狼姫咆哮シンフォギア〜世界を駆ける神狼〜 (エドアルド)
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原作前
プロローグ


初めましての人は初めまして初めましてじゃない人はまたかよと思ってるかも。エドアルドです
ほか作品書いてるのに新しい作品書いちゃったよ。他の作品も続けるから許して

前からシンフォギアの作品自体は考えていたけど今の所やる気は無かったんだ。でもアイディアが溢れて来ちゃって


 

とある一室にて二人の男が話していた。

 

「…良かったのですか?パナケイア流体を渡すなどと」

「問題は無い…それに"あれ"は手に入れた。パナケイア流体なぞ不用品だ。あの錬金術士共は"あれ"を知らん。パナケイア流体等という〈ケイオスタイド〉の下位互換なぞくれてやる。精々躍らされるのを眺めようでは無いか」

 

身なりの良い方の男が不適に笑いながらそう言う。

 

「…確かにそうですね。パナケイア流体はまだ分からないことも多いですが、不都合が多いですから」

 

軍服のような服を着た方の男が納得した様に頷く。

 

「にしても我々も運が良い、適合者の発見も同じく達成できた。準備の方は?」

「問題無く。もうそろそろターゲットが指定の位置に。関係者達にも根回しは既に」

「フフフッ、これで我々の悲願の達成に一歩近付いた」

 

男達は確信していた悲願がここで達成されると。しかし男達は知らない、これが自分達の終わりになる事を。

 

 

 

 

 

****************

 

 

 

 

 

痛い、痛い、いたイ、いタイ、イタイ、イタイ、イタイ、イタイ、イタイ、イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ……トケル、トケル、トケル、トケル、トケル、トケル……マザル、マザル、マザル、マザル、マザル、マザル、マザル、マザル……キモチワルイ、キモチワルイ、キモチワルイ、キモチワルイ、キモチワルイキモチワルイ、キモチワルイ……クルシイ、クルシイ、クルシイ、クルシイ、クルシイ、クルシイ、クルシイ、クルシイ……

 

 

コエガキコエル……ワライゴエガキコエル……トオボエガキコエル……オカアサン?……チガウ…チガウ…オマエジャナイ……ケモノガウナル…コトバガワカル……イヤダ、イヤダ、イヤダ……ワタシハヒトだ……ワタシハ…ダレ……シラナイ…シラナイ……コノキオクハダレノ?……コエガキコエル……ササヤイテクル……オマエハナンダ……ユダネロト…………………………

 

 

 

ワタシハ……

 

 

 

 

「ゴホッゴホッ……ゲホッ…ゲホッ……ハァ……ハァ」

 

口から黒い泥が溢れてくる、体が軽い、全能感を感じる

 

「……成功だァ!!」

「やったぞ!」

「遂に!!」

 

周りから声が聞こえて来る。とても…わズラワシい……とテモイライらする……

近づいてくる奴がいる

 

「ハッピーバースデイ!!おはよう…フェンッ!?」

 

ワタシハ男の顔を掴む

 

「グオッ…は、はなせ!!」

 

あぁ…コイツはエモノダ

 

「アハッ……」

 

ワタシは男の頭を握り潰す

 

「ヒッ、ヒイッ!?」

「ど、どうなっている!?」

「プログラムは組み込んだはずだぞ!?」

 

ミンナ、震えている、キョウフしている、コイツらは、みんなみんな、エモノダァ

 

ワタシは笑う。狩りがデキル。ウレシイウレシイウレシイウレシイウレシイウレシイウレシイウレシイウレシイウレシイウレシイウレシイウレシイウレシイウレシイウレシイウレシイウレシイウレシイウレシイウレシイウレシイウレシイウレシイ

 

「ウレシイナァ」

 

ワタシは立ち上がってカケル、爪を振るう、モットモット!!

 

 

少女の姿が少しずつ変わる人から獣へと

その姿は黒くそして凶悪だ。今ここに神喰いの神狼が再誕した

 

クイコロス、キリコロス、タタキコロス、コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス

 

 

 

神狼が吼える、世界に示す様に

神狼は獲物を全て殺し眠った……深く、深く……




はい、プロローグでした。今回は短めだけど次からはもっと文章を書く予定です。風邪引いちゃってツラい、久しぶりになったけど今回重いわ、関節痛に筋肉痛、咳とか久しぶりすぎる


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俺が目覚めた日

風邪をひいて暇だけど眠くないので連投していく


 

「ヘァッ!?」

 

奇声と共に俺は目を覚ました

 

「づゥ…あー痛いわ」

 

目を覚ました俺(私)は全身の痛みに悩まされていた。特に頭が痛い。

その時突如として私(俺)は理解した

 

「スゥ…転生してるじゃぁないか」

 

自身の記憶に今世の自身と前世の自身の記憶が混ざっていた。自身が転生したと確信したのはそれだけじゃなく。魂が理解したような不思議な感覚だった

 

それと同時に今現在の周りが荒れている場所が自身が気絶する前の記憶が嘘でないことを告げてくる

 

「……やっちゃった」

 

前世の記憶が戻ったのは良いが今じゃくてもと思った。

俺は少々現実逃避した

 

「響に会いたい」

 

そんな言葉が口から無意識に飛び出していた。

……ん?響……

そんな無意識に飛び出していた言葉に俺の記憶が反応する。

私の名前は立花 牙(たちばな きば)。こんなの女子の私につける名前ではない気がするけど、今はそれよりも。私の苗字は立花、妹である響も同じ苗字……響は幼いが見た事のある顔………そう前世で…………立花 響

私、響のお姉ちゃんに転生したのかよ……TSしてるよ私

 

モブ厳で有名な戦姫絶唱シンフォギアの世界、その主人公立花 響が覚醒することで始まる世界を守る戦い。

すげぇ嫌なんだけど、いや、別に私は転生した事についてはまぁ世界の理だと思ってるから別に、でもこれから響がどんな道を歩むかが問題だ。これから響はたくさんの困難が待ち受ける。可愛い妹にはそんな道歩んで欲しくない、でも響が覚醒しないと世界が終わる可能性もある。世界を救えたのは響の優しい心ゆえに発現されたアームドギアによるものが大きい。響を覚醒させないようにさせても結局最悪の場合は世界が終わるかもしれないし。

 

てかそもそもシンフォギア世界は平行世界があるから此処が原作の世界かは分からないし。そもそも俺が居る時点で原作がどうなるか怪しいだよな

 

「……悩んでても仕方ないか」

 

俺は今色々考えても仕方が無いと思い立ち上がった

まずは現状確認だ

 

「……服欲しい」

 

俺は現在真っ裸だった。そりゃそうかあんな事になってたらな。

気絶する前の記憶は自分が巨大な狼になって辺りを破壊しまくるところだ。とりあえず人を辞めたのはわかった

俺は辺りに散らばっている死体から服をかき集めた

 

「幼い少女をさらって実験台にしたんだ。地獄に落ちろや」

 

今の俺は実験の影響か死体などを見ても特になんにも思うことはなかった。精々がよくも実験台にしてくれたなコノヤローぐらいである

つくづく人を辞めていると思う。もしくは本当は私はこんな人間だったという事なのか

 

俺は服を着ると辺りを散策し始めた。俺の実験について何かわかるかと思ったためだ。

少し捜索すると実験についてのレポートらしきものが見つかった

 

「なになに」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

神狼計画

 

聖遺物〈フェンリルの牙〉を同じく聖遺物〈ケイオスタイド〉を用いて人体に融合させ聖遺物の力を人が引き出すのかこの計画である。

聖遺物〈ケイオスタイド〉は触れた生物を分解、調整、再構成する能力がある。これは神話に登場するティアマト神の生物を生み出した母であるということから由来するものと思われる。聖遺物〈ケイオスタイド〉は実際は大量のナノマシンのような物の集合体でありこのナノマシンが生物を作る、もしくは改造する、役目をになっているものと推測される。少量の聖遺物〈ケイオスタイド〉による実験を行った際にはラットが進化し新たな生物として生まれ変わった。また、生物と無機物を同時に聖遺物〈ケイオスタイド〉につけると無機物を生物に取り込み最適化させる事が判明、その過程で発電するラットや全身が鉄でできたラットなどが誕生した。そこで人間に聖遺物を融合させノイズにも対抗出来る改造人間を制作することが決定

これが神狼計画が始まった経緯である。

しかし聖遺物〈ケイオスタイド〉には欠点があった、人間に投与した場合自我を失いただ突っ立っているだけになるのだ。しかし、かつて一人だけ適合し意識を保ったまま進化した実験体がいた。しかしその後すぐに自殺を行った。これにより実験よりも先に聖遺物〈ケイオスタイド〉についてもっと調べる必要が出てきた。その結果聖遺物〈ケイオスタイド〉はナノマシンにプログラムが組まれており〈お母さん〉なる存在の眷属になる事が判明した。実験体が自殺したのはおそらく〈お母さん〉なる存在が居ないためだと推察された。そしてプログラムを書き換える事をしようとしたが既存のプログラムとは何もかも違うため難航した。そんな時にパヴァリア光明結社のアダムという男から協力の申し出があった。それにより研究は飛躍的に進み遂にプログラムを書き換える事に成功した。

そして聖遺物〈ケイオスタイド〉へ適合できる人間の捜索が始まった。

 

次により強い存在に改造する為現在我々が保有する聖遺物の中でもっとも強力な神すらも喰らうフェンリルの牙を使用する事が決定された

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

俺はこのレポートを見て正直な感想は

 

「馬鹿でしょコイツら」

 

完全にアダムの手のひらの上で踊らされている。アダムは神殺しを目的としている。ならばかつて神を喰い殺したとされているフェンリルは都合が良いのだろう、神を殺す駒として。……ん?待てよフェンリルは手駒として有用、ならばフェンリルの牙による融合症例である俺はアダムにとって便利な駒になる。私はアダムに狙われる立ち位置なのか?

 

そんな事を考えていると私はこちらに近付いてくる気配を感じた。これはおそらく聖遺物と融合した事による恩恵だろう。

 

私は急いで物陰に隠れ近付いてくる気配に注意する。そして私が目視したのは三人の女性だった

 

サンジェルマン、プレラーティ、カリオストロ

 

この場にパヴァリア光明結社の幹部が来たのだった




良し、ノリで書いてるけどまぁ良いか
ちなみに主人公の口調が少々定まらないのは前世の口調と今世の口調がごっちゃになってるだけですので。仕様です


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自由の為の逃走劇

 

やばいやばいやばいやばい!!

パヴァリアの幹部三人が来た!やはりアダムが関わってるのは確実、アダムが幹部三人を派遣して来るなんてかなりの本気度が伺える

 

「ほんとにこんな所にいるの?」

「局長によればな」

「めんどくさいワケダ」

 

やはり探し物があるのは確実

 

「にして聖遺物の完全な融合症例なんてものがほんとにいるのかしら?」

「局長がとある組織に協力して作り出したと言っていたな」

「局長は秘密主義すぎて怪しいワケダ」

 

……やはり私の事ですか

 

「局長の秘密主義は今に始まったことじゃないでしょ。それよりも実験体の確保をするわよ」

 

そうして三人はこのボロボロの建物の跡地を捜索を始めた。私はとにかく息を殺して隠れるしかなかった。今の私は確かに聖遺物の融合症例になったけど錬金術士三人に勝てるとは思わない。

今はとにかく祈るしか無かった

 

「居たか?」

「影も形もないわ」

「見つからないワケダ」

「既にこの場所から移動したと考える方が自然ね」

「え〜、めんどくさ〜い」

「相手は生きてるんだ、その場でじっとしてる方が難しいワケダ」

 

そうして三人の気配は徐々に遠ざかって行った。それを確認した私は物陰から体を出す。

とりあえず助かったのかな?

ココから離れて隠れなきゃ

 

そう思って居た時突如として目の前に赤い魔法陣が現れそこから錬金術士の一人、プレラーティが現れた。私は突然の出来事に硬直した

そして私を見たプレラーティは笑いながら

 

「見つけたワケダ」

 

その瞬間私は駆け出した

この場で捕まればアダムに良いように使われるのは目に見えていた

 

「ッ!?待つワケダ!!」

 

プレラーティがそんな言葉を掛けるがガン無視してとにかく走る

建物の跡地の周りはどうやら森のようで私はとにかく駆ける。しかし、後ろに感じる気配は遠のくことは無く逆に増えていた

 

「早い逃げ足なワケダ」

「ちょっとプレラーティ、あの子が逃げ出す様な事したんじゃないでしょうね」

「私を見た瞬間に逃げ出したワケダ」

「無駄口をたたかないで早くつかまえるわよ」

 

声すらも聴こえる程の近くに……いやなんか私の耳良くなってない?

そしてこの一大事に私は気づいた私にケモ耳そして尻尾が生えている事に

 

「ファッ!?」

 

私は走りながらパニックに陥った。足を止めなかったのは単に運が良かったのだろう。

聖遺物と融合したのは気付いていたけどまさか肉体の一部が変容していようとは。響のガングニールの結晶見たいな物なのか?そうなると私早死にするんじゃ?私に使われたのは〈フェンリルの牙〉だったな、なら狼?

そんな馬鹿な事を考えて居たせいだろうか後ろからの攻撃に気付かなかった

 

「少し痛い目を見るワケダ!」

 

錬金術の水流が私を襲った

それにより私は吹き飛ばされ木に激突した

 

「あぅっ!?」

 

「プレラーティ!」

「あのまま鬼ごっこを続けるよりはマシなワケダ」

「サンジェルマンが心配するのもわかるけど今更でしょ?」

 

私に近付きながら三人は話をしている

その間私は痛めた体を起こして気を背に立つことしか出来なかった

 

「手荒な真似をして悪かったわ。でも私達は貴方の敵じゃないわ」

「説得力皆無なワケダ」

「それはあんたのせいでしょプレラーティ」

「やるワケダ?」

「へ〜」

 

そんなふうに話しかけて来た三人に対して

 

「ゔゔゔゔゔ」

 

私は威嚇する様に唸るしか出来なかった。確かにこの三人はアダムに騙されているだけなのはわかっている。だけど今ここで捕まったらどんな事になるか分からない。最悪の場合アダムに良いように使い潰されるだけだ

 

「私は貴方を傷付けないわ」

 

わかってる、貴方が自身の正義の為に奪って来た命に対してその全てを記憶し背負って、悪だと世界に言われても自身の理想の為に突き進む、優しい女性だと言うことは。でも私はアダムに良いように使われるのなんて嫌だ!私は自由に生きて、家族の元に響の元に帰るんだ!

 

ガアァァァァァァッッ!!

 

私のその決意に呼応する様に私の口は開きとうてい人のものとは思えない大声を発した。それは音響兵器にも届きうるような爆音であった

 

「グゥッ」

「クソッ」

「イヤァ」

 

もちろんその音を至近距離で聞いた三人は耳を塞ぎその場に膝を着く。

その隙に私は駆ける。とにかく逃げる為に、生き残る為に

 

「ま、待って!」

「耳が……」

「うぅぅ」

 

後ろから声が掛かるが無視して走る、走る、走る

森をとにかく突き進む

そうしているうちに私は体はいつの間にか変じて行く、二本足で走っていたのはいつの間にか四足へと変わり体には毛が大量に生えていた、その姿は狼のものへと変じていた

しかしそれを気にする事なくとにかく走って走って走る

 

サンジェルマン、プレラーティ、カリオストロの三人の気配が無くなっていた事にも気付かず走り続ける

 

そして体力の全てを使い切るまで私は走り続けた。そして止まった瞬間私は気絶するように眠った




原作に行くまでは少々1話ごとの字数がすくなるかもしれませんが頑張るので応援お願いします!
それと活動報告にて主人公がこれから使う聖遺物についてのアイディア募集をしています。ぜひ意見をくださると嬉しいです。詳しくは活動報告を見てください


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洞窟と錬金術士と

今回は中々の出来なのでは?と考えている作者です
どうぞお楽しみください


 

ピチョン……ピチョン……ピチョン……ピチョン……ピチョン

 

規則的な音が聞こえて来る。水が滴り落ちる音だ

私はその音を耳にし目を覚ます

 

「……ふぁぁ」

 

目を擦りながら辺りを見渡す。辺りは暗く少々肌寒さを感じる、そしてゴツゴツとした岩が360°にある。どうやら洞窟のようだ

 

「……ここ何処?」

 

つい首を傾げてしまう。自分はサンジェルマン達から逃げる為に走っていたはずなのだ。気付いたら洞窟の中とか予想外にも程がある

 

「とりあえず安全確認」

 

私は耳を澄ます。もはや自分がケモ耳な事は許容した、てか許容してないとやってられない。

しばらく耳を澄ますが大型の生物が発するような音は聞こえない。とりあえず安全と捉えていいだろう。

 

次に目視による確認、目を覚ましてから少し経って目が暗闇に慣れてきておりさっきよりも周りが良く見える。辺りは鍾乳石に囲まれており洞窟とは思えないほどに整備されていた。

……人が来るのか?今の所怪しい音は聞こえないが

そして遠くにだが光が見えるおそらく出口だろうか

 

私はとりあえず光の方に向かった、ここでじっとするよりは良いだろうから。出口が近付いてくるとその先から鳥の鳴き声や木が風で揺れる音などが響いてくる

そして出口を通ると私に太陽の光が差し込んでくる

 

「……眩しい」

 

辺りはどうやら森のようだ。私は普通の光景に安堵する。これで出口から先はパヴァリアの建物でしたとか笑えない

 

私は洞窟に戻ることにした下手に外に居るよりはマシだろうと振り返るとそこには壁しかなく洞窟の入口などなかった

 

「へっ?」

 

私は驚きのあまり固まる。確かに洞窟の中から出てきたはずなのにその入口がないのだ。焦りながら私は壁へ近付き手を壁につける。すると腕は壁を通り抜けた

 

「うわっ!?」

 

急いで手を引く、しかし手はなんともなくちゃんと自分の腕についていた。再び恐る恐る壁に手をつけると通り抜ける。私はそのまま足を進めると再び洞窟の中だった

 

これはおそらく何かしらの幻影で入口を隠しているのだろうか。ならば確実にこの先には何かがあるのは確実だろう。確実に人為的な物だ、しかしこの洞窟は隠れるのにはもってこいだ。勇気をだして洞窟の奥へと進む

やはり洞窟はどうやら手を加えられているらしく裸足の自分でも歩きやすい。なお、裸足でも問題ないのは融合症例になったからだろう。薄々感じているが肉体は完全に人を逸脱している

 

そうして歩いていくと目の前にどこか近未来的な扉が現れた。その扉に近付くと扉が勝手に開く。扉の先は遺跡を思わせるような通路でありながら金属質な通路であった。

 

「……大丈夫、大丈夫」

 

ここまで来てもなんの音沙汰も無いのだ、大丈夫だろう、たぶん、きっと、おそらく、メイビー

意を決して通路を進む

しばらく歩いていくと再び扉が現れる。こちらも近付けば自動的に扉が開いていく。

しかし先程とは違いどうやら部屋になっているようだ。ソファーやイス、テーブル、本棚などが置かれている。しかも中々に生活感溢れる部屋だった。

そうしてキョロキョロと部屋を見回していると自分とは反対方向の扉が開き一人の老人が出てきた

 

「おやおや、可愛らしいお客さんのようじゃ」

 

その老人は優しい笑みを浮かべた真っ白な髭をたくわえた人だった。

そしてそんな老人に驚いた私は近くのソファの後ろに隠れ唸る

 

「ゔゔゔゔゔ」

 

私のそんな様子に老人は動じずに

 

「ホットミルクでも飲むかね?」

 

と言ってきてキッチンと思われる場所から牛乳を取り出し鍋で牛乳を暖め始めた。その姿に私は毒気を抜かれる。しかし警戒は続ける

 

「ホッホッホッ、そんなに警戒せんでも取って食いはせんぞ?幼子がそんな顔するでない。笑っているのが一番じゃ」

 

またもやこちらが警戒しているのがバカに思えてくるような事を優しい口調で言ってくる。そしてこの時私は違和感を感じた。今私と老人は普通に話しているが私は日本人、老人は白色人種の外国人、言葉が通じるはずが無い。

私は混乱する。この老人が日本語を喋れる可能性もあるが、私自身は日本人である事を伝えていない。

何故?と言う疑問が頭の中で増える。そして、この時一つの可能性を考えついた。

 

それは私にバラルの呪詛が無くなっているのでは?と言う可能性だ。有り得なくは無い、私の体に現在融合しているのは聖遺物〈ケイオスタイド〉と聖遺物〈フェンリルの牙〉である。ケイオスタイドは触れた生物を改造する、その影響でバラルの呪詛を弾いた、もしくは既にこの肉体がアヌンナキが作った人間、ルル・アメルを逸脱したのだろう。そしてフェンリルをかつて縛る事ができたのは〈グレイプニル〉と呼ばれる鎖のみ、それを信じた人々による哲学兵装化による「フェンリルを縛れるのはグレイプニルのみ」と言う思いがフェンリルについた事による、一種の呪縛であるバラルの呪詛から解き放たれた可能性。

の2つが考えられる。

つまり今私はバラルの呪詛の影響をつけておらず統一言語による人と繋がり会えると言う特性を発揮しているのだろう

 

そんな事を考えていると老人がマグカップを私に差し出して来た

 

「そんな姿じゃあ外は寒かっただろう?飲んで暖まるといい」

 

私はその言葉を聞きどうするか迷ったが老人の手からひったくるようにマグカップを取り。ホットミルクを啜る

最悪毒などが入っててもケイオスタイドがなんとかしてくれるだろ、と考えながら飲む

 

そうすると老人は向かい側にあるソファに座りながらティーポットを使って飲み物を注ぐそして一口飲む

 

「ふぅ……さてと、自己紹介の一つでもせんとな」

 

そう言って老人は喋りだした

 

「ワシの名前はアスベル・フォン・アルマイダ。しがない錬金術士じゃよ」

 

そう老人は名乗った

 




この主人公まともに喋ってねぇな。次からは喋るけどね


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野良錬金術士

今回は短めです。すいませんつなぎのかいなので許して



 

目の前の老人はアスベル・フォン・アルマイダ、錬金術士と名乗った。

錬金術士=パヴァリア光明結社

つまりは敵

 

「グルルルルルル!!」

 

私は思いっきり威嚇する。殺気すらものせて

 

「……自己紹介しただけなんじゃが?」

 

老人は目に見にえ落ち込んでいる

が、パヴァリアの人間ならアダムに報告される可能性あるし、一部の錬金術士はFateの魔術師みたいなやつもいるから、今までの反応も演技の可能性が出てくる

 

「ワシお主に嫌われるような事したかの?初対面なんじゃが?」

 

錬金術士の時点でアウトです

 

「パヴァリアは敵!!」

「……なるほど錬金術士の殆どはパヴァリアの構成員じゃしアダムはまぁ、あれじゃしな。安心するといいワシ、パヴァリアじゃないしアダムとは仲悪いからの」

 

ほんとは疑うべきなのだろうがこの人は良い人な気がする。根拠は無いけど本能がそう告げてくる。

なんかますます動物らしくなってきてるような……

 

「さて、ワシの事とは話したしお嬢さんお主の事も教えてはくれんか?それにそこまで露骨に警戒されるとワシのガラスのハートがブレイクされそうなんじゃが」

 

……この老人中々に面白いな

まぁ、それよりもこんなに悲しそうな顔してる人を放置するのも悪い気がしてきた

私は少しづつ話を始めた

 

「名前は立花 牙……12歳」

「名前の響きから日本人かの、随分ドイツ語がお上手じゃな」

 

……やっぱり、あの人には私がドイツ語を喋ってるように聞こえるのか。てかここドイツなんや

それから私は少しずつ私が実験体な事神狼計画の事やそこにアダムが関わっている事やパヴァリアについては神狼計画のレポートにも書いてあったと言っておく。ただの実験体が組織の事とか知ってるのは怪しいからね。知識の殆どは転生前の知識だし

 

そうして少しの嘘を交えながらの事情説明は終わった

すると

 

「うーむ、それならワシの家に住むといい」

「え?」

「流石にワシも幼子を放置するほど道徳心無いわけじゃないしの。それに一人で寂しかった所じゃ」

 

老人がそう言ってくる。実際私は追われている身で姿を隠す必要がある。それにこの場所はうってつけだろう。しかし

 

「……迷惑ですよ。追われてますし」

「ホッホッホッ、今更じゃよ。ワシもパヴァリアというかアダムとバトったせいで追われとるしの」

 

と、衝撃的な事を言ってきた。あの魔力のゴリ押しによる黄金錬成というかもはや核攻撃をしてくるアダムとバトったとかこの老人バケモンか?

それだったらまぁ良いのか?

 

「……よろしくお願いします」

「よろしくのう」

 

こうして私は老人……アスベルさんに厄介になるのだった

 

 

 

 

 

************

 

 

 

 

 

日本、立花家 立花 牙の部屋

 

 

その部屋、住んでいるはずの部屋の主が消えて少々、暗く感じる部屋にてとある少女が部屋の布団にくるまり泣いていた。

その少女の名前は立花 響(たちばな ひびき)、立花 牙の妹である

 

響は牙が使っていた布団の中で目を腫らしながら泣いていた。その理由は、少し前に姉である牙が行方不明になった事が原因である

 

ある日友人と遊びに出掛けていた牙はそのまま帰ってくることは無かった。友人達の証言によれば遊んでいた公園で別れたのがその日に牙を見た最後だったと言う。

この事から警察が動き大規模な捜索活動が始まったが失踪した牙に関する手掛かりは見つから無かった。しかし付近の監視カメラの一部が牙が失踪したと考えられる時間に全て止まっていたことから誘拐の線が濃厚になったが、立花家には一切の身代金の要求もなかった。

警察はこの事から誘拐による人身売買などを疑い捜索を続けているが未だに見つかってはいない

 

「……ひぐっ…グスッ……お姉ちゃん……」

 

響にとっての牙は常に自分に優しく構ってくれる大切な姉である。牙は少々男勝りな所があるが常に周りを助け明るく振る舞う、響のヒーローであった。

しかしそのヒーローはいなくなった。その悲しみが今の響を支配している

 

立花 牙という存在は響にとってなくてはならない大切な家族なのだ。いなくなったことによる悲しみと心の傷は他者には計り知れない

 

そして響には自身の姉が帰ってくる事を願う事しか出来ない。響は未だに力なき子供なのだ




ちなみにこの時の響ちゃんは7歳、牙との年齢差は5歳差ですね
原作までは8年あります


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今の私

今回は主人公に対する理解を深める回
感想で貰った質問や他にも読者が考えている疑問に答えられるないようになってます。



 

師匠との邂逅から一年がたった

ちなみに師匠とはアスベルさんの事だ。あの後アスベルさんに弟子入りして錬金術を学んでいる

そしてちょうど一年がたったから今の自身を振り返ってみようと思う。

今の私になった当初は色々ありすぎて理解が足りていなかったからね

 

まず私の体については、特に変わらず聖遺物〈ケイオスタイド〉と聖遺物〈フェンリルの牙〉の融合体である。しかし、響とのとは違う点がある。それは響は聖遺物の融合というよりは侵食という形に対して私は「共生」、そう捉えられるような状態である事。理由としては聖遺物〈ケイオスタイド〉これによるところが大きい。

 

聖遺物〈ケイオスタイド〉はアヌンナキが作り出した一種の生命の創造と改造の為の聖遺物ということがわかった。そしてその力は予想以上に強力であった。まぁ、地球に人類とその他を創造した存在なので当たり前ではあるのだが。話がズレた、かつて研究所のレポートに書いてあった生物の分解、調整、再構成は力の一端に過ぎず、聖遺物〈ケイオスタイド〉に触れた生物は自己改造、生態変化、生態融合、個体増殖という4つの特性を獲得出来うることが判明、ただし経年劣化によって生態変化と生体融合が不可能になっていた。個人的には嬉しい、全部出来たらFateのラフムと変わらないからな。ラフムと同存在とか嫌すぎる。

そして聖遺物〈ケイオスタイド〉により私は聖遺物〈フェンリルの牙〉に適応できる体へと改造されたということだ。

 

それと研究所のレポートで思い出したのだが、聖遺物〈ケイオスタイド〉による変化はそれだけにとどまらず。多言語に対する自動翻訳能力がついた。師匠のおかげでわかったのだが現在地はドイツらしいのだが、誘拐されただけの私ではそこら辺わからなかったしレポートの時は普通に読めたので気付かなかった。確かに他の言語を見ているはずなのに私には全て日本語に見えるという謎の状態だ。

 

もちろん文字だけでなく言葉も全て日本語に聞こえる。ただしこちらは事情が違くバラルの呪詛が無くなっていたのだ。

バラルの呪詛はかつてアヌンナキの一柱であるエンキが裏切りの神シェム・ハの復活を防ぐ為に発動した統一言語を封じる祝福である。他にも色々とあるんだけどそれを説明すると長くなるから今回は割愛しとこう。

バラルの呪詛は今現在にも絶賛発動中であるが私がバラルの呪詛の影響を受けていないのは聖遺物〈フェンリルの牙〉が弾いていたのだ。フェンリルとは神オーディンすら喰らった神狼である。神、すなわちアヌンナキすらも殺す事のできる存在。それゆえか神からの干渉であるバラルの呪詛そのものを弾く程の力を有していた。

これにより私にはバラルの呪詛が効かないのである。

おそらく聖遺物〈ケイオスタイド〉も絡んでる気はするが現在で分かることはこれぐらいである

 

ちなみにバラルの呪詛がなければ神の器になりうるのでは?と考えつくだろうが私は神の器なり得ない。というのも私の中の神シェム・ハの遺伝子は聖遺物〈フェンリルの牙〉が消した、流石神喰いである。

 

えーと、あとは、そうそう、聖遺物〈フェンリルの牙〉が成長しているという衝撃の事実が判明した。

私に融合した聖遺物〈フェンリルの牙〉はその名の通り牙である。即ち聖遺物の欠片なのだ。そして成長しているのは師匠曰く私という自身に適した肉体を手に入れたが故に元の姿に戻ろうとしているのだろうとの事。

まぁ、ここで疑問がでてくる。というのもそれではまるで意思があるようではないか、というのだが、こちらに関しては簡単、戦姫絶唱シンフォギアXDにも意思持つ聖遺物は登場しているから、この件に関しては問題ない既にフェンリルの意識はちょうきy……ゲフンゲフン……お話はすんでいる。

 

それと成長するためのエネルギーはどこから持ってきたというもう一つの疑問が出来たのだがそれについてはバラルの呪詛が無くなった私はフォニックゲインを自動生成しているからだ。

というのも歌う事でフォニックゲインを生み出すのはそうだが厳密には喉を震わせる際の振動によって歌声と共にフォニックゲインを生成するのだ。櫻井了子もといフィーネが言っていたがフォニックゲインを生み出すのは特定振幅波動つまりところ歌、であるが歌のみとは限定されていない。

私はバラルの呪詛が解除され魂の枷を外されている。伝える力が解放されている。そしてフォニックゲインは振動、伝えようとする力。人はよく心臓の鼓動が早まる事を恋慕や愛の象徴、哲学として扱っている。つまり振動によってフォニックゲインを生み出せるのだ

これによりフェンリルは私の生成され続けるフォニックゲインを糧にその力を取り戻そうとしている、という事だ

 

他にも聖遺物〈ケイオスタイド〉による基礎能力の向上で他の人よりも力や知能がアップしたとかもあるな。他のよりはインパクト小さいけど

 

あ、あとフェンリルが力を取り戻している結果か私はフェンリルの子機、神話では息子である、スコルとハティを使う事ができる。普段は枕やクッション代わりに可愛がっているが強さもあるのでパーフェクトなモフモフである。

 

それとこれまたフェンリルについてなのだがフェンリルが力を取り戻した影響か私の力も上昇しチタン合金の板ですら紙くずのように裂くことが出来る。これでは日常生活に支障が出るので師匠に封印のブレスレットをもらった。封印は三段階でレージング、ドローミ、グレイプニルの伝説になぞらえた名前をつけた。師匠曰くこれは本物じゃないらしく力は弱いが一様哲学兵装なのだそうだ、既に本物はあるから同じ名前をつけることで哲学兵装化による力の上昇を行っているらしい。

まぁ、私がやろうとすれば一瞬で砕け散るのだが。やろうとしなければ問題なく封印されるので今の所問題ない

 

あ、最後にあまりにも他の事より話題が小さいが私の容姿が変わっていた事についても触れておこう。まず狼のケモ耳と尻尾が生えたのと、響と同じ髪色と瞳の色だったはずが髪は黒く、瞳は赤くなっていた。響と同じだから結構気に入ってたのになぁ

 

まぁ、今の私についてはこんなところかな




ここからは原作まで数年飛ばしで進みます
あと2〜3話ぐらいで原作行けるかな


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突撃F.I.S

字数が定まらないよ


 

今私はアメリカに来ています。

唐突すぎるって?私はこんな感じです。

今回の目的は今から起こるネフィリムの暴走によって死ぬセレナの救出と暴走のどさくさに紛れてF.I.Sから聖遺物やデータを抜き抜きするんだよォ!!

 

というわけで既に施設の外に待機しています。

ケイオスタイドの機能で自己増殖も行い5人体制です。

ちなみにパヴァリアにから見つからない為と正体を隠すために聖遺物〈ハデスの隠れ兜〉で作ったファウストローブで身を包んでいる。まぁ、隠れる事に特化したものだから戦闘力はそこまでない。

 

 

ドオォォォォォン

 

 

爆発音が聞こえてきたので行動を開始する。

 

 

 

 

 

 

****************

 

 

 

 

 

 

燃え盛る研究施設はそれは酷い有様だった。壁や天井が崩壊し、炎がごうごうと燃えて煙が充満している。そして辺りに血や肉が散らばっている。生き残っている人間は少ない。

そんな状況とある場所では化け物が暴れていた。

 

その化け物の名前はネフィリム、聖遺物を貪欲に喰らい成長する完全聖遺物それがネフィリムという化け物の正体。米国が行なった起動実験により起動し米国の手を離れ本能のままに暴れる。

 

その化け物に対峙するのは一人の少女──

 

「セレナァァァァ!!」

 

自身の姉の叫びを無視し大切な家族な家族を守る為に覚悟を決める少女。少女は歌う自身を破滅へと誘う歌を

 

 

Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el baral zizzl

Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el zizzl

 

 

歌は少女の命と引き換えに力を与える。その力により少女はネフィリムを起動前へと戻す事に成功するが、その代償は大きく瞳から血を流し立ち尽くす。そして少女の頭上から巨大な瓦礫が落ちその少女の命を奪うはずだった。しかし、突如として少女は姿の見えない存在にその身を助けられる。

 

しかし、姉はその事に気付かずただ妹の名前を悲痛に叫ぶしか出来なかった。

 

「セレナァ…セレナァァァァァァ!!」

 

 

 

 

 

 

 

****************

 

 

 

 

 

 

 

 

セレナの救出完了!しかし、危なかった。あのまま押し潰されてたら流石に蘇生とか無理だから。

 

私はセレナを下ろして治療を開始する。と言っても師匠が賢者の石〈ラピス・フィロソフィカス〉作る過程で出来上がった師匠お手製の〈パナセア〉なんだが。万病に効く〈エリクサー〉を作るつもりだったらしいがどんな傷でも治せるものになったそうだ。ちなみに既に師匠は〈エリクサー〉を完成させているらしい。師匠は底がしれない。

 

そしてそんな〈パナセア〉をセレナにぶっかける。気絶してるからそもそも飲んでくれるかわからんし。ぶっかけるだけで効果あるからね。するとセレナの出血は止まり呼吸も安定してきた。念の為心臓の鼓動や心拍数なども測るが特に異常はない。

 

とりあえず問題無さそうなのでセレナの真横にテレポートジェムを叩き付けて隠れ家に転送する。

……よし、他の私と同じく研究施設の聖遺物やデータをぶんどるぞぉ。師匠も聖遺物に関しては喜んでくれるし。

 

私は比較的に損害が少ない場所に向い探索を始める。暫く捜索していると見覚えがあるものを見つけた。

 

「シンフォギア…」

 

戦姫絶唱シンフォギアでもっとも重要な存在、ノイズを倒す為に生まれた、その名前をシンフォギア。正式名称FG式回天特機装束。それが今ここにあった。

しかし、不思議な事に中には聖遺物が納められていない。シンフォギアは聖遺物がなければ動かないのだ。

しかし、ひとつの結論に行き着いた。

 

「シンフォギアシステムそのものの解析か」

 

櫻井理論にもとづいて作られたシンフォギアは櫻井了子、フィーネにしか作り出せない、まさにブラックボックスの塊、それを解明しようとしていたのか?

ありえない話では無い。シンフォギアのシステムを暴けば異端技術は確実に次のステージに進める。特にノイズに対するシンフォギア以外の対抗策を得ることが可能かもしれない。

 

とりあえず考え事はここまでにして中身が空のシンフォギアをぶんどる。私、響と違ってシンフォギア纏え無いからね。響に刺さったのはシンフォギアで構築されたプロテクターの欠片だからね、シンフォギアの機能があるのは頷ける。しかし私は単純に聖遺物と融合しただけだからシンフォギアなんて纏えない。だからこれを機にシンフォギアを纏ってやるぜ。フェンリル使えばもはや適合係数とか無関係だし、だって私自身だもんね。

 

その後も探索を続けあらかたデータや聖遺物をもらって他の私と合流しテレポートジェムを使ってお家に帰った。

今回に関しては一言火事場泥棒たのちぃ。

 

 

 

 

 

 

 

****************

 

 

 

 

 

 

 

数日後隠れ家にて

 

 

 

今私はセレナのベッドの横で本を読んでいる。師匠に『お前さんが連れてきたんじゃからしっかりと面倒を見るのじゃぞ』と言われたので付きっきりで看病をしています。傷とかはないのだが目を覚まさない。私も師匠も医者では無いので理由とかはわからないけどまぁ、そのうち目覚めるだろとの事で栄養摂取の為の点滴だけつけてる。師匠と私はわからないことに関してはまじでヤバいこと以外は楽観視するからね。

 

そんなこんなで私が本を読んでいると・・・

 

「う…ううん…あれ、私……」

 

どうやらセレナが起きた様だ。

 

「おはよう、お目覚めかな?」

「…貴方は?」

「…そうだね、フェンリルと呼んで欲しいかな」

 

今は本名を秘密にしておこう。この子は将来響達と合流させるつもりだし、そこから私の本名がばれて二課が大きく動けばアダムに気付かれる可能性もあるからね。たとえ極小数の可能性でもそのせいで家族に迷惑がかかるのは避けたいから。アダムなら人質とかも平気でとりそう。

まぁ、最近は、原作で神殺しであるはずの響を騙したりして神殺しを戦力に加えなかったし。あくまで自分で神殺しを完遂してこの星の支配者になりたいようだし。響にバラルの呪詛の真実や神シェム・ハについて話して協力しようとすれば協力自体はできるはずだけどそれをしない。組織幹部達も最終的に裏切ったし。

おそらく私も手に入ったら程度の代物かこれからに役立ちそうな実験体といったところだったのかな?

なんかプライドクソ高かったし。

 

話がズレた。

 

「君はネフィリムについて覚えているかい」

「…そうだ、私、絶唱を歌って……姉さん達は無事ですか?」

「あぁ、無事さ」

 

あの時念の為にマリア、調、切歌の無事は確認してある。

 

「よかった……じゃあここはF.I.Sの医務室…」

「いや、ここはF.I.Sじゃないよ」

「え?」

 

セレナは困惑したように言葉を発した

 

「いわゆる私は誘拐犯になるのかな?」

「どうして…」

「あ、理由かい?君を助けるためさ」

 

まぁ、純粋に助けたかったからしたんだし

 

「簡単な話さ、君はあの時絶唱を歌った。しかし周りはどこもかしこも崩壊していた。あの後君は迅速な治療を受けて生き残れたかな?私は、そうは思わないね。それに君はあと少しで瓦礫に押し潰されてただろうし」

「でも誘拐なんて」

「あぁ、君、運良く生き残ったとしてもう一度同じ状況にならないと断言できるかい?」

「え?」

「君は絶唱でネフィリムを止めた、ならこう考えてもおかしくない『また暴走してもあの少女を使えばもう一度止めることもできるだろう』てね」

「そ、そんなわけ……」

「ほんとに?色々な場所から人をさらってきて実験で使い潰すような奴等だぞ?」

「……」

 

セレナは黙ってしまった。ナスターシャ教授とかはともかくウェルみたいな野郎もいるし。最終的には上のお偉いさん方が決める事だしな。

 

「それでもあそこには姉さんもレセプターチルドレンのみんなも」

「それは同情するが、帰ったら今度こそ死ぬぞ。それに君は既に向こうでは死んだ事になっている。大量の血とひび割れたシンフォギアが現場に残っていたことでな」

「そんな…」

 

セレナの顔は分かりやすく沈んでいる。

 

「君は生きていて、姉も生きているんだ。いつかまた会えるだろう」

「…そう、ですね」

 

まぁ、G編で再会するし最悪の形だろうけど。

 

「ところで君の名前を聞いてもいいかな」

「セレナ・カデンツァヴナ・イヴです」

 

実際は知ってるけど、知ってたら知ってたで怪しいからね。

 

「よろしくねセレナ。私はさっき言った通りフェンリルと呼んでくれ」

 

 




セレナの救出しました!


今回の主人公の戦利品
シンフォギア
聖遺物数点
F.I.Sのデータ
セレナ

ちなみにセレナもシンフォギアを新しくしようと考えています。もしこの聖遺物が良いとかあったら活動報告の方のアイディアを分けてくれの方にセレナの名前を加えた上で書き込みしてください


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紛争地帯バルベルデ

投稿ヤァーーーーーーー


 

私はバルベルデに来ています。

今度はセレナと一緒だよ!そしてここに来た目的はもちろんクリスとその家族である雪音夫妻の救助だ。ただしいつそれが来るとか分からなかったのでかなり前からバルベルデに来ている。暇な時は傭兵みたいな事をする程だ

 

そして少し前から雪音夫妻の護衛をしながら生活してる。だからかかなり前から雪音夫妻と親密になってきた。毎日の様に雪音夫妻は歌うから心地が良い。私の中のフェンリルもご機嫌である。

 

「フェンお姉ちゃん!」

 

そしてこの天使クリスである

私に走りよってきて抱き着いてくるとてつもなく良い笑顔の可愛い子である。この子が私に懐いてからもはや私は骨抜きである。

ただしクリスを見ていると響を思い出すので最近はホームシックになり始めている。あぁ、響が恋しいよォ。こっそり家に帰って響に抱き着いてヒビキニウムを取り込みたい。

今の所はクリスニウムとセレナニウムで我慢しているがそのうち禁断症状が出てきそうだ。

 

真面目に帰りてぇ、でも暗躍した方が色々やりやすいし二課に所属すると護国ジジィに目を付けられそうで嫌なんだよなぁ。あいつクズいし、やっぱ大人って一部除いてクソなんだなて思う。良い大人だけど組織のせいで本領発揮できないOTONAとか不器用な防人の父はまだ許せる。だが護国ジジィテメェはダメだ

まぁ、この世界が原作世界と同じとは限らないからな、そこら辺の判断が難しいんだよ。

とりあえず今はクリスの事に集中するか

 

「どうしたんだ?クリス」

 

私は笑いながらクリスにそう問いかける

 

「あのねあのね、パパがねクリスはきっとママみたいな良い歌手になれるって言ってくれたの。えへへ」

 

ああ^~浄化されるぅ。やはり天使やなクリスは

こんなクリスを利用したフィーネ許すまじ必ず償わせてやるぞ

……でもなぁ、フィーネもやり方が悪かっただけで恋する乙女だし。

あー、やめやめこういうのは考えないようにしよう。シンフォギア世界の敵はみんなしっかりとした信念があるんだし考えるだけ無駄だ。

だが護国ジジィに全裸局長、英雄キチあと核撃ったアメリカはテメェらはダメだ。てかよく考えたらアメリカて核とか月の軌道とかF.I.Sとかクズすぎね?アメリカは戦犯だった?他の国も知らないだけでやらかしてそう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある日

 

「フェンさん」

 

声をかけてきたのはソーニャさんだった

 

「どうしたんですか?」

「村の人が怪しい人影を付近で見たそうで、確認してきて欲しいんです」

 

どうやら仕事らしい

 

「わかった、セレナ行くぞ」

「あ、はーい」

 

子供達と戯れていたセレナを連れて行こうとすると

クリスが飛びついてきた

 

「お姉ちゃんどっかいっちゃうの」

 

涙目でそう聞いてくる

凄い心に来るからやめて、行きたくなくなるから。でもこれはみんなを守る為に必要な仕事なの

 

「少し、村の周りを見てくるだけだから大人しく待っててくれ」

「帰ってくるの?」

「あぁ、すぐに帰ってくるさ」

 

もちろんすぐ終わらせて来るさ!

 

「お母さんと一緒に待っていてくれ」

「うん」

 

そう言ってソネットさんにクリスを渡す

 

「お願いしますね」

「えぇ、こちらこそお願いします」

「がんばってね」

 

手を振るクリスに別れを告げ

森を探るが人の気配など無くフェンリルによって強化された私の嗅覚にすら残り香がない

 

「おかしい、人の痕跡が一切ない」

「村の人の見間違いでしょうか?」

 

セレナが言うようにそれだけなら良いのだが

 

ドオォォォォォン

 

すると突然村の方から爆発音が聞こえてきた

 

「ッ!?セレナ!」

「はい!」

 

私はセレナと一緒に急いで村に戻る

そこはあたりは火がごうごうと燃えていて多くの怪我人がいた。私は急いでクリスと雪音夫妻がいる家へと向かう

家は崩れていてその目の前にソーニャさんが座り込んでいた

 

「ソーニャさん!」

「あ…フェンさん」

 

ソーニャさんは特に外傷は内容だ

 

「何があったんですか」

「夫妻へのプレゼントの中に爆弾が紛れていて」

 

その言葉と共に私は動いていた

 

「セレナ!薬の準備!」

「は、はい!」

 

私はそのまま目の前の燃え盛る家に飛び込む

しかし家は爆弾の影響で崩れていて捜索が難しい

私はとにかく瓦礫を吹き飛ばし夫妻を探す。すると夫妻が抱き合うように倒れていた。私は急いで夫妻を助け出すと家の外に飛び出す

 

夫妻は火傷は少ないがぐったりしている。息はしているようだ。しかし雅律さんは背中の怪我が酷いきっとソネットさんを爆弾から守ったのだろう。私は二人の状態を確認し先にソネットさんに〈パナセア〉を投与し、雅律さんは身体に刺さった破片を取り除いた上で〈パナセア〉をかける。そして二酸化炭素中毒になりかけていたために酸素マスクをつけ、治療が終わった。

そこでクリスがいないことに気付く

 

「ソーニャさん!クリスは!」

「わかりません。何処かに走り去って行って」

 

私は急いでクリスの匂いを嗅ぎ行き先を探る

そして見つけた

 

「セレナはこのまま夫妻の様子と他の村人達の救助、もしかしたら兵士が来るかもしれないから武器も出しといて!」

 

ここは紛争地帯バルベルデ爆弾なんて仕掛けるのは敵兵の可能性が高い

 

「……はい」

 

セレナは人の命を奪いかねないことに臆しているのだ。それ自体は人として当たり前だし、人を殺したくないというのは美徳ではある。だが大切な人かそれを奪う他人かなのだ。しかし

 

「殺す必要はない、セレナの好きにしてくれ」

「っ!はい!」

 

別に殺傷武器以外も持ってきてるし。無理に殺す必要も無いからな

 

私はセレナに指示を出し終わると急いでクリスの後を追いかける。子供の足ではそこまで遠くに行けないはず

しかし途中でクリスの匂いが続く道に真新しいタイヤ痕が着いていた。

拐われたか、待ってろ!

私はさらにスピードをあげてかけ出す

 

 

 

暫くすると車が見えてきておりそこからクリスの匂いが漂ってくる。私は普段つけている封印を一つだけ解く

 

「レージング解除」

 

その声と共に私を縛る枷がひとつ解ける

そうすると力が湧き上がる

助走をつけ飛び上がり走行していた車二台のうちの先頭車両をかかと落としでボンネットを潰す

すると後ろの車両がブレーキを踏み止まる

私は蹴り潰した車両を蹴り飛ばしどける

するとガソリンが引火したのか爆発を起こす

 

もう一つの車両から武装した人物達が現れるが見かけた瞬間に近付きその首だったり胴体、手足を引き裂き絶命させる。そして武装した人間達を殺し終えた後車両の荷台を開けるとクリスがいた

 

「クリス」

「……フェンお姉ちゃん……」

 

クリスは最初怯えていたが私の声を聞くと顔をあげ私の名前を呼んだ。そして私に走りよってくる

 

「ふぇんおねえぢゃ゛ゃ゛ゃ゛ん゛」

「よしよし」

 

私は抱きとめ泣くクリスをあやし泣き止むまで優しく頭を撫でた

 

 

 

 

 

 

暫くするとクリスは泣き疲れたのか眠ってしまった。私はそのままクリスを抱きかかえて村へと戻った

 

すると村には日本の有名な赤い十字模様の方々が来ていた。村人が呼んだらしい。それと敵兵も来たようだがセレナが無力化したようだ、その戦闘による死者は0さすがはセレナである。

その後クリスも団体に保護され雪音家族は一時帰国する事となった。雪音夫妻への迅速な治療があったために重症には至らなかったそうだ。良かった、さすが師匠の薬だ。その後私達は紛争地帯から抜けると赤い十字模様の方々が送るそうなので紛争地帯を抜けた際に団体に任せて家に帰ることにした。

その後クリスがいなくなったというニュースを見つけたフィーネは絶対に許さないと思った

 




ちなみにこの時のクリスは親の無事を知りません。村についてた時は寝ていたし、村からの移動は次の襲撃があるかもということでかなり迅速に行われました。そして移動後も親とは離されていてなおかつクリスが拐われたのは赤い十字模様の方々が目を離した隙に行われました。
フィーネにとってクリスをいい駒にするには親が生きている事を知られると困るからです。この事からクリスは親が死んだと思い込んでいるため原作クリスあまり違いはありません


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惨劇のライブ

今回は主人公がシンフォギアでの初戦闘です
文字色とかは良い感じの無かったので響と同じ色を採用!
聖詠もオリジナルです。


 

日本よ私は帰ってきた!!

ついに私は日本に帰ってきた既に私も18歳、歳食ったなぁ。そして響は13歳、響がガングニールを受け取る時が来てしまった。出来れば響が怪我するのを阻止したいが響が装者にならなきゃ世界が終わる可能性が、あぁ、無力なお姉ちゃんを許してぇ!!

 

とりあえず今回のライブでの計画はライブが始まった時点で自己増殖で増やしに増やしまっくた私で避難誘導と爆発と同時にいくつかの壁をぶち抜いて別の通路を作り出すこと、そして自己改造で変装させた私を観客に紛れ込ませノイズの盾になる事。ライブ生存者への迫害なんてさせん!私が響を守るんだァ!!

 

という訳で現在既にライブ会場でスタンバってる響も既に見つけて眺めている。……どうして響に会えないんだ。クソォォォォォ!護国ジジィとか全裸局長とかいなかったら全力で響に会いに行くのに!!やはり許さねぇぞ。

心のメモに二人は苦しめて殺す事を書き記す。

 

……にしもなんか響が大きくなったのは嬉しいんだがなんかグレ響みたいになってる気がする。…あれ?これ私のせいか?私が拐われたからなのか?あの輝く元気の塊の響の笑顔が見れないなんて。あの大輪の花が咲くような笑顔が見れないなんて!でもグレ響もクールでカッコよくて良いんだよねぇ!!

……ダメだシスコンが大爆発している。俺は前世男だったんだぞそれがさっきの発言をしていると考えろ。

……ヴォエ!

クソ、キモすぎるぜ。少し自重しよう

 

 

 

 

そしてライブが始まった

やはりツヴァイウィングは良い。両翼揃った二人は良いなぁ。これを失わせたノイズ許すまじ。

そうして1曲目が終わった時爆発が起こった。

おー、これがネフシュタンの鎧の暴走かあ。景気良いな

そんな事を思っているとノイズが出てきた。

さーてと、お仕事お仕事。自己改造をした自分が次々に観客に紛れて観客の身代わりになっていく。本体さえ生きてれば問題無いけど自分が炭素になってくというのを見ているのはなんか嫌だな。

て、あ、逃げる観客がやりやがった。避難誘導してる私が押し倒されて殺られた。おめーら少しは落ち着けらゴラァ

私が生き残れるようにしてやってんだぞ。あー、ほらほらー、何人か殺られてんじゃん。私が色々した意味が……

ハァー、いやまあ期待はしてなかったよやっぱりみんな自分が可愛いんだな。ハァー、急にアホくさくなってきたわ。まぁ、最後まで面倒を見てはやるか

そんな事を思っていると

 

Croitzal ronzell Gungnir zizzl(人と死しても、戦士と生きる)

Imyuteus amenohabakiri tron(羽撃きは鋭く、風切る如く)

 

聖詠が聞こえて来た。そしてこの二つはアニメやアプリで散々聞いた声だ。天羽 奏と風鳴 翼の双翼がそこにはいた。

双翼の二人サイコー!!

 

まぁ、こんな馬鹿な事考えるのはここまでにして私もスタンバイするか。

それから二人の戦いを見ていると響が観客席から落ちそして天羽 奏が響を守りそのシンフォギアの欠片が響を貫き天羽 奏が絶唱を歌おうとした瞬間私は降り立った

 

 

 

 

************

 

 

 

 

side天羽 奏

 

「クソっ!」

 

時限式じゃあここまでなのか。あたしらのライブに突如出現したノイズども、応戦しちゃいるがLiNKERを突然の事で使えていないあたしじゃあ。

そんな時悲鳴が聞こえてきた。小さい子供の1人だった

あたしは急いで駆け出して少女目掛けて飛びかかるノイズ共を切り払う。

 

「走れ!」

 

少女にそう声をかけてとにかく守る。

だけどあたしの砕けたシンフォギアがあの子に突き刺さっちまった

 

「おい!大丈夫か!」

 

少女は胸から血を流していやがる

 

生きるのを諦めるな!

 

少女は目を少しだけ開いているようだ。良かった

あたしはそのままその子を地面に寝かしてノイズに向かって歩き出す

 

「あたし、一度胸を空っぽにして歌って見たかったんだ」

「かなでぇ!!歌ってはダメェ!!」

 

あたしはそうして絶唱を歌をおうとして

止められた

 

「そこまで」

 

 

 

****************

 

 

 

 

 

「そこまで」

 

私は天羽 奏の絶唱を止める

 

「な、あんたここは危ないんだぞ!早く逃げろ」

 

いやぁ、それあなたが言いますかね

 

「まったく、人に『生きるのを諦めるな』なんて言うなら自分が一番諦めちゃダメでしょ」

「えっ……」

 

自分を命を大切にして欲しいね

 

「まぁ、ここは私に任せて休んでな」

「あんた何を言って」

 

私は懐から〈パナセア〉を取り出して天羽 奏にぶっかける

 

「わっぷ……いきなり何すんだよ!」

「さっさとあの子の近くで安静にしてろ。怪我人が」

 

私はそう言い残してノイズに向かって歩き出す

そうして私は自身の怒りを吐き出すように

 

私の歌を聞けぇぇぇぇぇぇえ

 

そして聖詠を紡ぐ

 

Roar Fenrir rize tron(神狼は咆哮し、人は歌う)

 

すると私に次々にプロテクターが装着されていく。

色は黒を基調としている。足のプロテクターは狼の脚のような形をしており三本爪が特徴的だ。そして腕のプロテクターは仮面ライダーOOOのトラクローのような巨大な爪が折り畳まれており指先すらも凶器のように鋭い。そしてヘッドギアは装着されると顔を完全に覆うフルフェイス型であり、狼を彷彿とさせる形をしている。腰部に小型の三門のブースターが二つ取り付けられる。そして胸部を守るようにプロテクターが装着される。他にも肩や背中等にもプロテクターが装着された。他のシンフォギアに比べ多くのプロテクターをが取り付けられた状態であった。

 

「…シンフォギア」

「あたしら以外に」

 

奏と翼は驚いているようだ。しかし私のシンフォギアは少々違う。聖遺物の力を増幅するのではなく私の中の力を引き出して戦うための鎧と化すのだ。本来のシンフォギアみたいに力を増幅する必要が無い、そのため歌を歌わずに戦えるが歌自体は戦闘のドーピングみたいな物になる。

 

 

〈戦闘曲:Survivor〉

 

 

まわりまわって さぁ今 重なり合った未来 We are 最後のサバイバー

 

私はノイズ達に突っ込む。拳や脚でノイズを砕く。基本私は徒手空拳で戦闘を行う。それこそ武器は己の身体、そして腕部の巨大な爪だ。そして炎

 

どうにかなりそうだよ 偽装した理想 思想 どうにかしてくれよ 武装した野望 希望

 

フェンリルは伝承に炎吐くと言われている。故に私も炎扱える。その炎でノイズを焼き払う

 

我流・獄炎熱波

 

機械のような奴らに 支配される前に居場所を探せよ!

 

腕部の爪を展開しエネルギーを回す。すると赤黒く光る、そして爪を振るうと斬撃が飛ぶ

 

我流・神狼ノ爪撃

 

まわりまわって さぁ今 重なり合った未来 手を取りあって僕ら 地を這い立ち向かうよ まわりまわって さぁ今 宇宙(そら)に放った願い We are 最後のサバイバー

 

次々にノイズは砕けて行く。だが減っている気がしない。やはりノイズは操られている、フィーネめ。

 

私はより早くノイズを殲滅するため封印の一段階の解除とデュオレックを行う。その聖遺物は

 

「レージング解除。力をよこせレーヴァテイン!」

 

次の瞬間私を光が包みギアがその形を変える。

黒かったギアは赤色を加えて鮮やかなカラーリングへと変貌し炎を思わせる。ギアの形が所々鋭角に変化し流線型になる、ギアもより鎧を感じる形になる。そして頭を覆うフルフェイスも狼のような形を残しつつもより人型に近い形状へと変わった

 

そして特徴的な真っ赤なまるで炎そのもののような大剣が腕に握られている

 

走れ走れ走れ 疲れ果てるヒマもないほど 魂鳴らせ

 

私は無造作に剣を振るう。それだけで広範囲のノイズを斬撃とともに炎が襲う。

 

生きて生きて生き て友を守るその手は 人類史上最強の武器だろ?

 

私は両手で剣を握り右肩に乗せるように構える。左足を前に出し右足を引く。そしてフォニックゲインを剣に込める。すると剣は赤熱し膨大な熱を放出する。そして形をより大型な大剣へと姿を変えた。

 

我流・終焉ノ炎剣

 

負けてたまるか! やがて叶った夢を 守り続けるから We are 最後のサバイバー

 

その一撃は周囲に膨大な熱を撒き散らしながらノイズを消し去って行く。その一撃は伝説に違わず、終わりをもたらす一撃であった。

 

We are 最後のサバイバー

 

ノイズは一体も残ること無く炭へと帰った。私は踵を返して歩き始めた。すると

 

「待ってくれ!」

 

奏が呼び止めて来た

 

「あ、あんた一体……」

「…フェンリル、そう呼べ。それと、天羽 奏、怪我人は大人しく看病されていろ」

 

私は奏の質問に答えると、そのデコを弾いて転ばせる。さっさと寝ていやがれ

 

「奏!」

 

どうやら翼が来たようだ

 

「あなた、何者…」

「風鳴 翼、早く、相方を看病してやると良い」

 

そう言って再び歩を進める。翼ははっとしたように奏に近付いて行く

 

そして私は響の前に来る。私は響の前に座り込むとヘッドギアを取り外し顔を露わにする。

そしてパナセアを少しだけかける。下手に治しすぎると破片が取れなくなるし、医者に不審に思われる。

私はそのまま響の頭を撫で始める

 

「……大きくなって。不甲斐ないお姉ちゃんでごめんね。一緒に居てあげられなくてごめんね。もっと響の近くで見守ってあげたかった。普通の姉妹みたいにショッピングしたり、一緒に遊んだり、もっと普通の事が一緒にできたらどんなに良いか。でもごめんね響…私、まだ帰れそうにないや。でも待ってていつか必ず帰るから、響の元に家族の元に」

 

そう言った私は少し泣いていた。

……へへ、情けないな、こんな事で泣いてちゃ世話ないよ

最後に響の額へとキスをする。

私は響を抱え歩き出す

 

「ま、待ってくれ。まだ言いたい事が!」

 

奏がそう言ってくるが

 

「この子を運ぶだけだ、怪我人だからな。それよりもあんたも無理したんださっさと寝てな」

「あ、おい!」

 

私はそのまま響を抱えて外に出て救急隊員の方に預けた。これにて惨劇のライブは幕を下ろした




そういえばスルトの炎剣をレーヴァテインと同一視するのって日本だけらしいですよ。今回はスルトの炎剣=レーヴァテインなのであしからず
ちなみに主人公の強さは完全封印で装者並、レージング解除で装者以上OTONA未満、ドローミ解除でOTONA級、グレイプニル解除で最強生物。ちなみに人間状態<獣人状態<狼状態の順で強さが変わります。主人公はワンピのゾオン系の能力者みたいに変身できます

今回の使った歌は鉄血のオルフェンズのSurvivorです。歌詞はお話の関係上一部を飛ばしていますのであしからず


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ライブのその後

暇だから本人2回目の投稿


 

ライブの惨劇

それはツヴァイウィングのライブ会場に突如としてノイズが出現しライブ会場の10万に近い観客のうち5457人の人間が死亡並びに行方不明になった。しかしこの数は主人公が語る原作の世界であれば12874人の大人数であった。これはひとえに主人公の頑張りによるものである。なお今回の出来事で死んだ主人公の自己増殖体の人数は5246人である。ほとんどがノイズに炭化されたのだが一部は逃走中の将棋倒しによる圧死や、 避難路の確保を争った末の暴行による傷害致死だ。人とは死を前にした時に本性が現れると言うがその通りだ。

 

そして5457のうちノイズによる被害はわずか1/3でありそれ以外が人によるものである。原作とは人数が変わっただけでその本質は変わらなかったようだ。

 

その後は原作の様にライブ参加者に対するバッシングが起こった

 

死者の大半が人の手によるものであることから、 生存者に向けられたバッシングがはじまり、 被災者や遺族に国庫からの補償金が支払われたことから、 苛烈な自己責任論が展開されていくのであった。

 

週刊誌の記事内容は取材に基づいた正確なものであったが、 気持ちを煽る華美な修飾語の数々に踊らされた人々は、 正しさを振りかざし、主にインターネット上に持論を繰り広げる。 それはやがて、この事件に関係もなければ興味もない人間までも巻き込み、 ある種の憂さ晴らしとして狂熱的に扱われることとなる。

 

心ない中傷も、 マジョリティという後ろ盾に支えられることで正論と化し、 自分の意見でなく、 「他のみんなも言ってるから」という正体を失った主張がまかり通ると、 もはや、中世の魔女狩りやナチスの蛮行にも等しい、 正義の暴力として吹き荒れるのであった。

 

善良な民衆が懐く市民感情は、 どこまでもねじれ、肥大化し、ただ「生き残ったから」という理由だけで、 惨劇の生存者たちを追い詰めていく。 もちろん、一連のムーブメントに対する反対派も存在していたが、 付和雷同という大多数の民衆が持つ本質によって封殺され、 しばらくは大きなうねりの中に埋没することを余儀なくされていた。

 

そして立花 響も例外ではない。

しかし、それを良しとしない極度のシスコンが一人ここにいた。その名を立花 牙、彼女は自身がパヴァリアに狙われているかもしれない状況でそれを無視しテレビの前に躍り出た

 

 

 

************

 

 

 

 

バァン

 

それはテレビ画面の中から突如として響き。映っているテレビスタジオでは悲鳴があがっていた。現れた人物は全身に謎の鎧を纏い片手には一人の人間、そして片手にはノイズ、そして二匹の狼を連れていた。現れた人物は、ハデスの隠れ兜のファウストローブを纏った、立花 牙、その人であった。

 

謎の人物はカメラに向かい何かしらの機械のようなものを向けると日本中の機械をハックしカメラからの映像をスマホや街頭モニター等に流し始めた。日本中の国民は突如として現れた謎の人物に首を傾げた。

 

『私の名はフェンリル、そう呼んでもらおう』

 

そう名乗りを始めて話し出した

 

『今回私がこのような場を設けたのには理由がある。簡単な話だ、現在起きているツヴァイウィングのライブの生き残りに対するバッシングを即刻やめる事だ』

 

そう言い放つ

しかしここでテレビスタジオにいた男の一人が言い放つ

 

『な、何を言い出すんだ!あんな、殺人犯どm……』

『スコル、ハティ、遊べ』

 

謎の人物のそばに控えていたスコルとハティと呼ばれた狼が口を挟んだ男を玩具にしズタボロにしていく。男は悲鳴をあげていたがそのうち男の肉が裂かれる音や肉が地面に叩きつけられる音しか響かなくなった

 

『まったく、まだ私の話が終わっていないだろう』

 

人々は恐怖した、少し口を出した男を謎の人物は狼の玩具へと変えたのだ。もはや男は生きてるかも怪しい

 

『さて、話の続きだ今現在起きているライブ生存者に対するバッシングをやめてもらおう。期間は一週間、その間にライブ生存者への謝罪や賠償、ライブ生存者に対して暴行を働いた物は自首及び警察による逮捕。それが望みだ。それが行われなかった場合』

 

そう言って謎の人物は引きづっていた男を放る。

 

『この、ライブ会場で押し潰されたとことによる怪我を負った少年をいたぶった男。この男のように消えてもらう』

 

そう言うともう片方の手に持ったノイズを男に放った。

すると、男はどんどん炭化していき炭消えた

この時理解したこいつは本気だと。今まで謎の人物が持っていたの何かしらの人形と思っていた人々は信じざるを得なかった。

 

『まぁ、感情に流され。中世の魔女狩りやナチスの蛮行のようなことをする人間どもにはあんまり期待してないが。あぁ、そうだ既に一部の人間は粛清しておいた。』

 

それはもちろん響の周辺にいた者達である

 

『まったく、死者や行方不明者5000程だと言うのに9万にものぼる生存者をバッシングするなど馬鹿だろう。9万人全員が人殺しなら死者は9万人いなければならないだろうに』

 

全くもっての正論である

 

『これだから人間は嫌いなんだ。間違いをさも正義と語り、多くの人間がそうだからと周りに流され、自身の憂さ晴らしの為に他者を貶める。醜すぎて反吐が出る。貴様らが語る正義など他者を貶す為の詭弁でしかない。不愉快、とても不愉快である。

あぁ、そういえば知ってるか今回の出来事での死者、行方不明者数を?今回バッシングによってでた被害は実に3万を超える、その殆どが自殺だ。他にも行き過ぎ他暴行による死亡それを警察側が隠蔽するなど、いつからこの国は私刑がまかり通る国になったのだ?海外に逃げた人間もいるそうだ、こんな国には居たくはないだろうな』

 

謎の人物は不平不満をぶちまける。どれもこれも人々にとっては耳が痛いものだった

 

『最後に私からひとつ、正義の尺度は多数の声にあらず、正義と悪の真実はこの世に存在しない。場合によってそのあり方を変える。正義だ悪だくだらねぇ!!ホントの答えなんて世界中探してもありはしねぇ!善も悪もてめぇらの勝手な尺度だ!その尺度で他人不幸にしてんじゃねぇぞ!他人から幸せ奪うって事は自分の幸せが奪われる覚悟があんだろ?覚悟しときな』

 

そう言い残した謎の人物はテレビから消えた。

その後日本中ではバッシングに対する謝罪や賠償、それに関連した報道も行われ。多くの人間が逮捕や仕事の解雇等をされる事態となった

そして期間をすぎても約束を守らなかったもの達は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前らは、奪われる覚悟があるんだな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多くが無惨な死体となって見つかったという




ちなみに主人公は自身を正義とは思わず悪ともに思わずただ単に自身の独自の判断基準で動いています。
正義だ悪だなんてこの世から一生消えて無くならない名大みたいなもんですよね
とりあえず個人的にはライブ生存者にバッシングをしてた奴らは全員○ねば良いと思う

あと2〜3話とか感想で次回響のことについて書くとか言ってごめんなさい!あと少し原作までありますし。響については次回描きます


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響の振り返り

今回は響のライブの振り返り心情を見ていきます
ちなみに今作の響はグレ響のようで原作響です。グレ響より原作響だけど原作響よりもグレ響な響です
自分で何を言ってるのか分からなくなってきた


 

 

ある日、私は親友の未来と一緒にライブに行く事になった。ツヴァイウィングというユニットらしいが普段から武術のトレーニングをしている私には、無縁だった。この時私はトレーニングをしていた方が有意義だと思ったけどせっかく未来が誘ってくれたから行ってみる事にした。

 

だけど当日未来は親戚の人が怪我をしたらしく急遽家族で病院に行く事になって結局私は一人でライブを見る事になった。

ライブはとても凄かった。言葉では言い表せないような心が踊る感じがした。でも同時に昔よく歌ってくれていたお姉ちゃんを思い出した。そんな時、突然爆音が響いた

 

それとともにアイツらは現れた〈ノイズ〉突如現れては人を炭素に変える化け物、次々に人を炭素に変えるアイツらに私は動けなかった。目の前の出来事が現実に感じれなかった。そんな時歌が聞こえた、そっちを見ると歌手の奏さんと翼さんが変な格好をしてノイズを倒していた。私はそれに驚き、同時に逃げなければという思考を思い出した。そして動き出そうとした私は席が崩れ落ちることになった

 

なんとか大きな怪我はなくてでも気づいたらノイズがこっちに向かってきていた、そんな時私はふとコレで終わるのかな。なんて思ってた、お姉ちゃんが消えたあの日から過ごす日々が色を失った楽しかったはずの遊びも綺麗だったはずの花も灰色に見えた。ここで消えたらこんな灰色の世界から消えれるのかなと思っていた

 

でもそうはならなかった、奏さんが私を守ってくれた。そして私は走った。結局、諦めることなんて簡単にできなくて走った。

けど結局私の胸に何かが刺さった。私は飛ばされて胸からは血が沢山出て、そっからは夢の中にいるようだった

奏さんが言った『生きるのを諦めるな』とその言葉でやっぱり私は、この世界に未練がたらたらできっとお姉ちゃんにまた会えるって思ってるんだと感じた。あれから六年情報すらなくて

 

そんな矢先に歌が聞こえて来た。優しくてでも力強いまるでお姉ちゃんが歌ってくれた歌みたいだった。そして気づいたら声が聞こえてきた。お姉ちゃんの声だった。頭も撫でられてその手つきはやっぱりお姉ちゃんで

普通の姉妹みたいに遊びたかった?ホントだよ私を一人にして、ただ隣に居てくれればよかったそれだけで毎日が楽しかった。私のお姉ちゃん、私のお星様(輝いていた人)

早く帰って来てよばか……

 

そして目覚めたら病院だった。目が覚めたあとお父さんやお母さん、未来が来てくれた。私ってこんなに大事にされてるんだなって感じた。そして枕元にスズラン花が置いてあった。そして一緒に手紙が添えられていた、そこには

 

 

 

 

必ず帰るから

愛してる

 

 

 

お母さんが言ってた、スズランの花言葉は『約束』だって

この日少しだけ私の世界に色が戻って来た気がした

 

それから私はリハビリをして医者の人がびっくりするぐらい早く回復して退院した。

そして退院した私に待っていたのは酷い現実だった、学校の人からはいじめられ先生も見て見ぬふり、さらに見知らぬ人からも家への落書きや石を投げられるしまつ。

 

そんな日々を送っていたけど突如として私の生活は元に戻った。突然として全国のテレビなどにとある人が映ったのだ、その人はフェンリルと名乗ってライブ生存者に対するバッシングについては辞めることを訴えた…いや、違うかな、強制したって言った方が良いのかな。その人はノイズを何故か掴んでいてそれを使ってライブ生存者の人に酷い暴行をしたらしい人を炭素に変えてしまった。そしてさらにテレビスタジオにいた男性は狼に噛み付かれたり引っ掻かれたりした、あの後生きてたらしい。

 

その人は生存者へのバッシングをやめさせるのと愚痴みたいなのを言って去ってた。

その人の言葉を聞いて私は昔お姉ちゃんに言われた言葉を思い出した

『響、正義てなんだと思う?『良い事!』ふふ、じゃあ良い事てなあに?『え、えと、優しくする事』、響は良い子なんだね』

そう言って撫でて来たのを覚えている

『でもね、響、世の中の正義や悪なんて結局人それぞれなのよ、お腹を空かせた子供にとって盗みは自分の飢えを満たす正義、だけどそれは他の人には悪。……ふふ、少し響には難しかったかしら。』

結局その時の幼すぎる私にはよく分からなかった

『まぁ、私が響に言える事は、知りなさい。相手の事を知ればきっと違う事が見えてくるはずよ。あなたはあなたがしたいことを心にしたがって、みんなの正義じゃなくてあなたの正義を貫きなさい。それがきっと、一番後悔しないあなたの道だから。……なんでこんな小難しいこと響に話してるのかしら』

お姉ちゃんは時々難しい話をする人だった

 

そしてこの言葉を思い出した私は、この人の人殺しはきっと悪い事、でもこの人の人を救いたいという思いは良い事。だからこの人はきっと良い人なんだと思う。私もあの人に救われたからきっとそうなんだと思う。きっとこの人も自分の正義を貫いて、後悔しない生き方をしてるんだ、そう思った。それはそれとしてやっぱり人殺しは良くないので複雑な気持ちを覚えた

 



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遭遇する二課

 

「ノイズの反応を検知!」

「基地からおよそ2km!」

 

そこは日本政府が作ったとある組織、特異災害〈ノイズ〉に対抗する為に作られた組織特異災害対策機動部二課の司令室であった。

 

「急いで、奏と翼を現場へ送れ!」

 

ノイズが現れた際はシンフォギアにて対抗する。世界で唯一の対ノイズ組織。

そんな組織に今日は変化があった

 

「!?司令!ノイズの数が急激に減って行きます!」

「アウフヴァヘン波形をキャッチ!未確認の反応です!」

「特定急げ!」

 

装者は未だ現場に着いていないにも関わらずにノイズが数を減らし未確認のアウフヴァヘン波形が観測される

 

「波形照合終わりました!出ます!」

 

司令室に映し出されたのは

 

 

Fenrir

 

 

「フェンリルだとぉ!?」

 

照合されたら波形はライブの惨劇に突如として現れた謎のシンフォギア装者と同じものであった。

 

「翼!奏!」

『どうしました?司令』

『どうしたんだ旦那?』

「フェンリルが現れた」

『『っ!?』』

「フェンリルに対しては二課に勧誘を行ってくれ。くれぐれも衝突しないように」

『了解しました』

『わかったぜ旦那!』

 

装者達は向かう謎の存在フェンリルの元へと

 

 

 

 

 

************

 

 

 

 

 

 

 

 

その人物はノイズに対して苛烈な攻撃を仕掛けていた。その様子はまさに獣

 

「あんのクソ共が!ピーーをピーーしてピーーなピーーでピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーー」

 

もはや禁止用語のオンパレードで様々なことをぶちまけるその人物は

 

「ストレス解消に付き合えや炭クズどもがァ!」

 

ただ単にストレス解消にノイズを相手していただけであった

 

 

 

 

私、立花 牙は怒っている。それは何故か、もちろんライブ生存者に対して行われた迫害にも等しいバッシング行為。

ほんとあのクソどもをピーーしてピーーでピーーなピーーにピーーピーーピーーしてピーーなめにピーーピーーピーーピーーピーーピーー

いけない、禁止用語すぎて世界から規制が入ったわね

とにかく私の苛立たは最高潮に達している。クズを粛清しただけでは収まらず。その矛先はライブで襲ってきたノイズに向いた。

それが現状である。ノイズの反応を検知したので思いっきりぶちころがしているところだ。

 

歌う歌なんかはジェノサイドな曲になっているからして私の心の荒れ模様はお察しだろう。マジで響に手を出したヤツらはピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーーピーー……ちっ、また世界から規制が入ったわね

 

 

そんなこんなで私が苛立ちをノイズにぶちまけていると

 

Croitzal ronzell gungnir zizzl

Imyuteus amenohabakiri tron

 

歌が聞こえてきた、二課の二人だろうか。無事なようで何よりだ。二人はそのままノイズに対処し始めた

そしてしばらくするとノイズはいなくなった。私は既に用がないので帰ることにした

 

「待ってくれ!」

 

しかし呼び止める者がいた

 

「天羽 奏か。どうやら無事だったようだな」

「あぁ、あんたのおかげでな」

 

うん、ほんと有象無象のクソどもはどうでもいいけど奏が助かったのは普通に嬉しい

そん時突然奏が頭を下げてきた

 

「ありがとう!あんたのおかげであたしは死ななかったし、あの時多くの人が助かったんだ!それにテレビでの発言、あたしらが何も出来なかったのにあんたが代わりにまた、助けてくれた。ほんとうにありがとう!」

「私からもお礼を言わせて欲しい。あなたのおかげで守れた命があったから。ありがとう」

 

奏の横に来ていた翼も同じくあ頭下げてきた。

こういうのは好感が持てる。結構キツめの脅しをやってのけたのにそれに対してやらせてすまないという謝罪ではなくそれによって救われた人がいるから感謝する。やっぱり謝れるよりは感謝されたほうが良いよね。私が勝手にやった事だしね

 

「……別に私がやりたいからやっただけだ。だが、その感謝受け取っておこう」

「へへ、ありがとな」

「感謝する」

 

うん、やはり良いなこういうの

そう考えていると

 

「と、そうだ。フェンリル。あんたにお願いがあったんだ」

「…お願い?」

 

お願いか、なんだろうか?なんて、まぁ予想はついている

 

「あたしらに…」

「断る」

「…へっ?」

 

どうせ協力してくれってことだろ

 

「あたしまだ言ってるの途中なんだけど」

「大方予想はついている。私を二課の所属にしたいのだろう?」

「……そう予想をして断るという事ですか」

 

翼が少し残念そうな顔をしている

 

「別に協力する事は全然良い」

「じゃあどうして」

「しかし、君達を信頼しても君達の上、政府は信用ならん。ライブ生存者へのバッシング、あれは日本政府がはっきりとした対処を取れば防げたはずだ。しかし、政府はその兆しを欠片とも見せなかった。助けるべき国民を見捨て、機密を大事にする。そんな組織に加わるつもりは無い」

「……耳が痛いお話です」

 

うん、ほんと個人的には二課行ってもいいけど他の日本政府なんかは信用ならんしそもそも護国ジジィとかマジで未だ本性掴めてないからな。

すると、翼と奏がアームドギアを向けてきた

 

「申し訳ありませんがあなたを拘束させていただきます」

「すまねえな」

「ふ、問題はない。お前たちも組織の者望まぬ戦いもあるだろう」

 

そんなやりたくないって顔に書きながら武器向けるんじゃないよ

 

「少し遊んでやろう」

「はは、なんでもお見通してわけか」

「かたじけない」

 

まず突っ込んで来たのは翼だった、綺麗な太刀筋でこちらに斬りかかってくる。私はそれを避ける、中々に早い斬撃だが私にとっては問題ない。時たま避けれない斬撃もあるが刀の側面を叩き軌道を変えながら対処する。

 

すると突然翼は後退する。すると私の目に飛びこんできたのは技を発射寸前までためた奏、

 

「いっけぇぇぇ!!」

 

LAST∞METEOR

 

巨大な竜巻が私を襲う。しかし

 

「レージング解除」

 

封印をひとつ解いた私は爪を展開しフォニックゲインを回す。そして竜巻を切りつける

 

「しっ!!」

 

我流・神狼ノ大爪撃

 

すると竜巻は霧散する

 

「うっそだろお?」

 

奏の事を顔は引きつっている

私が振り抜いた直後の硬直を狙い翼が技を放つ

 

「はぁ!!」

 

天ノ逆鱗

 

それに対して私はゆっくりと顔を向ける。するとフルフェイスの口元が開く。私はフォニックゲインをマスクに回す。するとマスクは凶悪な形へと変わりまさに獲物を喰らう口のようだった

 

「がぁ!!」

 

我流・神狼ノ大牙

 

マスクが天ノ逆鱗に噛み付くと爆音が響き

翼の天ノ逆鱗は砕かれ粉々になる

 

「なっ!?」

 

翼と奏、二人は自身の大技が防がれた事に驚き動きが止まった。しかし私にはそれで充分

今度は足にフォニックゲインを回す。そして走り出す

目にも止まらぬ速さで駆け、奏と翼の二人に蹴りを撃ち込む。

 

我流・神狼ノ脚技

 

すると二人は為す術なくアスファルトを転がる

 

「……はは、旦那相手にしてるみたいだ」

「その通りね」

 

二人は大の字で倒れて会話をしている

どうやらもう戦意は無いようだ

 

「せいぜい、頑張るといい天羽 奏、風鳴 翼」

「ぜってぇ追いついてやるぜ」

「望むところ!」

 

その会話を最後に私はその場を去った




えーと今回活動報告の方に募集している主人公のしよう聖遺物、及びデュオレリック、セレナの新しいシンフォギアの聖遺物にプラスして今回から主人公の技の名前と技の内容をプラスしようと思いますぜひ御協力ください!

次回は主人公VS OTONになります


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OTONAとの攻防

今回は未確認蛇行物体さんから頂いたアイディアを採用させて頂きました。アイディアありがとうございます!
他のみなさんもアイディアくれても良いですよ?


 

特異災害対策機動部二課は暗い空気に包まれていた

 

「……ほんとにやるんですか?」

「仕方ないじゃないそれが上からの命令なのよ」

「こういうのがお役所仕事の辛いところだ」

 

そう言いながら司令室に入ってきたのは風鳴 弦十郎、であった

 

「でも、一番辛いのは司令じゃないですか」

「だが、これで上も諦めがつくだろう」

 

今回実は二課に政府からフェンリルへの捕縛命令がくだった。二課の装者二人を軽くあしらう実力は確実にこの国の益になるとして。その命令がくだったのは二課司令、風鳴弦十郎であった。歩く憲法違反と言われる彼ならばという思惑である

 

「これでフェンリルが私に勝利すれば上もこれ以上何も言えないだろう」

「それは、そうですが」

 

司令室の人間全員は苦笑いだ。なぜならこの男、未来において完全聖遺物を素手で圧倒する男なのだ。その実力は本当に人間か疑うレベルである

 

「やるだけだ、それに彼女が捕縛されたとして大人しくこちらに従うとは思えんしな」

 

この会話の後すぐにフェンリルと風鳴 弦十郎の戦いは始まるのであった

 

 

 

 

 

 

****************

 

 

 

 

 

 

「…やるっての?」

「これも、仕事なんでな」

 

……はぁ、めんどくせぇ

なんでこんな事に、いや、理由はわかるノイズ駆除をしていた私に日本政府が風鳴弦十郎をぶつけて捕まえようって話なんだろうな。

……はっきり言っておバカでは?

いや、アイツらがただ単に私が融合症例と知らないから、捕らえてシンフォギアぶんどれば的なサムシングなんだろ?

まぁ、ノイズに意味が無いだけで風鳴弦十郎が日本の最高戦力みたいなところあるからな、あと護国ジジィ。

 

「……相手はしてあげる」

「すまんな」

 

はぁ〜、なんで私の前に出てくるのいやいややってるやつばっかなんだろ、てか風鳴弦十郎お前一番お役所仕事向いてないやろ。優しすぎんぞおバカが

 

「レージング解除」

 

さっさと封印の一段階目を解除する

 

『司令!フェンリルのエネルギー跳ね上がりました!』

「…そうか」

 

そういえばそういうの得意だったな二課の解析班

 

 

 

私と風鳴弦十郎は同時に駆け出した。

それぞれ右手を振りかぶる。そして振り下ろすと拳同士がぶつかり凄まじい衝撃を放つ。

そして私が飛ばされる

 

「ぐっ!」

 

やっぱりOTONAだなこいつ。マジでこれが生身の人間とか頭いかれてんだろ。

 

私は飛ばされるもすぐさま着地し、構える。すると足が飛んでくる

 

「フンッッ!!」

 

かかと落としが私の目の前を掠る

そしてかかと落としが落ちた地面はひび割れ隆起する

……うんほんと、おかしいぞこいつ

 

「ちっ、めんどくさい。ドローミ解除」

 

私はさらに封印を解除する。封印されていた力が体に戻ってくる。

 

『司令!さらにフェンリルのエネルギー反応跳ね上がりました!』

「なにっ!?」

 

そしてさらに

 

「ヴァナルガンド、力を示せ」

 

新たな聖遺物によるデュオレリックを発動する。

ヴァナルガンド、それはフェンリルの別名であり意味は〈破壊の杖〉、その力が解放される

 

ギアがその形を変えていく。本来のギアカラーである黒を基調にまるで氷のような透き通った装甲が追加されていく。今まで荒々しかったギアは幻想的な形に姿を変える。

そして腕の爪型のギアが形を変え手に収まる。その形はトンファーだ。そしてその全身からは冷気が溢れ出ている

 

『新たなアウフヴァヘン波形をキャッチ!フェンリルからです!』

「なんだとぉ!?」

 

風鳴弦十郎はどうやら驚いているようだった。

私はさっさと終わらす為にヴァナルガンドの力を使う

私のフォニックゲインがヴァナルガンドの力により冷気へと変換されていく

 

『フェンリルの周囲の温度急激に下がっていきます!既にマイナスを超えました!』

 

辺りが凍り、白く染る

 

 

我流・冥府ノ領域

 

そして私自身にも氷がまとわりつく

 

我流・神狼ノ氷装

 

その氷はただの氷にあらず。これすらもギアの一部である

獲物を追い詰め狩る、冥府の狩場。それこそがこのフィールドである。冥府の女王ヘルの兄弟である、フェンリルの聖遺物を使うからこそできる芸当だ。

 

「ぐっ」

 

風鳴弦十郎はとても辛そうだ。それもそのはず既にこの場は人間の生きていける限界である-50を越えようとしている。

いかに強かろうとも人間である以上は自然の摂理からは逃れられない。ちなみに私はギアのおかげで問題は無い

 

「フゥー、終わらせる」

 

私は駆ける。自身で作り出した白銀の世界はまさに私の世界、この世界で私に勝てる者はいない

そして私はさらに氷を纏っていくより厚くより硬く

そして駆ける私の横から氷でできた狼が現れ風鳴弦十郎に襲いかかる。

しかし風鳴弦十郎はそれに対処出来ない。あまりの寒さに体が鈍っているのだ。

氷の狼に動きを封じられる。そしてその氷の上から、氷によってその姿をより凶悪に変えた私のトンファーが襲いかかる。

 

 

我流・氷狼氷雪旋棍

 

そして風鳴弦十郎は吹き飛ばされる。そのまま私のフィールド外まで飛ばされた。

 

「ここまですれば良いかしら」

 

私はそのままその場を後にした

そこに残されたのは局所的な低温箇所と倒れた風鳴弦十郎であった




ちなみにヴァナルガンド自体はフェンリルの別名なだけで物体としてはありませんがシンフォギア世界は聖遺物がそもそも違っていたりとかざらにあるのでそうゆうものだと思ってください。
ちなみに実際はフェンリルは氷を扱いません。しかし兄弟に冥府の女王ヘルがいることから氷を使うというイメージが近年になってつけられたようです。だから神話にはフェンリルが氷を使うシーンはありません。よく見る氷狼・フェンリルは創作になりますね。
まぁ、こそら辺は複雑なので今作ではそういうものとして扱ってください

破壊の杖・ヴァナルガンド
氷の力を宿した杖状の聖遺物
その力は破壊の杖の名にふさわしく強大だ

フェンリルは兄弟に冥府の女王ヘルを持つゆえに氷に対しての親和性が高い。また怪物であるはフェンリルは同じ怪物に対しても親和性が高い。それは、フェンリルに合うように改造された主人公もまた同じである


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無印編
覚醒の鼓動


ついに原作突入じゃあ!
あとアンケートも実施してるからぜひお願いします
活動報告の方のアイディア募集もよろしくね
全然アイディアが来ないんだ


 

私の名前は立花 響9月13日生まれの15歳リディアン音楽院の一年生。血液型はO型身長は157cmスリーサイズは秘密体重も同じく秘密

好きな物は美味しいご飯にトレーニング、ツヴァイウィング、未来、家族、お姉ちゃん……

嫌いな物は身勝手な正義を振りかざすやつ、悪人、まずい飯、帰ってこないお姉ちゃん……

 

「はぁ…」

「どうしたの響?ため息なんかついちゃって」

「今日はついてないな〜て」

 

今朝は猫を助けたせいで遅れて、少し前にはコケて頭ぶっちゃうし。お姉ちゃんはまだ帰ってこないし

私がそんな事を考えていると

 

「キャーー」

「翼さんよー」

 

食堂が少し騒がしくなった

 

「翼さんだって響」

「あ、うん」

 

どうやらツヴァイウィングの翼さんが来たようだ。

二年前のあの日私は確かにノイズに立ち向かうツヴァイウィングの二人を見た。でもあの後調べてみてもノイズに対抗出来るものなんて見つからなくて何か知ったらまずい事と考えて、リディアンに入ったのに翼さんと奏さんにお礼すら言えてない。それに二年前の事は世間では触れてはいけないタブーとなっていた。主にフェンリルさんのせいだけど

 

だから私は遠目で翼さんを見ることしかできていなかった。お礼を言える日はくるのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

「急がなきゃ」

 

学校が終わった私は走っていた。今日はツヴァイウィングのCDの発売日。急いでお店に向かわないと売り切れてしまう。

 

そんな中、突然街の中の音が消えた。それと同時に炭が周囲に漂った

 

「ノイズ……」

 

私は急いでシェルターに向かおうとしたけど

 

「きゃあぁぁぁぁッッ!!」

 

悲鳴が聞こえてきた。幼い子供の声だ

私はその瞬間その声の場所に向けて走っていた

 

「間に合って!」

 

少し走ると転んでいる女の子を見つけた。私は急いでその子の元へ向かう。近くにはノイズもいる

私は駆け寄ると急いで女の子を持ち上げて走る

 

「えっ、きゃあ!」

「舌噛むよ!」

 

私の後ろをノイズ達が通過する。

危なかった

そのまま私はシェルターに向けて走り出す。しかし、ノイズは私達を逃がそうとはしてくれない。行く先々でノイズが道を阻み。進路変更を余儀なくされる

いくら鍛えているからと言ってずっと人一人抱えながら走り続けるのはキツい。私は息も絶え絶えになりながら走る

そんな中裏路地に逃げ込んだ時に挟み撃ちにされて逃げ道を塞がれる

 

「仕方ない。飛び込むよ」

「う、うん!」

 

私は後ろにあった水路に飛び込む。するとそのまま水に流されノイズから遠ざかる。ある程度ノイズから離れたら水路からあがる。そして工業地帯に入った。

私は女の子を抱えたまま、階段を登って建物の上につくと女の子を下ろして一息つく

 

「はぁ、はぁ」

 

だけどノイズ達は待ってやくれやしない。私達を取り囲むようにノイズ達が現れた

 

「お姉ちゃん……」

「大丈夫」

 

絶対絶命、そんな時。奏さんの言葉を思い出した。

『生きるのを諦めるな!』

そしてお姉ちゃんの言葉も

『響、響が生きて行く上できっと諦めちゃいそうになる時があるはずよ。でもね、足掻くのをやめちゃ駄目よ。目の前に絶望して歩みを止めたら何も無い。でもきっと諦めずに足掻けば少しだけでも何か得られるはずよ。歩みを止める賢い人じゃなくて歩み続けるバカになりなさい。それがきっと一番後悔しないから』

 

「……私は諦めない!私は生きて帰るんだ!」

 

その時胸に歌が浮かんできた。私は衝動のままにそれを口にする

 

Balwisyall Nescell gungnir tron(喪失までのカウントダウン)

 

 

 

 

 

そしてその光景を見ているものがいた

 

「響、ついに覚醒してしまったのか……」

 

その顔は嬉しさ半分悲しさが半分の複雑そうな顔であった

 

 

 

 

 

歌を歌う

すると私の体から力が沸き上がる。そして体に次々にプロテクターのようなものがつけられていく

私を包んでいた光が消えると私は姿を変えてたっていた

 

「お姉ちゃんすごーい」

 

私は沸き上がる歌を歌いながら女の子の手を掴んで飛ぶ

だけど想像以上の力で私は飛び上がってしまう。地面に着地した時も全然痛くなかった。どう考えても私の体に纏われたこれが関係しているんだろうけど

私はそんな考えを振り払って走る。身体能力が強くなったのなら好都合急いで走ろうとする。

だけど油断した隙にノイズが私達に飛び掛ってきた、私は咄嗟に殴ってしまった。

だけど炭素にならずに逆にノイズを砕いてしまった。

その事実に惚けていると

 

Roar Fenrir rize tron

 

歌が聞こえてきた。懐かしい気持ちがする歌が

その人は現れると次々とノイズを倒していく

そして私の近くに来た

 

「その子を守ってなさい」

「は、はい!」

 

私はその言葉に構えをとる

 

「スコル、ハティ。この子の援護してなさい」

 

その人が名前を呼ぶと狼が突然現れた

そして私達の横につく

見た事があるし、さっきこの人が言ってた名前って

 

「フェンリル…さん」

 

その人フェンリルさんは少し驚いたようなジェスチャーをして私に言う

 

「正解、だけど今はそれどころじゃないでしょ」

 

私はその言葉にハッとする。

いくら迫害から助けてくれた恩人だからってこの場で惚けてたら命に関わる。

 

そうしているとまた歌が聞こえてきた

 

Imyuteus amenohabakiri tron

Croitzal ronzell gungnir zizzl

 

今度現れたのは二年間に見た姿をした奏さんと翼さんだった

二人はそのまま戦闘に入ってノイズを倒し始めた

 

そして間もなくしてノイズは全てフェンリルさん達によって倒された。




ちなみに今作響を構成している大部分は記憶の中のお姉ちゃんです
あと記憶のお姉ちゃんが小難しい話をするのは無意識に前世の記憶から色々と引っ張て来てるからです。前世の経験から色々と為になることを言い放ちます。主人公自身は無意識のうちですけど


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特異災害対策機動部二課

戦姫絶唱シンフォギアの小説書くの楽しすぎる
活動報告のアイディア募集一人しかアイディアくれないの寂しい。小説見てくれる人はいるけどアイディアくれる人がいなさすぎでは?
最悪、アイディアが来るまで一時的に更新を遅らせるしかないか?


 

……ついに来てしまったか

私はそう思っていた。響の覚醒から始まる世界を賭けた戦い

結末を知っているのに何も出来ていない自身の無能ぶりに嫌気がさしてくる。結果だけ知ってても色々無理があるなぁ……

 

「暖かいものどうぞ」

「ん、すまないな」

 

私は二課の人間からココアを受け取る。二課とは秘密裏に協力関係にある。ほんと二課は信用できるけど政府がアウトすぎる。

その職員は響にも暖かいものを渡して去って行った。

私は飲み物を啜る。運動後のこういうのは良いなあ

私が和んでいると

 

「あ、あの」

 

響が私に話しかけて来た

…………お、落ち着くのよ私、響は私が姉である事をまだ知らない!今、抱きついて撫で回して吸うなんて出来ないわ!落ち着きなさい、落ち着け、落ち着け、落ち着け、落ち着け、落ち着け、落ち着け……スゥーーーハァーーーーー

よし落ち着いた

 

「どうしたの?」

「ありがとうございました!二年前のライブ生存者の迫害、私も標的になっていて、貴方のおかげで助かりました」

「良いのよ、私が好きでやった事だし。でも感謝は受け取っておくわ」

「は、はい!」

 

……くっ、響の瞳がキラキラしている!これは憧れの目、お姉ちゃん嬉しすぎて倒れちゃいそう!

響の為にやったかいがあるってもんよォ!!

私が心の中で狂喜乱舞していると

 

「おつかれさん」

「お疲れ様」

 

翼に奏が来た

 

「……おつかれ」

「お、お疲れ様です」

 

響は少し緊張しているようだ。そりゃあ大好きな歌手が二人目の前に居るんだしな。……お姉ちゃんちょっとジェラシー

 

翼は響の目の前で止まると少し気まづそうにして

 

「貴方、名前は?」

「た、立花 響です」

「そう。立花さん、あなたを特異災害対策機動部二課に連行させて頂きます」

「え、ぇぇぇ!?」

 

まあ、そりゃあ驚くよな。いきなり連行するとか

響は助けを求めるようにこちらを向くが

 

「従った方が良いわよ。相手はお国の組織だし、ま、行ったとしてもどうせパーティーの準備でもしてるわよ」

「へ?」

 

二課は少し、いやかなり緩いからな。私も秘密裏に二課と協力関係になる時なんかBBQする事になったしね。今思えば私に気を使った歓迎会と言った所だったのかしら

 

「はは、予想できちまうのがなんともな」

「奏……でも否定出来ない」

「ええ?」

 

さっきとはまた違う困り顔で固まる響

 

「とにかく一度二課に来てもらいます。拒否権はありませんから」

「面白そうだから私も着いてくわね」

 

響を一人あのラスボスが居る場所に送れるかよ!

そうして私達は二課向かう事になった

しばらく車に揺られると着いたのはリディアンであった

 

「えっと、ここってリディアンですよね?」

「ん?あぁ、ここの地下に二課はあるんだよ」

 

響の疑問に奏が答える

そしてリディアンの奥まで進んでいくと一つの扉があった。それにいつの間にかいたツヴァイウィングのマネージャーである。忍者緒川が端末を近づけると開いた

 

「どうぞ」

「あ、はい。いつの間に……」

「緒川さんは忍者だから気にしたら駄目よ」

「え、はい?」

 

響の顔は次々に起こる事態に?マークが頭の中に乱立している

二課は色々と非常識だから

私達がエレベーターの中に乗り込むと

 

「立花さん、エレベーターの手すりに捕まっていてください」

「え?」

 

いままでの出来事に頭が少しフリーズしている響はその言葉に反応できていない。

仕方ないので私が響の手を取って手すりを握らせる

 

「下手すると舌を噛むわよ」

「え、え?」

 

その瞬間凄まじい行きよいで、エレベーターが降下を始めた。

 

「あぁぁぁぁぁぁああ!?」

 

響は悲鳴をあげている。

まぁ、最初ここに来た人なら大抵同じ反応をしている

 

「な、なんなんですか。このエレベーター人への配慮が欠片もないじゃないですか」

「はは、外を見てみな」

 

奏が響に外を見るように促すと

そこには不思議な絵が描かれた壁が上と下彼方まであった

 

「二課はかなりでかくてな、上下の移動手段は基本エレベーターだけだ。こんなデカいからな時間をかけないためにかなりのスピードが出るんだ。」

「そ、そうなんですか」

 

そのまま降下し続け、とある階でとまり。扉が開くと

 

パァン

パァン

パァン

 

「「「ようこそ!特異災害対策機動部二課へ!」」」

 

クラッカーの音と掛け声と共に

〈歓迎会立花 響さん!〉

の横断幕が目に飛び込んでくる

 

それに対して私達は呆れ顔とやっぱりかという顔をする。響だけは理解出来ず、惚けている。

すると風鳴弦十郎が歩み出てくる

 

「ようこそ、立花 響くん。俺は特異災害対策機動部二課の司令。風鳴弦十郎だ」

「よ、よろしくお願いします」

 

響はちょっと驚いている

まぁ、OTONAは初対面の人にはちょっと強面だよな

 

「はい、はーい。そして私ができる女櫻井 了子よ。お近付きの印に写真撮りましょう!」

 

そう言って櫻井了子が響に近付くが

 

「ちょっ、いきなりなんですか」

 

響が華麗に避ける。よし、良いぞ!

 

「フェンリルくんも良く来てくれた」

「ん、お前達が変な事をしないか見に来ただけだ」

「はは、手厳しいな」

 

まじで響になんかしたら容赦せんぞ

抹殺しちゃるけぇの。覚悟しときぃ

 

「とりあえず脱ぎましょうか」

「は?」

 

どうやら櫻井了子が響に服を脱ぐように要求したようだ

……ふーん。響の服をね?ふーん

 

「は?(ꐦ°д°)」

 

よーし戦争じゃ、表出ろやゴラァ

そんな殺気を感じ取ったのか奏が急いで私を押さえつける

 

「お、落ち着けって!な?了子さんも言葉が足りてないって!」

 

わかってるって奏あれだろ?私に喧嘩売ってんだろ?お?お?

 

「くっ、力強ぇ!翼!手伝ってくれ!」

「わ、わかったわ」

 

じゃまするんならお前らも敵じゃぁ!

 

「旦那!旦那も手伝ってくれ!このままじゃ了子さんが殺られる!」

「了子くん、あれほど君には主語が足りないと」

「あら、ごめんなさーい。でも脱ぐ事に変わりないじゃない?」

「了子くん!?」

 

よっしゃ。今ここで殺してやるよフィーネ!ルナアタックなんぞ無かったものにしてやる!!

 

その後少々乱闘騒ぎがあったが気にするな。

私の一人勝ちで終わったから。とりあえず櫻井了子はヘッドロックで締めといたわ




シスコンが大爆発している主人公
それとこの二課は主人公のせいで色々と緩くなってます


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立花響のこれから

せい!投稿!


 

私、立花響は疲れました。今日はノイズに襲われたと思ったら変身ヒーローみたいになって色んな人に出会って。

はぁ、これから未来にも色々説明しなきゃだし

あの後、詳しい話は明日になるけど。今日の事は機密だし人に話したら最悪その人の命に関わるとか、私呪われてるのかな……

 

「響さん大丈夫ですか」

「はは、今日は色々ありすぎて」

 

私の隣を歩くのは緒川 慎次さん。翼さん曰く忍者らしい

緒川さんがいるのはフェンリルさんの提案によるものだ。

なんでも今まで二課には急に一般人から二課に入る事になった人間は居ないだろうから。今までとは勝手が違うから私の二課所属による生活の変化やそれに伴う人間関係の変化にまで気を配るべきだと。二課の人達にお説教していた

それで緒川さんがその私の同居人に色々と説明するらしい

 

「ただいま〜」

「おかえりなさい、響。今まで何処…に……」

 

私は寮の部屋に戻ると同室の未来が出迎えてくれた。だけど動きが止まった。たぶん緒川さんだろう

 

「はじめまして。私、特異災害対策機動部二課に所属しています。緒川慎次と言います」

「あ、はい。御丁寧にどうも」

「今回は立花響さんについてお話があり訪問させて頂いた次第です」

 

私はとりあえず部屋の中に入ってお茶の準備とかをする

 

「粗茶ですが」

「どうも」

 

そして緒川さんが本題に入る

 

「まず、今回響さんは特異災害ノイズの被害に合われました」

「響!大丈夫だったの!」

「あ、うん。特に怪我とかもなかったから」

「よかった」

 

やっぱり心配掛けちゃうよね。2年前のこともあるし

 

「本来それだけならお伺いはしないのですが。今回、響さんは国の機密をノイズ災害に合われた際、目撃してしまい。詳細は省きますが、響さんをこちらで保護しなければならない事態になりました」

 

もちろんこれは嘘だ。どっちかって言うと私自身が機密らしい

 

「それはどういう」

「機密保持の観点から詳しいお話は出来ませんが、響さんの見た機密は他国に狙われているものでもあり。私達特異災害対策機動部二課に響さんを所属させ、その身柄を保護すべきという判断にいたりました。それにより二課の基地への同行など響さんはこれより今までとは違う生活を余儀なくされます。そこで響さんと同じ部屋でありなおかつ幼い頃からの御友人である。小日向未来さんへ説明させて頂いた次第です」

「でもどうして私に」

「この機密を欲した他国が最悪の場合、もし響さんがこの機密を友人ないし家族に話した場合。危険に晒される可能性が非常に高く、この事についてはおいそれと人には流布出来ませんので。響さんの一番近くにいるあなたに話す流れとなりました。また、このような事態はなにぶん初めてなので保護する本人の人間関係などもありますから。まぁ、少々難しい話をしましたが様々な要因により響さんの事情を貴方だけでも話さなければ行けないと考えた次第でして」

「は、はぁ」

 

フェンリルさんが言うには機密、機密で隠し事ばっかしてる二課に一般人が入ってきて今までの生活を続けながら二課の事を秘密にして生活するのは難しすぎるし。身近な誰かに怪しまれた場合。何かしらの不利益を蒙りかねないらしい。特に私なんかは学生だから友人関係等にも支障が出てはいけないと言っていた

 

「えっと、響は大丈夫なんですか?」

「はい、二課に所属してもらう事で他国に狙われにくくなおかつ護衛等もしっかりと行えますので。もちろん響さんの事情を知る小日向さんの周囲の警備もされます。が、元々二課がこの町に秘密裏にあるので町中は二課のエージェントが巡回していますので何かあれば大声を出して貰えると誰かが駆け付けますので」

 

その後も色々と細かい説明や今日の事を誰にも話さない誓約書へのサインとかもあったけどなんとか終わった

その後未来に心配されたけどきっとへいき、へっちゃら。

これからもなんとか生きて来れたんだから。未来を悲観するよりも良い未来を思い描いていた方が人生楽しいてお姉ちゃんも言ってたし

 

 

 

 

 

 

次の日私は早速二課に来る事になった、クラスメイトにふらわーてお好み焼き屋に誘われたけど。断る事になっちゃった。未来が上手くフォローしてくれたんだ

 

「はーい、それではミーティングを始めるわよ」

 

そう言ったのは了子さんだった。

それ以外にこの場には弦十郎さんに奏さん、翼さん、フェンリルさん、緒川さん、他にも何人か二課の人達がいた

 

「まず、昨夜のバイタルチェックでは殆ど、異常は見られなかったわ。まぁ、響ちゃんが聞きたいのはこんな事じゃないわよな」

 

それはその通りだ健康状態より知りたい事があるんだ

 

「昨日のあの力は何だったんですか」

 

そう聞くと弦十郎さんが奏さん達の方に視線を向けると。奏さんと翼さんがペンダントを取り出した

 

「ペンダント?」

 

私が疑問に思っていると

 

「これの名前はシンフォギア。正式名称をFG式回天特機装束。特定振幅の波動により聖遺物を起動、そのエネルギーをプロテクターとして形成、身に纏うのがシンフォギアだ」

 

……専門用語すぎてちんぷんかんぷんだ。

私が頭を捻っていると

 

「聖遺物とは世界各地の伝承にある、武器などの欠片の事だ。はるか昔のものだからな劣化が激しいんだ。完全な形で発掘されると完全聖遺物と呼ばれる。

そして特定振幅の波動とは歌、歌を歌う事により聖遺物を活性化させる。そして活性化されたエネルギーをプロテクターに変換しノイズと戦えるようにしたものそれがシンフォギアだ。」

 

フェンリルさんが教えてくれた

 

「フェンリルくんの言う通りだ。ちなみに奏はガングニール、翼はアメノハバキリだ」

 

そこで私は頭を捻る

 

「えっと、その、私シンフォギアなんて持ってないんですけど」

 

純粋な疑問だ私はそんなものを持っていない

すると

 

「それについては私から、昨日撮った響ちゃんのレントゲンよ。ここ、胸の辺にある影わかるかしら?」

 

もちろんわかるだってそれは

 

「二年にツヴァイウィングのお二人のライブで負った傷です」

 

その事に翼さんと奏さんが驚いたようだ

 

「二年前にライブに居た時に奏さんに守ってもらって、それで」

「お前、あの時の子か!」

 

どうやら奏さんは思い出したようだ

 

「話を続けるわよ。この胸にあるのは二年前の戦闘で砕けた奏ちゃんのガングニールの欠片よ。奏ちゃんの置き土産ね」

「いや、あたし、まだ死んでないんだけど?」

「いやねぇ、ジョークよジョーク」

 

それはいくらなんでも失礼では?

 

「とにかく、この響ちゃんの胸に刺さったガングニールに適合した結果が昨日のアレよ」

「適合?」

「あぁ、聖遺物には人それぞれに適合係数というものがあってなその数値が規定値を超えてシンフォギアを起動できる人間を我々は適合者と呼んでいるんだ。今の所奏、翼、それにフェンリルくんが適合者だ」

 

そんな事になってるんだ。じゃあ私は貴重て訳かな?

 

「ま、あたしはLiNKER使ってるんだけどな?」

「LiNKER、ですか?」

「一時的に適合係数を引き上げる薬さ」

 

そんな薬まであるんだ

 

「しかし、LiNKERには副作用がある。度重なる服用は身を滅ぼす。特に、天羽 奏お前は無理をしているんだ」

 

え?奏さんが無理を

 

「あーでもよ、翼やあんただけに押し付ける訳には行かねぇしよ」

「はぁーー」

 

フェンリルさんは呆れているようだ

 

「ほらこれをやる」

 

すると突然フェンリルさんが何か液体が入った試験管を奏さんに渡した。

 

「いつもすまねぇな」

 

奏さんはそれが何かわかっているようだが

 

「それ、なんですか?」

「ん、ああ。これは〈エリクサー〉と言ってな万病に効く薬だ。これで天羽 奏の体に残ったLiNKERを除染しているんだ。本来だったら今頃シンフォギア装者を辞めなきゃ行けないほどに汚染されているはずなんだが、私がお節介でこれを渡したせいで未だにシンフォギアで戦っている」

 

LiNKERてそんなに危険なんだ

 

「それよりも話がズレたな。続けてくれ」

 

フェンリルさんが話を元に戻した様だ

 

「先程言ったように今ノイズと戦えるの三人だけだそこで新たにシンフォギアを纏える君を二課の戦力として迎えたい。もちろん無理強いはしない」

 

……私はその言葉に考えて、返事をしようとした途端

サイレンがけたたましく鳴り響いた




原作を知っているシスコンは響に悲しい思いをして欲しくないと二課に色々とふっかけているようです。
シスコンここに極まれり


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覚悟を問う

オラにアイディア分けてくれ!
マジメに活動報告の方には意見がほとんど来ん。今の所二人しか協力してくれないです。(´;ω;`)


 

私立花 牙は現在ノイズとの戦闘に入っていた。さっきまで二課で響について色々と話をしていたんだけどノイズが現れやがったせいで中断せざるおえなかった。響の今後に繋がるのに邪魔してんじゃないぞ炭クズどもがァ!!

 

翼や奏も一緒に戦っているが私は基本一人でノイズの相手するから連携とかないし。憂さ晴らしに付き合えよノイズども

 

そうしてノイズ駆除をしていると

 

「やぁッ!!」

 

響が来た

 

「立花!?」

「響!?」

「……ッ!?」

 

どうしてここに居るんだよ!

 

「一緒に戦わせてください」

 

ノイズを手足で砕きながら響はそう言う

 

「……仕方ない」

「フェンリル!?」

「来てしまったものは仕方ないだろう。フォローは私達がするしかない」

「しゃーねぇなぁ!」

 

来てしまったものは仕方ないだろう。お姉ちゃん的には出てきて欲しくなかったけど。

 

そのまま4人でノイズを駆除し、戦闘が終了した

そして私たちの元に響が来た

 

「私、戦います!」

 

響は大きく宣言した。

……戦うか

私は響の前に立つ

 

「フェンリルさん?」

 

私は響に聞かなければならない

 

「立花 響」

「は、はい!」

 

響は……

 

「貴方はなぜ戦うの?返答によっては私は貴方を認めない」

「え……」

「おい、フェンリル!」

「黙っていて!」

 

これは重要な事だから

 

「立花 響、貴方はなぜ戦う。なぜ戦場に出る?」

「私……は」

 

これはお姉ちゃんの優しさでもあるのよ。半端な覚悟で入ってくればきっと響は後悔するから

しばらくすると響はポツポツと喋りだした

 

「私、昔お姉ちゃんがいたんです。いつも私の事を守ってくれて優しくしてくれた大好きなお姉ちゃんだったんです。でもお姉ちゃんはいなくなっちゃって……だから私は怖いんです。今の生活で何かが無くなるのが。友達や家族が居なくなるのが耐えられないんです。だから私は私の日常を守るために戦います。それに手を伸ばせるのにその手を伸ばさないのはきっと後悔するから。昔、お姉ちゃんが言ってたんです。私が後悔しない生き方をしなさいって。自分本意でも私は人を助けたいんです。」

 

 

…………そう

 

 

「構えなさい」

「ッ!?」

 

響の言いたい事はわかったわ

 

「その願望、貫きたいなら力を示しなさい。戦場で力無き者はただの足でまといよ。」

「はい!!」

 

人助けなんて言わなくて良かったわ。原作の響は『前向きな自殺衝動』なんて言われてたし。人のためだけに生きる人生なんてして欲しくなかったから。

まぁ、それはそれとして戦闘初心者を戦場に出せないわ

とりあえず今の響の力を測りましょうか。さっきの戦闘では中々に動けていたし

 

「来なさい」

「立花響行きます!」

 

私は響が来るのを待つ。響はパッと見でわかるがどうやら武術の心得があるみたいね。

響が拳や蹴りを繰り出してくる。けどやっぱり素人の動きじゃないわね。

……この動きはキックボクシング?他にも柔術や合気道も入ってるのかしら?

対人に関しては満点じゃない?

ノイズに関してはこれから経験を積めばて言った所かしら

私は響の攻撃を避けたり受け流したりしながら考える。

アームドギアに関しては響は発現するのかしら?でも響は優しい子だから、平行世界のグレ響ですらアームドギアは拳だったし。おそらく私の響も拳になるのかしら?

 

「立花は動けているわね」

「即戦力行けるんじゃねぇか?」

 

翼と奏の評価も私と概ね同じと言った所か?

私は響の蹴りを掴んで投げる。

 

「うわぁ!?」

 

驚きつつもなんとか着地をしたようだ。予想外への対処も中々に良いわね

 

「……問題無いわね」

「ッ!ありがとうございます!!」

 

お姉ちゃんとしては戦場なんかに立って欲しくないんだけど響が決めた事だし。確かに昔、後悔しないように生きなさいて言ったわね。

最大限フォローしなきゃいけないわね

 

 

 

 

 

 

一ヶ月後、響は中々に戦果をあげていた。やはり原作とは違い翼は協力的だし。何より響自身も戦えている。

あの後聞いた事だけど色々武術をやっているらしい。だからあの動きができたわけね

 

「弦十郎、あなたから見て立花 響は?」

「そうだな、戦えてはいる。だが、長年翼達は二人組でやっていたからなそこら辺の連携が少し上手く行ってないぐらいだな。これは時間が解決してくれるだろう」

 

風鳴弦十郎からの評価もまあまあ、これなら問題はないかしらね。

 

 

 

 

 

 

****************

 

 

 

 

 

「それじゃあミーティング始めるわよ」

 

そう言ったのは櫻井了子だった。今日は二課の定例ミーティング。私もそこにおじゃまさせてもらっている

 

「今日はココ最近のノイズの発生について」

 

本来数年に一度一体出るか出ないかなんだがノイズは

 

「響くんはノイズについては?」

「学校とかで習う範囲なら。13年前に特異災害に認定されて感情などはなく機械的に人を襲い人を炭素に変える事。そして時と場所を選ばす突如として現れることですかね」

「その通りだ」

 

うん、ちゃんと勉強していて偉いぞ響

 

「そうね、ノイズが国連の議題に上がったのは13年前だったけどノイズの発生自体はそれよりもはるか昔からあるのよ」

「各地にある伝承の異形は一部がノイズ由来のもだ」

「本来ノイズの発生件数は高くないのよ。今の発生率は誰がどう見ても異常なのよ。だとすると、そこに何らかの作為が働いていると考えるのが自然ね」

「作為、じゃあ誰かの手による物なんですか?」

 

響の疑問は最もだ、まぁ私は誰がやってるかわかってるんだけど

 

「中心点はここ二課本部、サクリストD〈デュランダル〉を狙って何らかの意思が働いていると見て間違いないかと」

「あの、デュランダルて?」

 

まぁ、ここら辺は専門用語すぎるしな

 

「ここ二課の下層のアビスに保管されている完全な形で発掘された完全聖遺物。それがデュランダルよ」

「シンフォギアに使われている聖遺物の欠片とは違い起動さえ出来れば常時100%の力を発揮して誰でも使えると研究の結果が出ている」

「それが私が提唱した櫻井理論!だけど完全聖遺物の起動にはそれ相応のフォニックゲインが必要よ」

 

まぁ、ものによっては危険物だけどね

 

「二年たった奏と翼の歌ならあるいは」

「そもそも日本政府からの許可は降りるんですか?」

「それ以前の問題だよ。安保を盾に米国が散々引渡し要求をして来ているらしいじゃないか。起動どころか扱いには慎重にならなきゃいけない。下手すれば国際問題だ」

 

……まぁ米国が関与してるのは確実だしな

 

「……まぁ、聖遺物に関しては世界中で違法な人体実験や危険な実験が行われている。完全聖遺物の為に何か仕掛けてきてもおかしい話じゃないな」

 

これ、私の体験談ね

 

「二課にもココ最近数万回に及ぶハッキングの痕跡が見られた。今の所出処はまだ判明していないがな」

 

そのまま米国についても話をしながら現状について話し合い。その日はツヴァイウィングの二人の打ち合わせが始まるまで話は続いた




原作響とはまた違う理由で戦う今作響、頑張って欲しいですね


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ネフシュタンの少女

ついにお気に入りが100件超えました!
皆さんありがとうございます!


 

「未来と流れ星見たかった!!」

 

……響が荒ぶってるな。まぁ、未来との約束がノイズのせいでおじゃんになった訳だし。いつも以上の殲滅速度でノイズが消えていく

 

私も私でノイズを殲滅する。響のお楽しみを奪うとは許すまじノイズ!私と響が荒ぶりながら殲滅していると奏と翼と合流する

 

「これで終わりか?」

「二課からも反応は無いそうよ」

 

そんな会話をし

今日も終わったと思い帰路につこうとした時

 

「おっと、待って貰おうか?」

 

声が響いた。

そこに目を向けると鎧を纏った少女がいた

 

「ネフシュタンの鎧……」

 

翼がそう呟く

 

「へぇ、あんた。この鎧の出自を知ってるのか?」

 

ネフシュタンの少女がそう返す

 

「あたしらのせいで奪われたそいつは」

「返してもらうわよ!」

 

奏と翼がアームドギアを構える。おっといきなり戦闘態勢か

 

「ちょっと!奏さん、翼さん相手は人間ですよ」

 

響がそう言うが

 

「「「戦場で何を馬鹿な事を!」」」

 

ネフシュタンの少女に奏、翼が意見を合致させる

 

「貴方とは気が合いそうね」

「それじゃあじゃれ合うとするか」

「あぁ、そうだな」

 

三人は戦いを始めてしまった

さすがに出会ったばっかの人間に即戦闘を仕掛けるのは不味いんじゃないかな?相手の目的もわかんないんだし

それに本来装者の戦う相手はノイズだ

三人の戦闘を見ていると響が近づいてくる

 

「フェンリルさんどうすれば」

「相手の目的も分からないし、下手に手出しが出来ないのよね」

 

私は相手がクリスなのはわかってるし響が狙いなのはわかってるけど。知ってたらおかしいもんね

 

にしても

 

「苦戦しているな」

 

二人はやはり苦戦しているを完全聖遺物の力にクリス本人のポテンシャルが合わさった結果だな。中々にいい動きをする

 

「これが完全聖遺物のポテンシャル!」

「ネフシュタンの力だなんて思わないでくれよな。私のてっぺんはこんなもんじゃねえぞ!」

 

ネフシュタンのムチを二人は上手く避けられているけど劣勢だ

 

「とりあえず、加勢するぞ」

「は、はい」

 

奏達に加勢しようとするが

 

「お呼びじゃねぇんだよ。コイツらの相手でもしてな」

 

クリスがそう言うとソロモンの杖を此方に向けてノイズを放ってきた

 

「ノイズが!?」

 

響は驚いているようだ。ノイズをバビロニアの宝物庫から取りだし操る聖遺物ソロモンの杖。めんどくさい

 

というか、コイツら原作で響の事をあられもない姿にしたクソノイズどもじゃん?確☆殺

 

「二人にかまけて私達を忘れたか!」

「おりゃァ!」

 

二人がクリスの隙を着くが

 

「お高く止まってんじゃねえぞ」

 

二人纏めて吹き飛ばされる

 

「のぼせ上がるな、人気者。誰も彼もが構ってくれると思うなよ。この場の主役と勘違いしてんなら教えてやる。私の目的は最初からアイツだ」

 

そう言ったクリスは響を指さした

私的にはやっぱりと言った所かな

 

「鎧も仲間もあんたらにはすぎてんじゃ無いのか?」

 

……早く終わらせるか

 

私は周りのノイズを叩き潰すと奏と翼を響の近くに飛ばす

 

「フェンリル!?」

「何を!?」

「なんだァ?」

 

個人的にはみんなには争って欲しくないんだよな

 

「選手交代だ」

「へぇ、あんたが相手するってのか?」

 

私は封印の一段目と新たな聖遺物を使う

 

「レージング解除。従えグレイプニル」

 

すると私のギアが形を変えていく。銀色のプロテクターが追加されてい手首と足首に枷のようなものが取り付けられる。枷に着いている鎖は途中でちぎれている。Fateのバーゲストのようにプロテクターの隙間から鎖が飛び出す。それは一つに限らず大量だ。他にも足など体の各所から鎖が飛び出し私の体に巻き付く

その姿は雁字搦めに捕らえられているようにも見えるが、私の動きに支障はない

 

「何なんだその姿」

「……デュオレリック、二つの聖遺物を掛け合わせる。シンフォギアにある機能の一つよ。まぁ、下手すると暴走なんてするけど」

 

私が結構バンバン、デュオレリックするから勘違いするかもしれないけど本来デュオレリックは使用者に大きな負担をしいる。場合によっては暴走するし、使用する聖遺物によっては聖遺物との対話が必要になってくる。

まぁ、私の場合はケイオスタイドのおかげで負担とかは少ないし聖遺物に関しては力でねじ伏せるからね

 

「貴方をあまり傷つけたくはないの、大人しく降参してくれると嬉しいんだけど?」

「なんだと?もう勝った気でいるのか?」

 

まぁ、そうだね。私自身がほとんど完全聖遺物みたいなもんだし

 

「くらいな!」

 

そんな態度が気に入らないのかクリスが技を放ってくる

 

NIRVANA GEDON

 

ネフシュタンの ムチの先端に球場のエネルギーが現れそれを私を襲う

それに大して私は

 

「グレイプニル」

 

鎖を大量に出現させ盾とする

私の盾は砕けたけど問題なく防げた

 

「なんだと!?」

 

私は鎖をいくつかより合わせて鞭のようにする。

私はそのまま鎖を振るう

 

「くっ!」

 

クリスに鎖が次々と襲いかかる。私の鎖は多数ありしかも私はその場でブレイクダンスを踊るように脚の鎖も活用する事で高密度の鎖による攻撃がクリスを襲う

 

我流・狼鎖爆流

 

「っ!何なんだよ!お前は!」

 

クリスが問い掛けてくる、私は何なのか?それは……

 

「ただのフェンお姉ちゃんさ」

「なっ!?」

 

その言葉にクリスは固まる

 

「お、お前は……」

「全く、いつの間にこんなヤンチャさんになったんだか」

 

ほんと、昔は元気いっぱいなだけの子供だったのに

 

「クソッ!クソッ!クソオォォッ!!」

 

クリスは悪態をつくと鞭を地面に叩き付け土煙を煙幕にこの場を去っていった。

仕方ない、次会った時は雪音夫妻の元に帰さなきゃな。あの子は優しい子だから

 




クリスちゃんのメンタルが揺れる揺れる!
だが作者が好きなのは最終的なハッピーエンドなのよ!
ちなみに此方のグレイプニルは完全にフェンリル専用の物なのでXD編の物とは関係ございません


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デュランダル護送作戦

バイト再開したんだけど病み上がりの肉体にはキツかった_:( _ ́ཫ`):_
なんか急にお気に入り登録とか増えててビビってたら日間ランキング61位……(つд⊂)ゴシゴシ…61位?(;゚Д゚)!?
お、驚きもんだぜ。嬉しいけどビビり散らかしてる。初めてランキング乗ったと思ったらいきなり61位だったぜ。


フェンリルside

 

今日、私はとある薬品工場の近くのビルに陣取っている。もちろん目的がある。それは……

 

 

 

 

 

************

 

 

 

響side

 

「私立リディアン音楽院高等科、つまり特異災害対策機動部二課本部を中心に特異災害が頻発しているその事例からその狙いは本部最奥区画〈アビス〉に厳重に保管されているサクリストD、デュランダルだと日本政府が決定づけました」

 

デュランダル……

 

「移送するって言ったて何処にですか?ここ以上の防衛システムなんて」

「永田町最深部の特別電算室通称〈記憶の遺跡〉そこならばという事だ。俺達が木っ端役人である以上お上の意向には逆らえないさ」

「デュランダルの予定移送日時は明朝0500。詳細はこのメモリーチップに記載されています」

 

ここで私は少し気になった

 

「えっとフェンリルさんは?」

「彼女はあくまでも二課に秘密裏に協力している立場だからな。機密性の高い任務では呼ぶ訳には行かないんだ」

「そうなんですか」

 

フェンリルさんがいるなら心強いんだけど

 

「お前達三人は時間になるまで休むと良い」

 

そう言われてその日は一旦解散した

そして部屋にて

 

「響、大丈夫?」

「未来、うん。大変だけど二課の人達は良い人達だし。必要な事だから」

「私は何も出来ないけど、頑張ってね」

 

未来に心配かけるのは良くないけど。戦うって決めたのは私だから

 

 

 

 

 

************

 

 

 

 

 

「それじゃあ始めるわよ。その名も天下の往来独り占め作戦!」

 

了子さんが高らかに宣言する

ほんとにそれで良いのかな?

私達はそのまま車に乗って永田町に向かった

翼さんと奏さんはヘリの方に乗り込むらしい

 

護送の道中突然、橋が崩れた

 

「つかまって、響ちゃん!私のドラテクは凶暴よ」

「へ?」

 

そのまま車が走っていると目の前の車が飛んだ

 

「え?」

『下水道だ!ノイズが下水道から来ている!翼は下水道のノイズへの対処だ』

『はい!』

 

すると上空のヘリから翼さんが降りてきた

 

Imyuteus amenohabakiri tron

 

翼さんはそのままノイズの相手をする

了子さんは司令との通信を続ける

 

「弦十郎くんちょっとやばいんじゃない?この先の薬品工場で爆発なんて起きたら」

『わかっている。さっきから護衛車を的確に狙い撃ちしてくるのはノイズがデュランダルを損壊させないように制御されていると見える。狙いがデュランダルの確保ならあえて危険な場所に飛び込み攻め手を封じる算段だ!』

「勝算は?」

『思い付きを数字で語れるものかよ!』

 

せめて、安全性は確保して欲しいです!

そのまま薬品工場に突入したけど、車がひっくり返った。生きた心地がしないよ

辺りにはノイズが沢山いる

 

「いっそここにデュランダル置いて私達だけでも逃げない?」

「ダメですよ!?」

「そりゃそうよね」

 

なんのための任務なんですか!

すると今度はヘリから奏さんがやってきた

 

Croitzal ronzell gungnir zizzl

 

奏さんは降り立つとそのままノイズに斬りかかった

 

「響!急いでシンフォギアを纏いな!」

「は、はい!」

 

私は歌う

 

Balwisyall Nescell gungnir tron

 

そのままシンフォギアを纏いノイズの相手をする。

徒手空拳でノイズの相手をしていると

 

「今日こそはものにしてやる!」

 

先日戦ったネフシュタンの人がきた

私が攻撃を避けると奏さんがネフシュタンの人と対峙する

 

「あんたの相手はあたしだよ!」

「へっ!雑魚の分際で!」

 

そのまま二人は戦闘を始めた。

そんななか

 

 

バゴンッ!

 

 

その音の方へ目を向けると

 

「デュランダルが覚醒した!?」

 

了子さんが驚いていた。そしてデュランダルが中に浮いていた

 

「あれがデュランダル。頂くぜ!」

「させるかよ!響!確保しろ」

 

奏さんがネフシュタンの人を抑えている間に私はデュランダルに触れた。その瞬間、私の意識は落ちた

 

 

 

 

 

 

 

フェンリルside

 

うーん凄いドンパチしてるな。煙が凄い。

私もそろそろ動くかな。デュランダルは不味いしな

私は戦闘の中心地まで走る。するとあと少しの所で強力な力の波動を感じる。

 

「響が触れたか」

 

不味い、急ぐぞ。私が急いで薬品工場に着くと

 

「そんな力を見せびらかすな!」

 

クリスがノイズを響に向けた。

不味い!

響は現れたノイズに向かって無造作にデュランダルを振るおうとする。そこに私は割り込む

 

「フェンお姉ちゃん!?」

「逃げなさいクリス!」

 

私はクリスに逃げるように促すと私は響の元に走る。デュランダルを振り下ろす前に懐に飛び込みそのデュランダルを響の手から叩き落とす。

私はそのまま叩き落としたデュランダルをつかもうとして

 

「フェンリル!さわんな!」

 

奏がそう言ってくるが既に遅い。私はデュランダルを握る。私に大量の破壊衝動が入ってくるが

 

「慣れてるのよ」

 

既に他の聖遺物で慣れてる私には問題なく。ねじ伏せる

響はデュランダルを手放した影響から気絶している

 

「フェンリル!お前、大丈夫なのか?」

「あぁ、慣れているからな」

 

駆け寄ってくる奏にそう返す。

響もどうやら目を覚ましたようだ

 

「う、ううん〜。あれ、私」

「少し気絶していただけだ」

「え、フェンリルさん?」

 

私が居ることが不思議な様だな

 

「どうしてここに?」

「こんなに派手にやってるならそりゃあ目立つさ」

 

あんなに黒煙とか出てたし

 

「協力ありがとフェンリルちゃん」

 

櫻井了子がそう言ってくるが、まぁ、白々しいな。この襲撃はお前の主導だと言うのに

 

「問題無い」

 

が今は下手に干渉しても良いことは無いしな

 

そんな場面を遠くからクリスは見ていた

 

「クソっ!あたしは、どうすれば……」

 

その顔は苦悩に溢れていた




キャラ達の心情だったりシンフォギア世界の設定とか理解する為にネットだったりアプリだったりをして大変だけど充実しているぜ


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雪音クリスという少女

お気に入りが200を超えた?(((゚Д゚)))
一日日間ランキングに乗っただけでこんな事になるとは。一位になったらえげつない事なりそう。まぁ、無理な気もするけど
書きたいこと書いてる時とそれ以外の時の文章力が違いすぎる


とある湖畔の桟橋に雪音クリスは立っていた

 

「あたしに身柄の確保を頼むほどフィーネはあいつにご執心てわけか」

 

クリスの心は乱れに乱れていた、度重なる任務の失敗。装者として初心者の立花 響に遅れを取ったこと。完全聖遺物を纏いながら欠片のシンフォギアに翻弄されること、そして

 

「フェンお姉ちゃん……」

 

かつてバルベルデ共和国で私達家族と一緒にいた年上の雪音クリスにとって本当の姉のような存在。

 

「もしかしたら、セレナお姉ちゃんも……」

 

フェンお姉ちゃんと一緒にいたもう一人の姉の様な存在。あの頃は輝いていた、しかし、一つの爆弾がクリスの世界を粉々にした。両親は死にバルベルデから離れた事で二人の姉の様な存在とも離れる事になった。再会できたのは嬉しいでも敵としてだ

 

「あたしはどうしたら……また、ひとりぼっちになっちまうのか」

 

そんなクリスの背後に金髪の女性が立つ

 

「わかっている、自分に課せられた事ぐらい。こんなものに頼らなくともあんたの言うことぐらいやってやらぁ!」

 

クリスは手に持っていたソロモンの杖を投げる

 

「あんな奴よりあたしの方が優秀だってとこを見せてやる!あたし以外の力を持つやつは全員ぶちのめしてくれる!あたしの目的だからな」

 

金髪の女性は不敵に笑い立ち尽くすのみ

 

 

 

 

 

 

 

************

 

 

 

 

 

 

 

 

二課司令部にて

 

「ネフシュタンの鎧を纏った少女が此方に接近してきます!」

「周辺地区に避難警報を発令!そして装者達への連絡だ!」

「翼さんと奏さんの両名はツヴァイウィングの活動の為遅れます!」

 

ネフシュタンの少女の反応を検知していた

 

 

響side

 

私の連絡端末にネフシュタンの少女が現れたと連絡があり。急いで現場へと向かっていた

 

「わかりました!急いで向かいます」

 

そんな中

 

「あ、ひびき〜」

 

未来が現場近くにいた

 

「未来!?」

 

そして

 

「お前がァ!」

 

ネフシュタンの少女の攻撃が私と未来の近くに振り下ろされる

 

「未来来ちゃダメだ!」

 

私のそんな声も届く前に

 

「きゃあぁぁぁぁッ!?」

 

未来が攻撃の余波に巻き込まれる

 

「ッ!?しまった、あいつの他にもいたのか」

 

そして近くにあった車が攻撃の余波で飛び上がり未来へと迫る

 

「えっ?」

 

そんな中私は迷いなく歌った。未来を失うなんて嫌だ!

 

Balwisyall Nescell gungnir tron

 

私はシンフォギアを纏い未来の前に立つ。そして飛んで来た車を殴り飛ばす。

 

「ひ、びき?」

「ごめん。未来」

 

私は場所を変えるために走る

 

「いっちょ前に挑発のつもりかぁ?」

 

ネフシュタンの少女も私に着いてくる

 

「なんで、響が……」

 

唖然とする未来をその場に残したまま

私は市街地を離れてネフシュタンの少女と対峙する

するとネフシュタンの少女の鞭が私を襲う。しかし私はそれを弾く

 

「大人しく私に捕まりな融合症例」

「私は融合症例なんて名前じゃない!」

「はぁ?」

 

お姉ちゃんが言ってたまずは知ること!

 

「私の名前は立花 響!15歳。誕生日は9月13日で血液型はO型。趣味はご飯めぐりとトレーニング!」

「な、何をとち狂ってんだお前」

「お姉ちゃんが言ってた。まずは知ること、相手の事を知ってから戦う、戦わない、嫌う、嫌わない、協力する、協力しない、相手が私にとっての善か悪かを決める。相手の事を知りもせずただ戦うのは思考停止!人同士は言葉が通じるならまずは話し合う!戦うのはその後、意見で決着がつかなった時だけ!」

 

その言葉にネフシュタンは少女は動揺する

 

 

 

ネフシュタンの少女side

 

 

「お姉ちゃんが言ってた。まずは知ること、相手の事を知ってから戦う、戦わない、嫌う、嫌わない、協力する、協力しない、相手が私にとっての善か悪かを決める。相手の事を知りもせずただ戦うのは思考停止!人同士は言葉が通じるならまずは話し合う!戦うのはその後、意見で決着がつかなった時だけ!」

 

この時、私は捕まえるはずの此奴の言葉に動揺してしまった。だってその言葉はフェンお姉ちゃんの……

『クリス、戦うってどう思う』

そん時は私自身バルベルデは紛争が起きてたから

『痛くて良くないこと』

そう答えたんだ

『なら、なんでみんな戦ってるんだろうね?』

『え?』

『戦うってのはね、最終手段なんだよ。人と人がぶつかり合うのは仕方が無いこと人には感情があるんだから。嫉妬や憎悪、憤怒、色んな感情から人の為、誰かの為なんて願いまで色んな理由で戦うの。でも、戦うなんて結局怪我をする人が出るからね、悲しみを持っちゃう人なんかもいる。だからね、まずは話す事相手の事を知ればもしかしたら戦わなくて済むかもしれない。けど、やっぱり戦う事になるかもしれない。でも、何も知らないよりは良いわ。人は言葉が通じるんだから。まぁ、クリスのパパとママ、は戦争を止めたいから、こんな場所まで歌を歌いに来てるんだよね。きっと、人は争わなくても良いって伝えたいんだろうね』

 

なんで、私は今まで忘れてたんだ。パパとママは争うのが大嫌いだった、今のあたしはなんだ?争いを無くす為と言ってあたし自身がでかい力を持って、あたし自身が争いをして、力が無ければ争わない?違う、人が人である限り衝突する事は当たり前で、パパとママはそんな状況を変えたくて歌を『歌で世界を平和にする』って言ってたんだ。

いままでのあたしは……

 

クリスの何が崩れていく……今まで培って来たそれが音を立てて崩れていく

 

あたしは………なんのために……

 

そんな時だったあたしの纏っていたネフシュタンが消えていく

 

「なっ!?ネフシュタンが!」

「え?」

 

どうしてだ!?あたしはネフシュタンを解除していない!

 

「危ない!」

「え?」

 

あたしがその声に顔をあげるとノイズが迫っていた。このままじゃあたしは……

そう思っていた時だった

 

「シィッ!!」

 

上空から誰かがノイズを蹴り砕く。だけどその余波で土煙が上がり誰だか分からない。土煙煙が晴れるとそこにいたのは

 

「大丈夫?クリス」

「フェンお姉ちゃん……」

 

私の大好きなお姉ちゃんだった

 

 




バイトが再会した影響で毎日投稿がもしかしたらできないかも。なるべく毎日投稿できるように頑張るので応援してください。
それと近々アンケートを出すかもしれないです。
クリスのメンタルにストレートパンチ!しかしトドメはまだだァ


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怒りの神狼

ストック少ないのに投稿しちまった。
くっ、やっぱりできたお話はさっさと投稿したいのがさがよ。
今回はレーラさんのアイディアを採用させてもらいました!
ありがとうございます!


クリスside

 

「大丈夫?クリス」

「フェンお姉ちゃん……」

 

あたしに迫っていたノイズは突如現れたフェンお姉ちゃんによって潰された。そんな中あたしは混乱していた。どうしていきなりノイズがしかも融合症例の方には行かずあたしだけに……その時考えたくもない考えがあたしの頭をよぎる。フィーネ?

 

「あなたにはがっかりよクリス」

「っ!?フィーネ?」

 

あたしに声が掛かる。その声の主はフィーネだった

がっかり?そんな言葉をかけられてあたしは心の中に不安がどんどん膨れ上がっていく。嘘だ、嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!

 

「与えられた任務一つもできないなんて」

 

やめてくれ!やめてくれ!やめてくれ!やめてくれ!

あんたまで居なくなったらあたしは……

 

「あなたはもう用済みよ」

 

そ、んな……

あたしは膝を着く

フィーネが言ったんじゃないかフィーネの言う通りにすれば世界は平和になるって。一緒に世界を平和にしようって

 

「私に従うあなたは滑稽だったわ。私に洗脳されて、利用されてるのも知らずに」

 

せん、のう……?

 

「あの時のあなたは心が不安定だったでも私に従順に従う駒としてはまだ足りなかった。だから少し手間がかかったけど洗脳なんて真似までしたのにあなたが役に立ったのはソロモンの杖の起動ぐらいね。それでも半年なんてかかって、立花 響なんて数分足らずでデュランダルを起動したと言うのに」

 

じゃあ、今までのあたしはなんだったんだ?

世界平和を願っておきながら、色んな人を不幸にして。世界平和の為の小さな犠牲と考えて。大好きだったパパとママの願いを真っ向から否定するような行動をして……

 

「にして洗脳なんて面倒臭いことやるもんじゃないわね。記憶処理なんてやったせいで色々と大変だったし」

 

記憶処理?じゃああたしが今までフェンお姉ちゃんの言葉もパパとママの『歌で世界を平和にする』て夢を思い出さなかったのも、ぜんぶフィーネのせい?

でもフィーネのせいでもあたしのやったことは、消えない……

あたしはどうしたら

 

あたしの心は深く深く絶望していく。今まであたしはなんだった?無駄に争いを生み出して。人を不幸にして、犠牲を生み出して………………あたしは……あたしは……

 

「貴様、クリスを何だと思っているんだ!!」

 

フェンお姉ちゃん……

 

「この子は優しい子なんだ!誰よりも歌を愛して!誰より両親の想いを願って!『きっとパパとママは歌で世界を平和にするんだ!』て両親のことを信じて!怪我をして魘される敵兵の手すら握る優しい子なんだ!そんなこの子を利用するだけじゃなく!記憶まで弄るだと!!貴様は一体クリスを何だと思っているんだ!」

「何って、都合のいい駒♡」

 

 

 

三人称side

 

「何って、都合のいい駒♡」

 

クリスにフィーネと呼ばれた金髪の女はそう言った瞬間そのフィーネに斬り掛かる影が二つ

 

「テメェ!!」

「貴様ァ!!」

 

天羽 奏と風鳴 翼だった。ツヴァイウィングの仕事を急いで終わらせ現場に駆け付けたのだ。そんな二人の顔は鬼とも捉えられそうな程の怒りに染った形相だ。

そしてさらにフィーネに飛び掛る影が

 

「ぶっ殺す!」

 

普段温厚なはずの立花 響でさえ、その顔を憤怒に染めて殴りかかっていた。

その攻撃もひらりと躱すフィーネ

 

「あらあら、そんなに怒っちゃって。あなた達には関係の無い人間が一人私の役に立って死ぬだけじゃない」

 

フィーネは更に煽るように言葉を放つ

その言葉に装者の三人が動こうとした瞬間。その場にとてつもない悪寒が走る。三人どころかフィーネすらも冷や汗をかいている。その場を支配しているのは殺気。自身の首に死神の鎌をかけていられるのではないかと言うほどの殺気が充満する。

その発生源は

 

「……そうか」

 

抑揚のない声で言葉を発するフェンリルであった

フェンリルは静かに構える。足を前後に大きく開き手を体より前の床にめり込ませる。その構えは独特であった

 

殺す

 

その瞬間、フェンリルの腕にはめてあった封印の腕輪が砕け散る。そして次の瞬間フェンリルの居た場所は大きく地面が隆起し、フィーネが先程まで居た場所にフェンリルがいた。そしてフィーネは地面に転がっていた

しかもフェンリルの姿が変わっていた

 

その姿は黒い、全身を装甲に覆われながらその色は赤黒い。全身の装甲は彼女自身の怒りや攻撃性を象徴するかのように荒々しい。口からは炎が漏れ出ている。そして彼女は二足では無く4足で構えている。その姿はまさに獣

纏う空気は重く、荒々しく、攻撃的だ。それは狩りをする獣ではなく、ただただ、憎たらしい敵を殺す。化け物である

 

我流・猗義怒

 

そこに人としての意思はなく、しかして暴走でもない。あるのは憎たらしくてしょうがない敵を殺すというたった一つのシンプルな思考のみ。今の彼女は敵を殺すまで声は届かず、思いも届かず。ただひたすらに目の前の敵を滅するのみ

 

グルルル

「フェンお姉ちゃん……?」

 

その姿にその場にいる装者達やクリスは困惑する。余りにも自分達の知るフェンリルとはかけ離れすぎている

 

「ぐうっ…貴様よくも」

 

フィーネは口から血を流しながら立ち、ノイズを放つ

しかし

 

ガアアッ!!

 

風がふいたと思った瞬間ノイズ達は塵になっていた。今までのフェンリルを超越したスピード、パワーのあまり、常人には視認すらできない速度でノイズが砕けていく

 

「なっ!?」

 

フィーネは驚くも次々とノイズを呼び寄せる。小型のみならず大型のノイズすらも出てくるが、出てきて数秒のうちに小型も大型も関係なく崩れていく。フェンリルが腕を振るう度にノイズとともに地面が吹き飛び。足場にされた地面は激しく隆起する。その姿は4足でかける獣そのものだ、到底人には見えない

そしてフィーネにフェンリルが食らいつく。

比喩ではなくフェンリルのフルフェイスのマスクが変形しフィーネの腕に食らいついた。そして

 

「があぁぁぁぁっっ!?」

 

喰いちぎる。フィーネの切断された断面から血が飛び散る。

フェンリルはそのまま喰いちぎった腕を放る。

そして再びフィーネに飛び掛る寸前。その動きが止まる

 

ガァッ

 

そして口からおびただしい量の血が溢れ出す。体の各所からも血が飛び出している

そして地面に倒れ伏すと同時にシンフォギアが元の形に戻っていく

 

「くっ、何かは知らんが、今のうちに!」

 

フィーネはそれを好機と捉えその場を去っていく。ちゃっかりその腕も回収している

その場に残されたのは荒れに荒れた戦闘痕と血の中に倒れ伏すフェンリルだった

 

「フェンお姉ちゃん!」

 

そんなフェンリルに一番最初に近づいたのはクリスだった。そしてフェンリルに続き装者の三人も近づく

 

「フェンリル!」

「フェンリルさん!」

「フェンお姉ちゃん!」

 

それぞれが声をかけると

 

「……あ?…ゴフッ……クソいてぇ」

 

ゆっくりとフェンリルが起き上がる。

 

「あなた、大丈夫なの!?」

「あ?あぁ、問題ない」

「問題ないて!この血の量でか!?」

 

そんな翼と奏の言葉を無視してフェンリル自身は試験管を取り出しそれを飲み干す

そんな姿に響が

 

「ちょ、何飲んでるんですか!怪我人なんですよ!」

「問題ない、薬だ」

 

フェンリルが取り出したのはフェンリルがよく使っている〈パナセア〉だった。フェンリル自身の高い治癒能力と〈パナセア〉によりみるみる傷が治っていく

 

「後で増血剤飲むか……」

 

フェンリルはそんな事を呑気に語っている。さっきまでとは大違いである

 

「フェンお姉ちゃん…フェンお姉ちゃん…グスッ…フェンお姉ちゃん……」

 

そんなフェンリルにクリスは縋り付くように泣いている

 

「クリス、血で汚れるわよ」

「いやだァ…離れたくない……ヒッグ…グスッ」

 

クリスのその姿は弱々しく幼子のように泣きじゃくる

服が血で汚れる事すらも厭わず縋り付く

 

「……ハァ、所でさっきのなんだったんだよ」

 

奏がフェンリルの先程の異常な状態について聞く

 

「あれね、あれは私の使う聖遺物の力を極限まで引き出した形態よ。かなり強力だけどその反面肉体に対する膨大な負担と敵を殺すか体が限界を迎えるまで私の意志関係なく全力で動き回るからね。〈パナセア〉と私自身の高い治癒能力が無ければ今頃病院の集中治療室じゃないかしら?最悪お陀仏ね。」

 

その言葉にその場に居た人間は絶句する。そんな危険なものを使ったのか、と

 

「はぁ、久々に切れちゃたのよね。クリスがあんな奴に利用されてたなんて」

 

そう言うとフェンリルは自身に縋り付くクリスの頭を優しく撫で始めた




クリスの存在意義はフィーネによって作られたものだった!?
書いてるうちに原作のフィーネよりクズさがました。おっかしいな?
あと今回で前回のアンケートを切って新しいアンケートを実施します。御協力ください!それとアイディアの方もまだまだ受け付けているのでじゃんじゃんください
前回のアンケートは無印編で正体を明かすに決まりました!
ちなみに今回の主人公の技は主人公が融合症例で〈パナセア〉がなければ確実にお陀仏な技ですね。主人公の回復は早いですけどまぁ、人間やめてる部分ありますからね。


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家族と愛と

オラァ!クリスのメンタル回復回復ぅ〜
幸せになるんだよォ!
あ、ちなみに今アンケートとってる奴について生かしても殺してもストーリーに影響はありません!なので気楽にどうぞ


 

フェンリルside

 

……あーー、クソいてぇ。全身血塗れで気持ち悪いし。あまりにも頭に来たからやっちゃったけど、まだまだ扱えてないな。フェンリルも隙あらば私の肉体狙ってくるし。それさえなければもう少し的確にフィーネ急所抉れたのに、意識それて片腕しかもってけなかった。

にしても

 

「ヒッグ……グスッ……お姉ちゃん、ゥゥ……」

 

クリスに洗脳とはフィーネが予想以上のクズで困ったな。原作より酷いってどうなんよ。原作では響によって改心させられてたけどこっちのフィーネ望み薄では?改心させてその技術を有効に使えればなんて思ってたけど、あたし自らの手で魂消し飛ばすか?と言うか、個人的には消したい。技術に関しては私が頑張ればいけるし。将来的にエルフナインとかも入ってくるだろうし。

まぁ、念の為あれを調整しておくか。それにあれも使うか?でもあれはな使ったあとが問題なんだよなそのままにする訳にも……まぁその時考えるか

 

「フェンリルくん」

「あぁ、弦十郎か」

 

私がクリスを撫でて一息ついていると弦十郎が来た。遅いぞOTONA

 

「その子は……」

「ん、あんたらは知ってるだろうな。雪音クリス、バルベルデ共和国にて行方不明になっていた雪音夫妻のお子さんだよ。」

「君は知っていたのか?」

 

知っていたも何も

 

「私、一時期バルベルデで傭兵まがいの事をしていてね。その時に雪音夫妻の護衛をしてたんだよ。その時の縁でね、雪音夫妻とクリスとはよく話したもんさ」

「そうだったのか」

 

私はクリスと一緒に立ち上がり。錬金術を使って水をかける。いつまでも血塗れじゃいられない

 

「わぷッ!?」

 

そして風と火の掛合わせで温風を私とクリスに当てる。

 

「フェンリルくん、それは?」

「これ?今は知らない方が良いよ、面倒臭い事になる。二面作戦なんて嫌でしょ?」

「そうか、いつか話してくれるなら無理には聞かんさ」

 

話のわかるOTONAだ

しかし、そんな事よりもだ

 

「少々失礼するよ。行くとこがあるからね」

「む?何処にいくんだ?」

「迷子の子供を見つけたんだ。届ける場所は1つだろ?」

 

やっと見つけたんだからね。やっぱり早く会わせてあげなきゃ

 

「ふ、そうだな。彼女の事を頼んだ」

「もちろん。あぁ、あと、立花 響とその友達のこともしっかりケアするんだぞ。本人同士の問題とは言え、二課にもその責任の一端はあるんだ」

「君が来てから色々気付かされることばかりだな。本当の意味で俺達は人を守れていなかったと痛感するよ。肉体を助けても心が救われていなければ意味が無いのにな」

 

お?よくわかってんじゃんOTONA。その調子で二課をもっとより良い組織にしてくれよな

 

私はクリスを抱えた状態でテレポートジェムを地面に叩き付け転移する。

転移した場所はとある路地裏だ

 

「フェンお姉ちゃん、ここは?」

「ここかい?素敵な場所への近道さ」

 

私は一旦ギアを解除し着替え封印の腕輪のスペアを装着し路地裏から出る、活気のある大通りに出た。そして近くには大きなドームがある。私はクリスの手を引きそのドームに向かう

そして中に入ると

 

「ちょっと困りますよ!既に満席なんですよ!」

 

お、運がいいなコイツが来るとは

 

「久しぶりだな栗本さん。フェンて言えばわかるか。バルベルデの」

 

その言葉に栗本は驚いた顔をする。にしてもコイツ老けたな

 

「お久しぶりです。あの時以来じゃないですか!今日はどうしたんですか?」

 

私は背中に隠れていたクリスを出して

 

「サプライズさ」

 

そう言うと栗本はさらに驚く

 

「なっ!?クリス…ちゃん?」

 

栗本はバルベルデにも雪音夫妻のサポートとしてついてきた剛の者だからな。もちろん覚えているだろうさ

 

「お、お久しぶりです。」

「すまないけど今日はタダで聞かせてくれないか?」

「もちろんですよ!でも夫妻には?」

「クリスに聞かせてからだよ。その方が良い」

「わかりました!生憎と席が空いていないので舞台袖になりますが?」

「構わないです。それにその方が夫妻の反応が面白そうだ」

 

私は栗本と話を進めていく。クリスは訳が分からないのかポカーンとしてる

 

「それじゃあこちらへ。ちょうど始まる所でしたので」

 

そう言って私達を栗本は舞台袖に案内する

 

「フェンお姉ちゃん?何をするの?」

「お楽しみさ」

 

楽しみだな。再会するクリスを見るのは

そして舞台袖に着き、舞台の上を見たクリスは目を見開く

 

「なんで、生きて……パパ、ママ」

 

そう今日この場所でドームを使用していたのは雪音夫妻だ

電気が消え、二人にスポットライトが当たる

雅律さんがバイオリンを構え。弾く

そしてその音に合わせてソネットさんが歌う

その旋律は昔から変わらない。綺麗な旋律だ、それ以上に意思が込められている。平和を願う強い意思が

私が出会った時から変わらない、優しい旋律、人を思い、平和を思い、娘を思うその旋律。この人達ならば本当に歌で世界を平和にしてしまうのではと時々思う。それ程にこの旋律には愛がある。

 

時間はあっという間にすぎていく。そんな中、最後の一曲に差し掛かった時。

雪音夫妻が

 

「最後の一曲は娘の為に奏でようと思います」

「いつも私達の夢を一番近くで応援してくれたあの子の為に」

「私事ではありますがお付き合いください」

「「私達の愛のカタチをお聞きください」」

 

そうして奏でられた曲は愛に満ち溢れていた。愛する我が子に対する愛で。本当にその曲はたった一人の為に作られた曲。それは、クリスと離れ離れになってから一時も欠かさなかった曲だ。この曲にはクリスへの想いが詰まっている。かつて夫妻は言っていた『身近な人間、特に娘すら幸せに出来ずに世界平和をなんて実現できません』

『それにこれは願いの歌なんです。いつか、あの子が帰って来た時聞かせたいんです。あなたのパパとママはきっとクリスに平和な世界を見せてあげられる人だって』

愛が満ち溢れたこの曲は向けられた彼女だけじゃなく、それを聞いた人すらも魅力する。

 

多くの願いと愛に満ち溢れたコンサートは万雷の喝采と共に幕を閉じた

 

 

そして雪音夫妻は舞台袖に帰ってくる。そして二人の動きはぴたりと止まりその視線はとある少女に向いている。

その少女は涙を流しながら二人を見つめ返す

 

「クリス、なのかい?」

「……クリス……」

 

夫妻はクリスに近づいていく、そして二人はクリスを抱き締める。

 

「クリス!良かった!!」

「良く帰って来てくれた!」

 

雪音夫妻は大粒の涙を流しながら強く強くクリスを抱き締める。もう二度と離すまいと

しかし、クリスは

 

「あたしは、二人の子供でいる資格なんて…」

 

そんな言葉に

 

「そんなはずあるものか!」

「あなたはいつまでもたっても変わらない!私たちの子よ!」

 

それでもと

 

「あたし、今までパパとママの夢を否定するような事をしちまった!色んな人不幸にして!『歌で世界を平和にする』て二人の夢を忘れて!あたしは!あたしは!」

 

しかし、そんな言葉は親の前では無力だった

 

「そうかい。クリスは悪い事をしてしまったんだね」

「でもね、クリス。あなたはそれを悪い事だって理解して後悔してる」

「それに忘れてても思い出してくれたじゃないか」

「私達の大切な夢を」

「悪い事をしたら償えば良い」

「色んな人を不幸にしたならその分色んな人を幸せにしましょう」

「夢も思い出してくれたなら僕達をまた応援して欲しい」

「クリスが迷ってるなら手伝ってあげる」

「クリスがそれを大変だと思うなら一緒に背負おう」

「「私(僕)達は家族じゃない(か)」」

 

その言葉をきっかけにクリスは泣きじゃくる。その泣き声は嬉しさに満ちていた。この時本当にこの家族は再び家族としてのカタチを取り戻した




可愛いクリスの復活フゥフゥ!!やはり親は偉大だよ
毒親なんてのもいるがな!(フィーネは死ねばいい)
ちなみに親と言えば立花家の父、実は逃げ出していません。主人公が行方不明になった結果覚悟ガンギマリ家族絶対守るダディに進化しました。


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少女達の思い

ストックが切れた!しかし!休みの内に再びストックを作るのだ!一日空いてれば2〜3話は作れるからね。
にしてもバイトが辛い。外での肉体労働はしんどいし、自分の吐息でメガネは曇るし、雪や雨のせいでトラックの到着は遅れるし!せめて屋内の仕事だったらな(´;ω;`)
てか昨日も日間ランキングに載っていた嬉しい!92位だったけど。このままもっと人気になると嬉しいなぁ


 

フェンリルside

 

私の目の前には抱き合って泣いている雪音一家がいた。やはりこういうのは良いな。

私や周りのスタッフも雪音一家の再会を喜んでいる。中には泣いている人もいるほどだ。おい、栗本少し鼻の音を消せ、サイレントしてろ!

そんな中充分に抱き合ったのか、雪音一家は体を離す。

そして

 

「フェンさん。ありがとうございます」

「おかげでまた、クリスに会えました」

「ありがとう、フェンお姉ちゃん」

 

……なんかむず痒いな

 

「それじゃあ私は一旦帰りますね。家族の時間は必要ですし。あ、一応私の電話番号教えておきますね。それでは」

 

なんか家族の時間を邪魔するのも悪いので私は一応電話番号を教えてその場を去る。今は部外者の私は去るとしよう

 

 

 

 

 

 

 

 

****************

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今私は二課本部の休憩室にて気配を絶ち、響と未来ちゃんを見守っている。もちろんファウストローブも使ってだ。

中々に重苦しい雰囲気が漂う。そんな中、先に切り出したのは未来ちゃんだった

 

「響」

「な、なに、未来?」

 

響が少しキョドってるし、未来ちゃんの声が低くなってる気が

 

「今まで嘘ついてたんだね」

「ご、ごめん」

 

未来ちゃん、響を責めないであげて!

 

「別に隠してた事にはそこまで言うつもりはないよ。二課の人にも色々説明されたし」

「う、うん」

 

響、嫌われないかな?お姉ちゃん心配…

 

「でも、それでも、響が危ない事をしてるのは嫌だ」

「未来……」

「響ていっつもそう、真っ先に前に立って自分が傷つく。こっちの気持ちも知らないで」

 

……響、お姉ちゃんそれは流石に擁護できないわ

 

「未来、聞いて欲しい」

「なに、響」

「私ね、怖いの。昔のお姉ちゃんみたいに大切な誰かが消えちゃうんじゃないかって」

 

……これ、私のせいじゃね?

 

「だったら、私が守ればみんな消えないじゃないかって、傷つかないんじゃないかって」

「でも、それは……」

「うん、わかってる。未来は嫌なんでしょ?私が傷つくのが」

 

まぁ、大切な人に傷ついて欲しい人なんて居ないだろからね。一部の特殊性癖の奴以外は

 

「それでも、私に守れる力があるんなら。守りたい、守らせて欲しい。」

「響…」

「わかってるんだ。それが私のワガママだって。でもそれでも私は大切な誰かが傷つくなら、私が傷つく」

「イヤ!イヤ!イヤ!」

「未来…」

「そんな!ワガママ聞きたくない。聞きたくないよぉ…」

 

あ、未来ちゃん泣き出しちゃった

 

「未来…」

「イヤ!」

「未来、聞いて欲しい。確かに私はワガママだ、だからね。約束したいんだ」

「約束?」

「そう、約束。私は必ず未来の前から居なくならない。だから、未来も私の前から居なくならないで。それに、未来がただ守られるのが嫌なら、私を支えて欲しい。」

「響を?」

「そう私を。私みんなが居ないと寂しくて悲しくなっちゃう。だから、未来。私を助けて欲しい」

「響……もう、仕方ないんだから。ならちゃんと約束守ってね?」

「うん、もちろん」

 

……濃厚な百合の波動を感じるわね。これがひびみく。てぇてぇ

しかし、お姉ちゃんとしてはヤキモチ妬いちゃう。

 

とりあえずこのままこの場所にいたら私、嫉妬で爆発しちゃいそうだから退散するわ。立花 牙はクールに去るわ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして来ちゃったのが常に百合の波動を撒き散らしてる、双翼コンビの元。

 

「翼、どうするんだ?」

「奏こそどう思うの?」

 

何の話をしてるんだ

 

「あたしはな、良いじゃないかと思ってるんだ」

「どうして?」

「そりゃもちろん翼と一緒なら何処までも行ける気がするんだ。たとえ世界だろうと」

「奏……」

「前にも言っただろ?両翼揃ったツヴァイウィングなら何処までも飛べるってさ」

「ふふ、そうね」

「だろ?」

「だからさ一緒に行こうぜ!世界!」

「そうよね、怖がっていられない。それに私には奏がついてるもの」

 

……多分あれか、原作だと翼が世界に進出しないかと誘われた時の奴か

にしても……┌(┌'ω')┐ユリィ……いけねぇ百合の波動に当てられすぎたな。さっさと退散しましょ

 

 

 

 

 

 

 

退散したは良いけどどうしよ。とりあえず、隠れ家に帰るか。

そうして私が隠れ家に帰ると

全身をマリアグッズで武装したセレナがいた

 

「セレナ?」

「あ、フェンさん!」

 

……いや、確か今日はあったなマリアのコンサートがそれの帰りかにしても

 

「また、増えたんじゃない?」

「はい!マリア姉さんのグッズがこんなにもいっぱいです!」

 

やべぇよ。セレナのマリアに対する追っかけ度が爆発している。しかも確か公式ファンクラブの会員ナンバー1だったな。G編あたりに突入したらセレナどうなっちゃうんだろう。お姉さん怖くて考えたくもない

 

ていうかどいつもこいつも百合百合しやがってよぉ!当て付けか!私が響に正体あかせずにヤキモキしてるのに当て付けなんか!!オォン!?

 

……やべぇ虚しくなってきた。ペットで癒されてこよ

お姉ちゃんを癒してくれ!アジ・ダハーカ!ヴリトラ!

私は二匹がいる場所まで走り抜ける事にした。途中でセレナの推し部屋が拡大しているのを見たが関係ない。私を癒してくれるペットの元へ行くんだ!




少しずつ主人公の情報を解放していくスタイル。何やらえげつないものを飼っている主人公。


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見えてきた敵の姿

あと少しで決戦になりますね。ということで次回でアンケートを切らせていただきます。ちなみに中々に接戦していたのでもしかしたら二つの意見を組み合わせた感じになるかも。

活動報告の方のアイディア募集もまだまだ続いているのでぜひアイディアをください。あとG編まで少しなのでセレナのシンフォギアの聖遺物のアイディアは近いうちに打ち切りになります。アイディアがある人はお早めに


 

フェンリルside

 

「それではミィーティングを始める」

 

そう言ったのは弦十郎だった。前回のフィーネの出現から3日経った今日、二課にて現れた敵であるフィーネについての報告をする事になっている。

 

「が、その前に新たに仲間になった彼女の自己紹介から始めよう」

「雪音クリスだ、よろしく頼む」

 

そして二課にクリスが所属する事になった。というのも元々彼女は二課が装者候補として目を付けており。更にフィーネにより聖遺物〈イチイバル〉のシンフォギアを与えられていたためだ。

 

そしてクリス自身が二課に所属する事を望んだのだ。何故かと言うとクリスはいくらフィーネから洗脳を受けていたとは言え様々な不幸を撒き散らしたのだから償いをしたいと言ったのだ。個人的には気にしないで良いと思うけど、これについてはクリスがそれで前に進めるなら私は反対しない。

 

「よろしくな!」

「よろしく頼む」

「よろしく」

 

奏、翼、響も戦う事はあったが特に不和は無く、受け入れてくれている。

他にも

 

「二課の特別協力者になったソネット・M・ユキネ氏と雪音雅律白音だ」

「よろしく頼むよ」

「よろしくお願いね」

 

雪音夫妻も二課の協力者になった。というのもソネットさんの歌は聖遺物が反応するのだ。娘であるクリスが装者になったようにソネットさんの歌は聖遺物を起動させうる高いフォニックゲインなのだ。まぁ、あそこまで歌に意思を乗っけるのが上手いなら納得ではある。それにXD編では実際に聖遺物を起動させていた描写があったし。

 

まぁ、そんなわけで雪音家族が二課に所属する事になった。まぁ、雪音夫妻に関しては特別協力者の言葉の通りあくまで協力者なので普段はいつも通り世界各地を飛び回って歌を歌うそうだ。二課で協力して欲しい事があったら依頼するって感じらしい。

 

「さて、自己紹介も済んだところでだ。今回現れたフィーネと呼ばれる女性についてだ」

 

フィーネ、次会ったらボコす。

 

「彼女についてはクリスくんから情報提供があったのでそこから共有していこう。まずここ最近のノイズの異常発生、これはフィーネが持つソロモンの杖という完全聖遺物を使用しノイズを出現させていた事がわかった」

「ノイズを操る完全聖遺物ですか」

 

その場に居る全員の顔が悩ましい顔になる。そりゃそうだよね。ノイズという現状シンフォギア以外で対抗できない存在を自由に使えるんだから

 

「次にフィーネという女性の拠点をクリスくんの情報により発見。そして突入したが既にもぬけの殻だった。そして中には外人の武装した死体があった。この事とクリスくんの情報により、フィーネは米国との繋がりを持っていた事が判明した。だが、何かしらの理由によりフィーネと米国は敵対関係になった。そして米国の特殊部隊と思われるもの達が派遣され逆にフィーネにより殺害された。というのがこちらの見解だ」

 

フィーネと米国は協力しあってたからな。フィーネはシンフォギアの提供とか米国の方はフィーネへの様々な支援とか、原作の描写とか情報ではな。

確か、米国がフィーネの排除に乗り出したんだよな。そしてフィーネもとい櫻井了子は傷を負う。しかしネフシュタンの鎧により傷は塞がる。

私が片腕もいだのに生きているのを見ると既にネフシュタンと融合したのか?

 

「そして更にフィーネはネフシュタンの鎧も所持している。敵は二つの完全聖遺物を持っている事になる」

 

でたよ、めんどくさい聖遺物の一つ。フィーネが既にネフシュタンの鎧と融合しているなら殺すには聖遺物同士の対消滅により破壊するしかない。

 

「だが、依然としてフィーネがデュランダルを狙っているという事しか判明していない。デュランダルを得て何をするのかがわからん」

 

私はカ・ディンギルを使う際の動力源として使うのは知ってるけどここでそのこと言ったらなぜ知っている、ってなるからな、転生者とかそこら辺の説明は面倒だからやだ。

 

「しかし、カ・ディンギルという単語が情報として入ってきた。先史文明シュメールにて用いられた言葉であり、その意味は「高みの存在」。 転じて、天を仰ぐほどの塔を意味しているとも伝えられる。というのがフェンリルくんにより判明したがそのような天を仰ぎみるほどの塔が建造されていたならば我々が気付かないはずがない。依然分からないことだらけだ」

 

そこで弦十郎は言葉を切った。しかし

 

「弦十郎、信じたくないのはわかるが証拠も出揃った事だ話した方が良いじゃないか」

「………………わかった」

 

弦十郎はかなり渋ったがこれは話した方が良い

 

「二課はフィーネの正体を掴むことに成功した」

「ホントかよ!旦那!」

 

その言葉に奏の声を始め、装者達は驚く

 

「その正体は了子くんだ」

「え?」

「バカな……」

「そんな」

 

弦十郎が言い放った言葉により。指令室は騒然となる

そりゃそうだ。今まで仲間だと思っていた人物の裏切りだもんな

 

「フィーネとフェンリルくんの戦闘の際、フェンリルくんによりフィーネは深手を負った。その際フィーネより出血した血液が現場に残された。それをDNA検査に回した結果了子くんのものと一致した。そしてその日から了子くんに一切の連絡がつかなくなった」

 

フィーネは今まで証拠を出さないように立ち回って来たが私との戦闘で血液という個人を特定するのにこれ程とない証拠を落として行った。フィーネが日本以外の国の人物で二課に所属していないならたとえ血液だろうと分からなかったんだろうけど

 

「これからの二課の動きを説明する」

 

未だに指令室が騒然となっている中弦十郎は話を続ける

 

「まず、櫻井了子ことフィーネを敵と断定。そしてフィーネの野望を阻止する事が目的だ。しかし、現状フィーネの目的はわかって居ない。よって情報が集まり次第動く事になる。それまでの間装者達は英気をやしない常に様々な出来事に対処出来るように待機をしておいてくれ。」

 

……私も色々と準備をしておくかな

 

決戦の時は近い




弦十郎て中々に甘いところあるよね。そこさえなければ原作でもフィーネを倒せたのに


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ノイズと人形

頑張りマッスル ( 'ω'  )
なんとか無印編までは毎日投稿できるようにするぞ!

Qセレナのマリアグッズ爆買いの資金は何処から来てるの?
A裏の世界で何でも屋的な事をしています。基本は護衛や危険人物の捕縛及び殺害とか。セレナは基本護衛のみ、裏世界ではそこそこ名前が通っています。もちろん偽名ですけど、日本でもヤクザとかには顔が効くぜ!


 

二課本部に警報が鳴り響く。ノイズが現れたのだ

 

「ノイズの反応を検知!」

「飛行型の大型ノイズ数は4!」

「進行方向は東京スカイタワー!」

 

現れたノイズは小型のノイズをばら撒きながら東京スカイタワーへと向かう

 

「カ・ディンギルが塔を意味すると言うならスカイタワーはそのままじゃないでしょうか!」

「スカイタワーには俺達二課が活動する際に使用する映像や交信といった電波情報を統括制御する役割もある。装者達を急いで東京スカイタワーへ向かわせろ!……(罠だとしても)」

 

4人の装者達は現場に向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

****************

 

 

 

 

 

 

大型の飛行ノイズは多くの小型ノイズを地面や空に解き放つ

そんな時

 

Balwisyall Nescell gungnir tron

 

歌と共に人が落ちてくるそして。その人、立花 響は大型の飛行ノイズを拳で撃ち抜き地面に着地する。大型の飛行ノイズはその数を一つ減らした。

そして更に二人この戦場にバイクで乗り込む人物が

 

Croitzal ronzell gungnir zizzl

Imyuteus amenohabakiri tron

 

その身にシンフォギアを纏い。現れたのは天羽 奏と風鳴 翼であった。二人はアームドギアを構え技を使う

翼はアームドギアを大型化しエネルギーを貯める。そして奏はアームドギアを回転させ風を生み出す

 

蒼ノ一閃

LAST∞METEOR

 

蒼いエネルギーの斬撃が、竜巻が小型ノイズの多数を屠る。しかし、大型ノイズには届かない。

 

「ちっ、届かないか」

「上を取られるのがこうも戦いずらいとは」

 

二人はそのまま地上のノイズの殲滅を始めるが、思う様に動けていない。要因としては上空のノイズそして倒しても再び上空の大型ノイズから供給されるためだ。大型の飛行ノイズを倒そうにも技が届かないため苦戦している

だがその場に新たにもう二人

 

Roar Fenrir rize tron

Killter Ichaival tron(銃爪にかけた指で夢をなぞる)

 

フェンリルと雪音 クリスが現れた

 

「くらいな!」

「落ちろ!」

 

クリスの腰のユニットが展開し大量の小型ミサイルがノイズ目掛け放たれた

 

MEGA ︎ ︎ ︎ ︎DEHT︎ ︎ ︎ ︎ ︎PARTY

 

空中の多数の小型ノイズが消えていく。そして空いた空中を通すようにフェンリルの口元から熱線が放たれる

 

我流・獄炎火砲

 

それは大型ノイズを撃ち抜きその数をまた一つ減らした

 

 

 

フェンリルside

 

 

私は出会いがしらに大型ノイズを一体潰して戦場に出た。色々と準備していたおかげで遅れたけどこれで大抵の事は対処出来る。

残りのノイズは大型の飛行ノイズが2、小型ノイズが多数か。

 

「無事か?」

「来てやったぜ」

 

私と同時に現場についたクリスが他の三人に声を掛けながら駆け寄る。

 

「助かたぜ」

「かたじけない」

「ナイス、二人とも」

 

そんな言葉を返されながら合流する。

 

「これでようやくかたがつきそうだ」

「そうね」

 

奏がそう言い、翼が同意する

 

「クリス上のは頼んだよ」

「了解」

 

クリスと響は拳を打ち付け合ってそれぞれの目標に向かう。最近二人は仲を深めたようだね。お姉ちゃん的には嬉しい

 

「さて、私も頑張りますか」

 

他の四人が動き出したのを見て私も動こうとした瞬間、私に向かって何かが飛んで来て

 

「グゥっ!?」

 

私を吹き飛ばした

 

「フェン姉!?」

「フェンリルさん!?」

「「フェンリル!?」」

 

みんなが驚くが

 

「私の事は良い!ノイズを!」

 

そう言って私は構える。それと同時に私を吹き飛ばした時にできた土煙を突き破りながら人が現れた

いや、人では無い全身は陶器のように白く、顔はのっぺらぼうのようだが青く輝く瞳だけが覗いている。

私はコイツに心当たりがあった

 

「ワルキューレの同類か?」

 

ワルキューレとはかつて大神オーディンの娘とされる戦乙女。死した勇士達の魂をヴァルハラまで運ぶ役割を持つとされる。しかしその実態はアヌンナキ達が作った聖遺物の一つだ。私がかつてとある遺跡で見つけたのはかなり損傷が激しくもう動けるものでは無かった。まあ、ワルキューレは複数体いたので無事な部品を掻き集め修復して一体だけ本調子では無いが復活したのもいたのだが、今は関係無いな。

 

ワルキューレ自体はアヌンナキを多岐にわたってサポートする自動人形のようなものだ。だがその出来は錬金術で作られるオートスコアラーの数十倍は上、ほぼ人と変わらないと言っても過言では無い。なのでここまで人より人形に近いとなると、損傷が起きやすい戦闘型の量産機か?戦闘型の一部は人と殆ど変わらない姿だがその能力は桁違いだ。戦闘はできるが見た目が人形、ならやはり量産機になるな

 

しかしワルキューレ型の量産機ともまた違う姿だ、私の知らない型の人形か。まさかワルキューレ型以外にも人形の聖遺物があるとは、驚きだ。いや、XD編でヴィマーナに大量のロボットが積まれていた描写があったな、人型の聖遺物自体はあるが見つかってないだけか

 

そんな事を考えていると人型の聖遺物は私に向かって攻撃を仕掛けてきた。

 

「レージング解除」

 

私はさっさと封印を一段階解除する。量産機とはいえ戦闘型、しかも完全聖遺物。弱くは無い

武器らしいものは使わずに徒手空拳で襲いかかってくる。人とは違い武術の武の字もないが威力だけは一丁前だ

 

私が攻撃を避けたり受け流したりしながら対処していると、突如頭上で大爆発が起きる。おそらくクリスだろう、大型ノイズの気配も消えている。ノイズの処理は終わったか

 

その直後通信が入る。

 

『響!リディアンにノイズが………』

 

声は未来ちゃんのものだった。リディアンにノイズ遂に出たか、やはりこの人型聖遺物はイレギュラーである私対策か

私は他の四人に通信を繋ぐ

 

「先に行って、私はコイツの相手をしてから行くから」

『でも!』

 

心配してくれるのは嬉しいけど

 

「私をなめんじゃないよ!こんなの直ぐに潰して追いつくから!」

『わかった、絶対追い付いて来いよ!』

『信じてますから』

『頼んだ』

『信じてっからな!』

 

順に奏、響、翼、クリスから言葉をもらい通信を切る

 

「さてと、私と楽しく戦うか」

 

私と人型完全聖遺物の戦闘は切って落とされた




最近シンフォギアのストーリーをなぞる形じゃなくやはり途中でオリジナリティを出そうと思っています。そこでGX編を無くしてオリジナルのストーリーを作ります。キャロル達の事についてはG編が終わった後の閑話にて出そうと思います。これからも応援のほどよろしくお願いします。


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現れるカ・ディンギル

無印編もあと少し、頑張るぞぉ



 

奏、翼、響、クリス、四人の装者はノイズの襲撃により廃墟と化したリディアンに来た。

 

「ひでぇ」

「…未来」

 

辺りに人の気配は無くただ静寂が広がるのみだった。そんな中装者達に近づくものが

 

「櫻井女史!」

「フィーネェ!!」

 

そこに現れたのは櫻井了子。櫻井了子は自らの髪を解く、するとその髪は金髪に変わり、その身にネフシュタンの鎧を纏う

 

「良く来たな。装者達」

「了子さん」

 

響がそう呟くとフィーネは薄ら笑いを浮かべ、言葉を紡ぐ

 

「既にこの身に櫻井了子など存在しない」

「一体どうゆうことだ!!」

「櫻井了子の肉体は既に食いつくされた、いや、意識は12年前に死んだと言って良い」

 

その言葉に装者達は驚く。フィーネが言う通りなら了子とフィーネは同一人物では無く別人だと言うことだ

 

「先史文明期の巫女フィーネは遺伝子に己が遺伝子を刻印し自身の血を引く者がアウフヴァヘン波形に接触した際、その身にフィーネとしての記憶、能力を再起動する仕組みを施していたのだ。12年前、風鳴翼が引き起こしたアメノハバキリの覚醒は実験に立ち会った櫻井了子の内に眠る意識を目覚めさせたのだ。それこそが私」

 

フィーネは己が蘇る為の術を使い長い時間を生きてきたのであった

 

「了子さんをお前が塗り潰して!」

「まるで過去から蘇る亡霊!」

 

その言葉にフィーネは笑う

 

「フフッ、フィーネとして覚醒したのは私一人ではない。歴史に記される偉人、英雄、世界中に散った私達はパラダイムシフトと呼ばれる技術の大きな転換期に立ち会って来た」

「シンフォギア……」

 

シンフォギアシステムもまたフィーネの恩恵によって生まれたもの。今の人類があるのはフィーネのおかげでもあるのだ

 

「そのような玩具、為政者からコストを捻出する為の副需品に過ぎぬ」

「今までの全てはその為だったて言うのか!」

「その通りだ。全てはカ・ディンギルの為!」

 

その発言とともに大きな揺れがリディアンを襲う

 

「なんだ!?」

「くっ!」

 

大きな揺れと共にフィーネの背後に巨大な塔が聳え立つ

 

「これこそが地より屹立し天にも届く一撃を放つ。“荷電粒子砲”カ・ディンギル!!」

「これでバラバラになった世界がひとつになるって言うのか!」

「あぁ、今宵、月を穿つ事によってな!」

 

その言葉に装者達は驚きを隠せない

 

「月を!?」

「穿つ!?」

「なんでだ!?」

「一体どういうことだ!?」

 

その言葉にフィーネは少し悲しそうな顔をすると語り始めた

 

「私は、ただあの御方と並びたかった。そのためにあの御方へと届く塔を建てようとした。しかし、だかあの御方は人が並び立つことを許さなかった。塔は雷霆によって砕かれ、人は言葉を砕かれ、果てしなき罰バラルの呪詛を掛けられた!」

 

その出来事は人々から統一言語を奪い去ったとフィーネは語る

 

「月が何故古来より不和の象徴として伝えられて来たかわかるか?月こそがバラルの呪詛の源!人類の相互理解を妨げるこの呪いを月を破壊する事で解いてくれる!そして再び世界を一つに束ねる!」

 

フィーネはバラルの呪詛を破壊し世界を一つに戻すと豪語する

 

「呪いを解く?それはお前が世界を支配するって事なのか?安い!安さが爆発しすぎてるぜ!」

「余人に私の歩みを止める事など出来ぬ!」

 

装者達はフィーネを止めるべくシンフォギアを纏う

 

Balwisyall Nescell gungnir tron

Croitzal ronzell gungnir zizzl

Imyuteus amenohabakiri tron

Killter Ichaival tron

 

装者達が次々に攻撃を加えるが、どの攻撃も避けられるか弾かれる。そして攻撃を加えれてもネフシュタンの高い再生能力に傷は直ぐに癒される。

 

「クソっ!埒が明かない!」

「四人がかりだというのに」

 

装者達は中々フィーネに決定打を与えられていなかった。しかしこれはフィーネを撃破すれば終わりではなく

 

「お前達が私に手こずっている間にカ・ディンギルのエネルギー充填はもうまもなくだ!」

「なっ!?まずい!」

 

フィーネによる月への砲撃を止めなければ行けないのだ。そんな中

 

「お前ら後は頼んだぜ!」

 

クリスがそう叫ぶ

 

「雪音!?何を!」

「クリス!?」

 

クリスはシンフォギアによりミサイルを創り出し、ミサイルに乗り天高く上がっていく

 

「今更何をしても無駄だ!カ・ディンギルは既に発射される!」

 

そして歌が響く

 

Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el baral zizzl

Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el zizzl

 

その歌は

 

「絶唱!?」

「クリスダメだ!!」

 

空中でミサイルを乗り捨てたクリスはカ・ディンギルのその射線上にいた

クリスのアームドギアは変形していくクリスの想いに応えるように。そして絶唱のエネルギーを攻撃の為のエネルギーに変換していく

 

カ・ディンギルが発射されると同時にクリスの巨大化したアームドギアからもビームが発射される。その一撃は

 

「一点収束!?カ・ディンギルを押し留めて!?」

 

カ・ディンギルの一撃を押し留めていた。しかし、クリスのアームドギアには罅が次々と入る

 

『私はパパとママが大好きだ。パパとママの夢を守るためならこのぐらいの命懸け、安いもんさ』

 

クリスのアームドギアは砕かれカ・ディンギルの一撃に飲み込まれる。そして

 

「僅かに逸らされた!?」

 

月はその一部を欠けるだけにとどめた。そして空から光り輝くものが落ちていく。クリスだ

 

クリスはその命を掛け月の完全破壊を防いだのだ




まだ現場につかない主人公、お前、頑張れよ!


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翳る響と羽ばたく双翼

お気に入りが300を超えた!?感謝感激ですわ。いつも見てくれる皆さんありがとうございます。これからも頑張ります!
さていよいよ最終決戦もあと少し頑張ります( *˙ω˙*)و


 

「…そんな、クリス」

 

響は、膝をつく。響は極端に人が消える事を嫌がる。特に仲良くなった人達は。響にとってクリスは新たに出来た大切な友達、未来とはまた違った形の親友なのだ

 

「嫌だ、そんなの嘘だ……」

 

響の目には涙が見える

 

「自分を犠牲に月への直撃を逸らしたか。はっ、無駄な事を。見た夢も叶えられ無いとはとんだ愚図だな」

 

その言葉に響は憤る。怒りが黒い感情が響を支配していく

 

「テメェ!!ふざけんじゃねえぞ!!クリスの思いを!」

「笑ったのか!?命懸けで大切なものを守り抜く事を!お前は無駄とせせら笑ったのか!?」

 

奏と翼は叫ぶクリスへの侮辱を許さないと

 

それが……夢ごと命を握り潰した奴の言うことかァ!!

 

響の姿が黒く染まる。それは今の響の激情を表しているかのようだ

 

「立花!?」

「響!?」

 

あまりの変わりように奏と翼は驚き声をかける。しかし響は反応を返さない

 

「融合したガングニールの欠片が暴走しているのだ。制御出来ない力はやがて意思は塗り固められていく」

 

その言葉に奏と翼は了子が言っていたことを思い出す

『響ちゃんのガングニールは体組織と融合してるみたいなの。驚異的なエネルギーと回復力はそこから来てるのかも』

 

「まさかお前、立花を実験に!?」

「この外道が!」

 

それに対してフィーネは

 

「立花 響は大いに役立ってくれたよ」

 

その言葉に二人が斬りかかろうとした時、響は動いた

 

ガアァァッ!!

 

雄叫びを上げながらまるで獣のようにフィーネに襲いかかる。その力は今までの響を凌駕していた。しかし、それをフィーネは弾き返す

 

「もはや人に在らず。今や人の形をした破壊衝動」

 

再び響はフィーネに襲いかかる。それに対しフィーネはバリアを張ることで対抗する。バリアは響の一撃を受け砕け、響の攻撃がフィーネにあたる。それと同時に大量の土煙が上がる。土煙が晴れると、頭から腹にかけて裂かれたフィーネがいた

 

「やめろ立花!!」

「それ以上は戻れなくなるぞ!!」

 

翼と奏は響がこれ以上聖遺物の融合を促進させないように叫ぶが、響にその声は届かず。今の響は破壊衝動そのもの

響は今度は二人に襲いかかった

 

「やめろ立花!」

「目を覚ませ!響!」

 

二人は響の攻撃を受ける訳にもいかず、傷をおうばかりだ

 

「ふふっ、どうだ立花 響と刃を交わした感想は」

 

体を裂かれていたはずのフィーネはその傷を治して言った

 

「もはや人の形すら捨て去ったか!」

「一体なんだんだお前は!」

「これが私と一つになったネフシュタンの再生能力だ。面白かろう?」

 

そうしているうちに再びカ・ディンギルから駆動音が聞こえてくる

 

「まさか!?」

「なっ!?」

 

驚きのあまり奏と翼の二人は動きを止める

 

「そう驚くな。カ・ディンギルが兵器だとしてもただの一撃で終わってしまうなら兵器としては欠陥品。必要があれば何発でも撃てるように炉心には不滅の刃デュランダルを選んだのだ。それは尽きることの無い無限の心臓なのだ」

 

カ・ディンギルは月を破壊するまでは止まることは無いという事だ

 

「だが、貴様を倒せばカ・ディンギルを動かす者もいなくなる」

「覚悟しな!」

 

奏と翼はフィーネにアームドギアを向けるが

響がその前に立ちはだかる

 

響が奏と翼の二人に襲いかかる。そんな響の目の前に一つの影が滑り込む。それはフェンリルだった。響の拳がフェンリルの顔面を撃ち抜く、フェンリルは反撃する事なく響を抱きしめた

 

「響、そんな事しちゃいけないよ。響のその手は繋ぐ手なんでしょ?」

 

フェンリルは今まで聞いた事の無いような優しい声で響に問いかける。撃ち抜かれたフルフェイスマスクはボロボロになり罅が入っていく

 

「響の怒りはわかる、でもそれでみんなを傷付けたら傷付くのは響だよ。私だって悲しいな。」

 

そう語っていくフェンリルのフルフェイスマスクが遂に砕けた

 

「だってお姉ちゃんだもの」

 

フェンリルの顔が現れると同時に響の動きが完全に止まる

 

「響、私の可愛い妹。貴方は優しい子でしょ、だから戻って来なさい」

 

響の目からは涙が溢れていた

 

「奏、翼、カ・ディンギルの事頼んで良いかしら」

 

その言葉に奏と翼は顔を見合わせ

 

「聞きたい事は色々あるけど、わかったよ」

「防人の務めを果たしましょう!」

 

そうして二人は駆けていく

 

「たかが二人で何が出来る」

 

フィーネは奏と翼に対して攻撃を仕掛けるがフィーネの攻撃を二人は避けフィーネに肉薄する。そして奏がフィーネに一撃を叩き込む

 

「おりゃァ!!」

「があっ!?」

 

フィーネは吹き飛ばされるが体勢を直ぐに立て直す

しかし翼の短剣がフィーネの影に突き刺さり動きを止める

 

影縫い

 

「体が!?」

 

その隙に二人は

 

「行きましょう奏!」

「ああ!両翼揃ったツヴァイウィングなら!」

 

カ・ディンギルに向かい跳躍する二人のアームドギアには炎が灯る。その様子は空を飛ぶ鳥のようであった

 

双翼ノ炎鳥PROMINENCE∞WINGS

 

羽ばたく炎の翼はカ・ディンギルを打ち砕いた。轟音をたてながらカ・ディンギルは崩れ落ちる

 

「そんな、カ・ディンギルが……」

 

フィーネを縛っていた翼の短剣が消え、フィーネは膝を地面に着く

 

「私のあの御方への想いが…………貴様らァ!!」

 

しかしフィーネはその怒りをまだこの場に残った二人、響とフェンリルに向けた

 

「奏さん…翼さん………」

 

しかし響は二人が消えた事により唖然としてる

そしてフェンリルは

 

「……フゥ、私の出番かしらね」

「え?」

 

抱き締めていた響から手を離しフィーネと対峙する

 

「ま、待って!お姉ちゃんまでい゛か゛な゛い゛て゛!!

 

響は泣き腫らしながらその手を必死にフェンリルに、いや、立花 牙に伸ばす。これ以上居なくなって欲しくない、これ以上一人にしないで欲しいと

その声に牙は応じる事なくフィーネに向かう

しかし牙はフィーネと戦いながら響に声を掛ける

 

「響!立って前を向きなさい!この世界は貴方を待っていてはくれない!いつまでも下を向いて!みんなの想いを無駄にするつもり!」

「だって、もうみんなは……」

 

響は未だに力なく地面を見ている

 

「みんながなんだって!みんなはまだ居るじゃない!だって聞こえるでしょ!が!」

 

そう言った牙の言葉に呼応する様に小さかった歌が大きく響き渡る。リディアンの校歌が戦場に鳴り響く

 

「なんなのだ!この歌は!なんなのだ!貴様らは!」

 

フィーネは目の前の出来事が理解出来ずに叫ぶ

そして

 

「歌が聞こえる……みんなの歌が、まだみんな居るんだ。なら!私は戦う!戦える!」

 

響が立ち上がる

 

「貴様は一体何を支えに立ち上がる!仲間達は消えたのだ!なんなのだこの歌は!この不愉快な歌は!何より!貴様が纏っているのは一体なんなのだ!?」

 

フィーネが叫ぶ、目の前の現実が受け入れられないかのように

そして5つの光が立ち上る

 

シンフォギアァァァァアッッ!!

 

響、奏、翼、クリス、牙、5人の装者がその身にシンフォギアを纏い現れる




遂に牙ちゃんの正体が響にバレやした。百合百合なシーンは戦姫絶唱しないシンフォギアまで待ってくだせぇ。


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シンフォギア

あと一話で無印編も完結!その後はしないフォギアを描きつつG編を書きだめするので一時的に毎日投稿は止まります。G編が始まったらまた毎日投稿しますけどね


 

フェンリルside

 

私達は五人はエクスドライブとなり、空中に浮かんでいた。なるほど、エクスドライブになるとこんな感じになるんだ。

私の黒を基調としたギアは反転し白を基調とした色合いに変化してた。そして背中からは特徴的な羽のようなギアの一部が備わっていた。

 

「歌がもう一度私達に戦う力をくれた。みんなの想いが私達を立ち上がらせてくれた」

 

響がそう言う。いやー、いくら原作で大丈夫だって知っててもクリスとか双翼コンビが居なくなっ時は肝を冷やした。生命反応あるのはわかってたけどやっぱりこの目で確かめないとな。

ホントだったらもっと早くカ・ディンギルの場所に着く予定だったのにあの人形完全聖遺物め、久しぶりに封印全解除に獣人形態になったじゃないか。

 

「高レベルのフォニックゲイン。こいつは二年前の意趣返し」

『そんな事どうでも良いんだよ』

 

すわ!?びっくりした。これが念話か、頭にクリスの声が響いてびっくりしたぁ。

 

「念話までも、限定解除されたギアを纏ってすっかりその気か!」

 

フィーネはそう言うとノイズをソロモンの杖で繰り出してきた

そんなフィーネに奏と翼が

 

『今更ノイズごときに遅れをとるかよ!』

『世界につきぬノイズの災禍も全てお前の仕業なのか!』

『ノイズとはバラルの呪詛によって相互理解を失った人類が同じ人類を殺戮する為に生み出した自律兵器』

 

一つ思うんだがいくらなんでも言葉を失ったからて、相手を殺す兵器を作るとか古代の人類思考がジェノサイドすぎでは?それまで仲良くできてたんなら言葉が通じないならジェスチャーとかで意思表示とか出来ただろうに

 

『人が人を殺す為に……』

『バビロニアの宝物庫は扉が開け放たれたままでな、そこから10年に一度現れる偶然を必然とし、純粋に力と使役しているにすぎない』

 

まあ、使役出来なきゃ使用者諸共あの世行きやもんね

そんな事を考えているとノイズ達が襲いかかって来る。それを避けているとフィーネがソロモンの杖を空に掲げた

 

「落ちろぉ!!」

 

するとソロモンの杖から緑色の閃光が放たれ空中で弾け都市中に散らばった。そして大量のノイズが現れた

 

「いや、多いなぁ」

 

つい私はそうこぼしてしまった。一面のノイズにノイズ。面倒くさ

 

「なんだ、フェンリル、ビビってんのか?」

 

奏がそう言ってくるが

 

「単純に面倒臭いなと」

「それにはお姉ちゃんに同意する」

 

私はそう返し、響も賛同する。それと同時にクリスが

 

「響、お前、お姉ちゃんてどういう事だよ?」

 

クリスが聞いてくる

 

「あ、そう言えば言ってなかったね。顔も割れちゃったし改めて自己紹介を。私の名前は立花 牙、7月2日生まれの20歳、血液型は響と同じO型、身長は確か172cmだったかな?」

 

私のその言葉に響以外の一同は唖然とする。

 

「まさか、立花の姉だったとは」

「色々と事情があってね。今まで秘密にしてごめんね」

 

いやぁ、まじで全裸局長とか護国ジジィとか面倒臭いからなぁ。最近全裸局長の方はもう私に興味無いってわかったけど。やっぱりただの実験のようだったな、別に駒にするつもりとか無かったな。薄々感じて事だけど。でも、下手に動くと今度は消されそうだなぁ

 

「ねぇ、お姉ちゃん何か言う事あるんじゃない?」

 

ああ!!確かに!

 

「響、ただいま!」

「うん!おかえり!」

 

私と響が見詰めあって笑っていると

 

「今は、それよりノイズの方が先だろ!」

 

クリスがそう言ってきたけど

 

「なにクリス。羨ましいの?」

 

響が笑いながらクリスを煽る

 

「ばっ、おまっ、違ぇ!」

 

そう言ったクリスは拗ねたようにノイズに向かって行った

 

「ありゃ、虐めすぎたかな?」

「ふふ、とにかく行きましょう」

 

私は響とクリスのやり取りに幸せを感じながら響、奏、翼と共にクリスの後を追う

 

クリスは自身のギアを変形させ自身が乗る飛行ユニットに変えた。飛行ユニットからは大量のビームが放たれ多くの飛行型ノイズを葬る。

 

響は拳で大型ノイズを数枚抜きし、更に拳を振る度に拳状のエネルギーが飛び小型ノイズ達を粉砕していく

 

翼は空高く飛び上がると刀のアームドギアを巨大化させ蒼ノ一閃を放つがその威力は通常時の比ではなく飛行型の大型ノイズを二枚抜きし更に地面のノイズの多くを葬り去る

 

奏は槍のアームドギアを前に構え突撃するとその勢いのまま、多くのノイズを貫く。その突撃の余波で崩れるノイズもいる程に強力な突撃だ

 

私自身は響と腕部のアームドギアを展開しフォニックゲインを回しエネルギーの斬撃を放ったり。スコルとハティを呼び出してノイズの相手をさせていた。スコルとハティも大量のフォニックゲインのおかげか巨大化してだいぶハッスルしている

 

そうしてノイズを倒している時フィーネが突如としてソロモンの杖を自身の腹部に突き刺す。すると辺りに散らばっていたノイズがフィーネに集まっていく

 

「一体何を!?」

「ノイズを取り込んでやがる!」

 

そしてフィーネはデュランダルすらも取り込む

 

「来たれ!デュランダル!!」

 

そうして現れたのは巨大な赤色の龍とも言えるような物体だった。黙示録の赤き龍が誕生した

 

「逆さ鱗に触れたのだ。覚悟は出来ているだろうな」

 

赤き龍からビームが発射されるそれは一撃で町を吹き飛ばす

 

「町が!?」

 

響達は止めようと赤き龍に攻撃を仕掛けるが、それはどれも決定打にならず、即座に損傷が回復する

 

『限定解除されたギアでも所詮は聖遺物の欠片から作られた玩具!完全聖遺物に勝てると思うな!』

『あっはははははははは』

 

その言葉につい私は笑ってしまう

 

『貴方に一つ教えてあげましょう。私のシンフォギアに使われている聖遺物は完全聖遺物なの』

 

既に私に融合したフェンリルの牙は八年の歳月と私の肉体とフォニックゲインにより欠片から完全な状態に戻っている。それでも私が人間の姿のままなのはケイオスタイドのおかげだ

 

『なんだと!』

 

私は赤き龍に対して思いっきり拳を振りかぶると赤き龍はその体躯の一部を跡形もなく吹き飛ばされる

 

『それに、貴方の言葉はただの失語よ』

『なに!?』

 

その言葉と共にクリス、翼、奏の攻撃が私の攻撃により出来た隙間からフィーネに飛ぶ

私を囮に3人の攻撃がフィーネに炸裂し黒煙が辺りを包む。そして黒煙を突き破りデュランダルが飛び出す

 

「それが切り札だ!立花!勝機を逃すな!つかみ取れ!」

 

デュランダルは響の元へと一直線に飛んで行き響はキャッチする

しかし響がキャッチした途端、響に膨大な破壊衝動が流れ込む

 

「グッ…グゥっ…ア゙ア゙」

 

そんな時、地上に二課のみんなやリディアンの人達が出てくる

 

「踏ん張り所だぞ!」

「自分をしっかりもってください!」

「昨日までの自分を!」

「明日からの自分を!」

 

皆が声を掛けていく

 

「頑張るんだ!立花!お前の覚悟を見せてくれ!」

「全部お前を信じて賭けてんだよ!」

「響!お前ならやれるさ!」

 

装者のみんなが声を掛ける

 

「響、自分を見失わないで。せっかくまた会えたのに寂しいじゃない。それにみんなが貴方を信じているの、だから踏ん張らなきゃ」

 

私も声を掛ける

そして

 

「ひびきぃぃぃぃぃぃい!!」

「響!」

「立花!」

「響!」

「響くん!」

「響」

 

みんなが響の名前を呼ぶ。すると

 

『この衝動に塗り潰されてたまるかぁぁぁぁあ!!』

 

黒く染まりかけていた響は元に戻った

そしてデュランダルを振りかぶる

 

『その力何を束ねた!?』

「みんながくれたシンフォギアだァ!!」

 

 

Synchrogazer

 

デュランダルの一撃は赤き龍諸共フィーネを巻き込んでいく

 

『完全聖遺物同士の対消滅!?いや違う!?これは!!フェンリルゥゥゥゥゥ!!ネフシュタン再生だ!この身砕けてなるものかぁ!!』

 

この時私はデュランダルに私自身のフェンリルの力を上乗せして実質完全聖遺物二つVS完全聖遺物一つになっていたので力は拮抗すること無く容易くネフシュタンを切り裂いていく

 

そして黙示録の赤き龍は崩れ去った




感想と活動報告のアイディアどしどしください!てか欲しい。私にやる気を充電してください!


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欠片は落ち、神狼は歌う

ついに無印編~完~!!次は戦姫絶唱しないシンフォギアだ!
ここまでお付き合い頂いて感無量です。G編以降も頑張って行くので引き続き応援お願いします!


 

リディアンはその姿を無惨なものに変え、もはや原型を留めていなかった。そして崩れ去った黙示録の赤き龍からはフィーネが生き残る事は無かった。

完全聖遺物二つによる攻撃をネフシュタンは耐えきれずそしてネフシュタンを破壊して尽きぬエネルギーはフィーネを襲った。デュランダルにも少なからず負担が掛かっていたようでその刀身には罅が入り砕けた。まぁ、原作だと完全消滅だったからマシか。私にも少々ダメージが入ったがすぐに回復する程度だ

私はデュランダルの欠片の一部を拾い上げながらそう考える。欠片でも聖遺物だ使い道は色々ある。二課の分も残しておくか

 

「……了子さん」

 

響のその目は悲しげだ。まぁ、フィーネはともかく了子さんはな、被害者だし。それにフィーネだったとしても今までの全てが嘘だとは思いたく無いんだろう

 

私は響に近づく

 

「響」

「どうしたのお姉ちゃん…」

 

やっぱり少し無理をしている顔だ。響は隠してるつもりなんだろうけど、今まで離れていたけどわかるもんだな。

 

私は赤い陣を出しそこから物を取り出す。それは金でできた細長い鳥籠であった。中には青い炎が灯っている。Fateのエレシュキガルが持っている物を想像してくれればわかりやすいと思う。私はそれを軽く振ると

 

 

リーン…リーン

 

 

澄んだ音色を響かせる。すると突如として地面を突き破り二つの私の手元の鳥籠を大きくしたものが現れる。

 

「お姉ちゃん、これは?」

「私は完全聖遺物〈冥府の鳥籠〉と呼んでいる。能力は魂の保護それだけ」

 

これは私が見つけた聖遺物の一つだ。能力はホントにシンプルで人の魂を知覚しそれを鳥籠の中に閉じ込める事。これの中に入っている限りその魂は劣化する事なく逆に回復し、現世に留めたままにしておける。

 

「魂の…保護?」

「そう」

 

私は片方の鳥籠を指さす。

 

「こっちの鳥籠には了子さんの魂が」

「了子さんの」

 

そしてもう片方も指さす

 

「こっちにはフィーネのが」

「フィーネの」

 

私は二人の魂を保護した。体は後からオートスコアラーでもホムンクルスでも作ってその中に入れれば良い。本当はF.I.Sからパクってきたイガリマの欠片から作ったファウストローブでも使ってフィーネの魂は消そうと思ってたんだけど。フィーネは長い年月で自身の目的を見失ってしまっただけじゃないかと思う。キャロルのように

 

それに原作では改心してたしチャンスを一度だけあげたいと思う。もちろんお話とかは必要だし念の為に色々と細工はするけど。

あと、イガリマのファウストローブは魂を切り裂く際に必要なエネルギーを周囲から吸い取る。熱エネルギーから運動エネルギー、フォニックゲイン、下手すると装着者の生命エネルギーまでとにかく無差別に吸収するからしっかりとエネルギーを確保できてない状態では使いたくない。一応フォニックゲインを魔力に変えて貯めたりしたがいまいち心配だった。今まで使った事なかったし、欠片からその聖遺物本来の能力得るには絶唱級のエネルギーが必要だからね

 

「魂のままでもお話ぐらいできるわ」

「…ありがとう」

 

これぐらいお易い御用よ。可愛い妹の為だもの」

 

「恥ずかしい事言わないで」

 

おや、少し心の声が漏れていたようだ

そしてみんなが終わったと安心していた時だった

 

「司令!大変です月の欠片が!」

「何!?」

 

月の欠片は目に見えてどんどん地球に近づいていた

 

「数時間のうちに月の欠片が地球に落ちます……」

 

その言葉にその場は静まり返る

そしてそれに対して響が動こうとした時私以外の4人のシンフォギアが解ける。

 

「な!?ギアが」

「どうなってんだ!?」

「これじゃあ月の欠片が!」

「どうして!?」

 

おそらくフォニックゲインが足りなかったんだろう。本来なら五人ではなく三人のみがエクスドライブになったはずだから。エクスドライブを維持できる程のフォニックゲインは既に無いのだろう。私は常にフォニックゲインを生成しているから問題は無いんだけど。

私だけが残ったわけか、なら

 

「仕方がないか……」

 

私は視線を月の欠片に向け。飛び立とうとしたが体に何かが引っ付いてきた。それは響だった

 

「響…」

「イヤだ……行っちゃ嫌だ!!

 

響は私に引っ付いて行かせないようにする

 

「もう…居なくならないで。私を置いてかないでよぉ!!」

 

それは響の心から叫びだ。私はそれに固まる

あぁ、私はこんなにも響を悲しませていたのか。バラルの呪詛がない私だからか響の心が伝わってくる。悲しい、辛いと

 

「せっかくまた会えたのに!!また一緒に昔みたいに過ごせると思ったのに……行かないでよ、お姉ちゃん……」

 

響は少しぐずりながらそう言ってくる。

でも、ここで止まる訳にはいかない。月の欠片が地球に落ちたら響も家族も帰る場所も無くなってしまうかもしれない

私は響を抱き返す

 

「響、私は行かなくちゃ」

「嫌だ…」

「お願い」

「嫌だ!!イヤッイヤ イヤ!!!」

 

響はとうとう大泣きしながら私を抱く手に更に力を込める

でもそれでも

 

「響、お願い。私に響を守らせて。私にお姉ちゃんらしことさせて欲しいな。それに、約束するわ、絶対響の元に帰ってくるから、ね?」

 

そう言うと響は泣きながらも

 

「絶対…グスッ…帰ってくる?」

「うん」

「ヒグッ…帰って来なかったら……グスッ…許さない」

「うん。許さなくて良い」

 

そして響は私から離れる

 

「響、行ってきます」

「…いってらっしゃい。ちゃんと帰ってきてね」

「もちろん」

 

そうして私は笑い。月の欠片まで飛び歌う

 

Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el baral zizzl

Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el zizzl

 

絶唱、それは命を削り大量のフォニックゲインを生み出す歌。まぁ私はフェンリルと融合してるから負荷とかほぼ無いんだけど。そして私の絶唱により生み出されるフォニックゲインは絶唱およそ一億人分、もし地上で歌っていたら再びみんながエクスドライブ出来るぐらいのフォニックゲインは生成できる。だけどカッコつけた手前そんな事はしない。それに響にはあまり負担を掛けたくない。ただの過保護なんだよなぁ……

 

そうこうしている内に月の欠片が眼前まで迫っていた。私は両腕のアームドギアを展開する。それはどんどん巨大化していく。とにかくアームドギアにフォニックゲインを回す。一撃で破壊する様に、地球に被害を出さないように

 

私は両腕のアームドギアを月の欠片に振りかぶる。アームドギアが月の欠片を切り裂く、そして膨大なフォニックゲインが大爆発を起こす。

 

月の欠片は地球に落ちること無く砕かれた




さぁて、しないフォギアを頑張らなきゃね。
それと活動報告の主人公が使う聖遺物のアイディア募集もまだまだ受け付けているので、この期にアイディアをば。もしかしたら君のアイディアが小説に乗るかも。


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無印編までの設定

無印編までの設定をある程度纏めたもの。



 

主人公:立花 牙

戦姫絶唱シンフォギアの世界に立花 響の姉に転生する。とある聖遺物の実験体にされた際に前世の記憶を思い出す。前世は男だったが現在は女性なので男勝りな所がある。

好きな物は響、料理をする事、研究をする事、歌を聞くもしくは歌う事、妹分のクリスとセレナ

嫌いな物は響を傷付ける物、自分の判断基準での悪、全裸局長ことアダム、護国ジジィことGEDOUの風鳴 訃堂

 

聖遺物〈ケイオスタイド〉と聖遺物〈フェンリル〉の融合症例。ケイオスタイドにより肉体をフェンリルに適合できるものに改造された。響とは違い聖遺物の侵食ではなく聖遺物との完全適合となっている。既に聖遺物人間と呼んで差し支えないだろう

 

主人公はケイオスタイドとフェンリルの影響によりバラルの呪詛を解かれている。その為伝える力であるフォニックゲインが心臓から常に供給されている。

 

主人公に融合した聖遺物〈フェンリルの牙〉は本来欠片であったが主人公という適合する肉体と主人公が常に発するフォニックゲインにより完全聖遺物にまで戻りその力を取り戻している

 

主人公は研究施設から逃れた後野良錬金術士であるアスベル・フォン・アルマイダに師事し錬金術を学ぶ。また本来死ぬはずであったセレナとクリスの両親を助けている。

 

主人公は極度のシスコンであり響の事になるとたまに暴走するが響の前ではそれを押しとどめ響の姉のイメージを崩さないようにしている

 

主人公は攫われた後に生きていくために裏世界等にも色々と関わりを持っており、裏世界ではまあまあ有名。マフィアやヤクザにも顔が効く。

 

主人公保有聖遺物

 

融合

・フェンリル

・ケイオスタイド

 

聖遺物

・ヴァナルガンド

・グレイプニル

・レーヴァテイン

・イガリマ

・デュランダル

・ハデスの隠れ兜

・?????

 

完全聖遺物

・ヴリトラ

・アジ・ダハーカ

・冥府の鳥籠

・ワルキューレ(一体のみ)

・?????

 

 

 

 

原作主人公:立花 響

今作主人公、立花 牙の妹、幼い頃に牙が誘拐された事でショックを受け性格が少々変化、クールな響になる。こちらもまたお姉ちゃん大好きっ子である

好きな物は美味しいご飯にトレーニング、ツヴァイウィング、未来、家族、お姉ちゃん

嫌いな物は身勝手な正義を振りかざすやつ、悪人、まずい飯、帰ってこないお姉ちゃん

 

原作の響のような善性の塊ではなく現実を見つつも理想を追い求める性格。主人公の影響により深く物事を考える思慮深さを獲得している。学校等の成績も良く原作響よりもハイスペック。料理、洗濯、掃除等は一通りできる。昔姉が居なくなった影響から強くなる為武術に励んでいる。主にキックボクシング、柔術、合気道等を習得しており、たまに総合格闘技の大会にも出場する事も。現在は八極拳やカポエラ等も学びだしている。

 

また主人公が過去攫われた結果響は誰かが居なくなるのを極端に嫌いそれなら自分が傷付くという選択肢を取るようになった。主人公はギルティ

 

融合聖遺物

・ガングニール

 

 

 

 

 

セレナ・カデンツァヴナ・イヴ

本来であればネフィリムの暴走により命を落とす筈が主人公により救出。その後の迅速な治療により後遺症等もなく復帰した。しかし、セレナの身の安全を危惧した主人公により攫われた。F.I.Sでは既に死亡扱い

他者の命を奪う事どころか傷付けることを嫌う。あまりの優しさに主人公は浄化されそうになった。

いつかまたレセプターチルドレンのみんなと暮らすことを夢見ている。

 

 

 

 

 

雪音クリス

主人公の妹的な存在。かつてバルベルデにて主人公が雪音夫妻を助けようと二人の護衛に着いた際仲良くなる。クリスにとって主人公は第二の家族のようなもの。

性格はフィーネに攫われた結果原作とほぼ違いはない。違う所と言えば他人をしっかりと名前で呼ぶ事。

死んだと思っていた両親と再会を果たし今はとても幸せである。フィーネにより利用されていたとはいえ、多くの不幸をばらまいてしまったので一生を使い多くの人を幸せにできるように生きようと考えている。もちろん両親の夢を応援している

 

 

 

風鳴 翼

片翼を失わなかった防人。奏が存命でもやはり防人になる運命な残念少女。一部致命的な所があり、掃除や料理は緒川さんか奏に完全にお世話になっている。最初の頃の凛々しい雰囲気は何処へやら。奏が生存している事により精神的には原作の翼よりも安定している。響が二課に来た際も邪険にすること無く接した。

 

天羽 奏

惨劇のライブで生き残ったツヴァイウィングの片翼。姉御肌な少女で最初は憎しみによって戦っていたが最近は守りたいものを守るために戦う。描写はされて居ないが主人公が奏に『失った物より今お前にあるものはなんだ』と、とある名言を言われた事により憎しみを完全に消すことは無いが〈愛〉に生きる事が少しできるようになった。その影響か最近は適合係数が上がってきた

 

風鳴 弦十郎

歩く憲法違反のOTONA。ノイズ以外に対してはほぼ最強と言っても過言では無い。主人公にかつて敗北し最近はさらにトレーニングに励む。また主人公により二課の働きで人は救えても心を救えていなかった事に気づく。たぶんお役所仕事じゃなきゃもっと多くの人を救ってた気がする

 




もっとここが知りたい!とかあったら意見ください、書き足します


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狼姫咆哮しないシンフォギアー1

後日譚と日常しないフォギアでは書いていきます。ここに関しては作者の趣味全開です


 

二課仮設本部のとある一室にて

 

「おい、どうするんだよあの二人」

「どうと、言われても私達には何もできないでしょ」

 

ヒソヒソと話をする、奏と翼。その視線の先には膝を抱え黒いオーラを放つクリスと響の姿があった。

今現在は一時的な行動制限によりとある一室にて過ごしていた装者の四人そのうちの二人は未だに牙が行方不明な事に落ち込み暗くジメジメしていた。それに加え

 

「お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん」

「フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉」

 

二人は常にブツブツと牙の事を呟きその目のハイライトが消え失せていた。それと同室にいる奏と翼はもはや狂気を感じていた

 

「いや、怖ぇよ」

「奏、私もよ」

 

二人はその狂気にあてられ少々恐怖状態になっていた。仕方があるまい。もはやヤンデレの領域に近いのだから。

 

「頼むから早く帰ってきてくれ」

「私達を助けて」

 

二人は部屋の隅へ移動し互いに抱き合いながら天敵に見つかった小動物のように震えるしかなかった。そんな時部屋に人が入ってきた。それは

 

「帰ってきたわよ!」

 

片手に何やら巨大な箱を携えた立花 牙だった。そして牙は部屋の状態を見た瞬間

 

「なぁにこれ?」

 

そしてその声を聞いたクリスと響は凄まじいいきよいで首を牙の方向に向ける。それはホラー映画のワンシーンのようだった。そして二人の気迫に牙はビビる

 

「(’ω’)ファッ!!?」

 

そして二人は瞬く間に牙に接近し

 

「お姉ちゃん!!」

「フェン姉!!」

ハンニバルッ!?

 

牙に抱き着きその腰を粉砕した

 

メギィ!!

 

凄まじい音を響かせながら牙は倒れる。片手に携えた箱を手放すこと無く床に静かにおろしたあたりは流石としか言いうがない

 

「アイルビーバック……カハッ

 

その一言と共に牙は意識を手放す

 

「おいぃぃぃぃぃい!?」

「フェンリル!?」

 

翼と奏の二人はあまりの事態に駆け寄る。クリスと響の二人は

 

「お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんスゥー、ハァー、スゥー、ハァーお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん」

「フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉フェン姉」

 

もはや限界化したのか牙の事を呼びながら頭を牙にスリスリし手に力をどんどん入れる

 

メキィ……ミシィ……

 

二人のあまりの力に牙の体は悲鳴を上げる。

 

「ヤバいって!!牙が死ぬぞ!?」

「二人とも離れなさい!!」

 

牙は今にも二人のベアハッグによりその胴体を寸断されようとしていた

 

あまりの騒ぎに弦十郎や緒川が来た事によりその騒ぎは鎮圧されたが牙は気絶したままだった

 

 

 

フェンリルside

 

……( ゚∀ ゚)ハッ!……あれ?おかしいなさっきまで河原のような場所で歩いてたのに。

てか、あれ?私寝てたっけ

私が目を開け顔をあげると私に抱き着いている響とクリスが見えた。あっ、可愛い

私が尊死しようとしていると声がかかる

 

「起きたかフェンリルくん」

 

その方向に顔を向けると

 

「おや、弦十郎に緒川じゃないか」

 

弦十郎と緒川が居た

 

「目が覚めたようで何よりだ」

「ホント、無事で良かったです」

 

そして

 

「フゥ、生きた心地がしなかったぜ」

「あんなに慌てたのは初めてかもしれないわ」

 

翼と奏が居た

 

「奏と翼もいたのね」

 

そして私は何故寝ているのか思い出した。クリスと響に腰を砕かれ気絶したのだ。その割には腰以外もなんか痛いんのだが……まぁ良い

 

「で?何を聞きたいの」

 

私はそう切り出した

色々聞きたいだろうしな

私は響とクリスの頭を撫でながらそう考える

 

「全部……」

 

そんな事を言ったのは響だった

 

「居なくなった時から全部の事」

 

……まぁ妥当なのかなぁ

 

「ふふ、そうね。響には色々話さなきゃね」

 

響の為なら全部話しちゃうわ!

 

「んーと、じゃあ自己紹介から。私の名前は立花 牙。7月2日生まれの20歳。血液型はO型。身長172cm。性別は女」

 

まぁ、とにかくここからよね

 

「八年前突如として行方不明になった少女それが君か。だが……」

 

言いたいことはわかるよ

 

「まぁ、色々変わってるからね」

 

髪色とか瞳の色とかもはや別人レベルだからね

 

「八年前誘拐された私は実験体だったの」

「実験体……」

「どこの組織かもはや構成員は全員死んでるから分からないけど、ドイツに私は誘拐された。そして私を実験に使った人と聖遺物の融合実験」

「人と…」

「聖遺物の…」

 

聞いているみんなは絶句している

 

「聖遺物の名前は〈ケイオスタイド〉と〈フェンリル〉その二つよ。ケイオスタイドは私の体を聖遺物に適合できるものにする改造の役割、そしてフェンリルは私に融合させる聖遺物」

 

んー今更ながら中々にえげつないこと考えるよね

 

「今の私は聖遺物と一体化した聖遺物人間と言っところかしらね」

 

その言葉にみんなは黙り込む

 

「でも別に悪い事ばっかりじゃないわ。力を手に入れたし。結果論だけど私は元気にしてるしね」

 

力がなければ響の隣に立つことすらできない存在になってた事だし

 

「だが、それは……」

「良いのよ。私は既に納得してるから」

 

別に確かに人とは違うけど私は私、変わってないわ

 

「……だからこんな尻尾生えてるの」

 

響は私の尻尾を触りながらそう言ってきた

 

「そうよ。耳もね」

 

人を辞めてるぜ!だけど私は人間のままのつもりだし。心までは人を辞めてないわ

私は響とクリスの二人を抱きしめる

 

「大丈夫よ。私の心臓は動いてるし。息もしてる。化け物でもない。私は私、あなた達のお姉ちゃんよ」

「「うん!!」」

 

あ^~心がピョンピョンするんじゃあ^~

 

「そうか。君が気にしないなら俺達が心配するのは野暮だろう」

「やっぱりわかってんじゃん」

 

そういうところ好きよ

 

「だが、君のシンフォギアは?」

「あぁ、それね米国にある聖遺物研究所からパクって来たのよ」

「パクって来たて、お前」

 

奏がなんか言ってるが知らん

 

「フィーネが米国に流した奴の一つよ、他にもあるんだけどね。今ここでする話でも無いし」

 

F.I.Sは結構黒いし取られても文句は言われないわ

 

「そうか、これ以上はせっかくの再会に水を差しそうだ。一旦退室しよう」

 

そう言うと弦十郎と緒川は部屋を出て行った



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狼姫咆哮しないシンフォギアー2

中々良い感じの日常系を書けない。ここは要練習やな


 

「お姉ちゃん♪」

「なぁに響♪」

「呼んでみただけ、へへ♪」

 

ああ^~可愛いんじゃぁ^~

今私と響は同じソファで私が響を抱く体勢で座っている。それは今までの離れていた時間を埋めるようにイチャついていた

 

「ちっ!!」

 

クリスがこちらというか響を睨んでいるが我慢して欲しい。数年ぶりの実妹なのだ

 

「奏、ここブラックのコーヒーあったかしら」

「すまねぇなカフェオレしかねぇ」

 

翼と奏はマイペースに飲み物の相談をしている

 

「響♪」

「なに〜お姉ちゃん♪」

「お姉ちゃんね、プレゼント持ってきたの」

 

そう言うともう一人の私が大きな白い箱を持ってきた

 

「「「は?」」」

「へ?」

 

四人は二人目の私に驚いているようだ。私はそれに気にせずテーブルに箱を置く

 

「いやいやいや!!どうなったんだよ!?牙が二人!?」

「あたしは幻覚でも見てんのか?」

「なんと!?」

「お姉ちゃんが二人……!?」

 

私はそのまま箱を開けると中から3段の巨大ショートケーキが出てきた。一番上にはエクスドライブ形態の私達五人の姿のチョコ人形がある

 

「「「「おぉ〜」」」」

 

これは私の手作りであり中々の出来だと思う

 

「いや!!違ぇよ!?ケーキよりなんでフェン姉が増えてんだよ!?」

「「「( ゚∀ ゚)ハッ!」」」

 

ちぇ、気を逸らせなかったか

 

「まだなにか話してねぇな!!」

 

その言葉を皮切りに私に視線が突き刺さる

 

「私が実験体の時使われた聖遺物にケイオスタイドてあるの話したよね」

「うん」

「それにね、自己増殖と自己改造の力があってね。今そこにいる私は自己増殖で増えた私」

 

響から離れたくないから出したんだけど

 

「そんなわけで」

 

さらに私が増えクリスを後ろから抱きしめる

 

「こんな事もね」

「ふぇ!?」

 

いきなりのハグに驚いたのかクリスは変な声を出した

そしてさらに私は増え響にくっつく

 

「お姉ちゃんサンドよ」

「お姉ちゃんが…二人…」

 

響はまだ放心しているがとりあえず幸せそうなのでよし。そしてさらに増えた私はケーキを切り分けていく。

 

「ほら、あなた達も」

「お、おう」

「あ、ありがとう」

 

翼と奏は未だに動揺している

 

「あー、もらって悪いんだけどよ。今は苦いもんが食いたいんだ。さっきから砂糖吐きそうなんだよな

「え、ええ。私も苦い物の方が」

 

そんは事を聞き私は赤い陣を出してそこから別のケーキを取り出した。

 

「じゃあこれね、試しに作って見たコーヒーケーキ」

 

甘いのが好きじゃない人でも楽しめるスイーツ。最近はスイーツ作りが楽しいだよね

 

「わりぃな」

「ええ、すまないわね」

 

私はそのままみんなにケーキを配って行く。

 

「美味しく食べてね」

 

ちなみに響とクリスにはあーんをさせている。幸せそうな二人を見るのは癒しだわぁ〜

 

やっぱり砂糖吐きそう

そうね

 

そんな時奏から声がかかる。ケーキの装飾をガン見しながらだ

 

「おい、牙」

「ん、何?」

「このケーキ。ラ・パティのケーキか?」

「ええそうだけど?」

 

その言葉に奏が立ち上がり

 

「ええそうだけど。じゃねぇよ!?これ何万すると思ってんだよ!?しかもケーキの予約なんて三年待ちなんだぞ!?」

 

その言葉に美味しそうにケーキを食べていたクリスと響はその口を止めた

 

「問題ないわよ。これ無料だし」

「無料!?」

 

ええ、だって

 

「ラ・パティのオーナー私だし。なんなら料理長よ」

 

一時期お菓子作りにハマってね。そこから色々してたら今やお店出すまでなったけど。ちなみに料理長は私の自己増殖体に任せてるわ。自己改造で変装もバッチリ。なんなら色んな所に私の自己増殖体いるし。てかラ・パティの従業員全員私だから

 

「な、なん!?」

 

実は自己増殖体を自己改造で変装させて世界中に散らばらせてるし。いやぁ、自己改造すると血液型からDNAまで変えられるからもはや別人になれるから私だとバレないんだよね

 

「そんな事より食べましょう」

「そ、そんな事て」

「私、あと一年で食べられたはずなんだけどね」

 

翼は何気なく呟いたが予約してたんだ。半年先までしかちゃんと把握してないからね。知り合いだし順番飛ばして良いかもね

 

「はい、響。あーん♪」

「あーん♪ん〜〜美味しぃ〜〜」

「クリスもあーん♪」

「あ、あーん」

 

二人とも可愛いわぁ〜。結婚したいぐらい可愛いわ。前世男の影響で男子とか興味無いし。結婚するなら女性ね

にしてこのクリスは結構素直で良いわ。ツンデレも良いけど恥ずかしながらも素直なところも可愛い。響も普段はクールだけど私に甘える時は可愛い響になるし。幸せぇ

 

私達はそのまま部屋でケーキを食べて一日を過ごした



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狼姫咆哮しないシンフォギアー3

今回はフィーネの処遇についてのお話になります
てか日間ランキング22位という事実に白目を剥きかけた。いきなりすぎてビビりました。しかし、嬉しい事です。あと少しでお気に入りも400人間が超えそうですし


 

「何の用だ、フェンリル」

 

二課仮設本部にて厳重な警備が敷かれている一室に私は来ていた。そして

 

「あなたと話がしたくてね、フィーネ」

 

魂だけとなったフィーネに会いに来た。フィーネの処遇について二課では決めあぐねているのだ。やった事は許される事じゃない。しかし、技術者としては優秀だから失うのも惜しい。だからと言って解放してもまた何かしらやらかす可能性が高い。そんなこんなで決めあぐねている

 

「私と?私は話す事など無いがな」

「エンキ……」

「貴様!どこであの御方の名前を!?」

 

まぁ、エンキの名前を出せば早いよね。なんせフィーネの愛しの人だし

 

「私はねフィーネ。あなた、今エンキに会えたとして。エンキはあんたを迎えてくれると思う?」

「何を言って…………」

「私はエンキの事を少ししか知らない。でもあの人が優しい人だとは知っている。ルル・アメルを愛していた事も」

 

その命をかけてシェム・ハを打倒したこと、命の灯火が消えようとしてもなお、ルル・アメルを思い、バラルの呪詛を発動した事。何より彼は死ぬ間際にフィーネに伝えられない事を謝っていた。そんな彼がルル・アメルである私達人類を愛してないはずがない

 

「だけど、あんたは多くの人々を不幸にし自分一人の願いの為に多くの犠牲を敷いてきた」

…や……ろ

「そんなあんたにエンキは良くやったと褒めるようなやつなのか?愛していたルル・アメルが不幸になって喜ぶ奴なのか?」

……めろ……

「エンキは何の言葉も無しに人々が並び立とうとしただけでバラルの塔を破壊し呪詛をかける男なのか?」

……やめ……

「お前の知っているエンキは人をルル・アメルを愛していなかったかのか?」

「やめろ!やめろ!やめろ!!

あの御方は!優しい人だった!いつも私達を愛してくれていた!私達の成長を喜んでくれる御方だった!私が愛したあの御方は……エンキ様は……私達の光だった……」

 

そう言ってフィーネは沈黙する

 

「うん、やっぱり。エンキは優しい私達ルル・アメルの神様だね」

 

今やこの世界に生きる私にとってもカストディアンであるアヌンナキの一人エンキは私達の神様、親だ。

 

「……私は……どうすれば良いんだ。あの御方に合わせる顔など…今の私には」

「償えば良い」

「……は……?」

 

そう、簡単だ。償えば良いのだ。それに

 

「あなたは多くの不幸を招いてきた。しかし同時にあなたのおかげで人々はここまで進化してこれた」

 

パラダイムシフト、時代の大きな転換期にフィーネは立ち会って来たと言った。それは即ちフィーネが居たからこそ今の文明があると考えられる。

 

「あなたの技術は人々の文明を確実に押し上げてきた。それがあなたの思惑とは違くても、確かにあなたの恩恵は人々を育て上げた」

「だが……私が与えた技術は戦争を呼んだ」

「フィーネ、私は技術を包丁だと思う」

「包丁だと?」

「そう、包丁は食材を切るためにある。そしてその切った食材は料理になり人々の糧となる。しかし、一方で包丁は人を殺めることの出来る凶器でもある。包丁は人を幸せにする事もあれば人を不幸にもする。しかし、それは結局物だ。それを扱う人間がその使い道を決める。技術も同じ、扱う人によってそれは姿を変える。」

「包丁か、言い得て妙だが。その通りだな」

 

ホント、結局全ての物は扱う人次第。薬が毒になるように、毒が薬になるように。扱う人物がそれを毒にするか薬にするかの違いだ。ちなみに私の好きな言葉に『刃物を握る手で人を幸せに出来るのは料理人だけだ』というものがある。天道語録は偉大である

 

「フィーネ、あなたは罪人だ。私は罪人には償いが必要だと考える。だが、罪人に対する死は一種の逃げと私は感じる」

 

そうだ、前世の事を覚えてる私だからこそわかる。あまねく全ての魂はいつか再びこの世に転生する。前世の事を忘れて。それでは罪人の死刑はかつての生での罪を精算できていない。地獄などがあるならまた違って来るのだろうけど、生憎と天国や地獄を通った覚えは無いからね。まぁ、あくまで私の考えだ。他の考えのを持つものもいるだろう。人はみんな違うのだから

 

「……お前は私に何をさせたい」

「言っただろう、償いだ。あなたの力で人を不幸にした分幸福にして欲しい。それに罪を償えばエンキに会った時少しでも胸を張れるんじゃないか?」

「……そうか、そうだな。なら、私は償いをしよう。どうせ、私に時間はたくさんあるのだからな」

 

フィーネは間違いを起こして来た。しかし、その罪を受け入れ償う程にはまだ人であったようだ

 

「よし!じゃあ決まりだね。次に会う時には新しい体持ってきてあげるから」

「あぁ、よろしく頼む。フェンリル…いや、立花 牙」

 

私はその部屋を出て、自分の研究室に向かう事にした

 

 

 

 

 

 

 

 

********************

 

 

 

 

 

 

 

数日後二課仮設本部司令室

 

 

その場には二課の職員及び装者達が集まっていた

 

「急に招集なんて何かあったのか?」

「せっかく一段落したのにまた何かあったら嫌になるぜ」

「今回の招集は牙くんからの要請だ」

 

弦十郎の言葉にその場いるみんなは首を傾げる

 

「まぁ、牙ならめんどくさい事では無いか」

「でもなんなんだろう?」

 

みんなが色々と話している時に扉が開き今回招集をかけた牙がやって来た

 

「みんな集まってる?」

「お姉ちゃんが最後だよ」

「おっと、それはすまないね。なら早速本題に入っても良さそうだ」

「それで我々を招集したのはなぜだ?」

 

その言葉に対して私は

 

「見た方が早いから呼ぶね。入って来ていーよ」

「呼ぶ?」

 

呼ぶという言葉に集まった面々が誰か来るのかと思っていると。扉から入って来たのは二人だった

 

「はーい!みんなの櫻井了子です!」

「フィーネだ。数日ぶりだな」

 

フィーネと櫻井了子の二人だった

 

「「「「「「「「「えぇぇ!?」」」」」」」」」

 

みんなは驚いて声をあげる。そりゃそうだ魂だけだったはずの二人がいるんだから

 

「牙くん、一体これは?」

 

弦十郎の問い掛けに対して私は

 

「見たまんま、了子さんとフィーネに肉体をあげました」

「……そうか。しかし了子くんはともかくフィーネは……」

「それについては私から言おう」

 

フィーネが弦十郎の言葉を遮り言葉を発する

 

「まず最初に謝らせて欲しい。すまなかった!」

 

フィーネはそう言うと頭を下げた。その事にみんなは驚く

 

「私が犯した過ちは謝って済むことでは無い事は重々承知している。故に私の働きにてその償いをしたい。許さなくていい憎んでくれても良い、だが償いだけはさせて欲しい!このとおりだ」

 

フィーネは深く深く頭を下げて言う

 

「……頭あげてくれフィーネ、その申し出を受けよう。お前達はどうだ?」

 

弦十郎が他の面々にフィーネをどうするか聞く

 

「私は別に良い。本人が本当に償う気があるのなら。結果論だけど地球そのものがどうこうなった訳じゃないし」

 

響がそう言い

 

「あたしはあんたに色々酷い事をされた。でも、あんたが償うって言うならあたしの償いも手伝ってもらうからな」

 

クリスがそう言い

 

「あたしはあんたが憎い」

 

奏にはかつての遺跡での事を事前に話していた

 

「あたしの家族を奪ったあんたが憎い殺したいぐらい。でも、牙が言ってたんだ『憎むのも良い復讐も良い、だが家族を言い訳に使うなよ。過去は変えられないなら今どうするかだ、それに復讐も良いけど、今お前にあるものを捨てる事になりかねないぞ』てな。それでも気付いたんだあたしは昔を引きずりすぎていた。あたしは気付かされたんだ今をちゃんと見てなかったんだ。あたしはもう過去に決着をつけたんだ。多分だけどな……」

「……奏」

「あー、なんかややこしい事言ったけど。あたしはあんたを許さない。けど、殺しもしない。償いをしたいなら勝手にしてくれ。……それだけだ」

 

奏はまだ気持ちの整理がちゃんとついてないんだろう。私が真実を伝えた時も荒れていた。憎い、けど憎めない程に奏はフィーネとの時を重ねてしまっただろう。フィーネが明確な悪ならもっと違う考えも出来たんだろうけど

 

「……私は櫻井女史、いやフィーネの事は受け入れられない。だが、本人がその罪を償うと本気で思っているなら。受け入れよう」

 

次に翼がそういった

 

「反省もしてるみたいですし」

「私達には直接の被害もなかった事ですし」

 

職員の面々も苦笑いをしながらフィーネを受け入れる姿勢を見せた

 

「……ありがとう」

 

フィーネはそう呟いて顔をあげた

 

「改めて、ようこそ二課へ。フィーネ、了子くん」

「あぁ、よろしく頼む」

「これからもよろしくね弦十郎くん」

 

この日新たに二課に本当の意味で仲間が増えた

 

 

 




人の心を上手く描写するのは難しいなぁ


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G編
新たな事件の兆し


G編開始だァ!G編からはオリキャラが出るのと一部キャラがフライングで登場します。
ほんとはもうちょっと書き溜めてから投稿するはずだったけど我慢できねぇや!ヒャッハー!
アイディアをくれた方々はありがとうございます!みなさんもぜひぜひ活動報告の方にアイディアをば


 

とある装甲列車を走っていた。それを追うのはノイズ、まるで制御されているかのように列車を襲っていた

 

「ウェル博士はもっと先の車両に!」

 

そんな列車に二課のオペレーター友里あおいと装者二人雪音クリスと立花響、そして横長のジュラルミンケースをもった白衣の博士、ジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクスがいた。

この列車はサクリストS〈ソロモンの杖〉を護送している最中であった

 

「ノイズが完全にこっちにも狙いを定めてやがる。まるで操られているかのように」

「急ぎましょう!」

 

四人は急いで列車の中を移動する

 

 

 

 

 

そして二課のオペレーター室では

 

「第71チェックポイントの通過を確認。与那国の米軍基地到着までもうまもなく!」

「此方との距離が伸びきった瞬間を狙い撃たれたか」

「司令、やはりこれは」

「ああ、何者かがソロモンの杖の強奪を目論んでいるに違いない」

 

 

 

 

 

そんな間にもノイズの攻撃が列車を襲う。

指令室からは友里に対して情報が次々と入る

 

「はい、はい。多数のノイズに交じって移動する反応パターン?」

 

そしてそんな中ウェル博士は語る

 

「三か月前、世界中に衝撃を与えたルナアタックを契機に日本政府より開示された櫻井理論。そのほとんどが、まだ謎に包まれたままとなっていますが、回収されたこのアークセプター、『ソロモンの杖』を解析し、世界を脅かす認定特異災害ノイズに対抗しうる新たな可能性を模索することが出来れば……」

 

それに対しソロモンの杖を起動させ後悔を抱いているクリスは

 

「そいつは、ソロモンの杖は簡単に扱って良いもんじゃねぇ。あたしも言える立場じゃあねぇけどよ」

「大丈夫…」

「ありがとな」

 

響はそんなクリスの肩に手を置き言葉を掛ける。少しだけ緩い空気になったが任務中な為直ぐに気を引き締め直す

 

「了解しました。迎え撃ちます」

 

友里が拳銃を取り出し弾を確認し構える。それと同時にノイズが車両の天井を突き破り現れる

 

「うわぁ!?」

 

ウェル博士は取り乱すが装者である二人は素早く聖詠を歌う

 

Balwisyall Nescell gungnir tron

Killter Ichaival tron

 

二人はシンフォギアを纏いノイズに立ち向かう。列車の天井を突き破り列車の上に立つ

 

「群れ雀がうじゃうじゃと!」

「問題無い、一人じゃ無いからね」

「へ!そうだな」

 

クリスはアームドギアを構える

 

「背中は任せるぜ?」

「ふ、任された!」

 

クリスのアームドギアから放たれる赤いエネルギーの矢は次々とノイズを打ち砕いていく。そしてクリスが撃ち漏らしたノイズを響が次々と砕いていく。クリスの背後から迫るノイズも響が一匹もクリスに近付かせる事無く倒していく。そしてクリスが両腕のアームドギアを大きく変形させ大型のバリスタのような形へと変え計四発の結晶の矢が放たれその矢は空中で分離し数多の矢へと姿を変えノイズを貫いていく

 

GIGA︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ZEPPELIN

 

その一撃により多数のノイズは消え大型の飛行型ノイズさえも潰した。だが以前ノイズはその数を減らさず、さらに見た事もないノイズが居るのが確認できる

 

「アイツが頭って所か!」

 

クリスは腰のユニットから小型のミサイルを大量に撃ち出す

 

MEGA ︎ ︎ ︎ ︎DEHT︎ ︎ ︎ ︎ ︎PARTY

 

しかし全てが避けられる結果となった

 

「だったらァ!!」

 

アームドギアが形を変え三門×2のガトリングになるそれを両手に持つ。計12門からなる弾丸が高速飛行するノイズに迫る

 

BILLION︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎MAIDEN

 

しかしその装甲は硬くクリスの弾丸を弾いていく

 

「クリス!」

 

響が前に出て高速飛行するノイズに攻撃を仕掛けるが装甲の硬さにその装甲を甲高い音を立てながら滑る結果となった

 

「あの時みたいな空を飛べるエクスドライブモードならこんな奴にいちいちもたつく事なんてねえのに」

「クリス!!後ろ!」

「なんだ!!」

 

クリスが響の呼び掛けに首を後ろに向けるとトンネルが迫っていた

 

「嘘だろぉ!!」

 

だが咄嗟に響が列車の天井を蹴りぬきなんとか難を免れる。しかしクリスはお姫様抱っこをされる事になった

 

「早く降ろせ」

「はいはい」

 

恥ずかしがったりしないのはこの二人に信頼関係があり牙という共通の姉をもつからだろうか

 

「しかし、どうする」

「私に考えがある」

 

二人はあの高速飛行ノイズに手を焼いていたが響が何か思いついたようだ

 

「列車の連結を壊してノイズに当てる」

「それじゃあ意味が無いじゃないか!」

「ノイズは透過はできても透視はできない」

「っ!?そうか!」

「ノイズが私達を見ていない隙に大技の用意をする。技は私に任せて」

「了解だ」

 

クリスが列車の連結部を破壊しそれを響が蹴り出す。そして響はトンネルの入口で技の準備をする。

響の右腕にエネルギーでできた球体が出現しそれは少しずつ三角錐の形をとる。エネルギーが回転しながら増大していく。そしてノイズが切り離した車両から出てきた瞬間

 

「撃槍抜錨!!」

 

我流・撃槍ガングニール

 

エネルギーがランスのような形で高速で打ち出される。その一撃はトンネルの中に居た全てのノイズを消し飛ばして余りある威力だった。この技については牙が俗に言うオタクであり彼女はよくアニメ等を見ており一緒に居た響がアニメを元に考え付いた技である。ぶっちゃけFateのロンゴミニアドである

 

その一撃でノイズは殲滅される事となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで護送任務は完了です」

「ありがとうございます」

 

列車は無事に目的地にたどり着く事が出来ていた

 

「確かめさせて頂きましたよ。皆さんがルナアタックの英雄である事を」

 

ウェル博士が任務を完了した二人に対してそう言葉をかける

 

「私は私のやりたい事しただけだからそう言われる筋合いは無いよ」

「まぁ、確かにな。世界を救うなんてあん時は御大層なこと考えちゃ居なかったしな」

 

二人はウェル博士の言葉に対して否定とも取れる言葉を返した

 

「そ、そうですか。しかし、世界がこんな状況だからこそ英雄の存在を必要としているんですよ」

 

そう語るウェル博士の顔に二人は少し良くないものを感じた

 

「みなさんが守って下さったソロモンの杖は役立ててみますよ」

「しっかりしてね」

「頼んだからな」

 

そして二人が基地から出て少しした瞬間先程まで居た軍事基地が爆発しノイズが現れた

 

「嘘でしょ」

「これがマジなんだな!」

 

二人は軍事基地にトンボ帰りする事となった




今作では中々に名コンビになっている響とクリス
ここからどうなっていくか楽しみで仕方がねぇぜ


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歌姫達の交響曲

ワン・ツー投下!


 

「皆さん見えているでしょうか!トップアーティスト三人による夢の祭典!今も世界の歌姫マリアによる特別ステージに会場は大盛り上がりです」

 

今日この日ツヴァイウィングの二人と歌姫マリアによるコラボがあったのだ。その盛り上がりはとてつもないものだった

 

「キャーー!マリア姉さん!!」

 

一人重要人物がはっちゃけているが気にしないでおこう。その方が牙の胃のためだ

 

そんな舞台の裏で

 

「状況はわかりました。では翼さんと奏さんを」

『無用だ。ノイズの襲撃と聞けば今日のステージをほっぽり出しかねない』

「そうですね。そちらにお任せします」

 

緒川と弦十郎との電話はそこで終わった

 

「司令からは一体何を?」

「今日のステージを全うして欲しいと」

 

翼の言葉に対して緒川はそう返した。しかし

 

「はぁ、眼鏡を外したと言う事はマネージャーの緒川さんじゃないと言う事です」

「自分の癖は気をつけた方が良いぜ」

 

緒川はすぐさま翼に見抜かれ奏にからかわれる

 

「お時間です!!」

「「はーーい」」

 

そして二人にスタッフからの声が掛かる

 

「歌で人々を幸せにするのもツヴァイウィングのお二人のお仕事です頑張ってください」

 

爽やかな笑顔でそう言い放つ緒川

 

「不承不承ながらわかりました。しかし、後で詳細は聞かせてもらいます」

「そういう事だから。行ってくるぜ」

 

二人はそう言って歩き出した

 

 

 

 

 

とある暗い一室にてモニターにて

Si Vis Pacem,Para Bellum(汝 平和を欲せば 戦への備えをせよ)

それを見た部屋にいた女性は

 

「ようやくのご到着。随分と待ちくたびれましたよ」

 

そう言い微笑んでいた

 

 

 

 

そしてライブ会場の一室でそのライブを見る人達が居た

小日向未来、板場弓美、寺島詩織、安藤創世そして立花 牙が居た。この五人は今日のライブを見に来ていた

 

「まだビッキーから連絡来ないの?」

「うん」

 

安藤が未来にそう聞くが連絡が来ていない事を未来は返す

 

「大丈夫よ。今ヘリでこっちに向かってるから」

 

そう言ったのは牙だった。そしてその牙の目が一瞬だけ青く輝くガラス玉のようだったがそれに気づく人は居なかった

 

「そんなことわかるなんてやっぱり響のお姉さんてアニメの人みたい」

「そんな事無いわよ。よく言うでしょ真実は小説より奇なりてね」

 

そう返す牙の顔は少し緊張した顔だった、いやこの場所に来てからずっと。しかし気づく人はいない。つくづく隠し事が得意な人物である

 

そうしている内に今日のライブのメインステージが始まった。ステージ上で歌い上げる三人の姿は輝いていた。しかし、歌い終わり三人が話していると突如としてノイズが現れた。突如の事に会場は悲鳴で包まれる。その時

 

狼狽えるな……狼狽えるな!」

 

マリアが声を張り上げる。その声で会場は静まり返る。そしてノイズが動かない事に気づく

 

「アニメじゃ無いのよ!」

「どうしてまたこんな事に」

「響」

 

個室にいた四人も狼狽えるが

 

始まったか

 

牙は小さくそう呟いた。そして

 

「どうしてノイズが」

 

この事態に困惑する少女がまた一人。しかしその胸元には赤のペンダントが輝いていた

 

 

 

 

 

 

 

 

「了解です」

 

指令室よりQueen of Musicの会場にノイズが現れた事が任務場所から会場に向かっていたヘリに乗っていた友里とクリス、響の元に届く

 

「装者二名と共に状況介入まで40分を予定。事態の収拾にあたります。聞いての通りよ、疲労を抜かずの三連戦になるけどお願い」

 

二人は頷く。そしてヘリに備え付けられたモニターで会場の様子を見る

 

「またしても操られたノイズ」

「詳細はまだ分からないわ。だけどソロモンの杖の襲撃とライブ会場のノイズが無関係とは考えにくいわ」

 

一日で複数回起きている操られてると思われるノイズによる襲撃。無関係と否定するにはできすぎている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奏と翼の二人はノイズ出現に伴い臨戦態勢を取っていた

 

「怖い子達ね、この状況にあっても私に飛び掛る機を伺っているのね。でも逸らないの。オーディエンスがノイズからの攻撃を防げると思って?」

 

奏と翼はシンフォギアを纏いノイズに対抗できるが会場の人々はノイズに触れれば炭素になってしまう。現状は多くの人質を取られている状況だ

 

「それに、ライブの模様は世界中に中継されているのよ。日本政府はシンフォギアについての概要を公開してもその装者については秘匿したままだったじゃないかしら。ね、天羽奏さん風鳴翼さん」

「そうとでも言えば私が鞘走る事を躊躇うと思ったか!」

「あたしらを舐めすぎなんじゃ無いか?」

 

二人がシンフォギア装者である事がバレる程度では止まることは無い。しかし日本政府が色んな意味で死ぬ結果となるだろう。牙的にはざまぁwwww m9(^Д^)な心境になる

 

「そういう所嫌いじゃないわ。あなた達みたいに誰かが誰かの為に戦えたらもう少しまともだったかもしれないわね」

「……お前、一体」

「なんだと……」

 

マリアが言った言葉は到底このような事態を招いた人物の言葉では無かった。そしてマリアがマイクを構えた

 

『私達はノイズを操る力をもってしてこの星の全ての国家に要求する!』

「……何がしてぇ」

「世界を敵に回しての口上、これはまるで……」

 

モニターから状況を見た。緒川は

 

「宣戦布告」

 

そう呟いた

 

『そして』

 

マリアがマイクを天高く投げると

 

Granzizel bilfen gungnir zizzl(溢れはじめる秘めた熱情)

 

聖詠が響く。それを紡ぐのはマリアであった

そして彼女が身に纏うのは色は違くとも二課の面々がよく見たとある人物のシンフォギアに酷似していた

 

「黒い……ガングニール!?」

「…どうして、マリア姉さん……」

 

ガングニールを知っているものは驚きそして、一人は姉がシンフォギアを纏って何故こんな事をしているのか、呆然としていた

 

シンフォギアを纏ったマリアは上へ投げ、落下してきたマイクを掴み取ると高らかに宣言した

 

『私は…私達は〈フィーネ〉!そう、〈終局(おわり)〉の名を持つものだ!』

 

 

 




あと少しでセレナの出番やで


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フィーネを名乗る者達

順調に物語が進むぜ楽しぃ!!


 

マリアが先程の宣言から続けて言葉を紡ぐ

 

『我々、武装組織フィーネは各国政府に対して要求する。そうだな、さしあたって国土の割譲を求めようか!もしも二十四時間以内に果たされない場合は各国の首都機能がノイズによって不全となるだろう』

 

ノイズを利用し国家に対する脅し。驚きの事態だ

 

「何処までが本気なのか」

「巫山戯たことを抜かしやがる」

 

翼と奏はその言葉にそう返す

 

『私が王道を敷き私達が住まう為の楽土!素晴らしいと思わないか!』

 

だが余りにも現実的ではない言葉だ。まさにアイドル大統領とでも言うべきか

 

「何処までが騙りか知らぬが」

「余りにも現実的じゃぁねぇな」

「私が騙りだと?」

「やるんならもっと可能な所から始めるんだな!考え無し!それにガングニールはそう易々と纏えるもんじゃねぇ!」

 

奏がマリアのガングニールを否定する。

そして翼、奏はもう我慢ができないと聖詠を歌おうとして

 

『お二人とも落ち着いてください』

「緒川さん!?」

「なんだよ!」

 

緒川からの通信が入る

 

『今シンフォギアを纏えばお二人がシンフォギア装者だと世界に知られてしまいます』

「この状況で!」

『ツヴァイウィングのお二人の歌は戦いの歌ばかりではありません人を癒し勇気づける歌でもあるのです』

 

その言葉で二人は思いとどまる

 

「確かめてみたら私が言ったことが騙りなのかどうか」

 

その挑発に二人は乗ることは無かった

それを見たマリアは

 

『会場のオーディエンスの諸君を解放する。ノイズに手出しはさせない、速やかにお引き取り願おうか!』

 

その言葉に会場の人々は困惑する

 

「何が狙いだ」

「訳わかんない奴だぜ」

 

そしてマリアに通信が入る

 

『何が狙いですか、我々の有利を放棄するなど筋書きには無かったはずです。説明して貰えますか』

「このステージの主役は私。人質なんて私の趣味では無いわ」

『血に汚れる事を恐れないで!……調と切歌を向かわせています。作戦目的を履き違えない範囲でおやりなさい』

「OKマム」

 

会場の人々が順調に避難する中、一人残る人物が居た。その少女は俯き何かを堪えているようだった。そして未来達と一緒にいた牙も会場から退場すること無く現場を見ていた。

 

そしてツヴァイウィングの二人がシンフォギア装者として力を発揮する為にカメラ中継を止めようと緒川は走っていた。

 

「お二人は今世界中の視線に晒されているその視線の檻からお二人を解き放つには……」

 

そんな時通路に二人の少女が居るのを緒川は見つけた

 

「やっべぇあいつ来るデスよ!」

「大丈夫切ちゃん、いざとなったら」

 

そう言って黒髪の少女は胸元の赤いペンダントを指し示す

 

「調ってば、穏やかに考えられないタイプデスか!?」

 

金髪の切ちゃんと呼ばれた少女が調と呼ばれた少女にペンダントにしまわせる。

 

「どうかしましたか!?早く避難を!」

 

そんな二人のやり取りを知らず一般人だと思っている緒川は2人に避難を呼びかける。

 

「あっ…え〜っとデスね…この子が急にトイレへと言い出しちゃってデスね…あはは…参ったデスよ…!!」

 

切ちゃんは調を隠して誤魔化そうとするも、じーっと言いながら調は姿を見せる。     

 

「あぁ、じゃあ用事を済ませたら非常口まで案内しましょう。」

 

緒川の呼びかけに切ちゃんは笑いながら言う。

 

「心配無用デスよ! ここいらでちゃちゃっと済ませちゃいますから大丈夫デスよ!」

「分かりました。でも、気をつけて下さいね」

 

緒川はその場を後に走り去っていった。早く歌姫を助ける為に

 

「はぁ…何とかやり過ごしたデスかね…」

「じーっ…」

 

溜息を吐く切ちゃんをじっと見つめる調。

 

「どうしたデスか?」

「私、こんな所で済ませたりしない」

「デスよね…。全く、調を守るのは私の役目とはいえ毎度こんなんじゃ体がもたないデスよ…」

「いつもありがと。切ちゃん」

 

切歌に礼を言う調

 

「それじゃ、こっちも行くとしますデスかね!」

 

そう言うと2人は走っていった

 

 

 

 

 

 

 

「帰る所があるというのは羨ましいものだな」

 

人がいなくなった会場でマリアはそう呟いた

 

「マリア、貴様は一体…」

「わけわかんねぇな……」

 

マリアの呟きに二人は疑問を大きくしていく。だがそんな二人に構うこと無くマリアは言葉を投げかける

 

「観客はみな退去した。もう被害者が出る事は無い、それでも私と戦えないと言うのであればそれはあなた達の保身の為。あなた達はその程度の覚悟しか出来ていないのかしら!」

 

マリアはそう言い放ち二人に仕掛けようとしたが、誰も居なくなったはずの観客席から足音が響く。そしてその人物はステージに上がってくる。その事に三人は動きを止める

 

「全員避難したはず…」

「あんた何やってんだ!?」

「今すぐ避難を!」

 

ステージを上がってきた人物は下を向き俯いた状態だったが顔をあげる。するとマリアが驚愕の表情でその人物、少女を見る

 

「…セ……レナ…なの?」

「お久しぶりです。マリア姉さん」

 

そう返したのはセレナ・カデンツァヴナ・イヴ、マリアの妹だ

 

「セレナ!」

 

 

 

 

 

 

 

ライブ会場に向かうヘリの中でも

 

「セレナ姉!?」

「知り合い?」

 

クリスが驚愕する

 

「昔バルベルデで世話になってた人だ」

 

クリスにとってもう一人の姉も言ってもいい存在であるセレナ、その登場にクリスは困惑していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マリアは死んだはずの妹を目にして駆け出そうとするが

 

「マリア姉さん、私は姉さんの敵です」

「……え?」

 

セレナはそう宣言した

 

「マリア姉さんがなぜこんな事をするのか私にはわかりません。私の知る姉さんはこんな事をする人じゃ無かった………姉さんの目的は知りませんでも、私は姉さんを止める。大切な人が道を踏み外そうとするなら私は傷付けてでも止める!それが私の覚悟!」

「……そんな、セレナ」

 

そう言ってセレナは胸元から赤いペンダントを取り出す

 

「それは!」

「シンフォギア!?」

 

セレナは歌う聖詠を大切な家族を止めるため

 

arma retten Aegis tron(望むは守る力 それは誰かの笑顔)

 

セレナはシンフォギアを纏っていく。その身に纏うはアイギスの盾、神話にて主神ゼウスのものとも、ゼウスが娘の女神アテナに与えたものともされる。ありとあらゆる邪悪・災厄を払う魔除けの能力を持つとされている。鍛冶神ヘパイストスによって作られたとされ、形状は盾であるとも、肩当てまたは胸当てのようなものであるとも言われている

 

セレナのシンフォギアは軽鎧のような全身装甲に近い守りに特化したプロテクター。それでも他のシンフォギアに比べれば比較的にプロテクターが多い程度なのだが。

 

「マリア姉さん、私が相手です」

「セ…レナ」

 

セレナは空中に浮かぶ盾型のアームドギアを出現させマリアに相対する。望まぬ再会だとしても、自身の姉だとしても、セレナはマリアを真っ直ぐに見つめる。セレナは傷付けるのも傷付くのも嫌いだ、しかしそれを言い訳に逃げる事はしない




セレナは覚悟した


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対峙する歌姫達

今回はオリキャラが出現します。原作キャラのフライング登場も少しだけ
気づけばUAも3万を超えお気に入り登録も500人に到達しました。みさなんありがとうございます!

修正しましたS2CA・トライバースト→S2CA・テトラバースト
原作と違い三人ではなく四人なのでトライではなくテトラになりました。教えてくれた62式機関銃さんありがとうございます!


 

シンフォギアを纏い現れたマリアの妹セレナは空中に浮かぶ盾型のアームドギアをマリアに向けて放つ。その数は四つ

空中を縦横無尽に飛び交いながらマリアに迫る

 

「くっ!?」

 

凄まじい勢いで迫る盾に対してマリアはマントを広げ防ぐ、接触した盾とマントは凄まじい音をたてて弾かれ合う。マリアすかさず槍のアームドギアも展開し迎撃するが手数の違いと三次元的に動く盾に苦戦していた

 

それをカバーする様にセレナにノイズが飛び掛るがセレナに接触する数十cm手前で見えない壁にぶつかったようにその身を崩す。攻撃の全てがセレナには通じていなかった。そしてさらにセレナはアームドギアを展開しアームドギアによる突撃またはアームドギアから放たれたビームによりノイズを殲滅する

 

そして攻撃により体勢を崩したマリアを囲う形で盾を配置する

 

「体が!?」

 

盾に囲まれたマリアは金縛りにあったように動きを止める。盾のアームドギアの中央には赤色の玉型の結晶がありそれが妖しく輝いていた。それはかつて女神アテナによってアイギスの盾に嵌め込まれたゴルゴーンの首。その力により相手を石にすることはできずとも動きを縛る事をシンフォギアは可能にした

アイギスの盾は神話の怪物ゴルゴーンの力すらも宿していた

 

そうしているうちにライブ会場の中継が途切れる

 

「翼!」

「ええ、奏!」

 

それを好機と捉えた翼と奏の二人もシンフォギアを纏う

 

Croitzal ronzell gungnir zizzl

Imyuteus amenohabakiri tron

 

そしてマリアにアームドギアを構える

 

「マリア姉さん、大人しく降伏して下さい」

「たとえセレナの頼みだとしてもそれは聞けないわ」

 

身動きが取れない状況ですら毅然とした態度をマリアは崩さずセレナにそう言い返す。

この場は決したと思われたその時、ステージの上にさらに二人の人物が乱入してきた。その二人はシンフォギアを纏いセレナ、翼、奏そしてマリアを縛っている盾に対して攻撃を仕掛ける

 

「お二人は私の後ろに!」

「かたじけない!」

「すまねぇな」

 

セレナは二人を後ろにかばいノイズ殲滅に使用した盾のアームドギアを展開する。その盾には大量のピンクの丸鋸が命中する

 

α式百輪廻

 

そしてさらにマリアを囲っていた盾にも命中し弾き飛ばす

 

「行くデス!」

 

もう一人が鎌を振り上げると刃が増え鎌を振るうと増えた刃が飛んでくる

 

切・呪リeッTぉ

 

セレナは難なく防ぐがその隙にマリアが自由の身となった。セレナは攻撃が止むとアームドギア合計6つのギアを近くに浮かせて新たに現れた装者を含めた三名に向き合う

 

「調、切歌、助かったわ」

 

そこに現れたのは新たなシンフォギア装者

 

「切歌さん、調さん、あなた達も…」

「…セレナ」

「また会えたのは嬉しいデスけど……」

 

暁 切歌(あかつき きりか)月読 調(つくよみ しらべ)は悲しそうな顔をしながらアームドギアを構える

 

「装者が三人!?」

「今日だけで新しい奴が四人も!」

 

そして更に上空と観客席から

 

「ッ!?上か!」

「土砂降りの10億連発!!」

 

クリスがアームドギアを構えながら上空から弾丸を放つ

 

 

BILLION︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎MAIDEN

 

切歌、調の二人はそれを避けマリアはマントで防ぐ。そして響がマリアに殴り掛かるも避けられる。しかし、観客席から現れた牙に対処出来ずに蹴り飛ばされる

 

「かはっ!?」

「「マリア!」」

 

マリアは何とか体勢を立て直し切歌と調と共に構える

 

「形勢逆転ね」

 

マリア達は三人それに対して牙達は六人二倍の戦力差だ

 

「私としては投降をオススメする」

 

牙が三人にそう言うが

 

「お断りデス」

「それは聞けない相談」

「それに私達だけじゃ無いわ」

 

三人は投降を断り。更に乱入者が現れる

その人物は真っ先に牙に斬りかかった。その力は凄まじく牙は攻撃を受け止めたにも関わらず後ろに下がる事になった

 

「ッ!?一体何者!」

 

現れた人物は顔はフルフェイスで隠されており全身は鎧と思えるようなほとんどを銀色のプロテクターに覆われ背中には四対の細長い金属板のような翼、そして長い尻尾が生えていた

 

「更に増えるのかよ!」

「シンフォギアのオンパレードだな」

 

この時牙は驚愕していた。自分を押し退けるほどのパワー等もあったが一番は記憶に無い装者の出現。しかし、同時に納得する。この世界が原作の世界じゃない以上このようなイレギュラーは起こりうる事であった

 

「私としてはあなた達の事を知りたいかな。もしかしたら戦わなくても済むかもしれない」

 

その言葉は響が純粋に思った事だ。テロリスト紛いの事をしているにしてはこれまでの行動はおかしくマリア達の目的が見えてこないのだ

しかし

 

「偽善者…この世界には貴方のような偽善者が多すぎる!」

 

調がそう言い放ち大量の丸鋸を飛ばしてくる。それが戦いの合図となった

 

『牙』

 

戦いが始まると同時に牙に通信が入る

 

「どうしたのキャロル」

『最後に現れた装者だが、奴のアウフヴァヘン波形は完全聖遺物のものだエネルギー量も相当高いお前に迫るエネルギー量だ。しかもフォニックゲインの量も他の三人に比べ高い。気を付けろ』

「了解」

 

まさかよりにもよって完全聖遺物の出現。牙以外の装者に任せたら地力の差が出る。故に牙は銀色の装者を相手に定めた

 

「全封印解除。お前の相手は私だ」

「僕の目標も君だ」

 

牙の挑発に銀色の装者はそう答えた

 

他の装者達はそれぞれ調vs響、切歌vsクリス、マリアvs翼と奏、セレナはアームドギアによる全体のサポートをしている

 

牙と銀色の装者は一進一退の攻防を繰り広げている。パワーやスピードはほぼ互角であり二人がぶつかり合うたびに凄まじい衝撃波が巻き起こる。完全聖遺物同士のぶつかり合いそれは人の想像を超えるものだった

 

そんな中で響は疑問に思っていた。何故自分が偽善者と言われるのかと

 

「一旦話し合わない?そうした方が有意義だけど」

「人の痛みも知らない偽善者が!」

 

調は取り合おうともしない。それに対して響は

 

「知るわけないじゃん」

「え?」

「私は私、あなたはあなた、今日初めて会って自己紹介すらしてない他人だよ?それなのに私の事を知りもしないで?私はあなたの事を何一つ知らないなのになに知ろうとしてないみたいに言うの?あなたが取り合わないだけじゃん。それに偽善者、偽善者てまだ善行してるだけマシでしょ。やらない善よりやる偽善。偽善でもそれで幸せになる人がいるならそれはそれで良いじゃん。それにあなたが私を偽善者と言うだけの根拠でもあるの?」

「うるさい、うるさい、うるさい!!」

 

響の言葉に図星を突かれたのかやたらめったら攻撃を仕掛けるが響は冷静に捌いていく。響が戦うのは正義感等では無い、できるのなら多くの人を救いたいと思う心と大切な人を守り抜くため。そこに善も悪も関係は無い

 

そんな戦況は響達が押しており牙と銀色の装者が唯一互角である

そんな時だった突如として新たなノイズが現れた

 

「なにあのノイズ…」

 

緑色のイボイボが特徴の大型ノイズが現れたのだった

 

「増殖分裂タイプ」

「あんなの使うなんて聞いてないデスよ!」

「…マム?」

『全員引きなさい』

 

どうやら通信が入ったようでそれにマリアが答えると、マリアはアームドギアを構え増殖分裂タイプのノイズに攻撃を見舞った

 

HORIZON ‪✝︎ SPEAR

 

アームドギアから放たれた一撃はノイズを吹き飛ばした

 

「おいおい、自分らで出したノイズだろ!?」

 

そしてマリア達四人は走り去っていく。しかし追うことは出来なかった

 

「ノイズが!?」

 

マリアが攻撃を加えたノイズが辺り中に散らばりそして個々を持つ

 

「このノイズの特性は増殖分裂下手に攻撃を加えると数を増やす事になるぞ」

 

牙がそう警告する

 

「ちっ、ならどうする?」

「そのうちここから溢れ出るぞ?」

「………絶唱、あのコンビネーションなら」

 

悩む装者達の中で響が提案をする

 

「あれはまだ未完成だぞ」

「だがそれ以外に手立てが無いのも事実」

 

ノイズを外に出さない為にも響達は覚悟を決める。なお牙とセレナはそのコンビネーションの練習をしてないので今回は除外され四人による絶唱だ

 

「S2CAテトラバースト行くよ」

 

そして4人が同時に絶唱を歌う

 

「「「「 Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el baral zizzl

Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el zizzl 」」」」

 

絶唱によりフォニックゲインが高まっていくそれはそれぞれが繋いだ手を経由し響に集約される

 

「「「「スパーブソング!コンビネーションアーツ!セット!ハーモニクス!」」」」

 

爆発的に高まったフォニックゲインはノイズを吹き飛ばしその本体を露出させる

 

「レディ!!」

 

響のアームドギアが変形しフォニックゲインのエネルギーを集約する。その一撃は虹色竜巻となってノイズを粉々に砕く

 

「なんデスかあのとんでもは!?」

「綺麗」

「あんな化け物も私達の戦う相手……セレナ…」

「……僕はやる事をするだけ」

 

今日新たにまた戦いの狼煙が上がった。新たなイレギュラーという可能性と共に

 

 




今回オリキャラの意見をくださったRIZE.DUMMYさんありがとうございます!他の皆さんもアイディアをぜひぜひください。


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武装組織フィーネとは

今回はオリキャラのようなクロスオーバーキャラ登場!


 

フェンリルside

 

今日私は部下を伴って二課の本部に来ていた。一週間前の武装組織フィーネについて二課で今一度擦り合わせる為だ。部下はもうそろそろ紹介しても良いだろうと言う考えだ。私は二課指令室への扉を開いて入室した

 

「来たか牙くん」

「私で最後?」

「ああ」

 

どうやら私達が最後だったようだ

 

「所で君の後ろの人達は」

「あぁ、紹介しよう彼女達は一応私の部下だ」

 

私はそう言ってみんなに自己紹介を促す

 

「オレの名前はキャロル・マールス・ディーンハイム、錬金術士だ。オレの後ろにいるのはオートスコアラーのガリィと助手のエルフナインだ」

 

そう言ったのは金髪の女性キャロルだ。ちなみにこの世界のキャロルは大人状態がデフォルトだ

 

「ガリィでぇーす」

「僕はエルフナインです。よろしくお願いします」

 

そして護衛として来たガリィと今はキャロルの助手として働いているエルフナインだ

 

「私は徐福、錬金術士です…」

 

そう言ったのはもう一人着いてきていた人物、現在は私の助手として働いてもらっている徐福だ。性別は女性な

 

「セレナ・カデンツァヴナ・イヴです」

 

次に自己紹介したのはセレナだあの後本来ならすぐに色々説明とかあったんだけどセレナが精神的にアレだったから。やっぱり辛かったんだろうね

 

「この子達は私が作った独立組織リベルタスの構成員よ」

「独立組織リベルタス?」

 

私の言葉にみんなが首を傾げる

 

「独立組織リベルタスの構成員の殆どは各地で行われていた非人道的または非合法の聖遺物研究所の被検体となっていた子供達。私は一時期そう言う黒い研究所の襲撃を繰り返していてね。そこで保護した子達は社会に出て暮らすには人を辞めていたり心に傷を負っていたわ、その子達の家となる事が最初の設立目的。そして私の思想に同調した様々な異端技術に関わりのある物を組織に加えていく事で他にも聖遺物の研究や聖遺物の発掘など聖遺物関連全般に手を出してるわ。ちなみに何故国に所属しないのかは、国が信用ならないと言うのが第一で国に加わる事で様々な制限も加わり保護した子供達に害が及ぶ可能性があるからね」

 

いつの間にか中々大きな組織になっていたんだよな。ヤクザやマフィアといった裏組織にも伝手があるし中々な規模を誇ってるんだよね

 

「なるほど、だが何故今になって」

 

弦十郎の疑問ももっともだろう。まぁ、リベルタスとしては基本国の組織と手を組むのは無しなんだけど。これからの事を考えると二課との連携は必須になってくるんだよね

 

「今後確実にシンフォギアを所有する二課との連携が必要になってくるからよ。まだまだ世界に災禍は潜んでいるわそれを相手取るには私達だけで対処できない事態に直面する事もあるだろうし、より多くを救うなら手と手を取り合う事が必要だからね」

「……そうか、ならば二課は君達リベルタスとの協力関係を結ぼう。細かい所はまた詰める必要があるがな」

 

ほんと弦十郎は話が早くて助かるわ

 

「話が脱線していたが今回集まってもらったのは一週間前に現れた武装組織フィーネ達についてだ」

 

弦十郎がそうきり出した

 

「それについては私から」

 

フィーネ達については私たちの方が情報があるからね

 

「まず武装組織フィーネは米国の聖遺物研究所F.I.Sから離反した人員で構成されている。その目的は今の所不明ね。彼女達が持つシンフォギアについてはフィーネの方が詳しいね」

 

その声でフィーネに視線が集まる

 

「F.I.Sにはガングニール、イガリマ、シュルシャガナ、神獣鏡(シェンショウジン)、アガートラームの五つのギアを渡していた。正規適合者はアガートラームのセレナ・カデンツァヴナ・イヴだけで他はLiNKERを使えば纏えると言った所のはずだ。神獣鏡(シェンショウジン)は使えるものはいなかった。それに正規適合者だったはずのセレナ・カデンツァヴナ・イヴは死んだと報告を受けていたのだがな。最後に現れた装者に関しては知らん」

 

フィーネはそう説明する

それに付け加えるように私が

 

「ガングニールをマリア・カデンツァヴナ・イヴ、イガリマを暁 切歌、シュルシャガナを月読 調がそれぞれ使っている」

「時限式の装者が三名に謎の装者が一名か」

「謎の装者については少しだけなら此方でわかったことが」

 

ほんと少しだけだけどね

 

「まずキャッチされたアウフヴァヘン波形は完全聖遺物の物ね。あいつを相手にするなら同じ完全聖遺物を使う私が適任。それとそのアウフヴァヘン波形だけどフランスで一度反応をキャッチされているおよそ八年前。反応があった場所は聖遺物研究所の一つでその施設は壊滅と同時に聖遺物創槍カシウスに完全聖遺物破槍ロンギヌスが紛失している。おそらくあの少女が持っていると考えた方が自然ね」

「二つの完全聖遺物か、戦力としては大きい」

「それだけじゃないわ」

 

まだあるんだよねこれが

 

「F.I.Sからマリア達が離反したと同時期に完全聖遺物ネフィリムが紛失している。それにサクリストS〈ソロモンの杖〉も敵側が持っていると考えて良い。ソロモンの杖を受け取ったウェル博士は元F.I.Sの研究員、ノイズを操っていた所を見るとウェル博士も仲間として見て良いわ」

 

その発言にクリスの顔に影が落ちる

 

「完全聖遺物が四つ、予想以上に相手側は戦力を持っているな」

「……ネフィリムはまともに扱えるのでしょうか」

 

セレナが何気なく呟いた言葉だったがその言葉は二課の面々が不思議に思うには十分だった

 

「それはどういう事だ、セレナくん」

「え、あ、はい。さっきフィーネさんが言ったように私は元はF.I.Sに居ましたけどとある事故をきっかけにF.I.Sでは死んだ事になっています……」

 

そう言ってセレナは黙った

 

「セレナ、話すのが辛いなら無理をしなくても」

「いえ、これは私が…」

 

セレナも辛いだろうに自分を殺しかけた怪物の事を思い出すんだ

 

「完全聖遺物ネフィリムは昔F.I.Sで起動実験が行われました。しかし結果は暴走、私は絶唱を歌いネフィリムを基底状態にまで戻す事に成功しました。そこで私は絶唱のバックファイヤで動く事ができず崩壊を始めていた施設の瓦礫に押し潰される寸前の所を牙さんに助けてもらいました」

「暴走か…」

 

完全聖遺物の暴走それは二課でも覚えがある事だろうネフシュタンの鎧がかつて暴走したからね

 

「ネフィリムはかなり危険な部類の聖遺物になるわ。自立行動型完全聖遺物ネフィリム。ネフィリムは他の聖遺物を餌に成長するもし相手側が既にネフィリムを起動しているのなら私達も注意しなきゃいけない」

「確かにそうね」

 

私の言葉に了子さんは頷く

 

「ネフィリムは聖遺物を食らう。それはシンフォギアでも例外じゃないわ。最悪シンフォギアごとパクリ、なんて事になりかねないわ」

 

その様子を考えたのか装者達は体を震わせた

 

「了子さん脅かさないでくれよ」

「いやこれマジの話なのよ」

 

ネフィリムは下手に相手にするとこっちが餌になりかねない

 

「更に完全聖遺物破槍ロンギヌスはこっちも下手に相手にすれば死にかねない。ロンギヌスの特徴はエネルギーの吸収もしロンギヌスに刺されでもしたら肉体に宿る全てのエネルギーを奪われて死ぬ。私達が発したフォニックゲインですら吸収される可能性もある。そうなれば弱体化は必至」

「えげつねぇもんばっかだな」

 

うん私もそう思う

 

「最後に銀色の装者の完全聖遺物については完全に未確認のアウフヴァヘン波形だったからなんの聖遺物かは不明よ。下手に手を出さないのが吉ねもし手を出すなら私が相手しなきゃ地力の差で負ける」

 

封印全解除の私とほぼ互角の戦いをしたあいつはまだ力を見せていない純粋に私と打ち合っただけ。私のフェンリルみたいに純粋に力が強い聖遺物なのか、まだ能力を十全に発揮していないだけなのか

 

「相手は強大しかしその目的が見えてこない」

「そう、そこなのよね」

 

弦十郎の言葉に了子が賛同する。他の面々もそこだけは首を傾げる。私は理由を知ってるけどこれを今言うとどう転ぶかわからないだよね。下手に原作から乖離させると私が対応しきれない

 

「緒川からの情報ではライブ会場付近に乗り捨てられていたトラックから遡り架空の企業から大型医療機器や医薬品、計測機などが発注された記録が見つかったらしい。しかも運び先は街の外れの廃病院。追う価値はあるだろう」

 

弦十郎の情報によりとりあえず追う相手が決まったか。これからは苦しい戦いになる。特に響は




オリキャラ:徐福
錬金術士でありあの有名な徐福である。姿はFateの徐福を想像してもらえると良い。この世界では虞美人ではなく主人公にぞっこん

独立組織リベルタスは独自の情報網を用いている。やろうと思えば即座に各国の機密情報すらもぶっこ抜けるほど


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二課とリベルタス

今回は単なる蛇足回です


 

「さて武装組織フィーネについてはこのぐらいにしよう。まだいくつか補足する点はあるけどそっちは二課に情報を渡すから各自で確認してね」

 

私は武装組織フィーネについて纏めたデータが入ったUSBメモリを弦十郎に渡す

 

「うむ、そうだな。小難しい話ばかりでは気が滅入るだろう。ならばリベルタスとの協力関係を祝ってパーティーでもするか!」

「よっ、さすが旦那だぜ!」

 

弦十郎の言葉に奏がのる、やはり二課やる事がちげぇ

 

「……頭お花畑ですか?」

「ガリィ言ってやるな」

「頭悪くない?」

 

ガリィにキャロル、徐福もさすがに困惑する。そういえばそういうのが普通だったな。まぁリベルタスも似たようなところあるしな。こっちは独立組織向こうはお国の組織という違いがあるのだが。深くは考えないでおこう

 

 

 

 

そして私達は場所を移して二課の食堂でパーティーを始めた

 

「我々二課とリベルタスとの協力関係を祝って、乾杯!」

「「「「「「「「「「乾杯!」」」」」」」」」」

 

弦十郎の音頭と共にパーティーが始まった

まぁ参加してるのは殆どが二課の人達でリベルタスの人員はいないがな。突発すぎて来ないのと人前に出るのが嫌いな子が多いからな

 

私がそう考えながら肉をメインに食っていると響とクリスが来た

 

「お姉ちゃん」

「フェン姉」

「二人とも楽しんでる?」

 

私は二人にそう声をかけ、頭を撫でる

 

「んぅ…」

「はずぃ…」

 

響は嬉しそうに手に自分の頭を擦り付けて来る犬かな?クリスは恥ずかしそうにしているが満更でも無さそうだ。その時

 

「牙様は私のです」

 

徐福がそう言いながら私の腰に引っ付いてきた。この子独占欲強いんだよな

 

「「は?」」

 

あっ、響とクリスが人殺しそうな顔を、なんだろう私の近くにいる子達てなんか私の事で度々争う気がする。リベルタスの子達もそうだし度々殺し合いのような喧嘩を始めるからやめて欲しい。あれ?私ハーレム系主人公だった?百合ハーレムだけど、嬉しいけど嬉しくない

 

響、クリスと徐福が火花ちらしているせいか少し人が離れていった。いや助けろや

 

そう思っていると今度はキャロルとセレナがやってきた

 

「そこまでにしておけ」

「喧嘩は良くないよ」

 

よし、良いぞ。私もそれに続いて止めた事で三人は睨み合いをやめた

 

「そうだ、改めて自己紹介でもしようか」

 

私がそう言う。名前とか名乗っただけだしね、それに伴って二課の主要人物を集める

 

「それじゃあ私から」

 

そう言ったのはセレナだった

 

「改めましてセレナ・カデンツァヴナ・イヴと言います。昔はアガートラームの装者でしたが今はアイギスの装者をしています」

 

なおセレナはこれから二課の所属になる、マリアの事もあるし今武装組織フィーネについて主立って対応してるのは二課だからね。二課にいた方がマリア達に対応できる

セレナのアイギスに関しては私がとりあえず持ってる聖遺物を片っ端から試してアイギスが一番適合係数が高かったから決まった。まぁセレナは傷付ける事が好きじゃ無いから納得ではある

 

「オレの名前はキャロル・マールス・ディーンハイム、錬金術士だ。リベルタスでは戦闘員兼研究者をしている。ノイズへの攻撃手段も持っているためもしかしたら二課と戦場を同じくするかもな」

 

次に自己紹介したのはキャロルだ。原作なら二課と敵対関係になるはずなんだけど、今は私の仲間だ。簡単に説明するとキャロルと出会ってバトってそん時にイラついた私がゲームの方で知ったイザークさんについてぶちまけたら更生した、以上である。今は錬金術を人々の笑顔の為に使うと言っており頼もしい。

ちなみにダウルダブラは私との戦闘で大破したので今はラピスの方のファウストローブを使っている

 

「自己紹介しなきゃダメですか?……ダメなんですね。錬金術士の徐福です。えーと、リベルタスでは研究員兼牙様の助手してます。以上」

 

相変わらずドライだな。この子はいつもけだるそうにしてるからな。嬉しそうに動くの私からのお仕事ぐらいじゃない?ちなみにこの子は中国の方で有名な徐福その人です。錬金術士だから延命とか余裕だしね。リベルタスに入ったのは私に助けられたからという理由だし、この子結構自由人なんだよね

 

「他にもリベルタスの人員はいるけど他の子達は人前に出たがらないから何かあったら私達に言ってね。次来た時に連絡要員の子連れて来るから」

 

改めて主要人物同士で自己紹介した後はそのままパーティを楽しむ事になった。響達と徐福の仲があんま良くないのは言うまでも無いだろう。途中でキャロルも乱入してたのは何かの間違いだと思いたい。けど好かれること自体は悪い気はしないわ

 

そしてパーティーが終わった後は二課とリベルタスとの間に色々と協力関係を結んだ。簡単に説明すると

リベルタスからの人員派遣、二課とリベルタス間での様々な情報共有など様々な決め事を話し合った。リベルタスの基地などについても聞かれたが今の所は秘密にしておく、というか明かしたら絶対めんどくさい事になるだって聖遺物の力で新しく島作っちゃったもん。隠蔽は大変だったけど

 

そんなこんなで二課とリベルタスの間に協力関係が生まれた



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廃病院と戦い

ストックがキレそう……毎日投稿出来なくなっても許して欲しい
モチベが急降下してるんだ


 

私達シンフォギア装者は町外れの廃病院に来ていた

 

『いいか!今夜中に終わらせるつもりで行くぞ!』

『こんな夜間の出動すみません。明日も皆さんそれぞれ予定があると言うのに』

 

通信機から弦十郎と小川の声が聞こえてくる

 

「気にしないでください。これも私達防人の務めです」

「こんな町のすぐ近くに居たなんて…」

『その病院はずっと昔に閉鎖された病院なんですが2ヶ月前から少しずつ物資が搬入されてるみたいなんです。ただ現段階ではこれ以上の情報は……』

 

そこに関しては問題ない

 

『リベルタスの方ではその場所から上手く隠蔽されているがアウフヴァヘン波形がキャッチできた。もっとも何の聖遺物かわかるほどはっきりとはしていないがな』

 

こっちは聖遺物を制限無く研究できるし様々な分野の人達がいるからね二課より聖遺物関連は上を行ってる

 

「ほぼ分かりきった様なもんだが尻尾を出さないなら引きずり出せば良いって事だな」

 

クリスの言葉を合図に響、クリス、翼、奏の四人が廃病院に入っていった。私とセレナは外で万が一に備えて待機だ。大人数で廃病院に入っても動きは制限される場所だからな。少人数の方がやりやすいだろうし

 

 

 

 

 

三人称side

 

 

響達は廃病院に突入していた。そして響達が道を進んでいるとノイズが現れる

 

「当たりだな」

「お出迎えと言ったところか」

「やるぞ立花、雪音、奏」

「「「了解」」」

 

各装者がシンフォギアを纏ってノイズを相手にする

 

「ここは外ほど広くはない!雪音を先頭に進むぞ!」

「了解!援護する」

 

クリスは四人の中でもっとも広範囲への攻撃能力が高い為限られた空間の中ではもっとも素早くノイズ達の殲滅ができる人物だった。そして他の三人がクリスを援護する形でノイズ達を倒して行くが

しばらくすると攻撃してもノイズが砕けなくなった

 

「どういう事だ!?」

「どうして手間取るんだ!?」

「ギアが重い!」

「ギアの出力が落ちているのか!」

 

なぜがノイズに対して手間取っていた

 

『どういう事だ!』

『装者達のギアの出力落ちています!』

『いきなりどうして!』

 

その時リベルタスから通信が入る

 

『ギアから送られる情報から装者周辺に薬物の反応がある!』

 

その声に反応したのは了子とフィーネだった

 

『『Anti_LiNKER!!』』

「一体なんだよそりゃ!」

『おそらく貴方達の周りに散布されてるのはAnti_LiNKER、LiNKERとは逆で適合係数を引き下げる薬よ!』

『それかつてF.I.Sで装者による反逆を防ぐ為に使われていた薬だ!』

 

Anti_LiNKERそれはシンフォギアという力を手に入れた事で反逆されてはたまらないとF.I.Sにより作り出された適合係数を落とす薬だった

 

『Anti_LiNKERが無い場所まで一旦後退しなさい!じゃないとバックファイアでまともに戦え無くなるわ!』

 

適合係数の低下は装者に対するバックファイアの増大という形で現れる事になる。もしこの状態で大技なぞ使おうとするなら相応のバックファイアを覚悟しなければならない

 

「クソっ!」

「ここまで来たってのに」

 

装者達が一旦後退しようとした瞬間通路の奥から響に対して何が襲いかかって来た

 

「おりゃァ!!」

「はぁっ!!」

 

それに対して響と翼が迎撃するが

 

「アームドギアで迎撃したのになぜ炭素と砕けない!?」

「まさか、ノイズじゃない!」

「じゃああの化け物はなんだって言うんだ!?」

 

そこにリベルタスからの通信が入る

 

『そいつがネフィリムだ!サイズ的にまだ力は弱いが聖遺物を喰らえば成長する!ギアを食われないように注意しろ!』

 

その通信とともに装者達に緊張が走る

 

「アイツがネフィリム!」

「起動してたのか!」

「しかも暴走してるわけでも無さそうだ」

 

そんな時拍手が突如として通路に響いた。そして現れたのは

 

「えっ!?」

「「ウェル博士!!」」

 

行方不明になっていたウェル博士だった。そしてネフィリムはウェル博士の近くにあった籠に入った

 

「意外と聡いじゃないですか」

「やっぱりグルだったのか」

「じゃあ護送の時のあれも偽装」

「あれは簡単な事であの時既にアタッシュケースにソロモンの杖は無く私の懐に隠し持ち自作自演をしたのですよ」

 

ウェル博士はリベルタスが予想した通り武装組織フィーネと繋がっていたようだ。ウェル博士はノイズをソロモンの杖で呼び出す

 

「そしてこの杖の所有者は自分こそが相応しい!そう思いませんか?」

「思うかよ!!」

 

ウェル博士の言葉にクリスは怒る。そして小型のミサイルを放とうとする

 

『辞めなさい!Anti_LiNKERが作用している状況で技なんて使ったら戦えなくなるわよ!』

 

しかしクリスは放ってしまった

 

「ぐあぁぁぁぁぁあ!?」

 

クリスは体に走る痛みに叫び声をあげる

 

『シンフォギアのバックファイアが装者を蝕んでいます!?』

 

通信の向こう側でもかなりひっ迫している

 

そしてミサイルの攻撃によりウェル博士は外に出る事となり装者達も外へ出た

 

「ネフィリムが入ったケージが!」

 

響が指し示す方向を見ると飛行型のノイズがゲージを運んでいた

 

『このままだと洋上に出るぞ!』

「立花はウェル博士の確保を!奏行くわよ!」

「ああ!」

 

翼と奏はネフィリムが入ったケージを追いかけ海へと飛ぶ

 

『そのまま飛べ!仮設本部急速浮上!!』

 

しかし海から二課仮設本部の潜水艦が現れ足場となる。二人は仮設本部を足場として跳躍しノイズを砕く。そしてネフィリムを回収しようとするが上空から二人を弾く者がいた

 

「ぐうっ!?」

「があっ!?」

 

それはガングニールを纏ったマリアだった

 

「時間通りですよ、フィーネ」

「「なっ!?」」

 

その言葉に驚く二人。しかし無理も無いだろうフィーネが生きているのだから

 

「あれは再誕したフィーネですよ」

 

ウェル博士が得意げに語るが二人はこいつらマジかという顔で固まる事となった



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武装組織フィーネ再び

最近久しぶりに紙媒体の小説ソードアート・オンラインを読んで思ったんだ。川原礫先生は次元がちげぇ、一人称ながら違和感なく三人称を絡めて地の文を構成してやがる。小説を書き始めたからわかる、俺の小説は駄文すぎて辛い。練習しなきゃ……

それとストックがきれました!多分しばらく投稿できないと思う。すまない


 

 

「フィーネだと…」

「指令部?」

 

あまりの出来事にそれを聞いていた響とクリスは指令部に確認をとる

 

『私はちゃんと二課にいるぞ』

 

フィーネが返信する

 

『マリア・カデンツァヴナ・イヴなどのF.I.Sの子供、通称レセプターチルドレンは私フィーネの器になるうる子供達でもある』

 

レセプターチルドレンそれはフィーネが各地から攫ってきたフィーネの器たる子供達。そしてF.I.Sでの実験動物のような存在でもあった

 

『フィーネが生きている事は日本の機密情報の一つ知らなくても無理は無い』

『おそらく私の名前を使って何か企んでるのだろう。聖遺物関連ではまぁまぁ名前が通ってるからな。これから起こす事を私のせいにするのかフィーネという名前を旗印にする気なのかは知らんが』

 

二課での現在の仮定はそうだった。

フィーネになりうる子供達の一人が対外的に死んだはずのフィーネと名乗る。フィーネが生きている事を知らない人々にとっては信憑性の高い事だろう

 

 

 

 

 

 

 

現れたマリアに対して最初に仕掛けたのは翼と奏だった

二人は飛び上がり斬り掛かるがマリアのマントに防がれる

 

「甘く見ないで貰おうか!」

「いくぜぇ!!」

 

負けじと二人はエネルギーの斬撃を放つ

 

蒼ノ一閃

 

POWER∞SHINE

 

がそれも防がれ、再び斬り掛かるも避けられ逆に吹き飛ばされる

 

「甘く見てなどいない」

 

二人は二課仮設本部の上に着地した。

マリアはネフィリムの入ったケージを真上に投げるとケージの姿が見えなくなった。そして二課仮設本部の上に飛び乗る

 

「だから私はこうして全力で戦っている!」

 

二課仮設本部の上で戦闘が始まる。

奏と翼はマリアに斬り掛かるがアームドギアの槍だけでなくマントまでも武器にするマリアとは拮抗していた。

 

二人の攻撃はマリアに尽く弾かれる。これは少し前のAnti_LiNKERによって適合系数が低下したのが一つ、マリアのマントは中距離の攻撃レンジを持っている事だろ。翼と奏は近距離での戦闘が殆どだ、遠中距離は技でしか対応ができない。

 

それにより二人は本来圧倒しているはずの場面で拮抗という形になったのだ

 

『翼、奏!このままでは仮設本部が耐えられん!マリアを振り落とせ!』

 

弦十郎から通信が入る。マリアの攻撃により仮設本部は潜航に支障が出かねないダメージをおっていた。その通信により二人はマリアに再び仕掛けるがやはり拮抗という形で振り払うのには遠かった

 

「アイツら大丈夫なのかよ!」

「私達は今は弱体化してる……」

 

二課側の装者は皆、Anti_LiNKERにより弱体化を余儀なくされている

 

「なら!」

 

そう言い遠距離から攻撃できるクリスが援護しようとアームドギアを構える。しかし、その時丸鋸が響とクリスを狙って来た

 

「なっ!?」

「くっ!」

 

二人はそれを避けるもウェル博士を離してしまう。そして、現れたの切歌と調の二人の装者であった。二人はそのまま響とクリスに襲い掛かる

そして

 

『こちら牙!銀色の装者がこちら側に襲来!応援に行けそうにない!』

 

牙からの通信が入る

 

「まじかよ!」

「ちょっと不味いな」

 

万全な状態な二人が来ればまた違ったのだろうが、二人が来れないなら劣勢間違いなしだ。

 

切歌がクリスに襲い掛かる。クリスは何とか避けようとするもクリスのレンジは遠距離、それに対して切歌のレンジは近距離。アームドギアで撃つための距離や時間が足りなかった。しかもクリスは奪還したソロモンの杖も抱えている状態であり十分なパフォーマンスができないでいた。

 

一方響の方は、調が地面をギアにより走行しながら響に接敵しなが丸鋸の大量に飛ばす。しかしそれ全てを響は叩き落とす。すると調は飛び上がり宙返りをする、すると脚部のユニットから刃を繰り出し、巨大な車輪となり襲い掛かる

 

禁月輪 非常∑式

 

「まじ!?」

 

急いで響は避ける。それと同時にクリスが響の近くに転がってくる

 

「うぐぅ…」

「クリス!!」

 

Anti_LiNKERとバックファイヤにより動きが鈍っていたクリスは切歌との戦闘に耐えられなかったのだ。そしてソロモンの杖が敵に奪われる事になった

 

「時間ピッタリの帰還助かりました。むしろこちらが遊び足りないほどです」

「助けたのは貴方のためじゃない!」

「辛辣ですね」

 

ウェル博士と調は余裕そうに話をする

 

「クソッ!体がまともに動きやしねぇ」

「それに一体何処から」

 

一方で二課仮設本部の上の三人は睨み合っていた

 

「少しずつだがギアの出力が戻ってきた」

「あぁ、どうやら薬の効果が切れたみたいだな」

 

翼と奏の二人は調子を取り戻してしていた

 

「ギアが重い…時限式じゃあここまでなの!」

 

逆にマリアは弱体化していた

 

「時限式!?前のあたしと同じ」

「ならばここが勝機!」

 

マリアの弱体化をつき二人は飛び掛かろうとしたが突然の風圧に足を止める。それと同時に突如として輸送機が現れる

 

『撤退しますよ』

 

そしてマリア達に通信が入る

 

「了解、マム」

 

どうやら撤退するようだ

 

「どうしてこんな事」

 

去ろうとする敵の装者達に対して響がそう問いかける

 

「正義では守れないものの為に」

「正義では守れないもの…」

 

調がそれに答え輸送機に乗り込む。

 

「逃がすかよ!」

 

クリスが逃がすまいとギアを構える。ギアは巨大化し、スナイパーライフルへと姿を変えた

 

RED︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ HOT︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎BLAZE

 

「ソロモンの杖を返しやがれ!」

 

しかし突如として輸送機が消える

 

『反応消えました……』

 

武装組織フィーネはまたその行方を眩ませた



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銀の装者と牙

この一話だけ投稿。再び沈みます

( -`ω-)bアイルビーバック


 

フェンリルside

 

私とセレナは今走っていた。病院に突入した四人が武装組織フィーネの装者達により襲撃を受けそれの応援に向かっているところだった

 

「ッ!?」

「えっ、ちょ」

 

走っている私は悪寒を感じ隣に居たセレナの服を掴むと後ろに跳んだ。

そしてその後すぐに私達が先程までいた場所に何かが突っ込んで来て土煙をあげた。土煙が晴れた時にいたのは武装組織フィーネ側の装者の一人、銀の装者であった

 

「ここから先にはいかせない」

 

そう言って私達の前に立ちはだかった。

私達はシンフォギアを纏い戦闘態勢に入る。そして私はすぐに封印を全て解除する

 

「どいてもらう。セレナは援護を」

「はい!」

 

先に仕掛けたのは私からだ。右手を振りかぶり殴りつけるが相手の腕に受け止められる。そのまま格闘戦に移行するがどれもこれも受け止められる。

 

逆に相手側の攻撃を私は受け止める。やはりパワーはほぼ互角と言っても良い。私は少し距離をとりアームドギアを展開する。その間の隙はセレナの盾がカバーする

 

私がアームドギアを展開すると銀の装者もその手に大剣を握っていた。その大剣は禍々しい気配を放っていた。だがどうやらあれもアームドギアのようだ

 

私と銀の装者はそれぞれアームドギアをぶつけ合う。そのたびに武器同士がぶつかり合う音が響き火花が散りぶつかり合いの余波で風が吹き荒れる。どちらも決定打のないまま打ち合っていた

 

しかし突然銀の装者が距離をとり掌をこちらに向けて来た。私は何かの攻撃かと身構えるが特に何も無い

と思った瞬間私の体にほんとに軽く何かが当たった感触があったと同時に銀の装者が手を振りあげた

 

その瞬間私は宙に浮いていた。そして銀の装者が腕を振り下ろすと私は地面に叩き付けられた

 

「ガッ!?」

「牙さん!?」

 

そして再び銀の装者が腕を振るうと引っ張られる感覚と共に私が宙に浮かび、銀の装者が腕を振るうと今度は廃病院の壁に激突した

 

「グアァッ!?」

 

銀の装者が腕を振るう度に私は宙を飛び体を地面や壁に激突させた。そして銀の装者がひときわ腕を振るうと共に私は地面をリバウンドしながら吹き飛ばされた

 

「グウゥッ」

 

幸い傷はそこまで多くは無いが振り回されたせいか足がおぼつかない。しかし私の事情を待ってくれるほど相手は優しくは無い。

銀の装者は私に目掛けて大剣を構え飛んでくる。文字通り空中を飛んでやってくる。背中の羽はやはり飾りでは無かったようだ

 

私は何とか両腕をクロスして大剣を防ぐ。腕のプロテクターが一瞬でひび割れたが、銀の装者に盾が突撃し吹き飛ばす。セレナの盾だ

 

私はその隙に体勢を立て直す。それと同時に相手が再び掌を向けてくる。それと同時に私は姿勢を崩す。そして虚空に手を伸ばし掴む。すると私の手にはワイヤーが握られていた。

暗闇で見えずらかったがシンフォギアのプロテクターにこれを打ち込み私を振り回していたようだ。先程振り回されている時に気付いたが私が叩きつけられる場所は決まって銀の装者から一定距離であったし、必ず私の体のとある部位から必ず引っ張られる感覚がしていた。それに手を振るうという予備動作が必要という事。これらの事から私は何かしらの物によって私を振り回していると考えていたのだが的中したようだ

 

「よくもやってくれたな。おかえしだ!」

 

私はワイヤーを思いっきり掴み振り上げる。すると銀の装者の体が宙に浮かぶ。そして私は振り下げようとしたが銀の装者が地面に落ちる事は無かった。飛んでいたのだ

 

そこからは私と銀の装者の綱引きが始まった私はワイヤーを握りしめ腰のブースターも吹かして地に叩きつけようとするが相手はキィィィィンというおそらく羽が発する音を出しながら抗う。しかし、一つ忘れていないだろうか。この戦いは二対一だと言う事に

 

「やぁっ!!」

 

セレナの掛け声と共に盾が銀の装者に激突し銀の装者の体を大きく揺らす。それと同時に私は更に力を込める

 

「落ちろおぉぉぉぉぉ!!」

 

背負い投げの要領でワイヤーを振り抜き私は銀の装者を叩きつける。大きな土煙を上げながら銀の装者は地面に叩き付けられた。しかし、すぐに土煙が吹き飛ばされその姿を表した

 

「やっぱりこの程度じゃ……」

 

私がそう呟いた時、銀の装者の手に盾が握られていた。見た事のある盾が。しかし、その盾は黒く染まっていた。その盾はセレナのアームドギアだったはずだ

 

「セレナ!?」

「…あれは私のアームドギアです。だけど私の操作を受け付けません」

 

それはつまり

 

「ギアが奪われました」

 

セレナのギアが簒奪された。それだけで衝撃は大きかった。幸いな事にセレナの盾は一つじゃないため奪われてもセレナには問題無かったが

 

「…めんどくさい事に」

 

まさかアームドギアを奪うなんて。一体何の聖遺物を使っているんだ。

そうこうしている内に相手も体勢を立て直したようだ

 

私は早めに決着をつけようと口に炎をためる。それと同時に相手のフルフェイスのマスクが割れ口が現れ炎を口にため始めた。ほんとに何の聖遺物だよ

私の炎と相手の炎がぶつかるのは同時だった

 

我流・獄炎火砲

 

FLAME︎ ︎ ︎BREEZE

 

ぶつかりあった二つの炎は巨大な爆発を引き起こした。それに構わず私は炎に突っ込む。しかし、相手も考えていた事は同じようで爆煙の中で私達は相対する

私は爪を相手は大剣を大きく振りかぶる

 

我流・神狼ノ大爪撃

 

DESTINY︎ ︎ ︎ ︎DESTRUCTION

 

その一撃同士はあたり一体を吹き飛ばす程のエネルギーを撒き散らす事になった。そしてぶつかり合いはほんの一瞬、結果は引き分けとなった。

 

しかし、その一撃の後に銀の装者は姿を消しており勝負は引き分け試合には負けた、と言った結果になった



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少女達の思い

少しだけモチベ回復したからこれだけ投下
ストックはまだ作ってる途中だから待っててクレメンス



 

三人称side

 

「私はどうしたら……」

 

とある輸送機の一室、マリアは深く心に迷いを抱えていた。マリア達は人々を月の落下と言う大災害から救う為にテロリストと言う汚名を被ってまで遂行しようとしていた。

マリア達が少し前まで所属していたF.I.Sはアメリカの機関であり、アメリカは月の落下を知りながら隠蔽。一部の権力者達のみを集め地下に立てこもる気でいた。それ故にアメリカから離反しテロリスト紛いの事までやってのけた。それが人類を月の落下から守る事だと信じて

 

しかし、そんなマリアを否定する様に彼女が、死んだはずのマリアの妹セレナが現れたのだ。彼女はテロリストのような事をしている自分達を間違っていると言い戦いに発展した。もちろんセレナはマリア達の目的は知らないし傍から見たらただのテロ組織なのだから当たり前ではあるが

 

それでもマリアにとって死んだと思っていた大切な妹の家族との敵対と言う事実はマリアの心に迷いを産むには十分すぎた。今のマリアは迷っている。

 

(このままで良いの?セレナと敵対して多くの人に迷惑をかけて……世界各国に本当の事を言えば協力を得られるかもしれない。だけどアメリカのような事になったら……)

 

世界中が月の落下と言う大災害に一眼となって立ち向かえるならマリアは迷う事も無かっただろう。しかし、アメリカは既に多くの人々を見捨てる事を良しとした。他の国が同じ決断をしないとは限らないし世界中の人々が月の落下を知ればどんな事が起きるか想像もつかない。そうなれば月の落下を止める所では無くなる

 

マリアは迷うこのまま月の落下を私達だけで止めるのかそれとも世界に協力を仰ぐのか。

マリアは無力な自分を呪う。大切な妹に敵対させる選択肢を取らせた事、フィーネを演じるだけの自分、子供である調と切歌を巻き込んだ事、マムに無理をさせている事、ウェル博士なんぞに頼らなければいけない事。マリアは呪う無力な自分を

 

何時までも弱い自分を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二課仮設本部、休憩室

 

 

 

そこではセレナが暗い表情で俯いていた

 

「……マリア姉さん」

 

彼女の心に影を落とすのはマリアとの敵対が原因だった。

セレナはかつてF.I.Sの研究所にて多くのレセプターチルドレン達と姉のマリアと共に過ごしていた。しかし、その平和、そもそもF.I.Sにいた事を平和と言うのには疑問があるが、その平和はある日崩れ去る事になった。完全聖遺物ネフィリムの暴走。

 

当時発見されたネフィリムは欠片だと考えられていた。その為大きな危険も無いものとして実験が執り行われた。しかし、その結果はF.I.S施設の大規模な倒壊、多数の人達の死という形であらわれた。

 

そして暴走したネフィリムを止める為に命をセレナは賭けた。そしてその賭けに勝ちなおかつ命を繋いだ。しかし、その代償としてかセレナはF.I.Sからいなくなることになった。

 

しかし、その事にセレナは悲観せずに喜んだ。命があるのならまた姉ともレセプターチルドレンの皆とも会えると。その事を信じてセレナは時を過ごした。

 

そして、再び家族と出会う事ができた。しかし、敵として。その事実にセレナは打ちのめされそうになった。だが、セレナはかつての家族、今の敵と戦う事を決めた。止める為に

 

しかし、彼女は落ち込んでいた。姉を止めることに意志の変わりは無い。だが、姉達との敵対は彼女の心を痛めつける事だった。意思に変わりはなく、それでも彼女が傷つかないとは限らない。

 

「セレナ」

「あ、牙さん…」

 

そんなセレナに声を掛けたのは牙だった

 

「大丈夫?とは言わない。ただ、耐えれるか?」

 

牙が問い掛けたのはシンプルな事。姉達と敵対するのに心を痛めるのは良い。しかし、それを耐える事が出来るか?と言う質問

 

「……姉さん達を止めると言う気持ちに変わりはありません。しかし、辛いです。だけど耐えきってみせます。大切な家族を止めるのは同じ家族である私の勤めですから」

 

そんなふうに笑って答えるセレナの顔は何処かぎこちなかった

そんな顔を見た牙はセレナを抱き締める

 

「えっと、牙さん?」

「セレナ今は吐き出しな。抱え込むすぎると先にセレナが潰れる」

「でも…」

「ただ今は正直になった方が楽だ。セレナは十分頑張ってる。それにそんなセレナの姿見てられない。リベルタスの皆も心配してる。セレナはリベルタスの家族だ。ならマリア達は私達の家族だ、一緒に止めよう」

 

牙はそう言いセレナを抱き締め続ける

暫くするとセレナは喋りだした。その声は震えていた

 

「……私、嬉しかったんです…マリア姉さんが歌姫になって……自由に歌っていて……グスッ…またマリア姉さんと会えて、嬉しかった……調ちゃんも切歌ちゃんも元気で…ヒグッ……でも、でもマリア姉さんはテロリストになって、止めなきゃて思って……だけど辛いんです姉さんと敵対する事も……調ちゃんと切歌ちゃんとも敵対する事も……再会したら…姉さん達と何をしようか考えてたんです……昔みたいに歌ったたり…おしゃべり…したり……昔みたいに……みんなで……仲良く……過ごしたかった………う…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

とうとうセレナは泣き出してしまった。

そんなセレナを牙はそっと抱き締めたまま頭を撫で続けた

 

 

 

 

暫くして泣き疲れたのかセレナは眠ってしまった。そんなセレナを牙は膝枕をして頭を撫で続けた

 

「……何時までも原作通り、なんて言ってられないな。今ここに悲しんでる子がいるんだから…」

 

そして何やら決意を固めていた



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リディアン音楽院学祭

毎日投稿の為にストックを作るという話しをしていましたが。ストック作るほどモチベが回復しておらず投稿方法を変えます。ストック作りが出来るまでモチベが回復するまでは不定期投稿にしようと思います。一週間に一回投稿出来るかみたいにはなると思いますがこれからもこの作品をよろしくお願いしますm(*_ _)m

最近は三人称の方がやりやすいな?と思い始めた作者です。これから三人称視点の方が増えるかも


 

リディアン音楽院秋桜祭

 

リディアンの学園行事であるこの催しに二人の敵が紛れ込んでいた

武装組織フィーネの暁 切歌、月読 調の二人だった

 

「楽しいデスね!調!」

「……」

 

どうやら切歌は秋桜祭を楽しんでいるようだった。その手にはたこ焼きがあった。それを美味しそうに食べている

そんな切歌を調は無言で見つめる

 

「なんデスか?調?」

「私たちの任務は学祭を全力で楽しむ事じゃ無いよ切ちゃん」

 

全くの正論である。敵地なのに楽しむとはこれ如何に?しかし、まだまだ子供なので仕方が無い所もある

 

「わかってるデス。これも捜査の一環なのデス!」

「捜査?」

「人間誰しも美味しい物に引き寄せられるものデス。学院内のうまいもんマップを埋める事が捜査対象の絞込みには有効なのデス」

 

もしここに捜査等を得意とする人物がいたらこう言うだろう『それは無い』と

 

「切ちゃん……」

 

そんな切歌を咎めるように調は見つめる

 

「心配しないでも大丈夫デス。この身に課せられた使命は一秒だって忘れていないデス」

 

切歌が言う使命とは聖遺物の獲得にある。武装組織フィーネが持つ完全聖遺物ネフィリムは聖遺物を糧に成長する。そして聖遺物でしか腹を満たす事が出来ない。武装組織フィーネの聖遺物が底をつけばネフィリムが暴れるのは必然。だからと言ってシンフォギアの聖遺物を与えれば戦力を失う事になるそのような事は出来ない。そこで目を付けたのが二課のシンフォギア、二課の装者達の持つシンフォギアを奪いそれをネフィリムの餌として与えようとしているのだ

 

「とは言ったもののどうしたものかデス」

 

だがやはりそんな簡単に出来る事では無い

 

「……切ちゃんカモネギ!」

 

そんな調と切歌の近くを風鳴 翼が通った。翼を追おうと調が尾行しようとするが切歌に止められる

 

「作戦も心の準備も出来てないのに鴨もネギもないデスよ!?」

 

 

 

 

************

 

 

 

 

ところ変わって牙はリディアンの学祭を楽しんでいた

 

「ん〜、美味しい。セレナはどう?」

「はい!美味しいです!」

 

セレナと共に。マリアの事もあり落ち込んでいたセレナの気分転換として牙はセレナを連れ出しリディアンまで来ていた。もちろん響がいるリディアンの学祭に行かない理由が無いというのもあるが

そして連れ出されたセレナは満点の笑顔を浮かべていた。これはリディアンに来たからではなく。実は牙がセレナにマリア達の目的を教えたからという理由だ。傷心しているセレナを牙は見ていられず教えた。そしてマリア達がテロをする理由を知ったセレナは『やっぱりマリア姉さんは優しい姉さんです』と言って泣いた

 

「でもこんな楽しんでいて良いんでしょうか?」

 

それを知ったとしてもやはりこんな事をしていても良いのかという疑問は出る

 

「情報が無い今、下手に接触なんて出来ないからね。それにこれも作戦だから」

「作戦ですか?」

「そうそう」

 

牙は原作知識により今日ここに切歌と調の二人が来る事を知っていた

 

「今日リディアンで本当に微弱だけどシュルシャガナとイガリマの反応があった」

「それって」

 

この世界は原作の世界とは違うという事を感じていた牙は確認の為にシュルシャガナとイガリマの反応を探っていた。本来ならシンフォギアとして起動していないなら探知なんて出来ないのだが場所をリディアンに限定する事とシュルシャガナとイガリマの反応だけを拾うように機能制限さらに秘密裏にリディアンに探知機そのものを置いていた。これによりシンフォギアとして起動されていないシュルシャガナとイガリマを探知出来るようにした

 

「二人が今リディアンに来ている。そこを通じて武装組織フィーネに話をしに行く。もちろんセレナも一緒にね」

「はい!」

 

なおマリア達の目的については弦十郎にも牙は話しており、近い内に装者達も知る事になるだろう

 

「二人とも楽しんでるか〜」

 

そう言って二人に声を掛けたのは奏だった

 

「楽しんでるよ〜」

「はい、とっても楽しいです!」

 

今の奏は牙がコーディネートした服に身を包んでいた。本来牙は変装させようとしていたのだが、カツラを被るには奏は毛量があり学祭の日にちだけ髪を染めるのも面倒臭いし何より本人が髪染めは嫌がった為他の変装方法にしようとしたのがどれも手間が掛かるものや不審者になりかねないもののためただの服選びへとなった。そんな今の奏はホワイトのミリタリーシャツに7分袖の黒のカーディガン、紺色のダメージジーンズというメンズファションだった

 

牙曰く『素材が良すぎて無駄な装飾とかいらないからシンプルイザベスト。メンズファションなのはお〇ぱいのついたイケメンだから』だそうだ。なお、その装いで翼に壁ドン顎クイ囁き告白イケメンボイスを奏はかまし、翼は奏のメスにされた

なお、今現在リディアンでも夢女子を量産中である

 

「もうそろそろクリスが歌うってよ。行こうぜ。ソネットさん達も来てるみたいだし」

 

そう言った奏の少し後ろには雪音夫妻の姿があった。実はクリスがリディアンに居るという事で二人はリディアンでサプライズとして公演する事になっている。それはそれとして娘の行事を逃す親では無い。ビデオカメラも用意してウキウキである

 

 

 

 

そして五人は席についていた近くには響、翼、未来等の姿もある

 

「楽しみねあなた」

「そうだねソネット」

 

雪音夫妻はウキウキオーラが止まらないでいた

そしてクリスが壇上に立ちマイクを構え歌い出した

 

クリスが歌っている曲は〈教室モノクローム〉

今までフィーネの元で過ごしていた時とは違い学校に通い友達を作り笑い合う手に入れた日常。そんなクリスの心を表した曲

その心からの歌は会場にいる人達を魅了していく。その様はまるで母親のソネットのようだ

 

「大きくなって」

「流石僕達の娘だ」

 

観客の中でも特に雪音夫妻は涙を流しながら聞き入っていた

そんな歌も終わりが来た。そして万雷の喝采と共に締めくくられる

 

「勝ち抜きステージ新チャンピオン誕生!今一度拍手を!」

 

その言葉と共に再び喝采が会場を包む

 

「さぁ!次の挑戦者は!飛び入りも良いですよ!」

「やるデス!」

 

そう声を上げたのは切歌と調だった

 

「チャンピオンに…」

「挑戦デス!」

 

 

 



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変わりだす運命

ここら辺から少しずつオリキャラが増えていきます


 

武装組織フィーネの暁 切歌そして月読 調二人は歌の勝ち抜きステージにてクリスに対して宣戦布告をした。

 

「あの二人は!?」

「どうして……」

「調ちゃん、切歌ちゃん」

 

あまりにも大胆不敵な行動。しかし、敵前に堂々と姿を表したのは愚策では無いだろうか

 

「聞けばこのステージを勝ち抜けば望みを一つだけ叶えてくれるだとか。逃すわけ……」

「おもしれぇ。やりあおうてっんならこちとら準備は出来ている」

 

望みを叶えるとはそういう事では無い気がするが今更である

そんな時牙に通信が入る

 

『姉御ォ〜、米の手先がアイドル大統領のアジト見つけたようじゃ』

「そう、なら殺さない程度に潰しておいて。米国への脅しに使えるから」

『了解。それと、あのクソメガネは捕縛じゃな?』

「ええ、殺したらダメよ。貴方、やりかねないから」

『わかっとる。公私ぐらいワシもつける』

 

そう言って牙との通信は切れる

 

「えっと、牙さん今のは?」

 

セレナがそう問い掛ける

 

「あぁ、今のは仕込みが成功したからその報告を受けてたの」

 

牙との通信していたのはリベルタスの一員である

 

「まぁ、今は二人の歌声を楽しみましょう?」

 

そう言って牙はステージに視線を向けた

 

 

 

 

 

****************

 

 

 

 

 

「姉御も心配性じゃのぉ。まぁ、心配される自覚はあるんだが」

「姐さんは感情的ですからねぇ」

「うるさいのぉ」

 

そう言って立ち上がったのは一人の少女だった彼女の両腕には身の丈程の曲刀が握られていた。それの片方を肩に乗っける

そしてその隣にいた少女も2mを越える薙刀を担いでいる

 

「よっこいしょ。にしても殺さないでかぁ。自信ないのぉ。まぁ何とか骨折位ですますかの」

「あたいらそういうの苦手ですもんね」

 

曲刀を握る少女の額には二つの角が生えていた。もう一人の少女にも額に一本の角が生えていた

 

「じゃぁ、独立組織リベルタスの鬼の一人。京香行くかの!」

「二番手、雫行きまぁす」

 

そう言って彼女達は駆けて行った

 

 

 

 

 

 

「マリア!覚悟を決めるのです!」

 

マリアに向けてそう問いかける人物がいる。マリア達からはマムと呼ばれる女性。ナスターシャ・セルゲイヴナ・トルスタヤその人だった。今武装組織フィーネのアジトが米国政府の手下に察知されてしまいその状況で覚悟を問い掛けていた。しかし、その行いは無駄になる

 

突然の轟音と共に武装した人間が転がってきた

 

「いったい何が?」

 

そして笑い声が響いてくる

 

「ふははははは!脆いのぉ」

「姐さんあたいらが強いだけですよ」

「おっと、つい姉御と比べてしまうの」

「いやぁただの人間と姉御は比べちゃ可哀想ですよ」

 

謎の二人組が武装した人間を蹴散らしながら現れた

 

「彼女達は一体!?」

 

彼女達が武器を振るうだけで人が軽く吹き飛ぶ。武装した人間達は銃を少女達に発砲するが全て弾かれるか避けられる。命中してもかすり傷程度にしかダメージを与えていない

 

「ノ、ノイズだぁ!」

 

そんな時ノイズが現れ武装した人間を炭素に変える

 

「何じゃぁ。ノイズか」

「確か、ノイズを操る杖を持ってたはずですよ」

「なるほどのぉ」

 

そんな中でも二人は呑気に会話を続けていた

 

「貴方達が何者かは知りませんが僕達の邪魔はさせないですよ」

「ウェル博士!」

 

ノイズを操り戦場に出てきたのはウェル博士だった。ウェル博士は米国の手先と少女二人に向かってノイズを差し向けるが

 

「邪魔じゃ」

「無駄無駄」

 

少女二人が武器を振るうとノイズが塵になった

 

「なっ!?馬鹿な!ノイズはシンフォギアでしか倒せないはず!?」

「古い情報じゃなぁ」

「姐さん、私達の事は知ってるヤツらの方が少ないから知らなくて当然だと思う」

「そうじゃったな」

 

想定外の事態に驚いたウェル博士は次々にノイズを繰り出す

 

「死ね死ね死ねぇ!!邪魔だぁ!!」

 

その顔は酷く歪んでいた

 

「おうおう、匂うのぉ?雫?」

「匂いますねぇ姐さん。くっさい匂いが」

「何を言って…」

 

二つの角を持つ京香が曲刀を地面に突き刺し、クラウチングスタートの姿勢をとる。それに危機感を抱いたのかウェル博士がノイズを自身の前に集め盾にする。しかし、次の瞬間そのノイズが崩れ京香がウェル博士の眼前にいた

 

「えっ…」

「沈めぇい!クソメガネ!!」

 

京香の拳がウェル博士の腹に叩き込まれる

 

「グェ!?」

 

ウェル博士は体をくの字に曲げ倒れふす

 

「「ウェル博士!?」」

「ふっ…」

 

その様子にナスターシャ教授とマリアは驚愕を隠せない。そして一人その様子を鼻で笑う少女が二人の後ろに。マリアとナスターシャ教授は焦る作戦の要でもあるウェル博士が敵の手に落ちたも同然なのだ。

しかし

 

「スッキリしたのぉ。ところでどうせ此方を見ておるのだろう?ワシらはお主らと敵対するつもりは無いのでな。話が出来んか?まぁ主に話すのは姉御やセレナなのだがな」

「あたいらの仕事はここまでですしね」

 

その言葉に二人は混乱するしか無かった。そして二人の後ろにいる少女は腕を組んだまま動かない

 

 

 

 

 

****************

 

 

 

 

 

 

切歌と調の二人は歌を歌い上げた。それと共に拍手が送られる

 

「素晴らしい歌唱でした!さて結果はどうなるのでしょうか!」

 

司会の言葉と共に二人に緊張が走る

 

「結果は!!雪音 クリスさんがチャンピオンを維持です!お二人が健闘するも雪音クリスさんには一歩及ばなかった!」

「なんデスとぉ!?」

「失敗…」

「はん!あたし様に勝とうなんて100年早いんだよ!」

 

そう言うクリスは内心かなり心配だったが言わぬが花だろう

 

「どうするデスか!調」

「ここは撤退だよ。切ちゃん」

 

そう言って二人はステージを降り逃走する

 

「あっ!待てコノヤロウ!」

 

 

 

 

切歌と調は学院の中を走るが途中で学祭の荷物の行列に邪魔されて足止めをくらった

 

「くそっ!どうしたものかデス!」

 

行列が無くなり駆け出そうとするが二人を取り囲むように翼、奏、クリス、響、牙、セレナが取り囲む

 

「6対2デスか」

「圧倒的不利…」

 

二人は緊張する

 

「切歌ちゃん、調ちゃん」

「セレナ…」

 

セレナが二人に歩み寄る

 

「学祭一緒に楽しみましょう!」

「へっ」

「え?」

 

セレナが突然そう言い出した。その言葉に切歌と調はもちろん二課の装者達も驚いたようだ

 

「何言ってんだ!?セレナ姉!」

「セレナさん…それはちょっと違うんじゃ」

 

セレナ以外の二課装者達からしたら敵なのだからみんなの反応は当然だ

 

「いきなり何を言い出すんデスか!」

「いくらセレナでも今は敵…」

「私知ってるんですよマリア姉さん達の目的」

 

その言葉にまたもや牙以外の人達が驚く

 

「はぁ!?どうゆう事だよ!」

「何故そんな事を…」

「マリア姉さん達が多くの人達の為に動いている事は牙さん経由で知ったんですけどね」

 

その発言と共に牙に視線が集まる

 

「少し前に弦十郎にも話したから多分今日にでも説明あるんじゃない?」

「お前、知ってたんなら教えてくれても良いだろ!」

 

牙の発言に奏がそう言い返す

 

「まぁ、デリケートな話しでもあるし。何より不確定要素があったからね?」

 

不確定要とはもちろん銀の装者である。それに米国の闇も含まれる事件でもある為下手な対応は出来ない。なお、牙はこの事件が終わったら米国に思う存分情報を使って攻撃を仕掛ける気である

 

「そう言う訳ですから。今は楽しみましょう?私は二人の味方ですよ」

 

セレナは二人にそう微笑んだ。そんなセレナに二人は毒気を抜かれて大人しくセレナと学祭を楽しむ事にした




オリキャラ説明!

二本角の鬼:京香
元は人間だったが聖遺物の実験に使われ今の姿に
リベルタスが実験に使われていた所を救出した。
単純にパワーが上昇しており素でOTONA並の身体能力
武器はリベルタスの持つ異端技術の粋を集めて聖遺物の欠片から再構築された曲刀を使う
牙の事は姉御と言い慕っている

一本角の鬼:雫
京香と同じ実験に使われていた所をリベルタスに救助された
パワーは京香に及ばないが蒼炎を操る事が出来る
武器は京香と同じくリベルタスの異端技術の粋を集めて聖遺物の欠片から再構築された薙刀を使う
京香の事は姐さん、牙の事は姉御と言う

リベルタスの鬼について
リベルタスの鬼はとある日本にあった異端技術の違法研究所から救助された四人の少女である。とある聖遺物の実験に使われていた所を救助。違法研究所は風鳴訃堂も気づいていたが護国に使えそうと言う理由で見逃していたどころか少なからず支援もしていた
四人の少女は助け出してくれた牙そしてリベルタスに感謝している。特に牙を姉御と言い慕う。鬼達は直感が優れており人間の善悪を匂いとして表し感じ取れる

とある聖遺物について
〈鬼の角〉と呼ばれる聖遺物で人間突き刺す事で鬼の如き力を得ることが出来ると言う。しかし、その力に耐えきれず大抵の人間は死ぬ事になる。角本数が多い程強い力を持つ。鬼の如き力はパワーはもちろん妖術のようなものを手に入れる事もある。聖遺物は突き刺さった人間と融合する為外す等は出来ない。そして力を増すほど使用者との親和性を高める。牙と響ともまた違う形の融合症例になる。
どうやら元からルル・アメルが使用する事が前提の聖遺物のようだ
聖遺物にたがわず歌によって融合者の力を上昇させる


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武装組織フィーネの目的

我が姉がコロナに掛かったぜ!コロナ移らないといいな


 

二課仮設本部指令室

 

「今回は武装組織フィーネその目的について話す」

 

そうきり出したのは弦十郎だった。その場には二課の職員はもちろん二課の装者に牙、そして調と切歌の二人もいた

 

「牙くん経由にて知らされた武装組織フィーネその目的は月の落下による失われる命を救う事」

 

その言葉に事情を知る人達以外が驚愕を示す

 

「なっ!?月の公転軌道は各国が調べ落下の危険が無いと!」

 

翼がそう言い放つ

 

「しかし、その公転軌道の計算は米国、つまりはアメリカからの観測データを元に算出されている物」

 

アメリカは世界一宇宙に対して知識があると言っても過言では無い。それは各国が知るとある機関からも伺えるだろう。それ故に各国はアメリカを信頼しそのデータを元に計測を行った。それがもっとも正確に月の公転軌道を知れると信じて

 

「それじゃあまさか……」

 

そして牙の発言に一同は気づく

 

「アメリカは誤情報を各国に流した……」

「そんな馬鹿な真似を何故!」

 

月の落下等という未曾有の大災害本来であれば人類が手を取り合い着手すべき事

 

「アメリカは一部の人間のみを生き残らせその他の人間を見捨てる事を良しとした」

「月の落下なんて対処出来る筈がないと諦めたのデス」

 

切歌と調の言葉に一同は苦虫を噛み潰したよう顔をする

 

「クソ野郎が!」

 

クリスが暴言を吐くのも仕方が無いだろう

 

「そこでF.I.Sの一部が米国を離反。そうして月の落下から人類を救う為動き出した。それが武装組織フィーネの全容」

 

牙がそう締め括る

 

「なるほどな。私の名前を使ったのはおそらくウェル博士を仲間にしたいが故か。アイツは研究者の中でも有能だったからな」

 

そう言ったのはフィーネだった。まぁ、それも有るだろうが、ウェル博士に関しては英雄になれますよ的なことを言えばホイホイ着いてきそうである

 

「フィーネ!?どうしてここに!」

「死んだんじゃなかったんデスか!?」

 

フィーネの存在に調と切歌は驚く

 

「確かに一度肉体は滅びた。しかし、どっかの馬鹿が新たな肉体を私によこしたのだ。」

「じゃあマリアは……」

「フィーネでは無い」

 

その言葉に切歌と調は破顔する

 

「良かった…デス」

「マリアはマリアのままで居られる」

「安心するといい。例え死んでも私は二度と他者の魂を塗り潰すことはせん」

 

フィーネは牙により自分の愚かさを気付かされたもうこれ以上罪を重ねる事はフィーネの望みでは無いのだ

 

「てかよ、マリア達が離反してあんな事をしたのは何か手立てがあるからだよな?」

 

そんな疑問を言ったのは奏だった

 

「おそらくフロンティア、日本では鳥之石楠船神と呼ばれている。かつてカストディアンであるアヌンナキ達が作った星間飛行用の船。簡単に言えば宇宙船だ。それであれば月の公転軌道を司る月遺跡の再起動も出来るだろう。私としてはあの程度で月遺跡が停止するとは驚きだったがそれも整備する物すら居なく時がたってしまったからだろうな」

 

そう言ったフィーネの顔はどこか暗かった

 

「元々ネフィリムもシェンショウジンも月を破壊した後混乱する人々を統括しフロンティアを新天地とする為だったからな」

 

今明らかになるフィーネの所業に一同は微妙な顔になる

 

「ネフィリムはフロンティアを起動させる鍵。シェンショウジンはフロンティアの封印を解く鍵だ。ソロモンの杖に限ってはただの戦力だろうな」

 

フィーネは自分の予想を次々と述べていくそれは全て的をいていた

 

「だがおそらくフロンティアの起動は出来ないだろうな」

「それは本当かフィーネ?」

 

フィーネの言葉に弦十郎が言葉を掛ける

 

「あぁ、F.I.Sは聖遺物を機械的に制御する術を研究していた。しかし、今のレベルでは歌を介す方法に比べて出力等も落ちている。今のままではシェンショウジンで封印を解く事は出来ないだろう」

「それじゃあどうすれば」

 

フィーネの言葉に一同は悩む。牙以外は

 

「そこは私にお任せを。機械的に無理なら歌を使えば良い」

「立花 牙それはわかるがシェンショウジンを起動できる人間が」

 

牙の言葉にフィーネが反論するように言う

 

「いや、既にシェンショウジンを纏える人物はわかっている」

「本当か!牙くん!」

「あぁ、それは」

 

そう言って牙が向いたのは何故か流れで着いてきていた未来だった

 

「えっ?私ですか!?」

「そう未来ちゃんだ」

「未来が装者に……」

 

もちろん一同は驚く。こんな身近に装者になり得る人物達が居たのだから

 

「いや、驚く事でも無いのか。元々リディアンはシンフォギアに適合出来る人物を探す為に始まったのだからな」

 

リディアンは元々シンフォギアに必要な歌という重要な要素を持つ人々を集めてその中に装者が居たらラッキー程度の期待も込められていたのだ。もちろん二課の偽装等の目的はあるが

 

「でもなんでわかったの牙ちゃん?」

 

櫻井 了子の疑問ももっともだろう

 

「マリア達が使ってたステルスあるでしょ?あれは機械的に制御されたシェンショウジンの物なの。私達リベルタスでは隠密行動をする際に聖遺物〈ハデスの隠れ兜〉を使っているのだけどもちろんその研究をしてる。その過程で高性能のレーダーとかも作れたの。シェンショウジン程度のステルスなら見破れる程度のね。シェンショウジンはステルスもできるけど本来は違う物だから探知出来たんだけどね。最初から隠す目的で作られた聖遺物なんかを使われたら気づけないけど。まぁ、そういう事で見破ったステルスからシェンショウジンのものだと特定更にそこから色々と調べた結果、未来ちゃんが使えるとわかったの」

 

これは事実ではあるが実際は牙の原作知識である

 

「それにね。シェンショウジンの装者は絶対に必要なのフロンティア関係無くね」

「何で?」

「必要なのは響の為よ」

「私の?」

 

牙の言葉に響は首を傾ける

 

「……そういう事か」

「確かに仮定が正しければ…」

 

納得しているのは了子とフィーネだけのようだ

 

「そこだけ理解してんな!あたしらにわかるように言ってくれ」

「ごめん。分かりやすく言うとこのままじゃ響は死ぬ事になる」

 

その言葉に一同は驚き固まる



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新たな事実

 

「響くんが……」

「…死ぬ」

 

牙のこのままでは響が死ぬ事になるという発言に一同は驚愕する

 

「……私が、死ぬ?」

 

響も信じられないというふうな顔をしている。そんな中、牙はコンソールに近づきUSBメモリを差し込み操作する。するとモニターに写真が写る

 

「これは響のレントゲン写真」

「……なんだこりゃぁ?」

 

クリスが思わず声を上げる。それもそうだろう普通なら映ることの無い謎の物体が響の心臓を中心に根を張る様に広がっていた

 

「これは少し前に響の健康診断としてリベルタスで精密検査したもの。これは響の心臓にあるガングニールの破片、その侵食具合よ」

「ガングニール…」

 

響は胸にあるガングニールによりシンフォギア装者になっている。しかし、それは聖遺物と融合しているからだ

 

「このままガングニールの侵食が進めば響は生きた聖遺物になる。もっとも完全に聖遺物へと変化した場合最早それが響と言えるかは到底無理だろうけどね」

「立花とガングニールが一つに……」

「……くそっ!!」

 

しかし

 

「それはもちろんこのまま進めばの話」

「そう言えば!シェンショウジンが響に必要だって」

 

その言葉に一同はハッとする

 

「聖遺物シェンショウジンの特性は聖遺物由来の力を分解、あるべきカタチを映し出す「凶祓い」の力」

「聖遺物の…」

「分解…」

 

シェンショウジンはシンフォギア殺しとも呼ばれる()()()()()()()のシンフォギア。戦闘能力は低くともその力は絶大。特に聖遺物の相手には

 

「しかし、立花 牙。今の立花 響のガングニールを消し去るには人一人を消し飛ばせる威力が必要になる。とうてい立花 響が生き残れるとは」

 

問題はそこにある。いくら最弱、聖遺物特化と言って常人を殺す事など簡単に出来る

 

「そこは未来ちゃんにかかってるわ」

「私、ですか」

 

牙の言葉に未来は表情が強ばる。

そして突然牙はシンフォギアを纏う。それに一同が驚くも次の瞬間更にシンフォギアが変化する。鎧武者とでも言えば良いのか牙姿の変わったシンフォギアを纏った

 

「これは心象変化、シンフォギアが装着者の思いに応じて姿形、能力までもを変える機能。アームドギアですらその形を変える」

 

そう言う牙は腰からまるで牙が連なったような刀を抜き放つ

 

「シンフォギアは、シンフォギア装者の肉体的・精神的成長に従ってシステムロックが段階的に解除されるけど、装者の心象や外部からの影響によって特定分野に特化した形状・機能を獲得することがある 。心象変化はまさにそれになる。」

「確かにその機能を使えば立花 響を傷付ける事無くガングニールのみを消し去る事も出来るだろう。しかし、生半可な心や覚悟では無理だ。ましてや小日向 未来は戦う事もなかった一般人とてもじゃないが無理が……」

「それは違うよフィーネ。未来ちゃんは響に対して愛がある」

「その愛が真実であればまぁ不可能ではないな」

 

小日向 未来の立花 響に対する愛は超重力等と呼ばれる程に重く。シンフォギア装者になった最初の歌も各方面から重いと言われる程に響への矢印がでかい。

 

「えっと、つまりは未来くんが響くんを強く救いたいと思えばシンフォギアはそれに応え響くんは救われるという事か?」

「まぁ端的に言えばそうね」

 

わかりやすく言えばそうなる。結局の所は愛なので

 

「私の想いが……」

「という訳でコレ」

 

そう言って牙が取り出したのは赤いペンダント。そう、シンフォギア装者達がつけてるものと同じ

 

「えっ?これって……」

『はぁぁぁぁぁぁあ!?』

 

思わずその場にいる全員が叫ぶ。それもそうだろう突然シンフォギアをポンと出すのだから

 

「なっ!シェンショウジンは私達が持ってるはずなのに」

「どういう事デスか!?」

「え?これ?いやそもそもシンフォギアを作るには聖遺物の欠片があれば良い訳だからね。複数作る事は可能なの」

 

シンフォギアは元々聖遺物の欠片からその力を引き出す装置だ

 

「だがその欠片は何処から……まさか!」

「多分のそのまさかだと思うよ」

「お前、セレナ・カデンツァヴナ・イヴを救助したついでに聖遺物をF.I.Sから持ち出したな!あの事件で聖遺物が無くなっていたり欠片の数が合わなかったのはお前のせいか!」

「イグザクトリー!」

 

牙はセレナを助ける際にF.I.Sより聖遺物を持ち出していたのだ。いわば火事場泥棒。その事に気付いたフィーネは声をあげた

 

「お姉ちゃん……」

 

響からもジト目をくらう牙

 

「いやぁ、F.I.Sは色々と黒かったし行きがけの駄賃として貰ったのよ。中々においしかったわ」

 

悪びれる様子も無くそう語る。まぁ、そのおかげで一部の実験が滞りレセプターチルドレンが原作よりも生き残っているのだが、牙達の知るところではない

 

「さぁ、早くすませましょう」

「お姉ちゃん、でもそれじゃあ私、戦え無くなる」

 

響はガングニールが無くなる事で戦えなくなる事を牙に言う。それは否定の言葉だ

 

「この馬鹿!!お前早くガングニールを取り除かないと死んじまうんだぞ!」

「そうだ、立花!お前が死ぬ事などあってはならない!」

 

もちろん他の人物達がそんな事を許しはしない。死ぬ事がわかっているのに響に戦闘を続けて欲しいなんて考える人間はこの場にいない

 

「でも!」

「響、安心して。確かに一時的に戦えなくはなるけど。問題は無いわ」

 

牙そう語る。実際、牙には考えがあった

 

「……でも」

「響、私は響を失う事なんてしたくないの。お願いだから」

 

牙は真っ直ぐ響の目を見つめて語りかける。

 

「……うん」

 

それに観念したのか響は頷いた



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歪鏡・シェンショウジン

書いてて思った。やはり393は重いと


 

「なぁ、融合症例の響が危ねぇならフェン姉はどうなんだよ」

 

響の状態について話が終わった時クリスが牙にそう聞いてきた

 

「私の場合はちょっと特殊だからね。私はフェンリルに適合出来るようにケイオスタイドで肉体改造を施されてからの融合だから、響の侵食ではなくて完全なる融合なの。だから私は立花 牙であるし聖遺物〈フェンリル〉でもある状況かな」

「そ、そうか」

 

クリスはちょっと気まずい顔になる。誰だって肉体改造とか言われればそんな顔にもなるだろう。牙は普通に語っているが普通なら話す事も嫌になる事だと思うのだが

 

「とりあえず本部を出ましょう。本部でやるわけにもいかないし武装組織フィーネの人達とも合流しなきゃいけないし。私の部下も武装組織のほうについてるから迎えにいかないと」

 

牙の言葉に従い装者と弦十郎、緒川、フィーネが武装組織フィーネの合流地点である旧二課本部に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅かったではないか姉御!」

「待ってましたよ〜」

 

旧二課本部にて待っていた京香と雫そして

 

「待っていましたよ。皆さん」

 

ナスターシャ教授にマリアそして白髪の少女が待っていた。白髪の少女は情報がなかったのでおそらく銀色の装者だろう

 

「初めましてナスターシャ教授」

「えぇ、初めまして」

 

ナスターシャ教授の挨拶に返したのは牙だった

 

「まず、御礼を言わせてください。貴方のおかげで米国に捕まる事はありませんでした」

「いえ、こちらとしても米国に貴女方を渡す事はしたく無かったので」

「それでもです」

「なら、素直にその言葉受け取ります」

 

武装組織フィーネとの接触は牙側の人間を通して行ったものだから牙が主導なのは当たり前ではあった

 

「お話の前に調、切歌、こちらへ」

 

ナスターシャ教授は調と切歌の二人を呼び寄せ。そして二人の頬を叩いた

 

「今回は彼等が私達の計画に賛同し無事だったから良かったものの。貴方達の行いは貴方達自身を危険に晒す行為、以後慎みなさい。……ですが無事で良かった」

 

ナスターシャ教授はそう言って二人を抱きしめる

 

「ごめんなさいデス……」

「ごめんなさい、マム」

 

二人はそれぞれナスターシャ教授に謝った

 

「お見苦しい所をお見せして申し訳ありません」

「いえいえ、貴方が二人を愛しているからこそでは無いですか」

「ありがとうございます」

 

そのまま二人は話を続けていく。武装組織フィーネの目的である月の落下を阻止する事にリベルタスと二課が協力する事。月の落下を各国の首脳に知らせる事。もちろん月の落下を阻止するすべがあると教えた上で。大まかな所として二つの事柄を約束し武装組織フィーネとの協力関係を結んだ。

 

その際にウェル博士のみは捕縛する事をナスターシャ教授に牙はお願いしたが是非ともと言われた。やはり武装組織フィーネの面々から見てもウェル博士はやばい奴なのだろう

 

 

 

 

そしていよいよシェンショウジンによる響のガングニールの除去が行われる。それを見守るのはもちろん二課にリベルタス、武装組織フィーネの面々だ。

 

Rei shen shou jing rei zizzl(鏡に映る、光も闇も何もかも)

 

そして未来がシンフォギアを纏う。原作と同じ形状のシンフォギアである。ただしシェンショウジンについているダイレクトフィードバックシステムはリベルタスにより改造されており。取り込む情報を纏う本人が取捨選択出来る。外部から情報を書き込まれる事も無いようにファイアーウォールも設置済み。ファイアーウォールが破られた場合でも即座にダイレクトフィードバックシステムがダウンする仕組みとなっている。ダイレクトフィードバックシステムは素人でも戦えるようになるシステムではあるがやはり脳に直接情報を伝えるという機能上しっかりと予防線を張らなければ使用者が危険にされされる

 

「これが、シンフォギア……これで、私も…」

 

そんな未来に既にシンフォギアを纏っていた響が近付く

 

「未来」

「響」

「未来、私ねちょっと怖かったんだ。このままじゃあ死んじゃうて言われて……でも未来が助けてくれる。だから怖くなくなった。何時だって未来は私の隣にいてくれた。辛い時も悲しい時も楽しい時も嬉しい時も、何時だって未来が傍に居てくれた。私のひだまり。だから、信じてる」

「……響」

 

響が紡いだのは未来への思い。今まで響の隣で支えてきた彼女への信頼

 

「私はずっと響と居たい。だから安心して響」

「うん。私も未来と一緒に居たい」

 

その言葉を最後に響と未来は距離を離す。そして未来は歌い出す

 

歌唱曲〈歪鏡・シェンショウジン〉

 

その歌は響への思い。今まで近くで支える事しか出来なかった自分。しかし、これからはその隣りに立って支え合える様になりたい。そんな想いが詰まった曲。

なおそれを聞いている牙は『やはり超重力、未来ちゃんの想いは凄まじい』と思っていた

 

(響……助けられて来たのは私も同じ。あの日あの時響が私の手を握ってくれた日からずっと。響、私のお日様。響が力を手にしたあの日から私は支える事しか出来なかった。でもこれからはその隣に立って支え合って行ける。響と一緒に歩いて行ける!!

だから!これからも響と一緒に居る為に!!響の未来を!!)

 

フォニックゲインがドンドンと高まっていく。

 

「このフォニックゲインの高まりは、絶唱!?」

 

未来は意識していなかった。しかし、その想いがその覚悟が次々とその力を高めていく

 

「……計器が振り切れた……」

 

観測をしていた計器はあまりの力の高まりにエラーを吐き出す。

 

「愛だね」

「そうね、愛ね」

「うーん、コーヒーが欲しくなっちゃうわ。ブラックで」

「何故そこで愛ッ!?」

 

牙、フィーネ、了子はその現象にしみじみと呟き。それにマリアがツッコミを入れた。

 

未来のギアが形を変えていく。脚部ユニットからは鏡が排出され輪を創り出す。更に浮遊する鏡が現れ紫色の光が蓄えられる。

遂には未来の前には巨大な紫のエネルギーが収束される

 

「……おい、ヤバくないか?」

「やばいわね」

「総員対ショック体勢!!デカいの来るよ!!」

 

想定外のエネルギー量にそれを見ていた全員が伏せる。その瞬間エネルギーが放たれる

 

光明

 

膨大なエネルギーの発射とともに爆風が辺りを襲う。そしてエネルギーは響の姿を呑み込む。そして数秒後エネルギーは途切れその場を静寂が包む

 

「……大丈夫か?」

「え、えぇ」

「何とかな」

「これで最弱はねぇだろ」

「これも愛ゆえね」

「だから何故そこで愛ッ!?」

「愛は世界を変えるのよ」

 

どうやらみな無事なようで言葉を発しながら立ち上がる

 

「そんな事より!響は!」

 

クリスが発した言葉に全員が響が居た場所に目を向ける。暫くすると煙が晴れた。そこから出てきたのは

─────未来にお姫様抱っこされている響だった

 

「……はぁぁぁぁぁ。良かったぁ」

 

大きく息を吐き出して牙が脱力する。それと共に他の一同も肩の力を抜く。

 

「ありがとう。未来」

「どういたしまして。響」

 

二人は大輪の花が咲くように笑い合う。立花 響は救われた

 

 

 

 

 

 

 

 

その喜ばしい雰囲気をぶち壊す様に少し離れた場所で爆発が起こる

 

「あの場所はエアキャリアがある場所!」

 

そう言ったのはナスターシャ教授だった。

そして爆発のあった方から人影が現れる

 

「イッヒヒヒヒヒヒ!!僕は!!英雄になるんだァ!!」

 

現れたのはウェル博士だった

 




空気を読まぬウェル博士の出現。


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絶望の箱、目覚める災禍

今回謎の装者の事が少しだけ分かります。
それとオリキャラのアイディアをくれたRIZE.DUMMYさん先に謝っときます。ごめんなさい!!活躍させるとか言って悪役な活躍させちゃいました!!味方キャラとしても活躍させるからユルシテ....ユルシテ...


 

突然の爆発と共に牙達の前に姿をあらわしたのは、ウェル博士だった。

 

「お前達のせいで台無しだぁ!!僕の僕による僕の為の英雄譚がァ!!」

 

支離滅裂な事を言い出すウェル博士。しかしそれが彼の本性。歪んだ英雄象を持つ、英雄狂いの狂人。

 

「遂に本性をあらわしたデス!」

「ドクター・ウェル、大人しく投降しなさい。協力者が得られた以上貴方のような危険思想を持つ人物を放っておけません。」

 

仲間であるはずのナスターシャ教授達すらこの反応、相当アレな人物なのがウェル博士を知らない人達でも気付く程だ。

 

「バカですか!!投降なんてする訳ないでしょう!」

「大人しく、お縄につきな!!この戦力差で敵うわけ無いだろ!」

 

叫ぶウェル博士に奏がそうかえす。戦力差についてはウェル博士側はノイズに成長途中のネフィリム、牙側は響を除いても9人の装者に鬼の二人、OTONA、NINJA、はっきり言ってoverkillである。

 

「戦力差?そんなもの知ってますよ!私も無策で来る程バカじゃありませんよ!!」

 

そう言って何やら箱を取り出した。それに反応したのはナスターシャ教授だった。

 

「ドクター・ウェル!!バカな事はお辞めなさい!!その聖遺物がどんな厄災を招くか貴方が知らない訳では無いでしょう!!」

「黙れっ!!煩いんだよこのおばはんがあっ!!僕は英雄なんだ!聖遺物の一つや二つ扱えるさ!!」

 

ナスターシャ教授の言葉を無視して聖遺物らしい箱を開く。すると箱からは黒い煙が溢れ出す。

 

「ど、どうなっている!?」

 

しかし、暫くすると勝手に箱は閉じ黒煙が空中に浮かぶだけとなっている。どうやら想定外の事のようでウェル博士は叫ぶ

 

「開け!開けよ!この役立たず!!何で何も起きないんだァ!!」

 

遂には箱を地面に叩き付けてしまう

 

「かつて国を滅ぼした力はどうしたァ!!パンドラの箱ォ!!」

 

ウェル博士が叫んだその聖遺物の名を聞きその場にいた面々は驚く。

 

「なんてものを……」

「しかも、国を滅ぼした?」

 

パンドラの箱が発見されたのはアフリカ、そしてそのアフリカでは一つの伝承があった。『かの箱が開きし時災厄が溢れ出す。それは国すら呑み込む絶望である』

そしてかつて国すら滅ぼしたという逸話も残っている。これがギリシア神話に出てくるパンドラの箱と同一かは分からないが、その力がギリシア神話のそれと似通っている事からその名がつけられた。

 

ウェル博士の企みは失敗に終わったかに見えたが、突如としてその場にいる全員が悪寒を感じた。そして感の良いもの達はその目を未だ空中に浮かぶ黒煙に向ける。その瞬間一つの矢の様なものが黒煙から飛び出す

 

「かはっ!?」

「「「リゼ!?」」」

 

その矢のようなものが突き刺さったのは白髪の少女であった。その少女の名前を呼んだのは武装組織フィーネの装者達だった。

おそらく彼女が牙達の前に立ちふさがって来た銀の装者なのだろう。

 

「がっ!ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!??」

 

白髪の少女、リゼはとてつもない叫び声を上げながら苦しむ

 

「やっ、やった!!運は僕を見放してなかった!!ウェッヒヒヒヒヒヒ!」

 

リゼの様子を見てウェル博士は狂乱するかのように顔を歪んだ笑顔に変える。

 

「リゼの聖遺物は不安定!!特に負の感情に敏感だァ!!いっつも精神安定剤を使うぐらいには。パンドラの箱とは相性抜群だァ!生まれるぞぉ!災禍の誕生だァ!!」

 

空中に浮かぶままだった黒煙もリゼに纏わりついていく。

 

「リゼ!!」

 

その姿に切歌が駆け出そうとするが牙に止められる。

 

「邪魔するなデス!!」

「被害をでかくする気か!」

 

牙は厳しい言葉で切歌を叱りつける。

その間にもリゼに変化が訪れる。身体の各所が人のそれとはかけ離れた姿へと変えていく。その様はシンフォギアを使っているようには見えない。

 

「私と同じ融合症例!しかも、この気配は……」

 

肉体すら変化していくその様はまさに聖遺物と生体との融合。そして、黒煙の影響だろうか。聖遺物の気配が強く感じる。

牙が感じ取るその気配は二つ、一つはおそらく銀の装者がシンフォギアとして使っている聖遺物。もう一つは

 

「────ケイオスタイド!!」

 

それは牙の肉体にも使われている聖遺物。生命を創造し改造する聖遺物。その聖遺物の出自は謎だがケイオスタイドはナノマシンの集合体による泥のような聖遺物。その総量が牙に使われていたものだけとは限らない

 

「グルルルルルルル……」

 

リゼの肉体は完全に変わっていた。全身を覆う鈍く暗い色をした黒色の装甲。3mを超える体高、大きく鋭い爪に大きく裂けた口。何処かロボットのような赤いガラスのようなフルフェイスマスク。猛禽類のようでそれよりも鋭利な足先。太く蛇腹のような装甲が連なる尾、先端はまるで針のように鋭い。背中からは金属フィンが結合したような羽が大きく広がる。生き物のようで機械のようにも見えるその不思議な姿をしていた。

まさにそれは〈怪物〉に相応しい姿だった

 

「良いぞ良いぞォ!!凄まじい力を感じるぅ!!英雄たる僕が持つに相応しい力だァ!!」

「リゼはお前なんかの道具じゃないデス!!」

「このくされメガネ!!」

 

リゼをまるで自分の物かのように言うウェル博士に切歌に普段から大人しい調でさえ声を荒らげ叫ぶ

 

「煩いんだよ!!僕の周りの全ては僕という英雄を際立たせるモブなんだよォ!!やれぇっ!!THE DISASTER(ザ・ディザスター)

 

ウェル博士はリゼの持つ聖遺物の名を災禍の鎧の名を叫びながら命令を出す。それに従うようにリゼはTHE DISASTERは吠えた。

 

「グルァァァァァァァァァッ!!」




多分勘のいい読者は銀の装者の聖遺物がわかったはず!
分からなかった人はもう少し待ってね

こちらの活動報告の方もよろしくね
アイディア募集お話し

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=293364&uid=382166

聖遺物アイディア

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=290227&uid=382166


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災禍の鎧ーTHE DISASTERー

お久しぶりです。作者です。
学校入学も終わり引越しも終わってアニマックスカフェでシンフォギアを堪能して気力回復したので久々の投稿です


 

THE DISASTERと化したリゼはその矛先をウェル博士の敵である装者達に向ける。

 

「ガァァァァァァァッッ!!」

 

大きな咆哮と共にリゼは装者達に突撃して行く。

 

「非戦闘員は急いで退避!!」

 

突撃してくるリゼに反応して牙は急いで指示を出す。その顔には焦りがあった。

この場には戦闘をする事を前提に来てはいなかった。武装組織フィーネとの交渉と響のガングニールの消滅の為に来たのだから。

その為この場に非戦闘員も多数おり下手すれば死人がでる。それほどに完全聖遺物は脅威なのだ。

 

「ハアッ!!」

「グアッ!?」

 

その時掛け声と共にTHE DISASTERを殴りつける影があった。

 

「おじ様!?」

 

THE DISASTERを殴りつけたのは2課の司令である風鳴弦十郎であった。

本来ならこの人が戦闘の場に出てくる事は無い。

 

「ノイズでないのなら俺の攻撃も通るてっもんだ!」

 

風鳴弦十郎、別名OTONAや歩く憲法違反と呼ばれている。ノイズには対抗出来ないがそれ以外なら彼はその力を遺憾なく発揮する。

がそこは完全聖遺物、直ぐに体勢を立て直す。しかし、その一瞬で十分であった。

装者達がシンフォギアを纏い、京香に雫、牙が攻撃を仕掛ける。

しかしそこでTHE DISASTERの前にノイズ達が現れる。

 

「全員皆殺しだァ!!」

 

ノイズを放った下手人はウェル博士。そしてウェル博士は更にネフィリムを差し向ける。

 

「シンフォギア装者はネフィリムとTHE DISASTERで!そこの筋肉野郎はノイズで!僕の英雄道を阻む者は全員殺してやる!」

 

しかし、ここでもまた乱入者が現れる。

 

「ゼェィ!!」

「グオッ!?」

 

ネフィリムの前に現れネフィリムを吹き飛ばしたのは。あまりの出来事に牙は声をあげる。

 

「何やってんの!響!」

 

生身の響だった。そう生身の響だ、シンフォギアを纏わずに戦場にやって来た。

 

「……ノイズじゃないなら私も戦える」

 

そう言って吹き飛ばしたネフィリムに向けて構えを取る。

響の言葉に牙は直ぐに下がれと言いたかったが、ネフィリムを吹き飛ばしている。戦力としては申し分無い。

 

(というか、響てもしかしてOTONAやNINJAと同類?BUZYUTUKAなの!?)

 

色々とめんどくさい状況にはなっているが敵は待ってはくれない。

 

「絶対に無事で戻る事!怪我なんてお姉ちゃん許さないから!」

「うん」

 

牙は不承不承ながら響の参戦を許可した。同時にスコルとハティをそれぞれ響と弦十郎の護衛に出す。

 

「装者はノイズの相手と響と弦十郎のフォロー!!私と京香、雫はTHE DISASTERの相手!行くぞ!!」

『了解!』

 

牙の指示の元戦端が開かれた。

その戦いを一言で言い表すなら凄まじいとしか言い様が無いだろう。特にTHE DISASTERは完全聖遺物しかもパンドラの箱による強化とリゼの狂化によりその力を増していた。

何より、THE DISASTERが取り出した赤い一本の槍。

 

「完全聖遺物破槍ロンギヌス!!」

 

リゼが所持していたと予測されていた完全聖遺物。その特徴はエネルギーの奪取。ロンギヌスが突き刺さった地面は瞬く間に砂へと変わる。その刃が触れればミイラになるだろう。最悪の場合、塵と化す。

 

そんな強大なTHE DISASTERと対等に戦えているのは同じ完全聖遺物であるフェンリルはもちろん人と融合する事で真価を発揮する鬼の角の存在が大きいだろう。力はTHE DISASTERに軍配が上がるが数なら牙達の方が上だ。

 

『聞こえていますか?』

 

牙に突然通信が入る。

 

「その声はナスターシャ教授ですか」

『ええ、2課の通信機をお借りしています』

 

牙に通信を入れたのはナスターシャ教授だった。

 

『今のリゼは繊細さを欠いています。たとえ狂化しリゼの意識が途絶えようともTHE DISASTERはとてつもなく合理的に戦いを運びます。狂っているとは思えない程に。それに本来ならTHE DISASTERは多才です。短距離転移や飛行、心意と呼んでいるフォニックゲインの操作技術など』

 

牙はその言葉を聞きそれは本当なのかと思う。何故なら今のリゼ、THE DISASTERはまさに暴走と呼ばれるような我武者羅に全力で暴れている。

 

「今の事態は想定外だと?」

『おそらくは、パンドラの箱のせいでしょう』

「そこに付け入る隙があると?」

『えぇ』

 

力自体は上昇したが本来のTHE DISASTERの多才さが失われたことにより弱体化もしているという事実に牙は薄ら寒いものを覚えた。だがそれも一瞬、次には作戦を考えていた。

 

(力をただ我武者羅にふるっているだけなら!)

 

そう考えた牙は四人によるヒット&アウェイ戦法に出た。四人の内一人を囮としそれ以外がその隙に攻撃を加える方法だ。今のTHE DISASTERはただ暴れるだけで多方向に対処が出来ていなかった。

だがそれでも倒す事には至らない

 

「硬い!」

「浅い切り傷しかつかぬのう」

「蒼炎もダメですね」

 

戦況は拮抗、ノイズは倒される度に補充されTHE DISASTERは硬すぎて攻撃が通らない。唯一押しているの響だけであった。

 

そんな戦況に変化をもたらした……いや最悪をもたらしたのはウェル博士だった。



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引き裂かれるは神狼、呼び起こされるは絶望と殺意

投稿トゥ!!
先に行っておく

ど う し て こ う な っ た


 

「台無しだ、台無しだ、台無しだぁ!!」

 

ウェル博士は大声をあげる。

英雄になるはずの自身の道を阻む存在。それがいるだけでとてつもなく心がぐちゃぐちゃになる。

正常な判断は出来ずとにかく気に入らないものを消すかのようにノイズを消しかけていく。

そんな中ウェル博士の目に入ったのはこの場でもっとも非力な存在それは。

 

「立花 響……ヒヒッ」

 

ネフィリムと生身で戦っている時点で弱いとは言えないが、それでも彼の優秀な頭脳はこの場でもっとも最適な解答を導き出した。

響は人、そしてネフィリムは聖遺物。人と物、その差がではじめていた。響はネフィリムの相手を始めてから一度も休憩すること無く相手をしている。既にだいぶ息が上がってきているのだ。そして本来、今の響が警戒すべきノイズは装者やスコル、ハティの尽力により響は気にする必要はなく。ネフィリムのみにその集中力を集約させている。

 

「少し小突けば戦況はこっちにかたむくぅ♪」

 

そうして彼は最悪の一手をぶち込む。

 

「THE DISASTER!そこの立花響を殺せえ」

 

その場にいた全員がその言葉を聞き一瞬固まる。

ウェル博士が発した言葉を理解するのを拒んだのだ。あまりにも最悪すぎる一手に。

そんな中真っ先に動いたのは指示を受けたTHE DISASTER。その次に動いたのは牙だった。

 

響はネフィリムに集中しすぎるあまりにTHE DISASTERの接近に気付いていなかった。

 

「響ぃ!!」

 

そんな響にTHE DISASTERの存在を気づかせたのは牙の悲痛な叫びだった。

響がTHE DISASTERに気づいたは良い。しかし、もはや回避不可能な場所まで来ていた。

それでも咄嗟に体を動かせたのは響の長年の鍛錬の賜物だろう。だが、響の相手はTHE DISASTERではなく、ネフィリムだ。

 

THE DISASTERを避けようとした響の隙を待っていたかのようにネフィリムはその大口を開けて襲い掛かる。

それを響を避ける事は出来ない。既にTHE DISASTERから逃れようと行動してしまったからだ。

 

響に迫る逃れられない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?……おねえ、ちゃん?」

「……良かっ、た」

 

しかし、響に迫り来る死取り除かれた。

だが、その代わりネフィリムとTHE DISASTERの攻撃を受けたのは立花 牙だった。

 

THE DISASTERの攻撃を受け止めた左腕は服が酷く破れその隙間から血と肉片、そして骨が姿を晒している。

さらに右腕と上半身の右側三分の一程がネフィリムの口にすっぽり収まり牙を突き立てられ血を流している。

響を助ける為に酷使したのであろう足は肉が裂けて血が滴っている。

誰が見ても酷い状態だった。

 

だがここで終わらない。

牙に今噛み付いているのは聖遺物を喰らう完全聖遺物ネフィリムなのだから

 

 

ブチッブチッブチィ!!!!

 

 

凄まじい音を立てながら牙の体が喰いちぎられる。

喰いちぎられた傷口からは血が吹き出しシャワーのように降り注ぐ。

それを浴びた響は思考を辞めていた脳が再び動き出していた。

 

「……え?おねえちゃん」

 

響の前には全身をボロボロにし血を吹き出し上半身の右側三分の一を失いそこから臓物の一部を覗かせて立ち尽くす姉の姿が見えていた。

 

いやぁいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?お゛ね゛ち゛ゃ゛ん゛

 

響は理解した、いや理解してしまった瞬間。それの事実を否定するかのように大声をあげて牙の体に縋りついた。

 

この時誰もがあまりの出来事に動きを止めた。あまりにも凄惨な出来事に止まることしか出来なかった。脳が理解を拒んでいたのだ。

 

「やった……やってやったぞォ!!!!イッヒヒヒヒヒヒ」

 

そんな中でただ一人だけ、狂ったように笑い声あげる人物が一人。ウェル博士だ

 

「邪魔者が死んだァ!!僕の英雄街道の邪魔をした石ころを消したぞぉ!!」

 

そのまま言葉を吐き続けるウェル博士の言葉はあまりにも人としては思えない。いや、人だからこそ出てくる言葉なのだろ。獣だろうとここまで醜悪になる事は出来ない。

 

殺してやる……殺してヤ゛ル゛ウ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛

 

まるで地獄の底から響いて来たかのような大声をあげたのはクリスだった。

その瞬間クリスのシンフォギアに変化が訪れる。クリスのギアが次々と姿を変えていくのだ。

 

赤かった装甲は赤黒く変色しその形を鋭角的に変えていく。

彼女の怒りと悲しみがない混ぜになった顔はまるで悪魔のようなフルフェイスマスクに覆い隠される。

足や腕にはさらにプロテクターが装着され刃や銃口が見え隠れする。

 

そこにかつてのイチイバルそしてクリスの面影はなく。重い憤怒と殺意、そして小さな悲しみがその身を包む。

 

コロシ゛、テ゛、ヤ゛ル゛

 

その声と共にアームドギアは変化し爆発的に巨大化していく。数十はあろうかという多銃身機関砲、いくつものミサイルポッド。他にもバズーカや大砲と変わらぬ程の口径を誇る銃口など数えるのも億劫になる程の兵器が現れウェル博士を狙う。

 

シンフォギアの暴走と言うにはあまりにも違いすぎる変化に誰も反応出来ない。この現象を知るであろうものはウェル博士の手の中で沈黙を保っている絶望の箱だけだろう。

 




書き始めた当初はこんな場面考え付いてなかったのに
バイオレンスがすぎる

そして少しだけネタバレする。
ここから先も

バ イ オ レ ン ス

だ!


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伝播する厄災〈上〉

オラァン!バイオレンスの時間だァ!!


 

「ヒッ!?ヒィィィィィィ」

 

突如として向けられた殺意にウェル博士はたじろぐしか無かった。

邪魔者を一人殺したと思ったら謎のパワーアップを遂げこちらに殺意を剥き出しにする邪魔者が現れたのだ。

 

「なんなんだよもぉぉぉぉぉ!?」

 

あまりの理不尽さ、あまりの理解外の事にウェル博士は取り乱す。

しかし、ウェル博士を待ってくれるほど今のクリスは優しくはない。

 

数多の兵器群にその姿を変えたクリスのアームドギアが唸りを上げる。多銃身機関砲が回転を始めミサイルポッドの蓋が開き、エネルギーが充填される。

そして死が撒き散らされる。

 

Infinity Murderous intent

 

 

爆音を撒き散らしながら銃弾、ミサイル、ビーム、ありとあらゆる遠距離兵器がウェル博士に殺到する。

がそれを遮るのはTHE DISASTER。ロンギヌスを盾に攻撃を潰していく。

だがそれを越えTHE DISASTERの装甲を削り少しだが出血させる。

 

聖遺物が完全聖遺物を圧倒しているのだ。本来ならありえない。

しかし、それを越える為の感情がある。それは愛。

今のクリスには無縁とも言えるだろう。しかし、彼女の怒りは殺意は愛が深いからこそ、その愛が転じた感情が彼女の力の原因。

 

そしてその心に応える為の機能をシンフォギアは持っている。その名は心象変化。

装者の思いに応える為の機能。それが最悪の形で発現しているのだ。もっともそれを引き起こした要因の一つは厄災の箱なのだが。装者達は知る由もないだろう。

 

そして絶望は伝播する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛とは人が生きていく上で必ず持つものである。

親愛、友愛、異性愛、相思相愛、慈愛、純愛、敬愛、愛、愛、愛。数多の愛がこの世には溢れている。

故に愛する対象が居なくなった時その感情はどうなるのだろうか?

悲しむのだろう泣き叫ぶのだろう。そして怒り憎しむのだろう。

 

さて愛は必ず持つものであると言ったな?ではこの時この場所で愛を失ったものはどれだけいるだろうか?

愛を殺意へと転換してしまったクリスそれは起爆剤だ。

 

 

 

 

 

************

 

 

 

 

 

天羽奏にとって立花牙とはどんな人物か?

そう聞かれれば彼女はこう答えるである。友人にして恩人である。

今の彼女が生きているのはライブ会場で牙が彼女の絶唱を止めたからだ。彼女が今も装者であるのは牙のおかげだ。

数多の恩義を牙に受けている。

そして彼女と牙は装者の中で歳も近く二十歳を超えている。当然酒のそういう付き合いもしている。なんなら翼とはまた違った親友なのかもしれない。

さて質問だこんな彼女が牙に対して愛の類を抱いていないだろうか?

否である。

 

「………………」

 

奏を包んだのは怒り。また奪うのか、家族のように。また誰かを失うのか?家族のように

元々あった彼女の憎しみの断片、それが作用し。奏は強さを望む。

だってそうすれば誰かを失う事なんて無いはずだから。

 

コロス

 

クリスと同じように奏のシンフォギアも変化していく。その装甲の色はオレンジ色をほんの少しだけ残した黒。プロテクターは荒々しさをまし全身を覆うように装着されていく。

アームドギアである槍もより鋭くより凶悪に形状を変える。

奏の怒りに染まった顔はそれと反対に熱を感じさせない平坦なフルフェイスマスクに覆われる。

 

そしてその暴威はノイズに振るわれた。彼女のアームドギアの一振で地面は吹き飛びノイズは塵芥のごとく宙を舞い炭にその体を変える。

 

更にアームドギアに黒いエネルギーが集約し始める。それはどんどんエネルギー量を増やし輝きを増す。

そしてそのエネルギーは解き放たれる

 

Unleash ∞ Exacerbation

 

奏はアームドギアを足元につき刺す。そしてそこを起点にして黒いエネルギーの奔流が当たり一体を襲う。

エネルギーの奔流が無くなった頃には大きなクレーターの中心で佇む奏だけがいた。

 

ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛

 

彼女の慟哭のみが鳴り響く。

 

 

 

 

 

************

 

 

 

風鳴翼にとっての立花牙とは?

そう聞かれて彼女はこう答えるだろう。共に戦う仲間だと。

牙に一番最初に会った時は相棒である奏の命を助けてもらい。その後も戦場を同じくしノイズとの戦いで背中を預けあった事もある。

 

普段の付き合いこそ他の装者達に比べれば少なくとも二人の間には確かな絆があったのだ。

そして彼女は自身を防人と称し常に人々を国を守るべく戦ってきた。

 

だが今はどうだ?ウェル博士の悪逆を許し仲間を守る事すら出来ずに。しかも自身はノイズばかりを相手にしていた。

なんと不甲斐ないことか。自身の弱さでまた奏のように仲間を危険に晒すのか?また誰かをさきもる事も出来ないのか。

 

翼は怒る不甲斐ない自身に友を傷付けた敵に。

 

そうして翼のギアにも変化が訪れる。

シンフォギアのプロテクターは深い深い青に色を変え、刃の如くプロテクターは鋭さをます。更に身体中にプロテクターが装着され、その姿はさながら武将。翼のアームドギアは長くなり大太刀と呼べるまでに巨大化、そしてその刃は青い炎を携える。

顔を鬼のような総面の面具に包む。

 

翼は炎を携えた大太刀をおもむろに振り上げる。すると轟々と燃え盛っていた炎は内側に集約するように規模を縮める。しかし、そこに秘められたエネルギーは膨大。

圧縮された炎は翼の大上段の振り下ろしと共に解き放たれる。

 

蒼炎ノ斬波

 

閃光と爆音が撒き散らされ、圧縮された炎の斬撃はTHE DISASTERに届く……はずだった。

 

しかしそれを遮ったのは

 

「落ち着け翼!!」

 

弦十郎だった。これ以上暴走を始めた装者達を止めるべく翼の前に立ち塞がったのだ。

 

しかし、今の翼の前に立つならば等しく皆斬り捨てるべき敵である。

翼の怒りとは裏腹に酷く落ち着いたその瞳が弦十郎を射抜く、斬り捨てるべき敵として。

翼は青い炎を携えた大太刀を構え切りかかる

 

「急いでくれよキャロルくん!!」

 

今の弦十郎にできるのは翼を止めることだけだ

 

 

 




バイオレンスは続くよ何処までも


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伝播する厄災〈下〉

カオスだカオス。
作者すらこの先の展開を予測できねぇ


 

セレナ・カデンツァヴナ・イヴにとって立花 牙とは?

そう聞かれれば彼女はこう答えるだろう。命の恩人で大切な友人そして家族だと。

セレナはかつて米国であったネフィリムの起動実験にて絶唱を歌いネフィリムを食い止めた。しかし、燃え盛る研究所で瓦礫に押し潰され死ぬところだった。だがそこを救ったのは牙だった。

たとえ瓦礫に押しつぶされなくてもあの状況では絶唱のバックファイヤにより衰弱死していただろう。

 

その後牙の元に身を置く事になったが最初はギクシャクしていた。それでも険悪にならなかったのは命の恩人であり優しい人だとセレナが感じたからだろう。

1ヶ月ほど過ごせば二人の間にあったどこかギクシャクしていた空気も消え友人のように接する事ができた。

 

その後数年間一緒に生活しいつしかセレナや牙のと同じ聖遺物の実験にされたという人々が集まりその境遇故か新たな家族のように過ごして来た。

もちろんレセプターチルドレンのみんなを忘れた訳では無い。だが、リベルタスの人々ももはや家族と言えるまでに仲を深めたのだ。

 

そんな恩人であり家族である牙が倒れている。

 

彼女いや、リベルタスの面々からすればこの程度で牙が死ぬ事は無いのは知っている。だが理性を押しのけて感情が爆発する。

 

セレナは他者を傷つける事を嫌う。しかし、それは傷つけられないとは同意義では無い。セレナも人、怒りもすれば嫉妬する事だってある。

 

だから心優しい彼女でも沸き上がる黒い感情に支配されてしまった。

 

そうしてセレナのシンフォギアも変化する。白く輝いていたギアは反転、黒く染まる。

ギアのプロテクターは変形し重厚な全身鎧に姿を変える。

アームドギアも黒く染まり盾も大盾になり、蛇の意匠が組み込まれる。中央の宝玉は大きさをましより強く輝く。

 

おもむろに手を突き出したセレナの前に大盾が浮遊する。そして大盾の宝玉にエネルギーが集約される。

そしてひときわ強く光輝けば大盾からビームが発射される。

 

Disappointment Stone

 

そのビームに触れたノイズや木々は瞬く間に石となり砕け散った。

この時心優しいはずのセレナの力は相手に絶対的な恐怖を与えるものとなった。

 

 

 

 

************

 

「ぐぅぅぅぅ!?」

「なん…なんですか……これは!?」

「頭が…割れそう……」

 

パンドラの箱による影響はF.I.Sの三人にも出ていた。しかし、他の装者達とは違いギアが変化することは無く、負の感情が彼女達を苦しめていた。

何故マリア、切歌、調の三人だけがギアの変化がないかと言えば正規適合者かどうかだろう。

 

時限式である彼女達はシンフォギアの性能を十分に引き出しているとは言えないだろう。その力の扱いの違いが彼女達を苦しませるだけに留めていた。

 

そして

 

「グゥッ!?」

「アガッ!?」

 

京香と雫の二人にも影響を及ぼしていた。二人は聖遺物との融合症例、無論パンドラの箱の影響を受けていた。

しかし、雫の体から蒼炎が吹き出し二人を包むと次第に二人を蝕んでいた負の感情は消えていった。

 

「だいじょうぶですか?ハァ……姐さん」

「大丈夫だ。助かった」

 

雫の蒼炎は燃やすという事に特化しているそれは聖遺物の影響ですらだ。しかし、それでも完全には消せていなかった。

 

「少し融合進みましたかね」

「この位なら影響はなかろう。しかし、不味い事になったの」

 

そう言って二人は暴走を始めている装者達を見つめる。

 

「姉御がやられたのも不味いっすよね。死なないって事はわかってるけど怒りが込み上げてきますね」

「恐らくはパンドラの箱とやらの影響かの。目に見えないというのも厄介だ。それに暫くすれば姉御……いや、彼奴が目覚めるぞ。最悪まきこまれる」

 

そう言って二人は牙と響を見つめる。

 

 

 

 

そんな中一人だけ無事な人物がいた。未来だ。

未来のシンフォギアであるシェンショウジンは対聖遺物では最強でもあるその力によりパンドラの箱による影響を免れていた。

しかし彼女は動けないでいた。

 

だが無理もないだろう彼女がいくら装者になったといっても今まで争い事とは無縁であったのだ。いくらダイレクトフィードバックシステムにより戦闘自体はできてもその精神までは戦人ではなかいのだから。

 

目の前で倒れた親友の姉、そして泣き崩れる親友、暴走した装者達。このような状況で行動できる程彼女の精神は大人では無いのだ。

 

ただただ未来は立ち尽くすしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

****************

 

 

 

 

 

 

 

リベルタス本部では蜂の巣をつついたような大騒ぎが起きていた。そんな中で指揮を執る人物がいた。キャロルだ。

 

「急いで第一から第八部隊を出撃させろ!!」

「ヴィマーナ旗艦を除き出撃可能です!」

「よし!カ・ディンギル跡地に一番近いテレポートジェムはどこだ!」

「距離にして10km地点です!」

「ヴィマーナの戦艦級第一から第三までと母艦級に積め!」

「了解です!」

「グレイプニルの準備完了しました!」

「第一部隊に持たせろ!」

「了解!」

「デュランダルエンジンスタート!何時でも行けます!」

「Anti_LiNKEの準備整いました!」

「急いで部隊に配備しろ!」

 

キャロルが次々と指示を出し着々と事態は進む。

そんな時、本部に警告音が鳴り響く。

 

「こんな時に!何があった!!」

「そんな……グングニルが起動……しました」

「何故あれが!?今は何処にある!」

「反応はカ・ディンギル跡地です!」

「まさか!」

 

そう言ってカ・ディンギル跡地を移しているモニターにキャロルが目を移すと。そこにはシンフォギアのようなものを纏った響が立っていた。

 

「牙のバカが!!よりにもよって立花 響が適合しただと!あのじゃじゃ馬を押さえつけたのか!?立花 響のバイタルは!」

「異常無し……いえ!爆発的にフォニックゲインが高まっています!」

「グングニルの起動率100%!全機能フルオープンです!」

「あそこにいる全員が死ぬぞ!!クソッ!!準備を急げ!」

「「「「「「了解!!」」」」」」

「間に合ってくれよ!」

 

事態は進む思わぬ方向へと




とりあえずこの世界の装者達は全員OTONA並にはナリソウダナ、ᐠ( ᐛ )ᐟハハッ


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進ム二人

 

嘆き喘ぎ涙を零す。

いつだってそうだ。私は失うばかりで何も守れてない、救えてない。守られてばかりで救われてばかりで何も返せてない。弱いから、取りこぼす。弱いから、思い通りにいかない。弱いから、大切なものを無くしていく。

 

私の手の中であったかな血を流すお姉ちゃん。私の大切な家族、大切なお星様。愛をくれたのも喜びをくれたのもお姉ちゃん。いつも私に教えてくれる。私を幸せにしてくれる。

 

なのに私は叫んで嘆くことしか出来ない。無力でお馬鹿な私。力を手に入れたつもりでも弱くて弱くて大きな背中に守られて。ただ祈るしかない自分。ああ、なんて無様で情けない。

 

お姉ちゃんが傷つく時に私はその背に隠れて並び立つことなんて出来ていなかった。出来ていたつもりでいた。なんておめでたいのだろう。

 

お姉ちゃんが帰って来てもう離さないと誓ったのにもう何処にも行かせないと誓ったのに。なんなんだ私はら惨めで滑稽で塵芥にすら劣る。

 

口先だけのおマヌケさん。か弱い守られるばかりの子供。それが私それが立花 響という人間。

 

ああ、情けない情けない。

どれだけお姉ちゃんを傷つけた下手人を恨んでも何も出来やしない。

 

弱い弱い、だから力が欲しいもっともっと、神様だって殺してみせる力が欲しい!!こんなに弱くて情けない私を殺したい!!今の自分を殺してもっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっともっと強く!!

 

どんなに願っても叶わないけど願わずにはいられない!力があれば失わない!力があればお姉ちゃんの背中を見ることも無い!力があれば救える!力があればお姉ちゃんの隣に立てる!!力があれば!!力が!力が欲しい!!

 

ふとそんな時私の真っ赤な視界に輝きが映る。真っ赤な血の中で輝く黄色の光が見える。

 

ああ、力だ。ちからだ、力だ、チカラダ、力だ!!

 

私はそれを握る。黄色のペンダントだ、シンフォギアにも似てるけど違う。手に取るだけで確信する。シンフォギアよりも強い。とっても強い。

 

ああ、これだ!これが欲しかった!!力だ絶対的な力!!

 

衝動に任せて口ずさむ。私を変える歌を弱い私をコロスウタヲ!!

 

Balwisyall Nescell gungnir exterminait tron(もう奪わせない、阻むものは鏖殺しよう)

 

ワタシノカラダヲヨロイガツツム。ソシテコエガキコエル。

「お前に私が使えるか」「力を見せろ」「相応しくない」「弱いな弱い」「力に身を任せろ」「お前は破滅する」

 

ウルサイ。ウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイウルサイうるさい!!

 

黙って従え!!黙ってよこせ!!黙って使われろ!!

私は屈さない!!私は負けない!!私はもう弱いままでいる訳にはいかないんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

 

そう叫ぶと声は聞こえなくなった。そして私に力が宿る。

全身に力が滾る。心臓が破裂するかのように鼓動を刻む。歌が私を包む。

わかる、これの使い方が。わかるどうすれば良いのか。

 

これからよろしくねグングニル。

 

 

 

 

 

 

********************

 

 

 

 

 

 

 

やっちゃったな。

 

薄れゆく意識の中でそう思う。響の為とはいえこうも無様を晒すとは。

ああ、泣かないで響。お姉ちゃんは死なないから。響がいる限り残してはいかないから。

 

でもいつも響には悲しい想いをさせてばかりだ。せっかく力を手に入れた筈なのに。せっかく同じ土台に立てた筈なのに。

どうしてこんなにも思い通りにいかないのだろう。

知識はある、情報もある。なのにどうしても上手くいかない。まだ足りないのか?まだ弱いのが?

ああ、足りない足りない。

 

最善だと思っても、最善では無くて。安心出来るはずが安心出来なくて。

なんて情けないなんて無様だ。強くなったつもりでいた。力を手に入れたつもりでいた。でも足りないとても足りない。

 

そして一番私に足りないのは勇気だった。自信だった。覚悟だった。

 

―――そう思わない?

 

『 人の子の事など知らぬ』

 

―――貴方を押さえ付けて歩み寄る事をしなかった。

―――貴方が怖かった。

―――貴方を蔑ろにした

 

『 で?どうするのだ?』

 

―――成長するの。私の為に響の為に。だから力を貸して

 

『 ……小娘にしては及第点としておこう。だが、手加減はせん。我を従わせるか、それとも食われるか。お前次第だ。』

 

―――そう、それだけ聞ければ十分よ

 

『 生意気な小娘だ』

 

そうして私は蝕まれる

 

―――よろしくねフェンリル

 

『 せいぜい足掻けよ?ルル・アメル。立花 牙』

 

―――逆に食べてあげる

 

そう言って私の意識は途絶えた




精神強化の牙と
力を手に入れた響


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滅神の槍〈グングニル〉

 

牙の体を抱きしめ泣き腫らしていた響はその姿を変えていた。

響のガングニールのシンフォギアには似ているが違う。二の腕や太もも腹部、肩などシンフォギアには無かったプロテクターが追加されそれは黄金に輝いている。今までと同じ箇所にあるプロテクターも黄金が少しだけ付いていた。

顔には顔横を護るようにプロテクターが追加されている。

その姿はまるで天に燦然と輝く太陽の様だ。

 

聖遺物複合型滅神装束〈グングニル〉

それが響が纏っているものの名前。シンフォギア、ファーストローブ、鎧型の完全聖遺物を参考に作られたその名の通り対神を想定して作られたもの。

それを纏った響は凄まじい圧を放っている。

今の響はネフィリムにとって涎を垂らす程のご馳走なのだが、ネフィリムは今の響を見て後退る。

そしてそのグングニルの最大の特徴が

 

「ヴィジャヤ」

 

響がそう言った瞬間、響の体に稲妻が宿る。

そして次の瞬間にはネフィリムの腹に響の足がめり込んでいた。

 

「ガアッ!?」

 

その一撃はネフィリムを容易に吹き飛ばす。

 

「ロムルス」

 

そして次に響が言葉を発せばネフィリムは突如として地面から現れた樹木にその体を縛られる。

ネフィリムなら樹木程度すぐに破壊できる。しかし、ネフィリムの腕力を持ってしてもその樹木は身動ぎすらしなかった。

 

「ブリューナク」

 

次にそう言葉を発すれば響の手には一本の灼熱の槍が顕現する。響はそれを槍投げのようにネフィリムに投げる。

すると槍は稲妻となりネフィリムの頭を消し飛ばした。

 

呆気なく完全聖遺物であるネフィリムは活動を停止した。

 

グングニル、その特徴。それは聖遺物複合型という点。グングニルを作る際には複数の聖遺物。それも完全聖遺物が使われていた。

 

そもそも聖遺物はアヌンナキの作った物ではあるが、果たしてそれが一点ものなのだろうか?

それこそ試作品や廃棄品、量産品。考えれば複数あってもおかしくは無い。それに聖遺物に関しては世界すら超えるものもあるのだ。それならば聖遺物、それも完全聖遺物を複数手に入れる事はできるのだ。

 

そしてそれを惜しみなく使いグングニルは製造された。牙が知っている強大な敵を薙ぎ払う最強の矛として。

まあ、牙は扱う事が出来なかったのだが。それを扱えた響のその精神強度は凄まじいものだ。

 

まさに強靭!無敵!最強!玉砕!粉砕!大喝采!なのだがそれがいけなかったのだろう。

響に凶槍が迫る。それは奏のアームドギアだった。

 

しかし、響はその凶槍を黄金の手甲で受け止める。それだけで完全に威力を殺しその一撃を無力化した。

 

奏はそのままアームドギアを引き、響にアームドギアの連撃を叩き込むが響は全て片手で相殺し受け止める。

 

この絶対なる防御性能の正体はカヴァーチャとクンダーラ。英雄カルナが太陽神スーリヤにより与えられたとする黄金の鎧と耳飾りである。その防御能力は神ですら破壊は困難とされるほど。これがある限りカルナを打ち倒せるものはいないという。

 

そして奏の連撃を受け止めた響は奏のアームドギアを掴み取りその動きを封じる。そしてアームドギアを引っ張り奏がアームドギアにつられ響に近づいた瞬間、奏の腹部に響の肘が突き刺さり奏は吹き飛ばされる

 

まるでスーパーボールのように跳んでいく奏だが、空中で姿勢を整え着地するとすぐさまにアームドギアを新しく生成し構える。

 

そしてフォニックゲインをアームドギアに収束させる。そうすればアームドギアは形を変えていく。奏の槍型のアームドギアは中央が割れまるで砲身のように見える。いや、文字通り砲身なのだ。

アームドギアに収束されたフォニックゲインが眩い光と共に砲身に充填される。

 

それに対して響は動きすらしない。

 

奏でのアームドギアに充填されたエネルギーは臨界点を超え解き放たれる。

 

Ruin ∞ Scream

 

エネルギーの奔流は響を呑み込むが、エネルギーが途切れれば現れたのは無傷の響であった。

 

その姿を見た奏はアームドギアを更に生成しアームドギア同士を合体、巨大化させ更なる技を繰り出そうとする。

 

しかし、響はさすがにその一撃を出させる事はしなかった。ネフィリムの時と同じように稲妻を纏った響は奏に瞬きの間に接近、手を触れるとその身に纏った稲妻を奏に流し込む。

 

ガア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛

 

絶叫を上げながら奏は倒れる。そしてダメージが許容量を超えたのかギアが解除される。

 

響は奏を抱き上げようと近付くが、途中で立ち止まる。

そして後ろを振り返ると血を流して倒れていた筈の牙が立っている。

響の性格上、無事であった牙に対して駆け寄るはずなのだが黙って立ち上がった牙を見つめる。そして

 

「誰?」

 

そう牙に問い掛ける。

すると牙は突然笑い出す。

 

「アッハハハハハハ!!よく見抜いたな小娘」

 

そう言って牙の口は弧を描く。

牙の口から発せられた言葉は牙の声と重なるように謎の声が響いていた。

 

「まあ、良い。久しぶりの外だ。楽しませてくれよ小娘」

 

そう言って牙。いや、牙を乗っ取った何者かは響に襲いかかった。

 



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参戦リベルタス

 

牙と響が激突し始めたと同時間。

カ・ディンギル上空には複数の浮遊物体があった。それはリベルタスが持つ完全聖遺物ヴィマーナ及びその複製品の空中艦隊だ。

 

「状況は?」

「所長と立花 響が交戦を開始。天羽 奏の気絶を確認。風鳴翼と風鳴弦十郎が現在交戦中。雪音クリス及びセレナさんが立花 響に向けて進路を変更。THE DISASTERはダメージにより現在は活動を一時停止。京香と雫は現場にて待機。F.I.Sの装者三名は動きを止めています。おそらく戦場全体に薄く広がるパンドラの箱の反応の影響かと。小日向 未来も現在は動きを止めていますが小日向 未来の周りはパンドラの箱の反応が薄いです。シェンショウジンの力かと」

 

カ・ディンギル跡地の戦場の状況をリベルタスのオペレーターがキャロルに伝える。

 

「部隊の展開は?」

「第一部隊は待機中。第二、第三部隊は雪音 クリスとセレナさんまであと二秒。第四部隊はF.I.Sの装者と小日向 未来の回収に。第五から第八部隊は既に展開を終え結界の構築作業に入りました」

「第一部隊は牙……いや、フェンリルと立花 響の間に入るには実力不足だ。第二、第三部隊もあの二人を削り切れない。チッ!」

「どうされますか?」

「フェンリルは立花 響に任せるしかないだろう。雪音 クリスとセレナにはオレとオートスコアラーが対処する。オレが現着次第、結界構築に第二、第三部隊を向かわせろ。第一部隊は風鳴弦十郎の応援に行かせろ」

「了解しました」

「THE DISASTERとDr.ウェルは?」

「捕縛したいが手が足りん。邪魔をしない限りは放置だ」

 

あらかた指示を出したキャロルは指令室を後にする。

 

「ガリィ、ミカ、ファラ、レイア」

「はいはーい」

「いるんだぞ!」

「こちらに」

「派手に行きましょう」

 

そしてオートスコアラー達を連れて船を降りる。

 

 

 

 

 

 

 

************

 

 

 

 

 

 

パンドラの箱の影響と牙の負傷をトリガーに一種の暴走状態になったクリスはTHE DISASTERに対して攻撃をおこなっていたが、突如として現れた強大な気配、響にその矛先を変えていた。

クリスの攻撃により防戦一方のTHE DISASTERよりも危険度が高いと本能で察知したためだ。事実、THE DISASTERはクリスによる途切れぬ弾幕で全身をから血を流しボロボロになっていた。

 

だが響に進路を向けた矢先、リベルタスの部隊により足止めを食らう。今のクリスなら少し武装した程度の人間なら一瞬にして肉塊に変えれるがそんなものはリベルタス側も百も承知、故に対策をしていた。

 

聖遺物避来矢、日本の伝説の藤原秀郷が百足退治の礼として龍宮の王からもらったという大鎧。着用すると矢に当たらないというそれをリベルタスで錬金術的に再構築したものを着込むことで遠距離攻撃を無効化していた。

 

しかし、それも直撃を避けるだけで一部のミサイル等の爆発するものは大きく避ける必要がある為殆ど反撃など出来ていなかった。

が、それで良いのだ、彼らの目的はあくまで足止め。

 

クリスの足止めをしばらくしていれば。上空から炎がクリス目掛けて降り注ぐ。

しかし、それをクリスは大量のミサイルの爆風により退ける。

 

「この程度では止まらんか」

 

クリスの前にラピス・フィロソフィカスのファウストローブを纏ったキャロルが降り立つ。

それと同時にクリスを相手にしていたリベルタスの部隊は撤退、結界構築をしている部隊の元へ合流に向かった。

 

「さあ、お前の相手はオレだ」

 

そう言いキャロルはクリスに相対する。

 

 

 

 

 

 

 

********

 

 

 

 

 

 

 

辺りに石化の暴威をふるっていたセレナ。その暴威は響に向けられようとしていたがこちらもリベルタスの部隊による足止めを食らう。

こちらの部隊がセレナの足止めの為に手に持ったのは鏡。

 

というのもセレナが今放っている石化の光線、その本質は視線なのだ。

セレナの持つ石化の力はアイギスに組み込まれたゴルゴーンの力。そしてゴルゴーンの石化は視線によるものだ。

 

故に鏡による反射を可能としている。と言っても鏡もただの鏡ではなくリベルタスで作られた特別性のものだ。

 

だが石化の光線を反射してもセレナを止めることは出来ない。あくまでも石化の光線はアームドギアからのものであり。反射しアームドギアを石化させてもすぐさまに新しいアームドギアが出てくるだけだ。

 

そして暴走しているとはいえセレナもバカでは無い。石化の光線が効かないと気づけばアームドギア事体を差し向けてくる。

大質量の物体が高速で向かってくるのだ。当たってしまえばひとたまりもない。

が、このような戦場に出て来ているリベルタスの人員が普通な訳がない。セレナのアームドギアを避け当たっても軽傷ですんでいる。

 

しばらくそんな攻防を続ければ、セレナに対して炎、氷、コインが降り注ぐ。

セレナの元にミカ、ガリィ、レイアの三体のオートスコアラー達がやって来たのだ。

 

「かったいですねぇ」

「楽しめそうなんだぞ!」

「派手に倒しましょう」

 

それを確認したセレナを相手にしていた部隊は結界構築部隊に合流する為に撤退した。

 

 

 

 

 

************

 

 

 

 

「はあっ!!」

 

弦十郎の裂帛の気合と共に拳が放たれる。それを迎え撃つように翼はアームドギアの大太刀を横に構え、受け止める。

翼は弦十郎の攻撃を受け、若干後退するが大太刀で拳を弾き返す。

 

そして大太刀を振り上げ弦十郎に切り掛るが、リベルタスの第一部隊がカバーに入り大太刀を手に持った刀で逸らす。

 

それにより弦十郎は事なきを得る。

弦十郎が攻撃しリベルタスの第一部隊がカバーに入るという攻防を繰り返している中、暴風が翼を襲う。

 

「貴方の相手は私」

 

そう言って現れたのはファラだった。

 

ファラと翼が剣を交わせば、翼のアームドギアは砕け散った。それは、ファラの持つ哲学兵装ソードブレイカーによる効果だ。

ソードブレイカーの前では剣と定義付けられるものは全て棒切れに等しい。

 

が、今の翼は剣だけでは無い。大太刀に灯っている蒼炎が最大の難所。

一度翼がアームドギアを振るえば蒼炎が弦十郎や第一部隊の者たち、ファラを襲う。

 

 

 

 

リベルタスが参戦した事により戦況はマシになったがまだ戦場に終わりは来ない。



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永遠の絆

 

カ・ディンギル跡地の戦闘でキャロルはクリスを相手にしていた。

キャロルとクリスの攻防はキャロルの防戦一方で進んでいた。それもそのはず、完全聖遺物であるTHE DISASTERすらも圧倒した攻撃力と密度なのだ。

 

THE DISASTERとは違い守る対象もおらずに自由に動けるキャロルはTHE DISASTERのように攻撃をつけ続けることは無いのだが、暴走しようともクリスの高い銃の腕前がキャロルを逃がさない。

 

キャロルの動きを読む様に繰り出される弾幕に対してキャロルは錬金術による防御を行うが直ぐに破られる始末。

かと言ってより強度を高く、より魔法陣の数を増やそうとするとエネルギーが足りない。しかし、エネルギーを得る為に歌う事をしてしまえばクリスに更なる燃料を投下すると同義。

この状態でエクスドライブにでもなられたらたまったものではない。

 

そしてかつてキャロルが行っていた記憶の焼却によるエネルギーの獲得はキャロル自身が禁じ手として封じていた。

牙によって道を正された時キャロルは決めたのだ、自身の歩んだ軌跡を消す事はしない。決してこれから忘れる事はしない。それは、また道を踏み外してしまう要因になり得るから。

 

故に今のキャロルは防戦一方でいた。だが、この事態はキャロルが想定していた通りの事態だ。

 

「わかっていたとはいえ、とんだじゃじゃ馬だな!!」

 

まあ、わかっていてもきついものがあるのだが。

 

「やはり使うか。力を貸してくれパパ」

 

そう言ってキャロルが懐から取り出したのは一つの宝石だった。

 

 

 

 

 

 

 

突然だが宝石言葉を知っているだろうか。宝石言葉とはまあ、花言葉と同じようなものだ。花が宝石に置き変わっただけ。

 

そんな宝石言葉だが色々とある。例えばアクアマリンだと聡明、勇敢。アメジストだと誠実、高貴。となっている。

 

そしてキャロルの取り出した宝石はダイヤモンド。金の細工が施されている。

 

それはキャロルが数百年ぶりに父イザークと暮らした家へと帰った際に隠し部屋から見つけた、イザークが生前錬金術により作っていたキャロルへの贈り物である。

 

ダイヤモンドの宝石言葉は純潔・清浄無垢・純愛があるがもう1つある。それが()()()()

これはイザークからキャロルへの愛情の証なのだ。

もちろん錬金術師でもあるイザークが愛娘であるキャロルへと贈るダイヤモンドがただのダイヤモンドなはずは無い。

 

そのダイヤモンドには術式が刻まれていた。一つは思い出の転写、イザーク自身の思い出を込めたものであった。それによりキャロルは擬似的ではあるが父イザークとの再会を果たす事が出来た。

まあ、それを話すのは今では無いが。

そしてダイヤモンドに刻まれた二つ目の術式は哲学による概念付与。

ダイヤモンドの別名は金剛石。そして金剛の意味は最も硬い金属。ダイヤモンドはこの世で最も硬い金属であるという人々の想いを利用し。ダイヤモンドの持ち主、つまりはキャロルに対して絶対的な防御を誇るお守りとして機能するのだ。

 

まさにイザークのキャロルに対する愛情の結晶である。

 

 

そしてキャロルはそのダイヤモンドに使われる術式を利用する事でラピスのファウストローブを新たな形へと錬成する。

 

その姿はまさにダイヤモンド。銀と銀に彩られた華美な装飾。そしてファウストローブのあちこちに散りばめられたダイヤモンド。キャロルの頭上で輝く王冠。

キャロルのファウストローブは太陽の光を反射し虹色に輝いている。

 

ラピスのファウストローブ、その新たな姿。

 

type Aichemic diamond

 

父と子の絆の証である。

 

 

 

 

 

「先程までのオレと同じと思うなよ!!」

 

そう言ったと同時にキャロルは攻勢に出る。今までは防ぎ切れなかったクリスの攻撃を魔法陣で受け止める。

これに対してクリスは大量のミサイルを展開し大火力の一撃で持って打ち破ろうとするが。

 

「言ったはずだ、先程と同じと思うなと!!」

 

キャロルの手には風と炎の二元素の魔法陣が重なる様に展開されていた。そしてクリスのミサイルが発射されると同時にキャロルから青い炎の竜巻が放たれ、激突する。

キャロルとクリスの攻撃のぶつかり合い。勝ったのはキャロルだ。

ミサイルの爆煙を突き破りキャロルの青い炎の竜巻がクリスに迫り。着弾、爆炎を巻き上げる。

 

爆炎が晴れればそこにはボロボロだが、まだ立っているクリスがいた。

クリスは自身のアームドギアを一瞬の内に再構築、自身を包むシェルターとして展開したがそのシェルターも一瞬のうちに崩れ去る。

本来であるならばこの攻撃は防げたものである。

 

しかし、ここでキャロルのダイヤモンドに刻まれた術式の効果がいきてくる。その防御概念付与の術式効果を攻撃にも転化する事で打ち砕かれる事の無い最強の攻撃として機能するのだ。

故に攻撃の威力関係無しにあらゆる障害を打ち破り敵の防御を上回り破壊する一撃と化す。

 

対策としては原作世界の翼がソードブレイカーを破った時のようにダイヤモンドが持つ概念を打ち破る概念を手に入れるしかない。

 

そんな一撃をギリギリとはいえ耐えたのはクリスの執念故だろう。

だが

 

「これで終わりだ!!」

 

キャロルが展開した新たな術式。

それは虹色の光を形成し、クリスへと迫る。

 

brilliance dispersion

 

それに対してクリスは力を振り絞りアームドギアを形成する。形成されたのは巨大なカノン砲。空中にいるキャロルとその攻撃を撃ち抜かんとクリスの究極の一が放たれる。

 

Pierce Life

 

二つの攻撃は拮抗、しかしそれも一瞬。クリスの一撃が砕かれキャロルの攻撃がクリスを襲う。

虹色の極光が発現しクリスが飲み込まれる。

 

キャロルの一撃の跡地を見ればダイヤモンドの結晶に包まれていた。その中でギアを解除されたクリスが倒れ込んでいた。

それを見てキャロルはため息を吐く。

 

「まったく、手間をかけさせる」

 

そう言った後、未だに激しい戦いを伺わせる音を響かせる、カ・ディンギル跡地最大の戦闘地を見る。

 

「早く起きてこいよ、牙」

 

そう言ってキャロルはクリスを回収しカ・ディンギル跡地をあとにする。

 

 



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刀と盾と自動人形

 

暴走し、辺りに石化の暴威を振りまくセレナ。その相手をするのは三体のオートスコアラー。

 

レイア・ダラーヒム。

ガリィ・トゥーマン。

ミカ・ジャウカーン。

 

の三体のオートスコアラーがセレナの相手をしていた。

その戦況はオートスコアラー達にか傾いていた。というのもセレナの攻撃は石化の光線と大盾による物理攻撃である。

そもそもセレナのギアであるアイギスは盾のアームドギア。セレナ自身も直接の戦闘よりも防御による支援が彼女の役割。

 

それに対してオートスコアラー達は全員が装者達と互角かそれ以上の力を持っている。さらに今のオートスコアラー達は完全聖遺物ワルキューレ達を解析した事によりその技術を流用する事で格段にその力をあげた。

 

その結果

 

セレナの大盾の攻撃は避けられ弾かれる。石化の光線もガリィの水の錬金術により屈折されあらぬ方向へ。

逆にレイアのコインによる射撃がセレナを撃ち、ミカの攻撃がセレナを吹き飛ばし、ガリィにより翻弄される。

 

だが、それでもセレナは倒れない。

 

「ちっ、無駄に硬いですね」

「前よりもずっと硬いんだゾ!」

「派手に手強い」

 

防御特化のシンフォギアであるセレナのアイギスは盾。そしてセレナ自身も人を傷つける事は好きでは無く、でも力は守る為のものとして欲していた。

セレナの本質は守る事、それは例え暴走しようとも変わらない。

その結果が今のセレナだ。

 

確かに戦況はオートスコアラー達に傾いている。だがそれはあくまでセレナの本質が守りであるからこそ。

有利であってもセレナを地に付ける事は今のオートスコアラー達では無理だ。

そうオートスコアラー達では

 

「ま、硬いのは知ってた事ですし〜、そろそろアレが効いてくる頃ですから」

「地味な勝ち方だが仕方がない」

「もう少し遊んでいたかったけどマスターの命令は絶対なんだゾ!」

 

もう終わりという雰囲気をだすオートスコアラー達に向けて攻撃すべくセレナは歩を進めた。しかし、二歩目を出すこと無く地面に膝をつけた。

 

「あなたが装者である限り適合係数の低下による弱体化は必至。正気のあんたなら気づけたんだろうけど。今のあんたじゃ無理無理」

 

セレナが膝をついたその理由は、セレナの周り漂う赤い霧。それは

 

「いやぁにしても凄い効き目ですね。Anti_LiNKE」

 

Anti_LiNKE、装者の適合係数を下げる薬だ。セレナが装者である以上適合係数が低くなればシンフォギアを纏っていられない。

それでもセレナは立ち上がろうとするがついに倒れギアが解除された。

 

「さて、お仕事終了ですね。帰りましょ」

「派手に帰還だ」

「マスターに褒めてもらうんだゾ!」

 

ミカがセレナを担ぎ三体のオートスコアラー達はその場を去る。

 

 

 

 

 

************

 

 

 

 

 

大太刀と剣がぶつかり合う度に大太刀は砕け散る。それは翼とファラの戦闘が始まって幾度目かの出来事だった。

幾度、翼の持つ大太刀を砕いても翼は新たに大太刀を新たに作り振る。

 

もはや翼は大太刀が砕けることを承知で戦闘を行っていた。

 

「まったく、やっかいですね」

 

そして今はファラたった一人で戦っていた。

というのも翼の蒼炎が原因だった。幾らリベルタスの第一部隊や弦十郎が翼相手に戦える実力があったとしても炎という力を防ぐ術を持っていなかった。

炎は確実に第一部隊や弦十郎を蝕んだ。

 

それ故にファラは第一部隊と弦十郎を下がらせて戦っていた。

無論、ファラも無策では無かった。ファラもAnti_LiNKEを用いて翼の弱体化を狙ったのだが。翼が放つ蒼炎の熱により一瞬にして蒸発してしまい、翼に届く事は無かった。

 

故に翼とファラの戦闘は拮抗、停滞していた。

ファラは他の三体のオートスコアラー達と同じくワルキューレの技術を流用し強化されていた。かつてのファラよりもより強くより速くなっている。

それでも今の翼とは力が拮抗していた。

 

例えソードブレイカーという哲学兵装を持っていたとしても大太刀を砕いても蒼炎による追撃がファラを襲う。それが、翼とファラを拮抗させている原因。

 

蒼炎さえなければ早々に大太刀を砕き、翼を切り伏せる事が出来たのだろうが、今は関係の無い事だ。

 

が、それでもファラは立ち向かう。マスターの命令だからだ。

それにファラは既に翼を攻略する策を思いついていた。

 

ファラは剣を握る反対の手に緑色の魔法陣を浮かび上がらせる。ファラの持つ力は風元素の錬金術。

それにより彼女は手元にある二つ元素を集めた。

 

そもそも風とは空気の流れである。空気の中にあるのは酸素や窒素、二酸化炭素。様々な気体がある。風を操るファラはその気体もある程度自由に操作することができる。

 

そんなファラが集めたのは水素と酸素。

 

それを翼の蒼炎を纏う大太刀目掛けて放つ。翼はそれを迎え撃とうと大太刀にエネルギーを回す。それに伴い蒼炎は燃え盛る。

しかしそれは悪手以外の何物でもない。

 

ところで水素爆発を知っているだろうか。酸素濃度が5%以上、水素濃度が4%以上混ざった気体に点火すると起こる爆発の事だ。

そう、()()()()だ。

 

さてそんな水素と酸素が燃え盛る蒼炎に近付いている。

それ即ち

 

()()()()

 

大太刀を中心に発生した爆発は容易く翼を飲み込んだ。砕けた大太刀の破片は四方に飛び散り、むろん翼にも襲いかかる。

全身を爆発とアームドギアによる破片の弾丸に襲われた翼はギアを解除され、倒れ伏した。

 

「今度はまともなアナタと手合わせしてみたいですね」

 

ファラはそういうと倒れた翼を担ぎその場を後にする。



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神狼と神殺し

 

拳と拳がぶつかる。それだけで凄まじい音を伴いながら辺りに破壊が巻き起こる。

 

その発生源は響と牙……いや、フェンリルの二人だ。

 

「お姉ちゃんを返せ!!」

 

そう言った響の蹴りがフェンリルに向かう。が、それをフェンリルは片腕で受け止める。

 

「無理な相談だな、小娘。奴は自分の意思でこうなった。貴様の出る幕は無い。それよりももっと楽しませろ!!」

 

響の言葉に返したフェンリルは右手のストレートを打ち込む。響はそれを手のひらで受け止め掴みフェンリルを投げ飛ばす。

フェンリルはそれをものともせず着地する。

 

「だったら無理矢理にでも返してもらう!!」

「やってみろ!小娘!!」

 

二人にそれ以上の問答は必要ない。それからは再び一進一退の攻防が繰り広げられる。

 

本来なれば対神用に制作された響の纏うグングニルで神狼であるフェンリルはすぐさまカタをつけられるはずであった。フェンリルは曲がりなりにも神の血を引き継ぐ者。後世に語り継がれる神話ではロキの息子として知られる。

 

であるならばグングニルが持つ神殺しの力は遺憾無くフェンリルに発揮されるはずだった。しかし、響の攻撃では傷一つつけられていなかった。

 

というのもフェンリルも神とはいえ大神オーディンを喰い殺した神殺し、フェンリルとグングニルその二つの神殺しがぶつかり合うせいでそれぞれがその力を打ち消し合っていた。

そしてもう1つ

 

(コイツ、お姉ちゃんより強い!)

 

フェンリルの強さだった。

今までフェンリルという強大な力を牙は押さえ付け断片のみを使って来た。というのも牙は確信していたのだ、自分では扱えきれないと。

そうして牙はフェンリルを自身の奥底へと封印する事を選んだ。だがそれでも漏れ出す力は大きく、その為に封印の腕輪であるグレイプニルをつけていた。

 

だが今やグレイプニルは無くなり、牙によって奥底にいたフェンリルは今表へと出てきた。

今のフェンリルには押さえつけるものが無いのだ。

 

故に今のフェンリルその実力の全てを発揮する事が出来る。

 

「中々だな!ならこれはどうだ!」

 

そう言ったフェンリルの右腕に炎が灯る。そして右腕を大きく振れば爆炎が響を襲う。

が、響は無傷だ。太陽神が与えた黄金の鎧はその程度では傷一つつかない。

 

「こっちはどうだ!」

 

そして今度はフェンリルの左腕に冷気が宿る。左腕を振れば出来上がるのは大氷塊。

これも響に傷をつける事は出来ないがその氷で動きを止める事は可能。今の響にとって氷を破るのに一瞬あれば十分だが。

フェンリルにとっても響を攻撃するのに一瞬あれば十分だ。

 

フェンリルの蹴りが氷を突き破り響につきささる。そのまま響は吹き飛ばされる。

 

「……さすがカヴァーチャとクンダーラ。凄まじい防御力だ」

 

しかし、響はすぐに体勢を立て直す。響には傷一つついていなかった。

 

「互いに決定打に欠けるな」

 

フェンリルが言った通り今の二人は決定打に欠ける。互いに攻撃を通せないのだから。

 

「ならば」

 

フェンリルはそう言って首元のギアペンダントに手を伸ばす。

 

「ククッ、あの小娘はいいものを持っている。」

 

フェンリルがペンダントから何かを引き出すように手を動かせば焔が溢れ出す。それは徐々に剣の形をとる。

 

「欠片とはいえレーヴァテインは世界を焼き尽くす剣。完全でなくともその力は絶大」

 

響は凄まじい熱を感じる。本来ならば防御フィールドにより極度の高温や低音は遮られる筈なのだ。しかも響の纏うグングニルはカヴーチャとクンダーラの二つにより絶対的な防御力を誇る。それを突破して熱を感じるという事は、響を傷つけうる攻撃であると言う事だ。

 

フェンリルはレーヴァテインを左腰に鞘に納めるように置く。居合の構えだ。

響はその構えに気を引き締める。

 

「……ヴィジャヤ」

 

響は稲妻を纏い。フェンリルを睨む。

数秒の時、互いに動きを止めた。そして動いたの同時だった。

 

「シッ!!」

「フッ!!」

 

交錯は一瞬。響は拳をフェンリルはレーヴァテインを振り抜いた姿勢で止まった。

先に動いたのはフェンリル。剣を振り払えば血が地面に飛び散る。

 

そして響は右肩から左腰にかけて大きな切り傷を刻まれた。血を吹き出しながら響はよろめく。

 

「レーヴァテインを使ったのは少々面白くなかったな……まぁ、良い」

 

そう言ってフェンリルが響に背を向け歩き出す。

だが、その足を止める。

 

「……ほう、その傷でよく動く」

「ッ゛!?フーッ……フーッ」

 

響は唇を咬み、苦悶の表情を浮かべながらもフェンリルを見ていた。未だに血が傷から滴っているが瞳は強く輝いている。

 

「シャクティ!!」

 

響がそう叫べばグングニルの一部、黄金の部分が分解され響の手の中に一本の槍が顕現する。

インドラより英雄カルナが黄金の鎧の代わりに授かった、雷光で出来た神をも滅ぼす必殺の槍。

これはその逸話通りカヴーチャとクンダーラによる防御を捨てシャクティ必殺の一撃をもって敵を撃滅する為のグングニル最強の矛。

 

「防御を捨てたか。次で決着という訳か、良いだろう付き合ってやる」

 

そういうとフェンリルは大きく右腕を引き剣を水平に持つ。突きの構えだ。

対して響はシャクティを両手で握りしめこちらも突きの構えをとる。

 

先に飛び出したのは響、血を流している今なるべく早く決着をつける必要があった。故に動いたのだが

 

「無謀だったな」

 

傷により鈍った響の動きはフェンリルにとっては捉えるのも楽であった。

 

フェンリルと響の影が重なる。

 

「わかっていたはずだ」

 

シャクティはフェンリルの脇を切り裂いていた。

 

「貴様では勝てないという事を」

 

そしてフェンリルのレーヴァテインは響の心臓を刺し貫いていた。

 



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姉妹の絆

 

大きく黒い狼が牙を襲う。狼は牙に己が刃を突き立てんと大口を開けるが牙はその攻撃を避けると首をつかみ一思いにへし折る。

すると狼は闇に溶けるように消える。

 

「……ハアッ……ハアッ……」

 

牙は全身に傷を作り血を流しながら佇んでいた。さらに牙の体の所々は黒く染まっていた。

そんな牙などお構い無しに新たな狼達が現れ牙を襲う。

 

この場所は牙とフェンリルの精神世界。闇がフェンリルを色彩が牙の精神を表している。だが色彩は牙自身にしかなく、その色彩も黒に蝕まれていた。

 

全身を蝕まれている牙の動きは鈍く普段の動き程のキレもない。

そんな牙に狼達は容赦なく襲いかかりその刃を突き立てる。

 

「グゥッ!?」

 

噛まれた場所は黒く染まり牙を取り込まんと蝕んでいく。

牙はそんな狼達を素手でへし折り抉り、潰す。

 

牙の体を食んでいた狼達は消えるがまた新たにその場に現れる。

そこに一際大きな狼が現れる。

 

『よく粘っているな、小娘』

「なんの、よう……」

 

現れたのフェンリルだった。

 

『ククッ、なに、様子を見に来ただけだ。しかし、よくもここまで頑張るものだ』

「何が…言いたい」

 

フェンリルはまるで笑うようにいや嗤っているのだ。

 

『なに、妹が死んだのによく頑張るな、と。ククッ』

「…………は?」

 

牙は惚けた声を出す

 

「……嘘だ」

 

そして否定する

 

『ククッ。嘘では無い。このままお前をジワジワと取り込むのも一興かと思ったが、せっかくだ、お前の絶望した姿を見たくてなぁ』

「黙れ……」

『お前の妹は中々強かったぞ』

「黙れ……」

『だが結局、お前の体を殺す事を躊躇って俺に心の臓を貫かれた時は傑作だったぞ!』

「黙れぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

牙は叫びながらフェンリルに対して跳躍する。だが、フェンリルの前足で虫をはたくかのように地面に叩きつけられる。

そして地面に転がる。

 

『論より証拠、貴様にも妹の死に様を見せてやろう』

 

フェンリルがそう言うと大の字で転がる牙の眼前の闇に景色が浮かぶ。

 

「……う…そだ……」

 

そこには牙に胸を貫かれている響の姿だった。

 

「は…はは……アッハハハハハハハ!」

 

だが牙は笑い声をあげる

 

『壊れたか……』

 

だがフェンリルの予想とは裏腹に牙は立ち上がる。

 

『なに!?』

「私は最高の妹を持ったわ」

『何を言っている!?貴様の妹は死んだのだ!!何故立てる!何故笑える!?』

「決まってんでしょ。大切な家族がいるからよ」

 

そう言った牙の目は爛々と燃えるように輝いていた。

 

 

 

 

 

****************

 

 

 

 

フェンリルは精神世界での牙に恐れ慄いて動きを止めた時。現実世界で

 

「……つ゛か゛ま゛え゛た゛ぁ゛」

 

血反吐を吐きながら響がフェンリルの腕を掴んだ。

 

「何故!?死んだはず!!」

 

フェンリルは響の心臓を貫き殺した。これは変わらぬ事実だ。

故に驚愕した。

そしてフェンリルは響が生きている原因を見つける。

 

響の手に装着され盾を見つけた。それはフェンリルもよく知る完全聖遺物。

 

「ヒルドルの盾!!」

 

ヒルドルの盾にはとある能力があるとされている。それは"戦場にて戦死者を蘇らせる力"

それが響の命を繋いでいた。

 

「だが!今の貴様に何が出来る」

 

そう言うフェンリルに答えるように響は歌を歌う。

 

Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el baral zizzl

Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el zizzl

 

血を吐き出しながらも響は歌う、その歌は

 

「絶唱!?」

 

絶唱により増大したフォニックゲインは響の右腕に集約される。

 

「だが!この体を殺せば貴様の姉も死ぬぞ!」

 

しかし、響は止まらない。右腕のアームドギアが形を変える。普通はフォニックゲインにより大型化するのが殆どなのだが黄金の輝きを宿し、白く輝く。

それはまるでXDのようだ。

 

この時響の心にあるのは牙の言葉だった。

『そんなに私の手を見つめてどうしたのお姉ちゃん?』

『ん?響の手は凄いなって』

『凄いって何が?』

『シンフォギアのアームドギアて本人の心が大きく影響を与えるんだけど。響のアームドギアは手。しかも他者と手と手を繋ぐ手。それは響の心の奥底にある優しさ。

()()()()()の響の手はとっても優しい手だから』

『……何それ』

何気ない牙の言葉。だがそれは響にとっては心に残る姉からの言葉。

 

「殺さない!殺してなるものか!!」

 

それは響の心からの叫び

 

「もう無くさないと決めた!!もう繋いで離さない!!私のこの手は!繋ぎ束ねる!アームドギアだァァァァ!!」

 

響の右腕が牙の胸に当てられる。その時。

 

 

 

 

 

 

 

闇が蔓延る精神世界に一条の光がさす。

それは牙を包み一本の槍を顕現させる。

 

『何が…起こった』

 

その光景にフェンリルは唖然とする。

 

「流石私の妹ね」

 

そう言って牙は光の槍を握り締める。

その途端闇が薄れ色彩が精神世界を彩る。

 

『ありえぬ……ありえぬ!!』

「いいえ、これは純然たる事実。あの子が起こした()()

『奇跡だと……そんなものォ!!』

 

その言葉に唖然とするもフェンリルは牙に大口を開けて襲い掛かる。

それに対して牙は槍をフェンリルに向けて投擲する。

それはフェンリルをぶち抜き精神世界に風穴を開ける。

 

「今、行くわよ響」

 

 

 

 

現実世界でレーヴァテインが霧散する。それと同時に響が倒れそうになるが。

それをフェンリル、いや牙が支える

 

「ただいま、響」

「おかえり、お姉ちゃん」

 

姉妹の絆がフェンリルを打ち破ったのだ

 




これでカ・ディンギル跡地での戦闘は終了!!


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カ・ディンギル跡地の戦いの後で

投稿へァ!!


 

カ・ディンギル跡地にて起こった装者達とウェル博士の戦闘は幕を閉じた、ウェル博士の逃亡という形で。

 

ウェル博士によるF.I.S側の装者、リゼ・アルジェネロのパンドラの箱による暴走を始めとしてそれに伴う正規適合者の暴走、響と牙による衝突。様々な事がカ・ディンギル跡地では起こった。

 

ウェル博士は正規適合者達の暴走の鎮圧の合間に負傷したリゼ及び心臓だけになったネフィリムを回収して逃亡。リベルタスや二課でもウェル博士を追跡はしたが忽然とその姿を消した。

 

また、カ・ディンギル跡地は戦闘により地形がある程度変わる事になったが被害が広がらなかったのはリベルタスによる結界の構築のおかげである。

 

 

 

 

 

********

 

 

 

 

二課の医務室では装者である、翼、奏、クリス、セレナと響、牙が寝ていた。装者の4人は暴走による肉体の酷使と精神的負荷から、響と牙は肉体の損傷こそ既に無いが精神的な疲れから眠りについていた。

 

「……んんぅ」

 

身動ぎをしたのは牙だった。牙は目を擦り寝ぼけ眼で響を視界に捉える。

牙は自身のベッドから出ると響のベッドの中に潜り込んでいく。

 

「響……」

 

そのまま抱き締めるように腕を回し響の胸に頭を押し付ける。

 

「……ちゃんと動いてる」

 

牙はドク、ドク、ドクと脈動する響の心臓の音を聴きながらそう言う。

精神世界で響の胸を貫かれた時を見た時、牙は笑っていたがそれはほぼ虚勢だった。

最初胸を貫かれた響を見た時は頭が真っ白になった、しかし、響が纏うグングニルを認識した事で牙は持ち直す事が出来たのだ。

 

今の牙の心は不甲斐なさでいっぱいだった。

響を守ると誓っていたはずなのに結果は苦しい思いをさせ、響が起こした奇跡に救われる始末だ。

 

「不甲斐ないな、私……」

「そんな事ないよ」

 

牙は驚き声がした方を向くと目を覚ました響が牙を見ていた。

響は自身の胸に頭を押し付ける牙を強く抱き締める。

 

「お姉ちゃんはいつも私を助けてくれた、いつも愛してくれた。それだけで私は嬉しい。それに私こそお姉ちゃんに助けられてばっかりで不甲斐ない」

「でも!私は響のお姉ちゃんなのに苦しい思いをさせてる!響を一人にしたあの時から!私は――」

 

牙は心に残っていた1つのしこり、響をこの世界の主人公として容認してしまったあの時から、燻らせていた罪悪感が響が死にかけた事により更に大きくなりそれを言葉として吐き出していくが、それは遮られる。

 

「お姉ちゃん、私達は家族なんだよ。だから、助け合って生きていきたい。一緒に支えあって生きたい」

 

牙の響への愛の根底の一つにあるのは罪悪感。未来をしりながらそれを防げず響を世界の主人公として表舞台にあげてしまった罪。

まあ、なんともお門違いで傲慢な罪である。

 

「……私は響に幸せになって欲しかった。なのに私がいたから……」

 

自分がいる事で本来の筋書きとは違う道を進み、より響に苦しみを与えているのは自分自身だという認識が牙を苦しめる。

 

「違う、違うよお姉ちゃん。私はお姉ちゃんがいたから幸せになれたんだよ。確かにお姉ちゃんは酷いから私に悲しい思いをさせるけど。でも確かにお姉ちゃんといた時間は私にとってかけがいのない幸せな時間だった。お姉ちゃんがいたから私はここまで頑張って来れたんだよ」

 

響には牙を苦しめているものは断片的にしかわからない。でも、それでも響は言葉を紡ぐ。

 

「お姉ちゃんが負い目を感じてるのはわかった。でもね、そんなの関係ない。今の私があるのはお姉ちゃんのおかげで、それでいて()()()()なんだよ」

「え……?」

 

確かに牙にとって響を主人公として容認してしまったのは罪なのだろう。しかし、その力をもってして戦うことは他ならぬ響自身が決めた事なのだ。

 

「私は逃げる事も出来たはずでしょ。でも私はそれをしなかった、したくなかった」

「ッ……それは」

 

そう響はその道を選んだのだ。ならば

 

「お姉ちゃんの心配は嬉しい。けど、これは私が()()()()だ。だからお姉ちゃんには応援して欲しいな」

 

この時、牙は自分の愚かさに気づいた。響を妹として守る事、響を戦いの世界に入る事を容認した事、それは自分が勝手に背負い込んでこの世界にとって異物である自分を罰したかったエゴなのだと。その理由に響を使っていた事を。

 

「……はは、バッカみたいじゃない」

 

響はいつの間にか守るべき妹などではなく共に歩いて行く家族になっていた事に牙は今気づいた。

あの小さくか弱いあの子はもう立派に成長していたのだ。

 

「ねぇ、響」

「なぁに、お姉ちゃん」

「ごめんね」

「私は気にしてないよ、お姉ちゃん」

「ありがとう。私も響に助けられたから」

「おあいこだよ」

 

そのまま響と牙は互いを抱きしめあいながら再び眠りについた。

 

その後仲睦まじく寝ているところを了子さんに写真に撮られたり揶揄われたりもあったが、二人は前よりも心の距離が近づいた。



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小日向未来の気持ち

今回は未来さんのお気持ち回ですわ!!
書いてる時にひびみくてぇてぇしてましたw


 

二課の休憩室のソファで下を向いて項垂れている人物が一人。小日向未来だ。

その心に影を落としていた。

 

というのも先のカ・ディンギル跡地での出来事があった為である。

未来は当初シンフォギアを手に入れて、うかれていた。

 

これで響の隣に立てる、一緒に戦えると思っていた。

確かにノイズとの戦闘ではダイレクトフィードバックシステムの助けもあり初めての戦闘とは思えない程度には動けていた。

 

しかし、響が襲われ牙が半身を食いちぎられた時未来は動けなかった。見てるしか出来なかった。

 

「……役立たず」

 

その言葉は他ならぬ未来が未来自身に向けた言葉である。

 

響が悲しんでる時、辛い時、悩んでいる時、苦しんでる時、隣にいる事しかできない今までの自分と何ら変わらない。

いつだって響を助ける事ができない。

大切な友達なのに、大切なお日様なのに。

 

「おはよう、未来ちゃん」

 

そうやって自責している未来の元に来たのは牙だった。

 

「あ、牙さん」

 

牙は未来の隣に座り未来に語りかける。

 

「どうしたの?そんな暗い顔して」

「えっと……」

 

そう言った牙に対して未来は言い淀む。牙さんにこんな話をしても良いのかと。どうしようもなく迷惑ばかりをかけてるのに。

そう思っていると額に衝撃が走る。

 

「アゥッ!?」

 

未来の額に走った衝撃の原因は牙だ。牙が未来の額にデコピンをしたのだ。

 

「全く……あなたの悩みはわかってるわよ。あの時何も出来なかった自分を責めてるんでしょ」

 

牙の言ってる事は未来の悩みを正確に捉えていた。

 

「なんて贅沢な悩みしてるんだが」

「贅沢だなんて、私はただ……」

 

響の隣に立ちたいだけなのに

 

「贅沢も贅沢よ。ズブの素人が戦闘のプロの隣にすぐに立てるわけないでしょ。今の貴女に必要なのは心構えよ。貴女はね命の取り合いの場に踏み入ったのよ」

 

その言葉に未来は嫌でも理解する、いや理解せざるおえない。

あの戦いを命の奪い合いを見たのだから。

 

「実力はその後、幾らでもつければ良いわ」

「でもそれじゃあ私はいつまでも響の隣に――」

「居るじゃない隣になんかとっくの前に」

「え?」

 

牙のその言葉に未来は戸惑う。

もう既に隣に居る?そんなはずは無い響の隣に私は立ててない。

 

「確かに対等という意味では隣に立ててないわよ。でもね対等になる必要なんか無いのよ」

 

対等になる必要は無い?

 

「貴女はいつも響に寄り添ってきたじゃない。いつも隣にいてあげたじゃない。辛い時、悲しい時、苦しい時、貴女は響の隣にいた。

ただそれだけで貴女は響を助けていたのよ。あの子が私を失って虐められて苦しくて孤独だった時貴女が隣に居てくれて一人じゃなかったから今の響はいるのよ」

 

その言葉に未来は困惑した。私が響を助けた?

そんなはずない、いつも私はただ隣にいるだけで何もしてないのに。

 

「響はどう思う?」

「え?」

 

未来は牙の言葉に驚き牙の視線の先に目を向けるとそこには響がいた。

 

「響……」

 

響は歩いて未来の隣に座る時未来を抱き締める。

 

「未来、いつもありがとう」

「……え?」

 

その「ありがとう」という言葉は未来にとっては予想外だった。

 

「未来が居たから私はいつも一人じゃなかった。未来がいたから頑張れたんだよ。未来がいるだけで私の力になるんだ」

「……どうして」

 

未来は涙を流しながらポツリと呟いた。

それに対して響は――

 

「だって私達友達でしょ」

「とも、だち……」

 

友達、たったそれだけ。それだけの理由の筈なのに未来の心にはやけに響いた。

 

「それだけで十分なのよ、自分を奮い立たせるのには。理屈や合理性?そんなもの吹っ飛ばすのが感情ていう人が持つどうしようもなく完璧で不完全なものよ」

 

そう言って牙は立ち上がり扉に向かう。

 

「私はこれ以上はお邪魔だろうから失礼するわね。響、未来ちゃん、互いに手は離すんじゃいわよ」

「もちろん」

 

牙の言葉に響が返すと笑って牙はその部屋を後にした。

 

「響」

「どうしたの未来?」

「私、響の助けになった?」

「うん、今まで沢山助けて貰った」

「私、響の隣にいていいの?」

「未来が隣にいないなんて考えられない」

「私、役に立たないよ」

「今はそれでも良い。未来が納得するまで待つから」

「私、弱いから」

「未来は未来自身で思ってる程弱くは無いよ」

 

未来が響に言葉をぶつけ響がそれを返していく。

その度に未来は涙を流して行く。

 

「わた、し……こんなに、幸せで……良いのかなぁ」

「良いんだよ。未来は沢山頑張って来たんだから。なんなら私が未来を幸せにしてあげたいな」

 

そしてついに未来は声を張り上げて泣き出した。それは悲しみの涙でも情けない自分への涙でもない。

どうしようもなく嬉しくて幸せだから流す涙だった。



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修行のお時間

修行のお時間と言いつつも修行部分はだいぶカットされました。


 

二課指令室にて装者の響、翼、奏、クリス、セレナ、マリア、切歌、調と牙、弦十郎、ナスターシャ教授が顔を揃えていた。

 

「カ・ディンギル跡地では色々とあったが全員が無事で何よりだ」

「ええ、ほんとに色々とありましたけどね」

 

弦十郎の言葉に疲れたように牙は返す。

 

「今回は現状の説明をする」

 

そう言って弦十郎は話を始める。

 

「まず今回からナスターシャ教授とF.I.Sの装者達が二課に所属する事となった」

「今回は私がちょっと頑張りましたよ」

 

F.I.S組が二課に入る事は本来ならば不可能だったが牙がリベルタスの情報網より手に入れた情報を盾に米国を脅してF.I.S組の身柄を引き取ったのだ。

これは国などのしがらみのないリベルタスだからこそできたことだろう。

ちなみに米国相手に交渉した牙は終始あくどい笑みを浮かべていた。

 

「これからよろしくお願いしますね。二課の皆さん、牙さん」

「よろしくお願いするわ」

「よろしくデス!」

「よろしく……」

 

少し前までは敵対者だった故に仲はそこまで良くないが時間の問題だろう。

 

「次にウェル博士についてだ。ウェル博士はネフィリムの心臓とパンドラの箱、ソロモンの杖、F.I.Sに所属していた銀の装者、名前をリゼ・アルジェネロ、彼女を連れて逃走姿を消した。現在は捜索中だ。」

 

ウェル博士は複数の完全聖遺物とパンドラの箱によりウェル博士に従うリゼを連れてその姿を消していた。

その発言にその場にいた面々が苦い顔をした。

 

「そしてウェル博士が見つかるまでに修行だ!!」

「いきなりどうして!?」

 

弦十郎の修行発言にマリアは声を上げる。

 

「今回、俺を含めここにいる全員が力不足を感じたはずだ」

 

それは装者達には心当たりしか無かった。

暴走した者、何も出来なかった者あそこで役に立つ事ができていなかった事実を装者達は認識した。

 

「故に少しでも現状を打破する為に力をつける必要がある!」

「もちろん私達も手伝うわよ」

 

そう言って櫻井了子そしてフィーネが来る。

 

「今回、特別なシュミレーションを用意した。楽しみにしておけ」

 

フィーネはそう言って不敵に笑う。ちなみにそのシュミレーションの内容はOTONA風鳴弦十郎、NINJA緒川慎次、ネフシュタン装備のフィーネの三人が襲いかかってくるのもだ。控えめに言って鬼畜である。

 

「基礎訓練は俺が担当する!」

 

基礎訓練は弦十郎が担当し

 

「その間に私達がシンフォギアの点検」

「先程の戦闘で何か異常が起きてるとも限らんからな」

 

シンフォギアを了子とフィーネが整備する。

 

「ただ、響は私と一緒にリベルタスに来てもらうよ」

「え?」

 

そんな中で牙は響をリベルタスに連れて行くという。みんなと一緒に訓練する気満々の響はその言葉に驚く。

 

「響が今回で纏ったあれ、グングニルの調整をしなきゃいけないの。あれ完成したとはいえ今まで誰も纏えなかったから不備とかあったら大変だから調整とかしたいの。それに今回、訓練の一環でみんなにはリベルタスに来てもらうから」

「なるほど、それなら」

 

訓練が出来ない訳でもないしみんなと一緒に強くなれるならと響は了承する。

 

「では早速明日から訓練に入る!気張れよ!」

「「「「「「「「はい!!(おう!!)(デース!!)(ええ!!)」」」」」」」」

 

装者達の元気な返事が響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして訓練が始まった。

 

弦十郎による基礎訓練はもちろんかの有名なカンフー映画の修行にボクサーの映画、ありとあらゆる映画の中の訓練が始まった。

これで効果があるのだから世の中わからないものである。

 

他にも各装者に合わせた武術類。奏とマリアであれば槍術、翼であれば剣術、クリスはガンカタなどそれぞれに合うようなものを弦十郎がピックアップして教え込む。

他にも武器を使わない護身術や格闘技まで幅広く教える。

 

それが終われば実戦形式でシュミレーションを行う。

手始めにノイズの大群。ただしそれだけではなく様々な場面を用意する。逃げ遅れた民間人や突如として崩れる建物、地震、雷、火事などノイズと一緒にあらゆる想定場面を経験させる。

 

その次は了子とフィーネ共同のシュミレーション、OTONAフェスティバルの始まりだ。

弦十郎、緒川、ネフシュタンフィーネというなんとも大人気ないメンツを前に装者達は殴られ吹き飛ばされ惑わされる。しかも時たま牙やキャロルに本物の弦十郎がゲスト出演してくる。

その時の装者達は床に倒れ伏し死屍累々の状態を晒していた。南無三

 

その分着実に身については居たのだが、装者達は口を揃えて『地獄だ』と言った。しかも、何度も放り込まれる事になった。装者達は目のハイライトを消す事になった。

 

そんな中、響は牙と一緒にとある港まで来ていた。

 

「お姉ちゃん何で港に?」

「すぐわかるよ。そら来た」

 

そういう牙の目線は海に向かっておりその視線を響は辿るが何も無い。しかし、次の瞬間海の中から何かが飛び出して来た。

 

「うぇぇぇ!?」

「リベルタスが誇る異端技術の粋を集めて作った潜水艦ヴィマーナオケアノス。これでリベルタスに向かうわ」

 

飛び出して来たのは黒い船体に青いラインを走らせる巨大な潜水艦だった。

巨大な潜水艦ヴィマーナオケアノスはリベルタスが聖遺物ヴィマーナを元に開発した潜水艦である。

 



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リベルタスの基地

 

水中を進む潜水艦、ヴィマーナオケアノスは太平洋に繰り出していた。

 

「まもなくパラディソス島に着きます」

 

ヴィマーナオケアノスの操縦士からの牙への報告を聞いた響は首を傾げる。

一体そこは何処なのかと。だが別段気にする事は無かった、響は別に世界中の地理を把握してるわけでも無いのだ。

 

「追跡は?」

「科学的及び異端技術による追跡はありません。このままステルスフィールドに進入しても問題無いかと」

「わかったわ。それじゃあパラディソス島、リベルタス本部に向けて全速前進」

「ラジャー」

 

牙の掛け声と共にヴィマーナオケアノスのスピードはあがり水中を突き進んだ。

 

しばらくすればヴィマーナオケアノスの観測機器には島が映る。パラディソス島だ。

そのまま突き進むと島の海中に開いている大きな横穴に進入して行く。そして行き止まりの部分で上昇していくと広い空間に出た。

広い空間はしっかり整備されており港のような作りをしている。周りでは忙しなく人が動いていた。

 

ヴィマーナオケアノスから牙に続いて響が出てくる。

 

「洞窟?」

「海から直通の潜水艦用の港よ。こっちよ」

 

響はスタスタと歩く牙の後ろを着いていきエレベーターに乗った。

 

「ねえ、お姉ちゃん。確かリベルタスて何処の国とも手を組んで無いんだよね?ならなんでこんな大掛かりな施設があるの?」

 

響の疑問も最もだった。今この世界では全ての陸地は国々によって分けられている。誰のものでもない陸地など無いのだ。

にもかかわらずどこの国とも手を組んでいないリベルタスは一つの島に潜水艦用の港を作り更にはリベルタスの本部まで作っている。普通では有り得ないことなのだ。

 

「ああ、ここはリベルタスの島だからね」

「リベルタスの?」

「元々この座標に島なんて無かったのよ。作ったのよ私達リベルタスが」

「作った!?」

 

牙が何でも無いように言った言葉に響は驚愕する。島一つを作ったなんてとんでもな事だ。海を埋め立てたりする事は知っているが島を作るような真似はほぼ不可能に近い。

 

「もしかして聖遺物?」

「正解!」

 

響の導き出した答えに牙は元気よく答える。

島を一つ作るという偉業を達する事を可能にする存在として響は聖遺物をあげた。事実この島は聖遺物により作られた。

その聖遺物の名前は天沼矛(あまのぬほこ)かつて淤能碁呂嶋を創り出したと言われる槍である。しかも完全聖遺物だ。

 

この天沼矛を奇跡的に回収する事が牙はこれを起動しリベルタスの拠点としてパラディソス島を作った。今現在はパラディソ島の聖遺物管理棟にて厳重に保管されている。

 

そんな話をしていればいつの間にかエレベーターは止まった。そして扉が開き牙に続いて響がエレベーターから降りると驚愕した。

 

「大きい……」

 

響の目に映ったのは高さ400mのビルを中心に通路で繋がったビル群のような建物。敷地面積は東京ドーム5個程とかなりの広大さを誇っている。

そしておよそ5000人の人々がここで生活を送っている。そのうちの殆どは聖遺物実験の被害者となっている。

 

「さ、こっちよ」

「あ、うん」

 

よどみなく進んでいく牙に響はついて行く。その途中で多くの人とすれ違って行くが全員が牙に対して笑顔ですれ違っていく。その笑顔は心からのもので響は牙が多くの人に信頼されている事実に嬉しく思うと同時に少しだけ嫉妬してしまった。

 

「ただいま〜」

「このバカたれが」

「ガッ!?」

 

牙がとある一室に入ると同時に頭にバインダーによる攻撃が叩き込まれる。牙を叩いたのはキャロルだった。

 

「お前事の大きさがわかっているのか?」

「……へ、へへ。ご、ごめんなさい」

「そもそもお前はだな──」

 

そのままキャロルは次々に牙に向けて小言を連発していく。牙は自分の非を認めているからか大人しくその小言を受けて入れていた。その姿をその場所にいた職員達は微笑ましいものを見るかのように見ていた。

 

「今はここまでにしておいてやる。準備はもう整っている。行くぞ」

「あい」

 

キャロルに言われるがままに牙と響はその後をついて行く。しばらくすれば二課のシュミレーターのような場所に着いた。

 

「立花響、今日はお前のグングニルの調査をする」

 

キャロルのその言葉に響は首にかけてあるグングニルを見る。

 

「作ったは良いがこれまでに起動すら出来なかったグングニル。調べるべき事は多々ある。早速始めるぞ」

 

キャロルにそう言われ響はシュミレーターの中に進む。それを牙は見送るとシュミレーターの外に備え付けられた多数の端末の一つに向き合う。

 

『それじゃあ始めるよ。グングニルを起動して』

Balwisyall Nescell gungnir exterminait tron

 

牙の言葉に従って響はグングニルを起動した。それに伴いグングニルが響の体に装着される。

その瞬間から牙やキャロルをはじめとしたリベルタスの職員たちが端末に向き合い様々な数値と睨めっこを始めた。

その後も響はグングニルの力を確かめるように次々とグングニルに組み込まれた聖遺物の力を使って行った。



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シンフォギアの危険な力

久しぶりですまぬぅ。頑張って書くので応援よろしくお願いします。


 

「セイッ!!」

「ハアッ!!」

 

 私の足と響の足がぶつかり大きな音と衝撃を放つ。その衝撃を利用して二人同時に後ろに大きく後退する。そして着地と同時にかけ出す。

 拳と拳をぶつけ合い防ぎ受け流し攻撃をする。

 

 そんな攻防をする事一分ほど、ブザーの音と共に私と響は動きを止める。

 

「ふう、おつかれさま響。いい動きだった」

「ありがとうお姉ちゃん」

 

 シンフォギアとグングニルをそれぞれ解除した私たちはシュミレーションルームから出て水を飲む。

 

 今回の戦闘データで必要なものは揃ったから後は最終調整をしてグングニルの作業は終わりかな。グングニルは複数の完全聖遺物を使っている都合上色々と複雑だ。下手すると聖遺物どうしで力を打ち消し合う事もある。そんなグングニルを響用に調整するのは骨が折れた。元々最低限使えるようにして一旦置いといたものだからな。

 

「牙、今大丈夫か?」

「ん?大丈夫だけど、どうした?」

「二課の桜井良子とフィーネからシンフォギアの事で相談があるそうだ」

「わかった、場所は指令室?」

「そうだ、先に行ってるぞ」

 

 そう言ったキャロルはシュミレーションルーム前の休憩所から出て行った。それを見ながら汗をタオルでサッと拭いてトレーニングウェアからいつもの服に着替える。

 

「ちょっと行ってくるね」

「うん、行ってらっしゃい」

 

 一息ついている響を休憩室に置いて指令室に向かう。

 

「おまたせ」

 

 そう言って指令室に入ればキャロルと画面に映った了子さんとフィーネが出迎える。

 

『牙ちゃんも来たことだし早速始めましょうか』

『そうだな。まず、シンフォギアの損傷は問題無い、少々ダメージはあったが微かなものだ、直ぐに修理は終わった。システムなどにも特には問題は無いが……』

「……パンドラの箱」

『その通りだパンドラの箱の影響がギアに残っている』

『最初は除染しようと頑張ったんだけど流石完全聖遺物と言ったところでね、全然除染出来ないのよ』

『おそらく除染できるのはシェンショウジンのような聖遺物だが、そのようなものは手元に無い。仮にシェンショウジンで除染作業をしようとした場合はギアが分解されて終わるだろうな』

『そこでリベルタスの方でなんとかできないかお願いしたいの』

「なるほど」

「…………」

 

 やっぱり残ってるよね。あれだけ他者に影響を与える聖遺物だ、そう簡単にはいかないね。

 

「状況はわかった。だがリベルタスでも不可能だ。時間をかければあるいはある、かもしれないがそんな悠長な事をしているうちに事が起こる」

『……まあ、だろうな』

 

 確かに多くの聖遺物をリベルタスでは保管しているけど聖遺物の影響をピンポイントでどうにかするのは流石にできない。時間をかければおそらくリベルタスでも二課でも不可能では無いけどウェル博士という特大の爆弾がある中でそんな悠長な事をすれば何か起こった時に何も出来ない事になる。私やキャロル、リベルタス人員は動かせるだろうけど戦力的にTHE DISASTER相手には心もとない。いや、最悪殺す気で行けば直ぐに終わるけどそんな事は出来ない。利用されているリゼという子を救わなければならない。F.I.Sの子たちの為にもね。

 

「だけど、方法が無いわけじゃない」

『牙ちゃん、それはホント?』

「根本的な解決にはならないし賭けの部分も多いけど上手く行けば装者の戦力アップも狙える」

『……暴走か』

 

 私の言葉に暴走と答えたフィーネの言う通り暴走を利用する。原理としては原作のGX編にて出てきたダインスレイヴと同じだ。

 

「確かに今できる事としてはまともな策だな」

『リスクもあるし正直なところ賛成しかねるけど、他に手がないのも事実なのよね』

 

 この案には大きなリスクが二つある。パンドラの箱はダインスレイヴと同じく負の感情を刺激する事がわかっている。その事によりシンフォギアを装着中に負の感情を大きく刺激するような事があれば呑まれる可能性。そしてそもそも制御できるかの可能性。

 だが私はあまり問題視していない。制御に関しては原作でも成功してたし今の皆を信じてるからね。負の感情に呑まれる可能性は制御が成功していれば、カルマ・ノイズのような負の感情を増幅させる存在がいない限りは問題無い。

 

「暴走を利用してなくてもパンドラの箱の影響箇所を隔離してセーフティをかけて普段はシンフォギアとしてちゃんと使えるようにすれば良い。使うかの判断は装者自身に一任して任せる」

『……それが妥協点かしらね』

『弦十郎に話しを通してシステムを作って組み込むか』

「システム面はこちらでも出来ることをしておこう」

「あと、響に関するデータも明日あたりにそっちに送るわ」

『OK〜その方向で進めるわね。これが終わればやっと一休みできそうね』

『ウェル博士が動かなければという注釈がつくがな』

「はぁ、ほんとウェル博士は何処に行ったのか」

「あの英雄キチの事だ『英雄は決して諦めない』とか言いながら気を伺っているだろうな」

『愚痴ってても何も進まないしこっちでできる事はしおくわね』

『そうだな、時間がおしい。また何かあったら連絡する』

「こっちも何かあったら連絡するよ」

 

 そう告げると通信が切られて会話が終了する。

 

「さてと私は響のデータの諸々やってくる」

「シンフォギアのシステム面は他の職員に任せてオレは有事に備えて全体を見てくる。何かあればそっちにも連絡する」

「わかった。それじゃあお仕事お仕事」

 

 はぁ、厄介な事になったなぁ。とりあえず今出来ることをしましょうか。




たぶんもうそろそろウェル博士が動き出します。英雄キチめ!


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動き出したウェル博士

1ヶ月ぶり位の投稿ですまねぇ。

いよいよ終盤に入って来ました!ここからが1番盛り上がる所だ、頑張る!


 

 その日二課に届いた日本近海を巡回する哨戒船からとある通信が入る。それは膠着していた自体を大きく動かす情報だった。

 

「ウェル博士を発見しただと!?」

「はい!フロンティア封印地点からおよそ10km地点の海上に姿を表したとの事です!」

「やはり、ウェル博士はフロンティアを」

「エアキャリア内に保管してあった神獣鏡をリゼの力で使用し封印を解除する気でしょう」

「だが、好機でもある」

「ウェル博士が封印を解くのに便乗してフロンティアのコントロールを奪って同時にウェル博士を捕縛すれば」

「月の軌道を直し、ウェル博士を捕まえ万事解決という訳か……よし!フロンティア封印地点まで大急ぎだ!」

「「「「「了解!!」」」」」

「リベルタスにも連絡を入れろ!」

 

 

 

 

 

 

********

 

 

 

 

 

 グングニルの調整も終わり響や私の身体の調査も終えて問題無い事がわかり後はウェル博士を見つけるだけだなと思っていた時、その知らせは来た。

 

「ウェル博士が見つかった!?」

『ああ、自衛隊の哨戒船の連絡で未確認の飛行物体を確認しその画像を各部署で照らし合わせた結果ウェル博士とTHE DISASTERである事がわかった。発見された場所と進路から目的地はフロンティアだと予測した。二課もフロンティアへ向けて既に出発している』

「なるほど、ならこちらも響を連れてそちらち向かう」

『位置情報などは逐次そちらに送らせてもらう』

「ありがとう」

『ウェル博士を打倒すれば今回の件も終わりだ、気合い入れて行くぞ!』

「ええ、もちろん」

 

 その言葉を最後に通信は切れ様々な情報が二課から送られてくる。

 

「全員今の聞いてたな。総員!戦闘配置!ヴィマーナの戦艦級3隻に母艦級2隻、巡洋艦級2隻、駆逐艦級4隻、超戦艦級1隻で出る!」

「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」

「現場指揮はキャロル、お願い」

「ああ、わかった」

「響行くわよ!!」

 

 私は響を連れてヴィマーナの停泊している港まで向かった。

 

 

 

 

 

********

 

 

 

 

 

「ウヒヒヒッ、やっとこの時が僕が英雄になる時が来たんだ!!」

 

 フロンティア封印地点上空にてTHE DISASTERの上で狂ったように高らかに笑っていた。

 

「さあ、THE DISASTER!!今こそフロンティアの封印を解き放ち僕を英雄にするんだァ!!」

 

 ウェル博士のその言葉に呼応するようにTHE DISASTERの手の中にあるシェンショウジンのシンフォギアは黒く染まる。

 

Rei shen shou jing rei zizzl

 

 そしてTHE DISASTERの口からこぼれたのは聖詠だった。その詠に答えるようにシンフォギアは黒く光り輝きTHE DISASTERの腕には鏡が顕現していた。

そうして現れた鏡には次々にエネルギーが集まり黒いエネルギーを蓄える。

 

 蓄えられたエネルギーは一条のビームとして海中に沈むフロンティア、その封印を撃ち抜き破壊した。

 それと同時に海中に沈んでいたフロンティアがその巨体を浮上させ姿を現す。

 

「これがフロンティア!!英雄たる僕に相応しいモノだぁ!!これで僕は英雄だァ!!僕が僕だけが!!この世界を導く英雄なんだァ!!」

 

 フロンティアが姿を表した事に狂喜乱舞したウェル博士は破顔しながらそう高らかに言葉を発した。

 

「THE DISASTER!早くフロンティアに行くんだ!!」

 

 自分が乗るTHE DISASTERに早くフロンティアに行くように催促しフロンティアへ意気揚々とウェル博士は向かう。

 しかし、そんなウェル博士に向かって複数の飛行物体が音速で急速に接近し、その命を絶とうとしたがTHE DISASTERによって防がれる。

 

「なんだァ!?」

 

 突然の事に驚愕したウェル博士が振り向き目にしたのは空中に浮かぶ12隻の艦船だった。先程ウェル博士を襲ったのはこの艦船郡から放たれた砲弾だったのだ。

 そして海上にも艦船が幾つも航行しておりその砲塔の全てがウェル博士とTHE DISASTERに向けられていた。

 

 空中の艦船はリベルタスのヴィマーナ艦隊、海上の艦船日本、米国の混合艦隊である。

 

 自分の英雄街道の歩みを邪魔する邪魔者の存在にウェル博士は驚愕しながら怒りを顕にする。

 

「僕の邪魔をするなァ!!」

 

 その怒号と共にウェル博士はソロモンの杖を掲げ数多の艦船に向けてノイズを解き放つ。その中には大型のノイズも含まれていた。

 そしてウェル博士の怒りを表すかのようにノイズ達は艦船に向けて次々と攻撃を仕掛け始める。

 

 そうして艦船はやってくるノイズ達に向けて迎撃を始める。しかし、海上の艦隊は聖遺物由来の力すら持っていないただの現代兵器、ノイズ達の位相差障壁を破る事は出来ずに次々と攻撃をくらう。

 

 しかし、それをリベルタスが黙って見てるはずも無くリベルタスの艦隊から放たれる聖遺物デュランダルより作り出されたデュランダルエンジンから供給されるエネルギーにより次々とノイズを撃ち抜く。しかし、それでもノイズはやられる傍から補給されていく。

 

 そんな状況に待ったをかけるように海中からは潜水艦が浮上する。それは二課仮説本部だ。

 

 二課仮説本部の潜水艦からは4人の装者が現れる。クリス、翼、奏、セレナだ。

 

「いくぞ!」

「ああ!」

「はい!」

「やってやらぁ!!」

 

 降り立った4人はそれぞれのアームドギアを構えノイズに向かって走り出した。



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フロンティア攻略作戦

 最近モチベがマジで死んでるけど頑張る。


 

 ノイズとの戦闘が始まる少し前、リベルタスと二課は連絡を取り合い作戦を立てていた。

 

「今回の戦いにおいての俺たちの勝利条件はウェル博士の捕縛とフロンティアによる月軌道の修正。そしてリゼ・アルジェネロを救出することだ」

 

 今一度、弦十郎の口から目的を伝えられる。

 

「まず、俺たち二課の役割は三つ。1つ目はウェル博士の持つソロモンの杖により操られるノイズの排除。2つ目はリゼ・アルジェネロとの戦闘。3つ目はウェル博士の捕縛だ。」

『 そしてリベルタスはその補助。ノイズの排除とリゼ・アルジェネロとの戦闘に参加するわ』

 

 弦十郎の言葉に続くように通信機の向こうの牙がそう付け加える。

 

「弦十郎さん、牙。お願いがあるの」

「どうした?マリアくん」

 

 マリアが1歩前に出て弦十郎へお願いをする。その顔には苦渋や後悔があった、しかし何よりも決意が溢れていた。そして切歌と調もマリアに続いて1歩前に出る。

 

「リゼとの戦い。私達に任せて欲しいの」

「リゼは大切な仲間」

「私たちが助けたいのデス」

 

 そう言ってじっと弦十郎を見つめる。

 

「良いだろう」

『こっちも問題は無いよ』

 

 三人の言葉と思いを真正面から受けた弦十郎は了承し牙も問題無いと答える。それに対してF.I.Sの三人は感謝を伝える。

 

「「「ありがとう(デス)」」」

 

 そして弦十郎と牙からさらに詳細な作戦が伝えられる。

 

「まずノイズの排除についてだ。……俺は辞めとけと言ったんだが日米双方の艦隊が向かっている。無論ただの艦隊にノイズを倒す手だては無い。大方何もしない訳にはいかないというスタンスなんだろうが……。まあ、そこでだ翼、奏、クリス、セレナの4人には艦隊の護衛兼ノイズの掃討に当たって貰う」

『リベルタスの方からは聖遺物から作った艦隊からの援護射撃もするからそこまで危惧することは無いわ』

「次にリゼ・アルジェネロとの戦闘だ。これは牙くんと響くん、そしてマリアくんと切歌くん調くんの五人だ」

『相手は完全聖遺物だからね基本的に私と響が中心になって戦う事になる。他3人は補助役になっちゃうけど大丈夫?』

「問題無いわ。参加させてもらえるだけでもありがたいもの」

「三つ目はウェル博士の捕縛だ。こっちは俺と緒川」

『そしてリベルタスからノイズに対抗出来る人員も出す』

「最後にフロンティアを制御し月の起動を元に戻す。その為にフィーネ、ナスターシャ教授、了子くんの三名には俺たちと一緒に行動してもらう」

『こっちからも3人、補助役で出すよ』

「以上が大まかな作戦概要だ。各担当場所での目的が達成された場合は適宜二課の方から指示が出る。質問はあるか?」

 

 弦十郎と牙による作戦概要の説明を聞き全員特に質問は無いようで弦十郎を無言で見つめ返すだけだった。

 

「よし、それじゃあ作戦開始だ!!気合い入れてけよお前ら!」

「「「「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」」」」

 

 その場いる全員が大きな声で了承し作戦が始まった。

 

 

 

 

************

 

 

 

「状況は?」

「ノイズは現在も増加していますが殲滅速度の方が上です。下の艦隊もセレナさんの盾のおかげで損害はそこまで無いです」

 

 ヴィマーナ艦隊の旗艦内にてキャロルの指揮の元リベルタスは行動していた。

 

「そうか、なら道を開くぞ」

「了解!!主砲用意!」

「デュランダルエンジンからのエネルギーバイパスを主砲へ」

「艦内のエネルギーを非常電源に切り替え」

「主砲へのエネルギー充填開始」

「艦隊は旗艦中心に防御陣形」

「目標へのロック完了」

 

 キャロルの指示によりヴィマーナ旗艦のノイズへ向けていた攻撃が止み、船首が展開し巨大な砲塔が顔出す。艦内の電気系統が一瞬落ちたかと思うとすぐに非常電源に切り替わる。そして主砲にエネルギーが集まっていく。主砲が狙うはフロンティアそのギリギリの上空のノイズ群。

 

「こちらキャロルだ。準備は良いか?二課」

『ああ、こちらも既に準備は出来ている』

『こちら牙。こっちも問題ない』

「了解した。牙のいる射出口を開け!」

「了解、射出口を開きます」

「エネルギー充填完了、何時でも行けます」

「カウト5、4、3、2、1、発射!!」

「発射!!」

 

 そしてついにヴィマーナ旗艦の主砲が放たれノイズの群れに風穴を開ける。

 

「輸送機発射!」

 

 それと同時にヴィマーナ旗艦の射出口から輸送機とは名ばかりの戦闘機のようなものが6機発射される。大きさは人よりも大きいがだいたい4m程で生身の部分は後付けの走行で保護されているだけであった。更には三つの人影もあった。

 さらにそれに続くように海上に浮かぶ二課仮設本部から3機のヘリが飛び立つ。

 

 それらは主砲により開けられた風穴を通ってフロンティアに向かう。しかし幾ら風穴を開けたとはいえノイズはまだ存在し襲いかかってくる。しかしそれらは地上からのクリスの援護射撃やヴィマーナ艦隊からの援護射撃、更にはリベルタス側から発射された輸送機が備え付けた銃器により炭素へと変えられていく。

 

 そうしてフロンティアへ向かうもの達は無事にフロンティアへと上陸する事が出来のだった。




ちなみに輸送機の姿はニアオートマタの飛行ユニットを考えてもらえればよろしいです。

で、なんで銃器でノイズ炭素に変えれるんだ?というのはリベルタスで銀の弾丸の哲学兵装を作ってるからです。化け物殺すのには最適解だよね。


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例え闇に手を伸ばそうとも

 

 フロンティアへ降り立った牙たちは真っ直ぐにフロンティア内部目掛けて走っていた。しかし、それを遮るように次々とノイズが襲いかかる。

 

「数が多いわね!?」

「ウェル博士がソロモンの杖を持ってるからね」

 

 マリアの零した愚痴に牙がそう反応する。実際ソロモンの杖がある限りウェル博士は無限の兵隊を生み出せると言っても過言では無い。

 だが──

 

我流・神狼ノ多重爪撃

 

我流・海獣骨鏃

 

 相手が悪かった。

 牙の放つ爪状の大量の斬撃がノイズを一欠片も残さず吹き飛ばし。響が投げ放ったゲイ・ボルグが鏃へと変じ増加しノイズを寸分の狂いもなく撃ち抜いていく。

 更にはウェル博士の捕縛チームとしてついてきたリベルタスの第一部隊が輸送機を人型に変形させ銃撃でノイズを撃ち抜いていく。

 ノイズたちは近付くことすら出来ずにただの炭素へと変わっていく。

 

 だがその順調な道筋を邪魔するように影が差す。

 

「上!!」

 

 いち早く気付いたら牙の声と同時に全員が影の主の姿を見る。それはリゼ・アルジェネロ、否── THE DISASTERであった。

 THE DISASTERは急降下し牙たちの目の前に立ち塞がる。

 

「グレイプニル!!」

 

 牙がそう叫んだ瞬間牙のギアが変形していく。グレイプニルとのデュオレリックである。そしてすぐさま鎖を展開しTHE DISASTERの首や手、足に巻き付け更には地面や周辺の柱を経由させることでを拘束した。

 

我流・神狼ノ枷

 

「今のうちに!!」

「すまん!」

 

 ギチギチと音を立てて今にも引きちぎられそうな鎖だがウェル博士捕縛とフロンティア操作組を先に行かせるには十分だ。

 

 そしてTHE DISASTERが拘束を引きちぎる寸前。攻撃が殺到する。

 

 ピンク色の大量の丸鋸が──

 

α式百輪廻

 

 緑色の三日月状の刃が──

 

切・呪リeッTぉ

 

 ガングニールのアームドギアからの光線が──

 

HORIZON ‪✝︎ SPEAR

 

 THE DISASTERに当たる寸前に、拘束されていたTHE DISASTERは牙たちの背後に存在し、牙にその拳を叩き込む。

 

「がっ!?」

「お姉ちゃん!?ぐっ!!」

 

 吹き飛ばされた牙に驚愕した響は立て続けにTHE DISASTERの拳を受ける。響はなんとか防ぐ事が出来たが大きく後退する。

 

「今のは、フラッシュブリンク!」

「なんで使えるの!」

「今のリゼは使えないはずデス!?」

 

 一瞬にして牙の拘束から逃れたTHE DISASTERが能力を使用した事に驚愕する。THE DISASTERが使った能力は【フラッシュブリンク】。自身を粒子化し瞬間移動する技である。

 今のTHE DISASTERではパンドラの箱による影響で使えないと予想されていた。実際にカ・ディンギル跡地の戦いでは能力は使われていなかった。

 

 しかし、あの戦いから1週間程が経過した事により少しずつだがTHE DISASTERは能力が使えるようになったのだ。元々、不安定で暴走しやすい聖遺物であったが故のパンドラの箱の影響への順応が可能にした牙たちにとっての最悪の成長である。

 

「厄介!!だけど、単調!!」

「先読みしやすい!」

 

 しかし、牙と響は何度か後の攻撃には瞬時に対応した。背後に来たTHE DISASTERの拳の側面を振り向きざまに蹴り飛ばす事で攻撃を外させた牙。フラッシュブリンクにより一瞬で距離を詰めてきたTHE DISASTERの蹴りを拳で相殺する響。

 二人にはTHE DISASTERの動きが見えていた。というのもTHE DISASTERのフラッシュブリンクは基本的に背後に回るか距離を詰めることにしか使われていない。確かにフラッシュブリンク自体は協力な技だが使い手が理性が無いのであればそこまで驚異足り得ない。今のTHE DISASTERではフラッシュブリンクを使うだけの思考能力が無いのだ。

 

「そこデス!」

「なんとか私たちでも見える!」

「流石、マム」

 

 そして一番の要因としてギアの強化がある。今回の戦いに備えてギアの強化改修が行われたがその中に視覚サポートが追加されている。それは装者にサーモグラフィーやナイトビジョン等を使った時と同等の視覚情報を提供する機能である。

 フラッシュブリンクという技は自身を粒子化する事で瞬間移動をする技であり魔法のような代物でない。閉鎖空間ではその中でしか移動できななどの制約が存在する技でもある。そしてギアによる視覚サポートにより微かだがフラッシュブリンクによる瞬間移動の軌跡が見て取れるのである。

 故にこの場の全員がフラッシュブリンクに対応出来ていた。

 

「でも、厄介なのは変わりない……」

「それにしても……私たちしか狙わないね」

「私たち3人は眼中に無いどころか敵としてすら見られてないようね」

「なんだかムカつくデス」

「でも、2人がこの中で1番強いのは事実」

 

 ある程度交戦して五人はTHE DISASTERが牙と響しか狙わない事に気付いた。他の3人の攻撃には反応自体はしてるがほぼ無視されている、実際THE DISASTERにとって3人は驚異足り得ていなかった。

 

「それでも!私たちはここでただ見ている為に来たわけじゃないのよ!」

「リゼはアタシたちが助けるんデス!」

「何も出来ないなんて嫌!」

 

 その事に声を荒らげたのはF.I.Sの3人だった。この場にはリゼを大切な家族を助ける為に来たのに今は殆ど牙と響の二人にTHE DISASTERの相手を任せっきりである。その事実に自分達の不甲斐なさに彼女達は腹を立てた。

 そんな彼女たちがとった行動は彼女たちにとっては至極当然の少し前から考えていた行動だった。

 

 3人は懐から予備のLiNKEを取り出し自分達に注入した。

 

『何をしているのですか!』

 

 自らの活動限界を狭める行動でありオーバードーズの危険性がある突然の行動にフロンティアのコントロールルームに向かいながらも戦いを画面越しに見ていたナスターシャ教授は声を荒らげる。

 

 しかし、3人はその声を無視するかなように胸元のギアに手を伸ばす。

 

「「「開梱!!パンドラ!!」」」

 

 その言葉とともにまるで鍵を捻るようにギアを回すとギアから闇が溢れ出した。



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思い

なんかスゲェ筆が乗った今回でした

ちなみに本日2度目の投稿なので前の話がまだの人はそちらからどうぞ


 

「「「開梱!!パンドラ!!」」」

 

 マリア、切歌、調の3人のその言葉とともにギアからは闇が溢れ出す。

 

「あっ!?ガァァァァ!?」

「ぐっ!?ギィィィィィィ!?」

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!?」

 

 闇は3人を包み込むと同時に3人を蝕み始める。闇に呑まれる3人は肉体的にも精神的にもやってくる激痛に苛まれる。

 未だにギアにへばりつくその闇、パンドラの箱による強い負の力を閉じ込める鍵を自ら解き放った事の当然の帰結であった。

 

「っ!?開けた!?」

 

 その事に牙は驚愕した。確かに完全に除去出来ないが故に戦力強化としてギアに組み込む提案をしたのも最終的な使用権限を装者自身にしたのも他でもない牙であったがそれを使いこなす事自体はもっと先の事と考えていた。何より実戦でいきなり使うなど想定外も想定外であった。

 

 案の定3人は叫び声を上げ続けるだけで未だに自分を蝕む闇に苦しまされるだけである。

 しかし、そんな3人にTHE DISASTERが目を向けた。その目には今まで3人に向けていなかった明確な敵意が見て取れた。

 

「響!!守るよ!」

「うん!!」

 

 その事に真っ先に気付いた牙が響に声をかけてF.I.Sの3人を守るようにTHE DISASTERに立ち塞がる。

 そんな牙と響ごと3人を粉砕しようとTHE DISASTERは背中の翼を稼働させ一気に加速する。

 

 牙と響はそんなTHE DISASTERを真正面か受け止める。二人とTHE DISASTERが激突した瞬間凄まじい音共に牙と響の方が押し込まれる。

 

「グォォォォォ!!」

「オォォォォォォ!!」

「ハァァァァァァ!!」

 

 しかし、F.I.Sの3人の目の前で牙と響はTHE DISASTERを押しとどめる。そしてTHE DISASTER相手を轢き殺さんと力を込め雄叫びを上げる。、牙と響は守る為に力を込め裂破のごとき声を上げる。

 

 このまま力比べになるかと思いきやTHE DISASTERはその顎を開き炎を喉奥に貯める。しかし──

 

「口!閉じなぁ!!」

 

 牙がTHE DISASTERを押さえるのに使ってた右手をTHE DISASTERの頭に移動させその頭を地面に叩きつける。牙の腕と地面によりその顎を勢いよく閉じる事となったTHE DISASTERは炎を口内で爆発させ口を大きく損傷させる。

 

「舐めんじゃないわよォ!!」

 

 牙は全身の血管がはち切れそうなほど更に力を込めてTHE DISASTERの押さえ込むと同時にF.I.Sの3人に声を投げかける。

 

「お前ら!リゼを助けるんだろ!なんだその姿は!なんの為にここに来たんだ!?足手まといになる為か!」

 

 牙のその3人の決意を大切な家族を助けると言う決意を鼻で笑うような言葉に3人は目を見開く。

 

「……ふざけ、ないで、ちょうだい!」

「アタシ、たち、は、足でまとい、なんかじゃ、ないデス!」

「リゼ、を、助けるのは、私たち!そっち、こそ大変そう!」

 

 今まで叫び声を上げるだけだったはずの3人は痛みに耐えながらも強気に牙の言葉に反論する。まるで自分達の決意はこの程度で終わる程度ではないと証明するかのように。

 

「だったらさっさと立ちなさい!」

 

 その言葉に感化されるように3人は顔を上げTHE DISASTER──否、リゼに視線を向ける。リゼを見る3人の瞳にはかつての記憶が蘇っていた。

 

 

 

 

 

 出会いは最悪だった。マムから新しくF.I.Sに来る子供という事で紹介されたのがリゼで、彼女が最初に放った言葉は──

 

『よろしくしなくて良いから』

 

 あまりの言い草にその場にいた全員が絶句していたのを3人は覚えている。そんな挨拶をされれば不快になるのも当然で当たり前のようにリゼとの関係は良くなかった。

 

 だが、リゼと共に過ごしていくうちに少しずつ彼女への認識は変わって行った。

 

 ある時切歌がはしゃいだ時に足をもつれさせて転んだ。膝からは血を流して当然のように大きな声で泣き出した。そんな切歌に真っ先に手を差し伸べたのは他でもないリゼだった。舌打ちをして『バカじゃない』や『もっと落ち着きを持ったらどう?』なんて憎まれ口をたたきながらもテキパキと切歌の傷の手当をして切歌の口に棒付きキャンディを突っ込み泣き止ませた。

 

 またある時、調が料理をしていた時だ。今でこそF.I.S組の中では一番料理が上手い調だが最初からそうだった訳では無い。調味料を間違えたり分量を間違えたり焦がしたり半生だったりとそれ相応の失敗をしながら上達していった。そしてその料理の上達にひと役かってでたのがこれまたリゼだった。『不味い飯を食わされたらたまったもんじゃない』などと言いながらも丁寧に優しく教えてくれるのだ。

 

 さらにある時、マリアが落ち込んだ時。『……何辛気臭い顔してるんだ?長女様がそんなんでいいのかよ?』と若干の呆れを滲ませながらマリアの隣に腰掛けて話を聞いた事もあった。

 

 シュミレーターでミスをした時にカバーしてくれた。F.I.Sでの実験を肩代わりしてくれた。私たちの代わりに不満をぶつけてくれた。数え切れない程の優しさを貰ったのだ。

 そうして彼女たちは理解した。リゼ・アルジェネロという少女は他人に冷たく突き放すような言動が多いがそれには優しさがあるという矛盾。だが同時にどうしても一定以上に親しくはしなかった。

 

 リゼ自ら確かに壁を作ってはいたがそれでもリゼ・アルジェネロという少女の温かさを優しさを彼女たちは受けて来た。

 

 

 

 

「リゼ、あなたの苦しみも過去も私たちにはわからない」

 

 リゼは自分の弱い面を見せようとはしなかった。

 

「でも、それでも、受けた恩をあだで返すほどお馬鹿じゃないデス!」

 

 リゼはいつも無意識に彼女たちに寄り添って来た。

 

「もし、これが、リゼにとって必要の無い事だとしても」

 

 リゼは伸ばされた手をとったことは無かった。

 

「「「リゼの手を無理やりにでも掴んでみせる!」」」

 

 

 

 

 その決意が今、闇を絶望をねじ伏せた!!

 

 

 

 

 今まで彼女たちを蝕んでいたはずの闇は急激に形を変え、逆に力を与える。ギアは黒を通り越した漆黒へと変わり鋭利で攻撃的なフォルムへと変形を遂げる。ギアの出力は今までのおおよそ3倍。戦闘に特化したその形態はリゼと戦えるように3人のステージを押し上げた。まるでその思いに応えるかのように。

 

「リゼ!待ってなさい!」

 

 マリアはそう高らかに宣言しその槍のアームドギアを構えた。それに続くように切歌と調も己がアームドギアを構えた。

 

 

 




ちなみになぜリゼがフラッシュブリンクで拘束を抜け出さないのかと言うと普通にエネルギー消費がデケェからです。あんまり連発すると疲労で倒れます。まあ、その場合でも動くんですけどね。THE DISASTERが


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