仮面ライダー鎧武 エピソードゼロ ~もう一つの世界~ (エクシ)
しおりを挟む
本編
第1話
ようやくだ。俺はみんなを救う。
正しい方法なのかは自分ではわからない。だが…もう迷う時間はない…。
男は光り輝く果実をもぎ取った。するとその果実はさらに輝きを増し、男を受け入れたかのように光が男を包んだ。
そして男はその果実を口に運ぼうとした。すると走馬灯のように今までの出来事が頭の中に流れ込んでくるのであった。
「起きろ!ミツザネ!」
聞こえないはずの兄・タカトラの声にミツザネは目を覚ました。
「夢か…?いや、そんなことはどうでもいい。僕はコウタさんについていくと決めたんだ…。兄さんのことは忘れるんだ…。」
そう呟きミツザネは朝の支度をした。食堂に行くとコウタとその妃のマイ、そして多くの家来がすでに朝食に手を付けている。
「ミツザネ…遅いぞ。」
コウタはかつてのような笑顔を見せることなく、ミツザネを叱った。
「すいません。コウタさん。」
ミツザネは誤り、席に着いた。自分の分の食事はきちんと用意されていた。ミツザネがパンを食べ終わる頃、ほかの者たちは食事を片され、会議の準備を終わらせていた。そしてその様子を見たコウタが話を始めた。
「お前たち。昨日の会議でも言ったが、バロン軍の連中がまた西の方で騒ぎを起こしているらしい。おれは民たちに平和に生活してほしくてな…ククク…。ミツザネ、ユグドラシル隊を西に向かわせ、バロン軍を鎮圧、並びにバロン軍リーダー クモン・S・カイトを殺せ。」
ミツザネは耳を疑った。「あのバロンに攻撃を仕掛けるだと…?そんなことをすれば西のスラムの連中を全員敵にするようなものじゃないか。」
「コウタさん…そんなことをすれば…」
「ミツザネェ…いやミッチ…。おれはこのディショエ国の王、この世界の王、コウタだぞ?おれに歯向かうやつなどいらないんだよ…この世界にな。そう思わないか?なぁ?」
ミツザネは黙り込んでしまった。今のコウタには自分の言葉は耳に入れてもらえないことを痛烈に感じ、ミツザネはコウタの命令を聞き入れるほかなかった。
コウタらがいるディショエ城から西へ数十キロ。そこにかつてなくなったはずのスラムがまた作られ、多くの貧民が生活していた。盗みはもちろん殺しも日常茶飯事。そこにいる人は誰のことにも気をかけない。それが当たり前であった。
だがカイトがそのスラムに訪れるとスラムの住民たちはみなカイトにひれ伏し、カイトにすべてをささげる思いになるのであった。それほどまでにカイトはカリスマ性に満ちていたのである。そのカイトは幼馴染のザックと話していた。
「カイト。スラムの連中はお前が来るとみな盗みも殺しもやめる。なんでかわかるか?」
「なんだ?」
「びびってるんだよ。お前がこの地にいるときに何か起こせば、お前の気に障っちまって殺されちまうんじゃないかってな。」
「ふん…。オレは何もスラムのやつらを恐怖で押さえつけたくてよくここに来るわけじゃない。ここのやつらは王に逆らい、様々な悪事を働いている。卑怯なことは認めるつもりはないが、奴らなりに権力に逆らっているんだ…、強くなろうとしている。オレはそういうやつらが好きだ。だからここを拠点にしている。だがびびっているから何も起こそうとしないならば…ここを離れることも考えるか。いやなんならつぶしても構わん。」
「おいおい、勘弁してくれよ。おれはスラムで生まれたんだ。ここをつぶされるくらいだったら、ユグドラシル隊に入るね。あ、ほら、ペコとも会えなくなっちまうぜ?」
ザックは冗談を交えつつ、カイトの気を変えさせようとした。ペコは昨日バロン軍に入ることを志願しに来たスラムに住む青年だ。
「貴様には親がいるだろう、ペコ。確かにお前は強さを人一倍求めている。それこそがお前の強さだ。だからオレたちの軍に入って強さを証明する前に、まず自らを産んでくれた親をお前のその強さで守れ。」
カイトはペコにそう告げ、ペコの志願を断った。泣きながらもスラムに帰り、親のところに戻るペコを見ていたザックはカイトのさりげない優しさを感じ、あらためてカイトについていくことを決めたのだった。
と、その時、大きな地鳴りとともに男たちの雄たけびがあがる。その音を聞いたカイトは
「なにごとだ!?」
と近くにいた兵士に尋ねた。
「どうやら政府軍のユグドラシル隊が攻めてきたようです。先日、政府軍第二隊を殲滅したことに対する報復かと…。」
「ほう。ならちょうどいい。確かユグドラシル隊の現在の隊長はクレシマ・H・ミツザネだったな。やつの兄のタカトラには借りがある。まぁそれをいつまでもうらんでいるわけじゃないがちょうどいい機会だ。ここで倒してやろう。」
そう宣言するとカイトは戦極ドライバーを装着し、バナナロックシードを起動させた。
「変身」
手元で回したバナナロックシードを戦極ドライバーにとりつけ、カッティングブレードを勢いよくおろした。カイトはアーマードライダーバロン バナナアームズに変身し、バロン軍の兵士たちに叫んだ。
「敵は政府軍のユグドラシル隊だ!オレたちバロン軍の強さを証明するいいチャンスだ!全力で倒せ!」
ユグドラシル隊とバロン軍の戦いの火ぶたが切られた。
はじめまして。エクシです。
小説を書いたことはないので、稚拙かつ内容の薄いものになってしまうかもしれませんが、少しでも楽しんで読んでいただけたら幸いです。
よろしくお願いします。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第2話
ディショエ国の王 コウタはかつて優しき王として世界に君臨していた。だがある時から非情かつ残酷な性格へと変貌してしまい、国は混乱に陥ってしまった。
そんななかディショエ政府軍のエリートが集まっているユグドラシル隊の隊長兼参謀 ミツザネにコウタは西にいる反乱軍の一つであるバロン軍殲滅の命令を出す。
西のスラムにいたバロン軍リーダーのカイトはミツザネ率いるユグドラシル隊を迎え撃つことにし…。
ディショエ城から北へ数十キロいったところにクレシマ・H・タカトラが率いる斬月軍の本陣があった。タカトラは本陣から遠くにあるディショエ城をただじっと見ていた。
「また昔を懐かしんでいるのかい?タカトラ。」
「リョウマか。新しいドライバーは完成したのか?」
「そうせかさないでくれよ。簡単に作れるようなものではないんだ。」
「俺たちの軍のアーマードライダーは戦極ドライバーを持つ俺しかいないんだ。戦力を大幅に上げるにはドライバーを増やすしかない。もし新しいドライバーが難しいなら当初の予定通り、戦極ドライバーの量産という方向に…」
「タカトラ。新しいドライバーはもうすぐ完成するんだ。もう少し待ってくれ。」
「…わかった。」
斬月軍の参謀のセンゴク・D・リョウマにタカトラは言いくるめられてしまった。リョウマは元ディショエ政府軍 ユグドラシル隊の科学者として働いているときからタカトラを黙らせることができる唯一の人間だった。
「そういえば戦極ドライバーの情報漏えい先がわかったよ。どうやら政府軍第四隊から漏れていたみたいだ。わが軍からではなかったよ。」
「そうか。全く…奴らは機密情報の意味を分かっているのか。」
「けど漏えいしたことで他の反乱軍も戦極ドライバーを生産することは不可能ではなくなった。ディショエ政府は焦っているだろうね。」
リョウマはにんまりと笑った。だがタカトラは素直に喜ぶことは出来なかった。ミツザネがディショエ側にまだいる。反乱軍が戦極ドライバーを生産することはミツザネが危機にさらされることが多くなることを意味していた。
「ミツザネ…。無事でいてくれよ。」
「ふん、なかなかやるな。ユグドラシルも。」
漏えいしたデータをバロン軍が入手し、それをもとに制作した戦極ドライバーはきちんと機能していた。バロンはバナスピアーで敵の兵士を軽々と倒していく。少し離れたところでアーマードライダーナックル クルミアームズに変身したザックがユグドラシル隊の兵士を次々と飛ばしていくところが見えた。
「ザックのドライバーも機能しているようだな。あいつのドライバーは出力を抑え気味にしているが誰にでも使えるようにしていたはず。金があれば量産化できるんだがな。」
バロンは周りの敵を一掃し、あたりを見まわした。ナックルが戦っている方向とは真逆の方向でかなり激しい戦闘が行われている。だがそちらはバロン軍の兵士たちがブドウ龍砲をもったアーマードライダー龍玄に一方的に攻撃されていた。すぐさまバロンは龍玄のほうへ走って行き、攻撃を仕掛けた。
「貴様がクレシマ・H・ミツザネだな。」
「クモン・S・カイトか!?アーマードライダーだったのか!」
「貴様らが間抜けだったおかげで戦極ドライバーを作ることができた。おそらくほかのやつらも今頃戦極ドライバーによる戦闘の準備をしているだろうな。いよいよ貴様らディショエ政府も終わりだ。」
「お前らバロン軍は確かコウタさんが変わる前からディショエ政府を攻撃していたな。なぜそんなにディショエ政府を憎む!?」
「オレは別にディショエに興味はない。だが権力を持っているにも関わらず、武力で人を抑えようとしなかった。力を示さなければ強者とは言えん。そんな間抜けは俺が倒す。」
「…今は違うじゃないか。コウタさんは変わった。好戦的になったコウタさんならお前は認めるんじゃないのか?」
バロンはそれを聞くと一歩下がり、バナスピアーを下ろした。
「そう。やつは自分の貫いてきたものを変えた。それも弱者だ。気に入らん。」
そう言うとカッティングブレードを2回下ろし、龍玄にとどめを刺そうとした。だがそれと同時にバロンと龍玄の頭上にチャックのようなものが現れた。そしてそのチャックが開くと中から大量の怪物が出てきた。
「なんだ!こいつらは!」
「クモン・カイト!なにをした!?」
「知るか!」
2人はお互いを攻撃するよりも怪物を倒すことを優先することにした。ブドウ龍砲によって怪物は吹き飛び、バナスピアーによって怪物は貫かれるのであった。
「おいカイト!スラムの方にも化け物が出てきた!ここは引いてスラムを助けるぞ!!」
ナックルの声を聞いたバロンは致し方なく撤退していった。背を向けるバロンの後ろ姿を見る暇もなく、龍玄は怪物と戦っていた。だが次の瞬間、世界が凍ったように龍玄を除いて周りは一切動かなくなった。
「なんだ?これは…。」
「よう、ブドウのアーマードライダーくん。」
向かい側から怪物を避けて男が歩いてくる。
「誰だ。あんたは?」
「おれはアラガス。なあ、お前さん、コウタが変わっちまった原因を知りたくはないか?」
読んでいただきありがとうございます。
なるべく早く更新したいなと思っていたので早く更新できてよかったですw
これからあとがきでは裏設定や分かりにくいところを解説していきたいなと考えています。コメントしていただければ説明できるようにしようと思ってるのでよろしくお願いします。
今回は登場人物紹介その1です
コウタ…ディショエの王。優しき王として世界を治めていたが、なぜか性格が一転。世界を好きに支配するようになる。
クモン・S・カイト…反乱軍の一つであるバロン軍のリーダー。ディショエ政府をもともと信用していない。アーマードライダーバロンに変身する。
クレシマ・H・ミツザネ…ディショエ政府軍 ユグドラシル隊の隊長兼参謀。コウタの乳兄弟。コウタの人柄に惹かれていたが、コウタが変わってしまったことに戸惑う。アーマードライダー龍玄として戦闘中、アラガスに出会う。
クレシマ・H・タカトラ…反乱軍の一つである斬月軍のリーダー。ディショエ政府軍 ユグドラシル隊の元隊長。コウタの乳兄弟。優秀だったため、コウタに慕われていた。タカトラもコウタの優しさと強さを認めていたが、コウタの性格の変化によって、コウタを見限り、反乱軍を組織。ミツザネを勧誘するも、失敗している。
ほかの人物も徐々にのせていきますね。
コメント・評価の方、よろしくお願いします
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第3話
ディショエ国の王 コウタはかつて優しき王として世界に君臨していた。だがある時から非情かつ残酷な性格へと変貌してしまい、国は混乱に陥ってしまった。
そんななかミツザネはコウタの命令でバロン軍と一戦交える。
アーマードライダーバロンに変身したカイトと戦うアーマードライダー龍玄ことミツザネ。
だが2人の目の前にクラックが現れ、インベスが戦に紛れ込んでしまった。
見たこともない現象と生き物に驚く2人。
そしてミツザネの前にアラガスという人物が現れて…。
「コウタさんが変わった原因だと…?」
「ああ。俺はそれを知っている。聞きたいか?」
アラガスは妖しげに笑いながらミツザネに尋ねた。ミツザネはアラガスを怪しみながらもコウタが変わってしまった原因と言われると聞かずにはいられなかった。
「なんだ?変わってしまった原因って。」
「リンゴのアーマードライダーって知ってるか?コウタが変わった辺りに現れたアーマードライダーだ。そいつの正体は誰もわからない。どこに所属しているのかもわからない。」
「そいつがなんだ?」
「まぁそう焦るなって。そいつは人を操る能力を持っている…と言えば、賢いお前ならもうわかるよな?」
「そいつがコウタさんを操ってディショエをめちゃくちゃにしているっていうことか?でも証拠がない。あんたがそのリンゴのアーマードライダーに何らかの怨みを持っていて、僕を利用してそのリンゴのアーマードライダーを倒させようとしているのかもしれない。」
「ははは。お前は本当に慎重だな。よーし、ならお前自身で調べてみればいい。リンゴのアーマードライダーについてな。うーん、そうだな、もう一ついいことを教えてやろう。リンゴのアーマードライダーはしばしばディショエ城に現れるそうだ。お前はディショエ城を好きに動き回れるだろう?探してみたらどうだ?」
アラガスはそう言うと左手を前に出した。すると静止していた怪物はあっという間に爆発を起こし消えた。
「こいつらはインベスと呼ばれるヘルヘイムの森に住む生物だ。あのチャックのような異空間への扉。あれはクラックっていってこの世界とヘルヘイムの森を繋ぐもんだ。」
「インベス?クラック?ヘルヘイムの森?それっていったい…?」
「ヒントをたくさん与えてやった。頑張れよぉ。」
そう言い終わると静止していた世界はまた動き出した。それと同時にアラガスはミツザネの前から姿を消した。
「あーら、アテクシどうやらファンデーションを東の本部に忘れてきてしまったみたい!ちょっとぉ!坊や!坊やいるぅ??」
「坊やはやめてくださいよ、オウレンさん…。というか、おれの名前はジョウノウチ・G・ヒデヤスっていう名前なんですからいい加減覚えてくださいよ…。」
「そんなアマチュアのくせに長ったらしい名前、覚えることがムゥゥゥダァァァ!そんなことよりファンデーション買ってきなさい。すぐによ!」
バロン軍のいるスラムと斬月軍の本陣のちょうど間あたりにオウレン・B・ゲンノスケが率いるブラーボ軍はいた。その場所は元々反乱軍の一つである黒影軍が陣をとっていた場所であったが、バロン軍によって滅ぼされ、リーダーであったハセ・S・リョウジを含めた数人の残党しか生き残らなかった。そこでリョウジは他の反乱軍を次々と吸収することで勢力を高めている反乱軍の一つ、ブラーボ軍の傘下に下ることで何とか生き残る道を選んだのであった。
「オウレンさん。」
「あーら、ハセじゃない。坊やなら今買い出しに行ってるわよ。」
「あーそうじゃなくて…。聞きました?バロンのやつらのこと。」
「ユグドラシル隊との戦闘のこと?勝負はつかなかったらしいわね。優秀な軍隊相手に…やるじゃない。」
「おれあいつら倒したいんすよ。俺の軍を潰しやがったんですよ。しかも理由は『弱いからだ。』。ふざけてますよ!!」
「落ち着きなさい。どうせやつらはいずれ倒れるわ。」
「え?」
「バロン軍は勝利をおさめないと気が済まない連中よ。今回のユグドラシル隊との引き分けでおそらくクモン・S・カイトは苛立っているわ。きっとほかの反乱軍に喧嘩を売りに行くわ。」
「でも…もう弱小反乱軍って残ってませんよね?今残ってる反乱軍なんていったらバロン軍と斬月軍、それとおれらの軍くらいじゃないすか?」
「だーかーらー倒されるっていってるのよぉ!もうあんたほんとにセンスないわね!!」
「へ??どゆことすか…。」
「いい?アテクシたちの軍と麗しきタカトラ様率いる斬月軍は同盟を結んでいるのよ?バロン軍がどちらかに攻撃すればもう片方をも敵に回すことになるの。」
「…えーっと」
「んもぅ!バロン軍がアテクシたちの方を攻撃してくれば斬月軍がアテクシたちを援護しにくる!!で、斬月軍にバロン軍は攻め入ればアテクシたちは斬月軍の援護に入る!わかる!?」
「あ~~~!」
理解したことで満面の笑みを浮かべるリョウジにオウレンはあきれる一方だった。そこにファンデーションを持ったヒデヤスが帰ってきた。
「遅いわよ!まったくどいつもこいつも!」
「すいません、オウレンさん…。あ、そういえばハセちゃんの黒影のデータを基にして戦極ドライバーの量産化、できそうです!」
「あーら、それはよかったわ!そのベルトが量産に成功すれば斬月軍にも提供する手はずになっているの。タカトラ様、喜ぶはずよぉ~!うふふ。」
リョウジとヒデヤスは顔を合わせてその場から逃げだした。
数日後の夜。
その日もディショエ城の庭にミツザネはいた。リンゴのアーマードライダーを探して数日。未だに見つかってはいなかった。
「今日もダメだったか…。」
そう呟いて立ち上がろうとしたとき、遠くでアーマードライダーが歩いているのが見えた。アンダースーツのデザインはおそらく和風。だがリンゴのアームズは洋風でミスマッチさが目立っている。「やつが…リンゴのアーマードライダー…。」ミツザネはそのアーマードライダーのマスクに驚きを隠せなかった。コウタの変身するアーマードライダー鎧武にそっくりだったのである。「どういうことだ?コウタさんがやつに技術提供をしたということか?…奴はいったい何者なんだ…?」ミツザネはそっとリンゴのアーマードライダーをつけようとそっと立ち上がろうとするとその気配にリンゴのアーマードライダーは気が付き、素早く無双セイバーの銃口をミツザネに向けた。「しまった…!」
「変身!」
ミツザネはすぐさま戦極ドライバーを腰につけ、ブドウロックシードを起動。ドライバーに取り付けカッティングブレードを下ろした。弾丸を避けながらミツザネは龍玄に変身し、ブドウ龍砲で反撃に出た。
「お前…クッ!何者だ!?」
リンゴのアーマードライダーは龍玄の問いかけに答えることなく、無双セイバーで乱射してきた。が、すぐに無双セイバーは弾切れを起こす。
「いまだ!」
カッティングブレードを一度おろし、ブドウ龍砲のトリガーを引いた龍玄はすぐリンゴのアーマードライダーにブドウのエネルギー弾をぶつけた。直撃はしなかったものの、その攻撃に怯んだリンゴのアーマードライダーは夜の闇に消えていった。
こんばんは。
とりあえず今回で登場する組織は全部出したつもりです。また増やすかもしれませんがとりあえずこれよりはややこしい関係にならないよう頑張りたいと思いますw
今回は登場人物紹介その2です
ジョウノウチ・G・ヒデヤス…ブラーボ軍の参謀。反乱軍の一つとしてグリドン軍を率いていたがディショエ政府軍に壊滅させられる。アーマードライダーグリドンとして働くことを条件にブラーボ軍に合流を果たす。
ハセ・S・リョウジ…ブラーボ軍の特攻隊長。反乱軍の一つとして黒影軍を率いていたが、ディショエ政府軍に敗北したバロン軍に腹いせで壊滅させられる。アーマードライダー黒影として働くことを条件にブラーボ軍に合流を果たす。
オウレン・B・ゲンノスケ…ブラーボ軍のリーダー。ディショエ政府のオネエ禁止政策に反対し挙兵。グリドン・黒影軍を吸収し、斬月軍と手を組む。
ザック…バロン軍の副リーダー。スラム出身。スラムにいたときから富裕層でありながらスラム出身の自分を友人として接してくれたカイトを信じている。
ペコ…スラムに住む青年。カイトを尊敬している。
感想・評価の方よろしくお願いします。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第4話
3人のアーマードライダーが所属するブラーボ軍は量産型ドライバーの製造に成功し、着々と戦いの準備をしていた。
一方コウタの命令でバロン軍と戦うことになったアーマードライダー龍玄ことミツザネ。
彼の前に現れたアラガスという人物はコウタが変わった原因はリンゴのアーマードライダーであるとミツザネに教える。その後ミツザネはリンゴのアーマードライダーを見つけ、戦闘を行うも逃げられてしまったのだった。
ユグドラシル隊とバロン軍が戦闘したという情報は斬月軍にも届いていた。バロン軍が斬月軍、もしくはブラーボ軍に攻めてくる可能性を考慮し、タカトラは斬月軍の幹部を集め、会議をしていた。
「リョウマ、シド、ミナト…。よし、集まったな。では始める。今回の議題は他でもない。バロン軍についてだ。私はあまり気乗りしないが、バロン軍のリーダーのクモン・カイトの性格上、こちらかオウレンのブラーボ軍に攻めてくるのはほぼ確実だろう。」
「気乗りしない…?元ユグドラシル隊隊長、白い閃光と謳われた君が戦闘に乗り気でないのかい、タカトラ?」
「リョウマ。私がディショエを裏切ったのはコウタの悪政が原因だ。何も戦いがしたくて反乱軍を作ったわけではない。怒らせたいのか?」
そこにシドが口を挟んだ。
「まぁまぁ落着きなって。クレシマ大将。話を元に戻そうぜ。おれはバロン軍との戦闘、いいと思うけどなあ。あんたはディショエを倒すことが優先事項なんだろ?だがバロンの連中はやーたらおれたちの邪魔をしてくる。ならバロン軍を消してそのあと確実にディショエを潰すって手があるだろ?」
「…。」
「私もシドに賛成だよ、タカトラ。」
「私もです。プロフェッサーリョウマが間違っていたことはありませんし…。いかがですか?クレシマ大将。」
リョウマ、シド、ヨウコの意見が一致した。自分の意見が違うからと言って独断で斬月軍の指揮を決めるわけにはいかない。タカトラは仕方なくバロン軍との戦闘をすることを決意したのだった。その後これからについて4人で話し合った。会議が終わり、タカトラが立ち上がった時、リョウマは微笑みながらタカトラに話しかけた。
「で、タカトラ。少し話がずれるんだが…。確認したいことがある。」
「なんだ?リョウマ。」
「リンゴのロックシードについてだ。」
「またか…何度も言っているが…」
「タカトラ。本当に何の興味もないのかい?人をコントロールできる力が手に入るロックシードだぞ?もし手に入れられればコウタを元に戻すことなんて容易い!ディショエを潰すより簡単かもしれないんだ!」
「リョウマ。俺はそんな風にしてコウタを…この世界を変えたいんじゃない。コウタにはきちんと罪を償ってもらい、世界を人間の手で良くしていく。それがしたいんだ。」
「…そうか…わかった。」
タカトラは席を離れた。またディショエ城を見に行ったのだろう。タカトラの後ろ姿を睨み付けながらリョウマはシドとヨウコに告げた。
「あれだけ説得しても無駄か…。頭が固い男だね…。正義感が強い男だからこそリンゴロックシードの必要性を感じてもらえると信じていたんだが…。」
「プロフェッサーリョウマ、もういいんじゃねえか?十分待っただろ?」
「そうだな、シド…。疲れた戦士には休息の時が必要だ…。」
西のスラムはインベスの被害が大きかったものの、立て直しは順調に進んでいた。ユグドラシル隊とインベスの両方を相手にしたことによってか、バロン軍の兵士はかなり減った。そのためバロン軍はペコら家族のいる志願者も受け入れざるを得ない状況であった。
「ありがとうございます!カイトさん!ザック!おれ…頑張ります!!」
「ペコ。お前はオレやザックと違って家族がいる。危険を感じたらすぐに逃げろ。お前が弱いからじゃない。強いからこそ家族のために生きなくてはならないんだ。」
「…はい!」
ペコがほかの兵士のところへ行くとカイトはザックに耳打ちした。
「次は斬月軍を攻めに行くぞ。」
「なんだと!?お前、また引き分けにイラついているのか?」
「違う!どうやら世間ではオレが戦で勝てないとイライラし、ほかの軍に攻めに行くという噂がたっているようだが、別にイラついてほかの軍に攻めに行くわけではない。」
「じゃあなんで?」
「戦いに勝てなかった軍はなめられるだけだ。そして勝てなかった軍自体も弱気になる。そうならないようにするには勝利をすればいい。今こうしている間にもバロン軍の兵士は弱気になり、他軍はバロン軍をなめはじめている。オレたちの軍が残り続けるためには戦いで勝たなければならない。」
まっすぐに前を見つめながら話すカイトをザックはただ見つめることしかできなかった。
第4話を読んでいただき、ありがとうございました。
今回のリョウマのセリフで次の展開が分かった方もいるんじゃないでしょうか?
今後もよろしくお願いします。
今回は登場人物紹介その3です
センゴク・D・リョウマ…斬月軍の参謀。元ディショエ政府軍 ユグドラシル隊の科学者。戦極ドライバーをつくった本人。使用したものは人をコントロールできると噂されているリンゴロックシードにかなり興味を示している。だがそれにタカトラは興味がなく、リンゴロックシードのためだけに軍を動かすことを反対していたため、しばしば対立をしていた。
ミナト・M・ヨウコ…斬月軍のメンバー。元ディショエ政府軍 ユグドラシル隊のメンバー。ユグドラシル隊のメンバー時はリョウマの部下として働いていた。
シド…斬月軍のメンバー。スラム出身。戦闘の腕を買われ、リョウマの手足として動く。スラム出身とあってか、上から目線で命令されることを非常に嫌がる。
リンゴのアーマードライダー…謎のアーマードライダー。アラガスいわくコウタが変わった元凶。アンダースーツは和風で無双セイバーとアップルセイバーを使う。彼の持つリンゴロックシードは人をコントロールできる能力を秘めていると言われているが定かではない。
アラガス…謎の人物。時を止めたり、瞬間移動したりといった能力を使える。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第5話
バロン軍の動きに警戒する斬月軍。タカトラたちはバロン軍の攻撃に備えて会議を行っていた。しかし斬月軍の参謀、リョウマは別の思惑があった。
一方斬月軍を攻撃することを決めたカイト。バロン軍と斬月軍の衝突が始まろうとしていたが…
バロン軍は斬月軍の本陣へ向かうため、スラムから北東の方角へ進軍していた。
その頃、斬月軍ではタカトラがシドにブラーボ軍に援軍の要請をするよう命令を出していた。シドはローズアタッカーを出し、ブラーボ軍のアジトへ向かった。
シドがブラーボ軍のアジトにつくと、入口にはリョウジが待っていた。
「お、あんたがシドか。早かったな。」
「ブラーボ軍特攻隊長ハセ・リョウジか。今日はよろしく頼むぜ。」
「ついてきな。奥にオウレンさんが待ってる。」
リョウジはシドに背を向けたその時。シドはとっさに開発されたばかりのゲネシスドライバーを腰につける。すぐさまチェリーエナジーロックシードを起動させ、ゲネシスドライバーにはめた。
「変身」
左手を帽子に添えながらシドはアーマードライダーシグルドに変身した。そして変身とともに召喚されたソニックアローでリョウジの背中を切りつける。うめき声をあげ、リョウジは倒れた。
「シドォ…てめぇ!」
「フハハ、わりいな。お前に恨みはないがプロフェッサーリョウマの命令でね。」
「リョウマ…だとぉ…ク…変身!」
リョウジは震える手で戦極ドライバーを腰につけ、マツボックリロックシードを起動。ドライバーにとりつけるとカッティングブレードをすぐ下ろし、アーマードライダー黒影に変身した。力を振り絞り、手に持った影松でシグルドの胸を狙い突き刺そうとするが、シグルドは難なくかわす。
「無駄な抵抗はよせ。すぐ楽にしてやるからよ。」
「ぐぅ…負けるかよぉお!」
手負いの獣のように影松を振り回す黒影。嘲笑いながらソニックアローで射撃するシグルド。勝敗はもう明らかであった。シグルドは腰につけたチェリーエナジーロックシードを取り外し、ソニックアローに取り付けた。
「じゃあな。特攻隊長さんよ?」
ソニックアローをめいいっぱい弾き、シグルドはソニックボレーを放った。まっすぐ黒影に命中し、戦極ドライバーが壊れる音とリョウジの叫び声が混じりながらリョウジは倒れた。
「ハセちゃん!?」
「おっと、参謀のジョウノウチか…。お前もやっておくか?」
シグルドの標的は爆音を聞いてやってきたヒデヤスへ変わった。ヒデヤスはリョウジの死体を見ると何が起こったのかすぐに理解した。
「お前が…ハセちゃんを…!なんで!同盟を結んでいただろ!?」
「今から死ぬお前に説明する必要はねえな。いくぜ。」
シグルドはヒデヤスに特攻していった。ヒデヤスは戦極ドライバーをとりつけドングリロックシードを起動した。
「変身!」
ドライバーにロックシードをとりつけカッティングブレードを下ろすとアーマードライダーグリドンに変身を遂げた。だが変身をした瞬間、シグルドのソニックアローがグリドンのアーマーを攻撃する。グリドンのアーマーが固かったせいか、ダメージはそこまで大きいものではなかった。
「よくも…ハセちゃんを!」
「あいつは別に対して強いわけでもなかっただろ?何をそんなにキレるんだ?あ?」
「強い、弱いじゃないわ。プロフェッショナルじゃなくてもプロフェッショナルを目指す。彼はそれができる男だったわ。」
シグルドとグリドンの方に怒りに燃えたオウレンが向かってきた。
ちょっとひさしぶりの更新です。
まず初瀬ちゃんファンの方、申し訳ありませんw
グリドンとの組み合わせで活躍させようかと思ったのですが、やはりこのようにしてしまいました…
あと本編では何気になかったライダーがライダーを殺してしまう展開もやってみました。
とはいえメロン兄さんはミッチにやられちゃってるのかな??
本編も気になる展開ですね!
感想。評価の方、よろしくお願いします。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第6話
タカトラはバロン軍との戦闘に際し、ブラーボ軍への援軍要請の使者としてシドを送った。だがシドはブラーボ軍の特攻隊長ハセ・H・リョウジを倒してしまう。怒りに燃えるオウレンとジョウノウチがシドに牙をむく。
シグルドは一歩下がり、グリドンから離れた。そしてオウレンの方を向くと自分の頭をかき始めた。
「あーらら。プロフェッサーからは『オウレンとは接触するな』と言われてたんだけどな。まぁいいか。ここでお前らも片づけちまえばいろいろ楽だからな。」
「あなた…これはタカトラ様の指示?」
「さあな、おれは口が堅いんだ…へへへ。」
堪忍袋の緒が切れたオウレンは戦極ドライバーを取り出し、腰につけた。そしてシグルドを睨み付けながらドリアンロックシードを起動させる。
「変…身!」
ドライバーにロックシードをつけ、カッティングブレードを下ろすオウレン。瞬く間に上からドリアンアームズが下り、オウレンの頭を包む。そしてオウレンはアーマードライダーブラーボに変身した。
「坊や…容赦はしないで行くわよ…。久しぶりに軍人としての血が騒ぐの。」
「はい、オウレンさん!」
グリドンとブラーボが一斉にシグルドに向かっていく。シグルドはソニックアローの射撃で行く手を阻もうとするが2人のアーマードライダーはひるむことなくシグルドのすぐそばまで来る。シグルドは射撃ではなく斬撃に攻撃を変え応戦するも、グリドンのドンカチの一発の重さとブラーボのドリノコの変幻自在な動きに押されていった。「なんだ。こいつら…。つええ!」シグルドは焦らざるを得なかった。「ここは一旦引くしかねえ。おれの任務はあくまでブラーボ軍のアーマードライダーの誰かを始末すること。ここはもう用済みだ。」作戦を練ったシグルドはローズアタッカーを出し、ブラーボ軍のアジトをあとにしようとした。
「馬鹿ね。戦場で敵に背を向けるなんて。」
「!?」
背に向けたはずのブラーボがいつの間にローズアタッカーのすぐ前に立っていた。そして後ろにはグリドンが立っている。
「あなたがそのバイクを出しているうちにすぐ囲んでやったわ。終わりよ。」
「ふん、こいつを止められるのかよお!?」
シグルドはローズアタッカーでブラーボに突っ込んだ。だがその前にブラーボはカッティングブレードを一回おろし、大きなトサカのオーラを出す必殺技を発動していた。突っ込むシグルドをトサカで薙ぎ払うブラーボ。ローズアタッカーは大破し、シグルドは戦闘不能であった。
「ぐ…体が…動かねえ!」
「うちの子を傷つけたんだから、あんたにもそれ相応の罪を償ってもらうわよ。」
「ま…まて!よせっ!」
ブラーボはドリノコでシグルドのゲネシスドライバーを切り壊した。変身を解除したシドは腰を抜かし、その場に倒れた。
「消えなさい。あなたのような小物に用はないわ。」
オウレンとジョウノウチがブラーボ軍を連れて斬月軍の本陣に向かい始めたころ、シドはやっとの思いで立ち上がり、森の中を逃げていた。「おれは…こんなところで終わらねえ…。」だが疲労と空腹、そしてオウレンに対する恐怖でシドはもう歩ける状態ではなかった。その場にしゃがむシド。手に見たこともない果実が触れた。
「なんだ?この果実は…。だが…うまそうだ…。」
その果実を食べれば何かが満たされるような気がした。シドは迷うことなくその果実を口にする。数秒もたたないうちにシドの体はヘルヘイムの植物に犯され、インベスへと姿を変えた。そこに残ったのは帽子だけであった。
読んでいただきありがとうございます。
はい、シド殺しちゃいましたw
ここまでは本編通りの順番で死んでいるのですがここからは変えていくつもりです。
次回はメロン兄さんのあたりを書きたいなと思っています!
評価・感想の方よろしくお願いします!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第7話
リョウジを倒したシグルドにアーマードライダーブラーボことオウレン・S・ゲンノスケとアーマードライダーグリドンことジョウノウチ・G・ヒデヤスの二人が戦いを仕掛ける。ブラーボの攻撃でゲネシスドライバーを壊されたシドは逃走するも、ヘルヘイムの果実を口にしたことでインベスへと変わってしまった。
斬月軍はバロン軍侵攻の情報を得たことで戦闘準備をしていた。そんな中、シドがリョウジを倒したという情報がタカトラの耳に入る。
「シドめ!なぜ通信に出ない!?何を考えている!ブラーボ軍とは同盟を結んでいるんだぞ。くそ…これでは同盟は解消になってしまう…!」
「その通り!残念だったね、タカトラ。」
リョウマはヨウコとともにタカトラの前に現れた。
「リョウマ。作戦は立て直しだ。ブラーボ軍が味方になるどころか攻めてくるかもしれん。シドのやつの独断で我々は一気にピンチに追いやられた。」
「う~ん、確かに我々はピンチに陥ってるね。でもシドの独断ってのは間違いだよ、タカトラ。」
「どういうことだ?」
「あー、あとタカトラには言うのを忘れてたけど、新型ドライバーはすでに完成している。で、シドに持たせておいたよ。」
「なに!?どういうことだ!大将である俺に何も言わず…」
「悪いけどタカトラ、もう君は大将ではなくなる。ミナト君。」
リョウマの指示を受けヨウコはゲネシスドライバーを腰につけた。そしてピーチエナジーロックシードを起動させる。
「変身。」
優雅な手の動きでロックシードをドライバーに取り付け、素早くシーボルコンプレッサーを押し込む。そしてヨウコの頭上から桃のアームズが現れ、回転しながらヨウコと融合する。アームズが展開されるとヨウコはアーマードライダーマリカになった。右手に持ったソニックアローでタカトラを切り付けようとするが、何とかタカトラはかわす。
「ミナト…なにを!?くそっ…変身!」
タカトラはあらかじめつけていた戦極ドライバーに起動させたメロンロックシードをはめ、カッティングブレードを下ろした。メロンのアームズとタカトラは融合するとアーマードライダー斬月へと変身した。引き続き続くマリカの斬撃をメロンディフェンダーで防ぐ斬月。素早く無双セイバーを抜き、マリカの腹部に銃弾を撃ち込む。
「うーん、さすがタカトラだな。ミナト君にゲネシスドライバーは鬼に金棒かと思ったが、タカトラは鬼をも越す虎だったらしい。」
「リョウマぁ!これは一体どういうつもりだ!指揮に何か意見があるならきちんと言え!」
「変身!」
タカトラの言葉を無視してリョウマはレモンエナジーロックシードを起動させ先ほど腰に巻いたゲネシスドライバーに取り付ける。シーボルコンプレッサーを押し込むと展開されたアームズがリョウマの頭を隠し、アーマードライダーデュークへと変わった。
「名残惜しいがさらばだ友よ。」
「リョウマぁぁぁ!」
デュークはレモンエナジーロックシードをソニックアローにつけかえた。ロックオンの音声とともにソニックアローを弾き、斬月に狙いを定める。マリカはシーボルコンプレッサーを一度押し込み、斬月にソニックアローの斬撃を飛ばした。カッティングブレードを2回倒し無双セイバーでその斬撃を斬る斬月。だがその隙を突いたデュークが右手を離し、ソニックボレーを放つ。斬月はその攻撃を防ぐことは出来ず、腹部に直接当たった。
「うーん、まだ生きてるか。しぶといね、相変わらず。じゃあこれで終わりだ。」
デュークはシーボルコンプレッサーを一度押し込み、ソニックアローの斬撃を倒れた斬月に放った。だがその斬撃は横から突如現れた赤いアーマードライダーに防がれる。
「これはどういうことだ?お前たちの軍は全く機能しておらずあっという間に壊滅させてやった。本陣に来てみればまさか仲間割れとはな。それに2対1か。オレからしてみれば弱者が2匹集まって強者にちょっかいを出している虫ケラだな、お前らは。」
読んでいただきありがとうございます
一話一話が短いのでもうあっというまに7話です。
今回はメロン兄さんが裏切られるところですね。
シドを殺しちゃったので2対1になってしまいましたが…
てかもうこの話、鎧武というよりバロンの主人公の話みたいになっちゃってきてるなww
感想、評価よろしくお願いします
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第8話
バロン軍を迎え撃つため戦闘準備にとりかかっていたタカトラ。だがシドがリョウジを倒したことでブラーボ軍との同盟は解消となったため、計画通りにいかなくなってしまう。そしてリョウマとヨウコがタカトラを裏切りとどめを刺そうとするが、そこにアーマードライダーバロンが現れタカトラが変身した斬月を助ける。
「アーマードライダーバロン…クモン・カイト!」
斬月はバロン軍がもう到着したことと自分を守ったことに驚いた。一方デュークはバロンの登場に驚くことなく、説得を始める。
「ほーう。だが都合がいい。クモン・カイトくん。君は強者としか戦いたくないのだろう?そこにいるタカトラは元ディショエ政府軍ユグドラシル隊隊長だ。君の獲物にふさわしいのはタカトラじゃないのかい?」
「確かにオレの敵は強者だ。だが強者のふりをし、真の強者をせこい手で倒そうとする弱者が一番目障りだ。お前たちから片づける。」
言い終わらないうちにバロンはデュークに向かって走り出す。バナスピアーでデュークのアーマー部を貫こうとするもマリカがその間に入り、ソニックアローでバナスピアーをはじく。デュークは数歩下がり、バロンのデータを収集することにした。マリカはソニックアローで射撃を繰り出し、バロンを圧倒する。だがバロンは屈することなくマリカに突っ込んでいく。「なに、このクモン・カイトという男。力はとても強いわけではない。でも何かものすごい気迫を感じる…。」マリカはバロンから醸し出される頂点に君臨するものにふさわしいオーラを感じていた。
「ミナトくん。もういいよ。軍は壊滅してしまった。本当ならタカトラがいなくなったらうまいことごまかして軍ごといただこうと思ったけど…。ま、私とミナトくん、あとシドがいればなんとかなるだろう。」
デュークの声を聞いてマリカはサクラハリケーンを召喚した。デュークもローズアタッカーを出し、二人は東の方角へ立ち去った。斬月の変身を解除したタカトラは肉体のダメージに耐え切れずその場に倒れ、意識を失った。
その頃ブラーボ軍は斬月軍の本陣があったところから数キロのところにまで進軍していた。オウレンはシドの行為がタカトラの命令によるものなのか知りたかったのだ。だが本陣のあったところについた頃には兵士の死体しかなく誰もいなかった。
「どうなっているのよ…これは!」
「旗を見たところ死体の多くは斬月軍みたいですね。バロン軍によるものですかね?」
「馬鹿おっしゃい!アテクシたちの援護がなくてもバロン軍相手なら斬月軍はやりあえるわ。きっとタカトラ様に何かあったのよ!坊や!タカトラ様を探すわよ!」
「はい、ハセちゃんのこと、きちんと聞かなきゃ…!」
タカトラは西のスラムのテントで目が覚めた。周りには赤い衣装のような恰好をした青年たちがタカトラを看病していた。
「ここは…どこだ?」
「バロン軍のアジトだ。」
「バロン…だと!?」
タカトラはすぐ立ち上がり、あたりの青年たちに警戒する。だが体の痛みに耐え切れず、膝をついてしまった。そしてカイトがテントに入り、タカトラに話しかけた。
「死にたくないなら動かないことだな。クレシマ・H・タカトラ。」
「なぜ俺を助けた?」
「別に意味はない。助けられたのが屈辱なら今から自殺でもするがいい。」
「…俺は死ぬわけにはいかない。ディショエを変えるまでは!」
「くだらんな。」
「何?」
「ディショエのためと言い行動してたお前がディショエ国民の一人であるセンゴク・リョウマに殺されかける。くだらん話だ。」
「…。」
「そんなくだらんもののために戦うから貴様は裏切られたんだ。貴様は自分や自分の組織の欲のために戦うべきだった。オレからしてみればまだセンゴクのほうが行動心理が理解できる。」
「リョウマは…なぜ俺を裏切ったのか…お前は知っているのか?」
「まだきちんとはわからん。だが貴様が倒れてからセンゴクとミナトの目撃情報が東の方に集中している。東に何かあるのかもな。」
「…。」
「とにかく完治するまではここにいていいが、治ったらすぐ出ていけ。ここの連中はお前たち良民のことが嫌いだからな。」
そう言うとカイトはテントを出ていった。タカトラは俯き、やがて眠りについた。
ミツザネはその夜もリンゴのアーマードライダーを追っていた。リンゴのアーマードライダーはディショエ城から出てくるといつも疲労がたまっている様子であった。そして東の方角へ進み、やがて森に入っていく。これが何度もこの数週間続いていた。「やつが付かれているところを襲ってやろうか…。」ミツザネは何度も考えたが、敵の手の内を知らないため動こうとはしなかった。今日もまた東の森へ帰っていく。森へ入るリンゴのアーマードライダーを見送るとミツザネは振り向き帰ろうとした。
「ミツザネくん?」
横からミツザネを呼ぶ声がし、ミツザネは振り向いた。そこにはリョウマとヨウコが立っていた。
読んでいただきありがとうございます!
久しぶりにミッチの登場です!
ずっとリンゴのアーマードライダーを追っかけていましたw
ミッチって最初は自分でなにかをしようとしませんでしたからねえ。
一方本編のミッチは…(ry
感想、評価よろしくお願いします
PS
誤字脱字などを直すために編集はしていますが、大まかには話は変わっていないので、(改)はあまりきにしないでくださいw
あとハセちゃんとオウレンのミドルネームを変えました。すいません><
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第9話
リョウマ、ヨウコに襲われたタカトラはカイトらバロン軍に助けられた。一方オウレンらブラーボ軍はリョウジの死について詳しいことを聞くためにタカトラを探す。またミツザネはリンゴのアーマードライダーを追ってたどり着いた東の森の入口でリョウマとヨウコに遭遇する。
リョウマとヨウコはベースキャンプを森の中に作っていた。ミツザネはリョウマとヨウコについていき、そこで話をすることにした。
「久しぶりだね。二人とも。」
「まさかタカトラの弟君とこんなところで会うとはね。斬月軍を作る際にタカトラと私で君にディショエを裏切って私たち側にくるよう誘った時以来かな?とまぁそんなことより、こんなところで何をしているんだい?」
「…。」
「当ててみようか?リンゴのアーマードライダーが目的だろう?」
「なぜそれを…あっ…」
ミツザネは信頼してはいけない男に目的をばらしてしまったことに気が付いた。リョウマはユグドラシル隊に所属していたころから隠し事が多かったり奇妙なことをしていた。だからミツザネはあまりリョウマを信用していなかったのだ。一方タカトラは「天才にはいろいろなことがある。」と考え、あまり気には留めていなかった。
「実は私たちもリンゴのアーマードライダーを追っているんだよ。ここにいるミナトくんともう一人シドという男とね。しかし困ったことにシドと連絡が付かなくなってしまってね。戦力不足で困っていたところなんだ。」
「何が言いたい?」
「ユグドラシル隊にいては動きづらいだろう?よかったら私たちの仲間にならないかい?」
「僕はコウタさんを裏切らない。斬月軍の際にも言っただろう。」
するとリョウマは笑みを浮かべながらミツザネへの説得を続けた。
「君はディショエ側にいることだけがカズラバ・K・コウタのためになると考えているのかい?悪政をしてるやつの味方になることがコウタのためになると?」
「…どういうことだ?」
「君はこう仮説を立てているんだろう?コウタを変えたのはリンゴのアーマードライダー。彼が使うリンゴロックシードは人を操る能力があると言われているからね。だからそのアーマードライダーをどうにかすればコウタを元に戻せるかもしれない。でも自分が勝手に戦闘をするわけにはユグドラシル隊隊長という立場上いかない。それにリンゴのアーマードライダーの戦闘能力が分からないから攻撃を仕掛けるわけにはいかない。で、どうしようかと考えているところだ。違うかい?」
ミツザネの考えはリョウマに筒抜けであった。焦りを隠すミツザネにさらにリョウマは話を続ける。
「だから私たちもリンゴのアーマードライダーに攻撃を仕掛ける。3人なら相手の能力や戦闘力をはかるには充分だろ?それに私はゲネシスドライバーという新型ドライバーを開発した。戦極ドライバー以上の力を引き出すことが出来る。リンゴのアーマードライダーは戦極ドライバーを使っている。3人のゲネシスのアーマードライダーVS1人の戦極ドライバーのライダー。どうだい?」
ミツザネは考えた。ここで断れば斬月軍の2人と戦闘になるだろう。勝手に戦闘するわけにはいかない上にゲネシスドライバーとやらで圧倒されてしまうのは確実。選択肢は一つに絞られた。その後ミツザネはリョウマからゲネシスドライバーとメロンエナジーロックシードを手渡され、城に戻った。
ザックはタカトラの様子を見るために彼が治療されているテントに入った。しかしそこにタカトラはいなかった。代わりに「敵である私を治療してくれたこと、感謝する。だが私はリョウマたちを追わなければならない。東に向かう。世話になった。」と書かれた紙きれだけ置いてあった。ザックはカイトにそのことを報告するも、興味を示さず紙切れをとると丸めてゴミ箱に投げ入れた。二人とも黙っていると、そこにペコが入ってきた。
「ブラーボ軍がきました!」
「ほう…戦闘か?」
「いえ、どうやら違うみたいです。オウレンとジョウノウチがカイトさんに会わせるよう言っています。」
「つまらんな…。まぁいい。通せ。」
しばらくするとペコは二人をカイトの前に連れてきた。
「久しぶりね。ムッシュ・バナ~ヌ。相変わらず機嫌は悪そうね。」
「黙れ。何の用だ?」
「あなた、斬月軍と戦闘をしたんでしょ?それでタカトラ様はどうしたのかしら?場合によってはここであなたを斬り捨てるけれど。」
「な…なんだと!?」
「ペコ、下がってろ。…ふん。そうしてもよかったんだがな。すでに弱っている奴を倒すほどオレは卑怯ではない。」
「すでに弱っていた…?どういうことだよ?」
「ジョウノウチ、オレたちが着く前にタカトラは弱っていた。それだけの情報で策士ならすぐ気がつくはずだぞ。」
「まさか…裏切りでもあったっていうの?」
「その通りだ、オウレン。センゴク・D・リョウマとミナト・M・ヨウコが裏切ってクレシマ・H・タカトラを亡き者にしようとしていた。」
「で、タカトラ様はどうなったのよ!」
カイトはニヤリと笑い、言い放った。
「情報とは武器だ。その武器をオレがタダでやると思うのか?甘いぞ。」
「んもう!ならアテクシたちブラーボ軍が成功した量産型ドライバーのデータを渡すわ。どう!?」
するとザックがオウレンに答える。
「こちらも別のルートで量産型ドライバーの設計は成功していてね。本格的な量産化ももうすぐ可能だ。」
「もおお!仕方ないわね!じゃあリョウジを殺したシドとかいうやつが持っていた新型ドライバーの残骸を提供するわ。そこからデータぐらいならとれるでしょ?」
「新型ドライバー…だと!?」
ザックは新型ドライバーに興味を持ち、その条件をのもうとした。
「貴様らの技術力があればそのドライバーの修復も可能だろう?それも条件に加えろ。あとそのドライバーに使っていたロックシードも修理しよこせ。そうだな、ついでに量産型ドライバーの情報もよこせ。ないよりはあった方がいいだろう。」
カイトの横暴な注文にヒデヤスは予算の都合などを主張するも、タカトラの行方を知りたくて仕方なかったオウレンはカイトの条件を受け入れることにした。
「よし。ならそこのゴミ箱の中を見てみろ。」
オウレンはすぐにゴミあさりに入る。その中で丸まった紙切れを見つけ、タカトラの筆跡であることを経験上すぐわかると奇声を上げながら読み始めた。そしてヒデヤスをつれ、バロン軍から出ていこうとした。するとカイトは二人にぶっきらぼうに声をかける。
「東に行くのだろう。ならばオレたちバロンもいく。センゴクたちが何をたくらんでいるか気になるからな。」
こうしてバロン軍とブラーボ軍は一時的に同盟を結んだ。そしてその同盟軍は東へ向かうための準備を始めるのだった。
読んでいただきありがとうございました!
今回は少し字数多めですw
今回はとりあえず登場人物と現在いる場所について整理してみます^^
ディショエ城…コウタ、マイ、ミツザネ
西のスラム…カイト、ザック、ペコ、オウレン、ジョウノウチ
東の森…リョウマ、ミナト、リンゴのアーマードライダー
??…アラガス、タカトラ
感想、評価の方よろしくお願いします!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第10話
リョウマはリンゴのアーマードライダーとの接触を目論んでいた。ミツザネはリョウマを手を組み、リンゴのアーマードライダーと接触することを決意する。一方タカトラはバロン軍のアジトから抜け出し一人東へ向かう。ブラーボ軍とバロン軍はタカトラを追うという目的が一致し、一時的に同盟を結ぶことになった。
ディショエ城へ抜け出す日の夕方。ミツザネはマイに呼ばれ謁見の間にいた。もともとマイは王家の人間で、コウタは養子に入った形で王になった。その頃からミツザネはマイのよき理解者としてしばしば相談に乗っていた。最初はコウタの寝相や好き嫌いなど微笑ましい内容だったが、今となっては気性の荒さや残酷な刑罰、意味のない戦いなどを楽しむコウタへの心配がほとんどであった。「この人はコウタさんがあんなになっても心配している。僕と同じだ。僕もコウタさんが心配だ。この人は僕のことを分かってくれるはずだ。」ミツザネにとってもマイはよき理解者だった。最後にマイはミツザネに質問をした。
「ミッチ。貴方はコウタのためなら何でもできる?」
「はい。僕はコウタさんとマイ様のためなら何でも。」
「…それはどのコウタのためなの?」
「どの…?」
「幼いころのコウタ?王になった時のコウタ?それとも今のコウタ?」
「…僕はどのコウタさんのためにも何でもします。それがコウタさんのためなら…。もしコウタさんの手足を折って動けなくさせることがコウタさんのためなんだとしたらやります。」
真剣な顔でミツザネは言ったが、マイはその表現に笑っていた。マイの微笑みを見たミツザネも笑顔がこぼれた。「もう…この人の顔を見ることは出来なくなる…。」そう考えながらもミツザネは笑っていた。
ミツザネは夜の闇に紛れることが出来るように黒い服装に着替えた。時計が午前1時を知らせる。最低限の荷物を持ち、ミツザネは城を出た。だが門の先には量産型ドライバーをつけた兵士たちが大勢立っていた。一斉にマツボックリロックシードを使い黒影に変身した。
「なぜバレた…?」
「お前が最近様子が変だったからな。部屋に監視カメラをつけさせてもらってたんだよ。」
黒影トルーパーの奥からコウタが出てくる。コウタの腰にも戦極ドライバーがついており、手には黒いオレンジロックシードが握られていた。
「その荷物からしてこの城を抜け出す気みたいだな。残念だよ、ミツザネェ。おれを裏切ったらどうなるか…わかるよな?…変身!」
ブラックオレンジロックシードを起動させドライバーに取り付けるとカッティングブレードを下ろした。挑発するかのような態度でアーマードライダー鎧武・闇へと変身した。それと同時に黒影トルーパーたちは手に握られた影松の刃先をミツザネに向ける。ミツザネもすぐに龍玄に変身をするが直後に黒影トルーパーたちの攻撃を受けてしまう。鎧武・闇は無双セイバーを引き抜き、龍玄に切りかかる。ブドウ龍砲を鎧武・闇に向けるも打つことが出来ず、横からの黒影トルーパーの攻撃をかわすことで精いっぱいであった。龍玄はブドウロックシードをキウイロックシードにかえ、キウイアームズへとアームズチェンジする。キウイ撃輪で黒影トルーパーたちを次々と斬りつけていく。だが正面に鎧武・闇が来ると龍玄は手を止めてしまう。その隙を突き鎧武・闇は無双セイバーで龍玄の腹を切り付ける。
「ミツザネ。お前は弱いな。おれを止めたがってたみたいだが…クク…これじゃ無理そうだなあ??」
龍玄は膝をつく。「僕は…そうだ。コウタさんのためなら何でもするんだ。コウタさんのために…コウタさんを倒してでもリンゴのアーマードライダーのところに…!」龍玄は戦極ドライバーを取り外し、ゲネシスドライバーを腰につけ、キウイアームズは消滅する。メロンエナジーロックシードを起動させ、ゲネシスドライバーにとりつけるとシーボルコンプレッサーを押し込み、メロンエナジーアームズが回転しながら龍玄に融合した。果汁のようなエネルギーが龍玄のボディーをアーマードライダー斬月・真へと変え、アームズが展開された。そこにいた全員が斬月・真とゲネシスドライバーの存在に驚きを隠せずにいた。斬月・真はソニックアローで黒影トルーパーへエネルギーを撃ち込み、次々に戦闘不能へしていく。鎧武・闇がまた斬月・真の前へ立ちふさがるも次はひるむことなく、斬月・真はソニックアローで鎧武・闇へ切りかかる。笑いながら無双セイバーで防ぐ鎧武・闇。
「おもしれえよ!!ミッチ!!そのドライバー!!ハハハ!!」
黒影トルーパーの残党たちが鎧武・闇と刃を交えている斬月・真の背後を攻撃しようとするも、後から到着したユグドラシル隊の弾丸で吹き飛ばされる。
「お前たち…!」
「ミツザネさん!あなたはコウタ様のために何かをするのでしょう?よろしくお願いします!ここは私たちで何とかしますから!」
ユグドラシル隊の一人がそう言うと、ほかの隊員たちも雄たけびをあげ、黒影トルーパーたちに立ち向かっていく。
斬月・真は覚悟を決め、鎧武・闇を突き飛ばすと、ソニックアローにメロンエナジーロックシードを付け替えた。鎧武・闇の胸を狙ってソニックボレーを放つ。だが同時に鎧武・闇もブラックオレンジロックシードを無双セイバーに付け替えており、斬撃を斬月・真のドライバーへ飛ばした。ソニックボレーは命中し、鎧武・闇は倒れた。斬撃は斬月・真のドライバーに命中し、ゲネシスコアが吹っ飛ぶと変身が強制解除された。ミツザネは気にすることなくローズアタッカーを出すと鎧武・闇のすぐ横を横切って東の森の方へと姿を消した。
今回は鎧武・闇VS龍玄&斬月・真でした!
斬月・真の最初の装着者がミッチってのはどうかなとは思ったのですが…いかがでしたか?ww
感想、評価の方よろしくお願いします!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第11話
元の優しかったコウタに戻すためディショエ政府を抜けるミツザネ。だがコウタが裏切りを許さず、鎧武・闇に変身し、ミツザネを妨害する。ミツザネはリョウマから受け取ったゲネシスドライバーとメロンエナジーロックシードで斬月・真へ変身。うまく鎧武・闇を振り払うことに成功した。
ミツザネがリョウマたちと東の森で合流したころ、バロン軍とブラーボ軍の同盟軍はかつて斬月軍の本陣があった地点の付近で休息をとっていた。ザックはオウレンの作ったケーキを頬張りながらオウレンに尋ねた。
「あんたたち、一応ただの反乱軍だよな?なんでベルトを量産出来たり修理できるほどの技術者がいるんだ?この国で高度な技術を習得しているものはディショエ政府に無理やり連れていかれて城にぶち込まれることになってるだろ。」
「アテクシは元々この国の生まれじゃないの。アテクシの軍の技術者や医者やパティシエは全部他国から連れてきたのよ。ま、だからこの国の行くさまなんて興味ないわ~。でえええええもおおおお!オカマ禁止政策ってなによ!!!非人道的!アテクシに関係なくてもそれは許せないわ!!!というわけでこの国に来たのよ。プロフェッショナルなアテクシがね!」
ザックはケーキに夢中でほぼ話を聞いていない様子だったが、スラムに長年いたペコは外国にいたオウレンの話に夢中であった。オウレンもまた夢中で話を聞いてくれるペコに喜んで自分がいた国の話をする。そこへ修理したゲネシスドライバーとチェリーエナジーロックシードをもったヒデヤスがやってきて、カイトにそれらを渡した。受け取ったカイトはそのままペコに渡し
「受け取れ。力がほしかったんだろ?」
とだけ言った。ペコは嬉しそうに受け取り、カイトに礼を言うと再びオウレンの話を聞き始めた。その時同盟軍の兵士たちの大勢の悲鳴があがり、カイトたちは急いで休憩のため張ったキャンプから出る。そこにはクラックが開かれ、中から大量のインベスが出てきていた。
「こいつらはユグドラシルの連中と戦った時に湧き出てきやがったやつらだ!気をつけろ!油断してるとやられるぞ!変身!」
カイトはバロンに変身するとバナスピアーで次々とインベスを貫いていく。他の者たちもアーマードライダーに変身するが、ペコは変身に手間取ってしまう。ナックルにチェリーエナジーロックシードの開錠方法を教えてもらうと変身ポーズを構えた。
「こ…こうするのか…!えっと…変身!」
ペコはチェリーエナジーロックシードをゲネシスドライバーに取り付けるとあたふたしながらシーボルコンプレッサーを押しこんだ。音声と同時にシグルドへと変身を遂げ、すぐにインベスの群れに突っ込んでいく。だがソニックアローを右手に持ったシグルドはインベスたちに右手を攻撃されるたびにソニックアローを落としてしまう。
「おい!ペコ!それたぶん左利き用のアームズだぞ!」
「ええ!ザック…おれ右利きだよお!!」
初級インベスにすら苦戦するシグルド。それを見かねたブラーボはマツボックリエナジーロックシードをシグルドに投げた。
「これを使いなさい!アンタたちには内緒でエナジーロックシードを開発してみたのよ!パワーは足りないけど両利き用だからまだ戦い易いはずよ!」
それを聞くとシグルドはチェリーエナジーロックシードを外す。だがシカインベスによる突進にシグルドは吹き飛ばされ、チェリーエナジーロックシードを落としてしまう。なんとか吹っ飛んだ先でシグルドはマツボックリエナジーアームズにアームズチェンジし、シカインベスに影松・真で反撃をする。「おお!これ使いやすい!」ペコは勝てることを確証した。だがシカインベスはシグルドが落したチェリーエナジーロックシードを食い、巨大化する。
「なんだ!?あれは!!」
さすがのバロンも驚きを隠せず、巨大インベスにバナスピアーで攻撃をする。しかし全く聞いてる様子はなく、バロンを後ろ足で蹴り飛ばした。すぐにブラーボはグリドンを呼び、作戦を言った
「オウレンさん…危険ですよ!」
「あなたならやれるわ。」
「そうじゃなくて…」
「いいからやりなさい。あの坊やが危ないわ!」
恐怖で固まってしまったシグルドの前にブラーボが立ちふさがる。そして巨大インベスの猛突進をドリノコでなんとか抑えた。だがドリノコにひびが入り、限界までそう長くないことをブラーボは悟った。
「早くしなさい!ヒデヤス!!!」
ブラーボの声を聞き、グリドンは雄たけびをあげながら巨大インベスの背中に乗った。そしてドンカチで巨大インベスの装甲を砕いていく。巨大インベスは装甲が砕かれていることを感じ、振りほどこうとするもブラーボによって押さえつけられているため動けない。大方のインベスを倒したナックルも応援に駆け付け、グリドンとともに装甲を砕いていく。だがブラーボのドリノコは砕け、巨大インベスの角がブラーボの腹部に大ダメージを与えた。戦極ドライバーが砕けたことで強制変身解除されたオウレンは地面に倒れる。
「オウレンさん!!!!!」
グリドンは装甲を砕くことをやめ、オウレンのもとに駆け寄る。
「オウレンさんん!」
「フッ…なぜやめたの…?続けなさい…プロフェッショナルなら…やるべきことが終わるまで私情を挟んでは…ダメよ…。」
「で…でも!!」
「アナタはアテクシと出会った時とは比べ物に…ならないくらい…成長したわ…。あと足りないのは…プロフェ…く…プロフェッショナルとしての意識…だけね…。願掛けじゃないけど…これを託すわ…。」
そういうとオウレンは震える手でドリアンロックシードをグリドンに渡した。
「オウレンさん…あなた…ウウ…攻撃される前にロックシードを…外してたんですかあ…」
「あの攻撃ではどちらにしても…やられてたわ…。なら…アテクシの魂のこもった…ロックシードを…アナタに…ヒデヤス…。」
「オウレンさん…あなた、おれのこと…ヒデヤスって…!」
だがオウレンはすでに息を引き取っていた。嗚咽していたグリドンはオウレンの顔を見ると泣くのをやめ、再び巨大インベスに体を向けた。
「変…身!」
グリドンはブラーボに変身する際のオウレンのように言い、ドリアンロックシードを開錠した。そして右手に持ったドンカチを巨大インベスに投げ飛ばし装甲を壊すと、戦極ドライバーにドリアンロックシードをはめ、カッティングブレードを下ろした。ドングリアームズは消え、グリドンはドリアンアームズへとアームズチェンジした。マンゴーアームズへとアームズチェンジしたバロンとナックルによって巨大インベスの装甲はほぼなくなっていた。オウレンの遺体の近くて固まっているシグルドにグリドンは言い放つ。
「おい!しっかりしろ!おれたちがあのバケモンにとどめを刺すんだ!!」
ハッとしたシグルドは影松・真を持ち直し、シーボルコンプレッサーを2回押し込んだ。グリドンもドリノコを繋げ、カッティングブレードを3回下ろす。2人は巨大インベスに突っ込んでいき、装甲のない部分にそれぞれのアームズウェポンで必殺技を打ち込み、巨大インベスは爆発とともに消えた。
今回は少し長めでブラーボ退場会でした!
グリドン ドリアンアームズは私が本編でもやってほしいなあと思っているんです!
弟子が師匠のアームズで戦う…よくないですか!?
まぁ本編ではどっちも死にそうなフラグが…(ry
感想と評価の方、よろしくお願いします。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第12話
休憩をとっていた同盟軍の前に大量のインベスが現れた。アーマードライダーたちは奮闘するも巨大インベスの前にオウレンが倒されてしまう。オウレンの遺志を受け継いだグリドンことヒデヤスとシグルドに変身したペコは巨大インベスにとどめを刺したのだった。
黒い服に身を包んだミツザネはディショエ政府軍の兵士に見つからぬよう東の森に向かっていたため、リョウマたちと落ち合う場所に行くまでにずいぶんと時間がかかった。途中クラックが出現し、インベスに襲われるもミツザネは龍玄に変身し倒しつつ進んだ。朝方、ようやくミツザネはリョウマに出会う。
「やあ、遅かったねミツザネくん。」
「ミナトさんは?」
「今あたりの偵察に行っているよ。君がディショエを抜けたせいで政府軍の連中がいっぱいうろついていて非常に面倒だからねえ。って私が君を勧誘したんだったね!ハハッハハ!」
一人笑うリョウマを冷たい視線で見つめるミツザネ。「耐えるんだ…。コウタさんを救うためだ…。」笑いが収まるとリョウマはミツザネが手にしている壊れたゲネシスドライバーを受け取り、修理をした。
「ゲネシスコアがなくなっていたから予備ので代用しておいた。本体の傷はプログラムに影響はないがとりあえずコーティングはしておいたから気にはならないと思うよ。」
「ありがとう。それでいつリンゴのアーマードライダーに会うんです?」
「うーん、さっきも言ったけどしばらくはディショエの連中がうろついてるからなぁ。しばらくは待機かな??」
「プロフェッサー。今帰りました。」
ヨウコがベースキャンプに入ってきた。ヨウコは手にしていた端末をリョウマのラップトップパソコンに接続し、パソコンの画面に一帯の地図を出した。
「ここが今私たちがいるところです。おそらく本日の昼頃にはディショエ政府軍の兵士たちはこのAエリアからCエリアへ移動します。その隙をついてリンゴのアーマードライダーが潜伏していると思われるFエリアへ行くのがよいかと。」
ヨウコの提案を聞き、リョウマは眉間にしわを寄せながら考えた。
「確かに一番安全性は高い。しかし34.5%の確率で別動隊に遭遇してしまうな。限りなくその数値を0には近づけるには…。」
「誰かが囮になって政府軍を引き付ける必要がある。」
突然しゃべりだすミツザネにリョウマとヨウコが振り向く。ミツザネはそのような囮の役にされる可能性も考えていた。「やはりこういうことか…。」するとリョウマはニヤニヤしながら
「安心したまえ。囮はミナトくんにやってもらう。私と君でリンゴのアーマードライダーのとこへ行こうじゃないか。」
と言った。
タカトラは傷ついた肉体に鞭を打ち、東の方向へ歩いていた。だが地図もコンパスも持っていなかったせいで東の森の方角から北東にしばらくいったところにいた。「俺としたことが…。地図すら持ってこないとは…。」下を向いて歩いていた彼の前に突如クラックが出現する。
「くそ!またか!今日で4回目だ!なんなんだ!これは!」
タカトラは斬月に変身し、インベスたちを華麗に斬っていく。すべて倒すと斬月は泉の畔に一人の男が立っていることに気が付いた。
「よう。クレシマ・H・タカトラ。」
「なぜ私の名を知っている?何者だ…!?」
斬月は無双セイバーをその男に向ける。
「おいおい、やめてくれよ。おれはインベスみたいにアンタを襲ったりはしねえよ。」
「インベス…?」
「そのクラックから出てきた化け物のことさ。今この世界を侵略しようとしてる…まぁ虫みたいなもんだ。」
「虫だと…?」
「蝶や蜂は花から花に移ったりするだろ。それで気が付かぬ間に花の受粉を手伝ってる。ンまあそんな感じだ。」
「何を言っている?そもそも貴様は何者だ。答えろ。」
「おれはアラガス。なあ、アンタはコウタを倒せばこの世界は救われると思ってるんだろ?」
「…それがどうした?」
「チッチッチッ。甘いなあ。そんなのはヘルヘイムの森の浸食に比べてみれば可愛いもんだ。」
「ヘルヘイム…?森…?」
「教えてやろう。この世界に迫っている危機をな。」
アラガスはタカトラにヘルヘイムの森がこの世界に何をもたらすのか語り始めた。
12話を読んでいただきありがとうございます!
テスト期間なんですが書いちゃいましたw
感想、評価の方よろしくお願いします
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第13話
リンゴのアーマードライダーに挑むことになったリョウマとミツザネ。ヨウコは追手のディショエ政府軍を引き付ける陽動役となる。一方タカトラは東の森より北東の泉にてアラガスに出会い、この世界に迫るヘルヘイムの森による危機を聞くのだった。
東の森より少し南西にいたところを同盟軍は移動していた。ずっとペコは黙っていたがヒデヤスに声をかけられるとペコは気になっていたことを話しはじめた。
「オウレンさんはなんでおれに良くしてくれたんだろう…。」
「お前がオウレンさんの話を楽しそうに聞いていたからだろ。おれは最初あの人の話、興味がないけどあったふりして聞いてたな。あ、あとお前の名前とオウレンさんの名前が似てたから気になったってこともオウレンさん、言ってたぜ。」
「名前が似てる??どこが?」
「オウレン・ベコ・ゲンノスケ。オウレンさんのミドルネームとお前の名前、似てるだろ?」
「ああ。良民の人には名字やミドルネームがあるんだったね。おれはスラムで生まれたからどっちもないから、全然気が付かなかった…。」
そして再び二人は黙った。その様子を見ていたカイトは二人に話しかけた。
「ペコ。お前のゲネシスドライバーは元々斬月軍のシドが持っていたものだ。ライダーの姿も斬月軍のライダーとして他の奴らには認識されてる。オレは他の軍のやつの姿で敵を倒されても不快なだけだ。アーマードライダーシグルドのデータを書き換えさせてもらうぞ。」
「はい。お願いします。」
「それでだ、ジョウノウチ。貴様はこれからどうするつもりだ?リーダーが死んだ今もうブラーボ軍はない。貴様がまた新たにグリドン軍を作るのか?」
「いや、おれにはそんな資格はない。プロフェッショナルになって初めて軍を指揮できるんだってわかったんだ。おれはまだまださ。お前らバロン軍にはグリドン軍を率いてた時、いろいろ面倒なことされたけど、特別に水に流しておれがお前らの手助けをしてやるよ。」
「フン。勝手にしろ。ならまずこのゲネシスドライバーを黒影のものに書き換えろ。」
「はいはい。リーダー。」
ゲネシスドライバーを受け取ったヒデヤスはなぜか凛々しくなったようであった。
「全くディショエ政府軍がこない。さすがミナトくんだね。」
「ミナトさん一人で一隊を抑えられるとは思えない。あなたはミナトさんを切り捨てたのか?」
「ミナトくんも受け入れてくれているだろう。ほら、そろそろリンゴのアーマードライダーが潜伏してると思われる場所だ。静かにしようじゃないか。」
ミツザネとリョウマは急襲に備えゲネシスドライバーをつけたまま森を進んでいたが、その心配は全くないといってもよいほど兵士の姿は見られなかった。2人は森を進んでいくと滝が見えた。そしてそこには紺の和風のアンダースーツに薄い黄色のゴーグルアイをしたリンゴのアーマードライダー佇んでいた。リョウマは口の前に一本指を立て、ミツザネに改めて静かに移動するよう伝えた。リンゴのアーマードライダーは疲労がたまっているようで息が切れている様子だった。ミツザネはリンゴのアーマードライダーの近くに奇妙な果実を実らせた植物が蔓延っていることに気が付いた。リンゴのアーマードライダーはその果実を一つとると、果実は黄金に光るとともに消えた。その行為によってリンゴのアーマードライダーは落ち着いたようであった。「なにをしたんだ…?」観察を繰り返していたミツザネでもその行為を見たのは初めてであった。だが観察を続けるたびにリンゴのアーマードライダーが疲弊して城から出ていっていたことを思い出した。
「ミツザネ君。いきなり戦闘で行くかい?」
「いえ、まずは話しましょう。彼の能力は本当かどうか。」
小声で会話した後、二人はそれぞれのエナジーロックシードでデュークと斬月・真に変身し、リンゴのアーマードライダーに近づいていった。
読んでいただきありがとうございました!
今回はリンゴのアーマードライダーとの遭遇まで書いてみました。あまり進展がなかったのですが、今後の布石を打っておいたつもりなので(伏線というべきなのでしょうか。伏線と言われるとどうしてもなんかすごい展開になる的なイメージを自分はもってしまうので布石と言わせていただきました。)これからも読んでいただけると嬉しいです!
感想、評価の方、よろしくお願いします!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第14話
オウレンの死を乗り越え、バロン軍に入ることを決めたヒデヤス。
ミツザネとリョウマは斬月・真とデュークに変身し、リンゴのアーマードライダーに近づくが…。
同盟軍改め新バロン軍は東の森の近くまで進んでいた。シグルドのドライバーを黒影デザインに変更し、ペコはアーマードライダー黒影・真としてたびたび発生するクラックから出てくるインベスを次々と撃退できるほどの腕になっていた。もう東の森に入ろうというとき、銃声や刃物が交わる音が鳴り響いていた。カイトは森に入る前にそこに向かうことを皆に指示し、軍は一時別方向へ進んだ。そこにはディショエ政府の黒影トルーパーとピンクのアーマードライダー、マリカが戦っていた。
「お…おい、カイト。あのピンクのアーマードライダーってクレシマ・タカトラを消そうとしてたやつの一人だよな?」
「ああ。だが1対多数とは気に入らんな。センゴク・リョウマが何をしようとしてるのかも聞けるかもしれん。ザック、ここは一時手を貸してやるとしよう。」
バロン軍のアーマードライダーたちはバロン、ナックル、黒影・真、グリドンに変身し、黒影トルーパーへ攻撃を始めた。
「あなたは…クモン・S・カイト…。なぜここに!?」
「貴様らを追ってきた。東に何かあるんじゃないかとな。センゴク・リョウマはどこにいる?」
「…答える必要はないわ。」
「こいつらを撃退した後は貴様をとらえ、吐き出させることにしよう。」
バロンはバナスピアーで黒影トルーパーたちを突いていく。マリカはソニックアローの斬撃と蹴り技で次々と黒影トルーパーたちを倒していった。バロンはマンゴーアームズにアームズチェンジするとマンゴーパニッシャーを黒影トルーパーたちに投げつけ、カッティングブレードを1回下ろすとパンチを繰り出した。その拳のオーラは黒影トルーパーたちまで届き、マンゴー型のオーラとともに爆発した。「この男、やっぱり強い。なにより彼には黄金の果実を持つにふさわしい王の風格を感じる…。」マリカは誰の未来を見届けるべきかわかると、シーボルコンプレッサーを2回押し込み、桃型の斬撃を黒影トルーパーに飛ばした。だが黒影トルーパーたちはまだ大勢残っている。
「カイトさん!ここはおれとジョウノウチで抑えます。その女を連れてセンゴクのとこまで先に行ってください!」
「おい、クレシマ・タカトラがいたら連れてきてくれよ?」
黒影・真とグリドンはバロンにそう言い放つと黒影トルーパーたちに突っ込んでいった。ナックルはバロンとマリカがいる方に近づいていき、バロンはマリカにバナスピアーを突き立てる。
「センゴクのところまで案内してもらおうか。」
「そんなものを突き立てられなくても全部教えてあげるわ。センゴク・リョウマがどこにいるのか、何を望んでいるのかをね。」
「どういう風の吹き回しだ?」
「誰の未来を見据えるべきなのかわかったということよ。」
3人は変身を解除し、ヨウコは2人に東の森にセンゴクがいることを伝えた。またセンゴクがリンゴのロックシードを狙っていることも伝え、3人は森へ急いで向かった。
アラガスからヘルヘイムの秘密を伝えられたタカトラは絶望していた。
「…つまり…コウタが消えても結局ヘルヘイムの森によってこの世界は浸食されてしまうということか。実を食べたものはインベス化し、理性を失う。そして我々人間は滅ぶ…。」
「そう、それがこの世界の真実だ。コウタを殺しても世界は平和にならない。残念だったな。」
「…。」
「だが一つ助かる可能性はある。」
「なんだと…?」
「さっきも言っただろ。ヘルヘイムの森は浸食した世界を治める者も選ぶ役割を持つとな。森はただ一人に禁断の果実を与える。それを得たものは全知全能の力を得る。」
「つまりその力があればヘルヘイムを消滅させることも可能ということか?」
「いや、ヘルヘイムはヘルヘイムが生み出した果実では消せない。あー、あとインベス化したやつを元に戻すこともな。」
「ヘルヘイムの問題はヘルヘイムの実では解決できないということか…」
「ああ。あと死んだ奴に新しい命を吹き込むことも無理だ。そうして考えてみると万能ってわけでもなさそうだな。ハハハ。」
笑うアラガスだったがタカトラは俯いていた。タカトラはアラガスがなぜそのようなことを知っているのか聞こうと顔を上げたが、もうそこにはアラガスはいなかった。
「俺は…どうしたら世界を救えるのだ…。」
最近アクセス数が上がっていてうれしいです!
ありがとうございます!
明日から夏季休暇なので小説もちゃんとかけそうでうれしいです!
次は戦隊の小説を書きたいのでこの鎧武の小説を早く終わらせたいのですがなかなか終わりそうになく困ってますw
とはいいつつも設定はしっかり手を抜かず練っているのでぜひこれからもよろしくお願いします!!
感想、評価の方よろしくお願いします
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第15話
黒影トルーパーと戦っていたヨウコをバロン軍は助けることにした。そしてヒデヤスとペコが足止めをし、カイト・ザック・ヨウコの3人は東の森にいるセンゴク・D・リョウマのもとへ向かったのであった。一方東の森より北東に位置する泉にいたタカトラはアラガスからヘルヘイムの森と禁断の果実の秘密を教えられ、絶望していた。
デュークはリンゴのアーマードライダーに対し、気さくに話しかけた。
「やあ。君がリンゴのアーマードライダーか。私はその色違いのデザインの設定を施した戦極ドライバーをカヅラバ・K・コウタに献上したことはあったが、その紺の色のは見たことがない。誰にその戦極ドライバーをもらったのか知らないがそんなことはどうでもいい。君のリンゴロックシードを…見せてくれないかい??」
だがリンゴのアーマードライダーはこちらを振り向いただけで全く反応しない。警戒していた斬月・真はデュークの後ろにつき、ソニックアローをしっかりと握っていた。リンゴのアーマードライダーは黙って無双セイバーを抜くとデュークに向けて斬撃を繰り出した。デュークは回避し、ソニックアローで反撃に出た。
「言葉が通じないのかい?野蛮だねえ!!」
「…黙れ…。」
「なんだ。話せるのか!ハハハ!。」
「…お前が…ロシュオなのか…?」
「ん?」
「…おれは後戻りできないんだ…!」
今まで言葉を発したところを見たことがなかった斬月・真は予想以上に感情的になっているリンゴのアーマードライダーに驚いた。デュークはリンゴのアーマードライダーとの距離を大きくし、射撃で戦極ドライバーを壊す策に出た。だがリンゴのアーマードライダーはカッティングブレードを1回下ろすとデュークと斬月・真が知覚できたころにはデュークの目の前におり、デュークの装甲を切っていた。デュークは強制変身解除され、リョウマの姿に戻ったが、すでに息はしていなかった。斬月・真は致命傷になる傷がないにもかかわらず、リョウマが命を落としたことに気が付いた。
「…次はお前だ。」
リンゴのアーマードライダーが斬月・真の方へ向く。その時、バナナオーレの音声とともにリンゴのアーマードライダーのいる地面からバナナ型のオーラが出現し、リンゴのアーマードライダーを襲った。バロン・ナックル・マリカに変身した3人が到着したのである。リンゴのアーマードライダーが3人に注目した隙を狙って、リョウマの遺体をローズアタッカーに乗せ、斬月・真はその場から立ち去った。
「なんだ。今のアーマードライダーは。」
「クレシマ・H・ミツザネよ、カイト。」
「やつはセンゴク・リョウマとつながっていたのか…。まぁいい。こいつがリンゴのアーマードライダーか。リンゴロックシード、面白い能力を秘めているらしいな。オレの力にしてやる。」
バナスピアーでバロンはリンゴのアーマードライダーに襲い掛かるもすべて避けられ、無双セイバーの斬撃の餌食になってしまう。それはナックルやマリカも同じであった。バロンはバナナアームズで勝てないことを悟るも機動力に劣るマンゴーアームズでは余計に不利になることを理解していた。すると足元にゲネシスドライバーとレモンエナジーロックシードが落ちていることに気が付いた。
「センゴクが持っていたものか。いいだろう。ゲネシスドライバーの力、試させてもらう!」
バロンは戦極ドライバーを外し、ゲネシスドライバーを腰につける。レモンエナジーロックシードを起動させ、ドライバーに取り付けるとシーボルコンプレッサーを押し込んだ。レモン型のアームズがバロンの体と融合し、果汁のようなエネルギーがデュークのスーツを構築する。カイトはデューク レモンエナジーアームズに再変身した。手にしたソニックアローで連続射撃をし、リンゴのアーマードライダーを狙う。マリカも同じように射撃し、ナックルはカッティングブレードを2回下ろし拳のエネルギーをリンゴのアーマードライダーにぶつける。3人は勝利を確信するもリンゴのアーマードライダーは直立したままであった。
「全然効いてねえ…。」
ザックはタフなリンゴのアーマードライダーに恐れを抱いていた。リンゴのアーマードライダーは無双セイバーを再び構えた。だがいきなり苦しみ始めると3人の足元に斬撃を飛ばし、砂埃が消えるとリンゴのアーマードライダーは消えていた。
コウタはマイと二人の寝室にいた。
「マイ…。どうだ?おれの支配力…。ククク、素晴らしいだろ?」
「でも完璧じゃないわ。だってバロン軍はまだいるんでしょ?」
「もはや反乱軍はバロンのみ。ここで叩き潰してやるよ…」
「素敵…。」
マイはコウタの背中を抱きしめ、妖艶な笑みを浮かべた。
最近感想を書いてくださる方が多くてうれしいです!本当に励みになります。
ただあくまで感想の欄なので私の返信をのせても仕方がないかなあと思い、一人につき一回の返信をさせていただいています。ご了承ください><
昨日は飲み過ぎてしまってつぶれていましたw
夏季休暇だからいっぱい書けるとか言っときながらきつそうですw
感想、評価の方、よろしくお願いします
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第16話
リンゴのアーマードライダーに挑んだデュークと斬月・真であったが手も足も出ず、リョウマは命を落とす。斬月・真もピンチに陥るがそこに現れたバロンたちがリンゴのアーマードライダーと戦闘を始めたことでなんとか逃げることが出来た。バロンはリョウマが使ったゲネシスドライバーでデュークへ変わりリンゴのアーマードライダーと戦うがやはりデュークらも手も足も出なかった。だが突如苦しみだしたリンゴのアーマードライダーは姿を消す。一方ディショエ城では普段は見せない表情をするマイがいた…。
カイトたちはペコ、ヒデヤスの二人と東の森より南西の方角に位置する場所で落ち合った。二人は黒影トルーパーたちの量の多さに苦戦していたが、なぜか突如黒影トルーパーたちが退いたことで助かったのだ。カイトは手に入れたゲネシスドライバーをバロン使用に変えるようもはや技術関連はお手の物になっていたヒデヤスに命じた。
斬月・真はローズアタッカーをアクセル全開で走らせていた。「あいつはやばい!怖い!怖い!怖い!」すべてを失い自棄になっているのか。すべてを取り戻すために覚悟を決めているのか。いずれにせよリンゴのアーマードライダーからただならぬ決意と恐怖を斬月・真は感じていたのだ。東の森を抜けてしばらく行くと、向かい側から男が歩いて来るのが見えた。ミツザネはその男を無視し進もうとしたが顔を見た瞬間、ローズアタッカーのブレーキをかけた。そしてメロンロックシードのキャストパッドの蓋を閉め、その男に声をかけた。
「兄さん…?」
「ミツザネか…!?懐かしいな。元気にしていたか?」
「うん…。あの…センゴク・リョウマがリンゴのアーマードライダーにやられてしまったんだ。僕、怖くてなんもできなくて…。」
「リョウマが!?」
タカトラはローズアタッカーに乗っているリョウマの遺体を見た。そしてミツザネは話を続ける。
「リンゴのアーマードライダーへの接触は兄さんの指示だったの?それだったらやめたほうがいいと思うんだ…あいつは本当に…」
「ミツザネ。俺はリョウマに指示などしていない。それどころかリョウマとミナト・ヨウコは斬月軍を裏切った。もう斬月軍はない。」
「そんな…。じゃあこいつは僕を利用して…。」
ミツザネは憎憎しそうにリョウマを見た。そしてタカトラに東の森で何があったのか伝えた。タカトラもまたミツザネにヘルヘイムの森のことを伝える。
「そんなことが起きていたなんて…。クラックのことは知ってたけど、アラガスはそんなこと言ってなかった…。」
「どうやらあいつは気分でいろいろ面倒なことをしてくれるみたいだな。」
「兄さんは…どうするの?コウタさんのこと、ヘルヘイムの森のこと、バロン軍みたいな反乱軍との戦争のこと。問題が多すぎる…。」
「俺もずっと考えていた。こんな大きな問題がいくつも山積みになっている。だが簡単なことだ。一つずつ解決していくしかあるまい。一つ一つな。ミツザネ、もう一度頼むが俺の力になってくれないか?もしリンゴのアーマードライダーにコウタが操られているのだとすれば俺はコウタを救いたい。」
「本当?兄さんと一緒なら…!」
「まずはコウタだ。コウタを救おう。」
ミツザネはローズアタッカーからリョウマを下ろしタカトラが肉体の状況などを調べたのち、遺体を土に埋めた。そしてタカトラはリョウマが持っていたサクラハリケーンを出し、二人は東の森へ向かった。
ディショエ政府軍の兵士はコウタによって緊急招集されていた。兵士たちが大勢ならぶ前にコウタは立ち、マイはその横に立った。
「皆の者。ミツザネを追っていた小隊もわざわざ戻して呼んだのは二つ報告があるからだ。一つ目はユグドラシル隊の解散。やつらは裏切り者をかばったからな。二つ目はアーマードライダーが集結しているバロン軍を叩くことを決めた。バロンさえ潰してしまえばもう大きな反乱軍はあるまい。我々ディショエが完全に支配する時代になるのだ!」
兵士たちは歓声を上げた。本当に心から喜んでいるものがいるのかはわからないが、みなは歓声を上げねば自分が消されることが分かっていたのだ。マイは横にいながら悲しそうな顔をしていた。右目を赤くさせて…。
読んでいただいてありがとうございます!
テレビでは斬月VS斬月・真ですごく燃える展開でしたが、こっちでは斬月&斬月・真をやりたいと思います。比較的このミッチは白ミッチですかね^^
黒も嫌いじゃないんですが。。。
今日は鎧武の映画を見てきます!いやー、やっと見に行ける…。
感想、評価の方、よろしくお願いします!
PS
次回は第17話と第18話を同時にupしたいと思います!どちらもチェックの方、よろしくお願いします^^
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第17話
ミツザネはタカトラと再会し、コウタを救うため、リンゴのアーマードライダーにもう一度挑むことを決意する。そのコウタは残る一つの反乱軍となったバロン軍への攻撃を決めた。バロン軍はそのことを知る由もなく…。
リンゴのアーマードライダーは苦しそうに胸を押さえながらヘルヘイムの実を手にとった。発光とともに消え、いつもならば体力は回復していたが今回はそうはいかなかった。
「この量じゃ足りなくなったというのか…。」
リンゴのアーマードライダーはヘルヘイムの実の採集を始めた。だがバイクに乗った二人の男がウイリーによる攻撃をリンゴのアーマードライダーにしてきたため、リンゴのアーマードライダーは弾き飛ばされた。二人の男はメットを取るとゲネシスドライバーと戦極ドライバーを装着した。リンゴのアーマードライダーは
「ミッチ…!貴虎…!」
と呟くもタカトラは無視しミツザネに
「いくぞ、ミツザネ」
とだけ言った。メロンロックシードとメロンエナジーロックシードの起動音が流れ、変身操作を行った。二人は斬月と斬月・真に変身し、無双セイバーとソニックアローを構えた。リンゴのアーマードライダーは自分のダメージを隠すように拳を固めると無双セイバーを引き抜いた。まず斬月がリンゴのアーマードライダーへ突っ込む。リンゴのアーマードライダーは無双セイバーによる射撃を行うも斬月はメロンディフェンダーで防ぎ、その背後から斬月・真のソニックアローによる射撃でリンゴのアーマードライダーを返り討ちにする。リンゴのアーマードライダーに十分近づくと斬月は怒涛の速さで無双セイバーによって切り付ける。まるで白き独楽のようであった。なんとかリンゴのアーマードライダーも斬撃による反撃をするが、すべてメロンディフェンダーで防がれてしまう。斬月に集中している間に斬月・真はリンゴのアーマードライダーの背後に回っていた。
「いまだ!」
ソニックアローの射撃を急所に的確に当てる斬月・真。リンゴのアーマードライダーはカッティングブレードを一回おろし、斬月に切りかかろうとする。斬月はメロンディフェンダーで防がず、5mほど下がり回避する。
「リョウマの遺体に傷がなかったのを見て、貴様のそのロックシードの力による斬撃は物理的な攻撃よりむしろ何か別の攻撃といえる。接近するだけで危険かもしれん。」
リンゴのアーマードライダーはオレンジロックシードを出し、無双セイバーにとりつけ、再び斬撃による必殺技を繰り出そうとする。
「兄さん!次は普通の斬撃だ!」
斬月・真の声を聞いた斬月はメロンディフェンダーを構え、リンゴのアーマードライダーに突っ込んでいく。リンゴのアーマードライダーの斬撃はメロンディフェンダーで防いだ。だがすぐにリンゴのアーマードライダーは無双セイバーのバレットスライドを引き、斬月の戦極ドライバーに弾丸を打ち込む。メロンロックシードごと穴が開いた戦極ドライバーは機能を停止し、斬月はタカトラの姿に戻り、斬月の無双セイバーは地面に刺さった。リンゴのアーマードライダーはタカトラを切り付けようとするも動きが一瞬鈍る。その隙を突き、斬月・真はソニックボレーをリンゴのアーマードライダーに放ち、直に当たった。
「兄さん!これを使って!」
斬月・真は変身解除し、ゲネシスドライバーとメロンエナジーロックシードをタカトラに渡す。再び二人はドライバーを取り付けた。
「変身!」
斬月・真と龍玄に変身した二人は起きあがったリンゴのアーマードライダーに再び突っ込んでいく。龍玄はブドウ龍砲の銃口を向けるもリンゴのアーマードライダーは無双セイバーの銃撃でブドウ龍砲を持った手を狙い撃つ。ブドウ龍砲は崖の方へ落ち、龍玄はリンゴのアーマードライダーの蹴りによって吹っ飛ぶ。斬月・真はソニックアローによる斬撃を繰り返し、リンゴのアーマードライダーも無双セイバーで対抗する。龍玄は斬月の無双セイバーが地面に刺さっているのを見つけ、それを引き抜く。そしてブドウロックシードを無双セイバーにつけかえた。「これで…決める!」龍玄は覚悟を決め、タイミングを待った。斬月・真が有利だったが、リンゴのアーマードライダーが斬月・真の急所にパンチを叩きこむと斬月・真が退いた。そのタイミングを狙い、龍玄は豪快に振り上げた無双セイバーによってリンゴのアーマードライダーの戦極ドライバーをリンゴロックシードごと切り裂いた。リンゴのアーマードライダーは倒れながら変身解除する。
「コウタ…さん?」
龍玄はリンゴのアーマードライダーの変身者の顔を見て驚きを隠せなかった。怯んでいた斬月・真も起き、変身を解除してからリンゴのアーマードライダーが紘汰であったことにショックを受ける。ミツザネは龍玄の姿に戻ると膝をついてしまった。
「…ミッチ…。貴虎…。」
「コウタ…さん?コウタさんなんですか?」
「おれは…この世界のコウタじゃない…。ヘルヘイムがこの世界を支配…したあと…新たに支配のターゲットにされた世界の…紘汰だ…。」
「なんだと…。どういうことだ!」
「二人とも…この世界では仲がいいんだな…。よかった…。そんな二人を…おれは殺さなきゃいけなかった…。最低の人間だ…!でも…おれは…世界を…救いたかった…。この世界で…禁断の果実や…王になろうと…するやつを…倒せば…未来に…ロシュオにな…グハッ…なるやつを…消すことが…」
「紘汰さん…」
ミツザネは命が尽きようとしている紘汰を泣きながら抱きしめた。タカトラも涙を流し二人を見ていた。
「この世界の…おれが…王だって聞いたから…城に忍び込んで消そうと…したけど…なぜか毎回ばれちまって…おれバカだから何度も…ハハ…」
「紘汰さん、今すぐ助けますから!!」
「無駄だよ…ミッチ…。おれはもう本来なら…死んでるんだ…。ロシュオに…ゴホッ…やら…グ…。サガラに…頼んで…命を繋いでた…だけなんだ…。リンゴ…には…人を操る力なんて…ない…。」
「では…この世界のコウタはなぜあんな風に…!」
「この世界のおれは…はじめっからあんな…ひどいやつじゃ…なかったんだ…。よかった…。それなら…たぶん…誰かが…操っているんだ…近くにいる…やつが…。」
「紘汰さん!もうしゃべっちゃだめです!」
「だから…もう…無駄なんだ…。ありがとう…ミッチ…。おれ…ミッチも…貴虎も…救い…たか…た…。」
紘汰が息を引き取ったと同時に真っ二つに割れたリンゴロックシードはカチドキロックシードと極ロックシードへ変わった。紘汰の遺体は枯れたヘルヘイムの植物のようになり、風に吹かれミツザネの腕から消えた。
「うあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
ミツザネは発狂するとそこにあった無双セイバーを持った。
「よせ!ミツザネ!!」
タカトラの静止もむなしく、ミツザネは首すじを無双セイバーで自ら切り、すぐ倒れた。タカトラは一人立ったまま、涙を流すしかなかった。
連続投稿前半です!
昨日は鎧武の映画を見てきました!結構面白い方だったなあと思います!鎧武・闇、かっこよかったなあ!鎧武ファンの方は是非!^^
そのあと、池袋にある仮面ライダーザ ダイナーというお店に行ったのですが…
そのことは連続投稿後半で!
さて
一つのフラグを片づけることが出来ました。(片づけることができたつもりwww)
リンゴのアーマードライダーがテレビ本編の葛葉紘汰でアーマードライダー鎧武だったというのは当初から決めていたのですが、どのように布石を打つべきなのか難しかったです。紺の和風アンダースーツでゴーグルアイ、そしてコウタの変身する鎧武にそっくりということで一応布石のつもりでしたw
ちゃんというならば
リンゴのアーマードライダー=アーマードライダー鎧武
コウタのアーマードライダー鎧武=アーマードライダー鎧武・闇
であったという感じですね。伝わったかな?><
なぜ紘汰がこの世界にいたのか、なぜリンゴロックシードを使っていたのかは最終回の後に外伝として書きたいなあと思います。
にしても今回は自分の中では長く書いたなぁ…。
いつもはぐだぐだ長くならないように気をつけて短くしていたんですが、今回は途中で切ってはよくないなと思い、ぐだぐだ長くしてしまいました。稚拙な文章ながら読んでいただきありがとうございます^^
引き続き第18話をお楽しみください!
感想、評価の方、よろしくお願いします
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第18話
ミツザネとタカトラはリンゴのアーマードライダーに勝負を挑み、見事勝利する。だがリンゴのアーマードライダーは別世界の葛葉紘汰であった。ミツザネは紘汰を殺してしまった絶望に耐え切れず自ら命を絶った。
クレシマ・ヒスイ・ミツザネ、ここに眠る
カチドキロックシードと極ロックシードを手にしたタカトラは簡単な墓標を立て、その墓標を見つめていた。「戦いが終わったらこの場所に戻り、きちんとしたものを作るからな。」心の中でミツザネと約束をし、その場を立ち去ろうとした。
「どこいくんだ?クレシマ・タカトラ。」
いつの間にか立っていたアラガスがタカトラに声をかけた。
「ディショエ城だ。」
「あーやめときな。今コウタがバロン軍との戦争をしようとしている。面倒なことになるぜ?」
「それならばなおのこと行かねばならない。別世界の紘汰のためにも…な。」
「ほー、やはりリンゴのアーマードライダーを倒してたんだな。せっかくアイツにチャンスをあげたのに…。結局アイツは世界を救うことは出来なかったんだな。」
「やはりサガラという人物はお前だったか、アラガス。」
「ご名答。おれがサガラだ。で、教えてくれよ。アンタはこれから何をするつもりだ?」
「別世界の紘汰が言っていた。リンゴロックシードには洗脳能力などないと。なぜミツザネに嘘をついた?」
「やれやれ…おれが質問していたんだけどな。答えを簡単に言うなら『葛葉紘汰が禁断の実を手に入れそうなやつ全員を倒そうとしていたから』だな。その手伝いをしてやっただけさ。そうすりゃアーマードライダー龍玄は葛葉紘汰に接触するだろ?」
「貴様…!」
「さて次はあんたが答える番だ。何をする気なんだ?」
タカトラはため息を一つついた。そしてサガラに自分がこれからすることを告げた。サガラはそれを聞き嬉しそうに再び話しはじめた
「なるほどな…。じゃあ三つアンタにいいことを教えてやろう。一つ目は禁断の果実は森が選んだ人間が手にすることが出来る。まぁこれは前言ったか。二つ目は禁断の果実の力に対抗できるのは禁断の果実だけだ。最後は…アンタが今手にしてるその極ロックシードは禁断の果実の一部の力がロックシード化されたものだ。」
「…わかった…。」
タカトラがサクラハリケーンを出したころにはサガラは消えていた。
「つまり、シドの行動はセンゴク・リョウマの指示で、タカトラは絡んでなかったってこと?」
「そうよ。斬月軍と同盟を結んでいたブラーボ軍の救援で面倒なことにならないように何等かの手段で同盟を断ち切らせようとプロフェッサーはするだろうと考えていたけど、まさかあんな手だったとは…ごめんなさい…。」
「…ハセちゃんが戻ってくるわけじゃないし…。それにオウレンさんもタカトラのせいじゃなかったってわかって安心していると思う。」
そういいヒデヤスはドリアンロックシードをヨウコに見せ、微笑んだ。カイトは二人の会話を聞き少し笑みを浮かべた。
「そういえばゲネシスドライバーをバロンデザインに変えておいたぞ。ほら。」
「ふん、仕事が遅いぞ。それではこのバロン軍ではやっていけんぞ。」
「お前なあ!」
「これはプロフェッサーが持っていたゲネシスドライバーよ。ミツザネ君が昨日持っていたあの死体。たぶんプロフェッサーね…。」
「悲しいのか?」
「少し。でも私を切り捨てた人よ。それに私にはカイトがいる。」
そこへザックとペコが入ってくる。
「あーカイト、ちょっといいか?」
「なんだ?」
「おれやペコ、ほかの兵士はしばらくスラムに帰れてねえ。もしよかったら今からスラムに帰ることは出来ないだろうか?」
「…。」
「家族が心配なんです…。だめでしょうか?」
「勝手にしろ。だが軍全体では動かん。ここはディショエを攻める拠点になりそうだ。帰宅希望の兵士のみお前とペコで連れて帰れ。一週間以内に帰ってこなければお前らが裏切ったとみなすからな。」
「あ…ありがとうございます!!」
ザックとペコは飛び上がって喜んだ。二人はキャンプから出るとすぐ他の兵士たちにそのことを述べた。
「よかったの?カイト。軍の戦力を分断するなんて。」
「家族のために強くなる奴もいる。強くなるために家族に会うのであれば構わん。」
そういうとカイトもキャンプから出ていき、ヨウコは彼の背中をしっかりとみていた。
連続投稿の後半です!
昨日は映画を見た後、仮面ライダーザ ダイナーという池袋にあるお店に行ってきました!いろんなおもちゃや仮面ライダー1号・2号、ブルースペーダーなどが飾られていてライダーファンにはたまらない感じでした!ショッカー首領のイスもあって、それに座って記念撮影もできますよ^^
でも食べ物や飲み物は高いので、飲み物だけ飲んだほうがいいかもしれません!とはいえナオミのコーヒーなどあって飲食でも楽しめました!
東京やその近辺の方は是非行ってみてください!
さて
だいぶ登場人物が減ってきましたが、とりあえず整理してみましょう!
ディショエ政府軍…コウタ(鎧武・闇)、マイ→ディショエ城にてバロン軍殲滅準備中。
バロン軍本隊…カイト(バロン)、ヒデヤス(グリドン)、ヨウコ(マリカ)→東の森付近のベースキャンプに待機
バロン軍別動隊…ザック(ナックル)、ペコ(黒影・真)→西のアジトに一時帰還する予定。
タカトラ(斬月・真)→東の森を移動中。
サガラ→??
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第19話
ミツザネを失ったタカトラはアラガス改めサガラと話をしたのち、ディショエ城へ向かった。ディショエはバロン軍殲滅計画の準備を着々と進めている中、バロン軍は本隊と別動隊に分かれ、別動隊は西のスラムへ帰ることになった。
ザックとペコを中心にバロン軍別動隊は結成され、すでに西のスラムへと向かっていた。ペコは人一倍家族思いであり、病気の親を心配し戻るつもりであった。ザックはカイトのように兄弟のような友がスラムにいたため、その友を案じて別動隊へ入ることを決めていた。
「ザック!帰ったら何するんだ??」
「ペコ。遊びに帰るわけじゃないんだ。事が済んだらすぐ帰るぞ!」
ザックは笑いながらもペコを叱った。ペコも怒られたにもかかわらず、満面の笑みを浮かべていた。二人に限らず、別動隊のメンバーは皆楽しみによる笑いが抑えきれないようであった。だがニコニコして歩いていた兵士が二人の視界から突然消えた。それが砲弾による攻撃であると気が付くのには少々時間がかかった。
「お前ら!!隠れろ!!」
ザックは別動隊を指揮するもその場所は草原であったため、隠れるところはない。しいてあるとすればそこから西にさらに行った森であろう。ザックは森まで一気に駆けることを兵士たちに指示した。だがその指示中も次々と兵士たちは撃たれていく。
「だ…だれなんだよお!」
「黒影トルーパーはもう弱小反乱軍なんかじゃいねえはずだ。政府軍だろうな…。くっそ!バロン軍が目的だったのかよ!」
ザックとペコは混乱に陥りながらもナックルと黒影・真に変身し、急襲をかけてきたディショエ政府の大群に突っ込んでいった。
別動隊が襲われてから30分後。本隊は別動隊へ連絡が付かないことにすでに気が付いていた。カイトは別動隊を追う形で本隊も移動することを致し方なしとした。
「ディショエを潰すにはとっておきの場所だったんだがな。まぁまたいずれチャンスが…」
「まずいわ、カイト。ディショエ政府軍にここが囲まれている。量産型ライダーと兵士がざっと数万よ。」
「…くそ!奴らすでに準備を進めていたのか!だがこの状況ならもはや撤退は出来ん。正面からぶつかって行ってやる!」
カイトはそう言い放つと兵士たちに戦いの準備を命令した。「ザック、ペコ、無事でいてくれ…。」
「しっかり…しろ…ペコ…!ほら…森へ着いたぞ…。」
ザックはほとんど動かなくなったペコをなんとか森まで連れて行った。周りに敵はいない。そして見方も…。家族や友、恋人に会えることに希望を抱いていた青年たちは数時間もしないうちに全滅したのだ。
「ほら…ペコ!起きろって…。何か…体力がつくものを…。」
ザックはペコを木の下に寝かせ、食料を探しに行くため立ち上がった。だがザックの腹にはすでに戦極ドライバーではなく刀が突き刺さっていたことで、ザックは膝をついてしまった。ペコの腰にもゲネシスドライバーはついておらず、赤い血だけが目を惹かせた。ザックはもう無理かとあきらめかけたが、近くに奇妙な果実が生っていることに気が付いた。
「おい、ペコ…!うまそうな実があるぞ。これ食べて…元気出そうぜ?ほら、おれも食うからよ。」
ザックはペコの口にその実を一口大にし入れた。残った実は自らの口に入れ、ペコに微笑んだ。やがて二人の体は植物に侵されインベスへ変貌した。気配を察知したディショエ政府軍の黒影トルーパーたちは二体のインベスを見るや否や重火器によって排除する。刀が刺さったインベスがもう片方のインベスを庇った様子を見ることなく…。
もし初瀬ちゃんが紘汰たちの前で実を食べなかったらヘルヘイムの実についてもっといるのが遅れていたんだろうな…と思いながら書いてました
最近終盤だからって殺し過ぎやな・・・
感想、評価の方よろしくお願いします!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第20話
バロン軍別動隊はディショエ政府軍によって全滅。ザックとペコもインベス化ののち倒されてしまった。バロン軍本隊もディショエ政府軍に包囲され、政府軍と反乱軍の最後の戦いが幕を切って落とされた。
カイトとヨウコはゲネシスドライバー、ヒデヤスは戦極ドライバーでそれぞれアーマードライダーに変身した。グリドンはカイトに作戦を提案する。
「南にオレ、北にヨウコさん、西にカイトが隊長としてバロン軍を分離し、徐々に全体を東へ進める。しばらく行けばまた東の森に戻れる。その中ならディショエ政府軍みたいな大群ならそう簡単にうろちょろ出来ないから逃げやすいかも。」
「逃げるだと?ふざけるな。オレは逃げたりはせんぞ。」
「カイト、勝つには一旦引くことも大事よ、わかるでしょ?」
「…。いいだろう。すぐに三つの隊を作るぞ。」
バロン軍は三方向に向きながら東に進み始めた。それぞれの小隊が正面に来たディショエ政府軍の兵士たちを倒していくことになった。とはいえディショエ政府軍の過半数は黒影トルーパー。バロン軍の黒影トルーパーは少数だったため不利であった。しかしカイトは勝利しか見ていない。またそれについていくヨウコもそうであった。
「…オウレンさん。力を貸してください…。」
グリドンは襲い掛かるディショエ政府の大群を見てドリアンアームズに変えた。「おれはオウレンさんに守られていただかりだった。ハセちゃんだって弱くても自分の手で道を切り開こうとしてた…。ハセ・スザク・リョウジとしての道を。おれだって最後くらいは男として…!」グリドン小隊は戦闘を開始した。グリドンもドリノコを振るい回し、黒影トルーパーたちにダメージを与えていく。だが致命傷を与えることは出来ず、攻撃した黒影トルーパーたちはしばらくすると起き上がり、再び攻撃してくる。南側はディショエ政府軍が優勢であった。
タカトラは東の森の出口あたりをサクラハリケーンで走っていた。そこからならばディショエ城はそう遠くない。途中でインベスを見かけるも彼はそれらを無視してひたすら城を目指していた。「俺が成すべきことはアイツらをどうこうすることではない。」タカトラはまもなく城に着こうとしていた。
マリカもまた北で苦戦を強いられていたが、城は南側にあるため、北はそう多く敵兵士はいない。マリカは一気に肩をつけることにした。
「彼からこれを受け取っておいてよかったわ。」
マリカは大量のスイカロックシードを開錠し、空中へ投げた。そしてソニックアローにシドロックシードをつけ、無人のスイカアームズを展開させた。スイカアームズたちは次々と敵の兵士たちを吹き飛ばしていく。「ここはもう大丈夫。」マリカは南西の方角と向かった。
ドリノコの2つのうちの1つは折れており、もう一つも刃が欠けてしまっていた。「ここまで…かな?」グリドンはあきらめかけ、敵の攻撃を防ごうとしなかった。だがそこに突如影松がどこからともなく飛んでき、敵を撃退した。そしてグリドンの前に落ちる。
「これは…?」
「おい、 グリドン。チームワークだ!」
「ハハ…。了解…ハセちゃん。」
「あなたって本当の本当にバカね。あんな無茶するなんて。でもなかなか素敵だったわ。あなたもどうやら一皮むけたみたいね。」
「オウレンさん…男・ジョウノウチ・ゲンブ・ヒデヤスの…最後の雄姿を見ててください!!」
グリドンは影松を手にし、再び大群へと向かっていった。彼にはもう怖いものはない。仲間と師匠がついているのだから。
字数が少ないからあっという間に20話ですw
どうせならぴったり20話で終わらせたかったなw
でも本編は後数話です。最後まで読んでいただけるとすごくうれしいです。よろしくお願いします。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第21話
バロン軍は三方向に分かれ、敵からなんとか逃げる作戦を実行していた。マリカは北の敵を撃退し、西にいるバロンのもとへ向かった。グリドンは心の中にいるオウレンとリョウジに力を借り、力尽くまで南の敵を倒したのであった。そしてタカトラが城のすぐ傍まで近づいており…。
タカトラはサクラハリケーンをしまうと城壁をのぼり、城の敷地内に侵入した。「まさかここまで手薄とはな…。バロン軍との戦いに総力戦を仕掛けたか。」タカトラは城にあるいくつかの裏口のなかでも最も使用されていなかったところから内部へと侵入した。内部となればさすがに兵士やほかの者たちもおり、容易には突破できそうになかった。「仕方がないか…。」タカトラは斬月・真へと変身し、そこに一人で行動していた黒影トルーパーの腹にパンチを叩きこみ、気絶させた。その体を誰にもばれずに隠れることが出来る場所まで引きずると、量産型ドライバーとマツボックリロックシードを奪い、それらで黒影トルーパーへと変身した。誰も黒影トルーパーの姿をしたタカトラに気づく者はおらず、王の間のすぐ付近にまで簡単にたどり着くことが出来た。「ここからが問題だ…。」王の間に入るには黒影トルーパーでも一度変身を解除し、部屋の前にいる見張り番の許可が出なければならない。「ばれずに潜入を続けられるのはここまでか…。」黒影トルーパーの姿をしたタカトラは見張り番の前へとたどり着いた。
「ここは王の間である。何用か。」
「バロン軍に対する進軍について王に奏上を。」
「ならば名乗り、顔を見せろ。」
「はい…。」
黒影トルーパー姿をしたタカトラはマツボックリロックシードのフタを閉じようとした瞬間、すぐに影松の刃とは逆の方を見張り番の腹に突いた。見張り番は怯むも大声をあげ、他の兵士を呼ぶ。
「お…王の間に敵だあ!!!」
「…黙ってもらおう!」
タカトラは再び影松で見張り番を完全に気絶させた。だがすぐ他の黒影トルーパーたちが到着する。
「何者だ!」
「私が用があるのはその中にいるカヅラバ・コンペキ・コウタだ。貴様らに用はない。悪いが…消えてもらう!」
量産型戦極ドライバーを取り捨てるとゲネシスドライバーにつけかえ、メロンエナジーロックシードによって斬月・真へと再変身した。黒影トルーパーたちは攻撃を仕掛けるもソニックアローによる斬月・真の攻撃で跳ね返され、手も足も出ない状況であった。
「強い…!」
「わかったらさっさと消えろ…!」
斬月・真は王の間のドアを蹴破った。そこにはニヤニヤしたコウタと不安そうな顔をするマイが立っていた。
「お前…何者だ?」
「俺のことを忘れたのか?コウタ…。」
「…!…タカトラ兄さんか?」
「そうだ。貴様の悪政を正しに来た。今ここでお前を倒す。」
「ハハハ!兄さん!ハハハ!兄さんかあ!フフフ…」
「何がおかしい?」
「ククク…アンタとおれは確かに乳兄弟だ…。でもよ、おれはミッチじゃねえんだ、兄貴面されるとものすごぉ~く腹立つぜ。」
「ミツザネは最後までお前が元に戻ることを信じてた。」
「最後まで?ハハッハ!アイツ死んだのか!ハハハ!」
「…いくぞ。」
斬月・真はソニックアローを構えた。
「変身」
コウタはリンゴのアーマードライダー、つまり鎧武のアンダースーツを黒くした鎧武・闇へと変身した。
「あぁ、そうだ。ミッチがおいてったコイツを使ってみるかあ…。」
ゲネシスコアを戦極ドライバーに取り付けるとブラックレモンエナジーロックシードを起動させた。ゲネシスコアに取り付け、カッティングブレードをおろすとブラックオレンジアームズが消え、ブラックジンバーアームズへとアームズチェンジした。鎧武・闇は無双セイバーを構え、斬月・真と向かい合う。そして二人は同時に動き出し、射撃を繰り出し合った。だが両者とも当たらず、接近すると今度は斬撃のぶつけ合いが始まる。無双セイバーとソニックアローの刃が当たる音が鳴り響く。「おかしい…。」斬月・真は違和感を感じていた。「なぜ黒影トルーパーたちがコウタの援護をしない…?」確かめる術はなく、鎧武・闇とひたすら斬り合いを続ける。
「さすがだなあ!タカトラ!つええ!つえええよお!ヒャハハッハハ!」
鎧武・闇は楽しそうに無双セイバーを振り回す。タカトラは夢中になっている鎧武・闇の隙をつき、足で引っかけ転ばせた。そして鎧武・闇の首筋に素早くソニックアローの刃を当てる。
「終わりだ。」
斬月・真は鎧武・闇にそう告げながらも手を動かさず、辺りに集中していた。「どこだ…どこにいる?コウタを操っている奴が別にいるはずだ…。黒影トルーパーの中か?」斬月・真が油断している間に鎧武・闇は斬月・真のマスクにむけ、無双セイバーの弾丸を打ち込む。
「ぐぁ!」
「ははは!あめえよ、タカトラぁ!つーか何をさっきからうろちょろみてるんだ?あ?」
斬月・真に弾丸による外傷はなかった。「誰か強そうなやつ…。いや、何か怪しげな行動をしている奴…。」斬月・真は辺りをもう一度見渡した。するとマイと目が合った。「マイ様…。…ん?」マイの右目が赤く光っている。「…まさか…!」斬月・真はマイの方へ走る。
「もらったぁ!!」
鎧武・闇は飛び掛かりながら無双セイバーを勢いよく振りかざし、斬月・真を斬ろうとする。
「邪魔だぁあ!」
斬月・真はすぐに振り返ると同時に、鎧武・闇のドライバーをソニックアローによって切り裂いた。鎧武・闇は吹っ飛び、コウタの姿へと戻る。再び斬月・真はマイがいたところを振り返るも、そこにマイはいなかった。
「グオオオ!」
コウタの叫び声でまた斬月・真はコウタの方を向く。そこには無双セイバーでコウタを刺すマイが立っていた。
やっと黒幕発表ですかねえ。
とはいえあんまフラグ立ててなかったんで後付け感が満載ですが、気にしないでください…。w
感想、評価の方、よろしくお願いします!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第22話
ディショエ城に潜りこんだタカトラは王の間にてコウタと戦闘をする。その間にマイの右目に違和感を感じる。その後鎧武・闇のドライバーを破壊することはできたものの、なぜかマイはコウタを殺めたのだった。
バロンはソニックアローを振り回し、黒影トルーパーたちと戦闘を行っていた。確実に相手の兵士を減らしている。だがバロン軍の兵士も同じように減っていっていた。もともと母数が違ったため、同じ割合で減っていると考えてもバロン軍の不利に変化はなかった。気が付けばバロンの周りに味方の黒影トルーパーの姿はもうない。「オレが最後のアーマードライダーか。いいだろう、生き残ってやる。」バロンはローズアタッカーを出し、それに乗りながらソニックアローによる斬撃で敵を駆逐する策に出た。だがディショエ政府軍の黒影トルーパーたちはダンデライナーでローズアタッカーを包囲した。
「なんだと!?」
ダンデライナーからの射撃にバロンはその包囲網から逃れるため、走り出す。そのバロンを狙い続ける黒影トルーパーたち。弾丸のほとんどは外れたものの、かなりの数がバロンの肉体を傷つけた。「く…。まずい…。」バロンは足を引きずりながら出ないと動けなくなってしまった。「オレは…こんな…ところで…!」必死に立とうとするバロン。黒影トルーパーたちは容赦なくバロンに照準を合わせる。
「発射!」
隊長格の黒影トルーパーが言うと他の者たちも一斉に射撃した。「ここまでか。」バロンは死を覚悟した。だが銃撃音が終わっても自分の肉体に痛みは感じない。バロンは顔を上げる。そこにはフラフラになったマリカが立っていた。マリカはシーボルコンプレッサーを二回押した。ソニックアローにエネルギーがたまり、黒影トルーパーたちに斬撃を飛ばした。黒影トルーパーたちはダンデライナーごと切られ、バロンを狙っていた者たちは全員倒れる。そしてマリカはヨウコの姿に戻ると倒れ、バロンがヨウコを抱えた。
「無茶なことを…。」
「いいのよ…私は…貴方を見届けたかったけど…それはもう…」
「なぜ貴様はオレを選んだ?」
「貴方が…強さを求めているから…。強さこそすべて…、貴方はクモン・シンク・カイトの道を…貫き通している…。そういう男が好きなのよ…。」
「ミナト…。」
「さぁ…まだ敵はいるわ。いって。」
バロンは迷いながらも頷くとヨウコは笑い、そして力尽きた。ヨウコの遺体を寝かせるとバロンはソニックアローを再び構え、また戦闘に戻った。
「マイ様…あなたは何を…!」
「あーあ、タカトラ。貴方って本当になんでもできちゃうからつまらなかったの。でもね、コウタは違った。私がいないとなーんにも出来ない。だからね、操り人形にして遊んでたの。ウフフ、楽しくなかった?」
「城の兵士がこの部屋に入ろうとしないのもあなたの能力か。愚かなことを…!」
「愚か?愚かなのは力がないもの。自分で何もできないもの。私は何でも出来ちゃう。だって森に選ばれたんですもの。」
「森に…選ばれただと…。」
「だからこの世界にいるんじゃない。」
「…?どういうことだ…。」
「見せてあげる。私の真の姿。」
マイの右目から赤い光が溢れると、その光はマイの肉体を包み込み怪物の姿へと変えた。
「私の名前はミョエ。一番最初にヘルヘイムに選ばれた者、禁断の果実を最初に得たものよ。」
「最初…だと!」
「私はこの世界のものではない。退屈だったからこの世界にきたのよ。いろ~んな危機を起こして楽しんでたの。」
「つまりコウタを洗脳し、世界を混乱させていた…ということか…。」
「ピーンポーン!大正解!」
斬月・真は握り拳を作り、怒りをあらわにしていた。息絶えたコウタの遺体を踏み、こちらにくるミョエ。斬月・真はソニックアローで切りかかった。だが切りかかった先にはミョエはいない。斬月・真は全くミョエの速度についてこれなかった。
「面白いなあ、タカトラ!アハハハ!あーでもなんかもっと倒し甲斐がある人いないかなあ!」
ミョエは手にした太刀で斬月・真の後ろに回り、切りかかる。斬月・真はミョエと距離を取る。そして紘汰が持っていたリンゴロックシードが変化したものの一つ、カチドキロックシードを開錠した。それをゲネシスドライバーにはめ、シーボルコンプレッサーを押し込むと斬月・真はカチドキアームズにアームズチェンジした。カチドキ旗を持ち、ミョエに突っ込むも避けられ、音速による攻撃に斬月・真は追い詰められていく。”禁断の果実は森が選んだ人間が手にすることが出来る。”「この世界の人間以外にも別世界でヘルヘイムは禁断の果実をもたらすのか…。それがマイ様…いや、ミョエ!。」”禁断の果実の力に対抗できるのは禁断の果実だけだ。”「ミョエに勝つには禁断の果実が必要。だが俺は森に選ばれていない。…いや待てよ…。」”アンタが今手にしてるその極ロックシードは禁断の果実の一部の力がロックシード化されたものだ。”「…そういうことか!」斬月・真は極ロックシードを起動させる。それをカチドキロックシードの鍵穴に差し込むと、極ロックシードをひねり、すべてのアームズが斬月・真のカチドキアームズを弾き飛ばす。そして斬月・真は極アームズへとアームズチェンジした。
第22話、読んでいただきありがとうございました!
正直いうと…構想ミスしましたw
最後、タカトラが極アームズになって禁断の果実を持った敵と戦うってのは考えていたんです!
でもカチドキ&極って戦極ドライバーでしたね。。。
もう無理やりやらせていただきました。。w
申し訳ありませんw
言い訳にしようがありません!ミスです!でももうベルトがないんです!だから勘弁!!w
そして今回はオーバーロードインベス・ミョエの登場です。この世界ではオーバーロードインベスという言葉はないので、怪物という表現にさせていただきました。
残り少なくなってまいりました。感想、評価、そして推薦の方、ぜひよろしくお願いします!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
第23話
バロンの絶体絶命にピンチをマリカは庇った。バロンはバロン軍最後のアーマードライダーとしてなお勇敢に戦い続ける。斬月・真はオーバーロードインベス・ミョエへと変わったマイと戦闘を繰り広げていた。だが禁断の果実の力を使うミョエに斬月・真は歯が立たない。そこで禁断の果実の一部である極ロックシードを使い、斬月・真は極アームズへとアームズチェンジした。
「フフフ、タカトラ。またそんな風にアームズを変えたところで私には敵わないわ!だって禁断の果実の力があるんだもの!」
ミョエは斬月・真の背後に瞬間移動する。だが斬月・真もそれを知覚しており、バナスピアーを召喚しミョエの太刀をそれで抑えた。「こいつ…私のスピードに追い付いている!?まさか…そんなはずはない!」ミョエは高速移動による分身をする。7人に分身したミョエは斬月・真を囲い、一斉に太刀による斬撃を繰り出した。しかし斬月・真は7人全員に向け召喚したイチゴクナイを投げ、その斬撃をまたもやかわす。「まさか…禁断の果実の力!なぜこいつが!」
「不思議そうだな。」
「貴様…貴様も森に選ばれていたのか!?」
「いいや…これは葛葉紘汰。別世界の果実の恩恵を受ける者の力だ!」
「バカな…!」
「だが貴女がそのようになってしまった感覚が今わかる。この力は人を変える。俺も何もかも壊してしまえるこの力に溺れそうだ。だが…この力に溺れることなく仲間を救うために自分を犠牲にした奴らがいる。俺はそいつらのために戦う!自らを失うことなくな。」
「なにをほざく!?」
「貴女も果実の力を得る前は心優しきものだったのかもしれないな。」
「黙れェェェ!!」
ミョエは自らの肉体を7つの首を持つ炎に包まれた大蛇へと変えた。斬月・真は火縄火縄大橙DJ銃と無双セイバーを召喚し大剣モードにし、メロンエナジーロックシードを火縄大橙DJ銃のドライブベイへ取り付ける。緑色のオーラと様々な果実のオーラが大きな刃を構築する。
「俺は…この世界を救う!!」
すると斬月・真の後ろから大きな音がした。やがて王の間の床が突き破られ、そこから大樹が生えてきた。そして木には黄金の果実が一つ実っている。
「あ…あれは…禁断の果実!」
巨大化したミョエは黄金の果実の出現に驚きを隠せなかった。黄金の果実が放つ金色の光は斬月・真の火縄大橙DJ銃大剣モードの刃にまとわりつく。斬月・真は巨大化したミョエに向け走る。ミョエも様々な方向から首によって斬月・真にむけ攻撃しようとする。首が斬月・真に届きそうな時、斬月・真は思いっきり刀を振るい、首を切り裂いた。やがて巨大化したミョエの肉体は黄金に輝くと叫び声とともに爆発した。その爆発によってディショエ城は崩壊する。斬月・真は床の崩壊とともに強制変身解除してしまい、気を失った。
「よう、目が覚めたか?」
タカトラは気が付くとすぐそこにいたサガラに話しかけられた。サガラの後ろには大樹がある。
「俺は死んでいないのか…」
「ああ。アンタは森に選ばれた。アンタがこの世界を支配できるんだ。さぁ果実をとってきな。」
「バロン軍とディショエ軍はどうなった?」
「クモン・シンク・カイトは死亡、他のアーマードライダーも含めバロン軍は全滅。ディショエ軍も大ダメージを負った上にディショエ城がこの様だからな。大混乱だ。」
「そうか…。」
タカトラはボロボロになった体を何とかして起こし、立ち上がった。そして黄金に光る禁断の果実を見た。
「お前は禁断の果実を手に入れてどうするつもりだ?ミョエみたいになるのか?」
「ミョエは一人で力を独占したせいであのようになってしまったのだと思う。だから俺はみんなに力を与える。」
「どういうことだ?」
「ミョエが消えてもヘルヘイムの浸食の課題は残っている。だから俺はあの力で皆をヘルヘイムの環境に耐えきれる生命体として新たに構築し直す。」
「おいおい、そんなことをすれば肉体変化による記憶障害や性別変換、言語変化やらほかにも想像できないことが起きるぞ。」
「皆が力を持てば自分は自分で身を守ることが出来る。誰かが独占して力を持つことはなくなる…。たとえ記憶を失おうともまた俺たち人間は生きていける。俺は人間の意志の強さを信じたい。」
「…。そうか。おれは見守るだけだ。お前らがどうなるのか。」
「サガラ。お前はこの世界のものではないのだろう?」
「ああ。そうだ。」
「ならお前だけは覚えていてくれ。このクレシマ・ハクア・タカトラとこの世界のために戦った猛者たちのことを。」
そういうとタカトラは黄金の果実の方へ足を運んだ。「ようやくだ。俺はみんなを救う。正しい方法なのかは自分ではわからない。だが…もう迷う時間はない…。」タカトラは光り輝く果実をもぎ取った。するとその果実はさらに輝きを増し、タカトラを受け入れたかのように光がタカトラを包んだ。
そしてタカトラはその果実を口に運ぼうとした。すると走馬灯のように今までの出来事が頭の中に流れ込んでくるのであった。「コウタ…ミツザネ…。俺はお前たちも救いたい…。この力ならきっとお前たちを…。」
タカトラが黄金の果実をかじるとともに世界は黄金の光に包まれた。
第23話、読んでいただきありがとうございました。
いよいよ次回は最終回です!つまらないうえに稚拙な文を今まで読んでいただいて本当にありがとうございました!
最終回もぜひ読んで、鎧武の一つの解釈として楽しんでいただけると嬉しいです。
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
最終話
サガラはヘルヘイムの森を歩いていた。「ここもすっかり浸食されたな。」過去を懐かしんでいると近くで戦闘の音がした。サガラはその方向へ向かい、様子を見てみるとそこでは様々なオーバーロードインベスたちが赤いオーバーロードインベスと戦闘を繰り広げていた。
「ロロロ!シェデョミョボリャ シャンジャシェフェンロ シャファ デェムシュ フェロ ショジフコ!(ははは!貴様らごときではこのデェムシュには勝てぬわ!)」
「シャエジュ…ジュガデュシェンブリョ!(こいつ…強すぎる!)」
「シャファ デェムシュ ションデュオンシャフォンミャフェミョシュイブリョシャジャフォフォン…オジュジロフォボリャフファファン!!(このデェムシュが雑魚どもに負けることなど…あってはならぬのだ!!)」
オーバーロード語を扱いデェムシュは次々と刀でオーバーロードインベスたちを倒していく。「一時は反乱軍のすべての頂点に立った男が黒影トルーパーどもに殺されたのはよほど恨みつらみがあったんだな。結局記憶を失った後でもあの気質だ。フフフ」ニヤニヤ笑いながらサガラは城のあったところへ向かっていった。その途中でオーバーロードインベス グリンシャはデュデュオンシュとシンムグルンを引き連れ、他のオーバーロードと戦闘をしているのをサガラは見た。デュデュオンシュはシンムグルンをジャンプ台にし、飛び掛かりながらの斬撃でオーバーロードたちを倒していた。
「ハセとジョウノウチか…。」
やがてサガラは城のあったところに着く。そこには玉座があり、白きオーバーロードインベスが座っていた。
「ガウ、ロシュオ。(よう、ロシュオ。)」
「アミョイショ…。フォムファガウファン。(お前か…。何の用だ。)」
「エゴ、フォンシャミョフェンアグランイジエブリョファショミョジョシェシェジョシュフォジュジフォ。ダファジェショボリャフェンフォフェカアミョイロデェジョファショ、アグランイジエブリョショ?(いや、どこまで覚えているのかまた聞きたくなってな。その力で何をお前はしたのか、覚えているか?)」
「フェムシンム カジェデェシェファオブリョエムグリンデュリジャショイジョ。リブリョリエミュファショムシェガウフェジョイボリャビリェブリョガウフェフォ。ダビリェションフォムファン。(人間たちを知識のあるインベスへと変えた。ヘルヘイムの環境に耐えられるようにな。それが何だ。)」
「ダビリェションアショデェエムファン。デェムファンロデュンファ フェムシンム ミョフェンエシェショイジュジエムグリンデュフェフォジュジエブリョ。シェムファンムファショデェンジュフェンレジャロエシェショイボリャディブリョシャジャロフェンシェフォエ。(それがおかしいんだ。死んだはずの人間まで生き返ってインベスになっている。禁断の果実で人は生き返らせることは出来ない。)」
「・・・・。」
「レガジュジャデェジアミョイロデェンシュウミョフェングションミジジャシェカミジェゴシュジェゴフェデェジョファショ?デェムファンミャファジョジェカデュシュウジョミフェ。ファンショボリャフェシュジョエショエダンウファイエシェガウフェシュコイシャビリェラフォンファシェアシュデェガウションエションロジュディエデェジエブリョ。(ひょっとしてお前は時空まで歪めて時をめちゃくちゃにしたのか?死んだ者たちを救うために。だから肉体改造の影響に加えこれほどの記憶障害が発生している。)」
「コジョデェロミャウフォフェミャアグランイジロエフォエ。ファンションレジャジュファンシュイオジョミョファショジョデュメフェオブリョシャジャグロンロオブリョ(私はもう何も覚えてはいない。だが一つだけ頭の片隅にある言葉はある。)」
「フォムファン?(なんだ?)」
「カヅラバ…コウタ…。」
「…ほう…。」
サガラはロシュオに背を向け、再び森の中へ戻った。するとクラックが開き、初級インベスがそこから出ていく。そのクラックを覗くと外には大きな円盤のようなものが辺りを回っている塔がたっていた。
「さぁ、ここから始まるんだな。また。」
サガラはそう呟くとそのクラックから向こう側の世界へと降り立った。
完
今まで読んでいただき、本当にありがとうございました!
半月くらいですが、本当にいろいろな方に読んでいただき、うれしかったです!
さて最後どうなったのかみなさんわかっていただけたでしょうか?結構強引なところがあったので「どうかな?」とは思ったのですが、とりあえず頑張りました。今後の鎧武の展開と矛盾するところはきっと出てくると思うのですが、これもまた視聴者の一つの予想だと思っていただけたら幸いです。ちなみにこれからは感想にどんどん答えていきたいと思っています。
今回かなりオーバーロード語を使用したのですが、
http://にんげん.あんどろいどのこと.みんな/
というサイトを参考に使わせていただきました!ちなみにディショエやミドルネームも全部オーバーロード語と日本語の変換なので、もしよかったらこのサイトで確かめてみてください^^
以前お伝えしたように外伝もやりたいと思っていますので一応「完」ですが、また書きます。だから連載中にさせていただきますね!
ひとまずこのエピソードゼロはここまでということです!
本当にありがとうございました!
今私はオリジナルスーパー戦隊「精零戦隊ゼロレンジャー」というものを書き始めています。鎧武と違って完全にオリジナルなのでなおのこと読みにくく想像しにくいと思いますが、スーパー戦隊と特徴をつかみつつ、新しい要素を入れていけるような作品にしたいと思っています。是非読んでいただけたら幸いです。
「精零戦隊ゼロレンジャー」http://novel.syosetu.org/32333/
ではまた!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
外伝 エピソード紘汰
前編
戒斗は死んだ。ミッチも死んだ。貴虎も。みんな…。そして…舞も…。おれも今命を落とそうとしている。
「この程度か。葛葉紘汰、お前は知恵の実を得るにふさわしくない。このフェムシンムの王、ロシュオに挑んだこと、後悔しながら死ぬといい。」
ロシュオの大剣がおれの体を斬った。とても止血出来る状況ではない。それどころかもう体も動かない。おれは禁断の果実を手に入れることは出来なかった…。
「人類で我々に歯向かった最後の戦士、鎧武よ。せめてこの世界が終わるのと同時に命を尽きさせてやろう。」
ロシュオはそういうとおれの視界から消えた。ヘルヘイムの森はより活性化し、おれたちの世界の世界の物体はほぼ残らなくなった。おれは目を閉じた。「ごめん、みんな…。」
「なんだ、結局お前でもロシュオは倒せなかったのか。」
おれは再び目を開けるとそこにはサガラが立っていた。
「お前にいくつもの力を与えてきたが意味はなかったみたいだな。おれの見当違いか。あーあ、残念だったぜ。」
「サ…ガラ…。」
「すでに声もろくに出ないか。ロシュオは今森をさらに活性化させている。そうだな、あと15分でこの世界はヘルヘイムの森の一部と化す。もう終わりだ。」
「じ…だ…ね…ぇ…」
「ん?」
「じょうだん…じゃ…ねぇ!」
「おお、声出るじゃねえか。ハハ、やはり相変わらず面白い奴だ。」
「お…れは…まだ…諦め…たく…ない!!」
おれがそういうとサガラは眉をひそめた。しばらくするとサガラは真面目な声のトーンで再び俺に話しはじめた。
「お前はかつて『人じゃなくなってもみんなを守る』。そう言ったな?」
おれは黙ってうなずく。
「ならば屍として皆を救う気はあるか?」
「しかばね…?」
「お前はもう死ぬだろう。その命は諦めろ。ロシュオにやられたんじゃオレでも回復は出来ない。だがお前に与えたカチドキロックシードと極ロックシードでもう一つ命を作ることは出来る。」
「じゃ…じゃあ!」
「だが、それは人としての命じゃない。2つのロックシードから作られた命はかなり不便なものになる。いくつか面倒なことがあるが…、1つ目はその命が具現化されロックシードになる。ロックシードがドライバーから外されればお前は死ぬ。2つ目はその命だけでは生きてはいけない。森の果実を摂取し続けなくてはダメだ。」
「か…まわ…ない。」
「あとな、そのロックシードはアーマードライダーとしてのお前には何にも力をもたらさない。ただの形だけのアームズを与えるくらいだ。当然、ロシュオには勝てない。」
「…。」
「いいのか?」
おれは一度黙り込んでしまった。でも…。
「おれは…もう迷わ…ない!」
「…そうか。じゃあ始めるぞ。」
サガラは俺の戦極ドライバーについていたカチドキロックシードと極ロックシードに触れた。あっという間に2つのロックシードはリンゴの形をした物体に変化し、すぐに1つのロックシードへと変わった。すると体は楽になり、痛みをあまり感じなくなった。サガラはおれに果実をもぎ取るように言った。果実をもぎ取ると黄金の光へと変わり、おれの体に染み渡った。さらに体は楽になり、傷もみるみると癒えていく。
「ありがとう、サガラ。」
「これからどうする気だ?」
「もう一度ロシュオに挑んでくる。」
サガラはため息をついた。
「お前、オレがさっき言っていたことを忘れたのか?勝ち目はない。」
「でも…それしかないだろ!」
サガラはおれに失望したようだった。だがしばらくすると笑いだし、手を上へ挙げた。するとサガラの頭上に渦のようなオーラが現れる。
「ここまで馬鹿だと逆に期待しちまう。いいだろう、本当に最後のサポートをお前にしてやろう。お前をロシュオがロシュオになる前の世界へ連れて行ってやろう。」
「ロシュオが…ロシュオに?」
「つまりロシュオがオーバーロードになる前の世界ってわけだ。すなわち禁断の果実を得る前の世界。」
「本当か!?そんなことが…本当に!?」
「だがオレはロシュオになるフェムシンムが誰なのか知らない。おそらく強い戦士で王になりそうな人物ってとこだろうな。そいつをお前は片っ端から倒せるのか?」
「当たり前だ!みんなのために…!」
「ロシュオになる人物以外も殺せるのか?」
「え?」
「そりゃそうだろう。一発でロシュオを引き当てることなんて不可能だ。」
「…おれは…」
「どうする?」
「おれはもう迷わない。」
「…そうか。」
サガラは挙げた手で指を鳴らした。渦のようなオーラはおれを包み、辺り一面をを真っ白へと変えた。
龍玄は豪快に振り上げた無双セイバーによって鎧武の戦極ドライバーをリンゴロックシードごと切り裂いた。鎧武は倒れながら変身解除する。
「コウタ…さん?」
龍玄は紘汰の顔を見て驚きを隠せなかった。怯んでいた斬月・真も起き、変身を解除してから紘汰であったことにショックを受ける。ミツザネは龍玄の姿に戻ると膝をついてしまった。
「…ミッチ…。貴虎…。」
「コウタ…さん?コウタさんなんですか?」
「おれは…この世界のコウタじゃない…。ヘルヘイムがこの世界を支配…したあと…新たに支配のターゲットにされた世界の…紘汰だ…。」
「なんだと…。どういうことだ!」
「二人とも…この世界では仲がいいんだな…。よかった…。そんな二人を…おれは殺さなきゃいけなかった…。最低の人間だ…!でも…おれは…世界を…救いたかった…。この世界で…禁断の果実や…王になろうと…するやつを…倒せば…未来に…ロシュオにな…グハッ…なるやつを…消すことが…」
「紘汰さん…」
ミツザネは命が尽きようとしている紘汰を泣きながら抱きしめた。タカトラも涙を流し二人を見ていた。
「この世界の…おれが…王だって聞いたから…城に忍び込んで消そうと…したけど…なぜか毎回ばれちまって…おれバカだから何度も…ハハ…」
「紘汰さん、今すぐ助けますから!!」
「無駄だよ…ミッチ…。おれはもう本来なら…死んでるんだ…。ロシュオに…ゴホッ…やら…グ…。サガラに…頼んで…命を繋いでた…だけなんだ…。リンゴ…には…人を操る力なんて…ない…。」
「では…この世界のコウタはなぜあんな風に…!」
「この世界のおれは…はじめっからあんな…ひどいやつじゃ…なかったんだ…。よかった…。それなら…たぶん…誰かが…操っているんだ…近くにいる…やつが…。」
「紘汰さん!もうしゃべっちゃだめです!」
おれは意識が朦朧としていた。「まさか…ミッチにやられちゃうとはな…。この世界には…おれの世界で仲間だった奴に似たやつがいっぱいいた…。でもおれはそいつらを殺そうと…自分の世界のことだけ考えて…だから…天罰なのかな…。おれは…何のためにここに来たのだろう…。おれは…何も変えられなかった。でも…でも!正しくなくても、間違っていても、おれはみんなを救いたかったんだ…!!」声に出す気にもならないことをおれは考えていた。でもせめてこの世界のミッチとタカトラに伝えたいことがあった。
「だから…もう…無駄なんだ…。ありがとう…ミッチ…。おれ…ミッチも…貴虎も…救い…たか…た…」
「あとこの世界のミッチとタカトラもな…。」最後のセリフはほとんど声にはなっていなかった。でも冷静になっていたタカトラは発狂しているミッチと違って聞こえていたらしい。「よかった…伝えられて…」おれの体は枯れたヘルヘイムの植物のようになり、風に吹かれミッチの腕から消えた。
少しだけお久しぶりです。エクシです。
紘汰について本編で触れることが出来なかったのでこの外伝だけやってしまおうと思い、再び書きました。少しでも本編で「?」だったところが「!」になっていただけたら嬉しいです。
後編もよろしくお願いします!
目次 感想へのリンク しおりを挟む
しおりを挟む
後編
さーて、あとはもう話すことはないが…せめて最後のお別れついでに少しだけ話しておくか。ロシュオの死の直前にあった出来事を…な。
葛葉紘汰・駆紋戒斗の二人は戦極凌馬から高司舞がオーバーロードの王・ロシュオのもとにいることを知らされ、ユグドラシルタワーからヘルヘイムの森へ向かおうとしていた。その頃ロシュオは舞に黄金の果実を預けたのち、一人玉座に座っていた。
「よう、ロシュオ。黄金の果実を求める者を待っているのか?」
「…蛇か。…その通り、それが私の最後の仕事だ。」
「ここでお前と二人で話すのは久しぶりだな。」
「…。」
「お前があの時言ったこと、覚えているか?」
「あぁ。」
「葛葉紘汰。お前の記憶の片隅にあった名前だ。そいつが今ここに向かっている。」
「…。」
「お前は実は覚えているんじゃないのか?クレシマ・ハクア・タカトラだった時のことを。」
「…はっきりとは覚えていない。だが私は何者かを看取った記憶がある。すべてのものを守ろうとしていた者だ。それが誰なのかはわからない。」
サガラはロシュオを見つめながら告げる。
「そいつが葛葉紘汰ならばどうする?」
「なんだと?」
「時空や平行世界を超えた葛葉紘汰がそいつで、それと同じ人物が今ここに向かってきているとしたら…どうする?」
「…。」
「…。」
長い沈黙が続いた。やがて森の奥の方でバイクのエンジン音が聞こえるとサガラはロシュオに背を向け、立ち去ろうとした。そしてロシュオはサガラの背中に向けて言った。
「もしそうならば私は見極めねばならぬ。慎重に。とても慎重にな。」
サガラをそれを聞くと蛇の姿になり、去って行った。
「舞!」「舞!」
近くで青年の声がする。ロシュオは戦う覚悟を改めて決めたのだった。
「来たか…。黄金の果実を求める者よ。」
ロシュオはレデュエの手にかかり死んだ。
「ロシュオ…ロシュオ…」
ロシュオは気が付くと目の前に一人の女性が立っていることに気が付いた。ミョエだ。
「久しぶりね、タカトラ。」
「タカトラ…?」
「ロシュオと呼んだ方がいいかしら?私はあなたと同じ、かつて黄金の果実を手にしたものよ。」
「同じ立場…というわけか。死んでいるということについても。」
「フッ…そうね。私はあなたをずっと見ていたわ。フェムシンムを救おうとした貴方、裏切り者を切り捨てた貴方、種族の滅びを嘆く貴方、人間にわずかな希望を与えてやった貴方。あなたを見ているうちに私はあなたのことばかり考えていた。人は人を好きになると逆の行動をしてしまうことがあるそうよ。私もあなたに少しいたずらをしちゃったわ。」
「何の話だ?」
「あなたの記憶にある王妃、実はあれ、私がすり替えた記憶なの。」
「なんだと…?」
ミョエは指を鳴らすと王妃の姿へと変わった。
「なんと…!」
「ごめんなさい。でも私はあなたのような王にほれ込んでしまったのよ。」
「私は何のために…」
「私のことを思ってほしくて、あなたが私のためだけに生きてほしくて…。」
「…。」
「…わかったわ。ひどいことをしたことは…わかってる。だからあなたにもう一度人生をやり直させてあげる。」
「どういうことだ?」
ミョエは再び指を鳴らした。
「さようなら、ロシュオ。」
タカトラは目を覚ました。ディショエ城の中だ。なんの違和感も示さず、タカトラは身支度を整える。そして隣の部屋をノックしに行った。
「起きろ!ミツザネ!」
「わ…わかってるよ、兄さん。コウタさんに少し遅れるって伝えておいて!」
「まったく…。」
タカトラは一人で食堂へ向かった。そこには一足先にコウタと家来たちがいた。
「遅いぞ、タカトラ!」
「すまんすまん。ミツザネはもう来る。」
「あーもー我慢できねえよ!食べちゃおうぜ!」
コウタはタカトラにニヤリと笑いかけた。タカトラは感じていた。この日々を求めていたような気がする。なぜこんなにも懐かしく感じるのか…と。
ありがとうございました。
更新がだいぶ遅れてしまいましたがこれにて完結です。
次はまた別の鎧武の小説を書きたくなってきたのでゼロレンジャーはおやすみしてそっちを進めたいなと思います。
書きはじめ次第、URLを乗せると思うのでよろしくお願いします。
目次 感想へのリンク しおりを挟む