仮面ライダーフリーダム (あーくこさいん)
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第1話 誕生!その名はフリーダム!

この作品は『Dr.クロ』さんの作品に影響を受けて投稿しました。

読んでくれれば嬉しいです。


東京都米花町…

 

ここは名探偵『眠りの小五郎』が度重なる事件を解決している町…

 

だが、今日この町では警察はおろか名探偵ですら歯が立たない怪物が暴れていた…

 

 

 

 

 

キィィン‼︎キィィン‼︎ガッ‼︎ガッ‼︎

 

剣と鉤爪がぶつかり合う音が鳴り響いている。

1人は西洋の甲冑を模した白い装甲と仮面に水色を基調としたスーツ、両手に籠手(ガントレット)を付け右手に持つバスタードソード状の剣で敵を斬りつけていた。

もう1人の方は仮面の戦士と比べてかなり異質だった。

頭部はナイフを模した二本の触覚に剥き出しの歯、身体の各所に鋭利な刃物に似た棘が付いていた。

中でも特徴的なのが異様に長い両腕に手には三本の鉤爪が備わっていた。

まさしく特撮番組に出てくる“怪人”といえるだろう。

尤も特撮番組『仮面ヤイバー』に出てくる怪人よりもグロテスクさが際立っている。

 

そう、仮面の戦士と怪物が交差点のど真ん中で戦っていた。

交差点の周りには警察車両が道路を塞ぎ、さらに外側には警察官やマスコミ、野次馬などが傍観していた。

上空には報道ヘリが交差点での戦いを実況している。

 

リポーター「ご覧ください!現在“禍威人(バリアント)第二十一号”と“仮面ライダー第一号”が米花町の交差点で交戦しています!周りは警察車両が塞いでおり交差点で起きた激闘を見守っています!」

 

リポーターが興奮気味に実況する中、怪物に動きがあった。

怪物…斬撃禍威人(スラッシュ・バリアント)が高く飛び上がり、身体を丸めて高速回転した。

そしてそのまま仮面ライダーに向けて突撃する。

 

ガガガガガガガガガ‼︎

 

仮面ライダーは咄嗟に左手の籠手から円形のエネルギーシールドを展開し防ぎ切る。

するとバリアントは再び飛び上がり今度は刃物に似た棘を飛ばしてきた。

ライダーは咄嗟に剣を地面に突き刺し、右腰に携行している特殊な形状の銃を右手で構えてトリガーを引く。

その銃はサブマシンガン並の連射で棘をすべて撃ち落としたが、その隙にバリアントは急降下し懐に入り込む様に突進する。

 

突進した勢いをそのままに両腕の鉤爪を突き立てる。

だが…

 

???「フン!」

 

ライダーは左ストレートを打ち出し、バリアントを殴り飛ばす。

結構効いたのか、大きく吹っ飛ばされうまく立ち上がれなかった。

彼はその隙を見逃さなかった。

ベルトのバックルに左手を翳すと六角形の中に『J』の文字が映し出された長方形のカードが形成され、それを手に取る。

そして突き刺してあった剣を抜き、カードを剣に接続すると音声が流れる。

 

【クリティカル・ファンクション】

【クロス・スラッシュ】

 

音声が流れた後、剣からは光が宿る。

剣を構えエネルギーをチャージし終えるとまずは縦に剣を振りそのまま横に振った。

するとバリアント目掛けて縦と横の斬撃波が飛んできた。

よろめいていたバリアントは避ける事が出来ず斬撃波をモロに喰らいその身体には十字の切れ込みが入った。

 

バリアントがもがき苦しむ中、

 

ドゴォォォォォォ‼︎

 

爆発した。

戦いが終わった後、バスタードソード状の剣は短剣状に変形し左側の腰当てにあるナイフホルスターに収める。

すると傍観していた野次馬達から歓声が上がった。

 

 

 

先程暴れていた怪物…これこそが戦後初めて経験した戦争で三つの国家に分裂した日本の一つである中央日本のみに出現する『“禍”いを齎し“脅“威”となる“人”型超常生物』…

 

禍威人(バリアント)』である。

 

まさに特撮番組から飛び出したような存在に人々は恐怖する中、()()は突然現れた。

 

それはバリアントに対抗できる力を持った仮面の戦士…

 

人々は彼らをこう呼んだ…

 

『仮面ライダー』と………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところ変わって千葉県のとあるマンション…

 

扉には『405号室』と表示されており、その扉から青年が出てきた。

彼の名は大門巧(おおかどたくみ)

綺麗なロングヘアの黒髪に後ろ髪を結んだ髪型が特徴的な県立猫毛高等学校の生徒だ。

顔立ちといい髪型といい女性の様に見えるが男性である。

 

マンションの敷地から出て路地を歩いていると…

 

???「おっはーーー‼︎」

 

何やら大きい声がして振り向くと2人の女の子がいた。

1人は栗色のショートボブに紺色のリボンを付けていた。

もう1人はオレンジのボブカットにお団子二つ、目が前髪で隠れている。

そう、リボンの女の子は春野姫(はるのひめ)、お団子の女の子は片瀬真宵(かたせまよい)

彼のマンションの近くに住んでおり彼女達とは仲が良く、特に姫とは付き合っている。

 

姫「おはようございます、たっくん!」

 

巧「ああ、おはよう姫、真宵。」

 

挨拶すると3人は談笑しながら一緒に登校する。

 

巧「そういえば今日英語の小テストあるけど勉強したか?」

 

真宵「うえっ⁉︎今日⁉︎」

 

真宵は驚いた表情をする。

 

巧「…やってないな。」

 

真宵「てっきり明後日かと…」

 

姫「大丈夫ですか?」

 

巧「まぁ小テストは5限にあるし時間はあるっちゃあるが…」

 

真宵「確か何ページ?」

 

姫「えっと…18〜19ページでしたよ。」

 

巧「ん、あれは…」

 

彼は前に自転車を押しながら歩く男の子とその隣を歩く女の子がいた。

3人はその男女を知っていたので声を掛けた。

 

真宵「おっはーーー‼︎」

 

真宵が声を掛けると男女は振り返る。

黒みがかかったショートヘアにアホ毛が特徴的な男の子は音無(おとなし)伊御(いお)、腰の下まである青のロングヘアに伊御と同じアホ毛が特徴的な女の子は御庭(みにわ)つみき。

 

姫「おはようございます伊御くん、つみきさん。」

 

巧「おはよう伊御、つみき。」

 

伊御「ああ、おはよう真宵、姫、巧。」

 

つみき「…おはよう。」

 

そう言って巧達は挨拶し世間話をしながら登校する。

そうして学校に着くと、巧達のクラスの担任である桜川(さくらがわ)キクヱがいたので声を掛ける。

 

巧「あっ先生、おはようございます。」

 

キクヱ「あら皆さん、おはようです…ズルッ!…の⁉︎」

 

キクヱ先生はバナナの皮を踏み滑ってこけた。

 

真宵「バナナで転んだ…!」

 

姫「はう〜」

 

伊御「…感動した。」

 

つみき「心配しなさい。」

 

巧「先生、大丈夫ですか?」

 

???「怪我はありませんか?」

 

キクヱ「だ、大丈夫ですの〜」

 

心配して巧ともう一人の男子生徒が駆け寄った。

その男子生徒は黄土色のショートヘアが特徴的な戌井榊(いぬいさかき)である。

 

伊御「おっ、榊。」

 

榊「おっはー。」

 

榊は軽く挨拶する。

 

つみき「今日は朝から勢揃いね…」

 

伊御「合流っていうか遭遇って感じだけど…」

 

因みに、今いる五人の他にも三人程仲の良い友達がいる。

それはさておき、巧達六人は校舎内に入り教室に向かった。(榊だけは別のクラスで他の八人は同じクラスである。)

それからは普通に授業を受け、皆で昼ごはんを食べ、放課後巧達六人は帰り際にゲーセンに寄る事になった。

このように巧達の生活は至って普通だった。

 

()()()()()()

 

ゲーセンに入り巧達は様々なゲームを堪能し、エアホッケーをやる事になった。

巧はそのタイミングで便意を感じ一声かけてトイレに行くことに。

 

巧「ふ〜」

 

排泄してスッキリしていると、彼の携帯が鳴る。

確認すると『アプリのインストールが完了しました』と表示されていた。

 

巧(ん?俺アプリ入れたっけ?)

 

彼は不思議に思い、スマホのホーム画面を開く。

するとあるアプリを見つけた。

 

巧「…『RBパーティ』?なんだこれ?」

 

入れた覚えのないアプリに困惑する。

すかさずアプリをアンインストールしようと長押しするが…

 

巧「…アンインストール出来ない?」

 

本来なら長押しするとアンインストール出来るはずだが、このアプリは出来なかった。

怪しげなアプリだったが、一応そのアプリを開いてみる事にした。

 

開いてみるとロード画面を経て、何やらロゴマークが映し出されると女性の声が響く。

 

???『初めまして、大門巧さん。私はライダーバトルパーティの運営・管理を担当してます、“ワールド”と申します。以後お見知りおきを。』

 

女性は『ワールド』と名乗る。

突然の事に困惑していると前方の空間が歪み、そこから長方形のカードが出てきた。

そのカードは六角形の中に『F』の文字が映し出されている。

 

ワールド『これは【ライダーカード】簡単に言えば仮面ライダーに変身するのに必要不可欠なアイテムです。』

 

巧(…仮面ライダーだと⁉︎)

 

ワールド『貴方は仮面ライダーに変身出来る【適合者】として選ばれた為、このカードとアプリを贈呈しました。』

 

巧は困惑していた。

仮面ライダーや自分の住んでいる中央日本で暴れている禍威人(バリアント)の事はテレビで話題になっている為知っているが、誰が仮面ライダーに変身しているかは明かされていない(そもそも知らない)上にまさか自分が仮面ライダーになるとは思ってもみなかったのである。

訳が分からず困惑するが、彼女は続ける。

 

ワールド『困惑するのも無理はありません。ですが適合者として選ばれた以上、貴方様が禍威人(バリアント)と…それ以上に手強い存在と戦う事は決定事項です。』

 

巧(いや、そんな事言われても…)

 

ワールド『ですので近いうちにチュートリアルとして禍威人(バリアント)と戦って貰います。それでは、良い仮面ライダー日和を。』

 

その声を最後に、画面はアプリのホーム画面に切り替わる。

 

巧(…いや、“良い仮面ライダー日和”ってなんだ?)

 

彼は疑問に思ったが、この事は明日真宵に聞いてみる事にし皆と合流した。

 

 

 

 

 

ゲーセンを出て、伊御、つみき、榊と別れ家が近い姫と真宵と一緒に帰っている。

その時、携帯から勢いよくアラーム音が鳴り響く。

 

真宵「ん?何じゃ?」

 

姫「たっくんの携帯から鳴ってますよ?」

 

巧は携帯を取り出すと勝手にインストールされた『RBパーティ』からであった。

 

真宵「RBパーティ?何じゃそのアプリは?」

 

巧「いや、俺の知らない間にインストールされたから…」

 

するとトイレで聞いたのと同じ声が響く。

 

ワールド『お待たせしました、大門様。只今チュートリアルの準備が整いましたので準備をして下さい。あと、戦い方は貴方様の脳に直接送ります。』

 

巧「…は?」

 

姫「えっと…これは?」

 

突然の事に巧達は困惑する。

その時だった。

 

ケケケケケ・・・

 

何やら後ろから気味の悪い声がしたので振り返ると、

 

真宵「ん⁉︎何じゃあれは⁉︎」

 

そこには屋根に人影のようなものを見つける。

その人影は人間のものとは思えない跳躍を見せ、巧達の前に着地する。

その姿が鮮明になると、巧達は戦慄する。

 

何故ならその姿は人間のものでは無く、蜘蛛のような複眼に黄色と黒の縞々模様、剥き出しの歯と牙に六本の手と足には鉤爪がある。

まさに特撮番組に出てくる“怪人”…

 

姫「ば、ば、禍威人(バリアント)⁉︎」

 

姫が声を上げる中、蜘蛛禍威人(スパイダー・バリアント)の口元が大きく開き勢いよく糸が吐き出される。

 

巧「っ!危ない‼︎」

 

巧は咄嗟に姫と真宵の身体を引っ張って回避する。

吐き出された糸は電柱に着弾すると、その電柱に糸の塊が付着する。

初めに吐き出された糸を回避した巧達であったが、バリアントはすかさず糸を連続で放ち姫と真宵に命中した。

 

姫「きゃ⁉︎」

 

真宵「うえっ⁉︎」

 

命中した糸は姫と真宵に絡まり、二人は身動きが取れない。

獲物の動きを封じ込めたバリアントは二人に近づく。

 

巧「させるか…!」

 

巧はすかさずバリアントの前に立ち塞がる。

普通の人なら恐怖のあまり動けないし、そもそも力関係からバリアントの方に軍配が上がる。

だが、このままでは姫と真宵が襲われる。

 

覚悟を決めると彼は飛び上がりそのまま蹴りを入れた。

彼も伊御やつみき以上に身体能力が高く、彼の飛び蹴りはバリアントを怯ませた。

 

バリアントは糸を吐き攻撃するが、彼はなんとか回避する。

すると怪人は飛び上がり巧を押し倒す。

 

巧「ぐっ…!」

 

姫「たっくん!」

 

バリアントは牙を突き立てようとするが、間一髪で牙を掴みなんとか耐える。

だが、力尽きるのも時間の問題だ。

 

巧(くっ、どうすれば…⁉︎)

 

その時だった。

突如渡されたライダーカードが回転しながら飛んできてバリアントを攻撃する。

バリアントが怯み仰反ると、飛び回ったカードは巧の手に渡る。

突然の事に唖然とする巧だが、カードを持った瞬間変身方法や攻撃兵装、必殺技などが脳に直接伝わった。

 

ますます困惑がまずはバリアントの対処の方が先だと判断した巧は意を決してカードの六角形の部分を押す。

するとベルトが形成され腰に装着される。

 

巧「変身!」

 

掛け声と共にカードをベルトのバックルに翳すとカードはベルトに吸収されバックルに『F』の文字が表示される。

すると…

 

【フリーダム トランスフォーム】

 

音声が流れ、彼の身体は光に包まれる。

あまりの眩しさに姫と真宵はもちろんの事、バリアントも怯む。

 

光に包まれた巧の身体に黄緑色のスーツが装着され、その後に両腕部と両脚部、胸部に白色の装甲も続けて装着される。

そして仮面が顔全体を覆う様に装着され、仕上げにマフラーが首元に巻かれて変身が完了する。

 

光が収まり、姿が露わになる。

その姿は黄緑色のスーツに白色の装甲、赤色の複眼に右側に寄った大きめのブレードアンテナ、首元に深紅のマフラーを巻いた戦士…

 

そう、『仮面ライダーフリーダム』に変身したのだ。

 

真宵「な、何じゃこりゃあああああ⁉︎」

 

姫「た、たっくんが変身しちゃいました⁉︎」

 

真宵と姫が驚く中、巧は困惑していた。

だが、バリアントは仮面ライダーの姿を見るとそれが倒すべき敵と認識したのか有無言わさず襲い掛かる。

この状況に我に返った彼は覚悟を決めて応戦する。

 

仮面ライダーに変身したので元から高かった身体能力が更に格段に上がり、バリアントに対して肉弾戦が出来る様になる。

六本の腕の鉤爪による連続攻撃を次々受け止め、カウンターを決める。

カウンターで怯んだ隙に右ストレートを打ち込み、バリアントを大きく吹き飛ばす。

 

肉弾戦が不利だと判断したバリアントは糸による攻撃を行った。

彼はすかさず回避し、バリアントも連続で糸を吐き出すが一向に当たらない。

 

バリアントは攻撃方法を変え、なんと両手から糸を放つ。

しかも糸の弾丸ではなくロープ状のものだ。

勢いよく放たれたので回避する間もなく糸が彼の身体に巻き付く。

 

フリーダム「ぐっ⁉︎」

 

なんとか引き千切ろうとするが、固くて解けない。

するとバリアントは両手の糸を引っ張り、ライダーを引き寄せる。

彼もなんとか踏ん張るが、徐々に引っ張られる。

 

このままでは危ないが、巧は両脚部の装甲を展開する。

すると展開した箇所から電撃が発生し、次の瞬間猛スピードでバリアントに急接近する。

 

真宵「は、速い!」

 

真宵がそう驚く中、彼は高速移動の勢いのまま連続キックを叩き込む。

猛スピードで上乗せされた連続キックを叩き込まれた事により、バリアントは大きく吹っ飛んだ。

大きく吹っ飛んだおかげで巻き付いた糸は勢いよく千切れた。

バリアントは今までのダメージが蓄積し過ぎたのか上手く起き上がれない。

 

その隙を彼は見逃さなかった。

右手にベルトのバックルに翳すとライダーカードが形成され、それを手に取る。

そのライダーカードを右足の展開した装甲部に接続する。

 

【クリティカル・ファンクション】

【ライダーキック】

 

そう音声が流れた後、右足の装甲が光り出す。

次の瞬間、彼は大きく跳躍する。

宙返りした後、右足を突き出してバリアント目掛けて急降下する。

なんとか起き上がったバリアントは避ける事が出来ずに、キックが命中する。

キックによってバリアントの身体を大きく粉砕し、そして…

 

ドゴォォォォォォ‼︎

 

爆発した。

彼は着地し爆発した所を振り返る。

すると右足に接続されたライダーカードが飛び出し爆発場所から粒子を吸収する。

そしてライダーカードは彼の手元に戻り、変身が解かれた。

彼はカードを見る。

 

【ゲットアビリティ:スパイダーアームズ】

 

の文字が表示され、先程の女性の声が響く。

 

ワールド『おめでとうございます。フリーダムの特性により蜘蛛禍威人(スパイダー・バリアント)の能力を獲得しました。これよりチュートリアルを終了します。』

 

女性の声が途切れ、巧が呆然としていると…

 

「たっくーーーーーーん‼︎」

 

「ぐえっ⁉︎」

 

姫が勢いよくダイブしてきた。

続いて真宵も駆け寄って来る。

 

姫「大丈夫ですか⁉︎怪我はありませんか⁉︎」

 

巧「だ、大丈夫だから!落ち着いて!」

 

真宵「巧さん、今のは何じゃ⁉︎その変身アイテムを出来れば詳しく!」

 

姫には心配され、真宵には変身アイテムの事について聞かれる巧。

この日を境に彼はバリアントとの戦いに身を投じる事になった。




次回、『灼熱を吸い込め!フールワドン!』

乞うご期待ください。


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第2話 灼熱を吸い込め!フールワドン!

※この世界はベースとなっているコナンの世界とは異なる歴史を歩んでいます。


巧が仮面ライダーフリーダムに変身した翌日、巧と姫は真宵の家にいた。

もっとも彼女の家は研究所(ラボ)も兼ねていたが。

現在変身アイテムであるライダーカードは真宵が預かり解析している。

 

すると目の前の扉が開き真宵が出て来た。

どうやら解析が終わったようだ。

 

姫「あっ真宵さん。」

 

巧「どうだった?」

 

真宵「どうしたもこうしたも無いんじゃよ!」

 

彼女はモニターを使って興奮気味に説明する。

モニターに様々な数値が書かれているが、巧と姫にはちんぷんかんぷんである。

なんでもライダーカード自体がオーバーテクノロジーの塊であり、

 

・カード自体が量子コンピュータと同等かそれ以上のデータ量を誇る情報媒体

 

・データから物質、物質からデータに変換する特殊機構

 

・量子を織り込んだ特殊繊維

 

・タングステン合金を遥かに凌ぐ耐久性を持つ特殊装甲

 

…など、このカードとスーツにその様な技術が備わっているらしい。

 

真宵「とにかくこのカード…いやライダースーツは今の科学技術を最低でも100年進化させる事が出来る代物なんじゃよ‼︎」

 

巧「…とにかく凄い代物なんだな、これは。まぁ自衛軍(※中央日本の軍隊)を投入しても鎮圧出来るかどうかあやしい禍威人(バリアント)を単体で倒すからな。すげーのも無理はないか…」

 

姫「でもワールドさんの話が本当なら日本中で活躍している仮面ライダー達も彼女がその人達にカードを渡したって事ですよね?一体何が目的なんでしょうか…」

 

真宵「う〜ん、もしかしてデータ取りの為かも…」

 

俺達は考察したが、現段階では情報が少ない。

 

巧「…まぁそれはこれから考えるとして、どうする?」

 

姫「どうするって、何を?」

 

真宵「この事を伊御さん達に伝えるか否かの話?う〜ん、今は言わなくていいんじゃ?」

 

姫「そうですね…今は話さなくても大丈夫だと思いますよ。」

 

姫と真宵の提案を受け今は伊御達にこの事は話さない事に決めた。

 

 

 

 

 

その次の日、巧達6人は茨城県にある民間軍事警備会社『タケフツ・セキュリティ・コンサルティング・サービス社(別名:“TSCS社”或いは“タケフツ社”)』の基地に来ていた。

 

タケフツ社は巨大複合企業(コングロマリット)『ジパング・エンタープライズ』傘下の民間軍事警備会社もとい六大PMC(ビックシックス)に数えられる民間軍事会社だが、その装備は正規軍に匹敵しており別名『ジパングの軍隊』と呼ばれたりする。

主に警備・警護・兵站業務サービス、各国軍に対する軍事訓練・戦略アドバイスなどを行う。

 

この企業は2002年に設立、当初存在は秘匿されていたが2009年に起きたジパング・エンタープライズに対する企業テロの鎮圧の際に存在が公にされた。

これまで数々の戦争・紛争に介入してきた事もあり練度はかなり高い。

 

今日この基地は民間人の理解の為、一般公開されている。

巧達も見学客としてこの基地に来ていた。

 

伊御「ここがタケフツ社の…」

 

巧「そう。ここには陸上部隊とヘリ部隊が駐屯しているんだ。」

 

つみき「そういえばここ以外にも基地があるんでしょ?」

 

榊「確か中央・南日本をはじめ東南アジアやインドなどに基地を置いてるんだっけ…」

 

真宵「…まさに『ジパングの軍隊』と呼ばれる所以はあるんじゃね。」

 

巧「まぁAMVやヘリコプターをはじめ輸送機にガンシップ、高速輸送艦などを保有しているからな…」

 

民間軍事会社が何故正規軍顔負けの戦力を保持しているかと言うと、それは2000年にまで遡る。

この年に起きた世界株式市場の暴落によって、『失われた20年』と呼ばれる長い騒乱の時代に突入する。

特に大国アメリカの影響力が低下し、『世界の警察』としての役割を果たせなくなった。

その結果起こった軍事費等の削減によって、世界中に駐屯している米軍の縮小が起き、アメリカの軍事力を背景にした安全保障体制は瓦解した。

もちろん日本にも飛び火した上に当時の大統領が自国第一主義(アメリカ・ファースト)を推し進めた事も重なり2013年には在日米軍の三分の一が撤退する事態に陥った。

そして同年に起きた北海道戦争(ロシア連邦が北海道に軍事侵攻した戦争、第二次日露戦争とも言われる)で日本は日米安全保障条約を理由にアメリカに助けを求めたが、肝心のアメリカは経済事情を理由に拒否、戦争に介入しない事を公言した。

その為日本は単独で戦わざるを得なくなりタケフツ社の助けもあって3ヶ月は粘ったが、ロシア軍の放った新型爆弾により仙台と新潟が壊滅、それがきっかけで日本は無条件降伏を受諾。

これにより北海道は割譲され蝦夷共和国としてロシア連邦(※その翌年に国号をユーラシア連邦に改名)に編入、沖縄以外の在日米軍は撤退する事になった。

それが決め手となりアメリカに対する不信感が爆発、中東やアフリカなどで紛争が勃発する事態になった。

 

この様に国家の影響力が低下した為、紛争などの厄介ごとは民間軍事会社に丸投げする事が多くなった。

その過程で正規軍に匹敵する装備と戦力を整え、今では民間軍事会社や軍需メーカー、それらを傘下に収める複合企業の影響力が拡大した。

 

PMCの一つであるタケフツ社を傘下に置く『ジパング・エンタープライズ』は鈴木財閥と並ぶ日本の巨大複合企業(コングロマリット)であり、『ロボットテクノロジー』『最先端技術開発』『航空関連技術』『宇宙開発』『資源・エネルギー開発』の5部門を主軸としている。

ロボットとパワーアシスト技術を専門的に扱う企業『ジパング・ロボテクアーツ』が前身であり、バブル崩壊で日本全体が不況に苦しむ中ロボットとパワーアシスト関連の技術を発展させて林業・農業・土木業・軍用などのロボット及びパワードスーツを開発しそれを日本をはじめ他国に売り込む事で成長した。

特に日本でのロボット・パワードスーツ普及は少子高齢化による労働力の低下を解消したのは大きかった。

 

また同時期にAIによる新たな産業革命を予見した創業者は、脳活動をAI解析し思考で機器を動かすデバイスを開発していたが、開発の難航と不況の煽りを受けて経営難に陥ったベンチャー企業『ファウスト』を買収、出資する事でAI・BMI技術を発達させ、ジパング・エンタープライズの更なる発展に寄与した。

 

さらにジパング・エンタープライズは軍需関連にも力を入れており、特に敗戦直後にクーデターを起こし日本国から独立した南日本もとい大日本共和国での武器輸出の緩和により軍需産業の活性化が起き南日本の早い段階での経済成長を促した。

 

巧達の住んでいる中央日本もジパング・エンタープライズと鈴木財閥により復興を遂げ、経済大国としての威信を取り戻した。

 

それはさておき巧達は受付を済ませて基地内に入っていく。

地上施設だけを見れば一般的な基地に見えるが地下には広大な格納倉庫や地下通路に巨大エレベーターがあり、そこには北欧の軍需メーカーであるパトリオ社製のAMVや国産多用途ヘリコプター『UH-2』、物資の輸送に用いる軍用トラックに銃火器など大量の武器弾薬を貯蔵している。

この基地はタケフツ社の基地でもあり陸上自衛軍の兵站基地として機能する。

 

巧達見学客は基地の地下施設の一つである訓練区画に来ていた。

この訓練区画は市街地を模しており、タケフツ社の契約戦闘員(コントラクター)は市街戦を想定して日々訓練している。

今現在訓練区画では市街戦を想定した戦闘訓練を実施中であり、その訓練光景を見学客が分かるようにアナウンスしている。

一番の目玉は建物をジェットパックで飛び移り高所からミサイルや重機関銃で標的を破壊する軍用パワードスーツ『EXOギア』を駆る機動歩兵だ。

 

姫「わ〜すごいですね!」

 

巧「ジパング・ロボテクアーツ社の軍用パワードスーツ『防人』の最新型だな。」

 

榊「まさかゲームに出てたパワードスーツが現実になるとは…」

 

真宵「まさに技術の進歩は凄いもんしゃね〜」

 

伊御「…いや、真宵の方が凄いと思う。」

 

つみき「同じく。」

 

現に真宵はとんでもないモノを発明してたりする。

こうして巧達は基地見学をしていたが、突如として揺れが発生し警報が鳴る。

 

巧「ん?」

 

真宵「どうしたんじゃ?」

 

巧達見学客が困惑する中、しばらくしてアナウンスが入る。

 

アナウンス『見学客の皆様!只今当基地にて禍威人(バリアント)が出現しました!』

 

榊「何⁉︎」

 

伊御「禍威人(バリアント)だと⁉︎」

 

アナウンス『現在、基地に駐在している戦闘員が対応中です!見学客の皆様は誘導に従い避難してください!』

 

禍威人(バリアント)の出現の知らせに皆パニックになる。

日本各地に現れては暴れ回る禍威人(バリアント)の被害は街全体に及ぶ事がある為、日本人ならその危険性を嫌というほど理解している。

その為皆騒然としパニックにになっている。

 

伊御「とりあえず俺達も避難しよう!」

 

榊「おう!」

 

伊御達も避難する中、禍威人(バリアント)に対抗出来る力…『仮面ライダーフリーダム』の変身アイテムを持っている巧は………

 

 

 

 

 

戦闘員「撃て撃て‼︎」

 

タケフツ社の契約戦闘員(コントラクター)は訓練区画に侵入してきた禍威人(バリアント)に向けて発砲する。

EXOギアの対戦車ミサイルや駆逐戦車仕様のAMVの120mm榴弾砲を禍威人(バリアント)に叩き込む。

やがて爆煙が覆い尽くし砲撃が止む。

 

戦闘員「やったか⁉︎」

 

だが次の瞬間、火炎が勢いよく放たれAMVに命中。

一瞬で破壊された。

そして立ち込める煙の中から禍威人(バリアント)が出て来る。

 

目に当たる部分から炎が噴き出て身体の至る所にチューブやら機械やらがツギハギの様に繋がっている。

そして両腕が火炎放射器みたいになっており、背中の四つの穴から火が出ている禍威人…『灼熱禍威人(ヒート・バリアント)』だ。

 

禍威人(バリアント)はタケフツ社所属契約戦闘員(コントラクター)の攻撃をものともせず前進する。

 

戦闘員「駄目だ…歯が立たない!」

 

戦闘員の一人がそう呟く。

すると灼熱禍威人(ヒート・バリアント)は両腕を前に向ける。

先程の火炎を放つつもりだ。

 

戦闘員「まずい!退避!」

 

戦闘員達は急いで距離を取ろうとするが禍威人は火炎を放つ。

逃げ遅れた戦闘員は身構えるが、火炎は来なかった。

何事かと振り向くと、何者かが禍威人に飛び蹴りをお見舞いしそれによって火炎が見当違いな所へ飛んでいったのだ。

 

禍威人は大きく吹っ飛ばされ建物に激突する。

そこにいたのは黄緑色のスーツに白い装甲、赤色の複眼に右側に寄った一本のブレードアンテナ、首元に真紅のマフラーを巻いた戦士…

 

そう、大門巧が変身する『仮面ライダーフリーダム』だ。

 

戦闘員「仮面ライダー‼︎」

 

フリーダムは彼らの無事を確認すると禍威人の方を向く。

禍威人の方はなんとか起き上がりフリーダムの方を見る。

禍威人の姿を確認したフリーダムは構える。

 

彼が何故仮面ライダーとして選ばれたのか…それは分からない。

だが人々が禍威人に襲われて、仮面ライダーに変身出来るのに何もしないのは…

 

フリーダム(…そんなのはイヤだ!)

 

だから彼は仮面ライダーとして戦う事を選んだ。

まぁ禍威人と戦っていればその内選ばれた理由が分かるだろうという希望的観測もあったが。

 

 

 

 

 

一方、伊御達見学客は誘導に従い地上に出ていた。

禍威人は地下で暴れている為、会社側は見学客達を一旦地上に避難誘導したのだ。

 

榊「はぁ…はぁ…なんとか地上へ出れたな。」

 

伊御「みんな無事のようだな…」

 

つみき「…みんな?」

 

するとつみきがある事に気付く。

 

つみき「巧は?」

 

姫「え⁉︎」

 

つみきの指摘にみんなは辺りを見渡すが巧の姿が見当たらない。

 

榊「巧がいねぇ⁉︎」

 

伊御「はぐれたのか?」

 

巧がいない事に皆パニックになるが、姫と真宵は心当たりがあった。

 

真宵(巧さん、まさか…)

 

姫(たっくん…)

 

つみき「…ねぇ姫、真宵。」

 

姫と真宵の反応を不審に思ったつみきがこう切り出す。

 

つみき「もしかして心当たりがあるの?」

 

姫「ふぇ⁉︎」

 

伊御「…何?」

 

榊「お、おい!どういう事だよ⁉︎」

 

真宵「そ、それは…」

 

真宵は答えるのを躊躇したが、姫の方に目を向ける。

姫は静かに首を縦に振ると真宵は観念して話す。

 

真宵「伊御さん、榊さん、つみきさん、落ち着いて聞いてほしいんじゃ。実は…」

 

 

 

 

 

仮面ライダーフリーダムと灼熱禍威人(ヒート・バリアント)はタケフツ社の訓練区画にて激闘を繰り広げていた。

禍威人はフリーダムに向けて火炎を放ち、彼を焼き殺そうとしていた。

フリーダムは持ち前の身体能力を活かして迫り来る火炎を回避する。

回避しながら禍威人に接近しパンチを連続で叩き込む。

禍威人はガードしながら火炎を放射してフリーダムを退けた。

炎が燃え移ったフリーダムだが、距離を取った後なんとか振り払いこれ以上の延焼を防いだ。

 

だが現状フリーダムが不利だった。

仮面ライダーフリーダムが対峙してから火炎の勢いが凄まじくなり、両腕の火炎放射器だけで無く背中の四つの穴からも火炎を放ち周囲一帯を焼き尽くす。

迫り来る火炎にフリーダムは身動きが取れない。

さらにこのまま暴れると伊御達見学客がいる地上にも被害が及びかねない為、この訓練区画で決着を付けなければならない。

 

フリーダム(どうすれば…?)

 

考えを巡らせていると、彼はある事を思い出す。

それは彼が初めて仮面ライダーフリーダムとして戦う際にライダーカードから変身方法や攻撃兵装、必殺技が脳に直接伝わった時だ。

その時伝わったフリーダム専用の攻撃兵装というのが棒状の武器…『フールワドン』だ。

 

このフリーダムに備わっている兵装を試すチャンスだと思った彼は首元に巻いてある真紅のマフラーを外す。

外したマフラーは形状記憶合金の様に変化し、真紅の色はそのままに身の丈の長さを誇る棒…『フールワドン』へと姿を変えた。

 

禍威人と戦う仮面ライダーはタロットカードの大アルカナがモチーフであると言われている。

そんな巧の変身する仮面ライダーフリーダムのモチーフは大アルカナ0番『愚者(THE FOOL)』である。

『愚者』のカードには旅人が長い棒に荷物を括り付けて旅に出る様子が描かれているのでフールワドンもそれに肖った兵装だ。

 

また棒は小アルカナにおいて四大元素の火を司ると言われており、フールワドンもそれを元にした機能を搭載している。

彼はフールワドンを前に翳す。

すると周囲一帯に燃え広がっていた火が吸い込まれる様にフールワドンは吸収する。

先程まで燃え上がっていた火がフールワドンに吸収された事により訓練区画は結果的に鎮火した。

 

フールワドンの機能…それは『火に関連するものを吸収しエネルギーに変換する』というモノだ。

周囲一帯に燃え広がっていた火をたらふく吸収したので蓄えたエネルギーも膨大である。

 

禍威人の方はあれだけ燃え広がっていた火が消された事に驚きながらもフリーダムに向けて火炎を放つ。

迫り来る火炎に臆する事なく彼はフールワドンを横に大きく振る。

すると振った事でエネルギー衝撃波が放たれ火炎を掻き消し、そのまま禍威人に直撃した。

衝撃波をもろに受けた禍威人は大きく吹っ飛ばされ建物に叩きつけられる。

 

大きな隙を見逃さず彼は追撃に入る。

両脚部の装甲を展開し猛スピードで禍威人に接近、そのままフールワドンを連続で突く。

連続突きで禍威人にダメージを与え、禍威人の方も背中の穴から炎を出して応戦するが間髪入れず突き続け、遂に大きく怯ませる事が出来た。

 

彼は左手をベルトのバックルに翳すとライダーカードを取り出し右腕に接続する。

 

【クリティカル・ファンクション】

【バスター・スティング】

 

音声が流れた後、彼は構えの姿勢を取りエネルギーをワドンに集中させる。

エネルギーが臨海まで貯まると禍威人に向かって両脚部の装甲を展開、高速移動によるスピードを合わせた突きを喰らわす。

蓄積されたダメージで回避もままならない禍威人にフールワドンは命中し、当たった瞬間解放されたエネルギーが禍威人を内側から破壊、貫通し放出されたエネルギー衝撃波はそのまま訓練区画の建物を破壊した。

 

身体に大きな穴が空いた灼熱禍威人(ヒート・バリアント)は全身に火炎が溢れ出て、そのまま爆発した。

蜘蛛禍威人(スパイダー・バリアント)の時と同じ様に右腕からライダーカードが飛び出し爆発場所から粒子を吸収する。

 

【ゲットアビリティ:ヒートバーナー】

 

その様な文字が浮かび上がり、灼熱禍威人(ヒート・バリアント)の能力も吸収出来たのだ。

巧は目立たない場所で変身を解除する為、その場を後にした。

 

 

 

 

 

地上に出た後目立たない場所で変身を解除、そのまま伊御達に合流するまでは良かったが…

 

伊御「………」

 

榊「………」

 

つみき「………」

 

どうも妙な空気になってた。

それと同時に姫と真宵が気まずそうな顔をしていたので彼は状況を察した。

 

巧「…もしかしてバレた?」

 

つみき「姫と真宵から聞いたわよ。」

 

榊「まさかお前が仮面ライダーなんてな…」

 

伊御「衝撃を通り越して放心したぞ。」

 

早い段階で伊御達3人に正体がバレたが、詳しい事は明日の放課後真宵の家で話す事にした。




次回、『解明!フリーダムの秘密(スペック)!』

乞うご期待ください。


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第3話 解明!フリーダムの秘密(スペック)

今回は禍威人との戦闘シーンはありません。


ある空間に仮面の戦士…『仮面ライダーフリーダム』が立っている。

 

すると彼の周りを黒ずくめの男達が取り囲む。

その格好は『仮面ヤイバー』に出てくる敵組織の戦闘員だった。

戦闘員達は武器を用いて攻撃を仕掛ける。

 

…が、彼は襲い掛かる戦闘員達をパンチやキックやらで一人、また一人と倒していく。

元々彼の身体能力が高いのを生かし戦闘開始から数分で戦闘員を全滅させる。

 

戦闘員が全滅すると今度は怪人が戦闘員を率いて一斉にフリーダムに襲い掛かる。

禍威人(バリアント)では無くこれも『仮面ヤイバー』に出てくる怪人だが。

 

彼は慌てる様子も無く一旦距離を取って構える。

 

【スパイダーアームズ、GO‼︎】

 

電子音声が響くと彼の両手が蜘蛛の巣状の模様となり掌から某蜘蛛男よろしく糸を射出する。

糸が戦闘員にくっつくとそれを勢いよく引っ張りハンマー投げの要領でぶん回す。

 

この方法で戦闘員を倒し後は怪人のみとなった。

怪人は様々な攻撃を行うも彼は回避し怪人に向けて右手を突き出す。

 

【ヒートバーナー、GO‼︎】

 

すると右手が変化し四角い銃口をしたバーナーになる。

そこから火炎が噴き出し怪人を焼き尽くす。

 

全ての敵を倒したその時、空間の映像が変わる。

さっきまで何処かの路地裏を映していたが、真っ白な空間に変わる。

 

真宵「巧さーん、お疲れ様じゃよ〜。」

 

真宵の声がすると巧は変身を解除し、みんながいる部屋の窓を見る。

そう、ここは真宵の家…研究所(ラボ)だ。

仮面ライダーフリーダムのスペックを測るためにラボの比較的広い部屋で仮想敵とのバトルを行った。

そのバトルからフリーダムのスペックを測っており解析し終えたのだ。

 

解析の為の機械が置かれている部屋には真宵、姫、伊御、榊、つみき、そして…

 

京谷「すげぇ…!」

 

咲「ニュースで見たけど、実際に見るのは初めてね…」

 

佳奈「すっご〜い!」

 

彼らの友人である西原京谷(さいばらきょうや)崎守咲(さきもりさき)深山佳奈(みやまかな)もいた。

初めての変身を見た姫と真宵、昨日フリーダムの正体が巧だと知った伊御、榊、つみきは兎も角、何故この3人がここにいるか…少し時を遡る。

 

 

 

 

 

放課後、帰り支度の際に真宵が巧に対しこんな事を言った。

 

巧「フリーダムのスペックを測りたい?」

 

真宵「そう。この際だから詳しく測っておく必要があるのじゃよ!」

 

真宵の提案に巧は少し考える。

確かにスペックを詳しく知る事で戦術の幅が広がるのでやってみる価値はあると。

 

伊御「しかし真宵の家にそんな空間があるのか?」

 

真宵「フェッフェッフェッ〜そこん所は大丈夫じゃよ!」

 

真宵が自信満々にサムズアップすると…

 

佳奈「あれ〜何話してるの〜?」

 

そこに佳奈、咲、京谷がやって来る。

 

巧「あっ…えっと……」

 

巧が答えあぐねている中、伊御と榊が近寄り小声で話す。

 

伊御「おい、どうするんだ?」

 

榊「うむ…多分この3人なら口外はしないだろうがな……」

 

咲「ん?どうしたのよ、こそこそ話して…?」

 

姫「いやえっと…」

 

咲の追求に姫も答えあぐねていると真宵がこう切り出す。

 

真宵「…3人ともこの後特に予定無いのならついて来るかにゃ〜?」

 

佳奈「何かあるの?行く行く!」

 

京谷「まぁ今日は特に予定無いしな、俺も。」

 

咲「じゃあ私も行く。」

 

こうして巧達は3人を加えて真宵の家に行く事になった。

真宵の家に着いた時、ある空間に案内される。

 

真宵「見よ!これが私製作訓練フィールドじゃよ‼︎」

 

そこは真っ白な空間で体育館並に広い空間だった。

 

巧「広…体育館並じゃん⁉︎」

 

榊「どうやって作ったんだ⁉︎」

 

佳奈「広〜い!」

 

各々が反応を見せる中、京谷がこう切り出す。

 

京谷「…で、此処で何するんだ?」

 

伊御「…それよりここからは他言無用で頼む話をするぞ。」

 

こうして伊御は3人に話す。

巧が変身する仮面ライダーフリーダムの事を…

 

京谷「マジかよ⁉︎巧が昨日タケフツ社の基地を襲撃した禍威人(バリアント)を倒した『仮面ライダー第七号』なのか⁉︎」

 

佳奈「えー、本当〜⁉︎」

 

咲「でも嘘でもないわね、伊御君達を見るからに…」

 

衝撃のカミングアウトに3人はそれぞれ反応を返す。

巧は信憑性を持たせる為、みんなの目の前で変身する。

 

【フリーダム トランスフォーム】

 

眩い光が収まると巧は仮面ライダーフリーダムの姿となった。

 

京谷「ほ、本物だ…マジで本物の仮面ライダーだ……」

 

咲「京谷、そのコメントはキモいわよ。」

 

京谷「キモい言うな!正直な感想だろうが⁉︎」

 

仮面ライダーフリーダムを見て驚く京谷だったが咲の発言に怒鳴る。

 

フリーダム「…とにかくこれで信じてくれる?」

 

佳奈「私は信じるよ〜巧っちが仮面ライダーなのを!」

 

尋ねる巧に佳奈は笑顔で答え、京谷と咲も頷く。

 

 

 

 

 

こうして巧の友人全員が正体を知る事となり仮面ライダーフリーダムの訓練を見学している。

そして訓練が終わり変身を解いた巧が解析部屋に入るとパソコン等で解析作業をしている真宵が振り向く。

 

真宵「解析結果が出たんじゃよ!」

 

そう言うと真宵はパソコンの画面をみんなに見せる。

 

【仮面ライダーフリーダム】

身長:190cm

体重:85kg

パンチ力:4t

キック力:8t

ジャンプ力:40m

走力:100mを5秒

 

基本スペックは大体こんな感じだ。

 

真宵「巧さんの変身する仮面ライダーフリーダムは機動力が高いのが特徴でパンチ力とキック力は比較的低いけどそれを手数で補う戦闘スタイルじゃよ!」

 

彼女はそう説明すると続いてRBパーティに記載されていたフリーダムの各機能を真宵の解析結果と照らし合わせて紹介した。

 

【仮面ライダーフリーダムの各機能】

 

・フリーダムアンテナ

 多機能型ブレードアンテナ。

 通信はもちろんのこと、大気の流れや臭いなどをそのアンテナから収集する。

 

・Fシグナル

 逆三角形の多目的インターフェース。

 装着者の補助を行うAIが内蔵しており、戦い方を脳内に直接伝えるデバイス。

 

・サーチアイ

 10km先を見渡せるズームや暗視(赤外線・x線等)機能などが搭載してある多機能型複眼。

 

・ディープソナー

 5km先の針が落ちた音を聞き分ける事が出来る聴覚補助装置。

 

・シャッティングクラッシャー

 高性能フィルターであらゆる有害物質を遮断し、新鮮な空気を取り込む特殊フィルターマスク。

 

・フールマフラー

 形状記憶素材で出来た特殊布。

 風を局所的に操る機能の他、棒状の武器『フールワドン』に変形する機能も持つ。

 

・フールワドン

 形状記憶機能によりフールマフラーが変形したフリーダム専用の武器。

 『火に関連するものを吸収しエネルギーに変換する』機能を搭載しており、蓄えたエネルギーを使用してワドンから衝撃波を放ったり機動力に富んだフリーダムによる棒術を駆使した連続突きやエネルギーを溜めた一点突きを得意とする。

 

・アーマードラング

 タングステン合金を遥かに凌ぐ耐久性を持つ特殊金属データメタルで構成されている胸部装甲。

 その強度は国防軍(※南日本の軍隊)の最新鋭戦車85式戦車の125mm高圧砲の直撃すら傷一つ付かない代物である。

 

・QFスーツ

 量子を織り込んだ特殊繊維。

 戦車の装甲並の強度を誇り、あらゆる衝撃から装着者を守る。

 

・フォースガントレット

 両腕部に装着された籠手。

 データメタルで出来ており、装甲を展開する事で力場を発生させ防御する事が出来る。

 またライダーカードを接続する事によってクリティカル・ファンクションを発動する事が出来る。

 

・ハイマニューバブーツ

 両脚部に装着された臑当と靴。

 データメタルで出来ており、装甲を展開する事で電撃を纏いながら高速移動が出来る。

 靴にはエア噴射機能や衝撃吸収機能が内蔵されている。

 またライダーカードを接続する事によってクリティカル・ファンクションを発動する事が出来る。

 

・ライダーズベルト

 ライダー共通規格のベルト。

 左右にアタッチメントがあり、各ライダーごとに使用用途が異なる。

 

【仮面ライダーフリーダムの特殊能力】

○ゲットアビリティ

 倒した禍威人(バリアント)の能力を自分のものに出来る能力。

 

・スパイダーアームズ

 蜘蛛禍威人(スパイダー・バリアント)から獲得した能力。

 掌から糸を射出する事が出来る他、蜘蛛の巣状の電磁ネットを展開する投擲武器『Sネットボール』を生成する事が出来る。

 

・ヒートバーナー

 灼熱禍威人(ヒート・バリアント)から獲得した能力。

 フォースガントレットとハイマニューバブーツに火炎放射器『ヒートバーナー』の能力を付与する事が出来る。

 火炎を放つ事が出来る他、キックでは内部に火炎を注入する事が出来る。

 

てな感じで仮面ライダーフリーダムの各機能を見た巧達は感想を述べた。

 

咲「…改めて見ると規格外ね、仮面ライダーって。」

 

つみき「噂だと仮面ライダーの存在が確認された途端各国の工作員が続々この国に潜入してるとか…」

 

真宵「だからこの事は私達の秘密にしておく必要があるんじゃよ!」

 

 

 

 

 

先程も言ったように誰が仮面ライダーに変身してるかは一部を除いて判明されてない。

中央日本の警察はともかく世界各国の情報機関が調べているにも関わらず。

何故なのかはRBパーティのアプリ内に書かれていた。

なんでもアプリの運営・管理を担当する“ワールド”が情報統制を行い適合者の正体を一部を除き隠している。

 

ここで禍威人(バリアント)に関する事のあらましを話しておこう。

禍威人(バリアント)が初めて確認されたのは今から2年前…2026年10月頃、鳥取県のある屋敷で人形作りを営んでいた一家全員が惨殺される事件が起こる。

しかも鋭い刃物の様なもので切り裂かれた跡が屋敷の至る所に無数にあり、遺体全てが糸でぐるぐる巻きにされた状態で発見された。

同様の事件が県内で何件も発生したので警察が本腰を入れて捜査すると、とんでもないものに出くわした。

 

そう、日本で初めて出現しフリーダムに倒されるまで何処かに潜伏していた蜘蛛禍威人(スパイダー・バリアント)だ。

応戦した警察官を殺害し何処かへと姿を消した禍威人はメディアに大きく取り上げられ大ニュースとなった。

 

だが、最初の禍威人が現れてから半年の間…

 

・長野県各地の住宅街に現れ、吸血により未知の病原菌を感染させ甚大な被害を齎した禍威人第二号『蝙蝠禍威人(バット・バリアント)

 

・大量の飛蝗を群生相に変えて操り北関東の農地を荒らした禍威人第三号『飛蝗禍威人(ローカスト・バリアント)

 

・東北各地にて山火事を引き起こした禍威人第四号『火炎禍威人(ファイア・バリアント)

 

・愛知県と静岡県で猛吹雪を引き起こした禍威人第五号『吹雪禍威人(ブリザード・バリアント)

 

・広島県に出現し、地面を液状化する事で大規模な陥没を引き起こした禍威人第六号『沼禍威人(スワンプ・バリアント)

 

と、禍威人が次々と出現し中央日本各地で暴れ回った。

もちろん連日メディアに取り上げられ世界中でニュースにもなった。

 

禍威人が齎す被害は都市機能を麻痺させる程甚大なものであり、第二号から第六号は自衛軍やタケフツ社の部隊を総動員してやっと倒せた上に、新たな禍威人が出現する度に能力や生態も変わる為対処がとても困難である。

 

その為諸外国からは対策ならびに被害や駆除責任を丸投げされる事態に陥っている。

 

だが、禍威人第七号が現れてから状況が一変する事態が起こる。

禍威人第七号『掘削禍威人(ドリル・バリアント)』が東京都の地下を掘削しながら進撃し、米花町にて地上に出ると暴れ回った。

自衛軍を出そうにも人口密集地だった為、全力を出せず手をこまねいているとそいつは颯爽と現れた。

 

西洋の甲冑を模した白い装甲に水色のスーツ、両手に籠手(ガントレット)を付けた仮面の戦士…後に『仮面ライダー第一号』と呼ばれた戦士は禍威人の攻撃を円形のエネルギーシールドで防ぎ、剣と銃を駆使して禍威人を倒した。

 

突如として現れ、今まで手をこまねいていた禍威人を倒した仮面ライダーに民衆は歓声をあげた。

そしてそれを皮切りに仮面ライダー達は次々現れた。

 

仮面ライダー第一号『ジャスティス』

禍威人第七号『掘削禍威人(ドリル・バリアント)』襲撃時にて初登場

 

仮面ライダー第二号『チャリオット』

禍威人第八号『電動鋸禍威人(チェーンソー・バリアント)』襲撃時にて初登場

 

仮面ライダー第三号『タナトス』

禍威人第十号『電脳禍威人(サイバー・バリアント)』襲撃時にて初登場

 

仮面ライダー第四号『マジシャン』

禍威人第十二号『凍結禍威人(フリーズ・バリアント)』襲撃時にて初登場

 

仮面ライダー第五号『ハーミット』

禍威人第十五号『酸禍威人(アシッド・バリアント)』襲撃時にて初登場

 

仮面ライダー第六号『ラヴァーズ』

禍威人第十八号『鋏禍威人(シザース・バリアント)』襲撃時にて初登場

 

仮面ライダー第七号『フリーダム』

禍威人第二十二号『灼熱禍威人(ヒート・バリアント)』襲撃時にて初登場

 

この様に自衛軍やタケフツ社の部隊が手をこまねいていた禍威人と互角に渡り合いそして倒す仮面ライダーの存在…まさに特撮番組から飛び出したヒーロー達に市民は熱狂し、ネットでは仮面ライダーの正体や禍威人との関連性についての考察がなされた。

 

無論今まで禍威人対策を中央日本に丸投げしていた諸外国は、禍威人相手に単独で対処出来る仮面ライダーを軍事的・政治的な道具にする為に諜報員や工作員を次々と派遣している。

 

だが、アプリの運営・管理を担当する“ワールド”の手によって適合者の素性は完全に秘匿され、唯一メディアが掴んでいるのは仮面ライダー第六号『ラヴァーズ』の適合者である黒川秀征(くろかわしゅうせい)黒川喜美江(くろかわきみえ)である。

 

この二人は平成最悪のシリアルキラー黒川洋子(くろかわようこ)の双子であり、今現在全国指名手配中のシリアルキラーだ。

その殺害人数は万を超すと言われているが、彼らが殺すのは悪人ばかりであり惨たらしい死を与える事から一部では彼らに心酔する信者がいるとかいないとか。

 

そんな中彼らが長野県で活動していた時に長野県警が彼らを逮捕する為に包囲していたところ、禍威人が乱入し現場は大混乱。

双子もピンチになったが、彼らは慌てる様子も無く渡されていたライダーカードを使いそれぞれ仮面ライダーラヴァーズA、ラヴァーズBに変身し禍威人を倒した。

 

その光景をマスコミがすっぱ抜き、大々的に報道された為“令和最悪のシリアルキラー”の他に“仮面の悪魔”という二つ名を付けられた。

 

当然諸外国の工作員は二人を確保しようと動いたが、素の戦闘力が高い事も相まって工作員を返り討ちにするという事態になった。

 

 

 

 

 

…とまぁそんな感じで禍威人と仮面ライダーに関する歴史を伝えた訳だが、仮面ライダーフリーダムの適合者である巧は気になる事があった。

 

巧「…なぁ世間では俺は七人目の仮面ライダーなんだよな?」

 

姫「そうですけど…どうしたんですか?」

 

すると巧はアプリを操作しある画面を皆に見せる。

 

 

○現時点で登場している仮面ライダー一覧

・仮面ライダーバベル

・仮面ライダーミカエル

・仮面ライダーインペリアル

・仮面ライダーガブリエル

・仮面ライダージャスティス

・仮面ライダーチャリオット

・仮面ライダーディアブロ

・仮面ライダーヘリオス

・仮面ライダータナトス

・仮面ライダーマジシャン

・仮面ライダーエンプレス

・仮面ライダーハーミット

・仮面ライダーラヴァーズ

・仮面ライダーフリーダム

 

 

佳奈「…あれ?14人もいる……」

 

伊御「世間に認知されてない仮面ライダーがいるのか?」

 

現時点で七人しか確認されてない仮面ライダーがアプリ内の図鑑には14人記載されている。

 

巧「あともう一つ気になるのは……」

 

続いてアプリ内の禍威人の概要が載っているページを皆に見せる。

 

 

上級禍威人(スーパーバリアント)とは?

 

通常の禍威人は元からそういう生物として設計されたものだが、上級禍威人(スーパーバリアント)は人間を素体に製造される禍威人。

素体となる人間の負の感情を糧に成長し、進化する為通常の禍威人とは一線を越す程の力を秘めている。

(例として福井県の美国島に出現した禍威人第十七号『人魚禍威人(マーメイド・バリアント)』は素体となった人間が抱いていた負の感情を糧に成長し暴れた結果、島一つが沈没しかける事態に発展した。)

 

 

榊「人間を素体にする禍威人か……これは厄介なもんだな…」

 

京谷「でもその禍威人を倒した際に素体となった人は長期間の治療が必要だったとはいえ命に別状は無かったんだろ?」

 

世間に認知されていない仮面ライダーや上級禍威人(スーパーバリアント)の事が気にかかる中、巧は決意を固めた。

 

巧「どうして俺が仮面ライダーとして戦うのかは分からないが…まぁなんにせよその答えは戦ってみたら分かる…そんな気がするんだ。」

 

姫「たっくん…気をつけて下さい。」

 

真宵「解析とサポートは私達に任せるじゃよ!」

 

仮面ライダーとして戦う決意を固めた巧に対し、姫達は心配しながらも後押しする。

 

 

 

 

 

それから一週間後、八丈島にて巧達は()()()()()()と相見える事となる………




次回、『パシフィック・クライシス‼︎』

乞うご期待ください。


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第4話 パシフィック・クライシス‼︎(前編)

更新が遅くなってしまい申し訳ございません!

※タグに『超能力』を追加します。
 また、ここから一気にオリキャラ、原作改変や原作キャラの大幅な設定変更が含まれます。
 ご了承ください。


榊「海だー‼︎」

 

真宵&姫「「きゃー‼︎」」

 

京谷「鯨(オブジェ)だー‼︎」

 

咲&佳奈「「きゃー‼︎」」

 

巧「そして…」

 

伊御&つみきを除いた7人『八丈島だーっ‼︎』

 

伊御「いやいや…」

 

つみき「相変わらずのテンションね…」

 

巧達は八丈島へと来ていた。

理由はある日寄った商店街で行われた八丈島ホエールウォッチングツアーの抽選会にて巧が見事抽選券を当てたから。

フェリーで八丈島に着き巧達は自分達が泊まるベルツリーホテルに着いたのだ。

 

榊「ウォッチングツアーは1時間後だよな。」

 

巧「ああ。それまで適当に時間潰すか。」

 

佳奈「楽しみだね〜クジラさんに会えるの!」

 

真宵「大丈夫じゃよ!何せ伊御さんの動物ホイホイスキルがあれば猫だろうがカモメだろうが鯨だろうが来るんじゃよ‼︎」

 

伊御「いや、ゴキブリホイホイみたいに言われても…」

 

なんて談笑をしていると…

 

???「あれ、巧じゃない!」

 

後ろから声をかけられたので振り返ると茶髪の女性と長髪の女性、中年男性二人に成人女性と白髪の肥満体の男性、五人の子供がいた。

 

実家の関係で茶髪の女性を知っている巧は返事する。

 

巧「あっ、園子さんじゃないですか!」

 

姫「えっと、知り合いですか?」

 

巧「ああ、紹介するよ。この人は鈴木園子(すずきそのこ)さん。実家(ウチ)の仕事上の関係で知り合ったんだ。」

 

榊「鈴木…って、あの鈴木財閥のご令嬢⁉︎」

 

佳奈「すっご〜い‼︎」

 

鈴木財閥…創業90周年を迎えた老舗財閥であり、ジパング・エンタープライズと並ぶ世界に影響力を持つ日本の巨大複合企業(コングロマリット)である。

 

???「で、園子。この人誰なの?」

 

園子「紹介するね。この人は大門巧。中学生の時のパーティーで知り合ったわ。」

 

???「大門…巧……ってお前もしやあのジパング・エンタープライズのCEO大門玄徳(おおかどげんとく)の御曹司なのか⁉︎」

 

中年男性が驚きの声を上げる。

何を隠そう巧は大企業の御曹司であり、同じ大企業の令嬢である園子とはパーティーなどで知り合った仲である。

 

???「ジパング・エンタープライズって言えば鈴木財閥と並ぶ世界有数の大財閥ですよ‼︎」

 

???「すっげー‼︎園子ねーちゃんと同じお金持ちかよ!」

 

???「すっご〜い‼︎」

 

巧の正体にそばかすのついた子供、大柄な子供、ショートボブの子供は大喜びだ。

反対に黒髪の子供と茶髪の子供は落ち着いた眼差しで見ていた。

 

榊「あれっオッサン…もしかしてあの有名な『眠りの小五郎』?」

 

小五郎「おっ、気付きましたか!オホン!私が名探偵毛利小五郎(もうりこごろう)という者です‼︎」

 

そう言って毛利小五郎は自己紹介する。

 

伊御「貴方もしかして、江戸川哲哉(えどがわてつや)さん?」

 

つみき「それって『陰の名探偵』って呼ばれてる?」

 

哲哉「…不本意ながらそう呼ばれています。」

 

伊御がメガネをかけた中年男性を見て思い出し、つみきがワイドショーで取り上げていたのを思い出す。

 

江戸川哲哉…数々の難事件を解決してきた名探偵。

小五郎と違うところはあくまで警察に助言をし、影ながら解決に導いてきた。

だが、刑事時代の小五郎がうっかりしゃべってしまい、それがマスコミに取り上げられた事で世間から『陰の名探偵』と呼ばれるようになる。

(その時から押しかけてくるマスコミに嫌気がさし、しばらくの間休業せざるを得なくなった。)

 

そんな中、巧はメガネの男の子を見て思い出す。

 

巧「ん?もしかして君は江戸川(えどがわ)コナン君かい?」

 

コナン「うん、そうだよ。お兄さん知ってたんだね!」

 

巧「ああ、園子さんから聞いてたよ。いつも怪盗キッドから宝石を守っているキッドキラーって。」

 

姫「あっ思い出しました!あの子達って少年探偵団ですよね?」

 

元太「おっ!よく知ってるな、ねーちゃん!」

 

光彦「そうです!僕達…」

 

歩実「私達が!」

 

元太・光彦・歩実「「「少年探偵団‼︎」」」

 

三人の子供が決めポーズを取りながら名乗る。

 

???「…その付き添いです。」

 

???「ははは…同じく。」

 

少し間を置いて黒髪の成人女性と肥満体の男性が答える。

彼女は御園晶子(みそのあきこ)

陰の名探偵江戸川哲哉が運営する江戸川探偵事務所のただ一人の助手。

優れた事務能力や洞察力、直感力でもって彼をサポートする。

 

真宵「あっ、阿笠さんじゃないですか!」

 

阿笠「おっ、真宵君じゃな!」

 

真宵は肥満体の男性と面識があった。

 

???「博士、知り合い…ああ、なるほど。」

 

コナン「灰原、知ってるのか?」

 

灰原「博士が言ってたでしょ、博士と同じくらい発明好きな少女がいるって。」

 

コナン「あ〜。」

 

真宵は阿笠と同じくらい発明好きであり、ジパング・エンタープライズなどの企業の依頼を受ける程、二人とも技術力が高く国内外の業界人からそれなりに注目されている。

その為阿笠博士とは知り合いであり、時々発明品に関する意見交換を行うなど仲がいい。

 

巧「園子さん達も鯨を観に?」

 

園子「うん、1時間後に観に行くの。」

 

巧「こっちも1時間後に観に行くから、その時に。」

 

そういうと巧達とコナン達は別れて1時間後にエントランスホールで集合する事になった。

その間に巧達はそれぞれの客室に向かい、荷物を置く。

ホエールウォッチングまで雑談等で時間を潰し、1時間後にエントランスホールに集合した。

 

ホエールウォッチングの船が出港する八重根漁港に到着した一向はライフジャケットを着用する。

全員が着用し終わると停まっている2隻のクルーザーからツアーガイドの丑尾寛治(うしおかんじ)神田寿郎(かんだとしろう)が近づいてきた。

コナン一向は丑尾が、巧一向は神田が担当する。

 

毛利小五郎が着いて早々酒をしこたま飲んでホエールウォッチングに参加できない事とコナンが間違えて別の船にのってしまったというアクシデントがある中、巧達はクルーザーに乗る。

 

2隻のクルーザーが航行しているとザトウクジラが近寄ってくる。

丑尾のクルーザーの目の前で、体をのけぞらせて飛び上がったザトウクジラは背中から着水して巨大な水柱を上げる。

この光景に子供達は大はしゃぎだ。

 

神田のクルーザーにもザトウクジラが寄ってきて、尾鰭を高く上げ海面を何度も叩きつける。

 

咲「きゃあ〜!」

 

京谷「うおっ、冷て!」

 

姫「びしょびしょです〜。」

 

巧「だな。しかも、クジラだけでなくカモメも寄ってきてるな。」

 

巧が空を見上げるとカモメの群れがクルーザーの周りを飛んでいる。

 

榊「今日も伊御のホイホイスキルは冴えているな!」

 

伊御「いやいや…」

 

こうして巧達はホエールウォッチングを堪能した。

その裏で、とんでもない謀略が起きている事など梅雨知らず………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カタ…カタ…カタ…

 

3面ディスプレイ付きデスクトップパソコンのキーボードを打ち込みながら作業している男がいる。

その男はサングラスをかけ、白衣を身に纏う。

すると彼のスマホから電話が掛かる。

 

???「もしもし…ああ、ベルモットか。どうした?」

 

掛けてきたのはベルモットという名の女性だ。

彼女の話を聞いている内に男の表情は険しいものとなる。

 

???「…それはおかしいな。シェリーはベルツリー急行で爆殺したとバーボンから聞いたが…それで、誰が行くの?…ウォッカにピンガか……まぁ俺もジンと一緒にそっちに行くよ。あっそうそう、話は変わるんだけど…()()()()()()、どう思う?」

 

ベルモットと話していた男は話題を変え、拉致したエンジニアから手に入れた『老若認証システム』について伺う。

 

???「…やはりか。老若認証システムだっけ、このシステムは俺達にとっても、あの方にとっても不都合極まり無い。あの方には俺が直接メールで伝える。ああ…ああ…また連絡する。じゃ。」

 

そう言って通話を切る。

そしてスマホでメールを打つ。

 

『#969#6261』

 

タッチ音が“七つの子”のメロディとなって響く。

画面のキーボードで文字を手早く打ち、メッセージを送信する。

 

???「さてと、メッセージは打ち終えた。問題は…」

 

男はハッキングした監視カメラの映像を見る。

そこに映っていたのは…

 

《メガネをかけた男子小学生》

 

《メガネをかけたオールバックの中年男性》

 

《後ろ髪を纏めた男子高校生》

 

の3人だ。

 

???「マジシャン…ハーミット…フリーダム…よりによってこのタイミングで来るか……」

 

そう、この八丈島のホエールウォッチングに仮面ライダーに変身する適合者が3人も来ていたのだ。

これから少女を拉致するというのに、タイミングが悪過ぎる。

 

???「…まぁ丁度、ストラグルが完成したからコイツにするか。ストラグルを八丈島まで空輸する。」

 

モニターにて待機中のストラグルを確認した後、男はキーボードを打ち込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜に事件は起こる。

組織の幹部であるウォッカとピンガがコナン達が宿泊しているホテルに侵入。

彼らが来たことを察知した灰原は逃げようとするが、ピンガによって眠らされ捕まってしまう。

 

その時ホテルの部屋で着替えをしていたコナンの耳に、探偵バッジから彼女のうめき声が聞こえ、急ぎ灰原の部屋に急行する。

そこにはドアは開けっぱなしになっていて、さらに歩いていく黒服姿の男が一瞬見えた。

 

恐れていた事態が起きたことを悟ったコナンは哲哉に電話をかけながら、吹き抜けの回廊を走る。

 

コナン「哲哉さん!灰原が攫われた!」

 

哲哉「…っ!そうか…阿笠さんには車を手配するよう言っておく!」

 

電話を切るとコナンは灰原達の部屋に入り、バルコニーに向かった。

バルコニーに出ると、灰原を抱えたピンガとウォッカが車に乗り込もうとするのが見えた。

後部座席に近づいたピンガは、開いた窓から抱えていた灰原を押し込む。

 

コナン(急がねぇと!)

 

コナンは伸縮サスペンダーを取り出し、バルコニーの柵に結びつけ降りようと試みる。

すると突然、蘭が柵に飛び乗り大きくジャンプした。

 

蘭「ハアァァァ‼︎」

 

そのまま四輪駆動車のボンネットに着地し、驚くピンガの頭を狙って踵落としを繰り出す。

ギリギリ回避されたものの、すかさず蹴りを放つ。

 

ピンガ「なんだお前は!」

 

蘭「哀ちゃんを返しなさい!」

 

蘭が格闘している間、コナンは伸縮サスペンダーを持って柵を飛び越え、そのまま飛び降りようとしたその時、横目に何かの光を捉えた。

メガネのレンズをズームアップして光を確認した小高い丘にある廃墟を見ると……最上階の窓で誰かがライフルを構えている。

 

コナン「くそっ!嘘だろ⁉︎」

 

コナンはサスペンダーを持ったままバルコニーから飛び降りた。

 

コナン(もう迷ってる暇はねぇ!)

 

するとコナンはアスファルトの地面に右手をつける。

次の瞬間、地面から人の形をした何かが浮かび上がる。

 

そこにいたのは江戸川コナンの正体であり、高校生探偵工藤新一(くどうしんいち)であった。

否、この新一はコナンが作り出した分身である。

 

コナンは作り出した分身にあるものを投げ渡す。

それは六角形の中に『M』の文字が映し出された長方形のカード…ライダーカードだ。

 

コナン「蘭を頼む!」

 

新一(分身)「…ああ!」

 

彼はそう呟くとベルトを出現させ、

 

新一(分身)「変身!」

 

ベルトのバックルにカードを翳す。

バックルに『M』の文字が表示され、

 

【マジシャン トランスフォーム】

 

機械音声と共に彼の姿が変わる。

頭部は魔法使いが被るとんがり帽子のような形状のマスクに黒色の複眼、赤いマントを羽織り白色のスーツに灰色の装甲を身につけた戦士…

 

仮面ライダーマジシャン』に変身した。

 

一方、蘭とピンガの戦いは蘭の方が優勢だ。

ピンガも組織の幹部である以上、格闘能力があるが蘭の空手の方が圧倒的に強い。

攻防の末、蘭の回し蹴りがピンガの首元に命中。

そのまま車の屋根に吹っ飛び、転げ落ちる。

だが、転げ落ちた先にウォッカが運転する車が停まる。

 

ウォッカ「構うな、行くぞ!」

 

ピンガは車に向かって走り出す。

 

蘭「待ちなさい!」

 

蘭が追いかけようとする。

廃墟の最上階でライフルを構え、スコープを覗く女性…キャンティは車の間から飛び出してきた蘭を捉える。

 

キャンティ「誰だか知らないけど、死にな!」

 

キャンティはニヤリと笑って、引き金を引いた。

放たれた弾丸は蘭の方へ……

 

蘭「きゃあ!」

 

すると覆い被さるように蘭を守り、放たれた弾丸を左腕に装着されたコイン型の大楯で防ぐ。

 

キャンティ「何⁉︎」

 

キャンティが驚くのも無理はない。

蘭を弾丸から守ったのは仮面ライダーマジシャンだからだ。

 

マジシャン「フン!」

 

そのまま左腕に装着された大楯をブーメランのように投擲する。

投擲された大楯はキャンティのいる廃墟の最上階目掛けて飛んでいく。

 

キャンティ「やばッ!」

 

キャンティは慌てて屈み、大楯を回避する。

大楯は最上階に命中し、構造物を破壊する。

一面瓦礫まみれとなったが、間一髪回避できた為キャンティは無事であった。

 

キャンティ「くそッ!なんだってここに仮面ライダーが⁉︎」

 

流石の組織の構成員でも仮面ライダー相手だと部が悪い。

キャンティは撤退する。

 

投擲した大楯はマジシャンのところに戻っていき、右手でキャッチする。

 

蘭「新一…!」

 

蘭は仮面ライダーマジシャンの正体を知っていた。

(正確には分身であり、彼女はその事を知らない。)

 

そうしている間にピンガを車に乗せ、猛スピードで発進し駐車場を出ようとする。

このままだと逃げられる…その時だった。

 

何処からかワイヤーが飛んできて、車のバックドアに吸着する。

磁力で吸着しているからか、簡単に引き剥がせず車はこれ以上前進できない。

 

ウォッカ「何⁉︎」

 

ウォッカがルームミラーを見ると、ワイヤーを飛ばした犯人が写っていた。

それは白いフードに身を包み、灰色のスーツに白色の装甲、青い複眼を光らせる戦士…

 

仮面ライダーハーミット』だ。

 

ピンガ「おいおい、どーなってんだ⁉︎」

 

ウォッカがアクセル全開で振り切ろうとするが、マグネットワイヤーによって引き剥がせず膠着状態となる。

ハーミットも踏ん張り、これ以上前進しないようにしている。

 

蘭「新一!哀ちゃんが!」

 

マジシャン「事情はボウズから聞いた!蘭、誰か人を呼んで来てくれ!」

 

蘭「分かった!」

 

そう言って蘭はホテルの方へ走り出す。

マジシャンは剣を取り出し、車の方へと疾走する。

その時だった……

 

ハーミット「っ!」

 

ハーミットが何かの気配を感じ上を向くと…

何か巨大な物体がハーミット目掛けて落ちていく。

すかさずワイヤーを切り離し、回避する。

 

ワイヤーが切り離された事で車は勢いよく飛び出したが、ウォッカのハンドル捌きで事故には至らず駐車場を出た。

 

回避したハーミットが見たものは…

 

一般的な禍威人(バリアント)に比べて一回り大きく、肘部分にロケットブースターが付いた巨腕に両肩に計二門のバズーカ砲、脚部のミサイルランチャーに両腰に装備された二門の六銃身ガトリング砲と重装甲・重武装のロボット…

 

黒の組織が秘密裏に保有する対仮面ライダー殲滅ロボット『ストラグル』だ。

黒一色のボディに頭部のモノアイカメラが赤く発光するなど威圧的な見た目のロボットだ。

 

突如現れたロボットに二人は驚きを隠せない。

無論コナンも驚いていた。

 

コナン(あれは…前のやつとは別のロボット⁉︎)

 

そう思っている中、阿笠博士が運転するビートルが近づいてきた。

 

阿笠「新一、乗れ!」

 

ビートルが目の前で停まって、コナンは助手席の窓から乗り込んだ。

すぐに発進して、駐車場を出て行く。

 

駐車場から出て行くビートルに目もくれず、ストラグルはライダー二人を標的に定める。

両肩のバズーカ砲が指向し、そのまま放たれる。

 

二人は難なく回避に成功するが、着弾と同時に爆発が生じ駐車していた車数台を巻き込む惨事となった。

ホテルで寝ていた宿泊客達は爆発音で飛び起き、窓から様子を伺う。

そこには暴れているロボットと仮面ライダー二人が対峙している光景が目に写った。

宿泊客達は皆パニックになり、我先に逃げ出す。

 

ストラグルは邪魔な車を剛腕で薙ぎ払い、そのまま飛んで行った車がホテルの壁に激突する。

 

これ以上の被害を食い止める為、マジシャンは剣を構え、ハーミットはライフル銃を構える。

ストラグルが二人を標的にバズーカ砲とガトリング砲を放とうとした次の瞬間……

 

火炎がストラグルの頭上に降り注ぎ、炎上。

発射しようとして装填された弾頭に引火し、大爆発を引き起こす。

 

火炎が飛んで来た方を向くと、そこには右手に火炎放射器を装着した仮面ライダーフリーダムが着地する。

仮面ライダーフリーダムの変身者である巧は爆発の際に事情を察知し、フリーダムに変身して加勢してきた。

 

マジシャン「アンタは…」

 

ハーミット「仮面ライダーフリーダムですか。」

 

フリーダム「加勢するぞ、マジシャン!ハーミット!」

 

ストラグルは引火した事でバズーカ砲が二門とも破壊されるも、戦闘力は今のところ健在だ。

フリーダムもマフラーをフールワドンに変形して構える。

 

三人の仮面ライダーと黒の組織の怪ロボットの戦いの火蓋が切って落とされた………




次回、『パシフィック・クライシス‼︎(後編)』

乞うご期待ください。


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