GOGOチェンソー (<3ナニ″)
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転生したら豪邸に住むことになった。

 新年早々チェンソーマンとヒカルの碁一気読みしました。


「ハルカくん、何か思い出せないかな?」

 

 そう言ってオレの目を覗き込んできた警察官を見て思い出した。自分は一度死んで生まれ変わったこと、そして生まれ変わったこの世界は————

 

「チェンソーマンだ……」

 

 

 今世の両親は死んだらしい。

 

 らしい。というのは両親はかわいそうなことにオレのいない間に家に押し入って来た何者かに顔をグッチャグッチャにして殺された後、検死され、燃やされ、全てが灰になるまで、その姿を見せることがなかった。挙句、前世なんてものを思い出してしまったらこの短い今世の思い出など綺麗さっぱり忘れてしまったのだ。これでは悲しむに悲しめない。なんという親不孝。

 幸い、周囲の人々は両親を凄惨な殺人事件で失ったショックで涙の一粒も出なくなってしまったかわいそうな子と思ってくれたようで、必要最低限の聴取と世話をするのみ。一人静かな病室で改めて現状を確認する。

 前世を思い出す前から、全てに既視感と違和感を覚えていた。古いと思った建物が新築のように綺麗だったり、駅前でもらったティッシュや家のテレビが分厚いと感じたり、おやつにと渡されたお菓子をとても大きく感じたり。指摘しても子供によくある妄想や虚言だと流されていたようだが間違いではなかった。オレはかつて生きていた時より少し前の時代に生まれ変わったのだ。そして両親の惨たらしい死によって思い出した様々な記憶。

 

 自分で読んだことはないが、アニメが放送されるということで友人やSNSから自然に話が入って来ていた。1990年代の日本が舞台で、とにかく人が死にまくり、最後は主人公とその先生であるめっちゃ強いおっさんと、コベニとかいう猿と、女を殴りそうな顔した男だけが生き残る。

 

 ——そう。オレはかの有名なマンガ、チェンソーマンの世界に生まれ変わったのだ。

 

……どうやって生き残ろう。転生したとはいえモブはモブ。このままでは両親のようにいつ殺されるかわからない。1日でも早く体を鍛えるとか……?なんてつらつら考えていると、静かにドアを開けて威厳を感じる着物姿のおっさんが入って来た。

 

「——ハルカ、今日からキミは私の家族だ」

 

 えぇ??なんか勝手に決められてるんですけど〜〜〜〜〜オレの意思は?

 

 

 

 いかついおっさんにビビって思わず嫌ですと言いそうになったオレだが、家まで車でつれてこられた今では是非ともお願いしますと土下座したいくらいだ。

 なんとこのおっさん、とんでもない金持ちだったのである。有名人が住んでいるような豪邸の日本家屋。ついでに美しく優しそうな奥さん。とんでもない優良物件ではないか。もしかしてこの人が最後まで生き残るというおっさんなのでは???そうに違いない!ならば、いくら心の中でもおっさんと呼び続けるのは失礼だ。

 

「これからお世話になります。先生」

「先生と呼ばなくて構わない。以前のようにおじさんや……気が向いたらお父さんと呼びなさい。今日からキミも——————塔矢ハルカになるのだから」

 

 こうしてオレの新しい人生が始まったのだ。

 

「後で新しくお兄さんになる、アキラさんが帰って来ますからね」

 

 …………兄ぃ〜〜〜〜〜〜????そんなの聞いてないんですけど〜〜〜〜〜〜〜〜〜?




伊勢海さんとは無関係です。


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オレ、最強になる(決意)

「塔矢アキラです。これからよろしくね」

 

 そう挨拶した兄は超絶可愛かった。姉の間違いでは?

 肩の上で切り揃えられたサラサラで艶々の髪、まん丸の輝く瞳を囲う長いまつ毛、おっとりとした印象の少し太めの眉。この厳つい見た目の先生からこんな子が?漫画の世界ってスゲー!!!!!!!!!

 しかしこれだけ顔が綺麗なのだ、メインキャラに違いない。つまり死ぬ可能性が高い。

 アキラアキラアキラ……

 ……アキくん?

 なんだかそんな名前のキャラがいた気がする。酷い死に方をする奴として。死ぬのか?こんなある日突然現れた弟に笑顔で挨拶してくれるいい子が?

 そんな未来、なんとしてでも阻止しなければ!!決めたぞ、オレは先生に弟子入りして最強になる!!!

 決意と共に差し伸べられた手を強く握る。アキくんは一瞬驚いた顔をしたがすぐに握り返してくれた。

 安心してくれアキくん。君のことはオレが必ず守る!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ——その知らせが入ったのは名人位を無事防衛し、取材を受けている最中だった。

 

「塔矢名人!すぐにお耳に入れたいことが……」

「ご親戚の尾花一家が事件に巻き込まれたとの連絡が」

「搬送先は……」

 

 尾花といえば親族でも特に親交の深い従兄弟一家だった。取材を打ち切り駆けつけた病院は私が来たとわかると水を打った様に静まりかえった。人々の視線の先には婦警にもたれかかる様にして座っている小さな子供——ハルカがいた。

 以前目にした際には雪の日の犬の様に駆け回り、辺りに明るい声を響かせていた子が、今は虚な目をして口を閉ざしている。

 誰も口を開かずとも、従兄弟夫婦が助からなかったということは明白だった。

 

 遺体の検分が終わり、葬儀が始まっても子供は一言も話さなかった。涙ひとつ見せないどころかどこを見ているのかすらわからない目をして、父と母の骨を拾い集める子供を不気味だと囁くものもいたが、その余りの痛々しさに涙を流すものもいた。

 それもこの先誰があの子を育てるのか、という話し合いが始まるまでだったが。

 簡単に言えば、誰も難しい境遇になった子供の面倒を見たくなかったのだ。

 ————あの日通園バスの迎えに誰も現れないことを不審に思った保育士と、持っていた合鍵を使い扉を開けた先で彼は親の体が切り裂かれるその瞬間を見たのだという。不自然に動きを止めた子供のつむじから顔を上げ、倒れる体と窓から逃げ出す人影を見た保育士の絹を裂く様な悲鳴で平和だった彼の境は崩壊した。そのまま親と同じく死んだ様に過ごしている不気味な子供を哀れむ心はあっても、愛する決意のできるものはいなかったのだ。

 私はすぐに妻の明子と息子のアキラに相談を持ちかけた。この子供を私達が愛してやることはできないかと。彼らは一も二もなく了承してくれた。

 

 病室を訪ねようとすると、外にいた看護婦がハルカがようやく口を開いたのだと噂話をしていた。

 これから家族になるのだと言った私を緩慢に見上げた彼は変わらずその目に何も写してはいないように見えたが、家に連れて行くと忙しなくその瞳を動かし辺りを見回し始め、何者かが隠れていないかと警戒している様だった。

 「これからお世話になります。———先生」

 家を隅々まで見ると、私たち夫婦を振り返り彼はそう挨拶した。以前までの私をおじさん、おじさんと舌足らずに呼び回っていた彼は消えてしまったのだと漠然と思った。しかし、たった5歳の子供が子供らしさを失うとは悲しすぎる。好きな様に呼ぶといいと伝え、アキラが小学校から帰って来るまで好きに過ごさせると画用紙に絵を描き始めた。黒と赤で人らしきものの頭から鋭い刃が飛び出した絵は、未だ口数少ない彼の心の傷が深いことを表していた。

 しかしアキラと握手を交わした時、彼は瞳に光を灯し、あろうことか薄く笑みまで見せたのだ。以前までの無邪気な彼は二度と見られないのではないかと心配していたが、硬く結ばれた二人の手を見て確信した。未来は明るいと——————

 




主人公カワイソス系になった。ギャグにしたいです。


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アキ(ラ)くんの作文

小学生って案外漢字書けるっぽい


ぼくの弟 3年 とう矢アキラ

 

 ぼくには6才の弟がいます。名前はハルカといいます。ハルカくんは、去年ぼくのお家に来ました。遠くからおひっこししてきたので、ようちえんには通っていません。

 ハルカくんはおとなしいせいかくです。お家ではいつも本を読んでいます。なので、文字を読むのがとくいです。ぼくが読めない漢字があってこまっていると、読み方を教えてくれます。

 お話を作るのもとくいです。お家や学校、病院にいるおばけのお話をたくさんしてくれます。ぼくがどんなおばけか描いてみてとお願いすると、お絵かきをして教えてくれます。

 お話をするだけではなく、お父さんやぼくから「ご」のお話を聞くのもすきです。ぼくやお父さんのように強くなりたいといっていました。ぼくもハルカくんにまけないよう「ご」のお勉強をもっとがんばりたいです。

 さいきん、いつもはしずかなハルカくんが大きな声を出したことがありました。

 ぼくとお父さんの弟子のあしわらさんと日本き院に遊びに行った日のことです。院生の人たちが対きょくしているへやをいっしょにのぞくと、男の人の顔を見ておどろいた顔でとつぜん大きな声でさけんだのです。

 ぼくもあしわらさんも院生の人たちもみんなびっくりして動けませんでした。そうしているうちに、ハルカくんは1人の男の人にだきついて、はなれなくなってしまいました。

 おむかえに来たお父さんは「ハルカくんにはハルカくんのお父さんとあの男の子がそっくりに見えたのかもしれないね。」といいました。

 それを聞いてぼくは、ハルカくんは前より明るくなったけれど、まだお父さんとお母さんが死んでしまって悲しいままなんだと思いました。

 ぼくは、ハルカくんのことが大すきです。

 これからも、いっしょにお話したりお勉強したり遊んでだりして、ハルカくんが悲しい気持ちでいっぱいにならず、楽しい気持ちですごせる日がふえたらいいなと思います。

 

 

——————————

 

 

 塔矢家に引き取られて早1ヶ月。オレは退屈していた。

 子供は毎日新しいことを体験するから体感時間が長いという。では二度目の人生を送っているオレは子供の姿とはいえ大人の時と変わらない時間を過ごすのではないかと思っていたのだが、その予想は裏切られたのだ。

 前世と違い、この世界には悪魔がいる。視界に映り込む顔のない女や明らかに口やしっぽの多い猫のような生き物、壁をすり抜けて行くジジイに、天井から降ってくる目玉の付いた毛玉。初め病院で見てビビり、連れられてきた日に家中を確認した時にはいなかったはずのそいつらが、家の中で白昼堂々現れ始めたのにビビり散らかしていたせいで初めの2週間はこれまでの人生かつてない程に長いと感じた。

 しかしこの家には最強の先生と将来有望なアキくんがいるのだ。誰も気に止めないということはつまり、あの日病院にいた悪魔やこの家の悪魔たちは倒す価値もない雑魚か、人間の使い魔みたいなものなのだろう。オレの家に現れたような人をぶっ殺す悪魔は、相当運が悪いか、わざわざ悪魔を倒しに行かない限り現れないという事だ。出会ったらほぼ確実に即死ルートのようだが、この家にいる限りは安全だろう。

 恐れる必要は無いと安心してしまうと、恐怖も不安も消え去った。ではようやく大人と同じ体感時間になるのではと思ったが、そうは上手くいかず。この家に引き取られて1ヶ月。様々な理由で行かないことに決めた幼稚園も行っておけば案外楽しめたのではないかと血迷った考えが浮かんでくるほどにオレは時間を持て余していた。

 決して何もしていなかったわけではない。最強の男になるため、初日から先生に教えを乞うていたが、流石は先生。毎日忙しいのと、教え子の力を試したいということで、オレは毎日1時間アキくんから“碁”を教わることとなっていた。1時間だけ?と思わなくもないがアキくんにはアキくんの修行があるのだ。仕方がない。

 初めこんな石並べになんの意味があるのかと思ったが、多彩な戦略や忍耐力、集中力を鍛えるのに大いに役立つだろう。

 しかし、オレには才能がなかった。いや、アキくんに才能がありすぎるのもあるだろうが、精神的知能的に大人であるはずのオレがアキくんに勝利したことは一度もない。オレはこの世界でもモブなのだ、きっとこれから先も勝てることは無いだろう。そう分かってしまうと、この勉強もなんだか無駄に感じてしまった。

 しかし死にたくないので、オレもアキくんや先生のように強くなりたいと言うと、突然襖を開けて中学生位の男が入ってきた。

 

「キミ!よく言った!」

「芦原さん!急に入ってきたらハルカくんがびっくりするでしょう!」

「いやーごめんごめん!でもハルカくん?凄いよ!アキラに何回負けても折れずに強くなりたいって。俺だったら心折れちゃうかも」

 

 そう言ってヘラヘラ笑いながらオレの頭を撫でくりまわす男は、先生の弟子で、今はプロの卵である院生として修行をしているらしい。

修行という単語に思わず反応すると、近々その修行場所に連れて行くと約束してくれた。軽そうな感じで少し不安だが、お人好しの良い奴そうだ。

 院生とトラブルが起こると大変だからとあまり修行場所を見に行ったことの無いアキくんもオレの付き添いで行くことになり、嬉しそうにしている。

 明日は久々に退屈しない時間を過ごせそうだと呑気に考えてアキくんの隣の布団に潜り込んだオレはまだ、そこで運命に出会うだなんて知る由もなかった。



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運命の出会い

芦原さんはお礼として塔矢名人の指導碁とか受けられることになってる。


修行場見学の日がやって来た。

朝からアキくんとお揃いの服を着せてもらい迎えに来た芦原さんと手を繋いで、明子さんと先生に見送られながら出発し、初めに着いたのは駅だった。

そう、オレは今世初めて電車に乗るのである。もしかしたら両親が生きていた頃乗ったことがあるかもしれないが、オレがオレになってからは初めてだ。正直ワクワクする。前世の時代にはICカードが当たり前になっていたから、きっぷなんて買うの久しぶりだ。

年甲斐もなくオレにやらせてとお願いして、身長が足りなかったので背の高い芦原さん抱き上げてもらい大人1枚子供2枚を購入する。アキくんが抱っこされたそうにこちらを見上げていたが、すまんなアキくん、この芦原さんは1人乗りなんだ。

ホームに向かうと丁度やってきた車両の先頭から血塗れのお兄さん悪魔が手を振っていたので振り返す。早くホームドアを設置した方がいいよなと思いながら、内装にはあまり変化を感じない電車にしばらく乗り、改札をぬけて少し歩くと目的地である棋院に辿り着いた。

芦原さんが受付で色々やってくれている間にアキくんと周りを観察する。置かれている本を捲ってみたが、全部アキくんの家にあるものと同じ囲碁雑誌だったので、バーチャルアクアリウムでお茶を濁す。この魚はどこから来たんだろうね〜とのんびり話していると、そんなオレたちをいつの間にか芦原さんとおそらく職員のおじさんがオレたちをニコニコしながら見ていた。な、なんだよ!見世物じゃねーぞ!!!!!

おじさんから、院生には休憩時間になってから話しかけることと、対局中の今は静かに覗くだけと注意を聞く。オレは大人だし、アキくんも大人しいので問題ないだろうとふんふん頷く。

しかし、ではこちらに……と連れられた和室の襖の奥を覗いた瞬間、そんな注意など綺麗さっぱり忘れてオレは叫び声を上げた。

なんでかって、あ、あの、あの黒髪の、少し気だるそうな顔立ちの美形男!!

 

あれはインターネットで散々騒がれていた女を殴ってそうな顔だ!!!

あの、2部でも大活躍だという女を殴りそうな顔の男だ!!

 

つまり、最終回まで確実に生き残る強キャラ!!

 

アキくん生存ルートのためには確実に必要な人材だ。オレは絶対にこいつを離さない!!!

お子様ボディを最大限活かして美形男にしがみついた。アキくん、オレ碁が弱すぎて成長しても1人じゃ君を守りきれないかもしれないけど、代わりに最強の味方を見つけたよ!

……マズイ、感激で涙が止まらない。というかコイツに殴られないか心配になってきた。いや、流石に女を殴る男も小さい子供をこの大勢の前では殴らないだろう。もっとくっついとこ。

というか、静かに覗くだけって約束破っちゃったな…………と反省していると、泣き疲れたのかだんだん意識が遠くなってきた。駄目だ、今寝たらせっかく捕まえた……最強……キャ……ラ……が………………

残念ながら俺が意識を保っていられたのはここまでだったようだ。

どうか起きても離れてませんように!!

 

 

——————

 

 

 

晴れて院生になり1ヶ月、毎日努力を重ね順調に2組中位に上がってきた伊角慎一郎は今、人生で1番の混乱を見せていた。

対局中に突然現れた見知らぬ幼児に叫ばれ泣かれしがみつかれ、ついには腹を抱きしめたまま膝の上で寝られたからである。

確かに朝、小さい子が見学に来ると聞いてはいたが、こんなことになるとは聞いていない。周りの院生たちも突然のことに手を止め伊角の周りに集まったはいいものの、どう対処したら良いのか分からず見ていることしかできなかった。

とりあえず眠ってしまった子供を腹から離してしっかり抱き上げると、周囲から拍手があがった。いや、誰か助けてくれよ。そう思い辺りを見渡すと入り口付近で別の子供と呆然とした様子でこちらを見ていた芦原と目が合った。

ハッと意識を取り戻した芦原はこちらへ駆け寄ると、眠ってしまった子供を伊角の腕から引きとった。

 

「芦原さん、その子一体……」

「悪い伊角君、皆!この子ちょっと訳アリでさ……普段は物静かだし、院生に興味あるみたいだから気分転換にって連れて来たんだけど……」

子供を抱き上げながら可能な限り頭を下げる芦原の姿に、皆我に返ったようで慌てて問題ない、それよりもその子をどこか寝かせられる場所へと次々騒ぎ始めた。

そうしていつの間にか部屋には未だに混乱している伊角と、休憩室に向かって行った院生たちをただ突っ立って見ていたもう1人の子供——塔矢アキラだけが残っていた。

先に少し落ち着きを取り戻した伊角が部屋に残ったアキラに気が付き視線を向けると、彼は廊下へ向けたその瞳からはらりと雫を零し初め、すぐにそれは大粒の涙へと変わった。

 

「ど、どうしたの?どこか痛い?それとも——」

「——ハルくんが……」

「ハルくんが泣くところ、初めて見た……」

「お父さんとお母さんが死んじゃった時も、その後もずっと泣かなかったのに」

「え」

「どうしてお兄さんを見て泣いたの?お兄さんは何かを……ハルくんの秘密を知ってるの?」

 

その言葉に伊角は答えることが出来なかった。この子供のこともあの幼児のことも伊角は何も知らないし、戻ってきた芦原が、泣いているアキラのことを見つけるとギョッとした顔でそのまま休憩室に連れて行ったからだった。

そのまま1人取り残された伊角は、ハルという名前らしい子供に心当たりがないか考えて——戻ってきた院生たちにあれはお前の隠し子かと問い詰められ、腹が痛くなって早退した。

なお翌日棋院に行くと、あの子供達の大きい方が塔矢名人の一人息子らしい。ではあの小さい方は隠し子ではないかと院生たちが噂をしていてそれを聞いた芦原が必死に否定していたが、同じくそれを聞いてしまった伊角はその日、院生になって初めて全ての対局に惨敗した。




全国の伊角ファンの人はすいません。
ヒカ碁世界でもっと女殴ってそうな人とも後で会わせたい。


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