若いきつねと三十路のたぬき (負けた社畜)
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若いきつねと年越しうどん

 

 

気づけば12/31。世は年末。歌合戦だってもうすぐ佳境だ。

雪の降らない地方でも今年は酷く寒く、コートのポケットに突っ込んだはずの手も先の方から(かじか)んでいく。

 

やれ高速道路は渋滞だの、新幹線は混雑のピークだの、そんなもの知ったこっちゃない。

 

家族を連れて帰省したクソ上司(ハゲ)の仕事にミスが発見されたのが12/30。なんと今年中に必着しなければならないタスクを見事に爆破しやがった。

 

どんなにコールしても出やがらない上司(ハゲ)のせいで、修正箇所の確認もできず、今年のデータを全てひっくり返し、ようやく直せたのは12/31夕方。

もう通勤電車すら休日ダイヤだってのに、出社して他部署に頭を下げて回り、ようやく解放されたのは日もどっぷり暮れた頃だった。

 

暦通り師走月は多忙を極め、あちこち走り回ったのに最後の最後にこの仕打ちかよ。自分を慰める時間すらもなく、溜まりに溜まったモノが暴発寸前でなんとか留まっていた。

ぶっちゃけ、説教された他部署のバリキャリ女の黒ストッキングで危うく前屈みになりかけた。危険が危ない。

 

終わり良ければ全て良し、裏を返せば、終わりダメなら全部ダメ。

 

『世界は誰かの仕事で回ってる』

 

その通りだよクソったれ。世界の方は回してる誰かの事なんか全く気にしてないけどな。

 

 

「そういや、何も食うもんねぇな…………」

 

駅前の遅くまでやってるはずのラーメン屋ですらシャッターが下ろされ、同じような境遇の同士達は表情を無くして夜闇に消えて行く。

 

冷蔵庫は驚きの在庫処分を達成。ゼロカーボンで実にサスティナブルだ。

このままでは年始から野垂れ死に確定。帰り道のコンビニだって大したものは残ってないだろうが、カップ麺の1つぐらいあるはずだと、家へ向かう足を少しだけ差し向けた。

 

 

 

 

赤いパッケージのうどんと緑のパッケージの蕎麦が1つずつ。どちらもラスト1個の残り物を確保して帰宅した。

 

カップうどんを食べたら狐耳美女が現れるCMがあったな。今、俺の前であんな事が起きたなら3秒でブチ犯す自信がある。このひと月で溜まりまくり発散できなかった欲望は、怒髪天を衝く程にそそり立つだろう。

 

何はともあれこれでメシにありつける。

年越し蕎麦をいただくつもりが、間違えてうどんの方を開封してしまったが結局俺の腹に収まる未来は変わらない。誤差だ誤差。

 

ポットからお湯を注いで待つ事5分。

蓋を上げてダシを放り込んで、麺をかき混ぜひと口啜る。1Kの部屋に芳醇な香りが充満していった。

 

 

「アタシにもちょうだいおじさぁ~ん♡」

 

 

は?

 

頭の上から突如浴びせられた甘ったるい声。その声に驚いて顔を跳ね上げるとニンマリとやらしい笑顔を浮かべた女がいた。

 

……いや、女と言うには余りに若い。若いというか幼い。

この世のものとは思えないほど整った容姿ではあるが、まだまだ幼さ残る女子(ガキ)と言える顔立ち。ツリ目気味の形容し難い紅の瞳。

肩よりも下まで伸びた金色の髪は襟足だけ茶色で頭頂部にはピンと立った三角形の狐のような耳が躍る。

少しダブついた緩めのワンピースから伸びる手足は白磁の肌が眩しく、鎖骨の窪みが綺麗な形の影を浮かび上がらせていた。

 

「ほぉ~ら♡そのお揚げ!ちょうだい♡」

 

ローテーブルの反対側から身を乗り出し、んあっ♡と口を開けて待つガキ。

しっぽが機嫌良さそうにぽふんぽふんと左右に振れる。

 

糸ひく赤い舌が艶めかしく蠢き、綺麗な歯列と尖った八重歯……と言うには少し長い牙がちらりと覗いた。

胸元が緩めのワンピースは重力にひかれて垂れ下がり、もう少しで(なだ)らかな丘の頂上が見えそうだ。あざとい。

 

その光景に神経(股ぐら)が苛立つ。しかし今は目の前のうどんが伸びる前に食べきらねばならない。

 

「は?やらんわ。メインをあげたらうどんしか残らねーじゃんか」

「えー!ケチ!」

 

頭の上の耳が激しく動き、しっぽがびたんびたん床を叩いて怒りを露わにする。頬を膨らませる仕草もその容姿のおかげで蠱惑的(こわくてき)に見える。だが、聖人君子のような俺でも、きつねうどんのきつねたる部分は渡せない。それではただのかけうどんになってしまうじゃないか。

 

「てか、お前なんなの?」

「えー?見て分かんない?きつねだよ♡ き・つ・ね♡」

 

疲れてんだな……俺………。

遂に上司(ハゲ)に対する怒りで幻覚でも見てしまったのか?

それとも内なる欲望が脳に作用してしまっているのか?

 

目を擦っても一向に目の前のきつね(ガキ)は消える様子がない。

いや、内なる欲望が狐耳しっぽ少女とかシャレにならなくね?

 

「というかさぁ~♡おじさん彼女とか居ないの~?まぁ~年末に会社へ呼び出されちゃうよわよわ(クソザコ)おじさんに居るわけないかぁ~♡敗北者(ざぁ~こ)♡」

 

ハァ……ハァ……敗北者(ザコ)…?

 

「年の瀬なのにぃ、ひとり寂し~くシコるしかない年齢=彼女いない歴(どうてい)のおじさんにぃ、おててだけ貸してあげようか~?アハッ♡」

 

取り消せよ………!!今の言葉……!!

 

「しょうがないな~♡ほ~ら♡ラストワン賞だよ?敗北者(クソザコ)おじさん♡」

 

そう言って目の前のきつね(ガキ)は膝立ちになり、ワンピースの裾を捲っていく。焦れったい程にゆっくりと。ふざけた程に熱っぽく。細く小さな指がスルスルと肌を滑ってゆき、遂には妖しい場所まで到達した。

 

俺の視線は縫い付けられたように、露わになっていく白い太腿から外せない。ほっそりとしているのに指が滑った箇所は柔らかそうに(たわ)み、しかし弾力を内包していてふわりと元の弧を描く。

 

「……♡」

 

にんまりときつね(ガキ)の頬が吊り上がり、持ち上げられたワンピースは遂にその下を遮らなくなった。

 

腰骨辺りで結ばれたリボンのようなヒモ。目に鮮やかな真紅のローライズショーツの、余りに心許なさすぎる面積。

下腹部を全く覆っておらず、鼠径部は(わだち)に沿って隙間に影を落としていて、シミ一つない白い肌と真紅の下着の暴力的な色の対比がガツンと俺の脳内を殴りつけた。

 

ぎしりとズボンのファスナーが(きし)む。

自分でも気づかぬうちに腰裏から芯を打ち込まれた怒張が、目の前の布地を邪魔だと言わんばかりに突き破ろうとしていて、厚い布地に押さえ付けられて痛みが走った。

 

「はい!しゅ~りょ~♡サ終だよ♡あとは1人で頑張ってね♡敗北者(クソザコ)おじさん♡」

 

きつね(ガキ)がワンピースの裾を離し、布地はふわりと真紅を隠した。イジる獲物を見つけたように細められた目が歪んだ表情の中で爛々と輝く。

 

「ふ~ん♡こんな女の子の体で欲情しちゃうんだぁ~?変態(ロリコン)♡クソザコの上にロリコンとか救いようがないねぇおじさん♡」

 

いい加減ムカッ腹が立ってきた……!

上司(ハゲ)の尻拭いをさせられた挙句、年末年の瀬に他部署から突き上げをくらい、ようやく帰ってきたらなんでこんなきつね(ガキ)に煽られなければならないのか。

 

揚げを腹に沈めうどんをかき込む。熱いうどんが喉を通って腹に収まると、熱がじんわりと全身に巡り始めた。

その熱が更に腰裏から打ち込まれ、下半身に熱が集中していく。

うどんのつゆまで飲み干し、空容器をゴミ箱に投げる。ついでに理性も倫理も一緒にゴミ箱へシュート。

 

一人寂しくシコり散らかす予定だった。しかし今、目の前に最高の女体(オナホ)があるじゃないか。

 

「なに?おじさ…きゃんっ!?」

 

彼女の腕を握って、そのまま後ろのベッドへ組み伏せた。掌から伝わってくるひどく柔い感触が尚更興奮を促進させ、痕が残りそうなほど力が篭もる。

 

「お前さぁ……散々人の事煽ったんだから覚悟できてんだろうな?」

 

こうして密着するときつね(ガキ)の美少女具合がよく分かる。

 

そこらではお目にかかれないレベルの肌の透明感。ほんのり桃色に色づいた肌に薄く透ける血管がそこにいる事を強く認識させ、生暖かい吐息がかかる。

その金糸のような髪から甘い香りがして、残っていた理性がガリガリと削られた。

 

「うわぁ……!ホントに手ぇ出しちゃうんだ♡おじさんマジモンのロリコンじゃん!今離してくれたらまだ許してあげ……んむっ!?」

 

生意気な言葉を紡ぐ口を塞ぐ。唇に伝わってくる蕩け落ちそうな柔らかさ、瑞々しさ。溶け落ちそうな熱。

 

「んんっ!?ンッ……ぷぁっ!おじさんやめっ……!あむっ……!!はっ……」

 

きつね(ガキ)の唇を舌で割開き、彼女の口内で舌を捕まえる。そのまま歯茎の裏側をなぞりながら、上顎の神経が集まった箇所を蹂躙して唾液を流し込んだ。

 

そういえば狐は耳が敏感なのだろうか?

エッッッな薄い本では、猫耳を生やした娘が耳を弄られ、ぞくぞくとした感触に顔を蕩けさせる描写があった。同じように頭頂部に耳がある狐はどうなのか?

 

目の前に実物があるのだからやってみる他あるまい。

 

きつねの細っこい両腕を左手だけで押さえ付け、彼女の口腔内を蹂躙しながら右手で頭頂部の耳をゆっくりとなぞってみる。

 

「はぅっ!!?ぇあっ……♡んんっんっっ♡!れっるぅ゛♡……ンンッッ!ッッ!!ぁむぁぁっ♡」

 

耳を撫で始めた途端びくりと体が跳ね、足にピンッと力が入ったと思うと、くたっと脱力した。

口腔内を蹂躙する俺の舌を押し返そうと、抵抗していた彼女の舌もだらりと溶ける。その隙を逃さず更に唾液を載せて絡め取り、ザラついた表面を撫で下ろす。

 

当然、耳への刺激も手を緩めない。輪郭をなぞり、根元から先端へつまみながら手を移動させたり根元をぐりぐりと揉み込んでみる。

両腕を捉えられ動けない彼女は、抵抗のつもりなのか体に力を込めたり、(よじ)るものの少し体重をかければ簡単に押さえ込めてしまう。成人男性と少女の体格差じゃ、こうなってしまったら逆転不可能だ。

 

ぐちゃぐちゃと彼女の口の中でかき混ぜられた唾液が、口元からつうと頬をつたい落ちる。(こぼ)れてしまったものは更に注げばいい。彼女の耳を刺激しながら、舌を絡める。

 

「あ♡゛ぁん…!む…っ…ンンッ!ン…ッ…れぅ…っ!おっじさ…んん゛っもおう♡っや゛!め…っ!て…っぇ゛ふうんっ゛」

 

彼女の口内をかき混ぜ始めてから、気づけば時計が十数分ほど進んでいた。息苦しさを感じ、顔を離すと俺と彼女の舌の間に太い銀の橋が架かる。

 

力の入らない彼女の赤い舌は支えを失くし、でろっ♡と口元に溶け落ちた。酸欠気味なのか「は…あ゛ー…!はっー……♡」と深く息を吸い、目の焦点が合っていない。

 

深く息を吸い、上下する胸に目がいく。

さらさらとした薄手の生地のワンピースに包まれた身体。(なだ)らかだと思っていた双丘の、その頂点。確かな膨らみが生地を押し上げた頂点が見て取れるほどに(とが)っていた。

つまり、散々っぱら人の事をおじさんだの敗北者(クソザコ)だの変態(ロリコン)だの煽っていたこの女狐は、たかだかキスにやられて乳首がワンピースにぽっちりと浮き上がるぐらいビンビンに勃起させてやがるのだ。

 

最高に股間がイラついた。今すぐ鞘から抜き放ち、精をぶち撒けてやりたい。

 

しかし、こんなイキリ散らした乳首が声高らかに存在を主張していて、しかもこの(とが)り方を見るに、傾らかな丘にはアンバランスとも言える太い乳首が想像できた。

両手を捕まえていた左手を離し、今度はズボンを留めていたベルトで縛る。まだ意識が霞掛かっているのか惚けた彼女はなされるがまま、脇を晒す姿勢で拘束できてしまった。

 

緩いワンピースの胸元をズリ下げると、薄い体よろしく膨らみかけといったサイズの胸が露わになった。しかしその淡い桜色の頂点は、興奮で多量の血が送り込まれているのか、真っ赤に腫れあがっている。

 

──なれば、こちらを弄らねば無作法というもの。

 

自由になった両手で、脇の溝を指先で触れるか触れないか程度の、ゆっくりとギリギリのフェザータッチをする。

 

「お♡じぃさ……ん…゛は……ぁ…♡何して♡…っる♡♡の…は♡ぁ…っや…めッあ……あぁ…!いッ…♡」

 

どうやら刺激によって意識が多少は回復したらしいが、今更身を捩ってももう遅い。脇の溝から、双丘の輪郭へゆっくりと指を這わせていく。じわじわと侵食するように。快感の逃げ道を塞ぐように。

 

「あっっっ゛あ♡♡あっだめ♡っだ…め…♡!おっっ…ぱい゛♡!だ…め♡!ゆびぃ…♡のぼっ…てこ…っな…いでっ♡!」

 

やわやわと指で丘を(たわ)ませながら頂へ近づいてゆく。彼女の薄い体でも、しっかりと肉の詰まった柔らかな押し返してくる弾力は、いつまでも触っていたいと思えるほどに贅沢だ。

しかしまだ、その全てが詰まった尖端には触れてない。

 

じわじわと焦れったいほどに、されど確実に追い詰める。

彼女の腰が小刻みに跳ね、いやいやと首を振り、背筋を登ってくる快感を必死に逃そうと太腿をもじもじと擦り合わせるが───

 

 

「目を離すな」

 

 

耳元で囁かれたきつねは、おそるおそる自分の双丘を触れずに舞う手を見る。ゆっくりと輪郭をなぞるように優しく体温を伝えてくる手。伝えられた体温が柔肌からじくじくと奥にくい込んで来て、痛いぐらいに威張りくさった乳首。

筋張って、ゴツゴツとした硬さを感じる男の手。長い指。

 

その指が、遂に乳首を捉えにかかる。きつねは自身の背筋を上ってくるだろう快感に構えて身を硬くした。

 

男の指が乳首を捕まえ────ない

 

「えっ…♡…♡゛」

 

空を切るように、人差し指と親指が空中で合わせられ離れていく。なっ、なんで……!?

今度は人差し指と中指が伸ばされた状態で近づいてくる。(はじ)くつもりだ……♡期待した体は勝手に胸を張り、きつねの意思に反して指を迎えに行く。

 

男の指が乳首を(はじ)───かない

 

「なっ…なんで……ぇっ…!?」

 

いつの間にかきつねはその感触を待ちわびていた。

摘み上げられるのか、それとも撫で潰されるのか、もしくは弾き遊ばれるのか。いずれにしろ強く脳に火花が散るような快感を得られるはず。

散々口の中をイジメられ酸素を満足に回してもらえず、じくじくと腫れ上がった頂を、そこだけ触れられず焦らされたことできつねの思考回路は多量の期待に焼き付き始めた。

そして全身を(さいな)んだ熱は下腹の奥に集い始め、ずくんずくんと脈を打ち出す。太腿を擦り合わせることで熱の放出を試みるが、刻み込まれる熱量の方が遥かに多く、全くもって焼け石に水。

 

欲しい。

 

──欲しくてたまらない。

 

お願い。

 

──お願いします。

 

 

─────乳首イジめて……♡

 

 

ぞくりと頭に快感が叩き込まれた。何が起きたのか思考が上手く処理できない。男が自身に覆いかぶさり、頭の中に直接ぐちゅぐちゅという水音が響く。

 

「あっ───」

 

耳だ。

 

耳の中に生温かい何かが侵入していた。それが耳穴の中でのたうち、先端がぞりぞりと耳の中の(ひだ)をこ()ぐ。

 

舌だ。

 

そう理解した時には遅く、直接脳内に熱さがくい込み始めた。電気信号が過剰な刺激をバチバチと伝えてきて大慌てで脳が処理しようとする。

 

そうこうしている内にも男の舌はより深くまで入ってきて、勢いに乗った電気信号は全身を巡ってきつねの身体をびくんと跳ねさせた。

1度、2度と背が反って腰が跳ね、しっぽは毛を逆立たせて、足は行き場のない信号を逃す為にピンッと伸びては弛緩する。狂ったように疼きを伝える下腹の奥から熱が遅れて全身に回される。

身体の制御がまるでできず、脳は更に混乱していく。思考回路は焼き付いてとっくに動かない。ただただ快感を受け止めるだけの処理を繰り返していた。

 

勝手に身体は高みへ登っていく。キスの際に耳を弄られて甘イキしたレベルとは段違いに。

 

深い深い底に意識は追い詰められていく。次に何かの刺激を与えられたら、もうどうなってしまうか分からないぐらいに。

 

 

 

 

───ぎゅっ

 

 

 

 

「……あっ゛」

 

許容範囲を遥かに超えた刺激が、一気に背筋を駆け上がり脳に直撃した。バチバチと音を立てて思考回路はショートする。何が起きたのかきつねが理解する前に全身を巡った電気信号が身体中に火をつけ、下腹に集まっていた熱がはじけ飛んだ。

 

「ッ~!………かはッ゛……っ~!………………!!ああ゛っ♡あぁあ゛!!!あ♡ヒュッ……あ゛っ!!!あ♡…あっ♡!!!!」

 

呼吸ができない。まるで肺を握られた様に息を吸うことができず、酸素の足りない脳が火花を散らして絶頂した。

筋肉は電気信号のせいで緊張を強いられ、背筋はまるでエビのように反ったまま戻すことが出来ない。

縛り上げられた両腕は何もすることができず藻掻くのみ。はじけ飛んだ熱を逃がそうと、下腹は必死に波打って痙攣する。

 

きつねがぼやける視線を向けた先では、男の筋張った指が乳首を摘み上げていた。

 

 

 

「あ…♡ぁ゛!ああ゛っ♡…♡おひっ♡!さんっ!ああ…あッイッくうぅ゛!!♡らっ~♡め゛!…ひくびぃッ♡!~♡!あ゛♡♡っ♡…♡!あっ…!んん♡おぉ゛!ヒュッ…♡♡゛まらっ!!まらイッちゃ……!?♡あっーーー!!!♡♡♡」

 

摘む。グミを捏ねるようにほんの少し力を込めてコネコネと、指先に伝わる粒の感触を楽しんで。きつね(ガキ)はイッた。

 

弾く。指先を引っかけてカリカリと、輪ゴムが反射して戻ってくるのを待つように何度も繰り返す。きつね(ガキ)はイッた。

 

潰す。肉の中に押し込むようにぐりぐりと、指先で混ぜ込みながら。唾液をまぶし、滑りを良くしてぷりんぷりんと逃げる乳首を追い詰めるのが面白い。きつね(ガキ)はイッた。

 

指先1つで何度も何度も絶頂するきつね(ガキ)

既に目の焦点は合わず、だらりと垂れた舌をしまうことも忘れ、与えられた刺激に対して喉奥から嬌声が漏れるのみ。乳首を刺激すると思い出したかのように身体が跳ねて痙攣する。

 

もう十分だろう。

 

いい加減こちらも限界を極めていた。

きつね(ガキ)の嬌声にイラついた股座はもう隆起したまま小一時間は戻っていない。血液が巡りすぎて痛みすら感じる。

ぶら下がったタンクは溜まりに溜まった1ヶ月分の肉欲と、目の前の獲物(オナホ)から発せられる発情しきった匂いで、そこに心臓があるかの如くどくんどくんと脈打っていた。

みっちりと詰まった種を更にぎゅうぎゅうに押し込んで新しく種を詰め込んでいく。

 

きつね(ガキ)のワンピースを捲り上げる。熱に浮かされた白磁の肌は桃色に色づき、時たま内ももに筋が浮かび上がるとぴくんッと痙攣しては脱力した。

さらにたくし上げると綺麗に刻まれた臍が露わになる。薄い肉付きのクセしてしっかりとくびれており、下腹は緩やかに弧を描く。

 

 

……その中心、さきほど彼女自身に見せつけられた真紅のローライズショーツは身を捩ったが為に紐が解けかけていた。守るという役割として、あまりにも役不足としか思えないそれ。

 

それは奥から分泌されたであろう蜜を吸いきれず、形を浮かび上がらせるほどに貼り付き変わり果てた色になっていた。目に鮮やかだった真紅は液をぶちまけられたが如く黒く染まり、収めきれなくなった蜜が内腿を滴り落ちている。

 

「お♡゛っっ…!…♡…………♡!♡?……♡…♡」

 

指先で中心の割れ目を押し込んでみる。ぐじゅっという音と感触。指の形に添ってへこんだその脇から蜜が溢れ出た。どれだけ蜜を溜め込んでいるのか分からないぐらいにふやけた布地の下に硬い豆のような感触がある。

見つけてしまったら触ってみたくなるのが(さが)だろう。指先で引っ掛けてその硬い豆のようなものをピンッと上に弾く。

 

「おぉ♡…!っ♡ほ…お♡ぉっォ…♡ッ…♡ッ?………んぅ゛!?…♡……!?♡♡」

 

腰がびぐんっと跳ね上がり、どぷっ♡と布地の奥から追うように蜜が噴き出る。どこもかしこもこんなに敏感でいいのかよ。

 

ローライズショーツの紐を解き両サイドから引っ張ると、蜜で貼り付いたクロッチ部が、ぬぱっ♡と糸を引いて剥がれた。いろんな液体を吸い過ぎて、重たくなったショーツを離すとべちゃりと音を立てて床に沈むそれ。

そしてそれはきつね(ガキ)の最後の防御が無くなった証だ。いくらなんでも防御力が薄すぎるだろ……。

 

守りも何も無くなった秘所。産毛すらなく艶やかな肌がぷにっとした柔肉を蓄え、ぴっちりと閉じていたであろう一本筋は吹き出した蜜や汁でとろとろになってしまっていた。

興奮によって真っ赤に充血した肉芽が、自ら皮を脱ぎかけて半分頭を出しかけていて、苛めたくなる衝動が沸き上がる。

 

手を添えて足を開かせると内股に筋のすじが浮かびあがり、引っ張られた秘裂が僅かに口を開く。ひくりひくりと、何かを求めるようにヒクつく紅い膣口から玉のようになった蜜が新しく溢れ、こぷっと垂れた。

 

 

 

頭がボーッとして思考が働かない。触られてないのに、気持ちいい感覚が出ていかない。

 

消えない。

 

腕は縛られているのか動かせないし、体にまるで力が入らない。なのに乳首や股の肉芽はじくじくと痛みにも似た疼きを伝えてくる。その疼きが下腹の奥で渦巻いて、もう気持ちいいの嫌なのに、イキたくないのに、うずうずして止まらない。

 

「止まるわけねぇだろ……!!こんなの!」

 

男が立ち上がってズボンとパンツを引き下ろす。一度パンツに引っ掛かってぐんっと下に押し下げられた肉の槍が勢いをつけて解放された。

 

「あっ…え……?」

 

飛び出した肉の槍はぶるんと反り返ると、バチンと腹を打ち天を衝くような角度で上を向いた。肉の槍と形容していいのか迷うような代物。凶槍とでも言った方がいいだろうか。

 

膣奥まで届くとかそういうレベルじゃない……あれじゃ最奥まで串刺しだ……!太さだってきつねが指で輪を作った程度じゃ絶対に届かない…!

あまりに流れ込む血流が多いのか、血管は一本一本が太く浮き上がりびっしりと幹に巻き付いていて、極めつけは力強く流れる血で赤黒く変色した先端と傘のように張ったエグすぎるカリ首。

 

こ、これヤバい……!こんなの絶対に女の人をぶっ壊すオスちんぽだ……!!奥までズドン、抜く時はカリ首がゾリゾリ膣内を引っ掻いて、確実に奥の奥までぐちゃまぜにされて……種付け(わから)される……♡

 

「おぉ゛、おじしゃん…っ…♡…!こんな゛ので…女の子…を、犯すの…♡!?……強…姦魔…にな…っちゃうよっ♡!?」

 

なんとか絞り出した声で男に抗議するきつね。だが、自分が思っていたよりもずっと蕩けた声しか出ず、火のついた男にはむしろ燃料を注ぎ込む結果にしかならない。

 

「……上等」

 

男がベッドに乗ってくる。ギギギッとスプリングが軋んで重みでマットレスが沈み込み、身を揺らして近づいてくる。この体格差じゃ組み伏せられれば絶対に逃げられない。

それがまるで処刑宣告のようで……下腹の奥が、子宮が待ち望むようにきゅん♡と引き攣る。

 

ゆっくりと身を揺らした男が、狙い済ましたように腰を落とした。

力の入らない太腿が男の手によって割開かれる。無防備になった秘裂、その膣口に凶槍が合わせられた。

 

「ん…ん♡ん………っ゛んっ…ん…♡ん…んあっ♡だめっ…!おじさぁんっ……!♡」

「お前……その顔は反則だろ………!」

 

男の腰に体重が込められ、赤黒い先端が真っ赤に充血した膣口を割り開く。

 

「あ…!ああぁ゛あっぁ!あ♡あ……あ…ぁ…ああぁぁ゛ぁっあ♡!あぁ゛っ♡!」

 

散々キスと耳穴でふやかされ、乳首を散々イジメられ、あれだけ蜜をこぼしてぐずぐずに解れたはずの膣穴は、みっちりと肉襞(ひだ)が詰まっていて男の凶槍を必死に押し返した。

 

「だめ♡だあめっだぁぁ゛っめ゛♡だ゛め♡!ああっ♡゛あ…ぁ!ああ♡だめっ゛ーー♡♡!!」

 

しかしきつねの必死の抵抗も虚しく、男の体重を乗せて突き出されたモノは潤滑蜜でいっぱいの膣奥まで容易に埋まってしまった。

せっせと押し返すように、肉襞が一生懸命絡みついて締め付けるもそれはただ男を刺激して昂らせるのみ。それでもまだ根元までの長さを余した凶槍はきつねの中でどぐどぐと脈打つ。

 

太さが馴染むのを待つように、男は挿入しただけで腰を動かさない。

 

「はあぁ♡ー…はぁー♡…!あ゛ぁあ……?おじいさぁ゛んっ?動……かな…♡いぃのぉ?それ…とも動……けな……い♡♡?の…♡かな?ぁ…?♡」

膣内(なか)が慣れるまで待った方が吸い付くようになるんだと……さ!」

 

ズンッ♡

 

「ほ゛…ぉ♡゛……!?」

 

きつねの目の前に星が散る。衝撃に思考が吹き飛ばされ、何が起きたのか理解する前に、最奥まで打ち込まれた凶槍が膣内を引っ掻きながら抜き出された。

 

ずろろろろろろっ♡♡♡

 

「んん゛っおぉおぉ♡おぉお……♡゛!おぉぉお゛っっ…゛!」

 

ぶつかった肉と肉の間に何本も糸が引かれ、蜜にまみれた肉槍がギリギリまで引き抜かれる。ギラついた肉欲のままに、男の腰は再び打ち込まれた。

二度、三度、四度……幾度も水音の混じった肉と肉のぶつかる音と、それに合わせて発せられるきつねのトロトロにとろけた声が部屋中に響く。

凶槍の長すぎるストロークとエグいカリ首によって、膣奥と子宮が分泌した蜜は穴全体に塗り広げられ、結合部から泡立った収まりきらない蜜がごぷごぷと溢れ出る。

 

ばちゅん♡ごちゅっ♡ばちゅん♡ばちゅ♡ずちゅ♡ばちゅっ♡

 

「あ…ぁ♡…あ♡ぁ…!あ………♡ぁあぁあん…♡ぁっあ……ぁ…♡゛!あぉっ!?…ぁぁぁあ♡♡ぁ…♡!」

 

 

 

突き入れる時はみっちりと詰まった肉襞がぎゅうぎゅうと締め付けながら押し返してきて、引き抜く時はカリ首に幾重もの肉ヒダが縋り付いて抱き締めてくる。

摩擦と欲望で熱せられたきつね(ガキ)の体温で、まるでチンポだけ溶けてるんじゃないかと思わせるほど、強烈な心地良さが背を駆け上ってくる。名器という以外の言葉が思い浮かばない膣穴。

 

蜜に(まみ)れた膣内はどんどん抵抗が薄くなってきて、もう絶頂が近いのか小刻みに痙攣するような動きが含まれだした。

 

きつね(ガキ)の顔を見てみるとツリ目がちだった真紅の瞳は涙に濡れて焦点が合っておらず、口元から赤い舌がだらりと垂れ下がっていた。

しかし口元は吊り上がって笑みを浮かべ、オスを誘い精を搾る淫魔が如きトロ顔を晒す。

 

そんなの、女の子がしていい顔じゃないだろ……!

 

(イキ)り立った分身が、燃料を更に追加でぶち込まれたように脈打ち硬度を増す。釘が打ててしまいそうな程に硬くなったそれできつね(ガキ)の大切な部屋をこじ開けるように何度も殴打(ノック)した。

 

「おっお゛っ゛♡!ひぃっ♡も゛っぉ!う♡♡っむっ!りぃっ!むっぅり♡むり♡イッ゛ィッ!く゛イッ♡!くうイッック♡♡!ィッッく!」

 

きつね(ガキ)の全身ががくがくと震えだし、膣内の小刻みな痙攣がどんどんと大きくなってきた。いやいやと首を振るが身動きの取れない彼女の快楽を逃す場はなく追い詰められていく。

 

──もうとどめを刺すか

 

「れるぅ!?♡」

 

ダラりと口元から下がっていた舌を絡め取り、舌先だけで粘膜を混ぜ合わせる。べちょりと音がするが構わずに甘露を啜った。

 

それと同時、未だに存在を主張し続けていたなだらかな丘の頂、真っ赤に充血してピンと勃起していた乳首を両方とも強めに力を込めて捏ね上げる。

 

がくがくとうねっていた膣内が狂ったように痙攣しはじめ、強烈に肉槍を締め付けてきた。

 

「あっ゛!ああ!ああ♡♡あぁ!あぁぁあああ゛っあぁ゛ぁあぁぁっ゛!あ♡゛あっ゛゛あ゛♡ー♡♡!ーーーー♡♡♡!!!♡!♡♡!!」

 

ひときわ甲高い叫びのような嬌声が彼女の喉から発せられ、膣内の痙攣が全身へと行き渡った。

特に下腹は激しく荒波のように波打ち、背筋は仰け反ったまま戻ってこられない。足も爪先まで一直線に伸び切り、しっぽも毛が逆立って二倍ぐらいの太さになり暴れ回る。

 

肉槍と膣口の結合部からはどぷっどぷっと蜜が吹き出し、何の液体だか分からなくなるほどに泡立っていた。その光景にチンポのイラつきが収まらない。

 

 

男はまだ煮えたぎった欲望を解き放てていない。

 

あまりに敏感で全身性感帯のよわよわ過ぎるきつね(ガキ)が煽るだけ煽り立て、自分だけ先にイキ散らかすせいで、男の興奮の臨界を突破して勃起した肉槍があまりにも硬度を増しすぎた。

 

更にザーメンタンクは1ヶ月分の鬱憤と欲望が溜まって煮凝りが詰まりかけていたのに、目の前のメスを絶対に孕ませると新しく種を増産して、皺皮がパツパツになるぐらい肥大してしまっていた。

必死に玉が精を押し出そうとするが、液と呼べるのか怪しいほどのどろついた塊が精管でへばりつき余計に量が増していく。

 

まだびくびくと全身を震わせるきつね(ガキ)

こちらはまだ射精()していないのだ。射精()したい。この肉穴の奥の奥にぶち撒けてやりたい。

 

彼女の細っこい腰を掴み少し持ち上げる。カリ首に肉襞がよく絡むような角度にして、きつね(ガキ)の中から肉槍をギリギリまで引き抜いた。

 

「のお゛ぉ!おおお!おっ゛!おぉ゛!お♡゛っおお♡゛」

 

肉槍の先端が溶けたんじゃないかと思うほどの鋭い刺激が腰からこみ上がってきた。その刺激は身に余るもので足先がびくりとひきつってしまう。

 

「やっっめぇへぇっ♡♡!ま…っら…♡イ゛ッ……♡てっる…!の゛…♡!!」

「俺はイッてねえんだよ……!!」

 

普段から抑圧され重ね重ねに降り積もった鬱憤と、溜まりに溜まった欲望で腰のオラつきが止まらない。突く角度を変えた肉槍はきつねのポルチオスポットをドツいて抉っては、引き抜くカリ首でGスポットをガリガリと引っ掻き回す。

 

絶頂真っ只中だった敏感なきつねがそんなピストンをされてしまっては、体がバグってしまう。強烈で力強すぎる許容量を遥かに超えた快感が背筋を貫いてきつねの脳に直撃、絶頂しては戻ってくる前にまた絶頂して上書きされる。

 

────イッた♡

 

────またイく♡

 

────止まらない♡

────またイく♡

────イッ♡

────あっ♡

 

強すぎるオスに何度も何度も何度も絶頂させられ、遂には絶頂から戻れなくなったきつねの身体は精神を守るために屈服してしまった。

 

ぐでんぐでんに溶けた子宮が男の肉槍の先端に媚び始めたのである。むちゅ♡むちゅ♡と必死に吸い付いて精液をねだっては、ばくぱくと寂しく口を開く。射精すれば肉槍が大人しくなるはずだ、と。

 

まだのませてくれないの?おねがい♡せーしちょうだい?いっぱいゴクゴクさせて?おねがい♡たくさんだして♡あなたはつよいオスでしょ?ほら♡ここだよ?おくち♡ここにむかって♡はやく♡はやく♡あかちゃんつくろ?はやく♡だしちゃえ♡きもちいいよ?びゅー♡ってするのきもちいいよ?がまんなんてやめよ?ほら♡まかせて?うけとめるから♡いでんしまぜよ?まぜまぜしよ?おねがい♡だして?

 

きつねの意志とは関係なく、好き勝手に媚びる子宮。とっくに子宮はこの肉槍を主人と認め懐いてしまっていた。

そのおねだりに応えるべく肉槍は腰裏の神経に射精を命じた。

 

腰から上がってくる、モノが溶けてるんじゃないかと錯覚する程の快感。絶頂し続けて既に(ほぐ)れきったきつね(ガキ)の膣穴のその奥。

子宮が媚びていることを感じとった肉槍の命で遂に男のザーメンタンクは堰を切った。ぐるぐると渦巻く塊が管を押し広げながらゆっくりと上がってくる。

それが苦しい。あまりに苦しい。必死に精を押し出すタマと詰まりかけた射精管をゆっくりと進む塊、上ってくるのが遅すぎてえづく肉槍。

ひときわ強く血液が流れ込み、赤黒くなった幹の裏スジが塊を通す為にボコりと膨れ上がった。海綿体の内圧が極限まで高まる。

 

「うぅ…ぐっ……あ……!!」

 

男は呼吸を忘れ、下腹にありったけの力を込めて圧を高めた。

 

───ずるり

 

遂に煮凝りのような塊が管の押し出す圧力に負け、肉槍の根元へ充填された。力を込められ極限まで圧が高まった肉槍の中は逃げ場がなく、塊は勢いよく管を駆け上がっていく。

 

猛烈な脈動に、射精の気配を感じ取った子宮は無邪気に男の肉槍に吸い付いた。

 

「あ────」

 

熱い。

 

下腹部に感じた熱を何かと理解する前に子宮が滅多打ちにされる。

 

男の肉槍が脈を打つ度に熱く煮えた塊のようなモノが撃ち込まれ、その度にズンと下腹が重たくなって子宮が溺れていく。

 

これ、射精?

 

理解したと同時、今までで1番の重たい衝撃(快感)が脳を揺らし子宮が絶頂(深イキ)していたと知る。

 

「あっ…あっ?……あっあッあああ」

 

自覚した。もう遅い。逃げられない。もう遅い。待って。やめて。来ないで。おねがい…。来ない、で……♡

 

「あ゛あっ!あぁ゛あぁぁあっああ゛ぁあああ♡゛っあ゛♡っっああっ゛っああ゛っ!あ゛ぁ♡♡ぁ!あ゛ぁぁあぁあっあ゛っあ゛゛っぁぁっ!♡゛♡♡♡!!゛♡♡゛!゛♡!!!」

 

膣内に注がれる、まるで排泄のような量の精液。

男の肉槍が力強く脈打つ度にきつねの中に夥しい量が噴き出し、肉でみっちりと埋まった隙間のない膣内の奥へ奥へと詰め込まれていく。その奥では必死になって精液を啜る子宮が既に白旗を上げて溺れかけていた。

 

「やべえ量射精()た……。頭痛え……」

 

ようやく収まった脈動を感じ、きつねの中から肉槍を引き抜く。

 

「んお゛っ♡♡♡♡♡♡」

 

めくれそうなほど最後まで吸い付いていた膣口がぬぽんっ♡と離れると、ごぷっという下品な音と共に黄ばんだ白濁液が逆流して噴き出した。

彼女の膣の痙攣にあわせて2度、3度と黄ばんだ白濁液が噴き出す。

 

「どんだけ出したんだよ……」

 

彼女の膣口を指で開いてみる。

 

「───ッ♡」

 

どぷりと塊のような白濁液…もはや、液と言うよりも塊のようなダマが吐き出された。

 

 

まさか年末最後の日にこんな激しい姫納めをしてしまうとは、会社で必死こいてる時に誰が想像できただろうか。

どこからか低く響く除夜の鐘が聞こえる。確か108の煩悩を振り払う為の物だったか?記憶は定かではないが。

 

未だに力を保ったままの肉槍はまだまだ満足していない。

 

「おっっ♡っ゛っ♡!お゛っっ♡゛っ゛♡」

 

きつね(ガキ)の秘裂の上、皮を脱ぎ散らかして真っ赤に充血した豆を緩めに捏ねると、どぷりと白濁と蜜の混ざった汁が膣口から溢れ出る。

 

きっと彼女は俺の煩悩が見せる幻に違いない。ならば満足行くまで相手をしてもらおうじゃないか。

猛り狂った肉槍を彼女に突きつけて、除夜の鐘と共に突き下ろした。

 

 





きつね…独身男性の所に現れては煽って遊んでいた性悪メスガキ。男の所に現れた際ついに分からせられた。潜在的M気質。乳首がよわよわ

男…仕事納め12/31。謝罪行脚のエキスパート。取引先へ急行するため乗換路線図が頭に入ってる


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三十路のたぬきと年明けそば

 

 

カーテンの隙間から射す陽光が瞼の上から目を刺してきて、その眩しさに意識が浮上し始めた。暖房もつけずに寝てしまったのか、部屋は外気温の冷却で熱を奪われてしまっている。

意識の輪郭がはっきりしてきたところで、肌寒さと別種の冷たさを所々に感じた。

 

見回してみると布団カバーやシーツには何の汁だか分からない液体が至る所に散っていて、あげく自分は一糸まとわぬ全裸ときた。朝から男の全裸など目が腐る。

 

身体を起こしてみると、ベッド周りの壁や床にも汁が散っており衣服やベルトは無造作に脱ぎ散らかされていた。

 

なんでこんな惨状になったのか思い出そうにも、記憶は断片すら思い出せず、めちゃくちゃに激しい運動をずっと続けたように身体の至る処が悲鳴を上げていて、ただただ身体中に倦怠感が重く圧し掛かっていた。

 

……ひとまずベタつく体を何とかしようか。

 

「新年早々から大掃除か……」

 

足を床に下ろすと汁気のある何かをベチャリと蹴った。

 

「あぁ?なんだこれ」

 

端を指で摘まんで持ち上げてみると、どう見ても女もののパンツだった。紐で左右を止めるタイプの、レースであしらわれためちゃくちゃ面積の少ない布。

なんたってこんなものが俺の部屋に転がってるのか。俺に女装趣味は無いし、あったとしてもこんなドスケベ下着は選ばないだろう。

 

深酒してデリヘル嬢でも呼んだのか?

だとしたらよっぽど激しくしてしまったようだし、下着すら忘れて帰ってるところを見るに今頃出禁リスト入りまっしぐらだよ。

どうするか……。洗って返す?

 

カバンに入っていた財布やスマホは無事だ。金目のものなんて何もない部屋だが、ざっと見てみても何か盗られた形跡はない。不思議なことに玄関は鍵がかかっていた。

 

つまり、まだ室内に居る?トイレにも浴室にも誰かが居た形跡はないし、一部屋しかないのに見つからないなんてことあるか?

 

「…いいやもうシャワー浴びるべ……」

 

身体を包む色濃い疲労に思考を放棄。嫌なタスクは全部ごみ箱に捨てちゃえ。

 

 

 

シャワーですっきりしたら、今度は腹が減るのが道理。

朝飯は緑のそばだ。封を切り、蓋を開け湯を注いで3分待つ。正直、今はあっさりした蕎麦の方が腹に優しくありがたい。

 

昨日コンビニで残っていたラス1の赤いうどんと緑のそばを買い、赤いうどんを食べたことは覚えている。その後の記憶が墨汁をぶちまけたように真っ黒で思い出せなかった。

 

おそらく上司(ハゲ)の最後っ屁を処理し、他部署のバリキャリ女に頭を下げなければいけなくなったイライラが天元突破して酒を飲んで忘れようとしたのだろう。酒は見事に記憶を吹っ飛ばしてくれたらしく、おそらく姫納めしたことすら思い出せない。

 

まぁ、バリキャリ女の黒ストに包まれた脚線美だけは認めてやらんことも無い。あいつ30~50デニールの薄く透ける黒ストだけ履くの何なのマジで。

 

他部署なのに、同期だからか俺にだけめちゃくちゃ当たりがキツいのと、上司(ハゲ)を呼び出せばいいのに仕事のミスで何故か関係ない俺が呼び出しを食らう所が一向に改善されないのは遺憾の意を表明せざるをえないが。

そんなんだから男性社員アンケート結婚できなさそうな女ランキング3年連続首位なんだよ。ソースは俺。

 

そんな益体も無い事を考えていると、3分という時間はあっという間。

そばの蓋を開けほぐれた麺にダシ粉を混ぜ、かき揚げを乗せる。贅沢を言えば温玉でもトッピングしたいところだが、無いものは仕方がない。

かき揚げをつゆに(くぐ)らせてから1口(かじ)り付いた。

 

 

 

「あの……」

 

 

 

え?

 

頭上から落ち着いた低めのアルトボイスで話し掛けられた。顔を上げると眉尻を下げて苦笑いする妙齢の女が正座してこちらを見ている。

 

俺と同じくらいの歳だろうか。ブラウンの少し外にハネた髪とグレーのカチューシャ。とてもおっとりした印象を受けるタレ目。グリーンのハイネックニットセーターが目に優しく下は白のスキニーパンツをお召しになっている。

 

しかし、ニットセーターは胸の辺りが強烈に押し上げられ生地が引き伸ばされていた。目の保養……いやたいへん目に毒だ。けしからん。

 

「……どちら様で?」

「あ、あのっ突然すみません!たぬきと申します……」

「あっ、ご丁寧にどうも……」

 

たぬき?どういう源氏名なの?

 

そう名乗ってペコリと頭を下げる女性に思わずこちらも頭を下げた。

女性の頭には確かに、丸っこいたぬきの耳らしきモノが鎮座しており腰の辺りからこれまた丸みのあるモフったしっぽが生えていた。

 

え?俺イメクラ呼んだんか……。てかプレイ終わったなら外していいんじゃないでしょうか?

たしかにどことなく丸っこく、おっとりした雰囲気はたぬきっぽいけど……。

 

「あの、お店が迎えに来たりしなかったんですか?延滞料金とかは……?」

「え、延滞料金?お店?どういう事ですか?」

 

こてりと首を傾げるたぬきさん。その仕草可愛いなオイ。

 

「あのですね……昨日、まあ酒入って覚えてないんですけど、俺デリヘル呼んだっぽいんですよ。帰ったと思ってたんですが玄関は鍵閉まってるし、下着が残ってるし消去法でたぬきさんが嬢じゃないんですか?」

「??? 私は…でりへる?じょう?じゃないですね」

 

どういう事ォ~??

まさか俺は年末にこんな人妻チックな女性をお持ち帰りしてしまったのか?近所にタレ目癒し系おっとり人妻の知り合いなんて居ないし、居たらいたで他の男の部屋で年越しとか激ヤバ事案すぎる。

 

「えっと、聞きにくいんですがこのショーツはたぬきさんの物では……?」

「ショーツ……?」

 

そう言って汁に塗れた紅の紐パンを差し出す。こんなおっとりした雰囲気の人が極小紐パン着けてるの想像したらやべえな。おチンチンが破裂してしまう!!!!!!

 

「えっと、このサイズだと私のおしりは入らないかと……というかこれ、きつねちゃんの……?

「……つかぬ事をお聞きしますが」

「?」

「昨日このベッドで一緒に寝たりしませんでしたか?」

「寝……?一緒に……?」

「………………性的な行為をしませんでしたか?」

ぇええ!??おにいさんと!??し、してないです!!してないですぅ!!?

 

話を理解したたぬきさんの顔がぼふんと朱に染まり、必死に両手を振って否定する。おぉ揺れる揺れる……。

 

いよいよどういう事か分からなくなってきた。ぶっちゃけもう正解のない証明問題のようで、たぶんこれは全て酒ってやつが悪い。

ずるずるとそばを啜りすっかりふやふやになってしまったかき揚げを呑み込む。ほっとするような温もりが胃から体を巡り空腹感が消えていく。

 

「あの……私、お部屋のお掃除してもいいですか?その……言いにくいんですけど……部屋中エッチな匂いがするので……

「あ、はいすみません。ぜひともお願いしたいです」

「はい。雑巾と桶をお借りしてもいいですか?お湯で拭かないと取れないと思うので……あと、お洗濯物も溜まってしまっているのでやってしまいますね?」

「え?は、はい」

 

至れり尽くせりすぎる。

 

「よいしょっと」

 

ひとこと言葉を掛けて立ち上がったたぬきさんが、尻尾を揺らしながらパタパタと流し台へ歩いていく。

座っていた時は分からなかったが、彼女は尻も肉を蓄えてむっちりとしてた。スキニーパンツに薄く浮き上がるショーツのラインが艶めかしい。なんというか、むちむち♡というオノマトペは彼女のためにあるんだろう。

 

他人に掃除をやらせて自分だけボケッとしているのも据わりが悪い。布団カバーとシーツを剝がし洗濯物に混ぜておいた。いつの間にかエプロンをして腕まくりしたたぬきさんが洗濯を始めると同時進行で手際よく洗面台や浴室まで掃除していく。

 

「そこまでしてもらうのは流石に悪いので放っておいてもらって……」

「いえ!ここまで来たらやっちゃいますね?私お掃除大好きなのでっ!」

 

いくつもの掃除をマルチタスクで進めていくたぬきさん。……すげえ。弊社にめちゃくちゃ欲しい人材だ。そのおっとりした雰囲気も相まって灰色の職場が御花畑になる事間違いなし。

 

 

 

「よしっ、これで終わりっと!」

 

ベランダに干された洗濯物が揺れ、爽やかな風が部屋を抜ける。陽気も手伝って冬にしては温かく、掃除で温まった身体にはちょうどいい清涼剤だ。彼女の掃除術で部屋は入居した時以上に光り輝いて、「モデルルームです」と言えそうなくらいの様相になっていた。

 

どうやったらこんな綺麗になるのか分からない。えマジでどうやったの?これ俺の部屋?

 

「なんてお礼を言ったらいいか……」

「いいえっ!こんなの朝飯前なのです!」

 

腰に手を当てえっへん!と胸を張るたぬきさん。ニットセーターとエプロンが悲鳴を上げてますのでお戯れを……。

 

「なにかお礼をさせてくださいよ」

「じゃあ……初詣、行きませんか?おにいさん」

 

初詣か……。まだ午前中ではあるが、もう昼と言って差し支えない時間。有名な(やしろ)は既にごった返しているんじゃなかろうか?

 

「あぁ、そんな遠くじゃなくていいんですよ?近くにある神社で」

「近くにある神社……」

 

確か、徒歩5分程度でそこそこの神社があったはずだ。たぬきさんに促されるまま外行き用の服に着替え、連れ立って向かうことになった。

 

 

 

「う~んっ!おいひぃでふぅ~~!!」

 

ちょっちょちょしっぽを振るなコートが捲れる!

 

「ひぅっ!?ごめんなさぁい……」

 

ハンチング帽をかぶりロングコートでしっぽを隠したたぬきさんと並んで歩いていた。現在は初詣を終え、神社の境内で出店の焼き芋を買い、半分に分けて頂いている。

 

柔らかな雰囲気と人懐っこい性格が合わさり、あっという間に誰とでも仲良くなる彼女。

親とはぐれてしまった子供とはしゃいでいる時は帽子を飛ばさないか冷や冷やしたが、無事親元に届けることができた。

なんというか根っからの善性な人なんだろう。バリキャリ女や俺を煽り散らしてきた……誰だっけ?まあいいや。そういう奴には爪の垢を煎じて飲んでもらいたい。

 

「ちょいとそこのお二人さん!一夜酒(ひとよざけ)はどうだい?」

 

頭巾で白髪を覆った老婆に声を掛けられる。俺一人だと滅多に他人から声を掛けられることは無い為、これもたぬきさんの雰囲気のおかげか。

美人は得だと言うが、ホンワカした雰囲気の彼女はそれを鼻にかける様子がない。それがまた人を惹きつけるんだろうな。

 

「一夜酒?」

「甘酒のむか~しの言い方ですよ。ちょっとおしゃれですよね?()()酒、なんて。他にも醴酒(こざけ)と言ったりしますね」

 

聞き馴染みのない言葉をたぬきさんが補ってくれた。なるほど、確かに正月に神社で甘酒を配っているのはよく見かけるし、この神社もそうなのだろう。他にも近所の主婦らしきボランティアや巫女が甘酒を配っていた。

 

「じゃあ一杯づついただいていいですか?」

「あいよ!兄ちゃん美人な嫁さん連れてんねぇ!50年前だったらいい勝負だったんだけどね!」

「いえいえ、今も笑顔が素敵ですよっ?」

「おや嬉しいこと言ってくれるじゃないか!これもってっとくれよ!家で飲みなねぇ!」

「わわっ!ありがとうございますぅ!」

 

老婆が蓋をした紙コップを袋で渡してくれた。彼女はよくおまけをもらうなぁ。

 

「もらっちゃいましたっ!お家で飲みましょうか♪」

 

笑顔で隣を歩くたぬきさんと歩幅を合わせてゆっくり歩く。普段足早に通り過ぎる街並みも、ゆっくり歩くことで意外な発見に満ちていた。

昨日まで仕事のリミットに迫られ死んだような日々を送っていたが、こんな日を迎えられるなら悪くはなかったかもしれない。そんな年始になりそうだった。

 

 

 

 

「なあ、ばあさんやワシの白馬(しろうま)知らんか?この辺に置いといたんじゃが……」

「こんな混ざる所に置いとくんじゃないよ!だからどっか行っちまったのさ!忙しいから後にしな!」

「あれ結構度数強いヤツだったんじゃが……」

 

 

 

 

日差しが感じられても季節は冬、帰り道で意外に体が冷えてしまった。それはたぬきさんも同様だったようで、指先に「はーっ」と吐息を重ねる。

 

「帰ったら温かい物飲みましょうか」

「あ!じゃあこの甘酒を温めていただきませんか?」

 

それはいい提案だ。先ほど老婆からいただいた一夜酒も美味しかったので、温めたらまた違う味わいを楽しめるだろう。普段口にすることは無い物だけにちょっとだけ楽しみである。

 

旗を掲げた角の家。門松を飾ったスーパー。しめ縄が飾ってある洋風な家。忙しさ快速急行で全力通過したクリスマスや、全く余裕がなかった年末と比べ、年が明けたんだという実感がふつふつと湧き上がってくる。こうした暦を感じる事ができたのも隣を歩くたぬきさんのお陰なんだな。

 

「ありがとうございます」

「?」

 

こてんっと首を傾げてこちらを見るたぬきさん。だからその仕草可愛いなオイ。

 

 

 

我が部屋に帰ってきて一息ついた後、さっそく一夜酒を飲む流れになったから電子レンジの力を借りるとしよう。

上着を脱いでいる間に電子音が鳴る。ほかほかと湯気を上げる一夜酒を取り出してローテーブルに並べ、向かいのたぬきさんにも差し出した。柔和なタレ目をへにゃっとさせて笑顔で紙コップを受け取る彼女の、その豊満な膨らみがローテーブルに押し付けられてひしゃげる。どんな柔らかさしてんだ……。

 

「ありがとうございますっ」

 

コップを両手で抱えるように持ちふーふーっと冷ますように息を吹きかける。小動物感。

この人にそういう目を向けてしまった罪悪感を隠すようにたぬきさんから目を逸らした。少しとろみのある一夜酒が口から喉を通っていく。神社でもらった時よりも温められたことでより芳醇な味わいとなってこれはこれでアリと言える。

 

「これ、神社でもらったものよりずいぶん甘いですねぇ……でもこれはこれで美味しいですけど」

 

甘い?

温められたことで確かに味わいは深くなったがそこまで味は変わってないはずだ。ちょっと疑問に思ったが特に気に留めず流す。お互いコクコクと飲み進めていき、温かい飲み物が腹に入ったことで、じんわりと体が温まってきた。一夜酒様々だ。

 

「……なんだか、お部屋暑くないですか………?」

 

そうだろうか?暖房は入れておらず二人分の吐息と体温が少し絡むだけだ。たぬきさんは紙コップをクイッと上に向け中身を飲み干す。

 

「ぷぁ……えへへ…おいしーですねぇ♡」

 

何だか彼女のタレ目が心なしか更に垂れてる気がする。垂れているというかトロンとしているよな……気分よく笑っているようだが、笑い方は完全に酔っている人間のそれだ。もしや、さっきの甘酒は何か別のものが(まぎ)れていたのでは?

濁り酒という点で見た目で不審な所は無かった……まさか、どぶろくか!?

 

似た原材料で見た目も甘酒とほぼ同じ濁り酒だが、アルコール度数は10度を超え、強いものでは20度に迫るものすらある。もし彼女が口にしたモノがどぶろくで、酒に弱い体質なら一発で逝くだろう。

 

「おにーさぁん♡お外出て冷えちゃいましたよね……?いっしょにあったまりましょー?♡」

 

女豹のポーズになったたぬきさんがゆっくりとこちらに寄ってくる。

 

四つん這いになったことで重力に引かれた圧倒的重量の胸を下着が支えきれなくなり、ハイネックのはずのセーターなのに伸びた襟元から深いI字の渓谷が覗いた。でっかぁ……。

 

「んん゛…!あつ゛い゛!!邪魔ぁ゛!!」

 

ちょっ!?

 

たぬきさんがガバッと身を起こすと、止める間もないままに裾に手をかけセーターを脱ぎ去ってしまった。

裾に引っ掛かったでっかい二つの母性の塊がばるんっ♡とまろび出る。黄色い花柄らしき下着に包まれたそれは、淵に肉が乗っていて下着のサイズ以上の衝撃を蓄えていそうだ。

 

「ん゛っ!!」

「たぬきさん止まって!止まって!」

 

たぬきさんはブラのフロントホックにまで手を掛けた!まずいって!胸の弾み方半端ないって!

 

「もう!うるさいです!あむっ♡!!」

 

唇を合わせるどころか口元まで纏めて塞がれるキス。そのまま熱い舌が口腔内に侵入してくると、こちらの舌が容赦なく吸い出される。

 

「ん゛゛ん…ず゛るる゛っる♡じゅる!じ…ゅる゛っっ♡っぷあ!んん゛!じゅっず…るうっる♡゛」

 

かふっ!

口からの呼吸を塞がれ舌をめちゃくちゃに吸い上げられ、反対にこちらの口内はぐっちゃぐっちゃ♡とたぬきさんの舌が暴れまわり、とろとろと唾液を流し込んで蹂躙の限りを尽くされる。

 

「……ぷぁ♡」

 

たぬきさんの顔が離れると彼女の口元と自らの口元に太い唾液の橋が架かった。トロけた目、頬が吊り上がって、彼女の瞳が妖しくぎらついてこちらを見下ろす。

 

紅い舌が右から左に上唇を這い、左から右へ下唇を沿う。今の彼女は先ほどまでの柔和なものじゃなく捕食者の表情そのものに変貌し迫ってきた。

 

口が解放された事で、大きく深く息を吸い込む。吸い込んだ空気は密着する彼女の甘い香りが混じっていて頭がくらくらと揺れる。

 

ブツっ♡

 

何かが破られたような音。甘い香りが強まった気がして音の発生源を見ると、彼女は抑圧されていた母性の塊を解き放って肩紐を抜いた。

ぎゅっ♡とキツく押し込められ、寄せ上げられていたモノは支えを失い自重で少し下垂する。しかしそれでもなお釣鐘型を保って柔らかそうに(たわ)む魔性の果実。

 

デカすぎんだろ……。

 

「えへへへへ……♡大きさとか自信あるんですよぉ?♡やーらかーいですよぉ♡さいきんちょーっとハリが無くなった気がしますけどぉ……

「どのくらいあるんですか……」

「95のFです♡」

 

95……!?F……!?その衝撃で全身にカッと血が駆け巡って暴れた。

柔く形を変える夢と希望の詰まったその頂は薄茶色が広がっていているが、肝心の先端は恥ずかしがって隠れてしまっていた。 陥没乳頭……!男をくすぐる属性過多に呼吸が乱れそうだ。

 

「いっぱいさわっていいですからぁ♡もっとキスしましょお?♡」

 

休憩時間は終わりと言わんばかりに首に絡みつかれ、再び唇ごとたぬきさんに食べられる 。舌がぬるり♡と入り込んでくると、とろみのある唾液をたっぷりと流し込んできた。

 

「れ♡ぇ゛…るう゛ぅ゛♡゛…♡んんん゛っは゛ぁあ…!む……うぅ…゛ぅ…♡゛♡…!ん゛ん…♡ん!んん゛♡♡!」

 

まさかこの人……酔うとキス魔になる人か……!?くそっ!このままやられっぱなしは性に合わん!!

 

男を惹きつけてやまないおっぱいの、恥ずかしがって隠れた先端を指先で円を描くように(くすぐ)る。ぴくっと彼女の肩が跳ね、舌の動きが一瞬鈍った。

 

効果あり!よし、反撃!

 

指先で輪の縁をカリカリと弱く触れる。

ガッツリ指が沈むまで思う存分揉みしだきたい所だが、そうすると彼女の肉鞠の感覚が鈍ってしまうからまだしない。

 

「い…ぃたぁず…らあ゛♡し…っち…いゃ!♡…や……っでぇすぅ…♡」

 

乳輪がふっくらしてくると、その中に硬い感触を感じるようになる。もう1回、もう1回。刺激を与えながら恥ずかしがる先端に顔を見せてと優しく促す。

(おだ)てられて、ようやく先端が頭を出し始めた。巨峰の粒ほどありそうな大ぶりの果実。

 

 

───ぎゅっ♡

 

 

「んんんんんん♡!!!……っんん♡…!ん…ん♡ん!…!…♡」

 

頭を出した所を捕まえて引っ張り出し、そのまま強めに弾いて隠れることを許さない。

指先で優しく引っ掻いてみたり、弾いてみたり、緩急をつけて恥ずかしがり屋の乳頭を褒めちぎる。どうやら強めに()ねられるのが大層お気に入りのようで彼女の背がびくりと上擦った。

 

お互いの口を貪っているから、くぐもった彼女の嬌声が直接俺の脳内にも流し込まれる。否応なしにこちらもボルテージを上げられて、イラつく股間がズボンに押さえ込まれズキリと痛んだ。

 

「おやぁ…?♡おにーさんのも温まってぇ…きましたねぇ……♡」

 

ふわりとズボンの膨らみに彼女の手が掛かる。

ズボンのファスナーとパンツを下ろされ、すりすり♡と先っぽばかりを緩く(もてあそ)ばれた肉槍は、封を()かれて勢いよく飛び出した。

 

彼女は幹の根元から先端に向かって指を這わせ、より肉槍の加熱を促してくる。促されてしまった方は正直なもので、根元から芯が通り出せば、みるみる内にビキりバキりとやる気に漲ってゆく。

 

「うわぁおっきーぃ♡ぱっんぱんに膨らんでる……♡つらいのはぁ…♡いやいやですよねぇ…?♡んふっ♡元気いっぱい♡」

 

頭をふらふらと揺らしながらも、たぬきさんはベルトを外し自らのスキニーパンツとショーツを脱ぎ去ってしまった。

全身にグラビアモデル顔負けのマシュマロのような柔肉を纏った健康的むっちり♡感。どこもかしこも柔らかそうに(たわ)む食べ頃に熟れたウエストと丸い尻。そして淡く茂る林の奥の肉ビラが充血したピンク色をしていた。

 

下ろしたショーツと秘部の間で粘っこい蜜がとろりと糸を引く。遺伝子混ぜて子作り交尾しよ♡とオスの本能を煽り散らしてめちゃくちゃに精子を作らせる誘い()

 

グツグツと煮詰まったザーメンタンクが、本気でこのメスを孕ませようと子種をめちゃくちゃに増産している感じがする。

やばいくらい濃いのが出そう。

 

「ん♡ーふふふっ…♡…あたしぃ…もうがまぁん…できませ…ん~ふふ♡♡」

 

膝立ちになったたぬきさんが首筋に抱きついてきて耳たぶをしゃぶるように()んできた。胸板に彼女の柔肉がむぎゅり♡と押し付けられその先を見ることが叶わない。いわゆる対面座位の姿勢で捕まってしまった。

 

肉槍に指が巻きついた気がする。ついで先端がぐちゅりと熱く濡れそぼったものに押し当てられた。むちゅむちゅと吸い付くような欲しがるメスの秘裂。

 

いただき……まぁ…す…♡♡

 

小さく小さく(ささや)かれた彼女のアルトボイス。耳元で発せられたその一言は直接脳内に撃ち込まれ飽和して反響した。

 

「ん……ん゛ん♡っ!んん゛ん♡!あ!ああ♡!ああ゛♡あああ…ああ゛♡♡♡!!!」

 

……喰われた。

肉槍の先端が溶けたかと思ったのも束の間、彼女の腰が沈んでいくと共に熱く煮えた膣内に咀嚼されていく。ぬむぬむ♡ぐちぐち♡にゅるにゅる♡

ヤッベぇ……!少しでも気抜いたら射精()る……!

必死に息を止めて肉槍に血液を送り込み圧迫して射精を我慢する。

雪崩込んだ血流で余計に膨れ上がり苦しげに喘ぐ肉槍を、優しく甘やかすように舐めしゃぶってくる膣内に腰裏の神経が根を上げた。

 

「あっはあっぁ…っなあ…っ…があ…゛ぁ…………!♡…ふぅ゛!とぉくう…゛て…ぇぇ…゛かあぁ…たああ!…ぁ……ぁいぃ……ぃい゛♡」

 

肉槍は遂に根元まで喰われてしまい、たぬきさんはねっとねと♡の肉襞で味わうように腰で円を描く。ぐりゅんぐりゅん♡と先端が膣奥で潰され、限界寸前で堪えていた神経は遂に射精の命を下してしまった。

 

「あぁぁっっっ!?……!?♡!♡♡!?♡…す……っご♡どくっ!…どくぅ…いっ…てる……♡゛ああ…っ♡…量すごいぃい゛♡♡」

 

……暴発してしまった。

狂ったように脈打つ肉槍からゼラチンを混ぜられたようなごってりどろどろの、もはや液とも言い難い精がぶちまけられた。

 

「すっごい量でましたねぇ……♡でも、まだいけますよね?♡ね?♡」

 

こっちが射精した余韻の最中だってのに、最後まで搾り尽くそうと円を描いていた腰が肉槍を咀嚼したまま前後にグラインドし始めた。

敏感な亀頭が、カリ首が、幹が、ぬとぬと♡の肉襞で揉みくちゃにされていく。

なんという快楽地獄だろうか。あまりに許容を超えた刺激に腰が勝手に跳ね飛んで意図せず下から突き上げてしまった。ダメージが入りチンポのHPがガリガリ削れていく。

 

「あんっ♡…まだま…だ!硬い…ですねぇ♡ほ…!っら!♡がんばれ♡がんばれ♡」

 

この人……!属性に絶対サキュバス入ってるだろ……!!

 

ばちゅ♡ばちゅん♡ばちゅ♡ばちゅん♡肉と肉がぶつかり合い、肉槍にかき混ぜられた膣内から泡立った白濁液がじゅぶじゅぶと湧き出て、膣内の具合が加速度的に良くなっていく。

 

「おにい゛…さん…の♡かっ…こいい♡!お゛んっ♡!オスチンポっ♡…!おまんこ…が…覚…えちゃいま゛した…ぁ…♡!!」

 

このままじゃ貪られるどころか、空になるまで搾り尽くされる未来が見える……!

主導権を何とかして握りたいが……杭を打つようにピストンを繰り返す彼女に主導権は渡ってしまっており、反撃の手立ては薄い。何とか暴発を堪えようと、たまらず目の前で踊り狂うおっぱいの先端にしゃぶりついた。

 

「やぁん♡!!?甘えたく…なっちゃいましたぁ♡?……もうちょっとでイけそうだから……頑張って♡おにーさん♡♡♡

 

また耳たぶを()むような至近距離で、脳に直接囁かれた言葉が燃料となって肉槍が燃え滾る。

ここでやらんで何が男かァ……!!

彼女が腰を打ち下ろすタイミングを見計らって、むっちりと実る桃尻を引っ掴みこちらからも腰を突き上げた。

 

バチュンッ♡!!!

 

「───♡♡♡♡!?!!!?」

 

ごちゅん♡と肉槍の先端が何かを捉えると同時、彼女の膝がカクンッと抜けた。身体がびくびくと痙攣してコントロールを失い()ちたことに、目を見開いて混乱する彼女。

ようやく膣内のスイートスポットを探り当てることに成功したらしい。腰を揺するように亀頭をぐりぐり♡押し付けるとそれだけで、びくん♡!びくん♡!と背を反らして跳ね飛ぶ。

 

「……♡♡…!?…♡かはっっ!?……!♡……♡!♡!!?…?」

「……みつけた」

「お、おにーさん……♡??まって、まっれ゛……?そこ…そこ♡ぜったいヤバいですぅ♡♡♡」

 

全身マシュマロボディのたぬきさんだがそれは膣内も例外ではなく、ふわとろ柔肉が余すところなく肉槍を包み込み甘やかす事でいつの間にか暴発させてしまう貪欲な雌穴(名器)だった。

 

そんな柔肉で敷き詰められた肉襞は彼女の敏感な箇所(ポルチオスポット)を覆い隠してしまっていた。

柔肉は肉槍を優しく包み込み、膣奥の感覚が鈍い箇所を打ち付けていたため、こちらには甚大なダメージが入り反対に彼女は余裕がありそうな顔をしていたのだろう。

しかし、角度を変え遂にポルチオを捉えたことで彼女の弱点が剥き出しになり、アドバンテージは一気に吹き飛んだと言っていい。

 

じゅっっぷ♡…!ばっちゅ!♡♡♡どちゅっ♡!ぐ…りゅん!♡ぐり…っ!♡ばちゅ♡っん…!♡

 

「あ゛あぁっ゛あっあ♡あっ!あ♡あ♡っそこ!…っだめ♡!…ですうぅっ♡そぉっ!こ!おぉ♡だぁめぇ♡です…っ゛♡だ゛めえ…っっ……♡だめえ♡だめえっ♡♡!!!」

 

下から思い切り突き上げ、猛り狂った肉槍のカリ首でポルチオから奥からなにから全て引っ掻き回す。

散々彼女の極上ふわとろ肉にねぶられた肉槍は、効果抜群の攻撃を急所に当てられ続け、HPはミリ赤まで削れてしまっていた。しかしお互い4倍弱点持ち同士な相手であり向こうだって倒れる寸前のはず……!

 

「おんっ…゛♡おんっ…っ♡お…おぉ゛ぅ♡……っっ!!♡ああっあ…ぁっ゛゛っあ…っあ!あっ゛♡イッく♡…イキッま゛ぁ…す…!イッ…ちゃ♡!♡い゛きっますぅぅ゛♡あっああ…゛あっあ゛あっあ゛ああ♡…あ゛ああ♡…あああ゛あ゛あああ♡♡♡゛♡♡!」

 

背を仰け反らし、下腹が激しく波打って彼女の膣内が強烈に締まる……!

とろとろ♡の愛液と、どろどろ♡の子宮頸管粘液が肉槍に塗りたくられ、自らを絶頂させた強いオスの子を孕むために必死になって子宮口は肉槍に縋り付いてきた。

 

こんなの耐えられるはずがない……!

ゲージを破るダメージを与えられた肉槍が激しくえずき、脈打つ度に煮凝りのような塊が管をブチ上がって白濁した欲望の全てを吐き出していく。

 

「ぃああ゛っっ♡…出♡て゛るぅ゛う…れて゛え…っるっすごい♡っどくど゛くって……♡」

 

ビクつく子宮は貪欲に精を欲しがって、吸い出すように肉槍に吸い付き膣内は最後の一滴まで搾ろうと纏わりつく。

この人の繁殖欲どうなってんだ……!

 

「んっ゛♡はぁ゛ー……♡はぁ…゛っ……♡」

 

しばらく抱き合ったまま放心していたが、先に復活したたぬきさんがぬぽり♡と結合を解く。肉槍はどちらが出したかも分からない白濁液に(まみ)れ、栓を失った膣口からは泡立った交尾の残滓が滴り落ちる。

ありったけの弾を撃ち込み、緩やかに仰角を下げていく単装砲。しかし、突如攻め込んだたぬきさんの口に鹵獲(ろかく)され根元から蛞蝓が這うように舌が上がってくる。

 

「おそうじひますね♡♡♡」

 

──絶対掃除で済まないやつでしょその顔!?

 

少し緩くなった肉槍をぬかるんだ舌の揺り篭に捕らえ、幹の血管をなぞるようにたぬきさんの赤い舌が寄り添っていく。根元からカリ首へ。カリ首から先端へ。口を離してまた根元へ。袋に詰まった子種玉にも指先でお癒しマッサージを忘れない。

 

なんてご奉仕精神旺盛なんだろうか。

いつの間にか指先はタマを撫でさすって、精子増産促進マッサージに変わってるのは気の所為じゃないはずだ。

 

それを受けてぐつぐつ煮え始めた俺のタマもおかしいだろ!なんでまだヤる気なんだよ!?

 

「おにーさんの…かっこよくなってきましたね……♡」

 

たぬきさんの献身的な看護の甲斐あって、肉槍は磨かれ再び力を取り戻してくる。再戦の気配が漂ってなお、たぬきさんのおねだりマッサージは止まらない。

 

「もっとかっこよくなりましょぉ♡?」

 

男の視線を惹き付けてやまない魔性の果実、その深く刻まれた谷間に己が半身が包み込まれ、優しく優しく揺すられる。

 

包むような母性を感じる感触に反して、視覚から得られる情報は全てスケベにガン振りされ強烈に脳内をブン殴ってくる。

心臓から下半身、下半身から肉槍に血流が流れ込み青筋を浮かべてビキりと勃ち上がり谷間から顔を出した。

 

「……はぁ♡おにーさんの、立派ですねぇ♡私のおっぱいでも包みきれないなんて……♡」

 

どんどん血液が送り込まれ、赤黒く染まった肉槍はみっちりと幹に血管を浮き上がらせ、長さも太さもさっき繋がった時より一回りは大きく膨らんで鋭くなる。

魔性のおっぱいによるパイズリ。より交尾を誘う匂いが神経(股ぐら)を苛立たせ、全身に纏ったとんでもない柔らかさを鮮明に思い出す。2回射精したにも関わらずそれらは燃料となって肉槍にどんどんくべられていく。

もっと強くもっと激しく、破裂寸前まで、限界を超えろと。

 

「うわっ……うわっ♡さっきより熱くておっきいですぅ……♡」

「たぬきさん…お尻こっち向けてくれますか…?」

「後ろからですかぁ?♡いいですよぉ♡」

 

ローテーブルに肘を置いてこちらに腰をつき出すたぬきさん。

白い背中から続いて、たおやかな丸みの安産型のおしり。むっちりと肉を蓄えた太腿と綺麗に弧を描く脹脛。しとどに濡れそぼった膣口を両手で開き、充血したピンク色の粘膜を晒してハメ乞いをする浅ましいメスの姿勢。

こんなの興奮するなという方が無理な話だ。肉槍は本気でメスを孕ませるための凶槍と化し猛り狂う。

 

にぢっ♡と肉槍の先端を彼女のぽってりとした膣口に突きつける。とろりと溢れ出た蜜と白濁の混じった液が具合を予感させ、ぶるりと大きく身震いした。

 

「行くぞ……!」

「はぁい♡」

 

ずっ……ぬぬぬぬぬぬ♡

 

「は…ぁっあぁあああ♡…あああ゛…ああ♡…っ」

 

ごりゅ♡

 

「あ……♡はあぁあ♡゛っ!ぁ゛♡♡♡っんんん!?あっこれふかいっ♡……!!♡」

 

挿入(はい)った……!

こちらが大きく膨らんでいるのか、より包まれる感触が強い。怒り狂う男を優しく抱き寄せて撫でるような抱擁。

中出しされた精液と愛液が混ざり淫靡なローションと化す。先端から溶け落ちていくような腰をせり上ってくる快感。

 

すぅと息を吸い気合いを入れる……!お隣さんごめんなさい!

 

ゆっくりと肉槍を引き抜き、縋り付いてくる柔肉をカリ首で蹂躙する。何本も垂れ下がる白濁した液の橋。めくれてしまいそうな膣口のギリギリまで腰を引く。弓を放つように、この一突きに全てを。

 

引分け、会、離れ────

 

──どちゅん♡!!!

 

「あっ゛♡♡♡♡!!!?」

 

……残心

 

撃ち込んだ先端がポルチオを(えぐ)り、たぬきさんの下腹が激しく波打つ。イッたらしい。

 

解れに解れきって、柔肉を散々耕されたことで、でろり♡と弱点を晒してしまった子宮口。あまりの快感にまだ痙攣の治まらない膣穴からずるり♡と肉槍を引き抜いて再び撃ち込む。撃ち込む。撃ち込む。彼女がイッてようとお構いなしに。

 

「あ…ぁ゛っ゛♡ あ゛っ!っ♡゛♡っっあ゛!っ゛っ…っっ゛っあ♡ぁん!あ♡♡っあ゛っっああ♡…っあ゛っ!あぁ゛あ゛♡!」

 

たぬきさんの顔が見たくなって、ローテーブルの正面にある姿見に写すために彼女の脇から手を差し込み、羽交い締めにして上半身を引き上げる。反らされた腰、背筋、釣鐘型のおっぱい、イキまくって放心しきったとろとろの表情。全てを鏡に写して彼女自身に見せつける。

 

「ほら、見てください……!」

「あっあああ゛!!やら゛♡!やら゛よ♡はずかひぃ゛れす♡!!こんらかおぉ゛あぁ♡゛っっやぁあだ♡腰……ぱん♡っぱん♡しぃない…でえぇ♡…!!!」

 

──鏡越しのたぬきさんと目が合った。

とろとろ♡に蕩けて雫を(こぼ)す瞳、涎を止めることも出来ず、だらしなく緩む口元。肌に浮かぶ玉のような汗。腰を打ち込むたびに振り子のように揺れる彼女の乳房。鏡合わせになった自分自身に羞恥して強く締まる彼女の雌穴。

 

丸みを帯びた尻が衝撃で歪むぐらい何度も叩きつける。

ぱん♡!ぱん♡!ばちゅ♡!ばちゅっ♡!ばちゅ♡!ぱん♡!

 

「あ!あ…あぁ゛!あ♡あぁあ゛っあっあっあ♡あぁイくっイ…く♡だ…めっだめだめっ゛♡!!いっく♡!ぅい゛っくぅんんんっんっんっ♡♡♡!!!!」

 

首を振り、髪を乱しながら絶頂を堪えようとしたものの嬌声を張り上げてガクガクと痙攣するたぬきさん。キツく締め上げてくる膣穴に肉槍の限界が訪れる。

陰嚢がぎゅっと収縮し、ザーメンタンクがありったけの精を送り出す。腰裏で爆発が起こり、次いで肉槍の先端が爆ぜた。精液の塊が何度も裏スジを駆け抜けていって、(おびただ)しい量を彼女の膣内へぶち撒けていく。

 

だけど腰は止めない。キミがイくまでピストンをやめない!!

 

「イッたぁ゛♡!!!イ゛ッてま゛すぅ♡!……!!お…ねぇ゛がっ゛い…腰っ止め♡てぇ゛♡くださ゛あ゛あぁ!!?またっ…きち゛ゃ゛っう♡またっ♡き゛ちゃうっ゛♡♡♡♡」

 

ブシッ!!♡ブシャ♡!!

 

下腹の痙攣と共に結合部から勢いよく潮が吹かれた。

羽交い締めしていた腕を解放するとぐったりとローテーブルに倒れ伏すたぬきさん。ヒュー……ヒュー……と怪しい呼吸をしていて目の焦点が合っていない。

 

腰に力が入らなくて、俺はそのまま後ろへへたり込んだ。

 

ぬぽん♡と肉槍が引き抜かれた膣口からぶぽっ♡という下品なゲップと共に白濁液が吹き出す。爆速で鼓動する振動を落ち着けるように呼吸しながら、優越感と罪悪感に浸っていた。

まるでローテーブルに縫い付けられたように四つん這いになりながら痙攣し続けるたぬきさんの丸い尻。腰を打ち付けられすぎて、白い肌は紅潮してピンクがかってしまっている。

 

やべぇ……ヤり過ぎた……。

 

さすがにこれはマズい。

謝罪しようと顔を上げたところ、首に腕を回される。唇ごと貪られるように啜られ、舌が口腔内に侵入してくる。混乱する頭をよそに舌が吸い上げられ激しく絡みつかれる。

 

「あむ♡ぅ゛…♡………゛はぅ…♡゛っれろぉ♡」

 

ぷぁ♡と俺の口元を解放すると離れていくぷっくりとした唇。妖しく光る瞳と目が合った。

腰の上に乗っかる柔らかな尻タブ。……この姿勢知ってる。騎乗位ってやつだ。

 

「ラストワン賞ですよ……♡もっと…もっとしましょぉ……?♡」

 

耳元で囁かれた言葉と、肉槍を飲み込んでいく膣穴。

 

 

……俺は何かとんでもないモノを呼び起こしてしまったのかもしれない。

とりあえず、この人に酒を飲ませるのは止めよう……そう心に誓った。

 

 

 

 





たぬき…三十路。最近肌が水を弾かなくなってきた。おっとり系むちむちお姉さん。酔うとキス魔になり、キスで興奮してサキュバス化する。

男…せいりょくがつよい。酒で時たまやらかす。だいたい酒のせいにする。

年末年始出勤マンの妄想をお送りしました。また思いついたら続きますん。



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女と新入社員歓迎会

オッス!オラ社畜!

アェクセスがすっげぇことになってるからラェンキングを見たらオラぶったまげちまったぞ!

感想と評価ありがとな!




今回はちょっと毛色の違うお話です。次回からまた分からせに行きます。


 

 

セックスがつまらないと思ったのはいつだったか。

 

高校生の時、彼と初めてした時は痛みしか感じなかった。自分の中で暴れる異物感がただただ違和感でしかなくて、感じる演技をしていたら行為は終わってた。

 

たぶん私も雰囲気とか空気とか、そういうのにただ当てられて付き合ってただけだったんだと後になって気づくともうダメで。好きとか愛してるとかそういうものが分かってなかったんだと自分を納得させた。

 

その後数回体を重ねたが、漫画のようにオーガズムを感じることはできなくて、一向に反応しない私に彼は飽きたのかはたまた失望したのか分からないけども彼の方から「無理」と振られた。

 

何人かと付き合い、皆同じ。「自信をなくした」とか「君が分からない」とか「不自然」とか適当な理由で振られた。

同級生の子にセックスを聞いてみれば「心が満たされる」とか「最初は痛かったけど慣れれば気持ちいい」とか、返ってくるのはそんな言葉。

 

……なら、それを感じない私は?私は壊れているっていうの?

 

この年代の恋愛なんて、繁殖適齢期の身体を持て余した性衝動の結果でしかなくて、恋愛=セックスみたいなそんなものだと思った。

だから長続きしないし、学生の頃からずっと付き合って結婚だなんてお幸せな関係は夢の中だけで、壊れてた私はただ演じてたんだ。

 

 

大学生になってもそう。同級生や先輩とも関係を持ったが、ただただ違和感が身体の中を這い回るだけで全然気持ちよくなんかない。ホテルへ行って身体を触られて、少し濡れたら腰を叩きつけられる。これは感じてるんじゃなくて身体が守ろうとして濡れたものだろう。

おちんちんが大きい人も居た。ただ奥ばっかり突いて痛いだけだった。小さい人も居た。挿入(はい)ってるのか分からなかった。乱暴な人も居た。服を破られたからもう二度としない。

そうやって何人も何人も身体を重ねる度に期待して、私は壊れてるんだと再確認する。

 

正直、私は顔はいい方だ。北欧出身の祖母を持つクオーターというやつらしく、隔世遺伝なのか母親よりも祖母に似て、あまり日本人らしくない整った顔立ちと長めの手足。銀に近い髪。親が名付けてくれたごくありふれた日本人のような名前を名乗ると「え?」という反応をされる。そんな女。

だから男は見た目だけで声を掛けてくるし、壊れた私の反応でセックスしたら離れていった。

 

普通に生まれたかった。説明は面倒だし、白々しい反応にも心が擦り切れてどうでも良くなった。

 

……どうやってもなれないから。

 

親のつけた名前に合う日本人らしい黒髪で、ありふれた顔立ちで、どこにもいる体型の、セックスでちゃんと感じられるような壊れてない人間に。

普通を望むのは高望みなのだろうか?隣の芝生は青く見えるだけなのだろうか?そう求めながら男と関係をもって、やっぱり私の体は私を裏切った。

 

そのうち大学では男から声を掛けられることも無くなって、どうやら裏では『白髪マグロ』なんて呼ばれていたようだ。私と寝た先輩や同級生がそういうアダ名をつけ話をしていたと、気まずそうに教えてくれた同期生も裏ではそう呼んでいたんだろう。

断らないからただ都合のいい女ということらしい。ただセックスで感じないだけで、私は私という名を持った人間なのに。

 

就職活動をし始めて、今まで遊んできた人達も突然真面目ぶり出して金や茶だった髪を黒にする。周りを見渡しても大人の顔ばかり。

「何度も何度もお祈りされて辛い」とか「否定され過ぎて心が折れそう」とか適当に話を合わせて、いくつか貰った内定のうち一番条件の良い会社へ行くことにした。私の就活は周りが苦労に喘ぐ中、呆気なく終わったのだ。

 

卒業単位はもう取り終わっていたし、卒論もボロクソに書き下ろしてさっさと終わらせた。他からしたらきっと嫌な女に見えることだろう。だが、今まで散々馬鹿にしておいてちょっと自分たちがへし折られたら折られたままだなんて虫が良すぎやしませんか?

 

メガ企業ではないがそれなりに大きい会社だった。こんな私でも育ててくれた親の為に自立しよう。そう決意して、新調したスーツに袖を通す。壊れた私は隠して、ちゃんとしたセックスをしたい。

 

 

 

「えー、本日はお忙しい中新入社員歓迎会にご参加いただきありがとうございます!今後の皆さんの活躍を期待して、乾杯!」

 

ワイワイガヤガヤとそこかしこでグラスを合わせる音が響くと、気怠い会が始まった。できることなら今すぐ帰りたいが初めから付き合いの悪い印象を植え付けると払拭が大変。適当に飲んで適当に時間が経ったら抜け出そう。

 

「ねえ…先輩から聞いたんだけど……課長ってめちゃくちゃセクハラしてくるらしいよ……?」

「へぇ……気をつけなきゃね」

 

やっぱりあるんだろうか?

身体を見返りにして「昇進させてやる」と脅すあれが。思い返してみれば私の配属された課には女性が多く、男性は上司(デブ)の顔色を伺うような人ばかりだった。

同期の男の子達は別の課が多かったし、ちょっと綺麗めな女の子ばかりがこの課配属なあたり作為的な物を感じるなという方が無理だ。教育係をやっていたから、部長は頭が上がらないそうだし自分の後輩をわざわざ部長に推薦したのも課長なんだそうだ。揉み消す体勢が良く整っている。

 

向こうで騒ぐオッサン集団、その中の上司(デブ)に目を向ける。脂ぎった顔と数々の飲み会(経験)で培われた腹回り。なるほど、歴戦の勇士らしい。英雄色を好むなんて言葉もある。左手薬指に指輪をしているのが意外だが頭はよく回る(口が上手い)のだろう。

 

こういう話が出た後に、誰がわざわざお酌をしに行きたいと思うか。他の同期は固まってしまっているし、上司連中が飲み交わしている中でそのコミュニティの中に踏み入っていくのは非常に勇気がいる。だからこそ私が行くことにした。よく目立つ容姿で、()()()()()()()()()()()()。この場で()()になるには最適の()()だろう。酒瓶を手にもって席を立つと上役たちの席で膝をついた。

 

「今年度からお世話になります♪ぜひ課長たちにもご挨拶をと思いまして!」

「おぉ君は入社試験の面接から特に笑顔がいいなと思ってたんだ!ぜひ頼むよ!」

 

努めて自然な笑顔になるように。あぁ、一斉に向くこちらを値踏みして舐め回す視線。気持ちが悪い。

既に酒精が回りだしているのか、上気した頬をニヤケ顔に歪めて上司(デブ)はコップを差し出す。ラベルを上にして、両手で丁寧に見えるように酒を注ぐ。

 

「時に君は見た目が日本人らしくないんだが、どこかの国とハーフなのかな?」

「祖母が北欧出身でして……私はそこの血が強くなったようです。ですが生まれも育ちも日本ですよ」

「いやあ肌が白くて雪のようだね!さぞ他の所も色がいいんだろうな!」

 

ゲラゲラと笑いながら足を崩す上司(デブ)。私の膝に足が触れるのはわざとやっているんだろう。気色悪い。今すぐ酒瓶を頭に叩きつけてやりたい。

 

「君は、()()()()()()()()かい?」

「……はい」

 

膝に這う怖気のような感触。上司(デブ)の丸々とした手がスカートの上から太腿をなぞり始めた。あぁ、まさかここまで噂通りだったとは。

その手は太腿を2度、3度と這うとゆっくりと腰を経て尻に回っていく。壁際に近いこちら側は、後ろからの目なんてものは無い。テーブルの下で私が何をされようが周りの上役連中は見て見ぬふりだ。年功序列が如何にクソな制度であるか良く分かる。

 

「あの……他の方にもお酌を」

「他に任せておけばいいさ」

 

酷いな。飲み会だからこそ罷り通るクソさだ。「気づかなかった」「酒に酔っていてよく覚えていない」ニュースでもよく聞く常套句。私の体臭を嗅ぎまわるのかというように、上司(デブ)の鼻息が荒くなっていき手の動きはより顕著に。

噂に違わぬどころかよっぽど酷い。このままなら枕すら要求してきそうなスケベな視線。

 

「君さえよければこの後別の会場で───」

「課長!」

 

おそらく別部署配属の、同期の男の子が命知らずにも切り込んできた。手に酒瓶を持ち、課長を挟んで私と反対側に膝をつく。いい所を邪魔された課長だがさすがに新入社員の尻を撫でているところを見られてはマズいのだろう。

一瞬顔を歪めたが、それを飲みこんで男の子の方にグラスを向けた。

 

「おやおや今年は勉強熱心な()()が多いな」

「課長のお噂は先輩からも聞き及んでおります。なんでも夜の帝王だったとか……」

「よしたまえよ。昔の事だ」

「いやぁ!ぜひともその経験を学ばせていただきたくて!ささぁっもう一杯頼みますよ!」

 

彼と目が合うと、同期の女の子卓へ戻れと視線で合図してくる。そろそろ私も限界が来ていた所だ。他の上役にも酒を注ぎそこそこに話をして同期たちの卓へ戻った。

 

「……大丈夫だった?」

「あれはダメだね。さっそくお尻を撫でてきたし適切な距離を保つことをお勧めするよ」

「やっぱり……ごめんね?私たち勇気が出なくて」

 

私の壊れているところはこういう所だろうか。同期の女子も男子も白々しく、私に体よく押し付けたようにしか思えない。結局助けに来てくれたのは未だに課長らの武勇伝で盛り上がっているあの男の子だけだった。

 

 

 

 

「ありがとうございました」

きみぃたちも気をつけるんだぞぉ!

「運転手さん国領までお願いします」

 

フラフラになった上司(デブ)を駅前のタクシーに突っ込んでようやく人心地ついた。上役もみんなタクシーに突っ込んでそれぞれ見送りようやく新入社員の仕事は終わった……。

同期たちみんな、仕事は私たちに放り投げて終電前に帰っちゃうしこの男の子が居なかったらもうちょっとひどいことになっていただろう。

いくら私でも一人で助けに来てくれた男の子にすべて任せて放置はできない。

 

「あーちくしょうマジしぶてぇあの課長(デブ)……もっと早く潰れてくれりゃあ楽だったのに」

「お疲れ様」

 

自販機で買った水を彼に手渡すとすごい勢いで飲み始めた。

どうやらよほど喉が渇いていたようだ。彼もだいぶ飲まされていただけに足取りは少しふらついている。

 

「わりぃ……。ありがとう」

「どういたしまして。助けてくれたお礼だよ」

 

私があの上司(デブ)からセクハラを受けていた時、救援に来てくれたのは彼だけ。他は先輩社員ですらその蛮行を見て見ぬふりだ。あのままだったら私は上司(デブ)にホテルにでも連れ込まれていたことだろう。

 

「ところで家は?終電あんの?」

「私は浜田山だけど……ちょっと厳しいかな」

「だよなぁ……」

「君はどこなの?」

「俺?町田だけどもう終わってるわ」

 

口ぶりからもう彼も終電が行ってしまっているのだろう。私はまだしも彼は都内と言えどもう県境。ここから深夜料金のタクシーなら万越え確実な距離であり、新入社員の財布には痛手が過ぎる。

明日は休日だからカラオケなどもちょっと高いし、どこも空き無しといった状況だ。

 

「しょうがねぇ……ネカフェか……」

「提案があるのだけど」

 

彼がこっちを向くのを待ってから私は口を開く。先ほどまでのはきはきとした態度はどこへやら、気だるそうに向き直る彼。

……これは壊れている私だからこそできる提案だ。上司(デブ)に抱かれるくらいなら彼の方がいい。唯一助けてくれたわけだし。

 

「ラブホ宿泊(ステイ)で割り勘しない?シャワーもベッドもあってすっきりできるし」

 

その提案を私が口にすると彼は思いっきり眉を(ひそ)めた。

 

「いやお前……。知り合って間もない男とラブホとか良くないだろ……自分大事にしろよ」

「何かするつもりだったの?私は君だったらしてもいいけど」

「俺、三秒前に自分を大事にしろって説教したんだけど」

 

変なところで真面目な彼に、ラブホの設備と料金の割り勘でいかにお得か説いていく。安い所だったらネカフェと同等の料金で、しかも同期の女の子付きで怪しまれることは無い。これほど魅力的な提案を断るのはいかがなものか。

 

「ほら、部屋が無くなっちゃうよ?早く」

「マジかよ……」

 

なんというか、彼はとても話しやすかった。

外見に囚われるんじゃなく私自身の中身と会話をしてくれて、いやな所に触れてくるわけでもない。それでいてちゃんと人間らしく会話をしてくれる。なんだか壊れた私にはそれが染み入る様に感じられて嬉しさが勝った。

 

 

 

 

駅前の繁華街から少し離れたホテル。部屋を選択すると連れ立って入室しお互いジャケットをハンガーに掛けた。

あまりラブホらしくないが、浴室が広めでベッドはダブルが一つ。枕元の籠にアメニティとゴムが入っていて必要最低限の部屋と言った感じ。大学の途中から男に誘われることも無くなったから久しぶりのラブホ。

 

「お風呂は入る派?それともシャワーで済ます?」

「普段は入れないからたまには湯に浸かりたいな」

「オッケー。沸かすよ」

 

ベッドと椅子に腰かけ、お互い沈黙。今日初めて会話した新入社員同士。その二人でこんなインモラルな場所に居るのだから当然か。

 

「改めて、今日はありがとう。あのままだったら今頃上司(デブ)とラブホだったよ」

「へーへー。どういたしまして」

 

結局ラブホなんかい!と彼のツッコミは置いといて。いくらその辺が壊れている私でもあの上司(デブ)に抱かれたくはない。

 

「よく知らん男とラブホって抵抗ないの?俺同期ってだけで名前も良く知らないんだけど」

「別に、1回セックスしたぐらいでどういうワケでもないでしょ?大学生の飲み会なんて持ち帰りが常だったし、サークル内穴兄弟とか竿姉妹なんて普通じゃない?」

「いや……君の周りが爛れまくってることは良く分かった……」

 

どうやら彼の周りでは信じられないことのようで、げんなりした顔で水を飲んでいる。

対して私はスミルノフの瓶を開けた。ここに来る前にコンビニでお酒とおつまみを買い込んだのだ。このホテルで淫臭ではなくおつまみの香りが充満しているのは私達の部屋ぐらいだろう。

 

「どこ課配属……いやあの課長(デブ)の所に決まってるか」

「そうだよ。だから今日じゃなくともそのうち枕でも要求されるよ」

 

抱かれるのは嫌だが、セックス自体は何とも思っていない。私は不感症のマグロだという事も道すがら彼には話した。大学のあだ名が『白髪マグロ』だったことも。

彼はものすごく居心地が悪そうに反応を返してくれていた。初対面に近い女にこんな事をぶちまけられれば誰しも困るだろう。

 

「それでさ。時間も有り余ってるわけだし、一回セックスしてみない?もしかしたらものすごく相性いいかもしれないし」

「風呂先入るぞ」

 

そう言って彼は立ち上がるとフラつきながらも浴室へ入ってしまった。

私が誘ってるのに食いついて来ない。それだけで彼は今までの男たちと違う、不可思議な存在へとランクアップした。グイッと酒瓶を空けて叩きつける。酒も入ってか私の中には今までにない感情が沸き上がって渦巻いた。

 

〝絶対に私を抱かせてやる〟

 

そうと決まれば今の私には攻める大チャンスが訪れている。

浴室からシャワーの音が聞こえてくるという事は、彼は服を着ていないってこと。つまりここで私が押し入ってしまえば逃げ場も何もない。私はブラウスとスカートを脱いで下着も抜き放って浴室に飛び込んだ。

 

「は!?お前何してんの!??」

「何って一緒に温まろうと思って。洗ってあげるから」

「いやいいって!」

「遠慮しないでよ。体冷えちゃう」

 

ボディソープを手に(まぶ)して彼の肌に手を這わせる。

運動趣味でもあるのか、彼の体はけっこう締まっていて、男らしく筋張った筋肉と浮き上がる血管。私の白い肌とは違う濃いめの肌。うん、浮き上がる血管と筋肉は加点対象だ。お、けっこうおっきい。

彼の視線は努めて私を見ないようにしているけど、胸や秘所に行ってるのはバレバレ。そこまで大きいわけではないがしっかりと膨らみはあるし、もともと薄い体毛はここもそうだ。色素の薄い肌はお酒で上気して少しピンク色。ほら、食べごろのメスが目の前にいるのだから手を出してみろ。

 

「……」

「童貞なの?」

「……素人が付くけど」

「ふぅん……。じゃあ経験のチャンスじゃん。セックスに夢見ててもいいこと無いよ?」

 

カポーンと音がしそうな状況。湯船に浸かって二人並んで体育座り。

今頃その辺で立ちバックでもしてるはずの私の目論見は見事に崩れた。どうせこいつも、これまでの男と一緒でちょっと押せば本性を現すと思っていたのに頑なに私を抱こうとしない。

 

「いや、そのさ、すごい童貞臭いかもしれないけどさ。もうちょっと、ちゃんと相手を選んだ方がいいんじゃないの?」

「だから君がいいって言ってるんだけど。そこまで言うならさ、ちゃんとしたセックス教えてよ。私に」

 

そろそろ、私もムキになってきた。彼は私の顔を見て溜息を吐く。人の顔見て溜息吐くとか失礼にもほどがあるんじゃない?

 

「………………分かった。ただ酒飲ませてくれ」

「お酒の勢い?いいよ?そういう獣チックなのも」

「覚えていたくねぇんだよ」

 

 

 

ベッドに移ってお互い全裸のまま胡座(あぐら)とトンビ座りで向き合う。お酒を(あお)っては手を出してこない彼にしびれを切らしつつ、こちらから迫るのも負けな気がして酒を飲み進めた。

 

「じゃあ、します」

「ふふ、どうぞ」

 

ゆっくり、唇が触れ合うだけのキス。すごくソフトな感触にちょっとびっくりしてしまった。もっとガッと来て舌を吸われるもんだと思ってたから。

私のぷっくりとした唇を労る様な、もう一度唇に触れ合うようなキス。今度はもうちょっと長く、彼の体温が少しずつ伝ってくる。少し吐息がお酒臭いが、私も同じようなものだろう。

 

もう一度キス。

舌先が私の唇をノックしてきたから、口を開いて彼を招き入れた。おずおずと入ってくる彼の舌を、自らの舌で持て成してまずはおくちでセックスする。

 

「ん……ぷぁ……っ…」

 

お互い酒が入っているだけあってアルコール臭い。潤んだ粘膜を重ね合わせお互いの欲望を確かめ合って、唾液を撹拌してカクテルを作っていく。酷く甘いそれを飲み下して、もっと欲しいと強請(ねだ)る駄々っ子のように吸い付いた。

 

どのくらい続けていたのか分からない。離れていく男の顔と、思ったより酸素が足りなくて深く息を吸う私。

正面に座り合っているから、胡座をかいた彼の象徴が強く張っているのが分かった。キスだけでそんなになっちゃって、この先大丈夫なのだろうか。

 

私の後ろに座り直して、彼は後ろからあすなろ抱きをした。ふわりと漂う私と同じシャンプーの香り。背中から伝う体温と心臓の音。なんだか安心するその音にくすりと微笑みをこぼす。

 

「緊張しすぎ」

「うっせ」

 

どく、どく、どく。早鐘を打つ彼の心臓。

ゆっくり深く抑えて呼吸してるのバレてるよ。

 

どく、どく、どく。早鐘を打つ私の心臓。

私もそう。鼻息荒くなってるのたぶんバレてる。

 

 

「触るぞ」

「ふふっ、どーぞ」

 

私に確認を取ってから、彼の指は私の指先に重ねられる。指先だけフェザータッチすると、肌をなぞる様に逆上(さかあ)がってくる。快感とは言い難いくすぐったさが這い上がって体温を伝えてきた。

 

指先、手のひら、手首、腕、肘、二の腕、脇、肩。

 

くすぐったさは、ゾクゾクとした感覚に変わり神経を伝って肌を粟立たせる。それがより輪郭を持たせるように神経を鋭敏にして手の動きを際立たせた。

 

「んん……♡触り方えっち……♡」

 

今度は脚だ。彼の手がぺたん座りしてる私の爪先に触れ、腕と同じように指先だけを這わせる。今までの男たちとは全く違う、ガッツいてくるやり方じゃなく、まるで弱火でとろとろ煮込んでくるような焦れったい責め。

 

爪先、裏、甲、(すね)脹脛(ふくらはぎ)、膝、膝裏、太腿(ふともも)、内腿。

 

果実の皮を剥くように、私の中の何かを一枚、また一枚と剥いていく指先。爪は立てず、かと言って手のひらを触れる訳でもない。指先の細やかな皺を当てるだけで私の肌をなぞっていく。

 

身体に走るゾクゾクとした感触。

いつしか肌が突っ張るような感覚がして、視線を下ろすと乳首が酷く勃起していた。人よりも幾分も白いはずの肌も紅潮し、そこは真っ赤になって震える。今までにない身体の反応に私は戸惑う。

違う、コレはアレだ。寒さとかでキューってなるやつ。今までだって乳首が反応を示す事はあった。だから半信半疑。こんなにビンビンなのは初めてだけど。

 

彼の手はお尻を這うと尾骶骨(びていこつ)、腰骨、背中、肩甲骨(けんこうこつ)を経て首筋を撫でていく。全身を余すこと無く探られる恥ずかしさが勝り身体がジワジワと熱くなってくる。

 

大事なところは触ってこないのに、身体は隅々まで見られていく。

 

なぞられていく。

 

 

分かられていく。

 

 

 

把握されていく。

 

 

 

 

裸にされていく。

 

 

 

 

彼の手が背筋を余すところなく這うと、次はいよいよ正面だろうか。まだ焦らすつもりだろうか。次はどこを触れるのだろうか。頭の中をぐるぐる回る期待と焦燥。ここまで時間をかけて焦らされるなんて思ってもみなかった私。

 

私の身体は全身隈なく肌から温もりを与えられ、それがじわりじわりと中に食いこんできて熱くなっていく。今までこんなに熱くなることなんて無かった。全身が汗を分泌し出す。

 

「どこもかしこも柔らかいな」

「……スキンケアは怠ってませんので♡」

 

肋骨(あばらぼね)を下から1本ずつなぞる指。しっとりとした感触が上乗せされて、伝わる熱はより顕著に。

 

ようやく指が辿り着いた先は、胸の膨らみの先端。赤く膨れ上がって存在を主張する果実。しかし指はそこだけ素通りして胸骨に至ると谷間を通り、腹部、へその筋を下っていく。

 

「……はぁーっ♡…はぁーっ♡」

 

なんで触ってくれないの!?()()()()()()()()()()()!!自分たちだけが除け者にされた抗議か、じくじくと乳首が疼いて仕方ない。敏感な所だけを触ってもらえず、ついに女の身体は神経を鋭く(とが)らせ始めた。

 

────とんっ

 

男の指先は下腹部で肌を離れ、秘裂のほんの上部辺りから何かに沿ってタップし始めた。

 

────とんっ

 

身体中に散りばめられ、肌から吸わされた男の体温がタップされた箇所に急速に集う。

 

────とんっ

 

まるでぐずる子供の背をあやす様な優しいタップ。指先から伝わる微震は確かに、皮膚越しに膣道に波及する。

 

────とんっ♡

 

未知の感覚がせり上ってきた。下腹部が熱い。一体この感覚は何なのだろうか。頭が処理をする前に全身に熱が回って、更に廻って下腹部に集まってくる。ずきずきとぐずる下腹部。おかしい。制御できない。びくびくするのがとまらない。

 

────とんっ♡

 

ぱちっと静電気のような火花が目の前に散った。あたまがあつい。からだがあつい。おなかがあつい。おなかのなかがあつい。

 

────とんっ♡

 

 

あっ……!♡

 

 

へその下。肉の薄い下腹部の中。男の指は遂に至る。全身に散らした熱が一箇所に集中し、パンパンに膨れ、女自身の自覚もないまま破裂寸前で留まっていた快感。

 

今まで全てを溜め込んでいた我儘(わがまま)な問題児は大声を上げて泣き出した。それをあやす様にタップを続ける指先。

 

「──♡♡゛♡♡!♡゛…゛゛♡!♡゛゛……♡゛♡♡゛♡…゛…!♡!」

 

イッ───!!な…!にっ♡こ♡♡れっ゛イ゛ッてる♡っ゛!?中っ゛が!イッッてっる♡!?ゆ゛びっで゛とんっ♡!とん♡!される♡…たびに!中♡♡!が♡…゛いっっ!て…゛る♡っ

 

肺も心臓も握られた様に浅い呼吸しかできない。頭の中と目の前でバチバチッと神経がショートして、思考がまるで纏まらない。思考しようとしたそばから快感が爆発して弾け飛ぶ。

 

「あ゛♡♡ぁあぁぁっ♡゛ああ♡…ぁあ!あぁ♡!あ♡♡ぁっ!ああっああ…♡…っ!」

 

わけわかんない♡!わけわかんない♡!!わけわかんない♡!!!なにこれ♡!?なにこれ♡!!?!なにこれ♡!?!!?

 

姿勢を保ってられない。

狂ったように痙攣する下腹部。ガクガクと震え、制御なんてまるでできない脚。彼の指を振り切って襲い来る快感を必死に耐えようと、手はシワになるほどシーツを握って顔を突っ伏す。

 

猫がしっぽの付け根をイジられたような姿勢、お尻を彼に突き出した状態で縫い付けられた私。

四つん這いの脚の間から滴る蜜は私がひどく発情してる証で、膣口から自分でも信じられないほどの涎を垂らしていた。

 

その先、膝をついた股座(またぐら)の中心に(そび)えるおちんちんは今までシた誰よりも力強く反り返って、幹に血管を浮かび上がらせていた。

先端は赤黒く膨らみ、絶対に雌の穴をぐちゃ混ぜにするカリ高……。その下に実ってる陰嚢はパツパツに腫れ、たんまり種を蓄えてる事がありありと分かる。

 

猛々しい肉槍に薄いゴムの被膜が被せられていく。コンドーム、しっかり付けてくれるんだ……。

子作りじゃなく、繁殖の為じゃなく、オスとメスの性欲を発散するだけの、100%ギトギトの性欲解消の為だけのセックス。

 

私とする為だけのセックス………♡

 

涎を垂らし続ける膣口に、にぢり♡と肉槍の先が合わされた。

もはや隠しようもないほど真っ赤に充血して、モノ欲しげに自分からばっくりと口を開く秘裂は、私がとても興奮している証になってしまう。

 

「……挿入()れるぞ」

「お願い……します………♡♡」

 

なんて(とろ)けた声なんだろうか。こんな欲しがった声なんて出たことなかった。

 

くちっ……♡

 

先端が肉の花弁をわり開き始め、膣口が押し広げられていく。

自分だって腰を叩きつけて気持ち良くなりたいはずなのに、彼は蛞蝓(なめくじ)が這うような速さで押し入ってくる。

 

「はああ……あ…………♡」

 

そのせいで、感度が極限まで高まった膣内は彼の形をはっきりと記憶してしまう。

膨れ上がった亀頭、エラが張り詰めて肉襞を(こそ)ぐようなエグいカリ首、ゴム越しなのに幹に浮き上がった血管がくっきりと分かり、膣内が(ほぐ)れてなければ受け入れるのも難儀する太さ。絶対女の子泣かせだこのおちんぽ……♡

 

トロトロの蜜がどっぷり吐き出され、潤滑の良い膣内は嬉々としてその剛直を飲み込んでいく。ぬむぬむ♡としゃぶりつき肉襞は幾重にも重なって我先にと結合したがった。

ゆっくり、ゆっくりと時間をかけて侵入してくる彼。それがあまりに焦れったい。肉襞と肉槍が触れ合わさった所からはぞくぞく♡と背筋を駆け上がるような快感が上ってきて脳を犯す。こんなこと今まで無かった。

 

「あぁ…あ…♡あ゛あぁ♡あ゛あ…ああ……♡」

 

奥へ、1歩ずつ奥へ。ぐるぐると下腹部に渦巻き続ける熱を溜め込んだ中心にじわじわと肉槍は近づいていく。

 

水責めのようにジワジワと。迫る壁のように逃げ場なく。もう、私の、最奥の剥き身の果肉を剛直が喰らわんとしている。残さず食べられてしまうのだろうか。それとも、ぐちゃぐちゃに食い散らかされてしまうだろうか……♡

 

──ぐにゅっ♡

 

「……っあ!♡」

 

バチンッとお腹の奥がショートした。

何が起きたのか理解する前に猛烈な波に飲み込まれ、頭の中が吹き飛ぶ。許容範囲を遥かに超えた電気信号が神経をバグらせ全身の痙攣が止まらない。

 

「あぁ♡!あ♡かはぁっ!あぁ゛んあぁ!あ♡いぃぃ゛♡!あ゛あぁ゛!あ!」

 

挿入()れられただけで、私は達した。

溜め込み過ぎた快楽を吐き出そうと、でろでろに溶けて降りた私の子宮に、肉槍は優しくキスした。

優しいキスだ。あまりに優しすぎるキス。ずっとずっと子宮が求めてた優しいキス……♡

 

じわじわと高まっていく。彼は微塵も腰を動かしてないのに、どぐんどぐんとゴム越しに伝わる肉槍の脈動で勝手に高まっていく。膣内がイッてるのか、子宮がイッてるのか分からない。(ある)いはその両方か。肉槍の先端が子宮を捉え続けているせいで緩い絶頂の波が引かない。

 

……♡!

「ほら、起きて」

「んぁっ……!♡」

 

上体を反らされ、さらけ出された下腹部を、彼の指が再び秘裂の上あたりから膣道に沿って指でタップし始めた。

 

とんっ♡とんっ♡とんっ♡

 

今、私の膣内には彼の膨れ上がった鋼のような肉槍が挿入(はい)って、入口から最奥まで隙間なんて無いぐらいに圧倒的質量の肉がギチギチに埋まっている。

それは埋まっている下腹部が少し隆起する程に、触ればガッチガチのおちんちんが詰まってるのが分かるぐらいに私の柔肉は無防備すぎた。

 

身体の内側からおちんちんで押し出された弱点部位を外側から指で刺激しようとしてる。G()()()()()()()()()()する気だ。

 

……戦慄した。

 

私の体は外側から膣道を指でタップされただけで果てた。彼の肉槍を挿入されて亀頭と子宮がキスしただけで達した。ゴム越しなのに彼のモノが膣内でどぐりどぐりと脈打つだけで甘イキし続けている。

スイートスポットを探すように、指先が恥丘でタップダンスする。

このタップが探り当ててしまったら……?ホントのホントにウィークポイントを直撃してしまったら……?

 

 

───トんじゃう…♡

 

 

「はーっ……はぁーっ……はぅっ……はぁーっ……♡」

 

上手く呼吸ができない。

口はだらしなく開いたまま、舌はだらりと垂れ下がり、唾液が垂れるのを気にする余裕なんてとっくにない。彼の卑猥なタップダンスは終わらない。だんだんとその指が舞うところは確信めいた場所に近づいてゆく。

 

探してるんだ……♡私がトんじゃうところ……♡

 

お臍から下に向かって数センチ。子宮よりも少し下に、中に入っている肉槍の硬さと違うぷっくりとした感触があった。彼の指がすりすりと皮膚の中の感触を確かめるように這いまわり、ついに止まると肌を(たわ)ませる程度に押した。

 

「ん゛お…゛♡♡ぉ゛っ!?」

 

一瞬息が止まった。目の前がチカチカする。多量の発汗が肌を滴っていき浅い呼吸を繰り返す。たっぷりと水を吸ったスポンジを圧し潰したかのようにじゅわり♡と膣内に蜜が溢れかえった。

 

中指と薬指が狙いを定めた。……私はそれを見ていることしかできない。

止められない……!止めたくない……♡

 

せめぎ合う心の中が言い争っている内に指先がぎゅっと押し込まれる。膣内にみっちり詰まった肉槍と指でサンドイッチされたウィークポイントがブチュッ♡と潰された。指はそのまま円を描きながら指圧マッサージのようにぐりぐりと圧を掛ける。

 

「あ゛゛!あ゛!あっ!ああぁ゛あ!あ♡゛イく!ああ♡♡あ♡あ゛あ…ああ゛イッちゃっ……!あ…あ♡っあぁ゛っぁ♡゛ああ…!あ♡♡あ゛イくぅっ…!いい♡…っくうい゛…♡く♡ぅ゛っイぃいい゛く……!?」

 

出したことも無いような大声で、私はあらん限り絶頂を叫んだ。いくら防音性に優れるラブホテルといえど、フロア中に聞こえてしまうかもしれない嬌声交じりの絶叫。彼はその間も私のGスポを指圧し続け、あろうことか親指で子宮までイジめだした。

頭と子宮と膣内が直結してるんじゃないかっていうぐらい、直列繋ぎ大容量の快感が止めどなく流れ、ブチブチと脳内回路が焼き切れる。もう、今すぐに廃人になってしまってもおかしくない。

 

「イ゛っ!て♡…っる゛っ!!♡…゛!イ゛゛ッって゛ぇる゛!?からぁ…子゛♡゛宮!い゛じ゛っめぇな♡…い゛でえ゛?!゛♡!!♡!!?奥♡…♡!お゛゛く♡゛っだ゛♡ぁっめぇぇぇっあっっ゛゛あ゛…!あ゛♡あ!ああ゛あ!また゛っイ゛く♡…ぅ゛イッ!くぅっイく゛♡♡!!!」

 

制御不能な全身が痙攣して狂う。膣穴はドポドポと蜜を噴き出して、ブシャッとハメ潮でシーツを汚す。涙が止まらない。汗が止まらない。涎が止まらない。ナカがきゅんきゅんしておかしくなる。

私の体だけじゃなく、ナカの肉槍もどくんどくんと脈打ち暴れ狂っているのが分かる。ゴム越しにずっしりと重たさが溜まっていって膣内の圧迫感がものすごい。

 

「はぁ…あ゛ぁっ!ー♡……はぁ…♡゛…はぁ゛!ぁ♡゛っー♡…んぅぅ!!?」

 

ずるり♡とみっちり肉の詰まっていた膣内から肉槍が、次いでゴムの塊も一緒に引き抜かれた。圧迫感から解放された膣口が白く濁った愛液をどぷりと排出しぱくぱく♡とヒクつく。子宮は子種を飲ませてもらってないと抗議の声を上げ、更に濃い粘液で膣内を満たし始めた。

圧迫感が無くなると、訪れたのは喪失感。もっと繋がりたい。あれだけ自分は壊れていて感じないと思っていた身体は、男の愛撫だけでイかされ、膣内でも子宮でも絶頂した。

 

私は壊れてなんかなかったんだ……!ちゃんとセックスできたんだ!心の中に湧き上がる多幸感に、なるほど同級生の言っていたことは間違いじゃなかった!ごめんね!心の中で謝っとく。

 

 

ぐったりと脱力し、うつ伏せで伸びた私の顔の横に口の縛られたゴムが放られた。

粘液でどろどろになって汚れたその中には、本当に一人が出したのか疑いたくなる量の精液がみっちり詰め込まれていた。こんなの、膣内で出されたら一発で妊娠だ……安全日でさえ危ういかもしれない……。

 

「ごめん、お疲れの所悪いんだけど、俺満足してない……」

「………え?」

 

枕元の籠から小分けのゴムが抜かれ、ピリピリと袋を破く音がする。

体力を使い切った私は体を起こすことができず首だけを巡らせると、全く萎えた様子のない肉槍がゴムを装着されぐちゅり♡と膣口に狙いを定めていた。寝バックって確かGスポを抉りやすい体位じゃ……?

 

「ちょ……待って……ちょっと休ませ……んお゛っ♡」

 

 

 

 

 

 

「知らない天井だ……」

 

朝、だと思う。

ベッドの枕元に備え付けられた時計はそろそろ午前10時を指し示そうとしていた。

 

……頭が痛い。これは完全なる二日酔いか。昨日は新入社員歓迎会に参加し、女性社員のケツを撫でていた課長(デブ)を潰してやろうと(おだ)てて酒を飲みまくったことまでは覚えている。

 

だが、どう考えてもここはラブホで、ダブルベッドでよく知らん女が背中を向けて寝ているこの状況に覚えがない。霞みがかったような記憶と二日酔いでガンガン痛む頭に鞭打つ気にはなれない。

てかヤったのか……?うわぁ、何あの済みゴムの量……一箱分ぐらいあんじゃんヒくわ……。乱交でもヤったのか……。

 

すっきりするためにシャワーを浴びて戻ると、女がシーツで体を押さえこちらを睨みつけていた。

新入社員歓迎会にもいた銀髪女やんけ。

 

「……おはようございます?」

……おはよう

 

うわ、めっちゃハスキーボイスやん。ド渋いわ。

 

「うわ、めっちゃハスキーボイスやん」

だれのせいだと思ってんの?

 

鋭い眼光で射抜かれる。めっちゃ怖い。

 

彼女からお話をお伺いすると、セクハラ課長(デブ)を飲み会でぶっ潰し、タクシーに乗せたところでお互いの終電が無くなりラブホを割り勘したらしい。

盛り上がって一発ヤってしまったが、俺の収まりがつかなくなり一晩中彼女を犯し倒したんだとか。セクハラどころじゃねーよ!みだらな行為やっちまってるよ!

 

「この度は大変申し訳ございませんでした心よりお詫び申し上げます」

 

必殺土下座。社畜ポイントが上がった!

 

……おこってないから顔上げて?その、初めてだったから……あんなに感じたの……

「寛大な処置に心より御礼申上げます」

 

まさか新入社員歓迎会から酒でやらかすだなんて……。全く記憶にないけど、この女性には酷い事をしてしまったんだろう。怒ってないとか女神かマジで。

 

新入社員同士よろしくね?

 

嘘、やっぱり怒ってるだろコイツ。握りつぶされそうな力の籠った握手に、俺の心も一緒に折れた。

 

 

 

 





女(新入社員のすがた)
酒が入っても記憶が残るタイプ。Lv.24でバリキャリ女に進化。なつき度MAX状態で指輪を持たせ進化させると???になる。
感じにくい体質でバキバキに貞操観念が壊れてしまっていたが、よわよわ子宮のスイッチがONにされるとハチャメチャつゆだくになる。好きな人にはキツめに当たっちゃう。
得意技はコンプライアンスパンチ。上司(デブ)は消し飛んだ。



男(新入社員のすがた)
酒で記憶を吹っ飛ばすタイプ。Lv.22で社畜に進化。
優秀だが上司(ハゲ)に成果をかすめ取られ、ミスを押し付けられる苦労人。女に恨まれていると思っている。


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若いきつねとコタツうどん(でか盛)

オッス、オラ社畜!

なぁんかラェンキングのやべぇ所にいっぞ!周りが強ぇ作品ばっかで心臓バックバクだ!!持ってくれよ!オラの身体(こころ)―――!!


 

 

酷く寒い1月の日。

 

新たに晴れの日を迎える若人達のはしゃぐ姿に、自分もあんな時期があったなぁと思いを馳せつつ、今日も今日とて元気に出勤。

 

この季節最強の冬将軍が山を越えて侵攻し、この地方で白妖精に舞うよう命じたらしく、妖精はその身を結晶()にして一心不乱に踊り狂う。

 

スノートラップを見た子供達は引っ掛かって大はしゃぎ。長靴手袋完備で公園警備員へみな昇進。きゃっきゃと喜ぶ悲鳴をあげて転げ回っていた。微笑ましいね。後ろのお母さん達目が死んでるけど。

 

 

雪に慣れないこの地方は、そもそも道路が滑らないようにできていない。融雪設備もなければ排雪溝もなく、水気の多いボタ雪は降り積もってきんかんなまなま(凍ってツルツル)

車は命知らずにもサマータイヤのままで出掛けやがるから、ズベって坂で空回り。首都高は封鎖され下道は立ち往生で渋滞天国。世界に誇る日本のスーパー輸送機関DENSYAでさえも、雪に犯され運転ダイヤがアヘアヘにされちゃうのだから困ったものだ。

雪に喜ぶ子供たちとは裏腹に、お父さんとお母さんは明日の出勤を心配するのである。

 

大人になったら雪というものを楽しめなくなってしまう一番の理由だ。

これも大人になったと言うことなのだろう。雪で楽しめるのは時間が有り余った大学生がスノボーでヒャッハーする歳までなのだ。今のうちに楽しんどけよ?来年からお前らも家族だ(ファミパン)

 

 

さて、雪を被りながらなぜ俺が外回りでヒーヒー言わなければならないのか。

それは上司(ハゲ)が家族でスキーに行き、ゲレンデぎっくり腰で1週間も穴を開けやがったからである。

こんな原稿用紙の1割にも満たない様なうんちゃらぽんな理由で、取引先ご挨拶回り新春特別号は全て課の社員に降り掛かってきた。雪が降るだけにってか?やかましいわ。

 

この一週間マジでスケジュールが分単位でケツカッチン。取引先にご挨拶へ伺うのに遅刻なんてできやしないし、当然外回りが終わってから自分のタスクを処理せねばならず、俺の残業時間記録は大幅に更新されそうな勢いだ。

 

たまたま一緒に昼飯を食った時、食べながらも作業する俺にバリキャリ女はドン引き。

缶コーヒーを握らされて「……余り物だから」と両手で指を包まれた時には、うっかり股間山脈の火山mt.ThinThinが目覚めかけた。

そういえば、もう覚えている限りで1週間は噴火活動が見られず、かなりのマグマがグッツグツに煮えてるだろう危険が危ない状態だ。職場でプリニー式噴火は全くもってシャレにならない。

帰ったらお気に入りのオカズで山鎮祭やろうと誓って、デスクトップに向かい合った。

 

 

ようやく降りかかったタスクは片付き、人事部から「いい加減休みを取れ」と脅されたのでそんな今日はコタツ記念日。

ヨレたバスタオル等の日用品を更新しようとホームセンターへ行ったら、新春セールで随分安くなっていたので買ってしまったのだ。人をダメにするコタツ(絶対領域)を。

 

少し遅いが寝正月の到来である。動画サイトの追えてないドラマをイッキ見するか。

ついでにこのラス1の赤いパッケージのうどんも買っていこう。お揚げ2枚入の大盛りサイズはなかなかコンビニ等でお目にかかれない。

もうこの休暇は怠惰な生活をすると決定しているのだ。色んなものを買い込んで巣ごもりして過ごす!誰がなんと言おうと!

 

 

 

あ~~~なにもするきがおきねぇ~~~~

 

コタツ(領域展開)して足を突っ込んだが最後、俺はもう抜け出せなくなってしまった。

 

この部屋はすべてコタツを中心に展開する中央集権国家の完成である。もう風呂とトイレ以外は出ない。正月太りってコタツも半分くらい要因に絡んでるだろ。

 

コレで人をダメにするクッションなんて呪いのアイテムがあったら俺はもう社会復帰できる気がしない。あのナイロンのサラサラ感覚を思い出して、柔らかいものを揉みたい衝動に駆られる。しかし悲しきかなコタツ布団しかない。

 

動かなくても腹は減るもので時計を見ればちょうどお昼時。この為に買い込んだのだ。

赤いパッケージのきつねうどん(でか盛)の封を切り、お湯を注いでいく。ちなみにこれ、北海道と東日本と西日本でつゆの素が違うんですってよ奥さん。ご存じでした?あっ知ってます?失礼しました。

 

突然引き伸ばされたように感じる時間。

カップ麺を待つ5分間と、会社の休憩5分間が同じものだとは到底思えない。会社の休憩時間とか15秒ぐらいで終わるじゃん。絶対加速装置付いてるって。

しょうもない脳内論争をしてるうちに麺と揚げがいい感じにふやけてきた。つゆの素をかき混ぜながら満遍なく溶けたところでいただきます。

 

 

 

「げっ……変態(ロリコン)強姦魔(クソザコ)おじさん!?」

 

 

 

頭上の甘ったるい声から放たれる突然の罵倒。とんでもねえ挨拶だなオイ。

 

白いワンピースとほっそりとした手足。等身的には中学生ぐらいだろうか。

しかしその身に実ったアンバランスとも思うたわわな果実は、今にもワンピースが弾けてしまいそうなほど布地を引き伸ばしていた。その下にうっすら存在を感じる赤い下着もまた煽情的な弧を描いている。

 

顔を上げると金色の豊かなセミロングを揺らし、頭頂部に三角形の対になったキツネ耳を生やした(ガキ)がそこにいた。浮世離れしたように整った容貌に紅い瞳のツリ目が更に吊り上がってこちらを睨みつけていて、何をそんなに不評を買ってしまったのか分からない。

 

 

勘違いしているようだが、そもそも不法侵入してるのお前であってだな。

言い掛かりも甚だしい。初対面…の筈の、こんな人間じゃないような美少女なんて見たら普通忘れないだろうし、そんなので童貞卒業なんてしてたら尚の事記憶に残るはずだ。なのに俺の頭には、このきつね(ガキ)と致した記憶は全くない。

 

 

「ふぅん……しらばっくれるんだ?アタシ(きつね)で童貞捨てたくせに」

 

ばっふんばっふん苛立たしげに床を叩くきつね(ガキ)の尻尾。

 

しかし、どこかこのクソ生意気な言動を知っているような感覚がある。以前にもこんなやり取りをしたようなデジャブが流れ込んできた。

せっかくの休みに難しいことは考えたくないのに。

 

「あーとりあえずお揚げ1枚やるから機嫌治せよ」

「は!?アタシ(きつね)そんな安い女じゃないから!!もらうけど!!」

 

もらうんかい。

 

二枚ある揚げの内の貴重な一枚を箸でつまみ上げ、向かいのきつね(ガキ)に突き出す。ほかほかと湯気の上がる揚げに齧り付き……

 

「あっちゅ!?」

 

舌先に触れた途端きつね(ガキ)はビクンッ!と身体を仰け反らせた。そりゃあ入れたてアツアツのつゆをたっぷりその身に吸い込んだお揚げなのだ。

猫舌でなくとも冷まさなきゃ火傷するだろう。驚いた反応かしっぽが2倍ぐらいの太さにボンッなってるのウケる。

 

「あぐっ!?!?」

 

ちょっおま……!

 

仰け反った勢いそのままに、後ろに転がったきつね(ガキ)はゴチンッと棚へ盛大に頭をぶつけて悶える。

クリティカルヒット!……いい音がした。あれは痛いぞ。

 

「きゃんっ!!?」

 

頭をぶつけた事による衝撃で、棚に置いてあった加湿器用の水がぐわんぐわんと揺れていたが、遂にひっくり返りきつね(ガキ)は全身に水を被ってしまった。

止める間もないピタゴラスイッチ3連コンボが意図せずキマる。

 

「やぁぁぁん……冷たいよぉぉお……!」

「何やってんだよお前……」

 

一先ずタオルを放り投げ、棚にぶつけたであろう頭を()る。たんこぶにはなりそうだが幸い出血はなく、よっぽど痛かったのだろうぺたんと垂れ下がった耳がフルフルと震えていた。

 

水を被ったきつね(ガキ)の白いワンピースは彼女の肌に貼り付き、肌色と真紅の下着が透けていて大変視覚によろしくない。

てか、もともとワンピースの防御力なんて無さそうなのに水に濡れてもはや0になっていた。……寒くない?

 

「……くちゅん!」

 

寒いんじゃん……。

 

「とりあえずシャワー浴びてこい。服は貸してやるから」

「お風呂場で酷い事するんだ……!エロ同人みたいに!!」

 

マセガキがよ……。

 

「ちげーよ!濡れたまんまでお前が風邪ひいたら俺の責任になっちまうから温まってこいって言ってんの!」

「そんなこと言って!シャワー出しとけば悲鳴が聞こえづらいからお風呂場で壁に押さえつけてそのまま乱暴するんでしょ!?……くちゅん!」

 

あー…!もうこのマセガキ!

首根っこを引っつかみきつね(ガキ)を浴室へぶち込むと俺はそのまま水浸しの床掃除に戻った。危なそうなものは移動させておこう。そうしよう。

 

「おい」

「ひゃいっ!?」

 

程なくしてシャワーを浴びる音が聞こえてきて一安心する。当然女物の服なんて持ってない訳だから、とりあえず新品のインナーと洗濯済みのパーカーを用意した。

浴室の扉越しに声をかけると、磨りガラスの向こうできつね(ガキ)が飛び跳ねたような反応を返してくる。

 

「とりあえず服置いとくから上がったらこれ着とけ。タオルもカゴに入ってるやつを使っていい。あと洗濯するから着てたやつは洗濯機に入れろ。いいな?」

「わ、分かった……ごめんなさい」

「こういう時は〝ありがとう〟だな」

「……ありがとう」

 

 

 

後処理を終えコタツに足を突っ込んでいると、ほどなくして浴室からきつね(ガキ)が出てきた。

 

しんなりとした髪。毛が濡れたことで細くなった尻尾。ほんのり上気し薄桃色になった肌。

やはり男物の服は大きいのか白いパーカーの袖口からは指先しか覗いておらず、裾もオーバーサイズのように太ももまでかかっていた。下には余ってた短パンを用意したものの、パーカーに隠れ履いてないように見える絶妙な塩梅。白く伸びる足が眩しい。我ながらこれは兵器を作ってしまったかもしれん。

 

そして黒いヒートなテックのインナーに包まれた胸元のたわわな果実の主張が激しく、チャックが閉め辛いのかお腹から上は開けたままだ。説明不要……でか盛……。

 

「……ありがとう。おじさん」

「あー、ありゃ事故だから気にすんなって。髪乾かしてやるからコタツに入んな」

 

しゅんとしたきつね(ガキ)がコタツに入ると「ほふぅ……」といった声を上げて溶けた。ツリ目な彼女の目尻も下がってほくほく顔になる。

 

「ドライヤーするからな。大人しくしてろ」

「ふぁい……」

 

一瞬で溶けすぎやろ。

 

スイッチを入れて温風がブオオ~と吐き出される。正直、女子の髪にドライヤーなんてしたことが無いからどうしたらいいか分からんが、頭頂部の耳の辺りから風を当てていく。

風を当てられて(くすぐ)ったいのかピコンピコンと耳が動いて、てしてしと俺の手を叩いた。

 

わしわしと髪をかき混ぜながら、風が入るように梳かしていく。指に引っ掛かることはなく毛先まで通る金の髪は、シャンプーの香りとは違う甘い香りを漂わせていた。

同じものを使っている筈なのになぜこうも(かぐわ)しいのか。

 

「ふやぁぁああああ……」

 

溶けたきつね(ガキ)はコタツに身体を預けているのだが、天板に乗った胸がむにゅりと広がり、先端と思しき場所にぽっちりとした突起が浮き上がっている。

 

こやつ、もしやノーブラでは?ノーブラでヒートなテック着てる……?いや、服は俺のだけどさ。

 

クソが……!

柔らかそうに天板へ乗せられたたわわなものに目がいってしまう。何とか視線をズラすが気づいてしまったが最後、悲しきかな男の視線はこの重力に抗えないのだ。This is 万乳引力。凄まじい万乳引力。強すぎるだろ。

コレが奴にバレればここぞとばかりに煽り散らしてくるに違いないから必死になって視線を外す。えぇい!奴のたわわはバケモノか!?

 

 

「しっぽやるぞ」

「デリケートだから優しくね」

 

こちらも髪と同じ金に近い毛並み、先端は白に覆われていてドライヤーの風を受けてだんだんとモフッてきた。ふわふわとして触り心地がとても良く体温でほんのり暖かい。パーカーの裾と短パンの隙間から覗くしっぽの付け根、その下の肌色に目がいく。

マズい、どんだけムラついてんだ俺……。

 

 

こんな時はもう映画を見てしまうに限る。大体きつねの髪もしっぽも乾いたし、ドライヤーを止めモニターの正面に座り直した。

 

「映画観るから静かにな」

「……ひゃい」

 

 

 

『いやぁ、もう行ったかと思ったよ』

『とんでもねえ、待ってたんだ』

ババババ!!ウウワァァウウウゥ!!

 

映画はよくあるアクションモノだ。

退役した軍人の娘が攫われ、その軍人が相手集団に対して無双するという有名俳優の肉体美が眩しい名作。特に日本語翻訳が秀逸で声優の演技も合わさり人気が高い。

 

『俺達に協力しろ。OK?』

『OK!』ズドン!!

 

「ねえ、おじさん」

「なんだ」

「見辛いからそっち座ってもいい?」

「……いいぞ」

 

コタツから抜け出すと立ち上がり、俺の座ってる面へきつね(ガキ)は歩いてきた。隣にでも座るのだろうか?

 

「おじさん、胡座(あぐら)になって?」

「あぐら?」

 

言われるがままに足を組み直す。するときつね(ガキ)は俺の足を跨ぐと裾を押さえながらしゃがみこんだ。

 

「あー♡背もたれ欲しかったんだ♡」

 

胡座をかいた足の隙間に腰を下ろして、座椅子よろしくそのまま俺の身体に体重を預けてくるきつね(ガキ)

 

柔らかな身体とほんのり温かい体温。シャワー後のために、余計に立ち昇る匂い。

むにゅり♡とした尻が股座(またぐら)に押し付けられ、視界には髪の隙間から覗く白いうなじと、パーカーに収めきれない双丘がインナーをぱっつん♡と押し上げる絶景が広がっていた。

……やはり下着を身につけている様子はなく、丘の頂きにはふっくらとした果実がその存在を主張している。

 

その光景を目の当たりにして股座(またぐら)の肉槍にぴくりと刺激が走った。このままだとマズい……。

 

「俺が見えん」

「やんっ♡」

 

胡座を広げきつね(ガキ)の尻を床に落とす。尾てい骨の辺り、しっぽがそのものズバリな場所に当たりそうだが、尻肉が乗っかっているよりよっぽどいい。コレなら腰を引けば収まりがつかなくなったのはバレないだろう。

 

『面白い奴だな。気に入った。殺すのは最後にしてやる』

 

呼吸が荒くならないように、務めて静かに息をする。

だがそれでも鼻腔に入ってくる甘い香りと薄い肩。鎖骨とその先に(そび)える二つの峰。映画に合わせてきつね(ガキ)がもぞもぞ動くせいで微細ではあるが布越しに刺激が股間にいく。

 

ウォォッグキッ

『頼みがあるんだ。連れを起こさないでくれ。死ぬほど疲れてる』

 

「おじさん、手」

「手?」

「そう、アタシのお腹の上に乗せて?」

 

言われるがままに手をきつね(ガキ)の腹に乗せる。位置を微調整されたかと思うと……。

 

「ふぅ♡おっも♡」

 

手に圧倒的質量の柔らかい何かが載せられた。手に合わせてサラサラとした感触が包むように形を変え、しかし弾力のあるそれはたぷり♡と頂を上に向けたままのしかかってくる。

 

……ちょっと待て、コレは一体何だ?

 

脳が理解する前にいち早く反応したのは股間だった。根元の血管に欲望が集まりだし、とくんとくん脈を打ち出す。メリメリとその体積を増やし始め、下向きにしなっていた肉槍が勃起を妨げるスウェットを持ち上げようと生地を引き伸ばし始めた。

遅れて脳が理解した。俺の手がきつね(ガキ)のおっぱい置きにされている、と。

 

『動けってんだよこのポンコツ!』ガンッ

『この手に限る』

 

映画の内容がまるで頭に入ってこない。気づけばかなりシーンが飛んでしまっているようだ。反面、きつね(ガキ)はリラックスモードでどんどん身体をこちらへ預けてくる。散々人のことをロリコンだレイプ魔だ言ってた割に警戒心無さすぎやしませんかね。

 

もちもち♡とした太腿が足に触れ、手に乗せられたおっぱいは彼女が身動ぎする度にむにゅむにゅ♡と形を変える。

 

「ラストワン賞♡ちょっとぐらいなら揉んでいーよおじさん♡ただし先っぽは禁止だからね?」

 

首だけで振り向くとニマッといやらしい笑顔になっきつね(ガキ)

挑発してんのか……?コイツ……!

大人を舐め腐ったガキんちょにはお仕置き(分から)せねばなるまい。罠かもしれないが、罠でもいい。毒を食らわば皿まで。据え膳食わぬは男の恥。そこにノーブラ黒インナーおっぱい(最高のクッション)があるならな!

 

『何が始まるんです?』

『第三次大戦だ』

 

ちーっとパーカーのファスナーを下ろし、前面を(はだ)けさせる。

素材の伸縮性に富むインナーはきつね(ガキ)の肌に貼りつくようにして胸の形を綺麗に浮かび上がらせていた。ここまで()()という言葉が当てはまる物体は初めてお目にかかるものだ。手の支えを解いても上向きのままに形を保つその二つ山は、凄まじいハリと弾力性を含んでいることが窺える。

 

指を這わせ、脇から下乳のラインに沿って重点的に触っていく。ポリエステルレーヨンのさらさらと指先に触れる感触を楽しみながら、ごくわずかな力で表面をなぞるように、熱を伝えるように。

いくらでも揉んでいたくなるような柔らかな感触、手触りの良い生地の手馴染み、力を加えると受け止めながら撓み、しっかりと押し返してくる弾力。

 

「くすぐったいなぁ♡せっかく触らせてあげてるのにそんな弱~く揉んでていいの♡?きつねで脱童貞した性交初心者(セックスヌーブ)おじさん♡」

 

このガキっ……!必ず啼かせてやる……!

 

『来いよ―――武器なんて捨ててかかってこい』

『野郎ぶっ殺してやる!』

 

秘所にクリトリスとGスポットというよく感じやすいポイントがあるように、胸にもよく感じるポイントがある。

胸のクリトリスと言われる乳首と、脇から下乳に沿って山の境目ともいえる脂肪の薄い場所……胸のGスポットともいえる〝スペンス乳腺〟

開発が必要だがくすぐったさを感じてるなら仕込みは上手くいっている証拠。男はじっくり時間をかけて美味しくいただくために極上霜降り肉をじっくり煮込んでいく。

 

 

 

 

初めの内感じているのはくすぐったさだった。

せっかくでか盛の姿で現界したのだから哀れな独り身おじさんを揶揄ってあげようと思って、先っぽさえどうにかされなければ大丈夫だからと、ちょーとサービスしてあげようと胸を触っていい許可を出した。

男の手は言いつけ通り乳首は触らず、胸から脇にかけてのラインを指圧マッサージするかのように這う。

 

「よっわ♡やっぱり初心者(ヌーブ)らしく下手くそな触り方♡」

 

そう煽っても男の手は優しく、脇から掬い上げるように横から圧を加えてくるばかり。きつねは男を煽ることばかりを考えていたが、体は主人の思惑に反して、男の仕込みを受け入れ自覚のないまま着実にトロけ始めていた。

 

 

ゾクッ♡

 

 

『まだ誰か残っているか?』

『死体だけです』

 

映画はいつの間にか終わり、エンディングテーマと共にスタッフクレジットが画面に流れ始める。

もうそろそろサービスタイムは終了だ。たっぷりと時間をあげたのに、終ぞ男は優しい触り方しかせず、クッションをグニグニするような揉み方はしなかった。それはそれで好感を持てるがオスらしさを感じない情けない手つき。

 

「おじさん♡サービスタイムは終わ――」

 

男の手が、胸全体を横から中心へ寄せるように強く揉み込んだ。

 

 

ぞわわわわわっ♡♡♡♡

 

 

「んんっん゛♡!♡♡!?ん!???」

 

ぞくぞくぞくッ!と背筋を駆け上がってきた甘い衝撃に脳がズンと揺さぶられ、きつねの思考は混乱状態に陥った。

……何が起きた!?男は律儀にも言いつけを守って果肉の先端には触れなかったし、今だってそうだ。見ても男の手は乳首とかけ離れた場所にあり、掬い上げるような手の形で止まっている。それが不気味にも感じてきつねは混乱する思考を必死に回そうとする。自分の身体に何が起きた?自分の身体は何をされた?

 

男の手が再び胸全体を横から中心へ寄せるように強く揉み込む。

 

「あっ゛…♡ぁっ゛なにっ♡これ♡♡っ!?♡!?」

 

先ほどと同じように男の手が横乳から中心に寄せるように圧を掛けた。柔らかく形を変えインナーにつんっ♡と浮かび上がる二つ山の峰。引き伸ばされたインナーの生地は稜線を形成して、左右から押し潰された地層がごとく、くしゃくしゃっと歪む。

乳首を摘ままれることが電流を流すような鋭い刺激ならば、これは全体が包まれて波のように押し寄せては引かない刺激。

 

男の手が機は熟したとばかりに、インナーに包まれた極上クッション(よわよわ乳袋)を弄び始めた。掬い上げ、寄せ上げ、揺らしては指を沈ませる。十二分にその乳肉を堪能するように対の五指がそれぞれ違う動きをしては、親指が横からアクセントを加えるようにぎゅっ♡と指圧する。

 

「あ゛っ゛ああぁ゛!あ♡…っっ♡゛っ!あ…ぁ♡ぁ゛♡!あっ!」

 

混乱したまま攻め込まれたきつねの思考は気持ちいい♡に包囲され、籠城戦も虚しく蹂躙され始めた。もにゅ♡もにゅ♡と男の手が乳肉に指を沈ませるたび、押し寄せる波のような快感。

 

 

―――ぎゅっ♡

 

 

バッチィン!と雷が落ちたかのような刺激がきつねを襲った。

 

「あおっ♡…゛!?っ♡!!?」

 

男の親指と人差し指がぱつんぱつん♡とインナーに浮いていた山の頂を摘まみ上げていたのだ。

波が押し寄せ限界を極めていたきつねの脳内に突如鋭い電気刺激が流された。脳は波と雷によって飽和した刺激を一気にぶちまけられ、その漏電した信号が神経を通って全身に行き渡る。

 

しかし、ここできつねの予期せぬ事態が生じた。一瞬かと思われた刺激は一向に止めてもらえず、男の手はさらに乳肉全体を絞り上げるようにして、先端までもをぐにゅり♡ぐにゅり♡と圧し潰す。

 

「んんん!い♡!?い♡゛っい゛!い♡ぃい…ぃいい♡!!!」

 

快感を逃がし切れなくなったきつねの足が一直線に伸び、指先がガッと開いた後にぎゅぅううううと握りこまれる。下腹部が激しく痙攣し背筋は限界まで反らされて、舌先が勝手に口から突き出す。

 

何が起きたのか理解する前に再び男の十指はきつねの乳肉を弄び始める。

激しいオーガズムでバグったきつねの脳内は胸の刺激と乳首の刺激を一緒くたに感じ始めてしまった。

おっぱいを揉まれてるだけなのに乳首の鋭い快感を同時に感じ、乳首を摘まみ上げられれば激しい波のような快感が押し寄せる。

 

おっぱい気持ちいい♡乳首気持ちいい♡どっちも気持ちいい♡きもちいい♡きもちいい♡きもちいい♡イく♡おっぱいイく♡イくイ゛くイく゛イ゛く゛♡♡♡゛

 

「壊れちゃったぁ゛♡♡゛♡…おっぱい♡……おっぱい壊゛れちゃったぁ♡゛♡♡!!?イくの止まんないの♡!ッ♡゛!イっっく゛♡♡!!♡!」

 

何度目かも分からないオーガズム。幾度となく襲い来る絶頂。痙攣が止まらない。下腹部は何度も波打って、四肢はとっくに制御不能。ただただおっぱいを揉んでいいよとおじさんを挑発しただけなのに。

……もう限界だ。イキすぎて何が何だか分からない。カヒュッカヒュッと呼吸するたびに鳴る喉。

 

なのに、なのにどうしてお腹の奥(子宮)はこんなにイキたがってるんだろう……?

ずきずきといっそ痛みを感じるぐらいに疼き果てる下腹の奥、本気汁(交尾液)をどぷどぷに満たして健気に主人を待つ雌穴が「私も構え!」とおあずけを食らった犬のように膣口から涎を垂れ流していた。

 

おっぱいだけじゃなくお腹の中でイキたい……♡(なか)をオスの象徴でぐっちゃぐちゃ♡にされて……絶対逃げられないように押さえ付けられて……子宮でイキたい……♡♡♡

 

それは一種の破滅願望。男の凶槍を知らないきつねじゃない。以前組み伏せられてぶっといちんちんにぐちゃまぜにされて、ぶっ壊れた蛇口みたいな勢いで中出しされたのを覚えている。何度も何度も自分本位な叩きつけるような射精(種付けプレス)されたのに……。

 

 

ぞわっ♡

 

 

されたい……♡種付けされたい……♡中出しされたい……♡

 

 

 

 

 

抵抗を感じて、胸を揉むのをやめるときつね(ガキ)はヨタヨタとコタツから抜け出し、天板に寄りかかって四つん這いになった。

大事な部分を隠していた尻尾が(めく)られると、きつね(ガキ)が下に履いていた短パンの秘所部分は墨汁をぶちまけたが如く汁にまみれて変色し、コタツに暖められたむわぁ♡と濃すぎる雌の匂いを振り撒いて俺の鼻腔を犯してくる。

 

覚束ない手つきできつね(ガキ)は短パンを引き摺り下ろすと四つん這いのような姿勢で尻をこちらに向けてきた。引き下ろされた短パンのクロッチ部と秘裂には発情蜜が何本も糸を引き、真っ赤に充血した膣口がばっくりと開いて何かを欲っするように息づいていた。

膣口は雌の匂いがより濃くなるようにヒクついてはとぷり♡と蜜を吐き出して内腿に伝っていく。

 

ぶちりと、股間にというよりも肉槍に衝撃が走った。

あまりにも鋭利に反り返ったモノの圧力に耐えきれず、パンツのボタンがちぎれてしまったらしい。なんとか引っ掛かけながらもスウェットとパンツを下ろすとボチンッ!!と腹を打った雄が獲物を求めて抜き放たれた。

主人でも見たことないような程に赤黒く血管が張り出した幹、おかしいぐらいにかさ張ったカリ首。膨らみ過ぎて皮がちぎれないか心配なほどに硬度を増しグロテスクとしか形容できない肉槍。

 

「ぉじさん…お願い……っ♡おっぱいイキしすぎて……子宮イキしたくておかしくなりそうだから……おちんちん貸して……♡」

「……どこに欲しんだ」

「あ、アソコに……」

 

肉槍の先端で膣口を揶揄うようにぐちぐち♡と擦る。それだけで嬉しそうに吸い付いてくる膣口を強引に引き離し、猛り狂う肉槍をなんとか宥めて次の言葉を待った。お前から言うんだ……!自分から言え!

 

「きつねのおまんこに、ぉじさんのおちんちんください…!!ぐちゃぐちゃに犯してください!子宮いっぱいになるぐらいせーえきください♡!!!」

「……覚悟しろよ」

 

男の中の何かが外れた。外れてしまった。

ゆっくりと腰を近づけると、肉槍の先端を膣口と再び触れ合わせる。それは挨拶のようなキスとも、情欲溢れるキスとも思しき神聖(堕落)な儀式。狙いを定めた肉槍が男の体重を乗せて押し込まれ、膣口は一生懸命にその身を広げて男の肉槍を飲み込み始める。

 

「こっれ……!おっきい!!うそうそっ!!太っ……!」

 

蜜を溢れさせながら肉槍を包んでいく膣内。あまりに鋭利すぎる肉槍が包み込もうとする肉襞をズタズタと割り広げていく。迎えに降りて来ていた子宮をも容赦なく一緒に押し込んでゴリゴリ♡と膣奥まで抉り返した。

 

「お♡ほ…ぉ…゛」

 

圧倒的な質量を中にブチ込まれ、コタツに押し付けられたきつね。男がそのほっそりした腰の(くび)れを掴んで逃げ場を塞ぎ、猛然と腰を叩きつける。

ズンッ♡ずっちゅ♡ばちゅっ♡ばちゅん♡ズンッ♡ズンッ♡ばちゅん♡ばちゅ♡

 

「あ♡゛あ゛♡あぁ!あぁぁっ♡ぁ♡ぁ゛♡っぁ゛あ!!あんっ♡!あ゛あ!あ!ぁ♡゛!」

 

きもちい♡子宮気持ちいい♡おまんこ気持ちいい♡Gスポカリ首でゴリゴリされるのきもちいい♡きもちいい♡しきゅうごちゅごちゅ突かれてる♡めちゃくちゃにされてる♡

 

結合部からかき混ぜられて泡立った蜜が飛び散り、子宮は肉槍に滅多打ちにされてる衝撃なのか、それとも悦びか分からないが発情液で溢れ返った膣内に本気汁(交尾液)をどんどん分泌し肉襞は一枚一枚が意志を持ったかのように肉槍に巻き付いてはカリ首でめちゃくちゃに蹂躙される。

 

後ろからの抽送、まるで性交なんて言えない動物的な交尾。ただ動物と違うのは、組み伏せられた雌がめちゃくちゃに絶頂するまで雄が腰を叩きつけ続けること。

 

「ああ!ん♡♡あんん!あ!ん♡゛あぁ゛っ!ぁ゛♡ぁ♡あああっ!!あああっんん゛!ん゛!あ!っ♡♡!あ゛っっ♡゛あ゛!っ゛♡゛」

 

もしここに第三者が来てしまったら、立ち込めるあまりの交尾臭に顔を顰めるだろう。

男の腰が叩きつけられるたびに凄まじい衝撃できつねの尻は波打ち、白く餅のようだった尻は肌のぶつかり合いで赤く充血し、肺の空気と心臓が引き絞られとても人には聞かせられないような濁った嬌声が漏れ出る。自分で声を出しているのではなく、肉槍に奥を突き抉られる衝撃で勝手に出てしまうオス媚び声。

その声を聴いて男の肉欲はさらに燃料を注がれ、ぐつぐつと煮えたぎった欲望を手に乗せてぶるんぶるん♡と腰の打ち付けに合わせて揺れるおっぱいをたまらず鷲掴みにする。

 

「お゛ほおお゛ぉっ!お゛♡お゛っぱっい゛!!だっめぇっ!!おっぱい゛!だ♡っめぇイ♡゛く゛♡!イッく゛♡っイく♡イ゛く♡!!」

 

きつねは遂に絶頂を迎え、激しく痙攣して収縮する膣内は、絶対に逃がさないとばかりに肉槍を絞るようにして締め付ける。敏感なカリ首に甚大なダメージを負った男の肉槍は最後の力を乗せて子宮口を貫いた。

ぶくりと肉槍の裏筋が膨らみ、ザーメンタンクが持ち上がって発射態勢をとる。

 

種付けされたい……♡中出しされたい……♡子宮イキたい……♡♡♡きてきてきて♡♡♡♡♡♡せーし♡ざーめん♡すぺるま♡こだねじる♡はらませじる♡ぜんぶのむっ!あなたのいでんしぜんぶのむっ!!ちょーだい!!!いっしょにイく♡♡♡!!いっしょにイくから♡♡♡!!!!!

 

イキたがりのきつねの子宮が媚びまくり亀頭に吸い付きまくり、根負けした肉槍の血管がブチ切れそうなほどに盛り上がる。

 

「出してぇ!♡!♡♡♡!出してっ♡゛!!ぉ゛じさんっっっ゛♡♡!!!あ゛ぁ゛あぁあああ♡♡♡!!?!?♡!!♡♡♡?!」

 

うなじに痛みが走る。力のやり場を失くした男はきつねのほっそりと白いうなじに噛みついた。後ろからの乱暴な交尾、極めつけは首への噛みつき。乱暴なのにイく。絶頂する。達する。果てる。

 

赤くなるまで熱した鉛弾を撃ち込まれたが如き、衝撃と灼熱感がきつねの子宮口を襲った。

どぷっ♡とか、びゅるっ♡なんて、生易しいオノマトペじゃ表せない爆ぜるような射精がきつねの最奥で行われ、男は確実に種付けするために腰を揺すって子宮口へごりごりと肉槍を突き刺そうとする。

そうして二度、三度、四度、幾度も肉槍が爆ぜるたびに噴き出した種汁を、男は乱暴な腰使いで傘の部分を使って全て奥へ押し込む。亀頭で無理やりイマラチオされた子宮口はなっがい射精で種汁をたらふくごちそうされたのに、次から次へと詰め込まれ、たまらずその身を捩って絶頂してしまった。

 

「のぉ♡゛お♡ぉ!っ♡お゛♡!お♡ぉ!お゛!お!」

 

自分がどうなったのかも分からないぐらいの激しい絶頂。おっぱいでイき、おまんこでイき、子宮でイったきつねの身体はあまりの刺激に意識を飛ばした。

 

たぶん、呼吸はしてる。心臓は、鼓動してる。

でも、自分のお腹の奥でどぐりどぐりと脈打つオスはきっとまだ満足してない。

 

―――どちゅっ♡

 

「……っ♡゛!!?」

 

無理やりに衝撃で意識が引き起こされる。男は全く萎えてない肉槍を再びきつねのトロけ肉穴に突き立て始めた。

 

 

どうしよう、きつね、ここから無事に帰れないかも……♡

 

 

 

 

 

 






きつね(でか盛のすがた)
通常きつねよりも成長し盛るペコ♡された姿。前回は乳首でやられたので禁止したら別の所を開発されちゃった。乳首がよわよわ→おっぱいがよわよわ。
ノーブラ黒インナーおっぱい!復唱!ノーブラ黒インナーおっぱい!!

男(社畜)
雪降る中挨拶巡り戦士と化し取引先にめっちゃ気遣われた。法律で5日休暇取らせないといけないから会社は苦慮してる。新年明けてからなぜか性欲がスゴイ。


裏設定
きつね、たぬき等は精霊のようなものなので一日限りで男の記憶から消える。でも記憶が消えるだけで体は覚えているため男の性欲は爆上がり。

きつねやたぬきは姿が変わっても記憶を引き継いでいる。現界する姿は男が食べるカップ麺依存。


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三十路のたぬきと月見そば(でか盛)


オッス、社畜だ!

みんな、風邪ひいたりとかしてねぇか!?オラは仙豆(バファリン)で元気100倍ェだ!!

月間一位とかぶったまげちまったぞ!評価と感想ありがとなッ!


 

 

 

月の光が柔らかく降り注ぎ、街灯が必要ないほどに明るく照らされて家路を進んでいた。口元から漏れた息は薄く揺蕩(たゆた)っては月明かりに(ほど)けて消えていく。

 

蒼く見える時もあれば紅く見える時もあり、はたまた黄に染まり輝く時もある。

顔を見せてくれない新月、少しだけ振り向いたような三日月、横顔になった上弦の月、小望月、こちらを向いた満月、十六夜月、影って行く下弦の月、こちらを見てくれなくなった(つごもり)

 

古代から月というものは人と共にあり、太陽と対を成して人を浮かび上がらせ続けてきた。美しさの権化、静謐の象徴、吉兆の証、不吉の予兆。その満ち欠けで多くの人の心を掴んで離さない魅惑の存在。

 

月が()せるその多彩な表情に人種国籍思想問わず人間は酷く惑わされた。

ミケランジェロの「太陽と月の創造」、フィンセント・ファン・ゴッホの「星月夜」、ヴェートーベンの「月光」、ドビュッシーの「月の光」、源氏物語で用いられる「月影」とざっと思いつくだけでも、音楽、絵画、詩、物語に古今東西津々浦々月を語り継ぐものがある。

 

同じ夜、同じ刻、同じ月は一日たりとも無いのだから、彼らが必死に自分だけの月を閉じ込めようとしたのも同情できる事だろう。

 

今日は空を見上げれば「今夜は月が綺麗ですね」の一言だ。残念ながら返事をくれる相手なんて居ないし、呟く相手すら居やしない。

何を言いたいかといえば、社会の歯車としてただ回り続ける俺でも、こんな夜には一詩詠んでしまう。

 

月の綺麗な日は人肌恋しくなっちゃったりするんだなぁ。人間だもの。しゃちく

 

1つの案件が決着を迎え、高い評価を受けることができた。

プロジェクト初期から関わっていた案件だけに達成感もひとしおで、その分少しの寂寞感がある。

散々振り回されたのに別れる時は寂しいだなんて、DV彼氏にやられた幼気(いたいけ)な女の子みたい。……嘘ついた、もう顔も見たくないわ。

 

そんな風に俺が(メン)ヘラっていたから、寄ったコンビニでついついラス1のそばを買ってしまった。

温かいものが欲しくなって緑のパッケージのそば(でか盛)にお湯を入れて歩いているが、家に帰るまで持っていたら麺が伸びてしまう。

そうだ、公園で食べてから帰ろうか。

月が綺麗だから。そうしよう。

 

 

公園のベンチでひとり蕎麦を啜る不審者も今日だけは見逃して欲しい。

トッピングで買った生卵も、今日は贅沢に入れちゃって、俺だけの月夜空は完成である。さあいただきます。

 

「すみません。ちょっと良いですか?」

 

話しかけてくる人、だいたい警察。こんな時間に公園のベンチでひとり蕎麦を啜る不審者なんて居るもんか。いやいたわ。ここに1人なッ!!

 

「あ、すいません伸びるんで食べていいっすか?」

「え、あ、どうぞ」

 

哀れな目を向けられて職質される俺。列島警察24時とかに出てくる不珍者の完成である。ただ蕎麦を啜ってただけなのに。

 

 

 

あれからいくつか質問をされて、談笑して、免許証を見せて無事解放された俺は我が城へ帰り着いた。マンションの階段を上がってカバンから鍵を取り出す。指先で鍵を弄ぶ、幾度となく行ったルーティン。くるくるくる、鍵を穴に挿してガチャリ。

 

「おかえりなさぁ~い!」

 

柔らかく温かい声、次いでパタパタと足音がして、扉が内側から開けられると花のような笑顔が出迎えてくれた。

 

「間違えましたすみません」

 

へ、部屋番は合ってる。いや俺の部屋だよね?一人暮らしなんだけど……。間違えた?いや隣の部屋の住人男だったし。なんで?

 

What?Why?Who?

 

脳内OSがエラーメッセージを吐き混乱した俺。どういうこと?え?

ガチャリと家の扉が勝手に開き、先程の女性が内側からひょこりと顔を出す。その先に覗くインテリア等は間違いなく俺の部屋だ。

 

「あ、あの……寒くないですか?お部屋入りませんか?」

 

寒いです、はい。けどそれ以上の問題が発生してます、はい。

 

ゆったりとした耳朶を包むようなアルトボイス。おっとりとした雰囲気のたれ目に、可愛げのある童顔と同居する美貌。

頭頂部にはたぬきのような少し丸い耳らしきものと腰下にあるモフったしっぽ。何でか最近見たような気がする。

身長的には俺が見下ろす姿勢になるが、ボディラインが分かり辛いはずのニットセーターをこんもりと押し上げる、男の夢と希望が詰まった特大メロン。

 

あ……ありのまま今、起こった事を話すぜ!

 

『一人暮らしの俺の部屋に帰ってきたら、めちゃくちゃおっぱいおっきいお姉さんがお出迎えしてくれた』

 

な…何を言っているのか……わからねーと思うが……。

俺も……何をされたのかわからなかった……。

頭がどうにかなりそうだった……。竜宮城だとか雀のお宿だとか

そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。

もっと恐ろしいものの片鱗を……

 

「ほら、もうこんなに手が冷たいんですからお部屋入りましょう?」

 

しっとりとした指で右手を包まれ、柔らかな小さい手が両手で温もりを伝えるように(さす)ってくる。考えていたことは全て頭の中から吹っ飛んだ。

え……温か……。

 

彼女のぽかぽかとした甘い体温が疲れきった身体と擦り切れた精神に染み入る。

俺、こんな美人と同棲した覚えなんかないのに、突如存在しない(デートした時の)記憶が溢れ出した。あ、やべえ泣きそう。

たとえこれが月夜の幻でも構わないし、狸に化かされていたとしても構わない。

 

「お疲れ様でした♡今日も頑張りましたね♡」

 

あーだめだ。ダメになる。これはきっとダメなやつ。際限なく甘えていたくなるような彼女の雰囲気に、すっかり丸め込まれていた。

 

手を引かれてそのまま玄関に連れ込まれ、カバンとコートを渡すように催促された。たぬきさん(仮称)は笑顔で受け取るとパタパタ歩いて荷物を置きに行く。

俺は靴を脱ぐことさえ忘れ呆けていた。廊下に漂う良い匂いが息をする度鼻腔を擽り、さっき蕎麦を食べたばかりなのにまだまだ食べられそうな空腹感が湧いてきたことで、エラーメッセージを吐きまくっていた脳内OSがようやく再起動する。

 

パタパタと目の前に戻ってきたたぬきさんは、心做(こころな)しか少し顔が赤いような気がする。もじもじと指先を弄ばせながら顔を上げその言葉を発した。

 

「ご飯にしますか?お風呂にしますか?……そ、それとも私にしますか……?

「あなたで」

「ふぇっ!?私ですか!?!!?」

 

その質問をされたらもう男は一択しかないんよ。そっと彼女を抱き締めてしっかりと聞き逃しのないような距離で耳元に囁く。

ご飯をいただいた後、お風呂でデザート(意味深)の流れも大好きだけど今は何よりもガッツけと俺の中の獣が檻を破壊しそうな勢いで暴れ出した。

 

「あなたで」

 

これは月夜の幻なのだから我慢なんてしない。即返事をして、彼女の出方を見る。

さらに顔を赤くしてもじもじ体を(よじ)る彼女。色んなところからむちっ♡たぷっ♡と聞こえてきそうな挑発的プロポーションが揺すられ非常によろしくない。

いや、視覚にはとても眼福なんだけど、股間にはクリティカルすぎるダメージが来て全くよろしくない。

 

「わ、分かりました……準備しますね……♡」

 

たぬきさんの顔が近づいてきて唇同士が触れ合う。

カサついた俺のものとは対照的に、ぷるんとした瑞々しさと溶け落ちそうな熱を内包して、体温を伝えてくる彼女の優しさの泉。

顔を離すと「もう1回……♡」と口だけが動き、再び優しさが重ねられた。それは冷え切った身体よりも心を温めていくようなほんのりとした接触。

 

内腿に手が添えられる。

さすりさすりと存在を確かめるように手が這って、寒さで縮こまった男の魂を暖める為にスラックスの上から撫で始めた。

しかし、気持ちいい感触はあるものの、長いこと屋外に居た為に股間はすっかり縮み上がり竿も袋もしなしなに枯れたまま力が入らない。

 

「よっぽど寒かったんですね……」

 

スラックスのファスナーが下ろされるとその穴から彼女の手が入ってきた。

もぞもぞと這う手がパンツのボタンも開け放ち、寒くて凍えていた男の魂に熱を伝えだす。形をなぞって輪郭を持たせるように、より鮮明にさせるように掬い上げ指先で裏筋をタップした。

 

とととん♡とととん♡

擦るのではなく振動を伝えて活性化を促すように裏筋と鈴口辺りを念入りな指さばきでタッピングしていくたぬきさん。

その刺激を受けて血流が回復し、竿は血管を浮かべ上がらせ膨らみだす。

しかし竿が膨らみだしたことにより縮み上がった玉袋が引っ張られ、皮が突っ張って中の玉が引き絞られてしまっておりじんじんとした痛みが生じた。

 

「あのあの……どこか苦しいんですか?」

 

現状を正直に伝えると竿に這っていた指がその下の袋に添えられる。

まだまだ縮こまったままで冷たい物が仄かに温められ、何とも言えない幸福感が満ちた。

 

「……♡」

 

似た感覚で例えれば、ゲレンデで滑り明かした後レストハウスへ入った時の全身が包まれるような、手足の先からじわじわと熱が巡るような。それが股間に起こっていた。

さすさす♡と内腿に這う手が温もりを移してきて、徐々に強張(こわば)りが解けて痛みも和らいでいく。

 

たぬきさんはしゃがんで膝をつき、竿と玉をスラックスから引っ張り出した。

仕事から帰ってきたばかりで汗臭いだろうに、先端に1度キスを落とすと目を合わせて「いただきます♡」と声を出さず口の動きだけでそう言い、丸ごと()んだ。

 

手よりも更に温かく、むしろ熱いとすら思う程の口内。それがたぬきさんの興奮を表しているように否応なく伝わってきた。

 

熱い舌が陰嚢を這う。皺皮の溝を1本1本なぞって引き伸ばしていくように。

熱い舌が根元を這う。曖昧になった境界線を意識させるように。

熱い舌が裏筋を這う。浮き上がり始めた血管を広げるように。

熱い舌が亀頭を這う。皮の間に舌を入れ自立を促すように服を脱がす。

熱い舌が鈴口を這う。ぽってりとした舌がぐりぐりと、先端から侵入を果たす。

上から見るとたぬきさんが陰部に顔を埋めているだけなのに、全く別種の刺激が次々とむず痒い感覚が背筋を駆け上がってくる。

 

熱を取り戻した肉槍の根元から血管がメリメリと広がり出した。

玉の中がグツグツと煮え出す。

舌を押しやるように魂が鼓動を始め、どぐりどぐりと脈打つ度に体積を増していく。

 

自立し始めたものにその揺籃(ようらん)は窮屈で、遂には先端が喉奥を穿(うが)ち始めた。苦しげに表情を歪めた彼女は口から陰嚢を解放する。

すっかり温められたものは涎に塗れてずるりと垂れ下がり、自らの役割を思い出したかのように働き出す。それを促すように陰嚢をタップし始めブーストさせんと彼女の指は踊り舞う。

 

……ふーっ♡……ふーっ♡

 

獣欲の盛れ出したような荒い呼吸。俺のものか、それとも彼女のものか。

言えるのはお互い完全にスイッチが入ったということ。

──片方が満足しても終わらないということ。双方が満足するまで止まらないということ。

 

何とか呼吸に合わせて熱を放出し自制心を保つ。

ここまで来て何を制しているのかと言わるかもしれないが、今は彼女も準備中なのだ。

食材を美味しくいただくためには下拵えが重要なように、この行為だって貪るようじゃお互いの欲の解放はできない。それじゃあただの自慰行為(オナニー)と変わらないからだ。

 

しかしただ温めて貰うだけじゃ、こちらも手持ち無沙汰。頭頂部で動く耳に指を添えて(きわ)を揉む。びくびく♡と耳を揉む度にしっぽが跳ねるから、心地良さは伝わってくれているのだろう。

喉奥を超えてまで侵す肉槍に口腔内の締め付けが加えられて、より硬度と鋭さを増していく。

 

そろそろ顎が辛くなってきたのか、たぬきさんは一旦喉奥から肉槍を引き抜き始める。

ずろろろろ♡と、どこに入っていたのか不思議に思うほどの物体が表に出てきた。けほっごほっと嘔吐(えづ)くたぬきさんは涙目に潤みながらも、1番臭いがキツいだろうカリ首をすんすんと嗅ぎ回る。

 

肉と言うにはあまりにも硬度の高い、根元から太く血管の浮き上がる幹。寒さで縮こまっていた時とは比べ物にならないぐらいはち切れそうに膨れた淫らな鬼灯(ホオズキ)

 

「かっこよくなりました……♡」

 

……すー♡……はー♡……すー♡……はー♡

 

香りを確かめるように、深く長い吸引。体の中に収まらない熱を吐き出す深呼吸。その呼気が肺を満たして、熱い媚香となったオスの征服欲は彼女の深層に刻まれて脳を犯す。

犯された脳は身体全体に指令を下した。今からこのオスと交尾するのだと。

 

男側からしても、顔に男根を突き付ける“見せ槍”は凄まじく視覚効果が強い。このメスを今から犯すと、孕ませると宣言する行為。

 

たぬきさんの視線が肉槍に定められ、熱に浮かされた蠱惑的な表情を浮かべていた。現代的に表現するならば、瞳に♡が浮かんだようなトロけ顔と言うべきか。

 

どスケベ過ぎるだろ……!

 

 

 

身体が熱くて仕方ない。

私も、彼もまた奥底に眠っていた炉心に火が灯され、興奮を燃料としてどんどん加速度的に燃え上がっていく。

 

顔の目の前に突き付けられた雄の象徴。

先程までは寒さであんなに凍てついていたのに、自らの体温を使って溶かして(癒して)あげたら、燃え盛るような熱を帯びて(ワタシ)を犯す為の凶器と化した。

 

とんでもないものを起こしてしまったのかもしれない。

容易に雌の奥底を耕すだろう長大で、受け入れたら拡がり過ぎて膨満感すら生じそうな(ぶっと)さ、先端に鋭い笠を被り女の中を掻き毟るカリ首。垂れ下がる子種袋の張りは、1匹の雌を孕ませてなお余りそうなほどに種を蓄えている証拠。

 

それが全部ぜんぶ、私に差し向けられてる……♡

 

1日働き詰めた彼のモノのクビレからは、とてもいい香りとは言い難い雄の(濃い)臭いがする。鼻先に突きつけられ、呼吸をすれば無理やりに鼻腔へ押し入ってきて、強く脳を揺さぶってくる男の媚香。

頭の中が痺れる。その雄の香りを感じるだけでパチパチと軽く弾けるような昂りが身体を駆け巡って、至る所に飛び火していく。

 

熱い───。

 

下腹部に生じた耐え難い疼き。

奥底が飢餓を訴え、目の前にある極上のものを貪りたいと(愛液)を垂らして待ち望む。

 

熱い───。

 

ゆっくりとニットセーターの裾を捲り上げ肢体を晒していく。

ロング丈ニットだからパンツではなくレギンスを履いているが、こちらも太ももの付近まで下ろしその身に着けている下着を晒す。

 

男の喉仏が大きく動き、生唾を飲んだ。

 

黒のレースであしらわれたオトナの女性らしさを感じるランジェリーなのだが……。

 

ブラはあまりに透過度の高い布が使われていて、男を誘う果実はまるで隠されていない。タイトに寄せ上げられボリュームアップした果肉。紐に押し付けられては、むにっ♡としたハミ肉が緩やかな弧を描き、深い渓谷の下部はあえて棒を入れられそうな丸いホールが空いていた。

 

ショーツも同じレースの意匠が凝らされているが、ことこちらに至っては、秘裂を覆うはずの布が一切が取り払われて開けっぴろげ。まるで守備を放棄し攻撃力に全てガン振りしたどスケベな飾り付け。

 

パイズリ穴の空いたスケスケなブラに、オープンクロッチのショーツと呼べるのかも怪しい黒レース。

着用にちょっと……いや、だいぶ勇気がいる挑発的なセックスランジェリー。

 

効果は覿面(てきめん)なようで顔に突き付けられていた肉槍は限界領域とか、そういったリミットが壊れてしまっているんじゃないかと思うほどに、(いびつ)に膨れ血管が浮かび反り上がって震えていた。

 

苦しそう……。楽にしてあげなきゃ……♡

 

 

 

圧倒されたメスの本能は、迫力の増した肉槍に屈服する。

あまりにも苦しげに脈打つさまを見て、先端に舌を這わせはち切れそうな亀頭を唇で包み、ぬかるみに満ちた熱い口腔内を更に焼きそうなほど猛る鉄杭の如き象徴を、できる限り飲み込むと頬を窄めて吸い上げる。

 

ずろろろろ♡じゅるる♡ぐぽっ♡ぐっぽ♡ずるる♡ずろろろろ♡

 

ぬるり♡と舌が絡んできて、ぷっくりとした唇が肉槍を甘噛みして、分泌された唾液でどんどん抵抗が無くなっていく。

 

帰ってきた服装のまま着替えもせず、ただ玄関の扉を隔てただけの空間でこういった行為に及ぶ背徳感。

もしかしたら俺が何気なく歩いている街中でもこんなことがあるかもしれない。それはシュレディンガーの猫で、扉を開くまでは証明できない事だ。確率としては50%もないことかもしれないが、俺は今マイノリティーの側に居る。

彼女の唇が肉槍を飲み込んでいっては、吸い上げながら表へ露出する。何度も何度も頭を振って、促す。じわじわと先端から甘い痺れが広がって肉槍の感覚が薄れていく。

 

口元から生じる水音とは別に、湿ったなにかをかき混ぜるような音が響いていることに気付く。

下を見れば彼女が(かぶり)を振るさらに下。彼女自身の指が秘裂をなぞっては真っ赤な顔を覗かせた陰核をこね回し、膣口から蜜を掻き出していた。黒いレース、オープンクロッチの装飾の奥、秘密の花園。びくびくと彼女の眉根が震えて、ふー♡ふー♡と荒い呼吸を全開にして隠そうともしない。

 

ノーハンドフェラと呼ばれる、視覚と快楽が脳をぶん殴ってくる強すぎる刺激。

気付いたら腰の裏から痺れと射精感が昇ってきて、我慢とか、忍耐とかそんなちっぽけなプライドが精と共に彼女の唇に吸い上げられる。

歪に膨れた肉槍の裏筋がボコリと膨張してひときわ強くのた打ち、嵩張(かさば)った先端が彼女の口腔内で弾け飛んで、塊のような精液をぶちまけた。

 

肉槍が激しく脈を打ち、その度に口内へと吐き出される雄の欲望は、塊が尿道の内部をズリズリと擦って出ていくのを感じるほどの濃度。

たぬきさんはぶちまけられる物を口内に(とど)めていて、苦しそうな表情が量の多さを物語る。味だっていい物じゃないだろう。

 

「す、すみません!吐き出して……!」

 

ポケットのティッシュを差し出すが、彼女は首を振った。溢さないように手皿を添えるとこちらにその揺籃(ゆりかご)の惨状を見せつける。口腔内いっぱいに溜まった、たんぱく質が濃縮凝固したような黄みがかった白濁液に溺れかけている赤い舌。

 

手で押さえて口を閉じるとたぬきさんは顔を上に向け、彼女の白く細い喉笛が大きく上下した。二度め、三度めと飲み下されていく。

 

飲んだ。飲んだんだ。飲み干したんだ。

 

「けふっ……私が御馳走されてしまいました♡」

 

つつっと赤い舌が唇を這い、口元についた精液でさえも舐め取って飲み下すあまりに淫靡すぎる表情。

……挑発だ。彼女は挑発している。

 

鼓動が高ぶったまま治まらない。身体中を熱が巡って内側から衝動を押し出してくる。もう余裕も無くなってネクタイを無理やりに広げ、ワイシャツのボタンを乱暴に開けた。

 

彼女だってもう我慢の効かない様相で立ち上がり、シューズボックスを支えにしてこちらに尻を向ける。下着を身に着けている筈なのに露出された秘裂、レースで飾りつけされたその膣口はぱくぱくと主人を求め、白くとろみの付いた蜜をどぷどぷ♡と吐き出している。

 

「後ろから……お願いします……♡」

 

暴れる肉槍を押さえつけ膣口にぐちり♡と先端を合わせる。彼女の熱さが伝わって、俺の熱さが彼女(たぬきさん)に移っていく。

 

ずぷ…ん♡

 

腰を突き出して秘裂が割れ広がり、まるでつきたての白い餅の如きもっちりとした尻に肉槍がぬむぬむ♡と埋まっていく。

 

「んっ゛♡ん………っん♡!!んん…♡…゛んんっ…♡゛!」

 

くぐもった喘ぎ声が狭い空間に反響して、耳の中に押し入ってきては身体の中心がより燃え盛って熱い。

柔肉がたっぷりと乗った肉襞が、尖りすぎたオスの象徴をあやす様に慈愛で包み、腰を振らずとも玉の中が煮えて漏れそうになる。たぬきさんの貪欲な膣口は遂に根元までも飲み込み、先端が子宮口を抉った感覚がした。

 

「っ♡゛!!!!」

 

びくりと彼女の腰が跳ね、腟内はうねりながら締めつける。柔肉が蠕動して絡みつくせいで肉槍の耐久度は動かずとも継続して削られていく。

 

ずるるるるるる♡

 

「ん…♡゛ん♡゛んんんんん゛ん…♡♡」

 

ゆっくりと彼女の中から引き抜くと、肉槍にはべっとりと本気汁が(まみ)れて濡れ光り、糸が引いてはぷつりとちぎれた。ちぎれた物はまた架け直せばいい。再び腰を進めて根元まで挿入()れては引き摺り出す。

 

ぱん♡!ぱん!ぱぁん♡!ぱちゅ♡!♡ばちゅ♡゛!っずちゅ♡!ばっちゅ♡!

 

ゆったりとした間隔で動いていた腰は、知らず知らずのうちに速度を上げ、たぬきさんの(くび)れを両手で押さえ付けて獣欲を叩きつける。

 

「あっあ…っあ♡ぁあっあ゛ながいいっ゛!いい♡!奥っ♡おく♡おくぅぅ゛!もっと♡♡!おぉ゛♡も゛っとお゛っ♡!」

 

夢中になって腰を振りたくり、肉槍を何度も彼女に突き立てる。長さを全て使って奥を穿っては、張り出した傘で膣内を引っ掻いて肉襞を揉みくちゃにする。何度も、何度も、何度も。

 

──タンッタンッタンッ…

 

「……ッ!」

 

玄関の、ほんの僅かな境界の外。他の住人が階段を上がってくる足音がする。

彼女もそれに気づいたようで……二人して息を潜めた。

 

──タンッタンッ

扉のすぐ外、目の前で足音がする。

 

ふーっ♡……!ふーっ♡……!

 

耳朶に飛び込む荒い呼吸。

無理やりに押し込められた獣欲が、鎖を引きちぎらんばかりに暴れ回る。繋がったままの膣内は別種の緊張が与えられた為に、強く締めつけを増した。

 

我慢なんてできるはずがない……!

 

 

ずちゅんっ♡!!

 

 

「♡ッッ!?!??」

 

自身の手で口元を塞ぎ、必死に声を押し殺したたぬきさんのファインプレーで戸外の他の住人にバレる事は免れた……はずだ。

子宮口(ポルチオ)を撃ち抜かれた彼女は目をかっ(ぴら)き、こちらに向かってイヤイヤと首を横に振る。

 

だが、俺は加虐的な笑みを貼り付けて、肉槍の先端で子宮をぐりぐりと押し潰した。

目をぎゅっと瞑って産まれたての仔鹿のように膝を震わせ耐える彼女の腰が跳びくびくと跳ね、今にも絶頂しそうな程に追い詰められていく。

 

そんな顔されたらさぁ……!

 

このむちむち♡の尻に思いっきり肉槍を突き立てて、獣欲の限りを解き放ちたくなるじゃねーか……!

 

腰の動きを再開させて、思いっきりたぬきさんの膣内をえぐり返す!

激しく腰を叩きつけ、攪拌音が外に響いてもおかしくない位にカリ首を肉襞に突き立てて、彼女の膣内が痙攣しようとも抽送を止めない!

 

ばちゅん♡!ばちゅん♡!ぱちゅっ♡!ばちゅ♡!ずちゅ♡!ずちゅんっ♡!

 

♡…♡゛!!♡…♡゛!…♡♡…!♡…♡♡…♡゛……♡!!!

 

口を押えて漏れそうな声を噛み殺す彼女の、子宮口を殴りつけては腰を揺すって奥をぐりぐりとこね回して口を開けと脅迫する。もうとっくに彼女の子宮口は涙を流して精液をねだっているのに男の腰はオラついて止まらない。

 

───タンッタンッタンッ

幸いにも外の住人は気づいてないのか、足音は階段を登って遠ざかって行った。

 

懸命に声を押さえ必死に耐えてきたたぬきさんの子宮と膣内が遂に音を上げ、痙攣が下半身に広がってカクンッと膝の力が抜ける。

しかし逃げることは許さない。腰をがっちりと押さえて叩きつけ続ける。

 

いくぅ゛♡いっくぅぅ゛い……♡ぃく゛っい…♡ぃきま゛すぅ♡゛!あ……♡♡゛!ぁ♡♡ぁ♡……♡♡っあ……ぁ!あ♡゛

 

たぬきさんの下腹部が波打って、膣内が激しく痙攣し肉槍が強烈に締め付けられる。

ぎゅっと収縮した肉襞にカリ首がずろろろっ♡と(こす)れ、引き抜けそうなほどに吸い付いつかれたザーメンタンクの中が一気に吸い上げを食らった。

先端から感覚が薄れていき、溶けそうなほどの熱さが伝って心臓が暴れる。息が怪しい。熱い。熱い。熱い……!

精管をむりむりと押し広げながら塊のような精液が上がってきた。痺れるような波が腰裏から伝播して背筋を飲み込み、頭の中で何も考えられなくなる……!

 

さきほど、口の中にぶちまけた時よりも多量の塊が尿道を擦り上がってきて裏筋がボコリと膨らんだ。

ぎゅうぎゅうと締め付けてくる肉襞のみっちり詰まった膣内に精液の逃げ場なんて無くて、ぐでぐでに蕩けて降りた子宮口が亀頭に濃厚なキスをせがむ。

 

 

 

爆発した───

 

そう錯覚するような脈動が膣内で起こり、滞留していたギトつく塊を肉槍は力の限り吐き出した。

 

射精に静も激も無いと思うが、男の射精は激烈といえるものだった。

絶頂して痙攣する自身の身体、みっちりと埋め込まれた肉槍で逃げ場を塞がれた哀れな子宮。銃のような勢いで撃ち出された精液に子宮口が貫かれる。

 

獣の如く腰を叩きつけられて、なっがい肉槍で奥深くまでぐちゃぐちゃに耕されて、ぶっとい肉でいっぱいに詰められた膣に行き場なんてなくて……。

 

男のモノがはねる度に膣内で爆発が起こって、ズンッと子宮が重たくなる。それほどの頻度で、質量で、濃度の精液……。

こんな膣内射精(なかだし)なんてないよ……!だってこんなの……絶対孕む………♡

 

 

孕ませ汁……♡もっと欲しい……♡

 

 

たっぷり時間をかけて整った呼吸。少し鎮静化した肉槍がゆっくりと引き抜かれ、吸い付いた膣口と別れを告げる。

 

「……おぐっ♡」

 

ぶぽっ♡という下品なゲップと共に、黄ばんでギトついた濃縮液が噴き出した。許容量を超え膣内に収まらない塊が二度、三度と排出され内腿を滴り落ちていく。

 

「お外に人いたのに……」

「あんな顔されたら誰だって抑えきれなくなりますって……」

 

たぶん、凄く、自分でも不思議なぐらいの、甘く蕩けた声が出た。

 

 

「……いじわる…♡」

 

 

膣口がにちり♡と広げられ、少し緩い勃起の肉槍が再び挿入(はい)ってきた。先程出された精液と、子宮が孕みたくてだらだら♡とこぼした本気汁でまみれた膣内は抵抗なく男を受け入れてしまった。

 

「んぅ……!?」

 

どくっと脈打つ度に根元がメリメリと広がって血管が浮き上がって。

どくっと脈打つ度にボコりと歪な裏筋が膨れ出して。

どくっと脈打つ度に亀頭が傘を広げ、絶対に逃げ道を塞いで孕ませると意気込んでは硬度が加速度的に増していく。

 

膣内(なか)に入ってきた男の肉槍は爆発的に脈をうち始め、女の中をぐちゃ混ぜにして孕ませる為のガチ勃起に変幻する。

 

どういうこと……!?どういうこと……!?!!?

だって今射精したばっかりで、それも(おびただ)しい量で子宮を溺れさせたのに。その前はフェラでもすごい量を射精したのに。

 

「だからそういうの……反則ですって……!」

 

絶頂したばかりの身体に抵抗の気持ちなど湧かず、持ち主の意思なぞまるで無視して、再び帰ってきた主人に交尾しよ♡と嬉しそうに吸い付く膣口と子宮。

ご主人様大好きっ子の2つがもたらすぞくぞくと、ビリビリと、背筋を這い上がってくる悦楽に押し流されて白む思考に追い討ちをかけるように男の腰が振りたくられる。

 

ばちゅ♡!ずちゅ♡!ずちゅんっ♡!ばちゅん♡!ばちゅん♡!ぱちゅっ♡!

 

こんな女泣かせの肉槍に迫られたら……。

もう交尾するしかないのに、こんなの……♡こんな孕ませ交尾……♡

 

欲しい…♡…もっと…もっと……♡!

 

「あ♡゛!あぁ…っ!あ……♡゛っ!あ…♡ぁあぁ゛…♡っ」

 

肉と肉がぶつかる音と硬い棒が泥濘(ぬかるみ)を掻き混ぜる音が同伴して響き、何度も何度も鼓膜を揺らす。

狭い玄関にはオスとメスの発する熱と、どんなに取り繕っても言い訳できない淫臭と嬌声が満ちて五感の全てが犯される。それがまた火の灯る燃料となって、肌を滑る汗が滴っていく。

 

境界線が曖昧になって、肉襞と肉槍が溶け合って。

 

子種汁と孕み汁がまぜ合わされて、攪拌されたものが泡立ちながら溢れ返って。

 

絶頂した傍からイかされて。

 

もはやぐりぐり♡と亀頭で圧をかけられるだけで絶頂に達す程に煮込まれた膣内と子宮。

口端から垂れた唾液を拭う事さえ忘れ、ただ嬌声を漏らすことしかできず、ここが玄関であることもすっかり頭から抜け落ちていた。

 

2回も射精して、鈍くなった肉槍にようやく次弾が装填され始めて、男の腰の動きが前後動から円を描いて子宮口に狙いを定めるような動きに変わる。

敏感に察知した子宮はだらり♡と垂れ下がり、膣はきゅうきゅう♡と締め付けオスにおねだりして止まない。

 

「おぉ゛ねがぁっ…い゛♡いっ…ぱい……んぅ゛♡!!せーし゛♡!!せーしくら゛さい゛ぃ♡♡!!わら゛ひも!わらひもイくからぁぁあああ♡♡♡」

 

その言葉と共に男の肉槍は狂暴的に脈打って、破裂したんじゃないかと心配になるほどの濁流が膣内にぶち撒けられた。

 

2度も放出したにも関わらず、塊に等しいような質量の濃さ。それが子宮に何度も何度も亀頭から(こす)り付けられる。

 

「ん゛♡っあ♡…♡♡……おぉ゛♡………♡」

 

絶頂と絶頂がぶつかり合って、凄まじい快楽の坩堝(るつぼ)が渦巻いて(くすぶ)る。

 

たぬきの全身から力が抜け、がくりと床に倒れ伏す。

肉槍と膣口の結合が解け、ぬぽん♡という間抜けな音と共に膣内に収まりきらない精液がぶぴっ♡と吐き出され床に液溜まりを作っていく。

 

びくっ♡びくっ♡と痙攣し続ける全身と、ヒクヒク蠢く膣口に燻っていた男の獣欲に再び火が灯る。

 

「ふぇっ……!…?」

 

膝裏と背中を支えて横抱きされたたぬきは、なすがままベッドへと寝かされる。

男もたぬきの足元へ膝を着くと、足を抱え上げられまんぐり返しの格好で固定された。秘裂には鋭利に反った男のモノが突きつけられ、まだまだ満足していない事がありありと見て取れる。

 

「逃がしませんよ」

「や、優しくしてくださ……おぉ゛…♡!?ふかすぎ…れすぅ゛♡゛♡!♡!!」

 

 

西洋では、月は人を狂わせ惑わすと言い伝えがある。

ルナティック(狂気)という言葉があるように、満月を見てしまった男が狼になってしまうというものだ。

 

(おおかみ)にベッドへ縫い付けられたたぬきは、自らが俎板(まないた)の鯉になってしまったとようやく悟り、この狼にめちゃくちゃに食い散らかされると絶望(期待)した。

鋭利な(肉槍)を突き立てられた膣口からごぷりと降参の蜜を溢れさせているが、それは狼をより興奮させる材料にしかならない。

 

月明かりにはご注意を。せめて、貴方も狂いませんように。

 

 

 

 






たぬき(でか盛のすがた)
品行方正むっつりどスケベ。スケベボディとスケベ下着が合わさりスケベにて最強。寄せて上げられたおっぱいはGにボリュームアップ。興奮させたくてドスケベランジェリーを着たら狼に襲われちゃった。


最近丸いものを見るとやたら揉みたくなる。


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女とおうち訪問看護



オッス!みんな元気にしてっか!?社畜だ!

夜はあったけぇ布団で寝るんだぞ!!!!オラとの約束だ!!!

※いろいろ加除訂正しました


 

 

「営企課長にも抗議したけど重大さが分かってる?ここの数値の3と8間違ってる。これの修正が現場で入ったおかげで工程進捗が0.7%遅延するのだけど?」

 

書類を指先でパンパンと弾き、男の目の前に見えるよう広げるバリキャリ女。

男は女に抗議の眼差しを向けていた。何故なら───。

 

……そのプロジェクト俺の持ちじゃないんスけど。

 

「統括者の名前欄はあなたになってるわけだけど不服そうね?」

 

男の(ほの)かな希望は即座にぶち壊された。

女から言い渡された衝撃の事実に目を剥き、身に覚えのない事態に頭の中で大嵐が吹き荒れる。

 

エゲェッ!?ナンデ!?オレのナマエナンデ!?そこ上司(ハゲ)の筈だルルォ!?

 

「ちょっと待ってくれよ!そもそも工程進捗会議すら出てないレベルで関わってない案件なんだが……!?」

「あなたの所の上司(ハゲ)はこのプロジェクトをあなたに任せると言っていたのだけれど?………あの人まさか忘れてるの?」

 

聞いてねえぞクソ上司(ハゲ)!!若手と進めてたじゃねーか!!!!!!

 

「第一な、俺はまだ静岡の案件が片付いてねえのに参加できるわけないだろ?」

「そちらは進捗率8割を達成したから若手に担当変更して進めさせると返答を貰ってるわ………えぇ?こっちも?」

 

クソ上司(ハゲ)!!!!コラァ!!!!!何も聞いてねぇぞオラ!!!!!!!何で担当変わってんだよ報連相はどうなってんだ報連相は!!!!!

 

「とにかく、これを2日以内に修正してこっちに寄越して。このままじゃ発注遅れ及び資材不達で他社巻き込んで3%の遅延に増大するから。これ以上の遅延は許されないの」

 

2日ァ?……2日ァ以内ィに修正ィ……?

 

麗しいバリキャリ女様に至っては進捗が宜しくないことに大層ご立腹なようで、黒ストに包まれた長い脚を見せびらかすように組み替えた。

書類に目を通すと、とてもじゃないが今日中には終わらないような案件が記されていて、修正箇所の誤記確認で3時間。データの確認で3時間。修正で2時間、工程再計算で明日の朝日とご挨拶だ。簡単に言ってくれる……!

 

久し振りですよ……!私をここまでコケにしたおバカさんは…………!わりといつもされてる気がするけど……!

 

さらば、俺の休日。

すまん、我が家。

布団とイチャイチャしたい……俺、帰ったら布団と結婚するんだ。

 

「…分かった。2日以内だな……?」

「ええ。なるべく早くしてちょうだい。そちらの修正が終わり次第ウチの課でも動いてカバーするから。まだ間に合うはずよ」

 

 

 

 

男は頭を抱え渋々書類を受け取ると深い溜息を吐いて肩を落とす。

力無い足取りでオフィスから出ていくその背中には、覇気も何も感じられないほどに。

 

ぶっちゃけあの課は他にデキる人間が居ないせいで男に仕事が集中しがちになってしまっている。それを改善しようにも上長は無能。

こちらの部署に引き抜いてしまおうと画作したが、そんな時ばかり鼻が利く無能(ハゲ)は調子のいい事ばかり言って引き抜けなくさせやがる。

 

ボサついて手入れされていない髪も、擦り切れそうな革靴の先端も、捲りあげた袖口や襟元がヨレているのも、どこも男が気にしている余裕がないほど働き詰めている証拠だと女は気付いている。

なのに、なのに……。

 

「うぅぅー…またやっちゃった……嫌われちゃったかなぁ……。絶対あの課長(ハゲ)が悪いって分かってたのに彼に当たっちゃったぁ~……」

 

本当はもっと「お疲れ様♡一服しましょ♡」とか「食堂でご飯食べよ♡」とか誘いたいのだが、部下の目と社内のイメージで見栄を張ってしまってどうしても強硬な態度になってしまう。

 

 

 

(でたーーーー!課長のへにゃんこモード!!)

(かわよッッッッッ)

 

これである。

課長(バリキャリ女)、声に出ちゃってます。

 

かつてこの会社で蔓延(はびこ)っていたセクハラ課長(デブ)コンプライアンスパンチ(セクハラ告発)で消し飛ばし、利益だけ(甘い汁)を得ていた管理職共(デブ派閥)を大粛清。

徹底した効率化と成果主義を掲げ、課の成績を30%押し上げた冷徹の魔女。男よりも益荒男。女阿修羅。それがこのバリキャリ女の社内評価だった。

 

……しかしそんな上司に戦々恐々しているのかと思えば、この課の所属社員たちのモチベーションは異様に高い。

 

まさか完璧超人な彼女が(こじ)らせ思春期女子みたいな自己反省会に(おちい)るなど誰が想像できようか。

通称『へにゃんこモード』でゲロ甘てぇてぇラブコメ要素(ギャップ萌え)が供給されるおかげで、職員たちの妙な庇護欲が刺激されていた。

 

尾鰭(おひれ)のつきまくった社内イメージとは違い、会話をすれば物腰は柔らかく、定時退社を徹底、柔軟に休暇取得させてくれ、生理や育休などにも理解があり、グルメやファッションで盛り上がれるが時たまポンコツ化する歳の近いクオーター美人上司とかいう夢のような存在がそこに居る。

 

「なんで……なんでお疲れ様の一言もかけてあげられないのよぉ私ぃ~…………」

 

夢見るうさぎちゃん。正体は日和(ひより)まくり冷徹の魔女。

 

 

もうひとつ、課長(バリキャリ女)と同期であるという他部署所属の男性社員という存在。

我が課の長に相応しくない、女性にだらしないような男であれば女子社員ネットワーク総出で血祭りにしてやるが、不思議とそういった噂は聞かない(やつ)。他部署であるにも関わらず助けてもらったという社員も多く「地味にいい人」であるが──。

 

それを加味しても、仕事の虫すぎて女の影すらチラつかないのはヤバい。

正直なぜ課長(バリキャリ女)が、あのような同期の冴えない社畜男を懸想しているのか全くもって分からない、合コンで余ってたら話してもいいかな…?というぐらいの脇ポジ男なのに。

 

他社の御曹子やイケメンIT企業社長等など引く手数多に言い寄られる課長は、頑なにそれを断っては彼を罵倒して(好意を向けて)いるのだからよっぽど惹かれる何かがあるのか。

 

冷徹の魔女があそこまで心を許し甘えたな態度を見せる相手なんて社畜男(アレ)しか居ないわけで。

故に職員一同バリキャリ女を支援砲火(おうえん)する決議が採択されていた。この課のやたら強い結束力の正体である。

 

 

 

 

「……失礼、課長は…いらっしゃい、ますか?」

 

覇気のない(しゃが)れた声で幽鬼が尋ねてきた。

昨日見た時よりも更に濃くなったクマに、額に貼った冷感シート。クタクタのワイシャツにカーディガンとスラックス。制汗シートや消臭スプレーで誤魔化しているようだが明らかに洗濯していないそれ。

服にはコーヒーか何かを(こぼ)した様な跡があり、夜に出会(でくわ)したなら血糊に見えなくもない。残業のし過ぎで過労死した社畜霊に呪われる……とか噂がたちそうだ。

 

「入りなさい」

 

今日も我らが課長(バリキャリ女)はきっちりと(のり)のきいたブラウスとスーツを身に纏い窓際の席に鎮座する。対峙する男と女はまさしく同期の陰と陽。

 

男が歩を進めるが、様子がおかしい。フラついた足取りでオフィスに入ってくる姿は誰が見ても体調不良。バリキャリ女なら即帰宅させるレベルで、頭も働かないはずだ。そもそも徹夜なんて事はこの部署じゃ許されない。

 

「人前に出るなら身なりくらい整えたらどう?」

「……そんな余裕も惜しい」

 

男はクリアファイルに入った書類を手渡す。

元の部署へ差し戻した案件をまさか一晩で修正して来たというのか。 他社を挟むだけに時間がかかると踏んでいたが、その予想を越えてきた。やはり優秀と言っていい。

 

「誤入力されていた数値を確認して修正、…それによって更にズレた総発注数をクリアして再計算、他社に発注する分の収支を出し直して工程を再編成した……。元データも、社内サーバにあるから確認、してく、れ……」

 

女にそれだけ伝えると、フラついた男は壁に背中をつけてズルズルと崩れ落ちていく。

 

「ちょ、ちょっと!?あっ……」

 

慌てて女が抱えようとするも、流石に成人男性の体格を支えるには足りず、腕をそのまま引かれてしまった課長と男が(もつ)れ座り込んだ。

さながら男が女を求めて、力無く崩れ落ちるドラマのワンシーンの様なカットにエンタメを求めるOL心が一瞬で臨界へ達する。

 

(キッキッキマシタワァ━━━━━━━━━━━ !!!!)

(かちょ゛───!! GOGO CHANCE!!!)

 

当の本人達はそれどころじゃないが、社員共(外野)は素早く行動を開始した。今こそ我ら決起の刻!全ては課長(バリキャリ女)の為に!というかいい加減痺れをキレ散らかしてるから無理やり進展させるために!

 

「A部!これ修正に間違いないかチェックかけて!超特急!」

「まかされた~」

「U美!ACCHI工業とDoDeMo.Eに再日程の調整依頼!」

ほい!

「O田!データチェック後至急追加発注!」

「ウッス」

「I子は?」

「人事部に課長と社畜男の有給申請して営企のハゲ脅してくる!」

 

 

 

「あなた……!熱あるじゃない!!?」

 

男の首筋に手を当てると、明らかな発熱が分かるほど高い体温を感じた。

発汗と体の震えがあり、不規則な呼吸を繰り返していて焦点が合わない視線。ここまでになるなんて、昨日から既に無理をしていたに違いない。

 

『───とにかく、これを2日以内に修正してこっちに寄越して』

 

プロジェクトメンバーの変更すら伝えられていなかった男を呼び出し、自身の口をついて出た言葉。私が退社した後も、帰宅した後も、就寝した後も彼は働き続けたのだろう。

 

そんな生活をいったいどれ程送っているのか。心臓がギュッと握り潰されるように胸の内が痛む。──謝りたい。

 

「課長!」

「Iちゃん?」

「その案件は私たちで預かります!課長と社畜さんの有給を3日間取りました!なんなら延長戦もドンと来いです!!!!」

「ちょっと!?何を勝手に……!」

「体調不良者を管理するのも上司の役目ですよね?()()()()()()()()()()()()()()()!」

「!」

営企課長(ハゲ)承知してます(黙らせました)!」

 

ちょっと目を離した隙に話が無限の彼方まで飛翔していた。

 

名残惜しいが、男の体温から離れデスクトップを確認するとプロジェクトがもう動き出している。

確かにこの部署で共有していると言えど、案件は他にもあるのにそんなスムーズに担当者移行でき……なぜかI子に移行している。

 

休暇取得には社員からイントラネット(社内ネット)を通じて管理者に申請し、人事部の認証が必要なはずなのに……既に午後休からの3日間休暇扱いで承認されていた。

 

「なんで……?」

「人事部に理由を話して社畜さんの休暇を掛け合ったら喜んで承認してくれました!この人ぜんぜん休暇取らないから難儀してたみたいです!ついでに課長のも()じ込みました!」

 

パチリとウインクするI子。

人事部が目をつけるレベルで休暇取得してないとか、この男人間として文化的生活を送れているのだろうか?

このI子という女はそこを突き営企課長(ハゲ)に「人事部に違反をバラすぞ」と休暇を認めさせた。なお人事部はとっくに把握済みである。

 

「K太、社畜さん担いで!課長も!タクシー呼んでるので一緒に乗っちゃってください!」

 

 

 

 

都心から電車で30分ほど離れた郊外のマンション。

 

女は発熱で平衡感覚を狂わせている男の身体を引き摺り、何とか部屋まで辿り着いた。身体を制御できない人間はあまりに重く、女の額には玉のような汗が浮かぶ。

 

せっかくのメイクが崩れるじゃない……!

なんて悠長なことは言ってられない状況。彼の体調がこれ以上悪化しても困るし、あまりご近所の目にも触れたくない。

 

肩を貸した女がその一室を解錠すると、体調の限界を迎えた男と体力の限界を迎えた女は倒れ込むように部屋に入った。お互いの荒い呼吸が部屋の静寂を乱し、生命感のない部屋に少しずつ色が灯り始める。

 

「もうちょっと……!ベッドまで頑張って」

「くっ……」

 

部屋まで幾歩もないフローリングばりの床の上を、牛歩のようにたっぷり時間をかけて移動した。

廊下を抜け部屋に入ると、目に入るのはコタツとちょっと大きめのモニター。デスクトップは兼用だろう。カーテン等インテリアは紺等の寒色系で纏められ、ザ・男の一人暮らし部屋といったイメージそのまま。『片付いている』と言うよりかは『物がない』だ。

 

「ほら、座って」

 

担いできた男をベッドに座らせ自身もようやく一息つく。冷静になると頭も回り始めるもので、とっても、すごい状況だと気付く。

 

……来てしまった。部下にお膳立てされてしまったとは言え、男の部屋に。

 

他人の部屋に入った時に感じる独特の違和感と男の香りがする。ルームフレグランスが置いてあるが、それもまた彼の香りのように感じられて女の脳裏に記憶されていく。

 

「横になっていいから。それとも着替える?」

「……シャワー…浴びたい」

 

座っているのにも関わらず上半身を揺らす男。本人も自覚がないほどに熱で目を回しているらしい。この体調では動かす方が危険だと思うし、本来なら病院に掛かるべきだが少し寝て体力を回復させた方がいいだろう。

 

「シャワーは我慢しなよ。そんなにフラついてたら危ないから」

「分かった……。着替えたい」

 

頭が思考を回すことも難しいのか、素直に従っていく男。これはこれで庇護欲というか母性が揺さぶられて仕方がない。

 

衣装ケースから下着とスウェットを引っ張り出すと共にタオルを用意する。シャワーを浴びられないなら、体を拭くぐらいしてあげよう。

漁るようで申し訳ないが、冷凍庫の氷も拝借し袋詰めにしておこう。これを脇や首筋、大腿部など太い血管の通る場所に当てることで発熱の緩和になる。

 

……。ちょっと待て、これ身体を拭くために脱がせなければならないのでは?

 

いやいやいや、落ち着け私!身体を拭くぐらいどうってことないでしょ……!?なんならもっと恥ずかしい所だって見てるし?見られてるし?何の問題があるんだ?

 

問題だらけの自問自答。私の恥じらいと彼の体調を天秤にかけたらどちらが大切かなんて問えば比べるまでもない。

 

「ほら、着替えようね」

 

ジャケットから腕を抜き、ワイシャツのボタンを開けてはだけさせていく。

なんだかとっても背徳感が湧いてくる。発熱で上気した色と汗で濡れ光る首筋。喉仏。ボタンを開ける事に厚めの胸板が目に入り、Vネックのインナーから覗く鎖骨が艶めかしい。

 

──舐めたい。

 

いけない。私は病人相手に何を考えているんだ。

 

年単位で抑え込んできた欲望。女の深層心理の内にあったフェティッシュが視覚、嗅覚、聴覚から得られる刺激でバキバキとへし折られ、歪んだ欲望を引き起こした。フェティッシュは折られたことで散ったのではなく、新たな種子を撒き散らして芽吹く。芽を出した種子は茎をのばし蕾をつける。

 

インナーシャツも脱がされ上半身裸になる男。

雄らしく筋肉のついた硬い身体。デスクワークばかりしている筈の彼だが、体はよく締まっていてだらしない所は見当たらない。

 

「拭いてあげるから、ね?」

 

タオルを絞って背中を拭いていく。自分の身体を拭く時より気持ち強めに力を込めて、首筋や背中を這わせるたびにぴくんと男の身体がはねた。ベッドに乗り男の背後に回ってさらに腕や脇を拭いていく。

耳の後ろに顔を近づけると濃い匂いを感じて体温が上がる。良い香りとは思えないし風呂にも入ってないのだから、どちらかと言えば悪臭の類だろう。けれどもすんすんと鼻を膨らませては男の匂いを感じていた。

〝嗅覚〟と言うものは五感の中でも理性が利かず、本能に密接にかかわる分野だと言われている。これは自分と遺伝子の近しい者を忌避(きひ)して、自分と遠い遺伝子を求めより強く優れた子孫を残していくための生物としての欲求。

 

……困った。

私はこの匂いを悪臭と感じていない。それどころかもう少し感じたいとも思っている。頭の芯から離れた意識の外から、本能が訴えかけてくる。『この男は子作りにふさわしい相手である』と。

今までお前に言い寄ってきたオスは有象無象であり、このオスこそが自分の身体に命を宿すための最適解であると。

 

いけない。私は社会人。知識と理性で武装した人間。

人間が動物と明確に差があるのは理性があるからこそ。しかも目の前にいるのは病人なのだからそれを吹っ飛ばして本能に任せ襲い掛かるのは些か獣すぎる。

 

シャツを手渡して着させると彼には横になってもらった。

頭をふらふらとさせる彼に、これ以上体を起こさせても辛いだろう。ベッドに沈み込み深く呼吸を吐く彼の上下する胸。身体を拭いたことで多少楽になったのか会社に居た時よりも彼の呼吸は穏やかだ。

 

「下も拭くから横になっちゃって」

「……さすがに自分で…」

「いいから。もう起き上がるのも辛いでしょ?」

 

ベルトに手をかけスラックスを脱がすと、また一段と彼の濃い匂いが漂う。数日履き続けたボクサーパンツは特級呪物に近く、これは速やかに洗濯するとしよう。私に対する特効が乗りすぎてる。

抵抗する気力もないのかされるがままで、ならば幸いとその下着にも手を掛ける。服だけだ。そうだ、拭くだけだ。

 

布地に浮き上がるシルエット。

ごくりと知らず生唾を飲んだ私の喉が鳴った。渇きを潤す為か、それとも、自分の欲を押さえつける為か。ご馳走を前に「待て」を言われた犬のように。

 

新入社員歓迎会で(カレ)と寝てから、私は抱かれる幸せを知ってしまった。途端に誰も魅力を感じなくなって、以来今まで一度もセックスしていない。

そういった誘いは全て断って、連絡先もオールデリートして、本当に仲の良かった女の子数人が残るのみだ。高校でも大学でも奔放というか、自覚が無かったというか、節操無しと言われても仕方がないかもしれない生活をしていた。でも、彼に抱かれたくて。求めたくて。身体が求めて。

 

下着を抜き取るとその下の性器が露わになる。むわぁ♡と音が立ちそうな程に濃い匂い。蒸れた汗や若干のアンモニア臭が混じって女の鼻を犯す。

 

そこから離れタオルで足元から(ぬぐ)っていくが、気になって何度も男性器に視線が飛んでしまう程、あの夜の行為を思い出していた。あの時の多幸感(しあわせ)を思い出していた。あの今際(いまわ)の絶頂を思い出していた。

水気を含ませる為に一度タオルを絞るが、私はもう、私の体はもう彼を求めとっくに抑えなんて効かない状態になっていく。

 

残るは視線を縫い付けられ逸らせない、誘蛾燈のように濃く、蝶を誘うように香る男性器。

私に散々絶頂を教え、膣も子宮も忘れられないほど覚えさせられた形。身体に刻まれたセックス。

 

ダメだよこんなの……もう年単位でセックスしていない(メス)に嗅がせていい匂いじゃない……♡

 

子宮が本気(孕み)汁をどばどばと吐き出して、膣内に満ちていく。膣内も愛液を溢れさせていたために、欲望と本能が混じりあって更に粘性の高い欲求になっていく。

欲求は抑え難い衝動となって脳を支配した。この状態になった理性なんて、風吹けば散る塵芥。

 

もうドロドロだ。ショーツのクロッチ部分は溢れかえった衝動が貫通し、ストッキングすら湿り出し、女の至る所のスイッチを押していく。

動悸がうるさい。鼓動が耳元で鳴っているようにうるさい。荒くなった呼吸は体温を上昇させて、より熱を溜め込む。溜められた熱は全身に火を灯して回り熱に当てられた思考を苛んでいく。

 

おっも……♡何これ、はち切れそう……どんだけ溜まってんの……♡

 

指で陰嚢を持ち上げ秘された皺皮の裏を拭く。

女の手が持ち上げた陰嚢は日頃の鬱憤と欲求を限界まで溜め込んで繁殖欲求を滾らせていた。片方だけでもずっしりと重いタマには、(メス)(つがい)にしてしまう獣達がいったい幾億ほど詰められているのか想像もできない。私を一晩ハメ潰した彼の事だから、億では済まないかもしれない。

 

ぐじゅ……♡

知らず擦り合わせた膝頭。ショートめなタイトスカートの影。ストッキングに包まれた秘所部には収まりきらないぐらいに衝動が溢れ返り、今か今かと男を待ち望んでいた。

 

気を強く持って、今度は竿を手に取りタオルに包む。酷い臭いのする根元を、幹を、カリ首を、亀頭を揉み込むように(ぬぐ)っていく。敏感だろうから、丁寧に、優しく。根元から先端に。

 

視覚、聴覚、嗅覚、触覚、が犯され、納得がいかないと抗議しだしたのは味覚だ。他は全て男の感触を与えられたというのに、味覚だけは男を感じられていない。女の欲望は渦巻いて、下腹部からの強烈な衝動を脳に送る。

 

そしてそれに呼応する様に、男の肉槍が手の中でとくんとくんと脈を打ち始めむくっ♡むくっ♡と体積を増していく。

脈を打つ度に根元がめりっ♡と太くなり、幹に血管が浮き始め、亀頭が赤黒く染まり、カリ首が傘を開いていく。

 

あっ、あぁ……♡

 

オスが極限まで疲労することで、身体は生命の種を残すため勃起することがあるそうだ。俗に言う疲れマラというやつらしい。

あの夜よりも、ずっと迫力を増した肉槍。ずっと濃いものを溜め込んだ手のひらに余る睾丸……ザーメンタンク…♡絶対に子孫を残してやると決意する強固な意志。

 

気づいたら私はたっぷりと涎を溜めた口内に、彼の肉槍を含み啜っていた。

あ~~むっ♡!

ずりゅ……♡じゅぷ!!♡じゅる゛!る゛♡!じゅる!はぁむ♡♡♡!ずちゅ♡ぶちゅ♡♡!!!

 

夢中になって自ら五感全てを犯していく。脳に直接響く彼のモノを啜る音。生臭く鼻を突く匂い。どんどん体積を増してバキバキになっていく肉槍。彼自身は熱で朦朧としているのに、オスは子孫を残そうと躍起(やっき)になって猛り狂う。

 

全部欲しい……♡全部欲しい……!全部欲しい!!!!

 

もう我慢なんてできなかった。ガツンガツンと理性を叩き壊した生殖の衝動。

服を脱ぐ余裕だって無い。邪魔くさいストッキングを乱暴に引き裂いて、ショーツのクロッチ部をズラす。前戯なんて必要ないぐらいに滴り落ちる本気汁はメスが孕むための準備が終わった事を教えていた。

 

てらてらと唾液で濡れ光る肉槍。眼前に聳え立つ歪な形をした砲身。

絶対孕む……♡生でしちゃったら絶対……。したい♡してしまいたい♡このまま……♡

 

……それは、まだダメだ。

欠片と散った理性が最後の抵抗を試みる。社会的な立場もあって、彼とは結婚もしていない。付き合ってすらいない。まだ子を設けるには時期尚早。既成事実を作ってしまってもいいが、彼とは円満に結ばれたい。

ひったくりのようにカバンを漁って、奥底に眠っていたコンドームを引っ張り出す。封を開けてなけなしの理性を彼のモノに纏わせた。

 

いつか絶対…孕んでやる♡貴方の子供を孕んでやる♡ぜったいパパになってもらうから……♡♡♡

 

ぎしりぎしりとベッドの(きし)む音が数度、腰を持ち上げた女の秘裂、本気汁を垂れ流す膣口と男の肉槍がの先端が重ね合わされた。

 

ぬぢっ♡

 

女は手で暴れ回る肉槍を押さえつけ、そのまま膣内へ飲み込む。

 

「っあ♡゛…♡♡…!んぅぅぅ♡゛♡♡♡……♡゛あはぁ♡…!?!??…♡…♡゛♡!♡♡♡!!」

 

肉槍が秘裂を割ると膣口からとろみのある果汁がじゅわじゅわ♡と溢れ出し、潤滑剤となって更に奥へと飲み込んでいく。

 

「ん…♡はっ!ぁ…゛♡っっ!!…!!♡…♡♡!!!!」

 

傘を張った亀頭が女の膣道を割広げ、肉襞を余すところなく削っては蹂躙し、敏感なところを一緒くたに押し潰してゆく。待ち望んだ感触、感覚、快感が下腹から腰を伝って全身に震えとして行き渡った。

 

───先端が遂にそこへ触れる。

Gスポット。以前膣内と外から挟み撃ちにされ開発されたせいで、すっかり弱くなってしまった女の絶頂スイッチ。

 

「おっ♡!!?!?ぐっっ♡゛♡♡♡!!!?!」

 

その瞬間、呆気なく果てた女の膝からカクンッと力が抜け、子宮とポルチオスポットが硬い肉槍に纏めてブチ抜かれる。絶頂した上に更に絶頂を重ね、女は背を反らして酷く痙攣した。

肉槍の先端が、女のぐでぐでに溶けた子宮を下から突き上げ、潰された子宮はその刺激で口からぶちゅり♡とこってり孕み汁を更にぶち撒ける。

 

「ん゛♡ん゛ぁぁ゛っ♡♡!?゛!!?…お゛っ♡♡♡…う゛ぅ゛!~!…♡…うぁ゛っ~♡゛あ゛!…♡♡!」

 

激しく明滅する視界。頭の中で火花が散り、思ったように動かせない身体。その間にもどぐどぐと膣内で脈打つ肉槍が満足させろと暴れ回る。

 

まさか挿入()れただけでイッちゃったなんて…♡

ずるいよぉ……♡こんなの勝てないよぉ……♡ながくてぇ、ぶっとくて、硬くてぇ……♡♡♡あたし……ズルい女だぁ……♡

 

男が熱で動けないのをいい事に、自分の欲望を満たす為におちんぽを借りてひとりで自慰行為(オナニー)に浸ってるだけだ。匂いで理性を飛ばして、おちんぽ見て我慢できなくなって、これじゃあただの浅ましい雌犬と変わらない。

 

「ごめっんな゛さ…っ!ごめ…っん♡なさ゛い゛♡♡!い゛つ…もっ理不尽゛なっ♡!事っ♡!ばっかりあ…な♡!た…♡!に!押゛しっ♡付…け゛て!ご…めんなさ゛い…♡゛♡!!」

 

ぱん♡ぱんっ♡ぱん…っ♡!ばちゅん♡!ぱちゅん♡!ぱんっ…♡!ずちゅん…っ♡!ずん…♡!ぱんっ…っ♡!ぱん♡゛っ!

謝りたいのに、腰が動いて止まらない。長くお預けされ続けた女の身体が1回の絶頂ごときで満足できるはずもなく、尻で杭でも打つかのように激しく振りたくられる。

 

「ごめ゛……!んなっ゛さっ゛いぃ♡!無理♡無理っ゛なの…っ♡!…気っ持…♡ちいいの♡止ま゛んな……っい♡…っの゛♡」

 

ばちゅん♡!ぱちゅん♡!ぱんっ…♡!ずちゅん…っ♡!ずん…♡!ずちゅん♡!…ばちんっ♡

ベッドの軋む音。水気を含んだ肌と肌のぶつかる音。押さえても、抑えても、男のモノが膣内を削る度に漏れ出る嬌声。

打ち付けては前後にグラインドさせて、肉槍と子宮口をキスさせては肉襞で根元まで咥えて舐めしゃぶる。

 

女はただの1Kの部屋で行為に(ふけ)っていた。

壁なんて大して厚くないだろうに、聞かれれば何をしているかなんて一発でわかるような音を立て、全く気にする余裕もなく衝動のままに肉槍を貪り続けて上半身を伏せた。

 

苦しげに歪む彼の顔。熱に(うな)され、前髪が汗で額に貼り付き身体を拭いた意味がなくなってしまったじゃないか。

 

すんすん♡と首筋に顔を埋めた女は呼吸の限り男の匂いを吸い込む。ただでさえ白んでいた脳内に更なるスパイスが足され、煮込まれた衝動の限り男の肉槍を求めて腰を振り下ろす。

 

「もお…♡!♡むり゛っ!!♡♡……イっく♡…イ゛く♡!!♡………あぁぁ゛あ!♡…あっ゛!♡♡♡」

 

女の全てを搾り取るような杭打ち騎乗位、種を欲しがって纏わりつく子宮に、絶頂で蠕動する膣内。

揉み込まれ激しく搾られた肉槍が、被せられた理性をぶち破らん限りに射精する。ゴム越しなのに膣奥を撃ち抜いて、子宮を揺さぶられる衝撃に一段と絶頂が深くなり、もっと繋がりたくて肉槍の先端に子宮がのしかかって猛抗議する。

 

ご馳走はすぐそこにあるのに……!ほんの少し(0.01mm)の理性が邪魔をする……!退いて!!私その人の子供孕むんだから!!なんで!?なんでそんなイジワルするの!?

 

「あ…♡…あぁ゛っ…射精()てるっっ…♡!っあつっ…゛っあ♡ああ゛あぁあ゛ぁっあ…っ♡ぁっあ…♡ぁっあ…♡!」

 

数分して、引潮のように薄れてゆくオーガズム。膣内で激しく脈打っていた肉槍も少し落ち着いて、部屋には静寂が訪れた。男の荒い呼吸と全力疾走したかのような女の呼吸。女は力を振り絞って腰を持ち上げた。

 

「んんん゛♡!!……はぁ♡」

 

ぬぽっ♡と膣内から吐き出された男のモノと、欲を限界まで押さえ込んだ理性。

すんでのところで堪えきったコンドームはまるで今にも破裂しそうな水風船のようにたっぷりと種汁を貯えていた。ゴムを破らないように外し口を縛って置いておく。

 

お疲れ様……♡ごめんね…?無理させちゃったね……。

液にまみれた刀身をタオルで丁寧に拭きあげる。手の中でふにふにと慈しむように、労わるように、マッサージしてあげても回復する様子はない。発熱で苛まれた男の体力では、さすがに前回のような耐久力を保つのは難しいだろう。

女の下腹の奥、子宮は遺伝子を貰えてないことに不満げな疼きを訴えるが今は我慢するしかない。

 

ふと目に入る、丸々と肥え太った理性の抜け殻。それ持ち上げてみれば重みでブツっといってしまいそうな程重くて……。

少しはこの渇きを満たせるだろうか?少しはこの疼きがマシになるだろうか。

 

果実を持ち上げるように口元へ。先端の少し突起状になった部位に歯を立てて、途端に、でろりとした塊のような遺伝子ソースが口内に溢れ返る。

 

───私は嬉々としてそれを飲み下した。

 

極濃で、生臭く、噛めるぐらい弾力があるものが、喉の奥で膜を張るような不快感。嚥下(えんげ)する度に舌根にへばりつく。エグみがありとても良い味とは言い難い黄ばんだ欲望の塊。

 

子宮にご馳走されるはずだった極上の種汁は、残念ながら女の胃に消えていった。

 

「次は、元気な時にいっぱいしようね」

 

少し呼吸の落ち着いた彼の額を髪を梳ると、少し穏やかな寝顔に変化した。それが女の心を満たして、しかしおねだりな女はもっと色んな表情を見たいと思う。

 

 

……願わくば、次は少し進んだ関係に。

 

 






バリキャリ女
匂いフェチ発覚。弱ってる男にやられ欲に勝てなかった。
香水よりも襟元の匂いが好きらしい(男に対して限定)



タフだけどたまに盛大に体調を崩す人居るよね。
職場でぶっ倒れたと思ったら家にワープ。なぜか家に女がいる真相を究明すべく我々はアマゾンへ飛んだ。



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女とおうち訪問看護 day2 (無)

 

 

布団での微睡(まどろ)みというのはいつの世も気持ちいいもので、唐時代の詩人である孟浩然(もうこうねん)の『春眠(あかつき)を覚えず 処処啼鳥(しょしょていちょう)を聞く 夜来風雨の声 花落つること知る多少ぞ』というお気持ち表明文は誰しも一度は聞いたことがあるのではなかろうか。

 

大昔の高名な詩人先生も『春のヌクいお布団 is GOD』と言ってるのである。ならば一般人の俺が春の陽気の如しぽかぽかお布団に抗えない事は道理であり、必然に収束する事を議論したって物事は変わらないのだ。

 

 

課の書類が冷徹の魔女(バリキャリ女)に突き返され、えぐえぐと泣きながら修正作業をした事は記憶にある。

翌日に持ち越したくない案件であり、徹夜で片付けようと魂のガソリン(エナドリ)をぶち込んでひたすらデータを打ち直した。その後コーヒーをぶちまけそうになったり、3連チェア(簡易ベッド)で横になり少しだけ仮眠したことも覚えているが問題はそこからだ。

 

目が覚めるとやたら身体が火照って浮遊感のある目眩を感じ、かと思えば悪寒で四肢が震え体調の悪化を自覚した。あ、これあかんやつやと。それでも修正を完了させた書類を持ってバリキャリ女の課まで行った………のだろう。それが昨日である。

 

断片的な記憶はあるものの、発熱でくらくらと揺れる世界は足をつくのが精一杯だった。正直なところ発熱と眠気と倦怠感でどうやって帰路についたのかもロクに覚えてない。

 

 

うん。そろそろ本題に入ろう。

 

 

何が言いたいかといえは、なんでか分からないけど俺の布団がぽかぽかしてるんだ。

 

具体的に言えば人肌の温もりぐらいに。さらに言えば全体ではなく片側が。細かく言えば腕が抱き枕にされているようだ。

抱かれている腕からはほんのりとした温もりと柔らかさが伝わってきて、洗剤と柔軟剤と物体そのものの混ざりあった匂いが(かお)ってより存在を強調させた。

 

「んん……」

 

俺の腕を抱き枕にしている物体から悩ましげな声が聞こえてきたところで、そろそろ生理現象を我慢するのも由々しき事態になってきた。早急な原因究明に取り掛かりたいと思う。

 

ここは俺の部屋で、物体Xが俺の布団に侵入している以上、俺には物体Xを確認し、もし害ある存在ならば撃破して聖域を守護する義務がある。以上。未確認生物接近!布団を捲れ!EDFの出動だ!

 

脳内で隊員を総動員したところで、意を決して掛け布団を探るように持ち上げてみる。

ヒヤリとした空気が布団の中に入り込み、柔らかな朝の陽射しが布団の中を照らし始めると、陽光を受けて銀に近い金髪がきらきらと輝いた。

 

……そこには普段の利発的な表情がなりを潜めた、なんともあどけない寝顔の冷徹の魔女(バリキャリ女)が居た。なんだ、何も問題無かったわ。

 

 

Q.なんで布団の中がぽかぽかするの?

 

A.バリキャリ女が隣で寝てたから

 

 

ん????? ンンンンwwww!?!?!!?

 

致命的な問題が発生した。

 

再度布団を持ち上げてもその光景は変わらず、バリキャリ女は眩しかったのか「んぅ……」と声を発して額を二の腕に擦り付けてきた。まるで住居を突然(めく)られたハムスターのような仕草である。

 

……なんで?

 

Hey 突如舞い込むシチュエーション yo

困った俺の手のポジション伝わる彼女のセンセーション

乱立するクエスチョン 広がる良からぬイマジネーションyear

 

韻踏んでる場合じゃねえ…トイレ行きたい……!うごご……。

 

倦怠感の残る身体に鞭打ってあちらこちらと(よじ)り、知恵の輪を解くようなモーションで腕を引き抜きにかかる。しかし「やぁ……!」と拒否の声を上げ向こうから締め付けてくる知恵の輪。理不尽が過ぎる。

 

こうなったら力づくでいくしかない……!

腕を上に引けば抜きやすいはずだから、上半身を起こし姿勢を作る。こういうのはタイミングが重要だからね。呼吸を止めて一秒……アナタ新鮮だけど煮魚ッ!

 

───その瞬間(とき)、俺の腕を掴んだままのバリキャリ女が寝返りを打った。

 

「えっ、ちょ」

 

力を込める直前の脱力したタイミングでぐんっと腕が引かれ、一本背負いのような姿勢で投げられた。勢いの止まらない俺の身体はベッドから転落し床と濃厚なハグをする。ぎゅっ!床ドンしてごめん♪うるさくしちゃってごめん♪

 

危険予知できてないよ。不安全行動。んなもん分かるか。

 

「うぅ…ん……うるさ」

 

どうやら今の音と衝撃で眠れる野獣(美女)も目を覚ましたようだ。色々聞きたいこともあるので、そろそろ起こそうと思っていた所である。

とろんとした(まなこ)はたいそう可愛らしくあるが、床にぶっ転がった俺と目が合うとハッとした顔になった。

 

「ん──!?どうしたの!?誰にやられたの!!?」

 

お前なんだが。

 

 

 

「……ごめんなさい」

 

尊厳を失うことは避けられた訳だが、やれやれ…僕は疲労した。

 

あれから落ち着く為にシャワーを浴びさせてもらって一旦リセットと相成ったわけである。

身体のベタつき具合からして昨日はシャワーに入らず寝てしまったようで、その割にデリケートゾーンや脇などはそこまででもなかったし、服は着替えていたので助かったが……。

 

あのあの……もしかして体拭いたり着替えさせられてもらっちゃったりしたのだろうか?さすがに成人になってまでお子ちゃまムーブをカマしたとは考えたくない。

そんな思考も過ぎりつつ、まず最大の疑問を投げかけてみる。

 

バリキャリ女(貴方様)はなぜウチにいらっしゃるのでしょうか」

「君はウチの課に書類を持参してくれたけど、発熱で昏倒したの。だから帰宅させて看病してたんだ。まぁ……私も寝落ちしちゃったみたいだね」

 

さようで……。

こんな男の隣で寝落ちしてしまうぐらいなのだから、彼女もずいぶん疲労を溜めていたようでところどころ服装が乱れたり髪型もおざなりになってしまっている。

 

「……ご迷惑おかけしました」

「別に迷惑だとは思ってないよ。君には倒れる前に休んで欲しかったけどね。あ、会社の方は君も私も3日間有休にしてあるから」

 

──3日も!?

 

若くして課長という立場に昇った傑物である彼女には役職相応の苦労苦心があるだろう。同期だが入社してからというもの永世平社員の俺には検討もつかない領域といえる。

そんな引っ張りだこの彼女にわざわざ休暇を使わせてしまったのだから非常に申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまう。

 

「何驚いてるの?君、有給使って無さすぎて人事が目つけてるからね?年間()()5()()取得が法律って理解してる?」

「気づいたら季節が巡ってまして」

「もうちょっと過ぎ行く季節を惜しんでもバチは当たらないと思うな」

 

じっとりという単語が非常に合うような目を向けないで欲しいなバリキャリ女様。

しかし3日間休みか……。悲しいことに休暇を申請しても家でやる趣味等が無いのである。適当にゴロ寝しながら動画サイトを巡ったり映画を観るぐらいだ。筋トレは適当にやってるけども。

 

「でもそれだとそっちの仕事が……」

「ウチの課は皆優秀だから、私1人抜けた所で滞る事はないよ」

 

なんと、なんと素晴らしい……。

 

「で、体調はどう?昨日は39℃あったからまだ残ってるとは思うけど」

「おかげで熱はそこまででもなさそうだ……多少怠さはあるがな」

 

手渡された体温計で測ると数値は37.4℃を示しており、まだ平熱からすれば多少高い状態だ。しかし昨日よりもだいぶ思考はクリアだし、これならば彼女に手間をかけさせることもないだろう。そう思い、俺は彼女に帰宅を提案しようとした。

 

「じゃあゆっくりしよっか。あ、今日も泊まらせてもらうね?どうせ本調子じゃないのに無理するだろうからさ、君」

 

Pardon?

 

「ごめん、シャワー借りてもいい?昨日から入れてないから落ち着かなくて」

「そりゃもう好きなだけどうぞ」

「ありがとう。あと重ねてで悪いんだけどタオルとTシャツも借りていいかな?洗濯はしておくから」

「そこのラックから好きなだけ持っていって。ドライヤーとかも使っていいよ」

 

脳の止まった俺の生返事を聞き、服とバスタオルを持って浴室へと歩いていくバリキャリ女。そういえば彼女は換えの下着とか持ってるのだろうか。抜け目ない彼女のことだから大丈夫だとは思うけど。

部屋に漂う俺以外の温もりと残り香。彼女は俺に仕事を回してこうなってしまった責任を感じて看病を買ってでてくれたのだろうか。俺にそんな責任を感じる必要は全くないというのに。ただ単に体調管理がなってなかったと言うだけの話だ。

 

浴室から聞こえてくる水音を、ただただ耳の中に流し入れて意識をぼーっと同化させる。ふと浮かぶのは先程彼女が言い放った言葉。『あ、今日も泊まらせてもらうね?どうせ本調子じゃないのに無理するだろうからさ、君』だって。そんなに分かり易いのか俺。

 

 

 

程なくして水音が止むと扉が開き、俺のものより幾分も軽い足音が転がり落ちてきた。衣擦れの音がやけにはっきりと聞こえる気がして少しだけ鼓動が上擦った。

自分じゃない存在が居る部屋は、ただそれだけで色と温度が増したような気さえするし、体調の良くない人肌恋しくなった時にはそれだけでありがたいと思える。

 

「いただいたよ」

 

からりと扉を開けて脱衣場から出てきた彼女はTシャツとグレーのイルカショートパンツという部屋着そのままな格好をしていた。もともと白い肌はシャワーで血行が巡って薄桃色に色づき、仄かな温もりを感じられて目が追ってしまう。

 

「なんか気になる?」

「いや……綺麗な脚だと思って」

 

馬鹿正直に答えるもどうかと思うが、彼女は気にしてないようで自信のある言葉が飛んで返ってきた。

 

「でしょ?自慢の脚だもの」

 

ショートパンツから伸びる脚はスラリと曲線を描いて長い。俺と大して変わらない身長は女性の中ではかなり高い方だろうし、なんならヒールを履くと俺より高いかもしれない。

 

なのに俺よりも腰の位置がアホみたいに高い。均整の取れたモデル体型に溜息が出る。

 

「ごめんね?洗濯機使わせてもらったよ」

「俺の入ってたかも」

「私は気にしないよ?洗剤が勿体ないじゃない」

 

むしろ気にしろよ。こう、臭いとか気になったりしないのか。

 

ふんふんと鼻歌を奏でながらカバンを漁る彼女。

普段俺が着ているはずのTシャツが彼女のボディラインを浮き上がらせ煽情的に思えるし、鼠径部ぐらいまでしか覆ってないショートパンツも相まって、屈んで合わさる太ももと脹ら脛の柔らかな輪郭線が惜しげも無く晒される。

 

昔、大学ゼミの飲み会で『女の服装でスケベなのは?』という猥談に発展した際、女性に疎かった童貞同盟軍は喧々諤々と結論を擦り合っていたが一番のイケメンであるE藤が『部屋着』と答え童貞同盟は爆散した。

 

今ならばそれも頷ける。

 

「そんなに脚が気になる?」

「あー、ストッキング履いてないから新鮮だなって思ってさ」

「私フォトスキンタイプが白人寄りだから日焼けしても黒くならずに真っ赤になるの。そうなるとヒリヒリして痛いし皮膚ガンになりやすいんだよね。だから対策」

「……なんか悪かった」

「んーん。知らなくてもしょうがないよ。夏はさすがに勘弁して欲しいけどね」

 

スキンケアクリームを持ち歩いているらしく、ベッドに腰掛けた彼女は脚を伸ばし手に取ったクリームを薄く塗りつけていく。細く長い指が爪先に触れて、甲を、(かかと)を、(くるぶし)を、(すね)を、脹ら脛(ふくらはぎ)を、(ひざ)を、(もも)を撫でるように塗り伸ばす。なんというかCMに使えそうなぐらい絵になるな。

 

「あ、そうそう。お詫びと言ってはなんだけど、耳掃除してあげる」

「なんで」

「汚れてるから気になっちゃってさ。しばらくしてないでしょ」

 

確かに記憶を遡ることしばらくしても、前回いつしたかは答えられない。風呂から出た際にタオルで(ぬぐ)うぐらいか。人間の耳垢は自然に排出されるので無理に綿棒でほじったりする必要はなかったはずである。

しかし耳の中は自分自身で確認することが難しい。もしかしたら彼女が言うようによっぽど汚いのかもしれん。

 

「ほら、昨日君が寝てる間にいろいろ買ってきたからさ」

 

ビニール袋をかさかさした彼女の手から、頭に梵天(ぼんてん)のついたオーソドックスな耳かき棒と綿棒のパックが取り出される。それを持ってベッドに深く腰掛けると微笑んで自らの太腿を軽くタップした。

俺はといえばぺちぺちと太腿をタップする彼女の真意を計りかねていた。えっとそこに頭を乗せろということでしょうか?

 

「ほら、早く」

 

いや、今の彼女は短パンなわけで、生足魅惑のユートピアなわけだが、決してそれが悪いと言っているわけじゃない。誰が見ている訳でもないけど気恥ずかしいじゃないか。

 

「遠慮しないで」

 

追加のぺちぺちいただきましたー!アザース!

 

そこまでされたら断るのも申し訳ない。俺はゆっくりと這うとベッドの淵に腰掛ける彼女の脚へ頭を乗せた。

 

ふにゅっ

 

滑らかなキメ細かい肌の応酬。頭の重みで僅かに表面が沈み込むと皮下の筋肉が押し返して来て、柔らかいのに弾力があるという相反した感触が伝わってきた。

だがそれは決して矛盾にならず見事に調和された夢見枕。市販じゃ、ちょっとないだろう、これは。

 

「…んっ。くすぐったいね」

 

曖昧になる俺と彼女の境界。シャワーを浴びた後の少し高めな体温。服ではなく、サボンやトリートメントでもない彼女のフレグランス。情景が入り混じっては五感を撫でて来て、なんだか顔が熱くなる。

 

「緊張しすぎ」

 

無茶言うな。

 

「大学の時の友達にズボラな子がいてね。たまにしてあげてたから」

「へー……」

「私とは全然違うタイプの黒ギャルだったけど、さっぱりした性格で誰にも優しかったんだよね」

「黒ギャルね……」

「今も連絡先残ってるのは彼女含めて数人かな」

 

話しながらも白魚の様な指が耳へ触れる。そっと耳を引いて、まずはとばかりに、綿棒が溝に潜り身を擦り出した。耳から直に振動と感触が頭へ伝ってきて落ち着かない。

 

「シャワー入った後でちょうど良かったね」

 

さっそく耳穴確定かと思ってたが、どうやら周りから先にやっていくスタイルらしい。

 

少し水気を含んだねちねちという音と(くすぐ)ったさが、表面の見えるところから影になっているところまで隈なく擦るものだから腰から背筋からゾクゾクとした。

一旦綿棒が離れると今度は耳穴の周りを綿棒が撫で始め、穴の輪郭でくるくると円を書く。しかし奥までは来ず、少しだけもどかしい気分が(よじ)れて仕方ない。

 

「押し込んじゃうから綿棒はここまでね」

 

俺の耳を弄んでいたコットンが役目を終え、竹の耳かき棒へバトンタッチ。ゆっくりと入ってきた棒が不浄に触れじゃくりじゃくりと枯れ葉を潰したような音を立てた。

 

「溜めすぎ」

 

見なくても分かる。こりゃよっぽどの惨状だろう。絶妙な力加減で外耳道を撫で、手前から掻き出していく耳かき棒。

がしゃがしゃ音がしたと思えばほろっと剥がれる感触がしてぞるっと塊が発掘される、その繰り返しだ。時々素肌を撫でる棒にゾクッと来てしまうがそこは彼女の技量が熟練しているからか痛みはない。

なんだか、だんだんと音がクリアになっていくような気さえする。

 

「あらかた取ったかな。ふわふわだよー」

 

今度は柔らかい羽毛が穴を埋め尽くし余すところなく梳る。剥がされたばかりの敏感な皮膚にフェザータッチする梵天の狭間。

 

「はい、おしまい。反対向いて?」

 

とんとん、と肩を叩かれ寝返りを促される。俺は芋虫のように身をくねらせて真上を向いた。

 

すると、目に入るわけである。彼女の柔らかな二つ山が。

 

どデカいわけではないが確かに女性らしい膨らみが服の生地を押し上げ魅惑の曲線を描く。この角度から見る事はなかなかないもので、不躾と分かっていながらも、もう半回転ちょっと身を回す事も忘れ見つめてしまっていた。

山の頂には確かな存在を主張する果実が影を作っていて、これがまた目を惹き付けて止まないのである。

 

「ちょっと、それじゃ耳かきできないよ」

「下から見ると凄い綺麗な形と言いますか」

「……えっち」

 

あまり彼女の機嫌を損ねるのもよろしくないし、いま俺の生殺与奪は彼女が握っている。なんとか南半球から視線を引き剥がし、反対の耳を上にした。

 

「お腹、突つかないでよ?」

「しないて」

 

寵愛を賜った上弦の月と、未だ祝福を受けていない下弦の月。

 

顔が触れている太ももは温かくて、包まれているように飾り気のない彼女の匂い。一定の間隔で与えられる刺激に神経が静寂化していく。

 

耳の上で綿棒が踊る。優しい母性を纏う、添えられた指から温もりが移ってきて両耳が温められた俺は段々と眠気に飲まれ始めていた。

いつの間にか綿棒から耳かき棒に切り替わっているのも気づかずに。瞼を開くことすら億劫で。

宙に舞うような浮遊感。朧気になり始めて薄れていく自我。脳へと入り込む彼女の声が溶けだして流れ落ちていく。

 

「ホントさ、感謝してるんだよ?いつもいつも助けてもらってさ

 

掠れていく意識の中で、染み込む声。

 

「君には押しつけてばっかで、なんでも応えてくれるから甘えちゃって

 

中を撫でる耳かき棒の音。

 

そんな頑張ってる君を目で追っちゃうんだ

 

好きだよ

 

 

 

 

目を覚ますと部屋の中には食欲を刺激するいい匂いが充満していた。キッチンから聞こえる鍋の音や水音。炒め物らしき音。久しく稼働することのなかったふた口コンロが今まさに大活躍していることだろう。

よく聞こえるようになった環境音を感じながら、(かぶり)を振って身を起こす。すっかり視界がフラつく感じもなくなり、体にあった倦怠感も霧散している。

 

「あ、起きた?」

「おはようございます」

「おはよ。食欲はある?」

 

菜箸を持ったバリキャリ女さんがキッチンから顔を出す。今の彼女はパーカーを上に羽織っていた。

 

思い返せば一昨日はブロック栄養剤を齧っただけ、昨日は言わずもがなぶっ倒れてたわけだ。胃の内容物はすっかり空で、香ばしい匂いに腹の虫が抗議の声を鳴らす。

 

「君自炊してないの?冷蔵庫の中何も無かったよ」

「あー、作るのが面倒でな。作っても炒飯とか野菜炒めぐらいか」

 

もともと料理に凝っていた訳でもなし。会社にいる時間も考えればほぼ8割……いや9割方外食や弁当だ。一通り買った調理器具だってすっかりホコリを被っていた。

 

「何作ってんの」

「豚生姜焼き野菜炒め。もうできるから座って待っててよ」

 

言われるがままに、卓について待っていると彼女が皿を持ってきて置いた。飴色に炒められた豚肉と野菜炒め。食欲を唆る生姜の匂いが立ち込め、口の中に唾液が溜まる。

次いで置かれたのはダシの効いてそうな牡蠣の炊き込みご飯と山芋の摩り下ろし。海のミルクと山のミルクの二大共演揃い踏みだ。

 

「なんか、凄いな」

「元気になるメニューをIちゃんとU美から聞いて作ってみたんだけど……」

 

Iちゃん、U美。お前らお粥とか雑炊とかあるだろ、こう、あるだろ?

いや、腹減ってるしめちゃくちゃ美味そうなので食べますけれども。

 

「あとこれ」

「なにこれ」

 

彼女が取り出したのはトレカのSSRみたいな輝き方をするパッケージをした小瓶のドリンクだった。ご丁寧に滋養強壮!という文字が躍っておりすごくつよそう。

食前に飲むと効果絶大!とやたら目立つ太字で書いてある。悪いものでは無さそうだが……。

 

「その、大学の友達だった子に聞いたらこれがいちばん元気出るって」

「黒ギャルの子?」

「そうそう」

 

黒ギャル氏のお墨付きドリンクらしい。そこはかとなく怪しいが、栄養を摂って体力をつけなければいけないのも確かである。ええい、ままよ!

 

……?

味は普通に栄養ドリンクだ。拍子抜けしてしまったが激マズじゃなかっただけ良しとしよう。

 

「これ、全部でいくらしたの」

「いいよ。私の奢り。たーんとおたべ」

 

ヒラヒラと手を振ると彼女は食べ始めてしまった。どうやらこの話は取り合うつもりが無いらしい。

俺も箸を取り料理をいただいた。

 

……めっちゃ美味ぇやん。

 

 

 



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女のおうち訪問看護 day3



GWは終わったんだ。無かった。俺には無かったんだよ、ロック。

─追記─
フォント修正しました。最大攻撃力は下がったけどクリ率上げて火力確保

サンキュー特殊タグ自信ニキ!







 

 

 

───朝、である。

今日も無事目覚められたことに感謝しつつ、最大の危機を迎えていた。俺が何をしたというのか。いやナニしてるのは俺なんだけども。

 

 

レム睡眠とノンレム睡眠というものがある。

ノンレム睡眠は、身体と人間のコアともいえる脳のすべてが仕事を終え深く眠った状態を指す。例えるならばパソコンの電源をシャットダウンし何も処理をしてない状態だろうか。脈拍や血圧、呼吸が安定し免疫を整えたり成長ホルモンが分泌されるのがノンレム睡眠である。だから成長期に夜更かしはしちゃだめだぞ。

 

それに対しレム睡眠はパソコンのスリープとも言える状態。夢を見るのもレム睡眠の内に脳の記憶を整理する働きによって引き起こされるからと言われているし、眼球が動いたり、意識的ではないが体の至る所が活動して自律神経機能の影響で血圧や脈拍などが不規則になる。人の体はこのノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返し、深い睡眠と浅い睡眠の間隔が狭くなっていき、目覚めへと登っていく。

 

このレム睡眠中の働きによって引き起こされるのが夜間勃起現象というものである。

 

これはスケベドリームで興奮したとかじゃなく、生殖機能の維持などで体が反射的に引き起こしたもので、実は成人男性は寝ている間に数回股間が元気になっているらしい。

 

朝勃ちというのはレム睡眠の作用によってもたらされる勃起が目覚めに重なった事が主な要因であり、だからマイサンがI'm fine!と高らかに主張するのは全くおかしくないのだ、が。

 

 

 

下半身から強烈な膨張感と、棒を股に挟んで横向きになって寝ているようなゴリゴリ感、ジリジリと皮が引き伸ばされているかのような疼痛が脳に流れ込んでくる。

 

俗にいう朝勃ち……なのだが、通常半勃ちぐらいで収まるはずの肉槍がそれはもうイキり散らしていた。

 

まるで尻穴からアイアンインゴットでも打ち込まれてんのかと疑いたくなるぐらいに、バキバキになった我が息子がスウェットとパンツをブチ破りらんばかりに勃起して「今すぐ解放しろ」と大暴れ。

 

……それだけなら適当にシャワーで冷水をぶっかけて強制(チン)火させればいい。

 

しかし、タマの裏側にポンプでもあるかのように激しく脈打つ肉槍は、向かいに眠っているバリキャリ女のふとももに挟まれ二進(にっち)三進(さっち)も行かない状態になってしまっていた。

抱きつくように眠っている彼女は目を覚ます気配がなく、腰を引いて勃起を遠ざけたいところであるが、これもしたくてもできないでいる。

 

言い訳をさせてもらうと俺はベッドを部屋の隅に置いていて、後ろは壁が聳え立っている。

ホテルのように壁面に対して垂直にベッドを設置してあるならとにかく、俺の背後は壁。さすがの俺でもケツアタックで壁破壊は無理だ。決して彼女の生ふとももを堪能しているわけではない。断じて。

 

つーか来客用布団敷いたじゃん……。なんでまた昨日と同じ状態になってんですかバリキャリ女さん……?

 

なん、なに?もしかして貴女は何かに抱きつかないと眠れないの?

 

いま俺に課された命題はこの夢幻泡影(むげんほうよう)から抜け出し、彼女が目を覚ます前に下半身を(チン)火させること。

しかし、昨日以上にガッツリ抱きついてる彼女から抜け出すにはどうすればいい?

 

「……んっ…」

 

頼む…!眠っていてくれ!なんだったら寝返りうってあっち向いてホイ!

 

彼女の目元に二、三度力が篭もると、ゆっくりと瞼が開いていく。

 

──終わった。

俺先生の次回作にご期待ください。

 

「おはよう」

「…………おはよ」

 

朝よわよわかよ。

できればそのよわよわ状態のまま、何も気付かずに離れて欲しい。

 

「……」

「……」

 

「……ねぇ」

「…………」

 

答えは、沈黙。

 

こういうのは反応したら負けだ。平静を装え。朝起きたら肉勃起を太ももに突き入れられてるとか、もうそれだけで通報してもおかしくないし、されて当然の事である。

 

じーっとこちらの目を覗き込む彼女の、深い瞳が口よりものを言う。うん、とっても言いたいことは分かるんだけど俺自身どうしようもなく途方に暮れてるんだ。

 

「かたいのがびくびくしてるんだけど」

「ごめんなさい」

 

無条件降伏。こんなのナニをどうしたって俺の負け。

彼女の太腿の合間に先端を突っ込み、びっくんびっくん脈打ってる男根をどう弁明しろっていうのか。傍から見れば俺が手を出しているようにしか見えない。

 

お互いの吐息が鼓膜を揺らす。ゆっくりとした吐息を意識して深呼吸して身体から余計な力を抜こうとするが、すればするほど研ぎ澄まされてゆく感がある。いつもなら、ちょっとすれば治まってくれるはずの朝の猛りが今日に限って全く大人しくならない。

 

もう、絶対あの滋養強壮!ドリンクのせいじゃん。

牡蠣や山芋等の亜鉛などを多分に含む精力増進効果の強い食品ばかりいただいた事も良くなかった。いや、ある意味すげー元気にはなったんだけど。

 

化学反応を起こしたそれらが燃料に置き換わり、スーパーノヴァでも起こすのかと問いたくなるレベルで身体が精力を猛リロードしている。

 

「身体はどう?しんどくない?」

「お陰様でめちゃくちゃ元気」

「ふふっ……そうみたい」

 

ふわりと微笑んだ彼女が髪をかき上げ、額同士を触れ合わせる。これ、顔が近くて変な熱が上がりそうなんだけど。

 

「ん。熱は大丈夫そう」

 

幸いな事に体調は快方へ向かった。頭のフラつきや倦怠感もなく、むしろ普段よりも調子が良いかもしれない。ぐっすり寝た後の爽快感の様なものすらある。

 

 

──その時、不意に肉槍からぞくりとした感触が駆け上がってきた。

 

太ももから解放され、肉槍が持ち上げた天幕の隙間から下着の内に入り込んだ彼女の手が勃起を包み込み、あやす様に裏筋と先端をすりすり♡と撫でる。

いつもよりずっと長い時間勃起し続けた肉槍は、ただ彼女の指先が輪郭をなぞっただけで腰がびくりと引き攣るほどの快感を伝えてきた。

 

「この子、ずっと硬いままだね」

「なんででしょうね……」

 

彼女は母親か我が子を慈しむような表情を浮かべて微笑んだ。

その表情とは裏腹に、中指と薬指は娼婦でもやらないようなねちっこい手つきで、カリ首の嵩張(かさば)ったエラを引っ掛けてくりくりと弄ぶ。手持ち無沙汰の親指は鈴口辺りを磨き始め(くすぐ)ったさと、えも言えぬ快感が腰の奥を貫きジリジリと焦がした。

 

「いっかい射精()しちゃおっか。そうすればちょっとはスッキリする?」

「……たぶん」

「分かった。ちょっと腰上げて?」

 

するりとスウェットと下着が下ろされ、腹ゴムに引っかかった肉槍がしなってバチンッ!と腹を打ち反り返った。

幾本もの血管が浮かび上がり、まるで葉脈のように凹凸を浮かべる幹。血が溜まりすぎてドス黒く染まった肉槍は闇堕ちでもしてるんじゃないかと不安になる。

 

「んーと…これ、大丈夫かな……」

 

昨日彼女が足に塗り込んでいたローションだか乳液だかを手に取り馴染ませると、両の手は再び肉槍を包み込んだ。

 

少し冷たい溜まりに先端が触れる。

トロみのある液体が塗り伸ばされれば、突っ張るように抵抗のあった滑りは良くなりくちゅくちゅ♡と湿り気のある音をたて始める

 

「ぐっ……!」

 

ぱちぱちと焦燥にも似た快楽が肉槍から腰を駆け上がり背筋を粟立たせ、その刺激は寄せては引く波のように何度も背を伝ってきた。

 

片方の手は指の段をカリ首に引っ掛けて水音を響かせ、もう片方の手は根元から先端に向かって行く動きを何度も繰り返す。

反復する手の動き。指の肉が沈むぐらいの握力。それらは液体で緩和され、むしろ増幅される快感。浮き上がる血管が何度も遮断されては即座に血液が満ちてより強固に肥大していく。

 

「すっごい…ドクドクしてる……」

 

彼女の手の動きに呼応して早まっていく心臓の脈動。抑えていた呼吸も加速度的に空気を求める度合いを増し、やり場のない(りき)みは全て肉槍に溜まっていく。

 

破裂しそうだ。いや、爆裂しそうだ。

 

彼女は没頭しているようで、馴染ませるようだった手の動きもずいぶん速くなる。

大人しくならない呼吸を携えたまま視線を下に向ける。お互い余裕がなかった、だからだろうか。

俺のTシャツを着ている彼女の襟元は、男のサイズではかなりダブついて中が覗けてしまう。

 

横になった事で重力に寄せられ、少し長くなった白い肌の谷間。

 

速くなった手の動きに揺すられ、緩く波打つ柔らかそうな果肉。

 

支えのない果肉に押し上げられ、Tシャツに浮かぶ色濃い欲情。

 

それが視界に入って、興奮が最高潮に達する。

自分でも、もう少し余裕があると思っていた。そんな前触れもなかったから。だから夢中になっていた自意識が、唐突に突き上げてくる絶頂に気づいた時にはもはや手遅れで。

 

「やべっ……射精()そッ……!」

「えっ!?少し我慢できる…!?」

 

おそらくもう副睾丸(タンク)が貯蔵限界を迎えていた。表面張力が破綻するように、一気に吹き出した精子たちが我先にと精管へ雪崩込み、管を無理やりに押し広げながら迫ってくる。

 

手の中で爆発的に脈打ち始め裏筋をボコリと腫らした肉槍に、彼女も俺の絶頂を悟ったのだろう。だが射精を受け止められそうな物は身近に無く、急すぎた事で姿勢を変えることも(まま)ならない。

 

「……ッ!」

 

彼女は速度を保ったまま幹を(シゴ)き上げ、亀頭を太ももで挟み込んだ。圧迫感と温もり。そんなものを感じる余裕もないままに腰から下が弾け飛ぶ。

 

肉槍だけを突き出した滑稽過ぎる姿勢。

 

脈打つ最中の幹を彼女の手が優しく撫で(さす)り、暴挙を許すせいで、それだけで促されたように肉槍は激しく射精する。

 

「あ……んっ……熱っつ……♡」

 

ぎゅっと太ももに挟み込まれた肉槍が彼女の狭間(はざま)(おびただ)しい量を注いでいく。ベッドに(こぼ)さないようやってくれたのだろうがむしろ興奮を煽って仕方ない。荒くなった呼吸、白明する視界。

肉槍の脈動する間隔が長くなっていき、やがて射精は治まった。最後の一滴まで(しぼ)り上げるように手指が裏筋を圧迫し、とぷりと先端から塊が溢れ出る。

 

 

「……いっぱい…腿内射精(なかだし)しちゃったね…♡」

 

耳元に寄せられる唇から紡がれた一言。たった一言。彼女は全て(ゆる)した。

それだけじゃない。今の一言にはこの先を受け入れるという、そんな意味まで含まれているような気さえした。過剰な自意識が先へ進ませようとする。このまま組み伏せて犯しても彼女ならすべてを受け入れてくれる、と。

 

「……ごめんね。ティッシュ取ってもらっていい?」

「ああ……悪い!すまん!」

 

一瞬で現実へ引き戻される。

布団を捲って起き上がり、近くのティッシュを手繰り寄せて彼女へと渡す。酷くすえた臭いと湿った空気がようやく霧散した。

 

彼女はティッシュを何枚か取り受け皿を作ると足をゆっくりと開いていった。

あまりに濃い、液体とも言っていいのか分からないほどのモノがへばりつき糸を引く。まるで昨日食べたとろろをそのままぶち撒いたと言っても通じそうだ。ティッシュで拭き取るとその黄ばみ具合がよく分かる。どんだけ濃いんだよ。

 

粘り気が取れるまで何枚もティッシュを消費してようやく彼女の太ももは現状復帰した。しかし酷く濃いオス臭までは取れず、このままでは彼女も気持ち悪いだろう。

 

「えっと……シャワーどうぞ」

「君は?」

「俺は息子と対話するから」

「んふっ…対話……ふふっ。分かった、先にお借りするね?」

 

 

 

 

とくんっ

 

脱衣所の扉を閉めて彼と一旦距離を取る。

……恥ずかしいからだ。顔が熱い。

 

いやだってさ、ちょっと待ってよ。なんで私抱き着き癖出ちゃってんの?

昨日も……その……、体調不良の彼に襲い掛かったまま辛うじて後始末だけしたけど、結局寝落ちしてしまって抱き着いちゃってたらしいし……。

 

来客用の布団まで用意してもらったのに、今日の朝だって彼のベッドに潜り込んでぐっすり。これについて私は全く覚えておらず気づけば彼の香りに包まれていた。

 

とくんっ

 

太腿に感じた強烈な熱の塊。

彼に限ってああなのか定かではないが、力強く勃起するさまは一昨日より凄まじく感じた。

 

確かに男性は朝起きる時に昂ってしまう事があると聞いた事はある。知識としてもある。あるにはあるが……だからってギンギンすぎやしないだろうか。あれは本気でメスを孕ませようとしてる状態だ。

 

 

とくんっ

 

 

ちょっとぐらい悪戯してくれても良かったのに……。

いくら無意識的にやってしまっていると言えど、好きでもない男のベッドに潜り込んだりしないよ。しかも、ノーブラでさ。

 

身につけているものを脱ぎ捨てて、カゴに入れておく。ぱさっと音を立ててカゴに入るTシャツが私の落胆を表しているよう。ひたひたと音を返してくるタイル床。

 

ぽたりと雫が落ちた。

 

 

とくんっ

 

 

蛇口を捻ってお湯を出す。水が床を打ちつける音。ぼーっと水が排水溝へ流れていく様をみて、ふと気づいたことがある。

 

……太ももに残る熱が消えない。

 

さっき朝勃ちで苦しむ彼のものを処理してあげたのだ。

触っただけでも火傷しそうなぐらいに熱く、私が握っても指が肌に沈まないほど硬く、今にも破裂してしまいそうなほどに脈打つ肉槍。

 

 

とくん

 

 

手で扱いて、彼が果ててくれたのはちょっと嬉しかった。

手近に受け止めるものがなく、咄嗟に太ももで挟んで射精を受け止める事になったが、彼はそれで興奮したのかすっごい量射精してたし……。

 

彼のものが脈打ち跳ねるたびに、太ももに叩きつけられる欲望の奔流。肉と肉の合間にくい込んでくるあっつあつの精液。

……とんでもない勢いだった。

 

あれを膣内(なか)射精()されたら……。

 

 

どくんっ♡

 

 

シャワーの温度調節をぬるめにして頭から勢いよくかぶる。

 

忘れる為に。思い出さない為に彼の残滓を洗い流す。拭き取ったはずなのにまだ熱が食い込んでくる気がしてならない。

体温より低い微温湯(ぬるまゆ)が肌を滑っていく。肌から火照りが流れていって、頭は少し冷静さを取り戻した。

 

 

どくんっ♡

 

 

たらりと内腿を(しずく)が伝う。お湯じゃない。水でもない。もっと粘性を伴った何か。

身体を冷やしてようやく自覚した。私の中の炉心が轟々と燃えている。

下腹の奥。私を私たらしめた最奥の秘められた園。孕みたがりの欲しがり子宮(おまんこ)が泣き叫んでいた。

 

なんでこっちにださなかったの……?ふとももなんかじゃなく、もっともっときもちいいところにだしてよ。ぜんぶぜんぶ、ぜんぶうけとめてのみほしてあげたのに。

 

()だるような熱さが身体の奥底から湧き上がってくる。スイッチが入ったかのように。いや、スイッチを台座ごと押し込まれてガチりとハマってしまったかのように。

 

 

どくんっ♡

 

 

シャワーを滑らせていく。頭脳と乖離した身体の境界。

ぐつぐつと沸騰するへその下にシャワーを当て、もう片方の手はおもむろに秘所へと伸びた。

 

「濡れてる……」

 

熱を溜め込む下腹の奥。少しでも大人しくさせようとシャワーを当てているのに、溶け落ちた熱が膣内に充ち満ちて、膣口から滾々と溢れる。

これでは朝から元気いっぱいだった彼のことを、笑ったりなんてできない。呆れるほどに私も発情してしまっていた。

 

 

どくんっ♡

 

 

「……んっ…

 

シャワーが表皮を叩き、振動が皮下脂肪へ伝わり、更に奥の筋組織へ。筋組織は伝わる微細な振動を受け取って、支えている器官に微細な振動が溜め込まれていく。

 

私は少しでも落ち着けばいいと下腹部にシャワーを当てていた。どうやらそれは逆効果だったのかもしれない。

 

お腹の奥が熱く締め付けられるような感覚を伴い始め、深く紅い熱がずきんずきん♡と脈打ち始めた。痛みにも似た疼きを子宮(からだ)が訴える。

 

 

どくんっ♡

 

 

いけない事だとは思ってる。けれども狂おしい位に伝わってくる熱い疼き(痛み)を何とかしたくて、秘裂をなぞっていた指をそのまま膣口へ差し向けた。

 

指先に感じる自らの欲望の片鱗。軽くかき混ぜてみるとそれだけで堰を切ったように欲望の蜜が溢れ出した。力を込めずとも自らの内に飲み込まれていく指先。こんなに私の身体は欲しがりだっただろうか?

 

「んぅ……♡」

 

だめ…。このままじゃ治まりつかなくなる……♡

 

手首が折れ、指が折れ、指先の腹が〝いい所〟に触れた。私の中の柔らかい襞が途端に指に絡みつく。既に肉襞はほぐれてとろっとろになっていて、少し動かすだけでもとろみを含んだ蜜が纏わりついては溢れ出る。

 

 

どくんっ♡

 

 

堪らず〝いい所〟を押し込んだ。

 

ぐちゅ♡

 

「んっ♡!!……♡♡!!」

 

少しでもこの熱が放出できるなら……。

 

そう思うと、思考と体がすんなりとリンクする。全く抵抗なく自らを慰め始めた細い指。女らしく、細くて、滑らかで。

 

───何もかも足りない指。

 

最奥まで串刺しにされる長さも、目一杯に膣内を押し広げる太さも、がりがりと肉襞を削ぎにくる嵩張った段差も、丸ごと焼かれそうな熱さも、まるで指なんて食い込まない岩のような硬さも、激しい脈拍で撃ち出される射精も。

 

足りない…………。足りない……!足りない!!こんな細指じゃまるで届かない!!

 

 

ぐち゛ゅ♡…ぐちゅっ♡ぐち…ゅ♡…ぐち…ゅ♡ぐ゛っちゅ♡!

 

 

どくんっ♡

 

 

ムキになって手の速度はより激しくなっていく。遂にはもうシャワーじゃ誤魔化しきれない水音が立つようになっていた。

 

ん……あぁ…♡!んッ…ん♡ぅん♡♡!ぁん♡…!んっ!んん…♡゛っ!」

 

 

歯を食いしばって漏れ出そうな声を抑えつける。指はいい所まで来るけども、奥の中途半端な場所にも届かず、ただもどかしさが募るばかり。

子宮に重たく溜まった熱は加速度的に渦巻いていって、より強い刺激を、衝撃を求める。

 

このままじゃ甘イキはできる、けど……頭の中がぶっ飛ぶぐらいの深イキがしたい!

 

はぁ……はぅ……んんっ!

 

膣内を慰めていた細指を引き抜いた。

べったりと蜜がまとわりついた指を開けば、何本もの糸が指先を繋げる。すごい粘性だ。ねちゃねちゃな粘り付き方だ。お湯で流したってすぐには拭えない事が物語っていた。

 

どれだけ膣内が、子宮が本気かよく分かる。

押し込まれて壊れたスイッチが外れない。回路が繋がったまま渦を巻き一箇所へと集束を続けて終わらない。痛み(疼き)続ける器官の御旗の元に、彼になら全て差し出したって構わない。

 

 

どくんっ♡

 

 

 

 

 

なんとか息子と対話して(チン)静化する事に成功した俺は、一旦立て直すべく茶をシバく事にした。

 

他の社員の仕事を引継いで(押し付けられて)休日出勤した際の、当たり障りのないお礼の品が無駄に家にあるんだ。日本茶からお紅茶から海外の有名なのか分からんブランドまで、各種豊富に取り揃えてございます。

 

電気ケトルって便利だよね。水入れてスイッチオンで5分もしないでParty Peopleしてお湯になる。本当に文明の利器だよ。電子レンジ、電気ケトル、電動歯ブラシは3大あった方がいい生活用品ランキング上位入賞品目である。(俺調べ)

 

お湯を入れてしばし、ざわざわと音を立て始めたケトルからほんのりと湯気が立ち昇り、中のお湯が暴れているのが見える。なら茶っぱを用意しようかと袋に手をかけた時、脱衣所の扉が開きひたひたと足音が近づいてきた。

 

 

「はー……♡…っ はぁ……♡」

 

 

ちょうどいい。彼女もシャワーから上がったのなら茶を飲むだろうか。ケトルを手に持ちマグカップへパックを入れ、要るかどうかを聞こうとした。

 

不意に、腹部に白い手が回されると共に背中へ柔らかな感触が纏わりつく。服越しなのに感じる柔らかさはどう考えても生身のもので。

 

「え……何してんの」

 

彼女は質問に答えない。

腹部に回された白い手が這い回り、すこし冷たさを伴ってが裾から侵入を果たした。背中には風呂上がり独特のジワジワと湿った温もりが移ってくる。

 

「……シよ」

「は?」

「シよ、えっち」

 

手はそのまま上がってきて胸板をすりすりとなぞり出し、指は乳首をカリカリと引っ掛けて弄ぶ。悪戯にしてはだいぶ悪質だ。

もう片方の手はそのまま下へ向かい、先程ようやく静まったばかりの肉槍を起こすように、にぎにぎと弱めの握力を掛けてくる。

 

一体何が起きた?

 

「今?」

「いま、すぐ」

 

耳元で紡がれる言葉と、それに混じって漏れ出す獣欲を無理やり押さえつけてるかのような荒い吐息。かりかりと突起を引っ掻く微弱な電流を、狙って敏感な箇所へ流してくる。

 

刺激を受けて海綿体へ血流が雪崩込み、めりめりと、彼女の手を押し返すように肉槍が持ち上がり始めた。

 

「いや、ゴムないから……っ」

「なくていい」

 

乳首を弄り回していた手が服から立退き、代わりに肉槍の下に実る睾丸(タンク)をやわやわと揉み始めた。肉槍の幹を這う手もすくい上げる様な動きに変化し、より強靱な勃起を求めだす。

 

なりふり構わず与えられる刺激に会陰が脈を打ち始め、正直に反応してしまう肉槍は根元から芯が通り天幕の支柱へと成り代わる。

 

「ぐっ…それはダ

「やだ、シたい」

「なあ頼むって」

「どうしても……?生、気持ちいいよ?思いっきり腰ぱんぱんして、おちんちん気持ちよくして、いっぱいに詰まってるせーし奥でびゅーびゅー出すの」

「くっ…いやいやダメだから」

 

下半身は迅速に臨戦態勢を整えたが、揉めているのは首脳部である。今すぐシたい彼女と、絶対ゴムが必要派な俺が戦っていた。

 

「……分かったよ。なら買ってきたらしてくれるんだね?」

 

どちらも譲らず膠着状態に陥りそうになった所で折れたのは彼女の方であり、俺の外交的勝利が確定した。急所揉まれてるけど。

幽鬼のような雰囲気を漂わせ、彼女はショートパンツとTシャツを着直しモロに『風呂上がりですけど』みたいな格好でコンビニへ行ってしまった。

 

なんでそんなガンギマってんのバリキャリ女さん……。

 

 

 

 

「シャッセー」

 

うおわっ……。なんかめっちゃドスケベザエッチセックスなチャンネー来たじゃん……!今日の夜勤当たりっショ!?

 

てか、あれノーブラ……マ?

 

え……!?あそこゴム置いてあるトコじゃん、マ!?!??

平日の朝なんスけど……。

 

ウワッ!?!?箱ぜんぶ持ってきたァ!!!?

 

ドン!!

 

「ふー…ふー……すぐ使うから袋要らないです……!」

「ア、ハイ」

す、すぐ使う……?どーなってんだってばよ……。

 

 

 

 

 

彼女の後ろでガチャリと鍵が閉められた。肩で息をしながら此方を見る茫洋(ぼうよう)とした目は何が渦巻いているのか想像もつかない。

 

「はー……♡ はー………♡」

 

もう逃がさないと、退路を完全に絶たれてしまった。

腹を空かせた(欲求不満な)肉食獣の檻に閉じ込められた哀れな兎。

さながら猛禽類が獲物を捉えるが如く両肩に食い込む指先。帰ってきた彼女におかえりの言葉もかける前に壁に向かって押さえつけられる。

 

「……もう、我慢……無理だから」

 

そう、一言。それだけ宣言すると、唇が奪われる。

 

視界いっぱいに彼女の髪と顔が広がって、重ねると言うよりも押しつけられた切望がお互いを押しのけ合いながら抱擁を交わす。鼻腔いっぱいに充満する剥き出しの性欲。

 

彼女自身が放つ何物でもない、淫靡な雰囲気はあまりにも濃い。

 

「ぷぁ……♡ …んむ♡」

 

呼吸を求めるために口を外しても、すぐさまに塞ぎ直しに来る。

まるでマーキングするかのように擦り付けられる身体が熱い。大腿部をわざと擦り付け、肉槍を挟んでグリグリと刺激してきて、与えられる刺激でみるみる内に血流が身体を巡り出す。

 

お互いが放つ熱量に、部屋の室温が段々と高まっていく。高まっていくのは温度だけか、それとも自らの爛れていく欲望か。

 

平日、皆、通学や通勤している時間だろう。電車に揉まれ、都会の雑踏に苛まれ鬱屈とした気持ちを引き摺って、自らの役割を果たしに行くんだろう。

そんな時間に狭い部屋の中で、退廃的な刻の流れに身を任せてお互いを満たす為だけのセックスをする。

 

ぴりぴりと包装を剥がして取り出された最後の理性。

お互いの口を貪りながら取り出された肉槍に防衛線が敷かれていく。被せられていく薄い被膜を彼女は至極残念そうにしながらも、その瞳には獣欲の色が濃く見えて燃え盛る。

 

彼女の手が肉槍を誘いながら、ショートパンツの裾をクイッとズラして秘裂を露わにした。今更気づく。その太ももにはとろとろと溢れ出た蜜が(つた)っていたことを。

 

「……♡」

 

肉槍の先端が秘裂を持ち上げ、柔らかく(たわ)む肉の抵抗を受ける。

場所を合わせるように少しだけ彼女が腰を揺すると先端が肉に沈む感覚がした。更に深くまで飲み込もうと前進し、恥丘が密着させんばかりにぐりぐりと押し付けてくる。

 

「ん…♡きたぁ……♡♡んん…んっ♡」

 

肉槍が秘裂を割った瞬間、白く濁った蜜が纏わりつき肉襞が奥へ奥へと誘い込む。

待ち望んだものを得た至福に彼女は眉尻が下げその端整な顔を綻ばせる。彼女の白い肌が上気して、その中に包む赤い血管が浮いて興奮を隠さない。

 

立ったまま繋がったこの体位だが角度的な問題で奥まで入れ辛い。正直肉槍は7割ぐらいの入り具合で、彼女の満足できる所まで入れているかも怪しい。しかも体勢が安定しないから早めにベッドなりへ移動した方がいいか。

 

「んっ♡……!ん♡んあ!…♡……ぁぅっ♡」

 

それでも彼女は捕食モードに入ってしまった。

腰を揺する様な小刻みな動かし方をするせいで亀頭やカリ首には執拗に肉襞が絡む。微弱な電流をずっと先端に流されているような痺れが腰に走り脳が(ふや)けていく。

 

もう何年も離れていた恋人同士が、再会した時に交わす深い抱擁の如く上も下も繋がりを求めるが如く。

 

「お前……何箱買ってきたんだよ……!」

「いっぱいできるぐらい……♡」

 

身体をぐるり入れ替えて今度はバリキャリ女を壁に押し付ける。

相変わらずバカみたいに高い腰を引っ掴んで真正面から叩きつけ、いたわる事も気にせずに襲いかかった。熱に浮かされた艷めく唇を強引に貪って塞ぐ。

 

色濃く香る花のような匂い。鼻腔を満たす月下美人の香り。さながら匂いにつられてやってきた虫が縋るように、性欲を満たすだけの共依存。

 

ばちゅ♡ずちゅ♡ばちゅ♡ぶちゅ♡ぶちゅ♡どちゅっ♡

 

「あ♡…っ゛ぃ゛っ♡……♡…っあぁ♡…♡っんっんあ…っ…っ♡゛っぁ゛あっ♡

 

腰の速度を上げてみると、先端から半分程度は膣穴が揉みこみ、幹の部分は溢れ出た蜜が潤滑剤の役割を果たし太ももコキとして手伝ってくれる。それぞれ別種のものが混じった新鮮な心地良さが感じられた。

へこへこと腰を擦り付ける様は、躾のなってない雄犬と変わらない滑稽さかもしれない。

おそらく、このままいけば射精へ到れる。だが満足かと言われればそうでは無い。彼女も何となく物足りなさを感じている表情だ。

 

そっと彼女が胸に手を突き、行為を遮って止めた。

何をするのかと思えばショートパンツを下着ごと膝まで下ろして、形のいいヒップを俺に向ける。自ら秘裂を割開いて膣口を晒したんだ。

 

開いた穴から覗く赤い肉の折り重なった柔襞の蠕動、白く濁った涎がごぽりと溢れる肉槍が押し開いた膣道の奥から、求めるようにヒクつく子宮口が待ち焦がれていた。

 

ふにゃりと蕩けた笑みを、凄まじく淫靡な表情を、俺に向けてくる彼女の瞳に映る衝動。

 

……そんなにしたいのか

 

───分かった。もう遠慮しねえよ…!

 

 

 

 

……ねえ、後ろからして…♡

 

 

 

 

彼に一旦待ったをかけた。

 

正面から抱き合って繋がる立位は密着感と抱擁感が凄いけれども、肉槍が奥まで来ないのだ。

 

私にとっては()らされてお預けされて、ようやくセックスできたのに、すんでのところで1番いいところ(ポルチオスポット)に届かないこんな拷問ったらないだろう。先走りすぎてしまった感が否めない。

 

私の中から引き抜かれ、勃起を続ける肉槍も天を衝く程に反り上がり不満をたっぷりと溜め込んでいた。

 

──私はお上品なセックス(性交)ではなく本気えっち(交尾)がしたい。

 

ショートパンツとショーツをズリ下げて、彼にお尻を向け、自ら尻タブを指で押し広げて膣穴を晒す。開いた花弁の秘された最奥まで、全て君にだけ捧げるよ。

 

きっと、今の私はとんでもなく下品で、女としての外面も取り繕えていない雌の顔をしているんだろう。彼の、全てを喰らい尽くすと決めた獣の表情。

 

暴れ回る肉槍を手で押え、彼は先端を膣口へにぢり♡と合わせた。

 

「はー……♡ はー………♡」

 

期待でどうにかなってしまいそう……♡

あの剛直が奥の奥まで穿いて、子宮をゴリゴリ押し潰してくるんだ。泣いても叫んでも止めてくれなくて、喉が潰れるまで鳴かされるんだ……♡

 

外からはしゃぐ子供たちの声が聞こえる。ひょっとして、登校する小学生達だろうか。楽しげに、笑い合うように。爽やかな挨拶を交わしている。

 

私は爛れるんだ。

 

 

ずんッ!!♡♡

 

「~~~~♡!!~♡゛♡♡!!!」

 

イッ……!?

 

うそっ……!?イッてる……!?

 

膝ががくりがくりと痙攣し、折れそうになる。いや、実際に折れた。しかしがっちりと腰に食い込むようにして押さえる彼の手によってそれは許して貰えなかった。

 

目の前がチカチカする。頭の中がパチパチと焼ける。だけど、串刺しにされた子宮が一番灼けついてる。

 

イッてるのに、私の身体は腰を跳ねさせて絶頂を伝えているのに、彼は「主人が帰ったぞ」とでも言うかのように腰を揺すり、肉槍の先端でぐりっ♡ぐりっ♡ダメなところ(ポルチオスポット)を押し潰してくる。

 

痛むツボを指圧マッサージで(ほぐ)すみたいな動き。赤熱した金属棒の如き、熱さと硬さが膣内を蹂躙する。

 

たぶん、中途半端に自慰してしまったのが良くなかった。下腹部に溜まり続ける熱をどうにかしようとシャワーを当てたのも良くなかった。水が肌を叩く低振動で子宮はすっかり絶頂準備(ほかトロ)へ整えてしまったんだ。

 

だからって一撃でイくなんて、私のおマンコ弱すぎやしないだろうか。

 

「もう、我慢しねーから」

 

耳元で囁かれる絶頂の気配(処刑宣告)。発情した雄と雌を同じ檻に閉じ込めたらどうなるかなんて火を見るより明らかだ。そして私は自らの意思で檻に鍵をかけた。もとより逃げるつもりなんて毛頭ない。

 

ずるぅぅぅうう♡

 

ぁん゛んんっ♡…!んんんっ♡♡!…んん♡゛ん♡」

 

ゆっくりと彼の腰が引かれると、極限まで嵩張ったカリ首が削るように膣襞を引っ掻く。それだけで私の浅ましい自意識は簡単に混濁させられた。

もとより清らかな訳では無いけども、黒いインクを垂らしたならば水は総じて黒くなる。彼というインクが垂らされて全て彼に染められて。

 

ずちゅん♡ずちゅ♡ばちゅ♡ぶちゅ♡

 

頑張って締め付けようとする柔襞へ、子宮と膣が分泌した特製潤滑液がたっぷりと絡み、すっかり覚えた彼の形に合わせて括約筋が躍動する。喜んで抱きつく。

 

あっ♡奥…!奥゛♡いい…っ゛!!奥っい…い゛から♡もっと…♡゛!!」

 

ばちゅばちゅ♡と腰を叩きつける刹那の間にも、ぐりゅぐりゅっ♡と奥を捏ね回す事を忘れない。

ぶつかり合う肉の音にはずいぶんと粘ついた音が混じって何度も玄関に転がっていく。そろそろ溢れ返ってしまう頃合いだろう。

 

「した…ぉ゛かっ…たのっ♡!こう♡゛したっ゛か♡っ…た♡のっ!!♡」

「もう少し…!真面目なっ!奴だと思ってたよ…!」

 

違うよ…!全然違うの!今までしてきたセックス(お遊戯)全部!たった1回でダメにされちゃったの!!もう君じゃなきゃ嫌なの!

 

どちゅ♡!ぱちゅ♡!ぱちゅ♡!ぼちゅ♡!ばちゅんっ♡!ばちゅん♡!ずちゅん♡!

 

彼に出会ったのが社会人で良かった。高校生の時に出会ってたなら、きっと無責任セックスしてとっくに子供でも作ってしまっていただろう。大学生の時に出会っていたなら、日がな一日彼の家に転がり込んで春も夏も秋も冬もずっとセックスして留年まであっという間だっただろう。

 

きっと慣れもする。衝突もする。対立もする。仲直りもする。笑いもする。泣きもする。

それでも、もっと早く出逢いたかった。塗り潰された思春期。焼け爛れた青い春。

青春があるなら、盛夏があっていいじゃないか。秋麗があっていいじゃないか。寒中があっていいじゃないか。もう戻らない時の砂。

 

 

おっきいの来た……!

 

私の事なんかまるで考えずに子宮が絶頂しようとしてる。膣がイこうとしてる。ちょっとは私の事も考えてよ……!!

ホントにそう!いつもそう!タイミングも選ばずに勝手に疼いて!勝手に欲しがって!幸せホルモンいっぱいばらまいてさぁ!

 

私の頭の中、幸せでいっぱいにされちゃうじゃんか……!彼とのセックスを幸せな事だと思っちゃうじゃんか……!!もっと欲しくなっちゃうじゃん……!!!

 

「ごめ…んっっ♡…イキ…そっ♡……♡゛♡」

 

嘘。もうさっきからずっと甘イキしてる。きゅんきゅん♡(ナカ)の痙攣が止まらない。

 

彼は返事をしなかった。言葉を返してくれなかった。

けれども膣内(ナカ)を抉る肉槍をいっそう奥まで叩き込もうと腰の動きが力強くなる。(いびつ)な肉槍が、なおのこと(ゆが)んで膨れ上がりもう破裂せんと脈打ってる。

 

君もイキそうなんだね……♡いいよ……一緒にイこ♡

 

ぐちっ♡!ズちゅ♡!バちゅんっ♡!バちゅん♡!

 

「♡゛一緒にイこ…!君…も♡イッて!♡ッ…私もイ゛くか…らぁ♡!」

 

頭の中で火花が散り、視界が白へ黒へと明滅する。腰の下から放たれた絶頂電流が脳へと流され、全身の筋肉が制御不能で引き攣った。

 

「イッ───♡゛♡♡!!!」

 

───!!!

 

彼の抽挿(ちゅうそう)が止み、私の子宮を押し潰すまで最奥(ナカ)へ肉槍を突き刺した。

肉と肉がみっちみちに行き場を無くして、痙攣と膨張が重なって、壊れてしまいそうな脈動が伝わってくる。

パチンパチンと目の前で星が飛び、意識が混濁して、それでも執拗にぐりぐりと先端を子宮口に擦り付けられて絶頂から下ろしてもらえない。

 

肉槍が脈打つたび、膣奥で膨満感が膨れ上がって全身に震えが伝播していった。

 

ぬ゛ろん♡

 

ん゛…ぉっ♡」

 

ぜんぶぜんぶ引っ掻き回した肉槍が引き抜かれ、一緒に膣内の膨満感が解消される。だけど、それで感じたのは寂寞感(さみしさ)。膣内に彼が居ないさみしさに耐え切れず、くず折れた膝を叱責しようと震え転げてちっとも力が入ってくれない。

 

 

少しして、ようやく落ち着いてきた呼吸。

視界も光を取り戻してきた所で目の前に影が落とされる。私の本気汁でべとべとに塗れたコンドーム。その先端部である精液溜まりは歯を立てれば容易に飛び散ってしまいそうな程に子種汁を内包していた。

 

彼の手がゴムを抜き取っていき、パチリと先端から外された。それは重さのあまり下垂した水風船の様相を呈し、彼の1回の射精がどれだけの量なのかを物語っている。

 

あれだけ射精してなお、幹に何本も血管を浮き上がらせた禍々しい肉の槍が眼前に突きつけられ、鼻腔にオスとメスの酷く入り交じった臭いが感じられた。

 

 

───ズキッ♡

 

痛みにも似た狂おしい衝動が私の身体を内から貫いた。

 

ちゅ……♡

 

びくりびくりと震える先端に口付けして、えづきそうな程に喉奥へ迎え入れる。

射精直後の敏感チンポを吸い上げると尿道に残った後垂れがぷくりと雫になって亀頭に浮かび上がり、その度に舌で舐め取れば苦味と塩味の入り交じった濃いオスの味がする。

 

じゅぷ……♡じゅぷ♡…♡゛♡ぢゅるるる♡♡…♡゛

 

射精で少しだけ緩まったはずの勃起がぴきり、ぴきりと回復し、根元から女を鳴かす杭へと変貌していく。ギラついた目。私を見下ろす視線。どこまでも私を狂わせる熱情の坩堝──。

 

 

 

 

 

 

本来、このトイレという空間はひとりで使用するものだ。更に言うなら排泄をする為の不浄の宮。いくらなんでもここでスるなんて(サカ)りすぎもいいとこだろう。

だが、俺も彼女も理性の歯止めなんてとっくにぶっ壊れてどこかへ飛んで行ってしまった。

狭い空間にはもはやキャパシティオーバーな熱量と匂香が充ち満ちて、僅かな衣擦れや身動ぎでさえ鼓膜を揺らす物音になる。

 

便座へ浅く腰掛け、彼女はその長い足をV字のように持ち上げて雄を誘う迎え腰で待ちわびていた。秘裂からは白濁した子宮汁がしとどに濡れ、仄かな光でさえ反射して濡れ光っては興奮を隠そうともしない。

 

玄関で、キッチンで、脱衣所で、浴室で、ベッドで──……。この狭い1Kの部屋が、どこもかしこも余すことなくヤリ部屋と化してしまっていた。

 

肉槍には、もはや形骸化した意思を保つだけのコンドームを被せて、(ふや)け切った彼女の膣穴を何度となく耕して、その度に呆れるくらい射精して、何度も何度も彼女の中に撃ち放った。

だというのに彼女がお掃除フェラで滾りを込めれば、すぐに根元から硬度を取り戻し煮え滾ってしまう。

 

「ふー……♡ ふー……♡゛」

 

朝だと思っていた時計はとっくに正午なんて飛び越して、太陽だって今日の勤めを終えて退社してしまった。出社した人達がそろそろ帰宅し始めたっておかしくない。

 

ぐちっ♡

 

もう、(ほぐ)れすぎてとろとろになったままの彼女の膣口へ先端を合わせる。幾度目だろうか?いい加減うんざりされてないだろうか?

彼女を(いたわ)るワードが(かす)れた脳内に浮かんでは泡沫になって消えていく。何度も何度も、繰り返しては結局やめた。

 

「…いいよ……♡」

 

──杞憂だったから。

彼女もまた、満足していない。もっともっとシたいと、本懐を遂げていないと目が訴えているから。その目に狂って、三度(みたび)も、肉槍を彼女の膣内へ沈めてゆく。

驚くほどに抵抗なく飲み込まれていく分身。彼女の温もりが伝わってきて、次いで焼けつくほどの熱が伝わってきて、先端から溶けていってるような快感が腰から全身へ伝っては弾けた。

 

ずちゅ♡!ぶちゅん♡!ばちゅ♡!ぼちゅ♡!

 

「おっ♡゛!…おぐっ゛♡!!~~しきゅう゛♡゛あぁああ゛あ゛♡♡腰ッぱんぱん♡♡…つよすぎっ♡゛!!~~♡♡゛♡…!♡゛んッ♡!!

 

ぎゅっ♡と根元を噛み締めてくる膣口も、細身の体躯からは分からないほどぬっちり♡と絡む厚い肉襞も、亀頭を磨き上げるように(ざわ)めくザラついた奥地も、欲しがりながら吸い付いてくるぽってりとした子宮口も、全てが雄を迎え入れて包み込んでくる。

 

結合部はどちらが分泌したのかも分からない撹拌液が飛び散り、糸引き、互いを繋げ、べちゃりと混ぜ合わさってはぷつりと切れる。空気を取り込んで泡立ち、淫らなメレンゲと相成った本気汁(渇望)が湧き出ていた。

 

八の字に下がる眉。快楽に歪んだ笑顔。目尻に浮かぶ雫。普段あれだけ会社で辣腕を振るう彼女がトロ顔晒して求める姿に下腹部の根底からグツグツと煮えた征服欲が湧き上がってくる。

 

腰の裏を伝って、雄の加虐性がにじり寄ってきた。もうそろそろ、決壊も近い。

肉槍の先端から痺れるように、感触が薄くなっていって、どうしようもない焦燥が下半身を曖昧にさせる。射精直前の何もが遠くなるフィーリング。

 

「イきそ……?♡…ん゛っ♡!良いよ…♡イッて♡…♡゛もう、私も

、イくから♡…!♡あ゛ッ!んっ…♡!」

 

心臓と肺がギュッと握られ、浅い呼吸を繰り返す。溶けていく。腰から下が融けていく。睾丸が精の塊を押し出し、精嚢が溶かし液を混ぜて液体化させたものがぐずぐずと精管を割広げ奥底からせり上ってくる。

もう少し……。もう少し、彼女の肉襞を借りて(こす)り上げてやれば堰を切ったように射精ができる……!

 

ギクギクと、油の切れた機械みたいに直線的な動きで腰を突き込む。

 

 

────ズるッ

 

 

あ……?

 

突如、肉槍の先端が更なる溶融を始めた。

まるで彼女の肉穴が烈火に包まれ、丸ごと火にかけられた如き熱が駆け巡る。亀頭が、ついでカリ首が灼かれもはや腰を動かす事さえ困難だ。

 

「あッ♡゛!イッ♡゛!!~~♡゛♡イくイく♡♡!!! イッ♡゛…く゛♡……゛~~!!?~~!~~~♡♡゛♡゛!!」

 

 

───熱ッ…!

何が起きた………!!?アツい……!

 

ビクりと彼女の膣が痙攣して、肉槍が強烈な締め付けに合う。

根元の、さらに深い恥骨までをも密着させるぐらいに肌同士がぶつかり、肉槍の先端には子宮口が齧りつき、カリ首付近の厚い肉襞が揉み込むように射精を促した。

絶頂した彼女の腕は首元へ巻き付いて、足が腰へ回されて、強烈に抱きすくめられる。

 

これ、ゴム破れて……る?

 

やけにシンクロして感じる1枚1枚が粒立った柔肉襞と、グチョドロにかき混ぜられた本気汁のヌトつきを塗りたくってくる子宮口。彼女の膣はガッチリとイキ締めして、痙攣しながらも肉槍を絞り上げ逃がさないようにロックをかける。

 

ヤバいヤバいヤバい……!早く抜かないと中出ししちまう……!!!

 

尻穴に思いっきり力を込めて射精を押さえつけようとするが、精液の奔流は既に会陰の堰を切り、ドクンドクンッと肉槍の脈動に合わせて昇っていく。

 

「足のホールド放せ!!射精()ちまうから……!!」

「いいよ……?そのまま……!!」

 

抱きつく彼女の手足によりいっそう力が込められ、強く、強く抱き寄せられて。

 

「マジでッ!!!ヤバッ……!!」

 

射精()せ♡♡!!!射精()せ♡!♡♡゛!!」

 

精液の塊が裏筋を膨らませ、一気に肉槍を駆け上がっていく。

 

 

────!!!

 

 

「~~~~♡~~♡゛♡゛♡♡!!!!」

 

 

尿道をガリガリと削りながら、睾丸と子宮口が直結したかのような勢いで中身が吸い出されていく。壊れて吹き飛んだ蛇口でもこんな勢いでぶちまけたりしないだろう。

肉槍と肉襞でみっちりと隙間の詰まった膣内に精液の行き場は無く、ゴムが破れたことで解放された亀頭が傘を広げて栓をするせいでどぷどぷと注がれる欲望は加速度的に重さを増していく。

 

「ぜー……♡ はー……♡」

 

残っていた全てを吸い出されて軽くなった睾丸。

朝から芯の入りっぱなしだった肉槍の脈動が弱くなっていき、張り詰めていた緊張が緩やかに弛緩していく。

 

いつの間にかお互い汗だくになっていたことに気づいた。

……そりゃあこの狭い空間の中でずっと激しい全身運動をしていたのだから当然の帰結か。首に巻きついていた手も、腰をホールドしていた足も、だらりと力が抜け垂れ下がった。

 

 

力を無くした肉槍が彼女の膣内から排出される。案の定と言うべきかコンドームは根元にリングだけを残して見るも無惨に職務放棄していた。

その証拠にぼぷっ♡という下品な音と共に噴き出した白濁液の束がぼとぼとと重力に囚われていく。

 

「足外せって言ったじゃねーか……」

 

まだ肩で息をする彼女は頬だけをふにゃりとトロけさせる。絶対分かっててやりやがった……!

 

ふと、コンドームが中で破けたのだから、彼女の膣内には破片が残っているかもしれない可能性に気づく。そうなってしまってはまずい。

未だ脱力して体を預ける彼女には申し訳ないけども、強引に抱え上げ、脚を開かせる。ゆるく開口してヒクヒクと蠢く園へ指を挿入し掻き出していく。

 

ぐち♡ぐちっ♡ぐちゅん♡ぐちょっ♡

 

「んん゛!……ん゛♡ひっ゛♡…!何゛して…るの゛ぉ゛!?♡」

「いや……中に残ってたらマズイだろ」

「やらぁ゛!!♡……♡゛せーえ゛き…!♡゛♡゛♡出てっち…ゃう゛……」

 

何やらよく分からない事を(のたま)ってるが、容赦なく彼女の膣内からぶちまけた性欲の残滓を駆逐する。時たま指先に感じるぷりっとした感触はまさか子宮口?だとしたら浅瀬まで降りて来すぎではなかろうか。

 

「……シャワー浴びて飯にしようぜ」

「…………うん」

 

ムスッとした表情になってしまったバリキャリ女さん…。間が長いってぇ……。

 

 

 

 

 

湯気を燻らせて、2つ。テーブルを挟んで置かれた白いパッケージのうどん。非常食として買い置きしていた餅の入ってるやつである。

ポピュラーな赤いの緑いのと、カレーの黒いのはよく見かけるけども、この白いやつはあんまり見ることがない。

 

だからついつい買ってしまうのだが、彼らもこんな場面でリリーフ登板とは夢にも思わなかっただろう。これが俺とバリキャリ女の朝兼昼兼夜飯である。不規則極まれり。

 

「その、すみませんでした」

「ん……?」

「事故とはいえ……その、中に……」

「あぁ…ピル飲んでるから大丈夫だと思う。あらかた指でほじくり返されたし」

 

そんなじっとりとした目を向けないでください死んでしまいます。

 

ピルを飲んでいるから絶対安全という訳じゃない。彼女に月のものが来るまでは懸念が残る。

 

ずるずると啜ったうどんが喉を通り、腹へ至ると仄かな熱が全身へ巡る。ずっとプールで泳いだ後のような虚脱感を引き摺った身体には、少し優しく感じられた。

 

「えっと……ありがとう。看病と…あと色々」

 

土日を挟んで来週からは、また散々っぱら彼女へ迷惑を掛ける事になる。やだなぁ……外回り直帰してえなぁ……。

 

「んーん。あと嫌いだったらこんな事しに来ないからね」

 

そう言いながらうどんを啜る彼女の、耳は薄らと朱に染まっていた。

 

 

 

 


 

 

 

 

「U美さんや」

「なんだいI子さん」

「あれヤったと思う?」

「そりゃもうあんな肌ツヤッツヤだったらねぇ。答えでしょ」

「でもなんで課長あんな落ち込んでるの?」

「返事聞きそびれたんだって」

「あぁ……」

「じゃあ」

「いっちょ仕掛けますか」

「うふふ」

「おほほ」

 

 






バリキャリ女(部屋着のすがた)
実は何かに抱きつかないと眠れない。家では愛用のイルカ型抱き枕がある。


なんだかくしゃみが止まらない。


というわけでバリキャリ女さんは白い餅入りうどん食ってたら思いついたお話です。
つづきはまた今度。


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たぬき(まめ)きつね(こん)とくじ引き



オッス社畜だ!

忙しくてオラには鼻くそをほじる力も残ってねーや……。




 

 

珍しく早上がりできた昼下がり。

 

『外回り終了次第直帰』

 

いい響きだ。最近久しく聞くことのなかった夢の言葉。

 

「シャッセ~」

 

これで仕事もなにも残ってないのだから、最高の休日を過ごす事ができる。うきうきといい気分で浮かれる胸を押さえつけ、やれ酒でも買って帰ろうか、やれツマミはどうするか、なんて贅沢な選択を取捨していた。

 

ビールにチューハイ、乾物と焼き鳥……。

 

全然美味くないと思ったビールもいつからか飲んでしまえる様になり、好きなツマミは作れるように研究したりしてみた。

その後の洗い物が面倒で結局買っちゃうんだけどな。おつまみ何が好き?俺チヂミと合鴨。あ~タン塩いいよね。わかるわかる。

 

適当に引っ掴んではカゴに突っ込み、晩酌にはちょうどいい量になっただろう。さあそろそろレジを通すかと思った時にイベントポップが目に入った。

 

〝700円以上お買い上げごとに商品クジ1回!〟

 

この700円くじって凄い絶妙な塩梅だよね。

ちょっとでも届きそうなら「あーもう1品買っちゃうか」って消費促進になるし、微妙なものでも「まークジだし」で許せてしまう。

メーカーの方も売上が伸びない商品を(さば)ける等メリットが有るんじゃなかろうか。知らんけど。店員さんは大変だよね……会計増えるし。

 

目に付いたのは、最近よく食べてる気がする緑のパッケージのそば。それがカップスープのようなミニマムサイズになったもの。

カゴの中身と足してちょうどよくラインを超える値段になりそうだ。

酒飲んだ後ってなんか麺類食べたくなるんだよな。ラーメンだとちょっと重いし、そばのあっさり感とちんまいサイズが良さそうに思う。採用。

 

「1407円ッス」

「Paipaiで」ピッ\paipai♪/

「アッスくじ2枚シャッス」

 

店員の兄ちゃんがレジ裏からドローボックスを取り出した。目論見通りいい感じにライン超えした値段。

 

この時を待っていたぞ!!俺は強欲な会計を発動!これで箱からくじを2枚ドローできる!

 

ドロー!

……応募券…!いやまだだ!もう1枚!

 

ドロー!

カン!!↑コーン!!↓

 

──来たぜ!召喚(トレード)!!

 

「アッス。コレッス」

 

召喚されたのは見慣れた字体のパッケージをしたカップ麺……ではあるが、青の色相をしておりモノもきつね()()と来た。

 

記憶を引き出しを漁っても覚えてる限りでは見た事がない。「こんなのあるんだ~」なんて呆けているうちに袋へぶち込まれ受け取った。苦手なものやよく分からんシードスムージーとか引かなかっただけ運がいい。

 

「ザッシタ~」

 

ちょっと重くなったコンビニ袋を引っ提げて、帰ったら何をしようかなんて考えながらぷらぷら歩く幸せな時間。直帰最高。

 

 

 

アニメ映画を観ながら酒を飲み、まったりと過ごしながら少し悩んでいた。

ほんの些細な悩みだ。そばを買ったらそばが当たっちまった。別に悪いわけではないが今日もそばで明日もそばとなると話が変わってくる。

さすがに2日続いて同じメニューだと飽きるし、俺は何を食べてるのか分からない程細い女子でもないので普通サイズのカップ麺は些か物足りないのが正直なところだ。

 

鏡餅のように重ねたそば2つ。

どうしようか思考を回していたらアイデアが浮かんできた。酒のつまみを少し明日へ回して2つを混ぜちまえば良いのではないか?お揚げとかき揚げ両方食べられるとか天才的な閃きだわ。そば同士で麺が喧嘩することもないだろうし、カップ麺二つの蓋を開けお湯を注いで一つにしてしまう。湯がいて浸からせたら後は三分待つだけだ。

 

いい感じにふやけた灰色の園。袋を割いて出汁を溶かしていけば色付いていく温もりの泉。茶色の孤島を箸で沈め、更に黄色い陸地を築いて数秒。

 

さて、いただきます。

 

「げっ……!?またぁアンタぁ!?というかなんでたぬきまで居んのよ!!」

「あれ?きつねちゃんも一緒??」

 

姦しい声が聞こえて顔を上げれば、紺のブレザーを着た金髪と茶髪の女子高生らしき2人。

金髪の方はセミロングの髪に生意気さを感じる吊り上がった目尻、茶髪の方は外に跳ねたショートヘアに癒し系な垂れた目。顔立ちのタイプは違うがよく整っており、2人ともそうそう見ないレベルの美少女と言える。

そして妙なのは頭頂で動く、尖ったキツネ耳と丸いタヌキ耳。

 

いや、どういう事?

 

「よく会いますね?おにーさん♡」

 

にこりと……いや、にんまり?と微笑むたぬき耳を生やした少女。よく会うとは?俺の知り合いにJKはおらなんだが……。

 

記憶を漁ってみてもJKと関わりなぞ無いし思い浮かばない。しかし何故か俺は警戒心を抱いておらず、彼女らを知っているような気もするおかしな心持ちになっていた。

 

そば伸びるから食べていい?

 

「なんなのこいつ……」

「あははっ!おもしろいですねおにーさん!」

 

ずるずるとそばを啜る。もの食ってるだけで面白いとか珍獣扱いか。怪訝な表情でずっとこちらを見ているきつねとご機嫌そうにピコピコと耳が動くたぬき。

 

「もしかしてアンタきつねそばとたぬきそば混ぜた?」

 

頷く。ついでにかき揚げをざくり。

なにか悪いのだろうか。確かにそのものを楽しむ派の人達からしたら、ちゃんぽんは邪道かもしれないがお腹空いちゃったんだもん。

 

「だから同時になっちゃったんだね」

あんた(たぬき)と一緒だなんて冗談じゃないわ」

「えぇ~??私はきつねちゃんと一緒で嬉しいのにな~?」

 

やたらたぬきに噛み付いていくきつね。なにがそんなに気に食わないのか。当のたぬきは特に意に介する様子もなくぽこぽこときつねを受け流す。

 

「今日こそ(コイツ)をギャフンと言わせられると思ってたのに!」

 

どうやら恨みを買っていたのは俺の方だった。ぎゃふん。

ガサゴソと俺がそばを食う間にもきつねは部屋を漁り回す。キッチン周り、風呂場、ベッドの下はたまたトイレまで。どんだけ弱み握りたいんだよ。

 

「ゲームあるじゃない!」

「おや~対戦できますね~」

 

きつねは目ざとくゲーム機を見つけるとこちらに向き直った。しっぽをフリフリとさせて何かを思いついたように。その顔は擬音をつけるなら「むふっ♡」といった感じである。

何か良からぬ事を企んでやがるな?

 

「これで対戦して負けたヤツが1枚服を脱ぐってのはどう?敗北者(クソザコ)おじさん♡」

「HDMI挿してー……コントローラー繋いでー……」

 

……いや、普通にやろうよ。

 

俺自身忙しくて最近触れてないし、いくら罰ゲームと言えどJKと脱衣賭けとか事案が過ぎる。

夢中になって話を聞いていないのか、後ろでテキパキとセッティングしていくたぬき。きつねとやり取りしている合間にも、もうパーティプレイの準備が整えられていた。仕事早いね君。うちの部署来ない?

 

「アタシ強いからな~♡自信ないの?恥かくのが怖いんだ~?敗北者(ざぁ~こ)♡」

 

やってやろうじゃねぇかこの野郎!

 

 

 

 

馬鹿め!と言って差し上げますわ~↑↑

 

「きぃぃい!?アンタ何その動き!?」

 

金属バットの快音と共に画面外に吹き飛び、光の柱となって消えたきつねのキャラ。

彼女の操作は単調な強攻撃しかしてこないせいで非常に動きが読みやすく、ちょっとカウンター気味に返してやれば簡単に吹き飛んでいく。ぶっちゃけザコい。

きつねは既に2敗してブレザーとスカートをキャストオフし、残るはブラウスとニーソおよび下着というあられもない姿になってしまっていた。言い出しっぺの法則だからね。仕方ないね。

 

「ふぁいや~」

 

あ!ちょ待っ……!

 

やられた。攻撃後の隙を狙われ漁夫られてしまった。

たぬきはカウンター主体で戦ってくるため非常にやり辛い。距離を置くとアイテムで狙撃してくるなど、キャラの特性を理解して攻めてくる上手いやり方だ。

まだたぬきは1枚も脱いでおらず、きつねから勝負を仕掛けてきた割に実力差が凄い。ちなみに俺はたぬきに1敗しトレーナーを脱ぐハメになって上はTシャツだ。

 

「たぬきそのままやっちゃいなさい!!」

Show me your moves!

「にゃあ゛あ゛あ゛あ゛!!むかつく!アタシ残機0なのよ!??あっち狙いなさいよ!!!」

「こっちも0だからそいつは出来ない相談だぜぇ~」

 

ダメージパーセンテージがぐんぐん増えていき、そろそろキャラクターも戦線復帰困難なぐらいに吹き飛ぶようになってきた。たぬきは攻撃の手を緩めず、反対にきつねは逃げ回り防戦一方。アイテムやなんやで退路を塞がれ、CPUも邪魔をしてついに端へ追い詰められた。先ほど漁夫られたお返しとばかりにそこを狙ってボムを投げ込んでみる。

 

「んぇ!?」

「あら~ 」

 

やり合うことに熱中していた二人の不意を突き投げ込んだボムが大爆発し、ミサイルの如く吹き飛ぶキャラ。ドゴーンと光の柱になったのが決着となって2人同時に残機が消し飛んだきつねとたぬきの罰ゲームが確定した。

このままブラウスを脱げば纏うものが無くなって残るは下着とニーソだけになり素肌を晒すことになるきつねは悔しさにわなわなと身を震わせる。自分から言い出したことだし残念ながら擁護できない。

 

「じゃあ脱いじゃいますね♡」

 

ノリノリのたぬきはブレザーのボタンを外し艶かしい動作で袖から腕を抜いていく。白いブラウス越しに確かなサイズを感じる二つ山がぱっつんと突き出され、留められているボタンが悲鳴をあげていた。

……やっば。

 

「ねぇ…脱ぐのは身に纏っているもの1枚でいいのよね……?」

 

きつねがブラウスのボタンに手を掛けたままばつの悪い顔で焦ったように視線を彼方此方へ彷徨わせる。

 

「そうだね~何を脱がなきゃいけないのかは本人に任せるよ~?」

「くっ……!」

 

手を背後に回しごそごそと身を揺するきつね。

ぷつり。そんな音がしてきつねはブラウスを脱がないまま軟体動物がごとく身を捩ると胸元のボタンを開き、そこからブラだけをズルズルと引き抜いた。

彼女の選択は肌面積を守る為に下着を犠牲にする作戦らしい。残るはブラウス、ショーツ、ニーソと一応肌を晒すことは避けられた。

 

連続で負け制服を脱ぐハメになったきつねは、このゲームだとすぐに身包(みぐる)みを剥がされてしまう事を悟りなんとか軌道修正しようと試みる。

 

「きつねちゃんが嫌なら別のゲームにするけど~?」

「そうよね!ちょっと飽きたからこっちにしましょ!!」

 

たぬきの助け舟と思しき提案を受け、光明を見たとでも言うようにぱぁっと明るい表情になったきつね。

セレクト画面に戻り、今度はカートでレースするゲームへ移る。

ニマ~と頬を吊り上げた笑みを俺にだけ向けてくるたぬき。何かよからぬ事を企んでるヤツの顔してる。きつねはその事に気付かないまま、次のゲームは始まってしまった。

これはアレや、食いついた先の方がより地獄を見ることになるパティーンのやつや。

 

「よし!このままいけば勝て……あぁぁっ!ちょっと!?誰カーブの途中にバナナ置いたの!?あっ!?いっ!?なんなのよぉーーーーー!!」

「戦略やよ~」

 

ファイナルラップもあと少しだったのに……。

ゴール目前にバナナを踏みつけてくるりとスピンしたきつねのキャラは、さらに赤甲羅をぶつけられその場で縦回転しコース脇へ転落。お助けに釣り上げられる間にもどんどん下の順位に抜き返され、必死の追い上げも虚しくそのままドベでチェッカーを受けた。たぬきが1位俺が2位だ。

 

「なんでよぉ……!!」

「さあ罰ゲームを受けていただきましょー!」

 

ボンっと膨れた尻尾がばっふんばっふん地面をたたく。ちょっと不憫に思ってしまったが、これも自分で選んでたし……。

 

「うぅぅぅ~~……!!」

「じゃあ別の罰ゲームにする?」

「する!お願い!」

 

ニマ~と頬を吊り上げた笑みを俺にだけ向けてくるたぬき(二回目)

きつねのそれは悪手だと言わざるをえない……!

 

「じゃあ2位の人が最下位の人に乳首当てゲーム!」

「はぁ!?」

「嫌?じゃあどれか脱ぐ?」

「ぐぬぬぬ……」

 

ローボールテクニックだ。良さげな条件を提示し、後から悪い条件を突き付けて最初の条件を選択させてしまう交渉術の一つ。

 

今は最初にきつね自身が提示した『負けたら罰ゲームで服を脱がなければならない』という前提条件が存在し、何回か負けたきつねはこれ以上の脱衣は避けたい状態だ。冷静に頭が働いていれば蹴ることもできたんだろうが、追い込まれた現段階ではひとつ目の条件を飲む可能性がある。つまり、きつねの選択は『乳首当てゲーム』だ。

 

「ほら、ちょっと我慢すればすぐ終わるよ?」

「分かったわよッ!早くやんなさいよ!」

 

悪魔の呟き。先程きつねがブラを外したことを見て、たぬきはこの罰ゲームを提示したんだろう。ガチモンの悪魔だ。

耳をピンと立たせたきつねがこちらをキッと睨みつけて向き直った。胸を張られた手のひらサイズの双丘が存在を主張し、ブラウスに浮き上がる。柔らかそうに弧を描く曲線は彼女がノーブラであることの証明。

 

「あっ、外したらオニーサンにも罰ゲームしてもらいますからね?」

 

え゛…っ!?マジ!?何かヒントが欲しいよヒントが!

今の状態のたぬきには何を吹っ掛けられるか分からないからこそ外す訳にいかない。すまないきつね。適当に外して終わらせるつもりだったが俺は勝ちに行くぞ。

 

「……ッ」

 

コントローラーから手を離しきつねの胸に差し向け顔の輪郭からラインを下ろし大方の狙いをつける。確実に、一撃で、キめなければならない。

緊張したように心臓の鼓動がうるさくて、生唾を飲み込んだ。指を双丘に沿って触らないように舞わせるときつねも緊張した面持ちに変わる。指先を胸の先端、その手前で円を描くように動かす。

 

ぷくっ♡

 

なだらかだったブラウスの曲面にだんだんと突起が盛り上がってきた。緊張か期待か、はたまた両方か。服のシワと方を付けるにはちょっと言い訳ができないものだ。

 

自ら正解を教えてくれたその突起に指先を合わせ、押し込んだ。

 

「ん……♡!!」

 

びくりと肩を丸まらせてきつねの体が跳ねた。グミを押したような感触が指に伝わりその下の土台ごと柔らかく(たわ)む。極上の柔らかさ、しかし瑞々しい弾力と張りを兼ね備えた男を魅了して止まない果実。

 

「大当たり~」

「ッ……もういいでしょ!!次やるわよ!!」

 

顔を真っ赤にした彼女にバシバシと肩を叩かれコントローラーを持ち直す。

 

 

 

 

「あぁぁあ!!なんでよぉ!!」

「おー!あぶなーい!」

 

俺の操作するキャラがトップでゴールラインを通過し、順位が決まってしまった。最後まで接戦で来ていたものの、きつねとたぬきは蒼甲羅に吹き飛ばされ、ほんのわずかな差で先に復帰したたぬきが勝利した。……つくづく報われない奴だ。

 

「おにーさんが罰ゲーム決めてくださーい?」

「アンタッ!分かってるわよねッ!?」

 

2位が3位にキス!場所は問わない!

これなら頬とか手の甲とか無難な感じの場所にして終わりだろ!我ながら天才的な発想だ。

 

「はーい♡」

 

罰ゲームにそんな意図は無かったたはずなのだ。

たぬきはそっときつねの頬に手を添えると、顎を持ち上げそのまま唇を重ね合わせた。

ポカンとした顔をするきつね。俺も同じような顔をしているだろう。

んっ…♡ちゅむ♡ぬぬっ……♡

 

たぬきは呆気にとられ反応ができないきつねを見て、より深みを味わうように舌を絡め取り唾液を啜る。その瑞々しい唇を貪る。

れるぅ…♡あむっ♡ずゅるっ♡ぢゅるる♡ぷあっ♡

 

JK2人の秘められた行為。それは酷く煽情的に見えて俺はその秘め事から目を逸らす事ができなかった。

 

はー……♡…はぁー……♡

 

たっぷり1分程だろうか。もっと長かったかもしれないし、それとも短かったかもしれない。ただ、俺の目の前で彼女らの唇に架かった粘つく橋は、それが幻じゃない事を証明している。

 

続き(ゲーム)…しよ…?」

 

 

 

負けた。既の所で2台に逃げ切られ俺は罰ゲームが決定した。今回は何もかもが噛み合わず……いや、言い訳だ。止めよう。

 

「やったあぁぁ!!ざまぁ見なさい!」

「おー、おにーさんが罰ゲーム」

 

一体何をされるのか想像もできない。頼むから無理難題を吹っ掛けるのは勘弁してくれ。

こちらに聞こえないようにボソボソと話す2人の裁定は決定したようで、俺を挟むように座ったきつねとたぬき。どこから持ってきたかキッチンタイマーには時間が設定されていた

 

「これから3分間お耳をお借りしますが、おにーさんは何もリアクションしてはいけません♡」

「おじさんが声を出したら負け。更に罰ゲーム追加するから」

 

……耐えてね?おじさん(おにーさん)

 

 

こっちのお耳はたぬきです♡

きつねはこっちだから

 

ふー……♡

ふー……

 

おにーさん♡

おじさん

 

右と左。

それぞれ違う声で(ささや)かれ、必死に情報を処理しようとする脳。生暖かい吐息が耳穴から侵入し、何かがガリガリと削られるような、溶かされていくような感覚。

 

おにーさん、とってもゲームお上手なんですね♡

 

こんなに強いならちょっとは加減しなさいよ

 

このままだとおにーさんにやられちゃうかも……♡

 

さっきはよくもやってくれたわね

 

んれぇ……♡

あむ……

 

吐息よりもより暖かく湿った質量が左耳を這い、吐息よりも熱く粘気を含んだ空間へ右耳が捕らわれる。熱い。熱が耳に伝わって、耳から首筋へ伝わって、首筋から腰元へ伝わって、腰元から下半身へ。

 

れろぉ…♡ぐちゅ♡!…こちゅっ♡!じゅっぷ♡!……ぬぷん♡ぬぷ♡!ぷちゅ♡

 

右も左も、舌の行き着く先はその中心。耳穴の奥。脳を直接犯しに来た。

掻き混ぜられているのは耳穴なのに、ぐちゃ混ぜにされているが如き粘ついた水の音が直接脳内に響く。

鼓膜を直接揺さぶられたのか、自分の体と精神が乖離したような前後不覚に陥る。ここに居るのにここに居ない。自分が何なのか分からなくなる。

 

ピー!ピー!ピー!

電子音に意識が引き戻された。輪郭を取り戻した自分の体が、急速に熱を帯びていくような昂揚感。解放された耳が空気に触れ彼女らの唾液に塗れた耳たぶがひんやりとした。

 

……おしまいですよ♡

ざまぁ見なさい……

 

何が起きたのか分からなかった。じくじくと巡るからだの熱が耳から発せられている。蠱惑的に微笑むたぬきとこちらを嘲笑するかのような笑みのきつねを見てふと違和感に気づいた。

 

下半身の、というよりも股間。滾りに漲った肉槍が強烈にスウェットを押し上げていた。あまりに腫れ過ぎて違和感どころか痛みすら感じるぐらいの勃起。

自らの体に出力制限(リミッター)が設けられていたとしたら、今の耳舐めで故障してしまったのだろうか。

 

 

 

人の体には脳神経から内蔵や体内に繋がる迷走神経というものがあり、耳の穴、鼓膜(こまく)より外側の外耳(がいじ)にも分岐している。これを迷走神経の耳介枝(じかいし)という。

 

更に、外耳には役目を終えた皮膚等を固めるための液を分泌する耳垢(じこう)腺と呼ばれるアポクリン腺があり、このアポクリン腺は汗腺(かんせん)、つまり汗をかきやすい脇や陰部、乳輪、乳首などに点在する器官だ。これが耳の穴の中にも存在する。

 

そして、今挙げた部位に共通することは、〝性感帯になりうる敏感な部位〟ということ。

耳かきが気持ちよくてやめられないという人はこの外耳、つまりはアポクリン腺へ対する刺激を快感として覚えてしまっている、という説がある。

 

つまるところ2人に耳を舐められた事により、自分でも自覚し得なかった弱点を2人の舌で探り当てられてしまった。脳に近い場所に快感をぶち込まれ猛り狂った肉槍が収まらない。

 

ゲームはきつねが勝利したぬきが続いてゴール。俺は下位に沈んでしまった。

こんな状態で集中なんてできるはずないだろ……!

 

「連チャンね!覚悟しろおじさん♡」

「うわー、もうちょっとだったのに~」

 

果たしてどうされてしまうのか。

今まででの罰ゲームでもかなり限界に近いものだ。これ以上に至れば歯止めの利かない所まで行ってしまう。

 

「たぬき!おじさんを(くすぐ)ること!ただし触るのはそこの先っぽだけ!」

「任せて~♡」

「時間は3分間、もしイったら別の罰ゲーム追加だから♡頑張ってね?お・じ・さ・ん♡」

 

きつねが指さした先は、どぐりどぐり!と脈打ってこんもりとスウェットを持ち上げる肉槍が聳えていた。擽るってまさか亀頭をって事か……?

 

「足開いておにーさん♡」

 

たぬきに手を添えられ脚を広げたことにより、引き伸ばされたスウェットが輪郭を際立たせより先端の形が浮き上がる。窮屈。あまりに窮屈だ。押さえつけられた肉槍を解放してしまいたい。

 

たぬきの細く白い指が内ももを撫で、布の張りに沿って這い上がってくる。直接じゃない布越しの刺激は余りにもどかしくて、気がおかしくなりそうだ。

 

さす……っ♡

 

指先が布に(かたど)られた先端を覆う。

そのまま指先を立てるようにしてカリ首から鈴口辺りまでをつーっ♡っと指先が滑っては、爪先で傘を張ったカリ首をかりかりっ♡と引っ掻く。

まるでUFOキャッチャーのアームのように、亀頭の括れに指を引っ掛けては緩い力で先端へ。

先端を爪先でくりくりっ♡と弄んでは、また(くび)れに指先が向かっていく。

 

焦れったい!もどかしい!いっそやるならもっと握って、思い切り扱いてくれ!

 

まるで拷問だ。

じわじわと(なぶ)られる、肉槍を蝕む爪先の舞踊。しかし絶頂まで届かない刺激。ただただ勃起だけが激しくなっていく。ただただ動悸が口から出そうなぐらいにせり上ってどうしようもないくらいに焦れていく。

 

「──おしまいだよ?おにーさん♡」

 

電子音と共に終了が告げられる。

3分間を耐えきった。耐え切ったと思うか、地獄が続くと見るか。煮えたオスの本能が放出を求め内側から門扉を蹴破ろうと殴りつけて来る。

 

「チッ…しぶといわね……」

「しょうがないよ~。今おにーさんのあそこバーサークモードだもん♡」

「1回イッて落ち着けばいいのに……またレイプ魔になられたら困るもの。さ、続きしよ?♡」

 

 

 

クソがッ!

最後の最後に赤甲羅とスター状態のヤツにぶっ飛ばされ下位へ転落しフィニッシュ……。これで俺は連続罰ゲームになってしまった。

 

「おにーさん♡ 下脱いじゃおっか♡立って?」

 

勝者のたぬきからは遂に脱衣の命令が来た。

今この状況はとてもマズい。勃起()ってるから立てない、なんてバカみたいな理由だ。

 

「ほら腰上げて?」

「アンタのモンが勃起してるのは分かってるから観念しなさいよ!」

 

きつねに腕を引っ張られ無理やりに立ち上がらされた。突っ張っていたスウェットの前部が更に突き出され、まるで船首に(あつら)えた竜骨のようにしなった肉槍が浮き上がる。

 

一体何をする気なのか?そんな事を考えてる隙に、たぬきは俺のスウェットとパンツに手をかけて一気に引き摺り下ろす。ゴムに引っ掛かった肉槍が解放され勢いよく反り返って飛び出した。

 

膝をつく2人の目の前に突き出された肉槍。

抑圧され欲望を(たぎ)らせたそれは、根元から幾本もの血管が浮き上がりその身を(いびつ)に膨らませている。赤黒く傘を広げた先端、あまりに血流が流れ込みすぎて今にも弾け飛びそうな幹。脈動に合わせて先端がびきっ♡びきっ♡と怒髪天を衝いていた。

 

「これから3分間先っぽだけフェラしてあげます♡けれどおにーさんがイッたら罰ゲーム追加です♡」

「あんまり辛そうだからちょっとだけサービスしてあげるわ♡頑張ってね♡?オジサン♡」

 

ずるりっ♡

 

2人の口からそれぞれ出てきた赤い舌。唾液を纏って濡れ光り、妖しげな、しかし艶やかな紅。

 

左手にたぬきの手指が絡められる。しっとりとしてぷにぷにした柔らかい指。

右手にきつねの手指が絡められる。きめ細やかで白魚の如く長くしなやかな指。

 

彼女らのもう片方の手は、勃起を促すが如く内ももをそれぞれ撫で回す。

 

「相変わらずぶっといわね……♡こんな社畜についてるなんて宝の持ち腐れよ……♡」

「女の子を泣かせるわるぅ~いおちんちんさんにはおしおきです♡」

 

亀頭の右から左から、唇が押し付けられる。

途端に柔らかく歪み形を変える溶け落ちそうな唇。鈴口より左ははむ♡はむ♡と甘噛みされ、右側は長い舌がれろぉ♡と這う。全く別種の刺激が亀頭にもたらされ、欲望は更に煮詰められていく。

 

「はぁむ♡あむっ♡」

「れぇ……♡ずゅる♡」

 

亀頭を挟んで、まるでディープキスをするように舌を絡める二人。パンと張った亀頭を這いまわる舌先。二人の唾液が合わさって、より粘度の増した二人の特製ローションがにゅるにゅる♡と絡んでは糸引いてぷつりと切れた。

 

もう勘弁してくれ。もどかしさが爆発しそうになり蓄積していく。けれども臨界には至らない。沸騰の手前で冷却されては火を掛けられてまた寸止めされる。

放出を許されずひたすら煮込まれているオスの種はみっちりと蓄えられ、更にごりごりと詰め込まれていく。溜まりすぎた睾丸からはずくんずくんと鈍い痛みが上ってきた。

 

電子音で、この時間はまた強制的に遮断される。知らず知らずのうちに自らの口から漏れだす吐息は酷く獣のような荒いものになっていた。

 

「よく頑張りましたね♡おにーさん♡」

「さっさとイッちゃえば楽になるのに♡おじさん♡」

 

お前らその気無かったくせに……!

 

───そうだ。俺が勝って命令すればいい。罰ゲームと言う体でこいつらに命令してしまえば……。

 

社会人として危険な思想だ。だが、この異常な状況と寸止めされ続け暴走した獣欲を押さえつける事も困難になってきている。

 

 

 

「ゲーム、変えましょうか♡」

 

妖艶な笑みを浮かべるたぬきの提案。だが、俺が所持しているゲーム機でマルチプレイができるのは今やった2つぐらいだ。やるとしてもダウンロードする必要がある。

 

「いい加減、私たちも我慢できなくなっちゃいましたから……♡」

「……アンタと一緒にしないでちょうだい!」

「匂いでバレバレだよ?きつねちゃん」

 

獣欲を滾らせたオスの匂いと、メスの体が孕む準備を整えオスを(いざな)う為の匂い。それがいつの間にか部屋中に充満していた。お互いがお互いを求める淫猥な雰囲気、淫靡な吐息。

 

「おにーさん♡」

 

俺に何かを期待する目。

ぷつり♡という音。たぬきのブラウスに包まれた胸が服の中でたぷっ♡と解放された。それが合図だったように、何かの箍が外される。

 

きつねがやったようにブラウスの中で器用に手を回してヒモを抜き、胸元のボタンだけ開いてブラをずるりと引き抜くたぬき。ブラウスとスカート、ショーツ、ハイソックスという文字だけでも心許なく感じる服装になった。自らそちらに向かっていったのだ。痴女過ぎない?

 

「手コキゲームしましょうか♡」

「は?」

「あら?きつねちゃん知らない?」

「何でそれをやるのかの方の『は?』よ」

「おにーさんが辛そうだからそろそろご褒美あげないと可哀想だな~って♡」

 

たぬきが言うにはこうだ。

代わるがわる最低5回俺のモノを扱き、イかせた方の負けというトチ狂ったルールだった。当然負けた方が罰ゲームを課せられ、当の俺は除外だそうだ。

 

「はい、座ってくださ~い♡」

 

ベッドに腰掛け脚を広げられる。脚の間にたぬきときつねが身体を収めフェラの時と同じ姿勢になった。

有無を言わさず始まったゲームに俺は困惑気味。ギンギンな肉槍だけが非常に滑稽で、期待に身を震わせている。

 

「じゃんけんぽい」

 

先攻はきつね、後攻はたぬきに決まった。

 

「……すぐイくんじゃないわよ?」

 

っあー……♡

 

口の中に溜めた唾液を舌先から垂らし、肉槍の先端から蜂蜜を纏うかのようなとろみのある液体が伝っていく。

 

白魚のような指がカリ首に絡められると、蜜をよく馴染ませるようにぐりんぐりん♡とローリングし裏筋にも(まぶ)された。

 

ぢゅく……♡ぢゅく♡!!ぢゅ♡…っ!く♡♡っ!ぐちゅっ!…♡!ぐちっ♡゛!!

 

強めに握られ傘の張ったカリ首を重点的に捏ねる手コキで、焦らされ続けた肉槍はきつねの手の感触を何倍にも感じるぐらいに伝えてくる。鋭い刺激が腰へ伝わって反射で足がビクビクと引き攣って押さえつけるのにも苦労するほどだ。口から噛み殺した喘ぎ声が漏れかける。

 

「おじさん情けないなぁ……♡」

 

不意に指が離れ、腰を伝って来ていた快感の波が引いた。

肉槍との間に橋を架けて指が離れていき、代わってたぬきが正面で膝を着く。

 

んれぇー……♡

 

前屈みになった彼女の口から舌が垂れ、先程きつねがふりかけたよりも多い量の蜜を、まるでみたらし団子にするみたいに(まぶ)していく。そして猛り狂う肉槍を慈しむように、あやす様に、包み込むようにぷにぷにとした柔らかい十指が添えられた。

 

「おにーさん♡いっーぱい射精()していいですからね♡?」

「それ、アンタの負けじゃない。罰ゲームよ?」

「おにーさんなら、きっと素敵なお仕置(罰ゲーム)してくれますから♡ね?」

 

ね?と首を傾げながら同意を求めてくる彼女の粘着質な微笑み。

いったいこいつは俺に何を期待しているんだ?俺に何をされたいんだ?

 

ぬる♡るるぅぅぅ……♡にゅるる♡るるる……♡

 

指先の柔らかさを伝えてくる絶妙な力加減で締め付けながら、たぬきの両手が根元まで降りては、たっぷり時間を使って再び先端へ上がってくる。動きはまるでエステティシャンだが、やってる事は娼婦のそれだ。

きつねが激しくキツめに絞ってくるやり方ならば、たぬきはまったりと包み込むようなやり方をしてくる。共通してる事といえば根元から何かせり上ってきそうな感覚が続くところだろうか。

 

「交代ですぅ~きつねちゃん」

「そのままイかせちゃいなさいよ」

「いえー?これはゲームなので♡」

 

いったい何往復したのだろう。彼女らの手が何往復したのだろう。

 

ぐち♡っ…ゅぐちゅぐりっっ♡ゅ…♡♡ぐ♡…り……っっゅ…♡゛ぐ…ち♡ゅ♡♡っ

 

ぬ!りっっゅっう……♡ぬりゅっ♡♡う……うっ♡に…ゅっっる……♡っるっ!♡゛る♡っ…る…る……♡♡……♡

 

 

甘く痺れるような刺激に何度も浸され、根元から触られた感触が消えていく。

どうしようもなく内を突いて出てきそうな獣欲を抑え込む。

 

……しかしもう無理だった。

 

はち切れる寸前の赤黒い亀頭は血が滲んでいないか心配だ。肉槍の痺れが鼠径部に移り、腰に広がり、下半身全体に伝搬(でんぱん)した。

射精直前のどうしようもなく制御できない感覚がせり上ってきている。もう、次に刺激を与えられればたちまち抑えていた物が全て吹き出る。それが分かった。そのぎりぎりを見極めてたぬきはゆっくりと手を離す。

血管全体が脈打つ感覚に、交代して手を添えたきつねも、もうこれが耐えられない事が分かっただろう。彼女らに塗された蜜以上のドロついた欲望が先端から溢れ出てきていたからだ。

 

もうガマン汁がだくだくと溢れて止まらない。限界を超えて硬化を重ねがけした肉槍は、きつねが握っても指が全く食い込まないほどの硬度となっていた。

ともすればぼきりと折れそうな石細工。しかし肉と皮膚の感触はとてもヒトの体とは思えない、メスを犯す凶器。

 

「アンタ……耐えられる?」

 

……もう…無…理!

 

いっその事もう介錯(かいしゃく)してくれ……!

 

きつねの手が強い握力をかけ、根元からキツく絞るように激しく扱く。藻掻いていた肉槍。限界を極めていた睾丸。遂に放出を許されたオスの獣欲。渦巻いていた均衡(きんこう)が崩れ一気に射精管へ塊が雪崩込んだ。

 

「ほぉら……♡らしれいい(射精していい)から…♡♡」

 

肉槍の前に舌を出し、口を開いて射精待ちするきつね。

この勢いで扱かれ続けると精液が散ってぶっかける事になってしまう……!

何とか勢いを抑えようと必死に肉槍の根元へ力を込め歯を食いしばる。

 

おにーさん、押さえててあげますから射精()すことに集中してください♡

 

不意の拍子、耳に囁かれた言の葉。

背中にしなだれ掛かるたぬきの身体の、押し付けられた柔らかな果実がブラウスの中で柔く歪む。その体温と感触に油断した。

込めていた力が霧散する。痺れていた肉槍の中を塊がごりごりと押し広げながら駆け抜けてくる。何も考えられなくなる。全てが遠くなる。

 

ほら♡かっこいい射精見せてください♡びゅー♡びゅー♡

 

鈴口が割れ、光線のような勢いできつねの舌へ放精する。

 

「んぐっ!?」

 

波打つ裏筋。暴れようとする肉槍を柔らかな手が押さえつけるも、勢いよくはね飛び放精はきつねの顔にも至る。彼女の白い肌に黄ばんだ糊のような精液が次々吹き上がって止まらない。

きつねの舌に、口内に、その美麗な顔に夥しい精液が注ぐ。たぬきが射精を促すように種袋をやわやわと揉むせいだ。

 

ようやく射精は収まって力が抜け、膝を折りそうになる。寸止めされ、押さえつけられ、散々に詰められたものを一気に、精だけではない何かも一緒くたにぶちまけたような射精。

 

ベッド脇にへたり込むように座った。

 

「ちょっ……!!?あんら(アンタ)何し……っうむ!??あぇ!」

「ちょうだい♡わらひ()にもちょうらい(ちょうだい)♡♡」

 

じゅ゛っる♡じゅる♡♡じっゅ♡…ぷ♡れぇえっ!る…゛っぅ…あ♡ぁむううぅ♡はぁむ♡!

 

意識が我に返り、明瞭になり始めると聞こえてきた粘っこい水の音。ようやく聴覚を脳が捉え出し、ついで視覚と嗅覚が戻ってくる。たぬきがきつねを押し倒し、貪るように口吸いをしていた。

抵抗虚しくじゅるじゅる♡と啜られる様はまるで蜘蛛に捕らわれた蝶のようだった。

 

「ちょっと!たぬき!そこっ…やめ♡……んん゛♡♡♡!!!」

「罰ゲーム……♡罰ゲームだから……♡♡」

 

異常な状況と、極度の興奮。

男が酷く勃起したように、ショーツに染みができるどころか太ももに発情蜜が滴るほどにオスを欲しがって止まない火のついた身体。

本人達に自覚は無いのだが、無意識下で交尾(セックス)の期待をしていたたぬきときつね2人の身体は狂い始める。

 

身体が火照り、膣内が渦巻き、子宮が疼き、繁殖適齢期の2人の身体は、目の前の凶悪な肉槍を絶好の繁殖相手であると認め屈伏してしまっていた。

極めつけはきつねの口内にとどまらず顔面に放たれた力強すぎる射精。それを見て理性を飛ばしてしまったのは、意外なことにたぬきの方で品行方正むっつりドスケベな彼女は呆気なくトんだ。

 

私も交尾したい……♡おくちセックス♡おっぱい交尾♡おまんこ子作り♡交尾したい♡♡♡♡

 

 

 

何が起きたか分からなかった。

男の射精を顔で受け止め、口の中に溺れそうなほど量を出され、舌先に濃く生臭い種汁をコーティングされ、酸欠になりかけていたきつね。

五感の全てを犯され、意識を飛ばしかけた彼女が次に見た光景は、馬乗りになり自分の口内に舌をブチ込んで種汁を吸い上げるたぬきの姿だった。凄まじいメスの匂いがする。自分か、それとも目の前の発情たぬきの匂いか、ぼやける頭が働かない。

 

「んひ♡!!?♡!!…?♡゛」

 

ショーツの中にするりと手が入り込んできて、肉豆を弾かれた事できつねの意識は強制的に引き戻された。滑り込んだ指が、敏感な欲しがり突起を優しく弾き回す。

皮を脱ぎ散らかしてぴん♡と威張り散らしていた肉豆に指の腹を引っ掛けては捏ね回す。同性だからこそできる力加減、きつねもたぬきも関係なく1人のオスに負けてしまった同じ穴の狢。

 

「ほら♡おにーさん♡」

 

指で引っ掛けられ、ショーツのクロッチ部がズラされる。ぬちっ♡と糸引く秘裂が外気に晒され、指で花弁を開かれた。

 

「きつねちゃんのほかとろおまんこ……♡()()()してあげてください♡」

 

視線の先には、オスの肉槍が聳えていた。さっきよりもエグいぐらい反り返って、傘を広げて、幹に浮いた血管が硬度を証明する。それを見て膣口からは発情蜜が(とろ)け落ちた。

 

……絶対ヤバい。勝てる未来が思い浮かばない。あんなので抉り返されたらイキ散らかすに決まってる……♡♡

 

(はりつけ)にされたように、浅い呼吸を繰り返す。獣欲を色濃く灯した眼差しに本能をむき出しにした全て。捧げてしまった自尊心で精一杯虚勢を張っていたけれど、もうどうしようもないところまで来てしまった。出したばかりだというのに全く治まってないどころかもっと脈を打ってゆっくりと近づいてくる(オス)

 

にぢり♡

 

狙いを定めるような腰つきでゆっくりと近づいてきた肉槍はついに秘裂へと合わされた。男ときつねの視線が絡み、お互いがお互いの瞳に灯った()に見とれて呼吸が絡み合った事にも気づかない。生意気な言葉を紡ぎ続ける唇を今だけは熱い抱擁で黙らせて───。

 

ぬぬぬぬ…♡

赤黒い肉槍が深紅の花弁を割り広げ蜜を散らしながら押し入っていく。ゆっくりと味わうようにして飲み込まれていく。途端に生意気盛りな唇は鳴りを潜めて悩ましげな吐息と漏れ出た嬌声が反響して部屋に滲んでいった。

 

「ん…っんん♡ん♡…ん♡ん♡…゛あ…♡ぁ♡…ああ…………あっ♡」

 

きた!きた!まちにまったオスがきた!つよいオス!はらむから!おねがい!せーし!せーし!いっぱいいっぱいだして!

 

肉襞がわらわらと幹へ(たか)り、奥へ奥へと誘い惑わす。全ては欲しがる子宮に全て注いでもらうため。あのぶっ濃い種汁をご馳走してもらうため。

 

「もっと……♡もっと…!♡奥!!奥♡♡♡!!ぐりぐり♡♡して♡もっと!!もっと!!♡」

 

自分でも出したことの無いような媚び声が自然と奥底から湧き出す。その言葉に呼応するように男の肉槍はびきりときつねの中でとびっきり硬さを増した。

 

 

 

肉槍が膣内を押し広げるときつねのほっそりした下腹部が僅かに隆起して、どこまで入ってしまってるのかが分かってしまう。それから目を離せないのはもう片方の(たぬき)。自分がこうなるところを想像して、メスは自分の中の繁殖欲が溢れ返って漏れ出してくるのを感じていた。

 

ばちゅばちゅん♡ずんっ♡ずちゅ♡ばちゅばちゅん♡ばちゅ♡

 

男が腰を振りたくって肉と肉がぶつかる音が響き渡り、きつねの細い身体は腰の動きと共に跳ね、髪を振り乱して肉槍を受け止める。

 

「あ♡…っ!あ♡♡!あ……っあ♡♡゛!あ!ん……っあ…♡っあ゛っあ♡」

 

ふつう、他人が交尾(セックス)しているところをこんな間近で見る事なんかない。

ましてやきつねちゃんとおにーさんの知っている者同士の生交尾だ。その事にアブノーマルさを感じて背徳感が止まらない。じゅくり♡とショーツが染みる。下腹部の奥、熱をため込んで燻ぶる子宮の疼きは最大に達し、たぬきは堪らず指で慰めにかかった。熱を逃す為にブラウスを開き、秘裂を広げて指を埋め、オスを欲しがる肉襞にひとまずしゃぶらせる。

 

ダメだ…!全然足りない……♡こんな細くて短い指じゃ気持ちいい所(ポルチオスポット)に全然届きやしない。慰めにすらなりやしない。オスを欲しがって欲しがって次から次へと溢れてくる本気汁。足りない……!足りない!足りない!

 

猛り狂うあの強いオスは1発や2発で治まらない事を知っている。

 

たぬきの自慰は激しさを増し、床に水溜まりができるぐらいに蜜が溢れ出ていた。視線は交尾を続ける2人に縫い付けられ、それを燃料に燃え上がっていく。

 

──おにーさんの腰が叩きつけるような動きから円を描くような動きへ変化した。

 

ばちゅんばちゅん♡と腰を叩きつけ、奥を抉るように抽送していた前後動。あのかっ開いた傘が肉襞を1枚1枚引っ掻いてぐちゃ混ぜにした想像が容易にできて膣内がぎゅっ♡とする。実際きつねの腰は耐えられないといったように何度も浮き上がっては脚をピンッ!と伸ばした。

 

おちんぽを根元まできつねちゃんに突き刺してぐりぐり♡と小刻みに腰を揺するおにーさん。股間にぶら下がったおっきいたまたまがぎゅぅぅっと持ち上がっていく。

 

──あぁ、射精するんだ。

 

「あ♡!あ♡゛っぁ♡♡ぁ!ぁ♡゛深い゛…っ!深いよ゛♡!!♡おじさ♡゛っ!!子宮っ゛!潰…っれ゛♡!あっ゛!!!!♡♡♡」

 

きつねの下腹部ががくがく痙攣して、揺れが体全体に伝播していく。制御不能の神経伝達に背筋が反り返り、脚は爪先まで一直線に真っ直ぐに伸びきっていて耐え難い快感に身を焼いているんだろう。

 

おにーさんの腰の動きが止まる。根元まできつねちゃんの膣内(なか)に突き刺して、逃げ場を無くしたんだ。身体全体で覆い被さり、指をがっちりと絡めて手を握って。メスを逃げられなくしたオスの本能。

無理だあんなの…♡体格差で絶対逃げられない……♡

 

「───あぁぁぁぁ♡♡♡♡♡!!!!」

 

きつねちゃんの一際甲高い嬌声。

おにーさんの会陰(えいん)がまるでポンプのようにボコンッ!!ボコんッ!!と膨らんで、精管がのた打って陰嚢に浮き上がる。少しでも奥に出したいオスの本能がそうさせるのだろう、腰が射精の動きに合わせてぐっぐっと押し込まれた。四回、五回、六回、七回、八回……。

 

──あぁ、射精()したんだ。

 

射精。膣内(なか)出し。本気種付け。子作り交尾。今、きつねちゃんの子宮はがっちりホールドされて抵抗もできないまま子種汁をブチ撒けられたんだ。

 

最後にダメ押しと言わんばかりに肉槍が根元まで埋められ、ずるり♡ときつねちゃんの膣口から引き抜かれた。

ぴったり閉じていたはずの秘裂は極太の雄に散々耕されぽっかりと口を開けていた。ぼぷっ♡という音、すごい量の黄ばんだ種汁が逆流して噴き出す様は見ていて畏怖すら感じそうになる。ぴくぴくと細々痙攣しながら四肢を投げ出したきつねの様子に、数刻後の自分もああなるんだろうと──期待していた。

 

 

痛みにも似た狂おしい疼きが下腹部を駆け上がって来る。

 

白く濁った本気汁がごぽり♡と膣口から吐き出され、いつまでお預けなんだと猛抗議する。

 

……もう我慢できない。

 

「おにーさん!今度はこっちにください……ね♡」

 

四つん這いになって自分に出来る限りのいやらしい腰振りでオスを誘う。2回射精してなおギンギンに反り返る蹂躙の象徴は全く満足した様子がない。

 

前戯なんて要りません!もう受け入れ準備は完了です!さあ、お情けをお恵みください!

自らの腰を鷲掴みにして秘裂を割入ってくる肉槍に、膣内は喜んで甘えて縋り付く。指じゃ届かない部位にあっさりと進んできたオスの象徴は絡みつく肉襞を傘で蹂躙して回り、嬉しくて震えていた子宮をぐちゅん♡と押し込んだ。

 

「ん…♡…ん…゛ぁっ♡!…」

 

自分が想像していたよりもゴリゴリに硬いものがみっちりと膣内を埋め尽くしている。その圧迫感に呼吸器を抱き締められ、どんなに吸おうとも浅い呼吸しかできない。横隔膜が引き攣って、震えた声が漏れる。

 

「もっとぉ゛…!…♡!もっとぉ゛!激しくして゛ください♡♡」

 

 

 

絶頂した事でバチバチとショートした意識が明順応し始める。体中を包む疲労感と、気を抜けばびくりと震える下腹部には重たい物をみっちりと詰め込まれた膨満感。

おじさんのでっかいのでぐっちゃぐちゃにされたのだ。そりゃあこうもなる。

 

「お゛!おん!…ん♡おおぉ♡ん!…あんっ゛!おっ゛♡!ん…♡♡゛!おおっん♡゛!おぉん!♡」

 

転がってる自らの頭上から凄まじい獣の声が聞こえてきた。あらん限りの快感を唄う濁点の混じったメスの声。肌と肌が激しくぶつかる叩打音。

憎たらしく実った果実をばるんばるん揺らされて、腕を掴まれ後ろから獣欲の限りを尽くされるたぬきがそこに居た。

彼女の表情に余裕なんてものは1片もなくて、特徴的な垂れ目が淫靡に染まり、口元は三日月を描いて愛される喜悦を身体一杯に享受する。

焦点の合ってない視線は(きつね)を見ても、私となんて認識してない。

 

このむっつりスケベめ……さっきはよくもやってくれたな……。

思いっきりディープキスして来た挙句、クリトリスを捏ね回して無理矢理に準備完了させやがった。心の準備も何もなしにだ。

目の前で踊り狂う二ツ山の頂の先端。恥ずかしがって自分ばかり姿を隠す卑怯者。

 

───ぎちぃっ♡

 

顔を出しかけている、肉に埋もれた陥没乳首(卑怯者)を引っ張り出して力の限り絞り上げた。

 

「────あっ」

 

たぬきの体がくの字に折れ曲がる。許容限界を超えてしまう奔流を受け流そうと必死に身体を逃がそうと跳ねさせた。

しかしそんな事きつねは許さない。追い詰めた卑怯者に、爪を立てんばかりに捻り上げる。

がくがくとたぬきの下腹部が暴れ出し、遂に制御不能へ陥った。

 

「無理♡!!!……無゛理゛♡♡♡む゛っりぃ♡!!…むっりぃ゛イ♡゛!!イくぅ♡!!…っイ!♡くうぅっ♡♡♡!!」

 

おじさんも、たぶん射精が近いんだろう。

イキ散らしてびっくんびっくん跳ねるたぬきの腕を捕まえたまま、後ろからガンガン突きまくる。

 

──ああ。逃げられない。

 

「イったぁ!!!♡♡♡♡イ゛!った゛よぉ!!♡♡おにーさん♡♡イッたからぁ♡♡!!こしぱんぱん♡やめてぇ!!!?!♡♡♡♡」

 

肉槍は今頃、たぬきの膣内で強烈なイキ締めを味わっているんだろう。ラストスパートとでもいうような抽送をしていたおじさんの腰の動きが怪しくなって壊れたブリキ人形のようにぎこちなくなる。

 

「あっ♡♡♡!イッく♡♡♡!!!またイく♡♡??!♡!んん゛んんぁぁ゛ああ゛!!♡♡♡」

 

──うわぁ、注いでるん(膣内射精)

 

腕を掴みあげられたまま、おじさんの腰がたぬきのおしりを歪ませるほど押し付けられた。くぐもった声をだして痙攣し続ける。あぁ、いまたぬきのお腹の中でおじさんがぶち撒けてるんだ。最後の最後まで全部詰め込むつもりだ。射精なっが……。

 

ようやく腕を解放されたたぬきはそのまま床面に崩れ落ちる。ずるりと抜け落ちた栓を失い、その膣口はごぷっ♡と下品な音と共に夥しい白濁液を逆流させた。

 

「ちょっと……アンタまだできるっての……?」

「おにーさん……♡満足するまでしましょうね♡?」

 

白濁を注いだオスの方はまだ満足できないといった様子で臨戦態勢を解こうとしない。

 

眠れる獣を揺すり起こしてしまった、哀れなメス2人は戦慄し一生懸命にごめんなさいするが、嬌声は止まらず響き続ける。

 

───肉欲の宴はまだ始まったばかり、夜の帳の降りた部屋で罰ゲームは続く。

 

 

 

 

 





きつね(紺のすがた)
紺の力でJK化。たぬきニウムが混ざり多少大人になった。が、やっぱりメスガキムーヴをかます。

たぬき(まめのすがた)
きつねニウムが混じりちょっと欲望の抑えが効かない。やっぱりぺぇはでけえや。


しばらくゲームをやる気が全く起きなかった。なんで?


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黒ギャルとカレーうどん



オッス、オラ社畜!

もう1ヶ月経ェっちまってるのマジか!!許してくださいオナシャス!センセシャル!


 

 

 

 

夜も更けて参りました。ご近所の迷惑にならぬよう音量を下げてお楽しみください。

このアニメーションは、ステレオHi-Fiで録音されております。大音量でお楽しみください。

 

……そんな言葉が聞こえてきそうな時間だ。

 

電車は最終、バスもない、寝過ごした人はご愁傷様。

気が付いたら知らない街に取り残される孤独感ってすごいよね。大体そういう時って財布失くしたりしてるの何なんだろうね。みんなも酒の失敗には気をつけようね。

 

 

騒ぐ集団を躱して家路を目指そうとした時、柱に寄りかかる女と目が合った。

 

日サロで焼いてると思しきこんがり褐色肌、頭頂部の髪が伸びて地毛が見え始めた金髪プリン頭。ファーコートとエナメルスカートにブーツ。煌びやかな手足とアクセサリー。

 

住む世界の違う人種だろう。

分からないなら否定するんじゃなく不干渉が正解だ。ぱっちりカラコンやなっがいネイルの有用性は、俺にはさっぱり分からないが彼女のような人種の世界ではステータスたりえるのかもしれない。

 

そんな取り留めのないことを考えながら、さっさと通り過ぎようとする。

──女がニマッと頬を吊り上げた。

 

「おにぃさん♡」

 

呼ばれてるぞぉ~誰か氏~???

俺?俺なわけないじゃん知り合いでもなし黒ギャルに呼び止められるようなビジュしてないって。じゃ。

 

「ちょっ待っ…シカトすんなし!」

 

目の前にブーツが振り抜かれ、壁との間にサンドイッチされる。スカートのサイドスリットから覗く太腿が眩し過ぎて目が焼かれた。

何も見えねぇ…。

 

まさかの壁ドンである。なんだ?足長い自慢?

 

「おにぃさんヒドくな~い?チョット相談したい事がある女の子シカトして行くなんてさぁ」

 

遅れて漂ってくる柑橘系のフレグランスと酒精の匂い。キツそうな印象を受ける切れ長の目とほんのり上気した頬の色。エキゾチックジャパン。

 

「何?目が合ったら勝負仕掛けてくるとかポッケなモンスターのトレーナーか何か?」

「は?6Vガブぶつけるけどいい?」

「え?やめて???」

 

まさかの『意味不明な発言で引いてもらう作戦』がスカッた。

「えっ…キショ……」ってなるはずだったのに、今ここに黒ギャル(仮称)と俺の会話が成立。俺は呼び止められてしまった事になる。相談ダイヤルなんて開設してないんですけど。

 

「あーし行くとこ無くてぇ…今日だけでいいからおにぃさん()泊めてくんない??」

「え……普通に嫌ですけど……」

「おい~??即拒はヒドくね~~?ちょっとは悩め~?」

 

人懐っこい笑みを浮かべてカラカラと笑う黒ギャル。口元から見え隠れするギザッ歯。その下にはざっくりと開いたVネックから胸元が主張するが、そちらは努めて見ないように視線を引っ剥がす。

くそっ!万乳引力がっ……!?

 

「新宿で飲んでてさあーし。気づいたらココに居て?もう上りの電車無いらしーし?金ねーのヮラ」

 

俺が乗ってきたの下りの終電だから、当然上りなんて終わってるわな。

 

「この辺友ピおらんし詰んでね~?ってウケる‪w‪w‪w‪w‪w‪」

「Where do you live?」

「小岩wwwてかなんで英語wwwwww」

 

新宿からまんま逆じゃん。帰巣本能バグってるよ。

ぱっしんぱっしん手を叩いて独りでに爆笑しだした黒ギャル。大変おウケになられてるところ申し訳ないんですが笑い事じゃないぞ割とガチで。

 

「てなワケで~?あーしの事持ち帰ってくんない?」

 

泊めてくんない?から悪い方向に言葉がグレードアップされやがった!せっかく明日の休日はゆっくりしようと思ってたのに、とんだ面倒事に巻き込まれて過ぎて行く時間が惜しい。あゝ布団。

 

「あそこにネカフェがだな」

「できたら声掛けてなくね~??」

 

いや逃げてぇんだよ分かってくれ。ていうより、もっと波長の合いそうな人間がその辺居るだろうが。あの辺でウェイウェイ言ってる奴らとかさ。

 

「逃げようとしたら悲鳴上げちゃうよん♡ね?ほらほら、あそこにお巡りさん居るし捕まりたくないっしょ?」

 

とんでもねぇ脅しかけてきやがるこの女。それやったら連行されるやつだから止めろマジで。無実でも3時間ぐらい拘束されるからホンマに。

 

「お礼にさあ……イイコトしてあげるから♡」

 

 

 

 

「はいこれ。泊まり代~」

 

黒ギャルが渡してきたのは黒と黄色の配色をしたカレーうどんだった。バリバリ市販品のカップ麺。

 

「なん……?」

「たまーにカレーうどん食べたくならん?」

 

気持ちは分からなくもないがそうじゃない。コンビニから出てきた彼女の袋には酒やらツマミやらが透けてるけども……いや、なんならその金でネカフェの安い席ならイケただろ。

 

1週間の疲労でどうでも良くなっちゃったからつい黒ギャルを連れ帰って来てしまったが、冷静に考えたらリスクがデカすぎた……。

 

「おじゃま~。おー部屋キレイじゃ~ん!」

 

見慣れた部屋に違和感の塊が鎮座する。景色に匂い、衣擦れの音。一人しかいないはずの部屋に今日は褐色もち肌侵入者(プレデター)が闊歩していた。キッチンからグラスを()手繰(たく)って酒を割り出す傍若無人ぶり。無敵かよ。

脱ぎ散らかしたコートがシワになっちゃうでしょ貸しなさい。一応はゲストである黒ギャルの服をハンガーに掛け、自らも部屋着に着替える。

 

ゲラゲラ笑い転げるコイツに遠慮するのも、なんだか馬鹿らしくなってきた。明日は休みなんだ。休みの前日は無敵なんだぞ。無敵貫通もセットで付与だ。

 

「ほら~あーしの奢り!飲めよ!」

 

キンキンに冷えたロックアイスをぶち込み、エナドリで酒を割ったやべーやつが出てきた。赤牛ウォッカとか怪物テキーラとか寿命をぶっ縮める気しかないだろコイツ。

ごきゅごきゅと細い喉元が動いて、こちらにまで嚥下する音が聞こえてくる。

 

「ぷぁ~♡うまっ♡ほら、おにぃさんも飲め!飲めよ!飲めねぇのか!」

 

アルハラ三段活用すんな!つーか飲んでて帰れなくなったんだろお前アホか。

ぐいぐいと押し付けられるグラスが揺らめいて溢れそうだ。箸が転がっても爆笑しそうなテンションで来るんじゃない。

 

「分かった。飲むよ……」

「いぇ~い!乾杯(かんぱぁ)~ィ♡」

 

カツンと合わされるグラス、炭酸が喉を通過して食道を()いていく。

さすがにすきっ腹に酒はキツいためさっき貰ったカレーうどんに早速お湯をぶち込んでいた。そろそろいい塩梅だろう。

 

「てかさ、他にも男いたじゃん。なんで俺なわけ?」

「え?優しそうだったから?」

 

ずるずる。チープなカレーうどんが胃に染みる。

そんなびっくりふわふわポンな理由で知らねー男についてくとかどうなってんだよ。そんなリップサービスを信じるほどもう純粋な歳じゃない。

 

「あーしもさぁ?誰でもいい訳じゃないんよ?優し(チョロ)そうで、ちょっとお疲れ気味の人の方がなんか(ヘキ)って言うか」

「苦労する癖してんな」

「でっしょ~?」

 

ぐびりと酒を呷る黒ギャル。

 

「あれよ、あーしやってみたい事があってさ。おにぃさん条件満たしてそうな人だったってワケ」

「条件?」

「そ。性欲ヤバそうな人♡朝から晩までずーっとセックスしてみたいの♡あーし、性欲強いんだけど満足するまでシたことないんよね。ただね、遊んでそうな人だと力任せにされそうじゃん?あ、処女はばいびーしてるよ?」

 

ひっでえ理由の絡み酒だな。

グイっと一息に残りを飲み干し、黒ギャルの視線がこちらに合わせられた。値踏みをするかの如くニマッと細められた極彩色の瞳。

 

「あーしフェラテクい自信あってさ、5分持った男全然(ぜっんぜん)居ないんよ!みーんな腰砕けになっちゃってさ!満足~もう無理~って?こっちもムラついてんのに慰めてくれるチンコもないみたいな!?」

「直接すればいいのでは……?」

「うるさいなっ!フェラも耐えられない男が満足させてくれる訳ないじゃん!?」

 

ぺちんと腕を叩かれた。酷い暴論を聞かされた気がする。

 

「そんな凄いの?フェラ」

「見る?あー……♡」

 

彼女の口から零れ落ちた舌。ズルリと垂れた舌はどんどん伸びていき、顎先を覆うほどまでに伸びた。

舌を他人と比べることなんて早々無いが彼女のそれは常人と比べ驚くぐらい長いと感じられる。

 

「舌長いっしょあーし♡」

 

口の中に戻されていく味覚器官。

長いのもさることながら彼女の舌は先端から二股に分かれる切れ込みが深く入っていて、さながら蛇のような、まるで舌が二枚あるかのようなモノへと変貌していた。

 

スプリットタン。俗にいうスプタンというヤツだ。

 

「スプタン……?」

「そー、スプタン♡普通のフェラと全然違うんだって♡あーしチンコ無いから分からんけど♡」

 

再び唇からてろっと出てきた二枚の舌は、それぞれが意志を持っているかのようにうねうねと這いまわった。まず、その立体的な動きは()()()()()()()にはできないだろう。

ツマミのチーカマを挟み込んだ舌がにゅるにゅる♡と上下左右に動き包み込むように動くと、ぎゅっと締め付けて圧迫する。ピロっと飛び出たチーズだけを掬い取って舌は唇を湿らせた。

 

「だからさ……5分射精我慢できたら、セックスおっけー♡」

 

がさがさとレジ袋を漁って取り出されたのは0.01mmと表記されたコンドーム。お互いの性欲の為だけにセックスをする、この黒ギャルはそう宣言したのだ。

全身の血が巡り、下半身の一部に力が籠る。いや、正直に言おう。やってみろと挑発するような彼女の視線に応えるようにチンコがイライラしてきた。この(メス)を犯せと腰の下から理性を燃やすように熱が漂う。

 

スウェットと下着を脱ぎ捨て、彼女の前に性器を(さら)して突きつけた。

 

「おー……?意外と…おにぃさんの立派じゃん♡てかタマタマおっも♡溜めすぎっしょwww」

 

突きつけられた性器を観察し、やわやわと触れる指先。長いネイルが(くすぐ)るように陰嚢を持ち上げ弄ぶ。(しわ)をカリカリとなぞるような緩い刺激が海綿体に流れ込む血流の量を加速度的に増やしていく。根元から幹に蔦が這うように血管が浮き上がりだし、メリメリと体積が広がって肉槍は重く鋭くその身を滾らせて震えた。

 

「……ヤバッ♡」

 

目の前で豹変した雄に呆気にとられていた彼女も再起動し、視線を外して自らのスマートフォンをタップする。ニマニマした表情は変わらないが、彼女の眼には確かな情欲が灯って見え隠れしていた。

 

「じゃ♡5分、頑張ってね♡」

 

 

 

 

 

目の前に突き付けられた男のものが上向き、力強く脈を打つ。

この長さは流石に手に余りそうだ。亀頭も大きいしカリ首だってすごい段差で、指で扱くとぞりぞりと引っ掛かる。硬度を増した幹は握っても指が食い込まない。

 

こんなの絶対女の子ぐちゃまぜにする凶器っしょ……♡

 

……でも、どーせ、()()()()()()()()()口の中でイッちゃうんだろうな。

 

みんなそうだった。鍛えてるからとか、俺上手いよとかそんなこと言ってた人ほど大したことないし、フラストレーション溜まったまま放り出されたりとか放置されたりとかだって一度や二度じゃない。

 

満足した(期待外れ)

 

愛想笑い(もう終わり?)

 

「あー……♡」

 

二股に分かれた舌で、カリ首を包んでいく。こんなの普通の人じゃできないよ?だからたっぷり味わってよ(がっかりさせないで)

 

彼にも見えるようにスマートフォンの画面をタップしてタイマーを起動させた。

 

「頑張ってね……♡おにぃさん?♡」

 

カリ首から先っぽを包むように舌を這わせて、二枚の舌で亀頭を磨きまわす。りゅっぽりゅっぽ♡と水車のようにローリングさせながら圧を加えて、肉槍が跳ねても逃がさない。

 

手持ち無沙汰な左手は根元の裏筋をぐりぐり♡と尿道を転がすように刺激して、右手はぶら下がってる大っきなザーメンタンクをもにゅもにゅ♡とほぐす様に優しく揉む。

 

早い奴(ソーロー)ならもうこの辺で腰ヘコしちゃうけど、彼はおちんぽが脈打って返事するのみ。

 

……大丈夫そうだ。

 

これなら本気、イケるかも……♡

 

唇で亀頭を甘噛みして、めいっぱい開きながら飲み込んでいく。先っぽへ舌を押し付けて押し開くようにしながら挟み込んで刺激することも忘れない。みちみち♡と口の中をいっぱいにされ、(ローション)がとぷとぷと分泌されていく。

 

すごっ…♡♡♡めっちゃ硬いじゃん♡♡♡すごい頑張るじゃん……♡♡

 

吸い上げながら舌で挟み込んで、口の中のヒダにカリ首を引っ掻けながらゆっくりと口から解放……なーんて、してあげない♡♡

鈴口を穿(ほじく)ってやったらビグンッ♡と反応した。おいおい大丈夫~?ちんぽのHPゲージイエローまで来ちゃってんじゃなーい?

 

ほーら♡頑張って♡

 

吸い上げて、夢中になって

 

甘噛みして、熱中して

 

押し付けて、周りが見えなくなって

 

包み込んで、没我して

 

挟み込んで、忘我して

 

どんなに攻めても耐える肉槍に、いつの間にかあーしの方が夢中になっていた。

 

射精して(我慢して)♡ 射精して(我慢して)♡ 射精して(我慢して)

 

すっごい……♡耐えてる……♡♡♡

 

湯気が立ちそうなぐらいに涎まみれになった肉槍がビキッ!ビキッ!と余裕の無さを伝えてくる。睾丸もグッとせり上がり始め射精の準備を始めているのが分かった。

 

待ってよ!ようやく満足するまでできそうなおちんぽ見つけたのに……!

 

耐えて(頑張れ)♡ 耐えて(頑張れ)♡ 耐えて(頑張れ)

 

もうちょっと……♡もうちょっと……♡!あーしだっておまんこしたいんだから……♡!

 

我慢して(射精して)♡ !我慢して(射精して)♡!! 我慢して(射精して)♡!!!

 

 

―――!―――!―――!

 

 

ふー……♡ ふー……♡ ふぅー……♡

 

鳴り響くスマートフォンのタイマー。画面は0になり、その時間が過ぎ去ったことを教えてくれた。

彼のものから香る濃い性臭。花のようにも感じる自らの唾液が染みた臭い。もう時間のことなんて頭からすっ飛んでいた。

 

ちゅぅぅうう……じゅぽっ!

 

最後にキツく吸い上げながら、わざと音が立つように唇を引き剥がす。下の責苦から解放された肉槍は跳ね返って、カウパーを散らしながらも、女の目前で恐ろしい程にその身を抜き放っていた。

 

あは…………♡

()()()

 

「おにぃさん凄いじゃん……♡」

 

 

 

今まで味わったことの無いような舌先の感触。舌で()()()()()()()()()()()()。到底普通の人間にはできないようなフェラチオ。何とか堪えたものの我慢汁は止まらない。

表面張力で決壊を耐える水面のように、あと少しの刺激があれば容易に溢れ出る状態だ。むしろ、少し漏らしているかもしれない。睾丸の中身が放出させろと猛抗議してせり上がってきた。

 

マズい……!せっかく耐えきったのにこれじゃ……!

 

射精()していいよ♡ごほーびしゃせーしよっか♡」

 

黒ギャルが肉槍を口腔内へ沈めた。頬を(すぼ)めながらゆっくりと圧をかけて吸い上げていく。

 

じゅるぅぅぅうううう♡♡♡♡

 

耐えられるはずがなかった。

 

ぢゅぽっ♡♡♡!!!

 

吸い上げと共に腰裏から駆け上がってきた奔流が堰を切り、先端が弾け飛んで、塊のような黄ばんだ白濁液が鼻筋の整った黒ギャルの肌にぶちまけられる。

 

はぷっ!……ぢゅむ…♡

 

それを見た彼女が肉槍の先端を唇で包み栗鼠(リス)の如く頬袋を膨らませることで、(すんで)のところで床を大変な事にする事態は避けられた。

 

それを酷く他人事のように眺めながら、全力で駆けた時のように動く心臓を宥め透かすように浅い呼吸を繰り返す。

 

「……れんふれた(ぜんぶ出た)?」

 

彼女の顔面は酷いものだ。

半分はドロついた精液をぶっかけられ、褐色の肌も相まって不可思議なコントラストが彩っていた。

 

「ん゛ん……!濃……♡」

 

こちらにも嚥下の音がするぐらいに喉を鳴らし、口腔内の欲望を飲み下す。それは彼女の身体に火をつけて燃え上がったように熱くする。瞳に灯った情欲の光が、更に濁った渦を浮かび上がらせて照した。

 

 

 

「やっば……♡意味わかんないぐらい濡れてる……♡」

 

服をはだけさせた黒ギャルがベッドに横になり、ショーツ越しに自らの秘部をこね回した。それだけでぐちゅぐちゅ♡と音を立てる源はオスを(いざな)って止まない花を思わせる。

 

ヒョウ柄のヒモに近いショーツは既に下着の役割を放棄し、収めきれない蜜が内鼠径を妖しい雫となり(したた)って落ちた。

泉のようにじゃぶじゃぶと蜜が湧き出て貼り付いたクロッチ部分には、秘裂と、ひと目でそれとわかる程に突き出した肉豆が影を作っていた。淫靡と感じる暇もないぐらいに情報量がぶん殴ってくる。

 

「ほら、脱がせてよ♡」

 

すっと腰を浮かせ、待つ彼女のツヤツヤしたショーツに指を掛けて引き抜く。貼り付いていた生地がぬぱっ♡と剥がれクロッチ部との間には銀糸の橋が架かる。

 

「……っん♡」

 

(なだ)らかな丘は無毛で、しっとりと汗ばんだ素肌と女性らしい丸みを帯びており、遮るものは何も無い性欲が剥き出しになって主張していた。

 

「足開いて」

「え~…♡はっずいにゃー……♡鼻息荒っw はい、くぱぁ~♡♡♡」

 

ゆっくりと開かれていく太腿。縦筋を黒ギャルの指が割開いて見せる。

隠された膣口と(とが)り上向く陰核が晒される。

桃色なはずのそこは興奮しきって、ともすれば痛そうに思えるほど赤く充血していて……視線を縫い付けられたように外せない。

膣口からは途切れることなくトロみのある蜜が溢れ出る。ヒクヒクっ♡と開いては閉じて、閉じては開いて、何かを求めるように(いざな)っていた。

 

目に付いたのは、皮を脱ぎ捨ててびんびん♡と自己主張の激しいクリトリス。

陰核というものは海綿体でできており、男性でいう亀頭にあたる。興奮や刺激で勃起するし、何より亀頭がこのサイズに凝縮されてると思えば、敏感なのも頷けるモノだ。

 

彼女のそれは完全に剥けきっており、小指の先ほどに膨れていた。少し大ぶりで、蜜で濡れ光りハリのある巨峰のような果実を思わせる。

 

腰裏に、ズキリと疼きにも似た痛みが走る。

臨戦態勢をまるで解いていない肉槍は今すぐに目の前のメスを貫けと命じてくる。が、まだ神経の方は先程彼女にされたスプタンフェラのダメージが回復しきっていなかった。正直、もう少しだけ休憩が欲しい。

 

……回復待ちがてら、少し悪戯してみることにした。クリトリスは何と言ってもその敏感さが特徴だと思う。なら温冷の差も良く感じるのではなかろうか?

 

彼女の腰下にクッションを挟んで持ち上げ、立ち花菱の姿勢で顔を近づけると柑橘系の香水の匂いと彼女自身のものであろう香りが一段と濃くなった。こぷこぷと涎をたらす膣口のその上、ひどく勃起した陰核に口づけをする。

 

「んひっ♡!!?」

 

素っ頓狂な声と、びくりと跳ねる肢体。その反応が面白くて口づけを重ねていく。

 

「ちょっ……まって…♡♡あーしそこ弱っ……んぅッ♡」

 

さっき散々こちらの弱い所をいたぶってくれたのだから、ある種の意趣返しだ。

両脇に指を添えて少し引くようにすると陰核は根元まで皮を脱がされ、びんっ♡と天を衝くようにその身をさらけ出した。

 

触れるか触れないかぐらいの境界で、わざと彼女に見えるように舌を躍らせ焦らす。これから来る刺激を想像したのだろうか、びくりと彼女の身体が硬くなった。予想通りの反応をしてくれたことにほくそ笑みながらも舌を股関節に沿って這わせていく。

 

「んん……♡はぁ…♡おにぃさん舌の使い方エロ…♡」

 

唾液をたっぷりと舌に(まぶ)して、勃起する肉豆を包み込んだ。

 

「あ゛っづ♡…!♡♡!!おに゛ぃさん!それ゛クリ熱゛♡っ♡♡!?」

 

舌先を丸め、ちゅぽちゅぽ♡とスポイトのように肉豆を吸い上げる。その度にビクリと力の篭もる内腿が面白くて、つい何度もやりそうになってしまうが目的は別だ。

()()()()()()()()()()()

 

机の上にある酒を注いでいたグラス、その中にある酒精を彩る為のロックアイス。それを1つ手に取り溶け具合を確認。表面が溶けだしてツルツルと滑るが、硬さを感じるいい塩梅だ。

 

舌先で温めたばかりの熱々クリトリスにロックアイスを当て───

 

「いぎぃ!?♡♡♡」

 

どこから出たのか不思議な声を上げ、黒ギャルの足が爪先まで一直線に伸びる。

 

逃げるクリトリスを追い詰めろ。

ロックアイスを滑らせてくりくり♡とこね回す。

ぷりんぷりんと逃げ回る肉豆の肌を硬い氷が引っ掻くが、溶けた表面は水がコーティングしているから傷付けることなく刺激を与えられる。

 

「ちょっ♡!?冷たィ゛って!…♡♡!?ィイあ゛♡!!♡♡!?」

 

ビクンッ♡ビクンッ♡と波打つ下腹にも氷を当て肌を滑らせていく。彼女の褐色肌がみるみる内にてらてらと艶めきだし、淫靡な雰囲気がより増して漂った。

冷たさが鋭くなると人は冷感を痛みと感じ、体温を留めようと血管が縮小して皮膚を強ばらせる。クリトリスだって例外ではないだろう。

チクチクと刺すような痛みを陰核に感じてか、彼女の身体は毛穴が開いたのか全身がしっとりとする程に汗をかき出した。

 

そろそろ……。ロックアイスを離し、痛みから解放してやると浅かった彼女の呼吸が少し落ち着いたようだ。だが、休ませない。冷たくなったクリトリスを舌先を丸めて吸い上げた。

 

「あ゛あぁっ゛!?!?!?くり゛っ!!!?クリ熱゛い゛!!?!」

 

熱い舌で包み吸い上げた事で、血管が縮こまったクリトリスには一気に血流が流れ込みビキビキっ♡とはち切れんばかりに膨れ上がった。

 

「何これっ!?!?にゃにこれ!!!?クリ゛(あっつ)ッ!!クリあ゛っつ゛い!!!」

 

勃起に勃起を重ねがけする様な、強烈な脈動が黒ギャルの敏感部位を襲う。

目を剥いて身体を震わせる彼女は為す術なく、自らのクリトリスが伝える冷感と温感と鋭い刺激がぐちゃ混ぜになった痛覚が全身の神経を突き刺す。

 

やり場のない冷感が爪先をぎゅっと丸め込ませ、解すような温感に筋肉が弛緩する。刺激的な痛覚でびくりびくりと痙攣しては、手指は必死に正気を保とうと皺になるのも構わずシーツを握り堪えていた。

 

じゃあもう1回行こうか。

 

「いいい゛い゛い♡゛♡っ!い♡゛っいぃい…あ…♡っ!あ♡ぁ゛っあぁ!!あ゛あぁ…あ♡♡」

 

冷たさがクリトリスを突き刺す。

 

温かさがクリトリスを包み込む。

 

腰椎が粟立って、頚椎が沸騰して、頭の中がグズグズと溶けていく。まるで氷が溶けるように。

 

そんな事を続けていれば、ついに黒ギャルの身体は制御が効かなくなってバグり始めた。

 

「あっあ…あ゛クリ…ッ♡♡♡!クリッ♡じんじんすりゅ゛♡♡♡!じんっじ…ん゛っ!し!てえ゛♡♡♡!イくぅ♡ィく゛!い゛く…い…゛く゛♡♡♡」

 

執拗に捏ね回した刺激が、血管の縮小で堰き止められては温感で一気に巡り、ビキビキに勃起したクリトリスは自らの脈動で絶頂するほどに感度が跳ね上がった。

 

「♡♡なん゛…で!!?イったのに゛ィ゛!!♡♡♡お゛っ゛!♡??♡?♡♡イくの゛♡止゛まんな゛ィッ!!!♡♡♡」

 

波打つように身体を痙攣させては弛緩して、足はピン♡と伸びたり、手はもがく様にシーツを握って、秘裂からはぷしゃっ♡と潮を吹く。

 

普段澄ましてそうな黒ギャルが髪を振り乱して半狂乱にイキまくる。

 

その痴態に肉槍は完全に自らの身を研ぎ終えた。柑橘系の香水を塗り潰す程に香る雌臭。少し酒焼けしたハスキーな声には潤いと濁点が混じり、口を開いては閉じて雄を欲する膣穴。

 

……もういいだろう。

 

肉槍にゴムを被せ、浅く呼吸を繰り返す彼女の片足を肩に担ぎ、腰を割り込ませる。松葉崩しに近いだろうか。性器同士を密着させるからこそ、非常に深くまで穿ち易い体位。しかし、やりようはそれだけじゃない。男が腰を動かしやすい体位なのである。

 

未だに痙攣を繰り返して小刻みに潮を吹く秘所、膣口へ肉槍を突きつけた。

 

「あ……。え……っ?」

 

ゆっくりと秘裂を割りながら、肉襞を掻き分けて進んでいく。とろとろに蕩けきって、酷く痙攣する膣内は侵入者を押し返す余裕も無いのか、すんなりと奥まで飲み込んで子宮をさらけ出してしまった。

 

ぽかんと(ほう)けた顔をする黒ギャルと目が合う。髪が額に貼り付き、両眼に涙を溜めてはぁはぁと浅く呼吸する彼女がたまらなく淫らに見えて、肉槍は爆発的に脈打った。

 

 

 

「……挿入(はい)ってる…………?」

 

自らの腹部に感じるゴリゴリに硬い異物感。

クリトリスは未だじんじんっ♡と後引く妙なイキ方をしていて膣内の感覚を塗り潰していたが、最初に膣口が、次いで肉襞が、最後に子宮(ポルチオ)が、圧倒的な熱量を伝え始めてきた。

 

雌の身体は必死に信号を流す。クリトリスにばかり集中していたら、この膣内を貫いた強い雄によって()()()()()と。

だが、総司令とも言える黒ギャルの脳は感じたことの無いクリトリスの刺激でバグり散らかし、現状把握もできないほどに動けないでいた。

 

雄の腰が引かれる。奥の奥まで貫いていた硬い異物感がズリズリと肉壁を擦る熱さだけが腰から上がってきた。

 

なにする気なんだろう……?

 

惚けたままの黒ギャルはその腰の引きを理解できない。

少しアナル側へ腰を傾け、膣の(へそ)側へと先端が当たるように調整された肉槍。

 

どうしたいんだろう……?

 

自らの下腹へ男の節榑(ふしくれ)だった指が添えられる。ぽんぽんと優しくあやす様にそっと下腹部をタップする指先。そこにある弱点に気づいた時にはもう、遅かった。

 

───どちゅん♡

 

「……あ゛お゛っ!!♡゛?!♡♡…!…♡♡♡!?」

 

男の腰が放たれると共に肉槍は臍側の壁を抉るようにドツき、膣道に沿って下腹部をボコっと浮き上がらせた。表側にはおにぃさんの手があるのに───。

 

ぶちゅっ♡

 

ばちんっ

 

「お゛お゛♡♡!!?!こっれ♡♡!!!?Gスポ潰れッ!!?♡♡おほぉ゛!!!♡♡♡♡」

 

ブレーカーを無理やり入れられたかのように、強烈な快感が腰をせり上って来ては頭がぶん殴られる。脳がチカチカして、これ以上は危険な域の刺激が追加で押し寄せていた。

 

どうすることもできない。

 

ただ与えられる強烈な快楽に揺さぶられながら、あーしは声を垂れ流す事しかできなかった。

 

どちゅ♡どちゅ♡どちゅ♡ぶちゅ♡ぶちゅ♡どちゅっ♡

 

「あ♡゛ぁ゛あぉっ゛あん…♡あぁ…!ん……んあ…♡!いぃっ!?いいぃぃああ♡あお゛っ…お゛!おん゛っ♡♡!!」

 

奥までは入れないで、小刻みに腰を動かすことで執拗に1点へ振動を集中させるような抽送。片足を抱えられ、腹部に手を添えられて打ち込まれる肉槍から逃げる事も出来ない……!

 

ただただ自分を失わないようにシーツ引きちぎりそうなぐらい握る。足ピンしたまま(わなな)く指先はもはや反射で動いていて自分の制御下から外れてしまった。

 

あーし、どうなっちゃってんの?

 

「お゛♡ぉ゛ん!!♡♡゛お…ぉ゛♡♡…!♡!!…んお゛♡♡!!?おぉぉ!!…お゛ん♡♡♡!?!!…♡おっおお!!♡ぉ!あ…ぁぁ!!…お♡♡おぉ…!!!」

 

自らの口から吹き出る獣の様な喘ぎ声。

 

あーしはヤバいケモノを起こしちゃったのかもしれない………♡

 

「ヤ゛バい♡♡゛い゛♡!ヤバい♡゛♡゛!い゛……♡い♡!く…い!♡イく♡!!イく…!!♡♡゛あ゛あ!あ♡…゛♡!あ…♡!んぁああああああ♡♡!!!!」

「こっちも射精()…るっ……!」

 

ゴム越しなのに子宮へ叩きつけられる強かな衝撃。異物感がぶくりと膣内で膨らみ、オスが容赦なく射精しているのが分かった。全て出し切る為に奥へ数度腰が押し付けられ、ようやく終わったらしい。

男の腰が引かれると膣内を亀頭が引っ掻いて塊がズルズルと引きずり出される。

 

ヌボッ♡

 

「んおぉ゛っ!!?♡♡♡」

 

腹部から異物感が消え、震える身体を何とか起こして見てみれば、肉槍には弾け飛ぶ寸前の水風船のように膨れたコンドームがぶら下がっていた。掴まれていたような心臓から酸素が巡り、やっと脳が回り始める。

男は肉槍からコンドームを外すと、口を縛ってあーしの鼻先へ突き付けた。

 

こ、こんなの……中に出されたら着床(確定)演出からの産婦人科(お嫁さん)モード突入でしょ……♡♡

 

ぐいっ

 

「えっ、なん……?」

 

コロンと転がされ、うつ伏せにさせられる。先ほど腰下に敷いたクッションによって尻だけが浮いた姿勢となった。オスからしたら上から打ち込むのに最適な恰好だ。

男は箱から新しいコンドームを取り出すと、硬度を保ったままの肉槍へ被せてゆく。まるで執行人が用意するが如く、機械的なのに情欲が溢れ出ているような矛盾した様相。あーしははぁはぁと呼吸を整えるしかできなくて、ただそれを眺めていた。

 

準備ができた男が腰を落としてくる……。

 

ぬぶっ…♡ずぷぷぷぷ♡

 

「んんっ!!♡♡あっ゛入って……♡♡ うぅううう♡♡♡♡」

 

硬っ……!傘を広げたカリ首がごりごりと肉襞を轢き潰しながらどんどん奥へ侵攻してくる。絡みついてしまう肉襞はつよつよ肉槍に容赦なく負けていく。

 

こんっ……なの…無理だってぇ……♡♡

 

今度はGスポとポルチオ(びんかんなところ)を一緒くたに肉槍が押し広げてくる。

 

ばちゅ♡ばちゅん♡ずちゅ♡ばちゅ♡ばちゅ♡ばちゅっ♡

 

「あ♡……あ!…♡♡ぁ♡っ!あ♡あぁ…ああぁ♡!あ…あ…あ…あ♡ああっ!ああ♡♡!ぁ♡あぁ♡ぁあ!」

 

突き入れられるたびに嬌声が飛び出て、引きずり出されるたびに嬌声が漏れ出て……。もはやセックスとは言えないようなぐちゃどろの交尾。松葉崩しで散々ほぐされた膣壁は嬉々として肉槍を迎え入れては乱暴にされてるのに喜んでアクメをキメていて全く救いようがない。

 

いままでのおままごと(セックス)なんて全部全部(ぜーんぶ)頭から消去(デリート)されて強烈なチンポが刻み付けられていく。どーしよ、もう、こんなの知っちゃったら、他の(チンポ)なんかじゃ満足できない身体にされる…されていく……♡

 

自分がイってるのかもイってないのかも分からない。そんなのどうでもなるぐらいに頭の中全部ぶっ飛んで気持ちいいから。

 

「イッ……!!♡イ゛ってる゛♡……!♡イッてるってぇ……♡♡!!」

 

涎止まんない……♡汗止まんない……♡愛液止まんない……♡声止まんない……♡イくの止まんない…♡♡♡!!

 

「あ………ぁ…!あ♡…ぁ♡あぁぁ♡ぁ♡!あ…ぁぁ…むり♡♡!むりぃ♡!むりぃぃぃ♡!むり♡っ!!」

 

おまんこがねじれるみたいにぎゅううぅぅ!ってなって、きもちいいのがばーってせなかをとおって、あたまのなかにあふれかえって、なんにもかんがえられない。

 

どくどくっておまんこのなかで、おちんちんがしゃせーしてる。おちんちんがびぐんってなるたびにごむがぶくってふくらんでしきゅうがぎゅむぎゅむってつぶされて。

 

それでまたきもちいいのがどばーって。あたまのなかがばちばちってなって。もっと……もっとして♡ もっとしたい♡♡♡ 

 

えへへへへ……♡♡

 

 

 

 

幾度目か、肉槍が黒ギャルの秘裂から引き抜かれ、パチッという音がして、口の結ばれたゴムがまた一つ並べられていく。使用済みのゴムが並べられていく光景は、この数だけヤリましたって感じがしてそこはかとなく淫らな行為だと思う。

 

弱点を突かれ続け遂に絶頂から降りられなくなった彼女は、失神してはポルチオを肉槍に殴りつけられ覚醒を繰り返して嬌声を上げていた結果、喉をガラガラに枯らしている。

 

こっちももう残弾なんて無いと思う。コンドームの箱も空だ。いい加減腰もキツい……こりゃ全身筋肉痛で明日は動けないだろう。

 

「ごめん、これで最後にするから」

「ぜー……おにぃさん…かふっ…ぜつりんすぎっしょ……」

 

汗で濡れ光る褐色肌。もうお互いのどちらの汁かも分からないほど泡立った秘裂。何度も何度も耕され、とろっとろ♡にされた膣内はもはや馴染みすぎて肉槍が挿入(はい)っていてくれないと寂しく感じるほどになってしまっていた。

 

このままじゃ共依存まっしぐら。

だから最後は正常位で優しく肉槍を埋められていく。

お互いの手のひらは指が絡むように握られて、舌同士は先端からその身を溶け合わせるように絡み合っていく。

 

にゅ…るるるるる♡

 

「あは…♡またあーしの中気持ちよくしてくれるの……?♡」

 

とちゅっ♡とちゅ♡ぐりゅっ♡とちゅ♡とんっ♡とちゅっ♡

 

緩い抽送。優しく優しく、丁寧に丁寧に。散々乱暴にした膣内を労わってマッサージするように亀頭が肉襞を指圧するように甘やかす。

 

「あっ……♡あぁ……♡しきゅう……♡」

 

ぐずぐずに蕩けた膣内は、同じくてろてろに溶けた子宮が降りきってしまっていた。そのせいで肉槍の先端は子宮口と甘ったるいキスを何度も交わしていた。まるで誰が主人なのかを認めるように、確かめるように、忘れられなくするように。

 

「……どうしよ…♡こんなセックス、忘れられないじゃん……♡」

 

今まで、激しく襲ってきていた絶頂の波は、優しく沖へ攫うかのような穏やかさで身を包んで来た。

 

「あ……イく…♡イく♡おにぃさん、イきそう…♡」

「いいよ、イって」

「分かった…♡……イクね♡あーし、イく……♡」

 

びくっ♡びくっ♡と鈍く身を震わせ、優しい絶頂を味わった彼女は体力の限界に達したのかそのまま緩やかに眠りへ落ちていった。

 

こちらも吹き出すような射精ではなく、昇ってきた精液をそのまま垂れ流すような弱々しい射精。

とくとく♡と自分の意識ごと吐き出しているかのような感覚。もう無理だ。今日は勃たない。

 

(かろ)うじてゴムの後始末だけして、シングルベッドへ身体を投げ出す。2人で使うにはちょっと狭くて、身を寄せ合うには充分な広さの夢現(ゆめうつつ)

すぐにやってきた眠気に抗うことはせず、気怠い疲労感にそのまま沈んでいく。

 

 

 

 

頭が痛い。さむっ。

全身に疲労感が重く纏わりついていて、指を動かす事すら億劫だった。

 

視線の動く範囲を確認してみると、まず、知らない天井だ。壁紙も布団もあーしン家のものじゃない。ラブホにしては部屋が狭く、至る所に転がった生活感はここが誰かの部屋と言う事を伝えてきた。

 

ここ、どこ

 

いや、声やばっ。徹カラだってここまで声出なくなるとか無いわ。

てか、服着てないじゃんあーし。

 

頭痛い、多分二日酔い。

腰痛い、なんで?

アソコ痛い、なんかずっと入ってるような感じする。

 

ギシギシと軋むような感触が全身から伝わってきて、ローテーブルに転がった酒缶とゴミ箱いっぱいのコンドーム……なにあれ、どんだけヤッたんだよウケる。

 

「んお……起きた?」

おはようございます?

「声ヤバ、ほら水」

あーしも思う。あざす

 

ふわりと漂ってくる香ばしい匂い。ちょっと今食べるのは喉に沁みそうだ。乾いていたスポンジに水が吸われるかのような勢いで、差し出された水をイッキした。

 

「とりあえず服着てもろて」

「シャツ借りんね」

 

とりま放り投げられていた白いワイシャツを羽織って……なんかおにぃさんの匂いするわ。

 

「ヤッたよね、ウチら」

「……ヤッたね」

「ふーん……?」

 

刻まれてるのは所々飛んでるセックスの朧気な記憶。酒も手伝って吹っ飛んでしまったがとにかく気持ちよくされた事は覚えてる。

まだ入ってるような感触がするのだから、どれだけ長い時間チンポ漬けにされたんだか。

 

「セフレって事で」

「は?」

「だから、こんどはちゃんとシようよ。あーしこんなイキまくったの初めてだし?」

 

バツの悪そうな顔をするおにぃさん。

なんというか真面目そうだけど、きっとあーし以外にもその暴れん棒で将軍してるんじゃね?今さら1人増えたって変わらないっしょ。

 

「やめろよ。一晩の気の迷いだって」

「えー?散々他人のマンコに突っ込んどいて?気持ちよさそーにドピュってたじゃん」

「……すいません」

「べつにー?責めてないけどね。あ、あーしにもうどんちょうだい」

 

部屋に漂うカレーうどんの匂い。きっとこの匂いがする度にあーしは思い出すかもしれない。この部屋と、ワイシャツと、ローテーブルとお酒。

今度もまたお酒のせいって事にして、名前も知らない彼とエッチする。それだと怒られそう。うーん…………。

 

「んじゃカレーうどんの妖精だったって事にしよ」

「なんだそれ」

 

 

 






黒ギャル
ビッチ。
フェラテクがエグい。自信満々な方向音痴。新宿駅とか分かんないしょ。
○い豚カレー食べてたら浮かんだ妄想。


絡まれた人。ワイシャツでカレーうどん食べる時は紙エプロンをつけような。



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きつね(和)と厄祓いうどん



オッス、オラ社畜!
やっぱきつねと言えばお狐様は外せねぇよな!という事で和風うどんを探したらあるやんけ!なお話です。





 

 

……どうも最近()()()いない。

 

カバンのポケットに穴が空いていて定期入れを落としたり、ジャケットの裾を金網のささくれに引っ掛けて破いてしまったり、社用車のタイヤが出先でパンクしたり、8割ほど作製したプレゼン資料を入れたUSBメモリがクラッシュしてデータが飛んだりと小さな事から割とガチで困ったものまで大小様々な厄い出来事が降り掛かっていた。

 

なんとかリカバリーできる範囲の事ばかりで対処できているが、厄年でもないのにこれは縁起が悪い。

スピリチュアルな事柄を信じなくなって久しいが、さすがに何らかの力が働いていることを疑いたくなってしまう。

 

家と会社を往復し、他少し外回るだけの日々。そんなに(うら)みをかう事をしただろうか。

どちらかと言えば俺の方が上司(ハゲ)に念を送っているように思う……つーか直入力は止めろとあれだけ言ったのにまたマクロ壊してるしマジでタンスの角に小指ぶつけろ。

 

 

それはまた別の話であるとして、なぜ回顧しているのかと問われれば……そう、またなんだ。

 

今日は社用車を使って、電車だと移動し辛い地方へ赴いていた。

社用車は何の変哲もない国産だが少し古い型で走行距離も10万キロを数えている。

 

10万キロだとそろそろ電装系とか大掛かりなリフレッシュをしてもいい頃合いじゃないかな~とか、そんなこと思ったのが良くなかったのか案の定途中で警告灯が点いてしまった。

 

騙し騙し走っていたがいよいよライトやメーターパネルが消灯し、遂にパワステも効かなくなり走行に危険が生じたためコンビニに駆け込み停めさせてもらった次第である。

タイヤのパンクならスペアに交換すれば良かったが、エンジンがイカれてはもうお手上げだ。

 

なにもこんな山間(やまあい)でイカれなくてもいいじゃないか……。

 

折り悪くレッカー業者到着は3時間後の予定だし、その上鉄道も近くに無いときた。詰みだ。

 

 

どうせ車を業者に預けるまでは移動もできまいと付近を散策してみたが、周りには古びた神社があるぐらいで暇を潰せるような場所もない。むしろコンビニがある事が唯一の救いと言えるか。

諦めの境地に達した俺は適当にものを買い、神社の前にある石造りのベンチらしき物に腰掛けた。

 

(あか)い鳥居と石畳。狛犬ではなく細身の狐が鎮座しているところを見るにここは稲荷神社のようだ。

 

農耕神である稲荷神を(まつ)り、五穀豊穣を始め商売や産業の成功を願う(やしろ)として日本各地に点在する稲荷神社。

 

総本宮の京都伏見をはじめ愛知の豊川、茨城の笠間、宮城の竹駒、佐賀の祐徳稲荷等が有名だが、実は祀っている神が別であったり、細かいものを含めれば膨大な数がある。

 

──ここもその内のひとつなんだろう。

 

豊穣の神に厄祓いを願うのもお門違いだろうが、今は藁をも掴む思いだ。二礼二拍手一礼、コンビニで購入したおにぎりをお供えした。残念ながらお稲荷さんは無かったので代打である。許して。

 

自分は紺色のパッケージをしたきつねうどんを啜る。どうやらあの赤いきつねうどんの親戚のようでこちらは出汁が讃岐風。琥珀色をしたスープは普段のものよりあっさりめっぽい。では、伸びない内にいただこう。

 

ぽてっ

 

……?

 

太ももに白い何かが添えられた。柔らかそうな毛に覆われてモフいそれ。触り心地は良さそうだが、まずこれは何だと疑問が浮かぶ。

 

視線を向けていくと白く降り積もった雪のような毛色の狐がいた。

 

銀狐というグレーに近い個体は見た事あるが、この狐は本当に真っ白でシミもなく、まるで()()()()()かのような凄い艶に整った毛並みをしていた。

膝へと載せられたのは前足だったようで、まるでお手でもするかのような姿勢で止まった狐と思考の止まった俺。

 

前足と狐の顔を往復して二度見する。

 

先に動きだしたのは狐の方で、さきほど御前にお供えしたおにぎりを俺の隣にぽとりと落とした。

 

…………包装剥けってこと?

 

そもそも野生の狐は寄生虫を有している場合があるため、無闇やたらに触ってはならない。今は向こうから触られてるけど。

その上餌付けをしてしまえば、狐が人間を頼ってしまうようになり野生で生きていけなくなる。もしこの狐が野生だった場合、おにぎりをあげるのは悪手だと言わざるを得ない。

 

思考の川に沈んでいると、器用に前足でなぞり文字を俺の太ももに書く彼女(?)

 

『ハヤクシロ』

 

なんだこいつ?中身に人間インストールされてる?

 

更に催促するように太ももをてしてしされた。そういや『白狐は神の使い』と話を聞いた事があるような……。

さっき厄祓いしてくれと打算たっぷりにお供え物したのはこちらなので断り辛くもある。

……仕方ない。おにぎりの包装を破き中身が地へ触れないように置いてみた。

 

マジで神の使いっぽいの出てくると思わんやん……!

 

白狐は匂いを嗅いで確かめるともしゃもしゃとおにぎりを食べ出す。かぶりついて食い散らかすのではなく丁寧に食べ進めていく様は気品があり、なんならずるずるとうどんを啜っている俺の方が音を立てているぐらいだ。ベンチに座りながらむしゃむしゃと食べる一人と一匹。なんだこれ。

 

おにぎりを食べ終えた白狐がジッとこちらを見てくる。いや、正確には箸の先で揺れるお揚げだろうか。左に動かしても右に動かしてもクールを装いながら視線だけはお揚げを追う。

 

……食べたい?

 

そう尋ねると白狐はプィッと顔を逸らすが、俺が揚げを口に運ぼうとするとジッ視線を向ける。食べたいんやないかい。

箸で揚げを割いて目の前に差し出す。ちらりと一瞥して白狐は揚げに齧り付き、腹の中に納めていってはちろりと舌で口周りを拭った。

 

『ツイテコイ』

 

再び白狐は太ももになぞり文字を書く。

地面に降りて歩く姿も堂々としており、やはり野生とは思えない立ち振る舞いに圧倒される。なんだかそうしなければならないような気がしてベンチから腰を上げた。ひとまずゴミを袋に突っ込み、見失わないように鳥居を(くぐ)り石畳を歩き進める。

 

白い尾に誘われ、斜面に(しつら)えられた石造りの階段を登れば鳥居と同じく古びた木造の本堂があった。

古びてはいるがこちらにある狐の石像も本堂も手入れされている様だし、小さくはないことからそこそこ管理の手があるんじゃなかろうか。しかし白い尾はそれらに目を向けず真っ直ぐに本堂へ向かっていく。

 

……ついて行って良いのか?さすがにこれ以上は入っちゃダメなんじゃないか?

 

子供だったら好奇心に駆られついて行ってしまいそうだが、生憎俺は理性で塗り固められた社会人。その位の分別はつけているつもりだ。さすがに境内まで足を踏み入れるのは(はばか)られる。俺が足を止めたことに気付いたかこちらを振り向くも、白狐はそのまま板張りを上がってしまった。

 

 

……どうする?行くか?

 

 

どうしようかと俺がまごついている内にふと風が吹き始めた。

 

───だんだんと木々を揺らす風は集って旋風(つむじかぜ)となり、ひときわ強い風が吹き思わず顔を手で覆う。

 

「そちらさんから呼んどいていつまで待たせよるね?()く上がって来んか」

 

風がひどく耳を撫でている筈なのに中性的な声が脳内に響く。声と共に、扇の一振りのように一際強い風が散り、木々の騒めきと葉が擦れる喧騒が戻ってきて体が無事な事を悟る。

 

目を開けるとそこに居たのは女性、だと思う。

奇跡みたいなバランスで整った鼻筋と薄い唇。細く閉じられたような糸目からは感情を読む事は難しく、それが神秘的な様にも禁忌的な様にも感じられる。

藍に染められた掛襟と袴、金糸の編まれた千早という出て立ちは神社と考えれば不思議はないが、今の風の中で音もなく出てくるのは無理だ。

 

──輝きを含んで白銀の如く(なび)く髪と、頭頂部の対になった()()

 

「何を(ほう)けとーね?」

 

……いや、人が居らっしゃるとは思わなかったもんで。

 

ここは正直に答えておこう。こんな山の中で会話が出来る存在が突然出てきただけでもなかなか緊張感がある。

 

「ほーん?そちらさんは(オレ)が人に見えよると?」

 

少なくとも姿形はそうだ。中性的な顔立ちは男とも女とも見える。断定できないのは()()()()()()()()()()。そのうえ頭の上には狐耳……コスプレじゃないよね?動いてるし……。え?もしかしてさっきの狐?

 

俺が頭の中で答えを捏ね回していると、細く閉じられた目から()めつけるような視線を向けられた。

 

「なんね。久しく枯れた爺以外に供え物を置かれんで期待しぃければ悪戯か?(オレ)(ひや)かしゅうか?」

 

……滅相もないです。余所者ですし初めての事で作法を弁えておらず、社に足をつけるのは無礼かと思ったのです。

 

ぶわりと吹き出た汗のような、ひやりとした物が背中を伝い落ちていく。もしアチラが何かの上位存在だったとしてその逆鱗に触れたいと思うだろうか。

 

(かま)んかまん。もう参拝者も長く()らんでな。暇よ、暇。じゃけぇこうして出てきよるわけよ。そろそろ(のう)も貰わんといかんしな」

 

踵を返した神様はぺたぺたと草履を鳴らして本堂に戻っていく。腰から揺れる白尾は九本に分かれたものだった。

 

「取って食ぃやせん。上がって来ぃ。(オレ)(みのり)の神じゃけぇ専門じゃのうが、握りと揚げの礼くらいしちゃる」

 

 

 

 

そもそも俺には神仏だとかそういったものの知識は無い。よってこの神様のことも分からないのだ。

 

中学生の時に患ったある病気で新世界の神になるだとか、神と契約して平和を取り戻す為に戦うだとか、死にかけた死神の代行をするだとかそんなものの()()を見聞きして多少齧ったぐらいである。

 

これは誰しもが通るはずだし、病気のせいでついうっかり()()()()()をしたためてしまったノートは厳重に保管したのち焼却処理でこの世から無くなったわけだが

 

「妙な事考えとらんで早よ話しんしゃい」

 

……はい、すいません。

 

御堂の中で向かい合い、互いに腰下ろして話を聞いてもらう。床は畳張り。座布団と座布団。内部は意外にも生活感がある空間だった。

一瞬だけ掛かった強い圧に戦々恐々しつつ、俺は最近身の回りで起こる不運について話していく。

 

今はまだ俺にだけ不運が降りかかっているまでだが、このまま放置すれば周りの人達にまで及ぶのではないか?また解決や解消する為に何かできる事は無いか?

などそんな不安も交え吐露すると、真面目な表情で聞いていた神様はフッと表情を緩める。

 

「まあ、なんよーと思えばええ子やんな?自分やのうて他人の心配もしとーとね」

 

なでなで。

 

母親が子供を撫でるような優しい手つき。それが頬を撫で、肩を撫で、内腿を撫でだした。身体を見透かされているような感覚が伝ってくる。じんわりと熱を伝えてくる手が腹を撫でては脇を撫で、胸板を撫で、そして何故か股間を撫でだした。

 

すりすり。

 

何かまずかったのか、神様は眉を(ひそ)めて言葉を放つ。

 

「そちらさんの事きょーれつに好ぃよう女子(おなご)がおるやろ?」

 

……?

好ぃよう?おなご??え??俺の周りにそんな女いる?むちゃくちゃ詰められるバリキャリ女ぐらいなんだけど。

 

「……そん顔は分こうてへんね?気ぃつけんよ。女子の気持ち(にじ)るモンはろくな目にあわんね。……まぁーそれは置いときぃ、その女子が(そで)んした男共の怨みがそちらさんに(つど)うとるんよ」

 

つまりなんだ。俺の事を好きな女が居て、その女にアタックして玉砕した奴の恨み辛みが全て俺に来ていると。なんで?

心当たりもなければ身に覚えもない。とばっちりもいい所だ。

 

「そん(ひと)、しゃちょー?やら、おんぞーし?やらによーさん言い寄られとぅ。さぞ(うるわ)しぃんやろね」

 

さすさす。

 

「あとは、狐と狸が何やら悪戯しよるけど、これは自分で何とかしい」

 

さすさす

 

さすさす♡

 

……あの、神様?

 

(オレ)の事は(なごみ)と呼べ」

 

……和様?なぜ私の股間を執拗に撫でていらっしゃるのでしょうか?

 

「まあ聞きぃ。取り憑いた厄は身体から出さないけんね。そん為には汁へ混じらせて吐き出すのが手っ取り早いんよ。唾はよーさん時が要る、血で出すには身体に傷を入れないかん。ほんなら男子が身体から吐き出すには何がええと思う?」

 

……吐精?

 

(まさ)に。男子ならここに厄を集め吐くんが時間も要らんし傷も要らん。それに極楽やんな?」

 

俺のタマを擦っていた指が包むような形に変わりやわやわ♡と揉み込むような動きに変わる。絶妙な力加減で種の増産を促す指先に、腰が引き攣りそうになるのを堪えた。

この狐様は俺の身体の厄をここに集めている最中ということか……?

 

「もう1つ、(オレ)は土地神としての(えにし)もあるが、信仰されんと縁は消えとうよ。ここには枯れた爺がただ1人、掃除に来とぅのみ……。昔はもっと拝む人数も多か。必要ない事だったとね」

 

……消えかけてるって事ですか?

 

「言いとーないけど、そうね。じゃけぇ爺が生きとる内に人の子に土地へ縫い付けてもらわないけん。そん為には男子の活力詰まった(のう)(はら)へ注ぐ必要があると。さすれば暫くは消えなかね」

 

──抱擁

 

これから()()()()()をしようとはまるで考えていないかのような柔らかい抱擁。

その手が背中に回りそっと力が込められる。(なごみ)の顔が、身体が目の前にある。温かい体温が移ってくる。桃のようなほのかな香りがする。

 

「そちらさんは身体の厄を吐精と共に出せよぅと。(オレ)は濃を胎に注がれてこの地に留まれよーとね。その上お互い快楽()くなれて一挙両得じゃけぇ」

 

耳元で囁かれた魅力的な言葉は睦言のような甘い毒。彼女の優しく柔らかな指先の感触が俺の中心へ()を凝縮していく。背中に回されていた腕が解かれたのち脇腹、内腿、鼠径部と、細くしなやかな指が滑ってきて再び中心へ至る。

なぞられた部位の感覚が際立っていき、熱が浮くような懇願が指先から伝って来るようだ。

 

「まぁ……無理強いはせんよ……。()ぃやんが()るなら悪い事やっとうね。このまま手だけで終わらせよって」

 

しゅんと耳を伏せながら(なごみ)は抱擁を解く。しかしその指先はズボン越しに肉槍を捉え続け、根元から先端へ掬い上げるように動ている。

 

その動きに促されて、熱の集まった下丹田(はら)から肉槍へと火が灯る 。むくむく♡と付け根の血管が広がり出し、ファスナーを(きし)ませながら脈打ち変貌するように。

 

正直なところ、俺はこの場所に全く縁のない余所者だ。生まれも違うなら育ちも違う。なんなら親族すらも居ないだろう。土地神からすれば、ただ通りがかっただけの存在。

だが、そんな存在を頼らなければならない程に、目前の神は弱っているとしたら?

 

……分かりました。抱きますよ、和様。

 

「…そうか……。あ……や、よろしく頼む……♡」

 

緩んだ彼女の眉間。衣擦れの音。

(なごみ)の指が千早の結び目を解いて、袖から身を抜く。ぱさりと床に広がったそれが垣根を越えた合図となって。

 

 

 

「……ぷぁ♡こない時間使(つこ)ぅての口吸いは初めてや……♡」

 

唇と唇を(つた)う、舌を交わらせた証。裂けた柘榴(ざくろ)のような紅い舌が扇情的にその身を(よじ)って、誘うかのように花開く。

 

袴帯が解かれ、襟を(はだ)けて晒された肌は雪のように白かった。まだ誰も足跡をつけていない雪景色のような静謐。このまま触れていいのかと躊躇うほどに。

 

「…んっ……♡」

 

その雪景色に指を下ろす。指がなぞれば雪が体温で溶けたかのように沈む肌。肌が触れられた所から白桃の様に色付き、仄かな朱を纏わせる。(しら)らかな首元を、陰影の色濃い鎖骨を、薄い肩を通う恥じらい。

 

襦袢を割り開いて覗いたのはその身を締める(サラシ)。胸元の結びを(ほど)けば、するりと彼女の膨らみが布を押し返して露わになった。

柔らかく、しかし緩やかに弧を描く丘に、雪の中にあってなお咲く椿のような(つぼみ)

 

「かなん……乳は貧しか…あんま見んといて……」

 

確かに大きさはあるわけじゃないが、晒で締め上げる事が無粋に思えるほど彼女の膨らみは上向いて整った形をしていた。

見るなと言われても見たくなるのが男の(サガ)というものだ。

 

晒された腹部、へその辺から触れる。男の肌と違って吸い付いてくるようなきめ細かさ。

斜腹筋に沿うように手を這わせ、(サラシ)の架かる脇まで上らせる。くすぐったいのかピクピクと彼女の耳が揺れる。手持ち無沙汰な俺はさも、()()()()()()()()彼女の耳へ舌を差し込んだ。

 

「んやっ!?♡♡♡」

 

びくりと跳ねる肢体。

どうやら耳が非常に弱いようで効果抜群だ。抱きすくめるようにして、背筋に指を這わせながら、ゆっくりと耳の中の(ひだ)を溶かしていく。

負けじと(なごみ)の指は俺のモノを撫で摩るが緩慢に行き交う手には全く力が入っていない。

 

「えぇて……!(オレ)()くせんでええとね……!んっ……♡()がの(のう)を吐く事だけ考えぇゃたわけぇ……♡」

 

びくびく♡と身体を震わせて抗議する(なごみ)

それと共に顕著な反応を示したのが、解けた(サラシ)の隙間から覗く乳首だった。花開く寸前の蕾のごとく、その身を真っ赤に膨らませ、今か今かと待ち望む様は見ていて微笑ましく──劣情を誘う。

 

「あ…♡んっ…ん゛ん…!ん…♡」

 

体勢を入れ替えて俺が(なごみ)を後ろから抱きすくめる形になった。これまた白く細いうなじと、彼女から香る白桃のような甘い匂いに今すぐ襲い掛かってしまいそうなほどだ。必死に湧き上がってくる獣欲を抑え、俺は彼女の準備ができるまで待つ。

 

腫れ上がってぷっくり♡と自己主張する乳輪の環に沿って指先で弄ぶ。

乳輪と肌の境界部のつるつるとした感触とさらさらとした感触が交互に伝わってきて、いつまで触っていても飽きそうにない。ますます痛そうなぐらいまで(とが)る乳首。このまま直に可愛がるのもいいが……目に入ったのはてらてらとした光沢を(たずさ)えた(サラシ)

 

布を広げて彼女の胸に被せると布越しに浮き上がった乳首がコントラストを広げてより無防備になる。

 

「…はー♡……はー♡……!」

 

わざと彼女に見せつけるようにして指先で円を描く。

 

「──♡ッ!!」

 

その浮き上がった果肉をほんの少し撫でてみれば、途端に九尾の束が戦慄(わなな)いた。やはり先っぽは弱いらしい。

 

布地越しに爪の先で軽く引っ掛ける程度にかりかり♡と撫でてみる。びんびん♡に尖った乳首はそれだけでぷりんぷりんと身を捩り、その度に白い尾は短く悶えた。

 

人によっては直に触るよりも、衣服や布越しに弄られた方が感じると聞く。(サラシ)が触り心地の良い光沢を含んだ布だった事も手伝っているかもしれない。

 

カリカリ♡……くりくり♡くにっ♡

 

「あっ…♡んぁ゛!あぁ…!♡……!♡」

 

爪先が乳頭を弾く度に刹那的な嬌声と痙攣が響く。神聖なはずの建物内は音、声、匂いの全てが淫靡で満たされていた。

 

「いつの世も…んっ♡!男子はぁ…あっ♡乳を好ぃとうなぁ……♡♡」

 

……ここに唾液を垂らしてくれませんか?

 

「唾ぁ……?んれぇ……」

 

指に垂らされた唾液。それを布越しに存在を主張する乳首へ塗りつけていく。

濡れたことで布が貼り付き下の薄桃色が透けて見えて興奮がさらに高鳴るような錯覚……もとい、本当にそうなんだろう。そんなことも分からなくなるぐらいに夢中になっていた。

 

ぬりゅぬりゅ♡♡くにっ♡ぴんっ♡ぴんっ♡くりっ♡こりっ♡

 

水気を含んだ(サラシ)越しに勃起乳首を捏ね回す。

 

乳輪からなぞるように。

根元から(つま)むように。

そのものを(しご)くように。

指先で円を書いて(おど)らせるように。

親指と中指で広げて逃げ場を無くし人差し指で追い詰めるように。

 

「ああ♡……乳が…♡♡熱゛ッ♡…あ゛♡…いつまでぇ♡……んぁ゛あ♡するとね…♡あッ…ぁ!♡」

 

ひたっと胸に貼りつく布にはどんどん唾液の染みが広がって役割を放棄し始めている。彼女から立ち昇る白桃の様な匂いは、尚の事甘さを増して雄を誘う媚香。

 

指を噛み必死に声を抑えようとするも、漏れ出る嬌声が鼓膜を揺らしては染み込んでいく。

 

「も、もぅ…辛抱できんとね……♡」

 

四つん這いになり、袴をずり下ろして白い尾の裏側が顕になる。赤く色付いた裂け目は蜜にまみれ、濡れ光っていて妖しく蠢く。

彼女の服が脱ぎかけな事もあり、まるで俺が襲いかかったかのようだ。

 

スラックスのファスナーを開きボタンを外した。

ギシギシと軋むような硬度まで腫れた肉槍を突きつけ、キメ細やかな肌の尻を撫でる。とろとろの蜜が溢れる膣口の紅さたるや、食べ頃の果肉を思わせて止まない。

 

「ほぉら、たんと、(のう)を吐け……♡」

 

 

ずぷ……っ♡

 

 

肉槍の先端が果肉に口を付け、その瑞々しい実を貪り散らしていく。抵抗するように蜜が溢れ出し肉は必死に侵入者を押し返すものの、鋭利な刃は情け容赦なく割開いていった。

肉槍が溶けていってるのかと思うほどに熱く狭い柔襞(やわひだ)の抵抗に、こちらの腰も不意に揺れてしまう。

 

「…あ♡…はぁ♡……♡」

 

震えと、か細い喘ぎ声。静かな室内にはそれでも十分な程に響く。

 

包んでは、締め付けて、ざわざわと開いた膣穴に合わせて分身を更に深みまで沈めてゆく。しっとりと汗ばんだ尻肉は吸い付きを増して来るかのようで撫でる手つきが捗って仕方ない。

 

入口も狭かったが、奥に行く程に強く抱き締めてくる膣穴は、男を絞ろうと躍起になる頑張り屋。

気を抜けばどぐどぐとこみ上がってくる射精感を必死に押さえつける。今すぐ吐き出してしまいたい葛藤を抱えながらやっと根元まで彼女の膣内へ埋めた。

 

「は、は……♡震えとーね♡…我慢せんでえぇのに♡」

 

それほどまでに気持ちいい。びくびくと限界を訴える肉槍へ、下腹部から檄を飛ばして耐えきった。

ようやく(まぎ)れた射精感を抱えたまま、ゆっくりと抽送する。

 

「あっ…♡うぁ……♡」

 

粒立った肉襞(にくひだ)が亀頭を揉み込んで、エグいぐらいに絡みついてくる。引き抜いただけで抑え込んだはずの絶頂が波を立てて背筋を上がってきた。

 

動いたら、射精()る……。

 

背に銃を突きつけられたかのような冷たさが、脳裏を()ぎり腰を引いたまま動けない。

 

───ばちゅんっ♡!!

 

……あ?

 

肉槍が根元まで飲み込まれていた。腰に尻が叩き付けられていた。気づいた時にはもう、そうなっていてどうしょうもなかった。

睾丸が溢れかえった精を押し出し一気に輸精管を上ってくる奔流。そうなってしまったら、押し留める事などできやしない。

 

彼女の膣内へ精の塊をぶちまけていた。どくどくと、どばどばと。体の中身ごと抜き取られているんじゃないかと思う程の激しい射精。

 

「あはぁ♡ええなぁ♡もっと濃を……」

 

かくりと、膝から力が抜ける。そのまま後ろへ倒れ四肢を大の字に投げ出した。ぜえぜえと鳴る喉が渇いて声が出せない。しかし、主人の事なんて気にもせず狂ったように勃起する肉槍。

 

それに白く細い指が添えられた。

 

「んっ♡ごめんなぁ……♡(はら)に火ィついて熱ぅて……♡我慢できん……♡」

 

ぐちゅり♡と合わされた鈴口と膣口が求め合うように口付けを交わす。

普通の口付けと違うのは、この後オスがメスに食われると、女が男を()()()()()()()()()と宣告されたからだ。先程のように抵抗のある挿入では無く、すんなりと飲み込むどころか、貪欲にしゃぶりつくかのような膣肉の蠢き。

 

背面騎乗位、というやつだ。

 

肉槍がゆっくりと飲まれて襦袢で遮られた蜃気楼の向こうに消えていく。こっちは射精したばかりで敏感になっているってのに、情け容赦なく肉襞は揉みくちゃに締め付けてくる。

溢れ出る子宮汁()でとろとろに煮込まれた膣内はまるで肉槍が先端から溶けていってるんじゃないかと思うほどに熱い。

 

「ごめんなぁ…♡熱いんよ…♡どうにかしやんと……♡」

 

円を書くようにぐりんぐりんと回された腰に咥え込まれ柔らかな膣襞に根元から、幹、カリ首、亀頭まで、余す所なく舐めしゃぶられ、射精したばかりの肉槍は無理やり鉄芯をぶち込まれたように勃起が促された。

 

ぐりゅん♡ぐりゅっ♡とちゅっ♡ぐりゅっ♡ぐりっ♡ぐりゅんっ♡

 

腰の動きによって(はだ)けた襦袢が不浄の欲望を覆い隠すように垂れ下がった。代わりに白く薄い彼女の双肩が(あらわ)になり、肉欲がその身を苛む様に服が乱れては散らされていく。

 

「はぁ…♡はぁ…♡(はら)が熱い……♡」

 

神でさえ、人の子でさえ、それは変わらない意味(もの)を持っていて、神が人の形を為し、人を受け入れるというならば()()を結ぶ睦言となる。

熱く熱く温められた膣内の快感(熱さ)はみるみるうちに子宮で渦巻いて、久しく忘れていた()()を思い出させた。

 

それは、より彼女の腰を加速させる。

 

渦巻き疼き続ける欲のやり場を必死に探すように。

 

──そんなもの、滾々と湧き上がる泉に蓋をしようとするもので。

 

ぐりゅ♡!ぐりゅっ!♡ずちゅっ!♡ぐりっ!♡ぐりっ!♡ぐりゅっ♡!ずちゅ♡!

 

「あぁ……♡はっ…♡(オレ)も……!あはぁっ…!♡」

 

彼女自身が濡れやすいのか、はたまた極度の興奮状態だからか。先程俺が放った精液も手伝って、膣襞はにゅるにゅると更なる欲を身に纏い肉槍に思いっきり絡みついてくる。

 

……持ってかれる…!

 

ぐっ、ぐっと和の腰の動きが押し込むような、より深くまで肉槍を飲み込む動きに変化し始めた。びくっ♡びくっ♡と尻尾が揺れては薄桃色の粘膜が見え隠れする。

 

「えーよ……!♡……たんと吐け♡♡!……(オレ)達す(イく)……♡♡」

 

……こっちも、射精()る………!

 

びくり♡びくり♡──ビグンッ♡♡♡

 

1度、2度、彼女の身体が大きく痙攣する。逃がすまいと吸い上げる様に膣内が強く締まり、(ざわ)めいた柔襞が肉槍を捕らえて離さない。

がっちりと咥え込まれた膣内に行き場なんてなくて、勢いよく肉槍の中を駆けて吹き出した精液は、奥で待ち構える子種袋が余すことなく貪っていく。

 

射精()せ♡♡♡!射精()せ♡♡♡!(オレ)を満たしぃ♡♡♡!!」

 

一回目の浅瀬で暴発してしまった射精と違って、肉と肉を隙間なく押し付け、なお深く飲み込もうとする彼女の性欲が達した後も腰を突き動かす。

 

「はー……っ♡ はー……っ♡」

 

ようやく射精の脈動が止んで、イッてからも腰を動かし続けた彼女の方にも限界が来た。時折びくりと跳ねる尻尾と腰周りが確かな余韻を伝えてきて狭い室内には荒い呼吸が木霊する。

 

「よーさん出たなぁ……♡」

 

体力を使い果たした和が後ろ向きに倒れ、俺の身体にふわりとした感触が降り掛かってきた。柔らかく甘い香りの温もりはぜーぜーと浅い呼吸を繰り返し注がれた余韻を味わうように下腹を撫でる。

 

その仕草に、すぐさま肉槍は力を滾らせ始めた。

 

今は、言うなれば『撞木ぞり』の姿勢だ。むくむくと膨れ始めた亀頭がぐりゅっ♡と弱いところを抉ってしまう。

 

「んぅ……♡!?」

 

全く治まらない肉槍が彼女の膣内を悪戯して、低めの声に艶の入り混じった嬌声が漏れ出る。

彼女が座り姿勢から膝立ちの姿勢に身を起こす。少しの抵抗の後に引き抜けた肉槍と膣口の間に糸が引き、ぷつりと切れては宙に解けた。

 

「よっぽど溜めとうなぁ……♡ んっ…♡」

 

人差し指と中指を埋め、くぱぁ♡とまとめて広げられた秘裂と膣口が息衝くかの如くヒクつく。

開かれた口の粘膜がうねる様をしばし見ていた。……いや、視線が動かせなかったと言った方がいいか。

 

「……っ♡」

 

膣口から白濁した汁が一筋、彼女は手皿でそれを受け止める。ヒクッヒクッと秘裂が窄まっては口を開いて数度。

 

ぼぷっ♡!!

 

下品な水音と共に塊のような精液が吹き出した。よもや神様たりえる者の秘部からそんな生臭い音がして良いのだろうか?

 

「濃ぃいなぁ……♡まるで粥みとーね?」

 

手皿にぶちまけられたところどころダマの混ざる白濁液が、後から後から溢れ出て射精の激しさと量を物語る。

我ながら意味がわからないぐらいの射精量だと思う。

 

彼女は手皿で受け止めた湯気をあげそうな精の塊を和紙の上に広げ、指でぐちゅぐちゅと弄りながら紋様を書いていく。いったいどういったものかはさっぱり分からないが必要な事らしい。

 

「はふ……♡」

 

それを膳に載せた(さかずき)(そそ)ぐ。

ボタボタッと重たい音がして、白く濁った液体は盃に渦を巻くように降り積もった。

 

和は盃に口をつけ、呷る。

 

───ごきゅ♡…!ごきゅ♡…!

 

こちらにも聞こえるぐらいに喉を鳴らして、飲み下していく。

 

まるで御神酒を口にしたかのような、神事を行うような神々しいまでの一枚絵。

 

しかし、俺だけが見ている。俺だけが知っている。あの盃に注がれたのは清酒でもなんでもない、他ならぬ俺が射精したものであると。

 

「ぷぁ……♡」

 

……飲み干した。

 

桃色に色付いた頬。とろん、と垂れた耳。それだけ見れば酒に酔った狐とも思えるが、違う。

 

──げぷっ♡

 

注いだものの無くなった盃をこれ見よがしに見せつける和。

あまつさえ中出しされた精液を掻き出して盃へ注ぎ、飲み干し、その上ザーメンゲップをかましたのだ。この狐神は。

 

「とんでもない厄の味がしとぅな……♡まだまだ溜まっとーとね♡」

 

意味が分からなかった。

 

「まだまだ注げ(出せる)よな?人間の♡」

 

そう言って開いた彼女の(まなこ)。細く鋭い瞼から覗いた黄金色の瞳は情欲に揺れていた。

 

視線が外せない。

それ以上に、鮮烈に焼き付いた彼女の痴態。

 

視線が離れない。

衣擦れの音と共に近付きたる九つの尾。

 

視線を逸らせない。

治まる気配のない肉の槍。頭の中で直接響くような心臓の鼓動。

爛々と輝く瞳。花に誘われる虫のように近づいて、彼女の肩に手を掛けて、座布団の上へ押し倒して。

 

それでも、焦ることなく口元を弧に歪め余裕な表情を崩しもしない彼女の、白桃のような香りが鼻腔を満たす。

 

たったそれだけで、肉槍はおかしいぐらいに猛り狂った。もう射精したっていうのに体の奥底から衝動がこみ上げてくる。

 

「えーよ♡我慢は毒じゃけ♡……」

 

脱げ掛けた襦袢と袴。転がした彼女の太腿は寄せられ秘裂は綺麗な一本筋に閉じられた。その上から肉槍を突き付け先端を滑らせる。自分で出した精液と彼女の蜜とでしとどに濡れた秘裂は、潤滑を帯びてにゅるにゅる♡と滑る。

 

肉槍が割る濃い桃色の粘膜。時たま感じる陰唇の下の皮に包まれたしこり。裏筋を押し付けるとびくっ♡と跳ねる彼女の四肢。

 

「意地悪せんと…早よ挿入()れーな……♡」

 

肉槍の先端に吸い付くような感触がして、そこがそうだと自ら教えてくる優しい優しい迎え腰。

赤黒い禍々しさの塊が秘裂を割り、果肉を割り、間隙から溢れ出た白く濁る果汁のコントラストがよりお互いの色を対比させる。ここには神と人間じゃなく、男と女が居るのみと。

 

ずぷぷぷ♡

 

先端が入り始めた傍から彼女の秘肉は誘うように抱き着いてきて、熱く、厚い膣襞が肉槍を包み込みざわざわと身を寄せる。かと思えば抵抗もなく亀頭が飲まれ、カリ首が飲まれ、血管の蔦った幹が飲まれていく。

 

「あはぁ……♡(かった)いなぁ……♡♡♡」

 

奥へ奥へと誘われるがまま、溜まった欲を埋めていくと遂に最奥の母性が肉槍を受け止めた。先端にむちゅりと吸い付いた子宮口。それがスイッチだったかのように口から奥までが余すことなく締まる。母性に抱きしめられる。

 

「……よう来たとね♡ 胎が煮えるようけ♡♡♡」

 

彼女の白く細い指が、自らの下腹を撫でる。子を産み育てるための神聖であり混沌の情欲の源。そこにある手付かずの(その)

 

「ここに、吐け♡……全て、吐け♡」

 

腰を引く。

埋まっていた肉の槍が抜き出される。抱きしめていた膣壁はまるで縋りつくように締め付けてきて、ぷりっぷりのヒダが敏感な裏筋やカリ首をぞるぞる♡と擦り上げた。

腰の裏に気持ちよさがバチバチと走って止まらない。

 

知らず知らず歯を食いしばり、口元から唾液が伝っていた。そんなのも気づかない程の快感が腰から上がってきて大事なところが溶けていく。

 

ずちゅ♡ぐりゅっ♡どちゅっ♡どちゅっ♡ずちゅっ♡ばちゅ♡どちゅっ♡どちゅっ♡ずちゅ♡

 

もうなりふり構わず、彼女の腰を抱え上げ秘裂へ何度も何度もこすりつける様に突き刺す。

 

「そうね……♡それでいぃ……♡♡厄を吐くのに我慢なんかせんでえぇ…♡……ッ♡」

 

目の裏が爆ぜるような感覚が幾度もして、下半身が溶けてなくなったように感じられて、自分がもう腰を振ってるのかも分からない。ただ本能に任せただけの行い。

 

果肉に刃を突き立て続け、ぐちょぐちょと跡形もなくなったような膣内からは蜜が噴き出して、肉と肉の間には撹拌されすぎて泡立ったものが白波のように舞い散る。

 

黒に白に明滅する塗り潰された視界。

 

……う、ぁ

 

気づいたら睾丸が精を押し出し始めていた。精管が塊を放出しようと脈動して腰の裏を伝ってくる。

 

ゆっくりと迫ってくる限界になんとか抵抗しようと、肛門に力を込めて必死に押しとどめた。それによって肉槍は射精我慢勃起に切り替わり、血管をより鮮明に浮き上がらせまるで鬱血したかのような赤黒さになる。

 

だがひとまわり大きく切り立ったカリ首には彼女の柔らかな膣壁が余計に絡みつき、かろうじて保っていた限界をどろどろに(ふや)かしていく。

 

「……吐精()しとーとね? 我慢せんでええよ♡ほら、吐精()せ♡吐精()せ♡受け止めちゃるけぇ♡ 全部、吐精()せ♡」

 

込み上がってきた塊に精嚢(せいのう)がドロついた液体を混ぜ、必死に薄めた精液にしようと試みる。だがあまりに量の多い精子に対応する事ができず、所々がダマになった粥状に薄めるのがせいぜいだった。

あとからあとから押し寄せる奔流には焼け石に水。そのまま玉突きされるようにごりごりと精管を広げながらついに流れは会陰(えいん)の堰を割った。

 

玉袋と肛門の間にある会陰がボコリと膨らんでは収縮を繰り返す。肉槍は内から殴り付けられるような衝撃を放つ脈動で絶頂を伝える。

 

震えの止まらない全身。浅ましく腰を振り続け整わない呼吸。

 

吐精()せ───」

 

黄金色の瞳と目が合う。

 

まだ余裕がありそうな声音からは分からないほど、眉根は垂れ下がり潤んで雫を溜めた(まなじり)

弛んだ口は三日月に歪んで涎が伝っていた。乱れ、(はだ)け、辺りに散らばった衣服、意味の無い我慢の羅列。

 

……この狐神(ひと)も限界なんだ。

 

最後の一突きで肉槍を最奥まで埋める。

 

おッ……♡!!♡♡♡!!!

 

一際強く膣内が締め付けてきて、ビクビク♡と痙攣する四肢。逃がさぬよう彼女の細い腰骨を思い切り握って、指が肌へ食い込んだのも労われないままに床へ押し付ける。

身体の内から全てが噴いて出るような射精。

 

後から後から止め処なく上がってくるモノを押さえられず脈動のままに、なすがままに彼女の膣内へ全て吐き出していく。強引に押し入った亀頭が無理やりに子宮口を開かせ、精の塊が子宮の底をぶっ叩く。狂うほどの射精衝動に意識が白んでは視界が黒く塗りつぶされる。

 

「おぉ゛おお……♡♡吐精()て…胎゛を殴って♡まだ出゛とーと……♡♡♡」

 

あまりの量を直接ぶち込まれた狐神の下腹部がぽっこりと膨れ激しい射精衝動を物語る。そのまま臓物ごと出したんじゃないかと勘違いする激しい射精。

 

力が入らない。姿勢も保てない。

前のめりに倒れてしまったら彼女へ圧し掛かってしまうとか、体格差とか、そんなことを考える余裕もなく倒れ込んだ。

 

頭髪を優しく混ぜる二本の手。柔らかな感触に包まれ、鼻腔を擽ってくる白桃のような甘い香り。

 

「……よぉ出した♡偉いなぁ人間の♡(オレ)も年甲斐なく達し(イッ)てもーたとね……♡」

 

耳元で囁かれる空気ごと撫でるような蕩けた声。頭の中に入り込んでは眠気を誘う声に意識がだんだんと薄れていく。ここで眠ってしまってはまずい。しかし落ちてくる瞼に抵抗するような力も残っておらず、俺は意識を手放した。

 

「さぁ、夢は覚めよるとね。交わらん世の理、不思議じゃけぇね。全ては夢、起きたら全て忘れとーとね」

 

頭を撫でる慈愛の満ちた手はなお優しく。優しく、頭の中をかき混ぜる様に撫でては泡沫の様に。

 

 

 

 

コンコンと窓ガラスを叩く音に目が覚めた。どうやら車の中で眠ってしまったらしく、外にはトラックが止めてありレッカー業者らしき人が立っていた。

急いで車を降り、軽い状況説明を行うと業者は渋い顔をした。聞く限り今ここでどうこうできるようなものではなさそうだ。

 

「すみません、眠ってしまって」

「いえいえ、それにしても災難でしたね。こんな山の中で身動き取れないなんて」

「いやぁ本当ですよ」

 

キーを回してもうんともすんとも言わない車に、業者も応急処置は不可能と判断し予想通り車は運ばれる手筈となった。

 

「にしても3時間も退屈だったでしょう?」

「いえ、この先にある神社にお邪魔して……」

「神社……?この辺に神社なんてあったかな……?」

 

俺の話を聞いて少し怪訝な顔をしたレッカー業者。

確かに俺は神社の鳥居を目にした記憶がある。しかしその先の記憶が抜け落ちたように思い出せない。車で寝ていたという事はここまで戻ってきたのだろうが、その過程までもが頭から無くなってしまっている。

 

……どういう事だ。

 

「とりあえず車は自走できないので、こちらで預かりますね。修理工場が決まりましたら運びますのでまたご連絡をいただければと思うのですが」

「あ、すみません。よろしくお願いします」

 

少し遅れてきたタクシーに乗り込みこの地を後にする。不思議な事もあったもんだと自己完結して会社に今日はもう戻らない旨を連絡した。車窓には山だけが映り、俺が口にしたようなものは何処にもない。たぶん、夢を見たんだ。

 

枝を揺らした風が彼方へ消えていく。その風とはもう、会うことも無いのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 







きつね(和のすがた)
どこかの土地の豊穣の神。糸目だけど興奮すると開眼する俺癖合。消えかけてたけど元気いっぱいになって頑張っちゃった結果その地の作物収穫量が大変なことになったとか。
口調は西日本の色んな方言が入り混じっている。


悪いことはぱったり起きなくなったけど、やたらラッキースケベに遭遇するようになった。



本当は黒ギャルの前に投稿するつもりだったけど黒ギャルの筆乗り良すぎだろ!という事で前後しました。
別に話は繋がってないです。



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若いたぬきとお花見うどん



同僚「おまえってネット小説読むんだっけ?」
ワイ「趣味程度には」
同僚「これ知ってる?(拙作)」
ワイ「ヒュッ(絶命)」




 

 

 

いつもの通勤路を華やかに彩る舞雪に、ふと目を奪われた。

 

家から駅に向かう途中にある公園の桜は、いつの間にやら蕾をつけて綻ぶように花開いていた。もう咲いていたのかと感じたのもつかの間、あっという間に花はその身を散らしてしまうだろう。

 

そういえば桜の花言葉は『教養』『高貴』『純潔』『優美』なんかが有名だろうか。

 

だが、儚く散る様子から『私を忘れないで』なんてものもある。

 

桜のポピュラーな品種『ソメイヨシノ』の樹齢は平均60年ほどで、樹木としてはだいぶ短いこと。遙か古来桜の起源になったと言われる木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)が短命だったことなど諸説あるが、確かに花をつけて半月もすれば散ってしまうのだから(いず)れにしろ美人薄命と言うことだろうか。

 

───我が眼前に座すは夜闇を混ぜられた墨染の桜

 

街灯に照らされ薄く透けた花の輪郭。まるで幽世(かくりよ)の景色を写し出した夜桜。この場合に限っては『妖艶』なんて意味があってもおかしくないと思う。

 

淡い期待に色付いた花は門出を祝し、新たな出会いを迎える。春は出会いと別れの季節と言う。園や学校の卒業および入学。就職で移住、果ては世界へ飛び出していく者も居るかもしれない。

 

幸いと言うべきか、俺は会社から何かを言い渡されたわけでもなく、今年も新居を考えないで済みそうだ。

結局は異動者の案件を引継ぎせねばならず、新年度に入ってから数週は泣きを見る予定だが、とりあえず今日で大方の案件は片付け終わった。

閉店ガラガラ。次年度のご利用をよろしくお願いします。あーあ、また御担当者様と仲良くなる所から始めねばならない。

 

個人的には、この舞い散る桜吹雪を見てようやく次の1年が来たという気分になる。年の瀬師走と睦月もそうだが、年度末のこの時期は忙しさが半端じゃない。

「いや、お前はいつもじゃん」と言われれば返す言葉もないが、しかし社会人ならわかって欲しい。

 

輪をかけて忙しいのはこの年度末デスマーチ期間ということを。俺はこのツケ清算を終えて次年度笑うために頑張っていたのである。

 

 

なら少しは季節を感じたって良いじゃない。

 

見上げる余裕の無かった星空も、少しだけ立ち止まって味わう気分が生まれ、久しく目を向けていなかった四季に思いを()せる。

 

残念ながら馳せる程の甘酸っぱい想い出がある訳じゃないけどね。卒業してしまう先輩と最後の部活動とか、卒業式に第二ボタンをあげた同級生女子とのくんずほぐれつ、仲良くなった後輩と空き教室で涙の卒業式……。

 

なーんて事は一切無かった。

 

一ッッッ切。

 

せいぜいが野郎どもと猥談で盛り上がった鈍色の思い出ぐらいで、桜色の追憶なんて夢のまた夢。バイト先で女性達と多少の関係があったが、そのどれもが体良く扱き使われただけである。

 

……要は酒飲めりゃ良いのよ。

 

そう思い立って近所のコンビニへ戻るべく足を向ける。

こうして理由付けでもしなければ、際限なく飲んでしまうきらいが有るからこそ、自分の中でリミッターとしているだけのチープな理由(モノ)だ。

 

 

 

近所のコンビニ、最近やたらと変化球ばかりが入荷されてるんだよな。たぶんその手のモノを好きな人が居るんだろう。

あと何故か分からないがコンドームがめっちゃ充実してる。そんな高頻度で買う人がいるのだろうか?その人の腰が心配である。まあそれはいい。

 

そんなこんなで、今日のお供は赤いパッケージの()()()()()()に決めた。

 

赤パッケージのきつねうどんと緑パッケージのたぬきそばのお好み選挙が行われ、投票の結果お互いの目玉であるお揚げとかき揚げを入れ替えてみたユニーク商品らしい。

期間限定で発売されているようで、見慣れたうどんにかき揚げが載っているという、ありそうで無かった新鮮味の応酬。

 

この期間限定という言葉に釣られて、俺は企業戦略にまんまとどハマりした哀れなカモである。そういえば最近鴨だしそば食べてないな。ヨシ、今度買おう。

 

この()()()というのは(たね)を抜いた天かすを『たねぬき』と言ってここから『たぬき』となったとか、衣ばかりの小さいかき揚げをたぬきと言ったとか。

はたまた関西だとまた変わっていて、お揚げの載った()()を『たぬきそば』と呼ぶし、大阪では天かすの蒔いてあるうどんを『ハイカラ』と言ったりする。南北に細長い日本であるから、その呼び方にもずいぶん地域差があるようだ。にほんってふしぎ。

 

 

 

公園には花見にお(あつら)え向きのベンチがあって、座りながら花見ができる粋な設計をしていた。

 

以前、月を見ながらそばを啜っていたら職質されてしまった苦い思い出が(よみがえ)るが……なぁに、あちらも草臥(くたび)れた社畜(リーマン)に何度も構うほどヒマしてないハズさ。

 

コンビニでお湯を入れ、ゆっくり適当に歩いていれば麺がちょうど良くなった所で公園へ辿り着く。ゆっさゆっさとレジ袋を揺すりながら腰をかけ、見上げ(まなこ)で宙を見る。

 

ひらひらと、見事な回旋で宙を舞う桜。

 

月明かりと街灯の靄。今は俺だけを楽しませる舞妓に感謝しつつ、5%の自我(アルコール)を溶かしてうどんを啜る。

 

誰も彼もが居ない世界。

 

社会に縛り付けるネクタイを解いて、俺は仮初(かりそめ)の自由を謳歌する。

 

遠くから聞こえる電車の音。

通り過ぎていくバイクの音。

衣擦れの音。

アスファルトの鳴る音。

信号の音。

木の擦れる音。

自販機の音。

桜の音。

 

昼間には鳴りを潜めていた音達が溢れ出し、夜の(とばり)を彩った。

 

一片(ひとひら)現身(うつしみ)が器に舞い降りて、ほんの少しの波紋を広げる。

 

「隣、良いですか? おにーさん」

「……どうぞ」

 

不意に投げかけられた問い掛け。俺だけがいた世界の音を指揮してミュート(無音)にするストレンジャー(見知らぬ人)

 

白と紺のセーラー服にカーディガンを羽織り、ハイソックスへ茶のローファーを重ねた少女がベンチに腰を下ろす。まだ(いとけな)さを感じる顔立ちは、ティーンエイジャーに成り立てと言えるだろうか。

その姿は『純潔』を体現したかのような、『優美さ』を存分に振りまいて。

 

「綺麗ですねぇ」

 

舞い落ちる花弁に手を伸ばし、そっと(すく)う少女。

制服を身に纏って出歩くには些か遅い時間だろう。しかし彼女の頭頂に生える丸みを帯びたたぬきのような耳と、これまた丸みを描く尻尾。人ならざる者と思えるその特徴。

逢魔が時(夕暮れ)には遅くないだろうか?……それとも、もう日が暮れれば、(いづ)るまでは魔の時間か。

 

「子供は寝る時間だぞ」

「大人も寝る時間ですよ」

 

なるほど確かに。

そう思いながらうどんを啜る。たまにバキりとかき揚げを割ってザクザクと響かせると辺りはまた静まり返った。

 

「お花見ですか?」

「……そうだ。最近まともに季節を感じられないほど忙しくてな。ところで、君は?こんな夜遅くにお花見ってわけじゃないんだろ?」

「……家出です☆」

「よし補導だ」

「あぁーー!!待ってください待ってください!!今、第三者(ほかの人)に来られたらヤバいんですッ!勘弁してください!」

 

猫の目の様に目まぐるしく変わる少女の表情。

両手をぶんぶんと振って慌てる様子は外見の年相応な愛らしさを振りまいている。距離感の近い人懐っこさはさぞ数々の男子を勘違いさせてきたことだろう。そしてこの手合いは無自覚に男子を歪ませていく。俺は詳しいんだ。

 

「まぁ、この満開の桜に免じてみなかったことにしてやる」

「それはそれは。目立ちたがりの桜もさぞ喜びますよ」

「まるでこの桜を知ってるみたいな言い方をする……」

 

こちらを見た少女はふわりと微笑んで、再び舞い踊る儚さに目を向ける。その横顔を一瞥して同じ様に意識を傾けた。

 

「この桜は一人ぼっちなんですよ。ここに居た桜たちは区画整理で川沿いの並木道へ植え替えされたり、寿命を迎えた木や道路に掛かってしまう木は危険だからと切られてしまって、元々ここにあった桜も残るはこの子だけです」

 

俺は、元々この辺りに住んでいたわけじゃない。公園の名は確かに桜を冠しているが、その由来も知らないしこの話もいったい何年前の話かも分からない。

 

「だから一生懸命、咲くんです。この子は。最期まで」

「……」

 

───()()まで。

 

1つの木が老いるほどの年月が流れたんだ。よっぽど昔の話なんだろう。

 

だからこそ()かれたのかもしれない。俺は桜の声を聞いて知らず知らずのうちに、ここへ来た。ふと思い立ったからとここに来たのは偶然じゃなく、この桜に呼ばれた必然だったんだ。

物事には全てそうなるべく理由があり、そうなり得る根拠がある。『何となく』という確りとした(ことわり)

 

「実は、もうこの子は寿命なんです」

「……こんなに咲き誇ってるのに?」

「灯火は最後の一瞬、強く光るじゃないですか。生命だってそうです。成長を止めた桜こそ、花に魂が宿って咲き乱れるんです。木にはもう、減りゆく残りしかありませんから」

 

過ぎ行く刻。それは等しく人間にも桜にも(もたら)される。ただただ生命を吹雪と散らす花弁(はなびら)は、ともすれば桜の涙なのかもしれない。

 

「俺にはどうする事もできないな」

「いえ、呼びかけに応えてここへ来てくれた。それだけで嬉しいと思いますよ。 ……それに、貴方は気に入られやすいようですから」

 

少女の目がしみじみと俺を見つめる。

野郎がうどんを啜る姿を見つめて何がそんなに面白いんだか。持ってる器に穴が空いてしまいそうだ……。夜に食べる出汁の利いたものってなんでこんなに美味いんだろうな。

 

「結局君が何者なのか聞いてないぞ」

「そうですねぇ……有象でもあり、そのどちらともいえない無象です。強いて言えば混じりもの、と言えますか」

 

禅問答でもさせる気か?しばし、考え込んでみても頭の中でこれといった答を導けそうにない。少女はそんな俺を見て、立ち上がり正面で目一杯両手を広げた。

 

「〝桜の樹の下には〟というのはご存知ですか?」

「屍体が埋まっている……か」

「おや、博識さんです」

「大学は文系だったんでね」

 

『桜の樹の下には』と題名を名乗るこの短編小説は〝桜の樹の下には屍体が埋まっている!〟という、その当時類を見ない劇的な一文から始まる。

満開の桜の神秘的な美しさに畏怖を抱いた『俺』が読者である『おまえ』に語るように話は進む。

薄羽蜉蝣(ウスバカゲロウ)の生と死を垣間見ることで桜の花にも死があると畏怖から解放され、花見をして騒いでる村人達と同じ様に酒を飲めそうだ、という結びで物語は完結する。

 

()()()()()()()()()()()()?」

 

一言。

くるりと一回り。少女が周りに起こした風でひらりと花びらは行く先を変える。(まわ)る、(まわ)る、(まわ)る、輪廻。

 

──瞬間、俺の心にどうしようもない(さざなみ)が去来した。

 

思えば当時の俺は「結局酒飲んで解決してるじゃん」と、ずいぶん不粋(ぶすい)な感想を抱いていた。

そうでもしなければ、なんとも言えない読了感を引き摺って仕方なくなり、落ち着かなかったからだ。終いには作者の意図を『理解し難いもの』という、生返事のようなこき下ろした感想文を書き上げて教授に二三言いただいたものだ。

 

だが今目の前に広がるこの景色を見て、『満開の桜に畏怖を感じる』という言われようのない思考を理解した。理解してしまった。

美し過ぎるから、綺麗すぎるから、だからこそ腹の底が落ち着かず、言いようのない不安にかられたんだ。

 

なるほど、出会い()別れ()の表裏一体。

 

咲き誇る(舞い散る)花はそれを同時に孕んでいて、今見ている桜は、彼女が(すく)った花弁は既に死んで(咲いて)いた。

少女の言葉が俺に渡す漠然とした神秘的な不安は、きっと筆者が感じた言い表せない不快感と同種のはずで。

 

「歳食って、ようやく『俺』を理解できたよ」

「……それは何よりです」

「ああ、このまま死んだんじゃ勿体なかったさ。ずっとつかえてた魚の小骨が抜けたような気分だ」

 

いつの間にか食べ終えていたうどんの器を袋へ放り、酒缶の残りをひと息に呷る。仕事で疲労していた脳に薄らぼんやりとしたベールが掛かり、思考が薄く包まれて口が柔らかくなる。滲む思考。ふわふわと浮いて気分が良かった。

 

ひょんなきっかけと言えど、今の今まで理解(わか)っていなかった答を知れたのだ。その気づきを促してくれた少女には礼のひとつでもしてやらなきゃな。

 

「何か…そうだな……。礼に何か出来ることがないか?」

「お礼……ですか?」

「ああ、コンビニで君の好きな物を何か奢るぐらいなら余裕よ余裕」

 

彼女にとってはなんでも無かった事かもしれないが、俺としてこのまま恩人になにも返さないというのは、ちょっと気が済まない。

 

「なんでも良いんですか?」

「いいぞ。俺にできることならな」

 

考え込むようにして空を仰ぐように視線を上に向けた少女の唇が少しだけ(とが)る。指先を遊ばせて、尻尾も揺れて風になびく穂先のようだ。

 

「なら、あなたにお願いしたいことがあります」

 

やがてお願い事が決まったのか、すぅと少し息を飲むとこちらを見ないまま少女は言った。ひらひらと舞い降りてきた桜の花弁を受け止めると一言だけ夜の黒へ溶かす。

 

 

「───私の『純潔』を()らしてくれませんか?」

 

 

言い放たれた少女の言葉に、俺は世界を無音にさせられた。考えてみてもその言葉の意味を理解したくなくて、結局喉からは呆けた声が漏れただけだった。

確かに、できるできないで言えばできてしまうのだろうが、さすがにこれはやってはいけない部類に入る。

 

「古来から女は花で例えられてきたものが多くありますよね。花は散ると言いますし、処女を散らすと言うじゃないですか」

 

〝立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花〟なんて女性を花と表現した最もたるもので、他にも考えつく限りでも幾らでもある。

 

少女はそれを散らしてくれと言った。純潔を散らすという意味を分かって言ってるのか。はたまた、ただのたちの悪い悪戯か。

 

眼前に佇む墨染の桜は、何も答えずに花弁を舞い落とすばかり。(純潔)を散らしてしまったら、少女()という存在を手にかける事になるじゃないか。思考が衝撃に揺らされ言葉に詰まる。何を言えばいい?何を言ったらいい?どうすれば、どうしたら。

 

「桜の下に屍体があるからこそ花が綺麗に咲くのなら、()()()()もまた、綺麗に花を咲かせられると思いませんか」

 

───何?

 

「その為に桜は散らなければならないんですよ。枯れなければならないんです。それが運命(さだめ)であり、今だったという事」

 

ひたひたと足音も無いままに近づいてくる少女を、俺は拒む事ができない。金縛りに縫い付けられたかのように全身が硬直し、唾液を嚥下した喉仏からやけに大きく音が鳴った。

 

「呼び掛けに応えてくれたあなたにこそ散ら()して欲しいんです……それに、一度も経験のないまま散る(死ぬ)だなんて、寂しいじゃないですか」

 

少女はカーディガンに手を掛ける。1つ、また1つボタンは外されていき、前を(はだ)けると少女の両腕は俺の頭を包む。夜の暗がりに溶けてしまいそうなうっすらした甘い体温。ちょっと早いタイミングで脈打つ心音。包まれた事で強く感じる瑞々しい香り。

 

まるで誰も軌跡をつけていない処女雪へ足を踏み出すような罪悪感。

少女は俺の足を跨ぐと、ベンチへ足を掛け俺の膝の上へ体重を預けた。スカートがしゃなりと音をたてて、柔らかさと少女らしい重みとがいっしょくたに膝を占拠する。

俺の膝上に座っても視線はあまり変わらないのだから、ずいぶんと少女の体躯は小さい。桜の下で舞った彼女の細さを痛感した。

 

違う、違うだろ。いくらなんでもこんな所で、しかもよく知りもしない男に純潔(初めて)を捧げるなんて。そんな、そんなのあっちゃいけない。少女の両肩を掴んで引き剥がす。

 

「待てって!」

「……してくれませんか?」

「ダメに決まってんだろ!こんなのそう簡単に決めていいもんじゃ……!」

「もう終わりが近いんです!あなたとなら、良いと思えたんですよ!………それに、このままじゃ間に合わなくなっちゃうんです……

 

僅かな焦燥の色も含んだ少女の声が吐き出された。俺はその悲痛な顔に何も言えなくなって沈黙を返す。何も音がしなくなった世界に少女と俺の2人だけとなり、静かに、しかし確実に空気は膿んでいく。

 

少女が正しく終わる為には俺が引き裂かねばならないと言う。一生の傷を。消えない傷を。

 

この不誠実な空気に飲まれる。

 

呑まれる。

 

肩に置いていた手は次第に脱力し、少女の腰を抱き寄せた。細くまだ未成熟な、されど女らしさを感じる腰つき。俺は明確に答えないまま彼女に大人を押し付ける。少女はそれを受け入れて、肯定と看做(みな)した。

 

「……ありがとうございます」

 

悲壮な表情をふっと緩め、少女は体重を余すことなく信頼に変える。しなだれかかるように首へ手を回され、生暖かい吐息が頬に触れたかと思えば、耳たぶが緩く()まれた。

 

「あむっ……んぁ……ん……」

 

体から流れてきたそれを自覚するまでに俺の脳はレスポンスを止め、復帰までに少しの時間を要したし、その間にも粘っこい水音が耳のふちを這う。

 

まだ肌寒さのある春の夜。たが、次第にじっとりとした熱が俺と少女の間へ揺蕩(たゆた)いつつあった。ぶるりと身震いするような産毛まで逆立つ感触が背筋を往復して駆ける。

 

払いのけなければいけないのに、拒まなければならないのに、しかし体が動かせない。指の1本すらも糸を切られた絡繰人形の如く動かせない。

その間にも少女が送り込む熱が身体を苛み、じわじわと巡って欲望が形を成していく。どろどろと少女の舌に溶かされていく理性は踏めば割れる薄氷と化す。

 

「……お耳、弱いんですね……♡」

 

俺の首筋に回されていた少女の小さな手は自身の襟元に舞い降り、白い指によって外されていくボタン。聖域が白日のもとに晒されていく。

 

触れれば折れてしまいそうな細い首筋

 

また1つ外されるボタン

 

その下に覗く鎖骨、シミ一つない(しら)らかなデコルテ

 

また1つ外されるボタン

 

まだ膨らみ始めの双丘を包む飾り気のない白い下着

 

全てが外されたボタン

 

腹部の柔らかさを全面に感じる横へ伸びたへそ

 

スカートのゴムが沈み込み、少しだけ(たわ)むウエストのライン。

まだ成熟しきっていない、異性と関わったことのない手付かずの身体。女子から女性へと変わっていく上で、(つぼみ)(ほころ)ぶ変わり目の時期、その年頃。

 

思春期という、ほんのわずかな時期だけの揺らぎ。

 

少女は俺の手を取り自らの胸へと導いた。色気も何も無い白の下着に浅黒い男の手が重なる犯罪的なコントラスト。

 

手のひらに伝わった滑らかな布の感触と、その下に包まれた確かな柔らかさ。しかしまだまだ育ち始めたばかりの青い果実は特有の硬いハリがあり、柔肌に沈んだ指をしっかりと押し返してくる。

 

「んっ……」

 

肌寒さか、それとも緊張か、はたまた恐怖か、……もしくは高揚か。女子の成熟は早いと言う。アホな事をしまくる男子と冷たくあしらう女子、なんてものはよく見る光景だろう。同学年でも先に大人び出すのは女子で、男の自覚なんぞ周回遅れぐらいした後だ。いつからか大人と呼ばれるようになった今でもそう思う。

 

ぶるりと身震いした少女の頬は朱に染まり、ほんの僅かな(なま)やかさを醸し出す。膝に擦り付けられる弾力の強い少女性がより一層空気を溶かしていって、ほんの僅かなスカートの隙間からドロついた欲望が見え隠れした。

 

キメ細やかな肌に包まれ(たわ)む太ももは胸より成長が早いようで、指先にはしっとりとした感触が伝わってくる。なぞるだけで心地よい尻のラインは敏感に指の動きを感じ取り、それだけでびくびくと身を(よじ)る。捲れたスカートから覗く、これまた色気とは無縁なはずの白いショーツがより輪郭を際立たせて男を誘う。

 

「………硬く…なってますね……」

 

いくら理性が抑えつけようと無意味だ、とでも言うかのように鉄心が打ち込まれた肉槍がスラックスを押し上げていた。少女の太ももの狭間に聳え立つ不浄の槍に緩やかな動作で指が這う。

風に揺れた桜が月を覆い隠す。直射の月光は木漏れる影と変わり、男が変貌する事を桜の木が自ら容認した。

 

鼻先を首元に埋め、すんすんと臭いを嗅ぎながら身を寄せる少女の、鼻息が喉元に掛かりこそばゆい。

手持ち無沙汰になった指先で純潔を守る白布の上から(くすぐ)ると、ひくりと身に力を入れる少女の腰裏をあやす為にタッピングしながら、秘裂の上に指を滑らせ色を知らないはずの無垢な花弁を染めてゆく。

 

「……はっ、ぅん…ぁ……」

 

耳朶を撫でるか細い声には艶が混じり、快活でありそうな少女は裏の顔を見せる。眉根を寄せて、目を握るように閉じて、少し鼻を膨らませ、唇をきつく結ぶ。

苦悶に耐えるかのような表情も、頬が紅潮すればここまで煽情的に変わるものなのか。

 

程なくして、クロッチ部には硬くなった豆のような感触が浮かび上がってきた。ショーツ越しに撫でるたび少女の腰がびくびくと震え、その過敏さを伝えてくる。滑らかなショーツに際立つ突起の感触が心地よく、指の骨を立てて弾くと、大きくびくりと腰が跳ねた。

 

あっ!」

 

よく通る幼気(いたいけ)な声に艶が乗って響く。

 

もし、これを通りがかりの誰かに聞かれてしまったら、なんて思考も浮かばないほど指にかかる感触は心地いい。何度も何度も爪弾くうち、押さえ付けていた嬌声が少しづつ辺りに転がり始める。

 

じっとりとした感触がクロッチ部から漏れ出し、白布がそこだけ灰色へと変色し始める。含みきれなくなった蜜が染み、もう耐えられないと泣き出したんだ。みるみる内に染みは広がり、秘裂の姿を浮き上がらせるように悸く。

 

このままでは染みが広がりすぎて使い物にならなくなってしまう、なんて取ってつけたような理由でクロッチ部を脇に退けた。

薄布に守られていた純潔そのものが晒される。スカートが生み出す影でよく見る事は叶わないものの、少しの毛もない縦筋を刻んだ(なだ)らかな丘はべっとりと蜜に濡れ月光を煌めかせる。

 

「ふっ……く♡ぁん、にーさん♡」

 

慎ましやかな胸を守る下着にも手を掛け、スポーツブラのようにホックの無い簡素なデザインのそれを、山間の細くなった場所に指を掛け捲り上げる。少し成長を感じるがまだ成熟には遠い膨らみ。腰を引き寄せて胸を張らせれば、その先端にある小粒な果実は上向いてふるりと揺れながら姿を見せた柔肌の峰。

 

白い(しろ)い肌に咲く桜色の少女性。『まだまだ色づくには早い』そう思う俺と、『この果実を貪りたい』と暴れる俺の二律背反。よもや、自分の中にこれほど雄の衝動と残虐性があるだなんて気づいてはいけなかった。それも、こんな場面で。

 

「あっ…♡ふ、そこ…まだ……っ」

 

少女性を啄むように汚してゆく。唇を押し当て、唇で包んで、唇で挟んで。小粒な乳首は直ぐに反応を示し、背伸びするようにその身を尖らせる。それがまた、少女が大人ぶって自称するようで微笑ましい。もっとも、今、この場面では雄の嗜虐心を刺激する結果にしかならないが。

その間にも獣欲を纏った手は鼠径部から秘裂へと伸び、綻びのない未成熟な花弁を割開く。柔らかく肉を含んだ粘膜の感触は、しかし何者も受け入れない固さを保持し、弾力を持って押し返してくる。

 

その花弁の中心、手付かずの秘された園。濃く爛漫な桜のごとき色をして、ひくひくと窄まっては押し返してくる粘膜へ、爪を立てないように細心の注意を払い緩慢な速度で中指を埋めてゆく。

 

「い゛っ……!?ん゛んん!」

 

みっちりと詰まった未開発の膣肉は(したた)かに抵抗し、指の一本ですら通さないと食いちぎりにかかる。秘裂が蜜によってぬらぬらと濡れ光るぐらいなのに、その抵抗はまるで少女の体全体が拒否しているかのようで。

 

──キツい。

 

そりゃそうだろう。彼女の体からしてみれば完全なる異物なのだから。小さく白魚のような少女の指に比べれば、俺の指ですら遥かに節榑(ふしくれ)立って長い。

 

自慰を覚えていたとすれど、道具でも使ってなければ彼女自身ですら触れたことの無い禁足地へずかずかと無遠慮に踏み込んで荒らし周り、あまつさえ衝動のままに欲望をぶちまけようというのだから……つくづく雄というものは救いようがない。

 

「おにーさッ!ゆび…深っ……!」

 

アルコールも手伝って、吹けば散る塵のように風化し始めた自覚と理性と道徳心。

周囲に溢れていた夜の音は次第に、彼女の上擦った声と、しきりに続く衣擦れと、早鐘を打つ鼓動が掻き消していった。

 

舌先に感じる彼女の甘い果実の味、視界を塗りつぶす紅潮した肌、熱帯夜もかくやという沸騰した体温。

汗ばんで指先へ吸い付くようになってきた彼女の肢体。

 

未だに抵抗する膣内も、しつこく男の指が蠢くために奥から奥から蜜を溢れさせる。

段々とふやけていく口許(くちもと)へ、男は衝動のままに二本目の指を突きつけた。中指と薬指が徒党を組み、更に少女の禁足地を割広げて行く。この先に待ち受ける運命を受け入れるには、まだ少女の身にとって荷が重すぎる。

(こころよ)いものから来る声ではなく、未知のものに戸惑っている声。これで少しでも(ほぐ)れてくれれば良いが、指先を懸命に押し返す幼膣はまだまだ一筋縄にはいかないだろう。

 

 

「んぁっ!…あっ゛……あ!……んッ♡」

 

 

しばらく愛撫を続けていると、溶けた粘膜の熱さが指から手の甲を滴り落ちるまでになってきた。

しとどに濡れた膣口はまだきつく締め付けてくるが、指先が届く深さまでは充分に湿潤したように思える。肉襞の抵抗が滑りを感じられるように変化していて、戸惑うようだった表情と声も幾分か艶を含むようになった。

これから踏み込むのは指すら届いていない奥地。欲を言えばもっと時間を掛けたい。彼女の身を思えばそれが最適だろうが、そうと分かっていても、雄の獣欲はもはや抑えの効かないところまで来てしまっていた。

 

ぬるんと膣肉を好き放題していた指を引き抜く。

膣穴に入っていた指どころか手のひらまでもが発情液に濡れ、指と秘裂の間には白く濁った吊り橋が架かった。

 

月光に青白く照らされ銀に光る糸は胸元まで持ってきてようやく切れる。それほどにこってりとした蜜を纏った指をわざと少女の目の前で開いて見せた。

 

?…見せなくて…いいですからぁ……!」

 

少女は目を薄くして抗議する。上気した頬と、潤んだ目元と、少しとがらせた唇。諫言を吐いてると思えないような表情にスラックスがより顕著に持ち上がって苦しい。

 

「綺麗にできるか?」

「…………………変態さんです」

 

たっぷり間を取ってから、少女は眼前に突き出された指にしゃぶりついた。

 

唇から這い出た舌が指の脇を登ってゆき先端まで行ったかと思えば口内に中指と薬指が含まれる。じっとりとした湿度とたっぷりの熱、花の蜜のような唾液の香り。小刻みに動く少女の旋毛(つむじ)が軌跡を描いて揺れ、しばしそれを眺めていれば細い吸い付きと共に指が解放された。

 

自由になった指はそのまま降りていって、ぎしぎしと軋むスラックスのファスナーを下ろす。

 

正解かも分からない。間違いかもしれない。

 

けれども俺は解き放った肉槍を少女の下腹に擦りつける。

既に臨戦態勢となったモノは膝の上に座る少女の臍に届かんばかりに肥大化し、根から幹まで全身に血管を浮き上がらせ、亀頭は限界まで傘を開いていた。

自分の思ったよりはるかに激しく猛った雄の象徴を、たった二本の指しか受け入れたことのない幼膣に沈める事の是非。

 

「えっ…?おにーさんの…大きい、です……よね……?……入る、かなぁ

 

やはり、少女は下腹部へ突きつけられた雄を前に物怖じした視線を彷徨わせる。

 

「怖いなら自分で挿入()れるか?」

「……」

 

他人が行うからこそ怖いものでも、自ら動くなら幾分かマシではないだろうか。そう考えもしたが、少女に二択を押し付けるのは逃げ道を塞いでいるような気もして。

 

生娘に迫る二択としては些か酷なものだ。どちらにせよ『これからする事を受け入れろ』と問うているのだから。

 

「……自分で、します」

 

決心したような呟きが聞こえ、膝の上から少女の柔らかさが離れていった。膝を立てて腰を浮かせ、少女はスカートを捲り上げる。

露わになっていく太ももの先、鼠径部、下腹部、傾らかな無毛の恥丘。

前に、身を揺らして数歩。腰の位置を合わせた少女の白い指が肉槍に巻き付き、先端が熱い粘膜の源へ触れる。ぐちゅりと吸い付いてきた柔肌の感触と、鮮烈な紅と濁った赤の対比。

 

「………!」

 

少女の腰が沈む。

 

肉槍の先端が秘裂を割って、歪んだ柔肉が形を変えて、膣口は目一杯拡がって、赤黒い亀頭が塗り潰されるように隠れていく。

 

先端に食い込む熱と、腰を這い上がってくる性交の感触。あれだけ濡らしたのに激しく抵抗する少女の膣襞が、肉槍を潰さんばかりに抱き締めて止まない。力の限りスカートを握る手が少女の心地を如実に表していた。

 

「はぁっ……!はっ……!いっ!んぅ……う!ぁ゛!」

 

思えば、少女に、女という性に、証明を刻むのは生きてきて初めての事だ。

 

少女の身を案じる気持ちと裏腹に奥底から湧く雄としての自尊心。そんなものあってはならないはずなのに、肉槍は更に幼膣を蹂躙せんと嵩を増す。

 

「ん゛んん…!!ふっ……!あっ、いぁ……!」

 

臓を握られたかの如く浅い呼吸を繰り返す少女。

 

目はきつく閉じられ、唇から血が滲んでもおかしくない程に結び、正に苦悶という単語が当てはまるだろうか。身を裂かれる痛み。一生消えることのない傷痕(きずあと)

 

〝めりめり〟と引き剥がすような、いや〝ぶちぶち〟と裂けるような、それとも〝びりびり〟と破けると言った方がいいか。

実際にそんな音がしたわけではない。だが、少女の膣内(なか)へ肉槍が埋まっていくほど腰へ響きわたる音がして、少女に消えない傷を刻んだ事実が俺の内側を突き刺してくる。

 

少女は震えながらも腰を落とし続け、肉槍は遂に奥底まで達してしまった。

猛烈な熱量が雄の自尊心を包み、少女の膣襞は強烈な締め付けと共に一生懸命異物を押し出そうと揉みこんでくる。それは雄にとって脳を焦がす程の快感を(もたら)した。奥歯を噛み締めていなければ口許から情けない声が漏れ出るほどに。

 

「はいっ……たぁ……!」

 

幼膣の許容量なんてたかが知れていて肉槍は少し余ってしまっている。ぎゅうぎゅうに肉の詰まった奥地の大切な部屋に、先端を押しつけて脈打つ楔。

 

──肉槍の幹を流れていく、少女が()()()()()という証。

 

股座(またぐら)を内側から裂かれる痛みなんて、男の俺には想像を絶する。

それでも少女は懸命に腰を揺すろうとして、しきりに顔を(しか)めては動きを止めてしまった。まだ馴染んでない状態ですぐに動こうとしては痛みがあるはずだ。

 

なんと気丈なんだろうか。なんと清廉な願いだろうか。

 

「……痛いだろ?しばらく慣らそうか」

「でもっ……動かなきゃ男の人は気持ちよくなれないんじゃ……?」

 

それはそうなんだが、だからと言って無理はして欲しくない。

 

返答(こたえ)の代わりに少女の腰から生える尻尾を手慰みに弄ぶ。仙骨の辺りから指を沿わせていき、柔らかい毛並みに合わせて撫でるとぴくりと反応する。反対に毛並みを逆立てて扱いていくとびくびくと背筋に力が入り、これが付け物じゃないと主張した。

 

「尻尾は、弱いから……ダメですぅ……!ッ……!」

 

尻尾から派生して尻を撫でたり、背筋を下からなぞり上げたり。

痛みを紛らわせられればそれで良いとまさぐっていれば、少女の膣内は締め付けを弱め、更に蜜を分泌したように感じた。

 

「な、なんか……ジンジンしてきました……」

 

しばらく待った事が功を奏したか、破瓜の鮮血を流すように愛液が滴る。少女の身体が異物に慣れ、順応を始めたらしい。自らの感じ方の変化に戸惑いと浮遊感が()い交ぜになった表情を浮かべ自らの下腹を(さす)る。

 

 

「──いま、ここに、貴方(おにーさん)が入ってるんですよねっ……?」

 

 

どうしようもなく……あぁ、どうしようもなく、俺は自分の衝動が湧き上がるのを止められなかった。蛮行を抑えられなかった。

 

俺がする懺悔。少女がする散華。

 

「えっ!?おにーさッ!?…ひぅっ!!?」

 

姿勢を入れ替えて少女をベンチへ縫い付けた。押さえつけた細い手首と紅潮した首筋が目に入り、驚きで目を丸くした少女と視線が混じり合う。

(はだ)けたセーラー服、乱れた下着、そこから覗く素肌は無防備にも程がある。

 

「んんっ!?…ぁん!……ぅんんん゛!!!」

 

深々と刺さる肉槍へ絡みつく柔襞を無理やり引き剥がし、エラ張ったカリ首が無垢な膣道を蹂躙していく。滴った鮮血と蜜の混じった液が散り、抜き出された肉槍にはそれらが纏わりつきぬらぬらと月の光を返した。

 

「ぐっ……!」

 

背筋が丸ごと焼けたかのような錯覚が、下半身から、腰から、せり上ってくる。

少女特有の高めの体温が包み込み、男を知ったばかりの膣壁はまだまだ硬く、弾力を多分に含んだ独特の擦れ具合がカリ首をガリガリと引っ掻く。とにかくキツい締め付けが少女蜜で溶け出して絶妙な加減で肉槍を押し潰してくる。

 

────もう一度味わいたい。

 

………もう一度味わい

 

……もう一度

 

「おッ!にー、さぁんッ!!こし、強ッ…!」

 

肉槍を深くまで突き刺して、引き抜く。

肉槍を深くまで突き入れて、引っ掻く。

肉槍を深くまで突き込んで、引き摺る。

 

「あぁっ゛!!……ま!……っ…てっ!…んっ゛!」

 

暴れる心の臓をそのままに夢中になって腰を打ち付けた。

身体が熱い。下半身から昇ってくる止めどなく熱が全身に行き渡り更なる欲望として肉槍に集ってくる。食いちぎってきそうな膣口も、とにかく肉襞が厚い浅瀬も、奥に行くほど狭まって亀頭を削ってくる深部も、欲しがるように輪が吸い付く最奥も、夢中になって蹂躙の限りを尽くす。

 

この初雪が積もったような(うぶ)い地に自らの足跡をつけたい。この未成熟な幼膣に衝動のままぶちまけてしまいたい。

気付かぬうちに肉槍は根元まで少女の膣内へ収まるようになり始めていた。ねじ込まれた膣奥が引き伸ばされ、どんどん男の肉槍を覚えこんでいく。

 

「あっ……あっ!?んあっあ……!あ…ぁん…ん゛っ!ん…゛っあっ!」

 

馴染めば馴染むほど肉襞が吸い付き、少女の身体が純潔を失っていく。

 

男を知っていく。

 

どうしてだ?どうして?どうして俺は彼女を……。

 

「いいっ…んですよ…っ!私な、ら!大…丈夫ッです、からぁ!!」

 

縛り付ける骨ばった手に白く柔らかい手が重ねられて、力強く絡められる。握られる。

犯されているのに。今まさに少女は純潔を失って穢れを混じらせたというのに。その心持ちは清いままで何もかもを包む。桜の美しさによって抱いた俺の神秘的な不安をも包み込み、彼女は全て、全てを受け入れた。

 

限界だった。何度も何度も少女の(なか)で感じた快楽は膨れ上がり少しの刺激で破裂する。だらだらと流し続けた不安も後悔も何もかもを全て忘れて、いちばん奥まで同化せんと少女の手のひらを強く握り返した。

 

「あっ…!ああ゛っ!あっ……」

 

奥深い場所から這い出てきた獣欲のままに、雪景色へ足跡をつけた。

なんども、何度も心臓の鼓動に合わせるように、舞い落ちる桜吹雪が降り積もっていく。薄れる自我の白昼夢、夢中で握った手の温もりだけが体に残る。互いの荒い息遣い。辺りに散らばる純潔だったもの。

 

ゆっくりと引き抜いた半身には、獣欲の残滓と少女の散華した証が纏わりついて俺のした事を咎め立てた。綺麗に閉じていたはずの秘裂もぽっかりと開き、破瓜の血と白濁の入り交じったものを留めておけずに吐き出す。それだけぶちまけた量が多かったのだろうか。

 

「……良かった、です…。これで…心置きなく……

 

咲いた桜は、ただ、後はただ散るだけで。

 

身体をひどい虚脱感が包み少女の呟きの意味も考えられぬまま、空を仰いで意識を薄れさせた。ひらひらと舞う花弁(はなびら)。いつの間にか雲を押し退けた月と目が合う。

 

照らさないでくれ。

 

見ないでくれ。

 

俺がした事を。少女()散らした(殺した)ところを。

 

 

 

 

 

新たな出会い(編入)別れ(異動)も無事終わり、これから新たに同僚(戦友)となる者たちへの激励をと上司(ハゲ)から歓迎会のセッティングという大役を任されてしまった。

 

会社の近くで、大人数で飲めて食べて騒いでも大丈夫で、更にリーズナブルなところとなると難しいんだコレが。しかも考える事はみんな一緒でちょうど良いところからどんどん埋まっていく。率直にスーパー面倒案件なのだが、新しく迎える人達を(ないがし)ろにする訳にもいかない。

 

今日の休憩時間は店探しで終わるだろうな、なんて考えながら駅へ向かっていると公園の前に人集りができていることに気がついた。

規制線が張られた物々しい雰囲気に付近の野次馬もざわめいている。まさかご近所で事件だろうか?

 

「昨日の夜に倒れたらしいわよ……怖いわぁ」

「でももう寿命だったって言うじゃない?切っちゃう予定だったらしいし」

「……じゃあ、もうそういうの察して自分から折れたのかもしれないわね」

 

マダム達の世間話を横目に、野次馬の間隙を縫い顔を出してみれば昨日まであったものがなかった。いや、あるべき場所に無かったと言った方が正しいだろうか。

 

 

───公園の桜の木が倒れていた。

 

 

なにか大きな力を受けたようでもなく、何者かが()ったわけでもないし、昨日まで異変があった様子もなかった。

しかし公園の桜は、確かに、自壊するような形で崩れ落ちていた。まるで役目を終えたとでも言うように。

 

しばしの間頭の中から全てを吹っ飛ばし驚きに固まっていたが、仕事に向かう途中だったことを思い出す。急げばまだいつもの電車に間に合うはずだ。

 

「おっと!?怪我はない?」

「こちらこそすみません。大丈夫です」

 

踵を返して駅に向かおうとしたところ、セーラー服姿の少女とぶつかってしまった。幸いすぐに身を引いたことで強く接触しなかったが、成人男性と女子学生の体格差では相手を容易に突き飛ばしてしまう事になる。急ごうとして動いたことは迂闊だった。

 

「桜の木、倒れてしまったんですね……」

「そうみたいだな………残念だよ」

 

少女はしみじみと呟いて、俺はその言葉に頷きを返す。

桜の木に視線を向けるとどうやら撤去作業が始まったらしい。作業員が何やら道具の準備をしている。邪魔になっては悪いので早いところ立ち去った方がいいか。

 

「忘れないでいてあげてください」

「桜の事か?」

「はい。きっとその方が喜ぶと思いますから。桜には『私を忘れないで』って花言葉があるんです」

「……覚えておくよ」

 

桜の花言葉は『純潔』『優美』が有名だろうか。いくつもあるはずの花言葉。

しかし倒れた桜の樹を前にした俺の頭の中には、桜の美しさを惜しむ気持ちでも、それが無くなった詫びしさでもなく、少女が言った『私を忘れないで』という花言葉が残響していた。

 

 

 

 

 






たぬき(???)
桜の花びらが混じりオルタリリィ化。身体を明け渡し寿命の残り少ない桜に協力してあげた。
混沌・善


公園の植樹プロジェクトに募金。新しい桜植えるらしいっすよ。



赤いき〇ねと緑のた〇きの入れ替わりコラボは4月開催でした。4月……春の期間限定……桜……という連想ゲームで今回はこんな話に。できる限り擬音と歪み文字を使いませんでしたが、いやぁームズいっス。次回はもっと頭悪い話にします。

なお6話で行ったかき揚げといえばそば?うどん?アンケートですが、6:4でそば優勢になりました。
今後お話に登場するキャラを『アナル激弱ど真面目ちゃん』にするか『のじゃロリ』にするかで悩んでたんですがケツ穴確定です




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三十路のきつねと五月雨そば



ビックサイト夏の陣お疲れ様でした(大遅刻)

私?仕事でしたよ。





 

 

「いひっ♡♡゛……ふっ~…♡…ふーっ…♡ふぐっ…♡♡!!~…っ♡♡♡!……♡……!んんん゛♡…お゛っ♡♡~~~♡!!!」

 

俺の目の前でびくんびくん♡とガチアクメをキメ散らかし、不織布で下半分が隠されてるはずなのに誰が見てもイッたと分かるトロけ顔を晒すこのマスク・ド痴女。

 

教えてくれ……俺はあと何分この拷問に耐えればいい……!?

 

いつもは最寄り駅まであっという間の移動時間も、今日に限ってやけにノロく感じて仕方ない。いつもの軽快な通過っぷりは一体どうしてしまったんだ。

 

 

──ガタンッ

 

 

 

ぐりっ♡

 

 

あ、やば

 

 

「ッッ♡♡♡゛♡゛~~?!♡~~!??」

 

 

 

 

 

 

 

 

今日も今日とて社会の歯車として(めい)を終え、帰ろうとした時のことだ。しとしとと五月雨が降りしきる中、会社からターミナル駅へと辿り着いたのだがどうも様子がおかしい。

 

正確無比なダイヤグラムとアリの巣かと突っ込みたくなる路線網に統率の取れたクレイジーな混雑。日本で独自進化した乗り物であるDENSHAが複数乗り入れ、世界中でもトップクラスの乗降客数を一日で捌くこの駅は年がら年中曜日関係なく足音の川が流れているはずだが、今日は堰き止められたダムの如く改札口の前に乗客が(とどこお)っていた。数人の係員へ幾人もの乗客が詰め寄って()し合い()し合いの大騒ぎだ。

 

耳を澄ませてみると、どうやら信号トラブルによって主要幹線が運転を見合わせたらしく、帰宅を急ぐ紳士淑女が皆して足止めを食らった形になってしまっていた。おそらく運転を見合わせてから、そう時間も経ってないのだろう。

 

幸い俺の乗る路線ではないため、心の中で乗客にも駅員にもご愁傷さまとエールを送り喧騒を通り過ぎる。

 

「こっちもか……」

 

この駅を始発としている私鉄の1社も車両故障でストップしているようで、混乱に拍車がかかっていた。改札口で乗客が列を成して対応を待つ姿が散見され、帰宅ラッシュという時間も相まってもはやカオスと言う他ない。

 

こちらも幸いなことに俺の乗る路線ではない。ないが……。

 

「ま、こうなるよな……」

 

並行する路線が2つも止まってしまっているために、動いている路線で迂回しようというのが自明の理。

 

それゆえ、俺の通勤で乗る路線も普段の倍かそれ以上の乗客がホームで待っていて明らかにキャパシティが不足している。これでは余裕がある電車まで待つか、この人の海にプレスされるすし詰め覚悟で電車に乗るかの二者択一。

止まっている電車の復旧見通しは立っておらず、事態の好転を待てば何時間と待つ可能性も無きにしもあらずといったところだ。

 

こんな事なら同僚からもらった緑色のきつねそばを処理して帰ろうとか悠長な事を考えなければよかった……。

期間限定のお揚げが蕎麦にドッキングしたユニーク商品を同僚から貰い受け、喜んでムシャついているうちに駅はこんな有様になっていた。

そう思ったところで後の祭り。いま俺の目に広がる人の海は目を逸らしたところで消えたりしない。

 

ホームへ電車が入ってきて降車客が降りると、殺気立った椅子取りバーサーカー達が乗り口へと(ひし)めき合う。一旦ドアが閉まり、次にドアが開いた瞬間が開戦の合図である。

 

 

 

 

──到着の電車は快速急行……

 

 

 

 

相当な混雑が予想されるが、これに乗れば30分半ば程度で最寄り駅に着くことができる。背に腹はかえられぬ……か。

 

扉が開いた途端夥しい量の人がなだれ込んでいき、椅子取り戦争は瞬時に決着がついた。

車内もどんどん人で埋まっていって、俺も前の人に次いで乗車はできたが、後から後から乗り込もうとする屈強なサラリーマン達に反対側の扉まで押しやられ圧縮zipになってしまいそうだ。社畜zipとか誰得なんだよ。

 

「う、ぐ……!」

 

たかが人間1人でこの凄まじい人波に抗えなどできようか。人の重みで車両も左右にギシギシと軋むように揺れ、まるでJAPANが誇る伝統国技SUMOUのBUTSUKARI稽古を彷彿とさせる勢いですし詰めにされていく。

 

結局、追いやられた俺は乗り口と反対側のドア際に立っていた女性へ壁ドンする様な形になってしまった。非常に由々しき事態である。

 

「……すみません」

はぁ♡んっッ♡…大丈夫です、お構い゛なくっ……」

 

……体調が優れないのだろうか?

女性はマスクをしていて詳しい表情を窺い知ることはできない。だが声は震えていて、明るめの髪は少しボサついて額に貼り付き、眼鏡の奥の目元には濃いくまがある。

ブラウスにネイビー色のタイトスカート。ごく一般的なキャリアウーマン様の服装ではあるが、こちらもどことなく乱れている印象を受けた。

 

そうか……あなたも戦場帰り(残業後退社)か……。

おそらく体調不良を隠して今日のタスクをやり遂げたのだろう。立派な企業戦士(社畜)だ。いち早く帰宅してこの女性が休めることを願う。

 

なんて勝手な親近感を覚え、俺には使命感が湧いてきた。この女性をせめて野郎達のプレスから守って見せようじゃないか。

それと身体が密着することを避けたい。今日のような激しい混雑では不可抗力だと分かってほしいが、悲しきかな。彼女に「痴漢です!」と言われようものなら俺の人生はTHE END。そうならない為にも『無害ですよアピール』を頑張っておいて損はない。

 

足を肩幅に開き、腕を突っ張り、四方八方から圧を掛けてくる野郎どもへレジスタンス。守り通すことで快適とは言えないまでもこの僅かな隙間がオアシスとなってくれれば幸いだ。

その間も壁にもたれかかり荒く呼吸する彼女は、先程よりも体調が悪化しているように見える。

 

(いざとなったら降ろすことも視野に入れるか……)

 

もし彼女が倒れた場合、急病人の救護という理由でこの路線まで遅延する事態になりかねない。周りの路線がふたつも運転見合わせとなっている中でそれは致命的な事態だ。

 

この電車の命運は俺が握っている、なんて独善的(アホ)な考えをぶら下げたまま発車を待った。

 

 

 

 

 

───お待たせ致しました。発車しますと電車が揺れますのでご注意ください……

 

 

 

 

 

反対側の扉が音を立てて閉まった。みっちりと詰め込まれた缶詰のように封をされた車内には雨の影響もあってムワッとした空気が籠る。

 

(あぁ……♡オスの匂いやばっ……♡♡♡)

 

熱気と湿気とが混ざりあった車内はメスにとって劇薬のような匂いに満ちる。人によっては臭いと感じるのだろうが私にとって興奮のスパイスにしかならない。

特に今日は混雑が酷く、ひと呼吸する度により一層濃い匂いが鼻腔に侵入し気道を焼いて肺を犯す。

それがまた脳を痺れさせて体が高揚の一途を辿っていく。

 

今、正面に立っている(ひと)……。たぶん、私を気遣って隙間を空けてくれているんだろう。横に置かれた腕には血管が浮くほど力が入っているし、足も肩幅に開いて一生懸命踏ん張ってるみたいだ。

 

 

それ故に───

 

 

(匂い……♡…匂いヤっバ……♡♡♡♡)

 

 

仕事帰りであろう男の身体から香る体臭は芳醇の一言に尽きる。決して悪臭ではなく、興奮するという意味で。このまま彼が耐えきれなくなり、姿勢が崩れてしまったなら身体の小さい私は人波に押された彼と壁に挟まれぺしゃんこだ……。この匂いで潰されちゃうんだ……♡

 

 

…そんなの、興奮しちゃうじゃん……♡♡♡♡

 

 

(んっ♡お゛♡♡♡)

 

や゛っべ…!甘イキ来たッ…♡゛♡♡♡゛潰される想像して♡膣キュンしちゃった♡♡♡

擬態解けちゃう♡♡♡耳と尻尾出そう♡♡♡我慢♡♡!!我慢しろあたしッ♡♡♡♡!!!

 

「ふー……♡♡!!ふー……♡♡♡♡!!」

 

 

なめらか素材の静音紫バイブ3号くんは、今日もご機嫌にむいんむいん♡と振動しながら私のGスポットとクリトリスをめちゃくちゃにしてくれる。ショーツで挟み、ストッキングで固定し、Gスポイキとクリイキを繰り返して溢れ出た愛液でローションなんて要らないほどにぐっちょぐちょ。ナプキン当ててなきゃとっくに太腿を滴り落ちてきていることだろう。

 

正面の(ひと)も、よもや目の前にいる女がバイブを突っ込みながら電車に乗る変態だとは思いもしないはずだ。

 

もしこの変態行為(オナニー)がバレてしまったら……。

 

軽蔑か、嘲笑(呆れ)を向けられるか?

痴漢されちゃうだろうか……?

それとも適当なトイレに連れ込まれて強制生ハメ(レイプ)……?

果てはホテルにお持ち帰りされちゃうんじゃ……?こんな発情女狐(トロマン)なんて玩具(オナホ)みたいに扱われて性欲の()け口にされちゃうって分かりきってるよぉ……♡

 

そう考えただけでこの浅ましい身体は絶頂へのカウントダウンを進めていく。それどころか予想にない軽アクメを引き起こし、嬌声を我慢することが精一杯。

緊迫感は甘く思考を麻痺させていき、その毒を味わいたくて麻薬にやられたように行為はエスカレートした。

 

 

止め時も分からない。止め方も分からない。止める理由も分からない。

 

 

スリルに蝕まれて自己開発し続けた身体は、今やどこもかしこも快感を貪れるようになってしまった。そんな身体をもてあまして、私は変態行為(オナニー)を止められない。

 

 

あぁ、今日も───

 

 

 

 

 

 

 

──ご乗車ありがとうございます。この電車は……

 

 

 

 

 

 

 

電車はターミナル駅をゆっくりと発車した。

 

扉が閉まったことでより一層圧の高まった車内で男は懸命に踏ん張っていた。

都心の複雑な路地を抜ける為に電車はあっちらこっちらへカーブする。軽くなったと思えば双肩に人の圧がずしりと乗ってくることで壁まで突き破ってしまいそうだ。実際は壁なんて抜けず俺が潰れる方が先だろう。速度が遅い事が幸いし、まだ人波が破綻するような事は無い。あまりに理不尽な人の圧力。抵抗するのも馬鹿らしくなるほどの孤軍奮闘。楽になるのは一瞬だが、その後は某ジャクソンもビックリな姿勢で耐えなければならなくなる。

 

 

これは俺の経験則なんだが、日々の通勤通学で電車を利用する人間は、無意識のうちにどこにカーブがあってどこで揺れるのかという事を記憶しそれに合わせて身体を傾けているんだ。

 

いわゆる『習慣』というやつである。

 

しかしながら今日のように乗り慣れていない人間が存在する場合、その人間達が電車の揺れに対応しきれずバランスを崩してしまうことがある。そうなったら人の重みを支えきれない集団が将棋倒しの様になり、人間一人では到底受け止めきれないような波が起きる。

 

その波が発生する可能性が高いのは、次の駅を発車した直後に訪れる転線部(ポイント)だ。そうならないように祈りながら目を閉じて次の駅を待つ。

 

 

いくつか駅を通過した後、電車はゆっくりと減速し停車駅へと進入する。ここは地下鉄の接続駅であり、既にミッチミチに人間の詰まった電車へ乗ろうという人達がホームで列になっていた。

 

いやー……キツいッス……。ヤバいって!マジでヤバいって!!!

 

開いた扉へこれでもかとケツを押し込んでくる社会人部隊。凄まじい圧力に僅かな空間も保つ事などできず、身体をズラす暇もなく女性との隙間はみるみるうちに無くなっていく。

ホームには乗り切れない乗客が(あぶ)れ、積み残しまで発生してしまっていた。頼む、これ以上は勘弁してくれ。地獄の沙汰だ。

 

「いや……くっ!?すみません……!」

あッ!♡♡……いぐっ♡♡♡゛♡゛♡゛いひひっ♡だ、大丈夫ですからッ!おっ゛!?♡

 

情けないことに、あまりの圧で少しの隙間も保つ事が難しい。必死に抵抗を試みたが、万力に締められるが如く身体が女性と密着してしまっていき、まるで正面から抱き合ったような形になってしまった。

 

じっとりとした体温と女性特有の柔らかさと、ちょうど鼻元に頭頂部がきて髪から香ってくる甘い匂いに、精神衛生上及び身体的観点から非常によろしくない。近頃は『髪にかかる呼吸が不快だったから』とエアリアル痴漢と言われ捕まる事もあるようだし、こんなことになるならこの女性に背中を向けて乗り込むべきだった。

 

そして、密着したことで分かるブラウスにツンと浮くふたつの突起。押し付けられた柔らかな部位に感じる確かな粒硬さがコリコリと転がって、むくむくと脈打つように肥大していって、これが何なのかなんて説明する事すら(はばか)られる。

 

(なんでブラ着けてないんだこの女……!)

 

女性はびくりと身体を震わせ……いや、びくびくと小刻みに痙攣している。

顔を上げた女性と目が合った。眼鏡の奥にあるドロっと溶けたような虚ろな瞳と紅潮した頬。マスクで下半分が隠されているのにも関わらず、その顔は()()()()()()と思わせるようなもので。

 

……いや、溜まりすぎてんのか?

電車に乗り合わせただけの女性を、そのような目で見るなど頭が茹だっているとしか思えない。下着だってたまたま何かをこぼしてしまって着けてないとか、やむに止まれぬ理由の可能性だってあるかもしれないが……。

 

相当数の人間が乗り合わせているのに、ここだけは俺と女性の密室。閉ざされた境界で歯車が異音を立てて狂い始めていく。

 

 

 

 

 

 

 

──お待たせいたしました。お荷物やお身体を強く引いてください。ドアが閉まります……

 

 

 

 

 

 

 

(閉まっちゃった…♡ 扉閉まっちゃったんだ……♡)

 

この駅を発車したら電車はしばらく走り続け、かなりの数を通過してしまう。つまり私はこれから長時間この男性の腕に包まれたまま密着せざるを得ない。

 

(わたし)と違う筋張った筋肉と血管が浮き上がり、力強さを感じる腕。ワイシャツ越しに感じる確かな筋肉の硬さ。私の頭は彼の首元位までしかなく、押さえつけられたら絶対に覆せない体格差。

 

そう考えただけで……。

 

(おまんこ熱っ♡♡♡(ねじ)れる♡♡♡♡)

 

下腹部が、下腹部の奥が強烈に熱を持ち、勝手に収縮しては紫バイブ3号くんにめちゃめちゃにされる。

まだ立てている事が奇跡だ。この人の支えと人の圧がなければもうとっくにその場にへたりこんでイキ散らかしてる。そうなったら、どうなっちゃうのだろう……。

乗り合わせた人に動画などを撮られてSNSに拡散されてしまうかもしれない。そうなったら社会的に終わりだ。もしかしたら動画を見た人間に()()()()()をされる可能性さえある。

 

そんなリスクが天秤に掛かっているのに、私は止められない。

 

粘ついた興奮が乳首に集まり、痛いぐらいに浮き上がっていた。上半身はただブラウスを纏ったのみで防御力なんてまるで無くて、押し付けられた男の胸板に密着するたび、ほんの少しの衣擦れ刺激で乳首は更に硬く尖っていく。少しでも刺激が欲しくて男の体にわざと押し付けては先端だけが擦れるように身を揺すった。

 

(バレる……♡絶対バレちゃう……♡♡♡こんなノーブラ勃起乳首なんて押し付けたら絶対バレちゃう♡♡♡♡♡)

 

「はー……♡ はー………♡」

 

ぎしりと音を立てて電車が動き出した。モーターが回っていく音と比例して速度が上がっていく。

 

まるで、私の興奮の坩堝(るつぼ)が巻き上がっていくように。

 

(あっ……♡乳首…♡乳首気持ちいい……♡♡♡ブラウスに擦れるのいい……♡♡♡♡)

 

ひたすら自己研鑽して開発した乳首はほんの少しの刺激でも甘い痺れを下腹部にもたらしてくれる。

 

胸はあの憎き陽キャたぬきのようにばるんばるんにはならなかったが、なんなら昔からサイズに変わりは無いけども、悔しくてチクニーが捗ったりなんか絶対していないし。だいたいあんなの脂肪の塊がぶら下がってるだけだしデカ乳輪になりやすいし走ると痛いらしいし足元見えなくて階段怖いっていうし屈もうとするとそれはもう胸がつっかえて邪魔そうだし服のサイズも胸に合わせないといけないし合わせると太って見えるし脱いだ時の破壊力が凄いって何?着痩せとかなんとかそもそもこっちは晒すような駄肉がないパーフェクトボディぞ?残念そうな目で見られて甚だ不愉快だしあんなの将来的に垂れるだけだしデッドスペースが生まれて仕方ないし下着は可愛いの無い上に値段高いしコスパが悪いだけなので悔しくなんかない。断じて。それに比べどうだこの均整の取れたスマートな身体は服のシルエットは綺麗に見せられるし省スペースミニマリズムオーバーサイズもスキニーフィットもなんでもござれで選び放題採寸要らずの希少価値なんだよつまりステータスなん

 

 

 

どちゅん♡

 

 

 

その時、電車が傾き人の波が引いていく。ずっしりとかけられていた圧がふわりと無くなり、息苦しさから解放された。一瞬の出来事に身体が反応できず私の脳内は全くの無防備を晒して(ほう)ける。

 

 

 

 

 

 

 

─────あえ゛っ?

 

 

 

 

何が起きたのか分からなくて、でも、どうしようもなく気持ちよくて。

 

 

 

 

 

……?…………??♡…………?♡♡??゛♡♡゛♡??♡゛♡!♡?゛!?♡!?゛!゛?

 

 

 

清流に泥が舞ったような混濁。意識。視界。

 

 

引き波が過ぎた後、戻ってくるのは寄せ波。振り子は向こうに行けば当然こちらに帰ってくる。

 

彼は踏ん張るため片足を前に出し人波に抗おうとしたのだろう。それが、予期せず私に股ドンするような姿勢となってしまった。しかし人の勢いは到底彼一人で受け止め切れるものではなく更には身長差もあったため、足の間に置かれた彼の太ももが紫バイブ3号くんの柄に接触し押し込んでしまった。

 

()()()()()()()()()

 

紫バイブ3号くんはGスポットを乱暴に削り、更に奥のポルチオを(したた)かに(えぐ)った。むいんむいん身をよじらせ、振動を伴ながら子宮口をぐりっ♡ぐりっ♡と刺激して、びんびん勃起クリトリスにも吸い付き部が包皮を(めく)り上げて直撃する。

 

極めつけは男の硬い身体が人の圧によって縫い付けられ、壁との間に挟まれた私を押し潰す。

 

電気回路に過大な電流が流れヒューズが吹き飛んでしまったように、頭の中を巡っていた思考が一瞬でブラックアウトした。ばちんばちんと音を立てて脳内回路が焼き切れていく。

 

(むり゛ッ! ♡…♡゛♡♡!!!こ…んなの!むり゛♡♡ッ……こえがまんむり♡♡゛ッッッ♡゛♡♡♡)

 

全身の筋肉が緊張と弛緩を繰り返し、腹の奥から止めどなく湧き上がってくる波が引いては何度も押し寄せて絶頂が治まらない。

遂には勝手に膝の力が抜け、がくりと姿勢を崩してしまう。

 

 

 

 

ごちゅ♡

 

 

 

 

 

!!……!♡♡!!!♡…?♡゛!♡♡゛?…♡!!…!?……♡♡♡?゛

 

 

 

 

再び、雷に打たれたように快感が身を貫き、呆気なく女は果てた。

 

不意に訪れる電車の揺れで男の膝と接触した紫バイブ3号くんが膣内でひどく暴れ回る。時にはずぷっ♡と強く押し込まれ、解放されては小刻みな揺れで膝にとんとん♡とタップされ、また電車の加減速で左右色んな所にごちゅり♡と食い込む。まるでわざと攻めてるんじゃないかと疑いたくなるような愛撫が小刻みに襲い掛かり続けていた。

 

女が少しでも姿勢を崩せば紫バイブ3号くんの柄が男の膝へ接触し突如の刺激が膣内を貫く。それに耐えるには頑張って立ち続ける他ないが、足に力を入れて頑張ろうとすれば骨盤の筋肉が連動して膣内を締めつけてしまい、バイブの微振動とうねりで簡単にイってしまう前にも後ろにも進めない快楽拷問。

 

 

 

 

 

 

 

ご乗車ありがとうございました。まもなく───

 

 

 

 

 

 

 

電車が減速を始め、あちこちから吐息が漏れる。長かった通過も終わってようやく停車駅が訪れたからだ。

幾多の駅をまとめてすっ飛ばす快速っぷりは乗っていて爽快感を覚えるかもしれないが、裏を返せばただ閉じ込められる時間が長いだけである。

 

しかし残念なことに次の駅は乗換する客が入れ替わるだけで、ギッチギチがギチギチに変わるくらいの微々たる差であり、あと2つ先まではこの状態が続くだろう。

 

 

そして俺は非常によろしくない事態に直面していた。

 

電車の揺れに対して踏ん張っていたが、あまりの人の圧を1人で支えるにはちょっと無理があった。

ただでさえ抱き合うように密着してしまった女性に対して股ドンするような姿勢になってしまったのである。足の位置を戻そうにも他の乗客のカバンが引っ掛かっており、膝を伸ばせない状態に固定されてしまった。

これについては全く意図したものじゃなく、不幸にも様々な要因が絡み合った結果なんだ。本当なんだ。断じてわざとじゃない。

 

……女の股座(またぐら)になぜか()()()()があり、俺の足はそれを()()()()ような形になってしまった。するとどうだろう、密着している女は身体をビクンビクン♡と震わせ「ふッ……♡」とか「んん゛♡」とか必死に声を押し殺した吐息を漏らすように変化を見せる。

電車の揺れで強く押し込んでしまった時なんか目をかっ開いて身体を震わせるし、その後の虚空を見つめるような目は明らかに賢者タイムへ至っていると思しき表情で。

 

いや、これもう、もしかしなくてもそうだよな……?

 

それどころか、明らかに下着をしていないと思われるブラウスに浮くふたつの突起と、膝に当たる硬いモノが微細に振動しているおかげで、この女性がナニをしているのか分かってしまった。体調が悪そうに見えたのも、普通は辟易しそうなこの状況に彼女が興奮して乱れているためだろう。

 

……人の性癖その他趣味趣向にとやかく言うつもりはないが、せめてTPOを弁えていただきたい。勝手に社畜的親近感を抱いていたのは俺だが『少しでもこの体調の悪そうな女性が楽になれれば』とか思って頑張っていた事がバカみたいだ。

呆れと、落胆と、独り善がりの正義感を踏み躙られてふつふつと湧き上がる怒り。この女からしたらお門違いかもしれないが、ヒートした本能はもはや収まりのつかないレベルに達して、全身を巡りある一点に集いだす。

 

その火種(本能)に油をぶっかけるように、本能へ積み重なる女性特有の柔らかさと、じっとりと粘ついた温もり。直接芯を揺さぶってくる香水じゃない発情した雌の匂い。目の前の女がオナニー(変態行為)に耽っているという非常識な淫靡さ(シチュエーション)

 

それを指して『怒張する』なんて表現することもあるだろう。

存在を誇示すように、俺の怒りを代弁するかのように脈打ち下着の中で体積を増してゆく本能の象徴。鈍い痛みと共にスラックスのファスナーを山のように押し上げて、それはゆっくりと猛り狂っていく。

 

 

 

電車が停止し扉が開くと、降車客が人混みをかき分けながら這う這うの体で降りていった。どうせなら俺も降りて後続の各駅停車など空いている電車へコンバートする案も考えたが、色んな意味で身動きが取れる状況じゃない。

どうしようかともたもたしていたら、また同じだけの人数が乗ってきてしまいあっという間に車内は元のギチギチ状態へ戻ってしまった。

 

ベッドタウンである次の駅に到着すれば、だいぶ余裕が生まれるはずなんだ。希望的観測だがここさえ乗り越えれば後はこっちのもんである。

と言いたいところなのだが、ジョジョ立ちの様な足の状態をなんとか戻せただけで女性との密着状態が解消できたわけじゃなかった。

 

そのせいで俺の制御を外れた突っ張り棒は女の下腹部へ食い込んでいく。

硬い棒はしなりながらも、女の柔らかい腹部へぐりぐりと先端を突き立てるように脈打って暴れていて、もはや言い訳できないレベルを余裕でぶっちぎっていく。

 

(マズい……)

 

とてもまずい。

 

非常にまずい。

 

いちど勃起を始めてしまったブツを治めようにもすぐには無理だ。それ自体は俺のモノが健康である証明であり喜ばしい事なのだが、今この状況がとても良くない。

 

こと電車の中で意図せず密着してしまった女(電車内で自慰に耽る変態である)の下腹部に押し付けられた勃起。これをポジショニングする為には手をゴソゴソする他なく、当然のこと一発アウトだ。

 

いくら電車内でオナニーする変態だとしても、この女がひとこと「痴漢です」と言えば矮小な社畜男の社会的地位など即座に消し飛んで無くなる。第三者から見れば完全な犯罪行為であるし、もし俺がその立場だったとすれば、にべもなく男側を咎めるはずだ。

再度だが、原因は主に俺であることと認めよう。しかし故意じゃない事を分かっていただきたい。事故なんだ。

 

俺は誰に向けるかも分からない言い訳を必死に考え、この状況に怯えていた。

だと言うのに女は、俺のイキり散らしたモノの先端へ下腹部をぐりぐりと押し付けてくる。さながらズボン越しに床オナしているような快感が腰を伝ってきて、肉槍には追って多量の血液がなだれ込みスラックスに押さえつけられて鈍い痛みを発した。

 

その事にイラついた肉槍は更に怒りを溜め込んでいく。

(わざとやってんのかこの女……!)

 

 

 

 

 

 

 

お待たせいたしました。発車いたします。ドア付近の方はお身体を引いてください─────

 

 

 

 

 

 

 

(絶対バレた……♡ 絶対バレてるこれ……♡♡♡♡)

 

 

 

電車の扉が閉まり再び電車内は密室と化した。

多くの人で埋め尽くされた1つの空間は、更に私より頭半分大きい男性にびったりと密着されて、包まれて、身動(みじろ)ぎひとつできやしない牢獄となる。

そんな密室に閉じ込められたまま、電車はまたひとつ駅を進んだ。

 

遂に、遂に露呈してしまった私の変態行為(オナニー)

さっきイッた時に顔を上げた際、男の瞳と目が合って怪訝に顔を歪め気づいたような素振(そぶ)りをした。

 

その証拠に自分だけじゃなく男の体温も上がっていき、密着しているところはじっとりとした汗を感じるまでになってきた。極めつけは私の下腹部へ突き刺さり、自らの存在を力強く主張する雄の本能。

 

私の大事なものがたくさん詰まった下腹部に、その残虐性をゴリゴリと押し付け突き破ろうとする所業はまさしく咎を食い破らんとする猛獣。

 

「はっ……♡ あははっ……♡♡いひっ♡ひひひ♡♡♡」

 

クロッチ部に溢れかえった液よりも、こってりとした汁が奥底から湧き出す。いつもがさらさらとした粘液ならば、いま奥底から湧いているのは蜂蜜みたいな重さをしたどろどろの樹液みたいなたやつだろう。

 

(なに…これ…♡硬ッ……♡♡♡うわぁ……♡ズボンぶち破りそうじゃん……♡♡♡しかも、この黒ディルド5号くんに匹敵しそうなサイズ……♡♡♡♡)

 

どうにかしたい。

 

怖い。

 

これでどうにかなってしまいたい。

 

怖い。

 

こんなのでどうにかされてしまったら……。

 

その恐怖は何に対してのものなのか?自分がオスにめちゃくちゃにされそうな事へ対する恐怖か?それともこんな時まで発情して止まらない自分に対する恐怖なのか?

 

もうどうだっていい。

たぶんこれはそういったものと別の『何か』で、他に表しようがないから『恐怖』と言ってるだけなんだ。おまんこの奥を浮つかせて仕方がない、鍋の底に焦げ付いた炭のようなちょっとやそっとじゃ剥がれない焦燥感。

男の匂いでボヤける脳内と、もっともっと♡と先をねだるすっかり煮込まれてぐずぐずに溶けた下腹部の奥、子宮。

 

どうせ私の変態行為(オナニー)は男にバレてしまったのだ。ならもっと『気持ちいい』を享受したい。

 

 

…………♡

 

(もっとチンイラしろ……♡もっともっとぶっ濃いせーし溜めて溜めて溜めまくって金玉ゴポらせてイラつけ♡ほらっ♡ほらっ♡)

 

自らの身体を揺すって男の残虐性を煽るような行為を重ねる。

私と男の間で硬く屹立する肉槍は、いい塩梅で体外から下腹部の気持ちいい所を押し込んでくれた。

あたかも体外式ポルチオをキメているかのような蝕む快感がジワジワと広がって身体を巡り脳へ達する。

 

どうせ私のしている事は露呈しているんだ。であればもはや恥も外聞もない。

 

 

 

ぐりゅっ♡

 

 

「ん゛ぉ゛ッ゛!゛?゛♡゛♡♡♡」

 

 

ばちんっと頭の中を焼いた電撃に、汚ったねぇ濁点が喉から噴き出る。

 

腹部の薄皮越しに肉槍の先端と紫バイブ3号くんがいい所を挟み撃ちにしたからだ。

強い衝撃の後に、更にジワジワとボディブローのように効いてくる波。意識を侵食するそれに引き締めていた気も緩む。もう自分が擬態できているか考える余裕もなくて、ただただ身を焼かれていく様を受け入れるしかない。

 

(おっ゛♡ふぅ゛っ♡♡あっあっあ゛っ!♡ヤバい♡♡♡これキく!♡♡♡キきすぎ♡♡♡♡」

 

思考は声として漏れ出していた。

 

加速を続け最高速に達した車両は左へ右へと揺れる。その度にずむっ♡ずむっ♡とポルチオを小突く先端。びくっ♡びくっ♡勝手に緊張して引き攣る全身の筋肉。外からポルチオを押してもらうオナニーなんて早々自分一人じゃできない。だからこそ夢中になって身体を擦り付けに行く。

 

てらてらと漂う蛍光灯も、身を焼かれる路線図も、ただただ揺蕩う中吊り広告も、無機質な固さのスマートフォンも、しきりに場所を直す吊り革を握る手も、座席の(もた)れた仕切り板も、自らの影を写す窓も、尾を引いて流れていく街灯も、耳に触れる息遣いも、身体を苛む熱さも、何も何も視界の外へ追いやって。

 

 

ぜんぶぜんぶ、全部の神経を尖らせて怒り狂う雄へ煽り立てる。

 

 

もっともっと狂え。もっともっと猛れ。もっともっと犯せ。もっともっと壊せ。

 

 

 

「いひっ♡♡゛……ふっ~…♡…ふーっ…♡ふぐっ…♡♡!!~…っ♡♡♡!……♡……!んんん゛♡…お゛っ♡♡~~~♡!!!」

 

 

 

押し付けて、押し付けて、押し付けて。

 

 

 

──ガタンッ

 

 

 

ぐりっ♡

 

 

(おっ♡!?!!?ごッ♡♡?!?!!!)

 

 

「ッッ♡♡♡゛♡゛~~?!♡~~!??」

 

 

 

鈍器が子宮を殴りつけた。

 

否、電車の揺れで勢いの乗った男の腰が、その体重と圧力を肉槍の先端一点に集中させて私の下腹部をド突いたのだ。

 

ぐずぐずに溶けてただ気持ちよさだけを伝えていた子宮口(ポルチオ)が急激に輪郭を持ち始め、じんわりとしていた快感が研ぎ澄まされて、刺すような鋭く重い快感が背筋から脳を串刺しにする。

 

もはや水分を吸いきれなくなったナプキンから溢れ出たドロつき汁はストッキングさえ貫通して内腿へ滴っていく。

 

(ブッ刺さっ……たぁ!!♡♡♡♡♡♡)

 

必死に声を押さえつけ、絶頂でただただ痙攣するに留める私。よくやった私。なんとかアヘ顔だけで堪えられたものの、次があればもう我慢できるかも怪しい。

 

「ふーっ♡゛♡♡!!ふー……♡!イッぐ♡♡!……♡…♡!」

 

あー……♡こっちみてる♡見られちゃってる♡マスク越しのアヘイキ顔……♡

 

濁った視界。霞む意識。男に痴態を晒したまま、また絶頂の波が来る。

 

 

 

 

 

 

 

 

まもなく到着します。お乗り換えのご案内です。次の各駅停車は────

 

 

 

 

 

 

 

電車はホームに滑り込み、扉が開く。

 

数えるのも面倒な程の人々が降車していって、ようやく身体にのしかかり続けていた圧力が無くなった。まるで堰き止められていた濁流が解き放たれたような開放感に、思わず膝の力が抜けそうになる。

車内にはまだまだ乗客が居るが、先程のような殺人的ラッシュに比べずいぶん余裕が生まれた。程なくして今度はスムーズに扉が閉まり、電車はまた走り出す。

 

しかし、俺と目の前でオホるこの女は未だ密着状態を解けずにいた。

離れてしまえば俺はギン勃ちのモノを世間にお披露目してしまうし、この女はイキ過ぎて産まれたての子鹿のように膝を笑わせており、支えがなければこの場に崩れ落ちるだろう。お互いに醜態を晒しかねないデッドリーな一蓮托生関係が構築されてしまっている。

 

なのに、この変態女は俺のスラックスの膨らみへ手を這わし、挑発するように爪先でカリカリ♡と肉槍の先端を(くすぐ)ってきた。カリ首の段差を狙うように指を引っ掛けてわざと弱い刺激に調節しながらトロ火で煮込むような手つきは、たまらなく肉槍へフラストレーションをもたらして雄をイラつかせた。

 

ふざけている。本当に。

こちらは一発人生で終わりだと言うのに、自分一人だけ(よろこ)んで、更には人の事を煽りやがる。

 

「いひひ……♡んぉッ♡次の、駅…降りたらッ……ぁんっ!♡いい所、知ってますから……♡♡♡!!ひひ……降り、ますよね?♡♡♡」

 

何がふざけているってこの女、よく見れば頭頂部に三角形の狐耳が生えてる事だ。見間違いかと思い2度見したがやっぱり生えている。

昔から狐は人を化かすと言うが、こればかりは一発ぶち込……いや一言いってやらねば気が済まない。

 

眼鏡の奥、女の濁った瞳に灯る欲望の烈火。

その灯りに俺の中の何かが引き千切られ、気づけば女のブラウスに浮く突起を摘み上げることで返事をしていた。

 

 

「ちく、びっ♡♡摘んじゃ…いっぐ♡?!♡!?……いぐっ♡♡んぉ♡♡いひィ♡!!」

 

 

体温と発汗でじわりと湿ったブラウスの下にある硬く(しこり)になった乳首。

弾けばまるでゲームパッドのスティックの如くぷくっ♡と跳ね戻るボタン乳首はかなりの感度で、ちょっとやそっと開発したんじゃこうはならない。胸は薄っぺらい幼児体型の癖して、かなり年季の入った開発具合だ。

 

「上等だ、降りてやるよ変態女(クソ狐)

「……あはぁ♡」

 

 

 

 

 

 

 

電車から降りて、係員の居ない駅ビル直結の無人改札を出場し変態女(クソ狐)について歩く。駅ビル内は百貨店のような複合施設になっていて、セレクトショップを始めカウンターやアパレルブランドが並んでいた。

 

申し訳ないことにどの店にも用事は無い。平日の、しかも夜という時間帯であとは閉店を待つばかりなのだろう。奥へ進むほどだんだんと客の数はまばらになっていき、暇そうにしている店員と目が合った。

何か声をかけてくるでもなく、こちらも何もありませんよという顔で通り過ぎる。社会人になってポーカーフェイスで偽る事ばかり上手くなった。

 

「ふー……♡ ふー……♡♡」

 

その間にも耳に届く荒い呼吸は前を歩く変態女(クソ狐)のものか……はたまた俺のものか。

 

気づけば周囲に人気はなく、店舗も無いエリアまで来ていた。フロアの隅、大概こういう所にあるのは……。

 

「…ここのトイレぇ………滅多に人が来ないんです……♡」

 

やはりというかなんと言うか、店舗を通り過ぎた辺りから予想はしていたが期待通りすぎて安心感すらした。ぐるりと周りを見てもここには変態女と俺しか居らず、外界と隔絶されたような錯覚に陥る。

 

「……本当に救いようがないな」

 

にへらと粘ついた笑みを浮かべる目元は、ハイライトが消えて瞳にハートが浮かんでいるエフェクトが掛けられそうなぐらいに仄暗い。マスクの下で上気した頬が歪み、ブラウスには誰が見ても分かるぐらいに勃っている乳首が影を作る。

その突起をガリガリと爪を立てて引っ掻く。乳首が薄い胸に沈むたび、頭頂でびこんびこんと踊る狐耳が彼女の興奮度を指し示していた。もはや隠す気も無いんじゃないだろうかこのクソ狐。

 

「んいぃ゛♡♡♡!?えへぇ゛♡おにーさん気が早すンぎ♡♡♡」

「……マスク貫通してアヘ顔晒す変態に言われたくねぇわ」

 

俺も、変態女も余裕なんてこれっぽっちもない。始発駅からかれこれ半刻ほど煽られ続けたオスの本能はもう噴火寸前で留まっていた。

 

誘蛾灯に誘われる哀れな虫のようにフラフラと近づき、興奮を抑えもしないまま2人してトイレの個室へ雪崩込む。

百貨店のトイレらしく清潔感のある白を基調として清掃の行き届いた個室だが……先に謝っておく。たぶんこれからめちゃくちゃ汁まみれにしてしまうだろうから。

 

 

後ろ手に鍵をかけた。

 

ガチャリ、といった音で俺は自覚した。

 

もう後戻りはできない。

 

 

クソ狐はまずタイトスカートを捲り上げ下半身を晒した。ストッキングに包まれた赤い紐留めのショーツと生白い肌の下半身。

身長が小さい見目どおりに身体も薄く脚もほっそりとしたもので、良く言えばスレンダー、悪く言えば華奢という言葉がよく合う。

 

しかしショーツはおろかストッキングすら貫通して股座(またぐら)から内腿(うちもも)、果ては内(すね)に至るまで興奮で上気し、色が変わるぐらいに蜜を溢れかえらせていた。

そしてショーツのクロッチ部からは筒状のものが出っ張っており、散々電車の中で悪さをしていたものがやはりバイブだったと思い知る。

 

「……んー!邪魔ァ♡♡♡!」

 

クソ狐は爪を立てビリリッ!と勢いよくストッキングを切り裂くと腰紐を解いてショーツすら脱ぎ去ってしまう。多量の汁気を含んだ布がべちゃりと情けない音をたててタイル貼りの床に沈み、その下の秘部を露にした。

 

つるりとした(なだ)らかな肌が弧を描いた先には、濃い赤みを含む陰唇とぬらぬらと蜜で鈍く濡れ光る紫色のモノ。

それを咥えこんだまま蹲踞(そんきょ)の姿勢で屈んだクソ狐は右手で自らのカリカリ♡と乳首を掻き、左手でぐちょぐちょ♡とバイブを抜き差しし始める。

 

「ん゛お゛…お゛♡♡♡あー…キく♡♡ 見下されオナニーヤバい……♡♡♡♡♡」

 

ぢゅっこ♡ぢゅっこ♡じゅぽ♡ぬっぽ♡ぐちゅっ♡じゅぷ♡

 

こちらを煽るように見上げながらさっそく1人自慰に(いそ)しみ始めたクソ狐は本当に度し難い。Gスポットを擦りあげるようにバイブを押し込むからか、手の動きに合わせて恥丘がぽこっ♡と浮き上がる。

 

勝手気儘に振る舞う傍若無人ぶり。

 

「おい……1人だけで盛り上がってんじゃねぇよ」

 

そのぶっトロけ顔に、また怒りが湧き上がる。

こっちだってお前のオナニーに付き合わされてイラつきが止まらねえんだ。おかげで電車から降りてここにたどり着くまでずっと不自然な前屈みする羽目になったんだぞ。

 

向こうがそうするように、こちらも性たる部分を解放する。開ける事に難儀するほど持ち上がったスラックスのファスナーを引き摺り下ろしパンツの留めボタンを外す。

興奮のあまり覚束無(おぼつかな)い手つきになってしまったが、押さえつけられ鈍痛を発していた肉槍が勢いよく解き放たれた。

 

べちんっ♡!

 

「お゛ん♡!?」

 

意図せず弾みのついた肉槍がクソ狐の鼻先を叩いてしまったが、そのまま臭いをこびりつかせるように切っ先を押し付けた。不織布越しに唇の柔らかさが(たわ)む。

 

 

「チンポビンタ♡!?あっへ♡♡!?クサッ♡!!くっさ♡♡♡♡!」

 

今日1日、外回りして熟成された仕事終わりの芳醇な香りは持ち主の俺でも顔を背けたくなるものだ。更には電車の中で怒りを重ね(チンポ煽り)られた肉槍はカウパーでぬらついていて、それがまた不快度指数を高めていた。

 

俺はクソ狐のマスクを持ち上げ、その隙間へ肉槍を挿入した。ほんの少しの瀬戸際を守っていた防御壁はいとも容易く取り払われ、吐息と吸気の汽水域へ異物が混じる。

 

「あっあ♡あ♡……っあ!あぁあ♡ぁっ!ああぁ…♡゛!」

 

肉槍の裏筋に感じる唇と熱く湿った吐息、クソ狐の濁った瞳がぐりんと上を向きかける。そりゃあオスがオスたる臭いをゼロ距離で嗅がされてるのだからたまったものじゃないだろう。

 

臭いを嗅いで、より一層バイブをジュポる手を加速させるクソ狐。自分1人だけトリップしないでもらおうか。

 

「歯立てるなよ」

「──ォごッ!!??!」

 

先程からオホ声をあげている口元へ先端を押し付け、熱気が満ちる口腔内へ強引に肉槍を突き立てる。そのままクソ狐の後頭部を押さえ、喉奥まで無理やりに尊厳を奪った。

亀頭が喉輪に引っかかろうともお構い無しに粘膜へ沈めてゆく。クソ狐は濁っていた目を白黒させて混乱しているようで、喉奥への衝撃の為に目尻には涙が浮かべ、反射のため嘔吐(えず)いた。それがまた喉を締めさせ、肉槍には膣穴とも尻穴とも違う押し返すような粘膜の感触が響く。

 

変態女の口許はマスクで隠れているため見る事ができない。だが、肉槍に感じる喉粘膜は確かにイラマチオをしているという征服感を掻き立てた。

ゾクゾクとした昂りが背筋を上がってきて、肉槍はよりいっそう脈を打ってのたうち回り、その刺激に反射して喉奥は締まる。鼻息で陰毛が(そよ)ぎ妙なこそばゆさが追ってきた。

 

「ん!お゛お゛!ぐ…っ!ごぉぉ゛っげぇ!お゛っご…おぉぽッお…!ぉ!」

 

何かを喋ろうにも肉槍に塞がれ舌は動かせないし喉は閉じられない故に、鼻で必死に呼吸しようとしているがそれでも酸素量は十分でないだろう。

それどころか股座の臭いは彼女の鼻腔さえも犯す。

 

散々体の至る所を開発しているクソ狐もさすがに喉の奥までは範囲外だったらしい。その顔は快感と言うよりも苦悶で歪んでいる。

 

じゅぷ♡ごぷ♡ずちゅ♡ずりゅん♡ずにゅるるるる♡

 

唾液が溢れかえり、ひどく滑りの良くなった喉へカリ首を引っ掛けながら引き抜くと、ねっとねと♡になった肉槍がクソ狐の口から露出する。舌根(ぜつこん)のつぶつぶとした感触は高刺激のオナホールのようで、それがまたえも言われぬ浮遊感を(もたら)した。

 

「うごごご……!!?おぐッ!?!!んぶぅッ♡!!」

 

根元に近い所まで涎の輪が付き、こんな所まで飲み込んでいたのかと戦慄(わなな)きのようなものすら感じた。

 

凄まじい征服感が睾丸を支配する。

 

凄まじい征服感が腰を支配する。

 

凄まじい征服感が背中を支配する。

 

凄まじい征服感が脳を支配した。

 

ずっとずっと煽られ続けた怒りは、自分が思っていたよりもずっとずっと早く頂点へ駆け上がった。肉槍の激しい脈動と腰の奥底から迸る灼熱が制御不能域へと達する。

 

「あー……!やべぇ…もう上がってきた……!射精()すからな!!(こぼ)すなよ!!!!」

 

精管を這いずるあまりに濃い塊。肉槍の先端からだんだんと感覚が無くなっていき、手足の先まで灼熱が身を焼く。

 

こみ上がって、こみ上がって、こみ上がって、はじけ飛んだ。

 

クソ狐の後頭部を掻き抱いて、肉槍を根元まで粘膜に埋める。侵入者を必死に吐き戻そうとする食道は無理やりに押さえつけられ、後から後から湧き上がる性の奔流は直接胃へと殺到した。

 

 

 

「んッ───ごッ─────♡!!!」

 

 

 

変態女(クソ狐)の濁った目が限界まで開く。

 

 

「ぐ…!あっ……!まだ射精る……!」

 

 

散々っぱら煽られた怒りはまるで銃撃のような射精へと昇華し、(おびただ)しい量を強烈な脈動に乗せ撃ち放っていた。

彼女の喉奥や食道はへばりつく精液を必死に飲み下そうと蠕動(ぜんどう)し、口の中いっぱいに埋め尽くす肉槍を締め付けるように動く。それは意図せず肉槍を揉み搾るように動き、オスにとって極上の搾精機関に成り代わる。

 

「─────♡♡♡♡♡!!!!」

 

何度も、何度も、何度も、破壊的な脈動とともに塊が尿道を押し広げ、男は排泄でもしたのかと勘違いするほどの量を直接クソ狐の体内へぶち込んだ。

 

「はっ……!はっ──……!」

 

全力疾走した後のような心臓の慟哭(どうこく)

 

未だに引き()る身体に鞭打って腰を引く。きっちりと涎の輪が着いた粘膜まみれの肉槍がマスクの下から引き抜かれ、何本もの雫が糸を引いてぼたぼたと垂れ落ちた。

 

酷い臭いだ。

 

唾液と精液とが入り交じり言い訳の効かない性臭が個室いっぱいに広がった。鼻腔すら犯す湿気に、身体中へシャツが纏わりつく。もう少しで肉槍が引き抜けようという時

 

 

 

ずじゅ!!♡♡♡ずに゛ゅるるるるるるるる♡♡♡♡♡♡♡♡

 

 

 

 

──俺はこの変態女を見くびっていたのかもしれない。

 

 

再び喉奥まで咥え込まれた肉槍が、粘り気の混じった音と共に強烈に吸い上げられる。

尿道に残留していた残り汁も、オスとしての滾りも、下半身の力も、根こそぎ全てぶっこ抜かれるかのような衝撃。このまま玉の中身まで吸い上げられるんじゃないかと錯覚するような焦燥感。

 

瞳いっぱいにハートを浮かべたクソ狐が、頬をべっこべこになるまで凹ませてバキュームしながら唇で亀頭を磨き廻す。

 

「おい…!!離せッ……!ぐぁっ……!!?」

 

 

ぢゅっっっっぽん!!!♡♡♡♡♡

 

 

解放された肉槍が弾み返って腹を叩く。腰どころか膝の力までもが抜け、崩れ落ちてしまいそうだ。

 

「れぁ……♡」

 

マスクを捲りあげた下、開かれたクソ狐の口の中はいっぱいの白濁液で溢れかえっていて、舌がゆっくりと遊泳しながら攪拌する。その光景に充足感と脱力感が一緒くたに訪れて腰から膝から力が抜けそうになってしまう。

 

ともすればリスの頬袋のように膨らんだ頬の輪郭。無理やり吸い取られた残り汁でコレなのだから、いったいどれだけの量が彼女の胃に収まったのか想像もできない。

 

 

「……んん゛…」

 

 

射精したことで少し勃起の緩くなった肉槍をクソ狐の手が包む。いったい何をするつもりなのか、緩慢な速度でしか回らない思考のままに俺は見ているだけしかできない。

 

白く細い首。喉。肉槍の先端が持ち上げられ首筋へ押し当てられる。薄皮の下、結喉の少し硬い感触。

 

形の綺麗なツリ目がニマァ…と歪み

 

 

ゴキュッ…♡♡♡!!ゴクッ♡♡♡!!ゴッキュ♡♡♡♡!!!!

 

 

 

()()()

 

 

閉鎖された個室に響く咀嚼音。

粘度が高く飲み下しづらいのか、何度も何度も突き上がる喉骨。否応無しに伝わってくる嚥下の蠢き。

 

喉骨が肉槍の先端を転がり、蠕動を腰にまで伝えてくる。

 

「うっ♡おげェ…♡ ゲホッ…グェッッップ♡♡♡♡♡ おっ゛ほ♡ザー汁くっさ♡♡♡♡」

 

およそ女がしていい噯気(ゲップ)ではない。いや、女とか関係なく人として不快に思うだろう。

 

 

()()()()

 

 

滂沱する思考。本能が溢れかえる。

 

違う、違う。

 

()はメスの腹を満たす為に、ただの栄養の為に必死こいて精を作ったんじゃない。蓄えたんじゃない。身を粉にしてまで射精したんじゃない。

 

違うだろ。もっと違う穴だろ?

 

子作り穴だろ。雌穴だろ。孕ませ穴だろ。

 

射精すべきは膣内だろ?

 

射精す(孕ませる)べきは子宮だろ───?

 

オスの本能から激しい怒りが湧き上がり、心臓の鼓動によって血液が巡り、滾りとなって一点へと集中していく。怒りは薪に、燃料に。燃え始めたら灰と化すまで。

 

射精したばかりだというのに、青筋が浮き上がりだした肉槍。めりめりと根元から膨らみ出し、ゆっくりとその刀身を引き抜いていく。

 

「わあ……♡」

 

脈打つ度に血管が浮き出し、裏筋は歪に膨らみ始める。怒りが海綿を巡ってカリ首はメスを蹂躙せんと傘を開いた。こんなものを挿入すれば女の膣襞なんてグチャ混ぜ間違い無しだ。蹂躙に蹂躙を重ね、子宮の逃げ場を無くして膣内射精(ナカダシ)する気満々のオス。クソ狐の顔面に突きつけた見せ槍にはそれ以上のものが含まれる。

 

変態女(クソ狐)にも、穴はあるんだよな……。

 

思考は完全に獣欲に呑まれていた。

意思なんて、理性なんて、完全に蒸発して枯れ果て、身体を突き動かす全てを性欲が支配する。

 

「うひひ♡♡♡……1回射精()したらオシマイですかぁ??♡♡♡♡」

 

ここに来て、なお煽るクソ狐。

 

びきり、びきりと肉槍が音を立てた気がした。

 

 

 

 

 

 

(これ、想像以上かも……♡)

 

眼前に(そび)える獣欲の化身。電車内で見積もった戦闘力は、ざっと黒ディルド5号くんに並ぶと思ったがとんでもない。

 

長さも太さもカリ高具合もそれを凌駕して凶悪。

血の通った肉のはずなのに鉄芯でも入っているのかと見紛うほどの硬さ。突きつけられた顔が火傷しそうな程の熱さ。

 

(ピピー!!こんなの凶悪チン棒所持法違反で現行犯逮捕!!!♡♡♡♡)

 

煽れば煽るだけ迫力を増す雄臭さに思わず甘アクメに達するというもの。喉の奥底、先程排泄された精液臭が消化器官から立ち昇り、自分の呼気に混じって香るだけで脳内麻薬ぶっキマり。頭を内側から犯されパチパチと目の前で散る火花。

 

「───うぇっ?」

 

トリップしていたら、ぐるんと世界が裏返る。

 

腕を掴まれたらしい。脚を抱えられて浮かされたらしい。

()()()()()()()()()()()()()という事に気づくまでたっぷりたっぷり数十秒。

 

背中と頭に感じる固い陶器の感触で、自分は俎板(まないた)の上の鯉になったのだとようやく悟る。

 

その間にも男は自らの体を太腿に挟み込み、閉じさせないようにブロックしてしまった。アクメをキメ続けた身体に力なんて入るはずもなく、あっけなくおっぴろげにされてしまった私の孕み穴(おまんこ)

 

辛うじて抜けずにいた紫バイブ3号くんだけが静寂の中むいんむいんと身を捩る様は滑稽(シュール)にも思えるが、ついに男の手が柄を掴み栓を引き抜く。

 

「っ!!?♡♡♡」

 

のるんっ!どろ…どろ……

 

溶解している、そう形容する他ない状態の秘裂。さんざん分泌された天然おまんこローションと撹拌されたこってり子宮汁がブレンドされて、にっちゃにちゃと糸を引く。ずっと挿入(はい)っていた栓が引き抜けたから膣口のパクつきも止まらない。

 

こぷこぷと湧き水のように溢れる愛液が、私の興奮をありありとバラす。これじゃあ万年発情期の兎を笑えないじゃないか。

 

 

ボトッ

 

 

下腹部に載せられたそれ。

 

容易にメスの奥の奥を踏みつけて、肉の穴をミッチミチに埋めてもなお肉襞(にくひだ)を押しのける長太さ。

絶対に女の子の中をズタズタにして(わからせ)るカリ高の亀頭。

蚯蚓(みみず)でも這ってるのかと疑いたくなるぐらい、ぐろぐろと浮き上がった血管。

釘でも打つんですかというぐらいの硬度を携えて(いびつ)な肌の模様をする幹。

 

そんなものが下腹部へ載せられている。照準を定められている。秘裂から臍まで、焦げ付くような熱を撒き散らしながら。

 

 

(これ……処刑(レイプ)宣言……♡♡♡♡)

 

 

合わせ槍されたモノは股間から臍まで届いている。

つまり挿入(はい)ってきたら子宮(おく)まで届くどころか潰されて絨毯爆撃(腰ドチュ)されるわけだ。

ローションに足を滑らせて一気に黒ディルド5号くんをぶち込んじゃた時の衝撃が脳裏を過ぎる。その時はしばらく意識をぶっ飛ばしてしまったが、このオスマラはそれを超えて奥底を押し潰すだろう。

 

男が腰を引き、ひくひく♡と蠢く膣口へ切っ先を突きつけた。赤黒い亀頭が秘裂を割り、陰唇を割り、自らの胎内へ異物感が埋まり出す。

 

「うっ、あ…うそ……♡」

 

目一杯開かされる膣口。ゆっくり押し広げられていく圧迫感。あっつあつの肉槍が内臓に擦れる感覚。それに喜んで抱きつく膣肉襞。

 

ぬぷぷぷぷぷ……ぐちっ

 

「いっ♡……いひっひ……おく……♡♡♡ゆっ、ゆっくり、ゆっくりお願いしますぅぅぅぅうううう!!!?!?♡♡♡♡♡♡」

 

ゆっくりだった。確かに男の刀身はゆっくり侵入してきた。しかし1番奥の大事なところ(赤ちゃん袋)まで達したのに侵入を止めない。

 

ごちゅ♡♡♡ぐりゅりゅりゅりゅ♡♡♡♡

 

 

亀頭で膣穴をぐちゃぐちゃに押し広げながら、自らの刀身を根元まで埋め切るつもりだ。鬼畜だ。メスの事情なんか考えてくれちゃいない。

 

「ふ゛っ()ッ…♡♡♡!! ……深すぎっ♡♡!!潰れちゃ……♡♡♡」

 

(いくらそっちが標準男性の体格でも、こっちは三十路ツルペタの合法ロリボディなんだぞ!!指で子宮プニれちゃうぐらいマンコ浅いに決まってんだろ!!!!!!)

 

自らの下腹部を見てみれば、男の肉槍が入っているところがうっすらと盛り上がっており、穴の規格が根本的に合っていない。

例えるならちくわの穴に極太ソーセージを押し込んでる感じで、私が百戦錬磨のディルド自慰(オナニー)マイスターじゃなければ今頃アヘ顔晒して旅立ってるはずだ。

 

 

「おぉ゛…あッ♡♡…ぎっ♡♡」

 

(ちょっ待…♡腹ボコはさすがに想定外ッ……♡♡♡くるし……♡♡)

 

自らの(からだ)の拡張性にただただ驚くばかり。

確かに常人より開発されてるかもしれないが、それにしたってこんなのが挿入(はい)るとは思わなかった。

 

私のおまんこはみっちりと凶槍を飲み込み、肉襞が喜んで絡みつきにいく。やめて欲しい。無邪気に近づいたところでカリ首に足蹴にされる事が目に見えているのに。

 

長く息を吐いた男。ちょっと今ガチピストンは勘弁して欲しいな……まだ身体が慣れていない。

 

「い、いひひっ…♡挿入(はい)っちゃった……♡」

 

ごりゅ♡ぐりゅぐりゅ♡♡♡♡

 

「お゛ッ♡!?」

 

頭の中が溶かされる。

 

脳が処理できる許容量限界の電流がバッチン!と流されたからだ。無理やり腰を動かして屈服させるのではなく、おまんこを甘やかして躾けるつもりなのか、男の腰は円を描くように動き膣奥やポルチオを指圧するようにグリグリと刺激する。まるで獣が死に体の獲物をいたぶるが如き所業だが、狐は本能で理解した。

 

(これ……もう逃がす気無いんだ………♡)

 

そう思った時既に遅し。

脳の焦りに反して、オスを飲み込んでいる膣と子宮はその優しい動きに懐柔されてなつき始めている。とてもまずい。

 

形覚えさせられちゃう…♡せっくす気持ちいいんだって躾け(分からせ)られちゃう……♡

 

自慰に傾倒して蓋をして、知らないままでいられたはずの交尾の悦楽。メスとしての法悦。少しづつ氷解するように、思考は回らなくなっていく。

 

 

 

ぴとっ

 

 

 

「───え?」

 

さっきまで私の膣内を散々掻き回していた紫バイブ3号くんが男の手によって下腹部に突きつけられる。肉槍で内側から圧迫され、浮き彫りになった膣道と子宮、その陰影の秘すところ。

 

確かに私は体外式ポルチオも大好きだ。

 

外側からお腹を圧迫して子宮口(ポルチオ)で快楽を得る絶頂は病みつきになるぐらい後を引く。イキまくる。何度も何度も。現に電車の中でもそれで飛びかけた。

 

バイブをぎゅっ♡と押し付けられて、瞬間的にじくりとした絶頂電流が腰から上ってくる。電車の中では刹那の出来事だったから耐えられたのだ。このまま(かった)い肉槍で奥を耕されながら、表面からバイブの振動をぐりぐり与えられたらどうなるのか?

 

狐は恐怖した。明確に恐怖した。

 

片方だけだって絶頂するっていう(きもちいい)のに、2倍じゃなく2乗の快楽が襲ってくるのだから。

 

絶対に壊れる。壊れちゃう。

 

 

───けど、それ以上に、壊されたい自分が居る。

 

 

「待っで!それは一緒にされたらヤバいから……!やめ」

 

無情にも、カチリとスイッチの入れられる音。

む゛い゛い゛い゛んという無機質な作動音と、強い振動を伝えるヘッドが下腹部を這い回る。肉付きの薄い皮下脂肪は大して吸収することも無く振動が内部へと波及した。

 

途端に、ビリビリと痺れるような感覚が下腹部へ響き渡って、霞んでいた気持ちよさが一点に集まり出す。

 

それは熱が伝うように、水が流れるように、色が染まるように、ゆったりとした旋律のように、月の光が射すように、滑り落ちてきた。全身が無防備にオスの前へ曝された子宮のよう。

 

 

そして私は潰される。

 

 

男の腰が一気に引かれ、カリ首がゴリゴリゴリッ!!と膣襞を引っ掻いた。薄らぼんやりとした快感が突如として激しい電導を伴って脳に直撃する。

 

浮遊感、陶酔感、虚脱感、明滅、絶頂。絶叫。

 

「あ♡♡…っぁ!!あっあ♡♡!あぁあ♡っあ♡あっあ…あああああああっ!!!♡♡♡♡」

 

足の、否、全身の制御ができない。息ができない。筋肉が緊張と弛緩を繰り返し、足ピンしては耐え難いイキ苦しさに膝を抱く。

 

 

イッた

 

 

ばちゅ♡ずちゅ♡ばちゅん♡ずちゅ♡どちゅ♡ばちゅ♡どちゅ♡ぼちゅ♡

 

 

イッた。またきた。また、イッた

 

 

ずぶ♡ぶぶ♡いぶぶぶん♡ぶん♡ぶぶぶ♡ずぶぶ♡ずぶ♡

 

 

「ま゛っっ…っ゛って゛!ま゛ぁあっ…゛て゛!!…まっっっ♡♡!てぇっ♡゛っい…っっく゛!いっっく…♡…゛!い♡いいくっ゛う゛っ!いっっく゛っ!!」

 

わかんない わかんない もうわかんない あたまのなか わかんない わかんない おまんこ わかんない

 

 

肉槍が引き抜かれる時はエッグいカリ首が肉襞をずたずたに引きずって、突き入れる時は子宮も最奥も何もかも串刺し。しかもそれで腹ボコしたら表には強かに振動するバイブの頭が待ってる。

 

 

(なか)子宮(そと)、同時。

 

 

 

「やらぁ!!♡゛♡もう゛いくのやら゛ぁ!゛!!♡♡゛♡♡゛゛しんじゃう゛♡♡!♡!?♡♡!!しん゛ひゃう゛♡!♡♡!!?♡♡!!!」

「誰の許可なく逝ってんだ!!蘇生しろ!!!ブッ生き返すぞ!!!」

「いぎッ!?!??」

 

射精が迫り、切羽詰まった男の手は抑え切れない興奮を逃がそうとして最良のものを見つけ出した。もっともメスにとってみればそれは更なる責め苦に悶えるもので。

 

傾らかな丘の上にぷっくり♡と膨れた乳首を、筋張った指がツマミを弄るようにごりごり♡と容赦なく摘み上げた。途端、鮮烈な痛みと興奮が狐の脊椎を駆け上がる。痛いのに、痛いはずなのに快感で溶け切った脳はそれを気持ちいいとしか認識しない。痛みの大きさがそのまま快感に変換されて脳の奥へ直撃する。

 

「薄っぺらい胸のクセしてなんだこのデカ乳輪乳首は!!」

「ごべんな゛さい♡♡♡!!♡!チクニ゛ー気持ちよ゛くて乳首ばっかり゛弄ってま゛したァ♡♡!!♡!♡゛♡♡」

「龍の爪ばっかやってんだろ!!電車ン中でずっと俺使ってチクニーしやがって!!」

「じてま゛した♡♡!!」

 

乱暴な動きで男の指が乳首を蹂躙する。親指と中指で乳輪を引き伸ばして、人差し指の爪先で際立たされた先端をかりかり♡と転がしては潰し弾いては摘む。

 

 

 

揺すられる。ぜんぶ揺すられる。

 

 

イッたイッたイッたイッたイッたイッたイッたイッたイッたイッたイッたイッたイッたイッたイッたイッたイッたイッた

 

 

イクのが終わらない。次の波が来るんじゃなくイキ続けてる。

 

乳首がイッて、(なか)がイッて、子宮がイく。ぜんぶぜんぶが別々なのに増幅して、キャパシティオーバーな快楽物質が脳を犯す。

 

 

「ぐ……!射精()すからな!!!ちゃんとイキ締めしろよ便所女(オナホ)!!!!」

 

 

遂に宣告された最期(トドメ)。男の動きは苛烈を極め、情け容赦は一切ない。

 

ずちゅ♡!ばちゅ♡!どちゅん♡!どちゅ♡!ばちゅ♡!ばちゅ♡!ぶちゅ♡!ばちゅ♡!

 

粘性のあるものを撹拌するような音の混じった、肉と肉のぶつかり合う叩打音。個室どころかトイレ全体に響き渡ってそうな嬌声。もう誰か来たって我慢なんてできない。しない。

 

「覚悟しろよ変態女(クソ狐)!!全部膣内射精(コキ捨て)るからなぁ!!!便所女(オナホ)!!!」

「イギま゛す♡♡!♡!!イギ締め゛しま゛すからァ♡゛♡♡゛!!射精()してくださぃ♡♡!!!!」

 

男の腰が引き攣って。

自らが栓になると言わんばかりに膨れた肉槍で奥の奥をドちゅりまくり、乳首を摘み上げていた手もバイブを握っていた手も、このオナホを逃がさないと腰骨をがっちりと掴む。

 

「……ッ!!!」

 

食い込むほどに握られた腰骨の掌。子宮を抉るほど根元まで捩じ込まれた獣欲。男の呼吸が止まった。いや、男が呼吸を止めた。顎を伝った汗が顔に落ちてくる。体内にいる肉槍が爆発的に脈打ち、息を飲む事すらできずに溶け切った頭でぼんやりとだけそれを感じ取った。

 

 

あ……、来る……。

 

 

─────!!───!!!

 

 

奥が、子宮が、殴りつけられる。

 

 

バイブともディルドとも違う表面の硬さ。歪な形をした雄の化身から撃ち放たれる濃厚な生殖液(せいえき)。肉槍の裏筋が膨れる度に胎の中がズンと重たくなる。

 

何度も、何度も。衝撃が膣奥を揺らして、灼熱が馴染むように子宮へ溶融(とけ)ていく。なのに次から次へと注がれる重みが溢れ返って腹を膨らませていく。気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。

 

 

「あ゛っ゛♡!!!お゛っ゛ぉ゛♡♡♡♡♡!!!」

 

 

ブラックアウトする意識が炸裂と白濁で混じり合い、バチバチと弾け飛ぶ。射精しながら、子宮(おく)へぐりぐり♡と肉槍が押しつけられ、なおも追い打ちされる。長い、長い射精。

 

「あー……くそっ…!めちゃくちゃ出た……!!」

 

言葉通り男の放精は凄まじく長かった。

時間に比例して量も多く、肉槍が栓をするせいで、逆流もせず詰め込まれた精液が(なだ)らかなはずの下腹部をぽっこりと膨れさせていた。本能がそうさせるのか射精後も男の腰は円を書くように動き、肉槍の先端で執拗に子宮口をこじ開ける。

 

 

 

 

しばらくして、ようやく満足したのか男は肉槍を引き抜いた。

 

ぞるるるる♡♡♡

 

「あ゛ぃぃぃ゛!あ゛っ!!♡♡♡」

 

ぬぽっ♡……ぼっびゅッ♡♡♡♡♡

 

 

栓を失いぽっかりと開いた膣口から、糸束の如き特濃孕ませ汁が噴き出す。

あれだけ溢れていた愛液があったにも関わらず陰唇や膣内は擦過で真っ赤に充血し、どちらが出したのかも分からない白濁液が泡立って纏わりついていた。

 

呼吸さえ億劫な倦怠感。ぜぇぜぇと肩で息をする。色々な体液が飛び散った個室内の惨状。

 

「───すみません。お客様」

 

飛び込んできた他人の声に、二人してびくりと顔を見合せた。焦ったのか男は私の口と鼻を手で覆う。

声を出せない状況に陥って、陥った事に興奮したどうしようもない私の、お腹の奥でじくりと燻りった火勢は再び隆盛を見せようとする。

 

「……はい」

「間もなく当館は閉店でして、ご退出をお願いしたいのですが……」

 

射精したことで、少し芯の抜けた肉槍。

散々私を虐めてくれたお礼にお返しをしてやりたくなった。肉槍に指を添え口元へと運ぶ。焦った様な表情の男は口だけ動かして「やめろ」と言ってきた。

 

構うもんか。残り汁の滴る鈴口に舌をねじ込み、無理やり割開いて尿道をほじくり返す。射精後の敏感な亀頭にはさぞお辛い事だろう。ざまあみろ♡

 

びくりと跳ねた男の腰がガツンとドアに当たり、外から不審そうな警備員らしき声がする。

 

「お客様?どうかされましたか?」

「ッ……!すみません、腹が痛くてですね……。すぐ出ますので」

「……よろしくお願いします」

 

バレただろうか?そもそもトイレ中に充満するぐらいの性交臭がしてるだろうな。ならバレてるか。そもそもこのトイレは金のない高校生達が()()()()()をよくしている。

 

けど、私たちは金のある社会人なのだ。

 

口の中で硬度を回復させていく肉槍。

獣欲を煽られ、びきりびきり♡と擬音エフェクトONにしてイキり勃っていく様を見て、どうしようもなく股を濡らす私もまだ満足していない。ならばする事は1つ。幸い繁華街を越えた先にそういうホテルはいっぱいある。

 

「いひひっ…♡まだ、できますよね……♡♡?」

「場所変えるぞ」

「♡」

 

 

ああ、今度は中出しディルドでも買ってみようかな……?それとも、この人ちんちんの型とか取らせてくれないかな?

 

しとしとと降り続く五月雨でも、私の中の火種は鎮火してくれない。けど、鬱陶しく感じる雨でも私を隠すにはちょうど良いかもしれない。

 

 

 

 

 






ブツ切り感あるけど、気づいたら2.5万文字も書いてたから許し亭許して
続きはあなたの頭の中で。


きつね(三十路のすがだ)
行き遅れ、性欲を持て余しオナニストへ転身。たぬきに並々ならぬコンプレックスを感じてるとか。好きな物はバイブとディルド、ピンクローターはだいたい友達。
イメージ湧かない人は狐耳生やした眼鏡オカマニちゃん想像してね


そういえば傘忘れた



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黒ギャルと夕暮れうどん



休み!休みってなんだ!躊躇わないことさ!!!



 

 

 

『夏』と言えば何を思い浮かべるだろうか。

 

 

 

立ち昇る入道雲だとか、青々とした木々だとか、白い砂浜青い海とか、消える飛行機雲を追いかけて追いかけてたあの頃とか、人は情緒的、幻想的なものを夏に求めることが多い。

 

ひまわり畑で出会った白いワンピースのあの子と一日1本だけのバスの停留所とか、水着の幼馴染と秘密の入江とか答えた貴方、私と燃え残った全てに火を点けに行きましょう。

 

 

四季折々様々な表情を見せてくれる景色に、昔々の清少納言は“枕草子”にて『春はあけぼの 夏は夜 秋は夕暮れ 冬はつとめて』と書いた。

夏の内容は簡単に言えば「夏の夜は月が明るくてアガるけど、暗くても蛍が光ってていとエモし。雨でも爆アド」と綴っている。

 

現代社畜人である俺であったら『春は決算 夏は無理 秋は枯草 冬は無理』と綴るだろう。「湿気ガチ無理、夜まで暑いのマジで無理。キンキンに冷えたビールで優勝」以上である。情緒もクソもない。いいんだよビールが旨ければ。

 

それはさておき、今聞こえている蝉の声も夏特有のものと言える。今のような夕暮れに鳴く蝉といったら……そう、ヒグラシだ。

 

このヒグラシという蝉、梅雨終わりから鳴き始める出足の早い蝉なのだが、実は俳句界隈では秋の季語である。

 

暑いのが苦手で比較的涼しい夕方や朝方に鳴くあたりにとても共感してしまう。そうだよな。暑いの無理だよな。ツクツクボウシとかミンミンゼミは頭トチ狂ってるよな。そしてセミファイナルの圧倒的アブラゼミ率。

ちなみに千葉には馬鹿デカい蝉がとまった電話ボックスがあるよ。

 

閑話休題

 

そして逢魔が時に鳴く蝉という事でヒグラシはホラー表現に用いられることがままある。

 

とある白い顔が迫ってくる某フリーゲームはゲームオーバーになると、ヒグラシの鳴き声と共に主人公が行方不明者として張り紙にされていたり、はたまた「嘘だッ!」等()言とネットミームでも有名な作品タイトルにそのまま使われていたりと夕刻を象徴する彼らに相応しい登場率だ。

 

 

 

 

なぜこんな(ホラー)話をしたかと言うと、今がその逢魔が時であり、仕事を終えて帰途についた俺の部屋の前に蹲っているような人影があるからだ。

 

赤々とした西日射し込み薄暗闇となったマンションの廊下の先で、モゾりと動いた黒い人のような塊。逆光のためにうまく視認することはできないが、おそらく女であろうそれ。

 

よりによってなんでそこに居るんだよ。

 

せっかくリモートスイッチで快適温度に冷やしたパラダイス銀河が待っていると言うのに、最大の障壁が俺ん家の前に鎮座。

 

アレをどうにかしなければ部屋に入れないワケで、思案に暮れる。つうと顔を滴ったのは冷や汗か。ともかく、引き返してコンビニでしばらく時間を潰そうそうしよう。怪異がどうこうじゃなく、純粋に面倒事に巻き込まれたくないだけなんだ。

 

 

──その時、影が顔を上げた。

 

 

ヤバい…………!目が合った!!!そう感じた瞬間、影が立ち上がりこちらへと向かってきた!

 

「嘘だろ……ッ!?」

 

捕まったらヤバいと直感した俺は廊下を後ずさって引き返し、エレベーターへと歩く。

 

たが、後ろから足音らしきものは着いてきた。したしたと鳴る足音とカツカツと鳴る俺の革靴。まだ、まだ距離は一定だ。

 

駈歩(かけあし)

 

俺の加速に合わせて後ろの足音も速度を増す。思わず歩幅が広くなり、回転数も加速度的に増えていく。

 

全速(走る)

 

ちくしょう、革靴じゃ走りづらい!!!入居時に事故物件じゃないことを確認したはずなのにとんだ喰わせもんじゃないか!!

 

曲がり角をアウトインアウト。乗ってきたエレベーターはまだこの階に居た。ナイスだ!直ぐに扉のボタンを押す。

足音は後ろから続いており、足を早めた分だけ向こうも加速しているようだ。モタモタと開くエレベーターの扉を思わず蹴りつけてやりたくなった。

 

「動け!動けよ……!!」

 

待て……!クールだ……!クールになれ!

 

最短距離で反転、どこでもいいから別階のボタンを押下し『閉』ボタンを押す。

───押す。押す。押す。押す。押す。押す。押す。押す。押す。押す。押す。押す。押す。押す。押す。押す。押す。押す。押す。

 

ちょっとしたラグを経てピピピピピと連打音を奏でるパネル。いやピピピピピじゃないが!

 

足音はもうすぐそこだ……!

 

エレベーターにここまで焦れを感じた事があっただろうか。まだかまだかとようやく閉まり始めたドアの先、遂に黒い影が曲がり角から姿を表した……!行けるか……!?

 

閉まれ!!閉まれよ!!!!

 

 

 

「Here's Johnny!!!」

 

 

 

ガツンと足が差し込まれ、異物を検知したエレベーターの扉が無理やり開かれる。斧が壁をぶち抜いてこなかった事が救いだろうか。しかし、袋の鼠と化した事実は変わらない!

 

 

うおわあああああああああああ!!!もうダメだァ…!おしまいだ······あ?

 

 

 

「おにーさん!あーしの顔みて逃げるとかヒッドくない!!?」

 

 

耳元で鳴るほど煩かった心臓の鼓動が急速に鎮静化していき、力の抜けた膝からへなへなと壁へ凭れかかると同時に、肩を掴まれてガックガクと揺すられる痛い痛い痛い。

ひとまずこの人がなぜここに居るかは別として、怪異とかではなくコミュニケーションがとれる存在で安心した。

 

目の前では、いつぞや俺を駅前で呼び止めた黒ギャルがムッとした顔で仁王立ちしている。そりゃあ顔を見てさっさと逃げられたら気分はよくないだろう。

 

「あーし、クネクネでもテケテケでもないんですけど」

「すまん······影と逆光でよく見えなくてさ······」

 

いやでも『ジョニーが登場!』って叫んでるあたりちょっとタチ悪いよな。

 

「ところで何の用ですの?」

「いやメッセ見とらんの?ウチのクーラー壊れたから今日行くわ~って送ったんよ」

 

あ、あー、いやスマートフォンな、昨日挿したと思っていたUSBがしっかりと接続されていなかったせいで充電を忘れお陀仏していたのだ。

その辺は会社支給の業務用端末で事足りてしまうからつい疎かになってしまっていた。反省。

 

「社会人として連絡取れないのどーなん」

「返す言葉もございません」

 

黒ギャルに説教される社畜の図。世が世ならルネサンス芸術の先駆けとして彫刻のモデルにでもされていただろう。

 

「まあいいよ。暑っついし早く部屋入ろ?」

 

その通りだ。俺も彼女も予期せぬ運動をしたせいで顔に玉が浮かぶ程の汗をかいていた。

 

黒のへそ出しハーフタンクトップにカーゴパンツという、上と下でまるで防御力の相反したような格好。全てが黒で統一されているシンプルさなのに、華やかに見えるのは彼女自身の素材が良いせいだろう。

惜しげも無く披露される引き締まったくびれは、彼女の小麦色に焼けた肌と、汗のテカりも相まって(なま)やかな魅力を放っていた。これをギャルの絶対領域と呼ぼう。

 

一気にまとわりついてきた衣服に不快感を感じたのもつかの間、彼女が振り撒く柑橘系の涼やかな香りは途端に思考をかき消した。

 

「ちょっと鍵借りんよ?」

 

俺の手から部屋の鍵を拾い上げた黒ギャルさんは、ガチャリと扉を開けするりと入り込んだ。え?締め出しは勘弁なんだけど。

 

「おかえり~♡」

 

再度、部屋の扉が開くと黒ギャルがお出迎えしてくれた。

 

「どう?いいっしょ?」

「あーもう最高」

 

脳死で返事をした。

ふだん出迎えてくれる人なんか居ないから、それだけでコロッと行きそうになる。限界独身男子はこれだけでぶち抜かれるぞマジで。

 

「ウチにする?私にする?それともあーし?」

 

はいか、Yes(はい)か、Ja(はい)しか無ぇじゃねーか

 

ニコッと言うようりもニマッとした擬音のする笑顔で出迎えてくれた彼女。見知った玄関が即座に非日常へ早替わり。

 

「ささっ靴脱いで~、ベルト外して~、ズボン下ろして~♡」

 

はいはい······。ん?

 

「なんかおかしかったんだけど」

「だいじょーぶ何もおかしくないよん♡」

 

黒ギャルの手でカチャカチャといじられていたベルトの金具が解放され、テンションの無くなったスラックスとパンツが引きずり下ろされる。

 

「あーし、生理前、ムラムラ、限界♡」

 

俺の前で膝をついた黒ギャル。笑顔はそのままに、目が据わって一瞬で捕食者の顔へ。ぷるりとした唇を割って、ずるりと這い出てきたのは二股に分かれた舌。前回さんざん息子をお世話してくれたスプタンだ。

 

さす♡さす♡さす♡しゅる♡しゅる♡さす♡

 

腿を撫で(さす)っていた手が中心へ。

暑さでしなだれていた肉槍を上向きに持ち上げ、煌びやかなネイルが先端で陰嚢をくすぐる。力が抜けそうなむず痒さが背筋を這い上がってきた。

 

「おにーさんさ、全然連絡くれないじゃん。あーし誘われるの待ってたのに」

「いや…あんなのワンナイトの社交辞令でしょ……?」

「うわー!そういう事言っちゃうんだ!悲しいなぁ」

 

陰嚢の皺を艶々とした指先が這い、重さを確かめるように袋を持ち上げ緩く揉む。

日々の労働と生活で面倒を見られてない故に、ミッチミチに濃縮された精の溜まる睾丸は皺を引き伸ばすほどパッツンと張っていた。ただでさえ、最近やたらと精力が(みなぎ)って朝起きたら暴発寸前になることがある。俺の息子はいったいどうしてしまったんだろうか。

 

「……この前溜まってただけかと思ったけど、おにーさんってデフォでこんな金玉重いん?」

「………………だいたいそう」

「お?射精(ケア)おサボり?良くないな~適度にヌかないと前立腺ガンの確率上がるよ?」

「怖いこと言う」

 

いや、仕事に行って帰ってきて気づいたら3日ぐらい経ってるし、あと2日行ったら土日だなとか考えてたら1週間が終わってる。そして金曜に仕事が舞い込んだりするんですけどね。なんだよ月曜朝イチ納期って。

 

「じゃあ、今日はいーっぱい射精()せるってことだ?」

 

 そう

▷ たぶんそう

 ちがう

 

「ま、枯れててもマッサージしてせーし作ってもらうけどね♡」

 

軽く啄むようなキス。ぷるりとした瑞々しい唇がやたらと柔らかく感じ、擽ったさに身動ぎしてしまっても仕方ないだろう。

 

そうしている内にも優しく持ち上げられた陰嚢は唇で甘噛みされた。痛みを伴わないレベルの圧力がじわじわと掛けられ、解放されれば次は二股の舌が裏側から這い上がる。

 

舌先で玉をころころと転がされる『玉フェラ』と呼ばれる行為。

 

(はゆ)いところはないれふか~?んふふ♡」

 

彼女は睾丸を口に含み、飴玉を転がすように舐めしゃぶった。

右をしたら左、左をしたら右。交互に訪れる熱い泥濘(ぬかるみ)に、だんだん皮がふやけ始め、袋の突っ張りが解消されてきた。

 

ちゅぽ♡ちゅぷ♡ちゅぷ♡ちゅぷ♡とん♡とんとんとん♡

 

睾丸を含んだことで栗鼠のように膨らんだ頬を指でタップして刺激を続ける黒ギャル。緩く伝わる振動が彼女の頬肉の柔らかさを物語った。

 

火を入れられた炉心が燃え盛る。

 

凝り固まっていた流動体が溶かされ、より新しいものが精製され、熟成され、濃縮されていく。

渦巻く欲望が睾丸から這い出て脊椎神経へ達する。

神経は脳に快感を飛ばすと共に、反射を海綿体へ突き返す。

心臓が強く鼓動して送り出した獣性が雪崩込み、それは血流となって駆け巡る。

 

脈打つ毎に太さを増していく根元。脈打つ毎に浮かび上がる青黒い血管。脈打つ毎に硬くなっていく幹。脈打つ毎に歪になっていく裏筋。脈打つ毎に傘を開いていくカリ首。脈打つ毎に艶を増していく亀頭。顔にかかっていく影。完全なる見せ槍。より(あや)しい笑顔を浮かべる彼女の、玉の中身まで掻き混ぜるような舌遣い。

 

力無く枝垂(しだ)れていたはずの肉棒は、何時しかその身を肉槍へと変貌させ、瞬く間に(メス)を蹂躙する凶器と化した。それを目の前で見せつけられた女は堪ったもんじゃない。視覚、嗅覚、味覚と順に五感が犯されていく。

 

「カレーとかのお野菜ってさ、溶けかけの方が美味しいじゃん」

 

確かに、とろとろと型崩れ寸前まで煮込んだじゃがいもとか人参は筆舌に尽くし難い美味しさがある。個人的には挽肉を入れたい。

 

「だから、さ。今日は極限までおにーさんのせーし、あーしの口で煮込むね?♡」

 

?????

 

それは分かるけどコレと関係があるのかと疑問に思っている間にも、彼女の舌が這っては唇が吸い付き、熱い頬肉が揉みこんで唾液たっぷりに吸い上げる。

右を放したら今度は左と、際限なく続く玉フェラで熱が渦巻き続けて止まない。

 

じゅぽ♡ちゅぽ♡じゅぷ♡じゅぽ♡じゅぽ♡じゅぽ♡ぢゅぽ♡

 

だが、肝心の竿幹には一切触ってくれない。

 

根元を少しでも手で刺激してくれれば射精に至れそうなのだが、時たまカリ首をすんすんと嗅がれるだけで、後はひたすら睾丸のみが甘やかされる。

 

()()()ってそういう······!

 

射精までは達しないような緩い快楽がひたすら浴びせられ続け、血が溜まりすぎた肉槍は鈍い痛みを発するようになってきた。

 

黒ギャルの顔に添えられた、鬱血と言えそうなほど赤黒く染まる肉槍は鼓動と共に脈打ち、内からはち切れてしまいそうだ。

 

()しはい?」

 

咥えながら喋らないで欲しい。

絶妙に這い寄ってくる興奮でびゅくりと我慢汁が吹き出す。小麦色の額はじっとりと汗が浮かび、首筋も、タンクトップの隙間から見える深い谷間も、薄明かりを照らし返す。

 

「しょ~がないにゃ~♡」

 

壊れた人形のように頷く俺を見て、悪い笑顔を浮かべ黒ギャルはようやく睾丸を解放した。また何かを思いついたらしい。

彼女の手がタンクトップを押し上げる膨らみの下部へまわる。随分とご立派なものをお持ちだが、肩の薄さと相反した大きさはさぞ肩凝りしそうだ。

 

パチッという小気味よい音と共に、持ち上がっていた胸のトップがだぷっ♡と下がる。スーパースローカメラで撮影していたならば幾度もバウンドする柔肉の舞が撮影できたことだろう。

 

「うひー······汗だくだ」

 

どうやったのか全く分からないが、広く開いたタンクトップの胸元から紫色のモノが抜き取られる。サテン生地特有の(つや)やかな光沢を持つ装飾が散りばめられた布は、汗を吸いふちが変色していた。

 

それを見て俺の脳は、ブラが外されたのだとようやく理解する。

 

「重ったくて適わんよね~。男共み~んな胸見てくるし、間も下もめっちゃ汗でヌメるしさ。おちおちジムで運動もできないよ。ほんとシロちゃんぐらいが丁度いいわって」

 

確かに失礼な事と思うが、努めて視線を外さなければその膨らみに目がいってしまう。いやでもね、そのタンクトップの胸元にはとてつもない視線誘引効果が働いているよ。

 

「この服さ、胸大きい人用でさ~。いい事できんの♡」

 

再び、パチッという音。三度ほど音を立てた後、黒ギャルはグイッと胸を持ち上げる。肉の重量を感じる撓む下乳部を見た瞬間にぶっ飛んだ。

 

なんと()()していたからだ。

男の服にはまずない装備だろう。しいて言えば下乳ベンチレーターとでも言おうか。

いや、もう、なんていうか、すごくすごい。そういうどスケベ服ってどこで売ってるの。童貞殺傷服どころじゃない。オス焼滅服だよ。

 

「ん······れぇ」

 

口に溜めた唾液が、たっぷりと肉槍へ垂らされていく。

 

蝶のように止まった掌によって、肉槍の筋に、幹に浮く血管の1本1本に、隙間なく塗り込まれていく。

彼女の二股の舌から垂れるとろみのある液体が、次から次へと亀頭に降り注いではカリ首にぬちゃぬちゃ♡と絡められ、幹を蔦っては滑りを良くしていく。

 

ゆったりとした手つき。母親が眠る赤子をあやす様に撫でやかな手つき。しかし、先端から溶け落ちてるのかと錯覚するような灼熱感が腰から背筋から脳髄を犯してくる。それほどに熾烈な手慰みは散々煮込まれ蓄積された破綻寸前の金玉(オス)に酷く効く。

 

ぐぐぐっと玉がせり上がり始め、もう溢れ出ようかという時。突然、全ての快感がぱったりと止んでしまった。

 

「ぱっ♡ はい~♡射精禁止(がまんして)♡」

 

掌の蝶は飛び去ってしまい、後に残ったのは反り返って滑稽なまでにのたうつ肉槍と、放出を許されず中途半端な状態でつんのめった睾丸。

 

「バッキバキだね~♡? 辛いね~♡?」

 

空射(からう)ちした肉槍からズキズキとした痛みが迸る。ぐるぐると回っていた水流が無理やりに堰き止められたように、先端から微量の我慢汁が断続的に吹き出して止まらない。

 

「手もいいけどさ、せっかくならこっちで射精したくない?」

 

指を掛けてグイッとタンクトップごと持ち上げられた彼女の果実。引っ張り上げられ窮屈に寄せられたパイズリ穴がオスを誘い込む。

 

入れたい·······!

 

見ただけで想像が駆け巡る柔らかさ。見ただけで感触を想起させる魅惑のデルタ地帯。見ただけで質量を証明する淵から溢れたハミ肉。

この穴にチンコを突っ込んだら、どんなに心地好い事だろうか。

 

「今日、いっぱいシてくれる······?」

 

期待の色を存分に滲ませて、大きな瞳を向ける黒ギャル。それは······それはズルいだろう。

 

俺は首肯した。

この誘いを断れる奴がいたらぜひ俺の前に連れてきて欲しい。

 

「ちょっち待ってね······んんん、んろぉ」

 

再び唇を割って這い出た舌から唾液が胸元へと垂らされた。ぽたぽたと広がった雫が谷間へと溜まっていき、乾いた地へと浸透するように少なくなっていく。

二股の舌からは続けざまにたらりと雫が糸を引き肉の狭間を潤していった。

 

ちなみに···これ、H······だよ···?♡

 

Hか······。え、えいち?あ、え?

 

絶句して凝視している俺を覗き込んで、再びニマッとした笑顔を向けた彼女は、両の肉の塊を手で捉え上下左右へと揺さぶってみせる。

谷間から僅かに聞こえるにちゃにちゃ♡という粘っこい水音。

 

「はい、どぉぞ♡」

 

タンクトップごと胸を持ち上げ、下部を俺の腰の前に晒す黒ギャルのパイズリ穴。みっちりと肉の詰まった1本線。

誘蛾灯にふらふらと近づく虫のように、亀頭を近づけ、構えた。

 

ぴとりとくっついた肌が吸い付いてくる。汗と唾液と、我慢汁と、(まぶ)された肌。キメ細やかで、小麦色。

 

 

「どーん♡」

 

 

黒ギャルが手を離す。

 

解放された重たい肉の塊は重力に従って振り下ろされた。たっぷりと潤いが満たした肌はさしたる抵抗もなく、しかし、傘を張った亀頭を強かに圧し削っていく。

 

 

だぽん♡!!!

 

 

圧倒的質量。圧倒的密度。タンクトップに締め付けられた窮屈な狭間が腰にぶつかって弾む。

 

「うわ♡あっつ·········♡」

 

嘘だ。嘘つきやがった。「パイズリって興奮するけど正直気持ちよくないわ」なんて、大学生の頃ゼミ一のイケメンE藤が童貞同盟の夢を粉々にぶち壊してくれたが、コレを知ってしまったらそんな事言えない。

 

 

ぎりぎりの境界で押さえ込んでいた濁流の蓋が吹き飛んでしまった。どろどろの塊がごりごりと管を押し広げながら、心臓が脈をうつたびにこみ上がってくる。

 

肉槍の先端から幹へ、幹から根元へ、根元から腰へ。熱感にも似た快感が伝播して溶け落ちていく。どんどん感覚が薄れていって、脳が焼ける。

 

「あれ?おにーさんなんかビクビクしてない?」

「ごめん······!射精()る·········!」

 

辛うじて伝えられたのはそれだけ。もう余裕も面子もない。

 

「そっかー♡おっぱいに負けちゃったかー♡じゃあ······しょうがない、ね!射精()しちゃおっか!」

 

ぎゅっと寄せられた巨乳で先端まで甘やかすように包まれ、かと思えば柔肌が(たわ)むまでキツく絞り上げられ促される。

 

 

「う、ぁ·········ッ!」

 

 

─────!!

 

 

まるで心臓が握られて呼吸ができない。頭の中が真っ白になり思考ごと吐き出しているように感じられる。

 

弾け飛ぶ肉槍は彼女の胸で挟まれているから様子は分からない。しかし間欠泉の如く噴き上がる白濁液がだぱだぱと彼女の肌に降り注ぐほど、激しく射精していた。

 

黒ギャルはお構い無しに胸を揉み込むものだから、防御力を全て失った肉槍は促されるままに精液をぶっ放す。

 

 

ちっちゃなプライドなんてはいちまえ♡ぜんぶぜんぶだしてばかになれ♡ほらびゅーびゅー♡がまんなんてむだなことやめてさぁ♡ほらおっぱいまんこきもちいいね♡びゅーびゅー♡ほらもっと♡ぜんぶ♡のこってるのぜんぶ♡かくすな♡たまってるのぜんぶ♡どくどく♡びゅるびゅるー♡

 

「ちょ···!おにーさん出しすぎ出しすぎ♡おっぱいあっついって♡」

 

 

どの口が言うのか。

勢いを無くしてもなお、彼女がゆるゆると胸を揺するせいでとぷとぷ♡と漏れ出るように射精が続く。締め忘れた蛇口でも、もうちょっとお上品な漏れ方なはずだ。

 

「おまんこの分まで射精()さないでよ♡?」

 

胸から聞こえる水音はより一層粘っこく重たい音になっていた。くちゅくちゅ♡ から ぐっちょぐっちょ♡ と濁点が入り交じり、見なくても汁まみれな事が分かる。

 

小麦色した彼女の肌にぶちまけられた(おびただ)しい量の白濁液。

まさにぶっかけという言葉がよく合う。練乳と片栗粉と生クリームをどろどろになるまで煮てひっくり返しました、とでも形容すればいいか。頬にもかかってしまっているし、顎先にも雫が滴っている。

 

「────後で洗濯機借りんね?」

「······好きに使ってくれ」

 

さすがにこのまま帰らせる訳にはいかない。こんな状態で道を歩かれたら職質間違いナシだ。

 

馬鹿みたいな量の射精を受け止めたタンクトップは、谷間と同様白濁液に(まみ)れに塗れていた。汗を吸い、汁気を吸い、黒地の布が更なる黒に染っている。

 

 

「あー······あっつ♡もう脱ぐわ♡」

 

 

────ばるんっっっ♡!!!

 

 

タンクトップの裾を捲って、彼女は一気に脱ぎ去った。途端に起きる肉の波に押し流される視界。

 

押さえつけられていた立派な果実が目の前へまろび出る。

その大きさにも関わらず先端はグッと上を向き釣鐘型の綺麗な円弧を保っていて、ちょっとこれは、なかなかお目にかかるサイズじゃないだろう。

 

「すんごい出したじゃん、ほら」

 

両側に広げられたクレバスの底、胸の谷間には白くぶっとい糸がぬぱぁ♡と架かり、射精した自分でもドン引く量がこびりついていた。

 

「ヤッバwww全然垂れてかないじゃんwww」

 

黒ギャルが体を揺らしても、液と呼べるのかも怪しい粘性を持っていて全く垂れていかない。こんなもん体のどこに入ってたのか。例えるなら小学生の頃遊んだスライムが一番イメージに近い。

 

ネイルでデコレーションされた指先が小麦色の肌をなぞり、精液を掬っていく。顔に、顎に、胸元に付着したものを掬っては、指先から舌が舐めとっていって、口の奥に消えていく。

 

「はぁ······臭いもヤッバ··········♡」

 

むわっ♡とした独特の精臭が漂い、思わず顔を顰めたくなる。

しかし彼女は己に付着した精液を掬っては、口に運ぶたび恍惚とした表情を浮かべた。それと共に彼女の大きな胸の先端、乳首がぷっくり♡とせり上がりびんびん♡と上向く。

 

俺の気のせいじゃないはずだ。

明らかに体積を増したカフェオレ色の先端は、充血して濃いピンク色へと変貌していく。

 

「······おっぱいで興奮しちゃった♡?」

 

視線が誘引されて仕方がない。射精したばかりだというのに、いつの間にかギシリと軋むような硬度に勃起した肉槍からジンジンとした疼痛が伝わってくる。

彼女特有のニマッとした笑みと、発情の色を隠そうともしない大きな瞳。興奮に当てられた肉槍が再び力を漲らせていく。こんなもん興奮するなって方が無理な話だ。

 

 

「あーもう無理······ガマンできんからパコろおにーさん♡」

 

後ろを向いてベルトに手を掛け、彼女はカーゴパンツとショーツを一息にずり下ろした。

剥き身の煮卵がふたつ並んだような美しい丸みが視界いっぱいに広がり、その傾らかな円弧はハリのある太ももへ脹脛へと繋がっていく。

その合間、(オス)を受け入れる秘された割れ目は、ベッタリと濡れ既に交合の準備を整えていた。今もまた、裂け目から白濁した粘液(本気汁)がどろり♡と垂れ内腿へと滴り落ちた。それが堪らなく淫猥に思えて、肉槍はその身を研ぎ澄ます。

 

キッチンシンクに手を置いて、立ちバックの姿勢でこちらに突き出された尻はまだかまだかとその身を揺らしてオス乞いする。

 

 

以前、彼女と致してしまった時はしこたま酒を飲んだ末に、なし崩しに·······だったような気がする。置いといちゃいけないけども、それはそれとして酒の勢いという()()()があった。

 

しかし、今は両者ともに素面(しらふ)。全く言い訳のできない情動を交わした仲となってしまう。発情したメスとオスが1つ屋根の下、同じ部屋に居るんだから何が起きるかは明確に予想できる。俺と彼女のこの状況がそうだ。

特に深い関係でもない、体だけの(深い)関係。それが少し進む。頽廃的(たいはいてき)な二人。

 

 

おそるおそる、片手で彼女の尻たぶを広げてみる。

 

指がゆったりと沈む柔らかさがあって、なのに押し返すハリがあって、しっとりと汗ばんで吸い付くきめ細かな肌はとても触り心地がいい。ずっと揉んでいたくなるが、何とか掌を引き剥がした。

 

意を決して秘裂の土手に指を添え、開けば目に入る甚三紅(じんざもみ)色の唇と粘膜と膣口。

ぱくぱく♡と欲しがるように口を開いては、薄白濁の涎をとろりと零して(すぼ)まり恥ずかしがる様はまるで腹を空かした雛鳥にも思える。

 

 

ぐちっ♡

 

 

鈴口と膣口をキスさせてみた。

 

途端にしゃぶりついてくる貪欲なメス口から肉槍を引き剥がすと粘液が糸を引いて滴っていく。

1回、2回、ちゅぽちゅぽ♡と音が鳴るようなバードキスをさせると、お預けが不満だったのか膣口はさらに多量の愛液を吐き出した。少し(しか)めっ面成分の混じった黒ギャルの顔がこちらを向いて抗議する。

 

「···おにーさん、いけずせんといて······」

 

ひとこと。

このたった一言にはどれほどの色が混ぜられているんだろう。

 

肉槍は呼応してびきりと青筋を浮かべ、皮が突っ張る。痛みを感じる神経系は性衝動で塗り潰され、狂え狂えと思考(理性)を覆い隠す。

“目の前のメスを犯さないで何が男か”とそう主張する獣欲に、もはや(くつわ)を掛けることも敵わない。

 

再び、後ろから膣口と鈴口を合わせ、ゆっくりと沈めてゆく。

 

少しの抵抗と熱。

 

肉が歪んで赤黒い亀頭が飲み込まれてゆく。

 

 

「·······」

 

 

に゛ちゅ······♡

 

 

「······♡」

 

 

ず···ぬ、ぬるるるるるる♡

 

 

「ん·····♡んあああ♡」

 

 

ぬぬぬぬぬ♡

 

 

あぁ···♡きた、きた♡ええよ♡······そのまま、おく······♡」

 

 

────ぐにゅ♡!!!!

 

 

♡゛!!!!

 

 

ぎゅ♡ぎゅう♡ぎゅぅぅぅうう♡♡♡

 

 

 

 

 

 

 

 

赤黒い亀頭が肉花弁を割り、その刀身を(うず)めていく。燃えるように焦れったく、焼けるように遅々として。

 

熱が、あーしを食い散らかしながら入ってくる。内の内側の更に中、どうしようもないぐらい焦れたそこに向かって。

 

肉襞の一枚一枚に刻みつけるカリ首の鋭利さ。

膣道が目一杯広がってようやく飲み込める太さ。

雌の奥の奥に秘匿された扉をこじ開けるに足る長さ。

石と言われた方がまだ納得できるぐらいの硬さ。

 

 

 

───そんなものが、期待で捻れる子宮へ優しく優しく口付けした。

 

 

 

その瞬間、がくりと、自分でも予期できないほど唐突に膝が折れた。キッチンシンクに置いた手で辛うじて支えたものの、下半身の制御がまるっきり効かない。

 

なんで?どうして?

 

波打つ下腹部。勝手に笑う膝。緊縮する背筋。握られたように呼吸できない肺。ネイルが割れるほど力が入った手。ぎりりと不愉快な感触を立てる奥歯。全身を包む痙攣。

 

ぐにっ♡ぐにゅ♡ごにゅ♡ぶちゅ♡

 

 

「えぁ·····♡゛!んん゛ッ♡!!おぉお゛♡♡♡!!ぁ···んッ♡♡♡!!」

 

 

あー、イッたんだ。たぶん············挿入されただけで。

 

ぴったりと根元まで飲み込んでしまって、子宮を(なぶ)られて。たったそれだけ。

 

男は全く腰を動かしてない。

ぱんぱん♡と振りたくる訳でもなく、わざと円を書くように揺らして奥をぐりぐり♡するだけ。熱い熱い鉄芯が子宮口をタップするように押すだけ。

 

 

───まるで仕込みされてるみたい

 

 

このメスは全力でいっても大丈夫なのか?グッチャ混ぜにして食い散らかして散々蹂躙した後に欲望をぶちまけるのに値するのか?

 

ぶるぶると震える無防備な子宮、その周りをマッサージするように動く亀頭。ゆっくりと弱火で甘やかす撫で方にやられ、イッた直後にも関わらず子宮の中はくつくつと沸騰し始めた。こぷこぷ♡と溢れ出た子宮汁と膣液がシェイクされ本気汁にされていく。

 

「あっ···♡うぁ······♡はぁっ♡」

 

熱い。おなかが熱い。ぐずぐず渦巻く熱が全身へと巡っている。全身を巡って脳を焼く。体の内から焼け爛れて同化していく。膣は肉槍の浮き上がる血管の凹凸まで覚えていってしまう。

 

意趣返しだろうか?さっき玉フェラしてさんざんおにーさんを焦らしたからだろうか?だからおにーさんもあーしの子宮をこんなに虐めるんだろうか?

 

もっと······もっと、激しくして欲しい·········♡めちゃくちゃにされたい♡

 

 

────ぞくりっ♡

 

 

別の方向から感覚が浮き上がってきた。指先が背筋を滑り(あばら)からその先へと進んでいく。

 

普段から邪魔くさい位に重たくて肩凝るし視線を集めるぐらい揺れるそれ。キッチンシンクに手をついて上半身を倒しているから、重力で下垂したなっがい谷間のHカップ。

頑張って形の維持に努めているものの、将来的には垂れちゃうのかなと憂鬱で仕方ないが、そんじょそこらのグラドルよりも自信はある。

 

そんな大きく実った果実を、男の指がなぞっていく。途端に粟立つ肌はすこし鳥肌まで立っているかもしれない。肌だけなら良かったかもしれないが、突っ張るように乳首までびんびん♡になってしまった。

 

触れるか触れないか絶妙なラインのフェザータッチが気持ちいい所を浮き彫りにしていく。

 

上半身はぞくぞく♡として、下半身はずくずく♡してる。

 

「はっ······♡ はぁ······♡」

 

粟立つ肌の集う先。ぞくぞく♡の集った先。大きく膨れた勃起乳首。

 

どうしよう·········。

 

今は全身ピンクデバフが掛かった状態なのだ。

背筋をなぞり上げられただけで嬌声が漏れ出しそうになったし、実際に出てしまったかもしれない。

 

そんな事も分からないぐらい、ふやけた頭は身体に与えられる快楽の処理に追いついていない。口許から涎がつたったことも気が付かない。余裕もない。

 

しかし、どこか冷静な思考の部分はふと、思い出したことがある。バイト先のパイセンが“乳首イキは子宮にクる”って言ってなかったっけ······?『大きいと乳首が感じにくい』だなんて迷信で、めちゃくちゃ弱い人もいる。あーしはたぶん、弱い方。

 

 

 

 

ぴんっ♡!!!!

 

 

 

んぁぁ゛あッ♡!!!!

 

 

 

バチンと、脳天を吹き飛ばす強い過電流。

駆け巡った電撃は、何が起こったのか理解の及ぶ前に何もかもを焼き尽くした。

横隔膜は勝手に痙攣するし、手は震えるし、肘も膝も折れそうになる。生まれたての子馬のようにぶるぶる震え、しがみついて耐えるしかなかった。酒に焼けた喉から酷く湿った嬌声が飛び出して壁紙へ染みていく。

 

乳首を弾かれて───大きいのがキた。

 

そう理解するまでに数瞬。理解してからも数瞬。そんなのオスからしたら、動き出すのには充分で。

 

 

 

「ま゛っで···♡ 今♡゛···っ゛イきそッ···ッ♡·······!!♡♡」

 

 

 

ぞゅりゅる♡ぞるるるるる♡♡♡♡

 

 

 

あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!♡♡♡♡♡♡

 

 

 

男が腰を引く。膣内(なか)をいっぱいに埋めていた肉槍が蜜に(まみ)れた刀身を晒し、足元へどろどろの粘液がぱたぱたと散る。押し広げられていた圧迫感が解けていくと同時に熱く締め付けるような感覚が一瞬緩和され、下腹部がふわりと宙ぶらりんに放り出された。

 

油断した肉襞(にくひだ)

 

そこを、鋭利なカリ首ががりがり♡と引っ掻いていった。まるで膣内(なかみ)ごと引き摺り出すような容赦の無さで。

 

男の指先が執拗なぐらいコリコリ♡と乳首を捏ねる。親指の腹と人差し指で挟み込みすり潰すような手つきは、乳搾りされてる方がまだ優しいだろう。

ともすれば痛いハズなのに、あーしのおっぱいでジンジンとした痛みとジワジワとした熱が混じり溶け落ちていく。なんで、どうして。

 

乱暴なのに気持ちいいの······?

 

 

ばちゅッ!!!!♡♡♡

 

 

「あ゛ぁー♡♡!!!あっ゛あっあ♡…ぁぁっああ゛!あ゛♡…♡゛♡…!♡゛…♡…゛♡♡゛♡♡……♡」

 

 

体全体が突き上げられるような衝撃。

 

肉と肉がぶつかってばちゅん♡と水気を含んだ滑稽な音を立てた。お互いの汗で濡れた肌が貼り付き、引き剥がされる音。それが一定の感覚で奏でられ始める。

 

圧倒的質量が膣内をいっぱいにして、奥の奥まで押し広げ横隔膜を震わせる。かと思えばエグい返しで引っ掻いて、メスの尊厳をめちゃくちゃにしていく。オスの体重を乗せて力強く腰が打ち付けられ、声が止まらない。(かった)いおちんちんは、何度も何度も何度も子宮(おく)を殴りつけぐっちゃぐちゃに蕩かすまで止まらないのだろう。

 

 

ずちゅ♡!!ばちゅん♡!!ぱん♡!!ばちゅ♡!!どちゅ♡!どちゅん♡!!ばちゅ♡!!ぶちゅ♡!!

 

 

これ、これだよこれ!

あーし、ずっとこれしたくて子宮ムズムズしてたんだ·······!お互いのプライドとか表向き(外ヅラ)とか体裁(日常)とかそんなものぜんぶ放り出して投げ捨てて、どーでもよくなるぐらいのめちゃくちゃセックス(こーび)······♡

 

 

「あっ···♡!あ゛あっ♡!···あっ♡!······あ♡!あっ♡!ああっ!ああっぁ゛!!♡♡」

 

 

おまんこは大喜びで自分から抱きついてしまうし、絶頂に貪欲な子宮はどんどん降りていってる。己の口から勝手に飛び出す色鮮やかな嬌声が耳朶を撫でて燃えていく。

 

きもちいい······♡

 

ほんのちょっとの刺激で炸裂する風船がバチンバチンと割れるように、気持ちいいのがどんどん迫ってきて、弾けては次が来て止まらない。

 

もっと···♡ もっと······♡!!

 

男の腰はどんどん力を増す。

終いには両腕を後ろに引かれ、磔のように上半身を反らした状態で後ろからガン突きされ始めてしまった。

 

重たい肉の塊は波打つように揺れて、鉄心のように硬い肉槍が更に底を打つ。強く激しく重たいオスの本気の繁殖(種付け)欲。

 

 

(······これ、あーし···········?)

 

 

鏡に映った女の表情は、正しくトロ顔と呼べるものだった。

 

八の字に寄った眉毛、切れ長のツリ目は涙を浮かべて垂れ下がり、口許はだらしなく開いて唾液が滴る。鼻の穴はふすふすと広がり、彼女の特徴的な二股の舌は力無く垂れ下がるだけ。胸は突かれた勢いそのままに暴れ回り、全身の柔肌が波打つ。

 

汗で貼りつく金髪を流れそのまま振り回し、普段のおすまし顔なんて想起できないほどの乱れよう。

 

(えっへへへ♡)

 

にんまりと、女の口角が吊り上がっていく。

乱れた髪の間隙(かんげき)から覗く薄桃色の唇は吊り上がって笑みを貼り付けた。

 

 

(あんたも犯されてるんだ······♡ずいぶん良さそうじゃん♡)

 

 

鏡の中の女も気持ちよさそうに笑みを浮かべていた。

 

 

(───けど、あーしの方が絶対気持ちいいから♡)

 

 

ぎゅう♡と下腹部に締め付けられるような感覚が走る。その分だけ肉槍と肉襞の擦れる面積が増して、溶け落ちるような灼熱感が迸った。

 

「あっ···!ぐ······ッ締まり強ッ···!?」

 

男の口から漏れた噛み殺すような呻き。

びきり♡と肉槍の硬さが上限を超え、力強い抽挿を繰り返していた腰が、ぎくぎくと油の切れた機械のように軋んだ動きへ変わった。

 

なんとなく霞がかった頭でもその動きを感じ取った。それは種乞いするメスの子宮だからこそ分かる、オスの限界を如実に表すサイン。

 

肉襞は一滴たりとも逃がさないように収縮し、気持ちよくいっぱい射精してもらうために一枚一枚が際立って締め付けた。あーしも大っきいのが来て、頭の中が一気に白んでいく。

 

───ずっとずっと待ち望んだ精液が来る。

 

 

ほらだせ♡!だせ♡!だせ♡!おもったいきんたまいっぱいにつまったせーし♡!だーれももらってくれなかったかわいそーなせーし♡!せーえき♡!どろどろで♡だまだまで♡あっつくて♡しきゅーのなかいっぱいのはらませじる♡!ほら!ほら!あっ

 

 

ずるり。

 

 

下腹部から灼熱感が消え、圧迫感が(ほど)け、同時に凄まじい消失感が訪れる。

 

 

あっ······え·······?あ··········?

 

 

お尻に煮えたような何かが降り注ぐ。それは凄い勢いで、肌に当たるとばちゃっと音を立ててへばりつく。幾度か続いて、最後に硬いものが直に塗りつけていった。

 

 

 

 

子宮がぐるぐるする。おまんこがぎゅっとする。

 

寂寥感(さみしさ)虚脱感(むなしさ)焦燥感(かなしさ)

 

 

外出し······?おしりに出した······?

 

 

確かに、今は勢いのまま生でシてしまっていた。

 

オスとメスとしての行為なら満点だ。生殖行為の、衝動の、本能のままにお互いを貪りあって子孫を残すための行い。それの最たるもので。

 

男と女に訪れる結果としては、最悪なものを齎す。故に外出し。

エチケットなら高得点だ。なら初めからスキンを使えと言われるだろうがそんな余裕なかった。

だから社会人としての理性がそうさせたんだろう。

 

 

だからといって、()()()()()()()()()と言えばそんな事なくて。

 

 

「すまん···。尻にぶっかけちまった········」

「······」

 

 

拭け、とでもいうかのように寄越されたティッシュ。

ぐつぐつと下腹部が煮え立つ。燻った炎がばちばちと音を立てて再燃し、強く、強い怒りのような感情が湧いてきた。

 

まだ、硬さを保つ肉槍。

大丈夫だ。多少フニャッてたって、このチンポ(おにーさん)なら膣内で揉めばあっという間に女を犯す槍(ビッキビキ)になる。

 

カーゴパンツとショーツから足を抜いて自由を取り戻した体で気づかれぬように近づき、部屋で着替えようとするおにーさんをベッドの上に押し倒した。

 

「うおっ!なん!?」

「おにーさん落第」

「は!?」

 

仰向けになったおにーさんの腰へ跨り、少し芯の抜けた肉槍を手で捕らえる。

 

 

「あーしさぁ、生理前でムラムラしてるっていったじゃん」

 

 

逆手でカリ首を擽ってやれば肉槍に血が通い出して、幹を蔦う血管が浮き上がり頭をもたげていく。回復早いな······♡

 

「ならさぁ、中に射精(おくすりちゅーにゅー)しなきゃじゃん?」

「いや、それはおかし······いッ!」

「おかしくないよ、あーしの子宮(なか)イラついてしょうがないの。おにーさんが中途半端なコトするから」

 

だらだらと、膣口から本気汁が滴り落ちる。餌を前にお預けを食らった猛獣の口元のように。

 

 

ずにゅっ♡ぬぬぬぬぬぬぬぬ♡♡♡♡

 

 

亀頭を合わせ、熱くなり始めた肉槍を沈めていく。

すこし緩い勃起の肉槍がむりむり♡と膣内を押し広げていく不思議な感覚。擦れるのに圧迫感は無くて、物足りない。

 

 

あは···ぁ······おかえり♡

 

 

つい、嬉しくて慈しむように下腹部を撫でた。おにーさんがいる臍の下辺りを。

 

焦燥感が身体を突き動かして、我慢しきれない腰が円を書くように動き出す。膣壁に揉み込まれる緩勃起が出たり入ったりしては交尾汁(欲望)が溢れ出た。

 

まだ···まだだ·······。わざと、結合部を見せつけるように背を反らして持ち上げる。

 

粘液が何本も糸を引いて、肉と肉が溶け合う。腰を緩く回しながらもクリを爪でカリカリと弾き、不規則で小刻みな締め付けをオスにご馳走してやった。

 

欲しいなぁ······♡

 

ここまでされてお前は大人しくするだけか?と挑発の念も込めて視線を絡ませる。男の視線があちこちに飛んでは、迷いの色と情欲の色をまじらせていく。

 

するとどうだろう、膣内のモノがとくとく♡と脈を打ちだして、肉を押しのけるよに膨れだす。

 

どくっ······どくっ·········

 

「きたぁ♡」

 

飲み込まれた肉槍はみるみるうちにメスの軟弱な膣壁を割広げて、その身を刻む為に力を研ぎ澄ましてゆく。

 

どくっ···どくっ······!

 

降りてきていた子宮をぐいぐいと押し上げ、打ち据えられて暴れ始める肉の槍。

 

───どくんっ!!どくんっ!!!

 

内側からの肉の質量で少し浮き上がった下腹部。そこに臓があるかのように伝わってくる脈動。

膣襞がにゅるにゅる♡と擦れるのを感じながらもゆっくりと腰を持ち上げ、気持ちいいところに当たるように狙いを定めていく。

 

 

ごりゅっ♡♡♡

 

 

ここ······♡ここだよ♡ほら♡

 

息を飲む男の喉仏。

視線は結合部に行ってるのがバレバレだし、そうなるように誘導したんだけど。

 

ひくひく♡と動く膣口。

 

──焦れったい。

 

思いっきり腰振って欲しい。

 

──焦れったい。

 

犯せよ♡

 

──我慢

 

犯せ♡

 

──早く

 

犯せ···♡

 

──今

 

犯せ♡!

 

──もう

 

犯せ!!!!!

 

 

一向に動く気配のないオスに、メスの本能(子宮)イラつき(ムラムラ)は限界に達した。

男のモノが抜けそうになるまで引きずり出したら、反転して体重と重力に任せてブチ下ろした。あとは帰ってくる反動とベッドのスプリングを利用して力任せに尻を振っていくだけ。

 

ばちゅ♡!!ばちゅん♡!!ばちゅん♡!!ばちゅ♡!!どちゅ♡!どちゅん♡!!ばちゅ♡!!ぶちゅ♡!!

 

あー、もう無理♡

 

向こうからガツガツ動いてくれることを期待したが、子宮から来る種よこせ欲とおまんこの気持ちいい所擦りたい欲が混じりあって限界に達した。

 

蜘蛛のように圧し掛かり、猛烈に腰を振りたくる。こんな咥えこんでる所を見せつけているのだ。もっとチンイラしろ!もっともっとせーし作って金玉ゴポれ!!

 

「ちょっ·······!待てッ······!」

「うるせぇ~~♡♡♡!!待たねぇ~~~♡♡♡!!!!」

 

いくら女の子が泣いて許しを乞おうが種付けおじさんはプレスするだろ!なら黒ギャルが許しを乞う男を種搾りプレスしたっていいだろ!!

 

ずちゅ♡!!ぶちゅ♡!!とちゅん♡!!どちゅ♡!!ずちゅ♡

 

「あ~♡マジふざけんな♡♡!! なんでこんな良いトコ当たんのおにーさんの♡♡♡!!」

 

女はこの欲望のやり所が分からなかった。今まで掠れたようなセックスばかりしてきて欲求を溜め込んだ身体が、ようやく満足いくまでできそうなのだ。だからこその暴走状態。怒りにも似た激情が女の身体を突き動かす。

 

身体が求めて、求めて、求めて、求めて求めて求めて求めて求めて仕方がない。

 

「う、ぁ·······!」

 

男の口から必死に堪えるような声が漏れ出た。膣内でさんざんしゃぶってる肉槍は限界まで張り詰め、びきりびきり♡とした血管の凹凸と、カリ首の返しがかっ開きびくびく♡と震える。

 

もう、すぐだ。

 

すぐだ。

 

射精せ!射精せ!!射精せ!!!射精せ!!!射精せ!!!射精せ射精せ!!!!!

 

肉槍を根元まで飲み込み、円を書いて奥に押し付けるような動きに変える。女が意図してしたのではなく、子宮から来るムラムラ(本能)がそうさせた。

 

腕は男の首に回し、もうここから動く意思は無いと足を絡ませ、蛇のように絡みつきながら耳たぶに噛み付いた。

 

 

 

射精せ······♡

 

 

 

お腹の中で、何かが弾け飛んだ。奥に当たる度にずんと中が重たくなって、勝手にぎゅうぎゅう♡と締め付けていってしまう。子宮口が鈴口に吸い付いて噴き出す(せーし)をごくごくと飲み込んでいく。

 

じわりじわりと燻って、疼き続けていたお腹の奥が弛んでいく。

 

それが温かくて、たまらなく満たされて、緩く緩く絶頂した。激しいのは好きだけど、とっても優しい絶頂。

 

だけど、おにーさんのが中でまた硬くなっていって───

 

 

 

 

 

 

あ゛あ゛あぁぁぁ~……

 

 

翌朝、起きるなり鈍い顔色をした彼女は女子の日到来を宣言。言葉通りキたらしく昨日とはうって変わって地を這うローテンションへ降下した。

ベッドの上には打ち上げられたアザラシが1頭、呻き声を発しながら転がっている。

 

……ほんと欠陥構造だと思うわ…なんなん股から出血って

「その······大変だな·······」

マジ無理…乳張るわ腹に石入ってるんかってぐらい重いわ痛いわでマジ無理……

 

彼女曰く、ムラムラが凄かった時の生理はとても重くなるらしい。その辛さは理解してあげられる物ではないから、欲しいものがあったら用意するぐらいはしてあげようそうしよう。

 

男も月一で金玉腫れて痛めばモラ男とか居なくなるっしょ……

 

なんか恐ろしい事を言ってる。

 

「あーその、なんか食いたいものとかあるか?」

「カレーうどん······」

 

いや、好きだね君。

 

 






黒ギャル
家のエアコンが壊れた。修理は2週間後と言われ絶望。何とは言わないけどH。エッチじゃないよ。エイチだよ。



今年のセミファイナル被害は3回


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若いきつねとワンタンうどん




ど〇兵衛のCMに心奪われたッ!!抱きしめたいな!!ガンダム!!!





 

 

─23:26

 

 

ターミナル駅から数十分、無機質な電子音に見送られ改札を出た。時は夕焼けをすっ飛ばし間もなく日付を跨ごうかというところ。

 

その日の内に帰り着いた事を喜ぶべきか、はたまた定時退社できなかったことを哀しむべきか。駅前はまだ賑わいがあるものの、少し裏道へ目を向ければそこは暗い静寂が満ちていた。

 

───退社直前に『先輩!助けてくださいっス······!』と後輩から泣きつかれたのが数時間前。

 

聞けば、締切寸前のデータ作業において指定されていたモノと違う旧版を参照してしまっていたらしく、確認を取ろうにも相談できそうな社員は手が空いていない。

違和感を持ったまま進めたが、発注値が全く違う代物が出来上がってしまったようで······。それを提出した所、案の定バリキャリ女に差し戻しを喰らい(バチボコに言われ)途方に暮れていたらしい。

 

うん、俺も別件で忙しかったしね?

気持ちは分かるんだけど、確認5分で終わるものが手直し3時間かかるようになるから、違和感あったらそこでしっかり報連相しような。だいたいろくな事にならない。

あと主な原因は『資料_原版』『更新版』『更新版_2次』『新版』『最新版』『最新版_2次』『最新版_後期』とか、てんでバラバラの資料を類似タイトルで紛らわしく保存する上司(ハゲ)の野郎である。

共有フォルダでそれは事故るから止めろって言ったよな······?

 

ちなみに当の上司(ハゲ)は、キャンプでテントを張ろうとしてハンマーを持ち上げた際に腰をやらかし1週間の休暇である。そろそろ腰をやった理由で打線が組めそうだゾ。今回は5番遊あたりに据えようじゃないか。

 

1(右)くしゃみ2発目でグキッ

2(ニ)草刈機を持ち上げようとしてベキッ

3(中)女性社員の荷物を変わろうとしてバキッ

4(一)孫を抱っこしようとしてゴキッ

5(遊)ハンマーを持ち上げてビキッ←new!

6(三)スキー中にピキッ

7(捕)咳してズキッ

8(左)ベッドから落ちてボキッ

9(投)段差に躓いてウギッ

 

以上のスターティングメンバーです。なお投手は右のアンダースロー。何やらマウンドでのたうち回っています。腰を大事にしましょう。

 

 

 

─23:51

 

とまあ、そんなこんなでお手軽疲労困憊。適当にコンビニで飯を確保。足取りノロく帰ってきたわけである。

 

晩飯は新発売と銘打たれたワンタン麺にした。よくよく見ればお馴染み赤いパッケージであるうどんの発展系らしく、縦に長い容器のおかげでワンタンうどんである事に気づかなかった。

 

てっきり中華麺を買ったつもりだったが、帰宅してしまった後に今更言っても詮無きことだ。別に、麺の違いがあるぐらいで騒ごうとも思わないし、しくじったのは俺サイドなのだから立てる腹もない。

ただでさえ今日の顧客は非常にデリケートで、ゴリゴリに神経をすり減らした。もう店仕舞いじゃ。

 

思考を回す事さえ億劫だ。

ケトルからお湯を入れ、ボーッと待つ。あれやこれやと浮かんでくる思考をお湯に溶かして、ローテーブルの前で胡座をかきベッドへと(もた)れかかった。

 

 

そういえば、そろそろ洗剤が無くなりそうだったな。あー、シャンプーも切れかけてたっけ。あとハンガーと排水口のぬめり取りと·······。

 

「うわっ♡変態おじさん(敗北者)じゃ~ん♡どうしたのそんなFXで有り金溶かしたみたいな顔して♡マジウケるんですけど~♡」

 

トイレットペーパーとかもそろそろ補充しとかないとな。いざ無いとめちゃくちゃ困るんだよなアレ。ゴミ袋もいるか。あ、明日ゴミの日じゃん出さなきゃ。

 

「ちょシカトとか酷くなぁい?」

 

しかし、後輩のやつは明日バリキャリ女に再提出できるだろうか。差戻し喰らった案件見る時のアイツめっちゃ怖ぇんだよな。

 

「おじさ~ん?麺伸びちゃうよ~?」

 

仕方ないから俺も一緒に頭下げに行くか·······。

一応まだ期限内ではあるもののアイツの部署が超特急で仕事しなけりゃならない事は確定だし、いつものお詫びで外回りから帰る時に菓子折りでも買っていくとしよう。

 

 

「1+1は?」

 

 

「みそスープ」

 

 

「······し、死んでる··········」

 

 

目の前をぶんぶんと横切る小さな手。おかげで俺の脳は再起動を果たした。

その腕にそって顔を向けていけばこちらを覗き込む生意気そうなツリ目。透き通るような金糸の髪の頭頂には対になった三角耳。どう見ても狐っ娘ですありがとうございました。どうやらまだ脳が働いていないらしい。

 

そんな彼女が身に纏っているのは、チャイナドレスのような形状の服だ。深めに入ったサイドスリット、ヒラヒラとした前垂れ、肌が見えるように編まれた組紐。スリットから覗くVバックらしきショーツ(しまかぜパンツ)の紐。

身体に貼り付いてボディラインをより綺麗に飾ってみせる乳白色のシルクに似た光沢のある布は、触れば指先が滑っていくようになめらかな感触を想像させる。

 

·········ともすればワンタンのように見えなくもない。

 

「おじさん、伸びるよそれ」

「ん、あぁ確かに。いただきます」

 

蓋を外すと些か締まりの無くなった麺と、ふやけたワンタンがお目見えした。箸で掬い口に運べば味の染みた薄皮が溶けていって肉の旨みが滲み出る。

ほんと、ワンタン麺ってだけで普通の麺よりもお得感するのなんでだろうな。

 

「おじさんが虚無顔で麺啜ってんのマジでウケるんですけど~♡」

 

ケラケラと笑うきつね。何がそんなに面白いのか分からないが、楽しんでもらえてるようでなによりだ。言い返す気力も湧かないのでそのまま食べ進める。

 

 

「·······」

「·······」

 

 

ずるずる。

 

 

「······ねぇ、おじさん?」

 

 

ずるずる。

 

 

「ほんとに大丈夫?」

 

 

ずるずる。

 

 

「······大丈夫?おっぱい揉む?」

「揉む」

 

 

ずるず······ん?

 

反射的に何か口走った気がする。今は発言を口に一任していたので脳内議会の決定ではないのだが、お口大臣は先走って何かを失言した。ここは大人力(ちから)で揉み消すしかない。

 

「うっわ······そこだけ即答とかヒくんですけど······」

「提案したのはそっちだろ」

「キッモ」

 

おい、あんまり強い言葉を使うなよ。泣いてまうぞ。

 

「まあ?ラストワン賞だし?FX全額溶かし顔してるおじさんに免じて?10分だけだったら?貸してあげない事もないけど~?♡」

 

ぐい、と背筋を伸ばし胸を張るきつね。滑らかな生地がうっすらと持ち上がり、小さいながらも布地の下の確かな柔らかさを物語る弧線。

ふむ、引っ掛かりのないラインと布の持ち上がり方的にノーブラであろう。

 

無意識のうちに視線が吸い寄せられてしまい、きつねはそれに気付いてニマァ~と頬を吊り上げた。

 

「こんな小さいのでもいいんだ?♡ロリコン♡」

「うるせぇ、おっぱいはみな等しくおっぱいなんだよ」

「キッッッッショ」

 

 

わァ·······ァ·········

 

 

心が泣いている。決壊である。もうドボドボである。冷静に考えなくても気持ち悪い発言なので弁明の余地もないが、溜めのあるキッッッッショは心折れちまったよ。

 

「きつね、俺は10分おっぱい権を行使するぞ」

「それ成人男性(おじさん)の発言としてどうかと思うんだけど」

「生物は重力(本能)に逆らえず、また、男はおっぱい(煩悩)に逆らえない」

「魂を重力に引かれて飛べない俗物め」

 

なんとでも言え。登山家はそこに山があるから登るのだ。ならば、そこにおっぱいがあるなら男として揉まねばなるまいよ。

 

きつねはやれやれと言った感じで盛大にため息を吐き、立ち上がるとぽてぽてと歩いてきて胡座(あぐら)の隙間めがけて腰を下ろした。

毛艶の良いごんぶとしっぽがモフりと太ももを撫で、小さくとも肉付きのある尻がすぽりとハマり込む。息子が反応すればちょうどよく感知できるポジションだ。

 

「ん、痛いの禁止、先っぽ禁止、直パイ禁止、欲情禁止。ちょっとでも乱暴だったら即中止。約束破ったらきつねうどん20箱お買い上げいただきまーす♡」

「俺は一向に構わん」

 

今の俺が求めるものは癒しの境界。我が心は不動。しかして自由にあらねばならぬ。即ち是、無念無想の境地なり。

 

 

─0:13

 

 

一対十指の、ほんの僅かな揺らぎをきつねの(あばら)へと這わす。指先だけ、柔肌が沈むことのないように伝えていく。やはり上質なドレスの表面は綻びもなく、指先は滑るように動いた。

 

「······んっ」

 

指が触れた瞬間、ぴくりときつねの耳が震える。

触れるか触れないかの瀬戸際、肌の弧線には逆らわない。掴んじゃいけない。挟んでもいけない。とにかくその表面を撫ぜる事。

豆腐の角を崩すぐらいの力を加えたなら、それでもう柔肌は感覚を慣れさせてしまう。

 

下乳から横を滑り鎖骨の下(デコルテ)へ、デコルテから胸中線を撫ぜ再び下へ。今度は反対周りでもう1回。小指で、薬指で、中指で、示指でだんだんと撫でる場所を頭頂へと近づけてゆく。

 

しかし、きつねとの契約は先っぽ禁止のため決して核心には触れない。

 

一本指が終わったなら、次は二本指。

示指と中指の二本を使い乳首を間に置いて、触れるか触れないかギリギリのフェザータッチで胸中線から横乳へ。

 

生地の滑らかな感触と、その下の柔らかさを感じながら進めていく。

 

「ふ、ンッ──」

 

吐息。漏れた声。耳鳴りがするような静寂が降りた部屋でそれは酷く響いて聞こえた。

 

少しすると感触が変わってきた所がある。何かが膨らむように段差を作り、滑らかな布は隠すことなく浮き彫りにする。

柔らかな果肉の詰まった山の頭頂がふっくらと、ぽっちりと、ぷっくりと。

 

しかし、契約は契約だ。触れてはいけない。薄布へ振動の伝達を任せ、悦楽の波打ち際を行き来する。

 

「ぅ、ぁ、あ·······♡」

 

指を、二本から三本へ────。

 

 

 

 

 

 

─0:16

 

 

ぷくっ♡

 

 

 

肌が粟立ってさらに感覚が鋭敏になり、先端が突っ張ったように際立ち、服越しでもありありとその存在を主張する。

 

(ヤバ······♡乳首()っちゃった·········♡)

 

焦らすように脇腹から這い回り始めた男の指は、割れ物を扱うような丁寧さできつねの輪郭を沿う。

時にはおっぱいの外側をつつーっとなぞり上げ、ある時は内側をとんとん♡とタップして、またある時は乳首の下ぎりぎりの乳輪あたりを爪先でかりかり♡と引っ掻く。

 

約束したのだから当たり前だが、男は律儀に乳首を避け続ける。

 

自分から吹っかけた取り決めなのに、それはきつねを惨たらしく焦らす結果にしかならない。

着ている服も良くなく、薄手のなめらかな生地は男の体温と指先の感触を絶妙なバランスに緩和して肌に伝える。ジワジワと追い詰められるような焦燥感。身体に纏わりつくような熱感。

 

 

ずくん♡……ずくん♡………

 

 

引っ掻いて欲しい。摘んで欲しい。捏ねて欲しい。

わがまま乳首はどんどん疼きを増していって、じくりじくり♡ときつねの身を苛む。

 

(「触って」なんて言えるわけない·······!)

 

きつねのプライドは折れることを良しとしない。それは明確な“負け”だから。懇願(おねだり)してしまえば最後、きつねは敗北者(おじさん)に負けることになる。それは許せない。絶対許せない。

 

何よりもムカつくのは尾骶骨(びていこつ)辺りに感じる男の雄がピクリとも反応してないことだ。ろりぷに尻肉を当ててやってるんだからちょっとやそっとぐらい甘勃ちしろちくしょうめ。

 

 

ぞわっ♡

 

 

きつねを撫でる指が3本に増えた。両手あわせて6本の指が勝手気ままにきつねの胸を弄ぶ。

身体中を這い回る熱を逃がす為に、きつねの背筋は無意識に(よじ)れて止まらない。欲しがるように胸を張ってはビクリ♡と肩を丸めてゾクゾク♡と背筋(せすじ)を這い上がってくる快感に耐える。

 

三本の指は器用に乳首だけを避け、乳輪の淵でタップダンスした。ちょっとぐらいなら目を瞑ってやろうと思ったが、ここまで頑なに触られない乳首はじんじん♡と痒みにも似た疼きを訴え続ける。

 

「はぅ♡······♡゛···んッ♡ぁっ!ぃ······!」

 

 

─0:19

 

遂に指は全ての本数が着地し、膝頭(ひざ)(くすぐ)るかのように乳肉を弄ぶ。触れて、乱れて、乱して、触れて、山の頂きを目指してはまた散開していく十指は頑なに乳首に触れてこない。

 

(ちくびかゆい!ちくびかゆい!!ちくびかゆい!!!)

 

服越しだろうと誰が見ても勃起していることが分かるぐらいイキり散らした乳首は、ずっと充血したまま、むずむず♡と、じくじく♡と、ずきんずきん♡と疼きを訴え続ける。

 

きつねの精神はもはや限界に立たされていた。

プライドがどうとか、負けがどうとか、そんなものは粉と化して砕け散り、欲望が脳内いっぱいに支配する。

 

痒いところをめちゃめちゃに引っ掻いてほしい!いいと言うまで弄ってほしい!摘んで、コリコリって音がするくらい!思いっきり!

 

「ね、おじさん······♡」

 

乳首を焦らされつづけ火のついた情欲は、やがてきつねの下腹部でぐるぐる渦巻く。熱く熱く締め付けられるような下腹部は、ごぽり♡と音が鳴ったと感じるぐらいに粘性のある蜜が溢れかえり、乱暴な絶頂を求めていた。

 

「きつねは寛容だからぁ♡···あっ♡ちょ、ちょっとぐらいだったら触っちゃっても···許してあげちゃおうかなぁ♡ぅん゛ん゛♡♡」

 

きつねは布石を打った。これで乳首にちょっと指が触れてしまったところで自分が負けた事にはならないし、うっかりイってしまってもきつねの尊大な自尊心(プライド)は傷つかない。出血大サービスだ。

 

だが、男の指はそれでもギリギリを攻め、核心に触れない。

 

·······もどかしい、もどかしい、もどかしい、もどかしい、もどかしい、もどかしい。

 

 

5

 

 

「······お、おねがい」

 

 

4

 

 

きつねの漏れ出た懇願に応えるように、男は人差し指だけを下乳に這わした。

 

 

3

 

 

遂に、遂に触ってもらえる♡気持ちよくしてもらえる♡

 

 

2

 

 

だんだんと人差し指は輪郭を登ってくる。もう指は乳輪まで差し掛かった。

 

 

1

 

 

(あっ♡···先っぽ♡触れ······♡)

 

 

 

 

 

 

 

 

─0:24

 

 

 

 

 

 

 

ぱっと、本当に最後の最後、(すんで)のところで男の指は離れていった。冷水を浴びせられたように静まり返る思考。身体はあかあかと燃えるように熱く締め付けられるように疼く。なのに、なんで。

 

「あ·······なん、で···?」

「契約の10分経ったからな。ありがとう明日も仕事だし俺寝るわ」

 

男は短く礼だけ言うと胡座を崩して、ベッドへと潜り込んでしまった。

 

 

 

 

 

 

は?

 

 

 

 

 

 

なんだァお前······?

 

 

ふざけんなよ

 

 

ふざっけんな!!そこはかりかり乳首こねて引っ掻いて転がし回してアクメさせて痙攣イきマンコにチンコぶっ込んで奥歯ガタガタ言わせたるところだろうがッ!!!今まで散ッッッッ々こっちをレイプしてチンポの味を覚えさせたくせに、自分だけ満足してグースカピーとかいつもの妖怪種付けプレス(わからせおじさん)はどこ行ったんだ!!

 

性欲を掻き立てられ身体に放火されたごとく熱を持て余したきつねは、ここまで来て放置プレイを選択する男の愚行にブッチブチにブチ切れた。

尊大な自尊心(プライド)なんてどうでもいい。10分前の自分の言動も忘れ子宮(本能)は赴くままにリビドーを募らせていく。

 

「ふー······!!ふー·········!!!」

 

男はきつねとの契約を守ったまでだが、誘い受け体質のきつねはこのまま襲われるものだと無意識下で心も身体も期待(錯覚)していた。

このままじゃ雌として大負けもいい所だ。それが本人もよく分からないぐらいにピキった理由なのだが。

 

 

 

 

─0:27

 

 

 

 

······しかし、男が襲う体力もないほど疲労していたなら?

 

 

ベッドへ潜り込んだ男は数分と経たずに静かな寝息へと変わっている。風呂どころかシャワーを浴びていないし、なんなら服すら部屋着へ着替えていない。靴下だけを脱いでその辺へ転がしたまま。

 

裏を返せば、こんな時間に虚無顔カップ麺をキメる社畜(おじさん)が疲れていない······わけがない。なにせこんなきつね耳ロリ美少女を前にしたら仕方ないが、なんの社会的葛藤や抵抗もなく10分おっぱいを要求するレベルなのだから。しかもその間オスの象徴は沈黙を保っていると来た。

 

いくら子宮(本能)がムラ着火ファイヤーしていても、きつねとてそのくらいの分別はつく。その辺の畜生とは違う高貴な高貴なおきつね様なのである。

 

そう、だから、仕方ないから、しょーがなく、お疲れのおじさんに免じてチン嗅ぎオナニーで済ませてやろうというのだ。

 

「はー·······♡ はー·······♡」

 

ふとんを捲り、四つん這いで潜り込めば、ふとんの中いっぱいに充満した香り(スメル)が鼻を突く。密閉された雄の臭いが肺いっぱいに満ち満ちてきつねの意識がくらりと白む。ずくん♡ずくん♡と嗅覚から連鎖して刺激を受けた雌が、かぁと熱くなって膣内を締め付けた。

 

かちかちとベルトの金属音を鳴らして、スラックスのホックをぷちりと外し、拘束を解いていく。一つ一つ雄を抑え込んでいる障壁が、雌の手でどんどんと取り払われていく。鬼が出るか蛇が出るか、はたまた別の何かが出るか。何れにせよ、もう、きつねは止まれない。

 

すぅー……♡ はぁー……♡

 

鼻から吸って、口から吐く。呼吸器を循環した空気が入れ替わってそのままきつねの意識を殴ってくる。

 

頭隠して尻ふりふり。勝手にうねる尻尾がふとんをモゾモゾと動かしきつねは更に深みへ潜り込んでいく。

 

「くっさぁ·······♡」

 

布団の中はむわぁ♡と男の臭いでいっぱいになった。チャックを下げて露わになったボクサーブリーフに盛り上がるシルエット。排泄器も生殖器も兼ねたそれがいい匂いなわけがない。

 

ただでさえこの男はギットギトの性欲を溜め込む淫猥常習犯なわけで、今回も例に漏れず竿の下の袋はパツパツに張っていた。口の中に唾液が溢れる。これはあれだ。臭い物への防衛反応とかだから。違う、ちがうから。

 

 

──気づけば、きつねの手は自身の胸と股に伸びていた。じくじく♡と痒みにも似た疼きを発し続ける患部に、もはやたまらず緩和の為の先兵を送ったのだ。

 

「ふ···♡すーっ······♡くっさ······♡うげっほ!くさいよこんなの······♡すーっ♡」

 

下着の盛り上がった部分、特に臭いの濃い竿の裏側にぐりぐり♡と鼻を押し付け深く深く吸気する。蒸れた生地が発する、すえた臭いに脳内回路がバチバチと火花を上げ始め、ついつい()せてしまったがそれで吸い込んだ空気に余計彼の臭いが含まれて···連鎖する。

 

 

かりかりっ♡ぎゅっ♡かりかりかり♡♡♡

 

「ん······っ♡!いっ♡!!」

 

ずっとずっと痒みを訴え続けた乳首を、爪先で掻き毟る。えも言われぬ擽ったさと痺れが背筋を駆け上がってきて、同時に駆け降りていった。

頭の回路がショートする。浮遊感に輪を掛けて酩酊感が迫り、熱さが渦巻いて下腹部へと溜まっていき、それがまた疼痛を煽って子宮が捩れるような締付けが熱く熱く身を焦がす。

 

そっちを何とかするために、もう片方の手指がショーツの上からクロッチ部分を押し込んだ。ぐじゅり♡といった粘っこい水音と指先にまとわりつく生温い感触がきつねの濡れ方が普通じゃない事を示していた。

 

 

すぅー♡すぅー♡はぁ♡ ぁっ♡ すぅぅぅう♡ぁぁぁぁぁあ♡♡♡

 

 

この臭いヤバい······♡

 

発情期でもないのに無理やり本能を叩き起され、セックスしなきゃと身体が躍起になる。スイッチがガチりと押し込まれ、加速度的に熱く蕩けていく。

 

ぐじゅ……♡ じゅく♡じゅぐ♡じゅく♡じゅぷ♡ぷぷっ♡ぐじゅじゅ♡

 

クロッチ部分を撫でていた指は、いつの間にか中指と薬指が主役となって、ショーツの上から強く押し込まれるようになり始めた。

秘裂をぐじゅぐじゅ♡となぞっては、ぷくりと膨れた肉豆をぐりぐり♡と円を書くように動いて溜まりすぎた熱を何とか放出しようと試みる。

 

「あ♡゛···あっ!んぅあ…クリきもちっ♡ あ゛♡あぁっ♡だっめこれ···ああっっ゛♡···あぁ♡······!」

 

膣口から溢れ出たメス汁がショーツを突き破って指先を滴る。あまりに多い汁気を吸いきれず、薄布は下着の意味を成さぬほどに貼り付いた。

 

臭いと、乳首と、クリトリス。布団の中にはこってりとした淫臭が溢れかえって、まるでセックスのあとのような臭いへ至っていた。オスの性器の臭いとメスの濃ゆい発情臭、淫らな水音とメスの嬌声。一つおかしいのはオスが眠りへ旅立っている事か。

 

「寝、るッう゛♡···場゛合じゃ♡ないよ···!おじさぁん♡···あ♡」

 

嬌声を、蕩けた甘イキ声をありったけ金玉へぶつけてやる。もっともっとぐつぐつと煮詰められろ♡もっともっとせーえき濃くなれ♡濃すぎて射精が辛くなって苦しめ♡

 

こんな健気で(オナニーで)可愛くて(発情して)献身的な(食べ頃な)メスを放っておくとかどれだけの贅沢だと思ってんだ!

 

「あっ♡···ッ♡イきそっ······ッ♡♡あぁ♡♡ああぁ!!♡···ぁぁぁ♡゛♡♡ぁぁっイッ…イ゛く゛♡♡…イく゛♡♡······イッ♡♡♡」

 

きつねの思考から制御を外れた腰が一度、二度強く跳ねる。しっぽが総毛立って2倍ぐらいに太くなり、ぎゅっぎゅっぎゅっ♡と身体中の筋肉が緊縮を繰り返す。足の指先は握解を続け、蕩け落ちた奥底の白濁した本気汁が膣口からごぽごぽ♡と吐き出された。

 

頭の中がぱちぱちと燻る。イッた後の余韻と浮遊感がきつねを包み、荒くなった呼吸を治めるために、深く々く肩で息をする。きつねが深く呼吸したのは男の股ぐらの上。鼻先を1番臭い(ニオイのキツい)所に突っ込んだまま。

 

それが良くなかった。

 

ゆるゆると、乳首とクリトリスを()ねる手が止まらない。膣の奥、臍の下、メスを司る器官からの発熱が止まらない。巡る血潮を伝って熱は身体中に食い込んでいく。

 

そしてオナニーの間、きつねの鼻先をぐりぐり♡と押し付けられた刺激によって肉槍は臨戦態勢へと移行する。オナニーの間、きつねの甘イキ声を浴びせられ続けた睾丸は詰めに詰めた精子を更に濃縮して新たな精子を作り出す。

きつねの目の前で、下着を引き裂かんばかりに怒張していく肉槍。脈打つ度に体積を増してきつねの鼻先を押し返してきて、より濃く重たい臭気が花開くように溢れ出て鼻腔を埋めつくしていく。

 

性欲の果て(ハートマーク)が瞳に刻まれたきつねにはもう、それを閉じ込めておくことはできなかった。

 

 

 

 

 

 

─0:52

 

 

 

 

 

 

ぶるんッ!

 

拘束から解き放たれた雄の象徴が天を貫かんと聳え立つ。“本体が眠っている事など俺に関係あるのか”と言わんばかりに青筋を浮かべた様相は雌へ畏怖と興奮を齎すのには充分で。

 

イッた後にも関わらずきゅん♡とお腹の奥が捩れ、ぞわぞわ♡と膣襞が騒ぎ出す。子宮も膣もありったけの潤滑油をぶちまけ、ふやけて緩んだ膣口の端から清水のようにとろとろ♡と滴り落ちていった。さっきよりも疼きはなお酷くなっていく。

 

「もぅ、無···理······♡」

 

クリオナでイッてしまった今、融解した理性を保つことは不可能。火をつけられた蝋燭が焔によって崩れ落ちていくように、きつねの理性はもはや(てい)を成していなかった。

 

過去に享受してしまった快さを、頭の中がまとめて吹き飛ぶような性交の悦楽を思い起こし、思い出し、思い返し、自身に刻みつけられた深さを嘲笑する。

 

なんだ、初めから期待してたんだ。こうなる事を。

 

もっと奥深くでイキたい。自身の細指じゃ満足に届かない、いちばん気持ちいいところ(ポルチオスポット)乱暴に(優しく)掻き回して(甘やかして)ほしい。

 

そんな願いを込めて、ショーツをずらしてきつねは男に(またが)った。屹立する肉槍に自身の秘裂を擦り付け、躾のなってない犬のように腰を揺する。

 

かくかく♡へこへこ♡

 

「ん♡······ぐッ♡♡」

 

たまにぐちゅり♡と肉豆に亀頭が擦れ、不意に訪れる鋭い刺激でぶぴゅり♡と愛液が噴き出た。声の放出を横隔膜へ任せ、クリトリスが肉槍の表面の凹凸を感じられるぐらいまで腰を押し付けて振りたくる。

 

蜜に塗れた肉槍がどんどん濡れ光っていく。ローションをまぶしたように白濁に塗れた肉槍と恥丘とが粘ついた銀糸で繋がって、何本も何本も繋がって、挿入には過剰なぐらい繋がって、クリトリスがニュルニュル♡と擦れて堪らない。

 

「ん゛ぁ゛っ!おじ···さん······?♡挿入(はい)っちゃうよ?···んっ♡···ほらほら♡!」

 

ちゅこ♡ちゅこちゅこ♡ちゅこ♡ちゅこ♡

 

膣口と鈴口でキスをする。亀頭をくぷっ♡と咥えこんでどんどん飲み込もうとする自らの貪欲さに呆れつつ、何とか引き剥がしては鈴口をクリコキする。

きつねのおまんこローションに(まみ)れたビッキビキの肉槍と、奥の奥の肉襞までとろとろ♡にできあがったメス穴。いくらきつねの穴っぽこが小さいといえど、このまま腰を下ろしたら根元まで一呑みしてしまうに違いないからきつねは素股を続けた。

 

こんな傘をかっ開いた極悪カリ高ちんぽで躾られ(わからせ)たら即トぶに決まってる♡

 

だって、このちんぽには1回も勝てたことがない。

奥を抉るぐらい(なっが)くて、膣内を隙間なくごりっごりに埋められるくらい(ぶっと)くて、雌の中を耕して掻きむしって絶対に自分の子種を逃がさない為と傘を広げる高いカリ首で、しかもどんな生活をしてる(メスを犯してる)のか知らないが、初めて分からされた時よりも鍛えられた肉槍はメス殺し度が増している。だから、少しの怖さもあってきつねは膣口をコキ合わせるに留めていた。

 

本体が寝てるから、この暴挙。絶対に逆転されることのない安心感。

 

「入り口だけ、で···あん♡······ぅう゛♡コくの気持ちいいね♡···ッ?♡♡゛おじさん♡♡♡」

 

素股から蹲踞の姿勢に移って腰を反らし、騎乗位とも呼べない何かで亀頭の先端だけを咥えては前後にストロークさせて性器同士を擦り付ける。

 

この肉バイブ硬いなあ♡

 

夢中になって事に及ぶきつねは、徐々に上り詰め始めていた。ジワジワと迫り来る絶頂の予感に背筋を震わせつつ膣口で亀頭を咥え込み腰を回す。そんな簡単にイッてしまったら面白くないだろう。

 

「んん···♡挿入(いれ)たい?♡♡♡」

 

夢中になって事に及ぶきつねは、気づいていなかった。寝ているはずの男の手がきつねの腰骨を捕まえようと動いたのを。肉槍の角度が自身のおまんこにぴったりと合わされてしまったことを。

 

 

 

 

 

─1:18

 

 

 

 

 

「はいだめ~♡♡♡おまんこお預け────」

 

 

ずぷんッッッ!!!♡♡♡

 

 

♡~??♡゛♡゛?♡?!♡!!!♡♡゛♡!!!゛!゛

 

 

ごちゅっ♡

そんな音と共に強い衝撃がきつねを揺らした。何が起こったか分からないきつねの脳内へ膨大な快楽電流が流れ込み回路が音を立ててショートする。

バチバチと目の奥で火花が飛んで意識が明滅し、言語として機能を放棄した声が勝手に奥底から吹き出て、堪らず口の中から舌が放り出た。

 

一突き、一閃。

 

「あ、お───」

 

うそっ······挿入(はい)って···る·······?

 

肉槍がきつねのとろとろまんこをゴリッゴリに割り拡げ、自らの屈強さを容赦なく刻みつける。奥底の赤ちゃん袋は叩き潰され、ただただ震えて許しを乞う(アクメ散らかし)ていた。

 

「お前人が気持ちよく寝てんのにさぁ、チンコ勝手に使ってオナニーしやがって」

「お゛♡···ご♡······ごめ゛んな゛さ」

 

きつねの柔肉に指がくい込んで、腰骨を逃がさないように力が籠る。

 

「ちょっと我慢できないからこのまま(オナホ)使わせろ」

 

下からの強烈な突き上げで子宮がドチュられ、きつねの体が浮き上がり、脳内で意識が破裂した。鋭利なカリ首が奥から口まで余すことなく膣襞を引っ掻き、浮き上がった浮遊感が腹の内部を掻き混ぜて体全体が戦慄(わなな)いて止まらない。

重力は万物等しく作用し、跳ね上げられたきつねの身体もまた下へ向かって落ちる。しかし腰骨を握った腕が降下を加速させ、更に男の腰が力強く突き上げた。

 

ばちんッ♡!!ばちゅんッ♡!!じゅっぷ♡!!ばちゅんッ♡!!♡ずちゅん♡!!じゅぽっ♡!!ばちんッ♡!!ばちゅん♡!!

 

暴れ馬の背に放り出されたきつねは、ただただ悶え狂いながら掴まるしかなかった。雲呑色チャイナ風ドレスの前垂れだけが懸命に結合部を隠そうとするも、もはや何をしても意味が無い。

 

「あ゛ぉん♡!あ♡っ゛!!···んあ゛っ♡!あっっ!!ん゛っ♡゛おっ♡♡♡んっっ゛♡っあん゛♡♡!!」

「きったねえアクメ声オプションなんかつけてねえぞ!チンコにクるだろうが!」

「ご♡!め゛♡!ん゛♡な!さ♡♡!ひょうじゅんッ♡!きのうッッッ♡♡!!れ゛ッすぅ!!♡♡♡」

 

天然ローション分泌機能が壊れてしまったのか、先程から突き上げられるたび結合部からぶしゃり♡ぶしゃり♡と汁が(ほとばし)る。恥丘同士がぶつかり合い、まとわりついた汁が膜を張っては切れていく。

 

ぐっぽ!!♡どちゅ!!♡ずぽっ♡!!ぶちゅん♡!!♡ぶちゅっ♡!!ばちんっ!!♡ぼちゅ!!♡ぐちゅっ♡!!

 

ロデオマシーンの方がまだ優しい。ベッドのスプリングがギシギシと音を立てて軋み、嬌声と、粘着質な水音と、肉と肉がぶつかり合う音が部屋中へ飛び散った。

 

「あ゛っ!♡···あ!♡あ♡!ああッッ!···お゛♡!あ♡!あっ゛!♡」

 

子宮が突き上げられて潰されるたび、頭の回路がバチンッ!と焼き切れていく。もうイッてるのかイッてないのかも分からない。

 

ずーっと気持ちよくて、何が気持ちいいのかも分からなくて分からなくて分からない。頭を振り乱し揺れる揺れる歪む視界。自らの四肢さえ在り処が不明。

 

だけど、膣内の肉槍がびきりと、より一層硬度を増した。思考じゃなく、身体が、子宮(本能)が感じ取った。

 

 

───射精、するんだ

 

 

射精()すからな!受け止めろよ!」

「あっ···!待っ······♡」

 

ひくひく♡と制御不能な痙攣が膣内から湧き起こり、肉襞の一枚一枚が粒立ってオスへと絡みつく。そんな事をすればカリ首にズタズタにされるのに······。きゅんきゅん♡と締まった膣襞は、やっぱり鋭利な亀頭でぞりぞり♡と刮がれてしまった。それで、深く深くきつねの意識は沈められる。

 

「あっ!!♡あぁぁ!!♡イく···♡!イッく♡!!おじさ···!!♡むりむりむり!!!♡♡♡もうむり!!♡♡♡イッ···!!」

 

亀頭が膨らみ、根元から先端までびっしりと、余す所なく血管が浮き上がる。きつねの膣内(なか)で肉槍が脈打ってのたうち回った。えずくように数回、男の腰がぎくぎくと浮き根元まで埋められる。

 

ずちゅん♡!

 

それを感じたきつねの膣内は膨らみ、最大限射精を受け止める準備をした。ちっちゃい子宮口は一生懸命に首を伸ばし、男の肉槍に吸い付いていく。ぎゅっ♡ぎゅっ♡ぎゅっ♡と肉襞が絞り上げるように収縮し、きつねの自意識に反して大いに射精を促す。

 

 

どぷッッッ!!

 

「あ───」

「ぐッ···!まだ射精()る······!!」

 

ドプッ!!!どぷッ!!どぐんッ!!びゅプっ!!びゅるッ!!どぶっっ!!! びゅるッッ!!どびゅ!どくんッ! どぷっ!!…びゅぶ!…… どくッ……

 

 

子宮口に叩きつけられた塊のような精液がじわりじわりと染み込んでいく。ずっと疼き続けていたおなかの奥がふわりと(ほど)け多幸感に包まれた。男の射精もじきに治まっていき、後にはずんと重たくなった下腹部が膣内射精(なかだし)された事を訴える。

 

きつねの脳内は過大な電流で焼き尽くされ、深イキの余韻から戻れなくなっていた。

 

「お、あ······♡おぉ゛·········♡」

 

ただただ、しがみついて震える。それしかできない。時たまびくり♡と痙攣が走るが、そんな事を気にする余裕もない。だから、ごろりと自分がひっくり返された事に何の抵抗もできなかった。

 

 

 

 

 

 

─1:55

 

 

 

 

 

 

膣内に居たままの肉槍は、再びビキり♡と血管を浮き上がらせ肉襞に精液を塗り込むように動き出した。もう充分本気汁(ローション)で溢れていた所に、精液が追加で投入され、もはや何の汁か液か分からないもので上書きされていく。

 

「······おっ、あぁ゛♡···はッ······♡··········」

 

男は身体を起こし、反対にきつねをベッドへと寝かした。脱力しきったきつねは四肢をだらけさせ、正常位へ移行してもなお反応がない。虚ろな目がぼんやりと宙を見つめ、口から譫言(うわごと)にもならない声を垂れ流す。

 

まだきつねの意識は混濁しているようで、言葉の返答はない。しかしいい所に擦れるたび、ひくひく♡きゅんきゅん♡と膣内が反応して痙攣する。

雄はそれを気に入って、カリ首を使ってねちっこく引っ掻く。

 

「お゛っっ♡·······う゛っ♡······」

 

ぐりゅ♡ぐりゅ♡にゅるにゅる♡

 

擦れば擦るほど吸い付く肉襞。細っこいきつねの見た目に反して肉槍を根元まで飲み込む貪欲な雌穴は、犯せば犯すほど具合が良くなることを雄は感じ取っていた。

 

男は覚えていなくとも、雄はこの穴を覚えている。

 

射精()し足りない。前垂れに隠された神秘(ベール)の向こうでは、きつねのぷにまんに醜く腫れた赤黒い肉槍が突き刺さっているのだろう。

 

ゆっくり引き抜いていくとカリ首にぷりぷり♡とした肉襞が幾重にも(こす)れていく。時間をかけて、一枚一枚全てを撫でるイメージで抜けるギリギリまで持っていき、また時間をかけて馴染ませるように押し込んでいけば、包み込むようにしゃぶりついて来る。

 

温泉に浸かっているかのような心地良さとメスを征服しているという充足感。火種に新しく薪がくべられ、熱は全身へ巡りだす。

 

投げ出された掌に手を重ね、指を絡めて逃げられないように縛りつけた。小さく柔らかな掌は覆い隠され、細く白魚のような指が時たまぴくりと握ってくる。

 

 

ぬるるるるるるる~~♡♡♡♡♡♡

 

 

あ゛あ゛あ゛あ゛♡?♡♡!♡♡♡!??♡♡!!?」

 

わざと膣内のへそ側を狙ってカリ首で引っ掻くようにしてみると劇的な反応が返ってきた。

薄ら眼は刺激に見開かれ、霞んでいた意識が無理やりに引き戻されたようで困惑した表情を浮かべて周囲を見回す。そして、自分が押さえつけられている事を悟ったらしい。

 

「ま、まっれ、おじさッ······♡ わらし、まらイッひゃばっかなのぉ♡」

 

可哀想な事に舌も上手く回らないようで、回復までは時間を要するだろう。

汗で額に貼り付いた髪。涙で頬が濡れ、口元には唾液が滴り、治まらない熱で上気した肌。荒く呼吸の度に上下する胸。男が握れば折れてしまいそうなほど細いくびれ、しかし開いた骨盤と、尻や太ももの肉付きは確かな性を感じさせた。

 

そして今この瞬間にも、俺が、少女の中にいる。

 

 

ビキビキビキッ!!

 

かあと身体が熱くなって、心臓から送り出された血液が巡って海綿へなだれ込み、メスを犯すには過剰なまでの勃起を引き起こした。

 

あまりに硬く、あまりに鋭利、あまりに重い。研ぎ澄まされた打ち刀のような反りを感じた膣内は、引き裂かれぬよう懸命に潤滑油を肉襞へまぶす。ただそれはオスにとって具合を良くする事にしかならなくて。

 

 

ぞりゅりゅりゅるるる!!!♡♡♡

 

「あああああああ♡♡♡♡♡!!」

 

指と指を力任せに絡めた結びは、恋人繋ぎのなり損ない。

しかし複雑に噛んだチャックのように不規則で離れ難い繋がりは、振りほどくにはあまりに固い。

しっかりと交互に指を交わすとか、そんな事を気にする余裕がないほど興奮したオスとメスの呼吸は徐々に徐々に合わさっていく。

 

ずりゅっ♡……ぬりゅりゅっ♡…ずちゅっ♡ばちゅっ♡!ばちゅん♡!ずぷっ♡!どちゅっ♡!

 

ゆっくりと覚え込ませるような動きだった腰が次第に加速していく。

 

「おひさ······!まっ!あっ♡!···あぅっ♡!!あ゛っ♡!いっ♡」

 

すっかり男の形に変えられてしまった膣内は、回復していないきつね本体を置き去りにして肉槍に喜んで吸い付く。

 

根元から、血管の浮いた凹凸のある幹から、鋭利なカリ首から、張り詰めた亀頭まで肉襞の一枚一枚が粒立って包み込み、きつねのぽかぽか体温も合わさって極上の雌穴(オナホ)へと相成った。

 

オスはオナホから与えられる快楽を貪るように腰を振る。もっとも、それはメスにとっても頭の中が融解して溶け落ちるような快感をもたらして。

 

「あ♡゛!あっ♡♡!…あ!!♡♡゛!っっあ゛♡゛!あっ゛!♡」

 

薄桃色だった秘裂と膣襞は、興奮した充血と肉槍の擦過で柘榴の如き紅に染まり蹂躙の激しさを物語る。

多量に分泌された愛液と、子宮が吐き出した本気汁と、男が出した精液と、きつねが吹いたハメ潮と······他にもあるだろう様々な液体がミックスシェイクされたどろどろ汁が肉と肉の間で何回も糸を引く。

 

このまま永遠に続きそうに思われた抽挿だが、不意に終わりは訪れた。

 

───男の睾丸が袋の内でぎゅうっと持ち上がる。一定だった男の腰が奥へ奥へと肉槍を埋める様な動きを見せた。肉槍の先端がきつねの子宮口を捉え、大事な大事な赤ちゃん部屋をこじ開けるようにぐりぐりと身を揺する。

 

しゃせーだぁ♡しゃせーするんだぁ♡がちがちのおちんちん♡びきびきのおちんちん♡どくどく~って♡ちっちゃいおまんこにあふれるくらいどぷどぷっていっぱい♡しきゅーいっぱいになってもびゅるびゅる~って♡されちゃうんだ♡そんなのむりだよ♡むり♡きつねちゃんいっちゃう♡だってしきゅうおっきいのいっちゃうから♡おまんこふかくいっちゃうから♡いっしょにいこ♡いこ♡

 

きつねの脳は危機を察知した。男に散々雌穴を耕されボコボコにされた思考回路でも理解した。ブッ蕩けた子宮が発したメッセージを受け取り、このまま膣内射精キメられたら深イキすると理解した。

戻ってこられなくなる。またトンでしまう。過電流(オーバーカーレント)で脳内が焼き尽くされる。

 

「まっれ···♡!あぅっ♡!おひさん゛!!···お゛♡!······しゃせーらめっ♡!!しゃせーしひゃら♡!きつねトんひゃう゛!!♡♡」

 

必死に言語化し、発声。何とか許しを乞う。

 

「うるせえぞ」

 

無慈悲。射精直前の獰猛なオスを煽る結果にしかならなかった。

 

~~~!!?♡゛♡?!♡♡゛♡!!!゛

 

終いには口付けで発声すら塞がれた。手は強固に結び付けられているし、きつねと男の体格差ではどう頑張ってもひっくり返すなんでできなくて。

 

キスハメ、なんて、はんそく

 

どびゅっ!!!どぷっっっ!!どぷっっ!!ぶびゅっ!!!どくっ!!どぶっ!!ドブっ!!ブビュビュビュ!! びゅぷ!!びゅるる!どぷっ!ドプッ!! どぷっ!!…びゅる!…びゅっ… どぽッ……

 

 

肉槍が脈打つたびきつねの子宮(なか)が、ずん!と重たくなる。二度目の射精。二度目だと言うのに一射目よりも濃く重たい精液。肉槍と肉襞でみっちりと埋まった膣内に行き場などなく、きつねの子宮にどぽどぽと注がれた。

 

 

「お゛っ♡···ほぉ♡······!あ···!ぃあ゛♡゛······!♡゛♡」

 

 

きつねは下腹部を小刻みに痙攣させながら、ただ喉が鳴らしただけの音を垂れ流す。射精を終えたオスと深イキして思考をぶっ飛ばされたメスのぜいぜいとした荒い呼吸が静寂な部屋にこだました。

 

のるるるる

 

「ぁ゛あ♡?ぃ゛···ぉ♡」

 

ぬぽんっ

 

「おひっ゛♡」

 

───ぼぷっ♡!!ごぽぽ♡♡♡ぶぷっ♡!!

 

 

膣穴から肉槍が引き抜かれ、栓を失った精液が一気に逆流する。下品なげっぷと共に糸束のような精液が噴き出し、夥しい量が注がれたのだと示した。ひくんひくんと膣穴が呼吸するたび、精液の塊がぼぷりと出てくる。

 

きつねは意識を手放してしまったらしい。大股を広げたまま四肢を放り投げ、荒い呼吸で胸が上下する。時おり、びくりと痙攣で身を引き攣らせてはまた脱力した。

 

 

「あー···喉渇いちまった」

 

冷蔵庫から水を取りだし男はがぶ飲みする。

掠れきったスポンジに水分が染み渡るような感覚。自分が思っていた以上に水分と体力は流失していたようで身体はもっとよこせと訴えた。

 

 

 

 

 

 

─3:22

 

 

 

 

 

 

未だにのびたままのきつね。男はその股間を隠していたチャイナ風ドレスの前垂れを捲る。

 

むわぁ……♡

 

惨状が広がっていた。

 

ぐちょぐちょに汚れた鼠径部。その中心にぴったりと閉じていたはずのきつねのスジマンは、男の肉槍で散々耕されぽっかりと口を開けていた。

擦過により真っ赤に充血した陰唇と粘膜。開いた膣穴と、その中に覗くひくひく♡と蠢く肉襞、でろりとした汁をこれでもかとご馳走され溺れている子宮口。

 

───びきり

 

射精して落ち着くかと思われた肉槍が甘勃起から本気へと移行する。まだまだ目の前にいるメスを犯せと思考へ流れ込んでくる獣欲。

 

「最後まで使わせてもらうか······」

 

躾け(わからせ)てやらないとな。生意気な口を利けないようにしてやる。

 

きつねの身体を横へ向け、松葉崩しという体位にする。柔軟性に富むと言ってもきつねが身体を痛めぬように片方の足を抱えて自らの身体を差し込んだ。

 

「ぉ······♡」

 

亀頭を合わせるとぴくりときつねの身体が反応し、吸いつこうとしてくる。それを感じながらほぐれきった膣穴へ肉槍を埋め始めた。

 

「あ······♡あぁ······♡ぃいあ♡」

 

ぬぷりと亀頭が飲み込まれると、そのままさしたる抵抗もなく根元まで容易に受け入れてしまうきつねの膣穴。

とろとろ♡になった膣襞と、にゅるにゅる♡と滑る膣口の締め付けが肉槍を包み、あなた専用の雌穴(オナホ)です♡だから酷いことしないでください♡と懸命に縋り付く。

 

「起きろよ」

「おごっ♡!?!!?」

 

しかし、オスがそんなもので優しくしてくれたら、この地球上の生物は繁殖していないのだ。だから、このオスもその残忍さを振りかざしてきつねの膣穴を抉り始める。きつねの絶頂なんかお構い無しに。

 

 

 

 

 

 

─6:14

 

 

 

 

 

 

ベッドに転がるきつね。

 

松葉崩し、バック、寝バックとオスを受け止めた膣穴(オナホ)は、数時間前までスジマンだったと言っても信じられないほどほぐれきってその口から精液を垂れ流していた。

 

ぼぷっ!……ぶびゅ…!どぽッ……

 

チャイナ風ドレスもしわくちゃで飛び散った液でいたる所が染みており、適切な処置をしなければガビガビ一直線だろう。

 

「お゛♡···おぉ゛······♡ う···あ♡ あっ······♡」

 

熱に浮かされ、その口は嬌声とも呼べぬ脱力した喘ぎを垂れ流す。

 

 

いくらなんでもあんまりだ。

ただ寝ているオスを煽って肉バイブでクリオナ素股しただけなのに。まさか一晩中ハメ潰されるなんて誰が思うだろうか。朝まで寝かせないぞ、という事がどれほど酷で激しいか身をもって味わった。

 

少しずつ白み始めた空と、小鳥が鳴く声がする。

一睡もできない朝チュンを迎えたきつねは重たい下腹部を擦りながら何とか身を起こす。

 

全身を苛む疲労感。喉はガラガラ、怠すぎる手足、痛む腰、ボサボサの髪、シワだらけの服。

 

「さいあく······」

 

あの男、自分の精力を自覚して欲しい。何発もみっちみちに精液を詰め込まれた子宮(おなか)が膨れ、細っこいきつねの下腹部は見た目で分かるほどポッコリしていた。

 

辛うじて記憶を飛ばす(まじな)いだけは掛けたけど、肉体だけはどうしようもない。今日1日、あの男は猛烈なセックスの疲労を引きずり続けるだろう。それでも仕事に向かったのだから、体力がどうかしてる。

 

 

「いい気味」

 

 

また、ラストワン賞になったら呼ばれちゃうんだろうか。きつねの思考と関係なく、子宮がとくん♡と高鳴った。

 

 

 

 

 

 

─9:20

 

 

 

 

 

「うわっ···先輩どうしたんスか······?」

「なんでかな···昨日マジで一睡も出来なくてさ······」

 

 

 

 

 






きつね(ワンタンメンのすがた)
返り討ちにあう。どうにか主導権を握ろうとするもやっぱり分からせられた。たぶん遺伝子レベルで向いてない。おキツネ様にお勉強させてもらって?


布団に入ったはずなのに目がギンギンで眠れなかった。実際は別のところがギンギンだったお話。



気づけば1.7万文字。おっかしいな~~~他の小説書いてる時ぜんぜん文字数いかないのにな~~~~~????今回初めて射精擬音を描写しました。えっち漫画感が増しますね。これはこれで良いかと。

思えば残業してる時に年越しカップうどん食ってて思いついた弊作品も、もうそろそろ1周年とかうっそだろお前。またまた~······マジ?皆様の癖ェ!とおシコリ報告に感謝しつつおキツネ様人気に戦慄。1話しか出てこないけど1番続編希望きてて草です。

年度跨ぐまでにはこの小説も〆たいと思ってますですよ。年内にもう一本イケたらドピュりたい······頑張ってシコシコ書きます。




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女と26:00

 

 

 

「元気出せってお前シジミだって頑張ってんだからさ!」

落ち込んでないもん

 

明らかに(しぼ)んだシナシナ声。そんなに分かり易くダメージ入ってる声ってなかなかないよアナタ。

 

「帰りの餃子もパリッパリだったじゃん!」

レモン酸っぱかったもん

 

レモンかぁ~~~~。そりゃ酸っぱかっただろうなァ~~というかワンポイントで搾ってかける用のレモンを何で齧っちゃうのかな君ィ。

 

「餃子よ餃子!明太もちチーズとかさ!王道で美味しかったじゃん!」

……しそ入ってた

 

紫蘇ダメだったかぁ~。確かに独特の風味が苦手って人結構いるもんなァ~!山椒とかパセリとかセロリとかちょっと確認した方がいい系食材あるよね~しくじったわぁ~~~~~~。

 

「失敗なんて人間誰でもするんだからさ!俺なんてほらミスりまくっててもう存在が失敗みたいなとこまである」

うううぅ~~!!なんでそんな事言うの……!!!だめ!だめだから!生きて!そなたは美しい!

 

あかんこれ。

 

帰りの車中でいつまでも続く押し問答。二徹明けで2人ともテンションがおかしな事になっている。ブレーキ役が居ないせいで俺もイカれ、バリキャリ女も壊れてしまった。

 

おっと赤信号。クラッチを切ってシフトをニュートラルに入れ止まる。いつもの社用車とは違うマニュアル車操作(しぐさ)に煩雑さを覚えつつ、ゴールのインターチェンジを目指した。この先、なんとか意識を持たせて家まで辿り着かなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事の発端はとある至急案件だった。

 

俺の課が企画を受け持ち、バリキャリ女の課は審査を通して、後は実地を残すのみとなった案件だったのだが、発注数と工数が合わないらしく現場が修正を求めて作業をストップしているとの事。

それはとても穏やかじゃないし、顧客にも現場にも迷惑がかかっているうえ、その分の余計なコスト発生もあるのだから早急に対応せねばならない。

 

持ち帰って再検討などしてる暇はない。急ぎデータをひっくり返し企画書の誤っている箇所を探していく。だが穴が開きそうなほど見返しても、修正が必要な所が見当たらない。

 

(これ営企(ウチ)のミスか?)

 

疑念が大きくなり、念の為後輩にも確認してもらったが、やはり修正が必要な箇所はなくお互いに首を捻る。そして後輩も1つの結論に至った。

 

「先輩に言われたとこ確認したんスけど、何もないんスよね······。総務予算(あっち)のミスっぽくないスか?」

 

俺らの課が発案企画して計画書を提出し、バリキャリ女の課が予算関係の計算と審査をするのが弊社の基本的な流れ。つまり向こうが最終防衛ラインなポジである。

総予が『良し』と言わなければ予算は下りないし、発注できない俺たちの仕事は進まないことを意味する。我が課はいつもいつも審査で誤入力を指摘され、ただでさえおんぶに抱っこな上に向こうにケツを持ってもらっている立場であり······上司(ハゲ)のやらかしも、先輩のうっかりも、俺のしくじりも、後輩のしでかしも向こうがカバーしてくれたおかげで何とかなった場面が多い。

 

それだけ総予に優秀な人間が揃っているのも、柔軟に動けるようになったのも偉大なる同期(バリキャリ女)の手腕の結実であり足を向けて寝られないほど世話になっている相手だ。

 

その相手に向かって『そっちのミスじゃないですか?』とは聞き辛い。俺が総予の人間なら『いつもミスばかりしてるのに、こんな時ばかり指摘してほじくり返しやがって』と思うだろう。

 

「これ、現地修正になりません?」

「このまま行くとそのコースになっちまうな······てか、もう確定かもしれん」

「うわ······場所どこスか?」

「宇都宮」

「まだ関東なのが救いスね」

 

簡単に言えば『企画した人間が来てその場で指示出して直せや』というのが“現地修正”と呼ばれるものだ。

動き出したプランはもうやめることはできない。あんまり時間がかかり過ぎれば現場でボコボコのボコに詰められるしダメージは少なければ少ない方がいい。バリキャリ女···は畏れ多いので彼女の優秀で忠実な部下であるI(アイ)子にメールを送り、内線で確認を依頼した。

 

現地修正は文字通り机上ではなく現場で行う事になるが、だいたい一日じゃ終わらない。止まっていたものを元々の計画の進捗まで復旧させねばならないからで、限りあるリソースでやりくりする為には自らが限界を超えるしかない。バトルマンガなら激アツ、しかし現実、哀れな社畜が三徹。

 

さて、もうひとつ問題がある。

 

弊社は社用車の私的利用を禁止している。これはどこの会社も一緒だろうが、弊社が言う私的利用とは何を指すかと言えば営業時間外の使用を意味する。つまり終業時刻までに社用車を返却しなければならない。ならばレンタカーを借りるべきだが、折り悪く貸し出せる車が出払ってしまっているという。こういう時ってだいたいタイミング悪いんだよな。

 

現地修正に向かった場合、当日中に帰ってくるなんて当然無理だ。交通費とホテル代は立て替えて領収書を貰えばそのへん返ってくるが、如何せん鉄道網が貧弱な所では不便がすぎる。

 

困った事に足がない。

 

こうなると、そこはかとなく不本意なうえ甚だ遺憾で仕方ないが家族に頼るしかなくなった。

 

······ウチの一家はハイオクと排ガスに頭がやられて車が普通じゃない。親父は峠で豆腐配達してそうな車転がしてるし、母上は狂おしく身をよじるように湾岸線を走ってそうな車乗ってるし、姉貴は安室の夢女子で、愚弟はラリーの息吹を感じてしまってる。1人1台を地で行く車一家(全てMT)である。その他買い出し用兼予備にステーションワゴンが1台。なんで人より車の方が多いねん。

 

姉貴と愚弟は車を借りようとするとニチャニチャフニフニ言うのでそもそも論外。頼みは親父か母上だが、どちらの車もカリッカリに弄ってあるから運転が辛い。ふざけた選択肢の二者択一。

 

実家に帰ると俺だけが車を持ってない異端扱い。一応免許はマニュアルいけるけどさ。ともかく、電話に出てくれそうな母上に連絡を取る。

 

「······もしもし、ママ上でしょうか」

『あ?あーアンタか。何?』

「そのですね、仕事の都合でどうしても車が必要でしてステ」

『無理。今LSD(デフ)の調整出してっから予備車使うんだよね』

 

望み1、あえなく粉砕。

 

「うせやろ」

『だから買っとけって言ったじゃん』

「維持費高いやん······」

 

孫の顔見せろじゃなくて車買って見せに来いって言われんのウチぐらいじゃねーかな。

ママ上がダメならパパ上に頼むしかない。社会人になってなお親父の仕事は全くもって分からないが、土日じゃなければ車が空いてる事が多い。一縷の望みが一厘ぐらいになっちまったけども、口に出そうとしたところでママ上から絶望の言葉を聞かされた。

 

『そうそうお父さんのもエンジンブローしてさ。たぶん無理ぞ?』

 

望み2、始まる前から跡地。

 

困った。ちょっと勝てない。まさか5台中2台が使い物にならん状態とは誰が予想できるだろうか。

『あ、ちょい待ち』

 

電話の向こうで何やら話し声が聞こえ、ガサゴソとした音がスピーカーから流れた。かと思えば甲高いセルの音とブォン!というエキゾーストが耳を突き刺す。音割れで鼓膜ないなった。

 

『お父さん庭にハッチバック生やしたから貸してやるって』

 

どうやって生えんだよ。何が生えたんだよ。なんで生えてんだよ。

 

『一気にレッドゾーンまでフケる陶酔感···死ぬほどイイぜたまんねぇ!!』

 

後ろから親父のテンションぶち上がった声が聞こえる。頼むからガムテープデスマッチの最後にクラッシュ(自爆)して腕折らないでくれよ。

 

「できるなら車検そのまま通るやつがいいんだけど」

『まだなんも手つけてないから安心しな』

 

あーもう半年後にはイカれた車になっちまってるな。やっぱりハッチバックぅ······魅力やね。

いやまあ貸してくれんなら文句言てる場合じゃないけどさ。

 

「じゃ直ぐに借りにいくからさ」

『満タン返しな』

「わーってるよ」

 

何はともあれ移動手段は確保できた。やはり頼るべきは親愛なる家族である。

さて、そうと決まったら外泊申請を出して、日程表を出張にして、相手方に『直接修正に伺います』と謝罪メールを飛ばして、I子からの回答を···。

 

 

「ちょっといい!?」

 

 

ぶわりと風が駆け抜けるような通った声に、営企(ウチ)のフロアが水を打ったように静まり返る。普段なら縦ノリ横ノリ激しいデスクトップを覗いていた誰もが入口に視線を向けその声の主に平伏(ひれふ)す。

 

濃紺のシンプルなパンツスタイルでありながら華やかさも持ち合わせ、本人のプロポーションをより引き立たせる佇まい。雑誌とかに出てくる理想的なビジネスウーマンを地で行く我が社きってのトップモデル···“冷徹の魔女”ことバリキャリ女が血相を変えて飛び込んできた。

 

走ってきたのか肩で息をしていたが、すぅっと一息吸い込むとキッときつく結んだ顔を上げ······ああ、恐怖のあまり上司(ハゲ)が微振動し始めた。先輩はコーヒーを飲もうとしているがカタカタと手が震えている。いつの間にか後輩は自分のデスクに戻って衝立(ついたて)の向こうに隠れやがった。

 

誰がやらかしたんだと目線の応酬。自分のところを通り過ぎた者から安堵の息を漏らし、その姿を目で追った。そして理解する。アイツか、と。

 

つかつかと足音と共に歩き出したバリキャリ女を、全員が固唾を飲んで見守る。各々の予測は当たり社畜男の前まで行くと()()()()()

 

 

「お願い!私と来て!」

 

 

───衝撃

 

上司(ハゲ)は吹き飛び 、先輩は椅子から転げ落ち、後輩はぶっ倒れた。フロアのガラスが尽く砕け、爆心地となった社畜男だけがぽかんと呆けていた。

 

「え、なんの話!??」

「あなたじゃないとダメなの!!」

 

───再びの衝撃

 

上司(ハゲ)は壁に叩きつけられ、先輩が錐揉み回転し、後輩がヤムチャってる。天井がつき抜けて澄み渡るような青空とご対面。俺だけが取り残された。

 

「えっちょ、え?ごごごごめん場所変えよう!」

 

突然何言ってんだこの女は?手早く荷物を纏めると働かない思考をそのままして、バリキャリ女の手を引きオフィスを出た。吹き飛んでいく同僚をよそに突然始まった逃避行。

 

 

バリキャリ女から聞かされた話を要約すると···。

 

案件を担っていた社員に不幸があり、引き継いだ際に伝達ミスが発生。計算を修正すべきところ、そのまま審査を通してしまい誤発注に繋がったらしい。

I子を通して現地修正が発生すると聞き、普段絶対やらないミスに気が動転した結果が先程の凸発言だと。

 

うーん、この······。まあいいや。以上、説明終わり。この後現場で二徹して何とか工程を修正し怒られが発生。バリキャリ女と二人揃って頭を下げ何とか案件を軌道に戻す事ができた。

ついでに車談義が発生。意外にも職人たちに人気を博した親父のハッチバックに感謝しつつ、次会う時にはドンガラ(内装無し)になってない事を祈る。

 

 

 

せっかく宇都宮に来たのだからと、意気消沈するバリキャリ女を現場監督イチオシの餃子屋に誘い酒を勧めたのが良くなかった。

 

まず駆けつけ一杯、とりあえず生。そして生倍プッシュ。バリキャリ女は嫌なことを忘れたいがため浴びるようにどんどん強い酒を飲み、片っ端から餃子をかっ食らう。二徹していた事も災いして普段よりも遥かに下降した酔っ払いラインはぶっちぎり。

 

気づいたら彼女は幼児退行してしまっていた。普段の彼女なら絶対にないデロデロの呂律。このまま持ち帰られても文句は言えないレベルのふわっふわな言動。動画に撮って後日見せれば、枕に顔を埋めてバタ足三唱間違いなし。

だが、彼女には何もせず送り届ける予定だ。弱ってる所を送り狼するなど酷い男のやる事だ。

 

······しかし、俺も酒を飲めればどれだけ良かった事か。ハンドルを握るなら飲んではならない。その楔は大きく、延々と助手席でくだを巻く彼女を素面で受け流さねばならない。

 

ねえ!聞いてる!?

「聞いてる聞いてる」

私ね!いつもいつも頑張ってるキミのことずーっと見てるの!初めては新入社員歓迎会だったよね!あの上司(デブ)にセクハラどころか痴漢されてたところをキミだけが入ってきて助けてくれてさぁ他の人はずっと見てるだけだったしもうホントに終わったと思ってたんだよ?そのあと証拠集めとかクビ覚悟で社長に直談判して会談取り付けてくれたのもキミだしワタシずっとキミに助けられっぱなしで何もお礼できてないの…!その割に意地張って見栄張って会社じゃキツめに当たっちゃうしほんとふざけた女だよね?ホントはねもっと仲良くなりたいんだよ?一緒にごはんしたり仕事終わりに飲みいったりそのままホテルで3連発とかちょっと期待しちゃうしなんなら宅飲みからのなし崩しで始まるのもいいかもねえ今度ウチ来て飲もうよ!わたしお料理いっぱい作るしもし我慢できなかったらイタズラも歓迎だよ!料理中はちょっと危ないけどお風呂で流し合いっことかやってみたい感あるなぁキミどう?なんかしてみたい事ある?なんでもいいよ?わたし頑張るしえっちなお願いでも頑張るからなんでもいって?あそうそうこんどね?I子とU美が企画してるんだけど課の慰安旅行があってね温泉行くんだって!いいよねおんせん!キミも来てくれないかな?おんせんで温まってさ二人ともぬくぬくしておいしいお料理食べたあとにお布団いったらぴったり並べて敷かれてて最初はちょっと恥ずかしいんだけどだんだんドキドキしてきて盛り上がっちゃってみたいな流れもいいよね!ねえ!聞いてるの!!?

「聞いてる聞いてる」

 

深夜、街灯もない高速をひたすらに走る。隣から耳に入る濁流のような言葉をそのまま反対から放水して脳に留めないようにした。

 

日付は天辺を超えたがまだ都心までの距離は遠く、周りを走る車もいない。なんだかバリキャリ女と世界に二人だけ取り残されたような感覚に陥る。眠気覚ましに聞いていたラジオは宙に浮き、エナジードリンクに貸与された覚醒感は翼を生やしてFly away。定められた休憩時間と仮眠時間はとったものの、次第に瞼へ重しを載せられたようになってきていた。

 

「キツいか······」

 

まずい······カフェインヒーローの変身リミットだ。自分1人逝くならまだしも隣には客人が乗っている。居眠り運転で事故ったなんて洒落にならん。

 

「メアリー、眠気が阻止限界点だ。良い報告と悪い報告があるがどっちから聞きたい?」

……誰、その女?

 

頼む、そのノンハイライト目を止めてくれ。ちょっと気分出したかっただけなんだ。会話しないと眠気でくたばりそうなんだって。

眠気が限界を迎えている事を簡潔に伝え、何とかして睡眠をとりたい旨を口にする。この先の選択肢はちょっと同意無しにはできない。

 

「まあいいよ、良い報告からお願い」

「次のインター降りて直ぐにホテルがあったはずだ。フワフワのベッドで眠れるぞ?このクソッタレな眠気とおさらばできる」

「……悪い報告は?」

「そのホテルが世間一般でラブホと呼ばれていることだ」

 

田舎のインターを下りたって周りには何もないのが殆どだが、こういう施設に限って2~3あったりするのは何故なのか。まあ()()()が目的なのだから間違ってないが······。俺たちはそのままの意味で使おうとしてるけど。

 

「経費落ちるかな?」

「頼む、俺が出すからやめてくれ」

 

 

 

 

 

 

高速道路から下りてすぐ、往路の記憶通り、暗闇の中でも煌々と輝く建物があった。

 

やたらトロピカルなフォントのロゴと、休憩/宿泊が記載された料金表。そういう目的の所ですと余すところなく主張する花園へ誘われた哀れな蜂鳥達たち。俺達も周りから見ればそうだろうなと思いながら自動受付で鍵を貰い部屋へと入った。

 

なるべくシンプルな部屋を選んだものの、そこはやはりラブホ。電灯は間接照明であまり明るくならずムーディな雰囲気を醸し出す。上着をハンガーに掛け、2人揃ってダブルサイズのベッドへダイブした。

 

「あー動きたくねぇ」

「ホントそれ」

 

一先ず、シャワーは浴びたい。あと歯も磨きたい。すぐさま襲ってくる眠気に耐えながら何とか身体を起こした。

 

「おーいまだ寝るな。服がシワになっちまうぞ」

「むり、脱がせて」

「お前なぁ······」

 

ニマリと舐め回すような笑顔を浮かべると、両手を放り出し自分で動く気のないバリキャリ女。呼吸は段々と深くなっていって、このままじゃ直ぐに寝息へと変わるだろう。

俺も頭が働かず、このままじゃ寝苦しかろうと何の気なしに彼女のブラウスに手をかける。

 

「脱がしてくれるんだ」

「やむを得ない措置だからな」

 

首元まできっちりと閉められたボタンをプチりプチりと開放していくと、淡い明かりに照らされた彼女の素肌が覗く。

白く、きめ細かく、綻びのない織物のような肌。黒い装飾の下着に包まれた形の綺麗な胸。縦に筋を刻む(へそ)。彫刻のような美しいくびれ。鼻腔に入ってくる花のような甘い香り。

 

「前こんな事あったよね」

「立場は逆だった気がするがな」

「そうかも」

 

ブラウスから手から抜かせ、彼女の背後にある黒の防衛線へ切れ目を入れると手に感じたプツッという感触。下着の支えを失って少し横へ広がってもなお、乳房は形を保ち桜を散らしたような先端が色づく。

 

······本当に、そんな気はなかったはずなんだ。

 

だが俺の愚息は何を期待したかスラックスを持ち上げ始めた。二徹という生物種の危機的状況と、視覚と嗅覚と聴覚で刺激された本能、カフェインにドーピングされた血流。それらが複合的に合わさりこうなったのだと思う。

 

「ほら、下は?」

 

腰をくねり脱衣の続きを促すバリキャリ女。そこまでできるなら自分でやらんかいと思うが、腰から脚へ流れる流線形は俺の視線を誘引して止まない。分かってて聞いてやがる。

細いベルトを抜取りパンツのホックを外すと、ブラと同じく黒い装飾の下着が現れた。

 

「······♡」

 

彼女が脱がしやすく腰を浮かせたタイミングでパンツを下ろしていく。

引っかかりもなくするすると、生白い脚が露になってしまった。この至近距離で見てもシミ一つなく、アルコールで血流が良くなっているからか、ほんのりと薄桃色に透き通る肌。

 

パンツを抜き去り、ハンガーへと掛けていく。足から抜き取ったソックスもだ。これで彼女が身につけているのはショーツ1枚であり、あの薄布1枚が彼女の最後の砦。あまりに心元無さすぎる。

 

しかし、さすがにあの薄布へ手は掛けられない。それをしてしまったら······止まれる自信がないからだ。

 

「君は脱がないの?」

「あっちで脱ぐ。風呂入ろうと思うからな」

 

あれだけ車の中で仕掛けてきた眠気はこの雰囲気で霧散してしまった。ならば俺はスッキリしてからベッドに入りたい。

 

「なら、私も連れてってよ」

「······」

 

腕を広げて、抱き上げられるのを待つ彼女。

 

会社で人前に立つ普段のパリッとした凛々しい女はどこへやら。今ベッドに転がっているのは、なんでもかんでもせがんでくるダラけた女1人。それをだらしないと思うか、それとも心を許しているととるか。

 

だがこのまま放置したらいつまで続くか分からないおねだりに、仕方なく彼女の身体を起こす為に背中へ腕を回し、柔らかな素肌を抱き寄せて持ち上げようとした。

 

「······っ♡」

 

するりと首筋に手を回され、唇が柔らかいもので蓋をされる。

 

胸板には柔らかく形を変える果実が押し付けられ、否が応でも体温が乗り移ってくる。それは酔った人間特有の微熱じみた温かさ。しかし呼吸する度に鼻を突く臭いに思わず顔を(しか)めた。

 

「餃子臭いね」

「そういうそっちは酒臭ぇぞ」

 

最悪のキスと言っていい。お互いの呼気は酒と餃子で塗りつぶされ、雰囲気もへったくれも砲丸投げの如くぶん投げられた。ただ唇へ残る柔らかさと熱が、(ぬぐ)ってもなお残っている。

 

「も1回」

 

······臭いと分かっててやる気かこの女。

 

片腕は首筋に回されたまま、もう片手は器用にワイシャツのボタンを外していく。その動きはスムーズで、手慣れていた。男を誘い慣れていると言っていい。

 

彼女の過去については聞いたことがある。現在は身持ちが鉄壁と言っても過言ではない彼女も、奔放だったというか無頓着だった頃があったと。

 

「もう1回」

 

俺はその事についてとやかく言うつもりは無いし資格もない。それが彼女の生き方だったんだろう。だが、腹の奥底のどうしようもない部分が叫ぶ。『塗り潰せ』と。

 

「······もっと」

 

度重なる口付けで、女は呼吸を荒くしながらも続きをねだる。

 

「もっと」

 

更に深く繋がることをせがむ。

 

「もっと······♡」

 

こんな所で雄を誘えばどうなるか、分からない女じゃないだろうに、より先を乞う。唇じゃなくて、表だけじゃなくて。裏面まで、彼女の中まで、より深くまで。

てろりと唇からまろび出た舌を、舌で絡め取る。待ち焦がれていたように縋り付く情念をどろりと含ませて、捕らえた舌を無遠慮に引き回す。

 

他人が触れることの無い器官を溶け合わせる行為が、なぜ特別に感じるのか。

 

この先を期待するからか?自分が全てだと思わせたいからか?俺だけが知っていると優位に立ちたいがためか?相手に思われていると勘違いする為か?

 

男の嫉妬は醜いぞ·····そもそも、美しい嫉妬などあるものか。

 

 

秘所へ手を伸ばしたのはほぼ同時だった。

女の片手はスラックスの上から勃起を促すように、根から先へと嫉妬心を煽る。男の片手はショーツのクロッチ部分を捉え、薄布越しにいばりくさった肉豆を撫でる。

 

「は······っんむ♡···んん♡······あっ、あー♡」

 

お互いの欲望を溶かしあってどろどろに融解する理性。抑え込むはずだった。そう決意したのに、たちまち消えた灯火は獣を前に何も言えない。

 

彼女の舌を開放し顔を離すと、そこには表情を蕩けさせ雄をただ目で追う雌がいた。色素の薄い陶器のような肌は熟れた果実のように紅く、汗ばんだ身体はてらてらと薄灯りを照り返して。

 

ワイシャツを脱いでサイドテーブルへ放る。ついでインナーを、ベルトに手を掛けスラックスを、その身を持ち上げていた下着を、全て全てサイドテーブルへ放る。

 

パンツのゴムに引っかかり、腹を打つように反り返った肉槍が天を向く。女の手に促され、呆れるぐらいにその身を腫らした雄を彼女の眼前に突きつけた。

 

「がちがち······♡」

 

うっとりと恍惚な表情を浮かべた女の指、白魚のような指が肉槍の血管をなぞるように這う。

 

はち切れてもおかしくないぐらいに張った亀頭。雌を抉り返すが為のカリ首。刀の如く反りを携えた幹。蚯蚓がのたうつ様に浮いた血管。その形を、長さを、太さを確かめるように女の指は這う。あまりの赤黒さは女の指と色が違いすぎて、本当に人間の肌なのかと疑うぐらいに。

 

「ぅあ♡······」

 

男はと言えば、女の髪を撫でながらショーツの隙間へ指を滑り込ませた。なだらかな下腹部を指がなぞって行き、少しの産毛を感じたらもっと肌が柔らかく(たわ)んだ。

薄布が守る彼女の秘園をずらして晒し上げ、皮の上からでも芯を感じる程に硬くなった肉豆を撫でる。熱く湿り気を帯びた園はひくひく♡と蠢き、とぷりと蜜を(こぼ)した。

 

その蜜を掬い指に纏わせて、皮の上から肉豆をタップしていく。

 

「あ···♡ぃあ······♡」

 

すると、蜜はもっと溢れてくる。掬っては塗りつけ、また溢れた蜜を塗りつけ滑りを良くしていく。撫でられたことで血行の良くなった肉豆がびきびき♡と存在を主張し、蜜を塗られてふやけた薄皮は独りでに剥けそうなほど柔らかくなった。

 

「足、開いて」

 

ショーツを脱がせ一糸まとわぬ姿となった女は、ゆっくりと頷きおずおずと脚を開いていく。汗とは違う汁気で濡れ光った秘所が露わになり、筋に引かれた秘裂がぬぱっと身を開いた。陰影濃く刻まれた欲望を暖色の薄灯りが照らし出す。

 

男の指が、ふやけた皮を剥き上げた。解放されたことでびん!と上向いた濃い朱鷺色(ときいろ)のクリトリス。

 

「ん······♡」

 

指の紋がつかないぐらいに、柔らかくクリトリスを撫でる。押し込んではダメだ。摘んでもダメだ。弾いてもダメだ。蜜を滑らせるぐらいでいい。

 

「あっ···♡♡あぁ゛っ♡あ゛っ···クリあつっ♡···あ♡♡゛ぁああ♡」

 

下から上へ。上から下へ。円を描くように。

 

時折びくっ♡びくっ♡と腰を浮かせ、如実に反応を良くする女の身体。

酒が入れば鈍くなるはずだがそんな事は全くない。かつて不感症だったなんて嘘だろう?と問いたくなるほど感じやすいその身に若干の心配をしつつ、クリトリスを撫でていく。

 

「待って···!やばっイきそ···!」

 

ちょっと前から肉槍をシゴく女の手は緩慢になっていた。役に立ちそうもない握力の往復にもどかしさが募り、余計肉槍は苛立ってしまう。

 

「んんんんんんぅ!!」

 

ビクンッ!と女の腰が跳ねる。二度、三度と脚が弾んでは内腿(うちもも)へ筋が浮いて、しばしの痙攣の後にくたりと脱力した。ぱくぱく♡と物欲しげに開閉する膣口からは更に濃いとろみの蜜が溢れ出した。

 

中指、1本の指を膣口へしゃぶらせる。ぬぷぬぷ♡と抵抗なく入り込んでいく指へ無数の膣襞が纏わりつきぞわぞわ♡と撫でてきて、具合の良さをアピールせんと頑張っていた。

ここで気に入ってもらえればもっと違うモノをご馳走してもらえると期待した雌穴が浅ましくて···たまらなく淫靡に思える。

 

「はっ···♡ぅ···!♡ 待って···!今イッたから······!」

「知ってる」

 

中指を根元まで挿入すると、指の股と陰唇が触れ合った。陰唇の肉ビラは溶けそうなほど熱く、ここへ肉槍を突き入れたならどれだけ気持ちいい事だろうか。

 

挿入した指を膣内の臍側へ押し当てて、奥の方から手前へ指の腹でスイートスポットを探す。蜜に溢れる肉襞の感触は熱く、指先ですら心地良さを覚えるぐらいだ。

矢継ぎ早に身体へ流し込まれる快楽を逃そうと、悶えながら身体を(よじ)る彼女の腹筋が幾度も緊張しては弛緩して波打つ。

 

「ねぇ!♡······ズルいよ···ッ!♡♡゛」

 

ズルい。そうか、(ずる)いか。ならもっと。

 

おおよそ場所の予想はついた。柔らかく熱く解れた彼女の膣口へ二本目の指を差し向ける。中指と薬指。爪が立たないように進ませ根元まで。そして(てのひら)を上に向ける。

 

にぢり♡

 

「ッッッ♡♡♡゛!!!」

 

ある所をタップすると、彼女は声を上げるまもなく(おとがい)を跳ね上げた。反応は燎原の火のようで、そこを指圧すると膣内がビクンッ!と電気を流されたように引き締まる。

 

ここか······。

 

蜜を溢れさせる膣襞の、へそ側。Gスポットと呼ばれる女性が最大限に感じるとされる弱点(場所)。それはバリキャリ女とて例外ではないようで、彼女の長い脚は突っ張って激しく震えた。

 

柔らかい粘膜の内に硬い所がある。ぷっくり♡というのも違う、こりっ♡というのも違う、(しこり)ともまた違う。しかし、柔肉の奥に張った筋肉のような硬い感触が存在する。

 

ここを、指で掻き出すように手前へ押した。

 

「ッ♡…あ♡゛!?♡おッッ♡゛!おぐッ゛♡!!?そこ♡!だッ…!だめッッ♡♡!」

 

何度も何度も何度も何度も何度も。

 

柔肉の奥で、筋肉の張りを感じる程度に指を沈ませる。膣襞と愛液が撹拌され、粘っこい水音を伴った。子宮が欲しがっているからか、さらに白く濁った本気汁が膣口からこぷこぷ♡と溢れ出る。

 

滾々と湧く泉のように。ずっと俺の奥底にいる(ケダモノ)が垂らす涎のように。

 

じゅぷっ♡ニぢゅ♡ぐちゅ♡ぐちゅ♡ジュプ♡グチュぅ♡じゅぷぷ♡

 

何度も何度も何度も何度も何度も。

 

「まって!!んぃ♡!···あッ!はぁ♡!?······おねがッ···!!ホントに······!!」

 

じゅっこ♡じゅぽっ♡ジュプ♡ブチュ♡にぢゅ♡にぢッ♡グチュ♡グチュ♡

 

「でちゃっ···!!でちゃうから······!!!」

 

止めない。

 

俺は狡いから。

 

彼女の、必死に止めるよう懇願する顔に酷く興奮してしまったから。

 

このまま、塗り潰してしまいたいから。

 

「───あッ」

 

膣襞が総毛立ち、ぎゅむ♡ぎゅむ♡と押し出すように指が強かに締め付けられる。彼女の全身に力が篭もり、背筋は絶頂を逃がそうと必死に仰け反った。

 

塗り潰す。

 

全身を苛む熱に浮かされ、耐え忍ぶ膣内に追い打ちをかける。指を押し上げGスポットをタップし続けると、痙攣は全身へと波及してよりいっそう甲高い嬌声が放たれた。もう逃れられない膣イキ。

 

 

ぴんっ♡!

 

 

クリトリスを親指で(はじ)く。俺はキスで彼女の唇を塞いだ。

 

ん♡♡!ん♡っ゛!ん゛っんん♡…んん゛んっっ゛~~~~~♡…♡♡…♡゛!♡゛♡♡♡゛…♡!♡゛……♡♡゛♡!

 

 

 

プシィッッッ♡! ブシュッ♡!! ブシュシュッッッッ♡♡♡!!!

 

───決壊

 

キスで口を塞いだから、俺の頭の中へ飛び込んでくる彼女のイき声。膣イキとクリイキで同時に絶頂した身体を駆け巡った耐え難いほどの快楽電流が脳を貫き、焼かれた神経反射はバグってあらぬ返答を飛ばす。彼女の強い痙攣に併せ吐き出される、秘部から放物線を描くほどの飛沫(しぶき)

 

「あっ♡゛!!っあ゛ッ♡!?…あっっっ!!?あ…゛!お……っっっ!?っっイあ!あッ♡♡!!」

 

背筋の激しい反り、下腹部は波打ち、腹筋が何度もびきっびきっと浮かぶ。脚がびんっと伸びてはぎゅっと折りたたまれ、つま先は握る(緊張)解く(弛緩)を繰り返す。

 

 

とろぉ……♡

 

 

思っていたよりも激しくイッた彼女は盛大に潮を吹き、俺の手をグシャグシャに濡らしてしまった。膣内から引き抜いた2本の指にはベッタリと蜜が纏わりついて開けども糸を引いて繋がったまま。

 

虚ろな目をした彼女にその有り様を見せつける。

肩で息をして、汗ばんだ額に髪が貼り付き脱力しきった姿は腹の奥底から雄を呼び覚ますが、この先へ行くにはもう時間が遅すぎた。

 

時計の長針は12を指し、短針は2を指し示す。

 

 

 

時間は深夜26:00。

 

 

 

おしまいだ。これで、もう満足しただろう?

 

「よく、がんばったな」

「───」

 

後は彼女が眠りの世界へ旅立つのを待つのみ。余った男の性欲なんてもんは便器に吐き捨てりゃいい。

 

「······どこ、いくの?」

「シャワー浴びてくる」

「まだ、せっくす······して、ないよ?」

 

落ち着かない呼吸によって、途切れ途切れになりながらも、彼女は言の葉を紡ぐ。

 

「もうイッて満足しただろ」

「んーん······まだ···してないよ、してない」

 

 

────慰めて

 

 

口がそう言った。唇だけが、そう言った。

 

彼女は自ら脚を抱えると両手で秘裂を割広げ、俺の前へ紅く熟れた果肉を晒す。

息づく度にひくひく♡と、口を開けては閉じて白濁した(ドロドロの)切望を零す彼女の膣口。糸を引きながら開かれた陰唇の肉ビラ。さっきまで二本指を咥えこんでいたにも関わらず粘膜は窄まって、肉槍を突き入れたなら喜んで包み込むだろう予感をさせた。

 

 

ぐちゅっ♡

 

 

亀頭で陰唇を割り、膣口が吸い付く熱い感触を感じながら少しずつ腰へ体重を乗せる。ゴム無し剥き身の粘膜接触。

 

ぬむむむむむむ♡♡♡♡

 

「き、た·······♡」

「·······ぐぅ、おッ!」

 

まず、亀頭が溶け落ちた。背筋を這い上がってくる灼熱感。酒が入っているからか彼女の体温は以前シた時よりも格段に熱く、愛撫によってとろとろ♡に煮込まれた膣襞がぬったりと肉槍を包み込んだ。

カリ首の鋭利な形状が引っ掛かることなく、肉槍はより深みへ飲み込まれていく。まるで鍵穴だ。それとそれがピッタリとハマるように作られた専用品であるような。

 

「入った······♡」

 

彼女の最奥まで侵入した。彼女の手は愛おしげにへその下を撫でる。

亀頭の先に吸い付かれるような感触が走り、スムーズに迎え入れたはずの肉襞は一転して粒立って、肉槍を引き抜こうものならカリ首から何から舐めしゃぶられ溶かされるだろう。

 

にゅるるるるる♡♡♡♡

 

「んぁ···♡♡♡♡」

 

ゆっくりと引き抜くと幾重にも折り重なった柔襞が擦れ、行かせまいと吸い付いてくる。それだけで腰が浮きそうなぐらいの灼熱感が下半身を駆け巡った。

 

「······うぁ」

 

泡立った蜜がべったりと付き、欲望が糸を引く。

 

たん♡……たん♡たん♡ぱちゅ♡ばちゅ♡ずりゅ♡バチュ♡ずちゅ♡

 

繋がりを感じたくて、わざと緩く腰を動かす。結合部からは粘ついた水音がたって彼女と繋がっている現実を知らしめた。膨らみすぎてじんじんと疼痛を発する肉槍を甘く抱き締める膣襞。それは漠然とした俺の不安を包み込むような抱擁で。

 

 

『別に、1回セックスしたぐらいでどういうワケでもないでしょ?』

 

 

以前、彼女に言われた事。セックスに夢を見ていてもいいことなんて無いと。あの時は彼女自身が酷く(かす)れていてそういった発言をしたらしい、が。

 

今、どうなんだ。俺との関係をどうしたいんだ。女自身が慰めてと懇願している。あの1回のセックスが意味を持ってしまっている。こうして繋がりを持つに至った心情を。不健全な天秤の揺れる感情を。

恋人以上、友達未満の不透明な関係性。ただ知人であるだけの同僚と、されど互いの肉を貪る夫婦以上の曖昧な行為。

 

どうしたい?······どうなりたいんだよ、お前(俺は)

 

ぱん♡!ぱん♡!パン♡!パチュッ♡!ばちゅっ♡!ずちゅっ♡!ばチュ♡!ばちゅ♡!

 

薄っすらと彼方から近づいてきた射精感を振り切る為の、我慢の強さに比例して腰の動きは自然と重く強くなっていく。肉と肉のぶつかる音は部屋中に響くまでになって、その度に女の身体が(はず)んだ。俺は彼女の体を(いたわ)る事も忘れ、より深く繋がりたいと肉槍を埋める。

 

「ああッ♡っあ♡ぁああ゛♡゛ぃあぁ···♡!ッあ···んあ゛!あ♡···あっ♡!あぁッ♡···ぁ゛あぁ゛♡···あぁ゛ッ♡!」

 

腰骨をぎしりと握った男の手に捕まっては、雄の狂暴性を一身に受ける他なく、女はただ嬌声をぶちまけるとこしかできない。眉根を寄せて潤んだ瞳······しかしその口元は喜悦に歪む。

 

なんでそんなトロ顔するんだ···!いつものお澄まし顔はどこいったんだよ······!

 

「いいッ、よ·····?射精()して···♡ 膣内(なか)に······!ぜんぶッ······!!」

 

抱擁が強くなる。

腰から甘い痺れが伝播して足先の感覚が無くなっていく。

 

締め付けが強くなる。

手の先から輪郭が曖昧になっていく。

 

執着が強くなる。

体の芯から熱で溶けて蝋燭のように無くなっていく。

 

結び付きが強くなる。

奥底から這い寄ってきた射精感は、腰を振る事に夢中になった雄の自制心で押さえつけることは不可能なレベルに達す。

 

「······わたし、も···イく♡♡♡」

 

全てを突き刺した瞬間に、女の脚が、腰へ回される。

 

脊椎側に回された脚は腰を押さえつけ、逃がす気は無いとでも言うようにクロスして自身へ引き寄せた。

 

いくら雄の方が力強いといえど、射精我慢の限界を迎えてバカになった雄に跳ね除ける余力などなくて。

 

 

 

────!!!

 

 

睾丸から押し出された嚆矢の奔流が根元から先端まで全てを満たして、後から後から溢れ(いづ)る勢いのままに放たれた。

 

「ぐ、あ───」

 

目の前が黒く染まり、頭の中はもはや射精の事しか考えられなくなっていた。肉襞と肉槍でみっちりと埋められた行き場のない膣内へ、どぷどぷ♡と塊のような精液を叩きつける。

 

「んっ···!あっ♡!すごっ···でてる······♡」

 

射精を止める手立てなんて無い。ただただ、睾丸がのたうち回り。裏筋が脈打って、何度も種が吐き出されるのを感じていた。

握られたように膨らまない肺。不規則に脈を刻む心臓。気だるさを引き摺った全身。肉槍の蠕動が治まってくると共に、全身から力が抜けていく。

 

全ての筋肉に虚脱感が付与されたかのように重くなった。

しおしおと力を失った肉槍は女の膣圧に負けて体外へと排出され、ぼとりとシーツにシミを垂らす。

 

女を下敷きにしてはならないと、辛うじて身を転がし呼吸器いっばいに空気を欲した。

 

部屋では、お互いの荒い呼吸だけが大気を震わせている。次第に身体を苛んだ熱が霧散していく。交わす言葉もなく、体力を使い果たした男と女の呼吸は沈むように静かになっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

起きたら、何かに抱きついていた。ほんのりと暖かく、少し硬く、少しの弾力もある。一体何なんだろうこれは。

 

瞼はまだ重い。微睡(まどろ)みが私を掴んで離してくれず起き上がれない。けれども働かない頭を少しずつ回していく。

 

思考はまるではっきりしないし、頭は巨大な石を詰められたように気怠いし痛い。身体は何か激しい運動をした翌日のように軋む。おまけに湿ったシーツが肌に貼り付いて気持ちが悪く、股に関しては何かが固まったようでガビガビとしていた。

 

なんというか、セックスの後にシャワーを浴びなかったらこんな感じ········ん?

 

セックス?

 

どういう事?まさか、シた??

 

沈んだ様な記憶の残滓を漁るが、泥水が撹拌するようにはっきりとしない。確か、総予(ウチ)のミスで彼と現地修正に赴き、現場で二徹した事は覚えている。二人揃って現場監督に頭を下げ、全て片付いたのは夜だった。

 

そのあと······そうだ、失敗を引き摺らないようにと彼が食事へ誘ってくれたんだ。いつの間にか現場監督と仲良くなっていた彼がおすすめの店を聞いていたようで、少し古びているが風情のある餃子屋へ入った。とりあえず生を頼み······記憶があるのはそこまで。

 

この二日酔いの状態は相当深酒をしたのだろう。

そもそもあまり酔わない体質の私が、事前に二徹してたと言えど記憶を吹っ飛ばしているのだから······考えたら、どんな痴態を晒しているか心配になってきた。

 

ゆっくりと目を開ける。

 

知らない天井、知らない壁紙。そして全裸。本当に下着も何もつけていない一糸まとわぬものだった。シーツを(めく)ってみると、私も彼も。

 

「う······、」

 

もぞもぞと身震いした彼の目もまた、うっすらと開いていく。

 

「··········」

「··········おはよ?」

 

目が合った。彼の薄ら眼はガバッと開かれ、シーツを捲ると現状を把握したらしく飛び起きた。

 

「ちょ」

「すまん」

 

開幕土下座。

 

「······えっと、シた?」

「シました。おもっくそ中に出しました。申し訳ございません」

 

やっぱり。ある種の確信があったがやはりシたらしい。そもそもこれだけ証拠が揃っているのだから言い訳も言い逃れもできないだろう。

 

「顔上げて?怒ってないし」

「いや···そういう訳にはだな······」

 

彼としてしまった事をまるで覚えてないのは残念だが、ある意味これはチャンスと言えるものだ。あっちを見たりこっちを見たり、彼の行動も不自然で壊れたロボットみたいで可笑(おか)しい。

 

「じゃあ、さ。こんど休みもらっていい?」

「もちろん休日返上で働かせていただきます」

「あはは、違う違う」

 

今ならいける。ちょっと卑怯な気もするけど、チャンスは見逃せない。

 

 

 

「一緒にお出かけしよ?」

 

 

 

 







酒でやらかした人


素でやらかした人



1/1にお話上げる予定でしたがご時世によりズラしました。許してヒヤシンス。


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三十路のたぬきと夢現そば




同僚「ニャムニヤムニャァニャァニュムニャム(白狐様の話がないんだけど?)
俺 「ニャァ(はい)·········」
同僚「ニャムニヤムニャァニャァニュムニャム(誰か書いてくれないかなぁ?)
俺 「ニャァ(はい)·········」





 

 

 

 

頭の下の柔らかな感触とゆっくりと髪の毛を撫でる手に、沈んでいた意識が段々と形を整え始めた。それは人肌のように暖かでいて、ゆったりと(たわ)み、かと言って弾力が無いかと問われればそうではなく。

 

低反発枕はあれど、こんなふうに抱擁される枕なんてあるだろうか?じゃあいったいぜんたいこれは何なんだと、普段使っている枕よりも極上な質感のそれに疑問が浮かぶ。陽射しの匂いがして、思わず頬擦りしてしまうような母性を感じ、一瞬で疑問は霧散した。

 

「んん······もう、くすぐったいですよぉ?」

 

耳朶を撫でる落ち着いた声。頭の中へすうと染み込む微睡みの呼び声に、違和感を感じるべきなんだろうが、俺の心はまるで凪いだままでいた。

 

「起きてるのは分かってるんですから···ね?」

 

耳の(ふち)(ゆる)やかに揉まれ、じんわりと熱を持つ。声こそ少しだけ咎める色を含んでいるが、指先はむしろもっともっと(もた)れ掛かることを許していく。

 

「狸寝入り···なんてたぬきが言うのも可笑(おか)しいですけど···ふふっ」

 

すぐに元の緩やかな調子へ戻った声音は慈愛をも含み、手のひらはまた髪を撫でていく。なんだ、なんなんだこの桃源郷は。働きすぎで俺は召されちまったのか?もうちょっといい逝き方したかったぜ。

 

「でもでも、たぬきさんは、そろそろ起きてくれてもいいと思うんですよね」

 

その言葉は半覚醒状態だった俺を緩やかに引っ張り上げる。投げ出していた四肢の感覚が確からしいものになり、血の通う人間へと至って行く。

 

寝起きの喉というものは、存外上手く発声をしてくれない。出そうとした声は低く渇いたもので「あぁ」とか「うぅ」だとか変な音にしかならなかった。

 

「お、起きました?」

 

顔の上に掛かっていた影はどうやら彼女の胸が描き出したもので、その向こうに特徴的な垂れ目の瞳が覗き込む。霞んでいた視界の焦点が合ってきて、初めてこの極上抱擁枕が膝であると分かった。

肌触りの良いセーターと、さらさらとした生地のフレアスカートも手伝って高級クッションなんか比じゃないしっとり質感が生み出されていて、あぁ···このまま耳かきなんてされようものなら即·成·仏間違いなし。

 

「おはようございます······」

「おはようございます♡」

 

四肢の感覚が戻っては来たが、それで身体が動かせるかと言われればすぐには無理だ。意識と身体が乖離している。目も見える。感覚もある。だけども弛緩した筋肉は1歩たりとも動こうとしない。

 

「んー?まだねむねむにゃんですか?しょうがない人ですねぇ。えい」

 

顔の上半分が柔らかな感触で覆われた。じわりと温かく、形容しがたいふわりとした甘い香りがして視界が暗くなる。瞼の先には明かりがあるはずなのに、これはいったいどういう事か。

 

「ちょっと恥ずかしいですけど···おっぱいアイマスクですよ~······♡」

 

なんだって?

 

怠けていた意識が、一斉に動き出す。心臓から強く打ち出された血潮が一気に管を広げ身体が熱を感じ取り始めた。

 

後頭部には太もも、前頭部はおっぱい。柔らかさの挟撃は男を仕留める脅威の万力。

 

これを膝パイサンドと呼ぼう。

 

急激に巡りだした血潮は、寝起きの身体に劇薬過ぎた。速すぎる流れは必然的に柔らかい所へ集中する。つまり、まあなんだ、股間があっさりと起き上がってしまったのである。

意図していなかったものである事をここに表明したい。いや、勃起なんて意図したものでないことが大半なんだけども。

 

「ん~?この子に()()()とは言ってないんですけど?もぉ······えっち

 

つつくの止めて!3割だったものが5割になり、8割になり、ぐいーんとパンツとスボンを押し上げつつある。ちなみに東京スカイツリーの最寄り駅は2つあるけど、片方は押上(おしあげ)駅だよ。観光の参考にしてね。

 

·········ダメだ。何とかして思考を寄せないように頑張ったが、『スケベ』と言われるよりも、『変態』と言われるよりも、『えっち』って言われるのが最も股間にクると思う。以上、俺の性癖開示。

 

持ち上がった山の頂きを突っついていた指は、パッと開くと指先を立て(くすぐ)り始める。それぞれの指が、カリ首の(くび)れに爪を立て、カリカリと引っ掻いた。

痛みは伴わないが、勃起が治まるにはちょっと刺激が強すぎる。より海綿へ血が流れ込み、幹に蔦う血管がめりめりと拡がっていく。

 

かり♡かり♡かリ♡かり♡カリ♡カり♡

 

この射精までへと至らない緩い刺激が、もどかしい。しかし煽るような手は止まらず、肉槍が下着共々破りかねないレベルにまで勃起を硬くした。

 

「痒いところ辛いところはありませんか~?」

 

有りまくる。困ってるぐらいに有りまくってる。

 

「言ってくれないと分かりませんよぉ?」

 

俺の頭を膝に乗せながら、その豊乳で挟み、チンコを煽る······なんだこの女、サキュバスか何かか?

 

「······股間が辛いです」

「そうですねぇ、辛そうですねぇ♡」

 

エェ!!?そこはもうちょっと刺激を強めていただけるところでは······。

 

たぬき(サキュバス)の手のひらは指先でかりかり♡と引っ掻く動きから、亀頭を磨く動きへと変化した。先端を手のひらでぐりぐり♡と撫でて転がすように弄びだす。

しかし、これもいい塩梅ではあるが、足りない。燃え上がる肉槍は押さえつけられ解放を求めどぐどぐと、より濃厚なリビドーを募らせていく。

 

刺激に慣れさせない為に、少し経ったらこんどはタッピングが浴びせられる。面の刺激から点の刺激に変わる緩急がエグい。161km/hストレートからの92km/hチェンジアップみたいな、あの待ち切れずつんのめってしまうような感触に、肉槍が脈打ち不満を露わにした。

 

つつつぅ~~♡♡♡ とんっ♡とんとんっ♡♡♡

 

裏筋をなぞり上げてくんのは反則だろッ······!?

 

びきりびきり♡と割れてしまいそうなほど張り詰めた肉槍が、パンツとズボンに押さえつけられている事が堪らなくストレスだ。そんな肉槍の鈴口を割るように指先がほじくり、情け容赦なく刺激を浴びせ続ける。

 

おチンチンが破裂してしまう!! !!! !!

 

「あの、マジで辛いっす······!」

「イジメ過ぎちゃいましたか?狸寝入りしたお仕置です♡」

 

離れていく彼女の手を残念に思いつつ、しゅるしゅると衣擦れの音がする。ぷちり、ぱさっ。一体なんの音がしてるのか皆目検討もつかない。ふと、おっぱいアイマスクが外され視界が開けた。

 

「······!」

 

ぷるんっっ♡♡♡

 

捲り上げられたセーターの中から、目の前いっぱいにまろび出た肌色。

それをこの角度から見るのはなかなか新鮮で、隠れた先端が小高い丘となりふっくらと主張するパフィーニップル。下乳には、本人は気づいていないだろうが黒子(ほくろ)があり、なんだかチャーミングに思える。

 

「何もしないんですか?」

「何かしていいんですか!?」

 

息を飲んだ。

 

目の前に晒された果実をどうしたらいいのか分からない。眺めるなり揉むなりしていいものなのか非常に判断に迷う。いや、欲を言うならめちゃくちゃしたいが。

あれ、あの、面接で『私服でお越しください』とか言われるああいうどうしたらいいの感。

 

「ふふっ♡好きにして良いんですよ♡······吸ったりとか」

 

吸う······ッ!?

 

確かに、何のためにあるのかと問われれば、それは赤子に授乳する為と答えるだろう母性の象徴。柔らかく、温かく、生まれから死ぬまで男にとって永遠の揺り篭。反面、届きそうで届かない場所に成る魅惑の果実。だから大人が吸うとなると、途端に話が変わってくる。しかし良いと言われたなら断る理由もない。甘い体温と香りを存分に感じながら指で乳輪をなぞる。なぜこんないい匂いがするんだろうか。俺なんてすぐ汗臭くなってしまうのに。

 

少し熟れた薄いブラウンの先端は恥ずかしがって隠れていて、人によってはさぞ興奮するだろう陥没乳首というやつだ。

 

「ふ、ンッ······♡」

 

なめらかな肌触りのそこを、円を描くように馴染(なじ)ませていく。豊かに実った彼女の乳房は相応に乳輪も大きく、いくらでも触っていたくなる魅力があった。重力に負けてほんの少し下向きなのもまた、興奮を煽る。

 

触り続けていると変化が訪れた。ふっくらとしていた乳輪の頂、窪地の淵が盛り上がり、より煽情的に突き出してくる。

 

ぷくっ♡

 

むくむく♡と、巨峰の粒ほどの果肉が恥ずかしそうに顔を出す。

男の股間が昂る事も、女の乳首が()つことも同じく『勃起』と書くが、それはそれでエロいのだけども、なんとか違う字を使えないだろうか?これを男の股座(またぐら)と同じ文字で表現するには余りにも貧相で不純に感じる。

 

それほどまでに、肉感を帯びた陥没乳首の開花は鮮烈で、俺の視線を釘付けにした。

 

「そ、そんなに見られたらさすがに恥ずかしいと言いますか······」

 

ぴんっ♡!

 

「やんっ♡もう!イタズラっ子なんですから!」

 

いや、このおっぱいにイタズラするなって方が無理でしょ。

 

軽く弾いた大粒の乳首がピンッと戻ってくる様は知育玩具のような面白さと病みつき感がある。弾かれると、びくりと肩を丸めるぐらいに感度が良い事も()的好奇心を大いに刺激した。ぷりぷり♡とした硬めのグミのような肌触り。これを好きにしていい、だなんて言われた日には男のIQは3まで落ちる。なるほど、おっぱいマウスパッドが売れるワケだ。

 

さてもう片方にもお出まし願おうか。先程顔を出してくれた方は適度に弾きつつ、膨れた方の乳輪をさわさわと触る。撫でても良いし、摘んでもいい。捏ねてもいい。しかし、もうひとつ方法があるだろう。

 

──吸い出すという方法が

 

乳輪に口付けをして、顔を寄せるとキメ細やかな肌が触れる。蜂蜜のようなほんのりと甘い香りを感じ、それは下乳など汗ばみそうな所ほど濃く感じた。

 

匂いの誘うがままに口を付け舌先を這わせていく。汗ばんでいれば塩辛さを感じるだろうが、ふつう肌の味なんて無味なことがほとんどだ。しかし彼女のそこは香りに違わず、うっすらとした甘みをご馳走してくれた。

 

飴玉を舐め溶かすように転がす事で、同じように蕾は花開き始める。底に感じる芯の硬さ。唇を尖らせて強めに吸ってみればぷりん♡と果肉が顔を出す。甘く感じる錯覚がより吸い付きを強くさせた。

 

「んっ…♡ 伸びちゃうから優しくお願いしますね?」

 

片方を吸い、片方を手慰みに弄る。両側を好きにできるとは、なんという幸せだろうか。これには泣き止まない赤ちゃんも思わずニッコリであろう。

 

 

ふと、下半身が苦悶から解放された気がした。視界いっぱいに広がる連峰で見る事は叶わないが、肉槍に指が絡みつく感覚。勘違いではないらしく彼女の手指は上下動して、その動きでたぷたぷ♡と揺れる柔肉は視覚にさえ訴えかける。

 

なんだ五感兵器か?やるか?俺は負けるぞ?

 

「これ、見えますか?」

 

親指と人差し指で円を作ったそれ。指輪っかとか、OKマークとかと言えば伝わるだろうか。

 

「これを~」

 

にこりと微笑んで、微笑んだ傍から表情には艶が宿り、赤い舌が指輪っかの内周をぐるりと舐めまわした。唾液が塗布され、てらてらと濡れ光る指と舌の間につぅーと糸が引く。

 

「こうして~」

 

指輪っかは向こう側へ飛んでいき、視線の先で屹立(きつりつ)する肉槍に合わせられた。

 

「にゅぷ♡」

 

亀頭どころか、先端からモノ自体が溶け落ちたような熱さが伝ってきて堪らず腰が跳ねてしまった。しかし手は止まらず寄せては返す波のごとく、カリ首の段差だけを引っ掛け上下動する。

 

挿入(はい)っちゃいましたね~♡」

 

甘い声と甘い体温。されど身を焼き焦がす苛烈な快感。その時、フレクサトーンと共に俺の脳内に一筋の閃光が走った。

 

 

·········これ、授乳手コキと言うやつでは?

 

 

今の今までおっぱいでいっぱいいっぱい略しておっぱいぱいになっていたから気づかなかったが、このシチュエーションはまさに男が求めてやまない夢。

その夢でも有り得ないようなシチュエーションに寝かされて、俺はもはや微睡みなんて彼方に投げ飛ばしていた。

 

こんなもん性癖とか、自らの誇りとか、主義主張とかどうでも良くなる。それを一緒くたに全て包み込む圧倒的な母性。

 

身体から無駄な力が抜けていき、ただただ膝に頭を任せ与えられた乳を吸う。あー、社会って何なんだろうな。

 

にゅぷ♡っにゅぷ♡ちゅぷ♡にゅっぷ♡にゅっこ♡にゅっぷ♡

 

たぬき(サキュバス)の浮かべる柔和な表情とは裏腹に、一定の速度で上下する手の動きに合わせて奏られる(よこしま)な水音。それが耳に侵入(はい)ってくるのと、背筋を登ってくるぞくぞくとした快楽信号はおよそ同調して俺の脳を犯した。

 

「悪いものはぜんぶ射精()しちゃいましょー♡」

 

悪いものと来た。普段の不摂生不養生不健康極まる社畜生活で悪いものなんて溜まりまくりだ。疲労から不満から欲求までそれはもうメーターを壊しそうなぐらい溜まりまくってる。

だからこそ精神年齢デバフをかけられた(オレ)はただ、必死に懸命に眼前の母性に縋り付き、その寵愛を受けたいと望む赤子へと成り下がる。

 

みゅぷ♡!ひゅぷ♡!にゅっぷ♡!こりゅ♡!じゅぷ♡!ちゅっぷ♡!

 

肉槍を扱き上げる手は先端から漏れ出たガマン汁を味方につけて、より速度と圧力を増していく。

 

比例して与えられる快楽も跳ね上がっていき、急激に射精欲求が高まってきた。火にかけた鍋の水が沸騰しぼこぼこと音を立てながらせり上がってくるように、腰の奥底から吹き上がってきた奔流はもはや押さえ付ける事さえできないだろう。

乳房に吸い付いていることで俺は声を出せず、またアホになった身体を持ち上げて射精を受け止めることもできない。考え無しに快感を貪っていたが、ここに来て部屋を汚してしまうリスクが頭を過ぎった。

 

「ほぉら♡我慢しないで?♡」

 

まずい。ビキリビキリと青筋を浮かべた肉槍が射精させろとのたうつ。何とか瀬戸際で踏ん張るが、そんな事はお構い無しにたぬき(サキュバス)の手はコキ出す動きを止めない。

 

「大丈夫ですよ~♡お掃除は任せてください♡」

 

囁き声で頭の中がかき混ぜられらぐるぐると巡っていた脳は考える事をやめた。もう何もかも、この母性に任せてしまえば良いんじゃないか?

 

ぐぐぐっと垂れ下がっていたザーメンタンクが持ち上がり、カリ首が一気に傘を広げる。幹に蔦う血管が余すことなく浮き上がって(いびつ)な形へと変貌した。

 

 

 

射精()しちゃおっか♡」

 

 

 

どぷっっっっ!!!!

 

 

 

「あは♡射精できたね♡もっともっと出し切ろ?」

 

どぷっっ!!!ドクッ!!どくッ!!びゅりゅっ!!びゅる!!!

 

「偉いねー♡よく頑張ったね♡」

 

どくっ!…びゅる!……とくっ……びくっ………

 

 

頭の中が真っ白になった。

 

玉の中身がそのまま出たんじゃないかと勘違いする程の量をぶちまけ、ようやく射精の蠕動が止まった。しゃぶりついていた乳房から口を外し大きく息を吸い込む。熱く火照った身体に冷えた空気が入り込み意識が身体へと戻ってきた。

 

「いっぱい♡れろっ······♡」

 

手に付着した夥しい量の精液を舌が舐め取っていく。

指先に纏わりつく粘っこい汁は指を広げれば吊り橋となり、閉じれば粥のような塊となる。それを舌は懇切丁寧に舐め取っていく。美味しくもないだろうに、まるで至上の甘味を口にしているかのような恍惚(うっとり)とした顔でたぬきさんは掬っては口に運んだ。

 

「お掃除しますね?」

 

頭を上げクッションが入れられると、甘やかな体温が遠のいて行ってしまった。非常に残念であると言わざるを得ない。

 

未だ転がったまま四肢を投げ出している俺を横目に、彼女はしゃがみ込み再び肉槍に指を絡ませた。少し勃起の緩くなったモノが起こされ、熱い吐息が絡みつく。

 

「あー······んむっ」

 

まさかのお掃除フェラ······!?

 

指についた精液を舐め取った時の焼き増しで、粘液まみれだった棒に舌が這う。根元から先端へ。内腿を柔らかい髪が(くすぐ)り、(いたわ)るように揉まれる陰嚢が心地良い。

 

れろぉ……♡

 

唇が数度往復しすっかり綺麗になったモノには、再び気力が流れ込み始め回復の兆しを見せていた。たぬきさんはそれを見るとニマッと笑みを浮かべ、舌で鈴口を割り尿道をほじくり始める。

これはヤバい。中身を直に吸われる鋭い刺激が走り、びくりと足に力が入ってしまう。残っていた精液もくたくたに吸い出されたにも関わらず、刺激に反抗するように肉槍だけが再び勃ち上がった。

 

「綺麗になりましたね~♡」

 

微笑みを湛えた彼女の手が緩く肉槍を扱く。その奥にある真意が読めない。

 

「綺麗になったからご褒美もらってもいいですよね?」

 

ご褒美······?一方的に俺が貰ってると思うんですけど·······?

 

彼女は立ち上がり、一言だけ「ごめんなさい」と言うとスカートをたくし上げて俺を跨いだ。ロングスカートの為に上がるのは膝上ぐらいまでだが、生白い足が見え少しだけドキリとしてしまう。

 

にゅるん♡

 

彼女が腰を下ろすとスカートのカーテンの向こうへ肉槍が隠された。影の中はムワッ♡とした熱気がこもり、熱く熱く溶け落ちそうな柔肉がある事を想像させる。

その想像通りに奥底で触れた媚肉は濡れそぼり、抵抗するどころか滑り放題だ。指先のガイドラインはにゅるにゅる♡と場所を合わせ、やがて彼女は───腰を下ろした。

 

「んんん♡♡♡」

 

にゅるるるるるる♡♡♡

 

少しの抵抗と粘膜の抱擁を感じた瞬間、肉槍の先端から溶けていくような灼熱が伝播して腰から下が無くなっていく。

秘匿された逢瀬。月が陰る柳の下。確からしい事は彼女と繋がったという証明できない虚数。

 

「これ···!挿入(はい)って······!?」

「ん~?あっん♡どっちでしょうね~?♡」

 

シュレディンガーの猫だ。あのスカートを捲って中を見ない限り、俺のモノが彼女に挿入(はい)っているかどうかは分からない。表と裏の可能性は重なり合い、どちらとも言えなければ、どちらとも言える状態となる。

 

いやでも···しかしですね······。

 

彼女が俺の上に乗ってぐりんぐりん♡と腰を回すと、肉槍は四方八方からみっちみっち♡と圧迫される。そこはとても熱く、甘く、柔らかく、幹からカリ首から亀頭まで余す所なく絡みついてくる。むっちむち♡な肉に擦れれば、奥から奥からトロけた蜜が溢れ出てきてより快楽度数は高まった───この感触は明らかに彼女の膣内(なか)だ。

 

前後にグラインドする腰つき。その度セーターからまろびでた乳房が揺れ、視覚的にも脳内を殴りつけてくる。着衣プレイもまた良いものだと主張する暴力的とも言えるほどの質量。圧倒的躍動感。腹部に掛かるちょっとした重みさえも心地いい。

 

「良いとこ···当たって·······♡!!」

 

じゅぷ♡!ぬっぷ♡!ぱちゅ♡!ぱんっ♡!ぱんっ♡!

 

ぐりぐり♡と肉槍の先端を最奥へ擦り付けるように腰を弾ませる彼女の動きは徐々に速度を増していく。しかしそれはスカートの蜃気楼に隠され見る事が叶わない。薄布1枚捲ってしまえばそれは露わになってしまう。

 

だが、そうしてしまえばこの行為は終わってしまう気がした。

 

攪拌。擦過。攪拌。攪拌。混合。攪拌。湿潤。攪拌。

 

ギラついた輝きを灯す瞳。腰の裏で焦げ付く快楽。一方的に与えられる快楽。包み込まれる快楽。人生の快楽。何故か俺は囚われた。何に俺は捕らわれた?

 

加速度的に激しく強くなっていく肉同士の叩打音。

 

「ごめんなさいぃ♡······もう、イッても···いぃですかぁ···?」

 

限界はすぐだった。もうそこまで来ていた。跳ねるような動きは震え混じりの小刻みな痙攣へと変わり肉槍は(したた)かに締め付けられる。肉と肉の境界線が無くなって、意識が曖昧に(にじ)んでいく。

余裕のない上擦った嬌声が漏れ、やがて堰を切ったように噴き出す。彼女が仰け反った弾みで肘と肘に挟まれた胸がぎゅっと寄せられ谷間が深くなる。下腹部が波打って深めの絶頂を感じさせた。

 

「もっとシたいのに···あぁぁ♡だめイくイくィッ······♡♡♡♡!!」

 

一際大きい波が来たらしい。いやいやと首を振り髪の毛は振り乱され、眉毛は八の字に垂れ、悶絶ともとれる表情······またはトロ顔。そんな顔を無防備に雄へと晒しイッたのだ。この女は。

びくんびくん♡と大きく尻を跳ねさせ、暫く強ばっていた身体が脱力し俺の胸へと倒れ込む。胸板で彼女の胸がトロけて変形し、柔らかさと重みと温かさが覆い被さってきた。

 

 

その奥に、早鐘を打つような鼓動を感じる。

 

 

それと同時に、気付いた。

 

夢だ。これは夢だ。ふわふわと浮いた自意識と通う血潮が、俺の鼓動じゃないと言っている。これは脳が見せた幻だと言っている。

 

 

まさかこんなのが現実な訳が無い。起きたら膝枕されてたむっちり美女と欲望のままなし崩し着乱しックスとか、物語だったとしても安直すぎる。『出会って2秒で即合体』とか『即落ち二コマ』でももうちょい捻るだろう。

 

「イっちゃいましたぁ······♡」

 

たぬきさんの潤んだ瞳と目が合った。熱に浮かされて上気した頬。汗ばんで額に貼りつく髪。

 

2秒前の思考はどうでも良くなった。

 

俺はまだイッてない。夢だろうと何だろうと······もちろんこれは夢でぶっ放せば現実ではパンツとスウェットが犠牲になるだろうが、それでも最後までしたい。

 

まだ呼吸荒く惚けるたぬきさんの丸々とした尻を鷲掴みにする。何だかよく分かっていないようだが、もう逃がす気は無い。膝を立てて、腰浮かし────突き上げた。

 

 

ずん!!!♡♡♡♡

 

 

「ヵはッ───」

 

突然の衝撃に目を白黒させて顔を振り上げたたぬき。

 

「待っ···!今イッたばっかり······!」

 

そう言われて待てる奴が居るだろうか?···いや、居ない。自分勝手に振る舞い、俺はまだイッてないのだから当然だと腰を突き上げた。

 

ずん♡!ぱんっ♡!ずちゅ♡!ぱん♡!ぱんっ♡!ぬちゅ♡!ぱんっ♡!

 

肌と肌、粘膜と粘膜。何度も何度も、破裂音にも似た音が響く。その度に耳元で甘ったれた嬌声が零れ出て、鼓膜に飛び込み頭の中に入り込んできた。

腰に掛かる柔らかな重みも、指が沈み込む豊かなボリュームの尻も、肉槍を余す所なく咥え込む肉壺も全てを喰い尽くすつもりで腰を叩きつける。

 

「お、ねがい···!まって······!ま゛って♡!まって♡!まっで♡!イッ、たから···!イ゛キま゛した、から······!!」

「んなメス声耳元で出されたら治まるわけないでしょ!」

 

何よりも、自身でもっとしたいと言ってたじゃないか。そんな風に都合よく切り取って独りよがりにこみ上がってくる精へと身を任せた。

 

ばちん♡!ばちっ♡!ずちゅん♡!ばちゅん♡!どちゅ♡!ばちゅ♡!ばちゅん♡!

 

脳髄が溶けていく。背筋が溶けていく。腰が溶けていく。手足を焼き尽くす灼熱感。全てが塗り潰されて消えていく。

 

「やだっ♡!やだっ♡!やだっ♡!······また、イッちゃう、から!深い゛の、来ちゃうから!」

 

ひときわ強く腰を突き上げ、掌はひときわ強く尻を鷲掴み、最後のトドメとばかりに肉槍を埋め込んだ。カリ首に削り尽くされたトロトロ肉襞と強い殴打でひしゃげ震える子宮に銃口が突き付けられる。ただただ震えるしかない無力な雌は、雄を受け入れるしか無くなった。

 

 

「う、あ────!」

 

 

どぽっッッっ!!ドプっ!!どびゅびゅっっっ!!!!

 

ぐっぐっと腰が勝手に動き、より奥深くへ先端を擦り付ける。一瞬膨らんだ彼女の膣内は痙攣を伴って強く収縮し、肉と肉は隙間なく密着して種汁を飲み込んだ。叩きつけられる奔流はより深みへと殺到してたぬきの最奥を満たしていく。

 

どくっ!!!どくっ!!!ビュクッ!!びゅりゅ!!!

 

「あ、あ、あ、射精()て·······♡」

 

最後の一滴まで逃がさぬように掌は尻を鷲掴んだまま、粥のような粘度の孕ませ汁をありったけ注ぎ込む。共に絶頂の波に攫われ、俺とたぬきは粘膜を繋いだまま仲良く漂流した。

 

びゅる……びゅく♡……とぷっ………

 

身体を水へ浸すように脱力し、四肢の力がなくなっていく。急に倦怠感がのしかかってきて沈んでいくような意識。感覚と現実が曖昧になっていって色が無くなるように滲んでいく。そんな中でたぬきはそっと身を起こすと、腰にかかっていたスカートを捲りあげた。

 

彼女の淡い茂みと下に刻まれた秘裂、花弁が広がった先に肉槍を目一杯飲み込んだ結合部があった。収まりきらなかった白濁液が端からどろどろと溢れていて、そこで何が起きたのか説明すらバカバカしい様相を呈していた。

 

 

 

膣内射精感謝(おなかいっぱい)です······♡」

 

 

 

下腹部を撫でさすり、トロ顔でたぬきは言う。やっぱりガッツリ挿入(はい)ってんじゃん······と薄れていく意識の中で俺は思ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よく分からないが、意識が落下するような気がして跳ね起きた。

 

 

「うおわぁぁぁ!!」

 

 

ドゴンッ!

 

なんとも情けない声を上げ跳ね起きた俺は、ローテーブルに足を打ち付け思わず悶えた。たまにあるよね?なんか落下したような感覚になって飛び起きるやつ。

 

「ぁぁぁあ······」

 

目の前に星が散り、頭をぶつけたわけでもないのにクラクラとする。でも邪魔くさいぐらいに勃起した股間をぶつけなくて良かった。こっちだったら星が散るどころじゃなかった。フロイト先生も爆笑だっぜ。

 

ちくしょうめぇ!何だってんだ!せっかくおっぱいぷるんぷるんな夢を見ていたような気がしたのに······。今から寝直せば続きを見られるんだろうか。

 

テーブルの上には湯の入った緑のカップそばが鎮座している。どうやら、食す準備だけして寝落ちした······らしい。そもそも、そばを用意していた記憶もないんだが。

しかし、周囲を見渡しても見慣れた壁と天井。紛うことなき俺の部屋。現状から判断するに帰宅→無意識にカップ麺を作る→待ってる間に寝落ちという流れだろう。いや、確実にダメなやつの動きしてるやんけ。

 

「ビックリしたぁ!もう!危ないですよ?」

 

そうですよね。俺もそう思います。そばが零れなくて良かった良かった。もう、少し伸びてしまっているかもしれないがカップ麺が勿体ないし頂くとしよう。

 

·········ん?

 

机の向かい側には緑色のセーターを纏った女性が座っていた。茶色の髪と特徴的な垂れ目、ショートボブのヘアスタイルがよく似合い、セーターをこれでもかと持ち上げるお山は圧巻の一言。しかしぷにっと柔らかそうな雰囲気が全身から醸し出され、人懐っこい笑顔がよく映えていた。え?なに?どういう事?俺はn度見した。

 

「えっと、どちら様で?」

「あっ、申し遅れました!わたしたぬきと申します!」

「たぬき」

 

いやまあ確かに、今食べようとしているのは某緑色のそばだけども······。

 

彼女の頭頂部には丸っこい耳が生えているが、あれ本物?ちょっと待ってくれ。俺は今、夢から覚めたハズなんだが夢世界の住人のような人が目の前にいる。

 

薄らぼんやりとした記憶の断片を探ろうにも、霞を掴むように思い出せない。俺は目覚めたはずだ。お湯の注がれたカップ麺は確かに熱い。感覚がしっかりとある。

しかし俺という意識は覚えていないのに、記憶に無いはずなのに、身体ははっきりと反応を示した。

 

 

「ゆっくり召し上がってくださいね♡」

 

 

それすら─────夢。

 

 

 

 






たぬき
おなかいっぱいご馳走された。満足。つやつや。


なんか夢見た。けど内容が無いよう。



https://syosetu.org/novel/335986/
オネ=ショタスキーに脅されました。俺は悪くないです。



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