ゲーマー兄妹はVRMMORPGを始めたそうです。 (EDFストーム1)
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そして伝説は始まった。
プロローグ


ノーゲーム・ノーライフとソードアートオンラインのクロスです。
これが初作品ですので文章力は死んでる可能性がありますが生暖かい目で見守ってください。


世界は混沌で。

 

理不尽で。

 

不条理で。

 

意味などありはしない。

 

それに気づいた者、認めたくない者の切なる願いから生まれる願望。

 

世界が少しでも面白くあればと思う願望。

 

それが、「都市伝説」。

 

 

 

 

以前僕が書いた都市伝説はある兄妹達が始まりだった。

 

あまりにもゲームが上手すぎた者の元には、ある日、メールが届くという。

 

メールの本文には、謎めいた言葉と、あるゲームへの「URL」だけがある。

 

そのゲームをクリアすると——この世界から消えるという。

 

そして—―

 

 

 

異世界へと誘われるという、そんな「都市伝説」。

 

 

 

しかしその兄妹は僕の想像を超える凄まじいものだった。

 

こちらの世界に来て僅か数日でエルキア国の王と女王になった。

 

数日後フリューゲルを手に入れ、エルブンガルドの間者とエルフを味方につけた。

 

 

次は東部連合を手に入れ、アバントヘイム、オーシェンドをも手に入れた。

兄妹は瞬く間に数々の種族達を手に入れて行った。

 

 

そして彼らは僕の前までとうとうやって来た。

 

 

 

兄妹と16の種達は唯一神に挑んだ。

 

理力と知力と才力と資力の限りを尽くし

知恵の塔を築きあげ、自らの知力を証明し、唯一神さえをも打ち破り唯一神の座さえ手に入れたのだ。

 

 

 

 

そんな兄と妹の新たなる伝説。

 

 

ーーでは僕はそれをまた今度も手伝ってみよう。

 

ーー差し当たって様式美としてこう今度も書き始めてみよう。

 

 

 

 

ーー「こんな噂を聞いたことがあるだろうかー」と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エルキア国、王城内。

 

 

「はぁ、国の内政をほっぽり出したあの二人はどこにいったのかしら...」

 

この娘の名前はステファニー・ドーラ通称ステフ。

 

先代国王の孫娘であり、現在の国王&女王の空と白が内政をすっぽこかしているので毎回ステフが

内政を行っているのである。

 

 

今日もいづなさんの家でゲームをやりに行ってるに違いないと思いながらも、山積みになった書類に頭を悩ませるのであった...

 

 

「それにしてもこん朝早くから遊びに行くだなんてあの二人にしては珍しいですわね。

 それとも徹夜しているから関係ないのかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を醒すと見覚えのある部屋にいた。

 

部屋には23インチワイド、パソコンディスプレイ、8つ。

 

山積みになっている積みゲー。

 

徹夜のときに食べていたカップ麺。

 

数年前、あるメールが来て突然、異世界に呼ばれる前にいたあの場所。

 

まわりとの関係を断ち、ネトゲにのみ時間を費やしていたあの部屋。

 

世界が狭いと感じていたあの部屋だ。

 

そして横には自分の半身ともいえる妹の白がそこにいた。

 

 

「おい白、起きろ!!」

突然起きたら目の前が数年前に過ごしたあの部屋にいることにとても慌てたがとりあえず白を起こす。

 

「・・・ん・・・ぅう・・・にぃ・・・・おは・・よう」

 

白はうとうとしながらだが何とか起きた。

だが今の状態がわかったらしく白はうとうとしていた目を大きく見開いていた。

 

「白、俺達は昨日確かに王城にあった俺達の部屋で寝ていたはずだよな?」

 

空は声を震わせながら聞いた。

 

白は小さく頷くも俺と同じように今の状態がわからないようだ...

 

 

昨日はいづなを王城に呼んで一日中ゲームをした後、明日はいずなの家に遊びに行くと言って

いづなが帰っていった後は自分達の部屋で白と一緒に寝ていたはずである。

 

その後、沈黙が数分間続いた。

 

 

その沈黙から最初に言葉を言ったのは白だった。

 

 

「にぃ・・・いままでの・・・エルキアやステフ達は・・・夢・・だったの?」

 

白は目の前が暗くなる寸前のような輝きを失った状態の目で空に聞いた。

 

自分でもあれが夢だったなんて信じられない...

 

なら何故俺達はこの部屋にまたいるんだ?

起きるなら王城にあったあの部屋で起きるはずだ...

と、考えているとポケットから僅かだが白い光が出ている事に気がつく。

 

空は慌ててポケットにあるものを確認してみる。

ポケットの中にあったものを見ると空はあることに確信をもち白の目にはまた輝きが戻っていた。

 

ポケットに入っていたものは数年前あの異世界にたどり着きステフと出会い

国王の座を掛けてクラミーと戦い、エルフの魔法をも打ち破り人類の可能性を見せつけたあの後

 

国民の前で弱者として生き弱者らしく戦いそして弱者らしく強者を倒すと誓い、全世界に宣戦布告を宣言したあの時。

 

 

唯一神に挑む為に16の種族に託されたあの駒の一つ。

 

全権代理者にのみ与えられる種の全て。

 

そう、ポケットの中にあったものは輝きが減っているがどんな宝石よりも輝いて

あの世界があったと確信にいたる物。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イマニティの種の駒。 白のキングだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




こんにちは、ストーム1です。
書いてみると全く文章かけないものですね〜(^^:)
他の作者さんどうやってあんな長文書けるのかきいてみたいものですww
夏休みに入れば更新速度は上がるとおもわれますがまだ学校があるので更新速度は微妙かも...
国語が欠点な作者ですがどうか宜しくお願いします。


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ゲーマー兄妹がネトゲ界に再臨したそうです。
「 」の復活


とりあえずキリト君が出るまで進めて行こうかと思います。

SAOは2022年11月4日正午に開始なのでとりあえず時間軸として2021年末あたりに帰って来たと設定しときます。
空と白の時代が結構変ってそうなので流石にいろいろ準備が必要かと思いましてww

それでは第2話どうぞ!!


種の駒をとりあえずパソコンの隣に置いて空と白は話し合っていた。

 

「なぁ白、この駒があるってことは」

「やっぱり・・・夢じゃ・・・無い」

 

 

この駒のおかげであの世界ディスボードは夢ではなく現実だと言う事が確認できた。

だが確認が出来たところであの世界に戻れる訳ではなく考え込む二人だった。

と、そんな時パソコンの隣において置いた種の駒から強烈な光がさした。

 

「な、なにが起こってるんだ!?」

「にぃ!?」

 

余りの輝きに俺達は目を開く事が出来ないくらいに種の駒は光輝いていた。

 

 

 

 

 

 

 

やっと光が収まったので目を開くとそこにはある男が倒れていた。

身長は白と同じ位でクローバーのバッチがついている帽子。

右目にはダイヤ、その目の下にはハートが左目にはスペードがある。

 

かつてある世界で唯一神と名乗り俺達を異世界に呼んだ張本人。

16の種族達とともに倒した男がそこにいた。

彼の名は”テト“盤上の世界ディスボードの唯一神であった男である。

 

 

 

 

 

 

空と白は部屋で晩ご飯を食べていた。

光が収まったかと思えば突然、目の前にテトが現れ慌てた二人だったがまったくテトが動く気配がなくとりあえず部屋の隅っこに寝かせてある。

しかし食事をするにも数年前の部屋だ。

冷蔵庫の中にあるものも全てが死んでいた。

辛うじて大丈夫そうな(十分アウトだが)消費期限が3年前のカップラーメンを食べている所だ。

 

「ステフの料理の有り難さを今改めて知ったよ。今まですまないステフ...」

など喋りあっていたことは置いておくとしよう。

 

なんとか腹に当たらず腹は満たされ、これからの事について白と話し合っているところだ。

 

「にぃ・・・これからどうするの?」

 

「そうだなー、とりあえずあの世界は確かにあったことはこいつが証明してくれたからな... まず今の日本とかの状態を確認しとこうぜ。」と空は言った。

 

空と白が盤上の世界ディスボードに行ってから約数年、それだけたっていたら当然、政治なども変わっているはずである。

そして「この世界」帰って来てきた早々徹夜して世界情勢を調べていく二人であった。

 

 

 

 

日が昇り朝がやってきた。

 

「白、今どのくらい世界情勢知らべたか〜 」

 

そう聞きながら白のほうを振り替えてみると

カロリーメイトと睨めっこしている白が、

 

「にぃも、食べる・・・? このカロリーメイトとか・・・」

「カロリーメイトなんてブルジョ...てかそのカロリーメイト食って

 平気なのか!?」

「だから・・・こうして・・・実験中」

そう言いながらカロリーメイトを開けて空に渡す。

 

「白さんや?俺で人体実験をするおつもりですか?」

「にぃがやらない・・・なら白が・・・食べる」

「白にやらせるくらいなら兄ちゃんが食べる!!」

流石に妹にこんな危険な橋を渡らすわけにはいけないという兄の本能が発揮した。

 

結果からしたらカロリーメイトは普通に食べれた。

さすがカロリーメイト。 ちゃんと非常食としての役割を果たしてくれた。

 

 

 

 

 

なんだかんだで1週間が経過しタブPCにも専門書やらいろいろな情報を保存してやっと調べる物は調べ終わった。

 

「にぃ・・・この機械・・・どう思う?」と保存しておいた画像を白が見せる。

「やっぱ白も同じか...数年後、時代はこのナーブギアってやつがゲームの主流なりそうだな」

 

空も白もやはり目についたのはこのナーブギアであった。

2019年、NERDLESの業務用機械が発売されアミューズメントセンターやリラクゼーション施設の一部に導入、大きさは冷蔵庫くらいの大きさだ。

NERDLES上で動く初のゲーム、1プレイ3000円にも関わらず全国5ヶ所の設置店で長蛇の列になったというところからしてみても爆発的なヒットになったに違いない。

空はあの東部連合とのときに使ったあのゲームみたいなものと想像していた。

 

ラブ・オア・ラベット2〜恋の弾丸あの子に届け〜

 

あのゲームをこれで出したら大変なことになりそうだと空は苦笑いした。

 

 

 

そんな中最新の記事で書いてあったナーブギア。

いかにも戦隊もののヒーローがかぶってそうなヘルメット状の機械。

自衛隊・米軍、共同でナーヴギアを利用した訓練プログラムの開発を始めて完成させたものである。

空と白達はこの「ナーブギア」がゲーム機として完成するだろうと踏んでいる。

多分このゲーム機は東部連合のときのように体力などもリアルに再現されると思い筋トレでもするかなど考えていた。

 

「それにしても全く動く気配すらないな」と、テトの方を向いて行った。

「テト・・・死んじゃってるの?」

「おいおい物騒なこというなよ妹よ、ちゃんと脈もあったし大丈夫だろう。」

 

まぁ、神様だしそう簡単にはしなないだろうけど。

 

「とりあえずテトが起きたら事情を説明してもらわないとな」

「うん・・・私たちがなんで・・・この世界に・・・戻らせたのか」

 

そう、やはりこの状態を打開するにはテトに聞いてみない事には始まらないのだ。

しかし、そのテトが全く動きそうもないのが現状である。

 

「まぁ、調べものも終わった事だしテトが起きるのを待つだけか...」

 

テトが起きるまでどうしたものか...と考えるがやはり”あれ”しかない。

 

「白〜準備はできてるか〜?」

「うん・・・大丈夫」

 

そういいながらオンラインショップのダウンロード販売で買ったゲームを起動する。

色々な設定えを書き終えた後、アカウント名入力画面に入った。

当然アカウントは決まってる。

俺達は2人で1人だ、今だろうが数年前だろうが変わらない。

 

 

アカウント名「 」。 

 

 

「さぁ、ゲームを始めよう」

 

 

嘗て都市伝説とまで噂され、ただ一度の黒星も許さず、1200対4であろうがチート、不正どんな不条理でさえ打ち破り、勝つ事が不可能とさえ言われた伝説のアカウントがついに復活した瞬間であった。

そのことは数年前からゲームをやっているプレイヤーからは尊敬の目で見ている物やあまりにも最強故にあの怪物が復活したと恐怖するものもいた。

 

そして情報は瞬く間に広がり数々の2ちゃんなどでも噂された。

 

 

 

 

 

「へぇ、「 」か...ただ一度も黒星が無い最強のゲーマーねぇ...」

 

そんな中、ある少年はその記事を見て戦ってみたいと思う者がいた。

 

 

彼の名前は桐ヶ谷和人、後に黒の剣士などさまざまな名で噂される男が

「 」に会ってみたいと思いながらその記事を閲覧していた。

 

 




最後にキリト君には「 」の存在を確認させておありました〜

書くのにも結構時間かかりますね〜 腕が痛い...

次回はテトを起こそうとおもうのでよろしくです。
それではまた次回にお会いしましょ〜う。


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唯一神様が起床したそうです。

前半はキリト君目線です。
若干無双状態な「 」たち…もりすぎ?

後半はテト起床です!

それでは第3話どうぞ!


俺、桐ヶ谷和人は今、ネット中で噂されている記事を読んでいる。

その記事には数年前勝つことが不可能とさえ言われた「 」というプレイヤーのことが書いてある。

正直に言うと始めて知った訳では無い。

俺も直葉との関係でかなり部屋に引きこもりゲーム漬けだ。

オンラインゲームもそれなりに強い中に入ると自負していた。

だが自分より強いプレイヤーはいる。

たがその中でも選りすぐりの廃人のようなプレイヤー達は回りに強いと言われてもまったく嬉しがらなかった。

何故か?と、以前に聞いてみたことがあった。

 

そして長年ネトゲをやっているプレイヤーや廃人達は口を揃えてこう言う。

 

「お前はこんな都市伝説を信じるか?」と...

 

 

色々なプレイヤーから噂は聞いたが信じられなかった。

 

・1200対4で完封勝利。

・チート、不正、どんな不条理でも不敗。

・ただ一度も黒星は許したことはない。

・将棋やチェスの達人達に先手後手入れ替え20連勝した。

・参加すればどのようなジャンルのゲームであろうと頂点を取る。

 

など数え切れない噂を聞いてきた。

 

 

 

たがここ数年間姿を表さない事からまた噂が広がり

 

・何者かの恨みを買って殺された。

・実は最新式のAIで故障して使えなくなった。

・何処かの会社と裏取引をしてテロに力を貸している。

 

など消えたら消えたでこれまた噂が広がる。

 

だが先日、かの最強プレイヤー「 」がとあるオンラインゲームで復活し僅か3日でそのゲームの1位の座が奪われたそうだ。

元1位のプレイヤーはこちらの攻撃は一切当たらず「 」の攻撃はまるで追尾してくるような光景だったそうだ。

 

数々の自称最強プレイヤーは「 」の前に敗れ去りそのオンラインゲームは完全に「 」によって制圧された。

 

試合動画を上げているプレイヤーがいたのでみて見たが正直、格が違かった。一騎当千という言葉がふさわしい。

計算し尽くされた攻撃。

まるで未来予知の様な回避。

 

数多のプレイヤーが最強というが本当に強かった。

だからこそ憧れたのかもしれない。

どうすればここまで強くなれるのかと考えながら俺はとあるオンラインゲームのβ版ゲームを起動するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そのころ「 」こと空と白はというと。

 

「なんだか昔と比べて手応えあるやつ減ってないか妹よ」

 

そんなことを言いながら妹に尋ねる。

 

「うん・・・負けたから・・・回線切るとか・・・何がしたいの?」

 

そう、この回線切断が多発しているのである。

ただでさえ強い「 」である。

自称最強プレイヤー達が挑んでくるがあっさり返り討ち。

しかも無言故にただひたすらボコられる光景が続く。

そして耐えれなくなったプレイヤー達が次々と回線を切断しているのである。

 

「相変わらず君達は手加減と言う言葉を知らないね〜

まぁ、僕はそっちの方が面白くていいけどね〜♪」

 

右手には大量のレトルト品を持ちながらテトが帰って来た。

 

「おぉテト、買い出しお疲れ〜」

「テト、買い出し乙」

 

そして買って来たレトルト品で食事にするのであった。

 

 

 

 

 

さて時間は戻って数日、こちらの世界に帰ってきて始めて購入したゲームを制覇した時にまでさかのぼる。

 

「ふぅ〜、あっと言う間に終わったな」

 

空が一息ついた時だった。

 

「うぅん……」と誰かが起きる声がした。

 

「「!!」」

 

すぐさま部屋の隅を確認すると、

 

 

「やぁ、また合ったね♪」

相変わらずな声で挨拶をしてきた。

 

「やっと目が覚めたか、体の具合は大丈夫か?」

「あ、うん大丈夫だよ。これでも神様だしね♪」

「さて、テトも起きたことだ、なんで俺達をこの世界に戻させたのか聞かせてもらうぞ。」

 

真剣な眼差しで空はテトに言った。

 

 

「うん、わかってるよ。そりゃいきなり目が覚めたら違う場所にいたら驚くよね。」

 

「まず、なんで君達がこの世界に帰って来たかと言うと…」

 

テトの目が真剣になり空と白は息を飲む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕にもよくわからないんだ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「えぇ!?」」

驚きを隠せず大声で叫ぶ二人だった。

 




テトの口調どう書きゃいいんだー!?と叫びつつ
3話目終了〜(^_^;)
多分1500文字〜3000文字位でやってくと思います。
細かい区切ってなるべく更新を遅らせなくする作戦?

今日中にあと何話かいけるかな?
次回はテトに細かい解説をして貰う予定。
それではまた次回〜


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これからの方針を決めよう。

今回はいろいろな解説?みたいな回です。
ぐだぐだな感じですが生暖かい目で読んでください...


それでは第4話ですどうぞ


「ちょっと待てテト!!分からないってお前!!」

 

とんでもなく驚いた表情で空と白は騒いでいた。

驚くんのも当然だ。

唯一の希望だったテトですらこの事件がわからないときた。

 

 

 

 

「あーなんでこんな事になったかはわかんないけどどうやってこの世界に来れたのかは知ってるよ?」

 

空、白「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

 

 

 

 

「そ...」

 

 

 

 

「そ?」

 

 

 

 

「それを早く言えーーーー!!!!」

 

「うわぁ!」

あまりの声の大きさにテトもビックリした。

 

「にぃ・・・近所の人に・・・迷惑」

さすがに白もあの大声にはビックリして止めに入った。

 

「大丈夫だ妹よ、ご近所さんはみんな引っ越したか知らんが誰もいなかった」

いつの間に!?と白が思いながらもようやく空も落ち着き始めた。

 

「ふぅー...で、原因はなんなんだテト?」

「あぁ、そうだったね。」

そういいながらテトが語りだした。

 

「まず、ことの始まりは君達が寝た辺の時間帯の...確か夜中の5時くらいだったかな?

 君達に負けたし僕は君達に唯一神の座を渡すはずだったけどどこかの兄妹が「面倒だしいらない」とか

いっちゃったせいでそのまま駒の上でごろごろしてたんだけど突然何者かがあの世界に干渉してきてね。

 流石に僕もビックリしたよ。まさかあの世界を破壊しちゃうくらいの膨大な量のなにかが干渉してきたんだ♪」

と、楽しそうに喋るテト。

 

「おい....それじゃあ...ディスボードはどうなったんだ?」

「ステフ・・・いづなたんは・・・無事なの?」

 

2人はおそるおそる聞いてみた。

 

 

「何とかがんばったんだけどあの量の情報には太刀打ちできなくてね.... ディスボードは消滅しちゃった...」

 

 

突然の発言に目の前が真っ暗になりそうな空と白。

 

 

「でもディスボードにいた人達は大丈夫だよ〜♪

 僕だって神様だしね、ディスボードが崩壊する前にディスボードにいる全ての住人をこっちの

 世界に転移させたんだ。 君達がディスボードに来た時の逆の状態かな?」

 

 

淡々と話して行くテト。

とりあえず皆が無事であると知り大きく息を吐く。

だが空には1つ気になった発言があった。

 

「なぁテト、ディスボードの住人全員呼んだってどこにいるんだ?

 突然こんな町中どかに出たら危ねえんじゃないのか?」

 

 東部連合などは技術が発展してるから対応できそうだが見た目がアウトだ。

 てか見た目でアウトってイマニティー以外全員アウトだ。

 

「そこは心配ないよ、流石に君達の時みたいに突然こっちの世界に呼んだりしないさ♪

 呼んだには呼んだけど僕は現実空間に呼んだとは一言も言ってないよ?」

 

その発言で何か白が思いついたようだ。

 

「現実空間じゃない・・・仮想世界・・・もしかしてゲーム・・・の中?」

 

その答えにテトは笑う。

 

 

「あはは、正解だよ〜 さすが白だね。そう僕が住人を連れ込んだのは仮想世界。

 すなわちゲームの世界さ。 どう驚いた?」

 子供がプレゼントを貰ったかのように笑うテト。

 

 

空も白も正直言葉が思いつかない。

世界が壊れたから全員を違う場所に移動させるとは...さすがは神様なだけはある。

 

「あはは、驚いて貰えたみたいだね♪でもディスボードを作り直すのは時間が掛かりそうだけど...」

ちょっと面倒くさそうにテトが言う。

 

 だが空は今の言葉を見過ごさなかった。

 

「ん?ちょっと待て?今何て言った?」

 

「ん?驚いて貰えたみたいだね♪って言ったよ」

笑いながらテトが言い返した。

 

「違う!!その後だ!!」

 

「ディスボードを作り直すのは時間が掛かりそうだけど...の方?」

 

そう、それだ。この唯一神は世界をもう一回作り直せると言ったのだ。

 

「ならなんでディスボードの住人全てを移動させるなどしたんだ?」

 

その疑問をテトに聞いてみた。

 

 

 

「え!そ、それはだね...えっと...」

何かを言うのをためらうかのようにごまかそうとするテト。

 

「テト・・・言わないと・・・ご飯抜き」

白、テトはペットじゃないんだぞ?まぁ、その作戦は悪くないか。

 

 

「それ僕なんだか犬ような扱いされてません?」

僅かながら反論しているテト。

 

「そうだぞ〜テト、ここは俺達の家だ。このままじゃ何も食えなくて飢え死にするぞ〜」

俺も白に加勢してテトを追いつめて行く。

 

そうなのだいくらあちらの唯一神だったとしてもこちらの世界では神ではないのだ。

 

 

「わかった、わかったからご飯抜きは勘弁してくださいよ!!」

とうとうテトは折れて話す事にした。

 

 

「実は世界に住んでる全ての人を転移させるのに少々無理しちゃいましたもう力がほとんど

残ってないんですよ、簡単にいうとイマニティとほとんど変わりないね♪」

 

「でも時間がたてば作れるんだろう?どうやってその状態で作るんだ?」

「時間がたてば少しずつ力は戻るから大丈夫なんだけど問題はそこじゃなくて...」

 

 

後半あたりから口を濁らせるテト。

 

 

「本当はこっちが問題でして、住人をゲームの世界にとばしたはいいんですがどのゲームに飛ばしたかわからなくなっちゃいました...いや〜ほんと参っちゃいますよ♪

転移させたまではよかったんですがいろいろな回線がごちゃごちゃあったせいでいろいろな回線に

皆、流されてっちゃいまして...この世界には精霊回路もないので魔法も使えませんから僕は運が良かったですよ〜♪」

 

 

あはは、こっちもそろそろ怒っちゃうぞ〜テト。

とてもにこやかな笑顔で二人に見つめられたテトは体が震えていた。

 

 

 

 

〜1時間後〜

 

 

ちょっとテトとO☆HA☆NA☆SHIして夜9時が経過していた。

 

「流石に腹減ってきたな〜、よしテト、コンビ二でなんか買って来てくれ」

 

「テト・・・お使い・・・宜しく」

 

 

「え〜なんで僕が...!?」

 

背後ではまたとてもにこやかな笑顔でこちらを見ていた。

 

 

「わ、わかりました...お金下さい。何か買ってきますよ...」

テトに5000円札を渡しテトは食料を調達しに行った。

 

 

 

 

「しっかし面倒なことになってきたなー妹よ」

「でも皆・・・どこのゲームに・・・流されたんだろう」

 

 

そうなのだゲームといっても途方にくれるほどの量がある。

回線に流されたということはオンラインゲームである事は確かだ。

だがそれでも数は多い。

その数多あるゲームからディスボードに住んでいた住人全てをさがすだなんて...

 

 

「だが、回線が多いゲームになら流される人数も多いはずだ。

 人気なゲームとかなら回線やそのサーバーの容量も多い。

 そんなゲームを片っ端から探すしかないか。」

 

 

 

テト曰く「転移してゲームの中にいる住人たちはは君達に合わない限りNPCのような行動を

させるように魔法を掛けといたから周りからはなんとかごまかしてあるから、見つけたら

種の駒に触れさせてあげれば君達のハードディスクに勝手に移動されようにしたから♪

あと僕みたいにこの世界に呼んだりNPCからプレイヤーにする事も出来るからね」

 

だそうだ。

 

 

 

そういいながらパソコンの電源を入れてユーザー数が多いゲームを探し始めた。

そして先日発売されたナーブギアをネットで購入しつつ俺と白は住人達を探す作業を始めた。

 

余談話だがこの住人探しのせいで数々のプレイヤーがおまけ感覚で倒されて行き

ネットゲームで「 」の被害者があり得ないほど増えていた。

被害者曰く「NPCと話してるかと思ったら突然NPCが消えてこっちをみたかとおもった

次の瞬間にはもうやられていた」とのこと。

 

 

 

 

そんなことをしている内にテトも買い出しから帰って来たので晩飯を食べるのであった。

 

 




なんだか今回は書きづらかったです...(^^:)
読み返すと白が全然喋ってない!? あれれ?
あと1、2話でSAOに入るはずなんでやっとクロスっぽくなってきそうです!!

それではまた次回でお会いしましょう。


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ゲーマーの兄はあるゲームに目をつけたそうです。

今回で一気にやってくぞー!!

後半にはとうとうあの名前が...
多分前回は皆つまんなかったと思うから挽回せなば!
(自分的に前回がつまらなかっただけで面白いと思ってくれた方はすみません)

それでは第五話どうぞ!


テトがコンビニから買って来た食べ物を食べながらさっき20分の間オンラインをやっていたときのことを空はテトにラーメンを食べながら言った。

 

 

「なぁテト、さっきお前がコンビニから帰ってくるまでに少し住人いないか探したんだが

もう俺と白で合わせて361人も見つけれちゃったんだが...」

 

 

そういくらゲームが強かろうと人探しとは関係が無いはずである。

だが世界丸ごとだ。

それなりの人数がいるはずである。

空達は一日に10,000人くらいを目標にしていた。

なのにここまでのスピードで361人も発見できたのだ。

 

計算すると一時間で1083人、一日で25,992人、一週間で181,944人である。

一ヶ月で727,776人が単純な計算だ。

 

だがテトが言っていた。

 

「NPCからプレイヤーにすることもできる」と。

 

見つけた人達をプレイヤーにして協力しあっていけば

ネズミ算方式で発見速度が上がるのである。

361の二乗、三乗とどんどん膨れ上がっていく。

これで計算すると今の20分で361人、40分で130,321人、60分で47,045,881人

80分で19.853.361,441人とたった80分で約200億人にも達してしまうのだ。

勿論これは計算上の話でここまで効率よくはいかないだろうがこのまま行けば

一週間もあれば余裕そうな予感がした。

 

「さすがは空と白だね〜この調子で行けばすぐ住人達集まっちゃうね♪」

テトもさすがにこのペースには驚きながらも感心していた。

 

そんなことを話しながらも食事は終わり住人探しは再開された。

今度はテトにもパソコンを貸して捜索を手伝わせた。

 

そして「 」に加えてテトというゲームの神様までも参戦したお陰でネトゲでは

さらに殺られて行く被害者が増えたのは言うまでもない。

 

 

 

そして翌朝、やはり計算通りとまでは行かなかったもののたった一晩で30億人近く住人達を探し出す事に成功した。

やはり少なくなるに連れて見つかる人数は減って行ったがまずまずの成果だ。

 

だが探している間にある疑問が発生したのである。

それはイマニティの数があり得ないほどに少ないのだ。

他の種族はフリューゲルとエルフが若干少ないがそこまでの大差は無い。

だがイマニティだけは僅か数百人しか発見出来まかった。

白やテトともこのことは話し合ったが全くの謎であった。

謎と言えば少しだけ気になっていたことがあったな。

 

「なぁテト、ディスボードに干渉されたって言ってたが誰が干渉してきたんだ?」

 

戦神や魔神などと比べれば遊びの神などどれほど弱いかは明白である。

だがそれでも唯一神なのだ。

その世界の唯一神ほどの男がなぜ耐えれなかったのかが気になっていた。

 

 

「それが分かんないんだよ、しかもあの世界では暴力、殺戮が禁止されてるし

いくら違う世界から干渉されてもあの十の盟約は効果が発動されるはずなのに...

何らかの方法で十の盟約を無効果したか十の盟約の抜け道を見つけたかなんだけどね」

 

テトは少し悲しそうな顔で言った。

 

 

だがそうだとすると一体何故、どのようにディスボードに干渉したのだろうか...

理由は分からないが問題は方法である。

唯一神の力ですら打ち破る程の何かを持っているのだろうか?

正直、俺達も十の盟約の抜け道なんて思いつかなかった。

 

「まぁ、今考えてもしかたないしとりあえず住人をぱっぱとさがしちゃおう♪」

 

そんなことを言いながらパソコンの画面に目を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして5日後イマニティ以外のほぼ全ての住人を発見する事に成功した。

 

「ふぅ・・・にぃ、テト・・・これでほとんど・・・見つかったね」

 

皆で5徹した後なだけはありさすがに白もテトも目がうとうとしている。

俺も正直眠いがあることが気になって寝る気になれなかった...

そう、ここ5日徹夜したがやはりイマニティが全然発見出来なかったからである。

 

 

他の種族の人数は正直そこまで把握してなかったがこれでもエルキア国王だ。

自分が覚えている国民の人数と発見したイマニティの数では比べても

たったの1/100にも満たないのである。

だがここまで来ると大体の人気ゲームやサーバー数が多いゲームも無くなっていた。

 

 

だから俺はあるるゲームに目をつけていた。

 

 

 

今や任◯堂やS◯nyやIPho◯eなどさまざまな携帯機や据え置き機をも圧倒し

ゲーム業界で圧倒的な支持を受けている会社。

 

 

大手メーカー アーガスが製作したナーブギアを使用したゲームである。

前々から空達はこれは売れると確信していた。

 

 

 

そのアーガスの開発部総指揮・茅場晶彦、ショートインタビューでアインクラッドについて語っていた。

現在その映像をネットを通して空は見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

空が目をつけているゲーム、イマニティ国民達がここにいると確信しているゲーム。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その名前こそが〈ソードアート・オンライン〉『Sword Art Online』

 

 

 

通称SAO、後にデスゲームと呼ばれるゲームである。

 

 

 

 

 

 




やっとソードアート・オンラインの名前を出せたゾーー!!
でも正直これはさくさく見つかっちゃい過ぎですかね?
次回はとうとう「 」とキリトが出会う!!

次回に乞うご期待!!


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ゲーマー兄妹と唯一神はβ版をはじめるそうです。
唯一神様の力は凄かった。


最後からやっとSAOスタート(β版だけど...)

さすがにこのペースで行くとあっという間に原作に追いついて
更新が止まりそうな気がしたのでちょっと割り込みました。
原作に追いつく前に少し挿んでいってなるべく追いつく速度を落としてきます。
読者側からすれば更新とまるのって嫌じゃない?私は嫌ですね〜

更新をなるべく止めなくするのが目標なんでシリカとかは当分先かもww


それでは第六話ですどうぞ!


 

 〈ソードアート・オンライン〉『Sword Art Online』

 

 

大手メーカー「アーガス」アーガス開発部総指揮・茅場晶彦が完成させた

次世代のVRMMORPGという新しいジャンルのゲームだ。

 

 

VRMMORPGとは

Virtual Reality Massively Multiplayer Online Role-Playing Gameの略

バーチャルリアリティーマッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン・ロール・プレイング・ゲーム

つまり多人数同時参加型オンラインRPGを自分でキャラクターとなり

ゲームをするのである。

 

 

 

 

 

 

そんな中このゲームを死にものぐるいで調べている男がいた。

 

 

男の名前は空。

 

ある時謎のURLがついたメールのゲームに勝利し

神様の手で異世界に呼び出されその世界すら完全に制覇した

 

嘗て「 」の名でどんな不条理だろうが覆してきた男だ。

 

 

そんな空が今、この世界の神に初めて祈っていた。

 

 

 

 

それは何故か?

 

 

 

 

 

 

実は空が目をつけていたこの、ソードアート・オンライン。

βテスト版が配信されるのだがその当選確率が極めて低い。

それほど世界中がこのゲームに期待の目を向けているのであろう。

 

 

 

 

だが空がそこまで幸運なわけでなくβテスト版には当選できなかった...

 

だが”空は”である。

当然、事前に白やテトにも話し三人で応募したのである。

だが人生そう上手く行く訳なく三人とも惨敗だったのである。

前にも語った通り俺達は少年漫画の主人公の用な主人公補正は無いのだ。

 

「あーくそ!βテストさえ受かってりゃ内容も理解した上に全員に製作版が貰えるのにやっぱこっちの神様なんかに祈ってもなっっっんも意味なかった!」

 

空はこの世界の神に怒りをぶつけている。

 

「にぃ・・・あきらめる」

白は少し残念そうに空を慰める。

 

「だからどこの神様も基本は傍観主義だって前に僕は言ってたよ♪」

テトは笑いながら言う。

 

「でもな〜テト。このゲームにイマニティ国民がいるのは間違いないんだぞ。

 しかもβテスト版でこの人気っぷりだ、製品版なんて一体いつから列べば買えるんだ...」

 

空はため息しながらどうにかして並ばないで手に入る方法を考えていた。

そう「 」こと空と白は言うまでもなくゲーマーである。

ゲーマーなら別にいい、だがニートでかつコミュ症ときたものだ。

当然何日も外にいるなど精神的に二人のHPが尽きてしまう。

 

 

 

 

「何言ってるんだい?早くβテスト版やらないの?」

テトが不思議そうに聞いてくる。

 

「だから、抽選で外れたやつはβテスト版には出来ないんだよ!」

 

 

「だから当たってるよ僕達、ほら」

そう言いながら画面に指を指す。

 

 

 

 

 

「「え?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

先ほどまでは抽選に外れなにもなかったはずの画面に

当選おめでとうという画像が書かれていたのである。

 

「おい、もう抽選発表から10分くらいすぎてるぞ?なんで今頃...」

空は頭に?を浮かべつつ本物かを確認していた。

 

「テト・・・何か・・・・した?」

 

「そこは僕、神様だし?さすがにこっちの世界では力が全然でないけどゲームとなれば話は別さ、ゲームのことでならマスターアカウントクラスの力は持ってるよ♪」

 

あっちの世界の遊びの神様は随分手を貸してくださった。

 

「テト、お前傍観主義じゃなかったのか?まぁ、スゲー嬉しいけど」

「この世界では僕、神様じゃなくプレイヤーの1人だから大丈夫だよ♪」

 

さすがは遊戯の神、こっちの世界の神にも見習わせたいぜ。

 

 

「そんなことより早く始めよ〜よ、楽しみだね〜」

 

もうテトはナーブギアもかぶって準備万端である。

 

 

「それもそうだな、早速始めるとするか!」

 

そう言って空も白もナーブギアをかぶる。

 

「で?どうやって起動するんだっけこのゲーム?」

 

 

電源入れてかぶったのはいいがどうするんだこれ?

 

 

「確か、リンクスタートって言えばいいんだっけ?」

 

テトが解説していた。

 

 

 

「中二・・・っぽくて・・・嫌」

 

白は結構ためらっている様子だ

 

 

 

 

「白、仕方ないだろ諦めろ」

 

「ぅう〜・・・わかった・・・ステフ達の為・・・だもんね」

 

 

そう、この一週間でディスボードに住んでいたほぼ全ての住人を見つけ出したが

ステフやジブリール、いずなやクラミー、巫女さんなど

他種族の全権代理者や空達との付き合いが長い者達とは誰も会ってないのだ。

 

テトはたまたま空達の家の回線に流されて来て本当に運が良かったらしい。

 

 

このソードアート・オンラインに皆がいればいいが....

 

いまは空と白ではなく「 」として楽しむとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       「「「リンクスタート!!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉を発した瞬間、画面は起動しアカウント設定に入る。

勿論アカウントは決まってる。

どんな理不尽、どんな不都合でも破る俺達のアカウント「 」。

 

 

 

 

設定が終わり画面には虹色の光が輝く。

 

 

 

まぶしくて目を閉じ光がおさまって目を開くと

 

 

 

そこには広大な大地が広がり目の前にはこう書かれている。

 

 

 

 

              Welcome to Sword Art Online!

 

 

 

 

 

 

「さぁ、ゲームを始めよう!」

 

 

 

 

ついに伝説のゲーマーがSAOの大地に君臨した瞬間である。

 

 

 

 

 




やっと入るぞSAO!

β版の回を入れたせいで今回キリト君には会えなかったけど
キリト君もβテスターなのでそこで一戦してもらおうと思います。

本当は今回で一戦して貰う予定でしたが案外長くなってしまったので次回に延長...

それではまた次回で会いましょう!


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そして少年と「 」は出会う。

ついに「 」がやって来た!!

今回はとうとう戦いが始まりますよ〜

それでは第七話ですどうぞ!


俺達はテトの力(ハッキングとかじゃないよな?)のお陰でなんとかβ版のソードアートオンライン 通称SAOに参加出来た。

 

 

 

「えーとなになに...この町は始まりの町って言うのか。」

 

ログインした最初のエリアの名は始まりの町。

このアインクラットの中でも一番大きい町らしい。

 

「白〜テト〜イマニティ国民探...?」

二人がいる方を振り向くと全く知らないような人とテトがいた。

「あ〜とテト、この隣にいる美人さんはだれなのかな?」

そう、この隣にいる人、凄いスタイルがいいのだ!!

こんな年頃なんだ、至福ではあるが...

 

「にぃ・・・どうしたの・・・白だよ?」

 

と美人さんがこんな事を言っている。

 

「いや〜何言ってるんですか〜白はここまで背も高くないしそんなに胸もありませよ〜」

 

そう、白と比べてもその姿は全く別人同然であったのだ。

 

「空さん何言ってるんですか?ここゲームの中ですよ?

 アバタの姿に決まってるじゃないですか♪」

はっ!そうだった。ここはゲームの中だった。

確かにアカウントは「 」sub01と書かれている。

確かに間違いなくしろだ、だが...

 

「じゃ、じゃあ何でお前は現実世界のまんまなんだよ!!」

 

そうだ!お前なんも変わってないぞ!

 

「だからゲームの中でならマスターアカウントクラスの力があるっていいましたよ?

 その力を利用して姿、形をそのまんまのアバターを作ったのさ♪」

 

 

うん、神様には常識は通用しないようだ。

つい、あの異世界に呼ばれた時のように姿も変わらないと思ってた。

 

「やっぱり・・・現実の白・・・スタイル・・・悪いの?」

 

白が半泣き状態の顔になってこっちを向いた!!

 

「そ、そんなことはないぞ!兄ちゃんは現実世界のお前の方が好きだしあっちの方が可愛いぞ!」

 

なんとか泣かせないようにする空。

 

「でも・・・さっきの目・・・・興奮してた・・・にぃ・・・嘘つき」

 

ヤバい!!このままだと白が泣いてしまう!! テト助け舟だせ!!

そうテトの方を見ると口笛を吹きながら視線をそらした。

も、もう駄目だ!! こうなればもうあれをやるしか...

 

 

 

「どうもすみませんでしたーーーー!!!」

 

スライディングをした後に完璧なポーズの土下座をして叫んだ!

 

 

 

「だって11歳じゃん!兄ちゃんだってお年頃じゃん!性欲だって性欲だって性欲だってあるじゃん!

しかも妹じゃん!あんなにスタイル良かったら兄ちゃんだってそりゃ欲がでちゃうじゃん!

白なんかにしかも手だせないしうわぁあぁっぁっぁーーー」

 

 

 

とステフの時と同じようなことをいって必死に謝る空なのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜同時刻:始まりの町中心部〜

 

 

さっそく当選したSAOをやってログインして見たのだがやっぱり凄いな。

現実と仮想空間の区別がつかないくらいだ。

これを作った茅場はやっぱ天才だ、など考えつつ町中を歩いていた。

だがそんな大通りで妙に人が集まっている。

なにかと思い覗きにいってみるとあのプレイヤーがいた。

 

 

 

「 」。

 

 

 

参加すれば確実にそのゲームの頂点に君臨するアカウントを持つ最強のゲーマーが...

それ自体も問題なのだが問題はその後ろにいる男である。

 

 

その者のアカウントは ♠♥♦♣

 

 

「 」達が復活した数日後にオンラインで話題になり始めたプレイヤーである。

トランプやらジョーカーやら第2の「 」やらいろいろな名前で呼ばれたゲーマーだ。

 

 

だが何故ここまで有名になったのか?

 

 

それはあの「 」並の強さでここ最近の「 」達が行っている行動と同じようなことをしているのである。

 

そんな中、誰かが「 」に勝負を挑んでいた。

あのアカウントは...キバ...何だろう?遠すぎて見えないな...

決闘が始まったようだな、あれは初撃決着モードってやつか?

一発で終わるなら確か運が良ければ勝てるかもな。

 

 

 

 

 

だが「 」はそこまで甘くなかった。

 

 

 

 

開始4秒くらい?ですぐブザーがなった。

よく見えなかったがどうせ「 」の瞬殺で終わったのだろう。

勝負に挑んだキバなんとかさんは走って逃げてってるし。

 

「大人なのに恥ずかしいな、ありゃ...まぁ相手が「 」じゃしょうがないか」

 

「 」とほぼ同じステータスの状態で挑むなんて無茶にもほどがある。

だけど逆に時間が経てばあの最強ゲーマーはみるみるレベルを上げて

誰も追いつけないようなステータスになっている可能性が高い。

ならまだ差が開いてない今がチャンスなのでは?という考えにたどり着く。

その点ではキバなんとかさんは賢かったのかも知れないが実力が微妙だったな。

 

俺も色々なゲームをやって来た。

だが「 」の試合動画を見て正直鳥肌がたった。

あのプレイヤーに勝ってみたい、あの最強の座を奪ってみたい。

そんな野心が生まれたのかわからないがここを逃す手は無い。

 

 

 

 

そして俺は人ごみの中に飛び込んでいった。

あの最強のプレイヤーに挑む為に.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白に散々謝って約1時間。

やっと白が機嫌を戻したのでとりあえず情報収集だ。

町で一番大きな通りに出る。

だが出た瞬間まわりの空気だどよめき始めた。

 

 

何故かは大体想像が出来る、このアカウントだろう。

だが後ろのテトのアカウント♠♥♦♣にもまわりの目線がいっている。

きっと住人探しをしてるときに俺らみたいについでで周りのプレイヤーを

倒しまくっていたのだろう。

 

 

 

まわりのプレイヤー達はどんどん顔色が悪くなっていた。

数多の応募者から選ばれた1000人にのみプレイが許されたβ版に参加出来た。

しかも製品版を貰える事が確定している。

 

あの「 」も参加してくるかわからないが確率が確率である。

さすがにβ版には入れないだろうとよんでいた。

だが製品版には確実に参戦してくるだろうとは予測していた。

あの「 」だ、ありとあらゆるジャンルのゲームを制覇して来た者だ。

この新しいVRMMORPGというジャンルに手を出さないはずが無い。

だから今のうちにレベルが引き継がれないとはいえ経験をつめるのは非常にありがたいと皆思っていた。

 

 

 

だが目の前にいるあれはなんだ。

あの「 」は見事抽選を通過しβ版にいるではないか!?

しかも後ろにいる男は最近ネットで噂されているプレイヤー ♠♥♦♣もいる。

あいつも「 」の仲間だったのか!?などまわりでかなり騒がれている。

 

 

 

そんな中で一人が「 」に決闘を申し込んでいた。

まわりのプレイヤーの目線が一気にあの二人に注目する。

挑戦者の名前はキバオウ。 なんだか頭がモヤットボールみたいだ...

なんだかぐちぐちいっているのは多分どこかのゲームでぼこぼこにされて

その恨みをはらしたいのだろう。

だがlvは4とはどほどにはこのゲームの操作方法はわかっているようだ。

 

 

対して挑まれる側は当然「 」。

あの最強と唱われた伝説のゲーマーである。

 

だがこれは新しいジャンルのゲームだ。

開始してからまだ一時間弱、その短時間でこのゲームの操作方法を完璧にしているのかは分からないがレベルは1のままだ。

きっとさっきログインしたのだろうと観客たちは思っているが、実は妹に一時間近く土下座していたとは誰も知らない。

そんな中「 」は決闘の申し込みを受けつけた。

 

 

そしてカウントダウンの数字が表示される。

 

 

決闘方法は初撃決着モード。

一発当てれば終わりというシンプルな方法だ。

「 」とキバオウが睨み合っているなかカウントが減っていく。

 

 

 

 

 

 

3

 

 

 

 

 

 

 

2

 

 

 

 

 

 

 

1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ついに決闘が始まった。

 

 

 

だが始まったと同時にすぐキバオウは吹き飛ばされた。

 

 

キバオウは確かに「 」めがけて攻撃した。

 

だが「 」はあっさりそれを避け逆にカウンタ―でキバオウを吹き飛ばしたのである。

 

 

WIN 「 」という文字が浮かび上がり決闘は終わった。

 

キバオウはどこかへ走りながらログアウトして去っていった。

 

 

 

 

観客は唖然としてた。

 

 

 

このVRMMORPGは文字通りRPGのようにステータスが存在する。

キバオウはlv4ではあるがステータスは「 」よりは十分上である。

それをたった数秒でなぎ払うとは想定してなかった。

 

 

昔に「 」に挑んだことがある者は当然だなといっていたが「 」は数年間消息をたていたので最近ゲームを始めたプレイヤーはそこまで「 」について知らなかった。

だからこそ都市伝説だったのかもしれない。

だが目の前の「 」は正真正銘の最強プレイヤーである。

 

 

そんな中、1人の少年が「 」の前に立ち決闘を申し込んでいる。

 

アカウント名はキリト、全身の装備が黒多めの優男顔だ。

 

「なぁ、あんたが数年前最強といわれたゲーマーなのか?」

 

そんなことをキリトは聞いた。

 

しかし「 」は基本ゲーム内では無言である。

なにも答えないまま決闘を受け付けた。

キリトは何も答えなかった「 」にちょっとムッとしながらも剣を構える。

開始までのカウントがすこしずつ減っていきついに開始のブザーがなり

 

 

 

 

この先、黒の剣士と噂されるプレイヤー キリト。

 

 

 

伝説と唱われた伝説のプレイヤー「 」。

 

 

 

 

 

 

この両者の剣がぶつかり合いついに戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




キリト君との決闘が始まった!!
散々のばしたのでそろそろたたかわせてもいいかな〜と思いいつもの大体倍の文字数です。
強引に入れ込みました!

なんだかキバなんとかも戦ってたけど気にしない!
え?キバなんとかはβやってない?それはあとでのおたのしみww

それでは次回またお会いしましょう!


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キリトvs「 」

え〜 とうとうキリトと空が戦います。

戦闘場面が上手く書けるかどうか心配ですが...

それでは第八話ですどうぞ!


まずキリトが先手を取ろうと仕掛けるがここでキリトが止まる。

 

相手は、あの「 」だ。

 

むやみに突っ込んではさっきのキバなんとかさんの時のように

カウンタ―を仕掛けられてあっさり終了なんてことになりかねない。

そんな思考を頭によぎらせキリトは止め剣を構えなおす。

 

 

このソードアートオンライン、VRMMORPGは若干ではあるが

現実の身体能力がステータスに加算される。

今では部屋い籠ってネトゲをやっている日々だが

昔は剣道をやっていた時期があった。

うろ覚えではあるがそれでも素人というわけではない。

俺はとりあえず防御お構えを取りつつ様子を見ることにした。

 

 

 

そして「 」。

 

 

連戦ではあるが仮想世界である。

 

あの東部連合の時のように身体能力のみでステータスが決まる訳ではなく

もとのステータスに若干だか現実の身体能力が追加される程度である。

基礎ステータスのお陰で連戦でも十分体力が保っている。

 

しかし空は引きこもりのニートである。

若干のステータスの追加も期待出来ない。

 

相手のキリトも剣道をやっていたのは数年前だが体で覚えた事はそう簡単には忘れるはずも無く剣の構えなどはちゃんと形になっている。

 

 

なので困っているのは空の方だ。

いくら知識として剣術などの方法をしていてもそう簡単に再現出来る程のものではない。

ただでさえ数年間もディスボードにいたのだ。

あの世界ではあらゆる暴力、殺傷を禁じられていた。

 

つまり剣道の技術など全く身に付くはずも無くなかなかに状態が悪い。

 

さっきのキバオウは特に問題なかった。

ただ闇雲に突っ込んで来て回避など簡単に出来たからである。

だが相手の姿勢からしても剣道かなにかの経験者には違いない。

 

 

だがそれでも「 」としての意地があった。

 

ディスボードでも一度も敗北はなくただ一度も黒星を許した事が無いこの「 」。

 

このアカウントに泥を塗る訳にはいかないのだ!!

 

 

 

各プレイヤーには基礎ステータスが設定されている。

現実世界の身体能力だけなら完全に詰んでいたが、これならば十分だ。

 

相手のキリトは様子見なのか防御の構えを取ったまま動かない。

 

「ならばこちらから攻めるのもまた一興か。」

 

そう小さな声でつぶやきながら空は走り出し剣を構えるのであった。

 

 

 

防御を構えをとっている内に「 」が何かを言ったかと思えばとうとう「 」が攻めに転じ攻撃を仕掛けて来た。

キリトは構えを崩さず作戦の再確認を行っていた。

 

「 」の攻撃を避けカウンタ―を決めて終わりだ。

だがもし気づかれて反撃して来た場合に備えておこう。

そんな作戦を立てていた。

 

そして「 」は剣を振り下ろした。

最強のゲーマーと呼ばれるくらいはあり初期ステータスでキリトに剣が迫る。

今の所キリトの計算通り「 」の攻撃をなんとか避けきりそのまま切り掛かろうとしていた。

 

 

 

が、「 」にとってもここまで作戦通りだった。

 

そのキリトが攻めに転じた瞬間の隙を見逃すはずも無く

体を強引に曲げ切り掛かった。

 

キリトもやはりこれじゃ倒しきれなかったかなども思いつつ警戒していた通り「 」は反撃に出て来た。

 

キリトは「 」に攻撃しようとした剣で切り掛かって来た「 」の剣を迎撃した。

 

 

初めて剣が交わり両者共に一定の距離を置く。

 

「やっぱり一筋縄ではいかないか」

 

元剣道経験者としては引きこもりには負けたくないな〜など思いつつ「 」の強さを再認識しながら「 」の顔を見る。

 

 

 

だがその「 」の顔はもう勝負が決したかのような顔だった。

 

 

その顔を見た後だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分の持つ右手の剣が跡形も無く砕けている事に気づくのは...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

対して空。

 

 

「上手くいったか、やっぱ武器破壊は定番技としてあるもんだな〜」

やはり構えや攻撃、カウンタ―の方法からしても剣道経験者だったいうことを認識した。

 

 

だがここはゲームの世界だ。

若干のステータス加護や剣術をしっていようが「 」には関係ない。

空はあの剣が交わった時にある事をしたのだ。

 

 

ゲームなら武器の耐久率があるはずだ。

そう、東部連合のゲームのパンツを撃った時のようにパンツにも耐久値があった。

それならこの剣にも耐久値があるのではないか?

だが今壊そうとしているのは剣である、堅さが全く違う。

しかしソードアートオンラインの武器にも壊れやすい場所、つまり耐久値が減りやすい部位があるはずと考えていた。

 

 

そう考えながらキリトの剣に攻撃を与えてやったのだ。

いろいろなゲームでも武器破壊はしてきたが成功したようだ。

俺の顔を見た後キリトは剣に気づいたらしく驚きながらも感心している。

 

最初に配布された剣がなくなったのでキリトにはもう武器がなく

キリトは手を上げ降参し「 」の勝利が決定した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にぃ・・・おつかれ」

 

俺達は決闘が終わった後ある程度レベルを上げながらイマニティ国民を探し

今は宿に泊まって休憩している。

 

「初日からいきなり決闘だもんね〜ホント君達は人気者だね♪」

 

「あ〜疲れた、武器破壊がこのゲームになかったらあの試合もキツかったぞ〜」

そんな事をいいながらレベルも上がったのでステ振りをしていた。

 

ステ振りをしていてわかったがこのゲーム、RPGと言うだけあってやはり技が存在した。

 

ソードスキルと言うこの技は構えをとりそのあとに武器が光り始める。

光が溜まったときに剣を振ると発動するそうだ。

 

 

そうえば最初の時に戦ったキバオウはなんでこのソードスキルを使わなかったんだ?

 

 

 

 

 

 

 

キリトは決闘が終わった後手持ちのコル(SAO内のゲーム通貨)で剣を買い直し「 」がやっていた武器破壊を練習しつつレベルを上げていっていた。

 

「やっぱ「 」は強かったな〜まさかあの場面で武器壊されるとはな...でも、あれならおれでも頑張ればできそうだな...」

 

初めてたった1時間で武器破壊するとか凄すぎだろと思いながら

自分もあの技をマスターしたいと思うキリト。

 

時間を見るとそろそろ夕食が出来る時間になりそうなので

キリトはログアウトして夕食を食べることにした。

 

 

 

 

 




やっぱり戦闘場面ムズイ!!


どんな感じで戦ったかつたわりましたかね?
β版はあと数話やったら終わるんでそれまでは基礎的なことを
空や白達に覚えてもらうつもりです。


それではまた次回あいましょう。


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vsイルファング・ザ・コボルドロード

今回でβテスト版が終わりま〜す。

次回からは本格的に本編が進行し始めます(^^)>
読んでくださってる方が多くてやる気わいてきます!!
これからも応援よろしくおねがいします。

それでは第九話ですどうぞ!


βテスト版が開始してから15日目、あるパーティが第一層のボス部屋を発見した。

数々のメンバーがボスに挑んだがどのパーティも攻略することが出来なかった。

だがつい先日三人組のパーティがボス部屋に入り僅か10分で攻略したそうだ。

一体誰だ?とたちまち噂になったがネトゲ熟練者は大方予想は出来ていた。

 

 

第一層を攻略したのは「 」、「 」sub01、♠♥♦♣の三人だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや〜ボスっつっても大した事なかったな〜白」

 

白の頭を撫で笑いながら言う空。

 

「ん・・・見かけ・・・だけだった」

 

頭を空に撫でられ嬉しそうにする白。

 

「君達はいいよ〜僕なんか取り巻きの奴しかまともに戦ってないし...」

 

ほとんど取り巻きとしか戦わせてもらえず残念そうに言うテト。

今、この三人は第二層のアクティベートをしにいく為に歩いていた。

 

何故今までこの三人がボス攻略に参加していなかたのか。

それはイマニティ国民を探していたのである。

ただでさえこのゲームのステージは広い。

始まりの街も全ての層において最大の街である。

そのせいで探すのにも一苦労していた。

 

だが先日やっと第一層の国民全てを探しだせたので次の層に行く事にした。

攻略するための情報も街の広場にボスの情報が書かれてあったので簡単にわかった。

この情報は過去に攻略に挑んで破れた者達が情報を提供しあって書いていたものである。

 

 

 

そして三人は迷宮区に入りボスの間に入った。

 

 

部屋に入ると情報通りイルファング・ザ・コボルドロードという牛のようなボスキャラと

ボスの取り巻きのルイン・コボルド・センチネル が三体現れた。

作戦はボスを空と白が攻撃して取り巻きをテトが始末する計画だ。

 

テトは「僕もボスと戦いたいよ〜」など言っていたが無視しといた。

 

残念そうな顔をしつつもちゃんとテトは取り巻きを着々と倒していく。

ボスのイルファング・ザ・コボルドロードの装備は斧。

空が攻撃を捌き白がその隙に攻撃する作戦だ。

 

 

徐々にイルファング・ザ・コボルドロードの体力ゲージも減っていき最後のHPバーが

赤色になった時イルファング・ザ・コボルドロードは予想外の行動に出た。

 

 

 

 

 

そう、装備が斧から曲刀にかわったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

情報になかった突然の行動に白が驚きその隙を狙ってイルファング・ザ・コボルドロードは白に曲刀のソードスキル、フェル・クレセントで攻撃をしかけようとした。

そこに取り巻きをつぶしたテトが現れ白への攻撃を防ぎきった。

なぜボスのソードスキルをテトが防ぎきれたのか?

 

 

 

それは単純なレベルのごり押しである。

 

 

空達はイマニティ国民を探している間に散々モンスターと戦って来たのだ。

今回は街から街へ安全に移動出来ないので国民をプレイヤーにして探すことが出来ず空達三人で探さなければならなかったのである。

 

 

そのため第一層の隅々まで移動しまくりそのレベルは21。

まわりの平均がせいぜいlv10、高くてlv13の状態でlv21だ。

第一層のボスも相手がlv10あたりの設定にしてある。

なのでこのレベル差は当然ステータス差にも響く。

 

 

空のステータスは若干素早さ、防御重視のバランス型。

白は素早さと攻撃一点重視のアタックキャラ。

テトはどのステータスも均等に分けてあるバランス型である。

 

なのでバランス型のテトはステータスの差でイルファング・ザ・コボルドロードの攻撃力を

テトの防御力が上回っているのである。

故にあっさりソードスキル”フェル・クレセント”も受け止めれた。

 

 

イルファング・ザ・コボルドロードの体勢が崩れた今がチャンス!

 

「テト!スイッチだ!」

「うん了解〜、あとは任せたよ空♪」

 

 

そう軽くいいながらテトと俺は連携技のスイッチを使いイルファング・ザ・コボルドロードに迫る。

俺がソードスキル、バーチカル・アークを発動させてイルファング・ザ・コボルドロードにとどめをさした。

 

これが空達の初めてのボス攻略の全貌である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しっかしラストアタックボーナス?ってやつだが、これは凄い争奪戦になりそうだな」

 

 

そういいながら空は第一層のボス”イルファング・ザ・コボルドロード”をラストアタックしてドロップしたレアアイテム”漆黒のコート”を装備する。

 

そう、このソードアートオンラインのボスを倒すとラストアタックボーナスというものがある。

ラストアタックボーナスとは最後にボスにとどめをさしたプレイヤーにレア装備などが与えられるシステムである。

 

「プレイヤー達・・・欲が出て・・・チームプレイ難しくなる」

 

一番ボスにダメージを与えた者が貰えるならまだわかる。

一番がんばったんだ、そのご褒美として貰えるなら誰も文句は言えない。

だが、ラストアタックとなると話は別である。

まわりのプレイヤー達が頑張ってあと一撃となっとところを横取りする。

そんなことになれば必ず皆最後の一撃の取り合いになるはずだ。

最後にチームじゃなく個人戦のような行動に出るに違いない。

 

 

 

 

そんなことを話し合っているうちに第二層のアクティベートが完了した。

 

 

 

 

 

 

そんな調子いろいろなプレイヤーが何度もフロアボスに挑むが

結局最後は「 」達がフロアボスを攻略するの繰り返しだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして開始から二ヶ月でSAOβテスト版が終了した。

 

 

 

 

 

 

 




いや〜β版も終わった終わったww

イルファング・ザ・コボルドロードの曲刀の名前は載ってたんですが
どこ探しても使用した曲刀の時のスキルが書いてなかったので
アニメの第八話に登場するトカゲの兵士みたいなのが使ってたソードスキルの名前にしました。


あと少しで製品版の本編の作成に取りかかります!!お楽しみに♪

それでは次回また会いましょう!


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ゲーマー兄妹と唯一神様はSAOを制覇しに行くそうです。

題名通りとうとうSAOにダイブ!!
今日は学校もあったので更新遅れました(><:)

あと日間ランキングまさかの三位!?応援ありがとうございます!!
ついでに原作までちゃんと書くつもりなんでこれからも応援よろしくです!!

それでは記念すべき二桁の第十話どうぞ!



βテストも終わり数日。

 

空達三人の手元には製品版、ソードアートオンラインが送られて来た。

段ボールを開けて中に入っているソードアートオンラインを取り出した。

 

 

「これが製品版か...パッケージから見てもやっぱ凄いな...」

 

 

送られて来たソードアートオンラインのパッケージを見ながら空は感心していた。

部屋の隅に山積みになっているゲームのパッケージと比べるとやはりソードアートオンラインのパッケージは別格であった。

流石は最先端のゲーム機のソフトと言える。

その最先端っぷりは十分βテスト版で体験している。

 

 

「うわ〜凄い人気だね♪僅か数十秒でどこのお店も売り切れ続出だってさ♪」

 

ネットで生放送されているSAO特集を見ながらテトは笑っている。

やはり空が最初に想像した通り製品版ソードアートオンラインを買うのは困難を極めたそうだ。

店頭の最前列は3日前から列んでいたそうだ、とネットに書かれている。

3日間も空達が外で列ぶなど精神的に不可能だ。

テトが力を貸してくれた事に大いに感謝している。

だがその隣には多分βテスターが書いた記事なのだろう、こんな記事も書いてあった。

 

 

 

[SAOにはあの「 」と♠♥♦♣がβテスト版から参加している。]

 

この記事を見たせいでSAO購入をやめた人も多いらしい。

空達がこちらの世界に戻って来て約半年、その間三人は見かけたプレイヤーをことごとく叩きのめしていた。

 

 

「 」や♠♥♦♣のIDは瞬く間にオンラインでもっとも警戒するプレイヤーとなっていた。

 

 

そんな三人がSAOに参加しているというβテスト経験者からの情報でネット中で騒ぎになった。

このままでは一万本限定のSAOを購入できた幸運なプレイヤーではなく

「 」や♠♥♦♣にぼこぼこにされる事が決まった悲しきプレイヤーになってしまうのではないか?

 

 

結果、そんな思いのせいでここ半年の間に被害にあった一部のプレイヤーは

SAO購入を諦めたというコメントが書かれてあった。

 

 

 

 

 

 

「にぃ・・・サービス開始は・・・いつ?」

 

白はそんなことを空に聞く。

 

 

「え〜となになに...サービス開始は11月6日13時からだな、あと6日後だ」

 

 

そう段ボールの中に入っていた紙に書いてあった。

 

 

 

 

「じゃあ残りの6日間はどうするんだい?やっぱりイマニティ国民の捜索?」

 

 

「あぁ、β版にもいたにはいたがそれでも1/10くらいしかいなかった。

 やはり国民連中がいるのは正式なサーバーの方だと思う。

 だけど念のためだ、まだ探しきれてない場所があるかもしれないしサービス開始までは捜索を続けよう」

 

 

そういいながら空はパソコンの電源を入れる。

 

 

「ん・・わかった・・・白はこのゲームを・・・探してみる」

 

 

白も空に続きパソコンの電源を入れた。

 

 

 

 

「じゃ僕も手伝うとするかな〜どれにしようかな♪」

 

テトは山のようにあるゲームの中をゴソゴソ選んでいる。

 

 

 

 

「あ、テトは食料無くなりそうだから調達よろしく、はい5000円」

 

そう笑いながら空が5000円を渡す。

 

 

「え!またですかー、買い出しはジャンケンで決めようって言ったじゃないですか〜」

 

「お前よく思い出してみろ!俺達でジャンケンやって勝負がつくまでどれだけかかったか

 忘れたなんて言わせないぞ!」

 

 

 

 

 

 

以前から毎回毎回買い出しをさせられていたテトが

 

「ならゲームで決めましょう」と言い出したのである。

 

ゲームと言われたからには空達も食いつきジャンケンで決める事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしメンバーがメンバーだ。

ここにいるのは伝説と唱われた「 」の空と白。

盤上の世界ディスボードの神様のテトである。

ジャンケンを始めたはいいが勝負がつかずあいこが連続した。

しかし空と白は二人揃って「 」である。

テトvs「 」ではなくテトvs空vs白なのだ。

 

 

それでも勝負は長引き結果5時間やっても勝負がつかなかったのでピザを注文した。

 

 

「いいじゃないですか〜僕あのカップラーメンってやつよりピザの方が好きだし♪」

 

「状況が状況なんだ!そんなこと言ってると今度こそ飯抜きにするぞ!」

 

行方不明のイマニティの捜索をしなければならないこの状態で

ジャンケンで5時間持ってかれるのはさすがに辛い。

 

 

「そんな〜白はジャンケンの方がいいと思いますよね!?」

 

白に助けを求めるテト。

 

 

「テト・・・早く買い出し・・・行ってくる」

 

白も空と同じ意見なようで結局テトはしぶしぶながら買い出しに出かけた...

 

 

 

 

 

 

そんなこんなでイマニティ達を探しつつサーバー開始までの6日間

空達はネトゲをするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうしてSAOサービス開始10分前の11月4日12時50分を切った。

 

 

「やっぱり6日間探したが全然見つからなかったな...」

 

ため息をつきながらもSAO開始の準備している空が言う。

 

 

「SAOが・・・やっぱり怪しい」

 

白もナーブギアをかぶりながら言った。

 

 

 

「ま、こんなに探しても全然見つかんないんじゃほとんど確定みたいな感じだね♪」

 

テトはサービス開始が楽しみなのか凄くワクワクしているようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして世界中のSAO購入者は準備万端の状態でサービス開始を待っていた。

 

 

 

 

桐ヶ谷和人もその内の1人である。

 

彼は深く茅場晶彦に憧れていた。

茅場が載っている雑誌は必ず購入し数少ないインタビューはそれこそ暗記するくらい見ていた。

そんな茅場晶彦の作ったソードアートオンラインにもとてつもない期待をしていた。

βテスト版が当選した時は心の底から嬉しがった。

 

 

だが俺はそこで1人のプレイヤーに出会った。

 

 

そのプレイヤーのアカウント名は「 」。

数年前に突然と姿を消しここ最近再び復活したと噂されていた伝説のゲーマーである。

そして俺はかの伝説と唱われた「 」に勝負を挑んでみたが結果は惨敗だった。

その時の感情は茅場晶彦とは違う意味で憧れた。

そしてこの自分が憧れた人が作ったゲームで憧れのプレイヤーとこのソードアートオンライン出来る事に心から楽しみを抱いていた。

 

 

パソコンでSAOの特集をしているMMOストリームを見ながら電撃NerveGearという雑誌のSAO特集を読んでいた。

雑誌で親指を切ってしまったがほっとけば治るだろう。

 

 

「お兄ちゃ〜ん、部活行ってくるね〜」

 

そう言いながら妹の直葉は剣道部の練習をしに家を出た。

窓から直葉が道路を走って行くのを二階の自分の窓から確認しつつSAOサービス開始まであと4分を切った。

 

パソコンの電源を切ってナーブギアをかぶり残り時間あと1分。

まわりが静かになり時計の電子音のみが聞こえる。

ピッピッと電子音で残り時間をカウントする。

 

 

 

 

 

 

 

10

 

 

 

9

 

 

 

8

 

 

 

7

 

 

 

6

 

 

 

5

 

 

 

4

 

 

 

3

 

 

 

2

 

 

 

1

 

 

 

 

 

 

 

ついに11月4日13時ソードアートオンラインのサービスが開始されたと同時に

購入者達は一斉の言葉をつぶやく。

 

 

 

 

 

                 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                 「リンクスタート!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




とうとう始まる本編SAO!!

これからの進行としてはアニメと同じように進行しつつオリジナルボスなども
少しながら挿みながら書いていきます。


それでは次回でまたお会いしましょう!


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ゲーマー兄妹達はSAOを攻略するそうです。
剣の世界


今回から新章SAO編スタートです!

沢山の応援に応えられるように頑張って書いてきます!

それでは第11話です、どうそ!


眩い光が過ぎた後、本人認証しパスワードを入力し

そしてキャラクター設定。

 

俺はβテストの時のデータが残っているのでキャラクターはそのまま

Kirito<M>のデータを引き継いだ。

 

そして俺は再びこの世界にダイブする。

 

 

 

 

 

              Welcome to Sword Art Online!

 

 

 

目を開くとそこははじまりの街中主街区の中央広場だった。

 

俺は手を握りしめつぶやいた。

 

「戻って来た、この世界に!」

 

 

こうしてサービス開始から僅か数秒でほとんどのプレイヤーが

このソードアートオンラインにログインした。

 

 

 

 

 

 

サービス開始から数分、このはじまりの街は大人数のプレイヤーで賑わっていた。

 

いろいろなプレイヤー同士でパーティに誘ったり、武器や食料、アクセサリーなど

さまざまな物が並んでおりそれを購入したりする者もいる。

 

 

そんなプレイヤー達など見向きもせず俺は街の外へ行くため走っていた。

 

と、そんな時「おぉ〜い、そこの兄ちゃ〜ん!」とバンダナを頭に巻いた赤毛の男が大声で言いながら追いかけて来ていた。

 

 

それに気がつき俺は走るのを止めて振り向いた。

 

男は息を切らしながら男はこういった。

 

「その迷いのない動きっぷり、あんたβテスト経験者だろ?」

 

「ま、まぁ」

戸惑いながらもキリトは答える。

 

「俺、今日が初めてでさ、序盤のコツちょいとレクチャーしてくれよ!

 なぁ頼むよ!俺、クライン宜しくな」

 

そう言いながら必死に頼みながら自己紹介をしてきたクライン。

まぁ初心者に操作を説明してあげるのもβテスト経験者の勤めでもあるか。

そう思いながらこちらも自己紹介をしてないことに気づき自己紹介をする。

 

「俺はキリトだ、よろしくなクライン」

 

「じゃ、じゃあ」

 

 

「あぁちゃんとレクチャーしてやるよ、まず街の外に出て戦闘のコツから教えるぞ」

 

クラインが目を輝かしながら俺達は街のゲートを目指すのであった。

 

 

 

 

一方そのころ空達は...

 

はじまりの街;とある細い脇道

 

 

「あの〜そろそろここから動きませんか?折角ログインしたんですし...」

 

テトがあきれた顔で空と白を見る。

そこには二人で抱きつきながら体をガタガタ震えている空と白がいた。

 

 

「ゲームの中なら人が沢山いても大丈夫なんじゃなかったんですか?」

 

「だ、だからってよ!ここまでリアルでしかも広場にログインしたかと思えば

 いきなりほぼ購入者全て1万人が一斉にログインだぞ!

 俺達をプレイ前に精神的に殺すつもりか!!!」

 

「に・・にぃ・・・人が沢山・・・いっぱいいる・・・」

 

二人は脅えながら反論した。

 

βテスト版の時もほとんど全員が一斉にログインしていたが

あの時は1000人だ、以前あるゲームで1200vs4をした事があるのでまだ許容範囲だ。

しかしこれはβテスト版の時と比べて10倍なのだ。

いくら何でも許容範囲を超え過ぎである。

 

 

「はぁ...あなた達二人はどれだけコミュ症なんですか?

 このままじゃイマニティ国民探すどころかゲームすら始めれませんよ?」

 

ため息をつきながらいつになったらこの二人は回復するのかと思いながらテトは

街中を楽しんでいる他のプレイヤーを羨ましそうに見ていた。

 

 

 

そしてこの二人がようやく落ち着くまでにログインから2時間掛かったそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はじまりの街:西フィールド

 

 

 

キリトとクラインは街の外に出てクラインに戦闘のコツを教えていた所だ。

そしてクラインの成長はというと...

 

 

 

 

「どわっっ!?」

 

青イノシシに吹き飛ばされていた。

 

 

「ぐおぉぉ...つっっま、股が、、、ぐぉぉ...」

 

クラインは痛がりながら股を押さえている。

 

 

「大げさだな〜痛みは感じないだろう?」

 

「ぐうぅぅ、ってそっか、いや股に攻撃されてついな」

 

「言ったろ、重要なのは初動のモーションだって」

 

 

キリトは今、クラインに戦闘での最も重要なソードスキルをレクチャーしてる。

 

 

「んなこと言ったてよ〜あいつ動きやがるしよ」

 

クラインは青イノシシの方を見て指差す。

 

「動くのは当たり前だ、訓練用のカカシじゃなんだぞ、ちゃんとモーションを起こして

 ソードスキルを発動させれば...」

 

そう言いながらキリトは拾った石を持ち投げる構えを取る。

 

 

赤い光を輝かしながら石は青イノシシ目掛けて飛んでいった。

青イノシシは石をぶつけられて怒ったのかこちらに向かって突進してきた。

 

 

「後はシステムが技を命中させてくれるよ」

 

「モーション、モーションか...」

 

モーションを意識しながらクラインは剣を構える。

 

 

「どう言えばいいのかな〜っと」

 

キリトは軽く青イノシシの突進をかわした。

しかし青イノシシはターンしてまた突進してくる。

こんどは剣で青イノシシを抑えながらクラインに説明を続ける。

 

 

「ほんの少しタメを入れてスキルが立ち上がるのを感じたらズパーンて打ち込む感じ」

 

「ズパーンって言われても.....っあ」

 

最初は理解出来なかったっぽいが何かに気づいたようでクラインが構えを取る。

 

 

キリトはクラインがちゃんとタメを取れている事を確認し青イノシシを

クラインの方へ誘導した。

 

 

「どりゃあぁぁぁーーー!!」

 

そう叫びながらクラインは曲剣のソードスキル、リーバーを放ち

クラインは青イノシシを倒した。

 

 

「うっしゃーー!!」

 

クラインはガッツポーズを決めとてもうれしそうに叫んだ。

 

「初勝利おめでとう」

 

「ハハッ、サンキューなキリト」

 

そう言いながら二人でハイタッチを交わす。

 

 

「でも今の青イノシシ、フレイジーボアって言ってスライムレベルの敵だけどな」

 

「え〜マジかよ〜俺はてっきり中ボスか何かかと...」

 

クラインは驚いているがキリトは向こうの草原に指を指しながら言った

 

「初心者にいきなり中ボスなんて戦わせる訳ないだろ、ほらあっちで沢山リポップしてるぞ」

 

キリトが指を指している草原でまたフレイジーボアがリポップされていた。

クラインはもう一度ソードスキルを発動させながら喜んでいる。

 

「はまるだろ?」

 

「まぁな、あとスキルってよ武器を作ったりするのとかいろいろあるんだろ?」

 

「そうだな〜、スキルの数は無数にあるって言われてる。

 その代わり魔法はないけどな」

 

「RPGで魔法無しってのも大胆な設計だよなっと」

 

またソードスキルを発動させている。

 

「体を動かして戦う方が面白いだろう」

 

「確かにな!」

 

「じゃ、次の場所に行くか」

 

「おうっ!ガンガン行こうぜキリト!」

 

 

こうして二人は夕暮れになるまでいろいろなことを教えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は午後5時20分。

 

やっと落ち着き空と白、テトの三人はイマニティ国民の捜索を開始し

このはじまりの街のイマニティ国民を探し終えたころ。

 

 

 

「はぁ〜やっと探し終わったか〜なぁ妹よ」

 

「ん・・・一度来たから・・・大体の場所わかって・・・楽だった」

 

「だね〜♪それでもこの街の大きさだったから大変だったけどね」

 

 

βテスト版でこの街の構造はわかっていたので道を覚えながら進む必要がなく

βテスト版の時よりは格段に捜索スピードは早かったのだがこのはじまりの街は

アインクラットの中でも最大の街である。

その大きさは東京の小さな区一つ分くらいの大きさだ。

いくら街の構造を覚えていても時間はかかってしまう。

 

 

「これで次の村に行けるなっとその前にアイテムとかの準備しないとな」

 

次の村に行こうとしたがポーションの一つもない状態だ。

さすがに心もとないのか空達ははじまりの街主街区で準備を整えていたその時。

 

 

 

街の中央に設置してある大きな鐘楼からゴーン、ゴーンと音が鳴る。

それと同時に三人の体を青い光の柱が包んでいる。

 

「「「転移!?」」」

 

三人とも気がついたようではあるが今の状況がわからず三人は中央広場に強制転移された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのころキリト達はクラインがログアウトしようとするが

ログアウトボタンが消えている事に気づく。

 

二人はGMコールをしても反応が無い事に戸惑っていた。

 

 

「なぁ、他にログアウトする方法はないのか?」

 

「無いな、マニュアルにも緊急切断方法は一切載ってなかった」

 

「おいおい嘘だろ...あ、そうだ頭からナーブギアを外せば...」

 

「それは出来ない、俺達は今、自分の体を動かす事が出来ないんだナーブギアが俺達の脳から出力される命令を全て遮断している。」

 

「お、おい...マジかよ...じゃあバグが治るまでこのままでいるしかないのか?」

 

「もしくは現実世界の誰かがナーブギアを外さない限りはな...

 俺は母親と妹がいるから晩飯のときには気づいてもらえるかもしれない。

 クラインお前の家には誰かいるか?」

 

「いや、俺は一人暮らしだってそんなことよりキ、キリトの妹さんいくつ!?」

 

そう言いながらクラインはキリトの肩を抑えながら聞いてきた。

こ、こいつこんな状態なのに何言ってるんだ!?

 

「いや、あいつ運動部系だしゲーム大っ嫌いだし俺達みたいな人種とは接点ないって」

 

クラインがやけに俺の肩にに力を入れている。

 

「そんなこといわず..ぐほぁぁ!?」

 

あまりにもしつこいのでキリトはクラインの股に蹴りを入れる。

しかしここは空想世界なので痛くないから問題ないだろう。

 

「しかし変だと思わないか?ログアウト出来ないなんて今後のゲームに関わる大問題だよ。」

 

そうだ、こんなのサーバーを停止してすぐにプレイヤー全員を強制ログアウトなりするはずなのにアナウンスすらないなんて...

 

「言われてみりゃたしかにそうだな」

 

クラインも真剣な顔つきで考える。

 

 

そんな時、はじまりの街からゴーン、ゴーンと鐘楼の鐘の音がした。

 

 

「な、なんだぁ!?」

 

クラインは驚きながら立ち上がる。

 

 

すると突然青い光の柱に体が包まれていた。

クラインは初心者だからわからないだろうがこれは転移だ。

だが俺達は転移アイテムなんて使っていない!!

これが運営からの対応かと思ったが何故なにもアナウンスも無しに?

そう思いながらも俺達ははじまりの街の中央広場に転移させられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次々といろいろなプレイヤー達が中央広場に転移され始めていたそのころ。

 

 

「に、にぃ!?また人がいっぱい・・・沢山いるよ...」

 

「な、なんだこれは!?俺達への運営の当てつけか!?」

 

 

最初に転移させられた空達にとってはまた精神的ダメージを負った攻撃を

もう一度受けているような状態だった...

 

 

「なんだろうねこれ?さっきからまわりの人達がログアウト出来ないって言ってるけど本当にログアウトボタンが無くなってるね。 どうしたんだろう?」

 

「本当だ...今まで全く気づかなかった白、気がついてたか?」

 

「白も・・・全然気づかなかった...」

 

空も白もお手上げの状態だった。

 

 

 

 

そして全てのプレイヤーが転移し終わったのか、上空は深紅の市松模様で染まっていく。

[Warning]と[System Announcement]の二種類の英語が交互にパターン表示されていた。

やっと運営からの指示が出るか、と皆落ち着きを取り戻す。

 

 

しかし全プレイヤーの期待を裏切る現象が起きた。

 

上空の模様の隙間から深紅の液体ドロリと溢れ出て来た。

その液体は空中で形を形成し始めた。

 

 

そこに現れたものに空達も真剣な表情に染まっていく。

 

現れたのは約20mあろうかという真紅のローブをかぶった巨大な人の姿だったのだ。

 

 

 

 

 

 

 




案外書いてくと案外書ききれないものですね〜(汗)
いつもの倍の文字数ですよww
今日中にあと一本投稿する予定なので楽しみにまっててくださいね〜


それではまた次回お会いしましょう!


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始まりしデスゲーム

今回は原作同様、SAOチュートリアルです。
今回が過去最高文字数となります!(アニメの第一話まで終わらせようとしたら長くなりすぎました)


それでは第十二話です、どうぞ!


真紅のフード付きのローブをまとった巨大な姿。

 

 

GMは男性でも女性でもどちらでも必ずローブをかぶっていた。

運営が顔を用意できずにせめて姿だけでも出現させたのではないか?とまわりは騒いでいる。

しかし真紅のフードの下の空疎な間隙は、キリトにはいいようのない不安感を抱かせていた。

 

 

それは空達も同じであった。

 

このような気配をあちらの世界で僅かではあったがこんな感情が芽生えていた事があった。

だがこれから何が起こるかわからないがこれだけは言えた。

 

 

何かよくないことが起きる。

 

 

 

数多の数のゲームをしてきた「 」。

しかしゲームとはいえ数々の死線を超えて来た「 」としての感がマズイと警告している。

空と白は嫌な汗が出て来ているがテトはあのローブから目を離さないで

ただじっと見つめている。

 

 

 

 

右袖、左袖が動いたと思えば中から手袋が出てくるが肉体は全く見えない。

そして低く落ち着いた、通る男の声が遥か高みから降り注いだ。

 

 

 

 

『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』

 

私の世界?

確かにゲームマスターならこの世界では神にも等しい権限を持っているだろう。

しかしそれを今更なぜそんな事を宣言しているのだろうか?

そんな事を考えているうちに真紅のローブの男が話を続けた。

 

 

『私の名前は茅場晶彦、今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ』

 

「な..........」

 

広場にいる全てのプレイヤーがあまりに驚愕故に誰も声がでなかった。

 

 

茅場ーー晶彦!!

 

俺はその名前を知らない訳が無い!!

俺は茅場晶彦のことを1人のコアゲーマーとして深く憧れている。

常に脳裏に、常に白衣をまとう茅場の怜悧な容貌がいやおうなく浮かび上がるほどにだ。

だが今まで常に裏方に徹しメディアへの露出を極力避け

もちろんゲームマスターの役回りなど一度した事が無いはずの彼がなぜこんな真似を!?

 

 

そんな中で空達はある言葉が引っかかった。

 

 

[今やこの世界をコントロールできる唯一の人間]

 

 

特にこの言葉の後からテトの表情が険しくなっていく。

コントロールできる唯一の人間、それはつまりこのログアウト事件は....

その後に発せられた言葉は空達の予想していた最悪の自体が見事的中してしまった。

そんな中、空達は今の内にとテトにある事を頼んでた。

幸い、広場の隅っこにいるため、全プレイヤーが茅場に注目している今ならばれる可能性は低いだろう。

 

 

 

『プレイヤー諸君は、すでにメインメニューからログアウトボタンが消滅していると気づいていると思う。しかしこれは不具合ではない。繰り返す。これは不具合ではなく<ソードアートオンライン>本来の仕様である。』

 

 

「し、仕様だと...」

 

クラインは割れた声でささやいた。

 

 

『諸君は今後、この城の頂を極めるまで、ゲームから自発的ログアウトすることは出来ない。』

 

城?その言葉にプレイヤー達はどこに城などあるのかと探している。

が、βテスト版でもっとも多くの層を攻略してきた空達三人にはわかる。

 

城とはこのアインクラットそのものである...と。

 

 

『...また、外部の人間の手による、ナーブギアの停止あるいは解除もあり得ない。 

 もしそれが試された場合...』

 

僅かな間......

 

一万人が息を詰めた、途方も無く重苦しい静寂の中、その言葉は発せられた。

 

 

『ーーナーブギアの信号素子が発する高出力マイクロウェーブが、諸君らの脳を破壊し、生命活動を停止させる。』

 

キリトとクラインは数秒間、呆けた顔を見合わせ続けている。

だが他のプレイヤー達は嘘か何かかと思い広場から出ようとする者がいた。

 

「どうなってんだ、でらんねぇぞ!?」

 

透明なカーテンのようなものがありどうやら広場からは出れないらしい。

 

そんな中、クラインが口を開く。

 

「はは、何言ってんだアイツ、頭おかしいんじゃねえのか?

 ナーブギアはただのゲーム機だろ、脳を破壊するなんで...んな真似できるわけねぇだろ。

 そうだろキリト!」

 

「いや待てクライン、信号素子のマイクロウェーブは確かに電子レンジと同じ方法だ。

 ナーブギアでもリミッターさえ外せば脳を焼く事も...」

 

「じゃあよ、電源をきれば...あ」

 

クラインもナーブギアの構造を思い出したのか目を大きく見開いている。

 

「あぁ、ナーブギアの重さの三割の内蔵バッテリーがある。」

 

「でもよ...無茶苦茶だろそんなの!!瞬間停電でもあったらどうすんだよ!!」

 

クラインが言う事も一理ある。

確かに瞬間停電でも起きたらバッテリーが持っていたとしても回線が切れてしまう。

だがその質問に茅場品彦は答えた。

 

 

『より具体的には、十分間の外部電源切断、二時間のネットワーク回線切断、ナーブギア本体のロック解除または分解、破壊の試みーー以上のいずれかの条件によって脳破壊シークエンスが実行される。

この条件は、すでに外部世界では当局およびマスコミを通して告知されている。

ちなみに現時点で、プレイヤーの家族友人等が警告を無視してナーブギアの強制除装を試みた例が少なからずあり、その結果』

 

『ーー残念ながら、すでに二百十三名のプレイヤーが、アインクラット及び現実世界からも

永久退場している。』

 

 

「二百...十三人もだと...」

 

キリトは脳では茅場の言葉を受け入れまいとした。

しかし体が裏切り、不意にガクガクと脚が震えていた。

『既に二百十三名のプレイヤーが死んだ。』

その部分だけが頭の中で何度となく繰り返される。

 

 

「信じねぇ...信じねぇぞ俺は!!」

 

クラインも目をつぶりながら首を振っていた。

 

 

空と白は予想してい最悪の事態になってしまい流石に焦り始める。

もう既に二百十三名も死んでいるなんて...

だがテトの方に振り返ると様子が違った。

あの目つきは俺達が16の種族とともにテトに挑んだ時の目。

<本気>の目、遊戯の神としてテトが見せていた目だ。

その様子から見てテトは茅場品彦に対してとてつもない感情をぶつけていた。

 

テトが怒る理由はただ一つ。

十の盟約のなかにもある最後の約束。

 

十.皆、なかよくプレイしましょう。

 

 

 

こちらの世界ではテトは唯一神ではない。

ディスボードも十の盟約だってない。

 

だが、遊戯の神として、1人のプレイヤーとしての意地が、プライドがあった。

この茅場品彦の行動は完全に遊戯の神の逆鱗に触れてしまったのである。

 

 

 

 

 

「諸君が、向こう側に置いて来た肉体の心配はする必要は無い。

現在、あらゆるテレビ、ラジオ、ネットメディアがこの状況を、多数の死者が出ていることも含め、繰り返し報道している。

諸君のナーブギアが強引に除装される危険はすでに低くなっていると言って良かろう。

今後、諸君の現実の体は、ナーブギアを装備したまま二時間の回線切断猶予時間のうちに病院またはその他の施設に搬送され、厳重な介護体勢のもとに置かれるはずだ。

諸君には、安心して..ゲーム攻略に励んでほしい。』

 

 

「な........」

 

そこでとうとうキリトの口から叫びの声が迸った。

 

「何を言っているんだ!ゲームを攻略しろだと!?ログアウト不可能の状況で

 のんきに遊べってのか!?」

 

 

そう言い放ち俺は真紅のフーデッドロープを睨みつけ、なおも吠えた。

 

 

「こんなの、もうゲームでも何でも無いだろうが!!!」

 

 

 

『しかし私はこのソードアートオンライン発売前からちゃんといっていた。

「これはゲームであってゲームではない」と。

しかし、諸君にとって<ソードアートオンライン>は、もうすでにただのゲームではない。

もう一つのの現実と言うべき存在だ。

今後、ゲームにおいてあらゆる蘇生手段は機能しない。

ヒットポイントが0になった瞬間、諸君のアバターは永久に消滅し、同時に』

 

続く言葉はもう大体予想出来ていた。

 

『諸君らの脳は、ナーブギアによって破壊される』

 

 

その瞬間俺はあることを考えてしまった。

今、俺の左上にある青く輝くHPバー。

この250/250という数字が0になてしまったら?

俺は本当に死ぬーーマイクロウェーブに脳が焼かれて即死してしまう。

そんな事を考え始めてしまい俺は倒れ込んでしまった。

 

 

 

俺はβテスト中に恐らく百回近くは死んでいる。

<黒鉄宮>という名の建物の中で軽く笑いながら蘇生し、また戦場に戻っていた。

RPGとはそういう物なのだ。

何度も何度もやられては、学習しプレイヤースキルを高め、作戦をたてて敵に打ち勝つ。

それが出来ない?一度の死亡で本物の命も失う?

そのうえゲームを止める事もみとめられないだって?

 

「....馬鹿馬鹿しいにもほどがある」

 

そんなことを言われて危険なフィールドに出る馬鹿がどこにいると言うのだ。

プレイヤー全員が安全な圏内に引きこもり続けるに決まっている。

 

 

だが茅場はその思考すら読むかのように淡々と語り続ける。

 

『諸君らがこのゲームから解放される条件はただ一つ。

このゲームをクリアすればよい。

現在、君達がいるのはアインクラット最下層の第一層である。

各フロアの迷宮区を突破しフロアボスを倒せば上の階に進める。

第百層にいる最終ボスを倒せばクリアだ。

クリアした瞬間、生き残ったプレイヤー全員が安全にログアウトされることを保証しよう。』

 

しん、と減った9787名のプレイヤーが沈黙した。

 

俺達はようやく茅場が言っていた、<この城の頂きを極めるまで>という言葉の真意をようやく悟った。

 

この城とはこの空に浮かび続ける巨大浮遊城アインクラットのことを指していたのだ。

 

「クリア...第百層だとぉ!?」

 

突然クラインが立ち上がり喚いた。

 

「で、できるわけねぇだろうが!!βテストじゃろくに上がれな...いや待てよ...」

 

ここでクラインがあることに思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい!「 」と♠♥♦♣だ!!あいつらは何処だ!?」

 

 

 

 

その言葉に全プレイヤーがざわめき始める。

 

「 」はありとあらゆる全てのゲームを極めて来た伝説のゲーマーだ。

つい最近のネットの記事に「 」と最近話題になっている♠♥♦♣が参戦していると

ネット中で話題になっていた。

あの「 」と♠♥♦♣ならなんとかしてくれるのではないかっ!?という感情が現れたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが広場に「 」も♠♥♦♣のアカウント名はどこにも存在しなかった。

 

 

 

そう、これが空達がテトに頼んだ事。

つまり、アカウント名の変更である。

空達はこのまま行けば間違いなく俺達の名前を思い出すだろうとよんだ。

それこそ俺達を血眼になるほど探すだろう。

そして俺達に責任を押し付けるに決まっている。

しかしこのソードアートオンラインはそれほどまで甘くない。

正直、俺達だけでクリアする事は可能だろう、ただし制限時間無しでの話だ。

数十年くらい掛ければクリアは出来る、だが現実世界の肉体ははたしてどうだろう?

当然数十年もベットの上だ、必ずしも安全という訳ではない。

だからこのゲームは全員で団結し合わなければ制限時間に間に合わず皆なかよくあの世行きだ。

 

しかし、この皆が混乱している中でそれを言った所で意味は無いだろう。

最終的には俺達を脅迫する可能性だって充分にある。

 

もし俺達がそれを否定し武力行使でも行ったらそれこそ団結など不可能。

仲間同士の殺し合いなど空達も絶対に避けたかった。

なのでテトの力を借りアカウント名の改竄をしたのである。

 

しかしここである問題が発生した。

それはテトの力が急激に落ちたのだ。

茅場が何かしたのか、それとも別の何かかはわからない。

テト曰く「もうこれで一年以上は魔法つかえないかも」だそうだ。

だがそのお陰で内部分裂という最大の危機は回避出来た。

 

 

 

 

『それでは、最後に、諸君にとってこの世界が唯一の現実であるとう証明を見せよう。

諸君のアイテムストレージに、私からのプレゼントが用意してある。

確認してくれたまえ。』

 

 

「 」達の話題でこちらの話がそれてしまったが、プレイヤーたちは

アイテムストレージにある表示された一番上にるアイテムを確認した。

 

アイテム名はーーー<手鏡>。

 

 

なぜこんな物を、と思いながら俺は手鏡をタップしてオブジェクトボタンを選択。

たちまち。きらきらという効果音とともに、小さな四角の手鏡が出現した。

 

おそるおそる手に持ってみたが何も起こらない。

ほかのプレイヤー達にもなにも変化はなく皆頭に?を浮かべていた。

空達でさえも?を浮かべながら手鏡を見ていた。

 

すると突然、クラインや周りのアバターを白い光が包んだ。

と、思った次の瞬間、俺も白い光に飲み込まれ視界がホワイトアウトした。

 

「おい、大丈夫かキリト?」

 

「あ、あぁ特には何も...」

 

そう言いながら声が聞こえた方に振り向く。

 

しかし目の前にいたのはクラインではなかった。

 

装備や頭にまいてあるバンダナ、つんつんとした赤い髪はもとのクラインのままであった。

しかし顔だけは全くと言っていいほど変貌していたのであった。

 

 

俺は今の状況が理解出来ずとりあえずこの言葉が自然と出た。

 

「お前...誰?」

 

そして全く同じ言葉が、目の前の男からも出た。

 

「おめぇこそ誰だよ?」

 

そして先ほどの手鏡で自分の顔をのぞいてみるとそこには現実世界の俺の顔が映ってた。

 

となりでクラインも手鏡を見ながら「うおぉ!俺じゃん!!」など言っている。

 

 

俺達はもう一度互いの顔を見ながら同時に叫んだ。

 

 

「お前がクラインか!?」 「おめぇがキリトか!?」

 

 

 

 

 

そんなころ空達も...

 

 

「うおぉ!これ現実世界の俺の顔じゃねぇか!やっぱアカウント名変えて正解だったな」

 

「....................」

 

「僕は何っにも変わってないけどね♪」

 

そう言いながらお互いの顔を合わせる。

しかし白だけは胸に手を当てながら固まっている。

 

 

「ナーブギアは顔全体を覆った形してたのはこのためだたのか...」

 

「体型は・・・キャリーブレーションで・・・計測したデータで出来てる」

 

キャリーブレーション、それは装着者の体表面感覚を再現するため

<手をどれだけ動かしたら自分の体に触れるか>の基準値を計る作業だ。

つまりそれは自分のリアルな体格をナーブギアにデータ化させるための作業である。

 

 

あの茅場は現実の証明と言った。

この現実そっくりなアバターとHPは両方はどちらも”本物の命”と強制的に認識させる為だろう。

 

 

「ま、なんでこんなことをしたのかはすぐ答えてくれるだろうがな」

 

そういいながら空は茅場晶彦の方に顔を向けた。

 

 

茅場は空の想像通り、数秒後また茅場の声が降り注いだ。

 

 

『諸君は今、何故、と思ているだろう。

何故私はーーSAO及びナーブギア開発者の茅場晶彦はこんなことをしたのか?と

私の目的は常に達している。

この世界を創り出し観賞するためにのみ私はソードアートオンラインを作った。』

 

 

「茅場っ...」

 

キリトは小さく怒りをこめてつぶやく。

 

『そして今、全ては達成せしめられた。』

 

そう言い終わると真紅のローブが少しずつ歪み始める。

 

『以上を持って<ソードアート・オンライン>正式サービスのチュートリアルを終了する。

プレイヤー諸君のーー健闘を祈る』

 

 

真紅のローブは分解されシステムメッセージに吸い込まれていった。

それと同時に空を埋め尽くしていた、システムメッセージも消えた。

 

 

 

 

この世界は現実だ。

ナーブギアを開発し完全な仮想空間を作り出した天才、茅場晶彦。

そんな彼に魅了されてた俺にはわかる。

彼の宣言は全て真実だ。

俺は本当に死ぬ。

そう思いながらキリトは拳を強く握りしめた。

 

「クライン、ちょっと来い!」

クラインを連れて行き俺達は広場を出て行った。

 

 

 

 

 

この世界は俺達「 」にとってはいるべき場所だ。

だが俺達の生きる現実はここではない。

ましてやルールも目的も決まって無い70億ものプレイヤーがいるあの世界でもない。

俺達の現実はあの盤上の世界だ。

なにより俺達は「 」だ。

こんなところでで立ち止まってるわけにはいかない。

そう思いながら空は白とテトを連れて広場から出ていった。

 

 

 

 

 

俺達二人は細い横道に入りクラインにこれからの説明をしていた。

 

「いいかよく聞け、俺はすぐ次の村に向かう。お前も一緒に来い。」

 

「え?」

 

「アイツの言葉が全部ホントならこの世界に生き残っていくには

ひたすら自分を強化しなくちゃならない。

VRMMORPGが供給する理想数、つまり俺達が得られる金や経験値は限られている。

はじまりの街周辺のフィールドはすぐ狩り尽くされるだろう。

効率よく稼ぐには今のうちに次の村を拠点にしたほうがいい。」

 

マップを指しながらクラインに淡々と解説していく。

 

「俺は道もポイントも危ない場所も全部知っているからlv1でも安全にたどり着ける。」

 

解説をし終えてキリトはマップを閉じクラインに顔を向けた。

 

 

「で、でもよぉ、俺は他のゲームでダチだった奴らと徹夜で列んでこのソフトを買ったんだ。

 あいつら広場にいるはずなんだ...置いては行けねぇ...」

 

そんなクラインの視線には人情を感じた。

この男は陽気だがいざとなったら仲間を助けたりする面倒見のいい性格だろう。

そんな男が仲間を見捨てて1人で俺についてくるなんて事は無いだろう。

 

 

(クラインだけなら...だがあと二人..いや、一人増えたら...)

 

「わりぃ、オメェにこれ以上世話になる訳にぁいかねえよな。

 だから気にせず次の村に行ってくれ。

 俺だって前のゲームじゃギルドの頭張ってたからな、おめぇに教えてもらった

 テクで何とかして見せらぁ」

 

笑いながらクラインはキリトの誘いを断った。

 

 

「そか...ならここで別かれよう...なにかあったらメッセージ飛ばしてくれ」

 

少し悲しそうな目でクラインに言った。

 

「おうよ!」

 

「それじゃ、またなクライン」

 

そしてキリトはクラインに背を向けて目を伏せながら歩き始めた。

 

数歩歩いたとき「キリトっ!」とクラインが叫んだ。

 

その声に一度止まるがまた歩き出す。

 

 

「おい、キリトよ!!おめぇ本当はカワイイ顔してやがるな!結構好みだぜオレ!」

 

 

その言葉に俺は振り向き苦笑いしながら言葉を返した。

 

 

「お前もその野武士面の方が10倍にあってるよ!!」

 

こうしてこの世界ではじめての友人に別れをして走り出した。

一度振り返ってみるがそこにはもうクラインの姿はなかった。

そして俺は泣くのをこらえ街のゲートに向かって走り出す。

はじまりの街の北西ゲートをくぐり俺は広大な大地を走る。

目の前にモンスターが出現し剣を走りながら抜く。

 

俺は......俺は......

 

ソードスキルを発動しモンスターが消滅する。

 

「うおおおおあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!!!!」

 

 

生き延びて見せる!! この世界を!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「テト〜早くしろ〜早くしないとここら辺のモンスター狩り尽くされちまう。

 早く次の村にいくぞ」

 

「テト・・・早く」

 

空達も出発する準備はととのいあとはテトを待つだけである。

 

 

「うん、すぐ行くよ〜」

 

そう言いながら真上を見上げこうつぶやいた。

 

 

「君が僕達にゲームを仕掛けるのはかまわないさ。

 でも君の命は僕達1万人の命と釣り合うのかな?

 ま、いいさどうせ勝つのは僕達なんだから♪

 だけどこれはゲーム、なら僕はここに誓いを立てよう」

 

 

こちらの世界では意味などない。

だがテトは右手を上げこう呟く。

 

 

 

 

                 

 

 

 

 

 

                 「盟約に誓って!」

 

 

 

 

 

 

その言葉を誰かに呟いた後、空と白の向かう北東ゲートへとテトも向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 




凄いぞ!なんと7500文字越え!!
いつもは2000弱なのに一気に三回分の投稿www
ですがこれでやっとSAOが始動した感でますね♪

次回とうとうあの子が登場!?
それではまた次回にお会いしましょう!


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愚王の孫娘

今回はオリジナル要素てんこもりですwww
この村でついに現れるあの娘が!!


それでは第十三話です、どうぞ!


 

 

「ごめんごめん、待たせちゃったね」

 

テトが手を合わせて謝っている。

 

「いや、数秒だし問題ないだろう、じゃ行くとしますか!」

 

「レッツ・・・ゴー」

 

 

テトが何かをしていたため出発がやや遅れたが空達は北東ゲートをくぐりはじまりの街から出発した。

 

 

 

歩き始めて約20分、路上にモンスターが数匹ほど出現し襲いかかって来た。

 

 

「にぃ、なんで・・・北西じゃなくて・・・北東ルートなの?」

 

そう聞きながらモンスターを一体、また一体と潰していく。

白は気になっていた。

順路としては北西方面でレベルを上げてそこから北東へ行くのが正しい

なぜ北西方面にあるホルンカ村へ行かず北東方面へ行くか、と。

 

 

 

 

「まず当然だがこのはじまりの街周辺のモンスターは狩り尽くされるだろうな。

 βテスト経験者ならきっとそれに気づいてすぐさま次の村に行くだろうさ。

 だがな~妹よ、それじゃ結局稼げるのは最初だけだ。

 どんどんβテスト経験者やそれにくっついて来る奴だっているはずだ。

 しかもあの村には[森の秘薬]のクエストがあるだろう?

 あのクエストは片手剣使いには確かに序盤は助かるクエストだが

 そのクエストのせいで結局すぐそこも狩り尽くしちまうからな

 だから俺達はその更に先の北東ルートに行くってわけだ」

 

 

そう言いながら路上のモンスターを狩りながら空は説明した。

 

 

「でも効率はいいかもしれないけど敵も凄い強いよ~」

 

テトもモンスターの攻撃を避けカウンタ―で攻撃する。

 

 

「そこは俺達の技量ってことでっ」

 

そして空が最後の一匹を倒し、目線に入る全ての敵を殲滅した。

 

 

「でもやっぱこっちの方が経験値稼げるな~もうlv3になったろ」

 

 

 

はじまりの街から出発してこれで3回目の戦闘で空達のレベルは3になっていた。

今の所はβテスト版とも違う所はないようだ、それなら簡単だ。

βテスト版に出て来ている全てのNPCのアルゴリズムは白が計算済みである。

回避や弱点への攻撃をするタイミングなどは間違えるはずも無い。

 

モンスターとのレベル差も技量で覆していく空達。

だがそれも当然である。

原理的に勝てないゲームでないなら「 」び敗北の二文字はないのだから。

 

 

 

 

 

 

そうこうしながら俺達はlv5まで上がり北東ルートにある村、カサンカ村に到着した。

 

 

しかしカサンカ村はホルンカ村と特に違った場所などはない。

違う所は出現するクエストの内容くらいだ。

 

このクエストというのはNPCが困っていたりする時に声をかけると

NPCの頭に?のアイコンが出現し、クエストを受ける事が出来る。

クエストをクリアすると経験値やアイテムなどが手に入る。

 

ホルンカ村のクエストは[森の秘薬]というクエストだ。

このクエストは<リトルネペントの胚珠>と言うアイテムの収集だ。

報酬は序盤は役立つ<アニールブレード>と呼ばれる片手剣だ。

 

 

対してこのカサンカ村もアイテム回収であるが当然収集するアイテムは別である。

<新メニュー、青猪の骨付き肉!>という名前のクエストだ。

lv6以上のフレイジーボアが落とす<青猪の肉>5個の回収である。

報酬はこちらも序盤は便利な<ボーンダガー>と呼ばれる短剣だ。

 

 

空達のパーティの役割はβテスト版の時と変わっていないので

攻撃担当、白のメイン装備の短剣を先に入手することにしていた。

これも空がホルンカ村ではなくカサンカ村に来た理由の一つでもある。

 

 

しかし、この<青猪の骨付き肉>はクエスト中しかドロップしない専用アイテムで

道中でいくら倒してもドロップしないアイテムなのだ。

なので空達は短剣をゲットするためにクエストを受けれる酒場へ向かった。

 

 

 

だが酒場の前で奇妙な人だかりができていた。

人数は30いや40人程度はいるか、全員NPCな所からしてクエストだろう。

βテスト版の時にはこんなこと無かったので製品版で出来た新しいクエストか何かだろうか?

そう思いながらNPCに尋ねてみた。

 

 

「おぉ、兄ちゃんあんた旅人かい?ならこの酒場のことは知らないのもしょうがないか。

 つい最近な、赤毛の女性がこの村に来てな。

 その女性がとんでもなくポーカーがつえ—もんだから酒場の店主が店に雇ってよ

 テーブル一つ貸してそこで小さなカジノのディーラーにしたんだ。

 それで村人全員で勝負をしかけに行ってこのざまよ!

 身ぐるみ全部はぎ取られちまってよ...」

 

 

そう説明をし終わるとその住人の頭に?マークが出現しクエストが始まった。

 

クエスト名は [対決!小さなカジノの最強ディーラー]。

 

 

名前からしてもギャンブル対決だ。

なら空達にとってこれは鴨でしかない。

ディーラーに勝利したら酒場から景品も貰えるそうだし

<新メニュー、青猪の骨付き肉!>を受けるついでで受けてみる事にした。

 

 

「お、挑戦すんのか兄ちゃん!勝負内容は多分ポーカーだ、せいぜい頑張れよ!」

 

 

そんな応援を受けながら俺達は酒場に入った。

酒場には人がほとんどおらずガランとしていた。

 

 

「お、いらっしゃい旅人さん、何をお飲みに?」

 

「飲み物はいいや、俺達はギャンブルをしに来たんだ」

 

店主が営業スマイルでメニューを渡そうとするが俺は断り店主に言った。

 

 

「おぉ!旅人さん達の耳のも入るくらい有名になりましたか!!

 ギャンブルをするならあの奥にあるテーブルをお使いください。

 すぐディーラーを呼ぶので少々お待ちください」

 

そういい店主は厨房へ行った。

そして俺達はとりあえず店主に言われたテーブルに座った。

 

 

「なぁ白、このテーブルになにか小細工はしてないか?」

 

「ん・・・何にもない」

 

念のため白に聞いたがテーブルには何もしかけがないらしい。

トランプに細工をしてあるか本当にディーラーの実力か。

 

「だが実力だったら大したもんだな〜」

 

「うん・・・負け無しで・・・40人抜き・・・」

 

「こっちの世界に戻って来て初めてのギャンブルだね〜♪」

 

 

三人ともどんなディーラーなのか楽しみにしながら待っている。

ちなみに勝負をするのはテトだ。

最初は三人とも自分がやりたいと言い争っていたがはじまりの街で空と白が一万人の一斉ログインのせいで精神的ノックアウトされて、テトに二時間も暇な思いをさせてしまったのでこの戦いはテトに譲った。

 

 

「おまたせしました、ディーラーをお呼びしました」

 

ようやく店主がディーラーを呼んで来たようだ。

だがそのディーラーの顔を見て三人は呆然とする。

 

 

そのディーラーはあちらの世界で散々国王としての仕事を押し付けられ

幾度となく空と白に挑んでは負けて恥ずかしい格好をさせられていた女性。

しかし何度も負けを経験し学習して作戦を練り直し何度も挑んで来た女性。

あの世界の中で一番付き合いが長い女性の姿だた。

 

 

 

彼女の名は”ステファニー・ドーラ”先代国王の孫娘でありイマニティの中では空と白を抜いたらもっとも強いギャンブラーがそこにいた。

 

 

 

 

 




やっと出せたぞステフーーー!!!
ステフをSAOに出すのは前から決めていたので作者はお喜び! わーいわーい

それと通算UA一万&お気に入り登録500突破!ありがとうございます!!

それでは次回、またお会いしましょう!


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唯一神vs最弱種

ついに始まるステフの逆襲!!
果たしてステフは勝つ事が出来るのか!!


それでは第十四話です、どうぞ!


「「「ス、ステフ!?」」」

 

 

三人は驚きのあまり声を出す。

 

 

「空!白!やっと会えましたわー!!」

 

ステフが飛びついて来た。

 

 

「もう、ここは何処なんですの!?書斎で内政の仕事してたかと思えば突然こんな所に連れて来られて青いイノシシに追いかけられてこの酒場の主人さんに助けてもらえなかったら大変なことになってたんですのよ!!」

 

そこに店主さんがステフの行動を見て聞いた。

 

「おや?ステフさん、この旅人さん達と知り合いなのですか?」

 

「はい、以前話していた人達です」

 

「おぉ、それではこの人達がステフさんの探している人だったんですか

 よかったですねステフさん」

 

店主は嬉しそうにステフの肩を叩く。

 

 

「で、ポーカーはしないのか〜ステフ」

 

「か、感動の再開を何だと思ってますのあなたは!?」

 

「俺達はここにほとんどのイマニティがいるって確信してたんだ、出会うのは当然だろ?」

 

「相変わらずですねー空!!今日こそ倒してみせますわ!!」

 

そう言いながらステフは椅子に座る。

 

 

「残念だが今日の相手は俺じゃないぞ〜」

 

「へ?じゃあ白がするんですの?」

 

そう言いながら白の方を向くステフ。

 

「いやだな〜僕の事忘れてませんステフさん?」

 

若干存在を忘れられていた事にちょっと起こりながらテトが言った。

 

 

「ってテト様!?なんでこんなところに!」

 

「さっきからずっといましたよ♪さぁ早く始めましょうディーラーさん♪」

 

にこやかな笑顔なのにとてつもない殺気を感じるのは俺の気のせいかテト?

 

 

「うっ...怯んではだめよステファニー・ドーラ!あの空達だってテト様に勝ったんですのよ!

 空達を倒すにはテト様にだって勝ってみせますわ!!」

 

「勝負は何回勝負なのかな?」

 

「5回勝負で多く勝った方が勝ちでですわ」

 

 

「わかったよ♪それじゃあ...」

 

二人は右手を掲げて誓いを行う。

 

 

 

「盟約に誓って♪」 「盟約に誓って!ですわっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果としてはやはり勝利者はテトだった。

悔しがりながらステフはしょんぼりしている。

しかしテトの圧勝というより辛勝といったほうがいい。

 

 

勝負は3対2とステフはテトを2回も負かしているのだ。

ステフはションボリしているがあの唯一神にぎりぎりまで抵抗できるほど実力になっている。

 

それは何故か?

 

それはステフは幾万回も負け続けたからである。

 

空達に会う前のクラミーのポーカー戦から空とのジャンケンなどなど

彼女は何度も挑んでは負けていた。

しかしイマニティの武器は学習し経験からなる未来予知にも到達するほどの知恵だ。

ステフはそれをただ繰り返してきただけ。

何度と負け、敗因を学習し何度も戦った経験から相手の手札を予想しただけだ。

ただ、あの唯一神にすら到達するほどの学習と経験をしただけなのだ。

 

「さすがはテト様ですわ...私はまだまだですのね...」

 

「いや〜でも正直危なかったよ〜♪また勝負しようね♪」

 

笑いながらテトは席を立った。

 

「さて、店主さん〜約束の景品をもらえませんかね〜」

 

「おぉ、そうでしたねそれではこれをどうぞ」

 

そう言って渡されたのは直方体の濃紺色クリスタルを受け取った。

 

「これは何だ?βテストの時には見なかったな...」

 

「白も・・・初めて」

 

空はオブジェクト化してテーブルに置いて店主に聞いた。

 

 

「これは回廊結晶、またの名をコリドークリスタルというアイテムです。

 転移結晶とは違い任意の場所に登録してそこを出口にする事が出来ます。

 ですがこのアイテムは非常にレアなアイテムですので使いどころを

 よく考えてから使った方がいいでしょう」

 

 

「「「なっ!?」」」   「?」

 

あまりの性能に空達三人は驚くがこのゲームの状況がわかっていないステフは

頭に?を浮かべている。

 

 

「店主さん、こんな凄いアイテム一体どこで見つけたんです?」

 

テトの質問に空と白も同じ意見と頷く。

 

 

「いや〜実は新しいメニューの素材を探していたのですがそのときにいつの間にか

 迷宮区まで入り込んでしまいまして...

 慌てて抜け出そうとしていたんですがその帰り道に偶然、宝箱を発見しまして

 その時に持ち帰った物です」

 

 

食材探しをしてたら間違えて迷宮区に入るなんて...

この店主さん、そうとうドジなようだ。

だけどNPCが迷宮区から無傷で帰ってくるとは...この人本当にNPC?

心の中で空達はそう思っていた。

 

 

 

「それでステフさんは、この人達とついていくんですか?」

 

 

「えぇ、今までお世話になりましたわ店主さん。

 あとこのポーカーで稼いだコルは置いていきますわね」

 

「いやいや、それは君が稼いだコルだ、大切に持っていなさい」

 

「で、でも店主さんにはいろいろお世話になりましたし...」

 

「そうだな...ならコルよりも僕のお願いを聞いてもらえないかな?」

 

そう言うと頭に?のアイコンが表示され俺達は青猪の骨付き肉を探しにいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうえばステフのステータスってどんなもんなんだ?」

 

ふと空がそんな疑問を浮かばせる。

 

「すてー...たす?なんですのそれは?」

 

「にぃ・・・ステフ、今の状況・・・わかってない」

 

「あぁ〜そうだったな、いいかステフ、今から言う事よく覚えとけよ」

 

空はディスボードのことやこのゲームについて説明し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

説明中.....説明中.....説明中.....しばらくおまちください.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

空が解説し始めてだいたい30分。

 

ステフは唖然としているのか空いている口が塞がっていない。

 

 

 

「ステフ、今言った事は全て事実だ。

 俺達はこのアインクラットを攻略してこのゲームから脱出する」

 

 

「そ、そんな...この世界がゲームの中だなんて...

 しかも死んだら現実世界の脳を破壊するなんて...ふざけてますわ!」

 

ステフは怒りながら拳を握っている。

 

「だからまず、自分の命は自分で守らないといけねぇんだ。

 ステータスってのはいわばこの世界の身体能力設定みたいなもんだ。

 まず右手を振り下ろしてみろ」

 

まずステフにメインメニューを開かせようとする空。

 

 

「振り...下ろせばいいんですの? えいっ」

 

するとなにも無い空間にコマンドや文字が出てくる。

メインメニューを開けたようだがステフはビックリしていた。

 

 

「わっ、何もない所から突然文字が!でもこれ何て読むんですの?」

 

 

 

 

 

「「「あ...」」」

 

 

 

 

 

 

そうだ、すっかり忘れていた。

 

テトは特別だったからこの世界の言葉を読めたが

こちらの世界の言葉を知らないステフにはメインメニューの文字が読めなかった。

 

 

 

「でも、じゃあなんで酒場でなんか働けたんだ?

 俺達が来る前、たしか厨房にいたよな。

 料理や食材の名前はどうやって読んだんだ?」

 

「音声言語は一緒なのでなんとかなってましたわ。

 店主さんに食材の名前を教えて貰って覚えてましたの」

 

 

「そうだったのか...まぁいい、後でみっちり鍛えてやろう。 

 このボタンを押してステータス画面を開いてみろ」

 

 

言語を覚えさせるのも大切だが今はステータスの方が重要だ。

俺はステフに指示を出しステータス画面を開かせた。

 

 

「このボタンを押せばいいのですの?」

 

 

そしてステフのステータス画面を覗いた。

 

 

「な...なんだと...」

 

「に...にぃ...これって...」

 

「うわ〜見事に終わってますね〜」

 

「その顔からして、私のステータスはそこまで悪いんですの?」

 

 

 

はっきり言おう。 

 

 

酷すぎる...STR;28ってなんだよ!?握力か何かか!?

 

 

ステフのステータスは俺達がlv1の状態の時より低い。

現実世界の身体能力が若干追加されて強くなっているならまだわかる。

だがしかし、身体能力のせいでステータス下がる程ってなんだよ!?

 

 

「あはは、ここまで笑ったのは久しぶりだよ♪

 最弱故の知恵だもんね、身体能力もやっぱり最弱になったのかな?」

 

テトは笑い過ぎてお腹に手を当てている。

 

「いやいや!全然笑い事じゃないぞテト!!

 絶対覚えてないだろうが...ステフ次はこのボタンだ」

 

次にスキル一覧画面を見る事にした。

まだ戦闘も一度もした事が無いステフだ、熟練度なんてないだろうが...

 

 

 

予想通りスキル一覧に載っている武器何一つとしてスキルを覚えていない。

 

 

「全部灰色ですわね...これが熟練度ってやつですの?」

 

全部灰色...ということはやはり一つもスキルを覚えていないか...

 

 

「あっ!これだけ随分と枝分かれ状に繋がってますわね〜」

 

 

何!?繋がっている!?

その言葉を耳にして全員がステフのスキル一覧を見る。

 

 

 

 

 

「「「え...料理スキル...」」」

 

 

 

 

 

 

そこに写っているほぼコンプリートに近いスキルは料理スキルだった...

 

 

「何ですの料理スキルって?もしかして美味しい料理が作れるんですの!」

 

ステフはぱぁっと笑顔になる。

あちらの世界でもお菓子作りが趣味だったステフは嬉しいのだろう、だが。

 

 

「この状態でおまえ...やっぱお前どんな賢くなっても頭ん中、お花畑だな」

 

「にぃ...白も...同感」

 

呆れた目でステフを見る。

 

 

「い、いいじゃないですの!美味しい料理が作れた方がいいに決まってますわ!」

 

ステフは料理がいらないと馬鹿にされた気がして反論した。

 

 

「あのなぁ、この世界でHPが0になったら本当に死ぬんだぞ。

 その中で料理なんか極めてもなんも力にならねぇよ!」

 

 

痛い所を突かれたようでステフの表情が曇る。

 

 

 

「はぁ...このままだとステフが一撃でノックアウトだな...

 さっさと<青猪の骨付き肉>集めてさっさと村に戻ろう」

 

 

ステフに攻撃が行かないように三人はフレンジーボアを狩りまくり

なんとか<青猪の骨付き肉>を5個集め終えカサンカ村の酒場へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 




さすがにステフが強くなっても唯一神さまは破れない!!

今回はステフの説明がおおかったですかね〜
なんだか店主さんNPCじゃなく思えて来たわwww


それでは次回、またお会いしましょう!


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カサンカ村との別れ

今回でカサンカ村を出発しま〜す。

あと通知表とかいう悪の権化のせいで更新遅れました...
明日からちょっと出かけるので携帯で投稿します。
携帯だとボタン押しずらくて書くのが遅く、投稿が一回になるかもしれません(><)

それでは第十五話です、どうぞ!


時刻は午後8時弱。

 

 

カサンカ村:酒場

 

 

「店主さ〜ん、青猪の骨付き肉持って来ましたわ〜」

 

「ステフさん、お帰りなさい。それと<青猪の骨付き肉>ありがとうございました、これで新しいメニューが作れます。お礼といってはなんですがどうぞこれをお受け取り下さい」

 

店主さんがカウンタ―の下から箱を取り出す。

その箱に入っていたのはお目当てだった”ボーンダガー”だ。

そして白はボーンダガーを受け取りクエストを達成した。

 

 

 

 

 

酒場からでた俺達はまずステフにこう言った。

「俺達はレベル上げしてくるからステフは宿屋に行っててくれ」

空は宿屋の方向を指を指しステフに指示する。

 

「な!何で私だけ仲間外れなんですの!?」

 

「夜は視界も悪い、俺達は索敵スキルを選んでないからステフを守りながら戦うのははっきり言ってキツイ」

 

日が暮れると一気に視界が狭くなる。

そんな状態でステフを連れて行くのは自殺行為だ。

 

「お前のレベル上げは明日から、今連れて行くのはリスクが高すぎる」

 

「確かにそうですわね...わかりましたわ...」

 

そう言いながらステフはトボトボ宿屋に向かった。

 

「それで空〜どれ位レベル上げするんですか♪」

 

「二時間位だな、今夜はステフに日本語を覚えて貰わないていけないからその時間を考えたらその位が妥当だろ」

 

それにボーンダガーの感覚を白には取り戻しとかないといけないしな。

 

 

そして俺達はレベル上げをしにカサンカ村を出た。

 

 

 

 

 

二時間のレベル上げで俺とテトのレベルは8、白はlv10となかなかのペースだ。

以前この村に来た時はlv14だったが今回はホルンカ村に寄ってないのでβ版と比べるとやや低い。

ドロップした素材などは全て売却してコルにしている、だがステフのカジノでの儲けがあるので俺達の懐はかなりの額が表示されている。

このカサンカ村には武器屋などがないので装備の強化はできないが次の街、トールバーナはなかなか店が充実しているのでそこで武器や防具の強化をすることにしよう。

 

 

「な、なんとかこの五十音というのは理解しましたわ...で、ですがこの漢字というのはなんでこんなに沢山あるんですの?同じ読み方な...のに違う漢字で書くだなんてまぎ...らわしいですわ」

 

「そーいうな、これ覚えないとアイテムとか装備の名前もわからないからな。

 覚えてもらわないとこれから困るぞステフ」

 

 

俺達が宿に来て約11時間。

空はステフに日本語を昨日からぶっ続けで教え込んでいる、つまり徹夜だ。

ステフも頑張っているが目がもう閉じる寸前な状態だ。

白とテトは最初は興味を持ちながら見守っていたが途中から飽きたのか二人は寝ている。

 

 

「あ、綺麗な川がみえますわ〜...誰かがおいでおいでしてますの〜...」

「おい待てステフ!それは明らかに死亡フラグだ!!」

「も、もう駄目ですの...Zzz....」

そしてとうとうステフは眠り込んだ...

 

「まぁ、ステフにしてはよくやったと言えるか、これなら小学4年生までの漢字なら読めるだろう」

わずか半日で無知の状態から小学4年生までの漢字を覚えたんだ、ここまで覚えれば簡単な文字なら読めるだろう。武器やスキルの名前等もカタカナが多いし読めるはずだ。

 

 

「こんだけ読めるようになったなら徹夜して仕込んだ甲斐があるってもんだな」

そんなことを言いながら空は笑う。

だがこのSAOは疲れれば眠くもなる。

はじまりの街から戦闘をしながらカサンカ村までたどり着き、そこからクエストの<青猪の骨付き肉>集めで散々フレンジーボアを狩りまくってそれに日本語の基礎をステフに叩き込んでいたのである。

さすがに空の体力も限界だ、そして空も糸が切れたかのように眠りについたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん...にぃ起きる」

「空〜もう何時だと思ってるの〜」

「ん...ぅう...ふあぁ〜おはようさん白、テト」

聞き覚えのある声に気づき俺は目を覚ます。

「やっと起きたね空、今は午後の3時だよ♪」

「3時!?俺そんなに寝てたのか!」

ステフが眠りに落ちたのが確か8時位だったから7時間も寝てただと!

今日はステフのレベル上げをする予定だったが...まさかこの俺が寝落ちするとは...

 

「時間がねぇ!急いでステフのレベル上げ行くぞ!」

この村から次のトールバーナに行くまでに敵のレベルも多少だが上がる。

せめてステフには1.2発攻撃が当たっても耐えてもらうくらいのレベルになって貰わないと!

 

「にぃ...それなら大丈夫」

「空が寝てる間に空より二時間くらい早く起きたステフさんを連れて僕がレベル上げ行ってきましたからもういつでも出発できるよ♪」

「お、サンキュにテト。どのくらいまで上げたんだ?」

「ステフのレベル、3くらい」

「さすがにlv1なだけあってすぐlv3まであがったよ、ちなみに僕のレベルも1つ上がったよ〜♪」

 

現在のパーティ構成としては

空:lv8、装備武器は片手剣と盾、防御担当の前衛。

白:lv10、装備武器は短剣、攻撃担当の前衛。

テト:lv9、装備武器は曲剣、遊撃担当の中堅。

ステフ;lv3、装備武器は(一応)細剣と盾、戦闘中はまず盾をずっと構えていてもらう。

本人曰く「これでもエルキアのアカデミーではフェンシングをやっていましたわ」だそうだが実力は中の下と今のレベルとステータスからしても前衛に出す訳にはいかない。

簡単に止めをさせそうならステフに攻撃させてレベルを上げていこう。

 

白のレベルがやや高いのは攻撃メインの白なので攻撃回数が多い、よって自然とモンスターを倒す回数も多くなる。なので俺やテトよりも僅かに貰える経験値が多い。

 

 

「よし、それじゃあ早速トールバーナに行くとしますか!」

そう言いながら俺達は宿を出て歩き出す。

すこし歩いた時、ステフが突然止まりだした。

止まったすぐ横にあるのが酒場からして大体予想は出来る。

 

「ちょっと待って貰えませんか?最後に店主さんに挨拶をしに行きたいんですの」

ステフにとっては右も左もわからない状態で助けてもらった恩人だ。

性格が真面目なステフだ、お礼を言いたいのだろう。

「わかった、ならさっさと済ませてこいよ、俺達は村の門に行ってるからな」

そう言って俺はステフに行って三人で村の門に行く。

 

 

「店主さ〜ん?いませんか〜?」

ステフは店主がいないか確認しながら酒場の扉を開ける。

 

「いらっしゃ...ステフさんじゃないですか!どうしたんです?」

グラスを拭いていた店主さんがグラスを置いて聞いてきた。

「あ、あのっ!これから次の街へ行くのでお礼をと思いました」

「そうですか...怪我が無いようにして下さいねステフさん」

そういいながら店主さんはニッコリと笑顔で返す。

 

「最後に店主さんのお名前を聞かせてもらって構いませんか?」

もうこの村に戻ってくるかわからないので名前だけでも聞こうとするステフ。

「私の名前ですか?こんなNPCに名前を聞くとは変わった人ですね」

少し微笑みながら店主が言う。

 

「私の名前はニコラス・ラインフォルトといいます」

「ニコラスさん...ではニコラス店長、またどこかで」

「えぇ、ステフさん達もよい旅を」

 

 

そんな笑顔に見送られ私は空達の待っている村の門へ向かうのだった。

 

 

 

 

 




今回でノゲノラキャラの装備も決めときました♪
ステフのフェンシングは国内最高のアカデミーですしそれくらいあるのでは?という感覚で書きました。
店長の名前元は某RPGのあるキャラの名前を少し借りましたww
そろそろキリト達も出さないとな〜

それでは次回またお会いしましょう!


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ホルンカ村と森の秘薬

ただいま叔父の家の埼玉県に帰省中〜
明日にはアキバにでも繰り出すとしますかなww
新幹線で書いてたら酔ってしまって更新が...

今回は前半はキリト、後半は空達です。

それでは第十六話です、どうぞ!


俺は今、ホルンカ村でレベル上げを終えてはじまりの街に向かっている。

はじまりの街の門は北西ルートと北東ルートの二種があり、それぞれホルンカ村とカサンカ村に続いている。

だが、北西ルートはホルンカ村が終点でそこから先には進めない。

なので一度、はじまりの街に戻り北東ルートへ向かわなければならない。

 

「ホルンカ村でレベル上げし過ぎたか?

いや、レベルが高いに越したことはないか」

 

 

 

あのデスゲームが開始されて俺はすぐにホルンカ村へと向かった。

ホルンカ村で片手剣、アニールブレードを手に入れるためのクエスト、[森の秘薬]を受けるためである。

 

このクエストをクリアするには<リトルネペントの胚珠>が必要になる。

名前の通りリトルペネントがドロップするアイテムだ。

リトルペネントには三種類の形態が存在する。

葉付き、花付き、実付きの三種類だ。

クエストに必要な胚珠は花付きからドロップするのだがこの花付き、なんと出現率が1%ほどしかないのだ。

葉付きを倒せば倒すほど出現率は上がるといわれているが俺はレベル上げついでで狩りまくった。

 

 

そんな中、俺のようにホルンカ村を目指して俺の前に現れたのがコペルという男だ。

このコペルも俺と同じβテスターだ。

お互いにクエストクリアを目指し俺達は二人で共闘することになった。

 

 

 

だがそれは罠だった。

 

 

俺達はとうとう花付きのリトルペネントを発見したのだがその近くに実付きも発見した。

この実付きは刺激を与えると実を破裂させ甘い香りをまわりに撒き散らす。

プレイヤーには無害なのだがこの匂いが他のリトルペネントを集めてしまうのだ。

 

そうなってはもう逃げ出す術はない。

レベルがもう少し上ならわからないが今のレベルでは太刀打ち出来る自信はない。

 

俺達は実付きが花付きから離れるまで様子を見ようとするが全く離れる気配がなく、花付きは時間がたつと実付きになるという噂もあったため俺達は仕方なく仕掛けることにした。

 

作戦としてはこうだ。

コペルが実付きを引きつけている間に俺が速攻で花付きを倒し<リトルペネントの胚珠>を手に入れる。

 

そして俺達はリトルペネント達に仕掛けた。

作戦は上手く成功し、花付きは無事に胚珠をドロップした。

だがコペルの行動は違かった。

コペルは実付きに攻撃して実を破裂させた。

コペルは俺をMPKで俺を殺し、胚珠を横取りしようとしたのだ。

コペルは隠蔽スキルで身を潜めてその場をやり過ごそうとしたがその行動は間違えだ、目で敵を探すモンスターには確かに隠蔽スキルは有効だが植物系などの嗅覚で敵を探すモンスターには隠蔽スキルは効果が効きづらいのだ。

 

だが俺も人の心配をしてる場合じゃない。

甘い香りに連れられて次々とリトルペネント達が次々と集まって来る。

俺はやって来るリトルペネント達を全神経を使って一体ずつ倒して行く。

 

コペルも隠蔽スキルが効いていないことにきづいたようで反撃しているようだ、ソードスキルを発動している音がする。

 

だが戦闘から数分後、ガラスが割れたような音がした。

とうとうコペルはリトルペネント達に囲まれて死んだようだ。

俺のまわりにいるリトルペネントは7割ほど倒したがまだ全滅させたわけではない...

コペルも頑張って5割は倒したようだがそれがこちらにも近づいてくる。

武器の耐久値も限界一杯一杯だ。

敵の弱点を確実につき一撃で終わらせていかなければその時点で終わり、攻撃を貰うなど問題外だ。

あの最強のプレイヤー「 」ならこんなもの造作もないだろう、俺もそんな最強の座まで辿り着いてみたい。

覚悟を決めて俺は剣を構え、リトルペネント達の中に向かって行った。

 

 

 

 

 

なんとかリトルペネントを凌ぎ、クエストクリアすることができ片手剣:アニールブレードを手に入れ宿に泊まって、リトルペネント達との連戦で疲れ果て眠りについた。

それがキリトのデスゲーム初日の行動だった。

 

 

 

 

 

翌日、俺はホルンカ村を出ることを決めた。

昨日の連戦で経験値が馬鹿みたいに貯まったからである。

本当はもう1.2日いる必要があるかとも考えたがこれだけあれば北東ルートも十分通過することができるだろう。

 

「たった二日で北東ルートに行く羽目になるとはな〜

もしかして俺、全プレイヤー中最速なんじゃないか?」

 

実際、今のキリトのレベルは8と他のプレイヤーともかなりの差がある程だ。

まだこのデスゲームが開始されて二日とはいえまだ死んだコペルを除けば誰もこのホルンカ村には来ていない。

それかここに来る前に死んだのかもしれないが...

 

 

そしてはじまりの街の手前まで到着したが草原エリアは予想通りほとんど狩り尽くされていた。

モンスターがリポップしたら誰が倒すかで喧嘩が起きているくらいだ。

クライン達はこんな環境の中上手くやって行けているのだろうか。

そんな心配をしながら俺は北東ルートを歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

そのころ空達御一行はというと...

 

 

「な、長かった...あんなに道長かったっけか...」

「白...もう限界...」

「やっぱり君達はほんと体力ないね♪」

「たった四時間歩いただけじゃないですの、だらしないですわよ二人とも」

「おめーは戦闘始まったらほとんど盾構えてるだけだからいいかもしれないがなっ!こっちはバリバリ戦ってるんだよ!!しかも四時間も歩き歩き大会だ!疲れるのは当たり前だ!そうだろ妹よ?」

「ぅん...にぃの意見...超同感」

空と白はステフに対して反論した。

 

「うっ...たしかに私は足手まといですわね...」

「まぁまぁ、それよりも早く武器屋に行こうよ〜、どんな武器があるか楽しみだね♪」

 

もう今日は宿に入ってもう寝たいというのが空と白の本音だが新装備の調達のためにこのトールバーナまで来たんだ、それまで我慢するか...

 

「白はボーンダガーがあるから防具だけ選んで先に宿屋に行って来てもいいぞ?」

「それはや...にぃと...一緒にいる」

「ははっ、嬉しいこと言ってくれれるな〜白さんや、ならさっさと選んで宿屋に急ぐとしようぜ」

 

とりあえず必須なのはステフのための防具だ。

ここに来るまでにlv5にはなったが、トールバーナ周辺のモンスターのレベルは8辺りだ。

俺や白、テトはlv10をもう超えついるので安全だが今のステフならダメージを受ければHPバーが即レットゾーンにはいってしまうだろう。

全員分の防具と個人にあった武器、アクセサリーを購入して俺達は武器屋を出た。

 

「新しい装備が手に入ったのは嬉しいんですがなんだかこの装備少し重いですわね...」

「それはステフさんのSTRの数値が低いからだと思うよ。筋力パラメータが低いと装備が重く感じるんだって」

テトがステフの質問に答えた。

「ゲームなのにそんな設定は随分細かいんですわね」

「ゲームだからこそだろ、レベルが低いプレイヤーに強い装備持たせて強化みたいなことが出来ないようにするための対策だろうな」

「それもそうかもしれませんわね。

そんなことしたら皆、武器に頼りすぎになってしまいますもんね」

ステフも納得したように頷く。

「そういうこった、装備も買ったしもう宿屋に行こうぜ〜俺も白も、もうクタクタだ...」

 

そして俺達は宿屋に入りやっと一息つくことができ、俺と白は直ぐ眠りについた。

 

 

 

 




新幹線で酔いながら書いたせいで文章が...
あと携帯で文字やっぱうちずらい...
乗り物にのりながらやらない方がいいと学んだ作者。
明日はアキバに行って東部連合が作ったゲームのモデルとなってた建物を探してくるとしましかな♪(´ε` )

それではまた次回でお会いしましょう!


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目指すは迷宮区!!

大変更新遅れましたー!!!
書き始めて僅か一週間で目標が崩れるとは...
秋葉原やら中野やら池袋やらではしゃぎ過ぎました(^^:)
計算したところ使用したマニーは7万以上 ヒエ〜


それでは更新遅くなりましたが第十七話です、どうぞ!


宿屋で睡眠をとり次の日。

 

 

道具屋で薬草採取クエストを受けた後に俺達4人はトールバーナを出発した。

トールバーナでのイマニティ探しは昨夜の内にステフにやらせといたので心配はない。

トールバーナを出るとそこには広大な森のフィールドが広がっている。

ここまではβテスト版と同じか、となると...

 

「なぁ白、確かβテスト版じゃこの森を抜けたらもう直き...」

「うん...森を抜けたら...迷宮区」

 

迷宮区。

 

それは次の層へ行く為には必ず通らなければならないエリアで、迷宮区最深部にはその層のボスが次の層へ上る為の扉をプレイヤー達から守っている。

つまり扉の番人を倒さない限りは次の層へは進めないのだ。

 

ならば急いで迷宮区に行き、ボスを倒しに行かなければ!!

と言えるほど迷宮区やボス達は甘くはない。

各エリアのモンスターと比べ、迷宮区のモンスターのレベルはかなり高い。

それにボスも数々のプレイヤーが何度も挑んで空達以外は一度たりとも討伐した記録は無い。

俺や白、それにテトの実力は折り紙付きだ。

実際βテスト版も俺達三人で第9層までの全てのフロアボスを倒している、がステフは別だ。

ステフを守りながらの戦いとなるとさすがにボス戦は難しい。

 

この場合、次の作戦がある。

1.ステフを置いて行き、三人でボス攻略を目指す。

2.ステフを連れて行き、四人でボス攻略を目指す。

3.他のプレイヤーがこの街にほどほどに溜まるまでは迷宮区周辺でレベル上げを続ける。

 

 

まずレベル上げをするのは絶対だ。

βテスト版でも三人で勝てたのは圧倒的なレベル差でのごり押しが出来たからだ。

だが俺達の中でもレベルが高い白でもlv14とβテスト版のlv21と比べるとかなり下がっている。

よって作戦1の場合はβテストの時ほどのレベルにならなければ苦しい。

作戦2の場合はテトとステフに取り巻きを任せて俺と白でボスを倒す作戦なのだがその場合、ステフには最低でもlv10以上にはなってもらわないと確実とは言えないだろう。

 

作戦3は他のプレイヤーがこのトールバーナに集まり始めるまでレベル上げに徹する作戦だ。

正直なところは俺達三人でボスを攻略していきたいがそうなると俺達がたった三人で攻略したことが噂になってしまい俺達が「 」なのでは?とばれてしまう危険性もある。

それに協力しあってボスを攻略すれば攻略が協力しあえば不可能でないことを広める事も出来る。

だがそうなると攻略時に他プレイヤーがダメージを負い、最悪死亡するプレイヤーが出る危険性を含んでしまう。

 

「なぁ、どの作戦がいいと思うよ?」

空は白達にどの作戦がいいか聞いてみる。

「白は...3」

「僕も3かな〜。掛けるものがないとゲームは成立しないからね〜♪」

「私も一緒で3がいいと思いますわ。16種族も協力し合ってテト様を倒したんですもの、団結すればどんなことでもきっとやり遂げれますわ!」

「全員一致で作戦3か、なら決まりだな。

 とりあえず、ステフが迷宮区に入っても心配が無くなるくらいのレベルになるまではこの森周辺でレベルを上げていくぞ、迷宮区のマッピングはそれからだな。あとは他のプレイヤー達があと何日でここまで来れるかだな...」

 

他のプレイヤーが来るまでにどれだけステフのレベルを上げるかがポイントだ。

多分、どんなに早い奴でもあと2.3日は誰も来ないだろうし人が集まるのはまだまだ先だろな。

 

「にぃ...あと一週間くらい...は大丈夫」

「まだ始まって3日目でここまで来てる僕達が早すぎるだけだもんね〜

 白の言う通り一週間くらいはそんなに人も来ないんじゃないかな?」

「だろうな、一週間もありゃステフもそれなりのレベルまでは上げれるだろな。

 よし目標はlv13くらいだぞ〜ステフ〜、これから一週間みっちりしごいてやるぜ」

「喜べばいいのか悲しめばいいのか反応に困りますわ〜」

そうして空達によるステフ強化計画が始まるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はじまりの街から歩き始めて約4時間。

「レベル的には問題なかったはずだったんだけどな〜

 やっぱりソロじゃどうしても時間が掛かっちまうか...」

キリトの現在のレベルは10と安全マージンも十分確保してあるのだがソロだとスイッチなどの連携攻撃ができないのでどうしても戦う時間が延びて進行スピードが落ちてしまう。

だが、なんとか日が暮れまでにこのカサンカ村に到着する事が出来た。

 

「確かこの村は短剣が報酬のクエストがあったっけ」

 

でも俺が使う装備は片手剣だ。

短剣を手に入れた所で使わないし受ける必要は無いだろう。

 

「ここに来るまでも誰にも会わなかったし、まだ誰もこの村には来てないってことか。

 ならしばらくここら周辺でレベル上げが出来そうだな」

 

今頃ホルンカ村も狩り尽くされている頃だろう。

見渡す限りじゃこの村にも誰もいそうにない、つまりホルンカ村にいる連中が来るまでは俺がここら周辺を独占して狩りを出来る訳だ。

 

「そんなことより流石に腹減ったな...酒場でなんか食えるかな?」

 

このゲームは空腹感や寝不足など細かい所まで設定してあり、キリトはホルンカ村からはじまりの街を通過してこのカサンカ村まで休憩無しで歩きっぱなしで今日は朝以外なにも食べてない。

よって今のキリトは凄く空腹である。

こんなに頑張ったんだ、なにかいい物でも食べたいな、など考えながら俺は酒場に入る。

 

「いらっしゃいませ。おや見かけない顔ですがもしかして旅人さんですか?」

「まぁそんなところです。ここって何か食事とかってあります?」

「えぇ少ししかメニューはありませんが...おすすめは最近出来た新メニューがあるのですがいかがですか?」

「へぇ新メニューか...じゃあそれにするよ」

「かしこまりました、では少々お待ちください」

 

そう行って店主は厨房に料理を作りに行った。

 

「それにしても随分とにぎやかな酒場になったな〜」

 

俺がβテストの時にこの村を訪れた時は客が数人しかいない寂しい酒場だったが製品版になってかなり賑やかな酒場になっているようだ。

特に隅の方で住人達が賭けポーカーをしているらしくかなり盛り上がっているようだ。

 

「お待たせしました、これが新メニューの青猪の骨付き肉です」

「へぇ〜これが新メニューか」

 

出されたものはこんがりと焼かれた骨がついたままの肉だった。

青猪ということはフレイジーボアの肉か?外見も豚だし大丈夫かな?

骨付き肉と聞いたときは漫画肉を想像したが普通だったことにちょっとテンションが下がったが味はなかなかのものだったので問題なかった。

 

「この新メニュー美味しいですしかなりの評判とれると思いますよ」

「それはそれは...ありがとうございます」

「しっかし、ずいぶん賑やかな酒場ですね。特にあの賭けポーカーは凄いですね」

そう言ってポーカーをやっているテーブルを指差す。

 

「確かにそうですね、賭け事はお好きで?」

「俺はそんなに運もそこまで強い訳じゃないけど楽しそうだなって」

「そうですか。つい先日までは強いディーラーを雇っていたんですが辞めてしまいました」

「へぇ〜どのくらい強かったんですか、そのディーラー?」

「この村の男達40人から持ち金全額巻き上げたほどの実力の持ち主でしたよ」

「40人!?そりゃ強いな...どうしてそんな実力者が辞めたんですか?」

「その人はある人達を探していたんですが二日前にはじまりの街から三人組の人がこの村にやって来たんです。しかもその人達が探していた人だったらしくて次の日にその人達と一緒にこの村を出て次の街に行きましたよ。きっと今頃はトールバーナに到着している頃でしょうか」

「な!?」

 

俺は余りの衝撃に思わず席を立ってしまった。

はじまりの街から来た三人組だと!?

しかもそのディーラーとやらはその三人組より早くこの村に到着したっていうのか!

しかも二日前ってことはあのチュートリアルが発表された日じゃないか!!

ありえない!ホルンカ村を無視してカサンカ村に行く事が出来るだなんて...

 

「店主さん、その人達の名前とか特徴は覚えてたら教えてくれませんか?」

「もしやお知り合いで?」

「はい、もしかしたら知り合いかもしれません」

「そうだったんですか!巡り合わせというのは凄いものですね」

 

店主には悪いがこれは嘘だ、そんな凄いゲーマーは俺の知り合いにはいない。

しかしそんなプレイヤーの情報を逃す訳にはいかない。

だがそんな凄いプレイヤーの名前なら知っている。

「 」と♠♥♦♣だ。

「 」は多数いると噂されて来たがβ版でも2人確認出来ているし3人目がいるかもしれない。

あのプレイヤー達ならポーカー40人抜きを実現できたことにも納得がいく。

 

「名前は空さんと白さん、テトさんにステフさんです。

 空さんは黒髪で白さんと兄妹だそうです。

 白さんは白い髪に赤い瞳でした。

 テトさんは緑色の髪に目に♠と♦の模様が書いてありました。

 ステフさんは赤色の髪に青い瞳でこの酒場でディーラーをやっていた人です」

 

 

「...すみません、どうやら人違いだったみたいです」

「そうでしたか...変な期待をさせてしまってすみません」

 

店主さんの話を聞いた限りでは手鏡で現実の姿になっているので「 」達かどうかは確認出来ないがカサンカ村でレベルを上げて2.3日後には次の街、トールバーナにたどり着けるだろうしその時に探してみよう。

 

「それじゃ俺はそろそろ宿に泊まるとするよ、ごちそう様」

俺はカウンタ―に代金の1080コルを置いて店を出た。

 

 

そして酒場を出た俺はすぐに宿屋へ直行して休む事にした。

 

「まさか俺より早くこの村を通過してる奴がいたとはな〜、なんだか急に疲れた気がする...

 しっかし初日でこの村に来るって本当無茶苦茶な奴らだな。

 

俺がトールバーナにつく頃にはもう何レベになってるんだか。

でもそんな奴がいるならかなり心強いな。

俺はチュートリアルが終わってすぐはじまりの街を出たから俺のようにすぐ行動し始めたプレイヤーがどれ位いるのかわからないが少なくとも俺よりも強いプレイヤーがこの先の街にいることがわかった。

なら頑張ってレベル上げをしてそのプレイヤー達に追いつくように努力しよう。

 

「まぁ流石に今日は散々歩いてもうヘトヘトだ」

 

そして俺はベットで横になり眠りについた。

 

 

 

 




本当に更新が大分遅れてしまいました...大変申し訳ありません...
なんだかレベル高すぎね?など思い始めています(><:)
そろそろ第一層攻略会議やりたいな〜

それでは次回お会いしましょう!


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そして再び彼らは出会う

内容は題名通りです。
ちょっと独自設定も入れてきますんであしからず...

それでは第十八話です、どうぞ!


「や、やっとここまできましたわ〜...」

 

疲れた表情でステフはガッツポーズを決めた。

レベル上げを初めて3日目、現在のステフのレベルはやっと10になった。

空達のステフ強化計画は着々と成果が出て来ている。

 

「よし、これならそろそろ迷宮区に行けんじゃないのか」

「lv10なら...大丈夫」

 

レベル上げをしながら俺達は迷宮区の入り口もすでに捜索済みだ。

ステフのレベルが上がるまで待っていたがようやく安心なレベルまで持って来れた。

 

「でも空達とはまたレベル差が開いて行く一方ですわ」

「そりゃ俺達の方がステフよりレベルが高いのは当然だろ」

 

ステフからしてみれば、空とテトはlv16、白はlv19と差は開くばかりなのだ。

だが空達にはカサンカ村につくまでの経験値差があるので差が元からあるのは当然だ。

 

 

「とりあえず今日はもう暗くなって来たしそろそろ宿屋に戻るとしようぜ」

「そうだね、僕も疲れたよ〜」

「私もクタクタですわ〜、この世界にお風呂がないのが残念ですわ...」

「お風呂なんて...生きるのに..必要無い」

 

 このソードアートオンライン、食事や睡眠などかなり細かい所まで調整されてはいるがトイレや汚れ、お風呂等がないのだ。

 トイレや汚れがないのは確かに便利?だと思うのだがお風呂がないのは女性陣には不評だったりしていた。

 

お風呂は精神面的にも必要だと思う、結構心も落ち着くし。

まぁ、白みたいにお風呂が嫌いな人もいるが...

もしかして茅場もお風呂が嫌いなのだろうか?

 

そんなことを四人で口論しながら俺達はトールバーナへと戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「前回と比べてスゲー早いペースで来ちまったな」

 

俺は今、カサンカ村の次の街、トールバーナの入り口の前までやって来た。

 

カサンカ村周辺でレベル上げと酒場で受けたクエストをクリアしてレベルも13とかなり鍛え上げた。

だけどβテストの時と比べるとかなりのハイペースである。

 たしか俺がβテストの時にこの街を訪れたのはサービス開始から二週間後くらいだったが今回は僅か6日目でここまでやって来たのだ。

レベルの上がるスピードもβテストの時と比べ物にならないスピードだ。

このゲームの中でもレベル上昇スピードはずば抜けたペースだと自分でも思う。

 

 

そう、ある四人を抜いたらである。

 

 

カサンカ村の酒場で聞いた四人組。

初日でホルンカ村をショートカットしてカサンカ村へ向かうなどという無謀な作戦を成功させて3日前にはすでにトールバーナに到着しているというプレイヤー達だ。

俺も初日からかなりの死闘をしてなんとか生き残ったがいきなりカサンカ村を目指してなんかいたら確実に死んでいただろう。

しかし、リスクの対価としてその四人組は俺なんかよりもレベルは高いはずだ。

 

最後にとどめをさしたプレイヤーは他のプレイヤーよりも多く経験値を貰える。

ソロプレイヤーには有利な効果があるお陰で俺は毎回経験値を多く貰ってはいるがそれでもその四人組にはとどかないだろう。

 

そんな四人組に少しでもレベルを近づけるにはともかく次の街に急いでもっとレベルの高い場所で狩りをしなければならなかった。

これがキリトの行動速度を早めた理由の一つだ。

 

「今日はもう宿屋で寝たいところだが...その前に」

 

こっちの目的がキリトが行動速度を早めさせた最大の理由だ。

 

そう、本当に「 」なのだろうか?

 

店主に聞いた所によると名前は空と白、テトにステフ。

宿屋で休む前にこの四人だけには会っておきたかった。

 

 

 

俺はトールバーナ中を探した。

しかし空達を見つける事は出来なかった。

 

「もう20時になるってのに一体どこに行ってるんだ?」

 

もう日は落ち、まわりは真っ暗だ、もちろんフィールドもだ。

街の中にいるからまだ街灯等で多少明るいが街の外、つまりフィールドなど数メートル先を確認するのも困難だろう。

俺はリトルネぺントの時に経験済みだがあんな経験は二度とご免だ。

こんな時間までレベル上げをしてなどいたら正真正銘の化け物だ。

 

「もしかしてすれ違いでもう宿屋に入っているのか?」

 

そう思い宿屋に向かおうとした時、街の門の方から喋り声が聞こえてくる。

俺は声を頼りに声の主達を探す。

そして俺はようやくその四人組を発見した。

 

 

「だから風呂は絶対必要だぞ妹よ!!」

「そうですわ!女性としてお風呂が嫌いなのはどうかと思いますわよ!」

「わ〜、この二人の意見が一致するなんて珍しい事もあるんだね〜」

「にぃ...お風呂で裸は...論理コードで...見えない」

「なん...だと...?なら風呂いらんわ」

「ええっ空!?あなたお風呂をなんだと思ってますの!?」

「あ、やっぱりそんなことなかったね...それよりも早く宿屋に戻らない?」

 

どうやら風呂について口論しているようだ...

本当にこんなやつらが俺よりもレベル高いのか?

でも店主から教えて貰った特徴と照らし合わせても特徴が一致するし間違いない。

こいつらが例の四人組だ。

 

 

「この世界でどうやってオカズてに入れりゃあいいんだ!?」

「にぃ...論理解除コード使えば...大丈夫」

「なに!よしステフ試しに今、解除してみてくれ」

「あなた方一体何をいってるんですのよ!?」

「はぁ...僕もう先に帰ってようかな...ん?誰かいますね」

 

どうやらあちら側も俺に気がついたようだ。

 

「お、とうとう俺達以外もこの街までやって来たか、俺は空だ、こっちの白髪が妹の白で緑髪のやつがテト、あとあの馬鹿そうなのがステフだ」

「ちょっ!何て紹介してるんですのよ!!」

 

ステフはかなり怒った感じで反論した。

 

「お、おう...俺はキリトだ、よろしく」

「宜しく、ん?キリト...それってβテストの時「 」と決闘してた?」

「あれを見てたってことはお前もβテスターなのか?」

「ああ、俺達はステフ以外はβテスターだ」

 

さすがにこの街までたった三日で来るなんてβテスターじゃなきゃ無理か。

 

「迷宮区までのマッピングデータとってあるが、いるか?」

「え?いいのか、マピングデータなんか渡しちゃって」

 

マッピングデータは危険を賭してフィールドを進んでわかる攻略には大変貴重な情報だ。

そんな貴重な情報を他人に教える親切な奴はそういない。

 

「親切ってわけじゃないが、ここまで来た奴は俺達以外、まだキリトしか来てないからな。

ここで死んでもらっちゃ困るってのが理由かな」

「そうか、なら受け取るよどうやるんだ?」

「まずマップ画面でな...」

 

そうして俺は空からマッピングデータを受け取った。

 

「俺達はクエスト達成報告してから宿屋に行くがキリトはどうすんだ?」

「俺はもう宿屋で休むよ、あと一つ聞いておきたいんだけどいいか?」

 

最後にこれだけは聞いておかなければいけない。

 

「なぁ、あんたらが「 」と♠♥♦♣なのか?」

「アカウント名見てみりゃわかるだろ」

「それもそうだな...こんなに早いペースでこの街まで来るなんて「 」達以外ありえないと思っちまってな」

「でもチュートリアルの時に探してもいなかったんだろ?

 ソードアートオンラインにログインしてないってこともあるんじゃねえか?」

 

たしかにそれが普通の人の回答だろうが俺は...

 

「俺もそれは考えたが全てのジャンルを制覇するのが特徴な奴らだ。

 この新ジャンルのソードアートオンラインに参加してないとは考えられない」

 

俺は「 」達がこのソードアートオンラインに必ずログインしていてどこかにいると踏んでいる。

そもそもβテスト版にもいたんだ、製品版だけやらないとは考えずづらい。

 

 

「もし「 」達の情報を聞いたら教えてくれないか?」

「まぁそんな情報を聞けたらな、そろそろ俺達は行くぞ?」

「ああ、引き止めて悪かったな、それじゃあ」

 

その後、俺は宿屋へと向かった。

 

 

 

 

 

「まさか、まだ俺達がこのゲームに参加してると思ってる奴がいたとはな」

 

チュートリアルで完全に騙しきったと思ったんだが.....

 

「にぃ、どうするの?」

「別にどーもしないさ、俺達は正体がバレないようにするだけだ」

「空達はあのキリトさんと知り合いなんですの?」

 

そうだ、ステフはβテスト版の時はいなかったっけか。

 

「βテストの時に「 」としてキリトとは一回戦ってる。

 今は手鏡の効果で俺達が「 」と♠♥♦♣って事はばれてないけどな」

 

「そんなことより早くクエスト達成報告して帰ろーよー

 帰り道もお風呂の話で散々帰るの遅くなったんだしさ〜」

 

確かにテトもクタクタな様子だしさっさと報告して帰るとするか。

そして俺達はクエスト達成報告をする為に脚を速めた。

 

 

 

 




チーザがギガ上手すぎて手が止まらない!?そんな感じなストーム1です。
夏休みに入って途中で回線切る奴がオンラインで急増して若干イライラしてます。

次回2.3話後にモヤット頭のあの人を出したいです(なんでやっ!)
それでは次回またお会いしましょう!


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迷宮区探検隊

ちょっと用事があるので今回は若干短めです。
今回はぶっちゃけあってもなくてもどっちでもいい回かもですねww


それでは第十九話です、どうぞ!


 

 

空達と会った次の日、起床時間は6時。

俺は朝からトールバーナと迷宮区の間の森で経験値を稼いでいる。

早く起きて経験値を稼ぎ、あの四人との差を縮めていかないと....

 

 

 

キリトと出会った次の日、起床時間は10時。

ステフとテトは7時あたりに起きているが空と白がなかなか起きないのでいつも出発時刻が遅れる。

 

今日からはステフのレベルもようやく二桁に入ったので迷宮区のマッピングとレベル上げが目的だ。

だが正直マッピングデータは必要か微妙なところで、βテストと同じならもうマップの構造はほとんど頭の中に入っている。今の所、他のマップはβテストと全く同じ構造だったが攻略の要とも言える迷宮区ならβテストと構造が変わっているかもしれない。

そこの所を若干注意しつつ俺達は迷宮区へと向かった。

 

 

そして今、俺達は迷宮区にいるのだが...途中でパーティが1人増えた。

 

レベル上げをしていたキリトとばったり出会い迷宮区についてくる事になった。

本人曰く「どんな戦闘方法をするのか参考にしたい」だそうだ。

キリトのレベルも聞いたが普通にステフよりも高いし俺やテトともそこまで差がないもうしわけないくらいなレベルだったのでむしろ歓迎な状態だ。

 キリトはずっとソロだったらしく、この機会にスイッチの練習をしたいそうだがフロアボス攻略時にはスイッチは必須技だ、むしろ練習してて欲しいくらいだ。

 

ちなみに配置はこうだ。

 

前衛:白、空  後衛:テト、ステフ、キリト

 

この中でも一番レベルが低いステフは後衛よりもやや真ん中よりにしてある。

本当は前衛にキリトを置きたかったがテトだけにステフを任して何かあったときの対処が1人だけでは不安なので後衛にキリトを置く事にした。

 

 

「しっかし明かりが少ないな〜 茅場もっと見やすいステージ作れよ」

「全くだよ〜、しかもじめじめしててカビくさいし...ってまたムカデ...

 僕さっきからモンスター倒す回数よりムカデ殺す回数の方が多くなってきちゃったよ」

 

無駄に細かいこのゲーム、モンスター以外にも蚊なども出現する(ダメージは無いが痒くなる)

迷宮区にはムカデなどいかにダンジョンに出そうな昆虫もリアルに再現してあって白とステフはさっきからびくびくしっぱなしである。

ついでに街や村の宿にもたまにあのGも出現したりする。

治安が悪い街や汚い部屋には特に出没するらし...女性は鳥肌物だな。

 

「同感だ、俺も14匹目さっき殺したぞ。後ろの二人は大丈夫なのか空?」

 

キリトは後ろの二人を指差す。

 

「まぁ、何とかなるだろ...それよりも配置は崩すなよ〜

 マップもどうやらβテストとは違うようだしこの量のムカデは流石に俺でも引くわ〜」

 

現在、何故か大量にいるムカデのせいで女性陣の白とステフが戦闘不能状態で配置を急遽変更している。

 

そして現在の配置はこうだ。

 

前衛:空、キリト  中堅:白、ステフ  後衛:テト

 

 

白とステフに関してはさっきから目が虚ろな状態で戦闘など出来そうにない。

なので後衛にいたキリトを前衛に持って来たテトに後衛をそのまま任せる事にした。

このパーティの中でも戦闘員の白が戦えないのは辛いがキリトの技量も十分だしなんとかカバー出来るだろう。

 

βテストと比べてもモンスターのレベルはかなり上昇している。

だが俺達の技量もそれ以上に上昇しているので十分対処できる。

 

「しっかしキリト、お前カウンタ―随分上手いな」

 

武器で相手の攻撃をはじき、後ろのプレイヤーとスイッチして攻撃がセオリーだが

キリトはカウンタ―を駆使して1人でズバズバ敵を切り刻んで行く。

 

「ずっとソロだったからな、スイッチとかすること出来なかったからな〜

 自然とカウンタ―が上手くなってたのかもな」

 

「そうかもな、だが1人で無茶するなよスイッチの練習もあるんあだからっと」

 

話しながらキリトに襲いかかろうとするコウモリ型のモンスターを斬る。

 

「はぁ〜..僕も前衛がよかったな〜君達がモンスター倒しまくってるせいで

 後衛には全然モンスター来ないからムカデの相手ばっかだよ...あ、またムカデ...」

 

テトは自分の相手がムカデばっかでテンションだだ下がり中だ。

 

 

そんな事を繰り返して1時間。

やっとムカデの数も減少して白とステフも戦闘に参加できるようになった。

 

「あ、あんな体験もう二度と御免ですわ~...」

「白も...チョー同意...」

「俺達だってあんな体験もう御免だ...」

 

あんなムカデだらけなんて男だって遠慮したいぜ、HPより先に精神面が削れきれちまう。

そんなことを喋りながら俺達は迷宮区最深部をめざし進んで行った。

 

 

 

 

 

 

迷宮区攻略を初めて五時間。

 

「そろそろボス部屋の前まで来てもおかしくないんだけどな〜」

「ぅん.....時間的にもそろそろなはず」

「もう私は帰りたいくらいですわ〜」

「あはは、もう少しだしがんばろうよ♪」

「っとそんなこと言ってるうちに見えて来たぞ」

 

キリトはスキル選択で索摘を選んでいるので俺達よりも遠くが見えるので先にボス部屋の扉が見えるらしい。

だが索摘スキルはパーティを組んでいるプレイヤー達にはほとんど意味がない。

そうなるとキリトはずっとソロで挑むつもりなのだろうか?

 考えながら歩いている内に俺達も見える距離まで近づいた。

 

「毎回見て思うがこの扉、コ◯ン君のやつにそっくりだよな〜」

「あぁ〜、確かにそっくりだな」

「誰なんですのそれ?」

「えっ!お前コ◯ン君知らないのか!?結構有名だぞ」

 

こっちの世界組は知ってるがディスボード組はわからないのか。

ステフ達が知らないのはしょうがないか。

逆にディスボードのことを知らないキリトはコ◯ン君を驚いている。

 

「まぁ、これでマッピングも全部終わったし帰るとするか」

さっきから白がくっついてくるしマップの確認も取れたから今日はもういいだろう。

 

「そうだな、でもまさか一日でマッピング終わらせるとはな」

「やっとこれで帰れますのね...」

「今日はムカデばっか相手で疲れたよ〜」

 

 

キリトのようにトールバーナに到着したプレイヤーがいることを祈りながら俺達は迷宮区を抜けてトールバーナへと戻るのであった。

 

 

 

 




LIVE A LIVEのあの名曲を聞きながら書いてたストーム1です。
次回には攻略会議やるかな〜?
空とキリトの会話がどっちかわからなくなる事件が発生してるかも...

それではまた次回、お会いしましょう!


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第一層攻略会議

今回は題名通りの回です。
ついに明かされるモヤット頭の詳細が!?
ここから若干原作と少し内容が変わってくる(予定)です


それでは第二十話です、どうぞ!


 俺達四人とキリトで迷宮区のマッピングを完了させてから三週間ほどが経過した。

さすがに三週間も経てばこのデスゲームを攻略しようと立ち上がったプレイヤー達も続々とこのトールバーナへ到着し初め、第一層のフロアボスを倒せるだけのプレイヤーも揃い始めた。

だがキリト以外のプレイヤーには俺達の作ったマッピングデータを渡していない。

 

それは何故か?

 

 

理由はやはりプレイヤー達のレベルの問題だ。

 

 

 空達がマップを一通り確認したが危険と言える程のエリアは無い。

ここまで到達したプレイヤー達はほとんどがパーティを組んでいて少なくても三人は組んでいる状態で、この街に来るまでにかなり信頼度や連携力はついているはずだ。

 しかしどんなに連携力などがあってもやはりRPGの醍醐味、レベルを上げなければ無意味と化してしまう。

 

まだこの街に来て一週間経っているプレイヤーは空達四人とキリトを抜かせば10人いるかいないか程で殆どでプレイヤーはレベルが低いはずだ。

 幸い、このソードアートオンラインは相手に自分のレベルは認識出来ないように設計されてあるので俺達やキリトの圧倒的なレベル差はなんとかごまかせている。

フロアボスにはそれなりに強くなったプレイヤー30人くらいは必要だ。

こんな状態ではフロアボスどころか迷宮区を安全に通過出来るかすら不安である。

 

 マッピングデータを渡そうとも考えたのだが、ここで俺達の名前が広まってしまうのは「 」の正体がバレてしまう可能性に繋がるのでこれは避けたい。

 そもそもマッピングデータを渡すのはカンニングペーパーを渡すようなものなので頼り癖をつけてしまう可能性もある。

 

なのでレベル上げ兼ボス部屋探しを自分達で行わせて、俺達は傍観することにした。

 

 

あと、ここ最近道具屋で無料配布し始めてガイドブック。

おそらく元βテスター達....いや、だいたいがβ版にもいたあの情報屋が作ったのだろう。

初心者達を死なせない為に戦闘方法や移動方針など序盤に役立つ情報がいろいろ書かれてある。

自分達のレベルを優先しないで初心者達を気づかっているプレイヤー達がいることはとてもありがたいことだ。

多分、元βテスター達はβテストでの経験を生かして狩り場の独占やらいろいろあくどい事をしているだろう、このガイドブックで元βテスター達の印象が変わってくれるといいのだが.....

 

 

 

 

 

そしてその一週間後、このデスゲーム開始から一ヶ月が経過したころ。

 

ぞくぞくと集まってくるプレイヤー達によると約2000人ものプレイヤー達が死んだそうだ。

今まで空達とキリト以外は迷宮区最深部のボス部屋までたどり着いた者はいなかったが、あるパーティがようやくボス部屋を発見、ついに第一層攻略会議が行わた。

 

 

攻略会議が行われたのはトールバーナにある闘技場跡地のような場所だ。

闘技場跡地なだけあって攻略メンバーが座る十分な広さを備えている。

攻略に集まったメンバーは30人弱、レベルも恐らくこのゲームの中でも屈指の上位者達だ。

勿論、俺達やキリトも参加している。

 

「はーーい、それじゃあそろそろ始めさせてもらいまーーす」

 

と、この攻略会議の呼びかけをした男が手をたたきながら言った。

 

「今日は、俺の呼びかけ応じてくれてありがとう。

 俺はディアベル、職業は気持ち的にナイトやってます!」

 

軽いボケを入れて重い空気を軽くするディアベル。

だがディアベルの目つきが真剣になった、ここからが本題なのだろう。

 

「今日、俺達のパーティがあの塔の最上階でボスの部屋を発見した」

 

集まったプレイヤー達が一瞬ざわめく。

 

(俺達はその三週間前に発見してたけどな〜)

 

「俺達はボスを倒し第二層に到達して、このデスゲームをいつかきっとクリア出来るってことをはじまりの街で待っている皆に伝えなくちゃならない。

 それが今この場所にいる俺達の義務なんだ、そうだろう、みんな!!」

 

集まったプレイヤー達もその意見に頷き合い拍手している。

 

「やっと群衆をまとめられる奴が出て来てくれて助かるぜ。

 いくらゲームでもやっぱ群衆の前に立つのはやっぱ嫌だからな」

 

白も空と同じ意見のようでこくりと頷く。

 

「あなた達、それでもイマニティの全権代理者ですの!戴冠式の時は大丈夫だったじゃありませんの!」

「お前、あれ見てどこが大丈夫そうだったんだよ!?声とか最初裏返ってたじゃぇか!

 それに俺達は群衆恐怖症なんだっつーの!!」

「僕も見てたけど最初、凄く緊張してたもんね〜♪」

「あぁ!そんな話は今はいい、攻略会議始まるぞ」

 

とりあえず今は、攻略会議に集中したい。

 

「それじゃあ、これから攻略会議を始めたいと思う。まずは、6人のパーティを組んでみてくれ。

 フロアボスは単なるパーティじゃ対抗出来ない、パーティを束ねたレイドを作るんだ!」

 

「「げっ」」

 

まわりのプレイヤー達は元からあるパーティ同士で組み会っているが俺達は4人だ。

誰か探そうと周りを見渡すと丁度2人組のあぶれてるプレイヤーを見つけれた。

 

 

 

 

そのころキリトはピンチだった。

今まで散々ソロで行動して来たためほとんどパーティ経験がないのだ。

 

「空達は多分もう誰かと組んでるだろうしな〜...」

 

俺はこの闘技場跡地の一番上の階段に座っているので空達が何処に座っているのかは見えた。

だが空達は別の誰かと話している、恐らくパーティに誘うのだろう。

これで本格的に組めそうな人がいなくなり、急いで周りを見渡して余っているプレイヤーがいないか探す。

 

すると隅っこの方にローブをかぶったプレイヤーが1人いる事を確認した。

俺は急いでそのプレイヤーの隣に移動する。

 

「あんたもあぶれたのか?」

「あぶれてない、まわりが皆、お仲間同士みたいだったから遠慮しただけ」

(それって単純にあぶれただけじゃ...あとローブのせいで顔が見えないな男?女?)

そんなことを思いながらもこれはチャンスとパーティに誘ってみる。

 

「ソロプレイヤーか、なら俺と組まないか?」

 

相手も少しは興味が引いたのかこちらを向いた。

 

「ボスは1人じゃ攻略出来ないって言ってただろ、今回だけの暫定だ」

 

相手も頷きパーティを組む事を承諾した。

俺はパーティ招待画面を開きローブ姿のプレイヤーにパーティ申請を送った。

 

[キリトからのパーティ申請を受理しますか?]

 

相手は受理ボタンを押し、これでパーティは成立した。

とりあえず男か女か確認できないので左上に表示されたプレイヤーネームを確認する。

俺の名前の下には”Asuna”と表示されていた。

 

(Asuna、アスナか...とすると女性か?)

 

そんなことを考えていると聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「なぁ、俺達も混ぜてくんね?」

そこにいたのはさっき2人組と話していたはずの空達だった。

 

「あれ?お前らさっき違うプレイヤーを勧誘してたんじゃないのか?」

「いや〜。それがもう先客がいたようでよ、四人組じゃ駄目って言われたから他に誰かいないか探してたらちょうどお前らがいたってわけだ」

 

どうやら勧誘は失敗したらしく俺達のパーティに入れて欲しいらしい。

正直俺は大歓迎だ、むしろそうだったなら俺がパーティに入れて貰いたかった位だ。

こいつらとは迷宮区の時に一度だけパーティを組んで潜ったが実力は折り紙付きだ。

邪魔になる事なんてまず無いだろう。

だがその前にもう1人のパーティのアスナに許可をもらわないと、

 

「こいつらとは一度パーティ組んだ事あったけど実力は俺が保証するよ。

 多分、このゲームの中でも最上位の実力だし構わないか?」

 

(多分)彼女は数秒沈黙した後、こくりと頷き許可が取れた。

 

「じゃ、許可とれたから招待送るぞ〜」

「おう、宜しくな二人とも」

「よろ...しく」

「宜しくお願いしますわ」

「よろしくね〜♪」

 

パーティ申請を受理し俺達は無事、パーティを組み終えた。

 

 

「よ〜し、そろそろ組み終わったかな?じゃあ.「ちょーまってんかー!」

 

ディアベルが話している途中に何者かが声を挿む。

声の主は階段を数段飛ばししながら降りて来てディアベルの隣に移動した。

 

 

「ワイはキバオウってもんや、ボスと戦う前に言わせてもらいたい事がある。

 こん中に今まで死んで行った2000人に詫びいれなアカン奴がおるはずや!!」

 

そう言ってプレイヤー達に指を指し会場がどよめく。

 

「キバオウさん、君の言う奴らとはつまり...元βテスターの人達のこと...かな」

「決まってるやないかい!べーター上がり供はこんクソゲームが始まったその日にビギナーを見捨てて消えおった。奴らはうまい狩り場やら良いクエストを独占して自分らだけポンポン強なってその後もず〜と知らんぷりや」

そしてキバオウは睨みつけるかのように言った。

「こん中にもおるはずやで!ビーター上がりの奴らが!!

 そいつらに土下座させて、溜め込んだ金やアイテムを吐き出して貰わなパーティメンバーとして命は預けられんし預かれん!」

 

キバオウが発言し終わりまわりは皆、静まり返る。

 

「なぁ空、あいつって確か...」

「あぁ、間違いないな。お前が「 」と決闘する前に「 」と決闘してた奴だ」

「だよな...でもなんでβテストの時と姿が同じなんだ?」

「それは本人に聞いてみないとわかんねーが現実と全く同じ姿のアバター作ったのか?」

 

空に確認もとれ俺はある疑問が頭に浮かび、その場に立ち上がった。

 

「俺がお前の探しているβテスターだ」

「そうかい、ならはよ持ってる金やアイテムを置いてここにおる全員に謝罪してもらおうかい!」

「その前に確認したい。キバオウさん、俺はあんたがβテスト版で「 」と決闘している所を見ているんだがそこのところを説明してくれ!!」

 

キリトの発言で全てのプレイヤーの目線がキバオウに集中する。

 

「ほぉ、お前あの決闘を見とったんか.....こっちは個人的な私情やから今は言っとらんかったがあの決闘を見とったベーターなら話は別や!!

たしかにこのアカウントはβテストん時にログインしておった。

だがこのアカウントはワイのもんやない、これはワイの弟アカウントや!!」

 

「お、弟!?」

 

「そうや、ワイの弟はこのソードアートオンラインのβテスト版の抽選に当たっておったんや。

 そりゃもうよろこんどったわい。しかしやなβテストが始まって数時間くらいしたら弟はログアウトしてワイに泣きながらこう言ったんや!『「 」と決闘していじめられた』と。

 ワイやって「 」の名前くらい知っとる、弟が勝てるとは正直思うとらん。

そんなことで泣いとんのなら喝入れてやろうかと思うとったが違かったんや!!

決闘し終わった後にまわりのプレイヤー達に笑われたり馬鹿にされたり、恐喝まがいなこともされとったんや!

 ワイは許せんかった。決闘で負けたのはしょうがないとは言えなんで弟がそんなことでいじめられなぁかんのや!?そんな糞みたいなβテスターのことをワイは憎くてしかたなかったんや!!」

 

いじめられたりしたのは決闘の後が原因だろ、あんな逃げるようなことしちゃあな...

現に俺はいじめられるような事まったくなかったしな。

 

 

「だからワイはこのソードアートオンラインを始めたんや、弟の使ってたアカウントでログインして弟をいじめたベーター供に仕返しする為にな。

 だが、あのチュートリアルが発表された、これは単なるゲームやなくなった。

だからワイはあることを考えたんや、確かにベーター供は弟をいじめた、やけどこのデスゲームでベーター供がビギナー達を指導したりしてβテストで得た知恵を使って助け合うんならワイは正直許そうかとも考えとったんや。

 しかしベーター供はそんなことせんかった。

狩り場の独占やらβテストで得た知恵を自分達だけで独占しおったんや。

しかも中には無知なビギナーをMPKしてアイテムを横取りするなんて輩も出おった。

ワイはその時から心底ベーター供を許せんくなったんや!!」

 

キバオウが話終えて集まったプレイヤー達は完全に静まり返った。

キバオウの言った事は確かに個人的な因縁だがベーターが狩り場などを独占していたのは事実だ。

もちろん俺は狩りの独占などはしていないがビギナーを指導したりはしていなかった。

実際に俺は自分とクラインを天秤に賭けて自分を選んでしまっている。

俺にはキバオウに反論する権利がないのだ...

 

 

誰もキバオウに反論する者がおらず沈黙が続く。

 

(これは俺も発言しないとまずそうな雰囲気だな...)

 

空はこの状況を打開する為に立ち上がろうとするがその前に

 

「発言いいか?」

 

そんな完全に静まり返った中、1人の男が立ち上がりキバオウの前に立った。

 

「俺の名前はエギルだ、あんたもさっき言った通り弟さんの件はあんたの私情だから今は置いて置くとして、キバオウさんあんた言いたい事はつまり元βテスター達が面倒を見ないで狩り場の独占等をしたからビギナーが沢山死んだ。

 その責任を取って謝罪、賠償しろ。と言うことだな?」

 

エギルと名乗る男がそうキバオウに確認を取った。

 

「そ、そうや。面倒を見んかったせいでビギナー達は死んだんや!」

 

その言葉を聞いた後、エギルはポケットからある物を取り出した。

 

「このガイドブック、あんたも貰っただろ?道具屋で無料配布してるからな」

「も、貰うたで、それが何や?」

「このガイドブックを作成して配布していたのは元βテスター達だ」

 

このエギルの一言にプレイヤー達はざわめく。

 

「いいか!情報は誰にでも手に入れられたんだ、なのに沢山のプレイヤーが死んだ。

 その失敗を踏まえて俺達はどうボスに挑むべきなのか。

 それがこの場で論議されると俺は思っていたんだがな」

 

「あのエギルっておっさん、俺が言おうとしてた事と全く同じ回答だ

 このガイドブックのことを言われたらあのキバオウも反論できないからな」

 

空の推測通り、キバオウはエギルになにも言い返せず席へと戻った。

 

(だけど弟の件って元はと言えば俺達のせいだしキリトに悪い事したな...)

 

 

 

キバオウの件も落ち着いたのでディアベルが会議を再開した。

 

「よし、じゃあ再開していいかな?

 ボスの情報だが実は先ほど例のガイドブックの最新版が配布された

  それによるとボスの名前はイルファング・ザ・コボルド・ロード、それとルイン・コボルド・センチネルという取り巻きがいるて、ボスの武器は斧とバックラー。

 四段ある最後のHPバーが赤くなると曲刀のカテゴリのタルワール武器を持ち替え攻撃パターンも変わる、と言う事だ」

 

「最後にアイテム分配についてだが金は全員で自動均等割り、経験値はモンスターを倒したパーティの物、アイテムはゲットした人の物とする。異存はないかな?」

 

俺も他のプレイヤー達の意見と同じくそれで賛成だ。

 

「それじゃあ、最後に質問を受け付けるけど発言ある人はいるかな?」

「おう、一つ言っておかないといけない事がある、いいか?」

 

ここで空は立ち上がり発言する。

 

「ガイドブックは確かに元βテスター達が作った大事な資料だ。

 だがよく考えてみろ、これはβテスト版じゃない、製品版だ。

 βテストではタルワールに武器を変えたが違う武器になってる可能性だってある。

 現に迷宮区のマップはβテストとは道が変わっていた」

 

「と言う事は君も元βテスターなのか?」

 

「あぁそうだ、さっきのキバオウの話もあったしβテスターとしてこれは考える必要があるかと思っていったが正直、変更されたとしても何に変わるかは見当がつかないが...」

 

「いや、その情報だけでも十分大切だよ。全員、今聞いた通り最後のHPバーが赤になったら最大限の警戒をするようにするんだ!」

 

これでなにかあったときの警戒が取れるはずだ。そうして俺は席に座った。

 

「他に何か発言したりしたい人はいないかな?よし、明日は朝10時に出発する、では解散!!」

 

 

 

ディアベルのかけ声と共にこうして第一層攻略会議は終わった。

 

 

 

 

 

 




お部屋の温度が30℃を超えていて死にそうなストーム1です.....
今回は地味にいつもの倍の文章量です。
キバオウの弟設定は独自設定ですがどうでしょうか?
弟の件でキバオウには原作以上にβテスターを嫌ってもらいます。
長文なので夜中まで書いてるのでもう眠い.....Zzz

それでは次回またお会いしましょう!!


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攻略前夜

今回で一話挿んで次回に戦いは持ち越し〜
今回はステフ回?

それでは第二十一話です、どうぞ!1


 

 

 

攻略会議もキバオウの乱入もあったが無事に終わり、今は攻略に集まったメンバー達で飲み物などを飲みながら盛り上がっている。

 俺達5人はそんな中、攻略会議が終わった後にすぐどこかへ行ってしまったもう1人のパーティメンバーのアスナを探している。

 そして探し始めてすぐアスナを探し出せた。

 彼女は人気の少ない花壇に座りながらこの街で売っているパンを食べていた。

 

「結構ウマいよな、それ」

 

アスナに最初に話しかけたのはキリトだった。

 

「そうかぁ?正直あれがないと全く美味いと思わないんだが」

「単体なら...カロリーメイトの方が...まし...」

「たしかにあれだけじゃそんなに美味しくはありませんわね」

「僕も同感かな〜 そんなに美味しくないと思うよ」

 

俺達の声にアスナも気づきこちらに振り向く。

 

「お前ら贅沢いうなよな〜、隣座ってもいいか?」

 

アスナはなにも言わずコクリと頷く。

キリトはアスナの隣に座るが近過ぎるのかアスナは少し距離を取った。

さすがに全員は座りきれないので俺達四人は後ろに座ることにした。

そして俺達も袋から同じパンを取り出す。

 

「あなた以外は美味しいと思ってないようだけど本気でこんなのが美味しいと思ってるの?」

 

「そりゃあパンだけじゃ俺だって美味しいと何か思わないさ、でも俺やあいつらもこの街に来て一日一回は食べてるぞ、まぁちょっと工夫はするけどな」

 

「工夫?」

 

俺はアイテムストレージから小瓶を取り出してアスナの隣に置く。

 

「そのパンに使ってみろよ、触れれば使えるからさ」

 

キリトが進めたのでアスナは小瓶に触れてみる、すると触れた指が青白い光を纏った。

青白い光を纏った指でアスナはパンをなぞる、すると....

 

「クリーム....」

 

アスナが使い終わった後にキリトもパンにクリームを塗り、パンを食べる。

するとクリーム使用回数が切れ、小瓶はパリンと砕け散る。

数秒間パンを見つめていたアスナもクリームをぬったパンを口に運ぶ。

 

「!!」

 

どうやら気に入ったようで一瞬でパンをたいらげた。

 

「一つ前にあったカサンカ村で受けれるの逆襲の雌牛ってクエストの報酬なんだがこのクリームはちょっと違うんだ。

 後ろに座ってるステフがクリームをを解析してそれをさらに美味しく改良、量産したのがこのクリームなんだ。でも毎回思うが始まってそんなに日にち経ってないのによくそこまで料理スキル上げれたな、空達の実力にも驚いたけどこっちの方が驚いたくらいだぞ....」

 

空達の圧倒的な技量にも驚いたが、まだ第一層なのにほぼ料理スキルコンプリート済みって...

一体どの時間帯で料理の練習なんてしてたんだ?

それとも現実世界のパラメーター補正?でも補正でほぼコンプリートってステフってもしかして有名な料理家かなにか!?そんなことを考えるキリト。

 

 

このステフの料理スキルのパラメーター補正。

このソードアートオンラインを初めてから料理をしたのは酒場で働いていた時だけなのでゲーム内で熟練度などほとんど上がってない。

だがここまで補正が掛かる程、現実世界でのステフの料理の腕前はあるのか?

 

 

結論から言うとステフの腕前はとんでもなく上がっていた。

ステフが小さい頃からエルキアは消耗していた。

作物を作る土地も奪われ砂糖や小麦などもほとんど売られていなかったのだ。

なので食べ物も貧相なものになりお菓子など全く甘くないような事態になってしまうのも当然だ。

だがステフもこの時代はまだまだ子供、子供は皆お菓子や甘い物が好きだが砂糖などの物資も少なくドーナツはドーナツの形をしたパンのような状態である。

なのでステフは甘いお菓子を自分で作る事を考えた。

幸いにもステフは国王の孫娘、お菓子作りの原料は市民達と比べても多い、最初は使用人や本を読みながら作り初め、慣れた頃には自分でアレンジなどして料理をしていった。

 

 

そして数年後、空達が来た頃にはかなりの料理の腕前になっていた。

ステフが大きくなるまでにさらに小麦などの生産が減ったがそのころのステフは僅かな量の作物でも美味しいお菓子を作れる程になっていた。料理自体もそれなりの腕だがお菓子作りに関してはかなりの腕だった。

 空と白が国王として戴冠してからも二人の食事は大体がステフの手作りだったり、空達が他国を引き込んで領地が増すに連れ、どんどん作物なども増えていきレパートリーもかなりの量になっていったのだ。

そんな暮らしをエルキアで過ごして来たステフの腕はもう店が出せるレベルまで成長していた。

これがステフの料理スキル補正の真相だ。

 

 

「最初にキリトさんに貰ったクリームはどちらかと言うとマーガリンみたいな味がしていたので酒場で働いていた時に教えて貰った実を混ぜて甘さを増やして、このクリームの原料も迷宮区までの道の間で採取できるものだったんで量産してみたんですの。

 お口にあって貰えたなら作ったかいがありましたわ」

 

ステフは嬉しそうに解説してくれた。

どうやら料理スキルが無駄にならなかったことがやはり嬉しいようだ。

 

「どうですの空!やっぱり料理スキルは必要ですわよね!!」

「でも空腹感が満たされるだけだしやっぱりそこまで必要じゃなくね?」

「なら空にはクリームあげませんわよ!」

「残念だったなステフ、こうなるって予想できてたから俺は昨日の分のクリームを残しておいたのだ!」

「なっ!?」

「惜しかったな〜ステフ、まぁ全く無駄って訳じゃないってことは認める。

 さすがにあんなクソまずいパンだけなんてゴメンだ」

 

空は全く無駄じゃないということは言ったがまだ認めたのは”多少”である。

ステフは空に「料理スキルはやっぱり必要だ」と言わせようと心の中で野心を燃やすのであった。

 

 

そんなステフの話はおいといて、先ほどまで無口だったアスナもここでようやく喋り出した。

 

「確かにこのクリームは美味しいわ、どうもありがとう。

 だけど美味しいものを食べる為に私はこの街まで来た訳じゃない」

 

「じゃあ何の為に?」

 

「私が私でいるため。最初の街の宿屋で閉じこもってゆっくり腐っていく位なら、最後の瞬間まで自分のままでいたい。

 たとえ怪物に負けて死んでもこのゲームに、この世界には負けたくない。どうしても」

 

アスナが話終えるとキリトは最後の一口でパンを食べ終えて言った。

 

「パーティメンバーには死なれたくないな、せめて明日は止めてくれ」

「あぁ、まったくだ。だが安心しろ、別にキリトだけってわけじゃないんだ。

 お前を死なせるような事は絶対させねーよ」

「白も...そう思う」

「そうですわよ、そんな暗い考えはいけませんわ!」

「ま、僕も皆と同じ意見かな♪それに...」

 

テトは思い出す、はじまりの街で言ったあの言葉を。

(君の思惑通りにはさせたくないから、ね☆)

 

 

話が終わり明日のパーティの集合場所を確認して俺達は各自の宿屋へと戻っていった。

 

 

 

 

「にぃ...明日の攻略...大丈夫?」

 

「あぁ、メンバーのレベルも十分ボスに対応できるくらいにあげて来てるだろうしプレイヤー達のやる気も心配なさそうだ、だが一つ気になるんだよな...」

 

だが、空は攻略会議のときからあることがずっと気になっていたことがあったが、攻略会議が終わった後にそれが確信になった。

 

「何が気になってるんですの?」

 

「ディアベルだ、あいつ何かを隠している気がする。

 キバオウが乗り込んで来た時も少し目が動揺していた。

 それにさっきも集まったプレイヤー達と喋りながらディアベルは俺やキリトのことを少し気にした様子でたまに見ていた。

 しかも視線を感じるようになったのも攻略会議の後からだ。

 俺とキリト、それにキバオウの発言が関係してることは...」

 

「ベータ...テスターの事、ですわね」

 

「あぁ、ディアベルがβテスターと関係があるのは間違いないだろうがどんな関係なのかがわかんねーんだよなー」

 

βテスターに恨みがあるのか、それとも俺達がβテスターだということを気にしているのか、あるいは...ここで空の頭の中で最悪の状況が思い浮かぶ。

確信はないがもしこんなことになった場合は.....

 

「こんなことにならないことを祈りたいが、今から言う事ちゃんと聞けよ。

 もしかするとこの第一層攻略、今後の進行を左右するもんになりそうだ」

 

 

 

空の表情が真剣をしながら白、テト、ステフに作戦を伝える。

 

 

 

「そんなことありえますの!?」

「にぃ...これは...でも...」

「確かに辻褄は通ってるね、こうなると厄介事になるのは間違いないね」

「あぁ、だがあくまでも可能性の話だ、だがもしこうなったら...覚悟を決めるしかないな。

 これで俺の話は以上だ。明日は攻略なんだ、もう寝るぞ」

 

 

そう、全ては明日の攻略で全てが決まる。

明日の決戦に備え俺達は眠りについた。

 

 

 

 




アニメで女キリトが出て来た瞬間、キターー!!って叫んでいたストーム1です。
期待していた予測線を予測するあのシーンも見れて大満足♪
あとキリト君はアスナを真似してたのかなあれ?

次回はやっと第一層攻略戦です! それでは次回、お会いしましょう!


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再戦!vsイルファング・ザ・コボルドロード

22話目にしてやっと第一層ボス戦ですね〜
ボス戦=長くなるの関係になりそうな予感.....

それでは第二十二話です、どうぞ!




西暦2022年12月3日11時。

俺達は現在攻略メンバー達と共にトールバーナと迷宮区の間にある森のフィールドを歩いていた。

 

「確認しておくぞ、俺達の担当はボスのイルファング・ザ・コボルドロード だ。

 取り巻きのルイン・コボルド・センチネル は俺達以外の班の担当。

 スイッチで各隊の場所が移動したりするが俺達はボスの足止めが中心で取り巻きを倒した隊からボスへの攻撃に参加していく作戦だぞ」

 

「わかってる」

キリトの確認にアスナは即答した。

 

「しっかしやっぱり俺達がボス担当か〜

 βテスターだってばらしちゃったし当然っちゃ当然か」

 

攻略会議で俺とキリトがβテスターだとばらしてしまっている。

当然危険度が最も高いボスに経験があるβテスターをぶつけるのは当然だ。

 

「にぃ...よけいな...ことを」

「妹よ、だがあんとき武器のことを指摘しないで後で犠牲者が出たらそれこそ大変なことになるぜ。βテスター達が黙ってた、みたいなことになりかねない。

 そうなったらすでにβテスターだってことをばらしてたキリトにどんな視線を向けられるかなんか考えるまでもないだろ」

 

ただでさえキバオウのことがあったくらいだ、βテスターの非難っぷりは目に見えてる。

こんなボス攻略なんて大事な時にβテスターがボスの情報を隠していたせいでビギナーが死んだなんてことになればβテスター達がどうなるかなんて誰だって察しがつく、そんなことにさせないために俺はわざわざβテスターだと明かしたんだ。

 

「僕はボスと戦える方が全然いいんだけどね〜」

 

テトはβテストの時は取り巻きとしかまともに戦わせてもらっていなかったから今回はボスの相手をさせてもらえるので嬉しがっていた。

 

「テトは本当余裕だな...ボスの相手なんて普通そんなにしたくないだろ。

 まぁいい、作戦は俺と空でボスの斧をソードスキルで弾くからその隙に残りの四人はボスにすかさずスイッチで飛び込んでくれ」

 

「ん...了解」

「うん、まかせてよ♪」

「が、頑張りますわっ!」

「スイッチって?」

 

三人が返事をする中、アスナの返答は疑問形だった。

 

「え、もしかしてパーティ組むのこれが初めてなのか?」

(まぁ俺も空達と迷宮区で組んでなかったら初めてだったけどな)

 

キリトは、はじまりの街からこのトールバーナまでの間でプレイヤーと会話をしたのはクライン、コペルだけだったのでキリトも空達と迷宮区で組むまでは一度もパーティを組んだ事がなかった。

 

「うん、パーティは初めて」

「そうか...なら歩きながらでもコツを教えとくよ」

 

俺はアスナにスイッチのコツ等を教えながら迷宮区へと進む。

 

 

 

 

 

 

 

トールバーナから出発してから2時間。

攻略組達はやっとボス部屋の前までたどり着いた。

戦う前に各自、最後の確認をし終えてディアベルが前に立つ。

 

「聞いてくれみんな、俺から言う事はたった1つだ、勝とうぜ!いくぞ!!」

 

 

ディアベルはそう言い終えるとボス部屋の扉を開く。

ディアベルを筆頭に少しずつ部屋に入って行くプレイヤー達。

俺達はディアベルの次にボスの部屋へと入った。

プレイヤー全員がボス部屋に入ると辺りが怪しく光り出し、奥の玉座に座っていたこのフロアのボス、イルファング・ザ・コボルドロード が雄叫びと共に姿を現した。

雄叫びと共に取り巻き、ルイン・コボルド・センチネル3体も姿を現す。

 

「攻撃開始ーー!!!」

「「「「「うおおおおおぉぉぉぉーーーーー!!!」」」」」

 

こちらに向かってくるイルファング・ザ・コボルドロード 達にディアベルのかけ声と共にプレイヤー達は立ち向かう。

 

「A.B隊は左、C隊は中央、D.E隊は右のルイン・コボルド・センチネルを向かい撃て!

 F隊はイルファング・ザ・コボルドロードを押さえていてくれ!」

ディアベルは各隊に指示を出す、ちなみに俺達はF隊だ。

 

「さぁ〜て、じゃあ行くとしますか!」

「ちょっ!ボスってあんなに大っきいんですのっ!?」

「ぅん...ステフ...ビビり過ぎ」

「ははっ♪やっと僕もこれでボスと戦えるよ〜♪」

「お前らいくら強いからって慢心しすぎんなよっ!俺達も行くぞ」

アスナもなにも言わず頷き、空達やキリトに続く。

 

こうして第一層攻略の火蓋が切って落とされた。

 

 

 

 

 

 

「A隊、C隊スイッチ!D隊は防御しつつ攻撃の準備急げ!」

 

戦闘開始からはや20分、ボス攻略は随分と苦戦していた。

その理由はボスも取り巻きもβテストの時と比べものにならないくらいレベルが上がっていたのだ。

ボス攻略は大人数でボスに挑むのがセオリーだ。

しかし、βテストの時、ボスがたった三人に攻略されたとなれば話は別だ。

運営側もそんなことになれば当然、製品版のレベル調整をあげてきている。

そのせいで今のボスはlv20程度ないと歯が立たなく、取り巻きですらlv15はないと危険なほどになってしまっている。

俺達やキリトも散々レベル上げをしてきているのでレベルはこの時点で24と群を抜いているのでなんとかボスの攻撃を他のプレイヤー達から守る事が出来ている。が、他のプレイヤー達は別である。

lv20に到達しているプレイヤーは指で数えられる程しかおらず、空達を抜くと平均レベルは17程度が今の攻略パーティの現状だ。

ボスの攻撃が当たれば即赤ゾーン突入は確実、取り巻きの攻撃ですらあたればHPの1/3〜半分は持ってかれてしまう。

 

「E隊はA隊とスイッチ!E隊は後退しつつダメージを受けたプレイヤーは今のうちに回復しろ!

 B隊は防御しつつD隊とスイッチをする準備、今だ!

 F隊は取り巻きを倒すまでなんとか持ちこたえてくれ!」

 

 

今のところディアベルの指揮のおかげで死亡したプレイヤーは0だが大ダメージを負ったプレイヤーも少なからず出てきている。

 

 

「こっちも正直なかなかキツいな....よし、ステフ!お前取り巻きの方行って助太刀してこい!!」

「って空!なにを言ってますのよ!」

「今のお前のレベルじゃボスの攻撃を止めるのも危ないからさっさとあっちの方をかたずけて大人数でしかけないとこのままじゃジリ貧なんだよ!いいから行ってこい!」

 

このパーティのレベル順はアスナとステフが同じレベルだがアスナは凄まじい手だれだった。

俺や白、テトは剣先が見えるが他のプレイヤー達からみたら全く見えない程の速度で剣を突いている、動きも素早いのでボスの攻撃を回避しつつカウンタ―なども仕掛けている。

逆にステフも同じ細剣だが盾持ちのせいで素早さが落ちているし、かといって盾でボスの攻撃を受け止めるのもキツい。

ならステフをあっちの取り巻きを倒している方に向かわせた方がいい。

レベルも取り巻きになら1人で倒せるくらいにはある。

 

「わ、わかりましたわ!私が帰ってくるまでに死んだりしたら承知しませんわよ!」

 

「お前に心配されるほど俺達は弱くなんかんーよっと白!」

「ん...まかせる」

 

空はボスの横からのなぎ払いを受け流し、白とスイッチを交わし、ソードスキル”クロスエッジ”をきめた直後にすかさず”ラピッドポイト”も直撃させる。

この二つのソードスキル、クロスエッジはDEXをラピッドポイトはVITを半減させる追加効果がある。

二度の攻撃とデバブのおまけ付きでやっとボスの二つ目のゲージを削りきる。

 

「あと二つもゲージあるのかよ....

 でもさっきの白の攻撃で怯んでるっぽいしデバブもついている今がチャンスか。

 テト、俺達も行くぞ!キリト達は斧を弾いてくれ!!」

 

「りょ〜かい!ボスってやっぱりなかなか強いだね〜」

「お前ほんと余裕だな...まぁチャンスだし俺達も行くか」

 

今現在、全プレイヤーの中で最も高いレベルの白の連続攻撃でもやっと一本のHPバーの1/4削りきれるくらいと苦戦をしいられている。

しか白の攻撃でDEX、VITが半減している隙にダメージを与えようと空とテト、体勢を整え直した白が仕掛ける。

 

ボスも体勢を直し、向かってくる空達に範囲攻撃ソードスキル” グランド・ディストラクト”でなぎ払おうとするがキリトとアスナのソードスキルによって弾かれ、またも隙が生まれる。

 

「よしっ!ナイスだ、白、テト攻撃あわせろよ!」

「ん...まかせる」

「一気に畳み掛けるんだね!わかったよ♪」

 

まずテトがソードスキル”フェル・クレセント”で脚を切り崩しボスを宙に浮かす。

 

「行ったよ空!」

「おう、まかせろっ!」

 

そこにすかさず空が突進系ソードスキル” レイジスパイク”で攻撃をして吹き飛ばす。

 

「最後頼むぞ白!」

「ラ...ジャー」

 

ボスを吹き飛ばした先にいる白は”アーマーピアス”でイルファング・ザ・コボルドロード の右目を吹き飛んでいる勢いを利用して確実に突き刺す。

 

『ガァアアアアアアアアア!!!』

 

モンスターがプレイヤー達を認識する方法は二種類のタイプがいる。

一つは目を使ってプレイヤーを探すタイプ。

もう一つは嗅覚などの匂いでプレイヤーを探すタイプだ。

このイルファング・ザ・コボルドロード は前者に該当するので白の攻撃によって視野が半分狭まり、吹き飛ばされた勢いも利用され、目と言う急所にもダメージを与えられて一気にゲージが削られつとう残すは一本になった。

 

 

 

 

だがここで変化が生じる。

 

 

 

 

まだ赤ゲージに突入していないはずなのにイルファング・ザ・コボルドロード は斧からタルワールに武器を変更したのだ。

 

「やっぱβテストとは変わったか。だがまぁ武器自体が変わらなかっただけまだましか」

キリトは一瞬だが動揺するも空は予想通りと一切表情に変化はない。

 

「みんな落ち着け!武器が変わるのが早まっただけで情報通りの武器だ!

 こっちは取り巻きを倒す事だけを集中するんだ!

 A隊はF隊の援護に迎え!他の隊とステフさんはそのままルイン・コボルド・センチネルをA隊、F隊の所に近づけるな!!」

 

ディアベルの迅速な判断で情報と若干違かったことにざわめいたプレイヤー達は落ち着きを取り戻しボスに取り巻きを近づけさせないように攻撃を再開する。

 

 

「F隊!増援にきたがどうすりゃいい?」

「俺達は大丈夫だ、俺達よりあっちにいるキリトやアスナの方の援護に行ってくれ!」

「わかった!こっちは頼むぞ!」

そして急いでキリト達の元へ向かうA隊。

 

「ゲージもあと一本だが油断は禁物だからな。

 おいテト!お前も取り巻き倒し手伝ってこい!」

 

ここはプレイヤー全員で包囲しつつ確実にとどめをさすのが安全だ。

A隊の増援も来たし攻撃を弾く人数は増えているので、高レベルのテトを送ってさっさと取り巻きを倒しているプレイヤー達を呼ばなければ....

 

「どうやら僕が行かなくても大丈夫みたいだよ♪」

「空〜取り巻きは全員倒し終わりましたわよ〜」

 

どうやらステフを中心に取り巻き三匹は無事に撃破出来たようだ。

取り巻きを倒していた他のプレイヤー達、全員がこちらにやって来た。

その間にもボスのHPゲージは白やキリト達がさらに削り残り半分となっている。

 

「よし、よくやったステフ! お前ら全員よく聞け!!

 ボスのHPバーも残り僅かだ、ボスを囲んで一気に畳み掛ける。

 各自ボスを囲むように移動しろ!!」

 

これで囲み終わればもう安全だろう、そう思っていると

「待て、俺が出る!!」

 

後方で指示を出していたディアベルがここで前線に姿を出す。

そのまま俺を通り過ぎボスの目の前まで進んだ。

その時、ディアベルの顔は笑っていた、第一層をこれで攻略できるというような喜び方じゃない...そう、それは宝が目の前に迫っている時のような笑い方だ。

今の笑いでディアベルが何を隠していたか空は気づいたが問題はそこじゃなかった。

長年、数多のゲームを制覇してきた空だからわかるのか、このまま行くのは危険だ!

 

 

「あいつまさかっ!? おい!!下がれディアベル!!!」

 

 

 

だがもう手遅れだった。

ボスの最後のHPバーが赤色になりディアベルが止めをさそうとするがイルファング・ザ・コボルドロードがタルワールを手放し、野太刀を持っていたのだ。

 

 

「駄目だ!全力で後ろに跳べ!!」

俺達と距離が離れていたキリトも気がついたようで大声で叫ぶ。

だがディアベルには聞こえておらずディアベルはそのままソードスキルを発動させた。

が、イルファング・ザ・コボルドロードは柱を利用して跳ね回り、ディアベルにソードスキル”旋車”で斬りかかる。

しかしディアベルにこれを避けるすべは無く見事命中してしまう。

 

「うあああぁぁぁぁぁ!!!」

 

しかしイルファング・ザ・コボルドロードの攻撃は止まらない。

そこに追い打ちと”浮舟”を発動させ、ディアベルを吹き飛ばそうとするがディアベルはなんとか吹き飛ばされずに堪える。

 

だがこの後のディアベルの対処がマズかった。

ディアベルは一瞬だがイルファング・ザ・コボルドロードに背を向けてしまった。

その隙を見逃すはずもなくその背中にソードスキル”緋扇”の三連続攻撃が全て命中してしまい今度こそ吹き飛ばされた。

 

「ディ、ディアベルはん!!」

 

キバオウが叫びディアベルの元に向かおうとするがディアベルを吹き飛ばしたイルファング・ザ・コボルドロードが跳んで来て咆哮を浴びせる。

その咆哮が合図だったのか、入り口付近からまた三体のルイン・コボルド・センチネルが出現した、俺達は挟まれてしまった。

 

 

ディアベルの方にはキリトが走って向かったのでディアベルはキリトに任せよう。

だがあの攻撃じゃあもう....

 

「全員急いで後退しろ!!

 後退したらHPが減ってる奴は誰かに守ってもらいながら急いで回復!

 俺達でボスは対処するからそっちはまた出て来た取り巻きを絶対に近づけさせるな!

 ステフ、テトお前達もあっちに行って手伝ってこい!!」

 

「空!いくら何でも無茶ですわ!たった二人で押さえるだなんて!」

「大丈夫だよステフさん、あの二人を誰だと思ってるんだい?」

あの二人は伝説と謳われた「 」なのだ、彼らに黒星などありえない。

 

「ぐっ...わかりましたわ...本当に大丈夫なんですよね!?」

「さっきも言ったがむしろステフに心配されるほど俺と白は弱くねーよってんだ、なぁ妹よ」

「ぅん....全然....だいじょーぶ」

「もぅ...あなた達のこと信じてますわよ!」

「本当は僕もボスと戦いたいけどこの状況じゃあ、しょうがないよね〜

 あっちは押さえとくから二人とも頑張ってね〜♪」

 

二人が他のプレイヤー達を率いてルイン・コボルド・センチネル達を迎え撃つのを確認して俺達はイルファング・ザ・コボルドロードの方に視線を向けた。

 

「さぁ〜て、それじゃあもう一踏ん張りと行きますか」

白もコクリと頷き俺と白はイルファング・ザ・コボルドロードに向かって行くのだった。

 

 

 

 




Fate劇場版決定でかつそれが桜ルートと大喜びしすぎて眼鏡をブレイクしちゃったストーム1です。
少々オリジナル展開を入れたんですがどうだったでしょうか?
戦闘回はやっぱり長文になってしまうので次回にちょっと延長.....(^^:)
なんでやっ!を期待していた方は少々お待ちを。

それでは次回でお会いしましょう!


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決着!vsイルファング・ザ・コボルドロード

前回のボス戦の続きです。今回でやっとボス戦も決着!

暑い八月になりましたね〜ってお気に入り1000突破!?えぇーまじかよー(クライン風)
応援してくれている読者さんマジ感謝です!!

それでは二十三話です、どうぞ!


ディアベルが吹き飛ばされキリトはすぐにディアベルの元に駆けつけた。

ボスのことは空達がなんとか手を打つだろう。

しかしボスの攻撃を受けディアベルのHPバーはみるみると減少している。

 

「なぜ1人であんなことを」

 

俺は急いでポーションを出し、ディアベルに飲ませようとするが、ディアベルはポーションを受け取らなかった。

 

 

「お前も....βテスターだったら...わかるだろ....」

「...ラストアタックボーナスによるレアアイテム狙い。お前もビギナー狩りだったのか」

 

だからディアベルはあんな最後に1人で攻撃に出たのか。

ディアベルは苦笑いをしながらキリトに言う。

 

「頼む....ボスを...ボスを倒してくれ....みんなの為にも」

 

ディアベルは真っすぐな目で最後の言葉をキリトに託し、ポリゴン粒子となって消えた。

 

このデスゲームが始まった時俺は自分だけが生き残る事しか考えていなかった。

クラインの時もそうだった。

俺はあいつよりも自分の命を優先してしまったからだ。

だがディアベル、あんたはβテスターなのに他のプレイヤー達を見捨てなかった。

みんなを率いて、見事に戦った、俺が出来なかった事をあんたはやろうとしたんだ。

 

俺は立ち上がり、ボスのいる方を向く。

立ち上がる時に後ろで増援のルイン・コボルトセンチネル達をボスに近づけまいと必死に足止めしているプレイヤー達が見えた。

決意をきめた時、ボスと戦闘をしていたアスナが駆け寄る。

 

「私も」

「頼む」

 

短く会話をした後、俺達はボスに向かって走り出す。

 

「手順はセンチネルの時と一緒だ!」

「わかった」

 

そしてボスをなんとか足止めしている空と白にキリトは叫ぶ。

 

「空、白!攻撃するから道をあけてくれ!」

「お、やっと帰って来たか!わかった、思いっきりやってやれ!」

「キリト...ファイト」

 

キリトの声に空と白も反応し、空は右、白は左に移動し真ん中を空ける

イルファング・ザ・コボルドロードもキリトとアスナが正面から走って来ていることに気づき剣を構える、がやはり右目が潰されいて若干気づくのに遅れる。

イルファング・ザ・コボルドロードはソードスキルを放つも若干の遅れを許し、キリトに攻撃を弾かれる。

 

「スイッチ!」

 

弾いた隙にアスナが距離を縮め、一気に攻める。が、イルファング・ザ・コボルドロードは素早く反応し大きく剣を振り下ろす。

 

「アスナっ!!」

「っ!?」

 

咄嗟の叫びでアスナはローブが破れて消えたもののギリギリで回避し、”リニアー”放ちイルファング・ザ・コボルドロードを吹き飛ばす。

 

「おぉ.....」

 

ローブが破れ、顔が見えたがかなりの美人だった。

髪の結び方なども独特だし見とれてしまった。

 

「うおっ!?あいつあんな美人だったのかよ!スクショ機能はないのかよコンチクショー!!」

空がなんだか叫んでいたるのが聞こえるが今はボスに集中しないと。

 

「次来るぞ!」

 

俺は向かってくるイルファング・ザ・コボルドロードの剣を弾き、アスナとスイッチを交わしダメージを与え、アスナに攻撃を仕掛けようとした所に入り込み”バーチカル”を発動させるがイルファング・ザ・コボルドロードの発動させたソードスキルはフェイント攻撃の”幻月”。

 

(しまった!!)

 

キリトは後悔するがもう遅い、”幻月”は見事にクリンヒット、さらに後ろにいたアスナにも衝突して二人とも吹き飛ばされてしまった。

アスナはダメージを負ったキリトのHPを確認すると、キリトのHPバーは一気にイエローゾーンにまで下がっていた。

そんな隙をイルファング・ザ・コボルドロードも見逃さず、とどめをさすためにディアベルに殺した”緋扇”を放つ。

 

(押さえられるかわからないけどこのままじゃ!!)

アスナは細剣を構え”緋扇”を防御しようとしたその時。

 

 

「でぃああああああらああぁぁぁーーー!!!」

背後から両手斧ソードスキル”ワールワインド”を誰かが放ち、”緋扇”を跳ね返す。

その後に数人のプレイヤー達がボスに向かって行く。

”ワールワインド”を放ち”緋扇”を弾いたエギルはキリトに言った。

 

「回復するまで俺達が支えるぜ!」

「あんたは...でもセンチネル達は?」

「あいつらの事は心配するな。

 お前らのパーティのテトって奴とステフって嬢ちゃんが指揮とって押さえてくれているから俺達は援軍で来たって訳だ」

 

どうやらあの二人はセンチネル達を他のプレイヤー達と協力して押さえているらしい。

そう言い終わるとエギルも先ほどボスに向かって行った三人に続いてボスに向かう。

四人はボスに攻撃をするが全て受け止められてしまい四人とも逆に攻撃を受けてしまった。

しかし十秒程度の時間稼ぎのおかげでキリトはポーションで回復する事が出来た。

 

「危ないっ!!」

 

攻撃を受けた四人に対しイルファング・ザ・コボルドロードは大きくとび上がり”旋車”を放つ。

対してキリトは”ソニックリープ”を発動させ大きく飛び跳ねる。

 

「とどけぇぇぇぇーーーー!!!!」

 

キリトはイルファング・ザ・コボルドロードの背中に一撃を入れる事に成功し、イルファング・ザ・コボルドロードは地面に叩き付けられる。

キリトも着地して一気に畳み掛けようと走り出す。

 

「アスナ!最後の攻撃、一緒に頼む!」

「了解!」

アスナも走りだしボスに向かって行く。

まだ少し叩き付けられた時の煙が消えていないが二人はボスとの距離を縮める。

 

「「はあああぁぁぁぁーーーーー!!!」」

 

煙もちょうど晴れてイルファング・ザ・コボルドロードの姿が確認でき攻撃を仕掛けようとするがイルファング・ザ・コボルドロードの顔は笑っている、まるで勝ったと言うように。

 

 

「「えっ!?」」

 

 

煙が晴れてイルファング・ザ・コボルドロードが手にしていた武器は三段目のHPバーを削りきった時に投げ捨てたタルワールだった。

イルファング・ザ・コボルドロードはわざとキリトに吹き飛ばされ、煙を利用して捨てたタルワールと武器を交換したのだ。

まさに計画通りと笑いながらイルファング・ザ・コボルドロードはソードスキル”デス・クリープ”を放ち、キリトとアスナを殺そうと距離を一気に詰める。

しかし、キリト達は全速力で走っていたため急に止まることが出来ない。

 

 

(こ、ここまでか....)

 

NPCに読み負けてしまいもう手が無いキリト。

アスナも隣で諦めているような表情だった。

 

 

だがその時、イルファング・ザ・コボルドロードの右手を何者かが切り落とし、左目に誰かが攻撃を加えた。

 

『グオオオオオォォォォ————』

イルファング・ザ・コボルドロードも突然の自体に悲鳴をあげる。

 

「はぁ?たかだかNPCごときに俺達が読み負ける?そんなことたとえ天変地異があろうがそんなことありえねーつーの、なぁ妹よ」

「ぅん...ありえない」

 

ここで左右に待機していた空と白が打って出たのだ。

空と白は全て計算通りだった。

白が右目を攻撃したのも左目を潰していたら右腕を切り落とす空の邪魔になってしまうからである。

そしてキリト達が攻撃をする時も空は右腕を切るために右に移動し、白は残りの左目を潰すために左へ移動したのだ。

 

「もうこいつには抵抗する武器も視力も無い!今度こそこのまま決めろキリト!!」

「あとは...まかせる」

「あぁ...まかせろ!いくぞアスナ!!」

「了解!」

 

再び走る速度をあげるキリトとアスナ。

右腕を切り落とされ武器も無くなり、両目を潰されもうキリト達を認識すら出来ないイルファング・ザ・コボルドロードは抵抗する事すら出来なかった。

 

キリトが先に一撃を入れ、次にアスナ、三度目にキリトが切り、最後に”バーチカル・アーク”を放つ。

 

「うおおおおおおぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!」

 

叫びながらキリトは腰あたりから顔までを一気に切り上げる。

イルファング・ザ・コボルドロードも叫びながら輝き出しポリゴン粒子となって消滅した。

イルファング・ザ・コボルドロードが消滅したことによってルイン・コボルド・センチネル達も消滅する。

 

 

Congratulation!!と浮かび上がり、やったー!とプレイヤー達が喜び合う。

部屋の怪しげな光も無くなり元に戻る。

キリトは呼吸を整えながらラストアタックボーナスを確認する。

ボーナスアイテムはコートオブミッドナイトと言う漆黒のコートだった。

 

「お疲れ様」

「見事な剣技だった、Congratulation!!この勝利はあんたらのもんだ」

パーティだったアスナと途中で助けてくれたエギルが言う。

 

「いや....」

 

しかしキリトが言う前にまわりのプレイヤー達の拍手で遮られる。

最後を見ていたプレイヤーならわかるが見ていなかったプレイヤーからしたら最後にボスを倒したキリトが凄かったようにみえるがタルワールを空達が止めていなかったら俺は死んでいただろう。

それにボスにもっともダメージを与えたのは白なのだが身長のせいでまわりは全く信じていない。

 

 

「なんでやっ!!」

しかし全プレイヤーが喜ぶ中、数人違う感情を抱いている者がいた。

声の主のキバオウに全プレイヤーが視線を向ける。

 

 

「なんで...なんでディアベルはんを見殺しにしたんやぁ!!」

「見殺し?」

「そうやろうが!自分はボスの使う技知っとったやないか!

 最初からあの情報を伝え取ったらディアベルはんは死なずに済んだんや!

 それにボスが野太刀に変えた時も全然驚いとらんかったやないかい!」

 

そのキバオウの発言でプレイヤー達がざわめくが、エギルがキバオウの発言に抗議する。

 

「おい、それなら空が攻略会議で言っていただろ」

「そんなもん知っとっても嘘ついたらいくらでもごまかせるやないかい!」

 

そしてキバオウの隣にいた男も叫ぶ。

「あいつらレアアイテムを独り占めする為に情報を隠してたんだ!

 他にもいるんだろ、βテスター共出てこいよ!!」

 

その最後の一言で全員、他人がβテスターじゃないかと疑い始める

 

「とうとうこの流れになっちまったか....

 この流れを避ける為に色々情報を流したが俺達の行動で無駄になっちまった、あんとき嘘でも驚いときゃよかった」

 

「にぃ...このままじゃ」

「あぁわかってる白。おいテト、ステフ...こうなりゃ腹括るしかなさそうだ」

 

昨日話した最悪の事態になったときの作戦。

空もこんなことはしたくなかったがこの流れを変えないとマズイ。

 

「はぁ〜...こんなこと僕したくなかったけど...これはまずそうだね」

「あわわわ....本当にやるんですの空....」

「しょうがねぇだろ、俺も白もこんなことしたかねーよ」

 白も嫌そうな顔で頷く。

 

「じゃあ初めるぞ、覚悟はいいな」

 

空が白達に確認を取り作戦を実行しようとした次の瞬間!

 

 

「くはははははは!くはははははは!!!」

 

誰かが大声で笑い出した。

その声に全プレイヤーが視線を向ける。

 

声の主はボスを倒したキリトがにやつきながら立っていた。

 

 

 

 




艦◯れの5-5を一日で終わらせたせいで資源不足になりまくっているストーム1提督です。
イルファング・ザ・コボルド・ロードには原作以上に強くなってもらいましたがやっと討伐し終わりました!
キリト君のあのシーンは次回に持ち越しさせて頂きます。
今回に入れると字数がはんぱなくなりそうなもんで...

それではまた次回お会いしましょう!


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ビーター

今回はキリトのあのシーンです。

それでは第二十四話です、どうぞ!



時間は少し戻りキバオウ達の発言によりプレイヤー達全員がお互いを疑い始めたころ。

キリトは、キバオウ達の発言でとても焦り始めていた

 

(まずい。この流れははまずい)

 

俺は密かに息を詰めた。俺1人が糾弾されようと罵倒されようが問題ない。

しかし、空達を始めとする他のβテスター達への敵意が暴走するような状況だけは何としても避けねばならない。だが....どうすれば......

一瞬俯き、薄黒い床を見た俺の視界に、いまだ表示されたままのシステムメッセージが鮮やかに浮き上がった。獲得経験値とコル、そしてアイテム。

 

そして俺の脳に一つのアイディアが浮かんだ。続けて、巨大な葛藤が体を揺さぶる。この選択肢を取れば、俺は今後どのような目に遭うか解らない。かつて危惧したように、闇討ちで殺される危険すらある。

しかし、少なくとも空達へ向けられる敵意は多少だが減らせるかもしれない

 

 空達の方を見ると何かごそごそ話し合っている。あの空達のことだ、俺なんかよりもきっともっと先にこうなる事を予測していて作戦でも立てていたのだろう。だがお前らはこれからの攻略には必ず必要不可欠な存在になる奴らだ、ここでお前らに糾弾や罵倒を降り注がせるわけにはいかない。あいつらが行動する前に俺がやってやる!後は任せたぞ空。

 そして俺は考えついたアイディアを行動に移す。

 

 

「くはははははは!くはははははは!!!」

 

キリトの笑い声に全プレイヤーが視線を向ける。

 

「元βテスターだって?俺をあんな素人連中と一緒にしないでもらいたいな」

 

俺は出来る限りのあくどい顔でキバオウの方を向いた。

 

「な、なんやと!」

「SAOのβテストに当選した1000人の内のほとんどがレベリングのやり方も知らない初心者だったよ。今のあんたら方がまだましさ、でも俺はあんな奴らとは違う。俺はβテストの時に「 」と決闘して気に入られて一緒に行動していたのさ。「 」と♠♥♦♣達と一緒に行動してたから他の奴らが到達出来なかった層まで上った。刀スキルを知ってたのはずっと上の層で刀を使うモンスターと散々戦ったからだ。そして製品版には「 」と♠♥♦♣達は参加していない、だからこの情報は俺しか知らないのも当然だ。他にもいろいろ知っているぜ、情報屋なんか問題にならないくらいな」

 

キリトの言葉に誰もが愕然とする。

 

「な、なんやそれ.....そんなんβテスターどころやないやんか.....もうチートやチーターやんそんなん!!」

「そうだそうだー!チーターだ!」

「ベーターでチーター、だからビーターだ!」

 

まわりのプレイヤー達もキリトに怒りを向ける。

 

「ビーター....良い呼び名だな、それ。

 そうだ、俺はビーターだ。これからは元ベーターごときと一緒にしないでくれ。

 あと二層のアクティベートは俺があいといてやるよ。この上の出口から主街区まで少しフィールドを歩くから、ついてくるなら初見のモンスターに殺される覚悟しとけよ」

 

全プレイヤーが絶句している中、キリトは話しながら先ほど手に入れたコートオブミッドナイトを装備して不適に笑い第二層へと続く扉へ歩き始める。

歩き出した俺をアスナとエギル、空と白、テトにステフがじっと見つめてきた。

六人とも、何もかも解っている、という眼をしていた。

俺にとってはそれが救いだった。

 

(あの野郎....まさか俺達がやろうとした事を1人でするとはな)

 

キリトを見つめながら空は思う。空達が行うはずだった作戦と完璧に同じとまではいかなかったがほとんど同じ事をキリトはやったのだ。

 

(にぃ....どうする?)

(そりゃ追いかけるに決まってんだろ、それに少し話したいこともあるしな。おいテト、ステフお前らも行くぞ)

 

小声で会話を交わし俺達はキリトを追いかけ、その光景を目にしたアスナも空達に続きキリトを追いかけた。

そしてキリトは第二層へと続く扉の前に立ち扉を開き奥にある螺旋階段を登って行こうとするが

 

「待って」

 

なんとか追いついたアスナがキリトに待ったを掛ける。

 

「あなた、戦闘中に私の名前読んだでしょ」

「ごめん、呼び捨てにして......それとも、読み方違った?」

「読み方....?私、あなたに名前教えてないし、あなたのも教わってないでしょう?何処で知ったのよ」

 

俺は一瞬驚きながらもアスナはこれがパーティを組むのが初めてだということを思い出しアスナに答える。

 

「あぁ...そうえばこれがパーティ初めてって言ってたか。

 ここら辺に自分の以外に追加でHPゲージが見えるだろ?その下に、なにか書いてないか?」

 

そうキリトに言われてアスナは左上あたりに表示されているアイコンを確認する。

 

「き......り......と。キリト?これが、あなたの名前?あとこの下のは?」

「あぁそうだ、その下のは同じパーティのあいつらだ」

「なぁんだ....こんなところに、ずっと書いてあったのね」

 

アスナは口に手を添えてくすくすと笑う。

 

「君は強くなれる。剣技だけじゃなく、もっとずっと大きくて貴重な強さを身につけられる。だから....もしいつか、誰か信頼できる人にギルドに誘われたら、断るなよ。ソロプレイには絶対的な限界があるから....」

「なら、あなたは.....?」

 

俺はその問いには答えず、パーティ画面を開きパーティを解散させる。

そして俺はこんどこそ扉の奥にある螺旋階段を登るため前に進む。

 

 

 

 

 狭い螺旋階段を登って行くとまた大きな扉が現れる。

 そっと開けると、いきなり途轍もない絶景が眼に飛び込んだ。

扉の出口は急角度の断崖の中腹に設けられていたのだ。狭いテラス状の下り階段が岩肌を沿って左に伸びているが、俺はまず第二層の全景をぐるりを一望した。

 様々な地形が複合していた第一層と異なり、第二層はテーブル状の岩山が端から端まで連なっている。山の上部は柔らかそうな緑の草に覆われ、そこを大型の野牛系モンスターがのんびり生息している。

 第二層の主街区である”ウルバス”は、眼下のテーブルマウンテンを丸ごとひとつ掘り抜いたような街だ。俺がここから階段を下り、先刻言ったようにフィールドを一キロばかり踏破して、ウルバルの中央広場にある転移門に触れればその施設がアクティベートされ、第一層のはじまりの街にある転移門と連結される。

 万が一、俺が本当に道中で死んでしまっても、あるいはここでぼんやり座ったままでいても、ボス消滅後から二時間後には自動的に転移門が開く。しかし今日、最初の攻略部隊がボスに挑むことはもうはじまりの街にまで伝わっているだろう。今頃は転移門の前では多くのプレイヤー達が、青いワープゲートが出現する瞬間を待ち構えているだろう。だがβテストと同じく二時間後に自動的に転移門が開くかどうかは解らないが....まぁβテスト通りなら彼らのために早いところウルバスまで行かなくてはならないが.....もう少しだけ、ここで絶景を楽しむくらいの権利は俺にもあろう。

 

俺は数歩前に出ると、岩肌から伸びるテラスの端に腰を下ろした。

連なる岩山の彼方、アインクラッドの外周開口部から、青い空がほんの少しだけ見えた。

何分、そのままでいただろうか。やがて背後の螺旋階段を上がってくる足音が聞こえた。俺は振り向かずにいると足音の主達は扉を出た所でしばし立ち止まりこちらに向かってくる。

 

「......来るな、って言ったのに」

 

俺がそう呟くと、欄入者が不満な声で答えた。

 

「ちげーよ。お前が言ったのは死ぬ覚悟があるなら来いって言ったんだ」

 

「.......そうだっけ、ごめん」

 

「それにな、あんな話し終わった後じゃ結局俺達だってビーター扱いだっつーの。まぁお前よりかは、まだましだろうけだどな。俺達はビーター扱いだけだがお前はあそこまで言っちまったからな.....」

 

あそこまで言ったらもう後戻りができないのは先に作戦を立てていた空達には解る。

このソードアートオンラインはユーザー名が表示されないので第一層攻略に集まったプレイヤー達以外で容姿を知る者は少ない。装備などで変装すればほとんどバレる事は無いだろうが.....

 

「ま、しょうがないだろ。あの空気を変えるにはああする他以外なかっただろ。それにお前らだって俺なんかよりも先にこうなるって気がついてたんだろ?」

 

「まぁな、お前これからどうすんだ?ずっとソロでやってくつもりか?」

 

「あぁ、お前らと組むまではずっとソロだったんだ、たいしたことじゃないさ。空達こそこれからどうすんだ?どっかのギルドにでも入るのか?」

 

「特に戦力が不足してるわけでもなし、今のところはギルドに入る予定もないな。俺達もこのまま四人でやってくつもりだ....まぁパーティが増えるかもしれないけどな」

 

ディスボードの仲間達が見つかったらステフ同様パーティに入れるから、今よりも増える可能性はある。もし大人数見つかったらみんなでギルドを作るのも悪くないか、など考える空。

 

「......そうか」

 

本音としてはこいつらがどこかのギルドに入って攻略メンバー達を引っ張って行く存在になって欲しかったが空達がギルドなんかに入ったらまわりのギルドメンバーが脚を引っ張ってしまうか。

そんなことを考えながらキリトは一分程の沈黙する。

 

「ま、今はとりあえずさっさと転移門のアクティベート済ませちまおうぜ、うちのテトも早く行きたくてうずうずしてるからよ。どうせはじまりの街にある転移門の前に大勢のプレイヤーが待ってるだろうしな。道のりも同じだしウルバルにつくまで、よろしくな」

 

続いた沈黙を空が断ち切り俺も大きく息をして立ち上がる。ここからウルバルまでは約1Kだがこの面子ならモンスターなどいても進行速度は落ちないだろう、しせいぜい20分もあれば余裕で着くだろう。

俺もテラスから腰を上げて立ち上がり、第二層の主街区ウルバスの転移門をアクティベートするために俺達は前に歩き始めた。

 

 

 

 




どうも、プログレッシブの存在をつい最近まで知らなかったストーム1です。
原作で第一層とかやってないから資料はアニメだけだと思ってたらこんなとこで書いてあったんですね....
これ読んでたせいで更新めっちゃ遅れました....orz
てかこの回書くのむちゃくちゃしんどかったです、今後の展開が決まる重要シーンですし慎重に書かないといけなかったし(^^;)

それではまた次回、お会いしましょう!


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第二層主街区:ウルバスへ

えー...大変更新が遅れた事をここに深くお詫び申し上げます....
次話を楽しみにしてくださった読者様、すみませんでした(T T)
遅れた理由ですか....それは学校の成績がですね...はい....
そりゃもう酷かったんですよ....そのせいでパソコンが取り上げられていた訳です....

そんな訳で大変遅くなりましたが第25話です、どうぞ!


これからどうするかなど話しながら、第二層主街区へ向かう為に歩き始めてまず最初に眼に見えたのはとてつもなく長そうな石段だった。

なんとなく石段数えてみると四十八段ごとに折り返していた。

意味のある数字なのかと考えた結果、第一層のボス部屋に入れる上限の数字と同じだ。

もしボス戦で上限一杯の人数で参加して誰も死者が出なかった場合、この階段の踊り場から踊り場までをプレイヤーでぴっちり埋めることができるわけだ。

 

しかしβ版では「 」達だけで攻略してしまっていたし、今回も上限の48人には届かなかったものの大人数で攻略に挑んだにも関わらず、この石段を降りて行くのは結局たったの5人だけ、このエリアを作ったイラストレイターもこのことを聞いたらどんな気持ちになるのやら...

そんなことを考えながら何個目かの踊り場に到達した時、視界右側に、小さな手紙のアイコンが点滅した。

これはフレンド・メッセージと呼ばれるもので同じ層にいなくてもフレンド同士でならメッセージで連絡を取り合う事が出来る機能だ。

 

今現在、俺がフレンド登録をしている人数は6人。

この世界に来て初めての友人クラインとβ版でも結構お世話になっていた情報屋鼠のアルゴ。

アルゴとはボス討伐を始める数日前にあった時にフレンド交換をしてある。

そして目の前にいる空達の6人だ。

空達はこんなすぐそばにいるからまず違うからクラインかアルゴのどちらかだ。

どっちだろう、と思いながら開いたメッセージの差出人は、後者だった。

 

[大変な迷惑をかけちまったみたいだナ、キー防。お詫びに、情報タダで売るヨ]

という書き出しに、情報はやっ!と思うよりもあとの文章ににやっとする。

歩きながホロキーボードを出し、素早く返事を打って返信した。

 

[おヒゲの理由を口頭で教えてくれ]

 

前から気になってたんだよな〜、あのヒゲ。

β版の時にも聞いたがはっきりとは教えてくれなかったし、ネコが好きなのかと聞いたがそこまで好きではないって言ってたしな〜

 

「どうしたキリト、誰かからメッセージでも届いたのか?」

「あぁ、鼠のアルゴからメッセージがきたんで返事送ってた」

「鼠...あの情報屋か....」

「?、どうした?なんだか顔色悪いぞ?」

「いや、なんでもねぇ」

 

空達はアルゴのことをそこまで好んでいない。いや、寧ろ避けている。

 

 

 鼠のアルゴ。

 

β版で情報屋として活躍し、ずば抜けた情報量を持っていた情報屋の名だ。

βテスター達からして見ては彼女の持つ情報はレベル上げやクエストなどいろいろな手足助となっていし、攻略本を無料配布するようなビギナーにβ版で得た情報を広める等して貢献している、が空達...いや「  」からしてみれば相当厄介な存在だった。

 

今でこそID名が変わったからいいがβ版でのIDは「  」である。

数年間ネットから姿を消していたネトゲプレイヤーから伝説とまで言われたプレイヤー「  」がここ最近になって突如として復活し、同じゲームに参加していると知れば情報屋達が俺達の情報を集めようと思うのは容易に想像できてしまう。

実際、β版が開始してから数々の情報屋が「  」の情報を集めようと「  」を尾行したが伝説とまで言われたプレイヤー「  」は悉く情報屋を撒いたが、既に情報屋の中でも有名になっていたアルゴのみが必死に尾行を続けたが結局「  」達の情報を掴む事は出来なかった。

しかし、鼠のアルゴの情報網も凄まじく「  」もなかなかに手を焼いていたのであった。

 

実際、βテスト終了後の情報量は「  」と鼠のアルゴはほぼ互角である。

ボス攻略やモンスターのアルゴリズムなど攻略的情報量は圧倒的に「  」の情報量が上だが、プレイヤーの情報など個人的情報量ではアルゴは「  」達が持つ情報量をも上回っていた。

 

製品版が始まってからはまだ一度も会ってはいないがβ版の時も散々尾行されまくっていたのであまり関わりたくはないと思っている。

 

「しっかしアイツの情報網どうなってんだ?もう俺達のことも知ってたぜ」

「β版でもあいつの噂は結構凄かったからな〜(そのせいでどれだけ苦労したことか....)」

 

そんなことを話している間に石段も終わりとうとう第二層の大地に足を踏み入れる。

 

 

 

 

道中にモンスター等も現れたが、最初こそβ版とモンスターのアルゴリズムが違うかもしれないと思い念のため慎重に攻撃をしていたが特にβ版との違いは無く、現段階ではゲーム内で強いプレイヤー達にモンスターはばっさばっさとなぎ払われていった。

 

 

 

「やっと街に着いたか~」

「にぃ...お疲れ」

「うんうん、ボス倒してほとんど休憩なしだったもんね♪」

「それにしても凄い街ですわね〜、山の中にこんな街を建てるだなんて」

「こんな街がまだまだあると思うとそこは楽しみだな」

 

第一層から繋がる扉から空達と歩き始めて約40分。

俺達はやっと第二層主街区:ウルバスの南ゲートに到着した。

 

 

 アインクラッド第二層主街区:ウルバスは直径300mほどほどのテーブルマウンテンを、外部分だけ残してまるごと掘り抜いた街だ。

俺達は南ゲートから南ゲートから入ると、視界に[INNER AREA]の表示が浮かび、スローテンポな街区BGMが耳に届いた。弦楽器が主役だった一各街と異なり、哀愁を帯びたオーボエが主旋律を奏でている。通りを行き交うNPCの服装も微妙に意匠が変わっていて、『新しい層に来たんだ』という思いを新たにさせる。

 あたりを見渡すが空達以外のプレイヤーを示す緑色のカーソルは存在しない。

それも当然だ。あの第一層攻略後、俺を入れて5人以外は全員一層の拠点に引き返したのだから俺達以外いないのは当然なのだ。

 つまり今この瞬間この広大な第二層にいるのは俺達5人だけと言う事だ。

 何とも贅沢な話だが、もちろんこの状態が永遠に続く訳も無く、フロアボスの消滅から2時間経過することで次層主街区の中央に存在する転移門自動的にアクティベートされ、下層の主立った街と連結されるからだ。その瞬間に待ち構えていた大勢のプレイヤー達が転移門から飛び出してくるはずだ。

 もっとも、それは逆に言えば、あと1時間20分の間俺達はこの層を独占出来る訳だ。

それだけあればそこらにあるクエストの1つや2つクリア出来るだろうがいまかいまかと焦れているであろう数百....ことによると千人以上ものプレイヤーを本気で怒らせるような度胸はさすがに持っていない。

 

「あぁ空、第一層で待ってるプレイヤーもいることだしさっさとアクティベートしちまわないか?」

「それはそうだがまずは宿探さないとな。俺達が見つかったらボス攻略の時のこともあるし何されるかわかったもんじゃない、先に広場が見える部屋探しておけばアクティベートしたらすぐにそこに逃げ込めば他のプレイヤー達にもバレずに済むだろ」

 

たしかに空の言う通りだ。まずは逃走手段を事前に考えておくべきだな。

まわりを見渡し 転移門(ゲート) のある広場を見る事が出来るような建物を探す。

 

「あ、あそこにある教会みたいな建物はどうですの?」

 

と、ステフが東の方角にある建物を指差す。

 

「あの高さなら広場を見渡せそうだな....確か建物の部屋は泊まることも出来たはずだしさっそく行ってみるとするか」

 

そして俺達はステフの見つけた建物に向けて歩き始めた。

 

 

 

 




どうも、二ヶ月も投稿してなかったので読者がいなくなってないか超絶心配なストーム1です。
初期のころの毎日更新の意気込みはどこへ行ったのやら...
夏に投稿したと思えばもう秋終わっちゃいますねwww
それもこれも実力テストなんてもんがあるのが悪い!!
もっと言えば英語なんて糞食らえばかやろー!!!
(でも大元の原因は艦これの夏イベやってて全く勉強しなかったせい)

と、とりあえず連載中断することは決してないのでまたテストがヤバかったりすると更新が遅れる可能性がありますが今後とも宜しくお願いします(>_<;)
二ヶ月投稿できなかったってことと最近、学友がSS書き始めたこともあるので次回の更新は早めにする予定です。

それでは次回お会いしましょう! 誤字脱字、指摘等お願いします。


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唯一神の憂鬱

えー....何ヶ月振りですかね....5ヶ月振りくらいですか?
ほとんど半年振りの投稿とか馬鹿ですね、はい....もはや不定期更新確定ですねこりゃ

とりあえず前書きよりも本編ですよね。

それでは第二十六話です、どうぞ!


無事に泊まる場所を確保できた四人はそろそろアクティベートするために転移門までやって来た。

転移門、と言っても石積みのアーチがそびえているだけで、扉も格子もついていないのでただのアーチ状のオブジェにしか見えない。

 

 

「よーし!さっき言った作戦通りアクティベートが出来たら速攻でさっきの建物までダッシュだ。転移門の開通すると見たいかもしれないが今回は諦めてくれ」

 

 

 空が全員に最後に確認をとり空が転移門にゆっくりと右手を伸ばした。指先が極薄い水の膜に触れた瞬間、鮮やかなブルーの光が溢れ、俺達の視界を染め上げた。

 光は同心円状に脈動しながら、幅五メートルほどもあるアーチいっぱいに広がっていき転移門が開通した。

 しかし、空達5人はこの光景を見る前に身を翻し一目散に準備しておいた建物まで走り終えていた。部屋の窓からこっそり転移門の方を覗いた。ちゃんとアクティベートが完了したようだ、その証拠に転移門から次々とプレイヤー達が出て来た。確認がとれた空は床に腰を下ろした。

 

「これであとは街開きのお祭りムードが落ち着くまで隠れてれば安全だろ。俺達はここでそれまで隠れてるつもりだがお前はどうするんだキリト?」

 

「あぁ、俺もそうする予定だったんだけどな.....悪いな、ちょっと急用を思い出した。すぐ戻ってくる!」

 

そう言ってキリトは部屋から駆け出して行った。

 

「キリトさん凄い勢いで出て行っちゃいましたけどどうしたんでしょう?」

「さすがになにかまではわかんねーけど...さっきまで窓覗いてたし知り合い見つけたか?

 俺達の事を誰かにちくったりすることさえなければ大丈夫だからいいけどな。

 まぁ、ともかく第一層攻略お疲れさん諸君」

 

 ボス攻略後はいざこざがいろいろとあったがなんとか落ち着くことができた。このペースでいけばクリア”するだけ”ならそう難しくはないだろう。そう、クリアするだけなら.....

 

 いくらこのVRMMORPGというジャンルが初めてで誰も経験したことのないゲームだとしても第一層でこの人数の犠牲者は多すぎる。

 しかし、これだけの人数が死んでいるのだ。油断や慢心が一瞬でゲームオーバー()に繋がるということを知った生き残ったプレイヤー達は、数人で行動し、守備を固め、警戒を怠らないようなプレイスタイルになってくれるとベストだ。それでもこれから誰も死なずにこのゲームをクリアすることは不可能であろう。どんなにβテスターが情報を公開したとしても無理だ。

 

 理由は簡単。第一層のボスのようにあきらかにNPCのアルゴリズムや装備が強化されている。おそらくこの層だけでなくすべての層の難易度がβ版より上がっているはずだ。仮にβ版と比べてそれほどの強化がされず、β版で攻略した層まで誰も犠牲者を出さなかったとしてもそこからは全くも未知のエリア。どんなトラップがあってもおかしくない。それまでにプレイヤー達が戦いで経験を詰めれば犠牲者の人数も大幅に減らす事が出来るだろう。

 

 誰か強力なプレイヤーが攻略を志すプレイヤー達をまとめ、大きなギルドでも作るような存在がいれば楽なのだが今の所、そのような実力がある存在は俺達やキリトくらいなのだ。

 

 が、その肝心のキリトはビーターという烙印を押し付けられまともに人前に立てないような状態だ。

 俺達も「 」の正体を隠している身なのであまり目立ちたくない。

 ボス攻略の時に同じパーティにいたアスナも考えたがリーダーというよりは、そのリーダーをサポートする補佐役的な方が彼女は向いているだろう。

 

 現状これからそのような人物が出てくることを祈るしか無いわけだ。

 

「にぃ....外の騒ぎ....落ち着いたらどうする?」

 

 白の言う通りこれからの事も重要だがまずは今の事だ。まだこのゲームは始まったばかりでやることも多すぎるくらいだ。

 

「まず外が静かになってきたら”あの”クエストをさっさとクリアしてスキル貰うのは最重要だな。

それからはディスボードの住人を探しつつこの層をぐるっと一周して情報収集をかねて迷宮区を攻略といったかんじだな」

 

 ここまで一緒に行動してたし、キリトにもあのクエストの情報を教えておくとしよう。あのクエストの報酬は多分このゲームでも基礎から応用までさまざまに使い分けれる重要なスキルだろう。あいつも俺達までとはいかないがレベルや技術はこのSAOの中でも高い部類に入る。特に相手の攻撃に対する反応速度はおそらくこのゲーム内で屈指の反応速度だろう。俺の場合は反応速度ではなく先読み、つまりは計算で相手の行動を予測しかわしているので、相手が動き始めてから次の自分の行動を考える反応速度速度とはまったく違う。才能、もしくは現実(リアル)で剣道かなにかでもしていたのだろうか?

 

 

 

 いろいろ考えていたらあっという間に時間も過ぎ、キリトが部屋を出て行ってからはや数十分といったところか、プレイヤー達も宿屋を探し始めたのかお祭り騒ぎも多少は静かになり始めて来ている。

 

「キリトさん遅いですね、どうしたんでしょう?出て行ってから結構時間がたっていますが」

 

「それもそうだな。メッセージでも送ってみるか」

 

 最初はせいぜい十分くらいで帰ってくるかと思っていたがまだ帰って来ないのは何かあったのだろう。

攻略メンバーにでも見つかったりしていたらとてもまずいがそれなら外が騒がしくなるはずだ。

そう思いながらメッセージ作成画面を開こうとした時、丁度とキリトからメッセージが送られて来た。

 

「お、キリトからか、タイミングばっちりだな。え〜なになに...[情報屋の知り合い追いかけたら、この層のウルバス西平原にエクストラスキルが報酬の隠しクエストがあるって情報貰ったんだが空達も来ないか?]」

 

「にぃ....これって....」

 

「あぁ、俺達がこの後行こうとしてたクエストだな。

 しかし、よくあんな場所見つけたなーキリトの知り合いの情報屋。

 迷宮区とも全く逆方向にあるあんなところに行く奴なんてそうそういなそうなんだがな」

 

まぁこれでキリトの帰りが遅い理由ははっきりした。

確かにあのクエストはコツを掴めないとそれなりに苦労するだろう。

今のキリトじゃあのクエストクリアするのに三日はかかるだろう。

 

「キリトがもうあっちにいるなら俺達もそろそろ行動するとするか。ほら行くぞテト」

 

「はぁ....本当にまたあのクエストやるの〜....僕あれは嫌いなんだけどな〜

 僕は遊戯の神なのになんであんな獣人種(ワービースト)とかじゃないと出来ないようなことしないといけないの....」

 

 β版でも空や白は理由は知らないけどめちゃくちゃやる気だったがテトはヒーヒー言いながらクエストをクリアしていた。

 

「それでもあのスキルはこれからの攻略に必須科目だろ。駄々をこねても絶対連れてくぞー」

 

(まずいまずいまずい!このままだとまたあんなことさせられる!何か....何か策を考えないと!?)

 

テトの表情は必死だ、それほどまでにあのクエストが嫌いなのだろう.....

ディスボードでは神だった存在が必死に言い訳を考え出す。

 

「そ、そうだ!ステフさんとかあのクエスト無理ですよ!女の人じゃあんなの絶対壊せませんって!」

 

「それなら大丈夫だ。俺や白はもう感覚掴んでるし速攻で壊してステフにみっちりやり方しごいてやるから三日もありゃ十分だ」

 

「さ、さっきから本人の意見聞いてないのですがそんなにそのクエスト難しいんですの?」

 

「そりゃあもう難しいですよステフさん!あんn「じゃあこうしよう。ステフ、もしお前がクエストクリアできたらこのゲームが終わった後、ケータイに保存してあるステフの恥ずかしい画像集全部消去してやるぜ」なぁ!?」

 

 それ反則でしょ空!?そんな挑戦状今のステフさんに叩き付けられたら....

 

「わかりましたわ!その約束、絶対忘れないんでしょうね。空!」

 

「あぁ二言はねぇ。ただしステフに本当にクリアできたらの話だがな」

 

「空や白に出来たんですもの!私だって絶対クリアしてみせますわ!」

 

 

あぁ〜もう駄目だ....こうなったらもう無理だ。

ステフもやる気満タンになりもう手のつけようがない.....

 

「ほらテト、ステフも早く行きたがってるし早く行くぞ」

 

「......わかったよ....はぁ...」

 

 

テトもしぶしぶながらクエストに参加することを承諾した。

しかしステフはこの後、あの時テトの話をよく聞いておけばよかったと後悔することになろうとは今はまだ全く想像にもしていなかった。

 

 

 

 




どうも学校の先生にオマエコノママダト=イクガッコウナイ宣言を受けてしまったストーム1です....
サボりにサボった英語のつけが回ってきまして成績が\(^0^)/状態。
流石にあせりはじめなんとか去年落とした単位を無事回収することができました。

てか成績落ちた一番の理由は艦これとPS3が原因です(確信)
BF4楽しすぎてヤバかったんです。

それではまた次回お会いしましょう!
 


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エクストラスキル”体術”

久しぶりに上げたと思ったら少しの間でしたがランキング5位になってたところを見て
「これはもうあげるっきゃねぇ!」と早めに投稿wwww
やっぱり自分の書いた作品が評価されてるとにやにやしちゃいますね。
あとUA数が10万突破しました!
読者の皆さんありがとうございます!

それでは第二十七話です、どうぞ!



主街区ウルバスから西に進み平原を越えてさらに西へ進むとやっと見えてくる小さな小屋。

ここが、これからの攻略に最も重要なエクストラスキルを取得できるクエストが受けれる場所だ。

 

「空、ここがそのクエストが受けれる場所ですの?」

 

「あぁそうだ。ここがエクストラスキル"体術"を取得できる場所だ」

 

「..........」

 

ステフはあちらの世界(ディスボード)で空に撮られ、写られまくった恥ずかしい画像集を消すためにやる気満々だが、隣にいるテトは移動の間もずっと死んだ魚のような目をしている。

 

「テトも往生際が悪い」

 

「ここまで来たらもう受けざるおえないけどな。さぁ、クエスト始めるぞ」

 

「あぁもう!待ちなさい空、白!」

 

「はぁ〜しかたないか....」

 

空が小屋の扉を開けて白と一緒に小屋に入り、その後ろを追うようにステフとテトも付いて行く。

小屋に入るとまず目につくのはぼろぼろの道着を着たおっさんがいた。

 

「入門希望者か?」

 

「あぁそうだ。ここにいる4人全員入門希望者だぜ」

 

「修行の道は長く険しいぞ」

 

「あぁ問題ない、むしろ俺の腕見てビビんじゃねぇぞおっさん」

 

短い問答が終わると、おっさんの頭上の[!]マークが[?]に変化し、視界にクエスト受領ログが流れた。

 

「いいだろう、ならば汝らに修行を与えよう。」

 

そう言っておっさん改め師匠は俺達を外にある岸壁に囲まれた庭の端にある巨大な岩の前だった。高さ二メートル、差し渡し一メートル半はあろうそれをぽんと叩いた師匠は、左手であごひげをしごきながら言った。

 

「汝らの修行はたった一つ。両の拳のみで、この岩を割るのだ。為し遂げれば、汝らに我が技の全てを捧げよう」

 

「.....は?ちょっ!?この岩を素手で?この人何言ってるんですの?そんなの無理に決まってますわ!」

 

「はぁ....だから言ったのに....こんなの無理だって....」

 

あまりの予想外な展開にステフは慌て始め、こうなることが予想できたテトは頭を抑えてため息をしている。

 

「この岩を割るまで、山を下ることは許さん。汝らには、その証を「いや、ちょっとまってくれ師匠」む?」

 

道着の懐から何かを取り出そうとする師匠に空が待ったをかける。

 

「汝、師匠である私に歯向かおうとするのか?」

 

「いやいやそーじゃねーよ。つまり、この岩割ればそこで終了なんだろ?なら俺と白に模様つけるのは勘弁してくれよ、ださくて人に顔合わせられねーからな。」

 

 そう言いきった空が岩に向き合う。

 拳を握って岩を見つめいる所からして、どうやら空は本気でこの岩を叩き割るつもりのようだ。

 

「空、正気ですの!?こんな岩を素手で割るなんてどうあがいても無理ですわ!」

 

「これだから全くステフは....否定から始めたらなんも見えないぞ。いいかよく見てろよ....」

 

空は拳を構え、岩に狙いを定めて思いっきり拳を振りかぶって叫んだ。

 

 

「二重の極み!ああああぁぁぁーーーー!!」

 

 

空の叫び声と共に岩が砕けた轟音が響き渡る。満足そうな顔をして空が腕の調子を確認している。

 

「どうだ?これで文句は無いだろ師匠?」

 

「ほぉ、まさかこの岩を一目見ただけで粉砕するとは.....私も見る目も落ちたということか。約束通り汝に私の全てを捧げよう」

 

師匠は道着の懐にあった物をしまい、懐から棒状のものを取り出す。

 

「我が技の全てが記された巻物だ。受け取るが良い。」

 

「おう、これで俺は免許皆伝だな。じゃ次は白の番だな」

 

「うん....にぃまかせて」

 

 続けて白も小さな体をしているにもかかわらず見事岩を粉砕。さきほど空が叫んだ同じ言葉を叫んでいたが何か意味でもあるのだろうか?こうして晴れて白も免許皆伝した。

 そしてその光景を見ていた者は....驚愕を通り越して唖然としていた。

 

「あ、あなた達のこと、私はまだ甘く見ていたようですわ....頭脳はほんと人間離れなんて軽く越えているのは当然知ってましたけど、まさか筋力もこんなにあるなんて....」

 

「はぁ!?お前なんでこの岩割れるんだよ!?俺なんか割ろうとして拳が逝かれちまうかと思ったのに!?」

 

とっさに陰から見ていたキリトも出て来る。

 

 そろそろ来る頃だろうと山から様子を見に来たと思ったら、いきなりあの破壊不能オブジェクト一歩手前どころかほぼ破壊不可能に等しい超絶的硬度だった岩が粉砕されてキリトは驚いていた。が、キリトの予想をさら上回りに白までもがあの岩を壊したとなればもはや驚愕を通り越して唖然とするのも当たり前だ。

 正直さすがのあいつらでもこの岩は割れないだろうと思っていたし、様子を見に来たのは岩を割る所ではなく弟子の証で、自分の顔にも書かれたヒゲを見に来ようと思っただけだったりした。

 

「あれ?キリトさんじゃないですか。キリトさんもやっぱりこんな岩われるわけないですわよね....ところでその顔のおヒゲはなんですの?正直恥ずかしいと思いますわよ」

 

「俺だってこんなの恥ずかしいに決まってんだろ!てか本当どうやって割ったんだよあいつら!?」

 

「だよね〜、うんうん、やっと君達も僕と同じ心境に至ったみたいだね」

 

ステフ達がぎゃーぎゃー言っている所に師匠が近づいてくる。

 

「汝らもあの者らのように岩を割れるのか?」

 

「いやいやいや無理無理無理!あんなの普通の人間じゃ無理ですわ!って言いたい所ですが....白でもこの岩を割れたんですもの!私だってやってみせますわ!」

 

そう言ってステフも岩に向かって拳を構える。

 

「本気かよ。根性論だけでなんとかなるもんじゃないぞ、この岩は....止めといた方が良いぞー」

 

割れなかったキリトから声がかかるがステフは止めようとしない。

 

「キリトさんは黙っててください!私は諦めませんわ!諦めたらそこで試合終了ですわ!うりゃー!」

 

ステフの拳が岩にぶつかるが空や白の時とは違い[ゴン]、と鈍い音がしただけで岩は全く壊れる気配はなかった。そしてステフ本人は拳を抑えてのたうち回っている。

ステフの悲惨な光景を目にしてキリトは同情の念を送り、テトは師匠に無理です!と言いに行った。

 

 

「まだこの岩をわれるのであれば汝らには、その証を立ててもらうぞ」

 

そんな台詞を吐いた師匠は、さきほど道着から取り出そうとしていた物を再び取り出す。左手に持ったのは、小型のツボ。そして右手には、太くて立派なーー筆。

そして師匠の右手が素晴らしいスピードで閃いた。筆の穂先をツボに突っ込むや、たっぷり墨を含んだそれがズバズバズバッ!とステフとテトの顔に炸裂した。

 

「その証は、汝がこの岩を割り、修行を終えるまで消える事は無い。信じているぞ、我が弟子よ」

 

そして、のっしのっしと小屋に戻って行き、ドアの奥の消えた。

 

「な、なにか顔に書かれましたわ....しかもすぐ乾いてますし全く落ちる気がしませんわ....」

 

「またこれ書かれたのかー....こんな顔じゃ唯一神(笑)だよ....」

 

ステフとテトの顔を見たキリトはステフの顔のヒゲからして自分もあんなヒゲが書かれているのかと余計恥ずかしくなった。

 

「空〜、私の顔になにが書かれたんですの?」

 

「そうだな....簡単に言えば見事なまでのおヒゲが書かれてるな。一言で言えばドーラえもんだな。ちなみにテトはヒゲじゃなくて眉毛が繋がってるぞ」

 

その返事にステフとテトは真っ白に燃え尽きたかのように地面に突っ伏す。

ステフは女としての心が、テトは神としての威厳が崩れ去ったも同然の状態になってしまった。

 

「まぁ心配すんなって、俺と白でお前らみっちり扱いてやるから数日あればこんな岩くらい壊せるし、その模様もそのとき消える」

 

この言葉がステフ達にとって救いになったのと同時に、数日間はこんな顔でいないといけないのかと絶望せざる負えなかった。

 

 

こうして空と白の特訓の成果もあってキリトは次の日に、テトとステフは三日後になんとかクエストをクリアして、エクストラスキル”体術”を取得することに成功する事が出来たのであった。

 

 

 




どうも、つい先日ある懸賞に見事当選してはしゃいでいるストーム1です。

今回は前からやりたかった所その2です。
このシーン、絶対あの某剣客の漫画に出てくるあのシーンだろ!?
まぁ期間の間に出来なかったら殺されるよりはましでしょうけどwww

あと毎回会話の部分は一段落空けてるんですが読みづらいですかね?誰かアドバイスヘルプ!

それではまた次回お会いしましょう!


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鍛冶屋

またまた大幅に投稿間隔を空けてしまって申し訳ございません....
ノゲノラ発売したから早く上げたかったけど時間が全くなくてね....
今回は遊んでたんじゃなくて受験勉強が理由で全くパソコンどころかゲームに触れてない。
Fate/goやシャナ封絶バトル、艦これ夏イベもほとんどできませんでした orz

でもなんとお気に入り1500突破!!! とってもうれしいです♪
これからもゲーマー兄妹はVRMMORPGを始めたそうです。をよろしくお願いします!

さてここで問題。

作者は夏休みの間、一体何時間塾にいたでしょーか?

正解者は更新遅れた理由がすぐわかります。答えはあとがきで

それでは第二十八話です、どうぞ!


「よ、ようやくあの山から出られましたのね....」

 

「やっとあの恥ずかしい眉毛ともおさらばできたよ....」

 

「そんなこと言ってる暇があったらさっさと次の奴狩りに行くぞ」

 

「骨付き肉....大量ゲットのチャンス」

 

「夜中にモンスター狩りラッシュとか俺達くらいだろ、こんな無茶するの」

 

 三日間の成果もあってテトやひ弱なステフになんとか岩を砕かせて、無事にエクストラスキル”体術”を取得した5人。今は修行していた山からウルバスに引き返している最中、丁度中間地点といったところだ。

 しかしただ普通にウルバスに帰るだけならこの5人のステータスならあっという間に着く。どうしてここまで時間が掛かっているかと言うと体術の点検も兼ねて道中のモンスターを片っ端から討伐しているからであった。

 

 このウルバスから西の平原エリアはとても大きいキバをもつ象型のモンスターが生息している。だが性格はおとなしく、こちらから攻撃しない限りはいたって害はないモンスター。わかりやすいようにいうなればモンハンのポポを想像するのがいかもしれない。攻撃も単調。簡単に避けれるため安全、大きいので攻撃も当てやすく、HPは多いのでいろいろ体術スキルをチェック出来るというまさに練習相手にうってつけというわけだ。さらにと言わんばかりにこのモンスターがドロップするアイテムはかなり便利なものが多く、キバは武器に、皮は防具、肉は食材とまさに狩られる為のモンスターと言ってもいい。

 

 しかしこのエリアは第二層。βテスト時にもこのモンスターはいたので当然βテスター達が書いたガイドブックにも掲載されているので昼間はこのエリアはいい稼ぎ場になっている。だが今空達が狩りをしているのは真夜中。いくら弱いからといっても真夜中では視界も狭まるし、あの大きなキバの攻撃を喰らったらひとたまりもない。なので安全のためプレイヤー達は夜に狩りへは出ずに昼には狩りへ、夜には街で活動している。よってモンスターが狩り尽くされている昼とは違い、わんさかモンスターがいる狩り放題なわけだ。

 

「空〜、本当にこんなペースでこのままウルバスを目指すんですの〜」

 

「僕達ひ弱組はヘトヘトで疲労死しそうなんですが〜」

 

 

 ステフとテトは三日間それも寝る時間も削る空の鬼指導のせいで肉体的にも精神的でもういっぱいいっぱい。さらに追い打ちをかけるかのような実践練習といつ倒れてもおかしくない状態なのだ。

 

「本当はもっと稼いでおきたかったんだそろそろ潮時か....こっからは最短距離でウルバスに行くぞ。ステフとテトは戦闘になったら俺かキリトの後ろについてろ」

 

「ステフ、テト....だらしない」

 

「こんだけタフなモンスターに覚えたばっかの体術スキルだけでかれこれ100体は倒してるんだ。むしろ平然としてるお前らが普通じゃないんだ....ふっ!」

 

「そー言いつつ会話しながらもモンスターを倒してるキリトさんも十分普通じゃありませんわ〜」

 

「俺だってもう息上がり初めてるよ、さすがに体術縛りは疲労感はんぱないな」

 

そんな会話をしながら平原での戦闘を終え、無事にウルバスまで大量に手に入れたアイテムを抱えて帰ってくる事が出来た。さっそく素材で新しい武具を作りに行こうとする空と白にステフとテトが猛反発してその日はそのまま宿屋で就寝することになった。

 

 

日は変わって次の日

 

 

「さ〜て、今日こそは武具の補強だ!ここから一番近い村だとマロメに道具屋はあるが品揃えが酷すぎるんでこのまま進んで更に先きの村の道具屋で武具の補給だ。ちゃんと武具作れるだけの素材は集めたし、さっさと作って迷宮区攻略しに行くぞ」

 

「にぃ...白、武器の強化したい」

 

「あ、俺も武器の強化はしときたいな」

 

「あなた達は....昨日あんだけ戦って疲労感とかはないのですの?」

 

「あはは、ゲームの中だから寝ただけで疲労全回復だからね♪現実だったらとんだブラック企業だね」

 

テト、ステフの武具ははじまりの街で販売されている装備のままなので、新しい武具を購入する必要があるが空とキリトのアニールブレード、白のボーンダガーは売っている武器よりも強力なためここで武器の購入はせずに武器のステータスを上げる強化をすることにした。が

 

 

『ふ・・・ふざっ、ふざけんなよ!!』

 

絶叫が響き渡り俺達は足を止めた。

 

「なっ、なんですの!?」

 

「ほっとけ、どうせなんかしらのもめごとかなにかだろ」

 

『も、戻せ!元に戻せよ!プラス4だったんだぞ・・・そ、そこまで戻せよ!』

 

「「は?」」

 

再び響く叫び声、やはり空が言う通りプレイヤー同士のもめごとのようだ。

だがここで一つ空と白が疑問に思う。

 

「待て、どういう事だ....なぁ、ちょっと見に行かないか」

 

「ど、どうしたんですのいきなり?」

 

「おかしいんだ。プラス4と戻せ、それとこの叫び具合からするとこのもめごとの原因は武器の強化に失敗した態度だ。それもかなりの大失敗って感じの。そして聞こえて来たのは東から。

 なぁキリト、β版のときウルバス東広場に鍛冶屋なんてあったか?」

 

ここでキリトも空が言いたい事が解ったようだ

 

「いや...ウルバスに鍛冶屋はなかったはずだ、ガイドブックにも書いてない。β版のときに東広場にあったのはたしか商人プレイヤー達が店だしてた所だ」

 

「鍛冶屋があるの北広場....武器強化の話題なんて....東広場じゃ....出ない」

 

「で、でもβ版と街の作りが変わった可能性だってありますわよ?」

 

「それならそれでここで武器強化するだけだ。もしかしたら違うもんが見れるかもしれないけどな。とりあえず東広場に行ってみようぜ」

 

 

 

 

 

 

 東広場に来てまず最初に目に入ったのは人ごみ、そして顔を真っ赤にして喚き続けているプレイヤー。あの怒っているプレイヤーの防具からして最前線で戦っているプレイヤーなのだろうと思うが中の上というところだろうか。俺の知っているプレイヤー(キリトやアスナ)と比べるとやはり劣っている気がする。そんな男は剣の切っ先を足下の石畳に叩き付けながらも尚叫ぶ。

 

「なんだよ4連続大失敗って!プラス0になるとかあり得ねーだろ、これならNPCにやらせたほうがマシじゃねーか!責任取れよクソ鍛冶屋!」

 

ーという穏やかじゃない罵倒が地味な茶色い革エプロンを装備した小柄な男性プレイヤーに続く。おそらくあの小柄な男性プレイヤーが鍛冶士なのだろう。

 

 広場の一角に灰色の絨毯を広げ、その上に椅子や鉄床を陳列棚を所狭しと並べている。あの絨毯は[ベンダース・カーペット]という決して安くないアイテムで、町中の路上で広げるとそこを簡易的なプレイヤーショップにできるという、駆け出し商人プレイヤーには必須の代物だ。

 

 そしてこの騒動。おそらく地面に剣を叩き付けながら怒っている男は、その剣の強化を、無言でうなだれている鍛冶屋に依頼したのだろう。一般的には、同レベルならNPCよりもプレイヤーの鍛冶屋の方が成功率が高い。もちろん熟練度が上がっていないとNPCよりも成功率は低いが、それはある程度なら見かけで判断出来る。生産系スキルによういる道具、鍛冶屋なら[ブラックスミス・ハンマー]系は熟練度数値で装備の可、不可がかなり細かく設定されているからだ。いま、消沈中の鍛冶屋の鉄床に載っているのは[アイアン・ハンマー]で、この街でNPC鍛冶屋が使う[ブロンズ・ハンマー]よりも要求スキル数値が大きい。

 だから男もこの鍛冶士に愛剣を託したのだろうが結果は見ての通り大失敗。NPC鍛冶士よりは成功率がいいとはいえ相当な熟練度を持っていない限り、武器の強化成功率は100%にはならない。100%でないならばたとえどんなに確率が低かろうと発生してしまのがゲームの特徴でもある。4回連続失敗なんてことだってありえないことではないのだ。

 

 

 

 だが、あの鍛冶屋の男性の目。

 

 心理戦最強、獣人種の第六感を見抜いた空だけはわかっていた。

 

 この騒動はまだ何かあるということを。

 

 

 




艦これ夏イベ断念してめっちゃ嘆いてるストーム1です....本当辛い....

さて、では前書きの問題の答えの発表です。

正解は〜〜14時間!!....本当アホみたいに毎日が過ぎてきました(/-;)

起きて飯食って塾行って帰って来て飯食って風呂は行ってもう2時くらい....
受験勉強ってこんな辛いとは思っとらんかったぞ。
休みが今日だけだったのでなんとか今日は上げました!
さっさと受験終わってのんびり過ごしたい物です。
次回もいつになるかわかりませんが失踪はしないんで気長にお待ちくださいm(_ _)m

それではまた次回お会いしましょう!


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再会

読者 「ストーム1!失踪したんじゃ?!」
作者 「残念だったなぁ、トリックだよ」


それでは第二十九話です、どうぞ!


「ずいぶんあの三本ヅノ男さんは怒ってらっしゃいますわね。

 でも強化って失敗することだってあるんですからあんなに怒らなくてもいいとおもいますわ」

 

「さすがステフだな。頭お花畑かお前は」

 

「ちょっ!?どういうことですのよ空!確かに失敗したのはあの鍛冶屋さんが悪いかもしれませんがまた素材を貯めて挑戦すれば....」

 

 ステフは強化が失敗したせいで激怒している三本ヅノ男に怒鳴られまくって困り顔をしている鍛冶屋に対してかわいそうと思っているようだがここにいる野次馬たちが思っていることはむしろその逆が多い。

 

「頭がお花畑のステフにわかりやすいように説明してやる。

 まずこのゲームのシステムには強化試行挑戦回数ってシステムがあってだな、あの剣の見た目からして多分アニールブレードだろうからあの剣の強化試行挑戦回数は8回だ。

 しかもあの剣は強化する前は+4だったってことはもう4回強化済み。そんで+0になったんだ、さすがに頭お花畑のステフでもここまで説明すれば今の状況理解できるだろ」

 

「で、でも確率は確率ですし鍛冶屋さんが怒鳴られるのは納得いきますんわ」

 

「お前なぁ、俺たちとずっといたせいで感覚麻痺してるだろ。普通の一般人の思考で考えてみろ、そんじょそこらのやつは100%中90%もあればほとんどその90%になると思ってるんだぞ。しかも今回の強化なんて+4から+5にするだけなら確かに70%の確率だがが4連続失敗だ。4連続強化失敗する確率なんて1%すらないレベルだ。俺たちに会ったばかりのお前だってお前が仕掛けてきたゲームに何連敗も負けまくって怒ってたじゃねぇか。それと同じ状況だ」

 

「まぁ俺も空の意見には同感だな。俺もあの三本ヅノ男の立場だったらああなってそうだし」

 

 確かに普通の一般人からしてみれば90%は高い。だがゲーマーからしては10%ははずれる危険があると思う奴もいるのだ。

 5%ですらめちゃくちゃ神!とか思ってしまうゲーマー達にとっては確率なんて所詮は飾りで成功するか失敗するか五分五分と心ではあの騎士もわかっているだろうがこのソードアート・オンラインはゲームオーバー=死なのだ。

 そんな環境の中で三本ヅノ男は1%未満の確率を引き寄せてしまった。もちろんそれがレアドロップとかだったら発狂したかのように喜ぶだろう。しかし今回は悪い方、悪い意味での1%未満である。

 

 それがどんな意味をするかはこのゲームの参加者達が一番よくわかっている。

 

 

「・・・・なんなのこの騒ぎ」

 

 不意にそんな囁き声が俺たちの右隣で発生しキリトはびくっとそちらを向いた。

立っていたのは、華奢な体つきの見覚えのある細剣使いだった。

 見た目こそ変装っぽいものをしているが声からしておそらくは”彼女”であることは間違えない。

「それがかくかくしかじかで.....」

 

「ふ〜ん....そういうことだったの」

 

 そんな中で空は彼女の質問に対していままでのあらすじを話していく。

 彼女も空説明に状況が理解できてきたようでふむふむと頷いている。

 

「お前ら一応俺たち変装とかしてるのにそんな気軽にしゃべっちゃったりしてて大丈夫かよ....」

 

「正直こんな変装あったことあるやつならすぐわかるし相手が相手だし別にいいだろ。

 それになキリト、こういう場合逆に女性に変な対応すると痛い目にあうんだぜ....」

 

「ふふっ、よくわかってるわね空は。それともキリトくんだったら違う対応してたのかな?

 そうだったら君の右足にカカト落としが炸裂してたわよ」

 

 と、とても美しい笑顔でとても恐ろしい言葉が一層のボス攻略で一緒にパーティを組んでいたこの世界で数少ない友人と呼べる相手から返事が返ってきた。

 

 

 

「や....やぁアスナ。久しぶり.....うん、本当久しぶりな気がするよ....」

「久しぶり...ってまだわかれてから数日しかたってないわよ。まぁいいわ。こんにちはキリト君」

 

 アスナにとっては数日かもしれないが俺たちはエクストラスキル習得のために数日間も山籠りしていたんだ。久しぶりと思っても仕方ないだろう。

 

「で、アスナはこの騒動どう思う?」

 

「私から言わせてもらうと失敗の可能性はあることは頼む方も承知してるはずでしょ。あの鍛冶屋さん、お店に武器の種類ごとの強化成功率一覧はりだしているじゃない。しかも、失敗した時は強化用素材アイテムぶんの実費だけで手数料は取らないって話よ。そこまで鍛冶屋さんが責められることはないと思うわ」

 

「アスナさん!あなただけが私の見方ですわ!」

 

「え、ほんと?そりゃ良心的だな....」

 

 

 その話を聞いた後だとあの三本ヅノ男への同情が少しはに落ちざるを得ない。だがアニールブレードはこれ以上強化できず、またあの剣を入手し直さなければならなくなってしまったのだがら三本ヅノ男に対する同情はなくなりはしない。

 

 

 

 そうこう話しているうちに剣士の仲間が二人ほど駆けつけてきて両側から肩に手を置き、懸命になだめている。

 

「....ほら大丈夫だってリュフィオール。また今日からアニブレのクエ手伝ってやるから」

 

「一週間頑張りゃ取れるんだからさ、今度こそ+8にしようぜ」

 

 

 あんた、その友達大事にしなよ。あと次は無茶な強化ギャンブルなんかするなよ。

 というしんみりした感慨を抱きつつ見守っている。

 

「みなさい空、白。友情はあんなにも素晴らしいものなんですわよ」

 

「「友達なんて少しでいい。作りすぎても人間強度が下がる」」

 

「ほんとあなた達は....」

 

 などと呆れるステフといつも通りの顔をしている空と白だった。

 

 

 

 

 

 仲間がなだめたおかげでどうやら三本ヅノ改めリュフィオールようやく落ち着きを取り戻したようで、がくりと肩を落としつつも広場から歩き出そうとしていた。

 その背中に、今までずっと黙ったままで痛罵に耐えていた鍛冶屋がおずおずと声を掛けた。

 

「あの....、ほんとに、すいませんでした。次は、ほんとに、ほんとに頑張りますんで....あ、もう、ウチに依頼するのはいやかもしれませんけど....」

 

 足を止めたリュフィオールは、鍛冶屋を見ると、打って変わって力ない声で言った。

 

「あんたのせいじゃねーよ。 ......色々言いまくって悪かったな」

 

「いえ.....それも、僕の仕事の内ですから.....

 あの、こんなことじゃお詫びにはならないと思うんですが....その、ウチの不手際で+0エンドしちゃったアニールブレード、もしよかったらですけど、八千コルで買い取らせてもらえないかと....」

 

 ざわ....と周囲の野次馬がどよめき俺やアスナも「おお」と声が漏れ、ステフは鍛冶屋の責任感に感動している。

 だが空と白、テトはやっぱりといったような顔をしている。

 現在もアニールブレードの市価はおよそ一万六千コルというところだ。それに対して鍛冶屋が買い取ると言った八千コルはその半額だ。しかも、これ以上強化できなくなってしまったエンドのアニールブレードなど市価ではおそらく四千コルすればいいほうだろう。要はお詫びにしては破格すぎる提案なのだ。

 リュフィオールとその仲間二人もしばし呆然としていたが、やがて顔を見合わせ、三人同時にゆっくり頷いた。

 

 

 

 

 

 一連の出来事が終幕し、三人組も、野次馬たちの姿も消えた広場に、カン、カンというリズミカルな槌音が響き始めた。先ほどの鍛冶屋も鉄床の上で、武器の製造を始めたのだ。

 空たち6人は円形広場のベンチに並んで腰を下ろし、キリトはなんとなくその響きに聞き入っていたが、空と白はなにか考えてるようで二人でブツブツ話し込んでいた。

 

「.....で?」

 

 不意に隣でそんな声が響き、俺はぼんやり視線を向けた。

 

「へ?なに?」

 

「.......何じゃまいわよ。あなた達がここに座らせたんじゃない」

 

 アスナがジロリと俺たちを睨む。

 

「え、あ、そ、そうだっけ。ごめんちょっと考え事してて....」

 

「考え事って.....キリト君も、あの鍛冶屋さんに強化頼みに来たんじゃないの?」

 

「え、いや、違うけど.....アスナは強化頼みに来たのか?」

 

「え、違うの?私はマロメの村でウルバスの東広場に、なかなか腕のいいプレイヤー鍛冶屋が出現したって噂を聞いたから来たの。

 キリト君のことだから東の岩山エリアでレッド・スポテッド。ビードル狩りでもして片手剣用の強化素材集めでもしてると思ってたわ。」

 

「お....おお」

 

「.....何、その反応?」

 

 へー、マロメではそんな噂がながれていたのかー、単純にその情報は知らなかったので驚いていた。山奥に籠もりっぱなしだったから知らないのは当たり前か.....と言うよりだ。

 

「いや....ほんの数日前まで、パーティーメンバーの名前表示すら見つけられなかった人のお言葉とは思えなくて.....あ、ひ、皮肉じゃないよ。マジで感心したんだ」

 

「..........」

 

 本心からそう言ってることを理解してくれたのだろう、アスナは微妙な表情ながらもやや語調を和らげ、

 

「最近いろいろ勉強してるから」

 

と呟いた。俺はなぜか嬉しくなり、繰り返し頷いた。

 

「で、今、噂を知ったようだけどどうするキリト君?あの鍛冶屋さんに強化頼んでみる?」

 

「いや、俺はまだ強化しないかな。その噂を信じてないわけじゃないけどあの光景を見た後じゃどうも強化してみるきになれない..... 

 それにもっと信頼できる情報が俺にはあるし、なぁ空」

 

 先ほどから白とぶつぶつ話し込んでいる空にキリトが話しかける。

 

「あ、どうした?ちょいと只今取り込み中なんだが」

 

「いやぁ、武器強化の話だよ。ほら前に俺に言ってたやつ」

 

 その話を聞いて空の目つきが少し鋭くなりキリトとアスナに向ける。

 

 

「なんだ、もしかしてお前らさっきに鍛冶屋に武器強化頼もうとしてるのか?」

 

「えぇ、ほんとは空達も武器強化目的だと思ってたからこの後にでも強化成功率上げるために6人で素材集めにでも行こうかと考えてたけど」

 

 アスナが武器強化目当てなら素材集めにでも誘うかとは考えてたが大方予想通りか。

 まぁどうせお目当はドロップ率8%のニードル・オブ・ウインドワスプってところだろ

 

「素材収集なら俺たちも少し素材が必要だから全然OKだ。だけどあの鍛冶屋は少し待ってた方がいいぞ。俺や白の目から見てどうもあの鍛冶屋は怪しい気がする。なんつーか、あの目、すげー動揺と言うか後悔と言うか.....とにかくあいつはやめとくんだな。

 それにキリト、おめーにはとっておきの情報教えたじゃねーか」

 

 

 その情報を知らないアスナだけは?マークを浮かべている。

 

「この際だ、アスナにも教えてやる。もし、あの鍛冶屋で武器強化を見送ってくれるなら俺が必ずお前の持ってるウインドフルーレの残りの強化試行回数全て成功させてやる」

 

「なっ!?」

 

 空のとんでも宣言にさすがのアスナも目を大きく見開いているようだ。その気持ちよくわかるぞアスナ、俺も聞いたときは何言ってんだこいつって思ったから。

 

「ほ、ほんとにそんなことできるの?ていうかどうやってそんな確率を操作するようなこと....」

 

「あぁ、必ず成功出来る。やり方は企業秘密ってことで....」

 

「アスナさん、空の言ってることは本当ですわ。違うゲームでしたけど私は確かに見ましたの」

 

 あちらの世界、獣人種とのバーチャルゲーム、神霊種との双六ゲームで確かに空達は確実にNPCや賽の目を計算し、私達を圧倒してきた。あちらの世界の魔法もないような世界のゲームくらい空と白に掛かればその程度造作もないことだろうと彼女は思っている。

 

 

「ほんとに、ほーーんとに絶対なのよね」

 

「あぁ絶対だ。なんなら失敗したら俺の全所有アイテム賭けてもいい」

 

「........」

 

 そこまで言われたら引くしかないじゃないとため息をつきながら、

 

「わかったわ。キリト君も信用してるみたいだし。それに、同じパーティー組んだ仲だしこっちの方がよっぽど信頼できるわ。その代わり、ちゃんと素材集め手伝って貰らうわよ」

 

 

「それ位なら全然苦じゃねぇよ。たかだか8%。さっさと集めきってやるさ」

 

 

 (これでアスナはあの鍛冶屋には関わらねーな、後は白と夜にでも話し合うとするか....)

 

 

 あちらの世界に居すぎたせいかはわからない。

 ただ、その程度のイカサマじゃ到底あちらの世界のイカサマにはかなわないなと思う空であった。

 

 

 




やっと帰ってまえりました。ストーム1です (^^:

なんでまた更新ここまで遅れたかって?
最初に受かった大学以外全落ちしてそれどころじゃなかったんだよ!!!(血涙)
今回の確率んところとかまさにだよ。
受験生のみんな!A判定でも落ちることなんてザラなんだぜ!(三校A判で落ちた)
だからしっかり夏休み前から死ぬ気でやんないとまわりの奴らめちゃ伸びてって置いてかれるぞ!
高校の先生たちも同じようなこと言ってるけどガチだから.....


まぁこんな暗い話は置いといて、本当に読者の皆さんお久しぶりですm(_ _)m
前書きであんなおふざけ書いたけどぶっちゃけみんなそんな気持ちなんだろうなぁと思って....
そのお詫び的なものもこめて今回はかなり長めに書いてます。

まぁあれですね。俺みたいに落ち込んで数ヶ月たっても更新しないようなやつでも気長に待ってれば最新話くる可能性もあるってことだね。
更新してない間の感想とかも案外励ましになったりしてうれしかったです♪


それではまた次回でお会いしましょう!


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武器強化の秘訣

生きてました
とりあえず少ないですが...

それでは第三十話です、どうぞ!


 

「これで本当に成功するんでしょうね!?てか本当にこんなことしないといけないわけ!?」

「しつけぇな、言われた通りにしたら絶対成功するんだっつーの」

「アスナ....黙って、命令....従う」

 

 東広場での騒動から数時間、空たち一行は難なくアスナのウインドフルーレ強化に必要な素材を集め終わり東広場ではなくNPCが経営している鍛冶屋にやって来ている。普通なら素材が集め終わったらなばそのまま鍛冶屋で武器強化をするだけでいいのだが、アスナがとても騒いでいた。

 

「だってなんでこんなとこでそんなことしないといけないよの!恥ずかしいじゃない!」

「いい加減諦めろよ。しなかったら成功する保証はできねぇぞ」

「アスナさんも早く諦めた方が楽になりますわよ」

「助けてキリトk「すまないアスナ、俺ももう諦めてる」わ、私に味方はいないのね....」

「ほれ、早く言われた通りのポーズしろ」

「三回まわって....次にその場でしゃがんで....最後に二回ジャンプ。これで絶対成功...白、保証する」

 

 自分を誰も庇ってくれる人がいないとわかってしまい涙目になるアスナ。こんな街中で意味不明なことをさせられることになるなんて数時間前に誰が想定できるのだろうか。

 

(こうなったら最高速で終わらせるしかない....それも周りの人の目にも止まらぬ速さで!覚悟を決めるのよ私!)

 

 覚悟を決め動き出すアスナ。まさに神速とも呼べる速さで回転し、しゃがみ、とび跳ねた。

 

「や、やったわよ.... 本当にこれで成功するのよね?」

「ま、そこはやってみりゃわかるさ。さっさと強化しに行ってこいよ」

 

 アスナは空のニヤニヤした顔を見て、顔から火が出るくらい真っ赤にしながら涙目で鍛冶屋へと向かっていく。いくら強化を必ず成功すると言われても大通りでこんなことさせられたらやはり恥ずかしい。

 その姿を見たキリトは、すでにいろいろ諦めているとはいえ後で自分もこれやらせれるのかぁと思うが、強化を成功させるためだとぐっとこらえている表情をしている。

 

 

「へい、らっしゃい!どんな御用で?」

「この武器の強化お願いします。ウインドフルーレ+4を+5に、種類はアキュラシー。強化ブーストは無しでいいわ」

「強化ブースト無しだと成功率60%ほどですがよろしいですかい?」

「ええ、かまわないわ」

「へい、わかりやした。それでは武器と素材をお預かりいたしやす」

 

 アスナも「お願いします」と一礼し、まずウインドフルーレをNPCに渡した。続けてウインドウを操作し、事前にまとめておいた基材をオブジェクト化して渡し、最後に、看板に書いてある強化代行料金を支払い、すべての準備が完了した。

 看板ごしにじっと見守るアスナの視線の先で、奥に設置されている炉にNPCは右手を伸ばした。そして、アスナから受け取った素材をざらざらと炉に流し込む。流し込んだ素材はたちまち赤熱し、やがて炉の中を青い光で染め上げた。準備完了したところで、預かったウインドフルーレを鞘から抜き、炉に横たえる。

 青い光はたちまち細い刀身を包み込み、やがて剣全体が薄青く輝き始めた。

 NPCはすかさずレイピアを鉄床の上に移動させ、右手に鍛冶ハンマーを握って、高々と振りかぶった。

 カァン!カァン!とリズミカルな金属音を響かせながら鉄床にオレンジ色の火花が散る。一回、二回、三回、と上下するハンマーを見守るアスナ。製造と違って、強化に必要な打撃数はたったの十回だ。六回、七回、ハンマーは堅実なペースで青く輝く刀身を叩く。八回、九回、そして、十回。

 全工程が完了し、鉄床の上のレイピアが一瞬眩く輝いた。

 

「強化成功だ。まいどあり」

 

 




年もあけましてお久しぶりです。
これから少しずつ更新できるよう頑張ります。


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100%の武器強化

オリジナル小説書こうと世界観やキャラ設定考えてたらもうこんな日が経ってた...
あと今回かなり短め、理由はあとがきにて

それでは第三十一話です、どうぞ!


「な、俺の言った通りうまくいったろ?さすがは我が妹」

「このくらい、ちょちょいの...ちょい」

「まさかほんとに成功するなんて...」

 

 そう言って空は白の頭を撫でて褒めている。白もこのくらいどおってことないようなことをしたとはいえ兄に撫でられるのが気持ちいいのか素直に褒めれれている。

 

 正直な所、空が絶対に成功するとは言ってたものの内心では少し疑っていた。だってこれはゲーム。ましては確定要素なんてあるはずもない確率の話。つまり成功するか失敗するかはプログラムによって決めれれた乱数で全て決まる。もし、確実に成功させれると断言できるのはいたとしてもこのゲームを作った関係者くらいだろう。だというのにこの兄妹はあっさりとそれを成功させたのだ。確率を、運を当たり前かのように動かすことを。こんなものを見せられてはいくらやり方は企業秘密と言われても気になってしまうのも当然である。

 

「アスナの武器強化も終わったことだし次は俺らの武器もパパッと強化しちまうとするか。白」

「ん... メニュー開いて閉じてを6回繰り返してその後ポーション使えばいける」

 

 などと言いながら白の指示通りまた訳のわからない行動をしている。その隙にアスナはキリトに近づき肘でつっついて小声で話しかけた。

 

「ねぇあれって一体どういうこと?」

「さぁ、こっちの方こそ知りたいくらいさ。」

「あなた空たちとそれなりには一緒に居たんだしなんか知ってるんじゃないの?」

「一緒にいたって言ってもたかが数日じゃなぁ。俺なんかよりテトやステフの方がよっぽど(空と白)あいつらについて詳しいだろうし、アレについてもなんか知ってるんじゃないか。まぁ知っててもあいつらに口止めされてそうだけど」と、キリトに聞いてもたはいいが何も知らないようだ。

 

 そんな話をしながら空たちが謎の行動をしては武器強化してあっさり成功していく姿を見ている二人だった。

 

 

 

 

 

「よし、これで全員分強化完了か。」

「ほんとに一回の失敗もなしだなんて... ほんとどうやったの?」

「そこは始める前に言った通り企業秘密だ。また武器の強化したくなったらメッセージ飛ばしてくれればしてやるよ。それと武器強化成功させてやったんだから約束の件守れよ」

「あの鍛冶屋さんに行かなければいいのよね?理由は?って聞いても答えてくれなさそうだしそこは聞かないでおくわ。それと武器強化してくれるのは嬉しいけど毎回こんなことをするのはさすがに恥ずかしいんだけど...」

「よくアスナあんな恥ずかしいことできるよな。俺には無理だわ」

「私だってほんとは死ぬほど嫌よ、恥ずかしいし。でも絶対成功するって言われたら恥ずかしくてもやった方がいいじゃない。そうえばキリト君は普通に強化してたわね」

 

 そう。皆が全員あの謎な行為をしてから強化している中、唯一キリトだけは普通に武器強化を行っているのだ。

 

「確かに確実に武器強化を成功できるのはすげーいいことだと思う。だって圧倒的に楽だし失敗する不安もないしな。」

「だったら尚更した方がいいじゃない。やっぱり恥ずかしいから?」

「まぁそれもあるっちゃあるけど... この世界(SAO)で武器ってのはさ。戦い抜いて生き残るために必要不可欠なものだろ?」

「だからこそ大事なものなんだから確実に成功させた方がいいんじゃないの?」

「失敗もするかもしれないけど、その分成功した時の達成感はたまらないからな。誰かの手とか借りずに自分の意思で決めいっていうか」

「どっちの意見も十分わかるが。ま、そこはプレイスタイルの問題だな。」

 

 結局その手の論争はその人が何を大事にしたいかによって答えは変わるんだから正解はないあたりで落ち着いてしまうのだ。要は価値観の違いである。

 

「ま、それもそうね。時間的にもあれだしそれじゃそろそろ私も行くわ。それじゃまたね」

「おぉ、頑張ってこいよ〜」

 

 素材集め中に空たちが使っていた謎のスキルについて聞いてきたアスナにエクストラスキルである体術の情報を教えていたのだ。

 そして体術スキルの重要性に納得し、武器強化を終えたら早速取得しに行くと言いだしたのだ。

 空たちは笑顔でアスナを送り出してあげた。

 そして皆同じことを考えるのである。

 はたして何日で帰ってこれるかなぁ、と。

 

 

 

 




まーた更新遅れてしまってるよ。そして正直文才がないからうまく表現できてるかわからない ( )
あと会話文がやけに多くなっちゃってるのがあんま納得いってなかったり...


そして結構重要なお話
何かと色々あったけど更新が遅れてる最大の原因であるネズハの対応を決めねば...こいつ一体どうすりゃええねん
雑な結果でもいいからとにかく話を進めるべきか、それとも妥協せずにちゃんと話を練るべきか.... みなさんの意見下さいm(_ _)m
こっから先はネズハの対応決めてから書きたいので少なめになってます。

それではまた次回でお会いしましょう!


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