ドラゴンボール転生伝説 (テムテムLvMAX)
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選択肢の導き編
第一話


 そうだな、例えるなら宇宙空間だ。空気がなくて無重力で人間にはどうすることもできない空間だ。

 俺はその中を漂う、声も出せない、視界も無い、暗くて静かな世界……俺ってポエマーだね。

 

 俺って死者なんだよね、トラックだったか、はたまた殺人鬼だったかに殺されてここにいるんだ。時間の概念はないよ、ここは魂が最後に行き着く場所みたいだしね。なんで知ってるかって言えばそういう存在がいるからだよ。

 

 

 

 ──お待たせした、無名なる魂よ。整理券はお持ちかな? 

 

 

 

 これです。

 

 

 

 ──確かに、では、転生者として新たなる生を謳歌せよ。要望があるなら聞いてやろう。

 

 

 

 要望かぁ、出来たら記憶はそのままにしてほしい

 

 

 

 ──それは……可能だな、しかし、制限を設けることになる。良いかね? 

 

 

 

 制限ってなんですか? 

 

 

 

 ──君の行動をこちらで管理するということだ、君の意思も反映できように選択肢を都度用意する。その時時間をかけて選び給え

 

 

 

 選択肢、まるでギャルゲーだな

 

 

 

 ──これで転生の準備を終わる、しばし待たれよ

 

 

 

 この声こそ魂の管理者、神と呼べる者。ワンオペで輪廻転生を回しているから休みなしで有給消化出来てないってこの前ブツブツ言ってたよ、休まないと神も死ぬらしいね、神すら殺す超過労働恐ろしすぎだろ……

 

 

 

 ──転生の準備が整った。転生健全法に則り転生先を読み上げる君は今から『ドラゴンボール世界』の住人に生まれ変わる。

 

 

 

 は? ドラゴンボール? あの魔境インフレ世界に? 

 

 

 

 ──……GOOD LUCK! 

 

 

 

 そんな気まずそうな顔するなよぉぉおぉぉぉおっ!? 神様ぁっ! 

 

 

 

 

 

 ★★★★

 

 

 

 

 

「お、おぎゃ! おぎゃっ!」

 

 

 生まれた、俺はそう俺。赤ん坊からやり直すとか正直キツイよぉー泣き言言うなって? そんなこと言うなよこっちは赤ちゃんだぞ(真顔)

 

 でも、第2の生があるのは嬉しいんだ、ドラゴンボールに転生じゃなければね。割と簡単に星が弾け飛ぶ世界観だから気を付けててもあの世へレッゴーそしてなんかの拍子にリターンしてくる生死観ガバガバガッバーナなのですわん。

 

 やってられるか

 

 

 

「おぎゃー! おぎゃー! おぎゃー!!!」

 

 

 うっるさ!? 右隣のヤツうるさ過ぎだろーが! ん? なんだあのひらひらしてるやつは……尻尾? 毛深いしうねうねしてるし尻尾だよね? 

 

 あっれれーおかしいなー普通の人間に尻尾なんて無いのになぁ、尻尾のある人間ってだけなら文句無いのになぁ……これサイヤ人だ、間違いなくサイヤ人だ。

 

 それに顔も見たことあるぞ、こいつカカロットじゃね? 

 

 

「うぅ、うぅん、うわぁあん!」

 

 

 おっと今度は左隣の子だな、ははぁんブロリーだなテメーもう知ってる顔だぞおい。カカロットとブロリーに挟まれた俺はこの先どーすればいい! 教えてくれ五飛、俺はあとどれだけ時間を過ごせばいい

 

 

 〘私は陰キャだ、大人しくしていよう〙

 〘私は陽キャだ、尊厳を投げ捨てて思う存分おぎゃろう〙

 

 

 おっ眼の前に現れたるは選択肢、時間止まってるね……ますますギャルゲーらしくなってきたな

 

 さて、この二極の選択肢は褒められたものじゃないがまぁ上を選びたい、しかし下も何かあるのではとゲーマー魂がうずく。やっぱりまだ一周目なので無難に上で。精神的に大人なので赤ちゃんには成り切れないのさ。

 

 

 

「…………」

 

 

 

 えっ体が動かねぇ?! 声も出せないだと!? 大人しくしているじゃねーよ!? 無言は赤ちゃんが一番やっちゃいけないやつだろ!? あ、あれ呼吸も出来ない……誰がそこまで陰キャ極めろっつったよ!? 

 選択肢に動きが制限されている、つまり選んだ選択肢が終わるまでは俺の意志を無視して俺の体が制御される。ということか。

 もう死にそうなんですけど

 

 

 

「バーダックのせがれは元気だなぁ……ん? んん? おいあの子ピクリともしてないぞ?」

 

 

 

 良くぞ気づいてくれた! そこのお兄さん! サイヤ人のお兄さん! さ、こちらへどうぞ(パラガス)

 

 

 

「体が弱いのに呼吸器つけてないじゃん、よっと」

 

 

 助かった、たたた助かったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! ↓↘→+P! 波動拳避けてから昇竜拳で対空余裕でしたァァァ!!! 

 

 

 え、こわ、なんか落ち着いたら自分のテンションに恐怖を覚えたわ、あれだな瀕死だったからおかしくなっちゃったんだな、こわ。

 

 

 しっかし危ねーな、選択肢、下手したらしぬ。下手しなくても死ぬ、良くも悪くも二択の運命なのがなぁ、何か物語のターニングポイントになる場所で選択肢が出るのは分かるがさっきのは必要があったのか? 

 

 逆に考えてあれはターニングポイントだった可能性が? 選択肢様には、やさしくしてほしいな? 

 

 

 

 〘このまま寝る(時間とばし)〙

 〘このまま起きている(バッドエンド)〙

 

 

 

 優しくしろよ……いきなりバッドエンドルートとかブルっちまうよ……大人しく寝てるからはよ時間飛ばして

 

 

 

「起きろ、ターラノメ」

 

「んにゃ……朝か」

 

 

 

 あれから四十年引く三十八年、つまり二年経ちました。

 家族は居ません。孤児です。名前はターラノメになりました、転生しても良いことないやん(絶望)

 でも引き取ってくれたご家族が居ますので本当に感謝の意を表明したい所存であります

 

 

「ターラノメ、飯だ」

 

 

 〘元気一杯にやったーおじしゃん好きーと言って媚びる〙

 〘有り難く受け取りたいが毒が入っているかもしれないので日本人らしく遠回りに受け取り拒否する〙

 

 

 朝から重いなぁ……まだ朝ごはんだぜ? へっ流石選択ッパリって所だな! ふぁっきゅー!!! 

 

 

「やったーおじしゃん好きー!」

 

「はっ、さっさと食っちまえ」

 

 

 おじさんイズクール! そうやって対応してくれる方が良い! 精神的に大助かり! でもやっぱりカッケーなぁバーダックさん、めちゃめちゃイケメンやん、流石主人公のパッパやでぇ。このワイルドさで飯が食える。

 

 

「バーダックしゃん」

 

「なんだオレに用か?」

 

 

 

 〘今夜空いてますか? (オスメス)〙

 〘ギネさんとの馴れ初めは? (オススメ)〙

 

 

 

 阿呆バカ間抜け! 選択肢お前は人の常識がないのかァァァァァァ!? 一体どこの2歳児がおじさんを夜誘うんだよ大体バーダックルートとか望んでねぇよ! しかもオスメスって明らかにそれそういうルートじゃねーか! 

 

 仕方ない消去法だ、消去法! 下! 

 

 

「ギネしゃんとの馴れ初めは?」

 

「アイツとの? そうだな……忘れちまった、いつの間にか一緒にいたな、それだけさ」

 

 

 ほえークールですね~旦那ぁ。カッコ良すぎですよそりゃ、おい選択肢お前も見習えよ? 

 

 

 

 〘ギネさんネトラレ本を渡してあげよう〙

 〘今夜は空いているかと訪ねる〙

 

 

 

 おっとコイツやりやがるな、唐突にバーダックの脳を破壊するのはNGだ。それだけでスーパーサイヤ人になっても不思議じゃないぞ、チッここは下か、選択肢めどうしてもおじさんとショタの絡みが見たいのか! 

 

 

「おじしゃん今夜は空いてますか」

 

「今夜か……空いてるはずだ、なんでだ?」

 

「お外で遊ぶの」

 

「まぁいいか、付き合ってやるよ」

 

 

 

 おーっしゃ! 選択肢がまともに仕事したぁ! 選択肢を選んだあとはこっちから何もできないのがもどかしいが何とかなったなぁ! 

 

 あとから知ったけどこの日は満月だったらしい、もうお察しだよね。大猿化して暴れました、まる

 

 

 

 



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第二話

 さて私は選択肢に悩まされ続ける日々が続きました。しかし、今日を持って克服すると宣言しよう! 神様が与えた制限なんざ俺には関係ないね! 

 それはそれとしてピンチの連続なのが俺の日常、もう慣れたいけど慣れさせてくれないの。

 

 

「ククク……ガキが舐めてると潰すぞ」

 

 

 な"ん"でだよ"ぉ"ぉ"ぉ"! 

 

 俺何もしてないやん!? むしろ何もできないんだぞぅ! 

 

 説明しよう、したくないけど説明しよう! 

 昨日の大猿化で暴れすぎてバーダックさんを困らせただけに留まらず他所様のお家アウチ! まさかぶっ壊してしまうとは思ってなかった。それでお礼参りに来ちゃったんだよなぁ。

 

 サイヤ人ってお硬いのね、これくらい地球じゃ普通なんだから。いや地球でも滅多にない、無いよな、あったかも、やっぱないわ。

 

 

 〘回れ右して帰りなベイベー! (ターミネーター風)〙

 〘ほう、俺の拳が欲しいのか? (世紀末救世主風)〙

 

 

 

 選択肢ぃ! てめぇ何好戦的になってんだオラァン! ここはごめんなさいだろう! 壊したのこっちなんだどー! 非があるのは俺っつーか選択肢だろうが! 

 

 デデンデンデデン、それとも、テーレッテー、なのか……好みが分かれますね……ちなみに俺はデデンデンデデン派。

 

 

 

「回れ右して帰りなベイベー!」

 

「んだとこのガキャぁぁぁ!?」

 

 

 そうだよねそうなるよ! 俺だってこんなアメリカン挑発したくなかったよ! ご丁寧に親指下に向けちゃったよ! 洋画の見過ぎだコンチクショー! 

 

 

 〘フッ甘い、左に避ける〙

 〘危ない! 右に避ける〙

 

 

 わっまともだ! まとも過ぎてどっちも当たりそう、二択二択、早々外さないさ……5割避けるけど5割当たるんか……覚悟の左だ! 

 

 

 

「フッ甘い」

 

「なっ避けたぁ?!」

 

 

 リアルラック全一! リアルラック全一! 今なら宝くじ当たる! やーいやーいこんな子供にすら避けられるヘボヘボサイヤ人! ざぁこ♥ざぁこ♥弱虫ラディッツ♥

 

 

「頭にきたぜぇ! くらえやーっ!」

 

 

 あわわわわわそんな気弾は反則! 反則でーす! 逃げる! 逃げるんだ! 敵いっこない! へ、ヘルプ・ミー! ヘルプ・ミー! 

 

 

 

 〘やっと体が温まって来たぜ、攻撃に立ち向かう〙

 〘全面降伏し相手の奴隷になる〙

 

 

 

 守りましょう人の尊厳! 奴隷になるくらいなら死んだほうがマシじゃーっ! うぉぉぉ死にたくないので下でお願いしますー! 

 

 全身の力を込めて土下座したらたまたま背後に気弾が通り過ぎていった、あっぶねー死ぬかと思った。しかし降伏を選んだからにはあのオジサマの奴隷になるのか……ウンクソ。

 

 

 

「おおっと」

 

「ぬわっ!? 離せこら! 誰が……やっ、バーダックじゃねーか」

 

「俺の“息子”に何か用か?」

 

「ひぃっ……何でもねぇよ! じゃあな!」

 

 

 カッコいいタル〜! バーダックさんやっぱ神っすわ! いよっ! サイヤ人ゴッド! 声に出したらビルス様来そうだな辞めとこ。

 それにしてもグッドタイミングですよこいつぁ! バーダック最高! バーダック最高! さぁあなたもバーダック最高と叫びなさい! 

 

 

 

 〘バーダック最高! サイヤ人の神を讃えよ! 〙

 〘サイヤ人はクソっすね、屈託のない意見ってやつッス〙

 

 

 

 なにっ! 貴様バーダック先生を愚弄する気かーっ! 

 

 いやそのネタ原作知らねーんすよ俺、しかし下を選ぶとか畜生にも劣る外道だが上を選んでも破壊神降臨とかありそうで困る。

 

 うーんうん、よし下。子供の冗談にしてくれ! 

 

 

「サイヤ人はクソっすね、屈託のない意見ってやつッス」

 

「はっ! ちげぇねぇ」

 

 

 セーフ! セフセフ! 何で自分の体なのにこんなにヒヤヒヤしなきゃならんのだ、これも神のせいだ、ぷんぷん! 

 

 

「よぉターラノメ、俺の願いを聞いちゃくれねーか」

 

「え? 何ですか?」

 

「信じられねぇかも知れねぇがフリーザって野郎がこの星をぶっ壊す、サイヤ人を根絶やしにするためにな。その前にカカロットとお前は逃したい、ラディッツは何とかなりそうだから心配ねぇ」

 

 

 え、唐突……それって今日とか? だったら早く逃げないと、俺たちだけじゃなくてバーダックさんもギネさんもラディッツも皆で逃げようよ! 

 

 

「お前は賢いからな、カカロットと同い年とは思えねぇが今回はそれが助かる、すまねぇが今から逃げろ、カカロットを連れてポッドで行け」

 

 

 イヤだ、とは言えなかった。バーダックを見上げる俺には空が見えていた、その空には無数の円盤型宇宙船が見えている。

 フリーザ軍も肝っ玉が小さいなぁ、たかが一種族残したって良いじゃないか……

 

 

 

「バーダックしゃん」

 

「何だ?」

 

「生きて」

 

「分かってらぁ」

 

 

 

 嘘だ、しかし、俺では止められない。止めても無意味だろう、バーダックさんは未来が見えているはずだ。もうカナッサ星で未来が見える幻の拳を食らって惑星ミートで仲間の亡骸を見ちゃったんだよ。そのスカーフしてるからもうそうなんだよなぁ

 

 

 サイヤ人がクソなのは多分バーダックさん的にはフリーザが裏切ったことを信じないサイヤ人を指してるんだな、すっかり支配されることに慣れたサイヤ人は気に入らないんだろうな

 

 

「じゃあね、バーダックさん」

 

「達者でな」

 

 

 俺はカカロットを連れて教えられたポッド発着地へ行き、二人で乗り込んだ、子供なら大人用のポッド一つで足りる。訳が分かっていないカカロットはキャッキャッと俺の尻尾で遊んでいたが、じきに眠ってしまった。それがいい、これからは波乱の人生だ、今ぐらいは安らかに眠るんだ。

 

 目的地は……もちろん地球。教えられた通り操作パネルを叩き発進する

 

 丸窓の外に見えていた家屋が一気に小さくなり、惑星ベジータすら瞬く間に宇宙に光る星々の一つになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★□□□★

 

 

 

 

 

 

 行ったか……思い返せば、不思議な奴だった。

 

 アイツは体が弱え癖に何にでも突っ込んで行きやがるし、カカロットには鳴き声だけで負けていた。

 親が居ねえアイツをギネが可哀想だからと引き取ったのはハッキリ言って馬鹿じゃないのかと思ったが今ではこれほど感謝するとは思わなかった。

 

 

 時々変な事を口走るが子供なりに真理をついていた言葉だったと今は思える、まるで未来が見えているようだった、オレも未来が見える体になっちまったがどうやっても変えられそうにねぇ……でもアイツのことはどうやら運命すら分からないようだった、だってオレの見た未来にアイツの姿はどこにもなかった、それが死んだからじゃなくて誰にも分からないから見えないと直感している。

 

 ま、なんだ、オレの一族は面白え未来が待っている筈だ、フリーザの野郎を超えるその日を待ってるぜ……カカロット

 

 

「ホッホッホ……私に勝てるとお思いで?」

 

「さぁな、でもやらなきゃならねぇ訳がある!」

 

 

 その未来通りなのか、はたまた変わるかは今のオレ次第だがな! 行くぞフリーザァァァァ! 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第三話

原作開始


「兄ちゃん! オラ腹減ったぞ! 早く飯にしよー!」

 

「あーはいはい、待ってなさい、待て! 待てと言っている! あー困ります! 腹が減ったからと材料食うな! 料理させろぉぉぉ!?」

 

 

 おっす! オラ孫悟空の兄貴! 孫太鳳! たいほうって読むんだぞ。

 

 バーダックさんと別れてから地球に不時着し孫悟飯に拾われた、ある晩の満月に悟空が大猿になってしまい孫悟飯は潰されてしまった! なんて事件が起きないように予め俺とカカロットの尻尾は抜いた。

 

 それから数年間は三人仲良く暮らしていたし選択肢も邪魔をしてこなかった、本当に平和な生活を送っていたのだ。

 

 結果としては寿命で孫悟飯は死んだが安らかな死に顔であった、まぁ会おうと思えば会いに行けるし良いでしょう。

 

 今は俺と悟空で二人暮らし、まぁ悟空がよく食べるので美味しく食べられるようにやってこなかった料理と言うものにチャレンジしている。今は素焼きより美味しい程度だがもっと上を目指したい。

 

 

「ひゃー腹いっぱいだぁ! 兄ちゃんの飯めちゃくちゃうめーもんなぁ」

 

「よせやい照れるぜ、まだあるぞ?」

 

「やーりぃ!」

 

 

 あれだけ食わせたのにまだ食うのか、流石サイヤ人と褒めてやりたい所だぁ……いやなんか俺はそこまで腹が減らない、サイヤ人の中でも低燃費戦士なので。人並みのご飯で十分です。

 

 

「飯食ったし兄ちゃん組手しよー組手!」

 

「良いぞ、今日は負けてやろうかな?」

 

「やだよ~本気でやってくれよー」

 

「ウソウソ、本気で来い!」

 

 

 飯を食ったら組手! これが我が家のルールとなっている。

 孫悟飯は武天老師こと亀仙人に劣らない武術の達人であった、その達人に数年ではあるが武術の何たるかを仕込まれた俺たちは、元々好戦的な種族であることも相まってメキメキと技と体を鍛え上げた。孫悟飯は心の方は心配していない様子だった、まぁ悟空は純粋だし俺は善良なパンピーよ? 当たり前だよなぁ

 

 

「ほっよっはあっ!」

 

「あっだりゃ! せあっ!」

 

「「だぁっ!」」

 

 

 拳をぶつけ合い後退する、駆け引きも大事な要素だ、これも孫悟飯の教えの賜物だな。

 上手くなったな悟空、俺が孫悟飯から一足先に教わった技術があってもそれをセンスで乗り越えてくる、同じように打ち合っても昨日と今日では足運びや体のキレが少し違う。

 

 かぁーこれが主人公の貫禄ばい! 

 

 

「そこだあっ!」

 

「しま、うごはっ!」

 

「いよっしゃー! 勝った勝った! ついに兄ちゃんに勝ったぞー!」

 

「くうぅー今のは早かったなぁ、おめでとう悟空」

 

「へへへ兄ちゃんありがと」

 

 

 かわいい奴め〜! 

 今夜はいつにもましてうまい飯を作ってやらねぇとなぁ! 百二十人前は作るとしてメニューはどうするかな、焼きに煮物に蒸し、あとはデザートも欲しいな。

 

 

「あのーもしも~し? すいませーん?」

 

 

 うん? 声だ、それも女の子の声、ここに来る人間に心当たりあります? 俺は忘れた。確かブ、ブロ、いやブラ何とかブナ何とかって言ったかな、そんな名前いたか? 

 

 

 

「なんだオメェは!」

 

「何だとはなによ!」

 

「妖怪か!?」

 

「妖怪ですって!?」

 

 

 

 〘君いい体してるね? 鍛えてるの? 〙

 〘君いい体してるね? 触ってもいい? 〙

 

 

 

 あー悟空、その人妖怪でも何でもないよ、そういうより早く選択肢のご登場だ。久しぶりだなぁ、十何年は見てなかったもんなぁ、このノリはやっぱり選択肢さんだよ、コレコレこの調子なんだよ~! 

 

 控えめに言ってクソ、二度と現れるな、自害せよ選択肢、取り敢えず上。

 

 

 

「君いい体してるね? 鍛えてるの?」

 

「あ? 何よいきなり! 変態!」

 

 

 

 そりゃそうでしょうよ! 俺が悪いんじゃない、全ては選択肢が悪い。めっちゃ凄まれた、美人が凄むとおっそしいぃぃぃ……

 

 

 

「そもそもこんな山の中に何用ですか? 暇なんですか貴女」

 

「うわっ腹立つ」

 

 

 すんませんまだ選択肢が制御権返してくれないんです、あっ戻りました。

 

 ここであーだこーだ言ってても仕方ないので孫悟飯から相続した山の中の一軒屋にご案内、ついでに植物を煮出したお茶のような何かをお出しした。茶請けはない。

 

 で、少女から事情を聞いたらなんとドラゴンボールを探しているとか……あっこの子ブルマだ、転生してから十数年、原作知識はどこかへ去った。こうして思い出せるだけ結構結構。

 ブルマが言うにはドラゴンボールを7つ集めて呪文を唱えると神龍が出現し何でも願いを一つだけ叶えてくれるらしい、そして孫悟飯の遺品の中にドラゴンボールが一つ紛れていた。

 

 スーシンチュウ? 四星球? まぁ四つ星の玉がありました。

 

 

「ねね、それ私に譲ってくれない?」

 

「ダメだ! オラのじっちゃんの形見だ!」

 

 

 形見なんて言葉どこで覚えたの? お兄ちゃんそこが不思議。

 と、上記のように悟空は拒否、俺はどっちでもいーんじゃねーの? と思う。どうせあとから酷使するんだから(嘲笑)

 

 

「さてさてお二人さん、ここは話し合いで解決したいよね」

 

「え? オラやだぞ」

 

「もーそこのお兄さんからもお願いしてよー」

 

 

「じゃあこうしようね、あ」

 

 

 

 

 〘ありのままの姿でがっぷりよつ! 相撲で勝負じゃい! 〙

 〘憐れもない姿でどちらが長く耐えられるか勝負じゃい! 〙

 

 

 

 

「ありのままの姿でがっぷりよつ、相撲で勝負じゃい!」

 

「「えっ?」」

 

「ありのままの姿でがっぷりよつ相撲で勝負じゃい!」

 

「え? え?」

 

「に、兄ちゃん?」

 

「ありのままの姿でがっぷりよつ相撲で勝負じゃい!!! やれ!!! やるんだよ!!!」

 

「はいぃぃぃ!」

 

「わ、分かったぞオラやるぞ!?!?」

 

 

 

 ……よし、あとは二人に任せよう。どう解釈したかは二人次第だ。俺は知らん、なにも知らん、今の記憶はない。

 

 俺が何気無しに提案しようとしたらすかさず選択肢が邪魔をしてくる、マジクソ、俺でなかったら精神崩壊してるから、これホント。お兄ちゃん嘘つかない。

 

 何とかブルマちゃんは説得出来たらしく悟空が一緒に他のドラゴンボールを探す事で決着ついたらしい、これなら四星球も戦力も二つ手に入ってお得ですね。やっぱ進めば二つなんだよ。

 

 

 

「でさ、悟空くんのお兄さんはどうするの?」

 

「俺? 俺は」

 

 

 

 

 〘ブルマちゃんに一生着いて行きたいな(ニチャァ〙

 〘私の生涯を貴女の為に使いたい、貴女こそ我が主なのだから(キリッ〙

 

 

 

 あ ほ く さ 。

 

 俺の人生を安売りするな! 俺は俺のために生きるんだ選択肢ごときに負けるものか! このまま根比べだ俺が先に音を上げるかテメェが先に時間を動かすか勝負しようぜ! よーいどん! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブルマ様、貴女こそ我が生涯の主であります」

 

「ふえっ?!」

 

「貴女に忠誠を、宜しければ一生お側に置いてください」

 

「え? えぇっ!?」

 

「駄目ですか?」

 

「あのそのだ「駄目ですか」だから「駄目なんですか?」いやそ「駄目?」良いです! 良いですからそんな真っ直ぐ見つめないで!」

 

 

 我が信念岩をも通す、覚えておけ。しかし選択肢には通じないのだ、駄目じゃねーか俺。

 

 はい、ドラゴンボールの物語が今から始まるよー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第四話

本番はサイヤ人編からになります、そこまではちょっと飛ばし飛ばし進みます


「わしが亀仙人じゃ!」

 

 

 そう名乗る老人はウミガメに乗っていた、乗られているウミガメも人間一人では何の重みも感じていない様子だった。

 

 

「おっす! オラ孫悟空!」

 

「ブルマでーす!」

 

「……」

 

「おや? そちらの兄ちゃんは名乗らんのか?」

 

 

 改めましてこんにちは、皆のヒーロー孫太鳳です。悟空がブルマと共に旅することになって色々大変、主に常識を教えてこなかったせいで悟空は問題を起こしまくるし解決しまくる。なんやかんや亀仙人に会うことになったが悟空が居なかったらそんな話出なかっただろう。

 

 

「俺は孫太鳳、孫悟飯の義理息子だ、そこの孫悟空も同じだ」

 

「ほほう孫悟飯の……通りで、中々やりそうな子供じゃと思ったわい」

 

 

 

 

 〘そしてブルマの一生のパートナーだ〙

 〘ブルマとは一生を誓い合った仲だ〙

 

 

 

 

 何だお前もしかしてブルマ好きなんか? 素直に好きって言えよ誰にも言わないからさ? な? 素直になっちゃえよ! ほーら、ほら! 

 

 

 

「ブルマとは一生を誓い合った仲だ」

 

「ひよっ!?」

 

「こら太鳳! あんまり言いふらすんじゃないの!」

 

 

 

 選択肢ってドラゴンボールで消えねぇかな、純粋な疑問として。出来れば消す、当たり前だろ? 

 

 すぅ

 

 

「さて、何で亀仙人はここに?」

 

「今のその空気は無かったことにするのかの……?」

 

「何か?」

 

「彼、そういう人なんです」

 

「時々兄ちゃんが分からなくなるや」

 

 

 

 ごめんね。もうしないと言えない俺のマイSEOULイッツBROKENだっぜ、しばらく放っておいてくれ、話はそちらで勧めておくれ。

 

 はい、なんやかんやあって亀仙人から筋斗雲ゲット、心が純粋で美しい人間には乗れる金色の雲。ブルマは乗れず、エロ仙人、いや亀仙人は言わずもがな、俺は俺で片足だけ乗れた、悟空はらくらくリクライニングシートが付くほど乗りこなしていた。

 

 これが人間が成長するってことなんだ、大人になれば汚れていく、汚れないで大人になるのはすごく難しい。ただ将来的に無職で戦闘狂は心が綺麗で純粋なのかは疑問が残るがその辺どうなんですか? 

 

 

「それで──」

 

「じゃから──」

 

「オラワクワクすっぞ!」

 

 

 ただ一人会話の輪からはずれ思考にふける、我が心無念無想の極地也。何もしないというのは気が引けるが俺が積極的に関わらなくても進んでいた物語だ、放っておけば自然にその流れに乗ることができる。

 

 

 だから、だからな

 

 

 

 

 〘亀仙人の頭を磨いてみる〙

 〘亀仙人の頭を研磨してみる〙

 

 

 

 その選択肢は何なのだ? 磨くってなんだよハンカチでひたすら亀仙人の頭皮を擦り続けるのか? いくら武術の神様といえど頭皮まで鍛えてないだろ、なくなるぞ頭皮。

 んで下の選択肢、それ人間に対して使う単語じゃねぇからな? お前はハゲを水晶か何かと勘違いしてると思うよ? お兄さん怒らないから今からでも違う選択肢出して。

 

 やっぱこいつダメだわ。

 

 

「失礼」

 

 

 ──キュッキュッキュッキュッ

 

 

「のおっ?! のぉぉっ!? な、何をするんじゃ!?」

 

 

 ──キュッキュッキュッキュッ

 

 

「やめ、やめんか! ちよっ、ちょっと話聞いておるのか! 離せっっ力強ぉっ!?」

 

「きゃはあひゃひゃひゃ! 何やってんだ兄ちゃんあーっはっはっ!」

 

「こらー笑っとらんと止めんかー!」

 

 

 

 すまん、選択肢は絶対なんだ、ぷぷ、ちょっと面白いので継続だ。ツールツルのピッカピカにしておくので許してほしい、何ならドラゴンボールでふさふさツヤツヤの髪を生やしてもらうよう頼むから。

 

 唐突に亀仙人の頭を磨き上げ太陽拳に匹敵する輝きを与えたところで亀仙人は帰っていった、俺がちゃちゃ入れたタイミングではもう話が終わっていたようだ。

 

 あとから聞いたけどブルマさん、やっちゃったね。いや、名誉に関わるから詳しく話せないけど普通は見せちゃいけない所を見せちゃったらしいから、察してあげて。

 

 所でその写真いくらで買えますか? 亀仙人が持ってる秘蔵のコレクションと交換しようと思って……ダメ? そうですか。

 

 

「このあとどうするの?」

 

「俺はノータッチ、何もしない」

 

「えーっ」

 

「これはブルマと悟空の話だろ? 俺は着いてきただけだ」

 

「私に忠誠を誓ったならついてきて助けてよ! あれウソだったの?」

 

「ウソじゃないさ、でもこれは悟空の為のしかたないことなんだよ、なぁ悟空、兄ちゃんがついて行って全部解決したら面白いか?」

 

「ぜーんぜん! やっぱオラはオラの力で旅してみてぇぞ!」

 

「あーもうそういうことなのね、分かったわよ、ついて来いとは言わないわ」

 

 

 

 〘物分りのいい女は好きだぜ(チュッ)〙

 〘しばしの別れです、ですが心は常にお側におります(チュッ)〙

 

 

 

 ゾワッとした、この勘違い野郎みたいな選択肢なに? 

 ナルシスト天元突破グレートマキシマムカイザーキングの称号がふさわしいな! 俺は嫌だ! いやいやいやいやいやいや! 上は絶対いやー! でも下も恐ろしく見える! 

 

 くっどうすればよいのだ、どうすれば……この選択肢が後々どうアクションするのか考えろ……下を選べば今まで通りだろう、上を選べば少なくとも好感度は落ちる、普通なら下だ。

 

 でもチュッ! が! チュッ! が邪魔をするんだよぉぉぉぉぉ! なんだよそれはよぉぉぉぉぉ明らかに口付け、キッス、チュー、つまり唇を奪うってことだろーがよぉぉぉ! 突然そんな選択肢与えてくるなよぉ! おい! 聞いてんのか返事しろクソが! 

 

 嫌だ! まだ捕まりたくない! ましてやブルマさん乙女なんだどー! そんなことして心が傷付かないと思わないのか選択肢ぃ! 性犯罪! 性犯罪ですよ! わいせつ行為によるタイーホは俺が一番したくないパターンなんだぞオラァン! 

 

 でも、でも、それでもっ! 選べというのなら、僕は……私は……俺は……っ!! 

 

 

 

「物分りのいい女は好きだぜ」

 

「あっ、んっ……」

 

 

 ──ズキュゥゥゥン! 

 

 

 やっ、やった! 俺に出来ないことを平然とやってのける! そこに痺れる反吐が出る! この選択肢早く滅ばねぇかな、選択肢は一族郎党皆殺しだぞ。

 

 

「今は額だったが、いずれは唇を頂こう」

 

「ふぇ……あ……うわぁぁぁぁっ!」

 

「あ、ブルマどこ行くんだよぉ! 兄ちゃんオラ追いかけてくる!」

 

 

 あ、危なかった、俺はどうやら最低野郎で済んだようだ。キザったらしく額に口付けとかどこまでカッコつけてるんですかね、その後のセリフもどこの乙女ゲーだ貴様。

 

 顔を紅くしてブルマは何処かへ走っていってしまったが……なんだろうな、走って追い掛けても掛ける言葉が見つからないよ、あんだけブチ切れられたら俺だって流石に申し訳ない、選択肢も反省しろよ。というか俺の体の制御権をはよ返せ。

 

 

「ほほう、やるのぉ若いのぉ」

 

 

 ゲッ! 亀仙人!? てっきり帰ったのかと思ったがまだ近くに居たのかよ! いやー恥ずかしぃぃぃぃ! 純粋無垢な悟空ならまだしも変態仙人は絶対俺をイジってくるぅぅぅ! 

 あれまだ制御権戻らないの? このあとまだ何かしでかすの? おいおいおい勘弁してくれぇぇぇぇ! 動け! 俺の体! 言うことを聞け! なぜだ!? なぜ動かん!? 

 

 

「時に武天老師様」

 

「ほう、なんじゃ? 私を武天老師と呼ぶからには大事な話じゃろうな?」

 

「そこまで大した話ではないのですがね」

 

 

 あ、待て何を話すのか俺わかったぞ、やめろやめろ今その話ししたら俺が悪い人みたいになる! やめろぉぉぉそんな意味深な言葉を残すんじゃねぇぇぇ! 

 

 

「『ピッコロ大魔王』復活しますよ、近いうちに。それでは失礼」

 

「ま、待て!」

 

 

 俺はそのまま亀仙人を振り切って空を飛んで逃げた、俺って舞空術使え……じゃなくてなんでこのタイミングでピッコロ大魔王の復活伝えたんだよ! 選択肢の野郎何考えてやがる! ははーん何も考えてないな貴様行き当たりばったり伏線ばら撒いて適当に回収しようとしてるなこのダメ人間! 

 

 

 俺このあとどうしよう、取り敢えずパオズ山帰ろうかな、そうしよう

 

 

 

 

 



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第五話

あと二、三話で少年編終わりたい


 パオズ山に引きこもること何ヶ月、下手したら年単位だろうな、ここには時計やカレンダーというものがなく日が昇り日が沈む事で一日のサイクルとしている。時間に縛られない生活って素晴らしいなぁ! 

 

 今頃悟空たちはえっちらおっちら世界でドラゴンボール集めてプーロンだかウーアルだかにギャルのパンティにされているんだろう、はい一年後頑張ってね(無情)

 積極的に物語に関わりたい反面、このクソ選択肢に何されるか分かったもんじゃないのでどうしてもと言う時以外は深く関わるつもりはない。クソこれも選択肢、引いてはクソゴッドのせいだ、もっと有給消化して正常な判断を下せ(憤慨)

 

 はい申し遅れました、おっすオラ孫太鳳、今日も一日刺激がありそうだぞ! 

 

 

「あ、いたぞ! 捕まえろ!」

 

「ひゃひゃひゃ! 捕えて突き出してやるぜぇぇぇ!」

 

「そう簡単に捕まるものか!」

 

 

 何故かスーツで決めた武術の心得がありそうな屈強な男たちに追い回されています、もう一度言うが何故だ! 俺の静かで平穏な生活を脅かす不届き者め、多少やるようだがサイヤ人であり孫悟飯に手ほどきを受けた俺を超えるほどの強さは無かろうよ! 

 

 

「だっ! はっ!」

 

「ぐあっはっ!?」

 

「つ、よすぎ……る、うっ」

 

 

 高速で野山を駆け回る俺の動きを見切れるものか、ミゾオチに一撃ずつ肘鉄をプレゼントだ。残りのメンバーは怯んでこちらに向かってくることを止めた、さぁ、ここからが本番だ俺が全滅させるか君たちが自主的に退くのか、ね? 

 

 

「二人がやられただと!?」

 

「どこを見ている」

 

 

 はいノロマ、そんなんじゃゴハンちゃんにウスノロ呼ばわりされるゾ♥子守唄は知らないからチョークスリーパーで勘弁して? 

 

 

「ぐえ……」

 

「さて、あとは君だけだね」

 

「バケモンかよ……!? くそぉぉっ手ぇあげろ!」

 

 

 拳銃か、今更感ありますねぇ、ホントに効かないからね? 子供の頃に土砂崩れに巻き込まれてもかすり傷で済んだ頑丈なボディだぞ、そんな鉛玉でどうにか成る程柔な鍛え方もしてないし。

 

 

 

 〘おやおやおや拳銃とは可愛いですね(黎明卿)〙

 〘撃っていいのは撃たれる覚悟の有るやつだけだ(黒仮面)〙

 

 

 

 待てぇい! ど畜生コンビじゃないですか! 

 片や倫理観緩いロマンチストだし片や自分すら使い捨てるリアリストじゃないですか! ドラゴンボールに似つかわしくないよ! でも流石に上を選ぶ勇気はないので下ァ! 

 

 

「撃っていいのは撃たれる覚悟の有るやつだけだ」

 

「ぬぅ……!」

 

「なんだ怖気づいたのか? それとも子供だと侮っているのか?」

 

 

 おっとルルーシュムーブが止まらない、流れ次第ではギアス来るか? ないか。あーこめかみに血管浮き出てますねぇこれはキレてやがる、怒んなよザコ(傲慢不遜)

 

 

「やってやるよ! 野郎ぶっ殺してやらァァァァ!」

 

 

 乾いた発砲音と共に俺に向けられた銃口から銃弾が飛び出してくる、僅かながらの火薬の匂いが鼻をくすぐり本能的に忌避感を引き起こす。しかしね、仮にもサイヤ人、現時点で悟空に九割勝てる実力がある俺にそれはあまりにも遅すぎる、えい

 

 

「んんぅ〜ゲットしちゃいましたぁ〜ッ!」

 

「じゅ、銃弾を掴んだ……にげ」

 

「十歩遅んじゃい!」

 

 

 逃がす訳ねぇだろボケェ! アンパンチばりに殴り飛ばして謎の刺客たちは全員気絶させてやったぜ、生きて返してやるだけありがたく思えよ〜、刺客が乗って来たエアカーに全員詰め込んで俺の運転で警察署のある東の都に運び込み身柄を引き渡す。

 あースッキリした、穏やかな日常を邪魔するやつは容赦なく裁いてくれ、数年は豚箱に打ち込んでおけ、ぺっ! 

 

 

「お努めご苦労さまです」

 

「ご協力感謝します」

 

 

 ふぅ、終わったな……ここまで来るのに結構時間掛かったしついでだからブラブラしていこう、にしても東の都は発展してるなー高層ビルが乱立してエアカーのハイウェイみたいな奴はホントに結構高いところにあるし何より人が多いこと多いこと。

 

 視線も感じるなぁ、そんなに俺の尻尾が気になるかね

 

 まぁ確かに今の俺は悟空と同じ道着を来ているし髪型も似ている、身長はまぁ160センチ程、十二歳と考えたら身長は高い方だな。

 

 

「あのーお兄さん」

 

「はい? あれさっきの警察官さん」

 

 

 なんだろう猛烈に嫌な予感しかしない、飛んで逃げたいお年頃、でも、ここで逃げたら公務執行妨害とか言われそう、言われない? 

 

 

「あのね、さっきの人たちがこれを渡せって」

 

「はぁ、カード? うげっ!?」

 

「君も中々難儀な人生してるね」

 

 

 渡されたのはカードだ、しかし、それはただのカードではない、メッセージカードだ。誕生日とかに送るようなあんなカードに分かりやすくCCの文字とブルマの名前

 

 

「警察官さん、これ廃棄とかできますか」

 

「いやいやカプセルコーポレーションには目を付けられたくないので」

 

 

 それで良いのか国家権力、うむむとなるとあの方々はカプセルコーポレーションからの使いだっのか。

 謎の刺客もといカプコン(略)からの使いを解放してもらい、俺はカードに書かれている住所に向かうとしよう。話とか使いから聞くはずなんだけどボコボコにして会話不能なんだわ、故に直接ということですね。あぁ気が重い。何もするなよ選択肢。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 翌日、カプセルコーポレーション前。あの独特な半球形の建物とデッカイ庭のあるので迷うことは無かった。出来れば迷っていたかった。

 

 

「すーはー、行くか」

 

 

 庭先にあるインターホンを押して声を掛ける、対応してくれたのは男の声、少し年齢を感じさせる。ブリーフ博士かな? 

 

 

『はいもしもし、ブリーフです』

 

「こんにちは、私は孫太鳳です、ブルマさんに用事があってきました」

 

『あー君かね今開けるから入りなさい、娘も呼んでくるよ』

 

 

 ひぇー肝が冷えるぜ、ブチ切れさせたあと顔合わせ一度もしてないもんな、出会い頭に刺されても文句無しだ。

 覚悟を決めていざ決戦の地へ、玄関? 玄関のような中庭と一体になった空間か出迎えてくれる、そこには白衣に半パンという独特な出で立ちのおじさんが出迎えてくれた、その隣には少し大人びたブルマさんがいた。

 

 

「ほんじゃ後は若い二人でごゆっくりとね」

 

 

 ブリーフさん!? 一人にしないで! 

 

 

「どの面下げて……」

 

 

 あかんこれ刺される

 

 

「……私がどれだけ悩んだと思ってるのよぉぉぉっ!」

 

 

 ブルマの腕が俺に伸びる、重心が明らかにこちらに傾いているし手になにか持っていた、が、このときの俺にはそれを見る余裕はなかった。なにせ想定外の突発的な事だったしブルマの表情に心を奪われていたから。泣いていたんだ、気の強い彼女が。

 

 

「んんん〜〜〜っ、プハァッ!?」

 

「ふぅ、純情な乙女の心を惑わせた罰よ、責任取りなさいよね」

 

 

 いやいやまさか……ここまでとは。

 あんなに情熱的なキッスは前世でも今世でも初めてだった、何がそこまでブルマにさせたのか分からないぜ、選択肢のせいなのは確定なのだけど。

 

 

「ウフフ、逃さないんだからね? 私のナイト様?」

 

「え、あの、これは?」

 

「チョーカー、いや首輪よ」

 

 

 ……俺、なんかしちゃいました? マジで。

 どう考えも選択肢の導きだよなぁ、全く困ったもんじゃい。それに首輪っておいおい俺は犬じゃないんだぜ、言い直さなくて良かったのになぁアハハ!

 

 

 

 神龍様お願いです俺の何がブルマさんを刺激したんですか切実に気になります可及的速やかに教えてくださいマジでェェェェェ!!!!! 

 

 

 

 

 

 




ヒロインはブルマ、タグに追加しておきますね〜


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第六話

 我こそは孫太鳳、ブルマにしてやられたちゃった系男子です。

 あの首輪GPSらしく逃げたらダメって暗に言われている気がする、その、ファンの皆様には申し訳ないがこのまま結婚まで行きそうな気配がある。どこでどうそうなってしまったのか試しに聞いたらまず悟空が『俺は行動で示すタイプ』だと吹き込みそれであのキスをプラスに考えた、次に本人に直接聞くのが恥ずかしいからと神龍にお願いして俺の真意を確かめたそうだ、神龍は『アイツ嘘つけない体質』と答えた。そこにブルマの乙女脳爆裂して『本心から告白された』と解釈、今に至る。ウーロンざまぁ! そしてヤムチャごめん! 更にベジータ! お許しください! 

 

 なんつー乙女脳だよ、そこまで飛躍するのかと思ったが俺も大概思わせ振りな態度だったと反省している、が、改善できる保証はない。文句は選択肢か俺を転生させた神に言え。

 

 

「はいあーん」

 

「いや自分で食べますけど」

 

「ダメよ? 自由にしたら逃げるじゃない」

 

 

 はい、現在進行系で鋼鉄の椅子に縛り付けられています、完全に自由は奪われました、大人しく捕まったのは逃げたら社会的に殺すと脅されたからです、俺はMじゃないぞ。それにこの程度なら力尽くで抜け出せる見当が付いているのと精神的な焦りはない。苦痛はある。

 

 

「ねえ、なにかしてほしいことはない?」

 

「年下に気を使わせるほど私は懐の浅い女じゃないわよ?」

 

 

 チッこっちの話に乗る気配がねぇ。

 ブルマと俺の年齢差が若干犯罪臭いんだ、ブルマさん確か十七歳ぐらいだよね? 俺は十二歳なのよ? 年の差5年だぞ? 前世込みなら俺が逆に超すけどな! それいいとしても適切な年齢というものがあるでしょ! 

 

 監禁プレイに気が済むまで付き合い無事開放されるまで三時間かかった、うむ、心が死んだ。

 

 

「今日からここに住んでもらうからね太鳳くん?」

 

「い、異議あ「異論は認めない!」はい……」

 

 

 アハハ……こりゃ参ったな

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 時間は早々に過ぎてゆく物だ、ブルマの家に強制お引越ししてドタバタしたがそれも落ちついた。

 久しぶりに悟空に会おうと思ってブルマに尋ねると今はカメハウスにいると教えられた、土産を持ってお邪魔するとピッカピカの亀仙人が出迎えてくれて他愛もない話を交わした。

 

 その話の流れで亀仙人の弟子と手合わせしようとなり現在無人島に亀仙人をレフェリーに実戦形式で組手をした。

 

 

「ふっふっふ流石に僕たちが勝ちましたね!」

 

「オラ達のパワーが勝った!」

 

「お、己ぇ……っ!」

 

「いやいや良うやるわい、お前本当に悟空と同い年か?」

 

 

 はいクリリンと悟空に2∶1で勝負して負けました。

 いつの間にか亀仙人の弟子が増えていた、あのツルツルピカピカの子がクリリン、堅実なのが取り柄だから基本いい子よ、亀仙人にエロ本で取り入るガキンチョだけど。

 

 

 

 〘我に一計を案じるとは愚かなり、再戦してズタボロにしてやる! 〙

 〘二人のために負けたのではない、己が弱かったのだと振り返る〙

 

 

 

 マトモだ、マトモ? マトモなんだよね? 最近自分の感覚を信じられなくなってきたぜ……負けっぱなしは癪なので上を選ぶ。

 

 

「宜しい、ならば再戦だ。今度は全力で相手してやる」

 

「ふふーんまた負けても知りませんよ?」

 

「やったー! 兄ちゃんの全力久しぶりだなぁ! うんとリキ込めてくれよな!」

 

 

 クリリンは余裕綽々、悟空は久しぶりの全力に喜んでいると。孫悟飯が生きていた頃から周囲に気をつけてお互いに全力じゃなかったもんなぁ。幸いここは無人島だし、奥の手を使っても良いだろう

 

「まさか!?」

 

「奥の手を見せてやる! はぁっ!」

 

「どわっ!? 何だ何だ!?」

 

「ひゃー兄ちゃんいつの間に亀仙人のじっちゃんみたいにデカくなれるようになったんだ!?」

 

 

 クックックックッ、そう奥の手とは亀仙人の本気を真似した技だ。見様見真似の産物だから亀仙人程に筋肉が増えずただのゴリマッチョに留まるが確かに俺の力は増している、原理を語るなら全身を血のように巡る気を筋肉に浸透させるイメージ、更に人間は体のリミッターを短期間外す事で百パーセントを越えた力を引き出すのだ。

 

 

「気応剛体、とでも呼ぶとしよう」

 

「へへっ、今までの兄ちゃんが子供に思えるや……」

 

「いや今も子供だが?」

 

「先手はもらいますよ! てやーっ!」

 

 

 甘いぞクリリン! イチゴケーキより甘いぞ! 攻撃を避けて背後に周り胴体へ腕を回す、さながら気分はザンギエフ!

 

 

「クリリン行くぞ!」

 

「えっ!? うぁぁぁぁっ!」

 

「ハイパーボッ!」

 

 

 空中へ飛び上がりつつクリリンを上下逆さまに持ち替えて背面から地面へ叩きつけた、スクリューパイルドライバーだと思った? 残念ハイパーボムでした! 

 

 

「まだやるかい?」

 

「ま、まいりました……悟空あとは頼んだ……くふっ」

 

「手加減無しだぜ兄ちゃん! こっちだって新技だ!」

 

 

 そう言うと悟空は腰だめ、両手を併せ気を高めはじめた。その構えはまさか、かめはめ波か? もう物にしたのか? 

 

 

「かーめーはーめーぇぇぇぇ!」

 

 

 悟空は凄いなぁ……自慢の弟だ。そして立派に育ちましたよ、バーダックさん、いつか褒めてやってくださいよ、絶対に会わせますから。あ、亀仙人が白目向いてる、自分の修行が何だったのかと思ってる顔だな! オイラ詳しいんだ! 

 

 

「波ぁぁぁぁ!」

 

「ライオットジャベリン!」

 

 

 いつか見たバーダックさんの技を拝借させていただいた、悟空のかめはめ波を相殺したが既に打ち負けそうな雰囲気だった。なんだろうこの嬉しさは、本当の兄弟じゃないのに自分のことのようだ。成長っていいもんだな。

 

 

「ひゃ~~……オラの全力を片手かぁ」

 

「そう言うな悟空はすげぇよ、俺より伸びしろがある。今はちょっとした差があるだけだ」

 

「そうか! よーしもっと修行して兄ちゃん超えてやるぞー!」

 

「いつでも来いってな」

 

「……あのー僕のこと忘れてませんか……誰か手当して〜」

 

 

 あっクリリン忘れてた、亀仙人も倒れてるや。

 二人を担いでカメハウスへ向かった、何だかんだ楽しい一日だったぜ! 

 

 あ、電話だ。

 

 

「もしもし」

 

『もしもし、愛しの彼女置いてどこに居るのかしら?』

 

 

 ひえっ、書き置きはしたはずだけどもしかして見てないのかな? それとも知った上でこの対応? まさか不味いことしたかな。

 

 

『あー寂しくて死んじゃいそうよ、貴方のせいで泣きそうだわでてハパに言っちゃおうかなー』

 

 

 何その脅し社会的に抹殺する宣言じゃん俺死ぬの? このまま帰ってもブルマに怒られるのか、何とか回避してぇよなぁ俺もなぁ。

 

 

 

 〘いちいちうるさいやっちゃなぁ! ワイの勝手やろがい! 〙

 〘愛しの君よ、私は常に君のためにある。安心しておくれ〙

 

 

 

 君カオスとロウしかルートないの? 中道を作れ! そして俺には自由をよこせ! このままじゃあんまりにもあんまりでしょうよ! これどっちみちブルマを刺激するだけだから選びたくないいぃぃぃぃぃ! 今日から俺無神論者になります! 選択肢を与えた存在に災いあれ! 

 

 

「愛しの君よ、私は常に君のためにある。安心しておくれ」

 

『……本当に?』

 

「本当だとも、でなければ君の思いを受け止めることはなかっただろう」

 

『待ってるから……早く帰ってきて』

 

 

 しおらしい君も好き(恋愛脳)

 

 

 帰ったらブルマがずっと離れない状況が3日続きました、まる。みんなは迂闊な発言に気をつけようね! お兄さんとの約束だよ! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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第七話

「むぅん!はぁぁぁぁっ・・・」

 

「かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 

えーと、なんで亀仙人と鶴仙人が決闘してるんですか?

 

 

 

〘静観する〙

〘本人たちが気が済むまでやらせよう〙

 

 

あ、上で。さて、事の始まりを語るにはまず銀河の・・・そこまではいらんな、昨日のことだった。

 

 

 

 

 

 

 

俺がクリリンと悟空と組手してからまた時間が流れた。

ブルマとイチャイチャしながら重力室なんか作ってもらって十倍からゆる~くトレーニングしたりデパートでブルマと服を選んだり食べ歩きしたり重力室トレーニングしてカプセルコーポレーションの新製品発表会に参加したりトランクスが生まれない未来が見えて戦々恐々してましたが俺は元気です!

 

孫太鳳!ここにあり!

 

話がそれたが鶴仙人と亀仙人の決闘の発端は俺にある、もちろん亀仙人に放った問題発言のせいだ、疑いようがない。

 

 

『太鳳、カメハウスへ来てくれんか?』

 

 

カプセルコーポレーションに電話を掛けてまで俺を呼ぶ亀仙人、それを無下にするわけにも行かず、ブルマを説得してカメハウスへ飛んだ。

 

 

「来たぜー亀仙人」

 

「早速じゃが・・・お主、魔族かの?」

 

「そう見えるか?」

 

「見えぬから聞いておる」

 

「全く魔族とは関係ないぞ」

 

「・・・じゃろうな」

 

「???」

 

 

 

不思議な反応をする亀仙人、確かにいきなりピッコロ復活!なんて言われたら年単位で悩むわな、で、今答えを出せるようになってきたってところか。

 

 

「太鳳よ、一つ頼まれてくれんか」

 

「良いけど、何?」

 

「ワシと同門の鶴仙人と言う奴がおる、道から外れた外道じゃ。そやつに太鳳を殺すように暗殺依頼を出した、暗殺者を返り討ちにして鶴仙人を引きずり出してくれ」

 

「こりゃまた物騒な・・・」

 

 

今の時期な、天津飯は普通に暗殺者やってるのか・・・うーん流れが変わるような気もするが今更気にすることもないか。鶴仙人を呼び出して何するのやら。

 

 

「引き受けるぜ、任せな」

 

 

 

〘ただし、秘蔵コレクションと交換だ!〙

〘ただし、お前の体と交換だ!〙

 

 

 

飲んでんのかテメェベロベロに酔っ払ってるだろ選択肢ぃ!

上のや選択肢は願ってもないがブルマが怖い、下は論外、あとブルマが怖い。なんだよお前の体と交換って、俺はギニューか!

一時の夢になるかも知れないが上で。

 

 

「ただし」

 

「ただし?」

 

「亀仙人、秘蔵のコレクションと交換だ」

 

「なんと!?・・・背に腹は代えられぬ、好きなものを持っていけ」

 

 

やったぜ。

 

で、ちょっとした修行も付けてくれることになってなんかお得な気分、孫悟飯から学んだ武術の源流を味わうとは思ってもみなかった。

 

 

「ほっはっよぉっと!」

 

「これ、肘を上げんか、それと足を半歩下げよ。うむ、型は整ってきたの、流石は孫悟飯と言うところか・・・」

 

 

俺の動きにさらなる磨きがかかったぜ!前よりキレが上がったし力も込めやすい、何より亀仙人の教えは分かりやすいのでメキメキ技術を伸ばせたのが嬉しい。

後は所定の場所で天津飯を待ち構え返り討ちにし鶴仙人を引きずり出すだけだ。

 

 

某日某所、暗殺者はやってきた。

 

 

「ほう、今回のターゲットはガキか」

 

「天津飯、覚悟していただく」

 

「なぜ私を知ってぐぁっ!?」

 

「先手を貰う、次もその次もな」

 

 

なんじゃつまらんのぉ!一方的に殴られる痛さと怖さを教えてやろうか!いいか!俺は孫悟飯に数年鍛えられ亀仙人の指導を受けた山育ちのサイヤ人だぞ!負ける要素を述べよ!無いな!

天津飯を一方的に攻め落とし気絶しない程度に解らせて、最後に卑怯な手を使えば殺すと脅せば何もしてこなくなった。

 

 

「天津飯、逃してやる。伝えろ、鶴仙人に“亀”が待っているとな」

 

「チッ何を知っているんだ貴様・・・生かすわけにいかん!どどん波ぁぁぁっ!!!」

 

「かぁぁぁっ!」

 

 

決死のどどん波を気合だけで掻き消してやったら本当に戦意を失ってそそくさを撤退していった、頑張れ天津飯、暗殺者やめたら強くなるぞ。

作戦の成功を亀仙人に伝え、後は任せるといい帰ったら今日のような事態になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

「いや、なんでさ」

 

 

俺がこの場にいる理由はなんだっけ・・・あっそうだ、亀仙人の手伝いに来てるんだった。これいる?

 

 

「かめはめ波ぁぁぁっ!」

 

「どどん波ぁぁぁぁっ!」

 

 

亀仙人のかめはめ波と鶴仙人のどどん波が拮抗している、舞台となっている無人島もなんだか悲鳴を上げているような気が、いや地表が剥げてきた、あの二人のように。

 

一瞬こっちに殺気が飛んできた気がしたが気にしたら負けだ、この戦いの真意は二人にしかわからないが俺なりに考えてみた。

 

亀仙人はピッコロ大魔王に対抗するべく戦力を求め、それで思い当たったのは鶴仙人、同門の仲であるがいつからか決別、悪事に染まった鶴仙人ではピッコロ大魔王討伐に連れていけないのでこうして説得兼決闘をしていると解釈してみた。意外と正解かもよ。

 

 

「このバカツル!ワシのピッチピチギャルの写真捨てよってからにぃ!」

 

「何をいうかアホガメ!元はと言えば貴様の嫌がらせが原因じゃろうが!」

 

 

・・・ただの喧嘩だコレー!

 

その後ますます戦いが激しくなり、罵倒は留まることを知らず、果ては子供の喧嘩のようなただの殴り合いになり終点は亀仙人の勝利だった。

負けた鶴仙人は亀仙人から何やら吹き込まれ驚愕し、覚悟を決めた顔をしていた。実際聞いたわけではないが恐らくピッコロ大魔王関連だろう、鶴仙人の視線が俺と亀仙人の顔を行ったり来たりしていた。

 

 

「時にお主、どこでピッコロ大魔王を知ったのだ」

 

「鶴仙人様、それはお答え出来ません」

 

 

んなもん答えられるか原作読んで知ってましたとか洒落にもならん。

答えられないのが答え、それで納得したわけではないだろうが鶴仙人は引き下がった。意外と素直だな・・・?

 

 

「亀の、武泰斗様の最後を忘れたわけではあるまい」

 

「それでもやらねば、滅ぶのは奴とわしらだけで良い」

 

「それもそうじゃな・・・では日を改めて修行しようかの、手を貸せ亀」

 

「もとよりそのつもりじゃい鶴の」

 

 

二人の老人の覚悟、俺は見ていたがその格好は全裸であった。

 

二人共全力で戦ったし多少はね?ゲキヤバ老人達を抱えカメハウスまでご案内、鶴仙人の迎えが来るまではそこで傷を治すことになった。

まだレッドリボン軍すら倒して無いけどもうピッコロ大魔王対策始めてるからワンチャン魔封波だけで決着つくぞ、そうなればドラゴンボール一回分の願いが浮く・・・よし、試してみるか。

 

 

 

 

 

 

 



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第八話

チュートリアルはここまでだ


 亀仙人、鶴仙人、そして俺。ピッコロ大魔王が復活することを知っている人物だけが集まり、カメハウスで会議している。

 

 

「ぬふふこれもえぇのう」

 

「最近のギャルはピチピチじゃのう」

 

「うーんこれは背徳の甘露、ブルマには言えねぇな」

 

「「けっ!」」

 

「全く二人して嫉妬……仙人の称号返納したらどうですかお二人様」

 

 

 だよなぁウリゴメ! お前のような賢い亀は好きだぜ! 

 ピッコロ大魔王対策と銘打った会議ですが絶賛ぴちぴちギャル会議になってます。参考資料は亀仙人の秘蔵コレクション、大魔王なんざエロの前に塵に同じ(いとおかしの精神)

 

 このままエロ談義でも大変結構なのだがそろそろ真面目に話し合わないと世界が危険で危なくなるので、心苦しさと後ろ髪を引かれる思いに胸が張り裂ける辛さ、それを乗り越えて会議と洒落込もうぜ! 

 

 

 

 〘会議となれば俺が司会進行するしかねぇ! 〙

 

 〘ここは場を盛り上げる書記に立候補しておこう〙

 

 

 

 至極どうでもいい選択肢来たな……学校なら迷ったかも知れんが三人と一匹しかいない空間なら、ここは上を選ぼう。

 選択肢を選べばあっという間に何処からともなく出てくるカンペ付きフリップ、物が出てくるとは新しいパターンだぁ! 

 

 

「まずドン! 『ピッコロ大魔王』の倒し方、専門家であるお二人から意見を伺いたい」

 

「『魔封波』じゃの」

 

「うむ」

 

 

『魔封波』かつてピッコロ大魔王を封じた当時の最強武道家、武泰斗が使ったとされる命懸けの技。相手を問答無用で封じてしまい中からの脱出は不可能である。封印するには電子ジャーや小瓶など中身のない蓋のできる容器が必要、魔封波で容器に入れたあとはお札で封をすれば完璧である。

 

 

「魔封波って誰でも使えるようなものですかね?」

 

「習得自体はの、実際に封印するとなると難易度は計り知れん」

 

「武泰斗様には悪いがちょっと使い勝手悪いのぅ」

 

「鶴、お主地獄に行ったら武泰斗様に追い回されるぞい」

 

「武泰斗様なら天国に行ってるはずじゃ、わしの所まで来やせんわ」

 

 

 のほほんとした雰囲気だが割と差し迫った状況なんですよ、ピッコロ大魔王もう活動始めちゃって世界中の武道家殺し回ってます。ドラゴンボールで何とかなると思っているからこその余裕なんですけどもね、最初から最後までガチガチに緊張してたら思いつくものも思い付かないというのは亀仙人の談。

 

 

「さてと、そろそろ往くぞ」

 

「なんじゃ怖気付いたかと思ったわい」

 

 

 ……実のところこれはもう答えの決まった会議だ、最後に別れの挨拶を交わしているだけに過ぎない。

 鶴仙人と亀仙人が命懸けでピッコロを封印する、俺はその補佐、何事もなく終わってくれと願うばかりだ。

 

 では、覚悟も決まったので、知らないうちに覚えた舞空術を使ってこの星で一番大きな気の元へ飛んでいこう、もちろん仙人二人は襟首掴んでタクシーする。

 

 

「もーちっとばかし優しく出来んかのぉ!」

 

「老人には優しくせんか!」

 

「うるせぇ振り落とすぞ! これでもギリギリのラインなんだぞ!」

 

 

 俺の舞空術はまだまだ未熟、サイヤ人の……というより宇宙人の基本技能なのだが前世の記憶がある俺には生身で空を飛ぶ感覚がいまいち良く掴めないので制御が甘い、それなのに二人も連れてるんだから多少フラフラしてても目をつぶれや。

 

 

「見えたぞピッコロ大魔王」

 

「では手筈通りに」

 

「しくじるなよ亀の」

 

 

 予定通りに二人をピッコロ大魔王の元へ投げる、老人虐待? アイツら仙人だからノーカン。無事に着地しピッコロと対等に渡り合っていた。俺は悠々高みの見物、あとピッコロ大魔王の部下魔族の間引きとか。魔封波の邪魔はされたくねぇのでドラムやらタンバリンやらはここで抹殺しておく。した(ミッションコンプリート)

 

 間引きの合間に見てるがピッコロ大魔王は老いたとて現地球最強、二人も無難にいなしているが心持ち余裕ない、それどころか押されているようにすら見える、それでも防戦一方にならないのが仙人の凄いところだな。

 

 

「だりゃあっ!!」

 

「ぬぉっ! 小癪な!」

 

「脇が甘いわい! どどん波ぁっ!」

 

「しまっ!? ごはっ!」

 

 

 でも俺が手を出すまでもなく僅かな隙をついて封印まで漕ぎ着けてしまった、まぁ対策練る時間が結構あったからね……俺がネタバレしてから亀仙人と鶴仙人カリン様の所で鍛え直したみたいだし、この結果は順当だと言えよう。最後は電子ジャーで満塁サヨナラホームランだな。

 

 

「なっ!? 電子ジャー!?」

 

「合わせろ鶴!」

 

「よく言う亀!」

 

「「『魔封波』ぁぁぁ!」」

 

 

 決まった! 魔封波! 二人同時に発動してピッコロ大魔王を完璧に封じた! 電子ジャーの口はきっちりしまっている! お札もきっちり貼られている! よし! ピッコロ大魔王編終了! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だと良かったのになぁ……魔封波の最後の最後にタマゴを生み出していたのは多分俺だけが見ていた、ピッコロ大魔王の子供だよねアレ。マジュニアだったか……放置すれば面倒だ、俺が回収しとこ。そんでもってマジュニアの活躍全カット、悟空には悪いがライバル一人減っちまったな。

 

 その穴埋めは俺がすればよろし、ブルマのお陰で十倍重力なら軽く遊べる程度の力がついたから悟空にとっては不足ないだろう。

 

 それよりも不安なことが一つ、サイヤ人襲来までにこの星の戦力を整えないと結構まずい状態だ。何せ俺のせいでヤムチャ、クリリン、天津飯、チャオズ、悟空、まともに面識ないだろうから。

 

 取り敢えず次の天下一武道会は出よう、チチと悟空の結婚があるかないかで俺の今後の頑張り方が変わるからね! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 

 

「うっ……ぐあっ!?」

 

「動くなバーダック、傷に触る」

 

「て、てめぇは誰だ? いっ!」

 

「動くなといったぞ」

 

「父さん……」

 

「おぉブロリー、起こしてしまったか」

 

「おいお前……フリーザは、どう、なった?」

 

「今もピンピンしているとも」

 

「……そうか、てめぇは誰だよ早く名乗りやがれ」

 

「せっかちだな、私はパラガスだ。そしてここは唯一残っていた宇宙船、今から向かう先は『地球』だ」

 

「ついに会えるんだ、ターラノメ」

 

「お前……」

 

 

 

 

 

 

 

 




最後の話はかなり、かーなーり自己満足なところがあるので受け付けない人はごめんなさい


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