Fate/憑依転生ワカメは死にたくない (エドアルド)
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プロローグ

思いついたから書く続くかはやはり私のモチベ次第。なるべく頑張る!



 

何処までも広がる青空、何処まで広がる水面

俺は今そんな場所に立っている

 

「ここ何処だよ?」

 

少し良い感じに語ったが真面目に何処だよ?俺こんな世界の名所みたいな場所に来た覚えはねぇぞ?

俺がそう困惑している時だった

 

「ようこそ魂の狭間へ」

 

そう聞こえて来た。俺はその声の方に振り返るとそこに居たのは若い男性だった

俺はその人物について疑問を持つと同時にある予感がした

 

「魂の狭間?」

「その通り死んだ魂の保留所さ此処は」

 

疑問に思った言葉を零すと目の前の男性は答えた。そして死んだ魂の保留所と言った

 

「……俺は死んだのか」

「おや?てっきりもっと取り乱すかと」

 

普通だったらその通り何だろうけどね

 

「病気で余命宣告されてたし」

「なるほどね」

 

俺は少し前に癌が見つかってしかも手術も薬も手遅れなまでに進行してたからな。余命半年の言葉を受けて実際はそれより二年ぐらいもったけどいつ死んでもおかしくなかったからな

 

「で?これから俺は閻魔様に裁かれるのかな?」

「いいや、裁かれるなら僕は君の前に姿を表してないよ」

「じゃあどうして?」

「君には転生してもらうのさ」

 

転生、それは今流行りのですかね。だが

 

「なぜ?」

「本当は君、もっと長生きする筈だったんだけど何かの手違いで他人の寿命を生きてしまってね。まぁ、お詫びと言うわけだ」

 

はぁ〜そういうのは小説の中だけだと思ってたけど実際にあるんだな

 

「だが転生させるにも色々制約とかあってね。転生のあれこれはこちらで決めさせてもらうよ」

「転生できるならそれぐらい良いですよ」

 

俺死んだの20代だったし長生きできるんだったら別に

 

「そうかい、なら良かった。転生先は型月世界の間桐慎二だよ」

「え?」

 

え?今なんて言った型月世界の間桐慎二?よりによってその世界にその人物?

 

「変更は?」

「無理」

 

ですよねぇ〜。制約あるって言ってたもんね

 

「一応こちら側で転生特典を決めておくから安心すると良い。あの世界についてはある程度は僕も知ってるからね。君の世界よりも過酷な世界に送るんだそれぐらいはするさ」

「……それならまぁ」

 

型月世界でも転生特典あるならまだマシだな。どんな特典になるかは知らんけど。

そう思っていると眠気が俺を襲った

 

「もうそろそろ時間だね。転生特典については君が向こうで生まれて3歳になった時に送ろう。前世も同時に思い出すようにしとくよ」

 

そう言われたと同時に俺の意識は途切れた

 

 

 

 

 

************

 

 

 

 

 

俺が目を覚ますとベットの中だった。転生できたのか?そう思ってベットから出ると俺の横に突如として人が現れた

 

「うおっ!?」

 

俺は驚いたがその人物は気にもとめず俺に手紙を差し出して来た

 

「読め、そうすればわかる」

 

そう言われ俺は手紙を受け取り見る。今どき見ない蝋で封がされた手紙だった。そこには俺の名前があった

俺は手紙の封を切る

 

 

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この手紙を読んでいるのなら君は問題無く転生できたようだね。今の君は間桐慎二になってるから色々と慎重にね。

早速本題に入ろう、君の転生特典についてだ。まず君に手紙を渡した女性だが破面と言えばわかるかな?BLEACHの。破面のエミルー・アパッチの姿をしているが別の破面だ。姿は君の趣味に合わせたよ。

 

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ここまで読み俺は手紙を渡した人物を改めて見ると確かにエミルー・アパッチの姿をしているが破面の特徴の割れた面の残りの形が違うな。別の破面だというのはその通りのようだ

 

俺は続きを読む

 

 

 

 

 

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彼女は君の使い魔と言った所だ。だけど君自身でもある。BLEACHのリリネットみたいだと思うだろうけど違うよ。二人で一人でもあるけどその子はその子で個を持っているから。

 

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なるほどこいつも俺自身なのか

 

 

 

 

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この子がどんな力を身に付けるかは僕自身もわからないからそこは頑張ってね。それとその子の外見はエミルー・アパッチだけど別人だからね君が名前を付けてあげるといい。

次にこれまたBLEACHから斬魄刀だ。斬魄刀は朽木ルキアの袖白雪、君結構これ好きだっただろう?残念ながら斬魄刀の意識は再現できないから特殊な刀という事だ。使いこなすの頑張りたまえ

 

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なるほど確かにこれなら魔術師としてゴミな間桐慎二でも強くなれるな

 

 

 

 

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次に君に魔眼をあげることにした。その名も可能性の魔眼

力としては多重次元屈折現象を可能にする事と視界の中の可能性の表示。いわゆる未来予知を可能にする

 

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…………ん?

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

次に君には(ホロウ)の力をあげる。今の君は既に半分は虚だ。そっちの世界に合わせたから半分は精霊種と言った方が良いかな。虚の力を上手く使えるようになれば破面になれるから頑張ると良い。

次に魔術礼装というか宝具として死覇装を渡すよ。これは色々な神秘を持つ品や幻想種の素材などを取り込んで強くなるんだ。君の強化や防具としても役立つよ

最後に君に魔術回路を与える薬を用意した、君の好きなタイミングで飲むと良いよ。

ただしこれだけの特典を野ざらしには出来ないから隠せるように細工しといたからね。

それじゃあ以上、良い人生を!

 

死神より

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

俺は横にいる俺の分身に声をかける

 

「なあ」

「どうした」

「俺、死にたくねえよ」

「……オレもだ、強く生きようぜ」

 

二人して遠い目をして言い合った

……このままじゃあ俺達封印指定か利用されて終わるぜ

善意なんだろうけどもう少し考えて欲しかった

 

もう、泣くしか無かった




頑張るから応援よろしく!
BLEACHはニワカなんで変なところあっても此処ではそういうものだと思ってください。Fate関連に関しても未だに覚えきれていないのでぜひ指摘して頂けると


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現状確認

 

転生してから数日がたった。とりあえず少し持ち直した、はっきり言って転生特典が厄ネタだぜ。いや、斬魄刀とかもう一人の俺とか死神装束はまだ良いのよ。魔眼に半精霊種、魔術回路を与える薬、これがダメだ。もし魔術協会にでも知られれば俺はたちまちバラされて研究に使われるだろう。魔術師ならやる

 

まぁ今のところは死神が細工したおかげで蟲爺こと間桐臓硯にはバレてない。でもバレてない間に特典を使いこなせば魔術協会にバレても逃げる事はできるだろう。もしくは封印指定の人物に取り入るか

 

まぁ、今は未来の事じゃなく現在の事を考えよう。今の俺は間桐慎二、魔術適性は合わない土地のせいでお亡くなりになってる魔術家系の息子。現在はどうやら魔術の事を知らずに育っております。ただ単にまだ時期じゃないのかそれとも最初から魔術を教える気が無いのか、おそらく後者な気がする

 

マジでこの家ヤバいんだよな。蟲爺はもちろん親父はアル中だし。叔父は家出してるし、母親は恐らく既に蟲の餌だろうし。はっきり言ってここまでヤバい家庭は無いだろう。蟲爺は魔術師らしいと言えばらしいがなあ、一般人の感性を持つ俺にはきついです

 

それに家によく虫が走り回ってるんだよ。俺、虫苦手なんだ。子供の頃は大丈夫だったのには今じゃカブトムシぐらいしか触れない。もうバッタとかカマキリとか無理、蜘蛛は種類による。まぁ家を走り回ってるのは確実に魔虫なんだよな。絶対に蟲爺の使い魔や

 

今の所特典を使う事が出来ないのが難点なんだよな。この家にいる限りまともに扱えないし。唯一ミエドは自由行動してるけど。……あ、ミエドはもう一人の俺な、アイツは完全な精霊種になってるようだ。まぁ元々虚は怨霊みたいなものだしな。幻想種は確定として一番近いのがそれだったんだろうな。アイツ外に出て神秘を含むものを食ってるんだよな、いや幻想種ならそれが手っ取り早いのはわかるけど俺をこの家に一人にしないで欲しい。俺にも神秘を含んだ存在持ってきてくれるからまだいいけど、以外に美味いのな。

 

斬魄刀は振り回す訳にもいかないし、魔眼は使えばおそらく蟲爺に勘付かれるだろうし、とにかく窮屈だ。だけど心配は無い。

確か慎二は第四次聖杯戦争の時に留学していたからその時に家から離れられる。いつ頃から留学かは知らんが時計塔にでも行くか?幸いな事に蟲爺とアル中親父共に俺にあんまり興味無くほぼ放任しているところがある。少しわがままを言っても問題は無いはず。それに力に関してもあの死神が細工してるから使わなければバレることは無いだろう。

 

そうなると魔術回路を与える薬は留学して向こうについた時にでも飲むか。魔術使えるようにした方が選択肢は増えるし。虚の力に関しては時計塔から一時的に離れて修行するしかないな。

いざとなったら蒼崎橙子の弟子にでもなるか……。対価はまぁ、特典を研究でもさせれば良いやろ。あの人はまだましな部類の魔術師というかどっちかって言うと魔術使いな所もあるしな

 

武器の扱いはどうするか……。主武器は斬魄刀になるだろうが、刀の扱い出来るやつが思い付かない……とりあえず強そうな人と言えばバゼットだろうけど、あの人執行者だしな。お金払えば稽古ぐらいつけてくれるかな?他は、そっち方面で強そうなのあとは英霊ぐらいだよなぁ。え?聖杯戦争に乱入でもしろってか?無理無理!死ぬ未来しか見えない。てか俺まだ子供なんだよな……いやーイベント多くない?早めに力つけないとあの世行きだよ

 

魔術もウェイバーから習いたいけどあの人は第四次聖杯戦争の後からが良いんだよなぁ。やっぱり自己学習しかない?時計塔の図書館に入り浸るしかねぇ。絶対向こうだと極東出身なだけで見下すやつでて来るから嫌だ。魔術師プライド高ぇもん、一般人の俺にはキツイです

 

あとなんかあったかな?……あ、俺の魔術属性だな、どうやら魔術関連はミエドが知ってたみたいだ。俺の魔術属性は水と風の二つで起源は〈憧れ〉らしい。起源〈憧れ〉ってどう魔術に組み込めば良いんだよ!まぁ今の俺が魔術について知らないからあれなんだけど

 

やっぱり留学するまでやる事が無いな。勉強や筋トレぐらいだよなぁ出来ること。ミエドはその内こき使ってやる

 

今後の目標としては桜を救う事かな?蟲爺の好きにはさせない!他にも原作には関わりたいよな。でも俺が死ぬ確率が増えるという……

もう未来は未来の俺に頑張ってもらうか。とりあえず俺はこれからアニメを視聴する!



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留学する

 

俺の名前は間桐慎二!5歳(肉体年齢)だ!ちなみに精神年齢は既に30を超えた!―――とりあえず転生してから勉強とトレーニングをして過ごした。留学するなら外国語は必要だと思ってとりあえず英語と欧州あたりの言語全般を学んだ。肉体は子供なおかげかスポンジが水を吸うかのごとく言語を覚えた。子供脳ってスゲー!

 

なお筋トレに関しては程々にしている小さい頃から筋肉をつけると成長しないらしい。低身長はゴメンだね

 

それで今の俺は何をしているかと言うと空を飛んでおります。魔術では無いよ、飛行機だ。行き先はロンドン!留学先は俺に委ねられたため真っ先に選んだ。留学理由はおそらくだが聖杯戦争の準備のための厄介払いだと思う。完璧に俺の前では誰も魔術について話さないので、おそらく俺に間桐を継がせる気は無いらしい。……こちらとしては嬉しいがな。あんな蟲魔術は習いたくねぇ。

 

ロンドンに滞在する期間はおよそ二年。おそらく、第四次聖杯戦争が終わったら呼び戻すようだ。個人的には家からは出て行きたいが、蟲爺を殺してからじゃないと面倒だし桜を見捨てるとか無理です俺には

 

ロンドンではあの蟲爺が用意した一軒家で過ごす事になったんだけど、俺は気付いた。幼稚園児を一人で留学させるとか馬鹿の所業では?いや、雇った使用人が色々するらしいけど、それでも海外留学を幼稚園児にさせるのはおかしいと思う。俺元は一般人だから魔術師の思考なんてわからんからあれなんだけどさ

 

―――とりあえずロンドンに着くまで寝るか。

 

 

 

************

 

 

 

という訳で着きましたイギリスのロンドン。そこまでの空の旅は特に語る事はない。これからとりあえず、これから住む場所に向かう事になっている。が、その前に時計塔に向かうか魔術に触れるならやはり彼処しかない。俺はタクシーを捕まえて時計塔に向かう。

 

そして時計塔に着いた。多数の人々が出入りする建物は一般には老舗の大学ということになっており、魔術、心理学を用いた設計により一般の人々を入れないようにはしている。 しかし魔術を知っている俺には効果はない!だが場所は知らないので施設を探索して場所を見つけるしかない。

 

まぁ、魔力感知ぐらいはできるからすぐ見付かったたんだけど。こちとら半分精霊種なんでな。入った時はすげぇ怪訝な目で見られたけど魔術家系だと言うとなるほどと思われた。魔術師の世界では子供は相当早熟らしいな。ついでに図書館に案内して貰えたので良しとする。

 

とりあえず図書館に着いたら初心者向けの基礎的な本を片っ端から集めて読んだ。と言ってもやはり本を読むだけだとな、要点を纏めてロンドンの家で練習するか。俺は閉館ギリギリまで本を読んで要点を纏めて家へと帰った

 

その後、家で本格的に魔術を使う事にして魔術回路を与える薬を飲んだんだが気絶した。いやぁ、あの薬どうやら魔術回路を与えると同時に開くものらしかった。いきなり魔術回路を全て開かれた痛みで一瞬にして意識が狩り取られたよ。時間にして大体3時間ほど倒れてた。……二度と味わいたくない。尚この時にできた魔術回路の数は80本だった。魔術界では才能ある方の本数だな。遠坂凛は100本だったけどな……。

 

さて魔術学ぶにしてもどの分野を学ぶか基礎はおおよそ共通してるから基礎を終えたらどうしよう。確か全体基礎科、個体基礎科、降霊科、鉱石科、動物科、伝承科、植物科、天体科、創造科、呪詛科、考古学科、現代魔術科、法政科の12学科が主立った所。でも通うとしてもお金の問題がな……。年齢的には問題ないから、才能さえあればある程度は融通効くし。…………霊墓アルビオン行くか?でも流石に今の俺は幼すぎるからな、おそらく死ぬ。はぁ……、幼いって制限があって大変だ

 

自由に閲覧出来る図書館で自習するしかないか。程々にして他のやつ確認するか。

 

まずは魔眼かな。……にしても可能性の魔眼って化け物にも程があるだろ。多重次元屈折現象(キシュア・ゼルレッチ)とかもはや魔法の領域なんですが?クラスは最低でも〈黄金〉クラス、もしくは〈宝石〉だよなぁ。しかも局所的ではあるが未来視を行えるんだから、見つかったら封印指定は確実だし気を付けなきゃ死ぬ。でも便利なのは変わらない。試しに斬魄刀振りながら使ったら斬撃が増えました。的にした木の板は四分割された。今のところ暴走する感じはしないから扱いに気を付ければ大丈夫だな。

 

死覇装は今の所Cランクの攻撃は防げる程度だ。……まだまだ弱いな、要強化対象だな。

 

斬魄刀はとりあえず振るしかない、まだまだ俺は弱いから初期状態の〈浅打〉状態だ。これは俺自身の実力を伸ばすしかない

 

虚としての力はまぁ仮面が出て強化はされるけど扱えてないね。まだまだ雑魚ですはい。暴走とかはしないのでとりあえず問題は無いな。

 

やはり俺の強化をするしかないなぁ。クソ雑魚ワカメだな

はぁ、……とりあえず頑張るぞ!!



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魔術師の抗争

なんというかこれじゃない感が個人的にはすごい。
早く原作まで進めなきゃな


 

ロンドンに来て1年がたった。だが今まで変わった事はない、毎日時計塔に通って魔術を学んで家で実践して修行する。これを繰り返す毎日だ、まぁ楽しいから良いけど。

 

修行に関しては最近はミエドを相手に組手というかほぼ殺し合いをしてるからメキメキ力は上がってる。虚という種族の特性ゆえか、物理的攻撃はほぼ俺達に通用しない事が分かった。当然俺達以下の神秘を含む攻撃も同じだ。どうやら型月という世界に適応するために少々変わった所があるようだ。空想具現化(マーブル・ファンタズム)もできるようになったから間違いない。

 

―――にしても驚いたね。俺達がガイア側の存在だったとは。絶対何かあったら抑止力に使われる。その代わりに星からのバックアップを受けられるのは嬉しい事なんだけど。あの死神め、絶対に説明不足だ。絶対他にも俺の知らない事があるぞ。

 

魔術については少しずつだが覚えてきた。簡単な魔術ならできるようになったけどこれ以上は流石に独学だと難しいな。……やっぱり誰かに師事しなきゃダメか。魔術よりも虚の種族スペックとか斬魄刀に頼るしかないな、現在は。

 

そんな事を考えながら、最近は馴れた時計塔への道を進んでいると突然爆発が起きた。

 

「なにごと!?」

 

時計塔方角からの爆発だった。俺は急いで時計塔に向かう。

そして時計塔につくと、そこでは多くの魔術が飛び交っていた。

 

「バカか!?」

 

魔術は秘匿すべき存在なのに、こんな昼から公の場でドンパチとか馬鹿だろ。どうやら結界とか張ってるみたいだから時計塔の施設内限定だとは思うが。

俺は近くにいた魔術師の人に話しかける。

 

「何あったんですか?こんな昼から魔術使うなんて!」

「詳細は知らんが抗争っぽいな。……だがここまで派手にするなんて自滅覚悟の馬鹿としか言えない。―――とりあえずやらかしてる馬鹿共は同じ格好してるから、お前も魔術師の端くれなら手伝え!」

 

そう言ってその人は走って行った

そして思った。―――どんな自爆野郎共だよ!?抗争はわかるよ、時計塔ドロッドロッだもん。それでも神秘の秘匿は守ってたぞ!?なのに神秘の秘匿をしないって何?魔術この世から消したいの?

あぁ、もうとりあえず鎮圧しに行くか……。

 

俺は身体強化を施して建物の高い場所に登り、そして空想具現化(マーブル・ファンタズム)を使用する。俺の手元に現れたのは弓だった。これは投影魔術を手本にして、魔術ではなく空想具現化を使用して大気中のマナを掻き集めて作り出した。空想具現化は便利で良い。しかし人前でやったなら即座に精霊種なのがバレるのであまりやりたくない。今、時計塔は混乱してるから見てる人もいないだろうと言う事で使用した。

 

魔力を弓矢の形に形成する。この程度なら俺の魔術でもできる。魔力弾の形を変えてるだけだし

弓はいわば加速器、魔力弾の矢はスピードと貫通力の上昇という変化がある。

 

俺は望遠の魔術も併用して、昼から抗争を起こしたバカ達を殺さない程度に撃ち抜いていく。聞いてた通りみんな同じ服装だから見分けがつきやすい。

 

ちなみになぜ弓矢で攻撃するかと言うと魔術で攻撃?まだ一般魔術師よりも下の腕前です。虚の力?精霊種としてバレる上に相手が跡形もなく消えます。斬魄刀?幼い身体じゃあ勢い余って殺めかねないです。魔眼?封印指定されて終わります。故に遠距離かつバレない範囲で精霊種の力を使うという思考に至りました。ミエド?アイツがバレると絶対面倒臭い事になります

 

とりあえず外は他の魔術師の皆さんのお陰もあり、既に鎮圧済み。まだ中の方が鎮圧終わってないので突入、と言ってもこっちも殆ど終わってるぽいので、確認みたいなものだ。

 

そうして俺が時計塔の中を駆けていると

 

「見つけた」

 

通路に一人立つ男を見つけた。しかし男の前には―――

 

「子供!?」

 

俺と同じぐらいの歳の少女がいた。しかもその男は少女を追いかけている。

 

「ミエド」

「はいはい」

 

俺は一瞬だけミエドを出すと跳ぶ。それに合わせてミエドが俺の足裏を蹴り飛ばす。俺は凄まじい勢いでその男に突撃する。

 

「チェストォッ!!」

「グホッ!?」

 

俺の頭が男の背中に激突し、その男は後方へと大きく飛ぶ。

 

「キャァッ!」

 

少女が男が飛んだ風圧で転ぶが許して欲しい。俺は着地してすぐに少女をミエドに回収させて下がらせる。

それと同時に先程の男の飛んだ方向から魔力弾が俺に飛んでくる。俺はそれを避けた。

 

「このガキが!!」

 

どうやら魔術防御でも張っていたようで、男は無傷だ。あれで倒れてくれたら楽だったのに。……仕方ない

 

「…カハッ…い、息が…コヒュ……」

 

男は俺の眼の前で突然倒れた。まぁ俺が空想具現化(マーブルファンタズム)で酸素濃度いじっただけなんだけどね。これぐらいなら気付かれる事も無いでしょ。

 

俺は気絶した男を強化した体で引きずり、通りかかった魔術師の人に引渡してその日は帰った。時計塔が大変な事になったらしいが、隠蔽とかは俺の仕事じゃないんで。

 

ちなみに後から聞いたら、今回の騒動は抗争に負けて没落仕掛けていた家が結託して魔術を道連れに復讐しようとしてたらしい。

傍迷惑なお馬鹿達だった

 

なお、俺はこの後少女を助けた事を後悔する事になる。金髪の少女を

 



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日本への帰還、間桐臓硯の死

さっさとZERO編に突入させます。



 

1994年冬木に俺は帰ってきた。俺も既に7歳、来年から小学生なんやけどまともな人生送れるかな。

本当は数ヶ月後第四次聖杯戦争が終わった後に帰国予定だけどやることやらなきゃね。バッドエンドは俺嫌いなんですよ。LET'S 救済!!

 

ちなみになぜ今なのかと言うと、ほんとは一年前に来たかったけどその時の俺では蟲爺には勝てないからね。今は勝つ算段がついてる。という訳で実家にGO!!

 

 

 

 

俺は家の前まで来ていた。そしてインターホンを鳴らす。すると

 

「どなたですか」

「やぁ、父さん」

 

珍しく酒気を帯びていないアル中親父が出てきた

 

「なっ!?慎二どうしてここに!お前帰国するのはもっと先だろ!」

「ええ、だけど。お爺様に用がありまして」

「親父に?そうか、だが悪い事は言わない。留学先に戻れ」

 

え?親父が俺の心配?いつも酒を飲んで俺に一切興味の無かった親父が今更?

 

「いえ、お爺様に用があるので。すぐ終わりますし」

「戻れ!!今すぐにだ!!」

 

親父は声を荒らげて言う。だが無理な相談だ

俺が再び口を開こうとした時

 

「クカカカ、そう邪険にするないで鶴野。可愛い孫が来たんじゃ」

 

絶対心にも思ってない事を言いながら現れた蟲爺こと間桐臓硯。あいからわず気色悪ぃな。それに力がましたせいかアイツの汚い魂が見える。削れて混ざって濁った魂だ

 

「……少しは静かにできないのか…」

 

それと、白髪の人が出てきた。この人は、雁夜おじさんか既に刻印虫に酷くやられているのか酷い顔だ

 

「それで用とはなんじゃ慎二」

 

その言葉を聞き俺は準備する

 

「……蟲爺、お前の命貰いに来たぜ!」

「なにッ!?」

 

その瞬間、空想具現化を発動し世界を作り替える。同時に死覇装を纏い斬魄刀を構える

 

「これは!固有結界!?」

 

蟲爺は驚くが違う。固有結界ではあるが心象風景の写しによる世界の侵食ではなく単なる世界の作り替えだからね。そもそも魔術じゃない

作り替えられた場所は辺り一面が雪原に変わっていた。

 

「これは驚いた。まさか枯れたと思っていた孫がこのような大魔術を覚えて帰ってくるとはのう」

「慎二……」

 

蟲爺は驚くがすぐに良いものを手に入れたと笑う。アル中親父は呆然として雁夜おじさんはまだ状況が飲み込めていない

 

「何を勘違いしてる俺はお前の命を貰いに来たと言ったはずだ蟲爺」

「固有結界ができたからとて儂に勝てると思うとは浅はかよな。どれ、少し折檻でもするかの。良い駒になりそうじゃ」

 

そう言って蟲爺は大量の蟲を飛ばして来る。それは一目散に俺の体にまとわりついて姿を隠す。

 

「クカカカ、命を貰いに来ると言っておきながらその程度か慎二?」

 

蟲爺がそう言うと同時に、俺は今の全力を出す。

 

『オォォォォォォォォア!!』

 

俺は自身を虚に変える。それと同時に蟲達が吹き飛ぶ

俺の虚としての姿は口元は鮫のような鋭い歯の口に頭の前に突き出た竜のような二対の角が特徴的だった

 

「なんじゃと!?」

 

まぁ驚くよな

 

「……その気配、精霊種か。一体どのような手を使って……」

 

蟲爺は俺達の正体に気づいたようだ。俺がどうやって精霊種になったのかと思ってるけど、生まれた時からだよ!

そして

 

『舞い沈めよ〈袖白雪黒氷(そでのしらゆきこくひょう)〉』

 

始解を発動すると斬魄刀が白く染まるが刃は黒く、柄頭から白い布と黒い布が伸びる。俺が手に入れた斬魄刀袖白雪は本来このような形では無いが、死神が再現する際斬魄刀の意思はないと言った。斬魄刀は自身の魂を写した鏡のようなもの、故に写した魂が無い斬魄刀は俺の魂を写し取った。その結果、袖白雪に俺の力が交わり生まれる事になった

 

「お主の自信はそれ等から来ておるのか?慎二よ」

 

しかし余裕を崩さない蟲爺。まぁ当たり前だよな本体ここに無いし

 

『黒ノ舞〈断崖〉』

 

俺は袖白雪黒氷を蟲爺に向かって縦に振るう。すると斬撃に沿って俺の足先の地面から黒い氷の壁が起立する。それは蟲爺を容易く氷に閉じ込めた

 

『破砕』

 

その言葉と共に黒い氷の壁は砕け散った

 

『クカカカ、無駄じゃぞ慎二』

 

わかってるわそんな事

蟲爺が笑い声がその場に響く。しかし次の瞬間その声は苦悶の声に変わった

 

『ぐぁぁぁぁあ!?』

 

その声と共にミエドが俺の横に現れる。その手には蟲が握られていた

 

『き、貴様ァ!!離せ!』

 

簡単な話、俺が空想具現化で結界を張る際にこの家の全てを巻き込んだんだ。いくら本体を隠しても家全てが雪原になっているのだからわかりやすい。後はミエドが本体を探す、俺が蟲爺の足止めそれだけで済む

 

『し、慎二!お主が何をしようとしてるのかわかってるのか!?』

『わかっていますよ。お爺様、いや、マキリ・ゾォルケン』

 

俺は蟲爺の本当の名前を呼ぶ。かつての理想を追い求めた高潔な頃の名前を

 

『お主!その名を何処で!?』

『マキリ・ゾォルケン、かつて「悪の根絶」を目指した男…』

 

蟲爺はかつて悪の根絶を目指した男。

元々は「彼の代でマキリの血は魔術師としての限界に達した」ということに気付いてしまいそれに抗おうとし続けた魔術師。その果てに第三魔法「魂の物質化」により人類という種の進化による、この世全ての悪の廃絶という「理想」を願うようになった。自身では叶えられないことを察し、それでもなお延命してまで求めたのは、理想がいかに困難でも諦めない姿勢が後を継ぐ者を育て、また後世に遺すものだと信じたから。

しかし積年による魂の腐敗とその苦痛は遂に理想さえも忘れさせ、現在となっては何故そこまでして死ねないと思ったのかも忘れてしまい、外道に堕ちてしまった。

 

『………………』

『貴方はもう、休むべきだ…』

 

ゾォルケンは黙ってしまった。しかし暫くすると

 

『……そうか。そうであったな、ユスティーツァよ。終わりか。我が宿願も、我が苦痛も、マキリの使命も……こんなところで、終わるのだな。は……はは、ははは。いや、五百余年……ク。思えば、瞬きほどの宿願であった。慎二よ、礼を言おう。儂は思い出せたかつての願いを。あぁ、今思えば私は間違えたのだな……鶴野、雁夜、お主らも後は好きに生きるが良い。私はここまでだ……』

 

そう言ったきりゾォルケンは黙ってしまった

 

『お爺様もうお眠りください』

『あぁ……』

 

その言葉を合図にマキリ・ゾォルケンはその永き生に幕を閉じた




ゾォルケンはな昔だったら切嗣と仲良くなれそう


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第四次聖杯戦争にワカメは参加する

いきなりお気に入り登録とかUAが増えて慄いています。
他の小説でもこんな異常は起こったことが無かった。いくら日間ランキングに乗ったからと言ってここまでとは
拙い作品ですが見てくれて皆さんありがとうございます!


 

間桐臓硯が死んで一日がたった。あの後始めて全力出したせいかすっごく疲れたんだよね。自分の部屋に戻って寝たんだよね

 

そして起きてきた訳なんだが。アル中親父が夜逃げしてました。いやぁ、流石にないわぁ。子供をほっぽり出すのは流石にダメだろ、俺が特殊なのを除いてもダメだろ。

俺がそんな事を思っているとご飯が運ばれてくる

 

「はい、慎二くん」

「ありがとうございます。雁夜おじさん」

 

ご飯を運んで来たのは雁夜おじさんだった。起きてたらご飯を作っていてくれたのだ。そして

 

「おはよう…ございます」

「おはよう」

 

桜も起きてきたようだ

 

「それじゃあ。いただきます」

「「いただきます」」

 

そのまま俺たち三人は朝ご飯を食べた。ちなみにリゾットだった

 

 

 

 

 

 

 

 

「…それじゃあこれからの事話します?」

 

朝ご飯を食べ終えて一息ついていた時に俺はそうきりだした。

 

「そうだね。と言っても何から話したら良いのかな…」

 

悩むのも仕方ないか。雁夜おじさんは桜を助ける為に来たわけなんだけど。その苦しめてる相手の蟲爺死んじゃったし。ちなみにあの後、蟲倉は焼き払って家に残ってた蟲も全て始末済みである

 

「まず、雁夜おじさんと桜は自由てとこかな。蟲爺がいなくなったわけだし」

「そうだな。でも僕はここに残るよ。桜ちゃんを一人にする訳にはいかないし、慎二くんも居るし、……兄貴は夜逃げしやがったし」

 

最後だけ怒気含まれてたな。てか雁夜おじさんめっちゃ良い人じゃん、原作ではヤバかったけど。落ち着いたからかな

 

「聖杯戦争はどうするんですか?」

「……ホントなら桜ちゃんを助ける為に参加したんだけどなぁ。意味無くなったけどどうしようか」

 

雁夜おじさん自身は特に願い無いからねぇ。

 

「じゃあその令呪俺が貰っても良いですか?」

「え?」

 

俺の言葉に雁夜おじさんが動きを止める

 

「は、え?な、何を言って…」

「令呪ください」

 

俺は笑顔で繰り返す。俺は令呪が欲しいんですと

 

「だ、ダメだ!聖杯戦争に参加するなんて!」

 

まぁこれが普通の反応だよねぇ。なのでさっさと核心から話す

 

「このままだと冬木が終わりますよ」

「何を言って…」

「詳しい事は省きますが、第三次聖杯戦争、そこでとあるイレギュラーにより今の聖杯は願いを最悪の形で叶える願望機として作用しています。例えば世界平和を願えば争う原因である人がこの世から一人もいなくなると言った具合で」

「……そんな事」

 

あるんだなぁこれが、アインツベルンのやらかしでね!蟲爺もその事気付きながら黙ってたし

 

「止めなければ最悪世界が終わりますよ」

「…………」

 

ここが原作と同じ世界なら何も言わない。しかし俺と言う存在がいる時点で確実に同じ事が起きるとは限らない。なら目指すしかない、最善を

 

「……それなら僕が!」

「その体でですか?」

「……ッ!?」

 

雁夜おじさんの体ははっきり言って限界に近い。刻印虫に貪られた体は弱っている。髪も変色して顔も酷い事になっている。それに刻印虫は既に全て死滅して体にはいない。刻印虫が雁夜おじさんの魔術回路の代わりをしていたのだ今のおじさんがサーヴァントを呼んでも維持出来ない所か呼べるかすら怪しい

 

「それは……」

「俺なら魔術回路を持ってますし。魔術についてもロンドンで少なからず学んで来ました」

「だけど!子供の君に!」

 

ほんと優しい人だなぁ。雁夜おじさんは

 

「雁夜おじさん、貴方が俺を心配してくれるのはわかります。しかし、このままじゃあ最悪が起こるかもしれません。それを止める為にも参加しなきゃ行けないんです」

「……………………………………」

「雁夜おじさん」

「…………わかった。だけど約束して欲しい。―――無事に勝ち残ると」

「約束はできません。けど誓います。必ず勝ち抜くと」

「……はあっ、参ったな。それじゃあお願いするよ」

「はい」

 

よし、令呪ゲットだ。だけどどうしようかな、止めるったて絶対妨害されるよな。言峰とか言峰とか言峰とか、あれ?他の人達は話せばわかってくれそうな人達ばかりだな。キャスター陣営は抜くけど

でもな戯言で済まされる可能性もあるっちゃあ、ある。

でも俺も間桐の人間だし信憑性はあるしな。

 

最善としては聖杯戦争の取り止めと聖杯の解体。次策として聖杯顕現直後の破壊かな。でもそうすると10年後にまた聖杯戦争が起きるんだよな。それにギルガメッシュ王と言峰綺礼の問題もある。真っ先に潰せればな話は早いんだけど。そんな簡単に殺せるほど人間じゃ無いんだよなアイツら。いや、最悪ミエドの虚閃(セロ)で吹き飛ばすか?でもそんな事したら確実に多くの人が敵にまわる。対外的には言峰綺礼は聖堂教会の人間で神父だし。言峰綺礼が自身について理解もしてない今じゃな。下手に手出しができない。ギルガメッシュ王は純粋に強すぎてな……

 

聖堂教会を敵に回したくないしそれに下手に力見せると時計塔に感づかれる可能性も。

真面目にどうしよう

 

俺はその日一日中悩む事になった。そして思い付いたのは―――臨機応変に。

つまるところ、未来の俺に丸投げである。

 



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ワカメのサーヴァント召喚

俺が書いてる他の小説よりも凄まじい勢いでお気に入り登録とか起きててなんか釈然としない。やはりFateよりマイナーだからか!

※読者の方に指摘を頂きまして一部説明を増やしました


 

俺は今召喚陣の前に立っている。既に雁夜おじさんから令呪を譲渡され俺もマスターになれるので早速召喚する事になった。ただ触媒が無いので誰が召喚されるかは分からない。まともに扱えるサーヴァントだと嬉しいんだけど。それに聖杯も使えないからな、そこら辺諦めてくれる人だと嬉しいだけど

 

俺は詠唱を唱え始める

 

「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。

降り立つ風には壁を。

四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」

 

召喚陣に魔力が流れ光り出す

 

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)

 繰り返すつどに五度。

 ただ、満たされる刻を破却する。」

 

風が吹き荒れ更に光が増す。

 

「―――告げる。

 汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

 聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。

 

誓いを此処に。

我は常世総ての善と成る者、

我は常世総ての悪を敷く者。

 

汝、三大の言霊を纏う七天。

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」

 

詠唱の終わりと共に風が更に強まる。召喚陣が閃光のように輝き、人の影が浮かび上がる。

 

頼むから出来るだけマシなサーヴァントが来てくれと、俺は心から願った。

 

「―――キャスター、出雲阿国、ここにまかりこしてございます。

音に聞こえし阿国歌舞伎、存分にご堪能くださいな。」

「ザンッ!」

「………………」

「おや?どういたしました?マスター様」

 

―――キャスター?あれぇ?え、バーサーカーじゃないの?……あ、俺、バーサーカーの詠唱してないわ。だけどキャスターが来たって事はまだ雨生龍之介は召喚してないって事?じ、時系列が……

―――てか何故に出雲阿国??

 

「……マスター様?どういたしまたか?」

「ザァン?」

「い、いや。何でもない」

 

まぁ、バーサーカーよりは扱いやすいし良いか。

 

「せっかくの再会なのにあんまり嬉しそうじゃ無いですねぇ」

「ザァン」

「え?」

 

―――こいつ今なんて?

 

「再会?」

「マスター様まさか阿国ことを忘れたと?よよよ、マスター様がそんな薄情なお人だとは」

「ザン、ザザァン」

 

いや、始めて会うはず何だけど……まさか!?

 

「…なぁ、俺の名前は何だ?」

「え?マスター様まさか記憶喪失!大変でございます!」

「ザァン!?」

 

いや、ちゃうけど……

 

「マスター様のお名前は■■■■■様ですよ」

 

……前世のFGOのプレイヤーネームじゃねぇかよォ!

絶対あの死神が手を回してる。あいつ何してくれとんじゃ!

いや、でもマシか?全く知らない奴よりは良いか

てか本来の聖杯戦争じゃ日本のサーヴァントは出ないはずだがそこら辺も死神が何かしたのか?それとも聖杯の異常?いや、今まさに異常な事なってんだけど

 

「そうか、いや、今の俺は間桐慎二だから。それと記憶は無くしてないから」

「おや、そうでしたか」

「ザァン」

 

相変わらずだなぁ、ゲームでしか見てないけど。

 

「とりあえず上いくか、ここはジメジメしてるからな」

「わかりました」

「ザン」

 

俺は元蟲倉からキャスターを連れて出た。

 

 

 

 

 

 

 

「自己紹介致しましょう。サーヴァントキャスター、出雲阿国と申します。以後お見知りおきを!後ろのはカラクリ人形の斬ザブローでございます」

「ザンッ!!」

「よ、よろしく」

「…よろしくお願いします」

 

とりあえず召喚が終わったので雁夜おじさんと桜に紹介した。雁夜おじさんは少々押され気味か?桜はちょっと警戒してるな

 

「さてキャスター今回は聖杯戦争で呼んだわけだけど聖杯は諦めてもらうよ」

「阿国としては問題はありませんのでOKでございます」

「ザァン」

 

まぁ、だよな。確かこいつの聖杯については世界に歌舞伎を広めるとかだったはずだから。今はネットとかで配信できるしな、某有名動画サイトはまだ出来てないけど

 

「えっ!?そんなあっさり!?」

 

雁夜おじさんは驚く。まあ普通だったらありえないもんな。

 

「ええ、マスター様の手助けが出来れば阿国としては問題ゼロです。それに私の歌舞伎を世界に広めるのが願いですから。聖杯にかけるような願いではありません。まぁそのためには聖杯戦争に勝って受肉しなければ始まりませんけど、マスター様ですからそこら辺は考えているのでしょう?」

「もちろん」

 

Prototypeで令呪三画による受肉あったし。令呪が足りなかったら他の参加者からぶんどるか俺の魔力全てを回すか、俺の魔力に関しては精霊種故にガイアからバックアップ貰えるからね。他の方法に関しては

 

・擬似サーヴァントとして現世の人間に憑依する

・現世の人間を喰いまくる

・英霊を越えた神になる

 

があるけど無理無理、そうそう達成できる事じゃ無いわ。それに一部に関しては確実に魔術協会に目を付けられるわ

 

にしてもキャスターならメディアとか来たら聖杯何とか出来たんだけど、阿国は退魔の一族だからそっち系には強いとはいえ、聖杯を何とかできる系のキャスターでは無いんだよな。本人もバリバリ太刀使って斬りに行くスタイルだから。

 

でも戦力としては申し分無いな。斬ザブローもいるから実質サーヴァント二基みたいなもんだ。それに現地だから真名補正で強化されるだろうし。ミエドもいるし。俺も少しは戦えるから戦力は問題ない。後はどう聖杯戦争を終わらしに行くかだなぁ。

―――やっぱりギルガメッシュが一番厄介だなぁ。

 

とりあえず今日は阿国が来た記念で良いものでも食べようかな。

 



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ワカメは殺人鬼に立ち向かうはずだった

少しずつギャグが世界を汚染してる気がしないでもない


 

今現在俺が何をしているかと言うと夜空に滞空しています。とりあえず状況を説明しておこう。数日前にキャスターを俺は召喚した。そして気付いたのだ。雨生龍之介がまだサーヴァントを召喚していないという事実に。そして雨生龍之介は魔術に関してはずぶの素人。召喚する際に隠蔽などするはずもない。

 

という訳で使い魔を本来のキャスターが召喚される住宅街に放って召喚の際に生じる魔力の高まりをキャッチして雨生龍之介の元へ突撃!!してサーヴァントをリスキルする腹積もりなのだ。雨生龍之介に召喚されるサーヴァントは相性が良いもののはずだ。ハッキリ言ってめんどくさい事になるに違いない。

 

そしてその現場に早く着くためにミエドの響転(ソニード)による高速移動を利用する都合上こうして上空に待機してた方が良いからこの状況になっている。

 

そうこうしているうちに使い魔が魔力の高まりをキャッチした

 

「距離3km、三時の方向」

「了解」

 

俺が距離と方角を伝えるとミエドは移動を開始した。それと同時に俺達の姿が掻き消える

 

 

 

 

ものの数秒で駆けつけたのは良いんだが

 

「…オウェ、吐きそ」

「やめろよ」

 

超高速移動にシェイクされちょっと耐えきれなかった。それよりも

 

「今は早く、突入して。阿国も準備してね」

「はいはい」

『わかっておりますとも』

 

阿国は霊体化して着いてきてるからね

 

「そんじゃ突入!」

 

その言葉と共に窓を割って入った俺達の目に飛び込んで来たのは

腹パンされる雨生龍之介と腹パンする平景清であった

 

………( ・∇・)What?

え?景清。どうして?残ってる枠はバーサーカーのはずだろ!?てか相性的にも無いだろ!源氏特化の復讐者だぞ!義経だけには甘くて意外に気配りの出来るサーヴァントの!

てかなんで雨生龍之介が腹パンされてんだよ!?

 

あまりの出来事に突入したはずの俺達は動きを止める。それと同時に平景清がコチラに目を向ける。この状況に戸惑ったが俺達はすかさず身構える。しかし

 

「主殿!お久しぶりでございます!」

 

その言葉に俺達は脱力する

ブルータス、お前もか

こいつもFGOからの縁できた奴かよ。連鎖召喚ですかコノヤロー

しかも義経が表に出てるっぽいな

 

「あぁ、久しぶり。ところでこれどんな状況?」

「主殿の気配を感じ召喚されてみれば。この人物が何やら不愉快でしたので首をはねようとしたのですが景清に止められたので殴るだけに留めたのです」

 

よし!景清よく止めた!やはりバーサーカーだなこやつ

とりあえず雨生龍之介の令呪ぶんどって景清のマスター権を俺に移して警察に電話して雨生龍之介の事知らせてさっさと家に帰った

 

 

 

 

「えー、アヴェンジャーの平景清です」

「何があったんだ!?」

 

うん、案の定の反応だ。そうだよね突然サーヴァント増やして帰ってきたら驚くよね。しかもアヴェンジャーだし。FGOだと沢山いるから勘違いしそうだけど基本一人しかサーヴァント持てないよ。ハッキリ言って死んじゃうから魔力枯渇して。俺も二人が全力戦闘したら多分死ぬ

 

「残りの枠はバーサーカーだったはずなんだけどな」

 

残りはバーサーカー枠のはずだったからアヴェンジャーが来るのは予想外。でもあの聖杯汚染されてるからなぁ。

 

「バーサーカーの方々は何やら争っていたのでその横を突っ切って参りました!それに他の方に比べて私は召喚されやすい状況の様でしたので」

 

絶対、清姫とか頼光辺りが争ってたな。それに今の聖杯汚染されてるからアヴェンジャーである景清が来やすかったのかなぁ

 

「いやぁ、駒姫殿は凄まじい気迫でした!」

 

……バーサーカー全員大概だな。

とりあえず戦力としては申し分ない。魔力に関しては考えがあるから最悪俺が魔力枯渇でお陀仏する事は無いとは思うが

 

てか確か雨生龍之介の召喚が最後のサーヴァントだから今日かアサシンの遠坂邸襲撃は

 

とりあえず使い魔を遠坂邸に向けるか

 

 

 

 

使い魔が遠坂邸に着くとちょうど、アサシンが庭を突き進んでいるところだった。

 

「間に合ったみたいだな」

「おや、百貌殿ですか」

「私達以外は記憶無いみたいですけど」

 

そしてギルガメッシュが現れアサシンを撃ち抜いた

 

「これで聖杯戦争の戦端が開かれたわけか。……明日には教会を通して全ての陣営に呼び掛ける予定だけどどうなるかな」

 

俺は最初コンテナ街で呼び掛けようとしてたけどよくよく考えたら監督役の教会経由で呼び掛けた方が早いじゃん。という事に気付いた、教会経由の方が信用も得やすいし。とりあえず聖杯の汚染を信じて貰えるように蟲爺が残した資料漁りと大聖杯の確認をしに行く予定だ

 

「何とか穏便に済ませたいけど……」

 

例え参加者側に理解得られても最悪汚染された聖杯が何かしらのアクションをとる可能性もあるんだよな。その場合でも解決出来るように準備だけはしておかなきゃな

 

 



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ワカメはお話しする前編

少し長いから前編後編に分ける


 

あれから数日がたった。教会には間桐家として聖杯戦争を根底から揺るがしかねない事態が発生した可能性がある為、聖杯戦争に参加する全陣営との話し合いの場を設けて欲しいと言う旨の手紙をだし。明日にそれが開催される流れとなった。それまでの間にコンテナ街の戦闘とビルの爆破があったがとりあえず誰も死んでないので良しとする

 

全陣営への今の大聖杯の説明も大事だが間桐の家は臓硯が死んだ為に守る人間がいない。その為に遠坂家への庇護を求めなければいけない。今は間桐の家には子供二人と大人一人その誰もが魔術に対してそこまで関わっていない、と対外的には思われる。それは良くない。確実に手を出す魔術師が出てくる。今なら大した苦労もなく他家の魔術を簒奪出来ると思われるのは必至だ。それに桜の魔術属性はとてつもなく珍しい虚数だ。手を出す魔術師がいないとも限らない

 

やる事が多すぎる!とりあえず今から教会での全陣営を交えた話し合いがある。その前に遠坂時臣さんと話し合う必要があるけど

 

そうこうしているうちに教会に着いた。ちなみに今回の話し合いの場を設ける際にサーヴァントの同行を許可している。サーヴァント達にも無関係な話では無いからね。俺も二人を連れているからな。それに安全が無いと出てこない魔術師が約一名。切嗣さん、流石にビル爆破は辞めて欲しかったな

 

「間桐慎二です」

「…どうぞ」

 

教会に着いた俺を待っていたのは言峰 璃正さんと言峰綺礼、そして遠坂時臣さんだった

 

「初めまして。間桐慎二と言います。この度はこちらの要請を聞いて頂きありがとうございます」

「礼儀正しい子だ………今回の間桐家の要請はこちらでも無視出来ないものだったからね」

 

俺の言葉に返したのは遠坂時臣さんだった

 

「今回の本題の前に時臣さんにお話しよろしいでしょうか」

「あぁ、手紙に書いてあった間桐家の個人的な事だったね」

 

蟲爺がいなくなった影響が予想外に大きいしこのままじゃあ良くない事が確実に起こるからな。後ろ盾は必要だ

 

「間桐家当主である間桐臓硯がお亡くなりになりました」

「なっ!?…それは本当かね」

「はい」

 

臓硯が死んだ旨を伝えると時臣さんが驚いていた

 

「……そうか。しかし、それだけかね?」

「いえ。遠坂家には間桐家の後ろ盾になって頂きたいのです。今家を守れる者はいません」

「そうだろうね」

「今我が家は他の魔術師から見ればエサでしかありません」

「しかし、我が家にはメリットが無い」

 

まぁそこは魔術師、当たり前だよな

俺はあらかじめ用意していた書類を渡す

 

「これを」

「これは?」

 

書類を見せると時臣さんの顔が驚愕に染まる

 

「……これは……」

「それは、我が家に来た桜に間桐臓硯がやろうとしていた事です」

 

その書類には桜に施すはずだった様々な事が書かれていた

 

「貴方は娘を地獄に送り込んだも同然。ならば少しでも償いをするべきです」

「…………私はなんて事を」

 

時臣さんは確かに魔術師だ。しかし外道などでは無い。そんな時臣さんに漬け込む事で無償で後ろ盾にする。それが俺の計画!

ちなみにそれを見た璃正さんも絶句していた。わかるよ俺も見た時殺意が湧いたね

 

「わかった。遠坂家は間桐家の後ろ盾になろう」

「ありがとうございます」

 

とりあえずこれで聖杯戦争が終わった後は心配しなくて良いな

さて次は全陣営に対しての説明だな

 

 

 

 

暫く待っていると次々にサーヴァントとそのマスター達が現れた。その中には切嗣の姿もある。ちゃんと来てくれるかは賭けだったけど良かった。アインツベルンの手紙だけ俺が書いた甲斐があったもんだ

 

「今回は集まって頂きありがとうございます。私は間桐慎二と言います。今回集まって頂いた理由の説明をさせていただきます」

 

そう言うと全員の視線が俺に集まる。空気はギスギスしている。特にケイネスさんが凄い顔でアインツベルン陣営を睨んでいるからな。まぁ、この話を聞けばもっとやばい空気になるのは必至だけどな

 

「今回は聖杯戦争を辞めて頂く為に集まってもらいました」

 

その発言に殺気が飛んでくるが襲いかかって来るバカはいない。まぁ俺の横にはサーヴァントの二人が居るからな。

そうしているうちにライダーのサーヴァント、イスカンダル王が手を挙げた

 

「どうかしましたか?」

「坊主、ちゃんと納得のいく説明をするんだな?」

「はい」

 

俺は話を続ける

 

「まず何故この様な話になったと言いますと。話は第三次聖杯戦争に起きたアインツベルンの掟破りまで遡ります」

「……私達の?」

 

アイリスフィールさんが首を傾げる

 

「はい。聖杯戦争にて召喚されるサーヴァントは七つのクラスにわけられます。これはみなさんもご存知だと思います」

 

一応確認の為に集まった人達を見渡すが全員当たり前と言う顔をしている

 

「アインツベルンがした掟破りはこの七クラス以外のエクストラクラスアヴェンジャーの召喚になります。掟破りとはいえただのサーヴァント召喚なら問題はありませんでした」

「問題なのはアインツベルンの掟破りではなくそれによって召喚されたサーヴァントだと?それが今回の聖杯戦争になんの関係があるのかね?」

 

ケイネスさんがそう言う

 

「いい質問です。本来ならサーヴァントを呼び出すだけでは問題は起きません。しかし、アインツベルンが呼び出したサーヴァントの名前は『アンリマユ』ゾロアスター教にて悪神と知られる存在です」

 

その言葉に騒がしくなる

 

「ありえん!神霊を召喚するなど!」

「アインツベルンではそんな話は聞いていないわ」

 

まぁそりゃ反論するわな。本来ならありえない事だし

 

「えぇ、もちろんアンリマユ本人ではありません。そもそのサーヴァントは第三次聖杯戦争にて一番最初に退場しました」

「それなら一体何が問題なのだ!」

「確かにその存在は神霊アンリマユではありませんでした。……通常敗れたサーヴァントは大聖杯の起動に必要な無色の魔力として聖杯に取り込まれます。しかし、アンリマユの英霊としての在り方が「この世全ての悪であれ」という人々の願いそのものであったゆえに、「願望機」がその願いを叶えてしまった結果、聖杯は汚染され「どんな願いでも人を殺す形で願いを叶える欠陥品」へと変貌させてしまった。 」

 

その説明に全員が絶句する

 

「今の聖杯を使えば確実に世界が滅ぶ可能性があります」

「坊主、それはわかった。しかし、どうするのだ?それに本当にそれが真実であるのか?」

 

イスカンダル王の質問が飛ぶ

それに対して俺はあるものを取り出す。それは水晶玉だ

 

「……これは私の使い魔と視覚を共有している水晶玉です。今私の使い魔は大聖杯。聖杯の本体の前にいます」

「それじゃあお前さんが聖杯を持っておるのか?」

「いえ。今の聖杯には魔力が満たされていません。聖杯として機能するにはサーヴァントが敗退しその魂が聖杯にくべられる必要があります。聖杯戦争とは一種の魔術儀式ですから」

 

俺は使い魔の視界を水晶玉に写し空中に投影する

 

「…これは」

「なんという」

 

やはりその反応が返ってくるよな。今の大聖杯は到底聖杯とは言えないような見た目をしている。かなりおぞましい姿だ

 

「これが今の大聖杯の状況です。信じられないなら大聖杯まで案内はしますが、辞めておいた方が良いでしょう」

「……嘘なんじゃないか?」

 

俺の言葉にウェイバーがそう言う

まぁ辞めといた方が良いなんて言ったら、見られたくない何かがあると思われてもおかしくは無い

俺は使い魔を大聖杯に近づける。その瞬間使い魔が消される

 

「今のは……」

「大聖杯は悪意に汚染されています。そしてその悪意には意思があります」

 

これはほんとに想定外の事なんだよな。でも悪意に意思があるのは原作の描写からわかる。おそらく俺が汚染をどうにかしようと動いた結果なのか今大聖杯に近付く存在は消される状態だ

 

「もしこのまま聖杯戦争を続ければ世界は終わります。願いを掛けて戦うなどと言ってる場合ではありません」

 

俺は毅然とそう言った



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ワカメはお話しする後編

 

俺の言葉に教会に集まった人達は黙り込んだままだった

 

「そのような事我の知った事ではない。せいぜい踊れ雑種」

 

そう言ったのはギルガメッシュ王だった

 

「ええ、構いません」

「はぁ!?お前が協力しましょうって言ったんだろ!なんで引き止めることすらしないんだよ!」

 

もちろん理由はある。ギルガメッシュ王に強制しようとするなんで地雷の上でタップダンスを踊るに等しいと言う行いである事

 

「まだ説明が途中何ですよ。聖杯には一つ厄介なシステムが搭載されています。それは聖杯戦争の全ての陣営が協力関係になった時に更にマスター七人を選出しサーヴァントを七騎増やすシステム。聖杯大戦を発動するシステムです」

 

その言葉に一同は驚く

 

「それはなんとも、めんどくさいのぉ」

「サーヴァントが更に追加されるだと……」

 

本当にめんどくさいシステム搭載したよな。

今の大聖杯には悪意がある。下手すれば即座に起動されてやばい事になる

 

「それに、聖杯戦争を辞めてください、とは言いましたがそれはあくまで大聖杯に宿る悪意をどうにかする為です。悪意を大聖杯から消し去った後はそのまま聖杯戦争を続行をして頂いて結構です。まぁ、最悪の場合は大聖杯を解体する必要が出てきますが」

 

俺的には大聖杯の悪意を無くしさえすれば後はご自由にという感じだからな。迷惑さえ掛けてくれなければそれで良し。サーヴァントの二人も受肉自体は令呪で出来るから

 

「なるほど。君が我々に求めるのは大聖杯に巣食う悪意をどうにかする事であり、聖杯に関しては必要としていないと」

「その認識で間違いありません。ロード・エルメロイ」

 

その言葉でマスター達は考えているようだ

 

「……すまないがその悪意をどうにかする手段を君はもっているのかな?」

 

そう質問して来たのは衛宮切嗣だった

 

「はい、ですがそれが必ずしも成功するとは限りません。それ故に皆さんに集まって頂きました。それに皆さんに御協力頂けなくても最悪の場合邪魔される事が無いようにという意味合いもありますが」

 

一番不味いのが聖杯の顕現と聖杯の悪意を叩こうとした際に邪魔される事。ここに来るまで他のマスター達は知らなかったからね

 

「悪意をどうにかする手については信用を得る為にも御説明しましょう。まず俺の右隣にいるサーヴァントキャスター、真名を出雲阿国と言います」

「……なっ、真名を晒した!?」

 

真名は本来なら秘匿すべきもの。それだけで呼び出された英霊の得手不得手や弱点等も知れるためだ

 

「それよりも、聖杯戦争には東洋のサーヴァントは召喚されないはずでは?」

「おそらくですが悪意が居る事によって聖杯戦争のシステムに何らかの影響が出た為と推測ですが考えています。私の左隣のサーヴァントはクラスアヴェンジャー、平景清と言います。彼女はほぼ一般人と変わりないマスターから譲り受けました」

 

イレギュラーなんぞ起こってなんぼみたいし所あるし。想定外なんてままある事だ。景清に関しては説明が面倒いので譲り受けたという事にした

 

「……なるほど確かにイレギュラーが多い」

「これは不味いな……」

 

まぁここまで状況証拠出されれば信じる他無いよね

 

「話がズレましたが悪意をどうにかする為の奥の手として阿国の宝具を使います。彼女は歌舞伎が有名ですが退魔の一族の出身であり、とある悪神を封印していた一族です。その宝具により大聖杯の悪意を消し去る、消し去る事が出来なくても封印という形で悪意を打倒します。そして…」

 

俺は腕の服をまくる。そこから出てきたのは12個の令呪

それを見た一同は驚く

 

「この令呪のうちの半分は強制力が無いただの魔力の塊になります」

 

聖杯戦争における令呪は元々間桐家が開発した物になる。制作した際の資料は未だに残っておりそれを参考に強制力の無い令呪を作った。これは言わば魔力タンクだ

 

「この令呪を使い阿国の宝具を強化します。それでおそらくは消し去る事が出来るかと」

「……なるほどのぉ。考え無しでは無かった訳か」

 

これが今の所自分が確実に出来る手立てだ。他の案としては確証が無いが斬魄刀も有効だとは思う

 

「もちろんタダでとは言いません。事が終わった場合自分は聖杯戦争に参加はしません。それにこの令呪を各陣営に一つづつお渡しします。強制力は無いのでサーヴァントの強化位にしか使えませんが無いよりは良いでしょう。」

 

とりあえずこれが今俺が提示出来る全てかな

 

「……返事についてはこの場で出さなくても構いません。三日後までに出して頂けると幸いです」

 

その言葉で俺はその場を締め括った。結局その後は誰も参加するとは言わず考えるとの返事だった。とりあえず答えが出る三日後までは教会からの戦闘禁止の言葉をもらった。それと教会側もこれを重く受け止め戦力が派遣させるそうだ

 

これでどうなるかだが……不安だ



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ワカメは答えを……え?聖杯問答?何故!?

 

俺が教会で聖杯の異常に着いて説明してから三日。今日改めて教会に集まり協力するか否かを決めるのだが

 

「遅かったではないか坊主!」

 

何故教会前で宴が始まってるんだよ!?

なんで呑気に酒とか飯とかだしてテーブル囲ってるんだよ!お前何しに来てんだよ!絶対イスカンダルの仕業だな!

 

「…何がどうなってんだよ」

「聖杯は相応しき者の手に渡ると言い、それを見定める為の儀式がこの冬木における闘争だと言う」

 

え?まぁ、見定めるというか白黒つけるというか。英霊が六体敗退し聖杯にくべられなきゃ聖杯は使い物にならないからな

 

「何も見極めをつけるなら血を流すには及ばない。英霊同士お互いの格に納得がいったなら。それで自ずと答えは出る!」

「だけどなんで今……」

 

それより先に聖杯を先に何とかしないといけないってのに

 

「面倒事はこういう暇な時にこそ片付けて置くべきだろう?」

 

一理あるが

 

「坊主への回答も宴の中で言えば良かろう!他の連中も既に揃っておる。おぬしらも座れ」

 

イスカンダルらしいと言えばらしいが。それによく見ると璃正さんとかもいるじゃないかちゃっかりアサシンもいるし。お前死んだフリしてなくてええんか。聖杯戦争関係者みんないるじゃん

 

「あれ?璃正さんその方は?」

 

だけど一人だけ見知らぬ。いや、見た事あるぞこの人……まさか

 

「あぁ、彼女はシエル。埋葬機関から送られて来た今回の増援だ」

 

まさかの埋葬機関からの増援。いや、でも最悪世界が終わるから正解ではあるのかな。てか今の時期だとシエルは中学生かギリギリ小学生なんじゃ……いや、待てよ確か本来の肉体年齢は確か25歳だっけかな?この世界英霊召喚出来てるからFate時空なのは確かとして確かシエルを乗っとたノアはエドモンに殺されたんだっけかな?そこら辺うろ覚えだからなぁ。月姫よりもどっちかていうとFate時空の方がまだ詳しいんだけどてかここはリメイクとリメイク前どっちのやつだ!Fate時空と月姫時空で色々変わるけど基本は変わらないとは思うけど。まさか月姫の出来事が起きるのか?くそっ!こういう所が型月はややこしい!

考察は今は辞めだ面倒臭い。

 

にしてもシエルの後ろすげぇ神秘含んだ物体があるんだがもしかしてあれが第七聖典かな?形的にはリメイクぽいがどうなんだ?

まぁ、良い今は座るか

 

「さて全員が揃った事だ!始めようでは無いか聖杯問答!我ら英霊の誰が聖杯を持つに相応しいか決めようぞ!」

 

こうして何故か聖杯問答が始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

「ていうか聖杯問答って何をするんだ?」

 

俺の疑問はそこに尽きる。原作では王達の格を競うことをしていたが今は王以外のサーヴァントもいる。何を持って相応しいとするのか

 

「そうさなぁ。では聖杯にかける願いで決めよう!それがわかりやすい」

 

……やっぱりそこに落ち着くか

 

「ふん、そのような事は雑種どもで勝手にやっていろ。我には関係無い」

「どういう事だアーチャー。貴様も聖杯を手に入れる為にこの聖杯戦争に参加したはずだ」

 

……あー、もしかして三日前のあれで気付いた感じかな?

 

「本来なら聖杯は俺の所有物。しかし、数日前の雑種の言葉を聞き確信した。今回の聖杯戦争における聖杯は我が宝では無いと。全ての宝は俺の所有物ではあるがウルクの大杯から派生したものですらない」

「…それはどういう?」

 

あーと、これは説明した方が良いのかな

 

「発言失礼します。説明をしてもよろしいでしょうか、英雄王」

「……まぁ良かろう、手間が省ける」

 

よし!セーフだ。英雄王に話しかけるなんて自殺行為だけど許可取らないで話したらそれはそれで死ぬ

 

「坊主…今何と……」

「えーと、英雄王―もといギルガメッシュ王からのご許可を頂いたので説明します。まず今回のサーヴァントクラスアーチャーは最古の王、英雄王ギルガメッシュです。」

 

その言葉にみんな驚くそうだよねぇ

 

「坊主良くわかったな」

「いや、まぁ。あれだけの宝具を持つのは英雄王以外は心当たりないので」

 

前世で知ってますなんて言えないけどこれなら整合性ぐらい取れるでしょ

 

「えっと話を戻しますけど。ギルガメッシュ王の逸話通り全ての宝はギルガメッシュ王の宝物庫を起源にします。これは聖杯でも変わりはありません。今回のギルガメッシュ王の参加は自分の宝を取り戻す意味合いがありました。しかしこの冬木の聖杯はアイツベルンが主導で作りあげた魔術礼装。即ち王の宝物庫を起源とする聖杯とは全くの無関係。王の宝物では無いと言う事です」

「その通りだ。よくわかっておるではないか■■■■■」

 

……ん?あるうぇ?その名前……

 

「ん?今アーチャー、お主なんと言った?」

「最後だけ何やら聞き取れなかったのですが」

「知らんでも良いわ」

 

……まさか、まさか!?

 

「あ、あのぅ。王様」

「なんだ雑種?」

「もしかして俺の王様でしょうか?」

「たわけ、貴様が俺の小間使いよ」

 

あ、すーーーーーーう。はい、そうでございましたか。いや、でも王様なら可能性ありありすぎて不思議じゃない……そうかーーカルデアの王様だったかあーー。いや、俺個人の知り合い多すぎぃ!?イレギュラーの中心俺やんけ!なんか王様にしては大人しいなぁとは思ってたけどさ!

 

……胃が痛ァい

 

「にしても中々に愉快な存在になったでは無いか雑種。クックック」

 

……あ、俺今回愉悦の対象なのかなぁ。普通に嫌だァ

 

もう、関係者いないよね?ね?嫌な予感しかしねぇ




ギルガメッシュ王はもう大人しくしてもらうにはこうするしか無かったんだ

セイハイクン「ステンバーイ、ステンバーイ、ステンバ……ナ、ナンダオマエタチハ!グワッー」
???『マッテイテクダサイマスター!!』
ワカメ「ナンダカイヤナヨカンガスルナ」
AUO「愉☆悦」

作者「おや?何やら嫌な予感とギャグの予感が……ナ、ナンダオマエハ!グワー」
ノリ「イイカラカクンダヨ!」


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ワカメは、願いを聞く アルトリア編

今回とっても独自な考え方が出てくるので出来ればそこら辺については人それぞれの考えがあると思うので広い心で受け止めてくれると嬉しいです

それではどうぞ(´・ω・)つ


 

「金ピカの言い分はわかった。では、余が最初に話そうか。余の願いは受肉だ」

 

イスカンダルがギルガメッシュ王の言葉を聞いてそう答えたのだが

 

「はぁぁぁぁぁぁ!?お前の願いは世界征服なんじゃn…ぐわぁぁあ!?」

 

ウェイバーがその言葉に詰め寄ったまでは良かった。けど殴り飛ばされた。痛そォ

 

「馬鹿者!!いくら魔力で現界しているとはいえ所詮、我らはサーヴァント。余は転生したこの世界に一個の命として根を下ろしたい。体一つの我を張って天と地に向かい合う。それが征服と言う行いの全て!そのように開始し押し進め成し遂げてこその我が覇道なのだ」

 

おぉ、流石征服王。言うことが違う。でも、受肉してもおそらく征服は出来ないだろうなぁ。魔術協会が神秘を公にしかけない事を放っておくはずが無いしな。もしくは…

 

「そんなものは王の在り方では無い」

 

イスカンダルの言葉にアルトリアが返す

 

「ほう?では貴様の懐の内、聞かせて貰おうか?」

「私は我が故郷の救済を願う。万能の願望機をもってして、ブリテンの滅びの運命を変える」

 

アルトリアの言葉にその場にいた英霊達が微妙な顔をした。まぁ、俺も聞いてて願いとしてはよくあるようなものだけどちょっと…と思ったしな

 

「なぁ騎士王。貴様は今運命を変えると言ったか?それは過去の歴史を覆すという事か?」

 

 

「そうだ。例え奇跡をもってしても叶わぬ願いであろうと、聖杯が真に万能であるならば、必ずやーー」

「んっふふふ」

 

そう言いきろうとした言葉にギルガメッシュ王が小さく笑う

 

「ちょっと待てーーちょっち待ちおれ、騎士の王。貴様、よりによって、自らが歴史に刻んだ行いを否定するというのか?」

「そうとも。何故訝る?何故笑う?剣を授かり身命を捧げた故国が滅んだのだ。それを悼むのがどうしておかしい?」

 

まぁ感情としてはあってるし一般人的な考えではあるな

 

「おいおい、聞いたかライダー?この騎士王と名乗る小娘はよりにもよって『故国に身命を捧げた』のだとさ!」

 

王様せめてその、笑うのはやめて差し上げてくださいな。口に出したらハリネズミにされそうだから言わんけども

 

「笑われる筋合いがどこにある!王たるものならば、身を挺して、治める国の繁栄を願う筈!」

「いいや違う。王が捧げるのではない。国が、民草が、その身命を王に捧げるのだ。断じてその逆はあり得ない」

「それでは暴君の治世ではないか!ライダー、アーチャー、貴様らこそ王の風上にも置けぬ外道だぞ!」

 

……一概どっちも間違ってるとも言えないんだよなぁ

 

「然り。我等は暴君であるが故に英雄だ。だがなセイバー、自らの治世を、その結末を悔やむ王がいるとしたら、それはただの暗君だ。暴君よりもなお始末が悪い」

「えっと、発言良いかな?」

 

この時つい俺は言葉をだしてしまった。というかこの話は不毛すぎるから早く終わらせたい

 

「発言を許す。なんでも申せ雑種」

 

あっ、ご許可ありがとうございます王様。他の方々もこちらをじっと見ているので喋って良いんですね

 

「個人的には全てが合っているし全てが間違っていると思います」

「どういう事だ坊主?」

「確かに王に民がその身を捧げるのも当然。しかし、逆に王が民に身を捧げるのもまた当然。国とは民がいて王がいての国です。どちらかが欠けているのなら国として成り立たない。そして国のあり方はその時代時代でその在り方を変えます」

 

ぶっちゃけるとこれには答えがないと思う

 

「征服王の国は豊かだった、それこそ他国に侵略出来るほどに。しかし逆に騎士王の国は自国を維持するので精一杯。そりゃあ必要になる事なんて変わってきますよ。その時その時によって民が求める物、王が求める物は変わっていきます。故に間違いであり、正解なんです。この世に正解も完璧もありませんよ」

 

俺の言葉にギルガメッシュ王は薄く笑っていて、イスカンダルは難しい顔をして顎をさすっていた

 

「それに王であっても、皆平等に人間だ。滅びを受け入れ、悼み、涙を流してもなお、悔やまない人間だっている。逆に滅びを受け入れずに足掻く人だっている。人とは千差万別みんな違う。救える道があるなら、手段があるなら、そうしたいと願う人間がいてもおかしくないとは思う。だけど、歴史を変えることはその時代を駆け抜けた人々を否定するも同じ。褒められたことじゃないと思うけど」

「ふはははははははは!!」

 

そう言い終えた時ギルガメッシュ王が笑い出した

 

「そこな小娘よりもまだまだ小僧な雑種の方が理解しておるでは無いか」

 

すげぇ精神攻撃。やめて差しあげてください。騎士王が可哀想に見えてくる

 

「ではどうすれば良かったと言うのだ!」

「いや知りませんよ」

 

俺はそう告げる。いや、まじで知らん

 

「てか、他人の言葉で揺れる願いならそれは〈願い〉なんて言えませんよ。英霊になってまで故国を救いたいなら余人の言葉にその意志を曲げちゃあいけないでしょ。真に願いと言うならばそれは誰の言葉を持ってしても曲げる事の叶わないものの筈だ。」

 

言葉で揺らされた程度で曲げる願いなんて無いも同然だ。一部例外として願いを根本から覆す事実があったなら変わるかもしれないけど

 

「まぁ纏めるとこの世に答えなんて無い。それぞれの答えを持ってしてそれを正解とするしかないですよ。……まぁ、持論ですけどね」

 

何にもかにも結局〈己〉の価値基準ですよ。善も悪も何もかも

 




てか日間ランキング19位という驚愕のランキングに驚きました。こんな拙い作品を評価して下さりありがとうございます!これからも応援よろしくお願いします


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ワカメは願いを聞く 意外とみんな無欲編

最近ZERO編のこの後をどうしようか迷っている。

サクシャ「ウーン,ナヤマシイナァ」
グダグダ「|´-`)チラッ」
サクシャ「ン?ナンカサムケガ…」
グダグダ「グダグダノジカンダ!」
サクシャ「グワー」
シニガミ「愉☆悦」

てな感じで多分ZERO編はギャグ調になるかも
俺の頭をぐだぐだが侵略してくるんだ


 

アルトリアは願いを否定されたからなのか、自身の願いに自信を持てなくなったからなのか意気消沈している。

 

「ここで議論してもかなり終わりが見えないので次行きましょう。次」

 

俺は話を逸らすことにした。これ以上アルトリアに関してはつついても面倒臭いだけだから。救えるのは多分、衛宮士郎だけだから。まぁ、ここの世界線で第五次聖杯戦争が起きるかは知らんが

 

「ランサーは聖杯にかける願いは何だ?」

「何も望まん。オレは生前の悔いを晴らすため、二度目の生である此度こそ、主に曇りなき忠義を捧げる。こうして召喚された時点で、既にオレの願いは叶っているんだ。故に、後は我が主に勝利を。そのためにオレは槍を振るうまで」

 

予想していた通りというか、知っていた通りだな。何も聖杯戦争に応じるのは聖杯を必要としてる訳でなないしな。今回のランサーディルムッドなら主への忠義、クー・フーリンなら闘争、阿国だったら自分の歌舞伎を世界に広める事。色々だ

 

「何だランサーは聖杯を欲しておらんのか。ならアサシンはどうだ?」

 

ランサーの答えを聞いたイスカンダルは今度はアサシンに問いかける

 

「我々は1つの体に数多の人格を宿している。それを統合し1つの個となる事が聖杯にかける願いだ」

 

それを聞いたみんなは頭に?を浮かべている。わかる、だって聖杯を使うまでも無いんだし

 

「フハハハハハ!!アサシンよ我の腹筋を崩壊させる気か!フハハハハハ」

 

その言葉に顔は髑髏の面で隠れているがいかにも不服そうな雰囲気を出すアサシン

 

「アサシン、君達はおそらく宝具で分離してるんだろ?個を確立したいならな英霊になった時点で人格それぞれで個を宝具で確立出来るんだから、聖杯要らなくないか?」

 

アサシンについて詳しく知っているとおかしいので推測の言葉を混ぜつつアサシンの願いについて言うと

 

「………………確かに」

 

アサシンは目からウロコとはこの事か、という雰囲気を醸し出し、納得した。

 

「いやしかし……確かにそれも…どうなんだ?……その考えも」

 

何やらぶつくさ一人で呟いているがおそらく人格達と話でもしているのかな。そのアサシンを放って次に阿国に飛ぶ

 

「キャスターはどうなんだ?」

「私でございますか?私は聖杯にかける様な望みはありません。阿国さんの歌舞伎舞を、全世界の人々にお届けできればと、思いはしますけど聖杯に望むことでは無いですからね」

「それは受肉では無いのか?」

「受肉しなくてもマスターさえいれば現界し続けられますからね」

 

受肉に関してはイスカンダルに話すつもりは無い。というか話して受肉されたら色々とまずい事になりかねない。魔術協会とか抑止とか。てか征服始める前に魔術協会に消されそう、バゼットさんならやりかねない。まぁとにかくめんどくさいから話しはしない。

それに阿国さんの言い分も間違いでは無いし。

 

「ならばアヴェンジャーとやらはどうだ?」

「私は特に無いですね。私は平景清として現界しておりますが、今貴方達と話しているのは九郎判官義経としての私。平景清は源氏に怨みを持つもの達の集合体という少し特殊な英霊ですから本来なら源氏の鏖殺でも願っていたのでしょうが今回は何故か私の側面が強く出ましたので、特に無いですね。強いて言えば主殿のお役に立てればと」

 

実は景清は引っ込んでおり何故か義経の方が主立って肉体を動かしているのだ。まぁ、景清は義経だけには甘々だから。

 

「まともな願いがあるのは余とセイバーだけでは無いか。無欲だのぅ」

 

みんな必ずしも聖杯にかける願いがある訳でも無いしね

 

「ならば!マスター達はどうだ?」

 

今度はマスター達に質問するのかイスカンダル。

それに答えたのは時臣さんだった

 

「私は根源への到達が目的です。しかし、私はこの地の管理者。その責務を果たす為にもまずは問題の解決が先ですが」

 

時臣さんは魔術師よりも感性的には魔術使いよりかな?それでも魔術師なんだろうけど

時臣さんの話しから数秒だけ空けて今度はロード・エルメロイが喋り出す

 

「私は聖杯への願いなどない。この聖杯戦争で勝ち抜くこと自体が目的なのでな。いわば武勲と言った所か」

 

魔術師の聖杯戦争の認識て何なんだろうね。原作見てても思ったんだけどさこれは決闘じゃなくて戦争なんだけどな。基本魔術師は思考回路が古いから何とも言えない。

 

「……僕は、聖杯戦争で勝ち抜いて時計塔の奴らを見返したいんだ!」

 

次に話したのはウェイバーくん。確か論文がロード・エルメロイに否定されたから見返すために参加したんだったな。だけどあれは否定されてしょうがないと思う。というか前世でもネットとかでかなりウェイバーくんが叩かれてた記憶がある。逆にロード・エルメロイの株が上がってたな。

確か『新世紀に問う魔導の道』だったか?間違ってたらあれだけど。

記憶がもう曖昧な所が多いんだよな。

 

「……ふんっ。君はやはり馬鹿なようだ。大方あの論文を否定されたからか?あの論文が矛盾しているとなぜ気付かん。確か、君の論文は才能や家系が浅くとも努力すれば大成出来ると言うものだったな。簡単に纏めれば」

「そ、そうだよ!それの何処がおかしいんだ!!」

「ならば、才能や家系が優れていればもっと大成出来ると実証できる論文では無いか?君はそんな初歩的な事にすら気付かんのか?ん?」

「えっ……」

 

おおぅ、ストライク正論。多分ロード・エルメロイも流石に気付いてないと思ってなかったんやな。

まぁ、凡人が努力して天才に追いついたとしても天才が凡人と同じ努力をした場合、下地がより大きい方が大成できるよな。

その言葉を聞いたウェイバーはやっと気付いたのか座り込んだ

 

「ふんっ。これだから新興の魔術師はいかん」

 

ロード・エルメロイそれ以上はやめて!ウェイバーくんのライフはゼロよ!

まぁとりあえず次は俺行くか?

 

「私も特に聖杯に願う事は無いですね。聖杯戦争に参加したのも聖杯の汚染を止める為に必要だと考えただけなので。」

 

強いて言うなら平和に暮らしたいです。けど魔術の世界に足を踏み入れた以上無駄なんだろうな。そもそも半分精霊な時点でバレたら死が待つのみだからな。

 

そして俺が話し終えると今度は言峰綺礼が口を開いた

 



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言峰綺礼の願い

おまたせしましたァ!!
専門学校の入学とか生活費問題とか引越し先に慣れるとか色々あって遅くなりました。
あと綺礼の扱いがむずかったのもある。


 

「私は答えを知りたい」

 

そう言い出したのは綺礼だった。

 

「答え?一体なんの?」

 

イスカンダルにそう言われれば綺礼は喋り始めた。

 

「私は万人が「美しい」と感じるものを美しいと思えない。

10代のある日私は自らの他者の不幸によって自身の幸福を満たす自身の悪という性質を理解し、そして苦悩した。教えられた道徳を理解し、信じ、人として善であることが正しいと思い過ごしてきた。そして常識から外れた自分を正し、人並みの幸福を得るためにひたすら苦行や試みを繰り返していたが結局どうあっても正すことはできなかった。私は、人並みの幸せを手にしたいのだ」

「綺礼、お前……」

 

綺礼の言葉に璃正さんが愕然としている。それもそうだろう、自分の息子が長年そんな苦悩を抱えていたのを父でありながら見逃していたのだし。

それにしても綺礼の願いは概ね変わらないな。俺が関わらないでこのまま第四次聖杯戦争が進んでいたらやべぇ事になってたからなひとまず安心……いや、ここからだな。原作のようにアンリマユを誕生させようとか考え始めたら厄介以外の何ものでもねぇ。

 

「そしてその答えを衛宮切嗣。お前に問えばわかるのではと考えた」

「僕にか?」

「ああ」

 

やっぱ、衛宮さんに話持っていくのね。

 

「私はお前の経歴を見た時こう思った。私と同じ「心の虚無を埋める為に、あえて苛烈な人生を選んだ人物」では無いのかと」

 

そう言うと綺礼は黙り込んだ。衛宮さんの言葉を待っているのだろう。

 

「すまないが君の望む答えは僕には出せない。僕は君が思う様な人間では無い」

「……そうか」

 

衛宮さんの言葉を聞いた綺礼は黙ってしまった。

まあ、衛宮さんは〈正義の味方〉になりたかった人だからね。綺礼とは真逆と言っていい。

 

さてと、ここからが勝負所だ。ここで綺礼が愉悦系神父になるかどうかが決まる。

 

「綺礼さん良いですか?」

「ああ、良いとも」

 

心無しか声が少し落ち込んでいる気もしないけど俺は綺礼に声を掛ける。ここで闇堕ちされたら大変なので。

王様がニヤニヤしながらこっちを見ているが頼むから何もしないでくださいよ!

 

「綺礼さんは真面目すぎると思います」

 

はっきりいって普通の人ならまずそこまで悩みはしない。殆どの人は妥協をするだろう。

そこが言峰綺礼を真面目と言った点だ。

 

「あなたはもう少し自分に正直に生きた方が良い」

「だが、それでは……」

 

そう、それでは綺礼の願いからは外れる。普通の幸せを得たいという彼の願いからは、だがそれで潰れてしまっては元も子も無い。

それに

 

「あなたのその性質は人である証なんです」

「人である。証……」

 

他人の不幸で喜ぶ?そんなの人にとって当たり前の事だ

 

「自分よりも不幸な者を見て心を満たす。それは人のあり方の一つだ。ことわざにも他人の不幸は蜜の味なんてのもある。確かに教会の人間としては良くないのかもしれないけど少なくとも人間そのものとしてはあってる」

「……確かにそれはそうなのだろう。だが、私の願いは……」

「それはもっと年月を重ねてからでも良いと思います。それに今まで一人で抱え込んできたんでしょう?家族である璃正さんにも相談してみてはどうですかね?」

 

そう言えば綺礼は璃正さんに目を向ける。

 

「綺礼、すまなかった!私はお前の事を何もわかっていなかった。一番お前の近くにいたというのに!」

「父上……」

 

璃正さんは綺礼の心を聞いて謝った。一番近くにいたはずの自分が気づいてやれなかった事が悔しいのだろう。

 

「後でゆっくりと御家族でお話すると良いと思います」

「ありがとう、間桐慎二」

「いえいえ」

 

貴方に口だししたのはマジで個人的なあれなんで、感謝されるいわれはないです。というかこちらこそ覚醒しなくてありがとうございます!!

 

「あ、後、綺礼さんが幸せを見つけるまで苦悩で潰れてしまっては意味無いのである程度は発散すると良いと思いますよ」

「……発散」

「綺礼さんは埋葬機関に所属していた事があったはずですよね。この世には綺礼さん達風に言えば隣人たりえぬものもいると思います。彼らで発散するのも手かと。あとは他にも色々試すのも手ですよ、麻婆豆腐とか」

 

完全覚醒はダメだが半覚醒程が丁度いい。綺礼さんの性質の矛先を隣人たりえぬ奴らに向ける事で被害を無くしある程度発散させる事で爆発を防ぐ。そして璃正さんのサポートで無事に真人間になってくれればなおよし!!

あの殺人的麻婆もあれば綺礼さんマシになるはず!

パーフェクトだ!

 

「なんだつまらん、中途半端に目覚めさせるとは」

「やめてくださいよ王様!?俺の苦労をここで消さないで!!」

 

ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙、マジで王様やめてね!あんたが綺礼に関わったらマジで完全覚醒して大変な事になるから!!

愉悦の為に色々やらかすあの愉悦神父になるから!!

 

王様さえ手を出さなければ外道にはならないはずだから!きっと、たぶん、おそらく、メイビー。

 

あ、痛みがやわらいだ胃痛がまた。マジで不安が俺を殺しにくる。

誰か胃痛に効くクスリくれなぁい?




グダグダ「ステンバーイ、ステンバーイ、ステンバーイ」
ワカメ「ウウ、イガイタイ。ソレニイヤナヨカンガスル」
サクシャ「モウメチャクチャニシテヤル!!」
AUO&死神「愉☆悦」


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