さあ、出るぞ!」

 

「ようやく戦場に行ける……!」

 

崩れた城壁から現れた数機のモビルスーツ。

モノアイを暗闇の中で光らせながら、何年ぶりか解らない戦場へ赴く。

 

「グフ重装型、行くぜ!」

 

「アイツ、またマップを逆さに見てないよな?」

 

「流石に電子マップを逆さに読むほど間抜けじゃないだろ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ミカワ基地では。

遂に日を浴びれる事となったペガサス級戦艦、ナオマサが起動していた。

 

「弾薬はたんまりと載せてけ!基地襲撃後は宇宙に上がるんだからな!」

 

「なに?バナナはオヤツに入るかって?そんなもん知るか!」

 

「おい!そこのガルスK!キャノンを下げろ!通路の天井を擦るな!」

 

「そこのMP!そこにある肉を丸めて肉団子にしてこい!やることないなら飯を作るのを手伝え!」

 

ガヤガヤと騒がしい戦艦ドッグで、モビルスーツの搬入作業や食料の鮮度チェック、塩の貯蓄量の確認etc……

そんな中、ジンネマンとカークスはギュネイに疑問をぶつけていた。

 

「何故、ダカールに攻撃を仕掛けない?陽動ならモビルスーツの方が効果的では?」

 

カークスは疑問をぶつける。

それにギュネイはしっかり答える。

 

「ダカールは首都で高官たちが集まってはいるが、地上にある残党の機体では高官の殺害は難しい。時間を稼がれてせいぜい関係者を殺すだけになる。それに民間人への被害も看過できない。なら、ジオン残党を名乗る狂信テロリストにやらせた方が効率的だ。装備は十分に渡してあるしな」

 

「ザク・キャノンにキョゴのジュアッグ、テッセラのズゴックの用途はそれだったのか…」

 

「パイロットは連邦の兵士の落ちぶれた奴や元ティターンズの下っ端だ。こちらとしては失っても痛くも痒くもない」

 

正直、自分本意にしか動けない奴らは消えてもいい。

そう思うが、平和な世界なら殺す必要もなかったかな、と思ってしまう自分がいる事を感じるギュネイ。

だが、その迷いを振り切って配給されてきた肉団子とスープを戴く。

 

「UCファンにはぶん殴られるなぁ……」

 

スープで喉を潤しながらそうボソッと呟くギュネイ。

MSVの夢がかなったあの光景を崩してしまうことに罪悪感があるが、しかしここでベテラン達を殺してしまうのはとてもではないが無視できない損害だ。

 

「テッセラさん、キョゴさんにはゼー・ズールを、キャノンのパイロットにはアナハイムからハイザックキャノン、他にも前線でついていけなさそうな機体はジム・スナイパーⅢ等の機体に取り替えてある」

 

勿論、ほんの数機なので結局ザク・キャノンやズゴックなんかの一年戦争の量産機は普通に残っているが。

ちなみに量産機という言葉はガンダムが作ったなんて言う話があったな、とギュネイは前世の記憶をほじくり返すが同時に頭痛がしたのですぐに掘り返すのをやめる。

 

「やっぱり、あの死に方は意味が解らないよな…」

 

「どうした?具合でも悪いのか?」

 

頭痛のした辺りの額をさすって痛みを誤魔化すのをジンネマンは目聡く見つけて心配する。

ギュネイは大丈夫だと言って立ち上がる。

 

「それにしてもダナンさん、ジムスナイパーⅢなんていうティターンズの試験機なんか、よくありましたね」

 

それはそうと、といった感じでギュネイはアナハイムから派遣された男、ダナン・クダランは少々ニヤけた笑みでネタ明かしをする。

ちなみにそれで微笑んでいて、ほとんどの交渉で成功するらしい有能な彼は、実はこんなところに来てしまって内心将来が滅茶苦茶不安だったりする。

 

「グリプス戦役後にパーツ等をリサイクルの一環やロートル化で回収されましてね。在庫に残っていたデータ取りのジム改をベースに改修して引っ付けておりまして。多少、本来の機体よりは性能は下がっておりますが、戦闘には十分に耐えれますよ」

 

詰まる所、モドキのようなものか、とギュネイの解釈で結論付けてカズイにデナン・ゾンの使用感を聞く。

 

「デナン・ゾンはどうだ?カズイさん」

 

「滅茶苦茶いいな、元々は作業用のだなんて信じられないくらいに良い」

 

「あんまり壊さないで下さいよ?一応、ブッホ社の方にも報告しておりますので、壊されるとデータ取りが大変なんですよ……」

 

本当に大変だと感じさせるダナンの迫真の視線にカズイはのされつつ、早々壊さん!と宣言する。

そんな彼にギュネイは弄るネタを追加する。

 

「………ハンブラビ」

 

「ウグッ」

 

「そういえばお前、ハンブラビの脱出ポッドシステムでやらかしていたな……」

 

実はカズイのハンブラビ、戦闘後に誤操作によるパラオの岩肌への衝突でコクピットが歪んで一度解体することになったのは記憶に新しい。

まあ、脚部にスラスターを集中させた難易度の高い機体だ、カズイでも油断すればそうなるということなのだろうが……

 

「ジンネマンさん、そのことはほじくらないでくださいよ……」

 

「やはり、脚部だけにスラスターを集中させるのはあまりオススメできない設計なんですね、設計者(シロッコさん)は天才であってもお馬鹿でしたか」

 

さりげなくシロッコをディスるダナンだが、ぶっちゃけ天才の求める才能ある一般兵が乗る機体だったので、ある意味バカと言われても仕方がないだろう。

 

そんな馬鹿騒ぎも少々起きつつ、ナオマサの出撃準備が完了し、ギュネイは仮面を被る。

士気高揚のための演説、ベターだが手っ取り早い方法だ。

ギュネイは台本を用意していたが、ぶっちゃけあんまりいらないなと思ってたりする。

結局、兵士や民衆の心を掴むのは誠意と言葉に込める想いなのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ートリントン基地襲撃前夜演説、音声記録よりー

 

諸君、まずはこんばんはだ。

ここに集まった者の中には今にも寝てしまいたい者もいるだろうが限界までどうか聞いて頂きたい。

 

(笑声)

 

君達にとって、ようやく前に進める出来事を行える事にまず私は感謝したい。

一年戦争から既に十七年。

君達は雄飛の時を待った!ダカールでは一足先に何も知らぬバカ達が、みっともなく自分たちの不平不満やジオンの意志を継ぐものだ等とほざいて愉悦に浸っているだろう。

今回、トリントンを襲撃するのはユニコーンの示した座標がそこだったからというのがあるが、君達を宇宙に帰すことも目的だ。

 

(困惑の声)

 

君達はずっとこの地球に身を置き、ジオンの栄光を守り続けた。

しかし、その時代ももう終わりを迎える。

もうジオンの栄光なんてものに縋らなくてもいい、この戦いが終われば君達は自由だ。

貶しているように聞こえるが、事実貶している。

何故なら我々は、赤備えは連邦からもジオンからも離れて新しき政府を作らなければならない。

その為には、君達が必要だ。私はまだ若造で、君達の恨みつらみ、想いなど知る由もない。

だが、それを負うのは君達だけにして頂けないだろうか、君達より先に生きる今を生きる子供達の未来のために、赤備えは世界を変えるべく組織を持った。

子供や若者に過去を背負わせては争いは終わらない、故にどうかこの戦いで過去と因縁を断ち切ってほしい。

でなければ、子供に戦争させる歴史は終わらなくなる。だからこそ、私は君達に頼みたい。

君達が良ければ我々と共に来てはくれないだろうか?

私達大人がこれからの世界を形作り、スペースノイドにも自由と平和と繁栄が、そしてこのジオンの戦いの終止符を打とうではないか!

……どうか、未来の子供達のために戦い抜いてほしい。私はそれを切に願う。

 

(静かに拍手)

 

…ありがとう、まずは君達のその憎しみを、気持ちをこの戦いで整理してほしい。

だから私はあえて言おう、生きて帰ってこいとッ!

 

 

 

 

 

 




例のアレ

ギュネイ<それっぽい演説を言わせてるだけなので、ぶっちゃけあんまり真面目に考えなくていいおまけな内容。ロニとの過去はもう少し後に掘り下げるのじゃ。

ロニ(過去)<ギュネイが嫌いな時期。でもとある出来事で惚れる。

ダナン・クダラン<名前の元ネタはラカン・ダカラン。ちょっと捻ってみただけの名前。アナハイムで交渉係を担当するが、本人は身の丈に合わないと思っている。が、本人の顔の不気味さでなんか交渉が通るのである意味交渉に長けたニュータイプかもしれない()

T-3機体<一部のロートルMSV機体の埋め合わせ的な感じで出した機体。ガバやご都合主義が酷い気がするが、これで許してはくれなイカ……

テロリスト部隊<持ち上げられるだけ持ち上げられた捨て駒部隊。自惚れてたり、たぬきの皮算用してる奴等なので救いようがないアホたち。最終的に全員逮捕、もしくは射殺されたが、注意は引けたので見事その責務を果たした()

カークス<赤備えの情報戦の頼もしさに信じてよかったと報われてる。でもあの世に行くのはまだ早いぞ!?

カズイ<実はハンブラビをぶっ壊してたりしてたバカ。嫁のメグにタンコブができるくらい叩かれたとかないとか。

レズン<前回の補足。彼女は選択次第で恋愛ルートから外れるヒロインみたいな物で、今作では彼女はOOのマリナのようなヒロインじゃないようでヒロインなキャラ。選択次第で三人ハーレムやらかす。

トリントン基地<まさかまた狙われてるなんて思ってもない一般基地。またジオンに犯されるなんて聞いてないっピッ!

ダカール<テロリストはムッコロス!でも本命には気付かない模様。

ダカール組MSV<使い捨てされるがモビルスーツの本命を果たせたので気前よく散っていったジオンの魂。残骸は後でスタッフが美味しく頂きました(byジャンク屋)



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夜明けのトリントン基地 前編


さぁーて、UCの魅力一番のシーン、トリントン基地を襲撃するぞぉ!()

そして、感想、誤字報告ありがとナス!
これからも頑張るっピッ!
ボリュームもできる限り増やしてトリントン基地襲撃頑張るぜぇ!

尚、後半はロニとギュネイの過去の掘り下げです。
ちょっと中途半端に入れているような感じですが、許してクレメンス…



 

ペガサス級戦艦【ナオマサ】と民間輸送船【ガランシェール】は高高度を悠々と進み、雲海を切り抜ける。

それに追随する輸送機とドダイ達とは反転して海では、潜みつつ進む一つの巨影とそれに付いていく小柄な影達。

それらが向かう地はただ一つ、ラプラスプログラムが示すトリントン基地であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

連邦の兵士達にとって、夜明けの襲撃は唐突すぎた。

オーストラリアのトリントン基地は、つい先日テロが起きたダカールから離れており、そもそもこんな田舎基地に襲撃をかける意味がないのだ。

故に対応もその速度も遅く、質が悪かった。

 

「がぁぁぁ!?」

 

「データ照合…カプール!?残党の機体が何故ここに!?」

 

「畜生!」

 

トリントンに一番乗りしたのはカプール。

ミサイルをバラまきながら着地を取り、後続の機体の壁を貼る。

その際に、一個小隊のジムⅡの一機に右足を破壊したのは運が良かったと言える。

 

「索敵班!何をしていた!?海軍も何やってんの!?」

 

「哨戒中の潜水艦からの応答なし!恐らく既に撃沈されているのでは……」

 

「ええい!無能共め!とっととモビルスーツを出撃させろ!」

 

管制塔での剣幕の中、兵士達は各々の作業を進めるが突然当たっていた光が消えた事でガラスの向こうを見る。

 

「ジ、ジオンの亡霊共め……!」

 

その言葉を最後に、トリントン基地の司令官は管制塔と共にジャイアントヒートホークを持った【グフ・カスタム】に叩き切られた。

ドダイから飛び降りる様に管制塔にジャイアントヒートホークを振り下ろしたグフ・カスタムは、管制塔の横にあった格納庫から無理矢理扉を破って飛び出て来たジム改をシールドガトリングガンで綺麗に蜂の巣にするのだった。

 

 

 

「クッソ!第一管制塔!応答しろ!おい!」

 

海からの攻撃とはまた変わって今度は内陸部からモビルスーツ部隊が大隊規模でやって来ているのを確認したジムⅡやネモに乗るパイロット達は、司令官からの指示を仰ぐが全く応答しない為、独自判断による反撃を開始した。

 

「撃っていいのか!?」

 

「撃っちゃったよ!」

 

ガンキャノン・ディテクターの二機が、ドダイに乗るモビルスーツ達を迎撃する。

ビームキャノンの弾幕が張られるが、そこは流石ジオン。

見事な操縦で回避する。

勿論、避けきれず破壊される者もいたが被害はほぼ皆無である。

 

「ガンタンク隊!一斉斉射!」

 

「リジーナは早く設置を完了させろ!敵は待ってはくれないぞ!」

 

連邦の兵士達もある物全部を持ち出して迎撃の準備を開始する。

しかし、事前に準備をしているジオン残党の前では既に遅い。

 

「各機、ジェットストリームアタックをやるぞ!」

 

「「了解ッ!」」

 

ドム・トローペン、ドム・トロピカルテストタイプ、ドムによるジェットストリームアタックが迎撃に専念していたディテクターと、それを守護するジムⅡが餌食となる。

 

「グレネード!」

 

「敵から目を離すなど、愚か者が!」

 

シールドでトローペンの追尾グレネードを受け止めるジムⅡだが、ドムのバズーカがシールドを破砕して左腕も持っていく。

 

「おら!鉛玉をプレゼントだ!」

 

「母さ…!」

 

最後にトロピカルがマシンガンを至近距離でコクピットをミンチにしてトリプルドムがディテクターを囲む。

 

「ヒッ」

 

「うらぁぁ!」

 

ドムのバズーカがガードの姿勢を取ったディテクターの腕をもぎ取り、トロピカルがマシンガンで機体に穴を開ける。

最後にトローペンがヒートサーベルでコクピットに突きを入れて沈黙させる。

もう一方の純正トローペン部隊も成功したようで、爆散するディテクターが見えた。

 

 

その光景を頭上から戦況を観測による指示と狙撃の同時進行を輸送機の中にて行うザクスナイパー。

パイロットは勿論、ヨンム・カークスである。

 

「キョゴ!そちらに増援が一個中隊!リーバー隊は内陸部隊の左翼を援護しろ!」

 

指示を出す間にも、カークスはビームスナイパーライフルでネモの頭部を破壊し、奥に居座る古ぼけた量産型ガンタンクを撃破する。

そして、前衛を担っていたネモ部隊に斬り込むイフリート・シュナイドは、ドダイを奥にいたネモに直進させつつ手前のネモにショットガンを撃つ。

 

「ぐあっ!?」

 

胴体に直撃を食らったネモは態勢を崩し、機能を停止する。

そして続いて降りてきたザク改とザク・キャノンの二機が降下して、マシンガンの弾幕でネモ達に攻撃させない。

 

「クソッ!攻撃できない!」

 

「遅い」

 

目の前のザク達に視線を釘付けされている間に、シュナイドがシールドによって出来た死角からヒートダートをネモのコクピットに投擲。

コクピット上部から人を容易に蒸発させる熱を持ったダートが、コクピットにへと侵入し、パイロットを焼き殺す。

 

「ギャァァァ!?」

 

「タナパ伍長!?」

 

「俺達を無視するとは!」

 

「いい度胸だ!」

 

ザクから視線を外してしまったネモのパイロットは、味方がやられたことに動揺し、ザク・キャノンのキャノン砲でシールドを破壊される。

破壊されてたじろいだ隙をザク改が接近してヒートホークを胴体にコクピットごと叩き付けた。

 

「隊長!まだ行けますぜ!」

 

「次の指示を!」

 

「うむ、では海岸側へ行くぞ!」

 

「「了解ッ!」」

 

直後、爆散したネモには彼らがどうみえたのだろうか。

それを知るパイロットは既に死したため、知ることはない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海岸では、ゼー・ズールやズゴックE、アッガイやザク・マリナー等、見事なジオン水泳部達が結集していた。

そして、そんな彼らを援護する巨影。

 

「各機、射線上から離れろ!メガ粒子砲で突破口を開く!」

 

そう言いながら最後の航空母艦が【シャンブロ】のアイアンネイルで叩き潰されて轟沈する。

そしてシャンブロの特徴的な頭部の下顎が、展開される。

 

「グッ…お父様…!邪魔しないでッ…!」

 

何かに惑わされるように、しかしその目は迷いなくモニターに表示される目標に照準されるマークをしっかりと見つめていた。

メガ粒子砲がミノフスキー粒子の圧縮を始め、黄色い閃光が口と言える砲身に発せられる。

それを察したトリントン基地のモビルスーツ部隊はシャンブロへ攻撃を集中させようとする。

 

「ロニの邪魔はさせん!」

 

キョゴの駆るゼー・ズールがビームマシンガンでジムⅡやネモを攻撃し、気をそらせる。

テッセラはビームマシンガンの弾切れでジムⅡが保持していたハープーンガンをアクアジムに撃ち込み、頭上からビームサーベルで頭部に突き入れようとするジムⅡセミストライカーに振り向き際にヒートナイフを投げる。

ヒートナイフは排気ダクトに刺さり、システムがダウンするセミストライカーを捕まえてゼー・ズールは上がってきたアクアジムやネモのマシンガン等の攻撃の盾にする。

 

「やめてくれぇ!ヒィィ!?」

 

「今だッ!ロニッ!」

 

ヘイトがゼー・ズール二機に向いた今、エネルギー充填を終えたシャンブロはロニが銃爪を引くのを待つだけである。

だが、当の彼女はシャンブロのサイコミュによる父親の幻影によってロニを惑わせていた。

 

「やめろ!私の中に…!私の中に入るなッ!」

 

何かと争うように体を悶えさせるロニ。

それは父だった何かなのか、それともこの戦いで散った死者たちなのか。

それが解るのはニュータイプか、彼女本人だろう。

正気の瞳を持った顔と、憎悪と狂気に染まった顔が半分になって現れている時点で、オールドタイプにも何かが起きていることは理解できるだろうが。

 

「やめろ!やめてッ!」

 

広いコクピットの中で叫ぶ彼女とは別に、サイコミュが敵意を持つ敵に攻撃するために、リフレクタービットが展開される。

次々とロックオンしていく中、幾つかには味方も纏めて殺す射線も存在していた。

 

「彼は言ってくれたんだ…私を導く光になると…!親から与えられたこの宿命(さだめ)から解放してくれるって…!」

 

「ああ、だから背負い込むな、ロニ。俺も、カークスも、皆で君の呪いを背負おう。君がこの先自由に生きれるために、俺達がその宿命を果たす」

 

「ッ!?」

 

短距離通信、ということは上か、とロニは頭上に向いているサブカメラの映像をモニターに表示する。

そこに映るのはナオマサからどうやら降りてきたらしい赤き機体。

 

「トリスタン…!?」

 

「ロニに纏わりつくな、変態親父。テメェはとっとと鳥にでもなってろ!」

 

シャンブロの上に降り立ったトリスタンから一瞬発せられたオーラ。

それでもまだロニには何かが入り込む感覚が収まらない。

 

「ロニ!俺がいる!君のその呪いは俺が受け持つッ!だから…」

 

「『俺を信じろッ!!』」

 

「ッ!シャンブロッ!」

 

その時、サイコフレームの共振が起きた。

誰もその出来事は戦場では感知されなかったが、だが二人の間に確かに虹色の光が発せられたのだ。

グオォォォン…とシャンブロの関節部が軋む音が、ロニに応える咆哮の如く、メガ粒子砲が基地の中心部に放たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「君は何のために戦う?」

 

そう問われたロニはキッパリと答える。

 

「父の復讐」

 

マハディ・ガーベイ、それが彼女の父の名である。

彼本人も連邦への恨みが強かったという。

故にギュネイは「それを戦う理由とするなら戦う意味はない」と答えた。

 

「私の意思です。貴方には関係ありません」

 

「そうして否定していても、その復讐は無意味だぞ。特に君にとって」

 

「貴方に何が解る…!ニュータイプである貴方には私の抱えるものは解っているでしょう!?」

 

「ああ、理解している。その黒い渦を巻くような何かが君に纏わりついているような何かもな」

 

「なら……!」

 

「だがその復讐は君の仲間も殺す。特にこの世界で復讐を果たしても、君はそこで死ぬ」

 

「死など恐れません!」

 

「恐れようが恐れなかろうが、俺は君を必要としている。そして死んでほしくない」

 

話にならない、とロニはギュネイを睨み付ける。

だがギュネイはそれを意に介さず、ただ言う。

 

「復讐なんてこれからそのチャンスは来る。やるならやればいい。だが勝手に死ぬ事は俺が許さない。だから俺はそれを戦う理由にするのをやめろと言った」

 

「……意味が解りません」

 

そう言って、ロニは席を立つ。

 

「今日は御食事をご馳走して下さり、ありがとうございました。それでは」

 

「………」

 

ギュネイは立ち去るロニに何もアクションを取らなかったが、これには理由があった。

 

「…………直球で君を大切に思う人がいて、君に死んでほしくない人がいるとか、あの感じで話すには破綻ルートな選択肢だよな?」

 

シャアのようには賢くない頭で、なんとか恋愛シミュレーション的な物を頭の中で展開してなるべく彼女の怒りや不快感を買わないようにしていたのだが、どうも複雑に考えすぎてしまうようで上手く言葉が浮かばない。

とりあえず、残るチャーハンと肉まんをかきこみ、完食して代金を払って彼女を追いかける。

まあ、そうするには少々時間をかけすぎたがカークスがロニを追跡してくれているので、連絡を取り合いながらロニに先回りする形で裏路地や大通りを通る。

ようやく彼女を見つけた、その時だった。

 

「こっ、こ、この女がどうなってもいいのかぁ!?」

 

ロニの首に腕を回して捕まえた男がナイフを突きつけながら、追いかけてきた警察に人質を取るところだった。

 

「へ、へへっ……撃ってみろ?この女も死ぬぜ…?」

 

「チッ…面倒な事をしてくれるな、あの女も」

 

人質を取られたことで手を出せなくなった警察側だが、ロニの事など特に気にしている様ではなく、むしろ面倒事を引き起こした元凶と警察としてあるまじき対応だった。

 

「どうするギュネイ?」

 

ギュネイと合流したカークスだが、ロニを助け出すのにどうしようかと悩む。

考えた結果、拳銃を取り出そうかと思ったがギュネイに止められた。

 

「よせ、ここで撃ったら俺達も捕まえられる。あの警察官じゃあ、最悪撃って来るぞ」

 

「む…」

 

一部だとはいえ、市民の平和を守る治安維持組織までも腐敗している状況に、ギュネイは前世のマトモな警察官と比べたのもあって怒りを露にする。

だが、ここで銃を抜いても更に被害者が増えるだけかもしれない可能性で銃を使うこともままならない。

だが、ギュネイは思い付いた。

 

「俺にいい考えがある」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦は至って簡単だ。

 

「そこのハゲ!俺の女に手を出してるんじゃねぇ!」

 

「んだとぉ!?グハッ!?」

 

煽って殴る。

だがそれだけではなく、あのクズ警察官に下手に関わらせさせないために恋人、愛人という設定を付け足しておく。

こうすることで周囲の野次馬によって警察官の動きを封じさせられる。

というか、警察官のロニを見る目がいやらしい目であったのもある。

関係性を伝えることなく事件を解決すれば、保護という形でロニを拉致するだろうという予想もあったからこその作戦でもあった。

 

「クソが!クソが!死ねぇ!」

 

「うるせぇよハゲ」

 

突き出したナイフを避けて腹に膝蹴りを入れるギュネイ。

だが、もう一本ナイフを持っていたようでもう片方で左の太腿を浅く斬りつける。

 

「ツッ」

 

「ヘヘッ、調子に乗るからdッ」

 

だが痛みに怯まず更にチョップをその綺麗に毛根が死滅した頭に叩き込む。

そして追撃に金的をかまして気絶させた。

 

「調子に乗ってるのはどっちなのやら……」

 

そう言いつつ、ギュネイは男が落としたカバンを拾い上げ、老婆に渡す。

 

「あ、ありがとうございます…!」

 

「良いですよ。あ、お礼も大丈夫です。自分、少し急いているんで」

 

そう言ってそそくさと立ち去るギュネイに、警官は「あ、おい!」と追いかけようとするが、強盗犯に手錠をかけないといけないため、断念するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




例のアレ

ギュネイ<主人公みたいな台詞を過去にも現在にも吐いた男。マリーダさんも胸キュンしますね、クォレは。

フレッド<多分次回以降にもちょくちょく出すかもしれないミッシリングの外伝パイロット。上手く彼の強さを現すことができたかな…?

ロニ<トリントン基地襲撃中にロニの過去を掘り下げる形になりそう。それはさておき、変態親父に付き纏われて困ってた所をギュネイに助けられた。

タナパ伍長<ヒートダートに焼き殺されたネームドモブ。作者的にはヒートホーク温泉もいつかできそうだなって思ったり思ってなかったり。

ドム三種部隊<伝統あるジェットストリームアタックをかました原作のドム部隊とは関係ない奴ら。レア度で言えばこちらが上かもしれない。

カークス<原作通り、輸送機に乗って前線指揮。そんな彼の狙撃も素晴らしい…!

ディテクター<富野節を真似てみた台詞を言わせてみたかった。それ以外は原作通り。多分、富野節じゃない()

シャンブロ<ロニの恋心を応援してたりしてなかったり。ついでにクシャトリヤには煽ってきた。

全裸大佐<ギュネイの敵に回ってしまったばかりに、とことん出番をギュネイに奪われた男。これからも出番は奪われたりするかもしれない。

ユニコーン<え?今回出番ないんですか?→YES!

ハゲた強盗犯<別にハゲがいけない訳では無い。ただ煽り要因として優秀だからだ。だから私は悪くない()

警察官<閃ハサでもマンハンターとかいるし警察もモビルスーツでブッパしてそうなのでクズ警察官登場。やっぱり日本の警察官はすげぇよ。駄目なところもあるけども。


感想、励みになるのでよろしくお願いします!


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夜明けのトリントン基地襲撃 中編

本当は前回辺りに書くべき事なんですが、ロニさんの過去云々の救い方は本当に夢じみた想像なのでチガウ、コレジャナイだったらごめんなさい。
世間知らずっていうか、感情の機敏に疎いというか、そういうのが苦手なんです、申し訳無い…

そして遂にガンダムとモンストがコラボ!
これに喜ばない訳にはいかん!
てなわけでテンション上げての初投稿。

前半はロニ編終わり、後半からは本格的にトリントン襲撃編なのでトリントンの戦いだけを望む方は少し飛ばすと良いです。
頑張って書いてたら5500字超えてたので次回は戦闘少なめになる予定です。
割とガチで疲れたのでちょっと気晴らしにイデオンをヒロアカ世界にブッ込む死に戻り小説書いてきます。()




 

何故、私を助けたんですか?

ニューホンコンから離れるカモフラージュ用の漁船の上で、そう聞いてきたロニに、ギュネイはただ一言。

 

「死んでほしくないからだ。君がカークス達にとって大切な存在であるように、俺にとっても(友人や戦力として)大切だからな」

 

「ッ!そんな綺麗事…!」

 

「ああ、綺麗事だろうな。だが、お前が死ぬところなんて見たくない。それは本心だ、この気持ちは君にも感じているはずだろう?」

 

こういうときにニュータイプという力に困る、とロニは思う。

ギュネイから発せられる優しい、暖かな物はそれが彼の言う通りの物であると解ってしまうから。

 

「父の仇を、私は取りたいんだ…!父を殺した連邦を叩き潰したい、そんなことをお前はできるのか!?」

 

だから、期待してしまう。

どうせ出来はしないと思いながら、意地の悪い事を聞いてしまう。

だけど、彼は、ギュネイは断言した。

 

「ああ、できる、やってみせる。だから俺を信じろ」

 

「嘘よ……そんなこと」

 

「嘘だと思うなら俺に付いてこい。見せつけてやるさ、世界に新しい秩序を打ち立ててやるからな。できなかったら…まあ、その時は俺を殺すなり焼くなり何でもしな」

 

覚悟はもうできている。

そう己の覚悟を示す彼の瞳も、彼から感じる物も本気であった。

そして、漁船を操作していたカークスも口を開けた。

 

「ロニ……俺は、今になるまでお前の為に、本当に何かしてやったことなどなかった」

 

「そんな……そんなことはありません、カークス大尉!」

 

「お前の父親代わりになれると思っていた。それは自惚れで、自分の事も整理できていない人間が何を父親ぶっているんだと、自分を叱咤した。だからロニ、俺に償わせてくれ。許してくれなくてもいい、ただお前に背負わされた物を、俺にも背負わせてくれ。本来、大人の俺達がどうにかするべきことだから」

 

それに、元々は俺達の背負っていたものだ。

そう語るカークスの姿は、ロニとって衝撃的だった。

彼が、こんな悲しい顔をしたことがあったろうか?

彼女の前でこうして謝ることなんてあったか?

 

「……本当に、信じていいのですか…?」

 

カークスの謝罪から少し間を置いて、ロニは涙を堪えながら、うめき声のようにギュネイに問う。

 

「期待通り、とはいかないかもしれない。だけど、それでも俺を信じてくれるのなら、君の想いも、背負ったものも、俺が開放してやる」

 

このときから、彼女は恋に落ちた。

テンプレのような展開で、だが女性も時に夢見る展開で。

だが、その心を自覚するのはもっと後になってからの事。

現段階では………

 

「それはそれとして、恋人でもない私を恋人と呼ぶのはセクハラでは?」

 

「許してクレメンス」

 

ようやく友人として第一歩を踏んだ所である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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基地の中心部にビームが着弾し、莫大な熱風の嵐が基地全体を襲い、クレーターを作り出した。

 

「ロニ、大丈夫か?」

 

「はぁ……はぁ……はい、大丈夫です」

 

「今ので砲身も少し焼けている。一旦海水に浸かって冷却しておけ」

 

ロニに起きていたことを見透かしていたのか、暗に休めという言葉に大人しく従って機体を水中にへと沈めさせる。

 

「カークス!敵の増援は!?」

 

「遠方にラー・カイラム!既に三機がドダイに乗ってこっちへ来ている!もう一機は可変機のようだ!」

 

ザクスナイパーの最大望遠で敵機の確認をしたカークス。

ここからは厳しくなると、カークスは気を引き締めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだぁ?まるで動く戦争博物館じゃねぇか」

 

「油断するな、俺達にはあんな執念はない」

 

ラー・カイラムから発進したドダイに乗るジェスタ三機と、その後ろを飛ぶデルタプラス。

勿論、それに乗るのはリディ・マーセナスである。

 

「これが……ジオンの……」

 

親であるローナン・マーセナスから伝えられた、箱の真実。

その中身を知ってしまった今となっては、リディにとっては絶望でしかなかった。

そして、目の前で繰り広げられる争いに可能性に賭ける意味などないと改めて思う。

 

「ワッツ!?」

 

「油断するなと言った筈だ」

 

ワッツ機が長距離狙撃によってドダイの左翼を破壊されて、高度を落とし始めていく。

 

「赤いガンダムとユニコーンの事もある、気を付けろよ、新入り」

 

「了解です」

 

リディがレーダーに反応する方向に視線を向けると、コロニーの残骸に隠れて戦うキャノン等の支援攻撃を得意とする機体が、前衛をこなすモビルスーツ達の援護をしていた。

 

「ハイザックキャノンにカスタムタイプ?なんて骨董品を使ってるんだ、ジオンの連中は」

 

中にはモビルスーツと言い難い、ザクタンクなんて物もある。

 

「そんなんで戦うなんて、正気かよ!」

 

上空にいるデルタプラスに気付いたのか、数機のモビルスーツが火砲をデルタプラスに向ける。

 

「戦争は終わってるんだよ!この亡霊共がぁ!」

 

やり場のない怒りを、ぶつけるようにリディは突貫した。

 

 

 

 

 

そして場面は基地の海岸側に戻る。

 

「一機は墜落させた。だが、これ以上は俺も援護できん」

 

残り残弾が3発となったザクスナイパーのライフル。

それを聞いて、ギュネイは即時に判断する。

 

「ガランシェール、ユニコーンを降下させろ」

 

「了解した」

 

「カークス大尉はナオマサに帰還後、残存部隊を回収!最悪乗り捨ててもパイロットは拾えよ!」

 

「わかった!」

 

一通り指示を出したギュネイは溜め息をついて、SFS(サブフライトシステム)が来るのを待つ。

そんな折、マリーダからの回線が繋がる。

 

「ムゥ……」

 

「マ、マリーダ……さん?」

 

モニターに写るマリーダは膨れっ面で、嫉妬してるのが容易に理解できた。

 

「終わったら一杯相手、してもらうから」

 

「はい……」

 

ロニに構い過ぎたか、と自省するギュネイ。

ここ最近は忙しくてマリーダとの時間を作れてなかった上、アカリと直に触れ合えないのもあって少々ストレスも抱えているマリーダ。

夢で何となく、二人と一緒にいるのが覚えているのだが、マリーダ達にはハッキリ覚えているようで、やはり作り物のではニュータイプの真髄には至るには無理か、とギュネイは半ば自虐する。

家族の繫がりがあるから夢の中でニュータイプ空間を作り出すのは、能力のインフレとしか言い表せないのだが、ニュータイプ自体が未知であるため、インフレでないかもしれないが。

それはさておき、頭の中で彼はこれからの展開を考える。

 

「これで、紅蓮としての活動もおしまい。後は連邦の官僚達の粛清と、新政府の樹立……ミネバ、君はその責務を過去の罪と共に背負うか、それとも全てを捨て愛する人とこの宇宙の何処かへと行くか、どちらにせよあの二人が出来なかったことをある程度成し遂げるにはまだ時間がかかるな……」

 

だが、ここで止まるわけにはいかない。

革命を果たさなければ、返ってくるのは娘の死と、これから生まれてくるだろう次世代の子供達の死。

ギュネイの覚悟は既に決まっている……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、撤退を始めるジオン残党達にラー・カイラムからの増援と基地の部隊が士気を上げてきた為、残党は苦しい撤退戦を強いられることとなった。

 

「グアァ!?」

 

「ライル!チィ!」

 

素ドムがジェスタのビームライフルによって機体を撃ち抜かれて爆散。

ジェットストリームアタックの布陣を崩されるが、流石はジオンというべきか。

すぐに適応してジェスタにラケーテン・バズを撃ち込む。

だが弾速の遅いバズーカ弾ではドダイに当てることも叶わなかった。

 

「当たらんよ!」

 

「ナイジェル大尉!上ですッ!」

 

「なに!?」

 

しかし上からの砲撃、ナオマサからのメガ粒子砲を雨のように撃たれ、回避に専念する事となる。

 

「チィッ!残党はこのままあのペガサス級で逃げるつもりだ!」

 

「俺が行きます!」

 

「リディ少尉はタンクやキャノンを潰せ!戦艦はラー・カイラムが相手をする!」

 

そう指示を出しながらも、ビームに当たらぬよう乱数機動で相手の射撃を狂わせる。

その結果、地上で攻撃を加えるキャノン達もジェスタに狙いを定めるも、尽く外してしまう。

 

「クソッ!駄目だ!動きがはえぇ!」

 

「カークス隊から通信!全機モビルスーツを捨てて撤退せよの事!」

 

「ええい、仕方が無い、全機脱出だ!」

 

キャノンやタンクのコクピットハッチが開き、隠していたドダイに各々乗り込む。

 

「こちらフレッド・リーバー!貴君らの援護に回る!早く脱出しろ!」

 

「ありがたい!だが、そちらも限界のはずだ!ドダイに乗れ!」

 

「了解!限界まで撤退を援護する!」

 

突然、攻撃の手が緩んだことにナイジェルは訝しむ。

 

「なんだ?敵の勢いがなくなった…?」

 

何かがある、とあと少しで答えが導き出されようとしたその時だ。

ロックオンアラートがコクピットに鳴り響く。

 

「ロックオンされた!?」

 

機体を急上昇させて回避すれば、先程までいた空間には太い熱線の塊が通過していた。

 

「報告にあったモビルアーマーか!」

 

シャンブロは動き出した。

最初で最後のかつてのジオンの威光を示すために。

そして、皆で生きて帰る為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うらぁぁ!」

 

「ヘソビームくらっとけぇ!」

 

二機のカプールが腰部辺りに設置されているメガ粒子砲を薙ぎ払うように照射している。

これにより、シールドを構えていたジムⅡやネモはシールドごと斬られるように被弾、沈黙か爆発するかのどちらかに彼等の結末は辿る。

その後ろでは、ゾゴックがアームパンチでデザートカラーに塗装されたハイザックのコクピットを殴り潰す。

しかし、左腕は既に喪失しており、ザク・マリナーも頭部が半壊している。

それ故に、格納庫の壁越しにビームの直撃をくらったザク・マリナーは爆発してシャンブロの上陸を援護していたカプールらに、新たな敵を感じさせる。

 

「なんだコイツは…!」

 

そうゾゴックのパイロットに言わしめる様相をしているモビルスーツ。

それはかつてティターンズによって開発、少数生産されたバイアランの改修機【バイアラン・カスタム】であった。

しかし、そんな事を知る由もないジオン残党組は空を飛ぶという事だけを理解し、対空防御の弾幕を張る。

 

「近寄らせるな!」

 

ゾゴックがカッターを射出して牽制し、陸戦型ゲルググがキャノン砲を撃ち、ディザートザクがミサイルでカプール達に近寄らせない。

 

「撤退は始まっている!戦闘は程々にだぞ!」

 

「了解しているッ!」

 

バイアランがビームをバラまきつつ、攻撃の隙を窺うも堅実に守りの態勢でいるため、バイアランのパイロットは仕掛けれずにいた。

バイアランタイプは空を独自で飛ぶという機能の為に、機体装甲が薄くなっており、少しの被弾でも撃墜される可能性は高い。

故に、無闇に突撃もできない機体である。

そんな機体に乗るパイロットが焦る気持ちを抑えていれば、ドワッジがジャンプでバイアランに斬りかかるではないか。

 

「バカ野郎っ!」

 

「ジオンに栄光あれぇぇぇぇ!!!」

 

「バイアランに空中戦を挑むなど!」

 

カプールのパイロットは悪態をつきながら、ミサイルと頭部のレーザー砲を撃ちまくるが全て回避されバイアランの頑丈なマニピュレーターがドワッジのコクピットに突き刺さる。

 

「これで近付けれる!」

 

「クソ!余計なことを!」

 

だが、一つ間違えれば自分たちもああなっていた、そう思うと冷や汗が出る残党達。

 

「うおおぉぉ!?」

 

「まずは一つ!」

 

主を失ったドワッジを盾にしつつ、そのままディザートザクに叩き付けてドワッジのバックパックにビームサーベルを突き立てて推進剤を誘爆させる。

 

「ノオァァァ!?」

 

ディザートザクのパイロットは爆発の光と炎に巻かれて死亡し、それを脇目にもせずカプールの片方をサーベルで機体前面を割るように切り裂く。

こちらもミサイルに引火して爆発が起こり、爆煙で視界不良になる。

 

「動きが遅いな!ジオン星人共!」

 

「ヌ、アッ!?」

 

煙と炎を纏いつつ、圧倒的な加速力でゾゴックの腰部を上半身と泣き別れさせ、そのままカプールに突貫する。

だが、そうはさせじとゼー・ズールがカプールを蹴り飛ばしてバイアランの前に立つ。

 

「ムッ!?」

 

「チェェストォォォ!」

 

サーベルとクローが鍔迫り合いを起こし、お互いに一歩も引かない状態にへとなる。

 

「そこの機体!これを使え!」

 

「任された!」

 

もう一機はバイアランの後ろから追いかけてきた。

すると、まだ動けるゾゴックがヒートソードを投げてゼー・ズールに渡す。

その直後、ゾゴックのパイロットは脱出し、ゼー・ズールのパイロット、キョゴはバイアランの後ろからヒートソードで斬り掛かった。

 

「貰ったッ!」

 

「甘いな!」

 

だが、流石に前置きが長いためか残る腕のサーベルでガードされる。そして、バイアランはそのまま上昇し空からピンチの味方を救うべくビームを撃ち続けた。

 

「なんだと言うんだぁ!?」

 

被弾した陸戦型ザクはバックパックに被弾し、そのまま爆散。

煙の中から左腕を損失したパワード・ジムに似たような機体が格納庫の壁にもたれかかるように現れた。

 

「すまない!助かった!」

 

「その機体では撤退したほうがいい!とっとと脱出しろ!」

 

「了解ッ」

 

脱出するパイロットの背を見送っていると、ネモⅢからの通信が入る。

 

「こちらアルファ2!これより援護を開始する!」

 

「援護感謝する!」

 

ダークグレーに塗装されたネモⅢがビームキャノンによる援護射撃を開始し、陸戦型ゲルググやハイゴックも動きが制限される。

 

「ちぃ!最後のミサイル持ってけ!」

 

ハイゴックが機体に内蔵されているミサイルをネモⅢに向けて放つが、その鈍重そうな見た目に反してスラスターによる回避で軽く避けられる。

 

「当たらんわ!」

 

そして反撃にビームライフルを撃たれ、ハイゴックは右腕を犠牲に撤退するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バナージ、準備は良いか?」

 

「はい」

 

そして、襲撃の最中に赤き騎士と白亜の一角獣は街の中心地にて、目覚める獣を御する為に降り立つ。

為すべきことを為すために………

 

 

 

 

 




例のアレ

ギュネイ<目を離すといつの間にかハーレムを形成する男であったので、作者の頭を悩ませる元凶()
それはさておき、何かを視たらしいが…?

フレッド<ミッシリングのキャラ。イフリート・シュナイドのパイロットで、ゲームを除けばアニメ化を果たした唯一のイフリートに乗る。ちなみにかつての仲間達はギュネイの心遣いで赤備えには参加していない模様。

マリーダ<クーデレきゃわいい。膨れっ面したマリーダさんも見てみたかった作者であった。
尚、描写しきれなかったので補足するがマリーダさんは羽を外してサブアームにビームキャノンを持たせて引っ付けたクシャトリヤで長距離支援をしていた。エネルギー切れの後はナオマサのメガ粒子砲でナイジェルを牽制とか直撃を狙ってたりとかしてたりしてる。

バナージ<ギュネイの指導の元、ユニコーンを従わせる一発勝負の訓練。いや、これ訓練じゃなくて試練だわ()

トライスターズ<やっぱり出オチ係なワッツ。今回中心的に描いたナイジェルのように強いはずなんだけどなぁ……

ジオン残党<連邦は知らないがギュネイに賛同する一派、独自の理念で戦い続ける一派、死に場所求めてた一派で別れてた戦場。
勢力的にはギュネイ派が多いが、それ以外だと大体死に場所派。

ロニ<ニューホンコンでキッカケを与えられ、後はギュネイのテク()で落とされた悩める乙女。マリーダと同世代というのもあって、割と仲良くなれそうと思うのは作者だけだろうか?

カークス<早めに撤退を命令されたので生存したカークスさん。宇宙空間でのスナイパーとか怖すぎると、作者は恐怖する。

リディ<原作通りラプラスの箱の中身を知らされた灰色リディ。本編と変わったところと言うと、キャノンたちの攻撃を避けまくる事になった事くらいか。まあ、おかげで反射は上がっている。


感想、お待ちしてますのでよろしくお願いします!
最近はスペースランナーウェイイデオン〜♪と口ずさむ日々です。(←前書きでせめて書けよボケ)



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夜明けのトリントン基地襲撃 後編

イデオンのやつ、深夜テンションと謎の高揚感で多分謎な感じになってるだろうけど良かったら読んでみてください。()

そしてクロスボーンガンダムの漫画まとめ買いしちゃったぜ。
HGアンクシャとギレンの野望、第三次スパロボαも買ってウハウハです。
PS2とか懐かし過ぎるわ!

それでは本編どうぞ!



 

 

街の住民達は、恐らく生涯の思い出の一つとして刻まれる現象を目にするだろう。

ギュネイは顔を出してこちらを窺う何も知らない、ただ今を生きるだけの民衆達を見渡し、そして白亜の巨人に視線を戻す。

 

「バナージ、俺は君をニュータイプへの道を開くだけだ。そこから先は君の意志力次第だ。だが、飲まれかけたなら俺が引き戻してやる。だから、君はその暴れ馬を制御してみせるんだ」

 

「……はい!」

 

若いっていいな……と思わず感慨深くバナージを見ているがギュネイもまだ若いのを忘れているが、まあそれは脇においておこう。

戦場の臭いは既に消え去り、ただ静寂が二人を包む。

 

「そうだ……その感覚だ…」

 

そして、ユニコーンの装甲から赤い光が漏れ始める。

 

「ユニコーンとは君が決着をつけるんだ。そしてNT-Dを起動するんだ、君の意思で」

 

そう告げるとギュネイは閉じていた目を開ける。

そして、近付いてくるシャンブロに回線を開き、謝罪と感謝を告げた。

 

「……ロニ、後は彼を守るだけだ。殿なんて任せてすまないな…だけど、ありがとう付き合ってくれて」

 

「貴方が言い始めた事でしょ?見せてくれるって。なら、それを果たしてくれるまで付き合うだけだ。勿論その…」

 

「ロニ……その話は後でな?」

 

「うん……」

 

照れてるロニちゃん可愛い。

ああ、でもマリーダは裏切れないぃぃ!

そう苦悶するギュネイは敵機接近の警告音ですぐさま頭を切り替える。

 

「来たか…」

 

それと同時に、作戦前のカイ・シデンとの密会をギュネイは思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガランシェールのモニターに映る紫がかかった灰色の髪を持った男が、胡散臭くも何が来ると緊張した視線を送っていた。

 

「それで?ブライト・ノアに伝えて欲しいってなんだい?」

 

カイは考える。

普通に考えればブライト・ノアのスカウトや何かしらの工作を頼みそうだが、生憎ブライト・ノアという人間はお堅い人物なのでそういうのには不向きである。

よって、そういうものなら切って捨てる気であった。

だが、仮面を被ったギュネイ…紅蓮が放った言葉はカイを拍子抜けさせるものであった。

 

「いやなに、ブライト・ノアに一角獣の面倒を見てやってくれって伝えて欲しいだけだ」

 

「…は?」

 

本当にただそれだけなのか?

カイは正気を疑うように紅蓮を見る。

 

「おいおい、俺だってアンタに恩はあるがそんなことで良いのか?もっとこう……悪だくみみたいなのを想像してたんだが」

 

「なんだ?ブライト・ノアに連邦を裏切ってくれと言ったらやってくれるのか?」

 

「貸し借りの割が合わないぜ?」

 

「なら、赤備えの良いイメージでも世間に流してもらおうかな?そのぶん、ブライト・ノアと君にあるものを見せてやるがな」

 

「ふーん?金ですかな?」

 

「きっとそんなものより驚くぞ」

 

「へいへい、楽しみにしてますよ」

 

建設中期辺りだろうか。

そのあたりにジオンの活動が活発になった事でも知ったのか、カイ・シデンはミカワ基地の近くまで来たことがある。

その際に捕まって監禁、俺が来た頃には少々やつれてはいたが至って健康な状態であった。

そんな彼をジャーナリストのカイ・シデンだと保証し、助けてやったのはギュネイにとっては記憶にまだ新しい。

というか鮮烈過ぎるだけなのもあるが。

あの一年戦争を生き抜いた戦士だ、生で会えるのを感動しないというのがおかしいだろう。

 

 

そんなカイ・シデンとの会話を思い返しながら、敵のビームがリフレクタービットによって跳ね返される所を目の当たりにする。

ビームはなるべく地面か空に弾くようにしてもらっているが、下手すると民間人に被害を出しかねない。

それを理解してか、敵も攻撃を停止しただこちらを監視するに至る。

 

「そこのガンダム!聞こえているか!」

 

オープン回線で目の前のジェスタから通信が届く。

いや、外部スピーカーも使っているようなので恐らくこちらに配慮してくれたのだろう。

同時に思ったより優秀で何処となく連邦の兵士を見下してた自分を自覚して叱咤した。

そして声がグラハムなのでギュネイはナイジェルかと多少の感慨を持ちながら彼の呼び掛けに答えた。

 

「ああ、聞こえるぞ、それに俺達を捕まえたい事もわかる」

 

「…ならばこの後にする事も理解しているだろう?武器を捨てて投降するんだ」

 

「生憎、まだ俺はここで終わることはできん。革命はまだ始まったばかりだからな」

 

「……ジオンの亡霊、まだそんなものにしがみつくか」

 

「ジオンなんて過去のものは関係ない。そもそも俺は赤い彗星の再来や偽物でもない」

 

「なんだと?」

 

突然の否定に、ナイジェルは困惑する。

ガンダムとはいえ、赤く塗られたこの姿はまさに赤い彗星を連想させるものだ。

だから、この会話を聞いているリディ達も気が狂ってるのかと思ったし、薄くなってきたミノフスキー粒子濃度で聞こえるようになったラー・カイラムのブリッジでも彼の否定にはどういうことだと混乱する。

 

「俺は赤い彗星と白い悪魔の為せなかった事をするだけだ。このガンダムを赤く塗ったのもその意思表示と言ってもいい」

 

「シャアとアムロの為せなかった事……」

 

ブライトは彼の口から出たシャアとアムロの異名に思わず反復する。

 

「俺はそれを為すためにここにいる。軍人である君達にはわからんだろうがな。いや、理解しない方がいいのかもしれない」

 

そして、赤い悪魔(トリスタン)海の魔物(シャンブロ)に見守られるようにガンダムにへとその姿を変えたユニコーンガンダム。

だが、ニュータイプを前にしてもユニコーンは暴走しない。

それはバナージがユニコーンを御したという事だろう。

 

「ロニ、脱出するぞ」

 

「はい!」

 

それを見届けるや否や、シャンブロのコクピットハッチが開き、ロニがトリスタンの手に乗る。

そしてトリスタンのコクピットにへと乗り移り、リフレクタービットは徐々に力を失うように地に落ちていく。

 

「バナージ・リンクス、ガンダムパイロット達を見届けてきた男をよく見てくるといい。俺みたいなまだ未熟者の大人には、彼のような説得力も、力もないからな…」

 

そう言い残して、トリスタンはその場から離れる。

だが、トライスターズとデルタプラスがそのまま帰すわけがなく前に立ちふさがる。

 

「逃しはしない!」

 

「ツケは返してもらうからなぁ?」

 

特にワッツは少々私怨を滾らせているが、ギュネイはとある感覚に驚きを隠せないでいた。

 

「なに……この怖い感じは……」

 

「………ッ!まさか!」

 

上を見上げれば、そこには白亜のユニコーンとは違い、漆黒に染められたユニコーンが光る金のマスクと角を拵えて降りて、否、落ちてきた。

 

「う、嘘だろ……嘘だと言ってくれ……!?」

 

「ッ!?どうしたの!?ギュネイ!?」

 

ギュネイの目と感覚には、バンシィから感じられる気配に見覚えがあった。

いや、どちらかというとこちらに送り込んでくるイメージに心当たりがあるのだ。

獅子の筈なのに、鳥の幻覚が見えるのだから。

 

「どういうことだよ…!?」

 

「どういうことなの!?ねぇ、ギュネイ!?」

 

「ッ!!すまんロニ、動揺し過ぎたな。だがアイツを相手にするのはまた今度だな……」

 

金色の光が獅子を包む中、それよりも早く空を飛ぶものがトリスタンの元へやって来る。

 

「来たか!ペイシュヴァル!」

 

「人遣いが荒いぞ、ギュネイ…」

 

「それはすみません…ねっ!」

 

現れたのはリ・ガズィ・カスタム。

だがバンシィのビームマグナムが地面を穿ち、移動を制限される。

 

「あーもう!相手なんかしてらんねぇの!」

 

ギュネイはブッホ社とアナハイム社共同考案の新型ビームサーベル【ビームザンバー】を改造されたバックパックから抜刀と同時に振り下ろす。

バンシィは【アームドアーマーVN(ヴァイブロ・ネイル)】を起動、展開してビームザンバーを受け止める。

威力ならどのビームサーベルにも負けない出力を誇るビームザンバーだが、サイコフレームの強靭性故か均衡を保つ。

 

「やっぱりユニコーン系列は馬鹿みたいにつえぇなぁぁ!」

 

もう仮面を取り繕う必要もない、ただかつてのようにみっともなく戦う姿は、ペイシュヴァルにかつて見ていたシャアとは全く違う印象を受けたことで、彼は溜め息には安堵とも疲労とも言えるものが含まれていた事には誰も知ることはないだろう。

 

「掴まれ、ギュネイ」

 

「もう少し引き離してからだ!あの右腕についてるやつはヤバそうだからな!」

 

「なら援護するまでだ」

 

言うが早いか、行動にするのが早いか、リ・ガズィは変形してビームマシンガンをバンシィに浴びせる。

 

「ん?この気配…強化人間とニュータイプの気配を感じる…」

 

その違和感にギュネイと同じタイプ、いや似たタイプかと推測しながらトリスタンが脱出するタイミングを作る。

 

「行くぞ!」

 

「ロニ、捕まってろぉ!」

 

「くうぅ…!」

 

ウェイブライダーへと変形したリ・ガズィの上に降り立ち、両腕のガトリングをフル回転させて弾幕を張るトリスタン。

そんな中、赤い光を失ったガンダムはデルタプラスに捕縛されていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブライト・ノアは驚愕していた。

それはおそらく今、モニターでこの戦いを観ているカイ・シデンも、後で知るだろうメカニックチーフを務めるチェーン・アギも驚愕することは間違いないと断ずる。

 

「何故、リ・ガズィが……」

 

赤く染められて形状も細部は変更されているものの、全体的なフォルムはかつてアムロとケーラが乗ったリ・ガズィそのものだ。

だが、リ・ガズィは戦後、アナハイム社が誰も乗らないなら改修して別部隊に再利用させてもらうと、半ば強引に回収された機体だった。

何故赤備えの元にあるのか、そしてその動きも……どこか懐かしさを感じさせるものなのだ。

それが、クワトロ(シャア)なのか、アムロなのかは解らないが……

 

「赤備え……一体何を隠していると言うんだ……」

 

ブライトの胃痛の苦悩が増えることは間違いないのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





例のアレ

ギュネイ<色々疲れて素の口調に戻るリーダーの悪い見本()
ニューリーダー病には罹患していないので悪しからず。

バンシィ<お前も獅子にならないか?

ロニ<実はコクピットに入り込んだときにさりげなくギュネイの腕をナニに挟み込む策士。ギュネイの苦悩も増えそう(小並感)

ブライト<ようやく登場、皆のお父さんブライトさんだよ!()
そして初っ端から胃痛案件。お薬お出ししますね。

シャンブロ<乗り捨てられた哀れなモビルアーマー。でもひと暴れできて満足なのかもしれない。

ユニコーン<バナージきゅんらめぇぇぇ!てな訳で屈服されましたとさ(意味不明)

ナイジェル<ギュネイの言葉にこの後ちょっと色々考えることになったグ○ハム。

ペイシュヴァル<満を持してリ・ガズィで大気圏突入して迎えに来た今回のMVP。はてさて、そろそろ身バレされそうですね(^^)

カイ<腰を抜かしてビックリしてそうですが、多分してない。多分。

チェーン<リ・ガズィ?ウッソだろお前wって思ってたらホントだったというオチ。

アストナージ<ケーラと共に育休中でメカニックチーフもチェーンに譲っている。まあ、Zからずっと働き詰めな感じだし、多少はね?って感じでブライトから特別休暇を与えられてるとかないとか。

バナージ<最近やはり、影が薄い気がする原作主人公。どのみちこれから活躍するし、大丈夫かな?と、思ってたりなかったり。


まずはアンケート投票ありがとうございます!
投票結果は圧倒的プリーズだったので、NTを織り交ぜたおまけ編となります!
どんな内容になるのかはその時のお楽しみにです!

それでは感想、お待ちしてます!


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アカリのめもりーぶっく!

今回は超絶短いですがアカリちゃん視点の日記形式です。
次回の繋ぎだなと思った人は正解です、はい()

第三次スパロボαが面白いのが悪いんだ。

日記形式の幼女らしい可愛らしい内容を頑張ってみたので、作者が男とかそんな無粋な事は考えず、アカリちゃんに癒やされてください。

ちなみに前回のイデオン創作の話は、頭空っぽにして読んでると面白いかも()



 

○/++

 

わたしの名前はアカリ!

ふるねーむはアカリ・クルス!真夜中から忍び寄る、お菓子ハンター、アカリはわたしのことぉー!

よし、こんどメグねぇに会ったらやってみよ!

 

パパとママに内緒でおうちから飛び出したけど、毎日楽しい!

 

アルベルトおじさんに連れられてすごーく豪華なマンション?で寝泊まりできて、夢なんじゃないかなって!

アルベルトおじさんはお金持ちみたいで、アイスやあまり食べれないお肉なんかも一杯食べれたんだ〜!

えーと、地球でおじさんとしばらく一緒に過ごしてたけどおじさんはいつも帰ってくると疲れたような顔をしているんだ。

だから、メイドさんに手伝って貰いながらクッキーをプレゼントしてあげたら「ありがとう、美味しいよ」って褒めてもらったんだ!

やっぱり将来の夢はコックさんかパティシエかなぁ〜?

それにしても、明日は楽しみだなぁ〜

 

 

 

 

 

+/@

 

今日はおじさんに連れてもらってこうじょうけんがく!

パパも乗ってた大きいお人形さん達を作ってる場所みたい。

じっさいに作ってるところを見てると、すごいなぁって思ったよ!

レンチでギコギコ、ペンチでパチパチ、ばーなー?でバチバチでちょっと最後のはうるさかったけど楽しかった!

でも、おじさんのおばさんのマーサおばさんが私を見ると睨んできたから怖かったなぁ……

あれで会社の社長だって言われたけど、あの人じごうじとく?な結末を迎えそうだったな。

でも、お胸はママくらいあってビックリだったよ!

 

 

ちなみにしみゅれーたーでゲームしてみたけど、3個のお人形さん倒したよ!

周りはニュータイプ?だねとか言われたけど、わたしにはよくわかんないや。

おじさんは少し険しそうな顔でわたしをみてたけど、何かあったのかな?

もしかして悪いことしちゃった……?

 

 

 

 

 

 

 

¥$/€

 

今日もこーじょーけんがく!

今度は真っ黒なユニコーンさんに会いに行ってきたんだ!

なんだか金ピカに光ったような気がしたけど、あの中にいるライオンさんみたいな何かはどうしているんだろう?

おじさんからアイスクリーム貰ったけど、うっかりお床の隙間に落としちゃった。

泣いちゃう所だったけど、ここはグッて我慢!

女の子にも涙を見せてはダメな時があるって、ウォタお姉ちゃんにも言われたしね!

お酒臭かったのはカズイおじさんには内緒だけど!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

@/@

 

今日はお家でお留守番!

だからお昼寝してたらパパとママと一杯お話した夢を見たよ!

夢の中だとパパもママも裸だけど、わたしも裸だから関係ないよね!

あ、でもパパからわたしの裸でえっちな目をしたやつは容赦なく股間を殴りつけていいよって言われてたなぁ。

エッチな目ってなんだろ?とりあえず知らない人に見られたら蹴るってことなのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

";/☆

 

朝起きたらおじさんが慌てた様子でわたしに昨日どこにいたのかって言われた。

たかーい所の黒いお床に座ってアイスクリーム食べてたよって言ったらお顔が真っ青になってて、ちょっと面白かったなぁ。

その後は一杯いーっぱい色々あったから、えーとしょーりゃく?するね!

 

 

ただ、マーサおばさんにすっごい目で睨めつけられたのは怖くて泣きそうだった。

いや、泣いちゃってお漏らししちゃった。

おじさんがお着替え用意してくれて、わたしの代わりに謝ってくれたけど、わたしもきっと何かしちゃったんだろうなって思ってマーサおばさんに謝ったよ。

あの時間は二度とあじわいたくないなぁ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?/???

 

明日はおじさんと宇宙に帰るんだって!

やったぁ!ちょっと寂しいけどお家に帰れるね!

ママに怒られるのは怖いけど………

でも、ちょっと楽しみだよ!

 

 

 

 

 

 

 




れいのあれ

アカリ<何気なしに間接的にギュネイ達に一助するというファインプレーを見せる。ちなみに日記はジンネマンから日記帳を貰ったのをキッカケに現在二冊目。まあ、字はかなり酷いので判読は難しい。

マーサ<アカリに嫌われちゃったおばはん。まあ、仕方がないよね。()

アルベルト<順調にアカリによるかきまわしで浄化される。でも流石にバンシィのアームドアーマーBSの駆動部に、アイスクリームを落とすなんて予想できる筈がなく、マーサに蹴飛ばされてたりする。



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獣達の共振

今回からバンシィのパイロット、フェネクスに関する事が明らかになっていきます。
なので久しぶりのギュネイ視点。(序盤だけ)

ちょっと別のロボ要素が入るけど、許してクレメンス。

え?なんで投稿遅れたのかって?
モンストコラボで運極達成とか強化素材集めとかで大体時間を消費してしまったのです。申し訳ない、だが私は謝らない……(土下座)

コラボに力に入れてた運営が神に見えるのは何故だろう()
あ、それとうちわ0096様からファンアートを初めて頂きました!ありがとうございます!
膨れっ面のマリーダさん、うん、実際に見るとやはり(そこから先は血で読めない


【挿絵表示】



 

ガランシェールに帰投後、俺は逸る気持ちとあの事件の事が気になるのを抑えて、改めてナオマサに帰ってきた残党達を見る。

第一格納庫に集まった男、女関係なくいるこの状態はきっとすべてが終わった頃には最低でも四分の一はいなくなるのかもしれない、と俺は少し悲しくも、だが割り切る。

 

「これより、旗艦ナオマサは宇宙に上がる。君達の故郷に帰るのならばいつでも帰って構わない。これが俺にできる精一杯の報酬だ。勿論、地上に居たいという者はドダイやベースジャバーを貸すが……」

 

一旦その言葉を切って俺は彼らを見る。

だが、彼らの顔にはそんなことをする気配を持つ人間はいなかった。

いや、本当に故郷に帰ってゆっくりしたいならそれで構わないんだが………

 

「……本当に、このまま俺と共に来るのか?これからの宇宙での戦いは更に厳しくなる。軍縮されているとはいえ、連邦を相手にするのはこっちにとってはかなり分が悪い。一時の情に任せた判断なら」

 

そこまで言うと、一人の男が叫んだ。

 

「くどい!どのみちあそこで最初は散るつもりだったんだ!むしろ故郷の宇宙で散れるなら、軍人としてこれ以上ない最後だ!」

 

「アタシたちゃジオンの独立の為に戦ってたけどね、アンタの新しい秩序ってのを見たくなったんだよ」

 

「ここまで来て見て見ぬふりは薄情過ぎるだろ?」

 

そう言ってくれる彼らに俺はこれが人の光か、と感涙する。

勿論、涙はグッと堪える。

 

「わかった。なら、もう少し俺に付き合ってくれ。連邦に渡ったユニコーンを回収する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺がバナージとユニコーンを連邦に奪われるように渡したのはバナージとブライト・ノアの出会いが目的だった。

やはりというか、ブライトとの出会いがあって後半のバナージがあった要因の一つだと、俺は思うし、同時に原作を沿う形にもなるからこっちとしては対策がある程度できるからだ。

 

「トリスタン、飛行ユニット接続完了!ミノフスキークラフトの試運転お願いします!」

 

「了解、システムはオールグリーン、各駆動系は…やはり脚部への負荷が少し強いか。だが問題はない」

 

だからトリスタンの強化プランもできる限り上げた。

メグさんの開発力、頭がおかしいんよ……

というか、なんでガオガイガーのステルスガオーⅡに設計されるのかなぁ?

確かにフォルム的にはそうなりそうだが、大出力スラスターユニットを両端に備え、中央に追加ブースターと、すっごく重そうなランドセルを背負わされた上に、前がけのようにあるライオンの顔に似たミノフスキークラフトの設置場所。

メグさんはスーパーロボットでも作りたかったのだろうか?

いやまあ、ZZのおでこにハイメガキャノン引っ付けるようなごとするんだから、スーパーロボットなんて作りたいものなんだろうな………()

とはいえこのユニット、耐ビームコーティングはされているものの、すっごく脆い。

芯にガンダリウム合金を使って数発程度なら耐えれるが、重量を減らすためにかなり装甲を薄くしたので本当にビームもちゃんと弾けるか不安になるくらいだ。

 

「ノーコンかつノーミスで辿り着けってか……」

 

あのやられ千葉ぁ!で有名なゲームの如くみたいなクソゲーじゃねえかよ!

まあ、始めたのは俺なので文句は言えないけどね!

後ついでに飛行時間も三十分が限界なので割と普通に使えない。

メンテも劣悪だし、まさにロマンを詰め込むだけのユニットだ。

 

「まあ、使い捨てかつ短時間戦闘ならコイツの機動力はアテにできるな」

 

問題は爆砕ボルトがしっかり機能するかだが……まあ最悪機体を放棄してユニコーンに連れてって貰えばいいか(脳筋)

 

 

 

 

 

 

 

そんなわけでガランシェールの甲板に威風堂々とトリスタンを立たせる俺は、かなり恥ずかしかったりする。

ドダイ、ベースジャバーに乗るモビルスーツと俺が見れてなかっただけでなんか緑色にカラーリングされたアッシマーもいた。

ただ、アッシマーは宇宙じゃかなり運用が厳しいので改修が必要だが、まあ連邦が配備しているアンクシャを相手にするわけだからかなり厳しいぞ。

どのみちやるしかないからやるだけだが。

 

「よし、時刻になった。作戦開始だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

敵機接近の報。

それに真っ先に反応したのはシャトルへのタラップを渡っていたアカリだった。

 

「パパ……?」

 

「ん?どうした、アカリ?」

 

そんな彼女にアルベルトは気になるが敵機の接近に警戒して彼女を抱えてシャトルの中に入る。

まだ彼の中で、己の闇と光の間に苦しんでいる……

ユニコーンガンダムの兄弟機、弟になるバンシィに乗る一人の女性を思い出しながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦闘の始まりとはいつも静かなものだ。

いや、時には派手に始まるだろうがそれはそれとしておこう。

シンプルに戦闘とはいかに早く敵を殺すか、そのため相手に気付かれず先制を取れるかにかかる。

故に、警戒していても気付かれずに始末されれば問題ないのだ。

特に空戦に関しては先に相手の死角を取ったほうが勝ちだ。

真下、真上、後ろ……三次元から攻撃される恐怖は、宇宙空間で戦い抜いてきたジオンのパイロット達にはお手の物である。

特に現役で戦い抜いてきたガランシェール隊には。

が、その当たり前を潰すかのように真正面から突入するその心はアンクシャやベテランのトライスターズにも動揺させた。

 

「て、敵艦真正面から来ますッ!?」

 

「なにぃっ!?」

 

進路を塞ぐかのように現れたのは深緑が白と蒼の世界によく目立つガランシェール。

そしてその上に立つのはトリントン基地で確認された新型のガンダム。

 

「ミ、ミサイルと対空砲を撃って避けさせろ!ここで沈められてはたまらん!」

 

ガルダ級は多量のモビルスーツを輸送できる超大型輸送艦だ。

それ故に、生産コストは馬鹿みたいに高いくせに対艦戦には余り強いとは言えない。

そこまでモビルスーツを所有していない残党には手に余る代物、なのでガルダ級の利用価値が低いだろうと推測した艦長は撃墜されないために全力抗戦を選んだ。

 

「トリントン基地で味を占めたか、亡霊共め…!」

 

勿論、残党達はそんなことに興味はなく、ただユニコーンの奪取のみである。

艦長がもう少し頭の回転が良ければ狙いはユニコーンだと気付いただろうが、彼は腐敗した連邦軍人によくいる自己中心的な人物だったので彼はこの襲撃の後に辺境へ左遷される事は別の話。

そしてミサイルの襲来にドダイに乗って試作ショットランサーのマシンガンで、迎撃するデナン・ゾン。

 

「各機、散開!俺が戻るまで耐えてくれよ!」

 

そう言ってトリスタンは離陸(リフトオフ)する。

 

「ミノフスキークラフト正常稼働、スラスターユニットもしっかり動いている!よっしゃ、派手に行くかぁ!」

 

ギュネイは予感していた。

この戦い、まだ何か波乱を呼ぶ何かがあると。

あの獅子にいる存在があの三人の誰かなら、あの不死鳥もまたここにやってくるはずだと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〒〒〒〒〒〒〒〒〒〒

『今いくよ、もう一人の私』

〒〒〒〒〒〒〒〒〒〒

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し、時を戻そう。

インダストリアル7に向かうより少し前の話だ。

ギュネイは不死鳥事件が起きる前にユニコーン3号機【フェネクス】の強奪を企てていた。

それがお節介と言われようがギュネイには知っていて無視できるような物でもないから。

故に、金を握らせたスパイに教えてもらった試験宙域で待ち伏せし、不死鳥強奪作戦を開始したのだ。

フェネクスは戦力としても、これから起きてしまう犠牲を考えても無視はできない。

特に変態仮面の再来なあの男(ゾルタン・アッカネン)による犠牲はあまりにも不要すぎた。

だが、作戦は失敗した。

誰も乗っていないはずのフェネクスが動き始めたのだ。

もしかしたらリタ・ベルナルが勝手に乗り込んだのか、そんな考えもあったがブリッジを制圧した直後の事とはいえすぐに撤収を開始していて良かったとギュネイは今も思う。

最後の仲間がブリッジから離れたほんの数秒後に背後から凄まじい音がしたのだから。

それが原作同様のシールドによる破壊だと理解したが、同時にギュネイは疑問ばかりが浮かぶ。

アレが勝手に動く理由は何なのか、何だというのか。

不死鳥の行く先に不安を覚えたギュネイにとって、不死鳥の行動は要警戒でもあった。

だからこそ獅子にいる誰かが、リタ・ベルナルに近い人物、もしくは本人が乗っているのならあの不死鳥は何かする。

そんな妄想に近い直感がビンビンと感じていたギュネイだが、同時に作戦前にペイシュヴァルの言っていた事もその要因だろう。

 

「なんだか誰か、いや何かに見られている気がする」

 

そう言っていた彼の言葉は不死鳥の存在を大いに感じさせる言葉だった。

 

「はてさて、蛇が出るか鳥が出るか……!」

 

ともかくユニコーンを奪取せねば話は終わらない。

何もしないならそれに越したことはないのだ。

ガトリングでガランシェールへの直撃コースのミサイルを撃ち落としつつ、ガルダ級の背後の雲の中から現れたナオマサがドダイやベースジャバーに乗るモビルスーツをカタパルトで射出して攻撃態勢を整える。

 

「アンクシャ相手にどこまで持つか……!」

 

ビームを放ちつつ接近してくるアンクシャにシールドでガードしつつ、ビームライフルで応戦するトリスタン。

しかし重装甲がビームを受け止め、サーベルを抜いてきたアンクシャにギュネイはビームザンバーでビーム刃ごと右腕を斬り飛ばす。

 

「格闘戦はお手の物でね!」

 

そのままキックで地上に叩き落としながらガルダ級に張り付く。

 

「クソッ!大尉!敵がガルダを盾にしていて撃てません!」

 

「ちぃ!多少はくらってもガルダなら耐える!サーベルで追い払え!」

 

新入りを除けばベテラン揃いなのだろう、この部隊は。

だがギュネイは容赦なく新入りの機体を攻撃する前にライフルでメインカメラを吹き飛ばし、墜落させる。

 

「動きが単調だ、新入り」

 

ガルダの機関砲をバルカンで破壊しながら、ガルダの側面に張り付くトリスタンに、バンシィのアームドアーマーBS(ビームスマートガン)が空気を裂いて咄嗟に出したトリスタンのシールドを破壊する。

 

「やっぱり破壊力がえげつねぇ……!」

 

高精度センサーの役割もこなすアームドアーマーBSに強化人間かニュータイプか、ともかくニュータイプ能力があればガルダに直撃させずにこちらを狙う芸当もできるかと、破壊力に感嘆しつつライフルで近づかせないように迎撃する。

 

「見つけたぞっ!ガンダムゥゥ!」

 

「デルタ!?」

 

だが死角からの殺意に上を見ればデルタプラスがミサイルを撃ちながら迫ってきている。

トリスタンはガルダの中に入る事で直後に放たれた際どいライフルのビームを避けるが、宙返りでそのままガルダの格納庫にモビルスーツ形態に変形しながら入り込む。

 

「お見事……!」

 

「でぇぇぇいっ!!」

 

デルタプラスのビームサーベルがザンバーとぶつかる。

が、すぐにザンバーの威力が勝り驚異的な洞察力でそれを見抜いて距離を取る。

ギュネイは確信した。

 

「原作よりもニュータイプへの覚醒が早い!」

 

そう確信するのとは別にバルカンを乱射しながらサーベルを振り回すデルタプラス。

そしてかなり近い事もあってかリディの言葉も通信機を通して届いてくる。

 

「落ちろよ!騎士の成り損ない!」

 

「生憎俺は騎士じゃない、武士なんでね!」

 

サーベルとザンバーがまた鍔迫り合う。

既に近くで姫様もいるはずだが……と思った瞬間、上から凄まじいプレッシャーに思わず身震いする。

 

「なんだ…!?」

 

「気を取られるとはまだまだだな!」

 

だがギュネイとリディの経験の差が勝負を分けた。

ギュネイは敵から目をそらさないでいたがリディは初めて感じるニュータイプとしての感性に、動揺してしまった。

致し方ないのだろうがそれは戦場では死ぬと同然である。

だが殺す義理のない、むしろ一応ミネバ姫を保護してくれた男だ。

ここでコクピットにザンバーを突き立てるのはあまりにも非情過ぎる、なので蹴り飛ばすだけにしたギュネイ。

しかし運悪くその際に激しい衝撃波がガルダを襲い、艦内が大きく揺れる。

 

「うぉぉぉ!?」

 

態勢が不安定なトリスタンはそのまま空に身投げするように転げ落ち、スラスターのパワーを最大出力で上昇させる。

 

「あっぶねぇ…!」

 

下を見るとジェスタはまたワッツがヘマしたのだろうか、一機が既に姿が見えず他のトライスターズの面々は残党達としのぎを削っていた。

 

「ユニコーンは……」

 

一方でガルダの上ではユニコーンとバンシィのサイコフィールドが壁のようにぶつかり合っていた。

だが、そんな二機の間に金色に光る機体が何処からともなく降り立った。

 

「フェネクス……!!!」

 

3号機【フェネクス】、レーダーも探知することなくいつの間にか両者の間に立つように現れたフェネクス。

ギュネイは嫌な予感が大きくなったような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 




例のアレ

フェネクス<お兄ちゃん達、やめて!私を巡って争わないで!
それはさておき中身不在の模様な不死鳥さん。

バンシィ<妹は俺のモンやぁ!

ユニコーン<妹の処女はワイのもんや!

ギュネイ<割と仮面外して戦うの久しぶり過ぎてちょっと感情が激しい。自分を押し込むって色々大変。

マリーダ<今回はお留守番。その代わり膨れっ面で癒やされて…

ロニ<こちらもお留守番。まあ、機体がないから多少はね?

ジンネマン<決死の救出作戦をする必要がないし、過去に大きく囚われている訳でもないので殴り合ったりすることもなかった。けど何度かマリーダやアカリの事でギュネイと殴り合ってるので結局痛い目は見てるからモーマンタイ。

リディ<蹴落とされたけどすぐにガルダに戻ってきた才能マン。けどやっぱりミネバに振られる未来は変わらない。マザコン拗らせるのは仕方がないとはいえ、原作よりも色々見れたり触れたりした彼女には同類だ、とかいう話題はあまり効かない。

ミネバ<絶賛ストレッチ中。命綱なしのバンジージャンプをやってのけた姫様しゅごい(語彙力皆無)

カズイ<短時間なら飛べるけどドダイ使うことにしたデナン・ゾンで活躍。試作ショットランサーはマシンガン撃ちきったらランサーが暴発したとかしてないとか。

ガルダ級<穴という穴を攻められて逝きかける。背中もガリガリやられてドMの扉が!最後の扉が開かれちゃう!

ゾルタン<どっかでクシャミしてるとかしてないとか。



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お兄ちゃん達もうやめて!ガルダのHPはもうゼロよ!

実は前回ちょっと隠してた台詞があります。
すぐに検討はつくだろうけど、探してみてくださいね。もう見つけられてる人もけど()
そして今回にも……あるかもしれない。

そして感想、誤字報告ありがとナス!
評価もありがとう!できるなら高評価がやっぱり嬉しいけどね!




 

 

 

ユニコーン3号機【フェネクス】。

それは金色に輝き青を纏う不死鳥。

限られた人間しか知らない3番目のユニコーンに、バナージもリディもミネバも驚愕する。

何気なしかバンシィも挙動がまるで困惑しているかのようにたじろいでいた。

 

「金色の……ユニコーン?」

 

「なんなんだあれは……!?しかも浮いているだと…?」

 

「綺麗……」

 

三者三様、しかしバンシィはそれを振り払うかのようにアームドアーマーVNを起動。

フェネクスに振りかぶるが青く見えるサイコフィールドに弾かれる。

そして、フェネクスは怯える獅子を落ち着かせるようにゆっくりとバンシィに近付き、マニピュレーターを胸に当てた。

大事なものを優しく包み込むように。

『落ち着いて、本当の貴女を思い出して』

「触れるなッ!私に話しかけるなぁっ!?」

 

「なんだ!?女の声!?さっきからなんだ、この気持ち悪い感覚は…!?」

 

リディはこの戦闘が始まってから感じる違和感に、段々と吐き気を体が訴えてくるようになった。

まるでフェネクスに感化されるように、彼のニュータイプ能力が覚醒を始めていた。

同時に、バナージもまたフェネクスから聴こえる少女の声に不思議と安心感と優しさ、暖かさを感じる。

『いつかは解らない、けど貴方の力を借りるときがくる。止めなければならない脅威が来ているから…』

「貴女は……一体……」

 

 

そしてフェネクスのバイザーがトリスタン、否そのパイロットであるギュネイに視線が向く。

『貴方の作りたい平和な世界、それを歪めないで為して欲しい。私は応援してるよ』

「お前は……貴女は……いや、不躾なことは言うべきではないか」

 

 

ギュネイは相手が誰なのか理解し、あえては言わなかった。

リタ・ベルナルの残滓、恐らく今の世界になる前の彼女なのではないだろうか?

もしくは遥かな昔、言葉に出来ないほどの過去の残滓なのかもしれないし、サイコフレームという謎の物質の事だ、パラレルワールドの彼女であってもおかしくない。

正体は解らないが解るのは今、フェネクスを操るのはリタ・ベルナルだということ。

そして、バンシィに乗るものまたリタ・ベルナルであること。

 

「ならば、彼女を救うのみ!」

 

救えなかったあの日、頭領として懸念や不安を表に出さず前を向かなければならなかったが今なら救えるはずだ。

ギュネイは最後の力を振り絞るように暴れるバンシィに、覚悟を決める。

世界は変革を迎えようとしている。

そこに己の未来を諦めた彼女も連れ出してやると。

 

「バナージ!バンシィを抑えろ!パイロットを救い出す!」

 

「…!はい!」

 

もうフェネクスは何も語らない。

だが彼女の意を汲み取れないほど、二人は鈍感でもない。

 

「こっちだ!」

 

囮を買って出たトリスタンがバンシィに蹴りをかまし、ガルダの格納庫に誘導する。

 

「ガンダム……ガンダムゥ!」

 

「洗脳されているか!だがしかし!」

 

VNを振り回し、艦内を大きく傷付けるバンシィ。

サイコフレームによる増幅でバンシィのパイロット、リタ・ベルナルから感じる憎悪と怒りにギュネイは怯えることなく体当たりでパイロットを気絶させようとする。

だがユニコーンのパワーに勝てず吹き飛ばされ、追加ユニットが破損する。

だがバンシィの後ろで二つの人影が見えたギュネイ。

トリスタンを起き上がらせながら、ユニットを爆砕ボルトを起動させてパージさせる。

 

「後ろは向くなよ……今は俺を見ていろ!」

 

リタが苦しんでいるのを感じるギュネイ。

しかし、それは彼女に必要な儀式のようなもの。

故に、バンシィが止まるまでギュネイは耐え続ける。そう長くは持たないと理解しているからこそ、命を張っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ユニコーンは飛び降りたミネバをその手に取り戻していた。

 

「オードリー!」

 

「バナージ!」

 

ほんの少しだけ、再会のハグをしてその腕の中にお互い会いたいと想っていた相手の温もりを感じ合う。

そしてハグを終えると、視線を交らせてミネバにバナージは話しかける。

 

「オードリー、俺はまだやらなくてはならないことがあるんだ。アレに乗っている人を助けたい、頼まれたのもあるけど俺自身があの人を助けてあげたいと思っているんだ。少しだけ、付き合ってもらってもらえますか?」

 

その言葉に、オードリーはほんの少しの間を置いて答える。

 

「私も、なんとなく彼女の願いと貴方達に語ったことが聴こえました。そして、私もあの獅子に乗るパイロットを助けてあげたいと思っています。だからバナージ、私に力を貸して」

 

オードリーの言葉に、バナージは即答する。

 

「ああ、勿論!」

 

不死鳥の沈黙の願いは、ニュータイプ達の善意によって成されようとしていた。

それは過去からの悲痛の声か、それとも平行世界の先からの声なのか。それが解るのは不死鳥のみだろう。

ユニコーンはガルダにへと舞い戻ろうと、スラスターを全開で飛び上がる。

そんな彼を手伝う一人の男もまた、不死鳥に呼ばれたのだろう。

 

「ヒッチハイクをご所望かい?」

 

ペイシュヴァルもまた、ウェイブライダー形態のリ・ガズィでユニコーンを乗せる。

 

「ア……んんっ、ペイシュヴァル、ありがとうございます」

 

「いや、これくらいなんともないさ。それはさておき、私も手伝った方が良いだろう。でなければギュネイに笑われそうだ」

 

接触通信越しにそう言って上昇するリ・ガズィ。

だが、そんな彼を追いかけるアンクシャとナイジェルのジェスタ。

その様子にペイシュヴァルはバナージに確認を取る。

 

「ユニコーンの武器は?」

 

「ないです!」

 

「ならば飛べ!」

 

「はい!」

 

ニュータイプ能力による会話もあって、ユニコーンは飛び上がりリ・ガズィはモビルスーツ形態に変形しながらビームマシンガンをユニコーンに投げ渡すという、人間離れした技をアンクシャとジェスタに見せ付ける。

 

「やはりパイロットはニュータイプなのか!」

 

「ナイジェル大尉殿、まずはあの変形機を!」

 

受け取ったユニコーンはマシンガンの引き金を引いて発射。

アンクシャは回避するがジェスタのベースジャバーが被弾して、ジェスタはアンクシャの上に乗り換える。

そしてお返しにとビームの弾幕が背を向けたリ・ガズィを襲う。

 

「あちらも即興でよくやる!だがこちらの優位は変わらん!」

 

そう言って脚部のバーニアだけをパワーを上げて背中を地上に向け再変形する。

アンクシャは追突に恐れをなして回避を選択し、ナイジェルは苦虫を噛み潰したような顔になる。

追突を恐れない、そして技量の高いリ・ガズィのアクロバティックな回避に、ナイジェルらはド肝を抜かれながらユニコーンを再度乗せてガルダに向かう。

 

「待っていてください、ギュネイさん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ギュネイは左腕を圧潰され、スカートアーマーも千切れ飛び、脚部の装甲を裂かれたトリスタンでなんとかバンシィの攻撃を避けていた。

ちなみに既にデルタプラスは撃破されて物言わぬ物置と化していた。

 

「もう……俺に出来ることはない……かな?」

 

集中力を擦り減らしたギュネイは、汗を全身でかきながら眠くなる視界を舌を噛んで無理矢理明瞭にする。

そして、ようやくユニコーンはバンシィの背後に現れた。

 

「私はガンダム……お前もガンダム……あぅ…あぁぁ……!!」

 

「元に戻って!リタさん!」

 

そう言って、ユニコーンの正拳がバンシィの頭部を捉え、バンシィは仰向けに横たわる。

 

「私は……ヨナ……ミシェル……」

 

ようやく動きを止めたバンシィに、ギュネイはペイシュヴァルに彼女の保護を頼みながら、ガルダの外の戦況を見る。

 

「えぇ……」

 

ギュネイは恐らく今世で一番ドン引きする光景を見たと、感じた。

実際、後にこの事を娘たちに語るときにもドン引きしていたことを語るのだから本当にそういうものなのだろう。

何故ならライフルを持たないアッシマーに、アンクシャが一方的に殴り蹴られてと、肉弾戦で負けているのだ。

 

「ガンダムファイトかな?」

 

そう思わず呟いたその言葉は誰もが頷くだろう。

それを余所にガランシェールはガルダの真下に移動し、ユニコーンとリ・ガズィ、トリスタンを回収する。

それを機に、アッシマー隊やドダイで空戦をしていたモビルスーツ達もナオマサに帰投し始め、ジオン魂を見せ付けたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、奇跡は起きる。

繰り返される。

光と共に、宇宙に引き上げられるガランシェール。

それを目の当たりにするナオマサの面々や、ネェル・アーガマのクルー達。

そして、この戦いは終結にへと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




例のアレ

ギュネイ<マニピュレーターでアンクシャと殴り合って勝ってるという有様にドン引き。それと物凄く眠い。

アッシマー達<アッシマー魂なのか、ジオン魂なのか、それはわからぬ。だがこれがお侍様の戦い方なのよ。()

リディ<次は汚くなって再登場。アル、君は目を瞑ってなさい。見ちゃいけません。

リタ<バンシィのパイロット。ギュネイによる改変行為でも結局機体が変わるだけだった。ちょっと精神衰弱してる。

トリスタン<オデノカラダハボドボドダ!
よって機体変更確定。お疲れ様、トリスタン。

バナージ<ゴールインしているようでしてない。でもきっとすぐゴールインする。リア充爆発してしまえ!(祝砲)

フェネクス<口には出さないけどお願いする小悪魔。お主、鳥の皮を被った悪魔だな?

バンシィ<左腕がまだ震える。脳も震えるぅ!

ユニコーン<ユニコーンパァーンチ!処女以外はタヒぬ!

ペイシュヴァル<次回かその次、身バレします。

ヨナ<目立たない主人公な彼に出番はあるのか、それはおまけにかかっている……

ミシェル<占いしてたら少し先の未来で出会いがあるみたいなそんなのが出たらしい。


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第三章 REVOLUTION
ガンダム


タイトルは手抜きじゃありません。
ただ、プロットからピンと作者の感性に来たのが【ガンダム】なだけです。信じてください、何でもギュネイ君がしますから!

そして感想ありがとナス!
稚拙な感想返しがらも感想を下さり続けてくれる皆様に感謝ッ!
お陰様で登録者二千を超えやした兄貴たち!本当にありがとナス!

そしてHERO様から、支援絵を頂きました!ありがとナス!
上から紅蓮専用トリスタン、リ・ガズィカスタム(赤備え仕様)です!


【挿絵表示】


【挿絵表示】



今回は短めの癖にギャグを含みます。笑って許してチョンマゲ。
そして新機体の紹介を後書きにて!



 

 

 

 

 

「駄目ですね、足はパラオから持って来た予備パーツを使えば良いですが腕はかなり繊細な部分なんで予備パーツのメンテに時間を割く暇がないです」

 

そう語るトムラとそれを聞くギュネイ。

その話の話題である目の前でオーバーホールされるトリスタン。

トリスタンの損壊具合に最初はトムラも思わずギュネイの頭を叩いたが、バンシィという強敵に一発だけで許してもらえた次第である。

 

「まあ、流石に無理させ過ぎたからな……だが丁度良いのかもしれないな」

 

「え?」

 

「アナハイムがオーダーメイドで作ってくれた俺のガンダムの話さ」

 

「ああ……」

 

確かにそんな話があったな、とトムラは思い出す。

 

「サザビーの実質後継機みたいなものですよね、アレ」

 

「ぶっちゃけるとな。ガンダムらしくフォルム変えたサザビーみたいなもんだ。だが、俺はアムロ・レイともシャア・アズナブルでもないという意味でも、俺はあの機体を頼んだ。俺は俺自身で、シャアを継ぐ者でもアムロを継ぐ者でもない、俺の平凡で一般的な理想を押し付ける機体であり、あの二人がやらなかった事をやり遂げる為の力だからな」

 

ネェル・アーガマとの合流と、袖付きの奇襲。

ギュネイは疲労でその出来事をよくは知らないが、最終的にネェル・アーガマに収容されたユニコーンと袖付き、それを見て袖付きに捕まるまいと離脱したガランシェールとナオマサ。

簡単に言い表せばそんな感じだと、ギュネイはマリーダから伝えられた。

尚、ベットの中に看病してくれたロニとマリーダがギュネイを横からサンドイッチして寝ていたのはビビるどころか尊さで逝きかけた事は周囲には秘密である。

状況を確認後、レーダーの索敵範囲のギリギリを航行するように伝え、同時にパラオに援軍要請をする。

既に決戦の時は近付いている、そう伝えて。

 

「【G-サザビー】、保管しているサザビーとは別の新規設計のガンダム……名前はパクリみたいですがその性能はサザビーと同等かそれ以上、整備大丈夫かな……」

 

「まあ、とにかく俺はペイシュヴァルと共に受け取りに行くからそれまでの間は状況が動かないことを祈るしかないか」

 

地味にメカニック達の不安も抱えて、ガランシェールはネェル・アーガマの追跡を継続し、ギュネイらは新型機の受け取りのために指定の座標にへと向かう。

それまでに、状況が動くことがなければ良いと祈りながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

指定座標に、ポツンと存在する一隻の民間輸送船。

そこへギュネイとペイシュヴァルが乗り込んだ一機のランチが、ゆっくりと近寄り、迎え入れる為に開いたハッチの奥にへと進む。

 

「【Hi-νガンダム】、そして【G-サザビー】。確かにお届けしましたよ」

 

機体の前で最終チェックをしていたメカニックからそう言われ、俺とペイシュヴァルはそれを信じ乗り込む。

ランチからそのままコクピットに移動し、新型のモビルスーツを起動させるギュネイとペイシュヴァル。

そんな彼らに民間船からの通信が開く。

 

「どうした?ブリッジ?」

 

全天周モニターのど真ん中に映し出されたのは金髪を無造作に刈り上げた額に傷のある男。

 

「……何故ここにいる、シャア」

 

そう疑問を口にしたのはペイシュヴァル。

だが、仮面を外したからかその声はハッキリと聴こえる。

 

「なに、君達の顔を拝みに来ただけさ。これで最後になるかもしれないからな、アムロ」

 

「冗談でもそんな事は言うな、シャア。こっちはこっちで連戦で疲れているんだぞ…」

 

不敵な笑みを浮かべるシャアと、溜め息を吐いて少々憂鬱になるアムロ。

それなりに関係は修復……されているのだろうか?

 

「妹さんの所で迷惑かけて、結局アナハイムでテストパイロット……本当に妹さんに殺されても俺は知りませんよ?」

 

ギュネイは前々から知っていたからか、ジト目でシャアを咎める。

そんなギュネイにシャアは「アルテイシアには内密で頼む…」と、元総帥の頭を下げる情けない男。

 

「シャア……いや今はエドワウか、まさかお前もこの戦いに割り込むのか?」

 

まだシャアの反乱の時の事を引きずるアムロは、シャアに問う。

今までの彼なら普通にやりかねないのもあるのだが。

だが、シャアはそれを否定した。

 

「いや、二年越しのブランクは君と違って私には重いのでな。それに体も鍛え直している所だ。それと今はシャアでいい」

 

「やる気はあるのか……」

 

「やるならシミュレーターだけにしてくださいよ?アンタの生きがいに巻き込まれるなんてもう散々なんで」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し彼らについて話そう。

約三年前、シャアは精神崩壊を引き起こしていた。

ほんの一年前にようやく己を取り戻し、妹に精神と物理の波状攻撃で叩かれながらもこうして素性を隠しつつ、赤備えと接触することは多々あった。

対してアムロは数週間の間、昏睡状態にあったが回復。

シャアとの激闘と口論でアムロは今後の事に悩んだ。

だが、ギュネイから言われたある一言をキッカケにアムロは彼と共に戦うことを決意した。

それはニュータイプというものの為に犠牲になったニュータイプ達や子供達への贖罪でもあり、また人類を導くという役目を果たすためにも。

 

「前に立ってやりたくないなら後ろでちゃんと支えろ、こき使ってやる。でなきゃ例えアムロ・レイであっても俺はアンタを殺す。アンタも結局シャアと同じって事だからな」

 

そう言いながら本当に生身でドス黒い殺意をギュネイから向けられて、アムロは当時の事を問答無用で殺されるのでは、と思ったらしい。

そして、己の罪を形作るかのように己をペイシュヴァルと仮面を被り、ギュネイの側近をやってきた。

それもようやく終わりを迎える、という訳では無いが区切りとはなるのだろう。

アムロ・レイは己の広めてしまったニュータイプの兵器としての強さを見せつけた罪をこれからも償うだろう。

同時にシャアもまた、己の過ちと最後の家族との向き合う必要もある。

両者共に、まだするべきこと、なすべきことは多かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー現在ー

 

 

シャアとアムロはギュネイを混ぜて昔話をしていた。

エゥーゴとカラバのキリマンジャロ攻略戦、アウドムラでの思い出、ギュネイの強化直後の不安定さとその頼もしさなんかを暴露されたり云々。

 

「本当にこのギュネイが?」

 

「ああ、まさか上官に対して機体越しに殴ってでも後方に戻そうとするからな、逆に指揮を任せて見る気にもなった」

 

「俺、そんなことしてたんすか……」

 

「よくクビにならなかったな。いや、この場合銃殺刑か」

 

「フフフ……ああいう手合は嫌いではないのでね」

 

「くっころぉ……!」

 

顔を赤面させて手で塞ぐギュネイ。

彼らの顔を見たくないとばかりに、ピッチリ指の間は塞がれていた。

 

「それに戦闘中には何やら奇妙な事を口走りながら戦っていたな。絶好調である!、とかな」

 

「……ククッ」

 

「モウヤメルンダッ!」

 

そんな愉快な話も終わりを迎えた。

ベースジャバーに搭載を完了した二機に、シャアは敬礼をしつつ武運を祈る。

 

「君達に、勝利の栄光を」

 

そんな彼の言葉にアムロはこう答えた。

 

「何だか死亡フラグみたいだからやめろ」

 

「…………貴様はその程度では死なんだろう?」

 

「なんだ、今の間は!?」

 

「ええい!早く発進させろ!」

 

そんな二人にギュネイは先程と打って変わってこめかみを抑えながら溜め息を吐く。

 

「あーもー滅茶苦茶だよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勿論、これからもギュネイは色々苦労するのだがまあそれは別の話だ。

 

 





機体詳細

G-サザビー  全長19.6m

武装/ビームショットライフル(バレルMOD付き)、ビームサーベル×2、頭部60mmバルカン砲、ν-シールド(ビームキャノン、ファンネルミサイル、ビームトマホーク)、フィン・ファンネル×8、斬艦刀【獄道】(ロングビームライフル)、腕部ブランドマーカー×2、胸部ビームバルカン×2、(後腰部)改良型90mmサブマシンガン×2、OV-D(オーバードライブシステム)


ギュネイがオーダーしていたNTとの戦いについていける高性能機の要望にアナハイムが開発した物でサザビーの後継機。フォルムはムーンガンダムに寄せたサザビーのような感じ。サザビーの曲線フォルムは残しつつムーンガンダムを彷彿とさせるシャープさを持つ。
大型化していた機体をゴッホ社の技術提供によりサイズダウンされている。

特徴の一つとしては頭部に施されたモード切り替え。中・遠距離戦を主体とするザク神様のようなサザビーモードは緑のモノアイレンズに高性能センサーを搭載、後頭部にある後ろにへと伸びるアンテナがサザビーを連想させる。近・中距離戦を主体とするGモードは後頭部のアンテナが縮むと同時にモノアイ部のプレートが上にへとフェイスオープン、二対のアンテナが立ちツインアイが顕になる。

関節部、コクピットを中心にサイコフレームが配置されており、オーバードライブ起動時、排熱の為に各所の装甲が拡張展開される。尚、OV-Dは任意による出力向上システムOS。
フィン・ファンネルはファンネルラックによって稼働時間を延長、斬艦刀【獄道】は背部の中心部に懸架され、ビームザンバーの技術を利用した圧倒的切断力を誇る。更に隠し武器としてロングビームライフルが肉厚な刀身に収納されている。
ガンダムピクシーが使用していた90mmサブマシンガンを大幅改良したらしい改良型は、マガジンを後腰部のスカートアーマーの裏側に6つ設置。
リロード時に射出口からマガジンが飛び出し、自動装填される仕組みとなっている。



いつもの例のアレ

Hi-νガンダム<機体回収時には四肢を失って大破していたνガンダムを改修した物。本来の姿になり、同時に関節部にサイコフレームを使用。
実は武装とパーツに関してはユニバーサルデザインなのもあるが、G-サザビーと互換性がある。例に上げるとシールドとか。

ペイシュヴァル(アムロ・レイ)<ようやく本性現した天パ。なんで生きてんだよ。ハイウェポンは産廃なので早く次回作には上方修正させてあげて……

エドワウ・マス(シャア・アズナブル)<一年戦争後のゴタゴタで生死不明になってた所、生存を確認。いやだから何で生きてるの…

ギュネイ<上記二人の生存をさせた戦犯。全裸は泣いて殴ってもいい。シャアとセイラに関しては、隠居生活させるなら一番の人物の元でもあるから、致し方なしなのである。そして恥ずかしい話を暴露される。

セイラさん<流石に精神崩壊してる総帥をトップに置いとく訳にもいかないし、その事実を知られるのは不味いと思ったギュネイによる被害者。まあ、兄とはしっかりOHANASIできたのでまたやらかすときは彼女がシャアを哀しみの向こうへ逝かせるでしょう()

メカニック達<割とワンオフが多いのに、また更に増えるのかと戦々恐々。良かったね、アムロならあんまり壊さないから安心感抜群や!(メンテは除く)

ララァ<■■■■■■■■■■■■■■■■■



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パラオ戦争博物館の事情

感想で頂いた案を採用して書いてみました。
ちょうどここまでのメカの設定とかちゃんとハッキリさせたかったしね。

割とネタに振り切ってたりします。気軽に見る、という感じで楽しんで頂けたら幸いです。
思ったりより短い!って感じだったらすまない…

そして初めての掲示板機能を使ったので変な事になってたらすまぬ……



 

 

 

1:名無しのメカニック ID:QJdvdxPH4

やあ皆。区切り良かったので新しく建てたゾ

 

2:名無しのメカニック ID:ZGat4R4//

このクソ忙しいときに新築されても知らんやつは知らんわ!少し前の戦闘で疲れてるのに、今度は出張だよ!こんちくしょう!

 

3:名無しのメカニック ID:Z9AAbbnvh

私がガンダムだ

 

4:名無しのメカニック ID:I69IRYhr2

↑錯乱兄貴は休め

 

5:名無しのメカニック ID:Ez6r6yMF2

とんでもねぇ、待ってたんだ

 

6:名無しのメカニック ID:FYsuFX8W5

メチャクソダルい弾薬補給やビーム兵器の配線メンテとかでクッソダルい……

 

7:名無しのメカニック ID:DCxoWrlKr

↑ドーベン・ウルフ改か

 

8:名無しのメカニック ID:prGENWjdJ

強いのは良いんだけど、整備班を殺しに来ているんだよなぁ

 

9:名無しのメカニック ID:ispvJL2b2

それでも愛してるんだよぉぉぉぉ!ドーベン・ウルフをさぁぁぉ!愛してるよぉぉぉぉぉ!

 

10:名無しのメカニック ID:jUFyp33UB

↑さてはお前、ドーベン・ウルフのメカニックチーフだな!?

 

11:名無しのメカニック ID:uYM7Z2d8h

ドーベン・ウルフはイイゾぉ^

 

12:名無しのメカニック ID:vJ5neIhy4

ザクⅢの口ビームはロマンだろ!いい加減にしろ!

 

13:名無しのメカニック ID:0cznue0sm

それを言うならガルスJのバルカンは素晴らしい物だるぉ!?

 

14:名無しのメカニック ID:+LgjGwdh1

私はモビルスーツ箱推し派なので傍観しますわ

 

15:名無しのメカニック ID:jzJ06S8HB

14<逃げるなぁぁ!卑怯者ぉぉぉ!!

 

16:名無しのメカニック ID:3VzVzldYG

ジャスタウェイこそが至高だ

 

17:名無しのメカニック ID:vBitVk11R

ちくわ大明神

 

18:名無しのメカニック ID:GmeQFBGHD

そういえばガルスJの変態仕様の機体、あれどうなった?

 

19:名無しのメカニック ID:ATikeTfL0

シュツルム・ガルス?アイツはビランチャ・ベーア中尉の機体だったよな?

 

20:名無しのメカニック ID:KEDJf8EXN

背中に足に肘になんかにもアンカー増設作業で忙しいわ。

 

21:名無しのメカニック ID:Uv/NYO0Ag

残念だったな、赤備えの諸君。我々袖付きメカニックはあっという間に終わったぞ

 

22:名無しのメカニック ID:2s7CJwhTi

そりゃメンテし易いギラ・ズール、ギラ・ドーガが基本だし……

 

23:名無しのメカニック ID:o3UTormGw

数少ないし………

 

24:名無しのメカニック ID:VHroz+tnX

でも、赤備えの方がメカニック魂燃やせるんよね。

 

25:名無しのメカニック ID:scS+jS6Wb

24<お、そうだな。

 

26:名無しのメカニック ID:lRXuxojvu

実際、赤備えだと強化プランを上に提出すると、採用されたりするからな。

 

27:名無しのメカニック ID:yiNXST+vs

なんで三位合体ドーベン・ウルフは駄目なんや……

 

28:名無しのメカニック ID:atNTbGai3

27<そりゃZZガンダムの再現だからだろうが……

 

29:名無しのメカニック ID:si2H64qUC

メカニック達を阿鼻叫喚させたらしいゾ

 

30:名無しのメカニック ID:R3NrktWhb

整備性悪い機体作ってどうすんだしw

 

31:名無しのメカニック ID:BsxpAT6h8

既にあの状態で完成されてるだろ、もうドーベン・ウルフは

 

32:名無しのメカニック ID:I4eN8RmEr

あれ以上改造してもさらにコストかかる気しかしない。

 

33:名無しの経営陣 ID:lU0Gzg3tX

ただでさえバレないように動かしてる大金が更に動くとかオレっちいやよ?出元がバレないようにするの大変なんだから……

 

34:名無しのメカニック ID:CsBpPhFy3

33<経営兄貴は休んで

 

35:名無しのメカニック ID:lUNzRZ1sQ

タカキは休め

 

36:名無しのメカニック ID:H2ZyKw3tQ

紅蓮頭領も交渉で結構忙しかったらしいよな

 

37:名無しのメカニック ID:iLOy8Ti0y

そういやぁそうだった。でもそれくらいしかやることないんじゃないの?あの人

 

38:名無しのメカニック ID:GWxQF6x4P

37<それは言い過ぎワロタ

 

39:名無しのガランシェール ID:k2asq8HSf

うちの職場、結構ブラック……

【画像】

 

40:名無しのメカニック ID:8+Uo0GX6C

うっわ、なんだこのカッコいいビームサーベルみたいなやつ!?

 

41:名無しのガランシェール ID:RXTXxTJ6m

ビームザンバー。アナハイムが某ロリ娘のトチ狂った技術の幾つかからビーム加速器の原型をある程度作れるようになってたんだよな。ちなみに紅蓮頭領がそのデータ渡してた()

 

42:名無しのメカニック ID:Pd1qS2oLL

41<お主も悪のよぉ?

 

43:名無しのメカニック ID:PB4cG9is+

42<いえいえ、貴方様程では……

 

44:名無しのメカニック ID:h1wxxYAvQ

ちくわ大明神

 

45:名無しのメカニック ID:n9bfW6sho

44<うるせぇ!

 

46:名無しのメカニック ID:g+FXJtCBh

44<ダレナンダアンダイッタイ

 

47:名無しのメカニック ID:nGz5/AeI3

41<それでビームザンバーって加速器使った武器ってことだよな?噂で聞いたぞ

 

48:名無しのガランシェール ID:cDurrmknJ

47<おう。ただ、まだ問題点があって使用するたびに念入りにメンテしないと暴発する可能性もあるし、電装系がショートしかねない。だから本当に試作なんだよね。実際使用後は大体回路とかショート寸前とかしてたりとか……

 

49:名無しのメカニック ID:zh8ljg3aP

まあ後十年とかそこらはかかるとか言われてた技術だし……

 

50:名無しのメカニック ID:CsqBTlw1p

ブッホ社もほんの少し前は小規模改修や改造くらいが限界だったのに、今じゃ量産モビルスーツの設計も始めてるらしいじゃないか

 

51:名無しのメカニック ID:2yyralssD

50<ウッソだろお前

 

52:名無しのガランシェール ID:ZL5X2u7HJ

51<嘘じゃないんだよなぁ……

【デナン・ゾンの画像】

 

53:名無しのメカニック ID:WsynbEe+C

52<……試作機?

 

54:名無しのガランシェール ID:UcOwJaR/B

54<大当たり。ショットランサーとかいう、整備が少し面倒いのもある。でもまあ、トリスタンのガトリング整備するよりはマシ…

 

55:名無しの情報部 ID:4ib8TJVjf

ギラ・ズールにギラ・ドーガ、鹵獲したジェガンやその他諸々の機体のデータや実機を裏で流したってのがもっぱらの噂だな

 

56:名無しのメカニック ID:b31MhAh2G

55<情報部(噓)ニキ、ありがとナス!

 

57:名無しのメカニック ID:cDOGKDugi

アナハイムも赤備えの新型モビルスーツ製造してるみたいな話も聞くけど、どうなの?

 

58:名無しのメカニック ID:6ocUwXX7a

57<そこはメカニックの本文じゃないから、俺たちゃ今ある機体を整備することしかやることないよ

 

59:名無しのメカニック ID:jvObLjpZ0

サザビー、そうあえばアレはどうするんだ?

 

60:名無しのメカニック ID:9dtaylEzN

シャア総帥がいないから、ずっと誰も乗る奴がいないからなぁ…

 

61:名無しのメカニック ID:IGhfknJuK

紅蓮頭領じゃないの?

 

62:名無しのガランシェール ID:dROFBPOPX

いんや、新型に乗るらしいし、それはない

 

63:名無しのメカニック ID:SxLwNirIS

サザビーはもう誰も使わないのだろうか……

 

64:名無しのメカニック ID:qQlCHPICj

少なくとも一部はペイシュヴァルがシャアじゃないかって言われてるけどな

 

65:名無しのメカニック ID:nPmBSlrVH

64<だがシャアの近くにいた奴はシャアではない、なんて言ってた記憶があるけど

 

66:名無しのメカニック ID:08q0QG0rz

65<さあ?俺は知らんね

 

67:名無しのメカニック ID:uQ8yzbnLo

興味ないね

 

68:名無しのメカニック ID:GuPn6MZgC

粉バナナ

 

69:名無しのメカニック ID:v5aY8BMKw

68<お前の穴という穴に粉バナナ突っ込んでやろうか?

 

70:名無しのメカニック ID:m0G01yoo1

そういえばこっちに協力してくれるアナハイムってジオン系とかそこら辺の人達が協力してくれてるんだっけ?

 

71:名無しのメカニック ID:Y7uhaes9K

70<まあそれもあるみたいだけど、アナハイムお家芸でもあるからな……

 

72:名無しのメカニック ID:iX47syLVU

エゥーゴとティターンズの戦い、グリプス戦役が良い例だよ

 

73:名無しのガランシェール ID:3VjovxTPg

少なくとも協力してくれた派閥以外はアナハイム社からゴッホ社に異動したり、労働力は別の職に再就職のアフターサービスあるみたいだし、割とホワイトな契約な紅蓮頭領

 

74:名無しのメカニック ID:F3Habpa26

73<職場がブラックなんですが!?

 

75:名無しのメカニック ID:dIVduXZKo

74<まあ、今だけの苦労って奴だよ、多分

 

76:名無しのメカニック ID:B5PVMGyG/

メカニックの俺達に先に聞かせてもらった新国家設立案、あれ?俺達意外とヤバメな立ち位置に……?

 

77:名無しのメカニック ID:ypRSXtLHX

三人寄れば文殊の知恵、そんなニホンの諺があるらしい

 

78:名無しのメカニック ID:J46EPAJAM

確か、三人集まれば云々……

 

79:名無しのメカニック ID:Bo+lgt7K6

78<覚えてないやんけ!

 

80:名無しのメカニック ID:bF9KSbSKE

まあ、現場の人間の意見を聞くってある程度は正しいことやから…

 

81:名無しの情報部 ID:c61s0WGoY

ちなみに君達は新国家の軍に永久就職になるかもですよ(大嘘)

 

82:名無しのメカニック ID:ndpVIkuNu

81<し、タヒぬまで……!?

 

83:名無しのメカニック ID:PxesElTqZ

嘘だ……僕を騙そうとしている……

 

84:名無しのメカニック ID:O4vFMImmf

嘘ダッ!!

 

85:名無しのメカニック ID:EyuitYjNm

バエル……

 

86:名無しのメカニック ID:9zcPkm8SG

おおぅ……

 

87:名無しのメカニック ID:N+RjUPZmk

オデノカラダハボドボドダ!

 

88:名無しのメカニック ID:oTYWeOPiI

87<ダディバナザン!?

 

89:名無しのメカニック ID:zP5pc89H9

誰だよ、古のヒーロー呼んだやつwww

 

90:名無しのメカニック ID:kOX2zPJe3

アナハイムもゴッホも新型作ってるけど、こっちが負けたらヤバそうなのは変わらんからな?

 

91:名無しのメカニック ID:5oG2A5wn2

連邦VS宇宙軍

 

92:名無しのメカニック ID:ga6DU2gPP

第三次大戦だ(デェーン!)

 

93:名無しのメカニック ID:ITCp4k+Of

92<もう誰だよw

 

94:名無しの情報部 ID:d8otg/YNc

一応、水面下で交渉して協力体制は作ってるゾイ

 

95:名無しのメカニック ID:sHHKLXnz8

でも戦うには戦力こっちがヤバない?

 

96:名無しのメカニック ID:KTi1E1TAL

95<その為に各地を3年かけて飛んでいった紅蓮頭領パネェッス

 

97:名無しのガランシェール ID:ukWqBJVOl

元々連邦からは内心脱却したいって思うコロニー政府は多いしね。民衆も一部は過激派だし、諦めた人達もいるし

 

98:名無しのメカニック ID:oB1Dbw3WV

最後の希望って奴か……

 

99:名無しのメカニック ID:3Bd0sue+z

アースノイド達はもう放置!()

 

100:名無しのメカニック ID:MIOvU+B7s

ま、俺たちゃ現場でパイロット達の為に整備と修理をこなすだけだ。それは変わらんだろ?

 

101:名無しのメカニック ID:UUiQUJV5U

100<お、そうだな

 

102:名無しのメカニック ID:WNPS2s30r

100<うす…

 

103:名無しのメカニック ID:Apf/Ru6Hv

100<じゃけん、修理行きますかぁ〜

 

104:名無しのメカニック ID:gP0zqboVi

……寝るわ(二徹)

 

105:名無しのメカニック ID:PAeP8SIzj

104<お休みなさい…

 

106:名無しのメカニック ID:m7PV5U0VI

俺はブシドーの旅でも観てくる

 

107:名無しのメカニック ID:/6Oy0/o/L

106<あの人気アニメか

 

108:名無しのメカニック ID:Xs3ioeW8H

107<独占配信とかいう害悪

 

109:名無しのメカニック ID:z/qY1IZni

108<あっちも粛清しなければ……

 

110:名無しのメカニック ID:+fGrCJbCA

環境破壊は楽しいZOY!

 

111:名無しのメカニック ID:AOVOpTUi2

110<ご先祖様ブチ切れ待ったなしだからやめなされ……

 

112:名無しのメカニック ID:sSDmpwIOL

そもそもコロニー落としとかで環境が既に滅茶苦茶で笑っちゃうんですよね

 

113:名無しのメカニック ID:cD128CoQX

紅蓮頭領は環境保全とかはどう考えているのだろうか……

 

114:名無しの情報部 ID:V4Yk6yPDi

113<農業用コロニーを各サイドに設置しつつ、地球からも買い続けるって感じみたいね。ただ、アースノイドには色々政府の暗い話とか一杯聞かされるだろうし、無償で宇宙移民&就職案内もやるらしいし人手がとにかく足らない

 

115:名無しのメカニック ID:e6HNP839L

金は【規制】から使うしな……

 

116:名無しのメカニック ID:ukn6/NMZp

あの会社には悪いことしたよな……一番は社長がアレということがな……

 

117:名無しのガランシェール ID:htyNG6hCY

少なくとも、地球にはあまり関わらない、そういう方針で良いのかね?

 

118:名無しのメカニック ID:Ms7CP4ItD

そうなんじゃない?勿論、地球がどうでもいいわけじゃないみたいだけど、連邦が自然浄化されるまでは放置だってあの時言ってたし

 

119:名無しのメカニック ID:Bh7fKD/gh

どのみち連邦は寿命が近いからな……まあそれまでこっちが発展し続ければ勝ち確だろ(適当)

 

120:名無しのメカニック ID:9xueTExyG

まあ、そこらは本当に俺達と紅蓮頭領次第だな

 

 

 

 

 

 

 

 




まあ、こんな感じなのかな…?
途中から自分でもよくわからなくなってきたかもしれない()

感想、よろしくお願いします!



恒例の例のアレ

ガランシェールメカニック<ビームザンバー担当その1。常に壊れ続けるビームザンバーに時折スパナを叩きつけて切れ散らかしてるとか。まあ、今はそれから開放されてほんの一瞬の休暇を楽しんでいる(尚、艦内)

情報部<本当に情報を扱う部門にいるけど、言動のせいで(嘘)等と笑われる哀れな人物。まあ、割と彼も虚言癖があったりするとかないとか。

経営陣<実は情報部の人とは知り合い。恋心もあるとかないとか。それはさておき使える資金制限がキツすぎて常に頭を悩ましている。尚、将来は長期休暇が待っているので安心。



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器と乙女、そして獣

まずは感想ありがとナス!
日々、執筆の励みになっております!(投稿が遅れたことに目を背けつつ)
そして誤字報告してくれた方々にも感謝!
ちょっと燃え尽き症候群?みたいな感じになってて、中々やる気とネタが浮かばなかったのです…許してクレメンス…

それとガンエボの特殊演出は脳汁ドバドバした(小並感)

今回の挿絵はPicrewのkrmr様のイラストメーカーをお借りしまして作成した、ギュネイ(UC0096)のイメージ図です!


【挿絵表示】


そしてまたまた支援絵!
引き続きHERO様からHi-νガンダム(赤備え仕様)です!
本編では原作カラーですが、こちらもまたよき……


【挿絵表示】




 

 

ネェル・アーガマ。

ハマーン戦争とも呼ばれる第一次ネオ・ジオン戦争で建造されたアーガマの発展艦は、エゥーゴのガンダムチームのメンバーであった子供達によって運用されていた。

勿論、その詳細は民間に伝わることはないが、しかしネェル・アーガマがガンダムチームを運用した事は軍も民間も関係なく広く知れ渡っている。

とはいえ、知る者ぞ知るといった話であるが。

さて、そんなネェル・アーガマはシャアの反乱こと第二次ネオ・ジオン戦争では改修中。

現在はロンド・ベル所属のワンオフ戦艦。

そして今現在、連邦への裏切り行為と袖付きによる奇襲によって良くも悪くも後にラプラス争奪戦等と呼ばれるこの戦いは、最後のステージにへと移ろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バナージ・リンクスはフル・フロンタルという男に妙な親近感と、気持ち悪さを感じた。

仮面を被りつつ、しかしそれはまるで器のようで。

しかしどこか自分に似てもいる。

それがニュータイプの感性からなのかは解らない。

だがこのまま話の平行線を続ける彼ら【袖付き】と、いつまでもこうしていてはいられない。

仮面を被ったこの男はやはり胡散臭いのだ。

サイド共栄圏、なんて言葉もどこか空っぽな感じなのだ。

ギュネイとは違う、熱意や覚悟はなくただ為すべきことのような……義務感のように動いているような印象をバナージに与える。

それに、バナージは既にオードリー・バーンという少女の為に戦うという意志と覚悟を持っている。

故に、フロンタルの誘いには乗るはずもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、インダストリアル7への航路を進むネェル・アーガマに転機が訪れた。

 

「前方より、敵モビルスーツ隊!さ、サラミスにムサカ…!?鹵獲艦多数!」

 

「なんだと!?ええい!こんな面倒くさい時に!モビルスーツ隊を出せ!」

 

そんな慌てるブリッジとは別にフロンタルはその騒ぎを感知して親衛隊はネェル・アーガマから離脱し始める。

 

「ここで一度、戦うしかないか……いや、即座に撤退だ。数を揃える。アレも必要だ」

 

そう呟くフロンタルの言葉を聞いてしまったアンジェロは一瞬、捨てられたと錯覚するがすぐにその思考を捨てて彼について行く。

まさかそんなはずはない、あのバナージ等という青年が大佐が私以上に必要とされる存在であるはずがないと。

それでも不安感を抱きながらも、愛機であるローゼン・ズールのコクピットに収まり、戦場となった宇宙に飛び出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「袖付きなら容赦はできん!」

 

新品のビームショットライフルで袖付きにへと付いていたガ・ゾウムを、散弾ビームでハチの巣にしてシールド裏に設置されているビームキャノンを後ろから狙撃してくるギラ・ドーガ重装備型をカウンターショットして撃破する。

 

「流石というべきか、アナハイム。実によく動く…!」

 

パラオからの艦隊と合流し、そのまま実戦にへと投入されたG-サザビーの性能に感嘆するギュネイ。

紺色を主体とし、細部にグレーで塗装された新しきガンダムはその翼で大空を舞うように敵を殲滅していく。

 

「俺の教えた事が、ああして役に立つのは……嬉しいと言うべきなのだろうか……」

 

そんな光景を複雑な気持ちで見るのは先に赤備えが味方であることを伝えるためにネェル・アーガマにへと着艦したHi-νガンダムを操るアムロ・レイ。

だがブリッジでは伝説のパイロット、アムロ・レイの最後に乗っていた機体のνガンダムが現れたことで亡霊がやって来ただの、死神が復活しただのと騒ぐ。

そんな有り様に、かつての事を思い起こす。

 

「俺も、赤備えに入ったときは色々あったな……」

 

主に元ジオン軍人らから苦い顔や怒り、殺意を。

ガランシェールにはパイロットはいなくとも普通の軍人は多くいて、それ故にアムロによって失った仲間の記憶は未だ終わらない悪夢やトラウマ等となっていた。

それを押し込んでいたのに、アムロの登場によって一時期荒れたガランシェール。

ギュネイの生存とアムロの加入、良いこと悪い事同時に起きた事で彼らの感情が爆発するのは致し方ないのだろう。

実際、ガランシェール隊のクルーを辞めた者も数人いる。

死んだはず、行方不明のはずだった人間がいるという、気持ち悪い事もあったのだからもあるのだろう。

今では和解もしくは妥協、そんな感じにはなっているが、それでも死者(厳密にはMIAだが)が生きているなどそう簡単に信じられるはずがないだろう。

 

「こちら地球連邦ロンド・ベル所属、アムロ・レイ大尉だ。いや、元とは付くか」

 

「あ、あのアムロ・レイ……!?」

 

「そんな馬鹿なぁ!?アクシズショックで死んだんじゃなかったのか!?」

 

オットーが驚愕の余り勢いよく艦長席から立ち上がり、ブリッジの天井に頭をぶつけるボケをやらかす中、死者が蘇ったという、その言葉の通りにアムロ・レイの顔がモニターに映っていたのだった。

 

 

 

 

そこから数分後、戦闘の爆発は消え去り元の静寂な宇宙にへと姿を戻した。

そして、Hi-νガンダムに続いてサザビーを連想させるガンダムにオットーら連邦兵士達も一瞬赤い彗星かと疑ってしまう。

 

「歓迎ありがとう、というには盛り上がりはないから出迎えありがとうだな」

 

そんなジョークを飛ばしながらネェル・アーガマの格納庫にへと降り立つ。

後に【ラァンデール艦隊】と呼ばれる赤備えのリサイクル艦隊は増設ブースターによる片道切符でパラオからネェル・アーガマまでやって来たので、現在は整備兵達の休息を挟みながらパイロットも総出でメンテナンス、修理等を絶賛フル稼働中だ。

そんな最中、コクピットに護衛と称してロニとマリーダ+αを連れ込まされたギュネイは、女性三人という見えない重みに溜め息を吐きたくなりつつ、ギュネイはバナージとミネバに数十時間ぶりの再会をする。

 

「お久しぶりです、ミネバ姫」

 

「……紅蓮ではないのですか?」

 

「え?」

 

一瞬、時が止まるがすぐにミネバはクスクスと笑いながら「冗談です」と言う。

それを理解したギュネイは「あー!」と理解し、笑う。

 

「バナージから貴方の事はよく聞いております。紅蓮の中身が誰なのかも含めて」

 

「それなら、改めて話すこともないですね。では、これからの事をブリッジで話すとしましょうか」

 

そんな緩やかな会話に、バナージとマリーダ達は笑いつつもお互い再会を喜び合う。

そんな様子に、ギュネイもまた自分の知らない所で原作進行されていたり、仲が良くなっていたんだなと自分の努力が実ったと思えて嬉しくなる。

だがまだこれからが本番なのは忘れてはならない。

ガンダムUC最後の山場であり、そしてそこから続く黒歴史と呼ばれる世界を変えるための最後の分岐点だからだ。

 

「彼等が幸せに、争いを知らずに生きてくれるなら、俺のこの想いが忘れ去られるまで長い間平和でいてくれるなら、俺はこの重荷を背負っていけるよ……」

 

脳裏に思い浮かぶのはアニメで見たシーブックやウッソの姿。

漫画で読んだフォントやトビア達の姿。

そして、アクシズショックの最中に見た様々な未来とガンダムに関係あろうがなかろうが見えたパラレルワールド。

そして最後には黒一色のような物に染められる無の世界。

あくまでニュータイプとしての能力しか持たないギュネイには、あれをどう言えばいいのかわからない。

しかし、どのみち滅ぶなら最後まで足掻き生き続ける道を切り開きたいと願った。

 

「悪の滅びの美学……なんていうのはキザっぽいか」

 

そんなことを言っている間にブリッジへ繋がるエレベーターに到着し、そこでバナージは目を見張った。

エレベーターの前で立つ病人の姿。

しかし、見かけは包帯を巻かれているだけなので病人とは思えないガッシリと立つ姿にバナージは一瞬本当にあの人なのかと疑う。

 

「ダグザ……さん…?」

 

「久しぶりだな、バナージ。俺は……まあとりあえず元気だ」

 

袖付きによるゴタゴタで会いたくても会えなかったダグザと、生きているのか分からなくて心の隅で彼の無事を祈っていたバナージ。

そんな二人がようやく再会できた瞬間であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バナージとダグザの再会に気を利かせたギュネイはミネバ達を連れて先にブリッジにへと向かう。

マリーダはかつてのギュネイとの再会を思い出して懐かしみを覚えていたが、同時に初夜の事も思い出してボンッ、と音がなりそうなくらいあっという間に赤面する。

そんなマリーダの様子に可愛い、萌える…等と思いながらもブリッジへの扉を開いて第三者ではなく、ただ一人の人間としてオットーらと顔を合わせる。

さて、初の顔合わせでオットー達が最初に抱いたギュネイへの印象は大体この一つである。

 

『思ったより若い…?』

 

アムロ・レイから既にある程度説明はされていたが、それでもどことなく三十路の男というイメージがあったのだ。

思ったより若くて驚く一面だが、ギュネイの後ろから現れた金髪の女性がアムロに飛びつく事で更に困惑する事になる。

 

「アムロ…」

 

「リ、リタ……?」

 

誰が見ても締まらない状態である。

アムロはなんで連れてきたとギュネイにジト目で訴えるが、申し訳無さそうなギュネイの表情に諦めるアムロ。

リタ・ベルナルはどういうわけか、アムロを慕うようになっていた。

ニュータイプの感性故か、それとも意識混濁による刷り込みのようなものなのか。

ともかくリタはアムロによく懐いていた。

寡黙ではあるが、彼への愛は誰が見てもよくわかるもので、アムロ本人はとても困惑していた。

というか半分ストーカーである、と彼女の様子を聞かれたらギュネイはそうコメントするだろう。

ギュネイとしてはリタはヨナに好意を抱いていた筈だが、何故アムロに惹かれているのか甚だ疑問である。

 

「ん〜♪」

 

「すまない、一旦席を外させてもらう……」

 

実年齢よりも若く見えるリタは、傍から見れば成人男性と女子高生のような、ギュネイの前世で近年増加していた恋愛カップルの組み合わせである。

ちょっと危ない雰囲気を出している二人の仲に、オットーらは危うく砂糖を吐きかけるがアムロが席を外したことでなんとか雰囲気を元が戻る。

そうしてようやく本題に繋がる話を、ギュネイは始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュネイとオットーらとの交渉はそう時間がかかるものではなかった。

とはいえ、その内容は濃密とも言えるだろう。

 

「赤備えの仲間になるだと?」

 

「ああ、これが最後の分岐点なんだ、この世界の行く末を決める重大な分岐点」

 

いきなりスケールの大きい話に、オットー達は少し理解するのに苦難する。

だが、オペレーターであるミヒロ少尉がとあるワードが気になった。

 

「分岐点……?」

 

それをキッカケに、オットーは有り得ないと思いつつその想像を口に出す。

 

「つまり、アンタは未来を知っているということか?」

 

その質問にギュネイはそうだ、と答える。

そのまま続いて語るのは、彼らには衝撃的な未来の話だった。

 

「このまま、何も変えられなければ連邦は更に腐敗して更に人類、特に若者達の多くが戦乱に巻き込まれていく。バナージのように、かつてのアムロ・レイのように子供がガンダムと共に戦場を駆け抜け血に濡れた未来を切り開く未来を」

 

市民を守る連邦の軍人として、そんなことはありえない、そう思ったがしかし今の連邦政府はそうなってしまっておかしくないと自然と想像がついてしまった。

 

「勿論、それは可能性の一つでもしかしたらそんな未来は来ないかもしれない、だが俺は人の奇跡が起こしたあの出来事をただ起きただけにはしたくない、俺にとってアクシズショックはキッカケなんだ」

 

「だから連邦を潰す……ということですか?」

 

と、レイアム中佐。

やはり、ジオンの人間かと周囲の視線は若干の呆れを混じらせる。

だが、ギュネイはそれを否定した。

 

「いや、連邦自体はすぐには潰さんさ。多少は綺麗になってもらう必要はあるけどな」

 

「どういうことだ?」

 

「連邦には自然消滅してもらう。一年戦争直前の時点で、主導権は既に時間さえあれば宇宙が経済の中心になり、自然と政権もそちらへ移行していた。本当に過激な事しかやらなかったよ、ザビ家もシャアも」

 

政治には詳しくない彼らにはいまいち意味が分からない、だがその先を聞いてみたくなったオットー達は少し期待してしまう。

マリーダはそんな彼等を見て、これが人たらしということなんだろうか、と何となく思う。

 

「俺達赤備えの目的はスペースノイド達の連邦からの独立は確かにそうだが、ジオンだの連邦だの、そんなものに縛られない新しい国家を作らなければならない。スペースノイドから色々搾取するだけして良い思いをしたんだ、今度はそっちがそうなる番だって話だ」

 

「新しい国家……」

 

「ニュータイプだのオールドタイプだの、そんなしがらみなんか捨てて新たなステージに人類は進まなきゃならない。民衆は政治なんか興味ない?上等だ、嫌でもこっちの都合に巻き込んでやるってな」

 

「だがそんな莫大な金、どこにある?」

 

最もな質問をオットーは問う。

そんな彼にギュネイはとある会社の名前を出す。

 

「D-ラクーン社、知ってるか?」

 

「ま、まさか…!?」

 

「ご想像の通り、あの会社は赤備えの財源だよ。勿論、金はメチャクソケチってたけど」

 

D-ラクーン社、宇宙世紀初頭から設立された中小企業の一つで細々と玩具や既に現存しない戦艦等のプラモキット、フィギュア製造等をしているアナハイム傘下の会社である。

だが、シャアの反乱時にはアナハイムとは疎遠になり後は倒産するのみだったが……

 

「うちの優秀過ぎる諜報部が頑張ってくれてね。立派な会社にしてくれたよ」

 

勿論、他にも財源となる物はあるが大きなもので言えばそれである。

 

「どうせ連邦は独立なんてさせる気はないんだ。国家設立の金くらいは意地汚くやらせてもらうよ」

 

連邦の首相になる道もあった。

しかしそれを選ばなかったのはシンプルに連邦の意地汚い底力故である。

長年、上層部にへばり付いていられるにはそれなりのテクニックやツテというものがある物だ。

その点、そういうものに弱い一般市民のギュネイにはその道を行くには時間がかかる上に、成り上がる途中で家族諸共殺される可能性もあった。

故に、ギュネイはその道を取れなかった。

臆病者と言われるかもしれなかったが、家族や自分の生き永らえた命を捨ててまで政界に入り込みたいと思うほど勇気あるギャンブラーではないのだ。

いや、この場合無謀と言うべきか。

どのみちギュネイには愚直に武力による独立しか選べなかった。

そして、そもそも時間が足りなかった。

暢気に政治家などやっていられる程、時間などないのだ。

 

「武力による独立。でも、俺はただ国を作るだけで連邦にはじわじわと苦しんでもらうだけだよ。既に時代は宇宙で地球を支配したり、環境を破壊する意味なんてないんだ」

 

そう思いつく限りの言葉で彼らに語りながら、ギュネイは精神の世界とも言えるような、アクシズでの現象を思い出すのであった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





うーん、やっぱり必要そうな会話シーンが全然思いつかない&怠惰で重みが足らない気がするなぁ……
マリーダとの絡みも…うーむ……増やさんとなぁ…

それはさておき例のアレ

ギュネイ<勝手に回想に入る主人公の成り損ない()
それはさておき、皆気になるアムロ達の生存回でもある。

アムロ<陰キャから陽キャになった天パがまた女性関係でやらかす。金髪にご縁がおありのようですね。

リタ<ギュネイに惚れたと思った?残念!アムロ君でした!

フロンタル<今作では最も出演数が少ない可哀想なキャラ。シャアの真似事だとバラされるので更に哀れな全裸である。

ゼラン<UC編の影のMVP。モブの癖によく働く!ちなみに最近は女装趣味に目覚めて社員をビビらせてたりとか()
多分オリ主以外になるとコイツみたいのいないと宇宙世紀を変革するとか無理そう…

マリーダ&ロニ<ギュネイ成分を補充のためにコクピット内では引っ付いてイチャつく。ガランシェールの面々(主に未婚者)の脳を破壊した。
女の子故か、とある方法でギュネイは共有されることに()

G-サザビー<アニメだった無双してるところが見れるだろうが、小説なのでちょっとイキるだけ。

D-ラクーン社<子供用の玩具やプラモなんかを作ってた会社。いつの間にかアナハイムから切られて、赤備えの玩具にされた哀れな会社。寿命が延びただけの消滅前提会社。

作者<第三次スパロボαとモンストに夢中でちびちび書いてた駄目作者。そして更に政治なんてよくわからん癖に国作るとか言い始めてガバ要素を生み出すゴミ。今までの登録数を激減させるような事をする愚民ですね、クォレハ。
優しい目で許してクレメンス……


感想お待ちしてます!頂く度にウレシイ……ウレシイよ、イデ……



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虹の中で漂う


あやふやな空間であーだのこーだのとくだらない錯乱スレバトルするような変な回。
そして愛用してた3DSが水没して致命傷をお受けになったので、そのショックでやる気が下がってました。
なのに手が止まらないってどんなドMなんですかね……?
とりま、何とか動くんで限界まで頑張ってもらうつもりですが()
え?修理費?そもそも修理屋遠いんや……


それと何となくありふれの天之河君を主人公にしたガンダム転移物をしれっと書き進めているポンコツはここです。
どんだけまだ出さない作品書くんだって話なんだ……まあ、多分なんだかんだこの作品終わったらありふれの方に流れそう()

まあ、おまけが一番早くやりたいからそっち終わらせないとなあ。

そんなわけで本編どうぞ!
バレンタイン回は覚えてれば季節外れにやります()



 

 

それは、オールドタイプの感性を持つギュネイには何と言えば良いのか分からない世界であった。

本当にその場面になると、当人の目線からは何と言えば良いのか分からない世界だった。

そんな所に、白鳥が彼の横を横切る様に現れた。

 

 

 

 

 

 

 

@xu/us52ns:t4sl3y?h5

 

 

Δ64n1315sk6@6@68し

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方が……貴方が私の居場所とこの世界を揺るがす存在…」

 

「この声は……」

 

これは夢だ、ララァ・スンは既に死んでいる。

だがしかし、こうして語りかけられた事で自分は死んでしまったのかと俺は自分を疑うが、いやそれはないと結論づける。

例え死んでいようと蘇ってやる、それくらいの気概でないとこの空間では【私】であろうと【俺】であろうと魂達の重みに潰されてしまう。

煌めく空間とも、何もない蒼い宇宙とも見て取れるような空間でハッと気付くと天然パーマの男と見慣れた金髪オールバックの男が、いつの間にかいた。

アムロとシャア、しかしどちらも気絶したのか意識はない……ように感じる。

 

「ララァ・スンか…?」

 

「あら?私をご存知?」

 

「シャアの噂なら嫌というほどあるからね、ロリコンだのマザコンだの」

 

「大佐はただ純粋な人なのよ、孤児だった私を救って愛してくれた優しい人」

 

それは俺だって同意する。

彼は純粋故に突っ走り過ぎたりするところがあるのだ、ライバルという存在がいなかった事で増長したプライドと一緒に。

いや、それは一年戦争の話だ、今のシャアの話ではないからそれは不適切か。

 

「確かにシャアは純粋さ、だがアムロという存在が、アンタという存在がシャアを歪めた1つであることもまた確かだろ?」

 

「私は二人の間に居たいだけ、二人を見ていたいのよ」

 

「それは死者がしていい事じゃないだろ?アムロは完全とは言い難いが吹っ切れた、だがシャアはいつまでも心の奥底でお前を追い求めてしまったよ、ニュータイプという概念に余計な重しを載せて」

 

その結果があの台詞なんだ、あんなに情けないライバルの遺言としては他にあるのだろうか?

俺としてはこの世界に馴染んでしまったのもあるのだろうが、他には思い付かない。

 

「二人だけを見ていたって何が面白い?死んだやつがしゃしゃり出て場をかき乱すだけかき乱して死んでるから後は責任転嫁か?」

 

「それは……私は邪魔だという事?」

 

「別に夢の中で会うくらい構わんさ。今の状態なら俺がかつて違う世界に生きていたことだって勝手に識ってるんだろ?」

 

「そうね………」

 

「過去は過去、ずっと変わらないお前達が人であっていいはずがない、それをニュータイプと認めるわけにはいかない。死んでも意識を残せるなんて誰も喜ばない。そんなことは俺が断じて認めないッ!」

 

ここの空間に来るまでに、未来と過去を簡単にだがダイレクトに見せられた俺だがあんなものを一々見てはいられん。

 

「二人の間にいる必要がどこにある?そうやって居続けるから、二人は世界を救えないんじゃないか?シャアに深い絶望を与えたんじゃないか?……ああ、クソ。思考が纏まらない…」

 

段々と混乱してきた。

自分の意識を保つことで少しずつ精一杯になる。

だが、それがやはり作り物の強化人間故かと自虐する。

ニュータイプの素養はマリーダに与えてもらったとはいえ、それでも毛が生えたくらい。

本当のニュータイプになんてなれないし、アムロとて感性はオールドタイプだから戦闘特化になった。

原作のギュネイなら、これくらい意地でも跳ね除けようとするだろうが……【私】と混ざったギュネイには無理だろう。

だがしかし、それでも。

 

「それでも……それでもまだこの二人をアンタの元には連れて行かせる訳にはいかない……!ここで死んだら、悲しむ人間がいるんだ、死んで自由だ?確かに救済かもしれないがそれを常にしちゃ駄目なんだ…!」

 

「貴方は可能性でしかない生存という道を選び続けたいと?生かしてもその人の子達が人類が地球を押し潰すかもしれないのに?」

 

「その為のスペースコロニーだろ?人類一世一代の賭けに勝って資源衛生を小惑星帯から持ち帰り、西暦終盤に技術革新とインフレを起こした人の奇跡の塊!宇宙は広いんだ。滅びゆく人類だとしても、人の探究心は宇宙と同じくらい広い!」

 

「それは寂しい事ではなくて?生まれ故郷の地球に帰れないなんて……」

 

「それをいつか、我慢なり克服すればそれはきっとニュータイプだよ。ちょっと特殊な力を持った奴がニュータイプなら、地球への未練をなくした外宇宙へ進んだ人間だってニュータイプさ!死んだって会えるんだろ?何処にでも行けるんだろ?アンタが放った言葉だ!」

 

情緒がグチャグチャになった俺は、泣きたいのか怒りたいのか、それとも帰りたいのか、体が痛いのか分からない。

ただ一つ、理解できたのは思い出に残るマリーダとの思い出、仲間達との馬鹿騒ぎ、前世の死因、前世の思い出………

それらが今の俺のステータスで、俺がこの空間で存在できるのはそれのおかげだということ。

そして、未来の俺の血を受け継ぐ子供達の明るい未来のイメージ。

そこから先は、何を話したのか、何を語ったか覚えていない。

たった一つの言葉、【希望】だけは俺の心に深く刻まれた。

それにしたって、眠いなぁ……疲れてきた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー///////////////////

「そうだ、君ならばこの世界を善き世界にしてくれる。君の信じる未来に我々Δは希望を感じるのだから」

ー//////////////////

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次に目が覚めれば虹の中にいるじゃないか。

でも、それはリアルで曖昧なものではない。

肉体の感覚が俺にあり、何となく感覚でララァと幼い少女達が導いてくれたと理解した。

アクシズショックの余韻はあるので、時間的にはまだシャアの反乱から一年以内。

死者達の死を、託された平和の想いを果たさなければならない。

覚悟はもう決めた、隠居生活?隠遁?下っ端生活?スローライフ?んなのはまやかしだ。

 

「スローライフってのは……物語が終わったからこそスローライフってねぇ!」

 

おっと、感情が昂ぶってたので抑えなければ。

これからは冷静に行かなきゃならない。

某赤い鬼のようにノリと勢いだけだとあっという間に潰されるからな、この世界は。

だが、行かなきゃならない。

ヤクト・ドーガを再起動させ、装甲が錆びれて崩れ去ったかのようにボロボロのヤクト・ドーガの機体情報と、添え物の様に漂う一機のガンダム。

もしかしたら、手に入れていたかもしれない【俺】が勝った世界線のガンダム。

いや、それはない。それは作品の根幹から崩す別次元のガンダムだから。

俺は、俺のガンダムを愛し、記憶する。

 

「この世界のガンダムに、俺はなる……」

 

もう、それくらいの覚悟なんだ。俺は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーそして、時は戻るー

 

 

 

 

 

 

 

「ギュネイ、機体に問題はないよな?」

 

わざわざネェル・アーガマまで移動して来てくれたトムラに俺は、感謝しつつユニコーンのフルアーマー装備の準備を横で眺める。

なので、余所見をしていた俺にトムラは爆音を鳴らしてきた。

 

ブヴォォォンッッ!!!

 

「チクショウメェェ!?」

 

「この手に限る」

 

思わず被っていたヘルメットをスポッと抜いてモニターにぶん投げる。

本当ならしっかり外れないようロックをするんだが、大抵のパイロットは面倒くさい、いつでも脱げるようにしたいとこのロック機能はあまり使わない。

まあ、しなくても気密性は高いから良いんだが、それでももしもがあるので出撃前には俺はこまめにロックしている。

死にフラグがそこで出たりとか俺、嫌だもんね。

 

「黙れメイトリクス」

 

「お前が余所見するからだろうが」

 

バナージとミネバ姫の戦いはこれで終わる。

そして、最後の戦争をするんだ。

 

「【プラン・アルマゲドン】、良くも悪くもこの計画で地球圏の争いを終わらせる。次の戦争が千年後になるくらいに、平和な世の中を作るんだ……」

 

「おい、また話聞いてないな?」

 

「あ、すんません…」

 

プラン・アルマゲドン。

武力による独立しかこの宇宙世紀百年を控える今、この先戦争を無くすにはここしかない。

貴族主義、時代錯誤な思想の暴走も勝てなければ更に酷い反動として現れてしまうだろう。

後戻りなんてできない。最初でラストだ。

 

「獄道は突貫で作り上げられた半ば急造品だ。稼働時間は5分、冷却2分だぞ!システムがサポートしてくれるだろうが、無理させたら壊れるからな!」

 

「了解!」

 

ユニコーンも丁度、フル装備化が終了し出撃準備に入る。

 

「カタパルト、接続よし……視界良好……」

 

深く、深呼吸する。

昂ぶる気持ちを抑えて、艦隊防衛を任せたレズンとマリーダに通信を繋ぐ。

 

「レズン、マリーダ、艦隊は頼んだ」

 

「解ってるよ。アンタはアンタがやらなきゃならないことをやりな。ったく、心配しなくてもアンタの家はアタシらが守るよ」

 

頼もしさを感じさせるレズンの言葉に、やっぱり最高の相方だと思う。

戦闘で共に戦った数こそ多くはないが、レズンと築き上げた絆を確かに感じる。

 

「兄さん……」

 

しかし、マリーダはどこか憂鬱そうな、何かを嫌なものを感じているような顔だ。

 

「アカリと……もっと嫌な何かが近づいている気がする…」

 

「アカリが……」

 

娘の心配は心の奥底にとにかく封じ込めていた。

あの子なら大丈夫だと、そう思い込むことで俺の凡人の頭を誤魔化してこうして今まで戦ってきた。

だが、マリーダが感じるように俺もまた言われてから感じる娘の気配に、途端に何かがプツンと途切れる。

 

「クッソォ……会いたい…抱き締めてやりたい……」

 

親としての心を、ずっと閉じ込めていた。

でも、今くらいならいいよな……?

そんな俺のことを慮ってか、皆はそっとしてくれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュネイの感情の整理を付ける頃、袖付きの乗艦【レウルーラ】は火星から遥々やって来た【ジオンマーズ】の艦隊と合流していた。

そしてサイド3からもまた、数隻のチベ改級が黒箱に包まれた何かを運んでいた。

 

「アムロ・レイ、か。フフフ……シャアであるならば、彼と戦わない訳にはいくまい……」

 

器を自称する男は、かつてのシャアの残り香故か、それともそれよりも遥か昔か別世界のシャアの怨念か。

全裸と名付けられた男は、笑みを止めることはなかった。

だがどこか、仮面の奥底に子供の好奇心や憧れの輝きを持っているようにも感じられた。

それは一体なんなのか、それを知る者は本人しか知り得ない。

 

 

 

 

 




例のアレ

ギュネイ<アカリへの心配を蓋に釘パンチして押し留めてたけど決壊しちゃった男。実は彼の心が歪み始める寸前だったりする。溜めすぎよくない。

トムラ<この手しか知りません

ユニコーン<ジェガンとギラ・ズールに○ナル攻めされる。余りにも卑猥だぁ………()

アムロ<裏ではリタとイチャイチャしてたりする。尚、アムロはギュネイにハーレムを提案して当事者以外の周囲から冷たい視線を注がれてたりする。

全裸<ようやくラスボスの出番。派手にやらかす気です。フジャケルナ!

マリーダ<ギュネイもアカリもすっごく心配。お母さんしてます。ギュネイはとっとと詫びてどうぞ()

ある意味ガンダム<お前はガンダムになれるか?

■■■■<デンッデデンッ!デデデデデンッ!

ララァ<ギュネイは覚えてないが最終的に殴り合い宇宙してます。オールドタイプ的にはそんな感じですね。なんだかんだでアムロとシャアを返した。尚、シャア()

Δ<訳:いい未来切り開いてくれそうだから頑張って♡


感想、ツッコミ、高評価お待ちしてます!


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新時代の戦いへ


ジオンマーズに関しては色々調べたけど、袖付きの戦力不足を補うためにやむなくフロンタルの要請とか云々の理由で来たという感じで合流です。
まあ、一応どっちにも利はあるとは思うから時間的にもあり得なくはないので、許してクレメンス……

最近はPSO2NGとか妖怪ウォッチ2とかやりたいけど時間が足りなくて困っちゃうぜ。
オープンワールドゲームはやっぱりすげぇわ……
アニメはサンボル、やっぱりかっけぇわ……

そしてここ最近、昭和から今までの名作達を支えたり作ってきた人達が多く亡くなってきて世界のポリコレ過激派とか見ると、アニメやゲームの将来に不安を覚えたりもする…



 

最後の戦争を始めるために、この戦いを終わらせる。

ニュータイプだろうがアースノイドだろうが、肌の色という人種差別を乗り越えたこの世界なら生まれた場所なんかすぐに気にしなくなる。

それは平和があってこそ。

ならば、それを作り出す。それが俺がこの世界で生まれた意味かもしれない。

そう思うと、なんだか胸が熱くなる。

それは若さゆえの情熱なんだろうか?

個人的にはそうなんだろうと思いながらも、その情熱がいつまで続くのか不安でもある。

だけど、突き進むしかないのだ。今からこの世界は俺の知る【創作物の宇宙世紀】から誰も知らない【俺だけの宇宙世紀】へと突入するのだ。

そして、俺はその為にこれまで準備をしてきた。

誰も見てないところで挫けかけたり、なんでこんなことをしているんだろう、そう思う時もあったが、マリーダに支えられたり、アカリが心を癒やしてくれたり、仲間達が手を差し伸べてくれたり。

皆のお陰でここに立っている。今の俺はそう断言できる。

殺戮者だろうが狂人だと言われようが、俺は普通の平和を求めて戦う。

俺が観てきた沢山の巨大ロボに乗ってきた者の様に。

俺の誰かの為の戦いは、家族のため、そして俺が識る未来の子供達の為だ。

黒鉄の巨人に乗る青年や固い絆で結ばれた三人の男達、戦争に巻き込まれて戦うことになった少年達、そんな彼らと比べれば今の俺なんてそこらのなろう系主人公のような人間だ。

だからこそ、彼らが輝くんだと俺は思うんだ。

だから、俺はこの世界でいぶし銀のように少し輝けたらそれでいい。

理想の姿になるべくガンダムに乗った少年のように、俺は俺なりの理想を求めてG-サザビーに乗っている。

彼のようにガンダムになれるかは分からない。でも、これだけは確かだ。

 

「覚悟はもうできた。フロンタル、お前は死ぬ準備はできたか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジオンとジオンの、仁義なき戦いは一角獣を先頭に始まった。

 

「バナージ・リンクス、行きます!」

 

「アムロ・レイ、出撃する!」

 

「ギュネイ・ガス、出るッ!!」

 

ネェル・アーガマから順々に発進していく3機のガンダム。

そして、ネェル・アーガマの後方で展開する艦隊もまた多種多様のモビルスーツ達が宇宙にへと飛び立つ。

 

「マリーダ!アンタは右翼の守りを頼むよ!アタシは左翼で敵と交戦する!」

 

「了解です、レズンさん」

 

それぞれのモビルスーツ隊が移動と攻撃を開始する中、カズイはアナハイムから先行納品された一機のモビルスーツで敵陣に突撃していた。

 

「さぁて、作戦通りに引っ掛ってくれよぉ?」

 

ベースジャバーに搭乗する重戦士を想起させるその姿は、ジオンマーズの兵士達の目を引かせる。

 

「あの野郎、自殺しに来やがった!」

 

と、それを見たパイロット達はゲラゲラと笑いながら新型モビルスーツの進行方向にいたザクⅢの部隊は、その手に持つビーム・ガトリングガンを構えて集中攻撃を加える。

だが、シールドで全て弾かれシールドの影から放たれたビームがザクⅢ達の一機に当たる。

 

「んなっ…!?」

 

「余裕ぶっこいてたら死ぬぜぇ!」

 

【Me02R-F01 メッサー】、アナハイムが赤備え、及び新国家の為の新型機体として開発された新型量産機がザクⅢ達を襲う。

 

「パ、パワーが違い過ぎる!?」

 

ギュネイとしてはメッサーの登場に苦笑していたが、それはそうだろう。

UC0096時点で連邦の新型量産器【グスタフ・カール】が配備されているのだ。

アナハイムならメッサーくらいは余裕で作れてしまうだろう。

だが、ギュネイの要望で23mから20mにへとサイズダウンされている。

その理由はシンプルにメンテナンス範囲の縮小と予備パーツのコンパクトさを求めたからである。

汎用重モビルスーツとして運用するメッサーだが、その分被弾率もそのデカさもあって増えるだろう。

故に消耗するだろうパーツ等を鑑みてこれ以上の大型化は余計だとギュネイは凡人なりに考えたのである。

そもそも宇宙で基本的に戦闘をするという前提があるので、リサイクル艦であるサラミス改等を多く運用する際にスペースは嫌でも狭苦しい。

故に、本来のメッサーとは似ていて違うだろう。

だがしかし、旧式化しつつあるザクⅢ等に比べればこのメッサーでも十分な強さである。

 

「装甲の堅牢さなら随一、そしてカズイさんの技量なら味方が到着するまで耐えてくれる」

 

「そして俺達はインダストリアル7とメガラニカを確保するんですね」

 

その活躍を遠くから見ているギュネイとバナージは、彼の武運を祈りながら箱の鍵とミネバというキーマンを護衛するのはエコーズのロト部隊とアムロの駆るガンダムだ。

 

「ギュネイ、憎悪と怒りの気配が濃くなってきていないか?」

 

アムロは感じ取っていた。

ここに来る恐ろしい獣と、いたましい気配がバナージ達を覆っていると。

その言葉にギュネイは警戒し始める、その瞬間である。

 

「ッ!挟まれたか!」

 

G-サザビーのモノアイが前から来る脅威を捉え、パイロットのギュネイは後からくる悪感情の塊を睨む。

 

「ロト部隊は先に張り付け!俺達は近付いてくる強敵を叩く!」

 

「させると思うかぁ!?」

 

目の前からやって来た敵、ローゼン・ズールで因縁の敵を見つけたアンジェロはインコムを展開し、スパイ映画によくあるレーザートラップのようにビームの弾幕を張ってロト部隊の前進を止める。

そして更にローゼン・ズールに率いられてきたギラ・ズールの部隊がロトへの攻撃を開始する。

 

「させん!」

 

アムロがフィン・ファンネルを展開し、ギラ・ズール達を牽制する。

 

「バナージ!コイツは俺がやる!バナージはマリーダ達を頼む!」

 

「わかりました!」

 

ギュネイはバナージに後ろへの脅威の対応をバナージに頼み、目の前の敵を狙う。

 

「どうやら、俺がお目当てみたいだしな…!」

 

「貴様さえ!貴様さえいなければぁぁ!!」

 

アンジェロ・ザウパーから感じる強烈な負の感情に、ギュネイは彼からのヘイトを買い続けたかと冷静に判断する。

 

「憎しみのままに戦えば身を滅ぼす……か」

 

敵なら容赦はしない。

彼にとっても、下手に懐柔や優しくされるより良いだろうとギュネイは彼の人生を振り返りそう考える。

死こそ救済、等とそんなイカれた宗教の救済を信じているわけではないが、時にそれが救済となるのが事実であるのもまた人間の業を感じさせるものだ。

 

「インコムだけじゃ勝てんよ!」

 

一向に距離を取って撃つを繰り返すアンジェロに、痺れを切らしてギュネイはローゼン・ズールに突撃する。

しかし、それを見越していたアンジェロが先に射出していたサイコミュ兵装を起動させた。

 

「フハッ!サイコ・ジャマァァァ!!」

 

サイコミュシステムを封じる特殊兵装、サイコ・ジャマー。

それがギュネイのG-サザビーを取り囲み、バリアを展開しようとする。

勿論、ギュネイはこの攻撃を識っていて彼がこの兵器を使うことは見抜いている。

それにズルさと罪悪感を感じながらも、ギュネイは冷静にビームライフルをサイコ・ジャマーに発砲。

完全に罠に嵌めたと思い込んでいたアンジェロは、突然の反撃に対応できずサイコ・ジャマーの一基を破壊されアンジェロは大きく動揺する。

 

「なんだと!?」

 

「天パにシゴかれたんだ、これくらいはやってのけないとな!」

 

ギュネイが思い出すのも苦しい修行の日々。

シミュレーションとはいえ、一年戦争のアムロ・レイとガンダムに勝てとかクソ難しくて、勝っても機体はボロボロ、パイロットは死んでいてもおかしくない損傷具合だった。

短期間の鬼強化合宿みたいな事をしようとすれば、そうもなろうが。

 

「ええい!この機体なら奴を倒せるはずだ!なのに何故だ!?何故!?」

 

最初と違って余裕が消し飛び、焦りが顕になるアンジェロ。

フロンタルの言葉とその行動が捨てられるのではと危惧するに充分な要素を、彼に与えていた。

大佐に捨てられる、私の光に捨てられる。

怯える子犬のように、一年戦争終結のあの日から歪んでしまったアンジェロは恐怖心を隠さず、目の前の敵をやたらめったらに撃ちまくる。

それはもう、ほぼ錯乱していると言っても良かった。

 

「フロンタル!そこまで彼を追い詰めたか!」

 

その様子に察せれたギュネイは、フロンタルのシャアの駄目なところを真似てしまった彼に苛立ちつつ、自分のエゴで彼をこうも変えてしまった事に、更に罪悪感を感じる。

 

「俺が下手にやらなきゃ、こうはならなかったのかな……」

 

インコムとシールドから放たれるビームを避けながら、今度は彼が焦れたのか接近戦を仕掛けてくる。

周囲のギラ・ズール達は、アムロがあっという間に片付けて既にロト部隊と共にメガラニカに取り付いた。

後は、彼だけだ。

ジオンマーズの援軍が来る前に、倒さなければならない。

だが、ギュネイにとって今世でも無関係な人物だとしても、その銃爪は重かった。

 

「平和を望むから人が死ぬ……皮肉だよな」

 

それでも、先へ進まなければならない。

だから、ギュネイは心を殺す。

せめて、彼から放たれるだろう彼の全てを感じても冷静でいられるように。

クローで叩き付けようとしてきたローゼン・ズールに、ギュネイはビームライフルを正確にコクピットを狙い、銃爪を引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マリーダはその悪意に満ちた獣を見ると、どこか他人には思えなかった。

それは何故なのか、それは恐らくギュネイ以外には誰にも分からない。

しかし、ただ一つ理解したのはコイツが敵だという事だ。

【バンシィ・ノルン】はマリーダのクシャトリヤに、シールドから放たれたビームキャノンがクシャトリヤのIフィールドに防がれ、クシャトリヤの巨体の後ろから現れたロニ・ガーベイが搭乗するヤクト・ドーガがメガ・ガトリングガンで不意打ちを仕掛ける。

しかしバンシィ・ノルンのパイロット、リディ・マーセナスはそれを見切り、ビームマグナムをヤクト・ドーガに向ける。

 

「何ッ!?」

 

「邪魔だぁっ!!」

 

宇宙戦には慣れていないロニだが流石はニュータイプ、直感で横にローリングで回避する。

その直後、マグナムのビームが通り過ぎロニは改めてビームマグナムの恐ろしさを再確認する。

 

「危なかった……!」

 

「ロニ、大丈夫?」

 

「大丈夫。でも、このままでは……」

 

どっちかが死ぬ、そう言いかけた時だった。

ブースターがバンシィめがけて飛んできたのだ。

 

「バナージィィィィ!!!!」

 

「リディさん…!」

 

白と黒、相対する一角獣と獅子は激突する。

 

 

 

 

 

 

 





例のアレ

ギュネイ<悲しいけどこれ、戦争なのよね……

マリーダ<ロニと一緒に出撃。彼の帰る場所を守る、それだけで頑張れる良妻。

ロニ<ギュネイのヤクト・ドーガに乗れて大興奮。シートの匂いを嗅いでみたりと、ちょっとドン引く事をギュネイの前でやらかした。尚、ギュネイは自分の罪と受け入れる模様。

島田兵<無事死亡確認、ヨシ!(現場猫)

リディ<今日も今日とてバナナ味ィ!

アンジェロ<天パに強化されたギュネイに勝てる訳ないだろ!良い加減にしろ!

バナージ<リディとケッチャコ……

ミネバ<ロトに乗って先にバナージを待つ姫様。流石に派手に戦闘するモビルスーツと同乗は常識的に危ないのでダグザ搭乗のロトに運ばれる。

ダグザ<姫様のエスコートを任された負傷兵。ダグザの意思と部下の意思を尊重した結果、こうなったぜ☆

天パ<安定のチート能力。ギラ・ズール3個小隊じゃ相手にならんよね()

カズイ<メッサーの重装甲でゴリ押しする。ゴリ押しは正義、いいね?

アンジェロ<外と内から攻撃されてメンタルがボロボロになって原作よりも早死してしまった哀れなホモ。アンジェロ氏の冥福を祈ります。

フロンタル<アンジェロよりもっとヤベー事する。


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火星より来たる怨霊


皆様、感想、評価、お気に入り登録、誠にありがとナス!
もう小説情報見るたびに感謝の念しかないです!

それはそうと、後書きにちょっとした(主に作者の為の)遊びみたいなのをぶっ込んでます。
最低ですね(自虐)

そういえば境界戦機が続編やるみたいですよね。
影薄くて特に売れたわけでもなさそうなのに、なんでやるのか……
そんなのに金かけるならアニメサンボル続編とアニメ化希望の外伝作品作れよ……ガンプラで売ってるんだしさぁ……
境界戦機自体、悪くはないんだけどなぁ。



 

 

そこはとある一室。

仲の良さそうな母娘が一緒にとある絵本を読んでいた。

母親は幼い娘にも解るよう、読み聞かせながら絵本のページをめくる。

 

「それは、とっても大きな器の神様。皆の気持ちを集める大きな器の神様。その神様は、二匹の勇敢なユニコーンとライオンに問いかけました」

 

母親がページをめくると、阿修羅のように何本も腕を生やした仏様が真っ白なユニコーンと黒く染まったライオンに掴みかかる絵となる。

 

「お前達は神に逆らうのか?そう問う器の神様に、ユニコーンはそうだと、ライオンは皆の平和のために戦っているんだと答えました。すると、器の神様は二匹を掴みそのまま握り殺してしまおうとしました」

 

更にページを捲ると、そこには自由を主張するかのような白い鎧を纏う青髪の天使と、天使を乗せた鹿が剣を器の神様に向けていた。

 

「それを見かねた本当の神様は、二匹の危ないところを自由と正義を司る天使様と運命を見ることができる鹿の神獣様を送りました」

 

娘の瞳には、その絵本のユニコーンとライオンが記念公園に立っていた2体のボロボロのモビルスーツを想起させていた。

そして、二体が宇宙を舞う姿を想像する。

同時にあることに気付く。

 

「私のご先祖様って、鹿さんだったの?」

 

そんな問いに、母親が苦笑しながら答えた。

 

「ちゃんとれっきとした人間よ?鹿さんはご先祖様が乗っていたモビルスーツの名前に由来してるの」

 

「へぇ〜!」

 

娘は自分のご先祖様の凄さを幼いなりに何となく理解したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーそして時は戻るー

 

 

 

 

 

 

バンシィとユニコーンが激突している頃、ギュネイはアムロと共にジオンマーズの艦隊の無力化を始めていた。

 

「各機、怨霊は程々に残せよ。親玉が怒り狂って魔王化するからな」

 

ジョークを含ませながら、味方指揮官機に命令を伝達させる。

 

「魔王なんて勇者様がいるんだから問題ないでしょ!」

 

「ちげぇねぇや!ギャハハハハ!」

 

「駄弁ってないでとっとと働きな!アタシ達に未来がかかってるんだよ!」

 

勇者、そんな単語にギュネイは思わず鼻をかく。

 

「勇者なら、とっくのとうに救える人は救えてるさ……」

 

まだ少し震える手を抑えながら、ギュネイはローゼン・ズールだった残骸がある方向を見る。

一瞬、迷った。

救えるんじゃないかと、ニュータイプならばと希望を持った。

だがそのニュータイプとしての直感が己を貫く刃を見せつけた。

 

「アンジェロ・ザウパー……本当に、貴方は不幸な人だよ。同情などいらないだろうが」

 

バエル頭なら共感できたのだろうが、まああのポンコツ頭じゃ何となく上手く行かないのは普通に考えられるが、とそこまで考えてフロンタルの存在がなければ彼についていった可能性は高いかと予測もする。

どのみちIFの話であり、語るにあらずである。

 

「性能と数は本当にあるよなぁ、ジオンマーズは!」

 

それはさておき、エンドラ改級またはエンプラ級と呼ばれるジオンマーズの戦艦から出てくるザクⅢやリーベン・ヴォルフ、ガ・ゾウムなど、ワラワラと現れる。

そんな中の一機であるドムⅢがビームバズーカをG-サザビーに向けて放つ。

 

「死ねぇっ!」

 

「愚直な!」

 

ビームを回避し、バルカンで牽制しつつライフルを散弾モードに切り替えてすれ違い様に放ちドムⅢを撃墜する。

しかし更にドムⅢが、二機現れる。

 

「伝統芸かい!」

 

「これで!」

 

「落ちたな!」

 

パイロットの二人は勝利を確信しているようだが、ギュネイには既に予習済の戦法である。

一番前のドムⅢのヒートサーベルを紙一重ですり抜け、後ろに控えていたドムⅢにビームキャノンをぶち込む。

 

「なんだとぉ!?」

 

横腹を撃ち抜かれたドムⅢはその場で爆発し、残ったドムⅢは改装されたアッシマーのブランドマーカーによってコクピットを叩き潰され沈黙する。

 

「流石はアッシマー拳法使い達だ。馬力……じゃなくて立ち回り方が違う」

 

下手するとシュツルム・ガルスのパイロットよりも強いんじゃないかと思うくらい、アッシマー部隊は強かった。

アッシマー部隊は背部のスラスターユニットと、腕部をゴッホ社が製作したブランドマーカーモドキと宇宙戦に対応するユニットに換装した宇宙戦型アッシマーである。

アッシマーの堅牢さとビームライフルの火力が取り柄の本機だが、そこに近接戦武装としてビーム刃を形成する板状のサーベルユニットを腕部に仕込んだのが本機である。

そのため、肉弾戦になれば強い彼らの部隊なら扱いきれると判断し装備させてある。

本来はクロスボーンのように現段階のモビルスーツでも運用できるようにしたかったが、ビームシールド技術が未成熟で前述のような近接戦武装にしかならなかった。

ぶっちゃけギュネイの欲張りによる産廃である。

しかし、使い道があったのは幸いと言えるだろう。

ブランドマーカー云々は後で考えるとして、切り替えたギュネイはフレッド・リーバー隊の活躍に舌を巻く。

 

「フンッ!」

 

真っ直ぐに突かれたヒートダートがギラ・ズールの胴体を突き刺し、蹴り飛ばして加速、次の敵に左手に持たせていたジャイアント・バズで牽制する。

狙われたゲルググⅢは回避、しかしそれに気を取られてフレッドの部下が駆るフルアーマーザク改が脚部に装備されたミサイルポッドによる射撃で左肩に被弾する。

 

「野郎ッ!」

 

激高したゲルググⅢのパイロットはビームマシンガンでザク改に攻撃するが、残党がリサイクルで保管されていたジム・コマンドのシールドによって防御される。

 

「サブアームパッケージ、すっげぇなオイ!」

 

そう興奮気味にザク改のパイロットはサブアームに持たせたシールドを前面に押し出して両手に持たせていたMMP-80マシンガンを構える。

 

「う!?」

 

「鉛をゆっくり味わいなぁ!!」

 

機体の前面装甲のみに追加装甲を装備させ、スラスターユニットを大幅に改良、そこにサブアームユニットと追加ブースターで機動力を強化し、同時にシールドや武器を保持させる事がてきるため、総合的に底上げした機体である。

勿論、間に合わせの改造機でサブアームユニットも試験的な装備なので故障も多発しやすいし、ビームも実弾も数発くらえば撃墜される。

しかし、ベテランである彼には慣らし運転をしていれば充分に使いこなす事ができた。

元々ザク改に乗っていたのもあるが。

そんなザク改の事情を知る由もないゲルググⅢのパイロットには、ジオンマーズより発展しているとあながち外れでもない勘違いして地球のモビルスーツに畏怖しながら冷たい宇宙で身を焼かれながら散るのだった。

 

 

 

 

一方でラァンデール艦隊はどうなっているか。

こちらはカズイによる突貫で序盤はノーダメージでモビルスーツ隊も無事、出撃できた。

しかし、敵の混乱もそう長くはなく被害は出始めていた。

 

「こちら【フンドラ】!機関部にダメージ!カバーを頼む!」

 

「わかった!今行く!持ち堪えろ!」

 

サラミス改が敵艦隊の砲撃を受けたエンドラ級【フンドラ】のカバーに向かうが、その最にゲルググⅢの小隊によってサラミス改は撃沈される。

 

「クソッタレェ!」

 

艦長はブリッジのガラスの向こうに睨んでくるゲルググⅢに、複雑な感情を抱きつつ中指を立てて罵倒して散る。

直にフンドラもその後を追うかと思われたが、蒼で華麗に彩られたギラ・ズール重装型がランゲ・ブルーノ砲の弾丸を的確にゲルググⅢ達に当てる。

さながら某TPSガンダムゲームの悪夢である。

 

「フンドラ!とっとと後退しな!穴はアタシ達が塞ぐ!」

 

戦力的に厳しい赤備えは、一つの部隊に複数の役目を負わされる事がしばしばある。

レズンは遊撃をこなしつつ、左翼の防衛という無茶振りに愚痴を言いつつ友人であり相棒のギュネイを信頼していた。

ほんの数年、されどその数年は二人の信頼関係を強固にするには充分だった。

それはギュネイの親しみやすさか、それとも……

ともかく、レズン隊の援護によりそのまま後方へと下がるフンドラ。

この間にも他の仲間達が死に、真空の冷たい宇宙に放り出される者達がいるだろう。

それでも、今は戦わなければならない。

敵は油断できない、そしてこれは戦争であるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、場面は変わりレウルーラとその隣でチベ改級が牽引していたブラックボックスが開かれる。

赤と白でそれぞれ染められた2体の巨神が、今目覚めようとしていた……

 

 

 

 

 

 




例のアレ

ギュネイ<ホモは欲張り(記憶鑑賞感想小並感)

アンジェロ<アンジェロファンには申し訳ないが、後顧の憂いを断つために死んでもらった。後悔も反省もしていない。

FAザク改<サンボルの影響、ではなく普通にフレッド隊のザク改の強化プランとして元々あった。ザク改の欠点だった推進剤の容量と一緒にスラスターユニット自体も改造し、素体でもサブアームユニットに近い機動力を持つ。追加装甲は前面だけに貼り付けただけなので戦闘中に剥がれることも。

ユニコーン<何が悲しくて弟とイチャつかないといけないの…

バンシィ<リディさん、その……操縦桿が痛いです……何かが開いちゃう……

フレッド<イフリート・シュナイドを宇宙でも使えるよう大幅改造してもらってご満悦。でもサブアーム脆すぎィ!

イフリート・シュナイド<脚部、スラスターユニット等の細かい所を宇宙空間に対応した改修機。こちらはスラスターユニットに懸架用のサブアームを付属させ、弾薬補給の時間短縮や継戦能力強化を目指した。
在庫余りの連邦シールドを折って簡易的なショートシールドを装備させたりと、装備の充実化も計っている。

レズン<無茶振りやめてもろて……でもまあ仕方ないなぁ!

???<いよいよ満を持して登場!するかもしれないあの人。

ファンデール艦隊<実はとある英語をちょい改造しただけの造語。尚、現在損耗率10%。士気が高いのもあって粘るぜ……

作者<鋼鉄ジーグとニーアオートマタの二次創作を思い付いたが、ニーア本編を詳しくは知らないので断念した男。本編には全く関係ない。

良かったら感想よろしくお願いします!


追記
最後の文について、誤解を招く内容となっていたので修正しました。
大変申し訳ありません。


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幕門 チェーン・アギの記録


オリジナル書き始めたけど、やっぱりオリ主って難しい……
ダブル主人公なら更に難しいなぁ……まあ、ここで書くことではないけど()

それはさておき、一旦みんなが気になってそうなチェーンさんの話です。
短い日記形式ですが本編に力入れてるので、許してクレメンス……





 

 

○月○日

 

アムロが行方不明となってもう3年の月日が過ぎた。

アムロと親しかった私に当然とはいえ、捜査や尋問が入ったのも今となってもあまり良い気分ではない。

でも、どこかアムロ大尉は生きていると何となく思う。

何故か、それは私にも分からない。

未来の私にならわかるのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

✕月○日

 

正直言って困惑している。

けど、何か書いていたいと気分を紛らわせたい、そう思うのは仕方ないのではと思う。

大尉が生きていた。アナハイムに回収されたリ・ガズィ、袖付きに奪われた等と言われてその所在を調べていたがまさか巷で噂になっていた赤備えが所持していたとは……

アムロ大尉があんなテロ組織に入るはずがない。

でも、あとから見せてもらった映像で動くリ・ガズィ・カスタムの動きは、シミュレーションで何度も見てきたアムロ大尉の動きにソックリだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

✕月✕日

 

トリントン基地の襲撃から数日。

私はビスト財団のアルベルト・ビストと共に宇宙に上がることになった。

私がサイコフレームに関わっていた事に目をつけられたらしい。

まあ仕方ないことだとはいえ、宇宙に行けばアムロに会えるのではとそう思ったのもあってブライト艦長も快く送り出してくれた。

ただ、凄く意外だったのは肥満体型の彼にヒョコヒョコと付いている幼い女の子の存在だ。

最初はロリコンかと彼を蔑視したが、女の子の様子を良く見ると親戚のおじさん感覚で触れてあっていて、彼もそれにほとんど見せない笑顔で彼女と触れ合っていた。

彼女の名前はアカリというらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

✕月□日

 

アカリちゃん、可愛い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

✕月△日

 

ここ数日忙しく日記を取ることができなかったが、印象的なのはアカリちゃんの将来は魔性の女になると思った事だろう。

女の勘が言っている。険しい顔の整備兵やアルベルトを護衛する黒服でさえ、仕事外では彼女を愛でてたりしているのだ。

ちょっと2次オタクの気持ちが分かったかもしれない。

でも最近お菓子を食べ過ぎなので、彼女の健康の為にも心を鬼にして彼女からお菓子を取り上げた。

他の人にもお菓子は程々にと注意して周囲に反省を促した。

……ちょっと調子に乗り過ぎた気もする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

✕月A日

 

あれから周囲も反省したのか、甘やかしはするもののお菓子をあげたりなんかはしていない。

まあ、彼女自身も太るのは嫌なのかものを食べる頻度は減ってきた。

それとトリントンで見た黒いユニコーンガンダムが搬入されてきたが、一体誰が乗るのだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☓月β日

 

リディ・マーセナス、連邦政府現大統領の息子。

彼がパイロットらしい。

かなり疲労しているような、酷い顔だが本当にパイロットを務めることができるのだろうか?

どのみち私はバンシィ・ノルンの専属メカニックとして働く事しかできないので、どうしようもない。

 

それはそうと、アカリちゃん怖い物知らずにそんな彼にも声をかけていた。

流石に子供相手に威圧的な態度はよろしくないと理解しているのか、なるべく優しめに声をかけていた。

まあ面倒臭そうだったけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△月β日

 

艦隊戦が始まっていた。

袖付きと赤備え、何が悲しくて同じ同志だった者達が殺し合っているのだろうか。

とりあえず、流れ弾が当たらない事を祈りつつアカリちゃんを探して、相手しようと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アカリちゃん…?」

 

アカリちゃんを探して見つけた私は彼女の小さなその手に、T字のサイコフレームを持って私の部屋で熱病にうなされるように寝ていた。

サイコフレームは不思議と何とも言えない光を放っていて、私は彼女をどうすれば良いのか分からなかった。

 

 

 

 

 

 




例のアレ

チェーン<この子、できる……!

アカリ<チェーンお姉さんに憧れる。どっちもチャーミング過ぎやしないか?まあそれはそれで良い!

アルベルト<ロリコン疑惑をかけられた人。まあ、今も継続中だけどね!()

リディ<実はアカリはちょっと癒やしだったりする。尚、変にネジ曲がるとアカリを本気で嫁にしようとする……かもしれない。ヤンデレ怖い…

T字サイコフレーム<女の子に握られて大興奮したりしてるとかしてないとか。

バンシィ・ノルン<チェーンさんの整備気持ちいいわぁ……ニャーンゴロゴロ




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生きるって難しいね……(哲学)

前回、上手くアレの表現ができてなくて誤解を招く内容になってたので修正しておきました。
伝説の巨神はいても遥か先の星で寝てて……まあ、ありふれで起こしちゃうけど()

近況報告的な事を書くと、やる気ダウンしてたので前述の作品でリフレッシュしてました。
……とりあえず生存報告です。




 

 

 

 

「フロンタル……いや、まさか…!?」

 

流星のように蒼い尾を引いて現れた白い機体。

ソレはギュネイの予想を大幅に覆す機体だった。

 

「シナンジュ・スタインか……ッ!」

 

シナンジュの原石……それに乗るのはギュネイはあの人物しか知らない。

同時に憎悪と怒りが赴くままに突き進んだ彼の末路とその際に用いられた巨神とも言えるようなブラックボックスの塊でできた兵器の事も。

ギュネイが驚く理由は、オリキャラのような強力な人物が来ると思っていたのだ。

勿論、ゾルタンが来ることも考えたがそうなると彼の破壊衝動や彼の望むだろうハルユニットの存在がある。

流石にそれをやっては世界の修正力があるとしても、世界を壊しかねないのではとギュネイはその予想を排除してしまった。

そのツケがここに来たのだった。

 

「ほう?ガンダムか!」

 

「見つかったか…!」

 

後方の嫌な物はユニコーンを駆るバナージによって収まってきているのはG-サザビーのサイコフレームが教えてくれていた。

ギュネイは即断で彼を撃墜すると下した。

 

「破滅願望を押し付けられては困るなぁ……!」

 

「なんだ?コイツ?気色の悪いやつだ」

 

ビームバルカンで牽制しつつ、ビームトマホークをシールド裏から抜刀し、攻撃を仕掛ける。

しかし伊達にシャアの再来の枠の候補にされてはいない。

ビームナギナタでずぐに受け止め、切り返してきた。

ギュネイはそれを見て反射的に機体を後転して距離を取った。

 

「あークソ……天パならブランドマーカーで防いでいたな……」

 

散々シミュレーションでアムロの動きを見てきたギュネイはそう感想を抱く。

若干ギュネイも戦闘に関する感性がズレて来たが、当のゾルタンは目の前のガンダムに、ワクワクしていた。

 

「ククク……一流のガンダムを持ってくるとは良い心掛けじゃないかぁ!」

 

狂人になり切れない挫折した男は夢見る。

これから起きるド派手な花火に値する敵がいることに、笑みを浮かべる。

 

「一流のガンダムを倒せればなぁ、俺の存在意義もあるってもんだろうなぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面は移り変わり、艦隊戦の真っ只中。

そこで暴れ回るのは護衛を果たしたアムロ・レイのHi-νガンダムである。

 

「ガッ、ガンダムッ!?」

 

「邪魔だッ!!」

 

常人ではするだけが限度の動きに、アムロは攻撃と回避を織り交ぜる。

機体をロールさせながら時に軽く噴射して避けて反撃と、まさに悪魔である。

 

「チィッ!弾切れか!」

 

ビームライフルが弾切れを起こし、推進剤の残量も少なくなったアムロはプロペラントタンクを切り離し、ジオンマーズに混ざるようにいたジオン共和国のチベ改級の目の前で爆破する。

艦橋を直に焼かれる直前、艦長が零した言葉はかつてのジオン公国の軍人達が人知れず遺言になったかもしれない言葉。

 

「こ、これが白い悪魔…!」

 

現在の共和国のジオン軍人は一年戦争で相対したアムロ・レイの恐怖を知らないものが多い。

それは世代交代とも言えるだろうが、そもそも公国軍時代の軍人が少ないことと軍縮による軍人そのものの減少も要因だろう。

今回、大半を若者で固めたこの共和国の部隊なら尚更に。

 

「俺達の艦が…!」

 

母艦の撃沈に驚くギラ・ズールのパイロット達は、だがしかし冷静に次の行動を取ろうとする。

 

「くっ!一旦、ジオンマーズの……ん?」

 

隊長機が指示を出そうとした瞬間、視界に何かがよぎりそれに疑問を持った瞬間コクピットごと身体を消滅させられる。

 

「隊長ッ!?」

 

周囲からは突然現れた白い影に、隊長機が下半身を切り落とされ、コクピットにビームサーベルを突き入れる所を見ていた。

同時に、ソイツがあのガンダムであると理解した。

 

「ひっ、ひっ…」

 

狼狽えるパイロット達に構わず、腕部ガトリング砲が火を吹き、ギラ・ズール達の各所に穴を開けた。

 

「ええい!所詮、共和国の軍人か!」

 

それを見ていたジオンマーズのゲルググⅢとザクⅢの混合部隊が、Hi-νガンダムに攻撃を仕掛ける。

ビームの弾幕に襲われるが、それを難なく回避、反撃を行う。

 

「ぎゃぁ!?」

 

「なにっ!?」

 

横に機体をロールしながら、バズーカを変則的に放つ離れ技を披露し、全弾敵機にヒットする。

もし、これをギュネイが見ているのなら「横サブじゃねぇか!」と叫ぶだろう。

 

「や、奴は……!奴は強すぎる……!」

 

そう言い残したパイロットの周りには、既に鉄塊と化したモビルスーツだったものが漂っていた。

 

「ふぅ……これで、とりあえずは敵の勢いは削げただろう」

 

ようやくだ、と小休憩に少しだけ精神を緩めつつ、汗はかいたものの息を切らしていないその姿はまさに戦闘神とも言える。

だが、サイコフレームが少女の声を届けた。

 

 

『やめて!お兄ちゃんッ!!』

 

 

「子供の……いやアカリの声か!」

 

耳ではなく、感覚としてやって来たそれにアムロは補給も惜しんでその気配がした場所に向かう。

あの子がここにいる、それは危険であるとアカリをこの戦場から引き離すために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同刻、それはどちらの味方も寄せ付けない戦いをするゾルタンとギュネイにも聴こえた。

 

「アカリ!?」

 

「子供の声?」

 

前者は焦り、後者は戦いに水を刺されたことによるイラつきとその声への疑問。

だが、目の前の敵がそっちに気を取られたことでゾルタンはその想像力で推測した。

 

「ほう…?つまりは娘かぁ!?ハッハッハッ!ふざけるなよ!」

 

「ぐわっ!?」

 

被害妄想を膨らませるゾルタンにギュネイは気付くこともなく、故にエンドラ改級の甲板を壁のようにしてG-サザビーを叩き付けた。

 

「子供だと!?戦場に娘を連れてくるなどイカれてんじゃねぇのかぁ!?なぁ!?」

 

自分の事を棚に上げてギュネイを狂人だと叫ぶゾルタンに、ギュネイは叫ぶ。

 

「好きで連れてくるもんかよ!おっさん!」

 

「おっ……貴様ァ!!」

 

ちなみに実際、ゾルタンの年齢は原作では27歳と割と早めにオッサン呼ばわれされてもおかしくない年齢とも言える。

まあ、ギュネイ的にはただの煽り文句であるが。

 

「お前もニュータイプ……そんなのがいるから……」

 

ギュネイの鳥肌が立つ。

それは戦場で何度も、幾度もなく感じた絶望感や恨み、憎しみの波動。

 

「ニュータイプなんぞがいるからぁ!!」

 

ビームナギナタを振り回し、感情を叩きつける為に振り下ろすゾルタン。

ギュネイもまたそれに応じるべく、斬艦刀【獄道】を引き抜く。

彼のニュータイプへの憎しみを斬り捨てるために。

 

「ニュータイプがいるからこそッ!!」

 

希望と絶望の二人がぶつかる。

それは雷が空と地を繋ぐように。

 

「「今があるッ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、少し時を遡りユニコーンとバンシィノルンの対決は様々な人達からの声と、想いが微弱なサイコフィールドを形成していた。

 

『戻って来て!リディ少尉!』

 

「煩い…!」

 

『戻ってこい、リディ少尉……!』

 

「黙れ!」

 

ネェル・アーガマにいる人達の声が聞こえるにも関わらず、ニュータイプを否定し憎しみを湧き立てる。

 

『やめてくれ…!リディ少尉!』

 

「グチグチと!」

 

「リディ少尉!やめてください!貴方にも皆の声が聞こえるでしょう!?」

 

相対するバナージもリディを落ち着かせる為に声をかけ続ける。

それが彼を憎しみから解放してくれると、信じて。

 

「全部だ……全部お前のせいなんだよ、バナージ…!」

 

「…!」

 

「お前がいなければぁぁ!!」

 

「グッ…!」

 

憎悪がサイコフレームを通してバナージに直接攻撃する。

寒気とその敵意による鋭い痛み。

だがそれを堪えて、バナージはシールドでバンシィノルンの顔を殴る。

 

「この分からず屋ぁ!!」

 

「ぐおぉぉぉ!?」

 

サイコフレームがダイレクトにリディの顔に痛みをもたらし、リディは怒りに更に油を注いで燃え滾らせる。

 

「お前がぁ!」

 

バンシィがキックを繰り出し、ユニコーンをシールドごと蹴り飛ばす。

そして追撃にバルカン砲を撃ち、だが割って入ったクシャトリヤがそのバインダーで盾となる。

 

「失恋を他人のせいにして殺そうとする男などに!」

 

「部外者は黙れ!」

 

ビームサーベルを引き抜いたクシャトリヤに、リディはバンシィノルンのビームマグナムのバレル下部に増設されたリボルビングランチャーから徹甲弾を放つ。

 

「ぐぁ!?」

 

「リディさん!」

 

バインダーが盾となり、弾き出されるクシャトリヤ。

それをカバーするべく体勢を崩していたユニコーンが前に出る。

 

「皆貴方の帰りを待ってるんです!こんなこと、やめてください!」

 

「喋るなぁぁぁぁ!!!」

 

組み付かれたバンシィノルンは、バルカン砲を乱射した。

それにより、シールドのビームガトリングの接続部が破壊され、バナージは爆発から逃れるべくバンシィノルンから離れた。

 

「皆、皆俺を否定する…!」

 

「リディさん…!」

 

「ミネバ…!お前が俺を否定するからぁぁ!」

 

ビーム・ジュッテがユニコーンに迫る。

バナージはビームサーベルでガードするが、蹴り上げが決まり完全に姿勢を崩される。

 

「しまっ…!」

 

「させないっ!」

 

ビームマグナムを撃とうとするバンシィに、マリーダのクシャトリヤが肉壁となる。

ロニは他人からの強い殺意に触れ過ぎたせいか、体調不良を起こし不在。

かと言ってこのままバナージを見捨てられない、いやここで死なせては駄目な人間なのだ。

 

「貴様ごと撃ち抜いてやる……!!」

 

「申し訳ありません、姫様。父さん、兄さん、ありがとう…」

 

死の間際、あらゆる思い出と記憶がマリーダの脳裏を過る。

そしてモニターに映るマグナムの収束が臨界に達し、死を覚悟した。

 

 

 

『やめて!お兄ちゃんッ!!』

 

 

 

娘の声が聞こえた。

 

 

 




例のアレ

ゾルタン<主人公より目立つ可愛い悪役。宇宙世紀版クルーゼ。

ギュネイ<ちょっと天パに近付いた。でも限界値はシャアです…つまり、なり損ない。

アムロ<ジオンマーズにもトラウマ植え付けましょうね〜(^^)

マリーダ<死なないで……死なないで………

バナージ<獅子の蹴りは痛い……痛くない?

アカリ<実は半分ララァってる。

リディ<喋るなノルマ達成。実は割と冷静な判断だったりする。

ユニコーン<兄と顔を蹴るとはひっでぇやつだ

バンシィ<変態の兄とかないわ〜

Hi-νガンダム<なんか変態モビルスーツしかいない……(ブーメラン)

作者<第三次スーパーロボット大戦αやってたら書きたくなってありふれ世界で暴れさせようと画策するポンコツ。でも気が向いたら見てくれるとウレシイ……ウレシイ……とは言えないですね()



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リディ・マーセナス


リディに「オンドゥルウラギッタンディスカ!」って言わせてみたいモノアイです。
個人的に凄く似合う気がする……しなくない?

そしてたまには人外娘も良いよなぁ、とデッドスペース動画を見る日々。
今回はギュネイ君は外野なのです()



 

 

 

 

 

 

戦争で戦力を補う為に、グレミー・トトという元マスターの切り札として生まれた私達。

戦うことだけを存在意義とされた私達姉妹は、それが歪な事であっても無知であったが為に戦い続けた。

全員同じ顔、同じ声。

でも私達は疑問に思うことはなかった。

何故なら、マスターの為に戦うことを正義とされていたから。

たまにある夢を見る。

私ではなく、他の姉達が生き残っていたらというIFの夢を。

苦しかった、それを見ていた私は苦しかった。

兄さんと結ばれなければ、私が辿っていたかもしれない地獄、何もできず空気がなくなり、いもしないマスターの助けを求め続けて死んだり。

悪夢という他なかった。

そんな悪夢を見たときは、兄さんに温もりを求めた。

怖い夢から逃げるために兄さんに甘えた。

でも、ある日耐えきれず私は兄さんに問いかけた。

きっとそれは慣れぬ育児のストレスもあって、思わず出たんだろう。

 

「私じゃなくて、姉達が生きていたらこんな事にならなかった」

 

忙しくなるというときにデキて、生まれた愛しい我が娘。

邪魔なんて思わない、そんなこと思えないアカリの育児で上手く行かない日々と、兄さんを押し倒してしまった罪悪感。

それらが私を追い詰めていた。

でも、兄さんは言った。

 

「俺はお前が好きだから、一緒に添い続けたいって想ってるからあの夜、お前の気持ちを受け止めたんだ。それを否定するようなことはやめてくれ」

 

そう言って私を抱き締めてくれた。

少し強すぎて、痛かった。

でも、それが心地良くて、ああ、これが愛なんだって気付いたんだ。

アカリは私の光、私を闇から救い出してくれた兄さんとの愛の形。

そして兄さんは私の刻を前に進ませてくれた私の救世主。

そして父さんも忘れてはいけない。

兄さんに話したことが、父さんにも伝わったのか、父さんもまた抱き締めながら、今まで見せなかった涙を流しながら私に伝えてくれた。

 

「俺は女じゃないしお前でもないから、お前の苦しみは分からない。だがな……俺の娘であることに変わりはないんだ……!だから、あんなことは言わないでくれ!俺の娘はお前一人だ!」

 

私は、優しい人達に恵まれた。

あの暗い世界にいた私には勿体ないくらい、優しい人達に巡り会えた。

勝手な正義に縛られていた私に、自由を与えてくれた人達に報いたい、彼らと共に生きたい。

まだ見ぬ、兄さんが作る優しい平和な世界で一緒に生きるために………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「生きたいッッ!!」

 

 

 

 

アカリの声に、マリーダは生への渇望を糧に叫ぶ。

それに反応したサイコフレームは、輝きによって応える。

 

「今のは、アカリ……?」

 

リディは銃爪を引いた、引いてしまった。

銃爪を引く寸前までに力を入れていたが為に、撃つのを躊躇うのと銃爪を引くタイミングが合わさってしまった。

マグナムの銃口から、光の奔流が放たれ真っ直ぐにクシャトリヤのコクピットに直進する。

その光景を見ることだけしかできないリディは、激しい後悔と己への自己嫌悪を抱いた。

 

「やめろ…!」

 

口に出たのはそれだけ、だが脳内では何度も何度も「やめろ」の言葉が彼を締めていた。

そして衝突。

 

「やめろぉぉぉぉー!?」

 

激しく光がバンシィのモニターをホワイトアウトさせ、リディは思わず目を閉じる。

そこで、衝撃とともにリディの意識は深淵に落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方で、バナージらからすれば奇跡の一言だった。

マグナムの直撃を受けて、それを貫くように現れた甲殻のような4枚の羽を失ったクシャトリヤ。

頭部のメインカメラもズダズタとなり、一部の装甲は塗装が剥げている。

だが、確かにクシャトリヤは動いていた。

動いてバンシィの腹に正拳を撃ち込んでいた。

 

「マリーダさん!」

 

バナージは目の前の現象を信じられなかった。

でも、マリーダは生きている、生きているんだと信じたい。

だからその名を叫んだ。

 

「マリーダァァ!」

 

ジンネマンもまた、叫んだ。

モニター越しであれど、マリーダのその行動は見えていた。

生きていてくれ、頼む。

皆、その光景を見ていた者達は祈った。

そして、その答えは出た。

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……!はぁ…!私は!生きているぞぉぉぉ!」

 

 

 

 

 

 

生命の雄叫びが、真空の戦場に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦闘が始まって既に中盤にへと差し掛かった。

それを地上で観測している連邦政府の大統領、ローナン・マーセナスはコロニーレーザーの使用を許可した。

だが、それを必死に止めようとしているのはその戦場の近場にいるアルベルト・ビストであった。

 

「マーセナス大統領!ただちにコロニーレーザーによる攻撃を阻止して頂きたい!」

 

「ここでラプラスの鍵と箱、そしてそれらを狙う輩を全て葬り去らねばならん。そして、アルベルト・ビスト、なんの権限があって私に口答えをするのかね?貴殿もここでバラされては困るだろう?」

 

「ウッ……」

 

まだ、自分の利権を考えてしまうアルベルトにその言葉は効いた。

そんな彼にマーサ・ビスト・カーバインは言う。

 

「アルベルト、もうアンタは終わりだよ。首を洗って大人しく帰ってきな。そうすれば、死ぬことはないさ」

 

比喩なんかない。

事実上のクビであった。

だが、それでもとアルベルトは説得を続けようとする。

が、その時意外な人物が現れた。

 

「この事態、どういうことか説明して頂きたい」

 

そう言って現れたのは一年戦争の英雄、ブライト・ノアだった。

 

 

 

 

地上でコロニーレーザーの準備が行われている中、宇宙でもまた戦闘中のジオンの残党達を駆逐するべく、戦闘準備が行われていた。

ドゴス・ギア級二番艦【ゼネラル・レビル】、かつてグリプス戦役に新造され、実戦投入されたドゴス・ギアだったが戦役中に沈められた艦の二番艦である。

これは因縁か、コロニーレーザー、ドゴス・ギアの二番艦がジオンを撃滅するために戦火に舞い戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてリディは何も見えない暗闇の中、心に響く声を嫌になるほど聞いていた。

死した者達の声が、反復して聞こえてくる。

リディは苦しむ。

どうしたらこの苦しみから逃れられる、どうしたらこの地獄のような世界から逃れられるのか。

そんな彼に、寄り添うのは生きる者たち。

そしてそんな彼らを代表するかのように現れたのは、バナージとマリーダ、そしてアカリ。

そこから先は、ニュータイプにしか分からない次元にへとなる、としか言えない。

だが、少なくともこれだけは言える。

 

 

 

 

リディ・マーセナスは、獅子と共に帰還する。

 

 

 

 

その為の第一歩は、獅子が跪く広大な自然の中。

広い花畑の中に、ポツンとリディは座り込んでいた。

そして、その隣には先程の三人が跪く獅子を眺めつつ、対話を始めた…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




例のアレ

ギュネイ<マリーダァァ!(号泣)

ジンネマン<マリーダァァ!(号泣)

アカリ<ニュータイプ言語でリディとお話。もしくは肉体言語なのかもしれない()

マリーダ<祝え!死の運命を乗り越えしヒロインの誕生である!

バンシィ<イメージとはいえ、姿勢辛いッス……

リディ<バナージと殴り合ったり、マリーダとアカリに諭されたり。アカン、バブみを感じてまう……!

アルベルト<まだ悩んでる。まあ、仕方ないね。

マーサ<ざまぁ展開5秒前。

ローナン<まさか息子がアソコにいるなんて……

ブライト<何やってんだミカァ!

クシャトリヤ<4枚羽をもぎ取られて内心は泣いている……らしい。


感想、良かったらお願いします!



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真空の宇宙、果てに

今回はクソ短め。
ダイジェストな感じ。

次回は多分ちょいと寄り道するけど、許してクレメンス……




 

 

 

 

 

ラァンデール艦隊とジオンマーズの艦隊は、決戦と言うに相応しい戦いであった。

中盤も終わりにへと近づく中、ようやく盛り上げてきたジオンマーズの不屈の猛反撃がラァンデール艦隊に襲いかかった。

反撃によって、艦隊の80%が艦体にダメージ、撃沈された数も全体の40%強と、大被害を受けた。

勿論、その反撃に対する抵抗もまたジオンマーズにさらなる被害を与える。

ジオンマーズもまた60%近くが損傷、撃沈、戦闘不能となり、どちらも追い詰められていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、そんな中でゾルタンとギュネイは互いの味方を巻き込んだ激戦にへと入る。

 

「おらおらぁ!避けてると味方に当てちまうじゃねぇかぁ!」

 

「躊躇なく撃ってくれる!予想通りだけどな!」

 

味方へのフレンドリーファイアを無視して、ひたすらビームライフルを目の前をトビウオのように動くG-サザビーに撃ち続ける。

たまたま通りすがったドムⅢだろうが、援護していたザクⅢだろうが、戦闘に巻き込まれまいと退避しようとしている戦艦にさえ、ビームライフルを躊躇なく撃つ。

そこに敵がいるから、だから撃つ。

そんなゾルタンに、彼の性格から納得すると共に埒が明かないと、この場を切り抜けるために盾を捨ててビームサーベルを抜く。

 

「でぇぇぇああ!」

 

「コイツ!?ビームサーベルをシールドにしやがった!?」

 

斬艦刀の大きさと比較すると、小刀に見えるビームサーベルを高速回転させて擬似的なビームシールドを形成する。

ビームを弾かれたゾルタンは驚愕しつつ、残弾の少ないライフルを捨てて、ゾルタンもまたビームナギナタを抜刀。

斬艦刀とナギナタが交わり、そしてスタインのキックがG-サザビーの腹に叩き込まれる。

 

「ぐ……はぁ…っ!」

 

「そんな大きな得物でモビルスーツを相手するにはキツイだろう?さっさとファンネルを使ってみせろよ!」

 

「まだファンネルは!」

 

機体姿勢を正しつつ、スタインにビームバルカンを撃ちながら下がる。

下がった先は残骸となったジオンマーズの戦艦。

 

「逃げ腰のガンダムとはぁ、随分とみっともなくなったなぁ!」

 

トドメを刺すべく、獲物を追い詰めた喜びに突き動かされてその残骸の群れに突っ込む。

その直後、斬艦刀が残骸を叩き斬り、そのままスタインに叩きつける。

 

「奇襲なんぞお見通しなんだよ!」

 

「うるせぇ!テメェは黙ってろ!」

 

通信機越しに口喧嘩も勃発する中、パワーの押し付け合いである鍔迫り合いに持ち込む。

 

 

 

 

 

それが数秒続いて、突然後退したギュネイ機にゾルタンは叫ぶ。

 

「また逃げるのかッ!」

 

流石に苛立ったゾルタンは、憎悪のプレッシャーをサイコフレームを通じてG-サザビーに流し込む。

 

「…………」

 

それをギュネイは無言で受け止め、ゾルタンは機体を敵に近寄らせるためにペダルを踏もうとする……その瞬間であった。

スタインの頭上から、光が落ちてきた。

スタインを貫いたビームは、先程投棄したシールドから放たれたビームキャノンであった。

爆発の光に、ギュネイはやったかと気配を探る。

そしてその結果はモニター目一杯に現れたスタインの不気味なツインアイが、ギュネイを睨みつける。

 

「ゾルタァァァンッ!!」

 

「俺のスタインを……よくもぉ!!」

 

まだ、その戦いは続く。

二人の戦いが続く中、ユニコーン達は為すべきことを為すために、各々の行く場所へ向かう。

未来が変わっても尚、正史はまだ彼らを縛る。

それが良いか悪いか、と言われれば誰もハッキリ言えないだろうが………

 

 

歴史は着実に紡がれている。

 

 

 

 

 




例のアレ

ギュネイ<天パの物真似をした。まあ上手くは行かない。

ゾルタン<実はもう少し後ろだったら直撃だった。冷や汗すげぇよ……

ラァンデール艦隊<クソ痛い。でも皆頑張る。イクゾォォォ!デッデッデデデッ!カーン!

ジオンマーズ<猛反撃。でも相手の根性が凄くて痛い。それでもやり返すジオン魂。

正史<とりあえず計画通り(ニチャァ)

作者<正史君、それは現場猫といってな……



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外伝 戦姫絶唱シンフォギア 


寄り道回です。
サブタイトルにある通り、外伝的なやつ。
他の方々のアクシズ・ショックでアムロとかシャアが別世界に行く作品があるように、今作のギュネイも異世界行っちゃったっていう寄り道話。

いくらか思いついてるけど、まあ短編集にするにしては多いわけじゃないし全部書くわけじゃないので番外でも良いかな〜と。
時系列的にはアクシズ・ショック中。

ちょっと本編の休憩感覚で書いたのと、少し二次創作でかじった程度の原作知識なので、ファンにも未視聴にも当たり障りのない感じになった……筈!
まあ、普通に駄作かなぁ……頭空っぽで気軽に読んじゃってください。良かったら感想もよろしくです。




 

「あづっ!?」

 

派手に腰を打ち付けたギュネイは、突然の重力に足腰が立てない状況に陥っていた。

 

「し、痺れるぅ!?」

 

コクピットも何もない、だが壁に囲まれた中でゴミ箱の上に落とされたらしいギュネイはケツが痺れ、無重力から重力下になった事もあり、状況確認より自分の事で精一杯となっていた。

 

「ああ、クソッ……」

 

ようやく立てるようになった頃に状況確認をする。

勿論、ギュネイのいる場所は壁しかないので路地裏らしい場所から出た。

そして、目の前の光景に唖然とする。

 

「ここは………世紀末か?」

 

そもそも、ヤクト・ドーガのコクピットにいたはずのギュネイ。

まさか、まさかとは思いつつその言葉を意識せずにいた物が明確に肯定された。

同時に、荒れ果てた街はギュネイにとって第一印象は世紀末であった。

異世界転移、まさかと思う現象にギュネイは嘘だろと思いつつ視界に入るもの全てを一度観察する。

至る所に死体、死体ばかりで人だったものも散乱していた。

酷いやり方だった。

テロリストだろうが、軍隊だろうがこのやり方は頭に来る。

それは軍人としてはナンセンスだろうが、しかし人間としての感情としては正しい。当たり前の話だが。

しかし、異世界転移なら一体どこの世界だと言うのか。

そこまで思考がいった矢先だった。

 

「銃声?」

 

遠くからタァン、と銃声が聞こえる。

紛争地域なのか、それとも戦争真っ只中なのかは知らないがギュネイは真実を求めて人がいる場所にへと向かう。

ホルスターに入れてある、拳銃のセーフティとマガジンを確認しつつ銃声の音を頼りに走る。

何にせよ、情報が必要でここが地球のどこなのか知らなければならない。

ギュネイは生身の戦火に見を投じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

X

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

血濡れたパイロットスーツをそこらにあった雑巾で拭きつつ、ギュネイは見捨てれず連れてきてしまった小さな女の子を見る。

両親を殺されて、そして紛争に巻き込まれて、ショッキングな事ばかりの彼女には同情しかない。

名前は雪音クリスというらしいが、どっかで見たことのある容姿をしている。

おそらく、確実に前世の記憶にあるのだろうが、ガンダム以外の知識は宇宙世紀を生きるためにリソースを割いてたからもうほとんど覚えていない。

ギュネイは言いしれぬ違和感と嫌な予感に頭を悩ませながら拳銃の清掃を始めるのだった。

拳銃、といってももう弾は敵兵から奪った拳銃のカートリッジ数本しかないし、宇宙世紀となると長時間未整備でもそれなりに耐えれるようになっているので本当なら解体掃除はしなくてもいい。

が、時折豆な所もあるギュネイは手持ち無沙汰なのを誤魔化すようにこうして拳銃を解体して掃除を開始している。

勿論、血濡れた雑巾ではなくちゃんと比較的汚れていないマトモなものをだが。

それにしてもバーナーがあって良かったな、とギュネイは思う。

でなければ、倒壊しかけた店から拾い集めたカップ麺が冷たく危険なリスクがあるものになっていた。

そんなことを考えながら掃除をしているうちに、クリスはようやく口を開く。

 

「貴方は……なんで私を助けたんですか?」

 

まだ軽かった空気が重くなっていく。

ただでさえ、生身による殺人をして少しナイーブになっているギュネイは内心、ウッとその重みを感じてしまう。

とはいえ、彼女を助けた理由なんて一つしかないのだからギュネイは答える。

 

「助けを求める子供を助けるのは当たり前だろ?人を殺すのはやってはいけないことだけど、でもそうしなきゃ守れないものもあるからな……」

 

そう言って、ギュネイはクェスを事を思い出す。

半ば見殺しにしたようなものだ、蒼い死神と呼ばれたあの男がいる戦場でもあったのに、何故気付けなかったのか、直後ということもあって悔やんでも悔やみきれない。

 

「あの子を守れなかった奴が、何言ってんだかな……」

 

だから、そう呟いてしまう。

自虐気味になっているギュネイに、クリスは彼の手を握り締めて歌を歌い始めた。

それは拙いし、声も掠れて聞き取りづらい。

でもその歌はギュネイを慰めようと、それが無駄でなかった事を伝えようと、クリスが精一杯頑張って歌を歌っていた。

 

「クリスちゃん……あんま無茶するんじゃない。ほら、とりあえず湯沸かしした水を飲んで落ち着きな」

 

爆弾で両親を殺され、一時は捕虜になり、そして戦闘のいざこざでギュネイが連れ出したこの少女は強い子だと、ギュネイに感嘆させるメンタルの強さを見せていた。

本当は自分が悲しいはずなのに、泣きたい気持ちを抑えて他人を癒そうとする。

こんな健気な子が、こうして紛争の被害に合うとはとギュネイは苦虫を噛み潰した顔をする。

同時に彼女を日本に帰さなければならないと、ギュネイはクリスから聞いたある程度の情報から国連に引き渡せないかと考える。

時代的に前世のような現代社会、ならばNGO活動をしていた彼女の有名らしい両親の子供が行方不明なら探すだろう。

現在進行形でもそのはずだろうし、故郷に帰すためにも俺が頑張らなければならないと覚悟を決める。

覚悟ばっかだが、そうやって思い込まないとやってらんねぇぜ、と後のギュネイはそう振り返る。

水を飲み、数のないカップ麺も一つ完食しウトウトとしているクリスにギュネイは毛布をかけつつ妹分であるマリーダの事を思い出す。

 

「何がどうなったら、こうなるのかなぁ……」

 

帰ると約束した筈なのに、帰れない今。

もしかしたら二度と帰れないかもしれない。

ネガティブな思考に陥るが、希望はまだあるとギュネイは確信するものがあった。

 

「この金属板……テンプレ的ならサイコフレームのはずだろうし、これに鍵がある筈だ……そうであってくれよ……?」

 

そう、淡い期待を寄せつつギュネイも眠気に逆らえきれず寝てしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーそれから数年後ー

 

 

 

 

 

 

 

南アメリカに位置するバルベルデ共和国の紛争から数年。

ギュネイは無事、雪音クリスを国連軍に保護してもらい、ギュネイは一人放浪する事となった。

そんな旅の中で【ノイズ】というヤベー存在に、ギュネイはサイコフレームとの因果関係を感じた。

でなければ、ガンダム世界のアイテムが空っぽのパイロットスーツのポケットに入っている筈がないのだ。

となると、サイコフレームはノイズに唯一対抗できるアイテムなのでは、と推察するが肝心のノイズは極稀にどこからともなく現れて人間を灰にしていつの間にか消える存在なので実験することもままならない。

というか、そもそもそんな状況にならない事が一番であるのだが。

尚、灰化すると言われて某サブKMNライダーの首折りを思い出してしまったのはご愛嬌。

ともかく、異世界に転移したギュネイは帰還の方法を探しつつ各国を歩き回り、サイコフレームの反応を調べることでサイコフレームの共振によるあの現象を再現し、帰還できないかとユーラシア大陸を歩いたり自転車で頑張ったり、時に牢屋に入れられたりと宛のない旅であった。

そんな中、己の無力さややっていることへの無意味を感じたりと、挫けそうになる。

だがその度にクリスとの思い出やマリーダ達との思い出が彼を支えた。

故郷に帰るために世界を歩き回っていると、当時半分嘘で半分真実の言葉をクリスの質問に答えたとき、彼女は応援してくれた。

彼女との生活は幸せとは言えぬも、孤独に対する心の癒やしになっていた。

ぶっちゃけクリスをマリーダと同じように妹分として見ていた。

だが、そんな彼女との再会は遠くない未来、あの時の判断がギュネイにとって最大の後悔を残す事になるのたが。

 

 

 

まあ端的に言えば、色々あって最終的に住み慣れていた日本に裏社会で入手した偽造の身分証で日本人としてこの世界の暮らしを開始することとなった、というのが数年後のギュネイである。

年齢も二十を過ぎ、親からは早く孫を見せてくれと言いそうな年頃。

ギュネイはお好み焼き屋のアルバイトをしつつ、元の世界への帰還を探していた。

 

「いつも助かるよ」

 

「これくらい、お安い御用ですよ」

 

老舗のお好み焼き屋でお好み焼きを作ったり、仕事をするギュネイって寿司三昧のハサウェイかな?とか思いながらギュネイはそれなりの幸せを掴んでいた。

帰れないならこのままこの世界でのんびり暮らすのも悪くはないと、そう思い始めていた。

元の世界への未練は勿論あるが、サブカルチャーが豊富な日本でノイズという存在がいる以外はどこにでもある平凡な現代日本である。

戻れないなら戻れないで、あの恐怖と殺意の戦闘マシーンから生き残れた褒美とも言えるだろうとギュネイは最近、そう思い始めていた。

 

「ギュネイさーん!」

 

「おう、今日も飯を食いに来たのか」

 

知り合いの少女二人、立花響と小日向未来は仕事先を教えてくれた恩人である。

響の人助けに時に未来と共に苦笑しつつ、大人として彼女の行動を注意するのは最早テンプレである。

そんな日常であるが、ギュネイは満喫していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、忘れた頃に争いはやってくる……

 

 

 

 

 

 

 





読了、感謝!
ちなみにこの世界の続きの妄想が膨らんで書いてみたいって方は気軽にお声をかけて頂いてくれればモーマンタイ!
ワイも見てみたい。

原作知識ない人より、ある人の方がちゃんと続き書けるだろうしね。(悲哀)
ちなみにパラレルワールドなので、本編とは関わりません。
一応、序盤と終わりのプロットは考えたけどまあ一期と二期の序盤くらいしか知らないから手が出せませんわ。


それはさておきじゃけん、例のアレに行きましょか。後書きにあるまじきクソ長いので注意。

ギュネイ<帰りたい、とか言いながら地獄の世界から抜け出せたことに安堵を抱くノンケ。百合は好きじゃないが嫌いでもない。
聖遺物判定なサイコフレームがヤクト・ドーガになる。

雪音クリス<ギュネイによる被害者その1。ギュネイに恋心を抱いて敵対して拗れたり、押し倒してヤらかす。マリーダと取り合いになるから、見ろよ見ろよ〜()

立花響<原作とは大きくは変わらない元気っ娘。ギュネイを兄貴分として慕っているが、場合によっては第二の被害者になるし、意外だけどわかる人とくっつく可能性の主人公……

小日向未来<一部界隈ではレズビアンとしてなんか良く聞く印象な少女。ホモもレズも欲張り()あれ?アンジェロ君?(幻覚)

フィーネ<ギュネイによる被害者その2。ポッと出の正体不明にクリスを取られる哀れなクレイジーサイコの変態淑女。終盤、何か言おうとする度に「うるせぇ!テメェは黙ってろ!」と何も言わせてくれない悲運に会うかもしれない……

アダム<人の可能性の光に目を焼かれる……かもしれないシンフォギアの全裸枠。本当に全裸になるやつがいるかぁ!?被害者その3である。

マリア<被害者その4。行き遅れとか裏で言われてギュネイを押し倒す世界的アイドルの姿……なのか?これが?()
尚、マリーダのパイセンとなる(意味深)

英雄のなり損ない博士<ギュネイに英雄の素質を見たりする。どのみちギュネイ達に原作より手酷くシバかれる。被害者その5。

マリーダ<子供はいないがギリギリの所をギュネイによって助けられるのは確定。ヤンデレになるのが確定で、メチャクソ子供を作る。尚、原作通りに進んでいるので完全に正史ルートに入る。

バナージ<ポッと出のギュネイとシンフォギア勢に驚きつつ友人関係を築く。ギュネイのハーレムな状況を見て恋愛の先輩として見ている天然ボケをかましてたりする。

アムロ&シャア<死んでるかもしれんし、死んでないかもしれん。

フロンタル<死んでる筈のギュネイにビビる。器ぁ……なんですよね?(笑)

リディ<ヤクト・ドーガの正拳を顔面にくらって更生する。以上!閉廷!



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時は来たれり


さて、あと何話で終わるかなぁ……?
それはさておき、誤字修正報告、感想ありがとナス!
励みになりますので、感想は良かったらよろしくお願いします!
軽めの石をご持参の上、お読みください()

ちなみにカクヨム様でオリジナルのロボ物書き始めてます。
コピー作業が面倒くさいので、多分こっちでは掲載しないかな……?
まあ気が向いたら読んで感想やお気に入り登録してくれればありがたいです。そちらの方の励みになります。




 

一本角の白馬は箱を開けた。

獅子は己を見つめ直した。

生まれ変わった雄鹿は原石と殺し合った。

天使は戦場の死神として舞った。

そして、死神たちは列をなして死にゆく戦士達の命を刈り取り、向こう側にへと連れてゆく。

 

その争いは、ようやく終焉を迎える。

だが、その終焉は始まりであり、新たな未来への道が歩まれる原点となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラプラスの箱は開示された。

ラァンデール艦隊の船体に傷がない艦はなく、モビルスーツ達もダメージのない機体が少ない。

 

「ドーベン・ウルフも下半身がジャンクパーツになっちまったな……」

 

幸い、パイロットは無事だがスタインと鉢合わせるとは不運だなと思うギュネイ。

下半身には第一次ネオ・ジオン戦争の大破したドーベン・ウルフのパーツやら何やらの寄せ集めで本来の性能より劣るがないよりはマシである。

とはいえ、フレーム剥き出しなのは不安感を煽るが。

 

「頭領!報告が!」

 

そんな彼に、とある報告が届いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ジオンマーズと袖付きの連合軍は損害の大きさに顔をしかめていた。

そしてフロンタルの独断行動に伴い、袖付き側ではゾルタンが一時的に指揮を取ることとなり、意見が割れていた。

ゾルタンは徹底抗戦、ジオンマーズ側は大量の負傷兵という負債を抱えているため火星までの撤退の主張であり、両者共に譲る気はなかった。

 

「我々はそちらの要請に応えたし、こちらも手痛い痛手を負った。これ以上戦うことはできん」

 

「だが、アイツらはお前達を素直に帰すかなぁ?俺は少なくとも多少の追撃は仕掛けるとは思うがね?」

 

「なくはないだろうが……そこまで我らジオンマーズに固執する必要はないはずだ」

 

そもそもあやつらとて被害は大きいはずだ、とゾルタンの徹底抗戦を拒否するジオンマーズの代表。

流石にこれ以上は引きずり込めないか、とゾルタンも諦める。

皮肉や煽りをジオンマーズに叩きつけながら、袖付き単体で挑むことを軍に伝えつつ、ゾルタンもまた最後の戦いに備えて切り札を切る。

 

「切り札ってのは、最後に使ってこその切り札だからなぁ…?」

 

先に行った赤の巨神に続いて、白の巨神もまた、内なる憎悪と破壊を撒き散らす為に原石と繋がった。

 

「さあ、ここからがクライマックスだ……」

 

ラプラスの箱など、どうでもいい。

それは成功作等と呼ばれる器に任せればいい。

俺は俺のやりたいことを派手にやれればそれでいいのだ………

ゾルタン・アッカネンは、そう考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

G-サザビーのコクピットで沈痛な面持ちで、この戦いの最後の時を待っていた。

観測班から既にジオンマーズの艦隊は火星への撤退を決めたらしく、こちらに収容した捕虜はインダストリアル7に一時的に収容する事となった。

だが、ギュネイの心を占めるものはそれとは全く違う。

脳裏にあるのは先程の報告で伝えられたレズンの戦死であった。

 

「俺は迷わねぇからな相棒………後悔はしない」

 

猛反撃の最中に、最前線を立ち続けたレズンのギラ・ズールが最後に目撃された姿だった。

逆シャアを生き残れたのに、ここで死ぬのかよ。そんな苛立ちに似た思いもあるが、この世界は何かをしようとするたびに何かを失わせる世界だと改めて思い知らされたギュネイ。

それでも、突っ走るしかないのだ。

ここまで来たら身近な人間の死も、今は無視するしかないのだ。

最後に食べる飯がこのエネルギーバーになるかもな、なんて縁起でもない事を首を振ってその想像を振り払い、推力機関を失ったガランシェールの格納庫で黙々とエネルギーバーを食べ終え、機体ダメージの多いクシャトリヤを見る。

 

「ミカワで見たドーベン・ウルフもそうだが、クシャトリヤもひっどい状態だな……」

 

クシャトリヤを彩っていた緑は悉く灰色に変化し、剥き出しの機体内部がビームマグナムの威力の高さを教えていた。

決戦はG-サザビーも酷い状態になるかな、と整備班の皆に謝罪文を考えつつギュネイは近付いてくる強大なプレッシャーに深呼吸をして滾る闘志を落ち着かせるのだった。

 

「確認作業完了!せっかく手間かけて重装備持たせたんだ、無駄にするなよ!」

 

「解ってるよ、トムラさん」

 

重装備、といってもグレネードランチャーラック追加やシールドブースターへの変更程度で大きくは変わらない。

他に腰部にビームジャベリンを懸架したり、サイコミュの再調整程度、重装備というには何とも言えないがそれでもギュネイにとってはダメージを与える手段が増えるだけ良いのだ。

そして作戦の最終確認をするために、ガランシェールのブリッジモニターに繋げる。

 

「こっちの本隊には袖付きの残り物が来るはずだ。旗艦として知られているガランシェールは囮にしつつ、艦長たちは戦闘前にはミカワに移動してくれ」

 

「……了解」

 

「すまない、ジンネマン。いや、親父……ガランシェールをこんなことに使うことになってしまって……とんだ親不孝者だよな」

 

レズンのこともあり、少し自虐気味なギュネイ。

だが、そんな彼にジンネマンは「馬鹿野郎」と言う。

 

「これくらいの艦くらい、お前なら買えるだろう?それに、子供の願いなら聞いてやるのが親の務めってもんさ……」

 

「……わかった。とびきり高性能なやつ、買ってやるからとっとと移動してくれよ」

 

「生きて帰って来てから言え、バカモン」

 

親と子の会話。

血は繋がってなくとも、ギュネイは父親としてジンネマンを尊敬しているし、ジンネマンは子供としてギュネイを認めている。

それは、ギュネイにとって恐ろしい神話の如き戦いに見を投じる最後の一押しとなる。

 

「ギュネイ・ガス、G-サザビー出撃する!」

 

 

 

その結末は過去を閉ざす黒歴史か、それとも未来を開く新しい歴史か。

いや、それを判断するのは後世の評論家だろう。

 

 

 

 





例のアレ

ギュネイ<理不尽をひとつまみ。理不尽はいつも唐突。

レズン<プロットの犠牲者で作者による犠牲者。誰を死なせるかでパッと思いついてしまったんだ……投げる石は軽めの物でお願いします。

ジンネマン<レズンの次に思い付いた犠牲者候補その1。まあ死んだ場合、ガランシェールごと吹っ飛ぶのでぶっちゃけ最大規模の犠牲者。

トムラ<アストナージばりに死ぬ犠牲者候補その2。

カズイ<犠牲者その3。でもメッサー乗ってるのに作者から忘れられかけた可哀想な子。

アカリ<犠牲者その4。プルツーのように力尽きるエンド。でもその場合、ギュネイが闇堕ちするので却下ァ!

G-サザビー<ちょっと荷物が増えた。体重を気にする年齢でおすし……

ゾルタン<暴走族なノリでヒャッハー!まあ存在意義の為ですね…


感想よろしくお願いします。



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もうこれ神話だゾ。見ろよ見ろよ〜?

大岩を投げつけられて絶賛負傷中の作者……モノアイの駄戦死ッ!!

まあとりあえず推しの子の異世界オルガ書いてきたからそちらも良かったらどうぞ。尚、反応の数にビビってるのは仕方がないよな?()

そして誤字報告、感想ありがとうございます!
励みになります!



 

バナージがフロンタルと共にインダストリアル7から出た時には、既にもう一つのネオ・ジオングとギュネイとの戦闘が繰り広げられていた。

 

「アッカネン大尉、連携を」

 

「うるさい!お前はそこのやつとやりあってろ!」

 

フロンタルはゾルタンに連携を求めるが、まあ元々ダメ元であったのでフロンタルはすぐに諦めてユニコーンと対峙する。

一方でバナージはギュネイに呼びかける。

 

「ギュネイさん!」

 

「バナージ!お前はお前の倒すべき敵と戦え!コイツは俺に任せろ!」

 

そしてそこにバンシィも加わる。

まだ憔悴したような感じであるが、しかしその瞳はしっかりと人の輝きを持っていた。

 

「バナージ……全部許してほしいなんては言わない……」

 

「リディさん…」

 

「だが、ここに来たのはそれでも償いたい、そういうことだろ?」

 

戦闘をこなしながら彼らの会話に入るのはギュネイ。

会話の輪に入るためかネオ・ジオングのビームの雨を回避に専念して避けている。

 

「若人だろうが老人だろうが、過ちを認めて前に進めるならいくらだって成長できるさ……リディ・マーセナス、お前はそれを糧にできたか?」

 

「多分、だがやはりまだ未練はあるな……」

 

「素直でよろしい!だが俺の妻を撃った罪は重いから後で殴らせろよ?」

 

そう言いながらギュネイはG-サザビーのフィン・ファンネルでビームバリアを張って、ネオ・ジオングのファンネルビットを防ぐ。

 

「後でいくらでも殴らせてあげますよ。ですよね、リディさん?」

 

「ウッ……ええい、やってやんよ!」

 

バナージの軽口で3人の空気は明るくなる。

対して、ゾルタンとフロンタルは険悪ではないもののお互い不干渉である。

ゾルタンはフロンタルのネオ・ジオングを睨んでいたが。

 

「バナージ君、君なら理解してくれると期待していたのだがね……」

 

「分かりませんよ!ギュネイさんと違って、貴方自身でそれをやろうとしているわけじゃないんだから!」

 

「その仮面の下にあるものを吐き出せ!フル・フロンタル!」

 

「吐き出すものなど……ないッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネオ・ジオングとユニコーン二機が対峙する中、ゾルタンとギュネイもまた対峙する。

 

「ゴチャゴチャと建前を言ってくれちゃって!どうせお前のような奴がまた俺達のような存在を生み出す!」

 

「だからって何もせず、このまま見てたって何も変わらないだろ!子供ができてから、未来を考えるって意味に本当に気づいたよ……!」

 

「そう言って折れた奴らは五万といる!お前一人がやって何ができる!」

 

この会話の間でも、G-サザビーとネオ・ジオングⅡの激しい攻防戦は行われており、ギュネイはビームショットライフルの散弾で足にも見える追加ブースターを破壊する。

 

「グゥッ…!結局、人間はいつまでも愚かだよ!なら、サッパリさせようぜぇ!」

 

「うるせぇ!自分の価値観でしか見てねぇ奴が人類を粛清する資格なんてねぇ!世界を、視野を広げてから言いやがれ!」

 

フィン・ファンネルとビームショットライフルで追尾してくるファンネルビットを迎撃するが、ライフルがビットのビームにかすり、誘爆する。

その直前に手放したギュネイは斬艦刀を抜刀し、お返しと背部の腕部を一つ潰す。

 

「狩りゲーの要領でやればぁ!」

 

そしてスカート部を切り落とし、そのまま離脱。

多少の損害は与えられたが、代わりにシールドブースターがファンネルビットに取り憑かれてしまい、強制パージした。

 

「クソッ!お前とて強化人間だろうに!」

 

「強化人間?そうだな!それがどうした!」

 

ビーム砲が収束し、巨大なソードとなったネオ・ジオングの攻撃を斬艦刀で受け止めるが流石にパワーが違いすぎる。

そのまま弾き飛ばされて距離を取られてしまう。

 

「人類が宇宙に生活拠点を置いて百年!それで進化なんて夢見過ぎだろう!?」

 

「それには同感だよ!ちょっと立ち止まって振り返れば、ニュータイプなんてものはまだいないし、人類の進化にしたって少数!誤解なく分かりあえるなんて言い出したジオンは正直、ソイツが今ニュータイプって呼ばれる奴じゃないかって思うよ!」

 

ファンネルビットの攻撃とジャック攻撃に、ギュネイはローリングやバク転など、激しい動きで回避していく。

普通なら吐き気をよもおすか、思考が混乱するだろう激しいGに体がシートに押し付けられつつも、ギュネイは斬艦刀で有線ケーブルを切り落としてファンネルビットの機能を停止させる。

しかし、腐ってもファンネル。

ジャック機能はないがビームを撃つくらいはしてきた。

 

「でもな!宇宙に出た人間には生きる希望が必要だった!キリストしかり、ブッダしかり、一番最近のならニュータイプやジオン・ズム・ダイクンしかり!」

 

「なら!そのニュータイプの為に犠牲になった俺達はどうでもいいと!?自分もその犠牲者のくせに、同胞を見捨てると!?ふざけるんじゃない!」

 

ゾルタンの怒声と共に放たれるマイナスの意思によって、サイコシャードが禍々しく金色に輝き始める。

リング状に展開されたサイコシャードは、それはまるで神を体現するかのようにネオ・ジオングの後ろに存在感を放つ。

 

「うおぁっ!?」

 

サイコシャードによって、頭部のバルカンが爆発。

胸部のビームバルカンも内部から爆発し、装甲が弾け飛ぶ。

コクピットにもその影響が及び、全天モニターの一部にノイズが走り始める。

しかし、全ての武装を破壊できない所がまた哀愁を誘う。

 

「スラスター出力低下……それにセンサー類も、特に遠距離が駄目になったか!これじゃOV-Dシステムも使えない!」

 

無理矢理システムを使うことも考えたが、機体が自壊しかねない。

よってギュネイは一撃離脱を心掛ける。

それしかできないから。

 

「なんだぁ?さっきまでの威勢はどこに行ったぁ?」

 

「だまらっしゃい!」

 

「黙るわけねぇだろ!!」

 

なんの張り合いなのか、お互いに煽り罵倒しつつ戦闘は続く。

だが、不利なのは圧倒的にギュネイであることには変わらない。

フィン・ファンネルの稼働限界時間も過ぎて機能停止、斬艦刀はサイコシャードの影響か、ビーム刃の形成が不安定である。

 

「サイコフレームの量じゃこっちが勝ってんだ。おしまいだよ、残念だけどなぁ!」

 

「まだ終わってたまるかよッ!!」

 

ゾルタンがビームを一斉射、それを最小限の姿勢制御スラスターで避けるギュネイであったが一筋のビームが直撃コースに入る。

しかし、それは真下からの攻撃。

モニターも映さない、完全な死角。

ギュネイは気付かない。気付きようがない。

だから彼女はほんの少しだけ、力を貸す。

 

『ギュネイ、下!』

 

「クェス!?」

 

突然脳内に響くかつて、助けられなかった少女の声。

思考は停止したが、体は素直に下への攻撃に斬艦刀を盾にすることで防いだ。

 

「グオォォォォ!?」

 

「なんだ?今、女の声が…?」

 

G-サザビーは大きくネオ・ジオングから離され、斬艦刀もそれを持つ右腕も派手に爆発して壊れる。

斬艦刀で隠しきれなかった右足も犠牲となり、G-サザビーはほとんどの戦闘能力を失った。

 

「クェス……クェス・パラヤ…?なんで」

 

吹き飛ばされた衝撃で息絶え絶えだったのが、更に酷くなるがギュネイの思考はクェスの存在に疑問を抱く。

だが、その疑問もすぐに思考から外すこととなる。

 

「ギュネイ!」

 

「ロニ!?なんでここに!?」

 

ロニの乗るヤクト・ドーガが、G-サザビーと接触する。

 

「馬鹿!一人であんなのに立ち向かうなんて……!」

 

「確かに、無謀もいいところだよな……」

 

「なら!」

 

「それでも、お前達を危険に晒してまで戦うなんて、俺にはできないんだよ。お前達を盾にしてまで勝ったって、意味はないんだ!」

 

両機、共にコクピットハッチを開き外に出る。

冷たい空間、しかし近付いた二人はバイザー越しに見える顔を、目を見て話し合う。

G-サザビーと比べればまだ綺麗なヤクト・ドーガだが、それでも盾を失っていたり、ファンネルもいくつか消失している。

向こうの方もかなり激しいようだ。

 

「ギュネイ……でも、私がだって貴方に死んでほしくない……!」

 

「知ってる。だから何が何でも生きて帰るさ。約束だ」

 

「……マリーダにもしたんでしょ?」

 

「そりゃあ……うん……」

 

そこまで言葉を吐き出して、もっと他に良い言葉があったのではと悩み始めるギュネイ。

そんな彼にロニはクスクスと笑う。

 

「いいよ、正直に言っただけまだマシ。だから帰ってきて」

 

「ああ、誓うよ。必ずロニの、皆のもとに帰る」

 

後は解っている、とでもいうかのようにギュネイはヤクト・ドーガへ、ロニはボロボロのG-サザビーに乗り替える。

 

「ロニ、帰り道は気を付けろよ」

 

「うん。ギュネイも、気を付けて」

 

誘爆の心配はない。

既に機体がオートで消火や出力制御で誘爆の可能性を限りなく減らしているのだから。

 

「ヤクト・ドーガ……お前にゃ、あと少し頑張ってもらうぜ」

 

G-サザビーが懸架していたビームジャベリンを持たせたヤクト・ドーガ。

近づいてくるネオ・ジオングに、ギュネイは深呼吸する。

 

 

 

「やってやるぜ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





例のアレ

ギュネイ<ヤンデレとノーマルの狭間でしかヒロインを得れない男、ギュネイマンッ!()

ロニ<ギュネイのシートに残ってる温もりにちょっと興奮してる。でも油断はしない………でも駄目だったよ……

ゾルタン<もし惚気けてる所を見てたらブチ切れてリア充爆発しろと言いながらビームソードぶんぶん丸になる。悲しいね、ゾルタン……

クェス<恩返し的な感じ。でもこれっきり。

G-サザビー<乳首と側頭部が痛いよぉ……でも女の子に乗ってもらえて嬉しい模様()

ヤクト・ドーガ<王道を往く最後に前の機体に乗り換えて戦う所をやりたかった人生やった……

オルガ・イツカ<アイを守って死ぬ人生やった……



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凡人の革命


グエル君、主人公し過ぎだから最後の最後で死にそう(偏見)

感想、誤字報告、皆様ありがとうございます!
感謝ッ!感謝の嵐ッ!

それではほんへをどうぞ。




 

ゾルタンは離れていくG-サザビーと向かってくるヤクト・ドーガに首を傾げた。

 

「なに?どういうことだ?」

 

そんな彼にオープン回線で叫ぶの我らの主人公。

 

「Ураaaaaaaaaaaaaaa!!!」

 

「なんの言葉!?」

 

ジャベリンを投擲し、ネオ・ジオングの左腕に深く突き刺さる。

驚くゾルタンにギュネイはジャベリンの元まで急接近し、ジャベリンを回収。

残ったミサイルを左腕の関節部に撃ち切って爆破。

その事実にゾルタンは一方的にキレる。

 

「ふざけるんじゃあないっ!」

 

残る腕を展開し、またビームの雨を展開するがその中を潜り抜けるのはヤクト・ドーガ。

しかし、無傷では済まず右足が吹き飛んだ。

 

「ふざけてんのはお前だろ!狂人の物真似しちゃってさぁ!」

 

「うるさい!」

 

ビームジャベリンをまた投擲し、今度は腹部のIフィールド発生機に当たる。

そしてジャベリンを取りに行くことなくビームサーベルでサイコシャードの円に切り込みを入れた。

 

「強化人間だからなんだ!俺の作る世界にゃ、そんなのは関係ねぇ!」

 

「だがアースノイドや何も知らないスペースノイド共には知ったことではないだろう!?どうせ知っても哀れむだけで俺達に手を差し出すこともしない!そんな世界にいて何になる!」

 

お返しとスタインが二丁のバズーカを連射しつつ、拡散メガ粒子砲をヤクト・ドーガに向けて放つ。

一部の直撃弾は左肩部のファンネルラックの装甲で防ぐが、融解。

本体から外れたが、そんなことは関係ないと振り切ったビームサーベルはバズーカの砲身を切り落とす。

 

「お前の破滅願望とかいう、非合理的な物に巻き込まれるつもりはないんだよ!」

 

「ならよ!俺の心を救ってみせろよ、英雄さんよぉ!?」

 

モノアイとツインアイがお互いを睨む合う位置に頭部をぶつけ合う。

使い物にならないバズーカを捨てたスタインは、残るアームでヤクト・ドーガの足を掴み吹っ飛ばす。

 

「グゥアァァ……!俺は、英雄なんてなるつもりも!なれる気もしない!」

 

「だがお前のその有り様は英雄だよ!俺が求めている、求められた結果の姿にお前はなろうとしている!それが余計に腹立たしいんだよッ!」

 

射撃武器がないヤクト・ドーガと、まだ余力を残すネオ・ジオング。

何かないかとギュネイは必死に考える。

モニターに映るあらゆるものを見渡し、そして見つけた。

だが、気付かれてはならない。そこに視点を集中させずにゾルタンと対話を行う。

 

「そうかもな!だが俺はシャアになるつもりはないし、むしろ何であんなロリコンじみたファミコンにならなきゃならねぇんだよ!気色悪い!」

 

「あの赤い彗星がロリコンだと?ファミコンだと?面白い話だが、俺には関係ねぇなぁ!」

 

ゾルタンの勢いに任せた攻撃は、それだけでも脅威。

乱数機動で照準を定まらせないようにするが、それもいつまでだろうか。

だからギュネイは奇策、というには少々平凡だが………

 

「俺はシャアじゃない!かと言ってお前もシャアになる必要もない!俺は俺で、お前はお前だ!ゾルタン・アッカネン!」

 

「何度!何度俺は酷い目に会ってきた!?所詮、俺は研究者の都合のいい素体にしかならない!今更昔に戻れなんて都合が良すぎだろうが!」

 

是が非でも認めない。

そんな彼にギュネイは叫ぶ。

 

「今のお前が駄目なんて一度も言っていないぞ、俺は!今のお前であろうと、俺はお前を受け入れる!死んで楽になるより、楽しんで死んでからがお前だって本望だろうッ!!」

 

「何を言っているんだお前は!?」

 

「お前が英雄だの言うから救ってやろうとしてんじゃねぇかこの野郎ッ!テメェの脳みそ辛味噌か!」

 

あまりにも意味の分からない、ただ勢いに飲まれて発言しているギュネイに、流石のゾルタンもドン引いた。

 

「マジで意味分かんねぇよ!?俺を貶してるのかからかってるのか、どっちだよ!」

 

そう問う彼に、ギュネイは不敵な笑みを浮かべて言い放つ。

 

「退屈で絶望の世界から、お前を救いに来たんだよゾルタン」

 

言い放つのと同じか、後か。

ビームの弾幕を掻い潜り、その手に掴んだのは先程パージしたシールドブースター。

それを引っ掴んでブースターを最高出力で起動させる。

直進するブースターはネオ・ジオングの背部にある、アームの関節部に激突。

だがそれではただぶつかっただけだ。

だから、最後の隠し味を追加する。

 

「チェェェェッ!!」

 

そんな気合と共に繰り出されたのは接続されていた物を無理矢理引き千切ったヒートナイフ。

推進機関に直撃したシールドブースターは残っていた推進剤を爆破させ、大きくそして硬い即席の手榴弾が生まれた。

 

「ガハッ!?なんだと言うんだよ!?」

 

激しい衝撃で機体を大きく揺さぶられ、ゾルタンはエアバックに顔を押し付けられながらも機体の現状を確認しようとする。

 

「何!?アームが全部ぶっ壊れただと!?」

 

背部のアーム全てがErrorの文字で締め括られている。

 

「なんだよ、これは!そんな力、どこから…!」

 

思考がグチャグチャで訳が分からない。

そんな彼を現すのが、彼の瞳から流れ落ちる涙。

それが、彼の全てを物語る。

 

「なんで俺がこんな目に会うんだよ……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Δ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこは薄暗く、汚い場所だった。

衛生のえの字もないような場所に、片方眼帯しているのはゾルタン。

しかしその姿は幼い。

 

「…………」

 

無気力な、生気を感じられない子供は何もない空間をただ見る。

そこに光と共に、少し幼気が残る少年が扉を蹴破って中に入る。

 

「………」

 

「…………」

 

お互い沈黙を貫く。

だが、どことなくゾルタンがビビっているように見えるのは何故だろうか。

黒髪の少年はニカッ、と笑ってゾルタンの手を取る、というより引っ張る。

それを振り解こうとするが、少年は離さない。

まるで語らないなら力尽くでと言わんばかりに。

だからかゾルタンはようやく口を開けた。

 

「離せ……離せよ!」

 

そんな彼に少年、ギュネイは言う。

 

「嫌だ」

 

「ッ!!心の中にまで来て、なんだよ!お前は!」

 

「ノリと勢いで助けに来た、それが理由じゃ駄目か?」

 

「意味が分からない!そんな滅茶苦茶な理由で俺を助けるなんて、納得できない!」

 

悪人面が剥がれた素のゾルタン。

目の前のデタラメな男に、ゾルタンは泣き喚く。

本当にコイツは人間なのか、本当はバケモンなのではと錯乱する一歩手前まで来ていた。

 

「じゃあ平凡にお前の心を救いに来たって言えばいいのか?それでお前を殺すことで救済?ふざけんじゃねぇ」

 

突然、ゾルタンは頬を殴られる。

いや、殴ったのかはこの心象世界では本当にそうなのかはわからないが、とにかく殴られた。

 

「生きろよ。でなきゃ強化人間が世界を牛耳る所なんて見れないぜ?人類を滅ぼさなくても、それで満足できないか?」

 

「あ……」

 

「愉快な話だろう?戦場で生きる兵器が世界を支配してアムロ・レイがやらなかった事をやり、しかもその強化人間より強い天パがソイツの部下だぜ?これ以上愉快なことはあるのか?」

 

自分で言っていてツボにハマったのかニヤケ顔からあっという間に大笑いに変わるギュネイ。

呆気に取られたゾルタンもまた、それに誘われる。

 

「は、ははは……ハッハッハッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュネイは叫ぶ。

 

 

「ユニバァァァァァァァァスッ!!!」

 

 

矢の如きのスピードでネオ・ジオングに肉薄するヤクト・ドーガ。

スタインの目の前に来たヤクト・ドーガは、その顔面にパンチをかまし、頭を引っこ抜く。

 

「これは!俺のぉ!命の光だぁっ!!」

 

ギュネイの意思に呼応するかのように、ヤクト・ドーガのサイコフレームが共振を始める。

ヤクト・ドーガ全体に虹の光が集まり、そして貫手がスタインのコクピットに刺さる。

ハッチが粉砕され、そして引き抜かれるのはゾルタンがいるコクピットポッド。

それを確認したギュネイは、本能のままに腕を振るう。

 

「オーパーツは消え去れッ!!」

 

腕から虹の光が刃のように飛び出す。

しかし、その光はどこか赤さを帯びていた。

だからなのか、パイロットを失い沈黙したネオ・ジオングは光が直撃するのと同時に大爆発を起こす。

それは離れきっていないヤクト・ドーガを焼いた。

 

「死ぬかよぉ…!」

 

ギュネイの視界はホワイトアウトの後、意識を落とした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギュ………ど…………皆が……」

 

 

「おい、起きろよ。お前の待ってる人間が呼んでるぞ?」

 

 

「………ウッ…ゾルタン…?」

 

 

「兄さん!答えて!どこにいるの!?」

 

 

「ギュネイ!生きてるなら答えて!」

 

 

「ギュネイさん!」

 

 

「戻ってこいバカ息子!どこにいる!!」

 

 

「ギュネイ、皆が帰りを待っているぞ」

 

 

「ギュネイ!帰ってこねぇんなら俺がマリーダ寝取るぞ!?いだだだ!?メグ!冗談!冗談だってぎゃぁぁ!?」

 

 

「……皆、俺は生きて…いるんだな……」

 

 

『そうさ、生き抜いたアンタの未来を進みな。相棒』

 

 

 

 

 

 

宇宙世紀0096。

後にラプラス事変等と呼ばれる一連の事件は、袖付きの壊滅と共に幕を閉じた。

しかし、さらなる激闘の時代はもう少し続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同年、赤備えの頭領ギュネイ・ガスはインダストリアル7とメガラニカを首都とした【ガンダロスタ国】の樹立を宣言。

呼応して各サイドもサイド共和国の加入と共に独立宣言を行い、月のアナハイム社は連邦とガンダロスタに二分し、アナハイム社から分かれたガンダロスタ側はブッホ・コンツェルンと合併し【ジオ・ネルロア】に改名。

勿論、地球連邦政府は独立を認めずテロリストの国家として経済制裁を加えようとするが、宇宙に在中していた連邦軍の一部、特にスペースノイドの兵士が離反。

更にブライト・ノア率いるロンド・ベル隊や、連邦軍に内心不信を抱いていた兵士達もガンダロスタに離反。

勿論、ガンダロスタとの交戦の後ではあるが。

だがここまで戦力を連邦から吸収できたのは何故か。

それは樹立時の演説の影響があるだろう。

 

 

「諸君らが知っている通り、連邦政府は腐敗している!それは人の作り出した政治という物だ。そうなるのは仕方がない。しかし!マンハンターという殺人を許す組織を作り、それに混ざる連邦の高官が人を狩りのように殺す!それが許されて良いのだろうか!?これを聞いている、もしくは聞き流している民衆の方々もここだけはしっかり聞いてもらいたい。今の連邦は自国民であっても道楽や身勝手な都合で秘密裏に殺すのだ!俺が怒りに震えるのはそこだ!そんな世界で生きていて、いつ子が殺されるか、理不尽に殺されるかわかったもんではない!」

 

 

その言葉と共に画面の端で流されるのはマンハンター達による虐殺。

そこに混ざる高官。

貧相な身なりの多い者達が死に、そうでなくても殺される人々。

治安の悪い場所や、良くてもこのような事が起こり得るのである。

その事実を見せられた民衆達はどう思ったのだろうか?

それは人それぞれなので一概には言えない。

だが、ギュネイが打ち出す政策は戦争中故に数年先となるが魅力的なものもあった。

数年前のシャアに似ているようで違う。

そんな事を思う人々もいた。

 

 

とにかく、戦争は宇宙を完全に制圧しているガンダロスタ国が有利となり、宇宙世紀0100年12月19日にかつて日本と呼ばれた地で結ばれた【ラプラス条約】の締結により終戦を迎えた。

連邦政府はガンダロスタ国に経済制裁等は行えず、平等な貿易を行うこと、日本地区と租借地であるニューホンコンの移譲、如何なる理由においても連邦軍の宇宙での無断活動は禁ずるetc…

 

全体的に言えば連邦政府に不利な条約であるが、第三者のいない戦争であれば敗戦国の結末であるだろう。

 

宇宙世紀0101年。

これまでの戦争による難民や生活困窮者達の為に増設されたスペースコロニー群【サイド8】、【サイド9】への誘致を開始。

サイド9に関しては【木星共和国】と【マーズ・エンパイヤ】への合流を目的としており、地球圏外への移住を主目的にしていた。

勿論、それらの支援はできる限りの支援をしており、空気不足やその他食糧難に悩む地球圏外への食料と空気の格安の交易によってそれなりに親睦を深めた。

尚、木星と火星の国家群は他のコロニーにも言えるのだが日本で言う【県】のような物である。

まあ、明確には色々違うのかもしれないが認識的にはそれで構わないのである。

 

 

 

 

あーだこーだと色々やったとはいえ、過去の因縁故にまだ情勢は不安定である。

それでも初代ガンダロスタ国首相ギュネイと、かつては赤備えと呼ばれていた者たちは未来のために走り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?天パから生き残るために頑張ってたのに、なんかいつの間にか世界変えちまったんだけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仕事に忙殺されてある意味正気を取り戻してしまうのはまた別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー完ー

 

 

 

 

 

 

 

 





ここまでお読み頂きありがとうございます!
いやぁ、遂に完結したよギュネイ……でもまあ、まだもうちょっとだけ続くんじゃが()
とはいえ、マトモに完結したのはこれが初めてとかいうヤベー奴ェ……
しかし、おまけもあるのでもう少しお付き合い頂けると感謝です!


そして皆様ご期待のおまけ編……答えは次回話ッ!!
皆の多くはおまけはスパロボと予想しているが、果たして……(ニチャァ)

それはそうと例のアレ(長文注意)

ギュネイ<前妻も後妻もボロボロにしたので後から整備班にボコスカ殴られる。で、首相になったもんだから仕事に忙殺されてある意味正気に戻ったりしてたり。尚、そんな中でも家族は大切にしてました、はい。というか半ば周囲から家族サービスしてこいと押されてのもあるけど。

マリーダ<アカリの後に双子の兄妹と末っ子の妹を産む。ロニやジンネマン達もいたので育児は上手くいっていた様子。
尚、クシャトリヤは……駄目みたいですね……というわけで翠色ベースに塗装され、大改造を施したZガンダム君が配備。これで二人もハルートと仲間入り!()

ロニ<男の子一人と女の子二人を産んだ。前述の通り、サポートもあって初の育児もある程度楽になった。尚、育児に力を入れ、それが高じて子育て関連に関して偉い人になってたりする。

アムロ<戦闘でとにかくシゴかれた後はチェーンとリタの取り合い合戦が第三次大戦まで起きた。結果、ベルトーチカやセイラも参戦し、ギュネイを笑えなくなった。心労故か老後は天然パーマから禿げたらしい。

ブライト<アムロいるんだから勝てるわけないでしょ!とか言わずとりあえず戦った軍人の鏡。でもやっぱり天パに勝てなかったよ……でも退役後は息子達と仲良くインダストリアル7で喫茶店やってるのでヨシ!

アカリ<弟、妹達のお姉さんをやって時折空回りしつつ、仲のいい家族の中心となった。ハイスクール卒業後は色んな職業をやり、最終的にファンによってガンダロスタ国のアイドルに担ぎ上げられた。
それでも自由人なのでチラホラとあっちこっち行くのでファンも気苦労が絶えない(笑)

ジンネマンたち<ガランシェールJrをギュネイの自腹でプレゼント。退役後は孫達を乗せて旅行したり、老後は孫の一人ににガランシェールJrをプレゼント。幸せ街道を走った。

バナージ<ミネバと無事にくっついた。可能性を模索すると同時にミネバがまた担ぎ出されるのを防止するために、宇宙世紀0109年に木星じいさんと共に外宇宙に旅立った。

ミネバ<バナージとの間に子供が二人できた。ザビ家云々からも解放され、ハネムーンも満喫。バナージと共に外宇宙に旅立った。

ゾルタン<ギュネイの隣で護衛やってたりする。あーだこーだとあったがアカリとくっつく。(え?)

リディ<ラプラス事変の後、色々と身柄をどうするか言われたが最終的にガンダロスタ国の軍人となった。
父親とは関係修復しつつ、外宇宙に旅立ったユニコーンの帰る場所を守るために木星共和国に居を移した。

マーサ<ざまぁ展開されてそのまま失脚。失脚後は静かな人生を送ったとか、また暗躍したとか。

アルベルト<アカリファン第一号。バナージとも関係は良好となり、ジオ・ネルロア社長に就任させられる。色々頑張った結果、痩せてなんかモテた。一般女性と結婚して子供を一人もうけたらしい。

シャア<人生ひゃっほいできるのであっちこっちを偽装したサザビーで冒険した。その結果、とある女性と出会うがまあそれは別の話。尚、ひゃっほいし過ぎで老後は腰を痛めがちだとか。

カズイ<退役後は騒がしくも平凡な人生を送ったとか。嫁達によくシバかれたが、息子達はかなり有能だったらしい。


それではまたおまけ編にて、お会いしましょう。
感想、良かったらよろしくお願いします!



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おまけ編 汝、頑駄無無双也
ギュネイと奇妙なお星さま



評価グラフって、五十人超えると青になるんですね……(驚愕)

それにしてもロボアニメに需要ないとか色々言われてるけど、ひょんな事で手のひら返しする奴らが大体オタクなんだから黙ってロボアニメも見ろって言いたい日々です。
まあ、制作側がやる気出さない上にメンドイからって内容もお陀仏にしてる人達もいるし……

という無駄口は捨て置いておまけ編スタートです!




 

宇宙世紀0102年。

戦争集結から急ピッチでガンダロスタの国としての機能を整えている中、ギュネイは疲労で首相の執務室でグッタリと倒れていた。

 

「民主主義と貴族主義、この正反対の奴はもう消えていいだろぉー」

 

元ブッホ・コンツェルン社長だったシャルンホルスト・ロナやその息子、マイッツァー・ロナからの貴族主義云々の話に頭を抱えていたギュネイ。

最終的に行き着いたのは軍部に特殊部隊【クロスボーン・バンガード】を設立である。

ティターンズのような特権階級部隊であるが、非常時は元帥を除いたほとんどの部隊への指揮権を持たせることでなんとか納得してもらったのだ。

まあ、元々案はあったのだがまずは連邦の頬をブン殴ってやろうということで協力してもらっていたが………

 

「また最近は家に帰れてねぇなぁ……」

 

疲れがどっさりとのしかかる身体。

モビルスーツにも乗ることがあまりなく、地球連邦とは交易とその他諸々以外はほとんど関係を断ち、経済的弱者にへとなっている。

まあ、それでも本気でまた戦争をされるとガンダロスタもかなり痛い目を見る事になりそうだが……

そんな彼に扉がバタンと開く音と共にさらなる悲報が届いた。

 

「首相!地球に接近する惑星が突如と現れました!それとRX-0の目撃情報も!」

 

「はぁぁぁ!?」

 

残業確定だと、ギュネイは頭を抱えるのだが、軍の最高司令官を務めるブライト・ノアもまた頭を抱えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界は騒然としていた。

地球に近づいてくる突如現れた惑星。

一体何のために現れたのか、そもそも何故そんなものが今まで見つからなかったのか。

そしてラプラス事変後、行方知れずとなっていたRX-0【フェネクス】の目撃情報。

一体、何者が不死鳥を操り、そして地球に近付いてくる惑星の出現と共に姿を現したのか。

誰も知らぬ間に現れた惑星に、ガンダロスタ、地球連邦政府は合同で謎の惑星への調査に訪れる事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

惑星調査には、ギュネイ・ガス率いるガンダロスタの一個大隊と、連邦からはルオ商会の援助の元、シェザール隊と3隻のクラップ級が派遣され、謎の惑星にへと進路を進めるのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シェザール隊隊長、イアゴ・ハーカナ少佐。シャアの反乱やその後のラプラス事変、ガンダロスタ独立戦争でも白星を上げつつも停戦の後にトリントン基地に配属……」

 

そうイアゴの経歴を読み上げるのは我らのギュネイ。

イアゴは前大戦の英雄かつ首相が目の前にいることにまだ信じられないでいた。

 

「ん?首相がなんでこんなところにいるのかって思ってるだろ」

 

「え、あ、いや!その……はい……」

 

いくらベテランの戦士とて、一番偉い首相を目の前にするとその現実味が感じられないようである。

 

「いやまあ、首相の仕事が忙しすぎてな……過労死する前にこうやって抜け出してきただけだよ……」

 

ははは……と空元気で笑い声を上げるが、それはそれで怖いものであった。

イアゴはそれに同情したが。

 

「………俺達が憎いか?」

 

ギュネイの雰囲気が変わったことに気付いたイアゴは姿勢をただし、軍人の顔となる。

 

「憎しみがないかと言われれば嘘になります。ですが、戦争になればそれくらいの覚悟はしなければならないということは、理解しているつもりです」

 

「……わかった。ならばあの星の調査、共に励んでいこう」

 

そう言ってイアゴに握手を求め、イアゴはその手を取った。

その直後であった。

グォン、という衝撃に揺られ、二人は体勢を崩す。

 

「艦橋!どうした!」

 

艦内の通信機で艦長であるブライト・ノアはその問いに答える。

 

「わからん!突然、衝撃波か何かが……!」

 

ブライトも確認を急いでいるものの、艦橋から見える限り目の前の惑星以外には何もなかった。

そんな騒動から警戒態勢に移るも、何か敵が襲ってくる、ということはなく惑星の軌道エレベーターに辿り着いてしまった。

 

「一体どういうことだ?それに、軌道エレベーターなどまだ我々の世界でも作られていないのに……」

 

「つまりはこの惑星の技術は、宇宙世紀以上の可能性もある、ということかもな、ブライト艦長」

 

「………後方にいてくださいよ?」

 

「だが断る」

 

ブライトは大きく溜め息をつきながら、しかし仕方がないかと彼の最近の忙しさを思い返して説得を諦める。

 

「しかし、奥さんも連れてきて良かったんです?いや、ここ最近までほったらかしにしてた私が言うのもアレか……」

 

「それ言ったら俺もだよ」

 

ハハハ!と、虚しい笑いが二人の間に起きる。

 

「ねぇねぇ、私お腹空いた」

 

「おう、そうか。じゃあ一旦飯を……」

 

後ろから聞き慣れたアカリの声に、ギュネイは笑いながら彼女を食堂に連れて行こう、ブライトもそれを見送ろう。

そう思った次の瞬間である。

 

「ファ!?」

 

「なに!?」

 

「ん?」

 

アカリ以外はびっくり仰天。

家にいるだろうと思っていたアカリ・クルスがそこにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こってり叱った後は、とりあえずマリーダの所に預けた。

ギュネイの私室でも良いのだが、一応首相としての書類がまだいくつかあるので、アカリが何かやらかされると少々不味いのである。

 

「すまんな、俺の部屋は俺がいる時に来てな?」

 

「うん、わかった、お父さん!」

 

ほんとかなぁ?、とは言わない。

流石にそれは意地が悪い。

父親として彼女を信じなければと、彼女の言葉を信じる。

なんだかんだ親バカなギュネイに、ブライトは苦笑していたが。

 

「そういえばゾルタン大尉はまだ帰ってきていないのか?」

 

「つい先程帰還したとの事だ。やはり軌道エレベーターらしい」

 

「そうか。にしてもゾルタンも丸くなったもんだ……」

 

未だ、悪人面や悪者を演じる癖はあるものの、周囲からゾルタンとして存在を認められていることで少し丸くなっていた。

まあ、ギュネイは彼を救うと言ったのだ。

やらなきゃ殺される。

 

「まあ、正しい丸め方かは解らんけどな」

 

そう一人で零すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時を同じくして、連邦軍のマークを帯びた船団は軌道エレベーターの戦艦ドッグに入る見覚えのない船団に偵察任務に出ていたシールドに包まれた機体に乗る男を困惑させていた。

ギュネイから見れば、古臭く狭いコクピットに旧式の連邦軍のノーマルスーツは懐かしいと言わしめるだろう。

 

「チラッと見えたが、アイツラにもモビルスーツがいるそうだな……」

 

最大望遠で見えたモビルスーツ達は、ジオンや連邦の機体をごった煮したような編成で最初は宇宙海賊の類かと男は思ったが統制が取れている。

つまり、どこの馬の骨かは知らないがどこかの正規軍であるということだ。

 

「ま、とりあえずそういうことは上が考えることだ。俺はジャズでも聞いて帰らせてもらうかね」

 

録音機の電源をONにし、戦場においても流していたジャズを流し始める。

そのリズムに乗りながら、操縦桿をガチャガチャと動かす様は子供のようにも見えるし、ジャズの演奏のベテラン感を醸し出しているようにも見える。

そんな中、母艦【スパルタン】からの通信が来た。

 

「イオ・フレミング少尉、今後を鑑みて先程戦艦ドッグに入港した船団と交信を試みる。貴官は母艦にー」

 

「ミノフスキー粒子か!?」

 

母艦からの通信が突然途絶えたことに、イオはセンサーを確認し、モニターもギロリと見る。

ここで見逃しては殺られるのは自分だから。

 

「光ッ!?」

 

視線が脇にそれかけた瞬間、やけに輝く光が見えた。

イオは反射で動き、回避に成功するがその攻撃で自分の敵が見えた。

それは何度も仲間達を殺ってきた、見慣れた攻撃だから。

 

「義足野郎!お前も来たか!」

 

イオのモビルスーツ、【フルアーマー・ガンダム】からかなり離れた所に、リビングデッド師団の旗艦の甲板に設置されたビックガンで狙撃をこなした一体の赤いザクのパイロットは外したことに舌打ちする。

 

「チッ!仕留めきれなかったか…!」

 

サンダーボルト宙域の戦いは、未だ続こうとしていた。

 

 

 

 

 

 

そして、更にそれを見ていた者達がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





読了感謝!
というわけで正解は大穴よりの穴!ガンダム無双!
エクバ並みにはっちゃけてるストーリーがGジェネやスパロボを押し退けました(笑)
でも、スパロボ予想の方が多いのでおまけ編終了次第、スパロボバージョンやってみても良いかもしれませんね。
まあスパロボはサルファしかやってないからサルファ原型に原型をゲッター光線浴びせる感じだろうけど。

ちなみにこれから出てくる他作品のガンダム達は実はユニコーン編である程度臭わせてるので、改めて読み返すと発見があるかも……?


それはさておき例のアレ

ギュネイ<娘がいることに気付かない強化人間のなり損ない。ゾルタンを無理矢理引っこ抜いた事に少し不安を覚えている。

マリーダ<ご無沙汰気味でギュネイに付いてきた。十八禁バージョンはもう少しお待ちを………(汗)

アカリ<父に怒られ、母にも叱られるも全然めげない。心の成長が早いせいか、恋バナに興味を持っている。御歳9歳くらい。
母に負けず劣らず美しく、カワ(・∀・)イイ!!
後、ペッタンコからふっくららしい(意味深)

ブライト<ギュネイとパパ友になったよ、やったね!それはさておき、どっちも書類仕事に頭を悩ませる中なので最近は年齢の差関係なく居酒屋でお酒を飲む仲に。

ゾルタン<ヨナとは味方として出会うが果たして……?

イアゴ<上司に欲しいと思ってたりする。

イオ<義足野郎オブクラッシャー!(怒)

ダリル<既にリユース・サイコ・デバイスに対応済。ガンダム無双の物語で、二人にどう変化を与えるか……?


感想、良かったらお願いします!
執筆の励みになります!


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ドウシテ……ドウシテ……


無印ガンダム無双って、ストーリーは普通に良いんだよね。
というかよくある二次創作みたいに良い意味でゴチャゴチャさせてるから普通に面白い上に王道もやるし。
つべこべ言わずに楽しめ!って感じで良かったんだけどなぁ…

まあ、こっちもこっちで色々滅茶苦茶というか曖昧というか。
どのみち褒められる事じゃないけどな!()




 

 

「なんで、こうなったんだ……」

 

ギュネイ・ガスは頭を抱えていた。

使い古された基地で、整備員達の騒がしさとは裏腹にギュネイはこの星のヤバさを思い出して頭を抱えていたのである。

 

「なぁんで気付かなかったのかなぁ!?【ガンダム無双】だってこと!」

 

ガンダム無双。

プレイステーション、PS2でプレイ可能なガンダムによる無双ゲーム。

続編も3作あるが、設定的には無印ガンダム無双であると気付いたギュネイは原因故に頭を抱えるのである。

 

「理由もほとんど不明の不死身チンパン野郎が敵かよ…」

 

何かの不思議パワーで、別世界のキャラクター達も集まり、戦国ゲームやってなんか黒幕が地球を侵略しようとしてた。

そんなカオスゲームの舞台となる謎の小惑星に、まさか招待されるとは思わなかったギュネイ。

しかし、ギュネイ・ガスの中身にいる転生者である『私』が原因と思うと少し八つ当たりもしたくなる。

 

「原作はZ、ZZ、GガンダムにW、∀が来てたが……」

 

そう言ってから辺りを見回す。

 

「これ、もう明らかに原作乖離だな…」

 

宇宙世紀には存在しない、かなり特徴的な姿をしたガンダムやモノアイを持つモビルスーツたち。

特にガンダムは、それはそれは刺々しい姿だ。

 

「ガンダム・バルバトスルプスレクス……鉄オルかぁ…」

 

そう、今この基地は鉄華団が占拠しており、モビルスーツはそれらのものである。

どことなく、G-サザビーが寂しそうに膝をついているのは哀愁感が漂っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出会いはたまたまだった。

軌道エレベーターの乱戦によってガンダロスタ、連邦軍共々別れてしまい、他の組織も混戦の中地球にへと落下してしまった。

サンダーボルト宙域の因縁が、ここに来て暴発してしまったフルアーマーガンダムのパイロットとサイコ・ザクのパイロットは、ギュネイのとりなしで何とか抑えたが……

目まぐるしい状況の中、なんだかんだで謎の惑星に降りてしまったのである。

まさかアトラスガンダムがあるとは思いもしなかったギュネイだが、それ以前にサイコ・ザクがなんで付いてきたのが一番の疑問である。

バックパックも通常のザクの物になり、やっつけな感じでヒートホークを二つ装備させられたダリルには同情するが、とにかくなんでサイコ・ザクが大気圏を突破できたのか謎である。

まあ、パイロットだけを殺した機体で大気圏を無理矢理突破してみせたのだから、まあもう考えるだけ無駄という事だろう。

そもそも本来の宇宙世紀にない技術を使っているのだ、それくらいあっても違和感はない。

脚部に関しては現地で破損していたザクから取っているが、その応急措置があってもリユース・サイコ・デバイスがどこまで持つかによる。

 

「しかも大人に不信な鉄華団に、シン・アスカもいる……もうわけわかめだよ」

 

何にせよ、味方は必要である。

鉄華団、サンダーボルトの因縁組、シン・アスカ。

これらを扱わなければならないことにギュネイは頭痛を感じつつ、この基地が守りやすい、ゲーム名でいうなら【空中庭園】という地形的に守りに適した場所で感謝していた。

多少連携が上手く行かなくとも守り切る事は可能だろう。

 

「まあまずは話も聞かないで接近してくる敵性部隊だよなぁ……」

 

ギュネイは溜め息を吐きながら、ブリーフィングルームに向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

即席のテントで建てたブリーフィングルームで、ギュネイは褐色に銀髪の青年、オルガ・イツカと共に並び立つ。

子供達の不審な目には受け流すしかないと諦めるが、とにかく作戦は伝えなければならない。

そう思ってギュネイは口を開いた。

 

「諸君、集まってくれて感謝する。改めて自己紹介しておこう。ギュネイ・ガスだ。ガンダロスタ国首相で、パイロットだ」

 

シンは怪訝そうに、鉄華団の面々は更に険しい視線を送ってくるがここでメンタル値が削れるなら首相などやっていられない。

 

「諸君も聞いた通り、敵性部隊がこちらにやって来ている。ここは防衛に適した基地なので、各機それぞれの担当場所で防衛に当たってもらう」

 

そう言ってどこからか引っ張り出されてきた電子黒板にある地図を映し出す。

 

「皆も重々承知だと思うが、元々この惑星の調査が俺達の目的だ。この星に在住する人間達は【全てを可能にする力】何ぞの為に戦っているが、あったら戦争なんてない。しかし、それに類する何かはいるはずだ。その存在に注意して、ここの防衛をしてほしい」

 

そう言う彼に、シンは問う。

彼はギュネイと同じく、たった一人この場所にいる。

デスティニーガンダムを駆っている事から、恐らくダイダロス基地の攻略後ぐらいだろうか?

どのみち細かい話は何とも言えない。

 

「そんな曖昧なものに注意して戦えって言われても、アンタはできるのかよ?」

 

そんな彼の問いに向こう見ずな所がやっぱり少年だなと感じる。

 

「それはできない言い訳か?戦闘でできなきゃ死ぬだけだ。軍人なら無理でもやれって言われるのが軍隊だからな」

 

いざというときはやれるもんだぜ、と最後に余計な一言を付け足すが鉄華団はノーリアクション。

シンは苦虫を噛み潰した顔になっていた。

 

「アスランみたいな事を……」

 

「とにかく、相手の勢いが落ちるまでは防衛戦だ。戦国時代みたいなこの惑星だ。持久戦は嫌うだろう」

 

「俺達鉄華団はこのフィールドを守ればいいんだな?」

 

「ああ。だが相手に飛行可能な可変機や大気圏から突入してくる可能性もある。現地勢力の戦力も当てにしないといけないのは心苦しいと思うが、頼む」

 

現地勢力、様々なモビルスーツを所有し日々争い続ける戦闘民族とも呼べるような人類。

本当かも怪しい力のために戦う彼らは、強い者たちには恭順する習慣があるらしく、猛者はすぐに配下になったり色々と戦力に関しては頼もしい限りである。

信頼度はともかくだが。

 

「ガンダム・フラウロス、シノ君にはここ本拠地で支援攻撃を頼む。自慢のギャラクシーキャノンを頼りにしてるぞ」

 

「おう!ノリ良いじゃねえか!やってやるよ!」

 

ギュネイは感慨を持つ。

宇宙世紀という世界に生まれたギュネイ・ガスという人間では絶対に会うことはないだろう、別世界の人間達。

そんな彼らに会えたのは、本当に素晴らしい事なのではないだろうか。

それが良くも悪くも。

 

「では、作戦開始!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海岸から押し寄せてきた敵部隊。

ギュネイ達の敵は、この基地を拠点とするためにやって来た者達であった。

 

「兄さん、やるんだね?」

 

「ああ。宇宙にいる連邦艦隊とこちらで別れているが、拠点はあった方が良いからな」

 

2機のガンダムタイプが、守りに入っている基地を見据える。

 

「まずは、道をこじ開けさせてもらう……!」

 

紫と赤のガンダムは、その禍々しい機体を地上に降下させた。

その内片方の、【ガンダムヴァサーゴチェストブレイク】は名前にある通り、胸部を展開させ砲門を開いた。

 

「この星に眠る全てを可能にする力……我々が頂こう!」

 

充填されたビームの光が、閉じられていた巨大な門を破壊し、現地勢力のザクやジェミスが巻き込まれて消し飛ぶ。

このままでは不味いと応戦を開始する巻き込まれなかったモビルスーツ達は、各々の武器を持って応戦しようとする。

しかし、それらを構える前にもう一機のガンダムがビーム砲で武器を、機体のどこかを、コクピットを撃ち抜いて破壊する。

 

「兄さんの、僕達の邪魔はさせないよ……!」

 

その名は【ガンダムアシュタロンハーミットクラブ】。

そして、その二機を駆るパイロット達はこう呼ばれていた。

 

 

 

 

 

【カテゴリーF】と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





最初の敵はライバルっぽくないでお馴染みフロスト兄弟!()
ちなみに現地勢力のモビルスーツは色々あるので、大体省略させて頂きます。
リーオーがあれば、ノブッシとかジムだっている惑星だし。
え?ジム神様?さあ……どうだろう?()

ちなみに十八禁の方もようやく完成しました。
よければドウゾ……

https://syosetu.org/novel/315149/


例のアレ

ギュネイ<ようやく思い出したポンコツ。とりあえずシンの制御はどうにかしたい。

オルガ<推しの子でも絶賛(え?)活動中のオルガさん。参戦理由はマッキーに呼ばれたから。

シン<ミネルバと別れてしまい、ちょっと寂しい。ギュネイがアスランっぽくてイラッとしてる。

マリーダ<ギュネイ……どこ……?ここ……?

シャア<やめるんだ!マリーダ!兵士が怯えてる!

アムロ<もしもの時にと地球圏でお留守番。(´・ω・`)

フロスト兄弟<全てを可能にする力を欲しがりそうな人達。シロッコやハマーンでさえ、光墜ち的な事になるがこの人達だけは無理そう()

シノ<ノリのいいヤツで気に入った。それはそうとまだ不信感はある。

三日月<バルバトスの前で火星ヤシをモシャモシャ。あとついでにアトラといる(意味深)

昭弘<鉄華団と別れてしまったが、普通に元気に謎の惑星で生きてる。


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番外 コーヒーを一つ頼む


時系列的にぶっ込められなかったバレンタイン回です。
時系列はおまけ編より少し前とかそこらへんかな。

短編なのでハヤイゾォ!

それはさておき推しのゲッターMADのせいで、久しぶりにゲッター線に脳が焼かれてるぜよ。




 

今日はバレンタインの日だ。

しかしギュネイはこの日を忘れていた。

何故なら仕事や戦闘でそれどころではないし、前世でもバレンタインの日が来ても学校の校則やそもそも親しい異性がいなかったのでバレンタインなどあってないようなものだった。

 

だから、執務室にマリーダとロニが有無を言わさないプレッシャーを背負って扉を蹴り飛ばしたのは仕方ないのだ。

 

「えっと……何事?」

 

あまりに突然のことで思考が停滞気味の中、なんとか出た言葉に横にいるゾルタンはニヤニヤと笑みを浮かべる。

それはこれから何が起きるのか解っていると言うように。

そんな彼に怪訝な顔を浮かべるギュネイ、がその直後妻達に腕を捕られて拘束される。

 

「あの、その、マリーダさん?ロニさん?」

 

何がなんだかわからないギュネイは戸惑う。

そんな彼の態度にマリーダとロニはネッチョリとした声で言い放つ。

 

「「今日はバレンタインよ?」」

 

「ヒエッ」

 

思わず背筋が寒くなるギュネイだが、ゾルタンは笑いを堪えられず腹を抱えて笑う。

 

「アッハッハッハッ!やっちまったなぁ!これはぁ!」

 

「ぞ、ゾルタン!?お前知ってたな!?裏切り者ぉ!?」

 

「ああ?男ならバレンタインを気にしない奴がどこにいるんだ?クッハッハッハッ!」

 

「縁がなかった俺にゃ、苦痛の日だったよコノヤロー!」

 

まるで囚人のように椅子から引き摺られて執務室から出るギュネイは、官僚達に苦笑いと大笑い、そして嫉妬の3つの感情を与えることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある近所のカフェ。

マリーダとロニは手作りのチョコをギュネイにアーンとさせて食べさせる。

ギュネイは羞恥心を殺して、機械のようにチョコを口に含み食べていくがその時間がとにかく長く感じて幸せでいて辛かった。

 

「美味しい?」

 

「ハイ、オイシイデス」

 

「私のは?」

 

「オイシイ」

 

そんな彼等にしれっと背景でチョコを食べているのはカフェの店主とその奥さん。

娘は元気に外に遊んでいるが、こちらの夫妻はどちらも恥ずかしがりながらも夫はチョコを食べ、妻はチョコを口に持っていっていた。

 

「よお、ヴィンセント。今日も甘ったるい雰囲気を醸し出しやがって……ブラック飲まなきゃやってらんねぇぜ」

 

「い、言うなよ親父………」

 

「フフフ……」

 

そんな夫妻と、訪れてきた夫の父親にギュネイはお幸せにとお祈りしながら、最後のロニのチョコを食べ終える。

もう口の中はチョコで甘ったるく、何かで洗い落としたく感じていたが淫靡な雰囲気を出したロニがキスをかます。

いや、これはキスではなくディープキスだ!

 

「んごっ!?」

 

「んっ…」

 

「むぅ……」

 

前世では非リアだったギュネイとしては、こんなイベントは絶対なかった。

それ故に悲しくなる。

生まれ変わらないとこんなイベントにも会えないのかと。

そういうと前世のヲタク共や同類(転生者)の同類に呪詛を唱えられそうなので言わないが、しかしギュネイとて悲しい思いであるのは理解してあげてほしい。

 

「ひへぇ……」

 

「んっ♡」

 

「次のバレンタインは私がやる」

 

対抗心を燃やしだすマリーダと、ギュネイの口からチョコを吟味したロニは幸せそうであるが、ギュネイは色んな意味で泣きそうであったのであった…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにだが、ゾルタンとてバレンタインは存在は知りつつも忘れていた。

しかし何故、彼は思い出したのか。

それは彼女が原因である。

 

「お父さんとお仕事頑張ってね!」

 

そう、天真爛漫な少女アカリである。

 

「あ、ありがとな、アカリちゃん」

 

「アカリちゃんは俺達のアイドルや……」

 

「イエスロリータ!ノータッチ!」

 

「アカリちゃんはワイの母になってくれるかもしれなかった女の子や…!」

 

「義理チョコでも嬉しい……ウレシイ……」

 

独身の官僚や職員にはあまりにもありがたいテンからのギフト。

一部、変態が正体を露わにしつつアカリのアイドル伝説は始まったのである。

さて、ゾルタンの元にもやって来たアカリだがゾルタンはこの顔を怖がって避けるだろうと思っていた。

しかし、アカリはニコッと笑顔でチョコをゾルタンにチョコをプレゼントした。

 

「は…?」

 

「ゾルタンお兄ちゃんもどうぞ!」

 

天使のような笑顔。

その時、ゾルタンに電流が走る。

 

「お、おう……ありがとうよ……」

 

頬をかきながら一口サイズのプチチョコを貰うゾルタンに、アカリは嬉しそうに「どういたしまして!」と言って去っていった。

それを見送ったゾルタンはこの初めての感情は何か、戸惑う。

 

「なんだ……このポカポカとする感情と、軽く心臓が締め上げられるこの感覚は……!?」

 

それが恋だと自覚するにはもう少しかかるのは別の話。

 

 

 

 

 

 





季節外れのバレンタイン回です。
物語の都合上、当日にやれなかったのが惜しいが後悔はしていない…!いや、違うかも(手のひらクルー)

それはさておき例のアレも行ってみよぉ!

ギュネイ<羞恥心……俺の心に羞恥心……

ゾルタン<ロリに初恋かますヤベー強化人間。でも仕方ないね(^^;)

アカリ<無差別チョコ爆弾により、アカリ信者が爆増中。君は究極のゲッターだ!

マリーダ<チョコも手作り良妻。創作だけでも幻想は見させてくれ……

ロニ<美味しかったらしい。ナニとは言わない。

グライスナー夫妻<仲が良さそうで何より。それはさておき末永く爆発しろ。あと中の人はマッキーしてろ(八つ当たり)


感想良かったらおねしゃす!



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Battle of the demons


無双ゲームは衰退しましたなぁ……でもバトオペ民の猿達にはガンダム無双が一番なのではないだろうか?
というわけでバンナムはリマスターなりリメイクなり、ガンダム無双のやつ出してくださーい!()

それにしてもシロッコの台詞を言う武者ガンダムとそれに子供の台詞だと言うシロッコの図は笑ったなぁ……




 

フロスト兄弟は【カテゴリーF】と呼ばれる、端的に言えばニュータイプの成り損ないである。

宇宙世紀のニュータイプと似て非なる者達、そう言われる彼らの中にいるフロスト兄弟は兄弟同士でテレパシーができる程度で、サイコミュと同じような兵器【フラッシュシステム】には対応できず、周囲に付けられた渾名はカテゴリーF。

屈辱を与えられた彼らは世界への復讐を誓った。

世界を支配するのは我々兄弟だ。

新地球連邦軍でも、宇宙革命軍でもない。

我々、フロスト兄弟であると。

 

 

 

 

 

そして、新地球連邦と宇宙革命軍との戦争が始まろうとした直前に謎の惑星が現れたのである。

二人はその星で全てを可能にする力の話を聞いた。

二人にとって力は絶対。

用意していた切り札とはまた別にもう一つ用意するのもまた自分達の計画を遂行するのに問題はないだろう。

そう考えていた。

現地の戦力もそれほど強くはなく、強者に従う世界。

見たこともない機体は若干驚いたが、同じモビルスーツならどうとでもなる。

答えから言おう。

二人は敵を舐めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!ここまで敵の抵抗が激しいとは……!」

 

「現地勢力はともかく、あの奇妙な丸いモビルスーツはビームを弾いて厄介だよ、兄さん」

 

鉄華団のマン・ロディと現地勢力の混合部隊。

片方に集中して突破しようとする作戦は、鉄華団の根性によって押し止められていた。

 

「メガソニック砲はまだ冷却が完了していない。それまでこの戦線を維持するぞ、オルバ」

 

「わかったよ、兄さん」

 

兄であるシャギア・フロストは弟のオルバ・フロストのアシュタロンに傷がないか確認しつつ、敵の戦力を見極めようとする。

その一方で、相手がビーム兵器を使ってくることに驚きつつも冷静に対応していく鉄華団。

 

「こっちにビームは効きにくいんだ!三日月さん達が来るまで耐えれば良い!」

 

そして、本拠地の高台で真っピンクに塗装されたガンダム・フラウロスは二門のレールキャノンをドートレスやドートレスネオに向けて発射していた。

 

「ギャラクシーキャノン!ギャラクシーキャノンッ!」

 

それはまさにトリガーハッピー。

ドカンッ、ドカンッと給弾ベルトに接続されたキャノンの銃身は赤く熱している。

その手厚い弾幕によって三日月のバルバトスとギュネイのG-サザビー、そしてシンのデスティニーが新地球連邦の軍の中に斬り込む。

 

「この星を調査しに来ただけだってのに……アンタ達はぁっ!」

 

「……オルガ達はやらせない!」

 

「シン!三日月!あまり突っ込みすぎるな!味方の援護が届かない!」

 

物量では敵が上なのだ。

下手に突っ込むとエース級を失う羽目になる。

 

「三日月さん!ギュネイさんの言う通りです!あまり前には…!」

 

「ん……わかった」

 

最初はギュネイの言葉を聞こうとしない三日月だが、辟邪で彼の援護をするハッシュの呼びかけで戻ってくる。

しかし、シンは戦いを早く終わらせる為にとデスティニーをより深く敵陣に突っ込ませてしまった。

 

「こんな無意味な戦い、早く終わらせなきゃいけないんだ!こんなのが地球に落ちたら、プラントだって…!」

 

「焦って前に出ると蜂の巣にされるぞ!」

 

ギュネイはそれを見て追いかけるが、ドートレスネオ達がその行く手を阻む。

 

「チィッ!邪魔だぁ!」 

 

シンに追いつくためにビームショットライフルを散弾モードで敵を蹴散らす。

が、ドートレスネオの装甲は硬く、撃破できなかった機体がいくつか残っている。

 

「へへっ!まだまだぁ!」

 

「囲え囲え!集中砲火をくらえば奴とてかなうまい!」

 

撃破しきれなかった敵が、健在な味方も含めて再集結し、分厚い壁となって立ちはだかる。

 

「クッソォ!原作もそうだが、Xのモビルスーツの硬さは何なんだよ!?」

 

耐ビームコーティングもされていない機体でも数発はビームに耐える機体がいるガンダムXの頭おかしいくらい硬いのはなんでなんだと、ギュネイは愚痴る。

しかし、そんな彼に立ち塞がるアシュタロンが睨み付けるようにG-サザビーを見ていた。

 

「ガンダムタイプは確実に仕留めさせてもらうからね……君の相手は僕だよ!」

 

「コイツ!舐めてきやがる!?」

 

サザビーモードであるが故に、ガンダムではないと思っているオルバだが、そのフェイスをめくればガンダムである。

無知は罪ではないが、時にそれは死に繋がる。

そうでなくても、大きい代償を払うことは確実だろう。

 

「近接戦ならばなぁ!」

 

「コイツ!?ガンダムだったのかッ!?」

 

ビームサーベルを抜き放ち、近付いてくるG-サザビーのフェイスオープンにオルバは驚愕する。

 

「そうやって油断するから!」

 

「チィッ!」

 

その隙を突くようにビームサーベルがアシュタロンに振り下ろされるが、アシュタロンもビームサーベルを抜いて防御する。

流石に一応、主人公のライバルキャラと言われるだけの力量であるとギュネイは再認識する。

 

「……一旦ここは退くしかないね」

 

「離脱…?いや、今はとにかくデスティニーの救出だ!」

 

割とあっさり退いたアシュタロンに、ギュネイは怪訝に思いつつデスティニーの救出に思考を切り替えて吶喊する。

 

「面倒事ばっかりは止めてくれよぉぉぉ!?」

 

そう祈るギュネイに、女神は微笑んでくれるのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、シン・アスカは自分が孤立していることに気付いた。

頭に血が登りすぎた、等と後悔する暇もなくドートレスネオや現地勢力からの攻撃に対応していた。

勿論、その量は凄まじい。

そして、それらを統率する一機のガンダムがシンを少しずつ追い詰めていた。

 

「クソ!まだ俺はこんなところで…!」

 

「悪いが、ここで死んでもらう」

 

既にテレパシーによって大事を取ってオルバが最前線から撤退したのは確認している。

しかし、距離的にモノアイからガンダムになる奴とて眼の前のガンダムの救援に間に合うはずがない。

 

「拠点が手に入れれば良かったのだが、まあこうして脅威になるガンダムタイプを排除できるだけ恩の字という所だろう」

 

それにここの戦力を把握できたことも、とそこまで思考した矢先だった。

 

『兄さん!』

 

「オルバ…?グオォッ!?」

 

一発のビームがガンダムヴァサーゴの左脚部を掠め、掠めた先にたまたまいたリック・ディアスの頭部を吹き飛ばした。

掠めたとはいえ、今のヴァサーゴは立つことさえままならない状態であり、その狙撃を行ったギュネイは動けないヴァサーゴからデスティニーを襲うモビルスーツに狙いを変えて撃っていく。

そして、デスティニーを救援するもう一つの影が上空から姿を現す。

 

「一人で突っ走ってもリズムを合わせられなきゃ良い曲はできないぜ?」

 

サブレッグによる飛行形態で上からの攻撃で蜂の巣にされていく敵達は、爆発の光でアトラスガンダムの白い装甲を輝かせる。

 

「イオ少尉、助かる!」

 

「指揮官様のご命令とあらば、いつでも馳せ参じますよ」

 

やっぱチャラい、とギュネイは狙撃を行いながらも彼の人格に苦笑いする。

経緯が経緯だけに馬鹿にすることもできないが、それでも不良軍人を演じる彼には苦笑いしかできない。

そんなギュネイの心境はともかく、デスティニーの救出に成功したのだった。

フロスト兄弟は、不利だと判断して撤退したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦闘後、シンは基地のとある一室でギュネイの説教をくらっていた。

既に三十分くらいは説教をされたシンは、内心戦闘での疲労もあったので睡魔が彼の後ろで手招きしているのだが、静かに「今、寝ようとしたな?」とプレッシャーをかけられてしまうと寝るに寝れない。

 

「いいか?何度も言うが俺とお前はお互い、本来の所属から離れてしまった仲だ。ここで補給や飯を貰えるのは鉄華団の恩情だってこと、忘れるなよ?今は仲間意識だって薄い。ちゃんとだな……」

 

と、こんな感じであるが寝ようとすると身震いするほど怖い声で話しかけてくるのだからシンは久しぶりに恐怖を感じていた。

とはいえ、流石にギュネイも疲れたのか深呼吸した後、ギュネイも椅子に座る。

 

「まあ、戦争を終わらせるために戦うのは理解できるよ。俺だって、戦乱の世界を終わらせようと戦ったからな」

 

実は外には気になった鉄華団の面々と、一応助けたやつが気になってかイオも聞き耳を立てていたのだがギュネイは既に彼らがいるのを知っている。

まあ、それ込みで自分の過去を話すつもりだったのだが。

 

「最初は、妹分を戦争から離したいが為に、俺自身が生き残る為に戦ってた。でも、その妹から告白されて子供できて思ったんだ。本当にこのまま見て見ぬふりで良いのかって」

 

ギュネイは自分は酷い人間だと、自嘲する。

こうして人の同情を得て、信頼を得ようとしているのだから。

だが、ぎこちない今の雰囲気ではこの先、ヘマをやらかしたときこの即席の軍隊はバラバラになる。

良くも悪くも、こうするしかないのだ。

他にもやりようはあるのだろうが。

 

「そこから覚悟決めて突き進んだよ。娘や孫が、平和な世界で暮らせる世界を作るために突き進んだ。時にはシン、お前みたいに突っ込んだり過ちを犯した。大切な仲間を失った。だが彼らの犠牲を無駄にしてはいけない、途中で挫けそうになったが頑張ったよ……我ながら」

 

「………」

 

凄まじい、そして凄い、そんな感想がシンの中にあった。

勿論、本当ならだが。

 

「まあ、信じられないのは理解できるよ。俺だってなんでこんなことになってるのか不思議だし」

 

ゲホン、と咳払いの後、ギュネイは目を細めた。

シンの本音を問い質し、見抜くかのように。

 

「シン・アスカ、お前は何の目的で戦う?お前の言う議長の為でも世界の為でも良いが、シン・アスカという人間が本当に大切な守りたいものはなんだ?誰かに言われたから、とかそんなものじゃお前の意思とは言えない。初心に帰るって言葉もあるしな」

 

コーディネーターとしては大人だろうが、精神面では大人にまだ程遠い子供だ。

成人年齢からして、やはりというかコーディネーターは道徳心に欠けているのではないだろうか。

まあそもそもあの世界に何を言っても無駄だろうが。

 

「お、俺は……俺は……」

 

「シン、お前の妹が死んだとき、ステラという少女が死んだとき。その時にお前が一番願ったことは何だ?」

 

「な、なんでその事を…!?」

 

「それは後で説明してやる。なあ、お前はデュランダルが言う世界をよく考えたのか?軍人としては確かに上の言う事を忠実に守るのは正しいことだ。だがな、その世界がお前の思う理想とかけ離れていたらどうする?そうならないためにも、お前の本当の守りたいものを聞いている」

 

嘘はつかせない、目でそう言うギュネイにシンはこれまでの事を思い返し、そして彼の言葉にデュランダルが唱えたデスティニープランの先を考えた。

 

「……俺は、皆が笑って平和に生きれる、戦争のない世界が欲しい。マユや、ステラみたいな子がいなくなるように…!」

 

「その為に戦ってきた、大いに結構。じゃあその未来を作るのにデスティニープランは必要か?他者に役目を強要して、守れないやつを排斥する未来は平和か?」

 

シンに足りないものは立ち止まって自分で考えることだ。

それは鉄華団の面々にも言える。

が、今回の事でそれを理解するのは難しいだろう。

 

「平和……だけど、何か違う…?」

 

そこからは何も言わない。

シンとて馬鹿を超えてアホではないのだ。

今の自分にとって本当の敵が誰なのか、理解できるはずだ。

 

「ふぅ……これにて説教はおしまい!」

 

パンッ、と手を叩いてシンの思考を一旦切り上げさせる。

 

「シン、守るためには戦うことも必要だ。平和を守るための力も必要だ。だけどな、自分の願いを忘れちゃ駄目なんだ。でなきゃ、なんでその力を手にしたのか、戦うのか分からなくなっちまう」

 

そういう存在を地球で見てきたからな、とギュネイは最後にそう独りごちて部屋から出た。

勿論、そこには聞き耳を立てていた鉄華団とイオがいるわけで……

 

「なんだ?皆も自分の過去を曝け出すかい?」

 

ニンマリと顔にイヤーな笑みを浮かべたギュネイが問いかけた。

 

「「「いえ!遠慮しておきます!」」」

 

と言って鉄華団の面々は逃げ出し、イオに至っては再生されていないミュージックプレイヤーのイヤホンを付けて誤魔化そうとしていた。

 

「イオ少尉、誤魔化さなくても別に怒りゃしない。シンが心配で来たんだろ?」

 

「……ニュータイプにはお見通しってかい?」

 

「いや、ニュータイプだって便利じゃない。だが、助けた相手が落ち込んでたら歳上としては励ましてやりたいと思うだろうなってさ。ちなみに俺の世界のジャズも聞くかい?もしかしたらあんまり変わらんかもだが」

 

「へぇ…分かってんじゃねぇか、アンタ」

 

ギュネイの仲良し大作戦が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クシュン!……んー?お父さん、私のマネしてる…?」

 

「おい、どうしたんだ、アカリ。風邪でもひいたかぁ?」

 

「ダイジョーブだよ、ゾルタン!それじゃあ、早くあのお侍ガンダム探そ!」

 

「へいへい、お嬢様?」

 

 

 

 

 

 





難産ッ!
カクヨムの方も書いてたんでちょっとネタに詰まってました。
ちなみにゾルタンサイドはヨナ、昭弘、ロランがいますね。
マリーダサイドはシャア、ガロード……おっと、ネタバレ警察が来たようだ。


例のアレ

ギュネイ<策士ィ!でもまあ、皆からのある程度の信用は得た。後は信頼のみ!

三日月<フフフ……S○X!(直喩)

オルガ<聞き耳組。でも途中で呼ばれたので離脱。ヨシ!

アカリ<お侍ガンダム探し。あれ?不死鳥探しじゃなくて…?

フロスト兄弟<フロスト兄弟名物を早速披露した。一発芸ではなく、お家芸ですね()

イオ<よくは分からないがジャズは好きなギュネイに好感を得た。チョロい。


感想、よろしくお願いします!



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ジオンの足跡

ガンダム無双ならではの展開。
というか謎回ですね(笑)

いやホントなんで死んだ筈の人達がいるんですかねぇ…?

そしてここ最近はやる気あるのに書く気が起きなくなってたりで難産気味ェ……




 

前回の戦闘から一週間後。

基地の中枢から陸上戦艦が発見され、それを運用しこの基地から出て調査と味方の合流を目指す為に急ピッチで整備が行われていた。

件の陸上戦艦は【アルプス級陸上戦艦】、つまりガンダムXに登場していたフリーデンの本来の姿とでも言うべきだろうか。

砲門などの武装は各所に配置されている。

が、アルプス級は4隻しかなかったので後部に配置された格納庫に味方が入りきる訳がなく、必然的かフリーデンの姿に酷似した改修になった。

フリーデンでは貨物区画だったが、マン・ロディなどがビッシリと並ぶ様は色々な意味で壮観だろう。

 

「ほ、本当にこれで大丈夫なのか……?」

 

と、雪之丞は不安視していたが一応、何度も耐久テストはしているので問題はない……筈。というのが現地でモビルスーツの整備士をやっている者の言。

 

「ハイザックとか懐かしいなぁ、おい」

 

纏め役はかつての乗機に懐かしさに浸っていたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあなんだかんだで無事改修も終わり、出航することとなったが………

 

「なぁんで外出ると敵がいるんですかね……」

 

ジオン軍のダブデ数隻、ギャロップが恐らく現地勢力のを回収したのだろう、十隻程度が古代遺跡で拠点を構えていた。

しかも、既に攻撃準備がされており、余程好戦的か、独占力が高いのだろうか。

 

「あのジオンのマーク、本当の……かもしれんがなんとも言えないな」

 

ギュネイは双眼鏡で確認するが、目ぼしい目印や証拠はなく、隣にいるイオとダリルも確認しようがないと肩をすくめる。

が、イオが余計なことを言ったおかげで喧嘩にへと発展してしまう。

 

「義足野郎、今度はお目々も義眼になっちまったのかぁ?」

 

本来は敵同士である二人は、仲間を殺された事もあってどちらもすくに突っかかってしまう。

そのため、鉄華団の面々とシン、ギュネイもこの二人を会わせては駄目だという暗黙の了解ができてしまっていた。

 

「あーもう!俺がバカだったわ!」

 

ギャーギャーと言い合う二人の中に、ギュネイは文句をぶーたれながら割り込むのだった。

 

 

 

 

一方、鉄華団の面々は密かに戦闘準備を進めていた。

どうせ戦いになるだろうという思い込みと、今までの経験則からなる行動だった。

しかし、今回ばかりはそれが争いを呼ぶことになる。

とはいえ、それを理解するのは戦いが終わってからだったが。

 

そして、それを見ていたランバ・ラル隊のコズン・グラハムは急いで本拠地に戻る。

見える範囲には子供達がいるとはいえ、それで気を緩めるほど彼らも甘くはない。

 

「ラル隊長に、早く知らせねば…!」

 

バイクで急いで戦闘準備を、いや先手を取らなければとコズンは焦るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなことが起きてるとは知らず、シンはあてがわれた自室でギュネイの言葉を考えていた。

そして気付いてしまった。

いつの間にか、本当に望んでいたものがすり変わっていたと。

だからこそ、アスランの言っていた事が少しはわかった気がした。

気がした、というのはシンの意地だが。

 

「……あの人と、アスランの一度話し合わなきゃならないな、俺」

 

自分がまずやるべきことを見出したシン。

その直後、爆発による衝撃で足を滑らして「ぶへぇっ!?」という奇声と同時に腰を上げたベットにリリースされ、地味に尻が痛くなる。

 

「な、なんなんだ一体!?もう敵が攻撃を仕掛けてきたのか!?」

 

シンが混乱する中、こちらが有利だと油断していた鉄華団の面々は突然の奇襲に半ばパニックとなる。

 

「な、なんだ一体!?」

 

「き、奇襲です!」

 

「なんだとぉ!?ギュネイの奴は安全圏だと言っていた筈だろう!?」

 

オルガは奇襲に大きく動揺しているが、これはオルガの無自覚な増長によるものであった。

ギュネイは確かに安全圏とは言っていたが、正確には「メガ粒子砲が当たらない地形だから、一先ず安全圏」と言っていたのだ。

相手からには見えない、崖の下に陣取っている連合軍は同時にこちらからも相手の行動を伺うことが難しい。

安全圏という言葉に油断してしまった鉄華団と現地勢力の、早合点によって事態はかなり最悪であった。

元々、その場所に止めたのもギュネイの作戦の内であった。

あえてこちらの戦力を見せ、攻撃態勢ではないところを見せることで協力関係を取り付ければと考えていた。

ジオンの軍人達は武人が多いので、この未知なる惑星で無闇に戦うのは彼らも危険だと感じている筈だと予想していたのだ。

まあ、鉄華団によって全て丸潰れであるが。

爆発の光が見えたギュネイは、まさかと思いつつ味方の元へ急ぐ………がそこに立ち塞がるは現地勢力とジオン軍のモビルスーツ達。

砂漠地帯なのにズゴックやハイゴッグ等の水陸両用モビルスーツがいるのは、まあご愛嬌とでも言うのだろうか。

どのみちスペック差があり過ぎるので、アッガイの重装甲は容易にビームサーベルで切り裂かれ、ビームショットライフルの散弾が陸戦型ザクの胴体にフルヒットして爆散する。

 

「なんでジオン同士で……!」

 

「ハッ!嫌なら俺が全部倒してやろうか?」

 

もう見た目はサイコ・ザクⅡなサイコ・ザクは、ヒートホークを両手に携えて同胞たるザクやドムをブッた斬っていく。

しかし、ダリル本人にはダメージが行っているが。

追い討ちをかけるように、イオが軽口を叩き、ギュネイに叱責されるのが今までのオチである。

 

「はいそこ!煽らない!ダリル、心苦しいだろうが相手とて別時間軸の奴らかもしれない。そう気に病むなよ、ダリル」

 

「……了解」

 

アトラスガンダムのマシンガンがグフを穿ち、G-サザビーのビームバルカンがゴッグのメインカメラを焼き、斬艦刀でスイカ割りにする。

そんな無双状態の三機に、一機のモビルスーツが現れる。

 

「未知のモビルスーツ……どんなものか試させてもらおうか…!」

 

「は?ギャン!?」

 

ギュネイは驚愕する。

まさかギャンが来るとはと。

原作ではギャンは未実装なので、代わりにグフに乗っていた彼だがギャンをしっかり持ってくるとはと、ギュネイは少なからず驚いた。

 

「ええい……イオ少尉!母艦の方を頼む!コッチはコッチでなんとかする!」

 

「了解!アトラスガンダム、救援に向かいます!」

 

これでは埒が明かない。

故にイオだけでも母艦の救援に向かわせ、真正面のジオン軍を打倒する時間稼ぎを稼ぐ事にしたギュネイ。

ダリルは勿論、切り込み隊長である。

 

「ダリル曹長!切り込み役は任せる!俺は囲ってくる敵を掃討する!」

 

「ラジャー!」

 

サイコ・ザクがヒートホークを投げ、現地勢力なのだろう、ジンの頭部に刺さり、膝をついたジンを踏み台にジャンプ。

後腰部のスカートアーマーに懸架していたザク・マシンガンを見上げてくる敵機達に鉛の雨を降らせる。

 

「のぉぉぉ!?」

 

「な、なんだありゃあ…!?本当にモビルスーツなのか!?」

 

普通のモビルスーツにはできないことをやってのけてくるサイコ・ザクに、敵は恐怖を抱いた。

そして、G-サザビーの大剣による無双もまた畏怖を抱かせるに相応しい姿だろう。

 

「ええい!黒い三連星はまだか!」

 

流石に焦るギャンのパイロット、マ・クベ。

そんな彼を安心させるかのように、ドム三機がギャンの前に出る。

 

「待たせたな、マ・クベ司令。オルテガ!マッシュ!奴にジェットストリームアタックを仕掛けるぞ!」

 

「「応ッ!!」」

 

黒い三連星、かの有名なジェットストリームアタックを編み出した三機のエースパイロット。

だが、それも過去の話だ。

 

「他にも技を編み出せなかったのかねぇ!?」

 

「んんっ!?」

 

標的は暴れるG-サザビー。

だがジェットストリームアタックなど、アムロの特訓に比べれば易しい。

そのため、先頭のガイア機はブランドマーカーによってコクピットを穿たれ、オルテガ機はビームショットライフルの収束モードによるビームで、頭部を失う。

 

「うおぉぉぉぉっ!?」

 

突然ブラックアウトしたようになったオルテガ機は混乱し、あらぬ方向にへと移動してしまう。

そして、最後のマッシュはあっさりと捌かれたジェットストリームアタックに、敵の強さに驚愕する。

 

「な、なんて奴だ……!?」

 

その言葉を最後に、ブランドマーカーがもう一度コクピットを抉った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ダリルはギャンを駆るマ・クベと対峙していた。

 

「ええい、役立たず共め!ザク程度、このギャンで倒してみせる!」

 

「あのビームサーベルは厄介だな……」

 

勝負は一瞬。

そう感じさせられる程の緊迫感が両者の間に漂う。

 

「……!!」

 

そして、サイコ・ザクが動いた。

ステップを踏みながら、前に前にと駆けるサイコ・ザクに、ギャンは静かに構える。

 

「使えるものは何でも使わなければな」

 

そしてギャンの盾からミサイルがサイコ・ザク目掛けて発射される。

直撃弾、そう確信したマ・クベは次の瞬間驚くこととなる。

 

「なに!?クラッカーだと!?」

 

サイコ・ザクが腰につけていたきび団子……ではなく、クラッカーを投げてミサイルを全て迎撃せしめた。

爆音と爆煙で視界が悪化し、下がろうとしたその瞬間。

マ・クベは時間が遅く感じた。

 

『ああ、キシリア様、不覚を取った私をお許しください…』

 

迫りくるヒートホークの赤白く熱せられた刃が、ゆっくりとこちらに来ている。

それを理解した瞬間の走馬灯と、キシリアへの謝罪と共にマ・クベの視界は黒一色に染められるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





てな訳でサンボル無双でした。
ドルメルのサマーソルトかっこよすぎだろ!(唐突)

感想、良かったらお願いします!


例のアレ

ギュネイ<あーもう、滅茶苦茶だよ……(CV山ちゃん)

鉄華団<や ら か し た

イオ<なりきり不良軍人さんです。通してください。

ダリル<無自覚だがワクワクしながら戦ってたりする。

マ・クベ<壺は持参してないので名台詞は出ず。無念!

黒い三連星<逃れられない肉弾戦で二人は穴を開けられた。オルテガだけが生存。目がぁ!目がぁ!

ランバ・ラル<奇襲を仕掛けたZ☆まだ死んでない。

アトラス<アトラに近親感を抱いてたりするかもしれない。

サイコ・ザク<斧投げに目覚めたどこぞの狩猟民族みたいな事をする鬼。腰にはカーラ特製きび団子()や!

シン<赤き瞳は目覚めたんだゾ。でも今日は被害者だゾ。



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時代を重ねて


はてさて、次は何が来るかな〜?()

それはそれとしてやっぱりつれぇわ……こんなに大人数のキャラを動かすの……
影の実力者()とかオバロとか幼女戦記だったらリタイアしてたな、クォレ……(内、後述2つはチャレンジ失敗ェ……)

本当は前回で書くべきなんですが、特に自分はアンチ鉄華団とかじゃないです。
むしろ好きな方ですよ?今回は関係を深める一環だと思って許してクレメンス……

ちょっち、今回雑な感じだけど若干スランプか何かなので許してください、何でもしますから!()




 

シン・アスカは戦闘不能にした、グフに似た機体を見てかつての上司と、オレンジに塗装したグフのパイロットを思い出していた。

 

「………」

 

ハイネ・ヴェステンフルス、良き兄貴役であった彼とはそう長い時間いた訳ではない。

それでもシンの心にとても印象を残した人間である事には違いない。

それは恐らく、アスランもそうだろうとシンは推測する。

 

「大丈夫かぁ?」

 

イオのアトラスが母艦に戻る頃には、何とか決着はついていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュネイは自分のしたことを振り返って、そしてジオンの戦士たちに黙祷を捧げた。

だが、合わせた手は少し震えており、ギュネイは殺したガイアとマッシュの事で頭が一杯になる。

いや、それだけではない。

自分の行動の全部に他の可能性を考えていた。

 

「クソ……いざ、そんときになれば的確にコクピットを狙っちまう……やっぱり、所詮は凡人って事だな……」

 

窮地に追いやられば、すぐに殺す。

そんな自分の行動が嫌になる。

そういった思いが彼の中を巡るが、既に過ぎた事なのだ。

いくら考えても変わりはしない。

それを理解してても、ギュネイは探してしまう。

 

「こちら、イオ・フレミング。母艦の無事を確認した」

 

「了解。こっちもすぐに戻る」

 

ブランドマーカーでキッチリと焼き尽くしたコクピット。

それを少しの間、眺め続けてから母艦にへと戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つまり、先に戦闘準備していたから攻撃されたと……」

 

情報を集めた結果、鉄華団の思い込みによる暴走によるものだと判明した。

それを指摘されるからか、ギュネイの目の前にいるオルガと中心メンバーの面々は緊張した面持ちで立っていた。

だが、ギュネイが最初に行ったのは叱責ではなく謝罪。

それはもう見事な90°に腰が曲げられた謝罪は、オルガ達を動揺させるのに十分である。

 

「え?な、いやなんで!?」

 

「ど、どういうことだ!?」

 

そんなざわめきが起きる中、ギュネイは声を大にして言う。

 

「何も説明せず、君達を誤解させるような事をしてしまってすまない!全て俺の責任だ!」

 

有無を言わさない姿勢は、オルガ達を更に混乱させるのに一役買った。

しかし、少しして落ち着くとギュネイは言葉を続ける。

 

「この星を統一すれば力が手に入る、そんな事を信じる輩達がここに集っているのは理解している。だから戦うことが必然だと思うことも確かだ」

 

まだ頭を上げない。

 

「君達のことは軽く聞かせてもらってるだけだから、何を言ってんだかって思うかもしれない。だが君達が戦う事で生きてきた事を忘れていた俺の落ち度だ。言い方も悪いし、君達も不快に思うだろうがハッキリ言うとこれまで勝ってきた君達は運が良かっただけなんだ。勿論、君達の実力はこれまでの戦いで少しとはいえ見た。だから実力も伴っているのは俺なりに理解している」

 

ようやく頭を上げたギュネイ。

しかし表情はどこか色々混ざったようで複雑そうだ。

悔恨のように見えるし、怒りにも見える。

 

「だからこそ、説明が必要だった。俺が君達をしっかり見ていなかった。怪我をさせてしまった鉄華団の団員には本当に申し訳ない」

 

そう言ってもう一度頭を下げる。

大人がここまで頭を下げるのも初めてみたオルガ達は、皆気まずそうにギュネイを見ていた。

悪く言われる事は慣れたが、しかしこんなに誠意の籠もった謝罪には初めてなのだ。

こちらが謝罪することはあれど、されたことは鉄華団として活動する事になってもほとんどないのだから。

 

「ここで協力関係を切っても俺は構わない。対等以前にこっちが協力を申し込んだからな」

 

数の壁には質は敵わない、と最後にボソッと自虐に取れるような事を言うがオルガ達も彼の強さはしっかり確認しているので内心では普通に返り討ちにあいそうと思っていたりする。

ともかく、このままでは話も艦の進行も進まない。

そう思ったオルガは彼に言った。

 

「……俺達も、どこか調子に乗ってたんだと思う。勝手なことをして申し訳ありませんでした!」

 

そう言って頭を下げるオルガ。

そんな彼に、ギュネイは「いや!俺が!」と言い、オルガも「いえ、俺が!」と言い始め、最終的にお互い謝り倒しになった。

 

「……ハイハイ、そこまでだ」

 

と、イオが割り込んで二人を止める。

 

「謝るのはもういいだろ?反省できたなら後は進むだけだ。お互い悪かったって事で終わりにしようぜ?」

 

あれ?イオってこんな頼もしかったっけ?とギュネイは思わず幻覚を疑い、目を擦る。

 

「おい!?なんで目を擦ってんだ!?俺になんか文句あるのか!?」

 

「(兄貴やってて少し驚いただけなので)ないです」

 

「なぁんか含みのある言葉だがまあいい……」

 

こうしてなんとか反省会……のようなものは終わったのだった。

この話は鉄華団中に広まり、まあ少しイメージが良好になったと記しておこう。

まあ、甲板で昼寝をするギュネイが寝言で娘の名前を呼んでいたりと親バカなのは周知の事実だったので、割と普通にイメージは良かったのだが。

勿論、それに嫌悪感を抱く者もいるのが鉄華団だが……しかし、その幸せそうな顔はなんとも言えない表情にさせていたようだ。

 

 

 

 

 

後日、海辺に出たときに気晴らしにパーティを行い、鉄華団の魚嫌いの克服とばかりにギュネイが活き活きと魚を食いまくって筋肉質の身体がでっぷり腹が出たのは語り草である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから更に数週間後。

海辺に出てからは、海岸沿いに進み現地勢力との衝突もありつつ順調に次なる目的地に近付いていた。

 

「基地になる都市……ねぇ」

 

「現地の人からはそう聞くし、今は俺達と同じガンダムを駆っているらしいから対話は可能かもな」

 

「まあ、念の為に戦闘準備は事前に行う必要はあるな」

 

ブリーフィングでシン、イオ、ダリル、ギュネイ、オルガと三日月の面々が目的地である都市への様々なプランを組み立てていた。

尚、三日月は当然のように火星ヤシを食べては昼寝の繰り返しである。

 

「とりあえず、シン、俺、三日月で都市の方へ接近しよう。もしかしたら以前の攻めてきた連中がいる可能性もあるしな」

 

「わかりました」

 

「ん、わかった」

 

ギュネイはまだ知らない。

これから対峙する者達はギュネイにとって、懐かしき存在であるのと同時に、厄介な敵であるのだから………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





次回の登場する作品は既に一作はわかるヒントが出てます。(^^)
何かわかるかなぁ?

ちなみに皆様、ご存知だとは思いますがスパロボも執筆決定したので最後にアンケートを設置しております。
おまけ編の完結後、スパロボの方を読んでくれる人がその作品を楽しんでくれる様に色々工夫したいのでよろしくお願いします!
ちなみにタイトルは【スーパーロボット大戦G ー銀河を征くー】と仮題を付けましたが、良かったらご意見よろしくです!
ついでに意見箱も活動報告にて設置しました。
サルファ知識と少し齧ったウィキ知識程度しかロボット作品を知らないので、良かったら覗いてみてください。
まあ、これだけやって力尽きたりしそうなのが自分なので未来が末恐ろしい………


例のアレ……に近いナニカ

???<戦え……戦え……

作者<駄目だ、思考が怠けて何も書けない。

量産型乙乙<追撃プログラムでミサイルブチ込むの気持ち良すぎだろ!

ドルメル<宇宙で使うと味方がしっかりしてないと駄目だ逝くぅ…



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死を強いる者達


サブタイトルで全て晒すスタイル。

活動報告の所を見てると閑古鳥鳴いてるな……ってなるけど、まあ元々駄目元なので自由にやらせてもらうか……って感じですかね。(悟)
というか説明からして頭悪くなるね、コレ()

それと投稿が遅くなった理由に関してはやる気の問題というか、メンタル面によるものなので説明は難しいのですが、燃え尽き症候群と五月病にでもかかったのかネタもあまり思い付かない、書く気力もあまりない、そんな要因が重なり少しの間ゲームとかで執筆から離れてました。
それでいてカクヨムに投稿しているオリロボは出せてるってどういうことなの……とにかくエンジンが再点火されてきた辺りなので、今の所はゆっくり更新か、以前と変わらずか……
とりあえず、今は頑張るとしか言えない、以上ッ!()




 

 

都市は攻撃に晒されていた。

爆煙とその光が都市を恐ろしく、華やかに彩る。

そんな戦闘の最中に、ギュネイ、シン、三日月は竜のような、いやモチーフなのだろうか?

そのモビルスーツたちに苦戦していた。

 

「弾が全然通んない……腕が邪魔だな」

 

「ビームも弾かれる、近接武器でなんとかするのも苦しいですよ、ギュネイさん!」

 

さりげなく敵モビルスーツの性質を野生の勘で察する三日月と、対艦刀でバッサリ斬っていくデスティニーにギュネイは内心敵にならなくて良かったと小心魂を発揮するが、ギュネイとてビームも実弾も、場合によってはビームサーベルでさえ無効化するモビルスーツに舌打ちしていた。

 

「やっぱり雑魚でこの性能はやらしいぜ……」

 

ドラドとガフランの混成部隊によるヴェイガン部隊。

ギュネイにとっては、懐かしくそして敵にするには厄介過ぎる敵であった。

そして、それに混じるようにもう一つの組織もいるのだ。

 

「木星帝国……俺の世界のじゃなければ良いんだが……」

 

ペズ・バタラやバタラがヴェイガンのモビルスーツに混じってビームライフルを撃ってくるのだ。

嫌でも目につく。

 

「二人共、味方が来てくれるまで耐えるんだ!」

 

「わかってますよ!」

 

「言われなくても分かってる…!」

 

若干苛立たしげにギュネイの言葉に、返事を返す二人。

そんな彼らにヒエッと軽く慄きながら不用意に近付いたドラドのコクピットである頭部をビームショットライフルで撃ち抜く。

 

「恨んでくれるなよ…!」

 

更に手にサーベルを発振させて近付いてきたドラドにブランドマーカーで腹に拳を拗じ込む。

爆散するドラドを他所に、次の敵を殺すために動く……ところで一本のビームがG-サザビーとガフランの間に割り込む。

 

「なに!?」

 

両者共にそこを離れ、撃たれた方角を見る。

 

「アイツは……」

 

ギュネイは目を見開く。

まさかこんなところで会うとは思わなかったのだ。

 

「隠者……!」

 

この言葉でさえもう懐かしく感じるのは時間が経ち過ぎた証拠だろうか。

そんな感傷に浸る暇はなく、∞ジャスティスのビームがガフランの戦闘力を奪い、G-サザビーにも放たれる。

だがギュネイとてその程度の修羅場は何度も潜ってきた。

軽く避けて反撃とばかりにビームショットライフルで撃ち返す。

 

「コイツ、強い!」

 

「振り切られたらヤバいかな……」

 

ジャスティスのパイロットであるアスラン・ザラはギュネイの強さを確認し、ギュネイはアスランの潜在能力に警戒する。

アスランがシャアと同じように気持ちを振り切った時の強さはヤバい、そういう認識があるからギュネイは警戒を強めた。

だがさらなる衝撃をギュネイに与える存在が、ジャスティスの後ろから現れる。

 

「ニュータイプ!?」

 

「なんとぉぉぉ!」

 

ジャスティスの背を踏み台にしてビームザンバーを切り下ろして来たのは、ギュネイが自身が駆るG-サザビーに多くのリスペクトをしているクロスボーンガンダムX1であった。

 

「何!?コイツもガンダムなのか!?」

 

「クロボンか!え?クロボン!?」

 

両者、思い思いの反応から一旦距離を取り、相手の出方を伺う………事ができるはずもなく、ビームを撃ってくるヴェイガンと木星帝国の攻撃に対応する。

 

「なんだ?あちらの仲間ではないのか!?」

 

「流石に敵対組織と協力はしてないよな……」

 

お互いをチラ見し、だがそこにさらなる波乱が混ざり込む。

 

「ジャスティス!?アスランなのか!?」

 

「デスティニー!?」

 

正義と運命の名を持つ2機が邂逅する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュネイ達が戦闘をしている一方、ゾルタンとヨナ、そしてシェザール隊はあるモビルスーツを追って再度、軌道エレベーターを使って宇宙に出ていた。

 

「ゾルタン、本当に大丈夫なの?」

 

「ええ、大丈夫ですよお嬢様。ちょっと俺達の探すモビルスーツがないか、聞くだけですからね」

 

そういうゾルタンの目に映るのは、かつて木馬と呼ばれたペガサス級を想起させるような白亜の戦艦。

ある世界では不沈艦と呼ばれ、大天使の名を冠した艦。

アークエンジェルである。

 

「こちらガンダロスタ国軍大尉、ゾルタン・アッカネンである。突然の来訪に戸惑うとは思うが、こちらは捜し物をしていてな……それらの情報があれば―――」

 

全周波による呼び掛けでコンタクトを取るゾルタン。

その脇のサブシートにはアカリが「綺麗で可愛い戦艦だなぁ」と、アークエンジェルへの感想を独りごちている。

だが相手からの返答を聞く前に死角からの殺気を二人は感じ取る。

 

「ゾルタンッ」

 

「分かっている!」

 

バク転で上から飛来するビームによる攻撃を回避し、バルカンで牽制する。

 

「わぁー!」

 

と、アトラクションを楽しむように少しはしゃぐアカリ。

マイペースな彼女とは別に、ゾルタンは迫りくる三機のモビルスーツの姿に苦笑いを浮かべていた。

 

「どうも、似たような事を考えるやつはいるみたいだなぁ…?」

 

ジオン公国が開発した【ドム】を近代改修、リデザインしたような姿をする撃ってくるドムモドキ……ドムトルーパーに、ゾルタンはニヤリと笑う。

 

「撃ってくるならぁ…撃ち返さなきゃなぁ!?」

 

ビームライフルを連携を取って迫りくるドムトルーパーに撃ち込み、連携を乱そうとするがスクリーミングニンバスでビームを消す。

 

「なに?ビームを打ち消しただと?」

 

見たことのないその技にゾルタンは驚くも、それだけで相手の技量はベテランと言えるがニュータイプと張り合うには少々役不足だと実力を見抜く。

 

「初見殺し武器を最初から見せびらかしてちゃあ世話ねぇよなぁ?」

 

推測ながら使用用途を理解したゾルタンはドムトルーパーから距離を離し、後腰部にマウントしていたバズーカをスタインの左手に持たせて銃爪を引く。

 

「実弾だって消せるんだよ、コイツは!」

 

ドムトルーパー部隊のリーダーであるヒルダはそう強気に前に出るが、それが過ちであることに気付くがもう遅い。

 

「油断が見え見えなんだよ!」

 

ヒルダ達はジェットストリームアタックと名付けた戦法で、この惑星での戦いを生き抜いてきた。

故に少し彼女達は油断していた。

ミサイルの爆炎と煙を突き抜けた先にはほのかに赤く光る謎の惑星。

肝心のスタインはヒルダ機の頭上を取っていた。

 

「フッ、殺しはしない。ちょっと痛い目にはあってもらうがなぁ!」

 

ビームライフルの銃口に光が収束する……前に緑の光線が、スタインの頭部を掠める。

 

「なに!」

 

射線のその先を見れば、青い翼を持ったガンダムがゾルタンの前に天使のように存在していた。

 

「ほう……ヨナの二流ガンダムよりはマシそうじゃねぇか……!」

 

「なんだ……何故、この人からあの人に似た気配が…!?」

 

造られた者同士、自由に飛び立つ翼を奪われた原石と自由を許された剣。

皮肉としては笑えない対面であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





アークエンジェル組がゾルタン達を襲撃した理由についてはじゃけん、次回ですねぇ。

次はいつになるかなぁ……

感想、良かったらよろしくです。


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楽園を求めて


改めて見るとおまけなのに風呂敷広げすぎているのを自覚したアホはここです。
しかもエンジンかけるためにアベンジャーズとガンダムの小説出しちまったし、ここにスパロボギュネイを出すのは……まあ、キツイっすね……多分。
ノリで出すかもしれん()

今日は短めだけど許してクレメンス。




 

 

「我が主、人間達はどうやら派手に戦っているようです」

 

「……全ての戦は我が力になる。地球に永遠の安寧をもたらす為の、な」

 

「了解。本機はさらなる主の強化の為に工作を仕掛けておきます」

 

「…………」

 

「………口数の少ない主様でこって。さて、本機を追跡していた連中は影武者を追跡してくれたか。けど、リーダー格のゾルタン・アッカネン、そしてシナンジュ・スタインと共にいる少女、アカリ・クルス……将来を鑑みてパイロット候補にするのはやぶさかじゃあないな」

 

「とはいえ、これ以上武者ガンダムを強化させるのもまずい。ガンダロスタ国のデータでは、最強のパイロットのアムロ・レイがいるらしいがそっちは留守のようだ。だが居てくれれば心強い戦力だったんだがな」

 

「まあ、ないものをねだっても仕方がない。今はプログラム通りにやるだけだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴェイガンとの戦闘はヴェイガンの撤退によって終息した。

しかし、ジェノアスⅡやアデルといった機体が爆散して散乱しており、戦闘の激しさを物語っていた。

そして、その戦いの中再会した元上司とその部下は各々のモビルスーツを降りて対話を行っていた。

 

「……裏切ったことは許さない。許せない」

 

「ああ。だが俺はただ議長の便利な道具には成り下がりたくなかったんだ。軍人としてのアスラン・ザラ、それだけを求められるのは嫌だったんだ」

 

「ええ、俺も後ろにいる人にそれを気付かされました。俺も頭に血が昇ってて、貴方の話を聞こうともしなかった。平和を求めながら戦う事のみを手段にしていた。アンタに殴られても仕方がなかったよ」

 

どうやら一先ずの和解をできたようで、ギュネイは安堵していた。

だがそれはそれとしてギュネイもまた目の前にいる人物達との対話に心を踊らせるのと同時に、片方に派手な問題児がいることにギュネイの頭痛の種になると感じていた。

 

「まずは俺からですね。俺はガンダロスタ国首相、ギュネイ・ガスです。なんでパイロットしてるのかはまあ長い話になるので割愛させて頂きます」

 

やはりというか、首相であることにこの場に集まった残り四人は驚愕する。

特に殲滅爺が白目剥きそうな表情をしている。

 

「な、なんと……」

 

「しゅ、首相って……」

 

その次に驚くのは海賊組。

クロスボーン・バンガードと名乗る、宇宙海賊のリーダーを務めるのはベラ・ロナ。

そして彼女の傍らにいるのはキンケドゥ・ナウという青年。

勿論、知識としては知っている二人の正体にギュネイは内心では、苦笑いを噛み殺していた。

 

「とりあえず、場所を変えましょう。ここは……死の臭いが濃い」

 

そう言ってその場を離れ、ギュネイは再度シンとアスランの元に向かう。

 

「ヌゥオッ」

 

という悲鳴と共にドシャッと音がするので駆けつけるとそこには殴られて尻餅をつくアスランと、彼を殴ったシンがお互い納得した顔でお互いを見ていた。

 

「えーと、お互いにちゃんと話しあえた?」

 

「はい、3回殴ることでとりあえずってところです」

 

「……かなり痛かったぞ」

 

「無駄口叩いてないで後一発ですよ」

 

「クッ……」

 

なんだかんだ和解はできたのかと安堵するギュネイ。

とはいえ、アスラン自身もまだまだ問題はありそうなので後で話し合う必要はあるだろう。

 

 

 

 

 

 

それはそうとして、やはりキンケドゥはこちらを訝しんでこちらを見ていたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キンケドゥはニュータイプと呼ばれる、モビルスーツを上手く操れる才能を持った人間である。

そして、かつてはシーブック・アノーと呼ばれた男である。

そんな彼は近しい気配を感じるギュネイ・ガスという男を無礼と自覚しながらも付けていた。

しかし、それはどうやら青いガンダムに乗っていた少年も同じらしい。

 

「出てきて構わないよ。俺も、俺で話さなければならないと思っていたしな」

 

そうギュネイが振り向いて言う。

そう言われてもまだ出会ってほんの数十分、警戒は緩めず彼の前に姿を現せる。

 

「そういえば自己紹介してなかったですね。僕はキオ・アスノ。ガンダムのパイロットです」

 

「俺はキンケドゥ・ナウ。改めてよろしくな」

 

とりあえずまずは、と自己紹介しあい、本題に入る。

 

「俺を付けてきた理由は、まあ何となくは察せれるが……」

 

「……貴方はニュータイプ、ですよね?」

 

「そうだな。でも、どちらかというと強化人間、といえば良いんだろうかな……」

 

「強化人間…!?」

 

キオもキンケドゥも、その言葉に驚く。

だがそれを気にする様子を見せないギュネイは続けて言葉を告げる。

 

「人工的にニュータイプ能力を強化した人間……まあ俺はその簡易版というか、軽い処置のタイプだから安心してくれ。突然発狂したり、暴走したりとかはしないから」

 

と、言うが二人としては本当にそうであると感じているから尚更驚きである。

 

「なんとなく読み取れたものだと、Xラウンダーにシー…いやこれはやめておこう。とにかく、似た者同士であることは確か、だろ?」

 

「ええ、そうですね」

 

「だからこうして集まった……と言っても俺達がストーカーしてただけだけどな」

 

ハハハッ、と乾いた笑いが3人の間に生まれるがゴホンとギュネイが咳払いして雰囲気を仕切り直す。

 

「まあ、色々話し合おうか。長くなるだろうけど」

 

ちなみに3人とも会議があることを忘れており、このあとシンによってようやく思い出すボケをやらかしたのはご愛嬌という奴である。

ちょっと彼に不安を感じるクロスボーンとAGE組であった。

 

 

 

 

 

 





スパロボギュネイを出したポンコツはここです。
とはいえ、まずはおまけ編クリアしたいのでとりあえず掴みだけだけどね。
一応、URL載っけておきます。
https://syosetu.org/novel/318895/

前回は例のアレは休んだがどうしよう……そだ、いるかいらないかアンケートしよう!(判断が遅い)

感想、良かったらよろしくお願いします。



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Who will succeed?


サブタイトルで何が来るか分かるだろうなぁ……と思いつつ更新ッ!
なんかスパロボの方も興が乗っちゃたよ……

そしてありがたいことにG-サザビーを描いてくれた方が!
車椅子ニート(レモン)さん!ありがとナス!
色付き、色無し(サイコフレーム発光)の順で掲載しております。

【挿絵表示】


【挿絵表示】





 

 

 

前回から色々ありつつAGE、クロスボーンとの協力関係が結ばれたギュネイ一行。

変な誤解もなく、ディーヴァやマザーバンガードも味方として来てくれることになってギュネイは原作のようなすれ違いが起きなくて安堵するが、同時に敵勢力の結集する可能性に気付いた。

 

「これ、このまま増えるなら惑星統一したら武者ガンダムメチャクソ強くなってね?」

 

そんな不安を抱きながらギュネイは進路を軌道エレベーターへ進路を取る。

そこなら強力な通信設備もあるため、恐らく臨時指揮を取っているだろうシャア率いる部隊に連絡が行くだろう。

そんな打算を持って訪れたギュネイ一行だったが、既にそこは戦場となっていた。

遠目からは一隻の戦艦が襲われるように見えるが……

 

「ギュネイさん、俺達鉄華団に一番槍をやらせてくれないか?」

 

第一種戦闘配備が通達され、各員モビルスーツに搭乗する中、ギュネイはオルガから先鋒を任せて欲しいと言われる。

 

「一番先に突っ込むやつが一番被害がデカいんだぞ?鉄華団が身寄りのない者達の家族なら、君としてはそんなことはあまりしたくないはずだが」

 

そう戸惑うギュネイに、オルガはハッキリその問いに答える。

 

「俺達を見くびんないでくださいよ。命懸けの戦いは何度もしてきているし、ここで死ぬつもりなんざ俺達にはねぇ」

 

その目は自信に満ちた目であり、生きて帰ると言わんばかりに生気に満ちていた。

 

「……分かった。頼む」

 

「聞いたか!気張っていくぞ!!」

 

「「「「応ッッ!!」」」」

 

「……良いなぁ、若いって」

 

若さを気にするギュネイだが、ギュネイもまだ十分若いのである。

女性が聞けば助走をつけてドロップキックをぶつけてくるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、ギュネイ達が見つけた戦艦と軌道エレベーターに陣取っていた軍は何者なのか。

それはもう見る、聞く、読むだけで分かるだろう。

 

「遅いぞッ!カトンボ共め!」

 

青塗りに染められた機体、ダハックでスパスパとマヒローやジンクスを破壊していくのは誰であろうクリム・ニックである。

 

「噂に聞くギンガナム隊とはこの程度なのか?」

 

戦ってみると、存外弱いではないかと鼻で笑うクリムにマヒロー隊を率いるスエッソン・ステロは激昂する。

 

「なんだとぉ!?貴様!その言葉を後悔するなよ!」

 

「そういうのはフラグと言うんだよ!」

 

たった一機でマヒロー隊を押し止めるクリムに、ギンガナム隊の総大将であるギム・ギンガナムは通信施設の軍事区画でニヤリと笑みを浮かべる。

 

「ほう、古代のモビルスーツにしては良くやるではないか」

 

そしてその横で同じく、いやギンガナムより好戦的な目で獲物を見る目で笑むのは最低最凶の傭兵。

 

「それに、ガンダムに似てるなぁ?傷が疼くぜ……」

 

アリー・アル・サーシェス。

テロリストであり、傭兵であり、そして自他共に認めるガンダム史に残るクズキャラとして名を馳せているパイロットである。

傷が疼く、というあたり第二期の彼なのだろう。

 

「ソレスタルなんたら共は……いねぇか」

 

「観測班からは新たな勢力がこちらに来ているようだ。これは、私も出ることになるかな?」

 

「へっ、この星を統一すればなんでも可能にする力が手に入るって話だが、俺はこのままで良いんだけどねぇ」

 

「ああ、その通りだなぁ!闘争本能のままに戦う!これほど楽しいことはない!」

 

どちらも闘争を求める、そこが彼らが手を取り合う結果になったのだろう。

最悪の組み合わせだが、サーシェスはギンガナムと会話する中で雇い主のリボンズの事を考えていた。

アイツは何をするか、自分をこのままにするのか。

予測してもしきれないイノベイドという存在は、サーシェスにとって不安要素となっていたのだ。

 

「……場合によっちゃぁ大将の首を取る、か。へへっ、おもしれぇ」

 

まあそれ込みで彼は戦う事に喜びを感じていたのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「下がれぇぇっ!!」

 

G-セルフのパーフェクトパックから放たれるメガ粒子が、マヒローの下半身を吹き飛ばし、高トルクキックがジンクスの頭部を捉えてジンクスの頭が砕け散る。

 

「ベルリ!あまりに前に出過ぎないで下さい!メガファウナから離れてしまいます!」

 

「分かってる、姉さん!でも下は無防備なんだ!守らないと!」

 

メガファウナは少し前まで謎の惑星近郊に浮かぶスペースコロニーにて、宇宙革命軍等というベルリ達にとっては謎の勢力から命からがら生き延びたのだが、その矢先でコレである。

メガファウナに大気圏突入能力があるが故に、軌道エレベーターを使わず惑星に降りたのだがキャピタル・タワーと別系統の技術で作られたと思われる軌道エレベーターに、その職に就いている母を持つベルリが興味を持ち、そして謎の惑星の調査の任務の一つとしてそれらの調査もあったことで艦長らもそれに賛同した結果がコレである。

シンプルに運がなかったと言えばそれまでだが、しかしこの星は争うためだけの舞台として存在しているような物なのだ。

コロニーに在住する住民から聞いていたのにも関わらず、それを冗談か何かと流してしまった皆も悪いと言えば悪いのだろう。

話し合えるのにただの調査で戦うハメになるとは、誰しも思うはずもないのだから。

それに、地球にぶつかるルートを着実に辿っている謎の惑星だ。

そんな事をしている暇はないのだ。

 

 

……まあ、そんな考えはギンガナムとサーシェスには通用しないのだが。

 

「ベルリ!後ろ!」

 

「なにっ!」

 

後ろからビームサーベルを抜いて斬り掛かるジンクスⅢに、連戦かつ警戒が解けない中で気を張っていたためベルリも疲労していた。

故に後ろからの攻撃にワンテンポ気付くのが遅れたのである。

 

「やられる…っ!?」

 

ベルリから見ても、姉であるアイーダから見てもその攻撃は避けようがなくベルリは脱出装置であるGーセルフのコア・ファイターを射出しようと、そのトリガーに手をかける。

横から鉄塊がジンクスⅢの横腹を砕き割って、そうはならなかったが。

 

「なんですか!?今の攻撃はどこから…!?」

 

アイーダはアルケインのレーダーを確認するが反応はない。

だが熱源センサーと飛んできた物体の軌道からその居場所をアルケインのプログラムが叩き出した。

見つけたその姿は、トゲトゲしいが見覚えのあるものであった。

 

「Gタイプ…?」

 

G-セルフとは似て似つかない攻撃的な見た目をしたそれは、悪魔のように見えた。

だが、通信回線に入ってきたその声にアイーダは運は自分達を見捨てていなかったと悟る。

 

「見た感じ、アンタら困ってそうなんでな。助太刀させてもらうぜ!やっちまえ!ミカ!」

 

「うん」

 

バルバトスのテイルブレードが、森林の中で奇襲を仕掛けようとしていたネモやジムを吹き飛ばしつつ、先程投げた小型メイスの余りをグレイズに叩き込む。

 

「行くぞ!お前ら!」

 

「はい!」

 

「無敵の流星号、行くぜぇぇ!」

 

続々と現れる見知らぬ機体達に、ベルリは呆然もしつつもG-セルフを地上に着地させて一時の休みを得る。

 

「僕達は……助かった……のか?」

 

目の前の現実に幻ではないかと、自分の脳を疑うがヘルメットを取った顔を抓っても痛いだけ。

それでようやく彼は、現実に起きた事だと理解したのだった。

 

 

 

 

 

 

そしてその様子を遠目に見ていたギュネイのG-サザビーは、スコープをG-セルフから上空に飛び通う敵を狙い撃っていく。

 

「Gレコ、しかも独裁者パック装備か……これでEXA来たら俺は逃げるぞ…?」

 

現実逃避から休みを取るベルリとは相対的に、ギュネイは悩みの種が増えたと頭を抱える。

久しぶり(と言っても既に十年近く前の事だが)に逃げたくなったギュネイは、歯軋りをしながらバレルを伸ばしたビームショットライフルで撃墜スコアを更新していくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





GレコのEDって良いよね。
OPも良いけど、耳によく残るのはやっぱり【Gの閃光】っすねぇ。
それはさておき、凶悪コンビ作っちまったよ……どうしよ……どうしよ……()


さて、久しぶりの例のアレ行ってみよー!

ギュネイ<天パより恐ろしい目に会いそうで逃げたい。逃げちゃだめですか…?

キラ<読者から絶賛本性出たな!と叩かれてる出しゃばり原作の前作主人公。(毒電波)

シン<アスランと仲良く出撃。息のあったコンビネーションで千切っては投げ、千切っては投げの大活躍。掴め(主人公の)プライド!

鉄華団<ニコニコなら「バンザーイ!」等と日本兵MADにされそうな突撃をかましている。マヒローもジンクスも厄介だと愚痴りながら連携で撃ち落としたり、叩き潰している。

G-サザビー<サイコフレームが震えるくらい喜んでる。あ、異世界への扉が(此処から先は掠れて消えている

ギンガナム<我が世の春が来たとばかりに惑星の現地勢力を多く倒して配下にしている。絶好調である!

サーシェス<リボンズに警戒しつつもギンガナムと意気投合。割とノリで一緒に「絶好調である!」と叫びそう。

キンケドゥ<キンケドゥルートでニュータイプの本来の意味をギュネイに教えてもらってたりする。ギュネイルートでは尺不足で描かれてない()

アムロ<アムロルートだとギュネイがお留守番することになるので、マリーダさんもお留守番。でもアカリだけは絶対に付いてくる。アムロさんには薬出しときますね〜

ベルリ<ガンダム無双には未参戦の白富野のガンダム。白ければ白いほど思い付かないだろうヤバいモビルスーツ生み出しそう()
ようやくお休み取れた。

クリム<私は天才である!もっと出番を寄越せ!

作者<最近スパロボZを始めた遅更新作者。プラトーでもかかったのか、とか自意識過剰かなと思いつつも執筆頑張るゾイ。




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幕門 G-サザビー開発秘録


少し前からラクガキを送ってくださっている車椅子ニートさんからプロトタイプ絵を頂きました…!
うひょぉ!想像が捗るぅ!!


【挿絵表示】



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それはそうとお待たせしやした……
スマホのSIMカード変えたり、アプリゲー入れてアプデしたりとゴタゴタで萎えておりました。




 

 

 

「G-サザビーのテスト、どうです?」

 

そう言うメカニックの男性から問われたギュネイは即答した。

 

「火力過剰過ぎぃ!ZZガンダムでも作るつもりかよ!?」

 

あまりにも過剰でエネルギー配分に気を使う武装たちにギュネイは思わず台パンする。

胸部バルカン、腕部ビームマーカー、腹部メガ粒子砲、隠し腕(ビームサーベル) 、大型メガビームライフル、大型ファンネル、背部サイコミュ中継器と、まるで旧ネオ・ジオンの怨霊でも憑かれているのかと目を疑うカタログに羅列する文字と、実際に動かしてみた感想がそれであった。

 

「サザビーの後継機って事なんでどんな状況にも打破しうる火力をと思いまして」

 

そう言い訳をするメカニックに、ギュネイは半ギレで「アホか!」とツッコむ。

 

「それで済むならグリプス戦役でエゥーゴは世界の支配者になってるよ!」

 

かなりお冠なギュネイにメカニックは冷汗をかきながらヘコヘコと頭を下げる。

サラリーマンを想起するその光景に、G-サザビーのテストパイロットを務めていたヘクトールは彼に賛同するように頷いていた。

だがギュネイは他にも気に入らないところがあるようだ。

 

「それに赤色はやめてくれと言っただろう!?なんだ!?俺を虐めたいの!?お前の給料5分の1しょっぴいてやろうか!?」

 

そう言いつつ莫大な推進力に振り回されず、ファンネルを使った的当てを正確に当て続ける姿は流石は強化人間とでも言うべきか。

しかし、当の本人はファンネル操作がダルくなったようで収納させる。

 

「ゲーマルクほどの火力はいらない。νガンダムくらいが一番ベストだ。最大チャージ一発撃つだけでガス欠になるメガビームライフルなんて使い道が限られ過ぎなんだよ!ファンネルも数が多過ぎ!整備兵殺す気か!」

 

流石、後に整備兵を使い倒す男だ、面構えが違う。

 

「ただ、ブランドマーカーは良いな。下手に殴り合うより効果的で良い」

 

そう評価を下すギュネイであるが、この会話を聞いてるのは機密故にほんの数人程度なのが色々虚しくも感じられる。

しかし、そんなギャグ時空のような空気もミノフスキー粒子濃度の上昇を検知した艦長によって霧散する。

 

「艦長!ミノフスキー粒子が戦闘濃度に!」

 

「なんだと!?」

 

突然の奇襲にブリッジに座る者達が動揺するが、ギュネイがマスクを付けて一喝する。

 

「落ち着け!暗礁宙域で試験をしようというのだから、この事態は予想できるはずだ!総員、戦闘配置を急げ!」

 

「「「ハッ!!」」」

 

モビルスーツ運搬用の民間船から3機の護衛機【ジムⅢ】が、軽装二機、フル装備が一機の編成で出撃する。

 

「ヘクトール中尉、こっちの母艦は武器のない民間船だ。護衛は頼むぞ」

 

「了解であります!」

 

元ジオン兵のヘクトールは一年戦争後はテストパイロットを何年もしてきたが、ギュネイの目指す先に共感した男だ。

だからこそ、ここで彼の命を守る新たな剣をここで壊される訳にはいかないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミノフスキー粒子の濃度の濃い方向に、進路を進めるギュネイは大型メガビームライフルの調整を行いつつ、敵の気配を探る。

気を張り詰めるが暗礁宙域に漂う底知れぬ闇の気配によって、探りきれないでいた。

 

「ニュータイプとしてのレベルが低い俺でも感じ取れる怨念、か……」

 

自分もその仲間入りしていたのだろうか、と肌寒いものを感じるが熱源センサーが何かを捉える。

 

「ザク!ザクゥ?」

 

気付かれたことにパイロットは理解したのか、マシンガンを撃ちながら乱数機動を行う。

右肩のシールドには見知らぬマークのようなものが塗られており、恐らく海賊だと伺えた。

 

「たまたまか、それとも依頼されてか……どのみち落とさせてもらう!」

 

調整を終えた大型メガビームライフルでザクⅡの機動を見切り、胴体を撃ち抜く。

しかし、上と下からいくつか装甲が失われているハイザックとネモがスペースデブリから身を乗り出してビームライフルを連射する。

 

「ファンネル!」

 

大型ファンネルを射出し、大型メガビームライフルを手放してビームサーベルを抜刀する。

射出と同時にファンネルは下のネモを四肢をもぎ取ってトドメを刺し、本体のプロトタイプはビームの弾丸の間を縫ってビームサーベルを頭部のメインカメラを突き刺し、隠し腕でビームライフルを持つ両腕を斬り落とす。

 

「貴様ら、目的は何だ」

 

空いている左手で接触回線を開くと、海賊は怯えた声で答えた。

 

「へ、へへっ……総帥が、再来にお前は死ぬぜ……偽物」

 

「なに?総帥だと?」

 

問い質そうとギュネイは発声する直前、光の線がハイザックのコクピットを貫き左腕が融解する。

 

「狙撃…!?」

 

音もなく光る玉となったハイザックから視線を攻撃された方向に向ける。

 

「そのモビルスーツ、我々が勝利を得るために頂こう」

 

「フロンタルッ!!」

 

耳に聞き慣れた声がギュネイの耳朶を打ち、ギュネイはその正体を確信した。

しかし、見ていた方向からはギラ・ズールとジム系統の混成部隊しか確認できず、彼はまさかと民間船がある方向を見る。

 

「頭領ーッ!!」

 

護衛機の軽装ジムⅢ二機の内の一機が、断末魔をあげ宇宙に散る。

ヘクトールはミサイルを牽制に本命のビームライフルで蒼い線を引く先の赤い機体を狙うが、全て避けられる。

 

「良い腕だがそれだけでは勝てんよ」

 

そういうのと同時にヘクトール機の機体が綺麗に2つに泣き別れし、残る胴体を蹴飛ばす。

 

「ぐわぁぁぁ!?」

 

蹴り飛ばされたヘクトール機はオートマチックによる脱出装置が起動し、ポッドから機体から射出されるがポッドの形は歪んでおり、パイロットの状態が不安である。

 

「ヘクトール!」

 

負傷したのか、呻くヘクトールを気にしつつ赤い機体【シナンジュ】を視界にとらえる。

 

「赤い機体で武士の真似事とは、古臭いな」

 

「シャアの真似をする男が何を言う!」

 

ビームライフルの正確な射撃をギュネイは大型ファンネルで防ぎ、一時的な煙幕とする。

 

「むっ」

 

「トゥアァァ!!」

 

ビームサーベルを回転させて投げ、フロンタルの注意を引く。

フロンタル視点では、大きな光る何かとしか見えない彼はそれを大きく回避するが、サイコミュ中継機が目の前に出現しフロンタルは思わず急制動をかける。

そこに腹部メガ粒子砲による拡散ビームが、咄嗟に気付き身をよじって回避したシナンジュのプロペラントタンクを誘爆させる事に成功する。

 

「ええい!やる!」

 

「流石に仕留めれんか!」

 

内心、舌打ちするフロンタルと相対的に喜びつつ確かな手応えを感じるギュネイ。

だがプロトタイプも腹部メガ粒子砲がシステムエラーによって使用不可となり、同時に胸部バルカンも使えなくなるという痛手を負う。

 

「仕方あるまい、破壊する!」

 

捕獲は無理だと判断したフロンタルは破壊に移行するが、大型ファンネルがフロンタルの動きを止める。

が、それもバルカンで撃ち落とされ2秒も持つことなく破壊される。

 

「不味いな……」

 

残る武器が慣れないブランドマーカーのみとなり、ギュネイは大型メガビームライフルを取りに行こうとスラスターを吹かせるが、全力戦闘の影響かまだ未完成のG-サザビーはスラスター周りの出力が不安定化する。

 

「だからプロトタイプってんだ!」

 

そう愚痴りながらなんとかメガビームライフルを手に取らせるが、残念ながら既にシナンジュがビームの刃を手に近付いていた。

 

「不慣れの機体で良くやった。後は私に任せれば良い」

 

そうカッコよく〆ようと、フロンタルが台詞を吐くが……間が悪いとはこの事だろう。

 

「こちら、地球連邦軍―――」

 

「チィッ…!」

 

「……………」

 

クラップ級一隻がパトロールしていたようだ。

呑気に降伏勧告、武装解除を要請しているがギュネイは何も言わずメガビームライフルをクラップ級に照準を合わせて構える。

 

「貴様!こちらに危害を加えるならこちらも」

 

「連邦も所詮、この程度ってやつか……」

 

そう呟くのと共に、メガビームライフルの銃爪が引かれる。

最大出力で放たれたビームの激流は、クラップ級の大半を飲み込んで撃沈する。

 

「あーあ、ガス欠だ……」

 

マスクを取って溜め息を吐くギュネイ。

そこは真っ暗になったコクピットであり、プロトタイプは動けない状態であった。

まあつまりは彼の言う通りガス欠である。

 

「………借りは先延ばしにする趣味はない」

 

それだけ独りごちると、フロンタルはプロトタイプを捕獲するチャンスを不意にして機体をレウルーラに進路を向ける。

フロンタルの気配が遠のいたことに、ギュネイはほっとしつつ、その行動が本当にシャアであるのか、それともフロンタルという人間の本当の部分なのか。

それが気になるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





次回はガンダム無双を進められれば良いなぁ……と思いつつなんか鬼滅とか諸々書いてたり()
あとインディも観てきたからちょっと描いたりもしてた。
まあFateなんてネットで調べられる程度しか知らんけどね!
次回もスパロボ共々、よろしくお願いします。
感想、良かったらよろしく!


それはさておき例のアレ

ギュネイ<プロトタイプとかもう乗りたくない

フロンタル<バ火力機体とか経済難の袖付きを殺す気か!フジャケルナ!

シナンジュ<尻尾が焼け落ちて湿布をしばらく貼らないと……(尚、後日)

ヘクトール<読者案のキャラクター。色々海蔵させてもらいました。スパロボに出る……かもしれない。

プロトタイプG-サザビー<プロトタイプの名に相応しき機体。別に蔑称とかじゃないヨ!()



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