アークナイツRPG 『貴族として』取得RTA (ガイヤ)
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part.0 キャラメイク


 淫夢要素はないです(小並感)


 

 はい、よーいスタート(棒読み)

 

 はじめまして、アークナイツ界のRTA走者の第一人者と呼び声高い(?)イッチです。

 

 今回はアークナイツRPG 『きらっ★アビサルハンターと行く海の旅』RTAではなく、そのチャート構成に行き詰まった息抜きとして、ウルサスの子供たちルートの『貴族として』取得RTAの投稿になります。

 私が今回走ろうとしているウルサスの子供たちルートは先駆者様達が様々な角度からRTA動画を投稿していらっしゃるので、イッチの動画を見るような方達なら「今更ウルサスの子供達とか何番煎じだよ」「もう見た」「アビサルから逃げるな」と仰られるでしょう。

 

 しかし、待ってほしい。毎回軟体生物を狩ってスカジやスペクターとイチャコラしたり、アイリーニのおでこを撫でるばかりの動画で良いのかと? いや、それが悪いとは言っていないのですが、時には変化が欲しくなりませんか? 

 

 具体的にはそう、ズィマーやグム達の曇り顔が欲しい、欲しくない? (迫真)

 

 だけども本命のRTAも上手くいっていないのに、息抜き一つに時間を多くかけてはいられない。だから短時間で脳を休めながら記録更新も目指せるようなRTAはないかと一生懸命探しました。えっ、そんなのが都合よくあるわけないだろって? あったんですよ! 

 

 というわけで、冒頭に話が戻りますが今回はハートフルチェルノボーグサバイバルこと、【ウルサスの子供たち】での『貴族として』トロフィーの取得を目指して、やっていきたいと思います! 

 

 では、今回の『貴族として』の取得条件について話していきたいと思います。

 

 ・ズィマー、グム、イースチナ、ロサ、リェータの5人を生存させた状態でロドスに救助されること。

 ・5人を保護し、ロドス到着までSAN値を平均50以上に保つこと。

 ・エンディングまでに5人全員の好感度を150以上にすること。

 ・生まれがウルサス貴族であること。

 

 この4つです。

 

 何だ、たったの4つかよ、簡単じゃないかと思ったそこの貴方! 

 

 確かに条件だけ見れば、他のRTAに比べて簡単そうに見えますが、2番目と3番目の条件がこのトロフィー取得の面倒くさいところなんです。

 

 まず、大前提としてアークナイツRPGのキャラ好感度の最高値は200です。つまり150は最大好感度の3/4を意味します、

 

 好感度200で二つ返事で心中してくれる事を考えれば、好感度150がどれだけの高さか分かってもらえると思います。その上で上記のメンバーの5人の内、ロサ以外の4人は基本的にウルサス貴族が嫌いです。特にズィマーは、普段から平民相手に弱いものイジメばかりするウルサス貴族を大嫌いといっても過言ではなく、ウルサス貴族として始めると彼女から好感度を稼ぐのは、いやーキツイでしょ(諦め)

 

 因みにアークナイツRPGでは最初の好感度チェック以外で好感度の数値を正確に確認することは出来ません。キャラクターの言動から経験則で計るしかないとかおかしい、おかしくない? 

 

 なので、このトロフィーはウルサス貴族としてチェルノボーグ災害を通して、彼女達の好感度を荒稼ぎしながら、食糧を確保してレユニオンをどうにかしてロドスへ無事に辿り着く形になります。

 

 因みに原作じゃ5人だけでロドスへ行けたんだからお前居なくても余裕だろと思われる方も多いかと思いますが、アークナイツRPGになった結果、放っておいたらほぼ100%彼女達全員死にます。ゲーム会社によって本編シナリオからサブストーリー含め、オリジナル主人公が色々と活躍してやっとクリアできる難易度にされているからですねぇ。このゲーム作ったやつ絶対性格悪いよ(確信)

 

 よし、それじゃあトロフィーの取得条件についてはこの程度にしておいて、本番のキャラメイクに行きましょう! 

 

 アークナイツRPGのキャラメイクは氏名や性別、生まれを決めるとステータスや素質なんかはランダムで決まります。はっきり言って息抜きなので再走もしませんし、キャラメイクも一発勝負で行きます。大丈夫、イッチはこれでもアークナイツRPGの大ベテランですからね。どんなキャラが来ようと完走してみせますよ! 

 

 先ずは性別ですが、もちろん男性です。攻略対象とは異性の方が好感度100以降が上げやすくなりますからね。逆に同性だと100まで上げるのが早くなるんですけども。

 

 お次は種族と生まれですが、これはトロフィー取得条件の為にも【ウルサス】【貴族】一択ですねー。これを他のサルカズとかに変えると意味がないですから。

 

 そして名前は入力速度を考慮して、『ホスティモ』にしました。略してホモくんと覚えましょう(にっこり)

 

 さあ、本番のステータスが決まります! 果たしてどんな子が来てくれるのか楽しみですねー! 

 

【氏名】ホスティモ

 

【HP】900

【攻撃力】300

【防御力】100

【術耐性】0

 

【物理強度】標準

【戦闘機動】普通

【生理的耐性】標準

【戦術立案】普通

【戦闘技術】普通

【アーツ適性】優秀

 

【スキル】剣術、ポーカーフェイス✖️、傲慢、不撓不屈、貴族思考

 

【アーツ能力】エネルギー変換

 

 お、おおー! わりかし良い感じじゃないですかね。上の基礎ステはまだ弱いですが、一つも欠落は無いですし、一番大事な生理的耐性も及第点、アーツ能力も当たりの部類です。特徴でポーカーフェイス✖️と傲慢が一緒に来たのは初めてなのでどんな感じになるかはわかりませんが、サバイバル生活の上で不撓不屈のスキルは素晴らしい武器でなると思います。貴族思考はどうかって?まあ、これは雰囲気スキルとか呼ばれるテキストが変わる程度のゴミスキルなので見なくてヨシ!

 

 いやー、幸先がいいですね! これが普段からの行いが良いわたしへの神様からのプレゼントですかねぇ。

 

 初めての視聴者の方には分からない方もいると思うので、ステータスの説明をしますねー。

 

 簡単に言えば、上の基礎ステの4つが戦闘の判定で使うもので下の6つが選択肢関係の直接戦闘以外判定で使うステです。

 

 スキルについては名前の通りで、剣術は剣を持った戦いで戦闘力に+するスキルで、ポーカーフェイス✖️は思っていることが顔に出やすくなり、好感度補正に影響します。つまりはサトラレくんになる感じですね。傲慢は周囲の好感度を上げにくい代わりに、生理的耐性を強化します。あと、不撓不屈は生理的耐性を強化して精神判定の場面で成功しやすくなります。

 

 好感度上昇の邪魔になる傲慢は後のサバイバル生活の為に必要な生理的耐性を強化してくれますので、走者の中には本走で採用する人もいるみたいです。まあ、わたしはアークナイツ走者屈指の好感度調整の鬼と有名ですので、こんなスキルだろうと上手く使いこなしてみせますよー。

 

 最後のアーツ能力はエネルギー変換ですか…………。自身のアーツを通して電気でエネルギーを直接得たりするサバイバル向きのアーツですね。欲を言えば直接火力系のアーツが良かったのですが背に腹は変えられません。やろうと思えば戦闘にも使えると思うので、これで行きましょう。

 

 よしよし、準備の方は終わったのでそれでは本編を始めていきたいと思います。ウルサスの子供たち編のところをタッチして、タイマースタートです! 

 

 ーーー僕の名前はホスティモ。誇りあるウルサス貴族だ。今は平民の多いこんな高校に通っているが、直ぐに実績を積み上げてウルサス帝国の上に立つ者としての責務を全うしてみせる。

 

 おお、始まりました。作中時間はズィマー達の高校にレユニオンのホモ野郎達がウルサス貴族達を連行してくる半年前になります。ここから色々と動かないといけないのですが、先ずはホモくんがモノローグで話している内容を加速しながら、現在の交友関係の確認といきますか。

 

 ここら辺は完全ランダムなので、ズィマー達5人との接触が既にあるかどうかや、周りからの好感度なんかを最初に確認しておかないといけません。

 

 まあ、だいたいが大きくても好感度マイナス10くらいなので半年後のドキドキ学園サバイバル開始までにはロサ以外の4人の好感度を50くらいまでなら上げれると思います。そう、わたしならね! 

 

 さてさてー、それでは皆さんの好感度の方はどうでっしゃろー? 

 

【好感度】

 

 ・ペテルヘイム高校の生徒達『−30』

 ・リェータ(ロザリン)『−10』

 ・グム(ラーダ)『0』

 ・イースチナ(アンナ)『0』

 ・ロサ(ナターリア)『0』

 

 ・ズィマー(ソニア)『−100』

 

 

 ファッ!? ふざけんな! (声だけ迫真)

 

 何でホモくん、ズィマーからこんなに嫌われているんですか? (困惑)好感度マイナス100ってなんか理由あったら殺しにくるレベルなんですけども……。

 

 はぁあぁあー。どうすっかな~俺もな~。しゃあない、切り替えていく。

 

 マイナスなら逆に考えればあとは上がるだけですからね。僕はまだマイナスなんだ、ゼロに向かっていきたいと思います。とりま、レユニオンのホモ野郎共が来て、グム、イースチナ、ロサの3人が連れてこられるまでリェータとズィマーしか接触できないので、今後のためにズィマーとは今のうちに関係を修復しとかないといけません。

 

 な、の、で! 先ずはズィマーへの足がかりとしてリェータに媚を売りに屋上へイキますよ~イクイク……。

 

 

 

 ◆◆◆◆◆

 

 

 

「おい、此処は今から僕が使うんだ。邪魔だ平民、うせろ」

 

 そいつはいきなりやってきた。いつもの屋上で優雅に風と太陽の光を楽しんでいる私のところへ、学校一の嫌われ者が。

 

『ホスティモ・ムーイ』。ペテルヘイム高校における【冬将軍】、【夏将軍】(私)と同じくらい名が知れ渡っている人。こいつの異名は【ウルサス貴族】。何故か貴族様達の通う高校ではなく、私達が通う平民の多いペテルヘイム高校にやってきた辺境にある小さな貴族家の一人息子。

 

 何処かもしゃもしゃとした黒髪と周りを見下す我の強そうな瞳。皆んなからの嫌われ者。悪いウルサス貴族の代表例。道路の端っこにある啖カスと悪意のある呼び名が多数にある、転入して早々にズィマーと大きな喧嘩をして学校中に話題を呼んだやつだ。

 

「ふざけんな、私が先にいたんだ。何で私が出ていなきゃならないんだ。スペースなら駄々余っているんだから、そっちを使えよ」

 

 何故ムーイの野郎が屋上にやってきたのかは分からないけど、言いなりになって此処を出ていくのはプライドが許さなかった。私はプライドとノリと勢いで生きているんだ。たとえ相手が貴族様だろうとこの生き方は変えない。

 

「……ふんっ。生意気な平民だな。まあ良いだろう、お前の滞在を許可してやろう。僕の邪魔はするなよ」

 

 此方の返事を待たずに、ムーイは腰に刺していた装飾がキラキラとしている剣を抜き去り、構えた。

 

「ーーーーー」

 

 思わず、綺麗だと思った。先程の傲慢な貴族様と違う、素人目にも研ぎ澄まされて見える剣の舞。噂で聞いていた男とは思えない、そこには確かな積み上げられた努力の跡が見て取れる。

 

 私は数十分の間続けられる、その剣術の型らしき動きに見惚れていた。

 

「……ふう。やはり静かな場所での鍛錬が一番集中できるな」

 

 ムーイが見惚れていた私の方を向く。

 

「また来る。屋上にいることは許すが、僕の為に鍵は常に開けておけよ平民」

 

 好き勝手に自分の要求を突きつけて、ムーイは屋上から出ていった。

 

「……なんなんだ、あいつ」

 

 私はムーイとのこの日の出会いを一生忘れないだろう。

 

 

 



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part.1 半年間の準備


 ウルサスの子供達復刻しねぇかなぁ(願望)


 

 まだ平和なペテルヘイム高校でのみっちり修行パートなRTA、はーじまーるよー。

 前回は、ホモくんのキャラメイクと周囲の好感度を見て、あとちょちょっと屋上でリェータと茶をしばいた所で終わりましたね。今回からは、レユニオンの白フード野郎共にロサ達が連れてこられるまでの一年間の間に、ズィマーとリェータの好感度稼ぎと並行してステ上げとスキルの準備を終わらせたいと思います。

 

 というのもロサ達が連れてこられてドキドキ学校世紀末伝説が始まると、ろくにステータス上げやスキル習得へ費やす時間が取れません。そんな事より食糧確保しないといけないからしょうがないね。流石に飢え死ぬのは、いやーキツいっす(3敗)

 

 本番のレユニオン暴動が始まる前に目標として、ステータスはHP1500、攻撃力500、防御力150を、スキルは剣術○への強化と打たれ強さ○、料理上手、サバイバル知識の習得が出来ると良いと考えています。

 

 説明すると、今回のチャートでは出来るだけ早くクリアする為に本来なら隠れてやり過ごさないといけないレユニオンや暴徒を積極的にぶっ飛ばして進む強行策を取ります。ですのでそれが出来る強さが前提として必要になってくるのです。上記のステータスは未昇進のレベルMAX剣神メランサ姉貴とタイマン張れるレベルのステータスです。勿論スキル未使用ですよ? スキル使用されたら、そりゃもう、ダメみたいですね(諦観)

 

 スキルの方ですが、剣術○への強化、そして打たれ強さ○の取得は先ほどと同じ理由で戦闘力に直結するからです。まあ、剣術スキルがあるので打たれ強さ○は手に入ったら良いな程度なのですが、剣術を剣術○への強化については絶対にしておきましょう。今回のチャートでこのスキルをキャラメイクで得られたのは大きいと思います。

 

 剣術があるだけで【剣豪】や【武者】という職業につけます。

 剣豪は通常攻撃が2回になり、一度に相手できる敵が一人増えるという職業で、オリジムシの様に大量に湧いてくるレユニオンの雑兵を相手にする時役に立ちます。武者は、通常攻撃も一回で一度に一人としか戦えませんが、その代わりに敵へ攻撃を加える事でHPを回復する特徴があります。これが強敵相手への撤退戦における時間稼ぎなんかに使えるので、此方も有用な職業となっていますね。

 

 え、今の剣術のままで良い職業につけるなら強化する必要があるのかって? ありますあります! 

 

 剣術○へとスキルを強化することによってスキル技である【峰打ち】を覚えます。この技は如何なオーバーキルダメージを与えても相手を戦闘不能状態にするだけで殺す事はありません。

 

 この技がないと、うっかりズィマー達の前で敵を斬り殺すと彼女達のSAN値が減ります。学校での殺し合いが始まるあたりからSAN値回復する手段も殆どなくなるので、戦闘が多くなるであろう今チャートではあれば大活躍のスキル間違いなし! これを見ているホモ達も剣術を持ったキャラを引いた時は必ず取得、しよう! (1敗)

 

 料理上手とサバイバル知識に関しては学校脱出後に響いてくるので、出来るだけ入手するようにしましょう。この一年間で入手できなかったら、最悪生徒達が殺し合ってる中で料理の勉強をしたり、本を読みに図書室へ行こう! (気狂い)

 

 それでは、各ステータスとスキルをあれやこれや出来る場所を教えましょう。

 

 先ずは定番の屋上、家庭科室、図書室です。

 屋上は剣術以外にも様々な自己鍛錬系のスキルを強化できる場所なのでお世話になったホモ達も多いと思います。家庭科室は料理上手以外にも裁縫上手や包丁さばきなんかのスキルを得ることが出来る場所です。包丁さばきは剣術の完全下位互換スキルですが、剣術がないなら此処で代わりにスキルを取るのも良いかもしれません。

 

 図書室は様々な本が置いてあり、知識系スキルの習得や強化なんかを全部できる神施設です。なんで、料理本とシーボーン関連の本が一緒に存在しているんですかね……。可笑しいよこの図書室。でも悲しいことにこの話だと生徒の殺し合いに巻き込まれて燃やされることが多いんですよねー。人が中にいる時に火をつけるのはやめてくれよ……(絶望)(5敗)

 

 後はHP、攻撃力、防御力を満遍なく上げれる体育館も良く行くことになると思います。術耐性については……ナオキです……。

 

 ズィマーとリェータの好感度稼ぎについては、リェータは屋上にいることが多いので剣術○強化のついでにコミュればOKです。所詮はプライドで内心を覆い隠そうとしている青い女子高生ですよ。数多のキャラクターを攻略してきたわたしのテクにかかれば造作もありません。

 

 ズィマーに関しては、リェータの好感度上げて一緒に会って貰えば、流石に初手斧振り下ろしにはならないと思います。ズィマーちゃんは殺す時には簡単に人を殺す恐ろしい女子高生ではありますが、【弱者の守り神】【イジメっ子の天敵】と言われているのは伊達ではなく、心根はとても優しい子です。なんかそんな女の子に殺意抱かれるくらい嫌われている奴がいるらしいっすよ。ホモくん君一体何したの? 

 

 ズィマーはちゃんと会ってコミュが取れるようになれば、彼女の前でイジメやらしない限りは自ずと好感度が上がっていくチョロインなので実はそこまで心配はしてません。ズィマーが、5人の中でグムちゃんの次に好感度を上げやすいのは割と知られてません。

 

 よし、長々と流れについての説明も終わったので、後は屋上、図書室、家庭科室をローテしながら、ときおり体育館等でステ上げして、合間合間に二人とコミュ取るだけの変わり映えしない映像しかないので、加速していきたいと思います。

 

 ーーーーー加速中

 

 いやー順調ですね。ステもいい感じになってきたし、スキルも目標だったものは全部取得できました。

 

 加速中に何度かズィマーと決闘騒ぎを起こしていましたが、ステータス的に今のズィマーに負けることはないので終わりよければすべてよしということで、今ではズィマーちゃんお気に入りの空き教室にリェータとホモくんが居座れるくらいには好感度も持ち直したみたいです。いやー良かったよかった。

 

 次回からいよいよレユニオンムーブメント達がやって来ます。楽しみですね! それでは今回はここいらで終わりたいと思います。お疲れ様でしたー。

 

 

 

 ◆◆◆◆◆

 

 

 

 最初からアイツは気に入らない男だった。

 

「平民、お前が【冬将軍】と呼ばれている者か? ……痩せた野良犬のような目をしているな、お前」

 

 何も隠さず、自分の想いのままに顔に態度に全てを表す。

『ホスティモ・ムーイ』。わざわざ、辺境の土地からチェルノボーグ市の何故か貴族よりも平民の多いペテルヘイム高校にやってきた変人貴族。転入早々に騒ぎを起こして、その傲慢な態度と誰にも媚びない姿に、誰が呼んだのか【ウルサス貴族】なんていう蔑称がついた男。

 

 当時、父親と上手くいかず、母親に胸を張れる生き方が出来ない自分に苛ついていたアタシにとって、アイツの態度が無性に腹がたった。

 

「貴族様がアタシに何の用だよ」

 

 アタシだって馬鹿じゃねぇ、腹がたった、それだけで貴族様を殴ったら退学だ。まるで此方を見透かすような見下した瞳がアタシの苛々を増やしたが、それだけだ。手を出そうとは思っていなかった。

 

「冬将軍と呼ばれる程の平民がいると聞き、気になった、それだけだ。だが、見たところ期待外れのようだな。お前からは堕落して腐りかけている犬の匂いしかしない」

 

「ーーーッ!」

 

 気づけば拳を振り上げていた。

 仕方がないだろう? 気に入らない奴に侮辱されたんだ。あの見下した目でアタシを見て、ため息すらこぼしやがったんだ。それだけでアタシが貴族様を殴る理由には十分だろう。

 

「遅いな。欠伸が出るほどに」

 

 だが気づけばアタシが床に転がされていた。

 

 これでも学校どころか市の中でも腕の立つ方だと思っていたアタシが、何も出来ずに天井を見上げていた。ウルサス人の男子5人に取り囲まれた時も、市の格闘技大会で優勝したとかいう腕自慢の奴が相手の時もアタシは全てに勝ってきた。なのに今は何も出来ずにいた。

 

「所詮は野良犬か。お前に将軍などという大層な称号は不釣り合いだろう。今度から【冬野良犬】にでも変えておくんだな」

 

 アタシが気を失う前に、ホスティモはそう言って教室から出ていった。

 

 次にアタシが目を覚ました時、アイツはもう何処にも居なかった。アタシはその時初めて、本当の殺意ってのはどういうものかと知ったんだ。こんなにドロドロと湧き上がってくるものなんだと。

 

 それからアタシはホスティモを探した。だが如何いうわけか、アイツはなかなか捕まらなかった。

 

 日に日に苛立ちが募るアタシにとある情報が流れてきた。最近ロザリンがホスティモと一緒にいるところをよく発見されるらしいという話だ。

 

 何故あの2人がつるんでいるのか知らないが、チャンスだと思った。ロザリンとは付き合いがあった。その縁を利用してアイツ、ホスティモに喧嘩をふっかけた。

 

 ロザリンはアタシとアイツが会って喧嘩するたびに止めに入ったが、そんな事でアタシは止まらない。

 

 何度も負けたが、それでも何度も喧嘩をふっかけた。

 

 気づけば、アタシ1人だけのお気に入りの場所だった空き教室にロザリンとアイツがいるのが普通になった。いつからだったかはわからない。

 

 何度も喧嘩をするうちに殺意なんかもどこかに消えて、あのクソみたいな態度もホスティモが悪意があってやっているのではなく、感情を隠すのが下手すぎてああなっていると知ったからだろうか。

 

 ある日、屋上でいつものように球粒の汗を流しながら剣を振るうアイツに聞いてみた。

 

「ホスティモ、アンタはもう既に十分強えじゃねぇか。何でそんなに頑張ってんだよ」

 

 ロザリンも気になったのか、追従するようにうんうんと頷いていた。

 

 ホスティモは此方を一瞥して、剣を見据えながら答えた。

 

「……僕は貴族だ。誇りあるウルサスの貴族だ。だからこそ常に帝国の為に尽くし、国をより良いものへする為に努力しなければならない。僕が剣を振るうのは、悪意ある外敵からウルサス帝国を、そしてその財産であるお前達平民を守り抜くためだ」

 

 アタシは開いた口が塞がらなかった。ロザリンもそうだ。あの傲慢で貴族様然とした男が毎日欠かさず剣術を修行し続ける理由が、アタシ達を守るためだという。

 

 コイツの普段しか知らない奴が聞いたら誰も信じないだろう。だけどアタシ達は何故だかそれを疑うことはなかった。その顔が、瞳が、全く嘘をついていないと言わんばかりに真剣だったからだ。

 

「…………はっ。そうかよ」

 

 思えばアタシはこの時から、ホスティモの事を気に入ったのかもしれない。

 

 

 



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part.2 チェルノボーグ事変


 私のロドスにスカジもスルトもマグロックもいないのはどうしてなんですか???

 運営は純正源石をもっとちょうだい(ハート)


 

 白フードのテロリスト達に学校が襲われるアークナイツRPGRTA、はーじまーるよー。

 前回はホモくんの青春学園生活24時という風に一年間を加速しながらやっていきましたね。なかなか乱数にも恵まれて、目標のステータスとスキルを確保することができました。もうホモくんはただのウルサス貴族ではなく、鍛え抜かれた一端の戦士になりましたね。心なしか画面の中のホモくんも腕や足の筋肉がきらめいて見えてきます。

 

 ホモくんのステータスは現在こうなっています。

 

【氏名】ホスティモ

 

【HP】1550

【攻撃力】550

【防御力】175

【術耐性】0

 

【物理強度】標準

【戦闘機動】普通

【生理的耐性】標準

【戦術立案】普通

【戦闘技術】標準

【アーツ適性】優秀

 

【スキル】剣術○、ポーカーフェイス✖️、傲慢、不撓不屈、料理上手、サバイバル知識、貴族思考

 

 基礎ステータスは目標のHP1500、攻撃力500、防御力150を超えており、スキルも及第点、ズィマーちゃんとの何度かの戦闘を経て、【戦闘技術】も普通から標準へとワンランク上昇してますね。

 

 うーん、これはつよい(小並感)。もう正直、このステータスだとそこらの白マスク相手なら楽勝ですね。まあ、私のチャートだと終盤に出てくる

【凶悪】系統の暴徒や流れ者なんかも相手にする可能性があるので油断はできないんですけども。

 

 ーーー何やら騒がしい。校門前に生徒達が集まっているようだ。

 

 おっと、話しているうちに奴らがやってきたようですね。此処からは忙しく場面が変わっていきます。中にはR18Gな映像も出てくるので、そういうのが苦手な方はシークバーで飛ばすことを推奨します。

 

 ーーー白いフードを着た仮面の集団が他校の生徒を学校に連れてきている。あれは一体なんだ? 

 

 イベントも始まったことですし、早いうちに校門の方へ移動しましょう。この時にズィマーやリェータと合流する手もありますが、今回のチャートでは序盤は1人で動きます。

 

 理由としては、メフィストのクソガキがわざとやってくる食糧庫への放火を止めるためですね。2人と一緒に行動すると隠密行動が苦手なズィマーちゃんのせいでわりと直ぐにレユニオン側に動きがバレてしまいます。なので、最初の放火を止めるまで1人になる必要があるんですね。

 

 食糧庫への放火を止めるのと止めないのでは、序盤のズィマー、リェータ、ロサ、イースチナ、グムのSAN値が大きく変わります。まあ、食糧庫が燃えたから精神力が弱くなるのではなくて、その後の安全が危ない生徒達のデスゲーム地味た行いが原因なんですけれど。

 

 ちょっと余裕がなくなったら簡単に人を襲って何もかも奪ってこようとするウルサス人、野蛮、野蛮すぎない…? 

 

 ーーー自らを【レユニオン・ムーブメント】と名乗る奴らが喋っている。どうやら、この学校に他校の生徒をまとめて詰め込んでそのまま監禁するらしい。チェルノボーグ市を占拠すると息巻いているが、ウルサス帝国の大都市チェルノボーグ市で暴動を起こすなんて正気の沙汰じゃない。

 

 おっ、ホモくんに出来るだけ事態を把握させるために野次馬集団の最前列にまでやってきていたら、1人のレユニオン兵士が近づいてきてます。これは、記念すべきホモくんのレユニオン初遭遇場面ですね。いやー感動的だなー。まあ、この後嫌というほど合うんですけどね(経験値要員)

 

 どうやらホモくんの事が目についたようで、見せしめになんちゃら、非感染者はどうちゃらと如何でもいい事を喋っているので無視しましょう。此処で相手にしてレユニオン兵士をボコカスにしてしまうと、騒ぎを聞きつけて他のレユニオン兵士がわらわら出てくるので大人しく聞き流します。

 

 といっても此処の選択肢は全て上を選んでおけば、何事もなくイベントが終わるので加速しても大丈夫です。

 

 ………何で等速に戻す必要があるんですか? 

 

 → ウルサス貴族としての責務を果たす時だ。

 此処は大人しくしておこう。

 

 ………なんか、知らない選択肢を押してホモくんが目の前のレユニオンを斬り倒しましたね。

 あれれ、おかしいなー? こんな選択肢は、試走では一度も出なかったんですけど。完全に動揺してますね、カーソルが荒ぶってます。

 

 そう、この時は頭の中が真っ白になっているイッチに変わって説明すると、本来なら此処の選択肢は下の大人しくしておこうの一つだけだったんですよ。でも何故か、本走では上の選択肢が追加で存在しています。私も色々とアークナイツRPGwikiで調べたんですけども、どうやら【貴族思考】のスキルが影響したみたいです。はえー、すっごい。

 

 あのさぁ…ふざけるなッ! ど、どうすんだよこれ、なあ!? お前のチャートボロボロじゃねぇか! 

 

 ーーー騒ぎを聞きつけたレユニオンの暴徒共が集まってくる。いいだろう、全員を地に伏せさせ、ウルサス帝国に仇なした事を後悔させてやる。

 

 わー、画面いっぱいに白仮面がいるよー! あーもうめちゃくちゃだよ。

 

 しょうがないので、此処でオリチャー発動! 中盤でするはずだった経験値稼ぎをこの場所でします。鍛え上げられたホモくんの身体でレユニオンの玉無し野郎共を蹂躙してやりましょう! 

 

 レユニオン兵士達「3(0)人に勝てるわけないだろ!」

 

 ホモくん「馬鹿野郎、お前俺は勝つぞお前!! (天下無双)」

 

 というわけでディエル開始! 対戦よろしくお願いします。

 

 このアークナイツRPG、普段はTRPGみたいに選択肢とステータスによる判定で進んでいくのですが、戦闘だけはRPGとは名ばかりのアクションなんですよね。なので、戦闘ではプレイヤーの腕前が試されるのですが私のような凄腕プレイヤーなら、レユニオンの雑魚程度何の問題もありません。

 

 えっ、なら何でさっき焦ってたのかって? そりゃ、あんたこんだけ派手に兵士を倒してたらくるでしょ。幹部が。

 

 というわけで、レユニオン兵士を大体30人ほどノックダウンさせたところで戦闘一時中断。イベントが始まります。

 

 この戦闘で大立ち回りをすると現れる幹部は4人います。

 

 メフィスト、ファウスト、サルカズケントゥリオ、そして、パトリオットおじさん(デデドン)です。

 

 この中で来られると面倒なのが、パトリオットおじさんです。他はまだワンチャン勝てるかも知れませんが、パトリオットおじさんはまず勝てません。テラでジジイを見たら生き残りだと思え。

 

 まあ、確率でいえば7割はメフィストかファウストのどちらかで、残りの2割9分9厘がサルカズケントゥリオ、残りたったの0.01%がパトリオットおじさんの出現率なので無用の心配でしょう! 

 

 ーーー何だあいつは。

 

 ーーー視線の先にいる槍と盾を携えたサルカズから感じる覇気が、ホスティモの身体に震えを起こした。

 

 あっ………(察し)おじさんやめちくり〜。RTAって、何で想定外ばかり起きるんでしょうね(白目)

 

 来てしまったのはしょうがないので戦いましょう。パトリオットおじさん相手にあまり意味はないですが、強敵相手には武者へ職業を変えることは忘れないように。

 

 剣術○で強化されたホモくんのパワーでぶち転がしてやりますよ!? オラァ、喰らえぇ!!! 

 パトリオットは本気出すまで動きが鈍いので、ちまちまとヒットアンドアウェイでパトリオットのHPを削ります。け、削れてますかねこれ?

 

 あっ、やべミスった。

 

 ひえぇー、一撃掠っただけでHP半分消し飛んだですが…。

 このままだと負けてゲームオーバーなので、賭けに出ます。剣術○込み込みの居合切りをカウンターで打ち込みましょう。タイミングがシビアですが、これを当てないと勝機はありません。

 

 パトリオットが近づいて大振りで槍を突き出してきます。ここです!

 決まったァ!このまま畳み込みます!えっ、ちょっ、まっ、は、反撃が早いぃ。

 

 ………負けました。

 

 いやー、流石元ウルサス帝国軍大尉ですね。ホモくんも高校生にしてはだいぶ強い筈なんですけども、10分も持ちませんでした!負けたのは仕方ないので、ホモくんの来世にご期待ください!

 

 …おっ?どうやら殺されずに、レユニオン達に拘束されてから治療されています。パトリオットおじさんからの慈悲ですねこれは。

 この頃のパトリオットおじさんはまだフロストノヴァ姉貴が死んでいないので、心の贅肉が付いていますので、自身の手で子供を殺すことに抵抗でもあったのでしょう。

 

 

 戦闘に負けて、尚且つ殺されていない場合、1日はペナルティで動けなくなるので食糧庫を放火から守るのはもう無理ですね。しゃあない切り替えていけ。という事で、目が覚めたホモくんが学校内で起きている凄惨な生徒達の姿を目撃するところで今回は終わりたいと思います。お疲れ様でしたー。

 

 

 

 ◆◆◆◆◆

 

 

 

 その日は、空がいつもより蒼い天気のいい日だった。

 

 アタシは、その天気の良さと心地よい暖気でついついお気に入りの空き教室で昼寝をしていた。ロザリンはスポーツの助っ人、ホスティモはいつもの所で剣でも振っているのだろうか。

 

 アタシが夢うつつにそんな事を考えていると、外が騒がしい事に気づいた。

 

「うるさいなぁ。人がせっかく気持ちよく寝てるってのに何だってんだ」

 

 窓から外を見るとうちの生徒達が集まっていた。ざわざわと心なしか不安そうに一箇所を見ている。

 

「なんだ…揉め事か?」

 

 気になったアタシは昼寝を中断して校庭へと向かった。そして、そこに奴らがいた。アタシ達を地獄に閉じ込めた糞野郎ども。

 

【レユニオン・ムーブメント】。感染者による感染者の為の組織。

 

「お前達はもう此処から外に出ることはできない!」

 

 そう宣言したテロリスト達によって、アタシ達の日常は崩壊した。

 

 白いフードに仮面をつけた武装集団。中にはアーツを使う術師なんかもいて、抵抗する生徒を片っ端から鎮圧していた。

 

 アタシも冬将軍なんて呼ばれてはいるが、戦闘訓練を受けた兵士じゃない。明らかに頭のおかしい武装集団相手に1人で何か出来るなんて、少なくともただの女子高生のアタシには無かった。

 

 正直にいうとブルっていた。ビビってたのさ。

 

 少し前まで戦争のせの字も知らないような平和な学校だったんだ。それが仮面の隙間から見える血走った目で狂気を振り撒く大人の集団に取り囲まれるんだぜ? 怖くてわりーかよ。

 

 横を見ると、いつのまにか近くに来ていたロザリンが息を飲む姿が見えた。アタシは釣られてその視線の先を見た。そして思い出したんだ。

 

 ウチの学校にはアタシより何倍も馬鹿な奴がいた事を。

 

「ーーー僕のいるこの学校で、この偉大なるウルサス帝国に弓を引くだけに飽き足らず、我が帝国の財産である平民達に危害を加えるなんていい度胸をしているじゃないか」

 

 人が宙を舞う。

 

 ホスティモが剣を抜いた。

 

 アイツを止めようと周りにいたレユニオン兵士が次々と吹っ飛ばされていく。

 

 やっぱりアイツはすげぇ。誰もが恐怖で動けない中で、アイツ、ホスティモ・ムーイだけがレユニオン達に戦いを挑んだ。たった1人で、自らの矜持ってやつのために。

 

 ペテルヘイム高校の奴らも、他校の奴らも、皆んながホスティモの戦いを見ていた。冴え渡る剣技で、テレビに出てくるヒーローのように敵を倒していく。

 

「…‥…頑張れ!」

「…やっちまえぇ!」

「そうよ、頑張ってぇ!」

 

 貴族も平民も、全員が腕を上げてホスティモを激励する。その声へ応えるようにホスティモの動きは速さを増して、もうレユニオンの兵士共ではどうしようもできないくらいに暴れていた。

 

 このまま、どうにか出来るんじゃないか。全員がそう思ったその時、アレが現れた。

 

「ーーー良き、戦士だ。若い、ながらも、筋、がいい」

 

 遠くから、アタシでも一目でわかった。アレはヤバイ。

 

 周りの兵士達が【パトリオットの大旦那】と喜びの声をあげる。

 

 先ほどまでの勢いが嘘のように皆んなが押し黙った。ただそこにいるだけで、アレの圧がアタシ達の心を抑えつけたんだ。

 

「…行くぞ」

 

 でもやっぱりホスティモだけは折れなかった。剣を鞘に戻して、体を深く沈めてアイツは構えた。屋上でアイツの剣をよく見ていたアタシも見たことのない構えだった。

 

 それを見て、パトリオットという男は何もしなかった。まるで何の弊害もないように悠然とホスティモの間合いへ踏み込んだ。

 

 そして、その日で一番短く、一番濃密な数分間の攻防が始まった。

 

「ーーー強き、剣だった。この、幼き、勇士に、治療を」

 

 戦いは崩れ落ちるホスティモの姿で終わった。あのホスティモが一方的にやられた。アタシにはあまりにも衝撃的な光景だった。

 

 アタシには、レユニオンの兵士達に何処かへ連れて行かれるホスティモを見送ることしかできずにいた。

 

 

 

 それから、アタシ達は他校の生徒達と一緒にペテルヘイム高校の中に監禁された。そして直ぐに、食糧庫の2つある内の1つが火災で燃え尽きた。

 

 もう一つの食糧庫は他校の貴族達が独占しやがった。外に出られない閉塞感や不安を抱えた生徒達によって学校内での治安は荒れた。

 

 アタシもロザリンと一緒にいつもの空き教室でいつ解放されるかもわからないまま、時間を貪った。

 

 そして、アタシが食糧を確保するために外へ出たら、そこにはホスティモがいた。

 

 無事だったのか!

 

 嬉しくなってアイツへ直ぐに駆け寄ったアタシを見るホスティモの瞳には、かつての強い意思を感じさせる光は無くなっていた。

 

 そこにアタシの知るホスティモはいなくなっていたんだ。

 

 

 





 やっとプロローグ終わりってとこですかね。早く曇らせにいきてぇなおれもなぁ。


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part.3 地獄の始まり


 卑劣なレユニオンの兵士達と戦い、疲れからか不幸にも黒塗りの決戦人型兵器に追突してしまう。

 平民を庇い、全ての責任を負ったホモくんに、レユニオンの大幹部パトリオットの言い渡した示談の条件は





 

 学園サバイバルゲームなアークナイツRTA、はーじまーるよー。

 前回は、貴族思考(クソ)スキルによるアクシデントでレユニオンの兵士達相手に大立ち回りした後にパトリオットの大旦那にボコられた辺りで終わりましたね。

 

 正直、パトリオットおじさんが出てきた辺りでこのRTAの終わりを感じてました。だってあんなのに勝てるわけないじゃん。

 

 本編の方でも1人で本気のパトリオットおじさん相手に安定して勝てるオペレーターはいませんからね。そんな化け物相手に多少鍛えている程度の高校生貴族が勝てるわけないだろ、いい加減にしろ! 

 

 えっ、でもお前の相手したパトリオットおじさん本気ですらないじゃんですって? ………さてさて、話を戻して今回の動画では、ついに始まった学園サバイバルパートでの動き方について説明しまぁす! 

 

 基本的にこの時期にできることは多くありません。平民から食糧奪うか、貴族から食糧奪うか、レユニオン兵士から食糧奪うかです。

 

 お前、食糧ばっかじゃねぇかって? 馬鹿やろう! 人はメシ食わないと死ぬんですよ。ご飯食べないで放置すると精神や体力が衰弱してろくに動けなくなります。

 

 その結果、何が起こるのか。

 

 倫理観が崩壊した生徒達に食い物にされてしまいます。

 

 守る筈だったズィマーやグムちゃん達が酷い目に遭うんですねぇ。

 

 泣き顔のグムちゃんやイースチナが下卑たウルサス男子に服をひん剥かれ、抵抗するズィマーやリェータが殴られたり、それを止めようとするけどご飯を食べてなくて力が出ずに呆気なく捕まって酷いことをされる仲間を見る事しか出来ないイベントシーン作ったやつ、人の心ないんじゃねぇの? 

 

 なので、そんな悲しいR18シーン防止の為に食糧を集める必要があるんですね。

 

 今現在、ホモくんのいるペテルヘイム高校はメフィストのクソガキが命令したレユニオンの兵士達によって食糧庫の一つが燃やされてしまいました。

 

 私の考えていた本来のチャートなら、今ごろはホモくんが食糧庫放火を阻止して平和な時間を少し保っていられた筈なのですが、パトリオットおじさんに戦闘不能にされてだいたい丸2日ほど動けなかったので、現在ペテルヘイム高校はSAN値の減った生徒達によって荒れています。

 

 ホモくんはレユニオンに治療を施された後、また学園内へ放り込まれたので、これから食糧集めに動こうと思ったのですが、なんかSAN値が大分減っていて行動が無くなっています。えぇ、なんで? 

 

 ちょっと目の前で他校の貴族が平民から食糧奪ったり、ペテルヘイムの生徒が下級生を殴って食糧奪う姿を見ただけで精神弱スギィ! お前の生理的耐性は飾りかオォン!? 

 これじゃあホモくんが通りかかったガチムチウルサス男子にトイレへ連れ込まれてしまいます。どうしましょうかねこれ。

 

 ん? 遠くから誰かが近づいてきてますね。さっそく貞操の危機ですか、本当に運が悪、いや、あれはズィマー、ズィマーちゃんじゃないか! 

 

 どうやらズィマーちゃんと食糧庫火災イベントが起こる前に仲良くなって(好感度50以上)いると起こる、空き教室への勧誘イベントが起きたみたいです。想定より好感度稼げてますね。

 

 動こうとしないホモくんを無理矢理ズィマーちゃんが空き教室へと連れて行ってくれてますね。ズィマーちゃん最高! 貴方達もズィマーちゃん最高と言いなさい。

 

 空き教室では、リェータが待機してました。本来ならまだこの時期にはいないのですが、ホモくんが関わったことによってズィマーとリェータの親密度も上昇していたからです。

 

 基本的に学園サバイバルパートでは、ズィマー達と行動を共にするルートを選ぶとこの空き教室が拠点となるので、レユニオン襲撃イベントが始まるまでに物資をここに置いておくと後々楽になります。食糧関係は頑張って略奪してねというゲームの都合なのか、いくら持ってこようとその時いる人が全部食べてしまうので事前に貯めて置けません。

 

 この現象により、本作では主人公が災害に備えてせっせと集めておいた食糧を全てズィマーが食べてしまう、通称【ズィマーちゃん胃袋ブラックホール】イベントが起きるんですね。1人で一ヶ月以上の食糧全て平らげるとかどうやってるんでしょうか。

 

 今、空き教室にある物資は机と椅子、簡単な料理器具と少量の娯楽品くらいです。これから、イースチナとグムが他の生徒を引き連れて現れることを考えると、食糧消費の人数がリェータとホモくんの分が増えるので何もしないと直ぐに食糧が枯渇します。

 

 なので早いとこ外に出てまだ残っているであろう食糧確保ポイントは行きたいのですが、ホモくんがやる気を無くしていますね。うーん、どうしよう。

 

 何も出来ずに夜になりました。ご飯はズィマーとリェータが拾ってきた乾パンです。お前、女の子にご飯恵んでもらって恥ずかしくないの? 

 

 現在のホモくんの状態異常である、SAN値が1度に大きく失われると確率で起こる【無気力】状態は、基本解除するにはSAN値の自然回復を待つか、医療系オペレーターに治療してもらう、または【精神分析】スキル持ちに助けてもらうしかありません。

 

 何でこんなにSAN値が減ったのかwikiの方で私も調べてみたのですが、どうやら【傲慢】と【貴族思考】のスキルは条件を満たすとSAN値を大幅に削ってしまうようです。【傲慢】の方は負けられない戦いで敗北すると発生し、【貴族思考】の方は条件がいくつかありましたが、要約すると貴族としての自信を揺らがす何かが起きた時に発生するみたい。

 

 まあ、レユニオンが出ていって天災が来るまで学校からは出られないので頑張って空腹に耐えて、確率で起こる襲撃イベントが起きないように祈りましょう。

 

 ホモくんが教室でニートしている間に何日かが過ぎました。ご飯はズィマーとリェータがせっせと集めてきてくれてます。女子高生のヒモになるのは楽しそうですねー。

 

 もう少しでイースチナのグループが避難してくるのでそれまでには立ち直って欲しいんですけど、まーだ時間かかりそうですかね? 一応、毎夜のコミュ時間にリェータが励ましに来てくれるので少しは回復してくれてますが、これじゃあ間に合わなそうです。

 

 おや、今夜は珍しくズィマーがホモくんへ近寄ってきました。ホモくんを教室へ連れてきてからコミュしようとしても避けられていたのですが、何かのイベントでしょうか? 

 

 あっ、ズィマーがホモくんを殴り飛ばしました! 慌ててリェータがズィマーを止めますがどうしたんでしょうか。もしかして1人だけニートしているホモくんにキレたのでしょうか。

 

 この時加速してたので話の内容は分かりませんが、次の日ホモくんが立ち直っていたのでOKです! (にっこり)

 

 いやー、ホモくんが立ち直ってくれておじさんも嬉しいよ、うんうん。これで今日から毎日平民や貴族から食糧奪おうぜ! 

 

 というわけで今回の動画はここまでにしたいと思います。お疲れ様でしたー。

 

 

 

 ◆◆◆◆◆

 

 

 

 ホスティモは強い。

 

 それは戦いにおけるそれだけじゃない。心の強さ。たとえ、自身以外の全てがその在り方へ良くない視線を向けてこようと、ホスティモは自身の傲慢なまでの貴族としての矜持を持ち続けていた。

 

 だからアタシは、ホスティモは多分何があっても折れることはなく、負ける事もなく、いつものように平民だ何だとアタシやロザリンに悪態をつきながらそのまま変わらないのだろうと漠然と思っていた。

 

 でも違った。

 

 ホスティモも人間で、敵わない奴がいて、折れることもあるんだ。

 

 目の前で雨に打たれて、泥に塗れて、いつもなら澄ましたように傲慢な顔をしたホスティモは目の前にいるアタシを見ないで、光を失った瞳で虚空を見ていた。

 

 アタシは何も言えなかった。

 

 取り敢えず、アタシはホスティモに肩を貸してロザリンの待つ空き教室へ戻った。ロザリンもホスティモの姿に驚いていたけど、アタシ同様に何も言えなくなっていた。普段は騒がしいくせにこういう時に黙ってしまったら意味がないぜ。

 

 それから、空き教室でのアタシ達3人の生活が始まった。

 

 ホスティモは部屋の隅で無気力に座り込んでいて、アタシ達が集めてきた乾パンなんかも全然食べてくれなかった。ロザリンはそんなホスティモの様子にまいったのか、夜になってアタシが寝たふりをしているとホスティモに近づいて何かと喋りかけていた。

 

 ロザリンの無理に明るく振る舞うような話し方にホスティモは何の反応も見せなかった。

 

 そんな日が何日か過ぎた。

 

 ホスティモは依然として飯もろくに食わねぇし、日に日にロザリンの元気も無くなっていって、いつものアタシ達の居場所なのにまるで見知らぬ土地に来たかのような居心地の悪さをアタシは感じていた。

 

 ーーーあの時、ホスティモを助けに行かなかったのが悪いのか。

 

 何もしてないと、そんな考えがいつも頭によぎる。だから日中、アタシは食糧探しなんかで動き回った。何も考えなくていいように。夜は疲れて早く寝られるように。

 

 空き教室へ帰ってきて、部屋の隅にいるアイツの瞳を見てしまうと心の奥がズキリと傷んだ。

 

 ある日の夜、いつものようにロザリンが話しかけるが何の反応も示さないアイツとその姿に涙目になっているロザリンを見て、アタシの中で何かが爆発した。

 

「お、おい。どうしたんだソニア」

 

 戸惑うロザリンを退かして、ホスティモの襟元を掴んで強引に掴み上げた。後ろからロザリンの静止の声が飛んでくるが、アタシは止まらなかった。

 

「いい加減にしろよテメェ! いつまで死んだ目してやがんだ! アタシがッ、アタシが悪りぃてのかよ!? ちょっと前までのアンタはそんな目をする奴じゃなかっただろうがよ! 一回負けたくらいでウジウジしてんじゃねぇよ!」

 

 こんな事されてもホスティモは無抵抗だった。

 

 前までのホスティモなら「平民が生意気だぞ」なんて悪態をついて手を振り払っていた筈だ。そして何処までも傲慢な笑みを浮かべる、そんな奴だった筈だ。

 

「くそがっ!」

 

 ホスティモを殴りつける。いつものアイツなら避けられた拳なのに、ホスティモは何も言わずに吹っ飛ばされた。

 

「おいソニアいい加減にしろっ!」

 

 ロザリンがアタシを羽交い締めする。

 

「………僕は、負けたんだ」

 

 ホスティモが喋った。

 

「ただ負けたんだじゃない。ウルサス貴族としての誇りを示す、負けてはならない戦いで僕は何も出来ずに敗北した。そればかりか、国土を汚し、守るべき平民達を傷つける敵に治療まで施され、おめおめと生き残ってしまった!」

 

 今まで我慢していたものが溢れ出すかのように、ホスティモは言葉を吐き出す。

 

「学園に戻って、あれらを見た。守るべき平民から食糧を奪う貴族達、不安や貧しさから殺し合う平民達。僕が負けたせいで、あれだけの悲劇が起こった! いや、今も起こっている! もう僕はダメだ。貴族としての矜持も、守るべきものも無くした僕に生きる理由は無い」

 

 勝手なことばかり言いやがる。こっちの気も知らないで、生きる理由がないだと? 

 

「生きる理由がないなら作ってやるよ、ホスティモ!」

 

 アタシはホスティモの目を無理矢理アタシの方へ向けさせて叫んだ。

 

「アタシがアンタの生きる理由になってやる! アタシは正真正銘ただの平民だ。そんなアタシをアンタに守らせてやるよ! これは契約だ。お前の矜持も守るものも全部アタシが担ってやる。代わりにアタシがお前を守る、文句あるか!?」

 

「は?」

 

 ホスティモが驚きの顔でアタシを見る。やっとアタシを見やがった。

 

「守る人数が足りないってんなら、ロザリンも付けてやる。【冬将軍】と【夏将軍】を守らせてやるって言ってんだ、光栄に思えよ」

 

「………お前はやはり馬鹿だな、平民」

 

「んだと? もう一回言いやがれこの野郎!」

 

 ホスティモがニヤリと笑い、顔を掴んでいたアタシの手を払う

 

「口を慎め、僕を誰だと思っている。誇り高きウルサス貴族、ホスティモ・ムーイだぞ! 良いだろう、僕の貴族としての矜持にかけて貴様ら2人をたとえ天災がこようと守り抜いて見せようじゃないか!」

 

 いつもの憎たらしい傲慢なホスティモが帰ってきた。

 

 これでアタシもロザリンも今日からはゆっくり寝られそうだ。そう思った。

 

 

 

 





 遊龍チェンと真銀斬と火山少女が欲しいよお!うちにはホシグマ姉貴とアップルパイ、サメシスターくらいしかおりゃんのよねぇ


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part.4 剣を握った日


 遅くなってすまねぇ!もうアズールレーンに浮気して遅れたりしねぇからあ!文句あっか、海賊王!





 

 頼れる仲間が増えていくハートフルなRTA、はーじまーるよー。

 前回はメンタルよわよわになっていたホモくんをズィマー先生が闘魂注入してくれた辺りで終わりましたね。あのイベントが無かったらワンチャンこのRTA終わってました。

 

 おかしいな、このRTA割と簡単な部類のはずなのに何でこんな状態になっているんですか? うわっ…私のチャート構成、下手すぎ…? 

 

 まあ、運のなさを嘆いても仕方がないのでさっさと続きを始めましょうか。今回は前から言っているように食糧集めをやっていきたい思います。

 

 と言っても、本当に他の生徒から直接略奪するのは最終手段です。理由は大きく2つあります。

 

 一つはホモくんのSAN値が減っていくからということ。これは、ホモくんのメンタルがよわよわだからという事ではなくて、ただ単に仕様です。子供を虐殺してまわる快楽殺人者みたいなよほどの外道ロールプレイするようなキャラでもない限り、基本的に略奪なんかの犯罪行為をするとSAN値が下がってしまいます。

 

 前回起こった無気力状態のように、SAN値が減るとプレイに対して様々な制限がかかる状態異常が発生するので出来ればSAN値が減少するようなことは避けておきたい。

 

 もう一つは、主要キャラからの好感度が駄々下がりするからです。特にイースチナがヤバい。彼女は略奪行為そのものが大嫌いで地雷そのものなので、本人の目の前でやるどころか過去にやっていたのがバレるだけで、もう攻略不可能になります。

 

 他のキャラ、グムやズィマー達は大きく好感度が下がりはしますがまだ挽回できます。ただ、イースチナだけは例外で、一度別のデータで彼女の前で略奪をしてみたのですが、だいたい好感度が100から−100になるくらいには嫌われました。流石、親友を略奪大好き貴族グループへ加わろうと進言しただけで殺す女は違いますね。

 

 とまあ、この2つ、主に後者の理由の大きさから略奪行為はNGとしています。ではどうやって物資を集めるのか、既にほとんどの物がロサの率いる貴族グループか多数に存在するはぐれ貴族グループやそれ以外の生徒達によって拾われています。

 

 本来なら初日にホモくんを動かして色々かき集められたのですが、もう過ぎたことに文句を言っても始まらないので、ここでとあるスキルを活用します。そう、【サバイバル知識】のスキルですねー。これで生えている野草なんかの食べられるものを採取できるようになるので、それでせっせと草やキノコ、虫なんかを集めます。

 

 まだ、他の生徒がすぐに食べられる乾パンなんかの食糧に目を向けられている今がチャンスです。ロサのグループが爆破されると本格的に食料がなくなるので、そうすると皆もなりふり構わなくなり、学校にぺんぺん草も生えなくなることでしょう。

 

 袋がパンパンになるくらい集められたら次の場所へ向かいます。目的地はペテルヘイム高校の地下、旧天災用防空壕ですね。

 

 このペテルヘイム高校、他の生徒達に取られない物資確保ポイントである防空壕が何箇所かあります。そこは主人公キャラが行かない限り、必ず何かしらの食糧があるので忘れずに行きましょう。

 

 恐らく救済処置としての場所なのですが、作中を通してヒントが一切ないのはクソだと思います。こういう場所を発見してくれた先駆者様達には頭が上がりませんね! 

 

 というわけで、目的の場所についたので楽しい物色タイムと洒落込みましょうか。おっ、神アイテム『塩』がありました! 他にも『砂糖』や『保存肉』なんかも見つかってます。これは嬉しい結果ですね。調味料の塩と砂糖のアイテムは料理上手のスキルと合わせれば大きくSAN値を回復する料理が作れるので、攻略において大変助かります。

 

 これだけあればリェータとホモくんの分が増えてもあまりあるくらいには食糧の備蓄に余裕ができました。さっそく帰ってズィマーちゃんに昨日のお礼として料理をご馳走してあげましょう。

 

 ーーー空き教室の前に何人かの生徒が立っていた。その中の1人、アンナと呼ばれている水色の髪をしたウルサス人の少女がソニアと話している。

 

 おっ、どうやらイースチナ達がやってきたみたいですね。ホモくんが回復した後に来てくれてよかった。もし、その前に来られていたら寝込みを襲われていたかもしれませんからね。

 

 誰にって? イースチナの連れてきたモブ共にですね。

 こいつら、イースチナとグムと一緒にいるのが不思議な程度にはクズですからね。助けてもらっておいて、人の寝込み襲うとかどういう神経してんだ? (1敗)

 

 何やら交渉が難儀しているみたいなので、ズィマーちゃんの背中を後押ししてあげましょう。ほらほら、せっかく幼馴染と再会できたんだからもっと仲良くして、仲良くしろ! 

 

 よしよし、何とか上手くいったみたいです。我らが拠点に人が増えました。イースチナ、グム、その他福本クズキャラなウルサス人生徒5名! イースチナとグム以外は帰ってどうぞ。

 

 出鼻は挫かれましたが、今日は仲間が増えた記念日だ! という事で集めてきた物資をズィマー達に見せびらかしましょう。ほらほら、もっと喜んで良いのよ。あっ、虫を詰め込んだ袋がズィマーちゃん窓から投げ捨てられた。

 

 ささやかながら歓迎会ということで、新しくやってきたグムちゃんと一緒に簡単な料理を作ってあげましょう。ここ最近は、乾パンと缶詰ばかりだったズィマーとリェータの2人に美味しいものを食べさせてあげなきゃ(使命感)

 

 優秀なRTA走者は好感度稼ぎも忘れません。グムちゃんは一緒に料理したり、何か作業を手伝ってあげるだけで好感度がガンガン上がる天使な良い子なのでいっぱい構ってあげましょう。

 

 料理が出来たので皆に振舞いました。料理上手スキル2人で作った飯は上手いだろう? 久しぶりに見るズィマーちゃんの笑顔が眩しい、フラッシュ! 

 

「貴方は、レユニオン相手に戦った貴族の方ですね。無事だったようで嬉しいです。これからお願いしますね」

 

 ーーーああ、僕はあの平民が助けようとお前達に手を差し伸べたなら、あれのついでに助かるくらいはしてあげよう。

 

 ーーーアンナという女はその答えに満足したのか、微笑むと皆のところへ戻っていった。

 

 よーし良い感じですね。このままロサちゃんグループ大爆発まで楽しく仲良しグループを継続していければ良いのですがね………。

 

 

 

 イースチナ達が加わってから3日が経ちました。予想通り、イースチナについてきていたモブ数人が学校内で一番の勢力であり、食糧庫を占拠している貴族グループに加わろうとイースチナに言い寄ってますね。何やってんだあいつら……

 

 早いとこ追い出さなきゃ行けませんね。というかズィマーちゃんもいる空き教室内でそういう話やめてもらっていいですか? あーもうめちゃくちゃだよ(部屋の空気)

 

 ーーー皆が寝静まる夜の暗闇の中、複数人が立ち上がり動く音が聞こえた。

 

 おっ、ズィマー襲撃イベントじゃないか。

 これはズィマーがイースチナ達を仲間に加えた後確率で起こるイベントなのですが、内容としてはロサの貴族グループに入りたいモブ達が貴族と敵対しているズィマーを襲ってロサ達への手土産にしようとするものです。

 

 人間の屑がこの野郎…、二度とこの教室にいられないようにしてやる。

 

 ホモくんVS男女混合ウルサス生徒3人の戦闘開始です。

 

 この戦闘は相手を殺してしまうとイースチナとグムから怖がられるようになります。だから、剣術○スキルの【峰打ち】を取得しておく必要があったんですね。

 

 ーーー鮮血が飛び散る。僕は剣で3人の生徒を斬り殺した。殺しは初めてだが、やはり最悪の気分だ

 

 ん? あれ? 3人死んじゃってるじゃん。なんで? なんで? なんで? スキル発動してないじゃーーーーん! スキルを覚えたあとステータス欄だって確認したし、今だって、スキル持ってたじゃーーーん!  

 

 このクソゲー! 戦闘システムまでイカレてるんじゃないだろうな! 

 

 …まさか、あっ、確認したらスキル欄から装備するの忘れてました。そういえば【峰打ち】ってパッシブスキルじゃなくて装備しないと発動しないアクティブスキルでした。

 

 ………。今回の動画はここまでにしたいと思います。それでは、お疲れ様でしたー! 

 

 

 

 ◆◆◆◆◆

 

 

 

「誰だお前達は」

 

 アンナお姉ちゃんと落ち着ける避難場所を探して、【冬将軍】、お姉ちゃんからはソニアと呼ばれる女の子と交渉していた時、後ろからその人は現れた。

 

 手に、何故か大量の草とキノコ、そして大きめの麻袋を2つ抱えて立っていた男の子。その人物をラーダは知っていた。

 

 いや、正確にいうならばラーダだけではなく、その他の人たち全員が彼のことを認知していた。何故なら、彼がレユニオン襲撃の初日に起こしたとある騒動を全員が目撃していたからだ。アンナお姉ちゃんがその行動に感動するかのように震えていたのを覚えている。

 

 だけど彼はあの化け物のように怖い人から槍で刺されて、そのままレユニオン達に連れて行かれた筈だ。生きているとは思っていなかった。

 

 そのことに驚いていたのはラーダだけではなくって、特にアンナお姉ちゃんなんかは目を見開いていた。

 

 彼はラーダ達を一瞥すると荷物を抱えて、ソニアに「お前の好きにしろ」と言うと部屋の中へ入っていった。それから少しして、ソニアがため息を吐いてラーダ達を迎え入れた。

 

 中に入るとさっきの貴族の彼とあともう1人女の子がいた。後から聞いたけど、ロザリンという名前で明るくて、他の2人に比べたらラーダは話しやすい人だなと思った。

 

 それから少しして、部屋に入るため交渉材料として言った料理を作ることになった。驚いたのは、簡単だけど料理器具があったこと。あと、何故か貴族の彼、ホスティモ・ムーイ君が料理を手伝ってくれたこと。

 

「平民だけに料理を作らせると何を入れるかわかったもんじゃないからな。僕が監視してやる」

 

 貴族が料理をするだけでも驚きなのに、ラーダと同じくらい手慣れた動きで料理する姿は幻覚でも見ているのかと感じるくらいだ。だって、ラーダの知る貴族様ってただ無遠慮に座ってご飯が来るのを待つだけのような、プライドが高い人が多かったから。

 

 それから料理ができて、皆に振る舞った。

 

 彼が持って帰ってきた塩や砂糖のおかげで味に広がりが出来て、この学校に来てから初めてまともな料理と呼べる物ができたと思う。

 

 皆が笑顔でご飯を食べる中、ラーダにはまた新しい驚きができた。

 

 彼は知らないと思うけど、ソニアもロザリンもアンナお姉ちゃんも皆知っている。彼は感情が顔に出やすくて、美味しいご飯を食べている時の彼は、こちらも思わず笑っちゃうくらいの満面の笑みで食事を続けるんだ。

 

 これは彼には教えていない。教えると無理に表情を隠そうとしそうだから、彼だけ知らない私達【ウルサス学生自治団】だけの秘密だ。

 

 彼は優しい。ラーダが教室で暮らすようになって何かと困っているとさり気なく助けてくれる。お礼を言っても捻くれた返事しか返さないけど、それが個性だからしょうがない。

 

 彼は優しい。ラーダがティモ君とあだ名で呼ぶことにしても彼は少し文句を言うだけで許してくれる。本来なら平民のラーダが貴族様をあだ名で呼ぶなんて許してくれるわけがないのに。

 

 ティモ君は優しい。全部自分が背負おうとするところとか、誰かの弱さを無言で支えようとするところとか、こっちが泣きそうになるくらい優しい。それがティモ君の誇りだとしても、ラーダは、グムは頼って欲しかった。

 

 ある日の夜、事件は起こった。

 

 ティモ君がラーダ達の仲間だった人達を殺した。理由は彼女達がソニアを殺そうとしたから。

 

「僕が殺した。僕のために殺したんだ」

 

 ラーダは知っている。ティモ君が表情を無理に隠して強がる時、剣を握る手が震えるくらい動揺する時、いつもティモ君の瞳が悲しみに溢れていることを。

 

 そして、そんなティモ君の姿を見たソニアがより悲しみに瞳を曇らせることを。ラーダは知っている。

 

 

 

 






 おまけの小ネタ

ーーーチェルノボーグ撤退戦

 エリートオペレーター【シーザー・A・ツェペリ】ここに眠る。

シーザー「タルラ!俺が最後に見せるのは代々受け継いだ未来に託すロドス魂だ!人間の魂だ!」

タルラ「燃え尽きろ」

シーザー「し……死ぬのは……こわくねえ…………ぜ だが…おれは 誇り高きツェペリ家の男だ。オレだってなんかしなくっちゃあな… カッコ悪くてあの世に行けねーぜ………」

シーザー「アーミヤーーーーー おれの最期のアーツだぜーーーーー うけとってくれーーーーッ」

タルラ「ふん、ここでの勝敗は貴様にくれてやる。さらばだ、シャボン玉のように可憐ではかなき男よ」


ーーーその後、チェルノボーグでの捜索隊


一般オペレーター俺「この破壊状態は確かにタルラのアーツ。もしこれを喰らったのがシーザーなら」

アーミヤ「シーザーさんッ」

一般オペレーター俺「ッ!あれはシーザーのシャボン玉!?中にあるのはシーザーのバンダナ、そしてアーミヤのリングだ!」

アーミヤ「今わかりました。シーザーさんはここで死んだのだと!」

一般オペレーター俺「くそっ、今掘り起こしてやるシーザーァッ!」

ケルシー「俺!シーザーを悲しむことも探すことも許可できない」

一般オペレーター俺「ナニィ!?」

ケルシー「この血の跡を見ればタルラが傷を負ったことがわかる。奴が傷を癒す間に龍門へ行き状況を伝えて協力関係を築く必要がある」

一般オペレーター俺「(この女、シーザーの為に涙一つ流さねぇのか!?)」

 ケルシーがカルテを見る。

一般オペレーター俺「ッ!…ケルシー先生、カルテ、逆さだぜ………」




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part.5 ウルサス学生自治団


 なんか最近ランキングに乗り始めたんですが、幻覚ですかねこれ?いやー、やっぱり感想があるとやる気が出てきますね。だからこれからも感想を、ハイ、ヨロシクゥ!

 あとはアークナイツのSSがもっと増えたら最高ですね。アークナイツ小説流行らせコラ!





 

 1人だけ仲間はずれがいるウルサス学生自治団なRTA、はーじまーるよー。

 前回は新しい仲間の加入や楽しい歓迎会なんかのイベントがあって明るい感じで終われましたね! いやーよかったよかった。

 

 ようやっと仲間が揃ってきましたので、これからどんどん好感度を稼いで行きたいと思います。学校を脱出した後って好感度を上げるイベントよりSAN値を下げるイベントの方が多くて、そのケアに追われるから好感度云々の話じゃなくなってくるんですよねぇ。

 

 まあ、暗い話は後にしてさっそくやっていきましょう! 

 

 これからやっていくことを視聴者さんに説明すると、基本的に好感度を上げる行為は3つあってですね。

 一つ目がこの動画ではちょくちょく起きている、イベントによる好感度上昇です。

 

 はっきりいってこれが一番うまあじです。決められた選択肢選んでおけば大きく好感度が稼げるので、もしイベントが来たら選択肢を間違わないようにちゃんとチャートを読んで暗記しておきましょう(64敗)

 

 二つ目が、こちらもこの動画で既に何回か行なっている、自発的なコミュニケーション行動による好感度稼ぎです。こちらは3つの内で一番稼げる量が微々たるものなんですが、それでも何も持ってなくても運が絡まずに、地道に好感度を上げることが出来るのである意味一番重要なものかもしれません。

 

 こちらは1日に行えるコミュ行動は回数が決まっているので取りこぼしのないようにしましょう。まあ、基本夜に行うようにすれば他の行動チャートとごちゃ混ぜになって忘れるなんてことが無くなると思うので、あまりRTAやった事がないよーという人は試してみてください。

 

 三つ目が、私がこれから行うものです。これはギャルゲーだけではなく、古くから続くソーシャルゲームなんかでも鉄板の好感度稼ぎ。その名も【アイテム貢ぎ】です! 

 やっぱり人間、欲しいものをくれる人を好きになるもんなんですねー。私も学生時代、好きな子に沢山貢いだんですけど、好感度の上昇しなかったんですけどバグなんですかね? かなしいなぁ。

 

 まあ、そんな話は置いておいてアイテム捜索にさっさと、行くぞ! 

 

 今回私が探すアイテムは、リェータの好きなロックバンド系の雑誌、グムの料理本やエプロン、イースチナは本なら何でも良いです。ズィマーは何を上げても貰ってくれるので、適当に見繕いましょう。

 

 なので最優先で行く場所は、本が沢山ある図書室と言いたいところなのですが、既に生徒達の手で燃やされてしまっているので別の場所に行きましょう。お前ら、何でもかんでも燃やすのやめないか? 

 

 じゃあ本が集められないじゃん、どうしてくれんの? とお怒りの視聴者さんも多いと思いますが落ち着いてください。確かに纏めて本を入手する事はもう既に難しいです。しかし、これらのアイテムを集めるのは別に図書室があってもなくても問題ありません。

 

 先ずはグムの料理本は家庭科室で拾えます。ついでにあればですが、ここでマッチなんかの火をつけれるアイテムを回収しておきましょう。後々外へ出た際の暖を取る際に使います。

 

 次にイースチナとリェータの分ですが、生徒達のロッカーを漁りましょう。食糧なんかはもう他の生徒達に取られて見つかりませんが、娯楽品の本なんかは見向きもされないので必ず誰かしらのロッカーに入ってます。こんな時に女生徒のロッカー漁る姿をグループの女性陣に見られたらホモくんどうなるんでしょうね(暗黒微笑)

 

 よし、これでグムの料理本とリェータの音楽雑誌、イースチナへの推理小説が集まったので、ズィマーへ上げる分は食糧探索のついでに探しましょう。ズィマーちゃんは手のかからない良い子ですね! 

 

 ーーー平民の生徒が貴族から食料を奪われそうになっている。

 

 ん? なんかアイテム集めてたらイベントが始まりましたね。ロスいので適当に加速しましょう。

 

「この俺をナターリア様が率いる貴族グループの者と知っての狼藉か! 貴様、覚えていろよ、目にものを見せてやる!?」

 

 ーーー殴り倒した貴族が捨て台詞を吐いて何処かへ去っていった。黄色のリボンをつけた平民がお礼とぬいぐるみを渡してきたが、僕は気分が悪かったので先を急いだ。

 

 なんかホモくんが貴族をボコしてしまいました。よくわからないイベントでしたが、クマのぬいぐるみを手に入れたのでこれをズィマーちゃんへの手土産にしましょう。

 

 

 

 さあ、ホモくん様のお帰りですよー。おうおう、ぞろぞろと集まってきやがって卑しい子達だ。ほらほらこれが欲しかったんだろー? お礼だけかー? 何か足んねぇよなぁ? 

 

 ーーー一ラーダ達が欲しがっていた物を手に入れた。渡しておこう。

 

 おほっ、グムちゃんが抱きついて喜んでいますね。あ〜無邪気な好意で心がぴょんぴょんするんじゃ〜。リェータとイースチナも嬉しそうですね。

 

 ズィマー以外の全員にお土産を配り終わりました。1人よそよそしくしているズィマーちゃんには、夜にあげましょう。流石に皆の前でクマのぬいぐるみを上げると、彼女のイメージが、ね? 

 

 よし、夜になったのでズィマーちゃんのところへコミュしに行きますよー、行く行く。

 

 ぬっ、イースチナとズィマーが話していますね。近づきましょう。

 

 どうやら【ウルサス学生自治団】結成イベントのようですね。このイベントに関わるとウルサス学生自治団の名前を変えることや自身をグループのリーダーへと変える事ができます。因みに現在のリーダーは決まっておらず、各々が生き残るために頑張るだけのグループですね。

 

 このシナリオをする人の中にはこの命名イベントでR18な名前に変えて、グム達に呼ばせる変態がいるみたいですよ。世の中は広いですねー。

 

 特に案もないのでグループの名前は、デフォルトの【ウルサス学生自治団】に決まりました。

 

 おっ、ズィマーとイースタナからの要請でグループのリーダーになりました。これでグループに所属する人間へ好感度に関係なく命令する事ができるようになります。まあ、強制力はあまりないので無視されることも多いですが。この命令形で彼女達へエッチな命令をした者は手をあげなさい(5敗)

 

 イベントも終わって2人とも寝そうなので、その前にズィマーちゃんにクマのぬいぐるみをあげましょう。これで全員へアイテム貢ぎ出来ましたね。

 

 それでは、今回の動画はここまでにしたいと思います。それでは、お疲れ様でしたー。

 

 

 

 ◆◆◆◆◆

 

 

 

 私が初めて彼を知ったのは、彼、ホスティモ・ムーイが私と出会うよりも早い。

 

 レユニオンが私達の学校を襲撃して、ソニアのいるペテルヘイム高校へと連行したあの日。絶望と不安を抱えながら、校庭に集められていた私は見た。

 

 私達の高校で暴虐の限りを尽くしたレユニオン・ムーブメント達を次々と薙ぎ倒していく、たった1人の男の子を。

 

 歳は私と変わらないだろう。なのに、己の矜持と意思だけで彼は立ち向かった。レユニオンの武器で、アーツで、何度も傷つきながら、彼は戦っていた。

 

 まるで私が読む小説に出てくる主人公のようだと思った。

 

 皆が恐怖に包まれる中、悠然と立ち上がるヒーロー。私は彼の姿に重ねてそれを見た。

 

 だけど、現実はいつも残酷だ。

 

 あの禍々しい空気を纏った盾と槍を持つサルカズ。【パトリオット】と呼ばれた存在が彼を槍で突き刺して、そのまま連れて行った。

 

 その後、彼らレユニオンは学校を取り囲んだ。私たちを逃さないように。

 

 私はラーダを、頼ってきた仲間達を彼のように守らなければと頑張った。だけど私は弱くて、すぐに駄目になった。私1人では、混乱で暴れ回るようになった他の生徒達から仲間達を守れない。

 

 それから少しして安全な、休める場所を探した。

 

 何とか見つけた場所には先客が居て、なんとか私達にも居場所を分けてくれないかと交渉をした。そこで昔、幼馴染だったソニアに出会った。彼女は昔のように不器用だけど優しくて、私たちを受け入れてくれた。

 

 そして、ちょうどその時彼に再会した。ホスティモ、彼は無事でいてくれて、ソニアと一緒にいたのだ。

 

 私は安堵した。これで仲間達は大丈夫だ。頼れるソニアだけではなく、ホスティモもいるなら私がいなくても安心だと。

 

 部屋に入るとソニアとホスティモだけではなく、ロザリンという子もいた。ロザリンはこんな状況なのに明るく振る舞って場を明るくしてくれる良い子で、ラーダと一緒に教室の空気を温かくしてくれた。

 

 此処なら生き残れる。全員で生きて帰れると思った。もう帰れる場所など無くなっていたというのに。

 

 私達がソニア達のグループに入ってから少しして事件が起きた。私の仲間達がソニアを殺そうとした。理由は、第4高校の貴族が率いる貴族グループへの手土産にするため。ソニアは貴族グループと対立していたからだ。

 

 そして、ホスティモが私の仲間達を殺した。しょうがないことだ、先に殺そうとしたのは彼女達なのだから。だから、何かを堪えるような、そんな顔をしないで欲しかった。

 

 その日以降、ソニアとホスティモの様子がおかしくなった。ソニアはホスティモに対してよそよそしくなった。ホスティモは何か生き急ぐように物資探しを遅くまでやるようになった。私達の空き教室へ帰ってくるのはいつも一番最後だ。

 

 どうにかしなければと思いながらも、私には解決策が出てこなかった。何のために沢山の本を読んだのか、私は役立たずだ。

 

 ホスティモが仲間達を殺してから毎日、親友のヴィカが貴族グループへ入ろうと言ってくるようになった。このままじゃ仲間達のようにホスティモやソニアに殺されるかもしれないと彼女は言っていたけど、ソニア達は理由もなく人を殺したりしない。

 

 ある日、ホスティモがいつもと違う物を持って帰ってきた。

 

 ラーダやロザリンが欲しがっていた料理の本や音楽雑誌。私が自己紹介で言った本が好きなことを覚えていてくれたらしく、推理小説を拾ってきてくれた。

 

 ラーダなんかは大喜びで、感極まったのかホスティモに抱きついてロザリンに引き剥がされていた。こんな時ばかりはラーダの天真爛漫な振る舞いが羨ましかった。私も勢いに任せて抱きつけばよかったのに。

 

 ホスティモはまだ何かを麻袋に隠していたけど、ソニアには何も渡さなかった。

 

 私はその夜、ソニアを励ますつもりで話をした。そんなつもりはなかったのだけれど、気づけば溜め込んでいた胸の内を話して私が励まされてしまった。ソニアは優しい。

 

 まだ、ホスティモも起きていたみたいで私達の密会に混ざってきた。どうせだからと私はグループを作ろうということ、その名前を今此処で決めようと話した。

 

 決まった名前は【ウルサス学生自治団】。ソニアは地味な名前だと文句をついていたけど、私にはわかる。こういう時のソニアは本当は気に入っている時の反応だ。

 

 その後、リーダーにはホスティモを名指しした。ソニアも頷いた。こんな時でも無意識に重荷を人へ背負わせようとする私は最低なのだろう。だけど、ホスティモは力強く頷いて言った。

 

 ーーー誓おう。この僕の保護下にある間は、仲間を傷つけない限り天災からだろうと守ると。

 

 夜だというのに、彼の姿は私には眩しかった。こんな暗闇の世界でどうしてそんなに強くいられるのか、私には眩しすぎる。

 

 話も終わって私も眠りにつこうと横になった。そして見た。

 

 ホスティモが麻袋からクマのぬいぐるみをソニアへあげるのを。それをほんのりと赤くなった顔で受け取るソニアを。

 

 私はズキリと痛む胸を隠して目を閉じた。

 

 

 





俺「オレさ、覚悟して帰ってきたんだよ。けど、なんか、毎日一話をノルマに書き続けてたら、悪い、やっぱ辛ぇわ」




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part.6 貴族グループと食糧庫


 感想欄があったかくてオイラ涙が出そうだよぉ〜。てっきりウチの製薬会社のロバ耳CEOみたいな事ばかり言われるかと身構えていたけど、そんなことはなくてよかったよかった。やっぱりブラック環境はクソ!アーミヤなんて必要なかったんや!

???「何を以て貴様の不義理に報いようか?」





 

 サバイバル学園生活も大詰めなRTA、はーじまーるよー。

 前回はウルサス学生自治団結成の場面まで行きましたね。これでやっとペテルヘイム高校でのシナリオもあと少しという感じになりました。このままなら良いタイムが出そうなので、もう一踏ん張り頑張りましょう! 

 

 このシナリオの学園パートが終わる前にやるべき事は大きく分けて、もう残り2つしかありません。

 

 一つはコードネーム、ロサこと【ナターリア・アンドレーエヴィナ・ロストワ】のウルサス学生自治団への加入。もう一つは脱出前のレユニオンへの接触です。

 

 後者についてはとある目的があって、それを行うことが本チャートで一番重要な要素といっても過言ではないので必ず忘れないようにしましょう。

 

 前者についてはシナリオ進めていけば、プレイヤーキャラが干渉しなくてもズィマーが勝手に助けて、自然とウルサス学生自治団に入るので流しながらでOKです。それでは早速始めていきたいと思います。

 

 それにしても今回の走りでは何故かズィマーちゃんが助けた生徒を空き教室へ連れてこないんですよね。いつもならアホみたいに連れてきて、(食糧の備蓄が)冷えてるか〜? ってなるんですけど不思議ですねー。

 

 一応困っている弱者がいると、その場では助けてはいるみたいですけどね。流石、弱者の守り神ですね、こんな時でも優しさを忘れない、勲章ものですよーこれは。

 

 えっ、私ですか? 発見したら助けないとSAN値が下がるので基本ホモくんが見つけないように動いてますよ。探そうと思えばいくらでもいますけど、どれだけ助けても焼け石に水ですからね、じゃけん放っておいて食糧集めましょうね〜(人間のクズ、走者の鑑)

 

 今の所、食糧の備蓄はまあまあ出来ています。地下の防空壕からちょくちょく持って帰っている分を除いて、ホモくんしか知らないとある金庫に一箇所集中で脱出時に使えるよう纏めていますが、全員合わせて2日分はありますので上出来といったところでしょう。

 

 ホモくんが皆で集まって食べる夜以外の食事を虫や草で我慢している甲斐がありましたね! 

 

 さあ、我らが拠点に帰ってきました。よっす、グムちゃん。今日も元気で可愛いね! おや? 珍しくズィマーとリェータどちらも外に出ているようです。まあ、夜になれば帰ってくるでしょう。体力温存とSAN値回復の為に瞑想でもしておきましょうか。

 

 ぬっ、誰かが近づいてきたと思ったら、イースチナの親友(笑)のヴィカさん、ヴィカさんじゃないか! 

 

 彼女はイースチナの親友でありながらモブの流用立ち絵しか用意してもらえなかった悲しい存在で、専用立ち絵を貰えなかった恨みからウルサス学生自治団を掻き乱す困ったちゃんです(捏造)

 

 まあ、半分冗談ですが、彼女が厄介である事は変わりません。本来ならズィマーが助けて連れてきた大量の生徒1人1人に近づいて、貴族グループへ加入できれば生き残れるだのなんだのと吹き込んで、ウルサス学生自治団の中で内部分裂を起こそうとします。

 

 イースチナが説得しても聞く耳を持たないどころか、イースチナにズィマーを説得するよう強要してズィマー達が曇る要因を作るクソみたいな存在です。

 

 どうやらホモくんがウルサス学生自治団のリーダーになった事で、煮え切らない態度のイースチナから此方に標的を変えたようですね。長々と猫撫で声で話していますが要約すると、

 

「お前も貴族グループへ行かないか?」

「(このままでは皆)死ぬ…! 死んでしまうぞホスティモ! 貴族グループへ行け!! 貴族グループへ行くといえ!!」

 

 ということです。

 

 当然断りますが、この女、何処ぞのブラック上司に無理難題を言われる鬼のようにしつこく勧誘してきます。このビチグソ"ウルサススラング"を

 対処するのは簡単です。ズィマーかリェータのオラオラ系をぶつけてやりましょう。それだけで黙ります。

 

 まあ、こいつの厄介なところはその苦手な存在がいない時を狙って動きだす陰湿さにあるのですけども。

 

 今からズィマー達2人が帰ってくるまでヴィカのセールストークを聞き流すのは簡単ですけれど、ホモくんの瞑想の邪魔なのでもう黙らせてしまいましょうか。えーと、剣は何処だったかなー? 

 

「何でよ! 貴方だって彼等と同じ貴族なんだから同じグループへ入った方が良いじゃない!?」

 

 ーーーパンッ。何かを叩く音が空き教室に響いた。どうやら、ヴィカの頬をイースチナが叩いたようだ。

 

「彼を! ホスティモをあいつらと一緒にしないでください!」

 

 ファッ!? イースチナがヴィカに怒ってる!? 

 

 なんか怒る要素ありましたかね、今のイベント?(純真)一応リーダーであるホスティモへの侮辱として怒った感じなのかな。あー、ヴィカが走って空き教室を出ていきましたね。 

 

 うーん、イースチナが面と向かってヴィカに怒っている姿を初めて見ました。彼女はイースチナを見捨てて殺すことにとても大きな罪悪感を抱くくらいにはヴィカと仲が良かった筈なのですが、どうしたんでしょう。

 

 それからヴィカは帰ってきませんでした。どうせ腹が減ったら戻ってくると思います。

 

 だからホモくんは落ち込んでいるイースチナを慰めてあげましょうね〜。あぁ〜! 好感度の上がる音〜! 傷心中の女子高生に近づいて慰めるフリで距離を詰める人間のクズ、ギャルゲー主人公の鑑ムーブは楽しいなあ! 

 

 次の日、外でエプロンが欲しいと言っていたグムちゃんの為に辺りを散策していたところ、ヴィカを発見しました。誰かと一緒にいます。

 

 気づかれないように近づくと、第四高校の貴族グループが付けている紋章が見えました。どうやら、媚び売りの最中のようです。まあ、ヴィカが貴族グループへ入ろうが入らなかろうが害はないと思うので放っておきまーーー。

 

 ーーーヴィカが笑顔でウルサス学生自治団の情報を貴族グループへと渡していた。いつ頃が人が少ないか、誰を狙った方がいいか、どれだけ物資があるかなどを話しているようだ。

 

 ………。人間の屑がこの野郎…二度とこの世界に居られないようにしてやる。大丈夫っすよ(心は)バッチェ冷えてますよ。どう料理してやりましょうかね、こいつ。イースチナにこのことがバレるとSAN値がヤバいことになりそうなのでホモくん1人で何とかしましょう。

 

 取り敢えず、奴らをヴィカごと返り討ちにしてやります。えっ、【峰打ち】スキルですか? …勿論、使いませんけど、何か問題ありますかね? 

 

 それじゃあ、襲撃の時間まで加速しまぁす! 

 

 

 

 おうおう、沢山連れて来やがりました。ひい、ふう、みい…。ほう、30人ほどいますね。

 

 ちょっ、まっ、多スギィ! ちょっと待って、私そんな恨み買うようなことした覚えないんですけど。来たとしても多くて10人くらいだと思ってたのに、えぇ!? 

 

 ーーー集団の戦闘にいる男、見覚えがある。この前、平民から食糧を奪おうとしていた貴族だ。

 

「貴様はこの私、パーヴェル・ニコラエヴィチに恥をかかせた薄汚い貴族崩れではないか! 邪魔だそこを退け! 私達は今から貴族による貴族のための崇高な使命を果たさなければいけないのだ!」

 

 ーーーそれは出来ない。理由は隣の女に聞くといい。

 

 あっ、クマのぬいぐるみの貴族だ! また君か壊れるなぁ

 

 ウルサス貴族は敵とした場合、全員がアーツユニット所持の良い装備を持っているので、正直そこらのレユニオン兵士より厄介です。何でこいつら大人しくレユニオンに監禁されているんですかね、馬鹿なのかな? 

 

「あの男がウルサス学生自治団のリーダーです! あれを殺せば後は冬将軍と夏将軍しか敵はいません! さっさと殺してください!」

 

 ーーーもう誰にも傷つけさせたりしない。僕は僕の誓いの為にお前達を殺す。

 

 貴族達が各々の武器を抜きましたね。よし、じゃあブチ込んでやるぜ。

 

 ーーー【ホモくん奮闘中】【ホモくん奮闘中】【ホモくん奮闘中】

 

「ひ、ひい! たすけて! 私を殺したら、アンナが黙ってないわよ!? 嫌だ、死にたくない!」

 

 ーーー貴様を生かしておいたら、また同じことをするかもしれない。恨め。僕もじきに地獄(そこ)へ行くだろう。

 

 ーーー最後の1人を斬り捨てる。僕は肩で息をしながら上を見た。空は暗い。

 

 ふぅ、終わりました完全勝利です。無駄な抵抗しやがってよ。全員殺したのでSAN値が大きく下がるかと思いましたが予想していたよりは少ないです。ガバで先に3人も殺しておいたのが影響しています。急がばガバれとはこの事ですね! 

 

 戦いを終えたら、すっかり夜になりました。早いところ死体を埋めて戻りたいですけど、数が多いな。誰だよこんなにやったやつ。

 

 ーーー火の粉と共に爆炎が空に舞い上がる。どうやら、第二食糧庫の方からのようだ。悲鳴が聞こえる。

 

 あっ、ズィマーちゃんやりましたね、これ。第四高校の占拠していた食糧庫が燃えています。グループの残っていた貴族も今頃逃げ出しているでしょう。

 

 1日の内に貴族グループの人間が大勢斬り殺されて、食糧庫が燃えるって、なんかこれじゃあホモくんが貴族グループ潰したみたいになりそうで草が生えますね。

 

 それでは、今回の動画はここまでにしたいと思います。お疲れ様でしたー。

 

 

 

 ◆◆◆◆◆

 

 

 

 貴族として。

 

 私、【ナターリア・アンドレーエヴィナ・ロストワ】は誇りある上級貴族、ロストワ伯爵家を継ぐ者として恥ずかしくないように努めようとした。

 

 ただでさえ仲が悪く協調性のない貴族階級の生徒がレユニオン達にやって一か所に集められた。

 

 そのせいで早くも衝突が発生したけれど、私が貴族の矜持と非常事態での結束を説いてこれを制して、グループのリーダーとして貴族達を統率することに成功したわ。

 

 最終的に私をリーダーとしたグループは30人を超える大所帯となって、ペテルヘイム高校のトップに君臨した。我ながら、よく頑張った方だと思った。

 

 だけど、それは良いことだけではなかったの。

 

 貴族は利己的よ。

 

 彼ら貴族は、私を含めて常に自分は上の立場にいる人間だと思っている。貴族とは、常に優雅で高潔で尊重されるべき身分。それはレユニオン達に監禁されていたとしても変わらないと。

 

 だから彼らの内の1人が、「貴族にあるべきメンツを保つために平民に貢献してもらう」──平民生徒からの略奪を提案してきたのは予測されて然るべきものだったわ。恐らく、あの時私が断っても散って行った他の小さな貴族グループ達が同じことをやったでしょう。

 

 私は、これ以上貴族グループの分裂を避けたかった。

 

 だから、それを認め、私はあろうことか食糧強奪計画の作戦を立案・指導までしたわ。

 

 私の仲間達が笑顔で平民から奪った物を、手柄でも見せつけるかのように持ってくる。それを間違っていると知りながらも私は笑顔で褒め称えた。

 

 怖かったのよ。

 

 彼らの行いを叱咤して、もし矛先が私に向けば、何も出来ずに殺されてしまうから。

 

 だから私は私を騙し続ける。

 

 山積みになった物資に喜びを感じた時も、悲惨な叫び声や泣き声に耳を塞いだ時も、人から奪う生活に慣れていく自分を自覚した時も、私は自身を悪くはない、仕方がなかったと慰めた。

 

 そして私が私を騙すたび、脳裏にある男の子が浮かび上がる。

 

 それは私がレユニオン達にペテルヘイム高校は連れてこられた日に、たった1人でレユニオン達に立ち向かった。愚かしく、そして、私が望んでいた、こうありたいと願っていた、誇り高き貴族の姿だ。

 

 彼はレユニオン達を己が磨き上げた力によって打倒した。後からやってきた【パトリオット】という大男。彼が倒されるまでにレユニオン達はその数十倍は倒されていた。

 

 彼はレユニオン達に勝てはしなかった。けれど、あの場の誰よりも【貴族の義務(ノブレス・オブリージュ)】を果たそうとしていた。平民から食糧を奪って生き永らえようとした私達とは真逆だ。

 

 彼はレユニオン達に連れて行かれた後、何があったのかわからないけれど学園に戻ってきた。そして今は、冬将軍が集めた仲間達と一緒にいるらしい。そんな事を仲間達が話しているのを聞いた。

 

 私は彼が生きていると知った時、思った。何で生きていたのかと。

 

 彼さえいなければ、私は私を騙し続けていられるのに。私は優雅で高潔で、現実を知らない貴族のままでいられるのにと。

 

 だから、パーヴェル達がウルサス学生自治団から食糧を奪いに行くと言った時、私は彼らを止めなかった。いえ、もしかしたら私にはもう彼らを止める力などなかったのかもしれない。

 

 いつまで経っても救助は来ない。私達は国に見捨てられたのだと、私が既に薄々勘付いていた。もはやこの場所に貴族も平民もありはしないのだと。

 

 私達が占拠していた食糧庫が燃える。

 

 貴族に恨みのある誰かが火を放ったのだろう。

 

 私の目の前で火の粉が舞う。私は悲鳴を上げて逃げ出した。

 

 怖い、怖い、怖い。

 

 私は死にたくなかった。だって私はまだ何もやれてはいない。何にもなれてなどいないのだから。

 

 あぁ。でもあの熱い火を見て少しだけ思ってしまった。

 

 ーーーもしも死ぬのなら、彼のような貴族に殺されたいと。

 

 

 





 最近初めて資格交換所の資格証入手コマンドで被ったやつを資格証は変えれるの知ったけど、ああいうのって気づかない人は一生気づかなさそう。私はこれに気づいたおかげで一般資格証が2000も増えました!




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IFルート⦅ロドス・イン・ホスティモ⦆


 なんか最近重い話ばっかり書いてたので、時には楽しい話を書きたいー!という事で気づいたら筆が走っていた。反省はしているが後悔はしていない。本編の続きは待っててくれ!





 

 地獄のような場所から平和な世界へと帰ってきてから、既に数週間がたった。僕、ホスティモ・ムーイは今、【ロドス・アイランド】という製薬会社にいる。

 

 チェルノボーグ事変。

 

 ウルサス帝国の大都市であるチェルノボーグ市で突如として起こった【レユニオン・ムーブメント】という感染者武装集団によるテロと天災の襲来によって、チェルノボーグ市に住む僕を含む全ての人間は地獄を見た。

 

 今でもその時のことは夢に見る。

 

 だけど、僕は何とか、通っていたペテルヘイム高校から脱出して、ウルサス学生自治団の皆とロドスに救助されるまでの間、生き残ることができた。僕は助かったんだ。だから、いい加減前を向かなければと思う。

 

「ティモくーん! 朝だよー起きてー!」

 

 ラーダ。今はグムというコードネームを名乗っている僕らウルサス学生自治団のムードメーカーが起こしにやってきた。

 

 早く外に出ないと笑顔で僕の部屋に乗り込んでくるのが容易く想像できる。僕は足早に着替えを済ませて部屋を出た。

 

「おはよう、ティモ君! 今日もいい朝だね」

「グムは朝から元気だな。大変だろうし、毎日起こしに来なくてもいいんだよ?」

「ううん、全然大変じゃないよ、グムはこの時間が好きだから。それとも迷惑だった…?」

 

 グムがうるうると瞳に涙を浮かべる。困っている僕の後ろから声と共に衝撃が襲ってきた。

 

「おいおい、ウチの可愛い仲間を泣かせたのはどいつだ〜?」

「これはいけませんね。ふむ、ホスティモには罰としてグムを食堂までエスコートしてもらいましょう」

 

 振り返るとそこにはロザリンとアンナがいた。今はリェータとイースチナ、そう名乗っていたはずだ。どうやら、僕はリェータに後ろから尻を蹴られたらしい。僕はまいったように両手を上げた。

 

「わかったよ。グム、僕と一緒に食堂へ行ってくれるかい?」

「! うん! イースチナお姉ちゃんとリェータお姉ちゃんもおはよう! 皆で一緒に食堂へいこうね」

 

 グムの差し出した右手を掴んで一緒に歩く。隣で見てくるイースチナとリェータが揶揄うように笑いかけてくるが無視して僕は歩いた。

 

 食堂へ着くと既にロドスのオペレーターの皆が食事をしていた。

 

 僕が辺りを見渡すと、グムが「あっ」と食堂の端を指差した。僕もそっちの方へ目を向けると、笑顔でこちらへ手を振るロサとむすっと座っているズィマーがいた。

 

 僕達がそちらへ歩いていくと、ロサが僕達の分の椅子を引いてくれた。相変わらず、気配りが凄まじい。僕は空いているズィマーの隣に座った。

 

「たくっ、何でアタシが朝早くから場所取りなんてしないといけねぇんだ」

「あら、でも久しぶりに任務がなくてゆっくり6人一緒に食べられるからと提案したのは貴方ではなくって?」

「ちょっ、それは黙っとけよナターリア!?」

「あはは、ズィマーが赤くなってるぜ」

「本当だー!ズィマーお姉ちゃんまっかっかぁ〜!」

「ふふふ、ごめんなさいちょっとイジワルだったかしら?」

「皆、他のオペレーターの方々もいらっしゃるのだから少し静かに食べましょう」

 

 ズィマーが悪態をついて、ロサがそれを揶揄って、それに便乗するリェータ、それらを見て笑うグムに騒がしさから皆を注意するイースチナ。

 

 そんな光景を見て、僕は自然と笑みをこぼした。

 

「あっ、何笑ってやがんだホスティモ!」

 

 怒ったズィマーを尻目に僕は朝食をいただく。あぁ、なんて美味しいご飯なんだろう。

 

 

 

 皆との食事が終わって、久しぶりの全員がいる休日ということで、僕達はロドス内を歩き回る事にした。

 

 僕達の暮らす新しい居場所、ロドスは【ロドス・アイランド号】という移動型の大型基地を本拠点としている組織だ。

 

 最初はただの製薬会社が持つ拠点ではないだろうと、その怪しさに警戒もしたが、ロドスにいるオペレーターの皆はとても良い人ばかりだし、僕達オペレーターを指揮するドクターは見た目が怪しさの塊だけれど、下手にあの時の事を詮索もしてこない。作戦の指揮も抜群、何かと頼りになる人だ。

 

 ロドスは【鉱石病】の治療を目的として研究を続けている組織で、このロドス本艦内では、感染者や非感染者なんかは関係なく、様々な人種がその目的のために集まっている。恐らく、感染者にとってここ以上の場所は存在しないだろう。そう思うほどにロドス内は感染者に対して優しい。

 

 僕達がチェルノボーグ事変で救助されてからは、ロドス内で戦闘作戦に参加するオペレーターとして僕やズィマー、リェータが働いている。グムは主に食堂の料理補助として、ロサやイースチナは難民に対する事務作業なんかをして、それぞれロドスに貢献している。

 

 働く理由としては、ロドスは基本的に働かざる者食うべからずといった感じで、難民はある程度たって回復が見込めたら各々が希望する地域へと送られるからだ。ロドス本艦に留まるためにはある程度働く必要があった。だから僕達は僕達にできることにしている。

 

「あっ、ホスティモさん。それにズィマーさん達も。ウルサス学生自治団の方々が皆さん一緒でどうされたのですか?」

 

 僕達の歩く通路の向こう側から来たアーミヤさんがにこやかに近づいてきた。

 

 ロドス内でも重度の鉱石病患者であり、14歳ほどの若さでロドスのCEO、つまりはロドスの最高責任者を務める少女。彼女には、あのケルシー先生やドクターさえも敵わないらしい。この場所で一番怒らせてはいけない存在だ。

 

「アーミヤさん。いや、休日が全員同じだったので、せっかくだからロドス本艦の中でもゆっくり見て回ろうと思いまして」

「そうだったんですね。それでは邪魔になるといけないので私は去りますが、どうか楽しい休日を過ごしてください」

「はい、ありがとうございます」

 

 アーミヤさんは最高責任者でありながら、時に自身も術師オペレーターとして戦場に出る。

 

 このような小さい子を戦わせるロドスの現状に思わないところが無いとはいえない。だけど、それは全てレユニオン・ムーブメント。あの組織が大々的にロドスへ敵対して、襲いかかってくるからだ。

 

 彼らは自身達が世界で一番不幸であると謳い、世界が悪いと善良な人達にさえ牙を向く。

 

 だからこそ、僕はレユニオンの感染者達が嫌いだ。もっとも、チェルノボーグでの出来事を体験した者の中でレユニオン達を許せる者は1人としていないだろう。

 

「何暗い顔してんだよ。せっかくの休日なんだ、楽しもうぜ。グム、行きたいところないか?」

「えっ!? う、うーん、ならグム娯楽室行ってみたいな。食堂に来る子達が楽しそうに話してるの聞いたんだ!」

「あら、いいんじゃない」

「ふむ、なら、そこへ行きましょうか。ズィマーも文句はないでしょう?」

「別にアタシはどこでも良い」

 

 心配させたのだろうか。僕は皆に身体を引っ張られていく。

 

 昔とはまるで逆だ。

 

 そうか。もう僕が引っ張り上げなくても彼女達は前に進めるんだ。そう思うと僕の心は少しだけ軽くなった気がした。

 

 

 

 娯楽室には色々なものがあった。テレビゲームやトランプみたいな物もあれば、身体を動かすサッカーボールなんかのスポーツ道具もある。ズィマーとリェータは我先にとラケットとテニスボールを手に取ると、部屋の横にある運動場に行って試合を始めた。ロサはそれを見て、やれやれと言いながら審判役としてついていく。

 

 僕はグムとイースチナと一緒にトランプで遊んだ。因みに結果は全敗だ。どうやら僕は表情が人より顔に出やすいらしくて、こういう遊びは苦手だった。

 

 そのあとは皆でテレビゲームをした。イースチナとロサが強くて、僕とズィマーは熾烈な最下位争いをした。負けたら罰ゲームがあるらしい。リェータが言い出した。だから僕は負けるわけには行かなかった。

 

「おー、いい気分だぜ。元貴族様を枕にするのはよー」

 

 ………僕はため息をついた。その姿を楽しそうに僕の右足を枕にするリェータが笑う。

 

 ズィマーとの勝負に負けて最下位になった僕は、今皆の枕になっていた。寝転んだ僕の両手両足、そしてお腹は彼女達に占拠されている。どうしてこうなった。

 

「…こうしているとあの時のことを思い出すね。寒くてグム達で固まって、よく一緒に寝てたよね?」

 

 僕のお腹の上で抱きつきながら寝ているグムが懐かしむように呟く。

 

 そうだ、ペテルヘイム高校から脱出した僕達は満足に暖も取れなかった時、いつもこうして皆で温めあっていた。

 

「そういえば、前の事で思い出したのだけれど、グムの金庫の盾って何処から拾ってきたの?」

 

 左腕を枕にしているロサが聞いてくる。

 

「あれは確かホスティモが拾ってきたんだ。グムにこれを盾に使えとか言って渡してな」

 

 右腕を枕にしているズィマーが言う。

 

 懐かしい話だ。あの時は、身を守るすべを持っていなかったグムを安心させるために何かないかと色々探していた。

 

「ふむ、それにしてはあの金庫の扉、やけに持ちやすい大きさへと壊れていたのですが、あんな代物がそんな都合よく落ちてる物なんですかね」

 

 左足を枕にしているイースチナが疑問を漏らす。

 

「アレなら僕が丁度よく剣で切り取って持ってきたんだ」

 

 僕は当時を懐かしみながら答えた。途端、腕や足から重みが消えた。

 

「えっ、アレってお前が作ったのか!?」

「切り取るって、剣で!?」

「ふむ、ヤバいですね」

「貴方、どんな剣の修行をしてきたのよ…」

「え〜!あの盾ってティモ君のオーダーメイドだったんだ〜、グム知らなかったよ〜。でもティモ君がグムのために作ってくれてたなんて嬉しいなぁ」

 

 何故かグム以外の全員が驚いた顔で僕を見る。一体どうしたのだろうか。

 

「あの程度の金属の扉を剣で加工するなんて、ウルサス貴族なら誰でも出来るよ」

「「「………」」」

 

 ズィマー、イースチナ、リェータが振り返ってロサを見る。それに対して、ロサは首が取れるかというほど頭を横に振って叫んだ。

 

「ウルサス貴族を何だと思っているの!?む、無理無理無理、無理に決まってるでしょーーー!?」

 

 珍しく狼狽えるロサをズィマー達が揶揄う。

 

 ロドスは今日も平和だ。だからどうか、この平穏がいつまでも続きますように。僕は天に祈ってそのまま心地よく眠りについた。

 

 

 





 危機契約初めてやるけど、難しい、難しくない?




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part.7 白い悪魔


 ちょっと年末に向けて仕事が忙しくなるので次の話は少し遅れると思います。気長に待っててくれ!





 

 さっきまで命だったものが辺り一面に広がるRTA、はーじまーるよー。

 前回は血祭りと火祭りが同時に起こった辺りで終わりましたね。まあ、血祭りの方は私がやったんですけども(笑)

 

 いやー、ズィマーちゃんが第四高校の貴族達の占拠する食糧庫を燃やしてしまいました。こんな事になるなんて、一体どうしてなんだ〜。逃げ惑う貴族達もそんな風に思っていることでしょう。

 

 これも平民から食糧を奪い、自分達だけで利益を独占しようとした報いなのです。悪の貴族達に虐げられた平民達の為に、夜中に侵入して、放火までするなんて流石、【弱者の守り神】ですね! 

 

 ペテルヘイム高校に残る最後の食糧庫が燃えた次の日から、生徒達の暴走は最高潮に達します。

 

 ズィマーちゃんの起こした火事によって、ついでとばかりに学生間の無差別の略奪や争いにおける、全ての障害も焼き払われてしまいました。

 

「第四高校の貴族達は全員消えた! 今がチャンスだ、食糧を奪え!」

「あっちに貴族のやつらがいたわ! 今のうちに全員殺しておきましょう!」」

 

 右を向けば、今までの恨みを晴らすかのように火事で散り散りになった貴族達を平民達が棒やスコップで殴り倒していますね。

 

「どきなさい! どかないならアンタから殺すわよ!?」

「ンだとゴラァ!?」 

「邪魔よ、死ねぇえええ!!!」

 

 左を向けば、焼け落ちた食糧庫跡地で奇跡的に残っていた物資を巡って学生が刃物を振りかざして殺し合いをしています。こんな光景はグムちゃん達には見せたくありませんね。いやー乱世乱世でござる。

 

 ご覧の描写のようにズィマーちゃん放火イベントが起こると、学園サバイバルパートも大詰めといった感じで生徒達の凶暴性が大幅に上がります。

 

 具体的にいうと、今までの拠点襲撃率が約3倍に跳ね上がります。(他に比べれば)潤沢な物資を持っているグループが、もうウチしかないから、しょうがないね。

 

 ということで、この時期になると私のホモくんは拠点を守る戦力として大忙しになります。

 

 放火があってから日を追うごとに学校内にいるのが大変になっていくので、今のうちにロサの確保とレユニオンを退かせるためにメフィストのクソガキに接触しに行きたいところなのですが、朝も昼も夜もオリジムシのようにワラワラと湧いてきては襲ってくる生徒達を相手しないといけないのでまだ動けません。

 

 一応、救済処置として3日以上連続しての襲撃は発生しないようになっているのでその時を狙って動きたいと思っています。

 

 なので、ロサが救出イベントを起こすまで死なない仕様を利用して、3日ウルサス学生自治団の皆を助けながら、意気消沈のズィマーを慰めていきたいと思います。ついでに、さり気なくヴィカが死んだことを伝えましょう。

 

 この時に包み隠さずどういう理由で殺したかを伝えましょう。嘘をつくと後でバレると最悪、後ろからナイフで刺されて殺されます。Nice boatされます。

 

 こういう小さなケアの積み重ねが好感度とSAN値の確保に繋がるので、しっかり忘れないようにしましょうね。

 

 ーーー【ホモくん奮闘中】【ホモくん奮闘中】【ホモくん奮闘中】

 

 よっしゃ、モヒカン生徒共の休憩日に入ったので、ズィマーとイースチナの2人と一緒に外へ出て探索したいと思います。ロサちゃーん、今行くよー。

 

 おっ、いたいた。出待ちのごとくロサとその仲間達が生徒達に囲まれていますね。

 

 高貴な女の子が下賎な平民達に嬲られるゲヘヘイベントなのでこのまま眺めてR18シーンを視聴者の方々にも見せてあげたいのですが、残念ながら、これRTAなのよね…。

 

 なのでナターリア様のあんなシーンやこんなシーンが見たい変態紳士の方々は本作を買ってプレイしましょうね〜。

 

 気づいた生徒達がこっちにもやってきました。あぁ、ホモくんとズィマーとイースチナが囲まれてしまいました。

 

 どうしよう、こまったなー、これじゃあたたかうしかないよねー(棒読み)

 

 おらっ、命以外全部置いていきやがれ! 

 

 ーーーあの銀髪の人。私のところにいた生徒会長です。私達が生き残るために必要な人材なので助けましょう。

 

 イースチナが全員殺す気だったズィマーを説得してくれました。ズィマーと2人きりでこのイベントを発生させると、今の自暴自棄に近い精神状態のズィマーを止められる人物がいないとロサが殺されてしまいます。なので、イースチナを連れてくる必要があったんですね(3敗)

 

 それでは仲間達を全員殺されてしまった哀れな生徒会長を私達のウルサス学生自治団にご招待しましょう。美味しい虫のおやつはいかがかな? いらないの? ………そう。

 

 拠点の空き教室に帰ってきたので、皆にロサちゃんの自己紹介をしましょう。なんだかんだで統率力とコミュ力は天下一品なのですぐに馴染んでくれます。

 

 ロサはちょくちょく様子を見るくらいで手間がかからないRTA、通常プレイを問わず使い勝手のいい子なのでたくさん愛でてあげましょう。 

 

 因みに、自身がリーダーの時に好感度が低い状態を維持したまま過ごすと、いつの間にかクーデターされて殺される事もあるので注意しましょう(15敗)この恩知らずがよ…! 

 

 しかしこれでウルサス学生自治団がフルメンバー揃いました。

 

 もう仲間を集める必要はないので、後は脱出後に楽が出来るように備蓄を増やしていきます。といってももうあまり時間は残されていないので

 、やれても少しでしょうが頑張りましょう。

 

 ーーー加速中

 

 はい、ロサを助けてから更に3日が経ちました。襲撃、襲撃&襲撃でホモくんの疲労度もMAXです。グムちゃんが応急処置してくれていますが、ホモくんも率先して戦いに出るので傷だらけです。皆のSAN値を減らさないように出来るだけ1人で戦ってますから、しょうがないね。

 

 ーーーこのままではまずい。もし結託した生徒達が大勢で来たら、もう守り切れないかもしれない。どうすれば。

 

 → レユニオンのところへ交渉に向かう

 危険だ。まだ耐えれるはずだ。別の方法を考えよう。

 

 メフィストのクソガキの所に行けるイベントが発生したので、上の選択肢を選びましょう。下を選んでも、この選択肢が出た時点で次の日にはレユニオン達は撤退します。ですが、上を選ばないとメフィストに会えないので今回は上の選択肢を取りました。

 

「ここは通せない。元の場所へ戻るんだな」

 

 深夜になって皆が寝静まるのを待って、レユニオン達がいる寮舎へやってきました。当然といえば当然ですが、門番の兵士に止められましたね。

 

 ーーー貴様達のボスにどうしても会いたい。そこを退け。

 

「…死にたいようだな」

 

 ーーーレユニオンの兵士が武器を取り出す。僕も剣に手を伸ばした。

 

「構わない。入れろ」

 

 ーーー何処からともなく現れた黒いフードの少年がレユニオンの兵士を止めた。

 

「ついてこい」

 

 ーーーまたあの化け物と戦いになるかもしれない。でもやるしかないんだ。覚悟を決めて、寮舎の中へと入る。

 

 ファウスト君が案内しにやって来てくれました。この子、本当にいい子ですよねー。まあ、戦闘スタイルは光学迷彩のアーツによる芋スナとかいう外道戦法使ってきますけどね。

 

 ファウスト君を殺したいならメフィストを人質に取るか、感知系のアーツを使えるキャラを用意しましょう。えっ、人質は卑怯じゃないのかって? 勝てばいいんだよ、勝てば。

 

 ーーー案内された部屋へ入る。先程の少年と同じくらいの歳の白髪の少年が兵士を従えて座っている。まさか、あれがレユニオンのボスなのか? 

 

 チィース、クソガキ、遊びに来たぜ。というわけでレユニオンの悪意担当こと【メフィスト】くんでーす。

 

 本名はイーノ。実はウルサス出身です。ホモくんと一緒だね! 

 

 まだこんな性格になる前は大人しい子だったのですが、親からの虐待や意図的に源石と接触させられるという仕打ちで感染者になりました。

 

 その後はタルラに保護されて、仲の良い友達も出来たのですが、その後も非感染者に殺されてしまい今の性格になったそうです。因みにファウストくんとは唯一無二の親友だよ。

 

 同情できる部分もあるけど、だからって一つの高校に色んな所から生徒達を集めて地獄を作った張本人なので、ズィマーちゃん達にはコイツを殴る権利があると思いますねぇ。

 

「やあやあ、僕はレユニオン幹部のメフィストだよ、宜しくねヒーローくん。それにしても、たった1人でこんな所へ来るなんて度胸があるねキミ。話があるみたいだけど、一体僕に何の用なんだい?」

 

 ーーー僕達を解放してほしい。もし無事に解放してくれるなら、僕が何でもしてみせる。

 

「ふぅん? いいよ、わかった、解放しよう」

 

 ーーー………本当か? 

 

「うん。でもお願いが一つあるんだ。それさえキミが叶えてくれるなら、僕達は直ぐにでもここを去るよ」

 

 よしよし、目的の物が手に入りそうです。ここは迷わずに了承しましょう。

 

 ーーーわかった。何をすれば良い? 

 

「キミにはこれを食べてほしい」

 

 ーーーメフィストの手には、脈をうつ赤黒い塊が蠢いていた。

 

 わからない人もいると思いますので説明しますと、今メフィストが差し出しているこれは、メフィストのアーツで作り出した【源石寄生体】です。これを受け入れると、何と確定で感染者になれます! 

 

「それは僕のアーツで生み出した源石寄生体。それを取り込めば、キミも僕達と同じ感染者になるんーーー」

 

 ーーーホスティモは一切の迷いなくメフィストの差し出す物を飲み干した。

 

「‥素晴らしい。良いよ、キミ。それが何か分かってなお、迷いなく飲み干せる人は初めて見たよ。約束だし、直ぐにでも僕達はいなくなるよ」

 

 このメフィストのイベントの良いところは、本来源石がある場所で行動することで確率で変化する感染者に確定でなれることです。それも普通の感染者になった際のアーツ強化倍率のおよそ2〜3倍。これだけでこのイベントを起こす利点がわかると思います。

 

「もう直ぐキミは気絶するだろうからこれだけは言っておくね」

 

 ーーー意識が朦朧としてきた。メフィストが泣き笑っているように見えた。

 

「苦しみは始まったばかりだ、人生を楽しめ。それじゃあね、僕達の新たなお仲間さん」

 

 ーーー次の日、僕の目が覚めるとレユニオン達は全員いなくなっていた。

 

 それじゃあ、無事ホモくんを感染者に出来たので、今回の動画はここら辺で終わりたいと思います。お疲れ様でしたー。

 

 

 





 ーーー危機契約#9

ケルシー「こん中に(あれだけイベントあったのに)放浪医育ててねぇやついる?」
俺ドクター「………」
ケルシー「いねぇよなあ!?」
俺ドクター「………」
ケルシー「クローラー潰すぞ!!!」(範囲ダメージで無事死亡事故




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part.8 天災襲来


 最近アークナイツのアニメが放送されている影響かアークナイツの小説が増えてウレシイ↑

 本当はダメだけど、ひでぇことだけど…!R18番のアークナイツ小説も、5本!10本くらい欲しいぃ!





 

 核みたいな隕石が降ってくる地獄みたいなRTA、はーじまーるよー。

 前回はレユニオン幹部メフィストの手によって、ホモくんが改造人間(感染者)にされたあたりで終わりましたね。

 

 おのれメフィストめ! 感染者絶許のウルサス帝国の貴族を感染者にしてしまうとは、なんて酷い奴なんだ! まあ、RTA的にはどうでも良いことなので、気にせず進めますが。

 

 ということで、ホモくんの献身でレユニオンがいなくなったので、起きて速攻で隠していた食糧を持って皆と外に出ましょう。

 

「なによ…あれ…」

 

 ーーー空が黒い。チェルノボーグ市全体に、まるで僕達へ罪を問うかのように破壊が降り注いでいた。

 

 はい、天災がやってきました。

 

 これで学校を脱出できるようになるので、混乱している皆を引っ張って外に出ましょう。

 

 もう学校にいても何の意味もありません。せいぜい、発狂していく生徒達の殺し合いが見れるくらいです。

 

 これからは当初の予定通り、最短ルートでレユニオンや暴徒共を蹴散らしてロドスの救助隊に近づきます。この時のために鍛えたホモくんの鋼の肉体を使いまくりましょう。

 

 現在の全食糧は、ホモくんのへそくりである保存食を合わせても全員分にすると4日弱、一食換算だと25食分ありますが、どんなに頑張っても最短ルートで10日はかかります。

 

 あっ、おい待てぃ(江戸っ子)それじゃあ食糧足りないじゃん! と視聴者のホモ達は焦っていると思いますが、そこは心配ご無用です。私に秘策があります。

 

 このシナリオ、基本的に私のような走者が使うRTA用の効率的なルートを通らない限り、一ヶ月くらい天災の降るチェルノボーグ市を彷徨わなくちゃいけないので、どう頑張っても食糧が見つからない場合は救済処置として存在する人肉チャレンジを行う必要があります。

 

 ただ、この人肉チャレンジ。感染者の死体を食べて感染者になったり、そもそもチャレンジする段階でSAN値がごっそり持っていかれたりします。うわぁ…何だこのマイナスイベント、たまげたなぁ。

 

 つまり、私のトロフィー取得条件のようなSAN値確保が重要なRTAだと、この方法は取れません。

 

 ならどうするか。

 

 基本的にこのシナリオのキャラは食事を3日取らないと死亡、2日取らないと1日行動不能、1日ご飯を取らないとペナルティで戦闘参加が出来なくなります。

 ですので、食糧が足らないと徐々に戦闘ができなくなり、動けなくなり、死亡するという道を辿るわけです。

 

 ですが、逆に考えれば1日だけならば食事をしなくても戦闘不参加ペナルティだけで済みます。

 

 なので、ホモくん以外の全員で考えれば10日を5人で25食分なので、1日ご飯抜きを日に挟んでいけば最短ルートなら間に合うのです! 

 

 えっ、最短ルートは戦闘多めで戦えないキャラが多くて大丈夫なのか、そもそもホモくんの分が入ってないじゃんアゼルバイジャンですって? 

 

 ふふふ、そこは大丈夫です。何のために序盤ステ上げを頑張ったと思っているんですか? そう、全てはこの時のため。ワンオペで戦闘全てをホモくんに任せるためなんですね! 

 

 ホモくんの食事についても既に解決策はありまぁす! 

 

 ホモくんをわざわざメフィスト謹製の源石寄生体による感染者にしたのは、この終盤を生き残る為なんです。

 

 というのも、このシナリオ【アーツユニット】を拾わないと感染者以外アーツを使う手段がありません。

 

 だからといってアーツユニットがそこら辺に落ちているのかというとそうでもなくて、だいたい探索で3%ほどで見つかります。

 

 まあ、探索自体はよく行うので試行回数が多く拾えることはままあるのですが、そんなわけでアーツ能力を使いたいならプレイヤーキャラを感染者にするのが手っ取り早いです。

 

 このシナリオでは、メフィストは会えば確定であのイベントが起こるので、そこでメフィスト産感染者にしてもらうのがアーツ使用するなら一番安定します。

 

 更にメフィスト産の感染者は特別製で、前回に言ったようにアーツ能力の出力も上がるだけではなく、寄生体くんのおかげで食事をしなくても上記のペナルティが発生しません。

 

 代わりに【源石融合率】と【血液中源石密度】が上昇して感染が進行していきますが、ゲーム的にはステータスバフみたいなもんなので些細な問題ですね! 

 

 前に限界まで試した時はパトリオットおじさんの60%を超えられず、45%ほどで結晶化した部分から崩れていってしまいました(1敗)

 

 その時の反省を生かして、今回はホモくんも程々に食事を取りながら戦うので安心してください。ズィマーちゃん達と違って、感染者の人肉と虫と草になると思いますけど(ボソッ

 

 というわけで行くぞオラぁ! 

 

 

 

 初日はガンガン進みます。終盤の天災が降り注ぐこのパートでは日にちが経つごとに出てくる敵が強くなるからですね。

 

 強敵相手には倒すのにも時間がかかるので、初日の雑魚白仮面や浮浪者のオッサンしか湧かない内に出来るだけ進みましょう。

 

 ーーー【ホモくん奮闘中】【ホモくん奮闘中】【ホモくん奮闘中】

 

 いやー、ナタを持ったホームレスみたいなオッサンが女子高生を襲う絵面は最悪でしたね。

 

 可哀想なグムちゃん…ひとえにてめぇが弱えせいだがホモくんが庇ったのでR18な展開はありませんでした。

 

 ホモくんがナタで切られた傷を、涙を流して謝り続けながら甲斐甲斐しく治療するグムちゃんの姿は美しいですね。

 

 計5回ほどあった遭遇戦を終えました。順調な滑り出しで特に問題なく進めています。このままなら普通に完走できるでしょう。

 

 町を一つ超えたあたりで夜になりましたので、落ち着ける廃墟で食事にします。

 

 ズィマーちゃん達には保存食を渡して、ホモくんは1人で虫と草でも食べるとします。まだ死体に手は出しません。

 

 いくらトロフィー取得条件におけるSAN値平均50がホモくんに関係なくも、あまり削りすぎると寄生体による暴走や学校パートで起こった行動不能状態になってしまいますからね。

 

 ちなみに、ここでちょっとひと工夫としてロサにだけ、ホモくんがこそこそご飯を食べている姿を見せておきましょう。

 

 ロサだけ加入するのが遅かった影響で好感度が他より低いと思いますので、ここら辺でホモくんが1人だけ苦労している姿を見せることで好感度を上げるためにやってます。

 

 全員に見せると止められたり、無理矢理まともな食事をさせられたりで計算が狂いますので、見せるのはロサだけにしておきましょう。

 

 ロサだけなら、此方の意図を察して黙っていてくれます。

 

 これを毎日繰り返していけば、ロドスに回収されるあたりには目標好感度まで稼げているはずなので、夜は忘れずにロサだけに見せつけてあげましょう。

 

 それじゃあちょっと早いですが今回の動画はここまでにしたいと思います。おそらく後2PARTほどで終わりますので楽しみにしておいてください。それじゃあ、お疲れ様でしたー。

 

 

 





 小説書いていると、別のアイデアが浮かんできてそのまま別の作品書きたくなる現象どうにかしてくれぇ。俺はもうエターはしたくないんだぁ!




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part.9 星に願う夜


 非感染者「この辺にぃ美味いラーメン屋の屋台(感染者が店主)がきてるらしいっすよ。じゃけん夜(放火しに)行きましょうね〜」
 
 ロドスキッチンを見るにこういう奴が多いのがテラなんだよなあ。





 

 星(源石)の降る夜を駆け抜けるRTA、はーじまーるよー。

 前回は学校脱出から始めての夜を過ごしたあたりで終わりましたね。ここまで来ると、このRTA動画も終わりが見えてきました。なんだかんだ、暇つぶしで始めたものがpart9まで行くとは、このリハクの目を(ry

 

 視聴者の方々もどうか最後までお付き合いくださると嬉しいです。それでは続きを始めていきましょう! 

 

 サバイバル2日目、まだ出てくる敵も弱いので初日と同じように強気で進んでいきます。

 

 本来の普通プレイならこの辺りでグムの金庫盾やロサの捕鯨砲を拾って戦力の強化を図るのですが、本チャートでは戦闘は全てホモくんにお任せ! なので拾いに行きません。

 

 ここで武器を探したりしていると、ロドスの救助隊へ会う最速ルートの妨げになるからです。

 

 日中の行動はほぼ全て道を進むために使わないと、確実に2〜3週間コースになってしまう。そうならない為に、ホモくん以外を戦力外として考えたチャートを作る必要があったんですね。

 

 ちなみに本筋とは関係ないんですけども、なんでチェルノボーグ市内に捕鯨砲なんか落ちてるんですかね? あと、それを持ち上げて使えるロサちゃん、怪力すぎない? 軽く300キロは超えていると思うんですが、それは…。

 

 2日目の夜になりました。今日は皆、ご飯を我慢します。

 

 ホモくんだけは虫を食べてペナルティを回避したいんですけども、それを見られるとなんかホモくんだけ隠れて食べているみたいに見えてしまいます。

 

 そこで、感染者になったことで使えるようになったアーツ能力【エネルギー変換】でそこいらに落ちていた電池などから電気のエネルギーを貰いましょう。

 

 そうすると満腹ゲージが回復しペナルティを回避することが出来ます。まあ、代償としてアーツ能力をそのまま使ったので感染が進行するのですが、些細な問題なのでOKです。

 

 別にこのアーツを使わずに虫食ってても問題はないんですけど、この時の私はせっかくなら手に入れたアーツ能力を利用した方がいいと思って使ってます。

 

 実際、虫や草を連続して食べてると幸福度下がってSAN値も下がりやすくなるので、アーツ能力で賄えるならそうした方がいいでしょう。

 

 

 

 ーーー3日目、ここから敵がただの白仮面や浮浪者のオッサンから【術剣士】【拳刃兵】【伐採者】等の攻撃力の高い厄介な敵がちらほら出てくるようになります。

 

 特に【伐採者】はHPも他のモブに比べれば高いので複数で来られるとホモくんでもキツいです。接敵時にこいつが3体以上いた場合は、ロスですが逃げましょう。

 

 夜までに接敵したグループは【伐採者】が一体しかいなかったので倒しています。序盤のクズ運が嘘のように順調ですね。

 

 減ったHPはグムの治療スキルで回復してもらいます。ホモくんは戦うことしかできないからしょうがないね。このシナリオ、回復役はプレイヤーキャラが担当しない限り、グムと死んだヴィカくらいしかいないのでこれからも傷つくたびにグムちゃんに治してもらいましょう。

 

 

 

 ーーー4日目から6日目、少し加速しています。特に苦戦もなくて、精々が戦闘中にホモくんが優先して狙われる後衛組のグムやイースチナを庇ってダメージを負うくらいです。

 

 夜イベで、何故かロサとズィマーが喧嘩したり、グムが寝る時にホモくんから離れなくなったり、イースチナからヴィカとの思い出を話されたりしましたが、特に問題なかったので飛ばします。

 

 ちなみに死体を食べる件については、本来のチャートなら行っていたのですが、途中で【エネルギー変換】のアーツ能力使えば感染度の進行は早くなりますが、無理して食べる必要はないとわかってそちらの方向へシフトしています。

 

 人肉食べるとSAN値の減りがやばいから出来ればやりたくなかったですしね。

 

 

 

 ーーー7日目、ここからは更に敵に強いのが混ざってきます。出てくる確率は低いのですが、普通プレイだと日数の多さもあって割と遭遇します。

 

 追加で出てくる敵は【ブッチャー】【サルカズ大剣士】【寄生兵】です。どれも厄介ですが、ホモくんクラスのキャラなら一体だけならタイマンでも勝てるので、ボス戦までに経験値が欲しい場合は戦ってもいいかもしれません。

 

 私はやり合う気がなかったのですが、ロサが寄生兵のいるグループに捕まるバッドイベントが発生して仕方なく戦いました。

 

 何とかギリギリ勝利しましたが、大きくHPが削れたのでグムちゃんの回復だけでは次の日の戦いにもたないと思ったので、ちょっとした裏技を使ってHPを満タンにしました。

 

 えっ、どんな裏技か気になりますか? 

 

 私が使った裏技はメフィストに寄生体感染者にされた時だけ使えるテクニックで、その名も【源石食べて元気いっぱい】です。私は源食と呼んでいます。

 

 メフィストの寄生体くんは普段大人しいのですが、寄生している対象が死にそうになるかエネルギーが足りないと暴走しようとしてくる困ったちゃんです。ですが、逆にエネルギーを沢山与えてあげると余剰分で身体の修復もしてくれる益虫でもあるんですね〜。

 

 そこで巨大なエネルギーの塊である【源石】をそのまま腹に入れれば、分解して吸収してくれます。

 

 勿論、加速度的に鉱石病の進行は強まりますがシナリオ完走するまで無事ならOKで些細な問題なので無視します。

 

 あまり多用すると最短ルート通ってても途中であの世行きになるので注意しないといけませんが、メフィストの寄生体を利用するプレイなら困った時に使えるので覚えてて損はないと思います。皆さんもぜひ使ってみてください。

 

 あっ、このテクニックを使う際の注意点がもう一つありました。それは人の見てる前でこの方法を行わないことです。

 

 好感度の低いキャラに見られれば、まず感染者だとバレる上に低い好感度が更に低くなります。

 

 最悪、バケモノ扱いで敵対とかになります。ヴィカに見つかった時なんか皆にバラされて村八分みたいになった上に全滅しました(1敗)

 

 好感度の高いキャラに見つかった時は更に面倒で、相手側のSAN値が大幅に減ったり、治療機関へ無理矢理連れて行かれたり、監禁しようとしてきたりします。

 

 このシナリオではないのですが、昔同じようにロドスのエリートオペレーターキャラでメフィストを使った寄生体感染者になった事があります。

 

 ブレイズやロスモンティスが発狂して、アーミヤが魔王化してメフィスト殺しに行って、ケルシー先生が監禁して治療しようとしてきました。いやー、あれは楽しかったなあ。

 

 そんなわけで7日目の夜になりましたが、ホモくんは元気です。でもなんか、場の雰囲気が暗い、暗くない? 

 

 とりあえず、残り3日でロドスと合流できるはずなので、ここいらで全員の好感度をチェックします。

 

(ちゃんと目標値を超えているか)走者は不安よな。ホスティモ、動きます。

 

 ということで、抜き打ちで皆1人1人と個別にコミュをして告白します。これはコミュ中ならいつでも出来るので、好感度チェックによく使われているコマンドですね

 

 このコマンドを使用した際の反応で、大体の好感度の値が絞り込めます。ただ、一度使うと再使用に時間がかかるので、好感度を調べる際にはご注意を。

 

 ちなみに、このコマンドで告白に成功しても、途中でキャンセルできます。

 

 ですのでイベント的にはなんか告白まがいの発言を5人個別にやってくるスケコマシみたいな感じになります。ホモくん、お前ホモじゃなかったのか…!? 

 

 ふむ、反応を見る限りどうやら全員目標値は超えているみたいですね。ホモくんが赤面して馬乗りになったズィマーに殴られていますが、場の空気は明るくなったからヨシ! (現場猫)

 

 SAN値もロサが少し危ないですが、夜のコミュを多くやればまあ何とかなるでしょう。

 

 それでは、今日の動画はここまでにしたいと思います。あと少しでボス戦に入ると思うので楽しみにしておいてください。それじゃあ、お疲れ様でしたー。

 

 

 



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part.10 貴族として


 やっとRTA部分が終わったぜ。


 

 残酷で美しい世界なRTA、はーじまーるよー。

 前回はホモくんが5股しようとしてズィマーちゃんに制裁されたあたりで終わりましたね。あの感じなら、このまま走り抜けても好感度は問題ないので、SAN値にだけ気を配って行きますよ〜イクイク。

 

 ペテルヘイム高校脱出から7日目終了段階でSAN値が低くて怖いのがロサです。どうやら思った以上にホモくんとの2人だけの秘密が心の負担になったみたいですね。

 

 なので8日と9日のコミュ時間を通してSAN値を回復してあげましょう

 

 先ずは8日目。

 この日は敵も強いのが現れなかったのでサクサクと倒して進みます。途中の道で昨日使ってなくなった源石を補充したりしながらロサちゃんに構っていきます。

 

 いつも偉いねー、皆をよく見ててくれてありがとナス! 君になら後を任せられるよー。

 

 こんな感じで自尊心を養ってあげましょう。

 

 ロサは元々巨大な貴族グループを纏められる程の統率力を持つ才媛なので、ヘラってなければリーダーとしての素質はズィマーにも負けません。

 

 仕事を多く与えても全部きっちりとこなしてくれるので、戦闘以外の雑務、その日の寝る場所やグム達の誘導、その他のメンバーのカウンセリングなんかを任せて余計なことを考えさせないようにしましょう。

 

 流石は原作でズィマーやイースチナにロサがいないと全滅していたと言わしめるお方だ。通常プレイでも大変役に立つので、ロサを加入させたらブラック労働させましょうね〜。

 

 9日目は少しやることが多いです。ロサのことは勿論ですが、私は進み具合からして次の日にロドスの救助隊と合流できると確信したので、ボス戦に備えました。

 

 このシナリオは基本的に逃げ隠れすれば、序盤の学校で起きる襲撃イベントとロサ救出イベントくらいしか戦闘が起きません。

 

 その代わり、ロドスの救助隊に接触する際に敵が確定でエンカウントします。

 

 候補は色々ですが、大抵【隊長】クラスの敵が一体はいます。

 

 これは主に、戦闘から逃げまくってサバイバル能力にステを振った戦闘力の低いプレイヤーキャラパーティを絶望させる程度の戦力ですが、残念なことにホモくんには通用しません。

 

 なぜなら、このボス戦のボス格である【隊長】クラスの敵は、簡単にいうとモブを少し強化した程度の強さなので、この戦闘用に作られた強強ホモくんの敵ではありません。何なら、途中で出てくる【ブッチャー】の方が厄介なまであります。

 

 じゃあ何の準備をするかというと、まあ、保険的なものです。負けることはないと思うのですが、万が一があるのがこのアークナイツRPGなので油断せずに石橋を叩こうというわけですね。

 

 というわけで、9日目の夜にロサではなくズィマーとコミュします。

 

 そしてここで感染者の証たる体表に現れている源石を見せましょう。ホラ、見ろよ見ろよ。

 

 ーーーズィマーが驚愕で顔を歪ませる。掴みかかってきたズィマーが何かを言おうとして顔を伏せて黙りこんだ。

 

 ズィマーちゃんのSAN値が急降下していきますが、ここでズィマーちゃんにだけ教えたことを伝えておきます。すると、何故かと聞いてくるので、次のリーダーとしてズィマーちゃんを指名しましょう。

 

 彼女は責任感がとても強いので、こうやってリーダーを任せることで自身を奮い立たせて勝手にSAN値を平均まで保ってくれます。なんて都合の良い女なんだぁ(屑)

 

 後は少しアイテムを作成して、ホモくんのスキルやステータス、各キャラのSAN値を最終確認したら次の日へ進みます。

 

 

 

 ーーー10日目。

 

 あとはもう走り抜けるだけです。食糧はもう無いですが、探さずに道だけを進んでいきます。

 

 途中で雑魚敵と遭遇しても無視して逃走。追いかけてきますが、ロドスの救助隊に出会うとイベントが発生して、敵の出現も一度リセットされるので問題ありません。

 

 ヒャッハー! ウルサス学生自治団様のお通りだ、道を開けろー! 

 

 ん? あの水色が散りばめられた装備を着ている集団は………ロドスだ、ロドスがいたぞー! 

 

 逃すなー! おらっ囲め囲め! まったく散々時間かけさせやがってよーこの責任どう取ってくれんだ〜おぉん? 

 

 

 というわけでロドスの救助隊と合流出来ました。警戒しているホモくんとモブオペレーターが話しています。やった、これで助かるんですね! まあ、そうは問屋がおろさないんですけども。

 

 ホモくんとロドスの救助隊を見下ろすように瓦礫の山から敵さん達が現れます。

 

 何やら長々と話していますが、スキップします。おらっ、戦闘開始だ! 

 

 敵戦力は【レユニオン兵士】×20【レユニオン術師】×10【レユニオン術剣士】×4【レユニオン術剣士隊長】×1です。

 

 とりあえず、真っ先に術師から潰します。

 

 ホモくんを狙った攻撃なら良いのですが、遠距離攻撃で他のキャラの狙われると近距離キャラのホモくんでは庇うくらいしか手立てがないからですね。

 

 術師をわからせたら、次はボスの【レユニオン術剣士隊長】の取り巻きである術剣士4人を倒します。

 

 ただのモブ兵士に関してはロドスの方に任せても問題ない雑魚ですので、後ろに倒すと厄介なこいつらからやる必要があります。

 

 最後に周りのレユニオン兵士を雑に処理してボスとご対面。

 

 ぱぱぱっと、斬り合って終わり、閉廷、ありがとうございました。

 

 剣士が剣術○を持っているホモくんに勝てるわけないんだよなぁ? 

 

 ボスを倒したのであとは作戦範囲外へ出てエンディングです。いやー完走した感想ですがーーー

 

 ………………

 

 ………

 

 …

 

 あれ? 何で終わらないの??? 

 

 ーーーやあ、元気だったかい? どうやら僕の上げたものを有効活用したみたいだね、やはり君は凄いよ! 

 

 げっ、メフィスト!? ファッ!? なんで、どうして? 試走じゃこんなこと一度もなかったのに!? 

 

 ………はえ〜、どうやらパトリオットおじさんとやり合った状態でメフィストに出会って、【貴族思考】スキルを持ったまま感染者になると低確率で発動するイベントみたいですね。

 

【貴族思考】………また君か壊れるなぁ。

 

 ど、どうすんのこれ? メフィストの野郎、沢山の寄生兵と更に後ろにやべーやつ連れてるじゃん。あれ確実に【狂化寄生兵】くんじゃん。無理だよ、3体もいるよ! 

 

 ん? よく見たら3体の内の1体なんか赤いな………もしかして【狂化寄生隊長】さんですか?

 

 …どうやらホモくんの旅はこれまでのようです。ご視聴ありがとうございました(白目)

 

 なんていうわけねぇだろ!? ここまできたんだ最後までやったろうじゃないかい! 

 

 要はズィマー達5人をロドスの救助隊と一緒に作戦範囲外まで逃せばええんや! そうすればイベントが進んで強制エンディング。これは揺るがない。

 

 や、やれますよ私ならね。

 

 ーーー君があの場でパトリオットと戦えた唯一の生徒だっていうのは知っていたんだ。だから寄生体を馴染ませてから回収しようと泳がせた。今が収穫の時ってわけさ。

 

 あっ、ホモくんがメフィストのアーツで暴走させられそうになっている!? 頑張れホモくん、精神力勝負だ! おっ、動いた! 

 

 ホモくんを抜けてロドスの救助隊へ向かっていく2体の狂化寄生兵を身体を張って止めて、居合斬りで吹っ飛ばし距離を取ります。

 

 ーーー逃げろ! 

 

 とりあえず、【不撓不屈】スキルでメフィストのアーツに抵抗できている間に急いでロドスの救助隊へ指示を出して撤退させましょう。

 

 グム達が騒いでいますが、ズィマーに頼んで無理やり撤退させます。それでも動かない者は気絶させましょう。

 

 ーーー健気にも抗っているんだね。今にも消え去りそうな意識の中で小さな灯火を守るように。ふふ、僕は何もしないから頑張りなよ。もっとも僕のお気に入り達が暴れてその子達が生きているかの保証はできないけどね。

 

 狂化寄生兵達が動き出したので戦闘開始です。

 

 

 

 未だに動かない狂化寄生隊長を警戒しながら、真っ先に2体の狂化寄生兵を狙います。

 

 この狂化寄生兵達は常に自身への継続ダメージが発生するというデバフを背負っていますが、その分ステータスが盛られている厄介な敵です。

 

 火力も高く、一撃で大きくHPを削られるので普通なら引き気味に攻撃を受け流しながら時間を稼ぐのが近距離キャラでの対処法なのですが、ホモくんはメフィストのアーツによっていつ戦闘不能になってもおかしくないので捨て身で勝負を決めに行きます。

 

 取り敢えず、相打ちで1体持っていきます。ホモくんもだいぶ削られましたが、源石を消費して回復します。そのまま、2体目も同じように相打ち殺法で倒しました。

 

 ーーー自ら源石を取り込んで身体を回復させるなんて狂ってる!? そんなに仲間が大事かい? 

 

 メフィストの連れている戦力はあと沢山の寄生兵と【狂化寄生隊長】だけです。それさえ倒せればメフィスト自身には戦闘力がないので、ホモくんが倒れても問題ありません。

 

 ですが、この狂化寄生隊長が厄介で、こいつはなんとあのパトリオットを超える攻撃力を有しています。つまりは化け物ですね。

 

 動きも速いので、人によってはパトリオットと戦うよりもキツイと評されることもある強敵です。少なくともタイマンで相手する敵ではないのですが、こいつさえ倒せば後はクリアできそうなので後先考えず倒します。

 

 先ずは敵が動き出す前に拾い集めておいたありったけの源石を取り込みました。その後、源石を多数取り込んだ際にだけ使える寄生体感染者のスキル【源石暴走】を使って、突っ込みます。

 

 このスキルはいわば、スルトの第3スキルの劣化版です。

 

 物凄い速度でHPが削られていく代わりに、火力が爆発的に上がります。火力はスルトのラグナロクには及ばないし、HPの減る速度はラグナロクの比じゃありません。

 

 飛ばすのも炎じゃなくて緑色のエネルギーを纏った斬撃ですね。

 

 ホモくんのアーツ能力【エネルギー変換】で少しだけ効果時間を伸ばしていますが、敵の狂化寄生隊長も通常個体よりボス戦補正でHPが増えているようで硬い上に、何もしないとか抜かしておいてヤバくなったからとアーツで回復させてくるメフィストのせいで中々倒れません。

 

 周りの寄生兵は全部倒したので後は狂化寄生隊長だけなんですけど、ホモくんの身体が結晶化するのが先か敵が倒れるのが先か分からなくなりました。

 

 なんとかなれー! 

 

 

 

 ………よっしゃ! 倒しきりました! 後は本当にズィマー達が作戦範囲外へ出ればエンディングですね。

 

 画面が変わって、装甲車でロドス本艦へ向かうズィマー達を背にスタッフロールが流れています。

 

 ーーー『貴族として』取得

 

 ふぅー! トロフィーも無事に取れました。これでウルサスの子供たちシナリオの『貴族として』取得RTAを終わりたいと思います。

 

 完走した感想ですが、やはり試走も全然せずに思いつきと暇つぶしでRTAをやるもんじゃないという教訓を得ました。この経験を活かして、シーボーン共を蹴散らしたいと思います。

 

 今までご視聴ありがとうございました! それじゃあ、お疲れ様でしたー! 

 

 

 





 まだもうちょっとだけ続くんじゃよ〜。


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