とんでもない馬鹿が世界を巡るそうですよ? (命 翼)
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パルデア地方編
飛んで!パルデア!え?飛んでない?


お久しぶりです!明けましておめでとう御座います!
改めてアンケートありがとうございました。
とんでもない馬鹿が世界を巡るそうですよ?にて再スタートを切る事になりました。まずはパルデア編!
第一話なんでいつもは予約しているんですが予約せずに投稿します!
よろしくお願いします!


 ガラル地方にて25年ぶりに開催されたアマチュア大会にて40年間負けが無かったガリュウを下したのはセミファイナルで敗れた若きトレーナーであった。SNSではガリュウが衰えたという文字が踊り、ガリュウを下した若きトレーナーキョウスケに注目が行く。

 

 40年間負けを知らなかった男を負かした功績を讃え、メディアは彼にインタビューを申し込んだが拒否。それは何故だったかというと…

 

「私が今!パルデアにいるからでぇす!いえええ!」

 

「うわびっくりした!急に何よ!」

 

「作者による変なあらすじが聞こえたもんで…つい」

 

 キョウスケはガラル地方を離れパルデア地方トップチャンピオンであるオモダカに招かれる形でパルデア地方に足を運んでいた。相棒ヨクバリスだけを連れてハッコウシティの空港にいた。ちなみに彼が今電話している相手はミリ。

 

 キョウスケの元彼女にしてガラル地方でガリュウを下す大偉業を果たした残る5体を預かっているトレーナーだ。ミリはキョウスケに5体が元気にしているという事を告げると…

 

「パルデアのトーナメントにはヨクバリス単騎でエントリーするつもり?3ヶ月前に渡らなくても良かったんじゃない?」

 

「3ヶ月で作者がパルデアの物語を書き切れる訳ねぇだろ」

 

「それ裏事情!何サラッと言っちゃってるの!」

 

 キョウスケの目的はパルデア最強トーナメントという大会に参加する事とガラル地方ではあまり出来なかった冒険をする為。つっこみため息を吐いたミリ。静かに笑みを浮かべると「風邪引くなよ」とだけ告げて電話を切る。キョウスケは空港から出ると付けていたサングラスを取る。

 

「よぉし!パルデアで思い切り羽目を外すぞぉ!出てこいヨクバリス!」

 

 誰も見ていないのに思い切り肩をブンブンと振り回し、ヨクバリスをボールから出す。周りの住人がキョウスケ達を白い目で見つめてくる中、ヨクバリスがボールから出た瞬間に突進を食らわしキョウスケを吹き飛ばした。

 

 キョウスケは吹き飛ばされ過ぎて星になったが隕石化してヨクバリスの目の前に降り注ぐ。そして地面に埋まりながら頭だけ出し…

 

「な、何をするだー!許さん!」

 

「思い切り吹き飛んでいたけど平気なのあの人!?」

 

「4時間もボールの中に入れて!ヨクバリスちゃん暇すぎて死ぬ所だったんだぞ!」

 

「貴様の暇なんて知ったこっちゃねぇよ!」

 

「あ、地面から出て来た」

 

 顎を突き出しながら何故か身構えるポーズでヨクバリスに言葉を吐いて行くキョウスケ。ヨクバリスは頭を左右動かしながらキョウスケの目の前に迫る。周りがざわつく中、その場にやって来たのは笛を鳴らした警察。

 

「コラァ!何やってんの!」

 

「いや違うんすよポリさん!ヨクバリスが!」

 

「ポケモンが人間をいじめる訳ないでしょ!」

 

「ヒスイではポケモンが人をいじめていたもん!」

 

「ヒスイってどこ!って喋ったぁ!?」

 

 警察がまず驚いたのはヨクバリスが平然と喋った事。何かの見間違いかと思ったが、聞き直そうとしたその瞬間にキョウスケとヨクバリスはその場から逃走。警察が慌てて2人を追う。

 

「逃げるなそこの不審者!」

 

「くそ!足が速すぎる!」

 

「ふははは!人間の速度で俺たちに追いつけると思うなよ!ヨクバリス、こうそくいどうだ!」

 

「おう!」

 

「10まんボルト!」

 

 警察から一目散に逃げようとするキョウスケとヨクバリスに突如浴びせられた電撃。2人は断末魔を上げながら丸焦げになってその場に倒れ込む。白目向きながら倒れた2人に近づいて来たのはハッコウシティジムリーダーであるナンジャモ。

 

「全く!ボクのいる街で好き勝手暴れないで欲しいな!」

 

「すいませんナンジャモさん。ご協力頂き…」

 

「人間に電撃を浴びせるとはどういう了見だこらぁ!」

 

「逆に何で平気なんだよ君…」

 

 ナンジャモの隣にいる緑色のポケモンが電撃を放ったようだ。頭をアフロにしながらキョウスケとヨクバリスは立ち上がると、顎を突き出しながら不満をたらたら語り出す。ナンジャモ達がビックリしたのは5秒で気絶から立ち上がった事。

 

「馬鹿野郎、男は忍耐と根性じゃ!」

 

「耐えられる?警察氏」

 

「いや、無理です」

 

「あらま奥さん、あの人達電撃を耐えるのが無理ですって!あらやだぁ!恥ずかしいでざます!」

 

「偉く煽りスキルが高いヨクバリスだなぁホント!てか何で喋るの!」

 

 キョウスケとヨクバリスの言葉に苛つくナンジャモ。警察が呆れながら2人を逮捕しようとしたその時。ナンジャモ達の後ろから歩いて来た人物の足音を聞き、その動きを止める。ナンジャモが後ろに振り返るとそこにいたのはオモダカだった。

 

「オモダカ氏!?」

 

「随分と盛り上がっているようですね皆さん」

 

「トップチャンピオン!これは今から不審者を…」

 

「その人は私が招いた人です。その人が何かしたなら私が謝ります」

 

「謝れー!」

 

 オモダカが軽く笑みを浮かべていたが謝るとなると真剣な表情に。警察が申し訳なさそうにするとキョウスケが一言呟いたが、ヨクバリスにしばかれて気絶。2秒で立ち上がりヨクバリスを挑発する。不満にしていたのはナンジャモで…

 

「また変な人連れて来たの?勘弁してよねホント!撤収、撤収!」

 

「あ、はい…」

 

 怒り心頭でナンジャモがその場から引き上げていき、警察もその場から引き上げて行く。警察やナンジャモ達が引き上げていったのを見て、オモダカがキョウスケの方を見つめ…

 

「何かなされたのですか?」

 

「俺たちのトップスピードで警察から逃げただけだぜ!」

 

「つまりワイルドされたという事ですね。把握しました」

 

「こ、コイツ!ボケが通用しないだと!?」

 

 オモダカは2人の言葉に対して冷静に対処。早くにパルデアに来たという事で驚いた様子だったが、たまたま仕事場に行こうとしたんですと笑みを浮かべながら2人に呟くと…

 

「そらとぶタクシーにて同行しませんか?料金は私が払いますので」

 

「ただ乗りという事ですね!いやはやお代官様ありがとうございます!」

 

「一言言う度に5千円取りましょうかね」

 

「わあ見事なぼったくり!」

 

 キョウスケの一言にさすがにイラついたのかオモダカが笑みながら一言発するとキョウスケとヨクバリスが一気に青ざめる。そんな会話が交わされる中で聞こえて来た男の叫び声。キョウスケが振り向くとオモダカの方を見ずに…

 

「すまん、アイツで行くわ」

 

「キョウスケさん?」

 

「ライドのスピードが遅いって言ってんだろ!このノロマ!」

 

 ハッコウシティの空気が凍りつく。キョウスケが男と怖がった表情で蹴りを入れられている一体のポケモンに近づくと、もう一度蹴ろうとした男の足を思い切り掴み…

 

「あん!?何だてめぇ!?」

 

「やめてやれ。嫌がってるだろうが」

 

「てめぇには関係ねぇだろうが!変な事言うと…」

 

「ジャンケーンポーン!」

 

 キョウスケは掴んだ足を思い切り上に投げ飛ばすと男の顔面を握り拳で殴りつけ、その場から吹き飛ばす。オモダカが驚く中、1番驚いたのは蹴られていたポケモン。

 

「何の事情があるか知らないけどポケモンをいじめるのは良くないよなおっさん!お前!」

 

「グル?」

 

「ライド出来るんだってな。折角だから乗せていってくれよ。どこまで行くんだトップ?」

 

「テーブルシティですが…」

 

「よっしゃ!じゃあテーブルシティまでタクシー頼むわ!」

 

 ヨクバリスは理解している様子で笑みを浮かべていた。オモダカの一言でキョウスケは緑のポケモンの背中を軽く叩く。一瞬吹き飛ばされた男の方を見た緑のポケモン。キョウスケの方を見ながら大きな声を上げるとライドフォルムへ。キョウスケはそこに乗り込む。

 

「お前モトトカゲって言うんだってな!少しの間よろしく頼むぜ」

 

「……」

 

「ほんじゃ、オモダカ!また後で落ち合おうぜ!」

 

 モトトカゲというポケモンに乗り込んだキョウスケは物凄い勢いでその場から去って行く。オモダカはそこを無言で見つめていたが何か感じたのか笑顔に。静かにハッコウシティから離れる準備をするのだった…




久々ですかね。こんなにボケたみたいな感じは。
さてキョウスケは無事にテーブルシティに辿り着けるのでしょうか!
負けるなキョウスケ!頑張らなくていいぞキョウスケ!
では!


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テーブルシティに辿り着いたよぉぉぉぉ!

こんばんは!とんでもない馬鹿が世界を巡る第二話になりますね!
ふざけて行きましょい!


 前回のあらすじ!パルデアについていきなり騒ぎ起こしました!楽しかった!

 

「何で子供並みの感想になっているんですか。というかハッコウシティからテーブルシティまでかなり距離があった気がするんですが…」

 

「気がついたらここにいた」

 

「そんな話ある訳ないでしょう」

 

 ハッコウシティからおっさんを殴り飛ばす形でライド状態のモトトカゲに乗って来たキョウスケ。おっさんに遅いと言われていた割にはキョウスケが吹き飛ばされそうな速度でテーブルシティまでの道を駆け抜けたモトトカゲ。オモダカはその事に驚いていた。

 

「グオオ!」

 

「フッ…このスピードを持ってしても四天王の中で最弱!」

 

「何、当たり前のように出て来て言葉を発してるんですか」

 

「世間的に言うとアレだ。チャリで来たみたいなもんさ」

 

 ヨクバリスとキョウスケが言葉を発する目の前で小さくため息を吐くオモダカ。2人の間で息も切らさずにモトトカゲが声を上げる。先程の男に蹴られていた時にあんなに怯えていたモトトカゲが嬉しそうにしている。オモダカはそこにも驚きつつも…

 

「とりあえずアカデミーに向かいましょうか。待ち合わせは夕方前の予定にしてます」

 

「誰と?ま、まさか大魔王ゾーマ!?」

 

「別世界のキャラを言わないでください。アカデミーの校長さんです。緊急で連絡を取ったので少し遅めですが…」

 

「私は一向に構わんッ!」

 

「普通に喋れないのですか?」

 

 オモダカが案内するように歩き出し、ヨクバリスとキョウスケがオモダカについて行く。ふと歩き始めたと思ったオモダカの足が止まる。あんだけ喜んでいたモトトカゲが付いて来てないのだ。元々タクシーの予定でついて来ていたモトトカゲ。キョウスケはハッとして振り返る。

 

 そして止まっているモトトカゲに歩み寄ると…

 

「お前、自由になりたいか?」

 

「グオオ!」

 

「よっしゃ!あんなおっさんの付き添いでいたんだ、精一杯可愛がってやるからな!」

 

 モトトカゲに殴りつけた男がたまたま落としていたモンスターボールを差し出すキョウスケ。モトトカゲはボールを見た瞬間に尻尾で破壊する。ヨクバリスとキョウスケはかなり驚いていたが、そのボールはいらないと言う事なのだろうか。

 

 声を張り上げたモトトカゲに対して自分のモンスターボールを差し出すとそのまま中に入って行った。

 

「元の飼い主に対しての拒絶反応でしょうか」

 

「アイツのボールすら見るのが嫌だったかもしれねえなぁ。待たせたな、行くか!」

 

「はい」

 

 ヨクバリスを連れ歩きながらオモダカについて行くキョウスケ。少し歩いて行くと遠目ながらも巨大なモンスターボールのオブジェが見えて来た。

 

「あれがパルデアのテーブルシティが誇るアップルアカデミーのオブジェクトです。驚かれたみたいで」

 

「そ、そんな!俺の眼力は50mだぞ!?」

 

「それはもう十分なのでは?」

 

「奴は四天王の中でも…」

 

「もういいですよ」

 

 アップルアカデミーのオブジェクトが視界に入り、驚きを露わにするキョウスケ。だが彼の毎回の事でそのびっくりの仕方はがかなり変わっている。ヨクバリスのボケを遮る形でオモダカは再び歩き始める。するとキョウスケの目に入ったのはサンドウィッチ店。

 

「ん?おい、オモダカ。アレは?」

 

「?サンドウィッチ店ですが…何か?」

 

「へえ…ガラルではカレーが主流だったのにパルデアはサンドウィッチか。ガラルでは見たことないな」

 

「ああ…そういえばそうでしたね。折角です、何か買ってきましょうか?」

 

「お?いいのか?ちょっと待ってるな」

 

 サンドウィッチと聞き、ボールの中にいたモトトカゲが出てくる。そこまでか…と思ったキョウスケと寝そうになっていたヨクバリス。キョウスケに何故かしばかれながらキョウスケと喧嘩しそうになっていると、目の前をポケモンの卵を持った赤いポケモンが通って行く。

 

「ちょいちょい!おーい!待ってくれ」

 

「ホゲワ?」

 

「行ったかと思ったよ」

 

「とんでもねえ、待ってたんだ」

 

 赤いポケモンが見つめる目の前でキョウスケを思い切り殴るヨクバリス。先程の喧嘩紛いの出来事のせいか。それだけインパクトのある出来事を見せられても赤いポケモンは驚きもしない。顔を叩きつけられた事で赤くしながら赤いポケモンと向き合うキョウスケ。

 

 赤いポケモンは嬉しそうに声を上げる。

 

「ホゲーニ!」

 

「アルソック!」

 

「ホームセキュリティはアルソック!」

 

「グオオ!」

 

 オモダカがその場にいないと言うのもありキョウスケ達のボケを誰も突っ込まない緊急事態。周りの市民達が白い目でキョウスケ達を見つめる中、ざわついているのを耳にしながらオモダカがサンドウィッチを買って戻って来た。

 

「私がいない間に何を…あら?その子ポケモンの卵を持ってますね」

 

「これゆで卵じゃないのか!?」

 

「見たことがありませんよポケモンが持つゆで卵なんて」

 

「ホゲーニ!」

 

「テーブルでは見た事がない…野生でしょうか」

 

 オモダカが卵を手に持ちながら歩いているポケモンがホゲータというのを説明。ホゲータは気にしてなかったみたいだがお腹をかなり鳴らしている。キョウスケはヨクバリスとモトトカゲにサンドウィッチを分けた後、オモダカから受け取った自分の分をホゲータに差し出す。

 

「キョウスケさん?」

 

「ほら、食え。腹すかしては歩く事も出来ねえぞ」

 

「ホゲーニ!」

 

「あだ!俺を噛むなサンドウィッチだけを食え!」

 

 オモダカはホゲータにキョウスケが噛まれるのを見てクスクスと笑う。ホゲータは差し出されたサンドウィッチを必死に食べる。それを見たキョウスケは何事もなかったかのようにその場をヨクバリスとモトトカゲと共に立ち去ろうとする。

 

 そのキョウスケに慌てて駆け寄るオモダカ。

 

「あの子はいいんですか?」

 

「あんな人懐っこい奴が捨てられたとか迷い込んだ野生とか、そんなの感じねえよ。俺が手を差し伸べなくてもいい奴に拾われるって」

 

「もう足元にいますよ?」

 

「何!?」

 

「ホゲーニ!」

 

 ヨクバリスとモトトカゲはついて来ているのに気づいていたのか。立ち止まったキョウスケを嘲笑うかのように声をあげている。キョウスケの不満気な表情とは比較的にホゲータは何も気にしてなさそうに笑顔を浮かべている。人知らずとはこういう事か。

 

「おい、あのホゲータ野生だよな?人懐っこくね?」

 

「野生に餌を上げるあの人もあの人よ」

 

「あーん?なんだってぇ?ハトポッポハトポッポー!?」

 

「そんな事言ってねえよ!」

 

「じゃあ何を言ったんだ!3秒以内で答えろ!いーち!」

 

 ヒソヒソと周りで話していた男女にウザ絡みしに行き、煽るような素振りで2人の前を動くキョウスケ。オモダカが少し慌てる中、キョウスケが3秒と言った中で1秒でビームを放ち、男女を引き離す。

 

「2と3はぁ!?」

 

「知らねえな。男は1だけあれば十分なんだよ」

 

「ホント読めない人…キョウスケさん。丁度アカデミーに孵化装置があるんです。そのホゲータが良ければ」

 

「ホントか!よーし孵化させに行くぞホゲータ!」

 

「ホゲーニ!」

 

 当たり前のように卵を持ちながらキョウスケについて行くホゲータ。オモダカは男女を少し睨んだような目つきで見つめた後、アカデミーに向かって走って行ったキョウスケを追いかける。時刻はアカデミーにとっては休憩時間に入る。

 

 アカデミー階段前でたむろしている3人組にキョウスケ達は目もくれる事なく、大量にある階段を見てキョウスケ達は驚きを見せる。3人組もキョウスケには反応していなかったようだが、オモダカを見つけるなり立ち上がる。

 

「やあやあリーグ委員長!余所者を引き連れてアカデミーに来る気分はどうかな!?」

 

「また委員長、ハルトに…」

 

「あん?」

 

 キョウスケを無視してオモダカに近づこうとする3人組。そのうちの1人はハルトというらしい。生徒達がヒソヒソと話しながらキョウスケ達から距離を取ろうとする中、笑いながらオモダカに近づく3人の前でヨクバリスが立ち塞がる。

 

「何だコイツ!」

 

「てめぇ…誰の前に出てんのか分かってんのかコラァ!てめぇだろ、ヨクバリスの隣にいるトレーナー!」

 

「き、キョウスケさん…!」

 

「先に行けオモダカ。どっからどう見ても厄介人な奴らに一泡吹かせてやるよ」

 

「ちょっと聞いた?ハルト。コイツ、私達をぶっ飛ばすって!」

 

 生徒達のざわめきと共に視線がキョウスケに向けられる。オモダカがキョウスケに言われてその場から離れて行く中、階段前に差し掛かった住人達がキョウスケ達を見つめる。

 

「この人はパルデア地方のチャンピオンランク、ハルト様で…」

 

「ふわああ…」

 

「おいあくびすんな!」

 

「ああ、聞いてる聞いてる。こんな小物がチャンピオンなんて終わってんな」

 

「なん…だと…!?」

 

 真ん中にいる金の髪をしサングラスをかけた少年。隣にいる女性と男性が驚きを見せる中、キョウスケは鼻をほじり鼻くそをハルトに投げつける。チャンピオンというハルトへの対応にその場にいた全員が驚く中…

 

「てめぇ今何をした…?」

 

「俺の聖なるアンパンマンを投げつけた」

 

「上等だ…てめぇそこに構えろ!チャンピオンという事を信用出来ねえなら実力で見せつけてやる!」

 

「はーん。上等だ。やるぞヨクバリス、バトルしてくれるらしいわ」

 

「あいあいさー!」

 

 チャンピオンという事でオモダカも弱気なのだろう。キョウスケが挑発した事により、ハルトという人物はバトルの姿勢へ。テーブルに来てのいきなりの修羅場。キョウスケはヨクバリスを出し、ハルトはガブリアス。ざわめきが収まらない中、2人のバトルが始まろうとしていた…




大分シリアスな展開で終わって、かなり進行も早かったですが…今のふざけ分は出せたのかなと思います。ハルトはSVの主人公ですね。男性主人公となります。まあ次回はバトル回になりますが、キョウスケもそんなに持ってないので1話で終わるかなと。
お疲れ様でした。


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小童め!蹴散らしてくれる!

お久しぶりです。二月初更新となります。
最近忙しいですけど何とか書いていきます。


前回のあらすじ!何かバトルになるみたいですよ?

 

(泣いて土下座させてやるぐらいに叩きのめしてやる…!あんだけチャンピオンである自分が舐められぱなしで終わるか!)

 

「行くぞガブリアス!つるぎのまい!」

 

 オモダカに挑発的な態度を取ったハルトに対して挑発するような仕草を見せたキョウスケ。そんなキョウスケに腹を立てたハルトとオモダカに案内される形で流れ着いたキョウスケがバトルする事に。

 

 見守る生徒や市民達が息を呑む中、ガブリアスが声を張り上げ地面に少しばかりのヒビを入れて行く。

 

「無茶だ…相手はチャンピオンだぞ…!?」

 

「いきなりつるぎのまいってさすがに戦い慣れてるってか?」

 

「その余裕…叩き潰してやる!ガブリアス、ドラゴンクロー!」

 

「ヨクバリス、たくわえる!」

 

 ギャラリーから無茶という声が出てくる中、ガブリアスが身構えの体勢から一気に地面を蹴り出すと空気を吸い込み、腹を膨らませたヨクバリスに接近。腕に緑のオーラを纏いながら引っかかりにかかる。腕が当たった瞬間にヨクバリスの腹がガブリアスを弾き飛ばす。

 

「どうした?叩き潰すんじゃなかったのか?俺が地面にひれ伏すのはスピアーが来た時だけだぜ?」

 

「何をしてるガブリアス!遊んでいる場合か!」

 

「グウ…!」

 

「確実に潰す!ガブリアス、ギガインパクト!」

 

「こんな街中で…!?」

 

「ヨクバリス、こらえるだ!」

 

 軽いステップを取った後に身構えの姿勢を見せたガブリアス。そんなガブリアスの身体からオーラが発せられたと思いきや、地面が抉れ砂埃が周辺に撒き散らされた中一気にヨクバリスに突撃して行く。ヨクバリスにガブリアスがぶつかった瞬間に巻き上がった爆煙。

 

 これを見て市民達の視線が階段の方に行く中、煙が晴れるとそこにはぼろぼろのヨクバリスがガブリアスの腕を掴んでいる姿が。

 

「嘘…耐え切った!?」

 

「攻撃したって事はしっかり反撃もしねぇとな!」

 

「ガブリアス、つばめがえし!」

 

「カウンターッ!」

 

 ガブリアスが掴まれていないもう片方の腕で切り裂こうとしたその時。その片方の腕をヨクバリスの片方の手で止め、ヨクバリスは思い切りガブリアスに頭突きをする。ガブリアスはスッとヨクバリスから離れるとそのまま仰向けで倒れ込んだ。

 

「ガブリアスッ!」

 

「随分やられたなお前。大丈夫か?」

 

「後で傷薬プリーズ」

 

「了解だ相棒」

 

 ハルトの取り巻きが一気にガブリアスに近づくと戦闘不能となって倒れている。笑みを浮かべながら近づいて来たのはホゲータとモトトカゲ。笑みを浮かべながら2体とキョウスケはハイタッチを交わす。

 

「すげえ…チャンピオンを倒しちまった!」

 

「何者なんだアイツ…!」

 

「なあアンタ。スクールってこの先に行けばいいんだよな?」

 

「へ?あ、うん。随分とした階段だから気をつけて…」

 

 絶望したのはハルトとその取り巻き達。倒れているガブリアスに向かって近づいて行ったその時、ハルトは震えながらも拳を握りしめ…

 

「何だあの有様はッ!お前はチャンピオンハルトのポケモンなんだぞ!?あんな…あんなクズにワンパンされるなんて…!」

 

「落ち着いてくださいハルト様!マスカーニャが…マスカーニャがいればこんな事には…!」

 

「グウ…」

 

「何だその情けない声はッ!」

 

 負けたのが余程納得行かなかったのか、怒りに身を任せながら手を振り上げたその時、ガブリアスはすっかり怯え切ったようなそんな表情に。ガブリアスの肌にあと数センチの所でキョウスケがハルトの腕を掴むと、ハルトがキョウスケの方に振り向いた瞬間に…

 

「キョウスケ風パンチ!」

 

 思い切りハルトの顔面を殴り抜き、地面に叩きつける。その場にいた全員が驚く中、取り巻き達がキョウスケに突っかかる。

 

「な、何しやがる!?この人はチャンピオンなんだぞ!?」

 

「ポケモンを殴ろうとする奴がチャンピオンで合ってたまるかよ。立てるかガブリアス?」

 

「グウ…」

 

「チャンピオンってのはなポケモンにも人にも感謝を伝えられる奴だ。何がチャンピオンだ。俺なんかよりてめぇの方が腐ってるよな」

 

 歯を食いしばりながら立ちあがろうとしたハルトに見下したような目つきで呟いたキョウスケ。声は張り上げてはなかったが確かに伝わって来た怒り。溢れたボールを持ってガブリアスはハルトの方をチラ見しながらキョウスケについていく。

 

「グオ?」

 

「仲良くしてやってくれモトトカゲ。治療してもらう間だけかもしれんがな」

 

「グオ!」

 

「てか階段なっが!アカデミーの奴らはこんなん登ってるのかよ!?」

 

 アカデミー前の階段に登り始めたキョウスケ達に待ち受けていたのはとんでもない長さの階段。一段一段汗を滝のようにかきながら進んでいたキョウスケ達だったが、登り切った瞬間に疲れ切ったかのようにその場に倒れ込んだ。

 

「お、おい!大丈夫かアンタ!?」

 

「ミモザ先生の元へ!」

 

 あまりに長すぎる階段を前にして登り切ったのは良かったが、そこから白目を向いて倒れ込んだキョウスケ達。視界が徐々に黒くなって行く中、最後に見たのは若干黒っぽい肌をした少女と長髪の男性だった。それを見る事なくキョウスケの冒険は幕を下ろそうと…

 

「終わるかッ!」

 

「急に立ち上がるな暑苦しいッ!」

 

「誰が松岡修造だコラッ!」

 

「誰も言ってないし!はあ…もう。アンタを呼んだ人ならもう少しで来るからそこまでおとなしくしとけ」

 

 キョウスケがスッと立ち上がり声を張り上げると、キョウスケの視線の先にいた女性が驚きこちらに振り向きながら声を張り上げる。変顔しながらさらに声を上げると、女性はため息をつきながら指差して大人しくするように一言。

 

 ふと周りを見ると自分の近くで眠っているホゲータとモトトカゲ。そしてちょこんと手当てしてもらったガブリアスとヨクバリスが座り込んでいた。

 

「おいババア!」

 

「誰がババアだ!私はミモザ!で、何?」

 

「よし分かったモモモ!さっき俺が気絶する際に2人の男女が見えたんだが…」

 

「1文字も掠ってないし…何かアンタを届けに来たね。うちの生徒だと思うよ」

 

 ミモザはため息を吐きながらキョウスケの質問に答える。キョウスケはその回答を前に煽ったような表情を浮かべながら頷く。人を馬鹿にする天才なだけにミモザも少し腹が立った様子だったが…

 

 保健室の扉が開いたと思えば校長と共に1人の男性が中に入って来た。

 

「パルデア早々いきなりやんちゃだなんて変わってないねキョウスケ」

 

「お、お前は!?」

 

「お、お前アキロゼか!?こんなとこで…隣のメガネは誰?」

 

「校長」

 

「校長ぉ!?」

 

 眼鏡をかけた男性の隣にいたオレンジ髪の人物はアキロゼ。最近スクールに就任したばかりで教頭の位置にいるとんでもない実力者。キョウスケとはガラル地方での親友だったが、キョウスケがジムチャレンジ挑戦の際にパルデアにへと旅立った。

 

「アキロゼ君。親友に目が行くのもいいですが…」

 

「おっと失礼。キョウスケ、この人が校長のクラベルさん」

 

「オモダカさんがアナタをよろしくと言ってました。アナタがよろしければ授業終わりまでここで…ん?」

 

「ホゲワ?」

 

「ああ、すまねえ2人共。ポケモン孵化機ってねえか?コイツが持ってるタマゴの正体を見てやりたいんだ」

 

キョウスケからの急な申し出に驚くのはアキロゼとクラベル。2人は顔を合わせると確認してくるといって部屋を出て行く。大波乱のスタートとなったパルデア地方での出来事。キョウスケは窓を見ながら笑みを浮かべる。

 

「何よ、急に笑って」

 

「教えるかばぁか!」

 

「ホントにムカつくッ!」

 

 保健教師ミモザを煽りながらキョウスケは変顔を浮かべる。それを見つめる眠たそうにしているホゲータやモトトカゲらさらにヨクバリス達は何故か笑顔だ。まさかの親友との再会をきっかけに冒険が始まる事をキョウスケはまだ知らない。




見てくださりありがとうございます。
いやあちょい思う感じではなかったなとは思います。
バトルが混ざったからでしょうか。
次回はしっかりふざける予定です。


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これが卵孵化…って誰だ貴様ッ!?

お疲れ様です。命です。
今回もまたコロナ明けという事で。まだ小説書く感じがしっくり来ない感じです。まだ違和感というのはありますがしっかり書いていきます。


前回のあらすじ!任せておけこの車は四駆だぞ!

 

「いつもこんな事をやっているのかい?」

 

「当たり前だアキロゼ。お前が一番俺を分かってる筈」

 

「まあ…それは否定しないけどね」

 

 アカデミーの授業終了後。事前に卵孵化装置がある部屋を担当する教師に連絡を取ったアキロゼ。その教師からのokが出た為その彼に案内される形でキョウスケはホゲータ達と共に生物室に向かっていた。

 

「だろぉ!?分かってるな兄弟!」

 

「僕は構わないけど、周りが汚物で見つめる表情で見つめているから気をつけてね」

 

「ホゲーニ!」

 

「君には言ってない」

 

 アキロゼの肩を掴んで揺らすキョウスケにアキロゼは周りを少し見つめながらキョウスケに一声かけるがまさかのホゲータが返事する始末。周りに若干引かれたような表情で見つめられながら生物室前へ。思い切り扉を蹴り付けようとしたキョウスケを制止し、アキロゼは生物室の扉を開く。

 

「ジニア先生。いますか?」

 

「お、来ましたね。ばっちりといますよぉ」

 

「誰だ貴様!」

 

「今僕が名前を呼んだよね…」

 

 アキロゼが扉を開けると出迎えたのは眼鏡をかけた男性。名をジニア。生物学を担当しているアップルアカデミーの教師だ。そんなジニアに対して真顔で見ていたキョウスケは急に表情をしかめて声を張り上げる。ジニアが苦笑いをしながらキョウスケに自己紹介をする。

 

「自分はジニアと言います。ガリュウさんを破ったと聞いています。話で聞いていた時とメンバーが違うようですが…」

 

「ガラルに幽閉してきたッ!」

 

「わあ、言い方…預けてきたんですね。分かりました」

 

「よく分かってるじゃねぇか」

 

「ジニア先生。私は後に仕事を残してるので後は任せます」

 

 キョウスケの言葉にジニアは苦笑いを浮かべながら呟く。キョウスケの周りにいるのは今はホゲータとハルトのガブリアスのみ。アカデミー自体がポケモンを出すのを禁止している影響か、移動する間だけはボールに入っているヨクバリスとモトトカゲは中にいた。

 

「さて孵化装置でしたよね。ついて来てください」

 

「早くしろ!」

 

「ホゲーニ!」

 

「そんなに急かさないで下さいよぉ…」

 

 アキロゼがその場をジニアに任せる形でその場を去っていく中、ジニアがキョウスケを孵化装置前に案内する。普段は倉庫に置いてあるのだが、元は生物室の物。ボタンを押すとフタが自動で開いていくのを見てキョウスケとホゲータは目を輝かせる中…

 

「なぁこれ変形するのか!?ガンダムみたいによ!」

 

「が、ガンダ…?いや開くだけですよ?」

 

「質問を質問で返すな!」

 

「え、えぇ!?」

 

 目を輝かせていたキョウスケによるまさかの八つ当たりにジニアが驚かせられる中、ジニアが必死にホゲータが持っていた卵を見つめる。その次に視界に入ったのはガブリアスで…

 

「おや…この子確かハルト君の…」

 

「預かってるというか助けたらついて来た」

 

「ついて来たって…」

 

「グウ!」

 

「今は何も聞かない方がいいっぽいですね。とりあえずホゲータの持つ卵を孵化させる為に回収してもらっていいですか?」

 

 ハルトのガブリアスというのはジニアも理解していた様子だが、詮索はしなかった。ホゲータの前にしゃがみ込んだキョウスケがホゲータから卵を預かると、孵化装置に卵を設置する。ここだけと移動中ボールに待機させていたヨクバリスとモトトカゲを出した。

 

「こらぁキョウスケ!あまりに暇だったではないか!責任取れッ!」

 

「てめぇの暇なんて知るかボケッ!」

 

「ち、ちょっと落ち着いてくださいよ!」 

 

 ヨクバリスに早速殴りかかられるキョウスケだったが、脅威の反射神経でこれを回避。ジニアが宥める中、そんな事お構いなしにホゲータ達は自動で閉まって行く蓋を見て目を輝かせる。孵化装置から音が鳴り、ジニアが装置の方を見つめる。

 

「これは避難サイレン!」

 

「だと便利ですけどね…あ、この音はこの卵の中の種族が分かったという合図なんですよ」

 

「ホントか!?い、いきなりだな…緊張してきたぜ」

 

「ん…あれ?パルデア図鑑該当なし?」

 

「該当なし!?」

 

 パルデア図鑑に該当すればここで何のポケモンかが判明したのだが、まさかのパルデアにいるポケモンではない事が判明。その場にいた全員が見間違いかと思い、再度確認するがやはり出る該当なし。この結果を踏まえてキョウスケがジニアを責める。

 

「おい!分かるんじゃなかったのか!?」

 

「あれれ?おかしいですね…パルデア図鑑のポケモンならここで反応する筈なんです。どういう事でしょう…」

 

「嘘付きやがったな!てめぇは俺が裁く!」

 

「待ってください!前列になかったんですって!殴る構えをしないで!」

 

 今正にキョウスケがジニアを殴りつけようとしたその時。生物室の扉が開く音が聞こえ、1人の女子生徒が見えたのだが目を瞑りながら扉を閉めようとする。夢でも見たのだろうと閉めようとする女子生徒の前にキョウスケが一瞬で迫り、挨拶しようとしたらその時。

 

 ヨクバリスに殴られて気絶する。

 

「び、びっくりした…」

 

「やあネモさん。ここに来たという事は宿題出来たみたいですね」

 

「あ、はい。渡しに来たんですけど…この人誰ですか?」

 

「地獄からの使者!スパイダーマッ!」

 

「す、スパイダーマ?」

 

 気絶したキョウスケがすぐに立ち上がったのを見て女子生徒が何とも言えない表情を浮かべる中、ジニアに用があったようで宿題らしきプリントをジニアに渡す。奥で温める為に動き出した孵化装置を見て女子生徒が止まる中…

 

「あれってポケモンの孵化装置?」

 

「貴様!なぜそれを知ってる!?」

 

「ち、ちょっとかじっていたから…」

 

「僕のクラスの生徒なんです。あまりいじめてあげないでください」

 

「だが断る!」

 

 ジニアが苦笑いを浮かべながら女子生徒の前に立ち塞がった瞬間に謎のドヤ顔で反抗しようとしたキョウスケ。だがガブリアスにどつかれ再度気絶。気絶してすぐ立ち上がったキョウスケを見て女子生徒はクスクスと笑みを浮かべる。

 

「貴様、何を笑っている!許さん!」

 

「グオオ!」

 

「ホゲーニ!」

 

「アナタ面白いね。気絶したり変顔決めたり」

 

「ネモさん、この人はキョウスケさん。最近あったガラル地方でのアマチュア大会でガリュウさんを破った方です」

 

 女子生徒に向かってジニアが語りかけると不満気にするキョウスケとキョウスケのポケモン達を無視して、女子生徒はかなり驚く。そして不安そうな表情から一気に目を輝かせるとキョウスケの近くに迫り…

 

「ガリュウさんを!?ホント!?」

 

「ちけえ!離れろッ!」

 

「私ネモ!キョウスケさんでいいかな!ガリュウさんと戦った感想を聞かせて!」

 

「分かった!話すから離れろ!なっ!?」

 

「嫌!」

 

「何てこったい」

 

 人が変わったかのように近づいてくるネモにさすがのキョウスケも圧倒されながら、ネモに対して呟くがネモは一向に離れようとしない。ジニアがネモをキョウスケから引き離そうとしたその時。ネモが思い切りつまずきキョウスケを押し倒す形となった。

 

「あ、ごめんなさい!大丈夫?」

 

「とりあえずポケモンでスイッチが入るのがよく分かった。ポケモン大好きなんだな?」

 

「大好き!特にポケモン勝負が…!」

 

「分かったって!趣味はポケモン勝負だな!?とりあえず離れてくれ!」

 

 その様子を見てジニアがクスクスと笑みを浮かべる中、ネモがキョウスケから離れる。その詰め寄り方はとても教師に宿題を渡さずに普通に教室にいるタイプに見えるが…

 

「ジニア、コイツ何者なんだ?ポケモンだけでこんなスイッチ入るか?」

 

「ネモさんと言います。元リーグチャンピオンです」

 

「リーグチャンピオン!?」

 

「昔の話だけどね…今はただの不登校で…」

 

「随分な転落具合…イエスキリストもひっくり返るぜ…」

 

 元リーグチャンピオンであるネモ。生徒会長でもあったが少しの事件で今はチャンピオンも生徒会長も退いている。おまけに不登校。驚くキョウスケを目の前にしてネモは苦笑いを浮かべていた…




見てくださりありがとうございます。
こんな感じだったっけ?と思いながら書いてました。数話はアカデミーで過ごす事になると思います。卵の正体もお楽しみくださいませ。
では。


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学校回は続く!本当の事言って何が悪いんだバーカ!

お疲れ様です。命です。調子がいいので書いている日に二つ書いてる感じです。どうなるかわからないですけど頑張ります。


 前回のあらすじ!東大学部は頭が悪い!本当の事だからだ!

 

「東大学部?」

 

「うん…多分気にしたらダメな奴だと思う」

 

 卵に関して数日はかかると推察したジニア。数日の間どこに泊まろうかとキョウスケが考えていた矢先、ハルトからネモに校舎裏に来るようにと言う命令が下され、悪い予感がしたジニア。そして全然関係ない感情を抱きながらキョウスケがついて行く中3人は校舎裏へ。

 

 そこで待っていたのは先程会ったチャンピオンハルトとその連れの2人。ハルトは舌打ちをしながら立ち上がると…

 

「おいネモ。1人で来るように言った筈だが?」

 

「分かるように説明しろ」

 

「話こじれるからちょっと黙ってて」

 

「付いてきたのは自分の独断。…キョウスケさんは知りません」

 

「チャリで来た」

 

 ハルトの目の前でガブリアスがキョウスケの背後に隠れる中、ホゲータとモトトカゲも3人に睨みを効かせるが、ヨクバリスだけはさすがに破った余裕からか顎を突き出してキョウスケとふざけたポーズ。ネモが明らか怯えた表情を見せる中、ハルトは舌打ちをしながらキョウスケにモンスターボールを投げる。

 

「あん?」

 

「いる次いでだ。そのガブリアスはくれてやる。弱い奴に興味はねぇ」

 

「やはりハルト君のガブリアスでしたか。…それで?呼び出した経緯は?」

 

「担任に関係ない事だよ!引っ込んでろ!」

 

「引っ込みまーす!」

 

 ガブリアスのボールを受け取りつつ、修羅場と化す空気を台無しにしそうなキョウスケの謎のダンス。ネモがそれを見て笑みを浮かべる中、空気感を台無しにされたハルトは3回目の舌打ちをしながらこちらに向かってくるとそのまま通り過ぎ…

 

「てめぇがいるとやっぱり調子狂う。また呼び出すぞネモ」

 

「……」

 

「何だアイツ」

 

「ネモさん…」

 

 ハルトが連れの2人と去って行く中、ネモは怯えた表情で黙り込む。キョウスケは通常運転でいた為、何が何だか分からない感じに終わったがネモの落ち込みようを見たジニアは彼女の手を繋ぐと…

 

「キョウスケさん。僕ネモさんを自室に返してあげてきます。えっと…確か泊まる場所がないんでしたよね」

 

「ここをキャンプ地とする!」

 

「いや生徒に迷惑なんでやめてください…確か空いてる部屋があったような…折角なんでそこに…」

 

「空き部屋なんてゴミが溜まってるじゃねぇか。ホテルでも探すよ」

 

「ホテル代なんてあるのか」

 

 ヨクバリスの核心を突くツッコミに思わず石となって固まるキョウスケ。ジニアがため息を吐き、案内するんで先程の生物室で待っていてくださいと告げたと同時にジニアは何も話せなくなったネモを連れてその場から離れて行く。

 

 キョウスケも一度その場を離れようとしたその時。激しい振動と共に大きな声が聞こえた為、文句を言おうと振り返ってみると…

 

「やかましい!急に何だくそったれ…ってわあ…」

 

「ひょえ…」

 

 そこにいたのは2本の尻尾と長い髪と青い身体をしたポケモン。ここまで言えば普通に聞こえるが驚きなのはそのサイズ。キョウスケやヨクバリス、さらにガブリアスなどを軽く超える大きさにキョウスケ達は思わず黙り込む。

 

「何かポケモンの声したー!ってデカぁい!?」

 

「誰だお前は!?」

 

「地獄からの使者!スパイダーマ…じゃなくて通りすがりの生徒です…」

 

 驚くキョウスケ達を前にして校舎裏に突如現れたのは三つ編みの髪をした帽子を被った女子生徒。脅威の対応力を見せながら苦笑いを浮かべたが、そんな事している間にポケモンはさらに声を張り上げる。キョウスケ達が思わず吹き飛ばされそうになる中…

 

「おい女子!」

 

「はい女子です!」

 

「コイツなんなんだよ!?パルデアじゃこんなでけえポケモンがびっくり箱のように出てくるってのか!?」

 

「いやいや知らないですよこんなデカい奴!てか何で誰も来な…」

 

 キョウスケが女子生徒に語りかけたその瞬間、ポケモンが声を張り上げながら水の一撃を放って来てキョウスケ達全員直撃。女子生徒の元にホゲータが戦闘不能の状態で抱き抱えられる中、女子生徒の前まで吹き飛んだキョウスケはふざけたような怒ったような表情を見せ…

 

「やりやがったな貴様!リアルファイトをするなら貴様にガンダムファイトを申し込む!」

 

「ガ、ガンダムファイト!?」

 

「俺のこの手が真っ赤に燃える!貴様を倒せと轟叫ぶ!」

 

「ちょっ!?この人燃え始めたんだけど!?これポケモンの作品だよね!?」

 

「グオオ!」

 

「石破ッ!天驚けぇぇぇん!」

 

 完全にポケモンの世界で出してはいけない程にキョウスケが燃え上がり、そして巨大な波動がポケモンに命中する。あまりの音に驚き生徒達が近くにくる中、爆煙が広がりながらキョウスケは真っ白になりながら倒れ込む。女子生徒は驚きながら…

 

「いや!?何今の!?ポケモンの技!?」

 

「ガンダムの技だ」

 

「いやいや!ポケモンの技を…って喋ったぁ!?」

 

 キョウスケは数秒気絶していたが頭をアフロにしながら立ち上がる。ヨクバリスが喋った事に腰を抜かしている女子生徒を後ろにポケモンに歩み寄って行く。謎の一撃を喰らってポケモンは戦闘不能。ヨクバリスとガブリアスと共にポケモンに近づく。

 

「おい!コイツなんなんだよホントに!」

 

「え…えっと…」

 

「アンタすげえな!今のどうやって出したんだ!?」

 

「ギャグ補正」

 

「ギャグ補正!?」

 

 ざわめきが起きる中、キョウスケに近づいて来たのは目を輝かせた若干寝癖がついている男子生徒。腰を抜かしていた女子生徒と共に近づくと男子生徒がキョウスケに告げる。

 

「コイツは確か…ウネルミナモというポケモンで古代のポケモンらしいぜ」

 

「何で古代のポケモンがここにいるんだよ。てかお前誰」

 

「あ、俺はペパー!たまたま通りすがりの奴なんだけど…最近パルデアでちょくちょく出てきてる奴らしいぜ」

 

「あ、私はアオイ!同じく通りすがり!」

 

 ペパーという男子生徒のデータでこのポケモンがウネルミナモという古代のポケモンというのが判明。何故急に校舎裏に現れたかは不明。女子生徒はアオイと言うらしい。ざわめく生徒達の近くで戻って来たジニアが息を切らしながらキョウスケ達に近づいて来た。

 

「な、何かとんでもない爆発があったんですけど!?」

 

「ギャグ補正だから気にするな」

 

「何でもかんでもギャグ補正にされたら溜まったものじゃないですよ!」

 

 ジニアに次いで様々な先生が顔を出す中、とりあえずここから離れようとジニアが提案。戦闘不能となったウネルミナモを回復しにモンスターボールに入れた後、その場を離れて行く。ジニアが他の先生に事情を説明している間にキョウスケ達は校舎裏から離れてポケモンセンターへ。

 

「え、えっとアナタの大切なポケモン達はみんな元気になりましたよ!」

 

「アンタが戸惑う事はしてないぞ」

 

「いや…凄い見た目のポケモン連れてるなって思って…」

 

「それはガンダムIQが低いと言う事だ」

 

「だからここポケモンの世界だって!」

 

 アオイにキョウスケが突っ込まれている間にボールを受け取ったペパーがウネルミナモのボールからウネルミナモを出す。ウネルミナモは先程とは違く暴れたりせずにキョウスケ達を見つめる。

 

「よお。古代のポケモン。人間に捕まえられる気持ちはどうよ」

 

「グウ?」

 

「分かってないみたいだな」

 

「さっきはもう大暴れだったんですよ!」

 

 アオイが驚きの声を上げる中、キョウスケとペパーが顔を合わせる。キョウスケがウネルミナモに近づくとウネルミナモはキョトンとしながらキョウスケに顔を近づける。ペパーとアオイは一息吐くと…

 

「アンタの名前聞いてなかったな。アンタ名前は?」

 

「キョウスケ」

 

「随分さっぱりちゃんだな…よしキョウスケ。俺の連絡先渡しとくからまた連絡してくれ。コイツについて知りたいしよ」

 

「あ、私も!」

 

 アオイとペパーの連絡先を受け取っている間にウネルミナモが相変わらずキョロキョロする。この後ジニアの案内で空き部屋に案内してもらい、そこでキョウスケは1日を終える事となる…




見てくださりありがとうございます。
何とか書けましたね。良かったです。学校回は後2話ぐらい続くかな?
ウネルミナモ回は急に考えましたw
あんなもん出されたらどちらかは出さないとね!


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な、何だぁコイツはぁ!?

お疲れ様です。命です。
いつも通り頑張りますのでよろしくお願いします〜。


 前回のあらすじ!栗松、帰国の準備をしろ。以上です。

 

「わあ…見事に意味不明なあらすじですね…」

 

「栗松…?」

 

「恐らく突っ込んじゃいけない奴だと思います」

 

 チャンピオンハルトをぶん殴りさらにウネルミナモに他世界の技をぶつけたりしていたキョウスケ。ホゲータが持っていた卵を預けたジニアの計らいなどで寝床と食堂を提供してもらえる事となりあっという間に3日が流れた。

 

 アップルアカデミーでは宝探しの時期が近づく中、ペパーやアオイとウネルミナモ案件で交流を深める中でネモとは卵案件で交流していた。今キョウスケがいるのが化学室。ジニアから呼び出しがあったのだ。

 

「で栗松。わざわざ卵案件で呼んだという事は動きがあったんだな?」

 

「ジニアです…ええ、まあ。どうやらこの卵パルデアの子じゃないみたいで…流れ着いたんだと思います」

 

「ホゲーニ!」

 

「よくそんなのをホゲータが持っていたね?」

 

「食べ物と思っていたんじゃない…」

 

 ヨクバリスがわざわざ出て来て卵について発言しようとしたその時。ホゲータから火炎を喰らいアフロになりながら倒れ込む。キョウスケがそれを見て笑っているとヨクバリスがキョウスケに襲い掛かり、取っ組み合いの喧嘩になりそうな所でガブリアスが2人を殴りつけ止める。

 

「ぐはぁ!な、何をするだー!許さん!」

 

「そうだそうだ!せめて腹を殴れ腹を!」

 

「いや、そういう問題…?」

 

「と、とにかく装置によればもうすぐ生まれるとの事です。ホゲータさんも食いついてますし見守りましょう」

 

「やなこ…」

 

 ジニアに対して何故か中指を突き立てながら呟こうとしていたキョウスケとヨクバリスが再びホゲータから火炎を食らって倒れる中、卵が少し飛び跳ねて大きく揺れる。モトトカゲも出て来て装置の方をガブリアスとともに見つめるが、ウネルミナモはそもそもボールの中にいるだけとデカすぎるので出てこない。

 

「だ、大分揺れたよ!?」

 

「これは生まれる前の合図なんです。もうすぐですよ」

 

「そんな事早く言わんか!」

 

「今言ったからね」

 

 アフロの頭状態でキョウスケが急に立ち上がりジニアとネモに向かって叫ぶ中、ネモが諭すように一言呟く。キョウスケとヨクバリスもその生まれる瞬間をマジマジと見つめる中、放課後の化学室に入って来たのはペパーとアオイ。

 

 全員が装置を見つめているので入り口付近で待機していたが、気づいたジニアが手招きで近づくように諭す。

 

「何だカップル。ここではミナモは出せないぞ?」

 

「カップルじゃねぇし。まあ今大変な状況だから後で話すわ」

 

「ポケモンの卵?」

 

「そう。もうすぐ生まれるんです」

 

 大きく揺れ卵にヒビが入って行く。ペパーとアオイも混じりネモとジニアも卵を見つめて行く中で、数日温めた甲斐がありジニアは卵が光を発したタイミングで装置のカバーを開き、温める装置を切る。眩い光でその正体が見えない中、光が晴れると可愛らしい声が聞こえて来た。

 

「チュチュ?」

 

「ちっちゃーい!可愛いー!」

 

「ホゲーニ!」

 

「予想より小さいけどホゲータが1番嬉しいだろうな」

 

 アオイがネモと共に見つめる中、ペパーがホゲータを見ながら呟く。ホゲータが装置に飛び乗り、おめでとうと言わんばかりに声を上げる。生まれて来た緑色のポケモンは首を傾げる。ジニアが写真を撮り図鑑で調べると思わず笑みを浮かべた。

 

「はは…そりゃパルデアにはいませんよね…」

 

「どしたソニア。何か分かったのか」

 

「ジニアです…この子はシェイミ。シンオウに伝わる幻のポケモンです。卵にも生まれた事がないので初の事になりますね」

 

「そうなんですか!?凄いよホゲータ!お手柄だね!」

 

「ホゲーニ!」

 

 生まれて来たのはまさかのシェイミという幻のポケモン。卵すら発見されていないという幻のポケモンなだけに全員は思わず驚きの反応を見せるが、そんな事よりホゲータが1番嬉しそうだ。シェイミは最初は怯えていたがホゲータに甘えた反応を見せる。

 

「シンオウの幻がどうしてここに?」

 

「卵見つかってないのなら…」

 

「どうでもいいだろコップル」

 

「だから…って微妙に違う…」

 

 キョウスケのボケに突っ込もうとしたペパーだが、微妙に違う言葉で思わず言葉を止める。シェイミにモトトカゲとガブリアスが近づき、さらにヨクバリスが変顔を浮かべながら近づくとシェイミは笑顔に。ポケモンを中心に和やかなムードに包まれる中…

 

「で?結局話しって何だよコショウ」

 

「名前間違えるのわざとちゃんか…?まあいいけどよ。アップルアカデミーでもうすぐしたら宝探しがあると言うのを知ってるか?」

 

「ああ。浦島が竜宮城に行く…」

 

「それ昔話!宝探しというのはアカデミーのイベントなんだよ」

 

 ポケモン達が絡んでいる間にペパーとアオイがキョウスケに話しかける。ここまで来て話したかった事は宝探しで秘伝のスパイス探しをしたいというがヌシポケモンがいるという話し。バトルの腕前がないためにハルトを倒したその実力を借りたいという事だ。

 

 何故あらすじで説明したかって?それはちょくちょくキョウスケがボケて話を遮ったからだ。

 

「秘伝のスパイス探しねぇ…」

 

「協力してくれたら手に入れた時にうんまいご馳走をプレゼントしてやるぜ!」

 

「乗った。よろしく頼むぜ2人共」

 

「早ッ!?」

 

「美味いご馳走と聞けばなぁ!?いいよなお前らッ!」

 

 話を聞いてなかった筈なのにキョウスケの言葉でヨクバリス達全員が反応を示す。ペパーとアオイが驚く中キョウスケが豪快に笑う中でネモが3人に話しかける。

 

「ねえ」

 

「ん?どしたよ?」

 

「その秘伝スパイス探し…私も連れて行ってくれないかな」

 

「私は別にいいけど…先輩どうします?」

 

「確か1年のネモだったよな。1学期チャンピオンランクで生徒会長の。戦力は多いに越した事はないが…」

 

「お前そんなすげえ奴だったのか!?」

 

 前言ったじゃん!?とネモから思わずツッコミが飛ぶ中、賛成派のアオイに対してペパーはあまり素性を知らないとだけあってかなり慎重に見ていたが深く息を吐くと…

 

「ここでダメというのも気に食わねえしな。キョウスケがいいなら」

 

「許可する!」

 

「返事早いちゃんだな!?」

 

「ホント?ありがとう!じゃあ宝探しの日に…」

 

「待った待った!宝探しも始まっちゃいねぇって!」

 

 安心したのか目を輝かせるネモに詰め寄られる形でペパーとアオイが何とか落ち着く事を諭す中、ジニアがキョウスケに近寄る。

 

「キョウスケさん」

 

「今度は何だ?坂本」

 

「ジニアです…あのもし宜けばホゲータさんとシェイミさん連れて行ってあげて下さい。卵産まれるまでの縁だったかもしれないとは思いますが…」

 

「……」

 

 確かにジニアの言う通りだ。ホゲータとは卵のポケモンと対面させてから別れようと考えていた。キョウスケはホゲータと仲良くするシェイミを見ながら一息吐くとモンスターボールを二つ手に持つと2匹に近寄る。

 

「なあホゲワ」

 

「ホゲワー」

 

「シェイミと一緒に俺たちと一緒に来ないか?宿泊まっている時からも俺たちのポケモンと馴染んでいたみたいだしよ」

 

「チュチュ?」

 

「ホゲーニ!」

 

 シェイミが首を傾げる中、ホゲータは笑みを浮かべながらキョウスケが差し伸べたボールの中へ。キョウスケがそれを見ながら驚く中シェイミも笑みを浮かべながら思い切りボールにぶつかり中に入って行く。2匹が同時に仲間となり、キョウスケも安心した様子。

 

「無理を言いましたけど2匹にとってはアナタと居れるのは幸せなのかもしれないですね。2匹の事よろしくお願いします」

 

「何か慣れねえなこういうの…」

 

 ジニアが笑みを浮かべ遠くからペパー達が顔を合わせてホッとした表情。ヨクバリスにそんな照れたキョウスケが煽られる中、さらに月日が流れアカデミーの宝探しの日となるのだった…




はい、卵の子はシェイミでした。
何故シェイミかはこれから明らかにしていきます。
後ボケが少ないですよね。次はもっとふざけます。では。


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おまいら!旅立ちの時でござる!

お疲れ様です。命です。
前回卵の子が生まれた回に入りましたがパッパっと次に入りますよ!
今回は宝探し始まるまでです!


 前回のあらすじ!でぇじょうぶだぁドラゴンボールで生きケェれる!以上です。

 

「ママー。あの人1人で何言ってるの?」

 

「しっ!見ちゃダメ!」

 

「子供に煽られてやんの!ぷぎゃー!」

 

「ママー。どうしてポケモンが喋ってるのー?」

 

「よせヨクバリス!相手は子供だ!殴る描写を見せたら訴えられてしまう!」

 

 テーブルシティのアップルアカデミー。その階段前にて宝探しの開催式の終わりを待つのはキョウスケ達。毎度恒例前回のあらすじについて語ろうとしたのだが、そこら辺にいた子供が無邪気にもこの作品のタブーを呟いてしまった為にヨクバリスすら激怒する始末。

 

 怒ってもいいですが大人が子供を殴る感じは危なそうなのでやめてください。というのはさておき今キョウスケはペパーら3人が来るのを待っている。アイス屋が見える地点とペパーが言ったが為にキョウスケは待っている。

 

「この作品がぶっ壊れたらお前のせいだからな!」

 

「ホゲータのせいにしとくぜ」

 

「ホゲワ!?」

 

「チュチュ!」

 

「シェイミは黙れこのクソリスと言っていま…」

 

 ヨクバリスが清々しいほどの笑みを浮かべながら親指を突き立てグッドサインを出す中、ホゲータが驚きシェイミが反論。しかしキョウスケが過度に訳しすぎた為にキョウスケがヨクバリスにぶん殴られる始末。オーバキルしようとしたヨクバリスをガブリアスが止め、モトトカゲが気絶したキョウスケに語りかける。

 

 そんな慌ただしくしているキョウスケ達に近づく存在にウネルミナモが気づいたのか、声を出してキョウスケに語りかける。

 

「どしたウネウネ。誰か近づいて…」

 

「お邪魔だったかな。キョウスケ」

 

「お前はモンスター教授!」

 

「アキロゼだ…てかネタが古いね」

 

 キョウスケとヨクバリスが近づいて来た男の一言で石化する。近づいて来たのはアップルアカデミー教頭のアキロゼ。この信じられない程狂っているキョウスケの理解者であり親友でもある。もちろんこのギャグ補正に対しても対策済みの人物だ。

 

「グオオ!」

 

「グウ!」

 

「元気そうだねみんな。2人だけ石化してしまったけど」

 

「誰のせいだと思ってんだゴラァ!スパイダーマンはまだハリウッド映画だぞお前!」

 

「キョウスケがやってるのは東映版…というか話が進まないからこのまま本題に入るよ」

 

 近づいて来たガブリアスとモトトカゲに対してアキロゼは笑みを浮かべるとそのまま石化が解かれたキョウスケの反論を聞いていたが、話しが進みそうにないなと思ったアキロゼはそのまま本題を話し始める。

 

「STC?」

 

「スタートレーニングセンターの略だね。僕が気にかけているグループなのだが最近野生のポケモン集団に襲われているというのが学校側に報告されていてね」

 

「野生のポケモンを装った変態仮面だったりしねえのか?」

 

「それだったら捕まえられるけど…残念ながら彼らの言及によれば普通のポケモンらしい。撃退しても1日に1回。時間は不透明にやってくるそうだ」

 

「残念って言った!この人今残念って…」

 

 スター団と名乗っていたSTC。そのアジトと呼ばれていた施設が野生のポケモンに襲われる事態が発生しており、どこからやって来ているのかは不明。だがある程度推察が出来る感じであり、夜な夜な決まりはないが同じ地区のポケモンが大量に移動している痕跡があるという。

 

 説明しているアキロゼにいちゃもんを付けようとしたキョウスケがヨクバリスに地面に叩きつけられる中、アキロゼが数秒で起き上がったキョウスケに語りかける。

 

「宝探しがてらでいい。調査してくれないか?」

 

「調査って同時進行で…」

 

「おーいキョウスケー!」

 

「そうだな…ポイントがスパイスがあると呼ばれる場所に近いんだ。ペパー君がいるなら、そこに行けるかもしれない」

 

「推察がホントに好きだなお前…」

 

 ペパーに何かあるのかと一瞬疑問に思ったキョウスケ。だがアキロゼがやって来たネモ達と入れ替わる形で頼むだけ頼んで去ってしまった為、深くの事情は聞けず。誰よりも先に近づいて来たのはネモ。アオイとペパーが遅れる形でキョウスケの前へ。

 

「お待たせ!教頭と何話していたの!?」

 

「遅いぞ柏木」

 

「ネモだって!」

 

「待たせて悪かったな。教頭の事だ、また無茶難題押し付けて来たんだろ」

 

「まあそう慌てるな。開催式が終わったんだな?ひとまず道中で話すわ」

 

 宝探し開催式を終えたペパー、アオイ、ネモの3人と合流を果たしたキョウスケはアキロゼからSTCがポケモンの襲撃を喰らっている事を調査して欲しいという依頼を話されたというのを3人に告げる。3人は驚きつつもあったがその中でペパーただ1人が何か感じるような表情を浮かべ…

 

「STCってスター団って奴らのアジトだよな。害がない人間をポケモンが簡単に襲うなんて考えられねぇ…」

 

「ポケモンは怖い生き物ですってヒスイのなんちゃら博士が呟いていたぞ」

 

「なんちゃら博士って何!てかヒスイってどこ!?」

 

「ほらあの邪神アルセウスがいた…」

 

「しー!アルセウスを邪神と思っていない人もいるんだから!」

 

 違和感を感じたペパーがスマホロトムを付け、その場に止まるととある人物に連絡を入れる。連絡した人物は母のオーリム。ペパーを生む前までは博士として活動していたが、ペパーが生まれてからはポケモン研究を趣味がてらに変更。

 

 夫フトゥーがパルデアの大穴にいる傍らオーリムは近くの灯台研究所にて暮らしている。

 

「なんだペパー。お前から連絡を寄越すとは珍しい…その後ろの3人は?」

 

「お、オーリム博士だ!」

 

「ほ、本物!?」

 

「なんだ?玉ねぎのどこが有名なんだ羽蛾」

 

「何もかも間違ってる!」

 

 アオイからツッコミを入れられる中でペパーは友人達と片付けた上でオーリムに事を説明。スパイスを探しに行くというのは告げずにオーリムに告げると…

 

「スター団のアジトか…確かにお前の言う通り無闇やたらにポケモンが人間を襲うとは思えないな」

 

「何か原因があると思うんだが…」

 

「元凶らしき奴の居場所は分かる」

 

「じゃあ宝探し終わったのか!?」

 

「何もしてないし宝探ししてねぇての!」

 

 オーリムの言葉をうまい具合にキョウスケが拗らせて行く中、こちらである程度を突き止めると話したオーリムがペパー達に宝探し頑張るようにと一言笑みを浮かべながら呟いた。切れた通信。それを確認してアオイは興奮を隠し切れないようだったが…

 

「とりあえず分かったら連絡するから宝探し頑張れだとさ」

 

「宝探しは終わったんだろ!?」

 

「もの分かり悪いちゃんだな!?」

 

「スパイスの事は告げなくていいの?」

 

「あー…そうだな。また会った時に言っておくよ。ほら行こうぜ」

 

 何かあるのか。ペパーのしんみりとした表情にアオイとネモが不思議に思う中でキョウスケはひとまずモトトカゲ以外をボールに戻す。モトトカゲはボールに戻りたくないらしく、ずっと出ぱなしでいる。

 

「そういえば一つ目のスパイスはボウルタウンに通ずる道のどこかにあるらしい。その場所はスパイスを守るヌシしか知らないそうだが…」

 

「それってアナタの感想ですよね」

 

「ネモ!キョウスケが変な事言い始めた!」

 

「敬語をキョウスケが使ってるなんて…!」

 

「んだよ悪いのかよ敬語使ってよぉ!?」

 

 まるで話が進まない中、ペパーは落ち着いたタイミングで3人に説明を入れる。ひとまずキョウスケがやってくる道となったハッコウシティ方面に向かって歩き始める事に。かなりグダグダではあるがキョウスケ達の宝探しが今まさに始まろうとしていた…




見てくださりありがとうございます。
はい。オーリムは生きてる設定にしてます。フトゥーがパルデアの大穴にいる地点でプレイ済みの方は察せられているとは思いますが、ひとまずはオリジナル要素を入れたレジェンドルートを進めていきたいと思います。


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ソイツどこで拾って来た!ボールじゃないから捨てなさい!

お疲れ様です。ヌシ回にしても良かったのですが今回はあくまで7体目のポケモン枠と会う回になります。え?何故7体目?
SVが7体連れられるからつい設定しました。
という事で始めます。


 前回のあらすじ!この冒険はさっき始まりましたが制作の都合上すぐ終わりました。代わりにゾロリを…

 

「始まってない、始まってない!たった今から始まる所!」

 

「うるせえな。こんなトボトボしたペースで終わる訳ないだろいい加減にしろ」

 

「いや終わるから分かるけど何でゾロリなの…」

 

 テーブルシティ南側の門から出たキョウスケ達はスパイスのポイントがあるとされる場所にへと向かって行く。あらすじで制作を終わらせようとしたキョウスケにネモやアオイに突っ込まれて行く中で先頭を歩いていたペパーが一言呟く。

 

「なあキョウスケ。エリアゼロって知ってるか?」

 

「目からビームなら知ってるぞ」

 

「物騒ちゃんだな…エリアゼロって場所でウネルミナモみたいな奴が目撃されてるんだと。もしかしたら母ちゃんからアドバイスも貰えるかも知れねぇ」

 

「そうだな…おでんにこんにゃくは大事だもんな」

 

「話聞いてないちゃんだな!?」

 

 道がかなり入れ組んでいる為にリーグ運営が看板まで設置する迷路のような場所。地図を知っているペパーを先頭に何とか歩いていたのだが、キョウスケ達が知らない後ろでペタペタと言う足音が聞こえてきた。一番初めに気づいたのはモトトカゲ。

 

 そこから全員が振り返るとそこにはいつの間に出ていたヨクバリスが岩を持っている姿が。

 

「見てみて!どんぐり!」

 

「…ポケモンだねそれ」

 

「全くヨクバリスちゃん!ダメでしょそんなどんぐり拾っちゃ!捨てて来なさい!」

 

「やだねぇ!」

 

 ネモが呆れるようにしてヨクバリスが持って来た岩にツッコミを入れる中、キョウスケが乗っかってしまいオカマのような言葉で呟いたのだが、ヨクバリスは拒否。思い切り振りかぶると投げつけられた岩はキョウスケの顔面直撃。

 

 キョウスケは当然白目むいて気絶したのだが、投げつけられた岩はネモも言ったようにポケモン。コジオというのだが寝ていた為か気づかずに今起きた様子。アオイが持ち上げ逃す中、5秒で目覚めたキョウスケが謎のポーズをしながらヨクバリスに構える。

 

「やりやがったなヨクバリス!そうだ貴様にガンダムファイトを申し込む!」

 

「待て待て!ポケモンとかけ離れているぞ!」

 

「それってアナタの感想ですよね?」

 

「うがー!話聞く気ねえコイツら!」

 

 ヨクバリスに対して構えたキョウスケの身体が光り始める中、ヨクバリスも身体を光らせる。アオイとネモが呆れたような目つきで見守る中、ペパーが必死に止めようとするが地面まで揺らし始めた2人は止まる気配を見せない。

 

「お、おい!お前らポケモンは!?とりあえずぶん殴れば止まるだろ!」

 

「一応いるけどこちらまで怪我しそうじゃん…」

 

「さっきのコジオを投げとけばいいじゃん」

 

「お前らコジオの事なんだと思ってんだ!?」

 

 モトトカゲが焦る中、ペパーの言葉で渋々ネモはウェーニバルを出しアオイはニャオハを出す。攻撃していいの言葉に2匹は困惑したがとりあえずウェーニバルとニャオハが2人を攻撃しようとしたその時だった。

 

 キョウスケのボールから突如出て来たウネルミナモがヨクバリスとキョウスケに思い切り水を放ち光を消滅させ、そのまま白目を剥き2人は気絶した。

 

「き、気絶したぁ!?」

 

「ウェ…?」

 

「ああ…もういいよウェーニバル。変なところで出して悪かったよ」

 

「ニャオハも戻って」

 

 気絶したキョウスケとヨクバリスにモトトカゲやウネルミナモ。さらにボールからホゲータやシェイミやガブリアスなどが出て来て歩み寄るなどしていたが、さっきのコジオがキョウスケ達に近づいて来たのを見てホゲータが歩み寄る。

 

 ウェーニバルとニャオハが困惑しながらボールに戻される中、キョウスケとヨクバリスがすぐに立ち上がる。

 

「おいミナモ!一番いい所だったじゃねぇか!」

 

「ガンダムファイトの大一番だったんだぞ!」

 

「急にやらないでよホント。てかあの子どうするの野生に戻る気無さそうだけど」

 

「ホゲワ!」

 

「コジ…」

 

 ウネルミナモにキョウスケとヨクバリスが詰め寄る中、ホゲータと会話していたコジオがガブリアスに持ち上げられシェイミと共にキョウスケに近づく。

 

「何の真似だガブリアス!それはボールじゃないから捨てて来なさい!」

 

「ガブ…」

 

「悪かった!悪かった!だから投げつけるポーズをするな!ソイツ痛えんだから!」

 

「痛いだけで済むのか…」

 

 ガブリアスに再びコジオを投げつけられそうになったがひとまず帰る気配のないコジオをキョウスケが抱き抱えながら連れて行く事に。毎度の事だがキョウスケは自分のポケモンがヨクバリスだけだと思っていたので、3個ぐらいのモンスターボールしか持って来ていない。

 

「うお!コイツ重たい!」

 

「16キロもあるからな。とりあえず道中にあるポケモンセンター寄ろうぜ。このペースだと日が暮れちまう」

 

「私は腐女子さえあればそれでいい!」

 

「話聞かないちゃんだなホント!」

 

 とりあえずポケモンセンターに向かって歩き始める事に。入れ組んだ場所だが道を知っているペパーが先導してくれている事で迷う事なく進んでいく。そこに関しては何もなかったのだがちょくちょくカニのようなポケモンの姿が見え始める。

 

 一旦モトトカゲ以外のポケモンをボールの中に戻す。

 

「あれ…ガケガニだよね?ポケモンセンター前からいたっけ…?」

 

「崖の上のポニョだって?」

 

「ポニョじゃなくてガケガニ!種類も違うじゃん!」

 

 群がるガケガニ達はペパー達が通りかかっても気にする素振りはない。ちょくちょくキョウスケがガケガニを挑発するかのように変顔をしていたが、ガケガニは華麗にスルー。キョウスケは落ち込んだ表情を浮かべながら歩いているとあっという間にポケモンセンターに辿り着いた。

 

「よし!たどり着いたな!一旦休憩しようぜ」

 

「私の変顔…スルーされたぞポッター…」

 

「あれ反応していたら襲われるだけだったよ?」

 

「じゃあお前にやるわ!プイ!」

 

「……」

 

 諭すネモに思い切り変顔をするキョウスケ。だがネモはキョウスケにゴミを見るような目で見つめ、キョウスケはそのまま石化。コジオが急にキョウスケが石化した物だから驚いていたが、モトトカゲにしばかれて元の状態に戻る。

 

「ねえ…道中のトレーナーが少なくなかった?」

 

「言われてみれば…野生のポケモンもコイツしかいなかったしな」

 

「空のポケモンは普通に飛んでるみたいだよ。何かあるのかな」

 

「何だよそれ…教えはどうなってんだ教えは!」

 

「コジ!」

 

「お前、おふざけ枠ちゃんだな?」

 

 気に掛かったのは道中にいたトレーナーや学生が極端に少なかった事。そしてポケモンセンター先にしかその姿がないガケガニが頻繁に見えたという事。ヌシの影響なのかそれは分からないが。相変わらずフルスロットルでふざけるキョウスケと同情するコジオ。

 

 そんなキョウスケにペパーは…

 

「反応ではこの先にスパイスがある。こんだけガケガニがいるのも見たことねえ。注意していこうぜ」

 

「ok!」

 

「コジオを投げつけようとするなぁ!」

 

 ペパーの進言で一旦ガケガニが他の場所を辿っていないか分かれて進む事に。ポケモンを持っていないペパー達が南3番エリアの右側方面を進み、キョウスケがガケガニ達がいるとされる真っ直ぐ側の道を進んでいく。

 

 その話し合いを終えたペパー達とキョウスケが少し分かれながらスパイスのあるとされる通路に向かって歩いて行く。キョウスケ側は早速トレーナーの何人かがガケガニを倒しながら進んでいる光景が目に入る。

 

「おいモトトカゲ。お前達の地方ってこんな物騒なのか?」

 

「コジ!」

 

「お前はコジオだ」

 

 そういう会話をこなしながら進んでいくキョウスケ。その先には壁に貼り付いている一体のポケモンが待ち受けようとしていた…




コジオは後々仲間になるかと思います。出しましたけど決めてません。
進行がグダグダになりましたがどうにかヌシにたどり着くまでに終われたかなと思います。
それじゃ。


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でっけえ岩…え!?カニなんすか!?

お疲れ様です。バトル回に入らせる予定なんでギャグは少なめになると思います。よろしくお願いします。


 前回のあらすじ!マイクワゾウスキー?マイクワゾウスキー!

 

「お前のボケに対応する奴いませぇぇん!」

 

「んだとコラァ!」

 

 キョウスケとヨクバリスを襲おうとしたカニのようなポケモン達が二人のオーラによって気絶させられる中、二人は無意識に倒れた音を聞くと何もなかったかのようにその場から通り過ぎる。相変わらず他の人、ポケモンが見当たらない中キョウスケは…

 

「おいどうなってんだ!パルデア地方ってのは世紀末の場所なのか!」

 

「グオオ!」

 

「うっさいハゲって言ってますね」

 

「絶対違う事だろうが!然も俺ハゲてねぇし!」

 

 こんだけボケとツッコミを繰り返していたらポケモン達の耳に聞こえてくるのも致し方ない事。カニのようなポケモン達が一斉にキョウスケ達の前に現れる。モトトカゲが威嚇の声を張り上げる中キョウスケとヨクバリスがカニ達の前に出ると…

 

「その目はガンダムファイトの目だな!」

 

「よおし!貴様にガンダムファイトを申し込む!」

 

 二人の身体が光り始めたその時。カニ達は恐怖を感じたのかその場から逃走。キョウスケ達は物足りなさを感じつつ、身体を光らせるのをやめるとコジオとモトトカゲそしてヨクバリスと共にカニ達が必死に守ろうとしている場所に向かって行く。

 

 目を輝かせながらキョウスケ達が向かったのは一つの壁が聳え立つ場所。そこには大量のカニがいてこちらに振り向いて来る。キョウスケが変な踊りをしながらカニ達に向かって行くとまたしても恐怖したカニ達がキョウスケから逃走。

 

 ちなみにキョウスケが謎の踊りでカニ達を追い回している間はコジオをヨクバリスが持っていた。そんな謎の踊りをしているキョウスケ達の元に聞こえてきたのは一つの咆哮。

 

「な、何だぁ!?空襲か!」

 

「グオ!」

 

「くたばれハゲと言ってます」

 

「おいヨクバリス!さっきからてめぇの私見が入ってんだろうが!」

 

「ンガァァニ!!」

 

 カニ達が慌ててその場から離れる中、キョウスケも物音を感じ取りその場から離れる。砂埃と地響きを鳴らしながらキョウスケの目の前に落下してきたのはカニ達と同じ姿をした巨大なポケモン。

 

「デカい岩…」

 

「ンガァァニ!」

 

「オメエポケモンかよぉ!?」

 

「ンガァニ!」

 

「その返事はいらんピ!」

 

 キョウスケの前に姿を現したポケモンはキョウスケに急接近すると手のはさみをキョウスケに叩きつけようとしてくる。キョウスケが口笛を鳴らすと先程までコジオを抱えていたヨクバリスが目の前へ。そのヨクバリスがカニのポケモンの攻撃を食い止め…

 

「タイミングはもっと早い方が助かりますよマスター」

 

「すまない。お前なら対応すると思ってな。カウンター!」

 

 腹でハサミを受け止めたヨクバリスはそのカニのハサミを掴むとハンマー投げのように振り回してカニを壁に叩きつける。カニは身体の砂埃を取るとすぐにキョウスケ達の方にへと振り向くとこちらに向かって来たキョウスケに対し地面を叩きつける。

 

 叩きつけられた地面から岩の突起物のような物がキョウスケ達に向かってくる中、ここでキョウスケはガブリアスを場に出し…

 

「手を借りるぜ!ガブリアス、メタルクロー!」

 

「グオ!」

 

 腕の刃で向かって来た岩の突起物を粉砕。そのままキョウスケはガブリアスに指示を出す。

 

「ドラゴンクロー!」

 

 ガブリアスは地面を蹴り出すと道中突き出た突起物を回避しながら巨大なカニに向かって飛び掛かると、手の刃を思い切り振り下ろす。対するカニは身体を鉄にして刃衝突時の衝撃を減らすと、身体を振り回しガブリアスを近くから吹き飛ばす。

 

「グオ!」

 

「てっぺきに…あの技はストーンエッジか…中々ガチってるなありゃ…モトトカゲ!コジオをそのまま頼むぜ…!」

 

「グオ!?」

 

「コジ!」

 

 コジオはモトトカゲの手からスルッと抜けるとカニが向かってくる中でまきびしを撒き散らす。カニはまきびしに怯ませられながら動きを中断。まきびしを吹き飛ばして行く。

 

「まきびし!?お前エグい技覚えてんな…!」

 

「コジ!」

 

「ンガァニ!」

 

「ガブリアス、だいちのちから!」

 

 ガブリアスが地面を叩きつけるとひび割れた場所が一気に火のような形でカニに放出。しかし見た目は鈍重そうに見えるカニだが動きは過敏。ひょいとかわすとそのまま地面を叩きつけ、岩の突起物を再びキョウスケに向かわせてくる。

 

「ヨクバ…」

 

「グオ!」

 

「おいモトトカゲ!」 

 

 こちらに向かって何回か突出してくる岩の突起物に対してキョウスケの指示関係なく向かっていったモトトカゲは自慢の爪で岩を粉砕した。キョウスケが感心していたその時。その粉砕された岩の後ろにいたカニがハサミでモトトカゲを吹き飛ばす。

 

「モトトカゲ!」

 

「ンガァニ!」

 

「ヨクバリス!じだんだ!ガブリアスは…」

 

「ンガニ!」

 

「数で攻めて来やがって…!」

 

 ヨクバリスがさらに向かってこようとしたカニのハサミを土の壁を作り出して防ぐ中、ガブリアスが吹き飛ばされたモトトカゲに近寄る。この巨大カニはこのカニ達の親分なのだろうか。群がってくるカニ達に対してキョウスケは全員を出し全員に指示を送る。

 

「みんな周りにいるカニを頼む!このでけえのは俺たちがどうにかする!」

 

「グオ!」

 

「ホゲワ!」

 

「チュチュ!」

 

「ンガァニ!」

 

 ガブリアスがキョウスケの付近にモトトカゲを置いて帰って来た中、ウネルミナモ達が必死に群がってくるカニ達を応戦。どうにか吹き飛ばして行く中で再び近づいてこようとした巨大カニの前に出るコジオ。当然叩きつけられるが、どうにかバリアを張り込み防ぐ。

 

「まもるか…!やるじゃねえか…!ヨクバリス、ボディプレス!吹き飛ばしてやれ!」

 

「ヨクバ!」

 

 少し驚いたカニにヨクバリスは足元を勢いよく蹴り出し一気にカニに接近すると、そのままタックルを喰らわしカニを再び吹き飛ばすが地面を抉りながらもとある壁前で踏ん張る。少しふらついたようなそんな動きを見せたカニだが、とある壁の方に振り返る。

 

「…?」

 

 カニは壁を破壊するとそこからこぼれ落ちた草のような物を拾い上げるとそのままムシャムシャと食べる音を響かせる。どんどんとオーラを纏って行く中、カニ達を蹴散らしながらどうにかその場にペパー達が合流。キョウスケに駆け寄る。

 

「キョウスケ!大丈夫か!」

 

「遅いぜお前ら。俺一人でどうにかなると思ったよ」

 

「どういう状況?」

 

「とりあえず第二形態って感じだな。とりあえず気合い入れろよ!」

 

 ペパーがシェルダーを場にネモがウェーニバルを出す。アオイはニャオハを出す。そう構えているとカニがこちらに振り返り、オーラを出しながら咆哮を上げる。

 

「ところでコイツら何なんだよ?カニなのは分かるが…!」

 

「ガケガニだ。いわタイプ。見る限り奴が大将みたいだな!」

 

「周りにいるガケガニは?」

 

「知らん。オマケみたいなもんだろ」

 

「ンガァニ!」

 

 目を赤くしながら咆哮を上げるガケガニ。気絶していたモトトカゲが目を覚ますと若干遠くにいたコジオとホゲータさらにシェイミが歩み寄る。励ますように3体が声を上げる中、モトトカゲは少し悔しそうに背後のガケガニ達を見据える。

 

「お前シェルダーなんてどこで捕まえたんだよ?」

 

「今聞く事じゃねえだろ。来るぜ!」

 

「ンガァニ!」

 

 ペパーにシェルダーについて質問する中、キョウスケがニヤリを笑みを浮かべながら巨大なガケガニを見据える。ガケガニは声を張り上げるとそのままキョウスケ達に向かって来る。

 

 その中でアオイがニャオハに指示を出す。

 

「ニャオハ!このは!」

 

「ニャ!」

 

 ニャオハが葉を飛ばす中、ガケガニが葉を粉砕。ニャオハにそのままガケガニが体当たりをかまし、ニャオハを吹き飛ばすとそのままニャオハは戦闘不能。アオイが驚く中全員がガケガニから離れて再び見据える。その中キョウスケは苦笑いを浮かべていた…




見てくださりありがとうございます。また次回も頑張りますー。


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オラカカロットじゃねえ!キョウキョウスケだ!!

お疲れ様です。命です。まあ予告していた通りギャグは少なくする予定です。ご了承の程よろしくお願いします。


 前回のあらすじ!今思い切り戦っているのにあらすじを語っとる場合かぁ!

 

「ンガァニ!」

 

「シェルダー、ちょうおんぱ!」

 

「ウェーニバルそれに続いてアクアステップ!」

 

 ガケガニが声を張り上げて迫ってくる中シェルダーは音波を出してガケガニにぶつけていく中でウェーニバルは音波で若干怯んだガケガニに攻め入る形で蹴りを入れていく。少しふらついていたガケガニだったがそれは音波による物。すぐにウェーニバルに向くと身体を振り回しウェーニバルを近くから吹き飛ばす。

 

 アクアステップが効いていない事に驚いたネモだったがアオイが…

 

「もしかして音波も効かなかった感じ…!?」

 

「嘘だろ…!効いていた素振りは見せていたぞ!?」

 

「ンガァニ!」

 

「ヨクバリス、じだんだ!」

 

 勢いよく足を動かすとそのままキョウスケ達の方に向かってくる。ヨクバリスが地面を叩きつけるとそのまま土の壁を作り出し、ガケガニの突進の勢いを減らしにかかる。だが勢いがまるで衰えず視界をずらした程度、それを見たキョウスケがガブリアスに指示を出す。

 

「ガブリアス、かわらわり!」

 

「援護するよウェーニバル!インファイト!」

 

「ンガ?」

 

 ガブリアスとウェーニバル共に足元を蹴り出すとそのまま大きくジャンプをするとそのままガブリアスは腕、ウェーニバルは足を突き出すがガケガニが体を鉄に変えると攻撃をかき消す。キョウスケとネモがそれに大きく驚く中、ネモが歯を食いしばりながら…

 

「てっぺき…!?野生のポケモンなのに?」

 

「コイツ、ストーンエッジとクラブハンマーも覚えていたぞ。元々覚える奴なのか?」

 

「クラブハンマーも?クラブハンマーはジニア先生の話では卵から生まれた個体しか覚えないって…!」

 

「後もう一個はなんだ…!?明らかに野生個体にしては強すぎだぜ!?」

 

「きしかいせい…ニャオハへの突進の仕方で何となく分かった気がする」

 

 アオイの言葉で4つ目の技がきしかいせいじゃないかと言うのが判明。ガケガニが相変わらず声を張り上げる中、キョウスケが息を吐きながらヨクバリスとガブリアスの方を見つめる。ガケガニがオーラを纏いながら向かってくる中…

 

「これがきしかいせい!?」

 

「多分!」

 

「シェルダー、もう一回行くぞ!ちょうおんぱ!」

 

「ガブリアス!だいちのちから!」

 

 シェルダーがもう一度ガケガニに音波を放つ中でガケガニは先程とは違い、全く怯む素振りを見せる事なく突撃してくる。ガブリアスがだいちのちからを打ち込みにかかったが関係なしに目の前へ。キョウスケがこれに少し驚いた反応を見せながら…

 

「ヨクバリス、カウンター!」

 

「ンガァニ!」

 

「ヨクバ!」

 

「ホゲ!」

 

「ホゲ?」

 

 ヨクバリスに浴びせようとしたきしかいせい。然しどこからか目に浴びせられたひのこによる爆発でガケガニは技を中断。ガケガニは目をパチパチさせながら後ろに下がりながら体勢を立て直しにかかる。キョウスケ達が後ろに向くとホゲータとシェイミ、そしてモトトカゲに抱き抱えられたコジオの姿が。

 

「小さな援軍って事か。へ…心強いな!」

 

「ンガァニ!」

 

「もう一度来るよ!」

 

「上等だ!巻き返そうぜ!」

 

 ガケガニが地面を叩きつけ岩の突起物を向かわせてくる中、シェイミが葉っぱを出し突起物を真っ二つにしていく。その間にガケガニが迫ってくる中でペパーが指示を出す。

 

「シェルダー、みずでっぽう!」

 

「ウェーニバル、こごえるかぜ!」

 

「ホゲータ、目眩しでいい!ひのこ!」

 

「ホゲ!」

 

 ウェーニバルのこごえるかぜで少し勢いを弱めたガケガニだったがそれでもシェルダーのみずでっぽうをかき消しながら、キョウスケ達の目の前へ。ホゲータのひのこでようやく怯んだがそれを好機とみたネモがウェーニバルに指示を出す。

 

「今だウェーニバル!インファイト!」

 

「ンガ!」

 

「コイツまさか…!よせネモ、罠だ!」

 

「っ!?」

 

 足元を蹴り出しガケガニに迫るウェーニバル。然しそれはガケガニの罠。ガケガニは迫ってきたウェーニバルに視線を向けると腹部にハサミをぶつけて吹き飛ばした。まさかの一撃ノックアウト。そのまま戦闘不能となった。ネモがそれに若干驚きを見せる中…

 

「コイツ…あんな事もやってくるのか!?」

 

「そういえばウネルミナモは…?」

 

「アイツが踏ん張ってくれてるからシェイミ達がこちらに来てると思うが…」

 

「ンガァニ!」

 

「コジ!」

 

 ウネルミナモは未だに押し寄せる小さなガケガニを迎撃する中でヌシのガケガニがハサミを振り上げる中、コジオがバリアを張り込みガケガニの一撃を防ぎこむがバリアを割られコジオが吹き飛ばされる。ガケガニがさらに攻め寄せようとする中で…

 

「シェルダー!まもる!」

 

「ヨクバリス、ワイルドボルト!」

 

 ガケガニが再びハサミを振り下ろそうとする中、シェルダーにペパーはまもるを指示。バリアを張り込む中その間にヨクバリスがガケガニに電気を纏いながらタックルを食らわしガケガニをシェルダーから引き離す。どうにか引き離したものの、苦戦はしている状況。

 

 動けずにいたモトトカゲにキョウスケは…

 

「モトトカゲ。ウネルミナモを呼んできてくれ。もしかしたらヨクバリスやガブリアスもやられるかもしれない。頼めるか?」

 

「グオ!」

 

「ンガァニ!」

 

「体力が桁違い過ぎるよ…!」

 

 危機感を募らせたキョウスケがモトトカゲにウネルミナモを呼んでくるように告げる。手汗も緊張からか出てくる中で声を張り上げたガケガニがキョウスケとペパーに押し寄せる。シェルダーにもかなり疲れが見えている中でシェイミが前に出る。

 

「チュチュ!」

 

「ペパー!コジオを頼む!シェルダーも疲れ切ってるから休ましてやった方がいい!」

 

「でもキョウスケ!」

 

「こんだけいるんだ。ある程度は持つ…!」

 

「ンガァニ!」

 

 ウネルミナモの元にモトトカゲが近寄ってくる中、ガケガニはシェイミを吹き飛ばそうとする中シェイミがバリアを張り込む中でガケガニの勢いを食い止める。ペパーもシェルダーやコジオの救援に向かう中でキョウスケがガブリアスに指示を出す。

 

「ドラゴンクロー!」

 

「チュチュ!」

 

「よく持ってくれたシェイミ!」

 

「ンガ!」

 

「っ!」

 

 シェイミがバリアの効力がなくなって吹き飛ばされる中、ガブリアスがガケガニに切り裂きに掛かる中、ガケガニが再び体を鉄にしながらガブリアスの一撃を食い止める。キョウスケが歯を食いしばる中ガブリアスに向かって体をオーラを纏い始めたその時だった。

 

「グッ!?」

 

「っ!?水!?」

 

「ンガ!?」

 

 ガブリアスが何とか離れる中、ガケガニに水が命中。ガケガニが水を振るい落とす中、その場に現れたのはウネルミナモ。ウネルミナモはキョウスケの前に姿を現すとチラッと見つめる。全員が驚く中キョウスケがニヤリと笑い…

 

「待っていたかのようにこっち見やがって…!行くぜミナモ!」

 

「グオ!」

 

「ンガァニ!」

 

「ハイドロスチーム!」

 

 ウネルミナモが目を思い切り開けると迫ってきたガケガニに対して口から水を打ち込み、ガケガニがそれを突っ切ろうとするが勢いも止められるが水の勢いを強くしガケガニを完全に吹き飛ばす。これを見て驚いたのはネモやアオイ達。

 

 キョウスケも思わずエグ…と言葉を漏らすような一撃でガケガニも少し疲弊していたとはいえ一撃で戦闘不能。キョウスケは思わずその場にしゃがみ込む。

 

「ペパー。コイツ…エリアゼロのポケモンと言ったな?」

 

「あ、ああ…」

 

「ビビったよ。あんなに俺たちが四苦八苦していたのに一撃で吹き飛ばしやがった…」

 

 キョウスケがウネルミナモを見て苦笑いを浮かべる中、ウネルミナモは当たり前かのようにキョウスケに振り返る。場が静まり返る中キョウスケ達はガケガニが開けた穴に目を向けるのだった…




次回は思い切りふざけながら本心に触れる予定です。
バトルもいいですけど、まあこの作品はギャグですよ。
次回もよろしくお願いします。


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真面目?人生は全てギャンブルzoy!

お疲れ様です。一イベントが終わった後なんで難しいですけど出来る限り進めて行きたいと思います。


 前回のあらすじ!前回については!前回を見ろジョジョォ!

 

「洞窟内なんだから騒がないでよ響くでしょ!?」

 

「誰が洞窟だって言ったんだゴラァ!」

 

「ガラ悪いなぁ…」

 

 ヌシのガケガニを見事撃破しガケガニが開けて行った穴を捜索するキョウスケ達。もちろん先頭はスパイス探しを提案していたペパー。キョウスケの叫び声が穴中に反響して聞こえる中、先頭でライトを照らしていたペパーがピタリと一度止まるとすぐにダッシュして行く。

 

「おいどうしたペッパー!コショウでも見つかったのか!」

 

「ペパーだしスパイス!何もかも間違ってんじゃん!」

 

「私は一向に構わん!」

 

「こっちが問題だよ」

 

「見ろお前らこれが噂のスパイスだ!本当に本に書いてある姿のまんまとは思わなかったけどな」

 

 ピンク色に輝きを放ちながら穴奥に咲いていた一輪の花。少し荒らされたような跡がある事からここには元々何個かの花があったと思われる。アオイがキョウスケにツッコミを入れ、ネモが呆れた表情を浮かべる中ペパーはそんな事気にせずに3人を見つめながら語りかける。

 

「お前ら飯だ!俺がこのスパイスを使ってうんまいのを作ってやる!」

 

「もちろん俺が10割なんだろうな!?」

 

「欲張りちゃんだな!?もちろん皆んなでに決まってんだろ!」

 

「じゃあピクニックと洒落込もう!」

 

 ペパーの語りかけでガケガニ達が戻ってくるまでではあるがピクニックがスタート。机を作り込みペパーが感謝しながらスパイスを回収。そこからパルデア名物サンドイッチを作っている間、その他のメンバーはポケモンを全員出し傷ついたポケモンの回復に当てる。

 

 もちろん野生の身ながら頑張ってくれたコジオも労いとして傷薬で回復して行く。

 

「コジ!」

 

「ホント大活躍だったよね!ナイスファイトだよ!」

 

「それはいいけどよキョウスケ。ソイツどうするんだ?野生だろ?そのまま返すのか?」

 

「んな訳ねえだろ張り倒すぞペッパー」

 

「口悪いちゃんだな!?てか誰がペッパーだ!」

 

「俺ボール持ってないしよ。買う金もねえし。誰か預かっといてくんね?コジオに付いてくる意思…」

 

 コジオはキョウスケの言葉の最中で声を張り上げた。付いてくる意思は既にありそうだ。ネモもアオイもポケモンセンターでボールを買って来ていない。残るはペパーという所だが3人の視線がペパーに行く中でシェルダーがコジオに近づいて行く。

 

「シェル!」

 

「コジ!」

 

「お、おいお前ら…」

 

「丁度いいじゃんペパーが引き取りなよ。ボールもペパーしか持ってないんだし」

 

「簡単に言うけどなぁ…」

 

「コジ!」

 

 コジオの声に押される形でペパーがコジオを引き取る事に。実際にキョウスケ達について来ていただけで何も指示を受けていなかったコジオ。ペパーが意思を固めるとコジオは嬉しそうに声を上げる。サンドイッチが徐々に完成して来た頃、ペパーのスマホロトムに連絡が入る。

 

 通話主はオーリム。ペパーの承諾でキョウスケ達が代わりに出る事に。

 

「君たちは確かペパーの付き添いの…」

 

「ロムスカ・パロ・ラピュタです」

 

「ややこしくなるからキョウスケは黙ってて」

 

「ロムスカ・パロ…」

 

「反応しなくて大丈夫です!」

 

 通話主のオーリムにペパーの代わりに出たという事を伝え、本人も聞いている事を伝えると話を拗らせてくるキョウスケのボケをかわしつつオーリムは話を続ける。ガケガニを退治したという事が彼女の耳に入ったらしくその話によると…

 

「STCのアジトを襲っていたポケモン達がいなくなった?」

 

「ああ。ケンタッキーのフライドチキンの」

 

「ふ、ふざけて来ただと…!?」

 

「冗談だ。君たちが近くの反応を退治してくれたおかげだろうな。精錬されていた動きをしていたガケガニ達も通りかかった人に襲わなくなったとの事だ」

 

 あまりに奇襲過ぎるオーリムのボケにキョウスケが驚かせられる中、オーリムは真顔で切り返すと周辺のポケモン達が襲わなくなったとの情報を入れてくれた。ネモ達はオーリムに感謝すると…

 

「さてここからは少しプライベートの事を話したい。ペパーに変わってくれるか?」

 

「いいよ母ちゃん。俺がそのままちょっと離れる」

 

「おい隠し事かてめぇ!」

 

「いやいやさすがに親子の話題をお前らには出来ねえよ」

 

 キョウスケがペパーに突っかかるがガブリアスにぶん殴られて地面に叩きつけられる。ペパーが気遣いで一旦サンドイッチ作りを中断。電話しに穴外に出る。キョウスケが7秒で起き上がる中置いてかれた3人はと言うと…

 

「オーリムさんは一体ペパーと何を話したいのかな?」

 

「そらお前あの頃はこんなんだったのにその態度はなんだという…」

 

「ないね」

 

「あるかもしれないだろぉ!?」

 

「だから響くんだって叫ばれると!」

 

 再びキョウスケが叫び声を発しアオイが耳を抑える中、ネモは相変わらず呆れたような反応を見せる。ペパーがいない間にヨクバリスと共に踊り始めたキョウスケ。何で急にそんなにハイテンションになったかは誰にも分からないが、アオイとネモが真顔で見つめる中戻って来たペパーが驚いた反応を見せる。

 

「え?何やってるんだ?」

 

「サンドイッチ食べたい儀式」

 

「サンドイッチ関係あったんだそれ…」

 

「アナタもどうぞ?」

 

「パスで…」

 

 キョウスケとヨクバリスに急かされる形でサンドイッチを作り込んでいくペパー。一息を吐き出来た事をアピールしたのだがキョウスケとヨクバリスが顎を突き出しながらペパーを見つめる。今度はウネルミナモにしばかれてヨクバリスとキョウスケが壁に叩きつけられる中、ペパーは息を整えると…

 

「今分けるから待ってろ…」

 

「いやそこは私達もやるよ」

 

「独り占めする気か!許せん!」

 

「良くすぐに起き上がれるよね…」

 

 ペパーが若干驚いたようなそんな反応を見せる中、ペパーの言葉に従う形の量を持って行く。当然一個ではなく4人分のサンドイッチ。当然1人ずつ持って行った訳なんだがペパーは3人に語りかける。

 

「あー…すまねえちょっと風に当たって来ていいか?」

 

「サンドイッチ持ちながらか?」

 

「あ、ああ。コジオやシェルダーにも食わしてやろうと思ってな」

 

「いいよ。何かあったら言ってね」

 

 ペパーがその場をシェルダー達と共に去って行く中、サンドイッチを分けて行くキョウスケに群がるポケモン達。それを見たネモがウェーニバルにサンドイッチを分けながらキョウスケに語りかける。

 

「良くそんなにすぐポケモンと仲良くなれるよねキョウスケ」

 

「ネモさん?」

 

「私も時間かかったのに…」

 

「何だお前。さっきやられたから自信失ってんのか?」

 

「ち、違…!」

 

「俺がしてるのはとりあえずポケモンを信じてやる事だ。…真面目に語りたくねえからこれしか言わねえけどよ」

 

 キョウスケの言葉に思わず笑みを浮かべたのはアオイ。それを聞いたネモがウェーニバルを見つめる。図星を突かれたような反応した彼女に対してキョウスケはサンドイッチを全員に分けた後に呟く。

 

「何を思っているか俺には分からないけどよ。人生はギャンブルゾイという事だ」

 

「かー!真面目な話が台無し!」

 

「この作品からギャグを捨て去ったら何が残るってんだ!」

 

「…あはは!やっぱりキョウスケといると飽きないやホント。ここでふざけてくるんだもの」

 

 ネモがキョウスケの言葉に呆気に取られた後にアオイの一言から大きく笑みを浮かべる。ウェーニバルもネモを隣から励ます中ネモはウェーニバルに対して頷きながらアオイとキョウスケの方を見つめる。

 

 だがその笑みはまだ乾いているようなそんな雰囲気が少し垣間見えた…




ちょっとギャグが少なくなってしまいましたね。次回はもう少し動くかと思います。まあ今回はこれで勘弁してちくりー。


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君は完璧で究極のゲッター!チェンジッ!!

お疲れ様です。命です。
今日は次までのもう一イベント回となります。
物騒にしてやろうと思いましたが平和なのが思いついたのでそっちを書きます。


 前回のあらすじ!前回については前回の富士山を見るんだ!分かったか!

 

「富士山…?」

 

「富士山を知らないとは貴様は四天王の中でも最弱…」

 

「最弱じゃないもん!」

 

「対抗するところそこじゃねえだろ!」

 

 ガケガニが守っていたスパイスの在処である程度休息を取ったキョウスケ達。ネモが宿泊の連絡を取ったボウルタウンのホテルに向けて再出発を切ったのだが、ボウルタウンに向かう以外は何も決まっていないのは事実。ペパーにネモが突っ込まれつつ賑やかに向かっていると…

 

「とりあえずボウルタウンに向かって…そこからどうするの?」

 

「決まっているだろカス!そこでイチャコラをするんだよ!」

 

「色々アウトな発言なんだけど!?」

 

「何!許さんぞペパー貴様!」

 

「八つ当たりちゃんかよ!?」

 

 キョウスケがピクニック後に休んだ影響からかいつも以上に変な言葉を言い放つ中、そのキョウスケのボールの中からヨクバリスが出るとキョウスケと共に3人を煽り散らかすかのように変な踊りをし始める。何かに似せているんだろうが当然誰も分からない。

 

「さあ!ぶっ飛ばされる覚悟は出来たか!」

 

「貴様らにガンダムファイトを申し込む!」

 

「ああもうめちゃくちゃだよ…」

 

「ネモ…」

 

「え!?私!?しょうがないなぁ…」

 

 ネモは呆れながらウェーニバルを出すと挑発の構えを取っていたキョウスケとヨクバリスを攻撃させ両方の腹部に一撃加える事で気絶させる。ペパーやアオイから拍手が起きる中これで良かったのかと言う風にネモの方を見つめるのはウェーニバル。

 

 ネモが頷いていると気絶していたキョウスケとヨクバリスが立ち上がる。そして再び顎を突き出しながら一行に攻撃しようとしたその時だった。どこかから鳴き声が聞こえキョウスケ達はその動きをぴたりと止める。

 

「何だ今の鳴き声は!教えはどうなってんだ教えは!」

 

「教えはともかく何か声聞こえたな」

 

「キョウスケ、後ろ!何かポケモンがいる!」

 

「背後を狙うとは卑怯な!その姿見せてみい!」

 

「ヨンギ!」

 

「ヨンギ?」

 

 キョウスケが背後に振り返ると再びキョウスケの視界から消えたポケモン。一体のポケモンがキョウスケが振り向いた方向とは逆側の方向に姿を見せる。ペパー達からはその姿はダダ漏れな訳だがキョウスケとヨクバリスは未だ発見出来ていない。見つけたアオイがペパーに…

 

「ねえあれヨーギラスだよね?」

 

「ああ間違いねえヨーギラスだ」

 

「でも何でヨーギラスがこんな所に?」

 

「おい!いねえじゃねえかポケモン!3人ともふざけているとじっちゃん手製のかめはめ波を喰らわすぞゴラァ!」

 

「また後ろにいるよ」

 

「何!ヨクバリスはそのままだ!俺は攻撃を行う!」

 

 色合い的にその姿はヨーギラスというキョウスケがかつてガリュウと戦った際に出てきたバンギラスに進化するポケモン。キョウスケがヨーギラスの方に向いている間にヨクバリスはそのまま。キョウスケの背後に再び回った際にヨクバリスに持ち上げられるとそのままキョウスケの方に振り返る。

 

「ヨンギ!」

 

「さあ貴様の罪を数えろヨンギ!こちょこちょで裁判を起こします!」

 

「おーいあんまりいじめてやんなよ。親もいるかもしれねえからな」

 

「いつから私がこちょこちょで訴えると確信していた?」

 

「ペパーは四天王の中でも…」

 

「いちいち煽らないと気が済まんのかお前らぁ!」

 

 ヨーギラスを捕まえたキョウスケ達に対して一つ軽めに忠告をしたペパー。然しキョウスケとヨクバリスが再び煽った表情からペパーを煽るとペパーが声を張り上げる。72キロもあるヨーギラスを軽々とヨクバリスは持ち上げながらキョウスケとダンスを踊る始末。

 

 そんなボウルタウンも少し近くなってきた頃合いで怒涛の勢いで何かが起きて行く。ネモが見たのはキョウスケ達の後方から迫ってくる若い男女。ヨーギラスはその男女を見て目を逸らす。

 

「あ、すいません。そのヨーギラス僕のポケモンで…」

 

「捕まえてくださりありがとうございます」

 

「ええ?ポケモン?ポケモンだって!?その必要はない!返す必要なんて全然ないのよ!」

 

「ち、ちょっとキョウスケ!他人のポケモンなら…!」

 

「そうですよ!僕たちのポケモンなんで返してください!」

 

 ヨーギラスの反応を見てか。キョウスケはわざと聞いていないふりをして誤魔化すとネモに悟られながらも頑固に言い張る。女性がヨーギラスに近寄るもヨーギラスは目を逸らす。少し怯えた反応で。何かあるのか。アオイは少しばかり気になった。

 

「失礼な事を言いますけど…」

 

「アオイ?」

 

「アナタ達のポケモンなら普通は怯えないと思うんです。怯えるというのはアナタ達に拒否反応や恐怖を抱いていると思うんですけど…」

 

「アナタ達に関係ないでしょ!?」

 

「いいや関係なくないね!このヨーギラスが俺たちを頼ってきた地点で全てが究極で完璧のマイフレンド!」

 

「訳が分からない!ほらヨーギラスを返して!」

 

 若い男女はアオイやキョウスケの言葉に苛つきを見せ強引にヨーギラスに近寄ろうとする。片方だけならまだしもこのヨーギラスは2人に対して怯えている。近寄っても抱え込んだまま2人から離れるヨクバリス。男性が信じられないという反応を見せると…

 

「信じられない!警察に言わせていただきます!」

 

「お、おい!何か理由があるかもしれねえがさすがに警察を出されるのは…」

 

「うっせえ!ポケモンの反応が真実なんだよ!こうなったら貴様ら2人にガンダムファイトを申し込む!」

 

「が、ガンダムファイト!?」

 

「ちょっとキョウスケ!そのガンダムファイトは洒落にならないって!」

 

「ヨンギ!」

 

 身体を黄金に光らせ男女を威嚇するキョウスケ。これは話が通用しない。片方が通報しようとしたその時だった。見守っていただけだったヨーギラスがヨクバリスに頼み込み、自身ごと男女の元へ。通報しようとしたロトムをヨーギラスが飛んでいる際に奪い取る。

 

 そしてキョウスケ達に向かって投げつける。キョウスケがそれを取ると映し出されたのはヨーギラスが虐待されている動画。然もSNSに拡散されているようだ。

 

「お、おい!彼女のロトムを返せ!」

 

「警察に行くべきはお前らのようだなカップルさんよ」

 

「ひ、ひでえ…!ヨーギラスはじめんタイプも入ってるのに水を浴びせて…!」

 

「た、戯れだ!」

 

「じゃあ俺とヨクバリスとも戯れてもらおうか!行くぞヨクバリス!松岡攻撃だ!」

 

 キョウスケとヨクバリスは横に並ぶとその場でダッシュしているような仕草で男女に迫って行く。その様子を呆れながら見ていたのはペパー達。謎の踊りで表情を変えないため怯えた男女がヨーギラスのモンスターボールを捨てて逃走。キョウスケ達はまだ追いかけているためアオイが手に持った。

 

「ヨンギ!」

 

「それにしてもよく分かったね?」

 

「察していたのはキョウスケだよ。私も言われなければ普通に2人側に入っていたと思う」

 

 そしてどこか不満そうな表情で帰ってきたキョウスケとヨクバリスにアオイはヨーギラスのボールを渡す。そしてどうして分かったかをペパーがキョウスケに尋ねる。

 

「どうして分かったかって?こういう場所でヨンギがいるのおかしいから不気味に思った。一瞬目を逸らしただろ?それで確信した」

 

「ヨンギ!」

 

「コジ!」

 

「お、おいコジオ!」

 

「キョウスケが助けたんだからね。今度はキョウスケが迎え入れなよ」

 

「しょうがねえなぁ」

 

 ヨーギラスが必死にキョウスケにモンスターボールを差し出す。コジオがヨーギラスと共に訴えそれをキョウスケが受け取るとヨーギラスをボールに入れたのだが、この後元の飼い主は書類送検を受けたのだが、同時に過激な煽りでキョウスケがボウルタウンで注意される事になった…




見てくださりありがとうございます。
ヨンギ事ヨーギラスさんが参戦となりました。
バンギラスにするかどうかは未定です。次もまたふざけます。では。


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貴様失礼だぞ!そんなに踊るのすきすきをしたいのか!

お疲れ様です。一イベント回の後ですね。今回もまだヌシポケモンとは当たりませんが物語についてちょっとだけ触れる回にします。
完全真面目じゃない予定なんでとりあえず書いていきます。


 前回のあらすじ!貴様失礼だぞ!そんなに修正されてゲッターになりたいのか!

 

「貴様の周りには今は誰もいない!残念だったな!」

 

「歯を食いしばれ!そんなデブ修正してやる!」

 

 ボウルタウンにて警察から厳重注意を受けたキョウスケ。その後警察の方から連絡があってアップルアカデミーのアキロゼから電話がかかって来たのだが、どうやらキョウスケと会いたいと言う記者がいるらしくペパーら3人がボウルタウンの探索に行っている間にその人物に会う事に。

 

 だがふざけないと気が済まないのか。お互いに煽るようなポーズを見せながら殴り合おうとしているキョウスケとヨクバリス。そんな周りの白い目なんて関係ないと言わんばかりの2人の元に…

 

「ヨンギ!」

 

「なんだヨンギ!俺たちは今決戦の最中…」

 

「グオ!」

 

「ぬわー!」

 

 近づいてくる人影に気づいたヨーギラスがキョウスケとヨクバリスに語りかけるもそれすら無視。するとガブリアスとモトトカゲがが2人に殴りかかり一旦気絶させる。そして7秒して起き上がったその時にキョウスケに近づいて来た1人の人物と向き合う。

 

「ハッコウシティでの警察から逃走、さらにボウルタウンでの警察からの厳重注意…どんな人物かと思いきや…これは色々な意味でぶっ飛んでますね」

 

「誰だお前は!」

 

「チュチュ!」

 

「ホゲワ!」

 

「そこ私が答える所なんだけどな…と言う事でお初にかかります。アマチュア大会チャンピオンキョウスケ。自分はキラ。パルデア地方にて記者を務めている者です。以後お見知り置きを」

 

 キョウスケ達の元に現れたのはメガネを付けたコート姿の女性。名前をキラ。パルデア地方にて記者を務めており彼女の作る記事の内容は攻めた内容がとんでもなく多くアクセス数なども多いらしいが、その分批判等も多いらしい。

 

 キラがホゲータやシェイミに苦笑いを浮かべている間にキョウスケは立ち上がり顎を突き出しながらヨクバリスと共にカンフーみたいなポーズで身構える。

 

「お前はブロリー!」

 

「今名前言いましたけど!?…コホン。ガラル地方にてガリュウを破った名誉者。アナタにとっては一幕かもしれませんが世界は大騒ぎですよ。そんなアナタがパルデアに来た理由は…」

 

「オモダカに夜の誘いを受けたから…ウゲバ!」

 

「ククク…アハハハ!いやはやインタビューでその言葉を出して来たのはアナタが初めてですよ!」

 

 ウネルミナモに尻尾でしばかれているその時にキラは大きく笑う。素を隠したがるのが人だ。どこまで本音か分からないが話を聞こうとしたらトゲよりもブラックなコメントが来て驚かせられた。キョウスケが再びキラの方に向くとキラは落ち着きながら…

 

「大体は想像出来ますがまんま書いて見ましょうか。そういえば知っていましたか?アナタが破ったガリュウさんもパルデアに来てるんですよ?」

 

「何!?あのギャグが通用しない野郎がパルデアに来ているだと!?」

 

「それは大変だ!パルデアを爆発させないと!」

 

「どう言う認識でいるんですか…変言のバーゲンセールですね。また会えたら容赦しないとは言ってましたね」

 

「こちらも今度こそお前をギャグでめちゃくちゃにしてやるって言っておけ!」

 

 人の話を聞いているのか聞いていないのか。キョウスケがキラに対して見せるポーズで周りにいた人物達はキョウスケに対しての白い目を若干強くする。背中からグサグサ来る視線にキラは少し気にするが全く気にした様子を見せないのがキョウスケ。

 

 舞を踊っているのか踊っていないのか分からない動きにここまで破天荒だとは思っていなかったみたいだが…少し息を吐くとウネルミナモを見つめながら発言する。

 

「噂ではありますがそのスイクンに似たようなポケモン。資料だけなので確かな事は言えませんがエリアゼロのポケモンだそうで」

 

「確かペパーもそう言っていたな。俺も詳しい事は知らん」

 

「ヌシポケモンも一撃で倒した実力だとか…」

 

「お前!どこかから見ていたな!?手伝えよアイツ仕留めるのに365日かかったんだから!」

 

「いやはや私はポケモンバトルの実力は…って!そんなにかかってなかったじゃないですか」

 

 キラもどうやらSTCをポケモンが襲撃する事件を追っていたらしく、キラがニヤリとした表情でそれを口に出すとキョウスケが不満そうな表情であっさり呟く。キラは少し動揺すると思ったのでこれには意外そうに息を吐く。

 

 するとキョウスケの方を見つめると…

 

「今度ヌシポケモンを退治しようかと言う時にまたお邪魔させて頂こうとは思いますが…アナタにとってパルデアのヌシポケモンを退治する意味は?」

 

「親友に頼まれたからだな」

 

「親友?」

 

「アキロゼだよ。お前記者なのに知らねえの!?プププ!」

 

「へ、へえ…結構煽りますねぇ…!当然知ってますよ。へえそんな所で繋がりがあるとは思いませんでした」

 

 少し適当な反応を見せた瞬間にキョウスケが煽ったために流石に笑みを浮かべながらもイラつきを隠せなかったキラ。探索を終えたペパー達がキョウスケの方に歩み寄って来ていたのを見てキラは最後にひと言告げる。

 

「そうだ。チャンピオンからも伝言があるんでした。あの時受けた屈辱は倍にして返してやるから土下座の準備をしておけとの事です。恨みは買い過ぎない方がいいですよ?」

 

「チャンピオン…ああ、自称チャンピオンの奴か」

 

「そんなの言ったらアナタを連れてきたオモダカさんが怒ると思いますけどねえ…ま、また会う機会があると思いますのでよろしくお願いしますね。それでは」

 

 キョウスケに深々と頭を下げてその場から去っていくキラ。そんなキラの横を通り過ぎたペパー達がキョウスケに近寄るなり不安そうな表情でこちらを見つめてくる。キョウスケが語ろうとしたその時、ネモが…

 

「誰かと思えばマスコミの人?」

 

「なんか大江戸青少年とか言ってたぞ」

 

「言ってねえだろ」

 

「何か変な事聞かれた?」

 

「今後に狂いが出そうな事は言っとらん。挑発しようとはしていたがな」

 

 ネモ、アオイ、ペパーの問いかけに淡々と答えていくキョウスケ。するとペパーがキョウスケと離れている内にあったと言うオーリムからの連絡をキョウスケに報告する。

 

「首謀者は亡霊?何言ってんだ?」

 

「オージャの湖だっけな…何かそこからとんでもない気配を感じるらしくてな。何でも人を食って殺されたって言われてるポケモンの都市伝説を母ちゃんが話していて…」

 

「にわかに私達も信じられなかったけど…」

 

「な、何だよその都市伝説って…ギャグ小説でそんな噂を立てていいのか作者!」

 

「どこに向かって発言しているの?」

 

 最近とんでもなく大きなポケモンが目撃されていると言うオージャの湖。ペパーのスマホロトムをキョウスケのポケモン達全員が覗く中、そこから出されている気配がポケモンを変に気を強くさせているのではないかとオーリムは言っていると言う。

 

「そのポケモン…デカいと言うのは分かってるらしいが姿が分からないらしい。何かモヤモヤとしてるってよ」

 

「へえ…」

 

「変な事想像しないの!」

 

「何故バレた!?」

 

「とにかく丁度スパイスがある場所と被るし解決に向けて頑張らないとな!」

 

 ペパーが笑みを浮かべキョウスケとアオイが頷くがネモだけは何かペパーに向けて疑問を抱く。一瞬で表情を笑みに変えたがキョウスケはそれに気づいたが敢えて何も言わなかった。

 

 そんな事を中心に話し合う為にキョウスケ達は予約しているホテルにて休息を取る事に。1日が経ちスパイスポイントの前にあるハッコウシティにへと足を進めるのだった…




見てくださりありがとうございます。まあタイトルからみても明らかにふざけてますし、真面目回なら真面目なタイトルにします。
次回は再びハッコウシティの予定です。STC寄るか悩みましたがとりあえずどっちかだと思います。あくまで予定なんで。
では。


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お、お前は究極で完璧のドンキーコング!

お疲れ様です。命です。
最近本当にしんどいですけど彼らには関係ないのでふざけています。
タイトルも完全にふざけています。


 前回のあらすじ!何を言ってる!?不貞腐れる暇があったらバトルしようぜ!ピッピカチュウ!

 

「うお!?急に言い始めんなってびっくりするだろ!?」

 

「なんだぁ?お前有名なインストラクターがいる街だからって緊張してるのかぁ!?」

 

「有名なインストラクターって?」

 

「ネモさんそれ本人の前では絶対に言っちゃ行けない奴!」

 

 第二のスパイス巡りの為ボウルタウンを出たキョウスケ達はキョウスケがパルデアに降り立った際にたどり着いたハッコウシティを歩いていた。パルデア唯一の大都会であり、高級街であるハッコウシティを目の前にして緊張しているのはペパー。

 

 キョウスケはそんなペパーを煽っていたがそれ以上にハッコウシティについて何も知らないネモの発言にアオイが驚きながら一言呟く。そんな中ペパーは恥ずかしげに息を整えると…

 

「とにかくここを抜けたら鉱山らしき場所に出るらしい。早く抜けようぜ、全部がチカチカして眩しいぜ」

 

「お!?まさか陰キャさんでいらっしゃいますか?」

 

「一言多いちゃんだな相変わらず!」

 

「ハッコウシティって料理でも有名らしいよ。どこかで食べる?」

 

「俺も興味があるがキョウスケがなぁ…」

 

 ハッコウシティの街ガイドを見たアオイが笑みを浮かべながら呟くがペパーがキョウスケがいるから危ないと発言。その発言が余程不服だったのか目をガン開きにして何故か出て来たヨクバリスとともにキョウスケがペパーを見つめる。

 

 ふとキョウスケの方に振り返りその変顔なのか真顔なのか分からない表情に驚くペパー。そんな4人がポケモンセンターに差し掛かった所を歩いているとネモの足がふと止まる。ジーっとどこかを見つめているようだ。

 

「どうしたネモ?」

 

「まさかお前!伝説のマスターアジアに会ったと言うのか!?」

 

「話ややこしくなるから変なこと呟かないで!」

 

「それってアナタの感想ですよね?」

 

「うがあ!このコンビィ!」

 

 最終的に何もないで済んだのだが煽り顔でヨクバリスに煽られたアオイは少しイライラしたようなそんな表情を浮かべる。じっと見つめていたネモにはキョウスケの言葉は聞こえてなかったようだが、ペパーの言葉には何もないと呟いた。苦しんだのはアオイだけだった。

 

 現在昼の時間帯の為人も夜に比べては若干少ない中その一度止めた足を再度再開。そして一行の足がまた止まる。とある人物がそこにいたからだ。その人物がこちらに振り向くなり…

 

「おはコンハロチャオー!これはこれは元チャンピオンのネモ氏!そしてこないだの不審者!」

 

「誰が不審者だこの目玉焼き!」

 

「め、目玉焼き!?ボクは目玉焼きとかでは…ってどこに顔向けてんの!こっちこっち!」

 

「こ、こんにちはナンジャモさん…」

 

「な、ナンジャモ!?ナンジャモって…」

 

「そう有名なインストラクター…っておい不審者!何その煽り顔は!ビリビリさせるぞッ!」

 

 そこにいたのはハッコウシティジムリーダーにして有名インストラクターでもあるナンジャモ。当然元チャンピオンとジムリーダーの間柄。ネモとナンジャモは知り合いではあるのだが…関係なしに煽り倒すキョウスケに思わず牙を向けるナンジャモ。

 

 丁度ジムの受付前の所で遭遇した有名人にペパーとアオイはかなり緊張した様子になるが、気まずそうにするネモの隣でナンジャモを煽り倒そうと踊るヨクバリスとキョウスケ。だがボールから出て来たガブリアスにしばかれ地面に叩きつけられる。

 

「あれれ?チャンピオン氏、そんなキャラだった?」

 

「え?あ、ああ…久々だからじゃないですかね?」

 

「聞く方が野暮ってもんだろデジモン!」

 

「誰がデジモンだ!僕はナンジャモだぞ!」

 

「キョウスケ…挑む相手が間違っているぜ…」

 

 ガブリアスに平然と叩きつけられても尚、平然と立ち上がるキョウスケとヨクバリス。名前を間違えてかましてくるドヤ顔にナンジャモはまたしてもイラついた表情を浮かべていたが、ガブリアスを見つめてびっくりした用なら表情を浮かべる。

 

「ガブリアスじゃんん!?え!?今不審者の所から出て来たよね!?」

 

「あ…ナンジャモさんってでんきタイプの…」

 

「ストップそこの学生!それを言っちゃダメ!」

 

「じゃあガブリアスを前にしたらコテンパンと言う事だな!?」

 

「コイツ…チャンピオンを一回倒してるほどみたいなんで…」

 

「はあ!?ボクでも勝てなかったチャンピオンに!?どんなズルを使ったの!?」

 

 ペパーにさりげなく呟かれたナンジャモは身体を震わせながら大きく驚く。でも信じられないのは人を煽るように踊り倒すその仕草。ナンジャモにとってはムカつく事しか出来ないが、ナンジャモが呟いた一言にキョウスケがドヤ顔を浮かべながら…

 

「チャンピオン?へ!あんなもん雑魚の雑魚!クソ雑魚じゃあ!」

 

「かー!言い返せないのが余計にムカつく!で?チャンピオンキラーさんがわざわざハッコウシティまで来て何用でございましょうか?」

 

「く、口調が変わった!」

 

「ハッコウシティまで来た理由はな!ジュラル星人を倒す為だ!」

 

「そのジュラル星人とやらを倒す為の通り道です」

 

「ツッコミ放棄しないでペパー!」

 

 あまりにドヤ顔で言われた為にナンジャモはムカつきながらも無理矢理笑顔を浮かべながら呟く。ペパーがキョウスケがあまりにボケ倒す物だからツッコミを放棄する中、ナンジャモはわざわざキョウスケの前に道を開けながらその場を去ろうとする。

 

 アオイとネモがいいのかな…と困惑したような感じでその場から通り過ぎる中ペパーはナンジャモに頭を下げながら通り過ぎる。その前で堂々と歩きながら通り過ぎたのはキョウスケとヨクバリスだ。

 

「き、キョウスケ良かったの?あんなに…」

 

「お前はこの作品でボケるなと言うのか?」

 

「メタいメタい!」

 

「とりあえず…だな。ハッコウシティを通り過ぎた先の鉱山にスパイスはあるみたいだな。そこからは探さないと行けないがな」

 

「当然ヌシとやらもいるんだろ?」

 

「いるみたいだが…俺は詳しくは知らないな」

 

 アオイとネモがナンジャモがいた方を見て未だに気にした素振りを見せる中、ペパーがキョウスケの言葉に淡々と呟く中、気合いを入れ直したキョウスケが突如として気合いを入れ直した表情を浮かべるとその場に腕を回しながら立ち止まり…

 

「よっしゃ!そうとなると日が暮れない内にヌシの所までたどり着くぜ!」

 

「お、おい!そんなに焦らなくても…」

 

「臆病者はついてこなくても良い!ヨクバリス早くしろ!」

 

「はい!」

 

「1について!よーい…」

 

 ヨクバリスとキョウスケが走り出そうとしたその瞬間だった。その場にいたガブリアスと勝手に出て来たウネルミナモにしばかれて2人が地面に叩きつけられる。ネモとアオイが唖然とした表情を浮かべる中、キョウスケとヨクバリスがすぐに立ち上がり二体に反論する。

 

 そんなキョウスケ達が騒ぎ倒しながらハッコウシティを去ろうとしたその時。ナンジャモがいたジムの所にはとある男性が訪問していた。

 

「キョウスケはもう行ってしまったんだな?」

 

「い、いやあすいません。アナタ様の知り合いと聞けばすぐに連れ戻したんですが…」

 

「構わないよそれぐらいじゃないとキョウスケらしくない」

 

「お、追ってきたんですよね?」

 

「まさか。フラッとハッコウシティに来ただけさ。有名インストラクターがいるという話だからね」

 

 ジムに訪問した男性は現在アカデミーで臨時教師を務めているガリュウ。対応したナンジャモが完全に萎縮したようなそんな表情を浮かべながらガリュウを見つめる。ガリュウが見据えるのはキョウスケ達の背中。余裕そうに見える目は何を見ているのか。

 

 そんなガリュウの存在を知らずにキョウスケ達は先に進む…

 




見てくださりありがとうございます。
いやあハッコウシティを通り過ぎるだけのそんな回となりました。
まあそんな重要に物語は組んでないですから。
おふざけだけを楽しんでください。ではお疲れ様です。


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モグラ…?何だミミズか…ミミズゥゥゥ!?

お疲れ様ですー。今回第二のヌシまで進めようと思います。
バトル回になりますかね。しっかりギャグも挟みますのでよろしくお願いします。


 前回のあらすじ!そんな事をしている前にまだまだある誤植を探せボケェ!

 

「ああ…やられた…不意と始まるんだったコレ…」

 

「残念だったな!貴様の耳はお亡くなりになった!」

 

「せめて予告してよ!」

 

「予告するギャグがあるとでも思うのか?」

 

「分かるけどその顔なんなんだよ!」

 

 今回のあらすじで被害を食ったのはネモ。キョウスケの隣にいた為急に叫び始めた彼の近くから耳を抑えて離れる。ネモから反論を受けたがキョウスケは何を言っているんだとばかりに煽る顔をして呟き返す。言っている事は真っ当なのだが顔に説得力がない。

 

「その場でガンダムファイトとかしないでよ…ん?」

 

「んだとゴラァ!おいアオイ!どこ向いてんだコラ!」

 

「前に誰かいるな…」

 

「何してるんだろ?」

 

 アオイが呆れながらの一言を発するとキョウスケが顎を突き出してアオイに顔面を近づけるがその他のネモやペパーも前方に目をやる。するとそこで遠くを見ていた女性の姿。キョウスケを含めた4人が恐る恐る女性に近づくと女性が4人の方に振り返る。

 

 眼鏡にコート姿の女性。ペパー達3人は知らないがキョウスケは知っている人物だ。

 

「おや?また会いましたね昨日以来でしょうか」

 

「お、お前はラキ!」

 

「キラです!お三方はお初ですね。キョウスケさんに取材をさせて貰った者です。名前をキラと言います」

 

「女性の方だったんだ…キョウスケがセクハラとかしませんでした?」

 

「お前は俺をセクハラマシーンとかでも思ってんのか!さすがにしねえわ!」

 

「セクハラ…ある意味言葉では受けましたね」

 

 そこにいたのはキラ。昨日ボウルタウンにてキョウスケに取材をしていた人物だ。アオイから受けた質問にキラが何かを企んだような表情で答えるとペパー達3人の視線がドン引きしたような感じでキョウスケに傾く。キラの言葉にキョウスケは必死に反論する訳じゃなく固まるだけ。

 

 キラがその様子を見て笑みを浮かべているとペパーのスマホロトムが鳴り響く。

 

「おやスマホロトムが鳴ってますよ?」

 

「え?」

 

「クラベル校長からだ。ペパー何かやった?」

 

「いやいや!何も…」

 

「電話して来なよ2人とも」

 

  ペパーの電話を鳴らした正体はクラベル校長。何故校長からなのか。それは全く持って分からないがとりあえずネモからの一言でアオイとペパーがその場から離れる。忙しいんですねえとキラがニヤリと笑いながら呟くとキョウスケが彼女を指差し…

 

「てかお前!何でここにいるんだ!」

 

「何でって言われましても。ここに来る道中で地中から出る卵に遭遇しまして。辛くも逃げて来たばかりなんですよ」

 

「戦え!」

 

「ポケモン持ってません」

 

「今時いるんだ…ポケモン持ってない人…」

 

「逃げ足だけは早いですから、どうにでもなります」

 

 地中から出る卵とは一体何なのか。キラが襲われたと言うその対象を探るに為にひとまず彼女が通って来たと言う道中に案内してもらう事に。ただ彼女はポケモンを持っていない為バトルになったら逃げると言う条件付きだ。

 

 ネモがアオイに連絡しキョウスケとネモは案内してもらうためにキラに付いて行く。

 

「地中から攻撃してくる卵って何だよ。卵でも投げつけて来たのか!」

 

「スクランブルエッグなら食べるんですけどねえ…」

 

「そんな平和な話じゃないんでしょ?」

 

「平和だったらスクランブル交差点も要らねえぞ!」

 

「アナタの知識は頭、喉どちらから?」

 

「鼻から」

 

 キラの問いかけにキョウスケが真顔を浮かべながら鼻を指さすとキラはわざとらしく驚いた反応を見せる。ネモはそれを見て呆れた反応だ。少し坂道のような場所を上がり、クネクネしたような場所を横切りながら進んでいるとバイクのようなポケモンが視界に入りつつも…

 

「ねえキョウスケ!アレじゃない?」

 

「んだよある訳ないだろ卵なん…て」

 

 ネモが指差した場所にキョウスケは視線を向ける。するとそこにいたのは地中から口をパクパクさせながら辺りを覗いている赤いポケモン。見間違いかと思ってキョウスケが目を擦っていると、顔を顰めた瞬間にボールの中にいたヨクバリスのパンチが炸裂。

 

 キョウスケがヨクバリスに反撃しようとしていると背後にいたキラが…

 

「残念ながら違いますね。もっと大きかったですがあの色で間違いないです」

 

「確かミミズズ…だった気がする」

 

「ミッキーマウス?」

 

「その名前を出すんじゃねえクソリスゥ!」

 

「殴ったな!親父にもぶたれた事がないのに!」

 

 キョウスケがヨクバリスと殴り合いしている間にキラは何故か冷静に話す。ネモは当然そこまで冷静にはなれない。大きく息を吐いているとパクパクと口を出していたミミズズ達が一斉に引っ込んだ。キョウスケとネモが疑問に思っていると地面が揺れ始める。

 

 急な事で驚きを隠せずにいると地中から土の塊のような物がキョウスケ達の方に投げつけられて来た。

 

「な、何あれ!?」

 

「クソッタレ!ギャグでも扱いきれねえぞ!」

 

 キョウスケがすぐに口笛を鳴らすとヨクバリスがすぐに反応。ネモの前に出ると土の塊を破壊する。キラは何も言わずにその場から逃亡。この土の塊が投げつけられたその時には影も形もなかった。土の塊を投げつけた正体は再び土の中へ。

 

 逃がさないとばかりにキョウスケとネモがその正体を追いかけると大量のミミズズ達と共に現れたのはそのミミズズ達を遥かに上回る大きさのミミズズだ。

 

「ミミズズゥー!」

 

「ねえキョウスケ…キラさんは!」

 

「ほっとけ!喧嘩売って来た奴の方が先だ!」

 

「う、うん…!」

 

「ヨクバリス、じしん!」

 

 ネモがウェーニバルを出している間にヨクバリスは地面を叩きつける。ヨクバリスが叩きつけた地面から衝撃波が発せられ何体かのミミズズを吹き飛ばしたが何体かは効いていないような反応。デカい方に関してはビクともしていない。

 

「ミミズズゥ!」

 

「効いてないだと!?」

 

「気をつけて!そのミミズズ、どしょくと言うじめん技が効かない特性かも…!」

 

「何タイプだ?」

 

「はがね…」

 

「はがねなのにじめんが効かないだと…!?」

 

 効いていない反応を見せたミミズズに対してネモが横からキョウスケに呟く。キョウスケが歯を食いしばっている間に向かってくる小さなミミズズ達に対してネモが…

 

「ウェーニバル、インファイト!」

 

 向かって来たミミズズ達を殴り吹き飛ばして行くとデカいミミズズが地面を這うようにして迫ってくる。キョウスケはウネルミナモを出すと…

 

「頼むぜ!ウネルミナモ、ハイドロスチーム!」

 

「グオ!」

 

「ミミズズゥ!」

 

「効いてない!?」

 

 ウネルミナモが口から水を吐きつけたがミミズズは容赦なしに突っ込んでくる。ネモが驚いている間にミミズズが目の前へ。キョウスケがヨクバリスを再び口笛を鳴らし呼びつけると…

 

「ヨクバリス、受け身の態勢!」

 

「ヨクバ!」

 

「ミミズズ!」

 

「カウンターで吹っ飛ばせッ!」

 

 ミミズズの突進をヨクバリスが受け止めるとその巨大な図体を持ち上げ、思い切り後方に投げ飛ばす。壁にぶつかったミミズズは一度は倒れ込んだがすぐに立ち上がり、声を張り上げる。

 

「ウェーニバル、もう一度インファイト!」

 

「ミミ!」

 

「よせネモ!何か構えてる!」

 

 ミミズズに対して一発拳を叩き込み、そのまま何発も殴りつけるが身体を鉄にしていたからかダメージは軽微。そしてミミズズが声を張り上げると身体から浮き出た鋼の石のような物がウェーニバルに命中。ウェーニバルが一瞬にして吹き飛ばされ戦闘不能に。

 

「ウェーニバル!」

 

「カウンター系統か…!?そんな物も覚えるのか…!」

 

「ミミズズゥ!」

 

 驚くネモと歯を食いしばるキョウスケ。ミミズズはキョウスケ達を威嚇するかのように声を張り上げていた…




お疲れ様です。しばらくバトルとなります。
お楽しみください。


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ミミズズ、ギンッギンにキレております!

お疲れ様です。最近かけに書けなくて何とか今描いてる状態なんですけど、何時って?まあえらく遅い時間に書いたとだけ言っておきますね。


 前回のあらすじ!手始めにじゃんけんをしましょう。ガンダムファイト!レディーゴー!

 

「みんな出てこい!」

 

「キョウスケ…!」

 

「お前のウェーニバルを一撃で沈めるような奴だ…俺たちが足止めしてやっからペパー達を呼んできてくれ!」

 

「う、うん分かった!」

 

「お前ら援軍が来るまでの一踏ん張りだ!いくぞ!」

 

 キョウスケは待機させていた全てのポケモンをその場に出し、全員が臨戦態勢を整えている間にペパー達を呼んできてほしいとキョウスケはネモに語りかける。ホゲータ、ヨーギラス、シェイミの援護を受けながらネモはその場から一時的に離れる。

 

 それでも追ってこようとしたミミズズがいたが、モトトカゲがほのおのキバを中心とした技でミミズズ達を追い払って行く。

 

「そっちは任せるぜモトトカゲ!」

 

「グオ!」

 

「ミミズズゥ!」

 

「さあて…行きますか!ガブリアス!かわらわり!」

 

 キョウスケの語りかけに声を張り上げ、地面を抉りながらその場を蹴り出したガブリアス。何体かいるミミズズの間を一瞬にして通り過ぎ、巨大ミミズズの目の前でジャンプをする。回転しながら拳を振り下ろすとミミズズは肌をさらに硬くしガブリアスの一撃を止める。

 

「ウネルミナモ!ハイドロスチーム!」

 

「ガブリアス戻れ!」

 

 キョウスケ達にじわじわと来ていたミミズズ達をミナモのハイドロスチームにて薙ぎ払って行く。キョウスケの言葉を聞き、ガブリアスはトンと地面を踏みしめてジャンプするとそのままキョウスケの前にへと戻る。

 

「ミミズズゥ!」

 

「来たか…!ヨーギラス!シェイミ!ホゲータ!頼みがある!」

 

「ホゲワ!?」

 

「やれるな?」

 

「ヨンギ!」

 

「よっしゃ!」

 

 声を張り上げながら地面を這うように突撃してくるミミズズに対して、ヨクバリスやガブリアスさらにウネルミナモと行った面々はここでは動かなさい。キョウスケの目の前でミミズズが頭を振り下ろそうとしたその時だった。

 

「ヨーギラス、シェイミ!まもる!」

 

「ヨンギ!」

 

「チュチュ!」

 

「ミミズズ!?」

 

「行けホゲータ!やきつくす!」

 

「ホゲワ!」

 

 ヨーギラスとシェイミによるダブルでの守るにさすがに勢いを消し止められたミミズズ。だがそれだけで終わったら攻撃にはならない。しめとばかりに放たれたのはホゲータからの炎。ミミズズの顔面に命中し対したダメージを負っていないものの、そのままキョウスケ達から引き下がった。

 

「ナイス…!」

 

「ミミズズゥ!」

 

「モトトカゲ、ヨクバリスを乗せられるか!?」

 

「グオオ!」

 

「何を!?」

 

「まあ見てろ…!」

 

 ミミズズは咆哮を上げながら穴らしき所から出て来た手で思い切り地面を叩きつける。シェイミとヨーギラスの守るの効果がまだ残っている中、地面から衝撃波が発生する。仲間のミミズズ達が回復する中、ヨクバリスを乗せたモトトカゲはミミズズをかき分けていく。

 

 ミミズズがすぐ目の前になったタイミングでキョウスケが動く。

 

「ヨクバリス、ボディプレス!」

 

「モトトカゲはドラゴンクロー!」

 

 ヨクバリスがモトトカゲからジャンプしそしてモトトカゲはそのままの姿勢から上下からミミズズに攻め立てる。ミミズズは相変わらず肌を鉄にして防御体勢。ヨクバリスとモトトカゲの一撃は命中したがミミズズをふらつかせる程度にしか至らず。

 

 ミミズズは声を張り上げると身体から作り上げた鋼の塊をヨクバリスとモトトカゲにぶつけ、キョウスケ達の元に吹き飛ばした。二匹は喰らった影響からか戦闘不能に。

 

「ヨクバリス、モトトカゲ!マジかコイツ…!」

 

「ミミズズゥ!」

 

 キョウスケが歯を食いしばったその時だった。未だにミミズズがキョウスケ達に迫ろうとしているタイミングで自分に任せろとばかりにガブリアスが前に出る。ガブリアスの睨みを見たキョウスケは少しやばいという気持ちを抑え、ミミズズに見つめ返す。

 

 ヨクバリスとモトトカゲの事を他のポケモンに任せ巨大ミミズズとの一体一の闘いに持ち込む。

 

「ガブリアス、あなをほる!」

 

「ミミズ!?」

 

「見せてやらあ人間なりの戦い方を!」

 

 進軍しようとしたミミズズがガブリアスが地面に潜った瞬間に足を止める。ミミズズがあちこちを見ているとガブリアスが地面から突き出て、ミミズズに体当たりを喰らわせる。だがあなをほるはじめん技、回復されるというのは分かっている。問題はその後だ。

 

「それはやる前のプレゼントだ!やるぞガブリアス!アクア!ブレイクッ!」

 

 拳に水の波動を纏わせたガブリアスは咆哮を上げながらミミズズを殴りかかる。完全に油断し切っていたミミズズはこの一撃に耐えれず近くの壁に叩きつけられるぐらいに吹き飛ばされた。他のミミズズが息を呑みながらその場から逃亡。

 

 そして壁に叩きつけられたミミズズは一瞬にして目を覚ますと一時撤退とばかりに地面を這いながらその場を立ち去る。そのタイミングでネモと共にペパーとアオイが合流した。

 

「今物凄い音したが…ヌシポケモンか!」

 

「ああ。さっき追い詰めたばかりだ。まさかヨクバリスがやられるとは思わなかった」

 

「さっきの奴は!?」

 

「足跡を残して行きやがった。辿ればすぐ分かる筈だぜ」

 

「ヨクバリスが…あ、とりあえず回復させないと!お願いエルレイド!」

 

 ペパーと共に合流する際にアオイの仲間となったエルレイドにヨクバリスとモトトカゲは傷をいやしのはどうにて回復してもらう。ミミズズに追われる心配もなくなったがこの足跡を追っていけば再びミミズズはいるのだろう。キョウスケは気を引き締める。

 

「ペパー。お前も来るんだよな?」

 

「当然!ダチがここまでやってくれたんだ!後はサポートするだけだぜ!」

 

「ホゲワ!」

 

「お前もか?分かった。ネモはアオイと共にそこにいといてくれ」

 

「分かった。頑張って来て…!」

 

 倒れたヨクバリスとモトトカゲ以外のメンバーとペパーとのコンビでキョウスケはミミズズを追いかける。真剣な目つきで追いかけていくペパーとキョウスケの間には緊張感が走る。その足跡を追っていくとそこにはとある岩の前で休憩していたミミズズの姿が。

 

「で、でけえ…!」

 

「気をつけろよコイツ。ヨクバリスやウェーニバルと一撃で倒して来てやがる」

 

「い、一撃で…!?」

 

「ミミズズゥゥゥ!」

 

 キョウスケ達の気配を感じ取ったのだろうか。目を瞑っていたミミズズが目を開けるとキョウスケ達に向かって声を張り上げる。先程みたいに仲間のミミズズの存在はない。正々堂々と戦う気だろう。キョウスケは顔をパンッと叩きミミズズを見つめる。

 

 その先頭にはウネルミナモとガブリアス。そしてペパー側から出て来たのはメノクラゲに似たようなポケモンだが、足が付いている。

 

「メ…メノ?」

 

「ノノクラゲだ。安心してくれ。絶対力になる!」

 

「ミミズズゥゥ!」

 

「ホゲワ!」

 

「野生とはいえウチのヨクバリスに土をつけた事に関しては褒めてやる。だったらその分のお返しをしないとな…!いくぜミミズ野郎!」

 

 ミミズズが声を張り上げ再びこちらにジリジリと近寄って来そうなタイミングでキョウスケ達も身構え直す。ペパーの手元にはノノクラゲ。メノクラゲと似ているがタイプも弱点も全く持って違うポケモンだ。ミミズズの咆哮に合わせてガブリアスも咆哮を上げていた。

 

「ホゲワ!」

 

「チュチュ?」

 

 そんな最中でシェイミが感じたホゲータからの異常な気合い。とりあえず今にでも戦いたいという色を出すホゲータに対してシェイミは少し不思議そうながらも期待しながら見ていた。その気合いがとんでもない事になるのは今は誰も知らない…




今日はバトルパートなんでギャグはなしです。
終わればふざけ倒すのでよろしくお願いします。


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お、お前はまさか究極で究極の!

お疲れ様です。命です。今回もバトルパートです。
ギャグは少なめなんでご了承をお願いします。


 前回のあらすじ!戦っている最中なのにあらすじを求めるのなぁぜなぁぜ?そんな事をしているくらいならしっかり戦え馬鹿者!

 

「ガブリアス、かわらわり!」

 

「ミミズズッ!」

 

「ッ!?」

 

 ガブリアスが地面を蹴り出し空中を滑空しながらミミズズに接近するとそのまま手を振り下ろす。だがミミズズがここでオーラを発するとガブリアスのかわらわりをビクともしないまま身体で受け止めると、そのまま声を張り上げながらガブリアスを体を振り回しながら吹き飛ばす。

 

「大丈夫かガブリアス!」

 

「ガウ!」

 

「あのオーラ…まさか!」

 

「既にスパイスは食べた後か…!」

 

「ミミズズゥ!」

 

「ちょうおんぱ!」

 

 迫り来るミミズズを前にしてペパーがノノクラゲに指示を出すとノノクラゲは音波を放ちミミズズを混乱させ、その場で怯ませる形で動けなくさせる。このノノクラゲの攻撃にキョウスケは思わず笑みを浮かべると…

 

「ウネルミナモ!かえんほうしゃ!シェイミ、エアスラッシュ!」

 

「チュチュ!」

 

 身体から風の刃をシェイミが放つ中ウネルミナモはその横からミミズズに火炎を吐きつける。混乱状態のミミズズにしっかりと直撃したがミミズズは風の刃と火炎を身体を振り回して一瞬で消滅させると隠していた手のような物を出したと同時に地面を叩きつける。

 

「来るぞキョウスケ!」

 

「分かってる!ヨーギラスまもる!ホゲータ、やきつくす!」

 

「ヨンギ!」

 

「ホゲワ!」

 

 ミミズズが叩きつけて来た地面から衝撃波が発生し、そのままキョウスケ達の元に向かってくるがヨーギラスがまもるのバリアを貼り込み、ミミズズの衝撃波を防いで行っている間にホゲータがバリアの中から炎をミミズズに吐きつける。

 

 隕石のように降り注いだ炎をミミズズはあっさりかわすと、ヨーギラスの目の前へ。

 

「かわした!?」

 

「ノノクラゲ、まもるだ!」

 

 ヨーギラスの目の前に迫りそのままミミズズは頭を振り回すとヨーギラスと同じまもるの行動を取ろうとしたノノクラゲ共に頭を叩きつけそのまま吹き飛ばす。ミミズズの攻撃をまともに食らった二体は一撃で壁に叩きつけられた状態で戦闘不能に。

 

 キョウスケとペパー共にヨーギラスとノノクラゲをボールに戻すと…

 

「すまねえヨーギラス。ちょっと休んでてくれ!」

 

「何つう威力だよ…!ガケガニはあんな感じじゃ…!」

 

「ミミズズゥ!」

 

「ハイドロスチーム!ガブリアスは吹き飛んで来た所をアクアブレイク!」

 

 ウネルミナモが口を開け水流をミミズズに打ち付けると地面を抉りながら踏ん張っていたミミズズを吹き飛ばす事に成功。ミミズズが吹き飛んで来た場所にいたガブリアスは手のひらに水を纏うとそのままミミズズを殴りつけた。

 

 殴りつける事には成功したがここでは吹き飛ばず。ミミズズはガブリアスの前で落ちると目を光らせ鋼の石のような物を地面から浮かばせると一斉にガブリアスにぶつけた。

 

「メタルバースト…!」

 

「グウ…!」

 

「まずいガブリアス戻れ!」

 

「コイツで行けるか…!行けシェルダー!」

 

 攻撃の正体は食らった物理攻撃を倍にして返すメタルバースト。ガブリアスは戦闘不能にはならなかったものの、相当弱らされたと判断したキョウスケはガブリアスをボールの中に戻す。このタイミングでペパーの元から出て来たのはシェルダー。ミミズズは相変わらず声を張り上げる。

 

「ハイドロスチーム!」

 

「ミミズズゥ!」

 

 再度ウネルミナモがハイドロスチームを放つがミミズズが再び地面を思い切り叩きつけてハイドロスチームと相打ちにさせて水飛沫を撒き散らせながら消滅させる。そしてその水飛沫の中ミミズズが出てくるとウネルミナモを攻撃しようとする。そこで前に出たシェイミに対しキョウスケは…

 

「まもる!」

 

「ホゲータは時間稼ぎでもいい!バークアウト!」

 

「チュチュ!」

 

「オーロラビーム!」

 

 シェイミが発したバリアによりミミズズの頭を防ぐとホゲータとシェルダーからビームと衝撃波が打ちつけられる。直撃したが効果抜群の技ではない為ダメージは微々たる物。その場から吹き飛ばすにも至らずミミズズが再度頭を振り上げたその時にキョウスケは動いた。

 

「ウネルミナモ、かえんほうしゃ!」

 

 ウネルミナモがキョウスケの言葉を聞きミミズズに火炎を吐きつけるとさすがに耐えきれずミミズズはウネルミナモの前から吹き飛んでいき、そのまま少し先にある壁に叩きつけられる。ペパーはこれを見てガッツポーズをするがまだミミズズは倒れない。

 

 するとホゲータがキョウスケ達の元から離れて単身ミミズズに接近する。

 

「自意識過剰ちゃんか!?」

 

「よせホゲータ!吹っ飛ばされるぞ!」

 

「ホゲワ!」

 

「ミミズズゥ!」

 

 トドメを刺そうとミミズズに接近したホゲータが炎を吐き付けようとしたその時だった。ミミズズが容赦なしにホゲータに頭を叩きつけるとホゲータは一瞬にしてキョウスケ達の方に吹き飛ばされる。ぼろぼろとなったホゲータにキョウスケが駆け寄り…

 

「ホゲータ!なんでお前…こんな無茶して…!」

 

「ミミズズゥ!」

 

「あんなに攻撃を喰らってまだあんな一撃を喰らわせられるのかよ!?」

 

「チュチュ…」

 

「ホゲワ…ホゲワァ!」

 

 ぼろぼろの中声を張り上げたホゲータの身体が突如光り始める。突然の事で目の前にいたキョウスケやペパーが思わず目を瞑りミミズズも動きを止める中、光りながらキョウスケの目の前にホゲータは立つとそのままもう一度声を張り上げた。頭に帽子のような物を付けた姿。

 

「アチゲー!」

 

「うおお!?進化したッ!?」

 

「ここでかよお前…最高じゃねえか!」

 

「ミミズズゥ!」

 

「キョウスケ!」

 

「分かってる。やるぞアチゲ!奴に目に物見せてやる!」

 

 このぼろぼろの状況で進化を果たしたホゲータに対してシェイミが大きく喜びを見せる。ホゲータは声を張り上げるともう一度ミミズズに立ち向かう姿勢を見せた。ミミズズは身体を震わせながらも声を張り上げると地面を這うようにしてホゲータに向かってくる。

 

「アチゲ!かえん!ほうしゃッ!」

 

「アチゲー!」

 

「ミミズズゥ!」

 

 ホゲータが口を開けると迫って来たミミズズに対して火炎を思い切り吐き付ける。火炎はミミズズを飲み込むがそれでも尚ミミズズはホゲータに向かって来ようとする。ペパーが隣から祈るような目で見つめる中、ホゲータは今出せる炎の全てをミミズズに吐きつけた。

 

 さすがのミミズズも耐えきれなくなったのか。ホゲータの火炎と共に壁に叩きつけられた。この瞬間にホゲータは力尽きそのまま倒れ込んだ。キョウスケとペパーが吹き飛んだミミズズを見つめていると、爆煙が晴れるとそこには戦闘不能となっているミミズズの姿が。

 

「よっしゃあ!」

 

「ナイスだぜアチゲ…!」

 

 戦闘不能となったホゲータにシェイミとシェルダー、さらにウネルミナモが近づいてくる中キョウスケとペパーは安心したかのように一息吐いた。大きな物音を聞いてかネモやアオイ、さらにヨクバリス達もその場で合流した。

 

「何々!?何があったの!?」

 

「あれがヌシ…!?」

 

「ああ…今コイツがやっつけてくれたんだよ」

 

 疲れ切った様子でアオイとネモの言葉に反応したペパーとキョウスケ。進化したホゲータの姿を見て2人は大きく驚く。疲れているが戦闘不能になっているミミズズがいつ戻るか分からない。キョウスケ達の視線の中にはミミズズがこじ開けたと見られる穴が目に入った。

 

「ヌシがいつ起き上がるか分からねえ。積もる話はそこで話そうぜ」

 

「そうだね…お疲れ様2人とも」

 

 この後キョウスケ達は穴の中に入って行く。そこにて戦闘不能となったヨーギラスやガブリアス達の治療を行うのだった…




はい。ホゲータさんアチゲータに進化です。アチゲと呼ばれているのにホゲータと解説で呼んでいるのはワザとですね。ではお疲れ様でした。


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三時の飯よりあんぱん味噌!ァァァ!!

お疲れ様です。お久しぶりに投稿しますね。
いやあギャグ書くのってやっぱブランクありそうですよね。
頑張ります。


 前回のあらすじ!やられたら倍返し?いいえやられたらピッチャー返しとスーパーサイヤ人です!

 

「お、おう。とりあえず何かを伝えたいのは分かったがそんな鼻息かかる…くっさ!」

 

「誰が臭いんだコラァ!こちらはホテルでミントだぞ!」

 

「ホテルの奴は口の中の匂いを消す気だった気がする…」

 

「誰が歯磨き粉の事を言っ…」

 

 ミミズズを撃破し再びスパイスを見つける為にミミズズがこじ開けた洞穴にへと足を踏み入れたキョウスケ達。屁理屈を言うキョウスケがウネルミナモに地面に叩きつけられる中一行はペパーが先行して洞穴の最深部にへと踏み入れた。声が相変わらず響く。

 

 ペパー達がキョウスケの方を見ながらソワソワする。この状況で一番嫌なのがいきなり叫ばれる事なのだが…

 

「何をそんなに見つめているのかなッ!?」

 

「もう!やると思った!うるさいから勘弁してよ!」

 

「叫ばないとこの作品に合わないだろうが!」

 

「叫ばないで踊らないで!そもそも足元が見えないんだから!」

 

 案の定叫んだキョウスケにネモとアオイが耳を塞ぐ。してやったりのキョウスケはそのまま気分良く左右に動きながら踊り始める。然も煽るような笑みを浮かべながらで余計にネモ達がイラつく中、ウネルミナモが再度キョウスケを地面に叩きつける。

 

 何て茶番を繰り返している間に先行していたペパーが何かを見つけ前方に向かって走り出した。ペパーのライトが照らす先にあったのは白色に輝いた一つの草。

 

「おいみんなこっちこっち!ひでん・しおスパイスだぜ!」

 

「しおだと!?この能力者を殺す気でいると言うのか!」

 

「うん、キョウスケ多分違う奴思い浮かんでるね」

 

「それってアナタの感想ですよね?」

 

「ああもう!今日は喋らないと思ったのに!」

 

 ペパーが見つけた白い草こそ秘伝のスパイス。先程のミミズズが根こそぎ食べたからだろうかガケガニの時もそうだが一つしか残されていない。ペパーが大事にスパイスを取る。アオイ達がヨクバリスとキョウスケに苦しめられている間にペパーは一行に笑みを浮かべる。

 

「よっしゃ!みんな飯にしようぜ!ミミズズもまだ戻って来ないみたいだしな!」

 

「飯だ宴だ!俺が全て食う!」

 

「よくばりちゃんだな!?」

 

 秘伝のスパイスを大事にビンの中に保管しキャンプの準備を始める。アオイ達が回復に専念した為全員元気十分。ただキョウスケには気になった事があった。それは何だと言うとニャオハだった筈のポケモンが立っている。然も目つきも鋭くなっている。

 

「おいアオイ。ニャオハ進化したな?」

 

「うげ、バレた。野生と戦った間に…」

 

「正直言うザマス!ワイは隣のエルレイドも知らんぞゴラ!」

 

「ソイツを撃退する際に進化したんだよニャローテに」

 

「そういえばホゲータの進化系はアチゲータというらしいよ」

 

 ニャオハがニャローテにそして先程進化したホゲータがアチゲータという形態に進化したという。キョウスケは元気そうに動くアチゲータを見て静かにへえ…とだけ呟いた。ついでにエルレイドは撃退された際に仲間になったという。全員で準備するもんだから数分で準備完了。

 

 ペパーやアオイが料理している間、妨害するキョウスケと料理があまり得意ではないネモは待つ事に。全員のポケモンが作られようとするサンドイッチを楽しみにしようとする中…

 

「えっと…」

 

「おい待てアオイ。その上のパンを下のパンにどうするつもりだ」

 

「何って…落とすつもり…」

 

「そんな乱暴な作り方のサンドイッチは知りません!」

 

「何をそんなに…ってたっか!?」

 

 ガラル出身のキョウスケでもさすがに気になったアオイのサンドイッチの作り方。下のパンに乗せられた具材にパンを落とそうとしたのを止められペパーに任せる事に。そんなペパーが先に一つのサンドイッチを完成させる。モトトカゲの前に置かれた物だからモトトカゲが手を付けようとしたその時…

 

「あ!それはお前のじゃない!」

 

「グウ!?」

 

「ちょっと叫ばないでよびっくりするって!」

 

「わ、悪い…」

 

「こんにちは!」

 

「便乗するなナンジャモ!」

 

 アオイの言葉にキョウスケが変顔を浮かべながら反抗する中、心配そうにしたのはネモ。ペパーがやってしまったかのようにモトトカゲに謝罪を入れるとペパーが自身を落ち着けるかのように一息吐く。あらかた済ませてから話すと呟いた為待つ事数分。

 

「一緒にいるんだもんな。コイツの事は話さないと行けないな」

 

「まさかクララか!」

 

「それは違う作品だよキョウスケ」

 

「…正直変に空気を変えるんじゃないかって隠すつもりではいたが…」

 

 ペパーがそう口をし場に出したのは一体の黒いポケモン。アオイとネモが固まりキョウスケの表情が真剣になる。黒いポケモンの目は開いておらず体も動かない状況。その場に居続けるのも少し苦しそうに浅く呼吸を繰り返している。

 

 その場にいた全員が黙り込む中ペパーが口を開く。

 

「コイツはマフィティフ。俺の相棒さ。事故があって今はこんな姿になっちまってる」

 

「いき…てるんだよね呼吸もしてるし」

 

「ただすごく苦しそう…」

 

「ポケセン行ってコレなんだよな」

 

「ポケモンセンターはこれはダメージと違うから対処出来ないって」

 

 コジオとシェルダーは知っていたようで今この場にいるメンバーよりは暗い表情をしていない。キョウスケの言葉にペパーは少し頷いたがポケモンセンターは何もしてくれなかったと回答した。さっきモトトカゲの元に置いたサンドイッチをちぎって手に取ると…

 

「ポケモンセンターが何もしてくれないがマフィティフを治したい…そんな時にたどり着いたのがスパイスの存在だったんだ」

 

「でも効いてるかどうか…」

 

「危険を冒してまで頼る価値というのがあるの…?」

 

「言いたいことは分かる。だがガケガニの時マフィティフにサンドイッチを与えたら身体が温かくなったんだ」

 

「…賭ける価値というのはあるのかもな」

 

 キョウスケの言葉にペパーは頷くと千切ったサンドイッチをマフィティフに与える。マフィティフがサンドイッチを食べる音が当たりに響き渡る中その場には緊張感が走る。確かに食べ飲み込む事は出来ている。だがその反応は非常に薄く今にでも息絶えそうだ。

 

「だが俺はマフィティフを治したい!だがキョウスケのヨクバリスがやられたみたいにヌシは強力だからよ…1人では無理だと思った」

 

「ペパー…」

 

「ん?どしたシェイミ?」

 

「チュチュ!」

 

 ペパーが話している間にシェイミがマフィティフに近づきキョウスケの方に向かって声を張り上げる。するとマフィティフの瞑っていた目がつぶらで分かりにくいが確かに開いているのが目に入った。ペパーは一瞬信じられなくキョウスケの方を見つめたが…

 

「おいキョウスケ!シェイミの…!?」

 

「シェイミにそんなんがあるとでも?マフィティフがスパイスの後押しで目をこじ開けたんだよ」

 

「…!」

 

「コイツはまだ生きることを諦めてない。お前が博打をしてまで生きてほしいと思った存在だ。神様ってもんを信じていいんじゃねえか?」

 

「マフィティフ…!」

 

「たまにはいい事言うじゃん」

 

 ペパーがマフィティフに近づく中ネモの軽口にキョウスケが軽めにうるせえとだけ反論をする。マフィティフはまだ生きようとしている。ペパーはキョウスケの一言でそう信じ笑みを浮かべると…

 

「やっぱお前らと旅して良かった!暗くなっちまったけど食べようぜ!これからもよろしくな!」

 

「都合いいなあ?」

 

「うるせえやい」

 

 マフィティフにポケモン達が気にかける中キョウスケ達はサンドイッチを食べ始める。確実にペパーとキョウスケ達の溝は縮まった瞬間でもあった…




後半真面目になりましたがこれはちょっとふざけられないなと思って。ヌシまで時間ありますし次回もふざけます。


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戻るぞぉぉ!!どこにって?戻るぞぉぉ!!

お疲れ様です。命です。タイトルが相変わらずふざけてますが気にしないでください。では始めます。


 前回のあらすじ!何で俺みたいな文章の奴が人気になって、俺は人気にならないんだぁ!

 

「うおい!裏の事情を話すんじゃねえよ!」

 

「ちなみに作者は何とも思ってないそうです」

 

「何とも思ってないの!?書いてるから思っていてもいいんだよ!?」

 

「みんな何の話をしているの?」

 

 ミミズズと激戦を繰り広げた地域から離れ再びテーブルシティに戻るために歩き始めたキョウスケ達。マフィティフの一件の後ペパーの母であるオーリムから電話があり山の方にヌシは存在しないため別の方向からヌシ探しを再開した方がいいとのアドバイスを受けた。

 

 ちょうどネモ、アオイ、ペパーの3人が学校で経過報告なる物を書かないと行けないらしくその事情も重なり一旦引き返す事にしたのだ。

 

「おい!てかあの記者の野郎はどこ行った!情報だけ手に入れて逃亡かこの野郎!」

 

「ポケモン持ってないって言ってたの本当なのかな…」

 

「確かそんな事言ってたな。真実なんだろうな」

 

「あ、見えて来たよハッコウシティ」

 

 引き返すという事は再びハッコウシティ、ボウルタウンと今まで通って来た所を再び訪れるという事。そんな事はどうでも良くキョウスケ達の愚痴の矛先はミミズズの所まで案内して逃げ出したキラに。顎を突き出してキョウスケがキレる中一行は再びハッコウシティに入る。

 

「あのドラえもんはどうした!」

 

「教えはどうなってんだ教えは!」

 

「うおい!急に出てくんなヨクバリス!」

 

「それってアナタの感想ですよね?」

 

「ドラえもんじゃなくてナンジャモさん!てかここでふざけないで変な視線喰らうから!」

 

 キョウスケが未だに愚痴る中で急に場に出て来たヨクバリスがキョウスケと共に謎のダンスを踊り始める。アオイに指摘されながらも関係なし。ハッコウシティの住民に変な視線を受けつつ、先程見た景色の為もう一度見つめ直す事なく通り過ぎようと進んでいく。

 

「進むペース早いよ…ちょっと休憩…」

 

「どうしたネモ!ポンポン痛いのか!」

 

「ポンポンって何だよ疲れただけだろ」

 

「ポンポンはポンポンでポンポン!」

 

「話が通じないからちゃんと喋って…」

 

 早歩きペースで進んでいたキョウスケ達のペースに体力を切らしたネモを気を遣ってジム事務所がある付近でキョウスケ達は一度休憩を挟む。ネモがその場に一旦座り込む中、ペパーとアオイに対して煽るようなダンスを披露するキョウスケとヨクバリス。

 

 呆れるペパーとアオイの感情を汲み取ってかキョウスケとヨクバリスの間から出て来たガブリアスにキョウスケ達2人はしばかれ一旦気絶する。気絶している間に事務所から出て来たのは…

 

「テーブルシティにいないと思ったらこんな所にいたのか」

 

「ん?おい誰か近づいてくるぞ」

 

「んあ?誰だお前は!」

 

「名前は教えてないが顔を忘れたとは言わせないぞ」

 

「分かった!ガラルチャンピオンダンデ!」

 

「忘れるなとは言ったがそこまで大物にしろとは言ってないぞ」

 

 事務所から出て来て休憩していたキョウスケ達の前に現れたのはハルト…ではなくその傍らにいた男子生徒。ペパーの語りかけで一瞬で目を覚ましたキョウスケはその男子生徒を見るなりダンデと勘違い。サラッとしたツッコミにアオイとペパーが声を殺して笑う中…

 

 ネモは顔を青ざめながらガブリアスも睨みを効かせながら男性を見つめる。

 

「お山の大将はどうしたよ?テーブルシティでえんえんと泣いているのか?」

 

「ち、ちょっとキョウスケ…やめた方が…」

 

「エリアゼロにて特訓していた。お前らと違って入ることを認められた人種だからな」

 

「エリアゼロで…!?」

 

「メトロイドのどこがそんなに不気味なんだよ」

 

「似てる感じしなくないけどエリアゼロだって!」

 

 煽りを入れるキョウスケに対してネモが慌てたような反応を見せる中男子生徒の舌打ちが入る。ネモがさらに男子生徒から目を逸らす中サラッと漏らしたのはエリアゼロという文字。エリアゼロは侵入が禁止と呼ばれた場所であり何人の重傷者が出ているとされる。

 

 ペパーとアオイですら冷や汗を流す中顔色ひとつ変えずにボケるキョウスケに男子生徒はさらに睨みを効かせると…

 

「そのふざけよう…後悔させてやる。どうせテーブルシティに戻ってくるんだろう。子供を抱えていると大変だなあ?」

 

「なーに言ってだお前。ネモ達よりお前の方がよっぽどクソガキだっての」

 

「キョウスケ…!」

 

「こればかりはキョウスケに賛同する」

 

「テーブルシティに戻ったらキョウスケがぶっ飛ばしてやるんだから!」

 

 ネモがあたふたする中ペパーとアオイも珍しくキョウスケに加担。2人に加勢され何も言い返せなくなった男子生徒は覚えてろというアニメとかにでもありそうな負け惜しみを言い残してその場から去っていく。その背中を見てドヤ顔を浮かべたのはキョウスケ。

 

 アオイとペパーもしてやったりという顔で笑う中ネモが立ち上がると…

 

「どうしてあんなに言い返したの…!?相手はチャンピオンなんだよ!?」

 

「お前だってチャンピオンだったんだろ?じゃあ対等じゃねえか」

 

「そ、それは…」

 

「テーブルシティに帰ったらキョウスケに任せようぜ。コテンパンにしてくれるからよ」

 

 慌てた表情で思わず声を張り上げたネモに対してキョウスケがサラッと呟くとそれに加勢するかのようにペパーが呟きアオイが笑顔で頷く。ガブリアスが安心したかのように一息吐く。そんな安心したかのような表情を浮かべる一行を見てネモは若干苦笑いを浮かべる。

 

「お?ネモお前硬いぞぉ?表情がこれでもかと言わんばかりにヒヤヒヤしたような感じだぞぉ?」

 

「ネモちゃんリラックスゥ」

 

「相変わらず煽りの色が強いなお前ら!」

 

「もう…ヒヤヒヤしたんだからね私!やっぱりその強いメンタルには敵わないや…」

 

 ネモがようやく笑みを浮かべた事で畳み掛けるかのように煽るキョウスケ達。ペパーにツッコミを入れられつつもキョウスケ達は男子生徒が逃げていった方角にへと歩みを再開。テーブルシティにへと進み始めた。そしてハッコウシティでジムの事務所にいた男子生徒。

 

 キョウスケ達から相当離れた場所にてハルトと連絡を取っていた。

 

「それでジム視察に行った後にキョウスケ達と会って追い返されたと?」

 

「面目ない話…でもハルトさんがどうにかしてくれるんですよね?」

 

「結局ハルトさん頼りかよダッサ」

 

「構わないさ。キョウスケにはプライドをへし折られた借りがある。エリアゼロで手に入れたポケモンと共にぶっ飛ばしてやるよ」

 

 男子生徒がいいようにキョウスケ達に追い返された事についてハルトは怒ったような表情を見せる事なくニヤリとした笑みを浮かべながら反応を見せる。エリアゼロに訪れた事で一度はへし折られたプライドを建て直す事が出来たというハルト。

 

 キョウスケがテーブルシティに戻ってくるという事でリベンジというよりはワクワクしたようなそんな表情を浮かべる中でそんなハルトからキョウスケ達を見つめていた男子生徒に質問が入る。

 

「おい。ネモも一緒にいるんだろ?どうだった?相変わらずか?」

 

「ああ…ネモは相変わらず俺たちを怖がったような感じでしたね。ちょっとでも突っついてやればビビるんじゃないですかね?」

 

「まだびびってるんだアイツ」

 

「都合がいい。バトルの腕はあるし利用させてもらうか…」

 

 あくまで狙いはキョウスケのみ。ネモにまでその企みが動きそうな事を今のキョウスケ達は知らない。そしてそのキョウスケ達は何も知らないままテーブルシティに帰還して行く事になるのだった…




見てくださりありがとうございます。はい。という事で次回ぐらいからテーブルシティ編に入ります。数話ぐらい帯同するとは思います。
ではお疲れ様でした。


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アナタをテーブルシティでぶっ飛ばします。覚悟の準備をしてください!

お疲れ様です。命です。今回から少しシリアスに偏ったルートを始めます。まあちょっとバトルさせる予定ですが。お楽しみください。
ギャグも少々挟む予定です。


 前回のあらすじ!俺バカだからわっかんねえけどよバカだからわっかんねえわ。

 

「じゃあ何も分からないんじゃん」

 

「言いたい事言って!何が悪いんだァ!」

 

「もう変なインフルエンサーの毒に侵されてるじゃん!」

 

「ここに来るまでにめっちゃ見てたもんな…」

 

 ミミズズとガケガニという2体のヌシを討伐した一行は逆方向にいるとされるヌシポケモン達の方向に向かうべく一旦テーブルシティに戻っていた。懐かしきの気配にキョウスケ以外のメンバーが気楽になったかのように笑みを浮かべる中、ハルト一派に会った時にはビクビクしていたネモももう忘れていたかのように笑みを浮かべていた。

 

 激戦を重ねて来たキョウスケ達の疲労は相当な物。ポケモンセンターに差し掛かった所でとある人物に声をかけられる。

 

「あ、通りかかりましたね。お疲れ様です皆さん」

 

「ジニア先生!?急だったのでびっくり…」

 

「お前は確かデビルマン!」

 

「ジニアです…一文字も掠ってないですよ」

 

「ネモの担任の先生…だよな?どうしてここに?」

 

 ポケモンセンターに差し掛かった所で待機していたのはネモの担任であるジニア。ネモが驚きキョウスケが指を指しながら違う名前を叫ぶ中ペパーが冷静に問いかける。ジニアは苦笑いを浮かべた後に息を整えるとまずキョウスケの方に振り向き…

 

「キョウスケさん。アキロゼさんがこの先で待っているそうです。良かったら先に行ってあげてください。僕はネモさん達と話してます。報告書とかの用事もありますし」

 

「何だてめえ!俺を省くつもりか!」

 

「そんなの許さんザキ!」

 

「アチゲ!」

 

「チュチュ!」

 

「わあ…一杯出て来て…進化してるッ!?」

 

 ジニアの声に反発したキョウスケらヨクバリスとアチゲータ、さらにシェイミと共にジニアに猛抗議をする中ジニアがアチゲータに驚く中でウネルミナモが出て来て全員一度しばき地面に叩きつけるとアチゲータとシェイミ、さらにヨクバリスと一瞬にしてボールに戻って行った。

 

 キョウスケも7秒で起き上がると人が変わったかのように一度その場を後にする。そのままテーブルアカデミーの方に向かって歩いているとバトルコートや商店街が並ぶ場所。そのど真ん中にてアカデミーを見つめる男性の姿が。

 

「君の気配は人がかなり歩いていても気づくね。なあキョウスケ」

 

「当然だ!俺は仮面ライダーから味噌だからな!」

 

「仮面ライダーとは何か分からないが久しぶりだね」

 

「仮面ライダーを知らないとでも言うのかッ!」

 

「普通に喋るね…ヨクバリスも久々だよ」

 

 アカデミーの方から振り返ったのはキョウスケを呼び出したアキロゼ。大体この時間に戻ってくるんじゃないかとばかりにジニアと待機していたらしい。キョウスケ達がハッコウシティから戻ったのは昼15時あたり。戻ってくるとアキロゼに連絡したのは何とハルトという話だが…

 

「あのチャンピオンが俺たちが戻ってくるんじゃないかって?」

 

「ああ。どう言う風の吹き回しか分からないけどね。言い方が怪しいから一応ジニア先生にも出動してもらった」

 

「完全に怪しみ方が犯罪者じゃねえか」

 

「そうだ!ここにキョウスケという犯罪者がいるぞ!アキロゼさん逮捕よろしく!」

 

「んだとコラヨクバリス!ぶっ飛ばすぞお前!」

 

「僕は怪しむ事は出来るけど警察ではないよ…」

 

 ハルトからの伝え方が怪しかった物でアキロゼはジニアにも出動してもらったという。キョウスケはアキロゼの勘の働かせ方に苦笑いを浮かべていたがヨクバリスからの煽りにキョウスケは激怒。顎を突き出しながらヨクバリスに殴りかかろうとするがお腹で弾き飛ばされる。

 

 そんなキョウスケとヨクバリスの争いにアキロゼが苦笑いを浮かべる中、キョウスケにアキロゼが頼み込む。

 

「宝探し中の報告書というのは1日ぐらいは費やさないと行けないんだ。それくらい量が多くてね」

 

「夜に出ればいいじゃねえか」

 

「君は学生を何だと思ってるんだい…まあいいや。とりあえず要件を言うとハルトを見張って欲しい」

 

「ハルトを?」

 

「ハルトはプライドを傷つけた君を相当恨んでいると思う。先生が言うべきではないと思うが…出るまでの期間でいい。これは君にしか頼めない」

 

 アキロゼの頼み方にキョウスケは大きく驚いた。ヨクバリスは何故かムンクの叫びかのように大きく口を開ける。真剣な表情をしていたアキロゼはヨクバリスを見て笑いそうになったが堪え、もう一度真剣な表情をするとキョウスケのスマホロトムに通信がかかる。

 

 相手はペパーだ。キョウスケは疑問を抱きながら電話に出る。

 

「どしたペパー。おしっこちびったか?」

 

「そんな汚い話してる場合じゃないって!キョウスケ、さっきハルトの野郎からネモに通信があってよ…」

 

「ハルトが…?」

 

「ネモの奴その名前を見て過呼吸を起こして今病院に向かってんだ。すまんが合流はちょっと遅れる!」

 

「ペパー…ハルトは今どこにいる」

 

「俺は知らねえよ。とりあえずその連絡だけ」

 

 ペパーの言葉にキョウスケは息を吐きながら頷くとその報告だけを受けて通信を切る。だがこの時アキロゼはキョウスケの目が憎しみに満ちていた物だったと気づくと彼に歩み寄り肩を掴む。

 

「冷静になれキョウスケ。今向かったら思う壺になる」

 

「ビールでも飲んでリラックスしな」

 

「面白い奴だ気に入った。タコ殴りにするのは最後にしてやる」

 

「びっくりしたよ今の表情は」

 

「これくらいで俺がカンカンになると思ったってのか!」

 

 アキロゼが心配になり話しかけたその時には元の状態にキョウスケは戻っていた。苦笑いを浮かべるアキロゼの心配とは裏腹にキョウスケはヨクバリスに向かって中指を突き立てている。そんなキョウスケを見てアキロゼに思わず笑みが出てくる中…

 

「それじゃ少しジニア先生と連絡を取ってくるよ。ハルトの件頼めるかい?」

 

「もちろんですプロですから」

 

「何のプロか分からないけどとりあえず任せたよ」

 

 キョウスケに笑みを浮かべながらその場を去っていくアキロゼ。一瞬ばかりキョウスケが浮かべた表情がどうしても引っかかった。キョウスケとヨクバリス。さらに手持ちのポケモン達が戯れる中でアキロゼが去った数分にして近づいて来たのは1人の男。

 

 パフォーマーかのように踊っていたキョウスケがピタリと止まる。だがその表情はヨクバリスの方を見つめながら固まったまま。満面の笑みのまま男性はキョウスケに語りかける。

 

「やあ久しぶりだねキョウスケ。こんな昼っぱらから何をしているのかな?」

 

「……」

 

「ネモに先程電話をかけたが連絡がなくてね。びっくりしたよ。さて一言も返事出来ないのはビビってると見ていいのかな?」

 

「バトルしろハルト」

 

「は?」

 

「聞こえなかったのか?その鼻っ柱めちゃくちゃにしてやるからポケモンを出せつったんだよ」

 

 男性の正体はハルト。そしてハルトにとってはネモにアクションを取る事で何か変わるというのは想定内だった。だがキョウスケがスッとハルトに向けた表情はドス黒い何かを感じた。想像の範囲を超えた事でハルトの中には恐怖を通り越した笑みが出て来ていた。

 

「余程気に食わなかったようだね?ネモが…」

 

「御託を並べるのはそこまでにしな」

 

「何?」

 

「仲間に悪の手を差し伸べたその腐った性根…てめえだけは…正々堂々叩き潰してやる」

 

 ハルトが来たことにより周りがソワソワし始めたがキョウスケにはもうハルトしか見えていなかった。許せなかったのはネモを利用しようとした事。ペパー達には決して見せられない鬼の表情。ハルトと向き合う中で感情に任せたポケモンバトルをキョウスケは始めようとしていた…




ちょっと偏ります。シリアス気味に。
まあ真剣になる程度ぐらいなんですかね。まあ次回もよろしくお願いします。


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てめぇだけは許さねえ細切れにしてやる!

ちょいシリアスムード回から始まります。まあキョウスケはふざけでキレてもガチでキレるのは少ない奴ですから。ガチっぷりを堪能してください。


 キョウスケがブチギレ中なので前回のあらすじはなしです。ごめん…え?元々なかったようなもん?うるせぇ!ハゲー!

 

「ガリュウを破った奴もそんなもんだよな!本音を出してしまえばさ!逆に叩き潰してやる!行くぞマスカーニャ!」

 

「ヨクバリス」

 

「ヨクバ!」

 

「おいおいマスカーニャ…!大丈夫なのかあの人…!?」

 

 ハルトはしてやったりだった。キョウスケがここまで感情を剥き出しにするのは想定の範囲内。周りの人々がハルトのエースポケモンであるマスカーニャを目の当たりにしてざわめき始める中、キョウスケの前にはヨクバリス。誰もが静まり返り誰もがその場から動けない状況。

 

 ハルトは満面の笑みを浮かべながら自信満々に自分の前に出したマスカーニャに指示を出す。

 

「くたばれッ!マスカーニャ、トリックフラワー!」

 

「…カウンター」

 

 マスカーニャがニヤリと笑みを浮かべながら前に歩き始め指を鳴らす。指を鳴らした瞬間にヨクバリスの頭上に錬成された魔法陣から巨大な岩がヨクバリスに降り注ぐ。トリックフラワーは急所かつ必ず命中する技。ヨクバリスに岩が直撃し砂煙が広がる中、その岩は一瞬にして砕け散る。

 

「嘘…!?」

 

「ダメージは受けている筈…!マスカーニャ、アクロバット!」

 

「ニャ!」

 

 砂煙の中マスカーニャはヨクバリスに突撃していき、その眼前からヨクバリスを引っ掻こうとしたその時だった。ヨクバリスの握りしめた拳がマスカーニャの目の前に。確実にマスカーニャの顔面を殴り抜いたパンチはトレーナーであるハルトの右横を一瞬にして通り過ぎ、遠方のカフェのテーブルに直撃。

 

 ハルトが驚く中マスカーニャは一撃でノックアウト。ヨクバリスは傷付いてはいたもののまだまだ余裕のある様子。キョウスケも睨んだ目つきのまま表情を崩さない。その握りしめられた拳には血が滲み始めている。

 

「一撃…!?」

 

「次を出せ。言っただろ?正々堂々叩き潰してやるって」

 

「調子に乗って…!」

 

「マスカーニャが一撃…!?アイツ何者なんだ!?」

 

「ニュースで見たことがある…確か…」

 

 戦闘不能となったマスカーニャをボールの中に戻すとハルトは歯を食いしばりながら2体目であるミカルゲをフィールドに。ミカルゲを出した瞬間にハルトが再び笑みを浮かべる。その自信に満ちた筈の笑みがキョウスケには痩せ我慢のように見えた。

 

 息を吐きながらキョウスケはヨクバリスをボールに戻すと無言のままガブリアスをフィールドに出す。響き渡るガブリアスの咆哮。ハルトから笑い声が漏れる。

 

「俺から居なくなったポケモンに何ができる…!ミカルゲ、かたきうち!」

 

「ちょいと付き合ってくれよガブリアス。あなをほる!」

 

 ミカルゲが地面を強く蹴り出す中ガブリアスはジャンプし地面に潜り込む。ミカルゲの突進があなをほるによって容易にかわされる中、ミカルゲの背後に出て来たガブリアスの突進をミカルゲがまともに喰らいハルトの目の前に突き飛ばされる。

 

 ガブリアス自身も一瞬困惑したがキョウスケの一言で覚悟を決め表情を引き締め直し立ち上がったミカルゲを見据える。ハルトの表情から既に焦りが出ていた。声を張り上げミカルゲに指示を出す。

 

「ミカルゲ、あくのはどう!」

 

「ドラゴンダイブ!」

 

「グウ!」

 

 ミカルゲが身体全体から衝撃波をガブリアスに向けて放って行く中でガブリアスは地面蹴り出しからのジャンプで容易にあくのはどうをかわすと目の前に着地してもう一度突進を喰らわしさっきマスカーニャが墜落した同じような場所まで突き飛ばす。

 

 ミカルゲもここに来るまでで戦闘不能。カフェの店員が見かねてキョウスケ達に注意しに行こうとしたが店長が止める。

 

「店長!」

 

「お互いにお互いのトレーナーしか見えていない今に言いに言っても仕方ない。後にしろ」

 

「然し…!」

 

「余程の事があったんだろあのトレーナー…あの目から憎しみしか感じない…」

 

「アイツを使って俺を誘き出した割には…笑わせてくれるなよチャンピオン」

 

「貴様ッ…!確実に叩き潰してやる!ウルガモス!」

 

 ハルトの3体目のポケモンはウルガモス。キョウスケは帰る素振りがない。ずっと睨みつけている割には冷や汗をかいておりそれなりの緊張は感じているようにも見える。誰も口出しが出来ない状況。市民達の他にもアカデミーに戻って来ていた生徒達も足を止める。

 

「ウルガモス!むしのさざめき!」

 

「アクアブレイク!」

 

 ウルガモスが羽を羽ばたかせ音波を発生させる中ガブリアスは再び地面を蹴り出しジグザグに動き回りながら音波をかわすとウルガモスに接近。そして飛びかかり水を纏わせた腕をウルガモスに振り下ろす。地面に墜落したウルガモスが地面を抉り、砂埃を撒き散らす。

 

 ハルトがウルガモスの方を見つめると戦闘不能になっている姿。ハルトはそれを見て焦りを募らせる。

 

「馬鹿な…!水テラスクリスタルはしてない筈…!」

 

「次」

 

「っ!?」

 

「こうして欲しかったんだろお前は…!来いよ」

 

 キョウスケの声からは明らかな怒りを感じられた。そしてハルトは自分が手放すように働きかけたガブリアスにここまで苦しめられるのは計算外でしかなかった。確かにキョウスケも2体フィールドに出したがハルトはもう4体目。周りがさすがに騒めき始める。

 

「あのトレーナー本当に犠牲なしで終わらせてしまうんじゃないか!?」

 

「怒ってる中で冷静にバトルを動かしてる…初めて見た…あそこまで感情的でも優位に進める人…」

 

「俺はパルデアチャンピオンなんだぞ!お前と何が違う…何がッ!行くぞクエスパトラ!」

 

「グウ?」

 

「頭の芯までは感情的にはなってねえ。もう少しだけ付き合ってくれ」

 

 騒めきもハルトの怒りも伝わってくるくらいに周りも見れていた。ガブリアスはキョウスケの方を見て不安そうな表情をしていたが改めて頷くとハルトが繰り出して来たクエスパトラを睨みつける。トレーナーの色はポケモンにも伝わるもの。

 

 クエスパトラはハルトの顔色を疑っているようにも見えた。

 

「ルミナコリジョン!」

 

「あなをほる!」

 

 クエスパトラが身体を震わせ念波を放とうとしたその瞬間。ガブリアスが再び地面に潜り込み念波を回避する。クエスパトラの背後に出て来たガブリアスは突進をかましクエスパトラのバランスを崩させるとキョウスケがさらに声を張り上げる。

 

「ドラゴンダイブ!」

 

「サイコキネシス!」

 

 地面に着地後力を込めもう一度地面を強く蹴り出すガブリアス。クエスパトラは背後に振り返るとガブリアスに念力をぶつけるがガブリアスは念力を突っ切りクエスパトラにそのまま突進を食らわし吹き飛ばす。キョウスケの前に吹き飛んできたクエスパトラはそのまま戦闘不能。

 

 アカデミーに戻って来たハルトの配下の生徒達もそのハルトの苦戦の仕方には驚きを隠せなかった。

 

「これは夢か…!?ハルトさんが…!」

 

「何よ…ハルトさんがここまでやられるなんて…!」

 

「確実に潰す…!エリアゼロから手に入れたコイツで!」

 

「エリアゼロだって…!?」

 

「トドロクツキ!」

 

 クエスパトラを戻したハルトが次に繰り出したのはエリアゼロにいたと言うトドロクツキ。ボーマンダに似たようなポケモンだ。その場がさらに騒めき始める中その場には過呼吸から戻ったネモ達が。ただならぬキョウスケの雰囲気にネモが青ざめる中…

 

「キョウスケ…?」

 

「ダメだネモ。今だけは」

 

「ペパー?」

 

「何となく嫌な匂いがする…今だけはやめた方がいい」

 

「戻れガブリアス。お前がその気ならこちらも容赦はしねえ」

 

 ペパー達が遠方で見つめる中ガブリアスを戻したキョウスケが次に繰り出したのはウネルミナモ。堂々と繰り出した事に市民達が改めて静まり返る中ハルトとのバトルは佳境を迎えていた…

 

 




見てくださりありがとうございます。後1話だけ続きます。


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本日から我が社の会話を英語にしないです!

お疲れ様です。今日で一応ハルトとの戦いは最後となります。まあ状況が状況ですし。お楽しみください。では始めます。


 前回のあらすじ!んなもんある訳ねえだろ!自分で考えるんだ!キョウスケは今回も不在だよ!

 

「トドロクツキにウネルミナモ…」

 

「エリアゼロのポケモンって危険じゃねえのか!?」

 

「チャンピオンの評判なんて関係あるか!行くぞトドロクツキ!ドラゴンダイブ!」

 

「りゅうのはどう!」

 

 ハルトとキョウスケのバトルを見ていた市民達が慌て始める中、ハルトは明らかに焦ったようなそんな表情でトドロクツキに指示を出す。トドロクツキは声を張り上げると空中に舞い上がり、オーラを纏いながらウネルミナモに向かって落下して行く。

 

 ウネルミナモはキョウスケの指示を聞くと口を思い切り開け、波動をトドロクツキに向かって打ち込む。トドロクツキに波動がぶつかる中オーラで波動をかき消して行く。完全にかき消したトドロクツキがそのままウネルミナモに衝突。ハルトはようやく味わせられた一撃に笑みを浮かべる。

 

「冗談も大概にしろこのキチガイが!」

 

「りゅうのはどう!」

 

「何ッ!?」

 

 トドロクツキとウネルミナモの周りから砂煙が舞い上がる中、砂煙の中から発せられた波動がトドロクツキを命中し三度ハルトの後方に吹き飛ばした。ハルトが唖然とする中でりゅうのはどうを直撃したトドロクツキは一撃で戦闘不能。ハルトの中にはもう絶望感しかなかった。

 

 だがあくまでチャンピオンとしてこちらをずっと睨みつけてくるキョウスケを睨み返した後にトドロクツキをボールに戻すと次のポケモンのボールを構えようとしたその時だった。ネモ達の横を通り過ぎた女性がそのままキョウスケ達の前に出向き…

 

「そこまでですチャンピオン。キョウスケさん」

 

「お前は…!?」

 

「オモダカ」

 

「トップ…!」

 

 キョウスケとハルトの前に姿を見せたのはトップチャンピオンであるオモダカだった。市民達の不安そうな声がさらに聞こえてくる中、キョウスケとハルトはオモダカの声を聞きバトルする手を止めた。ネモが息を呑む中先にオモダカが近づいたのはキョウスケだった。

 

「キョウスケさん。まずは戯事に関わらせた事を謝罪させてください」

 

「バトルを止めるのはトップとしては相応しくないんじゃないか?」

 

「確かにらしくない事はしてると実感してますが…これ以上チャンピオンとバトルさせるとアナタがこの街に居られない気がする」

 

「ソイツは俺のダチを傷つけたんだぞ?」

 

「ケジメは…私が取ります。アナタが思う以上にチャンピオンハルトのプライドはズタズタです。残るポケモンにもまともに指示を出せないでしょう」

 

「…戻れウネルミナモ」

 

 ネモを過呼吸にさせた事が許せなかったキョウスケだったがオモダカからの説得に応じ、ウネルミナモをボールに戻し自身を落ち着かせるように大きく息を吐く。キョウスケに話を付けた後オモダカはハルトの方に出向き、少し息を吐いた後に語りかける。

 

「チャンピオンハルト。随分派手にやられましたね」

 

「笑いに来たのか…?俺が抵抗する力がない時だけ…!」

 

「笑いに来たのなら…私が無理矢理アナタに勝利にした時にするでしょう。だけど今回は笑えない」

 

「じゃあ…!」

 

「チャンピオンハルト。今日限りでチャンピオンの職を解きます。アナタには宝探しの期間、アカデミーに謹慎してもらいます」

 

 ハルトの反抗する口が止まった。そして真実を受けいられないかのようにその場に膝をつきそのまま顔を上げずに地面を見つめる。その目は虚ろで涙が無意識に溢れ始める。そんなオモダカに近寄って来たのはハルトに付き添っていた男女2名だ。

 

「おいトップ!チャンピオンの職を解くだと…!?ハルトさんが実力で掴み取った職だぞ!」

 

「確かにジムテストをやる中でハルトさんを超える者は出てない…その実力とは違い、態度は私達の悩みの種となってました」

 

「弱いネモが…」

 

「物事にはやっていい事とやっては行けない順序があるんです。彼はやっては行けない事をやった。私から言えるのはそれだけです」

 

 やっては行けない事はやったとはいえアカデミーに通う学生にとってとても耐え難い一言。オモダカの厳しくも冷酷な一言はハルト一派を完全に沈める一撃となり、何もない地面に3人が座り込む。その光景をじっと見つめていたキョウスケの元にペパー達が駆け寄る。

 

「大丈夫かキョウスケ…?」

 

「俺は…な」

 

「ハルト…だっけあの子どうなるの?」

 

「謹慎だとよ」

 

「謹慎…」

 

「チャンピオンの職を乱用したとは言ってもお前らと一緒で学生だ。あれでも動いてくれた方だと思うぜ」

 

 ネモの中にスッキリしない物が残るがトップが言い渡したものならと自らに言い聞かせる。キョウスケはハルトの方を見ていたが掛ける言葉など元々微塵もなかった。そのハルト達から背を向けるとキョウスケはペパー達に…

 

「頭冷やしてくる。お前らはアカデミーでやる事あるんだろ?やって来いよ」

 

「お、おいキョウスケ…」

 

「やり過ぎたとキョウスケも思っているのかも…またいつもの調子に戻ってると思うよ」

 

「キョウスケ…」

 

 キョウスケはペパー達から離れて行くとハルト達とバトルした場所からかなり離れた場所を歩いていた。その空気、雰囲気がまるで見えなくなる程の距離まで離れるとキョウスケは大きく息を吐き、近くの壁に大きくもたれかかる。ペパー達は追っては来てなかった、ある程度察したからだと思うが…

 

 手持ちのポケモンをキョウスケは一旦全員目の前に出す。

 

「後悔はしてねえ。だがやり過ぎた」

 

「チュチュ…」

 

「アチゲ…」

 

「お前らには多大なるご迷惑を…」

 

 不安そうに見つめてくるポケモン達を前にしたキョウスケをぶん殴るヨクバリス。周りにいた人々が急な事で驚きを見せる中、殴られたキョウスケすら驚きの表情を見せる。キョウスケがヨクバリスを見つめるとヨクバリスがキョウスケに向かって叫ぶ。

 

「シリアスパートが!長すぎるッ!」

 

「グオ!?」

 

「バトルの時はそうなるだろうがこのクソリス!」

 

「バトルの時はそうなるだとぉ?この作品は銀魂みたいにギャグをメインに入れないと行けない作品じゃねえのか!」

 

「他作品の名前を出すな!ポケットモンスターだぞこの作品!ポッケのモンスターだぞてめぇ!」

 

「ポッケのモンスターって何だ!人をコロッケみたいに言いやがって!」

 

 お前はポケモンだろうが!とキョウスケがヨクバリスに言いかけたその瞬間、呆れたガブリアスがヨクバリスとキョウスケを地面に叩きつける。不安そうにしていたキョウスケのポケモンから思わず声が漏れる。地面から7秒で起き上がり、ガブリアスを睨みつけたキョウスケ。

 

 だがキョウスケ自身も馬鹿馬鹿しくなり思わず声を上げて笑い始める。そんな彼らに近づいて来たのは心配していないかのように笑っていたガリュウだった。

 

「君らしくないセンチメンタルになってるなと思ったが…心配要らなさそうだな」

 

「よお…おっさん。バトルでもすっか?」

 

「まさか。やる時はその傷を治してからにするさ」

 

「あ!行けね!ポケセンに行くの忘れてた!」

 

「随分強くなったな。あんなクズでもチャンピオン。パルデアの中でもトップなのに」

 

「俺が倒すべきチャンピオンは…アンタだけだガリュウ」

 

 キョウスケがボールにポケモン達を戻したその時、ガリュウから語りかけられたがキョウスケはニヤリと笑みを浮かべながらガリュウに一言言い返す。さすがのガリュウも驚きを隠せずにいたがキョウスケと同じくニヤリと笑みを浮かべると一言だけつぶやいた。

 

「楽しみにしてるよその時を」

 

 ガリュウがそう呟いたと同時にキョウスケがそんな彼の元から去って行く。ポケセンに出向いた後キョウスケはペパー達の元に戻ったが見たキョウスケはいつも通りふざけた感じだったという…




見てくださりありがとうございます。まあ息詰まりしかなかったハルト戦ですが次から元通りになりますのでよろしくお願いします。
では!


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ワイは冒険がしたいんだ!そこをどくんだバイキンマン!

お疲れ様です。見てくださりありがとうございます。
さすがにハルト戦並みにシリアスではないですが、その余韻が残るような感じにします。よろしくお願いします。


 前回のあらすじ!この小説を見る前にしっかりと眼精疲労が無いかを確認してこの小説を見る前に生暖かい目になる事を忘れずにね!

 

 昼にテーブルシティにて勃発したチャンピオンランクのハルトとポケモントレーナーキョウスケのバトルはパルデア内でネットニュースになるほどにとんでもない反響を呼んだ。事態を重く見たポケモンリーグはこの日のうちにアカデミーに相談。

 

 そしてリーグからの発表がパルデア内を騒然させる。それがチャンピオンランクハルトのチャンピオンの解任である。実力では一番手だったハルトの解任はパルデアで一大ニュースと化していく中でキョウスケはオモダカにポケモンリーグに呼び出されるのだった…

 

「おいおいオモダカさんよ。俺は犯罪者かっての。ガーディも急な呼び出しを食らったら大慌てして吠えちまうよ」

 

「元々ハルトを解任したらリーグに呼び出す予定ではいました。計画的にアナタを怒る訳じゃないですよ」

 

「だったら俺は冒険をしたいんだ!冒険させろ冒険!」

 

「アナタの仲間達の報告書は今日だけでは終わりませんよ」

 

「どんな量書かせてんだよ!初心者にいきなりメジャーリーガーの球を打てと言ってんのか!」

 

「誰がベースボールの話をしたんですか」

 

 オモダカはキョウスケを呼び出した今の時間だけはリーグ本部に誰も入らせるなとリーグ関係者に告げており、本部内にあるオモダカの部屋にてキョウスケは唇をとんがらせながらオモダカに話しかける。オモダカは小さく一息を吐くとキョウスケの方をじっと見つめ…

 

「自分で決断した事とはいえチャンピオンランク1人失わせるのは容易な考えではありませんでした」

 

「ネモも私もチャンピオンランクだったって言ってたぞ。何だ…パルデアはチャンピオンのバーゲンセールなんか?」

 

「そう何十人もいませんよ。今話してくれた通りネモさん、ハルトさん共にチャンピオンランク。2人が一気に辞めてしまったので私は困っているのです」

 

「でわざわざ呼び出して何だよ。俺にチャンピオンになれとでも言うのか?」

 

「あら?だめでした?」

 

「チャンピオンの価値ひっくぅ…」

 

 少し困ったような表情をするオモダカに対してキョウスケは苦笑いをしながら呟く。そんな事ないよなと思い呟いた一言が当たってしまいキョウスケは困惑。オモダカがそのキョウスケの口ぶりに笑みを浮かべる中、口を開きかけたその時だった。

 

 オモダカの部屋の扉が急に開いたと思ったら息を切らしながら緑髪の人物が部屋に入ってくるなり声を張り上げる。

 

「トップ!チャンピオンランクをもう1人無くしたってホンマですか!?」

 

「耳そばでうっさいなあ!お前誰の側で叫んどんねんコラ!ここは神聖なるオモダカルームやぞ!」

 

「えらいコッテコテやけどちょくちょく発音がおかしいであんさん!」

 

「ええ。本当ですよチリ。こちらの中でも容易ではありませんでしたけどね」

 

「何故解任なんですか!性格最悪でもアイツは実力があったんですよ!」

 

「まあまあ落ち着けよチリくん。男性が女性に食ってかかるのはらしくないぞ」

 

 オモダカに思い切り詰め寄った後に声を張り上げたチリと言う人物に対してキョウスケはそんな彼の肩を掴みながら呟いた瞬間に「チリくんじゃないチリちゃんや!男性ちゃうで!」とキョウスケの手を振り解きながらのチリの発言にキョウスケは顔を上下させながら…

 

「女!?発育よくな!壁じゃん!」

 

「やかましいわ!女性か男性かどうかをおっぱいで判断するんやないで!」

 

「おっぱいって正直に言ったなポケモンの作品で!この作品が潰れたら裁判起こしたるぞゴラァ!」

 

「トップ!このチンピラは誰なんですか!?リーグ関係者でもないでしょ!?」

 

「その人はキョウスケさん。アナタなら知ってるでしょう、ガリュウさんの四十年の連勝記録を止めた張本人です」

 

「どっかで見たことのある顔やと思ったら…ハルトがあんなに一般人にボコボコにされるのはおかしいと思ってん」

 

 オモダカがニヤリと笑みを浮かべながら発言したその時。チリは一瞬信じられないようなそんな様子で変顔を浮かべながらこちらを見つめているキョウスケに対して一瞬睨みを効かせた後に、もう一度オモダカの方を見つめ直し…

 

「トップの事です。どうせコイツにチャンピオンランクを任せたいとか言ったんでしょ?」

 

「折角いてくれるんですからねえ…」

 

「こっちみんな」

 

「あらひどい」

 

「断固として反対ですチリちゃんは!ガリュウさんがいるじゃありませんか!一年のうちに代役のチャンピオンランクなんて生まれます!形だけならガリュウさんが…」

 

「チャンピオンの価値ってないようなもんなんだな」

 

 チリが声を張り上げて反論した後にキョウスケの代わりに推薦したのはアカデミーの特別顧問として来訪しているガリュウ。1年間の中にチャンピオンランクが生まれる事を見越したチリの言葉に対してオモダカが首を横に振る中、チリに遅れる形でリーグの関係者が部屋に入って来た。

 

「お取り込み中失礼しますお三方。キョウスケ様ですね。アナタに会いたいと言う方が来ているのですが…」

 

「何だ忙しい。俺そっちにいくわ」

 

「待てやあんさん!話はまだ…!」

 

「いいですチリ。行かせてやりなさい」

 

「っ…!」

 

 チリが歯を食いしばる中行っても大丈夫と言わんばかりにキョウスケの方に向かって頷いたオモダカ。そんなオモダカを横目で見ながら頷きその場を去っていくキョウスケ。キョウスケはリーグ本部から離れたポケモンセンター辺りにいるという彼と会いたいと言う人物と合流した。

 

「お久しぶりですキョウスケさん」

 

「誰だアンタ!」

 

「クラベルです」

 

「校長様でしたか…」

 

「此度はハルト君の一件で無礼を見せてしまいました。申し訳ありませんでした」

 

「…アンタはどっちに非があると思うんだよ。俺かアイツか」

 

 キョウスケとポケモンセンター辺りで合流したのはアカデミーの校長であるクラベル。深々と頭を下げて来たクラベルを見たキョウスケは頭をかいた後に一つ質問を投げかけた。クラベルの身体がピクッと動く。そして何も言わないまま顔を上げると…

 

「私はバトルでどうハルト君に不快な思いをさせたかと言うのはアナタに言うつもりはありません。…心に傷を負う者を無理矢理動かせようとした。責任はハルト君にあると思われます」

 

「そっちを重要視したって事か」

 

「ただ…昼のテーブルシティでの戦いは過激過ぎた。怖いと感じた人々も多かったと思われます」

 

「じゃあ謝罪会見でもすっか!」

 

「そこまでは求めてないです」

 

「謝罪させろゴラァ!」

 

「謝罪する人の態度じゃないんですけど…」

 

 クラベルの話し合いの中で相変わらず出てくるキョウスケのキャラにクラベルは困惑させながらもクラベルは堂々と話し合っている中でもふざけ倒すキョウスケに少し呆れながら、一息つきつつ会話を続ける。

 

「シティやアカデミー的にも時間がいると思います。アナタが一緒にいるアオイさん達がアナタと合流したら、しばらくはアカデミーに顔を見せないでください」

 

「随分キツイ処罰だな」

 

「致し方ない処置なのかなとは思います。当分アカデミーから離れると思われますので…」

 

「…アイツらは?」

 

「もちろん合流するでしょう。…一つ言いたいのはやった事は間違いではないと言う事。そこだけを了解してくれたらと思います」

 

「…分かった」

 

 ペパー達が宝探し経過書を書き終えたその次の日。キョウスケと合流を果たしたペパー達はそのキョウスケと共に次のヌシのポケモンの元に向かって突き進もうとしていた…

 

 




見てくださりありがとうございます。
次回からマジでふざけにかかるのでよろしくお願いしますー。


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ストーリーを進めろって!?やかましい!ボウルは友達だもんッ!!

今回らシリアスを少し離れて思い切り羽目を外します。もう思い切り久しぶりにふざけ倒したいと思います。


 前回のあらすじ!イカれたパーティを俺は召喚!これからコイツらと踊り明かしてやるぜっ!

 

「ちょっとキョウスケ!そのメリープ達どっから連れてきたの!?」

 

「うるせえ!俺はコイツらとひたすらダンスすんだよ!」

 

「話聞かないちゃんだな!?」

 

 ヨクバリスがキョウスケの横に並びその後ろに大量のメリープがいるという何ともカオスな状況。テーブルシティを出たキョウスケ達は次のスパイスがあると思われるポイントに向かって歩き始めたのだが、その道中のポケモンセンターにて大量のメリープ達と共にキョウスケ達がダンスを披露。

 

 周りにペパー達以外誰もいないが観客と化した野生のハネッコ達がキョウスケ達のダンスに歓声に似た鳴き声を発して行く。

 

「俺たちのダンスを見て興奮してるかーい!?」

 

「ハネー!」

 

「どこから連れてきたこのハネッコとメリープ!」

 

「頭が痛くなってきた…」

 

「今頭痛くなっていたらダンスに混ざれないぜ!」

 

「混ざらないってか!ちゃんとセルクルタウンに行けるのコレ!?」

 

 ラジオカセットもないのに流れる謎のbgmとどこから身につけたのか分からないキョウスケとヨクバリスのサングラス。ネモが思わず頭を抑える中アオイが声を張り上げる。サングラスを顎を突き出しながら上げたキョウスケがため息を吐きながら「しゃあねえなあ」と呟くと…

 

 ヨクバリスがメリープ達の方に向かって手を叩くとメリープやハネッコ達が何事もなかったかのようにその場から離れて行く。

 

「演技!?演技だったのそれ!?」

 

「何だ知らなかったのかアオイ。あのダンスはメリープやハネッコ達と夜な夜な練習したもんだよ」

 

「即興の間違いだよね!?だって野生だよあのメリープ達!」

 

「え?野菜?」

 

「野菜じゃねえよ!野生って言ったんだよ!」

 

 明らかに人を煽るような目つきで聞き直したヨクバリスにアオイが言い返す中、謎の踊りを見せつけられていたポケモンセンターの面々とペパー達は何だったんだ…と少し呆れた様子。ネモが再び思い切りため息を吐く中、まずキョウスケ達はスパイスポイントの前のセルクルタウンに向かって歩みを再開する。

 

 その道中に再びメリープ達がついてくるという事もありつつ…

 

「またついてきてる…」

 

「どちらかというとメリープって人懐っこいよね」

 

「何だてめえら!俺と一緒にダッシュでもするか!?」

 

「メエエ!」

 

「意思疎通してるよ!もう準備入ってるし!」

 

「いちについてー…よいドン!」

 

 何だよいドンって!?というペパー達3人の声が聞こえてくる中キョウスケはまるで陸上選手並みのスピードでセルクルタウンに向けて走って行く。あまりに早いのでついて行くのを諦めたペパー達はかなり息を切らしながらセルクルタウンに近づこうとしたその時だった。

 

 早く走っていたキョウスケとヨクバリスが地面にボロ雑巾のように横たわり、その周りにはメリープ達がキョトンとした様子で見つめている。

 

「何があったキョウスケッ!?」

 

「だ、大魔王ゾーマに魔法を…」

 

「いる訳ないでしょ!違う作品だよあの人!」

 

「意外と坂道になってるからねセルクルタウンの近くって…」

 

「何!?底なし沼だって!?」

 

「ああもう話がめちゃくちゃだよ」

 

 ネモが呆れる中キョウスケとヨクバリスはウネルミナモとガブリアスにつまみ起こされる。キョウスケに謎に群がっていたメリープ達はシェイミによって解散させられる中ボールから出ていたモトトカゲがチラッと先を見つめた後に声を上げる。

 

「グオ!」

 

「セルクルタウンと言えば有名なパン屋さんがあるんだよね」

 

「有名なパンチ屋さん!?」

 

「余計な文字が入ってるぞキョウスケ」

 

「余計ではない!これは必然の文字だ!」

 

「何でお前が…」

 

 アオイの言葉にキョウスケが驚きの表情を見せる中、とある言葉を使おうとしたペパーにキョウスケの腹パンが炸裂。ペパーが腹を抑えながら膝をついたその時、ヨクバリスがペパーの方を見つめながら呟く。

 

「いいかジャップ。この作品では俺が喋っているのを突っ込んではならない。次言ったらりゅうせいぐんを喰らわせる」

 

「何で殴られたんだ俺…」

 

「彼はヨクバリスでは…」

 

 ペパーに詰め寄ろうとしたキョウスケとヨクバリスにウネルミナモとガブリアスの攻撃が炸裂。2人同時に地面に叩きつけられる中ヨーギラスとアチゲータが心配そうに2人に駆け寄るが7秒で起き上がった事により、びびって二体はネモとアオイの後ろに隠れる。

 

「これが7の力だ…!」

 

「何でもいいからとりあえずセルクル入ろうよ。もう夕方になっちゃうよ」

 

「ボケを流すとはいい度胸だ女!」

 

「アオイです」

 

 キョウスケが謎のドヤ顔をする隣でサッと通り過ぎるネモとアオイ。倒れ込んでいたペパーも立ち上がるとセルクルタウンに入って行く。ヨクバリスとキョウスケがボケをスルーしたアオイ達に抗議をする中、セルクルタウンに踏み入ったペパー達はその踏み入った足を止める。

 

 そこにいたのは遠方を見つめるメガネ姿の女性。女性は一息吐きながらペパー達の方にへと振り返る。

 

「アカデミーの制服…?然も集団?」

 

「アカデミーの制服を着た奴と出くわすのは久々だな。アンタも宝探しを?」

 

「馴れ馴れしく話すなペパー!この少女は俺が話すんだ!」

 

「ウェーニバル」

 

「ウェ!」

 

 女性に話しかけたペパーの間に入ろうとしたキョウスケをネモのウェーニバルが蹴りで地面に叩きつける。女性がその場で固まる中、アオイが「すぐ起き上がるから」とだけ発言し話しを進めようとする中で女性は一度首を傾げつつもメガネを少し触れながら返答する。

 

「友人が最近ここらへんで怪しい動きがあるって。ちょくちょく軍隊のような数のポケモンが攻撃してくるって話しがあったから様子見に来ただけ。うちは宝探しには未参加よ」

 

「未参加?」

 

「もう宝物を見つけてるから…ってこの横べってる人は誰なん?」

 

「よくぞ聞いた!俺はスーパーアルティメットキョウスケだ!」

 

「うわキャラ濃い。何で顎突き出してんの。踊んないで顎突き出しながら!」

 

 少女は宝探しは未参加。今回は宝探しをしている友人のサポートをしているという。キョウスケに思い切りツッコミを入れつつも自分はポケモンリーグとアカデミーを結ぶSTCと呼ばれる所のリーダーをしている「ボタン」という人物というのが判明した。

 

「アンタキョウスケだよね?」

 

「キョウスケを知ってるの!?」

 

「恩人が何人かの生徒と共に旅してるってアンタの事言ってたよ」

 

「それって私達…」

 

「まあアナタ達だろうね。そのキャラ濃いのがいれば一撃で分かるよ」

 

「自然に身体が動いちゃうんだ!ランランルー!」

 

 ボタンの恩人による話しでキョウスケ達を知っていたという。アオイとネモが驚く中キョウスケは何も気にしていないかのように踊り始める。予想以上のキャラの濃さに驚くボタンではあったが、ペパーが「やる時はやる奴だから」と呟くと苦笑いを浮かべる。

 

「この先あんまり近づかない方がいいよ。特に山の方」

 

「何故だ!言えッ!」

 

「今それを説明しようとしてんの!…コホン。山から何か岩のような物が転がっていて…」

 

「魔王ボタンの仕業だな!?」

 

「何でうちなん!?」

 

「めちゃくちゃツッコミ入れてくれてるから調子乗っちゃって…」

 

 ボタンからの情報を入手したキョウスケ達はひとまずセルクルタウンで足を止める事に。だが話をまともに聞いてなかったキョウスケは行く気満々。そんなキョウスケに各メンバーは呆れつつもこの先の行く末が山になるというのを頭の中で思い描いていた…

 




前に自分の話を見つめ直しまして。ふざけるのが少ないなと感じてました。今回はイメージ通りに行ったので良かったです。
またがんばります。


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何だてめぇ!岩を転がすんじゃねえ!

今年の更新は今日でラストとなります。まあ相変わらずふざけてますが今日は三体目のヌシまで行く予定です。


 前回のあらすじ。車はパルデアで生まれました。我が社のオリジナルです。カントーに遅れを取りましたが今や巻き返しの時です。

 

「マメ?」

 

「マメバッタが困惑してるってキョウスケ」

 

「仙豆…!?」

 

「言っとらんわ」

 

 あらすじをキョトンとしながら立ち止まったマメバッタに語りかけたキョウスケを哀れみの目で見つめていたネモとアオイ。ペパーはキョウスケが語りかけている間こっちすら見ておらず、そんなペパーを見てキョウスケはヨクバリスと共に仕掛ける。

 

「キャデラックは好きだ」

 

「キャディが好き?結構。では益々好きになりますよ」

 

「な、何か始まったよ…」

 

「どうぞ回してみてください。余裕の音だ。馬力が違いますよ」

 

「一番好きなのは…値段だ」

 

「ん?おお!?」

 

 洋風映画にありそうな変顔をキョウスケとヨクバリスはしながら余興をしていくとヨクバリスが転がって行ったのを一緒にキョウスケがペパーにタックルをかましていく。案外他の事に気を取られていたペパーだったが何とか2人の一撃を回避。

 

 2人は坂道でこれをやったもんだから3人の視界の奥にあっという間に行ってしまう程のスピードで転がって行った。ペパーが顔を引きつらせる中ネモとアオイはやっぱりかと言わんばかりのため息。だが2人は地面から生えてくる事で戻って来た。

 

「おいかわすなペッパー!俺たちの技が台無しだろうが!」

 

「危ないちゃんだな!誰がペッパーだ!それはコショウだろうが!」

 

「そうだよキョウスケ。ブラックペッパーが可哀想だよ」

 

「アオイ!?」

 

 ボタンの情報を受けてセルクルタウンのホテルにて一泊挟んだキョウスケ達。然しボタンの情報をまともに聞いていたのはペパー達3人達のみ。ちゃんと聞いていなかったキョウスケは山で岩が転がってくるという興味心しかなくそんな彼を先頭に進んでいた4人。

 

 早朝に出発した4人だったがあまりにキョウスケがポケモンと戯れる物だから山前のポケモンセンターに辿り着いた時には2時間は流れていた。

 

「おいどうなってんだ!2時間経ってるぞ!」

 

「キョウスケが2時間遊ぶからじゃん!」

 

「じいちゃんに向かって遊ぶからとは何事じゃあ!」

 

「ぎゃーごめんなさーい!」

 

「言うてる側から遊ばないでよ本当!」

 

 キョウスケが真剣な表情で訴えかけたのも束の間。アオイから受けたツッコミの後にヨクバリスがキョウスケの胸ぐらを掴んで持ち上げる。ペパーがため息を吐きネモがため息を吐く中、アオイは必死にツッコむ。然しここに来て問題が発生する。

 

 ポケモンセンターに辿り着いたキョウスケ達だったがその眼前を通り過ぎていく無数の岩。キョウスケとヨクバリスが目を輝かせる中ネモとアオイは一気に顔を青ざめていく。ネモは一瞬悩んだ表情をした後…

 

「ね、ねえ…これから登る山なんだけど…後から行ってもいい?」

 

「何だネモ!大魔王ポプラの前に怖気付いたのかッ!」

 

「もう私ヘトヘトで…!休憩してから!」

 

「よーしゆるそう!」

 

「あっさり!?」

 

「じゃあ私も残るよ。あんな山登るのに岩が落ちて来たら自信ないし」

 

 ネモの付き添いでアオイが残る事となりポケモンセンターにてペパーとキョウスケが別行動に入る。途中で出会したピクニックおじさんに岩の転がってくるタイミングを聞いた後にしっかりと進み始め…と思ったがボタンの時と同じく真面目に話を聞いてなかったキョウスケ。

 

 無我夢中に山をヨクバリスと共に登り始めたのはいいものの、転がって岩に飲み込まれ歩こうとしていたペパーの元に紙のようにペラペラになった状態で戻って来た。

 

「ひれひれひれ〜」

 

「話聞いてないちゃんだなホント!」

 

「おじさんが言うにはあれだろ!?無我夢中に行っていたらシャイニングみたいに顔出せるんだろ!?」

 

「誰もそんな事言ってない!てかシャイニングって何!」

 

 ペラペラ状態からキョウスケとヨクバリスが戻った後にペパーがおじさんと共にツッコミを入れる。おじさんが言うには岩を落としているポケモンは岩を補充する為に一度その場から離れると言う。そのタイミングを狙えと言うがペパーは聞けてもキョウスケは聞いてない。

 

 仕方なく犯人の所までおじさんが同行してくれる事に。おじさんの指示を一時的にガブリアスが聞く形で突っ込もうとするキョウスケとヨクバリスが12回引き止められる形で順調に進んでいく。

 

「あの岩潰せないのかおじさん!」

 

「ある程度行けば消えるんだけど…と言うか君の仲間本当にマイペースだね」

 

「くそ!放せガブリアス!俺は無実だ!ツェペリ家の魂だ!」

 

「ツェペリ家?」

 

「アイツの戯言だ。気にしないでくれ」

 

 おじさんは岩を落とす犯人を目視するとライチュウを出し…

 

「君たち目を瞑ってくれ!目眩しをする!ライチュウ、フラッシュ!」

 

「ライ!チュウ!」

 

 岩を落としていた犯人の動きが止まった。ペパーは目を瞑っていたが話をまたしても聞いていなかったキョウスケ。フラッシュの光に目をやられるどころか消滅してしまい、7秒でまた戻ってくる。岩を落としていた犯人はポケモン。地面に急降下し自分の近くまでやって来たキョウスケ達を睨みつける。

 

「ストォーク!」

 

「あれはオトシドリか!ここにいると言う事はヌシだな!」

 

「おじさん下がってくれ!後は俺たちが…」

 

「いや乗り掛かった船だ。やれるまで居させてもらうよ」

 

 岩を落としていた犯人はヌシと見られるオトシドリ。オトシドリは声を張り上げると若干雲が掛かっていた空から雲を消滅させる。キョウスケはヨクバリスとおじさんに付き添っていたガブリアスを前に出し、ペパーは道中で進化したジオヅムを前に出す。

 

 オトシドリは再び空中に羽ばたくと風を羽ばたかせねっぷうを巻き起こす。

 

「君たちは前に!ライチュウ、ひかりのかべ!」

 

「ジオヅム、パワージェム!」

 

「ヨクバリス、はたきおとす!ガブリアスはストーンエッジ!」

 

 ライチュウが壁を張り熱風を防いでいく中ジオヅムが岩の弾丸を放って行くがオトシドリの前に岩壁が出現し、ジオヅムの一撃が止められガブリアスのストーンエッジも自らの体に岩を纏う事で防ぎ切り、締めの飛びかかったヨクバリスのチョップもオトシドリの岩によって防がれヨクバリスは弾き飛ばされる。

 

「ヨクバ!?」

 

「アイツ、身体に岩を纏いやがったぞ!?」

 

「ストォーク!」

 

「ライチュウ、リフレクター!」

 

「ガブリアス!ドラゴンダイブ!」

 

「ジオヅム、前に!てっぺきだ!」

 

 オトシドリは羽を羽ばたかせると身体全てに岩を纏わせ高度の熱を纏わせながら突撃して来た。ライチュウがリフレクターを張ってくれた中でジオヅムもライチュウと同じ位置に。リフレクターにオトシドリが体当たりをかますが一瞬にして叩き割られ…

 

 ガブリアスの横腹への突撃でオトシドリの突撃方向を何もない場所にずらす。

 

「なんて奴だ…!」

 

「オトシドリはいわはこびという特性がある。岩タイプの技を1.5倍にする特性だ。だがアレはまるで岩タイプそのもの…!」

 

「岩なら水で粉砕してやる!行くぜウネルミナモ!」

 

「グオオ!」

 

「ストォーク!」

 

 キョウスケが三体目のウネルミナモをフィールドに出す中、おじさんの言う特性を考えていたペパー。オトシドリが迂回しながら戻ってくる中キョウスケがウネルミナモに向かって声を張り上げる。

 

「ウネルミナモ、ハイドロスチーム!」

 

「ライチュウ、10まんボルト!」

 

 ウネルミナモが口から水を吐きつけ晴れていてもなお勢いを増して行く中でライチュウの10まんボルトがオトシドリに炸裂。然しオトシドリは再び身体に岩を纏わせる。だが今度はその岩は粉砕されオトシドリ自体は違う場所から現れる。

 

 まさに変幻自在。見下ろすようにキョウスケ達を見つめるオトシドリを前にしてキョウスケ達はただ息を吐くしかなかった。




見てくださりありがとうございます。
駆け足で来ましたがひとまず今年はここまで。
このおじさんは緊急で書きました。ほぼサポートです。
ここからミミズズ、ガケガニよりさらに強くなります。
お楽しみに。では。


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卑怯な戦法使いやがって!真面目に戦え焼き鳥!

明けましておめでとう御座います。
早速…と言いたいですが最初はバトル回となります。
今年一年またよろしくお願いします。


 前回のあらすじ!新年明けましておめでとう御座います!パルデアはまだ2023年でぇす!

 

「ウネルミナモ、ハイドロスチーム!」

 

「…スッ!」

 

 ヌシポケモンであるオトシドリと交戦中の3人。その一人であるキョウスケのウネルミナモが口から放ったハイドロスチームは照りつけている太陽の熱により減るどころかかなり倍になっていく中オトシドリはその場に岩で作った自分の身代わりを置いてその場から消える。

 

 地面を伝ってキョウスケ達の後方に出現すると…

 

「後ろだ二人とも!」

 

「くそ!ジオヅム、てっぺき!」

 

「ストォーク!」

 

 背後に出現したオトシドリが翼に岩を纏いながら翼を振り下ろしてくる中、ペパーのジオヅムがオトシドリの前に立ち塞がり身体に鉄を纏わせるがあっさりと吹き飛ばされ壁に叩きつけられる。一撃を食らったジオヅムは一撃で戦闘不能。オトシドリはさらに追い討ちをかけようともう片方の翼にも岩を纏わせる。

 

「みんな目を瞑れ!ライチュウ、フラッシュ!」

 

「ライ!」

 

「ヨクバリス、ガブリアスタイミングを見て仕掛ける!アクアブレイクとはたきおとす!」

 

 ライチュウが発したフラッシュによりオトシドリは怯み、怯んだタイミングを見て同時に飛びかかったガブリアスとヨクバリスがオトシドリに殴りかかるが目を瞑っている状態にも関わらず二体の技をかわされた。これにはジオヅムの元に駆け寄っていたペパーも驚き…

 

「タイミングは完璧だった筈…!?」

 

「気配でも分かるのかコイツ…!」

 

「今のをかわされるのはかなり堪える物がある…!」

 

「ストォーク!」

 

「みんな出てこい!加勢を頼む!」

 

「行くぞシェルダー!」

 

 再び向かって来ようとするオトシドリに対してキョウスケは手持ちを全てその場に繰り出す。ジオヅムがやられたペパーはシェルダーを出す。オトシドリが声を張り上げながら岩を体に纏わせる中キョウスケの指示を受けたヨーギラスが前方に出ると…

 

「ヨンギ!」

 

「スト!」

 

「ウネルミナモ、りゅうのはどう!モトトカゲはギアチェンジ!」

 

「シェルダー、ちょうおんぱ!」

 

 ヨーギラスが出したのはまもる。そしてアチゲータがウネルミナモをてだすけする中まもるのバリアに止められたオトシドリはウネルミナモから放たれたりゅうのはどうを直撃しさらにシェルダーのちょうおんぱを喰らわせられ、オトシドリは混乱状態になりながら下の道路に落下していく。

 

「しゃあ!」

 

「前だペパー君!」

 

「え…?嘘だろ!?」

 

「ストォーク!」

 

「きのみの跡…!拾い食いしやがったなコイツ…あの一瞬で!」

 

 思わずガッツポーズをしたペパーだったがすぐに戻ってきたオトシドリに驚きを見せる。どうやら一瞬できのみを食べていたらしく混乱も治っている。判断能力と反射神経に驚きしかないが驚いている間にもオトシドリはねっぷうを放ってきた。

 

「ライチュウ、ひかりのかべ!」

 

「ガブリアス、ストーンエッジ!ヨクバリスはそれを殴りつけろ!」

 

「え!?」

 

 オトシドリの熱風をライチュウの光の壁とガブリアスの岩の壁で防いでいく中ヨクバリスが思い切り岩を殴りつけ、破損した岩の欠片をオトシドリに向かって放っていく。オトシドリは自分の前に岩の壁を作り込む事で岩を防ぐが、ペパーの驚きを横目にキョウスケが指示を出す。

 

「シェイミ、マジカルシャイン!」

 

「ストォー!」

 

「前進してもいいのか?今だモトトカゲ!サンダーダイブ!」

 

(マジカルシャインは囮…!抜群の技をわざわざ…!)

 

 シェイミの前にオトシドリが岩を纏いながら向かっていく中ギアチェンジをしていたモトトカゲが空中からオトシドリを叩きつけ、さらにシェイミのマジカルシャインが命中。ダブルパンチとなったが上手く行ったかと思えば、叩きつけられたオトシドリは砂となって消滅した。

 

「くそ…!どこ行きやがった!?」

 

「そこの壁だキョウスケ!」

 

 ハマったコンボを前にしてオトシドリはキョウスケ達を嘲笑うかのように山の壁付近から三度浮き出るようにして出現。大ダメージを食らったとは思えないほどにピンピンとしてる中、オトシドリはそのままねっぷうを放ってくる中、アチゲータが反撃とばかりにかえんほうしゃを打ち込む。

 

 だがほのおタイプのアチゲータの一撃がオトシドリの熱風に負けてしまい、そのまま熱風が直撃しキョウスケの所まで吹き飛んできた。熱風はライチュウの光の壁が犠牲になる事で全員にダメージはなかった。

 

「アチゲータ!くそ…!」

 

「私が傷を治そう」

 

「おっさん…!すまねえ」

 

「こんな状況で言うものじゃないが…このオトシドリ。特化した特性により特別な事が出来ているかもしれない」

 

「特別…?」

 

「岩を纏うなんて岩タイプでも見たことがない。例えばいわはこびの特性をどの技にも自在にいわタイプの効果を混ぜている…もしくは持つ技を5倍に膨れ上げているかだ」 アチゲータの傷を治すためここまでキョウスケとペパーのサポートに回ってくれていたおじさんは一旦離脱。オトシドリは明らかに特性を何らかの形で強めている。キョウスケがパンと頬を叩き気合いを入れ直し、その前方にポケモン達を見据える中オトシドリが声を張り上げる。そして身体に岩を纏い突撃してきたその時だった。

 

 ペパーやキョウスケの間を一瞬にして通り過ぎた存在が二人の元に向かっていたオトシドリを吹き飛ばし壁に叩きつける。キョウスケとペパーが後ろに振り返ると着地したウェーニバルとアオイのエルレイドの姿が。

 

「ありがとうウェーニバル」

 

「お待たせキョウスケ!援軍だよ!」

 

「随分頼りない援軍だなあ?」

 

「何だとー!?」

 

「だが今はナイスタイミングだ!礼を言うぜ」

 

 ネモとアオイがキョウスケら二人に加勢したタイミングでしっかりと前を見据えていたヨーギラスの身体が光り始める。とんでもないタイミングだがヨーギラスがサナギラスに進化を果たす。

 

「とんでもないタイミングだな!?」

 

「少なくともお前のやる気は伝わった…!」

 

「サナ!」

 

「ストォーク!」

 

「ウェーニバル、はやてがえし!」

 

「エルレイド、じこくづき!」

 

 サナギラスが進化したタイミングで再び向かってこようとするオトシドリ。その前にウェーニバルが行き思い切りオトシドリを蹴り付ける。だがエルレイドの一撃は地面と同化する事で回避。そのままオトシドリは地面から一つの岩の壁に近づく。

 

 そして岩の壁を叩き壊すと自分の手前に落ちてきたスパイスをオトシドリはくちばしで持ち上げ、そのまま噛む事なく飲み干す。オトシドリは声を張り上げると共に身体にオーラを纏う。

 

「本気って事か…!」

 

「ストォーク!」

 

「サナギラス、まもる!ガブリアスはドラゴンダイブ!モトトカゲはドラゴンクロー!ウネルミナモはドラゴンエール!」

 

「シェルダー!ちょうおんぱ!」

 

 オトシドリは地面に翼を叩きつけると植物のように生やしてきた岩を放ってくる。サナギラスが岩を防いでいる間にウネルミナモのサポートを受けてガブリアスとモトトカゲがオトシドリに迫っていく。目の前でガブリアスとモトトカゲが攻撃しようとした構えでオトシドリは自身に岩のバリアを張り込む。

 

 二体が岩の壁に触れた瞬間に壁は大爆発。ガブリアスとモトトカゲは吹き飛ばされる。ちょうおんぱは爆発によってかき消された。

 

「何だ今の!?」

 

「ストォーク!」

 

「ポケモンの技の範疇を超えてる…!」

 

「チュチュ…」

 

 変幻自在過ぎるオトシドリの戦法にキョウスケ達が苦戦する中それを不安そうに見つめていたシェイミ。オトシドリとの戦いが進む中で静かに前を見据えていた…

 

 

 




なんか更新しようとした奴が吹き飛んだんですよね。
まあこれからもよろしくお願いします。
頑張るます!


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キビキビー!え?ネタバレすんなって?やかましい!

お疲れ様です。オトシドリとの戦い3つ目になりました。
多分次か今回で終わる予定です。とりあえず頑張ります。


 前回のあら…あら…すじキビキビー!え?つまんないからやめろ?つまんないかどうかは俺が決めんだよッ!

 

「ウェーニバル!はやてがえし!」

 

「エルレイド、じごくづき!」

 

「ストォーク!」

 

 ウェーニバルとエルレイドの2体が同時に足元を蹴り出し一瞬にしてオトシドリの懐に迫って行く中で正に2体が攻撃体勢に入ったその瞬間にオトシドリは岩の壁を身に纏い、2体の攻撃を防ぐ。攻撃を防ぎ切った壁は爆発し、岩の破片を2体に浴びせながら自らの近くから吹き飛ばす。

 

 オトシドリは再び声を張り上げると地面から岩の突起物を召喚しキョウスケ達に向かわせてくる。

 

「サナギラス、まもる!ヨクバリス、カウンターだ!」

 

「シェルダー、あまごい!」

 

 岩の突起物はサナギラスが前に出たと同時に剣型に変形しサナギラスが貼ったバリアにぶつけられてくる。ヨクバリスはもう片方の岩をオトシドリに投げつけるがあっさりかわされる。オトシドリが三度岩を纏おうとした瞬間にシェルダーが降らせた雨で動きが鈍る。

 

「動きが鈍った!」

 

「しめた!ガブリアス、アクアブレイク!モトトカゲ、サンダーダイブ!ウネルミナモ、ハイドロスチーム!」

 

「続くよウェーニバル!インファイト!」

 

 ガブリアス、ウェーニバル、さらにモトトカゲが先行して行く中オトシドリは一瞬でシェルダーが降らせた雨を晴れに変え3体の拳とタックルを自ら岩の壁を身に纏わせ直撃を喰らいながらも防ぎ切る。防ぎ切った岩の壁は偽物のオトシドリとして分離。

 

 ガブリアス達が反撃しようとした瞬間にウネルミナモのハイドロスチームが偽物に直撃。偽物達が砂と化した。

 

「偽物まで作り出せるの!?」

 

「ストォーク!」

 

「文句言ってる暇はねえ!どうにか押し切る!サナギラス、まもる!」

 

「耐久戦ならしてやる!シェルダー、あまごい!」

 

「エルレイド、いやしのはどう!3体にお願い!」

 

 サナギラスがバリアを貼り付けている間にこちらに戻って来た3体の傷をエルレイドが回復させて行く。サナギラスのバリアが無数の岩の突起物によってあっという間に割られ、雨が再びオトシドリの動きを鈍らせている中キョウスケが声を張り上げる。

 

「ヨクバリス、カウンター!」

 

「雨には弱いみたいだな!シェルダー、つららばり!」

 

「もう一度行くよ!ウェーニバル!アクアステップ!」

 

 ヨクバリスが岩の突起物を押し返しシェルダーがつららばりをオトシドリに向かって放って行く。ウェーニバルが足元を蹴り出しオトシドリを蹴り付けようとしたその時にウェーニバルの蹴りをオトシドリは天候を晴れにし水技の威力を軽減させる事で身体で受け切る。

 

 そして翼に岩を纏わせウェーニバルを思い切り殴り抜き、キョウスケ達の元まで吹き飛ばす。シェルダーのつららばりは日本晴れによりオトシドリの手前で溶かされた。

 

「ウェーニバル!」

 

「アオイ!ウェーニバルの方にエルレイドを回してくれ!交代の時間がない!」

 

「わ、分かった!」

 

「キョウスケ!奴が頭上に!」

 

「ッ!」

 

 幸い戦闘不能にはなっていないみたいだがオトシドリの攻撃ペースを考えると中々交代させるのは難しい。アオイのエルレイドがウェーニバルの方に回り、自分はニャローテをその場に出す。エルレイドに任せたネモが次に繰り出したのはヌシで対したミミズズだった。

 

 だがそうしている間にもオトシドリが自らの体を巨大化させ、キョウスケ達の方に落下して来たその時。沈黙を守っていたシェイミがキョウスケ達の前に飛び出すとマジカルシャインの弾丸にてオトシドリを弾き飛ばす。

 

「シェイミ!」

 

「やるじゃんかお前!」

 

「シェイミ…!」

 

「チュチュ!」

 

 吹き飛ばされたオトシドリは身体を元のサイズに戻し、身体に岩を纏わせたその瞬間。どこかしらか飛んできた炎がオトシドリに命中。ダメージまでには至らなかったが技を中断させる事に成功。キョウスケが後ろを振り返るとそこにはおじさんと赤いワニみたいなポケモンが。

 

「おじさん…ソイツ…」

 

「ラウドボーン!進化してる!?」

 

「戻って数分で進化したんだ。傷の回復は終わった!すぐに参戦できる!」

 

「グオウ!」

 

「シェイ!」

 

 アチゲータがラウドボーンに進化した以外にも驚きは止まらない。シェイミが身体を輝かせると羽を生やした姿に変身する。オトシドリは声を張り上げると衝撃波を放つと同時にオーラを纏わせる。おじさんはラウドボーンを送り届けその場から退散し、ラウドボーンも戦線に加わる。

 

 オトシドリは空中に浮かび上がると巨大な岩を空中に作り出す。

 

「岩だったら何でもありちゃんか!?」

 

「シェイ!」

 

「グオウ!」

 

「みんな下がってろ!ここで奴を終わらせる!」

 

「どうやって!?」

 

 アオイに聞かれたキョウスケはどこか自信に満ち溢れていた。シェイミとラウドボーンが横に行ったキョウスケはオトシドリが岩をどこぞの元気玉のように投げつけて来たのに対しキョウスケは思い切り声を張り上げた。

 

「ラウドボーン、フレアソング!シェイミ、ハードフレア!」

 

「シェイ!」

 

「グオウ!」

 

 キョウスケの中ではこの一撃で決着を付ける気でいた。それはもしかするとオトシドリも劣勢を悟りそうしたのかもしれない。いざという覚悟はペパー達もしていた。こちらに落下してくる巨大な岩とラウドボーンとシェイミから放たれた炎と衝撃波。

 

 ぶつかり合った両者の一撃はシェイミのシードフレアが岩を真っ二つに分断しラウドボーンのフレアソングからの炎が岩を纏おうとしたオトシドリに直撃する。オトシドリは身体を燃やしながら近くの湖の方に落下。大きな水飛沫と共に湖付近にいたキャモメ達が一斉に飛び立っていた。

 

「やったの…?あんな奴を倒した!?」

 

「でもさっき起き上がって…」

 

「いや…あの落ち方はさっきはしてなかった。あんなタフな奴だから致命傷ではないだろうが、しばらくは起き上がれないはず」

 

「はああ…何だったんだアイツ…!特性を倍にしてくるとか聞いてないぜ…!」

 

 湖に落下しても尚起き上がって来ないオトシドリを見てキョウスケ達はようやく勝利を確信。オトシドリは自らの特性を倍にしとんでもない強さでキョウスケ達に襲って来た。一息吐いたキョウスケ達の元に最初には戦線に参戦してくれ、後はラウドボーンを届けてくれたおじさんが歩いて来た。

 

「やったみたいだね良かったじゃないか」

 

「おじさん!」

 

「半分アンタのおかげだよ。感謝してる」

 

「僕は流れで入っただけさ。目的は達成したから僕は行くよ。またね」

 

 おじさんに改めて礼を述べると彼はそのままキョウスケ達の前を歩いて去って行く。次にキョウスケ達の目に入ったのはオトシドリがスパイスを取り出していた洞窟。各自出していたポケモンをボールに戻すと洞窟に向かって歩き始めて行く。

 

 そんなキョウスケと別れたおじさんは遭遇したキラに絡まれていた。

 

「英雄達の助太刀とはいやいや素晴らしいですね」

 

「君は知ってる。確か記者の方だね。ヌシは退治されたよ」

 

「私は戦えないですからね。ここからその光景を見させて頂きました」

 

「なるほど?聞きたい事があるなら彼らに聞くといい。君の目的が何であれだ」

 

「是非…そうさせて頂きたいと思いますよ」

 

 三体目のヌシの退治とその件を取材するキラ。洞窟に入って行ったキョウスケ達の裏で動くキラは一体何者なのか。そしてオトシドリ、ガケガニ、ミミズズと三体のヌシが退治された裏で大きな存在二体が砂漠と湖にて声を張り上げようとしていた。

 

 それらとキョウスケ達が接触するのはもう少し後の話だ…




見てくださりありがとうございます。
とりあえず次回はふざけたいと思いますのでよろしくお願いします。


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今から貴様にガンダムファイ…キビキビー!

どうもお疲れ様です命です。
今回はふざけも入りつつバトルほどではないですけどシリアスは入れます。まあできる範囲で頑張ります。


 前回のあらすじ!貧弱貧弱!ちょいとでも俺に敵うと思ったかマヌケがァ!貴様らはここでキビキビするためにここにきたのだぁ!

 

「キビキビって何だ?」

 

「詳しくはポケットモンスタースカーレット・バイオレットのダウンロードコンテンツで検索!」

 

「そのスカーレット何たらの作品なんだよこの作品!メタいって!」

 

「何!?メタルスライム!?」

 

「言ってねえよ!」

 

 オトシドリ打倒後ひでんのにがスパイスを入手したキョウスケ達一行はオトシドリ戦の疲れを癒す為にスパイスがあった場所にてピクニックを展開。4人のポケモンが無邪気に動き回る中で一仕事終えたキョウスケとヨクバリスは元のテンションに戻っていた。

 

 当然ペパーのマフィティフもいるのだがこちらはスパイスの入ったサンドイッチを食べてもなおまだ効果が出ないのかぐったりした様子。

 

「ペパー。そんなに気にかけていたらペパーまでしんどくなっちゃうよ」

 

「分かってるんだけどな…」

 

「しょうがねえな!よし!ヨクバリスが胸を貸してやるから飛び込んでこい!」

 

「ちょっとだけよん?」

 

「てかキョウスケのヨクバリスってオスなんじゃ…うわあ!何か膨れ上がったぁ!?」

 

 マフィティフを気にかけるペパーを気にして声をかけるアオイ。そんな最中キョウスケが自信満々の表情でペパーを見つめるとヨクバリスの方を指差す。何故か色気が漂って来そうなポーズをしていたヨクバリスではあるが、ネモが指摘した瞬間に毛玉みたいに顔だけしか見えない状態に。

 

「どうなってんだそれぇ!?」

 

「フッ…これこそ先程のオトシドリが見せた武装色の覇気…」

 

「ここポケモンの世界だよね?」

 

「オトシドリは四天王の中でも最弱…」

 

「めちゃくちゃ強かったじゃんアイツ!」

 

 ドヤ顔を浮かべながら語るキョウスケとヨクバリスの後方にガブリアスとウネルミナモが回り込み思い切り叩き込む。ハエのように叩き潰された二人はひらひらと紙のように浮かんだ後に同じ位置で元の大きさに戻る。そんな最中ネモが釣れていたミミズズが目に入り…

 

「そういえばネモよぉ…いつからそのポケモン持ってたんだよ」

 

「ミミズズの事?元々は持っていたんだけど…ヌシってめちゃくちゃ強いじゃん。だからウェーニバルだけじゃきっと進めないって思って」

 

「確かに強いよなヌシ。その気持ちよく分かるぜ」

 

「やはりコイツには武装色の覇気が…!」

 

「それはもういいから」

 

 固まっていたペパーの表情にも笑みが溢れる。ただのスパイス探しのつもりがもしかするとジムリーダークラスかもしれないヌシポケモン達との戦いを強いられているキョウスケ達。そんな彼らにリラックスムードが流れ、そしてキョウスケとヨクバリスがアオイを睨みつける中…

 

 ピクッとマフィティフの手足が動く。その異変に気づいたシェイミが慌ててペパー達を呼びに来た。

 

「どしたシェイミ?」

 

「チュチュ!」

 

「…マフィティフ!」

 

 ずっと傍らにいたシェイミ達の隣にペパーが駆け込むとそこには立ち上がれはしないもののしっかりとペパーを見つめるマフィティフの姿。掠れた小さな声ながらも声を発しており、心配そうなその表情は瞬く間に笑顔に変わった。

 

「バフ…」

 

「マフィティフお前ー!良かった…!本当に…!」

 

「感動に入れ浸ってる所申し訳ないけどさキョウスケ。電話」

 

「は、おま!?計ったなアオイ!」

 

「そう思うなら電話主に言ってねえ」

 

 ペパーの元にネモ達が駆け寄る中でキョウスケだけ誰かかの電話でその場を後にする事に。折角のマフィティフのアクションが見えたのに…と顎を突き出しながら残念そうにしていたキョウスケはスマホロトムにて電話主との通信に出る。

 

「やあ電話主オレだ!」

 

「随分と元気そうじゃないか助っ人さん」

 

「お、お前はオーベム!」

 

「オーリムだ。ペパーの事も気にかかるが…今日は君と会話がしたい。情報を仕入れて欲しい」

 

 電話主はオーリム。ペパーの母である。一応連絡先を教えていたとはいえまさか直接かかってくるとはキョウスケは思っておらず少し口をとんがらせた煽りの表情を入れつつ、オーリムからの話を聞く。電話越しに見えるオーリムの表情は真剣だった。

 

「湖の方、砂漠の方からスパイスの反応が見れたが…そこにもあったそうだな」

 

「すっげぇオトシドリがよ!俺たちをギッタンバッコンキビキビーしたんだよ!びっくりしたよ俺は!」

 

「話は無茶苦茶だが意図は伝わった。君達の前に立ち塞がってるスパイスのヌシ。今回君達は特に強力な反応をしている場所に向かっていた」

 

「分かるように説明しろ」

 

「君達が対したヌシがとんでもなく強かったのなら次回からもっと強力なヌシが出てくるのを言っておきたい。大人である君にしか言えない。どうか3人を守ってやってほしい」

 

「そんな事の為に電話して来たとでもいう…いいよッ!」

 

 オーリムの語りかけに一度は拒否するような反応を見せたキョウスケではあったがすぐにグッとオーリムの方に笑みを浮かべて了承。少し肝を冷やしたかのように驚きの表情を浮かべていたオーリムだったが「了解してくれる」ならとさらに話し始める。

 

「キョウスケ。2つのスパイスを手に入れる際に立ち塞がる事になるかもしれないヌシについてだが…砂漠の方から少し嫌な予感がする」

 

「あ、この強力なプレッシャーは…まさかフリーザ!」

 

「伝説のポケモンの予感ではないな少なくとも…」

 

「じゃあ何だってんだよ!スーパーサイヤ人か!それともお大根か!」

 

「お、お大根?」

 

 特に気をつけて欲しいと真剣な表情をして話していたオーリムに対してキョウスケはそんなもの何ともないと言わんばかりにニヤリとした笑みを浮かべる。オーリムは特に砂漠の方に行く際には気をつけてくれとだけ告げて通話を切った。

 

 通話が切れたキョウスケはそのままヌシがいた洞窟に戻っていく。その遠くでは睨みつけるかのようにペンを握りしめるキラの姿。キョウスケの背中を見送った後にキラは何も言わずにその場から立ち去って行く中一人の男性に話しかけられる。

 

「話しかけなくていいのか?」

 

「今回は浸らせますよ。次回からもっと関わらせていただきますから」

 

「何かドス黒いのを企んでもいいが…少々必死すぎはしないか記者のキラ」

 

「こちらの名前くらいお見通しという事ですがガリュウさん。こんな大物と遭遇できたんです。取材させてもらいましょうか」

 

「何の取材か分からないが…少なくとも君が知りたがっているキョウスケの情報については何も知らない。それが交換条件だ」

 

 キラと通りかかったガリュウが取材という名目で会話を重ねる。キラとガリュウが話し合っている情報すら目に入らないままキョウスケ達は回復しつつあるマフィティフの姿に喜びを見せる。

 

「キョウスケ!大丈夫だったのか?」

 

「大丈夫も何も電話していただけだから大丈夫だ」

 

「あれぇ?ツッコミはぁ?」

 

「うっざ!」

 

 順調に回復して行くマフィティフを前にしてキョウスケとヨクバリスは謎の踊りを披露。ペパーやアオイがイライラを募らせて行く中で、ネモは呆れた表情を浮かべていた。そんな後方からガブリアスが二人をしばき再び二人を紙のようにピラピラの状態にした。

 

「このキョウスケ!容赦せん!」

 

「ピラピラ状態ながら何を言ってんだよ」

 

「これは7の力だァ!」

 

「うお!?まぶし!」

 

 キョウスケ達がリラックスムードを漂わせる中でパルデア地方の湖では原因不明の技が5人程のポケモントレーナーに傷を負わせたという新聞が賑わせていた。一体何が起きているのか、今のキョウスケ達は知る由もない…

 




見てくださりありがとうございます。
次回はもっとふざけられるかな?とりあえずよろしくお願いします。


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おいSTCとはなんだ!俺が聞いていたのは星飛雄馬だぞゴラ!

お疲れ様です。この作品もパソコンから書いています。
書いている感じはそんなにスマホと変わらないような気がしますね。
今回も頑張ります。


 前回のあらすじ!おい競技用スパイク!スマホからパソコンに変えたみたいだが小説家に必要なのは文章の量ではなく語彙力だぞ!

 

「いきなり何の話しているの…」

 

「そうだよマスター。ほら図星を突かれた作者がそこで泣いているよ」

 

「泣いているの!?」

 

 スマホからパソコンに書くソフトを変えて図星を突かれた作者の事は放っておいて。セルクルタウン近くの山にて大空のヌシであるオトシドリを破ったキョウスケ達。そのオトシドリ戦の疲れをピクニックにて癒した一行はマフィテイフを元気に戻すためにもっとスパイスを上手く料理できるようにと行先であるカラフシティのジムリーダーをしているハイダイに会うために移動を開始していた。

 

 当然オーリムがキョウスケに告げた嫌な予感はペパーたちには話していない。そもそもキョウスケがそんな真面目な話をするキャラではないからだ。移動の最中キョウスケとヨクバリスは相も変わらず変な踊りでポケモン達を威嚇していた。

 

「おい貴様らどこに行く!俺と一緒にマッスルダンスを踊ろうじゃないか!」

 

「ウェーニバル。あれぶん殴っていいよ」

 

「クワ!」

 

「何だウェーニバル!俺は今からこいつらに…」

 

 逃げ惑うポケモン達を見てネモは呆れながらウェーニバルに指示を出すが、顎を突き出しながらキョウスケ達が反撃に出ようとしたその時だった。威嚇されたポケモン達の総反撃に遭いキョウスケとヨクバリスは思い切り踏まれその場に倒れ込む。キョウスケとヨクバリスに思い切り反撃をしたポケモン達はそのまま走り去っていった。

 

 キョウスケとヨクバリスが当たり前かのように7秒で起き上がる中でその仲間たちは冷たい視線をキョウスケ達に送っていた。

 

「何だよその目は!もしかして俺とビリーズブートキャンプを披露したいと言うのか!」

 

「ボジティブだなホントお前ら!」

 

「俺たちは目からビームぐらい出さないと全く持って傷つかないぜ!」

 

 ペパーがツッコミを入れた後にキョウスケとヨクバリスが高々と笑う中でその後ろから勝手にボールから出てきたウネルミナモが水しぶきを浴びせる。水しぶきを喰らった二人は何故か前方ではなく空中に星になるまで吹き飛ばされた。

 

「ほ、星になったァ!?」

 

「びっくりしたァ!何すんだウネルミナモ!」

 

「地面から生えてくんな!どういう原理してんだお前ら!」

 

「ギャグマンガ補正とか?」

 

「そんなもんあったらこの世界崩壊しちゃうよ」

 

 星になったキョウスケ達はペパーたちが眺める間もなく地面から頭だけ飛び出してそのまま地面から飛び出す。ネモが思わずギャグの世界線の感じを疑うが考えるのやめたアオイがネモに苦笑いを浮かべながら発言する。こんな調子で大体歩きながら進んでいたキョウスケ達はポケモンセンター付近にいた。一旦ポケモンセンターにて休憩しようとしたキョウスケ達の前にいたのは学生服の二人組。

 

「何アンタ達?ここは今STCの休み場になっているんだけど?」

 

「STC?ETCと間違えてんだろお前ら」

 

「誰が高速道路の所よ」

 

「キョウスケ。STCというのは昨日会ったボタンさんがリーダーを務める団体だよ。リーグと学園の懸け橋になっているみたい」

 

「一応大切なことはしているね。ごめんね君たち。ちょっとこの子態度悪くて」

 

「気にするなボビーオロゴン。俺たちは常にストレスフリー団体だ」

 

 学生服を着た二人組は星形のサングラスを付ける中そんなキョウスケ達を煽った女子に向かってキョウスケは変顔をしながら挑発し返す。もう一人の男子がキョウスケと女子のにらみ合いをなだめようとする中で未だに挑発しようとしたキョウスケはボールから出てきたガブリアスとウネルミナモ、そしてモトトカゲに思い切り叩かれぺちゃんことなり埃のように空中に浮かび上がる。

 

 STCのメンバーが驚きを見せる中でペパーたちは特に表情を変えることなく…

 

「ああ…いつものことだから気にすんな」

 

「いつもの事なの!?ペラペラになることが!?」

 

「復活!」

 

「うわ!人間のサイズに戻った!」

 

「うわってなんだ!うわって!こちとらヒューマンだぞゴラ!」

 

 STCのメンバーがペラペラのサイズから元の人間のサイズに戻ったことに大きな驚きを見せる中で男子生徒が見せた反応に中指を突きたてながら過剰に反応。そして何かを納得したかのように女子生徒の方に指を差すと…

 

「おい星形!俺はお前にキビキビファイトを申し込む!」

 

「STCだってキョウスケ!てかキビキビファイトって何!」

 

「説明しよう!キビキビファイトとは!」

 

「説明はいるの!?どうでも良さそうなのに!?」

 

「ただのポケモン勝負だ」

 

「それなら普通に言えや!」

 

 中指を突き立て唇の下を思い切り突き出し女子を挑発。男子から思わずキョウスケとヨクバリスはツッコミを受ける中で女子はニヤリと笑いながら…

 

「へぇ?上等よ。やってやろうじゃない。来なさい!ウチのアジト!」

 

「ちょ、ちょっと!わざわざアジトでポケモン勝負しようっての!?」

 

「上等だ。アジトでもスッポンでもどこでも勝負を受けてやらあ!」

 

「そこまでだ二人共」

 

「ん?」

 

 キョウスケとにらみ合っていた女子を止めたのはヘッドホンを首元にかけている一人の男子生徒。その隣にいた男子生徒が女子生徒の頭を軽くたたく。キョウスケがその男子生徒に近寄ると…

 

「何だあテメエ!」

 

「うちのメンバーが失礼を働いたみたいだ。すまない。僕はピーニャ。ここの二人の上司的な役割の人間だ。指導はしておくから引いてくれないか」

 

「キビキビファイトから逃げると…」

 

 まだピーニャに突っかかろうとしたキョウスケは後ろにいたガブリアスに再び叩かれ思い切りペラペラになった。先ほどの生徒達と一緒でピーニャと一緒に来たメンバーは驚きを見せる。キョウスケの代わりにネモとアオイが頭を下げる中で、キョウスケは渋々ながら引き下がることに。

 

「君たちはどこか旅の途中なのかい?」

 

「ああ。カラフシティに向かっている最中でな」

 

「それは貴重な休憩な時間を台無しにしてしまったな。カラフは今かなりピリピリしていると思う」

 

「辛みか!」

 

「そうだといいんだけどね。行ってみたらわかる。砂漠に巨大なポケモンが出たみたいで。全員がイライラしている訳ではないが怯えている人が多かったイメージがある」

 

「ここに通りかかったの?」

 

 カラフシティに向かうとペパーが説明するとピーニャは淡々とカラフに今何が起きているのかを説明し始めた。どうやら接触する砂漠にて巨大なポケモンが出現したらしくマリナードタウンという場所に向かおうとする人々にそのポケモンが次々と攻撃を仕掛けているらしい。幸いその攻撃により被害した人物等はいないが近くの湖では巨大なポケモンに傷つけられた人が出てきたという話も出ているのをピーニャは話した。

 

「ポケモンによって傷つけられた人が!?」

 

「そんなもん当たり前だぞ。俺なんかこいつらにしょっちゅう殴られているんだぞ!」

 

「いやまあ…お前はな…」

 

「それでかなりカラフの町の人も家から出ない人もいるみたいで。カラフのジムリーダーが一回討伐に出向いたそうだが…姿も形もなかったって」

 

「え…?」

 

「とりあえず不気味なんすよね。カラフ自体は大丈夫っすけどマリナードに向かうなら気を付けてくださいね」

 

 カラフシティについて説明があったキョウスケ達はその言葉にピーニャ達に感謝しながらその場から通りすぎていく。一行の視界に入ってきたカラフシティに活気が伝わってこない。ペパーはそのことに少し焦りを抱いていた…




カラフシティに入るまで随分引っ張ってしまいましたね。まあふざける作品なんでとりあえずふざけられたので良かったかなと思います。もう少し慣らしたいです。


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戦闘力ゴミカスの倅がエリートを泣かせたぞ!

お疲れ様です命です。この作品ともう一つ書いている作品が一旦まとまって来たので本日更新の分から見直し分を入れようと思います。
自分もちょくちょく誤字っていたり文章が長いな、おかしいなと思う面がありましたがかなりマシになるかと思います。
それでもやはり出て来てしまうと思いますので、どうしても気になってしまう方は教えて下さると幸いです。


 前回のあらすじ!前回のギャグ路線のネタがとんでもなくグダグダになっていたことを反省しておりまぁす!反省したから金を寄こせ。

 

「全く持って反省してねぇじゃねぇか!」

 

「むしろ反省こそ気が狂っていたと思っていたから安心した」

 

「街に入る会話がこんな感じで大丈夫なの?」

 

 STCのピーニャがいるアジトを通り過ぎ、キョウスケ達一行はカラフシティに差し掛かる。ピーニャが言った通り街は少しだけ静かだがそれ以外は普通そのもの。

 

 だが町の人々がカラフの外にあるロースト砂漠を見る傾向があり、そちらに向かって警戒心を抱いているというのは間違いなさそうだ。

 

「思っている以上に普通だね」

 

「だけど何人かロースト砂漠の方を見つめているよ?」

 

「何!?トースト砂漠だと!?」

 

「美味しそうな砂漠だな…」

 

 人々は砂漠を極度に気にしている様子で過度な活気と言うのは伝わってこない。だが普通に会話していても大して浮かないような感じだ。

 周りをペパーたちが見渡す中でキョウスケは口をパクパクさせながら砂漠の方を見つめている男性の方に近づこうとするが、アオイに首根っこを掴まれその動きを止める。

 

「な、何をするんだ!許さん!」

 

「よく見るんだマスター。あれはドラクエの魔王の手下…」

 

「世界観違う事を平気で言うのやめてくれる?」

 

「平気ではありません!必要だからふざけるのです!」

 

「何か分からねえが名セリフが台無しになった気がする…」

 

 周りを見渡しつつ進んでいた一行は特に周りに疎まれることも怪しまれることもされないまま、噴水広場の方に差し掛かる。

 

 キョウスケのボールから平気で飛び出したヨクバリスは後でウネルミナモに尻尾でしばかれペラペラになる中、少しばかりの人気を感じたカラフシティ入り口付近とは対照的に噴水広場からは皆砂漠の方からの襲撃に警戒している影響からか、人が少ないように感じる。

 

 見えるのは出店を開いている男性達のみ。噴水付近はすっからかんだ。

 

「どういうことだよ…セルクルでももう少し活気があったぞ!?」

 

「おいおっさん、トースト砂漠で何が起きているんだ?」

 

「トースト砂漠じゃなくてロースト砂漠!てか何勝手に人に聞いちゃってるの!?」

 

「砂漠の方ではな魔人アオキと言う人物が猛威を振るっていてな…」

 

「それただのジムリーダーだって!この空気でとんでもないこと呟いてるよ!」

 

 真面目な顔からのふざけた言葉にキョウスケがネモからしばかれる中でアオイがびっくりしたような様子で声を張り上げる。

 

 少し冗談を効かせた男性から話を聞くと皆砂漠の方からの何かを警戒してか家に閉じこもってしまっているらしい。それが入り口付近にしか人が見当たらなかった大きな理由とも言える。

 

「おっさん、カラフシティにはハイダイさんと言うジムリーダーがいたと思うんだ。その人はどこにいる?」

 

「ハイダイさんね…ハイダイさんは空飛ぶタクシーで現在マリナードタウンにいるよ」

 

「こんな危険な時なのに!?」

 

「少しでもみんなに筋肉と言う力を…」

 

「誰かと間違ってるっておっさん!」

 

「この世の全ては筋肉という事か…」

 

 湖の方では負傷者が出て砂漠の方では人が襲撃される。今の現代においてポケモンが襲撃してくるという事はなかったことだ。

 

 それが影響しているからかジムテストの進行が停止を喰らっており、それどころかカラフに訪れる人すら減少している始末。

 

 そんな現状を見かねたジムリーダーハイダイは少しでも皆に元気になってもらうべく今はマリナードタウンにて新鮮な魚介を探しているという。砂漠の元凶を探すという事だがこちらは手詰まりらしい。

 

「そのなんだ…海軍本部?」

 

「所詮キョウスケは人生の敗北者じゃ…」

 

「取り消せよ…今の言葉!」

 

「ふざけないで話が進まないから!」

 

「それじゃ今カラフにハイダイさんは不在という事だな?」

 

「すぐ戻ってくるとも言っておったみたいだから戻ってくるとは思うぞ」

 

 カラフにはハイダイは不在。話を聞きたかったがこれでは手詰まりだ。すぐ戻ってくるとは言っていたがそれがいつになるか分からない。

 

 不意にボケを入れてくる出店のおじさんにキョウスケとヨクバリスが変顔をしながらからもうとする中でボールから出てきたガブリアスにしばかれ、二人は一旦ペラペラの状態となったが…

 

 不意と立ち上がったキョウスケが砂漠の方を指を差しながら提案する。

 

「よし!お前ら!今から砂漠に行こう!」

 

「砂漠に行ってもハイダイさんは…」

 

「違う!その元凶を退治しに行くんだよ!」

 

「正気かキョウスケ!?元凶は普通に人間に攻撃してくるんだぞ!?」

 

「俺のかめはめ波があれば…」

 

「普通に名前を出すな名前を!」

 

 ハイダイは不在だが話を聞くことは出来た。要するに元凶さえ倒してしまえばカラフを脅かす存在はいなくなる。

 

 そう判断したキョウスケは砂漠の方に行こうと話すが危険の方に行こうとしているため仲間たちは当然猛反対。キョウスケを説得しようとしても本人は唇を尖がらせて話を聞こうともしない。

 

 そんな最中話し合いを続ける一行の前に一人の男性が現れる。

 

「その話、俺も乗せてくれないか?」

 

「!?」

 

「お前はテーブルシティで会った!」

 

「名前はそうだサンドウィッチ!」

 

「ハルトだ。話は聞いた。相手が巨大なら戦力が必要なはずだ」

 

 一行の前に現れたのは何とキョウスケとテーブルシティで激闘を繰り広げた元チャンピオンであるハルト。

 

 ネモは一瞬怯えた顔を見せていたがハルトの目から邪念が消えているようなそんな気配がした。いつも隣にいた取り巻きの二人の存在はない。

 

 何か接していた時のハルトと違うそんな気配を感じ取ったキョウスケ達は謹慎処分だったはずのハルトの方に目線を向ける。

 

「今更協力だなんて信用ならないよ!」

 

「そうだろうな。そう思われて当然だ。特にネモにとっては印象は最悪だと思う」

 

「ハルト…」

 

「協力なら焼き土下座しろ!」

 

「焼いて根から反省しろ!」

 

「話が進まねえからお前ら黙ってろ!」

 

 ハルトの目は真剣だった。意思は確かに伝わってきたが確かに本人が言う通りネモから見た彼の印象と言うのは最悪に近い。利用されしかもハルト自身は他のメンバーとつるんだ。

 

 結果的にそれがネモを精神的に追い詰めキョウスケ達と出るまでは不登校の状態だった。アオイが言うのもごもっとも。それは理解している。

 

 キョウスケとヨクバリスが今度はペパーに拳骨を喰らう中でネモがハルトに向かって口を開く。

 

「オモダカさんは何か言っていたの?」

 

「覚悟を決めたのなら筋を通しなさいと。それだけだ。俺についてきていた奴らもまた改心しようとボランティアを始めている。俺もそうとは思ったが…」

 

「迷惑かけた奴に借りを返す。そういう事だな?」

 

「キョウスケ…」

 

「そうしないと前に進めないような気がした。俺のわがままだってことも十分理解している」

 

 拳を力強く握りしめている。相当な覚悟でここにやってきたのだろう。迷惑と言う面を掛けてきた張本人でありネモから希望を奪った人物だ。信用に足らないのは当然の事。

 

 ペパーとアオイが睨みを効かせる中でキョウスケはネモの方に視線を向ける。

 

「お前が決めろネモ」

 

「え?」

 

「どっちかというとこいつに関しては俺らは部外者だ。一概の感情でしか語れない。だがこうなるハルトの前の姿を見ていたお前なら今のハルトがどうなのか決断できるんじゃないか?」

 

「…私は…ハルトを許すことは出来ない」

 

「ネモ…」

 

「でもハルトがもう一度私やキョウスケ達と一緒に前を向こうと考えてくれているなら、私はハルトと一緒に前を向きたい」

 

 正直な思いだった。そう思うのは当然だと来たハルトも分かっていたはず。ネモがハルトから視線を背けた後に再度彼の方に視線を向ける。

 

 その決断をネモに委ねたキョウスケは大きく息を吐くとハルトの方に向き、彼に対して語り掛ける。

 

「お前の行為を見てきたネモがこう言っているんだ。今回だけかどうか知らねえが…背中は預けねえ。少しでも何か変なことを企むなら…分かっているな?」

 

「肝に銘じておく」

 

 背中は預けない。厳しいかもしれないがそれだけ疑いの目を入れているという事なのだろう。ハルトもそう言われるのは承知の上。

 

 ハルトがロースト砂漠の件についていくことが確定し一行はロースト砂漠に向かって進み始める。その時だった。ペパーが何かの異変を感じ足を止める。

 

「どうしたのペパー?」

 

「いや…何でもねえ」

 

(気のせいか?今俺のモンスターボールが揺れたような気が…)

 

 その足はハイダイがいるカラフからそのカラフの平和を守るためにロースト砂漠に差し向けられる。そのロースト砂漠では確かにカラフを苦しめる元凶が動き始めようとしていた…




見てくださりありがとうございます。
現状一つしか更新してませんが灯火の星が再開するかそれとも他作品が始まった際はこの形式を取ろうかなと思います。
大分余裕がなかったので…
引き続き命をよろしくお願いします。


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お前はスーパーゴッドなジュラルドン!

パソコンでやってるから日に日に文字数が増えているような気がします。と言う訳でタイトルは相変わらずですがまあ中身は普通です。どぞ。


 前回のあらすじ!私が負けることなんてあり得ません。何せ自分は100歳まで長生きすると見せかけて死にますからね。

 

「前回真面目な感じで終わったじゃん!何で真面目からすぐにふざけようとするの君!」

 

「うっせえ!この作品はギャグ主体だろうが!ギャグから真面目パートぶっこんでお気に入りが一人減ったんだぞテメエ!」

 

「それはその風潮じゃなくて作者の技量!とんでもない所勘違いしてるよ!」

 

「…いつもこんな感じなのか?」

 

「ん?あ、ああ…大体はこんな感じだなキョウスケは」

 

 マリナードタウンに向かうと言う説明でロースト砂漠前を守っていた警備員に通してもらえたキョウスケ達は前回元凶が見つかったポイントにへと足を向けていた。そのメンバーには先ほど合流したハルトの姿も。

 

 真面目なキョウスケの姿しか見ていなかったハルトは少し驚いたような感じだがネモがキョウスケに突っ込んでいるのを見て少々安心している様子。

 

 そんな軽く微笑むハルトを見てペパーが一言呟く。

 

「お前そんな表情出来たんだな」

 

「俺だって笑うことぐらいできるさ。不気味さが無くなっただけだよ」

 

「じゃあ俺がテメエを全力で笑わせてやる!行くぞかーめ…」

 

「ウェーニバル」

 

 ペパーの一言にそう呟いたハルトに対してキョウスケがすぐハルトの方に視線を向けるとそのまま見慣れたポーズを取ろうとした瞬間にネモのウェーニバルに地面に叩きつけられてぺしゃんこになる。

 

 ハルトは初めての様子で戸惑った様子を見せるがキョウスケはすぐに元通りになる。そして顎を突き出しながらハルトを指さし…

 

「今貴様俺が死んだと思ったな!残念だったな!」

 

「こいつは何しても死なねえから大丈夫なんだよ」

 

「人をサンドバッグみたいに言うなコショウ!」

 

「誰がコショウだ。俺はペパーだっての!」

 

「死んでくれたらよかったのにな」

 

 キョウスケの言葉をフォローするようにペパーが呟いた後にハルトが笑みを浮かべながらそうキョウスケに言い返す。アオイも一瞬笑みをなくしたがネモは何となく冗談と分かっていたため軽く微笑む。

 

 言われたキョウスケはヨクバリスと共にハルトの目の前に迫るが、ハルトはそれをスルーして前の方向に歩き出す。

 

「おいボケを無視するなてめえ!ぶん殴るぞ!」

 

「ぶん殴るのは元凶にしてほしいな。俺は既にお前に殴られた身だからな」

 

「そうだったのキョウスケ!?」

 

「そうだぞアオイちゃん。マスターはこの腐れ外道を…」

 

「確かにしてきた行為はそうだったが直接言われると虫唾が走るな」

 

 ハルトが若干前に出た場所で歩いているとロースト砂漠にて前回集団を襲ったポケモンが発見されたというポイントに差し掛かったキョウスケ達。砂嵐こそずっと巻き上がっているがそれにしては発見されたポイントだけ風が突風並みに吹き付けている。

 

 それも何か境界線でも引かれているのではないかと感じるぐらいにとあるところで風がピタッと止まっている。

 

「ここだな」

 

「いいじゃねえか!この魔王に挑む感じ!よっしゃ!行くぜお前ら!」

 

「ちょっとキョウスケ!あんな風の中に突っ込むと言うの!?」

 

「突っ込まないと元凶は倒せないかもしれない。俺は賛成だ」

 

「ハルトまで!」

 

 突風が吹くエリアに向かってキョウスケ達が歩き始めたその瞬間だった。足を踏み入れた瞬間に鳴り響いた鐘のような音に全員が足を止めた瞬間に突風が光を纏い、その光は瞬く間にキョウスケ達全員を飲み込んだ。

 

 叫ぶ暇もないままペパーとアオイさらにネモが目を開けると目の前に向かって巨大なポケモンが歩いて来た。巨大であるが故か。一歩前に進むたびに地響きが巻き起こる。

 

 ペパーはその姿を見て何かため込んでいた何かが一気に噴出しそうなそんな気持ちになった。牙を蓄え若干ドンファンに似たような赤いポケモン。そのポケモンは3人を見ると…

 

(客人が来たと思えば…お前はマフィティフを連れていた小僧だな?)

 

「何コイツ…直接脳内に…!」

 

「どういうことぺパ…」

 

「イダイナ…キバァ!」

 

 ネモとアオイが困惑している間にペパーはキョジオーンを繰り出し、イダイナキバと言うポケモンに拳を叩きつける。その背中越しでも分かるぐらいにペパーに怒りが満ちていた。

 

 そのイダイナキバに向けられていた目線はまさにこのポケモンを殺そうとするような勢いだった。だがキョジオーンの拳をまともに食らっていてもイダイナキバは平然としている。

 

(ひどいじゃないか小僧。我は喜んでいるのに)

 

「黙れっ!お前だけは…!マフィティフをあんなにしたお前だけはッ!」

 

「それ本当なのペパー!?」

 

「という事はコイツがマフィティフを…!」

 

(では殺すのか?ポケモンである我を)

 

「れいとうパンチ!」

 

 キョジオーンにイダイナキバにぶつけているもう一つの拳の方に冷気を纏わせ、イダイナキバにぶつけるが冷気を浴びても尚イダイナキバは平然とした様子を見せている。

 

 少し呆れたように息を吐くと鼻のような部分でキョジオーンを吹き飛ばし、ペパーたちの前に吹き飛んできたキョジオーンは一撃で戦闘不能に。

 

「キョジオーン!」

 

(お前は何も成長していない。だが仲間を連れているとはな。だが数が増えただけだ)

 

「やるよアオイ!ペパーも!」

 

「う、うん!」

 

「すまねえ…手を借りるぜ…!」

 

イダイナキバを目の前にしてネモはウェーニバル、アオイはマスカーニャ。そしてペパーがパルシェンを繰り出し立ち塞がる脅威に身構えた中、その場にいないキョウスケとハルトは砂嵐の止んだイダイナキバやペパーたちが飛ばされた空間以外の場所に飛ばされており、仲間はいないわ嵐は止むわで途方に暮れていた。

 

「どういうことだ!元凶と言うのは戦闘力を分ける物なのかちくしょう!」

 

「そうだとしたら元凶は強そうな奴を事前に省いたという事になるな。知能はあるみたいだな」

 

「冷静に呟いている場合か!このままだと俺達普通にマリナードタウンに向かわないと行けないぞ!」

 

「そうなるな…突風も止んでるし何の言葉も呟けない」

 

 キョウスケやハルトが踏みしめている場所は間違いなく異空間でペパーたちがイダイナキバと戦っている同じ場所。

 

 然しその当人たちの姿はその場には無い。慌てるキョウスケと冷静に周りを見渡すハルト。困り果てる彼らの前に姿を見せたのは二人の男女だった。

 

「おお!ここにいたのか!ありがとうなお嬢さん!教えてくれて!」

 

「いえいえ当然のことをしたまでです」

 

「お、お前は最近映画で結ばれた奴じゃないか!」

 

「ガンダムのキャラではないですよキョウスケさん」

 

「ハイダイさん!どうしてここに!」

 

「いやあ急にそこのお嬢さんに話しかけられてな。ロースト砂漠に来てほしいと頼まれたんだい」

 

 二人の前に姿を見せたのはジムリーダーハイダイと記者のキラ。キョウスケの言葉にキラが苦笑いを浮かべる中でハルトに尋ねられたハイダイはキラに頼まれてここにやってきたと発言する。

 

 然し現状その元凶らしき姿はなく吹いていたはずの突風も吹いていない。来てくれたのは有難いが二人ですら分からない状況をどう説明しようか。

 

「おい記者!ここに来たという事は対策を知っているんだろうな!」

 

「ええ、何も知りません」

 

「期待を持たせる返答の仕方をするな偽物!」

 

「誰が偽物ですか!」

 

「ここ突風が吹いていたはずなんです。然し今ご覧のありさまで…」

 

「なるほどなあ…確かにここはカラフを苦しめたポケモンが発見された場所だが…」

 

 4人で一斉に周りを見渡すがヒントになりそうな部分は一切存在しない。援軍に来たハイダイ含め全員が困ったような素振りを見せたその瞬間だった。

 

 4人の周りに再び光が発生しその光は瞬く間に4人を覆いつくしていく。光が止み目を開けるとそこにはボロボロになったペパー、ネモ、アオイの3人の姿が。その前方には巨大なイダイナキバが立っていた。

 

(まだ仲間がいたか。呼べば少しは優勢だったかもな)

 

「おい3人共大丈夫か!」

 

「これがカラフの元凶…!」

 

 驚くハイダイやハルトの一歩前で黙り込むキョウスケ。その握りしめられた拳には血がにじむ中で倒れ込むペパーに歩み寄り語り掛ける。

 

「おいペパー。生きているな?」

 

「キョウスケ…アイツ…マフィティフを…!」

 

「…もういい。それ以上は何も言うな」

 

 足音立ててキョウスケの方に迫ってくるイダイナキバに対して駆けつけたハイダイやハルトなどが息を吞む。今回は逃げ出すことなくカメラにそっと手を添えようとしたのはキラ。

 

 キョウスケの目の前に止まり軽く息を吐いたイダイナキバはグッと後ろに体重をやりキョウスケに向かって突進しようとしたその時だった。キョウスケが口笛を鳴らしたその時にキョウスケの前に出たヨクバリスがイダイナキバの突進を食い止める。

 

「食い止めた!?」

 

「ハルト!全員お前らの方に!持ってんだろエスパータイプ!」

 

「分かった!」

 

 ハルトが繰り出したドータクンが一瞬にして念力にて倒れているペパーたちをハイダイたちの方に寄せる中でイダイナキバを弾き飛ばしたヨクバリスとそのイダイナキバに睨みを効かせたキョウスケ。

 

 イダイナキバがもう一度キョウスケ達の方に迫った瞬間にキョウスケが声を張り上げる。

 

「ヨクバリス、カウンター!」

 

(馬鹿めノーマルタイプがかくとうタイプの技を防げるものか!)

 

 ヨクバリスが堂々と身構えているその場所にイダイナキバは思い切りぶつかってきたが少々地面を抉りながら押されたものの、グッと踏ん張りイダイナキバを再度弾き飛ばすとそのままイダイナキバの目の前に出向いたヨクバリスがそのままイダイナキバを殴りつけ殴り飛ばす。

 

 飛ばされたイダイナキバはそのまま近くの岩壁に衝突。壁にひびが入る中でイダイナキバはキョウスケを睨みつける。

 

(馬鹿な…ノーマルタイプの筈…!)

 

「お前がペパーの何でどんなことをしてきたか知らねえけどな。お前だけはぶっ飛ばす。覚悟しろよ…象野郎!」

 

 ハイダイがペパーたちの近くにいてハルトがキョウスケの加勢に向かう。キョウスケが高々とした宣戦布告は舐めたかのように攻撃していたイダイナキバを本気にさせる形となった…




見直し等はさせていただいております。直す文章は自分の中でありませんでしたが…もしここ気になるよと言う事がありましたらコメント欄などでお願いしますね。次からイダイナキバ戦です。


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何だてめえこのチート!少しは手加減しろぉ!

今回からイダイナキバ戦。またギャグが減りがちになってしまいますがよろしくお願いします。これが終わればまたふざけます。


前回のあらすじ!珍しくキョウスケが本気モードみたいですよ?

 

「ヨクバリスばかぢから!」

 

(無駄なあがきを。一回一撃を入れたぐらいで調子に乗らないことだ)

 

 地面を蹴りだしてイダイナキバの目の前に迫ったヨクバリスはそのまま拳を握りしめて殴りかかるが同じく技の態勢に入っていたイダイナキバの鼻部分に拳がぶつかっていく。

 

 だが火花を散らした後に相打ちとなり、両者少しだけ後ろに下がる。

ヨクバリスが少し後方に下がった瞬間にマスカーニャを出していたハルトがマスカーニャに指示を出す。

 

「トリックフラワーだマスカーニャ!」

 

(形だけでは確かに弱点だろうがな)

 

 ヨクバリスに代わる形で前に出たマスカーニャが指を鳴らしイダイナキバに種のような物を降らせる中でその場に力強く踏みしめたイダイナキバは声を張り上げると自身の体から冷気を自身の周りに出していき、マスカーニャが降らせた種を凍らせて自身の鼻で粉砕した。

 

「冷気…!奴は氷タイプの技も使えるのか!」

 

「全員出てこい!ヨクバリスを援護してやってくれ!」

 

(数を増やしにかかったか)

 

 ハイダイが傷ついたペパーたちの治療に回っている中でポケモンを持っていないキラはその場をカメラを構えながら言葉を出せない。

 

 ヨクバリスだけではどうにもならない、そう感じたキョウスケは自分の持っている全てのポケモンを繰り出す。そしてキョウスケが声を張り上げる。

 

「ウネルミナモ!ハイドロスチーム!」

 

(人間側に回るかウネルミナモ!)

 

 ウネルミナモが狙いを付けて水を思い切り吐きつける中でもう一度イダイナキバは体から冷気を出していくがハイドロスチームは冷気で凍ることなくイダイナキバに命中したがだが吹き飛ぶ様子も効いている様子もなく、睨みつけた鋭い目つきで鼻を地面に叩きつける。

 

 その瞬間に立ってられないほどの地響きが巻き起こり、鼻を叩きつけた箇所から一瞬にしてキョウスケ達の元までひびが入っていく。

 

「ラウドボーン、フレアソング!シェイミ、シードフレア!」

 

「マスカーニャもう一度トリックフラワー!」

 

(無駄なあがきを!ぶちかまし!)

 

 ラウドボーンから炎が吐き出され、シェイミから緑の波動が放たれマスカーニャから緑の種が降らせに掛る中でヒビが入った箇所から炎が噴射され3体の技をかき消す。

 

 この力技にキョウスケは歯を食いしばるしかない。だが炎の中を気にしないと言わんばかりに歩いてくるイダイナキバに対してキョウスケは声を張り上げる。

 

「サナギラス、炎に向かってストーンエッジ!ガブリアスとモトトカゲはアクアテールとアイススピナー!」

 

(所詮戦術は人間…!我を倒すまでには行かぬ!ギガ!インパクトォ!」

 

 サナギラスが炎を岩で鎮火していく中でその間を縫って動き出したガブリアスとモトトカゲは一瞬にしてイダイナキバの間合いに入り込むがガブリアスの腕に纏われた水の気と回転しながらぶつかろうとするモトトカゲ。

 

 それらをイダイナキバは声を張り上げるとともに発生させた衝撃波で2体の技を中断させそのまま2体をキョウスケ達の元まで吹き飛ばす。

 

「ガブリアス!モトトカゲ!」

 

「技を自身の技でかき消した…!」

 

(ちまちました攻撃で我にダメージを与えられると思わないことだ。さあ今度はこちらから行くぞ!)

 

「たきのぼり!」

 

 地面を何回か蹴り出し砂埃を巻き上げた後にキョウスケ達の元に向かっていこうとしたその時だった。

 

 ハルトとキョウスケの間を通過していった一体のポケモンがイダイナキバに衝突し、微かにイダイナキバを吹き飛ばしイダイナキバは鼻息を荒くしながら前方に鋭い目線を送る。

 

「ハイダイさんのミガルーサ!」

 

「治療が済んだ!ここからは加勢するぞ!」

 

「おっさん!」

 

(ほう…向かってくるか。臆さずに我に向かってくるのか)

 

 イダイナキバに一撃を食らわせたのはジムリーダーハイダイのミガルーサ。合流するかのようにキョウスケ達の元に戻ったミガルーサ。

 

 そして治療を終えたペパーたちがネモがミミズズ、アオイがエルレイド、ペパーがパルシェンを出してキョウスケ達の戦線に加わる。

 

(いくら数を出しても我には敵わぬ!)

 

「やってみないと分からないよ!エルレイド、リーフブレード!」

 

「パワーウィップ!」

 

「ボディプレス!」

 

「負けてらねぇ…!ガブリアス、アクアテール!」

 

「インファイトッ!」

 

 体にオーラを纏いながらそれぞれ向かってきたポケモン達に対して身構えるイダイナキバ。目の前に迫ってきたエルレイドとミミズズさらにガブリアス。

 

 それぞれの攻撃が一瞬イダイナキバに掠りはしたが、ピンポン玉かのようにはじき返されものすごい勢いでキョウスケ達の元に吹き飛ばされる。

 

 さらに鞭のように触手を伸ばしていた陸クラゲにもぶつかり込み、同じくリククラゲもキョウスケ達の元に吹き飛ばされてきた。

 

 イダイナキバに吹き飛ばされたガブリアスとリククラゲ、さらにミミズズとエルレイドは一撃で戦闘不能。このパワーにハイダイは驚かせられる。

 

「何と…!あんなにかかったポケモンが一撃で…!」

 

「技が当たった瞬間にかき消されて…!どうなっているんだ」

 

(言ったであろう。貧相な技の一撃では我にダメージすら与えられぬと)

 

「ぶちかましは威力120。ヨクバリスのばかぢからも威力120です」

 

「どういうことだキラ」

 

「もし自分の発する攻撃の威力が下回っている技を全て無に帰すのなら。ウネルミナモのハイドロスチームは当たってましたから」

 

 イダイナキバに4体が一気に戦闘不能にされ驚かせられたキョウスケ達。イダイナキバの言葉にもヒントが得られない中でその状況を見つめていたキラが興味深いことを一行に呟く。

 

 冷静に状況を見つめていたからこそだろう。それを聞いたキョウスケはニヤリと微笑む。それを不思議そうに見つめていたキラだったが…

 

「サンキューなキラ。おかげで冷静に出来るぜ」

 

「…そうですか」

 

(作戦会議は済んだか人間。だが何しても無駄だ)

 

「そうとも限らねえぜ?俺達にはまだポケモンはいる。お前の技の原理さえ分かってしまえば対処は出来るさ。人間には脳みそと言う考える装備があるからよ」

 

 キョウスケからの言葉を受けたキラは驚きつつも表情を変えることなく呟く。余程閃くものがあったのかイダイナキバに対してキョウスケは自信満々に語ると自身の後方にいるペパーたちに対して息を吐き直した後に発言する。

 

(だったら打開してみよ…その脳みそとやらで!)

 

「俺が先行する。遅れたタイミングでポケモンに指示を出してくれ」

 

「遅れたタイミングって…」

 

「ハルト。大体は分かるな」

 

「大体はな。お前は先にやれ。後からの攻撃は俺から指示を出す」

 

 イダイナキバは鋭い目つきから地面を一度足で思い切り叩きつけると冷気を体から巻き上げ、今度は吹雪のように冷気をキョウスケ達の方に向かわせてくる。

 

「サナギラス、ストーンエッジ!」

 

(馬鹿め!我の技は分かったはずではないのか!)

 

「まさか…」

 

 地面を狙いを付けるかのように何回も同じところを蹴りつけた後に地面が抉れるぐらいに強く蹴り出すとサナギラスが冷気を防ぐために作り出した岩壁をあっさり破壊する。

 

 サナギラスにそのまま向かってくる中でキョウスケはニヤリと笑うとモトトカゲに指示を出す。

 

「モトトカゲ、まもる!」

 

(まもるだと…!?)

 

「自信満々に突っ込んできやがって!今だハルト!」

 

「マスカーニャ、つばめがえし!」

 

「アクアブレイク!」

 

 サナギラスがモトトカゲの後方に下がり込みモトトカゲが作り込んだバリアでイダイナキバの攻撃をかき消すと左と右から迫っていったミガルーサとマスカーニャのつばめがえしで顔が上の方に挙げられた後、ミガルーサの突進でイダイナキバを吹き飛ばす。

 

 吹き飛んだところでイダイナキバが前を向いた瞬間、ペパーの3体目であるパルシェンとブイゼルのれいとうビームとねっとうがさく裂。

 

 一気の集中打にイダイナキバは思わず怯み、その場から動けなくなる。技を受けきった後に前を向くとヨクバリスが目の前に。

 

(何!?)

 

「ヨクバリス、ギガインパクトッ!」

 

 技の出す構えにすら入れないまま、イダイナキバはヨクバリスの突進をまともに喰らい再度壁付近まで吹き飛ばされる。キラが提言した後の集中攻撃にペパーたちが驚かせされる中で唖然とするネモに対してその隣に行ったハルトが…

 

「出している技はギガインパクト、インファイト、ぶちかまし…」

 

「ハルト…」

 

「技をぶつけあってはこちらが不利に立つのは当然だ。だからキョウスケは敢えてモトトカゲで一度技を中断させた」

 

「そうか!技さえ出さなければ…!」

 

「技の中断を起こさせることもない…!でもよくまもるを使うポケモンを持っていたね…」

 

 どうだとばかりにイダイナキバの方を見つめるキョウスケ達だがイダイナキバはあれほどの一撃を喰らったのにも関わらず、スッと立ち上がり足をひきつるようなそんな素振りも見せることもなく相も変わらず鼻息を荒くしながらキョウスケ達に睨みを効かせる。

 

「化け物め…!あれほど吹き飛んでもダメージはあまり蓄積されていないのか!」

 

(なるほど…確かに考えたな。その方法は正しい。だがどうしても相手ありきになってしまうな!)

 

「出来るさ。お前の技はいずれも遠距離ではない技だ。近づかないと何も出来ない」

 

(確かにそうだな。だが…お前らが見ているのはアイススピナーだが?)

 

「まさか…!気を付けてくださいみんな!」

 

(今更気づいたところで!)

 

 その巨体からは信じられないようなスピードでその場の地面を蹴りだすと一瞬にしてキョウスケ達の目の前に。キョウスケ達全員はまだ攻撃や身構えの姿勢すら入れていない。ネモがあらかじめ繰り出していたパーモットに指示を出す。

 

「パーモット!れいとうパンチ!」

 

(遅い!ここからは防げぬ!ギガインパクトッ!)

 

 パーモットがどうにかイダイナキバに迫ったその瞬間だった。イダイナキバが声を張り上げほぼゼロ距離の場所から衝撃波を打ち込みにかかるがシェイミが攻撃ではなく独断でキョウスケ達を守るシードフレアを放ったことで衝撃波の直撃は免れる。

 

 食らったのは衝撃波の熱風のみ。目の前に迫ったパーモットが吹き飛ばされどうにか生き延びた状況。

 

 肝を冷やしたキョウスケ達。キョウスケはシェイミの方を向きながら…

 

「すまねえシェイミ…恩に着る!少しパーモットの方に行ってくれ。お前のチャンスは無駄にしねぇ…!」

 

「チュチュ!」

 

「ミガルーサ、アクアブレイク!」

 

(耐えきり吹き飛ばしにかかるか。だが…!)

 

 ミガルーサが水気を纏いながらイダイナキバに突進していく中でイダイナキバはくる場所が分かっていたかのようにミガルーサの攻撃をかわす。これに驚かせられたハイダイだったがあらかじめバックアップしていたマスカーニャのつばめがえしがさく裂。少し怯んだようなそんな姿勢を見せた後に…

 

「パルシェン!れいとうビーム!」

 

「ブイゼル、ねっとう!」

 

「ハイドロスチームとみわくのボイス!」

 

 パルシェンとブイゼルのれいとうビームとねっとうがぶつかる中でその後から同時にぶつかったラウドボーンのみわくのボイスとウネルミナモのハイドロスチームがイダイナキバを近くから吹き飛ばす。

 

 だがこれでも少しよろけた程度で大したことないと言わんばかりの表情をしている。よろけたのにもかかわらずイダイナキバはもう一度鼻を地面に叩きつける。

 

 再び巻き起こる地響きと地面にあらかじめ入っていたひびが地割れを起こし、キョウスケ達が分断される形になった。

 

(ただ地割れを起こしただけだと思うなよ。こういうこともできる!)

 

「マジかコイツ…!みんなそこの地割れた場所から離れろ!」

 

 思い切り鼻息を地割れた場所に吹きかけた瞬間に何かに引火したかのように炎が真っ二つにキョウスケ達をキョウスケとペパーとハルト。アオイとネモとハイダイに分断する。ゾッとするような力に息を吞むしかないキョウスケ達の元にイダイナキバが3人の所に迫ってきた。

 

(こうした方がやりやすいだろ?なあ)

 

「イダイナキバ…!」

 

「熱くなるなよペパー。怒りは人を殺す」

 

「分かってる!」

 

「見事に俺達とネモ達に分断しやがって…!分ければ倒せると思っている考えを後悔させてやる!」

 

 してやったりのイダイナキバと歯を食いしばるしかないキョウスケ達。苦戦と劣勢の状況がずっと続く中でペパーが気づかない中でペパーの中のモンスターボールが激しく動いていた。そんなことに気づかないまま戦闘は佳境を迎えていく…




どんどん文字数増えていきますよね。頑張れば1万文字行きそうな勢いです。やりませんけどねw
しばらくこんな感じやとは思います。またよろしくお願いします。


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そんな事してみろ!オロァキサマヲムッコロス!

お疲れ様です命です。サブタイトルは相変わらずですがここだけでもふざけとかないとですねw


 前回のあらすじ!こんな化け物(イダイナキバ)を倒す手立てがあるのかジョジョ!え!?逃げるのか!?

 

(さあ来い。人間3人では我に攻撃できない訳でもあるまい?)

 

「舐めやがって…っ!パルシェンれいとうビーム!」

 

「熱くなるなペパー!マスカーニャ、トリックフラワー!」

 

(相変わらず弱点攻めか。進歩がないな人間は!)

 

 パルシェンが口からビームを吐きつける中でマスカーニャは指を鳴らし空中からイダイナキバに向けて種を降らしていく。

 

イダイナキバは単調にも見えたその攻撃を鼻で笑うと足を一歩前に力強く踏みしめ雄たけびを上げビームと種を粉砕する。

 

少しの煙からイダイナキバが目を向けるとキョウスケ達の方から放たれた緑の波動が。爆円と共に命中したがその場からイダイナキバは微動だにしない。

 

「食らっただけか!シェイミもう一発シードフレア!」

 

(無駄なあがきを!)

 

「モトトカゲ前へ!まもるだ!」

 

「マスカーニャ、グラスフィールドだ!」

 

 慎重な入りにイダイナキバは足元を蹴りだすとオーラを纏いながら3人に向かって突撃してくる。

 

モトトカゲが前に出てバリアを展開したことにより攻撃は防がれたがイダイナキバはその場に立ち止まる形に。イダイナキバが再び仕掛けてくる前にラウドボーンとシェイミがその左右に陣取り…

 

「みわくのボイスとサイコキネシス!」

 

「パルシェン、れいとうビーム!」

 

(そのようなのろい攻撃!粉砕してくれる!)

 

「キョウスケ!」

 

「ウネルミナモ!あまごい!」

 

(!?)

 

 強くイダイナキバが鼻を強く地面に叩きつけようとしたその時だった。ウネルミナモが展開した雨雲は地面を濡らしイダイナキバの動きを鈍らせる。

 

そして傍らから念力とボイスを放ちさらにれいとうビームをイダイナキバに叩き込んだがイダイナキバが咆哮によって雨雲を払い、攻撃を全てかき消す。しかしまだこれで終わりではなかった。キョウスケが声を張り上げる。

 

「ヨクバリス!マスカーニャをアイツにぶん投げろ!」

 

「ヨクバ!」

 

「ニャ!」

 

(砲丸投げという奴か。面白い!)

 

 身構えたイダイナキバに対してヨクバリスがマスカーニャを思い切り投げつけそこでハルトが声を張り上げる。

 

「つばめがえし!」

 

「この程度の技!大技を使うまでもない!」

 

 冷気を展開していくイダイナキバに対して空中から爪で引っかきにかかったマスカーニャだったがイダイナキバから発せられたバリアによりその場の空中で立ち止まったところに鼻の直撃を喰らい、キョウスケ達の元まで吹き飛ばされてきた。

 

「マスカーニャ!」

 

「っ!パルシェン、アクアブレイク!」

 

「サナギラス、パルシェンを援護しろ!ストーンエッジ!」

 

(散々苦しめてきたそちらにも退場頂こう)

 

「気を付けろ!何かしてくるぞ!」

 

 吹き飛ばされたマスカーニャは一撃で戦闘不能。パルシェンが水気を纏いながらイダイナキバに突進していく中でサナギラスも援護するように岩をイダイナキバに向かって噴出させていく。

 

ハルトが声を張り上げた時にはイダイナキバはオーラを纏っており正面衝突で押し負けたパルシェンは紙くずのように吹き飛ばされ、キョウスケ達の下で戦闘不能に。

 

 イダイナキバの勢いは止まらずにその近くにいたサナギラスにも突進をかましキョウスケ達の元に吹き飛ばしまたしても2体同時に戦闘不能に。

 

「サナギラス!」

 

「パルシェンまで…!?」

 

(ペパーの表情が青ざめてる…これ以上戦わせたら恐怖で支配される…!)

 

 次々に戦闘不能になっていくペパーの手持ち。ペパーの中ではやはりイダイナキバには勝てないと言う恐怖心と倒れていったポケモン達への申し訳なさに満たされていた。

 

キョウスケもサナギラスをボールに戻す中でイダイナキバはまだまだやれるぞと言わんばかりに鼻息を荒くしている。ハルトはペパーの青ざめ方から明らかに動揺しているのを感じていた。

 

 その感じ取り方はキョウスケも同じ。だが今ペパーを戦いから離脱させたら戦力ダウンにしかならないと余裕がない状況が続いていた。

 

ペパーが取り出した最後のモンスターボール。歯を食いしばりながら最後のモンスターボールを出す。中から出てきたのはスコヴィラン。くさとほのおタイプのポケモンだ。

 

「頼むスコヴィラン!お前が倒れたらもう…!」

 

「…キョウスケ少し踏ん張ってくれ」

 

「言われなくてもそうするつもりさ」

 

(やはり烏合の衆か。一気にケリをつけてやろうぞ)

 

「モトトカゲ、ドラゴンクロー!、ヨクバリスはギガインパクト!」

 

(無駄なあがきを!)

 

 

 一気に仕留めようと足元が抉れるくらいに強く蹴り出したイダイナキバは一瞬にして迫ってきたモトトカゲの前に出向くと鼻で仕留めようとするがモトトカゲに再びバリアが張られイダイナキバの攻撃をガード。

 

さらにヨクバリスのタックルをまともに喰らいイダイナキバは吹き飛ぶ。

 

(技を入れ替えただと!?)

 

「ポケモン勝負なら出来ないんだがな…!」

 

「スコヴィラン、かえんほうしゃ!」

 

(やけになったか)

 

「ペパー…!」

 

 どうにか力になりたいペパーの気持ちは伝わってきた。だが弱点ですらない攻撃はイダイナキバに炎を浴びせているだけになりあざ笑うようにイダイナキバは鼻息だけで炎をかき消した。

 

それは最後に残っていたペパーの抵抗心の欠片を粉砕した行動だった。ペパーはそのままその場に膝を付く。

 

(お前のポケモン達の戦闘不能はお前自身が招いた事だ)

 

「俺の…せい…」

 

「やめろペパー!奴の言葉に耳を貸すな!」

 

(かたき討ちなどお前には出来…)

 

「ウネルミナモ、ハイドロスチーム!」

 

 油断し切っていたイダイナキバにウネルミナモからの水が浴びせられる。イダイナキバは踏ん張りながらやり過ごそうとしたが直に壁付近まで吹き飛ばされた。

 

イダイナキバが指示を出したキョウスケの方を見つめる。するとキョウスケが血がにじみ出した握りこぶしを見せ付けたままイダイナキバを睨みつける。

 

「喋りすぎだ…くそ古代野郎…!」

 

(お前が怒りを見せても我には届か…)

 

「黙れッ!人間舐めるの勝手だけどよ。コイツは勝てないかもしれないと最初から思いながらお前に挑んでいたんだ…!その勇気を馬鹿にするなら俺が許さねえ!」

 

(ならばどうする、人間よ!)

 

「みわくのボイスッ!」

 

 イダイナキバにこれ以上口は開かせない。そういわんばかりにイダイナキバが言い切る前にシェイミとラウドボーンの一撃がイダイナキバに命中する。

 

まだ余裕すら見えるイダイナキバに対してヨクバリスやその他のポケモンがキョウスケの前からイダイナキバを睨みつける。

 

「キョウスケ…」

 

「立てペパー。お前の目的はアイツにぎゃふんと言わせることじゃねえのか。膝を付く事じゃねえだろ?」

 

「っ!」

 

 キョウスケの冷静な一言でハッとしたペパーは歯を食いしばりながら立ち上がる。まだペパーのポケモンは全滅していない。スコヴィランが戦いたいとばかりに気迫を滲ませている。

 

爆煙を振り払ったイダイナキバが声を張り上げマスカーニャが戦線復帰する。断面側の火が弱まっていく中でキョウスケは睨みを効かせた表情で息を吐く。

 

(来るがいい。そのプライドをへし折ってやるわ)

 

「ラウドボーン、フレアソング!、シェイミはシードフレア!」

 

「スコヴィラン、なやみのタネ!」

 

 余裕を気取ったイダイナキバに対してラウドボーンの炎とシェイミのシードフレア。

 

そしてその後指示されたウネルミナモのあまごいにより、イダイナキバの動きを鈍らせた後に攻撃を浴びせようとするがスコヴィランが浴びせた悩みのタネによりイダイナキバはフレアソングとシードフレアをかき消すことが出来ず驚いたまま直撃を喰らった。

 

(何…!?)

 

「攻撃が命中した!」

 

「なやみのタネはどんな特性であっても「ふみん」にする技さ!これでお前の特性はチャラとなった!」

 

(ふん!そのぐらいでいい気になるな!)

 

「お手柄だぜペパー!ウネルミナモ、ハイドロスチーム!モトトカゲはアイススピナー!」

 

 これならイダイナキバに攻撃を阻まれることもない。キョウスケはありったけのポケモンに指示を出す。

 

オーラを纏いながら突っ込んでくるイダイナキバに対してウネルミナモのハイドロスチームが命中しそのままオーラをかき消していくとモトトカゲが冷気を纏いながらもタックルでイダイナキバにぶつかりふらつかせる。

 

態勢を立て直そうとしたイダイナキバに対してその足元でヨクバリスが回り込み…

 

「ヨクバリス、ギガインパクト!」

 

(っ!)

 

 その浮いた足に思い切り浴びせられたヨクバリスの拳は巨大なイダイナキバの体を空中に打ち上げ、そのまま壁に叩きつけた。

 

一瞬起き上がる素振りも見せなかったが急に眼を開くと初めて息を切らしながら近くの壁を叩きつけ壁から落ちてきた葉を鼻で持ち上げる。

 

「あれは…!」

 

「やはりお前もスパイスを!」

 

(ここからは簡単に行くとは思うなよ?)

 

「させるかっ!モトトカゲ、ドラゴンクロー!」

 

(もう遅い!)

 

 出してきたのは葉ではなくスパイスだった。豪快に空中に上げるとモトトカゲがどうにか阻止しようとしたのも間に合わず。

 

スパイスは口の中へ。イダイナキバからその瞬間にどす黒いオーラが地面にヒビを入れ、その周りにいたキョウスケ達含め全ての人物を吹き飛ばした。

 

 助かったのはペパーだったが完全にイダイナキバの前で孤立したような感じで…

 

「何故ペパーだけ!?」

 

「衝撃波はほぼ風圧…あのバッグに大量に詰め込んでいたら足かせにも!」

 

(こいつは良い!お前の愛するマフィティフと同じ場所に送ってくれる!)

 

「ペパー!」

 

「ダメだ奴のタイミングでは届かない!」

 

 スコヴィランも吹き飛ばされており万事休すの状況。ペパーにとどめを刺そうとイダイナキバがペパーに走り出したその時だった。

 

ペパーのモンスターボールから何かが出た音が響き、突進していたイダイナキバを弾き飛ばす。少し吹き飛ばされたイダイナキバはその吹き飛ばしてきた人物の方に視線を向ける。ペパーは信じらないような表情だ。

 

「お前…なん…で…!?」

 

「バフ!」

 

「あれって?」

 

「マフィティフ…!ペパーの相棒だった奴!全快したのか!?」

 

(こうしてまた相まみえるとは思いもしなかったぞ人間のポケモン!)

 

 信じられない嬉しさだった。あんなに苦しんでいたペパーのマフィティフが当たり前のように立ちイダイナキバに立ち向かっている。

 

感情がぐちゃぐちゃになるペパーに対して元気なのをアピールするかのようにイダイナキバに向かっていき突進をかますがイダイナキバが発したオーラにより吹き飛ばされる。

 

 そしてこのタイミングで片方の炎を鎮火したハイダイたちがキョウスケ達の方に戻ってきた。そんな彼らもペパーのマフィティフを見て驚きを隠せない様子だ。

 

「マフィ…!?」

 

「立ってる!マフィティフ!」

 

「大丈夫かお前さん達!」

 

「ハイダイさん!」

 

(火を鎮火させてきたか。丁度いい。この力でまともに潰してやろう)

 

 ハイダイたちがキョウスケ達の方に合流してきたのを見て声を張り上げたイダイナキバは地面だけではなく、空間にもヒビを付けていく。

 

そして足元を強く蹴り出したイダイナキバがそのままキョウスケ達の方に落下しようとしたその時だった。キョウスケ達の頭上に作られた巨大な岩壁がイダイナキバの攻撃を防いだ。

 

 そこには先ほど戦闘不能になった筈のサナギラスの姿が。

 

「サナギラス…!?」

 

(リベンジという奴か。我を倒せるかな?)

 

「サナ…!」

 

 驚き過ぎて息をつく暇もないままサナギラスはボロボロの体のまま体を光らせていく。その体がみるみる大きくなっていきそして立派なバンギラスとしてイダイナキバの目の前で声を張りあげる。

 

「進化した!サナギラスが進化した!」

 

「このタイミングでかよお前…!最高じゃねえか!」

 

(なるほどな。先ほどは軽くあしらう形で悪かったな。我も今燃え滾っていた所だ)

 

「イダイナキバ…!」

 

(決着を付けようぞ人間ども!)

 

 復帰したてのマフィティフや進化したてのバンギラスさらにハイダイたちが臨戦態勢に入る中でイダイナキバは自分の周りの空にヒビを入れている。カラフを守るための戦いも今が最終盤。

 

全員が勢いに乗る中でイダイナキバの打倒を向けてキョウスケ達全員が闘志を燃やそうとしていた。

 

(これが終わればやっと…)

 

 意気揚々と戦い続けるキョウスケ達の後方で静かにカメラを力強く握りしめていたのはキラ。

 

彼女からは今のキョウスケ達はどう映るのだろうか。考えていた彼女ではあったがせめてこの結末だけは目に焼き付けようとジッと後方から力強く見つめていた…




見てくださりありがとうございます。パルデア編も少しずつですが短くなって来ました。これからも頑張ります。


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