ジョルノの姉として転生したオリ主の館生活 (アルトリア・ブラック)
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プロローグ
プロローグ『DIOの子供』


・ジョジョの二次創作です。なおかつ、初書きに近い状態です。

・無駄親子+オリ主が館生活してます。

・DIOの娘がいます。

・ジョルノの姉がいます。



皆さんは転生というのは知っているだろうか

 

本来ならあり得ない前の人生の記憶を持って生まれ変わるという意味だ。

 

言っている意味が分からないかもしれないが、私も分からない。

 

「へへへ…一回ぐらい良いじゃねぇか」

 

もう獣かと言いたくなるぐらい最悪な義理の父親に吐き気を催してしまう。

 

「やめっ…」

 

前世自分が何かしたかと言いたくなるぐらい、この世界では母親と義理の父親に虐待されていた。

 

「姉さん…!」

 

ジョルノが前に立ち塞がり、守ろうとして来る。

 

「退け!!」

 

そう言ってジョルノが彼に殴られる。

 

「ハルノ!!」

 

駆け寄ろうとしたが、服を脱がされかける。

 

「やめっ…」

 

次の瞬間、義父が吹き飛ぶ

 

「ぶふっ!!?」

 

「…え?」

 

自分の影から出てきた自分と同じ身長のモノ

 

「…もしかして…」

 

この世界……ってもしかして

 

「(…いや、何となく想像してたけど…)」

 

ジョルノという名前に既視感があったのだ。

 

偶然の一致の可能性も考えたのだが、どう考えても偶然とは思えない点が多々あった。

 

弟の肩と自分にある星形のアザ

 

最低な母親曰く、自分は実の父親譲りの容姿らしく『化け物みたいな目まで似る必要ないのに』とまで言われた事があった。

 

そこまで来れば最早、答えは出ており、自分はDIOの娘じゃないかという判断になった。

 

(…いや、原作には娘はいないから…勘違いの可能性が高いな、ウン!!)

 

ぶん殴って伸びた義父を他所に弟の手を取って家の外に出る。

 

「姉さん…だいじょうぶ…?」

 

不安そうにするジョルノに「大丈夫だよ」と答えるが、本心はこれからどうするか悩んでいた。

 

あの家にいたら身が持たない。

 

かと言って子供二人が生きれる状況ではない。

 

「…母さんが帰って来たら家に入ろう」

 

「うん」

 

 

 

 

 

 

DIOは部下のスタンド使い達を増やす為に、出かけたりする中、一つの噂を耳にした。

 

それは逃げた食糧の女が身籠った状態で逃げたということを

 

「可能性を考えなかったわけではないが、こうも面白くなるとは思わなかったが」

 

食糧の女が暮らしている場所に行けば、身知らずの物言わぬ物になっている男と、二人の子供

 

そして、顔面蒼白で震えている食糧の女

 

その物になった男をバキバキに叩いている黒い影のようなスタンド

 

(…出しているのは娘の方か…)

 

黒いスタンドには目がない分、些か怖い風貌だが、それに見合っただけの能力を有しているように見えた。

 

バキバキという音が響き渡る。

 

すると…

 

「ほぅ…」

 

「!」

 

その声に驚いたのか、少女が見て来る。

 

「ふむ、殴っているように見せて殴っていないのか…」

 

よく見れば影は殴ってはいるが"殴打された痕がない"

 

「…DIO…様」

 

食糧の女の言葉を無視して、スタンドを出している娘にザ・ワールドを見せると男の子の方もザ・ワールドを見て来る。

 

(見えているな、二人とも)

 

黒髪の方はジョナサンに似ているのだろう

 

しかし、スタンドを使える娘とスタンドが見える息子なら将来使えるだろう。

 

優しい笑みで二人の下に行く

 

 

 

 

 

「…は?」

 

思わずそうこぼしたのはDIOの館にて執事をしているテレンスであった。

 

ある日突然、主人が出かけ、戻って来た時には二人の子供を連れていた。

 

しかも、主人は「私の子供だ、面倒を見るように」と言ってくる始末。

 

片方の男の子の方は主人には似ていないが、片方は明らかに主人にそっくりな見た目をしていた。

 

「よろしくお願いします」

 

「え?あ、はい、こちらこそよろしくお願い致します…えっと」

 

主人を見ると「ダイアナとジョルノ」と答えてくる。

 

「ダイアナ様、ジョルノ様」

 

そう言って二人は新しい館の人間になった。

 

子供というからには心底手を焼くかと思ったが、全く手を焼かなかった。

 

特に長女の方など自分で何でもこなしてしまう為、困った事と言えば女性物の服のことや身体的悩みについてだった。

 

そこら辺はマライヤに頼めばなんとでもなるので、本当に何にも手が掛からなかった。

 

弟のジョルノの方は何を思っているのか分からないぐらい無言なことが多く、姉にベッタリであったが、こちらも手を焼くことはなかった。

 

「本当に手のかからないお子様方です」

 

本を読んでいる主人に血入りのワインを出す

 

(…本当にDIO様のお子様なのかな)

 

そう思っているとDIOがジト目でこちらを見て来る。

 

「今何か失礼なことを考えただろう?」

 

「いいえ」

 

「……」

 

キッパリと言うテレンス

 

「弟の方は知らんが姉の方は優秀なスタンドを持ってるぞ、お前も気をつけるんだな」

 

そう言って笑う主人

 

「失礼ながら、ダイアナ様のスタンド能力を伺ってよろしいでしょうか?」

 

そう言うと主人は本を閉じ立ち上がる

 

「ちょうどいい、ヴァニラとンドゥールはいるか?」

 

「はい、館におりますが…」

 

「他の者はいるか?」

 

「マライヤとミドラー、エンヤ婆とホルホースはおりますが…」

 

「ならば全員呼び出せ、話はそれからだ」

 

「はい、かしこまりました」

 

背を向けるDIOが歩いて行く




【登場人物】

ダイアナ・ブランドー
ジョルノの双子の姉、DIOの館から離れて母親が結婚し、その結婚相手から虐待されて育っていた。
原作知識はあるが、虐待のせいで常識人から逸脱している部分もある。義父から性的虐待をされた事もある。そんな中、スタンド使いの子供がいると興味を持っていたDIOに発見され、子供であるという事も判明した為、結果的に館に連れて行かれる。
ジョジョの知識はあるものの、3部までしかないが部分的にDIOに息子がいるというのは知っている。

【容姿】
ジョルノと違い最初っから父親譲りの金髪で、父親譲り、しかし、目元はジョナサンのような感じ

【スタンド能力】
真っ黒い姿のスタンドでイメージは黒桜の使役する影を人型サイズにした感じ、人間の中身を作り替え、自分の意のままに操る事が出来る(自分の願ったモノを叶える能力)もう一度触れれば元に戻る


【性格】
生きる為なら何でもするタイプ。
義父達よりもDIO達の方を信頼してはいるが、無条件に気を許したワケではない。
特段父のようになるつもりもない、平和に生きたいけど、スタンドを持ってしまった以上ロクな未来にならないと俯瞰してる部分もある。



ジョルノ・ジョバーナ
ダイアナの双子の弟
母からはネグレクトをされ、義父からは虐待されて育った。しかし、姉から庇われたりした事もあり原作より姉という存在に依存している。
それでも原作ジョルノに近い性格をしているが、途中でDIO達に拾われたため、ギャングに会わなかった為、自分に自信がないのは変わらない
オリ主のみハルノと呼ぶ

DIO
逃げた食糧の女が二人の子供を産んでなおかつ、上の娘がスタンドを使えるという報告を受け、ジョースター一行が来る前にジョルノ達を見に来る。
息子の方もザ・ワールドが見えていたので、将来使える可能性があると見込んで館に連れて行った。


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第1話『館の生活』

最初だけピクシブと似ており、後半は似てません。

というか、あっちを本編にせずこっちを本編にします。

後…双子の姉という設定だったのに、ジョルノ説明のところで二つ年上の姉となってたり(直しました)ジョルノ・ジョバァーナなのにジョバーナだったり、激しく横文字が苦手な作者ですがお許しください

ンドゥールの口調が安定しませんごめんなさい


DIOの館に来てからダイアナは、生き残る為に必死だった。

 

ダイアナにとってDIOという存在は父である以上に、生きて行く為に存在していて欲しい存在だった。

 

何よりも怖い

 

何よりも一緒にいるのが怖い

 

(…魅力も色気も凄いんだけど…何より怖いんだよなぁ…)

 

普通の家族のように接する事は出来ないが、彼がいなければ生きて行く事は出来ないだろう。

 

「ダイアナ様、DIO様がお呼びです」

 

ヴァニラからの言葉に「はい」と返事をし、ヴァニラの後ろを着いて行くと、そこにいたのはDIOの部下達で、それを見た瞬間に嫌な予感がした。

 

(…これ、スタンド能力説明しろとかそういう奴な気がする…)

 

ハァ、嫌になるなぁと思った瞬間、DIOから言われたのは思った通りの事で、部下達にスタンド能力を説明しろと言われた。

 

「…説明ですか」

 

次の瞬間、ホルホースが放った弾丸が飛んで来る。

 

(…あっぶな…!)

 

銃弾が方向転換し、ホルホースの顔面かすめて柱にぶつかる。

 

そのままホルホースが地面にぶっ倒れる。

 

「……」

 

DIOの方を見ると面白そうに笑っており、エンヤ婆は相変わらず発狂していた。

 

ヴァニラとンドゥールは事前に聞いていたのか何故か感心しており、テレンスとマライヤ、ミドラーは呆然としていた。

 

慌ててホルホースの方に向かうと

 

「そのままで良いではないか、そいつはお前にやるぞ?」

 

DIOからの言葉に背を向けたまま

 

「いえ、いりません」

 

そう言ってスタンドで触れればホルホースが「は?」と言って起き上がる。

 

「お父様の部下は私の部下ではありませんから」

 

そう言うとDIOは笑いながら「そうか」と言って部屋から出て行く

 

ダイアナはDIOの部下達に頭を下げ『失礼します』と言って部屋から出て行く

 

数分歩いていると、DIOが立っており、足を止める。

 

「せっかく便利な能力だが、本人が使う気がないのでは宝の持ち腐れだな」

 

そう言うDIOの言葉に「私は別に支配者になりたいわけではないので」と返す

 

「ならば、何を望む?」

 

DIOからの言葉に考え込む

 

「……家族ごっこ、ですかね」

 

「また弟の為か?」

 

つまらなさそうな表情をするDIOに

 

「はい、ハルノのためです。ジョルノの平穏こそが安心ですから」

 

そう笑うとDIOはため息をつき「付き合ってやるが、こちらにも手伝え」と言ってその場から立ち去る

 

(…あー…!胃が痛い…!)

 

そう思いながらもため息をつく事なく、部屋に向かうと…

 

「姉さん!」

 

ジョルノが走って来る。

 

「?どうしたの?」

 

「姉さん、パードレに呼び出されてたんですか?」

 

不安そうにするジョルノに微笑み

 

「まぁね、でも大丈夫よ"あの人"より良い人だから」

 

そう言ってジョルノの手を握る

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイアナ・ブランドーは年齢に似つかわしくない程大人びた少女だ

 

(あの年頃の娘ならもっと騒いでもおかしくない年頃だが…DIO様の娘であるという事はそれなりに凄いことなのだろうか)

 

ンドゥールは報告のために訪れた館に入り、歩いていると斜め前から人の気配を感じる。

 

自分より低い位置から感じる主人と良く似た気配

 

しかし、女性特有の気配を感じ

 

「ダイアナ様ですか?」

 

そう口を開くと「気配消して立ってみたのだけど、分かるのですね」と言って来る。

 

「DIO様はどちらにおられますか?」

 

「書斎の方にいると思います。ご案内しますよ」

 

そう言って先を歩くダイアナ、先ほどより顕著に気配とスタンドの気配も感じるので、気配を消していたのは事実だろう。

 

「そういえば、ンドゥールさん」

 

「ンドゥールと呼んで構いませんよ」

 

「…ヴァニラさんもそうでしたけど、私はお父様の娘であって、そんな敬語を使うべき人間ではないのでいつも通りにしてくださって構いませんよ」

 

ダイアナは子供に似つかわしくないぐらい相手の本質を見抜いて来る。

 

「DIO様のご息女であるのに変わりはありませんから」

 

「そうですか」

 

ダイアナ・ブランドーという存在は自分の立場を誰よりも理解している。

 

人の本質を見抜く目も、自分をDIO様のような存在だと思い込まない部分も、自分がDIO様に勝ると豪語しないその姿勢もンドゥールにとっては好感が持てる存在だった。

 

何よりも、ダイアナが自分達と同じ人殺しの気配を感じるのも親近感が湧くものだった。

 

 

 

 

 

 

DIOの館は毎日人が入れ替わりで入るから、毎日、心臓が止まるぐらい緊張した部分もある。

 

庭で遊ぶジョルノとペット・ショップとマライヤを眺めながらフと考え事をする。

 

(…これが理想の無駄親子…みたいに見えるんだよな)

 

マライヤが居なくなった代わりに庭に出て行くDIO

 

今更だが、今日はかなり曇っており、吸血鬼のDIOが出て行っても問題のない天気だった。

 

DIOとの生活は正直息が詰まる所もあったが、自分『ダイアナ』に価値がある限り生かして置いてくれるだろう。

 

(…まぁそれでも返事の仕方を間違えればデッドエンドルートなのには変わりないけど…)

 

しばらく眺めているとジョルノが手を振って来る。

 

その手に振り返して部屋の中に入る

 

(…承太郎達が来るまで後、数年か…)

 

その間に何かしないとなと思いつつも、現状に安心してしまうのは悪い事なのだろうか

 

「………安心を求める事こそ人間の生きる意味…」

 

未来、父がポルナレフに言う言葉

 

(…まぁ、間違ってはないんだよな)

 

人は安心する為に生きる、ごく自然の言葉

 

(…安心してるのかな、この環境)

 

緊張する環境=安心とは言わない気もしたが

 

仰向けに横になると…

 

「お前は相変わらず子供らしくないな」

 

窓枠に乗るDIOがいた。

 

「……そうですかね」

 

「ジョルノの方が子供らしいぞ」

 

「…ジョルノは人を殺してませんからね」

 

義理の父親を殺したのは自分なのだ

 

ジョルノが覚えていない事が何よりの救いだったが

 

「アレは殺した範疇には入らんだろう」

 

部屋の中に入ってくるDIO

 

起き上がってベッドに座る。

 

「殺しましたよ、作り直しただけで、その人本来が持つ性格を殺しましたし」

 

「そうか、確かにそうだったな」

 

そう言って凶悪な笑みで笑いかけて来る

 

「お父様」

 

その声に振り返り

 

「支配されるのって安心なんですか?ゾワってしませんか?」

 

「…突然馬鹿みたいな質問をして来るな」

 

DIOが一瞬困ったような表情を見せる

 

「安心を求める事こそ人間の生きる意味だろう?支配されるのも、される側にしてみれば安心だろう」

 

「………」

 

「お前はヴァニラやンドゥールを見てどう思う」

 

「…幸せそうだな、と」

 

「つまりはそういうことだ、それと、まだ言いたいことがありそうだな?」

 

父の綺麗で怖い表情がこちらを見て来る。

 

「……考えるのをしなくて良いのだから楽だろうな、と」

 

「随分ハッキリと言うな」

 

「ンドゥールさんはともかく、ヴァニラさんは特に、お父様の事を誰よりも崇拝してますから」

 

「この短期間でよくそこまで理解したな」

 

そう言って頭に手を乗せて来る。

 

(…この人も本当に自分が安心したいんだろうな)

 

肉の芽が今日も打ち込まれないことに安堵しつつ、部屋から出て行ったDIOを見送り、ベッドに倒れる




アレ…ジョルノをなかなか出せない…

次には出します。



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第2話『家族ごっこの幕引き』

悪役の子供とか悪役の話って正義の味方の話より書きやすいけど、DIO様は私が書くと上手く表現出来ない…


 

ジョルノにとって姉は何よりも勝る存在だった。

 

毎日自分を虐待する義父や自分を放置する母親と違い、姉は自分を守ってくれる唯一の存在だった。

 

それは実の父親に引き取られてから今も変わらなかった。

 

毎日人が出入りする館

 

「パードレは良い人ですか?」

 

姉にそう聞くと「普通とは違うけど良い人だよ」と答えて来る。

 

「殴らないし、無理矢理な行為もして来ない、まぁ、それくらいの距離が良いんだと思うよ」

 

話しているとテレンスがやって来て勉強の時間になったと告げて来る。

 

前と違う程暖かい家に執事のいる館。

 

何より違うのはみんな僕達を殴ったりしない

 

 

 

 

 

 

 

 

DIOは意外にも家族ごっこに付き合ってくれた。

 

ジョルノが抱っこと強請れば嫌がる素振り一つ見せず、父親らしい一面を見せてくれる

 

しかし、前世という知識がある自分にはその素振りが『計算された上』でしかないのは薄々理解していた。

 

価値のあるものにしか興味を持たない

 

スタンド使いなら仲間に引き入れるが、格闘しか出来ない人間は受け入れない

 

そんな物なのだろう。

 

私やジョルノはスタンド使いだし(ジョルノはまた発現してないが、将来発現されるのが約束されてる)

 

なんなら、普通の子供より扱いやすいからDIOにとっての価値は良いくらいなのだろう。

 

10歳になったある日、スタンドの制御の仕方をある程度なれるために父の許可を得てカイロ付近ではあるものの出かける許可を得た。

 

(…やっぱり、触れるのもOKスタンドで触れてもOKか…)

 

自分のスタンドは承太郎やDIOのように人間っぽくない

 

むしろ、影みたいな形であり、基本的には自分の足下にいるのが普通だ。

 

(…人間の姿で固定されてるワケじゃないから、ある意味、ンドゥールさんのスタンドと近いと思って良いかな)

 

あんな遠くまで使える射程距離ではないが、せいぜいDIOの館全体を覆うぐらいの射程距離はある。

 

(…触れれば自分の意のままに相手を操る能力…か)

 

この力は本当に戦闘面には向いていないが、相手に触れれば相手はこっちの意のままに操れるのは強いところだろう。

 

「………」

 

数年前、義父に使った時は思い切り殴れたがそれは『自分は相手に殴られてる』という風に操り、自分で自分を殴っている異常な光景だった。

 

(…影に触れる、という所しかないのが辛いけど…)

 

そうこう悩んでいると、ペットショップが飛んで来る。

 

「あら、もう夕暮れ?」

 

肩に乗って来るペットショップがジッと見て来る。

 

屋敷に戻ると…

 

「お帰りなさい。姉さん」

 

ジョルノがテレンスと一緒に洗濯物を持っていた。

 

「あら、お手伝い?」

 

「はい、甘えてるばかりではいけませんから」

 

「よろしいのですよ、ジョルノ様」

 

こちらでやりますと言うテレンスに『パードレも自分の分は自分でやれば良いのに』と言う。

 

ジョルノがスタンドを覚醒させてから見た目がDIOのようになり、あとは身長だ!と言っていた。

 

「姉さん、これからどうするんですか?」

 

「書斎の方に行って少し調べたいことがあるの、お父様は眠ってる?」

 

「はい」

 

「じゃあ、エンヤ婆は?」

 

「書斎の方にいますよ」

 

「ありがとう。テレンス」

 

そう言って二人の横を歩いて行く

 

「……姉さんってパードレに似て来ましたよね」

 

「………能力使わずに雰囲気似て来ましたね」

 

 

 

 

 

 

 

灯を持って書斎に向かう

 

(…なんで電気を使わないんだろうなぁ、この家…)

 

灯を持って大きな本棚の前に立つ

 

スタンドを出して高い所にある本を取る。

 

(…目悪くする…)

 

本を持って歩いていると…

 

先程いた場所に父とプッチ神父がいた。

 

すると、先にプッチが気付き振り返って来る。

 

「おや、君は、DIOが言ってた…」

 

「お父様の娘のダイアナ・ブランドーです。よろしくお願いします」

 

そう言ってペコリと頭を下げる

 

「礼儀正しいな、ジョルノくんといい、DIOの子供はこうも賢いのか」

 

「ふん、私の遺伝だからな」

 

自信満々に言う父と楽しそうに話すDIO

 

「ジョルノくんもDIOに似てたけど、君の方がDIOに良く似てるね」

 

楽しそうに話すプッチに『似てると思いますか?』と敢えて聞くとDIOは「目元以外はな」と言って来る。

 

(…目元は確か、ジョナサンに似てるとか言ってたな…)

 

そう黙って立っていると…

 

「さっさと子供は寝ろ」

 

DIOの言葉にハッとなり「おやすみなさい」と言って部屋に向かう。

 

 

 

 

 

 

父が出かけていない間、ジョルノと二人きりの食事になるのが割と平和で好きな時間だった。

 

父がいない時は大抵、狂信者であるヴァニラやンドゥールもいないので気が張り詰める事はない。

 

唯一の難点はスタンドにうるさいエンヤ婆がいる事ぐらいだが

 

「姉さんは今幸せですか?」

 

夕食を食べている最中に突然、ジョルノから聞かれる。

 

「え?いきなりどうしたの?」

 

「いえ…姉さんがここに来てから…前もそうでしたけど、あまり楽しそうに見えなくて、僕がパードレに甘えている時も何処か退屈そうで、僕が邪魔をしてるのでは…」

 

「そんな事ないわ、少なくとも前よりかは幸せよ」

 

そう言ってジュースを飲む

 

「そもそも前と比べるのがおかしい話だけど、ここには女だからと言って犯して来る奴らもいないし、暴力を奮ってくる人間もいないわ」

 

「そうですけど…」

 

前にいた場所は本当に地獄だった。

 

義父から受けた仕打ちを考えれば、精神的に圧迫されるのなんて非でもない。

 

(…そういえば、ジョルノ・ジョバァーナはギャングスターになるという目的があったみたいな話を聞いたけど…このままじゃヤバいかしら)

 

前世で軽くしか聞いたことのないが、大まかに違えば大変な事になるのではと考えていると…

 

「…パードレが女の人の血を吸っているのを見ました」

 

「!」

 

その言葉にハッとなる。

 

「パードレが人間ではないということは薄々理解してました。だけど…あの様子を見るのはとても…」

 

ジョルノの苦しげな表情にフォークを置く

 

(…本当にジョルノは『主人公』なんだな)

 

ジョルノに気づかれないようテーブルの下からスタンドを出し、ジョルノに近づく

 

「姉さん…本当につらいのなら…」

 

最後まで聞き終わらず、ジョルノが眠り込む

 

「……私は、本当に人でなしなのよ、あの光景を見ても何処か絵空事で、本当に実感がないの」

 

フォークを置いてジョルノに近づく

 

「それでも、このままじゃいけないのは理解してるわ」

 

ジョルノの頭を撫で

 

「それでも、今貴方の思いだけは大事にしたいから」

 

ジョルノに微笑みかけ

 

「ごめんね、ジョルノ、愛してる」

 

物語は上手く回らなければならない。

 

主人公は主人公でなければならない。

 

異分子の最後などどうなるか分からないからこそ、主人公は闇堕ちさせられない。

 

スッと立ち上がると、後ろの扉が開く

 

「わざわざ危険を犯して来てくれてありがとう」

 

やって来た人間にお礼を言うと派手にため息をつかれる。

 

「イタリアに連れて行ってあげて」

 

その言葉に男性はバレたらどうするという質問に笑いかけ

 

「ジョルノは何も知らなくなったから大丈夫と伝えておくわ、それに、交換条件もある程度調べたから」

 

そう言って部屋から出て行く

 

(…本当は一緒にいたかったけど、仕方ないわ…)

 

もうすぐ第三部は幕を開けるだろう。

 

風にあたりながら夜空を眺める。

 

「……今更、引けないもの」

 

何が最善なのか最悪なのかもう分からない。

 

DIOの娘として生まれた以上、自分の計画の一端として、平和に暮らす方法は限られている。

 

ジョルノがこのまま、この館にいれば歴史は大きく変わってしまうだろう。

 

「幸せになってね…ハルノ」

 

 




【オリ主のスタンドについて】
不定形で実体がないが、本体に危険が及ぶと影が人型になり攻撃する。
しかし相手に対する物理攻撃が不可であり、触れることのみ出来る。
本体・スタンド・影に触れられた人間には『殴られた』という結果のみ残る。
『相手を意のままに操る』という能力を持っているため、自分の手を汚さず相手を殺すことも出来る。現在成長途中


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第一章『スターダストクルセイダーズ』
第3話『物語の始まり』


花京院が出て来ます

今更ですがオリ主の年齢がだいぶアバウトです。

今回は短いですごめんなさい


ーDIOの館ー

 

この館に引き取られてから数年が経過した。

 

12歳になったダイアナは館にひっきりなしに訪れる客人を時に相手しながら、時には父が望むようにするのが仕事になっていた。

 

(…悪役の子供は悪役になりやすいとかいうけれど、それもあながち間違いじゃないわよね)

 

同じスタンド使いならともかく、時には富裕層の人間がDIOに心酔し、やって来ることがある。

 

そのただの人間に関してはDIOは本当に興味がないのか、資金援助やその伝手を利用してスタンド使いを集めることが多かった。

 

食糧の女性たちを連れて来るのも彼らを伝手で連れて来るので、足がつかないようにしている。

 

「お父様、彼らどうしますか?」

 

玄関の前で発狂する男達数人

 

彼らは名のある富豪でイギリス方面で活動している新興宗教の人間だ。

 

「そろそろ切りどきだと思うが、どう思う?」

 

斜め後ろにいる父が聞いて来る。

 

「…まだ警察に目をつけられていないのならまだ大丈夫だと私は思いますが」

 

質問に質問で返されてモヤッとしたが、普通に返すとDIOは笑いながら背を向け

 

「アレらはお前に任せる。やりたいようにしろ」

 

そう言って部屋の奥に消えて行く

 

(…やりたいようにしろと言われたけど、要は、迷惑にならないように解決しろってことかしら…)

 

相変わらずわかりづらいと思いつつ、テレンスが抑えている玄関前に行く

 

「ダイアナ様」

 

「テレンス、後は私がやっておくから下がっていいわ」

 

そう言うと、足下からスタンドを出し二人の男に触れる。

 

このスタンドをある程度使いながら理解したことは、触れてる時に結構な神経を使うことと、相手を操りたいのならある程度は相手を知る必要があること

 

(…細かい作業だから本当に苦手だけど、コレが私のスタンドだから仕方ないわよね)

 

そして、自分が成長すればある程度スタンドも成長するのか、私のスタンドは前世で言う『俺強ぇ要素』も若干だが含まれているということ

 

まぁ、あそこまでチート完璧な能力ではないし、相手の事を知らないと粗が生まれておかしなことになる。

 

怒鳴っていた二人は嘘みたいに穏やかになり、両膝をつきながら嬉しそうに『DIO様の為に誠心誠意尽くさせて頂きます!』と豪語していた。

 

適当に返して手を振って見送ると…

 

「…今回は結構時間をかけましたね」

 

テレンスからの言葉に「あの二人、結構お父様のこと不審に思って警察に行くことも考えてたらから大変だったわ」と返す

 

「お父様の言うことって大体当たるのね」

 

「?というと?」

 

男二人のうち、茶髪の男性は友人と別れた後、そのまま船に乗り込む

 

「切りどきを間違えたら面倒なことになるって」

 

船に乗り込んだ男は笑いながら、短刀を取り出して首を一気に切る。

 

「お金の切れ目は縁の切れ目とか言うじゃない。本当にそんな事あるのね」と言って館の中に入る

 

ダイアナの言葉にテレンスは「何処で知ったんです?その言葉」と聞きながらドアを閉める

 

「お父様の持ってる本から」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日後、DIOが見覚えのある学生を連れて来た。

 

「しばらくここでお世話になります。花京院典明と言います」

 

「よろしくお願いします」

 

目の前に現れた原作の登場人物についに来たかと内心思っていたが、驚いたことに日本に立つ前の数ヶ月間、何を思ったのかDIOは花京院を館に連れて来て私の面倒を見るように命じて来た。

 

肉の芽花京院だから素直に受け入れ、使用人のように、時には友人のように一緒にいろと言われることがあった。

 

(…何か試されてる?肉の芽が植え付けられてるから下手に原作キャラの話をするわけにも行かないし…)

 

例えばこれから日本に行って承太郎と戦ったとしても負けるとか、そんな話をしたって無駄である。

 

「ダイアナ様は本を読むのが好きなのかい?」

 

「様付けしなくて良いわよ、なんか不釣り合い」

 

そう返すと「じゃあ、DIO様がいないところではダイアナと呼んで良いかい?」と言って来る。

 

「好きか嫌いかって言ったら好きな方だと思うわ、物語の中に引き込まれるから」

 

「確かに、DIO様の館には沢山本があるらしいから、ダイアナはその分頭よくなるだろうね」

 

話が絶妙に噛み合っていない気がしたが、気にしないで本に目を落とす

 

「………」

 

花京院が楽しそうに話すが、何処か空虚な目をしている。

 

肉の芽が植え付けられてるから仕方ないのだろうが、黙って隣にいる花京院は普通に楽しそうに見える。

 

「それにしても、あなたのスタンドは綺麗な緑よね、私のドス黒い色とは正反対」

 

小さい声で羨ましいと返すと、初めてこちらをはっきりと見て笑いかけて来る

 

「そうかい?ありがとう。僕としてはダイアナのスタンドも好きだよ」

 

そう言って黒い影になっているスタンドに触れて来る。

 

髪の毛を撫でられてる感覚になる。

 

「こんな黒いのが?」

 

おかしな趣味してると言うと苦笑いしながらも

 

「優しい雰囲気を感じるのさ、それに、僕にはちゃんとした顔に見えるよ?」

 

「え?」

 

私の目からはただの黒い人型にしか見えない

 

例えで言うなら暗いところに現れるお化けのようなものである。

 

真ん中に時々現れる眼のようなものが逆に怖い

 

スタンドを消すと花京院が「あ」と言って来る。

 

「もう風呂に入って寝るわ」

 

「そう?じゃあ、僕はここで帰るね」

 

そう言ってドアの前に行き

 

「じゃあね、ダイアナ」

 

その言葉に手を振り『さようなら』と返す

 

バタンと扉が閉まり、ダイアナはふぅとため息をつく

 

(…原作が始まるまでもう少しね…)




【オリ主に肉の芽が打ち込まれない理由】
DIOがヴァニラアイスやンドゥールのような忠誠を誓っているとオリ主に対して思っており、能力を伝えていない分ペラペラしゃべらないだろうという判断の下そのまま


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第4話『箱庭の少女』


承太郎達がやっと動き始めます。


ー館ー

 

ジョルノがイタリアで平穏な生活を送っているという情報を聞いて、嬉しかった。

 

遠くにいても、家族が幸せに生きていてくれるのは嬉しい事だ。

 

そして、花京院が日本に行くのが四日後となった。

 

「DIO様のご命令を遂行出来るのは素直に嬉しいさ、あのお方のために戦える事こそ僕の目的さ」

 

「………」

 

カイロの市街地に出たダイアナと花京院は買い物をしながら話していた。

 

「ダイアナはあのお方のために常に働けて凄いな、僕も君のように役に立てる人間になりたいものだよ」

 

先ほどからDIOの話しかしない肉の芽花京院にため息をつきたくなる。

 

(…いくら言ったって肉の芽の影響は拭えないから仕方ない話なのだけどね…)

 

テレンスに頼まれた物を買いながらダイアナは服を買いに店に入る。

 

店から出た後、花京院が荷物を持ってくれる。

 

「典明はスタンドを持って不幸せだった?」

 

風が吹き、長い髪が靡く

 

「?」

 

花京院がスタンドを持ったが故に自分の在り方に悩み、孤独になって行ったのは知っている。

 

誰にも理解されない苦しみを背負ったということも

 

「私の周りにはスタンド使いはたくさんいるけれど、典明の生まれた場所では滅多に居ないんでしょう?」

 

道を歩きながら言うと後ろを着いてくる花京院

 

「私はスタンド以前に父親が吸血鬼だったということに驚いたけれど、貴方はそうではないんでしょう?」

 

「………」

 

「あなたの悩みは()()()()()()()()()()()()()()だと思うわ」

 

何も言わない花京院だったが、表情が変わって行く

 

「…僕の苦しみは君には…」

 

「分かるはずなんてないわ、だって他人だもの」

 

ズバッと言うダイアナにえ?となる花京院

 

「悩むほど人は他人に興味なんてないわ、それに、他人と違うのなんて当たり前のことじゃない」

 

そう言って用意してあった車に荷物を載せる。

 

「早く帰りましょう。典明」

 

「…!あぁ」

 

館に帰ると、花京院が日本に行くことになり、それを2階の自室のベランダから眺めていた。

 

彼が出立してから全ては始まる。

 

承太郎やジョースター一行が来るのはすぐになるだろう。

 

「(だからこそ、手を打たないといけないのよね)」

 

ダイアナは背を向けて自室に入ろうとした際に、ちょうどのタイミングで花京院が振り返って来る。

 

「…誰にも、死んでほしくないもの」

 

そう呟いて扉を閉める。

 

 

 

 

 

 

 

ー日本ー

 

花京院典明は空条承太郎に負け、肉の芽が抜けてからジョースター一行の旅に付き合うことになった。

 

DIOの情報を知っている限り教えようと思ったのだが、館にいた時の記憶がほとんど消えてしまっていた。

 

DIOの能力も何もかも知らない。

 

ただ、自分はDIOの館で『少女の面倒』を見ていたということだけ

 

『他人と違うなんて当たり前じゃない』

 

そう言った少女の記憶は朧げだ。

 

(まるでモヤが掛かったように思い出せない…)

 

ノイズが走ったように思い出そうとすると()()()()()()()()

 

「どうした花京院」

 

隣を歩いていた承太郎が声をかけて来る。

 

「いや、なんでもありません、少し考え事をしてただけです」

 

そういうと承太郎が「そうか」と言って来る。

 

「そういえば花京院。お前はDIOの館に行ったことがあるんだったな」

 

ジョセフからの言葉に花京院は「はい」と言う

 

「どこにあるのか、建物の構造は覚えておるか?」

 

「…すみません。DIOの館にいた時の記憶はほとんど覚えていないんです」

 

「そうか…」

 

ジョセフの落胆した言葉に承太郎が「別に慌てて思い出して魘される必要もねぇだろ」と言う。

 

「ただ、一つだけ覚えていることがあります」

 

「なんじゃ?」

 

「DIOの館にいた時、DIOから一人の少女の面倒を見るように命令された記憶はあります」

 

「少女とは?」

 

ポルナレフが振り返って言って来る。

 

「年齢は…10代前半でしたが、その記憶を思い出そうとする度に記憶が改竄されると言うか…()()()()()()()()()()んです」

 

彼女の顔も名前も思い出せない代わりに、自分がすべきこと、DIOを倒すという目的以上に湧き上がる感情があるのだ。

 

「記憶が塗り替えられる?スタンド使いだったのか?そいつは」

 

「そうかもしれません。今思えば、DIOが命じて来るということはかなり重要なことだったと思います。しかし…」

 

瞬時に花京院の脳裏にノイズが走る

 

『貴方の悩みは貴方が思うより、細やかなことだったと思うわ、だからこそ、()()()()()()()()()()()()考えるべきよ』

 

「っ…!」

 

「花京院?!」

 

突如、膝をついた花京院に駆け寄るジョセフ

 

『貴方は、来てはいけないわ』

 

花京院の服を握る少女

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

『こちらに来たら間違いなく不幸なことになるわ、だから帰りなさい』

 

まるでゲーム画面のバグのように目の前にノイズが走る。

 

肉の芽はないはずなのに

 

「…僕は…」

 

ノイズの中に誰かの足が見える

 

「帰ら…ない」

 

『………』

 

少女に向けて呟く

 

「僕は…僕を助けてくれた、ジョースターさん達のためにも…止まるわけには行かない!」

 

そう叫ぶように言うと顔の見えない少女は微笑み

 

『そうよね、()()()()()()()()()

 

そういって撫でられるような感覚に陥る

 

『頑張ってね、典明』

 

ノイズが止むと、気づいたらそこはホテルの一室だった。

 

「気がついたか、花京院」

 

傍らにいたのは承太郎で、自分はベッドに横になっていた。

 

「こ、ここは…」

 

「ホテルだぜ、お前が倒れたからジジイが急遽ホテルを取ったんだ」

 

承太郎がタバコに火をつける。

 

「…そうでしたか…すみません」

 

「それよりも花京院。引き返すなら今のうちだぞ」

 

「え?」

 

「今回の旅路はお前には関係ねぇ、お前が館に近づくたびに()()()()()()()()()()がお前を蝕んで殺しちまう可能性だってある。そうなりゃこっちだって寝覚めが悪い」

 

「………」

 

承太郎が煙を吐く

 

「…僕は戻りません。それに、彼女の記憶が悪いものだとは思いません」

 

悪意のあるスタンド使いがあんな少女らしい感情を向けるわけない。

 

「そいつはその少女とやらが植え付けたって言う可能性はねぇのか?」

 

「…言い切れませんが…何があろうと僕はこの旅を続けます」

 

ハッキリと言う花京院に承太郎はため息をつき

 

「やれやれだぜ」

 

 




今更ですけど、アイズオブヘブン買いました。楽しすぎてまた手首痛めて動かなくなる…


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第5話『DIOの部下たち』

DIOの部下達との交流話です。

ジョルノの姉の話なのに姉しか出せないごめんなさい


ーDIOの館ー

 

ジョースター一行がカイロに向かって来る数日前の話

 

ダイアナの私生活は少しだけ変わりつつあった。

 

「ポーカーって楽しいのかしら?」

 

館に訪れていたダニエル・J・ダービーに聞く

 

「おや、ダイアナ様はポーカーにご興味がおありで?」

 

「興味があると言ったらあるのだけど、一度勝負をしてみるかしら」

 

「おや、ダイアナ様がお相手ですか、良いでしょう」

 

椅子に座り、カードを出して来る。

 

愉快そうに言うダニエルに後ろにいたマライヤが小声で『勝てる見込みはあるの?』と聞いて来る。

 

「五分五分かしらね」

 

そういって席に座る。

 

「それではあの言葉を聞かせて頂けますかな?」

 

「私の魂を賭けるわ」

 

「good!ダイアナ様が負けたらDIO様には勇敢だったとお伝えしましょう」

 

「ありがとう」

 

そう言ってカードが配られる。

 

それを手に取る。

 

(…ダービーだから私のスタンドに対する対策もしてるはずだし、無意味に勝負を仕掛けるのは賢くないわよね)

 

ダニエルが次々と勝って行く

 

「おや、ダイアナ様、ポーカーのルールは知らないのですか?これでは私が勝ってしまいますよ?」

 

「……」

 

余裕そうなダニエルに複雑そうな顔をするマライヤ

 

 

 

 

 

 

数十分…

 

 

 

 

「…ば、バカな…」

 

ダニエルのチップがゼロになる。

 

「はい、終わりよ」

 

形勢逆転したダイアナにダニエルがブルブル震える

 

「…スタンドを使ったの?」

 

マライヤの言葉に微笑み振り返る

 

「まさか、運が良かっただけよ、影、伸びて無かったでしょう?」

 

「そうだけど…」

 

「ま、まいりました」

 

ダニエルの言葉に微笑む

 

(…ちょっとドキドキした…)

 

自分のスタンドは影で触れる人間を無条件に操るのだが、今回のダニエルとのポーカーでスタンドは一切使ってない。

 

ダニエルの弱点をなんとなく掴んだダイアナは深いため息をつき

 

「…むやみやたらに勝負仕掛けるもんじゃあないわね」

 

「?」

 

独り言を呟くようにして言うと…

 

「ダニエルに勝ったのか」

 

後ろに現れたDIOにマライヤがビックリするが、同時に惚れ惚れしたような表情をする。

 

「見ていたんですか?」

 

そう聞くとDIOが「あぁ」と言ってくる。

 

「どうやって勝った?」

 

ダニエルに勝った方法は運もあるのだが、自分のスタンドを研究して行く内に身についた技術を応用しただけなのだ。

 

「ダニエルの表情の動きと、手の動きとかですね、シンプルですよ」

 

「ほう」

 

「テレンスには使えない技術ですが」

 

テレンスは人の心を見て来るからそこまで行けないのだ。

 

ダニエルは心が読めない分、顔に焦りが出るから分かりやすい

 

「私とやってみるか」

 

その言葉にダイアナは「お父様には勝てないから無理です」と断る。

 

 

 

 

 

DIOにとって娘であるダイアナは利用価値のある存在にほかならず、エンヤ婆の話では、生まれつきのスタンド使いは成長性が最もあるらしく、ダイアナの能力はまだ成長する見込みがあるとのことだった。

 

「今はまだ成長途中ですじゃ、成長して必ずDIO様の為にその力を振るう時が来ますじゃ」

 

ダイアナの能力の凶悪さは目を見張るモノがある。

 

スタンド単体の破壊力はない、男のように体格に恵まれてるわけではないからこそ、破壊力・スピードにおいては最弱の分類だろう。

 

しかし、精密さ・持続力は随一だと認めざるをえない

 

「肉の芽は使うと脳に直接干渉するという性質上、対象のスタンド能力を弱めてしまう悪影響があるが、ダイアナの能力はそうではないということか」

 

それと同時にDIO本人が倒れれば対象を醜い化け物に変貌させる。

 

「はい、ダイアナ様のスタンド能力は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()能力ですじゃ」

 

「ほう、決して自分の意思では逆らえないということか」

 

「自分の行動が自分自身の意思で行っているモノだと思う能力であり、その力は逆らいようが無いですじゃ…しかし」

 

「本人がまだそれを自覚していないということか」

 

「はい」

 

ダイアナは自分のスタンド能力を研究しているのは知っている。

 

しかし、その凶悪さまでは理解していないだろう。

 

だからこそ、自分の力で相手の行動を全て支配出来るとは思っていないだろう。

 

「しかし、金持ち達を殺した時は上手く行っていただろう」

 

直接手を下さず、自分の意思で命を絶った二人の金持ちの話を出すと

 

「そこはダイアナ様が意識しているかは不明なことですじゃ」

 

 

 

 

 

 

 

旅先で本を読んでいたダイアナは突如、ゾワァという感覚に陥る

 

「…風邪でも引いたかしら…」

 

そう呟くと行動を共にしていたホルホースが『風邪ですか?』と聞いて来る。

 

「エンヤ婆かお父様が噂でもしてるのかしら」

 

「何かやらかしたんで?」

 

「何もしてないわよ、最近、エンヤ婆が興奮しまくってるから館がうるさくなってるのよ」

 

DIOが若干引くくらいハイテンションになっている部分もある。

 

「ことに思うのだけど、貴方が死んだら壊れるんじゃあないかしら?」

 

Jガイルに言うと「さぁ」と素気なく返される。

 

「そういうダイアナ様も、死んだらDIO様が怒るんじゃないですかい?」

 

笑いながら言うホルホースにわずかに微笑み

 

「最後一緒にいた貴方の首切るかもしれないわね」

 

「おっかねぇこと言わないでくだせぇ」

 

そう言ってナイフを見る

 

「悲しみも怒りもしないわよ、お父様は」

 

クルクル手で回す

 

父譲りなのかDNA上の父親のジョナサン譲りなのか分からないが、生まれつき手先が器用でナイフを割と凄い勢いで投げれる事が出来るのだ。

 

Jガイルが外に出て来ると言って居なくなる。

 

スタンドを出して通行人に触れるとその場から走り去って行く。

 

「ジョースター達が来るのはもうすぐらしいけど、貴方倒す気ある?」

 

そう問いかけるとホルホースがはぐらかして来る。

 

「別にお父様に言わないわよ、貴方がはなからやる気がないのは知ってるし」

 

そう言ってソファーに座る

 

「貴方は強い人間に従うだけ、心の底から誰かに従うなんて無理な話よね」

 

そう言うと銃を構えるような手の動きを見せて来る。

 

「ダイアナ()()よ、オタク何処まで人の心読んでるんだ」

 

スタンドを向けて来るホルホースを見つめる。

 

ホルホースの感情は読みにくいが撃つつもりがないのは見て取れる。

 

「テレンスじゃないから読めないわ、ただ、貴方はあからさま過ぎるし、こう言ってるのは、貴方があの館の中で一番安心出来るからよ」

 

「何…?」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()の、私は」

 

ニコリと微笑み

 

「私だって、お父様には忠誠なんて誓ってないわ、ただ、お父様のそばが安心するからいるだけ」

 

「!!」

 

ホルホースの足元から現れたスタンドがホルホースの手を掴む

 

冷や汗をかいたホルホースが撃とうとする前に…

 

「私は支配するのも、支配されるのもごめんだわ」

 

そう呟くとホルホースがぶっ倒れる。

 

完全に落ちたのを確認し、星空を見上げ、ため息をつく

 

「…早く来ないかしら」

 

 




【オリ主のスタンドのパラメータ】
(#成長途中)
破壊力ーE
スピードーE
射程距離ーC
持続力ーA
精密動作性ーA
成長性ーA


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第6話『ジョースター』

承太郎とDIOの戦いがあっさりとしてます。後々追加で書く(番外編)かもしれないです。

ンドゥールをいきなり退場させてしまった…。



ー館ー

 

イギーの活躍により、DIOの館の場所を掴んだジョースター一行は館の前に来る。

 

「…!」

 

DIOの館を見て確信する

 

(…ここには一度…来た事がある。なぜ、それを今更…)

 

花京院は脳裏にノイズが走るのが分かる。

 

「花京院。大丈夫か」

 

承太郎からの言葉に花京院はハッとなる

 

「大丈夫です。いきましょう」

 

そう言って館の中に足を進める。

 

 

 

 

 

 

 

館にやって来たジョースター一行。

 

それらを迎え撃つためにヴァニラ達は館の中を忙しなく移動しているのが見てとれた。

 

(…最善の選択は…)

 

正直に言おう、DIOが負けるのは決定的である。

 

あの承太郎は常に成長している。

 

(かと言って自室に篭りっぱなしなのも、良くないわ)

 

DIOが生きている今、安心して休む事も出来ない

 

ドンッドンッ!という音が響き渡る。

 

この揺れ方・暴れ方はヴァニラが戦闘をしているのだろう。

 

「……安心できないのに、不安になってしまうのはどうしてもかしら…」

 

自室から出て、館の中を歩く

 

激しい音が聞こえる方ではなく、玄関の方に向かう

 

「大丈夫…じゃないわね」

 

伸びているテレンスを見る為にしゃがみこむ

 

「…近距離ってこうも怖いのね」

 

テレンスにスタンド越しで触れる。

 

(…数秒時間が止まった…お父様に会ったのね)

 

DIOとポルナレフが邂逅したのだろう。

 

なら、花京院達がDIOの秘密を掴むのも時間の問題だろう。

 

「……本当に、終わりなのね」

 

この館での生活はジョルノがいなくなってからはつらい日々だった。

 

(…実の父親だけれど、こうも後ろ髪引かれないのは何故かしら)

 

DIOとの生活は安心出来る部分も正直あった。

 

自分に価値がある限り、DIOは支配しようとするのだからそう感じても無理はないだろう。

 

「…普通に暮らしたいのよ、私は…」

 

支配されるのもするのもごめんなのだ。

 

 

 

 

 

花京院典明はDIOのスタンドの秘密を掴む為に法皇の結界を使おうとした時…

 

ジジッとノイズが走る

 

「っ…!」

 

次の瞬間、目の前にDIOが現れる。

 

「!花京院!!」

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

ハイエロファントを使って建物から離れる。

 

「ッチ」

 

DIOの舌打ちが聞こえて来る。

 

『時間に気をつけて』

 

ジジッとノイズが走り、脳裏に時計台が過ぎる。

 

(…時間…!!)

 

館の中でDIOが消えた時のことを思い出す

 

隣を並走して来たジョセフを見る

 

「ジョースターさん!!DIOの能力が分かりました!!」

 

「!本当か!?花京院!!」

 

「はい!DIOの能力はッ!時を止める能力ですっ!!!」

 

 

 

遠くの方で時計台が破壊されないのを見て胸を撫で下ろす

 

「……まだ安心はできないけれど…」

 

自分のスタンドを出して見る。

 

(…私のスタンドは改変能力…と思って良いのかしら)

 

花京院を生存させるためにあの時使ってみたのだ。

 

黒い人型のようなスタンドがこっちをみていた。

 

「…どうして、この能力なのかしら」

 

自室に入り、ベッドに潜り込む

 

(…逃げたところで幸せになるかなんて分からないし、下手に逃げたらろくでもない気もするから、ここにいた方が良いわよね)

 

普通のベッドより大きめに作られたベッドは、かつてジョルノがいた証だった。

 

(…ジョルノは一人で寝るのを怖がってたわね、今元気にしてるかしら)

 

ちゃんとご飯を食べているのか、眠れているのか気になるところだった。

 

しかし…

 

(大丈夫よね、彼はなんたって主人公なんだもの)

 

ジョルノがいるイタリアから来る情報によれば、彼はギャングスターに憧れ始めたらしい。

 

(…彼、良い人ではあるけれど、善人ではないのよね)

 

原作でジョルノを助けたギャングを思い出す。

 

(…でもまぁ、世の中善人ばっかりじゃないでしょうし)

 

突如として眠くなって来てウトウトしてくる。

 

目を閉じる間際、自分のスタンドが勝手に動く

 

ダイアナの頭を撫でてくる。

 

 

 

 

コツコツと靴の音が響く

 

「………」

 

「こちらです」

 

首に致命傷を負ったジョセフが館の中を探索出来ない代わりに承太郎が館の中をスピードワゴン財団の財団員と共に歩いていた。

 

ほとんど半壊した館だったが、二階の奥の方にある部屋だけは半壊もせずに綺麗なままだった。

 

「……!」

 

「?どうされましたか?」

 

財団員が振り返ってくる。

 

「…そこから先に進むんじゃあねぇぞ」

 

「はい」

 

財団員には見えていないのだろう、扉の前にスタンドがいる

 

(…めちゃくちゃホラーじゃねぇか)

 

ゲーム画面のバグのようなノイズの走ったような姿をしたスタンド

 

(…なんかいやがるな)

 

「下がってろ」

 

そう言うと財団員は下がって行く

 

「スタープラチナ・ザ・ワールド!」

 

時間が止まり、承太郎はそのスタンドに歩み寄る

 

直感的に()()()()()()()()()()()()()()()()と察知し、扉を開け中に入る

 

「……コイツぁ…」

 

時間が動き始める。

 

ベッドにいた少女の容姿・若干見えた肩にある星形のアザを見る

 

「……やれやれだぜ…」

 

帽子を深く被り、ため息をつく

 

 

 

 

 

 

 

起きたら目の前に承太郎がいた。

 

驚いて飛び起きた私を見ず、後ろのドアの方を見る承太郎

 

「…テメェ、名前は」

 

威圧感もスタープラチナを隠す事なく言って来る

 

「……ダイアナ…、ダイアナ・ブランドー」

 

そう名乗るとため息をつかれる。

 

「……やれやれだぜ」

 

生のやれやれを聞けて少しだけ嬉しくなるが、彼がここに来たという事は父は負けたのだろう。

 

「あなたは…空条承太郎…?」

 

「知ってんなら話は早ぇ、テメェはDIOのなんだ」

 

スタープラチナを出して完全に臨戦態勢に入っていた。

 

「…娘です」

 

「そうか」

 

そう言って屈んでた態勢から起き上がる。

 

「ここの館にいた人間は全員いねぇ、これからテメェの身の上は…」

 

「スピードワゴン財団預かりですか?」

 

そう聞くと承太郎がジッと見つめて来る?

 

「……その前に聞く」

 

「はい」

 

ベッドに座り直す

 

「花京院にDIOの秘密を教えたり、花京院の行動を変えたのはテメェか?」

 

(…典明は助かったのかしら?まぁ、教えてはくれないわよね)

 

「昔、館に来た時に少し触れた事はあるわ、だって、死んでほしくなかったんだもの、彼優しい人だったから」

 

「………」

 

承太郎が深く帽子を被る。

 

「…テメェはなにがしたい?DIOみたいに支配したいのか」

 

「支配されるのも、支配するのもイヤ、私はただ生きていたい」

 

ジョルノに幸せになって欲しい、根本的な願いはそこしかない。

 

「……」

 

 

 

 

 

 

 

「DIOの娘ぇえ!!?」

 

病院にいたジョセフは財団員からの情報に大声を出す。

 

「はい。現在、身柄は財団が預かっています」

 

「…ううん…そうか」

 

DIOの娘は、暴れる事なく素直に財団に保護されたとのことだった。

 

「承太郎さんからの情報によれば…スタンド使いだという事が分かってます」

 

「!」

 

「花京院典明さんの精神に影響を与えていたのも彼女のようです」

 

「………」

 

ジョセフはその事を聞かされ無言になる。

 

花京院は今回の戦いで生き残った。

 

(…DIOの秘密を不自然なタイミングで思い出したと言っておったな…その不自然なタイミングで思い出すように仕掛けたのが、その少女の仕業ならば…)

 

相当凶悪なスタンド使いだろう。

 

DIOの肉の芽はDIOに忠誠を誓う能力があり、また、寄生した先の能力を弱めてしまう部分がある。

 

だが、その少女の能力とやらはそう言ったハンデを一切抱えていないのだろう。

 

(…じゃが…)

 

悪意があるスタンド使いなら花京院を殺す事だって出来ただろう。

 

そうしなかったのは何故か…

 

「……承太郎はどこにおる?」

 

「その少女を見ています」

 

「そうか」

 

「一つ、彼女の身の上で一つ調べがつきました」

 

「なんじゃ?」

 

「幼少期、彼女の義父は自殺してます。()()()()()()()()()

 

その内容に明らかにスタンドを使った上での殺人だというのを理解する。

 

「…もう一つ、少し気持ち良くない話なのですが…」

 

財団員が躊躇っているように見えた。

 

「なんじゃ?」

 

「…彼女の血液検査の際に…」

 

そこまで言って紙を見せて来る。ジョセフはため息をつき

 

「…言わんでいい」

 

「はい」

 

彼女は義父に虐待を受けていた。

 

自分の身を守る上でスタンドが発現したのなら、その後にDIOに引き取られたというなら…

 

(…ワシらは、承太郎になんてモノを背負わせたんだろうか)

 

 




熱が38.0以上上がってつらかった。

コロナの予防接種腕痛い…全部痛い(T . T)


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第7話『今後の生活』

財団内でのオリ主の生活の話です。

第8話のタイトルも一応作ってるけど、今すごく怠い(けど書きたいから書く)

明日から五連勤なので投稿頻度減ります


ースピードワゴン財団ー

 

DIOが倒されてから自分の生活は少し変わって来た。

 

(なんかSC●みたいな扱いね)

 

スタンドはスタンド使いにしか見えないし、なんなら自分のスタンドは触れた人間を洗脳するスタンドだ

 

部屋の中は普通の一軒家をイメージしたような部屋だったが、唯一違うのは高い所にガラスがあるのと、食事を持って来る人がまぁ武装している人な事

 

(見張られる生活だけど、ある意味平穏なのは間違いないのだろうけど…)

 

足をプラプラさせていると…

 

コンコンとノックして入って来る女性がいた。

 

白衣を来た女性で、イギリス人で、よく身の回りの世話をしてくれる人間だった。

 

「今日も本を読んでいたの?ダイアナさんは賢いのね」

 

「………」

 

この女性の名前はオリヴィアといい、主に承太郎がいない時に来る傾向がある。

 

なんで知っているかというと承太郎が来る時は研究員がバタバタとしているのが見て取れる。

 

(昔から耳は良いのよね…)

 

吸血鬼の娘だからなのか、元々からなのかよく分からないのだが、生まれつき耳は良く、DIOと承太郎の戦いの時のように心音を聞こうと思えば聞ける気もするのだ。

 

「エジプトにいたときにたくさん本を読んだの?」

 

「…えぇ、館の中にはたくさん本が有ったから読んでたの、貴女がくれる本もみんな面白いから読んでるわ、ありがとう」

 

微笑むように言うと「こちらこそ、読まなくなった本だから」と言って来る

 

(…承太郎がいない時だけ来る、そして、この女性が来てからやたら血液検査が多くなってるわ)

 

『スラムでは、常に腹の探り合い、女性の闇は男の闇より深い、ダイアナ様も気をつけた方が良いですよ』

 

ンドゥールに言われた事を思い出す。

 

「…貴女、私とやたら会いたがるけど、問題にならない?貴女みたいな親切な人がクビになったら、私悲しいわ」

 

そう言うと、聞いてもいない事を話し始める。

 

話を聞くに財団の仕事は常に危険が付きものとのことで、スタンド使いと当たった時の恐怖はいまだに忘れられず、夢にも見るとのことだった。

 

「貴女の能力で消してほしくて…」

 

(…あぁなるほど、そういうことね…)

 

「一つ言っておくけれど、私のスタンドはそんなに便利な能力ではないわ」

 

「そんな…」

 

「期待に応えられなくてごめんなさい」

 

そう言ってベッドから降りて本棚に本を戻しに行こうとすると…

 

「…貴女、『矢』の事知ってる?」

 

その言葉に足を止める

 

「………」

 

ゆっくりと振り返ると女性の手には矢が握られていた。

 

(…なんで彼女が持っているのかしら)

 

「貴女のスタンドは『相手の思考を改変する力』と思っているようだけど、ここ最近貴女を調べて思ったの」

 

一定の距離を保ちつつ、スタンドをいつでも出せるように準備する。

 

「貴女の力はそんなモノじゃない、貴女の力は『自分の願った通りに世界を支配する能力』なのよ」

 

そう言ってゆっくり立ち上がる。

 

「…そんな能力持ってないわよ、そんな射程距離ではないわ」

 

「私は…貴女は、空条承太郎とその仲間が憎くないの…?世界からD()I()O()()()()()()のに!!」

 

「!!(やっぱり…!この人)」

 

DIOの信者だ

 

慌ててスタンドを出そうとした瞬間…

 

『オラァ!!!』

 

扉が破壊されたと同時に…

 

「ハイエロファント!!」

 

緑色の触手がオリヴィアを拘束する。

 

矢が宙を舞い、それを承太郎が回収する

 

「大丈夫ですか?」

 

花京院が聞いて来る

 

「え…あ、ありがとう」

 

そう言うと花京院が微笑む

 

「話は外でしましょう。迎えの車が来てます」

 

「え?」

 

承太郎が「コイツをジジイに渡して来るぜ」と言う。

 

花京院と二人きりになる。

 

「行きましょう」

 

「え?ちょっ…何も…言わないの?」

 

思わず素の口調になる。

 

「君が僕の行動を支配したということに?」

 

「………」

 

そう言われ無言になる。

 

「怒らないさ、だって君のその行動は善意なんだろう?」

 

花京院は目線を合わせて言って来る。

 

「!」

 

「君はDIOの娘である前に一人の子供じゃないか、僕を殺すという行動を取ろうと思えば取れたはずだ、だが君はそれをしなかった。逆に君はDIOの秘密を教えてくれるという危険な行為までして助けてくれた。それだけで恨む理由もないさ」

 

「……」

 

花京院のその言葉に無言になる。

 

(…一緒に行きたいな…)

 

花京院が「おんぶしようか?」と言って来る。

 

無言で頷くと背負ってくれる。

 

「逆に聞くよ、君は僕のことを恨んでも良いんだよ」

 

君の父を殺したのは僕たちなんだからと言って来る。

 

「……お父様は悪人だったから、死んでもしょうがないほどの悪人だったから、いつかああなってもおかしくないと思ってたけど…」

 

花京院の温かさに涙が出そうになる。

 

「…悪人だったけど、あの館での生活は楽しかったの」

 

「…うん」

 

「みんな…悪い人達だったけど…」

 

家族のように大切に思ってたのだ。

 

例え、彼らがDIOに心酔していたとしても

 

 

 

 

 

 

ー5年後…ー

 

ダイアナは成長し、身長は承太郎やジョセフには及ばないが、女性の平均身長より高めに成長した。

 

「…タバコは体に良くないと言うけど、意外に吸うと美味しいのよ」

 

バサバサと長い金髪が靡く

 

「あなたは、お父様の事を悪の救世主って言ってたわね、その気持ち少しだけ分かる気もするし、あなたの生き方を否定するつもりもないのだけど…」

 

砂漠の真ん中に建てられた墓を見て笑う

 

「あなたが教えてくれたこと、結構身になってるわ、ありがとう、ンドゥール」

 

そう言ってその場に花を放る

 

「あなたに花って柄じゃあないわよね」

 

そう言って背を向けてヘリの方に向かう。

 

ヘリに乗り込む

 

ダイアナ・ブランドーはあれから花京院典明の実家に引き取られた

 

いきなりの話には?となったが、花京院が両親に話をつけてくれたらしく、花京院の両親の中で私は『エジプトで命を助けてくれた少女』という事になったらしい。

 

承太郎との関係は正直に言って微妙なモノではある。

 

私自身承太郎のことは憎んでもいない

 

『後悔するぐらいなら母親を幸せにしてあげて欲しい』と伝えれば、彼らしくやかましいと言いつつも、典明の話ではアマとは言わなくなったらしい。

 

(…あれから、本当にいろいろ大変だったわ…)

 

DIOの館にいて、DIOの交流関係を知っていたからいろいろ大変だった。

 

ジョンガリ・Aを見つけ、とりあえず彼を暴走させない為にスタンドでDIOの立ち位置を自分とすり替えた。

 

それと、最も厄介だったのはジョルノ以外の弟の捜索

 

リキエルは見つかったのだが、ウンガロとヴェルサスがまだ見つかってない。

 

それに、最優先事項で探さないといけないプッチ神父も見つからないのだ。

 

(…それに、ジョルノに会う勇気がまだ出ない…)

 

承太郎からは特に聞かれもしなかったが、ジョセフ曰く『DIOには一体何人の子供がいるんだ』とか言ってたが…

 

(…現在進行形でジョセフの隠し子騒動起こってるのはちょっと笑えたけど…)

 

「このまま、日本に向かいます」

 

「ありがとうございます」

 

そう言って外を眺める。

 

 

承太郎が先に日本に行き、それに遅れて行く事になっている。

 

(ちょっと楽しみ)

 




【現在のダイアナ】
身長・178(リサリサより若干高い)
財団から花京院宅に引き取られてからうんと伸びた。少し前までは花京院と暮らしていたが、現在は財団が用意した屋敷で暮らしてる。
異母弟であるリキエルを見つけ、今は彼と暮らしている。
実の弟であるジョルノとはまだ会う勇気がない。
ダイアナのスタンド能力は変化してないが、最近は承太郎とジムに通うぐらい仲良くはなってる(ただし、意見が合わず喧嘩することもある)


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第二章『ダイヤモンドは砕けない』
第8話『杜王町』


しまった第4部、最初(露伴が登場したあたりまで)と最後しか見てない(時間なくて吉良が●起とか言ったシーンから) 今漫画で読んでます。

オリ主がいる為、少し原作の流れが違ってます。ごめんなさい


ー杜王町、ホテルー

 

仗助から虹村億泰の父親についての事を聞いた承太郎はため息をつく

 

「億泰の父親を殺せるスタンドがある!?」

 

仗助の大声に隣にいた広瀬康一がしぃ!!と言う

 

バッと口を抑える

 

「親父を殺せるスタンドって…」

 

億泰の言葉に承太郎は一人の女性について話し始める。

 

「そのスタンド使いは今、日本に向かっている。彼女が一番適任だろう、だが…お前は本当に父親に死んで欲しいと思ってるのか?」

 

億泰を見て言う

 

「……親父が、俺が死んだ後も生きてるって考えたらそりゃ…」

 

「億泰くん…」

 

「承太郎さん、そのスタンド使いの能力ってなんすか?」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()だ」

 

「…意思を持つものの思考を改変する能力…?」

 

「…あんまり大した能力じゃない気がするんだけどよ…」

 

その言葉に承太郎は「言葉だけ聞きゃあな」と返す

 

「彼女が『自分で自分の喉を掻っ捌く』と相手に思わせれば、相手は勝手にそうなる。どんな再生力があろうと、彼女が本気で『死ね』と思えばそうなる」

 

しかも、行動を改変させられた人間は、その行動が自分の意思で起こしたと思っている。気づく事すらないのだ

 

花京院が彼女によって意思を変えられたと気づいたのは、彼女が本気ではなかったからだ。

 

花京院を死なせたくないという意思があったから精密に操る事ができなかったのだ。

 

彼女の能力に制限はない。ここ最近、彼女のスタンドは成長してどんどん恐ろしい能力になっている気がする。

 

(…結末を変える能力なんてチートじゃねぇか)

 

射程距離は割と狭めで、DIOの館全体程度しか作用出来ないようになっているのだが、あのスタンドはとにかく凶悪で()()()()()()()()()()()なのだ

 

「…なんかそう聞くと凶悪っすね」

 

「完全犯罪とかされたら証明のしようがなくないですか?」

 

康一の言葉に仗助が「それ!」と言う

 

「あぁ、完全犯罪に特化した能力だな」

 

そう言って紅茶を飲む

 

 

 

 

 

 

「…なんか、本当に厄介なスタンドにしか会わないわね…」

 

おっかない街と呟きながら歩いていると…

 

「ス、スタンド…!」

 

目の前でサイ●人みたいな髪型をした小さめ(比べる対象がデカすぎるだけ)の男子高校生がいた。

 

「それが見えんなら話は別だぜ、広瀬康一くん」

 

その名前はなんとなく聞いた覚えがあり、なんなら声の方が知っている気がする(男子校生の方)

 

(…スタンド使いか…知らんぷりしようと思ったけど…)

 

広瀬康一がよろめいてぶつかって来る。

 

「あら大丈夫?」

 

何食わぬ顔でそう言うと「え、あ…」と動揺した後、スタンド使いと戦っていると思い出したのか「こっちにきたらダメですっ!」と言って来る。

 

「外国人の姉ちゃんよ、この俺の猫がよ、その坊やに轢かれちまったんだ。可哀想だとおもわねぇか?」

 

ニヤニヤ嗤う男に

 

「袋詰めした貴方が悪いんじゃあない?」

 

そう言うと『そりゃそうだけどよ!埋葬費として欲しんだよ、姉ちゃん出せるかい?』

 

「生憎日本円は持ってないの」

 

淡々と返していると、なぜか動揺している男に、こっちをじっと見て来る広瀬康一

 

「だったら、よそ行ってくれねぇか?俺はこの康一くんと話があるんで」

 

「…なんか弱いスタンドねぇ、貴方の」

 

スタンドという名前を聞いた瞬間、男がハッとなる。

 

「学生から金を巻き上げる方法としては0点。スタンドの使い方としては50点くらいかしら?学生とかそう言う人にしか絡まないなんて、情けない」

 

「て、テメェ…」

 

近づいてこようとした瞬間…

 

ジジッ!!と男の目の前にスタンドを出す。

 

出した瞬間、驚いたのか腰を抜かす

 

「な、なんだ!その化け物みてぇなスタンド!!」

 

「失礼ね、確かに化け物の見た目してるけど、ちゃんと私のスタンドよ?」

 

ジジッとノイズが走るようにゆらめく

 

男はハァハァ息を荒くしながら

 

「テメェみてぇなひ弱な女にやられるタマに見えるか!?なんならテメェから金巻き上げてやる!!」

 

意味不明な言葉を吐きながら、そのスタンドに殴りかかる。

 

触れた瞬間、男が二秒間止まり、急に腰を抜かす

 

「!?」

 

広瀬康一は突如、行動を変えた男に動揺する。

 

「別に殴らないわよ?殴る拳が痛いじゃあない、だから…」

 

ニコリと微笑み

 

()()()()()()()()()()()

 

次の瞬間、男が自分で自分を殴り始める。

 

「な、な…」

 

唖然とする広瀬康一

 

「大丈夫だったかしら?」

 

そう声をかけるとビクッ!と跳ねる広瀬康一

 

「あ、なくなってる…!」

 

胸を触りながら言う。

 

「良かったわ、死ななくて」

 

そう言って男に触れ直すと、その場で失神するように倒れる。

 

「あ、気絶した…」とため息をつくと…

 

「あ、あの…とりあえず、助けてくれてありがとうございます」

 

そう言ってお礼を言って来る。

 

「どう致しまして」

 

そう微笑むと広瀬康一の頬が赤くなる。

 

「…この人のスタンドのこと、伝える前になんで分かったんですか…?」

 

「デカい声で罪悪感を感じると発動するようになってる!とか言ってたからね、ハッタリだったとしても負けるつもりなんてさらさら無かったし、学生に絡むのは気に入らなかったから倒しただけ」

 

正直に言えば、罪悪感を感じて発動するスタンドなら負けないと思っていた。

 

(…ヴァニラとかンドゥールとスタンドの練習してた方が何より緊張してたから、並大抵のことじゃ、動揺しなくなったのは良い事なのかしらねぇ…)

 

ヴァニラとか、対面で立たれた時の恐怖はエゲツない

 

普通に怖かった記憶がある。

 

そもそも、外国生まれで、幼いときは義父やら母から虐待されて育っていたのだ、罪悪感なんて感じる暇があるなら逃げるぐらいの事をする。

 

「康一!!」

 

「!億泰くん!」

 

後ろから特徴的な髪の青年と特徴的な高校生がやって来る。

 

「お友達?」

 

「あ、はい」

 

「そう、なら良かったわ、ところで聞きたいことがあるのだけど、杜王グランドホテルってどっちに行った方が正しいのかしら?」

 

地図を見せて言うと「えっと…」と悩む

 

「杜王グランドホテルなら、こっから歩けば着くっすよ」

 

特徴的な頭の青年が答えてくれる。

 

「ありがとう」

 

地図を受け取ると手を振って背を向ける

 

「…こういう時は来ないんだから…承太郎は…」

 

典明なら着いてきてくれるのにと思っていると…

 

「承太郎さんのこと知ってるんすか?お姉さん」

 

足を止める

 

「まぁ、知り合いね、呼ばれてきたんだけど、あのば…あの人、呼ぶだけ呼んで迎えも寄越してくれないから、そう言う貴方たちも知り合いなの?」

 

「まぁ…一応、空条承太郎さんの叔父ってなってますね…年下だけど」

 

そう言った青年の言葉にピシッと固まる

 

「東方仗助くん?」

 

「俺のこと知ってるんすか?」

 

「ジョセフ・ジョースターの隠し子騒動で承太郎が行ったって聞いたのだけど、アイツのことだからきっと殴られる前に殴るだろうから、後からで良いから止めてと言われたから来たの、この感じじゃあ、殴られたわね…」

 

「思いっきり右ストレート食らったっすよ」

 

そう言う仗助に『仗助くんも少し悪いんじゃあない?』と呟く康一

 

「何はともあれ時既に遅しってヤツね…来た意味ないじゃない、アイツ…連絡なんでしないの」

 

ぶつくさ言っていると…

 

「お姉さんの名前なんて言うんすか?」

 

もう一人の青年、話の流れから察するに億泰くんと呼ばれた青年が聞いて来る。

 

「あら、自己紹介が遅れたわね、私の名前はダイアナ・ブランドー」

 

そう名乗ると全員驚いたような顔をされる。

 

仗助くんの方には驚かれるだろうなとは思ったのだが、他の二人から驚かれるとは思わなかった。

 

「…ブランドー…」

 

ボソリと呟く億泰を見る康一くん

 

「…承太郎さんから聞いたんっすけど、アンタ、どんな人間でも『殺せる』スタンド使いって」

 

「…どんな聞き方したのか分からないけど、まぁ、一応、人殺しには積極的に使おうとなんて思ってないのだけど」

 

そう言うと仗助が億泰を気にかけるようにしながらこちらを見る。

 

「ちょっと、聞きたいことがあるんすけど…ちょっときてもらっても良いすか?」

 

「?良いけど」

 

そう言って彼らの後ろを着いていく




【オリ主の価値観】
DIO、ンドゥール、ヴァニラ、テレンスといった強者・化け物揃いのメンバーの中で育った為、並大抵のことでは動揺しない。
動揺を誘うから始まるスタンドに対してはほとんど無効に近い。どんなに馬鹿にしようと怒ることはないが、ある特定のこと言うとブチギレる。
花京院曰く『普段怒らないから、キレた瞬間、相手は死ぬと思った方が良い』


【オリ主の交流関係】

空条承太郎
結構年上の親戚(一応は血縁に当たる、ややこしいが)
仲は悪くないはず…なのだが、仲良しとは言えない微妙な関係
DIOがジョナサンを気に食わないと思うように、なんかお互い、気に食わないけど殺し合う程でもない。

花京院典明
保護者兼初恋の人
下の名前で呼び合うほど仲良し、ダイアナが成人するまでは彼の実家で暮らしていた。
人並みの感覚もダイアナが悪の方に落ちなかったのも花京院のおかげ、ちなみに花京院の従妹ちゃんとは結構仲良しらしい。


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第9話『治す手段』

今思った、オリ主の能力チートすぎる、第4部一通り見た(けど、一回しか見てないからなんか違うかも)

第4部に承太郎出たらチート過ぎるでしょ…

虹村父って仗助の能力で治せるのでは…?と思った、ただまぁ…肉の芽の現物を見た事が無いから分からないのだろうけど…(そこら辺はオリ主がいるからね…?)




ー虹村家ー

 

承太郎さんから聞いたDIOの娘の存在

 

ダイアナ・ブランドー

 

背中付近まである金髪と赤い眼は人外のように見える。

 

心の奥底に忍び込んでくるような瞳、何もせず立っているだけで正直色気も凄かった。

 

「親父、帰ったぞ」

 

億泰の言葉にハッとなる。

 

「お邪魔します」

 

礼儀正しく言って入ってくるダイアナさん

 

外国人らしくなく、家に入るなり、靴を綺麗に整えてくる。

 

「?どうしたの?」

 

見ている事に気づいたのか、声をかけて来る

 

「え?あ、なんでもないっす、外国人の人って日本の作法知ってるんですね」

 

「あら、一応外国人の見た目だけれど、十数年は日本で生活してたわ」

 

「そうなんすね」

 

階段を登っていく億泰に続く

 

「親父〜?」

 

部屋を探し回る億泰

 

「もしかしてだけど、私に殺してほしい存在って億泰くんの父親のこと?」

 

ひょっこりとのぞいて来る。

 

「…いろいろ、説明ややこしいんですけど…その」

 

戸惑いがちに言っていると、上から億泰が「上がってこいよ〜!」と言って来る。

 

「お、おう!」

 

ダイアナさんが後ろに続いて来る。

 

少し薄暗い部屋に入ると…

 

「ヒ…!ひぎゃああ!」

 

億泰の父親がダイアナさんを見て腰を抜かして震える

 

「………」

 

ダイアナさんは億泰の父親を見て事情を理解したのか、無言になる。

 

「安心して、私はDIOではないわ、良く似て来たとか言われるけれど」

 

そう億泰の父親に語りかけるが、本当に怖いのかガタガタ震えていた。

 

 

 

 

 

 

目の前に現れた存在にダイアナは何も言えなくなる。

 

父が残した負の遺産

 

肉の芽という存在がここまでになるとは思わなかった。

 

(…波紋で全身に流したら死ぬわね…でも、殺す事が最適だとは思わないわ…)

 

今更だが、ダイアナは波紋を習得している。

 

スタンドに破壊力及び戦闘能力がない故にどうしても戦うことになった場合、自分自身が戦わなければならないのだ。

 

ヴァニラやンドゥールから習った体術に+して波紋も一応身につけている。

 

「仗助くん。貴方って確か、どんな傷でも治せる能力って聞いたのだけれど」

 

「え?あ、はいまぁ…」

 

それでも『コレは治せないっすよ』と言って来る。

 

肉の芽という存在を知らない仗助の言葉に無理もないと思ったが

 

「現物を見れば良いかしら」

 

そう言って紙に書いたのを見せると「うぇ、気持ち悪」と言って来る。

 

「まぁ…現物があれば…」

 

「少し痛いのと少しだけ怖いけど、我慢出来るかしら?」

 

穏やかに微笑み言うと、警戒しながらも言って来る。

 

「仗助くん、私が肉の芽を出すからそのあとの処置をお願い、油断すると即死してしまうと思うから」

 

「了解っす…しっかし、俺にかかる負担えげつないんすけどいつも…」

 

承太郎さんの時といい…と呟く

 

「貴方の能力は一番優しいから、多分コレからもプレッシャーかかると思うわ」

 

「そうっすよねぇ…」

 

ハァとため息をつく仗助、やるわと声をかけると「おっし!」と意気込む

 

スタンドを出すと億泰くんの父親がビクゥとなる。

 

息を吸って思考を切り替える

 

すると、今度は仗助くんがビクッとなる。

 

「ワールド・オーバー・ヘル」

 

次の瞬間、肉の芽が外に出ようと肉を食い破って複数出て来る。

 

「おぇ…!」

 

肉の芽を見て吐きそうになる仗助

 

波紋疾走(オーバードライブ)

 

波紋が一気に肉の芽を燃やしていく

 

「ギャァァアアアア!!」

 

億泰父が絶叫するように叫ぶ

 

「親父っ!」

 

燃え尽きた肉の芽、倒れ込む億泰父を見た仗助が大慌てでクレイジーダイヤモンドを出して治療を始める。

 

 

 

空条承太郎は仗助からの電話に『そうか』と返す

 

『衰弱死はなんとか防いで、後は、スピードワゴン財団がいる病院に預ければ良いんですか?』

 

「そうだ、これからが正念場だ、念の為に集中治療室に送られるだろうな」

 

『分かったっす』

 

そう言って電話を切ると…

 

「おい、隣の部屋に行け」

 

「良いじゃない、ちょっと休ませて」

 

「…だから、なんでこの部屋なんだよ」

 

承太郎のベッドでくつろぐダイアナに声をかける。

 

「既婚者に手を出すほど馬鹿じゃないわ、そもそも、連絡寄越さない貴方が悪いんじゃあない」

 

「………」

 

無言になる承太郎

 

「それで?帰る飛行機がないし、船はまだ向かってる最中なんでしょう?夜には向こう行くから」

 

そう言われ、ため息をつく

 

「やれやれだぜ…」

 

コーヒーを取りに行き、窓の外を眺めていると…

 

「ところで、ダイアナ。なんでわざわざDIOの真似なんかした」

 

そう言うとダイアナがソッポ向き

 

「私のスタンドで肉の芽を外に出すとしても、肉の芽だから、余計な被害を出すくらいなら、真似した方が早いと思ったのよ」

 

ダイアナは微笑み

 

「別に良いじゃあない、DIOにはなっていないのだから」

 

「…結果論じゃあねぇか」

 

「まぁそうね」

 

コップを持ち、台所に向かう道中、足を止める

 

「…思い出に取り殺されるんじゃあねぇぞ」

 

そう言っていなくなる承太郎に目を瞑り

 

「……分かってるわよ」

 

背後にDIOが立っているような感覚に陥り、手でその幻覚を払う

 

「…実の父親が残した負の遺産くらい、私一人で背負って見せるわ」

 

ジョルノにもリキエルにも背負わせられない。

 

 

 

 

 

 

 

 




【オリ主のスタンドの名前】
ワールド・オーバー・ヘル
(良いのが思いつかなかった為、こうなりました。ヘブンにしようと思ったけどこっちにしました。)

【オリ主の好きなもの】
花京院家族と花京院従妹。ジョルノとリキエル
彼らを馬鹿にされると尋常じゃないほどキレる。その姿はジョナサンのような感じ『君が泣くまで殴るのをやめない!』みたいな感じで『お前が死ぬまで殴るのをやめない』みたいになる。

【虹村父が助かる方法】
正直波紋で助かるか不明だったが、オリ主の能力で肉の芽が本体(DIO)に戻るという感覚になり、戻ろうと体外に出た際に波紋で殺し、その後の虹村父は仗助のクレイジー・ダイヤモンドで治す。ただし、相当年月が経っている為、かなりの重症であり、クレイジーダイヤモンドでもせいぜい衰弱死を防ぐ程度

短くてごめんなさい


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第10話『天敵』

吉良戦にオリ主出すか迷ってます。ぶっちゃけ承太郎いれば問題ない気がする。


次は番外編です。はい…


ー杜王町・喫茶店ー

 

ダイアナは杜王町の喫茶店に一人でいた。

 

紅茶を飲みながら新聞を眺めていた。

 

(…ここ最近のニュースでスタンド使いがしでかしたような事件は無いわね…)

 

アメリカに帰る為の船はまだ見つかっておらず、承太郎からは『ジジイと入れ違いで帰りゃ良いじゃねぇか』と言われた。

 

(…他人事だからって雑すぎないかしら…)

 

東京にいる義家族を頼れば良いのだろうが、いささか気が乗らない。

 

うーんと悩んでいると…

 

「あ、ダイアナさん!チース!!」

 

大きな声に少しビクッとなると…

 

(…あの子は確か…)

 

億泰が元気に手を振り、仗助がペコっとお辞儀していた。

 

お金を払い、店を出る

 

「あら、学校帰り?」

 

二人のそばに行くと億泰が元気に「はい!」と言い、仗助が何故かしどろもどろだった。

 

「学校帰りっす!ダイアナさんは?」

 

「仕事終えて、休憩中かしらね」

 

「なんで疑問系なんすか?」

 

「なんでも良いじゃない」

 

そう返すと億泰が聞いてもいないこれからの予定を話して来る。

 

「漫画家ねぇ…」

 

「康一のヤツがフラフラしてこねぇから探しに行くんすよ、ダイアナさん漫画に興味ないっすか?」

 

「全くと言って良いほどないのよね、私…どっちかと言うと小説の方が好きだし…」

 

億泰が前を歩き、仗助が隣を歩く

 

「…今思ったんですけど、ダイアナさんってそこそこ身長ありますよね?億泰程あるつうか…」

 

「178くらいかしら?先月測ったら微妙にまだ伸びてるのよね…」

 

190は行きたくない…と呟くと億泰が『そんぐれぇ身長高くて、美人だったらモデルになりゃ良いじゃないっすか!』と言って来る。

 

「ありがとう」

 

そうこうして歩いていると、漫画家の家に着く

 

インターフォンを鳴らし、中から出て来た康一が妙なテンションで漫画家の話をして中に入ろうとしていた。

 

「…手、結構血だらけだったけど…」

 

そう呟くと仗助もそう思ったのか、何か起こってると判断した瞬間…

 

「動くんじゃあねぇぞ!!」

 

「…もう動いてる」

 

窓枠に乗り中に向けて言う億泰

 

「あんのバカ…!」

 

そう言って中に入って行く

 

「……岸辺露伴…?」

 

なんか聞いた事ある名前…と悶々と悩んでいると…

 

(あ!人を本にして戦う人間じゃあなかったかしら?)

↑だいぶ朧げ

 

頭に手を当て『こういう時ちゃんと読んでれば良かった…』と思いながらも、ゆっくりと中に入って行く

 

「うん?足音がもう一つ増えたな、もしかして、ダイアナ・ブランドーという女性かな?」

 

2階に上がって来たのに気づいたのか、仗助が驚いてこっちを見て来る。

 

ジェスチャーでダメっすよ!!と言って来る。

 

「ふむふむ、彼女のスタンド能力は()()()()()()()()()()()()()()()()()なるほどなるほど、しかも改変された人間はそれに気づかない、なおのこと彼女が『死ね』と思わせれば相手は死ぬか!実に恐ろしい能力じゃあないか!」

 

「……よく喋るわねぇ…」

 

小声で言うと仗助が「それ今言う事すか?」と言って来る。

 

仗助が出て行こうか悩んでいたが…

 

「え?ダイアナさん!?」

 

普通に部屋の中に入って行ったダイアナに驚く

 

それは中にいた露伴も同じなのか、素直に驚いていた

 

原稿を見せて来るが、本化されない事に露伴はは!となる。

 

「なるほど…!()()()()()()()()()()か!」

 

「…そうみたいね、貴方の前だと私のスタンド何故か使えないみたいだし…」

 

「え?!」

 

康一くんが驚いたように言って来る

 

「貴方のその能力って()()()()()()()()()と思わせれば本に出来る能力ってところじゃあないかしら?幸いと言って良いのかわからないのだけど、貴方の漫画は読んでないし、今見ても何も思わなかったから根本的に波長が合わないか、()()()()()()()()のどちらかね」

 

「…言ってくれるじゃあないか…え?!」

 

キレるように億泰に焼身自殺するという内容を書き込もうとする

 

「仗助くん」

 

「!?え?」

 

「もう出て来ても大丈夫よ」

 

仗助が扉の前で手をこまねいているような気配を感じる。

 

「私のスタンドは貴方には通用するから、少しだけ思考を変えさせてもらったわ」

 

「え?!あ!!」

 

仗助の影からスタンドが出て行く

 

()()()()()()()()()()()()()とね」

 

仗助がバッと出て来る。

 

それを見た露伴が仗助に原稿を見せるが…

 

「本にされねぇ!」

 

そううれしそうに言い、手をバキバキ鳴らしながら露伴に近づく

 

「億泰と康一を散々弄んでくれたなぁ?!漫画家さんよぉ!!」

 

ドラドラ!!と連続殴打をかます仗助

 

フルボッコにされる露伴を見て「オーバーキル過ぎるわねぇ…」と独り言を呟く

 

派手にぶっ飛んだ露伴と、本から元に戻った億泰と康一が仗助に駆け寄る。

 

「貴方、私に会っちゃったのが運の尽きだったわねぇ」

 

そう屈んで言うと露伴が伸びながら、血を吐きながら「君みたいな…性格の悪い女性に会ったのは、初めてだよ…」と文句を言っていた。

 

「貴方、その能力で人を殺した事ある?」

 

「…ない…がね、その口ぶりじゃあ、君は殺した事あるみたいじゃあないか…」

 

その言葉にニコリと微笑み「内緒」と言う。

 

その場から離れて行くと露伴が動いていたのか、ペンを持っていた。

 

「露伴がペンを持ってるぞ!」

 

「野郎!!まだやる気か!!」

 

億泰の蹴りが露伴に命中しそうになった際、露伴は慌てて『ち、違う!』と弁明する。

 

「こ、こんな体験…なかなか出来ないぞ…!今書かなければ…!」

 

血をダラダラ流しながら続きを書こうとする。

 

「ダメだこいつ…死なねえ限り、どんな酷い目に合わせようと漫画のネタにしちまう」

 

「もうここまで来ると褒めるしかないよね…善悪の区別は無いんだけど…」

 

「ねぇ仗助くん。ここにある原稿一帯燃やせば良いと思う?」

 

「…いや、それは流石にやめた方が良いんじゃ無いっすか?」

 

ダイアナにツッコミを入れる仗助

 

「メンタルやられないなら全部燃やしてみるわね」

 

オーバードライブ!と言ってゴォオオと燃えて行く

 

流石にそれは響いたのか露伴が「あぁ、原稿がぁあ!」と叫ぶ

 

 

 

 

(……ダイアナさん、見た目綺麗なのにえげつねえ性格してる…)

 

ドン引く仗助

 

 




【岸辺露伴とオリ主の能力について】

岸辺露伴:相手との同調が条件の模様で、対象が露伴の漫画を読んで面白いと思わなければ本にすることはできない。故に承太郎やオリ主には本には出来ない(オリ主は漫画より小説派)
↓オリ主の記憶は読めるか
多分読めるけど、読まない方が幸せ、前世云々の所は『振り返ってはいけない小道』のように何者かに襲われる…かも?

オリ主:相手との同調とか一切関係なく記憶を書き換えたり、改変出来たりする。本来なら触れれば終わりのスタンドなのだが、岸辺露伴には通用しないスタンドになっている(同じ能力に近い為)


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第11話『杜王町の殺人鬼』

吉良吉影の影がちらついてからの次話で4部最終回です。

私大のバッドエンド大好き人間です。ハッピーエンド書くとムズムズする。


ー杜王町・ホテル一室ー

 

露伴をフルボッコにした日の三日後…

 

「杜王町に殺人鬼がいる?」

 

ホテルにやって来た承太郎と仗助、康一に殺人鬼の存在について知らされる。

 

仗助の友人である矢安宮重清が爆殺された話を聞いていた。

 

そして、その殺人鬼が来ていたであろう服のボタンを修理に出していた店を突き止めたら、偶然にもその場に犯人がやって来たとのことだった。

 

偶然も良い所じゃあないと思っていると、承太郎がある作戦について言って来る。

 

「……女の手が好きだから私がエサになれと…簡単に言うわよねぇ貴方」

 

「スタンドに攻撃力なくても本体にあるんだから平気だろ、それに、お前のスタンドの射程距離内に入れちまえば問題ないだろう」

 

「…顔を変えた先のことが分からなければ難しいってことわかってるかしら?それに、岸辺露伴みたいなタイプだったらどうしてくれるの?」

 

「…そうっすよ、ダイアナさんがいくら強くても、それだけで引っかかるような人間には見えないっすよ」

 

仗助の言葉に承太郎は書類を出して見せて来る。

 

「ヤツの殺人の経歴だ、それを見てお前はどう思う?」

 

「……」

 

書類には攻撃の仕方、幽霊となった杉本鈴美からの話もまとめてあった。

 

「奴は幼少期、目立つ事はせず、常に3位という狙いを取っていた。その中でヤツの異常な性癖。幽霊となっている父親の異常な執着、お前はどう見える?」

 

館にいた時からこの手の性癖持ちはごまんといた。

 

興味本位でンドゥールにスラムにいた人間の特徴とか教えてもらったこともあったが、聞かなきゃ良かったと思う事が度々あった。

 

「…本当に目立ちたくないのなら順位すらとらないはずだけど、取っているという事は少なくとも、家庭内での教育は割と厳しかったと思うわ、仗助くんの話だと父親が幽霊となって現れてたって話よね」

 

「そうっす、写真の中から攻撃して来て、なおかつ、俺たちに勝つ前に逃げて行ったから息子同様勝ち負けには拘らず隠れて過ごしたい人間だと思うんですよ」

 

考えながら窓の方に行く

 

「逃げる時に何か話してた?」

 

「え?」

 

「えっと確か…吉影の為にお前らを倒さねば!とか言ってましたね」

 

「ヤツは相当息子に入れ込んでいるようだったが…」

 

ダイアナは一つ脳裏に仮説が立てられる

 

「入れ込んでいるんじゃあなくて、何か息子に対して後ろ暗い過去があるから殺人鬼となった息子を守っているように見えるわ、その父親は俗にいう()()()()なんかではなく、息子がああなったのは自分のせいだと思い込み、犯罪を隠す事で罪滅ぼししているように見えるわ」

 

その言葉に仗助達が「そうなんすかね…」と言って来る。

 

「…それはお前の経験談からか?」

 

「昔ね、そういうの聞いた事あるの、それらの話に共通して言えるのは()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

館にいた時の彼らの話を思い出す。

 

「親が死のうとその殺人鬼は止まらないわね、そして、証拠は徹底的に爆殺でも何でもして徹底的に消す。殺人鬼のスタンドはスタープラチナでも破壊出来ないって事は…相当な殺人嗜好があるが目立ちたくないという矛盾した精神…」

 

ハァと深いため息をつき

 

「あくまで推測の域でしかないのだけど、スタンドの矢をその父親が持っているのなら、最悪…時を消し飛ばすなんていう能力にも目覚めそうで嫌ね」

 

「笑えねえっすよ…それは」

 

「矢があったら…なんですか?」

 

康一からの質問に承太郎はダイアナを見て来る。

 

「…悪用する可能性がない彼らだから言ってるんじゃあない」

 

「そう簡単に秘密をバラすんじゃあねぇよ」

 

仲悪げな二人に仗助が小声で「なんか承太郎さんとダイアナさんって仲悪いよな」と康一に言う。

 

「あはは…」

 

「で、今回の話には乗るのか?」

 

ダイアナは深いため息をつき、頭に手を当てると

 

「…ここまで聞かされて乗らないなんて言える訳ないじゃあない。まぁ、一応やってみるけど、掛かるかどうかは分からないから、そこら辺は許してくれるわね?」

 

「分かった」

 

「僕たちも行きましょう」

 

服を着てホテルの外に出る

 

(…えっと、最後に目撃された場所から…)

 

コツコツと歩き始める。

 

 

 

 

 

 

 

杜王町ーS市ー

 

「…ダイアナちゃんがここに来るってお母さんから聞いたから来てみたけど…ホテルの電話も出ないから、ホテルに行くしかないわよね…」

 

小さく畳んだ地図を見ながら歩く一人の女性

 

「あの子、成人してから仕事が忙しくて電話出来ない理由も分かるんだけど…日本に来たんだから少し連絡してくれても良いのに…」

 

バスに乗り、目的地のホテルまで行こうとしたのだが…

 

ポツ…

 

「え?雨…?」

 

突如降って来た雨に驚き、鞄を頭の上に乗せ屋根の下に向かって走って行く

 

「…今日雨だって言ってなかったはずなのに…」

 

雨を眺めている中、ダイアナが来た日の事を思い出す。

 

初めて会ったのは、典明従兄ちゃんがエジプトから無事に戻って来た後のことだった。

 

典明従兄ちゃんが一人の女の子に命を救われ、身寄りのないダイアナを引き取ると決めた時のことだった。

 

私の両親は無茶苦茶な内容に少し反対していたようだったが、典明従兄ちゃんの強い意思と、典明従兄ちゃんの両親が受け入れてしまったから何も言えなくなったけど…

 

(…幸薄そうな女の子だったけど…凄く美人って思ったのは懐かしい話…)

 

目の死んだ人形のような女の子だったけど、同時にその美貌で学校の男子生徒を魅了していた。

 

(まぁ…喧嘩強かったよね、ダイアナ…)

 

幼い頃、数回遊んだだけで彼女は人形から普通の女の子になっていた。

 

博識だし、聞き上手だから思わずこちらが話しすぎても楽しそうに聞いてくれる。

 

そんなダイアナは悪口を言われようと何をされても怒らない、要は怒ることが滅多にない子だったが、唯一私や典明従兄ちゃん達のことを言われると洒落にならないぐらいキレる。

 

『ダイアナがキレた!!体育教師呼んできて!』と大変なことになるのはこの上ないし、ダイアナがブチギレた際に真っ先に私が呼ばれるのは苦い思い出だ

 

(…ダイアナじゃあなくて、不良の方を心配するのもね…どれだけ喧嘩強いのよ…コンクリートの壁が割れるって…)

 

2年ほど前だったか、チベットに行ってからもっと強くなったのを見て『何になりたいの?』と聞いたのは懐かしい話

 

ザァァアアと降り続ける雨を見てため息をつく

 

「…いつ止むのかな、この雨…」

 

ボソと呟くと…

 

「失敬」

 

隣に入って来たスーツ姿の男

 

「あ、ごめんなさい」

 

横に退くとその男性は『凄い雨ですね』と話しかけて来る。

 

「…えぇまぁ…」

 

突然話しかけて来たことに驚いたが、紳士的な感じで話しかけて来る男性

 

「災難ですね、突然の雨など」

 

「……」

 

男性が手の方を見ているのに気づき、バックを握る

 

「待ち合わせですか?」

 

「……えぇまぁ、従妹と」

 

「その従妹さんが来るまで少しお話しませんか?」

 

「……少しなら」

 

本当は嫌だったが、通り雨が止むまではここにいるしかないだろう。

 

 



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第12話『杜王町の平穏』

吉良吉影が川尻に化けた?所に一気飛びます。オリ主活躍させようと思ったけど…風呂場でいろいろ考えたら次章にしようと思いました。ごめんなさい。今回は最終回です(4部の)

今回は最終回なのに短いです。ごめんなさい

次回は杜王町での番外編とか2話ぐらい?書きます


 

人を殴るのはあまり好きではない。

 

殴る方が痛いし、殴るのは気持ちの良いものではない。

 

ならば、ヴァニラみたいに足技掛ければ良いんじゃあないかとか言われたら「足技もあんまりやりたくない」と思うのは悪いことじゃあないだろう。

 

「……」

 

ホテルから出る間際、フロントで花京院涼子から電話があったと聞き、彼女が杜王町に来ていると知り、傘を持って向かう事にした。

 

殺人鬼探しもしないといけないのだが、チラチラ周り見たって見つかる訳ないので、彼女を迎えに行ってから探そうと決意する。

 

承太郎達は顔がバレているから隠れて援護するとは言っていたが…

 

降りしきる雨の中、傘を持って歩いていると…

 

「涼子さん」

 

雨宿りしている涼子とその隣にいる男が目に入る。

 

涼子はダイアナを見つけると手を振って来る。

 

「はい、傘。忘れてましたよ」

 

そう言って渡すと「ありがとう」と言って来る。

 

こちらに来る涼子、後ろにいる男性を見ると紳士にどうもと礼を言って来る

 

頭を下げて歩き去る男性、曲がった先に小さな影が見える

 

その男性を見て何か違和感を感じる

 

『岸辺露伴が撮った写真だ、ーー駅を使っている人間は複数いる』

 

承太郎の言葉が脳裏に過ぎる。

 

複数出して来る写真の中で、一人の男の子が観察するように男を見ていたのを思い出す。

 

「ダイアナ?どうしたの?」

 

「………」

 

とりあえず、涼子を巻き込む訳にはいかない。

 

涼子と共に歩いていると…

 

(…ん?何か時間が飛んだ…?)

 

違和感を感じ空を見上げる

 

「どうしたの?ダイアナ?」

 

「なんでもないわ、早くホテルに行きましょう」

 

そう言って歩こうとすると…

 

ドーンっ!!という何か破壊される音が聞こえて来る。

 

「!?な、何?!」

 

嫌な予感がして来る。

 

「涼子さん。先にホテルに行っててくれないかしら?必ず後から行くから」

 

「ちょっ、ダイアナ!」

 

 

 

走って向かうとそこには血だらけの先ほどの男性がいた。

 

そして向こう側からは承太郎達がやって来る。

 

「お前に味方する運命なんて!お前が乗れるかのチャンスなんて!今ここにある正義の心に比べればちっぽけな力なんだ!」

 

(…何が起こってるの?)

 

ポカーンとなってしまうのも無理はない。

 

確かあの男性は川尻浩作といったか、なんとなく見えて来たが、向こうは自分を見て驚いていたようだったが、こっちは知らない。

 

「大丈夫ですか!?今担架をお持ちします!」

 

女性が走って来る。

 

「!!あぁ!!」

 

男の子がそう叫ぶ

 

川尻浩作はその女性の手を掴み、スイッチを押すようなポーズになる。

 

「承太郎さん!!」

 

康一の声に吉良が「来るか!承太郎!」と叫ぶ

 

「私のバイツァ・ダストはお前に会いたくない一心で目覚めた能力だ!!来るか!」

 

「スイッチを押させるなぁ!!」

 

「!!(まずい!)」

 

ダイアナは水たまりを見てハッと閃く

 

奇跡的にダイアナから吉良吉影一直線に水溜りがある。

 

地面に手を付けると

 

「波紋疾走!!」

 

波紋が水を伝って吉良吉影に向かって行く

 

「ぐっ!?ぐぎぐぅぅうう!!」

 

名称は付けていないが、吉良吉影の手を地面に引き寄せる。

 

先ほど吉良吉影が地面にのたうち回った際に付いた水が波紋に引き寄せられたのだ。

 

「スタープラチナ・ザ・ワールド!!」

 

承太郎の大声が聞こえた次の瞬間、吉良吉影が吹き飛ぶ

 

「が、あ…」

 

「や、やった!!」

 

「……」

 

よくよく考えてみれば時を止める能力ってずるいよなぁと思っていると、救急車が吉良吉影をバックして轢いてしまう。

 

「事故死か…ヤツの最後は事故死か」

 

「これでいいんだ、ヤツはスタンドで人を殺していた。法律では裁けない。これでいいんだ」

 

「……」

 

露伴の言葉に無言になる。

 

「…僕は、僕のパパと仲良しじゃなかったけど…誰かに裁いてほしかった…」

 

少年が泣きながらその場に座り込む

 

 

 

 

それから二日間、花京院涼子と会話したのちにアメリカに帰国することになる。

 

「…何がなんだったのかわからないわね…」

 

岸辺露伴とはあれから結構仲悪くなったものの、彼の漫画を読むことが増えた。

 

スピードワゴン財団が用意した船に乗り、承太郎達と共に帰ることになった。

 

仗助がジョセフと承太郎に手を振っていた。

 

ダイアナと目が合うと手を振ってくれる。

 

早く家に帰ってリキエルと話したかった。

 

船内に向けて歩いて行く

 

船の中にあったベッドに横になって目を瞑る。

 

肩にある星形の痣がムズムズする。

 

 




【吉良吉影のバイツァ・ダスト】
バイツァ・ダストでオリ主は一回爆殺されてる。
涼子の手を持って行こうとしたのを見た川尻早人が「逃げて!」と叫びその言葉にスタンド使いだと理解して攻撃しようと、スタンドを出したが、早人が吉良吉影の前にいた為、バイツァ・ダストが発動して爆殺された。
その一時間後に戻った時の感覚をオリ主は「違和感」として気づいている。


ムズムズする…次章は第5部…?


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幕間の物語
番外編1話『悪の華』


花京院宅に引き取られてからのオリ主の生活

DIOの子供たちって真っ直ぐにしてくれる人に出会えないと悪に堕ちやすいイメージがありました。

そして、リキエルを見つけた頃の話です。


ー花京院ー

 

DIOの娘であるダイアナと暮らすと言ってから、ジョースターさんやポルナレフからは止められたが、彼女を見て幼い頃の自分を思い出した。

 

彼女と僕の身の上はかなり違うだろうし、育った環境も違う

 

『人と違うなんて当たり前』と言った彼女の本心を大事にしたい気持ちがあった。

 

「悪を知った子供が悪になるとは限らん。だが…彼女はあまりにも悪事を知りすぎている」

 

DIOの館でDIOの悪行をそばで見ていたのだ。それに、最近になって分かって来た彼女の行動

 

複数の事件に関与しており、スタンド能力で複数の人間を殺している可能性が高いということ

 

「……」

 

黙ってジョースターさんの言葉を聞いていた。

 

「だが、それらの罪を背負い生きて行く精神を彼女が持てば話は別だ」

 

「…ジョースターさん」

 

「彼女に正義の心があると思ったのなら、信じてやれば良い」

 

悪というのが自然発生するというのなら、悪の華が咲く前にそれを摘み綺麗な花を咲かせれば良い。

 

 

 

 

 

花京院宅に引き取られたダイアナは、花京院の家族の温かさに幸せだった。

 

「今思えば、あの年頃の私って結構異常者だったと思うの」

 

20歳になった時、花京院と二人でお店に来ていた。

 

「そうかな?」

 

花京院はコーヒーを飲みながらダイアナの言葉に耳を傾けていた。

 

「目は死んでたし、子供らしく無い不気味な女の子とかよく言われたからね」

 

自宅から通っていた学校でそう言われた事を言うダイアナ

 

一時期、確かに心配していた時代があった。

 

彼女はどんなに辛いことがあっても、口に出さないから抱え込まないか不安に思った時期があった。

 

彼女の生まれてすぐの話はジョースターさんから聞いた。

 

彼女はいろんな大人の悪意に晒されて、体の良い性欲の捌け口にされていたと聞いた。

 

しかし、そんな彼女もジョースターさんや承太郎と血縁関係があるだけはある。

 

精神的に強く、涼子ちゃんの話だと普通の喧嘩も口喧嘩も強いという話をよく聞いた。

 

「今思ったんだけど、ダイアナのその喧嘩強い所ってあの館にいたときに学んだのかい?」

 

少し前だったら聞いて良いのか悩んだが、彼女はあの館の話をするときは少しだけ懐かしいと思っているのか、楽しそうな表情を見せることがあった。

 

それに、何より、僕らにとっては悪でしかないと思っていた者達の話を聞けるのも少し面白いものを感じれる余裕も出来てきた

 

アヴドゥルやイギーを失ったのもつらい思い出だったが、同時に彼女も家族を失った。

 

「…ヴァニラから教わったの、あの館にいる人達って皆、スラムで育ったようなものだったから格闘技も教えてくれたわ」

 

「…へぇ」

 

ヴァニラ・アイス

 

ポルナレフから聞いたが、アヴドゥルやイギーを殺した最恐のスタンド使い

 

ダイアナは微笑み

 

「でも、一番優しいのはお義父さんとお義母さんよ」

 

自分の親について言って来る

 

「そう?その言葉母さん聞いたら喜ぶんじゃあないかな」

 

「そうね」

 

彼女は年々DIOに似て来た。

 

しかし、圧倒的に違う雰囲気だ。

 

DIOのような恐怖は微塵も感じない

 

普通の女性のように穏やかなものを感じた。

 

「…まぁ、それは良いんだけど、涼子ちゃんが家族のこと馬鹿にされたからってあそこまでブチギレなくても良いんじゃない?って言ってたよ、君そこらへん微妙に承太郎と似てるよね」

 

「だってあんな優しい人達の悪口言うの気に食わないんだもの」

 

……たまに思う、ここら辺の手の速さは館のスタンド使いたちに似たんじゃあないかって

 

 

 

 

 

 

20歳になってから早速スピードワゴン財団の仕事に就くことになり、まず先に調べることになったのはDIOの交流関係の洗い出しと、DIOの食糧になった数人の女性が生存していたことと、そして、DIOの血を受け継いだ異母兄弟の捜索だった。

 

館に倒れていた女性の遺体から出産した形跡があり、明らかに認識していた可能性もあったためだ。

 

「…あの館にはいたけど、親の子作りしてた場面には会わなかったわね…夜中は不思議とテレンスが隣室にいた気がするし…」

 

ウンザリしたように言うと花京院が「そこは、アレには感謝しないといけないかもね」と言って来る。

 

「……腹違いの兄弟…しかも、複数いるかもしれない存在…頭が痛くなる」

 

項垂れながら「親の節操の無さは見たくなかった」と呟く

 

そして、長い捜索の末、一人は見つかった。

 

名をリキエルといい、まぶたが急に閉じる・汗が止まらない・息が苦しくなるというパニック障害を患っているという話だった。

 

親は既になく義家族に引き取られたという事だが、その義家族はリキエルを放って遊び呆けるなど人でなしなところが多かった。

 

「ぼ、僕の、おお姉ちゃん…?」

 

リキエルがオドオドしながら言って来る。

 

「母親の違う姉って形になるわね」

 

彼の目線に合わせていうと「そうなの?」と言って来る

 

起き上がると、財団員が『彼の家族が親権を放棄しました』と言って来る

 

「…人でなしにもほどがあるじゃあない」

 

「……ダイアナ?」

 

花京院が気を使って来るのがわかる。

 

ハッとなり深呼吸をする。

 

「これからお姉ちゃんと一緒に暮らす事になるのだけど、大丈夫?持って行く荷物ある?」

 

「お姉ちゃんと暮らすの?持って行く荷物…?えっと…」

 

パタパタと自分の部屋に走って行くのを見送る

 

「…まだいるのなら…早く見つけてあげないと…」

 

「………」

 

自分のように誰かを手にかける事がないように…

 

「典明」

 

「なんだい?」

 

「…私達って生まれて来たことが悪なのかしら」

 

財団にいた時も、そう話している人間を見たことがあった。

 

DIOからは価値のある子供としか見られなかった。

 

ごく普通の当たり前の愛情を生まれる前から知っていたから自分は良かったのかもしれない。

 

「ダイアナ、悪というのは環境によって悪になるパターンもある。それと同時にDIOのように生まれついて悪になる存在もある。でも、君は悪い人間じゃあない。誰かを傷つけるその痛みだって、彼に味合わせたくないんだろう?そう思える分、大丈夫だよ」

 

「……ありがとう」

 

花京院が背中を撫でて来る。

 

「帰ったらみんなで食べに行こうか」

 

そう言って笑顔を向けて来る

 

 




番外編を整理しているのでいろいろおかしいかもしれませんがお許しください。


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番外編2話『異母兄弟』

番外編と本編と一応分けました。

次章に出て来るリキエルが「誰これ」という現象起こってるかもしれないので、一応彼らがどう暮らしているかの話になります。

リキエルって誰かが導けばジョナサンのような爆発力を持ってたんじゃあないかと期待して書きます。リキエルのパニック障害がだいぶ早い段階で来てますがお許しください。


ーアメリカ・コロラド州ー

 

リキエルは義理の家族から異母姉であるダイアナに引き取られてから半年後、悩まされていた疾患が治りつつあるのに安堵していた。

 

過去にまぶたが急に閉じる・汗が止まらない・息が苦しくなるというパニック障害を患っていた。

 

12歳の時に初めて発症し、以後も周囲の冷ややかな対応が更に症状が続いて重くし、生活に支障をきたすようになっていた。

 

今はだいぶ緩和され、昔より発作の頻度はだいぶ減った。

 

「姉さん、今日は遅いな…仕事でも長引いてるのか?」

 

高校から帰り、自宅に荷物を置く

 

義家族の元にいた時とは明らかに違う生活

 

姉との二人暮らしは寂しいが、それでも、姉は家族を大事にしてくれいると思う

 

スピードワゴン財団での仕事は世界のあちこちを回る仕事らしく、かなり大忙しとの事だった。

 

「…アイツら、姉さんに無理難題言ってないかな」

 

リキエルはスピードワゴン財団の存在はあまり好きではなかった。

 

DIOの子供ということ姉がスタンド使いだという事だけであちこちに連れ回しているんじゃあないかと思った事もあった。

 

(…まぁ、チベットに行ったのは完全に姉さんの趣味だというのは驚いたが…)

 

一緒に波紋の修行場に行ったが、その時の姉の戦い方が無茶苦茶だった(良い意味で)のを見て、自分の悩んでいた事が小さな事だと思えるようになってきたのだ。

 

普通に考えて、めちゃくちゃつらいであろう修行に楽しげに参加してたりしてたのを見て『この人みたいに強くなれるんだろうか…』と思ったのは懐かしい話だ。

 

姉はとにかく家族思いだ、それと、俺や姉さんが引き取られた花京院家の悪口を言われたらコンクリートの壁を殴って破壊するぐらいキレてるのを見て、この人は絶対に怒らせたらいけないと思った事もあった。

 

(…コンクリート破壊する腕力で、瓶割れるんじゃあね…?)

 

ジャムの蓋を開ける時に苦戦していた姉を思い出して「ん…?」と首傾げる

 

(あれか?腕力強すぎて瓶破壊するから苦戦してんのかな?)

 

冷蔵庫から出したジュースを飲みながらテレビを付けようとすると…

 

「あら、リキエル。宿題終わったの?」

 

「!?」

 

突然聞こえて来た姉の声にビクつき、飛び跳ねる

 

「…そんな猫みたいに驚かなくても良いじゃあない…」

 

「お、おかえり…いつのまに帰って来てたんだ…」

 

バクバク心臓が動く

 

姉は荷物を置き、整理し始める

 

「今日、仕事が終わらなかったから、ちょっと部屋で打ち合わせするわね」

 

そう言う姉の後ろには承太郎と花京院がおり、花京院は笑顔で「お邪魔します」と言って来る。

 

承太郎の方は相変わらず仏頂面だった。

 

「姉さん、花京院()()荷物、部屋に持って行くよ」

 

「え?良いの?ありがとう」

 

「………」

 

承太郎だけ放置して2階に上がって行くリキエルを見て承太郎が不満げな空気を出す

 

「…嫌われてますね、相変わらず」

 

花京院の声に「うるせぇ…」と返す承太郎

 

「なんでかしらね」

 

「お前のせいだろうが」

 

ダイアナの方を見て言うとニコッと笑い

 

「無愛想なのが悪いと思うのだけど」とニコニコ笑う

 

 

 

 

 

 

杜王町での一件が終わり、仕事部屋で今後の打ち合わせをある程度し終わる。

 

承太郎が先に帰ったのを見て、花京院と二人で話していると…

 

「姉さん、花京院さん、コーヒーとお茶持って来たよ」

 

「あら、ありがとう」

 

「ありがとう」

 

二人に出すリキエル。

 

承太郎が帰って行った後を見計らい出すなんて、本当に承太郎の事が嫌いなのだろう。

 

「仕事無理しないでね、姉さん」

 

尻尾が生えているように見えるぐらい嬉しそうにするリキエルに花京院は笑いそうになる。

 

「リキエルも早く寝るのよ?」

 

「分かってるよ」

 

階段を降りて行く音を聞き、花京院は笑みが溢れて来る。

 

「どうしたの?典明」

 

「…いや、彼、本当に君のことが大好きなんだね」

 

そして、露骨に承太郎のことが嫌いなんだねと笑うとダイアナは首を傾げる

 

「そうかしらね、反抗期らしい反抗期がなかったから不安なのだけど、仲良いと見える?」

 

「そりゃあ見えるよ(コンクリートの壁割った人間に反抗なんて出来るはずなんてないんだろうけど…)」

 

リキエルの悪口を言って発作を引き起こさせた学生にガチギレしたのを思い出す。

 

さすがに自分より年下の人間に手を出せなかったのか、コンクリートの壁を破壊して威圧していたのを見て『承太郎と血縁関係なだけあるな…』と引き気味な感心したのは懐かしい話だ

 

もうここまで来るとスタンドがおまけとなるのも無理はない。

 

お茶を一口飲み、気持ちを切り替える。

 

「イタリアに本当に行くのかい?」

 

「えぇ、行くわ、康一くんや典明に任せるのも気が引けるし、私の問題もあるから」

 

「……」

 

ダイアナの言葉に『無理だけはダメだよ?』と言うと微笑み「ええ」と言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギィィイイと扉が開く

 

「ボス。スピードワゴン財団との連絡がつきました」

 

「………」

 

銀髪に赤いスーツ姿の男性の言葉にボスと呼ばれた男は、自分の膝に腕を乗せ

 

「… 今回来る客は絶対に傷つけないで欲しい。特に、この女性に関しては」

 

そう言って写真を見せる

 

「はい」

 

「…このノイズの中にある記憶が本当なら、彼女と会って話がしたい。本当にこの記憶が正しいのなら…」

 

「はい、わかりました」

 

そう言って赤いスーツの男性が部屋から退出する。




本編投稿しても、番外編描きたくなったら番外編を割り込み?かなんかで投稿しているので話数増えたりしてるかもです。


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番外編(没ネタ)3話『オリ主が息子として生まれたら』

本当はDIOの娘じゃなくて、DIOの息子にしようと思ってた話。だけどそうなると他の兄弟と変わんないからやめようと思ったけど、結局書きたくなった。

書きたいところだけ書いてます。

【男オリ主の設定】

ジョシュ・ジョバァーナ
【日本名】汐華 初流鬼
【身長】195
【体重】94
【年齢】16歳
【容姿】父と瓜二つ。瞳の色だけ青色
【スタンド能力】本編とそのまま
ジョシュと呼ばれるのはあんまり好きじゃない。

【小さい頃のあだ名】化け物


ージョシュ・ジョバァーナとしてー

 

前世、自分は何か悪い事をしただろうか、普通の人間として普通に生きて普通に死んだはずだったが、気がついたらその前の記憶を持ったまま、金髪青い目の外国人として生まれた

 

母はまぁ日本人だったが、どうしようもないぐらいろくでなしだった。

 

子供二人を家に置き去りにして夜の街に遊びに行ったり、結婚した相手が子供を殴る蹴るの暴力男だっていうのに全然言うこと聞かない。

 

「あなた〜早く行きましょう。遅れるわよ」

 

なんて言うクズな方の分類だった。

 

そんなクズの親二人に虐待されながらもなんとか育つ。

 

「ハルノ、ハイ、パン」

 

そう言って台所からくすねて来たパンを見せる。

 

「…え?でもこれ、勝手にとって来たらおとうさんが…」

 

ジョルノの怯えた表情にギュッと抱きしめる

 

「大丈夫、アイツはそれに関しては責めないから、ほら、母さんが帰って来るまでに食べな」

 

そう言って遠慮なしに千切って渡す。

 

「あ、ありがとう…」

 

暴力が大好きでたまらない義父は、見た目が多少良いだけの自分を犯そうとして来た事がある。

 

女みたいな格好させて、女のようにしろとか、あまりにも怖かったのと殺意が上限突破し、気づいたら目の前の父は倒れていた。

 

そして、傍らにいるのは黒っぽい死神のような服を纏ったモノ、スタープラチナを反転させたような色

 

(…確か、スタンドとか言ってたなぁ…)

 

ジョルノという名前、汐華という姓を聞けば何となく理解してしまう自分が憎らしい。

 

義父を殺害、中身を作り変え、同一の存在にできた。

 

(…でもまぁ、殺しちゃったから、心臓機能が動いていないただの人形みたいになっちゃったな…)

 

返り血を浴びた服を洗い終わる

 

ジョルノの足音が聞こえて来る。

 

 

 

 

 

ーパッショーネー

 

「…世の中不公平だと思うんです」

 

数年後、パッショーネのボスになったジョルノと、その横にいるミスタ

 

ソファーで書類見ているジョシュ

 

「なんだよ急に…」

 

ジョルノにツッコミを入れるミスタ

 

「…兄さんと僕は双子なのに、どうしてこうも身長が違うんですか?本体が攻撃するかスタンドが攻撃するかのどっちかじゃあないですか?」

 

「筋トレじゃあないか?」

 

「筋トレでそんな身長伸びるもんですか?」

 

「…そんなキリッとした顔で言うなよ…」

 

フーゴが書類を持って来て、読んでた書類を渡すと受け取ってくれる。

 

「そういやぁ、ジョジョは大きいよな、ジョルノは…睨むなよ」

 

「…神様って不公平ですよね、双子なら同じ身長がよかったのに」

 

文句を言いながらミスタから渡された書類を書き始める。

 

ミスタは辺りを見渡して何か話の話題を逸そうと思ったのか、写真を見せ

 

「ジョルノってジョジョと仲良しだよな!!兄貴の写真なんて持って歩いてよ!」

 

「それ、数十年前に死んだ親父」

 

「…え?そうなの?」

 

「少なくともそんなに筋肉ダルマじゃあない」

 

「………」

↑貴方も大概という顔をするフーゴ

 

「…お前も大概とか思った?」

 

ビクッとするフーゴ

 

ある程度書類を読み終え、テーブルに置く

 

「ある程度終わったから、風呂入って来るわ」

 

「いってらっしゃい、兄さん」

 

そう言われ、手を振って部屋から出ていく

 

自室に着いて上着を脱ぎ、洗面所の前にいく

 

「……そんな似てるか?筋肉か?やっぱり」

 

そう言いながら鏡を見ると…

 

「ん…?」

 

何かに見られたような感覚になり、辺りを見渡す

 

「……ここパッショーネの本拠地だから、盗撮されて無いよな…?」

 

『ワシの能力を見よ!!ハーミットパープル!』とジョセフのセリフが脳裏に出て来る。

 

いまだに記憶にあるその言葉に頭を抑える

 

「……嫌な予感がする」

 

こんな状態を取られたのなら、まず、名誉毀損で訴えてやろうかとか思っていると…

 

「兄さん!!」

 

ガンッ!とドアを開けて来る

 

「……ノックして開けなさいって言ったよな…?ハルノ…」

 

「そんなことはいいんですっ!」

 

「……よくない、お兄ちゃん半裸なんだけど」

 

「筋肉ダルマだから良いでしょう!!」

 

「……つらい」

 

ジョルノからの扱いが年々雑になって行ってる気がする。

 

双子も長年一緒にいるとこうなるものなのだろうか…

 

一緒にパッショーネの構成員になって、ディアボロを無限地獄に追いやったり(ジョルノが)

 

暗殺チームと戦って瀕死になりかけて、なんとか味方に引き込むよう動いたり…本当に楽しかったというのに…

 

しみじみしてるとジョルノから『そんな半裸で風邪ひきたいんです?』とベシッとバスローブぶん投げられる。

 

「…で、どうした」

 

バスローブを着て部屋にいくと「先程撮られたような感覚になったの分かりましたか?」と聞いて来る。

 

「ハルノもか?」

 

「はい、敵スタンド使いだと思うのですが、どう思いますか?つい最近、イタリアにスピードワゴン財団の財団員たちがいるという報告も受けました」

 

「スピードワゴン財団とは決めつけられないが、そっちの可能性が一番高いな、ハルノがパッショーネのボスになる前に日本人のスタンド使いが『承太郎さん』とやらと話をしようとしてたんだろ?」

 

「はい」

 

うーんと悩む

 

念写出来るスタンドは正直あると言ったらあるのだろうが、自分の中ではジョセフのハーミットパープルしかない気がした。

 

しかし、ジョセフ・ジョースターはそこそこな歳のはずだから無理な気もしなくはない

 

「…この状況じゃよく分からないな、とりあえず、関連の組織を調べて見てから結論を出すしかないな、スピードワゴン財団が一番あるとは思うが」

 

 

 

それから数日後…

 

 

「スピードワゴン財団から連絡がありました」

 

フーゴが報告書を持ってやって来る。

 

ジョルノがいつもの席に座り、自分もいつも通り、ソファーの真ん中に座る。

 

向かいのソファーにはミスタと亀がいた

 

亀の中にはポルナレフがおり、幽霊状態になったポルナレフがフーゴの報告を聞いていた。

 

「『今後、そちらと連携を取って行きたい。出来るなら情報交換も蜜に、空条承太郎氏を筆頭にそちらに行き、そちらが良い条件なるよう尽力するつもりでいる』とのことです」

 

「…あちらから連絡をとって来ましたか、僕としても、協力を仰げれば良いと思いますが、兄さんはどう思います?」

 

ジョルノの言葉に「別にお前がいいって思うなら良いと思う」と返す

 

その反応に安心したのかポルナレフが「承太郎は悪い人間じゃあない。話せば君達の立ち位置もわかってくれるさ」と言って来る。

 

「……初めて会ったら『DIO!』とか言われなきゃ良いだがな」

 

そう言うとポルナレフが苦笑いしながら「その節はすまなかった。結構似てる方なんだよ君は」と言って来る。

 

そんな会話にどことなく不貞腐れたような雰囲気のジョルノを見たミスタが、ジョルノに見えないように指差して来る。

 

「ジョルノが一番だぞ」

 

そう言って席を立つとジョルノが「やかましいです!」と言い返して来る。

 

 

 

空条承太郎に会うのは物凄い緊張していた。

 

(…ハルノのコーディネートがまんまマフィアのボスみたいな感じなんだよな…)

 

「その格好だと貫禄ありますね」

 

運転席にいたフーゴが褒めて来る。

 

「…ありがと…もうちょっと普通の格好が良かったなとか思ってるけど」

 

「ジョルノの本気って感じですね」

 

空港の方を見ると…

 

「!」「来ました」

 

195㎝の貫禄が凄い白い服を着た男と後ろにいる三人組を見てん?となる。

 

(…東方仗助と広瀬康一は分かるんだが、岸辺露伴はよく分からないな…いやまぁ、空条承太郎以外もわからないけど…)

 

フーゴが車から降りる

 

 




【オリ主の性格】
根本にあるのはジョルノの幸せと自分の幸せが第一。
見た目はDIO性格はディオとジョナサンを割った感じ

【男オリ主のスタンド】
スタープラチナのような人型だが、真っ黒い見た目をしている。
ラッシュは打てるが、攻撃を受けた側はオリ主の操り人形と化す



続き書いたほうが良いか悩み中


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番外編(没ネタ・続き)4話『ジョルノの兄』

最近、仕事キツすぎて、小説書く気力が湧かん…

本編の続きは書いてるけど、なんか結末はあるのにそれに至る過程がキンクリした…

なので、息抜きで息子編書きますごめんなさい。




ーオリ主を撮影した時刻…ー

 

イタリアにいるジョルノ・ジョバァーナから黄金の意志を感じられた、悪い人間じゃあないという事を康一君から言われたが、念の為にイタリアにスピードワゴン財団が数人行った際にある情報を手に入れた。

 

「………」

 

承太郎は祖父・ジョセフが念写で取った人物を見て何も言えなくなる。

 

DIOに瓜二つ(少しだけ痩せているが)の男が写ったのである。

 

ジョルノ・ジョバァーナと同じ場所で

 

改めて彼の身の上を調べてみたところ、ジョルノ・ジョバァーナには双子の兄がいるという。

 

名前はジョシュ・ジョバァーナ。日本名は汐華初流鬼

 

「DIOのような悪はないにしろ、彼がスタンド使いなら一度会ったほうが良いと思うのか、承太郎?」

 

祖父の言葉に「あぁ」と頷く

 

「危険ではないか?」

 

「…それを承知の上だ」

 

スタンド能力も何もかも不明。彼のスタンドを見ようと接近しても、調べるために情報収集をしようとしても全て不明と出る。

 

そして、ジョルノ・ジョバァーナが数週間でギャングのボスになったという事、双子の兄である彼のスタンド能力の不明さ

 

DIOのような悪になる危険性がないか、この目で確認する必要がある。

 

ジョセフは最初、己も行くと言っていたが、危険すぎるという理由で却下した。

 

財団として約束を取り付けたところ、承太郎がゆく事になったのだが…

 

「…俺は彼の存在が危険かもしれないから念の為に仗助に声をかけたんだが…康一くんは良いとして、何故先生もいるんだ…」

 

ホテルに招かれた仗助のほかに康一と呼んでもいなかったはずの岸辺露伴がいた。

 

仗助を見ると慌てていたが、承太郎の眼光に負けたのか頭を下げ、承太郎からの電話の内容を岸辺露伴にも聞かれてしまっていたらしい。

 

数週間でギャングのボスになった人間と、スタンド能力不明のその兄という内容に漫画のネタになると踏んだ露伴が興味本位で首を突っ込んできた。

 

「承太郎さん。危険かもしれないが、漫画のネタになる事には命をかけたくなるというのは知っているでしょう。是非とも、彼らの記憶を見てネタにしたい!」

 

露伴のハイテンションに仗助が「遊びじゃあないんすよ?」と言い返す

 

しかし、彼の能力を露伴の能力で見て危険だった場合にすぐに対処出来るメンバーはこのメンツにおいて他はなかった。

 

しかし…

 

「今回はあくまで話し合いだ。向こうの了承なく勝手に記憶を読んで、争い事には出来ない。向こうはギャングだ、最悪こっちから死人が出る場合だってある」

 

「わかってますよ、私だって無駄に命を散らしたくない。了承を得てから確認しますよ!」

 

「……」

 

「露伴先生って善悪の区別ほんとないですよね…」

 

「…コイツはガチで放置した方が良いんじゃあねぇの?」

 

喧嘩する三人に承太郎は「やれやれ」とため息をつく

 

 

 

イタリア…

 

 

それから数時間後、イタリアに着き、彼らと会う算段がついた。

 

「ひぇぇ…さすがギャングっすねー…」

 

出迎えたギャングのメンバー達に圧倒される仗助

 

「………」

 

車の中から白髪、黄色の服を着る男が出て来る。

 

それに続くように出て来た男に承太郎は苦い記憶が蘇る。

 

195㎝はある身長にDIOのような髪の色に髪質。唯一違うのは瞳の色ぐらいだが

 

スーツを着ている上で威圧感があり、黒い手袋をしていた。

 

「…マフィアのボスって感じっすね…」

 

「…あの人一応No.2みたいだよ…?」

 

「面白い記憶が読めそうだ…!」

 

「…露伴先生…」

 

康一に宥められ「わかっているさ!」と返す露伴。

 

白髪の男と話した後、彼が先に部屋に入って行く

 

「お待ちしておりました。空条博士、後ろの方々が来るという連絡はありませんでしたが、先ほどジョジョから許可もありました」

 

「助かる。事前に知らせなくてすまなかった」

 

「いえ、ジョジョや今後ボスと会う前に一つ話しておく事があります」

 

鋭い眼光が承太郎達を見る

 

「我々はあなた方が攻撃して来なければ何もしません。我々としてもそちらを敵に回すリスクは犯せませんから、そこら辺を理解してくださるなら歓迎するとボスも言っています」

 

主に露伴を見ていることに気づいた仗助が露伴に耳打ちで『だってよ』と言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ージョシュー

 

(……緊張する…)

 

先にレストランに入ったジョシュは緊張していた。

 

パッショーネの人間しかいない室内で、目の前のテーブルには亀がいた。

 

「緊張しているのかね?」

 

亀から幽霊状態のポルナレフが出て来る。

 

「…そりゃあ緊張してますよ、最強のスタンドを持ってる彼が来るんだから…」

 

頭を抑えながら言うとポルナレフは笑いながら

 

「君の敬語も物凄く違和感を感じるだろうから、あえてここは敬語を取ったほうが組織のNo.2っぽく見えて良いんじゃあないか?」

 

ポルナレフの言葉にジト目で「無駄に威圧的に行って警戒されたくないですよ」と話していると…

 

「来ました」

 

部下の言葉にんと答えて待っていると、承太郎がやって来る。

 

後ろにいる仗助と康一はガチガチに緊張し、露伴は辺りを見渡したり落ち着きがなかった。

 

フーゴは露伴と康一を承太郎から少し離れた席に案内する。

 

露伴は不満そうだったが、流石に場の空気を読んだのか黙ってそちらに行く

 

それから承太郎から話された内容はスピードワゴン財団からの要求のことだった。

 

「財団として出来る限りのサポートはする。君達とは今後の関係を重要視したいからな、そこで一つ相談がある」

 

「なんですか?」

 

承太郎は亀のポルナレフを見ると

 

「矢を財団に譲渡してほしい」

 

承太郎のまっすぐとした瞳、仗助がチラチラこちらと承太郎を見ていた。

 

「嫌です」

 

ハッキリと言うと承太郎が訝しげな表情を見せる。

 

それに慌てたのかポルナレフがこっちを見て来る

 

「わざわざ矢を譲渡しなくてもこちらで管理します。前のボスやあなた方が心配するように、むやみやたらにスタンド使いは増やしません。そんな事をして得るものなんてありませんから、それに、俺一人の判断で渡すなんて出来ませんし」

 

営業スマイルで言うと承太郎は「…それもそうだな」と呟く

 

「それと、もう一つ、君達兄弟に私から話したい事がある」

 

「?なんですか?」

 

「君たち兄弟の血液を検査させてほしい。不快にさせてしまうかもしれないが、財団としては君達兄弟の父親であるDIOの影響を受けていないか調べたいんだ。今後の影響がないかも」

 

承太郎の目が真っ直ぐこちらを見て来る

 

(…いや、俺というより、DIOの存在を思い浮かべてるんだろうな…)

 

彼らに隠し事したって無駄だろう

 

「なるほど、父のような怪物にならないか確認し、なる可能性があるなら始末したいと」

 

「…ジョシュ」

 

ポルナレフの言葉にニコリと微笑む

 

「…あぁ」

 

ジョルノは多分、この条件に良いと言うだろう。

 

自分もそれに関しては文句はない。

 

ここで跳ね除けた所で得られるものはない。

 

「良いですよ、それに関しては安心するまで調べてください」

 

アッサリと受け入れたことに承太郎は素直に驚いたのか「助かる」と言って来る。

 

「じゃあ、今後の予定は後日、改めて…」

 

「君は人を殺すことに躊躇いはあるか?」

 

突然言われた内容にん?となる。

 

「承太郎さん?」

 

仗助が不安になったのか、承太郎に声をかける。

 

歴戦の戦士のように鋭い目をする承太郎に苦笑いを浮かべ

 

「嘘をついても仕方ないのでハッキリ言いますが、ないですね」

 

そう言うと仗助がビクつく

 

「家族と仲間の命が優先ですから、正直その他の人間がどうなろうと俺自身は何も感じない薄情な人間なんですよ、仲間と家族さえ守れればそれで良いんです」

 

承太郎をまっすぐ見て言うと少し考えているような、警戒しているような眼差しを向けて来る。

 

何か起こりそうな空気に仗助とポルナレフは承太郎と自分を交互に見て慌てていた。

 

「とはいえまぁ、むやみに人の命を奪うほど猟奇的じゃあありませんし、こちらに被害さえなければ何もしませんよ、それに、ジョルノは俺と違って周りの命も大事に思ってますから、そこらへんは勘違いしないでくださいね」

 

にこやかに言うとポルナレフが「そう何故煽るんだ」と声を上げる

 

「ポルナレフさんと話したい事でもあるでしょう。先に退出しますね」

 

そう言って立ち上がるとフーゴが寄って来る。

 

イタリア語でポルナレフのそばにいてくれと頼むと、承太郎の横を通り過ぎる。

 

岸辺露伴が何か言いたげにしていたが、康一くんに止められていた。

 

スタンドでドアを閉め、階段を降りていく

 

 




【書く気力がなかったネタ】
露伴がオリ主の記憶を読んで死にかけて、戦闘になる話。

【承太郎から見た男オリ主のイメージ】
義父を殺した事も知ってるし、DIOのような悪に染まり切っていないとは思っているが、家族のためなら人の命なんてなんとも思ってないオリ主を結構危険視している。だが、DIOやその部下達と違って話が出来るから今後監視するだけになる。

【男オリ主の性格と能力】
女オリ主よりだいぶ危険度上がってる。花京院を救済しなかった故のルート。
ジョルノとパッショーネ以外の仲間はどうでも良く思っており、ジョルノが死んだらDIOみたいになる。
女主より能力に汎用性があり、Fateの人形師みたいなことも出来るが、疲れるからやらない。


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第三章『■■の風』
第12話『スタンド能力』


第5部に入りたいけど、書きたいことありすぎて困ってます。


ースピードワゴン財団ー

 

ギィイと重い鉄の扉が開く

 

「お疲れ様です。空条博士、花京院さん」

 

「どうも」

 

「失礼します」

 

二人は少し大きめの部屋に通される。

 

「イタリアのギャング組織、パッショーネのボスがDIOの息子の可能性が高い?」

 

「はい」

 

研究員が出して来たのはジョルノ・ジョバァーナの写真で、その容姿はDIOやダイアナに似ていた。

 

「…リキエルとはあまり似てないんですね」

 

そう写真を見て言う花京院

 

ダイアナはDIOに似ているが、リキエルは母親似だったのか、DIOには似ていない。

 

「年齢は22歳です。スタンド使いだと判明しました」

 

「22歳…ダイアナと同じ歳ですね」

 

「………」

 

承太郎は無言になり、その研究員を見る

 

見られた研究員は花京院の方を見て

 

「…ジョルノ・ジョバァーナ氏からの依頼がありまして、彼とダイアナさんとの関係を調査してほしいと」

 

「関係?」

 

書類から顔を上げる。

 

「血縁関係を調べたところ…普通の兄弟ではなく、双子の姉弟というのが判明しました」

 

「え…?」

 

書類を一枚渡す

 

「ジョルノ・ジョバァーナ氏からの話では、彼女の事はノイズが掛かったように思い出せないと、しかし、最近はそのノイズも剥がれて来て、思い出し始めたとのことです。それから彼女と話がしたいとも言っていました」

 

そうなればあの館にいた可能性も高いが、館にいた記憶はないと言うことを言っていた。

 

「ノイズが掛かったように…ですか、それはまるで…」

 

「アイツがお前にしたような状況だな」

 

「そのノイズのかかった記憶についてですが、特定の記憶を消したとしても、それは過去の記憶でしかないはずなのに、未来の…こうなんと言いますか、仲間が死ぬ未来を予知して来たと言うのです」

 

「…!未来を予知…?」

 

ダイアナの能力には未来予知なんてモノはない。特定の人間を支配するだけで、そんな能力があると聞いていない。

 

「…つい最近、その能力に目覚めたとしても、時期が割に合わねえ、もしも双子の姉弟だとすんなら、能力を使った時期がだいぶ前になるはずだ」

 

承太郎の言葉に花京院は無言になる。

 

確かに、DIOの能力を思い出したタイミングがおかしかった。

 

「…アイツは俺が名乗る前に俺が空条承太郎だというのを知っていた。12歳の子供がな」

 

「DIOから聞いたのでは…?」

 

「その可能性も否めなくはないが…もし仮に、能力が『相手の思考を改変する能力』じゃあなく()()()()()()()()()()()()()()()()()だったら?」

 

承太郎の言葉に花京院はハッとなる。

 

「まさか、ダイアナが意図して能力を隠したなんて言おうとしてませんか?」

 

その言葉に承太郎は「あぁ」と頷く

 

「アイツは生きるためならなんでもする奴だ、だが…DIOみてぇな悪じゃねぇ、お前も分かっている通り、アイツはガキの頃抑圧された環境下にあった。義父から性的虐待を受けるほどな」

 

「……」

 

ダイアナが能力を隠していたとして、それで何になる?と考える花京院

 

しかし、一つ考えたくないことが思い浮かぶ

 

D()I()O()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ありえない、彼女が幼い頃から見て来ましたが、支配するのもされるのも嫌いだと言ってましたし、何より、DIOのような恐怖も感じない」

 

ムキになる花京院に承太郎は「落ち着け」と言う

 

「す、すみません…つい」

 

「逆に意図的に隠したんじゃあなく、本人が知らない場合もある。そうなれば、いくら弟といえどギャング組織にアイツを渡すわけには行かねえだろ。悪用される可能性が見え見えだって言うのにな」

 

「……」

 

ダイアナは幼少期、財団内の研究員から利用されたという過去がある。

 

家族のためならなんでもしてしまいかねないダイアナは、弟の願いのためならその能力を使ってしまうだろう。

 

(…ダイアナは確かに、家族のためなら世界がどうなろうとどうでもいいと言うようなところがある)

 

彼女の精神は確かに邪悪ではない。

 

彼女の中での命の重さは圧倒的に家族の方が強い

 

それは人間として当たり前の感覚なのだろうが…

 

(…少し危ういものを感じる)

 

「…それで、どうするつもりなんですか?」

 

承太郎を見て問いかける。

 

「会わせるわけには行かなかったが、あちらにも条件は付けた」

 

ギャング組織の人間だからと言って家族を会わせないという判断はしたくなかったのか、承太郎が帽子を深く被る

 

「パッショーネは巨大組織ではあるが、つい最近から謎の現象に悩まされているとのことだ」

 

「謎の現状…ですか?」

 

「あぁ」

 

承太郎が研究員を見ると、一枚の書類を見せて来る。

 

「これは…」

 

 

 

 

 

 

「ジョルノ、向こうから連絡が来たぞ、到着は明日の夜明けになっている」

 

「ありがとうございます」

 

ジョルノはそう言って男から書類を受け取る

 

「本当に彼女がお前の姉だとして、そうなら、あまりにも出来すぎている気がする。俺が死ぬのも予知したり、ボス…ディアボロの正体や能力を幼少期の頃から理解していたとするなら…」

 

書類を受け取ったジョルノは読みながら男の話を聞く

 

「…だからこそ、僕は彼女に会って話がしてみたい。ディアボロの能力を知っていた理由、貴方が死ぬ未来の予知も…そして…」

 

ノイズが掛かったように思い出せなかった記憶が、ゴールドエクスペリエンスが進化してから霧が晴れるように思い出して来た幼き頃の記憶

 

そして、彼女が悪であるのか否か

 

「会って確かめたい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー???ー

 

 

「本当にそんな能力なのかい?そうだとしたら、かなり怖い能力じゃあないか?」

 

青年の言葉に本を読んでいた男は本を置き

 

「だからこそ、この館で生活させているのだ。スタンドというのは何も相手にだけ使う能力ではない。自分自身にも返って来るスタンドもある」

 

青年は男の話を真面目に聞く

 

「それは興味深いね、そう考えると、自分にも効いてしまう分、君はそこに目をつけたわけか、なるほど…彼女を大事にしている理由がわかったよ。DIO」

 

DIOは本を本棚に持って行く

 

「いくら頭がよくても大事にされた記憶があるのなら縋るだろうな、その記憶に、その記憶に取り殺されたらどうなるかそこは分からないがな」

 

「君は用心深いね」

 

 



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第13話『イタリア』

お久しぶりです。五連勤からの夜勤とか早番とかあって精神的に参ってました。趣味のために生きれない仕事ってなんだろうね……

今回はイタリアにオリ主が行く話、第五部あんまり内容覚えてない…今回から結構オリジナル展開が入りますのでご注意を


ーイタリアー

 

「ジョルノの姉貴ってスッゲェ美人だな、女優って感じでサイコーだし」

 

「…ミスタ、そんな見て…少しは空港の方を見てください」

 

「わぁーてるよ、フーゴ、そう警戒しまくらなくても大丈夫だろ、あっちだってスタンド使いなんだし」

 

ミスタは車に寄りかかり、写真を見る。

 

「…スタンド使いだとしても、不測の事態があったらどうするつもりなんですか?」

 

「へいへい」

 

「……それと」

 

フーゴはミスタにもう一枚写真を見せる

 

「ん?」

 

「先程もう一人追加で、ジョジョの異母弟も来るみたいですよ」

 

「異母兄弟?言っちゃあなんだが、ジョルノの家庭って結構複雑なんだな」

 

「…父親が複数の女性と関係を持って、一体何人弟がいるか分からないとの事ですよ」

 

「はぁ〜そりゃあヤベェな」

 

待っていると…

 

「来ました」

 

フーゴの声にミスタが顔を上げる。

 

やって来たのは三人で一人はジョルノの姉・ダイアナと弟であろうリキエルなのは分かるが、もう一人の好青年らしき人は知らなかった。

 

「ん?二人で来るって話じゃあなかったか?」

 

フーゴにのみ聞こえるように言うと「そうですね」と返して来る。

 

「失礼、花京院典明と言います。ダイアナの義兄に当たります。今回は呼ばれていませんでしたが、ダイアナとリキエルの為に来ました。どうぞよろしくお願いします」

 

そう言って来る花京院に驚くミスタ

 

「どうも」

 

フーゴが花京院に握手する。

 

(…日本人ってのは、こうもガチガチで苦手だぜ…謙虚過ぎて冗談通じんのかな…)

 

ミスタはダイアナ達の方を見る

 

リキエルと言われた青年?は不安そうにダイアナの後ろにいたが、背筋をシャンッと伸ばしていた。

 

対してダイアナの方は何も言わず凛々しく立っている姿は本当にジョルノそっくりであり、なおかつ、美人なのも相まってか色気が凄かった。

 

「……」

 

紅い目がこっちを見て来る

 

(…おっと)

 

あの目は少し下世話なことを考えていたのが伝わった目だ、慌てて逸らす

 

「それでは、花京院さんはこちらに、ダイアナ様とリキエル様は後ろの車に乗ってください」

 

そう言われて花京院はダイアナの方を見る

 

「ーーー」

 

日本語で会話している為、ミスタには聞き取れなかったが、フーゴにはある程度伝わったのか

 

「大丈夫です。ジョジョの拠点に着くまで必ずお守りします」

 

「ありがとうございます」

 

そう言って微笑んでくるダイアナ

 

 

二手に分かれた際、ダイアナがふと足を止める。

 

(ん?)

 

ダイアナは一度、ビルの方を確認していたがそのまま乗り込む

 

ダイアナが見ていた方を見たが、特に何もなく、ミスタもそのまま乗り込む

 

 

 

 

 

車に乗り込んだダイアナはこれから向かうべき場所を考えて、あまり気乗りしなかった。

 

「大丈夫?姉さん」

 

リキエルの心配そうな言葉にハッとなる

 

「大丈夫よ、リキエル」

 

日本語で返すと、助手席に座っていたミスタと呼ばれた男性が見て来る。

 

大方日本語が分からないから、何を会話しているのか気になるのだろう。

 

「これから会う人って姉さんの双子の弟で俺の異母兄なんだよね?」

 

「…そうなるわね」

 

リキエルは兄が出来るとは思わなかったのか「複雑だなぁ」と呟いていた。

 

「……」

 

何も言わないダイアナを心配そうに見つめるリキエル。

 

DIOに利用されないように、悪に染まりきらないようにあの館から出した。

 

(…尤も、ジョルノがイタリアにいなければ、彼らとは出会わなかったから…)

 

新パッショーネは誕生しなかったのだろう。

 

少し考え込んでいると…

 

キキィッ!と車が止まる。

 

「イッタタタ…」

 

体をぶつけたのかリキエルが体を摩る

 

前を見ると、場所が突然変わったかのようにあたりの光景が変わっていた。

 

ミスタが拳銃を出してるのを確認する

 

「スタンド使い?」

 

そう聞くとミスタが「状況判断早くて助かるぜ、アンタらは外に出んなよ!」と言って準備していた。

 

運転席に座っていた男性が携帯で連絡していた。

 

「よく分からないのに外に出たら危ないわよ」

 

「分かってるよ!外に出ねぇ!とりあえずアンタらを守らねぇとジョルノに何言われるか分かりゃしねぇ」

 

そう言ってピストルを構える

 

辺りを警戒しているミスタと怖いのか、身を屈めるリキエル

 

「…ジョルノが」

 

「アンタとジョルノの間に何があったかは知らねえ、だが、アンタに傷一つ付けないように頼まれた以上は、その任務を全うしなきゃあな」

 

「……」

 

ジョルノは自分を暗殺するつもりではないのか、自分はジョルノを捨てたのだ。

 

許してくれる訳ないと思っていたのだ。

 

それを少なからず、ミスタには見抜かれていた。

 

「姉さん!!あそこに何かいる!」

 

リキエルが指差す方を見ると、そこには半透明の何かがいた。

 

「何かいるわ、あそこ」

 

そう言うとミスタが「おう」と言ってそちらを見る

 

運転手に静かに「身を屈めてろよ」というと静かに頷く運転手

 

「アンタの事は色々調べたが、アンタのスタンドは戦闘に不向きなんだろ?なら、おとなしく守られててくれ」

 

援護しようとしたのがバレたのかそう言われ、少し苦笑いする。

 

「分かったわ、出ないつもりではいるけど、とりあえず無線か何かある?」

 

「あん?一応あるが…」

 

「少し貸してくれる?」

 

「おう」

 

そう言って受け取るとある人に繋げる

 

「『お前の出番だ』」

 

そう口調を変えるとミスタがビクつき「今誰の真似?」と言って来る

 

「内緒」

 

そう言って半透明のスタンド使いを凝視する。

 

 




数話見返してポルポだっけ?悪人だろうと迷わず殺したジョルノにDIOを見た、ギャングに正義もないんだろうけど、やっぱりDIOの息子だなと…

最近上手くいかないこと多過ぎてまた鬱になる気がする…明日採血でどうせ失敗されるだろうから泣こう


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第14話『初戦・上』

頭の中に構想はあるんだけど、疲労が凄まじいせいでなかなか書けない…

コロナワクチン接種二回目打ちに行きました。ちっちゃい子が予防接種で泣き喚いてるの見て『わかるよ、その気持ち分かるよ、痛いよね』と内心ウンウンと頷いてました(分かるな24歳)


ー???ー

 

強い人間や倒せないであろう者を倒す方法はこの世には一つしかない。

 

「パッショーネのボスに双子の姉と弟がいるという情報を得た」

 

男の言葉に仲間たちが「あのパッショーネのボスに双子の姉?聞いた事ねぇが」と口々に話していた。

 

「その双子の姉と弟が今週中にイタリアに来るとの事だ」

 

「「「!!!!」」」

 

部下たちはハッと息を呑む

 

「その姉弟を捕まえて殺すか、人質にとって交渉材料にするんだな?ガルゲイル」

 

ガルゲイルと呼ばれた金髪の屈強な男が頷く

 

ガルゲイルは2枚の写真を見せる

 

一人は未成年の青年と二十歳程の金髪の女性だった。

 

「弟の方の能力は不明だが、姉の方の能力は『他人を支配する能力』射程距離は100メートルもない。近づかなければ問題ない」

 

「けどよ、そのスタンドは全く知らない人間に関しても操ること出来るのか?」

 

「知らないならば、その行動自体を止めさせることが出来る可能性もある。だからこそ、近づくな、分かったか?ゲイン」

 

「OK OK。分かったよリーダー」

 

「頼んだぞ、マイケル」

 

マイケルと呼ばれた緑色の髪の男は「行ってくるぜ」と言って部屋から出て行く

 

 

(あの金髪美女がダイアナ・ブランドーで、あのひよってるのがリキエル・ブランドーか、随分似てねぇ姉弟だな)

 

マイケルは望遠鏡で観察しながら、捕まえる二人を観察しながらビルの影に隠れていた。

 

観察しながらダイアナとリキエルを外に出すためにライフルを構える

 

マイケルのスタンド能力は周囲を偽物の風景にする能力だ

 

そして、その光景に自分そのものに自分も隠れることが出来る。しかし、隠れてることは出来るが、よく目を凝らせば見えるというハンデも抱えている。

 

「二人は殺すんじゃあないぞ、生きて捕まえねえとリーダーに殺されるかもしれねぇからな」

 

『………』

 

無線に話しかけるマイケル

 

相手は何も返さず、動いているのを確認する。

 

「相変わらずそっけない野郎だな」

 

そう言って望遠鏡を構える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイアナは先ほど見えた位置を凝視していた。

 

「くそっ…この周囲の幻覚触れても外に出れねえぞ、無線は繋がるが…」

 

ミスタは舌打ちしながら戻ってくる。

 

「あのビルの上にいるスタンド使い、何とか出来ないかな」

 

リキエルの言葉に

 

「私のスタンドが届かない位置にいるわ、リキエル。ロッズは使える?」

 

「え?使えるかは…分からないけど…そもそもに!アイツ遠すぎて体温が見えないんだ!」

 

ここに花京院がいれば難なく突破出来たのだろう。

 

悩んでいると、運転席にいた男性が悲鳴をあげる。

 

そちらを見ると、見るも悍ましい光景が広がっていた。

 

「う、うわっ!!」

 

運転手の体を黒いモノが食っていた。

 

「車から出て!リキエル!」

 

大慌てで車から出て離れる

 

「なかなかにヘビーな光景だぜ…!スプラッター映画好きじゃねぇんけど…」

 

吐きそうになっているリキエル

 

(…こういうモノに私のスタンドは一切使えないのに…!)

 

銃弾もこんな小さいモノに当たることはないだろう。

 

ヒタッと足に登ってくるのを見てビクッと飛び跳ね、恐怖のあまり思いっきり地面を叩く

 

コンクリートが割れ黒いそれと一緒に吹っ飛ぶ

 

「ギャァァアア!!俺の顔面に来たぁ!!」

 

叫ぶミスタ

 

 

 

 

「ーー?!!!!?」

 

虫が大嫌いなダイアナは声なき声を発しながらひたすらに地面やら木を波紋を帯びさせて殴っていた。

 

「お、落ち着いて!姉さん!!」

 

虫嫌いな姉の代わりにそう言ったモノが平気だったリキエルは、混乱する姉に近寄ろうとするが、暴れ方が凄まじくて近寄れなかった

 

「え、えっと…!どうすれば…!」

 

ロッズを使うには黒いモノが小さすぎて体温を奪うことができない

 

リキエルはビルの上にいるスタンド使いを確認しつつ、辺りを見渡す

 

「!!」

 

路地裏に人影が見える

 

(…いた!アレが、多分スタンド使いだ、でも…!)

 

自分は近接戦にあまりにも向いていない。

 

近接攻撃が出来る姉は混乱して、黒いそれをひたすら殴ってぶっ飛ばしてるし、ミスタと呼ばれたギャングは飛んできたコンクリートの破片がぶつかったのか気絶してる。

 

(お、俺がやるしかない!!)

 

覚悟を決め、歯を食いしばってそちらを見る

 

リキエルはパニックにならないよう、深呼吸をして路地裏を見る

 

パニック障害はだいぶ落ち着いて来た。

 

スピードワゴン財団の医師の診断によれば、昔ほど悪化しないだろうということを言っていた。

 

「俺が姉さんを守る!!」

 

ロッズを周囲に出す

 

 

 

 

 

マイケルはひたすらコンクリートやこちらの仲間のスタンドをひたすらぶん殴ってるダイアナ・ブランドーにドン引きながらも、ミスタが気絶したのを確認し、二人を拘束する準備に入る。

 

(確かにアレは結構グロテスクだが…その前にコンクリを破壊する程嫌いかね…)

 

望遠鏡を持ってビルから降りて行く

 

窓から様子を確認するとダイアナ・ブランドーはいるが、もう一人の青年がいなくなっていることに気づく

 

「どこに行った!?」

 

辺りを見渡すが、青年が見つからず、階段を降りると仲間から無線が入るが、電波が悪くて聞き取れなかった。

 

「おい!!返事しろっ!!」

 

そう言って外に向かって走って行く




【登場人物】

ガルゲイル・ホワイト・ドリーム
【身長】186
【年齢】30
【性別】男
【容姿】
金髪に緑色の瞳。筋肉質の男
シャツを着ているが、前側は開けて生活している。

【詳細】
スタンド使い。ポルポのライターでスタンド使いになった。
ジョルノを憎み、ディアボロを尊敬していた。
遠距離型スタンド
ジョルノの時代になり、麻薬部署と同じく消滅した部署のリーダー


昨日採血だったんですけど、私の血管見た看護師が『あ、コレ無理、えぇ…』とバシバシ叩いたんですけど、それでも出て来なくて『針より細い血管来たよ…えぇ…どうしよう』と右往左往。

もうその反応に恐怖して(今まで一回で成功してたか出来なさ過ぎて神経損傷してたかどっちか)専門の病院に行きますと言ったら「うんそうしよう!医師レベルだねコレ」とか言われた。そして明日は予防接種…つらい


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第15話『初戦・中』

リキエルの戦闘回にしようと思ったけど、リキエルのロッズについてあんまり理解していない私がいる…

ロッズを未確認飛行物体じゃなくした(?)財団の話から今回の戦闘になります。リキエルが誰コレ状態になっているかもしれないですけど、ごめんなさい。

後番外編追加しました(番外編というかボツネタ)


ー5年前・アメリカー

 

リキエルがダイアナに引き取られてから数ヶ月、パニック症に悩まされながらも、学校に通うことになった。

 

それでも、発作が起こり通えない日々があったが、そんな自分を姉は責めることなく、むしろ学校から帰って来た日には「早く帰って来たのならのんびりして良いわよ」とやりたい事をやらせてくれた。

 

前の家だったらありえない優しい対応に嬉しくて仕方なかった。

 

発作が起きず、1日通して学校に行けた時は嬉しくなり、姉は笑顔で出迎えてくれる。

 

「リキエルの姉さんってすっごい美人だよな」

 

学校で友人ができ、姉のことについて褒められた時は心底嬉しかった。

 

姉のことについて褒められると嬉しくて仕方なかった。

 

スクールバスから降り、家の前に行く

 

「姉さんただいま…!?」

 

目の前にいた影にビクッとなる。

 

「ね、姉さんのスタンド…だよな…」

 

心臓がドキドキと跳ねていた。

 

リキエルはスタンドを見ることが出来ると知った財団は将来、リキエルがスタンド使いになる可能性を鑑みて、定期的にこの家に訪れることがある。

 

(…姉さんのスタンドがいるってことは…姉さん家にいるのかな…?)

 

影の横を通り過ぎると、姉のスタンドが後ろを着いてくる。

 

「…姉さん、どうしたの?スタンドだけ出して」

 

そう声をかけると、ローブのようなものを被っている姉のスタンドは台所を指差す

 

「台所?」

 

そちらに向かうと…

 

「うわ…」

 

台所が惨状になっていた。

 

フライパンは曲がり、いろいろなモノが散らばっていた。

 

「…姉さん、虫でも出た?」

 

そう聞くと影が頷く

 

姉は極度の虫嫌いだ。

 

まぁ、女性らしいと言えばそうなのだろうが、虫を見るたびに殴ったりするのでとんでもない惨状になる。

 

「えっと…スリッパとティッシュ持ってくるね」

 

そう言って探していると、影が少し小さめの冷蔵庫をひょいっと持ち上げる

 

「あ…うん。ありがとう」

 

小さいとはいえ、冷蔵庫を軽々持ち上げる姉のスタンドに若干引きながらも虫を叩いて捨てる。

 

手を洗っていると、いつの間にか姉のスタンドがいなくなっていた。

 

「姉さん、もう倒したから大丈夫だよ」

 

部屋に向かって言うと、部屋から姉が出てくる。

 

「…あ、ありがとう。リキエル」

 

涙目の姉がそろーと出てくる。

 

その夜、姉が叩いて傷になったであろう手を見ながらリキエルが包帯を持ってくる。

 

「姉さん、綺麗な手なんだから叩く前に逃げれば良いのに」

 

そう言うと姉は苦笑いを浮かべ

 

「目に入ると反射で別のところ殴っちゃうのよね…本当に怖くて」

 

包帯を巻いていると、姉の腕に別の傷跡が見える。

 

「…姉さん、コレ何?」

 

注射痕のようなモノが見えてそう呟くと

 

「健康診断だったの、その傷だから大丈夫よ」

 

そう言って頭を撫でてくる姉

 

「……」

 

姉は父に瓜二つというのを財団職員が言っているのを耳にしたことがあった。

 

財団は父・DIOの存在をかなり恐れているのと同時に、研究材料にしたいと言う気持ちもあるのだろう。

 

嘘だと思っていたが、父は吸血鬼で、石仮面というモノで人を辞めたとのことだった。

 

人を辞めたから不老であり、財団員達は不老の血を継いでいる姉や自分を観察したいのだろう。

 

「どうしたの?リキエル」

 

姉はDIOの血を強く受け継いでいるから、財団は姉が父のような怪物にならないか不安でたまらないのだろう。

 

「……姉さんは姉さんなのに」

 

怪物なんかじゃあないのに、と呟くと姉は自分が何を言おうとしたのか理解したのか微笑み、抱き締めてくれる。

 

「人は理解出来ないものを恐れて排除しようとしてくる生き物なの、スタンドだって見えないから理解できない。対処出来ないから怖がる、見えないから何されてるか分からないから怖がる。典明だって承太郎達に出会うまでは阻害されていたの」

 

姉の優しい言葉の裏に隠れる悲しみの声

 

「お父様…DIOという存在だって怪物だから怖がってるの、そんな怪物の子供だから人一倍警戒しているのよ」

 

危害を加えて来ない点は良いのよと言って笑いかけてくる。

 

立ち上がって台所の方に向かう姉の背を見る

 

「綺麗にして…今日は出前とかにした方が良いかしら、何が食べたい?」

 

微笑んでくる姉にはどこか悲しげな目をしていた。

 

 

 

リキエルがスタンド能力に目覚め、ロッズという未確認生物を操作出来るようになったのは15歳の頃だった。

 

ロッズは視認が不可能な程のスピードと障害物にぶつからない正確さで飛行する生き物であり、その生物は無数に生きている。

 

(…姉さんのスタンドに比べたら、だいぶ地味だけど…)

 

ロッズの能力は直接戦闘は出来ない上、体温を奪うというのはそんなに恐ろしくなさそうに見えるが、熱を奪う部位によって対象の体を自由に動かす、凍傷で体を腐らせると言ったことが出来るんじゃあないかと研究員が話しているのを聞いた。

 

確かにそれを聞けば結構離れた場所から攻撃も可能になる。なんなら手を下さず相手を病気にさせることが出来る故、リキエルが犯罪を犯した場合、それを立証できない。

 

(犯罪に使うつもりは毛頭ないけど、この力で姉さんを護れるくらい強くなるんだ)

 

だからこそ、頑張って強くならなければならない。

 

 

 

 

 

目の前にいる男に、スタンド使いの男を倒す決意を決めるのは相当勇気のいることだった。

 

リキエルが姉に着いて来た理由は、姉を守りたいという気持ちのほかにも、姉の双子の弟と言われていたギャングのリーダーが姉にとって害のない人間か見極めるために来たのだ。

 

姉にとって、ジョルノ・ジョバァーナという存在がいかに大切なものか、見ていて理解した。

 

姉は、ジョルノジョバァーナを愛している。弟としておそらくは自分より大切に思っている存在だろう。

 

「(そこに悲しい気持ちは一切ない!姉さんが幸せに笑ってくれるなら!!)」

 

武器を持つ男を見て恐怖が襲ってくるが、深呼吸をし、ロッズを出現させる

 

「!!」

 

敵のスタンド使いが驚き離れる

 

「おまえらが姉さんの行く道を邪魔するというのならッ!!オレは熱した鉄のような憎しみとともに、おまえらを始末するだろうッ!!」

 

 




戦闘描写ムッズイ…何となく6部のリキエルの戦闘場面を思い浮かべてくだされ…


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ifルート『逃亡』

本編編集中です。あれなんです…戦闘シーンむずくて…ごめんなさい

今回は15歳のダイアナがあの館での戦いで逃げる決意を決めて逃亡して日本に行く話。

本編と違って能力の凶悪さが増してます。


ー杜王町ー

 

父は言った『勝利して支配する』という思想。

 

(…支配するのは気持ちの良い事なのだろうけど、同時に面倒なのよ)

 

DIOの娘として生まれ、ジョルノの双子の姉として館で生活していた。

 

そして、私は館で生活していたのだが、運命の日、DIOが空条承太郎と戦い敗れる日

 

館が崩壊する中、混乱に生じて逃げ出した。

 

それからいろいろあったのだが…

 

「ダイアナ、お待たせ〜」

 

待ち合わせ場所に手を振ってやって来たクラスメート

 

DIOが死んだという話は聞かない。

 

でも、追手が来ない以上、DIOは死んだのだろう。

 

「ダイアナ?聞いてた?」

 

「聞いてたわよ」

 

この日本で仮初の人生を終わらせるのも良いだろうと思っていた。

 

「ただいま」

 

そう言って自宅に帰る

 

「お帰りなさい」

 

偽りの両親

 

日本人の父とイギリス人の母

 

二人とも私とは一切関係のない存在だ

 

たまたまエジプトに旅行に来ていた夫婦で、たまたま、DIOの館から少し離れた場所のホテルに泊まっていた夫婦

 

「もう疲れたから眠るね」

 

「お疲れ様」

 

自室に行き、目を閉じる

 

「…チートな能力なのね、あなた」

 

金色のスタンドが姿を見せる

 

幼い頃までは真っ黒い姿だったが、偽りの両親の身体に触れた瞬間、真っ黒い見た目から金色に変わっているのが分かった。

 

エンヤ婆から聞いていたが、私の能力は改変能力の可能性が高いと

 

まだ館に行く前、義父を殺害した時、中身を作り直した

 

要は肉体は死んでいないと改変した。

 

「ダイアナ〜ご飯出来たわよ、食べる〜?」

 

「うん、食べるわ!」

 

偽りの親には子供はいなかった。

 

でも、子供がいたと思わせる事は難しい話ではなかった。

 

問題は戸籍を偽装することだと思ったが、偽りの親の記憶を改変した後、戸籍すらも変わっていた

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

当たり前の生活が欲しかった。

 

だから、スタンド能力については必要最低限以外は使わないようにしていた。

 

『改変能力』

 

その範囲がどこまで及ぶのか、どう言った願いまで使えるのか

 

ダイアナは、ただ、普通の生活を歩みたかった。

 

だが、忘れていた

 

()()()()使()()()()()()()()()ことを

 

爆発が起こる建物、そこに取り残された私と偽りの両親

 

偽りの両親は気絶していた

 

「…貴女は、僕の姉、なんですか」

 

そう言う、会いたくて仕方なかった彼がそう呟く

 

彼のために、彼の出会いの為に切り捨てた過去を思い出す

 

 

 

 

 

ー空港から離れた喫茶店ー

 

「ジョジョの双子の姉ねぇ…」

 

「なんですかミスタ」

 

空港にやって来たジョルノとミスタ。

 

新生パッショーネとして動き始めてから数週間後、実母がパッショーネにやって来たのだ。

 

「ジョルノの双子の姉貴がジョルノの義理の父親をあんな風にした可能性があるってか?」

 

「あの母がどこまで本当の事を言っているか分かりませんが、義父の状態を鑑みれば、スタンド能力によってああなったと思って間違いないでしょう」

 

ジョルノの実の母は決して良い母とは言えなかった。

 

子供を放置するのは当たり前だった。再婚相手が暴力を振るっているのを見ても見て見ぬふりをする程だった。

 

そんな母がジョルノの元に来てお金を恵んでくれないかという話と同時に、イタリアに帰って来たのなら教えてくれても良かったのにと言われた。

 

「お前の記憶の食い違いって話じゃあねぇのか?」

 

ミスタからの言葉に「その可能性も含めていろいろ考えてみたんです。そうしたらいろいろ変な点があったんです」

 

そう言って喫茶店で出て来た紅茶を飲み

 

「僕がイタリアで学生寮で暮らしてましたが、不自然とそれ以前の幼い記憶が抜け落ちていたんです。母の話でそれを思い出していろいろ調べてみました」

 

そうしたら自分の記憶と不特定多数の人間の記憶との矛盾。

 

母が見せて来た写真には幼い頃から金髪で赤い瞳の少女が映っていた。

 

不思議とその写真の少女の顔は見えなかった。

 

母やその写真を見せたミスタ達には見えているのに、自分には心霊写真のそれと同じようにブレて写っていた。

 

十中八九、彼女がスタンド使いである事が分かった。

 

母から全て聞いた過去

 

『貴方と貴方の双子の姉はDIO様に連れて行かれたの、あの人を殺した貴方の双子の姉はDIO様に気に入られたの、化け物は化け物が好きなのね』

 

「スピードワゴン財団にDIOの事を聞くのは難しい話でしたが…DIOが、父がエジプトの館で死んだというのを聞いて見に行った事ありますよね」

 

「あぁ、ブチャラティと行ったヤツか」

 

個人的な私用でギャングのボスが海外に行くのは良くなく、治療を終えたブチャラティと向かった。

 

「エジプトに行って、館を見た時、記憶がわずかながらに蘇りました」

 

「………」

 

『ハルノ、愛してるわ、だから幸せになって』

 

顔が見えない少女…いや、自分の姉を思い出した。

 

「…あの館に僕は少なくとも5〜6歳まではいました。DIOに育てて貰った記憶もありました。でも、僕の記憶はそこから先がないんです」

 

過程を抜かしてイタリアにいる頃しか思い出せなかった。

 

「どうして、僕を館から離れさせたのか、どうして、僕から姉という存在を消したのか沢山聞きたいことがあります。それに、もっと不思議な事はブチャラティやアバッキオが死ぬタイミングを都合よく思い出せたのか…」

 

アバッキオが死ぬ時、誰に殺されるか断言は出来ないが殺されると理解した。

 

だからこそ、アバッキオがボスに殺されないように先回りする事が出来た。

 

「…ジョルノのその話じゃあ、お前の姉貴は未来予知なんて持ってるって話になるが」

 

「だからこそ、彼女に会って話が聞きたいんです」

 

そう言うジョルノにウンウンと頷くミスタだったが

 

「…まぁ、スピードワゴン財団に内密の渡航とか割とバレたら洒落になんねぇよな」

 

「バレませんよ、杜王町にさえ行かなければ」

 

「……なんだよ、その自信、とにかく調査は…その姉貴とやらが行ったであろうこのショッピングモールで彼女と接触する、ってだけでよいんだよな」

 

「はい、行きましょうか」

 

そう言って会計を済ませ、ショッピングモールに入る

 

 

 

 

 

偽りの両親とショッピングモールに来て買い物をしていた。

 

何気ない日々が当たり前のように終わると思っていた。

 

でも、それへ思い違いでしかなかった。

 

特定の人間の認識は変えられても、見も知らぬ相手の認識までは変えられない。

 

それに、何の因果なのか、スタンド使いがこのショッピングモールで、私を見つけた

 

開口一番、私のことを『DIO様の娘』と呼んで私を連れ去ろうとした。

 

「DIO様のいない世界など存在価値もないのです!あなたの能力ならきっとっ…!DIO様を蘇らせられる!!」

 

「ダイアナ!!」

 

スタンド使いが、私のことを気絶させようとしてくるのを偽りの父親が守ろうとして、その毒牙の餌食になってしまった。

 

騒然となるモール内、発狂しつつもスタンド使いは私に手を伸ばす

 

「辞めなさい!!」

 

スタンド使いにとって銃なんて撃たない警察官なんて脅威ではなく、無慈悲に殺戮する。

 

「やめて…」

 

すると…

 

ダンダンッと銃弾が飛んでくる。

 

「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム!!」

 

その言葉を聞いた時、思い出す。

 

「……ハル、ノ…」

 

目の前にやって来た金髪になったハルノとその部下のミスタ

 

ミスタはその男を確認し『とりあえず、姿を隠そう』と言った時、ジョルノはまっすぐと私を見ていた。

 

「…姉、さん…?」

 

その瞳に敵意なんてなかった。

 

私のことをそう呼ぶのは、ハルノしかいなかった

 

我に返ったジョルノは『とりあえず離れましょう』と言ってミスタに指示を出していた。

 

「あなたも、一度…」

 

「!?ジョルノ!!」

 

ダイアナのスタンドがジョルノの目の前に現れる

 

ミスタが慌てて銃口をこちらに向けてくる。

 

「……ヘブン」

 

正式名称で呼べなかったが、そう呟くと私のスタンドが能力を発揮して、その場に倒れていた血だらけの警察官達が起き上がる

 

「あれ?何してたんだ?俺」

 

「??」

 

大怪我がなかったことになり、モール内にいた人々が起き上がる

 

スタンド使いの男以外は

 

「あなた大丈夫?」

 

「あぁ…()()()()()大丈夫かい?」

 

そう呟く元親だった人に微笑みかけ「大丈夫です」と笑う

 

 

 

 

 

 

 

「貴女は…僕の姉、なんですか」

 

場所を移した時、ハルノがそう言ってくる。

 

「……」

 

震えるように言う彼、警戒しつつもミスタは少し離れた場所からこちらの様子を見ていた。

 

「大きくなったわね、ハルノ」

 

そう言って笑いかけると射程距離にいたジョルノに影越しで触れると思い出したのか目を見開く

 

「姉さん…」

 

そう言ってところ構わず抱きしめてくる

 

 

ー数時間後ー

 

姉の存在が判明してからジョルノはホテルで今後の計画を立てることになった。

 

『それで?ジョルノの姉は本当に日本にいたのか?』

 

ブチャラティからに連絡を入れていたミスタ

 

「あぁ、見つかったよ、ジョルノの話によれば記憶も戻ったみたいだ、話によれば姉貴もスタンド使いみたいでな、不特定多数の人間の記憶を操作してたみてぇだ」

 

壁に寄りかかりながら話す

 

『記憶を操作する能力か…それで?イタリアに戻ってくるのか?』

 

「…ジョルノの親類な上、さっきまで狙われてたからな…保護するほうがいいだろうし…ジョルノ自身があんなに喜んでたらなぁ…』

 

隣室で嬉しそうにしているジョルノを思い出す

 

 

 

 

あれからジョルノと話をし、イタリアのパッショーネの中で生活することになった

 

空港の中、ダイアナは1人日本の景色を眺めていた

 

(杜王町に行かなかったからスタンド使いに遭遇しなくて済んだけど…離れるのは少し寂しいわね)

 

だが、あの事件で日本にいる危険性が大きくなった。

 

「姉さん?準備できましたよ」

 

「はーい今行くわ」

 

そう言ってジョルノの方に向かうダイアナと特徴的な髪型をした高校生とすれ違う

 

 

 




本編で書きたいけど、ジョジョって戦闘描写難しい……


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ifルート『ジョルノ闇堕ちルート』

本当にごめんなさい。本編書かないといけないのはわかってるんです…!でも無駄にifルートばっかり脳内によぎるんです。ジョジョの戦闘描写って本当にむずいんです…!

ジョルノが館にずっといてしまった場合のifルート、ジョルノがDIOの死を見てしまった場合のルート。


ー館ルートー

 

いまだに覚えている、父が真っ二つにされる瞬間を

 

骨すら残さず死んでしまった父

 

「姉さんとパードレの間で何があったか分かりません。僕の前では、父親として振る舞ってほしいという契約があったのかもしれません。でも、大切な家族だったんです」

 

「………」

 

パッショーネを乗っ取ってから数ヶ月後、スピードワゴン財団が交渉を持ちかけて来た。

 

理由はエジプトに、家族と暮らした場所に行った時に見つけた石仮面の存在をスピードワゴン財団が気づいたからだ。

 

「…姉さんは、憎まないでと、恨まないでと言っていましたが、彼らと会った時、僕は冷静でいられる自信がないんです」

 

パッショーネのボスになったジョルノからの言葉にミスタとブチャラティが無言になる。

 

ミスタは頭を掻きながら「うーん」とひたすら悩んでいた。

 

「…だが、彼らを敵に回すのは最善策とはいえない」

 

「…わかってます」

 

「…ジョルノが会う代わりに俺が会うか?彼らの話を聞いて、ある程度分かったらお前に報告するといった流れはどうだ?」

 

二度手間になってしまうが、ジョルノの心境を考えればそれで良いだろうとブチャラティとミスタが頷く

 

「…ご迷惑おかけしてすみません」

 

そう深々と頭を下げるジョルノ

 

「そんな謝んなって…まぁ、実の親を殺して、姉貴の命を助けるために彼らの手助けを借りないといけねぇのがな…」

 

ジョルノは小声で『ボスらしくない、というのは分かってます。なんとか彼らと会うために踏ん張ります』

 

 

 

 

コツコツと長い廊下を歩き、部屋に入る

 

館で暮らしていたときの大きめのベットがあり、天幕で中が見えなくなっていた。

 

「……姉さん」

 

横たわっている最愛の姉・ダイアナ

 

最後の戦いの後から姉は原因不明の熱で意識不明の重体だ

 

棘のようなスタンドが姉の首に、姉の手首に巻きついていた。

 

赤い棘のようなもの

 

「姉さん……」

 

棘がうねうねとこちらに寄って来る

 

『ジョルノ』

 

姉の頭上の方から父の声が響き渡る。

 

顔を上げると父がいた。

 

正確にいえば父の幻覚が見えた

 

「ジョースター家との面会か、何を考えている?ジョルノ?」

 

「………」

 

「あぁ、殺してしまいたいよな、私を殺し、今や最愛の姉の命すら危機に陥らせている」

 

浮かびながらジョルノに囁く

 

「今のお前なら承太郎を殺せるだろう?仗助とかいうを連れて来たら尚更倒せる、さぁ、ジョルノ…」

 

「ダメよ、ダメだからね、ジョルノ」

 

「姉さん!」

 

意識を取り戻したのか、不安定なのかひたすら『だめよ、殺しちゃだめ』と呟くたびに姉のスタンドが抱きしめて来る。

 

消え入りそうなくらいの弱々しい手で抱きしめて来る

 

「…ッチ」

 

そう言って父の幻覚が消える

 

(…姉さんを助ける方法は一つしかない…でも姉さんは空条承太郎さん達のことが憎まないでとひたすら言っていた。僕は…どうしたら…)

 

姉の手を握り締める

 

 

 

 

 

〜館〜

 

「ジョルノ!こっち!」

 

「は、はい」

 

二人で必死に館の部屋から出る

 

ボロボロになった建物、強盗が入った以上の爆発が起こる

 

(…あぁ、姉さんと僕の思い出が…)

 

身も知らない人間に壊されてしまう。

 

「あ、ジョルノ!!」

 

ジョルノは姉の手を離し、一瞬見えた父の方向に走る

 

橋の少し離れた所から彼らを見る

 

走って来る姉の必死の表情は何も見えなかった。

 

「このDIOがぁぁぁああ!!お前なんぞにぃ!!」

 

絶叫しながら真っ二つになる父と血飛沫

 

「ジョルノ!見ちゃだめ…!お願いっ…!」

 

姉が抱きしめて、必死で隠そうとする。

 

「とりあえず…ホルホースがいたから彼に頼んでイタリアに行く準備は出来てるわ」

 

「…待ってください…パードレは…?」

 

「………」

 

特別な容器に入れられていくDIO

 

「パードレを連れていかないで…姉さん、なんで…」

 

「彼らに捕まったらいけないの…!お願い、ジョルノ…分かって…ごめんね…ごめん」

 

父の部下だったホルホースが投げやりによこした船に乗り、ひたすら姉は謝っていた。

 

日が登るに連れて少し離れた所から煙が立ち込める

 

「行かないでパードレ…」

 

「………」

 

姉は苦しそうに、悔しそうにしていた。

 

「……もっと早く、決断できてたら…」

 

その日登った太陽を見上げ、父を完全に殺したこの光とジョースター家に対する憎しみが湧いて来た。

 

 

 

 

話し合いは結局のところ、ブチャラティ、ミスタ、フーゴの数名を加えての話し合いになった。

 

相手は承太郎と警戒してからなのか、広瀬康一と東方仗助もやって来る

 

「遠路はるばるお越しいただきありがとうございます」

 

落ち着いて話せていることに少し驚く反面、姉の能力の影響なのか、小さな影がジョルノの肩になってポンポンしたりしていた。

 

「…単刀直入に言う、君が集めた石仮面の存在について我々に譲渡してほしい」

 

承太郎からの言葉にジョルノは『なるほど』と言い、真っ直ぐと承太郎を見る

 

「じゃあ、石仮面を渡す代わりに承太郎さん死んでくれますか?」

 

半分冗談で半分は本気だった。

 

姉の能力で出来た影が小さい手で頭をパチンとして来る

 

「ジ、ジョルノ?」

 

事の経緯を知っている分、ミスタ達は常に警戒していた。

 

「冗談です。半分は本気でしたけど」

 

そう言って仗助も康一を確認すると

 

「石仮面の譲渡の話ですけど、無理です」

 

「金なら積むが、それでもか」

 

「金なんて入りません。僕が欲しいのは姉を助ける事が出来るスタンド使い、それがなければジョースター家の壊滅。それしか頭にありません」

 

「………」

 

仗助はヒヤヒヤしながら二人の顔を行ったり来たりしていた。

 

「僕たち、幼い頃にあなたが僕の父を真っ二つにする瞬間に居合わせたんです」

 

「「「!!!」」」

 

全員驚く

 

「僕にとっては家族でした。あの館にいた人達も家族に違いない人達でした。そんな彼らは死んだり居なくなったりしました。僕に残ったのはたった一人の姉です」

 

ジョルノが前のめりになる。

 

「どうして、僕達のパードレの命を奪ったんですか」

 

その重い言葉が聞かされると思っていなかっただろう。承太郎は、絶対に黙り込むと思っていたが…

 

「母親のためだ、因縁を断ち切るために殺した」

 

ハッキリと言う彼に影が撫で撫でと頭を撫でて来る

 

【承太郎さん達は悪くない。自分の母親のためにお父様を殺したの、分かってるわよね、ジョルノも、父がどう言った者だったか】

 

姉の幻覚が見える

 

「…自分の母親を助けるために誰かの父親を殺す、かなり歪んだ話ですね」

 

そう言って微笑むとブチャラティが「大丈夫か…?」と気を使わしげに聞いて来る。

 

「えぇ、大丈夫です。分かりました。石仮面に関しては今回は貸します。貴方がたがこれを研究したいと言うのなら無理とは言えないでしょう」

 

落ち着いたように話すジョルノは立ち上がり、仗助の方を見る

 

「!!」

 

「君に…治して欲しい人がいる」

 

自分を指差しながら仗助は承太郎を見たり、していたが、承太郎がいけたいうような表情になったのを見て

 

「お、俺に治せるもんなら良いんすけど…無理なもんな無理なもんだってありますから、そこらへん了承してくださいよ!」

 

「はい、もちろん」

 

そう言って仗助達が倒された天幕付きのベット

 

 

 

 

 

(…うひゃあ眠れる森の美女じゃねぇか)

 

ジョルノの姉であろうその人物は不自然な赤い棘に捕まって眠っていた。

 

「あの…これどう見ても…」

 

次の瞬間、姉が喉を押さえて咳を始める

 

「姉さん!」

 

「あぁもう!クレイジー・ダイヤモンド!!」

 

拳を棘に向けてはなった瞬間

 

「仗助くん!!」

 

棘が綺麗に拳を避ける

 

《ジョースター家を殺せ、ダイアナ・ブランドーはジョセフ・ジョースターと空条承太郎と見えない糸で繋がっている。助けたいなら殺せ》

 

触れた瞬間に聞こえて来たDIOの声に固まる

 

「仗助くん!大丈夫?」

 

康一が覗き込んで来る

 

「…見えない糸…その能力でもダメなんですね」

 

そう言って承太郎も警戒する

 

それを見て首を振り

 

「出来る限りのことをやってみます。スタンド最強であるあなたを殺すのはデメリットでしかない。今日はお下がりください」

 

「お引き取りを」

 

ブチャラティとフーゴ達がやって来て彼らを外に出す

 

「なぁ…ジョルノもしかして…」

 

「…そんな無駄なこと、絶対にさせない。姉さんは…ジョースター家を憎まないと言っていたんだ…だから」

 

姉の手を握り締め

 

「どうやったら、目覚めてくれるんだ…」

 

悔し泣きするジョルノにミスタは居た堪れない気持ちになる。

 

 




【この時間軸の登場人物】

ダイアナ・ブランドー
パッショーネに一緒に入ったルート。死ななかった代わりに意識不明の重体。助けるためには承太郎かジョセフを殺すしかなかった。
命懸けで戦ったおかげでアバッキオ・ナランチャ・ブチャラティは死ななかった代わりに死にかけてる。
ジョルノの盛大なトラウマになってる。

ジョルノ・ブランドー
姉と共にエジプトの館から逃げ、パッショーネに入ったルート。
義父と実母の元で生活していないので、姓は『ブランドー』
姉と父との間で「家族ごっこ」の契約があったため、ジョルノにしてみればDIOは良い親だった(比べる対象がクズ義父しかいない)
父が目の前で真っ二つになり、館で生活していたときに知り合った「家族」同然だった彼らが殺されたり再起不能になったせいでジョースター家が憎くなってしまった。でも、姉から『ジョースター家を憎まないでね』と言われたせいで憎悪がキープされてしまってる。


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