大英雄エミヤ (天井 静兼)
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設定
Fate/Standby Night  〜Simple Blade Works〜


設定です。


大英雄エミヤ

 

これはifの話だが、あくまでアーチャーのエミヤとして、リミットゼロオーバーではなく、死後も大英雄として祀られた正義の味方、アラヤの契約、守護者とならなかった世界線の完全無欠な英雄、大英雄エミヤの物語である。

『ああ、アレを倒すのはいいが、別に

時短をしてしまっても構わんのだろう』

 

【元ネタ】アーチャーエミヤ

【CLASS】アーチャー

【マスター】遠坂凛

【真名】エミヤシロウ

【性別】男

【身長・体重】187cm・78kg

【属性】中立・善

【ステータス】比較(無銘/弓兵/ボブ/村正)

筋力B   (C/D/C/B)

耐久B   (C/C/B/A)

敏捷B   (C/C/D/D)

魔力B  (B/B/B/E)

幸運B  (D/E/E/B)

宝具EX  (-/-/-/A+)

【クラス別スキル】

対魔力 B

単独行動(A+)

【固有スキル】

真名看破(偽)

カルデアにいた経験からの知識である。

投影魔術A++ 衛宮士郎特有の強み

 

自身の鍛冶した剣のみEX

鷹の目

 

魔改造EX エミヤ信者による転生特典

以下の能力を付与、譲渡されている。

 

ポジティブEX(解けない狂化思考回路)

令呪生成(半日で1つ増える)

限界突破(成長に上限がなく勝手に上がる)

新作作成(オリジナル道具作成補正)

修正力無効化(アラヤ、ガイヤを無視)

魔術回路増加

など

 

【宝具】

『無飾の剣製

(Simple blade works)』

ランク:EX

種別:対星(銀河)宝具

レンジ:ほぼ∞

最大捕捉:1以上∞

地球を含む太陽系を覆うほど広大な固有結界を展開し、最長2年シェルターとして役割を果たすこともできる。

球状に展開することで外側の部分に重力を無視した地面が存在し、そこには無数のエミヤ工房産の試作品が墓標のように刺さっている。不思議と地球外なのに呼吸など生命活動に支障を起こさない。

【Weapon】エミヤ工房シリーズと

その代表作

魔剣エミヤ 重ねられた岩盤を持つ剣

参考にした武器は斧剣とカラドボルグ

刀身が漆黒で光を呑む

 

聖剣エミヤ 旋風と聖なる光を持つ剣

参考にした武器はエクスカリバー

刀身が黄金に光り輝く

 

邪剣エミヤ 濃厚な死の気配を持つ剣

参考にした武器はゲイ・ボルグ

刀身が赤錆色に鈍く光る

 

無飾剣エミヤ シンプルな直剣

参考にした武器はUBWの自害用短剣

刀身が鋼鉄な色合いを示す

全てのエミヤ工房産の剣の原型となる。

 

神剣エミヤ あらゆる神秘を無効化する剣

参考は天の鎖、ルールブレイカー

刀身が紫紺、振ることで蛇腹のように伸びる

 

弓曲剣エミヤ 連結すると弓になる双剣

参考は干将莫耶、熾天覆う七つの円環

回転させることで盾となる究極の剣

刀身は翡翠の如き青銅

 

無剣エミヤ 魔力が異常に籠もった棒

参考は鉄パイプ、丸めたポスター

全てのエミヤ工房産の剣に装填できる互換性を持ち、連結するとランクが1つ上がる

刀身は無く、青白く淡い光を放っている

 

どれもBランク以上は堅く、いくつもの試行錯誤の末に完成したオリジナルの剣である。

そのため、それまでの失敗作を含めると

軽く億単位で試作品が存在する。

例:魔剣エミヤver1.8778 ランクC相当など

 

また、剣以外にも装備品、装飾品、食品、薬品、日用品など様々な物を取り扱っている。(銘店エミ屋)

 

槍避けのミサンガ(ランクA相当)

幸運の値が必要になるとき、自身の幸運ランクを一時的に1ランク上昇させる。

さらに要求される場合のみ耐久力をすべて消費して2倍にする。その後自壊する。

 

エミ屋の緊急携帯食(ランクB相当)

そこいらの三つ星はとうに超えている味わいを持つ緊急用の携帯食。バリエーション豊かで和食、中華、洋食、フルーツ、ジャンクフード、デザートなど様々な風味と完全調整されたカロリーに栄養素、成分が含まれている。騎士王用のカロリー10倍版や一部宗教向けの原材料調整済みのものも存在する。

 

ラストエミヤクサー(終末のエミ薬草)

生で食べれば状態異常、蒸して食べれば内蔵に、潰して塗れば外傷、濾して液体にして飲めば即死手前でも全快する最強の薬草

ただし、乾かして丸めて火を付けると中毒になるため注意が必要(効能は魔力回復)。エミヤ工房版賢者の石である。A相当

 

エミヤン棒(無剣エミヤ)

隠し効果として魔力を座から引き出している。ついでに信仰も過去未来問わずに伝達されるため、数本戦場に落としておけば

さらなるステータス上昇を見込める。

各剣の特殊機構として刀身部分に装填することが可能。あと食べれる。

 

 

 

【解説】 史上最強のエミヤ

とある転生者が自身の魂、来世を犠牲にして創り出した大英雄。

経歴としては

エミヤ信者のfate狂人が事故死したことがことの発端。

 

神のような存在に転生特典の選択をさせられたとき、自身の全てをリソースに換えて

スキル、能力値として別世界の士郎少年に付与した。

 

第四次聖杯戦争にて士郎少年が冬木の災害に遭う。←ここで衛宮切嗣に救われた直後エミヤ信者の特典が譲渡される。

 

10年後第五次聖杯戦争にて猛威を振るう。

 

そのまま正義の味方ではなくまるで大英雄かのように世界各地で人々を救い続ける。

人理焼却から世界を救おうとしてカルデアに来る。

 

異聞帯からも世界を救った後、寿命によって死ぬまであらゆる手段を持って人々の幸福のために活動する。

 

死後も人々から忘れられず大英雄として祀られ、アラヤの守護者とならず、正規の英雄として座に付く。

 

別の平行世界の第五次聖杯戦争にて遠坂凛のサーヴァントCLASSアーチャーとして

召喚される。←今ココ

 

姿は服装自体は元のエミヤと変わらないが

髪は下ろしており、目は琥珀色を保っている。

常に余裕たっぷりで自信家。

ちょっとナルシスト気質かもしれない。




ある意味聖杯戦争RTAかも。


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本編
Fate/Standby Night Simple Blade Works 0


プロローグです。


深夜

 

魔術師遠坂凛は自身の調子の良い時間帯、

即ち午前二時ぴったりになるよう召喚を行うのだった……

 

魔法陣の引かれた地下室にて

 

 

「素に銀と鉄。

礎に石と契約の大公。

祖には我が大師シュバインオーグ。  

降り立つ風には壁を。

四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」

 

「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。

繰り返すつどに五度。

ただ、満たされる刻を破却する」

 

「―――――Anfang(セット)」

「――――――告げる」

 

「――――告げる。

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。 聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」

 

「誓いを此処に。

 

 我は常世総ての善と成る者、

 我は常世総ての悪を敷く者。

 汝三大の言霊を纏う七天、

 抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」

 

自身の全力、全魔力回路、全エーテルを用いて行われた召喚はどう考えても大成功のはずだったが、

 

「はい……?」

何も召喚されなかった。

 

消費した魔力も大きくやや気落ちしていると、

 

ドカンと天井をぶち抜くような音と共に

激しい揺れが凛を襲った。

 

「何なのよ、一体!!」

 

地下から駆け上がる。

 

そして歪んでしまったドアを蹴破り居間に辿り着くと

 

そこには

 

屋敷の木片、外から降り注ぐ光、散乱した家具の山に座る謎の男が居た。

 

「やれやれ、懐かしい魔力を感じて来てみればとてつもなく乱暴な召喚だな、遠坂凛」

 

偉そうに座る赤い外套の男は何故か名前を知っていた。

 

だが、

「何故わたしの名前を知っているのかと聞きたいけど、アンタ、なに」

 

そう言うと待ってましたとばかりに男は立ち上がり、

「ではご期待に応えて」

腕を組んで高らかに言い放った。

 

「私はこの土地、冬木の守護者にして

 

ご当地英霊、その名も大英霊エミヤである!!

 

そして、凛!

君のサーヴァントでもある!!」

 

「えええええええぇぇぇぇ!?!?!?」

開いた口が塞がらないとはまさにこのことだろう。

このサーヴァント、エミヤって言わなかった!?いやまさか、衛宮君と関係性が、

ていうか冬木のご当地で守護者〜!?

?????

凛の頭の中は疑問符で埋め尽くされていたが、

「い、幾つか質問させてもらうけど」

「別に構わないが、何かな」

 

「何かなって……まず貴方の真名はエミヤってどういう意味なのかしら」

「何も、その言葉通りだぞ、凛。

正確には私の真名はエミヤシロウ。

君も知っているはずだ、あの赤毛の」

「はあァァァ〜!?!?!?ほんとにあの衛宮君???」

 

言われてみれば髪色は真っ白だけどそのままだし、褐色の肌はともかく彼の眼は見覚えのある琥珀色だ。

 

「如何にもと言いたいが恐らく別の、平行世界かもしれない。この時期の私は既に冬木でご当地ヒーローをやっていたからな」

「で、でも仮にご当地ヒーローをやっていたとしても時期が合わないじゃない」

「凛、英霊は過去未来時間軸に囚われず座さえあれば召喚できるだろう。この時点で言えば私は未来から召喚された英霊だ」

「じゃあ、ご当地って言う割には知名度は無しってことじゃない!!」

 

「チッチッチ、甘いな凛、対策はある」

そういうエミヤはやや力むと手に青白く輝く棒をいくつか取り出した。

それからは高濃度のエーテル、神秘が感じられた。

 

「その棒が対策手段なの?」

「ああ、この棒は私が創り出したエミヤシリーズの中でもかなりの汎用性を誇る『無剣エミヤ』またの名を『エミヤン棒』!

これを中継地点として座から信仰を送信することができる!!あと食べれるぞ。」

「創り出した??え、食べれる??ていうか

座に接続してるの???」

「質問されていないがついで言ってしまおう。私は生前オリジナルの宝具、剣を創るために鍛冶をしたり、料理をしたり、雑貨屋をしてたこともある。これも全て正義の味方、いや、大英雄となるためだがね」

「鍛冶で剣を造ってた?

 

じゃあ貴方もしかしてセイバーなの!?」

 

ヤッター、凛ちゃん大勝利ッ!!

 

「……すまない、アーチャーなんだ」

 

やや長い沈黙の時が流れた……

 

「いえ、ともかくこれからよろしくね

エミヤ君、いえアーチャー!」

 

「別に言い直さなくても、いや、聖杯戦争だったな、では、

こちらも期待に応えるとしようマスター」




省略してる部分は多めです。
基本的にシリアスではなくギャグな作品です。


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Fate/Standby Night  Simple Blade Works 1

VSランサー


聖杯戦争は既に始まっている。

流石に昼間から交戦することはないが、

サーヴァント同伴のもと、平日の高校へ向かう凛だった。

 

しかし、いつの間にか自分の通う学校に準備段階くらいの結界が貼られていたのだった。

 

そして放課後、校内あると思われる結界を探すのであった。

 

「……まいったな。これ、わたしの手には負えない」

 

散々校内を探し回った挙句、七つ目の、

屋上に見つかった起点となりうる刻印は見たこともない文字で構成されていた。

 

「アーチャーこれ解る?」

すると念話で言葉が返ってきた。

[凛、その前に]

 

「なんだよ。消しちまうのか、もったいねえ」

 

唐突に何者かの声が響き渡る。

 

「まさかサーヴァントッ」

「て言う事は、お嬢ちゃんはオレの敵ってコトでいいのかな?」

[ここでは凛が危ない、一時回避だ、行くぞ凛]

「エミヤ君!?」

即座に霊体化を解除し実体化。そのまま凛抱えて学校のグラウンドへ出る。

「へっ、あの英霊なかなか良い脚してやがる」

 

そして凛を守るように仁王立ちするアーチャーと対峙をする青身の槍を持った男。

 

おそらく

 

「ランサーの、サーヴァント!!」

「如何にも。アンタのサーヴァントはセイバーって感じじゃねえな。何者だてめえ」

「ふっ、君もかランサー、どうやら私は期待に応えなければならないようだな」

 

「何だとッ?」

「まさか、アーチャー」

 

「私はこの冬木出身の大英雄、大英雄エミヤであるッ!!!

ついでにアーチャーのサーヴァントでもある!!」

 

堂々とドヤ顔しながら自身の真名を言い放った。

 

「このバカは〜」頭を抱える。

「……は?こいつ正気か」

だが聞いたこともない名前でもある。

当然、未来の冬木の英雄なのだから。

 

「エミヤ君どういうつもり!」

「いや別に、ここでランサーには倒れてもらうつもりだから、良いかなって」

困り顔で凛に言う。

 

はぁ~、と溜息をしたあと、キリッとしてから凛は言う。

 

「じゃあ、アーチャー。貴方の力、ここで見せて」

「!フッ、任せてくれたまえマスター」

 

「オレを倒すだと?いいぜ、まずはエモノを出せよアーチャー」

 

「生憎私は単なる弓を持っていなくてね、こんなものしかないが」

手元が光る、

 

そして現れたのは二刀の曲剣。

 

「はっ、弓兵が剣士の真似事とはな!!!」

急接近するランサー、その神速の槍使いを

曲剣で捌く、捌く捌く!!

そして、強めの一撃にランサーは吹き飛んだ。

 

やや距離を放すと、これを好機と捉え、

「真名開放ッ!『弓曲剣エミヤ』!!!

無剣エミヤ連続発射ァ!!!」

 

ピュピュピュピュピュピュピュピューン!!

青白い棒を、曲剣が連結してできた弓で撃ちまくる。

 

大体100本直列繋ぎしたら瞬間的出力が聖杯並の馬鹿魔力棒を撃ちまくったのだ。

 

「トドメだ、ブロークンファンタズム」

「ちょちょちょ、ちょっと!!エミヤ君

学校が、」

「あ」

核でも撃ち込まれたんじゃないかというくらいの爆発を起こす。

瓦礫と砂埃、あとだったものが散らかる。

 

学校は消し飛びました☆ミ

 

「……えっと、まぁなんだ。学校にあった結界をなくなったようだし、結界オーライじゃないか」

 

「クソっ死ぬかと思ったぜ」 

「む、ランサー生きていたのか」

 

「何が、む、だ!!馬鹿みたいな矢をバカスカ撃ちやがって」

 

「ならばランサー、あえて言おう近接戦闘しか出来ない君に勝ち目はない。あと知らなかったのか、撃ったのは矢ではなく棒ということは自明の理」

「なにッ」

 

「この国にこういう言葉がある。

犬も歩けば棒に当たる、だ。

解るかケルトの光の御子クー・フーリン」

 

「!!!よくぞ言った、知っていてそのような口が聞けるとはな。な、何?本気を出しても良い、だと!?令呪!どういうつもりだマスター、だが!!」

(内訳:だってサーヴァント出揃って無いのに

学校丸ごと消し飛ぶとか意味がわからないじゃん。

後処理どうしよう;;)

 

ランサーが後ろに下がる。

 

「この一撃、手向けとして受け取るがいい」

 

全力疾走からの跳躍、槍に赤黒い死の魔力が纏わりつく。

 

「突き穿つ死翔の槍 (ゲイ・ボルグ)!!!」

 

投槍が寸分違わずアーチャーの心臓目掛けて飛翔する。

 

「エミヤ君!!なんで挑発したの!!」

「凛ッ!!これを付けろ!」

ミサンガが4つ程投げ渡される。

「私も付けている御守だ、

さらに真名開放『弓(究)曲(極)剣エミヤ』!!!」

弓と化した剣が回転し円を描く。

剣の盾だ。

 

槍と拮抗し、

 

だが、

 

「くっ、私としたことが」

 

剣が砕けた。

 

「馬鹿が!!!マスター諸共消し飛べ!!」

「エミヤ君!!!」

 

(因果逆転の呪いの槍、しかし!!)

 

 

スッ(エミヤが槍を避ける音)

 

 

スッ(凛が槍を避ける音)

 

 

「は?」

 

パシっ(複雑な軌道を描いて戻ってきた槍を受け取る音)

 

「どういうことだ???因果逆転の我が必殺の槍を避けるだと!!!」

 

「簡単な話だクー・フーリン、それを避けられるだけの幸運が私にはある」

 

「しかしどうだ。君には避けられるか!!」

 

宝具を呼び起こす。

 

「錬鉄開始、『邪剣エミヤ』!!!」

先程目にした槍の魔力に似た赤黒い刀身の剣が現れ、濃厚な死の気配が漂う。

「行け、剣は飛ぶものだ!!!」

負けじ劣らん程の魔力を帯びたソレを投げ放つ。

 

「き、貴様あああああああ!!!」

無論幸運が低いランサーに避けられるはずもなく、一直線に心臓串刺し。

 

「ありがとうクー・フーリン、念には念を入れて、ブロークンファンタズム」

先程の学校よりも派手に爆発した。

 

「どうだ、凛。私の実力は」

「すごいのは分かったわ。でもちょっとやりすぎかもね」

 

学校全損。グラウンドも正門も消し飛んだのだった。

 

「あ、あと凛」

「何かしら」

「言いにくいのだが……

正門のちょっと先で伸びている彼を治療してはくれないか?」

「それはどういう、て!!あれもしかして衛宮君!!」

「い、いや、今になって思い出したがこの時間帯に私も学校に居たようなと」

「前言撤回、かなりやり過ぎだわ貴方」




やったね凛ちゃん、撃破だ!!


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Fate/Standby Night Simple Blade Works 2

VSセイバー


〜前回のあらすじ〜

史上最強の冬木のアーチャーは青タイツのランサーを撃破した。

ついでにマスターの通う学校も破壊。

意図せぬところで自分殺し(瀕死)までしてしまうのであった。

 

「凛、彼を治療できたか?」

「ええ、できたのはいいけど、貴方も治療できる宝具を持っているのよね?

それ、使えばいいじゃない。

父の形見のペンダントはもうスッカラカンよ」

「いや、私の歴史では君のペンダントが重要な触媒でね。自分の聖杯戦争のとき召喚されたアーチャーはこれが触媒になったらしい」

 

「もう頭こんがらがってきた、まるで卵が先か鶏が先か、ね」

「だが私としてはこれ以上英雄エミヤにはなって欲しくはない。自分で言うのはなんだか、私以上のエミヤは多分現れないだろう、間違いなく。私が最強だ!!」

「ほんとアンタポジティブよね~」

 

治療を終えて凛は立ち去ろうとするが、

 

「待て凛」

「何よエミヤ君」

「私にいい考えがある」

「嫌な予感がするんだけど」

 

エミヤはこれまでの記憶、自身の体験した聖杯戦争、なんか夢で見たことある平行世界の自分、あと思い付きによる作戦を考えていた。

 

名付けて

 

「セイバー同盟補完計画ですってぇぇ!?」

 

「そうこの場にいる衛宮士郎、士郎少年は聖杯戦争の知識に疎く、なんならサーヴァントも召喚していない。

しかもセイバー、あのアーサー王が確定召喚できる逸材だ!!

平行世界の自分には悪いがセイバーゲットのための礎になってもらおう!!」

 

「アンタちょっとそれって自分を騙くらかすってことじゃない!?

仮にそんなことしても聖杯から知識を得るはずのセイバーのサーヴァントが黙っているわけない!!」

 

「チッチッチ、甘いな凛」

何この感じ、デジャブを感じる

 

「錬鉄開始、『神剣エミヤ』だ。この宝具を使って召喚してまもなくセイバーを捕獲すれば、晴れて念願のセイバーのサーヴァントをゲットできるという訳だ!!

良かったな、凛!!!」

 

「どうしてそうなるわけ!!??」

 

「簡単な手順なのでそこの士郎少年が起きる前に話そう」

 

「まず少年の家に行く、これは私の実家も同じなので迷わない。

 

次に彼に詠唱を教えて召喚してもらう。

この際私はこれをすると正義の味方になることができるとか何とか言う。

 

実際なっているので嘘ではないだろう。

 

最後に出てきたセイバーに神剣エミヤの神秘無効効果で契約を解除、

 

君の願いを私達と一緒に叶えよう!!

と説得して再契約を結んでもらう形だ。

 

どうだ簡単だろう」

 

「詐欺じゃないのそれ、

でも、もしセイバーが説得に応じなかったら?」

 

「その時は仕方がない」

 

まさかころころするのか!?

 

「無剣エミヤを使って、洗脳……じゃなかった、お話をするまでだ」

 

「……貴方もしかしてかなりグレーな存在?」

 

正義の味方じゃなくて大英雄ってそういうこと???

 

「いや、この方法は恐らくサーヴァントにしか通用しない。安心したまえ凛」

 

「ならランサーも仲間にすればよかったじゃない?」

 

「本当は仲間にするつもりだったんだか、

つい興が乗ってしまってやりすぎてしまった。

カッコつけすぎてすまない。

だが後悔はない。

おっとそろそろ目覚めそうだ」

 

〜〜〜〜

 

「う、ううん、確か俺はグラウンド何かを見ていたような、いや、アレ?」

 

目が覚めたが辺りに何も無いことに気がついた。

 

「!!!どうなってるんだ、学校は、いや俺は!?!?」

 

「目が覚めたようだな士郎少年」

 

「!?誰だ!」

 

「良かった衛宮くん、無事だったのね」

 

「遠坂!?」

混乱する衛宮の近くには学校の同級生である遠坂凛と謎の赤い外套の男がいた。

 

いや、あの男は

「さっきグラウンドで青い男と戦っていた!?」

 

「如何にも、私はこう見えても正義の味方でね、悪の青い男

「殺戮槍獣ゲイボルギーニ」がこの冬木の街でテロを起こそうとした。

それを阻止するための闘いがあったのだよ。」

 

「正義の味方??だけど学校はどうしたんだ!」

 

「ヤツが繰り出した危険かつ獰猛なワザが見せしめに学校を破壊し、こうなりたくなければ俺の邪魔をするなと言っていた、すまない」

 

「そいつは何処へ、そんな悪い奴を野放しにはできない!!」

 

「いや、倒した」

 

「は?」

 

「ヤツと死闘を演じた私はこれ以上の被害を増やさないために全力を出し切ってなんとか倒すことができたのだ」

 

「あんたは一体!?」

 

「ふっ、聞かれたのなら応えるとしよう」

あ、まーた始まった

 

「私の名は大英雄エミヤ、

 

またの名を冬木の守護者だ、

 

士郎少年」

 

「俺と同じ名前!?」

 

「そのことについては貴方の家に行ってから話すことがあるの、さあ行きましょう!」

 

そうしてエミヤ一行は衛宮宅へ向かうのだった。

 

そして、土蔵にて

 

「まず士郎少年、君にもやってもらいたいことがある」

 

「でもなんで俺が」

 

「フッ安心したまえ、私も正義の味方になるためにやったことがある。

 

実際になっているのでこれは必要なことだ」

 

「さあ衛宮君これを持ってこの言葉を唱えるの」

 

無剣エミヤと詠唱カンペを渡される。

 

「懐かしな私もキリツグに教えてもらったものだ」

 

「な、爺さんが!?」

 

「その証拠に足元をよく見てみろ」

 

いつも投影魔術の練習に使っている土蔵だが、そこには気づかないように隠された陣がうっすら書かれていた。

 

「本当に正義の味方へなれるのか」

 

「ああなれる、一緒に冬木の街を守ろう」

 

そして運命が来た

 

「問おう、貴方が私のマスターか」

 

思わず衛宮士郎は尻餅をつく。

 

薄暗い土蔵の入口からは月明かりが指し、

まるで完成された一枚絵のような神秘的な光景だ。

 

 

だが、

 

 

「錬鉄開始ッ『神剣エミヤ』!!!

今だァァァ、行くぞ凛ッ!!!!」

 

「ああああああ、もーーーう!!!

こうなったらヤケクソよ〜〜〜!!!」

 

「なっ!?」

 

召喚されてすぐにまさかの敵襲、

隠された刀身を振るおうとするが、

 

「この神剣はありとあらゆる神秘を無効化する、即ち聖剣もその範疇だ!!!」

 

一時的に聖剣を振るえなくなると同時に

神剣エミヤは蛇腹のように、鎖のように伸びセイバーを拘束する。

 

「は、放せ!!!」

 

僅かに繋がっていたマスターとのパスが途切れる。

 

「なら、私のマスターと再契約してもらおうか、セイバー」

 

「断る!!!」

 

「やっぱりエミヤ君この作戦強引すぎたのだわ〜!?!?」

 

「いやいける!!

喰らえ、無剣エミヤァァァ!!!」

 

鎖に拘束されたセイバーの無防備な頭にエミヤン棒が刺さる。

 

「行け凛、再契約だ!!!」

 

「―――告げる!

汝の身は我の下に、

我が命運は汝の剣に!

聖杯のよるべに従い、

この意、

この理に従うのなら―――」

 

「―――我に従え!

ならばこの命運、

汝が剣に預けよう……!」

 

「……ッ、せせせセイバーのnnnn名にに

か懸けけけけ、ッ誓いを、ぐぅぅぁ受ける……!?!?

あああああああ貴方を我が主として

認め

な、

 

なななああ、

ぐぐ、

 

うううう、う、う…………

……認めよ…う………………」

ガクッ

 

必死に抗いながらも対魔力を遥かに上回る魔力を流し込まされたセイバーは

逆らえず再契約を認めてしまったのだった。

 

「く、屈辱的だ、私は貴方を認めてはいない!!」

 

そんなセイバーの嘆きは彼らには聞こえてはいなかった。

 

「やったぞ凛!!!!

大成功だ、セイバーGETだぜ!!!!」

 

「本当に手に入れてしまったのね!!??

 

この聖杯戦争私達の勝ちは必然よ!!!」

 

そして、途中から完全に空気、あまりにも早い展開についていけなかった衛宮士郎は

 

「な、なんでさーーーーーーー!!!???」




戦わずして勝利とはまさにこのことだ!!!


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Fate/Standby Night Simple Blade Works 3

VSセイバー2


〜前回のエミライブ!!〜

自称正義の味方は自身のうっかりを

全てランサーに擦り付け、平行世界の自分を騙し、セイバーを捕獲するのであった。

 

「お、お前ら女の子になんて酷いことするんだ!!!」

 

「女の子って、衛宮くん。

そこにいるのは英霊、

しかもブリテンのアーサー王なのよ」

 

「違う、そうじゃない!!

そいつは本当に正義の味方なのか!?

答えろ!!」

 

「ふっ仕方あるまい、

私の真の正体を教えよう。

私は平行世界、しかも未来の君自身だ」

 

「嘘だ!

俺が成りたい正義の味方はこんなことしない、大体、どうしてこんなことを!!!」

 

「呆れた、エミヤ君ほんとに聖杯戦争の知識とか知らないみたいね」

 

「その言葉は私にも刺さる。

凛、未熟な彼に教えてやってはくれないか」

 

「仕方ないわね」

 

〜凛説明中〜

 

「その聖杯?ていう何でも叶えられるヤツを手に入れるためにこの街で魔術師達が争うっていうのか」

 

「そうね、中にはそのためなら一般人の犠牲も厭わない奴もいるわ」

 

「そんなこと認めない!

俺はこの聖杯戦争に参加して止めてみせる!!」

 

「盛り上がっているところ悪いが士郎少年、君は参加できない。

参加のためにはサーヴァントが必要だ。

大体、君は弱い、マスターとしても魔術師としても、正義の味方としても、だ」

 

「何を!!

やってみなきゃ分かんないじゃないか!!」

 

「だが、その気持ちは分かる。

私のときも無理やり参加したものだ。

結果自分は弱いと気づけた。

そんな君には必要なものがある。

その名も」

 

ごくり

 

「大英雄作成プランだ!!!」

 

そう叫んだエミヤは高く飛び上がり無剣エミヤを衛宮邸を囲むように投げ配置する。

「これで敵はここに侵入できまい」

 

そのまま無剣エミヤとシンプルな形をした両刃の剣、無飾剣エミヤを士郎に手渡す。

 

「これは??」

 

「士郎少年、私達は同一人物であり得意とする魔術は投影のみと偏っている。

まあ実際はちょっと違うがそこは誤差だ。

やって欲しい訓練としてはこの二つの剣を作れるようにしてほしい。

キリツグの教えてくれた訓練方法よりはより正義の味方に近づけるはずだ」

 

「あの訓練方法は間違いなのか!?」

 

「いやあれこそが私の原点であり、私のときに居たアーチャーとの相違でもある」

 

「アーチャーって?」

 

「そいつもエミヤシロウではあるが、正義の味方になったことを後悔していたぞ」 

 

「どうして正義の味方に成れたのに後悔なんて???」

 

「まあやり方が違ったんだな。

その点であれば君には3つ程伝えることがある。

一つ、投影魔術で他の英雄の宝具を投影するな、だ。

オリジナリティーはヒーローには欠かせない。

参考資料として作成できるようにするのもいいが、如何せん戦闘に特化しすぎてしまう。

正義の味方は何も戦うことだけが救う手段という訳では無い。

 

二つ、皆を頼れ。

無論私も先輩ヒーローとして君を育てることにした、存分に頼って欲しい。

独りよがりに、自分の正義だけに拘りすぎるとかえって大切なものを取りこぼしてしまう。

仮に世界へ出て大々的に活動するなら仲間を作りたまえ。

 

最後に三つ、絶対に世界と、アラヤと契約するな。本当の地獄を見るぞ。ある意味私の先輩にあたるアーチャーエミヤは死後も救済し続けると思い込んでいたが、実際は人類の存続のために、人々を殺しまくるだけを繰り返し摩耗し、結果私を殺しにくるくらい病んでいた。

正式な英霊のほうが縛りが少ない」

 

「な、なるほど」

よくわからないことだらけだが、平行世界のエミヤの真剣さ具合から大切なことだと感じられる。

 

「ではよろしく頼んだ、私達はこれから聖杯戦争を終わらせてくる」

 

「お、おい!!

俺は修行するだけでアンタらは戦いに行くのか!!」

 

「やはり士郎少年は英霊の強さを理解していないようだな。

凛、セイバーの調子はどうだ」

 

「それ、貴方が聞く?

無理やり契約したから怒ってるけど」

 

「アーチャーのサーヴァント、

何故このような真似事を!!!」

 

「説明もいいが、やはり実力で分からせるべきか。

凛、魔力の消費が激しいかもしれないが耐えてくれ。

セイバーと戦う」

 

「アンタ正気!?

セイバーはあのアーサー王なのよ!!

エミヤ君が幾らハチャメチャな英雄だとしても……」

 

「大丈夫だろう、私は生前聖杯の泥に浸かり反転したセイバー、黒ビーム連射砲を単体で撃破している。

正直、当時より強くなった私が負けるという通りはないに等しい。

では、いざ勝負だ、セイバー!!!」

 

「何を!?」

戦闘態勢を取るセイバーに対し、エミヤは生前編み出した戦法を執る。

目には目を歯には歯を、聖剣には聖剣を、だ。

 

「錬鉄開始、聖剣エミヤ」

 

黄金の刀身を持つ剣を取り出す。

 

「しかもこの聖剣エミヤはver.END。

即ち、この大英雄エミヤが製造した中で完成形に至ったもの。

果たして騎士王、隠したままの聖剣では受け切ることはまさに不可能!!!

喰らえ、エミヤ流究極剣技聖剣ビーム斬り!!!!!」

 

「こ、これはまさにエクスカリバーのような、ぐ、こちらも宝具を切りましょう!!

『約束された勝利の剣』!!!!」

 

ほぼ同時に極太光線、2つの光の束が剣から解き放たれ、拮抗する。

 

「やはりセイバー、こちらの出力はほぼ互角、だが、錬鉄開始!!!完成形よりは弱いが試作品はいくらでもある!!!

聖剣エミヤver.8536999.421!!!!」

 

もう1つ聖剣が出現し、セイバーの宝具を押し返す。

 

「ぐ、押され!!??」

「今だ!!!

真名開放、『聖剣エミヤ』オーバーレイ!!!」

 

セイバーは吹っ飛び、無剣エミヤで作られた結界に追突した。

 

「……ふぅ見たか少年、これが英霊の強さだ」

 

驚いたような、セイバーを気にするような表情を見せる士郎少年に対し、

 

凛は

「ちょっと待って、さっき聖杯の泥とか言わなかった!?!?」

 

「ああ、アレッ?

言わなかったか、

冬木の聖杯は汚染されてるぞ」 

 

「なんでそういう重要なことさらっと言えるのアンタはあああ!!!!???」

 

「おっと、立てるかセイバー。

自分でやっていて言うのはなんだが、これで私達の実力を認めてくれないか」

 

「仕方ありません。認めましょう。

しかし、私には聖杯へと願うことがある。

それは譲れませんが、

エミヤという名前、聖杯の泥といい

貴方は一体?」

 

「貴女はそういえばまだ正式な英霊ではなかった。

霊体化できないが、記憶もそのまま引き継いでいる。前回のマスターのエミヤキリツグは私、あとそこの赤毛の少年、士郎少年の養父にあたる」

 

「な、なんと!?」

 

「もし、私を呼ぶならアーチャー、彼なら士郎と呼ぶといい」

 

「シロウ、ええ、この呼び方が私には好ましい」

 

そうして我々セイバー・アーチャー陣営はうっかり召喚初日に申請し忘れた聖堂教会へ向かうのであった。

 

「まったく、凛は仕方ないな」

 

「煩いわね、貴方がとんでもないから監督役の綺礼に宣言し忘れちゃったじゃない」

 

「ふっ私のせいにしてもらっては困るよ。

大体、言峰綺礼、あのエセ神父は……

全ての黒幕とでも言える、いわば悪のしもべ、だ」

 

「え、綺礼が??黒幕!?悪のしもべ!!

はァァァ!!!???」

 

「おっと、また何か言ってしまったか」

「ほんと、アンタねええええええええ!!!??」




うっかりエミヤくんです。
神父死亡フラグたったんじゃないのぉ〜(某コック)


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