機動戦士ガンダム 天王星の痴女 (スピリタス3世)
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第一章 痴女との出会い
第一話 痴女と花びら


  side チュチュ

 

 今日はあーしのアスティカシア学園入学式。にっくきスペーシアン共と同じ学園なのが最悪。

 

「見て見て、あれ〜!」

「ヤバくない?」

 

 あーしを見てドン引きするスペーシアン共。どう見ても見下してるとしか思えない、氷のように冷徹な目。本当に腹立たしい。くそっ、一発殴ってやりたいが………

 

「何故だ⁉︎何故服を着なければならんのだ⁉︎」

 

 なんだ、今の女の声⁉︎服を着ることに抗議している⁉︎それじゃあ今全裸、ってこと⁉︎ここは公衆の面前だぞ⁉︎もしや後ろに、全裸の痴女が………

 

「全裸こそが真の正装ではないのか⁉︎」

 

 本当に居た。綺麗なエメラルドグリーンの髪をポニーテールに結った、凛々しい顔立ちの全裸女がそこに居た。身長こそあーしより少し高い*1くらいだが、喋り方や声、立ち振る舞いといい、どことなく高貴で美しさすら感じる………はずなのだが、それを全裸が台無しにしている。

 

「それは天王星だけよ‼︎いいから貴女、服を着なさい‼︎」

「学生証でこうやって設定すると、制服が出てくるから‼︎」

「ほ、本当だ………しかし服というものは、こんなにも違和感のあるものなのか………嗚呼、早く脱ぎたい………我は全裸が良いのに………」

 

 やはり、スペーシアンにはろくな奴が居ない。とりあえず、この女とは距離を置こう。

 

 

 

 

 そんなことを思っていたのだが…………

 

「隣同士、我と仲良くしようではないか。」

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 まさかのクラスで隣の席になってしまった。しかも割と早く着いたせいで教室が閑散としていたからか、周りの人もまばらにしか居なかった。だからこそ、隣にいたあーしは奴のターゲットにされてしまったのだ。

 

「嫌だ‼︎お前みたいな変態スペーシアンとは嫌だ‼︎」

 

 とりあえず、拒絶しておく。変態とは関わりたくないからな………

 

「我が………変態だと………?そんな、勿体なきお言葉………」

「なんで謙遜してんだよ⁉︎」

 

 そんなことを思っていると、目玉が飛び出るくらいの、信じられない答えが返ってきた。

 

「我程度、故郷の天王星では掃いて捨てるほどおる。生まれてこの方、変態と言われたことなど一度も無かったからな。」

「そんなわけねえだろ‼︎」

「ある、それが天王星だ。」

「嘘だろ…………」

 

 公衆の面前で全裸を好む人間………それが天王星に於いては普通だということだ。なんなら正装とまで言い張っている。これではまるで、天王星人(ウラヌシアン)全員が変態みたいじゃないか。

 

 確かに、昔噂で聞いたことがある。変態共が隔離され独自の文化圏を成した、天王星という惑星がある、と。自転軸と共に性癖まで傾いているとまで言われていたが、あまりにも遠すぎて天王星人(ウラヌシアン)を見た者はアーシアンでは誰も居なかった。それが今こうして現実として、目の前に現れている。

 

「それはともかく、自己紹介をしようではないか。」

「それはともかくで済ませていい内容か⁉︎」

「我の名はエバーグリーン・ウラヌス。長いからよくグリちゃん*2と略されているから、それで呼ぶと良いぞ。」

「普通に進めんな!あとなんでちょっと可愛いんだよ⁉︎」

「可愛い……///?」

「照れんな‼︎」

 

 いちいち会話に違和感が生じる。変態スペーシアン相手だと、こうもやりにくいのか………。あとグリちゃんだとなんかムカつくから、グリグリって呼んでやろう。

 

「次に性癖はおっぱい……男も女もだ。」

 

 そして、二言目がそれ⁉︎

 

「そんな、好きな食べ物みたいなテンションで言わないでくんない⁉︎」

「好きな食べ物……意味は合ってるだろう?」

「そういう意味じゃね〜し‼︎なんで名前の次に言うことが性癖なんだよ⁉︎普通誰にも言わねえだろ‼︎」

「他惑星ってお堅いのだな。天王星では普通だぞ。」

「別に堅くねえよ‼︎」

 

 初対面の人への挨拶で、名前の次に性癖が来た人間など見たことがない。仮に持ってたとしても、普通は人に話さないはずだ。女子なら尚更。それをこの女はさもラーメンが好き、と言わんばかりのノリで言ってきた。頭がおかしいのか?

 

「さて続けるぞ。特技は………」

 

 とりあえず、次はまともみたいだ………

 

MD(モビルディルド)を操縦し、相手にメスイキの快楽を与えることだ。」

 

 前言撤回。全然まともじゃなかった。

 

「なんだよそれ⁉︎ただの痴漢じゃねえか‼︎」

MD(モビルディルド)は天王星で製造されたMSで、局部に男性器を模した巨大なGUND棒が生えている。そこから出される快楽光線は相手のMSを貫通し、内部の人間に性的快感をもたらす効果がある。我はそれの操縦に自信があるのだ。」

「うぇぇ…………」

 

 もはや脳が理解を拒む、いやらしい単語の羅列。そして、それを特技として自信満々に語るこの女。全てがイカれている。アーシアンの為にもこんな女と関わらざるを得ないのが、本当につらいことだ。

 

「それで、君は?」

「あーしはチュアチュリー・パンランチ。」

「パンチラ?」

「違えよ殺すぞ‼︎」

「申し訳ない………」

 

 いちいち猥談にしないとすまないのか、この女は?あとちょっとしょんぼりすんな。

 

「とにかく、長いからチュチュでいい。出身は地球、嫌いな物はスペーシアン。以上。」

「スペーシアンには我々天王星人も入るのか?」

「当たり前だろ。」

「そうか………」

 

 とりあえず、適当に済ませてやり過ごそう。変態スペーシアンには変わりないんだし。ど〜せ明日から近寄らなければいいだけのこと……

 

「嫌いな我にも、きちんと対応してくれたのだな。チュチュ、君は素晴らしい人だ。我と話してくれて感謝する……っ!」

「はぁ⁉︎な、なんだよそれ……っ‼︎」

 

 それなのに、コイツにはどうも調子を狂わされてしまう。急にいい奴ぶられても困るんだけど………

 

「君が嫌なら我は手を引く………が、君が良ければ……我と友達になってくれぬか?」

「急に寂しそうな目で見るなし‼︎」

 

 もしかしてこの女は実は変態なだけで、根はマシな奴なんじゃないのか?ただ純粋に友達になりたくて、あーしに話しかけてきただけの、変わってる奴なんじゃないのか?アーシアン差別はしないどころか、あーし自身を見てくれている。そう思うと、コイツなら関わってもいいんじゃないか?

 

 変態スペーシアンと関わりたくない自分と、同級生の女の子の友達になりたい自分。2つの自分の間でシーソーは揺れ動き、

 

「あ〜もう、これじゃああーしが悪いみたいじゃん‼︎しゃ〜ねえな〜、友達になってやるよ‼︎よろしくな、グリグリ‼︎」

「な、なんと………っ‼︎ありがたきお言葉、感謝する……っ‼︎」

 

 遂に友達になる方に傾いた。そして、こんなに嬉しそうな顔をするなら、なった甲斐があったもんだ。

 

「では早速猥談しようぞ‼︎」

「それは嫌だ‼︎」

 

 前言撤回、やっぱコイツと話すのやめよ。

*1
155cm、ブーツ履いたミオリネと同じくらい

*2
エバだと別のアニメが出てくるのでこうしました




オリ主のプロフィールです。

エバーグリーン・ウラヌス
性別:女
出身:天王星
身長:155cm(ブーツ履いたミオリネと同じくらい)
髪:エメラルドグリーンのポニーテール
性格:変態
学年:1年
学科:パイロット科


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第二話 スケベだろうがメカならばよろし

  side チュチュ

 

 あーしらはその後教室から式典会場に移動し、そこで入学式に参加した。もちろん入学式の最中、あーしらはずっと白い目で見られていた。それもそうだ。

 

「見て見て〜、あの子全裸だった天王星人(ウラヌシアン)じゃない?」

「しかも服着るの嫌がってたという……」

「うぉ、マジ⁉︎スケベ過ぎるでしょ‼︎」

「俺も見たかったなぁ〜‼︎」

「アホか‼︎」

 

 好き好んで全裸で入学式に登場した女だ。あーしだって同じ目で見る。というか外野に居て、同じ目で見ていたかった。でも、それも出来なくなってしまった。友達になってしまったから。

 

「きっと隣にいるチビも変態だぞ。」

「出会って早々猥談したのかな?」

「あの髪の毛、中に絶対エロ本隠してるぞ。」

 

 そしてあろうことか、あーしまで変態扱いされる始末。本当に最悪、腹立たしい‼︎エロ本隠してるわけねえだろぉが‼︎

 

「うるせえよ‼︎これだからスペーシアンはコイツみたいに変態なんだよ‼︎」

「はぁ、変態だと⁉︎」

「ソイツと一緒にするんじゃねぇ‼︎」

「スペーシアンで一括りにするな、この変態アーシアン‼︎」

「金無しアーシアンは学も無いってかw」

「あぁ⁉︎テメェら全員ぶん殴ってやる‼︎」

 

 思わずブチギレたら逆ギレされる始末。これだからスペーシアンは変態クズ野郎なんだよ。本当に腹立たしい。感情に任せて拳を振るい、乱闘騒ぎを起こしてやろうかと思ったが………

 

「皆、式典中だぞ。騒ぐ者は我がMD(モビルディルド)でメスイキさせようか?」

「「「ひぃ…………」」」

 

 エバーグリーン・ウラヌスことグリグリがスペーシアン共をドン引かせたので、あーしは何もせずに済んだ。

 

 

 

 

 

 そして無事………ではないが、入学式が終わった。

 

「これで服脱いでもいいな。」

「ダメだろ‼︎」

 

 そして、いきなりグリグリが脱ごうとしたので、全力で止めた。

 

「何故だ、チュチュ。式典は終わったのだぞ?もうアスティカシアの正装で居る必要が無い。」

「グリグリ、そこは合ってる。」

「ならば全裸で良いではないか!」

「良くねえよ‼︎」

「全裸は我の私服ぞ?」

「服じゃねえじゃん‼︎着てねえじゃん‼︎」

 

 どうやら天王星ではプライベートでも全裸らしい。というか、単純に全裸が好きなのだろう。本当に理解できない。服着ないで恥ずかしくないのか?

 

「いやしかし、服を着ていると隠し事をしているように感じてしまうな。」

「大事なところを隠してんだからい〜んだよ!」

 

 服を着ていることは隠し事をするって意味になるのか。つくづく天王星はぶっ飛んだ惑星だな。隠し事をしないから全裸が正装になっているのかと、一人納得出来てしまった自分が嫌になった。

 

 

 

 そんなことを考えながら歩いていると、地球寮に到着した。

 

「ここがあーしの寮だから、お前とはここでお別れな。」

 

 ここはアーシアンの為の寮。グリグリはもちろんアーシアンでは無いので、ここでお別れとなる。グリグリを受け入れる寮は、きっと彼女の変態行為に悩まされながら過ごすのだろう。全裸で廊下を徘徊したり、会う人会う人に猥談を振ったりなどなど………。想像するだけで恐ろしい。スペーシアン共め、変態の洗礼を受けやがれ‼︎

 

「我も地球寮ぞ。」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎」

 

 洗礼を受けるのはアーシアンだった。

 

「なんでお前が地球寮なんだよ⁉︎アーシアン専用じゃね〜の、ここ⁉︎」

天王星人(ウラヌシアン)は我一人だからな。他の寮に混ざる形となった。」

「そういうことかよ‼︎」

 

 最悪だ………。きっと学園側がアーシアンに変態を押し付けたのだろう。そうでなきゃ説明がつかない。貧乏人にゴミ投げつけて楽しむ。スペーシアンのやる事の非人道さにますます腹が立ってきた。

 

「ということで、寮でもよろしくな。」

「あ〜もう、分かったよ‼︎こうなりゃ24時間一緒に居てやるよ‼︎」

「本当か⁉︎ありがたきお言葉………感謝する‼︎」

 

 あーしはヤケクソになりながら、この変態と学園生活を共に過ごすことを誓った。それに、心の底から嬉しそうな、そして意外にも穏やかなこの笑顔を見ると………まあいいんじゃないかと思えてしまうから。

 

 

 

 建物の中に入り、

 

「うぃ〜っす、ただいま〜。」

「お邪魔する。」

 

 軽く挨拶をすると、

 

「おっ、チュチュも来た!」

「しかももう天王星人(ウラヌシアン)と仲良くなってる!」

「良かったぜ!」

 

 皆が出迎えてくれた。あーしらアーシアンはアスティカシアに来る前から、来る人同士で親交がある。もちろん同期のリリッケもそう。そして、本来なら彼女と過ごすはずだったのだが………

 

「おい、リリッケ!お前寝坊したな‼︎」

「そうだよチュチュ〜、ごめんね〜。」

 

 そうはならなかったのだ。あーしの隣はグリグリになってしまったのだ。

 

「お前が寝坊したせいで、あーしはこの変態とずっと一緒だったんだぞ‼︎」

「もう仲良くなれたの〜?いいな〜!」

「よくない‼︎」

 

 どうやらリリッケは変態になりたいらしい。でないとあーしの事を羨むはずがないからだ。

 

「私はリリッケ・カドカ・リパティ、経営戦略科の1年だよ〜、よろしく〜!」

「我はエバーグリーン・ウラヌス、チュチュと同じパイロット科の1年。長いからグリちゃんでもグリグリでも何でもいい。」

「それじゃあよろしくね〜、グリちゃん!」

 

 あっ、あーしがつけたあだ名採用してくれたんだ。きっと気に入っているのだろう。少しだけ嬉しい。

 

 

 

 それはそうと、皆はグリグリが痴女で天王星人(ウラヌシアン)なことを知ってる口ぶりだった。もちろん入寮することも。あーしはそんな事全く知らなかったのに。どういうことだ?校内で全裸になった噂が広まったのか……?それとも………

 

「ねぇニカ姉。」

「何、チュチュ?」

「コイツ来る事あーし知らなかったんだけど。」

「ごめん、伝え忘れてた♪」

「ニカ姉‼︎‼︎」

 

 ようやく分かった、単なる伝え忘れ。そしてニカ姉の軽い口ぶり。きっと仲良くなれたんだからいいじゃん、という風に思っているのだろう。彼女は尊敬する人だが、珍しく心の底から殺意が湧いた。

 

 

 

 

 その後適当に自己紹介していく中で、ニカ姉がある事を聞いた。

 

「そういや天王星ってどうやって住んでるの?結構大変だと思うけど………」

 

 確かに、天王星に住むのは大変だ。太陽からめちゃくちゃ遠い*1せいでめちゃくちゃ寒い*2上に、地面が無い*3らしい。あーしもあんまりよく分かってないけど。

 

「アスティカシアみたいな結界と仮想地面*4を併せて住んでいる。言い換えると、天空の城だな。」

 

 天空の城か、なんかカッコいいな。それにアスティカシアでも使ってる結界を足したのだろう。

 

「えっ、本当なの⁉︎」

「ああ。」

 

 そして、この話題に一番飛びついたのがニカ姉。彼女は大の機械好きで、いつも部品をいじったり機構を調べたりしては、それを楽しそうに早口で話す。まさにオタクだ。

 

「実際に浮遊している仕組みは⁉︎エンジンとかどうなってるの⁉︎あとは重力の作り方とか、結界の材質とか……」

「も、申し訳ない!我もそんなに詳しくなくて………」

「というか天王星の技術ヤバくない⁉︎天王星オリジナルのメカとか商品とかあったりするの⁉︎」

 

 珍しくグリグリがたじろいでいる。流石に機械絡みのニカ姉はまだ早かったか。だが、ここでグリグリの逆転の番だ。絶対にエロい機械を出してくる。

 

「う〜んと………例えばこの『浮遊操作型小型ローター』とかか?リモコンで操作して、遠く離れた相手の膣内(なか)に入れるのだが………あとは『形状記憶ちんちん』とかか?」

 

 やっぱり、ろくなもんがない。エロに情熱を注ぎ過ぎだろ。まあニカ姉は下ネタ好きじゃないし、ここでたじろいでアウトかな〜。やっぱりどんな状況でも、最後に相手を引かせるのはグリグリだな。

 

 こうしてあーしの中で、一つの結論が………

 

「本当に⁉︎天王星の技術ヤバくない⁉︎まずそれどうやって動いてるの⁉︎まずは1mm2サイズの物をラジコンみたいにどうやって操ってるのか、あとはどうやって回転させてるのかと、あとはね、回転数の調整と………」

「すまぬ、流石にそこまでは分からん………」

 

 出なかった⁉︎嘘でしょ、ニカ姉⁉︎なんで食いついてるの⁉︎

 

「ニカ姉、ニカ姉‼︎その機械の目的分かって言ってる⁉︎」

「うん、エロい事でしょ?」

「じゃあなんで食いつくの⁉︎ニカ姉別に下ネタ好きじゃないじゃん‼︎」

「私はメカが絡めば使い道はど〜でもいいの。」

「嘘でしょ⁉︎」

 

 目的をそこまで度外視できるもんなの⁉︎しかも目を宝石のようにキラキラと輝かせて。機械オタクもここまで極まれば変態だな‼︎

 

「それでね、グリグリ………」

「分かった分かった、ニカ。専門家を呼んだビデオ対談を開いてやる。」

「本当⁉︎やった〜♪」

 

 痴女との出会いに始まり、憧れの人の変態的一面を知ってしまった。あまりにも濃すぎた1日に、思わず頭が胃もたれするのを感じる。早く布団に入って寝たい。人生でこう思えたのは、本当に初めてだった。

 

 こうして、あーしのアスティカシア初日は幕を閉じた。

*1
だいたい地球から太陽の20倍、ちなみに一個手前の土星は10倍。

*2
表面の大気が-220℃くらい。内部は高圧のため凄まじく温度が高くなる。

*3
ガス型惑星で、奥深くの核まで到達しないと地面は存在しない

*4
ラピュタみたいなやつをめちゃくちゃデカくした感じ。



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第三話 ディルドの夜明け

  side チュチュ

 

 痴女との遭遇から一夜明けた。部屋にやわらかな朝日が差し込み、

 

「おはよう、チュチュ。昨日は楽しかったな。」

 

 隣で寝ていたグリグリが目を覚ました。

 

「その言い方やめろ‼︎」

「確かに、これが俗に言う朝チュンか………」

「うるせえ‼︎」

 

 ちなみに昨晩は皆でガールズトークをしていただけ。身体の関係なんでもってのほか。誤解を招くような言い方はやめてほしい。

 

「おはよ〜、朝から2人とも元気だね〜。」

「リリッケ、おはよう。チュチュと朝から猥談をしてたものでな……」

「してねえだろ‼︎」

「本当に元気だね〜。」

「リリッケも真に受けんな‼︎」

 

 グリグリのせいで本当に胃が痛い。学園生活中にスペーシアンから酷い目に遭わされるだろうとは思っていたものの、こんな感じになるとは全く想像してなかった。しかも当の本人に差別意識が全く無く、善意で言ってくるんだから無碍にも出来ない。リリッケも優しい性格なのだが、それ故にツッコミをせず受け流す。同室のアリヤは動物たちの世話でいないし、ニカ姉は夜遅くまで天王星人(ウラヌシアン)と技術対談をしてたから爆睡中。だからあーしに全部飛んでくるのだ。

 

 

 

 そんな事を思っていると、

 

「夜明けといえば、ディルドの夜明けを思い出すな。」

 

 グリグリがまた頭のおかしい事を言い始めた。

 

「お前朝っぱらからフルスロットルだな、おい‼︎」

「チュチュもだけどね〜。」

「それはグリグリがうるさいからだっつーの‼︎」

「分かった、静かにしよう。」

「いや、別に静かにしなくていいって‼︎」

「分かった、ではディルドの夜明けの話をしよう。」

 

 どんだけ話したいんだよ、コイツ。常に猥談をしてないと死んでしまう病気にでもかかっているのか?真面目な表情ながら、どこか心の底から話したいというワクワク感を感じる。とりあえず少しだけ話聞いてやるか………

 

「かつて天王星には、ディルド暗黒時代と呼ばれた時代があった。」

 

 どうしよう、いきなり意味不明。ツッコむ気すら失せる。

 

「その頃天王星人(ウラヌシアン)は日頃から性行為に励む文化があったため、わざわざ自慰行為というものの存在に疑問が抱かれ始めていた。むしろ対人での行為が盛んな影響により、0.1nm*1コンドームプロジェクトなど、対人行為に特化した技術に金を費やすことが多かった。故に、自慰行為の方が圧倒的に出番の多いディルドは使用される事が少なかったのだ。」

 

 すごい真面目な口調で、とんでもないど下ネタを言い放つグリグリ。それはまるで大学の講義のようで、謎の格式高い雰囲気まで出している。

 

「その状況を打破すべく、ディルディアン株式会社はMD(モビルディルド)と形状記憶ちんちんという二大製品の開発を基軸にした、ディルドの夜明けプロジェクトを発表した。」

 

 社名どうなってんだよ。よく株主もそれで許したな。名は体を表すというやつか?

 

「開発には幾多の苦難があった。やる事が多すぎてヤる事が出来ないという。」

 

 苦難がしょーもなすぎるだろ。それくらい我慢しろ。

 

「そしてそれを乗り越えて開発されたMD(モビルディルド)は非常に完成度が高く、天王星の自衛に大きく貢献した。」

 

 おお、上手くいったんだ。確かMSのパチモンらしいから、戦闘力はある程度あるんだろうけど…………

 

「具体的には、当時ベネリットグループと双璧を成すほどの巨大グループだったアバンネットグループ*2の侵略を受けたが、」

 

 嘘だろ⁉︎アバンネットグループって確か昔暴力的な手段で勢力を広げていた巨大宇宙ヤクザだよな⁉︎あーしらの地球も散々な目に遭わされたし。自衛に成功したって、要はアバンネットグループを跳ね除けたって事だよな………?

 

MD(モビルディルド)の性欲リンク効果*3で侵略者たちの全身を開発し、全身性感帯にして無力化することに成功。」

 

 何してんだよコイツら⁉︎命を奪うつもりの攻撃を跳ね除けるだけじゃなくて、相手を殺さずに防衛する。これだけだと非常に強くて尊敬できる集団なのだが、そのやり方が下品過ぎて全く尊敬できない。

 

「こうしてグループの多くが全身性感帯となったアバンネットグループはまともに活動できなくなり、解散する結末を辿る事になった。」

 

 しかも解散させたのお前らかよ‼︎確かに全身性感帯になったら何も出来なくなるだろうけど‼︎

 

「このMD(モビルディルド)の活躍によりディルディアン株式会社は大躍進を遂げ、もう一つの新製品、形状記憶ちんちんと共にディルド暗黒時代を終わらせる事に成功したのだ。これがディルドの夜明けの一連の流れである。」

 

 確かにこれなら夜明けにはなるだろうけどさぁ。本当に一から百まで下ネタなんだな‼︎

 

「わ〜、なんかすごいね〜。」

「だろう?」

 

 リリッケ、お前絶対途中から話聞いてなかっただろ。返しが適当過ぎんだろ。

 

「チュチュ、我が乗るMD(モビルディルド)の説明をしたくてな。時間を取らせてしまった。」

 

 そういうことかよ‼︎確かに入学式の時そんな感じのこと言ってたけど‼︎

 

「とりあえず、天王星人(ウラヌシアン)が変態って事だけは分かったわ。」

「そうか。ならもう少しわかりやすく、身体に直接教えた方がいいだろうか………?」

「良くねえよド変態‼︎」

 

 なんであたかも本当にそうした方がいいかな、みたいな風に言うんだよ‼︎こうしてまたしてもあーしはグリグリと猥談してしまったのだった………。後悔の念ばかりが頭に浮かぶ、そんな二日目の朝だった。

*1
mmの間違いではありません。天王星のゴムはナノスケールです。

*2
オリジナル設定

*3
一話で出た、GUND棒からの光線を受けたMSの操縦者は性的な刺激を受けること



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第四話 エロいのモビルスーツ

本編にやっと合流します!サブタイの元ネタ通り、チュチュ初登場の2話です!

あと、最初のグエル戦は地球寮が出てない都合上、ジェターク寮の人たちの出番が少し遅くなります。よろしくお願いします。


  side チュチュ

 

 アスティカシア入学から2ヶ月*1

 

「チュチュ、サッカーというものは楽しいな!」

「だろ、グリグリ!思いっきりボール蹴って相手のゴールにぶち込むんだせ!」

「相手の膣内(ゴール)射精(シュート)……まさに卑猥な行為だな!」

「違えよバカ‼︎エロから離れろ‼︎」

「申し訳ない、それだけは不可能だ。」

「なんでだよ‼︎」

 

 誠に遺憾ながら、この変態にも慣れてきた。下ネタさえなければ、普通に買い物したり遊んだりと、まともな友人関係を築いている。下ネタさえなければ。

 

 ちなみに今は食堂であーし、グリグリ、ニカ姉、マルタンの4人で食べている。メインはなんとサバの味噌煮で、それにご飯と味噌汁がついている。とても美味しそうで、油断するとだらしなく涎を垂らしてしまいそうだ。*2

 

 そんなことを思ってると、

 

「なんか姉妹みたいで仲良いよね〜、2人。」

「ニカ姉、ちゃんと目見えてる⁉︎」

「分かるそれ!」

「マルタンも目付いてる⁉︎」

「どう見ても盲目には見えんが………」

「そういう事じゃねえって、グリグリ!」

 

 ニカ姉とマルタンがおかしなことを言い出した。

 

「僕が思うに、大人っぽくてボケがちなお姉さんと、元気なツッコミの妹的な?」

「分かる〜!グリちゃん大人びてるよね〜。歳上みたい!」

 

 確かに、グリグリは大人っぽい凛々しい顔立ちと声をしている。身長こそはそこまで高くないものの、雰囲気だけなら3年生でもおかしくないくらいだ。

 

「まあ、大人なことばかり考えてるからな。」

「それでその見た目になるわけねぇだろ‼︎」

「ちなみに我はレディなので、年齢は秘密だ。」

「同い年だろ、隠す意味ねぇじゃん‼︎」

 

 尤も3年生といってもカッコいい感じではなく、頭ポンチな大人って感じだ。例えコイツが1個上だろうが2個上だろうが、印象は全く変わらないだろう。

 

 

 

 そんなことを思っていると、

 

「そういや話変わるけどさ、皆の推薦した会社ってどんな感じなの?」

 

 ニカ姉が話題を変えた。この学園は基本会社の推薦が無いと入学できないことになっている。例え学科の試験が良かったとしても。

 

「あーしんとこは売上高127位*3。マルタンは?」

「僕も売上高128位だから同じくらいかな〜。」

「あの水星さんのところは………あった、シン・セー開発公社、グループランクDで、売上高151位⁉︎」

「ほぼBじゃん!」

「よくこの学校に入れたな〜。」

 

 そんな中、水星女の推薦会社は入れたのが不思議なレベル。なんせ、売上高が小さいから。

 

「そういやニカ姉んとこも小さかったよな。」

「でも、MSは作れた!」

「認可されないんじゃしょうがないよ〜。」

「この学校、推薦してくれた会社のランクで決まるもんね〜。」

 

 ちなみにニカ姉も同じ。彼女がMSを作れるほどの卓越した技術を持っているのに、認可されないなどの差別が平気で横行している。

 

「そうなのか………グループ内序列とやらは、よく分からんな。」

「そういやグリちゃんはそもそもベネリットグループじゃないよね?」

「どうやって入ったの?」

「通常通り試験で合格した。後は理事長を開発しないことを条件に。」

「後半が本音だろうね。」

「ライバルグループ*4を潰してくれた恩………よりは恐怖があるだろうね。」

「確かに、そうかもしれんな。まあ、入学できたことをありがたいと考えよう。」

 

 蚊帳の外の天王星は変態ということで差別されている。というより、日頃の言動で軽蔑されている。ただアバンネットグループを退けるなど実力は本物なので、入学拒否などをやると何されるか分からない怖さもあるのだろう。

 

「いずれにせよ、私たち地球と天王星は色んな意味で下だもんね〜。」

「地球生まれは肩身が狭いよ〜。」

 

 ということで、アーシアンと天王星人(ウラヌシアン)は酷い扱いを受けているのだ。

 

「あーしらを底辺に追い込んでるのはスペーシアンの方じゃん‼︎」

「チュチュ、声大きいよ〜。」

「あーしは聞かれても平気。」

「僕は、平気じゃないから……っ!」

 

 それをあーしは日頃から不満として、表に出しまくっている。他の皆みたいに黙って耐えられるような性格じゃないし。

 

「チュチュは声聞かれても平気だと………エッチの時に⁉︎」

「そうじゃねえよ‼︎」

「というかチュチュは声大きいって………まさか⁉︎」

「グリグリ、いっぺんシバくぞ‼︎」

「そういう関係じゃないからね〜。」

「そうなのか………」

 

 ちなみに、食事中だろうがコイツは猥談フルスロットル。少し油断するだけで猥談へと繋げてくるので、常に気が抜けない。

 

 

 

 

 そんなことを思っていると、

 

「ちょっと、そこどいてくれる?」

「そこ、いつもあたし達が使ってんだけど。」

 

 クソスペ女2人が飯を持ってやってきた。どーせ言いがかりだろう。

 

「そんなのいつ⁉︎」

「丁度今、食べ終わった………」

 

 あーしがキレるも、ニカ姉が頭を下げて退こうとする。あーしの尊敬するニカ姉に気を遣わせるなんて………怒りで身体中の水はとっくに沸騰している。殺意など抑えられるわけもない。感情の赴くままに、コイツらをタコ殴りにしてやろう。

 

「いつも………使っているだと⁉︎この机を⁉︎」

 

 そんなことを思っていると、痴女が勃ち上がった。いや、立ち上がった。

 

「君たちはこの机で角オナしているのだな⁉︎」

 

 そして開口一番、とんでもない猥談を口にした。

 

「「はぁ⁉︎」」

「頭沸いてんじゃないの、この変態⁉︎」

「手に持ってるものが見えないの⁉︎飯よ飯‼︎」

「つまり、相方に女体盛りをしながら、その姿を見てオナると………なるほど、素晴らしい‼︎」

「「違えよ‼︎」」

 

 もちろん慣れてないクソスペ共にはクリティカルヒット。顔を真っ赤にさせながら否定するも無意味。何故なら天井を突き破るほどの大声で猥談するグリグリにより、他の生徒にまで聞こえているから。

 

「でも、それなら何故この机をいつも使っているのだろうか………?」

「どんな優れた機械でやっても、マイクロ単位では誤差が出る。つまり、机ごとに角の微妙な違いがあるのは事実ね。」

「「それがどうした⁉︎」」

 

 ニカ姉まで参戦する。持ち前の機械関係の知識を机にも応用し、グリグリの攻撃をサポートする。

 

「つまり君たちは、この何十個もの机で角オナし、一番気持ちいいものを探り出したということだ‼︎そしてそれ以降、この机でシてるのだろう⁉︎」

「「はぁぁぁぁぁぁ⁉︎」」

 

 そして決まる、グリグリの会心の一撃。

 

「なんという素晴らしき変態精神‼︎是非我も見習いたい‼︎今日出会った暁には、我に角オナの素晴らしさを教えてくれると助かる‼︎この通りだ‼︎」

 

 口喧嘩で優位な側が土下座しているという奇妙な光景。それにより、かえってクソスペ共が変態に師匠として崇められるという光景に変化する。

 

「逃げるわよ!」

「こんな変態の相手なんかしてらんない!」

 

 そして遂には耐えられなくなり、クソスペ共は逃げ出した。これであーしら地球寮の勝利だ‼︎これがグリグリのワイダンロンパよ‼︎

 

「やった〜!グリグリ、ナイス‼︎お前本当に良くやったな‼︎」

「ありがとね!」

「男僕だけで恥ずかしかったけど、助かったよ。」*5

「友人に褒められるのは………嬉しいものだな。」

「久々にスッキリしたぜ‼︎」

「チュチュ、もしやご無沙汰だったのか……?そして先程イったのか?」

「違えよ、そういう意味じゃねえって‼︎」

 

 いつものツッコミに戻りつつも、久々にスペーシアン共を撃退出来た。胸の中につっかえていたものが取れたような、そんな爽快感を全身で味わいながら、食事を味わう昼下がりとなった。

*1
スレッタが転校してきた時期って分かってましたっけ?僕ちょっと知らないので、適当に決めました。もし正しい時期が分かったら直します。

*2
アニメの絵がそう見えたので。

*3
本編で出てないので勝手に書きました。

*4
3話で出てきたアバンネット・グループ。侵略したが逆に全身性感帯にさせられ、仕事ができない従業員が多発したため解散。

*5
流石に女子だけのワイダンロンパで男のマルタンは喋れませんでした。




次回、いよいよみえない地雷‼︎スレッタ&ミオリネ、登場です!お楽しみに!


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第五話 みえない地雷 Part1

  side チュチュ

 

 グリグリにも残念ながら慣れてきてしまったある日、決闘騒ぎでクソスペジェターク家ことグエル・ジェタークが水星女に連敗するという事態が発生した。

 

「しゃあ!クソスペの連敗‼︎ざまあみやがれ‼︎」

「水星女もスペーシアンではないか?」

「た、確かに………」

 

 普段変態ボケ女なグリグリにツッコまれるという屈辱感。これほどまでに最悪なことは無いだろう。あと、これ言うとコイツに猥談で返されそうだから言わない。絶対に。

 

 そんなことを思っていると、

 

「スレッタ・マーキュリー。俺と、結婚してくれ。」

「へっ⁉︎けっ、けけけけ、結婚って⁉︎」

 

 いきなりグエルが水星女の手を取ってプロポーズしたかと思えば、

 

「待て!今のは違う‼︎」

「嫌ですぅぅぅぅぅぅぅ‼︎」

 

 水星女に秒で振られた。これを見た寮の皆は当然、大騒ぎになった。

 

「人がプロポーズするところ、初めて見ました〜!」

「振られるところもね………」

 

 目の前の情事に目を輝かせるリリッケと、弱々しく補足するマルタン。他の人たちも驚いたような目で見ていた。その反応は、あーしが抱いている感情とは異なっていた。

 

「くっだらねぇ。痴話喧嘩だったってワケ⁉︎」

「チュチュ⁉︎」

「スペーシアン様はお気楽なもんね。」

 

 互いの大事なものを賭けての決闘。それを使って、あのカップルだかなんたが知らんクソスペ共がイチャイチャしやがった。本当に何してるんだが………。あーしらが決闘ってなったら、それこそ地球の名誉や命などを賭けるほどの重いものになるだろうに………。これだからスペーシアンは嫌いなんだよ……っ‼︎

 

 

 

 そんなことを思っていると、

 

「痴話喧嘩………つまり、あの2人は卑猥なことをしているのか‼︎」

 

 本当にお気楽なスペーシアンが頓珍漢なことを言い始めた。

 

「知らね〜よ。」

「ならば確かめねばあるまい‼︎行くぞチュチュ‼︎」

「行かねえよグリグリ、アホか‼︎」

 

 天王星はつくづくあらゆる争いから蚊帳の外である。そういう点だけは、少し羨ましかったりもするのだ。まあ蚊帳の外の理由が変態過ぎて避けられてるってだけたのだが。

 

 

 

 

 その決闘から一夜明け、グリグリは早速暴走を始めた。

 

「授業始まるまでに取材するのだ‼︎スレッタ・マーキュリーに‼︎」

「おいグリグリ、行くな‼︎」

 

 登校するや否や、いきなり2年の教室に向かったのだ。お前は週刊誌のカメラマンか。

 

 そしてあーしらが教室に着くと、

 

「何、その制服?」

「どこか、変ですか?」

「生徒手帳貸して。」

 

 昨日の水星女とキツネみたいな白髪女が話していた。どうやら白髪女が制服をホルダー用に変えるみたい。

 

「ふえっ⁉︎ええっ⁉︎」

「ホルダーはね、パイロットスーツだけじゃなくて、制服も特別仕様になるの。」

「ほぇ〜!」

 

 そして、変えた。さっきまで水星女が来ていた緑の制服が、白の制服に変わったのだ。

 

「なんなのだ、あのシステム‼︎まさかアス高の制服は特殊なボディペイントなのか⁉︎」

「違えしうるせえ‼︎とりあえず黙れ‼︎」

 

 そしてそれを見た途端、グリグリが興奮し始めた。下手に目立つと嫌なので、とりあえず静かにして欲しい。幸いまだグリグリがアイツらに近寄って無いからか、向こうもこちらのことは気にしていないみたい。

 

 そんなことを思っていると、

 

「自覚持ちなさい。アンタは決闘のホルダーで、私の花婿なんだから。」

 

 白髪女が変なことを言い始めたのだ。

 

「花婿………だとっ⁉︎つまりは三角関係か⁉︎スレッタ・マーキュリーは天然ディルドを持っているのか⁉︎」

 

 たまらずグリグリが興奮してアイツらに話しかける。あーあ、今日もダメだったよ。あーし帰っていいかな。

 

「はぁ⁉︎」

「どどどどど、どちら様ですか⁉︎」

「アンタには関係ない話でしょ‼︎」

「失礼、我はパイロット科1年のエバーグリーン・ウラヌスである。長いからグリちゃんでもグリグリでも呼んでくれ。」

「どどど、ど〜も!私はパイロット科2年……のっ!スレッタ・マーキュリー、ですっ‼︎」

「名乗んなくていいわよ、スレッタ。」

 

 それにしても、水星女は天然なのか?普通チンコついてるって知らねえ奴に言われたらキレるだろ。あーしだったらペンチで頭殴ってるぞ………

 

「もしやアンタらが、例の変態ウラヌシアンと狂犬ポメラニアン?」

 

 殴るぞ、あの白髪女ぁ⁉︎

 

「おいテメェ‼︎あーしらを三流漫才コンビみたいに呼ぶんじゃねぇ‼︎」

「でも噂になってるじゃない。」

「わわわ私もっ、聞いたことがあります‼︎」

 

 あーしらはテメェらスペーシアンの見せ物じゃねえんだよ‼︎クラスにいる他の連中も笑いやがって………っ‼︎

 

「それはグリグリ(コイツ)の言動がおかしいからだ‼︎」

「何かおかしいところがあったか、チュチュ?」

「全部だよ‼︎」

 

 お前もとぼけた目で見るな‼︎ったく、あーしの胃と喉が持たねえっつーの‼︎

 

「お前ら、どけ。」

「グエル・ジェタークまで来ただと⁉︎今から3pでもするのか⁉︎」

「「「しねぇよ(しないわよ)‼︎」」」

 

 グエル・ジェタークまで出現したことにより、余計訳わかんないことになった。コイツは昨晩おめおめと二敗目を喫して、何をしにのこのことやってきたんだ?意味が分からない。本当に、この学園はわけわかんないクソスペ共だらけだ。頭が痛くなる、許せない。

 

「おいグリグリ、帰るぞ。授業もうすぐだし。」

「確かに、そうだな。それでは失礼する。」

「もうしてるだろ‼︎」

 

 唯一許せるのは、コイツだけだ。

 

 

 

 

 その日の午後、あーしらは実習を受けていた。内容は地雷回避歩行だった。

 

「それにしてもチュチュ、今朝のグエルの生おっぱいはすごかったな。」

「アホか‼︎何見てんだよ‼︎」

「おっぱいだ。」

「そういう答えを求めてんじゃね〜よ‼︎」

 

 もう直ぐ出番だというのに、めちゃくちゃお気楽なグリグリ。まるで近所のコンビニに行くかのような、そんなテンションだ。

 

 ちなみに今回の実習では、埋められている模擬地雷を回避しながら走行し、ゴールまで辿り着くのが目的だ。使用できる機器類として、光学映像は可視光線のみ。しかもそれを見るのはパイロットではなくスポッター*1。地中レーダーとスポッターからの指示で模擬地雷の位置を把握し、回避しながら走行する。もちろん他のセンサーは全てOFFだ。

 

「それでは先発、行ってくる。」

「おう、頑張れよグリグリ‼︎」

「応援感謝する、チュチュ‼︎」

 

 こうして、グリグリが先陣を切った。

 

 

 

 グリグリの滑り出しは順調だった。

 

「しばらくは地雷ねえから普通に行けよ‼︎」

「チュチュ、承知した。」

 

 ちなみにあーしがスポッターである。あーしの時はポジションが逆になる予定だ。実習を受ける側が他人のスポッターを兼任することは認められているので、連携がやりやすいグリグリにした。

 

「よっし、30m進んだ後は右に30°、その次は45m進んで左に45°だ‼︎」

「流石はチュチュ!順調だ‼︎」

「あーしにかかれば余裕よ‼︎」

 

 声だけでも分かるくらい、可愛らしく喜ぶグリグリ。彼女の子供のような純粋さを見ると、なんだか仲の良い妹ができたみたいで嬉しくなる。尤も、周りはあーしが妹でグリグリが姉って言うけど。

 

 

 

 そんなことを思っていると、

 

「んん、(いぶか)しいな?」

 

 グリグリが怪訝な声を発した。

 

「どうした、グリグリ⁉︎」

「画面が黒くなりおったな。」

 

 画面が黒くなった?まさか故障か?ニカ姉すら腰を抜かすレベルの技術を持つ天王星のMSが、そう簡単に故障するものか?外からの妨害と言われた方が、まだ納得できる。

 

「ひとまず、地中レーダーを利用するしかないか………」

「でも、モニター見えねえんじゃ意味無くない?」

 

 打開策としては、あーしの指示を聞いてグリグリが歩くしかない。だがモニターが見えない状態で歩くのは、目を閉じて歩くようなもの。自分がまっすぐ進もうとしても思うように歩けないものだ。だが、それに頼るしか………

 

「いいや、大丈夫だ。」

「えっ?」

 

 大丈夫なのか?

 

「我が性欲を地中レーダーとリンクさせる。」

 

 大丈夫じゃなかった。

 

「はぁ⁉︎何言ってんだ⁉︎」

MD(モビルディルド)は常に操縦者の性欲をリンクさせることができる。つまり、地中レーダーを猥褻物探索レーダーとして機能させることが出来るのだ。我は目をつぶっていても、猥褻物だけは探索できるからな。」

「だとしても、地雷は回避出来ねぇだろ‼︎」

「それは、地雷をおっぱいの大きいイケメンだと思えば良いのだ。」

「アホか‼︎」

 

 言ってることもやろうとしてることも理解出来ない。というか、理解したくない。数ヶ月友人としてやってきても尚、常識の範疇から大きく外れたところに居続けるのだ。

 

「これならイケるぞ‼︎」

「すげえ、ちゃんと歩けてる………」

 

 ところがしばらくして、ある問題が発生した。

 

「まずいぞチュチュ‼︎」

「どうしたグリグリ⁉︎」

イケメンのおっぱい(じらい)に本能で近づいてしまう‼︎」

「マズいのはお前の頭だ‼︎」

 

 グリグリがアホだということだ。

 

「嗚呼、禁欲生活とはこんなにもつらいものなのか……っ‼︎」

「たがが10分だ、我慢しろ‼︎」

「ぐぬぬぬ………っ‼︎」

 

 せっかく成功したのに、性交しようとして失敗するのは本末転倒だ。ここは何か打開策を…………そうだ‼︎

 

「合格したらエロ本買ってやっから‼︎」

「なんと………っ、チュチュ、感謝する‼︎」

 

 良かった、グリグリがアホで。

 

 

 

 こうして彼女の目の前にエロ本をぶら下げた結果、

 

「MP0721、エバーグリーン・ウラヌス、合格‼︎」

「「よっしゃぁぁぁぁぁ‼︎」」

 

 なんとか合格出来たのだった。

 

 

 

 

  side アーシアン差別してる女生徒2人組のうち1人*2

 

 嘘でしょ、あの変態ウラヌシアン!なんで遅効性塗料が効かないのよ‼︎意味わかんない‼︎

 

 こうなったら、あの狂犬ポメラニアンだけでも落第させてやる‼︎テメェらアーシアンは大人しく下にいろっつーの‼︎

*1
ですよね?ちょっと僕曖昧です。

*2
名前分かんなかったので、こう書きました。




長かったので分けました。


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第六話 みえない地雷 Part2

  side チュチュ

 

 あーしは実習後のグリグリの機体を見に行った。

 

「そういや、モニターが真っ暗ってどういうこと?」

「暗くて何も見えなくなったのだ。ほら、この通り。」

 

 そう言って、グリグリはMD(モビルディルド)の中を見せてくれた。すると、前面のモニターが確かに真っ黒で何も見えなかった。

 

「確かに真っ黒だな。」

「機械の故障は恐らく無さそうなのだが………」

「だったら何が………」

 

 目の前の不可解な現象に頭を悩ませながら、ふらっと機体の外に出ると………あーしは機体前面の違和感に気づいた。

 

「おい、なんか外に塗られてね?」

「外に………う〜む、我は何も塗った覚えは………」

「遅効性遮蔽スプレー‼︎」

「なんとっ⁉︎」

 

 モニターが真っ暗になった原因は、機体前面に黒いスプレーがかけられてたからだった。

 

「全裸でプレイしてると思ったら、いつの間にかボディペイントになってた感じか‼︎」

「違えよどんな発想だよ⁉︎」

 

 グリグリの猥談はさておき、メカニック担当のニカ姉がこんなことをするはずが無い。となると、実習中に外部から誰かが塗布したとしか思えない。遠隔操作でスプレーを吹っかけるくらい、簡単なラジコンで出来るだろう。

 

「くそっ、悪戯か……っ‼︎」

「悪戯は性的なものだけにしてほしいな。」

「それも嫌だろ‼︎」

 

 グリグリはまたしてもさておき、思いつく犯人は1組。この前食堂であーしらに喧嘩ふっかけてきたクソアマスペーシアンだ。となると、あーしにも仕掛けてくるのは明白。

 

「あーしがこれやられたらどうすんだよ……っ‼︎」

「とりあえず、我みたいに地雷を猥褻物とみればよいのでは?」

「あーしはエロ探知スキルなんかねぇよ‼︎」

 

 もちろんグリグリみたいに出来るはずもないし出来たくもない。となると、どうすればいいのか………

 

「ならば、ローション・愛液等剥離剤を部屋から持ってくるか………」

 

 すると、グリグリが頓珍漢なものを言ってきた。

 

「なんだよそれ………」

「プレイ時はローションや愛液など様々な液体が部屋中に付着することになる。それを落とすのは地味に大変だ。」

「知らんがな。」

「そこで開発されたのが、我が天王星から持ってきた剥離剤。これを用いてプレイ後の片付けを円滑に行うのだが………」

 

 コイツら本当に技術の使い道間違ってない?もっとちゃんとした目的で使ったら、それこそ宇宙一になれるポテンシャルあるのに。

 

「それを事前にチュチュのMSにかけておこう。」

「理屈は知りたくなかったけど、役には立ちそうだな。とりあえず使ってみるか。」

「承知した。それでは早速部屋から持ってこよう。」

「ありがとな!」

 

 それはさておき、とりあえずあーしはグリグリの道具に頼ることにした。彼女は嫌な顔一つせず、素直にあーしに協力してる。こういう姿勢が、彼女の変態性を差し引いても一緒に居たいと思えてしまう要素である。

 

 

 

 その後はグリグリの剥離剤のおかげか、

 

「すげえ、全然黒くならねえ‼︎」

「おお、それは良かった‼︎」

 

 遮蔽スプレーの被害を受けることなく、あーしは無事実習をクリアした。

 

 

 

  

  side アーシアン差別女2人

 

 くそっ、あのアーシアンまでクリアさせちまった‼︎マジでムカつく‼︎なんなのよ、天王星の変態技術は………っ‼︎たくっ、次のターゲットは田舎者の水星女だ‼︎あたしらのストレスを発散させてくれよ‼︎

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 実習を終えてあーしらが寮に帰ると、

 

「どどどど〜も〜、すすす、スレッタ・マーキュリー、です!」

「リリッケ・カドカ・リパディだよ〜!」

「寮長のマルタンだ。」

 

 なんと………そこにはいるはずのない水星女が居た。

 

「おい!なんでここにスペーシアンがいんだよ⁉︎」

「「「チュチュ⁉︎」」」

「我も居るのだが………」

「た、確かに………」

 

 一瞬頭にきて手が上がりそうになったものの、そういやグリグリもスペーシアンだったことを思い出して冷静になれた。いつの間にか彼女のことをアーシアンの皆と同等に扱ってたことに、ようやく気づいたのだ。

 

 そうなると、特に悪意の無さそうなこの女を無碍に扱う理由もないだろう。一応確認はしておくが………

 

「おいお前、あーしらアーシアンを下に見たりしねぇよなぁ?」

「もももも、もちろんですぅ!」

「ならいいよ。」

「「「「「「おお‼︎」」」」」

 

 まあ、大丈夫だろう。あーしがすんなりスペーシアンを認めた様子に、周りの仲間たちは大きく驚いていた。

 

「我はパイロット科1年のエバーグリーン・ウラヌス。早速なのだが、君はふたなりか?」

 

 ただ1人、グリグリだけは平常運転だったが。

 

「早速じゃねえよ‼︎なんて質問してんだ、この変態女‼︎」

「だって、花婿の魔女だぞ?ついてるか否か気になるではないか。」

「つつつつ、ついてるって何をです⁉︎」

「ナニだ。」

「だからそれって…………」

 

 どうやら水星女ことスレッタは下ネタを全く知らない様子。まあ見た感じの予想通りだ。

 

「気にすんなスレッタ、コイツは後であーしがシメとくから。」

「えええっ、えっと!シメるのはよろしくないかと‼︎」

「いや、真面目かお前も‼︎」

「拘束プレイ………だと⁉︎それは我が地雷ぞ……っ‼︎」

「お前地雷あんのかよ⁉︎」

 

 グリグリのみえない地雷を踏みつつも、新たなスペーシアンを歓迎することができた。スペーシアンだからと一括りにせず、ちゃんとその人柄を見て付き合うか判断する。それがあーしには大切なんだと、変態の親友に気付かされたのだった。まあ、差別する奴らは今まで通りゴミ扱いするけどな‼︎

 

 

 

 そんなことを考えてると、

 

「スレッタ、ここに居たのね。」

 

 入り口からノコノコと白髪女がやってきた。彼女は確か、ミオリネ・レンブラン。ベネリットグループの総統である理事長の娘だ。正直この立場の人間がアーシアンを差別しないわけないけれど………我慢だ、我慢。

 

「君は確か………ミオリネ・モンブラン。」

「レンブランよ。」

「花婿であるスレッタとの卑猥な行為を、教えていただきたい。」

「はぁ⁉︎」

 

 お前はもう少し我慢しろ。

 

「んなことするわけないでしょ⁉︎馬鹿じゃないの⁉︎」

「なにっ、花婿と花嫁が性行為をしない………だとっ⁉︎」

「ミオリネさん、どういうことですか⁉︎」

「コイツの猥談は聞かなくていいから、スレッタ!」

「では我が………やらしい雰囲気にしてやるぞ‼︎」

「しなくていいから‼︎」

 

 ただ、これで分かった。彼女は優秀なツッコミ役になり得る。あーしだけじゃ持たなかった胃と喉を、彼女にも負担してもらおうじゃね〜の‼︎

 

「ミオリネ……だっけか。後は任せた!」

「アンタ、コイツの相方じゃないの⁉︎ちゃんと世話しなさいよ‼︎」

「無理なもんは無理‼︎」

「チュチュが相方………か。良き……(かな)。」

 

 彼女らが地球寮に入ったわけじゃねえけど、なんだが仲間が増えて賑やかになった。そんな気がした日だった。

 

 

 

 

  side 4号

 

 階段下でスレッタ・マーキュリーと接触。どうやら地球寮に行ってたらしい。

 

 そういえば地球寮には、変態の天王星人(ウラヌシアン)が居たっけ。エバーグリーン・ウラヌス。天王星からはスカーレット・ウラヌスに続いて2人目の入学か。苗字が一緒だし、恐らく姉なのだろう。まあ、興味無いんでどうでもいいけど。



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第二章 御三家
第七話 氷の瞳に映るのはエロ本


  side チュチュ

 

 地雷実習から2ヶ月経ったある日のこと、

 

「お前その本やけに気に入ってるな。」

「それは、チュチュがくれたエロ本だからな。」

「そりゃど〜も!」

 

 グリグリは相変わらずあーしがプレゼントしたエロ本を嬉々として読んでいる。これは地雷実習の時に完走したらプレゼントする、と言ったヤツだ。正直エロ本を拾う時に身体中の水が沸騰しそうになるほど恥ずかしくなったし、周りに変態アーシアンと言われて殴りそうになったりしたが、彼女の嬉しそうな顔を見ると買ってよかったと思える。

 

「それにしても………この本の内容からして、チュチュは男同士の卑猥な行為が好きなのか?」

「違えよ‼︎」

「そうか。」

 

 ちなみにあげたのはたまたま目についただけのやつ。あーしは全然興味ないので、勘違いしないで欲しい。あと、買うのは年齢的に出来なかったので拾った。

 

 

 

 ちなみに今は、ニカ姉、マルタン、ヌーノがスレッタのエアリアルとグリグリのMD(モビルディルド)を見ている。

 

「エアリアルとMD(モビルディルド)、どっちもすっごい技術の結晶………ヌーノ、システムはどんな感じ?」

「エアリアルは神技レベルに統合されてるよ〜。一級エンジニアをどれだけ動員したんだか〜。MD(モビルディルド)はマジで意味分から〜ん。」

「エアリアルはすっごいね〜。そしてMD(モビルディルド)、君は近未来から来たのかい?」

 

 どっちもイカれたレベルの代物。アーシアン達の技術じゃ到底製造出来ないだろう。悔しいけど。

 

「ねえグリちゃん。」

「どうしたニカ?」

「乗ってる人だけでなく攻撃した相手にも性的コネクトするって、要は機体の装甲を通り抜けて相手の脳や神経に到達してるってことでしょ?」

「まあ、そうだな。」

「それって誰にでも出来るの?」

「ああ。任意の敵にエロいことが可能だ。」

 

 特に天王星。使い道がバカすぎるだけで、やってること自体は相当危険だ。これを悪用すれば、物理的に攻撃が通らなくても相手にダメージを与えられる。性的快感ってことは、皮膚を透過して神経に直接作用する攻撃とも言える。これを使えば、例え核シェルターだろうが無意味なものとなるだろう。

 

「どうした、ニカはエロいことしたい人でもいるのか?」

「いや、いないよ。」

「そうか。ちなみにチュチュはいるか?」

「いるわけねえだろ‼︎」

 

 本当に、パイロットが頭ポンチだから成り立ってるような代物だ。

 

 

 

 そんなことを考えていると………

 

「えええ、エランさんが………つつつ付き合って欲しいって!」

「何っ⁉︎エランはスレッタとエロいことがしたいのか⁉︎」

「違えだろ‼︎」

 

 とんでもない話が舞い込んできた。エラン・ケレスがスレッタをデートに誘ったのだった。

 

 

 

 話が話なので、あーしらは女子部屋で女子会を開くことになった。

 

「…‥デート?」

「ちちち、違います!今度の休日、お出かけしませんかって………」

「それをデートっつーんだろうが。」

 

 スレッタはどうやら事の重さを分かってないみたい。まああの下ネタ知識じゃ、ろくに知らなくてもおかしくないだろう。

 

「スレッタ先輩!この間のプロポーズ断ったのって、エラン先輩が本命だからですか?」

「いいいいいやいやいやいや!」

 

 相変わらず恋バナにノリノリなリリッケ。

 

「エランのどこを卑猥だと感じたのかい?」

「ひひひ卑猥なことはっ、感じてません!」

 

 相変わらずエロバナにノリノリなグリグリ。

 

「でも意外だな。あの氷の君が。」

 

 そんな2人をよそに、アリヤが話し始めた。

 

「氷の………君?」

「彼、いつも無表情だろう?笑うところも怒るところも、誰も見たことがない。」

 

 エラン・ケレスはとても恋とかする類の人間じゃない。感情というものを捨てた、まるでロボットのような男だ。

 

「そこがクールでいいっ、て子も多いんですよね〜♪」

「息詰まりそ〜。あーしだったらソッコー断るね。」

「誘われたのはスレッタだよ。」

 

 正直、あーしは全然好きじゃない。特に性格が。もちろん、スペーシアンだから嫌いというのもあるが。

 

「無表情………つまりムッツリか?」

「つまりじゃねえよ‼︎」

 

 ちなみに、グリグリも割と表情筋は動かない類の人間だ。それだけだと、一見エラン・ケレスと似ているようだが、彼女の場合意外にも感情が分かりやすい。ほんのり嬉しくて笑ってるところも、泣くほどではないけど悲しそうにしているところも。同じクール系でも、2人は全然違うと思う。

 

 とまあこうして女子会で作戦を練った次の週、

 

「ででででは、行ってきます!」

「「「行ってらっしゃ〜い!」」」

 

 スレッタはデートへと旅立った。   

 

 

 

 

 そしてその結果………

 

「エランさんとグエルさんが決闘することになりましたっ!」

 

 意味わかんないことになった。

 

「な〜んでグエルとエランが決闘するんだよ?」

「決まってるじゃないですか〜♪ねっ、スレッタ先輩♪」

「そ、そんなんじゃ………」

「スレッタとのエッチを賭けた戦いか………」

「そそそそ、それは違います!」

 

 ちなみにミオリネは………

 

「いい展開ね。あいつらには潰しあってもらおうじゃない。」

「お前性格悪すぎんだろ。」

 

 内心喜んでそうだった。というかコイツ、いつから地球寮に来るようになったんだ?確かにスレッタの花婿だけど……。いつの間にか来て、いつの間にか常連のように図々しく居座っている。まあいいけど。

 

「ミオリネ・モンブランは……」

「レンブランよ。」

「スレッタとエッチがしたいのか?」

「違うわよ、エバーグリーン!」

「そそそそそうなんですか、ミオリネさん⁉︎」

「違うって言ってるでしょ、スレッタ!」

 

 グリグリの猥談の餌食になるから♪

 

「チュチュ、エバーグリーンの面倒ちゃんと見なさいよ‼︎」

「あーしはコイツの世話係じゃねえ‼︎」

 

 ミオリネには何故かあーしが世話係扱いされてるけど。

 

 

 

 

  side 4号

 

 グエルには勝った。これでスレッタとの決闘が出来る。エアリアルを奪うことができる。

 

 そしてもう一つ気になるのが………天王星のエバーグリーンだ。彼女の乗ってる機体………あれはガンダムの上位互換になるかもしれない。自分だけでなく、どんな相手にも強制的にパーメットリンクをさせることができる。相手に性的快感を与えるというのは、そういう事だろう?

 

 そうだ、スレッタ・マーキュリーが終わったら、彼女のMD(モビルディルド)も調べてみようか。もちろん、決してエロいことに興味があるわけじゃない。その技術の危険性を、ペイル社で調査したいだけだ。決してエロいことに興味があるわけじゃないからな。



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第八話 鬱陶しい放屁

  side チュチュ

 

 どうやらエランはスレッタのエアリアルが欲しいらしい。

 

「エランは機械姦……なのかっ‼︎実に変態だ‼︎」

「お前がな‼︎」

 

 そして、グリグリはアホらしい。

 

「誕生日……聞いたのがいけなかったのでしょうか………」

 

 そんなグリグリをよそに、当のスレッタは落ち込んでいた。スレッタはアリヤの占いで必要な誕生日を聞いて、エランとの運命を知りたかったらしい。が、それを聞いた途端エランが怒ったんだとさ。

 

「鬱陶しい………か。氷の君はなかなか酷いことを言うな。」

「なんか感じ悪いですよ〜。」

「自分から誘ったんじゃね〜のかよ‼︎」

「なにっ、エランは誘い受けではないだと⁉︎由々しき事態だ‼︎」

「お前の頭がな‼︎」

 

 本当に意味が分からない。急に嫌になって断ったのか?まるでマッチングアプリで実際に会ったものの、思ってたのと違って断ったみたいに。もしそうだとしたら、更に腹が立つ。

 

 そんなことを思っていると、

 

「それにしても、誕生日を聞かれるのが嫌………か。彼は己の出自を好んでないのかもな。」

「出自………ですか………」

「誕生日とは己の生まれた日……つまり出自が嫌だから、誕生日も嫌いになるのかと………」

 

 グリグリが久々にまともな事を言った。まあ友人思いな一面はあるので、いざという時にちゃんとするのは意外でもないけど。

 

 そしてエランが出自に何かしら嫌な思いをしていること。自分が実はアーシアンで、それを隠して生きているとか?それとも何か別の悩みが?考えれば考えるほどドツボにハマって、第三者のあーしですらよく分からなくなる。

 

 そういや、グリグリの出自……というか、過去はどんな感じなんだろう?まあ大概エロい事しか無いだろうけど。わざわざこんなに遠いアス校を選んだのも、天王星外にエロい男が居ないか探しに来た、とかだろうな。

 

「なるほど………でもアリヤさんの占いは……」

「誕生日以外か、ちょっと探してみるけど…………」

「あああありがとうございます‼︎」

 

 それはともかく、アリヤの占い関係なしにも、好きな人の誕生日は知っておきたいけどな。好きな人だけじゃなくて、友人とかでも。後でグリグリの誕生日聞いとこう。

 

 

 

 翌日、スレッタが決闘の約束を取り付けてきた。が、一つ問題があった。

 

「フロント外宙域*1?」

「お前、推進ユニット持ってんの?」

「持ってない……です。」

 

 決闘場所だ。フロント外宙域とは、その名の通り宇宙空間。そこでは推進ユニットが無いとうまく立ち回れない。

 

「まずいよ〜。ペイル社のMSは機動力が売りなんだ〜!まして新型が相手じゃ………」

「あの装備だけじゃ不利だな。」

「すいません………」

「ドンマイですよ〜。決闘の諸条件は、決闘委員会の先見事項ですから〜。」

 

 そして、御三家のMS相手、しかも金にものを言わせた最新機種。普通に考えて不利だ。もちろん買えるお金もありゃしない。他のクソスペ共の寮がアーシアン&ウラヌシアン&水星女のあーしらに貸してくれるはずもない。どう解決すればいいか、頭を必死に回らせていると………

 

「作ってみようか!」

 

 機械の天才ことニカ姉が名乗りをあげた。

 

「ならば、我にもいい考えがある。」

 

 異彩な変態ことグリグリも名乗りをあげた。

 

「本当ですか、ありがとうございます!」

 

 ニカ姉曰く近未来から来ててもおかしくないと言われる天王星の技術。それを使って、一体何をするのだろうか…………

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、放屁型推進ユニットの開発に取り掛かる。」

 

 おならだった。

 

「「「何言ってんだよお前⁉︎」」」

 

 そりゃ、全員でツッコミたくもなる。よりにもよっておならかよ。

 

「これは屁こき(ざむらい)の放屁から発想を得たものである。」

「まず、屁こき侍って何⁉︎」

「屁で空を飛ぶことですぐに現場に駆けつけ、様々な問題を解決する治安維持部隊だ。」

「治安維持してんのそれ⁉︎臭くなってない⁉︎」

 

 確かにおならを勢いよくやれば推進力が出て、空が飛べそうというのはわかる。でもそれを実際にやろうとは思わないし、それで空を飛んで仕事現場に駆けつけるのはもっとヤバい。

 

「天王星がおなら臭いのは元々だ*2。」

「よく住んだな、そんなとこに⁉︎」

「先祖曰く、天王星移住プロジェクト、いわば仕事で来たらしいからな……」

「それ変態を左遷させただけじゃね〜か‼︎」

 

 おなら臭い惑星に左遷された変態たち。なまじ優秀だったせいで、死なないどころか逆に高度な文明を築いたのだろう。あと、左遷する側の気持ちはめっちゃ分かる。恐らく、変態と関わりたくないからだろう。あーしだってそうするし。

 

「ちなみに天王星には屁こき侍以外にも、ちんちん侍や乳ビンタ侍、HIP(エッチアイピー)などが存在する。」

「他にも居んのかよ、それにケツだけ名前のテイスト違いすぎね⁉︎」

 

 おなら以外にも沢山いる変態集団。そいつらがそこら中を飛び回って活動する光景。それを想像するだけで、得体の知れない気持ち悪さが襲ってくる。

 

「話が逸れたな。概要としては、多くの人の放屁をエアリアルとリンクさせることで、より大きな推進力を得られるというものだ。」

「ほぇ〜、なんかすごいですね!」

 

 何もわかってなさそうなスレッタ。大丈夫、あーしも分かってないから。

 

「でも私、流石に人体にリンクさせるのは出来ないかも……」

「ニカ、安心しろ。その辺は天王星の専門家の手助けを借りる。」

「それじゃあ、私は他の部分を考えればいいってことね!」

「話が早くて助かる。」

「早すぎだろ‼︎」

 

 ニカ姉、なんでそんなにすぐ分かるの?

 

「他の皆には、現役の屁こき侍から効率の良い放屁術を教わり、スレッタのエンジンとなるのだが………」

「効率的なおならの仕方とかあんのかよ⁉︎」

「放屁学の教科書が出ているくらいだ。」

「本出すほど沢山あんの⁉︎」

 

 マジで、言ってることやろうとしてること全てが無茶苦茶だ。そんなの、出来るわけね〜だろ。あーしは断って、メカ整備とかそっちを担当しよっかな………

 

「言って思ったが、恥も負担も重いな………他の皆には整備に集中してもらって、我1人が放屁を担当する。」

 

 そんな事を思ってたのに、妙な気遣いを見せてくれた。どうやら最近他惑星の人は猥談を恥じると知ったらしい。そして、妙な漢気も見せてくれる。普通会って2ヶ月の人間のために、女1人がおならし続けるなんてあり得ない。それを、友達の為なら躊躇わずにやれる。こんな姿を見せられちゃあ、あーしだって黙ってらんね〜よ‼︎

 

「分かったよ。誰にも聞かれね〜なら、あーしもやるよ‼︎」

「本当か⁉︎チュチュ、感謝する‼︎」

「お、俺もやるぜ!」

「俺も俺も!」

「ヌーノ、オジェロ!それに皆まで……っ‼︎感謝するぞ‼︎」

 

 こうして、地球寮はおならをするために団結したのだった。

 

 

 

 

 迎えた決闘の日、あーしは新しく作った、指定の防音個室でおならこき続けた。ぶっちゃけスレッタの戦闘シーンを見る余裕がないくらい、おならに集中した。講習会で教わった通り、食べ物と腹の筋肉に気をつけて………

 

 

 

 

  side 4号

 

 嘘だろ……?なんかエアリアル、おなら臭くね⁉︎くそっ、パーメットリンクで限界だってのに………っ‼︎こんなおならになんか負けてたまるか!アンタだけは否定してみせる、スレッタ・オナラ・マーキュリー‼︎

 

 そしておならといえば天王星………知らなかったけど、かつてスカーレット・ウラヌスはペイル寮に居たらしい。どれだけエッチな女だったのだろうか………いや、これは天王星の変態性の程度を測るものであって、決して僕の性的嗜好ではない。まあ、今は関係無いけどな‼︎

 

 にしてもくっさ……。本当にくっさ………。そんなに僕におならを嗅がせたいのか………全く、スレッタ・マーキュリー。君は本当に鬱陶しいな……っ‼︎

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 あの日の決闘は結局、あーしらの勝ちとなった。オナラで掴んだ、いや、オナラは掴めないけども、そんな勝利だった。

 

「やったぁ‼︎」

「我らの力が優ったな‼︎」

「ケツ痛めた甲斐あったぜ!」

「エッチ団結‼︎これぞまさに地球寮‼︎」

「エッチはやめろエッチは‼︎」

「そうか………」

 

 ちなみに個室でしたので、めちゃくちゃ臭くなった。マジで。

 

 

 

 しかしその数日後、スレッタがデートの約束をしたものの、エランはバックれた。せっかくのおならヴィクトリーは無駄になったのだった………。全く、次会ったらぶん殴ってやろうっと。エラン、覚悟しろよ‼︎

*1
漢字合ってますかね?

*2
本当です。硫化水素が原因らしい。




チュチュの漢気をおならに使いました。ごめんなさい。変態化はしてないので許して。


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第九話 グエルのプライド Part1

アニメ7話はチュチュがパーティーに絶対行かなそう(クソスペが多いから)なのでカットし、オリジナルの話を入れます。題名は3話ですが、内容は全然違います。


  side チュチュ

 

 地球寮の皆がエランのばっくれにぶちギレてる中、

 

「おい、エバーグリーン・ウラヌスは居るか⁉︎」

 

 一人乱暴に入ってくる男が居た。グエル・ジェターク、元ホルダーで、ジェターク寮の寮長だった男だ。頭にとさかみたいのが生えており、うるさいニワトリみたいだとたまに思う。

 

 それはさておき、コイツはグリグリに何の用だ?

 

「我はここにいるが………」

「俺はお前に決闘を申し込む‼︎」

 

 決闘………だと⁉︎

 

「「「「えええええ⁉︎」」」」

 

 当然地球寮は大盛り上がり。それもそのはず、御三家のボンボンが、いきなり痴女に喧嘩をふっかけたからだ。

 

「どうしたのだ?そんなに我とヤりたいのか?」

「違えよ‼︎ジェターク社からの命令だ。」

「つまり、ジェターク社は我のAVを撮りたいのだな。」

「んなわけねぇだろ‼︎」

 

 新たなツッコミ役にあーしは歓喜しつつも、突然やってきたジェターク社には驚きを隠せない。普通この変態に自分から関わるなんてあり得ない。それこそ、自分も変態じゃなきゃおかしいだろう。ただ、コイツはあんま変態っぽく見えないけど………

 

 まあいいや、ここは素直にグリグリを応援しよう‼︎

 

「しゃあグリグリ‼︎都会の金持ちをぶちのめしちゃえ‼︎」

「喧嘩はあまり好きではないのだが……やるからには全力を尽くそう。」

「後で決闘委員会で正式に手続きを行う。それも決闘の日に。だからその時はラウンジに来るように。」

「承知した。」

 

 それにしても、決闘委員会のラウンジって行ったこと無かったな。まあアーシアンに決闘を挑む連中なんて、それこそ弱いものいじめをしたいだけのクズだけだし。まあグリグリのおかげで、変態に近づきたくないからか、あーしらに喧嘩を売る連中はほぼ居なくなったけど。

 

 

 

 

 

  side ヴィム・ジェターク

 

 天王星………あまりにも変態過ぎて、見向きすらしなかったのだが………

 

「CEO、私の部下がある提案をしたい、と。」

「ほう、通せ。」

「失礼しマウス‼︎小生はマッケンジー・ネズミッチュだマウス‼︎」

「本当に失礼だな。」

「失礼ですが、有能です。どうか一度、お話を。」

「分かった。」

 

 頭のおかしいおっさん平社員の話を聞いて、興味が湧いた。

 

「天王星は変態という事で有名マウス‼︎しかし、アバンネットグループを解散させた技術は本物だマウス‼︎」

「というと………?」

「まずはこちらの映像を見てくだマウス‼︎」

 

 あらゆる装甲をすり抜け、他人の神経へ到達し作用する攻撃。また、放屁や性欲だけをエネルギーとしたMS。その他にも、明らかに他御三家を凌駕できる技術が盛りだくさん。それは一経営者として、喉から手が出るほど欲しいものだった。

 

「CEO、これを活かせば………我が社の利益は格段に上がりマウス‼︎」

「実に素晴らしい………が、どうやって手に入れるのだ?」

「そこで提案マウス………御子息に天王星人と決闘させマウス‼︎」

「なるほど、それで勝って、参考人として天王星人を連れてくるのだな。」

「マウス‼︎」

 

 負け続きで信用が下がりつつある弊社を立て直すには、これしかない。グエルよ、これが最後のチャンスだ。勝って痴女を手に入れろ‼︎

 

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 決闘の日、あーしとグリグリは決闘委員会のラウンジへと向かった。

 

「おお、実に豪華であるな。」

 

 高級な革のソファーに、お洒落な間接照明。外周を取り囲む観葉植物も魅力的だが………なんといっても一番は、前面からの見晴らしだ。

 

「くそっ、金を感じる………っ‼︎」

「金玉を感じる……?」

「玉付けんなよ‼︎」

 

 そんなあーしを横目に、グリグリは落ち着きながら中を歩く。すると、ある女の声が聞こえた。

 

「水星がダメなら、今度は天王星にアタックするんですねぇ〜!ひゅ〜、超肉食的〜♪」

「うるせえよ、セセリア。」

「肉食的……だと⁉︎やはり君は変態なのか⁉︎」

「違う‼︎」

「アンタは自分のこと言えないでしょw」

「そういう君も、卑猥な太ももをここぞとばかりに見せびらかしているが……」

「アタシのは………ズボンが短いだけ‼︎///*1

 

 セセリア。アス校一の煽りストと言われていたが、その噂は本当なようだ。会う人会う人に煽り散らかす、控えめに言って性格が終わってる。でも猥談には照れるのか………意外。

 

「………君が天王星の。今度機械について教えて欲しい。」

「ロウジ、どうしたの、急に⁉︎」

「天王星の技術に興味があって。」

「構わぬぞ。」

「ありがとう。」

 

 その隣は根暗そうな男の子、ロウジ。どうやらニカ姉と同じく機械が好きらしい。

 

「やあ、君たちがエバーグリーン・ウラヌスとチュアチュリー・パンランチかい?初めまして、僕はシャディク・ゼネリだよ。」

 

 そして奥からクッソチャラそうな男がやってきた。金髪長身の軽薄な口調。しかも上着を裸の上にそのまま着て、チャック全開というか、前全開。あーしの嫌いなタイプだな………

 

「おっぱい……っ‼︎エッッッッ、おっぱい‼︎ち、乳首ぃぃぃぃぃ‼︎」

 

 何⁉︎グリグリが壊れたんだけど⁉︎元から、にしてもやべえよ‼︎

 

「どうしたグリグリ⁉︎しっかりしろ‼︎」

「チュチュも見えるだろう、あの男の乳を‼︎」

「見えるというか見せびらかしてるんだろ‼︎」

「ヤバい‼︎我が性癖は………おっぱい‼︎」

 

 完全に興奮してやがる。目もギンギンだし。

 

「君、そんなに興奮しなくても大丈夫だよ。」

「分かった。とりあえず乳首を見せて欲しい。」

「それは無理かな。」

「ぬぉぉぉぉぉぉ‼︎」

 

 そんな変態を軽くあしらうシャディク。何で余裕なんだよ、コイツは⁉︎今まで何人もの痴女と遊んできたような、そんな風格を感じる。とりあえず言えることは…………、今のこの空間はやべえってことだ。他の人は………

 

「ええ…………」

 

 セセリア(おまえ)がドン引きすんのかよ‼︎シャディク側じゃねえのか⁉︎

 

「それより、早くMD(モビルディルド)が見たい。」

 

 ロウジ(おまえ)はなんで興味ねえんだよ‼︎機械好き過ぎるだろ‼︎

 

「黙れエバーグリーン‼︎さっさと決闘を始めるぞ‼︎」

 

 良かった〜、グエルは常識人で。

 

「グエル先輩〜!」

「痴女と戦うんっスか⁉︎」

「兄さん、大丈夫なのか⁉︎」

 

 なんかペトラ、フェルシー、ラウダ(へんなれんちゅう)まで来たんだけど⁉︎もう、あーしの頭はパンパンだっつーの‼︎

 

「とりあえず、決闘を始めようか。双方、魂の代償を天秤(リーブラ)に。」

「ノーブラ?」

「違えよ‼︎」

 

 とりあえず、シャディクが話をまとめてくれた。気に入らなかったけど、少しは許してやろう。さて、何を賭けるのか……

 

「エバーグリーン・ウラヌス、君はこの決闘に何を懸ける?」

「シャディクの乳首‼︎」

「それはダメ、グエルがどうにか出来るものにして。」

「ぐぬぬぬ………ならば、大人気エロ漫画『股間の刃』を買ってくれ………」

「よし。グエル、君はこの決闘に何を懸ける?」

 

 グリグリは予想通り、エロ本を懸けて戦う。さて、グエルはどう出る…………?

 

「エバーグリーン・ウラヌスには、我がジェターク社の社員となってもらう。」

「ālea jacta est.*2

「なっ⁉︎」

 

 嘘だろ⁉︎コイツ雇うのかよ⁉︎確かに天王星の技術は凄いけど………大丈夫か?それにジェターク社の社員ってことは、地球寮からジェターク寮に変わるってことか………

 

「グリグリ、お前はどうなんだ⁉︎」

「安心しろ、チュチュ、我は負けん。なんせ地球寮が気に入ってるからな。」

「そっか………」

 

 どうやら本人も、ジェターク寮には行きたくないらしい。それなら、決闘を中止したいが……それも出来ない。ならば全力で、友を応援するのみ‼︎

 

「分かった!あーしが全力で応援してやんよ‼︎負けたら許さねえからな‼︎」

「ああ‼︎」

 

 絶対にグリグリを手放さないかんな‼︎

 

「もし負けた暁には、どのような凌辱も受けよう。」

「それはしねえよ⁉︎」

「嘘っ、アンタも変態だったの⁉︎」

「黙れセセリア‼︎」

 

 やっぱ手放していいかな………

 

「決闘を承認する。それでは両者、今から始めるから早速準備してくれ。」

 

 ということで、グリグリVSグエルの決闘が幕を開けた。

 

 

 

 

  side マッケンジー・ネズミッチュ

 

 小生らアバンネットグループの残党は、ひたすら準備をしているマウス。それは、小生らを解散させた天王星への復讐………。その一環として、ジェターク社にスパイで入り、有能で平凡な平社員を数年演じてきたマウス。そしてようやく認められたマウス‼︎

 

 さぁ、グエル・ジェタークよ、ここで勝つマウス‼︎そうすれば………小生は彼女を誘拐し拷問するマウス。そして技術を洗いざらい絞り出して、最後は残酷に殺してやるマウス‼︎

*1
セセリアは意外と顔真っ赤にするタイプだと想像しました。

*2
承認するの意味、アニメで言ってたやつ




長くなったので分けました。


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第十話 グエルのプライド Part2

前話で以下の文言を忘れてました。なので追加してます。

・双方、魂の代償をリーブラに
・ālea jacta est.


  side チュチュ

 

 いよいよ決闘が始まる。グリグリVSグエルの………

 

「両者、向顔。」

 

 そういやアイツ決闘初めてらしい。一応口上は教えたけど、ちゃんと言えるのか……?

 

「勝者はモビルディルドの性能のみで決まらず……」

「モビルスーツだ。」

 

 言えなかった。グエルが呆れ顔で訂正する。

 

「操縦者の性技(わざ)のみで決まらず………」

「なんか余計な字ついてねぇか?」

「ただ、エッチのみが真実。」

「結果だ、結果‼︎もういい、俺が次は言う‼︎」

 

 こうしてみると、グエルはグリグリに丁度いいな。案外お似合いかも。

 

決心解放(フィックスリリース)‼︎」

下心解放(セックスリリース)?」

「「違えよ‼︎」」

 

 思わずグエルと一緒にツッコんだところで、決闘が始まった。

 

 

 

 

 さて、早速だが………

 

「はやっ……‼︎」

 

 MD(モビルディルド)の動きが速すぎる。グエルは開始早々見失ったらしく、立ち往生するのみ。これが技術力の差か!今まで御三家側が圧倒することが多かったから、逆にこうして圧倒されてるのを見るのは新鮮だ。ざまあみやがれ‼︎

 

「よしっ、いけるぞ‼︎頑張れグリグリ‼︎」

「異次元の加速度。御三家のMSには見られない加速機構、一体どうなっているんだ?」

 

 ロウジが不思議に思いながら解説する。流石は天王星製、次元が違う‼︎

 

「そもそもアレだけの長さのチン……GUND棒があって、何故普通に動ける?重心はどこになっているんだろう……?」

 

 お前今チンコって言いかけただろ。確かにそうとしか見えないけど。

 

「おおおお‼︎シャディクの乳首ぃぃぃぃ‼︎」ピュイーン

「ぐっっっっっ‼︎」

 

 そして出た、例の快楽光線。MD(モビルディルド)の股間に付けられた巨大なGUND棒から放たれる卑猥な白は、グエルの乗ってるMSを貫いた。

 

「いっけぇぇぇぇぇ‼︎」

「我はイったぞ。ふぅ……」

「お前もかよ⁉︎」

「そういう仕組みだからな………」

 

 そして、何やらスッキリした顔のグリグリ。操縦者ともリンクするんかい‼︎これ開発した奴誰だよ⁉︎マジで頭おかしいな‼︎

 

「くそっ、イかされてたまるかよ‼︎」

 

 そういやお前にもリンクされるんだったな。なんかエロ同人にありそうなシチュになってるぞ。あーしは読んだことないけど。

 

「装甲を透過する攻撃………もしやあの中身は原子の集合体、いや、精子の集合体か?しかし膜、もとい装甲を透過する精子となると、通常よりサイズを小さくしている可能性はあるな………」

「解説が細かすぎるだろ‼︎」

 

 こんなこと真面目に考えなくていいのに………

 

「ロウジ、今日はいつもより喋るわね……」

「セセリア、アレはとんでもない代物なんだよ。」

「確かにとんでもないね………」

 

 そういやセセリア、ロウジのことはあまり煽らないのか。というかこの2人、デキてんじゃね?なんかやたら距離近いし。まあいっか。あーしには関係ねぇ‼︎

 

「それはそうと、操縦者の身体との異常なリンク……これはGUND-ARMのパーメットリンクに近いものを感じるが……いや、違うか?パーメットはそもそも天王星に無いからな………」

 

 確かにGUND-ARMっぽさは感じる。でも無いならまた別の何かだろう。もし総裁にGUND-ARM認定されたら、アレは没収されちまうな………

 

 

 

 

  side フェルシー

 

 CEOからの通達。なんとしてでもグエル先輩を勝たせろ、と。

 

「でもどうすりゃいいんですかぁ〜!」

「水星女みたく、水に弱いとかの弱点があればいいんだが……」

 

 ラウダ先輩すら頭を悩ませる。それほどあの変態は異次元の強さ、というわけだ。くそ〜、このままだと、グエル先輩が負けちゃう‼︎

 

 そんなことを思ってると、

 

「………私に策があります。」

 

 ペトラが何かを思いついたようだ。

 

「教えてくれ、ペトラ。」

「私になんか出来ることがあれば言えよ!」

「分かりました、ラウダ先輩、フェルシー。」

 

 これでグエル先輩が勝てることを祈る‼︎

 

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 グリグリが攻撃?し、グエルが耐えるという構図。力の差は歴然で、誰がどう見てもグリグリが勝ちそうだ。

 

「いけるぞ、グリグリ‼︎」

「もうイったけどな。」

「そうじゃねえっつーの‼︎」

 

 ただ、ジェターク寮の連中が何もしてこない訳がない。その対策として、あーしがこうして来たわけ。ちなみにラウンジには居ないが、地球寮の皆も待機している。さて、何が来る………?

 

「ん?スプリンクラーが取れて、中から何かが落ちて来たぞ‼︎」

 

 オジェロからの報告。一体何が起きたんだ?スプリンクラーのガワが落ちる、ぐらいならなんともないはずだけど………

 

「ぬぉっ、これはエッチな本ではないか⁉︎」

 

 落とし物の正体がわかった。エロ本だ。

 

「ぬぅぅぅぅ‼︎今すぐ読みたい‼︎」

「グリグリ、気を乱すな‼︎」

 

 なるほど、エロ本で集中力を削ぐ作戦か‼︎くそっ、卑劣なスペーシアン共め‼︎

 

「オジェロ、ヌーノ!アレを全部回収するぞ‼︎」

「チュチュ、そんなに読みたいんか?」

「違えよ‼︎グリグリの為だ‼︎」

「マズいぞチュチュ!エロ本にグエルの絵が描いてある‼︎」

「それは確かにマズいな‼︎」

 

 というかなんでグエルのエロ本があるんだよ⁉︎意味分かんねえだろ‼︎これじゃあ当の本人も集中出来なくね⁉︎

 

「俺に集中しろ‼︎全力を出せ、エバーグリーン‼︎」

「すまない、グエル‼︎取り乱してしまった!」

 

 なんで集中出来んだよ⁉︎おかしいだろ⁉︎自分のことを書いたエロ本だぞ⁉︎普通ブチギレるだろ‼︎

 

「チュチュ、流石にMS同士の戦闘にモビルクラフトを侵入させるのは危ないよ。」

 

 ニカ姉は下ネタスルースキルでもあんのか⁉︎今はツッコむと怒られそうだから言わないけど。

 

「それじゃあどうすん………」

 

 それはさておき、確かに人間サイズのモビルクラフトが、超巨大なMS同士の戦闘の中に割って入るのは普通に危ない。人間同士が喧嘩しているところにアリが通るようなもんだ。たちまち踏み潰され、死ぬだろう。ならば………いや、そうだ‼︎

 

「おならだ‼︎おならで吹き飛ばすぞ‼︎」

 

 これだ。エラン戦で使ったおならエンジン。アレを応用すれば、エロ本を安全に吹き飛ばせる‼︎

 

「流石チュチュ!私がちょっと改造してすぐ作るよ!」

「ありがと、ニカ姉‼︎」

「僕たちはおなら部屋*1に行くよ!」

「「おう‼︎」」

「チュチュはラウンジから指示を出して!」

「りょ〜かい!」

 

 ということで、地球寮の皆はおならをしに向かった。

 

 

 

 しばらくしたのち、

 

「くっさ、おならくさっ‼︎」

 

 グエルの叫びと共に、エロ本が臭い風に流されて飛んでいった。

 

「皆、大成功だ‼︎」

「「「よっしゃぁぁぁぁぁぁ‼︎」」」

「皆、感謝する‼︎」

 

 これで、グリグリは集中出来る‼︎

 

 

 

 

  side フェルシー

 

 作戦は失敗、に終わったんだけど………

 

「ねえペトラ、あれ何⁉︎」

「フェルシーはまだ知らなくていいよ。」

「いや、流石に分かるよ‼︎」

「もう読んだの?」

「読んでないって‼︎」

 

 どんな作戦だよ!何かで誘惑して集中力を削ぐ、って話だったけども、よりにもよってエロ本なの⁉︎確かに天王星人(ウラヌシアン)には効果あるかもしれないけどさ‼︎あと中身‼︎なんでグエル先輩⁉︎誰が書いたの⁉︎そんでもって、ペトラはこれをどっから持ってきたの⁉︎

 

「放屁だと⁉︎下劣な真似をしやがって……っ‼︎」

「いや、確かに下劣ですけども‼︎」

 

 そんでもって、アーシアン共は何故おならでエロ本を吹き飛ばした⁉︎もっと他に方法あるだろ‼︎

 

「何か別の案を考えないとな……兄さんを助ける………」

「そうですね。フェルシーも吠えてないで考えて。」

「おかしいのアタシだけ⁉︎」

 

 ラウダ先輩とペトラは普通に進めようとしてるし‼︎あーもう、これしかない‼︎

 

「よしっ、変態女の足を滑らせましょう‼︎」

「おお、それは良い。」

 

 相手が足を滑らせて転べば、余裕で勝てる‼︎グエル先輩のためにも、滑らせる方法を考えるんだ‼︎フィールドの一部を凍らせるか?それともバナナの皮を痴女のそばに置くか?はたまた………

 

「フェルシー、それなら私が滑らせるものを持ってくるよ。」

「ペトラ、サンキュー‼︎」

「頼んだ。」

 

 ペトラが何かいいものを持ってくるらしい。とりあえずはそれに任せるか………

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 しばらくすると………

 

「ぬぉっ、足が滑るではないかっ‼︎」ぬるっ

「どうした、グリグリ⁉︎」

 

 グリグリ操るMD(モビルディルド)が転びそうになった。何か撒かれたのか⁉︎気になったので、あーしが足元を見てみると………

 

「くそっ、ローションかよ‼︎」

 

 ローションがぶちまけられてたことが判明した。

 

「なにっ、ローションだと⁉︎実にエッチだ‼︎」

「喜んでる場合か‼︎転んだら終わりだぞ‼︎」

 

 ジェターク寮の奴らは馬鹿なのか⁉︎なんで足を滑らせる方法で真っ先にそれが出てくんだよ‼︎実はもう1人天王星人(ウラヌシアン)がいんのか⁉︎グリグリが知らないだけで‼︎

 

「安心しろ、グエルも足元おぼつかないぞ‼︎」ぬるっ

 

 しかもグエルまで巻き添えじゃね〜か‼︎この作戦考えた奴馬鹿だな‼︎

 

「うるせえエバーグリーン‼︎卑劣な手を使いやがって……っ!」ぬるっ

「我ではない‼︎そちらの寮生の仕業だ!」ぬるっ

「はぁ⁉︎」ぬるっ

 

 そりゃそうなるって‼︎普通ローション使うっていったら、グリグリの味方であるあーしらが疑われるもん‼︎本当に違えって‼︎

 

「あのローション、摩擦係数が普通のように見える。それも、僕らが知ってるレベルの。あれだけの技術を持つ天王星ならば、もっと低いのが妥当だろう。故に、あの攻撃はジェターク寮側が仕組んだものだ。」

 

 ロウジ(おまえ)はなんで分かるんだよ⁉︎頭天王星か⁉︎

 

 

 

 

  side フェルシー

 

 ダメ以前に、ペトラはアレをどっから持って来たの⁉︎

 

「ねぇペトラ、アレって………」

「ローションよ。」

「ローションよ、じゃねえよ‼︎なんで持ってんだよ⁉︎」

「フェルシーの机にあったわよ。」

「嘘言うな‼︎」

「フェルシー、兄さんの足まで滑らせたら意味無いだろ‼︎」

「それはそうでした‼︎でもローションは私のじゃありません‼︎」

 

 気になることが多すぎるんだけど⁉︎

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 お互い転んだ状態では、グリグリが負けるかもしれない。ローションを取り除く、何かいい方法は…………よしっ、思いついた‼︎

 

「皆、アレを用意してくれ!」

「アレって何、チュチュ?」

「ローション・愛液等剥離剤だ‼︎」

「「「はい?」」」

 

 地雷実習の時に遅効性遮蔽スプレーを落とすのに使ったやつ‼︎

 

「遅効性ボディペイントの時のものか‼︎」

「その言い方やめろ‼︎」

「えっ、2人でHしたの……?」

「ニカ姉⁉︎違うかんな⁉︎」

「だ、だよね………」

 

 ニカ姉に最悪な誤解をされかけた。あーしは変態じゃねえし‼︎グリグリとそんなことするわけねえっつーの‼︎

 

「とにかく、グリグリの机にあるから、それ持ってこい‼︎」

「一番下の引き出しの中だ。ニカ、頼んだ‼︎」

「は〜い。」

 

 それはさておき、今はグリグリの勝利を最優先だ。早くローションを除去しねぇと………

 

 

 

  

 

  side フェルシー

 

 ローション作戦は失敗に終わった。そんな中で、

 

「こうなったら、アレしかない………っ‼︎」

 

 ラウダ先輩はもう次の作戦を考えていた。どうやら最終手段にとっておいたようだ。

 

「流石っス、ラウダ先輩‼︎任せましたよ‼︎」

「なんでもやります‼︎」

「ありがとう。」

 

 ここは任せるしかない。知的なラウダ先輩の作戦なら、とても頼りになるでしょう‼︎

 

「シャディクの乳首をモニターに映し出す他あるまい‼︎」

 

 前言撤回、何の頼りにもならなかった。

 

「何いってるんスか、先輩⁉︎」

「変態女はシャディクのおっぱいを見て、とても興奮していた。故に、奴の乳首こそが彼女の気を狂わせる最も有効な方法だと思ったからな。」

「気が狂ってるのはアンタでしょ〜が⁉︎」

 

 これじゃあペトラのエロ本作戦と何も変わらないだろ‼︎頭のネジはどこ行ったの、ラウダ先輩⁉︎

 

「ラウダ先輩、私画像持ってないですよ!」

「それは僕も持ってない。フェルシーもシャディクのは持ってないだろう。」

「シャディク以外も持ってないっスよ‼︎」

「よしっ、全ジェターク寮生に告ぐ‼︎ただ今より学園内全ての防犯カメラ映像を解析し、シャディクの乳首をかき集めろ‼︎」

「集めんな‼︎」

「了解‼︎」

「すんな‼︎」

 

 助けて。このままだとジェターク寮が変態寮って呼ばれちゃう。何か、何か策は…………

 

 

 

  

 

  side チュチュ

 

 ローションも無事取り除き終わり、グリグリがグエルを倒そうとした次の瞬間………

 

「シャディクの乳首………だとっ⁉︎」

 

 戦闘エリア中にありとあらゆるシャディクの乳首が映し出された。

 

「クソスペーシアンめ‼︎あまりにも汚すぎんだろ‼︎」

「二重の意味で、ね。」

「うまく言ったつもりか、セセリア‼︎」

「この膨大な数の乳首、一体どのようにしてかき集めたのか?カラーコードによる画像判別なのか?しかしそれだと、シャディクの乳首のカラーコードを知らなければ出来ないけど……」

「ロウジは真面目に解説すんな‼︎」

「………関わりたくないな⭐︎」

「本当にな、シャディク‼︎」

 

 ジェターク寮の連中、マジで頭おかしいだろ‼︎シャディクの乳首をあんなにもデカデカと映し出すなんて‼︎あぁぁぁぁ、もう‼︎何もかもが無茶苦茶だよ‼︎

 

「あぁぁぁぁぁぁ‼︎シャディクの乳首‼︎ちくびぃぃぃぃ‼︎」

 

 グリグリもめっちゃ股間からビーム放ちまくってるし‼︎戦闘エリアが雪景色になっちゃうじゃん‼︎

 

「ぐわっ、あぁぁぁぁぁぁ‼︎あっ、あぁ………」ボキッ

 

 どさくさに紛れてグエルのアンテナに当たって、それを折ったからいいけどさ‼︎全くもう、意味分かんねえっつーの‼︎おならだのローション剥離だのやった側が言えねえけどさ‼︎

 

「勝者、エバーグリーン・ウラヌス‼︎」

 

 とりあえず、一応決闘は勝った。そして、安堵の気持ちと下ネタへの呆れからか、どっと疲れを感じた。そんな一日だった。

 

 

 

  

 

  side フェルシー

 

 グエル先輩が負けた。色んな意味で。そして………

 

「兄さん……♡///」

「グエル先輩……♡///」

 

 2人の変態が目覚めた。私にとって、最悪の一日となった。

*1
エラン戦で皆がおならをした沢山の個室




ペトラは原案だとセクシー担当だったらしいので、こうしました。ラウダはついでです。


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第十一話 彼らの性癖

  side チュチュ

 

 授業終わり、あーしはグリグリと話していた。

 

「アンタらのせいで、変態が増えたんですけど〜!」

 

 ばったり会ったセセリアとも一緒に。

 

「知るかよ太もも女‼︎」

「変態が増えた?良いことではないか?」

「良くないわよ‼︎」

 

 新たなツッコミ役の獲得に、あーしは心の中でガッツポーズをしていた。

 

「アンタらのせいで、決闘でエロ本だの写真だの懸ける連中が急増してさ‼︎事務作業で忙殺されるんだけど⁉︎」

「確かにな。」

 

 それは事実だろう。実際、校内で圧倒的に決闘している時間が長くなった。その中でもジェターク寮の変態2人、ラウダとペトラはグエルのエログッズを懸けて闘うことがめちゃくちゃ増えた。

 

「兄さんの使用済みパンティは渡さない‼︎」

「残念ですねぇ、ラウダ先輩♪今から私がそれをくんかくんかしますから♪」

「助けてぇ〜、誰か〜!」

 

 こんな感じのことを毎回やってた気がする。あと、決闘中にペトラがメカニック科って聞いてビビった記憶があるしな。下心でMSの操縦上手くなる非天王星人とか初めて聞いたわ。あの2人、実は隠れ天王星人なんじゃないか。最近ではそういう噂も聞こえてくる。

 

「うむ……エロい事は懸けるのではなく譲り合うか協力する……つまり決闘の猥談ではなく、協調の猥談をしてほしい、と。」

「話聞いてた⁉︎」

「諦めろ、セセリア。コイツ馬鹿だから。」

「うん、諦めるわ………」

 

 そういや、セセリアって割と常識人なのか?煽りはすれど差別はしてこないし。あーしらとも対等に接してくれるし。

 

「それより、最近忙しいと言っておったが……」

「そうよそう‼︎労基にアンタを訴えようかと思っててね〜。」

「我も手伝おうか?」

「えっ?」

「コイツ結構お人好しだから。勘違いすんなよセセリア。」

「そ〜なんだ〜。アンタ結構いい奴なのね〜。」

「いい奴……か。褒めてくれて感謝する!」

「それじゃあ本当に手伝ってもらおうかしら。お金は出すわ。」

「むしろ出なかったらやんね〜よ‼︎」

 

 それとグリグリ。いい奴じゃなかったら絶対関わってないな。逆にこの性格だから関わってるまである。

 

 

 

 

 セセリアに別れを告げて寮に帰ると、

 

「ガンダムの会社設立だって、チュチュ、グリちゃん!」

 

 ニカ姉が変なことを言ってきた。

 

「会社設立……ガンダムの?」

「アダルトグッズでは無いのだな。」

「そりゃそうだろ。」

「ミオリネさんが考えたんだよ〜。」

「その場で出資募ってペイル社とシンセー社の開発部門の一部を買収、見ててぞっとしたよ!」

 

 確かこの2人は、ベネリットグループのパーティーにミオリネ→スレッタと参加したんだっけ。よくあんなクソスペパーティーに参加したよな。あーしだったら絶対行かねえ。

 

「それはすごいことをしたものだな。」

「ご令嬢はやること派手だな。」

「裏でもあるんじゃね〜?4。」

「ダウト。」

「バレてる⁉︎」

 

 ちなみに今はティルとオジェロとヌーノがダウトをやってて、

 

「スレッタ先輩、編入してからず〜っとトラブル続きですね〜。」

「近い未来、異性をめぐってトラブルあり。」

「え〜、困っちゃいます〜♪」

 

 リリッケとアリヤが占いをやっていて、

 

「まっ、好きにすりゃいいんじゃね〜の。あーしには関係ねえんだし。」

「好きにする……では卑猥なことをして良いのだな?」

「なんでそうなんだよ⁉︎」

 

 グリグリが猥談をしている。

 

「関係あるわよ。」

「ミオリネさん!」

 

 そんなことを考えてると、ミオリネが急に出てきた。しかもなんかカラースプレー(まみ)れだし。

 

「カラースプレー………まさかスレミオで、ボディペイントプレイをしてたのか⁉︎」

「んなわけないでしょ‼︎」

「それより何しに来たんだよ⁉︎」

「ここを会社にしに来たの。」

「「「は?」」」

 

 するとミオリネは、とんでもないことを言い始めた。

 

「株式会社GUND-ARMは、私と皆さんで経営します。以上、よろしく。」

「「「はぁぁぁぁ⁉︎」」」

 

 コイツ、何の相談も無しに勝手に決めてきやがった‼︎頭おかしいのか⁉︎

 

「会社を設立した以上、やることは山積みよ。」

「ヤること、だと⁉︎」

「違う、そうじゃない。」

 

 グリグリはなんで平常運転出来んだよ⁉︎普通こんなこと言われたらブチギレんだろ‼︎

 

「急にいきなり言われても………」

「給料はちゃんと出す。他に質問は⁉︎無いよねえ⁉︎」

「ごめんなさいごめんなさい‼︎うちのミオリネさんがごめんなさい‼︎」

 

 スレッタは謝りっぱなし。なんか可哀想。きっと抑えられなかったんだろうな。

 

「そもそも、GUND-ARMで何をする会社なんだい?」

 

 アリヤの質問は尤も。あーしらに何させるんだよ⁉︎

 

「それは……これから考える。」

「決まってねえのかよ⁉︎」

 

 コイツいっぺんぶん殴っていいかな⁉︎グリグリよりツッコミどころ多い奴初めてだよ‼︎しかも下ネタ一切無しで‼︎

 

 

 

 数日間、あーしはずっとグチグチ言い続けた。

 

「あっのクッソスペーシアンがぁぁぁ‼︎」

「チュチュ、授業中。」

「ニカ姉はいいんかよ、アイツの言いなりで⁉︎」

「ん〜?まあ、エアリアルにも触れるし。それに、会社がうまくいけばアーシアンでも活躍できるって、証明できるでしょ?」

「でも〜、クソスペわがまま王女の手下とかやだ〜‼︎」

 

 ニカ姉は満更でもない。

 

「まあ、ミオリネ・モンブランから頼まれたしなぁ。」

グリグリ(おまえ)はお人好し過ぎんだろ。尽くす相手は選べよ‼︎」

「チュチュ、壊れんぞ〜。」

 

 グリグリやヌーノも特に嫌がっては無い様子。他の皆も嫌がるそぶりは見えない。皆のこういうとこに惹かれたんだけれども、こういう時に困ってしまう。

 

 

 

 しばらくすると、普通に地球寮で会議が開かれるようになった。

 

「ミオリネ社長の指示通り、投資家向けの開示情報をまとめました。」

「もう受け入れてる〜。」

 

 リリッケも普通に司会進行しているし。

 

「む?社長の性癖を書き忘れているぞ。」

「性癖なんか書くわけね〜だろ‼︎」

「社長の性癖を書くのは当たり前だろう?むしろ書かないと、隠し事をしているように見えて悪印象だ。」

「それは天王星だけだ‼︎」

 

 グリグリも普通?に質問しているし。

 

「性癖はさておき、まずは定款でしょうか〜?」

「性感?」

「て・い・か・ん‼︎この会社が何すんのか書くやつだよ‼︎」

「何も決まっておらぬな。」

 

 それはそうと、会社の事業内容をとっとと決めねえとな。あれだけ嫌だったのに、なんがかんだ社員になってしまう自分に腹が立ちつつも、頭をぐるぐる回して考える。

 

「ちなみにお金は今、こんな感じ!全然ありませ〜ん!」

「うわっ、MS一体作るのに凄まじくかかるのに………夢のまた夢だな。」

「なら、手っ取り早く儲かる兵器じゃね?」

「「「…………」」」

 

 確かに、兵器が一番儲かる。ただ、反対は多い。地球が戦場になるリスクや、生まれが戦争孤児だったりなど、それを嫌っているようだ。

 

 

 

 

 数日間揉めに揉めたが、

 

「天王星なら、こんなにお金かけなくても出来る。ただ、性を絡めないとお金を下ろしてくれない。」

 

 グリグリが一つの希望の光を出してきた。

 

「逆にエロが絡んだら金出すのかよ‼︎」

「財布の紐が無くなるくらいに、な。」

「流石は宇宙屈指のアホ集団………」

「でも、彼らの力は借りたいね。」

 

 天王星、確かに下心しかない変態集団だが、技術は本物。御三家でも出来ないようなことが、格安で出来てもおかしくない。

 

 

 

 そんなことを思ってると、

 

「これがあるわよ‼︎」

 

 ミオリネが全力疾走しながら飛び込んできた。

 

「これって何だよ⁉︎」

「えっと………はぁ………」

「走ったせいで息切れしてんじゃねえか‼︎」

「事後、かな?」

「違ぇだろ‼︎」

 

 実はここ数日、ミオリネの姿は無かった。あーしが五万回くらいブチギレて、その度にグリグリに宥められる日が続いていた。今更何を言うつもりだ………?

 

「まずはこれを観てちょうだい。」

「AVか?」

「違うわよ!」

 

 そして、ミオリネから渡されたビデオには………ガンダムを利用した医療の話だった。命を救うためにガンダムを使う。確かに、これなら皆は納得するだろう。

 

「医療行為‼︎それは即ち、ドスケベセックス‼︎」

「即ち、じゃねえ‼︎」

「でも、性行為は命を増やす。義手や義足のお陰でヤれる人もいるだろうし、エッチな親が健康である事は、エッチな子が健康であることにも繋がるだろう。」

「それで天王星も説得出来るわね。ありがとう。」

「仕事をしたまでよ。」

 

 そして何より、あーしも納得できる。

 

「あーしの地元、採掘場の仕事で腕とか足とか無くした奴居るんだよね。稼げてついでに家族の役に立てるなら、それが一番じゃん。」

「そうだな、チュチュ‼︎」

 

 GUND-ARMで人を救う。そういう会社なら、あーしはミオリネの手下になってもいいかな。そう思えた日だった。

 

「そういやキャッチコピーだが、『ダッチワイフでエッチなライフを♡』とかどうだ?」

「却下。」

「なんだとっ⁉︎」

「なんでいけると思ったのよ⁉︎』

 

 グリグリのツッコミにも丁度いいし。

 

 

 

 

 翌朝、あーしとグリグリは意外な場所に向かうことになっていた。

 

「昨日は事業内容が決まって良かったな!」

「だな!あーしらはいきなり別の仕事だけどよ!」

「セセリアの頼みだからな。」

 

 決闘委員会のラウンジだ。先日セセリアから事務作業を手伝ってくれとの依頼があったからな。面倒だが金は出る。やるしかない。

 

 あーしらが決闘委員会のラウンジに入ると、

 

「参加者が揃った。」

 

 決闘委員会のロウジがそこには居た。他にはラウダ、ペトラ、涙目のフェルシー、ニカ姉、謎の仮面男が居て、肝心のセセリアは居なかった。これは一体………?

 

「これより、第一回アスティカシアドスケベ会談を始める。」

 

 どういうことなんだ⁉︎




9話の前にもっかいオリジナルを挟みます。


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第十二話 第一回アスティカシアドスケベ会談

  side チュチュ

 

 アスティカシアドスケベ会談⁉︎

 

「ちょい待て‼︎なんなんだよ、これ⁉︎」

「さっき言っただろ?第一回アスティカシアドスケベ会談、だと。」

「やったぁぁぁぁ‼︎久々の猥談ぞ‼︎」

 

 なんなんだよそれ⁉︎セセリアに呼ばれてきてみれば、急に猥談なんて⁉︎

 

「おいグリグリ、まさかお前がハメたわけじゃねーよな⁉︎」

「ああ。我もこうなってるとは知らなかった。」

「だよな。」

 

 グリグリは他人を罠に陥れるような人じゃない。だったらハメたのは………

 

「くそっ、セセリアめ‼︎どこ行きやがった⁉︎」

 

 セセリアしか居ない。あの褐色煽り太ももめ‼︎ちょっとでも常識人だと思ったのが大間違い………

 

「彼女なら腰ガクガクで立てなくなったから在宅してる。」

「「ロウジ⁉︎」」

 

 ってそういうこと⁉︎嘘だろコイツら、そこまで進んでたのかよ⁉︎というかお前が責め*1かよ‼︎アイツ弱弱じゃねえか‼︎

 

「彼女から今日のことを聞き、利用せてもらった。」

「お前ふざけんなよ‼︎」

「僕は新しいエロ機械をセセリアに使いたくてね、アイディアを募集すべく、この会議を開いた。」

「朝から開くな、二度寝させてくれ‼︎」

 

 完全に下心で開催すんなし‼︎あーしは眠い中、セセリアの仕事の手伝いに来たんだ。決して変態と猥談しに来たわけじゃない。

 

 それに他のメンツ。ニカ姉にペトラにラウダにフェルシーに謎の仮面男、どうしてこんなに集まったのか⁉︎

 

「ニカ、君も居るのか。」

「エロはどうでもいいけど、機械に興味があってね。」

「ニカ姉は他の機械を勉強しろ‼︎」

「私はグエル先輩との青姦計画に協力して欲しくて……」

「勝手にやってろ‼︎」

「僕は兄さんの性的魅力を語りにきた。」

「ただの性癖発表じゃねえか⁉︎」

「ペトラに叩き起こされた………」

「ご愁傷様、後で相談に乗るよ………」

「朝の散歩をしてたらつい。」

「お前は誰なんだよ、仮面男‼︎」

 

 本当に碌な連中がいない。唯一フェルシーだけが可哀想だが。あと仮面男、学園はこんな不審者の侵入を許していいのか⁉︎というかこの声って………

 

「いや、待てよ………お前、エラン・ケレスか⁉︎」

「我もそう思った。」

「僕はエラン・ケレスとは何の関係もない。ただ僕におならで勝った、スレッタ・マーキュリーに興味があって来ただけだ。」

「関係大アリだろ‼︎」

「事情があって、氷の仮面を名乗っている。エラン・ケレスと呼ばないでくれ。」

「氷の君からパクってんじゃねーか⁉︎」

 

 なんなんだよ、コイツ⁉︎デートバックれたと思ったら、別人になりやがって‼︎こっちはテメェのせいで、おなら出し損だったんだからな‼︎後でぶん殴るぞ‼︎

 

 

 

 

  side 4号(氷の仮面(エラン・ケレス))

 

 あの日、僕は処分される予定だった。スレッタ・マーキュリーに感謝の言葉を伝えることは出来ない、そう思ってた。だが………

 

「あれ、死んでない………これは、おならの結界?」

 

 決闘の時にふっかけられたおならが突如として僕に膜を張り、包み込んで守ってくれたのだ。そのおかげで死体のフリして、ペイル社の外に出ることができた。その後おならの膜を取り、僕は仮面をつけて、別人となった。

 

 さて、スレッタ・マーキュリーに会わないと。あとエバーグリーン・ウラヌスから性的パーメットリンクについて聞かなければ。スレッタとエアリアルでエアリアルすることは出来のか、技術的に興味が湧いているからね。決して性的ではないよ。本当にね。

 

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 元エランはさておき、どうすんだよこの会談!つーかセセリアも連絡くれたら、あーしは行かずに済んだのに‼︎

 

「セセリアの奴、連絡は……ん、通信障害?」

「サプライズがしたくて、電波妨害をさせてもらった。」

「何してんだよロウジ(おまえ)⁉︎」

 

 コイツのせいかよ‼︎マジで碌なことしねえじゃねえか‼︎なんでセセリアもこんなのと付き合ってんだよ‼︎

 

「それでは改めて、第一回アスティカシアドスケベ会談を始めよう。」

 

 ったく、朝から最悪だよ本当に………。これじゃああーしが天王星の学校に来たみてえじゃね〜か‼︎くそっ、来ちまったからには、聞くしかねえか………

 

「チュアチュリー、だっけ?アタシはフェルシー、隣に行っていい?」

「いいよ。」

 

 幸い、もう1人まともな奴がいる。苦労人同士、肩を並べるか………

 

 ということで、猥談が始まった。

 

 

 

 

 まず最初に、議題が提示された。

 

「今回の議題は、人前でも膣内を責めることの出来る機械の開発について、だ。」

 

 仕事の議題みたいなテンションで淡々と述べるロウジ。可愛い顔で何考えてんだ、コイツ?セセリアが可哀想だろ。

 

「近頃、恋人に人前でイき恥をかかせたいという想いが、全僕の中で拡大しつつある。」

「お前の中だけかよ、ただの性癖じゃねえか‼︎」

「性癖だ。」

「開き直んな‼︎」

「そこで皆には、人前で膣内を責める方法を考えてほしい。」

 

 やっと分かったよ、セセリアがコイツにだけは大人しい理由。変なこと人前でされたくないもんな。

 

「質問なんだが、そもそもこの議題だと兄さんには膣が無く、責めることが出来ない。そこはどう考えてるんだ?」

「責めなくていいだろ‼︎」

「アスティカシアの略称はアス校、つまりケツの穴をいじればいい。」

「前半の件要らなくね⁉︎」

「分かった、兄さんのアナルは女性器なんだな。」

「何も分かってねえ‼︎」

 

 いきなりトンチンカンな質問にいきなりトンチンカンな回答。これがグリグリ抜きで行われている現状に、頭がクラクラ、もといイライラする。決してムラムラはしない。

 

「さて、何かいい考えはないか?」

「確か、天王星には浮遊操作型小型ローターがあったよね!」

「なんでニカ姉知ってんだよ⁉︎」

「前に我が言ってたじゃないか*2。」

「よく覚えてたな、ニカ姉‼︎」

 

 ニカ姉がウキウキで話す。下ネタ好きじゃねえのに機械好きだから、言動が意味不明すぎて困る。

 

「エバーグリーン、それはどういうものか教えてくれ。」

「簡単に言うと、遠隔操作によって空中を移動し、標的の膣内に入って振動する機械である。」

「広辞苑口調止めろ‼︎」

「ドローンの応用だね。」

「ドローンをそんなことに応用すんな‼︎」

「天王星のコンビニで普通に売ってるぞ。」

「量産されてんのそれ⁉︎」

 

 コンビニにある弁当みたいな感じでそれが売ってんだろ?マジでイかれた星だよ。

 

「ローターか、確かに魅力的だな。ただ、彼女はローター責めよりも手でした方が効果があってね。」

「責め方で新たな課題を出すな‼︎」

「人間工学的にも、ローターと手では刺激としての入力が異なるよね。」

「学術的っぽく言うな、ニカ姉‼︎」

「ちなみに、その時の出力は我慢汁かしら?」

「ペトラの言う通りだね。」

「何が言う通りだよ‼︎」

 

 なんかそれっぽい議論が始まったんだけど。まるで新型自動車を開発する時のエンジニアの会議のような。中身は全然高尚じゃないけどな。

 

「それじゃあ、アダルトグッズによる性的刺激を入力、我慢汁の量を出力としたフィードバック制御を考えるか。」

「考えんな‼︎」

「それは出力として適当なのか?兄さんみたいに、我慢汁が出ない類の人間にも応用できるよう、神経への快楽信号を出力とした方がいいように思えるが………」

「我慢汁が出る出ないで分類すんな‼︎」

「ラウダの言う通りだね。神経への信号ならばフィードバックとしても機能しやすい。よし、出力はそうしよう。」

「素直か‼︎」

 

 そんなことを議論している間に、ニカ姉がホワイトボードに何かを書き始める。議論のまとめか?

 

「とりあえず、遠隔操作型膣内責め制御のブロック線図*3を書いたよ。」

 

 何言ってるかさっぱり分からん。

 

「膣内への伝達関数G(グエル)を考えるのね。」

「なんで文字をグエルでおくんだよ⁉︎」

「フィードバックには時間遅れ定数n(にいさん)を足すとして……」

「お前もグエルでおくな‼︎」

「我が思うに、メインはやはりPID制御だろうか………PI(パイパイ)D(でかいな)制御……」

「絶対その略じゃねえだろ‼︎」

「セセリアがデカいのは太ももだ。」

「どうでもいいわ‼︎」

「zzzzzzzz」

「寝んな、フェルシー‼︎」

「…………」

「黙るな、氷仮面‼︎」

「チュチュ、授業中。」

「授業じゃねえだろ、ニカ姉‼︎」

 

 あーしの喉も持つ気がしねぇ。というかいつまで話し続けんだ、これ?

 

「次に入力なんだけど………ローターと手ではやはり与える刺激が違う。これについて、セセリアのためにも、なるべく手に寄せた素材と形状を考えたいんだけど………」

「セセリアのためを思うなら、今すぐ解散しろ!」

「我が思うに、ダッチワイフの指先を真似るのはどうだろうか?」

「前回も出たな、ダッチワイフ‼︎」

「そういや、僕が前居た会社(ペイルしゃ)のゴミ箱にダッチワイフの燃えカスがあったな。」

「そんな会社辞めて正解だ‼︎」

「でも仮に、人の指が性癖の人に見つかったらどうする?盗まれるわよ。」

「そんな害悪刑務所にぶち込んじまえ‼︎」

「兄さんが指を切り落とされることは……」

「ヤクザに入んなきゃねえよ‼︎」

「とりあえず、ホワイトボードにまとめるね。」

「まとめんな‼︎」

シャディク(ぼく)の出番は、無いようだね。」

「何しに来たんだ、テメェ⁉︎」

 

 なんか株式会社GUND-ARMよりよっぽど会社みたいなことやってると思う。議題の提示と、それについて意見を言い合い、まとめて結論を出す。やってることの下品さに目を瞑れば、いい会議といえる。やってることの下品さに目を瞑れば。

 

 

 

 

 こうして数時間が経過した。その結果、

 

「皆ありがとう。後はこれをブリオン社に持ってくだけだ。」

「持って行くな‼︎」

「これにて、第一回アスティカシアドスケベ会談を終了する。」

「やっと終わった〜‼︎」

 

 普通に結論が出てしまった。コイツらの能力凄すぎだろ。もっと他のことに活かせよ。あとごめんな、セセリア。あーしでも止められなかったわ。後で事務作業手伝うから許してくれ。

 

 

 

 

  side セセリア

 

 ロウジ……好き……好きなんだけど、もうちょっと責めを………抑えてほしいわ………腰が………痛い………

*1
セセリアは受けである。私がそう判断した。

*2
二話参照。

*3
制御システムの構成を図示したもの、制御工学 ブロック線図で検索するとどんなのか分かります。




4号復活!バレないように、氷仮面として生きてもらいます。

次は普通にアニメ9話やります。


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第十三話 あと珍歩、キミに差し出せたなら Part1

  side チュチュ

 

 下らない猥談を終えた後、あーしらが地球寮に戻ると……

 

「ざっけんじゃないわよ‼︎」

 

 ミオリネがブチ切れてた。

 

「どうしたのだ?」

「校則が変わってたのよ‼︎」

「拘束?」

「校則‼︎」

 

 校則、果たして何が変わったのだろうか………?

 

「学生事業における新技術安全性の証明がうんたらって………要は会社立ち上げられないじゃない‼︎」

「はぁ⁉︎」

 

 いきなりなんだよ、それ‼︎安全性の証明が必要ってことは、どっかの企業のオーケーが出ないと株式会社GUND-ARMは起業出来ないということ。なんなら一生オーケーが出ずに、起業そのものも出来ない可能性が高い。

 

「絶対シャディクのせいよ‼︎」

「クソっ、あの乳首野郎め‼︎」

 

 シャディクはあーしらアーシアンの起業が気に食わないってか?それとも自分で何かしたいのか?それともこの間グエル戦で、乳首が巨大モニターに映し出されたのが気に食わないのか?アレはジェターク寮のせいだっつーのに‼︎どちらにせよ面白くない。今すぐにでも喧嘩を売りたいくらいだ。

 

「新技術安全性の証明………つまりエッチな機械を作れば、シャディクが実験台になってくれるということか⁉︎」

「おお、それで懲りさせようぜ‼︎」

「秒で断られて終わりよ。というかチュチュ、なんかエバーグリーンがうつってない?」

「うつってねーよ‼︎」

「まさか、君もおっぱいが性癖………?」

「んなわけあるかぁ‼︎」

 

 先にグリグリに喧嘩売っていいかな?

 

「それはともかく、私とスレッタがアイツに喧嘩を売ってくる。」

「おうよ、その意気だ‼︎」

「喧嘩って、つまりエッチってことか?」

「つまりじゃねぇだろ‼︎」

 

 とまあ、ミオリネがスレッタ連れて殴り込みに行くことで、ひとまず対策を立てることにした。さて、どうなるんだ?

 

 話し合いの結果、

 

「シャディクと決闘することになった。」

 

 喧嘩が成立した。

 

 

 

 

 翌朝、あーしらは昨日猥談した決闘委員会のラウンジにやってきた。

 

「よう、セセリア。腰は大丈夫か?」

「ええ、なんとかね………。昨日はごめん。」

「じゃあ今日は思う存分……」

「だめ、ロウジ!お願い‼︎」

「分かった、明日にするよ。」

「ありがと〜!」

 

 昨日腰を痛めたセセリアだったが、今日は無事回復したみたいだ。あれほどの煽りストがここまで大人しくなってるなんて、なんか別人みたいだ。

 

「双方、魂の代償を天秤(リーブラ)に。」

 

 そして、昨日あれだけ暴れてたラウダが今回の立会人。この下ではエロいことしか考えてないと思うと、途端に気持ち悪くなる。

 

「決闘者はミオリネ・レンブランとシャディク・ゼネリ。場所は戦術試験区域4番。決闘方法は、6vs6の集団戦とする。」

 

 さてと、いつも通りの流れ………って集団戦⁉︎

 

「そんな数のMS、うちには無いですよぉ〜‼︎」

「くそっ、ふざけやがって‼︎」

 

 数が足りねぇ‼︎スレッタのエアリアルとあーしのデミトレーナー、それにグリグリのMD(モビルディルド)の3つだけだ。どう考えても、あと3つ足りない。

 

「根回しも決闘準備の一つだ。」

「兄さんはどんな不利な条件でも決闘を拒まなかった。GUND-ARMとMD(モビルディルド)なら、どうにか出来るだろ?」

「私情入ってますね、ラウダさん。」

「兄弟愛重すぎぃ〜♪」

 

 あっ、セセリアが元気になった。そんなん言ってると、また隣の変態に腰抜かされるぞ。

 

 それはどうでもいいとして、どうすんだよ、この数的不利。

 

「条件があるわ。ベネリットグループの外部にも、中継で配信させて。」

「外部?」

「御三家を全部潰したパイロットとMSのいる会社なんて、最高の宣伝になるでしょ。」

「くっ………!シャディク、どうかな?」

「問題ない。」

「条件を認めよう。」

 

 そんな中、ミオリネは会社の宣伝を考えている。まあ、これくらいの気持ちじゃねえと、アイツらには勝てねえよなぁ‼︎

 

「ミオリネ・レンブラン。貴方はこの決闘に何を懸ける?」

「校則を元に戻してもらう。」

「あと、シャディクの乳首を……」

「それは要らない。」

「何っ⁉︎」

 

 さらっと欲望を叶えようとするグリグリ。アレでいけると思ったのか。やっぱりアホだコイツ。

 

「シャディク・ゼネリ。貴方はこの決闘に何を懸ける?」

「株式会社GUND-ARMの譲渡。」

「ālea jacta est.決闘を承認する。」

「そんなに我がディルドが欲しいのか。」

「んなわけねえだろ‼︎」

「ああ、会社から言われてね。」

「そうなんかよ⁉︎」

「それは変態だな。」

義父(とお)さん、がね。」

「さらっと人になすりつけんな‼︎」

 

 そしてグラスレー社。エアリアル以外にも、MD(モビルディルド)にも目をつけていたか。先日のグエルの決闘で、その技術の高度さが他社の目にもとまった形となる。見た目と作戦の卑猥さに騙されず、その中身に興味を示すとは………流石御三家だ。

 

 

 

 そんなことを思ってると、

 

「リリッケ・カドカ・リパティ。貴女も決闘に出てね?」

「へっ?」

 

 如何にも性格の悪そうな金髪巨乳女*1がシャディクの後ろから出てきた。当のリリッケは全く心当たりが無い様子。

 

「おっぱいデカッッッッ‼︎エッッッッッ‼︎」

「うわっ、キモっ。」

「お前、女もイケんのかよ⁉︎」

「ああ。我は乳を求めているからな。」

「求めんな、そんなもん‼︎」

 

 グリグリは相変わらず興奮している。今回ばかりは、性悪クソスペ女に同情しよう。

 

「それよりリリッケ。どっちが上か、わからせてあげるから。」

「はぁ?」

 

 そして、なんでコイツはこんなにリリッケに敵意剥き出しなんだ?リリッケは敵を作るようなタイプの人間じゃねえぞ?もしリリッケに危害を加えようもんなら、あーしがぶん殴………

 

「どっちが上か、わからせるだと⁉︎つまり君は、リリッケとレズセをしたいのだな⁉︎」

「はぁ⁉︎」

 

 る前に、グリグリの口撃が始まった。

 

「レズセ界において上というのは、相手の上にまたがって貝合わせ、及び乳合わせをするということ‼︎つまりは責めということだ‼︎」

「レズセ界って何よ、この変態女⁉︎」

「そしてわからせるというのは、自分が責めだと相手に教えるということ‼︎そこまでしてリリッケをイかせたいのか⁉︎」

「違うっつーの‼︎バカじゃないの⁉︎」

 

 まるで予め決められた台本を読むかの如く、流暢に猥談し始めるグリグリ。あっという間に相手に恥をかかせることに成功。流石だ‼︎

 

「おい、狂犬ポメラニアン‼︎変態ウラヌシアンの相方だろ、なんとかして‼︎」

「無理だっつーの!」

「変態同士、仲良くすればいいんじゃないの〜、レネ〜♪」

「黙れセセリア‼︎」

 

 セセリアを味方につけたことで、口喧嘩ではもはや負け無しとなったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

  side シャディク

 

 正直変態ちゃんの方は要らないんだけどね〜。義父(とお)さんから言われたからね。そんな趣味には見えなかったけど……。一体、誰に唆されたんだ?

 

 

 

 そんなことを思ってると………

 

「シャディクさ〜ん!」

「アタシらにも手伝わせて〜♪」

 

 知らない女子生徒2人がやってきた。誰だ?

 

「どうしたんだい、君たち?」

「アタシらは変態女に復讐したくて。」

「あとクソアーシアンとクソ水星女‼︎」

「なるほどね………」

 

 まあ、グラスレーには悪くない話だ。とりあえず俺たちの邪魔にならない程度で協力させるか………

 

 

 

 

  side アーシアン差別女2人組(アニメ2話・4話の連中、公式さん早く名前つけて)

 

 しゃあ、シャディクの許可を得たわ‼︎これで復讐できる‼︎くたばれ、変態女‼︎

 

 

 

  side ケイン・ネズミッチュ

 

 小生らアバンネット・グループの復興のため、グラスレー社にスパイ入社して数年………ようやく天王星のクソ女が現れたマウス‼︎ジェターク社に行った兄上*2は一回失敗したマウスが……。小生は成功させマウス‼︎

 

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 その後、あーしらは作戦会議をしていた。

 

「俺らが懸けの対象になるとはなぁ。」

「集団戦じゃ無敗のグラスレー寮。俺でも向こうに全額ベットする。」

 

 個人戦なら勝てそうだが、いかんせん集団戦。グラスレー寮は連携を得意とした集団で、それを活かして毎回集団戦を選んでは勝ち続けている。

 

「MS、足りないですよぉ‼︎」

「ベルメリアさんに掛け合ってみるわ。ファラクトなりなんなり貸してもらう。」

「パイロットは?うちにはスレッタとチュチュとグリちゃんしかいないぞ?」

 

 一方あーしらはそもそも人数不足。サッカーなら5vs11でプロ選手と戦うようなもんだ。一体どうするのか………?

 

「4人目なら、僕が居るよ。」

「「「「⁉︎」」」」

 

 すると、1人の男があーしらのところにやって来た。その男の名は………

 

「昨日の氷仮面ではないか⁉︎」

「そうだよ、エバーグリーン。」

 

 氷仮面、もとい、エラン・ケレスだ。

*1
レネ

*2
マッケンジー・ネズミッチュ、9話で登場してグリグリ誘拐しようとした奴




長くなったので分けました。


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第十四話 あと珍歩、キミに差し出せたなら Part2

お詫び 

シン・セー開発公社について勘違いしてました!
アニメ2話だけ観てニカ姉の推薦企業だと思ってたら、スレッタのとこでした!
ですので、本作第四話を急遽少しだけ書き換えてます(ほとんど変わってないけど)!
ごめんなさい!シャディクみたく乳首を出すので許して!


  side チュチュ

 

 あーしらがシャディク戦のパイロット不足に困っていると、エラン・ケレス、もとい氷仮面が現れた。

 

「ええええ、エランさん⁉︎」

「僕はエラン・ケレスではない。氷仮面だ。よろしく、スレッタ・マーキュリー。」

「よよよよ、よろしくお願いします‼︎」

「ファラクトに乗りすぎて、頭バグったのかしら?」

「言っておくが、僕はペイル社とは何の関係もない。後日エラン・ケレスが復活し、僕は完全なる別人格となるだろう。」

「「「「はぁ⁉︎」」」」

 

 思わず他の皆と息が合う。エラン・ケレスって何人もいんのか⁉︎意味分かんねえよ‼︎

 

「それはさておき、」

「おくな‼︎」

「パイロットが足りないんだろ?条件を呑んでくれたら、元パイロットの僕が力を貸すよ。」

「お前通報されたら一発アウトだかんな⁉︎立場分かってる⁉︎」

 

 突然現れた仮面付きの自称氷仮面。如何にも不審者。見るからに味方にしたらアウト。近寄りたくない。話したくない。でも今回ばかりは、猫の手も借りたい。

 

「で、条件は?」

 

 そんな思いが、ミオリネに話を聞かせることとなった。

 

「僕を地球寮に住ませてほしい。」

 

 やめとけばよかった。

 

「おい‼︎不審者を匿えってか⁉︎」

「野宿がキツくて………」

「そこかよ‼︎」

「僕はグエルにはなれない………」

「アイツも野宿してんの⁉︎」

「だからペトラは青姦計画と言ってたのか。我、納得‼︎」

「嫌な伏線回収だな‼︎」

「とにかく頼む。」

「分かったわ、とっととパイロットになりなさい。」

 

 ということで、エラン・ケレスを匿うことが決定した。確かおなら部屋がいっぱい空いてたから、あそこにぶち込んどくか。

 

「さて、スレッタ、エバーグリーン、チュチュ、エラ……氷仮面は決まったとして……」

「一瞬言いかけただろ。」

「残り2人は誰にしようかしら?」

 

 そして、後残り2人を集めなきゃいけない。

 

「私出ろって言われたので出ま〜す!」

 

 まずはリリッケ。クソスペ性悪金髪女に喧嘩を売られたばかりだ。

 

「お前経営戦略科だろ?大丈夫なのか?」

「頑張ってこなすよ〜!」

「安心しろ。我が君の分まで頑張る。」

「あーしもな‼︎」

「ありがと〜、グリちゃん!」

 

 正直リリッケにMSの操縦は無理だろう。あーしが経営のこと分からないのと同じように。パイロット科として、彼女の分まで頑張らねえとな‼︎

 

「そして、あと1人………」

 

 これで5人は決まり。最後は………

 

「マルタンじゃね?」

「マルタンだな。」

「マルタンでいいでしょ。」

「ええ……僕………っ⁉︎」

 

 なんか可哀想だけど、マルタンに決まった。

 

「とりあえず、このメンツで決定ね。後はペイルに頼んでMS貸してもらうわ。」

「氷仮面はペイルに頼めないの?」

「僕はあそこの人間じゃない。」

「なるほど………」

 

 こうして、グリグリ、スレッタ、リリッケ、マルタン、氷仮面、あーしの6人でシャディク達と戦うことになった。よ〜し、やるからには勝つぞ‼︎

 

 

 

 

 ついに決闘当日、

 

「ベルメリアさんがザウォート3台貸してくれたのか?」

「そうよ。」

「それはよかった。それじゃあ、MSコンテナ開けるぞ。」

 

 あーしらの出番がやってきた。

 

「はい‼︎」

「やってやんよ‼︎」

「頑張ります!」

「乗りたくなかった〜。」

「懐かし……くない、決して懐かしくないよ、ザウォートなんて。」

「オナ禁による射精管理は充分。さぁ、イくぞ。」

 

 1人……いや2人ヤバいこと言ってる奴がいるけど気にしないでおこう。

 

「これより、双方の合意のもと決闘を執り行う。立会人は、ジェターク寮寮長、ラウダ・ニールが務める。」

 

 そして、立会人は変態ブラコンクソスペ男ことラウダ。普段もこんな感じで真面目にやって欲しい。フェルシーが大変だから。

 

「決闘方法は、6vs6の集団戦。勝敗は、リーダー機のブレードアンテナを折ることで決するものとする。」

 

 ちなみに、今回のリーダー機はグリグリ。理由は一つで、ブレードアンテナの硬度が天王星の技術により高いから。アレだけ細いのに全然折れないのは、ニカ姉曰くマジでやばいらしい。ただ、指揮はそんなに得意じゃないので、後方指揮兼喧嘩を売ったミオリネが代役を担う。

 

「両者、向顔。」

「睾丸?」

「キンタマじゃねーよ‼︎」

「勝敗はMSの性能のみで決まらず、」

「操縦者の技のみで決まらず、」

「「ただ、結果のみが真実。」」

決心開放(フィックスリリース)。」

 

 ということで、両者出陣となった。

 

 

 

 

 集団戦となると、普通はリーダー機を後方に下げる。しかし、今回は違う。

 

「我がMD(モビルディルド)でイきたい者、それか全宇宙にイき顔を晒したい者、前に出でよ‼︎」

「「「「「うっ…………」」」」」

 

 グリグリを前面に出してる。理由は簡単、相手が全宇宙にイき恥を晒したくないからと、腰を引かせるため。やはり女子となれば、よほどの変態じゃない限り、こうなるよなぁ‼︎

 

「サビーナ、と言ったか?まずはそのデカい乳を揉ませてくれ‼︎」

「嫌だ‼︎」

「とりゃあ‼︎」

「くっ………邪魔だな……っ‼︎」

 

 そして、その隙に後ろのスレッタがガンガン攻撃する。エアリアルは中距離攻撃が得意なため、グリグリの後ろにいるのがかなり効果的だ。

 

「チュチュは後方支援よ!」

「わーってるよ!」

 

 そして、あーしが後ろから遠距離射撃。皆のサポートだ。

 

「まず1つ♪」

「どわぁぁぁぁ!」

 

 ただ、敵の動きも速い。スレッタの更に後ろに一瞬で回り込み、そこに居たマルタンを片付けてしまった。

 

「リリッケ・カドカ・リパティ、まずは人の男に手出した落とし前、きっちりつけさせてやる‼︎」

「な、なんのことですか〜?」

「ジョン・バー・シモンズ。アタシのキープ君12号‼︎」

「あっ、ランチのお誘いなら断りましたよ〜!」

「アタシの男に恥かかせてんじゃね〜‼︎」

「きゃぁ‼︎」

「しゃあ‼︎ざまぁぁぁぁ‼︎」

 

 レネはリリッケの相手。つーかそんなくだらん理由で突っかかんな‼︎12人もキープ要らねえだろ‼︎恥かいてんのはお前だよ‼︎これ全宇宙に放送されてんだかんな⁉︎

 

「まずは露払いだ。」

「くっそ、シャディクめ、いきなり来たか‼︎」

 

 更にはあーしのとこにシャディクが来んのかよ⁉︎

 

「なんだい、君は?なんか強くない?」

「気のせいだ。」

「なんかマズい予感がする……っ‼︎」

「予感じゃなくてもうマズくない?君後少しでアウトだよ。」

 

 エランはクール女の相手をしてる。しかもかなり一方的にボコってる。流石は御三家だ………って褒めてる場合じゃねえ‼︎

 

「テメェ、グリグリと当たってイき恥晒せ‼︎」

「嫌だね。僕はシャイなんだ。」

「ならなんだよその服装⁉︎」

 

 辛うじてシャディクのビームを避けてるが、これがキツい。速いし太いし、おまけに足場を崩してくる‼︎更には………

 

「雨………っ⁉︎」

 

 突然雨が降り出した。これは一体…………?

 

「あれっ、エアリアルが………動きませんっ!」

「この前と一緒ね………っ‼︎」

 

 くそっ、エアリアル封じの雨か‼︎しかも誰の仕業だ⁉︎シャディクのグループは6人だったはず。まさか他に、協力者がいる…………?

 

 

 

  

  side 差別女2人組

 

 やりぃ‼︎これで強い奴は1人戦闘不能‼︎クソ水星女にクソアーシアン、それからド変態クソ女‼︎田舎者と変わり者と貧乏人はまとめてすっこんでろっつーの‼︎

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 ひょっとしたら、あの差別女共かもな。奴らスレッタのことも嫌いらしいし。憂さ晴らしのために協力するとか、本当イカれてやがる‼︎

 

「皆、安心して。これ前もあったから、私が対処してくる。」

「ミオリネ、指揮官の君が離席するのはいいのかい?」

「………確かによくないわね。」

「だな。」

「それじゃあオジェロとニカ、作戦伝えるから後はお願い。」

「「りょーかい‼︎」」

 

 幸いミオリネが経験済みだったおかげか、これはなんとか対処出来そうだ。

 

「チュチュちゃん、だっけ?悪いけどここで落ちてね。」

「嫌だね、乳首野郎‼︎」

「興奮してるんかい?」

「違えよ‼︎」

 

 ただ、あーしは全然対処出来なそう。くそっ、何も出来ずに終わるんか……っ‼︎チーム戦なのに、協力出来ずに………っ‼︎

 

「興奮してるのは我ぞ‼︎」

「流石は速いな、変態ちゃん!」

 

 グリグリがあーしのピンチを見て、すぐに駆けつけてくれた。

 

「グリグリ………ありがとな。」

「氷仮面が強くてな。既に2人も倒してしまった。」

 

 エラ……もとい氷仮面がいてくれたおかげで、あっちもなんとかなってる。

 

「でも君たちに………勝ち目は無い‼︎」

 

 だが、シャディクは何故そんなに自信満々なんだ?そこまで圧倒的な格差があるのか?そう思った次の瞬間…………

 

「四方八方に………シャディクだとっ⁉︎」

 

 地面と、エリア範囲を示す結界全てがシャディクとなった。更にはシャディクの機体すらもシャディクを映し出しており、どこにいるのか分からなくなってしまった。

 

 

 

  

  side 差別女2人組

 

 よしっ、全ての地面と結界にシャディクの写真をハックさせたわ‼︎これでどれが本物だか分かんねえだろ‼︎さあ、精子撒き散らしてテクノブレイクしちまいな‼︎

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 くそっ、絵面が汚過ぎる‼︎360°シャディク、身体中の隅々まで見られている感覚だ‼︎

 

「うぉぉぉぉぉぉ‼︎シャディ空間‼︎」

「上手いこと言ったつもりか‼︎」

 

 グエル戦よりも緻密で、画素が細かく、数が多い。そして何より、グリグリが暴走しちまう‼︎

 

「とにかくグリグリ、冷静になれ‼︎イき散らかすな‼︎」

「安心しろ、チュチュ。我は冷静に、股間でシャディクを感じている。」

「それのどこが冷静なんだ⁉︎」

 

 この状態でイき散らしたら、誰に当たるか知ったもんじゃない。スレッタやエラン諸共やられるかもしれない。更には本人が持たないかもしれない。くそっ、どうすれば………

 

「うむ、そこだな‼︎」ドビュッ

「く…………っ‼︎」

「は?」

 

 えっ、今こいつ、シャディクに当てたんか⁉︎

 

「お前、もしかして分かるんか⁉︎」

「もちろんだ。」

「嘘だろ⁉︎」

 

 しかも狙って‼︎

 

「我はエッチなものの濃淡が分かるからな。」

「濃淡って何⁉︎」

「すごくエッチか、普通にエッチか、ちょっとエッチか、濡れない、か。大きく分けるとこうだが、実際にはサーモグラフィーのように細かく連続的に分かれている。これを卑猥度と言う。」

「急に物理の教科書みてえなこと言うな‼︎」

「単位はhm(エッチメートル)で表され………」

「単位あんのかよ⁉︎」

「写真や映像も、生の卑猥度には勝てない。」

「だろうな‼︎」

「その卑猥度の差を利用して、我はシャディクを探しているのだ‼︎」

「マジでサーモグラフィーじゃねえか⁉︎」

 

 イカれた感性を持つグリグリ。その感性はサーモグラフィーよりも優れていて、サーモグラフィーよりも遥かに下らないものだった。しかしそれが、あーしらの役に立つとは………

 

「ガンダム‼︎ヤれる‼︎シコれる‼︎エアリある‼︎」ドビュッー‼︎

「勝手に変えないで下さい‼︎」

「ぐっ……んっ♡」

「しょ、勝者………地球寮………」

 

 えっ、ちょ、早っ‼︎威力ヤバすぎ‼︎もう終わったんだけど⁉︎グリグリはどんだけシャディクのおっぱい好きなんだよ⁉︎スレッタも珍しく秒速でツッコんだし‼︎意味分かんねえ、あーしが立て直す暇すら無かったわ………

 

 こうして、シャディク・ゼネリはそのイき顔を全宇宙に晒すこととなった。

 

 

 

 

 このシャディクの決闘から2週間後、あーしらはあることで頭を悩ませていた。とっても重大な、アス校のイベント……

 

「「学園祭の出し物、どうしよう………?」」

 

 アスティカシア学園祭の出し物決めだ。




ここからアニメ10話までは確か2ヶ月経つので、ここでオリジナルの章を入れます。アスティカシア学園祭、お楽しみに!


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第三章 アスティカシア学園祭
第十五話 射精(だ)し物決め


  side チュチュ

 

 シャディク戦で圧勝して以降、あーしらは今まで以上にスペーシアン共に避けられるようになった。

 

「アレが噂の変態ウラヌシアンと狂犬ポメラニアン……」

「怒られたらナニされるか、たまったもんじゃねえ……」

「とりあえず、無難に生きよう……」

 

 こうして、多くのクソスペ共があーしらを見た途端、怖がって逃げるようになった。まるでライオンを見た草食動物のように。あと最後の奴、言葉の意味が違くね?それじゃあレールに敷かれた人生を生きるってことになるぞ。

 

「チュチュ、なんか我避けられてないか?」

「そりゃ御三家全部ぶっ潰してる変態だからな。」

「我ってそこまで変態なのか?どうも自覚が湧かないのだが……」

「頼むから湧いてくれ。」

 

 逆にコイツの周りにはどんな変態がいたのか、すげー気になる。コイツが未だに自覚持てないって相当だぞ。関わりたくはないけど、遠くから見てみたいな。本当に遠くから、しかも話しかけられないほどの。そうなると………それにうってつけのイベントがあるような……

 

「そういや、もうすぐ学園祭じゃね?」

「確かにそうだな‼︎」

 

 アスティカシア学園祭。アス校の文化祭のようなもので、毎年多くの来客で賑わう一大イベントだ。各星の偉い連中も来賓としてよく来るから、天王星の人らを見ることも可能だ。

 

「色んな店で学園が賑わうのだろう⁉︎」

「お化け屋敷に焼きそば屋とか、寮ごとに出店がいっぱいあるっぽいな‼︎」

「社長秘書とかコスプレ系もあるのか⁉︎」

「そういう風俗(みせ)じゃねえよ‼︎」

「それはさておき、我々も店を出すのだな。」

「寮ごとらしいぜ〜!皆で作るの楽しみだな!」

「出し物……いや、射精()し物決めか……」

「最初ので合ってっから‼︎」

 

 あーしの地元じゃそこまでの規模のやつが出来なかったので、正直かなり楽しみにしている。出店を回ったり、皆で協力して開いたり………本当にやりてえことばかりだ!スレッタのやりたいことリストじゃねえけど‼︎

 

 

 

 ということで、帰って早速地球寮の皆と相談することにした。

 

「てなわけで、学園祭の店ど〜する⁉︎」

「我々にしか出来ない、最高のものを作ろうぞ‼︎」

「わ〜い、楽しみ〜♪」

「ややや、やりたいことリストにありますっ!皆で頑張って何かするって‼︎」

「えらいふわっとしてんな!」

 

 すると、リリッケとスレッタはノリノリになった。よしよし、この調子。アゲてこう‼︎

 

 

 

 と、思いたかったのだが………

 

「テンション高ぇ〜。」

「そ、そうだね〜、ヌーノ……」

「初参加の君たちはそうなるよね。」

 

 肝心の上級生がめちゃくちゃテンション低かった。見るだけでやる気がかけらもないことが分かるくらいに。帰って寝たそうにしてる奴も居るし。

 

「去年と同じゴミ箱でよくね?」

 

 出し物がゴミ箱………しかも去年と同じ………?

 

「去年出し物ゴミ箱だったの⁉︎」

「つーかゴミ箱をどう出し物にすんだよ⁉︎」

 

 意味が分からなすぎる。文化祭の出店にゴミ箱って、何がどうなったらそうなるんだよ⁉︎わざわざあーしらのスペースを使わなくていいだろ‼︎

 

「寮の前にね〜、ゴミ場を置くだけだからねっ、準備が楽なんだよ!」

「来た奴がそこにゴミを捨てるだけ〜。ただそれだけ〜。」

「それをわざわざあーしらがやる必要ねえだろ‼︎」

 

 普通に文化祭となれば、ゴミを捨てる場所も存在するはず。料理店とかお化け屋敷とかやれる中で、わざわざその役割を買う意味が分からない。

 

「そそそ、それにっ、私たちで何か作りたいとは思いませんかっ⁉︎」

「学園祭は寮ごとに売り上げを競っていて、上位には特典がある。株式会社GUND-ARMの宣伝にもちょうどいいから、何かやりたいのは本音ね。」

「去年は0だったな〜。ゴミ箱だし。」

 

 そして、寮ごとの売り上げ競争。確かにあーしらアーシアンが上位に立てる可能性は少ない。でもゴミ箱にしたら、それこそゼロになってしまう。なんで去年、ゴミ箱を選んだのか………

 

「ただ、スレッタと1年生は知らないと思うけど、アーシアンの店をぞんざいに扱う連中が多いのよ。それで嫌になってああしたんでしょう?」

「ミオリネさんの言う通りだね。」

 

 その理由を、ミオリネが説明してくれた。ぞんざいに扱われるのはいつものことだけど………

 

「一昨年は普通の店をやったんだけどね。やってくるスペーシアンの皆が売り子にゴミを投げつけたり、商品を目の前で壊したりしたんだよ。」

「もちろん教師も見てみぬふりどころか、普通に参加。」

「怒った先輩が何回も抗議したら、その人は退学させられてね。準備するのもバカらしくなったんだ。」

「はぁ⁉︎」

 

 これは酷い。いくらなんでもひど過ぎる。アイツらクソスペ共は、アーシアンのことをサンドバッグとでも思ってんのか⁉︎あーしらは抗議しただけで退学なのに、アイツらは器物損害や暴行も許されんのかよ‼︎

 

「よぉし、こうなりゃ徹底的にクソスペの店ぶっ壊すぞ‼︎」

「ダメだよ〜、チュチュ。」

「君が退学になってしまったら、我は悲しいぞ。」

「っ……!でもよぉ………」

 

 ぶん殴ってやりたいけど、出来そうにない。それに、グリグリに寂しそうな目でそう言われちゃぁ、動けなくもなる。

 

 

 

 そんな中、

 

「幸い、今年は妨害がかなり減ると思ってるわ。」

 

 ミオリネが皆を説得し始めた。コイツがやる気あるのは、学園祭をまともにやりたいあーしにとってすげえ嬉しい。

 

「なんで?」

「まずは株式会社GUND-ARMと地球寮はほぼ一緒ってこと。」

「それがどうなるんだ?」

「総裁の娘が社長やってるとこの出店にケチつけられると思うかしら?」

「「「なるほど…………」」」

 

 確かに、ミオリネが今年加わったことで、迂闊に手を出せなくなる。例年通りの妨害をした連中は、まず即退学だろう。

 

「次にスレッタ。御三家に全部勝利しているから、去年よりは実力が認められてるはずよ。メカニックの皆の腕も込みで。」

「あれ、本当におなら臭かったんだけど。」

「ごごごご、ごめんなさい‼︎」

「その発言は正体バラしてるようなもんじゃんか‼︎」

 

 次はスレッタ。ちなみにグリグリはエラン戦だと裏で屁をこいてただけなので、御三家に全部勝ったことにはなってない。逆にスレッタはあーしらと出会う前にグエルに勝ってるし、シャディク戦でもメンバーにいた。

 

「そして最後にグリグリ。アンタに手を出すと公共の電波でイき恥晒されるからね。」

「シャディクさんがいい例だね。」

「ニカ姉、なんで笑顔なんだ?」

「ひ・み・つ♡」

 

 そしてグリグリ。これは言わずもがなだ。

 

「というわけで、今年は例年とは違って普通に参加しやすい環境になってるわ。」

 

 こうしてみると、この3人のおかげであーしらが過ごしやすい環境になったと言える。活躍したのが全員アーシアンじゃないのが悔しいけど。

 

「これを株式会社GUND-ARMの宣伝に使わない手はない。責任やクレームは全て私が受ける。皆、頑張って出店を考えるわよ‼︎」

「「「おー‼︎」」」

「「「お、おぅ………」」」

 

 こうして、上級生たちは些か不安がりながらも、皆で学園祭の出し物を決めることになった。

 

「例年の他寮の感じだと、どこも複数店舗を出して商店街を形成しているみたいね。」

「人数が多いから、出し物を何個も出来るのだな。」

「あとはお金ね。」

「だから皆、一店舗には絞らないから気軽に意見してちょうだい。」

 

 そういや、複数出来るのか。こりゃ何出すでモメることがあんま無さそうだな。

 

「まずは社長秘書モノとコスプレ系は必須だな。」

「風俗は却下。」

「何故だ⁉︎学園祭の定番だろう⁉︎」

「許可出るわけねぇだろ‼︎」

「ぐぬぬぬ……」

 

 グリグリはいきなり風俗を出してくるあたり、天王星の文化祭はマジで風俗街なのかもしれない。

 

「それじゃあ書店はどうだ?エロ本には教科書のカバーとかつけとけば良さそうだけど。」

「エラ……氷仮面はいつもそうしているのか?」

「僕はエロに興味無い。本当に興味無い。」

「「…………」」

 

 嘘ついてるな、コイツ。あと、ヌーノにオジェロが目を逸らしている。男子はよくやってんのか?

 

「まあ、書店なら大丈夫でしょ。それじゃあエバグリ書店ってことで、リリッケ、ホワイトボードに書いといて。」

「はいは〜い!」

「我の名の書店……良いな!」

「よかったな、グリグリ!」

「ああ、チュチュ!」

 

 エバグリ書店、なんか可愛いな。しかもありそう。グリグリもめちゃくちゃ嬉しそうだ。

 

「次は………株式会社GUND-ARMの宣伝は欠かせないわね。」

「エアリアルと踊りましょう‼︎」

「エアリアルとかの宣伝、だね。」

「ええ。博物館みたいな感じで出そうかしら。他の寮も自社の展示会はよくやるし。リリッケ、書いといて。」

「は〜い!」

 

 次は定番、株式会社GUND-ARMの宣伝。会社をでかくする上では、これは欠かせないだろう。

 

「さてと、次は………」

「私、占い館やりたい。」

「おお、それいいですねぇ〜♪」

「アリヤさんのぉ〜占い館、いいですねぇ!」

「書いときま〜す!」

 

 次はアリヤの占い館。これは結構な人気が出そう。

 

「アリヤといえば、卵とか育ててるね。」

「ティル、レストランでもやりたいんか〜?」

「僕料理出来ないけど。」

「ミオリネさんのトマトもありますしね‼︎」

「お前トマト作ってんの⁉︎」

「そうよ。それじゃあ、産地直送レストランってことで。書いといて〜。」

「は〜い!」

 

 そして、レストラン。アリヤの畜産は知ってたけど、ミオリネもトマト作ってたんか。それは知らなかった。

 

 

 

 

 しばらく色々話した結果、あーしらの出し物と担当が決まった。地球寮売り上げ1位を目指しつつ、全力で学園祭を楽しむぞ‼︎

 

・エアリアルで遊ぼう! 〜株式会社GUND-ARM展示会〜

スレッタ ミオリネ ニカ

 

・産地直送レストラン

ホール:オジェロ リリッケ 

キッチン:ヌーノ マルタン 4号

 

・秘密の占い館

アリヤ ティル

 

・エバグリ書店

グリグリ チュチュ



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第十六話 エロ本回収

  side チュチュ

 

 あーしはグリグリと学園祭当日に向け、準備をしていた。

 

「よしっ、まずはお古のエロ本を集めるか。」

「エロ本以外もな‼︎」

 

 仕入れで一番楽なのは、アス校内で要らなくなった古本を集めることである。ということで、あーしらは早速クソスペ共に話しかけて周ることにした。のだが………

 

「すまん、古本を……」

「すいませんでしたぁぁぁぁぁ‼︎」

「何もしないで下さいぃぃぃぃぃ‼︎」

「俺は……っ、俺はまだ………っ、処女でいたいんだ………」

 

 まともに会話にならなかった。

 

「いや、我はただ古本を………」

「「「ご勘弁をををををを‼︎」」」

 

 そして、あっという間に逃げられてしまった。

 

「我はそんなに変態ではないのにな……」

「ここじゃあ刺激が強すぎんだよ‼︎」

「ならば、我が思う変態を天王星から連れてきて………」

「ショック療法すんな‼︎」

 

 今アス校の人たちに天王星人(ウラヌシアン)の中でも変態の奴を連れてきたら、もれなく全員気絶するだろう。見たことないから程度が分からんけど。

 

「ならば、話しかけられそうな知り合いを当たるか。」

「それがいいな。」

 

 とりあえず、今はあーしらをビビらない生徒がいい。ということは、知り合いを当たるしかないな。さて、誰を当たろうか………

 

 

 

 

 そうしてやってきたのは………

 

「ラウダ先輩。グエル先輩の靴下が見つかったの、何故黙ってたんです?」

「お前らに言う必要が無いからだ、ペトラ、フェルシー。」

「うん、私に言う必要は無いっスね………」

 

 ジェターク寮だった。

 

「よぉ変態トリオ、今からグリグリ(こいつ)の話聞いてくんね?」

「トリオじゃねえ‼︎ペトラとラウダ先輩のコンビだよ‼︎」

「僕は変態じゃない。兄さんが悪いんだ。」

「私も変態じゃない。フェルシーが悪いんだ。」

「私は悪くなくない⁉︎」

「グエルも悪くねぇよ‼︎」

 

 コイツらは相変わらずグエルの私物を巡って争ってるらしい。普通に盗難だっつーの。

 

「忙しいところ悪い。」

「これ忙しいか⁉︎」

「君らに頼みがあるのだが……」

「兄さんを襲いたいだと⁉︎」

「1年のくせに生意気ね。」

「「人の話を聞け‼︎」」

 

 この2人はこの世の全員がグエルに興奮するとでも思ってんのか⁉︎する人間のが少ねえだろうが‼︎どんなに魅力のある人間でも、半分以上超えてたらそれはもう狂気だっつーの‼︎思わずフェルシーと口が合った。

 

「読まなくなった古本を探していてな。」

「おお、変態女にしては普通の頼み!」

「グリグリ、帰るぞ!フェルシーを置き去りにしようぜ!」

「待て!お願いだからもうちょっとだけいて!」

 

 フェルシー(こいつ)も案外バカだな。

 

「わかった。それで、古本はあるか?」

「私は本読まないから無い‼︎」

「そうか。ならばそちらのおふたりは?」

「う〜ん、読()なくなった本ならあるな。」

「奇遇ですね。私もです。」

 

 読()なくなった本……?読()なく……じゃなくて?

 

「本をビリビリ破いたりしたんか?」

「それでは古本として受け取れんな……」

「いや、破いてはいない。ただ………」

 

 破いてはいない?それじゃあどういう状態だ?誰かに落書きされたとか?それともコーヒーをこぼしたとか?

 

「使いすぎてカピカピになってだな……」

「奇遇ですね。私も使いすぎてビシャビシャになりました。」

「「汚ねえ‼︎」」

「なるほど、事情は分かった。」

「「分かるな‼︎」」

 

 最低じゃねえか‼︎なんだよ使いすぎてカピカピだのビシャビシャだのって‼︎絶対読んでる途中にアレしてただろ‼︎その結果ぶちまけただけじゃねえか‼︎

 

「フェルシーに貸さなきゃビシャビシャになってないのに。」

「借りてないし、借りてもそんなことしねえよ⁉︎」

「僕もフェルシーに貸したらカピカピになってたな。」

「生えてねえし‼︎」

「とにかく、受け取ってもいいか?」

「ああ。既に新しいのを調達したからな。」

「これでしばらくはイけるわ。」

「「ずっと大切に使え‼︎」」

 

 あーしもグリグリに本貸したらこうなるのか?いや、案外コイツ物大切に使うから、それは無いかも。

 

「つーかグリグリ、受け取るのかよ⁉︎」

「無料で受け取れるのに越したことは無いだろう。」

「売れなきゃ意味ねえよ‼︎」

「安心しろ、策はある。」

 

 策………?こんな変態の使用済み書物を売れる策でもあんのか?来店した天王星人(ウラヌシアン)用にとっておくとかなのか………?

 

 ジェターク寮から本を受け取って出た後、

 

「で、どうすんだよそれ。」

 

 あーしはグリグリに策とやらを聞いた。

 

「天王星特製、書物再現装置を使う。」

「おお、珍しくまともじゃん‼︎」

 

 天王星にもちゃんとした道具があるんだ〜。少し感心した。

 

「天王星では自慰行為による射出物により、本の状態が悪化することがよくある。今回みたいに読めなくなることは日常茶飯事だ。」

 

 ん?なんか背景おかしくね?いきなり変態の話なんだけど。

 

「そこで再び読めるようにするために、書物から精液や愛液を取り除き、元通りにするのがこの装置だ。」

「やっぱバカ道具じゃねえか⁉︎」

 

 書物再現とかいう考古学者が喉から手が出るほど欲しそうな装置を、とても下らない理由で完成させる天王星人(ウラヌシアン)。そこまでして読みたいのかよ⁉︎新しいの買えや‼︎

 

「これがあるから、大抵の本はなんとかなる。」

「オナって読めなくなる本はほとんどねえよ‼︎」

「そうか?我は確かに無かったけど………」

 

 やっぱりな。コイツ真面目なとこあるし、机の上とかめっちゃ綺麗だもん。変態なのを除けば超まともなんだよな〜。変態なのを除けば。

 

「姉上はよくビシャビシャにしてたな。」

「お前姉ちゃん居たの⁉︎」

「ああ。」

 

 今日一の衝撃。確かにコイツの家族構成とか聞いたことなかったわ。だって会話の9割が下ネタだったし。

 

「スカーレット・ウラヌスと言ってな。スカ姉とよく呼んでたものだ。」

「スカ姉って、スカパラ大好きなニカ姉みたいだな。」

「スカトロ大好きニカ姉……?」

「お前それニカ姉にキレられんぞ‼︎」

 

 でも言われてみれば、ちょくちょく姉が居そうな性格だ。見た目は大人びてるとはいえ、ちょっと純粋なところとか、自然な甘え方とかがそうだ。あーしは一人っ子だから姉妹についてはよく分からんけど、なんかそう思う。

 

 

 

 そんなことを思いながら、次に古本回収に向かったのは………

 

「セセリア・ロウジ。古本回収に来たぞ。」

「今忙しいから後にして‼︎」

 

 決闘委員会だった。セセリアとロウジは見たところ、学園祭に向けた事務作業をやってる様子だった。決闘委員会も今だけは学園祭委員会だ。

 

「ごめん、グリちゃん。僕らは機械派なんだ。」

「機械派って………電子書籍か?」

「いや、エロい機械で遊ぶ派。」

「そういうことかよ⁉︎」

 

 これはこれはとても頼りなさそうだ。あとロウジはグリグリのことグリちゃんって呼ぶんだ。確かにあーしとミオリネ以外はだいたいそう呼んでるけど。コイツが呼ぶのはなんか意外だ。

 

「それはそうと、困ってるなら手伝おうか?」

「お、マジぃ〜⁉︎お前いい奴じゃん!」

「前は誰かさんが腰ガクガクで手伝えなかったしなw」

「ちょっ………うっさいわね、チュチュ‼︎///」

 

 ということで、あーしらは事務作業を手伝うことになった。

 

「つーか、他の奴はどうした?」

 

 ただ、決闘委員会は他にも居たはず。御三家から1人ずつ出すのが普通だからだ。

 

「エランは学園祭前日から復学*1だって。」

「会社でゴタゴタしてたっぽい。」

「「復学…………?」」

 

 あれっ、アイツ居るよな?というか復学?休んでた設定なの?ペイル辞めたんじゃなかったの?どういうこと?

 

「次にラウダ。大事な用事でどうしても来れないって。」

「彼はペトラとグエルの靴下争奪戦をやってたぞ。」

「殺していい⁉︎」

「いいぜ〜!」

 

 ラウダは論外だった。

 

「そんでもってシャディクなんだけど………、ラウンジに入ると居場所がバレるから来れないとか……」

「アイツは指名手配犯か何かか?」

「我が捕まえたら乳首一年分舐められるか?」

「好きにして、マジでこっちは困ってるから。」

「承知した。」

 

 シャディクはもっと意味不明。居場所がバレたくないってどういうことだよ?何か裏で企んでるのか?それとも誰かに追われているのか?

 

「というわけで、頼れるのは最早アンタたちだけ。」

「なるほどな。」

「珍しく素直じゃねえかw」

「素直にもなるわよ‼︎ったくもう‼︎」

「セセリア、各寮の企画書確認終わった。」

「ありがと、ロウジ。こっちに入れといて。」

「うん。」

 

 ということで、古本回収は一度諦め、あーしらはセセリアたちの手伝いをすることになった。

 

 

 

 

 それから数日が経ち、あーしらが古本回収を頑張ってるところに………

 

「グリちゃん、天王星から何か届いたよ!」

「ニカ、持ってきてくれて感謝する。」

「どういたしまして〜!」

 

 ニカが荷物を持ってきた。

 

「お前、何を送ってもらったんだよ?」

「この間言ってた書物再現装置と、新書の数々だ。新書の営業許可も貰ったぞ。」

「おっ、新書も頼んだのか‼︎流石‼︎」

「褒めてくれて感謝する!」

 

 なんと気の利くことに、新書まで仕入れてくれた。マジでサイコー!

 

「んで、どんな本があるんだ⁉︎」

 

 早速何を仕入れたか聞かねえとな!

 

「まずは………『禁断の恋愛物語……』」

「おお!ロミジュリ的な⁉︎」

「いや、嫁と姑の恋愛関係を描いた物語だ。」

「禁断過ぎるだろ⁉︎」

 

 嫁と姑って普通バトルするもんだろ⁉︎なんでそこで恋仲になるんだよ⁉︎というか旦那はどうなる⁉︎自分の嫁と母親がイチャイチャするんだぞ、キツすぎんだろ⁉︎

 

「次は………『マンガで分かるっ!……』」

「なるほど、難しい内容を分かりやすく説明した系か!」

「『おちんちん相対性理論。』」

「難し過ぎんだろ⁉︎」

「『Part7』」

「7まであんの⁉︎」

 

 どんだけ奥が深いんだよ、おちんちん相対性理論⁉︎というかそんなの分かりやすくすんな⁉︎絶対売れるわけないだろ‼︎

 

「そして、これは………天王星の生態系を描いた本だな。」

「ど〜せ皆全裸です、とかだろ?」

「『野生のトイレ、その全てを暴く‼︎』とな。」

「トイレって野生化すんの⁉︎」

 

 トイレってそもそも生き物じゃなくない⁉︎怖すぎるだろ、天王星‼︎道端を歩いてたら、そこらに生えてるトイレが動くわけだろ⁉︎ホラー映画でもねえよ、そんなん‼︎

 

「これも読むか?『これがあれば完璧‼︎時計の針を用いた自慰行為‼︎」

「何が完璧だ⁉︎」

 

 こうして阿鼻叫喚の新書たちを眺めながら、あーしらは学園祭当日に向けて準備するのだった………

*1
5号の登場を原作より早めます。




次回からいよいよ学園祭が始まります!お楽しみに!


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第十七話 祭り、開幕っ‼︎

  side チュチュ

 

 ついにこの日がやってきた。

 

「アスティカシア学園祭、開膜‼︎」

「開幕、な‼︎」

 

 学園祭当日だ。あーしらは寮の屋上から沢山の来客が押し寄せてくるのを眺めていた。その中には普段アス校じゃ見られないようなお年寄りや大人まで。日頃の何倍もの喧騒が、祭りの到来を告げている。朝9:00なのに、凄まじい人数だ。

 

「にしてもお客さん、来るとよいな。」

「だな!せっかく準備頑張ったんだし‼︎」

 

 ちなみに、他のみんなの様子も朝見てきた。

 

「エアリアル、とうとうこの日が来たね!一緒に頑張ろう!」

「そうだな、スレッタ。頑張るぞい!」

「ニカ、なんでエアリアルに声当ててんのよ………」

「楽しくなっちゃって、つい♪」

 

 技術展示会組(スレッタ、ミオリネ、ニカ)はウキウキ。エアリアルを中心に株式会社GUND-ARMが目指す未来と、新技術の提案をポスターなどにまとめている。またエアリアルのパフォーマンスの時間があり、一緒に踊ったりスレッタのエアリアル捌きを見ることが出来たりする。

 

「ティル、人来るかな……?」

「不安だよ、アリヤ………」

「私も………」

 

 占い館組(アリヤ、ティル)は不安そう。どちらも3年であり、一昨年の惨状を知っているからだ。ちなみに内装も本物の占い館みたく、紫重視のミステリアスな雰囲気にした。占い師がアリヤで、受付その他雑務がティルという担当。2人はなんかいい感じので、敢えて2人だけにしている。

 

「よし、皆で最終練習するぜ!いらっしゃいませぇ〜!」

「いらっしゃいませ!こちらメニューです!」

 

 そして、産地直送レストラン組(オジェロ、ヌーノ、リリッケ、マルタン、エラン4号)は客が来た時の最終練習をしていた。ので、あーしらが客役をやった。ホール担当は陽気なオジェロと男からモテモテのリリッケ。どっちもレストランの店員っぽい衣装*1を着ている。

 

「よしっ、あーしはオムライスで!」

「我はトマトサラダを頼む。」

「かしこまりました〜‼︎」

「オムライス一丁!」

 

 そしてメニューはミオリネが作ってるトマト他野菜類と、アリヤが育てている卵などの畜産系のものがメインだ。普通の洋食レストランに近いと思う。

 

「ヌーノはオムライス、氷仮面はトマトサラダをお願い。僕は調味料の準備をするよ。」

「ほ〜い。」

「鬱陶しいな……玉ねぎ……」

「目に染みるよね〜。」

 

 ちなみにキッチン担当がヌーノ、マルタン、エランもとい氷仮面。接客が苦手なヌーノ&マルタンと、先日エラン・ケレスが復学し、今まで以上に表に出られなくなった氷仮面が奥で作っている。

 

 というか、エランが復学って何だよ‼︎それじゃあ今仮面被ってる奴は誰⁉︎2人もエランが居ることになるんだけど⁉︎訳分からな過ぎるから聞いたが、学園祭で忙しいから後にして、って本人から言われてしまった。

 

 

 

 それはさておき、あーしらはレストランの皆からのまかないを朝食にした後、エバグリ書店までやってきた。今日だけやる、グリグリとあーしの店だ。

 

「それじゃああーしらも最終練習すっか‼︎」

「了解した。それでは我が店員役な。」

「頼んだぜ!」

 

 レストランの人たちを真似て、あーしらも最終練習をすることになった。

 

「いらっしゃいませ。どのような性癖をお持ちですか?」

「二言目がおかしい‼︎」

「何故だ?お客様の性癖を知らねば、本をおすすめ出来まい。」

「エロ本以外のが多くしただろうが⁉︎」

「チュチュ、この世の全ては性的対象になり得るのだぞ?」

「それは特殊な変態だけだ‼︎」

 

 ちなみに書店は意外にもエロ本が少なめ。というよりあーしがエロ本以外をかなり増やしたのだ。理由は簡単、エロ本は一部の人にしか売れないから。それにそもそも規制対象なので、エロ本を売るには別の本のカバーをつけてカモフラージュする必要がある。そのためエロ本を増やせば増やすほどカバーも沢山必要になり、それをつける作業にも時間がかかってしまうのだ。一応学内の変態共にはエロ本の買い方を伝えてあるので、売れないことはないだろう。

 

「とりあえずエロは封印‼︎いいな、グリグリ⁉︎」

「あ、ああ…………」

 

 あとはグリグリが暴走しないことを祈るのみ。頼んだぞ‼︎

 

 

 

 そして待つこと10分………

 

「来たぞォ、変態女‼︎」

「グエル先輩の裏本を頂戴♪」

「なんで私まで………」

 

 ラウダとペトラとフェルシーがやってきた。お得意様だ。ちなみにこんなこともあろうかと、コイツらから回収して復活させた本以外にも用意してある。あと裏本はエロ本の暗号だ。

 

「いらっしゃいませ。どのようなものをお好みで?」

「僕は兄さんのならなんでもいい。」

「だったら、こちらとこちらがおすすめだ。」

「なるほど、触手モノと男色か。よし、買おう。」

「購入、感謝する!」

 

 すごい普通のやりとりっぽくエロ本をやりとりする2人。来賓でコイツの父親が来てるらしいのに呑気なことだ。早くエロ本バレて退寮しろ‼︎

 

「フェルシーはどうする?」

「私はふ・つ・う・の、野球の本がいい‼︎ふ・つ・う・の、な‼︎」

「だったら、この野球拳の本がだな………」

「普通のって言ったでしょ⁉︎」

「ん?野球だが………」

「野球と野球拳は別物だよ‼︎」

「なんだとっ⁉︎今初めて知ったぞ………」

「嘘だろ………」

「ほい、フェルシー。これが野球のやつ。」

「サンキュー!」

 

 フェルシーは流石に普通………なんだが、グリグリが普通じゃなかった。野球と野球拳を一緒だと思ってたんかい‼︎文字は似てるけど全然別物だよ‼︎まあサッカーも知らなかったような奴だし、後で教えてやろう。きっと楽しく一緒に遊べそう。

 

「ペトラはどうする?」

 

 そしてペトラ。さっきグエルのエロ本くれって言ってたような………

 

「チクビマシマシアクメマシテブラマシマシキンタマオオメで。」

「ラーメン屋みたいな注文すな‼︎」

 

 エロ本の種類を聞いたんかよ………

 

「それだと………これだな。」

「あるんかよ⁉︎」

「注文通りね。ありがとう。」

「しかも合ってんの⁉︎」

「ご購入、感謝する‼︎」

「ええ…………」

 

 というわけで、なんか知らんけどエロ本が売れた………。しかもすんげえ限定的なやつ。

 

 

 

 

 ラウダたちが帰ってからしばらく待ってると、

 

「スレッタ・マーキュリーを一つ。」

「帰れ‼︎」

 

 サボりの氷仮面がやってきた。

 

「今は昼飯時じゃないからレストラン暇。」

「分かるけどさ‼︎」

「どうする、エラ……氷仮面?これとかこれとか……」

「エアリアルの勉強のために役に立つな。ありがとう。」

「嘘つくな‼︎」

 

 コイツ本当にマイペースだよな。しかも割と図々しいし。この間なんか身元バレるとマズいから、女子部屋、しかもスレッタの布団の中に入れろとか言ってきた。もちろん秒で断っておなら部屋にぶち込んだが。

 

 そんなことを思ってると………

 

「今空いてるかな?」

「エラン・ケレス、だとっ⁉︎」

「そうだよ、エラン・ケレスだよ♪」

 

 なんともう1人、エランがやってきた。しかもめちゃくちゃ人当たりの良さそうな笑顔で。昨日復学したらしく、天使のような微笑みってことで一部(リリッケ)が話題にしてた。嘘だろ、ここにきてエラン・ケレス同士が会合⁉︎やべえだろ‼︎

 

 

 

 

  side 4号

 

 マズいな…………。5号の方が来てしまった………。どうしよう………

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 どうすんだよ、この状況⁉︎幸い笑顔の方はまだ気づいてないみたいだけど………

 

「君、その仮面カッコいいね。」

 

 声かけられてるじゃん⁉︎

 

「………」ぴょん、ぴょん

「おお、なんか変わった子だね。」

 

 なんかジャンプで喜んでふりしてる‼︎喋ると声同じなのバレるからって、そうすんのかよ⁉︎そしてニュー・エラン、お前はそれで済ますのか⁉︎変わった子どころじゃねえぞ⁉︎

 

「それはともかく店員ちゃん、」

「ん?どのような本が欲しいのか?」

 

 そして目線をグリグリに戻すニュー・エラン。相変わらずその顔に似合わない笑顔を身にまとっている。それはまるで別人のよう。いや、本当に別人なんだけれど………

 

「陵辱系ってあるかな?」

 

 いい笑顔で何言ってんの、コイツ⁉︎こんな笑顔の裏に陵辱系好きを隠してるんか⁉︎こっちのエランもヤバいな⁉︎

 

「あるぞ、これだ。」

「おお〜、すごいね〜。ありがと、これ買うよ!」

「購入、感謝する‼︎」

 

 そしてグリグリ、よく普通に対応できるな!動揺してはいるけれど、なんとかそれを初対面の人には分からないようにしている。いつもより表情に迷いがあるし、声が少し緊張している。あーしは付き合い長いからわかるけど。

 

「仮面君とポメラニアンちゃんもまたね!」

「あーしはポメラニアンじゃねえ‼︎」

「………」ぴょん、ぴょん

「お前は飛ぶな、氷仮面‼︎」

 

 あとニュー・エラン、地味にムカつく。お前自分のことイケメンだと思ってるだろ⁉︎このクソナルシめ‼︎

 

 

 

 

  side 5号

 

 あの子が噂の天王星の痴女ね。変態だが真面目で天然って感じかな〜。性癖の割に面白いネタは無さそう。近くにいた氷仮面のがよっぽど気になるし。あんなのがいる惑星を昔ペイル(うち)が興味持ってたって、本物の俺ってキモいんだな〜。会社のゴミ箱にダッチワイフ捨ててあったのも、多分アイツでしょ。BBAたち……のだったら悍ましすぎるし。

 

 まあ、それはいっか♪今はスレッタ・マーキュリーの方を調べろって言われてるからね〜。アレは押せばオチる。昨日確信したし、イケるっしょ!

 

 

 

  

  side チュチュ

 

 あ〜、ヒヤヒヤした〜‼︎

 

「お前ふざけんなよ⁉︎あーしとグリグリの心臓が死ぬかと思ったぞ‼︎」

「僕のが死にかけたよ。」

「もう二度と来んな‼︎キッチンに巣篭もりしてろ‼︎」

 

 あーしらが匿ってる旧エランと、昨日復学した新エランがすぐ近くにいるってどういう状況だよ⁉︎マジで殺されるかと思ったぜ‼︎

 

「そしてグリグリ、お前よくやったな‼︎平常心貫くの、怖かっただろ?」

「…………チュチュにはバレてたか。」

「あーしが何も出来なくてごめん‼︎」

「いや、気にすることではない。」

「あとで氷仮面ぶん殴っとくから‼︎」

「何も殴らなくても……」

 

 そしてグリグリ。さっきまでの緊張がほぐれ、どこか安心したような顔を見せる。そのわずかな変化が、どこか愛おしく感じるのだった。

 

「よしっ、では引き続きエロ本売るぞ‼︎」

「エロ本以外もな‼︎」

 

 そして、一難去ってまた一難………なんとここから2時間半、誰1人として来店しなかったのだった。しかも地球寮全店舗。一体何が起きてるんだ⁉︎

*1
サイゼのイメージ




エラン5号の性癖は勝手に決めました。アニメ観た時の雰囲気で。


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第十八話 閑古鳥が鳴き散らす

  side チュチュ

 

 時間はちょうどお昼時。だというのに、依然として客は来ない。

 

「レストランに人集まってるのかもな。」

「確かに。」

 

 皆飯食ってるのか?そう思ってレストランに行ったものの、

 

「リリッケ、調子どう?」

「見ての通りガラガラだよ〜。」

「暇すぎてねみぃぜ〜‼︎」

 

 まさかのガラガラ。更には……

 

「あれ、ここも人いないの?」

「ニカ姉、そっちもか⁉︎」

「うん………」

「どうやら閑古鳥が鳴いてるね〜。」

「アリヤの方もダメか………」

「うん。」

 

 エアリアルの方や占い館まで全滅。これで地球寮が出店してる4店舗全て来客0。由々しき事態だ。

 

「くっそ、何が起きてんだよ⁉︎」

「みみみ、みんな道に迷ってるのでしょう!」

「そんなに複雑じゃないでしょ、ここまでの道。」

「やはりダメだったか……」

「一昨年よりはっ、マシだからね!」

 

 このままでは寮の売り上げはまたしても最下位。バカにされるのが目に見えてる。くそっ、なんでだよ………

 

「こうなれば、営業するしかあるまい。」

「確かに、地道にやるしかないわね。」

 

 営業………か。確かにそれで客を呼ぶしかないな。

 

「よしっ、我が一肌脱ぐか………」

 

 そして、グリグリが服を脱ごうとした………えっ?

 

「待てグリグリ⁉︎なんで服脱ぐんだよ⁉︎」

「ん?営業と言ったら枕だろう?」

「枕営業以外もあんだろが⁉︎」

「嘘だろ⁉︎営業といえば枕、営業マンと言えば凄腕のテクニシャンばかりではないのか⁉︎」

「そんなわけねえだろ‼︎」

 

 天王星の営業は枕なのかよ⁉︎仕事でヤるとか、相変わらず頭おかしいな⁉︎つーかそれしか営業のしようがないんか⁉︎

 

「ならば、どんな営業があるのだ?」

「普通にプラカード持って道歩いて、こんなのやってますよ〜、とか?」

「おっぱい募金的な?」

「違えよ‼︎」

 

 逆に天王星では、そこら中でおっぱい募金みたいなのをやってるのか。本当に狂った世界だな。

 

「とりあえず、人のいそうな通りに行って呼び込みやるわよ!メンツは1年3人とスレッタとニカとオジェロで。」

「「了解!」」

「承知した。」

「ががが、頑張ります!」

 

 とりあえず、リリッケやスレッタたちと営業することになった。

 

「ん?ミオリネ(おまえ)はやんねえのかよ?」

「私が営業に向いてると思う?」

「それじゃああーしは?」

「アンタやオジェロが居なきゃ、変なのに絡まれた時大変でしょ?」

「あーしは番犬か‼︎」

「そうね。」

 

 あーしは自分でも営業に向いてないと思うけど。まあ確かに、リリッケ、ニカ姉、グリグリのメンツじゃクレーマーとか来たら何も言い返せなそうだしな。スレッタは言うけどビビるだけだし。

 

 

 

 

 ということで、あーしらは人の多そうな通りにやってきた。

 

「レストランありますよ〜!お腹ペコペコの皆さ〜ん!いらっしゃい!」

「よかったらどうぞ〜!」

「皆で飯食おうぜ〜!」

 

 リリッケ、ニカ姉、オジェロは早速営業モードに。

 

「おおおおお、お願いします!」

 

 スレッタも震えながら営業モードに。 

 

「皆こっちに来い来い‼︎面白ぇ店が待ってるぞ‼︎」

 

 あーしも僭越ながら営業モードに。絶対柄にもないことしてる。自分でも全然似合わないのが分かる。

 

「ティッシュだ。致す時に使うといい。」

 

 そしてグリグリも早速変態モードに。

 

「どんなティッシュの渡し方だよ⁉︎」

「ティッシュってこう使うものだろう?」

「それ以外にもあんだろ⁉︎」

 

 ティッシュ配りすら下ネタと絡められる。ある意味才能だと思う。

 

 

 

 しかし、こうして呼び込みをしてるのだが………

 

「うむ………やはり避けられておるな。」

「だよね〜、グリちゃん。」

 

 通る人全員がヒソヒソ話しながらあーしらを避けていく。純粋なアーシアン罵倒だったら、面と向かってすると思ったが………。どうも今日はなんか違う。

 

「チュチュ、文句言っちゃダメだからね。」

「ニカ姉に先手打たれた⁉︎」

 

 舐めやがってクソスペ、って言おうとしたら止められた。流石ニカ姉、あーしのこと分かってる。

 

「でも、それじゃあどうしましょう……」

「聞く耳持たれないんじゃ無理だよな………」

 

 ただ、現状打開策が見出せない。一体どうすれば………

 

 

 

 そんな中、

 

「はっ、セセリアから電話?」

「とりあえず出てよいぞ。」

 

 あーしの端末にセセリアから電話がかかってきた。どういうことだ?

 

「なんだよ、セセリア?用ねえなら切るぞ!」

「いきなりものすごい言い草じゃない。」

「こっちは客居なくて忙しいんだよ‼︎」

「「それ暇の間違いでは?」」

 

 セセリアとグリグリにツッコまれた。なんか屈辱………

 

「それより、アタシらんとこに来て頂戴。」

「あ?営業の電話かよ⁉︎」

「営業じゃなくて困り事。」

 

 ただ、セセリアがいつになく真剣な、そしてちょっと苛立った声で電話している。あーしらが客居なくて困ってるこんな状況でも電話かけるって、余程のことなのだろう。

 

「じゃあ何だ?」

「うちの出店にアンタらの店の悪口言うクレーマー2人組がいんの。声でかいし普通に迷惑でね。アタシも対応してんだけど、全然言うこと聞いてくんないわ。」

 

 余程のことだった。というか、あーしらの営業不審に思いっきり関係ある話だった。

 

「そそそ、そんな‼︎営業妨害なんて………」

「通りで来ないわけですね………」

「許さねえ……っ‼︎」

 

 クレーマー2人組って、恐らくいつも妨害してくるクソスペ女2人組だろう。毎回毎回邪魔しやがって‼︎いつになったら懲りるんだよ‼︎

 

「分かった、あーしが今すぐ行く‼︎」

「我も行くぞ。」

「マジで助かるわ。」

 

 ということで、

 

「流石に6人は多いよな?」

「それじゃあ、私たちは引き続き営業してるね〜。」

「何かあったら連絡してね!ミオリネさんには私が連絡しとく!」

「たたた頼みましたよぉ、グリちゃん、チュチュ先輩‼︎」

「おうよ‼︎」

「行って参る‼︎」

 

 あーしらは他の4人に営業を任せて、クソスペ女の退治に向かった。

 

 

 

 

 校内を走ること数分、ついにあーしらはブリオン寮のエリアまでやってきた。そこは巨大なショッピングモールになっていて、多くのお客さんで賑わっていた。数々の服屋に本屋、そしてレストラン街と、あーしらの出し物の完全上位互換ともいえる豪華なラインナップだった。

 

「グリちゃんとチュチュ、ようこそ。こっちに来て。」

「案内感謝する、ロウジ。」

「早速奴らを見せな‼︎」

 

 そして、その入り口で執事服のロウジがあーしらを待っていた。相変わらず大人しい顔をしている。とても彼女を性的に弄ぶ変態には見えない。

 

 

 

 

 ロウジに案内されたのは、ショッピングモールの中にある小洒落たカフェだった。しかも店員さんはメイドチックな衣装を着ている。流石にガチのメイドカフェという雰囲気ではないけど。

 

「いらっしゃ………しゃーせー。2人様ですね。」

「やる気出せや、セセリア!」

「アンタらならいいかなって思って。」

 

 そして、入り口ではセセリアが受付をしていた。あーしらだと分かった瞬間、急にスイッチが切れたような接客を始めた。

 

「それより件の人物はどれだ?」

「中に入って案内するわ。」

「すぐ分かると思う。」

「すぐ分かるって………」

 

 それにしても、それなりに大きい店で一発で見つかるもんなのか?確かに奴らの顔と声は覚えているけど………。そう思いながら、店内に入ると………

 

「この店マジサイコー!やっぱアーシアンのとことは大違い‼︎」

「だって料理の中に虫入ってんだもん♪」

 

 バカでかい声で大騒ぎするクソスペ女2人が居た。なるほど、これならすぐ分かる。しかも言ってることは風評被害。虫など入らないように準備してあるし、ここ数時間で一匹たりとも全店舗で確認してない。あーしは拳を固めて、アイツらの方に向かおうとした。

 

「よしっ、ぶん殴ればいいんだな?」

「待てチュチュ、喧嘩は良くない。」

 

 が、グリグリに止められた。

 

「なんでだよ⁉︎嘘言いまくるクソ共は退治しなきゃいけねえだろ‼︎」

「アンタらが危険認定されて余計人来なくなるわよ。」

「その通りだ。」

「じゃあどうすんだよ⁉︎」

 

 殴るのがダメなら、どうやってアイツらを止めれば………

 

「あっ、皆さん危険な虫女2人がいま〜す!」

「気をつけて下さ〜い‼︎」

 

 しかも奴らに見つかった。このせいで、あーしとグリグリには異物を見るような冷たい視線が向けられた。くそっ、このままだと言われるがままじゃねえか⁉︎

 

「お二人様〜、危険ですのでお立ち退きいただいた方が無難かと〜‼︎それかこちらのミュートを差し上げます!是非お口に‼︎‼︎」

「いいえ、退かないわ‼︎なんせ私たちは正義の味方‼︎」

「クソアーシアンとクソウラヌシアンを退治してあげるからね‼︎」

「で・す・か・ら‼︎‼︎」

 

 セセリアが懇切丁寧にブチギレながら退場させようとするも、奴らは聞く耳を持たない。お前らブリオンにも喧嘩売ってんの分かってる?絶対分かってなさそう。くそっ、やっぱり暴力しかねえか‼︎

 

 そんなことを思ってると、

 

「………申し訳ない。以後管理を徹底致す。」

 

 グリグリが平謝りをし始めた。

 

「グリグリ……っ!」

「そうよ、ちゃんと管理しろや‼︎このど変態‼︎」

「人の健康に害を及ぼすとか、退学でもいいんじゃない⁉︎」

「申し訳ない。それではブリオンの為にも失礼する……。チュチュ、帰るぞ。」

 

 コイツやっぱりクレーマーの相手は無理だ。人が良過ぎて、すぐ自分が悪いと思い込んでしまう。ここはやっぱりあーしが……

 

「グリグリ、あーしが………」

「お願いだ。帰るぞ。」

「………っ!分かったよ。」

 

 そう思っていたが、彼女が何か考えがあるような目であーしを見てきた。恐らく作戦を今思いついたのだろう。とりあえず、今はグリグリに従うか………

 

 

 

 ということで、あーしとグリグリは店の外に出た。

 

「んで、どうすんだよ?」

「これを使う。」

 

 そして、グリグリは制服のポケットから『浮遊操作型小型ローター』を2個取り出した。

 

「お前、まさか………っ⁉︎」

「お察しの通りだ。」

 

 コイツ、公共の場であのクソスペ女共にイき恥かかせるってのか‼︎サイコーじゃん‼︎

 

「お前やるじゃん!」

「皆で作った大切な店が、嘘言われて傷つけられたのでな。少し腹が立ってしまった。らしくないな……」

「いいんだよそれで‼︎サイコーじゃん‼︎やろうぜやろうぜ‼︎」

「ああ。」

 

 グリグリ、やっぱりお人好しだけど仲間想いだよな。ホント友達になってよかったぜ‼︎

 

 その後、グリグリが浮遊操作型小型ローターを操作し、店の中に飛ばした。すると、

 

「んんんんんっ♡⁉︎///」

「なっ、何これぇ⁉︎///」

 

 流石の操作技術。奴らは瞬く間に喘ぎ始めた。しかも店内にいた一瞬で奴らの場所と、そこに至るまでの道のりを覚えたのか‼︎すげえなコイツ‼︎

 

「お客様ぁ〜、体調が優れないようですのでぇ〜、アタシが保健室に案内しますねぇ〜。」

「セセリア、僕も手伝うよ。」

「ありがと、ロウジ!」

「「くっ…………‼︎///」」

 

 今にも絶頂しそうなところを堪えそうな声で追い出されるクソスペ女共。ざまあみやがれ‼︎

 

「最後に出力を上げて、我らは帰るとするか。」

「だな‼︎」

 

 こうしてグリグリがローターの出力を上げて、そのまま帰ることになった。きっと奴らはイき恥晒しているだろう。最早興味ないけどな‼︎

 

 

 

 

 あーしらは店に帰った後、しばらくの清掃時間を挟んで営業再開した。するとクレームが無くなったからか、徐々に客足が戻りだしたのだった。

 

「アンタら、マジで助かったわ。」

「僕らにとっても営業妨害だったからね。」

「あーしはなんもしてねえけどな。」

「チュチュが隣に居てくれたお陰だ。」

「そうか?」

 

 セセリアとロウジからもお礼の来店。これからしばらくは安泰だ‼︎

 

「マズいぞチュチュ……変態の気配がするぞっ‼︎」

 

 と思ってたのに、一難去ってまた一難となりそうなのだった………




R15で大丈夫っすかね、これ……?


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第十九話 おエロいさん

  side チュチュ

 

 一難去ってまた一難。グリグリが変態の気配を察したという。

 

「自己紹介かよ。」

「違う‼︎我如き変態のへの字も無い‼︎」

「じゃあセセリアのことかな?」

ロウジ(おまえ)のが変態だろ‼︎」

 

 しかも自分でもロウジでもない。

 

「きゅきゅきゅ、休憩に来ました〜!」

「普通に本買いたくなったわ。」

 

 更にはスレミオがやって来たが、

 

「じゃあミオリネが変態なのかなぁ〜?*1

「黙りなさい、セセリア。退学にするわよ。」

「職権濫用も甚だしいわね。」

「どどど、どういうことですっ、か⁉︎」

「変態が来るという話だ。もちろん2人ではない‼︎」

「へ、変態っ⁉︎」

「だろうな。」

 

 当然違う。それじゃあ、誰が来るんだろう?しかもグリグリなら喜びそうなのに、逆にめちゃくちゃ慌てている。

 

「それより、変態が来るってどういうことよ?」

「ラウダたちが来るとか?」

「アイツらは今朝来たぜ。」

「あの3人ではない……っ‼︎」

 

 流石にその3人じゃないっぽい。というかその3人なら、グリグリは動揺しないか。とりあえず、彼女の緊張をほぐそう。

 

「安心しろ、グリグリ!なんかあったらあーしが居るからな‼︎」

「チュチュ………感謝する……」

「わ、私も居ますよぉ〜!」

「スレッタも……感謝する……」

 

 さてと、どんな変態が来るんだ………?グリグリに害を与えるような奴らなら、あーしがボコボコにしてやる‼︎彼女の震える手を握りながら待っていると………

 

 

 

 

「エッチだ。」

 

 変態は音もなくやって来た。見ただけで分かる、何をどう見ても変態だ。

 

「さぁて、どんなエロ本があるんですの?」

「ごっつエロい本の気配や‼︎」

「我がおちんちんも告げている。これらを読むべし、と。」

「おっ、すっごいおちんちん発見!」

 

 しかも5人。ジジイにおばさんにおっさんにおっさんに幼女と見た目は様々だが、全員目からニチャという音が聞こえてくる。今までアス校で会って来た変態共とは比べ物にならないというのが、非天王星人(ウラヌシアン)のあーしでも分かる。

 

「いらっしゃい。各人の性癖に対応した本を案内するぞ。」

「グリちゃん、おおきに〜!制服姿もエッチやな〜‼︎」

「お褒めいただき、感謝する‼︎」

「「「褒めてんのそれ⁉︎」」」

 

 そして、開幕猥談。ヤバい、ヤバすぎる⁉︎まさか本物の………天王星人(ウラヌシアン)

 

「グリグリ、コイ……この人たち誰なんだ⁉︎」

 

 珍しくあーしも丁寧な呼び方をしてしまう。見た目とたった一言だけなのに、それくらい腰が引けてしまうのだ。

 

「この人らは、天王星のおエロいさんだ。」

「お偉いさんでは⁉︎」

「そうとも言う。」

「そうとしか言わねえだろ。」

 

 なるほど、そういうことね。グリグリは天王星唯一のアス校生。惑星代表といっても過言ではないため、こうして外部の人が来れる学園祭には来賓で天王星の要人が来るのも普通の話だ。

 

「まずはこの人。」

「最初はワイか〜!」

「この人の名はロリ・ラブラトス。天王星最強の無敵艦隊・幼女愛護艦隊の隊長として、天王星大気圏外の治安維持を行なっている。」

「「幼女愛護艦隊⁉︎」」

「ロリコンのリーダーじゃねえか⁉︎」

「頭がええな〜、嬢ちゃん!」

 

 まずいきなり、ロリコンのリーダーのおっさん。大気圏外ってことは、大量の宇宙戦艦部隊をまとめ上げてるのだろう。確かにかなりのお偉いさんだ。ロリコンだけど。

 

「特技は卑猥度を通して女性の年齢を当てられることだ。」

「ピンクの嬢ちゃんが15で他の3人が16やな‼︎*2

「合って……ますっ‼︎」

「「「すげえ………」」」

「俺にかかれば、偽りのロリと隠れロリも見抜けるんよ‼︎」

「ロリを選別出来んのかよ⁉︎」

 

 特技は凄いけど気持ち悪い。しかも使い方。己の性欲のために優れた能力を無駄遣いする、まさに天王星人(ウラヌシアン)を象徴するような男だ。

 

「つーか、なんでロリはグリグリと仲良いんだ?」

「彼女はワイが育てたようなもんや‼︎」

「そうだな、とてもお世話になった。」

「グリグリがこうなった元凶じゃねえか⁉︎」

 

 間接的に、アス校が変態になった原因でもある。多分グリグリの幼少期に、可愛い幼女がいるってことで気にかけたんだろ。本当にやべえ奴らだな‼︎こんなのが後4人も続くのかよ⁉︎

 

「さっきからロリロリ言ってるけど、隣の小さい女の子と紛らわしいわね……」

「いまそれ言う、セセリア?」

 

 ちなみに、ロリコンおじさんの隣には幼女がいる。この光景だけ見たら、完全に事案なのだが………

 

「次は隣の童顔の女性なのだが……」

「童顔つーか幼女じゃね⁉︎」

「彼女の名はパンティー・ディルド。『ディルドの夜明け』当時のプロジェクトリーダーにして、現ディルディアン株式会社の社長だ。」

「「ディルドの夜明け⁉︎」」

「あん時言ってたやつのリーダーなの⁉︎」

「なんでチュチュは知ってるのよ、ディルドの夜明け?」

「前グリグリが話してた*3し。」

 

 中身はめちゃくちゃお偉いさん。しかも仕事の腕で成り上がった超有能。側から見たら小学生くらいの女なのに………

 

「また、性癖はおちんちん。ズボンの膨らみと影だけで通常時と勃起時の長さ、太さ、タマのデカさを当てることができる。」

「ド変態じゃねえか⁉︎」

「ちなみにそこの彼は結構デカくてね……」

「なっ⁉︎」

「「言わなくていい‼︎」」

 

 中身はとんでもない変態。しかも特技がヤバい。職業柄ディルドを作る上でサイズをすぐに把握するのは大切……なのかもしれないけど‼︎コイツの場合、ただ単に興奮してるだけなのが分かる。つーか、なんつう考察してんだ、あーし‼︎

 

「ちなみに私は、こう見えても58だよ♪」

「「「はぁっ⁉︎」」」

「自分で言うんかいな!」

「この中じゃ、2番目にお姉さんだよ♪」

「おばあさんだろ‼︎」

 

 マジで⁉︎8歳の間違いじゃね⁉︎半世紀ズレてない⁉︎過去の功績から推測すれば、それくらいの年齢でもおかしくないけど……

 

「ちなみに、我にアス校入学の推薦を書いてくれたお方だ。」

「グリちゃんMD(モビルディルド)の操作上手いからね〜!」

「それはそれは……ありがとう……ございます。」

「ど〜も〜!」

「チュチュの敬語、初めて聞いたな。」

「違和感ありまくりね。」

「うっさい‼︎」

 

 そして、この人がグリグリを推薦してくれたのか。あーしがコイツと出会えたのも、この人のおかげか………。思わず慣れない敬語が出てしまった。

 

「では次の人に行くぞ。」

「次は(わたくし)かしら?」

「そうしよう。」

 

 それはさておき、次は隣にいるおばさん。さっきからコイツの服に違和感を感じるのだが、他が変態過ぎてどうでもよく思う。

 

「この人はマガリータ・コンドーム。天王星一の売り上げを誇る大手コンドーム制作会社『ゴム・セックス』の社長だ。」

「まああの星なら、売り上げ一位はそういう会社よね……」

「妙に納得すんな‼︎」

 

 ベネリットで言うところの御三家の社長か。これまたお偉いさんだな。会社名がイカれてるのはもう慣れた。悔しいけど。

 

「ちなみに消しゴムが性癖だ。」

「「「消しゴムが性癖⁉︎」」」

「そのため、ついたあだ名が『消しゴム卿』。」

「消しゴム狂の間違いでは⁉︎」

 

 慣れたと思ってたところに、とんでもない爆弾が飛んできた。そんな性癖あんの⁉︎

 

「私は消しゴムの匂いや肌触りがお好きでして……あの独特の素朴な感じ……堪りませんわ‼︎///」

「ただの消しゴム好きな人じゃねえか⁉︎」

「あとは角を使ってですね………こう………♡///」

「オナり方説明すんな‼︎」

「ちなみにゴム・セックスって社名だけ聞いて、消しゴムの会社だと思って入社したのですわ♪」

「思いっきり勘違いしてんじゃねえか⁉︎」

 

 よくこんな奴が惑星一の大手企業の社長になれたな⁉︎それだけ有能ってことだなぁ⁉︎中身は変態だけど‼︎

 

「ちなみにこの服、全て練り消しで出来ておりまして………」

「「「嘘でしょ⁉︎」」」

「すっご………」

 

 なるほど、ずっと感じてた違和感はそれか。つーか練り消しで服作るって、色んな意味でヤベェな。貯めた練り消しの量も、それらをまとめて作った技術も、時間も。もっと他にやることあんだろ。

 

「ただ一つ、欠点がありまして………」

「一つ………?」

「服を着ているだけで、イってしまいそうですわ…♡///」

「やめろ‼︎」

 

 そして、少しは恥を知れ‼︎

 

「せっかく珍しく服を着る機会ですので、張り切りましてよ!」

「「珍しく⁉︎」」

「ワイは服着てる奴全員着衣プレイ好きやと思ってたで。」

「というか、服って着衣プレイでしか着なくない?」

「我らちんちん侍は制服が全裸だしな。今もズボンが苦しいのだ。」

「エッチだ。」

「「「ええ…………」」」

 

 つーか、マジで天王星人(ウラヌシアン)は服着ねえのかよ‼︎しかも着てる奴がそういう類の変態扱い。コイツらにとってアス校は着衣プレイ好きの集団なのか⁉︎

 

「では次の人にうつる。こちらの方だ。」

「よろしく頼む。」

 

 そんなあーしらの困惑をよそに、淡々と紹介を続けるグリグリ。お偉いさんを前に緊張してたんだけど、あーしが手を握ったら少し落ち着いたっぽい。良かった〜!

 

 ただ、次の奴は見た目がヤバい。股間の部分がバスケットボール2個分くらい膨れ上がっており、ズボンが今にも張り裂けそう。

 

「この方は魔羅出汁介(まらだしのすけ)。現役のちんちん侍にして、屁こき侍や乳ビンタ侍、HIPなど天王星大気圏内の治安維持部隊の総括だ。」

 

 この間屁こき侍がうんたらとか言ってた人のリーダー。警視庁長官みたいな立場の人か。つーか名前ヤバすぎ。

 

「ちんちん侍って何⁉︎」

「ナニだ。」

「そうじゃなくって!」

「勃起したおちんちんを剣として、悪を倒す侍のことを指す。セセリア、分かったか?」

「その通りだ。」

「ええ…………」

 

 倒し方も頭おかしい。完全にセクハラじゃねえか‼︎小学生男子がやりそうなことを仕事にすんな‼︎

 

「ちなみに、我の憧れの人でな………」

「口調も真似とるんやで、コイツ!可愛いやろ〜!」

 

 確かに、通りで独特の口調なのに似てると思った。

 

「我に憧れておるのか?感謝する。」

「こちらこそ、感謝する‼︎」

「グリグリぃ〜、会えて良かったな!」

「ああ!」

 

 それはまるで、憧れのプロ野球選手と直接会ってテンション上がる野球少年のようだった。チンコ丸出しで人斬ってる変態でも、誰かの憧れの的になれるんだな。まあ、要はいつも勃起してる変態に憧れてる痴女ってだけだけど。

 

「そして最後………あちらのお方だ。」

「エッチだ。」

 

 そして最後の1人。さっきからエッチだ、しか言ってないジジイ。しかし目が完全にニチャァしており、明らかにあーしらを視姦しているのが分かる。この気持ち悪い変態ジジイはナニ様なんだ?

 

「この方は天王星の王である、煩悩陛下だ。」

「エッチだ。」

「「「一番偉い人なの⁉︎」」」

 

 まさかの変態の王。天王星で一番偉い、いや、エロい人だとは思わなかった。

 

「陛下は万物に興奮する性癖をお持ちだ。」

「つまり、何にでもムラムラするってこと?」

「その通り。」

「「「嘘でしょ⁉︎」」」

エッチだ。

 

 そして、性癖がヤバすぎる。

 

「例えばババアは?」

「エッチだ。」

「それじゃあ男!」

「エッチだ。」

「ならばネズミとかは⁉︎」

「エッチだ。」

「それじゃあレタス‼︎」

「エッチだ。」

「あの壁とかも……?」

「エッチだ。」

 

 この世の全てに興奮する変態。変態の惑星の王に相応しい、一番ぶっ飛んだ変態だった。

 

「これで、天王星からの来賓紹介を終わりとする。」

「ありがとう‼︎」

 

 そんな変態共がうじゃうじゃいる環境で育ったグリグリ。今まで自分は全然変態じゃないと思える理由が、今日で分かった気がする。だからこれ以上変態にならないでほしい。あーしがついて来れなくなるから。

*1
ミオリネとセセリアは同学年同学科のため、仲良いと思ってこうしてます。2人の性格も意外と合いそうだし。

*2
スレッタの年齢を一応ミオリネやセセリアと同じにしておきます。本編で違う可能性があるけど……

*3
第三話参照




天王星のおエロいさんたちのプロフィールです。

ロリ・ラブラトス
性別:男
身長:172cm
髪:銀の短髪
性格:変態(ロリコン)
年齢:51歳
所属:幼女愛護艦隊 隊長

パンティー・ディルド
性別:女
身長:127cm
髪:黒髪のボブ
性格:変態(チンコ好き)
年齢:58
所属:ディルディアン株式会社 社長

マガリータ・コンドーム(消しゴム卿)
性別:女
身長:162cm
髪:茶髪のウェーブ
性格:変態(消しゴム好き)
年齢:47
所属:株式会社ゴム・セックス 社長

魔羅出汁介
性別:男
身長:198cm
ちん長:通常時40cm、勃起時132cm
髪:黒髪のポニーテール
性格:真面目
年齢:51歳
所属:天王星大気圏内治安維持部隊 総統、ちんちん侍

煩悩陛下
性別:男
身長:160cm
髪:白髪で円ハゲ
性格:変態(変態)
年齢:83歳
所属:天王星の王


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第二十話 学園祭巡り

  side チュチュ

 

 天王星のおエロいさん、もといお偉いさんらがエロ本を大量に買って店を後にした。

 

「めちゃくちゃ買ってったわね………」

「売り上げランキング、一気に上位だな。」

「すんげえ上がり方………」

「いいい、いっぱい買ってくれて嬉しいですねっ!」

 

 そのおかげで、あーしら地球寮は売り上げランキング一気に上位に。ブリオンを抜いて4位に躍り出たのだった。ちなみに上位3つは全部御三家。3位がグラスレー、2位がジェターク、そして1位がペイルだ。

 

「嘘でしょ、アタシらアレに抜かれたの?」

「凄い人たちだった。」

「色んな意味で、ね。」

「やったぜ……?」

「素直に喜びなさいよ。」

 

 そして、あーしらが上位にランクインした理由が、とんでもない変態によるとんでもない量のエロ本の購入。ただそれだけで、それ以外は何もない。複雑な気持ちになって当然だろう。

 

「勝負は商品の性能のみで決まらず、店員の接客のみで決まらず、ただ売り上げのみが真実。こういうことでしょ?」

「上手く言ったつもりか⁉︎」

現金解放(キャッシュリリース)、ですっ!」

「レジの金ばら撒くな‼︎」

「社長の私が褒美で休憩を与えるわ。」

「休憩は労働者の権利だ‼︎」

「チュチュ、ならば一緒に学園祭回るか。」

「そうだな、グリグリ‼︎」

 

 ということで、あーしとグリグリは一旦店を離れて遊ぶことにした。不在の間は、多分ミオリネが人を回してくれるだろ。コイツ自身がエロ本を売ったりして。それはそれで面白いから、もしそうなら後で暇になったリリッケに写真撮らせるか。

 

 

 

 

 ということで、あーしとグリグリは学園祭巡りとして、校内を歩いていた。

 

「チュチュ、凄い人混みだな。」

「本当にな。マジで暑苦しい!」

 

 通路はどこも人だらけ。広大なアス校の敷地でさえ、これだけぎゅうぎゅうになるほどの来客。いかにこの学園祭が盛り上がってるかが分かるだろう。通行人もあーしらを知らないからか、学園の生徒らがいつもあーしらに向けてくるような視線は無い。ただ………

 

「ねぇ、さっきヤバい変態たち居なかった?」

「ああ、あの5人組だろ?」

「ずっといやらしい視線を向けながら猥談してたよね……」

「しかもあの爺さん、エッチだしか言ってなかったし……」

 

 おエロいさんたちはめちゃくちゃ話題になってるようだ。確かに、あんなのが5人も歩いてたら目立つだろうけど………

 

「陛下らが話題なってるな。」

「そりゃあな。」

「我らもあの人らみたいに、猥談しようではないか‼︎」

「しねえよ‼︎」

 

 あーしらまで目立ったらめんどくせえからな*1。ただの一生徒として、普通に学園祭を楽しみたいし。

 

 

 

 

 そんなことを考えながら、あーしらはまずジェターク寮の出し物に来た。

 

「ん?これはなんだ?」

「スポッチャか‼︎なるほどな‼︎」

 

 ジェターク寮は体育会系らしさを存分に活かしたスポッチャ。ボーリングやバッティングセンター、スケート場にビリヤードなどなど、身体を動かして遊ぶところが盛りだくさんだ。更にはテニスコートやプールまで、普通のスポッチャには無いものまで完備してるらしい。

 

「チュチュ、ここでは何をするんだ?」

「運動だよ!」

「運動………となるとセックスか。」

「違えよ‼︎この間やったサッカーとかだよ‼︎」

「なるほどな………」

 

 あーしはこういった運動が大好きなので、ここで一日中遊びたくなる。これほど大きな施設は地球には無いので、いくらクソスペが作ったものとはいえ、興奮が抑えきれない。

 

「受付のフェルシーだ。よく来たね、2人とも!」

「遊びに来たぞ。よろしく頼む。」

「なんか偉そうだな、フェルシー(おまえ)。」

「今から2人には、変態の相手をしてもらおうと思う!」

「変態………だとっ⁉︎」

「絶対嫌‼︎」

 

 その興奮が一瞬で怒りに変わった。どうせあの2人の相手だろ‼︎全く、コイツはあーしを変態処理屋だとでも思ってんのか⁉︎

 

 

 

 そんなことを思ってると………

 

「ジェタークスポーツパークにご来場の皆様、連絡がある‼︎ただ今より、緊急イベントが開催されることになった‼︎」

 

 エリアの中心に居たラウダが大声で叫び始めた。何々、緊急イベントだと?

 

「なんと我がジェターク寮が誇る、兄さんのパンティーが大怪盗ペトラに奪われてしまった‼︎」

 

 どうでもいいな‼︎学園祭の場で何言ってんだよコイツは⁉︎知らない人が大勢居るの分かってる?

 

「そこねご来場の皆様には、パーク内のどこかに出現した彼女と勝負をしてもらいたい‼︎彼女に1回勝つごとに、報酬として200Gキャッシュバックを与える‼︎」

 

 ここだけ聞いたらすげえ普通のイベントなんだけど。彼女がグエルのパンツ奪ったペトラってことを除けば。

 

「ふふふ。グエル先輩のパンティーは奪わせてもらったよ‼︎」

 

 更にペトラまで出てきたぁぁぁぁ⁉︎しかもグエルのパンツ被って‼︎変態過ぎんだろ、頭イカれてんのか⁉︎

 

「エッチだ。」

 

 お前らも来てんのかよ⁉︎

 

「ということで、アレの相手をしろよな!」

「ぜってえ嫌だ‼︎」

「我もシャディクのブラをグラサンにしたい‼︎」

「シャディクはブラ付けてねえだろ‼︎」

 

 つーかグエルやラウダの父親来るんだろ、来賓で⁉︎大丈夫なのか、これ⁉︎父親に見られて恥ずかしく無い⁉︎あーしは恥ずかしい‼︎こんな学校に地球を代表して来てることが恥ずかしい‼︎

 

「帰るぞ、グリグリ‼︎」

「チュチュ、もう出るのか……」

「おい!ちょっと待ってよ!」

「嫌だ‼︎」

 

 ということで、あーしは秒でジェターク寮を後にした。

 

 

 

 

 続いてあーしらが向かったのは、

 

「おっ、来てくれたんだね!可愛らしい本屋の店員さん♪」

「よう、エラン。」

「本は読んでくれたのか?」

「ごめん、店が忙しくてまだなんだよ。楽しみにしてる!」

 

 ペイル寮だった。何やら中から音楽が爆音で聞こえてくる。そして、それと同時に金属の音が鳴り響いている。

 

「それはさておき、僕たちペイルの出し物を紹介するね!」

 

 中で何をしているのか、すっげえ気になる。少なくとも、ジェタークよりはマシだと信じたい。そう思いたくなる自分がどこかにいる。

 

「僕らは大きく分けて、パチンコ屋と古物商に分かれるよ。」

「三店方式じゃねえか⁉︎」

 

 別の意味でまともじゃなかった。複数店舗出すことが出来る、で三店方式やる奴がどこにいるんだよ⁉︎

 

「厳密には、パチンコ以外にもスロットやポーカーといったゲームもあるカジノだけどね。」

「ゲームの種類が増えただけだろ⁉︎」

「チンコ⁉︎」

「パをつけろパを‼︎」

 

 そうか、このうるさい音はクソでかいBGMとパチンコ玉がぶつかる音だったんだな‼︎あーしの地元には全然カジノが無いし、あっても未成年は入れないから、通りで見慣れない雰囲気だと思ったよ。

 

「くそぉぉぉぉ‼︎全財産溶かしたぁぁぁぁ‼︎」

「オジェロ、元気出せって。」

 

 しかも中から、現金解放(キャッシュリリース)したオジェロと連れのヌーノが出て来たし。

 

「お前ら何やってんだよ………」

「見て分かるだろ………これから1,000ドルの牛丼を食べに行くんだ………」

「コイツが1,000ドル溶かしたってだけ。」

「大丈夫か?我のお金ならあるが……」

「グリグリ、絶対貸すなよ。金の貸し借りは友達でもダメだ。」

「承知した。」

「俺も要らないよ………流石に人から借りた金じゃギャンブル出来ない……」

 

 グリグリはお人好しが故に、将来借金の保証人とかになっちゃいそう。あーしが見張ってねえとな。

 

 

 

 

  side エラン5号

 

 僕の主?である本物のエラン・ケレス様。あの人は相変わらずヤバいこと考えるな〜。カジノを三店方式で出す。そして適度な遠隔を使って金を搾り取る。これでペイルが現在売り上げ1位。流石クズなだけあるよ。本当に、関わりたくないな☆

 

 ちなみに今なんと学園に来ている。僕が休憩の時に交代して、学園祭を満喫するらしい。ムカつくから、後でキンタマ蹴ってやろっと。

 

 

 

 

  

  side チュチュ

 

 あーしらはペイルのカジノで少しだけ遊んだ後、そこを出てグラスレーのところへ向かっていた。

 

「お金が動く………怖いな。」

「遊びの範囲でほどほどに、これ覚えとけよ〜!」

「承知した。」

 

 グリグリって本当素直だよな。しかも人懐っこい。だからついあーしも構いたくなる。なんていうか、自分に妹が出来たみたいな感じだ。相変わらず見た目のせいでグリグリのが姉キャラ扱いされてるが、それだけは認められないな。

 

 そんなことを思ってると………

 

「頼む、俺を地球寮に匿ってくれないか?」

 

 シャディクから意味不明なメッセージが飛んできた。

*1
作者「その髪型で目立たないと思ってるの?」



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第二十一話 シャディク・チクビ・ゼネリ

  side チュチュ

 

 シャディクが地球寮に匿って欲しい、とのこと。

 

「なんでどいつもこいつもうちで隠れてえんだよ⁉︎」

「もしや我に乳を見せに……っ⁉︎」

「んなわけねえだろ‼︎」

 

 氷仮面もとい旧エランといい、なんで地球寮なら大丈夫だと思ったのか。むしろセキュリティなら一番ガバガバだろ‼︎灯台下暗し、的なアレか⁉︎絶対他のとこのがいいのに。とりあえずシャディクに事情を聞くか……

 

「なんでうちなんだよ?他にもあんだろ?」

「地球寮じゃなきゃダメなんだ。他は既に息がかかっている。」

「どういうこと⁉︎」

「それは言えない。頼む、裏方でもなんでもするから!」

 

 意味が分からなすぎる。コイツはもしや誰かに追われているのか?それとも、あーしらを狙って何かしようとしてんのか?日頃の言動が胡散臭過ぎて、全く考えが読めない。

 

「とりあえず、直接会って話をしてみようではないか。店に来れるか?」

「ありがと………しまった、見つかった‼︎」

「何してんだテメェ⁉︎」

 

 見つかったってどういうことだよ⁉︎もしやグラスレーは鬼ごっこでもしてんのか⁉︎そんなことならすぐに追い返すぞ‼︎

 

 

 

 

 ということで、あーしらは学園祭巡りを一旦中断し、店の裏に戻ってシャディクと会うことになった。

 

「ありがとう、はあっ……2人とも。本当に……助かる。」

「礼には及ばぬ。」

「まだ匿うって決めたわけじゃねえからな⁉︎」

 

 今日のコイツはやたらと息が上がっている。いつもの余裕そうな態度が一般、非常に焦っていることがわかる。

 

「とりあえず、事情を説明しろ‼︎」

「俺は*1サビーナたちと鬼ごっこをしていてな……」

「帰れ‼︎」

 

 どーせそんなことだろうと思った。これだからクソスペはよぉ‼︎テメェらの遊びにあーしらを巻き込むんじゃねえ‼︎

 

「そうはいかなくて……」

「帰れっつってんだろ‼︎」

「捕まると犯されるんだ。」

「なんで⁉︎」

 

 そんなことを思っていたら、バカなことを言われた。なんでサビーナたちに犯されるんだよ⁉︎マジで意味が分からねえ⁉︎

 

「エッチなことか……良いではないか。ヤるといい。」

「良くない!俺の初めてはミオリネって決めてるんだ!」

「知るか、帰れ‼︎」

 

 しかもシャディクはシャディクで意味分かんねえ意地張ってるし‼︎

 

「つーか、なんでテメェが犯されんだよ⁉︎」

「恐らく先日の決闘で、シャディクのイき顔を見た彼女らが目覚めたのであろう。変態に。」

「その通りだね。」

「アホか⁉︎」

 

 サビーナらはラウダやペトラみたいな目覚め方をしているし‼︎全く、碌な連中が居ねえなぁ‼︎変態が5人も増えるんじゃねえよ‼︎

 

「変態ちゃん、君が来てから皆おかしくなってる。エランも、ラウダも、ペトラも、ロウジも、サビーナも、レネも、エナオも、イリーシャも、メイジーも。」

「確かにな、つーか多過ぎ‼︎」

 

 言われてみれば、グリグリが原因で変態に目覚めた連中が沢山いる。もしくは、グリグリがいることによって明るみになった変態的一面を持つ連中もいる。ニカ姉とか新旧エラン両方とか。

 

「皆のことは我が変態に目覚めさせたのだな。光栄だ。」

「「不光栄だよ‼︎」」

「とりあえず、困ってそうなのは分かる。エッチなことなのに。」

「「エッチだから困ってるんだよ‼︎」」

 

 お前は喜ぶな‼︎アス校がマジで汚ねえ学園になっちまうぞ‼︎今日来てるミオリネのクソ親父とか何を思うんだ⁉︎

 

「まあ、店の裏に好きなだけ居ると良い。」

「ありがとう、助かるよ!」

「匿うんか……まあグリグリがそう言うなら、あーしはいいけど。」

「君は彼女に優しいね。」

「そりゃ友達だからな。」

「友人になってくれたこと、感謝する!」

「ど〜もど〜も〜!」

 

 ということで、シャディクを店の裏で匿うことになった。

 

 

 

 

 シャディクを店の裏に放置し、あーしらは再び学園祭巡りをすることになった。

 

「チュチュ、次はどこ行きたいのだ?」

「そうだな〜、色々あったから腹が減った!飯食いてえ‼︎」

「ならばレストラン街だな。」

「おお、いいなそれ‼︎」

 

 最近周りにアクの濃い変態が続々出現したせいで、グリグリが意外と普通の女の子に見えてしまう現象。

 

「レストランといえば、男体盛り商店街はあるのかな?」

「あるわけねえだろ‼︎」

 

 コイツも十分変態なのに。

 

「ならば、グラスレーの出し物はどうだ?パンフレットに書いてあるのだが………」

「なになに、フードストリートだって!おお、いいな‼︎行こう‼︎」

 

 ということで、あーしらはグラスレーのところに行くことになった。何店舗も出せるなら、こういうレストラン街にするのもいい戦略だろう。

 

 

 

 辿り着いた先で、あーしらはサビーナらに会った。痴女5人組だ。

 

「2人とも、シャディクは見なかったか?」

「見てないぞ、サビーナ。」

「そうか。」

 

 早速サビーナがシャディクの居場所を淡々と尋ねる。事情を知らなければ、仕事の打ち合わせのテンションだ。とても逆レには思えない。

 

「シャディクはズボン脱がそうとすると、ヤマアラシになるから。」

「そりゃなるだろ‼︎」

「大丈夫かな……私シャディクを満足させられるかな……」

「強引な時点でアウトだ‼︎」

「イリーシャちゃん、大丈夫だよ!絶対大丈夫‼︎」

「根拠がねえ‼︎」

「リリッケ・カトガ・リパティー、シャディクにまで手を出したら許さないわよ‼︎アイツはアタシらがいただくんだから‼︎」

「出さないから安心しろ‼︎」

「連絡係にも頼むか………もしもしニカ?シャディクはどこだ?」

『見てないですね。見つけ次第連れ戻します!』

「了解。」

「何してんのニカ姉⁉︎」

 

 他の4人も見事変態化している。男共はアイドル的人気を誇るシャディク・ガールズがこんな痴女の集団だと知ったら、何を思うだろうか?あとニカ姉、なんでコイツらに協力してんだ⁉︎接点無さそうなのに‼︎

 

「とりあえず、君たちは何系が食べたいんだ?」

「乳デカい男系だ。」

「違えよ‼︎」

「それはシャディクのことか?」

「だから違えって‼︎」

 

 グリグリもここぞとばかりに猥談する。変態仲間が出来て嬉しいのだろう。そんなことより、腹が減った。早く飯食わせろ‼︎

 

「あーしは肉が食いてえ、肉*2‼︎」

「では我も付き添うぞ。」

「お前は食いたいものとかあんの?」

「サラダだ。」

「見事にあーしと正反対だな‼︎」

 

 見事なまでに正反対。確かに野菜好きなの知ってたけども。ランチの時もいつもサラダばっかり食べてるイメージあるし。

 

「肉屋のサイドメニューにサラダはあるだろう?」

「ある。この焼肉屋とかどうだ?」

「「おお、いいな‼︎」」

「すぐそこにある。ほら、アレだ。行ってこい。」

「センキュー!」

「感謝する!」

 

 とりあえず、焼肉屋ならあーしとグリグリの好きなものどっちも食べられるだろう。ということで、肉を焼くことにした。

 

 

 

 

 焼肉屋にて、あーしらは適当におしゃべりしながら飯を食ってた。

 

「お前、全然肉食わねえじゃん。マジでサラダ2つだけ?」

「我が少食なのは知っておろう?」

「知ってるけどさ、改めてびっくりだわ。」

「逆にチュチュは大食いだな。」

「もちろん‼︎食わなきゃ喧嘩も勝てねえぜ‼︎」

「喧嘩は良くないと思うのだが………」

 

 こうしてみると、マジであーしとは対照的だよな。下ネタを除けば、知的で冷静な、人に気遣いができる優しく大人びた雰囲気のある少女。だが素直で表情もわかりやすく、純粋で子供らしい一面もある。

 

「チュチュ、注文を頼んでおくぞ。」

「センキュー!」

 

 服にも慣れたのだろう。今では人前で脱ぐことは無くなった。その事実に安堵しながら、あーしは焼肉を楽しみに待っていた。

 

 

 

 

  side クソスペ差別女2人

 

 くそっ‼︎変態女め、私たちにイき恥かかせやがって‼︎もう許さない‼︎この学園から追放させてやる‼︎作戦、実行ね‼︎

*1
焦り過ぎて一人称がこっちになってる

*2
チュチュは肉好きなイメージがあるので



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第二十二話 性戯の鉄鎚

  side チュチュ

 

 あーしらが焼肉を食べ終わり、食後に少し休んでいると、

 

「2人とも聞いてくれ!本屋が燃やされてるぞ!」

 

 シャディクから連絡があった。

 

「なんだと⁉︎」

「おかしい、火など使っておらぬのに……っ!」

「とにかく戻るぞ‼︎」

「だな!」

 

 ということで、あーしらは爆速で戻ることになった。

 

 

 

 

 戻ると、時すでに遅く、エバグリ書店は跡形もなくなっていた。

 

「そ、そんな………」

「とりあえず火を消すぞ‼︎」

「だ、だな‼︎」

 

 寮の水道に行き、ありったけの水を持ってくることにした。とりあえず火を消さないと、他の店まで消滅する‼︎

 

「2人とも、見ての通りだ!」

「わーってるよ!」

「早く消さねば‼︎」

 

 本屋で匿っていたシャディクは既に消火活動をしていた。息も絶え絶えであり、そもそも本屋の中にいたことから、命からがら脱出したのが分かる。

 

「ふふふ、2人とも大丈夫ですかっ⁉︎」

「ああ。」

「グリちゃんとチュチュが無事で良かった〜!」

「教師らが動かないから、クソ親父使って消防隊呼んで来たわ。」

「センキュー‼︎」

 

 更には地球寮と他の皆も集まって来た。

 

「ていうかシャディク、なんでアンタがここにいんのよ⁉︎」

「今は後だ、ミオリネ!ちなみに店内に人は居なかった!怪我人も居ない‼︎」

「とりあえずありがと‼︎」

 

 どうやら、怪我人は居ないようで安心。まずは二次被害を抑えるためにも、火を消さないと………

 

 

 

 そんなことを思ってると………

 

『え〜、』

 

 校内放送が鳴り響いた。声の主はクソスペ教師の1人。名前は知らん。それはともかく、ようやく教師共も動いてくれたか⁉︎

 

『パイロット科1年のエバーグリーン・ウラヌス。至急第一会議室まで来なさい。』

 

 ここでグリグリを呼び出し⁉︎何考えてるんだアイツら⁉︎まだ火が消えてねえんだぞ‼︎事情聴取より先にやることがあんだろ‼︎

 

「我か。」

「グリグリ、行かなくていい‼︎まずは消火優先‼︎」

「いや、私たちとさっき呼んだ消防隊でやっておくわ。グリグリ*1は教師らに事情を話して犯人炙り出しの協力を。」

「承知した。」

 

 犯人探しに派遣、それならいいか。とりあえずあーしは火を消してから、今後を考えるか。

 

 

 

 

 

 

  side グリグリ

 

 何故火事が起きたのだろう?火を使うものは本屋に無かったはず。乾燥もしておらず、湿度もそれなりにあった……。もしや、我が何か不始末を?何か火元になり得るものを放置してしまったか……?

 

 そのようなことを考えながら、会議室の扉を開けると、

 

「遅い。何をしていた?」

「こんな一大事にエロ本読んでたんじゃないっすかね〜?」

「キモっ!」

 

 沢山の教師陣と、チュチュによく当たってくる女2人がいた。教師は分かるが、彼女らは何故ここに居る?もしや目撃者なのだろうか?

 

「我は火を消そうとしておって……」

「「自分でつけたのにぃ〜?」」

 

 自分で……?我が………?

 

「そんなことはない‼︎我はその時グラスレーの焼肉屋におった‼︎」

「その証拠は無い。むしろ彼女らが貴様の犯行の目撃者だ。」

「君たちは我を見ておらぬだろう⁉︎」

「「見たっつーの‼︎」」

 

 何故だ、何故我は疑われておる⁉︎確かに、本屋に一番長い時間居たのは我だ。でも、火事の時は居なかった。そうだ、チュチュも一緒にいた。彼女なら証言できる。

 

「チュチュ……チュアチュリー・パンランチと一緒に焼肉屋におった‼︎彼女も呼べば、それが証明できる‼︎」

「アーシアンの目撃なんかまともな証拠になるわけないじゃんw」

「しかもアイツと口裏合わせられるっしょw」

「アーシアンはよく耄碌した発言をする。なんせ奴らは頭が貧しいからな。彼女らの方が真っ当な情報だろう。」

「そんなことなどない‼︎彼ら彼女らもまた、立派な人たちだ‼︎」

 

 どうして皆地球の人らを下に見るのか?人類は皆対等ではないのか?素敵な友人たちを罵倒された怒りが、柄にもなく思わず出てしまう。

 

「つーか、アンタのせいで学園がめちゃくちゃよ!」

「火事の責任とって出てったらどうなの?」

「我はやってない!本当だ‼︎」

「証拠が無い。これは退学だな。気高きスペーシアンを穢した罪も背負ってもらおう。」

 

 我が、本当にいけなかったのか………?我が………皆に迷惑をかけて………。

 

「では小生らグラスレー社が、彼女を預かりマウス!」

「小生らジェターク社でもオッケーマウス!」

「おっさんら、誰だか知らんけどよろしく〜♪」

「御三家の人たちなら、頼りになるだろう。」

 

 知らないおじさん2人に引き取られるのか……

 

「「退学!退学!さっさと退学‼︎」」

「ほら、早くここにサインしろ。」

 

 でも、ここで退学するわけには………。我が目的のためにも、この学園には居たい………でも、皆に迷惑がかかるなら………、去るのも、致し方なし………

 

「すまなかった………」

 

 あの事は、別のやり方を考えればいいか…………。チュチュ、リリッケ、セセリア、ロウジ、などなど友人たちよ、すまなかった………

 

 

 

 

 

「人を素直に認められる奴を、いじめてんじゃねぇ‼︎」

 

 そんな我に、光が舞い降りたのか………チュチュが扉を蹴破るような大声で、音を立てて入って来てくれた。

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 火を消し終わった後、あーしは焼け跡から何かを発見した。

 

「ヘアゴム………?」

 

 それはヘアゴムだった。店の裏、それも火元の近くに落ちていたのだ。当然あーしのでもグリグリのでもない。恐らく誰かが予備で持ってたのを落としたのだろう。

 

「お前ら、これ誰のか知ってる?」

 

 とりあえず、皆に聞く。

 

「私のではっ、ないです!」

「私も違うわ。」

「私はそもそもショートだから使ってないよ〜。」

 

 スレッタ、ミオリネ、ニカ姉は否定。

 

「私のじゃないね〜。」

「私も違うぞ。」

 

 リリッケとアリヤも違うという。それなら一体誰……?

 

「これ、見たことあるな………」

 

 そんな中、なんとシャディクが口を開いた。お前のヘアゴムってことか?それかティルとか?

 

「君や変態ちゃんによく突っかかってくる女の子2人がいるだろ?あの子のだ。」

「なんだとっ⁉︎」

 

 そこで、衝撃の事実が明らかになった。あのクソ女2人、またかよっ‼︎しかも店に来たのを今の今まで知らなかった。恐らく、彼女らが犯人だ。

 

天王星人(ウラヌシアン)を目の上のたんこぶだと思ってる連中は多い。変態のくせに強くて厄介だからな。だからこの際濡れ衣を着せて、学園から追い出す……ってとこか?」

「くそっ‼︎行ってくる!」

「僕も証拠を揃えてすぐ行くよ。」

 

 このままでは、グリグリが居なくなってしまう。せっかくの貴重な友人なのに。アイツはもし濡れ衣を着せられたら、きっと言い返せないだろう。だからあーしが守ってやらねえと‼︎すぐ行かなきゃ‼︎頭より先に、気がついたら身体が動いていた。

 

 

 

 

 そんなことを思いながら会議室のドアを開けると、案の定彼女が糾弾されていた。予想通りだ。

 

「チュチュ……っ!」

「ごめんな、1人で行かせちまって!」

「いや、その………」

 

 そして、グリグリは泣きそうになっていた。そりゃそうだ。1人でこんなに大勢に罪を被せられて………。気弱な彼女が持つはずない。

 

「うわっ、相方じゃんw」

「アーシアンが増えたところで意味ねぇっつーの‼︎」

「そうだな。証拠にならん。」

「あぁ⁉︎」

 

 対して敵陣は余裕そうな、人を見下したような笑いを発する。あーしが何度も見て来た、アーシアンを差別する目。立場の差を利用して、自分のわがままを貫き通す連中。心の底から憎たらしい。ぶん殴ってやりたいが、それをやるとかえって不利になる。だからここは我慢して、彼女のそばに寄り添うまで。

 

「大丈夫だって、グリグリ!なんとかなっから!もしダメでも、あーしが一緒にいてやるよ‼︎」

「チュチュ……感謝……するっ!」

 

 残念ながら、あーしはこれくらいしか出来ない。というか、いてもいなくても同じだったかもしれない。でも、せめて出来ることを……っ‼︎

 

「狂犬ちゃんに変態ちゃん、遅くなってすまない!」

「待たせたわね!」

「ったく、アタシを面倒ごとに巻き込むんじゃないわよ〜!」

「僕は付き添いだよ〜。」

「僕もだよ〜!」

「「「⁉︎」」」

 

 そして、シャディク………と思ったより他もやってきたな。ミオリネにセセリア、それに新エランとラウダまで。御三家+ブリオンの代表、そして理事長の娘という、アーシアンにはまだ出来ない、圧倒的権力の拳。恐らくシャディクが考えたのだろう。立場の差で理屈が通らないなら、更に立場が上の人を使って強引に説得する。目には目を、権力には権力を、だ。

 

「シャディクさ〜ん、アンタアタシらの味方じゃないの⁉︎」

「僕は会社の味方さ。この間も今も、ね!」

「ならば小生がいるマウス!グラスレー代表の‼︎」

「デリング総裁の娘に逆らうのが得策かい、ケイン・ネズミッチュさん?」

「な、なにマウス………っ⁉︎」

「というかただの来客なのに、勝手に入っていいのかい?義父さんに言ってもいいんですよ?」

「ぐぬっ………マウス!」

 

 つーかあのおっさん2人誰だよ!知らねえ奴があたかも教師面して座ってんだけど⁉︎早く追い出せよ‼︎語尾キメェし‼︎

 

「まあ、この学園ならではの方法で決めてもいいわね。御三家全員と、それを倒したパイロット2人相手に団体戦でもする?」

「そ、そんなの無理じゃない‼︎」

「勝てるわけない‼︎」

「じゃあ、大人しく権力の前にひれ伏しなさい。」

「「くっ…………!」」

「というか、れっきとした証拠があるんだけどね。火元に置き忘れたヘアゴム、君たちのでしょ?」

「「それは………」」

「DNA鑑定してもいいのだけれど。」

「「………」」

 

 シャディクとミオリネによる正論パンチと権力パンチ。流石にこれにはクソスペ女2人も言い返せないだろう。後はあの2人にどんな罰を与えるか、考える時間だな………

 

 

 

 

「エッチじゃない。」

 

 なんだとっ⁉︎ドアの方から、ブチ切れた煩悩陛下とその仲間たちがやって来た‼︎さっきまでの話を聞いてたのか⁉︎

 

「アンタら2人、うちのグリちゃんを嘘で言いくるめるなんて、酷いことするねぇ〜。」

「「だ、誰よこの変態たち⁉︎」」

「天王星でいう警視庁長官、防衛大臣、御三家のCEO2人、そして国家元首だ。」

「「えっ…………?」」

 

 いたいけな少女を虐めていたら、国の中枢にブチギレられる。ざまあみやがれだぜ‼︎

 

「とはいえ御二方は未成年。」

「いきなり実刑判決も可哀想だよね〜。」

「だから次のようにする。」

 

 さて、どんな天罰が下るのか………

 

「お二人さんを、セックスをしないと出られない部屋に閉じ込めるで〜‼︎」

 

 嘘でしょ⁉︎なんだよ、その天罰⁉︎

*1
ミオリネはこっちで呼びそうなので。エバーグリーンはやっぱ長いんでね。




グリグリ視点は初でしたね。あと、本作では変態に隠れてましたが、アス高の民度はこのぐらいですよね?

チュチュのセリフは原作の4話のやつ(誰の思いも背負ってない奴が……)を使いたかったのですが、チュチュ目線のグリグリの現状に合わないのでやめました。

さて、次回で学園祭は終わりです‼︎お楽しみに‼︎


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第二十三話 Finale of Festival

罰の件、デリングには既に言ってあります。


  side チュチュ

 

 クソスペ女2人が、ヤらないと出られない部屋に閉じ込められることになった。

 

「はぁぁぁぁ⁉︎」

「何よそれ、ふざけんじゃないわよ‼︎」

「天王星ではよくやる方法やねんな!」

「「よくやんの⁉︎」」

「性行為をすれば出られる。どうだ、良心的だろう?」

「「どこが⁉︎」」

「安心して!部屋にはアダルトグッズがいっぱいあるから!」

「「何も安心出来ないわ‼︎」」

「例えば新品の消しゴムですとか……」

「「なんで消しゴム⁉︎」」

「エッチだ。」

「「エッチじゃない‼︎」」

 

 いつもあーしらの邪魔ばっかりしやがって‼︎これでアイツらも変態の仲間入り。イき恥晒して反省するがいい‼︎

 

「つーか、なんで御三家はソイツらの味方すんのよ⁉︎」

「アーシアンの集団よ⁉︎」

「僕は助けられたからね、彼女に。」

「「そんな柄か、シャディク(おまえ)⁉︎」」

「僕は好みの本を買えたから♪」

「「エラン(おまえ)変態だったの⁉︎」」

「彼女が僕を変態に目覚めさせてくれた。」

「「目覚めさせんな‼︎」」

 

 シャディクのはマッチポンプな気がしなくもないけど……まあいっか。しかし、揃いも揃って味方になるとはな。あーしが入学した時からは考えられなかった。

 

「兄上、どうするマウス⁉︎」

「このままでは、駄目マウス‼︎」

「アンタら2人も入れたろか?」

「「絶対嫌‼︎」」

「「Noマウス‼︎」」

「いや、姫君2人とは別室ぞ。」

「セックスしないと出られない部屋をもう一つ用意する、ってこと。」

「「もっとNoマウス‼︎」」

 

 あの不審者ネズミおじさん双子なのかよ。つーかなんでグリグリを狙ってんだ?確かに彼女は美人だけども。変態だぞ、コイツ?あとこんな得体の知れないおっさんにグリグリをやりたくないし。

 

 まあいいや。今はグリグリの潔白が証明されたことを喜ぼう‼︎

 

「な‼︎なんとかなっただろ、グリグリ!」

「うむ………うむ……っ!ぐすっ………」

「泣くなって〜‼︎」

「感謝………ずるっ……!」

 

 こんなにも感動のあまり泣いてくれる。本当に嬉しいのだろう。本当にコイツは素直で可愛い奴だ‼︎

 

 

 

 

 その後しばらく経ち、学園祭は大きな問題もなく無事終わった。

 

「しゃあ‼︎打ち上げ打ち上げ‼︎」

「楽しみだな‼︎」

 

 ちなみに打ち上げでは、寮ごとの売り上げランキングが発表される。正直途中から本屋が焼失したせいで1位は無理だろうが、そこそこの上位に入る自信がある。

 

『さてと、私が順位を発表する。』

 

 発表者は、この学園の理事長ことデリング・レンブラン。

 

「あっ、ミオリネさんのお父さんだ!」

「スレッタうるさい‼︎」

「さてはミオリネ、父親のことが好きなのか?」

「んなわけないでしょ‼︎クソ親父なんか嫌いよ‼︎」

 

 ミオリネの父親だ。

 

『まずは第5位、ブリオン寮。1.7万ドル*1だ。煌びやかなショッピングモールで、多くの客層を取り込むことに成功した。』

 

 さてと、まずはセセリアたちのブリオン。御三家に次ぐ実力をいきなり発揮してきたか‼︎

 

『続いて第4位、ダルガル寮。1.8万ドルだ。』

 

 嘘だろ⁉︎いきなり知らねえところ来やがった‼︎これはマズい‼︎

 

『ライブ会場を設立しバンドフェスを開催、学園祭を大いに盛り上げた。』

 

 残り3つは御三家、流石にランクインは無理だったか………

 

『続いて第3位、地球寮。2.1万ドルだ。』

 

 あれっ、嘘だろ⁉︎あーしらが入ってる‼︎

 

「「「「やったぁぁぁぁぁ‼︎」」」」

『客層を絞り、太客のみを狙う方法が見事にはまった結果となった。』

 

 言い方、な。変態相手にエロ本売っただけという。それをここまで人前に聞かせられる文言にするとは。流石理事長だ。

 

「嬉しいのだ‼︎嬉しいのだ‼︎」

「やり方なんて関係ない‼︎結果のみが真実よ‼︎」

「やりました〜♪」

「ととと、とても嬉しいです!」

「これでまたパチンコが出来る‼︎」

「やめとけオジェロ、どーせまた負けるから。」

 

 それでも、3位は3位。今まで晩年最下位だった地球寮が、初めて上位となった。これはあーしらアーシアンにとって、とても誇らしい結果となるだろう。

 

『続いて第2位、グラスレー寮。5.7万ドルだ。様々な料理が織りなす素晴らしいレストラン街は、訪れる者の胃袋と心を掴んで離さなかった。実に見事だった。』

 

 そして2位、グラスレー。あーしらの倍以上か……。流石に御三家の壁は厚かったな………

 

『最後に第1位、ジェターク寮。7.2万ドルだ。体育会系の気風を活かしたレジャーランドは、多くの人々に遊びの楽しさを味わわせてくれた。』

 

 そして最後はジェターク。あんな変態祭りをやっても、出し物が面白ければ売れるんだな。あーしらも人のこと言えんけど。

 

「そういえば、ペイルはどうしたんです?ベルメリアさん?」

 

 そういや、ペイルがランクインしてねえじゃん。ちょうど株式会社GUND-ARMに出向?っぽいことしてるおばさんもいるし、話を聞いてみるか………

 

「レートが高過ぎて、摘発されたのよ……」

「アホだなアイツら………」

「ざまあみろ‼︎あと俺の生活費返せ‼︎」

「お前もアホだな………」

 

 ペイルは思ったよりアホだった。そりゃ学園祭の出し物でパチンコやったら駄目だろっつーの。

 

 

 

 

  side エラン本物

 

 パチンコで負けたからって摘発しやがって、あのクソ客*2め‼︎今度会ったら強化人士にしてやるからな‼︎

 

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 それはともかく、こうして学園祭が無事終わり、地球寮は3位という結果を残すことができた。

 

「チュチュ!共に本屋を営んでくれて………そして我のことを守ってくれて、感謝する!」

「こっちこそ、お前のおかげでアーシアンの地位が上がったぜ‼︎ありがとな‼︎」

 

 それもこれも、グリグリのおかげだ。初めて会ったあの時拒絶していたら、こうはならなかっただろう。大切な友人と出会えた喜びを噛み締める、そんな学園祭となった。

 

 

 

 

 

  side クソスペ女2人組

 

 はぁっ………なんとか例の部屋を出られたわ………

 

「「………///」」

 

 そして、お互い顔気まずい………顔を合わせられない………

 

「こんにちは。いや、こんばんはの時間だね。」

 

 そんなことを思っていると、なんとエラン・ケレスに話しかけられた。あの時クソ変態の味方をしたエランに。

 

「テメェ、ふざけやがって!」

「変態と組んで、私たちをこんな目に遭わせたくせに‼︎」

「変態と組んだ………?」

 

 とぼけた口調で首をかしげるエラン。しらばっくれるというのか⁉︎

 

「ああ、もしかして俺の偽物かァ。安心して、あの時のとは別人だよ。」

「「は………?」」

 

 別人………?どういうこと………?

 

「そりより、お互い協力しないかい?」

「「協力………?」」

「俺も変態退治がしたくてね………。安心して、他の人より数段上の技術を持ってるから!」

 

 変態退治………か。確かに私たちはあのクソ痴女に恨みがある。しかし、ここまで来たら勝てる気がしない。でも、この男と一緒なら………。今までの彼には無い、何か独特な魅力を感じる。

 

「わかったわ。」

「協力しましょう。」

「オッケー!じゃあついてきて!」

 

 ということで、私たちはエランについていくことになった。

*1
アド・ステラの通貨の単位ってありましたっけ?

*2
オジェロのことじゃないです。




いよいよアニメ10話に戻ります。


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第四章 プラント・クエタの攻防
第二十四話 巡る思い


  side チュチュ

 

 学園祭から1ヶ月半後、あーしらはGUNDの義足運用試験を行なっていた。テストに立ち会うのはグリグリ、ニカ姉、オジェロ、ヌーノ、そしてペイル社からベルメリアだ。

 

「ガンダム〜♪ガンダム〜♪希望の光〜♪」

「チュチュよ。社歌にある希望の光とは、アニメで急に局部を隠す謎の光のことか?」

「違えに決まってんだろ‼︎」

「そうか、確かに我々にとっては絶望の光だしな。」

「それはお前だけだ‼︎」

「ところでスレッタはどうした?今日のテスターだろう?」

「確かに、アイツ遅えな。」

「ミオリネの温室で致してるのではないか?」

「んなわけねえだろ‼︎」

 

 社歌や社員の行動一つ一つにまでエロスを見出すグリグリ。その素晴らしき変態精神に、ちっとも憧れはしない。

 

「とりあえずあーしが電話かけっから!」

「頼んだ。」

 

 そういや、肝心のテスターが全然来ない。何やってんだスレッタは?用事か?とりあえず、電話してみるか………

 

『はい!』

 

 普通に電話に出やがった‼︎こりゃ忘れてたな‼︎

 

『スレッタぁ‼︎』

『チュチュ先輩⁉︎』

『どこで道草ぶっこいてんだ⁉︎GUNDの義足運用試験、忘れてんじゃねぇだろなぁ〜⁉︎』

『あっ………』

 

 このとぼけた返事………マジで忘れてそう。後でアイスでも奢らせるか…………

 

 

 

 

 しばらくすると、

 

「遅くなってすいません!」

「遅え‼︎」

 

 スレッタが走ってやってきた。

 

「致してたのか?」

「致す………?何をです……?」

「グリグリ、今は後だ‼︎」

「とりあえず、ここに座って。義足は後で繋げるから。」

 

 ということで、スレッタは早速テストする義足の上に座ることになった。座るといってもうんこ触りだけど。この姿勢膝がキツいし、動き以前にここは改善した方が良さそうだな。

 

「接続確認〜。ユニットロック、解除するぞ。」

「スレッタ、立ち上がって。」

「勃ち上がる………?」

「生えてねえだろ‼︎」

 

 ということで、スレッタが立ち上がると………

 

「「「うわっ!」」」

「おっとっと………っ!」

「平気?」

「はい………っ!」

「じゃあ、始めよっか。」

 

 最初こそよろけはしたものの、なんとか普通に立ち上がることができた。そしていよいよ、テストの開始だ‼︎

 

 

 

 テストコースはハードルに階段ゾーン、斜面台に平均台。そして最後は丸いドラム缶の上を通るコースだ。コース考案時にグリグリが動くディルド等エッチな仕掛けを提案したが、当然却下した。

 

「ハードル、オーケー。」

「しゃあ‼︎」

「階段ゾーン、クリア。」

「斜面台、クリア‼︎」

「平均台、クリアしたな。」

 

 それはともかく、スレッタは順調に各コースを突破していく。そしていよいよラストゾーンだ‼︎

 

「最後のコース‼︎」

「気ぃ抜くなよ‼︎」

「おちんちんも抜くでない‼︎」

「抜かねえだろ‼︎」

 

 ここさえクリアすればテスト合格。頼んだぞ、スレッタ‼︎一歩一歩、ドラム缶を渡っていき………

 

「ふぅ………」

 

 ついに、最後のドラム缶の上を渡り終えて、ゴール地点に辿り着いた。

 

「「「よっしゃぁぁぁぁぁ‼︎」」」

「A級基準テスト、クリアね。」

「これで医療業界に参入できるの?」

「審査資格を手に入れただけよ。安全基準や、ライセンスの問題もある。でも、GUNDの使用が認可されれば、あらゆる人工装具に応用出来るわ。」

「GUND-ARMの会社なんて、最初は何言ってんだと思ったけど………」

「やるよな〜、うちの社長。」

「ヤる⁉︎ミオリネが⁉︎」

「そのヤるじゃねえ‼︎」

「ミオリネさんは、前からやります!」

「なぬっ⁉︎ミオリネはエッチしたことが………」

「そのヤるじゃねえって言ってんだろ‼︎」

 

 もちろんこれがゴールじゃない。一歩先に進んだだけだ。これからもどんどん進んでいくぞ!

 

「あとは宣伝だね〜。」

「皆に知ってもらわねばな。」

「だから新作PV作るんだろ?」

「うん!」

 

 次は新作PVの撮影。もっともっと広めて、あーしらの凄さで皆を救ってやる‼︎ここからもっと気を引き締めていくぞ‼︎

 

「スレッタ、撮影場所の許可取ってくれた?」

「あっ………」

「あっ……?」

「スレッタ、忘レッタ。」

 

 そう思ってたのに………

 

「ぶはははは‼︎不意打ち過ぎんだよテメェw‼︎」

「くすっ………君は面白いことを言うなぁ!」

 

 スレッタのギャグで不意に笑っちまった。気が抜けちまったよ。

 

「あとグリグリぃ‼︎お前笑う時上品だなw」

「そうか?」

 

 口に手を軽く当てて、クスッと笑うグリグリ。これだけ見るとどっかのお嬢様みたいだ。可愛らしい。

 

「普段は下品なのに‼︎」

「下品ではない。エッチなだけだ!」

 

 実態は痴女だけど。いやらしい。

 

 

 

 

  

  side エラン4号

 

 最近ベルメリアさんが来たせいで、僕が余計に喋れなくなった。それどころか、前までよりも隠れている時間が増えた。

 

「やあ、エラン。今は違うんだっけか。」

 

 しかも隠れ仲間が増えた。シャディクだ。

 

「僕は氷仮面だ。それ以上は面倒だから触れないでくれ。」

「そっかそっか。今はそういうことにしておくよ。」

「ところでシャディク、君はなんでここに?まさかスレッタ・マーキュリーを狙って?」

「違う違う。僕が狙われているんだ。」

「君なんかを狙う人がいるの?」

「失礼だなぁ、元エランは。」

「元エラン言うな。」

 

 どうやら僕が前エランだったのがバレてるみたい。

 

「とりあえず、協力しようじゃないか。お互い隠れるために。」

「そうだね。」

 

 ただ、ここは味方にしておこう。でないと、僕がバレた時に大変なことになるから。

 

 

 

  side シャディク

 

 マズいな。そろそろ義父さんとのミーティングだ。即ち、彼女らと会う時間。ミーティングだけは参加して、そのあと爆速で逃げよう。

 

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 しばらくして、あーしらは決闘委員会のラウンジで撮影することになった。

 

「な〜んで地球寮の奴らがラウンジにいるわけ?」

「会社の撮影でな。スレッタのホルダー権限を使って使用してるのだが………」

「まあ、普段手伝ってるアンタらがいるからいいけどさ〜。」

「感謝する‼︎」

 

 セセリアは相変わらず悪態をついてる。自分は普段ロウジに責められまくってるくせに。

 

「凄いな、この機械。」

「あの、撮影中なんですけど………」

 

 ちなみにそのロウジはあーしらが作った機械に夢中だ。

 

「義足足コキに使えるかも。」

「ちょっとロウジ⁉︎///」

「素晴らしい発想だ。我の方で検討しよう。」

「勝手にすんな‼︎」

 

 セセリアへの使い道に夢中だ。

 

 

 

 そんなことを思ってると、

 

「凄いですよね〜ミオリネ先輩!インタビューにも出ちゃうなんて!」

「はい!ミオリネさんは、凄い、ですっ‼︎」

 

 ミオリネがテレビに映っている映像をリリッケやスレッタたちが観ていた。

 

「な〜んか遠い人になっちまったな〜。」

「最初っから近くないだろ。」

「はいはい!向こうはサラブレッドで、こっちは雑草だよ‼︎」

「食べられちゃいますね〜♪」

「食べられる⁉︎我々は誰にエッチなことをされるんだ⁉︎」

「お前は相変わらず呑気で変態だな〜。」

 

 呑気にエロを考える。どこまでも天王星らしさを貫きつつも、周りの皆との調和を考える女グリグリ。

 

「呑気に戻れたのは君たちのおかげだ。感謝する‼︎」

「またまた〜!俺たちの地位を散々上げてくれたのによぉ!」

「ほんと、いい奴だな〜。」

「グリちゃんに会えて嬉しい、ですっ!」

「だな‼︎」

 

 彼女のおかげで、今のあーしらがあるのだ。




忘れてたので、ネズミおじさんたちのプロフィールを書きます。

マッケンジー・ネズミッチュ
性別:男
身長:160cm
髪:黒の薄らハゲ
性格:狡猾
年齢:44歳
所属:ジェターク社 平社員
元アバンネットグループ 総裁直属社員


ケイン・ネズミッチュ
性別:男
身長:160cm
髪:黒の薄らハゲ
性格:狡猾
年齢:44歳
所属:グラスレー社 平社員
元アバンネットグループ 総裁直属社員


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第二十五話 地球の痴女

  side チュチュ

 

 あーしらはエアリアルのテストのため、プラント・グエタというベネリット・グループのプラントへと向かっていた。

 

「減速スラスター制御、始める?」

「入港軌道上の危険物確認が先じゃない?」

「そうだっけ?」

「オペレーションシートを出しますね。」

「あっ、本当だ。」

 

 もうすぐプラントに近づく、とのことで、あーしらの船を減速させようとしていた。

 

「では、入港軌道上の猥褻物を確認するか……」

「危険物、な!」

「しまった、つい。」

 

 グリグリは相変わらず平常運転。つい、で間違えるな‼︎

 

「猥褻物なら、ある意味危険じゃないの?」

「船をぶち壊すほどの猥褻物があったら大問題だろ‼︎」

「MS亀甲縛り用の縄とか?」

「あんのかよ⁉︎」

 

 MS縛って興奮するとか意味分かんねえだろ‼︎どんな性癖だよ⁉︎機体と縄の組み合わせにそそるとか⁉︎マジで気持ち悪い‼︎

 

「近所に会う度に亀甲縛りにしてくるおじさんがその縄を持っててな。」

「害悪じゃねえか‼︎」

「そのせいで、我は拘束プレイが地雷になったのだ………」

「そういやあったな、お前の地雷‼︎」

「縛られると動きにくいもんね〜。」

「そうだな。」

「妙に納得いく理由やめろ‼︎」

 

 学園祭の時のおエロいさんといい、天王星は碌な変態が居ないな。小さい女の子を縛ってくるおっさんとか、秒で逮捕もんだろ‼︎

 

 

 

 そんなことを思ってると、

 

 

ピー、ピー、

 

 

 なんかのアラートが鳴った。

 

「なんだ、猥褻物か⁉︎」

「んなわけねえだろ‼︎」

 

 猥褻物に反応するアラートとか要らねえだろ‼︎金の無駄だ‼︎

 

「アリヤ、ルーム11から緊急コール出てる。」

「チコたちからだ。」

「動物か………」

 

 恐らく、チコたちのところでトラブったんだろう。良かった、猥褻物じゃなくて……。ここはアリヤに任せて………

 

「あっ、私やります‼︎」

「あっ、でも………」

「任されます‼︎」

「ありがとう。」

 

 スレッタが行くのか。なんだかいつも以上に張り切ってんな。ここ最近ずっとこんな感じだ。

 

「スレッタ先輩、張り切ってるね〜。」

「エアリアルに会えるから嬉しいんじゃねえの?」

 

 そういえば、学園祭以降エアリアルはメンテナンスをしていた。定期的な長期メンテナンスだ*1。スレッタはやたらエアリアルを気に入っているから、久々の再会に嬉しいのだろう。

 

「ん〜、そうかな〜?」

「我は焦っているように感じたが………」

「焦ってる?何に?」

 

 と思ったら、グリグリは違う印象を抱いている。リリッケもそうは見えないっぽい。コイツら自分が繊細なとこあるから、相手の悩みにも気づくのか?

 

「ミオリネが中々股を開いてくれないからか?」

「違えだろ‼︎」

「ライバルのシャディク先輩出現、とか?」

「アイツはフラれたから安心しろ‼︎」

 

 恋愛脳に煩悩。同級生たちは自分とは違ったことばかり考えている。

 

「でも彼女が悩むとしたら……やはりミオリネ関連だろうな。」

「本人は花婿って張り切ってるのに、その仲は全然進展しないからね〜。」

「ミオリネもスレッタを頼ってはいるのにな。」

「うむ。」

 

 ただ、本当に悩んでいるかはよく分からん。あの2人の関係も、普通の友人とも花嫁花婿ともなんか違った感じするし。あーしはストレートに言いたいこと言えるから、こういう悩みも無いけれど、あの2人にはあの2人なりの事情があるのだろう。

 

 

 

 

 しばらくしてプラント・クエタに到着したが、

 

「誰か、このカーゴ持ってってくれる?」

「私、やりますっ!」

「ありがと、助かるわ。」

「頑張りますっ!」

 

 スレッタは相変わらずそそっかしい。

 

「使えねーの。」

「ご、ごめんなさい!」

「ん?スレッタには関係ない話ぞ?」

「このアプリの話だ。勘違いさせてごめんな〜。」

「あっ、すいません……っ‼︎」

「スレッタ先輩、大丈夫ですか?」

「はい!」

 

 ん〜。やっぱグリグリの言った通り、スレッタは焦っているような………。病んでる、訳では無いと思うが………

 

 

 

 

 その後、ランチタイムになったわけだが………

 

「………スレッタが居ない。」

「お弁当、私間違って一個多く持ってきちゃった。」

「絶対アイツのだ。」

 

 スレッタが見当たらない。流石にここまで来れば気づく。なんらかの悩みを彼女が抱えていることに。

 

「探そう。」

「あーしらで手分けすっぞ‼︎」

「だね!」

 

 ということで、チーム1年によるスレッタ大捜索が始まった。

 

 

 

 

  side シャディク

 

 俺はヴィムと2時間後にプラント・グエタを襲撃させる約束を取り付けた。予定では、ここにいるデリング総裁をフォルドの夜明けが襲う。

 

『養子は大変だな〜。パパに気に入られるよう、せいぜい頑張れよ。』

『………はい。』

『ではまた。』

 

 こうして、俺はヴィムとの通話を終えた。

 

『何あの親父、サイテー。』

『ムカつくな〜。』

 

 そして、レネとメイジーがヴィムに文句を言う。俺はそれを無視し、指示を出す。

 

『サビーナ、フォルドの夜明けに合図を送ってくれ。直ちに作戦を実行してくれ、と。』

『了解した。』

『えっ?』

『2時間後じゃ………?』

 

 電話では2時間後と言ったが………こっそり作戦変更だ。ヴィムごとまとめて消すために。さてと、後はリモートを切るだけだ。

 

『それよりシャディク、なんでリモート?』

『直接会って会議した方がいい、と思うのですが………』

『君たちに被害が及ぶといけないからね。ではまた。』

 

 もちろん彼女らとの直接的な接触はしない。理由は簡単、犯されるからだ。

 

『ついでに連絡係から報告があった。シャディクは地球寮内のおなら部屋にて留守番中とのこと。』

『サンキュー!』

『今から行こっ♪』

『ついでにイこう。』

 

 なん………だとっ⁉︎俺の居場所がバレた⁉︎というか連絡係……っ⁉︎まさか、ニカか‼︎くそっ、裏切られた‼︎

 

 

 

 こうして俺はすぐに通信を切り、

 

氷仮面(アイスマスク)、隠し場所の捜索とセキュリティー強化を手伝ってくれ。」

「めんどくさい。自分でやったら?」

「報酬は水星ちゃんの秘蔵写真だ。」

「わかった、全力を出す。」

 

 留守番してる元エラン*2と対策を立てることにした。

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 しばらくあーしらはスレッタを探してたんだが………

 

「捕まえた。」

「ひ、卑怯っ、です!」

「賢いって言いなさいよ、バカ‼︎」

 

 まさかのミオリネに先を越されてた。コイツも探してたんだな。安心したぜ!

 

「お〜、流石花嫁だな!」

「私たちが邪魔するといけませんね!」

「アレだけ置いて帰るとするか。」

 

 ということで、グリグリはスレッタとミオリネに向かっていき、

 

「2人とも、ぜひこのテントの中で話してほしい。」

 

 ポケットから折りたたみ式簡易テントを取り出した。

 

「………何よこれ?」

「テント………ですかっ?」

「ああ。テントだ。セックスしないと出られない類の。」

 

 しかも、とんでもないテントだった。自分が猥褻物持ってんじゃねえか‼︎

 

「ええええええ⁉︎」

「何してんだテメェ⁉︎」

「んなもん渡すんじゃないわよ‼︎」

「古来より、喧嘩した恋人同士には仲直りセックスが有効とされている。」

「んなわけ………あるか?」

「否定しなさいよチュチュ‼︎」

 

 ヤバい、なんかコイツの言うこと妙に説得力ある。

 

「また、話し合いの足りない恋人同士には性行為が一番だ。性行為とはコミュニケーションの真骨頂であり………」

「要らないっつーの‼︎」

「それにスレッタ、ヤりたい()とリストがあるのだろう?」

「いいい、意味が違います‼︎」

 

 あーしは全然知らんし経験も無いけど、確かに大切な気がする。リリッケとも無言で目が合った。ならばやることは一つ‼︎

 

「あん中にぶちこむぞ‼︎リリッケ、グリグリ‼︎」

「任せて〜!」

「承知した。」

「ちょっ、何すんのよアンタたち‼︎」

 

 あーしらは3人で協力し、ミオリネをぶち込んだ後、

 

「み、ミオリネさん……っ‼︎」

「ちょっと、アンタまで入ってきたらダメでしょ⁉︎」

「あっ………」

「「「せーの‼︎」」」

 

 スレッタも閉じ込めて、そのままテントのチャックを閉めた。

 

「これで一件落着だな‼︎」

「恋人同士、仲睦まじく愛し合うといいね〜。」

「その通り、性行為とは愛を育む行為である‼︎」

 

 これで、スレッタとミオリネはヤらないと出られない。その過程で仲直りしてくれたら、あーしらの会社も安泰だな‼︎1年ズの共同ミッション、無事コンプリート‼︎

 

 

 

 

 その後、3人で昼食を食べ終えた後、あーしはリリッケとは別れて、グリグリと一緒の部屋に戻った。

 

「とりあえず、部屋で休むか〜‼︎」

「だな。」

 

 今回は1部屋にベッドが2つ。そのため、あーしとグリグリが同じ部屋となってい…………

 

『緊急事態警報、B1発令。緊急事態警報、B1発令。』

 

 なんだと⁉︎いきなりアラートが鳴ったんだが⁉︎

 

「敵か⁉︎どこのどいつだ⁉︎」

「通信も繋がらん……っ‼︎」

 

 更にはものすごい轟音まで。機内の電気も切れた。何が起きてんだ⁉︎

 

「グリグリ、あーしの裏に隠れろ‼︎」

「い、いや、我がMD(モビルディルド)を用意せねば‼︎」

「お前戦うんか⁉︎」

「い、一緒に入るのだ‼︎少なくとも、ここよりは安全ぞ‼︎」

 

 確かに、天王星製なら頑丈か。とりあえず、もし敵が来た時に備えて逃げないと。明らかに怖がっている彼女を匿うためにも。

 

 

 

 

「やあやあ、天王星の痴女さん!久しぶりだね〜。そちらは友達かい?」

 

 そう思ってたのに、敵がダクトから侵入してきた。見るからに変態の、縄を持ってニチャァしているキモいおじさん。

 

「貴様………はっ!」

「おじさんは亀縛怒肢夢(かめしばりどえむ)。地球の痴女さ。」

 

 しかもアーシアンの女を自称する。なんなんだ、コイツは⁉︎

*1
原作と違いシャディク戦があっさり終わる&学園祭の催しで使ってたのでこうしました。

*2
ベルメリア以外にも、会うとまずい人が多いため




11話の名シーンはテントの中でやってもらうことにしました。


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第二十六話 (変態から)逃げ出すよりも(変態として)進むことを

明日、いよいよアニメ2期ですね‼︎楽しみです‼︎


  side ニカの父役

 

 亀縛怒肢夢………正直同じフォルドの夜明けのメンバーだと思いたくない。天王星に潜入調査する前から変態の気はあったものの、天王星から帰ってきて目覚めてしまった。そのせいで、私だけでなくソフィーやノレアまで会う度に亀甲縛りにされる。いつも下半身のことしか考えておらず、暗殺任務でも平気で対象を亀甲縛りにするだけで帰ってくる。本当に腹立たしい存在だ。

 

 それでもアイツを雇い続けている理由、それは………純粋に強すぎるからだ。

 

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 地球の痴女を名乗る、縄を持ったおっさんが轟音と共に近づいてきた。

 

「貴様っ、何をしに来たのだ⁉︎」

「決まってるだろう?亀甲縛りさ。」

 

 亀甲縛り………まさかっ、グリグリの近所に住んでたおっさんか⁉︎

 

「グリグリ、コイツって……」

「ああ、此奴が近所に住んでた亀甲縛りのおじさんだ。」

「おもっくそ天王星人(ウラヌシアン)じゃねえか⁉︎」

 

 やっぱり。アーシアンを騙られたのがなんだが腹が立つ。

 

「単身赴任に来てただけさ。元より私はアーシアンだよ。」

「その通り……だな。」

「マジか………」

 

 こんな変態が同じアーシアンとは………。同類だと思われたくねえ………。

 

「つーか、なんで地球の痴女なんだよ⁉︎」

「友達のJKたちが厨二病こじらせて、地球の魔女を自称したのでね。それに合わせたのさ。」

「そいつらもやべえな‼︎」

 

 つーかグリグリが地球の痴女と再開って言ったら、グリグリの姉ちゃんとかが出てくるだろ‼︎なんで近所の気持ち悪いおっさんが出てくんだよ‼︎

 

「そんなことより、君はグリちゃんのお友達かな?」

「そうだよ、何が悪い⁉︎」

「いや〜、彼女が天王星人(ウラヌシアン)以外の友人を作れて嬉しくってね。」

「コイツはいっぱい友達いるぞ‼︎」

 

 元より、仕草や言動がなんかいけすかない。自分はあたかも紳士であるかのような、高貴な服と丁寧な口調。そして、あのグリグリが嫌なものを見る目。

 

「ほう、そのご友人とやらは、こちらに来てるのかな?」

「ああ‼︎なんなら今から呼んで……」

「それは駄目だ‼︎全員亀甲縛りになってしまう‼︎」

「確かに‼︎」

「いいことじゃないか。友達とお揃いの制服だよ?」

「制服が亀甲縛りは嫌だ‼︎」

「う〜ん、何故納得しないのだろうか?」

「誰もが亀甲縛りを好きだと思うなよ⁉︎」

 

 とにかく、こんなバカにB1ランクの警報が出たのか⁉︎確かに、変態的な危険度なら出るけど………

 

「とりあえず、君たちを亀甲縛りにしてから先に進むよ。」

「貴様の思い通りにはさせない‼︎」

「グリグリ、協力するぞ‼︎」

「チュチュ、感謝する‼︎」

 

 それに、グリグリがここまで嫌悪する相手。ならば一緒に止めるまで‼︎相手の動きを読んで、カウンターのパンチを………

 

「もう遅いよ。」

「「なっ⁉︎」」

 

 嘘だろ⁉︎あーしら、もう亀甲縛りになってんだけど⁉︎いつ、いつ縄を出した⁉︎速すぎて見えなかった、対応できなかった‼︎

 

「チュチュちゃん、やはり君は隠れ巨乳*1だったんだねぇ。」

「なにっ⁉︎」

「うるせえクソ変態‼︎あーしの乳がデカくて何が悪い⁉︎」

「亀甲縛りは隠れ巨乳を暴くのにうってつけなのさ。乳房が大きいほど縄とのコントラストが映えるものでね。」

「テメェの性癖かよ‼︎」

 

 あーしの厚手の上着すらものともしない縄。くそっ、こんな姿が見つかったら、皆に変態だと思われる。

 

「というかグリちゃん、君は何故チュチュちゃんが巨乳なのを知らなかったんだい?」

「我は皆の入浴時に致しておる‼︎チュチュの裸は知らなかったのだ‼︎」

 

 そういやコイツ風呂だけいつも別だよな。そういうことかよ。

 

「ん?服越しにも分かるだろう?パーカー着てるから分からなかった、とは言わせないよ?」

「いや、分かんねえだろ‼︎」

「ぐぬぬ………」

「グリグリもなんで悔しそうなんだ⁉︎」

「乳房周囲の衣服の歪み方や影のつき方から分かるのが、真の乳房フェチだろう?三角関数は乳影から乳房のサイズを出す時に使うと、小学校で習わなかったのか?」

「三角関数をそんなことに使うな‼︎」

「ぐっ…………言い返す言葉も無い………」

「だから悔しがらなくていいって‼︎お前はあーしが誇る、最高の友人だ‼︎」

「チュチュ、感謝する………」

 

 相変わらずのいかれポンチな会話。いくらアーシアンといえど、数年住んだら立派な天王星人(ウラヌシアン)になってしまうということがよく分かった。

 

「亀甲縛りに出来たので、私は帰るとするよ。」

「「ええ…………」」

「誰もが、縛り付けらてるみたい〜だ♪」

「お前が縛り付けたんだろ‼︎」

 

 そして、変態は帰ってしまった。なんだったんだ、アイツ………

 

 

 

 

 

  side ノレア

 

 変態クソクソ亀甲縛りおじさんから連絡あり。

 

『皆さん、聞いてください。今から子供達だけは狙わぬよう、お願いしたい。』

 

 どうやらロリコンに目覚めたらしい。早く捕まれ。

 

『なんでだよ⁉︎相手はスペーシアンだよ⁉︎』

『亀甲縛りにして満足ではなかったのか、亀縛よ?』

『それが、船内の子供達は皆天王星人(ウラヌシアン)の友人なのです。』

『単身赴任中に情でも湧いたのか?よりにもよってスペーシアン相手に。』

 

 しかもスペーシアンを庇う発言。もう見てられない。流石にコイツは切り捨てていいでしょ。

 

『とんでもない!情は劣情しか湧いておりません!』

『それは問題だろ。』

『私が言いたいのは、天王星に手を出すことがハイリスクローリターンだと言うことです。』

 

 ハイリスクローリターン?ただ庇いたいだけの言い訳か?

 

『彼ら彼女らは自分の下半身のことしか考えていません。つまり他惑星への征服欲が無いのです。』

『それがどうした?スペーシアンであることに変わりはないだろう?』

『逆を言えば、彼らはスペーシアンの間でもそんなに権力を持っていません。彼らを倒したところで、アーシアンが田舎の小惑星を滅ぼした、くらいにしかなりません。我々アーシアンによる下剋上、とは思ってもらえないでしょう。』

『奴らスペーシアンからしたら、些細なことだというのか。』

『その通りです。』

 

 確かに、天王星は変態だということくらいしか知らない。他のクソスペ共からしたら、蚊が犬一匹殺したくらいのニュースにしかならないってことか……。

 

『しかし彼ら彼女らの技術力は破格の高さです。知られていないだけで。』

『その根拠は?』

『12年前に解散したアバンネットグループを覚えているでしょうか?』

『もちろんだとも。地球でもひたすら略奪の限りを尽くしたクソ野郎共だろう?』

『ええ。それらが解散した原因が、天王星に侵攻し返り討ちに遭ったからなのです。』

『………というと?』

『奴らは天王星を攻撃するも、逆に天王星人(ウラヌシアン)は奴らを全身性感帯にして追い返しました。私も現地でこの目で見たのです。』

『『『はぁっ⁉︎』』』

『MSの装甲を貫通し、操縦者に性的快感を与える攻撃。攻撃を当てた非GUND-ARMのMSを強制的にパーメットリンクさせ、GUND-ARMにするようなものです。』

 

 アバンネットグループ。当時ベネリットに並ぶ力を持った巨大な宇宙ヤクザ。そんな組織を解散にまで追い込んだ勢力だったとは……。現地で見てたのだから、確かな説得力がある。

 

『動けなくなるほどの全身性感帯になるリスクがあるのに、勝っても何も無い。これならば、大人だけを狙って殺し、天王星の息がかかった子供は放置すべきでしょう。』

『…………なるほどな。分かった、子供は見逃してやる。ソフィーも手を出すなよ?』

『くっそ‼︎手加減出来ないのに……っ‼︎』

 

 とりあえず、子供には攻撃しない。一旦慎重にならないと…………ん、私たちのコールサイン?プリンスの………仲間か。

 

『中にプリンスの仲間がいるとのコールサインあり。変態の話と併せてご判断を。』

『子供に手を出せない理由が増えたな。』

 

 もしや、あの中に連絡係がいるのか?

 

 

 

 

  side ニカ

 

 はぁっ………なんとかフォルドの夜明けの攻撃を誤って受けるところだった………間一髪………

 

『連絡係、こちらサビーナ。先ほど地球寮に入り、シャディクの捜索をしてるのだが………』

『アイツいないし‼︎』

 

 こんな忙しい時にかけてこないでよ………。まあ、ムカつく上司*2の情けない姿を見れるんでいいか………

 

『3階の私の部屋の前に卑猥度計と全自動アナル開発機を置いてます!それで探して犯してください‼︎』

『分かった、ありがとう。』

 

 ふぅ………。はぁっ………これでフォルドも掘ルドも完了…………

 

「ニカ………?今のは、何の会話だ………?」

 

 マズい………っ‼︎マルタンに見られた………っ‼︎

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 あの変態を倒したのに、停電が終わらない‼︎でも………

 

「よかった、チュチュとグリちゃんだ。」

「よかった。」

「アリヤにティル‼︎他の皆まで‼︎」

「2人とも…………」

「リリッケ、大丈夫か?」

 

 仲間と合流できた。

 

「くそっ、お前らこんな時にその格好はなんだ⁉︎」

「変態テロリストに襲われたんだよ‼︎」

「元我が近所のおじさんで、今はアーシアンだ。」

「はぁ⁉︎さっきの攻撃してきた連中とは別の⁉︎」

「というかアーシアンなのか、テロリストたち……」

「「攻撃っ⁉︎」」

 

 が、オジェロとヌーノの発言でとんでもない事実が判明。流石にあの変態だけじゃ、B1ランクのの警報は出ないってわけだ。テロリストに襲われてる、これはマズい‼︎

 

「ひとまず援軍を呼ぶ‼︎幼女愛護艦隊に連絡する‼︎」

「それ援軍なの?」

「あーしがそこの代表と会った、間違いねえ‼︎それよりニカ姐とマルタンは⁉︎」

「奥にいる。今すぐ戻ってくると思う。」

「良かった………」

 

 とりあえず、ロリコン艦隊は来てくれそう。そこが来れば一旦耐えるが………

 

「ならばスレッタとミオリネだ。セックスしないと出られないテントの中におるが……」

「「「「えっ………?」」」」

「「あっ…………」」

 

 しまった、アイツらがヤバい‼︎テントの中のままじゃん‼︎もし事後なら、すぐに敵に命を狙われるぞ‼︎

 

「グリグリ、テントの耐久性は⁉︎」

「セックスしないと出られないだけあって、外からの攻撃にも耐えられる‼︎だが中には様々なエログッズがある‼︎エッチな雰囲気になるよう内装もされている‼︎」

「つまり、2人が理性に耐えられるかどうか、か‼︎」

「ああ‼︎」

「「「「ええ…………」」」」

 

 くそっ、大丈夫か、アイツら⁉︎

 

 

 

 

  side ソフィー

 

 帰還命令、マジだるっ……‼︎こちとら戦いたいのに‼︎

 

 ん、あの機内に見えるのは…………テント?しかもあのシルエット………まさか、水星の魔女⁉︎

 

『しゃあ、水星の魔女発見‼︎』

『ソフィー、攻撃するなって。』

『でも……っ‼︎』

 

 それにしても、影がもう一つ………。というかあの動き………何してんだ、アイツら?まさか………っ⁉︎

 

 

 

 

  side スレッタ

 

 私とミオリネさんはテントの中です‼︎そして、ここに近づく誰かの足音がします‼︎誰でしょうか⁉︎

 

「テントの中にいるのは、デリング・レンブランの娘………コイツを拉致すれば、デリング・レンブランをおびき寄せて殺せる‼︎地球に帰れなくても、アイツとはここで刺し違える‼︎」

「はぁっ………⁉︎ひぃ………///」

「ミオリネさん‼︎」

 

 影で分かるようです‼︎声からして、男の人ですね。でも、私とミオリネさんの邪魔はさせませんよ‼︎

 

「やめな………さいっ‼︎」

「グハァ‼︎ぐわぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 私がテント越しにヒップアタックをしました‼︎どうやら通路が傾いてるらしく、そのまま男の人はどっかに転がっていきました‼︎ちなみにテントの中はすごい丈夫なようで、外が傾いてようが何の影響もありません‼︎

 

 さてと、私もミオリネさんに近づいて………

 

「へっ、よっ、ほっ!あっ!締まらないなぁ〜。」

 

 滑って転んでしまいました!テント内に広がるミオリネさんの血と汁に足を滑らせたのです!手にもミオリネさんの血が着いちゃいました!あっ、ちなみに血は下の口から出てきたものなので、安心して下さい‼︎

 

「犯しに来たよ、ミオリネさん♪」

「なんで、笑ってるの………?///」

「ふぇっ?」

「………変態///」

 

 ということで、テントをもう一回閉め、2回戦です‼︎

*1
チュチュは隠れ巨乳だ。私がそう判断した。

*2
シャディク




亀甲縛りおじさんのプロフィールです。

亀縛怒肢夢
性別:男
身長:172cm
髪:白髪混じりの黒
性格:変態(亀甲縛り)、自己中
年齢:34歳(見た目は54歳)
所属:フォルドの夜明け 
元天王星偵察員 現遊撃隊長


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第二十七話 射精管理

待ってくださいよぉ、ニカとソフィ&ノレアって面識無かったの⁉︎嘘でしょ⁉︎

あと、アニメの話の順番をちょっと入れ替えてます。


  side チュチュ

 

 プラント・クエタの奇襲からあーしらは無事帰還………したと思ってた。

 

「そんな………私がおっ始めてる時に、ミオリネさんのお父さんが………」

「ヴィム・ジェタークも亡くなったとさ………」

 

 確かに生徒らは全員無事だった。しかし大人たちが軒並みテロリストらの襲撃を受け、グエルの親父は死亡、ミオリネの親父は危篤と散々な状態になってしまった。

 

「すまぬ、我があんなテントを用意するから………」

「いえ、アレのおかげで私とミオリネさんは助かりました!」

「何もかも襲ってきたテロリストが悪いんだろ‼︎お前は悪くねぇ‼︎」

「感謝する………」

 

 幼女愛護艦隊が駆けつけたものの、敵の撤退も早く返り討ちにすることは叶わなかった。

 

 

 

 

 ちなみに、今はこれからスレッタを見送るところだ。相変わらずホルダーと決闘したい連中が多いようで。学園の生徒らは皆ワイワイガヤガヤといつも通り盛り上がっている。

 

「ったく、何も知らねえで呑気によぉ。」

「仕方ないよ。本当に知らないんだから。」

「プラント・クエタのこと、どのメディアも事故として扱ってる。」

箝口令(かんこうれい)が敷かれてるんだろ〜。俺らも口外すれば即退学ってさ。」

 

 だってあの事、知らないのだもの。

 

「やられたまま黙ってろってのかよぉ⁉︎」

「喧嘩じゃないんだぞ〜。」

「だって許せねえだろ、テロなんて‼︎」

 

 しかもやられっぱなしで黙っていなきゃいけない。怒りで身体中の水が全て沸騰しそうな気分だ。

 

「やり返したら君までテロリストになってしまうぞ、チュチュ………」

「くっ………」

 

 そんなあーしを、グリグリは宥めてくれる。コイツに誇れる友人にならないとな………。少しだけ冷静になれた。

 

「それに、バレたらマズいだろう?テロリストの一味にアーシアンがいたんだろ?僕もリモートで一瞬だけ見れたよ。」

「………そうだな、氷仮面。」

 

 旧エランの言う通り、アーシアンがテロリストに加わってると知ったらますますバカにしてくるだろう。いや、バカにするどころじゃ済まないかもしれない。

 

「お前もバレたらマズいだろ。」

「そうだな。新エランにベルメリアさんが社員になったせいで、居場所が更に減ったな………スレッタ、一緒にエアリアルの中に……」

「ごめんなさい、エラ……氷仮面さん!私決闘に行って来ます!」

「あっ、うん………」

 

 ちなみに、旧エランはスレッタがミオリネと例のテントでしたことを知らない。呑気なことだ。

 

 

 

 

 そんなことを思ってると、

 

「我も決闘に行ってくるぞ。」

 

 グリグリも決闘の番となった。最近アス校の中で、グリグリとの決闘を罰ゲームにする文化が流行っている。その圧倒的な技術から、勝つことはほぼ困難であり、負けてイき恥を晒してしまうことを活かして。時折公衆の面前で恥を晒すことに快感を覚える連中もいるけど。

 

「お前、クエタのことで疲れてんだろ。あーしが体調不良で延期にしておくよ。」

「いいや、大丈夫だ。今回の件で分かった、我は強く、そしてエロくならねばならないと。」

「エロくはならなくていいだろ。」

 

 グリグリは元から真面目な性格で、どれだけ忙しくても全ての決闘を受けたり、MD(モビルディルド)の練習を怠らなかった。しかし襲撃後から、輪をかけて取り組んでいる。

 

「そのためにも、鍛錬に励まねばならぬ。」

「わーったよ。その代わり、スケジュールはあーしやセセリアたちと相談な。決して過密にはしねえから。」

「承知した……。気遣い、感謝する……」

 

 グリグリ変態で優秀だけど、メンタルがあまり強くない。だからあーしが支えてやらねえと。クソスペ共が遊びで彼女を使うあまり、彼女が疲れたら可哀想だし。

 

 

 

 

 数時間後、あーしらとグリグリは決闘委員会のラウンジに来ていた。今から決闘するスレッタの観戦………ではなくグリグリのスケジュール調整だ。

 

「これより、決闘を執り行う。決闘方法は連戦方式。ホルダーとの対戦に挑戦者が勝った場合は、その者が次の挑戦者と決闘を行い、最後に勝ち残ったパイロットをホルダーとする。これは決闘委員会が承認した正式な決闘である!立会人はペイル寮寮長、エラン・ケレスが務める‼︎」

 

 ちなみに新エランがノリノリで立会人をやっている。知らない人からすると誰だコイツ状態だが、事情を知ってる人からすれば何も不思議ではない。

 

「ていうか、ジェターク寮の代理がな〜んでフェルシー・ロロなわけ〜?激萎えなんだけど〜?」

「おちんちんが萎えたのか、レネ?」

「はぁ⁉︎生えてるわけないでしょうが⁉︎バカじゃないの⁉︎」

「ざまあレネw。サビーナ先輩だけで充分だっつーのw」

「うちはテメェんとこみてえに極薄じゃねえんだよ‼︎」

「極薄⁉︎ジェタークのコンドームは……」

「作ってねえって‼︎」

 

 そして決闘委員会のメンツはなんか斬新。フェルシーにレネという煽り耐性0の奴らがやってきてる。つーかサビーナ居るならレネ要らねえだろ。

 

「くそっ、シャディクはどこに消えたんだ……っ!」

「マジぃ〜、まだ見つかんないの〜⁉︎」

「2人とも〜、仕事してくださ〜い。」

 

 どっちも要らねえな。立会中にシャディクすな。

 

「ところでセセリア、グリグリの件。」

「エッチな機械のこと?」

「あれ〜、ロウジ君興味あるの〜?レネお姉さんが教えてあげよっか♪」

「ひぃ!」

 

 何がひぃ、だ。いつもセセリアをひぃひぃ言わせてるくせに。

 

「ちょっと!人の男に手を出さないでちょうだい。」

「へぇ〜、そういうことね〜♪」

「代わりに我が君の乳を揉もうか?」

「それは嫌、来るな‼︎」

 

 あとセセリア、普通にロウジとの関係を口外するんだ。一応黙ってたけど、これからは喋ってくか〜。

 

「それはそうと、グリちゃんはホルダーじゃないから、断ってもいいのよ〜?どうせふざけ半分な連中だらけだし〜。」

「それはしない。我が鍛錬の機会をくれた感謝をせねば。」

「アンタってエロが絡まなければホント真面目ね〜。」

「エロが絡んでも真面目だろ。」

 

 それはそうと、グリグリのスケジュール調整だな。

 

「とりあえず、ペースはどうする?」

「二日に一件までだな。んでオープンキャンパスとか学園祭とかのイベント前日、当日、翌日は無し。」

「我はいけるのだが………」

「グリちゃん、気持ちだけで身体がついていかない現象はよくある。それに、機械というのは何度も使えば壊れるもの。大切に扱ってあげないと。」

「うむ……、確かにロウジの言う通りだな。分かった、その計画を受け入れよう。」

「アンタって物分かりいいわね。」

「だろ⁉︎」

「なんでアンタが自慢げなのよ………」

「これが俗に言う射精管理か………」

「違えよ‼︎」

MD(モビルディルド)の機構的に合ってると思うけど……」

 

 ロウジのアドバイスのおかげで、グリグリも調整する気になった。これはいいこと。無理して身体も機械も壊れたんじゃ意味ねえからな!お前の気合いは充分過ぎるほど認めてっから、コンディションの調整を大切にしねえとな!

 

 

 

 

 

  side クソスペ女2人組

 

 私たちはペイルの社内と思われる場所までやってきた。エラン・ケレスに連れられて。

 

「ここが君たちが復讐を遂げるために、力を身につける場所だァ!」

「流石ペイル、デカいわね………」

「色々ありそう………」

 

 目の前には空まで届くような巨大なビルだらけ。その光景はとても荘厳で、御三家の偉大さを感じる。

 

「今日は今から案内する部屋で休んで。そして明日からはァ、我が社のMSに慣れる訓練を始めるよ。」

「「は〜い!」」

「プラント・クエタの襲撃。これで重役が1人死亡の1人重体に。これはいい機会だからなァ、出番はもうすぐやってくるかもよ?」

 

 そして、狂犬ポメラニアンと変態ウラヌシアンに復讐出来る。強くなって、今度こそ確実に‼︎

 

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 あーしとグリグリは夕焼け道を歩いていた。

 

「チュチュ、いつもいつもすまないな。」

「いいってことよ!」

「お礼にエッチな本を贈呈する。」

「それは要らねえ‼︎」

 

 それにしても、この間グリグリが珍しく怒ってたよな。亀甲縛りのおっさんに。たがが変態なくらいで怒るような奴じゃないから、珍しいと思った。きっとあのおっさん、変態以外にもヤバい性格なのかもしれない。そうじゃないと、彼女が怒ってる理由にならないからだ………

 

「み〜つけた、スレッタお姉ちゃん♪」

「ええっ⁉︎」

「………こんばんは。」

 

 ん、ちょっと待て⁉︎スレッタお姉ちゃん⁉︎誰だあの女2人⁉︎知らねえんだけど⁉︎スレッタも知らなそうな顔してるし………どういうことだ⁉︎




ソフィ&ノレアが来る次の話(アニメ13話後半)から新章ということにします。


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第五章 姉妹
第二十八話 エッチからの使者


オープンキャンパス、僕が書いた学園祭とちょっと被ると思ってませんでした!アニメ14話〜15話の部分悩みますね〜。

あとリリッケ。原作でチュチュと全然話さないから知らなかったけど、同級生にも敬語なの?それとも初対面だから?分からないので後者にしときます。


  side チュチュ

 

 スレッタに妹⁉︎どういうことだ⁉︎

 

「スレッタ、まさかミオリネとヤった時に……っ‼︎」

「娘なわけねえだろ‼︎」

「ならばスレ母に隠し子……?」

「かもな………。でもスレッタは知らねえのか?」

「確かに………。一方的なのが謎だな。」

 

 1人はオレンジ髪の女で、あーしらと同じか少し年下くらい。髪の色のように元気な感じの女だ。もう1人はさっきの子と同い年くらいで、深緑の髪色と大人しい性格をしているようにみえる。

 

「会いに来たよ、スレッタお姉ちゃん♪」

「…………」

「えっと、どちら様で………?」

「とりあえず部屋行こっか。」

 

 隣にいるニカ姉も誰だかわからない様子。これは一体………?とにかく訳がわからないので、寮の中に移動するっぽい。あーしらもついてくか………

 

 

 

 

 寮の中で、あーしらは対面することとなった。

 

「入寮希望………?」

「アーシアンならここを当たれ、と。」

 

 アリヤが聞き返し、深緑の髪の奴が答える。さっきの元気そうな奴とは対極的に、大人しそうな奴だ。イメージ通りだな。

 

「大人しい方がノレア・デュノクで、元気な方がソフィ・プロネ。両方ともパイロット科1年。随分と半端な時期に編入してきたんだね♪」

 

 そして、しれっといる新エラン。

 

「テメェはさらっと輪に入んなし‼︎」

「寂しいな〜、同じ会社の仲間だろう?プラントには誘ってもらえなかったけど。」

「根に持つんだな、そういうの。」

「氷仮面君も誘われなくて残念だよね〜。」

「…………」コクッ、コクッ

 

 ちなみに隣には旧エランもいる。どうやら新エランに気に入られたらしく、身バレまで秒読みといったところだ。

 

「マルタン、どうする?」

「アーシアンなら、うちは歓迎だよ。」

 

 それはともかく、ここに来て貴重なアーシアン。しかも同級生で同じ科。これは仲良くしねえとな‼︎

 

「あーしは同じ科同じ学年のチュアチュリー・パンランチ!チュチュって呼んでくれ!」

「我も同じくエバーグリーン・ウラヌス。長いのでグリちゃんでもグリグリでも好きに呼ぶとよいぞ。」

「私は科は違うけど同じ1年生のリリッケ・カドカ・リパティー。よろしくね!」

「おお、よろしくよろしく〜!」

「よろしく。」

 

 とりあえず、1年ズで自己紹介。ソフィとは仲良くなれそうだが、ノレアは人見知りなんか?なんか心の壁を感じる。

 

「ちなみに我が性癖はおっぱいだが………」

「いきなり猥談すんな‼︎」

「しまった、つい癖で。」

「キモっ………」

 

 そして、グリグリは相変わらずの調子。早速ノレアには引かれた。

 

「おお〜、もしかしてアンタが噂の天王星人(ウラヌシアン)?」

 

 そして、ソフィは一瞬で出身地を当てた。

 

「なんと、君は天才か⁉︎」

「いや、変態と言えばそうなるっしょ!」

「素晴らしい!我のエロ本をあげようではないか‼︎」

「ええ…………」

「困らせるだけだからやめとけ‼︎」

 

 まあ、変態=天王星だしな。あーしは逆にそれしか知らなかったけど。ソフィやノレアもきっとそうだろう。遥か遠くに変態の惑星があるって聞かされてて。

 

「2人とも、心配しないで〜!時期慣れるから〜!」

「リリッケ、その安心のさせ方どうなん⁉︎」

「分かった!」

「分かるな、ソフィ‼︎」

 

 ぶっちゃけ、黙ってドン引きしてるノレアの反応が正常だ。彼女の人柄の良さを知らなければ、仲良くしようとは思わないだろう。

 

 

 

 

  

  side ノレア

 

 アイツが変態クソクソ縄おじさんが言ってた女か………。変態には近づかないようにしよう。思わず殴ってしまいそうだし。殴ったら大量の変態が反撃してくるらしいし。触らぬゴミに祟り無し、か。

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 そういや、コイツらはなんでスレッタのこと知ってたんだろう?

 

「アタシね〜、学校なんて興味無かったんだけど、お姉ちゃんがいるから来たんだよ〜。」

「もしや、会社のAVのお陰か?」

「PVな‼︎」

「あ〜、まあそんなとこ。だから色々教えてよ、スレッタお姉ちゃん♪」

 

 なるほどな。あのPV、やっぱり効果あったんだ。頑張って作った甲斐があったぜ‼︎

 

「色々⁉︎つまり、いやらしいことも、か⁉︎」

「んなこと教えんな‼︎」

「ミオリネに怒られるのでは……?」

「お前がな‼︎」

「お姉ちゃん………分かりました‼︎お姉ちゃん、ソフィさんに頑張って教えます‼︎色々‼︎」

「ありがと〜♪」

 

 とりあえず、あーしに新しい友達が2人出来た。やったぜ‼︎

 

 

 

 そんなことを思っていると、

 

「それはそうと、明日からオープンキャンパスですね!2人に校内を案内するチャンスです!」

 

 リリッケが話題を変えた。そういやオープンキャンパスだったな。

 

「学園に入学希望者が来るのだな。」

「学園祭以来のお祭り騒ぎだぜ‼︎」

「おお〜!スレッタお姉ちゃん、一緒に回ろっ!」

「任せてください‼︎」

 

 学園祭から2ヶ月くらい。アーシアンの後輩らももちろんやってくる。ソイツらのためにも、いい顔しねえとな‼︎

 

 ちなみに、寮のアピールをするためにも準備をする。エアリアルやデミトレーナーの準備、更には株ガンの宣伝と、やることが意外とある。というか既にやってる。

 

「そういやグリちゃんとチュチュは、寮エントランスの飾り付け終わった?」

「まだだな。今からやってくる。」

「ありがと〜!」

 

 ということで、あーしとグリグリはエントランスに向かった。

 

 

 

 

 あーしは飾り付けをしながら、グリグリと話していた。

 

「新しい友2人、良い子そうだったな。」

「ノレアには引かれてたのに、よく言えるな。」

「慣れたものだな。ああいう目線も興奮するし。」

「すんな‼︎」

 

 グリグリは最近性癖が増えたらしい。

 

「そういや、天王星からは来ねえのか?」

「う〜む、一応1人だけだな。」

「やっぱ少ねえんだな。」

「遠いからな。」

「お前は姉が通ってたからだっけ?」

「そうだな。」

 

 また、天王星からは一応1人とのこと。遠い上に文明レベルが2・3世代前の学校なんて、普通の奴は来たがらねえか。変態も少ないし。最近グリグリのせいで増えたけど。あと、

 

「つーか、一応ってなんだ?」

 

 一応の前置きが気になる。なんでその言葉をつけたんだ………?

 

「今23歳でな。」

「あーしの8つ上⁉︎教師の間違いじゃねえのか⁉︎」

「生徒として来るのだ。」

「マジかよ………」

 

 なんでそんな大人が学生しにくんだよ⁉︎失われた青春取り戻しに来んな‼︎大人しく社会の荒波に揉まれとけ‼︎

 

 

 

 

  side メスガキ王子

 

 あれがアスティカシア学園、通称アス校‼︎アナルを略称にするだけあって、変態がめっちゃ居そうな雰囲気してるぜ‼︎爺ちゃん(煩悩陛下)も褒めてたし、期待していいよな‼︎

 

 そしてなにより…………う〜ん、するなぁ。生意気で反抗的なメスガキの香りが‼︎あぁ〜、早く俺様のデカチンポでわからせてぇ‼︎そのために23歳新1年生になるんだからよぉ‼︎楽しみだぜ‼︎

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 どうやら新入生はロリコンの変態らしい。しかもメスガキ大好き。

 

「おい、そいつ他の寮に追い出せねえか?」

天王星人(ウラヌシアン)は地球寮と決まってるわけではないからな。我が姉はペイルだったし。」

「じゃあジェタークかグラスレーでいいんじゃね?ジェタークにはフェルシー、グラスレーにはレネがいるんだし。」

 

 これは地球寮に入れるわけにはいかない。グリグリは人柄が良いから入れてるだけで、本来は追い出すのがベストだ。

 

「フェルシーとレネがメスガキ……。まあ、歳上から見たらそうなるか………」

「誰がメスガキだってぇ⁉︎」

 

 そんなことを話してると、まさかのフェルシー本人が登場。

 

「ねぇフェルシー、グエル先輩のパンツで前が見えないんだけど。」

「知らねえよ‼︎自分で被ったんだろ‼︎」

 

 変態化したペトラと一緒に。

 

「すまない。来年の新入生にメスガキ大好き23歳男性がいるものでな。彼目線での話だ。」

「そんな奴入学させんな‼︎」

「ジェタークが引き取ってくんね?」

「「嫌だっつーの‼︎」」

 

 フェルシーはともかく、ペトラは否定できる立場か?自分の恰好鏡で見てこいや。

 

「んで、何しに来たんだテメェら?」

「グリグリが明後日のランブルリング*1の出るのか気になってね。」

「「ランブルリング?」」

「出なそうならいいや。あーあ、本来ならグエル先輩がカッコよくキめる予定だったのになぁ〜‼︎」

 

 ランブルリングってなんだっけ?なんか開催要項に書いてあった気がするけど………まあいっか。

 

「そういや、グエルは相変わらず野宿なのか?最近姿を見ないような気がするが………」

「「それが…………」」

 

 確かに、言われてみれば最近グエルを見かけない気がする*2。あの決闘以外で絡んだこと無いし、見かけなくてもおかしくないけど………。コイツらは何を言い淀んでるんだ?

 

「実は、ここ最近ずっと行方不明で………」

「探しても全然出てこないんだよ……」

「えっ、マジ………?」

 

 嘘だろ……?そんなこと………

 

「なんだとっ⁉︎」

 

 うわっ、びっくりした⁉︎確かに大声出してもおかしくない話だけど‼︎

 

「早急に探さねばならん‼︎幼女愛護艦隊にも早速連絡する‼︎」

「グエル先輩は幼女じゃ………」

「天王星の大気圏外治安維持部隊だよ。」

「それは助かる。」

「けど、どうしてそこまで協力を………?」

「それは………だな………」

 

 確かに、グエルとグリグリは決闘以外の絡みはない。私的な繋がりは全くと言っていいほど無く、ここまで焦って助けに行くような間柄じゃない。でも、グリグリの人柄を考えれば、ここで大慌てで動くのがらしいっちゃらしい………

 

「我が姉も………行方不明だからだ。」

 

 えっ………?嘘………?マジ……で?

*1
バトルロイヤル方式の模擬戦、オープンキャンパス最終日開催

*2
エランやシャディクに比べて圧倒的に出番少ないですよね。嫌いなわけじゃありませんよ?




原作ではフェルペトが喧嘩売りにくる展開でしたが、本作では仲良いのでこう変えました。グエルの行方不明に合わせて、遂にこの事実を出します。


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第二十九話 いやらしき過去の日々

  side グリグリ

 

 物心ついた頃から、我の家族は3()つ上のスカ姉だけだった。父は分からず、母は我を産んだ直後に病死。それでも、我は全然寂しいとは感じなかった。

 

「グリちゃん!あっちにエロ本落ちてたわ‼︎行くよ行くよ‼︎」

「スカ姉、足速いのだぁ………」

「あっ、ごめんごめん!ほらっ、おんぶしてあげるね‼︎」

「かっ、感謝する……っ!」

「可愛いね〜、グリちゃんは♪」

 

 スカ姉は陰気で泣き虫な我と違って、とても元気で活発だった。長いオレンジがかった赤髪をなびかせ、我よりも小さい背*1でぴょんぴょんと動き回っておった。活発すぎて、よく様々な人と喧嘩になっておったが。だが、いつでも我のことを助けてくれた。我が同級生の男子に絡まれた時だって、

 

「うわっ、エバーグリーンだw」

「真面目な癖にたいして変態じゃない女だっけかw」

「変態の才能無さすぎぃ‼︎」

「何の性癖も持ってねえ奴が、人のことバカにしてんじゃないわよ‼︎」

「す、スカ姉………」

「うわっ、おっかない姉ちゃんだ‼︎」

「「逃げろ‼︎」」

「待ちなさい‼︎キンタマ蹴り飛ばしてあげるから‼︎」

「す、スカ姉!喧嘩しなくて良いから………っ!」

 

 我のことを助けてくれた。

 

「アイツらの言うことなんて気にしなくていいわ!アンタはアタシが認めるサイキョーの妹なんだから。もっと自信持ちなさい‼︎」

「か、感謝する……っ!ぐすっ……我もスカ姉が最高の姉ぞ‼︎」

「ありがと〜、グリちゃん!も〜、そう泣かないの!」

 

 グリちゃんというあだ名も、スカ姉につけてもらった。本人は長いからそう呼んだだけなのだが、我はたいそう気に入っていた。

 

「それじゃあ、ロリおじさんのとこに帰るわよ‼︎」

「うむ‼︎」

「おっ、スカちゃんグリちゃんやないかい!丁度ええとこにおったな!」

「「ロリおじ‼︎」」

「今から買い物やさかい、ついてくるか?」

「うん!」

「うむ‼︎」

 

 ちなみに、我とスカ姉のことはロリ*2が面倒をみてくれた。幼女愛護艦隊の勤務もあるというのに、赤の他人だった我らを養ってくれた。育ての親というものだ。彼にも本当に感謝している。

 

 

 

 

 それはさておき、スカ姉には一つの特技があった。

 

「みてみてグリちゃ〜ん!人形作ったの!」

「おお、凄いのだスカ姉‼︎」

「これなら天下取れるんちゃうか⁉︎」

「でっしょ〜♪」

 

 人形作りである。器用で繊細な手先から生み出される表情豊かな人形たちは、まるで本当に動き出すかのような躍動感があった。家の中はいつも彼女が作った人形で賑わっており、まるで大勢の友達に囲まれてるかのような感覚を味わうことが出来た。

 

「アタシ、将来はダッチワイフ職人になる!」

「おお、ええな!エッチな人形づくり‼︎」

「スカ姉にはぴったりなのだ‼︎」

「ダッチワイフでエッチなライフを‼︎これがアタシの夢よ‼︎」

 

 また、夢を真剣に追い求める姉の姿は輝かしく見えて、そんな姉が我は誇らしく思えた。自分に何も無いのも相まって、我は彼女を応援するのが本当に楽しかった。

 

 

 

 

 その後、スカ姉は中3となり、高校を選ぶこととなった。

 

「グリちゃんグリちゃん、聞いて聞いて‼︎」

「どうしたのだ、スカ姉?」

「ちょー面白い高校発見したの‼︎アスティカシア学園、通称アス校‼︎略称がアナルだよ‼︎」

「おお、これは面白い高校だな。」

「アタシ、ここに行きたい‼︎アナル好きだし‼︎」

 

 えらく興奮した姉は、飛び跳ねながらアス校のサイトを見せてくれた。略称は確かに面白い。

 

「でも、ここ天王星外ぞ?しかも小惑星帯。」

「うん!」

 

 でも、どこか素直には喜べない自分がいた。天王星は他の惑星からかなり離れている。一番近い土星や海王星でさえおよそ14億km。*3小惑星帯ともなれば、約25億kmにもなってしまう。そんな遠くにスカ姉が行ってしまうことが、寂しかったのだ。

 

「天王星外の人のニーズも把握して、宇宙一のダッチワイフ職人を目指すわよ‼︎そしてアタシらを捨てた親父を見返してやる‼︎」

「スカ姉の夢だものな。応援する。」

 

 しかし、我がスカ姉の夢を邪魔するわけにはいかない。ここは自分の気持ちをグッと堪えて、素直に応援するべきだろう。そう思ってたのだが………

 

「………グリちゃん、寂しい?」

「いや、そんなことは………」

「嘘ついてるでしょ〜♪お姉ちゃん分かるんだからね!」

「すまない…………」

「大丈夫〜!毎晩テレビ通話するからさ〜!」

「か、感謝する………っ!」

「泣くほど嬉しいんだね〜!よしよ〜し!」

 

 姉には見抜かれていたようだ。本当に、スカ姉には頭が上がらなかった。そして、とても感謝していた。毎晩のテレビ通話を楽しみに、これから頑張ろう。2()年前のこの時は、そう思っていた。

 

 

 

 

 しかし、しばらくするとテレビ通話が一切無くなった。

 

「スカ姉………」

 

 最初は疲れてるかと思った。もしくは友達とのおしゃべりで忙しいか。でも、スカ姉の性格を考えると………そういった理由でテレビ通話しない人ではないと思っておった。だとしたら、何か悪いことに巻き込まれたのか………?不安が頭をよぎる中、

 

「グリちゃん、辛いと思うがが聞いてくれ。ここ数日スカちゃんが行方不明やねん。」

「えっ…………?」

 

 その不安は現実となってしまった。スカ姉が行方不明。学園もペイル社も彼女と連絡がつかないとのこと。

 

「スカ姉………スカ姉………っ‼︎」

「今はワイらが捜しとる。絶対すぐ見つけたる‼︎」

「お願い……申し上げる………」

 

 一体どこに行ったのだろうか………?誰かに誘拐されたのか………?不安で夜も夜も眠れなくなり、遂には我慢出来なくなった。

 

「ロリ*4よ、聞いてくれ。」

「どうしたんや、グリちゃん?」

「我が入学してスカ姉を捜す。」

「ホンマに言うとるんか⁉︎」

 

 スカ姉を見つけたい。スカ姉を救いたい。今までずっと助けられてきたのだから、今度は我が助けたい。彼女がまた笑っていやらしく過ごせる日々を取り戻したい。

 

「スカ姉が行方不明になった学園やで‼︎危ないからアカン‼︎」

「でも、我が生徒として内部に入れば捜しやすいだろう‼︎」

「アンタまで居なくなったらどないするんや⁉︎」

「居なくならん、絶対に。」

「あのなぁ………」

「すまんロリ、頼む。この通りだ‼︎」

「あっ、頭は下げんでええから‼︎分かった分かった、受けてええで‼︎推薦はディルディアンのパンティーに頼んどくから‼︎」

「感謝する‼︎」

 

 こうして、我はアス校入学に向けた勉強を始めることとなった。元々MD(モビルディルド)の操縦は得意だったこともあり、パイロット科として受験をすることにした。アス校は編入試験も頻繁に行なっており、飛び級も可能。そのため、我は何度も受けまくった。受けて受けて受けまくった。

 

 惑星首脳陣や理事長達の気遣いからか、我は座学と実技の合格点を超えてても、面接点で調整され落とされることがよくあった。大人達も我の身を案じたのだろう。その気遣いには感謝している。でも、我はスカ姉を見捨てるわけにはいかなかった。面接で調整されるなら、座学と実技で黙らせるだけの点数を取ればいい。

 

 スカ姉を助けるために頑張り続けた結果、遂に首席となり我を入れざるを得なくなった。こうして我はスカ姉の入学から丁度2()年後、遂にアスティカシア学園に14歳で入学することとなった。

 

 

 

 スカ姉がもし普通に通ってるのだとしたら、ペイル寮の3年のはず。そのため、新旧エランやベルメリア、更にはマルタンなどの3年生を中心に聞き込みを行った。地球寮の3人は見たことない、と。

 

「エラン*5よ、少し時間良いか?」

「何?」

「スカーレット・ウラヌスって知っておるか?」

「知らない。会社でなんか気にかけてたらしいけど、僕は関わってない。」

「そうか………」

 

 旧エランも何も知らず、

 

「エラン*6よ、少し時間良いか?」

「どうしたの、グリちゃん?」

「スカーレット・ウラヌスって知っておるか?」

「う〜ん、知らないなぁ。会社でなんかやってたらしいけど、僕下っ端だから分かんな〜い!」

「そうか………」

 

 新エランも知らなかった。

 

「ベルメリアよ、少し時間良いか?」

「いいよ。何かあったの?」

「スカーレット・ウラヌスって知っておるか?」

「ああ……あの子ね。ごめんね、私たちの方でも足取りを追えてないの。」

「そうか………」

「入学式の1週間前に来てね、しばらくうちの御曹司*7と仲良くしてたんだけど………急にどっか行っちゃって………」

「そうなのか………」

 

 ベルメリアはロリが貰ってた情報と同じことを言った。確かにスカ姉はエランと仲良くしてたと、ビデオ通話で言っておった。旧エランが知らないと言うことは、更に前のエランと仲良くしてたのだろう。しかし、肝心の更に前のエランは………

 

「なあ氷仮面よ、教えられる範囲で構わないのだが………」

「どうした?」

「お主の前のエランはどうしたのだ?我が姉と仲良かったのだが………」

「………死んだ*8。僕も本来死んでることになってる。」

「そうか………」

 

 既に死んでいた。

 

 

 

 こうして、ペイルからの手がかりはだいたい揃ったのが現状である。しかし、これ以降の打開策が見出せない状況にいた。

 

 もしかしたら、チュチュに協力してもらえば良かったかもしれない。でも現状、大切な友人を危険なことに巻き込むわけにはいかなかった。だから、皆が風呂の時間に自慰と称して捜索活動をしていた。正直、今もこの事を言うか、迷ってたくらいだ。でも、いくら隠してもチュチュになら見抜かれてしまうだろう。そんなところに………1つ年上の貴女に、ついスカ姉の姿を重ねてしまうのだ。

*1
146cm

*2
幼女愛護艦隊の関西弁隊長、おエロいさんとして登場済み

*3
太陽までの距離の差で算出しているため、実際の距離は公転時の位置でかなりズレます。天王星から太陽までの距離は、1個手前の土星からのそれの2倍と言えば、分かりますかね?ちなみに海王星と太陽の距離は土星のそれの3倍です。小惑星帯が0.3〜0.4倍くらいですかね。

*4
中学生になっておじさん呼びは消えました。

*5
4号の方、スレッタとの決闘前に聞いてる

*6
5号の方

*7
エランのこと。強化人士の件で4号5号と話しが合わなくなると、強化人士のことがバレかねないため、敢えて名前は出してない。

*8
エラン3号が。




ここでようやく登場、スカーレット・ウラヌスのプロフィールです!

スカーレット・ウラヌス
性別:女
身長:146cm
髪:少しオレンジがかった赤髪
性格:変態(アナルフェチ、ダッチワイフ)
年齢:17歳の代(マルタンやグエルらと同じ)
所属:アスティカシア学園 ペイル寮3年
身内:エバーグリーン・ウラヌス(妹)


あと、グリちゃんはチュチュやリリッケの1個下です。年齢を隠してましたが、ここで判明です‼︎


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第三十話 彼女たちのネガイ Part1

アニメ14話観ました。マジか………


  side チュチュ

 

 グリグリの事情を知ってしまった。こんな状況ながらも、周りへの気遣いを忘れないのは本当にすげえ。アス校に来たのも、全然自分の欲望のためじゃなかったんだな。

 

「すまぬ………」

「なんでお前が謝んだよ。それより捜し方考えようぜ‼︎一緒に捜すから‼︎」

「チュチュ……っ!」

 

 そんな友達を支えるのが、あーしの役目だ。今はあーしがお姉ちゃんしてやらねえとな‼︎

 

「ちなみに幼女愛護艦隊は姉ちゃんの捜索もしてるのか?」

「もちろんなのだ。」

「それにグエル先輩を追加する、でいい?」

「そうだな、ペトラ。」

「グエル先輩の写真とか特徴とかを送ればいいんか?」

「そうだな、フェルシー。」

 

 グエルとスカーレットの捜索。あーしも一度でいいから、スカーレットに会ってみたいもんだ。喧嘩っ早いとことか気が合いそうだし。

 

 

 

 

 そんなことを思ってると………

 

「大変〜!」

「どうした、リリッケ⁉︎」

「ニカ姉が怪我したみたい!」

「はぁ⁉︎」

「なんだとっ⁉︎」

「ファラクトの調整中に事故ったっぽいけど……」

 

 またしても大ニュースが飛び込んできた。ニカ姉の怪我⁉︎

 

「チュチュ、向かうぞ‼︎」

「おう‼︎」

「私とフェルシーで保健室に連絡してくる!」

「サンキュー、フェルペト‼︎」

 

 今すぐにでも向かわねえと‼︎ニカ姉を今すぐにでも助けるんだ‼︎

 

 

 

 

 駆けつけた先で、ニカ姉はスレッタに抱えられ腕を痛めていた。

 

「大丈夫か、ニカ姉⁉︎」

「何があったのだ⁉︎」

「だ、大丈夫………」

「あ、あの………っ‼︎」

「スレッタ、何があったか分かる⁉︎」

「えっと、その………」

「とにかく私は大丈夫。大丈夫だから………」

 

 本当に大丈夫か?明らかに何か隠してる顔なんだけど。怪我してる今追及するのはやめとくけど、後で話を聞くことにしよう。

 

「とりあえずフェルシーとペトラが保健室に連絡しておる。すぐに処置ができるだろう‼︎」

「それまで座って休んどけ‼︎」

「ありが……とう……」

 

 それと、さっきソフィとノレアみたいな姿を見たんだが………気のせいか?何も無いといいけど…………

 

 

 

 

 迎えたオープンキャンパス当日、あーしらは地球寮の建物の近くで、株式会社GUND-ARMの宣伝をしていた。

 

「栄養満点、ヤギミルクはいかがですか〜?」

「我のミルクも如何かな?」

「「うぇぇ…………」」

 

 そして、リリッケが牛乳を、グリグリが母乳を出そうとして、観客に引かれてた。

 

「リリッケ、ヤギは知らねえ奴からすれば臭いらしいぞ〜。」

「え〜、そうなの〜?美味しいのにな〜?」

「我のは臭い大丈夫ぞ。」

「お前はそういう問題じゃねえ‼︎」

 

 グリグリは昨日話をした後でも、平常通り下ネタまみれ。本当は辛いだろうに、よく頑張ってんな。ただ母乳は出すな。

 

 

 

 

 そんなことを思ってると、

 

「おっ、メスガキ1号、発見‼︎」

 

 ガタイのいい大人の男が来た。しかもあーしのことメスガキって呼びやがった。コイツ殺していいかな?

 

「誰がメスガキだ、ゴラァ⁉︎」

「君だよ、君。この反抗的な態度が、また俺のチンポをそそらせるんだ‼︎」

 

 マジでイラつくんだけど。一発殴ってもいい?

 

「メスガキ王子よ、あまり彼女を困らせるでない。」

「な〜んだ、グリちゃんじゃねえか‼︎」

 

 メスガキ王子⁉︎どんな名前してんだよ‼︎

 

「ということは、後ろは地球寮の皆か?」

「「「……………」」」

「図星だな‼︎」

 

 全員が変態に呼ばれて目を逸らす。そりゃそうだ。こんな気持ち悪い奴と関わりたくないだろう。しかもコイツ、どう見ても新人教師くらいの年齢。グリグリと違って、全然可愛げが………いや、待てよ?新人教師くらいの年齢………?

 

「お前、まさか………っ‼︎」

「初めまして‼︎来年1年生として入学する、メスガキ王子(23)だ‼︎よろしく‼︎」

「「「23歳新入生⁉︎」」」

「ちなみに爺ちゃんは煩悩陛下だぜ‼︎」

「「「「あのエッチだ爺さん⁉︎」」」」

 

 グリグリが昨日言ってた変態新入生じゃねえか⁉︎最悪だ‼︎まさかいきなり会うなんて‼︎つーかあのジジイの孫かよ‼︎それならガチで王子じゃねえか⁉︎

 

「よかった〜、私は卒業だから関係ないな。」

「アリヤ〜、留年してみないか〜?」

「絶対嫌。」

「ティル先輩と一緒なら?」

「…………」

「迷うな‼︎」

 

 律儀にオープンキャンパス来て学校見てんじゃねえよ‼︎お前みたいな奴が入学できるわけねえだろ‼︎流石に嫌だぜ、8つも年上の後輩は‼︎しかも変態だし‼︎

 

「それはそうと………まだメスガキの匂いがする。デカ頭の君*1が100[hm(エッチメートル)]*2なら、2,000[hm]級が3人ほどいるな………」

「警備員に連絡していいか⁉︎」

「安心しろ、今日はまだ何もしない。」

「これからする予定じゃねえか⁉︎」

 

 逮捕まであと一歩というところ。とっとと捕まってくれ。

 

「あまり迷惑をかけぬよう頼む。」

「大丈夫‼︎きっと皆俺チンポの虜になるさ‼︎それじゃあまた‼︎」

「どっかいってしまった………」

 

 ということで、あっという間に変態が去った。あーしはいいのだが、他は大丈夫なのか?グリグリもめちゃくちゃ心配そうな顔してるし。一応、警察に突き出す準備はしておくか…………

 

 

 

 しばらく出し物の前にいると、

 

『これより、オープンキャンパス特別イベント、ランブルリングを開催しま〜す♪』

 

 セセリアがふざけたテンションで校内放送を始めた。ランブルリング………確かフェルペトが昨日言ってたヤツか………。あーしよく知らねえんだよな。1年だし。

 

『ルールはバトルロイヤル方式、制限時間は30分。ブレードアンテナを折られた時点で戦闘不能とみなし、最後まで残ったパイロットの勝利とします。』

 

 大乱闘ってわけね‼︎なんか面白そーじゃん‼︎

 

『参加は自由。まあ、エキシビジョ……んっ♡なんで、』

 

 おいロウジ、今セセリアに何かしただろ?

 

『負けても恥かいたりぃ……っ!♡……ロウジ、今はちょっとやめて!……しませんよぉ♡』

 

 お前が恥かいてんじゃねえか‼︎ロウジ、やめてあげろ‼︎

 

『立会人は、グラスレーリフェンスシステムのCEOん♡、サリウス・ゼネリ代表にぃ、務めていただきますぅ……』

 

 とりあえず、セセリアのセリフは終わったっぽい。

 

「これ、あーしらは誰が出んの?」

「ホルダーのスレッタとペイル代表でもあるエラン。あとはソフィとノレアかな?」

「あの2人これ知ってたのかよ?」

「逆にチュチュとグリちゃんは知らなかったんだな。」

「ああ、その通りだ。」

「言いそびれてたか〜。」

「いつもそうだろ‼︎」

 

 そして、あーしらからスレッタとエラン、更には新入り2人が出るという。新入り2人はともかく、他2人がいれば会社の宣伝にはなるか。グリグリとか出したら大乱交になりかねないし。

 

『ランブルリング、スタート。』

 

 そんなことを思ってると、サリウスの合図でランブルリングは幕を開けた。

*1
チュチュ

*2
卑猥度、どれだけエッチかを表す単位。




メスガキ王子のプロフィールです。

メスガキ王子
性別:男
身長:187cm
髪:金髪
性格:変態(メスガキわからせ)
年齢:23歳
所属:幼女愛護艦隊 第三分隊
身内:煩悩陛下(祖父)


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第三十一話 彼女たちのネガイ Part2

ソフィスレの擬似姉妹にグリスカ姉妹と加えて、エリクトとスレッタも姉妹だと判明したので、章タイトルを変えました。まさか本編の方で姉妹の物語になるとは……


  side フェルシー

 

 ランブルリング、私らジェターク寮からはラウダ先輩と私が出るぜ‼︎

 

「明日から僕は、正式にジェターク社CEOに就任する。学園生活はここまでだ。だが、その前に………兄さんと僕たちを貶めた、あの水星女を叩き潰す‼︎」

「「「「オー‼︎」」」」

「やってやれ〜‼︎」

 

 ちなみにグリグリは出ないらしい。というか知らなかったと。まあ、アイツはこういうの好みそうにないしな。

 

「先輩のディランザ……私が完璧に仕上げてあります。思い切り戦えますから!」

「ありがとう、ペトラ。」

 

 そして、ペトラがラウダ先輩にヘルメットを渡す……んだが、なんか変じゃね、ペトラ?まさか、そっちを好きになったとか?

 

「ただし、グエル先輩のパンツは渡しません。」

「それは明日、CEOの権利で奪わせていただく。」

 

 気のせいか………

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 ランブルリング………文字通りの大乱闘が始まった。

 

「ホルダーを倒すまでは共闘だ!」

「ああ、裏切んなよ‼︎」

 

 一般生徒はスレッタ目掛けて徒党を組む。

 

「悪い虫は僕が払っておくよ。」

「エランさん……っ!」

「だからご褒美をくれよ〜。2人だけの時間とか、さ!」

 

 それを新エランが防ぐ。相変わらず気持ち悪い。コイツスレッタが好きなのかアピールしてるけど、当の本人はむしろ引いてる。そりゃそうだもん、そいつ好きなの前のエランだぜ。しかも最近はミオリネにぞっこんだし。諦めろ。

 

「エアリアルとファラクトとシャディクのケツは最優先で叩く。」

「オッケー!」

 

 サビーナとレネはスレッタと新エランを倒しに。あとシャディクのケツ叩くな。

 

「怖いな〜。フォローよろしく。」

「………」コクッ、コクッ

「邪魔だ、どけ‼︎」

 

 そして、サビーナの邪魔を………旧エラン、お前出てたの⁉︎しかもMS乗れるんか⁉︎つーか、アレは何だ………?

 

 

 

 

  side エラン4号

 

 グリグリ経由で天王星に開発してもらった、新しい僕のMS………もとい、MD(モビルディルド)。その名もフェラクト。両肩からファートブースターで推進する。要は屁をこいて推進する、おならブースターのようなものだ。

 

「………」スッ

「ひゃぁ♡」

「サビーナ⁉︎アンタ声どうしたの⁉︎」

「な、なんでもない………っ‼︎」

 

 そして、攻撃手段として、機械を飛ばす。その機械は………フェラ機能の付いている高精度オナニーホールだ。それは対象のブレードアンテナ目掛けて飛んでいき、装着された瞬間にブレードアンテナをフェラし始める。その時の性的刺激をパイロットに伝え、開発するのだ。

 

 今回のランブルリングはかの作動テストも兼ねている。エアリアルという強いGUND-ARMにも効くのかが楽しみだ。決してスレッタ・マーキュリーに如何わしいことをしたいわけじゃない。

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 なんか、旧エランがやべえの出してんだけど⁉︎

 

「なんだよあれ⁉︎」

「新種のMD(モビルディルド)だな。フェラクトという。」

「ファラクトのパクリじゃねえか⁉︎」

「ブレードアンテナをフェラしてイかせる仕組みだ。」

「お前のMDよりタチ悪いだろ⁉︎全宇宙に放映して大丈夫か⁉︎」

「あれだけ卑猥な決闘映像を全宇宙に流したんだ*1。今更大したことないだろう。」

「手遅れじゃねえか⁉︎」

 

 この学園はもう終わりだ。道行く人も変態学園って呼んでたし………。シャディクの決闘映像を流したり、株式会社GUND-ARMでグリグリが暴走したりするうちに、取り返しがつかなくなっちまった。

 

「くっそ………逃げないと!」

「…………」

「ひぃ♡」

 

 サビーナに駆け寄ったレネももれなく巻き添えに。

 

「くっそ!あのメスガキちゃんは俺がわからせる予定だったのに‼︎」

「王子よ、落ち着け。そなたはまだ入学しておらぬから参加不可能だろう?」

「分かっている、分かっているけども………っ!迸るチンポを抑えられねえんだ‼︎」

「抑えろロリコン‼︎牢屋にぶち込むぞ‼︎」

 

 隣では入学希望者(23)が歯軋りをする。大丈夫だ、お前みたいなのは受からねえから。

 

「エラ………氷仮面さんっ?」

「…………」コクッ、コクッ

「待て!水星女は僕が叩く‼︎」

「…………」ジロッ

 

 そして、スレッタの元へ駆け寄る旧エランとラウダ。変態2人に囲まれて可哀想。まあ、当の本人も既にミオリネと祝福してるけど。

 

「お前が来てから……っ‼︎」

 

ドーン‼︎

 

 なんだ、今の爆発は⁉︎中から何か出てきたぞ⁉︎一体何が起きたんだ……っ⁉︎待てよ、あの姿は………っ‼︎

 

 

 

 

  side ノレア

 

 変態ウラヌシアンの友達リスト*2。コイツらを避けなきゃいけない。幸い本人は出てない。とりあえず、暴れるだけ暴れてやるか。

 

「さあ、決闘始めようよ。お姉ちゃん。」

「ソフィ………さん。」

 

 ただ問題なのは、スレッタと変態が仲良いってこと。だから怪我はさせずに叩かなきゃいけないんだけど………。ああ、もう面倒くさいなぁ。全員まとめて無かったことにしてやろうか‼︎

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 嘘だろ……っ⁉︎テロリストの1人はソフィ。となると、もう1人は………ノレアか‼︎

 

「ラウダ先輩、逃げてください‼︎」

「遅い。」

「なっ⁉︎」

「ラウダ先輩‼︎」

 

 ノレアにラウダが攻撃されてる。しかも装甲を貫通‼︎アレは決闘じゃねえ………明らかに殺しにきてる‼︎

 

「チュチュ、我が行ってくる。彼女らを止めに‼︎」

「あーしも行くよ‼︎」

「俺も行く。現役幼女愛護艦隊の出番だ。」

 

 このままだとアス校がぶち壊される‼︎皆を守りにいかねえと‼︎

 

 ということで、あーしはデミトレーナーを、そしてグリグリは自分のMD(モビルディルド)を取りに向かった。そして変態王子はまさかの職業。これは頼りになりそうだ。

 

 

 

 

 

 あーしらが戦場に駆けつけると、既にソフィとノレアが暴れ回っていた。

 

「スペーシアン共は皆死ねぇ‼︎」

「スレッタお姉ちゃん、遊ぼうよ〜!」

 

 他の生徒は………居ないみたい。

 

「他は僕が逃した。」

「ありがとう、氷仮面。」

「喋っていいんか、お前?」

「有事だからだ。」

「やっぱり君だったか〜。まあいいや、協力しよう!」

「僕は氷仮面だ。」

 

 そして、旧エランがまさかの声を出す。しかも新エランの前で。でもそれを気にかけてる状況じゃない。ひとまずあの2人を止めねえと‼︎

 

「こっからは現役幼女愛護艦隊員の俺が指示を出す。俺が赤い方を止めるから、グリちゃんは緑の方を止めてくれ‼︎デカシニヨンちゃんはあそこにいるメスガキと協力してジェタークの倅を救出‼︎氷仮面はスレッタお姉ちゃんの救出で、エランは女騎士とメスガキを相手にしてくれ‼︎」

「「「「了解‼︎」」」」

 

 とりあえず、あーしはフェルシーと協力してラウダの救出をする。にしても王子の状況判断力エグいな。現役幼女愛護艦隊員は伊達じゃねえ………。つーかサビーナとレネはあっち側なのかよ⁉︎

 

「ソフィ、ガンヴァルヴァ出して。数が多すぎる。」

「もとよりそのつもりだ………よっ‼︎」

 

 そしてソフィが大量のガンビットを出す。その数20体くらい……っ!

 

「甘い甘い‼︎俺はメスガキ同時に20人抱いたことがあるぜぇ‼︎」ビューン

「はぁ⁉︎1分も持たないの⁉︎」

 

 が一瞬でやられた。王子がビームを20体それぞれに目掛けてビームを20発、瞬時に当てて対応した。ガンビットが倒れる時に海老反りになったのは、天王星の攻撃を受けたからか………?

 

「1分以内に20発………早漏(はや)過ぎる……っ‼︎」

「関わりたくないな☆」

 

 王子の暴走。めちゃくちゃ強い‼︎キモいけど‼︎

 

「僕も頑張らないと‼︎」

 

 何故か感化された旧エランがスレッタの方へ向かう。そうだ、助けに行ってやれ‼︎

 

「スレッタ・マーキュリー。君をフェラクトしにきた‼︎」

「えっ⁉︎」

「何してんだよ馬鹿野郎⁉︎」

 

 あの野郎、自分の欲望を優先させやがった‼︎ランブルリングは乱交パーティーじゃねえんだぞ‼︎

 

「チュチュ、助けてくれてありがと‼︎」

「どうも‼︎それよりこの変態空間から逃げるぞ‼︎」

「ああ‼︎」

 

 とりあえず、あーしはフェルシーと一緒にラウダを連れて逃げる。

 

「ほらほら、お姉ちゃんが望んだ決闘………なの?」

「疑問を持つな‼︎」

 

 仕掛けたはずのソフィも乱入者に困ってる。

 

「ちっ、違います‼︎」

「そんなことを言うなんて……意外と意地が悪いじゃないか、スレッタ・マーキュリー‼︎」

「お前は頭が悪いな‼︎」

 

 そして旧エランは馬鹿すぎる。そいつはもうミオリネと祝福してんだ。新旧まとめて諦めろ‼︎

 

「エアリアル、怒らないで!大丈夫!大丈夫だから!」

 

 そして、そんな状況下でもエアリアルと会話するスレッタ。そんな呑気なことしてる場合………っ!

 

「「ぐわぁぁぁぁ‼︎」」

 

 なんだ⁉︎ソフィとノレアが叫んだ⁉︎というかこの青い空間は……っ⁉︎エアリアルから出たように………見えるんだがっ⁉︎

 

 

 

 

  side 5号

 

 危ない危ない、離れていてよかった。サリウスを連れ去るメイジー&イリーシャも見れたし、エアリアルの本気も見れている。理屈じゃわかんないけど、本能でなんとなく分かる。僕らGUND-ARM乗りは……近づいたら死ぬっ‼︎

*1
シャディク戦のもの。

*2
地球寮だけが友達で、ラウダ等は面識ないと作成者は思ってた。




王子は別目的で来ました。ランブルリングの為に合わせたキャラじゃありません。


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第三十二話 卑猥なるビデオレター

  side チュチュ

 

 エアリアルから出た青い空間………こりゃ何だ⁉︎

 

「「ぐわぁぁぁぁ‼︎」」

 

 ソフィとノレアが苦しんでる。これは新手のエアリアルの攻撃………

 

「この感覚………他者のパーメットスコアの強引な引き上げ………くっ!やること無さ過ぎて、一日8回自分を磨いた………あの日を………思い出すっ‼︎」

 

 そして、関係なさそうな旧エランまで巻き込まれてる。コイツがバカなのは置いといて、パーメットスコア、何だそれ?

 

「エアリアル、待って!ダメ‼︎」

 

 当のスレッタは慌てふためいてる様子。アイツはこんなフリして攻撃するような奴じゃない。だとすると、エアリアルが暴走してんのか‼︎

 

「敵とはいえ、メスガキの命を無碍にするわけにはいかねえ‼︎」

 

 王子がエアリアルに向かってエロ光線を放つ。

 

「おお、盾で防ぐか………エアリアル‼︎」

 

 それを盾で防ぐエアリアル。

 

「エアリアル、あの人も悪くない……からっ‼︎」

「俺のチンポが感じる………その中、幼女がいるな⁉︎スレッタとは別の‼︎今から分からせてやるぜぇ‼︎」

 

 そして、王子とエアリアルの戦いが始まった。くそっ、あーしは見てるだけでいいのか?

 

「氷仮面よ、パーメットスコアとはなんぞや⁉︎」

「鉱物・パーメットを介して機体を操縦する仕組みがパーメットリンク。鉱物の量に比例してスコアが上がり、機体とのリンクを強める。」

「代わりに操縦者の負荷になる………と。」

「その通り。」

 

 鉱物を介して機体とリンクさせる……よく分かんねえけど、何やらヤバそうな代物だ。体内に得体の知れない鉱物が流入してきたら、そりゃあの2人も苦しむだろう。正直テロリストだったことにはとてもムカついてるけど、同級生としてこれから仲良くしたいとも思ってる。だから助けたい。

 

「グリグリ、あの鉱物を追い出せる方法はねえのか⁉︎」

「う〜む………そうだな………」

 

 グリグリ……MD(モビルディルド)………快楽光線………そうだっ‼︎

 

「グリグリ、お前の精液でパーメットを体外に流せ‼︎」

「なるほど、その手があったか‼︎」

 

 これしかない。体内に侵入した鉱物を押し出すには、別のナニかで埋め尽くすしかない‼︎

 

「チュチュ、我におっぱいを当ててくれ‼︎とびきりの液をあの2人に授けてやる‼︎」

「分かった‼︎頑張って出せよ‼︎」

「ああ‼︎」

 

 あーしはフェルシーとラウダを守りながら、グリグリにデミトレ越しで抱きつく。さあグリグリ、やっちまえ‼︎

 

「おおおお‼︎チュチュのおっぱい、デカ乳ぃ」ドビュッ‼︎

「変態女、それ以上はダメっ♡///」

「聞こえる、感じる♡あの時のときめき♡アタシを犯そうとする淫らな声♡///」

 

 苦痛に歪んでた2人の顔が、徐々に快楽に変わり始める。痛々しかった声が、徐々に艶かしくなる。グリグリのMD(モビルディルド)から放たれる快楽光線が、まるで2人を呪いから解放するかのように。

 

「「ふぅ………ふぅ……♡」」

「エアリアル、やっと落ち着いてくれた………」

 

 こうして、ソフィとノレアはパーメットリンクの苦しみから解放されたのだった。

 

 

 

 

  side フェルシー

 

 チュチュ、お前まで頭おかしくなったの………?

 

 

 

 

  side プロスペラ

 

 何あの変態………?エアリアルのパーメットリンクを中和、いや切断して上書きした………?嘘でしょ………?

 

「4号………?」

「どうしたの、ベル?」

「い、いえ、なんでも。それより………もう1人の娘さんは?」

「居るわ、スレッタのすぐそばに。データストームのその先で、私達を待っている。」

「そ、そんな………っ!」

 

 マズいわね、これはクワイエット・ゼロにかなり支障が出るかもしれないわ。なんとか対策を立てないと…………

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 ランブルリングは中止、でもソフィとノレアの暴走も止められた。大成功だ。

 

「万々歳だな。」

「だな‼︎」

「よしっ、ならばソフィとノレアのAVを撮るか‼︎」

「何がよしっ、だ⁉︎話の流れおかしいだろ⁉︎」

 

 だけど、グリグリの暴走は止められなかった。大性交だ。

 

「いや、彼女らを派遣した連中に見せてやりたくてな。」

「どんな性癖してんだお前⁉︎」

「そうではなくて。彼女らの幸せそうな顔を、派遣元に送ってやりたいのだ。」

「見せしめ的な?」

「そんな感じだな。」

 

 ちなみにテロリストとのことでソフィとノレアは拘束される………はずなんだけど、グリグリに手を出したとして天王星側で処分するという程で、地球寮に残っている。

 

 あと、このビデオを撮れば辱めにはなるだろ。それくらいの罰は受けてくんねぇと、反省しないだろうからな。

 

 

 

 

 ということで、あーしらはビデオレターを撮ることになった。ただ、レターと言っても送り先が分からないので宇宙に公開することになる。実質的な公開処刑だ。

 

「いぇ〜い、お義父さん見てる〜w?今から貴方の娘ちゃん2人と遊んじゃいま〜す♪」

 

 ノリノリで司会を始める新エラン。コイツ改めて思うけど、畜生だな。

 

「またアレやってくれるの、グリグリ⁉︎」

「………何期待してんの、ソフィ⁉︎///」

 

 ノリノリのソフィとツンデレのノレア。しまった、既に堕ちてんじゃねえか⁉︎これじゃ罰ゲームになんねえ‼︎

 

「もちろんだとも。さあ、画面の前のお義父さんにアヘ顔ダブルピースをするのだ。」

「は〜い♪」

「それはちょっと……///」

「それでは参る‼︎」

 

 ということで、ここでビデオは一旦中断、最後に彼女らのアヘ顔を晒して撮影終了となった。あーあ、これじゃあ完全に株式会社GUND-ARMはAVの撮影会社だよ………。何が医療行為だっつーの‼︎

 

 

 

 

 

  side ナジ

 

 信じて送り出したソフィとノレアが………

 

「は………?」

「残念、彼女らはしばらく亀甲縛り出来ないのか………」

「そういう問題じゃねえだろ。」

 

 アーシアンのくせに、コイツら何してんだよ………

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 オープンキャンパス最終日、遂に変態王子が帰る時となった。

 

「いや〜、メスガキだらけで満足満足‼︎」

 

 王子は大量のメスガキを視姦()て満足したらしい。

 

「ところで、スカ姉の件だが………」

「ああ、俺のチンポは学園内じゃ反応しなかったぜ。それも全箇所で。」

「そうか………」

 

 そして、グリグリと王子は意味不明な会話を始めた。

 

「いや、何の話⁉︎」

「スカ姉をメスガキ王子に捜してもらってたのだ。」

「スカちゃんは俺の好きなメスガキだったからな‼︎だからチンポで卑猥度を元に探そうとしたんだぜ‼︎」

「だが、この学園内には居ない、とのことだ………」

「そうかよ………」

 

 なるほどな、23歳の男がわざわざ体験入学生として来たのはそういう理由だったのか。そして、それでもスカ姉は見つからなかった。悲しい事実だ。

 

「ひとまず、俺は引き続き捜索に戻る‼︎じゃあなグリちゃん!」

「協力、感謝する‼︎」

 

 歳下の可愛い可愛い友達のためにも、あーしが頑張らねえとな………

 

 

 

 

  side 4号

 

 身元がバレかけたので、仮面を変えた。パンツにした。ジェタークの女でパンツ被ってる奴*1がいたから真似してみた。ひとまず、これで誤魔化すか………

 

 

 

 

 

  side クソスペ女2人組

 

 私達はエランの協力の元、痴女へ復讐する機会を窺っている最中だ。

 

「頑張れ、お前らァ‼︎」

「「はい‼︎」」

 

 そんな中、変なおじさん2人がそばを通った。

 

「おお、頑張ってるマウス‼︎」

「汝は相変わらず熱心だマウス‼︎」

「当たり前ですよ、なんせ天王星人(ウラヌシアン)は許されないことをしましたからなァ!」

「「それマウス‼︎」」

 

 語尾キモっ………。まあ、アイツら無視して頑張るか‼︎

*1
ペトラ




ソフィを無理矢理生かしました。いや、イかしました。


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第三十三話 乳と子と 

あの………アニメ15話………チュチュの出番は?書くこと無いんですけど……


  side チュチュ

 

 騒動の翌日、ソフィとノレアはスレッタと喧嘩していた。

 

「GUND-ARMは暴力マシーンなんだよ、お姉ちゃん‼︎」

「何度言ったら分かるんですか?手に持ってる武器は何?」

「違いますよ、ソフィさん、ノレアさん‼︎」

 

 どうやらGUND-ARMについてだ。ソフィは怒ってんのか笑ってんのか分かんないけど、ノレアは確実に怒ってる。

 

「性暴力マシーン………?」

「それはニカ・ナナウラだけでしょう。」

「お前ニカ姉を何だと思ってんだ⁉︎」

 

 グリグリは相変わらずの調子………だが、ノレアはニカ姉にどんな感想抱いてるんだよ⁉︎あの人は機械のメカニズムとかが好きなんであって、フェチズムにはなってねえぞ‼︎

 

 

 

 そんなことを思ってると、

 

「それはともかく、2人の言い分はどちらも正しいのでは?」

「「は?」」

「はい?」

 

 グリグリが冷静な口調で諭し始めた。GUND-ARMは暴力マシーンでありながら暴力マシーンではないという結論。あーしも正直分かんねえ。

 

「下手な仲裁のつもり?GUND-ARMに乗ってないアンタが何を分かるんだよ?」

「ノレア、落ち着いて聞いてくれ。」

「落ち着けると思う?」

「まあまあノレア、とりあえず話聞こうじゃん!そっから論破よ!」

「ソフィが言うならいいけど………」

「我の持論はな、道具は使い方次第で何にでもなり得るという話だ。」

 

 道具の使い道か………。要は使い手次第で殺すのにも守るのにも使えるって話か………

 

「例えば消しゴム。これは鉛筆で書いた文字を消すのにも使われるが………」

「むしろそれ以外の使い道無くない?」

「自慰行為にも用いられる。」

「「はぁ⁉︎」」

 

 よりによってそれで例えんのかよ⁉︎

 

「この動画を観てほしい。」

「Ytube*1、動画サイト名が既にキモいんだけど……」

「この人の名前、消しゴム卿だって!なんか変‼︎」

「これは消しゴム卿ことマガリータ・コンドームが消しゴムで致すやり方を教えているものである。」

「学園祭の時の女性ですね!」

「アイツ動画出してんのかよ⁉︎」

 

 しかも学園祭の時のおばさんが動画で説明してる。なんでこんなのが1,000万回再生されてんだよ…………

 

「他にも、物を縛る縄で亀甲縛りしてHしたり……」

「あのクソおじさんじゃん‼︎」

「アイツだけは本当に許さない……っ‼︎」

「肩こりをほぐす電気あんまで股間を刺激したり……」

「全部用途がエロじゃねえか⁉︎」

「私、ミオリネさんに使ったことあります!」

「道具というのは、使い手によって何にでもなり得るのだ。故にGUND-ARMだって人を助けることも殺すことも出来る。」

 

 例えが全部酷いのに、妙に納得出来る結論。確かに鉛筆だって文字を書くこともできれば、相手を失明させることも出来る。便秘薬を下痢の人に使えば大変なことになる。日常生活の道具でさえ、兵器になるのだ。

 

「だから我は、GUND-ARMでエッチなことが出来ないか考え続けるのである。」

「いい話だったのにオチ‼︎」

「やはり頭おかしいね。」

「エアリアルではダメですよ!」

「そうか………」

「ガッカリすんな‼︎」

 

 友達を諭しつつも、最後はおちゃらける。なんともグリグリらしい諌め方だ。

 

 

 

 

 

  side サリウス

 

 私はまさかの息子に拉致された。そして、そこで息子の目的を知った。

 

「スペーシアンだけが権益を持ち、搾取する今のままでは、力が無ければ何も変わらない。だったら、俺はその力を奪い取る。」

 

 ベネリットグループの資産を全て地球に売り、地球と企業の間に抑止力という経済を生み出す。それにより、地球で戦争を起こさせないようにする狙いだそうだ。なるほどな………

 

「そういや最近、前を閉めてるな。どうしたんだ?」

「それは………」

 

 どうも、服装が気になって理解できん。シャディクは前まで前を丸出しにして胸部を見せびらかしてたのだが、今は違う。律儀に閉めてるのだ。

 

「ガールズたちと何かあったのか?」

「はい。」

 

 事情はイリーシャとメイジーに捕まった時に全部聞いた。どうやら集団でシャディクを嬲ろうと考えてるとのこと。義理とはいえ、父親である私に話すか、その話?

 

「でも、俺は変えようとしています。」

「何?」

「ガールズだけが精液を持ち、搾取する今のままでは、道具が無ければ何も変わらない。だったら、俺はその道具を奪い取る。」

 

 さっき聞いた文言だな………

 

「ニカ・ナナウラが天王星と共同で開発した全自動アナル開発機、俺はそれを奪還します。」

「勝手にしろ。」

 

 それにしても、シャディクや彼女らは随分と爛れてしまったなぁ………

 

 

 

 

 

  side グエル*2

 

 俺は今、地球のトイレで項垂(うなだ)れている………

 

「父さん、この人全然食べないの。どうする?」

「う〜ん、オルコットに伝えるか……」

 

 黒髪ボブでボサボサの、茶色い服を着た女の子*3とそのお父さん*4と思われるおじさん。よく俺のことを見に来る。

 

 

 

 そんなことを思ってると………

 

「そういや、ミオリネ・レンブランが敬語の女の子と祝福してたんだが………あれは誰だ?」

「スレッタ………っ⁉︎」

 

 おじさんがとんでもないことを口にした。スレッタがミオリネと祝福した………だとっ⁉︎それはあまりにも衝撃的で、落胆してないと言われれば嘘になるが………

 

「でも……幸せなら……いいか………」

 

 2人の進展を素直に祝う。それが俺に出来る最大限のことだと思った。

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 あーしらが雑談中、スレッタがトイレに行った後、リリッケがやってきた。

 

「あ〜、私以外の1年生で話しててずる〜い!」

「リリッケ、すまぬ。すやすやと昼寝していたから起こさないでおいた。」

「ありがと〜、グリちゃん!」

 

 この2人の会話をよく聞くけど、めちゃくちゃほのぼのしてると思う。なんていうか、聞いてるこっちまで心が和むというか。あーしとノレアが割とキレがちで、ソフィは元気系だから、余計にそう感じるな。

 

 

 

 

 しばらくしていると、ソフィがグリグリのことについて聞いた。

 

「い〜な〜、リリッケは家族健在で!グリちゃんもあれだけ豊かな天王星なら、家族も元気でしょ?」

「それは………」

「えっ?嘘………」

「あれ、違うの?」

「ソフィ、それ以上は聞かないでやってくれ。」

「いいや、大丈夫だチュチュ。我の方から話す。」

「なんかごめん、グリちゃんアタシたちと同じ感じかな……?」

 

 確かに、この2人の過酷な環境から見たら、呑気で頭ポンチなグリグリの家庭は恵まれてるように思える。というかあーしだってこの間まで、何不自由なく育ったもんだと勘違いしていた。

 

「母は物心つく前に病死、父は知らぬ、姉が行方不明で、我が捜索中だ。」

「えっ?そんな………」

「なかなか酷いな。」

「大変だね……」

 

 初耳のリリッケは当然ショックを受けてる。ノレアも珍しく素直になってるし、ソフィも同情している。

 

「あと、父は知らないのだが………姉曰く我と姉を天王星に捨てたらしい。」

「「「「えっ⁉︎」」」」

「我は物心つく前だから、全く覚えていないがな。」

 

 ちょっと待って⁉︎それ初耳なんだけど⁉︎お前捨て子だったの⁉︎というか、赤ちゃんと幼稚園児を他の惑星に捨てる親父とか、ろくなやつじゃねえ‼︎酷すぎんだろ‼︎

 

 

 

 

  side クソスペ女2人組*5

 

 私らは特訓が終わった後、

 

「それじゃあ、総裁に会いに行くよ!」

 

 エラン・ケレスに連れられて、ペイル社の会議室へとやってきた。そこには………

 

「「おっ、来たマウス!」」

「お疲れ様です!」

 

 さっきのキモい双子おじさんがいた。他にも何人かおじさんやおばさんがいる。ペイルの幹部会議か?

 

 

 

 そんなことを思っていると、

 

「ドボロ様がいらっしゃいました‼︎全員起立‼︎」

「「「「承知しました‼︎」」」」

 

 皆がお偉いさんと思われる人の登場で一斉に立ち上がった。ヤバいっ、出遅れた‼︎とりあえず真似しないと‼︎

 

「皆さん、私のために席を立ってくださり、ありがとうございます。」

「「「「いえいえ、そんな‼︎」」」」

 

 そして、入ってきたのは白髪混じりの黒髪の、穏和な顔をした優しそうなおじさん。名前からして、ドボロ・ペイルさんかな?

 

「そちらが初めましてのお2人さん、ですかな?」

「「はいっ!」」

 

 周りの緊迫した雰囲気に呑まれ、私らの返事まで畏ってしまう。普段目上の人にもこんなことしないのに………。やらなければいけないという、謎のヤバさを感じてしまった。

 

「私はドボロ・アバンネット。アバンネットグループの総裁でございます。」

「「よっ、よろしくお願いします‼︎」」

 

 そして、つい勢いで返事したけど………えっ、アバンネットグループ?ここ、ペイルじゃないの………?

*1
通称猥チューブ、天王星の動画サイト

*2
久しぶりですね!

*3
シーシア

*4
アニメでやめなさい!で潰れた人だと推定。本作ではやめなさいがヒップアタックに変更のため、死んでない。

*5
いい加減本編で名前出てほしいです。




シーシアちゃんは父親生還により、生存率がめちゃくちゃ上がりました!彼女の今後をお楽しみに!


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第三十四話 Y談仮面

オリジナルの話です。


  side ミオリネ

 

 久しぶりにアスティカシアに帰ってきたわ。早速温室へ行って、トマトの様子を確かめないと………

 

 そうやって歩いていると………

 

「やあ、久しぶり!」

「久しぶり、エラン。」

 

 エランに会った。明るい声と気持ちの悪い笑顔からして、多分新しい方。変な仮面をつけてるけど、気にしないでおこう。そういや旧エランの方は天王星に帰化して強引に生き延びたんだっけ。ペイルに生きてるのバレたのに、よく生き残れたわね。噂じゃ帰化する際の面接でスレッタへの妄想を2時間語ったら通ったのだと。すごい執念ね………。

 

 まあいいや、とりあえず挨拶は済ませたし、温室に行くか………

 

「いいスプレーを買ったんだ〜♪」プシュー

 

 ちょっと、いきなり新エランが私にスプレーかけてきたんだけど⁉︎頭おかしいんじゃないの⁉︎もしや、私の暗殺…………っ⁉︎

 

「ちょっと⁉︎スレッタに、『ミオリネさん、私のおっぱい揉みます?』って言われたいんだけど⁉︎///」

 

 はぁ⁉︎なんか思ってることと違うこと喋ってんだけど⁉︎どういうこと⁉︎エロいこと話すつもりなかったんだけど⁉︎

 

「おお〜!ミオリネはおっぱい好きなんだね〜♪」

「違うわ‼︎揉みたいんじゃない‼︎揉ませて欲しいの‼︎///」

「何が違うの?」

 

 くそっ‼︎普通に喋ろうとしてるのに、全部猥談になっちゃう‼︎なんなのよ、これ‼︎

 

「では、改めて自己紹介しよう‼︎」

 

 しなくても分かってるわよ‼︎

 

「僕は天王星人(ウラヌシアン)猥談仮面‼︎」

天王星人(ウラヌシアン)猥談仮面⁉︎」

「氷仮面と双璧を成す、天王星の仮面兄弟さ‼︎」

 

 もしや新エランとは別の人なの⁉︎いやいや、絶対違うでしょ‼︎氷仮面ってことは旧エランも知ってるわけだし、新エランだよね⁉︎

 

「この猥談スプレーを吸った人は猥談しか話せなくなるのさ‼︎」

「スレッタを犯したいんじゃないわよ‼︎(*1そんな下らないのかけてんじゃないわよ‼︎)」

「性癖をぶちまけて慌てる人間を見てみたくてね、つい買っちゃった♪」

「ホントスレッタに犯されたいわね。(ホントどうしようもないわね。)」

 

 この性格の悪さ………絶対新エランだわ。間違いない。

 

「無垢なスレッタに教えてたら、いつの間にか逆転されて興奮したのよ‼︎(そんなことしたら、退学にするわよ‼︎)///」

「なるほど、初夜はそんな感じだったんだね〜♪それじゃあまた♪」

「待って、犯すな‼︎(待って、逃げるな‼︎)」

 

 くそっ、逃げられたわ‼︎私の体力じゃ追いつかない‼︎早くなんとかしないと、学園中に被害が出るわ‼︎

 

 

 

 

 

  side 5号

 

 天王星とニカ・ナナウラが共同開発したこのスプレー、ホント面白い‼︎僕もせっかく4号の真似して天王星に亡命しようとしたのに、ペイルに阻止されちゃった♪腹いせに暴れてやるよ‼︎

 

 

 

 

 

  side ミオリネ

 

 セグウェイに乗って新エランを追いかけてると………

 

「うわっ、乗ってきやがった!」

「待ちなさい‼︎スレッタとの初夜を聞かせてあげるわ‼︎///」

 

 目標は見つけたものの………

 

「ねえペトラ、ミオリネも変態化してるんだけど⁉︎」

()ってことは、フェルシーも変態なの?」

「変態はお前だよ‼︎」

 

 フェルシーとペトラに見つかったわ‼︎最悪なんだけど‼︎これじゃあ私が痴女認定されるじゃない‼︎

 

「はい、スプレー!」プシュー

「「なっ⁉︎」」

 

 そんなこと言ってる間にスプレーをかけられた。間に合わなかったわね………

 

「ちんちん‼︎ちんち、ちんちん‼︎」

「「フェルシー⁉︎」」

「ちんち〜ん‼︎」

 

 急にフェルシーが男子小学生化したんだけど⁉︎それしか猥談語彙無いの⁉︎それともそれが性癖⁉︎

 

「ちょっと、私はグエル先輩のパンツについて語りながら………」

 

 ペトラは平常運転ね。全く、変態が羨まし………

 

「ラウダ先輩とエッチしたい……っ⁉︎///」

「ペトラ⁉︎」

「ちんちん⁉︎」

 

 嘘でしょ⁉︎アンタそっちの方が好きだっの⁉︎つーかそれは恥ずかしがるの⁉︎日頃のグエルパンツを被ったりとか、もっと恥じる行動あるでしょ‼︎

 

「いや〜、愉快愉快♪」

「黙れ、スレッタの裸Yシャツ‼︎(黙れ、性悪クソ男‼︎)」

「それじゃあバ〜イ!」

「ちんちん!///」

 

 あぁもう、また逃げられた‼︎逃げ足の速いクズね‼︎

 

 

 

 

 しばらくして私が地球寮に着くと、

 

「やっぱり時間停止モノじゃね?」(ヌーノ)

「いいや、マジックミラー号さ‼︎」(オジェロ)

「2人とも落ち着いて!素人モノにしよう!」(マルタン)

「やっぱり結婚式後の初夜ですよ!」(リリッケ)

「スレッタお姉ちゃん、グリちゃんがこの間やってたやつやって!」(ソフィ)

「ソフィと一緒に……っ‼︎///」(ノレア)

「ダメです!私はミオリネさんしか犯せません‼︎」(スレッタ)

 

 既に大惨事だった。

 

「可愛い子に………ムダ毛が生えてると興奮する……///」

「ティルは意外に凄い性癖してるね〜♪」

「僕、スレッタ・マーキュリーの性的魅力についてまとめた資料を読んで欲しい。」

「要らないよ、僕。」

「ティコのな……、毛先を股間に当てると、こう……///」

「「「「アリヤ⁉︎」」」」

 

 アリヤが何気に一番ヤバいという。ケモナーすぎないかしら……って、そんな悠長にしてる場合じゃないわ‼︎

 

「ねえロウジ、地球寮のヤギ見に行こうよ〜!」

「いいね、セセリア。」

「はいっ、スプレー♪」プシュー

「「わっ⁉︎」」

 

 ブリオンの2人まで‼︎ああもう、間に合わない‼︎

 

「私は……アッチの方ではリードされたい派よっ⁉︎///」

「「「「知ってた。」」」」

「セセリアに○○○して△△△すると、☆☆☆………」

「伏せ字になるほどの猥談………ロウジ、君が一番ヤバいね。」

 

 ただ、今がチャンス‼︎ここで新エランを………

 

「それじゃあ次はグラスレーだ‼︎」

 

 くそっ、逃げられたわ‼︎

 

 

 

 このままいっても埒が開かない。なら、策を考えるまで。猥談スプレーに対抗する手段は?こういう時に、頼りになるのは…………

 

 

 

 

  side 5号

 

 いや〜、すっかり猥談パニックで愉快愉快♪さてと、次は………

 

「待つのだエランよ。」

 

 おっ、あそこにグリちゃんがいるね〜。ということは、チュチュもそばにいるのかな?とりあえず、スプレーだね!

 

「嫌だよ♪」プシュー

「無駄なこと。元より煩悩丸出しの我には効かん。」

 

 嘘でしょ⁉︎変態には効かないの、これ⁉︎

 

「風邪を引いたチュチュの看病があるのでな。早く捕まるのだ!」

「でも、1人でどうする気?」

 

 でも、グリグリ相手になら逃げられる。僕は逃げ足が速いからね‼︎

 

「1人………いいや、違うな‼︎」

「「「「「エッチぃ‼︎(見つけた‼︎)」」」」」

「ちんちん‼︎」

 

 嘘………でしょ?木陰に皆隠れてやがった‼︎最悪…………

 

 

 

 こうして、僕は皆にタコ殴りにされたのだった………

*1
本当に話したいことはカッコの中に書きます。




本編の内容どうなるか分からないけど、とりあえず次回から新章とします。

ちなみに、スプレーの効果はセットでついてくる中和薬を飲むと消えます。また、3時間経つと消えます。


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第六章 迫り来る脅威
第三十五話 乳房の輪 Part1


  side プロスペラ

 

 ベルが変なこと言ってたんだけど………。スレッタがミオリネと祝福済み?嘘でしょ、あの子を変態にした覚えはないわ。まさか、またあの天王星人(ウラヌシアン)に唆されたの………?それとも、ミオリネが誑かしたのかしら?

 

 そういや最近、学園中に変態が溢れているらしい。もしや彼女が学園に来たのは………MD(モビルディルド)のエッチストームを利用して全人類を変態化する、クワイエット・エロの実行かしら?

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 あーしが風邪を引いてた日に、新エランが大暴れしてたらしい。

 

「グリグリ、アイツ何してたんだ?」

「猥談しか喋れなくなるスプレーをかけまくってた。」

「バカじゃねえの⁉︎」

「ちなみに、そのスプレーはニカが開発したものだ。」

「ニカ姉も何してんだよ⁉︎」

 

 どうやらこの学園は、本当に変態の巣窟となってしまったらしい。

 

「つーか、ニカ姉はいつまで拘束されてんだよ⁉︎」

「亀甲縛り……?ニカがナニかされてたか?」

「その拘束じゃねえ‼︎」

「5日も拘束………」

「変なこと想像させんな‼︎」

 

 それはそうと、ニカ姉が全然戻って来ない。テロリストだったソフィとノレアは天王星が拘束する程で地球寮に踏み止まってるのみも関わらず、何故か関係の無いニカ姉だけがずっと拘束されている。あーしらはずっと訴えてるのに、聞き入れてももらえない。そのもどかしさに腹が立つ‼︎

 

「結局、我々はそういう目で視姦()られてるのかもな。」

「んなわけねえだろ‼︎それに、エアリアルやあーしのデミまで没収する必要あんのかよ⁉︎」

「機械姦する奴がおるのだろう。」

「そんな奴クビにしろ‼︎」

 

 デミに変なことしたら、ただじゃおかねえからな‼︎

 

 

 

 

  side ニカ

 

 私は今サビーナさんと話している。ちなみに私は今シャディクガールズと一緒にいる。何故ならシャディクさんのこと通報しようとしたら、エナオさんにバレたから。

 

「ありがとうございます。あの、お茶をくださって*1。」

 

 サビーナさんがお茶を淹れてくれた。一応裏切ろうとした連絡係なのに、何故優しくするのだろう?

 

「私たちの仲間にならないか?」

「えっ?」

 

 仲間………?どういうこと?こんな私を………?

 

「君のことは見ていた。メカニックとしての技量、学内での振る舞い………。共にいれば、このままじゃなくても就学は継続できる。」

 

 確かに、そうかもしれないけど………

 

「シャディクとエッチの架け橋になる夢だって叶えられるはずだ。」

「そんな夢持ってません。」

「嘘………だろ?」

「なんでそんな信じられないような目をするんですか?」

 

 私はなんだと思われてるんだろう?架け橋になりたいのはあなた方だけでは?

 

「いや、だって連絡役を………」

「あれはフォルド連絡役の上司がいけすかないので、情けない顔を見たい一心です。」

「ええ………」

「私決めたんです、もう被害者のフリしていられないって。」

「それで堂々と加害者になるのは酷くないか?」

 

 まあ、協力はしよう。狙いは一緒だし。私が天王星と開発したメカたちの出番かな?

 

 

 

 

  side ペトラ

 

 私がラウダ先輩と一緒に仕事をしていたら………

 

「ラウダ、ペトラ………元気だったか?」

 

 なんと、ドスケベの化身ことグエル先輩が………

 

「グエルお兄ちゃん………この人たち誰?」

 

 知らない幼女を連れて帰ってきた。

 

「兄さん⁉︎」

「グエル先輩⁉︎」

「シーシア、この2人は俺の弟のラウダと学校の後輩ペトラだ。」

「グエルお兄ちゃんの知り合いかぁ〜w」

 

 しかも、グエル先輩を勝手にお兄ちゃん呼ばわりしている。しかも私たちを見るや否や、何やら勝ち誇ったような顔で挑発してくる。

 

「シーシア………といったか。よくも兄さんを誑かしたな⁉︎」

「それ言うなら普通逆だろ⁉︎」

「シーシア、貴女にグエル先輩はまだ早い。」

「そんなことないよw」

 

 明らかに、私グエル先輩と一緒に過ごしてラブラブでしたよ、感を出してくる幼女。同じ幼女のフェルシーですら、そんなことしないのに。

 

「地球に遭難してたとき、この子らに会ってな。しばらくしたら仲良くなったんだ。」

「グエルお兄ちゃんは敵の攻撃から守ってくれたの。」

「流石兄さんだ。」

「気高きその精神、ホント尊敬してます‼︎」

「そんな褒められることか……?」

 

 仲良くなった経緯は分かった。色々あって地球に遭難してたのは初めて知ったけど。通りで全然見つからなかったわけだ。その辺の話は後で聞こう。

 

「それはさておき、この子が俺についていきたいと言って聞かなくてな。一緒に連れてきたんだ。」

「私は花嫁さんだから!」

「この子のジョークだから気にすんな……」

「私は本気だよ、お兄ちゃん♪」

「えっとな………」

 

 今はまず、このメスガキの討伐だ。

 

「おい。シーシア、だっけか?」

「今すぐ決闘するよ。」

「望むところよ!」

「おいおい、待て待て‼︎いきなりそんな物騒なことをするな‼︎」

「決闘方式はチェス。」

「ならいいか………」

 

 私たちがわからせてやる‼︎

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 ミオリネの帰還後、あーしらはニカ姉の長すぎる拘束について調べていた。さっきまでミオリネがニカ姉の行方について、知り合いに聞いていた。

 

「どうだった?」

「ニカは今フロント管理舎*2に居ないわ。」

「「「「えっ⁉︎」」」」

 

 ニカ姉が居ない⁉︎どういうことだ⁉︎

 

「それじゃあ今どこにいるんですか?」

「今調べてもらってる。それまで待ってて。」

「けどさ………」

 

 とりあえず、ミオリネにはお礼を言わないと。現状あーしらだけでは何も分からなかった。

 

「分かった。あーしらだけじゃ何も分からなかった。だから……その……ありがと。」

「感謝する‼︎」

「………どういたしまして。」

 

 あーしとグリグリのお礼を聞いて、ミオリネも柔らかな笑みを浮かべた。その瞬間、なんだか今まで張り詰めてたものが緩んだような気がした。

 

「ミオリネ、そういや最近ご無沙汰ではないか?」

「ちょ、何言ってんのよグリグリ⁉︎///」

「ミオリネさん……///」

「ひとまず、温室で一発ヤってくるとよいぞ。」

「うっさい‼︎///」

 

 そして、グリグリがいつもの調子でおちゃらけたその時………

 

「聞き捨てならないわね、その話。」

「おっ、お母さん⁉︎」

 

 なんと、スレッタの母と思われる、仮面をつけた変態おばさんが現れた。

 

 

 

 

 

 

  side エラン様

 

 4号の亡命に5号の猥談騒ぎ………どいつもこいつも問題ばかり起こしやがって‼︎というか4号生きてたのかよ‼︎焼きとうもろこしになったんじゃなかったのか⁉︎

 

「くっそ………!」

 

 しょうもない5号はともかく、4号の方は今すぐにでも連れ戻したい。強化人士の事をバラされたり、それを材料に脅されたりするリスクがありすぎる。

 

 だが、現状天王星に亡命されてはどうする事もできない。元々預かってたスカーレット・ウラヌスを行方不明にさせてしまったことで、監督責任という名の借りがある。だから天王星相手にペイルは強く出れないのだ。アイツの行方なんか、俺たちも知らないっつーの‼︎それにあの女、ゴミ箱にダッチワイフの燃えかすを置いていきやがって‼︎そのせいで、俺がダッチワイフを使ったものの、バレたくないから燃やした変態扱いされる始末だよ‼︎くっそ………‼︎いい加減に帰ってきやがれ、スカーレット・ウラヌス‼︎

*1
ノレアが地球寮にいるので、蹴られてない→手当ても追加で要らないため、変更

*2
漢字あってます?




ニカ姉の場所について。ソフィとノレアに聞けばある程度は分かりますが、拘束されてない彼女らはシャディクの現在地を知りません。また、アニメでどうシャディクの行動がバレるのかわからないところがあるため、一旦触れないでおきます。


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第三十六話 乳房の輪 Part2

  side チュチュ

 

 スレッタの母ちゃんと思われる、仮面を被った変態おばさんが現れた。

 

「なっ⁉︎」

「ミオリネ・レンブラン、これは一体どういうことかしら?」

「あ、あ、アンタには関係ないわ‼︎///」

「いや、あるだろ。」

 

 しかもスレッタとミオリネがこれから祝福しようと言う時に。

 

「お母さん、私は今からミオリネさんと祝福してきます‼︎」

「スレッタ、ちょっと待ってて。お母さんは花嫁さんにお話があるの。」

「わ、分かりました!待ちます‼︎」

 

 スレッタはどうやら恥ずかしげもなく言えるらしい。自分の母親に祝福を。まあスレッタの場合、無知故に知らねえだけだけど。そして、これから祝福という時に、姑に突撃されたミオリネ。めちゃくちゃ焦ってるのが見てとれる。

 

「スレッタ、お母さんの言いなりにならないで‼︎///」

「お母さんの言ってることは常に正しいんです!」

「おいプロスペラ‼︎娘に何てことしてんのよ⁉︎///」

「それは私のセリフよ。」

 

 いつも割と冷静でクレバーなミオリネがここまでパニクってる。なかなか珍しい光景だ。

 

 

 

 そんな事を思ってると、

 

「スレッタ・マーキュリーを寝取られたっ⁉︎」

 

 氷仮面こと旧エランがショックを受けた。そういやコイツ知らなかったんだっけ。まあいっか。

 

「寝てから言いなさい、旧エラン‼︎///」

「やっぱりスレッタと祝福したのね。いかがわしい花嫁さん。」

「いや、その、これは言葉のあやで……っ‼︎///」

 

 スレッタの変態お母さんはどうやら一枚上手のよう。ミオリネがあっという間に恥を晒していく。

 

「お義母さん、ミオリネ・レンブランは危険です。」

「アンタまでプロスペラの味方すんじゃないわよ‼︎///」

「代わりに僕の元で預かりましょうか?」

「ダメよ!貴女も危険だわ。」

「何故……っ⁉︎」

「女の勘ね。」

「鬱陶しいな、プロスペラ・マーキュリー‼︎」

「はいはい、とりあえず退場しなさい。」

 

 スレッタママの味方をしたかと思えば、裏切られて逆ギレする旧エラン。そりゃそうだろ、お前最近ムッツリ隠せてねえし。

 

「スレッタ、今のうちに行くわよ‼︎///」

「み、ミオリネさん!お母さんの話を聞かなきゃダメです‼︎」

「諦めなさい、ミオリネ・レンブラン。彼女は親孝行な娘なのよ。」

「あぁぁぁぁぁぁぁ‼︎///」

 

 そして、ミオリネは相変わらず発狂している。普段の鋭い頭脳は息を潜め、IQが3くらいにまで低下。更には赤面して混乱する始末。もうダメだ、コイツは。

 

 

 

 

 そんな事を思っていると、

 

「ならば我から提案があるのだが?」

 

 なんとグリグリが口を挟んだ。コイツ、この拮抗状態を打開できる方法を知っているのか?

 

「親子丼はどうだろう?」

「「ダメに決まってるじゃない‼︎」」

 

 何提案してんだよ、コイツは⁉︎煩悩を煩悩で塗りつぶすな‼︎

 

「天王星には、喧嘩した時にヤって仲直りするという風習がある。」

「どんな風習よ‼︎///」

「それに、嫁と姑がそんなことするわけないでしょう⁉︎」

「嫁と姑じゃなくてもしねえよ。」

「安心しろ。それについてはこちらの書物を参考にするといい。」

「「嫁と姑の禁断の恋愛………するわけない‼︎///」

「そういやそんな本あったな。」

 

 学園祭の時に販売した本を見せながら、2人の仲を取り持とうとするグリグリ。そして、そんな変態に振り回される2人。あーしも出会った当初はこんな風に見えてたのだろうか?

 

「もしかして、貴女がクワイエット・エロの首謀者ね?」

「んなわけねえだろ‼︎」

「クワイエット・エロだと?なんだその面白そうな企画は⁉︎我に教えてくれ‼︎」

「えっ…………?」

 

 にしても、スレッタの母親って見た目の割にアホだな。そんな名前の計画あるわけ………いや、天王星ならありそうか。

 

「それじゃあ、なんでこの学園に………?」

「それは……っ!」

「行方不明の姉を捜しに来たのだ。」

「………なんかごめんなさい。」

「お主が気にすることではないのだ。」

 

 それはそうと、さっきからスレッタとミオリネの声がしねえな。アイツら一体どこに………?

 

「あれ、スレッタ?おーい、スレッタ?」

「そういえばおらぬな。」

「逃げたのね……っ‼︎」

 

 アイツら、しれっと逃げやがった‼︎どんだけ溜まってたんだよ⁉︎というか、スレッタ騙して逃げただろ、ミオリネ‼︎ホント、やべえ奴だな‼︎

 

 

 

 

 

  side ミオリネ

 

 スレッタに耳打ちして、プロスペラはグリグリと話したいことにしたわ。これでオッケー‼︎温室に連れ込めたから、後は進んで2つ手に入れるだけね!

 

 

 

 

  side 5号

 

 僕は今、ババア共と連絡を取り合ってる。もちろん、ファラクトの中で、他の人に聞かれない場所で、だ。

 

「単刀直入に言います。エアリアルを手に入れなさい。」

「スレッタ・マーキュリーを籠絡する段取りは?」

「総裁選が始まるわ。決闘ゲームはここまで。」

「それに、ランブルリングでの消極的な戦闘行為。私たちは失望しています。」

「状況を観察していただけですよ〜。」

「それに先日の猥談騒ぎ。一体何をしているのですか?」

「スレッタ・マーキュリーの性癖を知りたくて、ね。」

 

 あぁ、うぜえなババア共。

 

「エアリアルは先の一件で、一時的に没収されています。」

「命が惜しければ、全力で遂行なさい。」

 

 とりあえず、画面に猥談スプレーかけてみるか。意味ないと思うけど。

 

「はいはい、分かりました。」プシュー

「それにしても、4号に色々といやらしくしたいのですが……」

「貴女4号派なのね。私は本物派よ。」

 

 嘘だろ、画面越しにも効くのかよ⁉︎嫌だ、クソババア共の猥談なんて聞きたくない‼︎

 

「私は5号派。わからせたくなりまして。」

「「「それはいいですね。」」」

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 最悪だ‼︎ゴルネリが5号派なのかよ‼︎ふざけんな‼︎あんなゴツいイカれたババア共が僕を犯そうと思ってるのか⁉︎ヤバい、とりあえずエアリアルをパクらないと‼︎俺が変態ババア共にヤられる‼︎

 

 

 

 

 ということで、とりあえずエアリアルを操作しようとしたんだけど………

 

「ぐわぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 エアリアルのコックピット内で、まさかのデータストームの影響を受けた。くそっ、身体が張り裂けそうに痛い‼︎4号はこんなことなかったはずだぞ⁉︎一体どうして⁉︎

 

「来ないで………」

「スレッタ・マーキュリー?」

 

 突如浮かんだ白い世界に現れた、スレッタと思われる幼女。いや、違う。コイツスレッタじゃない‼︎他にもいっぱいいる幼女……っ!コイツら全員違う‼︎

 

「貴方はダメ………」

 

 僕はダメ⁉︎まさかコイツ、僕と4号で扱いを変えたのか⁉︎

 

「なんで………っ!4号はいいのに……っ‼︎」

「あの人は………昔は良かった。今は貴方以上にダメ………。スレッタに……エッチなことするから………」

「そうか………だからこの前………」

「そう……怒って倒そうとした……」

 

 4号評価下がってんじゃねえか‼︎アイツアホだな‼︎ムッツリが表に出たら、それは即ちただの変態だ‼︎だからエアリアルに拒否られたんだよ、ランブルリングの時に‼︎

 

 それはともかく、早くここから逃げないと‼︎あと、ババアからも逃げないと………っ‼︎

 

 

 

 

 

  side クソスペ女2人

 

 私たちはエラン・ケレスに連れられて、アバンネットグループの隠し本社にやってきたことが分かった。そこで出会ったのは、暴力グループの頂点とは程遠い、類い稀なる聖人、ドボロ・アバンネットだった。

 

「天王星からの返り討ちを受け、私たちは見直したのです。我がグループの在り方を。暴力的な存在から、人を守る存在に。私はお嬢さんたちを守ります。変態集団・天王星から。」

「いえ、そんな………っ!」

「あ、ありがとうございます……っ‼︎」

 

 ただ、飲み込めないことも多かった。そこで私たちは、会議が終わった後に、エランに事情を聞いた。

 

「あのさ、アンタはなんでアバンネットグループにいるわけ?」

「ペイルの御曹司なんじゃないの?」

「元々俺はアバンネットグループの人間なのさ。」

「じゃあペイルにいるのは……?」

「天王星復讐の足掛かりとして、スパイをしてたのさ。ペイルの技術を使って、グループも強化出来るしなァ。もちろんグラスレーにもジェタークにもいるよ、スパイが。」

 

 エランはどうやらペイルに入社したスパイらしい。あとグラスレーとジェタークのスパイって、あのキモい語尾したネズミおじさんたちか。エバーグリーン糾弾した時、それぞれの会社名乗ってたし、さっきの会議の時もいたし。

 

「でも、あんな優しい総裁が、復讐なんか企むの?」

「天王星に全身性感帯にさせられ、グループの解体を余儀なくされた。それで職を失ったりした連中がいるんだよ。」

「もしや総裁は、それを悲しんで………」

「その通りだァ。なんせ総裁らアバンネット一族は、仏のように深い慈愛をお持ちだからなァ‼︎」

 

 そして、ドボロ・アバンネット様は従業員たちの為に立ち上がったのだと。なんて素晴らしいお方なんだ………っ!

 

「それじゃあ、私らも頑張らないとね!」

「やるしかないわね!」

「ああ、その意気だァ‼︎もうすぐアスティカシア襲撃、頑張ろう‼︎」

 

 あの人のためにも、頑張らないと‼︎




敵のアバンネットグループ、外には暴力・内には宗教ととんでもない人らです。

ちなみにサブタイは、乳輪って意味です。


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第三十七話 のどかでスケベな休日

17話前にオリジナル挟みます。チュチュとグリグリがのんびり寮で休日を過ごすだけです。

また、アニメが17話後に再放送を挟むらしいので、本作ではアニメ17話後にオリジナルを数話挟みたいと思っています。


  side チュチュ

 

 とある休日の朝。あーしが朝7時に目を覚ますと………

 

「おはようなのだ、チュチュ。」

「はええな、グリグリ。」

 

 グリグリは既に起きていた。

 

「何してたんだ?」

「ナニだ。」

「朝っぱらから何してんだよ⁉︎」

 

 アッチの方も起きていた。ホント煩悩まみれだな、コイツ………

 

「朝オナニーは健康にいいんだぞ。ほら、チュチュもやるか?」

「バイブ渡すな‼︎要らねえよ‼︎」

「そうか、チュチュは手でする派か………」

「違えっつーの‼︎」

 

 あーしは決して変態行為はしない。最近色んなやつがこぞって変態化してるけど、あーしはその流れに乗らねえ‼︎プライドってもんがあるからな‼︎

 

 

 

 その後、あーしとグリグリは朝飯を食いに食堂へ行った。他の皆は誰もいない。何故なら、休日は割と遅い時間にとる人が多いから。それかニカ姉みたいに最初からキャンセルしていて、午前中全部寝ているか。また朝がもっと早いアリヤとティルは、この時間ティルたちのところに行っているためいない。故にいつも休日の朝は2人きりなのだ。

 

「チュチュ、朝から肉は重くないか……?」

「ん?こんくらい食わねえと元気出ねえだろ、グリグリ!」

「我は夜でもそんなに食べられないぞ……」

「相変わらず細いな〜、食が!」

 

 ちなみにあーしは骨付きチキン一匹分にご飯2杯、それから少しのキャベツと味噌汁、そして牛乳。対してグリグリはハムが1枚乗ったパン1個とサラダが少し、プラスで牛乳。あーしの1/3くらいの量しかないのに、よく腹が減らないなと思ってしまう。

 

「チュチュはそんなに食べてるからおっぱいが大きいのか……」

「それ関係あんの?」

「発育は食べる量にも左右されるだろう。」

「確かにな〜。」

 

 とはいいつつも、あーしの方がグリグリより背が低い。単に育つ部位が違っただけの話だと思うけど。

 

「それにしても、地球の食材は本当に美味しいな‼︎」

「だろ⁉︎」

 

 それにしても、これしか量ないのに本当にうまそうに食うな、コイツ。地球のこと褒めてくれるのが、こっちまで嬉しくなっちまう。今まで料理を作る方には興味なかったけど、コイツのためなら作ってあげたくなるような、そんな姉心がふつふつとわいてくる。

 

「天王星では料理に必ず媚薬を入れねばならないからな。どうしても真に上手い料理は難しいのだ。」

「味犠牲にしてまで入れんな‼︎」

 

 ちなみに前聞いたんだけど、天王星にいた頃はほぼ外食だったらしい。拾ってくれたロリおじがめちゃくちゃ金持ってたのと、彼自身壊滅的に料理が下手だったかららしい。スカ姉もグリグリも子供だったから上手く作れなかったと。

 

 

 その後程よく雑談していると、

 

「ふぅ、美味しかったのだ。」

「あーしもな!」

 

 あーしらは朝飯を食べ終わった。

 

 

 

 

 朝食後、部屋に戻ると………

 

「さて、ニチアサの時間だ。」

 

 グリグリがタブレットを取り出してテレビを観始めた。

 

「ニチアサ………?」

「日曜朝にやっている戦隊モノの番組だ。正義のヒーローが悪の組織と戦うアニメやドラマだな。」

「なるほどな。」

 

 正直、あーしの地元じゃテレビはなかった。あの治安の中テレビ番組を作ろうと思う会社が無いから。だから最初アス校に来た時は驚いた。テレビ番組があるくらい平和なスペーシアンを恨んだりもしたが、今ではこれを地球にも広めたいと思っている。

 

「ちなみに今日から新シリーズだから、チュチュも追えると思うぞ。」

「マジ⁉︎どんなやつ⁉︎」

 

 それはともかく、天王星のニチアサとやらを観てみるか。勧善懲悪のヒーローモノはあーしも好きそうな予感がするし。

 

「股間の刃だ。」

「変態じゃねえか⁉︎」

 

 前言撤回。戦隊モノじゃなくて変態モノだった。あーしは絶対嫌いそう。

 

「原作が人気でな。我はこの日を楽しみにしていたのだ。」

「人気なのかよ、それ………。つーかどういうヤツなんだ?」

「勃起したおちんちんで鬼を退治する物語だ。」

「バカじゃねえの⁉︎」

 

 しかも頭おかしいだろ‼︎確かに天王星にはちんちん侍とかいうチンコで治安維持する連中が居るけどよぉ………。それを元に書いたのか⁉︎そんなん物語として成立すんのかよ⁉︎

 

「おっ、始まったのだ‼︎」

 

 そんなことを言ってる間に始まったし‼︎

 

『俺たちは侍じゃない、刀を持たない。しかし、股間に太刀を持っている。使うのは己のちんこのみ。それで鬼を、倒すのだ。』

「うぉぉぉぁぉ‼︎例の口上‼︎カッコいいのだ‼︎」

「どこが⁉︎」

 

 なんかナレーションの変なおっさんが変なこと言い始めたし‼︎

 

『貴様、鬼だな?』

 

 しかも超ゴツい下半身丸出しの露出狂が主人公なのかよ⁉︎お前のが鬼だろ‼︎

 

『ムカつくおっさんだな………殺してやるっ‼︎』

『おっさん?俺は16だが………』

『嘘つけ‼︎』

 

 46の間違いでは⁉︎

 

「うぉぉぉぉ‼︎カッコいいのだぁぁぁぁ‼︎」

「そうか………?」

 

 しかも、そんな変態主人公を見て興奮するグリグリ。カッコいいか、このおっさん?ただの露出狂の変態では?

 

 

 

 

 ニチアサを観終わった後、あーしとグリグリは宿題をすることになった。

 

「う〜ん、むっず………」

「潤滑油におけるナビエ・ストークス方程式の問題か……」

「グリグリ、分かるか?」

「ああ。まずこの隙間が円筒なのか平板間なのか、どちらかが分かる必要がある。」

「えっとこれは………平板間か!」

「その通り。」

 

 悔しいけど、あーしはいつも年下のグリグリに教わっている。何度も合格ラインに達しており、ついに主席となって上を黙らせたその学力は、正直あーしじゃ勝てっこない。

 

「次は平板間流れの方程式を書いてみてほしいのだが……」

「えっと………それは………こうか?」

「合っておるぞ‼︎」

「っしゃあ‼︎」

 

 また、彼女の教え方は結構分かりやすい。あーしが学内でまあまあいい成績を収められてるのも、ひとえに彼女のおかげだ。

 

「それにしても、潤滑油の方程式はローションにも使えるな……」

「機械にローション入れんなよ?」

「それは分かっておる。」

 

 また、下ネタへの転換も相変わらずすごい。

 

 

 

 

 勉強を終えて昼飯を食った後、あーしとグリグリはバドミントンをしに寮の芝生広場へやってきた。

 

「この羽根を股間に入れるのか………?」

「違えよ‼︎」

 

 バドの羽根を見て真っ先にそれを思い浮かべるのは頭天王星としか言いようがない。あーしなんて思いついたこともねえよ!

 

「このラケットで相手の方に飛ばすんだ‼︎」バシッ!

「おお、飛んだ‼︎」

 

 とりあえず、バドのやり方を教えるか……。あーしが羽根をラケットで飛ばす。そしてラケットの飛んだ方に走り………

 

「それで向こうにいる人が………これを打ち返すんだ‼︎」バシッ!

「おおっ!チュチュ足速いのだ‼︎」

 

 飛んでった羽根をさっきまでいた場所、もといグリグリのいる場所に打ち返す!

 

「グリグリ〜、それをあーしのとこに打ち返してみろ‼︎」

「えっと………こうか?」ペチン

 

 グリグリはとりあえず軽く打ってみる。当然その力じゃあーしのところに届くはずもなく、羽根はすぐに地面へと落ちてゆく。

 

「すっ、すまない………」

「い〜よい〜よ!その羽根拾って、もっと強く打ってみ‼︎」

「あ、ああ………」ひょいっ、バシン!

 

 そして、次にグリグリが打った羽根は、見事あーしのとこまでやってきた。

 

「おお‼︎いーじゃんいーじゃん‼︎」

「ほ、本当か⁉︎」

「ほら、あーしが返すから打ち返してみ‼︎」バシン!

「わ、分かったのだ……っ‼︎」バシン!

 

 2回目も見事成功‼︎多少場所はずれたりしてるけど、そこはあーしが動けば問題なし‼︎

 

「上手いじゃん‼︎すっげー‼︎」バシン!

「褒めてくれて、感謝する‼︎」バシン!

 

 こうしてあーしとグリグリはしばらくバドミントンのラリーを続けた。本当は対戦して遊ぶものだけど、正直勝負事があんまり好きじゃないグリグリにはラリーで遊び続けるこの方がいいかもな。とにかく、喜んでくれてよかったよ‼︎

 

 

 

 バドが終わって部屋に帰ったあーしらは、しばらくダラダラ話していると、ある話になった。

 

「そういや、お前の枕元にある人形って何?グリグリそっくりだけど……」

「これはだな……スカ姉が作った最初の人形だ。」

 

 グリグリの枕元には、いつも本人にちょっと似せた、手のひらサイズの可愛らしい人形が置いてあった。ずっと大切にしているようで、気になったから聞いてみたけど………思ってたより大切なモノだった。

 

「そっか……。お前の姉ちゃん、すっげえ可愛い人形を作るんだな!」

「そうだろう……、一番最初はグリちゃんの人形がいい……って言って、作ってくれたな………」

「そうなのか……本当に、いい姉ちゃんなんだな。」

 

 当然グリグリは寂しそうにしている。そりゃそうだ。自分の大好きだった姉がいなくなったのだもの。こんなに優しいグリグリをずっとそばで見守ってきたスカ姉。きっととても優しい人物なのだろう。

 

「他にはどんな人形作ってたんだ?」

「別れる直前だと………こんなのとか?」

「嘘だろ⁉︎」

 

 そうしてグリグリに見せてもらったのは、なんとサイズまで本物そっくりと思われる、色んな人の人形だった。

 

「スカ姉はエッチな人形、ダッチワイフでエッチなライフを人々に提供したくてな……。本物そっくりのダッチワイフを作って、抱いた時の質感とかを作ろうとしたんだ。」

「すげえ…………」

 

 人間そっくりの大型人形、ダッチワイフ。幼少期の小さい人形からここまでのモノを作れるとは、本当に凄いな。だからこそ、早く見つけねえと……。これ以上、グリグリの悲しむ顔を見たくないから。

 

 

 

 そんなこんなで、グリグリとのなんてない休日の1日は終わったのだった。



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第三十八話 大切なモノ♂

全身筋肉痛で書くの遅れました!すんません!もちろん原因は祝福じゃないよ!


  side チュチュ

 

 ある日、あーしとグリグリはフェルペトとグエルのことについて話していると………

 

「先日幼女愛護艦隊からの報告では、まだ見つかってなくてな。」

「そうなのか………」

「まだ見つけきれてねえだけだって!」

「いや、そのことなんだけど…………」

「俺のことで何かあったか?」

 

 まさかの本人が帰ってきた。

 

「「「えっ⁉︎」」」

「実はつい最近会社に戻ってきてて………」

「グエル先輩………っ‼︎」

「すまんなフェルシー。色々合って戻って来れることになった。」

「良かったですぅぅぅぅ‼︎」

 

 大声で涙ぐむフェルシー。相当嬉しかったんだろう。対してペトラは既に知ってた様子。そういやジェタークCEOの秘書になってたな。

 

「良かったな、フェルシー!」

「戻ってきてくれて何よりだ。」

「チュアチュリーにエバーグリーンも、俺の捜索に協力してくれてたんだな。ありがとう。」

「いいってことよ!」

「どういたすのだ。」

「どんな言い方だよ‼︎」

 

 変な返し方のグリグリはともかく、グエルに普通に褒められるとなんかちょっと照れる。普段色んな人から貧困アーシアンとかバカにされてたせいで、なんか褒められるのに慣れてない。グリグリだけは何度も感謝してくれるから慣れたし、素直に嬉しいと言えるけど。

 

 

 

 

 それはそうと………

 

「ところで、隣のチビは誰なんだよ?」

「グエル、まさかロリコンに………っ⁉︎」

「そんなわけないだろ。」

 

 さっきからグエルの手を握って離さない幼女はなんなんだ?

 

「チビ言うな。シーシアだよ。」

「地球に居た時に出会ったんだ。それでコイツが俺についてくって。」

「なるほどな………なっ⁉︎」

「「地球に居た⁉︎」」

 

 幼女のことは分かった。だけど地球に居たって、どういうこと⁉︎

 

「退学した後就職した会社が事故にあってな。その際に地球に流れ着いたんだ。」

「なるほど、それは大変だったのだな………とにかく、君が無事でよかった。」

「ありがとう、エバーグリーン。」

 

 事故で地球に流れ着くって、なかなか大変なことだな。乗ってた宇宙戦艦が地球に墜落したとか?それともテロリストに襲われたとか?そもそもなんか就職してるし。波瀾万丈だったんだな、コイツ………

 

 

 

 

 そんなことを思ってると………

 

「ねえ、お姉ちゃんはグエルお兄ちゃんの何?」

 

 幼女ことシーシアが嫉妬丸出しでグリグリに話しかけた。コイツ、どんだけグエルのこと好きなんだよ。

 

「グエルのナニ⁉︎我はおちんちんなのか⁉︎」

「ちびっ子に変なこと言うな‼︎」

「ちんっ⁉︎」

「フェルシー、この間の副作用か⁉︎」

「グエルお兄ちゃん、この人変態。近寄らない方がいい。」

「変態だがいい人だぞ。」

「シーシア、安心してくれ。我はただ純粋にエッチが好きなだけだ。」

「何も安心できねえじゃん、それ‼︎」

「キモい………」

 

 あとグリグリ、幼女相手に下ネタ言うなし。教育によくねえだろ。そしてグエル。よく公衆の面前で自分をイかせた人間に対して、いい人って言えるよな。普通親の仇のように恨んでもおかしくねえだろ。

 

 

 

 

 あーしらはグエルたちと談笑した後、寮に戻ると…………

 

「ねえグリちゃん!あれやって!パーメットマッサージ‼︎」

「私はソフィの付き添いだから………///」

「ランブルリングでMDも一時検査になってだな……」

「しまった‼︎」

「お前がやったもんな。」

 

 相変わらずソフィとノレアがグリグリのGUND棒を欲していた。コイツらハマり過ぎだろ。パーメットマッサージとか変な名前つけてるし。

 

「そういや、グリちゃんの機体も取られたんだっけ?」

「一時検査だと。卑猥だと思わないか、リリッケ?」

「う〜ん、私は思わないな〜。」

 

 ちなみにエアリアルやデミはじめ、地球寮の機体は全部検査に出されている。ソフィとノレアの以外は大丈夫だと思うんだがな………。あとリリッケ、お前のスルースキルどうなってんだよ。猥談をさらっと受け流し過ぎだろ。

 

 

 

 

 そんなことを思ってると………

 

「皆大変!スレッタ先輩とグエル先輩が決闘するって!」

「「「「えっ⁉︎」」」」

 

 ビッグニュースが飛んできた。帰ってきたグエルが早速スレッタに決闘を挑むのだという。リリッケが端末のニュースを見て飛び上がった。

 

「久々の再会で、好きになっちゃったのかな〜?」

「そんなお花畑だっけか、アイツ?」

「スレッタとヤりたいのだろう。」

「それはミオリネだろ。」

 

 もしや、地球で修行を積んできた、とか?確かに今のグエルは前と違って、一皮剥けたというか………なんか成長した雰囲気を感じたけど………。まさかあの幼女と⁉︎いや、違えだろ‼︎あーしまで頭天王星になってどうすんだ‼︎

 

「待って、この人アタシのことをエッチな目で見てきた人じゃん‼︎」

「どういうこと⁉︎」

「ソフィ、その話詳しく聞かせて。」

「我にも頼む。」

 

 しかもグエルとソフィって面識あったの⁉︎2人の境遇的に、どこをどう考えても会うことなくない⁉︎

 

「このラウダ・ニールが、話は聞かせてもらった‼︎」

「貴女がグエル先輩を誑かしたのね!」

「ソフィお姉ちゃん、信じてたのに………」

「シーシア⁉︎というかアタシが悪いの⁉︎」

 

 しかもどこから聞きつけたのか、ラウダにペトラ、更にはシーシアがやってきた。しかも全員ソフィを悪者扱い。どう考えても話の流れ的にグエルが悪いだろ‼︎

 

「とりあえず、全員セックスして白黒つけるべきだな。」

「「「「それは嫌‼︎」」」」

 

 グリグリはまとめて乱交させんな。1人幼女がいるんだぞ‼︎

 

 

 

 

 猥談でまたもやごちゃごちゃになったところで、ラウダたちは決闘があるからと戻っていった。

 

「ソフィ、本当に何したの?」

「他の奴らと一緒に捕まえたアイツを揶揄ってただけ〜。」

「クエタの時にグエルも居たのかよ………」

「そういうこと〜!」

 

 そして、グエルとソフィの経緯を聞いてるうちに………

 

「皆〜、決闘始まるよ〜!」

「リリッケ、感謝する!」

 

 いよいよグエルとスレッタの決闘が始まった。

 

「そういや、エアリアルボロいままじゃねえか⁉︎」

「このまま決闘するのか?」

「停学中でメンテナンスも出来なかったし、仕方ないでしょ。」

「私とノレアのせいだけどね〜。」

「ったく!ニカ姉もどこで何してんだよ⁉︎」

「あの人がいれば、応急処置は出来たのにな。」

「そういえば、ミオリネ先輩も居ないよね〜。」

「新エランも居ないな。」

 

 しかし、エアリアルは万全の体制じゃない。この前のランブルリングで停学になって以降、没収されてたからだ。新エランはともかく、ニカ姉が居たらまたちょっとは違ったのに。もちろんその期間いじることさえできないし。

 

『これより、決闘を執り行い……ロウジ待って、今はダメ!……ますっ♡///』

 

 アイツらは相変わらず何してんだよ。そういうプレイにハマりやがって。

 

決心解放(フィックスリリース)♡///』

 

 ということで、セセリアの喘ぎ声と共に決闘は幕を開けた。

 

 

 

 最初はエアリアルが遠距離から攻撃。

 

「いっけ〜、スレッタ‼︎」

「遠くにミオリネがいると思って射精しろ‼︎」

「どんな応援だよ⁉︎」

 

 しかし、グエルがシールドで防ぎ、距離を詰める。

 

「グエル先輩、やっぱり強い………」

「ボブやるじゃ〜ん!」

「直接挿れるつもりか?」

「漢字変じゃない?」

「んなこと言ってる場合か⁉︎マズイ、スレッタが攻撃されるぞ‼︎」

 

 流石は27連勝の元ホルダー。操縦者としての技量が段違いだ‼︎スレッタ、頼む‼︎

 

「………ん?」

「なんで撃たないのだ?」

「グエル先輩、様子が変ですね………」

 

 あれっ?グエルはスレッタの目と鼻の先まで距離を詰めたのに、何故か撃たなかった。どういうことだ………?

 

『グエルさん、調子悪い………でもっ、皆‼︎』

『くっそ………っ‼︎』

 

 エアリアルがその隙に連続射撃。グエルから距離を取って、更に射撃。いいぞ‼︎

 

「いけ〜、スレッター‼︎」

「イけ、スレッタ‼︎」

「そのイけじゃねえだろ‼︎」

 

 そんなこんな言ってるうちに、スレッタがグエルに一撃入れに行く。相変わらず調子の悪いグエルはその攻撃を防ごうともしな…………いや、した‼︎ギリギリまで引きつけてしやがった‼︎

 

「くっそ‼︎」

「凄い動きだね………」

「スレッタ、負けるな‼︎負けてほしくないのだぁぁぁ‼︎」

『約束したんです、ミオリネさんの誕生日………必ず勝つって‼︎』

 

 あーしらの応援を聞いて、スレッタも覚醒‼︎なんとグエルの機体の一部を奪い取り自分のものに‼︎なんなんだ、あれ⁉︎

 

「うひゃぁぁぁぁ‼︎これだよこれ‼︎スレッタお姉ちゃんのエアリアル‼︎」

「あのGUND-ARM………やはり只者じゃない………」

 

 GUND-ARM乗りの2人からしても異常らしい。その光景は、頼もしくも恐ろしい、そして美しさすら感じる異様なものだった。

 

『ずっと隣に居たいって………今度は私から言わなくちゃって……一緒に指輪買って、式も挙げて……2人とも、最高のドレスを着て………だから………だから………っ、私を選んで下さい‼︎』

 

 そしてこだまする、スレッタの想い。なるほど、グエルがここにきてミオリネの花婿に名乗り出たのか。どういう経緯かは分からないけど、今のスレッタが負けるはずねえ!

 

「いい告白じゃねえか、スレッタ‼︎」

「結婚式の準備、お手伝いしますよ〜‼︎」

「式後のホテル選びは任せろ‼︎」

「お姉ちゃんとお義姉ちゃん、頑張れ〜!」

「私そんな柄じゃないけど………頑張って下さい。」

 

 あーしらの声援も届け‼︎そして叶え‼︎スレッタの夢‼︎

 

 

 

 

『………あれ?』

 

 そんなことを思っていたのだが、何故かエアリアルが動かなくなった。

 

「どういうことだよ⁉︎」

「故障していたのか⁉︎」

「マズイです!このままだとグエル先輩が………っ‼︎」

 

 そして、心配はそのまま………グエルがスレッタのエアリアルを一閃し、

 

『しょ、勝者………グエル・ジェターク………』

 

 セセリアの戸惑いと共に、決闘は幕を閉じた。

 

「嘘だろ………っ⁉︎」

「そんな………っ‼︎」

「スレッタお姉ちゃん………」

「「……………」」

 

 信じられない出来事に、あーしらはただ呆然と立ち尽くすしかなかった。他の階で観戦してたマルタンらからも、絶望のメッセージが届いていた。どういうことなんだよ………まさか、エアリアルの故障か…………

 

 

 

 

 

 そんなことを思っていると…………

 

「やあやあ、こんにちは。」

「エラン………どうしたのだ?というか後ろの4人は………?」

「テメェ、今までどこをほっつき歩いてた⁉︎」

「ノレアが心配してたよ〜!」

「ちょっとソフィ………言わな………ん?」

 

 新エランが帰ってきた。謎の怪しげなババア4人を連れて。まさかコイツが、今回の決闘の………っ!

 

「テメェ、まさかエアリアルにっ‼︎」

「エアリアル………?そんなものに興味は無いさ。俺が訪れた時に、たまたま決闘がやってただけだァ。」

 

 なんだコイツ?エアリアル目当てじゃないんか………?あと後ろの妙に存在感の強いババア4人が気になるんだが。なんか喋れよ。

 

「俺が興味あるのは、エバーグリーン・ウラヌスの方さ。」

「なぬっ⁉︎」

 

 グリグリが目当て………だとっ⁉︎一体どういうことだ⁉︎新エランも旧エランも、グリグリには興味なかったはずじゃ………



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第三十九話 素人モノのAVってあんまり素人感無いですよね?

  side チュチュ

 

 スレッタとグエルの決闘後、いきなりペイルがグリグリ目当てでやってきた。

 

「まさか君たちは……我とHがしたいと?」

「身体目当てじゃないよ。」

「なぬっ⁉︎身体目当てではない人間など、この世におるのか⁉︎」

「いっぱいいるだろ‼︎」

 

 逆に天王星は身体目当て以外で接触しないのかよ。相変わらずすげ〜な‼︎

 

 それはともかく、なんかきな臭い。元々ペイルは御三家の中でも何やってるか分からないところがあった。まさかグリグリを新しいエランにでもするつもりか?

 

「んで、あーしのグリグリに何の用だよ⁉︎」

「君のじゃないだろ?」

「妹みてえなもんだよ!」

「チュチュ………っ!」

 

 流石にそんなとんでもない整形はしないと思うけどな。念のため、念のためだ。

 

「まあまあ、俺は君に伝えたいことがあってな。お姉さんの居場所について、手がかりが掴めた、ってね。」

「なにっ⁉︎」

 

 スカ姉の居場所か、なるほどな。もしそれが本当なら、すぐにでもグリグリと一緒に行くんだけど………なんか怪しいんだよな………

 

「皆、聞いて。スレッタ・マーキュリーがミオリネ・レンブランに振られ………た?」

 

 そして、そこにやってきた旧エランこと氷の君。コイツが言ってることもめちゃくちゃ気になるんだけど、コイツがペイルの前に現れて大丈夫なのか⁉︎新エランならともかく、後ろの怪しいババアの前ではマズイのでは⁉︎

 

「CEOたち………何故ここに?」

 

 嘘だろ⁉︎後ろのババア共全員CEOなのかよ⁉︎手違いで4人もなっちまったやつなのか⁉︎だとしたらペイル社アホすぎるだろ‼︎

 

「エバーグリーン・ウラヌスに用があってなァ。」

「天王星には興味無かったんじゃないの?」

「話が変わったんだよ。今の会社が成長するためにも、天王星の技術が欲しくてな。」

「もしかして、この前の猥談スプレーは………?」

「ひとえに技術の検証さ!」

「何を検証してんだよ⁉︎」

「性癖♪」

「アホか‼︎」

 

 ついツッコんじまった。新エランも大概アホだな。

 

 

 

 

 そんなことを思ってると、ノレアが………

 

「それはそうとエラン・ケレス、この前私のアイスを勝手に食べたでしょう?」

 

 新エランに話しかけた。確かコイツら妙に仲良いんだよな。ケンカップルというか。グリグリもこの間『あの2人は罵倒セックスしてそう。』とかわけわからんこと言ってたし。

 

「アイスなァ。名前を書いとかないのが悪いんだよ!」

「………やっぱり。」

 

 会話がケンカ中のカップルみたいな………

 

「貴方はエラン・ケレスじゃない。」

 

 えっ?今なんて………?

 

「おいおい、どうした急に!」

「だってアイスなんか私食べたことないですし。」

「………カマをかけられたってわけかァ〜。」

「その通りです。」

 

 コイツがエランじゃない?新エランとは別の………どういうことだ?

 

「じゃあ喋るね。俺は君たちが知ってる新しい方のエランとは別物の、本物のエランの方さ!」

 

 本当に別⁉︎しかも3人目のエラン⁉︎マジで訳わかんねえんだけど⁉︎

 

「おい旧エラン、どういうことか教えてくれ‼︎」

「僕やこの間までいた新エランは、全員コレの元影武者。」

「そういうこと!通称新エランこと5号がバックれやがったからなァ〜!4号も天王星に帰化するし、大変だよ!おまけに熟れた雌犬ベルメリアまで音信不通だし。」

「よく言うよ。」

 

 旧エランが影武者4号で、新エランが5号…………そして目の前の胡散臭いコイツが本物、ってわけか………。あとベルメリア、見ないと思ったらどこ行ったんだ………?

 

「と言うわけで、会社の秘密をバラしたぜ。これで俺のこと信用してくれる、エバーグリーン・ウラヌス?」

「我はいいが………」

 

 でもよぉ、そんな簡単に機密事項バラしていいのか?流石に裏の1つや2つはあるだろ?影武者がこぞって逃げてるってことは、ろくな会社じゃないに違いない。グリグリはあんまり人を疑わないから、あーしが疑いに疑って、守ってやらねえと………。頭使うのは正直苦手だけど、これもグリグリのためだから………

 

「急に言われても信用できっかよ!グリグリはやんねえぞ‼︎」

「チュチュ……?」

「やるもなにも、お姉ちゃんの手がかりが分かったから教えたいだけなんだけど………」

「分かった。ならドミニコスと幼女愛護艦隊とも協力して、捜索しようじゃねえか‼︎」

 

 捜索といっても、あーしら学生だけじゃ無理がある。だから武力を持ったプロの手を借りるのは自然。この手がかりが真なら一緒に探せばいいし、偽ならとっちめればいい。

 

「もちろんいいよ。」

「よし分かった‼︎」

 

 本物のエランはすぐに承認。とりあえずは多少信用できるか…………

 

 

 

 

『緊急事態発生!緊急事態発生!』

 

 そう思った矢先、構内に響き渡るセセリアのアナウンス。一体何が起きたんだ⁉︎

 

『アバンネットグループの残党を名乗る人間がMSに乗って暴れている模様!至急地下避難施設*1への待避をお願いします‼︎』

 

 アバンネットグループの残党⁉︎確か天王星に全身性感帯にさせられた、元巨大暴力組織じゃねえか⁉︎なんで今更アス校に⁉︎恨みがあるとしたら、天王星じゃねえのか⁉︎

 

「ねえ、チュチュ見て見て!」

「この2人、見たことあるな………」

「うむ……遅効性ボディペイントの時の痴女2人もおるのか⁉︎」

「痴女ではねえだろ。」

 

 ソフィや旧エラン、そしてグリグリが見てる動画には………なんとあのクソスペ女2人組が映っていた。

 

『おいエバーグリーン、出てこいや‼︎』

『水星女にチュアチュリー・パンチラ………あれっ、パンツランチ?も居ないのかしら〜⁉︎』

 

 画面越しに大暴れする2人組。アイツらまだ懲りてなかったんかよ‼︎セックスしないと出られない部屋に閉じ込められたくせに‼︎あの日から全く見ないと思ってたら、アバンネット・グループのとこに居たのか⁉︎セックスはしてねえのか⁉︎あと、あーしの苗字間違えんな‼︎パンツランチってパンツが昼飯って意味だぞ‼︎

 

「皆‼︎」

 

 そんなことを思ってると、マルタンがあーしらのとこに駆けつけた。

 

「とりあえずドミニコス・ロリコン*2連合軍には僕が連絡しとい………た?」

 

 そしてペイルの人らを見て固まった。そりゃそうなるよ。つーか、この軍団、ペイルが呼んだのか………?

 

「嘘だろ……アバンネット・グループの来襲⁉︎潰れたんじゃねえのかよ⁉︎」

「貴方たちの仕業ではないのですね。」

「当たり前だろ‼︎とりあえず避難しよう、エバーグリーン・ウラヌス‼︎」

 

 そんなことはなさそう。全身性感帯になって潰れた元ライバルグループとか、協力する理由がねえもんな。

 

「我だけでよいのか……?他の人も頼みたいのだが………」

「順番の問題さ!早く‼︎」

「いや、今外出るのは危ないです!助けは呼んだので、地下待機の方がよろしいかと!」

 

 マルタンがエランと無口4ババア共に反論する。確かに強力なシェルターがある地下のが安全だ。ランブルリングでMSやMDが軒並み没収されてる以上、対抗する術がないし。エアリアルもなんか知らんが不具合で止まってる。もしや、エアリアルを止めたのはアバンネット・グループか?

 

 

 

 

  side ミオリネ

 

 せっかくエアリアルを止めて、スレッタを引き剥がせたのに………っ!最悪のタイミングで敵襲ね!ひとまずエアリアルを復活させないと………。スレッタの洗脳を解くのは、また後よ‼︎

 

 あと、ここで突き放さないってことは………もうちょっとだけ、スレッタと祝福できるってことかしら………?いやいや、今そんなこと考えてる場合じゃないでしょ!早くアバンネット・グループを退けないと‼︎

*1
オリジナル設定、それくらいのセキュリティはありそうですし。

*2
幼女愛護艦隊




シリアスの中にも多数のスケベを。それが僕のモットーです。

スケベで喜怒哀楽を表現する、それが僕の目標です。


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第四十話 ウンチドート

  side ケナンジ

 

 私たちドミニコスは、天王星が誇る最強艦隊・幼女愛護艦隊と共にアスティカシア学園に来襲したアバンネット・グループを討伐………してるのだが………

 

「なんで皆全裸なんだ……?」

 

 幼女愛護艦隊は見事に全員全裸。男だけでなく女も全裸が当たり前で、この異常事態に異常性癖を見せつけられている。

 

「そりゃ全裸が正装やからな。」

 

 当たり前のことを急にどうした、みたいな雰囲気を出してくる幼女愛護艦隊の隊長、ロリ・ラブラトス。我々はお互いの指揮官として、中央司令室で隣同士待機している。このおじさん時代はエロが絡まなければ、単なる気のいいおっちゃんなのだが………

 

「戦闘時の防御力は………?」

「代わりに攻撃力を出しとるんや。」

「攻撃力………?」

「見ててみ〜!」

 

 全裸になると攻撃力が上がる。これはどういうことだ?

 

『第2分隊、射精や‼︎』

『『『『『了解‼︎』』』』』

 

 異様な合図とともに………

 

『『『『『幼女のツルツルぅぅぅぅ‼︎』』』』』

 

 隊員たちが絶頂し、巨大な白いビームが船の先端から何本も放たれる。見ているだけで異様な光景だ。

 

『天王星の連中め………っ!卑怯なっ♡。』

 

 そして、それを受けたアバンネット・グループのパイロットが性的快感を覚える。MSの装甲を貫通して内部の人間の神経にまで届くえげつない攻撃。卑怯というより卑猥だ。

 

「ワイらは己の性欲を攻撃力に変換しとるんや。即ち己の性欲を高めることが、相手に与えるダメージを増やすことに繋がるんや!」

「もしかして、全裸が一番興奮するから………?」

「正解!ケナンジもスケベやな〜!」

「誰でも分かるだろ………」

 

 確かに、それで攻撃力を取ってるのか………エロ全振りすぎて、ここまでくると清々しい。

 

 

 

 さて、ここからは連携のターン。幼女愛護艦隊がパイロットを性的硬直させた隙を狙って………

 

『それでは第五隊、攻撃開始。』

『『『『了解!』』』』

 

 私たちが攻撃する。

 

『くっそ……!』

 

 当然アバンネット共は反応が遅れる。絶頂中にしろまだにしろ、身体を通常の状態とは異なるようにさせるのだから。天王星陣営の放つ攻撃は、いわば麻酔銃のようなものだ。そう思うと、絶対に敵に回したくない組織である。

 

 

 

 さて、相手はどう出てくる……?

 

『射精訓練を思い出せ‼︎天王星に復讐するために、エッチな攻撃に耐えられるよう訓練しただろ‼︎』

『『『はっ‼︎』』』

 

 アイツらもアイツらで何してるんだ⁉︎

 

『つまり………何回も45ったわけかいな‼︎』

『その通りだ‼︎この程度、造作もない‼︎』

『そんな慣れるほど45ったっちゅーことは………立派な変態やな!』

『なにっ⁉︎それは違うぞ‼︎決して違う‼︎』

 

 違わないだろ。一日何発もやってるわけだし。

 

『ワイらと同じやな‼︎』

『そんなことはなぁぁぁぁぁい‼︎』

 

 よっぽど同類と見られるのが嫌なのだろう。確かに復讐相手に、お前らは俺らと似たようなもんだ、って言われたら腹立つだろうし。

 

 

 

 

 そんなことを思ってると、

 

『こうなったら、アレを使え‼︎ウンチドートだ‼︎』

『『『『はっ‼︎』』』』

 

 アバンネット・グループが意味分からないことを言い始めた。ウンチドート?何かの暗号か………?一体どんな攻撃が来る……?

 

『『『……』』』ブリブリッ!

 

 そして、アバンネットのMSのケツから、うんこが大量に出てきた。そして此方に向けて飛ばしてきた。いやっ、汚っ‼︎頭おかしいだろ‼︎

 

「なんかよう分からん攻撃来たな………」

「君たちのもだろ。」

「とりあえず、アレの正体を探るか………第3分隊、射精や‼︎」

『『『了解‼︎』』』

『メスガキ王子、射精()る‼︎』

 

 とにかく、彼らの様子を見るか………

 

「なんやと?GUND棒が………萎えた?」

 

 数秒後、宇宙戦艦の側面に取り付けられてたGUND棒が萎えた。これは一体…………?

 

『ラブラトス隊長、ごめんなさい‼︎』

『ウンコがあると、勃たなくなってしまって………』

『スカトロは性癖じゃないんです………』

 

 エッチ光線の無力化、というわけか。

 

『ざまあみやがれ‼︎』

『臭い思いをして開発した甲斐があったぜ‼︎』

 

 相手も中々やるな………。変態的な意味で。

 

『なるほどな………せや!隊員の中にスカトロ好きはおらんか⁉︎』

 

 そんなお客様の中にお医者様は居ますか、みたいに言うな。

 

『隊長‼︎』

『どうしたんや、メスガキ王子⁉︎』

『この俺にかかれば………目の前のうんちを幼女のものだと脳内変換出来ますぜ‼︎』

『ホンマか⁉︎そりゃ助かるな‼︎』

 

 乗り越え方も変態なんかい‼︎ほんと、天皇星人(ウラヌシアン)は皆イカれてるな………

 

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 地下に避難させようとするマルタンと、グリグリを自社で保護しようとする自称本物エランと無口の4BBA。

 

「何かこの人数を防衛する術はあるんですか………?」

「いや、流石に多すぎるなァ。だからまず、エバーグリーン・ウラヌスからだァ‼︎」

 

 会社で欲しい人材だからって、そこまでして守る必要あんのか⁉︎もしやコイツらは、グリグリを誘拐したいだけなんじゃ…………

 

 

 

 

 そんなことを思っていると………

 

「おいおい、アバンネット・グループは妹にも手を出すのかよ。」

「それは聞き捨てなりませんわね。」

「「「ええ。」」」

 

 なんともう1人エランの顔した奴と、喋るBBA4人組がやってきた。しかもBBAは見事なまでに、無口な方とビジュアルが被っていた。

 

「おい、なんだよこれ………?」

「ドッペルゲンガーか………?」

「そんなわけないよ。俺こそが本物のエラン・ケレスさ。」

「いいや、俺が本物だ。」

「僕は偽物だね。」

「「そりゃそうだろ。」」

 

 4人目のエランと、2人目のBBA4人組。マジで意味分かんなくなってきた。どういうことなんだよ………?

 

「それじゃあ言うけど、後ろの婆さん達は喋れるんか?」

 

 新しくきた方が、さっちからいる方に向かって喧嘩を売る。喋()るんか?すごい聞き方だな。まるであのBBA達が喋れないみたいな言い方だな…………

 

「喋れないだろう?だってそれ、ダッチワイフだもの。」

「「「「えっ⁉︎」」」」

 

 ダッチワイフ⁉︎マジで⁉︎アレが人形ってこと⁉︎めちゃくちゃ本物に見えるんだけど…………

 

「作らせたんだろう、テメェらアバンネットが拉致したスカーレット・ウラヌスに。」

「なんだとっ⁉︎」

「彼女くらいだろ、こんな精巧なダッチワイフを作れるの。」

 

 確かに、これだけすごいダッチワイフは彼女にしか作れない。前グリグリに写真を見せてもらった通りだ。そして、アバンネット・グループがスカ姉を拉致した⁉︎それじゃあ奴らが、真の犯人か………っ‼︎

 

「アバンネット・グループ……?まさかお前は、元アバンネットの………」

「4号の言う通りだ。」

 

 旧エランがグループ名を聞いて察しがつく。もしや、アバンネットからのネズミが分かったのか⁉︎スカ姉を拐った犯人が、分かったのか⁉︎

 

「でも、死んでるはずじゃ…………」

「相手から逃亡する最強の方法は、相手に死んだと思わせればいい。お前は処分間際になって、スカーレット・ウラヌスを騙して作らせたダッチワイフと入れ替わり、俺たちに死んだと思わせた。ゴミ箱に捨てられてたダッチワイフ、あれはお前が死骸に見せたかったものだろ?」

「…………」

 

 ダッチワイフを使った入れ替わりトリック。それで本物エランや本物BBA達の目を欺いたのかっ‼︎そして、その人物の正体。旧エランやグリグリの話から、時期を照らし合わせると………

 

「その後彼女を拉致し、自分たちのアバンネット・グループの奴隷とした。そうだろう、強化人士3号⁉︎」

「その名前はペイルを辞めて終わったんだァ。今は元の名、ガナディクト・バレンタインって呼べやァ‼︎」

 

 旧エランの先代。コイツがスカ姉拉致の犯人だ。




エラン3号のプロフィールです。今までやたらとペイルの内情をバラしたり、口調がどのエランとも合致しなかったりしたのはこういうことです。

エラン3号
本名:ガナディクト・バレンタイン
性別:男
身長:170cm
髪:金髪
性格:復讐心が強い
年齢:35歳
所属:アバンネット・グループ(ペイル入社前と逃亡後) 
元ペイル社 強化人士3号


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第四十一話 高機動型ダッチワイフ 

体調不良で更新遅れました。すんません。

それと、エラン3号は自分のダッチワイフを焼きとうもろこしにすることで、自分が焼きとうもろこしになったと勘違いさせるトリックを使いました。焼けた後なら尚の事区別付きにくいですからね。


  side チュチュ

 

 旧エランの先代のエラン………コイツがスカ姉を誘拐した犯人………

 

「テメェ、なんてことしてんだ⁉︎」

「敵を倒す上では敵を知ることが重要。いい技術を盗めたぜェ‼︎」

「スカ姉………スカ姉を返すのだ‼︎」

「嫌だなァ。せっかくの捕虜をタダで返すのは勿体無いじゃんか。」

 

 殺してやる………っ‼︎

 

「テメェェェェェ‼︎」

「俺たちペイルも協力させてもらう‼︎」 

「無駄だァ‼︎いけ、高機動型ダッチワイフ‼︎」

 

 そう奴が言い放った途端、後ろにいた4BBAのダッチワイフが動き始めた。

 

「なんだとっ⁉︎」

「うわっ、めちゃくちゃ速え‼︎」

「「「「風向き、変わりそうね。」」」」

「楽観ししてる場合か⁉︎」

 

 しかもめちゃくちゃ速い‼︎まるでカサカサ動くデカいゴキブリのよう‼︎くそっ、どうするんだ⁉︎

 

「皆、逃げるよ‼︎」

「「「「はいっ!」」」」

「逃さねえぞォ、ガキ共ォ‼︎天王星人(ウラヌシアン)だけでも連れて帰れェ‼︎」

 

 あーしらが普通に走っても、BBAロボットの方が上!ヤバい、追いつかれる‼︎

 

「かくなる上は………アナルローターだ‼︎」

グリグリ(おまえ)は何言ってんだ⁉︎」

 

 グリグリまで壊れ出した‼︎くそっ、こんな時手元にデミがあれば………

 

 

 

「んほぉ♡」

 

 ん?なんだ?敵の方のエランが喘ぎ出したぞ?

 

「おい、痴女‼︎貴様何をしたァ⁉︎」

「全自動浮遊型小型ローター。これを貴様の尻穴に飛ばしただけだ。」

「なっ、なんだとォ………っ‼︎」

 

 なるほど、グリグリが奴のケツを()めて、BBAダッチワイフの動きを止めるのか‼︎

 

「私も手伝う!」

「ソフィ、どうするのだ⁉︎」

「これをばら撒く‼︎」バジャー

 

 そして、それを見たソフィがローションをばら撒く。

 

「くそォ、ぬるぬるするっ……んんんん‼︎」

「ノレアも手伝って!」

「仕方ない………」バジャー

「増やすなあァァァ‼︎ヌルヌルを増やすなァァァ‼︎」

 

 いつの間にかグリグリと変態連携プレイが出来るようになったソフィとノレア。コイツらももう立派な変態だ。

 

「「「「性癖、変わりそうね。」」」」

「あぁぁぁぁぁぁ‼︎くそっ、撤退だァ‼︎」

 

 そして、BBAに目をつけられる強化人士3号ことガナディクト・バレンタインこと元エラン。ざまあみやがれ‼︎

 

「さあ皆、今のうちに避難するよ!」

「ありがとう、ソフィ、ノレア、グリグリ‼︎」

「ど〜も〜!」

「私は真似しただけ………」

「敵を開発したまでよ………」

 

 相手が逃げても深追いは出来ない。なぜなら敵は相当な戦力を持っており、武器無しのあーしらが追うとかえって酷い目に遭うから。だから、あーしらは全員地下に避難することにした。

 

 

 

 

 

 

  side 本物エラン

 

 4号は亡命、5号は行方不明、そして3号は機密情報開示に少女誘拐、及び天王星への借りを作って押し付けてきた。全く、なんで俺が影武者共の尻拭いをしなきゃいけねえんだよ‼︎ふざけやがって‼︎会社はもうボロボロだっつーの‼︎くそっ!こうなったら、せめて被害が一番デカい3号だけでも叩き潰してやる‼︎情報漏洩とかの賠償金も取れるしな‼︎

 

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 避難先で、あーしはグリグリや自称本物エランと話していた。

 

「奴がスカ姉を拐った犯人………っ‼︎」

「おい本物エラン‼︎事情を説明しろ‼︎」

「アバンネットが解散した後、奴は転職してきたのさ。このままじゃ食い扶持を繋げない、ってね。もちろん復讐心なんて微塵も出してなかったよ。」

「僕もちょっと見たことあったから分かる。むしろ大人しく振舞ってた。」

「はなからペイルも騙す気だったんか………」

 

 自称本物エランだけならともかく、旧エランこと氷の君が言うなら間違いないだろう。あの男、めちゃくちゃ厄介だな………

 

「会社の技術向上のために君の姉さんを入寮させることにしたのさ。姉さんはアイツに惚れてたと思うよ。」

「ビデオ通話でも言っておったな。好きな人が出来た、と。」

「んでそれを利用して、誘拐。後は自分のダッチワイフを彼女に作らせて身代わりさ。」

「ぐぬぬ………スカ姉の恋心を利用しおって………っ!」

 

 そして、珍しく………というかほぼ初めて見るグリグリのガチギレ。よほどお姉さんのことが大切なのだろう。

 

「んで、どうするよ?姉ちゃんどうやって助けんだ?本物様よぉ。」

「恐らくアバンネットの拠点に居ると思うけど………拠点そのものの場所は分かんねえよ。」

「ならば、そこを探知する必要があるのだ。」

 

 ペイル側もアバンネットのせいで相当な被害を受けている。だからか、素直に協力してくれている。

 

「ペイルの技術で探知出来ないか?」

「う〜ん、現状厳しいな。ドミニコス・ロリコン連合軍が戦ってるものの、逃げられると捕まえきれないと思う。」

「ならすげえセンサーとかねえんか⁉︎」

「アイディアと金と技術があればな………」

「それ全部じゃねえか⁉︎」

 

 とはいえ、アバンネットに逃げられたんではどうしようもない。恐らく今攻めてきた部隊の中に、スカ姉は居ないだろう。むしろ、居ない前提で動いた方が後々やりやすい………と思う。あーし頭使うの苦手だから、正直自信ねえけど。

 

 

 

 

  

  side ケナンジ

 

 幼女愛護艦隊との連合軍を形成し、アバンネット・グループからの奇襲からアスティカシアを守ることに成功した。だけど………

 

「う〜ん、数が合わんな〜。逃げられたんとちゃうか?」

「そうだろうな………。全ては潰しきれなかった………」

 

 全滅、とまでは至らなかった。一部取り逃してしまったのだ。

 

「あん中にスカちゃんおるかと思ったんやけど、おらんかったし………」

「スカーレット・ウラヌスか。行方不明の。あだ名で呼ぶほど親しかったのか?」

「せやで。ワイがあの娘らの育ての親やからな。」

「そうだったのか………」

 

 そして、無念そうな顔をするロリ・ラブラトス。それはそうだろう。娘同然の子を奪われたのだから。先ほどエラン・ケレスから入った情報で、彼女がエランを装ったアバンネット・グループの社員に拉致されたことが明らかになっている。治安維持部隊の隊長として、この娘に明るい未来を見せなければ………

 

『ロリのおっさん!中にいる生徒から連絡ありやした‼︎全員避難完了、とのことです‼︎』

『メスガキ王子か。外はまだ捕虜の確認が終わってないから、引き続き中にいるよう言うたってな!』

『了解です!』

 

 どうやら、中の生徒は無事。その情報を聞けただけでも、安心だ。

 

 

 

 

  

  side チュチュ

 

 あーしらが本物エランと会議をしていると、

 

「グリちゃんにチュチュ、大丈夫だった?」

「ロウジ、我らは無事ぞ。」

「あーしはピンピンしてるぜ!」

 

 ロウジがやってきた。

 

「そちらこそ無事か?」

「セセリアはど〜したんだよ?」

「セセリアなら無事。今はドミニコス・ロリコン連合軍と連絡を取って、外が安全かを確認している。あの通りだ。」

『生徒の避難は完了しました。そちらの様子は?』

『おお、あの時の銀髪太ももムチムチメスガキじゃねえか‼︎俺のチンポがそう感じる‼︎外は……………とりあえず戦いは終わった‼︎まだ捕虜を引き上げる仕事が残ってるから、引き続き中で待機だぜ‼︎』

『分かりました。』

 

 どうやらセセリアも無事みたい。話し相手はメスガキ王子か。そして、相変わらず真面目で頼りになる。後は煽り癖さえ無くせば完璧だ。

 

「よかったな!」

「セセリアとはぐれなくて、何よりだ。」

「いや、彼女とはぐれることだけは絶対にない。」

「「「えっ?」」」

 

 そんなことを思っていたら、ロウジがすごいことを言った。思わずさっきまで黙ってた本物エランも返事するくらいには。何、絶対にはぐれないって?

 

「彼女のドスケベな匂いや存在を、僕のチンコが忘れるはずがない。隠れていても僕の中のエッチセンサーが彼女を見つけるさ。」

「何言ってんだよお前⁉︎」

 

 その理由がアホ過ぎた。エッチな気配を感じ取ってるのかよ⁉︎

 

「つまり、セルフ卑猥度計ということか………」

「そういうこと。」

「ヤバすぎんだろ⁉︎」

「………卑猥度計の原理を使って、スカーレット・ウラヌスを探せるのでは?」

「「「なっ⁉︎」」」

 

 そして、それを聞いて本物エランが閃く。卑猥度計の拡張………か‼︎

 

「なあグリグリ、スカ姉の卑猥度って分かるのか?」

「覚えておる。彼女の膣内(なか)が、この指に刻まれているくらいにはな。」

「姉妹で92か……、僕がセセリアにするみたく。」

「ああ。」

「それじゃあグリグリの脳内から卑猥度を計測し拡張すれば………」

「「「………居場所が分かる‼︎」」」

 

 そうだ、これしかない。グリグリの頭にある卑猥度の計測をリンクさせ、それを拡張して可視化する。つまり、コイツの姉ちゃんを想うエッチな気持ちを使って、姉ちゃんの居場所を探り当てるのか‼︎

 

「道筋は決まった‼︎それじゃあ早速開発に取り掛かろうぜ‼︎」

「だな。天王星にも聞いてみる。」

「協力する。」

「ペイルの最後の光にするよ。」

 

 こうして、株式会社GUND-ARMはペイル社、ブリオン社、天王星の協力の元、脳内卑猥度計の拡張機構を開発することになった。

 

 

 

 

  side ミオリネ

 

 チュチュ‼︎何会社名義で、勝手にエロいのを開発してんのよ⁉︎




次からアニメ18話に戻ります。


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第七章 総裁選
第四十二話 珍っぽな私たち


アニメ18話………チュチュの下半身ヤバくないですか?股間に悪すぎません?


  side ミオリネ

 

 スレッタとは結局別れることにした。やっぱりあの子は巻き込めない。どうか幸せに………なってほしい。

 

 にしても………姑と一緒に仕事するとか、超やりにくいんだけど。色々ヤっちゃった後だし、本当に気まずいわ。

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 アバンネット来襲、そしてスレッタのホルダー剥奪から数日が経った。

 

「スカ姉、待っておるのだ。お主は必ず我が救い出す……っ‼︎」

 

 敵、及びやるべきことが明らかになり、燃えているグリグリに対して………

 

「今日のランチは、ラウヌードルのトッピングマシマシにしてみました!いただきます‼︎」

 

 思いっきりミオリネにもフられたはずのスレッタが、違和感のあるくらいテンションが高かった。まあ、どう見ても空元気だ。

 

「ヌードをいただく、だとっ⁉︎」

「ヌードルです!相変わらずグリちゃんはエッチですね!」

「スレッタもエッチだぞ。」

「それほどでも〜!」

 

 そんな空元気を見たグリグリが、スレッタに話しかける。いつものテンションながら、やはりスレッタのことが心配そうな顔をしている。

 

「そういや今日の授業中………」

「カッコよかったですか?」

「えっ………」

「授業中、カッコよく先生に質問する……」

「やりたいことリストだったんですね〜。」

「今日は2つも埋まっちゃいました〜!」

 

 オジェロの気遣いものらりくらりと、あたかも楽しんでるかのように交わす。

 

「毎日授業に出て、皆と一緒にランチ食べて、すごく楽しいです!」

 

 本人なりの空元気。本当は落ち込んでいるのは分かっている。どうやって声をかけようか………

 

 

 

 

 ということで、あーしとグリグリは放課後、温室の前までやってきた。

 

「温度のチェックと、日照パターンの調整………あっ、肥料もだ!危ない危ない!」

 

 スレッタは健気にミオリネの温室を管理している。ミオリネにフられたというのに………。まずは本人の気持ちから聞いてみよう………

 

「スレッタ。」

「はい?」

「お前、ムカついてねえのかよ?ミオリネに。」

「えっと………」

「アイツあんだけ嫌ってた親父の後継ぐんだろ?それに、ジェタークのボンボンを選んでこっちは要らねえって、身勝手過ぎんだろ。」

 

 あーしだったらもちろんキレる。グリグリは絶対こんなことしないだろうけど、もしやったら怒鳴ってると思う。流石に前みたいに殴りはしないけど。

 

「ミオリネさんは悪くないです。」

「はぁ⁉︎なんでだよ⁉︎」

 

 そして出てきたスレッタの答え………ミオリネのせいじゃないって⁉︎どうしてそう思えるんだ⁉︎意味が分からない‼︎

 

「私が悪いんです。ミオリネさんとの約束、破ったから。ミオリネさんに釣り合うって勘違いしてた、私がバカだったんです。」

 

 自分のせいにしちゃってるのかよ………。気の毒に、なんて声をかければいいんだ………

 

「別に釣り合わなくても、一緒に居てよいのでは?」

「でも、ミオリネさんには………」

「大切な人と自ら離れるような縛りプレイなど、しなくてもよいと思うのだが………性癖だったらすまぬ………」

「いえ、そんな性癖はありません………」

 

 グリグリも思いの丈を語る。コイツは離れたくなかった大切な姉を強制的に引き剥がされている。それ故に辛い思いをしているから、ミオリネにも思うところはあるのだろう………

 

「もしかしたら、ミオリネさんは私から性病を貰うのを恐れて………」

 

 いや、それは違うだろ。

 

「もしそうなら安心しろ。天王星にはクワイエッチ・ゼロのおかげで性病は3秒で治るものになっている。」

「えっ⁉︎」

「はぁ⁉︎」

 

 グリグリも何言ってんだ⁉︎

 

「セックスシェアリングを最大化する上で欠かせないのが、性病への対応策だ。どれだけ楽しい遊びでも、病気のリスクが伴っては話にならない。天王星に移住された当初、天王星人全員がこの考えを持って、総出で性病対策の研究を行った。このプロジェクトをクワイエッチ・ゼロと呼ぶ。」

「つまり、それのおかげで性病になってもすぐ治るのですね!」

「その通りだ‼︎」

 

 ヤりたいからってまず最初に性病対策の研究をする変態集団。やはり頭がイカれているな‼︎アス校も最近変態に染まってきたけど、やはりオリジナルの天王星には到底叶わない。

 

 

 

 

 そんなことを思っていると、

 

「ミオリネはお前を性病源だとでも思ってたのか?」

 

 まさかのラウダが現れた。

 

「ちんちん……っ///」

「アンタまだ治んないのね。」

 

 猥談スプレーの副作用で語尾がバグったフェルシー&実はラウダ大好きペトラと共に。

 

「い、いや、そんなことは………っ‼︎」

「思うような奴じゃないだろ?」

「です‼︎」

「なら、他の目的があんだろ。信じてやれ。」

「そう……ですか……」

 

 他の目的………か。一体、ミオリネは何を考えてるのだろうか………?

 

 そんなことを思ってると………

 

「あと、チュアチュリー・パンランチ。オープンキャンパスの時は助けてくれてありがとう。感謝する。」

「ど、ど〜も………!」

 

 まさかのあーしが褒められた。なんか照れる………

 

「可愛いな、チュチュ。」

「お、グリグリ(おまえ)何言ってんだよ⁉︎///」

「可愛いです♪」

「う、うるせ〜‼︎///」

 

 くそっ、グリグリにスレッタめ‼︎あーしをからかいやがって‼︎許さねえからな‼︎

 

「つーかスレッタ!ミオリネの件は直接聞きゃあいいんだよ‼︎」

「あっ、誤魔化した!」

「会いに行くぞ、スレッタ‼︎着いてこい、グリグリ‼︎」

「はっ、はい⁉︎」

「分かった。例のテントも持って行くぞ。」

 

 ということで、強引に照れ隠しをしながら、あーしはスレッタとグリグリをミオリネのところに連れて行くことにした。

 

 

 

 

  side エナオ

 

 私はシャディクがベネリットグループの他社と会議をしているのを、横で聞いている。

 

『全て、ですか?』

『ああ。リストにある施設の、デューデリジェンスを急いでくれ。』

『適正価格とかけ離れすぎでは……?』

『義父さんの命には代えられない。指定された地球企業が最優先だ。』プチッ

 

 どうやら、今会議が終わったみたい。

 

「グループの事業譲渡、順調ね。」

『社内にこの状況を疑う人間は居ないよ。』

「議会連合に報告しておくわ。」

 

 とりあえず、仕事の話は済ませて………肝心の童貞ゲットタイムなんだけど………

 

「ところで、最近なんでずっとホログラムなの?本体はどこ?」

 

 目の前にいるシャディクがホログラムなせいで出来ない。というかここ数ヶ月、モニターでの出演からのホログラム化で、生身のシャディクを全く見ていない。

 

『俺もVtuberになろうと思ってね。』

「ホログラムじゃ犯せないじゃない。」

 

 これじゃあシャディクのあの声を聞けない。せっかくいつもの5人にニカ・ナナウラがいるのに、集団エッチ出来ないとかふざけてる。

 

『いいことじゃないか。』

「ど〜せミオリネとは婚約出来ないんだから、諦めたら?せっかくのデカマラが、宝の持ち腐れだよ?」

『いいや、俺はまだ諦めない。総裁になれば、いつかミオリネから寄ってくるさ。』

「サビーナに言っとくね。」

『頼むからやめてくれ。』

 

 そんなことを思っていると………

 

『エナオさん、朗報です。株式会社GUND-ARMと天王星、及びブリオン社とペイル社が協力して、拡張型卑猥度計の開発に取り掛かることが決定しました。これを使えば、皆さんのエッチな気持ちから、シャディクさんの居場所を割り出せます!』

 

 連絡係のニカ・ナナウラから嬉しい報せが入った。なるほど、それは便利だ‼︎

 

『何をしているんだ⁉︎』

「分かった。サビーナとも連携して、グラスレーからも協力を出そう。」

『ありがとうございます!』

『それは俺がさせないよ。』

「生身の肉体が来ないと、印鑑も使えなくない?」

『電子印鑑でカバーする。』

「なら私が………」

『いい加減にしてくれ。俺のブツはミオリネ専用なんだ。」

「シャディクこそいい加減にしなよ。一生童貞でいいの?」

『ああ。俺はもう、揺るがない。』

 

 とりあえず、シャディクをわからせないと。私たちはもう、我慢できないんだから。

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 あーしらは本社にやってきた。どうやら中に入れるのはスレッタだけみたい。

 

「頑張るのだ!」

「いざとなったらテント使えよ‼︎」

「はいっ!」

 

 こうして、あーしらはスレッタを送り出した。頼むから、仲直りしてくれよ‼︎




アニメでラウダとスレッタの会話がありましたが、あそこは変えました。


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第四十三話 一番じゃないヤり方

  side チュチュ

 

 スレッタをミオリネと仲直りさせるために、彼女を本社に送ったが………

 

「スレッタ。授業も休み、塞ぎ込んでおるのか………」

「ちゃんと対話出来たっぽくないんだよな〜。」

「例のテント、使われてなかったものな。もしや母やエアリアルと先に会ってたのか?」

「くそっ、アイツか……っ!」

 

 結果はダメ。それどころか、多分ミオリネと話した痕跡すら無し。あの仮面変態スレッタ母ちゃんが原因か?というか、現状それくらいしか考えられない。

 

「ひとまず、スレッタのメンタルケアだな。」

「ああ。」

 

 スレッタの母ちゃんには会いようが無い。なら彼女のケアだ。

 

「んじゃ、飯会だ‼︎」

「そうと決まれば話が早い。」

「あーしら冷蔵庫行ってくる!」

「では我はテーブル等の準備と他の人への声掛けだな。」

 

 ということで、急遽慰めパーティーが開催された。

 

 

 

 

 あーしが食料を取りに冷蔵庫へ向かうと………

 

「あっ…………」

 

 薄暗い暗室で、タヌキが冷蔵庫のものをつまみ食いしているのを見かけた。ので………

 

「来い、スレッタ‼︎」

「あ、あの、私まだ………心の準備が〜!」

 

 強引に引き摺り出した。

 

 

 

 

 

 食堂では、早速皆が準備していた。

 

「おはようなのだ、スレッタ。」

「スレッタ先輩の席、ここでいいですか?」

「そのハムも一緒にくれるかい?」

「ほえ?あっ、はい………」

 

 ちなみにスレッタはハムをつまみ食いしようとしていた。それを見たアリヤがハムを貰う。

 

「ちなみに、朝ごはんはティコのお乳のスープだよ。」

「我のお乳も飲むか?」

「それは要らねえ‼︎」

「いや〜、冷凍保存してたやつ使わなきゃいけなくなっちまってさ〜。」

「オジェロ、我の乳を冷凍保存だとっ⁉︎」

「してねえから‼︎」

「ティコのだろ。スイッチ入れ忘れてたからな。」

「げっ………」

「スレッタ・マーキュリー。僕のおち………」

「お前は喋んな。」

 

 ティルにオジェロ、そしてヌーノも協力者だ。4号は………喋らせるとろくなこと言わないし、黙らせとこう。

 

「そんなわけで、いつもより豪華なのですよ。」

「せっかくだから明るいところで食べよ〜、お姉ちゃん!」

「は、はい………」

 

 そして、ノレアとソフィから誘われて、恐る恐る歩み寄るスレッタ。

 

「はい、どうぞ。」

「いただきます………」

 

 アリヤがよそったスープを貰い、口にした彼女は………

 

「美味しいか………?」

「はい………っ!」ポロ、ポロ

 

 涙を流し、不安から安心へと移り変わったような、ほっこりする顔を見せてくれた。よかった、これで少しは和らいだみたい。

 

「よ〜し、食おうぜ‼︎」

「だな‼︎」

 

 こうして、皆で和気藹々と朝食をとろうとしていた時………

 

「皆、聞いてくれ。」

「マルタン?」

 

 マルタンがやっと来た。どうやら神妙な表情をしている。何かあったのか………?

 

「どうしたのだ、マルタン?」

「話したいことがあって。」

 

 そして彼の口から告げられた内容は、衝撃的なものだった。

 

 

 

 

 ニカ姉がテログループに協力してたとの判明。それをマルタンが管理者に通報したとのこと。

 

「ニカ、嘘だろ………?」

「ソフィ、ノレア‼︎お前ら知ってんだろうな?」

「知ってた。本当は私たちと同じタイミングで天王星の懲罰対象になる予定だった。」

「でも、あの人は先に捕まった。というか、気がついたら居なかった。」

 

 ニカ姉……ったく、今まであーしらを騙して何してたんだよ⁉︎本人が居ないせいで、やり場のない怒りがただ溜まっていく。

 

「とりあえずマルタン、ごめん。1人で悩んでたの、気づかなくて。」

「ティル………」

「でも厩舎の掃除、ティコたちの機嫌が治るまでだよ。」

「ごめん………ティル!」

 

 とりあえず、マルタンの悩みには全く気付けなかった。ニカ姉は仲間だから通報したくないけど、でもあーしら他の皆も大切だって。その間でどうすべきか悩んでた、と。もしあーしが同じ立場だったら、どうしてただろう?今までマルタンに無意識に甘えてたところ、あったのかもな………

 

「一番いいやり方じゃないって分かってても、そうするしかないって時、あるんじゃないでしょうか?」

 

 確かに、そういうことか………。もしかしたらニカ姉も、何か抱えていたのかもな。こればかりは本人に聞かねえと分かんねえけど。

 

「例えば、本当はショタおねで致したいと思っていても、おねショタしかなかったからそれで致すとか?」

「それは違えよ‼︎」

「待てよ、ヤり方の問題か!本当はペニパン使いたかったが、無いからディルドで代用したとか………」

「一番じゃないヤり方の話じゃねえ‼︎」

「ミオリネさん、もしかして………」

「絶対違えよ‼︎」

 

 それにしても、またもやエロに着地したか。すげえな、グリグリは。どんな話してても、最終的にエロに着地するんだから。

 

 

 

 

 

 その後しばらく皆と団欒していると、衝撃ニュースが飛んできた。

 

「ミオリネが、地球で戦争を起こした………?」

「何やってんだよ、ミオリネ⁉︎」

「エアリアルも映っておるな………」

 

 どういうことなんだ?株式会社GUND-ARMは軍事産業に手を出さないんじゃなかったのか⁉︎というかエアリアルもいんの⁉︎スレッタはこっちにいんのに⁉︎なんで………

 

「今、分かりました。」

「スレッタ?」

 

 そして、それを見て何かが分かったスレッタ。

 

「エアリアルは、マルタンさんと同じだったんです。」

「えっ?」

「お母さんなら、きっとこうするって分かってたから………。一番いいやり方じゃなくても………ああするしかなかったから。私、何も分かってなかった………」

 

 お母さん………つまりスレッタの母ちゃんがエアリアルに乗ってんのか⁉︎娘からパクって、何がしたいんだ?

 

 とりあえず、スレッタは自分の母ちゃんを止めたいと思っている。ならあーしらは、ミオリネを止めねえと‼︎

 

 

 

 

 

 

 

  side エラン3号(ガナティクト・バレンタイン)

 

 アバンネットにやってきた女の子2人*1。向上心と復讐心があり、とても素晴らしい‼︎

 

「「ガナディクトさん、一通り出来るようになりました!」」

「素晴らしいなァ‼︎この調子だァ‼︎」

「「はいっ‼︎」」

 

 そんなことを思っていると…………

 

「素晴らしい新入社員ですね。」

「「「総裁‼︎」」」

 

 にこやかに笑うドボロ・アバンネット総裁が現れた。本当にこの人は、素晴らしいお方だ………

 

「この調子で頑張って下さい。」

「「「はい!」」」

 

 この人のためなら、なんでも出来る気がする‼︎

 

 

 

 

 そして、今入ったニュース。ベネリットのミオリネ・レンブランが派手に地球で戦争を起こしたと。これは好都合だ。是非ともこう提案しよう、総裁に。ベネリットを糾弾しつつ、エバーグリーン・ウラヌスを拉致するチャンスは今だと‼︎

*1
クソスペ女2人組




19話分終わっちゃったよ。どうしよう………?


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第四十四話 第二回アスティカシアドスケベ会談

  side チュチュ

 

 さて、ミオリネを止めるには………ん、メッセージが入ってる。ロウジからだ。

 

『チュチュ、この間の機械について会議するからラウンジに来て。グリちゃんも込みで。』

 

 この間の機械………卑猥度探知機のことか。

 

『りょーかい。』

 

 とりあえず、グリグリと一緒に行くか。

 

 

 

 そうして、あーしらは決闘委員会のラウンジに集合した。もちろん、

 

「ペトラ、兄さんのパンツを返してくれないか。」

「それ、フェルシーに取られたんですよね………」

「取ってねえよ‼︎」

「スレッタ・マーキュリー、隣に座っていい?」

「いいですよ、エランさん‼︎」

 

 いつもの変態………とスレッタもいる⁉︎

 

「スレッタ、お前何してんだよ⁉︎」

「ミオリネさんを見つけるためです‼︎」

「そういうことか……」

 

 こいつも変態枠になっちまったか………。いや、あーしらが変態にしちまったのか?

 

「グリちゃん、チュチュ。来てくれてありがとう。」

「よっ、ロウジ。」

「参加者はこれで全員か。」

「いや、テレビ通話であと9人参加する。」

「9人⁉︎」

 

 増え過ぎじゃね⁉︎ほぼ今の倍じゃねえか‼︎

 

「一体誰が来るんだよ⁉︎」

「まずは天王星人を代表して煩悩陛下と幼女愛護艦隊の隊長さん。」

『やは皆、初めまして!ワイはロリ・ラブラトス‼︎見ての通りロリコンのおっさんや‼︎』

「初対面相手にどんな自己紹介してんだよ⁉︎」

『エッチだ。』

「他になんか言え‼︎」

 

 むしろ天王星陣営全員じゃないだけありがたいか………。更に変態3人増えたら、対処出来ないし。

 

「そしてペイル社を代表してエラン先輩。」

『皆、よろしく。』

「うわっ、知らない人だ。」

『お前は知ってるだろ、4号‼︎』

 

 そして、開発に協力するといったペイルから本物エラン。

 

 さて、他のメンツは………?

 

「他はどのようなお方だ?」

「株式会社シャディク・ゼネリから6人。」

「アイツらじゃねえか⁉︎」

 

 つーか株式会社シャディク・ゼネリってなんだよ⁉︎シャディクの開発資金を株式で募ったのか⁉︎

 

『株式会社シャディク・ゼネリ開発部門、アナル開発課のレネ・コスタよ。』

「普通に自己紹介すんな‼︎」

『右乳首開発課のメイジー・メイ*1だよ〜。』

『左乳首開発課の………イリーシャ・プラノです……』

「右と左で分かれてんの⁉︎」

『おでこ開発課、エナオ・ジャズよ。』

「性癖ニッチすぎんだろ‼︎」

『そして私が株式会社シャディク・ゼネリ、射精管理部門のサビーナ・ファルディンだ。』

「んなもん管理すんな‼︎」

『ちなみに、連絡係のニカ・ナナウラは今日欠席だ。』

「何の連絡だよ、ニカ姉⁉︎」

 

 5人とも完全に目覚めている。あとニカ姉居る上に休みかよ‼︎テロのことで聞きてえのに‼︎今度会ったら覚えてろ‼︎つーか、6人目ニカ姉じゃねえのかよ⁉︎なら一体誰が………?

 

『おっとサビーナ、忘れないでおくれよ。法務部の5thエランで〜す!』

「この会社法務部あんの⁉︎」

『お前まで何してるんだ、5号⁉︎』

『久しぶりですねぇ〜!元気してた〜?』

 

 エラン5号かよ‼︎アホだろ‼︎なんでお前がシャディク開発チームに入ってんだよ⁉︎意味分かんねえよ‼︎

 

『つーか、な〜んでフェルシー・ロロも居るわけ?』

「うっせ‼︎レネこそ変態の代理なら、サビーナ先輩だけで充分だろうが‼︎」

『うちはテメェのとこみてえに極薄じゃねえんだよ。』

「変態なら極薄で結構!」

「ゴム的な意味でか?」

「違えよグリグリ‼︎」

「取り巻き2人は……んっ♡静かにして貰えます……?♡///」

『「お前が静かにしろ‼︎」』

『セセリア、せっかく勃ち合ってくれた2人に失礼だろう?仲良くイこうよ?』

「エラン先輩、いっぱい居ません?」

「別人でしょ…………ねえロウジ、これ止めて……///」

「この間マルタン先輩に脚見せつけてた罰。」

「ごめんって………///」

 

 前よりも変態が増えたせいで、状況は最悪だ。あとセセリアがしれっと巻き込まれている。マルタンに何してんだよ⁉︎

 

「それでは皆さん、これより第二回アスティカシアドスケベ会談を始めます。」

 

 そんな混乱を無理矢理かき消すかのように、ロウジの挨拶によって会談が幕を開けた。

 

 

 

 

 今回の議題はもちろんこれ。

 

「今回はエッチパーソンの探索に用いる、卑猥度計の開発会議を行う。」

 

 スカ姉を探索するための装置。それを株式会社GUND-ARMを中心に、御三家全部とブリオン、そして天王星が合同開発するというわけだ。

 

「これを使えば、貴方がムラムラしている人をすぐに探すことができる。」

「なんとっ………兄さんの居場所が丸わかりになるのか⁉︎」

「それはいいですね!」

「グエル先輩、可哀想…………」

「ミオリネさん、待ってて下さいね♪」

『シャディク、必ず見つけ出して犯すからな。』

『エッチだ。』

 

 もっとも、参加者のほとんどが下心丸出しだが。

 

「まず卑猥度をどうやって取り出すか、からですかね?」

「各個人によってエッチだと思うものは異なる。つまり卑猥度は各個人により異なるため、入力部分には必ず人間が必要だろう。」

『なら人の脳波から卑猥度を計測したいね!』

『エッチだ。』

「んじゃ書いてくぞ〜。」

 

 メイジーとグリグリの話を合わせると、人の脳波から卑猥度を読み取って、それを機械に繋げるってことか。あーしは正直喋れそうにないし、ホワイトボードに要約する係でもやるか〜。

 

「脳波というのは神経の信号だ。ならば神経の信号を読み取る機械が必要だろう。」

「機械の帽子みたいなやつかな?」

『ペトラ・イッタの言う通り、帽子型なら読み取りもしやすいだろう。』

『ならそれをエッチ帽子って呼ぼうよ!』

「呼び方‼︎」

「それはいいですね!」

「いいのかよ⁉︎」

『エッチだ。』

「どっちだよ⁉︎」

 

 とりあえず、入力部はエッチ帽子になりそうだ。

 

「それじゃあ次は演算部と出力部だね。」

『出力はサーモグラフィーならぬエッチグラフィーでええんちゃうか?』

「それはいいな。」

「賛成‼︎」

 

 出力部は簡単。まあそれくらいしかないだろうけど。

 

「それで、問題は演算部。人が見えない範囲にまでエッチな気持ちを及ばせるには、どうしたらいいと思う?」

「演算部なら計算すればいいのでは?エッチを。」

「確かに。」

 

 そして、最後に残るは入力と出力の間の演算部。この機械は人では感じ取れないエリアまで拡大する必要がある。じゃねえとスカ姉見つけらんねえからな。

 

「それじゃあ、どんな計算をしよう?」

『簡単なのは、拡散方程式じゃないの〜?』

「拡散方程式………?」

「卑猥度をH(x,y,z,t)、ドスケベ定数をDとすると、∂H/∂t=D∇^2Hで表される方程式だな。おならの臭いの拡散とかも表すことができるぞ。」

「なるほどよく分からん。とりあえず書いとくな。」

 

 それにしても、グリグリ頭良すぎだろ。流石は飛び級のエリートだ。歳下だか叶わん。

 

『計算量削減のために、一旦ドスケベ数D(x,y,z,t)を定数とする場合か。』

「サビーナ、その通りだ。プロトタイプはこっちで作る。そして完成した後に精度を上げるため、ドスケベ数をドスケベ変数にするのはどうだろうか?」

『それは現実的でいいな。』

 

 何が現実的なんだよ⁉︎さっぱりわからん‼︎

 

「つまり………兄さんのドスケベが変わる時と変わらない時か‼︎」

「グエルのドスケベは卑猥度Hの方だな。ドスケベ数Dは周囲の物質によって変わる数だ。例えば宇宙空間と空気中では、グエルのエッチな匂いの伝わり方が違うだろう?」

「なるほど、そういうことだったのか………」

『エッチだ。』

 

 微妙に分かりやすそうな例えやめろ‼︎それだとエッチな匂いが拡散してるみてえじゃんか‼︎

 

『ほんなら、ひとまずそれでニカちゃんにも話つけて、開発に取り掛かろっか!』

「そうですね。」

「頑張ります‼︎」

「これが完成すれば、いつもどこでも兄さんに抱きつける………」

『シャディク、もうすぐ私たちが童貞を奪ってあげるからね。』

「スレッタ・マーキュリー。それよりこの後………」

「ごめんなさい、氷エランさん!私ミオニーするので失礼します‼︎」

 

 ということで、何も理解出来ないうちに開発がスタートすることになった。大丈夫か、あーし?

*1
苗字知った時ビビりました。鈴木鈴みたいな感じじゃないですか。




∂はラウンドって読み方で教わってたので、スマホで出てこなくて焦りました。デルタで出るんですね。



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第四十五話 シャディク・ゼネリの逃避行

アニメ20話ショックが癒えません………


それはそうと、本作ではノレアが地球寮に居るのでアニメ20話の話は丸々できなくなりました!どうしよう、とのことで緊急で書いた話がこれです!


  side シャディク

 

 汚したな………グエル‼︎ミオリネを……っ‼︎

 

 それはそうと、俺はサビーナ達に汚されないために、ホログラムを本社や寮に残して逃亡している。その逃亡先は…………

 

「イエル・レンブランよ。我が魔羅にかかれば、鉄の瓦を割ることなど造作もない。」バリン‼︎

「流石です、出汁介さん。」

 

 天王星のチンコ丸出し変態、魔羅出汁介の家だ。ちなみに俺は今、勃起したチンコで鉄の瓦を割るという、頭のおかしな行動を見せつけられている。あと名前は偽名だ。

 

「ところで、お主は天王星の散歩とかはせんで良いのか?未知の惑星なのだろう?」

「まあそうですね………そろそろ外に出てもいい頃合いでしょう。」

「なるほど………では我が案内致す。」

「ありがとうございます。」

 

 それはそうと、俺は出汁介に天王星の街並みを解説してもらえることになった。最初はサビーナ達の息の根がかかってないか心配で出られなかったが、ここ数日で何もなかったので大丈夫だと判断したからな。さてと、この惑星の技術力を見せてもらうか………

 

 

 家を出て早々、コンビニのようなものを見つけた。

 

「出汁介さん、あれはなんです?」

「あれはコンビニエッチストア、通常コンビニだ。」

「コンビニエッチストア⁉︎」

 

 なんだその変な名前の店は⁉︎コンビニ風の見た目をした風俗か⁉︎

 

「卑猥な道具を手軽に買うことの出来る店だ。周囲を見渡しても、何軒もあるのが分かるだろう?」

「確かに………」

 

 地球でいうコンビニと同じくらいの頻度で見かけるコンビニエッチストア。アダルトグッズの店だけでもこんなにあるのか………

 

「ちなみに風俗とかはどのくらいあるんです?」

「風俗はそこら中だな。例えばさっきのコンビニの隣は熟女店、あちらに見えるのが男の娘と百合風俗と社長秘書だな。」

「多すぎません?」

「逆に他惑星が少な過ぎるだけだ。」

 

 嘘だろ………?さっきからそこら中にあった建屋、全部風俗なのかよ………。地球でいう飲食店くらいの頻度で見かけるんだが………

 

「ちなみに駅前に行けば、大抵どこでも風俗街がある。」

「流石ですね………」

「中でも首都吉原の都は格別だ。周辺の駅も巻き込んで、嬢の数100万人規模の超巨大な風俗街を形成しておる。」

「そんなに人いたんですね、天王星。」

「皆子作りするからな。」

「流石です………」

 

 風俗嬢だけで100万人いるってどんな街だよ………。もはや地球の大都市レベルの人口じゃないか…………

 

 

 

 そして、街を歩いてて思ったのが………

 

「なんか、出歩く人皆青姦してません?」

「その通りだ。いつもの光景だな。」

「マジっすか………」

 

 なんとそこら中であらゆる人が青姦している。とんでもない光景だ。中には信号待ちでカーセックスしてる奴まで。青姦してない奴もほとんどが全裸で歩いているという。もちろん出汁介も全裸だ。街中に喘ぎ声と卑猥な匂いに裸体が充満しているという、異様な光景だ。

 

「ん、ちょっと待って下さいよ⁉︎あの人空飛んでません⁉︎」

「屁こき侍だな。放屁時の推進力で空を飛び、治安維持の為巡回しておるのだ。」

「あれ警察なんですね………」

 

 しかも空飛ぶ人間まで。治安維持の為なら、この青姦祭りを注意しろよ………

 

 

 

 

 しばらくすると、小学校の近くまでやってきた。中から子供達の、純粋な声が聞こえる。

 

「メイは将来有名なAV女優になるんだ〜!マイカは?」

「私は吉原の都に行って、No.1風俗嬢になりたい!」

 

 前言撤回。全然純粋じゃなかった。

 

 

 

 しばらくすると、駅までやってきた。

 

「うわ〜、本当に風俗街ですね。パッと見50軒くらいですか?」

「まあそうだな。1時間に1本しか電車が来ないような田舎だし。」

「それでそんなにあるんですね………」

 

 どうやらここはど田舎らしい。それなのに、こんなに風俗があるとは………控えめに言ってイカれてる………

 

 

 そんなことを思ってると、駅に貼ってあったポスターに目を驚かせた。

 

「ゲストAV女優が、第7ちんちん線に登場⁉︎」

 

 路線にゲストとしてAV女優がやってくるという、全く意味わからないことが書いてあった。

 

「これはこの女優さんがこの時間に電車に乗るという掲示だ。」

「ゲストで乗る………?」

「その通り。電車の中というのは卑猥な行為がよく頻繁する。」

 

 確かに、電車内は痴漢とかが多い。それに目をつけ、電車シチュというAVは地球でもまあまあ出ている。

 

「それに目をつけた鉄道会社が、卑猥女優を金銭を払って招待し、電車内で性行為出来ることを掲げて客を呼ぶ仕組みなのだ。」

「電車版デリヘルですか………」

「どちらかというと握手会を電車でやるとか、そういう感覚に近い。」

「なるほど…………」

 

 電車に乗ればこの人とヤれますよ、ということか。全く変わったビジネスだな。

 

 

 

 電車に乗ってしばらくすると、ちょっと街中の都市に到着した。

 

「おお、該当広告もあるのですね………」

「そうだな。」

 

 そこはまあまあの都会で、ビルにデカデカと該当広告が出ている。流石は天王星、これくらいは技術として普通に実現しているか………

 

『大晦日恒例、勃ってはいけない24時 病院編‼︎』

 

 は?今なんて………?

 

「あれは大晦日恒例の勃ってはいけないシリーズか………」

「勃ってはいけないシリーズ⁉︎」

 

 これシリーズものなのかよ⁉︎

 

「その通り。主役の男5人は迫り来る卑猥な出来事を受けても、24時間おちんちんを勃たせてはいけないという番組だ。」

「大晦日になんてもん流してるんですか⁉︎」

「ちなみに勃った場合尻バッドで叩かれるという罰がついている。玉キックという金玉蹴りもあるぞ。」

「興奮しただけでその仕打ちなんですか⁉︎」

「そういう番組だからな………」

「なるほど………」

 

 本当に恐ろしい番組だな………。というか番組中は常時出してるんだろ、チンコを。本当に頭のおかしな惑星だ…………。戦争と無縁なのは羨ましいが、流石にこれは真似したくないな………

 

 

 

 そんなことを思いながら、俺と出汁介の散歩は続いた。



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