機動戦士ガンダム Star sweeper (kaichan)
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1話 始まり

ちょっとガンダムの小説を書いて見たかったので書いてみました、
初めて書くのでどっかしらおかしい所があると思いますので、
ご了承ください。

少し原作との矛盾が生まれるかも知れません...

そして感想などぜひバンバンいただけると嬉しいです!



(執筆に慣れてきて久しぶりに見てみたら中々あれだったので一部付け足し等をしています、前の方が良かったという方がいたら申し訳ないです^^)


U.C.0083に起きたデラーズ紛争、その際、アナハイムのある機体が奪取された、その機体は一年戦争時、連邦とジオンの間で結ばれた南極条約に反する核弾頭を搭載した機体、[RX-78 GP02]であった、幸い、デラーズ紛争時の時点で一年戦争は集結しており南極条約は無効になっていて、更にこの機体は戦闘中に大破し、更にはデラーズ紛争終結時、[RX-78 GP01] [RX-78 GP02] などの通称[GPシリーズ]を開発するための計画、ガンダム開発計画ごと抹消された。デラーズ紛争では核を撃ったのはジオン残党のパイロットであるし、ジオンに関しては一年戦争中、マ・クベという人物が水爆ミサイルを発射したこともあった(第13独立部隊所属のRX-78-2が弾頭を切断し大事にはならなかった) このように結果からするとジオンが悪いように見える。だが、今回、RX-78-GP02が奪取された事には代わりはなく、連邦のペガサス級強襲揚陸艦アルビオンに核弾頭を搭載、発射出来、世間からのヘイトを集めかねない機体が艦載されていて、尚且、連邦とアナハイムが共同開発し、更に量産機ベースではなく完全に新規設計されたという情報がメディアなどに流れたことにより、連邦政府とアナハイムエレクトロニクスは世界中から避難の声を浴びせられるという自体になった。

そして

 

 

U.C.0084

 

ガンダム開発計画での出来事を反省し

 

アナハイムエレクトロニクスのテスト機体の暴走、奪取、人体実験等の様々な失敗を隠蔽、破壊する為の、アナハイム直属の特殊隠密「清掃」部隊、通称.星の掃除屋[star sweeper]とも呼ばれるものが秘密裏に設立された。

 

 

 

●月●日

 

月周辺 デブリ宙域 近辺

 

 

ここはアナハイムが実験用に作ったグレイファントムの同型艦 ファントムアルビオン「幻の白い島」

 

 

このファントムアルビオンの正体は、これを読んでいる人なら察しがつくであろう、かつてデラーズ紛争で「大活躍」したはずのペガサス級強襲揚陸艦アルビオンをアナハイムが実験という理由で新造した戦艦、という肩書きで一部仕様を変え、運用しているのだ。

 

●時●分

 

彼にとってはこの艦に配備になってから初めての出撃だった

 

ガシャン

 

コックピットのハッチが閉まる

 

真っ暗闇の空間に唯一、大きな振動と音が伝わる

 

ウィンウィンウィンウィン......

 

タービンか何かが回るような、駆動音と感覚がした

 

ガコン

 

カタパルトの横移動が停止し、上昇が始まる

 

 

 

目の前が急に明るくなり、モニターが起動した

 

 

今回の出撃は予定されていないことが発生し緊急発進の為、内部電源始動で一部起動シークエンスを省略してでの起動だった

 

 

そして機体が上昇しカタパルトと横にブリッジが見えた

 

オペレーター

「1番機、準備OKです!」

 

私は軽くペダルと操作レバーを動かした

 

そして深呼吸し

 

カリード

「カリード・ベルデ、ジムスナイパーIIストライカー、 1番機出る!」

 

体に体重の何倍ものGがかかる

 

5年ぐらい前だろうか

 

まだ量産型のジムに乗っていた頃を思い出す

 

あの時はまだ曹長だっただろうか

 

後方から2機のジム・コマンドベースの機体が発進してくる

 

 

....ちょ........た..ちょ.....

 

ミオル

「隊長!聞こえてますか?隊長!」

 

脳内に高い声が入ってくる

 

カリード

「すまない、考え事をしていた」

 

ハギル

「なにやってんすか!隊長!」

 

カリード

「そうだな、これから戦闘だと言うのに、すまない」

 

ミオル

「相手は人間ではなくともAIです、戦闘のノウハウはまだ蓄積されていないはずなので戦術的には劣っても性能自体や反応速度は人では出来ないような速度のはずです」

 

カリード

「そうだな、何かあったら仲間のことは気にせず離脱しろ、AIは未知数の相手だ、全員引き締めて戦闘するように」

 

ミオル&ハギル

「了解!」

 

出撃してから何分たっただろうか

 

指定された座標に近づくと静止している白い機体が見えてきた

 

周りにはジオン系の機体の中に連邦の機体に見られるものが少し混ざった残骸が散らばっていた

 

白い機体はジム改のような外見であったがバックパックが大型化していたり1部パーツが違っていた

 

そして何よりセンサー類が赤く発光していたのだ

 

その瞬間

 

ヤツは急にこちらにぶつけるかのように突進してきた

 

カリード

「マズイっ!全員散開だ!」

 

ヤツは先頭にいた私に狙いを定めたのか異様な速度で追跡してきた

 

何か異様な雰囲気を感じた、狂気的な、殺意の様な

 

カリード

「ミオル、ハギル!お前らは近寄るな!コイツはやばい!」

 

ミオル

「隊長!何をいっt.」

 

カリード

「とにかく寄るな!やばいと思ったら俺が何か助けを求める!」

 

このままでは追いつかれると思い前面のバーニヤを全出力で一瞬噴射しヤツを先行させ後ろに着こうとした

 

 

そうするとヤツも減速し脚部を一瞬掴まれ2体とも体制を崩し失速し、私が撃とうと手に持っていたブルパップライフルをヤツの手で払われ格闘戦になってしまった

 

カリード

「これがAIの反射速度かっ!」

 

取っ組み合いになりカリードはビームサーベルを抜けないと判断し

 

カリード

「こいつ!MSで取っ組み合いかよぉ!」

 

咄嗟に頭部を殴った

 

そうするとヤツの頭部は簡単に吹っ飛んでいき動きが止まった

 

ミオルとハギルが急いで寄ってくる

 

ミオル

「大丈夫ですか隊長!」

 

カリード

「何とか、な」

 

ハギル

「にしてもキモチワルイやつでしたね…..」

 

ハギルはあの機体の異様な機動や行動を見て動揺が隠しきれていない雰囲気だった

 

カリード

「そうだな」

 

だが、ヤツと肉薄した戦いをしたカリードは思っていたより冷静で、本人も内心少し驚いていた

 

ハギル

「コイツの中何が入ってるんですかね?」

 

ハギルがハッチを開け3番機のジム・コマンドから出てくる

 

ミオル

「どうせコンピューターだけですよ」

 

 

そしてヤツのコックピットハッチをハギルが開ける

 

ハギル

「うわぁああぁぁあ!」

 

ハギル

「ひ...ひとがぁぁぁぁあ!」

 

なんと、コックピットには気絶した人が入っていたのだ

 

 

 

to be continued

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




1話、ご覧頂きありがとうございます!
中の人は学生なので不定期連載になってしまうとは思いますが
どうぞこれからも見てコメントをくれると嬉しいです!

キャラクター情報

:氏名 カリード・ベルデ :性別 男
:搭乗機体 1番機 ジムスナイパーIIストライカー

:氏名 ミオル・プレスター :性別 女
:搭乗機体 2番機 ジム・コマンド改キャノン

:氏名 ハギル・ボルド :性別 男
:搭乗機体 3番機 ジム・コマンド改


基本的には三人の機体はミオルが乗っているジム・コマンド改がベースになっています。
ジム・コマンド改はアナハイムがジム・コマンドを改修した機体で
(改修とはいえ中身はほぼ別物のようになっています)
機体の操作の感覚はそのままで性能を強化したような機体ですので、
まんまジム・コマンドの上位互換とも言える機体です。

ですがこの機体がここに配備されたのには、ある実験が兼ねられていました....



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2話 少女

2話です
授業中に書きましたwww



(1話だけガッツリ加筆するつもりが気になり過ぎて出来るまでやることにしました)


U.C0084

 

 

●月●日

 

月周辺 デブリ宙域 近辺

 

●時●分

 

ハギル

「ミオルぅ!!、この機体はAI操縦じゃなかったのかよ!」

 

3人の間に衝撃が走る

 

ミオル

「な...なんでコックピットに人が?....アナハイムからは新しいMS用AIを搭載した機体が

暴走したからそれを破壊しろとのことだったのに.....」

 

ミオルは冷静に分析をしようとした

 

カリード

「ミオル、アナハイムから他にもデータは送られてきたか?」

 

落ち着いた様子で聞く

 

ミオル

「いえ、他には座標ぐらいしか...」

 

カリード

「ハギル、パイロットはどこのパイロットスーツを着てる?そしてミオル、この機体の細部を見てみろ。」

 

機体の特徴から何処の機体かを特定しようとした

 

ハギル

「この色は見たことないっすけど、形は連邦っすね....」

 

ミオル

「E.F.S.F. .....地球連邦宇宙軍...そう各部に書いてありますね...」

 

 

《s》《/s》もしや実験体なのか

そう判断したカリードは

 

カリード

「嫌な予感がする.....パイロットの生死が心配だ、ハギル、3号機に戻ってコイツをパイロットごと母艦まで運搬するんだ、ミオルはその援護、俺は頭部を回収してから直で母艦に向かう」

 

ミオル&ハギル

「了解!!」

 

 

 

約一時間後

 

 

 

頭を回収してようやく艦の近くまで来れた

 

カリード

 

「こちら1番機カリード・ベルデ、ファントムアルビオン、ビーコンで誘導を頼む」

 

 

 

 

着艦用のビーコンが出てくる

 

機体制御用のバーニヤを噴かし減速、微調整をする

 

 

 

 

ガコン

 

機体の脚部がぶつかる音と振動がした

 

そして足元にいる誘導員の指示に従い一番ハンガーに機体を持っていく

 

 

手順に従い機体の電源を落とす

 

 

バシュー

 

ハッチを開けた

 

エンジニア

「カリードさんお疲れさまでした!、にしても偉いものを持ってきましたね..」

 

少し緊張した様子で言う

 

カリード

「俺が戻ってくる間にあの機体、調べたのか?」

 

エンジニア

「はい、多少は、後オペレーターさんが本社の上層部に問い合わせしてくれたみたいなんですがですが、この機体、少し面倒臭い立ち位置にいる機体みたいで、元々アナハイムが連邦にテストを頼んで提供した機体らしいんですが、なんと連邦と、どこかは特定できてないみたいなんですが今よく噂されてるニュータイプ研究所とかいう所でこの機体が勝手に弄られてたみたいで...アナハイム上層部はこのことを想定してなかったみたいで今回の大本の依頼は連邦から来てたらしく連邦には他の連邦の小隊が撃墜したと報告したみたいなんですが......」

 

エンジニアの本性が出てきたように早口で言う

 

カリード

「なんか訳わからさそうだがだいぶ面倒臭い機体のようだな...ありがとう、俺はブリッジに行くことにするよ」

 

エンジニア

「了解です!お疲れ様です!」

 

カリード

「ああ、ありがとう、これからもコイツの整備を頼む」

 

 

そうして沢山の整備士が機体に群がり、整備を始める

 

 

そうして私は一番ハンガーを降りた

 

そしてブリッジに向かう最中だった

 

ハギル

「隊長!カリードたーいちょーう!!」

 

無邪気に大きな声で話しかけてくる

 

カリード

「ハギルじゃないか、どうしたんだ?」

 

ハギル

「あの気絶してた白いMSのパイロット一応意識が回復したみたいなんすよ!ミオルから聞いた限り、うちより年下で女なんだとか!!」

 

カリード

「ハギルより??見に行くか、どこにいるんだ?」

 

ハギル

「医療室っす!ついてきてください!」

 

私達は医療室に急いだ

 

シューン 

 

医療室の自動ドアを開いた

 

カリード

「カトリスさん、例のパイロットは....」

 

医務室に入る途端に、医師のカリトス・キオスクに話しかける

 

 

 

 

そこにはブロンドヘアの戦場の香りがするはずのない、

してはいけないような、

美しいとしか表現しようのない少女がベッドの上で寝ていた

 

カトリス

「お、来たか、厄介なものを持ち込んだ張本人が」

 

やれやれ、といった様子で喋る

 

カリード

「なんだカトリスさん、その言い方は」

 

カトリス

「結論から言おう、この子は、ニュータイプだ」

 

カリード

「なんでそんなことが....」

 

カトリス

「僕は元々ジオンのフラナガンにいた、その後脳波系の技師としてアナハイムに入ったんだ、だからわかる」

 

カリード

「この子がニュータイプ....」

 

ハギル

「この女がニュータイプ??」

 

カトリス

「この子やあのジムらしきMSを見る限りニュータイプで間違いない、もしこの機体やこの子を連れてきたことが連邦にばれたとしてたら大惨事になっていたぞ!」

 

ハギル

「どっちにしろバレてないんですから隊長にそこまで言わなくたっていいじゃないですか」

 

事態の重大さを理解していないように楽観的に言う

 

カリード

「いや、カトリスさんの言うことは事実だ、 この艦の搭乗員を危険にさらしていたかも知れない行為をしてしまいすまない...」

 

ハギルとは違い、事の重大さを理解していた

 

ハギル

「隊長....」

 

カリード

「でカトリスさん、この子の体調は正常なのか?」

 

カトリス

「いや、多分相当過酷な実験に付き合わされていたんだろう、薬品や機体のGで身体はボロボロ、一人の医者としてなにか話を聞くとしてもまだ安静にしてあげてほしい」

 

この少女をこの艦に持ち込んだことはあまり良く思ってはいなかったが、医師としての優しさがしっかりと出ていた

 

カリード

「そうだな、わかった、カトリスさんありがとう、 俺は一旦ブリッジに行ってくるよ」

 

ハギル

「お..俺も行ってくるっす」

 

シューン

 

そうして2人は医療室を後にした

 

シューン

ブリッジに入った

 

二人がブリッジに入ると先にミオルが艦長の横にいた

 

ミオル

「艦長、来ましたよ」

 

カリード

「ミオル、先に来てたのか」

 

カリード

「館長、只今カリード・ベルデ、帰還しました」

 

今までの規律に則り、挨拶をする

 

ハギル

「ハギル・ボルド帰還しました!」

 

 

艦長

「ここはある意味正規の軍じゃない、軍隊じみた挨拶はいらんよ」

 

カリード

「そ...そうですか」

 

艦長

「所で、カリード君、ここに入ってからの初めての出撃、どうだったかね」

 

少し微笑みながら問いかける

 

カリード

「まだ連邦にいた頃を思い出しました」

 

何処か悲しげなように言う

 

艦長

「そうか、君も元連邦だったんだな」

 

同じ組織にいた事を知り、少し嬉しげな表情をする

 

カリード

「艦長も元連邦でありますか」

 

艦長

「そうだ、私はマゼランの艦長をしていてね、自分では中々やったつもりなんだが私の上官のミスを全てと言っていいほどなすりつけられ落ちる所まで落ちてしまってね、あのときは本当にt....」

 

長ったらしく語ろうとする

 

だが

 

オペレーター

「ゴホン、艦長!!」

 

艦長

「おっと、話に夢中になってしまった、本題に入ろう、オペレーター君や医療室のカトリス君から話は聞いたよ、今回君たちは中々にまずい物を持って帰ってきたそうだね、本部から連絡があり、本来ならばこのまま地球のアラスカ近辺に降下する予定だったが一度月のフォン・ブラウンに一度入港し、例の機体の検査、修理、改修をして、本艦に艦載することになった」

 

今まで少し楽観的な雰囲気だったが、急に真面目に話し始める

 

カリード

「本艦にあの機体を艦載ですか...」

 

少し困惑する

 

艦長

「そうだ」

 

カリード

「パ...パイロットは?....あの機体は確かニュータイプ用では...」

 

艦長

「上層部によるとあの少女を乗せられるなら乗せる予定らしい」

 

カリード

「あの少女ですか?!もしかしたらあの少女が暴走の原因かも知れないし、まだあの少女にはあの性能は強すぎますよ!裏切る可能性だって….」

 

焦りを顕にして喋る

 

艦長

「これは本部の決断だ、だが流石にすぐ乗せる訳じゃない、機体にリミッターをかけた上で色々教えさせてほしいとのことだそうだ、そして教育係として君を任命したい」

 

カリード

「俺が子供の教育係?!??」

 

あまりに想定外なことを言われたせいで、変な声を出してしまった

 

 

 

 

 

 

そうして我々は月のフォン・ブラウンへと向かう事になった

 

 

to be continued




2話を読んでいただきありがとうございます!!
中の人はよくガンプラを作っているのでもしこの作品に出てくるガンプラを作る機会があったら作ったガンプラのツイートを貼りたいと思います!

キャラクター名

艦長
アルト・スタール

医療室の人
カトリス・キオスク


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3話 少女の目覚め

3話です

今回は戦闘とかはないので少し文字数と言いますか、とにかく会話ばっかです


U.C.0084

 

●月●日

 

●時●分

 

月周辺デブリ宙域からフォン・ブラウンまで航行中

 

 

ブツッ

 

艦内放送

艦長

「今我々は今回、回収した機体の修理、改修、そして今回の戦闘でのデータ解析などをするためフォン・ブラウンに入港する、滞在期間は役1週間だ、その間は次の航行に支障がない範囲で好きにしてもらって構わない、そして今回の入港期間中この艦の出入りも許可する、以上だ。」

 

ブリッジ内

 

ハギル

「いやー、1回の戦闘だけで1週間ちゃんとしたとこで休憩出来るなんて最高ですね!」

 

嬉しそうに話す

 

カリード

「そうだな、まだこの環境に慣れてないからありがたい」

 

ハギルは単純に嬉しそうなのに対してカリードは少し落ち着いた様子だった

 

艦長

「カリード君、君には教育係を任命していることを忘れてはいないかい?」

 

このタイミングを狙っていたかのように少し微笑みながら会話に入ってくる

 

カリード

「もしかしてもうするんですか?.....」

 

もしやと思って警戒していた事を言われ、少し顔色が悪くなる

 

艦長

「もちろんだ、例の子の体調が落ち着き次第、働いてもらうよ 」

 

カリード

「そ....そんな....せっかくの休養期間が......」

 

落ち込み気味に言う

 

艦長

「今回撃破しなかったのもあの機体ごと少女を連れてきたのも君がやった事だ、確かに撃破せず少女の命を助けたという意味では素晴らしい行為だが自分のやった事の責任は取ってもらわなければな」

 

カリード

「はい...」

 

懲戒処分で1週間独房入りじゃないだけマシか、と現実を受け止める

 

ハギル

「隊長...どんまいっす.....」

 

 

 

 

●●時間後....

 

ファントムアルビオンはフォン・ブラウンのアナハイムの工場に隣接した港に入港し、我々はアナハイムの工場に機体を運搬した

 

 

 

 

カリード

「ふぅ....機体の搬入も修理、調整も「ヤツ」の搬入も終わったし少しゆったりするか.....」

 

一息付こうとする

 

艦長

「お..カリード君、作業は終わったのかい?」

 

またタイミングを狙ったかの様に話しかけてくる

 

カリード

「そうですねー、港は足元に大量に人がいて怖いし工場内は精密機械ばっかで慎重に運搬しなきゃいけないんでいつまで経っても慣れなくてだいぶ疲れます.....」

 

艦長

「そうだな、落ち着いたらあの少女を頼むぞ」

 

港内の作業での疲れに追い打ちをかけるようにサラッと言い、去っていく

 

カリード

「あ....了解しました..」

(港に入港したときはグリニッジ標準時で午前の3時だったよな、今は9時....6時間休憩無しでぶっ通しで作業したのに休憩なしで更に子供の教育係か.....)

 

そして肩を落として医療室へ向かった

 

シューン

医務室の自動ドアを開けた

 

カトリス

「だいぶ疲れてそうだな」

 

カリード

「環境は前と違いますし、数十分間しかシュミレーションしてない機体で戦闘は流石に疲れますよ...」

 

カトリス

「そうだよな、パイロットって仕事も疲れるよな、そこのベッドの横の椅子で待ってろ、なにか温かい飲み物でも持ってくる、港内は今の時期のフォン・ブラウンの天候の設定上寒いからな、僕も温かい飲みたかったしね」

 

優しさに溢れていた

 

カリード

「あ..ありがとうございます...」

 

ご厚意に甘え、椅子に座りゆっくりすることにした

 

カリード

(戦争中でもないのに配備されてから一週間も経たずに即実戦は流石にきついな、よりによって乗ってる艦はあのアルビオンだって言うんだからな)

 

という考え事をしているうちに眠気が襲ってきてくたくたしてきた

 

その瞬間

急にドアが開いた

 

カトリス

「戻ってきたぞ」

 

カップルを2つ持ちながら医務室に入ってくる

 

カリード

「うわぁっ」ガタッ

 

危うく椅子から落ちるところだった

     

カトリス

「おいおい大丈夫か?、さてアールグレイとココア、どっちがいい?」

 

カリード

「うーん、ココアもいいんだけどな...アールグレイで」

 

カトリス

「ほら、アールグレイだ、熱いから気をつけるんだぞ」

 

やはり優しさに溢れていた

 

カリード

「ありがとうございます」

 

少し冷ましてからアールグレイティーを飲んだ

 

とても暖かく、美味しかった、落ち着く味がした。

 

そしてそのままぐっすりと眠りについた

 

 

 

 

 

 

 

 

お.....さ....おじ...ん....

 

 

 

微かに声が聞こえてくる

 

 

カリード

「んぁ...なんd....」

 

ベチン!!!!

 

とても気持ちよく睡眠をしていた所にとてつもない衝撃が走った

 

カリード

「痛ってえぇぇぇ!なにすんだよカトリスs....

 

 

っておめぇ!大人の軍人に何してんだ!!」

 

少女

「ようやく起きた.....おじさんここどこ?.......」

 

カリード

「お.....おじさんだって??!?、俺はまだそんな年じゃないぞ....俺まだ26だってのに.....」

 

少女におじさんと呼ばれてしまい、ショックを隠しきれない声で喋る

 

少女

「..........」

 

それに対して少女は少し引いていた

 

カリード

「大人に攻撃しちゃだめって習わなかったのか??」

 

腹が立ち少し強めに言う

 

少女

「.......いっつも大人には逆らってた、周りの大人達は嫌なことしかしてこなかったし、友達は大人達に何人も[壊された]し大っきらいだったから......」

 

今まで少しアホったらしい事をしていたのに急に生々しい事を言われ、現実に戻される

 

カリード

(そうか、この子は確かニュータイプ研究所に居たんだよな...)

「ま...まあいいだろう....で..なにを言おうとしてたんだ?」

 

少女の機嫌を戻そうと少しながら優しく話しかける

 

少女

「ここどこ?」

 

淡薄に聞く

 

カリード

「ここはアルb...アナハイムって会社の船で今は月にいるんだ、所で君の名前を聞いてもいいかい?」

 

さっきよりも優しく話しかける

 

少女

「私の名前は.....トリア...って呼ばれてた...」

 

少し渋りながらも言う

 

カリード

「君はトリアっていうんだな、俺はカリード、カリード・ベルデだ」

 

トリア

「おz..お兄さんはカリードっていうんだね、よろしく」

 

言ってはいけない事を言いかけてしまった

 

カリード

「おまっ..!!おじさんって言おうとしただろ!」

 

勿論聞き逃すことは無く

 

おでこに思いっきりデコピンをかましてやった

 

トリア

「いったーい!!!!」

 

 

 

 

案外すんなりトリアという少女は気を許してくれた

 

この少女はにあのMSに乗って操っていたとは思えない程に純粋な子のように見えた

 

そしてある程度ちょっとした会話をしているとカトリスが戻ってきた

 

カトリス

「お、二人とも起きたんだな、カリード、せっかくなんだしこの子をこの艦の食堂にでも連れてってやったらどうだ?」

 

カリード

「食堂??....」

 

そうして時計を見ると...

カリード

「もう4時ですか??!?...てことは......5時間は寝てたってことですか?...」

 

カトリス

「それぐらいは寝てたな」

 

カリード

「うわあ...もう食堂行ったほうがいいですかね?」

 

カトリス

「わからんな.....とりあえずこの子がしっかり歩けるかわからないし軽く一時間ぐらい艦内を散歩すれば夕飯に丁度いい時間になるだろうし」

 

カリード

「散歩ですか...よし...トリア、この船の中を散歩してみるか?」

 

トリア

「散歩してみたい!」

 

カリード

「よし!行くか!」

 

シューン 

 

そして二人は医療室を出て港の散歩が始まった

 

カリード

「トリア、さっきの部屋で起きる前の記憶は残ってるか?」

 

少しばかりトリアの過去を探ろうとする

 

トリア

「うーん、どこか狭い丸い空間に入れられてレバーの付いた椅子に座らせられたのは覚えてる」

 

なんとも抽象的だった

 

カリード

「MSの、あの白いヤツのコックピットのことか」

 

トリア

「そう、白い大きなロボットのお腹だった....ねぇカリード、なんであの子のことを知ってるの?」

 

とても疑問に思っているように聞いてくる

 

カリード

「俺はあいつと戦ったからだ」

 

トリア

「カリードがあの子と?....ねぇ!あの子は今どこにいるの??!」

 

驚きを隠せないように聞いてくる

 

カリード

「安心してくれ、アイツは俺と戦ってダメージを受けたからここの近くで直してるんだ」

 

トリアを安心させようと優しい喋り方をする

 

トリア

「ほ...ほんと?...」

 

 

カリード

「ああ...本当だ、明日にでも許可をもらって見に行ってみようか?」

 

更に安心させようと、機体を見させようとする

 

トリア

「うん、見に行く!」

 

そうしてちょっとした会話をしながら歩いていた

 

トリア

「ねぇねぇ、あそこのドアの先には何があるの?」

 

そうしてトリアが指さしたのはMSの格納庫へ通じるドアだった

 

カリード

「さっき俺は船って言ったろ?」

 

トリア

「うん」

 

カリード

「すこし説明が足りなかったかも知れない、ここはペガサス級強襲揚陸艦のファントムアルビオンだ」

 

トリア

「ペガサス...教習?.....ようりく?.......」

 

カリード

「すまない、少し難しかったか、簡単に言うと戦艦ってやつだ」

 

トリア

「戦艦って...もしかしてモビルスーツとかいうあの子みたいなのがたくさん入ってるでっかいの?」

 

カリード

「そうだ、それで合ってるよ、そしてトリアが指したのは格納庫のドアだ」

 

トリア

「行ってみたい!」

 

カリード

「そうか、じゃあ行くか!危ないから俺から離れるなよ?」

 

そしてトリアは俺の手を握り二人で左舷格納庫に入った

 

 

入ると先程の戦闘で出撃した一番機達を艦載している右舷格納庫とは違い、予備機が艦載されており、予備機は使用されていなため、メンテナンスは行われておらず、物の運搬の為に格納庫に入ってきた車や人の話し声だけで、右舷格納庫と比べ静かだった

 

トリア

「でっかーい!!、カリード!この子たちはグレーだね!なんて名前なの?」

 

彼女は並んでいる機体に興味津々だった

 

カリード

「ここにある二体はジムコマンド改っていうんだ」

 

トリア

「カリードはどっちに乗ってたの?」

 

カリード

「俺が乗ってるのはここにはないんだ、白いヤツと同じところにあるはずだから明日見に行こう」

 

トリア

「わかったよ!カリード!」

 

嬉しそうに返事をする

 

カリード

「もうそろそろお腹が空いてきたんじゃないか?」

 

トリア

「空いてきたかも」

 

カリード

「食堂に食べに行くか?」

 

トリア

「うん!」

 

カリード

「よーし!」

 

二人は食堂に向かった。

 

 

少なからす二人の間には友情めいたものが芽生えていた

 

 

to be continued

 




3話、読んでいただきありがとうございました!!

ちなみにトリアには名字はありません、なぜかというと.......
ちなみに通称[白いヤツ]は3号機という設定です......
 
後多分次回も会話ばっかりになっちゃうかもです...


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4話 意外な発見

4話です。
前回行ったとおり今回も会話ばっかです


 

U.C.0084

●月●日

 

約午後5時

 

カリード

「よーしトリア、ここが食堂だ!」

 

トリア

「ここが....しょく...どう.....嗅いだことのない匂いが........する....」

 

嗅いだことのない匂いに包まれトリアは困惑していた

 

カリード

(この子、もしかしてずっとまともな物を食ってなかったのか?とにかく食べるか)

「食べるぞ!!トリア、付いて来い!」

 

トリア

「う....うん...」

 

状況が全く理解できず、まだ困惑していた

 

カリード

「ここから1人1個トレーを取るんだ」

 

そうして大量に積まれたトレーの上から2つのトレーを取る

 

カリード

「ほら、これ持って向こう行くぞ」

 

トリア

「うん」

 

そうしてトレーを貰い、カリードの後を追う

 

 

 

 

カリード

「おばちゃん、大盛りで」

 

食堂のおばちゃん

「はい、大盛りで」

 

流れ作業のように会話をする

 

 

トリアはなんと言えば良いか分からず突っ立っていた

 

食堂のおばちゃん

「お嬢ちゃんはどうするんだい??」

 

不意に聞かれとりあえずカリードと同じ注文をする

 

トリア

「お...大盛りで!!!」 

 

食堂のおばちゃん

「お嬢ちゃん小さいのにたくさん食べるねぇ」

 

ニコニコしながら大盛りの量のカレーを盛る

 

食堂のおばちゃん

「お嬢ちゃん、トレーそこに置いてちょうだいね」

 

トリア

「う..うん」

 

手に持っていたトレーを食堂のおばちゃんの前に置く

 

そうしてすごい量のカレーをトレーの上に置く

 

食堂のおばちゃん

「ほら、後ろに待ってる人いるからねチャチャっと進みなよ〜」

 

優しく話しかける

 

そうしてトリアはせかせかとカリードを追いかける

 

 

 

カリード

「よしトリア来たか、好きな席にいきな」

 

トリア

「うーん」

 

ただただ悩む

 

 

だが何かを感じ取る

 

 

トリア

「あそこの席が良い!!」

 

カリード

「おっ..よし、そこに座るか」

 

 

 

 

 

二人で席についた

 

トリア

「カリード、このお米の横の茶色いのは??......」

 

いい匂いなのは確かだが、食べて事のないカレーに対してトリアは少し恐怖感を抱いていた

 

カリード

「これは日本式のカレーライスってやつだな」

 

トリア

「カレーライス??」

 

カリード

「そうだ、この茶色いカレーのルウとご飯を一緒に食べるんだ」

 

そうしてカリードがスプーンを持ち、カレーに手をつけようとすると

 

 

後ろから聞き覚えのある足音が2つ聞こえてくる

 

ハギル

「おっ、隊長ー!!」

 

元気に自分のことを呼ぶ声が聞こえる

 

足音の予想は当たった

 

カリード

「ハギルにミオルじゃないか!」

 

ミオル

「この子がいてもいつもの所なんですね、席ご一緒していいですか?」

 

カリード

「この席選んだのトリアなんだよな、トリア、こいつらが一緒でも大丈夫か?」

 

トリア

「大丈夫!」

 

そしてハギルとミオルが合流した

 

ミオル

「あの子起きたんですね、名前はトリアちゃんでいいのかな?」

 

トリアに話しかける時だけ少し柔らかい話し方になる

 

トリア

「そう、私トリア!おねえさんの名前は?」

 

ミオルに対して無邪気に返事する

 

ミオル

「私はミオル・プレスターよ、よろしくねトリアちゃん」

 

トリア

「よろしくミオルおねえちゃん」

 

 

ミオル

「おねえちゃん呼ばわりされるのは少し慣れないわね///」

 

ミオルの顔から微笑みが溢れ出ていた

 

ハギル

「何照れてるんスカ、そんなんで照れる年じゃないでしょ」

 

呆れ、冷たい言い方で喋る

 

ゴツン

 

 

ハギルの頭部に鉄槌が下った

 

ミオル

「ガキは黙ってなさい、それに私はまだ23歳よ」

 

笑顔でキレる、カリードも発言には気をつけようと思った

 

ハギル

「すみませんでした」

 

そう言いながらしょんぼりした顔で痛そうに頭を押さえる

 

トリア

「みんな面白い人達だね!」

 

カリード

「うちの隊は変わり者ばかりだな、みんなせっかくのカレーが冷める、冷めないうちに早く食べるぞ、頂きます!!」

 

そうして手に持っていたスプーンで口にカレーを放り込んだ

 

ハギル

「そうっすね......」

ハギルはまだとても痛そうにしていた

 

 

 

 

 

 

食後

 

 

約午後6時

 

 

 

トリアは初めておいしい料理を食べたのか、疲れでぐっすり寝てしまった

 

カリード

「ミオル、俺はちとAEの工場に用事がある、俺の代わりにトリアを部屋まで連れていってくれ、場所は俺の部屋の隣だ」

 

食事中のときとは違い、あまり抑揚を付けずにあまり目を見ずにいかにも軍人らしく話す

 

 

ミオル

「了解しました」

 

 

ミオルもさっきとは違い、軍人らしい雰囲気を醸し出していた

 

そうしてカリードは個人で艦内に持ち込み自動車用ハンガーの端に置いていたバイクのもとに向かった

 

鍵を刺しイグニッションまで回し、ランプの点灯を確認、そしてキルスイッチをOFFにしセルボタンを押した

 

キューッキュッキュッキュ

 

ブォーン

 

 

 

だいぶ乗っていなくて動くか心配だったがどうやら快調なようだ

 

 

 

アイドリングも安定している

 

 

 

そしてクラッチを切りつま先でギヤを上げ、スロットルを少し回しクラッチを離した

 

 

 

そうして艦からバイクで飛び出した

 

 

 

 

身体に伝わるエキゾーストの音、振動、風の抵抗、路面の状態が振動で伝わる

 

 

 

 

そして走行を楽しんでいるうちにアナハイムの工場の職員用の駐車場入口についた

 

午後6時 41分

 

警備員

「ここの職員の方ですか?」

 

カリード

「今日入港した艦の乗組員だ、カードを渡されたのだが」

 

ファントムアルビオンに所属になったときに

渡されたアナハイムのキーカードのようなものを出した

 

警備員

「ああ、そうでしたか、カード、失礼します

    

大丈夫です、どうぞお入りください、いいバイクをお持ちですね」

      

カリード

「ありがとうございます、バイクお好きなんですか?」

 

警備員

「小さな頃からモータースポーツが好きでして」

 

カリード

「いいですね、それでは」

 

そうして些細な会話を終え、地下に続く職員用の駐車場に入った

 

カリード

「久しぶりに乗ったな、最近は久しぶりなことだらけだな...」

そうつぶやきながら

 

指定の番号の駐車場にバイクを入れ

 

キーを捻りエンジンを止め

 

 

バイクスタンドを立てハンドルロックをする

 

 

カリード

「よし、これで大丈夫だな」

 

 

 

そうしてロビーへ向かった

 

 

ロビーの係員

「なにかお困りですか??」

 

意味有りげに話しかけてくる

 

カリード

「これを」

 

そう言ってキーカードを差し出す

 

ロビーの係員

「お預かりします」

 

そういって係員はキーカードをロビーの奥にあるカードリーダーに刺す

 

ロビーの係員

「この図で見てこの場所までお進みください、あちらの通路から行けますよ」

 

とファントムアルビオンの機体が置かれている区画を教えてくれた

 

ロビーの係員

「こちらお預かりしていたカードです」

 

そうしてカードを意味有りげな表情をしながら渡してくる

 

カリード

「ありがとう」

 

 

 

そうしてその区画まで歩いていくと

 

厳重に警備されているいかつい扉があった

 

全身を黒い装備で身を包んでいて、腰にはハンドガンが一丁、手にはM4系統のライフルを持っている警備員がいた

 

カリード

「すみません、カードを渡したらここを教えられたんですが」

 

相手は武装しているためか、無意識に真面目な態度で話しかける

 

武装警備員

「ああ、カリード・ベルデさんで間違えないですか?」

 

カリード

「はい、間違えないです」

 

 

武装警備員

「それでは扉の装置にキーカードを刺し、指紋認証をお願いします」

 

なぜか少し緊張しながらカードを刺し、指紋認証を行った

 

ピピピッ

 

認証機器

「認証しました、扉のロックを解除します」

 

そうしてドアが開いた

 

カリード

「ありがとうございます」

警備員に軽く挨拶をし中に入った

 

 

 

 

 

午後6時53分

 

エンジニア

「カリードさーん!カリードさんも来たんですね!」

 

だいたい同年代に見える、自分より元気で機械いじりが好きそうな青年が名前を呼びながらこっちに向けて手を振っているのが見えた

 

カリード

「君は!うちの機体を整備していた...」

 

顔は見たことがあったが、名前が思いつかなかった

 

 

 

エンジニア

「はい!あ、名乗ってなかったですね、エイハブ、エイハブ・マッドナーです」

 

自己紹介に慣れているようで、コミュニケーション能力が高いように見えた

 

カリード

「改めてよろしく、エイハヴ、所で機体の様子と[白いヤツ]の様子を見に来たんだが」

 

エイハブの元気そうなテンションとは裏腹に、カリードは少し静かだった

 

エイハブ

「全然構いませんよ、付いてきてください!」

 

そうしてエイハブに付いていく

 

 

そうして歩いていると

 

見覚えのある機体が9番ハンガーで整備されていた

 

カリード

「これは..3番機のジム・コマンド改か?」

 

感で言うと

 

エイハブ

「そうですね、あなたのジム・スナイパーⅡストライカーや他のジム・コマンド改、ジムコマンドキャノンは本来地球に降下する際地上用に別に機体を用意する話だったんですが、今回の戦闘データについての会議があって、上が思っていたより性能が良かったらしく地上でも運用を続行してほしいとのことで運用できるように一部パーツを交換中です」

 

まだこの機体に乗れる事が分かり、少し安心した

     

カリード

「まだこの機体に乗れるんだな....どこを改良しているんだ?」

   

エイハブ

「ジム・コマンド改の推進システムは熱核ロケットエンジンだったんですが、地上でのミッションは長時間の任務になることが想定されているようで、それなら熱核ハイブリッドエンジンに換装すれば、今後地球と宇宙を行き来するときに楽に運用できるのではないかとのことで、熱核ハイブリッドエンジンを搭載する予定なのと地上に降りての任務は過酷な自然環境での任務になることが想定されるので、全身の装甲と関節部に湿気などに強い特殊コーティングを施すのと、関節部に雪や砂などのゴミが入り稼働に支障が起きないようにクーラーとヒーターの機能が搭載されたカバーをつけるのと、会議やパイロットから出てきた出た小さな改善点、例えばここに取手がほしいとかの意見を反映しているところです」

 

話を聞いているだけでも、だいぶ改良されるらしい

 

カリード

「ほほぉ...早く乗りたくなったよ」

 

エイハブ

「じゃあ行きますか」

 

そうして2番機を後にした

 

 

そうして11番ハンガーを見ると

 

 

そこには所々フレームが露出していたジムスナイパーⅡストライカーがいた

 

この機体に乗ってから一日も経っていないの整備の域を超えるような分解をされていてカリードは内心少し心配な気持ちになった

 

カリード

「だいぶ中身がいじられてるっぽいな、これは算出されたデータからシュミレーションはできるのか?」

 

心配になりつつも機体の性能を試したくてしょうがなかった

 

エイハブ

「残念ながらまだできないんですよ...明日明後日には出来るようになるはずです、出来るようになったらお知らせしますね。後、頼まれた[ジュッテ]、ライフルにつけときましたよ、それでは、次に行きましょうか」

 

カリード

「そうか、じゃあ行くか」

 

少し残念に思いながらも、明日に期待し、横のハンガーに向かった

 

 

 

 

そうして視界に入った機体は、前戦闘したときに見た、ジム改に近い見た目からジムカスタムに近い見た目になっていた

 

 

カリード

「これは...ジム.....カスタム....なのか?」

 

 

 

エイハブ

「これは例の機体のベースがジム系統なので、他のジムのパーツや試作品のパーツ等を取り付けた感じです」

 

試作品で溢れているアナハイムだからこそできる技なのだな、と痛感した

 

カリード

「中々にゴテゴテだな、これを地上で使うのか?」

 

まるでこれから最終決戦でもするのか、という程にそれはあまりにゴツすぎた

 

エイハブ

「そこなんですよ、ファントムのメカニックは地球出身の人が多くて、流石にこれじゃ地球上じゃ運用できないって言ってるんですが、運用データ欲しさにここの工場のメカニックがこれ以上にゴテゴテにしても運用できるとか言い始めてて..」

 

パーツを提供してくれるのは嬉しいが、もはやありがた迷惑を通り過ぎてもはやただの迷惑だった

 

 

カリード

「これ以上ゴテゴテにしたら平坦なところでしか運用できなくなるぞ?...」

 

こんな状態の機体はよっぽどの事がないと乗りたくはないなと思っていた

 

エイハブ

「そうなんですよ、なんであのメカニックたちには好きにさせておいて、後から一部のパーツを外して地上でも運用出来るようにしようかなーと」

 

場所は食うが色んなパーツが有り、任務に応じて適したパーツを使うことができる

 

そう考えてみればパーツが大量にあっても案外悪くないのではないか、とカリードは思った

 

 

カリード

「そうだな、時間も時間だしもう一度艦に戻らないか?」

 

カリードは戦闘をし、港内での作業の後、少女の世話をした事による疲れが目に見えて出ていた

 

エイハブ

「そうですね、流石に今日は疲れましたよ、ハハ」

 

エイハブも丸一日ずっと整備をしていたようでだいぶ疲れているようだった

 

カリード

「じゃあ俺は先にバイクで戻ってるぞ」

 

エイハブはその一言に、反射的に反応した

 

エイハブ

「お、カリードさん......もしかしてバイク持ち込んでます?」

 

カリード

「そうだが?」

 

何を聞いてくるんだ?と疑問に思う

 

 

 

エイハブ

「実は俺もこっそり持ち込んでるんですよ、うちもバイクで来たんで一緒に帰りません?」

 

なんとエイハブも持ち込んでいたのだ

 

カリード

「本当か?!よりによってここでバイク乗りに会うなんてな」

 

エイハブ

「では少し準備するので駐車場の外で待っててください」

 

カリード

「ああ、先に外に出てるよ」

 

 

そうしてさっき来た道を戻る

 

 

そうして一つ一つの動作を噛み締めながらエンジンを掛け

 

地下の駐車場から出る

 

 

 

そうして外で数分待っていると

 

 

遠くから4ストロークエンジンの心地よい音が近づいてくる

 

もしやこの音は....

 

 

 

 

エイハブ

「お待たせしました!」

 

 

少し急いできたのが分かる程度に息切れをしていた

 

カリード

「良いバイクに乗ってるな〜!」

 

エイハブの乗っていたバイクはカリードの乗るバイクと同じ程古いバイクだった

 

 

エイハブ

「じゃあ戻りましょうか」

 

カリード

「そうだな」

 

そうして二人はファントムアルビオンへと帰った

 

 

 

 

to be continued

 

 




4話 
ご覧いただきありがとうございました!!
今回も会話だけでしたが次回から少しキャラがMSに乗るかも知れない???...

ちなみにカリードの乗ってるバイクはCBR400RR MC29

エイハブの乗ってるバイクはGPZ400F

に乗っててほしいなぁ.....
(完全に私の趣味)


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5話 過去

どうも、前の話から少し間が空いちゃいました
世に言うテスト期間だったんで許してください☆


U.C.0084

 

●月●日

 

約午後8時

 

 

エイハブ

「つきましたね」

 

手のブレーキを使い完全に車体を止める

 

 

カリード

「そうだな、そういえばエイハブはどこにバイクを置いてるんだ?」

 

興味本位で聞いてみる

 

エイハブ

「僕は作業用の機器の倉庫の端に固定しておいてます」

 

カリード

「それはいいな、もう一台置けないか?」

 

エイハブ

「全然置けますよ、ついてきてください」

 

そうして二人で倉庫までバイクを押して行く

 

 

今より良いバイクの置き場所を見つけることができた

 

 

 

 

 

 

 

 

そうしてすることも特にないので何人かで食堂のテレビでニュースを見ていた

 

 

そうすると昨年のU.C.0083 12月 4日にジオン残党の掃討を目的に結成した[ティターンズ]に対するニュースが流れていた

 

 

 

 

ニュースキャスター

「昨年の12月4日にジオン軍残党の掃討を目的に結成したティターンズですが、これについてどう思いますか?それでは戦術ジャーナリストのミルド・セキグチさんです」

 

噛むことも無く流暢に喋る

 

戦術ジャーナリスト

「あくまで個人的な意見ですがやはり掃討のためだけに一般の部隊と比べて大きくあそこまで差別化した部隊を作るのは反対ですね。今の状態だと連邦よりティターンズのほうが活動が活発になることが考えられますから、条件が揃えば連邦軍とティターンズで権力が逆転することもありえます。もしなるとしてもだいぶ先のことになると思いますが、仮に権力が逆転したとして、ジオン残党軍の動きが収まってきたらティターンズの存在意義が薄れてしまいますから、もしそうなったら、軍は迷走することになってしまいますからね。その他にも...........」

 

と長ったるく戦術ジャーナリストが語っていた

 

ハギル

「長ったるいっすね」

 

ほぼ内容は頭に入っていなさそうに喋る

 

カリード

「このジャーナリストはこのままメディアでティターンズのことを批判し続けるのか、それとも消えるか」

 

急に真面目な表情で喋り始める

 

ミオル

「私消えそうな気がします」

 

少し不安そうに喋る

 

エイハブ

「みんなで消えるか消えないか、賭けしましようよ」

 

少しニヤつきながら喋る

 

ハギル

「俺は消えるで」

 

感、と言わんばかりの薄っぺらい表情で言う

 

ミオル

「私も同じく、ティターンズにはジャミトフ・ハイマンやバスク・オムがいます、二人の話を聞いたことがありますが、お世辞にもいい人とは言い難い気がするので、一般人でも印象をマイナスに持っていこうとしている人物にはあの人達は容赦しないと思うので」

 

真面目に考察する

 

エイハブ

「僕は消えないで、仮にもティターンズはまだできて間もないですし、そんなすぐメディアに干渉できるはずがない」

 

世間の模範解答のような意見を出す

 

カリード

「悩ましいな...」

少し悩んだ

 

カリード

「消えないにかける、だがもしこれで本当に一切の情報が消されメディアに出て来なくなったら.....既にティターンズの力はすぐそこに迫っているという証明になる...」

 

確かに実際に消えたのなら、人の存在をいとも簡単に消せてしまう力があるということになる

 

ハギル

「うわぁぁ、隊長恐ろしいこと言わないでくださいよ。そう考えると消えないに変えたくなってくるぅ...けどやっぱり消えるで」        

 

大人の真面目な考察に動揺していた

 

エイハブ

「提案しといてなんですけど....これっていつ頃に勝敗決まるんですかね...?」

 

カリード

「うーむ、実際、判断が難しいしこれからどうなるかわからないからな」

 

 

 

エイハブ

「まあ気長に待ちましょうか」

 

カリード

「そうだな」

 

 

 

そうして

 

 

 

我々は雑談をした

 

 

 

ハギル

「俺は眠たいんで部屋に戻ります、じゃ」

 

もう限界そうな声で自分の部屋へと戻る

 

カリード

「じゃあな」

 

優しい声で見送る

 

 

エイハブ

「さーて...未成年も居なくなりましたし、どこかいいバーでもないですかね」

 

エイハブはまだ物足りない雰囲気だった

 

カリード

「あまりフォン・ブラウンは詳しくないからな...」

 

カリードも物足りなさそうではあったが、探すのが面倒くさいようだった

 

ミオル

「まず艦の外に出るとして移動手段はどうするんですか?お酒飲んだら運転しちゃだめなんですからね」

 

まだ物足りず、酒を飲みたい男2人を制圧するように高圧的な態度で言う

 

エイハブ&カリード

「ぐぬぬ.....」

 

 

 

 

そのタイミングで

 

艦長

「お、君たち、良い所にいるじゃないか、艦長室で一杯どうかね」

 

まだ1人、まだ物足りない大人がいた

 

 

エイハブ&カリード

「艦長!!いいタイミングですね!」

 

2人は艦長の言葉を見逃さず、猛獣のように食いついた

 

 

 

 

そうして艦長室で艦長のコレクションを飲ませてくれる事になった

 

 

 

 

キュッ  ポン

 

 

 

 

 

艦長

「これはカルヴァドスという林檎のブランデーでね、ドヌールフォルニエという銘柄だ、もうすごく前に蒸留所は閉鎖されてしまってね、手に入れるのに苦労したよ」

 

まるでそのブランデーに愛着が湧いているかのような喋り方だった

 

ミオル

「そんなの頂いていいんですか?」

 

とても申し訳無さそうに言う

 

艦長

「コレクションとはいえ酒だ、飲まなければ意味がない」

 

急に現実を見ているような、すこしやつれた表情で言う

 

 

 

 

 

 

そうして4人で飲んでいるうちに、ある話になった

 

 

 

 

艦長

「私は一年戦争中は連邦にいたが、カリード君も連邦だったね」

 

その話題を話したいがためにお酒を飲んだと言わんばかりに艦長はこの話題を出してきた

 

カリード

「はい、うちはMSに乗るまでは戦闘機パイロットだったんですよ」

 

少し誇らしげに言う

 

エイハブ

「元々戦闘機パイロットだったんですね、戦闘機パイロットのときは何に乗ってたんですか?」

 

興味ありげに聞いてくる

 

カリード

「初めは地上にいてね、その時はコアイージー、宇宙に上がってからはセイバーフィッシュに乗ってたよ、MSとの戦闘はとても怖かった、特に宇宙ではね....まぁ宇宙に上がってから直ぐにMS部隊に移動になったから死なずにすんだけどね...

 

そしてア・バオア・クー攻防戦、連邦では攻略戦か、あのときだった....」

       

 

      

 

 

 

若かりし頃のカリード

「カリード・ベルデ、ジム、発進します!」

  

今とは違い、勇気に溢れた表情だった     

 

 

最終的にはジムに乗って居たんだが

       

 

 

 

 

 

若かりし頃のカリード

「なんだあの自由に飛んでいる手は!うわぁっ!」

 

見たことの無い兵器と接敵し、焦りで攻撃どころでは無くなっていた

 

     

《s》《/s》今思えばあれはサイコミュを搭載したMSの腕部だったんだろうな

     

     

ガタン 

 

物凄い衝撃がカリードを襲う    

 

ドーン

 

若かりし頃のカリード

「どこがやれたんだ!!」   

  

<<脚部破損 脚部破損>>

 

脚部が破損したことを知らせるため、パネルに写った機体の脚部が赤くなっていた

 

若かりし頃のカリード

「脚部がやられたかっ!!」

     

《s/》幸い、コックピットに直撃はしなかったんだ、だが......

 

 

バーーーン

 

攻撃を受けたか、デブリが衝突したかは分からないが液晶がノイズでほぼ真っ暗になってしまった

 

ビービービー

 

 

若かりし頃のカリード

「モニターがッ!!次はメインカメラか!!、くそぉっ!!!」

 

恐怖というより、この状態で戦闘不可になってしまったことに対しての悔しさが出ているようだった

 

 

《s》ア・バオア・クー攻略戦で乗っている機体が戦闘中に中破したんだ

 

 

 

 

若かりし頃のカリード

「推進剤も切れた、カメラも映らない、一体いつトドメがさされるんだ.....」

      

不思議なことに、恐怖心は無かった

 

推進剤のタンクが破損し身動きが取れなくなってしまってね

 

 

 

 

ピピピッ

<<ザーーーーーーーーーーーーー>>

 

若かりし頃のカリード

「無線自体は壊れてないけど流石に戦闘宙域だからミノフスキー粒子が濃くて通信はできないか...ミノフスキー通信も駄目...こうなったらハッチを開けてやる!!」

 

 

 

ビーッビーッ

 

<<ハッチの油圧ダンパーが作動しません、ハッチの油圧ダンパーが作動しません>>

 

若かりし頃のカリード

「くそ...いったいいつ助かるんだ....非常食のおかげで多少は持つが...」

 

 

 

《s》《/s》あのときは本当に死ぬかと思ったよ、コックピットのハッチは開かないし

 

 

《s》《/s》周りとの通信も取れないからどこにいるかもわからないし

 

 

 

数時間後

 

 

 

 

若かりし頃のカリード

「いざとなったら装備品のハンドガンで...」

 

いっそ自決を

 

 

そう考えた瞬間であった

 

 

 

 

 

ガコン

 

若かりし頃のカリード

「何だこの振動は.....」

 

何かに掴まれるような揺れがカリードを襲う

 

 バチバチバチ  

 

 

 

若かりし頃のカリード

「俺は死ぬのか?」

 

じわじわと熱が外から伝わってくる

 

 

 

ガガガ......

 

 

 

今度は外から来る熱が止まり、ハッチをこじ開けようとしているような音がした

 

 

バコン 

 

 

 

その瞬間

 

 

コックピットに光が差す

 

 

       

ジオン兵

「これでコックピットが開いたな...ん?....パイロットだ!パイロットがいるぞ!!」

 

《s》《/s》ある程度修理すれば動く状態と判断されたみたいで撤退するジオンの戦艦に放置されてる機体と勘違いされて拾われたんだ

       

 

 

 

《s》《/s》敵対するつもりはないと伝えたらしばらくは監視付きだったが捕虜にもならずみんな受け入れてくれてね、そこでミオルとハギルに会ったんだ

       

 

 

 

 

そうして意外なことに拾ってくれた奴らは俺を連邦に返そうとしてくれたんだ

 

 

 

《s》《/s》だが

 

 

連邦の士官

「貴艦の受け入れはできない、繰り返す、貴艦の受け入れはできない」

 

 

 

 

連邦に受け入れを拒否されてしまってね

 

 

 

 

結局どこも行く先が無くてね

 

 

 

 

その艦にはほぼ動けるパイロットが居なくて、それでここに来るまで助けてくれた恩返しにしばらくその間のパイロットをしていたんだ

       

 

 

 

エイハブ

「そんな過去があったんですね、じゃあ僕のターンですかね、僕は一年戦争中は連邦で普通にMSのメカニックをしてました」

 

何にも変わらない、平凡なような雰囲気で喋る

 

 

だが

 

エイハブ

「なんですが、内緒ですよ.....僕、戦争後はこの艦にメカニックとして搭乗してたんです...もちろん噂されているガンダム開発計画によってガンダム試作1号機、2号機、3号機全部見てきました.....機体の隅々まで弄りましたし.....あの機体たちがとても好きで実はGPシリーズのデータ...完全なものでは無いですが....持ってるんですよね...」

 

一瞬でこの部屋の空気が変わる

 

エイハブ

「面白いことと言ったらこれぐらいですかね」

 

さっきまでとは違った、いつも通りの喋り方に戻る

 

カリード

「抹消されたはずのデータを...持ってるのか?」

 

恐る恐る聞く

 

エイハブ

「はい、一機一機のデータが大容量で小型のメモリーには入らなかったので一機につき一個のメモリーで1,2,3,4号機で合計4個のメモリーを使ってますけどね」

 

危険性のあるデータを持っているとは思えない程いつも通りに喋る

 

艦長

「もしそのことが連邦、AEの上層部にバレたら血眼になって消そうとしてくるだろうな」

 

腕を組みながら、少し考えるように言う

 

エイハブ

「多分そうなるでしょうね、1,2,3号機の他に別に4号機のデータも開発時点のものですがコピーしましたから」

 

 

 

ミオル

「よくそんなデータを今まで周りにバレずに持ってましたね」  

 

少し皮肉めいた言い方をする

    

エイハブ

「案外バレないもんですよ」

 

堂々と立ち向かうように言う

 

ミオル

「よくここで言う気になりましたね」

 

負けじとさっきよりも強く言う

 

エイハブ

「ここの艦に配備になった時点で一生AEに縛られの身みたいなもんですからね」

 

それに反抗するように言う

 

ミオル

「裏切る可能性だって否定はできないのに?」

 

二人はジワジワとヒートアップしていく

 

エイハブ

「裏切ったら殺されるだけですからね、所詮はAEの使い捨てのパーツですし、この艦の搭乗員全員、行き場をなくした迷える子羊たちだった人達の寄せ集めですから」

 

事実を突かれた

 

ミオル

「[迷える子羊]ね.....たしかにそうね、私の負けだわ、じゃあ次は私が喋る番ね」

 

ミオルは潔く負けを認めた

 

ミオル

「先程の隊長の話の通り私はジオンのパイロットでした、本当は偵察用ザクのパイロットだったんですがパイロットと機体が共に不足していて強行偵察型ザクに乗ってよく戦闘もしていました、あの時はヤップ級に乗っていたんです」

 

少し悲しげに語り始めた

 

 

 

 

 

ア・バオア・クー攻略戦にてジオン軍撤退後

 

 

 

 

若かりし頃のミオル

「この機体での発進は嫌いだわ......にしても連邦はどこまで追いかけて来るっていうの?......

          

ミオル・プレスター、レコンザク、出ますっ!」

 

 

私は当時偵察用のレコンザク、一般的には[ザク強行偵察型]ですか、という機体で戦闘に出ていたんです、人手も機体も不足していたので

 

 

ミオルの体に一般の量産機では出せないGがかかる

 

       

若かりし頃のミオル

「やはりすごいGね...」

 

 

 

 

 

 

 

若かりし頃のミオル

「連邦の艦隊の進路予想座標に到着.....」

 

 

ミスをすれば取り返しの付かない被害を受けるであろう作戦の大事な部分を任され、緊張で胃を冷たい何かに掴まれるような感覚に襲われていた

 

 

 

若かりし頃のミオル

「母艦に報告、繰り返します、母艦に報告、マゼラン級2隻にコロンブス級1隻を発見....攻撃地点まで後200m.190m.............到達しました!!」

 

攻撃までのタイマーが0秒になりアラームが鳴った

 

艦長が作戦に参加したジオン軍全機体に開放無線で連絡した

 

ヤップ級の艦長

「攻撃開始!!」

 

狙撃用にビーム兵器用のジェネレーターが搭載されているバックパックを背負ったザク数体が狙撃し、そのビームが3隻のブリッジ等の急所に直撃した

 

ほぼ沈没しかけている中、すぐにコロンブス級の中から沢山のジムが出てきた  

 

無慈悲にもジムはすぐ狙撃され撃墜されていく

 

だがその網をくぐり抜け数体のジムが攻撃してくる

 

 

 

私は偵察の腕には自信があったんですが、あの機体は機動性物が凄く強化されていて私はそれを扱いきれていなかったんです

 

 

若かりし頃のミオル

「そんな...スナイパーの狙撃をくぐり抜けるなんて....」

 

ピピピピピピッ ピピピピピピッ

 

<<左方向MS接近警報 左方向MS接近警報>>

 

接近警報が鳴り響く

 

若かりし頃のミオル

「この音は連邦の接近音?!?近づかれた?!??」

 

 

ビームサーベルを展開しながらジムが接近してくる

 

 

ブォォン

 

若かりし頃のミオルはスロットルを全開にしてビームサーベルを避けた

 

ジムのパイロット

「くそ!避けやがって!」

 

若かりし頃のミオル

「危なかった.....」

 

 

 

ジムのパイロット

「今度こそは!当たれ!」

 

ピチュンピチュン

 

ビームスプレーガンを乱射する

 

 

若かりし頃のミオル

「適当に撃っても当たる訳無いでしょ!」

 

バババババッ

 

ザクマシンガンを瞬時に狙いを定めて数発撃つ

 

ジムのパイロット

「クソ!メインカメラが!」

 

若かりし頃のミオル

「このぉ!」

 

ヒートホークでコックピット周りを切りつけた

 

ゴキャーン

 

ジムのパイロット

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ドゴーーーーン

 

若かりし頃のミオル

「1機撃墜するのも大変ね....」

 

そうやって少しこの戦闘に慣れて来たとき

 

 

ピピピピピピッ ピピピピピピッ

 

<<右,左方向MS接近警告 右,左方向MS接近警告>>

 

若かりし頃のミオル

「そんな.....2方向から3機??!仕方ない...気絶してでも逃げなきゃ....全スラスターのリミッター解除!」

 

 

 

 

 

この機体は本来対Gスーツを着て運用されることが標準だったんですが、スーツのサイズが前任者の方のサイズしか艦になくて合わなくて着れなかったのと、元々そこまでGに強くないせいでスロットルをフルまでにしてしまうと視界がブラックアウトしてしまう可能性があったので、普段はリミッターをかけていたんです

 

 

若かりし頃のミオル

「うっ!!やはりすごい加速だわッ!!ジムを引き離せてる!!」

 

 

加速と機動によるGに翻弄されながらも、ジムとの距離は離れてくる

 

ジムのパイロット1

「なんだあのザク!?ただの改修機じゃないのか?!」

 

ジムのパイロット2

「機動性があっても所詮はザクだろ??このジムで追いついてみせる!!」

 

そうしてスロットルを全開にし、追いつこうとする

 

 

 

だが

 

 

ふとした小さな操作ミスでバランスを崩し

 

 

 

ジムのパイロット2

「機体が制御できないだと??!?そんな空中分k...ザー」

ズドーン

 

ジムのパイロット1

「そんな....ジムが空中分解...ジムで追いつけないっていうのか...」

 

 

 

若かりし頃のミオル

「この機体の推進力はすごいわね!....けど視界が暗くなって.....しまった......ブラックアウト......」

 

 

 

 

 

そうして私は相当な距離進んで、少しの間気絶してしまったんです

 

 

 

 

 

そしてある程度距離を取れた所でオーバーヒート防止のリミッターが作動して機体が障害物にぶつかる前に機体が止まってくれたんです

 

 

 

若かりし頃のミオル

「はっ..ここは....そうだ私さっきまでジムから逃げていたはず....リミッターで止まっていたのね...」

 

 

 

そうして少し経ってから私は目が覚めたんですが戦闘してい宙域を見ても戦闘の光がみえなくて戦闘が終ったと判断したんです

 

 

 

 

そして艦長(ヤップ級)から戦闘前に出ていた指令で、使えそうな相手MSの部品を回収してきてほしいとの事だったんです

 

 

 

 

 

そこで流れてきた腕と胴体がある程度残っていたジムを回収したんです

 

 

 

 

 

 

 

ミオル

「そこで回収したジムが隊長の乗っていたジムなんです」

 

 

エイハブ

「ほー中々面白い話ですね、ってことはあのハギルって子もヤップ級のMSのパイロットをしてたんですか?」

 

鋭い感が当たった

 

カリード

「そうだ、よくわかったな」

 

エイハブ

「感です、カリードさんとミオルさんとの会話の雰囲気的にそうなのかなーと」

 

ミオル

「感が鋭いですね」

 

エイハブ

「そんなことないですよー」

 

ニコニコしながら頭を触る

 

 

 

といった会話をしているうちに全員艦長室のソファーで寝てしまった

 

 

 

 

to be continued

 

 

 




5話ご覧頂きありがとうございます
今回は少しごちゃごちゃしてしてたかもしれません…



ちなみに0084時点でエイハブは23歳、ミオルも23歳、ハギルは17歳です

ちなみに一戦争当時、ハギルは戦争孤児のような状態になっていたんですが、色々あり、ヤップ級に引き取られ、そこで生活していました、ちなみにはハギルは17歳にしてはMSを結構動かせるのですが、それには訳があり、ヤップ級の整備士たちがおもしろ半分でシュミュレーションをやらせてみたら本人がハマってしまい、人手が足りないので、船外作業を手伝わされた時にMSに乗ったり、本人の意思で数回だけ戦闘に出たことがあるため、0084の時点で、大人達に負けず劣らずのMS操縦技術を持っています


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6話 3号機、始動

どうも、前回、前々回はだいぶ会話パートでしたがようやくMSに乗るシーンに行けそうです!!

最近始めと比べて投稿頻度が落ちてしまっていて申し訳ないです…

それではご覧下さい!!


6話

 

 

●月●日

 

午前6時

 

 

カリード

「はっ........」

 

 

起きると午前6時だった

 

みんな寝ていた

 

 

 

 

 

とりあえず全員を起こそうとしたがエイハブしか起きなかった

 

エイハブ

「うえぇ.......今何時ですか?...」

 

限りなく眠そうな声で喋る

 

カリード

「今午前の6時だ」

 

はっきりと言う

 

エイハブ

「マジですか。今日も仕事あるのに!!」

 

その一言で一気に眠気が覚めたようだった

 

カリード

「酒臭いままで行くわけにもいかないから俺はシャワーに入ってくるよ」

 

そういって館長室を去ろうとすると

 

エイハブ

「あの….ここの港から片道20分ぐらいに日本式の銭湯があるらしいんですけどよければ行きませんか?」

 

と、下手に出たように言う

 

カリード

「お!いいな、朝風呂行くか!」

 

だががっついてきた

 

 

 

そうして2人で銭湯に向かった

 

 

 

その銭湯は

 

 

いかにも日本な見た目をしていた

 

カリード

「ここがフォン・ブラウンの銭湯か...」

 

こんなところにも銭湯があるのかという嬉しさとここの銭湯はちゃんとしているのだろうかという、不安感が混ざり独特な表情になっていた

 

エイハブ

「ここの銭湯のこと港で働いてる人に聞いたんですけど、そこの港の人達に人気らしいんですよね」

 

エイハブは楽しみすぎて表情に出ていた

 

カリード

「そうなんだな、じゃあ期待できそうだな!」

 

エイハブの言葉を聞き、カリードの中の不安は無くなり嬉しさでいっぱいになる

 

 

 

そう言って意気揚々で2人で銭湯に入った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カリード

「いやー気持ちよかったなー」

 

 

エイハブ

「そうですねー、やっぱりお風呂上がりといえばあの飲み物ですよね?」

 

 

そう言い、瓶が売っている自動販売機の前まで行くと

 

 

カリード

「牛乳だな??俺はコーヒー牛乳派だ」

 

エイハブ「えー、やっぱりフルーツ牛乳でしょ!」

 

 

そう言い2人はバトルを始めた

 

 

 

 

 

 

そうして温泉を上がった後も2人は温泉を楽しんだ

 

 

 

 

 

エイハブ

「いやー何だかんだで朝ごはんも食べちゃいましたね」

 

少しだけ罪悪感に苛まれながらもとても満足そうな顔をしていた

 

カリード

「温泉の日本食は美味しいからな、じゃあ戻るか」

 

 

そう言い2人で艦に戻った

 

 

 

 

 

一応と思い艦長室へ向かうと

 

 

 

 

 

艦長だけが未だぐっすりと寝ていた

 

カリード

「艦長」

 

そう言い恐る恐る身体を揺する

 

だが酒臭い息を吐くだけで起きない

 

二人は少し臭そうに鼻をつまむ

 

カリードが呆れていると躊躇なく

 

エイハブ

「艦長!アルト・スタール艦長!!!!!」

 

耳元で大声で起こす

 

艦長

「はっ!!何事だ!!!!!」

 

艦長は緊急事態でも起きたかのような勢いで飛び起きる

 

カリード

「艦長、朝です」

 

それに呆れながら冷静に言う

 

艦長

「あ、そうか....」

 

申し訳無さそうな表情で言う

 

カリード

「酒臭いのでシャワー浴びてください」

 

2人は艦長を軽蔑の目で見ていた

 

艦長

「そ…そうか…」

 

艦長は自分がどんな惨状なのかを2人の様子で理解し

 

 

艦長はどこかへ行ってしまった...

 

 

 

 

 

エイハブ

「ミオルさんはもう起きたんですかね?」

 

思い出したかのようにふと言う

 

カリード

「多分あいつは大丈夫だ、きっと今頃整備工場に行く準備でも始めてるんじゃないか?」

 

ミオルに対する信頼がこの言葉から分かった

 

エイハブ

「確かにそうですね、あと今日はシミュレーションである程度機体の調整ができそうなのでついて来て貰いますよ」

 

今日一日の作業を手伝ってもらうつもりで言う

 

カリード

「お、楽しみだな。じゃあチャチャっと準備して早めに行くか」

 

だがカリードは乗り気だった

 

エイハブ

「そうですね」

 

 

 

そうして2人で工場に早めに行くことにした

 

 

 

中に入ると

 

 

工場内は真っ暗だった

 

エイハブ

「ここの区画はうちらが一番乗りなのでうちが電源入れてきますね」

 

 

 

カリード

「分かった、電源が来たらコンピュータを立ち上げておく」

 

エイハブ

「了解です」

 

 

そうしてエイハブは懐中電灯を手に持ち、電源を入れに行った

 

 

 

 

暗い中、電源が来るのを待っていると

 

 

 

 

 

ガン

 

ガン

 

ガン

 

 

 

照明がついて周りにある機器が起動していく

 

 

 

そしてカリードはコンピュータを立ち上げる

 

 

 

 

そうして遠くからエイハブが戻ってくる

 

エイハブ

「立ち上がりましたね、今日の作業は装甲の取り付けとフィールドモーターの出力調整です、モーターをAE製の改良型のモーターに交換したため1から出力調整をしなきゃいけないので少し大変ですが手伝ってくださいね」

 

エイハブの言い方的に、だいぶハードな作業そうだった

 

カリード

「お...おう」

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして初めは2人だったが、徐々に整備士が来て1番機の整備をする人数は増えていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エイハブ

「よーしこれで作業は終了です!これで算出されたデータでシュミレーションでも動かせます、他の機体の整備も終わったら外でAEのテスト機の試験運用って供述で模擬戦もできるはずです、よく外でAEの機体のテストをしてるんで不審には思われないはずなので」

 

整備が終了し、やりきった感が周囲に流れる

 

カリード

「そうか、他の機体の作業の状況はどうなんだ?」

 

模擬戦ができるか気になり、他の機体の進行状況を聞く

 

エイハブ

「他の2機は他の整備士の方が作業を進めてます、明日には行けるかと、後我々で例の白いやつの整備に行きましょう、あれの今回の整備にかける人数は制限しろとの命令なので」

 

他の機体はまだ終わっていないようだったが、何より白いヤツの事が気になってしょうがなかった

 

カリード

「おう」

 

 

そして2人で白いやつの所へ向かった

 

 

既に数人の整備士が作業をしていた

 

 

エイハブ

「そういえばコイツなんですけど、カリードさん、こいつの頭を殴ったら取れて機体が停止したって言ってましたよね?」

 

確かめるように聞く

 

カリード

「ああ」

 

何故それを聞いてるのか分からず少し困惑していた

 

 

エイハブ

「頭部にAI用のコンピュータが入ってたみたいで、戦闘中はAI操作になっていたみたいで、多分無理やり胴体に頭を接続したんでしょうね、だからカリードさんが頭を殴った時に簡単に頭が取れて機体が停止したんだと思います」

 

カリード

「そういうことだったんだな」

 

ちょっとした疑問が晴れたようだった

 

エイハブ

「後、機体内部にあるデータを色々と調べてみたんですけど、そこから読み取ると、本来はニュータイプのパイロットを専用の戦術AIでサポートすることによってより完全な戦闘をできるようにする、という目的で独自に改造された機体みたいです、でも原因は不明なんですがでAIが暴走した可能性があるみたいで、コイツを外で運用したりする時はAIの作動範囲にある程度リミッターをかけろとの事です」

 

あくまでエイハブ個人の分析も入っているが、流石感の良い男、という感じだった

 

カリード

「こいつはその戦術AIとやら無しでも動くのか?」

 

カリードは自分でも動かせるのか?という興味に駆られていた

 

エイハブ

「動くはずです、けどもしかしたらニュータイプが運用する前提なので本来の性能が発揮できないかもしれないです、けど性能は相当いいはずなのでニュータイプじゃなくても基本性能は出せるかもしれません、例の子が乗る前に機体の整備が終わったらカリードさん乗ってみますか?」

 

エイハブもカリードの乗るこの機体の姿を見たかった

 

カリード

「こいつはニュータイプ用の機体じゃないのか?」

 

さっきエイハブが言っていたことを忘れずに聞く

 

エイハブ

「確かにこの機体には、機体の動作を補助する試作のサイコミュと、試作のビットが取り付けられているみたいなんですが、多分ニュータイプじゃなくても動くことは動くはずです、まぁやるだけやってみて下さいよ」

 

少し笑い、ふざけるように言う

 

カリード

「おいおい、少し乗ってみようかと思ったらなんだその言い方は、尚更動かして見たくなったじゃないか」

 

カリードもそのノリに乗る

 

エイハブ

「まぁジムスナイパーⅡストライカーの改修は終わりましたけどこの機体の整備は終わってないですから、終わってからの話ですけどね」

 

乗る乗らない以前の問題だった

 

カリード

「確かにこんな話して盛り上がっても機体が完成しなきゃ出来ないもんな、よし!作業に取り掛かるか!」

 

 

 

 

 

 

そうしてまだ終わっていない破損した部分や、他の機体と同じくフィールドモーターなどを交換、そしてアナハイムMS開発部から提供された試作パーツなどを取り付けた

 

 

 

 

 

 

 

カリード

「ふぅ...ようやく完成したな.....」

 

1番機と違い、作業は少し難航した

 

エイハブ

「そうですね、にしてもここの開発部の試作パーツを付けるだけでここまでごつくなるとは.....アナハイムの整備士恐ろしや.....」

 

この機体にも運用データ欲しさに大量の試作パーツが提供されていた

 

 

そしてあの白い機体はまるで重装甲高機動型のような見た目になっていた

 

 

カリード

「俺が乗る時はこの追加装甲と追加ブースター外してくれ...」

 

少し機動をしたら推力と機体の質量でパイロットを殺しにかかっているような見た目をしていた

 

きっとこの仕様では扱えるパイロットはいないだろう

 

エイハブ

「もちろんですよ....こんなに追加装甲と追加ブースターついてるなんて....下品の限度を超えてますよ....俺はやりすぎは嫌いです...」

 

開発部の所業を酷評していた

 

もしこの発言を開発部の奴らの前で言えばタコ殴りにされるだろう

 

カリード

「なぁ....もう余計なやつ外していいか?....」

 

この醜いとも言える見た目をカリードは早くまともに戻したかった

 

エイハブ

「早く外しましょ...外してることをここの開発部の人たちにバれる前に早く...」

 

エイハブも同意見だった

 

そうしてフルアーマーガンダム以上にゴテゴテだった追加装甲、ブースターを艦の整備士と共に急いで外した

 

 

 

 

エイハブ

「ようやくスッキリしましたね....」

 

スッキリしたは良いものの、何処か開発部にバレないかと心配に思っていた

 

カリード

「これで機体が軽くなった...」

 

カリードはその事を全く気にしていないようだった

 

 

 

 

 

 

そうして時間も時間なのでご飯を外で食べ、2人で艦に帰った

 

 

 

 

 

 

そうして私は自分の部屋に入ろうとしたとき

 

 

 

まるで待っていたかのようなタイミングでトリアが出てきた

 

 

トリア

「カリード!!帰って来たんだね!!!!」

 

その言葉と同時にトリアは私に抱きついてきて

 

一瞬倫理観が崩壊しそうになった

 

 

 

 

カリード

「こらこら!!人に気安く抱きつくな!!」

 

そういうのに慣れていなく、反射的に強く言ってしまう

 

トリア

「...ごめんなさい....」

 

カリードにとってはそんな深い意味は無かったが、トリアにとっては出会ってからほんの少しか経っていないが、親のように接してくれた人に強く言われるのは少しきつかった

 

カリード

「そんなに落ち込むな......わかった..抱きついていいから...」

 

抱きつかれるのは正直気分は良くなかったが、強く言った事に罪悪感を感じ、我慢することにした

 

 

トリア

「やったー!!!!」

 

心の底から喜ぶように無邪気で元気な声で飛び跳ねながら言う

 

カリード

「この...まあいい、トリア、調子はどうだ??」

 

気まずそうに対応しにくそうに言う

 

トリア

「今はバッチリだよ!」

 

それに対し、やはりトリアは元気に満ち溢れていた

 

カリード

「そりゃあよかった!、そういえば、トリアの乗っていた白いやつの修理が終わったんだ、まだ乗る気はないか?」

 

あの時、機体の操作はAIが行っていたというが、この少女が乗っていたということはこの少女もこの機体を動かせると仮定できる、それでカリードはこの少女に機体を操作させてみたい、と思った

 

トリア

「あの子直ったの?!乗りたい!あの子は私の相棒、家族みたいなもんだもん!」

 

その何処か良くない考えが潜んでいるカリードとは対象的にやはりトリアは無邪気だった

 

カリード

「そ...そうか、じゃあ早速明日行くか?」

 

トリア

「うん!行きたい!」

 

良くない考えを持って、それを少女に対して抱いているのに、それを跳ね返すような明るさにやはり罪悪感を覚えた

 

カリード

「そうだ、俺は明日少し早く出なきゃいけなくてな、ミオル達も行くんだが、トリアはミオル達と一緒に来てくれないか?」

 

トリア

「わかったよ!トリアはいい子だからね!しっかり言うこと聞くよ!」

 

ただただとても素直だった

 

カリード

「そうか、明日乗るときは気をつけて動かすんだぞ、じゃあ俺は部屋に入るから、おやすみな、トリア」

 

何か心の中に靄が残りながらも言葉をかける

 

トリア

「わかった!おやすみなさい!」

 

そうして笑顔で部屋の中へと入っていくところを見届けた

 

 

 

部屋の中で...

 

カリード

(あの子が家族...か...あの機体についてるAIは一体どんな代物なんだ?...そして本当にあの子があの機体を動かせるのだろうか?、ただシートに座っていただけという可能性も......もしかしたら今までのは演技で裏切ることだって....いや....今はあの子を信じてみよう.....)

 

 

そう考え事をしながら、私は眠りについた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日...

 

 

●月●日

 

午前4時26分

 

 

 

 

ふと目が覚め

 

身体を起こし、枕元に置いていた腕時計を腕に付け、腕時計のライトを付け、時間を見る

 

 

エイハブ

「ふぁ...今何時だ?.....朝の4時半か....カリードさん起きてるかな?...6時前には出たいしカリードさん起こしに行くか....」

 

 

そうして部屋の照明を付け、作業着に着替え、部屋を出る

 

 

 

 

部屋のドアの前に立つ

 

 

ゴンゴンゴン

 

エイハブ

「カリードさん朝ですよ〜」

 

ドアに顔を近づけ、中に声が聞こえるように言う

 

 

カリード

「はっ」

 

ガタガタ

 

 

部屋の中から騒がしい音が聞こえる

 

 

勢いよく部屋のドアが開く

 

 

カリード

「どうしたんだエイハブ!」

 

崩れた服で焦った様子だった

 

エイハブ

「まだ寝てたんですか?カリードさん朝ですよ、ちゃちゃっとご飯食べて準備して行きますよ」

 

呆れた様子で言う

 

カリード

「そ...そうか...びっくりしたぁ....」

 

緊急事態ではないことが分かりほっとする

 

エイハブ

「びっくりしたぁ...じゃないですよ、朝飯食ってさっさと行きますよ」

 

 

 

そうして準備を済ませ工場へ向かった

 

 

 

 

 

 

カリード

「今日はみんな朝早くからいるな」

 

以外にも沢山のスタッフがいて少し疑問に思う

 

エイハブ

「みんなテストを見たくて朝から張り切ってるんですよ」

 

と言いつつも本人も楽しみそうしていた

 

 

一人が寄ってきた

 

整備士A

「1号機のパイロットのカリードさんですね、白い奴を動かす準備、出来てます!」

 

1人の整備士が張り切った様子で話しかけてくる

 

カリード

「わかった、ありがとう」

 

朝の堕落していたような様子とは違い、軍人らしいきっぱりとした態度で言う

 

エイハブ

「みんなが来る前に白いやつ、乗るんですね?」

 

最終確認のつもりなのだろう、少し強気で言う

 

カリード

「ああ、トリアには申し訳ないが、みんなが来る前にこいつに乗ってみる」

 

トリアに申し訳無さそうではあったが、AIでなくてもあの操作性を発揮できるのかの事実確認と、好奇心には勝てないようだった

 

 

 

 

そうして私はロッカーに行き、パイロットスーツに着替えた

 

 

カリード

「やはりまだこのスーツは慣れないな」

 

少し何処か気になるように身体を動かす

 

エイハブ

「何回も着れば慣れますよ」

 

カリード

「本当はこのスーツを着る事態にならないことが一番いいんだけどな」

 

エイハブ

「まあ、たしかにそうですね。とりあえず乗っちゃってください!」

 

さっきまで少し強気で喋っていたのに、今は早く見たい気持ちが出ているのか、少し楽しみそうに言う

 

 

 

そうして機体を眺めながらリフトで上昇する

 

 

エイハブ

「上昇は終了です、横のレバーでハッチを開けてください」

 

さっきまでは落ち着いた様子だったが、何処か楽しみな気持ちが隠しきれていなかった

 

カリード

「ああ、分かったよ」

 

冷静に会話をするものの、何処か緊張し、心拍数が上がっていた

 

ガチャ

 

 

バシュー

 

 

 

カリード

「この機体は全天周囲モニターなんだな」

 

まだモニターに出力が行っておらず、まだ少し薄暗いコックピットを見ながら小さな声で呟く

 

そうしてリニアシートに座り、横にあるコンソールを操作し、機体を起動させていく

 

 

そうしてモニター一面に工場が映し出される

 

 

カリード

「これが全天周囲モニターか....」

 

コックピット全体を見渡しながら、物珍しそうに言う

 

エイハブ

「そうですね、はじめは慣れないと思いますが、慣れたらだいぶ違うと思いますよ」

 

あからさまにこっちの方が良いような言い方をする

 

だがまるで空間に放り出されたようで、カリードはあまり良くは思っていなかった

 

 

そんな会話をしていると

 

ウィンウィンウィンウィン......

 

 

ビギャン!

 

 

 

 

機体が起動した

 

カリード

「よし、起動を確認」

 

 

整備士達が息を殺すようにざわざわと喜ぶ

 

エイハブ

「起動してもまだ喜ぶなー!これからが本番だぞ!」

 

エイハブも喜んではいたが、まだどんな事が起きるかわからないので、その場を落ち着かせようとする

 

 

そうして

 

機体の出撃準備が整った

 

そのタイミングで無線が入る

 

 

工場のオペレーター

「機体の準備は終了ししましたか?Bエアロックに移動してください」

 

嬉しそうに騒いでいた整備士とは違い、声だけ聞くと冷静で少し無愛想に感じた

 

カリード

「了解」

 

この待ちきれない興奮を抑えながら返答し指示に従い、機体を動かす

 

足元にはこの機体のテスト稼働を楽しみに待っている者たちが笑顔でこの機体を見ていた

 

 

 

 

 

そうしてBエアロックまで移動し、減圧が行われた

 

 

 

機体の外気圧計が0になり、アラームが鳴る

 

そうして気圧が真空になる

 

 

工場のオペレーター

「減圧が終了しましたね、ハッチをオープンします。Bエアロックの方面にはMS用のカタパルトがないのでカタパルトまで移動して作業員に従ってホールドバックリリースで発進してください、それでは、テスト飛行、でいいんですかね?、がんばってきてください」

 

さっきと変わらず無愛想だったが、最後だけは、何処か優しさがあった

 

カリード

「了解」

 

その優しさを返すように力を込めるように、顔は見えないが笑顔で言う

 

 

 

 

ザザッ

作業員A

「ケーブルを付けるので、機体を動かさないでください」

 

いつもこの作業をしてるのか、慣れたように言う

 

カリード

「了解」

 

こちらも慣れたようにスラッと言う

 

作業員A

「装着完了しました!」

 

作業開始してから案外すぐ作業は終わった

 

やはり慣れているのだろう

 

 

 

作業員B

「作業員の退避完了しました!」

 

こちらは新人のような雰囲気で、やる気に溢れた言い方だった

 

 

工場のオペレーター

「発進準備完了しました、発進してください!カウント開始します!」

 

そして作業員の無線で状況は把握できているが、オペレーターが発進の合図を出す

 

そうして電光板のカウントダウンが始まる

 

 

 

カリード

「そういえばこいつの名前はなんて言うんだ?」

 

 

操作モニターを見た

 

カリード

「RGM-79ARA-3

 

サイコミュ試験用ジム試作3号機….これがこいつの名前か…」

 

 

ビーッ

 

 

カウントがゼロになる

 

 

 

そうして機体のスラスター出力を上げていく

 

 

カリード

「サイコミュ試験用ジム3号機(トリア)、出る!!」

 

 

 

 

to be continued

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




6話ご覧いただきありがとうございます!!
6話いかがだったでしょうか??

ちなみに例の白いやつことサイコミュ試験用ジム3号機は話の途中で出てきた、とある....ニュータイプ研究所がニュータイプ試験用ジム・ジャグラーを参考に独自に開発した、本当のニュータイプ試験機の3号機にあたる機体です


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7話 白の目覚め

どうも、最近初めの数話と比べてめちゃくちゃ速度が遅くなってる気がする......

あと表紙作ってみました


7話

 

ガチャン!!!

 

 

ワイヤーが切り離され、物凄い加速をし、カリードの身体にGが掛かる

 

 

 

 

 

カリードの乗るサイコミュ試験用ジム3号機は宙を飛んだ

 

 

カリード

「よし、発進できたなッ」

 

 

そうして私は、飛行が安定したのでスロットルをある程度下げていく

 

 

 

そうしてテスト飛行可能な宙域を出ないように機体を右に旋回させる

 

 

カリード

「うむ...今の所性能はうちのジムスナイパーⅡストライカーと同等ぐらいか、だがあの戦闘のときと比べて旋回は変わらないが速度が出ないな...」

 

 

 

そうしてふと操作パネルを見ると

 

出力にリミッターがかかっていた

 

カリード

「やはりリミッターがかかっていたか、だがこの出力で30%カットされているのか、10%までリミッターを下げるか」

 

 

リミッターをフルカットしたら何処までの出力が出るのか

 

フルカットしてみたいという好奇心と、フルカットした際に起こり得る事を考えるとすこし寒気がしたので今回は10%までにした 

 

 

そうしてスロットルを思いっきり引き、一度逆噴射して急減速し、機体の軽さと減速性能を感覚的に理解した後、思いっきりスロットルを押し込み機体のフル加速をした

 

 

 

 

身体にジワジワと加速Gが掛かる

 

 

 

 

機体からガタガタとGで揺れる音がする

 

 

 

 

加速は終わらない

 

 

 

そうしてまだ機体を加速させつつ機体の旋回を始める

 

 

 

先程とは段違いの速度での旋回の為、先程よりも身体の血液がジワジワと下へ下へと下がっていく

 

 

カリード

「これはこの機体用の対Gスーツが必要なレベルじゃないかッ??.....ノーマルスーツじゃ耐えきれない性能なのかこいつはッ!」

 

 

今まで乗ってきた戦闘機やMSでは体感したことのない性能だった

 

 

そういえばトリアの着ていたパイロットスーツは普通とは違った

 

 

あれはもしやこの機体用の対G機能を持ったものだったのだろうか

 

 

 

 

 

頭の中で辻褄が合った

 

 

そう考えていく内に視界の色調が失われていく

 

カリード

「くそッ...グレーアウトか....だが..まだ...まだ行けるはずだ.....」

 

 

そうして旋回の角度を緩める

 

 

 

 

機体は止める気がないようにまだ加速を続ける

 

 

 

 

カリード

「後少し...後少しで最大出力に達するんだッ!.....」

 

 

 

 

旋回の角度を緩めたにも関わらずGはかかり続け、とうとう視界が暗くなっていく

 

カリード

「くそッ...ブラックアウトだ........クソオォぉぉッ!!!」

 

そうして旋回をやめ、直進に戻す

 

 

その瞬間操作パネルの速度ゲージが最高速度に達したことを知らせるために赤く点滅した

 

カリード

「来た!よし!!逆噴射ッ!!!!!」

 

 

そうして死なない程度に逆噴射をし、減速をした

 

 

 

瞬間的に減速Gが発生する

 

 

ガタガタガタッ!!

 

コックピット内、そしてカリードの身体に加速のときよりも大きな振動が襲う

 

 

そうしてある程度減速をしたところで逆噴射を止めた

 

振動が止まる

 

 

 

 

 

カリード

「恐ろしい性能だったな.....殺人的な性能といっても過言ではない...まだリミッターが10%も残ってるなんて...本当にあのトリアにこの機体を乗りこなせるのか?...」

 

 

 

 

 

そうして最後に機体の操作性を確かめるためにインメルマンターン等の空中戦闘機動(ACM)を行い機体の性能を確かめた

 

 

 

 

機体の性能に対する恐怖感とトリアという少女がこの機体に乗っていたという事実

 

あの少女がこの機体を本当に操れるのだろうか

 

 

疑問の解決のために乗ったのに疑問は深まるばかりだった

 

 

 

 

ザザッ

 

機体を止めそんな事を考えていると

 

 

エイハブ

「こちらエイハブ・マッドナーです、聞こえますか?」

 

無事に飛行している様を見れてホッとしたのか、元気さはあるが、冷静な喋り方をしていた

 

カリード

「こちらカリード・ベルデだ、聞こえるぞ」

 

しかしこっちは身体に負荷がかかったことと、疑問が更に闇の奥へと消えてしまいそうになり、あまり良くはなさそうな様子とはだった

 

エイハブ

「その機体の通信システムは大丈夫そうですね、所で機体はどうですか?」

 

この機体の感想を聞きたくてしょうがない様子だった

 

カリード

「すごい性能だ、だがこの性能ではこの機体専用の対Gスーツが必要になる、まるで殺人的な性能だよこいつは」

 

カリードはあまり「殺人的」のような言葉を使うことは滅多にないが、その言葉を無意識的に言っているのに対して、エイハブは本当に[殺人的]な性能を持っていることを察し、カリード本人もふと口にしてしまったことに気づき、内心少し驚いていた

 

 

エイハブ

「まぁ、外からある程度は見てましたが中々にすごかったですよ、これからカリードさんはジムスナイパーにも乗りますし、もうそろそろ帰投してください、そいつの様子も見たいですし」

 

機体とカリードを褒めるような言い方ではあったが何処か心配しているようなニュアンスが紛れているような気がした

 

カリード

「了解、帰投する」

 

心配は要らないと言わんばかりに、少しだけはっきりと答える

 

 

 

 

そうしてBエアロックから工場内に入り、第13ハンガーに機体を運んだ

 

 

やはり機体の足元にはテスト飛行を見ていたあろうスタッフや整備士が歓声をあげながらこの機体を見ていた

 

 

 

機体をハンガーに固定した

 

 

 

ガタン!

 

 

 

振動が響く

 

 

 

そして操作パネルを操作し機体をシャットダウンしていく

 

 

バシュー

 

コックピットハッチを開ける

 

すると既に搭乗用のリフトが上がってきていた

 

エイハブ

「お疲れ様です!カリードさんすごかったですよ!」

 

心から称える様に言う

 

整備士A

「流石です!こんな暴れ馬を初めてでここまで動かせるなんて」

 

 

カリード

「この機体はえげつないな......まだみんな安心するな、なんたってこの機体は少女がパイロットなんだからな」

 

カリードは冷静に考え込むように言う

 

テスト飛行から帰ってきても、やはり疑問は深まるばかりだった

 

 

エイハブ

「確かにそうですよね、本当に動かせるんですかね?」

 

それに乗るように疑問そうに言う

 

カリード

「本人が操作するまで分からないぞ、もしかしたら常人じゃできない操作をするかもしれない」

 

大げさに冗談を言っているかのような言い方をする

 

 

 

 

エイハブ

「確かにニュータイプは侮れないですからね、アムロ・レイにシャア・アズナブル、それにアムロ・レイが行った戦法は連邦パイロット育成の教科書に載っているほどですからね、もしかしたら最強のニュータイプだったり」

 

しれっとと例え話を本気で捉えたかのような言い方をする

 

カリード

「もしそれが本当だったら面白いな、まぁ時間的に後少しで3人が来るはずだ」

 

さらっと受け流す

 

 

そして整備は他の整備に任せて2人はリフトで降りた

 

 

 

 

すると

 

 

 

 

 

ハギル

「たーいちょーう」

 

いつもの元気な声だ

 

 

そうして声のする方向を見ると

 

 

大きく手を振るハギルの後ろには、そんなことしなくても隊長は気づくのにと呆れ顔のミオルと周りをキョロキョロ見ていて少し落ち着きのない様子のトリアがいた

 

 

エイハブ

「話をすれば、ですね」

 

エイハブはそう呟いた

 

 

 

 

そうして全員が揃った

 

ハギル

「隊長はもう自分の機体に乗ったんすか?」

 

興味津々に聞いてくる

 

カリード

「まだ自分のには乗ってないな」

 

早く乗りたい気持ちが現れているようだった

 

ハギル

「そうなんすね、てか、白いやつ、整備終わったんすね、こいつに名前ってあるんすか?」

 

隊長が先に乗ってたら嫌味を言ってやろうと企んでいたんだろう、まだ1番機に乗っていないことを知るとさっきまでのテンションがガタッと落ちたのが目に見えて分かった

 

カリード

「この白いやつは[サイコミュ試験用ジム3号機]というらしい」

 

別にもったいぶることもなくサラッと言う

 

ハギル

「サイコミュ..試験用...ジム3号機..?!??こいつサイコミュ入ってるんですか??!?」

 

やはり根っからのMS乗りなのだろう、しっかりとサイコミュというワードに反応してくる

 

カリード

「そうらしい、試作のビットに、機体の操作をサポートするサイコミュが搭載されているらしい、ちなみにコックピットは全天周囲モニターだ、すごかったぞ、うちらにもほしいぐらいには.....」

 

更に普段と変わらない言い方でその機体の感想と言う名の自慢をしていると

 

トリア

「すごーい!!きれいになってる!エイハブさんこの子変わったね!」

 

カリードが喋っているがそれをお構いなしにいつもの無邪気な声でかき消す

 

エイハブ

「そうだな、みんなで一生懸命できれいにしたんだぞ」

 

かき消されたことは気にせずにトリアと話す

 

 

 

 

そうしてみんながサイコミュ試験用ジム3号機に夢中になっている隙にミオルがすっと横に近づいてくる

 

 

 

ミオル

「もしかして.....隊長このジムに乗りました?」

 

小さな声で何処か不安げに聞いてくる

 

カリード

「ああ、乗ったよ」

 

それに対して平気な様子で言う

 

ミオル

「半分曰く付きみたいな機体なのになんで乗ったんですか??隊長が乗ったことによってあの子に何かしら影響があるかもしれないのに..」

 

ミオルは何処かこの機体に対して嫌悪感のようなものを抱いているようで、カリードを責めるようだった

 

カリード

「人は好奇心には勝てないさ、流石に俺が乗ったからって影響が出るなんてことはないだろ」

 

楽観的に、やれやれと言った様子で首を横に振りながら言い訳するように言う

 

ミオル

「そんなのわかんないじゃないですか、あの子はニュータイプなんですよ?」

 

その態度に対して不満そうにこっちを真剣な目つきで見て、少し怒り、声を大きくしながら言う

 

カリード

「わかった、勝手に乗ったのは謝る、だから少し静かにしてくれ、トリアに聞かれたくない」

 

ミオルの声量は段々と大きくなり、これ以上大きくなるとトリアに聞かれてしまうと思い、焦り正直に謝る

 

ミオル

「すみません。隊長、少し不安なんですが本当に今回のテスト飛行であの子をあの機体に乗せるんですか?」

 

自分がカッカしてしまった事に気づき申し訳無さそうに謝った後、カリードが疑問に思っていたことをまだ不満気に聞いてくる

 

カリード

「ああ、上からもそういう指示が出でるからな、そして本当にあの子があの機体を操れるのかも見てみたい」

 

と腕を組み、サイコミュ試験用ジム3号機の方を向きながら少し考えるような表情で言う

 

ミオル

「所であの機体の性能、乗ってみてどうでしたか?」

 

さっきとの怒っているような態度とは少し違った、少し興味のあるような様子で聞いてくる

 

カリード

「正直舐めていた、思っていた以上にすごい性能だ、本当にあのときの戦闘のまんまの速度に操作性だ、乗りこなすには相当な時間がかかりそうなほどにピーキーでまるで殺人的な性能だったよ、多分一般のパイロットスーツじゃあの機体で出るGに耐えきれない、少なくともうちは危うくブラックアウトするところだった」

 

腕は組んだまま、下を向き少し深刻そうな顔で言う

 

ミオル

「隊長がブラックアウト?!?、それって....少なくとも一般機で発生するGじゃないですよね?.....」

 

少し思っていた回答と違い、隊長がだいぶあの機体に翻弄された事を知るととても驚いた様子で言う

 

カリード

「ちなみに出力にリミッターがかかっていた、10%ほど」

 

そしてそこに追い打ちをかけるようにその状態でもまだリミッターが掛かっていたことを少し躊躇うように知らせる

 

ミオル

「それって.....もしリミッターを全面カットしたら....」

 

その事実を突きつけられ、驚愕し一瞬顔色があまり良い色では無くなる

 

カリード

「今存在する機体の中で一番の性能と言えるかもしれない、ピーキーなところと、性能に人が耐えきれない、というところを除けばな、まぁ乗らせてみないと分からないだろうし、早速準備するか」

 

その機体の性能を前向きに捉えようとし、トリアの事を信じようという意思がそこにはあった

 

ミオル

「たしかにそうですね。ハギルー、パイロットスーツ着に更衣室に行くわよ!トリアちゃんも!」

 

カリードの前向きな意見を聞き、トリアの事を信じようと思った

 

 

そうして4人はパイロットスーツを着に行った

 

 

 

エイハブは更衣室の辺りまで来て

 

 

エイハブ

「カリードさん、サイコミュ試験用ジム3号機は先程稼働テストしたばかりなのですぐ動かせますが、他の3機はどうしますか?」

 

どのような回答をするか分かっていながらも、タブレット端末を見ながら話しかけてくる

 

カリード

「3機とも出れるようにしておいてくれ」

 

こちらもそれを言うと決めていたかのように言う

 

エイハブ

「了解です」

 

そう言い、整備工場へと戻ってく

 

 

 

 

そうしてカリードは一度休憩するのに更衣室付近の自動販売機コーナーに行った

 

 

ハギル

「お、隊長、何飲んでるんスカ?」

 

構ってほしいかのようにひょいっと出てきてまじまじと手に持っている物を見てくる

 

カリード

「ん?ハギルか、水だ」

 

と自販機の横に置いてあるチープな背もたれのないベンチに少し前のめりになりながら言う

 

ハギル

「水っておいしいですかね?」

 

とカリードの正面に立ち、水を馬鹿にするような言い方をする

 

カリード

「うまいもまずいも関係ない、水分補給のために飲んでるんだ、のどが渇いたしな」

 

と水が好きそうな言い方をする

 

ハギル

「そうですか....」

 

興味を少し無くしたように言う

 

カリード

「MSに乗るときはカフェインの入ってるものを飲むとトイレに行きたくなるし、甘いものを飲むと喉が乾きやすくなる、もしそうなると乗ってるときに弊害になってしまいかねないからな」

 

カリードの豆知識のような話を聞き、それは大事だ、と思ったのか関心したような評定をする

 

ハギル

「確かにそういうの大切っすね....じゃあスポドリはどうっすか?」

 

と、とても疑問そうに聞いてくる

 

カリード

「ああ、悪くはないんじゃないか?ただの砂糖が入ってるやつじゃなくてしっかり塩分とかが入ってるちゃんとしたやつならな」

 

と、話をしていると

 

 

 

 

ミオル

「隊長、ここにいたんですね」

 

探そうと思っていたらあっさり見つかり、面倒事が省けた、と言いたげな表情をしていた

 

カリード

「ああ、飲み物を買って飲んでたんだ」

 

ミオルも買うのか?と言いたげに手に持った水を突き出す

 

 

そうしてミオルの後ろにいるトリアを見ると

 

 

確かにトリアが着ているパイロットスーツは連邦系で使用されているタイプのパイロットスーツではあったが少し....いや、だいぶスーツが改造されていた

 

きっとこれはニュータイプ研究所で作られたものであろう

 

スーツの各所には見ただけで耐Gスーツと分かるようなエアバックに、ヘルメットの首周りにはF1やラリーのドライバーがつけているようなワンオフのHANS(頭部前傾抑制装置)がついていた

 

それだけでどれだけのGが発生するかを想定してこのスーツが作られたことが分かる

 

こんなか弱い身体があの機体のGに、そしてGに耐えるための専用の耐Gスーツの加圧にも耐えられるとは考え難い

この身体にあのGに耐えるために脚が曲がらなくなる程の加圧をしたらきっと足回り骨が折れてしまうだろう

 

想像するだけで恐ろしい

 

今まであの子をあの機体に乗せようとしていた自分がとても怖くなった

 

 

 

だがもう止められない

 

トリアの前であの機体に乗ったことは言えない

 

だからトリアを止めることが出来ない

 

 

だが「あの時トリアはあの機体に乗っていたんだし大丈夫」とカリードは必死に自分に言い聞かせた

 

 

 

ハギル

「トリアのパイロットスーツゴツいっすね」

 

少し羨むようにジロジロ見ながら言う

 

トリア

「みんなの方がほそっちいんだよー」

 

ゴツいという言葉が引っかかったのか、 プンプン怒りながら反論してくる

 

ハギル

「そんなことない!」

 

カリードとミオルの2人からするとまるでどんぐりの背くらべだった

 

トリア

「そんなことあるもん!!」

 

だが2人は睨み合い、まだバトルが続いていた

 

ミオル

「こらこらそんなしょうもない口喧嘩はいいから、機体に乗りますよ。ね?隊長、隊長?」

 

はやく面倒臭くなる前に止めなければと一歩踏み出し仲裁に入り、カリードにも協力してもらおうと声をかける

 

 

カリード

「ん?あ...あぁ...そうだな」

 

ところがカリードは考え事をしていた

 

 

 

 

 

 

 

そうして全員機体のコックピットに搭乗した

 

 

トリア

「久しぶりだね、アルブス」

《s》《/s》誰かこの機体に乗った?.....あ....私が乗る前に既に飛んできたんだね

 

少女は何かを感じ取った様だった

 

 

ミオル

「なにか言った?」

 

空耳かと思ったが一応聞いておこうとミオルに聞く

 

トリア

「いや、久しぶりにこの子に乗った気がするから」

 

やはり何か言っていた

 

カリード

「トリア、そいつには名前が付いてるのか?」

 

そこでカリードが無線で割り込んでくる

 

トリア

「この子の名前はアルブスっていうの、私があの場所にいた時にだいたいの大人は嫌な人ばかりだったんだけど一人のおにいさんだけいい人がいて、その人がそう呼んでたからわたしもそう呼んでるの!」

 

みんなにこの機体を知ってほしいという気持ちがこもっているように感じられた

 

カリード

「じゃあ今日からこいつはジム・アルブスだな」

 

ふいに思いつき、これは言ったほうが良いと思い反射的に口に出す

 

トリア

「ジム??」

 

いつも呼ぶ呼び方に見慣れない言葉が付け足されていて少し疑問に思う

 

カリード

「そうだ、その機体はジム系だからな」

 

トリアが知らないとは知らずに言ってしまう

 

トリア

「ジムシリーズ?」

 

更に知らない言葉が出てきて困惑する

 

カリード

「何て言えばいいのか…..トリアの乗ってるそのアルブスはな?ざっくり言うとジムっていうモビルスーツが元になってるんだ……まあ要するにジムって名前が付いてるやつは大体アルブスと家族みたいなもんなんだよ」

 

どうやって分かりやすく説明できるか分からず、頭を抱えながらもカリードなりに頑張って説明する

 

ハギル

「隊長ってなんか不器用ですね」

 

カリードが気にしていた所を容赦なく突いてくる

 

カリード

「このっ…黙っとけガキ!!」

 

カリードに刺さったのか珍しく暴言を吐く

 

ミオル

「隊長の口が悪くなった….珍し……」

 

ミオルもこんな様子のカリードは滅多に見れないため、少し驚いていた

 

カリード

「ミオルまで…と…とにかく喋ってないでさっさと出るぞ!今回は模擬戦もする、武装も装備して出るぞ」

 

周りにもう味方が居ないと思ったのかあからさまに恥ずかしがりながら話を戻して早く出撃しようと促す

 

ミオル&ハギル

「了解!」

 

トリア

「りょおかい!」

 

カリード本人は物凄く気にしているようだったが他の3人は全く機にしていない様子だった

 

 

 

 

 

 

 

そうして本日二回目のBエアロックからの発進をした

 

 

 

 

 

 

 

カリード

「全員発進完了したな?」

 

全員の点呼をする

 

ミオル

「2番機、ミオル発進完了しました」

 

ハギル

「3番機、ハギル発進完了っす」

 

 

トリア

「それって私も言うの?」

 

言ったほうが良いのか分からず、少し困りながら言う

 

カリード

「任せるよ」

 

任せるとは言ったものの、内心言ってほしいと思っていた

 

トリア

「私って何番機?」

 

言いたいのが伝わる様に少し食い気味に聞いてくる

 

カリード

「4番機だな」

 

待ってましたと言わんばかりに答える

 

トリア

「わかった!4番機!発進完了しました!」

 

みんなと同じことが出来て嬉しそうだった

 

 

 

 

他の機体に聞かれない様に封鎖無線で工場に通信する

 

カリード

「こちらファントムアルビオン1番機カリード、アナハイム フォン・ブラウン工場、応答求む」

 

まるで人が変わったかのような話し方で通信をする

 

工場オペレーター

「カリードさんですね、どうされました?」

 

朝のテスト飛行と変わらず、少し何処か無愛想な喋り方だった

 

カリード

「エイハブ・マッドナーに繋いでくれ」

 

少し急ぎ気味に言う

 

工場オペレーター

「わかりました、少々お待ち下さい」

 

 

 

エイハブ

「エイハブです、どうしました?」

 

何かあったのかと少し不安げな喋り方をする

 

カリード

「サイコミュ試験用ジム3号機を4番機に、そして機体名の登録をジム・アルブスに設定してくれ」

 

何処かワクワクとした雰囲気で言う

 

エイハブ

「了解です!」

 

エイハブも乗り気だったようで、急いで変更しようと艦に戻っていった

 

 

カリード

「今回のメインは機体の動作テストだ、とりあえずトリア以外は数値測定モードを起動して自由に機体を動かして最高出力や瞬間最大G、旋回性能等を測定するんだ。トリアは俺たちの測定の邪魔にならない程度なら自由に機体を動かしていいぞ」

 

と言いながらコンソールを操作する

 

ミオル&ハギル

「了解!」

 

そう言い2人もコンソールを操作し、数値測定を始める

 

トリア

「わかったよ!」

 

 

そうして

 

 

 

 

 

三人は改修された機体の性能をよく噛み締めた

 

 

ハギル

「隊長!めちゃくちゃ変わってないですか?!?」

 

やはり試作品レベルの最先端技術が盛り込まれているせいなのか物凄く性能が向上していた

 

ミオル

「相当操作しやすくなってるわね、各所姿勢制御スラスターにフィールドモーターの効きがが良くなってる、たったそれだけでここまで変わるんですね」

 

一応今回の改良点は全部表にまとめられていたので、ミオルは性能の変わりようを変更、改良された部分と照らし合わせながら測定をしていた

 

カリード

「そうだな、今回の改修は操作性に関わるような部分を改修品への交換と各機体のパイロットの細かい要望に答える改修だったが、前の一瞬の戦闘のデータを元に改善点を探したんだろうな、相当細かく探して改修したんだろう、そのおかげで操作感覚が劇的に変わったように感じるんだと思う、それだけ今回の改修は相当的確な改修だったんだな」

 

カリードも、朝にサイコミュ試験用ジム3号機に乗ったが、それでも1番機の性能の変化が目見見えて分かるようだった

 

 

そして改修された機体の性能に感心していたときだった

 

 

カリードのジムスナイパーのスレスレを白い機体が高速で通り過ぎていった

 

カリード

「この速度はッ!もしや!」

 

今この宙域を飛んでいるのは我々しか居ない....そして1から3番機までまではグレーが基調だ

 

トリア

「やっぱりこの子に誰にも乗って邪魔されずに自由に飛べるのはすごい楽しいよ!」

 

そう、トリアのジム・アルブスだった

 

 

私が必死に翻弄されながら乗っていた機体を、あの子は平然となめらかな挙動で乗っている

 

 

自分の中でのさっきまでのか弱そうに見える少女に対しての不安はその瞬間、残らず消えた

 

 

あれは[宇宙を飛ぶ]というよりはまるで[宙を舞う]かのようだった

 

 

 

そうして新たに、あんなに小さい、か弱い少女が、軍人という厳しい訓練を受け、体を鍛え、人を殺すための訓練を嫌だというほど受けてきたような人間が悲鳴をあげるほど過酷な状況にも関わらず、自由に、美しく舞っているという現実に少しではあるが恐怖を覚えた

 

 

 

ハギル

「隊長、隊長!!いつ模擬戦するんですか〜?!?」

 

半分放心状態になっているカリードの意識を戻そうとするように声をかける

 

カリード

「はっ...すまない、考え事をしていた、全員模擬戦闘する準備は整ったか?」

 

自分の世界にのめり込みかけていた所、声をかけられ、ふと我に戻る

 

ミオル

「私は大丈夫です、機体の数値測り終わりましたし感覚もある程度掴みました」

 

もう準備万端という様子だった

 

ハギル

「俺も大丈夫っす」

 

しかしこっちはいまいち掴みきっていない感じであった

 

トリア

「ねぇ、私はどおすればいいの?」

 

模擬戦、といっても何をするのかはイマイチ理解出来ていないようだった

 

カリード

「ミオル、ハギル、トリアを模擬戦に入れてみてもいいか?」

 

この場所に一緒に連れてきた時点でトリアもするということなのだろうが、一応心配なため他の2人に聞く

 

ミオル

「私は全然だいじょうぶですよ」

ハギル

「俺も大丈夫っす」

 

2人は快く受け入れた

 

カリード

「わかった、じゃあハギルとミオルは分かると思うが、模擬戦モードを起動してビーム兵器の出力を模擬戦闘用出力に変更、実弾兵器は実弾の代わりに模擬戦用の赤外線照射装置が装着されてる、今のミノフスキー粒子濃度は無いに等しい、だから実弾の代わりに赤外線レーザーを使う、いいな?」

 

これのためだけに4機に整備士達に赤外線照射装置を実弾兵器に取り付けてもらったのだ、整備士達は作業中ずっと少し面倒くさそうにしていた

 

ハギル

「了解っす」

 

ミオル

「了解」

 

トリア

「わかったよ!」

 

 

 

そうして私は設定を変更しながらトリアに話しかけた

 

 

カリード

「トリア、アルブスの後ろについてるビットは使えるのか?」

 

やはりその機体のサイコミュによる戦闘力の中では一番戦闘能力の可能性を秘めていて、自分の脅威となりうる為、聞いておこうと思ったのだ

 

 

トリア

「アルブスの背中についてる2つのやつ?」

 

トリア的には背中に付いている何か、ぐらいの認識でしかないようだ

 

カリード

「そうだ」

 

もしや使えるのか?と期待とともにやはり使えるとなると模擬戦では負ける可能性が上がると思い、少し使えないでほしいという思いがあった

 

トリア

「私がいないと使えないけど、使えるよ、あんまり使い方わかんないけどね」

 

あまりトリア本人は興味を示していないようだった

 

カリード

「そのビット、模擬戦で使ってみてくれないか?」

 

ビットはすこし怖いが、自分の腕の向上にはもってこいだ、というどこかMの部分が出ていた

 

トリア

「いいよ!」

 

トリアもあまり使ったことがなかったのか、今回使えるようで嬉しそうだった

 

 

 

カリード

「全員変更は完了したか?」

 

すこし間を開けてから言う

 

ミオル

「出来ました」

 

ハギル

「完了っす」

 

2人は既に出来ているようだった

 

トリア

「多分、出来たよ、合ってるかどうかわかんないけど....」

 

しかしトリアはこういう物を触るのに慣れていないのか、少し不安そうな雰囲気だった

 

カリード

「トリア、試しにうちのシールドにライフルを撃ってみろ」

 

普通の人ならば模擬戦用の低出力状態でも自ら撃たれたくはないし、撃たれるのに抵抗感や恐怖感を抱くのが普通だ

 

ミオル

「隊長!もし出力が下がってなかっt」

 

何馬鹿なこと言っているんだとキレ気味に言う、が

 

カリード

「大丈夫だ、そう簡単にシールドは破損しない。撃っていいぞトリア」

 

と言い、ミオルを遮る

 

 

 

トリア

「撃つよ?」

 

少し胃がキリキリし、大丈夫なはずだが緊張しながらギュッと操縦桿を強く握る

 

カリード

「ああ、撃ってみろ」

 

 

 

 

そうしてトリアは勇気を振り絞って一気にトリガーを引く

 

 

ジム・アルブスのビームライフルから出力の低いビームが放たれる

 

バシューン

 

 

 

 

ビームはシールドに直撃した

 

だが

 

 

 

 

機体とシールドには耐ビームコーティングが施されていて、ビームは出力が下がっているためビームは当たった直後にバチバチとシールドの表面に拡散していった

 

 

 

 

カリード

「ビームの出力は下がってるな、模擬戦用のデータを送る」

 

ともしものことを恐れず、次へ行こうとする

 

ミオル

「出力が下がってたから良かったですがもし下がってなかったらどうなっていたと思ってるんですか???」

 

今回下がっていたから良かったがもしもの事があったら、と説教するように言う

 

 

カリード

「安心しろ、こっちからアルブスのことはモニターできるようになってる」

 

そう言い、何故今まで余裕そうに事を進めていたかが判明した

 

ミオル

「ならいいですけど...そういうのは先に言ってくださいよ.」

 

少しだけ不貞腐れているようだった

 

カリード

「よし、模擬戦用のデータを今送った、各機指定のポイントに移動するんだ」

 

と、パネルを見ながら言う

 

 

ミオル&ハギル

「了解!」

トリア

「りょおかい!」

 

そう言って各員は指定ポイントへと移動を開始した

 

 

to be continued

 

 

 

 




7話ご覧いただきありがとうございました!

軽くジム・アルブスの機体解説をしようと思います

機体の本名はサイコミュ試験用ジム3号機なんですがトリアがこの機体をアルブス(ラテン語で白を意味する)と呼んでいる所に目を付け、カリードが艦やアナハイムの工場に登録されている機体情報の機体名を変更し、正式にジム・アルブスという名前になりました。

そして本編では詳しくは書いていないんですが、このジム・アルブスにはこの機体専用の支援用AI(まだ細かいことは秘密☆)と、この機体専用の試作のビットが2機と、操作を操作するシステムとしてサイコミュモビルスーツコントローラー(PMSC)というものが搭載されています。

このPMSCはサイコミュコントローラーやサイコニュートライザーに類似していていますが開発元は違ってこの機体が開発されたあるニュータイプ研究所で開発されました(細かい研究所の情報は不明)、火器管制や機体操縦を感応波で操作するシステムです。

一応、操縦桿がなくても機体を操作することは出来ますが、ジム・アルブスに搭載されているPMSCは一応未完成の代物でパイロットへの負担が大きいため、基本大まかな機体の操作は基本操縦桿で操作できる仕様になっています、
一応、支援AIとPMSCは一部機能が直結していているのですが、現在はAIの作動の上限にリミッターをかけている影響で一部の機能が使えなくなっていて、現在はサイコミュコントローラーのようにパイロット無しで機体を動かすことは出来ません(こっちも支援用AI同様に細かいことはまだ言えないよ☆)


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8話 模擬戦

どうも8話です、ようやく戦闘まで来た.....
一番書きたい部分がグリプス戦役なんですがどうやってそこまで話を持っていこうか悩んでます

そういや3周目なんですが劇場版パトレイバーの1、2作品目を見てきました
アニメとは違う少し暗い内容といい一瞬しか無い戦闘シーンやすごくリアリティーのある演出がとても面白い作品ですよね
後イングラム達のデザインが....っとこれ以上は一旦やめときます
今度パトレイバーっぽい演出も入れてみようかな....

それではどうぞ!!


8話

 

ポーン

指定座標に到着したことを知らせる効果音が鳴った

 

カリード

「俺はついたが、全員指定座標まで到着したか?」

 

 

ハギル

「到着したっす」

 

ミオル

「到着しました」

 

トリア

「到着したよ!」

 

 

カリード

「全員到着したな、じゃあ模擬戦開始時刻まで待機」

 

 

 

そうして開始時刻までの数分

 

作戦を考えていた

 

 

 

 

カリード

(ハギルは機動性と近距離戦は上手いがロングレンジが苦手だ、だからハギルとの戦闘ではあいつはビームライフルを使って距離を詰めて格闘戦に持っていこうとするはずだ、ハギルとはできるだけ距離を保っての戦闘をするか。

 

ミオルはなんと言っても操作だな、あいつはそこまで高機動には耐えれないが技術だけはある、一番怖いのはキャノンの狙撃だな、少しでもスキを見せたら撃ち抜かれて終わるな...

逆に言うと接近戦は苦手だからいざとなったら接近して格闘戦に持ち込むか。ミオルとはできるだけ予測できない挙動を意識して戦闘しなければ....

 

トリアは....一番わからないな、もしトリアが機体性能をフルで活かせるなら完璧に敗北というとこかな、あの機体のサイコミュが使えるなら戦闘にはスキは生まれない、更にあいつには二機のビットがついてる、本体に気が向いてる好きにビットのオールレンジ攻撃ですぐにやられてしまうだろう、だからといってビットに集中しすぎてもビットは細々してて攻撃しにくいしビットに時間を割いてるうちに本体に接近されてやられる......トリアに関しては対策が全くと行っていいほど思いつかないな....まあいざとなったら強行突破で距離を詰めて一撃離脱戦法でやるしか無いな.....)

 

 

 

戦闘の考察をしていると模擬戦まで残り一分となった

 

 

カリード

「頼むから模擬戦モードの機体HPが0になって撃墜判定になっても動いて攻撃してくるとかいうゾンビ行為はやめてくれよ」

 

ハギル

「もし隊長に腹が立ったらするかもしれないっすW」

 

カリード

「もしそんなことしたら艦長に頼んで一週間艦内のトイレ掃除の刑にしてもらうからな」

 

ハギル

「げげっ」

 

そんな会話をしていると模擬戦開始のアラームが鳴り響いた

 

カリード

「模擬戦開始だ!!」

 

 

模擬戦が始まった

 

 

ミノフスキー濃度があまり濃くないため広域接近レーダーが反応する

 

ピーッ ピーッ

 

 

一番最初に戦闘をしたのはハギルだった

 

ハギル

「隊長!!」

 

ビシューン ビシューン

宇宙空間の為、本来は音が聞こえないはずなのに、機体のセンサーがビームを捉え、立体音響システムが効果音を鳴らす

 

模擬戦闘モードの影響で、音は通常の威力だと感じる音なのに、スクリーンで映されている映像では、弾速は変わらないものの、見て分かるほどすごく弱々しいメガ粒子が飛んでくる

 

ビームライフルを連射しながら片手にビームサーベルを持ちながら接近してきた

 

ハギル

「今回は俺が撃破するっす!!!」

 

カリード

「そう簡単にやられてたまるかっ!!!」

 

そうして自分もビームサーベルを抜いてビームライフルを撃った

 

 

ピピッ

 

3番機のコックピット内に被弾警告が響く

ハギル

「うっ!一発だけ被弾した!けど簡単にやられるわけには!!」

 

 

二体ともすごい速度で接近する

 

ピーピーピーッ

機体同士が急接近したせいで2機のコックピット内に接近警報が鳴った

 

しかし二体とも止まらない

 

そうしてビームサーベルでの鍔迫り合いになった

 

バチバチバチッ

 

ビームサーベルどうしが反発し合う

ハギル

「絶対隊長のこと撃墜するっす!!!」

 

カリード

「前は俺に夢中になってる時にミオルに狙撃されて撃墜されてたろ!」

 

ハギル

「あれはまだヤップ級にいた頃だし、今は使ってる機体の性能は前より上ってるっす!」

 

カリード

「機体の性能についてはみんな上がって....ハッ!」

 

私は嫌な予感がしてハギルのジム・コマンド改を蹴飛ばした

 

 

ブッピガァーン

 

3番機にすごい衝撃が来る

ハギル

「くそ!油断した!やられr....」

 

 

その瞬間赤外線レーザーが二体の間を掠め、実弾兵器特有の爆発音が1、3番機のコックピット内に響く

 

ハギル

「っぶねぇ!!」

 

ミオル

「なんでそこで気づいちゃうんですか隊長!」

 

カリード

「やっぱり撃ってくるよな!見なかったからもしやと思いハギルと距離を取ったが、危うくやられるところだった」

 

そうして一対一対一の混戦に

 

 

 

 

 

 

 

ならなかった

 

ミオル

「いっつも隊長が勝つんですから!」

 

ハギル

「なんとしても隊長を撃墜するっすよ!ミオル!!」

 

 

そう、いつも私が勝つからといって2人は協力し始めたのだ

2体がこちらを向いてくる

 

ハギル

「ミオル!援護射撃よろしくっす!!」

 

ミオル

「わかったわ!」

 

そうしてミオルの精密なキャノンによる援護射撃の元、ハギルがライフルを撃ちながらまた距離を詰めてきた

 

ハギル

「ウオォぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

 

 

カリード

「受けて立とうじゃないかハギルッ!!」

 

そうしてシールドを構え、シールドを犠牲にする覚悟で私も正面から突っ込んでいった

 

ピピッ ピピッ

《シールドが被弾しています》

《シールドが被弾しています》

 

操作パネルに映されている、機体の各部位の状況を表示する画面に、シールドのダメージが蓄積していっていることを知らせるために赤くなっていく

 

ピーピーピーッ

ピーピーピーッ

 

また接近警報が鳴る

 

そうしてあと少しで2体が衝突するという距離で私は無理やり上方向にスラスターを吹かした

 

物凄いすごいGが体にかかる

 

カリード

「取った!!」

 

ハギル

「何?!?上?!!」

 

私の機体はギリギリハギルのジム・コマンド改の頭部スレスレを通り過ぎ、頭部にたっぷりミノフスキー粒子を浴びせてやった

 

そうしてハギルの機体のダメージは頭部を貫通し胴体まで行き届いた

 

ハギル

「ここに来てからはじめての模擬戦なのにぃぃぃ!!!」

 

模擬戦闘モードになっていて、3番機の操作パネルは撃墜されたことを表すため、画面全体が真っ赤になった

 

カリード

「1機目はハギルか、次はミオルだな!」

 

キュイーン

熱核ハイブリッドエンジンの心地よい音が響く

 

そうしてミオルの機体の方向に加速していく

 

ミオル

「やっぱりやられるかっ!」

 

ハギル

「やっぱりってなんだよ!」

 

ミオル

「あんたはもう撃墜されたの!死人に口なしよ!!」

 

ハギル

「このぉ!」

 

 

カリード

「そんなに喋ってる暇があるのかっ?」

 

 

 

そうして不規則な旋回をしながら距離を詰める

 

やはりミオルの射撃の腕が良いのでいくら不規則な旋回をしても数発は当たってしまう

 

ピピッ ピピッ

 

《シールドが被弾しています》

《シールドが被弾しています》 

 

ピーッ ピーッ

 

《シールドが破損しました》

 

そうしてとうとう操作パネルに表示されているシールドが真っ赤になり破損状態になってしまった

 

ミオル

「よし!シールドをやった!」

 

 

カリード

「とうとうシールドが限界か!」

 

「物理的な攻撃は機体が破損しかねないできるだけよしてくれ」念には念にと整備士たちに何回も模擬戦前に言われたが、気にせずミオルのジム・コマンド改キャノン目掛けて投げる

 

 

 

 

ミオル

「シールド?!?まずい!距離を詰められるっ!」

 

 

 

そうしてシールドに気が移った隙を見てフルスロットルで直線的に距離を詰める

 

キュイィーン

熱核ハイブリッドエンジンの出力全開の時の加速音が鳴る

 

カリード

「そこだぁ!!」

 

 

ミオルがシールドを払ったタイミングでビームサーベルを振ろうとした瞬間だった

 

 

ミオル

「やらせるわけには!」

 

ビームライフルを持っていない左手をキャノンに添えているのが見えた

 

カリード

「まずいッ!!!!」

 

 

逆噴射をして後方に下がる

 

ズドーン

赤外線レーザーが脚部を掠める

 

ミオル

「これを避けられるの?!??」

 

 

 

カリード

「っぶねぇ!!」

 

ミオルは私が接近戦をするとみたのかビームサーベルを抜き、距離を詰めてきた

 

ミオル

「当たって!!!」

 

ブゥォン

ビームサーベルで切りかかってくる

 

私はビームライフルの下部につけてもらっていた[ジュッテ]を使い、そのビームサーベルを受け止めた

 

ミオル

「ジュッテ?!??まだやられるわけには行かないですよ!」

 

そうしてこちらに二門のキャノンを向けてくる

 

だが近距離のため頭部の横を掠める

 

カリード

「あぶねぇ!当たってたら頭部が吹き飛んでたぞ!」

 

そうして頭部バルカンを撃つ

 

ブゥゥゥゥゥン

バルカンの音が鳴る

 

そうして2号機の頭部に赤外線レーザーが当たる

 

ミオル

「うわぁぁぁ!メインカメラが!」

 

そうしてミオルが一瞬行動が取れなくなったスキを見て機体を蹴飛ばしコックピットにビームライフルをお見舞いした

 

2号機の操作パネルも真っ赤になった

 

ミオル

「負けたぁーっ!隊長強すぎですよ!!!」

 

カリード

「よし!2、3号機撃墜!」

 

そうして私は安心した

 

 

 

ん?

 

 

 

何か忘れているような

 

 

 

4番機??....

 

 

 

その瞬間だった

 

いつも、身の危険が迫ったときに、稀に来る嫌な感覚が身体を走った

 

もしや....

 

カリード

「トリアかぁッ!」

 

最大出力でスラスターを吹かし後ろに下がった

 

下がった瞬間、メガ粒子が機体の前方を掠めた

 

カリード

「あっぶねぇ!」

 

 

ハギル

「なんでそれ避けられるんっすか?!??」

 

トリア

「バレないと思ったんだけどな〜」

 

私はとにかく攻撃されるまいと思って機体を動かす

 

トリア

「カリード逃げちゃうの??」

 

そういってトリアはえげつない速度で私を追いかけてくる

 

カリード

「待て待て〜のノリでそんな速度で追いかけてくるなッ!!」

 

確実に追いつかれる

 

このままでは追いつかれてしまう

 

 

どうにかする方法はないのか

 

そうして私は機体の向きを今の速度のまま反転させ、今あるありったけの武装を撃とうとする

 

といっても武装はビームライフルに頭部バルカンだけだ

 

 

 

 

そういえば腕部に小型のグレネードランチャーの装着を頼んでいたのを忘れていた

 

このグレネードランチャーは榴弾、散弾、発煙弾、閃光弾など様々なものを装填できるようになっている

 

そして今回は榴弾の代わりに訓練用のゴム弾と、閃光弾を入れていた

 

閃光弾はなにかに使えると思い、ゴム弾を装填した

 

ゆうて武装は3種類だけだが全武装を撃った

 

 

 

 

カリード

「当たってくれ!」

 

ブゥゥゥゥゥゥン

 

ビシューンビシューン

 

ズドーンズドーン

 

 

トリア

「うわぁぁ!機体が赤くなってくよぉ〜!!」

 

ジム・アルブスは攻撃をもろにくらったせいで操作パネルがダメージを受けていることを知らせるため赤くなっていく

 

カリード

「俺があれだけで倒せると思ったか?」

 

トリア

「今まで戦ってきたときはあれで倒せたもん!!」

 

カリード

「そこら辺の奴らと比べられるのは困るなぁ!、さぁやってみろ!!」

 

その瞬間アルブスの背中についていた2機の機器が動き始めた

 

 

   

 

 

to be continued




8話ご覧頂きありがとうございました!!

戦闘といっても模擬戦でしたがいかがだったでしょうか?
字だけではすごく表現するのが難しかったし、少し分かりにくかったと思うんですが、今回の模擬戦は改修した機体の動作テストを兼ねてたので、算出されたデータからできるシュミレーションではなく、1〜4番機にインストールされている、※模擬戦システムを使って模擬戦をしたという感じです。



※ビーム兵器は出力を機体に影響しない程度に下げ、実弾兵器は模擬戦用のゴム弾、もしくは模擬戦用の赤外線レーザー照射装置を装着し、それらを使って攻撃することによって、その模擬戦システムがまるで実戦のようにダメージ表現をしてくれるというものになっています。


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9話 接戦

どうも9話です

私生活がだいぶ忙しくなってしまい劇的に投稿頻度が落ちちゃいました....
申し訳ねぇッ!!!


9話  

 

トリアの乗るジム・アルブスはカリードの乗るジムスナイパーⅡストライカーの攻撃をもろに食らった

 

 

 

カリード

「そこら辺の奴らと比べられるのは困るなぁ!、さぁやってみろ!!」

 

 

トリア

「このー!やってやる!」

 

そうしての反転したまま飛行している1番機に体当たりをするかのような勢いでトリアは突き進んでくる

 

そうしてその状況を活かすかのように急減速をし、蹴りを入れた

ブッピガァーン

トリア

「うわぁぁぁっ!!」

状況的に4番機は減速をせずに突っ込んでくるような状況なため4番機を物凄い衝撃が襲う

 

その瞬間アルブスの背中に接続されている2機の機器が背中を離れた

 

だがカリードはまだそのことに気づいていなかった

 

カリード

「終わりか?.....」

 

こんな呆気なく終わるもんなのか??

そう思った瞬間

後ろからジリジリと嫌な感覚がしてきた

まるで背中に虫眼鏡で光を当てられているような....

 

そしてその嫌な感覚がピークを迎えた

 

確実にこのままだと撃たれる

 

そう感じた

カリード

「まずいッ!!」

またスラスターを噴かす

なんでいつもこんな緊急回避をしなければいけないんだろうかと思いつつ避けた

 

そうして機体の方向を後ろに向けると

 

 

2機の機器

 

 

ビットがこちらを向いていた

 

カリード

「いつの間に!?ビットが??!?」

 

ビットの挙動、見たことがある.....

 

そう思った瞬間

 

ア・バオア・クーの記憶が鮮明に蘇る

 

あの記憶がフラッシュバックする

 

腕のような兵器が見たことのない挙動で攻撃してくるあの瞬間を思い出す

 

 

カリード

「なんでだ……手が震えて…き..機体を上手く操縦…できな…..うっ」

 

カリードを動悸や吐き気が襲う

 

ア・バオア・クーでの戦闘でMSの手の形状をしたサイコミュ兵器から受けた一方的な攻撃は少なからずカリードの中で心的外傷後ストレス障害(PTSD)、いわゆるトラウマになっていたのだ

 

トリア

「なに慌ててるの〜カリード!!」

 

カリード

「はぁはぁッ....う....うわぁっ!あ...あれは.....やめてくれぇッ!!」

 

カリードはパニックを起こしまともに操作できていないものの、スラスターを噴かし逃げようとする

 

その瞬間

 

ピシューン ピシューン

 

ビットのメガ粒子が機体を掠めた

 

カリード

「ハッ!」

 

カリードはあることに気づいた

 

カリード

「あの時と違う….」

 

カリードがア・バオア・クー攻略戦で遭遇したサイコミュ兵器はサイコミュ試験型ザクやジオングに搭載されていた有線式5連装メガ粒子砲だった

 

挙動は似ていてもビットに搭載されているビーム砲が違ったことが原因で、立体音響装置から出される効果音は違う音だったのだ

 

 

その些細な違いのおかげで、PTSDによるパニックが収まった

 

カリード

「これが心的外傷後ストレス障害(PTSD)か、映像でサイコミュ兵器を見たときは大丈夫だったのに、うちがPTSDになっていたなんて....と..とにかく体勢を建て直さないと」

しっかりと操縦桿を握り直しスラスターを噴かす

 

トリア

「お、カリード、落ち着きを取り戻した?」

 

カリード

「さっきほどではないがまだ少し手が震える....とにかく対策を考えなければ。ビットは腕部グレネードランチャーにセットしてある閃光弾で本体を目潰ししてどうにかするとして、あの本体とビットの連携が厄介そうだ.......とにかくやるだけやってみるしかないッ」

 

そうして閃光弾を打ち接近戦に持ち込もうとした

 

トリア

「うわぁぁ!!眩しい!!」

 

カリード

「今だ!」

 

そうしてスラスターを噴かし急接近した

 

トリア

「まずいやられちゃうよ!」

トリアもやられまいと視界不良のなか闇雲にスラスターを噴かす

 

トリアのジム・アルブスのモニターは真っ白に焼き付いていた

だが少しすると視界が戻ってくる

 

カリード

「当たれぇぇぇ!!」

カリードはビームサーベルを振りかざそうとする

 

トリア

「少しだけど見えた!!」

 

ビットが1番機めがけてビームを撃ってくる

 

カリード

「まずい!」

 

鋭い感覚が背中を刺す

 

スラスターを上部に噴かし回避する

 

カリード

「くそ!後少しだったのに...」

 

そうしてビットの攻撃から逃れるためフルスロットルで逃げようとする

 

だがやはり性能的に逃げれない

 

カリード

「フルスロットルでも数十秒しか稼げないかッ!」

 

 

トリア

「えいえい!当たれー!」

そうしてビームライフルを撃ってきた

 

カリード

「まずいッ!」

 

被弾しないように不規則に動き回るも数弾被弾してしまった

 

カリード

「脚部に被弾したか!」

 

3番機の右の爪先辺りにビームが直撃した

 

カリード

「このままだとやられる!、もう一回閃光弾に頼るしか無いか!」

 

そうしてまた機体を反転させた

 

トリア

「なに??また眩しいやつ撃ってくるの?!??」

 

そうしてトリアはジム・アルブスの頭部を腕で隠した

 

カリード

「やっぱり閃光弾を防ごうとするよな!」

そうしてゴム弾を撃った

 

トリア

「やられた!!手をやられちゃった!」

 

カリードの作戦通りトリアは閃光弾を防ごうとしたおかげでゴム弾は見事に腕部に直撃した

 

カリード

「よし!!」

 

そしてジム・アルブスの腕部の損傷を知らせるため操作モニターが赤く点滅する

 

トリア

「このぉ!!」

破損判定になった腕で硝煙を振りほどく

 

トリア

「イライラする!本気出しちゃうもんね!!」

そうしてトリアがビットを操作するためにビットに意識を向けた瞬間

 

カリード

「この距離でグレネードをまともにくらったら腕は破損判定だろ!」

そうして閃光弾を撃った

 

トリア

「また?!??煙のせいでカリードがどこにいるかまだ分かってないのに!!やられちゃうよぉ!」

 

カリード

「よっしゃあ!今だ!!」

 

そうしてビームサーベルを抜き振りかざそうとする

 

だがトリアも甘くはなかった

 

トリア

「絶対接近戦しようとしてるよね!!」

トリアは正面にカリードが来ると予想しジム・アルブスの正面にビットの照準を定めた

 

そうしてカリードはビームサーベルを振りかざした

 

その瞬間

 

トリア

「見えた!!」

 

ビットがビームを撃った

 

ピーピーピーッ

 

《胴体が破損しました》

《胴体が破損しました》

 

ビットの放ったビームよりも僅かだビームサーベルのほうが早かった

 

《生存している機体が1機になったので模擬戦を終了します》

 

バチバチバチッ....

 

ビットが放ったビームが1号機の背中に当たる

 

 

トリア

「ま..負けた??.....」

 

 

カリード

「あっぶねぇー勝った.....危うく負けるところだった.....」

 

ハギル

「隊長が勝ったー!!」

 

ミオル

「あんな性能の機体に勝つなんて、流石隊長ね....」

ハギル

「流石俺たちの隊長っす!」

 

ミオル

「にしてもあの性能の機体を操れるトリアちゃんも化け物ね...」

 

カリード

「もし戦場だったら相打ちで死んでたぞ....トリア、ジム・アルブスを使ってみてどうだ?」

 

トリア

「前のときよりも乗りやすくなってるよ!!」

 

カリード

「体調はどうだ?」

 

トリア

「全然だいじょうぶだよ!ピンピンしてるよ!」

 

カリード

「そうか、ならよかった、よし、今回の機体のテストは終了だ、全員帰投するぞ」

 

カリードはトリアの身体に問題がなさそうなのに少し安心した、だがあの性能を自分よりか弱いはずの少女が自分よりも軽々しく扱っていることがすこし怖くなった

 

 

 

 

 

約1時間後

 

 

 

エイハブ

「4機とも搬入完了しましたね、にしてもよくビットに対してあそこまで戦闘できましたね...更に勝っちゃうなんて...」

 

カリード

「実際の戦闘ならうちは死んでたよ」

 

エイハブ

「今回のは模擬戦なんですから、カリードさんの勝利には変わりないですよ、所で.........なんであんな戦闘するんですか?うちは構いませんけど他の整備士が頭抱えて泣いてますよ」

 

カリード

「すまない...ああでもしないと勝てないほどに他の三人が強かったんだ....人ってのはすぐに成長してしまうんだな...改めて実感したよ...」

 

エイハブ

「何浸ってるんんですか、カリードさんまだ25歳ですよね?だからおじさんって言われるんですよ」

 

カリード

「仕方ないだろ?!ハギルとミオルとは一年戦争からの付き合いだし、2人とも年下だからな....」

 

エイハブ

「ま...まぁ...カリードさんの性格ならそうなりますよね.....てか!そんなのは置いといて!!この機体の損傷はどうするんですか?!?みんな言っててうちも警告したのに...何言われても知りませんよ??」

 

カリード

「ま....まぁ...今は戦闘宙域とかじゃないし....」

 

エイハブ

「それは確かにそうですけど...」

 

 

 

 

 

カリードは後から艦長にこっぴどく叱られました

 

 

 

to be continued

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




9話ご視聴ありがとうございました!!

前書きでも書きましたが私生活が忙しくなってしまい投稿が遅れました....
これからもまだまだ書いていこうと思いますので今後ともよろしくお願いします!
( `・∀・´)ノ


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10話 任務

どうも皆さんこんにちは

今回6000文字を超えるというゴリクソに長い話になってしまいましたがメチャイイ展開になってるのでどうぞ御覧ください
(^^)











10話

 

●月●日

 

 

 

 

艦長

「諸君にこのブリーフィングルームに集まってもらったのは分かると思うが本部から任務の司令が来たからだ、それでは説明を開始する。よろしく、ハリエット君」

 

ハリエット

「皆さんこんにちは、現時点では私とあまり関わった事のない方もいらっしゃると思うので軽く自己紹介を、この艦のオペレーターを務めさせてもらっているハリエット・ハーマンです。それでは説明をさせていただきます、今回の任務は機体と施設の捜索です。その機体と施設のの情報ですが、施設はアナハイムのある研究施設です、研究施設の詳細は後々分かるでしょうが現時点での情報漏洩を防ぐため、公開はしません、そして今回の任務の経緯についてです。その研究施設で開発された、機体の装甲の成分を溶け込ませた液に機体修復用ナノマシンを封入した液体、MS(Mobil Suit)修復用(Repair)ナノマシン(Nanomachine)封入液(Liquid)、通称[MSRN液]と修復するための機体を共に水槽に入れ、機体を修復する技術、通称[MSRNL技術]という技術の研究が進められていたんですが、問題点としてはそのMSEN液が体内に入るとどうなるかが分からない、という点が上がっていたんです、ですが安全性は重視されないまま研究は進められました。そうして現時刻から約16時間前、原因は不明なのですが実験区域から漏水しMSRN液が揮発しナノマシンが施設の空気中に散布されてしまいました、散布されてしまったナノマシンは施設職員が吸引、そうしてほとんどの職員の身体に異常が出たとの報告がありパンデミック状態に陥っている可能性があります、そして7時間前にその施設とは連絡が取れない状態にあり、ちょうど連絡が取れなくなった7時間前に捜索隊が送られたのですがそちらとも連絡が取れないという状況になっています、なので、我々の任務は状況を確認し、MSEN液による汚染が大規模な場合、施設と機体を破壊、生存者がいた場合は生存者を確保、とのことです。作戦開始時刻は約8時間後のGMT18:00です。質問はありますか?」

 

カリード

「今回何故MSを使うんだ?」

 

ハリエット

「とにかくこの状況だからです、今は言えませんが施設の特性上ジオン残党などに攻撃されている可能性も捨てきれないので。」

 

ミオル

「もしかしたらこのパンデミックはナノマシンのせいではないという可能性は?」

 

ハリエット

「0%、とは断言できません、とにかく状況が把握出来ていない状況なのでこの艦が手配されたんです、後補足ですが我々ファントムアルビオン隊の主な戦闘員はMSパイロットだけで、MSをパイロットだけでは今回の任務には対応しきれないとのことで、本部からの命令でESSという歩兵部隊をフォン・ブラウンを出港する前にこの艦に収容するとのことです。」

 

カリード

「汚染に関してだが、パイロットスーツが汚染したままこの艦内に入ったらこの艦内でもパンデミックが起きる可能性があるよな?除染はどうするんだ?」

 

ハリエット

「それは安心してください、この任務のためにESS隊員の装備と共に除染ユニットが到着する予定です」

 

ハリエット

「それでは作戦の説明をしていきます......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

約1時間後

 

作戦開始まで

残り7時間

 

 

やけに艦内がざわついている

 

整備士A

「なあ!ESSとか言うやつらが来たらしいぞ!それに除染ユニットも!」

 

整備士B

「ほんとか?!見に行こうぜ!」

 

 

カリード

「ほぉ...到着したのか、気になるしちらっとでも見に行ってみるか」

 

 

そうしてカリードは物の搬入をしているであろう左舷の格納庫へと向かった

 

 

そうして格納庫へ向かう最中

 

確実にこの艦の搭乗員ではないような集団とすれ違った

 

全身が鍛え上げられガタイが良く、服装も室内戦を想定していそうな紺色の単色のプロテクターの入ったノーマルスーツを身にまとった集団だった

 

カリード

「あれがESSってやつなのか?...」

 

そう思いつつ格納庫に向かう

 

 

 

 

 

格納庫に人だかりができている

 

多分人だかりの中には除染ユニットでもあるんだろう

 

人だかりの中には入れそうにないなと思いつつ人だかりを眺めていると

 

 

???

「君がカリード・ベルデ、で合ってるかな?」

 

ノーマルスーツの上半身を脱ぎ腰に巻いている人が話しかけてきた

 

カリード

「ああ、間違えない、私がカリード・ベルデだ。そのノーマルスーツ、もしかしてESSの?.....」

 

???

「あぁ、すまない、先に名乗るべきだった、私はノーマン、ノーマン・ハリス、ESSの隊長をやらせてもらっている、今回はよろしく頼む」

 

カリード

「あなたがノーマン・ハリスさんですか、よろしくお願いします」

 

ノーマン

「そんな堅苦しくなくていい、ノーマンとでも呼んでくれ」

 

そうして二人は握手をした

 

カリードはその握手でこの人は信頼できそうだと直感した

 

ノーマン

「今回の任務ではESSとMS隊との連携が必要になると思ったのでSM隊の隊長である君に先に挨拶がしたかったんだ」

 

そうしてノーマンはカリードの肩に手をかけて耳元で囁くように喋った

 

ノーマン

「この話は君がMS隊の隊長という立場で、戦闘に関わる人物の中で一番信用できそうだから話す、あくまで俺の憶測だが.......

 

今回の事件は人為的に起きた、そしてこの艦の中にはスパイがいる可能性がある、その2点だ」

 

カリード

「?!?....何故そんなことが?!.....」

 

ノーマン

「あまり大きな声を出すのはよせ、他に聞かれるとまずい、話に戻る、まずこの艦の入港期間と事故が被っている、これだけではなんとも言えないがこの艦がフォン・ブラウンに入港しているという情報は基本的にはここの港の人間でもごくわずかしかいない、そしてこの艦が入港したという情報も厳重に管理されている、そしてESSの諜報員が研究施設にいた、そしてその諜報員から所属不明のMSを目撃したとの情報が7時間前、ちょうど連絡が取れなくなる直前に入った、そしてその研究施設の正体は....

 

AEの宇宙ドック艦のラビアンローズの同型艦、公式のデータとしては完全に消去され、あったことすら無かったことにされた試作艦、0番艦、オールドローズ.....移動できて十分な研究機材も積める、機密的な研究をするのにもってこいな環境だ、そして移動することが出来て研究の内容的に周りに護衛を付けにくいことによって孤立しやすい、特定するのは大変だが襲撃するのにはもってこいな環境だ」

 

カリード

「じゃあそのスパイの密告によってこの艦が乗っ取られたり破壊される可能性があるってことか?....」

 

ノーマン

「その可能性も捨てきれない、だからそのことをウチが上層部に言ったから今回の任務の座標などの詳細は開示しないことになっているんだ」

 

カリード

「じゃあ.....もし怪しい者を見つけた場合はどうすればいいんだ?...過度に追跡してこっちの行動が察知されでもしたら.....」

 

ノーマン

「もし発見したら...」

 

ノーマンは脇に抱えたファイルを開いた

 

そのファイルには通路ですれ違ったガタイの良い集団の顔写真、ESSのメンバーの顔写真と情報がびっしりと書いていた

 

ノーマン

「こいつに知らせてくれ、こいつは今回この艦に残る隊員で電子系に長けている隊員だ、もし怪しいと思ったらそいつを使ってこの艦のカメラなどを使って監視させる。 」

 

カリード

「分かった....」

 

 

 

 

エイハブ

「あ、カリードさーん!!ここにいたんですね!!機体の点検始めますよ!!」

 

カリード

「あ、そうか、わかった!今行く!」

 

 

 

そうして不安な気持ちを抑えきれないまま機体の点検をした

 

 

約2時間後 

 

作戦まで

残り3時間34分

 

14:26

 

エイハブ

「コックピットの方は大丈夫ですか?」

 

カリード

「ちょうど今終わった、大丈夫だ」

 

エイハブ

「了解です!」

 

 

 

ガチャッ

 

エイハブ

「こちら格納庫一番機主任、エイハブ・マッドナーです。1番機点検終了しました!点検結果は異常無しでした!」

 

艦長

「こちらブリッジ、アルトスタール、了解した、全機整備完了、これより本艦は出港する!」

 

 

そうして本来より4日ほど早い出港となった

 

 

 

 

 

 

ハリエット

「艦長、40分後、目標に到着となります」

 

艦長

「了解した、10分後、到着30分前になったら艦内放送を頼む」

 

ハリエット

「了解しました」

 

 

 

 

 

その頃カリードは.....

 

 

カリード

「君がダニエル・マツモトで合ってるか?」

 

ダニエル

「はい、私がダニエル・マツモトです。隊長....ノーマン隊長から話は聞いています、発見しましたか?」

 

カリード

「いや、一応確認も兼ねて挨拶したくてね、すまない、今回はよろしく頼む」

 

 

そうしてカリードはパイロットのロッカールームへと向かった

 

 

 

ハギル

「あれ?、隊長じゃないっすか、今頃どうしたんですか?」

 

カリード

「いや、特にいくとこもないからな、ここにいれば誰かしらいると思ってな」

 

ミオル

「隊長....なんか隠してます?」

 

カリード

「ここにトリアはいるか?」

 

ハギル

「いないっすよ?」

 

カリード

「2人とももっと近寄れ」

 

 

ハギル

「なんかあったんすか?」

 

二人共謎に思いながらも近くに寄る

 

 

そうしてカリードは2人と向かい合い、肩を組むようにして下を向かせる

 

カリード

「これから言うことはお前ら2人ともを信用して言う、これは他言無用だ、いいな?」

 

ハギル

「了解っす...」

ミオル

「わかりました...」

 

カリード

「ESSの隊長、ノーマン・ハリスから聞いた話でノーマンの憶測なんだが.....この艦の中にスパイがいる可能性があるということなんだ」

 

ミオル

「もしかしてトリアちゃんがスパイだって言うんですか?...」

 

カリード

「いや、そういうつもりではないが...身元的にも一応可能性としては捨てきれないと思ってな」

 

ミオル

「確かにそうですね....」

 

カリード

「まあ、ハギルはあれだが、ミオル、怪しい人物がいたら教えてくれ」

 

ミオル

「....わかりました.....あ........もしかしたら違うかもしれませんが.....ブリッジ近辺で挙動不審な人がましたね」

 

カリード

「なに?本当k...」

ブツッ.....

 

艦内放送をするときの、スピーカーの出力がONになる音がした

 

ハリエット

「こちらブリッジです、到着まで30分となりました、第二種戦闘配備を発令します。パイロット、ESSの隊員は出撃の準備を開始、作戦開始時刻まで待機してください

 

繰り返します、こちらブリッジです.........」

 

カリード

「ハギル、トリアを呼んでこい」

 

ハギル

「了解っす!」

 

ハギルは猛スピードで走っていった

 

カリード

「ミオル、特徴を教えてくれ」

 

ミオル

「髪はツルツルのスキンヘッドで、身長は190あってもおかしくない巨体でした、多分これぐらいの特徴の人なんて滅多にいないと思うので分かると思います、この艦の搭乗員は既に艦内のことぐらい知り尽くしているでしょうし、今回の補給では人員は補給していないはずですから」

 

カリード

「ありがとう、とりあえず報告して監視してもらってみるよ」

 

そういってカリードはパイロットスーツを着ることにした

 

そうしてパイロットスーツを着たカリードは残りの時間を格納庫にある1番機のコックピット内で過ごすことにした

 

 

 

 

 

 

30分後

作戦開始まで残り2時間40分

 

13:20

 

暗礁宙域 

 

 

ハリエット

「こちらブリッジです、目標の付近に到着しました、第一種戦闘配備を発令します、作戦開始時刻まで待機してください。繰り返します........」

 

 

 

 

エイハブ

「カリードさん!コックピットにいるんですか?」

 

カリード

「ああいるぞ、MSを起動させるんだな?」

 

エイハブ

「そうです!もうコックピット内に外部電源は行ってますね?」

 

カリード「ああ、炉を起動させるんだな?」

 

エイハブ

「はい、緊急始動じゃないので通常の方式でお願いします」

 

カリード

「了解だ」

 

パチッ

 

チカチカ

 

ウィーン

 

カリード

「慣性始動機材、始動確認良し...」

パチッ

 

キュイーン.....

 

カリード

「モーターの駆動確認......ジェネレーター始動.....」

パチッ

 

カリード

「炉、起動!」

バチッ

 

ギュイーン.....

 

 

エイハブ

「炉の起動を確認しました!外部電源、切りはずします!」

 

ガコン

 

ピピピッ

 

《内部電力に切り替わりました》

 

カリード

「電力供給の変更を確認した、これよりシステムチェックに入る」

 

エイハブ

「了解です」

 

カリード

「1、2、3、4、5、6番、クリア、機体データ転送、7、8、9、10番クリア、問題なし」

 

エイハブ

「了解です!機体の方からブリッジに連絡お願いします!」

 

カリード

「了解」

 

そうしてコンソールを操作しブリッジの周波数に合わせる

 

ザザッ

カリード

「こちら1番機、カリード・ベルデ、一番機、チェック終了しました、問題なし」

 

ハリエット

「了解しました、それでは指示が出るまで待機をお願いします」

 

カリード

「了解」

プツッ

 

カリード

「エイハブ、通信完了だ」

 

エイハブ

「おっ、じゃあ待機ですか」

 

カリード

「そうだ、俺は少し機体を離れる」

 

エイハブ

「了解です」

 

 

 

そうしてカリードは機体を離れた

 

 

 

 

 

ダニエル

「カリードさん、見つかりましたか?」

 

カリード

「ああ、仲間から聞いた話だが......」

 

 

 

 

そうしてダニエルにミオルから聞いたことを話した

 

 

 

ダニエル

「了解しました、作戦中監視してみますね、どうか気をつけて行ってきてください、何があるかわからないので」

 

カリード

「分かった、ありがとう」

 

そうしてダニエルの元を離れ格納庫の1番機の元に戻った

 

 

 

 

 

そして

 

作戦開始まで

残り2時間10分

 

13:50

 

 

 

 

艦内放送がかかった

 

 

艦長

「こちらブリッジ、艦内全員へ告ぐ、作戦開始時間を2時間繰り上げ、14:00とする。繰り返す......」

 

 

作戦開始まで

残り10分

 

 

 

 

エイハブ

「カリードさん聞きましたか?!」

 

カリード

「ああ、あと10分で出撃だ。俺の今回のメインの仕事はエアロックに除染ユニットの取り付けでいいんだよな?」

 

エイハブ

「はい、それで合ってますよ」

 

 

 

カリード

「今回.....無事に終わると思うか?」

 

エイハブ

「いやー、変なこと言いますが、良い予感がしないんですよね、嫌な雰囲気が漂っていると言うか」

 

カリード

「うちも何か嫌な予感がするんだ、無事に終われば良いんだが...」

 

 

 

 

 

 

 

作戦開始まで

残り2分

 

 

 

 

エイハブ

「カリードさん、除染ユニットは小さく脆いので取り付け時は気をつけて作業してください!」

 

カリード

「ありがとう、それでは行ってくる」

 

 

 

そうして1号機をハンガーから出し格納庫のど真ん中に置かれている除染ユニットを持ちカタパルトに移動する

 

 

ザザッ

カリード

「ミオル、準備はいいか?」

 

ミオル

「ESSのランチ待ちです」

 

ノーマン

「こちらランチ、準備はできてるぞ」

 

ミオル

「了解です」

 

 

カリード

「1番機、カタパルトに移動する」

 

ハリエット

「了解です」

 

 

ハギル

「隊長、気をつけてくださいね?」

 

カリード

「大丈夫、心配するな」

 

ハリエット

「進路クリア、オールグリーンです。1番機、出撃お願いします」

 

カリード

「了解、1番機、カリード・ベルデ、出るッ!!」

 

体にGがかかる

 

 

 

ミオル

「2番機、ミオル・プレスター、出ます!」

 

背後から機体とランチが発進してくる

 

そうして2機のMSとランチで施設...オールドローズに接近していく

 

 

ミオル

「施設っていうのはラビアンローズの同型艦だったんですね」

 

カリード

「そうみたいだな」

 

 

オールドローズの周辺にはカモフラージュ用のデブリのダミーバルーンが沢山撒かれていた

 

 

 

そうして目と鼻の先と言えるほどの距離まで接近してきたときだった

 

 

ミノフスキー粒子濃度を表示するメーターが反応したのだ

 

ピーピーピー

 

《ミノフスキー粒子濃度上昇》

 

《ミノフスキー粒子濃度上昇》

 

 

カリード

「何??!?」

 

機体を減速させ2番機の肩に1番機の手で触れる

 

カリード

「ミオル!ミノフスキー粒子が散布されている!もしかしたらMSが付近にいるかも知れない!注意しろ!」

 

ミオル

「了解です!」

 

カリード

「俺はできるだけ急いで除染ユニットの設置をする!」

 

 

 

 

そうして周囲を警戒しながらオールドローズのエアロックを見つけ除染ユニットを取り付ける

 

 

ガシャッ

 

プシュー

 

 

濃度計を見ると幸いにも近距離ならば通信できる濃度だった

 

カリード

「ミオル、ランチの誘導をしてくれ」

 

 

 

 

その瞬間だった

 

 

ピピピピッ

 

ピピピピッ

 

MSの接近警報がコックピット内に響き渡った

 

カリード

「MSの接近警報?どこの機体だ??!?」

 

その瞬間

 

 

 

1つ目のMSが姿を表した

 

 

 

 

 

 

to be continued

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ご覧いただきありがとうございました!

平均が大体4000文字なんですが今回6000文字とだいぶ書いたんですがどうでしたかね?......良ければ感想お願いします(^^)
(あんま辛口はやめてね...)

ちなみにESSeは[earth space service]地球から宇宙までどこでも任務を遂行するという意味を込めていて、UCに出てくるエコーズのパクリみたいな感じです


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11話 戦闘

どうも皆さんこんにちは!(^^)
今回も前回と同じく長いです
ちょっとだいぶ面白い?所で書くのが止まらなくなっちゃっって7000文字手前まで着ちゃいましたww
それではどうぞ御覧ください!


11話

 

ピピピピッ

 

ピピピピッ

 

コックピット内にms接近警報が響き渡る

 

カリード

「MSの接近警報?どこの機体だ??!?」

 

 

そうして画面に表示された方向を向くと

 

1つ目のMSがこちらを見ていた

 

 

カリード

「ドム?!??ジオンか?!?」

 

そのドム、リック・ドムと思わしき機体はジオン残党の機体ではあるのだろうが所々連邦系の機体のパーツで補修されていた

 

そうして両者膠着していた

 

???

「リーダー、コイツはなんだ?」

 

リーダーと思わしき人物

「そこにMSがいるのか?、所属は?」

 

???

「わからない、だがジムだ」

 

リーダーと思わしき人物

「そうか、やれ」

 

???

「了解っ!オレを楽しませてくれよな!!」

 

そうして見たことのないMS1機分ぐらいはある長さの斧の形をしたビーム兵器を展開し接近してきた

 

カリード

「やはり敵対してくるか!!ミオル!俺は援護するから急いで搬入を!」

 

ミオル

「了解です!!」

 

 

カリード

「当たれっ!!」

ビームライフルを撃つ

 

ビシューン ビシューン

 

???

「こいつ、焦っていないな....こりゃあ楽しませてくれそうだなッ!」

 

そうしてリック・ドムらしき機体は華麗に一番機の放ったビームを避ける

 

カリード

「まじかよ、そこまできれいに避けられるものなのか?!?」

 

カリードはスラスターを思い切り噴かし正面から突っ込んでいった

 

カリード

「接近戦!やったろうじゃねえか!!」

 

???

「こいつ、なにもせずに突っ込んでくるのか??とにかく死ねぇ!」

 

そう言いリック・ドムらしきものはビーム・アックスを振り下ろした

 

 

 

カリード

「引っかかったな!」

 

カリードはまたもやスラスターを進行方向とは反対に噴かしブレーキを掛けた

 

アックスは1番機の脚のスレスレを掠る

 

???

「なにぃッ?!?」

 

カリード

「これにかかるなんて馬鹿なパイロットだな!」

 

この通信が向こうに聞こえているかはわからないが無線に繋げて大声で言ってやった

 

???

「なにィ?!?貴様ぁぁ!!」

 

なんとここまでリック・ドムらしきやつのパイロットは軽い挑発にまんまと引っかかった

 

腰にビームライフルをマウントする

 

カリード

「くらえぇッ!」

 

そうしてビーム・サーベルを取り、切りかかった

 

???

「そう簡単には行かねぇぞ!」

 

そうして向こうもアックスを降った

 

バァチバァチィッ!!

 

鍔迫り合いになった

 

放電しビカビカと光る

 

カリード

「お前は何者だ!」

 

???

「お前こそ何者だ」

 

カリード

「クッ....」

 

???

「言えない、正規じゃないってことだな?」

 

カリード

「お前こそただの残党ではないだろう?!」

 

???

「そうだな!俺たちはただの残党じゃない!」

 

そうして1番機を薙ぎ払う

 

カリード

「うわッ!やられたッ!!」

 

???

「くらえぇッ!!」

 

そうしてリック・ドムらしき機体はアックスを降りかかる

 

カリード

「まずいッ!!」

シールドを構える

 

ズバッ!

 

シールドが一刀両断される

 

カリード

「くそおッ!」

 

そうしてシールドが切られたと同時に腰にマウントしたビームライフルを取り、撃った

 

???

「何ぃッ?!」

 

リック・ドムらしき機体の右肩についている追加スラスターにビームが直撃する

 

そうして左手でビーム・サーベルを抜き、斬りかかる

 

???

「クソォォッ!!!!俺のドムの右手とアックスがッ!よくも!」

 

そうしてドムの胸元についている拡散ビーム砲を撃ってきた

 

カリード

「あいつ!クソッ!モニターが!ミオル!大丈夫か?!?」

 

ミオル

「私は大丈夫です!さっきのドムは拡散ビーム砲で目眩しをして付近のダミーバルーンに隠れていると思われます!気をつけてください!」

 

カリード

「了解だ!」

 

 

ザザッ

 

ノーマン

「こちらランチのノーマンだ、ランチは除染ユニットにドッキング完了した、只今艦内に侵入する」

 

カリード

「了解した!ミオル、この距離からじゃアルビオンと通信ができない、戦闘の様子から多少は把握してるかもしれないが今の状況をアルビオンに伝えに行ってくれるか?そして待機中の2機の発進を艦長に促してくれ!俺はここでやつと闘う!」

 

ミオル

「了解しました!隊長!どうかお気をつけて!」

 

 

 

???

「ックソォ…..ここまでやられるか……ん、別のジムが動き始めたか、おいヴィクトル、別のジムが移動している......戦艦だ!戦艦がいるぞ!」

 

ヴィクトル

「マルティー、俺をパシリに使うのか?」

 

マルティー

「仕方ないだろ?今あまり動ける状態じゃないんだよ!」

 

ヴィクトル

「なんでだ?」

 

マルティー

「分かってるだろ?!言わせるな!右腕をやられたんだよ!!」

 

ヴィクトル

「そうかそうか、右腕をやられてまともに戦えないからお前の代わりにあのジムをやれと?」

 

マルティー

「そうだ、頼む、リーダー、いいだろ?」

 

リーダーと思わしき者

「ああ、ヴィクトルが良いと言うならばな」

 

ヴィクトル

「分かった、このヴィーダーシュタント(抵抗)の名を冠する機体でやってやろうじゃないか」

 

 

 

そうして潜んでいた連邦の機体のパーツで補修されたザクⅡ改[ヴィーダーシュタント]が動き始めた

 

 

 

 

ミオル

「戦闘が起こっといることはもう知れてると思うけど報告しに行かなきゃ....」

 

 

 

 

だがミオルの2番機よりも先にザクⅡ改は戦艦に迫っていた

 

 

ヴィクトル

「この戦艦は木馬....ペガサス級か?......何故ここに....まぁあのジムはこの艦から出てきたに違いない」

 

 

そうしてファントムアルビオンのブリッジ内にMSの接近警報が響き渡る

 

 

ハリエット

「艦長!所属不明のジオン系MSが接近しています!」

 

ブリッジ内に緊張が走る

 

艦長

「やはりさっきの光は戦闘の光だったのか!対空砲火!そして3、4番機を発進させろ!」

 

ハリエット

「了解しました!3、4番機は緊急発進してください!」

 

 

 

ヴィクトル

「やはり対空砲火はしてくるか、もしかしたらMSも出てくるかもしれんな..」

 

 

そうしてザクⅡ改は対空砲火を右手に持っているシールドで防ぎ突破した

 

ハリエット

「対空砲火突破されました!」

 

艦長

「3、4番機の発進はまだか!」

 

ヴィクトル

「もらった」

 

ザクⅡ改はブリッジ正面に到達し、ライフルをブリッジに向ける

 

 

艦長

「クソッ、一本取られたな....」

 

ハリエット

「艦長、相手の腕に関心している暇なんて無いですよ.....」

 

ブリッジ内に絶望の空気が広まりはじめたとき

 

 

ヴィクトル

「ペガサス級、聞こえるか、こちらはザクのパイロットだ、応答しろ」

 

ハリエット

「どうしますか、艦長....」

 

 

 

 

ハギル

「もう出撃できるっす!出させてください!」

 

艦長

「だめだ、MSをカタパルトに出すな」

 

ハギル

「ッ......」

 

艦長

「私が出る、通信を回せ」

ハリエット

「分かりました....繋ぎます」

 

艦長

「こちらペガサス級強襲揚陸艦の艦長だ、何を望む」

 

ヴィクトル

「物わかりが良さそうな艦長だ、よし、まずは出撃しているMSを武装を解除してもらおうじゃないか」

 

 

 

そのタイミングでミオルが接近してきた

 

ミオル

「ようやくついt.........なん.....遅かった....」

 

ヴィクトル

「ようやくおでましか....そこのジム!それ以上接近したり攻撃してみろ!この艦のブリッジを撃ち抜くぞ!もちろんこの艦からMSが発進してもだ!それじゃあ手始めにそこのジム、武装を全て解除しろ!」

 

ミオル

「そんなのできr...」

 

艦長

「2番機、そのザクのパイロットの指示に従うんだ...」

 

ミオル

「分かりました.....」

 

 

そうして2番機の武装が宇宙に放たれる

 

ハギル

「ハリエットさん!今どうなってるんすか?!?」

 

ハリエット

「ブリッジの正面にこちらにライフルを向けているザクが一体いる.....」

 

ハギル

「そんな....どうすれば.......そうだハリエットさん!」

 

 

 

 

ハリエット

「そんなことできるの?」

 

ハギル

「本人に聞いてみないとわからないっすけど....一番の打開策っすよ!」

 

ハリエット

「そうね....ブリッジでもう少し時間を稼ぐわ、でもそんなに多くは稼げないと思う、急いでトリアちゃんに作戦を伝えてきて頂戴、そして準備が出来たら教えて」

 

ハギル

「分かったっす!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃

 

ノーマン

「全員除染ユニットは通過したか」

 

隊員A

「全員通過完了です」

 

ノーマン

「対有害物質フィルターは装着したか」

 

隊員B

「全員着用完了しました」

 

ノーマン

「それでは作戦の確認だ、今回はα隊とβ隊の2部隊構成、α隊は目標の確認、破壊。β隊は生存者の確保。α隊は目標へ直行。β隊は第1区画から順番に生存者の捜索だ、α隊は俺、β隊は副隊長を主体として行動するように、そして現時刻から作戦行動を開始する」

 

α β部隊全員

「了解!」

 

 

そうしてα隊、β隊共に行動を開始した

 

α隊、β隊共に華麗なクリアリングで艦内を進んでいく

 

 

 

そうして何事も、施設職員さえ目撃しないままα隊は一つの区画を通過した

 

隊員A

「隊長、職員が一人も見当たらないなんてことありますかね??...」

 

ノーマン

「あくまでここの区画には人がいないということかもしれん、とにかく隣の区画に移動するぞ」

 

そうして閉まっている隔壁の横にあるコンソールをハッキング担当の隊員がパネルを外したりして無理やり開ける

 

ハック担当

「開きます!皆さん準備してください」

 

 

そうして閉ざされた大きく分厚い鉄板が開くと

 

 

隊員B

「うわぁ...なんだコレ....」

 

今までの区画の空気とは違う

 

 

あからさまに空気中に有害物質が俟っていた

 

 

ノーマン

「これが揮発したMSRN液なのか?....」

 

隊員A

「そうみたいですね...」

 

分厚い鉄板が開いた先には赤紫の色をした霧がかった空間が広がっていた

 

 

隊員B

「これからここに入るんですよね....」

 

ノーマン

「そうだ...これは中々勇気のいる気がするが行くしか無い、行くぞ」

 

 

そうしてα隊は霧がかった空間ながら、しっかりとクリアリングは怠らず進んでいった

 

そしてしばらく同じような光景が続き、慣れて来たときだった

 

 

 

隊員C

「隊長....これを見たください.....」

 

ノーマン

「これは.....」

 

隊員Cが見つけたのは

 

 

苦しそうな表情をした遺体だった

 

 

 

ノーマン

「やはり揮発したMSEN液は吸引すると身体に重大な悪影響を与えるということか....とにかく我々α隊の最優先任務は目標の確認と破壊だ、行くぞ」

 

α隊隊員

「了解...」

 

 

 

そうして通路に倒れている遺体は進むに連れて徐々に増えていった

 

 

 

 

そして酷い光景に耐えながら進んでいると

 

 

少し雰囲気の違う隔壁扉が現れた

 

 

扉に書かれた文字を見ると

 

 

[研究用実験区画]

 

 

と書かれていた

 

ノーマン

「ビンゴ、ここの区画だ」

 

ハック担当

「隊長、ここの隔壁扉はさっきのより少し時間がかかりそうです」

 

ノーマン

「了解だ」

 

隊員A

「β隊は生存者を見つけること、出来たのか?...」

 

隊員B

「この状況じゃ生存者がいるかすらわからないよな....」

 

ノーマン

「確かにな....誰か一人でも生存者が居ることを祈ろう」

 

隊員A

「そうですね、そしてβ隊が発見してくれることを期待しましょう」

 

ノーマン

「そうだな」

 

 

 

ピーピーピー

 

ハック担当

「作業終わりました、開きます」

 

そうして隔壁扉が開くと

 

意外にもその区画はMSRN液の揮発した物で満たされていなかった

 

 

そして今までの区画とは違った、いかにも研究施設らしい、無機質で床や壁には金属で出来ていた

 

 

 

ノーマン

「さっきとは雰囲気が違うな、もしかしたらさっき外で見たように敵対してくるものが居るかもしれん、警戒するように」

 

α隊隊員

「了解」

 

 

そうして研究区画の通路をクリアリングしながら進んでいくと

 

 

一つの部屋があった

 

 

そうして部屋の名前を見ると

 

 

[研究室]

 

と書いてあった

 

ノーマン

「研究室に入るぞ、準備しろ」

 

そうしてドアの両脇に壁沿いに列を作った

 

 

そうして後ろから準備が出来た者が準備ができた事を伝える為、前の者の肩を叩く

 

 

そうして片方の先頭にいるハック担当がドアを開ける準備をする

 

 

そうしてもう片方の先頭の隊員Aがフラッシュバンを手に持つ

 

 

そして先頭の二人の準備ができた所で二人が手を上げる

 

ノーマン

「go」

 

その瞬間扉が開き部屋の中にピンが抜かれたフラッシュバンが投げ込まれる

 

バシィーーーン

 

とても大きな音と共にものすごい光が発生する

 

そうして隊員が一斉に室内に突入する

 

そうして隊員が室内をクリアリングした

 

 

隊員A

「隊長!これは.....」

 

 

そうして隊員Aが指を指した先には

 

 

 

???

「んん?んんんんん!!!!」

 

 

白衣を着た人が何かの装置にくくりつけられ口を布で覆われ目隠しをさせられ耳栓をさせられた人物がいた

 

ノーマン

「これはここの研究員か?とりあえずロープ以外は取ってやろう」

 

 

 

???

「君たちは?!何者だ?!?」

 

ノーマン

「落ち着いてくれ、君を殺すつもりはない、名前を聞いていいか?」

 

???

「私は、ケヴィン、ケヴィン・ミラーだ....」

 

ノーマン

「わかった、私達は君たちを助けに来たんだ。私はノーマン・ハリスだ、ところでケヴィン、申し訳ないのだが何故君は縛られているんだ?」

 

ケヴィン

「わ、分からないがジオンのパイロットスーツみたいなスーツを着た奴らが急にこの区画に入ってきて僕らを縛ったんだ....」

 

ノーマン

「僕ら?.....他にも人はいたのか?」

 

ケヴィン

「いたはず....確かに周りに誰もいない...一体この外はどうなってるんだ?!」

 

ノーマン

「この艦内に赤紫の気体が充満していて人が亡くなっている」

 

ケヴィン

「そんな......もしかしてMSRN液が?....悪さをしてるっていうのか?....」

 

ケヴィンは自分が関わっていた研究が恐ろしいことを引きこしたことを知り、どこか悲しげな複雑な表情をしていた

 

ノーマン

「詳しいことはわからないがその可能性が高い、MSRN液の悪さを止めることは出来ないか?」

 

ケヴィン

「もう空気中に拡散してしまったものを人の体に作用しないように再プログラムするのは無理だ、あれは液体に封入された状態でここの区画にある装置を使って再プログラムして、実験司令室でプログラムの実行をしないと行けない..........なあ....僕を実験司令室まで連れて行ってくれないか?確認したい物があるんだ....」

 

ノーマン

「ああ、だがその前に君がここの職員だと言うことを証明できるものはないか?」

 

ケヴィン

「僕の白衣の胸ポケットの中にここの区画で使える研究員用のパスが入ってるはずだよ、それでここの何かしらが動けばここの研究員だって証明になるだろ?」

 

 

そうして彼の胸ポケットにノーマンは手を入れた

 

 

ノーマン

「このカードか?...そしてこの鍵は?」

 

ケヴィン

「そのカードで合ってるよ、その鍵は....片方はそこのプログラミング関連の機器の起動用、もう一つは実験司令室の起動用だよ」

 

ノーマン

「そうか、どこかこのカードを使う場所はあるか?」

 

ケヴィン

「そこの大きいタンクの横にある機器の横にあるモニターが付いてる機器があるんだ、そこに鍵を刺す場所があるはずなんだ、まずはそこに鍵を刺してくれないかい?」

 

ノーマン

「ああ」

 

そうしてノーマンは鍵を機器に刺す

 

ノーマン

「これで捻れば良いのか?」

 

ケヴィン

「そうだよ、そうすればそこら辺一体の機器の電源が入るはずだ」

 

そうしてノーマンは鍵を捻り、電源をつけた

 

横にあるPCや様々な機器が起動するのに何かハードディスクが回り始めるような音に電子音のような様々な音が室内に響く

 

そうして

 

ケヴィン

「君の前にある機器の画面にログイン画面のようなものが出ていないかい?」

 

ノーマン

「ああ、出ているな」

 

ケヴィン

「よし、じゃあ鍵穴の上にカードを差し込む機器が付いてると思うんだ、そこに僕のカードを差し込んでくれ」

 

ノーマン

「分かった」

 

そうしてカードを差し込むと

 

ノーマン

「パスワードを入力しろ、と」

 

ケヴィン

「mirai[ミライ]だ、これで開くはずだ」

 

ノーマン

「ああ、開いたな」

 

ケヴィン

「すまない、この縄を解いてくれないかい?、そのコンピューターを見たいんだ」

 

ノーマン

「ああ、ケヴィンのロープを解いていやれ」

 

隊員A

「分かりました」

 

 

そうしてケヴィンはコンピューターのモニターへと歩いていく

 

ケヴィン

「なあ、ノーマンと言ったかな?....このコンピューターを起動してから何かいじったかい?」

 

ノーマン

「いや、特に何も触ってはいない」

 

ケヴィン

「見たことのないナノマシン用のプログラムがプログラム動作検証ソフトにダウンロードされた形跡がある...嫌な予感がする...少し時間をくれないかい?」

 

ノーマン

「ああ、そこまで長い時間は待てないが少しぐらいなら」

 

ケヴィン

「ありがとう」

 

 

そうしてケヴィンは嫌な予感の正体を突き止めようとコンピューターをいじり始めた

 

 

 

そうしてケヴィンの嫌な予感というものは見事に的中した

 

ケヴィン

「やはり......ジオンのパイロットスーツの集団の中にナノマシンのプログラムを行うことができる人がいたんだ....人の粘膜に反応するプログラムを検証アプリに入れた形跡がある........お願いだ!僕も君たちに同伴したい!」

 

ノーマン

「わかった、ここにノーマルスーツはあるか?」

 

ケヴィン

「ここにはない、だがここの区画には万が一の為ガスマスクがあるんだ、それを使ってなら艦内なら移動できるはずだよ」

 

ノーマン

「わかった、もしかしたらまだ何処かにやつらが居るかも知れない、しっかりついてくるんだ」

 

ケヴィン

「わかったよ」

 

ノーマン

「ではケヴィンはを連れて実験司令室に行くぞ」

 

α隊隊員

「了解!」

 

 

 

 

 

 

to be continued

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回MS関係以外にも歩兵の事も書いてみました
ちょっとMSRN液が設定がむりくり感があるような気がしますがまぁ面白いと思うんでセーフでお願いしますww
たぶん次回も長くなると思うのでよろしくお願いします☆

後ESSの隊員の装備なんですが
これに関しては完璧に私の好みなんですがエコーズみたいなパイロットスーツで色はSASのアサルトスーツ(ツナギみたいなやつ)の紺色のような色でベストなどの装備は黒を基調としています。武装はメインはMP5Nの伸縮式ストックにフラッシュライト装着式のハンドガード、サプレッサー、マイクロドットサイトが乗っかっている仕様で、サブにはSIG SAUER P226Mk.25にフラッシュライトとサプレッサーを装着した物と、タクティカルナイフを装備しています。

もし色々やって描くことができたら絵を貼りたいと思います


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12話 進展 

どうも皆さんこんにちは!!だいぶ暑くなってきましたねぇ.....(これを打ってるのは7月なので悪しからず..)

できるだけこの作品に出てくる機体をプラモで再現?作成?したいんですが中々金が掛かるのと大量に買わなきゃいかんっていうのがありましてねぇ.....

一応物語に登場させたい完成してるプラモもあるんですがなんせグリプス戦役辺りのものばっかで....


とにかく!!12話、御覧ください!!


12話

 

 

ケヴィン

「なあ、ここの区画以外はどんな状況になっているんだい?詳しく知りたいんだ」

ノーマン

「正直とても悲惨だ、それでも聞くか?」

 

ケヴィン

「ああ、聞きたい、僕たちが作ったものがどんなことをしてしまったのかを」

 

ノーマン

「さっき粘膜に反応すると言ったな?」

 

ケヴィン

「ああ、そうだよ、けどナノマシン抜きでも体に良い液体ではないんだ、簡単に言うと機体の装甲だったりの成分が溶けているからね、そこに更にナノマシンが粘膜に反応して空気中に俟っている機体の成分を使って粘膜の表面上に無秩序に金属の膜のようなものを形成する。相乗効果で殺しにくるなんて....恐ろしいプログラムだよ.....僕たちの技術の結晶がこんな使い方をされるとはね....」

 

ノーマン

「だから遺体は苦しげな表情をしていたんだな..」

 

ケヴィン

「みんな苦しみながら亡くなったんだね....わかったよ、大体想像がついた、ありがとう」

 

 

そうして通路を進んでいく

 

 

 

 

ケヴィン

「そこ、そこの部屋だよ、きっとロックが掛かっているはず、僕が開けるよ」

 

そうしてケヴィンは実験司令室の扉の横にあるコンソールにカードを差し、指紋認証を行う

 

ケヴィン

「これで開くはず..」

 

シュイーン

 

そうして扉が開くと

 

 

 

 

ケヴィン

「さあ中に.....」

 

室内は何も照明が点灯しておらず、奥に見える一枚のモニターの明かりと通路から入り込む明かりで室内が照らされていた

 

 

そうして数秒が経ち少し暗闇に目が慣れると

 

 

ケヴィン

「ゔゔっ....」

 

ノーマン

「警戒だ!この部屋の付近にまだ居るかもしれない!」

 

α隊隊員

「了解!」

 

ケヴィン

「そんな.....マルクにニケルド、ケーナまで.......」

 

ノーマン

「通路に出てこの部屋より少しでも新鮮な空気を吸ってるんだ」

 

ケヴィン

「わ...わかったよッ.......」

 

 

ノーマン

「ここでこの三人に何かをさせた後、用済みと判断してここで撃ち殺したのか」

 

隊員A

「元々さっきの研究室にいた人たちがこの部屋で殺されてるってことはそういうことですよね」

 

ノーマン

「これはもはやテロリストの所業だな....残党の時点でもう正規の軍では無いから既にテロリストと言っても過言ではないがな...」

 

隊員A

「そうですね....そういやこの遺体、どうします?誰か死体袋なんて持ってる人いますかね?」

 

ノーマン

「誰か衛生担当は.....C、死体袋を持っているか?」

 

隊員C

「はい、あります、3個で大丈夫ですか?」

 

ノーマン

「大丈夫だ、この遺体を入れるのを手伝ってくれないか?」

 

隊員C

「了解です」

 

 

そうして三人の遺体を死体袋に入れ、部屋の片隅に避けた

 

 

ノーマン

「この部屋の左側の扉の先をある程度クリアリングしてきてくれ」

 

隊員A

「俺とB、Dで行くぞ」

 

隊員B

「了解だ」

 

隊員D

「了解」

 

ピピピッ

 

シュバッ

 

そうして三人はクリアリングをしに横のコンソールを操作し、扉を開け進んでいった

 

 

 

ノーマン

「ケヴィン、大丈夫か?気持ちは落ち着いたか?」

 

ケヴィン

「さっきよりは....少しは落ち着いたよ....」

 

ノーマン

「少しでも良くなったか、それは良かった、もうちょっとここで休んでてくれ.....と言いたいこと所なんだが...我々にはここの設備をしっかりと操作できる自身はない、急がなくて良いんだ、動けるか?」

 

ケヴィン

「わ....分かったよ.....けど....普段通りに行動できるか分からない......さっきよりはだいぶ楽にはなったけど.......やっぱりあの体験は素人にはきつい.....」

 

ノーマン

「分かった、焦らなくて良い、落ち着いて行動するんだ、分かったか?」

 

ケヴィン

「分かったよ...それじゃあ行こう..」

 

 

そうしてケヴィンは必死に見た光景のことを堪えながらまた実験司令室へと向かった

 

 

 

ケヴィン

「ゔっ......」

 

ノーマン

「大丈夫か?...」

 

ケヴィン

「大丈夫だよ....いや....大丈夫じゃなかったとしても、僕はこの役割を成し遂げないと行けないんだ!...」

 

ノーマン

「そうか、分かった、頼むぞ!」

 

 

 

 

ケヴィン

「なぜこの画面だけ起動してるんだ?......」

 

 

そうしてその画面をよく見ると

 

 

ケヴィン

「やっぱりか.....襲撃した奴らの中にプログラムを書けるものがいたんだ.....そして実行をあの三人にやらせた....」

 

 

ケヴィン

「少なくとも今水槽の中にあるMSRN液だけでも再プログラムしないと.....」

 

 

 

そうしてパネルに埋め込まれているキーボードとアナログスティックを使い、光っている画面を操作する

 

 

 

ケヴィン

「ポンプが動かない....やっぱり水槽付近の電源は補助しか来てないか......」

 

そうしてたくさんあるコンソールの中から鍵穴を探す

 

 

 

ケヴィン

「こっちは機体射出用......あった....メイン電源用だ...」

 

 

そうしてケヴィンはメイン電源用シリンダーに鍵を差し込む

 

 

ケヴィン

「これを回せばコイツを破壊することに繋がってしまうのか.....」

 

 

ケヴィンは唾を飲む

 

そうして決意を決め

 

 

シリンダーを押し込み鍵を回す

 

グイッ

 

ガチャッ

 

 

ピー

 

ピピピ

 

キュイーン

 

ガッガッ

 

キュイーン

 

沢山の電子機器が起動する音がした

 

バチン

 

 

実験司令室の照明がついた

 

 

ノーマン

「やったな、照明がついたぞ....ん?、このガラスは何だ?」

 

ケヴィン

「このガラスの向こうにMSRN液の水槽と実験用の機体がある、照明をつけるかい?」

 

ノーマン

「あ...ああ...頼む」

 

そうして

 

 

入り口の横にある配電盤の蓋を開ける

 

ケヴィン

「水槽の照明は....これだ.....ノーマン、今つける...良く見といてくれ」

 

 

そうして水槽の照明のスイッチを押す

 

 

ガコン

 

ガコン

 

ガコン

 

 

実験司令室から見て手前からどんどん照明がついていく

 

 

ガラスの奥の暗闇は明るくなっていき、赤紫の液体で満たされているのが分かった

 

 

そしてそのガラスの奥には

 

 

 

胴体しか見えないが、[RGM-79]ジムなのか、あの白い悪魔とも呼ばれた[RX-78]ガンダムなのかはわからないが、一機のMSが浸かっていた

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃ファントムアルビオンでは

 

 

 

 

 

 

ハギル

「トリアちゃん....4番機のそばにいるかな?....」

 

 

そう呟きながら格納庫の連絡用のコンソールから離れ、機体のハンガーに向かう

 

 

 

ハギル

「エイハブさん!トリアちゃん何処に居るか分かるっすか?」

 

エイハブ

「あの子ならまだジム・アルブスのコックピットの中に居るんじゃないかな?」

 

ハギル

「了解っす!ありがとうございますっす!」

 

 

そうして4番機の胸部に近づく

 

 

ハギル

「コックピット閉まってるのか??」

 

 

ゴンゴンゴン

 

ハッチを叩く

 

 

ハギル

「聞こえる訳ないか...ハッチオープン用のレバーは......ここだ!」

 

ハッチが勢いよく開く

 

 

ハギル

「うわぁぁ!!」

 

ハギルはハッチに振り投げられそうになる

 

 

ハギル

「っぶねぇ.....ちゃんと掴まってないと吹っ飛んでくところだった....」

 

 

そうして機体にしがみつき、コックピット内に入る

 

 

 

トリア

「なんで開いたの?....ってハギル....」

 

ハギル

「なんで呼び捨て....ってそんなのは良いっす、トリアちゃん、君にしか出来ないことがあるっす!」

 

 

トリア

「私に?....」

 

ハギル

「今外がどんな状況になってるか分かってるっすか?」

 

トリア

「今敵?がこの船を脅してるんでしょ?」

 

ハギル

「そうっす、だからこの状況は不味いって分かるっすよね?」

 

 

トリア

「うん」

 

ハギル

「この機体の背中にはビットって飛ぶやつが付いてるっすよね?あれだけを船外に出して外にいるやつを撃つ!できそうっすか??」

 

トリア

「ビットを使うの?.....しっかり撃つ相手の場所が分からないと撃てないよ...」

 

ハギル

「うーん.....じゃあどうすれば....」

 

 

エイハブ

「ガキども面白い話してんじゃないか」

 

ハギル

「エイハブさん?!?」

 

エイハブ

「たしかあのビットには視覚類センサーがついてなかったはずだよな、ビットにビームライフル用のセンサーをつければいいってことよな?」

 

ハギル

「そんなことできるんすか??」

 

エイハブ

「やってみなきゃ分からないだろう?、ってことでもう取り掛かってるからな」

 

 

ハギル

「え?」

 

ハギル&ミオル

「ええええー?!?!?」

 

 

 

 

 

 

 

その頃オールドローズ艦内の[α隊]では

 

 

 

 

隊員A

「こっちはクリアだ」

 

隊員D

「同じく」

 

隊員B

「この通路は機材搬入用のエアロックと水槽に入るためのムーンプールっていうんですかね?に繋がる通路のはずですよね?もっと進みますか?」

 

隊員A

「ああ、できる所まではクリアリングするぞ」

 

隊員B

「了解しました」

 

 

 

 

 

 

 

一方ケヴィンとノーマン達は...

 

 

 

 

 

ケヴィン

「ノーマン、質問なんだが、この区画をどうやって破壊するんだ?、この船には緊急用の爆破システムなんてゲームみたいなものはついてない、どうやって破壊するんだい?」

 

ノーマン

「そうだよな、本当は外に居るMS隊に破壊してもらう予定だったのだが....コイツを外に出せたりしないか?」

 

ケヴィン

「この機体を外に出してどうするんだい?」

 

ノーマン

「コイツを使ってこの区画を切断、破壊する」

 

ケヴィン

「その後この機体はどうするんだい?」

 

 

ノーマン

「破壊する」

 

ケヴィン

「....そうか...分かったよ....とにかく、この機体を外に射出する前にMSRN液を再プログラムして無害化し宇宙空間に放出する、その時間をくれないかい?」

 

ノーマン

「分かった」

 

 

 

ケヴィン

「それじゃあポンプを動かすよ」

 

 

そうしてコンソールの中にある、赤く発光したカバーの付いたスイッチのカバーを上げ、スイッチを強く押し込む

 

ビーッ

 

ビーッ

 

 

 

ゴウゥゥゥゥン

 

そうするとポンプの作動を知らせる為、アラームが鳴り、スイッチが緑色に点灯する

 

 

そうしてポンプは作動し、研究室の大型のタンクにMSRN液が移されていく

 

 

 

 

 

 

 

 

リーダーと思わしき人物

「クソ、外部のポンプが作動しない......あいつら......研究室にいた研究員を殺さなかったな?ナノマシンのサンプルはまだ回収してないぞ....折角タンクを持ってきて外部のポンプに接続したっていうのに....どうにかしてナノマシンを手にしなければ.....直接俺が行くしかないのか....」

 

 

 

そうしてエアロックに機体が近づく......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケヴィン

「研究室のタンクにMSRN液を移動させるには時間がかかる、だからその時間を使ってここの区画の監視カメラにアクセスできるようにしようと思うんだけど、ノーマン、どう思う?」

 

ノーマン

「頼む、監視カメラを見れたほうがクリアリングしている奴らの状況が把握できる」

 

ケヴィン

「分かったよ、今見れるようにするよ」

 

 

 

 

 

 

 

一方ファントムアルビオンでは.....

 

 

整備士A

「エイハブさん!センサー取り付け完了しました!」

 

エイハブ

「よし!トリアちゃん、センサーを取り付けたからモニターに映像を表示できる、ミノフスキー粒子が散布された状況ではモニターは映らなくなると思うが今までと比べると少しは楽になると思う、軽くビットを動かす事はできるかい?」

 

トリア

「分かった、やってみる」

 

 

[ビット 機体接続 解除...]

 

 

 

ビットが機体から離れ浮遊する

 

トリア

「ホントだ....今までと全然違う.....すごい!!ありがとう!これならきっと落とせるよ!!」

 

 

ハギル

「あんな少し機体から外すだけで違いなんて分かるんすかね?」

 

エイハブ

「我々常人にはわかんないだろうけど、やっぱりニュータイプは分かるんじゃないか?まずまずニュータイプでもない限りビットとかのサイコミュ兵器なんて動かせないからな」

 

ハギル

「確かにそうっすね...」

 

エイハブ

「よし!ハギル!早速ブリッジに連絡だ!」

 

ハギル

「了解っす!、あ、機体からブリッジに連絡出来るくないですか?.....」

 

エイハブ

「確かに......ちょっとトリアちゃん、失礼するよ」

 

 

 

ブツッ

 

エイハブ

「こちら4番機、ブリッジ、応答してください」

 

 

 

ハリエット

「こちらブリッジ.....ってその声はエイハブさん?!?どうして4番機から通信を??...あ..もしや...」

 

 

エイハブ

「どのもしやかは知らないですが、4番機の準備は完了だ、いつでも動ける」

 

ハリエット

「本当ですか?...ではこちらで気を引きます、その隙に格納庫横のハッチを開けるようこちらから指示しますので、タイミングはこちらが指示します」

 

エイハブ

「了解だ、大丈夫か?トリアちゃん」

 

トリア

「うん、大丈夫」

 

 

 

 

 

 

 

 

to be continued

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




12話、いかがだったでしょうか?

12話は11話と同じく結構室内の描写?が多かったのですが次回はバチバチの戦闘が書けると思うので期待しといてください☆


やっぱり結構展開の激しい話だと文字数が多くなっちゃいますねぇ....

今回は出来るだけ4000文字近辺で収めようと決めてたのでいいとこで終わらせれたんですが....次回も長くなりなりそうなんでこっちも同じく期待しといてください

(もしかしたら近頃色々〜機体設定等のまとめ〜みたいのも出すかもです)


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13話 快進撃

ども、うp主???です〜
等々私の夏休みがおわってしまいました....(;ω;)
そして夏休み中に作ったプラモは0個....
更に小説も一切か書かず.....
一体何をしていたって?
友達にPS2を借りてエスコンシリーズをしてました☆
今四作品クリアしたとこですwww

まあそんなのはいいんですがどこかに一年戦争辺のジオンのガンプラとか売ってないですかね?....
作中の機体を作りたいのに全然無いしあっても高くて全く買えない....
とにかく!
それでは13話、御覧ください!



13話 快進撃

 

 

ヴィクトル

「この艦の乗員を全員ランチに載せろ!そうしてこの艦を出るんだ、この船は俺たちがもらってやる」

 

 

ハリエット

「今この艦には全員を載せられるランチはないわ....」

 

ヴィクトル

「そんなわけ無いだろ?基本脱出用に全員乗れる分あるはずだろ?!」

 

ハリエット

「この船に艦載されてるうちの1個は今使っているのよ?!貴方はさっき見たはずよ?!?」

ハリエットは強気に答える

 

ヴィクトル

「た....確かに一機使っていたな.....」

ヴィクトル想定外にも強気で反論され少し納得してしまった

 

 

ヴィクトル

「そ..そうだ.....じゃあ予備のMSぐらいあるだろ?!ランチに乗れない分はノーマルスーツを着てMSの手にでもしがみつけばいいだろ?!?てかお前ら立場分かってんのか?!?」

ヴィクトルは強気に反論されたのを気にしているのか強く言う

 

ハリエット

「わかったわ.....そうすればいいんでしょう?.......じゃあ初めに予備のMSを貴方から見て左から外に出すわ.....これには武装を持たせないから、絶対に攻撃しないで.....」

 

ガッガッ

 

ハリエットは下手に出たと同時に、軍などで合図としてもよく用いられる、無線の繋いだ際に鳴るノイズを使いトリア達に合図する

 

エイハブ

「トリアちゃん!合図が来たぞ!機体を動かせ!」

 

コックピット内のシートの横にはハギルがしがみつき、整備用コックピットハッチが空いたまま、そのハッチにエイハブが乗ったまま動こうとする

 

その瞬間、無線が入る

 

ハリエット

「トリアちゃんか誰か聞こえる?....攻撃するのであれば左の運搬用ハッチを開けるからそっちからビットを出して頂戴.....」

外から見て通信してるとバレないように小さな声で喋る

 

エイハブ

「了解だ!分かったな?トリアちゃん!」

 

トリア

「わかった!じゃあ、行くよ!!」

 

それに応答するように

ハギル

「頑張るっすよ!」

 

トリア

「うん!」

ハギルに元気よく返事をする

 

その瞬間

 

ビギャーン

 

トリアに同意するようにジム・アルブスのセンサーが一瞬、輝いた

 

そして

 

ガコン!

 

ビットが背部から解き放たれる

 

 

トリア

「行って!ビット達!」

 

ビットが縦横無尽に飛んでいく

 

 

 

 

ヴィクトル

「一体いつになったら予備機とやらは出てくるんだ?....」

ヴィクトルは船の左側に集中していた

 

 

ヴィクトル

「おい!予備機とやらはまだなのか?!」

 

 

 

そうしてハッチに注目していたザクⅡ改[ヴィーダーシュタント]のモノアイががブリッジの方を向いた

 

その瞬間

 

右舷の運搬用ハッチが開き中から2機のビットが飛び出す

 

ヴィクトル

「何だこれッ?!??連邦がサイコミュだと!?」

ヴィクトルは咄嗟に後退したが予想外の状況に焦りを隠せていなかった

 

 

 

トリア

「このパイロット焦ってるよ!」

 

エイハブ

「やっちまえ!!」

エイハブが食い意味に言う

 

ヴィクトル

「俺は一年戦争を生き残ったんだ!そう簡単に死んでたまるかッ!!!」

 

トリア

「当たっちゃえ!!」

 

ザクⅡ改[ヴィーダーシュタント]に乗るヴィクトルもはビットに必死に抵抗する

 

ヴィクトル

「死んでいった中のためにもここで死ぬわけにはいかない!」

 

ヴィクトルは90mmマシンガンの狙いを定め、撃つ

 

だがヴィクトルの放つ攻撃は当たらない

 

ヴィクトル

「くそッしまったッ!!」

そしてビットの接近を許してしまい90mmマシンガンを持った右腕部が切断される

 

ヴィクトル

「くそッ、右腕部が....これじゃあ90mmマシンガンがッ....」

 

そうして気を取られた瞬間

 

 

トリア

「当たれぇぇぇぇッ!!」

 

ヴィクトル

「くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

 

 

ビットは攻撃を華麗に避け

 

 

 

 

ザクⅡ改[ヴィーダーシュタント]の四肢を切断した

 

 

 

四肢を切断されたザクⅡ改[ヴィーダーシュタント]は機体をその場に留めることが出来なくなり宙を舞い始める

 

 

ハギル

「これは........やったんすか?.....」

不安そうに首を傾げて言う

 

エイハヴ

「これじゃあAMBACも使えない、機体の向きさえ変えることはほぼ不可能だろう.....勝ったぞ....」

エイハブは、勝利への喜びよりも少女がこの戦闘で圧倒的有利に立ち、一年戦争を勝ち抜いて来たベテランであろうパイロットをいとも簡単に戦闘不能に追いやったことに対しての驚きが隠せなかった。

 

ハギル

「おおおお!やったっすねトリアちゃん!!」

 

 

トリア

「そ....そうかぁ......倒せたんだね.....ハァハァ......」

 

少女は勝利の喜びよりも艦を守り抜いた達成感、安堵感よりも尋常ではない疲労が勝っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リーダーと思わしき者

「ヴィクトルがやられた?.......いや.....相手のご厚意によって戦闘不能で済んでいるというところか.....だがここの地点からでは細かい損傷状況かまでは見れないか......」

まだまだ余裕があるかのように冷静に状況を判断する

 

リーダーと思わしき者

「マルティー、状況はどうだ」

 

マルティー

「とりあえず右腕のアクチュエータ系の簡易補修は済んだ、とりあえずは戦闘に参加できそうだ、ひぃ〜中々恐怖との戦いだったぜ」

 

リーダーと思わしき者

「無理はしなくて良い、ヴィクトルの回収に回ってくれ、俺はもう少し粘る」

 

マルティー

「了解、聞きたいんだがヴィクトルは今どんな様子なんだ?こっちの地点からは確認できなかったんだ」

 

 

リーダーと思わしき者

「現時点では四肢を切断されている、恐らく相手にサイコミュ兵器を搭載している機体がある」

何も問題がないかのように落ち着いて言う

 

マルティー

「おいおい.....ヴィクトルが?......そんなあっさりやられちまったのかよ!!」

リーダーと思わしきものとは違い、マルティーはもしかしたらヴィクトルが死んでしまっているのかもしれないという恐怖に襲われる。

 

マルティー

「俺、そんなやつに勝てる気しねぇよ.....」

絶望と恐怖が混ざった声で言う

 

リーダーと思わしき者

「いいか?マルティー、俺はもう一度船内に入る。お前はヴィクトルの回収だ、戦闘はしなくていいしなるべく戦闘は避けろ、いいな?」

 

マルティー

「そうだ....そうだったよな......ヴィクトルを回収してくる....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃オールドローズでは....

 

 

ケヴィン

「よし、セキュリティーのアプリケーションにアクセスできた、これでここの区画のカメラとこの船の一部のカメラにアクセス出来る、更に何処のドアが開閉したらそれも知らせてくれるはずだよ」

 

 

ノーマン

「了解だ、ケヴィンは再プログラムの作業を続けてくれ、俺はカメラを見てる」

 

 

 

 

 

 

ノーマン

(何故だ?.......数分前の設備の動作履歴でエアロックが動いている.......もしや....)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リーダーと思わしき者

「内部の照明が非常用から通常に切り替わっている.....非常用電源からメインに切り替えるときに外部排出用ポンプを作動させようとしたから動かなかったんだな....一応制御室も確かめておくか...」

 

 

 

 

ノーマンはアプリケーションを操作し、エアロック付近のカメラを見る

 

 

すると

 

 

ノーマン

「このパイロットスーツは.......」

ノーマンの予感は的中した

 

 

ノーマンは左肩辺りについているPTTスイッチを押し

 

ガッ

 

ノーマン

「捜索班!こちら司令室ノーマン、応答してくれ!エアロック近辺に敵パイロットらしきジオンのパイロットスーツを着たものがいる!」

 

隊員A

「こちら捜索班了解!、全員聞いたな?!警戒だ」

 

隊員B、D

「了解!」

 

そうして通路の角を曲がった瞬間

 

バチィン!!

 

 

先頭に立っていた隊員Aのすぐ横に9×18mmマカロフ弾が当たる

 

 

 

隊員A

「エンゲージ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方ファントムアルビオンでは.......

 

 

 

艦長

「恐ろしい...彼女があんな一瞬で......いや....感謝すべきだな....彼女がいなければ我々はもしかしたら死んでいたかもしれない。ハリエット君、2番機に放棄した武装を装備させ3、4番機を発進、2番機は再度1番機の援護、3、4番機は本艦の援護に回せ」

素早く指示をする

 

 

 

 

ハリエット

「分かりました。2番機、放棄した武装を装備して再度1番機の援護に回ってください。3、4番機は出撃後、本艦の援護に回ってください。」

 

 

ハギル

「了解っす!3番機、出ます!」

 

トリア

「はい!ジム・アルブス出ます!」

 

 

ミオル

「了解..再度、1番機の援護に付きます..」

ミオルは落ち込み気味に応答した

 

 

 

 

 

 

 

実験司令室では....

 

 

 

ケヴィン

「銃声?!?...ノーマン...どうしたんだい?」

 

ノーマン

「捜索班がジオンの奴と接敵した..」

 

ケヴィン

「それはまずいんじゃ....僕たちも行ったほうが...」

焦り不安そうに言う

 

ノーマン

「大丈夫、アイツらも伊達に特殊部隊を名乗ってるわけじゃない、アイツらを信用してくれ」

3人を信用していることが伝わってくるような言い方だった

 

ケヴィン

「そ...そうだよね、みんな僕よりもすごいし、強いしね..」

 

ノーマン

「だが今君がやっていることは君にしかできない、頼むぞ」

 

 

 

ケヴィン

「わかったよ」

自信を取り戻したような言い方だった

 

 

 

一方....

 

 

隊員B

「あっちの方向にはエアロックがあるはず....このままだと逃げられるのでは?!」

 

隊員A

「まずいな...」

 

隊員D

「フラッシュバン、行くぞ!」

 

ピンが抜かれ、レバーが地面に落ちる

 

そして

 

 

ゴトン

 

 

金属製の円筒状の物が飛んでくる

 

 

 

リーダーと思わしき者

「まずいっ!!」

彼は咄嗟に円筒状の物に背を向ける

 

バチィーン!!

 

大きな音と共に物凄い閃光が走る

 

リーダーと思わしき者

「耳がっ!!....」

 

 

隊員A

「ムーヴ!!」

探索班の3人は前進する

 

リーダーと思わしき者

「早くエアロックまで行かなければッ!!....」

耳がほぼ聞こえない状態で必死にエアロックへと走る

 

 

リーダーと思わしき者

「エアロックの操作盤は何処だッ....」

頭の中が真っ白になりながらもエアロックの操作盤を探す

 

 

 

 

隊員A

「いたぞ!!」

 

バババッ

 

リーダーと思わしき者

「危うくやられるところだった....」

 

隊員D

「クソッ...間に合わなかったか...」

 

隊員A

「こちら捜索班、目標をロスト....」

 

 

ノーマン

「3名の中で負傷したものはいるか?」

 

隊員A

「大丈夫です」

 

ノーマン

「了解だ、ひとまずクリアリングに戻ってくれ」

 

隊員A

「了解です」

 

 

 

 

 

 

 

ケヴィン

「まずいッ!」

焦ったように大きな声で言う

 

 

ノーマン

「どうした?!」

 

ケヴィン

「水槽の排出用ポンプに何かが接続された....」

 

ノーマン

「水槽のMSEN溶液の残量は」

 

ケヴィン

「もう7%、あと5から7分で移動と再プログラムが終わるよ」

 

ノーマン

「あいつらMSEN液を取ろうとしてるのか...まずいな...こっちから操作することはできないのか?」

 

ケヴィン

「できるけど、こっちから操作しても向こうで上書きされちゃうはず...」

 

 

 

 

 

 

 

リーダーと思わしき者

「接続は問題ないな.....操作盤は......これか.....」

船の増設ユニットの表面にMSを固定させ、その足元で作業をする

 

 

 

 

ピピピッ

 

ケヴィン

「外部のポンプが作動した!」

司令室に緊張が走る

 

ノーマン

「こっちから止めるんだ!」

 

ケヴィン

「わかったよ!」

コンソールを操作し外部ポンプを止める

 

 

 

 

リーダーと思わしき者

「クソッ!....止められた......遠隔操作用の配線は何処だ....」

 

 

 

 

 

ケヴィン

「よし!残り3%、後2分程度で終わるはず....」

 

ピーッピーッ

 

《水槽 排出用外部ポンプ 反応ロスト》

 

ケヴィン

「やられた....遠隔操作用の線を切断されたんだ....MSEN液の残量のパーセンテージの減りが早い...やられた.....」

 

 

ノーマン

「まあそんな量ではないだろう?」

 

ケヴィン

「そんな量ではないだろうけど、向こう側にナノマシンの工学をかじっている人がいるなら十分なサンプルになってしまう....」

 

 

 

 

 

 

 

ノーマン

「あの機体は動くのか?」

 

ケヴィン

「まぁ......動かないことはないと思うけど.....」

 

ノーマン

「よし、こいつを動かす」

 

ケヴィン

「正気かい?!?MSの戦闘なんてどれだけ難しいか.....」

 

ノーマン

「安心してくれ、乗れるやつがここにいる」

 

ケヴィン

「もしかして..君かい?...」

驚いたように言う

 

 

ノーマン

「いいや、俺じゃあない」

 

隊員C

「それは....僕のことだね」

 

ケヴィン

「君...MSを動かせるのかい?....」

 

隊員C

「一応ね、これでもこのデイル・ナイランドは過去にMSに乗っていた経験があるんだ」

 

ケヴィン

「分かったよ、とりあえず機体に電力を供給するからボーディングブリッジから搭乗してくれ、あと、少し前まで整備はされていたけど今の機体の状況は分からない、気を付けてくれ」

 

デイル

「ああ、ありがとう、ちなみに....ボーディングブリッジって何処か分かるか?.....」

 

ケヴィン

「そこにここの区画の図がある、水槽付近にあるはずだよ」

 

デイル

「わかった、ついたら連絡する、ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

 

to be continued

 

 




13話、ご視聴ありがとうございました!
多分小説が原因では無いのですが、13話書き終わるぐらいのタイミングで利き手の左手が腱鞘炎になりました...(;ω;)
そして最近サバゲーにハマってしまいました.....
そして次回ぐらいで一旦落ち着くかも?
とりあえず!
次回も楽しみにしてください!


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14話 衝撃

どうも皆さんこんにちは!
だいぶ投稿が遅れてしまいました.....
申し訳ないです.........
私道民なのですが、最近LINEで道民モデラーの為のオープンチャットを作ってみました。
そして最近はカウボーイビバップにハマってますww
SFではあるんですが銃器や色んなメカデザインとかが最高ですね、後OPがかっこいいですねwww
まぁ、それではどうぞ!!


14話

 

 

リーダーと思わしき者

「くそ....予定していた量よりも大幅に少なくなってしまったな....まぁここまであればサンプルとしては十分だろう.....マルティー、聞こえるか?こっちの作業は終了だ、俺は次の工程に進む」

 

 

リーダーと思わしき者はいたって冷静に事を進める

 

マルティー

「了解だ...こっちは今回収に向かってる.....」

 

リーダーと思わしき者

「マルティー、焦るなよ、慎重に動け、そうすればお前なら行ける」

 

マルティー

「ああ、分かってる....分かってるよ....」

 

 

それに対してマルティーは焦りや戦闘の際のカリードからのプレッシャーでどうしようも無い程心拍数が上昇し、声が震えていた

 

リーダーと思わしき者

「そしてあの艦に乗ってるはずのあいつにもどうにかコミュニケーションを図らなければ...マルティー、行けるか?」

 

 

マルティー

「行くしかないだろ.......どうにかして光信号で通信をしなきゃいけない.....通信の場所は左舷格納庫側面のどこかで合ってるよな?」

 

 

 

リーダーと思わしき者

「それで合ってる、頼むぞ」

 

マルティー

「分かった....」

 

そうして彼は緊張で乾ききった喉に水を流し込んだ

 

 

 

 

一方実験司令室では....

 

 

ノーマン

「コンソールの上に無線機を置いておく、これはデイルとの連絡用だ、通信するには横のボタンを押しながら喋るんだ、プッシュ・トゥ・トークってやつだ、確認の為一度通信してみてくれ」

 

 

ケヴィン

「わかったよ、ありがとう、やってみる」

 

そうしてケヴィンは少し冷や汗をかきながら送信ボタンを押す

 

 

ザザッ

 

一瞬ノイズが走る

 

 

ケヴィン

「こちらケヴィンだよ、聞こえるかい??」

 

 

 

デイル

「ああ、よく聞こえるぞ、隊長から無線機を貸してもらったのか?」

 

ケヴィン

「ああ、そうだよ、これで離れていても言葉で支援が出来るよ」

 

 

デイル

「頼むぞ」

 

 

 

 

 

デイル

「こちらデイル、ボーディングブリッジについたぞ」

 

ケヴィン

「今機体にボーディングブリッジを接続するよ、少し待ってて」

 

 

ギュウイーン

 

デイルはボーディングブリッジが機体に接続するために駆動している音が聞こえていた

 

 

ガコン

 

 

ケヴィン

「接続完了、ボーディングブリッジの扉のロックを解除っと....これで機体に乗れるはずだよ」

 

デイル

「分かった」

 

デイルは水密ドアのような分厚い鉄板で出来たドアを容易く開ける

 

 

 

ボーディングブリッジの床は薄い鉄板の上を歩いているような歩き心地がしたが、空になった水槽に鉄板の上を歩く音が反響しているように聞こえた

 

 

デイル

「胴部はジム系統なんだな.....」

 

そう呟きながら胸部のコックピット開閉用のレバーの蓋を開け、捻る

 

シュバッ

 

 

コックピットが開く

 

デイル

「おお.....」

 

コックピットを開け、一番最初に目についたのは、複座式のコックピットだった

 

 

そのコックピットは新品とは思えない程、様々箇所がすり減ったりして、使い込まれた雰囲気が漂う見た目だった

 

 

 

だが使い込まれたコックピットによくある、コックピット特有の匂いと汗と緊張、恐怖や狂気が混ざりあったような匂いはしない

 

中身が何か空っぽのように感じるコックピットだった

 

 

 

 

少し疑問に思いながらも使い込まれた風格のあるシートに腰を降ろし、足をペダルの位置に持っていき、両手を左右の操縦桿にのせる

 

 

デイル

「こちらデイルだ、外部電源はもう供給されてるか?」

 

ケヴィン

「ああ、既に供給してるよ」

 

 

デイル

「了解だ、これから外部電源での始動を行う」

 

ケヴィン

「了解!!」

 

 

 

 

 

 

 

一方ファントムアルビオンでは.....

 

 

 

 

???

「クソッ......あのザクⅡ改.....ヴィクトル・エドワーズか......一機行動不能は厳しいな......撃破されていればパイロット回収の手間が省けて作戦も円滑に進んだと言うのに…….この状況になったからにはマルティー・ホフマン辺りが俺と通信を図ろうとするはず……アイツは自分がパイロットだからっていって高圧的に接して来るから嫌いだったが........とにかく外の状況を得る為に左舷格納庫から外にd」

 

 

クルーA

「おいさっきからお前何ブツブツ言ってんだ?さっさと持ち場に戻った方がいいんじゃないか?」

 

 

???

「じゃあ俺と同じく喫煙室にいるあなたも同罪って認めるんですね?」

 

クルーA

「......お前よくうざがられないか?」

 

???

「うざがられないことは無くはないです」

 

クルーA

「認めたな?まあ俺はお前より罪が重くなる前に持ち場に戻るさ」

 

???

「俺ももう出ようと思っていた、俺とあんたは同罪だ」

 

クルーA

「....分かった、俺の負けだ、ほら、負けを認めたんだからさっさとどっかに行ったらどうだ、所であんた、いいタバコの趣味してんな....そのタバコ旨いんだよな....最近は売ってんの見かけねえけど」

 

 

???

「ああ、そうするよ、これは成人する前から吸ってるからな、宇宙の故郷の味だ」

 

クルーA

「アンタの名前を聞いても良いか?」

 

 

???

「俺の名前か、俺の名前は...ジョン、ジョン・スミスだ、それじゃあな」

 

 

そうして彼はタバコのソフトケースをしまい、喫煙室を後にした

 

クルーA

「あんた!ライター忘れt....行っちまったか、今度あったら返すか...」

 

 

 

 

???

「まあ俺の方がやってることの罪は重いし、このタバコの味も地球に落ちた故郷の味だがな」 

 

彼はボソッと呟いた

 

 

 

 

 

 

 

 

???

「ようやくエアロックまで着いた.....」

 

 

彼は半身を外に晒す

 

 

 

 

マルティー

「ようやく格納庫がよく見えるポイントまで来れた.....グレン・ドネリー....どこにいるんだ.....普段から俺たちMSパイロットに楯突いてて腹立つけど今回だけはアイツが作戦の鍵を握ってるんだッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マルティー

「頼む….出てきてくれ…これ以上接近したら発見されちまう…..」

 

 

 

 

グレン

「マルティー・ホフマン…どこにいるんだ……あまり長時間は外にはいられない…….」

 

 

 

 

 

マルティー

「こうなったら一か八か可視光通信の発光でこっちを見つけて貰うしかないッ!!……頼む….気づいてくれ…..」

 

そうしてドム[ヴィーダーシュタント]のモノアイが点滅する

 

 

 

 

グレン

「あの発光は!………ヴィクトル・エドワーズの乗るドムのモノアイの発光か!!」

 

 

そうしてグレンは慌てて手に持っていた可視光通信装置をドム[ヴィーダーシュタント]へと向ける

 

 

マルティー

「いた!居たぞ!!グレン・ドネリーだ!一か八かで賭けた甲斐があった…….」

 

 

 

 

そうしてグレンの持つ可視光線通信装置から光が発せられ、ドムへと情報が伝わる

 

 

 そうして宇宙空間で1人の人間とMSが交信を始める

 

 

 

 

そうしてドムは動き始める

 

 

 

 

 

 

 

グレン

「よしこれでマルティー・ホフマンとコンタクトが取れた、早く機関室に行かなければ..........」

 

 

 

 

 

艦内では先ほどの本艦前方での戦闘時、第一種戦闘配備が発令され、余裕のある者からノーマルスーツの着用を指示されていて、作業員だけは全員ノーマルスーツを着ていた為、グレンのノーマルスーツ姿には誰も触れなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方カリード達は......

 

 

ミオル

「隊長すみません.....私のせいで艦を危険に晒してしまいました.....」

 

カリード

「最終的には大丈夫だったんだろ?それに俺もここに留まっていたせいで艦を見ることしか出来なかった、被害は出てないんだから落ち込むな、まだ戦闘は終わってない」

 

カリードは目に見えて落ち込んでいるミオルを励ますように言った

 

ミオル

「そうですね....所で隊長、私が離れていた間こっちで戦闘はありましたか?」

 

カリード

「今のところは接敵していない、まだどこかに潜伏しているだろう....そうだ、艦の護衛はどうなってる?」

 

ミオル

「3、4番機が出撃、護衛に回っています」

 

カリード

「なら大丈夫か....ミオル、まだ攻撃を仕掛けて来るかもしれない、警戒は怠るなよ」

 

ミオル

「はい」

 

カリードは状況が一段落付いたことに安堵し、自然に入っていた肩の力を抜いた

 

 

 

 

 

 

その瞬間  

 

ある機体が動き出した

 

 

 

 

その機体はオールドローズの船体に足の底についている爪を食い込ませバーニアを噴かす 

 

 

 

 

リーダーと思わしき者は簡易的なホールドバックリリースで爆発的な加速をしようとした

 

 

足元の船体の一部が機体の推力に引っ張られ軋む

 

 

ガガガッ....ガガガガ

 

リーダーと思わしき者

「ショータイム、と行こうか......」

 

 

バコンッ!

 

足元の爪が食い込んだ船体の一部が推力に負け、千切れ、機体がものすごい加速で飛び立つ

 

 

 

 

 

 

一方ファントムアルビオンでは.....

 

 

グレンは周りからの視線が気になってしょうがないのを堪えながら機関室へと通路を歩く

 

 

グレン

「俺....不審に思われてないよな?.......あと少しだ....」

 

 

 

 

 

 

周りに人が居ないことを確認する為、必要以上に辺りをキョロキョロと見渡す

 

 

 

 

 

そうして

 

 

 

グレン

「キーカードの差口はどこだ?.....」

 

 

機関室のドアの操作パネルを入念に見る

 

カバーをスライドさせると

 

グレン

「ここが差口だな?」

 

そうして差口にハッキング用の機械の着いたカードを刺す

 

そうしてカードの機械に付いているボタンを操作すると機械についているランプが赤く点滅を始め...

 

 

 

ピッピッピ...

 

 

ピーッ

 

 

 

緑色に変化した

 

それと同時にドアが開いた

 

 

グレン

「よし...開いたな...」

 

差込口に刺していた物を抜き、恐る恐る機関室の中へと足を進める

 

 

コツ コツ コツ

 

シュバッ

 

そして数歩進みドアが閉じた瞬間

 

 

 

ゴツッ

 

その瞬間グレンの船外作業用のノーマルスーツの後ろ、腰辺りに何かが当たる音がした

 

 

グレン

「なんの音だ?ゴミでも当たったのk…….何ッ?!」

 

グレンが振り返った先には......

 

 

 

 

 

ノーマルスーツに当たった物はゴミではなくアタッチメントの着いていない、ハンドガン[P226Mk.25]の銃口だった

 

グレンは反射的に両手を上に上げる

 

 

ダニエル

「ここで何をしている」

 

グレン

「機関室の操作を機関長に頼まれて.....」

 

ダニエル

「名前を聞いていいか」

 

グレン

「おれの名前は..ジョン・スミスだ....早くそれを下げてくれよ....」

 

グレンの頬に冷や汗が一滴滴る

 

ダニエル

「その手に持っている物は?」

 

グレン

「ッ......」

 

ダニエル

「ここで撃たれてくないなら大人しく諦めて降参するんだなジョン・スミス.....

 

いや、グレン・ドネリーと呼ぶべきだな」

 

グレン

「ッ?!?……何故その名前を?!?……」

 

グレンは不意を突かれたように顔が青ざめる

 

ダニエル

「この艦には偽名を使っている者が沢山いる、だがこの艦はアナハイムの物だ、連邦でもジオンでも無い、搭乗員の過去は全て調べられている、お前は元々ジオン残党兵だった、だがこの艦来ても尚、残党として活動し、この艦を危険に晒すようなことをしようとしている、俺の言うことを聞いてもらうぞ」

 

グレンはゆっくり手を下げ

 

グレン

「ッ.......くそッ.......そう簡単にやられてたまるかッ!!」

 

グレンはノーマルスーツの内ポケットからハンドガンを出し、ダニエルへと向けようとする

 

その瞬間

 

 

 

 

機関室内に9×19mmパラベラム弾の炸裂音が2発、響く

 

 

 

 

2つの空になった薬莢がカラカラと音を立て床に落ちる

 

 

 

グレンの手から使い古されたナバン62式が鈍い音を立て床に落ちる

 

 

 

 

 

 

生暖かい液体が下へ下へとグレンの身体を伝い落ちていく

 

 

そしてノーマルスーツに空いた穴へと滲み出る

 

 

 

身体からふいっと力が抜けたように正面から倒れる

 

 

 

バタン

 

 

首の後ろにつけていたヘルメットには小さな肉片と血液が着いていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カリード

「人が......」

カリードを吐き気や気持ち悪るさ、2つの不愉快なものが襲う

 

 

ミオル

「どうしたんですか?隊長」

不思議そうに聞く

 

カリード

「いや..なんでもn....ミオル!避けろっ!!」

反射的に言う

 

 

 

ミオル

「えっ...どうs」

 

 

2番機の脚部がグチャグチャに砕け散る

 

 

カリード

「ミオルゥゥゥゥゥッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

to be continued

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも.....14話、ご覧いただき有難うございました....
実は14話書き終わったタイミングでインフルにかかってしまい、投稿が一週間ほど遅れてしまいました.....
とりあえずは治ったんですがまだ体力が戻って無くて少し辛いですね....

そういえば最近ジム改を買いました.....
これでジムアルブスを作れるかも.....
ということでいつか完成したらTwitterのリンクでも貼りたいと思います...
ということで次回もお楽しみに(^^)


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15話 危機

どうも、15話が完成してからずっと1〜7話辺りまで加筆修正してたんですが、7話の文字数が元々7000文字辺りだったのが10000文字を超えてしまいましたwwww
更に、加筆修正前は平均文字数が4000手前だったのに5000文字を超えましたww

ということで15話、御覧ください!!


2番機の脚部がグチャグチャに砕け散る

 

2番機の脚部を粉砕した機体はそのままこっちに突っ込んできた

 

リーダーと思わしき者

「お前もそのまま粉砕されろッ!!」

 

カリード

「死んでたまるかァァッ!!」

 

そう叫びながらカリードはフルスロットルで左舷スラスターを噴かし回避した

 

 

リーダーと思わしき者

「避けられたッ..コイツ...やるなぁッ....」

 

今の攻撃を綺麗に避けられるとは思っていなかったのか、今の一瞬の動作でリーダーと思わしき者はカリードの強さを確信した

 

カリード

「この機体は?!?...ゲルググなのかッ?!??」

 

シルエットはゲルググと変わりないが、カリードの知るゲルググとは仕様が違った

 

そうして2機の機体は宇宙空間に静止した

 

カリード

「コイツが隊長なのか?.......」

 

リーダーと思わしき者

「コイツ......隊長か....」

 

二人は硬直して、睨み合いをしていた

 

 

カリードはハッと思い

 

カリード

「ミオルッ!!!ミオルッ!応答しろ!!」

 

カリードが必死に応答を要求したが全く応答はなかった

 

よく考えてみたら静止している機体に数100kmの機体が衝突したようなものだ

きっとものすごい衝撃がミオルを襲ったのだ

気絶していてもおかしくはない

 

だが何故接近警報が鳴らなかったのか

 

ゲルググらしき機体をよく見てみると機体表面が少し変わった質感をしていた

 

 

《s》《/s》もしやこれが原因か?...

 

 

カリードはそう判断することにし、とりあえずの手段として警告をすることにした

 

 

カリード

「警告だ!!貴機は既に公式に組織に所属している機体を攻撃している!所属と名前を言い、指示に従え!!」

 

第一印象で格下だ、と思われるのはこの状況では良くない、強気に出る

 

リーダーと思わしき者

「公式な軍じゃないであろう?!」

 

だがそれに対抗して来る

 

カリード

「お前らのような残党とは違う....アナハイム・エレクトロニクスのMS研究部隊所属、フクスだ!」

 

[清掃隊]は秘密裏でそれをカバーする為、名前以外はマニュアルに沿って警告する

 

 

フクス()....もしやTACネームか....さては貴様元戦闘機パイロットか何かだな?....

 

クレーエ(リーダーと思わしき者)はカリードの過去を見抜いていた

 

 

カリード

「ほら、こちらは所属と名前を提示しているだろう?そっちも提示するのがセオリーなんじゃないのか?」

 

自分から名乗らせようと、ゲルググらしき機体のパイロットを煽る

 

リーダーと思わしき者

「ほぉ...AEのMS研究部隊...それがカバーストーリーか....いいだろう...名乗ってやろうじゃないか...我らはジオン残党革命軍....そしてそこに属するモビーディック隊の隊長、貴様がフクスと名乗るのなら私はクレーエ()とでも名乗らせてもらおう...」

 

まるで貴族が喋っているかのような雰囲気だった

 

 

何?!我々の正体がバレている?!?..

 

既にカリードらの存在がバレていることを知ると、内蔵を冷たい指で撫でられているような感覚が襲った

 

 

クレーエ(リーダーと思わしき者)

「我々はただのジオン残党ではない.....我々はジオン公国復活などはどうでもいい......確かに我々ジオン軍はアイランドイフィッシュを地球に落とし、地球の人々を大量虐殺した、だが彼らを殺したのは軍人であってジオン国民ではない、なのに連邦軍は.......家族達....何の罪もないジオン国民を、男はなぶり殺し....女は強姦した挙げ句殺され.....私達はただ憎き地球の重力に縛られし者たちが罪の無いジオン国民につけてきた傷と同等のことをしようというのだ!!これはその為の準備なのだ!」

 

彼は豹変したように態度を変える

 

カリード

「ジオン残党革命軍....ここの施設はアナハイムであって連邦ではない!何故こんな事をする!!」

 

一方的で極端すぎるとも言えるその理由に対して、カリードも腹が立ち反論する

 

クレーエ(リーダーと思わしき者)

「アナハイムは一年戦争時、連邦側に付き、更に戦後は我がジオン公国の企業であった数々の企業を買収しジオンの技術を吸収したのだ!あの数々の企業はもう戻らない!この企業は連邦と変わらない!!だからこのようなことをするのだ!」

 

だが彼はカリードの話を受け止めていないかのようにを話を続ける

 

カリード

「そんな罪を犯して何になる!?」

 

その言葉はクレーエ(リーダーと思わしき者)にとって刺さる言葉だったのだろう

 

クレーエ(リーダーと思わしき者)

「アナハイムのMSパイロットには分かるまい?...この屈辱が、この苦しみが.....アナハイム風情にはぁッ!!」

 

クレーエ(リーダーと思わしき者)は更に沸騰した怒りを顕にして機体を急加速させた

 

カリード

「コイツぅッ?!」

 

 

 

カリードは左舷スラスターを噴かすものの、クレーエ(リーダーと思わしき者)の乗るゲルググらしきMSの加速は物凄く、1番機の左腕にビーム・ナギナタが掠ってしまった

 

だがこのチャンスを無駄にするまいと瞬時にビーム・サーベルを抜き、振り下ろす

 

カリード

「このぉッ!!」

 

振り下ろしたビームサーベルはゲルググらしき機体の左脚部を掠った

 

クレーエ(リーダーと思わしき者)

「しまった、左脚部がッ.」

 

そうしてそのままゲルググらしき機体は加速を続け、1番機と距離を取る

 

だが

 

カリード

「逃すかぁぁッ!!」

 

カリードもすかさず急加速をし、クレーエを追う

 

 

 

 

2機は大量に小惑星や様々な残骸が浮いている宙域を、命を惜しんでいないような速度で飛行した

 

カリード

「こんな場所をこんな速度で飛ぶなんてッ...こいつは頭のネジが数本外れてるのか?!?」

 

そう言いながら、機体操作に手一杯で、当たらないと分かっていながらビームライフルを撃つ

 

 

ゲルググらしき機体はスレスレで1番機の放つビームを避ける

 

クレーエ(リーダーと思わしき者)

「この狐ッ...こっちが必死に飛んでいるっていうのに一体どんな神経の持ち主だというんだ?...」

 

 

二人は熾烈に飛行していた

 

クレーエ(リーダーと思わしき者)

「このままでは泥沼と化してしまうッ....えぇいッ!!」

 

そうしてクレーエは減速Gに耐えながら前方のスラスターを噴射し、衝突を回避する為軽く上昇した上で急減速し1番機の後ろに付こうとした

 

その瞬間

 

カリード

「おいマジカよッ!!」

 

そう言いながら脚部のスラスターを噴かし、進むベクトルは変えないまま脚部を前に出し、機体の向きを反転させた

 

クレーエ(リーダーと思わしき者)

「何ィッ?!?」

 

そして機体同士が向き合った状態ですれ違った瞬間

 

カリード

「くらえぇぇぇッ!!」

すかさず頭部バルカンを発砲する

 

ズババババババッ!!

1番機の放ったバルカンゲルググらしき機体の正面に着弾した

 

 

だが近距離になったそのタイミングをクレーエ(リーダーと思わしき者)は見逃さなかった

 

クレーエ(リーダーと思わしき者)

「当たれぇッ!」

 

ゲルググらしき機体は左手に持っていたビームライフルの引き金を引く

 

 

カリード

「しまったッ!!.....」

 

ビームは1番機に直撃しコックピットに物凄い振動が伝わり、カリードの身体が左右に揺さぶられる

 

 

《WARNING》左太腿部破損《WARNING》

 

 

1番機コックピット内のパネルには機体の損傷を伝える為左太腿が赤色になっていた

 

カリード

「太腿か..死んだかと思ったッ....クソぉッ!」

 

カリードは機体の向きを元に戻し再びスラスターを噴かしながら旋回する

 

クレーエ(リーダーと思わしき者)

「待てぇッ!!チッ......」

 

やったと思ったのに仕留めきれておらず舌打ちをし、クレーエは一度失速した機体を再度加速させる

 

 

 

 

 

カリード

「ここだッ!!」

ある程度オールドローズに接近してきたタイミングで1番機の腕部に付いているグレネードランチャーのスモーク弾を撃つ

 

 

クレーエ(リーダーと思わしき者)

「クソッ..スモークかッ...」

 

1番機はその隙にオールドローズ付近のデブリの裏に隠れる

 

悔しながらもクレーエは1番機を見失ってしまった

 

 

 

カリード

「このままじゃ左脚部が重りになっちまう.....バランスは崩れるが...仕方ないッ...」

 

そうして1番機は手にビームサーベルを取り

 

 

デブリの後ろで左脚部を切断した

 

 

 

 

一方オールドローズ内では....

 

デイル

「炉の起動を確認、基準値まで到達、電圧、油圧、各部温度問題なし、各部フィールドモーター異常なし、IFF設定は...設定されてないよな....ひとまず味方の設定は連邦、アナハイム、敵設定ははジオン系機体一式でいいか」

 

デイルは計器やモニターを頼りに機体の起動シークエンスを進める

 

 

そこで普段乗るような機体には付けられていない、実験用に取り付けられたであろう追加モニターに、あまり目にしない項目があることに気がついた

 

デイル

「機体観察用データリンク...実験のためにインストールされていたのか....アクティブにしておこう...よし...他も問題なし....よし」

 

 

そうして落ち着いた表情で胸辺りに付いているPTTスイッチを押し

 

ガッ

 

デイル

「こちらデイル、機体の準備は完了だ」

 

すると勢いよく

 

ケヴィン

「ああ、こっちでも確認出来たよ!機体観察用データリンクをアクティブにしてくれたみたいだね、アクティブにしてくれと言おうと思ってたのに先にやっといてくれるなんて、ありがたいよ」

 

そして割り込むように

 

ノーマン

「ケヴィン、機体はもう射出出来るのか?」

 

ケヴィン

「機体にはまだボーディングブリッジが接続されているし水槽内にまだメンテナンス用や機体の状態チェック用の機材が展開されてるんだ、それを格納してからじゃないと機体やここにダメージが入る可能性がある、機体や施設にダメージが入らない程までに格納するのに約4から5分かかる」

 

ノーマン

「分かった、急いでくれ」

食い気味に言う

 

 

 

オールドローズ付近宙域では....

 

 

ゆっくりと機体の一部がデブリの後ろから姿を表す

 

 

するとそれに凄まじい速度で食い付き

クレーエ

「そこかぁッ!!」

 

ライフルを撃つ

 

ビシューン!!

 

辺りが爆発の煙で見えなくなる

 

 

 

 

 

  手応えが軽い

 

そう思った瞬間

 

クレーエ

「しまったッッ!!!」

 

 

左脚部丸々を切断し、機体がアンバランスになりながらもスラスターを噴かし高速でデブリの後ろから出てくる

 

カリード

「取ったぁッ!!!」

ビームを放つ

 

 

《s》 《/s》ここまでなのか...

クレーエは死を覚悟した

 

 

だが

 

 

 

《s》 《/s》しまったッ

 

ビームはゲルググらしき機体の頭部スレスレを通り過ぎ、頭部のツノ型アンテナの先端が溶ける

 

クレーエ

「狐...外したかッ!!」

 

 

 

 

機体のバランスの影響で機体が予測不弾道がズレてしまった

 

クレーエ

「運は私に味方したなぁッ!!」

 

そうしてゲルググらしき機体は瞬時に正面にビームライフルを構え、撃つ

 

 

カリード

「クソォッ!!」

 

左に避けようとスラスターを噴かす

 

 

しかし

 

 

 

機体は左に動くが、それと同時に左横に回転するような動作をした

 

カリード

「しまっ......」

 

 

 

 

 

 

ゲルググの放ったビームが機体に直撃した

 

 

 

 

 

 

to be continued




15話ご覧いただきありがとうございました!
15話内でクレーエ(リーダーと思わしき者)が見抜いたのですが、マニュアルに沿って警告する際に名乗った名前はカリードの戦闘機パイロット時代のTACネームです


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16話 打開の希望

どうも投稿者です
あけましておめでとうございます(もう三月になる)

わたくし、期末が終わりましてそのノリで学校が終わった後ナイターでスキー場に行って3年ぶりぐらいにボードしてきたんですよね。
転びすぎて身体壊れるかと思いました^^

そういえば前も私がLINEでプラモのオープンチャットをやってるとは言ってたはずなんですが、とうとう総人数が26人程になりました^^

これ見た方は是非参加してみてくださいね^^

それでは16話、ご覧ください!!



16話

 

ピーッ.....

 

 

 

ピーッ......ピーッ.....

 

 

 

ピーッピーッピーッピーッ

 

 

 

 

うるさい程の警告音と赤く点滅したモニターの光で気を取り戻した

 

 

周りを見ようと体を動かそうとする

 

 

体の全身をむち打ちしているようで、全身が痛い

 

 

 

 

 

 

《s》 《/s》そういえば私は何をしていたんだろう

 

MSに乗っていること

 

 

 

そして先程、聞いたことのある男性のような声が微かに頭に響いていたことだけが記憶に残っている

 

 

 

 

 

記憶に靄がかかったようでなかなか思い出せない

 

 

 

 

 

あと少し.....あの声をしているのに...

 

 

 

 

 

 

ピースが欠けているように思い出せない

 

 

そして眼の前にあるモニターを見てなにか無いかと、様々なデブリが辺りに浮いている宙域探す

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

遠く、数数百メートル先に、ある機体が目に入った

 

 

《s》   《/s》あれは

 

もっとよく見るため、コックピットの側面のコンソールを操作し倍率を変え、拡大した

 

 

その瞬間

 

 

 

 

 

 

その機体に何処からか放たれた光が直撃し、少し大きな丸い光が見えた

 

 

 

 

ミオル

「隊長ぉーッ!!」

 

ふと口から反射的にその言葉が出る

 

その瞬間、記憶が戻り、この状況がやっと理解できた

 

 

 

《s》 《/s》私は急に出てきた機体に攻撃を受け、気絶していたんだわ.....

 

 

 

急いで隊長の元へ

 

 

 

そう思いスラスターを噴かそうと身体の痛みを感じながらもスロットルを全開にしようとする

 

 

 

無事に機体が加速したと思ったが、両脚部が見事なまでに砕け散っているためバランスが崩れていてまともに真っ直ぐ飛べなかった

 

 

ミオル

「そんな.....眼の前で隊長が撃たれたっていうのに援護も出来ず、死んでいく所を見ていろっていうの?!」

 

 

そう言い、自分の無力さに対して悔しがりながら操作レバーを上から握りこぶしで強く叩く

 

 

ふとミノフスキー粒子濃度メーターを見ると、辛うじて通信できそうな濃度まで低下していた

 

そうして少しでも足掻こうと、一か八か誰かが応答してくれることを願い、開放通信で話しかけた

 

 

 

一方オールドローズ内では...

 

 

ケヴィン

「もうすぐ全作業終了するよ!もう機体は射出できる」

作業が終了する数秒か前に、コンソールを操作しながら言った

 

 

ノーマン

「もう機体は射出できるんだな?」

冷静に真剣みのある表情でケヴィンを見ながら言う

 

 

 

その瞬間

 

別の機器が何かを知らせるため、光と音を放った

 

ノーマンはそれに素早く反応し

 

ノーマン

「これはなんだ?」

 

異常が起こっているのかという表情でケヴィンに話しかける

 

ケヴィン

「これは実験時の通信系のコンソールなんだけど、通信を受信したみたいだ、けどこの状況で何故....」

 

不思議がって悩んでいると

 

ノーマン

「もしや...早くその通信を回してくれ!」

 

ふと何かに気づいたように大きな声でケヴィンに対して言う

 

ケヴィン

「わかったよ、ちょっと待っててくれ」

 

ケヴィンも何か感じたのか、ノーマンに何も聞かずにコンソールを操作する

 

通信が繋がるまでの短い間にコンソールの上においてある無線機を手に取り、PTTスイッチを押す

 

 

ガッ

 

ノーマン

「こちらノーマンだ、その機体の射出後、敵対機体との戦闘になる可能性がある、心してかかれ、それと今外部から通信が来ている、もしかしたらそっちの方にも回すかも知れない、一応伝えておく」

 

 

デイル

「了解です」

 

何かあったのかと咄嗟に判断し、気合を込めるため、深呼吸をしながら太腿を軽く叩く

 

デイル

「なんかあったら頼むぞ...」

 

そう一方的にMSに声をかける

 

 

そうしていると...

 

 

 

 

ケヴィン

「よし....この部屋に回すよ!」

うまく作業がいったようだった

 

 

ザ....ザザ.....

 

ブツッ

 

ミオル

「誰か、応答してくれませんか?!こちらミオル・プレスターです!誰か、応答してください!!」

 

必死に通信をしている声が実験司令室に響く

 

ノーマン

「こちらESS隊長、ノーマン・ハリスだ、何かあったのか?」

ミオルが焦っていると感じたのか、できるだけ焦りが促進しないような言い方をする

 

 

 

ミオル

「私の乗っている2番機の両脚部が大破してしまってまともに動けなくなってしまって....そして隊長..1番機が被弾して小規模な爆発が.....」

 

焦りを本人なりに抑えようとしているのが声を聞く感じで捉えられたが、喋れば喋るほど不安定になっているように感じられた

 

そうしてノーマンはPTTスイッチを押しながら

 

ノーマン

「デイル、今の通信が聞こえたか?ケヴィン、射出できるんだろ?今すぐ射出準備をしてくれ。2番機のパイロット、これから機体を射出する、その機体のパイロットに無線で状況を説明してやれ」

流石は特殊部隊の隊長と言ったところだろうか、素早く判断し全員に指示する

 

デイル

「隊長」

 

このタイミングを逃したらもう聞けないと思ったのか、少し強めに言う

 

ノーマン

「どうした」

 

急にバッと言われたもので疑問に思ながら聞こうとする

 

デイル

「この機体、複座式なんですが、2番機のパイロットさん乗せて状況説明してもらうのは..どうですか?」

 

反対されかねないと思い、少し慎重に言う

 

 

ノーマン

「複座式?....何故早く言わない?!?」

 

急に言われたのもあるのだろうが、あまりに想定外のこと過ぎて一瞬頭が思考停止した後、何故今頃言ったのか問い詰めた

 

デイル

「すみません、あまりにこの機体の特徴的な点だったのでケヴィンから聞いているかと..」

 

強く言われるとは思っていなかったのか、少しだけ萎縮していた

 

ノーマン

「ま....まあいい...ケヴィン、複座式と言っていたが本当か?」

 

ケヴィン

「ごめん言っていなかったね、この機体は機体制御に1人、機体データ観測に1人、合計2人搭乗できるようになっているんだ」

 

この機体は基本極秘計画で関係者以外に説明する機会が無かったのだろう

 

まるで自慢の我が子の説明をするように少し隠しきれていない笑顔で説明する

 

ノーマン

「そうか、ならば乗せることは可能だな、ケヴィン、射出を頼む。デイル、射出後すぐに2番機パイロットを回収するんだ。2番機パイロット聞こえるな?すぐに回収要請信号を上げろ、機体が回収に行く」

 

ノーマンの迅速な判断のお陰で事がうまく進んだとその場の全員が感じた

 

 

ミオル

「ESSの隊長...ノーマンさん、機体って一体n」

 

ノーマン

「見れば分かる」

 

状況がイマイチ理解できていなく、機体について問い正そうとしたが言葉で遮られ、通信を切られてしまった

 

そのこんな状況でなければひどい対応と言えるような対応をされ困惑していると、機体に座標のデータが転送された

 

開いてみると 

 

 

オールドローズのMSRN液実験用に増設された区画付近の座標だった

 

 

ケヴィン

「それじゃあ...行くよ...」

 

意を決したように身体を動かし、コンソールにある非常射出用の赤いボタンを強く叩くように押す。

 

すると実験司令室と水槽内にあるスピーカーから警告音が発せられ、オレンジ色の回転式警告灯が発光し、実験司令室を照らす

 

そうしてプッシュ式の射出用のキーシリンダーに見たことのないような鍵を刺し、ぐっと押し込み回す

 

 

すると

 

 

《射出用キーの入力を確認しました》

 

《カウントダウンを開始します》

 

と、コックピットと司令室の両方に複合音声が流れる

 

 

《s》《s》とうとう射出か、よりによって戦闘とは

 

 

と少し緊張し、胃がすこしキリキリしながらも太腿をさすっていると

 

 

ケヴィン

「実はもう一回緊急射出ボタンを押すとカウントダウンを省略できるんだ」

 

と少し小さくぎりぎり無線に入るような声量で言った

 

デイル

「ん?今なんて」

念のためもう一回聞き直そうとした瞬間だった

 

《カウントダウンを省略します》

 

そう流れ

 

デイル

「おお?!?うわあぁぁぁ!!」

 

 

 

 

挙動が安定せず、常に暴れているような飛行を必死にコントロールしながら指定座標まで移動していた

 

 

すると急に、明らかに増設されたような見た目をしている部分の一部から何かが突き出てきた

 

 

 

ミオル

「何あれ!?モビルスーツ??!」

 

急に目の前で意味の分からない事が起こったのでつい、声が出てしまった

 

 

 

 

ミオル

「ジム系のMS.....これは....」

 

 

 

出てきたMSは特徴的な頭部を持っていた

 

そしてそのMSは少しの間何かを探すように周囲を見た後、ミオルを回収しようとしているのだろうか、こちらに近づいてきた

 

 

そこで急いで確認をしなければと思い、少し不安に思いながらも無線で話しかける

 

ミオル

「そこのMSに乗ってる方、ノーマンさんが言ってたので間違えないですか?」

 

 

デイル

「そうだ、あんたが2号機のパイロットだな」

 

と、初めて乗った機体であるはずだがしっかり自分のモノに出来ているような動作をしていて、尚且つ思ったよりも落ち着いているような感情で喋っているようだった

 

ミオル

「そちらに移ります、ハッチを開けてください」

 

少し焦っているせいで少し冷たい対応をしてしまう

 

 

《s》 《/s》早くしなきゃ...

 

そう思いつつ、失敗できないことなので深呼吸し心を落ち着かせようとするが、汗でパイロットスーツの中はジメジメしていて、更に全身むち打ち等の相乗効果のせいか、少し手が震える

 

正面から向かってくるMSに乗り移るため、2番機の前方のスラスターを噴かし後方に少し下がり、相対速度を合わせつつパッチをオープンした

 

 

完全に減圧する前にハッチを開けたため、コックピット内の空気が外に出て、少し身体を持っていかれそうになる

 

 

そして正面のモニターが眼の前から無くなり、その代わりに外の宇宙空間の景色が直に目に入る

 

 

 

人ひとり分程の小さな窓のようなコックピットハッチからの風景がMSの胴体で埋め尽くされそうになってきた所で、4点シートベルトを外す

 

機体から出ようと立ち上がろうとした瞬間だったが、「私をここまで守ってくれたのに捨てるなんて」という感情が頭を過る

 

そして申し訳程度に機体回収のビーコンを炊き

 

ミオル

「ここまでありがとう」

 

そう小さな声でつぶやき、シートから立ち上がり、少しばかりの別れを告げるかのようにに背もたれを強く蹴り、MSのコックピット目掛けて、不安の気持ちを断ち切り2番機のコックピットから飛び出す

 

 

 

鳥かごのような小さな空間からもう一つの小さな空間へと移る

 

 

 

MSのコックピットの中には紺色のノーマルスーツを纏った人が見え、少し身体を乗り出し手を差し伸ばしてきた

 

 

そうしてその差し伸ばされた手に触れられそうな距離になると

 

 

その腕をしっかりと、希望を取り戻したように握りしめた

 

 

 

 

 

 

その時

 

 

 

 

 

 

クレーエ

「あのMS....私が脚を粉砕した....まだ動けたのかッ....狐、お前は後回しにしてやるッ....」

 

 

あの時仕留めておけば

 

と後悔しながらもう1番機は行動不能と判断したのかカリードを放置し、その2番機とその近くにいるMSを仕留めようと急加速していく

 

 

カリード

「くそッ!待ちやがれ!クソぉぉぉぉぉぉッ!!」

 

 

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

 

 

2番機スレスレを一つの光が取り抜け、機体の塗装や細部が溶ける

 

 

 

 

 

 

その瞬間、ミオルとデイルの間に緊張が走る

 

だがデイルはその緊張を振り払うようにミオルの手を引っ張り、コックピットハッチを閉める

 

 

ミオル

「ありがt..」

危機に面していながらも感謝を伝えようとすると

 

デイル

「早くシートに座ってシートベルトを!」

迫真的に言う

 

デイルはプレッシャーがかかり、少し焦っているのを隠しきれず、多少表面上に出ていながらも、面と向かって必死になり戦おうとしていた

 

デイル

「しっかり掴まってて、そして状況は?」

少し震えている手でスロットルを全開にしながら、状況を聞こうとする、表面上だけでも冷静さを保っていたい、失いたくないという感情がひしひしと伝わってくる

 

ミオル

「隊長と私が戦闘した機体は合計3機、1機目は母艦付近で行動不可、2機目はオールドローズで片腕部破損、3機目は正面の機体、多分あの機体が隊長機、私の2番機をあそこまでボロボロにした張本人です」

 

メインモニターに映し出されている、殺意をこちらに向け迫ってくるゲルググらしき機体を睨みながらその機体に恨みのような感情を抱き、まだ落ち着かず少し震えた声で言った

 

 

 

クレーエ

「この新たに出てきた機体もやはりアナハイムの...ッ!!」

 

 

ミオル達の乗るMSの特徴的な頭部センサー、ツインアイがゲルググらしき機体の方をはっきりと向いた瞬間だった

 

 

 

 

 

 

一瞬、その狂気とも言えよう殺気が何か、恐怖心なのか、怒りなのかは分からないが、何か別の感情を抱いているような気がした

 

 

 

 

ミオルはそのほんの、あると言っていいのかすら分からないとても小さな隙を見逃さなかった

 

そのあるのかどうかわからない隙に賭けるしかなかった

 

ミオル

「今よ!」

 

 

ビシューン

 

 

クレーエ

「しまっ...コイツッ!!」

 

そのまま直進して追突しても良かったが、あの機体にその攻撃をしたくない、出来ないという拒絶反応のようなものがあり、そのまま機動を左に逸らした

 

自分でも気づかないようなほんの小さな油断を突かれていることに気づいたのか一気に焦ってしまい機体操作が乱れる

 

 

 

 

 

それと同時に、あの機体に対する憎悪のようなものが爆発した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲルググらしき機体は距離を取ろうとしているのか、この機体から離れていく

 

ミオル

「あの機体、追わなくていいんですか?」

 

せっかくあの機体に攻撃が入ったのに、この機会を逃したくないという気持ちが出ていた

 

デイル

「いや、あいつはまたこっちに向かってくる、あのほんの一瞬の小さな隙はきっとこの機体、この連邦を象徴する”顔”のせいだ。あいつは次こそは仕留める、と本気で俺たちを殺しに来るはず...」

 

そう深く考え事をするように顎に手を当てながら、深刻そうに考える。

 

この見た目だけの機体でどうあの機体に勝つか、どうやってこの圧倒的な状況を打開すべきなのか。

 

 

 

そう考えているうちにやつはやってくる

 

 

 

 

クレーエ

「今度こそは....今回こそは仕留める....その顔...どれだけ恨んだことか..憎んだことか!...仲間達..家族...ジオンの仇!!ガンダムッ!!!」

 

 

と迫真の声で、まるで我々を殺し自分も死ぬという覚悟を持っているかのように....

 

 

 

 

 

 

 

 

一方ファントムアルビオンでは

 

 

 

 

 

艦長

「戦闘が長引いているな.....」

ミノフスキー粒子のせいで長距離通信ができず、更にあまり視界も良くないし辺りにジオン残党の機体が隠れている可能性もあるから下手に接近出来ず頭を抱えていた

 

 

だが艦長は割り切った

 

艦長

「ハリエット君、本艦護衛中の2機に通信を繋いでくれ」

 

何かを思いついたようにパッと言う

 

 

ハリエット

「なにか提案が?」

 

なにか思いついたのだろうと思いつつも、これからどんなことをするのか気になり聞こうとする

 

 

艦長

「護衛に回っているどちらかの機体を援護に回す」

 

少し顎を触り悩んでいる様子で言った

 

 

ハリエット

「本当にやるんですか?ただでさえ....」

この状況で更に機体を送ってどうするのかと言おうとしたときだった

 

艦長

「この状況を打開せねばならんのだ!やるんだハリエット君」

 

あまり普段強い口調で喋らない艦長が大きな声を出したことに対して、ブリッジの人間はみんな艦長の方を向いた

 

艦長

「急に大きな声を出して済まない..だがこの状況を打開しなければいけないのは事実だ、みんな、この状況では不安になるのも分かる、だが我々がここで息を潜めている間にもMS隊やESSeの隊員は一生懸命戦っている!これから一気に動く、皆気合を入れてくれ」

 

とブリッジ内に熱い声をかける

 

そうするとブリッジのあちこちから気合を入れる声が飛び交い始めた

 

 

艦長

「それでは二機と通信を繋いでくれ、そしてパイロットは誰でもいい、予備機の1機の出撃準備、そして予備機は護衛に回してくれ」

 

 

ハリエット

「分かりました」

そう言い、コンソールを操作し格納庫に呼びかけ機体の準備を急がせた

 

 

そして

 

ハリエット

「艦長、繋ぎます」

 

そう言うとブリッジの正面にあるモニターに二人の顔が映し出される

 

ハギル

「どうしたんすか艦長」

なにかあったのかと疑問そうに聞いてくる

 

艦長

「君らのどちらかをオールドローズの援護に向かわせたい、どちらか行きたい者はいるか」

真剣な目つきでモニターを見つめながら言った

 

 

ハギル

「だったら彼女を行かせてあげてほしいっす、うちは護衛に徹底したいんすよ」

 

といつも楽観的なハギルが真面目に言ってくるので艦長はそれを受け止めた

 

艦長

「ハギル君、君の意思は十分受け取った、だがトリア君、君はそれで大丈夫かい?」

 

そうまるで保護者かのような優しい喋り方で言った

 

だが

 

トリア

「私は大丈夫だよ!任せて!」

 

やはり彼女はこんなときでも元気だった

 

 

《s》 《/s》まだ戦争に関わるには幼すぎるのだ

 

そう思いながらも

 

艦長

「わかった、それでは援護に行ってくれ、決して無理はしないでくれ、何かあったら撤退しても構わない」

 

そう声をかけると

 

トリア

「わかったよ!行ってきます!」

 

そう無邪気に喋りながらものすごい加速でオールドローズへと向かって行ってしまった

 

 

ハリエット

「艦長...本当にあの子で大丈夫だったんですか?」

 

艦長がトリアと喋るとき、少しなにか考えていたことに気づいていた

 

 

艦長

「ああ、きっとあの子なら大丈夫だ...あの子ならあの明るさでこの自体も脱却してくれるはずだ....きっとあの子なら....」

 

彼は自分でこんな小さな少女に希望を託すという行為に対して大人気ないと思いながらも、そう願うしかなかった

 

彼女が上手くやってくれると

 

 

 

 

 

 

to be continued

 

 

 

 

 

 

 

 

 




16話、ご覧いただきありがとうございました!

15話投稿から2ヶ月経過してしまい申し訳無いですッ......

今回も約7000文字と長くなってしまったのですが、次回辺りでようやく戦闘が落ち着きそうです....

それでは次回もお楽しみに!



あとじゃんじゃん感想とか質問お待ちしてますので気軽にお書きください...できるだけしっかり返信させて頂きます..


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