ペルソナ5Rリメイク実況 (ガスキン)
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実況一回目

ぼくのかんがえたさいこうのペルソナ5です。


神ゲーのマイナーチェンジのリメイク作品はーじまーるよー。

 

というわけで今回は2019年に発売され、多くのプレイヤーから神ゲーと称されたRPG「ペルソナ5R」をリメイクした「ペルソナ5R×R(ロイヤル×レイズ)を実況していこうと思います。

 

最新作ペルソナ7が発売され三年、そろそろマイナーチェンジ版が発売されるのではないかと噂されていた中で3・4・5のリメイクという展開に驚いた方も多いのではないでしょうか。私もその一人です。しかも、発売と同時に動画投稿が最後まで可能となり実況者達は改めてアトラスに忠誠を誓う事になりましたね。まあ、6と7は相変わらず禁止のままですが。

 

真・女神転生5の悪魔から追加されたペルソナや、新たな装備。新コープ。二週目以降の隠し要素。そして今作にて一番反響があったといっても過言ではないプレイヤーの意志によって可能となる一部キャラクターの救済。無印やロイヤルをプレイ済み兄貴達も新鮮な気持ちで楽しめると思います。

 

なお、この動画はあくまでみなさんと一緒にストーリーや隠し要素を楽しむ事を目的とするため、周回済のデータを使用しじっくりと進めていきます。RTAや最初からのプレイを見たい方は「ご立派」兄貴や「千切れた煩悩」兄貴の動画をご覧ください。

 

さて、追加要素や隠し要素はその時その時に説明するとしてそろそろ始めさせていただきます。

 

―――この物語はフィクションである。

 

はい、まずは謎の声(笑)による注意文ですね。ここでいいえを選ぶとまさかのスタートに戻される。初見で「は?」となった方も多いのではないでしょうか。

 

続いて流れるアニメーション。随分と立派なカジノの外観からカメラがゆっくりと建物の中に進んでいきます。

 

「誰かいるのか!?」

 

怯える客達の頭上を跳ぶ黒い影。はい、主人公君の登場です。特徴的な仮面をつけたままドヤ顔を披露したところで場面が暗転。ここから操作が可能となります。

 

目的はカジノからの脱出です。プロローグ部分は指示された事以外に出来る事もありませんのでしばらくはそのまま進めていきましょう。

 

~カジノ内移動中~

 

さて、変な牛の化け物をサクッと殺って脱出の道を進みます。なお、二週目以降ではこの戦闘でちょっとしたサプライズとして主人公の背後に浮かぶ影が〇〇〇ー〇から〇〇ー〇に変わります。名前を隠す意味は……ありません。どうせすぐわかりますから(ならなぜ隠した)。

 

バックヤードを走り、物陰に隠れながら追っ手をやり過し、「いつもの手段」という腕に仕込んだワイヤーでスタイリッシュに移動したところで敵に囲まれますが、心配ありません。

 

「いきますよ、先輩!」

 

オッスお願いしまーす! 戦闘開始してすぐに主人公君を先輩と呼ぶ謎の仮面少女が敵を蹴散らしてくれます。それにしてもピッチリレオタード姿なのに登場シーンで顔より先に下半身から映すとかアトラスのスタッフには変態しかいないのか(誉め言葉)。

 

「約束、忘れないでくださいね」

 

敵を一蹴後、仮面少女は颯爽と立ち去ります。主人公君も戦う必要あったのかな? 

 

そこへ早く移動しろと指示が入ります。しょうがねえなぁ。

 

ここで再びアニメが入ります。ガラスをぶち破りダイナミック脱出を果たし、月光の下でカッコよく決める主人公君ですが、その直後あっさり捕まります。えぇ……。

 

場面が切り替わり、先ほどまでの黒ずくめの衣装から学生服に着替えた主人公君は悪そうな大人達にボコボコにされています。どうやら薬も使われているようです。サーッ! ではなく注射みたいですね。

 

さて、ここでようやく主人公君の名前の入力となります。いつもなら本名を入力するのですが、身バレしたくない(自意識過剰)のでアニメ版の名前である雨宮 蓮にします。

 

蓮をボコった相手が何やら言っていますが、薬で朦朧としている彼の耳には届いていません。無理やり椅子に座らされそのまま放置。部屋の中は蓮一人だけとなります。

 

そこへ出入口のドアを開け、一人の女性が姿を現します。

 

「そんな……まさか、キミだったなんて……」

 

女性は蓮の姿を見て愕然とします。

 

「……滑稽だわ。私は、ずっと追いかけていた相手だとも知らずに今までずっとキミと接していた。あの笑顔も、あの言葉も……全て噓だったわけね」

 

お? 何やら意味深なセリフですね。まるで今まで何度も主人公と交流していたかのような言い方です。無印・ロイヤル版と明らかに違いますね。

 

「知る必要があるの。これは私の仕事なんだから」

 

年上の美女と密室で二人っきり。なのにちっともドキドキしないのはなぜでしょう。

 

尋問が始まりました。いくつかの質問に答えた所である変化が訪れます。突如として蓮の頭に女性のものではない別の声が響きます。

 

『どうか思い出して。あなたと世界の未来の為に』

 

一匹の青い蝶が蓮の目の前を飛んでいきます。そして、画面が徐々に白くなっていきます。

 

―――ここまでの物語を保存しますか?

 

はい、ここでセーブ可能となります。キリがいいので今回はこの辺で。ご視聴ありがとうございました。

 




というわけで、衝動的に新作を始めてみました。

なお、周回済という設定なので主人公のステも装備もペルソナも全て最高・最強です。いつものガスキンクオリティですが、よければ暇つぶしにどうぞ。


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実況二回目

導入部なのでまだあまり変化はありません。


ロイヤルな実況はーじまーるよー。

 

前回、突如として謎の声と共にフェードアウトからのセーブでした。早速ロードしましょう。イクゾー!(例のBGM)

 

今回もいきなりアニメから始まりましたね。ハッと目を覚ます主人公。そこは電車の中でした。頭上の広告に目を遣りつつ、ふと表情を曇らせます。

 

―――車のヘッドライト。

 

―――叫ぶ女性。

 

―――額から血を流すハゲ。

 

―――警察官に取り押さえられる主人公。

 

はい、プレイ済みのみなさんにはお馴染みのあの事件ですね。初見兄貴(いるのかな?)には何の事やらさっぱりでしょうが、後にちゃんと説明されますのでご安心を。

 

それから電車を降り、歩きながらスマホをいじっていると突如として目玉の様なアイコンが浮かび上がります。なお、歩きスマホは大変危険なのでよい子のみんなはやらないようにしようね。

 

直後、周りの人の動きが止まったり、街中にも関わらず焔が吹き上がり、さらにはその中から何者かがこちらを見つめているのに大して驚きもしない主人公。オメー、一周目のこの時点で「度胸」のパラメータMAXだろ。

 

アニメが終わり、操作開始。降りたばかりなのにまた電車に乗り込みます。そして暗転後、主人公は一人道路を歩みます。ここで隣を明らかにモブではない女性が通り過ぎて行きますが、リメイクでもここではまだ話しかける事は出来ません。

 

居候先である佐倉 惣治郎宅を探せと出ますが、周回プレイヤーにその指示はフヨウラ! さっさとルブランへ向かいましょう。

 

扉を開けると、そこには客席に老夫婦。そして一人に男性の姿がありました。はい、この男性こそ探していた人物である佐倉 惣治郎です。

 

「あ、そういや今日だったな」

 

向こうも主人公を見て気づいたようです。持っていた雑誌を置いて立ち上がりました。

 

「お前が蓮だな? 俺は佐倉 惣治郎。一年間お前を預かる事になっている」

 

どうも

……

よろしくお願いします

 

おっと、ここで選択肢です。このR×Rでは相手に対する返事の選択肢がロイヤルに比べものすごく増えています。ほとんどはどれを選んでも違いはないものですが、中にはフラグになっているものもあり、考えなしに選ぶのは得策ではありません。

 

第一印象は大事なので一番下を選びます。すると主人公は深々と頭を下げました。

 

「……」

 

何故か無言になる惣治郎。それに対し、?を浮かべる主人公。まさか、選択をミスったのか? と心配になりますがご安心を。これは純粋に感心しているだけです。

 

「お前、本当に事件なんて起こしたのか? ああいや、だからここに来たんだろうが……」

 

お、追加セリフですね。リメイク版では主人公のパラメータによってこのように相手のセリフが追加されたりリアクションが変わったりします。今回は主人公の「優しさ」ランクが3を超えていたのでこのようなセリフが追加されたわけです。実はこれも隠し要素に関わってきます。まあ、パラメータの関係上実質二週目以降にしかお目にかかれないんですけどね。

 

「……まあいい、ついてこい」

 

そう言う惣治郎に続いて二回に上がると、そこには物置……ではなく部屋、いややっぱ物置だわこれ。な場所が姿を見せました。

 

「お前の部屋だ」

 

うっそだろお前!? こんな汚部屋に人が住めるわけないじゃん!

 

「何か言いたそうだな?」

 

広い部屋だ

物がいっぱいだ

やった!

 

どこに喜ぶ要素があるんですかねぇ。けどまあ、喜ぶ蓮くんは可愛いので一番下を選びます。

 

「……本気か?」

 

あーあ、惣治郎に引かれちゃった。けどまあ、目をキラキラさせる主人公を見れて満足なので問題ありませんね。

 

「掃除はお前がやれ。夜は一人になるが悪さなんかするなよ」

 

こんな目をした子が悪さなんかするわけないじゃないですか!

 

「男に言い寄られている女を庇ったら男が怪我して訴えられた……だったか?」

 

ここで主人公の境遇が簡単に説明されます。先ほどの回想はその時のものだったわけです。この訴えの所為で主人公は前の学校を退学させられ、裁判所から転校と転居を命じられたところを、惣治郎が引き受けてくれたんですね。世知辛い世の中ですわ。

 

あの声だけしかいい所の無いハゲはその内報いを受けさせますが、今はまだ我慢です。

 

とにかく、保護観察期間として一年間、主人公はここで過ごす事になります。問題を起こせば即少年院送りですが問題ありません(起こさないとは言っていない)

 

その後、惣治郎から明日は秀尽学園高校への挨拶に行くと伝えられた所で再び一人となりました。まずはこの汚部屋の掃除から始めましょう。

 

手慣れた手つきで片づけていく主人公。まあ、何回もやってますからね(メタ発言)。なのに結局夜までかかるのは納得できませんね。さっさと終わらして街に出たかったのに。

 

そこへ再び惣治郎の登場です。バタバタしていたのが下まで聞こえていたのでしょう。部屋を一瞥すると落ち着いたんならさっさと寝ろと言われました。なので言われた通りベッドインしましょうねー。

 

さて、横になったのはいいがどうやら眠れない様子の主人公。その脳裏にあの時の光景が過ります。そう、例のハゲと遭遇したあの日の事です。

 

帰りが遅くなった主人公は男女の言い争う声を聞きその場へ向かいます。向かった先にはハゲの手で車に連れ込まれそうになっている女性の姿がありました。

 

許せない

助けないと

その前に

 

ここで「器用さ」が「職人級」、「度胸」が「大胆不敵」だと第三の選択肢が出現します。これを選ぶと、主人公は現場へ突入する前にスマホのレコーダーを起動させます。「器用さ」が足りないと後にバレて消されてしまいますが、足りているとバレない様に隠し通す事が出来るんですね。これは後に役に立つデータなので大事に持っておきましょう。

 

さて、この後は夢の中で長鼻と双子との顔合わせがありますが、特に説明する部分はありませんのでささっと流して今回は終わろうと思います。ご視聴、ありがとうございました。




本編中の説明がわかりにくかったら申し訳ありません。簡単に言うとパラメータと選択肢で一部シナリオに介入出来る様になったと思っていただければと。


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実況三回目

叛逆の意志を示す実況はーじまーるよー。

 

今回は惣治郎と一緒に秀尽へあいさつに向かう所から始まります。いつものマスターの姿もいいですが、外出時の衣装も素敵ですね惣治郎さん。

 

ちなみにここで褒めると満更でもない反応を返されて好感度が上がります。もっとも、コープ解放されていないので何の意味もありませんが。

 

さて、学園到着からしばらく自動で進みます。やけに丸っとした校長から問題を起こしたら即退学と警告されますがむしろ問題を起こしまくってるのはお前らなんだよなぁ。まあ、校長と関わるのはこれが最初で最後ですから一応聞くだけ聞いといてあげましょう。

 

「こちらが君の担任の川上先生だ」

 

はい来ました。ペルソナ5で指折りの便利な女(暴言)こと川上 貞代先生です。序盤こそ事なかれ主義のあまりいい印象の無い教師ですが、コープを進めていくと割と壮絶な過去をお持ちだったりします。そんな先生がかつての情熱を取り戻し、立派な教師へ変わっていく姿は必見です。

 

また、選択肢次第ではそんな先生を恋人にして教師と生徒の禁断の関係を楽しむことも出来るのですが、教師としての道を踏み外させる事など私には出来ないので恋人にはしません。

 

川上先生から挨拶と共に学生証を渡されますが、その下には怪しいチラシが。すぐに引っ込められてしまいましたが、何なんでしょうねぇ。

 

さて、これで用事は終わりましたのでさっさと退室いたしましょう。……と言いたいところですが、せっかくこれから一年の付き合いになるのですから川上先生に媚を売っておきましょう。校長? あんな途中で退場する人間なんて知りません(隙あらばネタバレ)。

 

挨拶されたら挨拶を返すのは常識です。なので川上先生の手を取り、媚び媚びの笑顔を向けましょう。いきなりの行動にビックリしているようですが、その頬は赤らんでいます。かー見んね兄貴達。卑しか女ばい。

 

まあ、周回済みで既に「魔性の男」となっている主人公相手にこの年までロクに恋愛もした事のない〇女が抗えるわけないんだよなぁ。

 

前回に説明したように、リメイク版では主人公のパラメータによって相手の反応が変わる場面があります。結構な数がありますので、視聴者兄貴達も探してみてはいかがでしょうか。

 

さて、早くも屋根ゴミの片鱗を見せつけた主人公に惣治郎もあきれ顔です。ですがあふれ出る魅力は本人にも抑える事は出来ませんのであきらめてもらいましょう。

 

この後は車内での惣治郎との会話からの電車暴走ムービー(走者のトラウマ)を経て帰宅となります。まだ夜の活動は出来ませんのでさっさと寝ましょう。

 

翌日、朝食にお見舞いされたカレーを華麗に完食し(激うまギャグ)学校に向かいましょう。行き方はすでに調べてありますので迷う事はありません。

 

~主人公登校中~

 

おっと、ここで雨が降って来ましたね。雨宿り先でスマホをいじっているとまたしても目玉アイコン。これにはさすがの主人公も溜息を隠せません。

 

とそこへ同じく雨宿りの為か一人の人物が主人公の隣へ走って来ました。彼女の名前は高巻 杏。演技上手(笑)の女の子です。おう、後々親友と一緒に絶対に幸せにしてやるから覚悟しとけよ(恋人にするとは言っていない)。

 

彼女がやって来たという事は……はい、きました、ペルソナ5に登場するクズな大人の一人。セクハラパワハラ大好きな裸の王様「鴨志田」の登場です。例のハゲと同じく声優さんだけはいいのですが、それ以外は全てがゴミなので走者は蛇蝎のごとく嫌っております。

 

そんな鴨志田の車に乗り込む杏。そのまま学校へ向かいます。たぶん運転中に太ももでも触られてるんじゃねえのかな。あの野郎はそれくらいやりますし、今の杏は”あの子”の為に色々我慢してしまっていますからねぇ。

 

そこへ金髪のいかにもヤンキーな少年こと坂本 竜司が姿を現しました。プレイヤーの間で好みの別れる人物ですが、私は好きです。リメイク版では彼の迂闊な所を諫められるようになっていますので上手くコントロールしてあげましょう。

 

そのまま学校まで竜司が案内してくれるので黙って着いて行きます。すると何という事でしょう。目の前にセンスの欠片も無いクソみたいな城が現れました。これじゃ学校というよりラブホだよラブホ! これもまたあのセクハラ野郎が学校の事をそう思っているという事なのでしょうか。

 

中に入ると鎧を着た兵士がやってきて問答無用で捕まってしまいます。ここでは逃げる以外に抵抗するという選択肢が出現しますが、これは罠で選ぶとさくっと殺られてしまいますので大人しく捕まっておきましょう。おう、必ず報復してやるから覚えとけよ。

 

というわけで今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。



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実況四回目

ここから主人公の強さを書けていけたらいいと思っています。


四回目にしてようやくペルソナの出てくる実況はーじまーるよー。

 

さてさて、学校を目指していたらなんとも悪趣味なお城に到着してしまった主人公と竜司くん。屈強(ここだけ強調)な兵士達に捕まってしまったところから再開します。

 

城といえば地下牢。という事で二人仲良くぶち込まれてしまいます。当然こんな理不尽な扱いに竜司はキレます。

 

「くそ、出しやがれ!」

 

鉄格子を掴んで怒鳴っていますね。ここで「度胸」が高いと「一緒に叫んでみようか?」と出て「はい」を選ぶと主人公も鉄格子をガンガン叩きながら叫びます。

 

残念ながらエフェクトしか出ませんが、隣で聞いていた竜司が「……怖ぇ」とドン引きするレベルの怒声をあげていたみたいです。これでイベントを進ませる事も出来ますが、「器用」が高ければ別のパターンも選べるのでそちらを試してみましょう。

 

このように序盤から周回必須の要素がバンバン出て来ますので二週目以降も新鮮な気持ちで楽しめます。さすがアトラスさんやでぇ。

 

諦めた竜司が戻ってきたところでどこからか悲鳴が聞こえてきましたね。まあ、実況者は真実を知っているので気にはしませんが、竜司は顔を真っ青にしていますね。

 

「な、何だよ今の……って、何してんだお前?」

 

何って……ピッキングですけど?

 

「はあ!?」

 

「器用」MAXの主人公は筆箱の中にな ぜ か、キーピックが入っているんですよねぇ。外側にカギがついているのでちょっと見えにくいですが、「超魔術」の腕を持つ主人公ならばちょちょいのちょいですわ。

 

はい、解錠完了。さび付いた音を出しながらゆっくりと開いていく扉に竜司の口もあんぐりと開いています。

 

「お前……何モンだよ?」

 

主人公ですけど(ドヤ顔)。さて、扉も開いたしこれで脱出といきたいのですが、このタイミングでアイツが来るので出られないんですよね。

 

「―――ほお、侵入者と聞いて見に来てみたが、まさかお前だったとはな坂本おっ!?」

 

驚いてますね。まあ、閉じ込めていた相手が今まさに逃げ出そうとしていたらそうなるのも当然です。それにしても、もう何度も周回しているのにやっぱりこの格好気持ち悪いですね。マントの下はパンツ一丁。しかもすね毛丸出しで姿を現したのはもちろんこのお方。

 

「テメエ……鴨志田!」

 

そうです。変態(鴨志田)です。先ほどと同じような格好の兵士を連れ立って牢屋の前に立っています。

 

「き、貴様等、どうやって扉を!?」

 

「うるせえ! おい、ここはどこだ! テメエの後ろの連中は何なんだ! 今すぐ答えろぉ!」

 

変態に掴みかかろうとする竜司ですが、控えていた兵士に阻まれ、そのまま牢屋の壁に押し付けられてしまいます。何故か流れで主人公も押し付けられてしまいますが、今はこれで問題ありません。

 

さて、ここからしばらく胸糞タイムです。抵抗できない竜司を鴨志田がこれでもかと甚振ります。おやおや、主人公の表情がどんどん険しくなっていきますね。もう少し、もう少し耐えるんだ主人公。

 

「……飽きたな。もういい、殺せ」

 

「ぐっ……やめ……」

 

鴨志田の命令で兵士の一人が剣を振り上げます。今この瞬間、牢屋内の全ての視線が竜司へと向けられます。そう……主人公を押さえている兵士達も。

 

―――ドン!

 

「なっ!?」

 

何か重いものが落ちる音が響いたと思ったその瞬間、主人公が拘束から脱します。そのまま目にも止まらぬ速さで兵士の一人の首を掴むと、なんとそのまま百八十度回転させてしまいました。哀れ首を折られた兵士はそのまま崩れ落ちます。

 

「き、貴さっ……」

 

残念、早さが足りない!

 

主人公は動かなくなった兵士の持っていた剣を拾いあげるとそのままずぶっともう一人の胸へ突き刺します。人殺し? 刺された箇所から黒い液体を垂れ流すようなヤツが人間なわけないじゃないですか!

 

そのまま竜司を捕まえている兵士達の首もチョンパです。解放された竜司は甚振られた痛みでその場に跪きますが放置です。すまねえ、ちゃんと回復してやるから勘弁してくれな。

 

「な……あ……」

 

口を金魚の様にパクパクさせる鴨志田。脱出から竜司の解放までホントに一瞬でしたからね。気づけばお付きの兵士たちがみんな倒れているんですから混乱しているのでしょう。

 

「き、きさ……ま……何を……何をしたぁ!?」

 

えー、答える義理は無いんだけどなぁ。あ、でも視聴者兄貴達には説明しないといけないからついでに聞かせてやるよ。感謝しろよな。

 

さて、何故主人公が拘束から逃れられたかといいますと、答えは簡単。主人公と壁の間に隙間があったからです。そんなの無かった? ええ、だから作ったんです。

 

目敏い兄貴達は気づいていたかもしれませんが、拘束されていた時の主人公、鞄を肩にかけていたんですよね。ええ、みなさんお馴染みのあのかけ方です。するとどうでしょう。壁に押さえつけられた時に主人公の体と壁の間に鞄が入りますよね。つまり、その状態だと鞄の分だけ背中が壁から離れているわけです。

 

そんなの大した隙間にならないんじゃないの? とお思いのそこのあなた。ご安心ください。鞄の中に入っているのはなんと鉄板。それも何枚も詰め込まれています。ちなみにこれは自室を掃除した時に出て来た物をそのまま使用しているためコストもかかっていません。

 

あとは、抵抗する振りをして鞄の位置や持ち手部分を肩からずらしてしまえば仕掛けは完了。支えを失った鞄は自重で下に落ち、主人公の背中には脱出に十分なスペースが出来上がったわけです。さきほどの落下音は鞄が落ちた音だったというわけですね。

 

え? 何でそんなもの入れてる? そもそもそんな重いもの持てるのかって? もちろん、並みの人間では無理でしょう。ですが、何度も何度も周回を重ねた今の主人公に不可能などありません! というか、リメイク版では二週目以降の主人公が超人すぎて「もうアイツ一人でいいんじゃね?」的な場面が何度も出て来て、俺ツエ―系のゲームが好きな投稿者は大満足の作品となっております。

 

当然、そんな主人公に序盤の敵が敵うわけありません。さっくり四人撃破です。おう、城に入った時は竜司を人質にされたらまずかったから大人しくしてやったがな、油断している相手ならペルソナ無しでもやれるんだよなぁ!

 

「ば、馬鹿な……。貴様の様なガキにそんな真似が……。な、何なんだ。貴様は一体何なんだ!?」

 

主人公ですけど(二回目)。

 

「え、衛兵! 衛兵!」

 

おっと、増援を呼びましたね。ですが大丈夫です。それが始まりの合図ですから。

 

―――これは極めて理不尽なゲーム、勝機は無いに等しい。

 

静止した時の中、一羽の蝶が主人公の眼前を舞います。

 

―――けれど、この声が届いているならばまだ可能性は残っているはず……。

 

さあ、いよいよこのゲームの代名詞といえるものが姿を現し……。

 

―――早く会いたいです。()()()()トリックスター。

 

ファッ!?

 

「衛兵! コイツから殺せぇ!」

 

……はっ! す、すみません。ちょっとばかしイレギュラーな事が起って停止してました。え、何いまのセリフ? 声は間違いなく”あの子”だったけど。前の周回で何かフラグ立てたっけ? すみません。後で調べてみます。

 

「死ね!」

 

そんな事言ってたら主人公が斬られそうになってます。しかしその刹那、主人公の顔に仮面が現れます。さあ、いよいよお待ちかねの時間です。

 

『我は汝、汝は我……』

 

『己が望む結末の為、輪廻すらも支配せんとする冒涜を極めし者よ』

 

『再び我が名を呼ぶがいい。何物にも惑わされる事なく、自らの目で全てを見定めて来た強き意志の力で!』

 

アルセーヌ!

ラウール!

 

なんとここでまさかの選択肢。通常はアルセーヌが召喚されますが、リメイク版では条件を満たすと初召喚のペルソナが選択できるようになります。

 

その条件とは。①二週目以降である事。②全ての人間パラメータをMAXにする事。③前の周回で全てのコープをMAXにする事。④全てのアワードを達成する事(何周かけてもいい)。⑤レベル及びステータスMAXのアルセーヌを作り上げる事。⑥エンディングまで⑤の「アルセーヌ」を装備するかストックに入れておく事(ペルソナ全書に登録しているだけではNG)の以上です。

 

特に④が滅茶苦茶大変でした。この実況をする事を決めた時に、少しでも楽しんでもらえたらと思って頑張りました。

 

はてさて、この「ラウール」ですが、ロイヤルにてDLCの追加ペルソナとして登場しました。その見た目やスキルから主人公の第三覚醒のペルソナなのではないかと言われています。

 

そんなラウールですが、性能面ではハッキリ言って強くありません。耐性もそうですが専用スキル「ファントムショー」も敵を高確率で眠らせる(確定ではない)効果と微妙です。これでは同じく主人公の覚醒ペルソナ「サタナエル」の方がよっぽど戦力になります。

 

そんな散々な評価の「ラウール」のあまりの酷評っぷりに開発陣がヤケクソになったのかリメイク版では超強化されています。まず、「サタナエル」と同じく全ての属性に耐性を持ち、祝福、呪怨属性は無効です。そして「ファントムショー」は確定で相手を眠らせる事が出来るようになりました。さらに、一部ペルソナの専用スキルも覚えるようになりました。これだけでも大分強くなった感じですが、最後にしてとっておきの強化があります。それは新たな専用スキルの追加です。

 

その名は「テイクオーバー」。その効果は「敵全体に銃属性のダメージを十二回与える」というものです。そう……あのヨシツネのぶっ壊れスキル「八艘跳び」を超えるぶっ壊れを超えるぶっ壊れスキルがついに現れたのです。

 

ヒートライザからのチャージ。そしてファントムショーを使用してのテイクオーバーのコンボは全てを灰燼に帰します。

 

これだけの強化を施された「ラウール」ですが、プレイヤーの評価は「誰がここまでしろと言った!」「加減しろ馬鹿!」と散々です。やはり大衆は愚か(by統制の神)

 

まあ、とことんまで遊びつくしたプレイヤーへのトロフィーの様なものなのだと思います。なので、もらえるものはもらっておきましょう。

 

「ラウール!」

 

その名と共に仮面を引きはがす主人公。その全身が青い炎に包まれます。その炎を見て怯えた様子を見せる兵士達の前で炎の中から主人公が再び姿を現します。

 

彼が纏うのは先ほどまでの学生服ではありません。スタイリッシュな黒いコートに身を包むその姿は茫然と事を見守っていた竜司に”怪盗”をイメージさせるのでした。

 

そして、そんな”怪盗”の背後には浮かび上がる人影。これこそが主人公のペルソナ。ただひたすらに己を育み続けた努力の結実の証。「ラウール」です。

 

『ふははははは! まさかこの姿をとる時が来ようとは! 契約者よ、汝の意志の強さは神にすら届きうるやもしれぬな!』

 

届くどころか殺してるんだよなぁ。とにかく、この雑魚共を片付けてさっさと脱出しましょう。

 

『いいだろう。我の、この力はこれまでもこれからもお前の物。さあ、叛逆の意志を示せ!』

 

「奪え!」

 

―――テイクオーバー。

 

虚空より出現した十二の弾丸。一発一発が意思を持っているかのような動きを見せながら敵の脳天を射抜きます。あ、ちなみに「テイクオーバー」は回避不能で必ず命中します。

 

結局、その真の姿を見せぬまま兵士達は消え去ってしまいました。

 

「ひ、ひい……」

 

今度こそ恐怖でへたり込む鴨志田。今がチャンスです。落ちているカギを拾い竜司に牢屋から出るよう促します。

 

「お、おう……」

 

竜司が体を引き摺りながら牢を出て行きます。主人公もその後に続く……前に。

 

「き、貴様、何、ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」

 

ふう、すっきりしたぜ。

 

股間を押さえながら泡を吹いて気絶する鴨志田を牢に閉じ込め。主人公と竜司は城からの脱出を目指して動きます。あ、その前に竜司に「メシアライザー」かけておきましょう。

 

今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。




実際、ラウールはもっと強くてもよかったと思うんだ。


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実況五回目

いいかげん城から脱出する実況はーじまーるよー。

 

無事牢屋から脱出した主人公達。背後の牢屋内でピクピクしている鴨志田を一瞥し、城からの脱出を目指します。……が、その前に用済みになった鉄板を捨てましょう。ちょうど目の前に捨てるのにもってこいな用水路がありますのでポーイです(良い子はマネしないでね)。

 

「えぇ……なんでそんなもん鞄に入れてんだよ」

 

偶然だよ偶然。結果的に役に立ったから問題ないんだよなぁ。

 

「く、はは。なんだよそれ。さっきから滅茶苦茶だなお前」

 

お、竜司が笑いましたね。大変な目に遭ってしまいましたが少しは元気を出してくれたみたいでよかったです。

 

「……お前、まさか俺を励ますために……?」

 

さあ、どうなんでしょうねぇ。まあ、元々無関係の女性の為にハゲに立ち向かおうとするくらいの正義感は持ちあわせていますし、「優しさ」ランク「慈母神」の主人公が目の前で辛そうにしている人間相手に何もしないわけないんですよね。

 

「……はっ。変なヤツ。まあいい、あの野郎が追いかけて来るかもしれねえしさっさと逃げようぜ」

 

おう任せな。こちとら何回もこの道を駆け抜けて来た大ベテランだからよ。おいて行かれない様について来いよ。

 

「あ? なんか声が聞こえねえか?」

 

道中で竜司が何かに気づきます。そのまま声がした方へ進んで行くと……はい、モルガナですね。

 

「吾輩はモルガナ! 頼む、ここから出してくれ!」

 

おう強制睡眠させるのやめろや。……っと、つい暴言が出てしまいました。申し訳ありません。さてこのモルガナ、二足で立つ猫みたいな謎生物ですが、プレイ済み兄貴達には説明は必要ありませんね(断言)。というわけでさっさと牢屋を開けて助けてあげましょう。

 

「お、おい! 大丈夫なのかよ? さっきの連中の仲間だったらどうすんだ」

 

「仲間だったら捕まってるわけねーだろ!」

 

はい、お決まりのやり取りですね。警戒する竜司にツッコミながらモルガナが牢屋から出て来ます。

 

「やれやれ、やっと出られ……ん? お前……」

 

背伸びするモルガナでしたが、突然主人公を凝視しだします。目と目が合いますが別に好きにはなりません。

 

「にゃふっ!」

 

おっとぉ! ここでモルガナ選手、いきなり跳躍したと思ったらなんとそのまま雨宮選手の右肩にくっついたぁ! そしてぇ、いきなり密着された雨宮選手はというとぉ!

 

なんの真似だ?

モルガナ! ジオだ!

 

さあ、中の人繋がりであろう割と危ない選択肢が出て来ましたが、ここはもちろん下を選びましょう。大丈夫、ペルソナ5はSWITCHでも発売されたんですからきっと許されたはずです。

 

「ふにゃぁ! ……って、吾輩は疾風属性しか使えんわ!」

 

つっこむ所はそこじゃないんだよなぁ。まあ、これ以上広げるとこの動画もヤバいかもしれませんのでこの辺りにしておきましょう。

 

「す、すまん。なぜかお前を……正確にはお前の肩を見ていると妙に飛び乗りたくなってな」

 

「んだそりゃ? おい、やっぱりコイツ助けない方がよかったんじゃねえか?」

 

「口の減らないヤツだな。ふん、吾輩は借りはきちんと返すタイプなのでな。お前ら、ここから出たいんだろ? 明らかにここの住人じゃないもんな」

 

「住人? それってさっきの兵士達みたいなヤツか」

 

「兵士? まさか、お前らシャドウに襲われたのか? なら追手が……!」

 

あ、それなら主人公パワーで全員お陀仏です。そう答えるとモルガナが驚いた表情を見せます。

 

「た、倒した? お前らが?」

 

「正確にはコイツ一人でな。なんかわけわかんねえ格好になったと思ったらいきなり銃弾が飛んできて全員撃ち抜いちまった」

 

いずれ自分もそのわけわかんねえ格好をする事になると、この時の竜司は知らなかったのであった。

 

さて、そろそろ話を切り上げて移動しましょう。先導するモルガナを追い、仕掛けを解除して橋を下ろしさらに突き進みます。

 

「むっ! 貴様等!」

 

「うおぉ!? また出たぁ!」

 

ここで敵と鉢合わせになる事は決まっていますのでさくっと片付けましょう。その前にムービーが入りモルガナがカッコよくペルソナ「ゾロ」を召喚します。主人公も再び怪盗姿になり戦闘開始です。

 

ここで属性相性についての説明が入りますが、もう十分わかっているので無視して先手をとりましょう。はい、まずは「ファントムショー」でサッー! っと眠らせます。

 

「ふははははは!」

 

こら主人公! 眠らせるのにそんな大声出したら起きちゃうでしょうが!

 

「お前、何を……え?」

 

「ね、寝てんのか?」

 

後ろから観戦していた竜司がポツリと漏らした通り、敵のみなさんは揃って夢の中です。みんな幸せそうな表情をしていますね。きっといい夢でも見ているのでしょう。なので、その幸せを感じながら退場してもらいましょう。おら死ね!

 

道中で拾った(という体で装備した)ナイフでスパっと始末完了。意気揚々と戦闘から戻って来た主人公を見て竜司は若干顔を青ざめさせています。

 

「おま……眠らせてサクっとか……エグすぎだろ」

 

はて? 眠らせる事で味方を攻撃させない。さらにテクニカル攻撃でダメージはさらに加速する! 呆れるほど有効な戦術じゃないですか。

 

ドン引きする竜司(引かれてばっかだなこのもじゃ毛)を尻目に得意げにナイフをクルクルと弄ぶ主人公。手先が「器用」過ぎて何本にも見えますね。不思議だー。

 

「コイツ……素人の動きじゃない。一体どれほどの相手と戦えばこれほどの力を……」

 

百から先は覚えていない(軟式グローブ感)。

 

「おいモリナガ。ぶつくさ言ってねえでさっさと案内しろよ」

 

「吾輩はモルガナだ! チッ、行くぞ」

 

なんか急にココアが飲みたくなって来ましたね(何歳だおめえ)。さて、脱出再開です。途中でなんかバレーボール選手みたいなユニフォームを着ている人物が牢屋に捕まっていて竜司が立ち止まりかけましたが間髪入れずに主人公が説得(物理)したので見張りに見つからずその場を脱します。そして、最初に訪れたホールをからさらに進んだところでモルガナが立ち止まります。

 

「ここだ。ここから脱出できるぞ」

 

「ここって……何もねえじゃねえか」

 

あるんだよなぁこれが! というわけで足場をたどって通気口をドーン!

 

「お、おお。話が早くて助かるぜ……」

 

「話っつーか、破壊したけどな」

 

うるせえ! 行こう!

 

というわけでようやく脱出です。ここでモルガナとは一旦お別れですが、すぐに再会できるから寂しがんなよ。

 

「……戻ってきたのか?」

 

そうだよ(便乗)。

 

無事現実へ帰還を果たしました。が、戻って来て早々面倒な輩に絡まれます。

 

「お前ら、秀尽の生徒か?」

 

巡回中の警察官が二人そろって姿を現します。高圧的な態度で詰問してきますので、ここは大胆に右の警察官に抱き着いてしまいましょう。

 

「なっ!? 何をする!?」

 

そしてすかさず泣きます(演技)。うわぁぁぁぁぁん! 怖かったよおまわりさーん! 変質者に追われてたんですよぉぉぉぉぉぉ!(嘘)

 

「何? どういうことだ!?」

 

自分、今日から秀尽に通う事になってたんですけど、初登校で道に迷っちゃって。路地裏みたいな所を歩いていたら目の前にパンツ一丁でマントだけ羽織った不審者が現れて。逃げても逃げても追いかけて来て。そしたらこっちの彼が自分の声に気づいて助けに来てくれたんですよお(嘘)。

 

「なんという不審者だ!」

 

「ああ。疑いようのない不審者だな!」

 

なんとか逃げ切ったんですけど、また鉢合わせたらまずいからって、彼がどこかで時間をつぶしてから登校しようって。それで、今まで近くの店で過ごしてたんです(嘘)。信じてくれますよね? ね?

 

「う、うむ。もちろんだ!」

 

計 画 通 り!

 

ふっ、あふれ出る主人公の魅力にかかれば、この程度造作もありません。ありませんが……なあんで男に抱き着かれて顔を赤らめてんだこのオッサン。ついでに抱き着かなかった方の警察官も。ホモは帰って。どうぞ。

 

「おい、すぐに応援を呼べ! キミ、すまないがその不審者の特徴をもう一度教えてくれないか?」

 

もちろんさぁ。ええっと、さっき言ったようにパンツ一丁でマントを羽織ってて、靴は直履きでした。

 

「ふむふむ。顔に何か特徴はあったのかい?」

 

そうですねぇ。……あ、そうだ! あの人! 元バレーボール金メダリストの鴨志田選手にそっくりでした!

 

「ぶふっ……!」

 

おおっと、後ろで竜司が噴き出してますね。裸マントの辺りからプルプル震えていましたが耐えきれなくなったんでしょうか。

 

「わかった。ありがとう。それにしても、あのオリンピックで感動を与えてくれた鴨志田選手に似ておきながらこんな麗しい少年になんて不埒な真似を。本人が聞いたらきっと怒るだろうな」

 

あ、そっすね(適当)。あと”麗しい”を強調するんじゃないよ。

 

「さあ、不審者の事は私達に任せてキミ達は学校に行き……いや、私が同行した方がいいか?」

 

残念ながら警官はNGです。

 

「そうか。ならばそちらのキミ、彼をしっかり守ってやるんだぞ?」

 

「え、あ、ウッス」

 

どこかへ連絡しながら去って行く警察官。これから存在しない不審者を頑張って捜索するんだろうなぁ。

 

さて、今度こそ邪魔者も消えたし、改めて学校へ行きましょうね。……って、アレ? どうしたの竜司立ち止まったりして? 腹でも痛いの?

 

「オマエ……コワイ」

 

ファッ!?

 

今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。




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実況六回目

前回の更新で一気にお気に入り登録数が増えました。みなさんありがとうございます。感想も頂けると作者が喜びます。


転校初日からドッタンバッタンな実況はーじまーるよー。

 

さて、警察官に不審者(存在しない)を通報するという市民の義務を果たしたところで学校へ向かいましょう。

 

「にしてもお前、よくもまあ咄嗟にあんな事言えたな」

 

えー、だって襲われたのは本当ですし、鴨志田にそっくりというのも嘘じゃないんだよなぁ。

 

そんなこんなでようやく学校に到着しました。さっそく校門から中へ入ろうとした所で中に誰かが立っています。

 

「げ、鴨志田」

 

おおっと、現実の鴨志田が額に青筋を浮かばせながら立っていますね。はて、何をそんなに怒っているのでしょうか?

 

「貴様等ぁ。先ほど警察から連絡があったぞ。サボりの言い訳に不審者などと。しかも俺に似ているなどと出鱈目を!」

 

おっと、どうやら先ほどの主人公の情報提供(善意)がすでに学校にも伝わっていたみたいですね。うんうん、仕事が早いのは評価できますね。

 

「無能な警察を騙せても俺は騙せんぞ。さあ、どこで悪さしていたかさっさと吐け。内容次第で停学にしてやる」

 

コイツにそんな権限ないんですよねぇ。まあ、それが罷り通ってしまうのがこの学校なんですけど。

 

「嘘じゃねえよ。マジでテメ……不審者に追いかけられて逃げてたんだって」

 

「ほお。すでに昼を過ぎているこの時間までか?」

 

向こう側にいた間に随分と時間が経ってしまっていたようですね。にしても、生徒が危険な目に遭ったと主張しているのにまるで信じていないですねこの男。それでも教師かこの野郎。

 

仕方ないので竜司に援護射撃をしましょう。おい鴨志田。二分だけでいいから俺の話を聞け。

 

というわけで、警察官に説明した事をそのまま鴨志田に伝えます。それでもまだ訝し気な鴨志田にここでさらなる追撃をしましょう。ほら、僕って先生みたいに筋肉ムキムキではないじゃないですかぁ。それにこの見た目(魔性の男)のせいで地元でもよく変態に絡まれてたんですよねぇ(訳:テメエみてえなブサイクゴリラと違ってイケメンの僕は色々大変なんです)。

 

「なっ、貴様ぁ……!」

 

おっと、皮肉に気づいたみたいですね。けど、ここで指摘したら自分がブサイクだと認めた事になりますから何も言えません。じゃ、もういいですよ。いい加減校舎にはいりたいんですけど。

 

「チッ。転校生、まずは職員室へ行って川上先生へ謝ってこい。坂本は教室だ。さっさと行け!」

 

は? お前が邪魔してたんだろうが。

 

「……いい気になるなよ」

 

横を通り過ぎようとしたときにポツリと鴨志田がつぶやきますが。無視だ無視。そのまま廊下を進みます。

 

「へ、見たかよあの顔。トマトみてえに真っ赤になってたな」

 

トマトに失礼なんで謝ってどうぞ(実況者の好物)。

 

「じゃあ俺は教室に行くわ。……さっきの場所の事とか、色々話してえからまた後で会おうぜ」

 

おう考えといてやるよ。竜司と別れ、職員室を目指します。おや、一人で廊下を歩む主人公を見て周囲がざわついていますね。

 

「おい、アイツ……」

 

「例の転校生だろ? 田舎でやべー事したって」

 

「クスリやってたって聞いたけど」

 

おーおー、好き勝手言いなさる。どうも主人公が転校してきた理由に色々尾ひれがついて噂されているみたいですね。なぁんで転校初日からこんな広まってるんでしょう。

 

―――まあ、黒幕は鴨志田なんですけどね、初見さん。

 

後々、どうやって噂を広めたか。そもそもどうしてそんな噂を広めたのか。その理由は本人から語られますのでそれまでお待ちください。

 

「度胸」MAXの主人公はそんな周りの雰囲気など知るかとばかりに歩みを進めます。この時の堂々とした主人公の姿は個人的にお気に入りの場面の一つです。

 

そうして職員室の前までささっと移動したところで中に入ります。お邪魔するわよー。

 

「ああ、やっと来たのね」

 

待 た せ た な !

 

「事情は聞いてる。まあ、無事でよかったわ」

 

え、心配してたの? 心配してくれてたの? ねえねえ先生?

 

「そ、そりゃまあ……一応担任だし」

 

嬉しそうに微笑む主人公に目をそらしながらぼそぼそと答える川上先生。ああ、やっぱり先生の優しさは北半球を駆け抜けるでぇ。

 

「な、何よそれ。……はあ、君と話してるとなんか調子狂うわ」

 

こっちも狂うんだよなぁ。だってこの時期の先生ホントにツンの部分しかないんですもん。なのにこんなレアな反応してくれたら誰だってそうなる。うん。

 

「とりあえず教室に行きましょう。授業前に自己紹介してもらうからね」

 

おっしゃ、望む所だ。転校生といえばやっぱり最初の自己紹介が肝心ですからね。ばっちり決めてやりますよぉ。

 

「……まあ、みんなちゃんと聞いてくれるかわかんないけど」

 

―――移動中―――

 

「……というわけで、今日からこのクラスの一員となる雨宮君です」

 

黒板前に立つ主人公を示しながら川上先生がクラスメイト達へ声をかけます。オッス! オラ雨宮 蓮! よろしくな! ……おっと、元気が良すぎたのかクラスメイト達がビクッとしていますね。

 

「そ、それじゃ、質問のある子はどうぞ」

 

しかし、誰も手をあげないのである! 原因はもちろん、例の噂ですね。

 

―――クラスメイト達は噂を信じてしまっているようだ。

 

―――確かに自分には前歴がついてしまっている。しかし、やってもいない事まで噂されてしまうのは納得出来ない。

 

―――事情を説明してみようか?

 

はい、というわけでリメイク版の大改編の一つであるクラスメイトへの事情説明が入ります。リメイクに伴い、複数のキャラクターへの救済措置が追加されたわけですが、実はその中には主人公も入っています。

 

え? もともと主人公は救われているって? いやおめえ、学生でありながら結局仲間達や協力者以外の学生とまともに交流出来なかった学生生活を送る主人公が幸せだったと思えるのか? 俺は思わないね。

 

元々、ペルソナ5はテーマや展開から学校がただ通うだけの場になっており、他の学生達と絡む場面はコープや依頼の時にしかありません。

 

それが不満だったプレイヤーからの意見を取り入れたのか、リメイク版ではクラスメイトとの歩み寄りイベントが複数追加されました。これを全て逃さずこなす事で「体育祭」が発生し、その結果によってはクラスどころか学校内から噂が完全に消え去ります。

 

そして、最終的にはとあるコープの人物と一緒に主人公の為に奔走してくれるようになります。これは本当に感動しました。私は周回のたびにそのコープは優先的にMAXにするようにしています。なので、当然今回もイベントは全てこなしていく事にします。ちなみにここで説明しないとロイヤル版と同じ流れになりますので、やだやだ! 主人公はボッチじゃないとやだ! という方はそちらをお選びください。

 

さて、説明するを選んだ事で主人公が自分の身に起きた事を語り始めましたね。クラスメイト達の頭上にビックリマークが浮かびます。

 

「そんな……私、そんなの聞いてない」

 

横で聞いていた川上先生も愕然としていますね。まあ、あの校長はハゲ側の人間ですから、彼女達にはただ暴力事件を起こしたとしか説明していないのでしょう。汚い。流石ハゲ汚い。

 

ここでさらに主人公はあの時保存したデータの一部を流します。スマホから流れるハゲの主人公や女性に対する暴言を聞きクラスメイト達の顔が一気に変わりましたね。

 

―――自分に前歴がついた事は悔しい。けれど、自分は自分が正しいと思った事をした。あの時女性を助けようと行動した事に後悔は無い。

 

やだ、私の主人公格好良すぎ……。いやホント、十七歳でこう言える主人公のメンタルよ……。私だったら少なくとも女性に対して怒りまくってる事でしょうね(自分語りやめろ)。

 

なお、この説明イベントはパラメータが足りなければ発生しません。自ら前歴について話す「度胸」、説明を理路整然と行うための「知識」、クラスメイトを納得側へ引き込むための「魅力」、庇ってくれなかった女性すら責めない「優しさ」、そして、証拠を残すための「器用さ」。その全てを満たす事で選択可能となるのです。なのでこちらも当然二週目以降にしか発生しません。二週目で序盤をスキップしていたみなさんもこの選択肢に驚いたのではないでしょうか。

 

「……な、なあ、ちょっといいか?」

 

はい、そこの男子生徒。

 

「証拠があるんなら、何でそれを警察に持っていかないんだ。そうすりゃ誤解だってわかるんじゃ……」

 

いい質問ですねぇ! 確かにそうするのがいいような気もしますが、みなさんご存じの様にこの世界の警察はちょっとアレなのでホイホイと持っていくとひどい目に遭います。なので今は使うべきではありません。

 

―――然るべき時に使うつもりだ。

 

そう答えてニヤリとする主人公にクラスメイト達の顔がこわばります。キミさあ、自分が築こうとした信頼を自分で壊すんじゃないよ。なお、後々になって実はこの時の悪い笑みにしてやられたと白状する女子生徒が数人出てくる模様。ええい、この屋根ゴミが!

 

「……さ、さて、質問はこれくらいにしておきましょうか。雨宮君の席はあそこね」

 

はいはい、いつもの席(メタ)ですね。なので当然前には彼女……杏ちゃんがいます。へい、朝方ぶりだな。これからよろしくね。

 

「う、うん……」

 

なんか反応が悪いですね(引かれてんだよ馬鹿)。まあ、嘘つき呼ばわりされないだけましでしょう。なので気にせず隣の女子生徒と後ろの男子生徒にも声をかけましょう。

 

「お、おう」

 

「よ、よろしくお願いしましゅ」

 

なぁんでキミ敬語なんですかぁ? まあ、噛んだのが可愛かったから許してあげましょう。

 

「じゃあ、そろそろ授業を始めましょう」

 

席に着いた所で授業スタート。すでに「知恵の泉」な主人公には退屈な内容ですが、周りへの印象のために真面目に授業を受けましょうね。

 

さて、放課後です。生憎とクラスメイトの誘いはありませんが(無理言うな)、代わりに竜司に屋上まで呼び出されます。お、告白か?(期待)。

 

「聞いたぜ。前歴あんだってな」

 

あ、そっちか(落胆)。

 

「道理で肝が太えわけだ。じゃねえとあんな滅茶苦茶出来ねえもんな」

 

雨宮 蓮、十七歳学生。「度胸」には自信があります!

 

「……なあ、あの城の事なんだけど。夢……じゃねえんだよな?」

 

現実だよ。直視しろよ。

 

「だよな。……なら、お前が鴨志田から助けてくれたのも夢じゃねえんだよな。あんがとな」

 

え、あ、あ、ど、どういたしましてですの事よ(突然のコミュ障)。

 

あーずるいわぁ。やっぱりこのさりげない「あんがとな」の言い方ずるいわぁ。このゲーム、実況者の好きな声優さんばっかり出て来る上に殺し文句多すぎなんだよなぁ。ちなみに私はホモではありません(ここ重要)。

 

「……って、そういや今更だけど名前聞いてなかったな。俺は坂本 竜司。お前は?」

 

ドーモ、竜司=サン。雨宮 蓮デス。

 

「おう、よろしくな、蓮。それでさ、さっきの話に戻るんだが」

 

城と鴨志田の話ですねわかります。ここで竜司から鴨志田に関する噂が聞けます。

 

「けど、証拠がねえ。あくまで噂でしかねえんだ」

 

主人公と違ってこの噂は真実なんですよねぇ。主人公との対比なんでしょうか。それにしても証拠。証拠ねえ……。

 

「あの変な格好をした鴨志田もそうだし。わかんねえ事ばっかりだ。もう一回あの城に行ったらなんかわかんのかな……」

 

お、そうだな。じゃけんまた行きましょうねー。

 

「……あー駄目だ。色々ありすぎて疲れちまった。俺、そろそろ帰るわ。また明日な」

 

バイバイまた明日ねぇ! ……さて、このまま主人公も帰宅しましょうか。

 

……おや? おやおやぁ? どうしたんですか、主人公君。そっちは”体育館”ですよ?

 

主人公が何かを探して体育館の周りをグルグルしている。すると、裏の方に空調か何かの為のダクトが伸びているのを発見します。

 

んー、キャットウォークの窓のすぐ横まで伸びてます。これは不用心です。もし常人とは思えない身のこなしで颯爽と駆け巡る”怪盗”の様な人間がいたらあっさりと侵入されちゃいそうですねぇ。

 

―――けど、証拠がねえ。あくまで噂でしかねえんだ。

 

ここで意味深に挿入される竜司のセリフ。はてさて、主人公は何を考えているんでしょう。

 

眼鏡をクイっと持ち上げながらその場を立ち去る主人公の背中を見送りながら今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。




なんなんだこの主人公……。


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実況七回目

筆が乗ったのでもう一話投稿します。


主人公がよからぬ事を企んでいる実況はーじまーるよー。

 

前回、どういうわけか体育館の周りを調べていた主人公。用が済んだとばかりにあっさりと帰宅します。

 

「帰って来たか」

 

ルブランへ帰ると、店内では惣治郎が暇そうにテレビを見ていました。はい、雨宮 蓮ただいま帰宅しました!

 

「お、おう……体育会系ってタマじゃねえと思ってたが……」

 

帰宅の挨拶をかます主人公に目を丸くする惣治郎。

 

ペコリと一礼し二階へ戻ろうとする主人公でしたが、その背中へ惣治郎が声をかけます。

 

「学校から連絡があった。……まあ、温かくなってくると変なヤツが湧いて出るもんだ。とはいえ、巻き込まれない様に努力する事は忘れんなよ。お前の立場をよく考えとけ」

 

つまり、変質者にあって大変だったね。今後は変なのに絡まれない様に気を付けるんだよって言いたいんですね? さすが、我らが惣治郎さんやで。ほら、心配してくれたのが嬉しいからか主人公も微笑んでいます。

 

「何笑ってやがる。気色の悪いヤツだな。……ほれ、ついでに今渡しとく。夜の戸締り忘れんなよ」

 

雨宮 蓮はルブランのカギを手に入れた!

 

さて、このまま二階へ戻ってもいいのですが、少しだけテレビを見ている振りをして時間をつぶしていると惣治郎の携帯に電話が入ります。

 

「もしもし。……ああ、今店を閉めたからな。もう少しで行ける。ああ……ああ……わかってるって」

 

はー、なんとまあ優しい顔と声なんでしょう。これじゃまるで”子どもに帰宅時間を聞かれるお父さん”みたいじゃないですかぁ。

 

見たいものも見れましたし今度こそ二階へ戻りましょう。主人公はクールに去るぜ。

 

さて、転校初日ながら忙しない一日を過ごした主人公。疲れたのか眠そうにしていますね。ここはさっさと床につきましょう。飯? 風呂? 知るかよそんなのぉ。

 

さて、ここで再び夢の中にて長鼻ことイゴールとの会話が始まります。ここの内容はいくら周回しても何も変わらないので適当に流していいのですが、それよりももっと気になるものを発見してしまいました。

 

「おい囚人! ちゃんと主の話を聞いていたのか?」

 

「先ほどからやけに私達を見つめていますが、何か言いたい事でも?」

 

言いたい事というか聞きたい事いうか。……キミ達、その片耳ずつにつけているイヤリング何?

 

「はあ……何を言うのかと思えば」

 

「貴様に答える義理は無いわ!」

 

え、ちょ、一番聞きたい事なんですけどぉ!?

 

……結局何も教えてもらえないまま次の日を迎えてしまいましたね。何度も周回しているのに初めて見るイベントなのでちょっと動揺しています。今後も注意してみていきましょう。

 

ホームにて電車を待っていると、列の前にやけに目立つ髪色をした女の子が立っているのが見えます。秀尽の制服を着ていますね。そのまま同じ扉から電車へ乗り込みましょう。

 

女生徒は運よく席に座れたようです。残念ながら主人公はその傍でたったままですが。

 

「あの、よければどうぞ」

 

おや、目の前のおばあさんに席を譲ってあげるみたいですね。朝から優しい光景を見られてこれには主人公もにっこり。……が、そこへ空気を読まずに別のスーツの男が席へドカッと腰を下ろしてしまいます。

 

「あ……」

 

気まずそうにオロオロする女生徒。……仕方ねえ、ここはこの主人公に任せてもらおうか。おう、オッサン……どういうつもりやぁ? 今のやり取り聞いてなかったのかぁ?

 

「う……」

 

怒涛のメンチビームに男はそそくさと席を立ちます。はい、どうぞおばあさん。

 

「あ、ありがとうねぇ」

 

ふう、いい事をした後は気持ちがいいなぁ(主人公の迫力におばあさんがビビっていた事には目を逸らす)。

 

降車後、改札を出ようとした所で先ほどの女生徒に呼び止められます。

 

「あの、先ほどはありがとうございました」

 

ええんやで。むしろ朝からいいものを見せてくれたんだからこちらが礼を言わないといけないんだよなぁ。

 

「秀尽学園の二年生……先輩ですよね。私、一年なんです。後輩として、ちゃんとお礼を言わないとと思って。……では失礼しますね」

 

深々と頭を下げ、女生徒は走って行きました。うーん、あの髪色に赤いリボン。それにあの声……なんか覚えがあるんだよなぁ。なんだっけなぁ(すっとぼけ)。

 

さて、そんなこんなで学校に到着。教室へ直行じゃぁ。みんなー、おっはよー!

 

「よ、よお」

 

「お、おはよ……う」

 

返事してくれる子がいますね。これは勲章ものですよぉ(ねっとり)。テンション上げて今日も一日頑張るぞい!

 

「公民の牛丸だ。今日から一年お前らに社会のルールを教える」

 

えぇ……(露骨にテンションダウン)。そういや、一発目の授業コイツでしたね。生徒を見下す事を隠そうともしないこの教師。多分教育委員会に訴えたら一発でアウトだと思うんですけどねぇ。

 

「……おい、聞いているのか雨宮!」

 

授業に入らずにグチグチ話している牛丸を無視して窓の方を向いていると怒声と共に牛丸がチョークを投げて来ました。お前さあ、目に当たって失明したらどう責任取るつもりなわけ?

 

ヒュンッ! ガッ!

 

主人公の動体視力の前では中年教師の投擲したものなど止まっているも同然。片手で華麗にキャッチし、そのままボール(チョーク)を相手(牛丸)のゴール(頬に掠らせながら後の黒板)にシュウゥゥゥゥゥゥゥッ! 超、エキサイティン!

 

「な……あ……あ……」

 

先生ぇ、今時そんなの流行らないですよぉ? 注意する時は声だけで十分じゃないですかぁ。僕、痛いの嫌いですから次も返しますよぉ? けど、あんまり何回も投げられたら、もしかしたら手元が狂って……次はその眼鏡ぶち割って目に刺さるかもしれませんねぇ。

 

「ぷっ……」

 

「クスクス……」

 

金魚状態の牛丸の姿に生徒の何人かから笑い声が漏れています。当の本人は悔しそうにこちらを睨んでいますが今更そんなもの怖くはありません。

 

「……教科書を開け!」

 

そうそう。こっちは授業料払ってやってるんだから最低限の義務は果たしてもらわないと困るんですよ先生。

 

退屈な授業が終わり休憩時間。次の授業の準備をしていると後ろの席の男子が声をかけてきました。

 

「な、なあ」

 

どしたん? 話聞こうか?

 

「いや、さっきの牛丸にやったヤツ。あれ凄かったよ。アイツ、教師のくせに生徒は全員馬鹿としか思ってなくてさ、さっきみたいにチョーク投げられてるヤツ結構いるんだ。だから、スカッとしたよ」

 

えー、それほどでもー。まあまあ、今後は心配する事はないよキミィ。この俺がいる限り、このクラスのみんなには手を出させないからさ(主人公感)。

 

まだまだぎこちないですが、思わぬところでクラスメイトの好感度を稼いでしまいました。イイゾー、コレ。

 

「……おう、待ってたぜ」

 

朝からいい事ばかりでルンルン気分のまま放課後を向かえ、さあ帰ろうとしたところで校門前で待ち伏せていた竜司に捕まりました。

 

「帰って考えたんだけどよ。やっぱり、昨日の事なかった事になんかできねえ。本当に鴨志田に関係があるのかもしれないんなら、あそこが何なのかどうしても確かめてえんだ。だから……」

 

みなまで言いんさんな竜司さんや。儂も同じ気持ちじゃよ。

 

「ッ! すまねえ、恩に着るぜ」

 

こちらから申し出る事で竜司は嬉しそうにしています。まあ、こんな事主人公以外に相談できる相手もいませんからね。

 

ここから城に向かうまでの流れはロイヤルと同じです。

 

さて、再び城の前に立つ二人。主人公の格好も変わっていますね。

 

「お前、その恰好……」

 

羨ましいのか? 安心しろよ。もう少ししたらお前もこんな感じになるんだから。

 

「いや、誰もそんな事言ってな……」

 

「お、お前ら……!?」

 

ここで物陰からモルガナがスルッとエントリーしてきます。

 

「あ、モリなんとかって猫」

 

「モ・ル・ガ・ナだ! そして吾輩は猫じゃねえ!」

 

「おい、ここは何なんだ。学校じゃねえのか?」

 

「学校さ。ただしこの城の主……鴨志田だったか? ヤツの歪んだ心が見ているな」

 

「???」

 

首を傾げる竜司にモルガナが溜息を吐きます。とそこへ場内から悲鳴のようなものが聞こえてきました。

 

「おい、今のって」

 

「ここに捕まっている奴隷達の声だな」

 

「奴隷って……ッ、まさか、昨日一瞬だけ見たユニフォーム姿のヤツも……!」

 

「だろうな」

 

「クソ! ふざけやがって! おい、モナモナ!」

 

怒りに震える竜司から捕まっている奴隷達の所へ案内するように言われるモルガナ。それに対しモルガナは主人公も同行するならと条件をつけます。しょうがねえなぁ。

 

「悪ぃ。巻き込んで。けど俺、鴨志田のヤツが好き勝手してるのがどうしても許せねえんだ」

 

なら叛逆しようぜ! 俺も手伝うからよぉ!

 

「……ありがとな。恩に着る」

 

そういうわけで、レッツ侵入! 前回脱出した通気口から逆に中に入りましょう。そこからはモルガナの案内で地下を目指してひたすらダッシュ。

 

「ッ、待て……」

 

見張りの兵士がうろついていますね。通路が狭いので避けようがありません。

 

「仕方ない、ここで戦闘の基本だけ……って、ちょっ!?」

 

あ、知ってるんで結構でーす。

 

「蓮!?」

 

どこぞの格闘家の様に背後からスススーっと忍び寄り、そのまま滅・殺☆ ふー、首をねじ切るのは気持ちがいいゾイ。

 

さーて、経験値とお金お金っと……けっ、これっぽちかよしけてんなぁ。ま、序盤のダンジョンですし仕方ないんですけどね。

 

「……昨日も思ったけどよ、アイツ、殺しなれてないか?」

 

「は、はは……まさか、そんなわけ……」

 

おーい二人とも、邪魔者は片づけたし先に進もうぜー。

 

「「お、おう」」

 

さらに進むと昨日誰かが捕まっていた牢屋の所へ出ます。けれど……中 に 誰 も い ま せ ん よ(突然のホラー止めて)。

 

「何でだ、昨日はここにいたのに!」

 

鉄格子を蹴りつけ竜司が先へ進みます。けれど前方から複数の足音が聞こえて来たので戻って来ました。何やってんだお前ぇ!

 

「おいお前ら、ひとまずあの部屋に逃げ込むぞ!」

 

え、また主人公が眠らせたらいいんじゃないんですか?

 

「引き返すタイミングで起きられたら面倒だろうが!」

 

あ、そういう事ね。なら大人しく従いましょうか。セーフルームという安全地帯でやり過し、再び奥を目指します。

 

「チッ、ここにも見張りが」

 

入り組んだ通路の真ん中で兵士達が立ち話をしています。ここも突破するしかありません。

 

「すまねえ、俺にも戦える力があれば。持ってきたのは傷薬と……こんなおもちゃの銃だけだしな」

 

銃? ねえ、今銃って言った? ねえねえねえ! くれよ、その銃くれよぉ!

 

「……いや、それは使えるぜ」

 

「はあ? これ、ただのモデルガンだぞ?」

 

「いいからそれをコイツに渡せ。で、お前は吾輩と一緒に仕掛けるぞ」

 

「よ、よくわかんねえけど、頼んだぜ蓮」

 

竜司から銃を受け取った主人公が躍り出ます。それに気づいた兵士も姿をシャドウに変えて襲い掛かってきました。

 

「おい、銃を構えろ。そしてあいつらに向かって引き金を引(パンパンパン!)……け……」

 

ちょ、最後まで言わせなさいよ。これじゃまるでモルガナがクランクニーみたいじゃないですか!

 

「ま、マジか……弾が出た!?」

 

先輩、こいつ玉(漢字違い)とか言い出しましたよ。

 

(発砲音三発に対し弾痕は敵の額に一つ……ッ!? コイツまさか、三発全てを同じ場所に撃ち込んだってのか!? 今銃を持ったばかりの素人のはずのコイツが!?)

 

おーいモルガナさんや。固まってないであなたも自慢のパ チンコでやっつけてくださいよ(機材の不具合か何故かスペースが消せない)

 

「お、おおう。任せろ」

 

認知世界では本物だと思えば本物になる。いやあ、実に便利な設定ですね。妄想力たくましい視聴者兄貴達には天国なんでしょうね(全方向にケンカを売るスタイル)。

 

はい、戦闘終了、お疲れさまでした。

 

「い、今、撃ったよな? 弾、出たよな?」

 

先輩、コイツ玉(しつこい)。

 

モルガナ先生ー。坂本君が不思議がってるんで説明してあげてくださーい。

 

「ん? あ、ああ。今のはな……」

 

説明しながらチラチラとこちらを見てくるモルガナ。何で見る必要があるんですか。

 

(最早疑いようがない。コイツは”怪盗”の素質を秘めている。それもとびっきりの”大怪盗”の! 欲しい……吾輩の目的の為にもコイツが欲しい!)

 

いやあ、熱烈な告白ですねぇ。プレイヤー視点ではキャラクターの心の声も丸裸なんでちょっと申し訳ない気もします。なので……これからもガンガン聞いていきましょう(ゲス顔)。

 

竜司への説明が終った所で、探索を再開です。すると、奥の方のだだっ広い場所で兵士にフルボッコにされている人間達の姿が見えてきます。ここでようやく捕まっている人間達が秀尽の男子バレーボール部員だと判明します。

 

「ざっけんなよあの野郎! これって、つまり鴨志田が日ごろあいつらの事をこう思ってるって事なんだろ!?」

 

「だからこその奴隷なんだろうぜ」

 

「体罰は噂なんかじゃねえ……マジでやってたんだ! こんなん警察に知らせりゃ一発でアウトだろ」

 

そう言ってスマホを取り出し、撮影しようとする竜司ですが……。

 

「な、動かねえ!?」

 

竜司よ! こういうものにはつかいどきがあるのじゃ!

 

某博士の言う通り、この世界ではスマホは使えません。なので撮影は諦めるしかありません。というか、こんな場所でわざわざとらなくても()()()()()()()()()んだよなぁ。

 

「くそ、絶好のチャンスだってのに……!」

 

「諦めろ。うかうかしていたら吾輩達も危ない。そろそろ戻るぞ」

 

「……クソが!」

 

モルガナに促され、竜司は悔しそうに拳を握ります。けれど、どうしようも無いとわかっているのかそのまま振り切る様にモルガナの後に続きます。

 

さて、帰り道ですが、ホールまでは敵とも遭遇せずに抜けられます。そして、通気口までもうあと少しといった所でアイツが出て来ます。

 

「おのれ、また貴様等か」

 

あ、野生の変態(鴨志田)が一匹現れた!

 

「誰が変態だ! これは俺様の王としての正装なのだ!」

 

こんなんが王様とかクーデター不可避だろ。

 

「坂本ぉ。この裏切りのエースがぁ。仲間の夢を潰した貴様がのうのうと生きているとはどういうつもりだぁ?」

 

「ッ! ち、違う! 俺は……」

 

「ふん。そして、そんな愚物と群れる貴様も我が城に足を踏み入れた罪を償え。さあ、我が自慢の衛兵よ。今度こそこいつ等を始末するのだ!」

 

「リュージ、下がってろ!」

 

衛兵三人が「バイコーン」となって襲い掛かってきました。ところで、戦闘開始前は三体とも主人公の前にいたのに、何で戦闘になったら囲まれてるんですかねぇ。

 

「囲まれたか、来るぞ!」

 

この戦闘、通常であれば主人公たちが途中でダウンして強制終了するのですが、今、主人公が装備しているのは「初期アルセーヌ」ではなく「ラウール」です。

 

なので、敵に先制攻撃されても……「なんなんだぁ、今のはぁ」となり戦闘続行です。動揺するバイコーンさんのご立派な角を「力」99の暴力でへし折りつつそのまま脳天にグサーっといっちゃいましょう!

 

銃も活かさないともったいないですよねぇ。なので二匹目の心臓めがけてぶっぱなします(溢れ出るサイコ感)。そもそも心臓あるのかわからないけど、倒せたしたぶんあったんでしょう。うん。

 

さて、三匹目は……あ、いつの間にかモルガナが倒れてる。まあ、主人公と違ってまだレベル低いからね、しょうがないね。ささっと救出しつつナイフで最後のバイコーンさんの首を刈り取りましょう。

 

「す、すまねえ、助かったぜ」

 

おう、今度なにか奢れよ。さてさて、鴨志田さんや、ご自慢の兵士は全て倒しちゃいましたけど。

 

「……ふ、ふふ。馬鹿め、兵はまだまだ残っているのだ!」

 

ここで増援です。うーん……パッと見ただけでも十体以上はいるでしょう。ま、一を十にしたところで、百には敵わないんだよなぁ。

 

「坂本ぉ、ここに来たのもどうせお前の思いつきなのだろう? 感情でしか行動できないクズが。その結果、お前に付き合ったそいつらも死ぬ事になる」

 

はぁ……(クソデカ溜息)。あのさぁ、現実が見えてないんですかこのアゴ(とうとう名前で呼ばなくなった)。

 

「お前が陸上部だった頃、臨時で顧問も務めてやった恩を忘れたのかぁ?」

 

「ざけんな! あんな練習ただの体罰だろうが! テメエが気にくわねえってただそれだけの理由で!」

 

「実績をあげるのは俺様だけでいいんだよ! あの元顧問だってそうだ。この俺様に生意気にも楯つきやがって。大人しくしてりゃエースの足を潰すだけで勘弁してやったってのになぁ。そうだろう……裏切りの()()()く……」

 

バンッ!

 

「ほあぁっ!?」

 

あ、ごめん。あまりにもムカついたんで撃っちゃった。ま、一発だけだし、ダッセエ王冠弾き飛ばしただけだしセーフセーフ。

 

でもまあ、そろそろ十分でしょう。ねえ竜司、こんなにもクソなヤツに、こんなにも好き勝手されて、こんなにも煽られて、日和るヤツいる? いねえよなあ!

 

「……ああ、そうだよ。お前の言う通りだよ」

 

怒りで全身を震わせながら竜司が一歩踏み出します。そのあまりの迫力に兵士に守られているはずの鴨志田が一瞬ひるみます。

 

「人の事をクズクズ言いやがって……。本当のクズは、人を利用する事しか考えてねえ鴨志田ぁ、テメエの方だぁ!」

 

「な、何をしている。黙らせろ!」

 

「ニヤけた面でぇ……こっち見てんじゃねえよ!」

 

『随分と待たせたものよ』

 

はい、めでたく竜司のペルソナ覚醒です。見た目ドストライクなんですよね「キャプテン・キッド」。なお覚醒後……。

 

「随分待たせちまったな……行くぜ!」

 

はい、もう我慢する事もありませんので戦闘はさくっと終わらせます。初手「テイクオーバー」、相手は死ぬ!

 

「な、何だ今のは!?」

 

「あ、そういや初めて見るんだったなお前。まあ、そういう俺も二回目だけど。いきなり銃弾が十二発も飛んでくるとか普通に死ねるわ」

 

おっと、もう数匹残ってますね。ここは竜司とモルガナに頼みましょう。

 

「任せろ! ペルソナァ!」

 

「威を示せ、「ゾロ」!」

 

電撃と疾風が組み合わさり最強に見える。というわけで残りも掃討完了です。いやあ、兵士達は強敵でしたねえ(唐突に漂う霧)。

 

「鴨志田は!?」

 

んー、いませんねぇ。どうやら戦闘に乗じて逃げてしまったようです。残念、セクシー杏ちゃん(偽物)はお預けですか。

 

「深追いする必要はない。こちらも今の内に脱出するぞ!」

 

「チッ。仕方ねえか」

 

今度こそ城から脱出です。そして、城の前で竜司とモルガナの心温まるやり取り(白目)を見届けた後、竜司と共に現実世界へ帰還します。

 

「ねーわ! ねーわ! ぬぇぇーわぁーー!」

 

最後はモルガナの可愛らしい絶叫を聞きながら今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。




やべー奴に銃を持たせてはいけません。

隙あらばネタ仕込んでるけど、気づいてもらえてるのかな……。


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実況八回目

救済キャラその一登場。


主人公がハチャメチャな実況はーじまーるよー。

 

モルガナと別れ、現実世界へ帰還した主人公達。竜司の方はすっかりヘロヘロのようです。

 

「だぁぁ……マジで疲れた。蓮、お前……は平気そうだな」

 

鍛えてますから!(ガチ)。

 

「しばらくサボってたから大分鈍っちまったな。……いや、そんな事より鴨志田だ。写真は撮れなかったけど、俺、連中の顔バッチリ覚えたからさ。そいつらに体罰の事はかせりゃ鴨志田だってお終いだろ」

 

さぁて、そう上手く行きますかねぇ。けどまあ、空気を読んでここは証人探しを手伝ってあげる事にしましょう。

 

「お前の噂だって、きっと鴨志田が広めたに違いねえ。あの城で聞いただろ? あの野郎は自分の気に入らねえもんはなんだって潰しちまう。……俺みてえにな」

 

鴨志田が潰したという陸上部のエース。そして、竜司を「裏切りのエース」と呼んだ鴨志田。つまりはそういう事だったんですね。

 

「俺の言う事なんて誰も信じねえ。けど、あの歪んだ心ってヤツを見ちまったら、このまま何もしないままなんていられねえ。お前も……手伝ってくれるか?」

 

任せとけよぉ(イケボ)。

 

「助かるぜ。……お前、やる事なす事滅茶苦茶だけど、城でもこっちでも色々助けてくれただろ? ……だから、すげえ頼りしてるっていうか、お前さえいれば絶対にあんな野郎に負けねえって思えるんだ」

 

感じる! 竜司からの信頼をビンビン感じますぞぉ!

 

―――我は汝……汝は我……。

 

はい、竜司とのコープが発生しましたね。周回には欠かせないコープアビリティ「瞬殺」のためにも優先的にあげておきたいコープです。みんなも竜司君とは仲良くしようね!

 

「よし、何か食って帰ろうぜ。牛丼とかどうよ」

 

いいですねぇ! いいですよぉ! 今日の主人公の夕飯は牛丼になりそうです。……あ、けどその前に惣治郎に連絡しておきましょう。まだ携帯の番号は教えてもらってないので、ルブランにかけましょうか。

 

「……はいよ、こちらルブラン。……って、お前かよ」

 

惣治郎さんオッスオッス! あの、僕これから友達と一緒に夕飯食べて帰るんでちょっと遅くなります。なのでカギはかけておいてもらって構いませんので。

 

「は? わざわざその程度の事で電話してきたってのか?」

 

だってぇ、お世話になってばかりなのに心配かけたくないしぃ。

 

「はぁ……。くだらねえところで律儀なんだか何なんだか。……好きにしろ」

 

はい、連絡完了です。くだらないといいつつ、惣治郎の好感度がちょっぴりあがりましたね。実はこの好感度、コープは未発生なので全く役に立たないのですが、こうした細かな部分で少しずつ積み重ねていくと、なんと序盤から娘(ここは譲れない)である”彼女”とやり取りができるようになります。なのでチャンスは逃さない様にしましょう。

 

「電話終わったか? じゃあ行こうぜ」

 

よおし、ではさっそく牛丼屋(ブラック)に出発じゃぁ!

 

―――画面暗転―――。

 

さて、食事の時間を利用して竜司から色々と話を聞かれます。その中で一番食いついたのはやはり主人公の前歴の事です。

 

「はあ!? なんだそのハゲ!?」

 

流石に名前を出すわけにもいかないので、ここはハゲで通します。

 

「聞いてるだけで腹が立って来やがる。……けど、お前……」

 

何か言いたげな竜司に主人公が首を傾げます。

 

(コイツなら普通に冤罪だって証明してハゲ野郎フルボッコにしそうだけど……コイツですら敵わないくらいヤバい相手だったのか?)

 

はい、(物語の強制力に)敵いませんでした。まあ、流石にここまでいじるとストーリーが始まりませんからね。それにしても、主人公の評価が高くなればなるほど、必然的に主人公をはめたハゲの大物感が増すの草。

 

「……なんでもねえ。俺もさ、昔色々やらかしちまって。どいつもこいつも腫物みてえに扱いやがる。だから、転校して来たばかりのお前くらいだよ。今の俺に普通に接してくれんのはさ」

 

そうなのか?

どういたしまして?

惚れるなよ?

 

選択肢出現。ここは迷わず三つ目じゃ!

 

「惚れんわ!」

 

間髪入れずツッコむ竜司。やがて互いに顔を見合わせるとどちらともなく笑いあいます。ああ、いい。こういう学生っぽいノリが懐かしい(社会人九年目)。

 

それからしばらく雑談を交わし続け、ふと竜司がスマホを取り出します。

 

「げ、もうこんな時間か? 付き合わせて悪かったな。居候してんの四茶だったっけ? この時間だと地下鉄のラッシュすげえから時間ずらした方がいいぜ?」

 

お、サンキュー。じゃあ、地下鉄までの時間を利用して計画に必要な物を買いに行きましょうねー。っと、その前に竜司と連絡先を交換してっと。

 

「じゃあなー」

 

はい、気を付けて帰るんですよ。……さて、目指すは映画館の横、激安の殿堂ドン……ロシナンテです。ええっと……お、ありましたありました、「使い捨てカメラ」です。

 

ついでにプロテインも買っておきましょう。こちらは……本来この場で買う必要はありません。ただ欲しかったから買っただけです。

 

店を出たらさらに近くのドラッグストアで「傷薬」をいくつか買っておきましょう。……え? ロイヤルだとここに「傷薬」は売ってなかったって? あのさぁ、「傷薬」扱ってないドラッグストアなんかあるわけないでしょうが。

 

目的の物も買えましたし、そろそろ帰りましょうか。……就寝後、イゴールとのコープが発生します。はい、どうもでーす。

 

「そろそろ目覚めの様ですね」

 

「疾く戻るがいい囚人!」

 

いや、だからそのイヤリング何なのよぉ!?

 

……また聞けませんでしたね。一体、何が駄目だったんでしょうかねー。

 

残念ですが、登校の準備をしましょう。それに、今日は大事な一日ですからね。頑張っていきましょう。

 

校門までの道を歩く主人公の前を二人組の男子生徒が歩いています。

 

「マジでありえねえ。鴨志田先生のいるチームに勝てるわけねえだろ」

 

「大人気ねえよな教師チーム。まあ、記念にスパイク一発くらいもらっとけば?」

 

「死ぬわ!」

 

そんな会話を聞きながら校門をくぐります。今日の挨拶は四人に返してもらえましたね。

 

「はい、注目。わかってると思うけど、今日は球技大会だから。みんな着替えたら体育館に集合ね」

 

このイベント、ロイヤル版までは鴨志田のオ〇〇ーショーで終わりますが、リメイク版は違います。なので容赦無く暴れてやりましょう。

 

「三試合目、2-D対2-A、前へ」

 

お、呼ばれましたね。行きましょうか。その前に控えの子に眼鏡を預けておきましょう。割れたら大変ですからね。

 

「ねえ、あの人、例の……」

 

「う、うん。けど……」

 

「カッコイイ……かも」

 

なんか一部が色めきだっていますが試合に集中したいので聞き流しましょう。

 

「くらえ!」

 

開始早々、相手のスパイクが飛んできます。……が、こっちにはこの主人公様がいます。なのでぇ……。

 

「雨宮!?」

 

拾っちゃうんだなぁこれが! くらえ、我が渾身のレシーブを!(そういうものじゃない)。

 

主人公から周ったボールを味方が相手コートへ叩き返します。まずは一点先取ですね。おや、余裕そうに首を動かす主人公にコート内の仲間達が近寄ってきましたね。

 

「雨宮……君。よく今のレシーブ出来たな」

 

「というか、俺の前にいたはずなのにいつの間に後ろに移動したんだ?」

 

「経験者だったりするのか?」

 

おやおや、モテる男は辛いですなぁ(お前じゃない)。あ、そこのキミ、君はつけなくていいよ。だって俺達……仲間だもんげ!

 

「お、おう。じゃ、じゃあ次も頼むな、雨宮!」

 

さんをつけろよデコスケ野郎!(情緒どうなってんだコイツ?)。

 

「す、凄かったね」

 

「ねえ見た!? 体操服からチラチラしてたあの腹筋!? やっばい! もうバッキバキ!」

 

「はあ? って、ぎゃー! 何鼻血出してんのよアンタァ!?」

 

そういうわけで、一戦目は余裕で勝利です。次の試合まではまだ時間がありますので、眼鏡を返してもらったらそのまま一人でキャットウォークの方へ移動しましょう。

 

「おい、つぎ鴨志田先生の番だぞ!」

 

「キャー! 先生ー!」

 

都合のいい事にキャットウォークにいるギャラリーは鴨志田の試合に夢中です。なので、その後ろをこっそり移動して……はい、つきました。昨日発見したダクト。そのすぐ傍にある窓ですね。

 

この体育館、高性能な空調が導入されているので、窓を開け閉めする事はほぼ皆無だと調べはついています(by設定資料集)。なので、こうしてカギを外したとしても、誰も気づく事はありません。

 

ミッション完了、後は何食わぬ顔で下におりましょう。

 

「おう、どこ行ってたんだよ」

 

オッス竜司。いやなに、ちょっとした悪戯をしに。

 

「ま、また何かやらかすつもりじゃねえよな? もしそうなら事前に教えとけよ。じゃないと心臓に悪いわ」

 

どうです、この信頼感? 大したものでしょう?(眼科行け)。

 

目的は達したのでこの後は消化試合です。とはいえ、手を抜かず、むしろ活躍しなければなりません。そうすれば、相手は向こうからやって来ます。

 

「やあ、ずいぶんな快進撃だな2-D! どうだろう、私達教師チームと試合してみないか?」

 

はい来ました鴨志田。自分が目立つイベントなのにこのチーム……正確には主人公が目立ちまくってるのが気に食わなくて直接つぶしに来ましたね。

 

「ど、どうする?」

 

「ま、まあ、せっかくだし、やろうぜ」

 

クラスメイト達はやる気ですね。ではこちらも行きましょうか。

 

「待てよ蓮! あの野郎、絶対お前を……」

 

おうわかってらぁ! だから竜司、ちょっと耳貸しな。

 

「おーい、雨宮ー!」

 

呼ばれてますね、早くコートに向かいましょう。

 

「では、試合開始!」

 

しばらくは普通に試合が進みます。ですが、中盤辺りを過ぎたあたりからやけに主人公にボールが飛んでくるようになります。さらにそれを的確にさばいていくと……。

 

「そら!」

 

キマシタァ! 鴨志田のスパイクです。直前にニヤつく鴨志田のカットインが入りましたね。明らかにぶつける気満々です。なので、ここは向こうのお望みどおりに無防備でボールを受けましょう。

 

「雨宮!?」

 

これまでどんなボールも返していた主人公がよりにもよって元メダリストのスパイクの直撃を受けてしまった事で場は騒然とします。

 

で す が。

 

「なっ!?」

 

はい、この通り主人公はケロリと立ち上がりました。物理耐性持ち、かつ「耐」が99のペルソナを装備している主人公にそんな豆鉄砲効かないんだよなぁ!

 

「だ、大丈夫なのか雨宮!?」

 

ああ、平気平気。()()()()()()()()()()()()()()。先生が手加減してくれたおかげだよ。もし本気だったら絶対大けがしてただろうしねぇ。まさか、生徒相手に怪我するレベルのボール打ってくるわけないしぃ。

 

「そ、そっか。ならよかった」

 

ゴメンね心配かけて。……けど鴨志田先生ぇ、いくら生徒をケガさせないようにってやるにしても、もう少し強めにしてもいいんじゃないですかぁ。ホント、あんな傷にもならない撫でる程度の威力じゃ先生の真の実力が侮られちゃいそうで僕心配ですぅ。

 

「なっ、貴……は、はは、そうか。なら次はもうちょっと力を込めてみようかな」

 

でた負け惜しみー。本当は全力だったんでしょう? これでもかと力を込めてたんでしょう? 主人公のイケメンフェイスを滅茶苦茶にするつもりだったんでしょう? 無駄な努力お疲れちゃーん。

 

「で、では、試合の続きを」

 

「ちょっと待った! 本人が大丈夫って言っててももしかしたらって事もあるし、保健室行った方がいいんじゃねえか? 俺が連れて行くぜ」

 

ええ!? ありがとう竜司君! やっぱり持つべき者は友達だよね!

 

「ははぁ、気にするなよ親友。ほら、早く行こうぜ」

 

この完璧な棒読みにならない絶妙なセリフ回し。やっぱ声優さんって凄いわ。

 

すまない、みんな、どうやら俺はここまでみたいだ。後は頼んだぜ?

 

「……わかった。思えばお前に頼りっきりだったもんな。ここからは俺達だけで頑張ってみるよ」

 

何故か瞳を燃やすクラスメイト達を残し、竜司と体育館を後にします。そのまま中庭の自販機コーナーまで移動しましょう。

 

「……ぶ、くく。あははは! もう無理だ! おい、蓮! 何なんだよさっきの「ありがとう竜司君!」って! わざとらしすぎてあの場で噴き出しちまう所だったじゃねえか!」

 

いや、そっちこそ人の事言えな……ま、いいか!

 

「にしても鴨志田め、やっぱりお前を狙ってきやがったな。……マジで怪我とかないんだよな?」

 

でぇじょうぶだ。この主人公があの程度でどうにかなると思ってか?

 

「あの野郎、全力ですと言わんばかりの表情だったけど……どんだけ頑丈なんだよお前」

 

鍛えてますから!

 

「それ、もういいわ……。それより、上手く抜け出したし、このまま奴隷だった奴らを探しに行こうぜ」

 

ここから校内探索がスタートします。……ここでみなさんに残念なお知らせです。「魔性の男」の主人公でも被害者達から証言を得る事は出来ません。それだけ鴨志田への恐怖が大きいのでしょう。おのれ鴨志田(恨みのパワーチャージ)。

 

仕方ないのでせめて昨日買った傷薬を渡して行きましょう。べ、別にアンタ達の為に買ったわけじゃないんだからね!

 

「あ、ありがとう」

 

そのおかげか、「三島」、「特別指導」というワードを聞く事が出来ましたね。取引完了。ふん、さっさとその醜い怪我を消すんだな!

 

「どうだった?」

 

ここで一度竜司と合流します。残念ながら彼の方は収穫は無いようです。なので先ほど聞いたワードを出しましょう。

 

「三島か……。確かに、アイツいつも傷だらけだもんな。なら、話聞いてみるのも手か」

 

「―――ちょっといい?」

 

誰だお前は!?

 

「高巻じゃねえか、何の用だ?」

 

ここで杏ちゃん登場。どうも色々嗅ぎまわっている主人公達に忠告しに来てくれましたね。

 

「……じゃあ、それだけだから」

 

あいや! またれい高巻殿!

 

「ひゃっ!? な、何……!?」

 

―――彼女の目から不安と恐れを感じる。

 

―――それをこちらに気づかれない様に必死に抑え込んでいるように見える。

 

―――内から湧き上がる「優しさ」を込めて彼女に声をかけようか?

 

え、怖……。この子心が読めるの? ま、主人公だし仕方ないね。それよりも杏ちゃん。キミは今、誰にも相談できない問題を抱えているね?

 

「ッ!? なんで……!?」

 

ああいや、それを聞くつもりはないよ。だけど、本当にどうしようも無くなってしまったら、その時は自分の大切な人に話を聞いてもらうといい。それが、きっとキミとその相手の未来の為になるから。

 

「……なにそれ。意味わかんない」

 

いいのいいの。心の片隅にでも置いといてくれればいいから。じゃ、言いたい事も言ったし、そろそろあっち行ってくれませんか(豹変)。

 

何か言いたそうな杏でしたが、結局そのまま去って行きました。

 

「なあ、今のどういう意味だ?」

 

さあて、どういう意味なんでしょうかねぇ。

 

「……変なヤツ。まあいい、さっきの話だけど、三島に話聞きに行こうぜ」

 

あ、僕ちゃんパスで。

 

「はあ!?」

 

いや、実は証拠探しによさそうな方法を思いついてさぁ。三島君への聞き取りはそっちに任せたいんだよねぇ。

 

「それって、体育館で言ってた悪戯ってヤツか? ……いいぜ、お前を信じる。こっちは任せとけ」

 

おう任せたぜ。あ、その三島君だけど、今日の部活には出ずに帰るはずだから玄関で待ち伏せとけば捕まると思うよ。

 

「わかった。……て、お前、本当に何でも知ってんな」

 

何でもは知らないよ? 知ってる事を知ってるだけ。じゃ、頼むぜとっつぁーん!

 

さあ、いよいよ待ちに待った放課後です。昨日買ったアイテムとスマホをしっかりポケットに入れ、体育館に向かいます。球技大会があったにも関わらず、バレー部は今日も活動するようですねぇ。部活熱心だわ(誉めてない)。

 

まずは普通に入口へ向かいます。……あれれー、おかしいぞー?(死神感) 何でカギがかかってるんだろー? これじゃまるで、何か見られたくないものが中にあるようじゃないですかぁ。

 

なので、昨日の様に体育館の裏に回ります。よお、ダクト君チーッス! いきなりだけど、ちょっくらその体使わせろよ。

 

薄い本みたいな展開には……もちろんなりません。主人公は軽やかな動きでダクトを使って上へ登っていきます、そして、窓の方へ飛び移ると、開けておいた窓から静かに中へ侵入します。

 

ここまでくればもうお分かりですね。証拠が無いなら見つければいい。この主人公、大胆にも鴨志田が部員へ体罰を行っている場面を現行犯で捉えるつもりです。

 

侵入と同時にデモシーンスタート。すると……出るわ出るわ。部員への罵詈雑言から始まり、一列に並んだ部員へ向かってボールをぶつけまくったり、挙句の果てには普通に殴ってますね。

 

「クソ! クソ! あの転校生めぇ! 俺は鴨志田だぞ! オリンピックメダリストなんだぞ! なのにあのクズがぁ! この俺のスパイクが大したことないだとぉ!? 俺が! 俺のこのスパイクがあったからメダルが取れたんだぞぉ!」

 

荒れてます荒れてます。昼間、散々煽ってやったおかげですねぇ。巻き込まれた部員達には申し訳ありませんが、後で部室に傷薬を置いておきましょう(侵入する気満々)。

 

にしても、チームスポーツで個人云々とか止めてくれませんかねぇ。当時のチームメイトはよくこんな性格のヤツと一緒にプレーできたもんだわぁ。

 

「おいぃ! 三島はどうした!?」

 

「み、三島君は今日体調がすぐれないからって帰りました」

 

「はあ!? あのゴミ、ふざけやがって! おい”鈴井”! この俺様の指導を受けるのがどれほど幸せな事かお前はわかってるんだろうなぁ!」

 

「は、はい。もちろんです鴨志田先生」

 

さあ、ついに登場しました”鈴井 志帆”ちゃんです。おそらく多くのプレイヤーが血の涙を流しながら「何とかインチキできんのかぁ!」と叫んだであろうペルソナ5において不幸ランキング上位に食い込むであろう女性キャラクターですね。

 

ロイヤル版でも結局彼女の結末は変わりませんでしたが……しかし! このリメイク版ではとうとう彼女の救済措置が加わりました。アトラス最高! アトラス最高!

 

この体育館侵入イベントまでの一連の流れは全て彼女の為のものです。その結末は……ぜひキミの目で確かめてくれ!

 

ごめんなさい嘘です言ってみただけです許してくださいすみませんでした。謝りますからチャンネル登録外すのは勘弁してください。

 

「んー、流石鈴井は物分かりがいいなぁ。他のゴミ共とは大違いだ。よしよし、では今日も俺が直々にフォームをチェックしてやろう」

 

「え、あ、あの……」

 

「……鈴井?」

 

「ッ! お、お願い……します」

 

「女子部員はこっちに来い! 鈴井の次はお前達だからな」

 

さあ、始まりました。フォームチェックという名のセクハラ大会です。……うわぁ、普通に胸とか尻触ってますね。いけません。これはいけませんよぉ。リメイク版のCEROが上がったのはコイツのせいだともっぱらの噂です。

 

なので、主人公君にはこの光景をバンバン撮影してもらいましょう。カメラだけではなくスマホで音声もばっちり録音しておきましょうねぇ。

 

おっと、フィルムを全部使いきってしまいましたね。ぼちぼち引き上げましょ……。

 

「え……?」

 

あ、やべ、鈴井ちゃんと目が合っちゃった。けど、心配ありません。彼女がそれを鴨志田にばらす事はありませんので。

 

さて、今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。




現実でのペルソナの能力云々については、攻撃スキルは使えないけど、耐性や一部自動スキルは効果ありと思っていただければ。


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実況九回目

実はこの部分が書きたくて始めた小説だったりします。けど、このままだと鴨志田戦までで力尽きそう……。



王様気分のクソ教師に目にもの見せてやる実況はーじまーるよー。

 

大収穫でホクホク気分の主人公。明日の作戦に備えて今日は早めの就寝です。

 

翌日、授業中に竜司からメッセージが入ります。昨日は結局三島君からも話を聞く事は出来なかったみたいです。

 

さて、いよいよ運命の放課後です。まずは一直線に渡り廊下の前へ向かいましょう。すると……はい、いました志帆ちゃんです。

 

「……あ、ごめん。邪魔だよね」

 

どんよりとした雰囲気を醸し出しながらこちらに道を譲ろうとする志帆ちゃん。目にハイライトがありません。

 

「あ……、キミ……」

 

ん~? どうしたどうしたぁ? 人の顔を見るなりそんなに驚いて?

 

「あの……、昨日体育館で……。ううん、何でもない」

 

どうやら昨日の件は見間違いだと思っているみたいですね。

 

「キミ、D組に来たっていう転校生? 雨宮君だったっけ? ……だったら、余計なお世話かもしれないけど、噂とか気にしない方がいいよ? 私の親友も見た目で誤解されちゃうタイプで、そういうのの大変さとかちょっとはわかってるつもりだから」

 

どうよ視聴者兄貴達? この民度最低な学校にもまともな子はいるんですよ。ああ……荒んだ心が癒されていく……。

 

「あ、ごめんねペラペラと。私、そろそろ部活に行かなくちゃ」

 

いいのいいの。話せて嬉しかったから。なのでお礼に傷薬あげるね。

 

「え? あ、ありがと……」

 

傷薬を志帆ちゃんにプレゼントしてとりあえずその場を去りましょう。そろそろ竜司が自販機の所でイライラしているはずです。

 

(……これ、昨日男子の部室にたくさん置かれてた薬と一緒だ)

 

自販機コーナーに到着すると、やっぱり竜司が不満そうに立っています。バレー部員達に直接ではなく、その友達や知り合いに聞いてみたようですが、みんな口を噤んでしまっているようです。

 

「くそ、どいつもこいつも鴨志田にビビりやがって。……悪ぃな蓮。任せとけって言っといて収穫ゼロだわ。お前の方は? 上手くいったのか?」

 

ここで素直にハイと答えるのは間違いです。この場で竜司に写真や音声を披露するとブチ切れた勢いのままに鴨志田の所に突撃してしまいます。結果、警察が呼ばれ竜司が捕まりバッドエンドです。なので、ここはもう少し待ってくれと答えておきましょう。

 

「駄目だったか。くそ、何とか他に方法は……」

 

「見つけたぞお前達!」

 

ここで現実世界にモルガナが登場します。鴨志田をなんとかする方法を教えてくれるそうですが、ここでは人目につきますので屋上へ向かいます。

 

前置きもそこそこにモルガナが説明してくれますが、あの城……パレスとその持ち主の関係等はすでにご存じの方も多いでしょうから、ここでは割愛します。

 

「つまり……あのパレスって場所を消せば、鴨志田の歪んだ欲望ってヤツも消えるって事か?」

 

「ほお、馬鹿と思ってたが一発で理解するとは意外だな。欲望が消えても犯した罪は消えない。するとどうなると思う?」

 

「……ッ! そうか! テメエの犯した罪を自白するかもしれねえって事か!?」

 

やけに物分かりのいい竜司ですね、ひょっとしてキミも二週目?

 

「だが、生きていく上で欲望は必要なものだ。もし、欲望全てが消えてしまえば、その時人は廃人になっちまう」

 

欲望を消す危険性について話すモルガナに竜司の顔が強張ります。まあ、こっちは結末を知っているので動揺する事はありませんけどね。

 

「……また会いに来るぜ。その時までに決めておけよ」

 

え? こっちはもうやる気満々なんですけど? そんなアピールも空しくモルガナは帰ってしまいました。

 

「……下手したら殺人犯って、何なんだよクソッ」

 

まあ、いきなりそんな事言われたら怖くなるのも仕方ないですよね。どこか覚束ない足取りで竜司も先にその場を後にしてしまいました。……さて、ではこちらも動きましょうか。

 

とりあえず、適当な場所で時間を潰しておきましょう。そんでもって、後は目標が移動するタイミングで接触しましょう。

 

……はい来た! やあ鈴井さん! 偶然だね今帰りかい?(ムカつく笑顔)。

 

「あ、雨宮君。えっと、私は鴨志田先生に呼ばれて体育教官室に……」

 

あ、そうなんだぁ。実は自分も鴨志田先生に大 事 な 用があるんだよねー。ちょうどいいから一緒に行こうよ!

 

「え? あ、あの……」

 

待ってろよ鴨志田ぁ。今、お見舞いしに行ってやるからなぁ。

 

……おっと、忘れるところでした。移動の時間を利用してアイテム画面からスキルカードを使用しましょう。

 

今回使用するのはこちら! 「物理反射」です! これを適当なスキルに上書きしてぇ……。はい、準備完了。これで後々面白い事が起こります。

 

「おお、よく来たな鈴……転校生。何故貴様もここに来た?」

 

教官室の扉を開けると、いやらしい顔つきをした鴨志田の姿が現れますが、主人公の姿を見るなり忌々しそうに顔を歪めましたね。こっちだってねぇ。本当はお前の顔なんか見たくないんですよぉ。

 

「さっさと失せろ。俺は鈴井に用があるんだ」

 

自分も先生に用があるんです。あ、でも先に約束していたんなら志帆ちゃんとの用事を済ませてください。

 

「それは……」

 

ちょっと動揺していますね。まあ、志帆ちゃんを〇す為に呼び出したんだから主人公がいたらまずいですもんねぇ。

 

「え、ええい! なら先に貴様の用事とやらを聞いてやる! それを済ませたらさっさと消えろ!」

 

ありがとうございまーす! それでぇ、用事って言うのは他でもなくてですねぇ。これを先生に渡したいと思ってぇ。

 

主人公が鴨志田に封筒を渡します。渡された鴨志田は不愉快そうに鼻を鳴らします。

 

「はっ、カミソリでも入れているのか? その手には乗らんぞ。教師への嫌がらせ、これは立派な問題行動だな雨宮ぁ」

 

勝ち誇るのはいいですから、とりあえず開けてみてくださいよ。

 

「ふん、こんなもの開ける価値も無いわ!」

 

そういって勢いよく床に封筒を叩き付ける鴨志田。その瞬間、衝撃で中身が飛び出してしまいました。おやおやぁ、何やら写真の様ですねぇ。

 

「あ? ……なっ!?!?!?!?」

 

それを見下ろす鴨志田の表情が一変します。どうです先生。よく撮れているでしょう?

 

「き、貴s……なん、何なんだこれはぁ!?」

 

何って……テメエが生徒に体罰やセクハラしているところの写真じゃないですか。いやー、安売りのカメラも馬鹿にできませんねえ。ほら、そこの足下のやつなんて先生の顔がばっちり写ってますよぉ?

 

「な、何故だ!? 体育館の入り口はいつも施錠していたはず! なのに、何故お前が入る事が出来たのだ!?」

 

一々説明するのも面倒だ。自分で勝手に想像しやがれ。

 

それで先生、この写っている状況っていったい何なんですかぁ? 僕には先生が男子の顔面をぶっていたり、女子の体を撫でまわしているように見えるんですけど?

 

「ちがっ……こん、こんなのは出鱈目だ! 雨宮ぁ! 貴様、こんな出鱈目な写真まで捏造してこの俺を貶めようというのか! こ、こんな物ぉ!」

 

落ちている写真をびりびりに破く鴨志田。残念、お気に召さなかったようですね。では他のやつをプレゼントしましょう。

 

瞬間、主人公のポケットから写真が溢れ出します。さらに両方の袖口や足元からも次々に写真が出て来ます。主人公、将来はマジシャンを目指してもいいかもしれないですねぇ。

 

「ファッ!?」

 

そうそう、こんなのも録音しているんですよ。

 

―――はあ!? あのゴミ、ふざけやがって! おい”鈴井”! この俺様の指導を受けるのがどれほど幸せな事かお前はわかってるんだろうなぁ!

 

これって先生の声ですよねぇ? ゴミって誰の事なんですか? ねえねえ、教えてくださいよ。

 

「……れぇ。黙れ貴様ぁぁぁぁぁ!」

 

おっとぉ、実力行使ですかぁ? けど、今の主人公に手を出さない方がいいですよ?

 

「ぐぎゃぁっ!?」

 

はい、先ほどセットした「物理反射」が発動しましたね。哀れ鴨志田は吹っ飛ばされて壁に直撃です。あーあ、衝撃で上に積んでたものが落ちちゃった。

 

「ぐ……な、何が起き……」

 

とそこへ、教官室の外から足音が近づいてきました。

 

「鴨志田先生! 大きな音がしましたが何かありましたか?」

 

どうやらたまたま近くにいた教師(モブ)が物音に気付いてやって来たようですね。

 

「ま、待て! 待ってください! 今、扉を開けたら!」

 

必死ですねえ鴨志田君。まあ、今開けたら床に大量の証拠写真がばらまかれてますから、見られたら一発アウトですもんねぇ。

 

で す が、ここはあえてごまかしてしまいましょう。すみませーん! 中のものを移動させていたら落としちゃったんです!

 

「そうなのですか、鴨志田先生?」

 

「……そ、そう! そうなんです! たまたま近くにいた生徒に無理を言って手伝ってもらっていたんです!」

 

「わかりました。キミ、重い物は無理せず鴨志田先生に任せなさい」

 

はーい、わかりましたー。

 

足音が遠ざかっていきますね。これで邪魔者はいなくなりました。

 

「……何が目的なんだ、貴様」

 

ここに来て初めて鴨志田が恐怖している姿が見られます。まあ、隠していたはずの体罰がここに来て急にバレ、おびただしい数の証拠を突き付けられ、さらには殴りかかろうとした相手に逆に吹っ飛ばされたかと思えば、その相手は自分を庇う様な真似をする。今の主人公はこいつから見てさぞかし得体の知れない存在なのでしょう。

 

ねえ先生。ご存じの通り、僕は事情があってここへ転校してきたんです。そんな僕が今一番欲しいのは”平穏”なんですよ。それさえ守れれば僕は満足なんです。

 

「貴様の行動を黙認しろというのか……」

 

やだなあ。それじゃまるで僕が先生を脅しているみたいじゃないですか。……けどまあ、もし明日からバレーボール部員達の怪我が増えたりでもしたら……もしかしたらうっかりこの写真をどこかに落としてしまいそうですねぇ。

 

たとえばそう……新宿なんかで落としちゃったらどこぞの新聞記者に拾われて新聞の一面に載ったりして……。

 

「……」

 

ま、あくまでもしもの話ですけどねぇ。じゃあ、用事も済んだし僕と志帆ちゃんは帰りますねー。いやー、明日から楽しくなりそうだー。

 

「あ……」

 

志帆ちゃんの手を引いて教官室を出ます。これにて無事彼女の救出に成功ですが、ここでサヨナラするのはNGです。

 

「ッ……」

 

志帆ちゃんの顔が真っ青ですね。先ほど主人公に襲い掛かろうとした鴨志田の姿が体罰の時と被って見えてしまったのでしょう。なので、落ち着くまでは一緒にいてあげましょう。

 

とはいえ、学校では落ち着ける場所がありませんので、井の頭公園へ足を運んでみましょう。あそこなら喧騒から離れて静かに時間を過ごす事が出来ます。

 

―――公園に移動中―――

 

公園に到着しました。とりあえず適当なベンチに志帆ちゃんを座らせたら飲み物でも買って来ましょう。

 

お待たせ! オレンジジュースしかなかったけどよかったかな?

 

「あ、ありがとう……」

 

しかし、主人公から受け取ろうとした志帆ちゃんはジュースを落としてしまいました。見れば彼女の体が震えています。

 

「ご、ごめんなさい。今更になって怖くなってきちゃって。なんだろう……もし、もしあの時あなたと一緒に教官室に行かなかったら、私、どうなってたんだろうって。そう考えたら震えが止まらないの……」

 

まあ、ロクでもない目にあうのは確実だったんだよなぁ。

 

―――鈴井は自分の身に起きたかもしれない事を想像して酷く怯えているようだ。

 

―――今の自分の「優しさ」なら彼女の辛さを受け止める事が出来るかもしれない。

 

励ます様に声をかける。

優しく手を握る。

黙って胸元に抱き寄せる。

 

ここは男らしい主人公が見たいので一番下を選びましょう。

 

「あ、雨宮君……!?」

 

―――突然抱き寄せられて鈴井は混乱している。

 

―――しかし、鈴井を心配する自分の「優しさ」が彼女の心に届いたようだ。

 

「……あ、あれ……?」

 

ぽろぽろと涙を流し始める志帆ちゃん。鴨志田による暴力。けれど、誰にも話す事が出来ない。それでも心配してくれる親友を巻き込みたくない。ぐちゃぐちゃになった彼女の心がついに決壊したようです。

 

「ご、ごめ、ごめんなさい。私……私……」

 

ええんやで志帆ちゃん。ママ(「慈”母”神」)の胸で好きなだけ泣けばええんやで。

 

―――鈴井の涙は止まる気配がない。

 

―――彼女もまた、非道な大人に傷つけられた一人だ。

 

―――自分の中で、鴨志田に対する怒りが強まった。

 

ここで主人公が怒りを新たにするのですが、これで鴨志田との決戦の時にちょっとしたイベントが発生します。その為に選択肢を選んだんです。断じて志帆ちゃんの泣き顔を見たかったわけではありません。

 

ここで画面が暗転し、次の場面では志帆ちゃんは泣き止んでいます。ご覧のように目に光が戻っていますね。やったぜ!

 

「……ありがとう、雨宮君。おかげでなんだか気持ちが楽になったよ」

 

どういたしまして。あ、それより携帯鳴ってない?

 

「え? あ、ホントだ。えっと……、杏からだ。ごめん、ちょっと出るね」

 

少し離れた場所でスマホをいじる志帆ちゃん。こっそり聞き耳をたててみましょう。

 

「もしもし杏? どうしたの? ……え!? 鴨志田先生が!?」

 

これはロイヤル版で主人公と駅前で出会った時のヤツですね。しかしあのクソアゴ。バレーボール部員じゃなかったら問題ないと思ったんですかねぇ? それとも連絡したタイミングと主人公達が乗り込んだタイミングが前後していたとか? だとしたら杏ちゃんにぶつけようとした欲望を志帆ちゃんに向けようとしたわけですね。……腐り落ちればいいのに。

 

「うん……うん……。今から? 大丈夫だよ。私、いま雨宮君と一緒に井の頭公園にいるから」

 

―――はぁ!?

 

杏ちゃんの驚き声がばっちり聞こえてきました。さて、どうやら杏ちゃんがこちらに向かってくるみたいなので、それまでの間に「物理反射」を適当なスキルで消しておきましょう。さらに、竜司にも井の頭公園に来るよう連絡します。

 

「あ、杏! こっちだよ!」

 

「志帆……ッ!」

 

息を切らしながら登場した杏ちゃんですが、志帆ちゃんの顔を見るなり目を見開きます。あ、そういえば今の彼女は泣き過ぎたせいで瞼がちょっと腫れてましたね。これは……誤解されてそうだなぁ!

 

「アンタ……! 志帆になにしたのよ!!!」

 

バチィィィィィィィンと派手な音と共に思いっきりビンタされちゃいましたね。ダメージは皆無ですが、こんな美少女に睨みつけられながらビンタされるとか普通に泣けそうです(一部界隈ではご褒美)。

 

ここで再び画面が暗転します。

 

「……ごめんなさい」

 

主人公に対し、深々と頭を下げる杏ちゃん。志帆ちゃんが事情を説明してくれたようです。こちらとしては誤解が解ければいいので笑って許してあげましょう。それだけ志帆ちゃんを心配していたんでしょうしね。そういうの、嫌いじゃないわ!

 

「あ、ありがとう……でいいの?」

 

「それで杏、電話で言ってた事って……」

 

「……うん。ずっとごまかしてたのに、とうとう番号知られちゃった。いきなり電話かけて来たと思ったら、アイツ今から自分の所に来いって」

 

「そんな……」

 

「どうしよう。どうしたらってずっと悩んでて……頭の中どうにかなっちゃいそうだった。……その時、ふと思い出したんだ。雨宮君に言われた言葉」

 

昨日忠告しに来た時のヤツですね。……まあ、こうなる事がわかってましたからねぇ。

 

「ずっと我慢してた。けど、それでもやっぱり誰かに聞いて欲しかった。そう思ったら……やっぱり志帆の顔が思い浮かんだの。ゴメンね」

 

「謝らないで杏。私こそ、もっと早く杏に相談すればよかった。そうすれば、雨宮君にも迷惑をかけずに済んだのに……」

 

この雨宮 蓮の辞書に迷惑という言葉は存在しない!

 

「ふふ、そうなんだ。変な辞書だね」

 

「……ねえ、何で志帆が雨宮君と一緒にいるの? 迷惑って……何かあったの?」

 

それは私から説明しよう! ……お、ちょうどよく竜司もやって来ましたね。

 

「見つけたぞ蓮。こんな所に急に呼び出して何の用……って、高巻に鈴井じゃねえか?」

 

「坂本? 何でアンタがここに?」

 

あ、自分が呼びました。竜司にも聞いて欲しいので。

 

というわけで、全員揃ったところで先ほどの教官室での出来事と、写真と音声データをみんなに見せます。

 

「あんっっっっっっっのクソ野郎がぁぁぁぁぁ!!!!」

 

雄叫びと共に近くに設置されたゴミ箱を思いっきり蹴り上げる竜司。ダメだよー。公共の物は壊してはいけませんよー。

 

「あの男……絶対許さない!」

 

杏ちゃんもブチ切れてます。怒りが抑えきれないのか全身が震えていますね。

 

「ぜってえ言い逃れ出来ねえ最強の証拠じゃねえか! これであの野郎に今までのつけを払わせてやろうぜ!」

 

確かに、これを提出すれば鴨志田は終わりです。けど、それで本当にいいのでしょうか?

 

「どういう事、雨宮君?」

 

体罰が明るみになれば鴨志田は逮捕されるでしょう。けど、捕まった所で自ら犯した罪を反省する事は決してありません。せめて今まで傷つけられてきた生徒達や志帆ちゃん達にキッチリ謝罪させてやらなければ。

 

「謝罪って、あの男が反省なんかするわけないじゃない。それこそ改心でもしない限りありえないわ」

 

しないのならばさせればいいんですよ。ねえ、竜司?

 

「……ッ! そうか! 改心だ! モルガナが言ってたパレスってヤツを消せば!」

 

はいぴったんこカンカン!

 

「ちょっと! 二人で納得してないでこっちにも説明してよ」

 

「方法ならある。俺達なら鴨志田を改心させられる。廃人とか聞いてビビってたけど、こんな写真見せられたらもう迷わねえ! 絶対に改心させて、部の奴らに土下座させてやる!」

 

竜司は迷いを振り切ったようです。

 

「……なら、私にも噛ませて。志帆を傷つけようとしたアイツだけは許せない。絶対に報いを受けさせてやる」

 

「……私も。部のみんなの為にも、出来る事があるのなら協力したい」

 

「ダメって言っても無駄よ。絶対に着いて行くから」

 

「……どうするよ? ぶっちゃけ危険すぎじゃね?」

 

仕方ない

止めた方が

自分が守る

 

どれを選んでも二人はついてきますので、ここは適当に選びま……あーしまった。手が滑って三つ目を選んでしまったー。

 

「ありがとう、雨宮君!」

 

「そ、そういう事さらっと言っちゃうんだ。……ちょっと意外かも」

 

「あ? どうした高巻、なんか顔赤いぞ?」

 

「う、うっさい馬鹿!」

 

「何で今の流れで罵倒されんだよ!?」

 

何故か馬鹿呼ばわりされた竜司のツッコミを聞きながら今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。




悪人より悪人ムーブする主人公ェ……。

信じられるか? これで下心無いんだぜ?(実況者が真面目に実況しない所為で誤解されているが実際はクソイケメンムーブかましてる主人公)。


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実況十回目

書くかどうかもわからないのに、明智とどう決着つけさせようとか、冴さんとどうやってイチャコラさせようかとかばかり考えてます。



ピカロな主人公が大暴れする実況はーじまーるよー。

 

いよいよ鴨志田と戦う事を決めた主人公。次の日、杏ちゃんと志帆ちゃんを加えた四人ですっかりたまり場となった自販機コーナー前でモルガナがやって来るのを待ちます。

 

前日にきっちりくぎを刺したおかげで、鴨志田がこちらに絡んでくることはありません。バレー部の方も安心でしょう。

 

「ねえ、なんで集合場所がここなの? 鴨志田を改心させるんじゃなかったの?」

 

「肝心の奴が一匹足りねえんだよ。ちょっと待ってろ」

 

「ふうん……。あ、そうだ。ねえ雨宮君。昨日聞くの忘れてたけど、あの写真どうやって撮ったの?」

 

「私も気になってたの。部活中は鴨志田先生の指示で絶対に扉にカギをかけてたのに」

 

「そのせいで、バレー部の活動日は体育館が使えねえってバスケ部とかがぼやいてるのは聞いたぜ」

 

「……ゴメンね」

 

「謝らないでよ。志帆が悪いわけじゃないんだし」

 

そうそう。悪いのは全部鴨志田なんです。体育館が使えないのも。電車の席に座れなかったのも、昨夜の夕飯のカレーがシャツに飛び散ったのも、全てあのアゴのせいです。

 

「……電車とカレー、関係無くない?」

 

「つか、お前の事だろそれ」

 

いいや、絶対鴨志田のせいだね!

 

「ふふ。雨宮君って面白い」

 

「確かに。結構クールなタイプって思ってたけど……」

 

「クールどころか、滅茶苦茶やらかす爆心地野郎だけどなコイツ……」

 

そんなに褒めるなよ(唐突に始まる勘違い物)。

 

「それで、結局どうやったの?」

 

そんなに知りたいの? まあ、こんな可愛い子にせがまれたらおじさんポロっとしゃべっちゃうなぁ(竜司を超える迂闊さ)。

 

事前準備から実行までの流れを丁寧に説明する主人公。ですが、話を聞いている間に三人の顔色がどんどん変わっていきます。

 

「……ホントに人間?」

 

「体育館裏のダクトってアレだよね。……人が上れる高さじゃないと思うけど」

 

「球技大会の時にいなくなってたのはそれが理由かよ。……悪戯ってレベルじゃねえだろ」

 

え、何、その反応? 僕、また何かやっちゃいました? 

 

「―――よし、ちゃんと来たな」

 

おっと、物陰からぬるっと登場しましたのは我らがモルガナです。

 

「え、猫……!?」

 

「わあ、可愛い。けど、どこから入って来たんだろう?」

 

いきなり出て来た猫に驚く二人ですが、モルガナの方も予想だにしない人物の姿にビックリしていますね。

 

「お、おい! この麗しいレディ達は何なんだ!? どうしてここにいる!?」

 

「こいつ等も鴨志田の被害者なんだよ。だから一緒に連れて行く」

 

「はあぁ!? 馬鹿かお前! あの場所の危険性はお前もわかっているだろう」

 

「仕方ねえだろ! 断ったって絶対ついて来そうな雰囲気だったし……!」

 

「……坂本君が猫としゃべってる……」

 

「アンタ……。友達いないからってとうとう猫に……」

 

言い争う両者……というか竜司の方を見て憐れむ様な目線を受ける杏ちゃん達。向こう側に行っていない人間にはモルガナの声は聞こえないんですよね。

 

「違えゎ! あ、いや、コイツがしゃべれるのは違くねえが……。お前らには聞こえねえのか? コイツの声」

 

「……にゃーにゃーとしか聞こえないけど」

 

「き、きっと坂本君はこの猫ちゃんの声色で何を求めているのかがわかるんだよ。動物と心を通わせられるのって素敵だと思わない?」

 

「鈴井さん? 無理矢理フォローしないでくれる?」

 

「ええい! 落ち込んどる場合か! それより、覚悟は決まったんだろうな」

 

モルガナの問いに、主人公と竜司は互いに顔を見合わせて頷きます。待ちきれないよ、早く行かせてくれ。

 

「……本当にそちらの二人も行くんだな?」

 

通訳する竜司に、杏ちゃん達も頷きます。

 

「いいだろう。ならもう少し目立たない場所に移動するぞ」

 

ここで例の学校前の細路地へ向かいます。そして、そこで異世界ナビに必要な情報を入力する事で……はい、侵入開始です。

 

「「ッ!?」」

 

突如として歪み始める周囲に思わず目を瞑る女子達。

 

「……おい、もう目を開けていいぜ」

 

竜司の声に恐る恐る目を開ける二人。その目に映るのはそびえ立つ城。そして、学生服から怪盗服へチェンジした主人公達の姿です。

 

「え、さ、坂本……だよね? 何その恰好?」

 

「ペルソナ使える人間は姿が変わるんだよ」

 

「……ペルソナって何?」

 

「だから。……あーめんどくせえ! おいモルガナ、説明頼むわ」

 

「ふん、レディの質問に答えられないとは紳士の風上にもおけないなリュウジ」

 

「ッ!? な、なにこの変な生き物!? しゃべってる!?」

 

「がーん!」

 

「……もしかして。さっきの猫さん?」

 

杏ちゃんに変な生き物呼ばわりされたモルガナが崩れ落ちてしまいました。が、志帆ちゃんに気づいてもらったのが嬉しかったのか秒速で復活です。……お前「瞬間回復」なんか使えねえはずだろ。

 

「ッ……そう! その通りですレディ! 吾輩の名はモルガナ。あなたのお名前をお聞きしても?」

 

「鈴井 志帆です」

 

「高巻 杏」

 

「シホ殿にアン殿だな。では、あの金髪に代わって吾輩がこの世界についてご教授しよう」

 

「……アイツ、キャラ違くね?」

 

ウチのモルガナちゃんは好きな子の前で張り切るタイプなんざますよ!

 

モルガナの説明を受ける二人。それを聞いた志帆ちゃんが頬に手を当てながら口を開きます。

 

「モルガナちゃんの説明をまとめると。まず、この世界は鴨志田先生の歪んだ心が作り上げたもの。ここを消す事が出来れば鴨志田先生を改心させる事が出来る。けれど、ここにはシャドウっていう敵がいて、それと戦うための力がペルソナって事でいいのかな?」

 

「バッチリだぜシホ殿!」

 

「凄い志帆。私、全部は理解できなかったよ」

 

「いや、気にする必要はないさアン殿。そちらの人間にとっちゃここはまさに異世界なんだからな」

 

「だけど、坂本が危ないって言ってた理由はわかった。ここ……なんか嫌な気配がするもん」

 

城を見上げる杏ちゃん。どうやらシャドウの気配をわずかながら感じているようです。

 

「うむ。実際問題、ペルソナを使えない二人が吾輩達について来るのは危険すぎるのだが。……おい、お前ら。ちゃんとその辺を考えてアン殿とシホ殿を連れて来たんだろうな?」

 

「え? あ、そりゃ、……おい、蓮。なんかあんのか?」

 

もう、しょうがないなぁ竜司君は。……はい! 全能の真球~~~!(NOBUYO風)

 

これがあれば「万能」属性以外の全ての攻撃を防げちゃうんだ。ロイヤルでは魔法属性に限定されていたけど、後に発売されたペルソナ5Sでは全属性に効果があったから、このリメイク版もそちらに合わせて変更されたんだよぉ。

 

もちろん、周回する事で複数確保してるんだ。だから安心してね。

 

というわけで、はい二人とも。ここを出るまでは絶対にこれを手放さない様にするんだよ?

 

「わあ、綺麗。宝石かな?」

 

「お守り? よくわかんないけど、とりあえず持ってればいいのね?」

 

「またいきなり変な物出して来たぞコイツ……って、どうしたモルガナ?」

 

(あの球からとてつもない力を感じる。それに何故だ。アレを見ていると、なんだか懐かしい気持ちになる)

 

「おい。まさか、あの球で遊びたくなったりでもしたかお前?」

 

「なわけねえだろ! おい、お前。今の球どこで手に入れた?」

 

球は拾った(サテライトのクズ……もとい屋根裏のゴミ)。

 

「なん……だと……」

 

おっと、どこからかオサレな風が流れてきましたね。では、この空気を全身で感じながらそろそろ城に突入しましょうか。それじゃあみんな、家に帰るまでが侵入ですから慎重に行きましょうねー。

 

「う、うん……!」

 

「気を付けていこうね」

 

「慎重。……慎重?」

 

なんか竜司がジト目で見て来ますが気にしてはいけません。

 

「……そうだな。お前の言う通り、すでにシャドウに気づかれているようだ。その力、存分に発揮してもらうぞ”ジョーカー”」

 

「ジョーカー? なんだそれ?」

 

「コードネームさ。怪盗が本名で呼び合うなんてダセエだろ」

 

「怪盗ねえ。……そういや、この前もそんな事言ってたな」

 

「オタカラを盗むのは怪盗と決まっているだろ?」

 

「確かに。ダクトよじのぼって体育館に侵入とか怪盗っぽいね」

 

「格好もそれっぽいもんね。黒いコートにマスク。赤い手袋がカッコイイ」

 

志帆さんや。さっきからやけに好意的な言葉ばかり主人公にかけて来てますけど、どうしてなんですか? あなた、まだコープすら発生していないでしょう。

 

あ、さらっと言いましたが、志帆ちゃんを救出すればコープを発生させる事が出来ます。そう、それはつまり……彼女も恋人に出来るという事です!

 

コープランク9のイベントにて、主人公の胸元に顔を寄せる志帆ちゃん。「あの時と同じだね(昨日の公園での事)」という彼女に「これからもここは志帆だけの場所だ」を選ぶとはれて恋人になります。

 

そして、コープランク10。主人公の部屋で肩を寄せ合う二人。そして、顔を赤らめながらの「約束だよ。ずっとずっと、私だけのあなたでいてね」のセリフ。全志帆ちゃんファンが歓喜のアリアを合唱すると共に、屋根ゴミに対する呪詛を吐き散らかした事でしょう(実況者は後者)。

 

そんなゲロ甘な展開が待っているコープですが。今回のプレイでは……恋人に し ま せ ん!

 

「は?」「無能」「死ね」……と思った画面前の兄貴達。画面をそっ閉じする前に聞いてください! リメイク版ではハーレム好き(特に女性側から好意を向けられているのに気づかない無自覚パターンがお好きな方)にはたまらない展開が待ってるんです! だからそれまでは何とか我慢して見てくだせえ! お願いしますだ!

 

「こいつは戦力的にもまさに切り札だ。故にジョーカー。ピッタリだろ?」

 

「ああ、そういう意味か。確かに、コイツがいりゃ負ける気がしねえもんな。なら、俺のコードネームは?」

 

「スカルでいいんじゃない? アンタのマスク、それっぽいし」

 

「まんまじゃねえか……」

 

「じゃあ……しゃれこうべ」

 

「……スカルでいいッス」

 

「なら吾輩は……」

 

「モナでいいだろ」

 

おっと、コープの説明をしている内に竜司達のコードネームも決まったみたいですね。では、改めて出発……と言いたいところでしたが、時間が来てしまいましたので今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。




展開が……展開が遅い……!

けど、やる気のある内に少しでも書いておかないと……。


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実況十一回目

書いてて凄い楽しいのも久しぶりです。


王様を殺るために城を駆け抜ける実況はーじまーるよー。

 

今回からいよいよこの城……通称カモシダパレスを攻略していきます。まあぶっちゃけ、周回を重ねて鍛えまくった主人公にとっては物足りないダンジョンですね。

 

油断? 違う。これは余裕というものだ。

 

「よし、では前回と同じく通気口から侵入するぞ。アン殿とシホ殿は吾輩達の後をついてきてくれ」

 

「わかった」

 

「はぐれない様にしないとね」

 

さっそく通気口から中へ侵入です。入り口で女性陣が若干もたついてしまいましたが、主人公が優しく引っ張りあげてくれたので無事に入れました。こういう所がモテる秘訣なんですかねぇ。……もげろ。

 

「で、どうする? またホール側から進むのか?」

 

「いや、先日の騒ぎで城内の警備も厳しくなっているはずだ。……ほら、見てみろ」

 

通路からこっそり顔を覗かせると、ホールの中央で兵士に指示を出している鴨志田の姿が確認できます。

 

「いいか! 先日の侵入者共は必ずまたやってくるはずだ! 見つけたら今度こそ必ず殺せ! 特にあの転校生……王である俺様を脅迫など絶対に許せん! 坂本や猫の様な生物は後回しで構わん。アイツだけは何としても始末しろ!」

 

怒鳴り散らしながら鴨志田に、兵士達は慌てて動き出します。

 

「……随分とまあ嫌われたもんだなジョーカー。また何かやらかしたのか?」

 

なぁんでみんな主人公がやらかした前提で話すんですか? 酷い! 訴訟も辞さない! この怒り……あの兵士どもをぶちのめして発散してやる!

 

「待て待て待て待て! あの兵士の数を見ろ! 自殺行為にもほどがある!」

 

手袋の感触を確かめながら(総攻撃フィニッシュのアレ)ホールへ飛び出そうとする主人公をモルガナが全力で引っ張ります。

 

「吾輩達は怪盗だぞ!? 気づかれずに行動するのが第一の怪盗が、自ら敵の前に歩み出てどうする!?」

 

えー、でも、最終的に皆殺しにすれば誰の目にも止まる事なくない?

 

「なんでそう思考がバーサーカーなんだよお前……。ともかく、ホール側は諦めて、そっちに見える扉から進むぞ」

 

モルガナが指す扉を開ける。するとそこには一人の兵士が背中を向けて立っています。

 

「あ、あれがシャドウってヤツ……!?」

 

「ああ。吾輩達が何とかするから、二人はここにいてくれ」

 

「気を付けてね」

 

「ジョーカー、スカル、仕掛けるぞ」

 

「おう!」

 

三人で部屋に突撃します。兵士に気づかれてしまいますが、そのまま接触して戦闘開始です。相手は「迷いへ誘う少女」という名のピクシーです。パレスに登場するシャドウは皆本来の名前とは違うものがつけられています。ですが、ややこしいので今後はペルソナ時の名前で呼ぶことにします。

 

「敵は一体か。ならば丁度いい。ジョーカー、シャドウは弱点をつかれるとダウンする。そこで銃を突きつければホールドアップさせる事が出来るぞ。試しにやってみろ」

 

おっけー。任せんしゃ……。

 

「やだあ! お兄さんすっごいイケメンじゃん!」

 

「……は?」

 

ピクシーから発せられたおよそ戦闘中とは思えないセリフに、モルガナの動きが止まります。

 

「なになに、もしかして噂の侵入者? えー、こんな素敵な人をやっつけないといけないとか無理無理ー!」

 

「……なあ、モナ。どうなってんだ一体?」

 

「そんなん吾輩が聞きたいわ!」

 

まったく戦闘の意志を見せないピクシーを前に竜司が問いますが、モルガナは答える事が出来ません。これは混乱してますねぇ。

 

「どうしたの。……って、え、小人? ってか、妖精!?」

 

「これが敵? そうは見えないけど」

 

様子がおかしいと思ったのか、杏ちゃん達が部屋に入って来ますが、その間もピクシーは舐めまわすように主人公の周りを飛び交っています。

 

「顔もいいけど体つきもたまんない! ああ! ダメダメ! 見ているだけでここがキュンキュンしちゃう!」

 

恍惚とした表情で下腹部(表現の限界)を押さえるピクシーに主人公以外はドン引きです。

 

「なんだコイツ。鴨志田レベルの変態じゃねえか」

 

「……そうか! パレスのシャドウは主の影響を受ける。つまり、このピクシーの思考はカモシダのものと同じ!」

 

「という事はつまり。鴨志田先生がそれだけエ、エッチな事を考えてるって事?」

 

「……さいてー」

 

さすが鴨志田。ここに来てさらに評価が下降しました。まあ元々底辺だし大して変わらねえか!

 

……ところで、今の志帆ちゃんの恥じらいながらのエッチ発言をリピートしまくっているそこのあなた……いい酒が飲めそうだな(にっこり)。

 

「あれ? 待って。なんだろう。お兄さんの顔を見ていると……何か思い出すような……」

 

意味深な言葉と共にピクシーが主人公の仮面に吸い込まれます。はい、めでたくペルソナ「ピクシー」ゲットですね。

 

「な、何だよ今の!? 変態妖精がジョーカーの仮面に吸い込まれたぞ!?」

 

「わ、吾輩だって想定外だ! おい、ジョーカー、お前今何を……!?」

 

「むっ! 貴様等!」

 

「ッ! み、見つかっちゃった!?」

 

というわけでのこのこやって来た別の兵士との戦闘です。開始直後、新たな可能性云々のセリフが表示され、ここからペルソナチェンジが可能となります。

 

今度の相手は「バイコーン」なので、ピクシーのスキル「ジオ」が弱点になります。なので容赦なくぶちかましていきましょうね。

 

「ピクシー!」

 

ペルソナのコールと共に雷が敵に落ちます。弱点によりダウンするバイコーンは放置し、もう一匹をスマートに射殺☆ します。これで残りはダウンしている一匹だけです。

 

「お前、まさかさっきのシャドウを自分のペルソナにしたのか!?」

 

たまげたろう? これが主人公の「ワイルド」の力です。この特別感が気持ちええんじゃ!

 

「おい、今ならモナが言ってたホールドアップってやつできるんじゃねえか?」

 

お、そうだな。ダウン状態の敵に銃を突きつけるんでしたよね。初めてだけど頑張ります!(アワード「交渉巧者」獲得済み)

 

ゴリ←バイコーンの額に銃を押し付けた音。

 

「ひぃっ!?」

 

なあ、バイコーンちゃん。悪いがわし等急いどるんじゃ。お前さんにも立場があるんじゃろうが、ここは見逃してくれんかのぉ?

 

「ふ、ふざけるな! 侵入者には屈しな……」

 

ガチ←引き金が軋む音。

 

「見てない! 私は何も見てません! だから命だけはぁ!」

 

ほお、そうかそうか。迷惑かけるのぉ。……そうや、バイコーンちゃん。ついでにお前さんの持ってる金か、道具。わし等に譲ってくれんか?

 

「え、あ、いや……」

 

バンッ! バリン!←バイコーンの背後にあった花瓶が撃ち抜かれて粉々になった音。

 

「ひいぃぃぃぃぃぃ! あげます! 全部あなた様に差し上げますからぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

うむうむ。ええ子じゃのうバイコーンちゃん。さて、そろそろお前さんも自分の持ち場に戻るがええ。王様に怒られるのは嫌じゃろう?

 

「ありがとうございます! ありがとうございます!」

 

瞬く間にその場から走り去っていくバイコーン。やったぜ、アイテムとお金同時にゲットだぜ! モルガナー。こんな感じでよかったかなー?

 

「……吾輩の知ってるホールドアップじゃない」

 

「ヤクザじゃん……。完全にヤのつく人じゃん……」

 

「無表情で拳銃突きつけるとかおかしいって……」

 

「ちょっとあの子が可哀そうに思っちゃった……」

 

おやおやぁ? 戦利品を持って戻って来たのになんで距離を取られてるんですかねぇ。

 

「……はっ。待て待て。ドン引きしすぎて忘れてしまいそうになったが。ジョーカー、さっきのペルソナは何なんだ? お前、複数のペルソナが使えるっていうのか!?」

 

「それって凄いの?」

 

「凄いなんてもんじゃないさアン殿! 人の心は一つだ。ならば心の力で生まれるペルソナだって一体だけなはず」

 

「さっきのヤツがジョーカーの中に。……待てよ。って事はコイツもあの変態妖精みたいな感じになるのか!?」

 

俺は俺だ! 屋根ゴミジョーカーだ!(空色デイズは神曲)。

 

「そ、そうか。ならよかったぜ」

 

「異質すぎる力だが。心強いものでもあるな。これからも試せそうなときは試していくといい」

 

ありがとナス!(全書から目を背けつつ)。

 

結果的に無益な殺生をせずに済んだので進んで行きましょう。まずは最初のセーフルームを目指していきます。……はい、到着ですね。

 

「ここは?」

 

「セーフルームだ。ここなら敵に襲われる心配もない」

 

「二人とも、体調は大丈夫か?」

 

気遣うモルガナに、机に突っ伏しながら杏ちゃんが答えます。 

 

「……なんだろう。そういわれるとやけに怠いというか」

 

「私も」

 

「無理はしなくていい。限界だと思う前にちゃんと言ってくれよ」

 

「ありがとう、モルガナちゃん」

 

「にゃふふ!」

 

志帆ちゃんに撫でられてご機嫌なモルガナです。それで猫じゃねえって無理があるぜお前さん。

 

「よし、そろそろ出発しようぜ」

 

休憩に飽きたのか、竜司が立ち上がります。

 

「気づかれない様に静かに出るんだぞ」

 

「だーいじょうぶだって。この部屋の前全然シャドウの気配なかったし平気だ……あ」

 

「「「あ」」」

 

扉を開ける竜司。なんという事でしょう。そこには三人の兵士の姿があるではありませんか。

 

「見つけたぞ! 侵入者だ!」

 

スカルーーーーー! 何やってんだお前ーーーーーーー!

 

「やっべえ、見つかったぁ!」

 

「逃げるぞ!」

 

「ど、どこに!?」

 

「ここに来る前に別の扉があった! そっちへ向かおう!」

 

別の扉とは、本来、杏ちゃんが捕まっていた部屋の事です。……あれ? 確かあの中って。あっ……(察し)。

 

「吾輩が先導する! スカル! 吾輩に続け! アン殿とシホ殿はスカルの後ろに! ジョーカー、お前は殿だ! 頼むぞ」

 

やれやれ、人使いの荒い猫だぜ。とりあえず、ジオで一発けん制かましてみんなを追いかけましょう。

 

「あそこだ! 急げ!」

 

扉を蹴破るモルガナに続いて杏ちゃん達が部屋に飛び込みます。室内には謎の拘束具と、その傍に置かれたアブノーマルな道具達。そして、真正面の壁には鴨志田の絵が飾られていますね。オエー鳥がいたら絶対吐いてますねクォレハ。

 

「な、何この部屋……」

 

「何って、どう見てもSM……」

 

「止めて! 想像しない様にしてたのに!」

 

「ここだ! ここにいるぞ!」

 

「チッ! まさか行き止まりだったとは……!」

 

兵士達が部屋へなだれ込んできましたね。まったくぞろぞろと……他にやる事ないの?(これが彼らの仕事です)

 

「よりにもよって鴨志田様のプレイルームに足を踏み入れるとは何たる不敬! 絶対に逃がさんぞ貴様等!」

 

「プレイ……」

 

「ルーム……」

 

オエー!(この状況を打開する方法……それは実況者自らがオエー鳥になる事だ!)。

 

「ふん、侵入者を追い詰めたようだな」

 

チッス鴨志田ぁ。ずいぶん早いけど、もしかしてスタンバってたの?

 

踏ん反り返りながら現れた鴨志田。その後ろからもう一人の人物が姿を現します。

 

「何あれ!?」

 

キマシタ! 鴨志田の認知上の存在であるセクシー杏ちゃんです! やけに食い込みの激しい水着を着て登場ですが、こういう所でCEROあげなくていいから!

 

「高巻!? え、じゃあこっちのは……」

 

「私が本物だってば! てか、私あんなにケバくないし!」

 

そーだそーだ! そんなエロフィルター越しでしか見ていない偽物なんざ本物の足元に及ばんわぁ! 見よこっちの杏ちゃんを! 元々美しい彼女にはこれくらいの薄い化粧の方が似合ってるんだってそれ一番言われてるからぁ!

 

「ちょっ!? キ、キミまで何変な事言ってるの!?」

 

アタフタ杏ちゃん可愛い。

 

「いいぞ、ジョーカー! よく言った!」

 

(やっぱり、雨宮君も杏みたいな子がタイプなのかな?)

 

「あのー。オタクら、状況わかってらっしゃる?」

 

おっと。珍しく竜司がツッコミ役にまわるという珍しい場面が見れましたね。これはレアものやでぇ。

 

「ふん。俺様のアンの美しさが理解出来ないとは。貴様等の目は腐っているようだな」

 

「腐ってんのはアンタでしょうが!」

 

「どうやらネズミが増えたようだな。……ん~? そこにいるのは鈴井かぁ?」

 

「ッ!?」

 

目線を向けられた志帆ちゃんが怯えています。ここは背中に隠してあげましょう。

 

「そうかそうか。あの時は邪魔されたがようやくその気になったか。ぐふふ、アンには劣るがお前もいい体だなぁ鈴井? 部員の中でもお前が一番乳も尻もデカかったからなぁ。たぁっぷり堪能させてもらっていたぞぉ?」

 

「鴨志田……先生」

 

「そこのバカ女は俺様の誘いを断りやがった。だからあの日、代わりにお前で発散しようと思っていたのに……それを忌々しい転校生のヤツが邪魔しやがったせいで結局ヤれず仕舞い。ああ! 今思い出してもムカつくぜぇ!」

 

「や、やっぱり、あの時……私……!」

 

「シホ殿!」

 

聞くに堪えない鴨志田の言葉に限界を迎えた志帆ちゃんが崩れ落ちます。

 

「テメエ……このドクズ野郎が! その汚え口をさっさと閉じやがれぇ!」

 

「煩いんだよ坂本。だが、こうして獲物がそっちからやって来てくれるとは俺様も運がいい。邪魔者を始末したら、今度こそ俺様の根性注入棒で嫌という程啼かせてやるからな! 女なんてなぁ、俺様の愛でヨガってればいいんだよ!」

 

……さて、そろそろ”彼女”が限界そうなので動きますか。というか、このままだと「チャージ」からの「テイクオーバー」ぶっ放してしまいそうです。

 

鈴井はお前の物じゃない

 

ここで一択しかない選択肢(矛盾)を選ぶことでついに”彼女”が立ち上がります。

 

「……そうだよ。キミの言う通りだよ」

 

「高巻?」

 

「アン殿?」

 

「志帆はバレーが大好きだった。全力でプレーしている姿はとってもキラキラしていて、私はそんな志帆が大好きで、憧れてた。……だから我慢した。私が我慢すれば、バレー部がもっともっと上に行けば、志帆もきっと喜ぶって……」

 

「はあ? お前、何をごちゃごちゃと……」

 

「馬っっっっっっっっ鹿みたい!!!

 

顔を伏せながらゆらゆらと歩みを進める杏ちゃん。その顔が上げられた時……そこには友を傷つけた眼前の”敵”への抑えきれない怒りが込められていました。

 

「何が志帆の為よ! 何が志帆が喜ぶよ! じゃあなんで今、志帆は泣いてるのよ! なんで今傷ついてるのよ! 私が本当にやらなければならなかったのは我慢する事なんかじゃない! 鴨志田……アンタを学校から叩き出すために戦う事だったんだ!!!!」

 

『まったく……気づくのが遅すぎるのよ』

 

来ましたね。杏ちゃんの覚醒シーンです(エロい)。赤一色のラバースーツを身にまとった彼女は傍にいた兵士の剣を蹴り上げると、空中でキャッチ。そして自分の偽物をズバッと切っちゃいました。

 

「もうアンタ相手に我慢なんかしない。志帆から何もかも奪おうとしたアンタは絶対に許さない。行くよ「カルメン」!」

 

デモシーンが終了し、戦闘スタートです。相手はベルフェゴールさんですね。今日も素敵な便器に腰掛けていらっしゃいます。

 

「アン殿もペルソナを……!」

 

「おい、高巻、前に出過ぎだ!」

 

いいや、行きなさい杏ちゃん!

 

「ジョーカー!?」

 

誰かの為じゃない! あなた自身の怒りの為に!(颯爽と流れる勝確BGM)

 

「死ね、小娘!」

 

ベルフェゴールは「ガル」を使った! 「全能の真球」を持った杏には全く効いていないようだ!

 

「なにぃ!?」

 

「カルメン!」

 

杏は「アギ」を使った! ベルフェゴールの弱点だった!

 

よし! 杏ちゃんこれを使え!

 

「わかった! ……って、何コレ? ムチ?」

 

そこに置いてあったアブノーマルグッズからキミに似合いそうなものをチョイスしてみました!

 

「ちょっと、それどういう意味……ああもう! やってやろうじゃん!」

 

初めて使うであろうムチに悪戦苦闘しながら、それでもベルフェゴールの体にどんどん傷をつけていく杏ちゃん。心なしかその顔が恍惚に満ち始めています。

 

「……なんだろう。ちょっと楽しくなってきたかも」

 

「アン殿ぉ!? お、おい二人とも! アン殿に加勢するぞ」

 

「だな。このままだとアイツ、変な方向に目覚めちまいそうだし」

 

女王様な杏ちゃん。……見たい? 見たくない?

 

そんなこんなで、四人にボコられたベルフェゴールさんは哀れ爆発四散! 生み出すのに複数の兵士を使用したため。現在この部屋に兵士の姿はありません。

 

「お、おのれぇ! またしても! またしてもぉ!」

 

悔し気に、けれどそれしか出来ない鴨志田は主人公達を睨みつけながらその場から逃げていきました。あ、お土産にまた王冠に一発撃ち込んであげるね。

 

「ぎょえぇ!?」

 

「ま、待て!」

 

「落ち着けアン殿! それより今はシホ殿を」

 

「志帆!」

 

座り込む志帆ちゃんを力一杯抱きしめる杏ちゃん。

 

「ゴメン。ゴメンね。あんな奴に、あんな酷い事言われて……」

 

「ううん。そんな事ない。ありがとう、杏。私のために怒ってくれて」

 

「ぐすっ……あ、当たり前じゃん。私達親友でしょ」

 

「うん。とってもカッコよかったよ。それに、その恰好も……」

 

「格好? ……って、ええ!? 何コレ!?」

 

「いや気づいてなかったんかい!」

 

「それがペルソナに覚醒したアン殿の怪盗服さ。実に妖艶で吾輩素敵だと思うぞ」

 

「嬉しくないぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

杏ちゃんの嘆きを聞きながら今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。




アンシホ……いいよね。


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実況十二回目

連日投稿しすぎた反動か間があいてしまいました。



隙あらばネタを仕込む実況はーじまーるよー。

 

前回はブチ切れ杏ちゃんがペルソナを覚醒し、最後は女の子同士の美しいハグで終わりました。今回はその続きからです。

 

「……帰って来たの?」

 

「ああ。お疲れ様だ二人とも」

 

「ありがとうモル……あれ、私、モルガナの声が聞こえてる?」

 

「私も。何でだろう?」

 

「あっちに行ったからじゃねえの? よくわかんねえけど」

 

適当な感じで言ってるけど……正解なんだよなぁ。

 

「……ってうわ! もう七時前じゃん」

 

スマホに表示された時間を見て杏ちゃんが目を丸くします。体感的にはそこまで経ってないけど、パレスに行くと強制的に時間が進んじゃうんですよね。

 

「どうする? アン殿達も疲れただろうし、今日は解散するか?」

 

グ~~~~。

 

「……ご、ごめんなさい」

 

志帆ちゃんのお腹からとても可愛らしい音がなりましたね。おら視聴者共。少しだけ志帆ちゃんの恥ずかし顔アップにしといてやるから保存するなり記憶に刻むなり好きにしな!

 

……もういい? もういいの? 進めるよ?

 

「なんか、今の聞いたら私もお腹空いてきちゃった」

 

「ならメシいくか? また牛丼でもどうよ?」

 

「え~、ビックリぼーいにしようよ」

 

どこで食事するか各々が提案します。あ、そういう事ならウチ来る?

 

「「「え?」」」

 

というわけで、ルブランへGO。うふふ、こんなにたくさんの友達連れて行ったら惣治郎さんも驚くだろうなー。

 

「おう、帰って来たか」

 

オッス、だだいまです!

 

店内では常連のお客さんが一人コーヒーを飲んでいます。これはちょうどいいですね。

 

「あ? どうした?」

 

あのぉ、実は友達連れて来たんですけどぉ。

 

「友達だぁ?」

 

みんなで夕飯食べようって話になってぇ。そういう事ならぜひここのカレーを食べてもらいたいなぁって。僕、登校初日の朝に食べたあのカレーの美味しさに感動しちゃってぇ。ぜひともみんなにも味わって欲しいなぁって。

 

「……そいつはどーも」

 

そっけない返事ですが、ちょっと嬉しそうですね。無事好感度もあがりました。

 

「で、その友達とやらはどうした?」

 

という事は、いいんですか?

 

「ったく、連れて来ちまったんならしょうがねえだろ」

 

やったー! 流石みんな大好き惣治郎さん! よ、今日も声が渋くて素敵です。

 

「くだらねえこと言ってねえでさっさと呼べ」

 

了解です! おーいみんなー、入って入ってー!

 

「お邪魔しまーーーーっす」

 

「わあ、素敵なお店」

 

「この匂い……コーヒーかな。いい香り」

 

「……は?」

 

じゃあみんな、とりあえずワイの部屋に行こうぜー。惣治郎さん。後でカレー取りに来ますから。

 

「待て待て! おい、蓮。友達って、一人じゃねえのか!? それにあの可愛い女の子達は何なんだ!?」

 

竜司達を見て呆けていた惣治郎が慌てたように主人公の肩を掴みます。え、でもさっき僕”みんな”って言いましたよね?

 

「ぐっ、いや、確かにそうだが……。まさか、もう女友達まで作っていたとは……」

 

「この人がお前が世話になってる人か? ども、坂本 竜司っす」

 

「初めまして、高巻 杏です」

 

「鈴井 志帆です。すみません、いきなりお邪魔しちゃって」

 

自己紹介する三人に惣治郎も頭を掻きながら名乗ります。

 

「俺ぁ佐倉 惣治郎。……気にすんな。コイツに強引に誘われたクチだろ?」

 

「そ、そういうわけじゃなくてですね。私がお腹空いちゃったからここで食べたらって教えてくれただけで」

 

「わかったわかった。ただの冗談だからそんな申し訳なさそうな顔しなくていいって。腹、減ってるって? ならすぐに用意してやるよ。全員カレーでいいんだろ?」

 

「あざっす! 俺、辛口で」

 

「私は中辛でお願いします。志帆は?」

 

「私も杏と同じで」

 

「辛口一つに中辛二つね。で、お前はどうすんだ?」

 

ワイも辛口でオネシャスセンセンシャル!

 

「はいよ。なら用意出来たら呼んでやるからとりあえず他の客の邪魔にならねえように上に行っとけ」

 

「おっ、お前の部屋上にあんの? なら早く行こうぜ」

 

「私……男の人の部屋初めて」

 

「……な、なんかそう言われたら緊張してきたかも」

 

はえー。そういうもんなんですね。実況者は異性の部屋に入った事なんてありませんからよくわからないです。……おい、何だよ視聴者ニキ。その可哀そうな物を見る目は? お前らだってそうなんだろ? なあ? おい? そうって言えよ!(これまで見せた事のない激情)。

 

「「「……うわぁ」」」

 

おいおい、開口一番それかい? 僕の城に何か言いたい事でも?

 

「これが人の住む場所かよ……」

 

「ちょっと坂本、失礼でしょ。え、えっと……広さは十分だね」

 

「う、うん。広いね」

 

それってつまり広さしかいい所がないと? ……ま、おこちゃま達にはこの良さはわからないのでしょうからここは大人の余裕でスルーしましょう(主人公は学生です)。

 

「とりあえずテーブルと……そこのソファに二人座れそうだから、椅子が二ついるな」

 

「じゃあ、私達は下で布巾か何か借りて来るね」

 

初日に掃除した時に使えそうなものはまとめておいたので、そこから机と椅子を移動させます。そのままだとほこりがついたままなので、女性陣が戻ってきたら拭いてもらいましょう。

 

それにしても、友達を呼んで食事会なんていいですねぇ。しかも女の子も一緒! ……実況者が学生の頃はそもそも友達を家に呼んだ事すらありません。視聴者ニキ達なら私の気持ちもわかっていただけるでしょう。ね? ね?(圧)

 

「にゃふ……にゃふ……!」

 

……あ、すっかり忘れていました。そういえばモルガナを鞄の中に入れっぱなしでしたね。出してあげましょう。

 

「―――ぷはぁ! おい、吾輩を窒息させる気か?」

 

鞄を開けると同時に飛び出して来たモルガナが恨みがましそうに睨んできます。だが私は謝らない。

 

「はあ? 強引について来たくせに」

 

「強引にではない! 向こうの話をするのならば吾輩がいないと困るだろう。お前達素人だけでは不安だろうからわざわざついて来てやったのだ」

 

「なんで上から目線なんだよ……」

 

にゃふにゃふ言いながら胸を張るモルガナに竜司はため息を吐きます。まあまあ、可愛いから許してやろうよ。

 

「……なに漫才やってんのアンタ達?」

 

布巾片手に戻って来た杏ちゃんが竜司達を見て呆れていますね。このコンビは今後もちょくちょくこういうやり取りをしてくれるので要チェックや。

 

「とりあえずささっと拭いちゃうからみんな退いて退いて」

 

杏ちゃん達がテーブルと椅子を拭いてくれている間に下に降りましょう。惣治郎に呼ばれる前に自分から彼の所に行き手伝いを申し出るとわずかに評価が上がります。

 

「そこの皿並べろ」

 

おっと、どうやらカレーの用意が出来たみたいですね。待ちきれないよ! 早く出してくれ!

 

「ほれ、お前とあの金髪小僧の分だ。女の子達の分は俺が持っていく」

 

アッハイ。

 

適当な感じで渡されますが、女の子達の分に比べて多めに盛られている所に食べ盛り男子への気遣いが感じられます。

 

「お、来た来たぁ!」

 

「うわぁ、美味しそう。……って、私達のは?」

 

「はいよ、キミらのはこっちね」

 

「あ、すみません。わざわざ持って来てもらっちゃって」

 

よーし、これで全員分揃いましたね。それじゃあ早速頂きま……。

 

「……待て。おい、奥の台の上でくつろいでる猫は何なんだ?……まさか、アレも友達とか言うんじゃねえだろうな?」

 

(友達じゃ)ないです。勝手について来たんですよ。

 

「ついて来ただぁ? おい、お前。ウチが飲食店だってわかってて連れて来たのか?」

 

おっと、お冠の様ですね。ここは杏ちゃんの迫真の演技に期待しましょう。

 

「あ、え、ええっと……その子、イジメられてたんですよ」

 

「アン殿!?」

 

「イジメ?」

 

「そ、そうなんスよ。小学生くらいのガキンチョ達に追いかけまわされてて、俺ら、偶然そこに通りがかったんスけど、そしたら蓮のヤツが可哀そうだからって助けに入ったんス。だよな鈴井?」

 

「う、うん。そしたらこの子、雨宮君に懐いちゃったみたいで、結局ここまでついてきちゃったんです」

 

「ちょ、お前ら……!」

 

杏ちゃんのとっさのでまかせに援護射撃をする竜司と志帆ちゃん。モルガナが違うと騒いでいますが無視だ無視。

 

「コイツが助けにねぇ……。なんだ、この猫に自分を重ねでもしたか?」

 

別にそういうわけじゃないですけどぉ。でも、一人ぼっちは寂しいもんね。

 

「……そうかよ」

 

主人公の境遇を知っている惣治郎に今の返答は刺さったようです。下からミルクを入れた皿を持って来てくれます。

 

「気まぐれだろうが目をかけてやった以上、お前にはその猫に対する責任がある。いいか、絶対に許可なく店に出すなよ。約束出来るんなら……まあ、好きにしろ」

 

やったぜ! めでたくモルガナを住ませる事が許されましたね。ここまですんなり許可が出たのも日ごろの行い(好感度稼ぎ)のおかげですね。

 

「もう少ししたら店を閉めるからな。女の子もいるんだ。それ食ったらあんまり遅くならない内に帰らせろよ」

 

「ありがとうございます。……あ、そうだ。このカレーっていくらですか?」

 

「いいよ。今回はおごりだ。気に入ったならまた食いに来てくれりゃあいい」

 

「あざっス!」

 

「蓮、皿はちゃんと洗っとけよ。じゃあな」

 

そう言い残し、惣治郎は店に戻ります。本人は絶対否定しますが、やってる事は息子の友達に手料理を振舞うお父さんなんだよなぁ。

 

最も、まだそこまでの仲ではないのですが。いずれ息子同然の存在になってやるから覚悟しとけよぉ。

 

「んじゃあ改めて、いただきまーす!……って辛えぇぇぇぇ!!!」

 

「うるさい坂本! 辛口なんだから辛いの当たり前でしょうが。さ、志帆。馬鹿はほっといて私達も食べましょ」

 

「坂本君、佐倉さんさっきモルガナちゃんのミルクと一緒にお水も持って来てくれたから飲みなよ」

 

「お、おう……」

 

「な、なあ、吾輩にも一口……」

 

「……猫にカレーって大丈夫なの?」

 

「玉ねぎ入ってるからダメだと思う」

 

「そ、そんな……!」

 

「……ん? ぶっ!? はははは! おい蓮! お前、眼鏡曇りすぎだろ!」

 

「あ、ホントだ! あはは! 何も見えてないんじゃないのソレ!」

 

「だ、ダメだよ二人とも、笑っちゃ、ふふ……」

 

あーもう(盛り上がりすぎて)滅茶苦茶だよ! けどまあ、みんなむこうでの疲れやショックを忘れるくらい笑ってくれてるから、それに比べれば主人公が辱めを受けるくらいなんともないぜ!

 

そういうわけで、みんなの笑い声をバックに今回はこの辺で。ご視聴ありがとうございました。




メインストーリーも大事ですが、こうした日常系の話も入れていきたいです。


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実況十三回目

パレス攻略はカットしまくります。


青春も謳歌する実況はーじまーるよー。

 

本日よりカモシダパレスの探索スタートと行きたい所でしたが、モルガナより潜入の為の準備を怠ってはならないとありがたいお言葉を頂いたので今日と明日は買い物に行きましょう(強制イベント)。

 

放課後になって真っ先に向かうのは四件茶屋の診療所……そう、みんな大好きパンク女医こと武見先生の所です。

 

コープ解禁前なので購入できる薬に制限がありますが、とりあえず買っておきましょう。その際に、もっと強い薬が欲しい。あるんでしょうここには? とさりげなーく聞いてみましょう。

 

「……お大事に」

 

残念ながら他の患者が来てしまうので続きは次回以降となります。まあ、彼女に主人公の印象をバッチリ与える事が出来たのでOKです(好印象なのかはわからない)。

 

翌日の日曜日は竜司と一緒にセントラル街に武器調達です。……しかし、すでに周回済みの私は全員分の最強武器を揃えておりますので、ハッキリ言って無駄イベントでしかありません。店長とのコープの解禁も来月ですからね。

 

そんなこんなで二日が過ぎ、また一週間が始まりました。

 

「雨宮君、ちょっといい?」

 

朝のホームルーム終了後、川上先生に指導室に呼び出されます。やれやれ、こんな朝っぱらから二人きりになりたいだなんて先生ってば大胆なんだから。

 

「そ、そういうつもりじゃ……! あ、あのね、雨宮君。そういうネタで教師をからかうのは止めなさい」

 

怒られちゃいましたね。けれど反省はするが後悔はしません。それが主人公です。

 

「少し確認したい事があるだけだから。……あら、使用中かしら?」

 

指導室の中から声がします。直後扉が開き、中から見覚えのある赤いリボンの女の子と鴨志田。そしてモブ教師が出て来ます。

 

「あ、先輩。おはようございます」

 

はいおはよう(緑のおじさん感)。今日もリボンがよく似合ってるよぉ。鴨志田セ・ン・セ・イもおはようございまーす!

 

「……」

 

チラ←懐から何か取り出そうとする主人公。

 

「ッ……! お、おはよう……」

 

うんうん。体育教師は挨拶に厳しい(偏見)ですから、自分も実践しないと説得力ありませんからね。

 

「チッ……」

 

舌打ち共に鴨志田が去って行きます。リボンちゃんも深々とこちらにお辞儀をして自分の教室へ帰ります。モブ教師はいつの間にか消えてますね。空気が読めていて素晴らしいと思います。

 

「じゃあ、入って」

 

川上先生に続いて中に入ります。席に着いたところで早速先生が話を切り出します。

 

「単刀直入に聞くけど……鴨志田先生と何かあった?」

 

なんですかその彼氏とケンカ中の女の子に事情を聞こうとする女友達みたいなセリフ? 生憎ですけど僕も鴨志田先生もノーマルですよ。

 

「……さっきの鴨志田先生も挨拶がぎこちない感じだったし」

 

どうやら川上先生はスルースキルを覚えたようですね。あたふたする先生が見れなくなってしまい私は悲しい(ポロロン)。

 

「あんまり詮索するつもりはないけど、騒ぎを起こすのは止めておきなさいよ」

 

いや、誤解っすよ先生。鴨志田先生は恥ずかしがってるだけですから。

 

「はあ? どういう意味?」

 

先週、鴨志田先生に頼まれて体育教官室の整理を手伝ったんですけど、その時に先生が派手に転んじゃったんですよ。それが恥ずかしくてついあんな態度になっちゃってるだけなんです。

 

「転んだって……けど、それにしたってあの様子は……」

 

川上先生。男のプライドってのはやっかいなものなんですよ。だから、今はそっとしておいてあげてください。

 

「……わかった。本当に面倒事じゃないのならこれ以上は追及しない。なら話はこれで……っと、さっきの女子の事だけど」

 

さっきのリボンちゃんの事ですね。彼女がどうかしたんでしょうか。

 

「キミ、芳澤さんとどこで出会ったの?」

 

ふむ、電車の中で少々……。

 

「なるほど。うん、なら話はこれでお終い。教室に戻りなさい」

 

へーい。

 

「雨宮君」

 

ドアを開けようとしたら呼び止められました。はあ? もう用事は済んだんじゃなかったのかよ!(現代のキレやすい若者)。

 

「学校内では未だにキミの噂が囁かれてる。……けど、キミのクラスメイト達はキミの事を受け入れようとしている。ちょっとずつだけど、そういう空気になってる……私もね」

 

せ、先生……!(掌がギガドリルブレイク)。

 

「だから、これからも真面目に努めなさい。そうすれば、いつかは噂だって払拭出来るはずよ。……引き止めてごめんね。さあ、そろそろ一時間目が始まるわよ」

 

かー! これだから川上先生は川上先生で川上先生なんだよなぁ! 今なら例のキャピ顔も許せ……あ、悪い。やっぱ辛ぇわ。

 

さて、クラスメイト達の評価も順調に稼げているみたいですし、これからの学園生活をもっと良いものにするためにも、さっさと鴨志田をとっちめてしまいましょう。

 

放課後、アジト(屋上)にメンバーで集まります。

 

「カモシダを改心させるためにはオタカラを奪わなければならない。これが絶対条件だ」

 

「そのオタカラっていうのがあの場所……パレスの核で、それを盗っちゃったらパレスもなくなっちゃうんだよね?」

 

「そうだアン殿。けど、オタカラが何なのかはわからない。欲望の象徴なんて人によって違うのだからな」

 

「場所もわかんねえんだろ? けどまあ、オタカラは奥深くで眠ってるってのがお約束だし、目指すのは城の一番奥ってわけか」

 

「ああ。まずはオタカラを見つける。これを目標に行動するぞ」

 

ここからパレス侵入ですが。残念な事に今回は志帆ちゃんはお留守番です。向こうの危険性がわかったのと、前回最低な事を言われたシャドウの鴨志田に苦手意識が出来てしまったみたいなので、杏ちゃんがストップをかけたのです。

 

「ゴメンね、みんな……」

 

「いいんだシホ殿。前回は無事だったが今回もそうだとは限らないからな」

 

「そうそう。俺等に任せとけって。鈴井の分まであの野郎にたっぷりかましてきてやるからよ」

 

「志帆のためにも絶対に改心させてみせる。だから、信じて待っててね」

 

みんなやる気は十分みたいですね。ではそろそろ行きましょうか。

 

まず初めに行うのは杏ちゃんのコードネーム決めですね。ちゃちゃっと決めちゃいましょう。

 

「では、今からアン殿は「パンサー」だ」

 

「うん。よろしくね、モナ、スカル、ジョーカー」

 

ここからはパンサーを加えた四人で攻略です。彼女は魔法アタッカーなのでそちらよりの育成と強化をしてあげましょうねー。

 

「待ちなさい」

 

おっと、ジュスティーヌ登場です。長鼻から話があるらしいので向かいましょう。

 

「私の言葉を覚えていたようだな」

 

え、知らんけど……。

 

ここでペルソナの合体。そして、ペルソナ全書が解禁です。待ってたぜ、この瞬間をよぉ! ここから雨宮 蓮の最強伝説がスタートじゃい!

 

まあ、ぶっちゃけラウール一体いれば十分なんですが、ここは「ワイルド」として色々お見せしたいと思います。

 

なお、今後所持するペルソナはコープのランク上げの為以外は完全に実況者の趣味で呼び出しますのであらかじめご了承ください。

 

ではでは、記念すべき一体目はこの子……アルテミスです。

 

一回目の実況で軽く触れましたが、このリメイク版には真・女神転生5よりいくつかの悪魔がペルソナとして追加されています。その中の一体がこのアルテミスです。

 

見た目や耐性は5と全く同じです。さらに専用スキルもありますが、残念ながら弱体化してしまっており、彼女の代名詞であるペガ……「銀河烈星拳」は攻撃回数が一五回から七回に減少しています。そのままだったらぶっ壊れどころじゃないから仕方ないね。

 

しかし、そんなものは彼女の可愛らしさに比べれば些事でしかありません。なので私は「物理反射」と「火炎吸収」を覚えさせ、あとは「チャージ」や「アドバイス」等をセットして物理のスペシャリストとして運用しています。

 

ちなみにアルカナは「戦車」です。なので竜司のコープ上げの為という意味でも序盤から装備していてお得なペルソナです。これで小学生ニキ達も装備する言い訳が出来たね(そもそも小学生がこんなチャンネルの動画見るわけないだろう)。

 

5の女悪魔は人気がありましたから、他にも「イズン」や「ジョカ」、「クレオパトラ」なんかも追加されていて、ストック数が増えたら彼女達もストックに入れる予定です。

 

あ、そうそう。「ゼウス」や「フィン・マックール」もいますので、男好きな方々もご安心ください。

 

さて、用事も済んだしそろそろ戻りましょう。

 

「どうしたんだお前。いきなり立ち止まったりして」

 

「……また何か悪だくみしてたりとか?」

 

「はは、何言ってんだよパンサー。そんなわけ……ねえよな?」

 

動かなくなった主人公を心配(してくれてるのかなコレ?)して戻って来る三人に謝りつつメニュー画面を開きます。

 

ペルソナをアルテミスに替えるついでに、仲間の装備も変更します。はい、最強装備だから大事に使ってね。

 

どうでもいいですが、防具を変えてもキャラクターの見た目が変わらないのは、怪盗服に防具の効果を張り付けているのだと実況者は解釈しています。他のゲームでいう所の重ね着装備みたいなものなんでしょうね。

 

「まずは前回見つけた西館のセーフルームに向かおう」

 

「あの休憩した所だよね」

 

「うむ。どこぞの馬鹿が見つかったせいでその先まで調べられていないからな」

 

「……悪かったな」

 

まあまあ、元気出せよスカル。これから取り返せばいいんだから。

 

「おう。汚名挽回ってヤツだな!」

 

「……汚名って返上するものじゃない?」

 

「やっぱり馬鹿だコイツ……」

 

お約束のボケありがとうスカル。じゃあショートカット機能を使ってパパっと行って終わり!

 

「さて、無事にセーフルームにつけたな」

 

「ここで何するの?」

 

「休憩以外にも相談が必要な場合は利用出来そうだな。……そうだ。ここから先に進むにあたって提案がある」

 

「何だよ?」

 

「ここからはシャドウとの戦闘は避けられない。ジョーカー、お前には前線ではなく後方からの指示を任せたい」

 

ファッ!? いきなり解雇ですか?

 

「はあ? なんでだよ。コイツがいれば百人力だろうが」

 

「だからだよ。現時点でジョーカーの力は吾輩達のものを遥かに凌駕している。だからといってコイツに全てを任せていたら吾輩達はいつまでたっても強くなれんぞ」

 

「……そうだね。戦うのを決めたのは私だもん。なのに彼に頼ってばかりじゃ駄目だよね」

 

「もちろん、危なくなった時にはすぐに援護してもらうが。それ以外では手を出さずに吾輩達にどうすればいいのか指示してもらうのがいいと思うのだ」

 

「なるほど、そういう事か。なら異論はねえ。指示は任せたぜジョーカー」

 

「キミ、そういうの得意そうだもんね。けど、ピンチの時はちゃんと助けてよね」

 

えぇ……。せっかくアルテミス呼び出して来たのに。……まあいいでしょう。そういう事なら撃ち漏らした相手の止め役とかそういうのに徹しましょうか。

 

方針も決まった事だし、セーフルームを出ましょう。

 

ここで少し説明を。パレスには様々なギミックが存在していますが、ロイヤル版から変更になった場所はありません。加えて、リメイク版では一部ギミックがペルソナを使って突破出来るようになっています。

 

条件はそのギミックに対応するペルソナを所持するだけ。このパレスは既に所持しているペルソナだけで対応出来るのでベルベットルームへ戻る必要はありません。

 

すでに何週もしている実況者にはここの仕掛けなど意味を成しません。立ちはだかる仕掛けを次々に突破していく主人公の雄姿に仲間達も驚いていますね。ああ、みんなの視線が気持ちええんじゃ!

 

邪魔するシャドウも弱点責めをきっちり指示してやればただの雑魚。オラ! 道を開けろ! 開けないなら死ね!

 

(コイツ……まるで最初から罠も仕掛けも全部わかってるみてえな動きだ)

 

(戦闘でも、初見の相手にも的確に弱点を突く様指示してくれるし)

 

(危険に率先して飛び込む豪胆さもそうだが、コイツが後ろにいる事で安心している吾輩がいる)

 

(((マジで……何者なんだ(なの)?)))

 

主人公ですけど!←ちょっと気に入って来た。

 

さてさて、次の部屋は……お、ワイヤーを装備するイベントの部屋ですね。これカッコいいから好きなんですよ。

 

「げ、ここの階段崩れてやがるぞ」

 

「どうする? 他の道を探す?」

 

「いや、こういう時の為に作っておいたものがある。ジョーカー、これを腕につけろ。ワイヤーを使って遠くに移動できる優れものさ。ほら、あそこにちょうどよくワイヤーを伸ばせそうな場所があるだろう」

 

任せろ! 発射ぁ!

 

「うおっ! 躊躇いなく行きやがった……」

 

「すっご……ホントに行けちゃった。……けどコレ、私達はどうすんの?」

 

「あ」

 

「あ……じゃねーよ! どうすんだよ」

 

「し、仕方ねーだろ。材料一人分しかなかったんだから」

 

やれやれ、詰めが甘いなモルガナ君は。こういう事もあろうかと、主人公は懐にとっても頑丈なクソ太ロープを忍ばせていたのです。さあ、みんなはこれで上がって来なさい。

 

「で、でかしたジョーカー!」

 

「さっすがぁ! ……けど、何でそんなもの持ってんの?」

 

「……俺、もうアイツが何を取り出しても驚かなくなっちまった」

 

まずはパンサーをひっぱり上げてあげましょう。

 

「ご、ごめんね迷惑かけて。重かった……よね?」

 

重かったらこんなにスルスルと引っ張り上げられないんだよなぁ。大丈夫? ごはんちゃんと食べてる?

 

「そ、そっか。ならよかった」

 

何故か嬉しそうなパンサーです。女心はわかりませんね。

 

スカルとモナはセットで引っ張り上げます。よし、じゃあ行こうぜ!

 

さらに進むと例の本棚の仕掛けの所にきましたね。ささっと必要な本を揃えて本棚にぶち込んでやりましょう。

 

「……うげ、何だこの部屋」

 

開いた部屋を見てスカルがげんなりした様子で舌を出します。プレイヤーにトラウマを植え付けた志帆ちゃんの部屋ですね。ですが、今回はちゃんと守りましたので……はい、床にバラの花は散ってません。もうこれだけで大満足です。

 

「この部屋を見るだけで、カモシダがどれほどシホ殿に執着していたかがわかるな」

 

「……上等よ。絶対に、アンタなんかに志帆を好きになんかさせないんだから」

 

パンサーの闘志にさらなる火がつきましたね。では金メダルと地図を拾って次に向かいましょう。

 

セーフルームで休憩した後、礼拝堂に向かいます。奥の方に趣味の悪い像が建っていますね。

 

「……書庫の部屋を荒らしたのは貴様等か」

 

ここで中ボスです。相手はアークエンジェルの姿をした敵が一体ですが、生意気にもチャージを使ってきます。さらに、火炎と電撃に耐性がありますので仲間の攻撃も効きにくいです。

 

な の で。

 

「ジョーカー!?」

 

いけーアルテミス。「銀河烈星拳」だー。

 

「ぎょえぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」

 

アルテミスの拳から放たれた無数の気弾がアークエンジェルの体を貫きます。……あ、しまったー。勢いがありすぎて後ろにある像の足まで壊しちゃったー。ごめんなさいカモシダ様ー(棒)。

 

「おいおいおいおい!」

 

「く、崩れる崩れる!」

 

「おいぃぃぃぃ! 何やってんだジョーカーーーーーー!」

 

仲間達が慌てて避難します。え、これって主人公が悪いの? 悪いのは敬愛する王様の像を守れずに無様に消えていった敗北者(アークエンジェル)でしょ?

 

「なんだ今の音は!?」

 

「ああ、偉大なるカモシダ様の像が!」

 

「許さんぞ貴様等! そこを動くな!」

 

「チィッ! 増援か! ジョーカー、どこか抜け道は無いか!?」

 

ありますねぇ! 間髪入れずにワイヤーを発射します。そして同時にペルソナを「ラウール」にチェンジします。

 

「え、ちょっ……!」

 

ワイヤーで飛ぶ主人公のすぐ後ろをラウールに抱えられた三人がついて来ます。こんな感じで戦闘以外でもペルソナが活躍する場面がちょくちょく挿入されるので既プレイでも新鮮な気持ちで遊べるのがリメイク版のいい所ですね。

 

ちなみに、今回はラウールを使用しましたが、翼を持つペルソナなら何でも構いません。小さいピクシーでも可能です。その場合は抱えるのではなくどこからか不思議な風が吹いてきて仲間達を飛ばしてくれます。気になった人は試してみてね。

 

「……ふう、間一髪だったな」

 

「ありがとね、ジョーカー。けど、次からはやる前に言ってくれると嬉しいかも」

 

「さっきの像の件も含めてな」

 

おう考えといてやるよ。

 

無事に危機を乗り越え先を急ぎます。一応「イシ」も回収しつつ階段をひたすら上っていくと、開けた場所に出ます。

 

「あそこに見える塔で間違いねえんだよな」

 

「ああ。さっき見つけた地図にも一致する」

 

「あの上にオタカラが……」

 

ゴールはもうすぐです。ですが、それだけ警備も厳しくなるわけで。……案の定見張りの兵士がそこら辺にうろうろしていますね。

 

「それでも行くしかない。気合い入れて行けよお前ら」

 

大丈夫。ここにもワイヤーを使った抜け道がありますから。じゃけん今から飛びましょうねー。

 

再び取り出したクソ太ロープでみんなの体をしっかりと固定して、ワイヤーで一気に塔に飛びます。モナから何でさっきみたいにペルソナを使わなかったんだと責められますが、せっかく持って来たのに一回しか使わなかったら勿体ないと答えたら唖然とされちゃいました。そんなモナの肩をしゃがんでポンと叩くスカル。なんだ、やっぱりキミ達仲がいいじゃないか。

 

残りの「イシ」を回収しつつ塔を登っていくと、振り子刃の通路の前にたどり着きます。

 

「危なっ! 何コレ……!?」

 

「古典的だが有効なトラップだな。無理して進むより停止させた方がよさそうだ」

 

「おい、これって地下で見たヤツと似てねえか。って事はこれが制御装置じゃね?」

 

傍に設置されたカモシダの胸像を見てスカルがピンと来たようです。ですが、そのままでは反応しません。本来であればカギを探さないといけないのですが……。

 

「ん、ジョーカーどうした?」

 

止まる気配の無い振り子を見つめるジョーカーにモナが声をかけます。

 

―――頑丈そうな振り子だ。

 

―――けれど、今の自分のペルソナなら破壊出来るかもしれない。

 

―――試してみようか?

 

実はここで「力」が一定の値を超えているペルソナがいればカギを探さなくても突破出来ます。今の所持ペルソナでは「ラウール」と「アルテミス」が満たしていますので、今回はアルテミスに任せましょう。

 

「アルテミス!」

 

アルテミスの拳の一振りで振り子は根本から破壊されました。落下していく振り子を見遣りながらジョーカーが通路を進みます。

 

「ペルソナってあんな使い方も出来るんだ」

 

「なんであんなに可愛いのに「力こそパワー」な武闘派なんだよぉ……」

 

「……違う。吾輩達は怪盗。脳筋集団じゃない。もっとクールに……クールに……」

 

ガッツポーズをしながら消えたアルテミスの姿に三者三様の反応をするパンサー達なのでした。

 

何故かどこぞのしおしお電気ネズミみたいになってしまったモルガナを背負いつつ最後のセーフルームを開通させた所で王の間の左側の像からバレない様に侵入します。

 

兵士達を罵っているカモシダを下に見ながら奥を宝物庫へ向かえば……見つけました。オタカラです。

 

「このモヤモヤしたのが……オタカラ?」

 

「ああ。だがこのままでは奪えない。実体化させないといけないんだ」

 

「実体化だ?」

 

「元々欲望に形なんてないからな。だから、それを盗まれるかもしれないって事を本人に自覚させないといけない」

 

「どうすればいいの?」

 

「本人に予告するのさ。お前の欲望を盗むってな」

 

「それって予告状って事か。まさに怪盗じゃねえか!」

 

「そして実体化した欲望を吾輩達が頂く。そうしてようやく改心できるってわけさ」

 

「改心……やっとここまでこれたんだね」

 

「それにしても、まさかたった一日で侵入ルートの確保が出来るとは思わなかった。ジョーカー。お前は一部、ホントに一部を除けば素晴らしい怪盗になれる素質があるぞ」

 

「やけに一部を強調するなお前……まあ、何となく理解出来ちまうんだけど」

 

「……私も」

 

ジョーカー君。褒められて嬉しそうですね。私も嬉しいです。

 

「さあ、後は現実で予告状をぶちかますだけだ。覚悟はいいなお前達」

 

「ったりめえだぜ!」

 

「私達なら絶対にやれるよ!」

 

「いい返事だ。なら予告状を出すタイミングが決まったらアジトに集まれ。……今日はみんなよく頑張った。そろそろ帰るとしよう」

 

そういうわけで、オタカラへのルート確保が完了しました。いよいよカモシダとの決戦です。

 

決戦の前に気持ちを一つにする主人公達を眺めながら今回はこの辺で。ご視聴ありがとうございました。




一部でいいからパレスのスキップ機能が欲しかった……。


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実況十四回目

お久しぶりです。



色欲の魔人に引導を渡す実況はーじまーるよー。

 

前回、主人公の華麗な活躍により一日でオタカラにたどり着くことが出来ました。なのでささっと予告状を出して鴨志田とケリをつけましょう。

 

翌日の放課後に竜司達に召集をかけます。

 

「皆を集めたという事は、予告状を出すつもりなんだな?」

 

もちろんさぁ。まあ、ここであえて解散して竜司の間の抜けた「え?」を聞くのも面白いんですけどね。

 

「ねえ、モルガナちゃん。今更な質問なんだけど、最初から予告状を出したりとかは出来なかったの?」

 

「ああ。オタカラはいつまでも実体化しているわけではないのだ。もって……おそらく一日だな。それを過ぎればまた消えてしまうのだシホ殿」

 

「シビアだな。けど、ここまで来たらやるしかねえぜ」

 

「そうだね。絶対に負けないんだから」

 

竜司と杏ちゃんは覚悟が出来ているようです。ここで主人公も「覚悟」を見せるためにハイレグ衣装でも着られればよかったのですが、残念ながらありません。

 

覚悟を見せるのにハイレグとはこれいかに? と思ったあなたはどうぞそのままでいてくださいね。

 

「覚悟は出来てるようだな。では今後の予定を説明する。明日の朝、カモシダに予告状を叩き付け、その日のうちにオタカラを頂く。いいな?」

 

「了解! ……ところで、予告状って誰が用意するの?」

 

「ふっふっふ。それなら俺に任せな」

 

不敵な笑みと共に竜司が立候補しますが、杏ちゃんが胡散臭そうな目で返します。

 

「何で?」

 

「何でって……何でだよ!」

 

「あ、あの。私は雨宮君にお願いした方がいい気がするな」

 

「そうだよ。大事な物なのにアンタに任せるとか不安しかないもん」

 

「だからこそ、派手にぶちかましてやりたいじゃねえか。な、蓮? 俺に書かせてくれよ」

 

しょうがねえなぁ。そういう事なら今回は譲ってやるよ(ただ面倒臭いので丸投げしただけ)。

 

「うっし! ならすぐに帰って準備しねえとな。つーわけで、俺、先に帰るわ」

 

ああ、待ちなさい竜司君。そういう事ならこれを持って行きなされ。

 

デデデデーン! 隠し撮り写真~~~~!

 

これを予告状と一緒にバラまいてもらう事で、学園はドッタンバッタンの大騒ぎ。こちとら授業なんて受けてる暇なんてありゃしませんので、せいぜいモブ生徒共に騒いでもらいましょう。お前らなんざこういう時ぐらいにしか役に立たねえんだからよぉ、写真なりなんなりSNSにでもアップしてあのダルマ校長を慌てふためかせてくださいよぉ。

 

「……本当に大丈夫かな?」

 

勢いよく走り去る竜司の背中を見送りながら杏ちゃんが呟きます。大丈夫だって安心しろよ~(GODからのお墨付き)。

 

では、明日の決行にそなえて、主人公もそろそろ帰りましょうか。はい、みんな解散!

 

予告状を出した日の夜は外出が出来ませんので、マスターのカレーを食べたらさっさと寝ましょう。本当なら銭湯でしっかり身を清めたい(意味深)のですが、なんでここは改善してくれなかったんですかアトラスさん……。

 

そんでもって次の日、悠々と登校した主人公とモルガナを待っていたのは、予想通りドッタンバッタンしている学園関係者達でした。

 

「うそ、コレマジ……!?」

 

「噂、本当だったんだ……」

 

「信じられない、あの鴨志田先生が……」

 

学園内に設置された掲示板には竜司が作成した予告状と共に、主人公が手渡した鴨志田の犯罪行為をばっちり映した写真(生徒の顔にはボカシ入り)が大量に貼られています。うーん、これは酷い。こんな事は許されませんよぉ。

 

「おーい、蓮!」

 

お、三人共一緒ですね。ところが、ホクホク顔の竜司に比べてどこか呆れた様子の杏ちゃんですね。どうしたんでしょう。

 

「おはよう。……雨宮君、アレ、見た?」

 

「会心の出来だったろ? ネットとかでそれっぽいの色々調べて頑張ったんだぜ?」

 

「いや、なんていうか、馬鹿な子が背伸びしてる感が凄い……」

 

「あのマークも絶妙にダサかったな。書いた人間の頭の悪さが伝わって来るぜ」

 

「はぁ!?」

 

いやあ、竜司の「はぁ!?↑」はいいですね。これからしか得られない栄養があります。

 

「そ、それより! ほら、みんな大騒ぎだよ」

 

竜司を哀れに思ったのか、志帆ちゃんが話を逸らす様に掲示板を指します。

 

「予告状だけなら質の悪い悪戯だって思うかもだけど、雨宮君の写真は言い逃れ出来ないヤツだもんね」

 

「なんか、スマホで撮影してネットにあげてる子もいるみたい。これでもうもみ消しなんか出来はしないわ」

 

「……っと、噂をすればだぜ」

 

来ました鴨志田です。それにしても、竜司が掲示してから主人公が登校するまで時間があったはずなのに、今更ノコノコ見に来るなんざやけに余裕がありますね?

 

「なんっ……ざけるなぁ! 何だこれはぁ!? 貴様か!? それとも貴様がやったのかぁ!!!」

 

あ、そうでもなかったですね。周囲の生徒に当たり散らす姿からは余裕なんて欠片も感じられません。……まあ、そうするように仕向けたんですけどねぇ(黒幕顔)。

 

「雨宮ぁ! 雨宮はどこだぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

おっと、ご指名ですね。あの写真の出どころは主人公だと思っているのでしょう。正解なのでここは元気よく返事をしてあげましょう。

 

……

呼んだか?

おはようございます!

 

迷う事無く下段を選択ぅ!

 

「っ! そこか貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

はい「物理反射」。

 

「ぶげっ!?!?!?」

 

おおっと! 鴨志田くん吹っ飛んだーーーー!

 

主人公を見つけるなり大きく拳を振り上げながら突進してきた鴨志田ですが、残念、彼は前回の体育教官室での一件を忘れてしまっていたようです。教師なのに学習能力が足りないとかお前この仕事向いてないよ(そこじゃない)。

 

「ぐっ、ぐぐ……」

 

止めてよね、本気でケンカしたら、あなたが僕に敵うわけないでしょう。

 

主人公、まさかの遺伝子調整済み!? いやまあ、二週目以降の主人公はマジでそうなんじゃないかと思われる動きしますけどね。

 

「鴨志田。テメエ、今本気で蓮の事殴ろうとしやがったな!」

 

「化けの皮がはがれたわね。……なんて無様」

 

「先生……今のは私、許せません」

 

三人に見下ろされ、鴨志田は歯ぎしりしながら立ち上がります。

 

「き、貴様等……本気でこの俺を怒らせ……!」

 

「か、鴨志田先生!」

 

おっと、ここでモブ教師が飛び込んできました。慌てて態度を取り繕う鴨志田にモブ教師が叫ぶように声をかけます。

 

「大変です! 外に……校門前に大勢のマスコミが! みんな鴨志田先生を出せと声を張り上げています!」」

 

「なん……だと……」

 

あらら、どうやら生徒がアップした写真がマスコミ関係者に見つかったようですね。やったね鴨志田。きっとトレンドにも乗ってるぞ!

 

「とにかく校長室へ! そこのキミ達はひとまず教室に行きなさい! 絶対に外に出ないように!」

 

頭が追い付いていないのか、モブ教師に支えらえるようにその場を去って行く鴨志田。その瞬間、けたたましいサイレンの音と共に王様スタイルの鴨志田が姿を現します。

 

「盗れるものならば盗ってみるがいい!」

 

はい。これでオタカラの実体化は完了ですね。後はパレスに突入して盗んでしまえば終わりです(すんなり行くとは言ってない)。

 

「今のって……」

 

「あの反応……間違いなくオタカラは出現したみたいだな。行くぞ。オタカラを盗めるのは今回限りだ。この一回で全てを終わらせる」

 

「上等だぜ! 絶対改心させてやる!」

 

「……みんな!」

 

おろ? どうしたの志帆ちゃん?

 

「私……私には祈る事しか出来ないけど。それでもこれだけは言わせて欲しいの。お願い。絶対……絶対みんな無事で帰って来てね」

 

志帆ちゃんの言葉に、主人公達は互いの顔を見合わせると力強く頷きます。

 

「おうよ! あんなクソ野郎に俺達が負けっかよ!」

 

「絶対に成功させる。だから、信じて待ってて」

 

「アン殿は吾輩がお守りする。だから安心してくれシホ殿」

 

いいですね。みんな燃えてますね。よーし、なら主人公も景気づけに、勝利の栄光を君に! くらい言っときましょうか。

 

「う、うん……」

 

あれ、思ったより反応が芳しくない。けど、♪マークが表示されたから喜んでくれてる……はずです。うーん、実況プレイという事で選んだ事の無い選択肢とかをお見せするつもりですが、あんまり冒険とかしない方がいいのかしら?

 

 ……っと、話が逸れましたね。では今度こそパレスに突入です。

 

歪みが収まると、そこはカモシダパレスです。おいおい、警戒度がビンビンじゃねえか。いつものガバ穴具合はどうしたっていうんだよ。

 

「凄い警戒されてるね」

 

「まあ、これからオタカラを盗まれるかもしれないんだから無理も無いがな」

 

「けっ。テメエが警戒しようが、こっちはとっくにルート確保してんだよ」

 

「その通り。素早く華麗にオタカラへ向かうぞ」

 

というわけで行動開始です。ショートカットを使ってパパっと移動すればいいのですが、その前にベルベットルームでペルソナを一体ストックに入れておきましょう。

 

最奥のセーフルームから出てすぐの王の間の扉を蹴破ります。かーもーしーだ君! あーそびーましょ!

 

「止めい!」

 

「……誰もいないね。今ならオタカラの部屋まで一直線で行けそう」

 

「おう。急ごうぜ」

 

走り出すパンサーとスカルを追いましょう。

 

「ええ……もう誰も突っ込まなくなっちまった……」

 

どうしたんだよモナ? 早くしないと置いて行かれるぞ?

 

「お前……ほんっとお前……!」

 

遅れて駆け出すモナを後ろに、ジョーカーはオタカラ部屋に飛び込みます。すると何という事でしょう。部屋の中ではそれはそれは豪華なクソデカ王冠がスカルたちの前に浮かんでいるではありませんか。

 

「これが……鴨志田のオタカラ?」

 

「デカすぎんだろ!」

 

お、テニヌするかスカル? え、そんな暇ない? そんなー。

 

「オ、オタカラー!」

 

モナが王冠に飛びつきます。うーむ、恍惚な表情で頬ずりしていますね。中々の光景ですが、腰ではないので流石にBANされる事は無いでしょう。

 

このままでは話が進まないので引きはがしましょう。

 

「す、すまん……」

 

「キャラ変わり過ぎだろ。どうしたんだよ?」

 

「わからん。オタカラを見たら興奮が抑えきれなくなってな」

 

「ふーん。……何かマタタビ的な成分が出てたりとか?」

 

「なわけねえだろ。……ねえだろ?」

 

「そ、それより、早くこれを頂いて脱出するぞ」

 

「どうやって?」

 

「三人で持って行くしかなくね?」

 

いや、それよりもっといい方法があるぜ!

 

「ジョーカー?」

 

「お、何かあんのか?」

 

おう任せとけ。とりあえず、浮かんでいる王冠を下ろすの手伝ってくれる?

 

ジョーカーの指示でスカル達が王冠を床に下ろします。あ、縦じゃなくて横に倒してくれる?

 

「横? ふんっ! ……っと、こんなもんでいいか?」

 

バッチリ! じゃあ次は入口の扉を開けてもらって……。

 

「よいしょ……。はい、開けたよ」

 

よしよし。じゃあ後はこの王冠を……。

 

「……お、おい、ジョーカー」

 

「まさか……」

 

王冠を……王の間に向けてシュウゥゥゥゥゥゥゥゥ!(二回目)。

 

力99のペルソナ装備からの爆裂キックにより打ち出された王冠は宝物庫から王の間に向けて勢いよく転がっていきます。

 

「ファーーーーーーーーーッ!?」

 

おい待てスカル。これはゴルフじゃなくてサッカーだゾ。

 

「何やってんのキミ!? キミ何やってんの!?」

 

「オタ……オタカラが……。ドーンって、バーンって……」

 

「モナ!? しっかりしてモナ!?」

 

オタカラを蹴り出したジョーカーに愕然とする一同。いいんだよ。どうせ持ち出した所でバレちまうんだし、それに、こうすれば面白い事になるんだからよぉ!

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」

 

「え、今の声って……」

 

「……行ってみようぜ」

 

王冠の後を追い王の間に戻るジョーカー達。そこには王冠の下敷きになってもがいている鴨志田がいました。

 

「鴨志田!? 戻って来てやがったのか!?」

 

「というより、吾輩達が宝物庫から出てくるのを待ち伏せていたみたいだな」

 

「じゃあ、ジョーカーはアイツが隠れているって気づいていたからオタカラを蹴り出して先制攻撃を仕掛けたって事?」

 

「うむ。そういう事なら合点がいく。……でなければオタカラを足蹴にするような常軌を逸した行動などとるはずがない」

 

「だな。いくらコイツでも理由もなくサッカーボールキックなんかするわけねえよな」

 

「流石だねジョーカー。こっちの裏をかこうとした相手のさらに裏をかいたって事だね」

 

そ、そうだよ(震え声)。

 

「き、貴様等ぁ、くっちゃべってないで早く俺様を助けんか!」

 

「はあ? 誰が助けるかっての」

 

「自分の罪を認めて謝るんなら考えてあげてもいいけど」

 

「無論、オタカラは頂いていくがな」

 

血走った目でジョーカー達を睨みつける鴨志田。

 

「……どこまでも。どこまでも舐め腐りやがって、このクソガキどもがぁぁぁぁ!」

 

あーあ、キレちゃった。

 

ジョーカー達の眼前でボコボコ音を立てながら鴨志田の体が膨張していきます。そうして気色の悪い変化が完了したそこには、巨大な化け物と化した鴨志田の姿があります。

 

「うおぉぉぉぉぉ!」

 

さあ、とうとうボスである「カモシダ・アスモデウス・スグル」戦です。ストーリー的には初のボス戦という事で盛り上がりますが、周回済みジョーカーの戦力で考えれば所詮はクソ雑魚ナメクジなので味方を戦闘不能にしないよう注意しつつささっと片付けましょう。

 

「見ろ! オタカラはあそこだ!」

 

カモシダがいつのまにか被っている王冠をモナが指します。

 

「ジョーカー! 指示を頼む! 吾輩達全員でヤツに引導を渡すぞ!」

 

おうそうだな! ならみんな、まずはアイツの腹に前に置かれているトロフィーを壊すぞ。

 

「トロフィー? ……あの変なモンがはみ出してるヤツか」

 

「アレって……人の足? 気持ち悪い」

 

「アレがどうかしたのか? いや、お前の事だ。何かあるんだろう。ならば今はその指示に従うだけだ!」

 

モナがパチンコでトロフィーを狙いますが、カモシダは手にした金色のナイフの腹でそれを防ぎます。

 

「そこのクソ猫! このトロフィーの価値も知らないくせに手を出そうとするんじゃない!」

 

「チィ! 防がれたか。だが……」

 

「わざわざ守るって事は、やっぱり何か意味のあるものだってこった!」

 

「そういう事なら全力でぶっ壊さないとね!」

 

「させるか!」

 

トロフィーを壊されない様警戒するカモシダですが、今からその守りをグダグダにしてやりましょう。その為にさっきペルソナを準備したのですから。

 

さあ出でよ。これぞカモシダ戦において特効といっても過言でないメタペルソナ。その名も……。

 

「クレオパトラ!」

 

ジョーカーの傍に、白い衣装をまとった絶世の美女が姿を現します。彼女こそ、メガテン4FINAL及びメガテン5に登場した悪魔「クレオパトラ」です。アルテミスに続く5からの逆輸入ペルソナとなります。

 

さて、なぜクレオパトラをこの戦いに連れて来たかといいますと、その理由は彼女の持つスキル「ファイナルヌード」にあります。

 

この「ファイナルヌード」。今作では「男型シャドウを確定で魅了させ、かつ攻撃力と防御力を低下させる」という効果を持ちます。ちなみに女型や性別不明。人外シャドウには魅了はかかりませんがステータス低下はかかります。

 

そして、なんとボスであるにもかかわらず、このカモシダにもこのスキルが効きます。これはバグとかではなく仕様であると公式からは発表されています。まあ、言われてみれば納得しかないですけどね。

 

そういうわけで、くらえ、「ファイナルヌード」!

 

「うふふ」

 

妖艶なポーズと共に放たれた桃色の光がカモシダを包みます。すると、ヤツの目の色が瞬く間に変わりました。

 

「女! 女ぁ! 〇ラセロォォォォォォ!」

 

ごめんなさい。BANされるかもしれないのでピー音入れさせていただきました。

 

持っていたナイフを放り投げてクレオパトラ(を装備したジョーカー)を捕まえようと手を伸ばしてくるカモシダ。これ、捕まったらエライ事になりそうですね。

 

けど、もちろんそんな事になったら配信が出来なくなっちゃうので、ここは落ち着いてカモシダの手をかいくぐったらワイヤーを使って二階に飛びましょう。ほーら、カモシダ君こっちだよー!

 

「ジョーカー!」

 

杏ちゃんが叫びますが平気平気。それより今の内にトロフィーを頼むぜ。

 

「任せろ! いくぞパンサー!」

 

「OK! ……って、どうしたのスカル? そんな前かがみになっちゃって」

 

「いや、あの……ちょっと放っといてください」

 

「「?」」

 

スカルェ……。

 

「ええい、逃げるなぁ!」

 

おーっほっほっほ! ほらほら、捕まえてごらんなさーい!

 

ワイヤーを使い、王の間を縦横無尽に飛び回るジョーカー。さらには手すりを利用して滑ったり、スライディングでカモシダの手が届かない隙間に飛び込んだり、その敵を翻弄する姿は、まさしくジャパニーズニンジャである! 全身黒いし(怪盗衣装)、顔も隠してるし(仮面)、完璧だな!

 

「す、凄い……」

 

「アイツ……やっぱり生まれる時代間違えてんだろ……」

 

「おいぃ! 見惚れてないでこっちに集中しろぉ!」

 

ジョーカーに翻弄され、すっかりトロフィーから目を離してしまったカモシダ。その隙を狙い、スカル達は一気に破壊の為に動く。

 

「アン殿!」

 

「いくよモナ!」

 

モナとパンサーが同時に「ガル」と「アギ」を放ちます。風により激しく燃え上がるトロフィーに向かって、スカルはジョーカーから渡された「圧殺のミョルニル」を全力でフルスイングします。残念! トロフィーの寿命はここまでのようです。

 

「ん? あ、あぁぁぁぁぁぁぁ!!! お、俺様のトロフィーが! 全日本で優勝した時の……」

 

魅了が解除されたのか、正気に戻ったカモシダが粉砕されたトロフィーを見てがっくりと肩を落とします。可哀そうなカモシダ先生……!! ひとえにてめェが弱ェせいだが……。

 

「ヤツが動揺している! 今がチャンスだ!」

 

「よっしゃ、行くぜ!」

 

ここで総攻撃チャンスとなりますので、みんなでボコってやりましょう。

 

「こ、こんな事をして、許されると思っているのか! 俺は、俺様は……カモシダなんだぞ!」

 

あ、そっスか(適当)。

 

「え、ちょ、もっと言う事があ……ぎあぁぁぁぁぁ!?!?!?」

 

見事、ホールドアップからの総攻撃が決まりました。何か言いかけていましたがどうせしょうもない事なので無視だ無視!

 

「おのれ! おのれおのれおのれぇぇぇぇぇぇ!!! ならばとっておきだ! とっておきのものをくれてやる!」

 

なになに? 借金以外なら喜んでもらいますけど?

 

「貴様はもうしゃべるなぁ! ……おい奴隷ども、アレを持ってこい!」

 

カモシダの傍に控えていた奴隷達が慌てた様子で何かを取りに行きました。ゴメン。最初からいたはずなのにすっかりアウト・オブ・眼中でしたわ。

 

「現役時代、ブイブイ言わせていた俺様の必殺スパイクだ! 「必」ず「殺」す、スパイクだ!」

 

ふうん……必殺ねぇ……。

 

「おい、どうした早く持って来い!」

 

「す、すみませんカモシダ様!」

 

そこへ、先ほどの奴隷とは違う少年がバレーボールを持ってやって来ました。

 

「み、三島ぁ!?」

 

「ど、どうして三島君が!?」

 

「落ち着け二人とも。あれはカモシダの認知上の存在だ。本物じゃない」

 

あ、どうも。志帆ちゃん救済ルートだと序盤でほとんど絡まない三島君オッスオッス。

 

「三島! トスをあげろ! グズなお前でもそれくらいは出来るだろう!」

 

「は、はいぃ! いきます!」

 

三島君のあげたボールが、瞬く間に巨大化し、カモシダの頭上に浮かびます。このままだと「金メダル級スパイク」の餌食になってしまいますが、馬鹿正直に受ける必要はありません。そう……このR×Rならなぁ!

 

「ラウール!」

 

迫りくる巨大バレーボールに向かってチェンジしたラウールを突っ込ませます。そして、そのまま持ち上げるように「ブレイブザッパー」をぶち込んでやりましょう。

 

ボールはそのまま天井をぶち破ってどこかへ飛んで行ってしまいました。風通しがよくなってよかったねカモシダ先生。

 

「な……にぃ……!?」

 

必殺(笑)スパイクがブロックされてあんぐりと口を開けるカモシダ。あれれー、おかしいぞー? オリンピック出たんですよねぇ? 「必」ず「殺」すって言ってましたよねぇ? なのに、部員ですらない素人に防がれちゃう必殺技って何なんですかぁ?

 

「あが、あががが……!」

 

「うわ、今にも血管切れそう」

 

「そりゃ、あんだけ煽られたらなぁ。アイツ、マジで容赦ねえな……」

 

「同情はしない。……が、哀れだな」

 

「……違う! 今のは何かの間違いだ! そうだ、三島だ! やっぱりお前なんかに任せたからダメなんだ! さっさと失せろ!」

 

「も、申し訳ありませんカモシダ様!」

 

自分の至らなさを他人の所為にしてはいけません。視聴者のみなさんも気をつけましょうね。

 

「次だ! 次のボールを持って来い!」

 

「はぁい、カモシダ様」

 

次にボールを持って来たのは、なんと志帆ちゃんです。しかもセクシーなウサギのコスプレをしていますね。

 

じっくりと姿を堪能したい所ですが、ここは迷いなく銃をぶっ放してご退場願いましょう。

 

「きゃぁぁぁぁぁ!?!?!?」

 

「す、鈴井ぃぃぃぃぃぃ!!!!」

 

ジョーカーに撃ち抜かれた志帆ちゃんが黒い靄と共に消え失せます。

 

「ジョーカー!?」

 

「お前、いきなり何を……!?」

 

「いや、今のも認知上のシホ殿のはずだから本物は関係ないはずだ」

 

いきなり発砲したジョーカーに仲間達も驚愕しています。ですが、これでいいのです。何せ……これはジョーカーの怒りが爆発した証拠なのですから。

 

「き、貴様! よくも俺の鈴井を……!」

 

黙れ

これ以上鈴井を辱めるな

 

この選択肢は下を選びましょう。

 

今一度思い出していただきたいのですが、元々主人公はハゲに手を出されそうになっていた見ず知らずの女性を助けようとするくらいの正義感を持っている少年です。

 

そんな主人公が、自分を貶めたクズな大人と同じ鴨志田という人間によって苦しめられてきた志帆ちゃんの痛み、そして涙を目の当たりにして、怒りを抱かないはずがありません。

 

つまり、鴨志田は主人公の地雷(原)の上でタップダンスをしていたようなものです。そしてたった今、どこまでも志帆ちゃんを自分の物だと主張せんばかりの所業に、とうとう地雷が爆発してしまったのでした。

 

「ひっ……!」

 

そんな主人公の凄まじい怒りの前では、カモシダが抱いたそれは怒りとも呼べはしない矮小な物でしかありません。冷たく、それでいて燃え上がる激情を張り付けたジョーカーを直視してしまったカモシダは悲鳴と共に顔を凍り付かせます。

 

自分こそが王である。自分だけが正しい。そうして歪んだ欲望を抱き、ついには色欲に支配された悪魔が、多くの人間をかつての栄光と暴力で従えてきたカモシダが、一人の人間に気圧されています。社会的地位も権力も持たない。ただ友の為に怒るたった一人の少年に。

 

そして、そんなジョーカーの思いは共に戦う仲間達にも火をつけます。

 

「ああ、そうだ! お前の言う通りだぜジョーカー! 認知ってのがどんなもんかよくわかんねえけどよ。要は鴨志田の妄想が形になってるようなもんだろ! なら、さっきの傷だらけの三島も、今のエロい恰好した鈴井も、テメエがそういう風に見てるってこったろ! 絶対に教師が生徒に向けていいもんじゃねえ。テメエが……テメエなんかが教師を名乗るんじゃねえよ鴨志田ぁ!」

 

武器を床に叩きつけ、咆えるスカル。

 

「シホ殿の怒り、悲しみ、吾輩達がお前に思い知らせてやろう!」

 

ペルソナを背に、鋭い目でカモシダを睨みつけるモナ。

 

「……ありがとう、ジョーカー。みんな」

 

そして、志帆ちゃんの為に怒る仲間達の姿に一筋の涙を流すパンサー。

 

それぞれのセリフと共に、ここで全員に「タルカジャ」が入ります。さらにパンサーには「コンセントレイト」もかかります。ここまで来たら後は畳みかけるだけです。

 

ジョーカー達の怒りによって恐慌状態となったカモシダは王冠を弾き飛ばした時と同じ弱体化が入っていますので、このまま攻撃します。

 

「そこだ!」

 

モナの放ったパチンコの弾が吸い込まれる様にカモシダの右目に直撃します。

 

「おるぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

痛みでもがくカモシダの横っ面に、スカルが全力の一撃を叩き込みます。裂けた頬から黒い液体が激しく流れ出します。

 

「カルメン!」

 

その傷口に向かって「タルカジャ」と「コンセントレイト」の相乗効果を乗せた「アギ」をぶつけるパンサー。初期スキルにも関わらず、その威力はカモシダの体力を容赦なく奪い取ります。

 

「ジョーカー、お願い!」

 

「テイクオーバー」! 相手は死ぬ!

 

「ぎ、あ、あぁぁぁぁぁぁ……」

 

はい俺の勝ち。何で負けたか明日までに考えといてください。

 

化け物から元の姿に戻った鴨志田。そこへパンサーがカルメンを発現させながらゆっくりと近づいていきます。

 

「お、俺を殺すのか……?」

 

ここ、初見時は本当にヒヤヒヤしました。まさか仲間から殺人犯が!? なんて思いましたが、もちろん杏ちゃんがそんな事に手を染めるわけありません。今回は志帆ちゃんも無事ですしね。

 

「……まさか。アンタなんか殺す価値も無いわ。そんな事したら志帆と一緒にいられなくなっちゃうもの。私がアンタに望むのはただ一つ。二度と私と志帆の前に姿を見せない事。それだけよ」

 

「……」

 

「私達の未来に……アンタは必要ない」

 

「そうか。そうだな。罪を犯した俺はお前達には必要ないもんな」

 

涙を流しながらも、どこかスッキリした表情で鴨志田が頷きます。きっと、今の彼こそが、歪む前の彼なのでしょう。

 

「……どの口がと思うかもしれないが、それでも最後に言わせてくれ。……ありがとう、俺を止めてくれて」

 

オタカラをこちらに放り、満足そうに鴨志田は消えていきました。

 

「……本当、どの口が言ってんのよ」

 

「アン殿……」

 

気遣う様なモナの声に、パンサーは大丈夫と首を振ります。

 

「なあ、これで終わった……んだよな?」

 

「ああ。こうしてオタカラも手に入ったしな。さっさと脱出しようぜ。出ないと……」

 

「何だよ?」

 

その瞬間、パレス全体が大きく揺れ始めました。ボスを倒したらアジトが崩壊するのはお約束ですからね。

 

「言っとる場合か!」

 

「は、早く逃げなきゃ!」

 

そういうわけで、急いでパレスから脱出しましょう。

 

「おまっ、何だよその走り方!?」

 

先頭を走るジョーカーにスカルが突っ込みます。ええ、走り方なんて人それぞれじゃないですかぁ。

 

「怖ぇんだよ! 上半身が全く動いてねえのに足だけシャカシャカ動かしてんのが!」

 

「というか足全然見えないしどうなってんの!?」

 

「走る時の腕は組むものじゃなくて振るものだろうが!」

 

なんだよパンサー達まで。この走り方はとある超人達が用いている由緒正しい走り方なのに。その気になれば車よりも早く走れるんだぜコレ。

 

「ちくしょお! 実際俺等より早く走ってるから余計ムカつく!」

 

「……ちょ、ちょっと試してみようかな」

 

「アン殿!? 正気に戻るんだアン殿ぉ!」

 

そんなこんなで、ジョーカー先導の元、みんな無事に脱出出来ましたとさ。ちなみに、スカルの足に関しては杏ちゃんと鴨志田が語り合っている間にこっそり回復しておいたので途中で痛む事もありませんでした。やったぜ。

 

―――目的地が消去されました。

 

はい、これでカモシダパレスともサヨナラバイバイです。

 

「ぜえ……ぜえ……マジで……死ぬかと思った……」

 

「こんな……全力疾走……した事ないっての……」

 

ぐったりと壁に寄り掛かる二人とは対照的に主人公はケロッとしていますね。鍛えてますから。

 

「おい、オタカラは落としてねえだろうな」

 

もちろんさぁ。といっても、王冠ではなく金メダルに変わってますけどね。これこそが鴨志田の歪んだ欲望の元というわけです。

 

「みんな!」

 

「っ、志帆!」

 

「お帰りなさい! みんな大丈夫だよね!? 怪我してないよね!?」

 

「お、おう。大丈夫だって」

 

「よ、よかったぁ。放課後になっても戻ってこなかったから本当に心配したんだから!」

 

「放課後って……げっ、もうこんな時間かよ!?」

 

スマホで時刻を確認すると、既に十七時を過ぎていました。

 

「ねえ志帆、マスコミとかどうなったの?」

 

「あれから警察まで来て大変だったみたい。とりあえず事実確認をするって校長が解散させたみたいだけど」

 

「事実確認だぁ? あんな写真まで見せたってのに往生際が悪すぎだろ」

 

「結局、校長もそういう人間って事でしょ? んん……はあ。もう、マジで疲れた。今日は早く寝ようっと」

 

「そうだな。やるべき事はやった。今日はひとまず解散しようぜ」

 

では、モルガナの解散の合図を聞きながら今回はこの辺で。ご視聴ありがとうございました。




ウチのジョーカーだって決める時は決めるんですよ。


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