生徒会の一存〜雑務というお仕事〜 (シキト4910)
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駄弁る生徒会①

はい、シキトです。
この前久しぶりに生徒会の一存を読み直したところ、めちゃくちゃ面白くて、こうなったら勢いで書いてしまえ! ということで書き上げた作品です。

良かったら楽しんでいってください!


 

 

【存在しえないプロローグ】

 

ルール1 神の存在を受け容れろ

 

ルール2 彼らに直接触れてはいけない

 

ルール3 友達の友達は我ら。それが干渉限界

 

ルール4 《企業》の意向は何よりも優先される

 

ルール5 《スタッフ》は、個人の思想を持ち込むなかれ

 

ルール6 情報の漏洩(ろうえい)は最大にして最悪の禁忌(きんき)である

 

ルール7 我らが騙すのはヒトではなく神であることを忘れてはならない

 

ルール8 このプロジェクトに道徳心は必要ない。全ては《企業》のために

 

ルール9 性質上、《学園》の《保守》は最大の命題である

 

 

 

 

 

追加ルール 今年の生徒会には気をつけろ。特に《アイツ》は危険だ。下手に《アイツ》を刺激するな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「世の中がつまらないんじゃないの。貴方がつまらない人間になったのよっ!」

 

会長がいつものように小さな胸を張ってなにかの本の受け売りを偉そうに語っていた。

 

パチパチパチ。

 

今の発言に拍手をする俺。というのも、今回は珍しく感銘を受けたからだ。

 

なるほど、世の中、なんだかんだ言って「初めて」ほど楽しいことはない。

 

初めての恋愛。

初めての親友。

初めての非行。

初めての成功。

初めての……エロゲ?

まあなんにせよ、いつだって思い返すと、誰だって「昔は楽しかった」と思う。

 

で、そういう意味でいうと……。

 

「じゃ、童貞もそんなに悪くないってことですか?」

「ぶっ!」

 

俺の質問に、会長は飲んでいた茶を吐き出して、思い切り咽せていた。相変わらずアドリブにめっぽう弱い人だ。

ついでに今は二人きりだから、余計にからかいやすい。

 

 

「今の私の言葉から、どうしてそんな返しが来るわけ?」

「甘いですね会長。俺の思考回路は基本、まずはそっち方面に直結します!」

「だめだわこの副会長……はやくなんとかしないと……」

 

 

会長が今日も頑張って俺にツッコンで来てくれていた。やっぱり可愛いなあ、俺の彼女は。※事実無根の妄言です。

って誰だ! 俺のモノローグに勝手に入ってきた奴は! これから事実にしてみせるんだよ!

 

 

と、俺のツッコミも一息ついたところで、ここで茶を拭いたティッシュを丸め、生徒会室のゴミ箱にシュートしようとしている会長に今一度、俺の気持ちを伝えることにする。

 

 

「会長ぉ」

「なによ」

 

ガラガラガラッ!

 

 

「好きです。付き合って下さい」

「にゃわ!」

 

見事にゴミ箱とは反対方向へティッシュは飛んで行った。

 

「………あー、すいません入る部屋を間違えました」

 

ガラガラピシッ!

 

………………シーーン

 

 

俺と会長は今一瞬入ってきてすぐ出て行った……

 

「「ちょっと、間違えてないから帰って来てぇ!」」

 

生徒会雑務担当へと大声で叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ありのまま今起こったことを話すZE!

 

俺が部活に行っていたため遅れて生徒会室に行ったところ、

 

 

ガラガラガラッ!

 

「好きです。付き合って下さい」

「にゃわ!」

 

なんと生徒会副会長、愛すべきハーレム野郎の杉崎鍵が、愛すべきロリの生徒会会長の桜野くりむに一世一代の告白をしていたのだった!

 

ここで空気の読める男こと、俺 花海(はなみ) 楓雪(ふゆき)は、

 

 

「………あー、すいません入る部屋を間違えました」

 

ガラガラピシッ!

 

そそくさと生徒会室を後にするのだった……

ふっ、なんて空気の読める男なんだ俺は。

 

 

『『間違えてないから帰って来てぇ!』』

 

 

 

……はい、三秒で呼び戻されました。俺の行動の何が間違っていたのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、なんであんなことしていたんですか、お二人さん」

「杉崎のいつものやつよ!……はあ、まったくどうして杉崎はこんなに軽薄に告白できるのかしら」

「本気だからです」

「嘘だ!」

「『ひ○らし』ネタは微妙に古いですよ、会長」

 

 

あー、『ひぐ○し 』か。俺あれグロいところもあって、面白いと思うんだけど、この前友達に『もっとグロいのを! グロい展開を! なあそう思うよな楓雪?』 って言われたんだよなあ…………

 

まあ今は『○ぐらし』のことは置いておいてとりあえず状況を整理しよう。

 

俺の真ん前に座っていて、さっき『嘘だ!』発言をかましたのが生徒会会長である桜野くりむ。

小学生と見間違うほどに小さい身長、胸、器をもつ自他共に認める生徒会のロリ担当であり、おそらく可愛さだけならこの学園一。

俺は今でもこの人が年上だなんて信じられない。

 

「私は認めてないわよっ!」

「うわっ! ちょっと人のモノローグになにツッコミいれてるんですか!」

「多いよなこの頃。俺もさっき何者かにモノローグにツッコミ入れられたぞ」

「杉崎は黙ってなさい!」

 

 

そしてさっき会長に軽薄に告白していたのが生徒会副会長の杉崎鍵。

それなりの身長と整った顔立ちをしており、これだけ聞くとモテそうなものだけど、さっきの軽い告白など、普段の言動がネックで彼女はいない。

 

そして俺の名前が花海楓雪。

碧陽学園1年C組所属で、サッカー部と生徒会の二つに所属している。

容姿は……まあ、自分目線で見て普通だと思う。

 

と、状況整理も一息ついたところで目の前の会長が口を開いた。

 

「杉崎、この生徒会に初めて顔出した時の、第一声を忘れたとは言わせないわよ!」

「なんでしたっけ? ええと……『俺に構わず先に行け!』でしたっけ?」

「いやいや、鍵先輩、そこは『………』でしょ!」

「初っ端からどんな状況なのよ生徒会! あと花海はなんか普通! 逆の怖いわよそんな子!

とにかく違うでしょ!」

「あれ? それじゃあ……『ただの人間には興味ありません。宇宙人、未来人ーーー」

「「危険よ(だ)杉崎(鍵先輩)! いろんな意味で!」」

「大丈夫です。原作派ですから」

「なんの保証!? あとアニメの出来は神だよ!」

 

会長も見ていたらしい。………というかこの話題の掘り下げ、やばくないか? やばくないか? 大事なことなので二回言いました。

というか鍵先輩の初めての発言? うろ覚えだけど確か、

 

「皆好きです。超好きです。皆付き合って。絶対に幸せにしてみせるから」

 

そうそう、こんな感じだったな。ちなみに俺はそのとき鍵先輩の後ろの方から聞いていたので俺は関係ない。これは本当に良かったと思う。

 

「そうよ! あの時点で、この生徒会に貴方のいいかげんさは知れ渡ってるのよ!」

「失礼な。俺が告白するのは美少女だけで、最初から俺はハーレムルート一本に絞っています!」

「括りが大きいわ! あと杉崎はハーレムをつくれる主人公の立ち位置じゃないわ!」

「そうそう、どちらかというと鍵先輩は主人公の軽い親友タイプのギャグ要員くらいっすよね。『それと便○カバー』とか言いそうっす」

「な、なんだってー! ていうか楓雪、俺はあんなもんかよー。……楓雪『クラ○ド』知ってたんだな」

 

 

と、お互いのターンが終わったところで僕はさっき俺が会長がシュートをミスったティッシュを拾ってゴミ箱へと入れる。ふーー、いい仕事したぜ。

 

「…………」

 

会長が複雑そうに俺を見てくるので、俺は着席しながら首を傾げる。

 

「どうしたんですか? 会長」

「……花海って、気が利くっていうか、優しいわよね………無意識に」

「ありがとうございます。そういうの小さい頃に母親に叩きこまれたんですよ」

「っていうかずるいぞ楓雪! そういうのはハーレムルートを目指す俺がやることだろう! 今ので会長の好感度がアップしたかもしれないのに!」

「なんの話よっ! ………まったく、花海はともかく、杉崎は尋常じゃないエロパワーね」

「ええ、尋常じゃない精力ですよ、俺は。ハーレムルートの行き着く先では、やはり体力が必要になりますからね」

「あー、なんのための体力かは、言わないでね」

 

 

会長はその小さい容姿から予想出来る通り、こういう話が苦手だ。耳を塞ぐ素振りをしている。……それ自体はいいんだが………

 

「「会長。その対応が既に、俺(鍵先輩)が言わんとしていることを分かっている証では………」」

「…………。……はぅ」

 

 

会長は赤くなってもじもじしている。生徒会室にどこかいたたまれない空気が漂った。

俺がこの空気をどうしようかと迷っていると、生徒会室の扉が開いた。

 

「キー君。それとシン君も。あんまりアカちゃんイジめちゃだめよ」

 

透き通るような凛とした声とともに、黒髪の大人な雰囲気の女性ーーーー生徒会書記、紅葉知弦さんが入ってきた。

 

 

 

 

 




どうでしたか?
作者的には感想、意見などもらえるとありがたいです!


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駄弁る生徒会②

すいません遅れてしまいました………

平日より夏休みの方が忙しいってどういうこと………?

まあこんな作者ですが、よければ楽しんでいってください!


さっきこの生徒会室に入ってきた知弦先輩の説明をちょこっとしておこうか。

 

知弦先輩だけど、ロリで性格も幼い「うるさいわよ楓雪!」 ………もとい、全てが幼い「もっと悪くなってる!?」会長とは正反対の人間だ。

長身で、出るとこ出て締まるとこ締まって、更にサラサラの黒髪は、見惚れてしまうほどの大人の魅力を振りまいている。

まあとりあえず完璧な人、と言ってもいいだろう。

 

そしてさっき知弦先輩が読んだキー君、シン君、アカちゃんのことだけど、キー君は鍵先輩のこと。鍵→けん(かぎ)→キー君らしい。

 

そしてシン君は俺のこと。名前のどこにもシンと読むのはないはずだが、知弦先輩曰く、出会ったときのことが由来らしい。だが、俺には教えてくれないので今でも分からずじまい。

 

そしてアカちゃんは会長のこと。これも鍵先輩と同じで、くりむ→クリムゾン→真紅→アカちゃん。なのだが、俺にはわざわざ「アカちゃん」を付けたのではないか、と思える。

だってくりむ→クリムゾンなんて普通は思わないし、会長の容姿なら見た感じで付けた。でも通りそうだ。

だから俺は知弦先輩が「アカちゃん」になにかしらの思い入れがあると思っている。

でもプライベートなところなので、知弦先輩から話してくれるまでは聞かないように心がけている。

 

さてその知弦先輩なのだが、基本的に同級生は苗字で、下級生は名前で呼ぶ人だ。それだけに彼女にあだ名で呼ばれると光栄な気がするんだが、知弦先輩曰く、「別に友好度で区別しているわけじゃない」らしい。うん、女の人の気持ちは分からないな。

 

と、そう女の人の深層心理について考え終わったとこで我らがエロ魔人(鍵先輩)が口を開いた。

 

 

「いじめてなんかいませんよぉ。ただ、辱めていただけです」

「ある意味余計に悪質じゃない」

「大丈夫ですよ。同意の上でですから」

「嘘d「いやいや、そんな場面なかったですよね鍵先輩」えーーん私の台詞取られた〜」

 

なんか俺の前になんか入ったするけどまあいいや。目の前で会長が涙目になっているのも俺とは無関係だろう。

 

 

「しかし、今日はどうにも集まり悪いですね、俺のハーレム。ここ(生徒会室)に来ないと俺との愛を育めないというのに………」

「なにがハーレムy「キー君のハーレムじゃなくて生徒会ね。それとキー君との愛を育みたくないから来ないんじゃないかしら、むしろ」………また私の台詞取られたよぅ」

 

さすが知弦先輩! 会長に対してはSだな! 喋ってる途中で割って入るなんて普通出来ないぜ! ………え? さっきも同じようなことがあったって? ヤ、ヤダナーキノセイダヨ(棒)

 

 

「でも、知弦さんは俺との愛を育みに来てくれたわけですね!」

 

お、鍵先輩頑張って知弦先輩にくらいついてる。でも知弦先輩のことだしうまくかわすんだろうなー。

 

「…………。……あ、うん、そうね」

 

訂正。躱すより酷かった! というか鍵先輩相手にされてない! 宿題らしきものをカリカリしながら答えられている! これはやられてる側はかなりダメージ喰らうぞ………

 

「く……。しかしこういうクールキャラこそ、惚れたら激しいに違いない!」

 

え、まだやるの!? っていうかこういう時って大抵知弦先輩に強烈なカウンター食らわされてるだろ……。少しは学習しようよ、鍵先輩。

 

「あ、それは正解。私、小学校で、初恋の子に一日三百通『好きです』だけを羅列した手紙渡して、果ては精神崩壊まで追い込んだから。………そ、そんな子、どう思うかしら、シン君?」

え!? ここで俺に振るの!? 知弦先輩は頬を少し赤らめて俺に聞いてきた。

 

「えっ、ちょっ知弦さん!? そこは俺に振るとこじゃないですか!?」

「だってキー君に聞いてもロクな答えが帰ってこないじゃない。それならシン君に聞くのは普通のことでしょ?」

「あ、それは分かります。鍵先輩なら『体だけの関係を目指しますゲヘヘ』とか言いそうっすよね」

「あー、杉崎って大体そういうキャラよね」

「ひどいっすよ会長! そして楓雪! 俺はそんなゲスじゃないぞ!」

 

 

よし、これでなんとか話は逸らせたか。いくら知弦先輩でもこの空気からさっきの話に戻せないはず……

 

「で、シン君。どうなのかしら」

 

強引に話を戻されたぁ! え、この話ってそこまで重要な話じゃないよな? なんで知弦先輩はこんなに答えにくい質問を答えさせようとするの? Sなの? うんSだ救いがなかったああ!

でも答えないとな……せっかく知弦先輩がきいてくれているんだし。

 

「えーーとですね、正直言うと俺はその手紙をもらっていた奴が羨ましいです」

「へ?」

 

 

知弦先輩が唖然とした顔をしてこちらに顔を向けてきたけど関係ない!

そう思って俺は一気に畳み掛ける!

 

 

「だって知弦先輩みたいな綺麗な女性にそんなに思われていたってことですよね。だったら俺はめちゃくちゃ羨ましいですよ! ………まあ、ただもうちょっと手段は考えて欲しいかもですけど」

 

「「「…………………」」」

 

え、なんでここで無言? 俺、なんかおかしなことを言っただろうか………?

そう思い、周りの人の顔を見渡すと、

 

「………もう、今のは反則じゃない。不意打ちだなんて(ブツブツ)」

「………なんだろう、杉崎みたいなこと言ってるのに、杉崎のようなゲスさが感じられない!?(ブツブツ)」

「………俺の目指すハーレム王の見本って実は身近にいたんじゃないか………?(ブツブツ)」

 

 

なんかみなさん揃ってブツブツ言ってらっしゃった!? やべ、俺ほんとになんかみんなのトラウマとか地雷とか踏んだのか!?

 

俺がこのカオスな雰囲気をどうしようかなぁ、と思っていると…………

 

「おっくれましたー」

「す、すいません」

 

対照的な態度で美少女が二人、入ってきたのであった。

 

 

 




これから後書きの書き方を変えてみようと思います!

楓「作者は後書きをどうしたいんだよ………」
作「これから後書きで読者から募集した『テーマ』に沿った話し合いをしてもらいたいと思います!」
楓「『テーマ』?なんだそれは?」
作「やってみた方が早いな。例えば今回は……W杯!」
楓「W杯か……ちょっと残念だったよな……結局予選で負けちまったし」
作「を、話題の県議員風で!」
楓「えっ!? 無茶振りにも程があるだろ……」
作「さあ、どうぞ!」
楓「やらなくちゃいけないのか………じゃあ、ほんとに!命がけで!日本のために、戦ってきたんですぅ!」
作「と、いうわけでこんな感じで『テーマ』と、『◯風で!』っていう感じのを待ってます!」
楓「まあ、作者のためにも本当にお願いします!」
作「では、また次回にて! テーマ、◯風で、はどちらか片方でもいいのでよろしくお願いします!」




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駄弁る生徒会③

やっと夏休みが終わったぜーー!
地獄の遠征に試合やなんやらで普通の平日よりも忙しい毎日を送っておりました………
そのせいで投稿が遅れてしまい本当にすいません!
夏休みが終わったのでこれからはもう少し早く投稿できると思います!



では拙い文章ですが良ければどうぞ!


 

とりあえず、今入ってきた二人の美少女について紹介しておこうか。

 

先に少し乱暴に挨拶してきたのは椎名深夏さん。

鍵先輩と同じクラス。

スポーツ万能で、勉強もできる、知弦先輩とはまた違ったタイプの完璧人間。

よく部活の助っ人に行っており、俺のサッカー部にもよく来るので、この生徒会メンバーの中でも特に会うことの多い人だ。

 

次にその深夏さんの後に控えめに挨拶をしてきたのが椎名真冬ちゃん。

俺と同じクラス。

深夏さんの妹で、人見知りが激しく、男性恐怖症でもある。

変人が多い俺のクラスにおいて、性格だけは常識人なのでよく喋っている。ただし、腐女子でオタクで天然。腐女子でオタクで天然。大事なことなので二回言いました。

 

 

と、そんな風に二人のことについて紹介し終えたところで、会議に話を持っていこうと口を開こうとすると、

 

ガラガラッ!!

 

「悪い遅れた、お、まだ会議始まって無かったのか。良かった良かった」

「いやいやマツコウ先生、遅れてますって! 普通に遅刻ですから! いつもこんな感じですから!」

「あ、そうか悪いな。ちょっと生徒と話していたらこんな時間に」

 

今、遅れてこの生徒会室に入ってきたのがこの生徒会の顧問、松岡光一先生。みんなからは縮めてマツコウ先生と呼ばれている。

さてこの先生、一見すると真面目でいい先生に見えるのだが………

 

 

「ふむ、今日の名言は………ふむ、実に深い言葉じゃないか。よく考えたな、桜野」

「………え?あ、ありがとうございます先生」

「世間がつまらないんじゃない、自分がつまらなくなった、か。確かにそうだな。よく、上手くいかないことを周りの所為にする奴がいるが、それは大きな間違いだ。結局は自分に責任があり、周り、つまり『世間』は関係ないんだよ。つまり周りの所為にした時点で其奴はつまらない人間に成り下がるというわけだな」

「………え、ああ、そ、そうですね」

「だがな、桜野。………同時に世間も『つまらない』ものなんだよ。結局は自分自身がその人生をどれだけ謳歌したかで人生の価値は決まるんじゃないか?」

「そ、そうだと思います」

「そうか、いい返事だ」

 

 

今のやり取りから分かる通り、マツコウ先生は少し中二病? と言えばいいのだろうか、とにかく言葉を複雑な解釈したり、難しい言葉で伝えようとする。

しかし言っていることはすごく正しくて深いことなので俺たちは内心感銘を受けている。

 

ではこのやり取りで誰が一番ダメージを受けてるかと言うと………

 

 

「ちょっと、みんなは先生の言ってること分かったの………?(小声)」

 

 

そう、会長だ。会長の言葉は確かにいい言葉なのだが、その多くが他の本からとってきた言葉だったりする。つまり、会長の名言はほぼパクリで会長はその言葉の意味を知らずに使っている。

 

つまり何が言いたいのかというと、会長は名言について深く掘り下げられると絶対に負けてしまう、ってことだ。それもあって、会長はマツコウ先生のことを少し苦手としている。

 

っていうか先生の捉え方間違ってるし。これは初めての方が良かった事みないな感じじゃないの?先生複雑に捉え過ぎてない?

 

 

と、まあそんなふうに心の中で愚痴をこぼしたところで、漫才を繰り広げている深夏さんたちの方へと顔を向けた。

 

「ヤキモチじゃねーって!」

「おお!遂に以心伝心まで! ゴールインは近い!」

「怖いよもう! なんかお前怖いよ! 思い込みの激しさが怖すぎるよ!」

「思い込み? ………仕方ない。そういうことにしておいてあげるよ。照れ屋さん♪」

「こ、殺したい……」

 

 

え、これはどんな会話の流れからこんな展開になったんだ!? いや、いつも通りと言えばそうなんだけど! なんか自分のいないところで話が進んでると釈然としないものがあるな。………というか殺したいって、いいのか教師……って本を読んでやがる! いや、この生徒会への対応としては合ってるけども! もっと仕事しようよ!

 

 

「ううん、ハーレム万歳。いつ見てもいいねえ、この光景。一人いらないものが混ざってるけど、頑張って生徒会入って本当に良かったなあ」

 

こら、誰がいらないものか。失礼な。

 

「キー君もシン君も《優良枠》で入って来たんだっけ。ーーーーシン君はともかく、キー君はとてもそうは見えないのに」

「そうだよなー。鍵はどう見てもただの色ボケ男だよなー」

 

周りを見渡すと、知弦先輩と深夏さんが言ったことに真冬ちゃんは苦笑していた。

 

 

「散々言ってきたことだけど、やっぱりこの学校の生徒会役員選抜基準はおかしいわよっ! 人気投票からしておかしいけど、《優良枠》にしても、成績だけじゃなくてメンタル面まで評価に加えるべきだわっ!」

「俺はこのシステム、最高だと思いますけどね」

 

会長の何時もの文句にいつも通りの言葉を鍵先輩が返す。

まあ、さっき会長が言ったとおり、生徒会役員の選抜はとても変わっている。

まず、基本的には純然たる《人気投票》で生徒会メンバーを決める。ただしこれは、ほぼ必ず容姿で、可愛い女子に決まってしまう。つまり、ぶっちゃけただのミスコンだ。

綺麗な女性っていうのは、男子女子共通の憧れみたいなところがある。美男子は、往々にして男子からの反感を買うしな。

でも、いつの時代にもイレギュラーはあるもので……………

 

 

「というかあたしは何で楓雪が《人気投票》での生徒会入りを辞退したのが分からない。せっかく一位だったんだからさ」

 

 

そう、今年の人気投票一位ーーーーつまり本来の会長職は、俺が務めるはずだったのだ。

 

 

 

 






作「やっぱり後書きを少し変えようと思うんだよねー」
楓「なんだよ藪から棒に」
作「ほら、前まではテーマ+○○風で! っていうのだっただろ」
楓「そうだな。でも一通も来なかったんだよな」
作「そうなんだよ……。だから次からはテーマだけでそのテーマに沿ってフリートークをしてもらおうと思います!」
楓「おお、また思い切ったな」
作「というわけで、感想、評価、テーマをどしどし送って来てください〜!」
楓「こんな作者だけどこれからもよろしくしてやってくれ」




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