傀異克服銀リオレウス専門家 (ルジカ)
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元ハンター調査員の独白

 俺はハンター協会所属のとあるモンスターの群れ専門の調査員だ。元々は2つ名を頂戴したいっぱしのハンターだったんだが、一匹の希少種リオレウスに出会っちまったのが切っ掛けで調査員になった。

 

 奴はエルガドに良くいる傀異化した銀レウスとして討伐に俺は向かったんだが、いざ見つけた時予想していない事にこれまで見たことないほど美しい銀色の容姿だった。その時は俺も若かったこいつの素材で全身装備を揃えてぇと思って俺自信が勝つ事を疑っていなかったんだ。俺の相棒のお供アイルーとガルクと一緒に無謀に突進していった。

「良くあの時生き残れたな俺」

 今、俺は奴の事を思い出しながら奴の遍歴等を纏めている。やはり最初の出会いは鮮烈なものだ。あいつは戦闘中に傀異化を古龍でもないのに克服して見せた。それまでは俺たちが優位に戦いを進めていたんだが克服した奴の攻撃はそこらの傀異化のモンスターを遥かに越える火力を出し、俺達はそれに耐え切れずに敗北を期した。

 

 生きて帰ってこれたのは奇跡に等しいな。ハンターの加護、精霊から戦いに行くハンターに与えらる三回一定のダメージまでは耐えられる加護なんだが、それが無くなった時に生きて保護されるかはわからないからな。

 まあ生きて帰ってきてまず始めに何時もの受付嬢に泣かれたのは堪えたなぁ。それでもすぐギルド長が来たり報告等でそれを忘れる事になるほど忙しい日々が待っていた。

 報告を終えて討伐するためのパーティーが組まれた。俺より腕利きのハンター4人が準備や連携を調整して2週間後に出ていった。だがそいつらは帰って来なかった。

 

 奴は俺が戦った時よりも強くなってやがった。生き残った実績から奴を調査したが威圧感があの時とは断然違ったんだ。しかも奴は古龍とやりやってやがった。バルファルクと。まさに圧巻の闘いだった。バルファルクの大技を受けても物ともせず突っ込み取っ組み合いになり、奴がバルファルクの首に噛みつきバルファルクの悲痛とも言える叫びを上げ、奴が噛みついたまま振り回し投げとばす!怯んだバルファルクに止めの溜めブレスをぶちこんだ!時に俺は衝撃でぶっ飛んで意識を無くしていた。気がついたときには回りは焼け野原だった。ハンターの加護がなければ死んでいた。バルファルクは奴に喰い散らかされていた。

 

 俺はギルドに帰りその事を報告した。奴はやばいと、そこから奴討伐の為のレイド部隊の結成だ。複数のハンターギルド上位に位置する者達で大討伐依頼が発生した。まあ酷い話だ、奴はその強さから複数のリオレイアを侍らせていやがった。金リオレイアもいやがった、大討伐に俺も参加したがレイド部隊は半壊奴は知能も高いんだ。人間のような連携をして闘いをしてきたその為にハンターは敗北した。その後はもう調査はすれど奴に挑むことは禁忌として扱われた。

 

 奴は調査をしていって解ったが基本人間に興味がないんだ。普通のモンスターであれば人間を見た途端襲ってくるし追いかけて来る。だが奴は違った商人の馬車が運悪く奴が率いる群れに出くわした時があった。その時リオレイア供は襲いかかろうと咆哮をしていたが奴はそれを止めて群れを率いて別の所に向かっていった。

 奴を長い事追いかけて調査をしているが基本奴は襲って来るか腹が減って他のモンスターを襲うこと以外は闘いをすることはない事が解った。武器を持ったハンターでさえ襲って来なければ無視していた。その事をギルドに報告したらギルドは奴の絵を特徴的な独眼の銀リオレウスの絵と供に張り紙がされたんだ。

 

<この銀リオレウスを見かけたら一目散に逃げろ>

 

 後に先輩ハンターから新人ハンターにまず教えられる言葉がこれだ。

 奴はハンターのアンタッチャブルになりやがった。

 

 

 

 

 

 

 



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