ひろがるスカイ!プリキュア 炎と氷の竜 (水甲)
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01 ソラとノアの始まり

ソラちゃんが可愛すぎたので、書きました。
後ダブル主人公です!


気が付くと雨が降っていた。冷たい雨が体温を奪っていく。あぁこのまま俺は死ぬのか……まぁ仕方ないか。俺が弱いから…………

 

「…………ですか?」

 

声?何だ?誰の声だ?

 

「大丈夫ですか?直ぐに手当てをします!」

 

青い髪の少女が優しく俺を抱き上げた。これが彼女との出会いであった。

 

「私はソラ・ハレワタールです!あなたは?」

 

「俺は……ノア」

 

 

 

 

 

 

数年後

 

「ちょいちょいちょーい! ちゃんと捕まってないと落ちるで! お嬢ちゃん!」

 

青い鶏のおじさんの上に立ちながら目の前に広がる青空の景色を見て興奮するソラ。

 

「怖くないんか?」

 

「これくらいの事を怖がっていたら、ヒーローは務まりません!」

 

「おじさん、大丈夫だよ。落ちても何とか出来るし」

 

「と言うか兄ちゃんは何とかできるって?」

 

「まぁ色々とな」

 

「それにヒーローって?」

 

「はい! 私……」

 

ソラが答えようとした瞬間、目の前にある国が見え始めた。彼処が…………

 

「あれが……」

 

「せや! スカイランドのお城や!」

 

俺とソラの目的地。空に浮かぶ街と大きな城。

 

「楽しみですね!ノア!」

 

「あんまりはしゃぐなよ」

 

「安心してください!気を付けます!」

 

笑顔で答えるけど、心配だ……

そんなことを思っていると城の方から突然煙が上がった。何だ?事件か?

 

「え、えらいこっちゃ!」

 

「すみません……スピード上げて下さい!」

 

「はあ!? まさか、くちばし突っ込む気かい!?」

 

「見て見ぬふりはできません……」

 

「たくっ……俺は先に行くぞ」

 

「はい!」

 

「ちょちょちょ!?兄ちゃん、先に行くって……」

 

俺は飛び下り……街へと向かった。

 

「な……あの兄ちゃん……何なんだ?」

 

「ヒーローです。そして私も……ヒーローの出番です!」

 

 

 

 

 

 

さて、何とか着地したけど……騒ぎの原因は……あそこで赤ん坊を抱えてるブタみたいな奴みたいだな。街中で止めるとなると被害が出るし……一旦街の外で待ち構えておくか

 

 

 

 

街の外で待ち構えているとソラが合流してきた。

 

「ノアもこっちに!」

 

「俺が変に暴れれば被害が出るからな」

 

「流石です!ノア!ちゃんと考えているんですね!」

 

「お前が教えてくれたことだろう。ほら、来たぞ」

 

こっちに向かってくるブタみたいな奴。ソラは走る体勢になり……

 

「お前もふっ飛ばしてやるのねん!」

 

吹っ飛ばすか……確かに普通に止めようとすれば吹き飛ばされそうだな。

 

「よーい……ドン!」

 

ソラと一緒に駆け出し、悪人とぶつかる寸前に

 

「馬跳び!」

 

ソラは馬跳びをして、悪人を飛び越え、更に頭に蹴りを入れ、俺はぶつかる寸前に身を屈めて足を引っ掻けると、悪人は思いきり転がっていく。

 

「赤ん坊は?」

 

「無事です!」

 

ソラは優しく赤ん坊を抱き抱えていた。うん、大丈夫みたいだな。

 

「いたたっ、お前ら! 誰なのねん!?」

 

何だ。誘拐に失敗して逃げると思っていたらまだいたのか。

 

「私はソラ! ソラ・ハレワタールです!」

 

「俺はノアだ」

 

「ソラ! ノア!お前らの名は憶えたのねん!なぜなら、お前らの墓石に刻む名前が必要だからなのねん!」

 

お尻をこっちに向けて……まさか……

 

「ウェルカムトゥヘブン!」

 

悪人は思いきり屁をこいて、俺たちの視界と嗅覚を奪った。

 

「くっさ! 何食べると、こんなに臭うんですか!」

 

「下品だけどかなり有効な戦術だな……」

 

少しして臭い屁が晴れるとソラの手から赤ん坊が消えていた。

 

「ソラ!」

 

「はっ!?しまった!」

 

「いずれ必ずお返しにいくのねん! 今日のところは、さよオナラ!」

 

悪人は黒い穴へと入っていく。逃げられてしまったけど……

 

「こ、この穴は……」

 

ソラは覚悟を決めた顔をしていた。そうだろうな。ここで諦めるなんて出来ないだろうな。だからこそ俺はあえて……

 

「諦める気は?」

 

「ありません!」

 

「だろうな」

 

ソラと俺は共に穴の中へと飛び込むのであった。

 

 

 

 

大きな岩が浮かぶ空間。その先にさっきの悪人を見つけた。

 

「待ちなさい! ヒーローは、泣いている子供を絶対に見捨てない!」

 

「ま、まさか、ここまで追ってくるとは……さては、お前もこの子の力がほしいのねん?」

 

力?あの赤ん坊に何か秘密の力でもあるのか?

 

「力? あ……前、危ないです!」

 

「あ? 前?」

 

悪人は岩とぶつかり、何処かへと消えていく。解放された赤ん坊に向かってソラは手を差し伸べ……

 

「手を!」

 

赤ん坊を無事キャッチし、ソラは赤ん坊を落ち着かせるために優しく囁いた

 

「もう大丈夫です。パパとママのところに、お家に帰ろう」

 

「帰るにしても先ずはこの空間から抜け出さないとな」

 

「そうですね……あ」

 

目の前に眩い光が広がった。もしかして……出口なのか?俺たちはそのまま光の中へと入っていくと…………

 

 

 

 

 

 

 

「はっ?」

 

気がついたら、空の上にいた。と言うかソラは?いないし、それに落ちて……

 

「まずいな……仕方ない。こんな空の上だから多分大丈夫だろう」

 

誰かに見られると騒ぎになりかねない。それほど俺の力は………………

 




因みにノアは一旦出番終了です
デパプリと頑張って平行して書いていかないと……


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02 桜空とましろの始まり

一気に一話分終わらせます


昔見たテレビの中のヒーロー。僕はそのヒーローに強く憧れた。でも物凄い力を持っていたり、変身できたりすることは出来ないのは知っている。だからこそ……強くなろうと、どんな小さな事でも人を助けられるようになりたい。そんなヒーローに…………

 

 

 

 

 

「桜空くん、桜空くん」

 

「ん……ましろ、どうした?」

 

部屋でのんびりとしていると幼馴染のましろが入ってきた。

 

「今日一緒に買い物行くって約束したよね」

 

「そう言えばそうだったな」

 

「朝ご飯の時に話したことなんだけど……」

 

ましろは呆れた顔をしていた。朝は色々と考え事してたからな~

 

「直ぐに用意するから待ってろ」

 

「うん」

 

僕の両親はましろの両親と同じ様に海外赴任していて、今はましろの家に厄介になっている。最初は断っていたがましろの強い要望……と言うよりかは…………

 

「桜空くん、料理すると全部丸焦げにしちゃうでしょ。だからご飯時とか家に来て!」

 

と言われてしまい、厄介になっている。でも僕は悪くない。ただ火力は命だと思う。

まぁましろもだけどましろのお祖母ちゃんも優しいから割と居心地は悪くないけど…………

 

 

 

 

 

準備を済ませ、街へと出る僕ら二人。だけどましろはprettyholicのお店の新商品に夢中になってた。

 

「ましろ、見てると夕方になるぞ」

 

「あ、そうだね。早くお祖母ちゃんの買い物済ませないと」

 

まぁましろも女子だし、こういうものが好きなのは悪いことではないけど……

そう言えば何を買うんだ?

 

「買い物って何を?」

 

「えっと……ローズオイルに、シナモンスティック、あとは、干したカエルって、どこで売ってるのかな、それ?」

 

まず街に干したカエルなんて売っているものなのか?そもそも何に使うんだよ……

そんなことを思っていると不意に上から手帳が落ちてきた。ましろはその手帳を拾うと……

 

「なにこれ?」

 

「手帳だけど……どこの文字だ?」

 

見たことない文字だし……何なんだ?

 

「うわー」

 

何処からともなく声が聞こえ、二人で辺りを見渡すと空から人が落ちてきた。

 

「そこ、どいて下さい!」

 

あれって女の子!?と言うか退いたらグチャってなりそうだし、ここは何とか受け止めないと……

 

「って桜空くん!?」

 

「受け止めるしか……」

 

受け止める体勢を取ろうとすると、何故かさっきまで凄い勢いで落ちていたのに、急にふわふわと浮き出して着地をする女の子と赤ん坊。いや、本当に何なんだ?

 

「セ、セーフ……」

 

「空から女の子が落ちてくるものなのか?」

 

「いや、ないと思うけど……」

 

青髪の女の子は着地出来たことに安堵するけど、僕らを見て、慌て始めた。

 

「ご、ごめんなさい! ビックリしちゃいましたよね!? 実は、私も相当ビックリしてて!偶然、誘拐現場に出くわして、この子を追いかけて、不思議な穴にエイヤと、飛び込んだら、空の上にポコって! それで、ピューって!はっ!?えーっ!?なんですか、この変な街!あれ、何ですか!? あれは!?も、もしかして、ここって、魔法の世界!?」

 

「ターーーイム!」

 

青髪の女の子の慌てように対して、ましろは咄嗟にタイムをかけ、少し落ち着くのを待つと…………

 

「「これ夢だ~」」

 

「いや、夢で済ませるのかよ!」

 

思わずツッコミを入れてしまった。と言うか普通にあり得ないことが起きてるからって夢で済ませるのもどうかと思うし……

 

「夢でしたか」

 

「うんうん夢夢」

 

夢でいいのかよ……

 

「はじめまして、夢の中の人たち。私、ソラ・ハレワタールです」

 

「私は、ましろ。虹ヶ丘ましろだよ!」

 

「真倉桜空……」

 

「鉄の箱が道を走ってるなんて、夢の世界はすごいですね! この夢の街、名前は何て言うんですか?」

 

「ソラシド市だよ!」

 

「ソラシド市……あっ!」

 

ソラはましろが拾った手帳に気がついた。もしかしてこの手帳はソラの?

 

「え? ああ、これ? もしかして!」

 

「私のです! 拾ってくれて、ありがとう! とても大事な手帳なんです!」

 

「何て書いてあるの?」

 

「これですか? スカイランドの文字で、私の……」

 

ソラが何かを言いかけた瞬間、また何かが落ちてきた。

 

「夢の中、本当、何でもアリだよ!」

 

「夢であってほしかったけどな」

 

煙が晴れるとブタみたいな怪人がいた。何なんだ?こいつは……

 

「許さないのねん、ソラ……まずは、お前をボッコボコにして、それからプリンセスをいただくのねん!」

 

怪人を見て、赤ん坊は泣きそうになっているが、ソラは安心させるように笑顔で……

 

「怖くないですよ。私が守ります」

 

「守れるかな?カモン! アンダークエナジー!」

 

ブタの怪人が黒いエネルギーを作り出し、ショベルカーが巨大な怪物に変わった。

 

『ランボーグ!』

 

「普通に痛いよ! これ、夢じゃないの?」

 

ましろ、僕も夢だと思いたいけど、これは現実だよ。

 

「ノアは……はぐれましたか。仕方ありません。ましろさん……桜空さん、この子をお願いします」

 

「まさか……お前……」

 

「ソ、ソラちゃん、だっけ? 一緒に逃げ……行っちゃ駄目!」

 

ましろがソラの腕を掴み、止めるが、ましろは何かに気がつき、手を離した。

 

「何をごちゃごちゃ話してる! みんなまとめてぶっ飛ばしてもいいのねん?」

 

「相手がどんなに強くても、正しい事を最後までやり抜く……それが、ヒーロー!」

 

「ヒーロー…………」

 

ソラもなのか?ソラもヒーローに……

 

「時間を稼ぎます! 逃げて下さい!」

 

「ましろ、行くぞ」

 

「でも!」

 

「今はあの子を信じよう」

 

「……うん」

 

僕とましろはその場から逃げ出すのであった。何故かあの子は……ソラは信じられる。そんな気がする。

 

「そう言えば何で手を離したんだ?」

 

「あの子……震えてたの……」

 

震えていたか……そうだよな。普通に怖いもんな。だけどそれでも立ち向かっていくのがヒーローなんだよな

 

「見つけたねん!」

 

「あ……あぁ……」

 

追い付いてきた。どうする……いや、ソラだって頑張ったんだ。僕だって……

 

「ましろ!逃げろ!うおおおおおおお!」

 

「桜空くん!」

 

少しでも時間を…………

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、強い衝撃が僕の身体を襲った。

 

「いや……いやぁぁぁぁぁぁー!?」

 

ましろの悲鳴……立ち上がらないと……大丈夫だって……言って……安心させないと…………

 

薄れゆく意識の中、ボロボロになりながらも怪物に立ち向かおうとするソラの姿が………………

 

 

 

 

 

 

 

 

声が聞こえた。これはさっきのブタの怪人の声?

 

「空の上を怖がっていたら、ヒーローは務まらない。ヒーローは、泣いている子供を絶対に見捨てない。ブフ! 絶対、ヒーローになるぞ! ヒーロー! ハハハハ!」

 

バカにしてるのか?誰を?ソラを?

何かを破り去っていく音が強く響いた。

 

「力のないヤツは、ガタガタ震えて、メソメソ泣いてればいいのねん!」

 

何……笑ってんだ……あの野郎………………

 

「大丈夫……パパとママのところに……お家に帰ろう……」

 

ソラの声が聞こえる。諦めてない。

 

『相手がどんなに強くても、正しい事を最後までやり抜く……それがヒーロー』

 

僕も……ヒーローになりたい…………ソラみたいに正しいことを最後までやり遂げられるヒーローではなく…………誰かの夢を守れるヒーローに…………今も泣きそうなましろを守れるヒーローに…………なるんだ…………

 

『力をやろう』

 

誰だ?この声…………

 

『お前に力を授ける。お前の願い、夢は気に入った。我が力をお前に授ける!氷の竜の力を!』

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

気がつくと僕は立ち上っていた。それに気を失っている間に…………あの青いヒーローは……ソラなのか?

 

「桜空くん?」

 

「今は……あの怪物を!」

 

『力を解放しろ!叫べ!お前の魂を込めて!』

 

「氷竜!」

 

眩い光と共に僕の両腕が青に変わった。いや、変わったのは両腕だけじゃない。身体中に力がみなぎる!

 

「なんなんのねん!あいつはくたばったはずなのねん!」

 

「桜空さん……その姿は……ノアに似ている?」

 

『ランボーグ!』

 

ソラ?と共に怪物の攻撃を避けるが、あまりの跳躍力で一気にビルの屋上まで来ていた。

 

「よく分からないけど……凄い力だ……」

 

「やはり……でも桜空さんは普通の人間なのに……」

 

ソラ?は不思議そうにしていると、怪物が屋上までやって来た。

僕とソラ?は構え、怪物の攻撃をソラ?が受け止め、

 

「ハアアアア!」

 

僕が思いきり殴ると怪物はそのまま地面へと落ちていく。これなら戦える……けど……

 

「っ……!?」

 

「桜空さん!?血が!?」

 

右腕から血が吹き出る。もしかして物凄い力を得たけど……身体が耐えられない?

 

「あとは任せてください!」

 

ソラ?はビルの壁を駆け降り、拳を構え

 

「ヒーローガールスカイパンチ!」

 

怪物を殴り抜ける。怪物は何故か気分が良さそうにしながら……

 

『スミキッタ~』

 

元のショベルカーに戻ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

僕は屋上から飛び下り、何とか着地するが……うん、物凄く痛い……

 

「桜空くん!?大丈夫なの?怪我は!?って吹き飛ばされてたよね!?早く病院に……ってあれ?」

 

「何か……怪我がなおってる……」

 

吹き飛ばされたり、殴ったら血が吹き出てたり、屋上から飛び下りた衝撃で足が物凄く痛かったのに、あの状態から戻ると怪我が治ってる?ただ鈍い痛みだけは感じてるけど……

 

「二人とも……怪我はありませんか?」

 

するとヒーローの姿から元の姿に戻ったソラが声を駆けてきた。

 

「あなたこそ……あの……ねえ、ソラちゃん。あなたって、ヒーローなの?」

 

「うーん……分かりません」

 

分からないって……と言うか僕のあの姿は一体……

 



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03 説明と誓い

「ハァ…ハァ…」

 

「はぁ…はぁ…」

 

街での一件。あのブタみたいな怪人が逃げたのは良かったが、その後が問題だった。あれだけの騒動で街の人たちはソラと僕に注目をしていた。ソラは気に止めずにみんなに安心するように声をかけるが、大事だし更にパトカーのサイレンまで聞こえてきたので色々と厄介なことになりかねないので急いで虹ヶ丘家まで帰ってきた。

 

「ここが、ましろさんのお家!?もしかして、ましろさんって、この世界のプリンセス!?ましろ姫ですか!?」

 

「え……そんなんじゃないよ……」

 

「まぁましろがそう見えるのは仕方ないけど……」

 

「桜空くんまで///って桜空くんは大丈夫なの?」

 

「傷は完全に塞がってるけど、痛みがまだあるな……」

 

「そう……なんだ……」

 

辛そうにしているましろ。あんまり気にしないでほしいけど……仕方ないか。

 

「ソラちゃんたち、ついお家まで連れてきちゃったけど、これからどうすればいいのかな?」

 

「ヨヨさんに話をするしかないだろ。信じてもらうかどうかだけど……」

 

二人でその事を話していると玄関の扉が開き、ヨヨさんが出迎えてくれた。

 

「おかえりなさい。ましろさん、桜空さん」

 

「お祖母ちゃん……こ、これ、絶対信じてもらえないと思うけど、聞いて!この子達が、空の上からピューって! それから、モンスターがバーって! それから、それから、キラキラってなって、フワーって!それで桜空くんが凄いパワーで……」

 

「大変だったわね……さ、おあがりなさい」

 

今ので理解したのか?だとしたら凄すぎるけど……

 

「え……自分でも言うのもなんだけど、今の説明でOKなの、おかしくない?」

 

「まぁそこら辺は年の功なんじゃ……」

 

 

 

 

 

家に上がり、ソラからスカイランドの聞くことになり……

 

「スカイランド……こことは別の世界があるなんて……まだ信じられないよ……」

 

「私だって自分が別の世界にいるなんて信じられません。それに……私がキュアスカイに変身したことも……」

 

「その不思議なペンはなんなんだろう?プリキュアってなんなんだろう?それに桜空くんのあの姿も…」

 

「僕はあの姿になる前に声を聞いたけど…」

 

「声?」

 

「力を授けるって……そしたらあの姿に……」

 

何だか一日で凄いことが起きすぎてる気がする。するとましろが何か閃いたのかヨヨさんにあることをお願いした。

 

「ねぇ、お祖母ちゃん。お部屋の百科事典にプリキュアの事と桜空くんの力の事書いてないかな?何か手がかりが…」

 

「私の事よりこの子をお家に帰してあげるのが先です」

 

「ソラ…」

 

自分の事よりもその子の事を先に考えてるのか?

 

「約束したんです! パパとママのところに、帰してあげるって……ヒーローは、泣いている子供を、絶対に見捨てません!」

 

確かにヒーローならだけど、さっきの宣言で寝ていた赤ちゃんが泣いてるんだけど……

 

「むしろ泣かせたーえっとこう言うときは…いないいないばぁ~」

 

ましろとソラの二人が必死であやすけど、更に泣きじゃくる赤ちゃん。

 

「もしかしたらお腹が空いてるのかも?」

 

「それだ!ミルク買ってくる!と言うかミルクってコンビニで売ってるの?味の種類とか…ミルク、どどどど、ミルク…」

 

焦るましろ。するとヨヨさんは落ち着いた感じで…

 

「キッチンの棚。一番下に粉ミルクとマグがあるわ」

 

「えぇ!?」

 

「ミルクは一肌に」

 

とりあえずましろと二人でキッチンに行き、ミルクを作ることになった。

 

「本当にあったよ」

 

「えっと、ひと肌だよね…」

 

この粉ミルク……もしかして昔ましろに使っていたやつか?期限を調べると新しいやつだけど……ヨヨさんはこの事を予測していた。

 

「我も腹が減ったぞ」

 

「いや、何で腹なんか…」

 

「桜空くん、誰と話して……えぇ!?」

 

何故か僕を見て驚くましろ。どうしたんだ?

 

「さ、桜空くん…あ、頭の上……」

 

「へ?」

 

何か頭の上に違和感を覚え、触れてみると……何かいる!?慌てて下ろしてみると青い蜥蜴がいた。

 

「なんだこいつ?」

 

「我を忘れたか。貴様に力を授けただろ」

 

力を授けた?もしかしてこいつが……あの時の声の……

 

「我が名は氷龍のグーリだ」

 

異世界の住人の次はドラゴンですか…………

 

 

 

 

 

 

一旦赤ちゃんにミルクを上げつつ、グーリの話を聞くことになった僕ら。

 

「我は元々はスカイランドにいた存在。だがある対決にて相打ち……いや、あの戦いで我は消滅した」

 

「消滅って……と言うかスカイランドには龍もいるのかよ!」

 

「はい、いますよ。とは言え伝説的な存在ですから……」

 

「そっちでもそんな感じなんだ……」

 

「魂となり、この世界にたどり着いた際、死にかけのお前に出会った」

 

死にかけって……じゃああの時は本当に不味かったのか……ましろもそれを聞いて心配そうにしてる。

 

「お前が我の力を受け取ったことにより、こうしてこの姿でいられるようになった。とは言えまだ本来の姿には程遠いがな」

 

「要するに僕の身体の中にお前がいるってことでいいんだな」

 

「そうだ。そしてお前には我の力を扱えるようになっている。とは言えただの人間が我の力を使えば……もう身をもって知っているな?」

 

「あぁ」

 

殴る度に皮膚が避けたりしたからな…………

 

「ゆっくり馴染ませていくしかない。それにそれなりの再生力を授けたから、多少は大丈夫だが無理は禁物だ」

 

「………………とりあえず分かった」

 

普通なら直ぐ様元の身体に戻りたいところだけど、あのブタの怪人がまた襲ってくることを考えれば……受け入れるしかないな

 

「桜空くん…」

 

「心配はするな…って無理だろうけど…」

 

「うん…」

 

ましろも心配してるし、無茶はしないようにしておこう。

話をしながら赤ちゃんはミルクを飲み終えていた。ソラは優しく背中を叩き、げっぷをさせていた。

 

「ソラちゃん、慣れてるね」

 

「家に年の離れた弟がいるのでなれてるんです」

 

「お祖母ちゃん、どうしてうちに粉ミルクとマグなんてあるの?」

 

「オムツだってあるわよ」

 

「えぇ~!?」

 

何でもあるのかよ……この家は……

 

「ドラゴンさんにはこれを」

 

ヨヨさんはグーリにお菓子をあげるとグーリは警戒もせずに食べてるし……

 

「ふむ、中々だな」

 

「出会いに偶然はない。人と人が巡りあうこと。それはいつだって必然。運命……物語の始まり。あなたの世界に戻る方法が見つかるまで2階の空いてる部屋を好きにお使いなさい」

 

「分かりました。ありがとうございます!それとグーリ……聞きたいことがあります」

 

「何だ?」

 

「貴方が戦った存在は……ノアと言う名前ですか?」

 

「そうだが……知っているのか?小娘!」

 

「私の……大切な人です。こちらに来たときにはぐれましたが……」

 

「奴も来ているのか……」

 

ソラの大切な人って……と言うかグーリと因縁があると言うことは……

 

「すみません。ノアに対して」

 

「安心しろ。我は恨んではない。正々堂々と戦った。それだけで恨むと言うことはない」

 

「そうですか!良かった」

 

ソラも安心してるみたいだな。確かにそのノアと再会したら、色々と厄介事が始まったりしないか心配だしな。

 

 

 

 

 

 

 

これからソラが使う部屋を掃除し、赤ちゃんも安心して眠っている

 

「ごめんなさい。私、なるべく早く出ていきます」

 

「そんな気にしないで」

 

「そうだぞ。僕が言うのもなんだけど……」

 

気を遣うソラ。まぁ普通に居候するのは気を遣うけど、遣いすぎも大変だしな。

するとソラは膝を付きながらましろにある誓いを立てた

 

「ましろさん!」

 

「はい?」

 

「今日のご恩は決して忘れません!今よりこの私、ソラ・ハレワタールはましろさんを守る騎士となり、全身全霊忠義を尽くし、あなたをお守りすることを……」

 

「時代劇かな?」

 

「まぁソラからしたら、ましろは恩人だし……」

 

「騎士とかいらないよ」

 

「え?じゃあどうすれば……」

 

「そうだ!お友だちからお願いします」

 

「はい!」

 

「そうだ!着替えはとりあえず私のジャージーでいいかな?私、隣の部屋にいるから、桜空くんもその隣の部屋だから何でも……」

 

気がつくとソラはいつの間にか眠りについていた。まぁ今日だけで色々とあったからな

 

僕とましろは起こさないようにそっと部屋をあとにするのであった。

 

「ましろも疲れただろ。ゆっくり休んだ方がいい。僕も……」

 

自分の部屋に戻りつつ、そう言いかけた瞬間、ましろが僕の背中に身を寄せてきた。

 

「ましろ?」

 

「心配……したんだから……」

 

「あ……」

 

「いっぱい心配したんだから……」

 

ましろからしたら……そうだよな。嫌な光景を見せたりしたし……

 

「ごめん……」

 

「桜空くん…きっとこれからいっぱい無茶するよね?」

 

「まぁ…なるべくは無茶をしないようにしたいけど……」

 

「お願いだから……私が心配してるってこと……忘れないで」

 

「分かった。約束する」

 

ましろとの約束……絶対に忘れないようにしないとな。幼馴染みを泣かせたくないし……

 

 

 

 

 

 

自分の部屋に戻るとグーリが現れ……

 

「あの小娘とは付き合っているのか?」

 

「違うよ。幼馴染みなだけ」

 

「それにしては……まぁいい。貴様もこれから先は我の力を扱えるように慣れておけ」

 

「分かってる」

 

僕も僕なりのヒーローになりたい。グーリの力を受け取ったときにそう誓ったんだ。

 

「むぅ?」

 

「どうした?」

 

「いや、なんでもない」

 

グーリは裏山の方を見て、何かを察知していたけど……どうしたんだ?

 



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04 ヒーロー手帳

色々とあった次の日

 

ソラは朝食の焼鮭に感動したり、梅干しを食べて酸っぱそうにしていたりと色々と新鮮な気持ちになっていた。

 

「これでソラさんの服を。それに昨日お願いしていたものも」

 

ヨヨさんはお財布をましろに渡していた。そういえば昨日は何だかんだで買い忘れてたからな。

 

「うん。ローズオイルにシナモンスティク……干したカエルだっけ?何に使うの?」

 

「フフフ」

 

本当に何に使うのか謎だよな……

と言うかソラはソラで洗い物をしてるけど、泡だてすぎじゃないか?

 

「お買い物の間はこの子の面倒は私が見ておくわ」

 

「良い子でお留守番出来ますか?エルちゃん」

 

「えるぅ~」

 

「そっか、本当の名前がわからないからね」

 

だからってエルって、安直すぎないか?

そんなことを思っているとヨヨさんが何故か驚いた顔をしていた

 

「何か?」

 

「いいえ、素敵な名前だって思っただけよ」

 

「………………」

 

グーリは何だかヨヨさんを睨んでるけど、どうしたんだ?

 

 

 

 

 

 

三人で買い物に向かうことになった。因みにグーリは姿を見られるとまずいので、姿を消している。

 

「昨日襲ってきたやつ……えーと……ザブトンだっけ?カツドンだっけ?」

 

「大体そんな名前だったと思います!」

 

「それにしては名前負けしてるような…………」

 

あんまり旨そうに思えない。

 

「ばったり出くわしたらどうしよう?」

 

「私が追い払います!安心して、私に任せて……」

 

ソラが言いかけた瞬間、すれ違った人のスマホの着信音に咄嗟に身構えていた。

 

「スカイランドにはスマホとかないみたいだな」

 

「任せちゃって大丈夫かな?」

 

「取り乱しました……例え火の中、水の中、どこにいてもヒーローは冷静沈着でなければなりません!この世界の機械に驚くのはこれが最後です!」

 

「多分だけど、スマホで驚いてる時点で他の物を見ても驚きそうな気がするぞ」

 

「大丈夫です!」

 

「あ、あはは……」

 

ましろはただただ苦笑いをするのであった。

 

 

 

 

 

予想通りと言うかなんと言うか……ショッピングセンターに着くやいなや……ソラは建物の中に市場がと驚いたり、エスカレーターに驚いたり、パッパーくんに驚いたりとなんと言うか……仕方ないと言うか…………

 

『それで何でお前は店の外で突っ立てるんだ?』

 

「頭の中に声が!?」

 

『今はお前の中にいる状態だからな。お前も心の声で会話してみろ』

 

『こんな感じか?』

 

『そうだ。それでいい』

 

便利な能力だな。まぁ確かに一人言だとヤバイやつだと思われそうだな。

 

『それで何で小娘たちと一緒に店に入らない?』

 

『いや、僕……男だし……』

 

女子の服とか付き合うのは苦手と言うか男なら誰だってそうだろうし……

 

『仕方ないやつめ』

 

仕方なくはないだろ……とツッコミを入れていると服を選び終わった二人が出てきた

 

「桜空さん!どうですか?似合いますか?」

 

「うん、似合ってる」

 

何だろう?さっきまでジャージだった子がスカートとかはくのを見ると、ちょっと新鮮と言うか……

 

「桜空くん、こういう服が好みなの?」

 

「ましろ……何でそうなるんだよ……」

 

「私の時はあんまり褒めないのに」

 

「いや、それは……」

 

「きっと桜空さん的には、ましろさんはどんな服でも似合うから褒めないだけでは?」

 

「そ///そうなの?」

 

「えっと……まぁ……うん」

 

ソラ……頼むから変なことを言わないでくれ……

 

 

 

 

 

 

買い物を済ませ、近くのバーガーショップ前のベンチで休憩することになった。ソラはと言うとこっちの世界の服を着れたことで何だか嬉しそうにしていた。

 

「そういえばソラちゃんは何でヒーローになりたいって思ったの?」

 

「それは……本物のヒーローを見たから……でしょうか」

 

ソラは語った。ヒーローを目指すきっかけになったことを……それは幼い頃にいってはいけない森で迷子になったらしい。ソラはただ泣きじゃくだけで……そんなソラに森に棲む何かが迫ってきたときに、一人のヒーローがソラを救ったらしい。

 

「あの日私はヒーローに……私のヒーローに出会ったんです!」

 

「そっか……」

 

「自分だけのヒーローか…………」

 

「桜空さんもヒーローになりたかったんですよね?」

 

「まぁ……切っ掛けは…………」

 

いざ話すと恥ずかしいな。やめておこうと思った瞬間、バーガーショップから悲鳴が聴こえ、振り向くとそこには昨日の怪人がハンバーガーを奪って食べ尽くしていた。確か名前は……えっと……

 

「ザ……ザブトン!?」

 

「お前ら!と言うかザブトンじゃないのねん!カ!バ!ド!ン!」

 

「許しませんよ!カツドン!」

 

「カバドンだって言ってんだろ!」

 

「そもそもカバの予想が見当たらないんだけど……気のせいか?」

 

「うるさいのねん!えーい!あのガキンチョはどこだ!?」

 

「なっ!まだエルちゃんのことを諦めてないんですか!」

 

「フン!まぁいいのねん!昨日のお礼をするのが先だ!」

 

カバドンは昨日と同じように黒いオーラを発動させ、今度は自販機がランボーグに変わった。

 

「ランボーグ!」

 

ランボーグはペットボトルのミサイルを発射して、ソラに目掛けて放っていた。

 

「YOEEEEEEE!そして俺!TUEEEE!」

 

「仕方ない!やるしかない!」

 

「桜空くん………」

 

「大丈夫……昨日みたいな怪我はなるべくしない……グーリ!」

 

「力を解放しろ!」

 

「来い!氷龍!」

 

両腕が青くなった。攻撃の時はなるべく力を抑えないと……

 

「……未熟です。憧れのあの人の背中は遥か遠い!ヒーローの出番です!」

 

ソラはスカイトーンの真横のツマミを下にスライドさせ、スカイミラージュに装着した後に透明なノースリーブの姿で

 

「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!スカイ!」

 

「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」

 

みるみる内にソラは変身していき……そして昨日のヒーローの姿に変わった。

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「キュアスカイ……」

 

「行きますよ!桜空さん!」

 

「その前にましろを安全なところに!」

 

ランボーグはペットボトルミサイルを発射していく。スカイはましろをお姫様だっこして、安全な場所へと避難させようとするが、ミサイルが二人を狙っていた。

 

「やらせるか!」

 

僕は迫り来るミサイルを弾き飛ばしていく。昨日は無我夢中でやっていたけど、こうして意識してれば加減は出来るな

 

「くそ!やれ!ランボーグ!」

 

間合いを取りながら、攻撃を仕掛けてくるランボーグだけど、僕は攻撃を全部弾いていく。そしてスカイも駆けつけてきた。

 

「桜空さん!」

 

「えぇい!これならどうだ!」

 

ランボーグは巨大なペットボトルミサイルを発射してきた。あのサイズは流石に弾くとなると……

 

「任せてください!」

 

スカイは巨大なペットボトルミサイルを受け止め、そのまま回転し……

 

「大!回!転!プリキュア返し!」

 

巨大ペットボトルミサイルをそのままランボーグに返し、ランボーグは地面に倒れこんだ。

 

「今だ!」

 

「ひろがる!スカイパンチ!」

 

「スミキッター」

 

スカイはそのまま必殺技をくり出し、ランボーグは元の自販機に戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

ランボーグが消え、カバドンは逃げていった。僕とスカイは元の姿に戻り、ましろの所へと駆け寄ると……ましらは何かを閃いたのかソラの手を引き❗ある場所へと向かった。

 

 

 

 

 

ましろがソラを連れていった場所はprettyholicだった。

ましろは新発売のメモ帳を手に取り……

 

「これ、ヒーロー手帳の代わりにならないかな?発売前から情報をチェックしてお小遣い貯めてたんだ。でも今これが必要なのは私じゃなくて、ソラちゃんって気がするから。ね、プレゼントさせて」

 

「ダ……ダメです!もらえません!どうして……」

 

「本物のヒーロー見ちゃったからかな」

 

ソラは嬉しそうにしながら、手帳を受けとるのであった。

 

「そういえば桜空くん、怪我は?」

 

「うん、大丈夫そうだ」

 

「自然にコツを掴んできている。後はその内な」

 

その内か……まぁ確かにグーリの力を全然扱えてないから……頑張らないと

 




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05 ヨヨさんの謎と再会

『それじゃまたね。元気そうで良かったわ』

 

「うん、母さんも。父さんにも伝えといて」

 

『分かってるわよ。因みに桜空』

 

「何?」

 

『ましろちゃんとは……』

 

タブレットの電源を容赦なく落とす僕。いくらましろと一緒に暮らしてるとはいえ、ましろ自身の気持ちを考えてほしいものだ。

 

とりあえず定期的の親との通話も終わり、リビングに戻ると丁度ましろも通話が終わったみたいだった。

 

「そっちも終わったのか?」

 

「うん、桜空くんのお母さんは元気そうだった?」

 

「まぁいつも通りだったな」

 

「こっちもだよ」

 

お互いに両親と暮らしてるから、こう言うときのお互いの気持ちが何となくわかる。

そんなとき、エルちゃんの泣き声が聞こえた

 

「よしよし、ミルクですか?」

 

ソラがミルクをあげようとすると、エルちゃんはそっぽを向いた。ミルクでもオムツでも無さそうだけど…………

 

「もしかして……」

 

ましろは何か気がつき、エルちゃんに優しく微笑み、

 

「パパとママに会いたいの?」

 

そうか……エルちゃんはまだ赤ちゃんだから…………恋しくなるのは仕方ないけど……

 

「会わせたいのは山々ですが……」

 

「別の世界と連絡を取る方法なんてないだろうし……」

 

「せめて顔だけでも見せられたらな……」

 

「出来るわよ」

 

「「「はぁ?」」」

 

突然ヨヨさんがそんなことを言い出した。出来るって……何を?

 

「両親の顔を見せてあげる方法があるの」

 

ヨヨさんはそう言いながら、鏡を見せた。

 

「スカイランドと通信することができるわ」

 

明らかに普通の鏡なのに……そんなことが出来るのか?

 

「これはミラーパッド。好きな場所を映せるの」

 

ヨヨさんは試しにうつしてみせた。確かに街の景色が……

 

「スカイランドにいるこの子の両親とも、お話ができるの」

 

ミラーパッド……確かに凄いアイテムだけど……何でヨヨさんがそんなものを持ってるんだよ?

 

「へぇ~こっちの世界には便利な道具があるんですね」

 

「いやいや、そんなのないよ!おばあちゃん、一体何者?」

 

「実はね……私はスカイランド人なの」

 

スカイランド人か~なるほど、確かにそれなら納得……ってえ?

 

「そっか~おばあちゃん、スカイランド人なんだね~すっ、スカイランド人!?」

 

「本当なんですか?ヨヨさん」

 

「えぇ、スカイランドで博学者だった私は50年前、この世界のことを調べにやって来たの」

 

「だからソラがスカイランドから来たって聞いても驚かなかったのか?」

 

「そうね、ミラーパッドでソラさんの事やエルちゃんの事、そして桜空くんとグーリの事を見ていたからね」

 

「おばあちゃん……」

 

「いきなりこんな話をしても信じられないでしょ。でも今なら夢なんかじゃないって信じてもらえるかしら?」

 

まぁいきなりのカミングアウトだったけど、本当に信じられるな

 

「それじゃヨヨさんはもしかして、私やエルちゃんがスカイランドに戻る方法を知っているんですか?」

 

「ええ、ちょっと時間が必要になるけど、私に任せてちょうだい」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

これでソラたちが帰還する方法が分かったのは良かったかもしれない。後は

 

「だから今は……」

 

「寂しそうなエルちゃんのため、スカイランドと通信するのが先!ですね!」

 

ヨヨさんは一冊の本を取り出し、あるページを開いて見せた。そこにはある石が書かれていた。

 

「通信をスカイランドに届けるにはたくさんのエネルギーが必要なの。エネルギー源はこの宝石よ」

 

「スカイジュエル!この世界にもあるんですね」

 

「スカイジュエルって?」

 

「スカイランドにある様々なエネルギーになる鉱物です」

 

「こんなの見たことないし、簡単には見付からなさそうだね……」

 

「でも探さないとだよな」

 

「うん、私!スカイジュエルを見つけて、エルちゃんにパパとママに会わせてあげたい!」

 

「ましろさん!私も同じ気持ちです!」

 

「僕も探すの手伝うよ。こんな寂しそうなエルちゃんを放っておけないしな」

 

スカイジュエルを見つけることを決めた僕たち。何か手がかりがあれば……

 

「何処に行けば見つかるの!」

 

ましろがそう聞くとヨヨさんは頬笑み……

 

「家の裏山にあると思うわ」

 

まさかの裏山に……ましろとソラは驚いて、思わずずっこけてるし……

 

 

 

 

 

 

 

スカイジュエルの手がかりが分かり、ヨヨさん曰くスカイジュエルの近くに行けばどうやらソラの持つペンが反応するらしい。エルちゃんも落ち着かないため一緒に連れていくことになった。

 

「あぁそれと裏山に何かが落ちてきたらしいわ」

 

「落ちてきたって……隕石とか?」

 

「あはは……それだったら大騒ぎになってるよ」

 

「動物たちが落ち着かなくなっているかもしれないから、気を付けてね」

 

「ほう、猛獣の類いか」

 

グーリは興味示してるけど……色々と大丈夫だよな?

 

 

 

 

 

 

 

裏山に入り、のんびりと歩く僕たち。一応手入れされているからちょっとしたピクニックみたいな感じだった。

 

「本当にびっくりだよ。まさかおばあちゃんがスカイランド人だなんて」

 

「と言うことはましろさんもちょっとだけスカイランド人って事ですよね?」

 

「そういうことになるね……」

 

「やっぱり……」

 

ソラは何故だか嬉しそうにしていた。まぁましろもスカイランド人の血が入ってるってことでちょっと嬉しくなるものなんだな。

 

「ヨヨさんが言うように出会ったのは運命なのかもしれませんね」

 

「うん!そうだね!」

 

「運命か……」

 

「我とも運命かもな」

 

グーリとの出会いも運命か……それは嬉しいような嬉しくないような……

 

「えう……」

 

「あ!よしよし」

 

エルちゃんはまだ元気無さそうだな。

 

「エルちゃん、元気を出してくれるといいのですが」

 

するとましろは綿毛のタンポポを見つけて、エルちゃんに見せた。

 

「エルちゃん、はい。ふわふわの綿毛だよ」

 

「ぷい」

 

綿毛を見せても不機嫌で顔を背けるエルちゃん。ましろはタンポポの綿毛に息を吹き掛け、飛んでいくところを見せると不機嫌だったエルちゃんが喜んでいた。

 

「ましろさんは上手ですね」

 

「え?」

 

「エルちゃんのあやし方です」

 

「そう?」

 

「はい!赤ちゃんにとって大事なのは、今何を感じているのか分かってあげることです。こうしてエルちゃんが好きそうなものが分かったのも、きっとましろさんの優しさの力ですね」

 

ソラに褒められて、ちょっと嬉しそうにしているましろ。まぁ確かに……

 

「ましろの優しさに助けられてるところも僕にはあるからな」

 

「桜空くんまで~」

 

「よーし!私も何かエルちゃんのために……あ!これは!」

 

「ん?ソラ!?それは……」

 

ソラが手を伸ばそうとしていたのはカラフルなキノコだった。あのカラフルさは明らかに……

 

「待って~それ毒キノコ!」

 

「えぇ!?」

 

ましろが止められるソラ。そう言えばこう言うものがあるって知らなかったよな……ソラって

 

「山には危険な植物もあるから、良く分からないものは無闇にさわっちゃダメだよ」

 

「それに触れただけでも危ないものもあるからな」

 

「わ、分かりました……」

 

「あとで、うちにある図鑑を貸してあげるね」

 

「ましろさん……ありがとうございます」

 

「とりあえずこのキノコはどっかに捨てて……あれ?」

 

さっきのキノコを人の目につかないところに捨てようとしたら、いつの間にかなくなっていた。探そうとするとエルちゃんがお腹が空いたのか泣き出したため、ちょっと拓けた場所で休憩をすることになった。

 

 

 

 

 

 

 

エルちゃんがミルクを飲み終え、僕とソラはましろが作ったスカイランドをイメージした雲パンを食べていた。

 

「グーリ、お前も何か……」

 

「む?腹は減ってないぞ。さっき食べた」

 

『はい?』

 

食べたって……何を?と言うかいつの間に?

 

「あのキノコ……確かに毒があったが……我ほどになれば毒なんて関係ない。中々うまかったぞ」

 

「食べたんだ……」

 

「食べたんですね……」

 

「と言うか……僕に影響とかないよな?」

 

「安心しろ。大丈夫だ」

 

ちょっと心配だけど、一応は信じておこう……

 

「それにしても森に何か落ちたとか聞いてたけど、跡とかないな」

 

「そうだね。もしかして森の奥とかに?」

 

「猛獣とかも出くわしませんしね」

 

出くわしたら即逃げるけどな。いや、戦える力があっても逃げる事を考えないと……

 

「む!おい、小僧!警戒しろ」

 

「警戒しろって……」

 

グーリがそう告げた瞬間、森の奥から何か聞こえ始めた。それを聞いてソラも前に出て構える

 

「も、もももも、もしかして……熊とか!?」

 

「熊ですか?」

 

「危険な猛獣だから……気を付けないと……」

 

いくらソラが強くても、僕がグーリの力を使えても、気を付けないと…………

 

「来るぞ!」

 

森から何かが飛び出し、ソラがそれを殴ろうとするが…………

 

「え?」

 

「やっぱりか」

 

飛び出してきたのは人だった。赤い髪の少年……と言うかソラの事を知っている?

 

「ようやく会えたな。ソラ」

 

「の、ノア!」

 

ノアって……ソラの友達の……

 



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06 スカイランド神拳

ノアside

 

あの日、この世界に来たとき、地面に落ちる前に龍の姿に変わって近くの森に着地をした俺。

 

「ふぅ、気がついたら空の上とはな。しかもソラとはぐれるとは……」

 

どうにか合流したいが、ソラの居場所がわからない。おまけにこの世界は……

 

「どうにもスカイランドではないみたいだな」

 

森に着陸するときに見えた景色はスカイランドとは違っていた。もしかしたら異世界にでも来てしまったか?

 

「下手したら龍の姿だけで騒ぎになりかねないな。しょうがない。暫くはここを拠点にするか」

 

焦ったところで状況は変わらないしな。とりあえずは住み処を……

 

「まぁ住み処なんて木上でもいいか」

 

だとしたら食料と水の確保だな。いくらドラゴンでも食料と水がないとキツいからな

 

「ん?」

 

茂みから巨大な獣が姿を現した。確かあれは……

 

「豚みたいな奴だな。まぁいい……糧になってもらうぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

「とまぁそんな感じで暫くは森で過ごしてたな」

 

「そうだったんですね。でもノアがまさかこんな近くにいたとは」

 

「俺もだ。ましろと桜空だっけ、ソラのことありがとうな」

 

「う、ううん、私たちはたまたま……」

 

「そうだな。たまたま出会って……」

 

「お二人のお陰でこうしてノアと出会えたのかもしれませんね。それでノア……」

 

「あぁ分かってる。桜空から感じてる。久しぶりだな。グーリ」

 

名を呼ぶと桜空の頭の上にグーリの姿が現れた。桜空から気配を感じると思ったら、融合していたのか

 

「あの時以来だな。ノア!」

 

「まさかお前とまた会えるとはな。余程宿主と相性がいいみたいだな」

 

「ふん、貴様こそ!力が落ちているのではないか?我と戦ったときより弱くなってるぞ」

 

「当たり前だ。あの戦いで俺は傷つき、大半の力を制限するようになっているからな」

 

それほどにまでグーリとの戦いは激しいものだった。ソラに助けられてなんとか一命はとり止めたが……それでも全力は出し難く、力を抑えるためにこの姿をしている

 

「そうか……」

 

「えっと、グーリ……もう大丈夫だよな」

 

「あぁもう我らは敵対することない」

 

「だな」

 

桜空は俺とグーリが争わないか心配していたみたいだな。だがもうグーリとは戦うことはない。

 

「それでソラたちは何でこの森に?」

 

「そうでした!実は……」

 

ソラたちの話では、スカイランドと連絡を取るためにスカイジュエルが必要らしく、そのスカイジュエルがある場所はどうやらこの森……と言うより山にあるらしい。

 

「それで川辺辺りにあると聞いて」

 

「それならこっちの方だな」

 

 

 

 

 

 

ソラたちと一緒に話に聞いた川に来た俺たち。するとソラが持つペンが光だした

 

「スカイジュエルが近くにあるってことだね」

 

「さぁ宝探しの時間です!」

 

川沿いを歩いていき、スカイジュエルを探していく。

 

「この辺りかな?」

 

「あ、あれは……」

 

するとソラは岩が積み重なったオブジェを見つけた。

 

「す……すごい……一体誰が何のために……」

 

「確かに凄いけど……」

 

「ノア……さんがやったんですか?」

 

「いや、俺は知らないな。この間までなかったし……あと呼び捨てでいいぞ」

 

「へ…へくしっ」

 

すると赤ん坊…もといエルがくしゃみをすると岩のオブジェが崩れた。まぁバランス悪かったみたいだし、仕方ないか

 

更に進んでいくと今度は大きな岩があった。

 

「まさかこの中に…な~んて」

 

ソラはましろに荷物を預けると岩に触れ…

 

「えっ?」

 

「やってみましょう」

 

「いやいや、この岩をどうにかするなんて、普通に無理じゃ」

 

「ソラちゃん、本気?」

 

「まぁ見てろ」

 

ソラは特定の構えをしていく。久しぶりに見るな。ソラのあれは……

 

「桜空、ましろ。見てろ。あれはスカイランドに古くから伝わるスカイランド神拳だ」

 

「「スカイランド神拳!?」」

 

「まさかあの小娘が!?」

 

「ハァーーーー!タァーーーーー!」

 

ソラが岩を思いきり殴った瞬間、岩は真っ二つに割れたのだった。

 

「本当に割れた!?」

 

「と言うか岩の中には……化石があるだけだな」

 

「……押忍!」

 

「確かにお宝だけど、特に変化もないみたいだし、やっぱり関係なかったね」

 

「ふむ、ソラ。成長はしているみたいだな」

 

「いえ、まだまだです。ノアみたいに岩の真ん中だけを打ち砕くなんて出来ないですし……」

 

「桜空よ。お前も我の力を扱えていけば、それぐらいできるぞ」

 

「いや、できるぞって……」

 

「一点集中は戦いの中でもかなり有効的だ。覚えておいて損はない」

 

「やばい……ましろ……僕とましろ以外なんか……」

 

「言っちゃダメだと思うよ。桜空くん……」

 

 

 

 

 

更に進んでいく俺たち。だが中々スカイジュエルが見つからない

 

「見つかりませんね~」

 

ソラがペンで反応を見ていると急に眩しく光だした。

 

「ペンが!?」

 

「すごい光……あれは……」

 

ソラは川の中に青白い光を見つけ、拾い上げるとどうやら目的のスカイジュエルが見つかったみたいだった。

 

「ありました!」

 

「これでスカイランドと通信が出来るね!」

 

「やったー!やりました!」

 

ソラが大はしゃぎしていると後ろの方から何かが崩れる音がして、振り向くとそこには岩のオブジェを作っていた奴がいた

 

「だーーーーびっくりして崩れちゃったじゃねぇか!どうしてくれるのねん!」

 

あいつは確か……あの時の!

 

「あなたは!」

 

「お前ら!」

 

「カバピョン!」

 

「カ!バ!ド!ン!なのねん!いい加減覚えろっつうの!」

 

「何だ?こいつもこっちに来ていたのか」

 

「ん?てめぇは!それに……探し物が向こうからやって来るなんてラッキー!その赤ん坊をこっちに寄越しな!」

 

こいつ、エルをまだ狙っていたのか。

 

「絶対にいや!」

 

「なら仕方ないのねん!カモン!アンダーグエナジー!」

 

カバドンは黒いオーラを放ち、怪物を産み出した。なんだこいつ?

 

「ソラ、あれは?」

 

「ランボーグという怪物です!ノア!ましろさんをお願いします!」

 

「お前、戦えるのか?」

 

「見ていてください!ノアと離れていた間……私が手にした力を!桜空さん!」

 

「あぁ!氷竜!」

 

「ヒーローの出番です!」

 

ソラはペンを掲げながら叫んだ。

 

「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!スカイ!きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ!無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「キュアスカイ?それに桜空は……なるほど、グーリの力を扱えるだけはあるな」

 

「やれ!ランボーグ!」

 

ランボーグが地面から大量の竹を生やしていく。ソラと桜空は後ろへと下がりながら避けていき、岩の上に上がる

 

「下は危険ですね」

 

「とはいえ逃げるだけじゃ……」

 

ランボーグが生やしていく竹は岩を貫いていき、二人の足場を破壊するが、二人は大きく飛びあがり、蹴りを喰らわせようとしていた

 

「ランボーグ!」

 

ランボーグは二人の蹴りを防ごうとするが、二人は蹴りをフェイントに使い、同地面に下りて掌底を喰らわしてランボーグを吹き飛ばす。

 

「むっきーーーなにやってるのねん!」

 

「ランボーグ!」

 

今度は腕から筍を飛ばしていく。ふむ、遠距離ならどうにかなると思ってるみたいだけど……二人は上手く避けていく。だが、こっちに向かって筍が迫ってきていた。

 

「ましろ、動くなよ」

 

俺は飛んできた筍を軽く殴った瞬間、塵になって消えた。

 

「えぇ!?」

 

「ノア!すみません、助かりました」

 

「と言うかあれを粉々に……」

 

「ノアは今こそ制限されてはいるが、力の使い方が上手いからな。あれぐらいは普通に出来る」

 

「桜空もいずれは出来るようになるぞ。さて、スカイ。合わせろ」

 

「はい!」

 

迫り来るランボーグに対して、俺とスカイは攻撃を弾いていく。

 

「くそ、いい加減決めろ!」

 

「はい!」

 

「まずは桜空にいずれ使えるように……」

 

俺はランボーグの腕を掴み、思いきり空へと投げ……

 

「これが竜のブレスだ!」

 

炎のブレスを吐き、ランボーグを丸焦げにして弱らせ……

 

「ひーろーがーるー!スカイパンチ!」

 

止めの一撃をスカイが決めるのであった。

 

「スミキッター」

 

ランボーグは元の竹に戻るとカバドンは……

 

「くぅ~こうなったら!これだ!」

 

カバドンはキノコを食べるけど、あれは確か……

 

「あれって……」

 

「これでパワー全開なのねん!行くぜ!」

 

「えぇ!?まさかの二回目ですか!」

 

またランボーグを召喚しようとするが急に腹を壊すカバドン。

 

「カバドンではあのキノコはダメみたいだな」

 

「もう~山にあるものを無闇に採ったり食べたりしたら、ダメなんですよ。めっ!」

 

カバドンは腹を押さえながら逃げていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ましろたちの家に帰り……

 

「良かったですね。ソラさん。お友だちが見つかって」

 

「はい!ノア、この人はましろさんのお祖母さんでスカイランド人です」

 

「ソラが世話になったみたいだな。事情が事情だから俺もソラと一緒に……」

 

「えぇ、ソラさんと同じ部屋でいいわよね」

 

「はい!」

 

この家に来る前にヨヨのことを聞いてたが、まさかスカイランド人とはな。それに……

 

「エルがプリンセスか」

 

「驚きました……私が付けた名前と同じで……」

 

「そこは重要ではないだろ」

 

それにしてもヨヨもヨヨでスカイランドで有名なハイパースゴスギレジェンドの名誉博学者だったとはな。

 

「まぁソラもましろと仲良いみたいだから俺としても安心だな」

 

「ノア、その……妹扱いは……」

 

「わるいわるい」

 

「ふふ、仲がいいみたいね」



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07 幼馴染みのあげは

桜空side

 

早朝、僕はソラたちと一緒にランニングをしていた。ソラは日課でいつもやっており、僕は今後のために身体を鍛えた方がいいかと思ったからだ。

 

「桜空さんは結構体力ある方なんですね」

 

「一応男だからな……後は鍛えるのも悪くないと思って……」

 

グーリの力の使いこなせられるようにしておきたいって気持ちもあるし……

 

「まぁ鍛えておいて損はないが……今のお前に必要なのはブレスを使えるようにしておいた方がいいぞ」

 

「待って~」

 

三人で話しているとましろが息を切らしながらやって来た。

 

「大丈夫ですか?」

 

「見ての通りだよ~」

 

「無理して付き合わなくても……」

 

「だって……この間、ノアさんが助けてくれたから良かったけど、私もランニングして身体を鍛えたら、もうちょっとソラちゃんの役に立てるかな~って……」

 

「そうだろうけど……」

 

一旦休憩のためにベンチに座る僕ら。まぁましろがそうしたいなら止めないけど……

 

「でも千里の道も一歩からだね」

 

「それってどういう意味ですか?」

 

「毎日こつこつ頑張らないとダメってこと」

 

「いい言葉です」

 

ソラはメモ帳を取り出し、早速メモをするけど……あれ?よく見たら平仮名?

 

「えぇ~!?いつの間に覚えたの?」

 

「1日5文字ずつ、毎日こつこつです」

 

なんと言うかソラはある意味すごいな……そう言えば

 

「ノアは文字とかは?」

 

「俺は大体覚えたな。まぁドラゴンの知力は人の数倍はあるからな」

 

あーうん、比べたらダメなやつかも…………

 

「私も毎日ランニングを続けたら、ソラちゃんみたいに強くなれるかな?」

 

確かに続けていけば、ましろもソラみたいになれるかもしれない。だけどましろの問いかけにソラは笑顔でこう答えた。

 

「ましろさんは……今のましろさんのままでいいんです」

 

今のましろもままか……確かにそれでもいいかもしれない。ただ……

 

「えっと……?」

 

ましろはソラの言葉の意味を分からないでいた。

 

「そろそろ帰るか」

 

「そうですね。お腹も空きましたし」

 

 

 

 

 

 

 

朝食を食べ終え、しばらくは自由時間となり、僕はノアから力の使い方を教えてもらっていた。

 

「ブレスを吐くイメージがわかないか」

 

「ノアみたいに炎をはくって言うのは何となくイメージ出来るけど……」

 

漫画とかでそういうイメージがわきやすくなってるけど、氷のブレスはピンと来ない

 

「だとしたら氷を作るイメージはどうだ?」

 

グーリが現れてそう言うけど、氷を作るって……

 

「そっちのイメージはどうだ?」

 

「何とか……」

 

「だったらそっちの方がいいかもな」

 

と言うわけで早速特訓をしようとしたときに、呼び鈴がなった。誰だろう?こんな朝早くに……

 

「私が出ますね」

 

ソラが対応しに向かったけど、ちょっと心配だから様子を見に行くと……

 

「お待たせしま……」

 

「久しぶり~」

 

突然ソラに抱きつく女性。あー、うん見覚えがありすぎる。

 

「ちょっと見ないうちに背伸びた?髪形変えた?あれ?髪色も……誰?」

 

「こっちの台詞です!」

 

応対したらいきなり抱き締められたからな。ソラの反応は仕方ないとしか言えない

 

「あれ?あげはちゃん?」

 

するとましろも様子が気になり、こっちにエルちゃんを連れてやって来た。

 

「ましろん!それに桜空~」

 

「なんで?どうして?」

 

「ちょっとこっちに用事があってさ」

 

「どちら様ですか?」

 

ソラの疑問はもっともだな。とりあえずリビングに行き、改めてあげは姉を紹介することになるのだが……

 

「むかーし、昔、ソラシド市に二人の女の子がいました。名前はあげはちゃんとましろん!二人はご近所さん同士。所が……母さんのお仕事の都合であげはちゃんは遠い街へ引っ越すことに……『ママ嫌い!こんなうち出ていってやる』さて、おうちを飛び出したあげはちゃんはどうなってしまんでしょうか?」

 

「いや、何でいきなり紙芝居?」

 

思わずツッコミをいれてしまう僕であった。

 

「ど、どうなるんですか?」

 

ソラはソラで真面目に聞き入ってるし、ノアは……特に関心示さずにいた。

 

「日がくれちゃうから、手短にいこうか」

 

「だね。私は聖あげは。18歳!血液型はB。誕生石はベリドット。ラッキーカラーはベイビーピンク。最近のブームはイングリッシュティーラテ・ウィズ・ホワイトチョコレート・アド・エクストラホイップ!はい!そっちのターン!」

 

「あ、初めまして、この家でお世話になっているソラっていいます。あそこにいるのはノアといいます」

 

「へーこの街の子?」

 

「いいえ、私とノアはエルちゃんと一緒に別の世界から来ました」

 

「別の世界?」

 

「ターーーーイム!」

 

慌ててましろがタイムをかけ、ソラに別の世界のこととかを話さないようにとジェスチャーを送る。ソラ……うっかりなのか分からないけど、迂闊に別の世界から来たことは話さない方が……

 

「そ……そうでした!大騒ぎになるからスカイランドの事やエルちゃんがプリンセスだって事は内緒にするって、ましろさんと決めたのに!」

 

「プリンセス?」

 

「えう」

 

「ソラ……色々と暴露してるからな」

 

「あ、あげはさん!今耳にしたことはきれいさっぱり忘れてください!」

 

「隠し事~」

 

「ごめんね。あげはちゃん……でも友達の秘密は言えないよ……」

 

「僕からも……色々と話すとなると……」

 

「OK。でもいつか私にも教えてくれると嬉しいな。って訳で宜しくね。ソラちゃん、エルちゃん、あとそっちのノアくん?さん?」

 

「好きなように呼んでいいぞ」

 

「了解。所で……桜空」

 

「何?」

 

あげは姉は僕に軽く耳打ちをして来た。別に聞かれて困るようなことをわざわざ……

 

「ましろんとの関係は進んだの?」

 

「それ、わざわざ聞くこと!?」



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08 優しい力!キュアプリズム登場!

僕らはあげは姉と一緒に保育士の学校にに来ていた。あげは姉は面接があるらしく、僕らは外で待機していた。因みに車の都合でノアは後からやって来るらしい。

 

「えぅ?」

 

「ここはね。保育士さんの学校なの」

 

「保育士?」

 

「小さい子どものお世話をする先生のことだよ」

 

「昔からの夢で、最強の保育士を目指してるんだってさ」

 

「ないたいもののために頑張ってる。偉いよね」

 

「へー、ましろさんは、何になりたいんです?」

 

「私、私はね……特にない!?」

 

「「え?」」

 

ましろはもう夢とかあると思ってたけど…………

ましろは自分の夢について考え込んでいると、小さな豚を見付けた。あの豚って……何処かで見たような……

 

「ねぇ、桜空くん……あれって……」

 

「あぁそれにその先にある罠とキノコって……」

 

何処かで見たような毒キノコ……うん、どう考えてもあの豚は……

 

「豚さんが危ない!」

 

「いや、罠だよね?」

 

まぁあからさまな罠だし、放っておいても……と思っていたら、ソラがカバトン?を助けに行ってしまった。

 

「危ないところでした……豚さん、あれは罠ですよ! 近寄ってはいけません!」

 

「カバトントン」

 

子豚からカバトンへと変わった。うん、やっぱりと言うかなんと言うか……

 

「あなたは!」

 

「ヌッフッフ! このカバトン様が豚に化けていたとは、お釈迦様でも気が付くめい!」

 

「なんてずる賢い!」

 

「コントかな?」

 

とりあえずまた敵みたいだし、戦うべきだよな。

 

「何のためにこんなことを!」

 

「まーだ気づかないのねん」

 

カバトンの手にはミラージュペンがあった。まさかカバトンの目的は!?

 

「返してください!」

 

ソラが奪い返そうとするが、カバトンが距離を取り

 

「カモン!アンダークエナジー!」

 

カバトンはキノコのランボーグを召喚した。まずいな。ソラが変身できない以上……僕がやるしか!

 

「ギャハハ!プリキュアになれないお前なんか怖くないのねん!今日こそプリンセスエルを頂くのねん!」

 

ソラはランボーグから生えてきた触手がましろたちに向かっているのに気がつき、蹴りで弾くが逆に触手がソラの足に絡み付き、ソラを拘束した

 

「まずい!」

 

「おっと!迂闊に攻撃すれば、こいつが傷つくことになるぞ」

 

「卑怯すぎる」

 

非情になれればソラを多少傷つけてもランボーグを倒せるけど…………どうしたら……

 

「ましろん!桜空!こっち!」

 

あげは姉がこっちに来るように呼ぶ。今は……

 

「でも!」

 

「お願いです!エルちゃんを安全なところに!」

 

「行くぞ」

 

僕はましろの手を引き、あげは姉と一緒に校舎の中へと逃げた。

 

「あの大きさなら中に入ってこれないはず!」

 

「ふん、それなら……」

 

「へぇ遅れてきたら厄介なことになってるな」

 

 

 

 

 

ノアside

 

遅れて合流すると、ソラが捕まっていた。それにあのカバトンの手にはミラージュペンがあった。なるほど……大体の事情は理解できた

 

「貴様か!だが……こいつがどうなってもいいのか?」

 

「ソラを盾にするか……」

 

「折角だ。あいつらはランボーグの分身体に追わせて」

 

ランボーグから少し小さいランボーグが生み出されて、建物の中へと入っていく。

 

「何だ?追わないのか?」

 

「あっちは桜空に任せておく。俺は……」

 

両手に力を蓄えた。後はほんの少しの隙を見つければ……いい話だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

学校の屋上へと逃げ込む僕ら。どうにも小型のランボーグが追ってきてるみたいだけど……

 

「大丈夫よ。エルちゃん。お姉ちゃんたちが守ってあげるから……」

 

「どうにかしないと……」

 

『アーマイクテスマイクテス。無駄な抵抗はやめるのねん!今すぐプリンセスを連れて出てくるのねん!』

 

カバトンめ……ソラを人質にして、やりたい放題か?それにノアが来てるけど……迂闊に動けないでいるし……

 

「まずいな。ノアが力を溜めている」

 

「まずいのか?」

 

「下手すれば……あの小娘ごとやりかねないぞ」

 

ノアはソラごと……このままじゃ……

 

「何処かで金属バットでも拾って、戦えばワンチャン……いや、無理!あぁもう!何かいい手は……」

 

小型のランボーグもどうにかして、ソラを助けて……くそ……

 

「行かなきゃ……ソラちゃんを助けなきゃ……」

 

「そんなの分かってる!でもどうすれば!?」

 

「それでも行かなくちゃだよ!」

 

ましろが叫んだ瞬間、まばゆい光がましろから放たれ、ミラージュペンが現れた。

カバトンたちも様子を見るためにランボーグの身体を伸ばしてきた。

 

「なぁ!?何であんな脇役が!」

 

「これ……私の?私がプリキュアに?」

 

ましろがペンに手を伸ばそうとするとカバトンが止めに入った。

 

「やめろー!脇役なんかがプリキュアになれるもんか! お前に何の力がある?自分だって分かってるんだろ? ほら!」

 

手を伸ばそうとしているましろの手が止まった。ましろ自身の覚悟が……まだ……

ランボーグも迫って来るし……

 

「早くプリキュアにならなきゃだよ……でも、私なんかじゃ……」

 

「ましろん。それを手に取ったらどうなるのか、プリキュアっていうのが何なのか、私には分からない……でも、そんなの、どうだっていい……そこうるさい!」

 

扉をこじ開けようとするランボーグに向かって怒鳴るあげは姉。さすがと言うかなんと言うか……

 

「ましろん……本当に大事な事を言わせて……あの日、私は、ましろんから教わったよ……優しいっていうのは、強いって事なんだって……」

 

それって……あげは姉が家出をしたときに、ましろが迎えに来たときの……ましろはお別れしたくないって気持ちがあったが、自分が泣いたらあげは姉がもっと悲しむって……

 

「私なんか? そんな事言うな! そんな事、誰にも言わせるな!ましろんには、優しさっていう、誰にも負けない力があるんだよ!」

 

「ましろ……僕も同じ気持ちだ。ましろはもう誰にも負けない強さがある!あんなカバトンの言葉なんて聞く耳持つな!あんなお前のことなんて知らないやつの言葉なんて!」

 

「…………うん!」

 

ましろは覚悟を決め、ミラージュペンを手に取り、エルちゃんからスカイトーンを受けとり!

 

「ヒーローの出番だよ!」

 

プリキュアに変身した!

 

「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!プリズム!きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」

 

白とピンクの衣装を纏った姿に変わった。

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「キュア……プリズムだと!やっちまえ!ランボーグ!」

 

ランボーグの攻撃をプリズムが避けると力加減が難しいのか遠くへと吹っ飛んでいった。ランボーグが今度はこっちに攻撃を仕掛けるが、僕は氷竜の力で受け止めた

 

「桜空もそれ……」

 

「色々と後で話す!」

 

僕の蹴りと同時にプリズムが蹴りをくわえて、小型ランボーグを吹き飛ばした。

 

「ソラちゃん!」

 

プリズムは両手からエネルギー弾を放ち、ランボーグに攻撃を食らわせると、ランボーグの拘束が解け、カバトンが落としたペンをキャッチして、プリキュアに変身をした!

 

「ヒーローの出番です!スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!スカイ!きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ!無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

スカイはゆっくりとランボーグに向かっていく。僕とプリズムは小型のランボーグと対峙する

 

「ランボーグ!」

 

「やあああああー!」

 

プリズムが小型ランボーグに掌底をくらわし、吹き飛んだ所を僕が先回りし、蹴りを喰らわした。

 

「プリズム!」

 

「ひーろーがーる!プリズムショット!」

 

大きなエネルギー弾を放ち、小型ランボーグを浄化した。

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

ソラが解放され、プリキュアに変身をし、ランボーグに向かっていく。とりあえず……

 

「ソラを痛め付けた礼はしておく!」

 

炎を纏った拳でランボーグを殴るとランボーグはスカイへと向かって吹き飛んでいく。スカイは吹き飛んでいくランボーグを……

 

「ひーろーがーる!スカイパンチ!」

 

スカイパンチで浄化をするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

ランボーグを撃退した僕ら。ましろは変身が解けて腰を抜かすと……ソラが抱き締めにいった。

 

「ごめんなさい!……私が未熟なばかりに……私なんて放ってくれれば……」

 

「ダメだよ」

 

「え?」

 

「私なんかなんて言っちゃダメ。ソラちゃんは私の大事な友達なんだから……ね?」

 

「……はい!」

 

こうして騒がしい一日が終わるのであったが……

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇあいつの力を辿ったら……中々楽しめそうだね」

 

僕らを見つめる少女がいたことに気づかなかった。

 



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09 ソラの悪夢

ノアside

 

プリキュアも二人に増え、桜空も徐々にだか力の使い方を学んできたが……ここ最近ソラの様子がおかしかった。

 

「はぁ…はぁ…はぁ」

 

「どうしたソラ?」

 

「ノア…いえ、少し変な夢を見て…」

 

「またか」

 

ここ最近、ソラは魘されては目覚めると言う繰り返しだった。どんな夢を見ていたのかと聞いてもソラは答えなかった。

 

「…………」

 

こう言うとき相談してくれればいいものを

 

 

 

 

 

 

 

そんなある日のこと、ヨヨに呼び出されある説明を受けることになった。

 

「そもそもプリキュアとはなんなのかしら?古い本を調べて分かったことがあるの」

 

ヨヨは古い本に書かれた伝説を語り出した。

 

「それは嵐の晩の事だった。闇の世界の魔物がスカイランドに攻め込んできた。空は、黒い雲に覆われ、絶望的な戦いが始まった。スカイランドの姫は祈った。ヒーローが現れて、青い空とみんなの笑顔を取り戻してくれますように、と。姫の祈りに応えるように、勇敢な戦士が現れた。その名はプリキュア。プリキュアは、闇の世界の魔物を打ち払い、スカイランドを救った。これはスカイランドでも当の昔に忘れさられた古い古い伝説よ」

 

「伝説……グーリは知ってたか?」

 

「いや、俺たちはそんな古くから生きてはない」

 

「まぁ人間からしたら俺たちは長生きしてる存在だろうけどな」

 

ましろの方を見ると何故か武者震いをしていた。まぁそれはそうだろうな。伝説の戦士と呼ばれる存在になったんだし

 

「伝説の戦士、プリキュア! エルちゃん、もう安心だよ! 伝説のヒーローが味方だよ!そっか! エルちゃんの不思議な力は、スカイランドのプリンセスパワーだったんだね! んー! 私さ、今、猛烈にトレーニングがしたい気持ちだよ!ソラちゃん!一緒にランニングしよう!」

 

ソラも興奮してると思っていたが、どうにも暗い顔をしていた。

 

「そんなことより、この世界とスカイランドを繋ぐトンネルはいつ開いてもらえるんでしょうか?」

 

「もう少しだけ時間をちょうだい。簡単な作業ではないの。百種類以上の素材を繊細な手順で組み合わせて、それから……」

 

「カバトンは簡単にトンネルを開いたじゃないですか!あっ……」

 

つい大声を出してしまったことに気がつき、ソラは部屋から出ていった。珍しいな。あんな風に焦ってるのは…………

 

「ソラちゃん……」

 

「優しい子ね……」

 

「まぁソラはそういう奴だ」

 

 

 

 

 

 

 

とあるおでん屋台。そこにはカバトンの姿があった

 

「悪ガキの頃から、ここはからっきしで、でも、こっちには自信あったのねん!」

 

「そうですか……」

 

「なのに、プリキュアとかいう、めちゃくちゃTUEEEEヤツが現れてよ!」

 

「そうですか」

 

「しかも2人目まで爆誕……俺の立場は、どうなるのねん!」

 

「サービスです」

 

おでん屋の店主はそう言っておでんを差し出した。

カバトンは店主の優しさに感動した瞬間、突然空間が歪み、闇に染まった。

 

「まさか……」

 

「プリンセス・エルは、まだ手に入らぬのか? 役立たずめ……どれだけ私をがっかりさせるつもりだ?」

 

「も、申し訳ありません!」

 

「いつまでもチャンスがあると思うでないぞ? プリンセスを私の元に。よいな、カバトン?」

 

「御意!」

 

空間が元に戻るとカバトンは大量のおでんを一気に食べ尽くした。

 

「今日こそお前たちの最後だのねん!」

 

気合いが入るカバトンに一人の少女が現れた。

 

「ねぇ、カバさん」

 

「なんなのねん!お前は!」

 

「プリキュアって奴はカバさんが相手するならさ。私にあの竜たちを相手させてほしいな」

 

「小娘……何を……お前まさか!?いいぜ!乗った!」

 

「きゃはは!楽しみだな~!」

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

それからソラたちと出掛けるが、ソラはずっと元気がなかった。ましろはそんなソラを心配して声をかけた。

 

「何かあった? 話聞くよ? ね?はっ!もしかして、プリズムショットの『ひろがる』ってとこ、スカイパンチの真似したから怒ってる?」

 

「違います……」

 

「そっか……じゃあ、何だろう?」

 

ソラは先に横断歩道を渡り、そしてましろに向かってあることを告げた。

 

「ましろさん。プリキュアには、もう変身しないでほしいんです」

 

 

 

 

 

 

 

改めてソラは俺たちにずっと見ていた悪夢について話した。それはランボーグと戦う夢だったが、攻撃を受け、変身解除してしまうましろの夢を……

 

「そっか……そんな怖い夢を見たんだね」

 

「ただの夢です。分かってます」

 

「心配してくれて、ありがとう。でもね、エルちゃんを守らなくちゃ!それにはさ、1人よりも2人の方が良くない?」

 

「1人でやります! 私がもっと強くなればいいだけの話です!それに……ノアもいますから……」

 

「ソラ、桜空はどうなんだ?」

 

「……桜空さんにはましろさんを守ってもらいたいです……そうすれば……」

 

「僕はそんなの……」

 

桜空が言いかけた瞬間、黒いエネルギーが一ヶ所に集まり出し、巨大なランボーグが姿を現したのだった。

   



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10 二人の絆

突如として現れたランボーグだが、これまでよりも強い気配を感じた。

 

『脇役の皆様にお知らせ致します。邪魔くせーので、白線の外側までお下がり下さい!下がれっつってんだろオラッ!出てこいプリキュア!どっちがTUEEEEかはっきりさせてやる!そしてプリンセスはいただくのねん!』

 

あのカバ野郎……本気みたいだな。仕方ない。話し合いは後にして……

 

「ましろさん、エルちゃんをお願いします!」

 

ソラはプリキュアに変身して、一人でランボーグに向かっていく。

 

「あの馬鹿!」

 

俺もスカイの後を追うが……

 

「みーつけた!」

 

不意に背後から巨大な岩が襲いかかり、俺は地面に落とされた。

 

「この攻撃は……お前か!」

 

「そうだよ。私だよ!アスだよ」

 

黄色の髪の少女アス。こいつもこっちに来てたのかよ。しかもめんどくさい奴だし……

 

「さぁ!遊ぼうよ!久しぶりに!」

 

「遊んでる暇はない!」

 

互いの拳がぶつかり合うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

スカイは一人でランボーグと戦い。ノアは謎の少女と戦ってる。しかもスカイのスカイパンチが力負けして吹き飛ばされてるし

 

「早く行かないと!」

 

「で、でもエルちゃんが……

 

エルちゃんを一人にしておくのは危険だし、ましろもスカイの所へ行きたがってるけど、どうしたら……

そんなことを考えているとエルちゃんのゆりかごが光だし、ひとりでに浮き出した。

 

「これって、もしかしておばあちゃんが?ありがと過ぎるよおばあちゃん!」

 

「それなら行くしかない!」

 

ましろはプリキュアに変身し、スカイの所へ。僕もノアの所へと向かった

 

「ノア!」

 

「桜空!お前はスカイのところに!」

 

「いや、ノアが行ってくれ!こいつは僕が何とかする!」

 

「…………普通なら断るところだけど、今はスカイの事が心配だ。任せるぞ」

 

「あぁ!」

 

ノアを見送り、僕は目の前の少女を見つめた。こいつも竜なのか?

 

「君……グーリの気配を感じるね。もしかしてグーリと融合してる?」

 

『そんなところだ。アス。』

 

グーリが姿を現し、そう告げるとアスは嬉しそうな笑顔をしていた。

 

「あはは、まさかグーリにも会えるなんてね!しかも人間と融合してるなんて……面白いね!楽しめそうだよ!」

 

殴りかかってくるアス。僕はアスの拳を防ぐが、何て重い拳なんだ……

 

「気を付けろ。奴の攻撃は重いぞ」

 

「全力を出してるってことか?」

 

「いいや、加減をしてるみたいだ」

 

「加減するに決まってるででしょ!戦いは長く続けた方が楽しいじゃない!」

 

パンチの連打を放ち続けるアス。こんなパンチを防ぎ続けるのは……

 

「くっ!?」

 

距離を置いて、少し考えようとするが……

 

「あはは、逃げても無駄だよ!」

 

アスは口から土石流を放つ。これは……ブレス!?僕は防御しようとするがそのまま飲み込まれる。

 

「ねぇ、ねぇ、もう終わり?」

 

「くっ……」

 

近距離だとあの重い攻撃……遠距離だとあの土石流のブレス。今の僕では……でも……

 

「任された以上……やるしかない!」

 

「いいね!最高に楽しもうよ!」

 

更にパンチを繰り出してくるアス。僕は防ぎつつ……ほんの少しだけでもいい。奴の隙を見つけないと…………それに普通のパンチじゃダメだ……

多分後でましろに怒られそうだし、泣かれそうだけど…………

 

「さぁ!これに耐えられるかな?」

 

大きく振りかぶった瞬間、僕は全力でアスの身体を殴り、アスは吹き飛んだ。

殴った衝撃で右手が裂けて血だらけになったが…………

 

「どうだ……?」

 

吹き飛んだアスは笑みを浮かべていた。ダメージはあるみたいだけど……

 

「あはは、あははははは!いいね!本当に楽しめそうだよ!それじゃ今度は…………」

 

突然悪寒が走った。なんだ?これ……殺気?いや、違う。恐怖なのか?

 

「止めておけ」

 

不意に声が聞こえた瞬間、アスの肩を掴む男がいた。あれは……

 

「何よ。フウまで来たの?」

 

「ここで本気を出したらこの街は崩壊する。それは好ましくない」

 

「相変わらず平和主義だね。まぁいいや、また今度遊ぼうね。グーリの器くん」

 

アスは姿を消し、残ったフウという男は……

 

「あまり無理をするな。グーリの力はいずれ馴染む」

 

「フウ……貴様まで来ているのか」

 

「この街はそういう場所だからな。安心しろ。俺は敵にはならない」

 

フウも姿を消した。なんというか助けられた感じだけど…………

 

「グーリ……僕はまだまだだな」

 

「当たり前だ。力の制御は出来てるがな」

 

もっと頑張らないと……とりあえず今はプリズムたちの所に!

 

 

 

 

 

ノアside

 

プリズムに遅れてスカイの所へと駆けつけるが、どうにもまだプリズムが戦うことを嫌がってるスカイ。

そんなのお構いなしにランボーグが攻撃を仕掛けてくるが、プリズムはスカイを突き飛ばして、ランボーグの攻撃を回避させ、二人は近くの路地裏に隠れた。俺もそこへ向かうと……

 

「大丈夫か?二人とも!」

 

「ノア……」

 

「危なかった……今は言い争ってる場合じゃないよ。一緒に戦おう? ね?」

 

「できません……」

 

「でも……」

 

「スカイ……お前は……」

 

普通なら意地を張るなと叱るところだが、スカイの様子を見る限り違う感じがする。俺はスカイの気持ちをハッキリと自分で言うのを待った。

 

「友達だから……」

 

「え?」

 

「ましろさんは、私の初めての友達だから!」

 

「…………プリズム。スカイはこうして友達が出来たのは本当に初めてなんだ」

 

「ノアさんは……」

 

「俺は家族みたいなものだ。友達とは違う。だからこそスカイは……」

 

「そうです……あの日、あの瞬間から、私は、ヒーローになるためのトレーニングを始めました……」

 

ひたすらトレーニングを続けていく毎日。年の近い子と遊んだりすることはなかった。俺自身もスカイには友達を作らないのかと言うが、断っていた。

 

「自分で決めた事です。だから、自分で受け止めるしかないんです……」

 

スカイは戒めとして、手帳に『独りぼっちを恐れない。それがヒーロー』と記していた。だがそんなスカイに……

 

「でも、友達ができました……ワガママです……分かってます……でも、怖いんです! ましろさんが傷付くなんて! そんなの絶対に嫌だ!」

 

「スカイ……」

 

「だったら、1人の方がいい……私、1人で戦います!」

 

「そんな……」

 

こういうとき俺が何かしら言えれば良いんだが、俺よりもプリズムに任せた方が良いのかもしれないな。

そう思っていると、ランボーグに乗ったカバトンに見つかる俺たち。

 

「みーつけた!」

 

「しまった!」

 

「もう少し話し合いをさせてやれよ!」

 

俺はブレスを吐き、ランボーグの視界を塞ぐが、ランボーグはビルを破壊しながら、こっちに向かってこようとしている。俺たちは一旦逃げ出すが、ランボーグは追ってくる

 

「私が囮になります!」

 

「二言目には、それ言うよね! もう1人じゃないんだよ!」

 

「1人じゃないから怖いんです!」

 

「分かったよ!」

 

「え?」

 

「友達が傷付くのが怖いって言うなら、私、友達やめる!」

 

「えぇ!?」

 

「たった今から私達は、友達じゃなくて、パートナーって事で、どうかな?」

 

「じゃあ、相棒! コンビ! ペア! 他に何かある?」

 

「知りません!」

 

「そんなの言葉遊びです!」

 

「逃げながら喧嘩をするなよ……エルも悲しそうだぞ」

 

二人の言い争いを見て、泣きそうなエル。二人はそんなエルをあやしていた。

 

「ケンカしてるんじゃないんですよ!」

 

「そうそう! 泣かないで! ほら!」

 

そんなことをしている内にランボーグが攻撃を仕掛けてきて、スカイを吹き飛ばし、残ったエルを捕まえようとするランボーグ。プリズムは咄嗟に駆けつけ、

 

「あぁ……」

 

多分今のスカイには夢の光景が浮かんでいるのかもしれないが……

 

「はァァァァ!」

 

プリズムは二つの光弾を放つが、ランボーグにその光弾を掴まれた。その瞬間

 

「弾けて!」

 

光弾が弾けて、ランボーグの視界を奪う。更に追撃として下から桜空が来て、ランボーグを思いきり殴る。

 

「壁ジャンプ……怖すぎだろ」

 

「無茶をするな……」

 

「二人は?」

 

「見てろ」

 

俺たちはスカイたち二人の様子を見つめた

 

「駄目だ……友達以外の言い方、見つからないや。パートナーとか相棒とか、そうじゃなくて、あなたは私の友達。あなたが心配だよ。助けたいよ……気持ちは同じ……それって、一緒に戦う理由にならないかな?」

 

手を差し伸べるプリズム。スカイはプリズムの隣に並び立つと……

 

「やろう、スカイ!」

 

「はい、プリズム!」

 

「やっと、その名前で呼んでくれたね!」

 

二人の絆が深まった瞬間、エルがプリキュアと叫び、新たなスカイトーンが現れた。

 

「これは……」

 

「エルちゃんの新しい力!」

 

二人は頷きあうと……新たなスカイトーン。スカイトーンWシャイニングをスカイミラージュに装着し

 

「スカイブルー!」

 

「プリズムホワイト!」

 

ランボーグを円盤の中へ入れ込ませ、

 

「プリキュア・アップドラフト・シャイニング!」

 

眩い光でランボーグを浄化するのであった。

カバトンは危険を察知したのか逃げ出したみたいだな。

 

 

 

 

 

 

ビルの屋上で、夕陽を見つめる二人。スカイはプリズムの手を握りしめていた。

 

「一件落着か」

 

「そうではないぞ。ノア」

 

「そういえばアスは撤退させたのか?」

 

「撤退したというか……させられたというか……」

 

「フウまで来ていた」

 

フウか……あいつが来ているのは驚きだが……

 

「今はアスだな。とりあえず桜空」

 

「何?」

 

「その傷……プリズムがもの凄く見てるぞ」

 

「あ……」

 

その後、桜空は無茶をしたことをプリズムに怒られるのであった。

 



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11話 竜達の警戒

今回はオリストです


ノアside

 

ソラの悩みが解決し、今は悪夢を見ることなく眠っている。

穏やかな寝顔を見つつ、俺は部屋を訪ねてきたグーリと話していた。

 

「桜空の所にいなくていいのか?」

 

「ある程度自由に動けるからな。まぁ今は事情が事情でな」

 

例の件か……まぁそれはあの二人の問題だから俺が関わることではない。

グーリが訪ねてきた理由……それはあいつらの事だな

 

「アスにフウの件だな」

 

「あぁ、お前はソラと一緒にこっちに来た。我は魂がこちらの世界に来て、桜空の身体に宿っているが……あいつらは」

 

「こっちに普通にやって来た……と言うことだな」

 

ヨヨがこっちの世界にいることを考えれば、どうにかして来たと言うことを考えられる。それにしても……

 

「フウはともかくアスか……」

 

フウは基本的に向こうから仕掛けてくることはない。必要な時にしか戦わないから基本的に対処はしなくて済むが、問題はアス。奴は戦闘狂で戦いを好む。罠を張ったりせずに、ただただ戦いを好むだけの竜。

 

「我はまだ良いが、お前とは相性が悪いだろ?」

 

「あぁ」

 

アスは地竜。炎竜の俺と相性が悪い。地には炎が効かないしな。逆にグーリとは相性が良いが……

 

「面倒な相手がいるのは本当に厄介だな」

 

「ふむ……」

 

グーリは少し考え込んでいた。なんだ?まだ何かあるのか?

 

「地竜のアス、風竜のフウ……他にも来る可能性がありそうでな」

 

「他……か」

 

俺が知る限りは、水竜、木竜、光竜と闇竜の兄妹。鏡竜くらいだな。そいつらも来たら来たで本気で面倒なことになる。

 

「とりあえず今は桜空を鍛える事だな。グーリ、あいつには氷の力を先に覚えさせるしかないな」

 

「あぁ……」

 

竜同士の戦いは俺たちがやるしかない。ソラは巻き込みたくないな。俺はそう思いながらソラの髪を撫でるのであった。

 

 

 

 

 

桜空side

 

「あの……ましろ……さん」

 

「桜空くん、私怒ってるんだよ」

 

ましろの部屋でましろの前で正座をさせられている僕。何故かと言う……今日の戦いで無茶をしたことが原因だった。

 

「無茶するのは仕方なかったと思うけど、私が心配してること忘れてないよね?」

 

「はい、忘れてないです」

 

ましろは怒っているがその表情は辛そうなものだった。ましろ自身、僕が無茶をすることが心配で心配で仕方なかったのは分かる。

 

「桜空くん、お願いだから……ね」

 

「分かった」

 

僕が無茶をすることを心配してくれているましろの事を忘れないと改めて誓う僕であった。

 

 

 

 

 

 

3日後、あれからカバトンが現れることなく、平和な時間が流れていた。この3日間はノアとグーリから氷の力を使い方を教わっていた。ブレスはまだ使えないが、氷を作り出したりすることは出来るようにはなった。グーリ曰く前よりは少し強くなったらしいとのこと。まぁ成長できたことは嬉しく思える。

 

「始業式だし、荷物も軽くてすむな」

 

「桜空くん、準備できた?」

 

「あぁ」

 

僕とましろはお互いに学校の制服に着替えている。そう、今日から新学期の始まり、学校では竜の力がバレないように気を付けないと……

 

「そういえばグーリさんは大丈夫なの?」

 

「あー、大丈夫だよな?」

 

「我をなんだと思っている。学校とやらでは姿を消しておくさ」

 

それなら安心だな。僕とましろはヨヨさんに挨拶をし、ソラに今日から学校が始まることを伝えるが…………あれ?ソラの奴、着いてきてないか?

 



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12話 少し寂しそうなソラ

桜空side

 

「この前私逆立ちしたままどれだけ歩けるかやってみたんですけど……」

 

楽しそうに談笑をするましろとソラの二人だけど……ソラはどこまでついてくるんだろ?それともツッコミ待ち?

ましろも段々と苦笑いに変わっている。どうする?ツッコめばいいのか?

というかこう言うときノアは何をしてるんだ?

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

考え事をしていたからか、少し起きるのが遅くなったな。リビングに行くとヨヨもエルしかいなかった。

 

「ソラは?」

 

「ソラさんならましろさんたちと一緒に出掛けたわよ」

 

そういえば桜空とましろは今日から学校って言ってたな。ソラは見送りか?いや、ソラの事だから多分普通に付いていってそうだな…………

 

「まぁその内戻ってくるか」

 

俺はそう呟きながら、庭へと出ようとすると……

 

「えう~」

 

「何だ?悪いけど遊ぶのは少し待ってもらうぞ」

 

優しくエルの頭を撫でつつ、庭へと出た俺はある訓練をしていた。本来なら竜の姿でなら戦闘も楽に出来るが、この世界では目立ってしまう事を考え、人間体での力の使い方を訓練していた。

 

「そのまま戦うと街への被害が大きくなる……加減が出来るようにしつつ……」

 

正拳突きをしていく。うん、拳に関しては加減が出来るようになったな。前までは正拳突きをしただけで、地面が抉れたから…………

蹴りは……蹴った瞬間に少し衝撃波が出るくらいだな。暫くはそっちを重点的に……

 

「精が出ますね。ノア」

 

「ソラか。おかえり、どこまで行ってたんだ?」

 

「あはは、つい学校まで……うっかり入りそうでした」

 

ソラらしいというべきか……それにしても……寂しくないのか?いや、変に聞くよりもこういうのはソラが自分で気づくことだよな。

 

「少し訓練してるからな」

 

「はい!ましろさんたちが学校で頑張っているなら私は家中をピカピカにします!」

 

要するに家事をするということか。俺はソラに頑張れと伝えて、訓練を続けた。それにしてもソラの奴……少し寂しそうなのは……まぁ仕方ないか

 

 

 

 

 

 

今日の分の訓練を終わらせ、ヨヨの所へと訪れるとソラがヨヨの手伝いをしていた。

 

「結構力入りますね。これ……」

 

「トンネルの完成までは沢山の手順が必要だから、とっても助かるわ」

 

「お役にたてて良かったです!」

 

すり鉢で材料を混ぜていくソラ。すると思い詰めた顔をし始め、ソラはヨヨに謝りだした。

 

「この間はごめんなさい!私、自分の事ばっかり……ヨヨさんに嫌な態度とってしまいました」

 

「良いのよ。気にしないで、それよりどう?こっちの世界には慣れた?」

 

「はい、けど私……お世話になりっぱなしで……みなさんに迷惑をかけてばっかりです。それにノアにも……」

 

「俺は迷惑なんて思ってないぞ」

 

「そんなことないわ。ソラさんの何事にも一生懸命なところ、とっても良いと思うわよ。戸惑うことも多いけど、こっちの世界は興味深いことばかり、そうでしょ?」

 

「はい!今日見たましろさんの学校もとっても楽しそうでした!」

 

楽しそうか……それならソラも……

 

「あなたも行きたい?」

 

「え、いえ……私はこの家でやることがありますし……」

 

「ソラ……」

 

自分の気持ちに正直になるべきなのか悩んでるだろうな……ヨヨもその事に気がつき、ソラに買い物を頼むのであった。

 

「俺もついていくか」

 

「貴方は学校には?」

 

「俺は……と言うより俺ら竜は見た目よりも歳を取ってる。今更学校に行こうとは思わないさ」

 

俺の見た目も普通の人間だと、18歳位なのだろうけど実際の年齢は100を越えている。長生きをしているからこそ、知識もある方だから今更学校はな

 

「俺が学ぶべき事はこの世界の常識くらいだな」

 

「ふふ、でもソラさんが行くのであれば、貴方はどうするのかしら?」

 

「まぁその時はその時だ」

 

「ノア?早く買い物に行きましょう!」

 

「あぁ」

 

ソラと一緒に買い物へと向かうのであった。ちょっとした気分転換……と言うよりかは自分の気持ちに素直になれればいいんだどな。

 



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13 ソラの気持ち

今回は本編であったあるシーンはカットします


ヨヨに買い出しを頼まれたソラ。俺もそれに付き添うが、ソラはショーケースにあった商品を見つめては、少し俯いていた。

 

「ソラ、大丈夫か?」

 

「え?何がですか?」

 

「お前……」

 

いい加減素直になれっと言いたいが、今言うと否定しそうだな。全く……

 

「ソーラちゃん!」

 

ため息をついていると、誰かが後ろからソラに抱きついた。抱きついてきたのはあげはだった。

 

「あ、あげはさん!?」

 

「こんちゃ!ノアくんもこんちゃ」

 

手で狐を作りながら挨拶をしてくるあげは。

 

「あげはさん、どうしてここに?」

 

「学校帰りでさ。それよりどうかしたの?なんか浮かない顔をしてたよ~?」

 

「えっと……」

 

あげははソラの様子を見て、何かを思い付いたのか……

 

「オッケー!とりあえず気分あげてこう!」

 

俺たちはあげはの誘いを受け、近くの喫茶店に入るのであった。

 

 

 

 

パフェを食べ終え、少しは元気になったソラ。ちょっとした気分転換になったみたいだな。

 

「元気でた?」

 

「はい!あ……でも」

 

「それはまだ悩みが解決してない顔だね」

 

「あっその……ましろさんは今日から学校で、私たちはヨヨさんに言われて買い物に来ていて……」

 

「ふーん、なるほどね」

 

「それで……」

 

「つまりソラちゃんは、ましろんと一緒じゃなくて寂しいんだ」

 

「え?そう……なんでしょうか?」

 

自分でも気がついてなかったのか……それなら俺も指摘してやれば良かったかもしれないな。

 

「分かるよ~ましろんの優しさって、お日様のポカポカ陽気みたいでさ。側にましろんがいないと、途端に寂しくなる」

 

「そうなんです!今日はなんかいつもと違うなって思ってたけど、それはズバリ!ましろさんと一緒にいないからだったんです!」

 

「でもそれ、伝える相手が違うんじゃない?」

 

「言えません……ましろさんに言うのは何だか照れ臭いですし……」

 

初めて出来た友達だからこそ、そんな気持ちを伝えるのが恥ずかしいか……

 

「あげは、もう少し力になってくれないか?」

 

「わかった。ソラちゃん、もう少し付き合ってくれない?」

 

「それじゃ俺は買い物を終わらせておくから」

 

「ノア……ありがとうございます」

 

ソラの事をあげはに任せて、買い出しを済ませる俺であった。

 

 

 

 

 

少しして戻るとソラはメイクをしていた。あげは曰くメイクは勇気が足りないときに、力を貸してくれるらしい。ソラは力を貰い、ましろの所へと向かうのであった。

 

「全く手のかかる奴だな」

 

「ノアくんは良いお兄さんだね~」

 

「兄か……まぁそう見えても仕方ないか」

 

「違うの?」

 

「俺はソラに救われた。今は兄代わりみたいな事をしてるが、俺自身は恩を返したいって思ってるだけだ」

 

「ふーん、所でソラちゃんは追いかけないの?」

 

「のんびり追いかけるさ。二人の邪魔をしちゃいけないしな」

 

「やっぱり良いお兄さんじゃん」

 

 

 

 

 

 

 

ソラを追いかけていくと、荷物を持ったお婆さんを助けたり、土手で喧嘩をしそうな男二人の喧嘩を止めたりしていたけど、こんなときでもヒーロー活動は止めないのな

更には通行禁止のところを普通に通ったり……って……

 

「お前、何してるんだ?」

 

「な!お前は竜の!プリキュアを倒したいところだがまずはお前を!」

 

アスの姿はないから、一緒に行動してる訳じゃないのか。とりあえずカバトンの胸ぐらを掴み……

 

「今日のお前の出番はない!」

 

「はぁ?なあああああああああ!!!!!?」

 

カバトンを投げ飛ばす俺であった。

 

 

 

 

 

ソラの向かった先へと行くと、ソラはましろと会えたみたいだ。

俺は陰で二人の話を聞く。

 

「私……今日、ずっと変な感じがしていたんです。でもやっと!それが何なのか分かりました!私はましろさんと一緒に……もっと一緒にいたいです!」

 

「私もね……今日同じこと考えてたよ」

 

「えっ?」

 

「ソラちゃんがいないと時間が過ぎるのがゆっくりだなーって」

 

「私も!今日はお家で早く帰ってこないかな~って、ずっと思ってて!」

 

二人は笑顔で話していた。本当に良かったな。ソラ

 

「ノアは何をしてるんだよ?」

 

「桜空か。ちょっとソラが元気になったか見てた」

 

「そっちもか。こっちもましろが落ち着かない感じだったから……」

 

お互いに気にしてたのか。まぁ二人が元気になったならそれはそれで良かった。

 

「そう言えば今日はカバトン出てこないな」

 

「あぁ、さっき投げ飛ばした」

 

「はい?」

 

今日くらいは邪魔はダメだからな。

 

「あ、ノア!」

 

「桜空くん!どうしたの?そんなところで」

 

「ちょっとな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家に帰るとヨヨからソラが学校に通えるようになったことを聞かされた。ソラとましろは大喜びする中、ヨヨはあることを俺に告げた。

 

「ノアさんには、あるお仕事を持ってきたわ」

 

「仕事?」

 

「えぇ、なるべくソラさんたちと一緒にいた方が良いと思ってね」

 

何の仕事なのか気になるが、俺に対しても気を遣われたみたいだな

 

 




戦闘はカットしました。やはりあそこは邪魔は無粋かと


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14 ソラの学校初日

ノアside

 

「♪~」

 

鏡の前で嬉しそうにしながら自分の制服姿を見ているソラ。本当に嬉しそうだな~

 

「ノア!どうですか?似合ってますか?」

 

「昨日から言ってないか?」

 

「えへへ、だって~」

 

まぁましろと桜空と一緒に学校に通えるのが本当に嬉しいみたいだし、仕方ないか

 

「ソラちゃん、制服似合ってるよ」

 

「そ……そうですか?」

 

「ソラちゃんと学校行くのすっごく楽しみ!」

 

「私もです!」

 

ましろもソラと学校に行けるのが楽しみみたいだな。さて桜空は?

 

「桜空は?」

 

「桜空くんは玄関で待ってるよ」

 

「それなら私たちも!」

 

学校へ向かう三人を見送る俺、ヨヨ、エル。エルは少し寂しそうにしていた。まぁ流石に学校に連れていくことは出来ないから仕方ないか

 

「ヨヨさん、何から何までお世話になってしまって……もし学校でスカイランドから来たことがバレたら……」

 

「あんずるよりうむがやすし、まずはやってみないと」

 

「私もフォローするから」

 

「ヨヨさん、ましろさん」

 

「行ってらっしゃい。学校楽しんできなさい」

 

ソラたちは家を出るのを確認したあと俺は……

 

「さてと俺も行くか」

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

「えぇ~ソラ・ハレワタールさんは海外からの転校生だ」

 

担任の紹介を受けるソラ。まさか同じクラスだとは……そこら辺もヨヨさんが手を回したとか?いや、あり得ないよな……

 

「外国生活が長いので不馴れなことがあると思うが、そこはみんなでサポートしてほしい」

 

「そ、ソラ・ハレワタールです。ましろさんの家でお世話になってます。よろしくお願いします!」

 

特に問題なく自己紹介が終わったみたいだ。

ソラの席はましろの隣になった。まぁ隣の方がましろもフォローしやすいだろうしな。因みに俺はましろの前の席にいる。

 

「それと今日から新しい副担任も紹介する」

 

新しい副担任……まさかと思うけど……ノアなわけないよな?いやいや、そんなわけ……ないよな?

教室に入ってきたのは緑髪の男だった。あれ?あいつ……何処かで……

 

「今日から副担任になった風月竜月だ。よろしく」

 

風月先生を見て、クラスの女子がざわつく中、先生は僕の事を見ている気がした。気のせいだよな?

 

「ねぇ、ソラちゃんって何て国から来たの?」

 

「はい!スカイランドです」

 

近くの席の女子がソラの出身地を聞くとソラはスカイランドと答えたけど……ん?

 

「うん?」

 

ましろも何か固まってるし……これ、やらかしてないか?

 

「それってどこ?」

 

「別の世界です!」

 

素直に答えすぎじゃないか?

 

「そ、ソラちゃん!?」

 

「あ……ま、間違えました!」

 

「ソラ、気を付けろ!」

 

「は、はい、えっと……」

 

それから担任がヨヨさんから聞いていたソラの出身地……スカンディナビア半島と言われていたことを伝え、ソラもなんとか誤魔化した

けど、何だか恥ずかしがり屋だと思われてしまうソラだった

 

 

 

 

 

休み時間になり、ソラたちと窓のそとを眺めながらある話をしていた。

 

「ソラちゃん、恥ずかしがり屋じゃないよね?」

 

「まぁあれでなんとか誤魔化せたみたいだけど……どうするんだ?」

 

「ましろさん、桜空さん、私……とんでもないことに気がつきました!何でも正直に話してしまうところがあるようです。思えばあげはさんと会った時もそうでした……」

 

「そ、そうかな……」

 

「まぁ素直なだけだと思うけど……」

 

「それ、いい風に言ってるだけだよね?」

 

「と言うことは早くクラスに馴染むにはこれ以上質問されないように、目立たない方が良いです!」

 

「そ、そうかな……?」

 

「ソラ……極端すぎるぞ……その考え……」

 

「そういえば桜空くん、風月先生と知り合いなの?」

 

「いや、初対面だけど……」

 

「そういえば私も気になってました。あの先生……桜空さんを見ていましたよね?」

 

でも本当に初対面のはずだけど……でも何処かで会ったことがあるんだよな……

 

「グーリは知らないか?」

 

学校ではグーリは姿を特定の人物にしか見えないようにしてもらっている。見られたら色々とまずいからだ。因みに声とかもそんな感じになっている

 

『ふむ、気にはなっているが……放置していてもいいだろ』

 

特に気にするような存在ではないと言うことか?と言うかそれって知り合いって事じゃ……

そんなとき、クラスメイトたちの話が聞こえてきた。

 

「そういえば今日から警備の人を雇ったのかな?」

 

「そうみたいだよ。怪物騒ぎがあるからって」

 

警備の人か……そういえばホームルームでもそんな話を聞いたような……

 

「でも警備の人って言うより、用務員さんみたいだよ」

 

「あ、あの人かな?風月先生と話してる」

 

三人で窓からその用務員の人を見てみると……

 

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

「…………そんなところで何をしている?」

 

「掃除だよ。お前こそ、その格好は先生にでもなったか?」

 

「こちらの世界に興味があるからな」

 

「そうか。一応聞いておくが……あいつらと戦うことはないな」

 

「お前たちがよく知ってるだろ。俺が平和主義だと言うことを……今はあの女に気を付けてろ」

 

「そうだな……」

 

それにしても……ヨヨもソラたちの事が心配だからって俺を学校の用務員として雇うようにするなんてな……

後でソラたちに会っておくか



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15 思い出の桜

あげツバのおねショタは割かし好きです!


桜空side

 

あの用務員……明らかにノアだよな?風月先生と話してるけど、知り合いなのか世間話をしてるのか?

ましろもその事に気がついてるが……

 

「ノア、用務員になったんですね。後で声をかけないと!」

 

ソラ……色々と気にしような……

 

 

 

 

次の授業にて、ソラは問題を答えようとするが目立たないようにとしているからか手をあげるのをやめていた。そんなに気にすることではないと思うんだけどな…………

 

 

 

体育の授業……今日はスポーツテスト。

 

「ソラちゃん。スポーツテストはやったことある?」

 

「はい!ちょっと自信があります!」

 

「まぁ普段から鍛えているソラなら余裕だろうな」

 

「そうだね。きっと良い記録を……」

 

「いえ、自信はありますが、あまり目立たないよう、みなさんのちょうど真ん中くらいを狙います!」

 

「それでいいのかよ……」

 

「あはは……桜空くんは大丈夫なの?竜の力とか」

 

「日常生活に支障が出ないようにしてるから、意識しなければ大丈夫」

 

そうじゃなければものすごい記録を叩き出してしまうからな。

 

 

 

 

と言うことで50メートル走、僕とソラは同じ組になりスタートする。僕は真ん中位で走るけど、ソラは手を抜いてる。本当に真ん中くらいの記録を目指してるみたいだけど…………

 

「はっ!」

 

何かに気が付き、急加速をしてゴールしていた。どうやら転んで怪我をした子を見て駆け出したみたいだけど…………

 

「ソラちゃん、早すぎ!?」

 

「この学園の新記録だ」

 

うん、そうなるよな。ソラもやらかしたって顔をしていた。

 

 

 

 

次は幅跳び。僕も少しは記録が伸びたから、鍛えた結果みたいなものかな?

ソラは今度こそ……

 

「桜空さんと同じ位置で……同じ位置で……」

 

そんなことを呟きながら、飛ぼうとした瞬間、後ろにいた男子生徒のくしゃみに驚き、空中で一回転をして、砂場を越える結果に……

 

 

 

 

今度はボール投げ、いざソラが投げようとすると、クラスメイトたちが応援をし始め、ソラは応援に応えるように思いきり投げると……

 

「あ……」

 

ボールは空の彼方に……あれ、回収しなくて良いのか?

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

スポーツテストととやらを屋上で眺めているが、ソラは何をしてるんだ?

 

「本気を出してるのに何で失敗したって顔をしてるんだ?」

 

「暇そうだな」

 

いつの間にか来ていたフウ。こいつ……授業しなくていいのかよ?

 

「今は待機だからな。それでお前は仕事しなくて良いのか?」

 

「もう終わらせた。次の仕事があるまでは待機だよ」

 

「そうか……あの娘がお前を救った奴か?」

 

「あぁ……」

 

「恩を返すために一緒にいるのか?」

 

「そうだよ。問題でもあるか?」

 

「そうだな……本当にそれだけなのか気になるがな」

 

「…………」

 

それだけのはずだよな……

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

それからスポーツテストで新記録を叩き出したソラ。うん、普通に反復横飛びで分身をしたり、握力計を破壊したりするなよ

ソラはその事で落ち込んでいた。

 

「きっと他の皆さんは私のことを変だと思ってます……もしこれで別の世界から来たことまでバレてしまったら……もう皆さんとお友だちには……」

 

「ソラちゃん……じゃあ目立たないようにしていた一番の理由はみんなと友達になりたかったから?」

 

「はい……」

 

「それなら気にすることないよ」

 

「だな」

 

「え?」

 

するとクラスメイトがソラに集り、変に思ったりせずに親しげに声をかけていた。一々そんなことを気にする奴はいないからな。

 

ソラはクラスメイトたちと話して、明るさを取り戻すとましろはある場所に行こうとソラを誘うのであった。

 

「ましろさん……ここって」

 

「私のお気に入りの場所だよ」

 

「ましろはここで勇気を貰ったんだよな」

 

「うん!ほら、ソラちゃん、見てみて」

 

ましろはソラに下を見るように言うと、そこには満開の桜があった。

 

「きれいでしょ」

 

「はい!なんていう木なんですか?」

 

「桜だよ。この学園が出来てからずっとあそこにあるんだって」

 

満開に咲く桜を見て、ソラは目を輝かせていた。

 

「ソラちゃん、クラスでもっと自分のこと出して良いんじゃないかな?」

 

「え?」

 

「実は私のね。入学した頃、新しい友達とうまく話せなくて、どうしようどうしようって気持ちばっかり焦っちゃって、そんなとき……桜空くんがここを教えてくれてね」

 

「ましろは桜を見て、元気を貰ったんだよな」

 

「うん、お陰で肩の力が抜けたんだ」

 

それからましろはソラに自分はありのままの自分でいてほしいと伝えたことを、

ソラもいつも通りのソラでいてほしいと伝えた。ソラはその言葉を聞き……

 

 

 

 

 

 

「皆さん!お食事中失礼します!」

 

昼休み、ソラは黒板の前に立っていた。黒板には大きな文字で自分の名前を書いていた。

 

「転校の挨拶をもう一度やらせてください!」

 

クラス中がどよめく。確かに一度やったことをもう一度やることに対してそういう反応になるけど、ソラは続けた

 

「ソラ・ハレワタールです!ましろさんの家でお世話になってます!でも私は恥ずかしがりやではありません!皆さんと仲良くなるならそれでもいいと……でも気づいたんです!やっぱり自分の事を知って貰わなきゃダメだって!私は!ヒーローを目指してます!だから体を鍛えていて、運動に自信があります!私はここに来たばかりでなれないことも多くて、でもましろさんと桜空さんと友達になって、新しい事を沢山知って、この学校に通うのも凄く楽しみで……だからもしよかったら、皆さんと友達になりたいです!よろしくお願いします!」

 

ソラの挨拶は……クラスメイトたちは受け入れてくれていた。良かったなソラ。

なんて良い感じ風に終わると思っていたら、謎の転校生が学食を荒らしているという話が舞い込んできた。その転校生の見た目がどうにも僕らには思い当たる人物だった

 

 

 

 

 

 

 

外へ移動するとそこには学ラン姿のカバトンがメロンパンを食べながら食レポしていた

 

「うまっ、目を閉じれば北の大地でたわわに実ったメロンたちがまいおどるようなのねん」

 

「そのパンは形がメロンっぽいだけでメロンは入ってないよ!」

 

ましろ、的確にツッコミを入れてやるなよ……誰だってメロンパンの真実は通ってきたんだし……

 

「お前たち!」

 

「カバトン!どうしてここに!」

 

カバトンはここに現れた理由を話した。どうにも何処からか飛んできたボールに当たったらしく、それに導かれるようにこの学校にきたらしい。ボールって……まさかな……

 

「お前たちを倒して、ゆっくりプリンセス・エルを探してやる!カモン!アンダーグエナジー!」

 

カバトンは桜の木をランボーグに変化させた。

学校のみんなはそれを見て避難していく。

 

「念のために……氷竜!」

 

自分の事を知られたらまずいと思い、前から練習していた姿に変わった僕。竜の角を生やし、制服から騎士を思わせるような服装に変わり、髪も白に変えた

 

「ましろさん!」

 

「うん!」

 

「「ヒーローの出番(だね)」」

 

「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」

 

プリキュアに変身する二人と僕は並び立った

 

「桜空さんの姿格好いいですね」

 

「うん、格好いいよ!」

 

改めて誉められると結構嬉しいな

 

「やれ!ランボーグ!」

 

ランボーグから放たれる桜の花びら。僕らは避け続けていくが、火力があるためか攻撃を喰らってしまう!

 

「覚悟しろ!お前たち!」

 

「覚悟するのはあなたの方だよ!」

 

吹き飛ばされても僕らは立ち上がった。

 

「桜空さん!私たちがランボーグの動きを止めます!」

 

「その間に!」

 

「分かった!」

 

二人はランボーグの周りを跳び回っていくとランボーグは目を回し始めた。僕はその隙にランボーグに一撃を入れ、

 

「今だ!」

 

「スカイブルー!」

 

「プリズムホワイト!」

 

『プリキュア・アップドラフト・シャイニング!』

 

二人の浄化技を喰らい、ランボーグは元の桜に戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

ソラの転校初日、色々とあったがソラも無事にクラスメイトたちと打ち解ける中……

 

「あのね、桜空くん」

 

「何だ?」

 

「実はこの桜の木だけじゃないんだよ。元気をもらったのは」

 

「そうなのか?」

 

「桜空くんのお陰でもあるんだよ……元気を貰ったの」

 

笑顔でそう告げるましろ。僕は顔を背け……

 

「そ、そうか……」

 

「桜空くん?照れてる?」

 

「夕日のせいだから……」

 

何て恥ずかしいことを言うんだよ……ましろは……

 




次回はオリスト!


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16 桜空の思い

今回はオリスト!


「ふー」

 

手のひらに力を溜め込み、形を思い浮かべていく。

すると僕の手のひらに氷を生み出す。

うん、訓練を続けていったから氷を作り出すのが短くなってきた。後はブレスだけど…………

 

「ハァ!」

 

口から氷のブレスを吐くが……雹が一欠片出るだけだった。うん、こっちはまだまだだ……

 

「イメージが足りないな」

 

「イメージしてるけど……どうにも」

 

氷のブレスのイメージはまだどうにも出来てない。こっちは練習あるのみだな。

 

「今日も訓練?」

 

ふと声をかけられ、振り向くとましろがいた。ましろは僕の訓練を見てたみたいだけど……いつから見てたんだ?

 

「ソラと一緒にいたんじゃないのか?」

 

「ソラちゃんはエルちゃんを連れて、ノアさんと出掛けてるよ」

 

「なるほどな」

 

珍しくノアとソラの二人が様子を見に来ないと思ったら……出掛けていたのか。

ノアは基本的に僕の訓練グーリと一緒に見てくれる。ソラは僕の訓練に便乗して、模擬戦をしたりもする。

だからこそ今日は二人が来ないことに疑問を感じたけど、そう言うことだったのか。

 

僕はましろからタオルを受取り、汗を拭きながらましろの隣に座った。

 

「頑張ってるね」

 

「まぁ鍛えておくのに損はないからな」

 

戦いのために身体を鍛えているけど、普段から鍛えておいても損はないしな

そんなことを思っていると、ましろが肩に頭を乗せてきた

 

「ま、ましろ?」

 

「何だかこうしていたいなって……」

 

「あー、えっと///」

 

ましろがこんな風にしてくるのは正直驚きを隠せないでいた。どうした?何かあったのか?

 

「桜空くん……頑張ってるのは凄く立派だと思うよ。それにあんまり無理をしないようにしてるのも……」

 

「あぁ……」

 

「それでも心配してるんだよ……」

 

ましろが心配してるのは凄く分かってる。何度も聞いてる。だけどましろが言うのは……それだけ心配してるからだよな

 

「怪我とかは竜の力で治りやすくなってるけど……それでも死ぬことはあるって聞いてる」

 

そこは普通の人間と変わらない。だからこそ……

 

「ましろの事を出来る限り悲しませない。それだけは約束するから」

 

「桜空くん……」

 

お互いに見つめあい……ましろが目を閉じていた。これって…………

 

「ましろ……」

 

「桜空くん……私は桜空くんのことが……」

 

「ただいま帰りました!」

 

いい雰囲気の中、ソラの声が聞こえ、咄嗟に離れる僕ら。何だ?このタイミングで帰ってくるのは……

 

「お二人ともここにいたんですね!って何かあったんですか?」

 

「ソラ……まぁタイミング悪かったというべきだな」

 

「えう?」

 

何だかノアだけが理解しているのがちょっとあれだけど…………

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、昼間の事を思い出していた。あの雰囲気……それにましろのあの行動…………

 

「僕はましろの事を……好きなんだよな?」

 

改めて自分の気持ちに少し恥ずかしい思いをする僕であった。




次回は本編に戻ります


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17 不思議な少年

桜空side

 

僕はいつも通りに訓練をしていると、ノアからある提案をされた。それは……

 

「ブレスは一旦諦める?」

 

「あぁ、どうにもイメージが出来ないみたいだからな。一旦諦めて今出来ていることを突き詰めていった方がいいと思ってな」

 

確かにここ最近訓練をしていても、ブレスはどうにもできない。だからこその提案なんだろうな

 

「必殺の一撃よりも他の強化をするべきだから……先ずは自分の腕に氷の武装を身に付けてみろ」

 

氷の武装……ノアの話ではそう言う武装形態を身に付けた方が攻撃力と防御力も上がるらしい。とりあえず試しに両腕に竜の爪をイメージした氷の武装を作り出した。

 

「あれ?」

 

「分かったみたいだな」

 

氷の武装を展開させて分かったのは、重さを感じないことだった。こういった武装形態は重さを感じさせないらしい。

 

「今日はそれを長時間維持することだな」

 

試しに武装した状態で身体を動かし続ける。これは体力を使うな……そんな中、ノアは何かを感じ取ったらしく…………

 

「…………まぁいいか」

 

「何がだ?」

 

「いや、別に」

 

 

 

 

 

夕食の時、ソラからある話を聞かされた。それは今日の昼間、エルちゃんのお世話をしているとき、少し部屋を空けたときにベッドの上に置いておいた玩具をソラが部屋に戻ってきたときにはエルちゃんが持っていたと言うことだった。

 

「へぇ~きっと掴まり立ちして、自分で玩具を取ったんだね。どんどん色んな事が一人で出来るようになってく。これまで以上に目を離さないよう気を付けないとだよ」

 

確かにほんの少し目を離したときには怪我をしているとかあるからな。でもソラは別の事を考えていた

 

「部屋に人の気配が……」

 

「え?誰の?」

 

「そこまでは……」

 

「気のせいじゃない?扉からだったら私たちが気がつくし、窓からだったら訓練してた桜空くんとノアさんが気が付くしね」

 

「まぁな。誰かが入っていったら分かるだろうし……」

 

「まぁ誰かが入ったらだけどな」

 

何だかノアが意味深なことを言ってるけど、なんなんだろうか?

 

「それより、誰か見かけませんでしたかって鳥に話しかけちゃうソラちゃん、可愛いね」

 

「あはは……スカイランドには言葉を喋る鳥がいるのでつい」

 

「え?そうなの!?」

 

「言葉を喋るって……マジで?」

 

いや、異世界なら普通なんだろうけど……流石にそれを聞くと驚きを隠せないんだが……

ソラ曰くスカイランドには人間と鳥は大の仲良しで、背中にのせたり、荷物を運んでくれたりしてくれるらしい。更にはモデルの仕事をしてる鳥や王様の城で働いている鳥までいるとか…………

 

「そ、ソラちゃんって今更だけどファンタジー世界の住人なんだね……」

 

「と言うか変に慣れすぎてたけど、よくよく考えたらノアとかグーリはまさにファンタジーの中の奴だし……」

 

それから他愛のない話で、部屋の中に誰かがいたと言う話題は終わるのであった。

 

「…………」

 

だけどノアだけは何故か考え込んでいた。

 

 

 

 

 

ノアside

 

「宿題よし!学校の準備よし!ってあれ?ノアは?」

 

ソラが俺の事を探している頃、俺は屋根の上にいた。

改めて確認したいことがあるからだ。

少しして、ソラの部屋の窓から誰かが入ってくるのを確認し、やっぱりと確信をした。

ソッと窓から中に入った人物に声をかけた。

 

「何をしてるんだ?」

 

「へっ!?」

 

部屋の中にはエルと黄色の服を着た少年がいた。更には

 

「誰?」

 

扉からソラが少年を睨み付けていた。

 

「貴方誰ですか!」

 

「ぼ、僕は!?」

 

「泥棒?人攫い?それともカバトンの仲間!」

 

少年は慌てて窓から逃げ出した……と言うより落ちていった。ソラも追いかけるように窓から飛び降り、少年の上に飛び乗るのであった。

 

「やれやれ……ソラ、落ち着け」

 

「これが落ち着けますか!」

 

「いいから、よく見ろ」

 

「え?」

 

ソラが捕まえた少年は鳥の姿になっていた。やっぱりこいつは……

 

「プニバード族だ」

 

「え?言葉を話し、人間の姿になれるあのプニバード族!?」

 

騒ぎを聞きつけ、ましろと桜空も家の中から様子を見ていた。そしてヨヨが出てきた。

 

「ソラさん、はなしてあげ。その子は私の知り合いなの」

 

「やっぱりか」

 

「ノアは気がついていたんですか?」

 

「あぁ、プニバード族に知り合いがいたからな」

 

「僕の名前はツバサ……一年ほど前にこの世界に落ちてきました」

 

一旦家の中に入り、ツバサの話を聞くことになった。

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

ツバサの話曰くスカイランドとソラシド市はどうにも世界の繋がりが強いらしく、嵐の日には世界を繋ぐトンネルにヒビが入り、そこからスカイランドの物が落ちてくるとか。だからスカイジュエルがあったのか

それからヨヨさんの世話になっていたとか……

 

「一年前って、私と桜空くんが引っ越してくる前だよね。ずっとただの鳥の振りをしてたの?どうして?」

 

「話しても信じてくれるか分からなかったので」

 

「ターイム!」

 

突然ソラがタイムをかけると驚いてツバサは人間の姿になった。どうやら驚くと変わったてしまうらしい

 

「私とエルちゃんが来た後ならいつだってスカイランドのことを話せたはずです!どうしてですか!」

 

「それは……」

 

「ソラ、怖い顔をしてるぞ」

 

「グルルル」

 

何かソラが番犬みたいな唸り声を出してるけど……

 

「でもツバサくん。お婆ちゃんにトンネル作ってもらえば、とっくにスカイランドに帰れたはずだよね」

 

「ヨヨさん!エルちゃんの側に信用できない人を置いておくわけにはいきません!きちんと話してください!」

 

ヨヨさんは話そうとするが、ツバサは首を横に振っていた。

 

「何を隠してるんですか!」

 

ソラの大声に驚き、エルちゃんが泣き出したため、その日の夜はお開きになった。ソラが怒っている理由も何となく分かるけど…………どうしたものか……それと……明日学校だけど……僕らは大丈夫なのか?




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18 ツバサの夢

桜空side

 

「おはよう。おばあちゃん」

 

「おはようです……」

 

ツバサの件があったため、僕らはあくびをしながらヨヨさんに挨拶をしていた。流石にあの時間から寝直しても眠いな

 

「二人ともおはよう」

 

「あれ?ソラちゃんは?」

 

珍しくソラが起きてこないけど……もしかして寝坊?そんなわけないか。ノアがいつも起こしてるだろうし……

 

「今日は学校休むって」

 

「え?」

 

「寝ないでエルちゃんの側にいたみたい」

 

「そっか……でもツバサくん、そんな悪い子に見えなかったけど……」

 

普通にいい奴そうだったしな。ただソラがどう思っているかだよな

 

「多分ソラさんも分かってる」

 

「じゃあ……」

 

「怖くなったのよ」

 

「怖くなったか……確かにそうかもしれないな」

 

「桜空くん、どう言うこと?」

 

「今回はツバサがエルちゃんを助けようとした感じだけど、もしもカバトンの仲間だったらって思い始めて怖くなったんじゃないのか?」

 

「そっか……ソラちゃんからしたらそうだよね……」

 

「ソラさんのことはノアさんが見てくれてるわ。彼は今日お仕事休みみたいだし」

 

とりあえずソラたちのことは任せて、僕らは学校へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

昨日の夜からずっとエルの事を見守っていたソラだが、眠気に負けて眠っていた。俺は起こすか悩んでいるとエルが一人で動きだし、部屋の外へと出ていった。俺はエルの様子を見ているとツバサもいた。

 

「あ、ノアさん」

 

「ツバサ。エルの事を見守ってるのか?」

 

「はい……」

 

エルは掴まり立ちをしていた。守るのもいいが、こうして見ていてあげる方が一番赤ちゃんには良いことかもしれないな

 

「エルちゃん!?」

 

「し!」

 

眠っていたソラが起き出し、部屋の外へと出た

 

「ソラ、少し見守ってやれ」

 

「え?」

 

三人でエルが掴まり立ちから、一人で立つのを見守っていると、無事エルは一人で立てるようになった。

そして後ろに倒れそうになったエルをソラとツバサが二人で助けていた

 

「良かった……凄いですよ……エルちゃん」

 

嬉し涙を流すソラを見て、ツバサはある決心をして、俺たちをある部屋に案内するのであった。

 

 

 

 

 

 

案内された部屋はずっと鍵がかかっていた部屋。空を飛ぶことについての本が置かれていた。ここはツバサの部屋なのか?

 

「私が用意したツバサさんの研究室よ」

 

「研究?」

 

「航空力学」

 

「ソラさん、飛行機を知っている?」

 

「え?まぁテレビで見たことあるくらいは……」

 

「その飛行機を飛ばす学問の事が航空力学よ。風の動き、強さ、翼の角度」

 

「こちらの世界の人たちが空を飛ぶために果てしない時間をかけた学問です。それを僕が一年かけて勉強してきました。スカイランドに帰らなかったのはそのためです」

 

「どうしてそんな勉強を?」

 

「……約束してください。本当の事を言っても笑わないって」

 

ツバサは語った。自分の夢……それは空を飛ぶこと。

 

幼い頃父親の仕事についていった際に、運び屋の鳥の背中から落ちてしまい、もうだめかと思っていた際、本来飛べないはずのプニバード族の父親が飛んで自分を救ってくれたことを……

それからツバサはあの日の父親の様に空を飛びたいと思い始めたが、他の人たちから馬鹿にされ、笑われてしまった。

それからツバサはソラシド市に来て、航空力学を知り、自分の夢を叶えようとしていた。

 

それを聞き、ソラは格好いいと言い出した。ソラはツバサの夢を笑うことなく、目指す場所は違うが夢を叶えようとする努力を知り、互いに握手を交わし、友達になるのであった。

 

「ノア!今度ツバサくんに飛びかたを教えてあげてください!」

 

「別にいいが、俺よりもこの航空力学の方がツバサにあってるだろ」

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

ソラが学校を休んだことで、クラス中が大騒ぎだった。あの最強の健康優良児が休むなんてと……ましろも僕もソラとツバサの事を心配しながら家に帰るが、僕らがいない間二人は仲良くなっていた。

 

「何があったんだろ?」

 

「本当に……」

 

まぁ仲良くなったからそれはそれでいいのではと思っていると、街の方から大きな音が聞こえた。僕らは外へと出て確認すると街にはUFOが飛んでいた。あれって

 

「あんな飛び方……あり得ません」

 

「今気にするところそこなの?」

 

「どう見てもカバトンの仕業だろ。俺は先に行ってる!」

 

ノアはそう言って赤いツバサを広げ、街へと向かっていく。ソラたちはプリキュアに変身し、一緒に街へと向かうのであった

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

街へと向かっていく中、当然何かが襲ってきた。

 

「あはは!ノア!楽しそうに飛んでるわね!」

 

「アス!邪魔しに来たのか!」

 

「邪魔じゃないわよ!貴方と遊びたいだけ!」

 

「それが邪魔をしてるって事なんだよ!」

 

俺はアスとぶつかり合うのであった。



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19 エルとツバサの危機

色々とカットしてます


ノアside

 

突然襲ってきたアス。こんなときまで戦うことを楽しむか

 

「貴方がその翼を広げるなんて……少しはこちらで本気で戦う気になれたのかしら?」

 

「必要だから翼を広げたまでだ。街に被害を出すなんてするつもりはない!」

 

互いに殴り合う。このまま戦い続けるとこっちが不利になるな

 

「あはは!短期決戦で終わらそうとしてるの?それじゃつまらないじゃない!それなら長く楽しみましょう!」

 

「悪いがこっちは色々とやることがあるんだ!」

 

俺はブレスを吐くとアスもブレスを吐き、互いのブレスがぶつかり合い、衝撃波が起こるのであった。

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

空に浮かぶランボーグ。それにはカバトンが乗っているみたいだった。僕らは何とかランボーグに攻撃を仕掛けようとするが、空を飛んでるんじゃこっちの攻撃が届かない

スカイたちはビルの屋上まで上がり、大きくジャンプするがあれじゃ届かない!

 

『そんなへなちょこジャンプで届くもんか』

 

「スカイ!」

 

「うん!」

 

プリズムがスカイを蹴りあげ、更に距離を伸ばし、スカイはパンチを喰らわせようとするが、ギリギリの所でランボーグが避ける

 

「ずるくない!それ!」

 

スカイは落ちていく中、ランボーグはビームで攻撃を仕掛けていく。スカイは空中で避けながら、プリズムが出した光弾を足場にして着地する

 

「ねぇあれやばくない?」

 

「はい、やばやばです」

 

「まずい!二人とも僕の後ろに!」

 

ランボーグがエネルギーを貯め、こちらに向かって放った。僕は氷の壁を出して防ごうとするが……

 

「まずい!強度が……足りない……」

 

氷の壁が壊され、僕らは吹き飛ばされる。

 

『俺TUEEEE』

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

アスと何度目かのぶつかり合い。どうにもこっちが不利なのは明確だった。アスは戦うにつれてテンションが上がり、周りに何があろうとお構いなしに暴れまわる。

 

「こっちも本気を……」

 

本気を出せばアス程度……

 

『ダメです!周りを巻き込んではいけません!』

 

くそ、そうだよな。約束してたんだよな。仕方ない……

再度攻撃を仕掛けようとしたとき、この場にいてはいけないはずのエルとツバサの姿があった。何で二人とも来てるんだよ!助けるか?

 

「ノア……みーつけた!」

 

「本当にやることが多すぎだろ!」

 

 

 

 

 

桜空side

 

目を覚ますとあげは姉がいた。吹き飛ばされた僕らを介抱してくれたのか?

 

「あげはちゃん?」

 

「良かった…あなたたちを追ってエルちゃんが飛び出して、そしたら……」

 

僕らはエルちゃんたちの方を見ると、エルちゃんとツバサの二人がランボーグに吸い込まれていく

 

「エルちゃん!」

 

「ツバサくんまで!どうして?」

 

「質問はなし、二人を助けないと!」

 

二人を助けるために、あげは姉はある作戦を伝えた。それならスカイとプリズムの二人なら何とかなるかもしれない。僕は……

 

(現状できることを考えるんだ。遠距離攻撃は無理。氷の礫を投げても届かない。氷の壁などを作ることは可能。武装とかも作れる……あとは…………)

 

加減なしにジャンプすれば何とか出来るが……ましろとの約束がある。

どうしたらと考えているとスカイたちの作戦が始まった。

 

二人は同時に跳び、プリズムがスカイを蹴りあげつつ、更にジャンプ力をあげるために光弾を放つ。プリズムは光弾を放つとそのままビルの屋上に落ち、あげは姉は辛そうな顔をしていた。

スカイは何とかランボーグの所へと行こうとするが届かず、そのまま落ちていく

 

「中止!やっぱり私の作戦じゃ……」

 

「まだ……です!」

 

「うん……」

 

二人が頑張ってる。僕はこのまま見ていることは……

 

「プリズム……無茶をするよ」

 

「桜空くん……でも!」

 

「このまま見てることなんて……出来ない。少し……少しだけ本気を出すだけだ」

 

氷の足場を出し、本気の力のほんの少しを出し、ジャンプする。ジャンプと同時に足場は崩れたが、何とかランボーグの一部を掴めた

 

「足は痛めたが……それでも動ける……」

 

「桜空さん!?」

 

「ツバサ?」

 

揺りかごに乗ったツバサがこっちにやってきた。まさかランボーグの中から落とされたのか?

 

「行くんですか?」

 

「あぁ……ツバサはどうする?」

 

「僕は……」

 

迷ってるのか?まぁそうだよな。自分に出来ることがもうないと思ってる感じだ

 

「お前に出来ることはある。エルちゃんを助けることだ」

 

「助けることって……僕には皆さんのような力は」

 

「力はなくても助けることは誰にだって出来る」

 

僕はランボーグの上に立ち、ツバサを見つめた。

 

「やるかどうか……今決めてほしい」

 

「…………分かりました」



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20 空を飛ぶプリキュア!

ツバサはランボーグの中に入ってもらい、僕はそのサポートのために外側からランボーグを凍らせていく

 

「これなら倒すまでいかなくても動きが少し鈍るはずだ」

 

するとツバサがエルちゃんを助け出して、外に出てきた

 

「エルちゃん、行って」

 

「える!」

 

「僕は……」

 

『何処だ~!』

 

「ツバサ!カバトンが追ってきてるぞ!」

 

「急いで!一人で行くんだ!」

 

エルちゃんはツバサを放っておけないみたいだった。だけど……カバトンが追い付いてきてる

 

「こっちは僕に任せて、二人は早く逃げろ!」

 

「でも!」

 

「いいから!大丈夫……何とか脱出するから……」

 

「くっ……」

 

ツバサはエルちゃんが乗る揺りかごを掴み、ランボーグから脱出した。さて……

 

「揺りかご……スピード出ないみたいだけど……少しは時間を稼げば……」

 

「ち!ふざけやがって!」

 

カバトンはそう言ってランボーグの中へと戻ると、ランボーグが激しく揺れ始めた。

 

「まずい!?振り落とす気か!」

 

足を氷で固定すれば何とか……そう思った瞬間、ランボーグが逆さになり、僕は落ちてしまうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

「どうしたの?ノア!もうボロボロじゃない!」

 

「そうだな……」

 

「止めを刺してあげる!」

 

アスが左腕を岩に変化させ、鋭く尖らせ、俺に向かってくる。俺は近づいてくる瞬間を狙い、ブレスを放った。

 

「なっ!?」

 

「相性が悪くても俺のブレスの直撃を喰らったんだ……死にはしなくてもダメージは大きいだろ」

 

煙が晴れるとあちこちに火傷が出来たアスの姿があった。アスはただただ笑みを浮かべていた

 

「いいね!ここまでやるなんて……もっと……楽し……」

 

「そこまでだ」

 

突然俺たちの間に竜巻が起き、そこにはフウがいた。

 

「フウ!」

 

「もっと楽しみたいのに!」

 

「明らかにお前の敗けだ。アス!ノア、お前は急いだ方がいい。二人ほど落ちた」

 

「落ちた?」

 

空を見上げると、落ちていく二つの影があった。まさか桜空とツバサか!?

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

落ちていく。グーリの力があるとは言え、流石にこの高さから落ちたら死ぬだろうな……きっと両親やましろが悲しむ……また僕は悲しませてしまうのか…………

その時、僕の頭の中にある映像が流れ込んできた。泣きじゃくる一人の少女……これは誰なんだ?

でも……もう悲しませたくないって思いが溢れだした瞬間、落ちていく感覚がなくなった。

 

「これは……」

 

気がつくと僕の背には青白い翼が生えていた。これは……グーリの力なのか?だとしたら………

 

「ツバサたちは!」

 

二人の方を見ると、落ちるツバサをエルちゃんが力を使って、何とか浮かせていたが、ランボーグが近づいている。

 

「行くぞ!」

 

僕はランボーグに体当たりをする。

 

「桜空さん!?」

 

「長くは飛べないから!早く逃げろ!」

 

「つぅ……エルちゃん!僕の事はいいから!」

 

「える!」

 

エルちゃんはどうしてもツバサを助け出したいと思っている。

するとエルちゃんがランボーグの中に吸い込まれていく。

 

『そんな脇役放っておいて、さっさと逃げてればいいものをよ!ぎゃあははははは!』

 

カバトンの笑い声が響く。ツバサは脇役なんかじゃない!僕は必死にランボーグに攻撃を仕掛けていく。

 

「やめろ……エルちゃんを……笑うなぁぁぁぁぁ!!」

 

エルちゃんの涙を見て、ツバサがそう叫んだ瞬間、まばゆい光が現れた。これは……プリキュアの光!?

 

「もし僕に最後が訪れたとして、その時に思い出すのは僕を笑った人たちの顔じゃない!プリンセス、僕を守ろうとしてくれたあなたの顔です!でもそれは今じゃない!だってこれからは僕が貴方を守るんですから!」

 

ツバサの手にはミラージュペンが握られた。だけどランボーグの吸い込みは止まらず、エルちゃんが吸い込まれていくが、スカイが現れランボーグを殴り、吸い込みが止まった

 

「エルちゃん!今です!」

 

「ぷいきゅあーーーー!」

 

エルちゃんの叫びと共に新たなスカイトーンが現れ……

 

「プリンセスエル!貴方の騎士が参ります!」

 

ツバサはプリキュアへと変身した

 

「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!ウィング!きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ!天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

オレンジの衣装を纏った姿。あれがツバサのプリキュアとしての姿!

ウィングは空を飛び、エルちゃんを救いだした。

 

「空を飛ぶプリキュア……ツバサくん、頑張ったね!」

 

ランボーグの身体にめり込ませていた拳が抜け、落ちるスカイ。ウィングが助けようとすると、ノアがすかさず助け出した

 

「急いできたら……色々と起きすぎだろ」

 

「ノア!」

 

僕らはプリズムとあげは姉がいる屋上に戻り、

 

「飛べた……」

 

『認めねぇぇぇーーー!空が飛べたからってなんだって言うんだ!TUEEEEのは俺だぁ!!!』

 

ランボーグがエネルギーをため始めた。だけどウィングが飛びあがり、

 

「ひろがる!ウィングアタック!」

 

ウィングの技がランボーグを貫き、煙を吹き出し、落ちていく

 

「スカイ!プリズム!後は任せた!」

 

「「うん!」」

 

「スカイブルー!」

 

「プリズムホワイト!」

 

「「プリキュア・アップドラフト・シャイニング!」」

 

「スミキッタ~」

 

二人の浄化技を喰らい、ランボーグは浄化されるのであった。こうして長い一日が終わるのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜

 

「青白い髪の女の子?」

 

「あぁ、翼が生えたときに何だか頭の中に浮かんだんだ」

 

夕方の戦いの時に見えた映像。僕は忘れてるだけでましろが覚えるかもしれないと思い、聞いてみた。

 

「うーん、私も知らないな~グーリさんの知り合いじゃないの?」

 

「聞いても知らないって……」

 

もしかしたらグーリがしらばっくれてるのかもしれないけど……あの少女は一体……



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21 ツバサの歓迎パーティーの準備

ツバサがプリキュアに変身してから数日後、あれからツバサはエルちゃんの騎士としてお世話をしている。そんなある日の事

 

「歓迎会ですか!?」

 

「新たにプリキュアになったツバサくんとこれから一緒に頑張ってこうねって言うパーティーをしたいな~って」

 

確かにこういう親睦を更に深めるパーティーをやるのはいいけど……

 

「え?僕のですか?」

 

鳥の姿のツバサが巣箱にいたことに気づかずに話してしまっていたましろ。まぁ仕方ないか

 

「ツバサくん、そこにいたの……まだちょっと慣れないな~」

 

「あの……そんなに気を遣わなくても…」

 

「気を遣ってなんかいません。やりたいです!歓迎パーティー」

 

「えぅ!」

 

「エルちゃんも賛成みたいですよ!」

 

「ツバサくん、ダメかな?」

 

「あ、いや、ダメって訳では……嬉しいです」

 

こうしてツバサの歓迎パーティーの準備が始まることになった。そういえば……

 

「ソラ、ノアは?」

 

「ノアなら裏山に行ってますよ?少し考え事をしたいと」

 

この間の戦いからノアは何か思い詰めていた。もしかしてアスの事か?

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

裏山で一人、集中する俺。龍の力を制限してるとはいえ、アスにそれなりに苦戦することになるとは……

 

「何を考えている?」

 

そんな時、声をかけられ振り向くとそこにはフウがいた。相変わらず神出鬼没だな

 

「龍の力の制限の中で何処までやれるかと……お前とアスがどうしてこちらの世界にいるのかを考えていた」

 

「そうか……」

 

「フウ。お前はどうしてこの世界に?」

 

「簡単な話だ。こちらの世界についてより深く知識を蓄えたくてな」

 

「知識か。戦いを好まないお前らしいな」

 

「そんな中で色々と情報を知り得た。プリキュアについてだ」

 

プリキュアについて?何か分かったのか?

 

「この世界にはプリキュアと呼ばれる戦士が多数いる。スカイランドに伝わる伝説の戦士だけではないらしい」

 

「なら桜空やましろは何故その事を知らない?」

 

「さぁな。世界中に広まっていないだけかもな」

 

世界中に広まらない。まぁそこら辺は深くは考えない方がいいかもな。もしかしたら時空の歪みとか関係してるなら考えても無駄かもしれない

 

「そしてアスは……」

 

「分かっている。より強くなるためにだろ」

 

戦闘狂らしい考えだ。後は……

 

「こちらの世界には他の竜はいないだろうな?」

 

「あぁそれだけは確実に断言できるが……何を気にしている?」

 

「色々とな」

 

俺が知り得ない竜が現れる可能性を考えていた。それに……

 

「桜空はグーリの記憶で彼女を見たらしい」

 

「……そうか」

 

桜空がグーリの記憶を見たこと……それが何を意味するか……

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

ましろの提案でツバサの希望を聞きながら四人で歓迎会の準備を進めていた。

 

「飾り付けは、こんな感じでやるとして……」

 

「後は料理ですね!」

 

「ツバサ君、何か食べたいものある?」

 

「やっぱり、パーティーといえば、ヤーキターイですかね!」

 

「そっか! ヤーキターイか! ん? ヤーキターイ?」

 

何だか聞いたことのない料理名が出てきたな。

ソラの話ではプニバード族がお祝いに食べる料理らしい。

 

「外はふわふわ、中はしっとり甘くて凄く美味しいんですよ。最後に食べたのは、ここに来る少し前だったな……ボクの絵が、コンクールに入選して、父さんと母さんが、すごく喜んでくれて……あの時、みんなで食べたヤーキターイは、とっても美味しかったな~」

 

「そういえば、ツバサ君は、もうずっとこの世界にいるんですよね。」

 

「あ、ホームシックとかじゃないですよ! 両親とは、ヨヨさんのミラーパッドで連絡もとれてますし!」

 

「作ってみようよ、ヤーキターイ!」

 

「で、でも、どうやって? ボクも作り方は分からないし……」

 

「それは……えっと……」

 

「そこは諦めずにチャレンジです!一度やると心に決めた事は絶対に諦めない! それがヒーロー! ですよね! ツバサ君!」

 

「うん!」

 

「まぁもしかしたら簡単に作れるかもしれないしな」

 

と言うことで早速ヤーキターイについて調べることになるのであった。



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22 ましろの輝き

もしかしたらノアのヒロイン変わります


ヤーキターイについて、ヨヨさんから話を聞くとこちらの世界のたい焼きに似ているらしいが、使っている食材はスカイランド産の物らしいから、味が少し違うらしいが、ましろはこちらの世界の材料で試しに作ってみようという話になった。

 

 

 

とりあえず最初は普通のあんこ味のたい焼きを作り、試食することになったけど……

 

「じー」

 

「じー」

 

「ソラ、ましろ……多分だけどそうやって見つめてるとツバサが食べにくいと思うぞ」

 

「「あっ!?」」

 

「あ、あはは……」

 

ツバサは苦笑いをしながらたい焼きを食べた

 

「どうかな!?」

 

「どうですか!?」

   

「美味しいです!」

 

「という事は!」

 

「ヤーキターイと同じ味かな?」

    

「そ、それは……」

 

「そっか……」

 

「やっぱり違いましたか……」

 

「でも美味しかったですし、十分ですよ!」

 

「ううん。ここからスタートだよ」

 

「え?」

 

「このたい焼きの味と違うところをツバサくんから教えてもらえればヤーキターイが作ると思うんだ」

 

「あぁ!なるほど!」

 

と言うことでツバサのアドバイスで餡の中身を変えたたい焼きを作ることになったけど……

 

「試作品はみんなで処理するんだよな?」

 

「桜空くん!頑張って!」

 

「あ、はい……」

 

僕が頑張るのか~グーリを起こして手伝ってもらおう。

 

 

 

 

それからいくつかのたい焼きをみんなで作り、出来上がったらツバサに試食をしてもらうが……

 

「さあ、ツバサ君! ヤーキターイと同じ味のたい焼きがあるか、食べてみて!」

 

「はい! 少しずつ食べてみます!」

 

「ツバサ君……」

 

「ヤーキターイと同じ味のものはありますか?」

 

「すみません……やっぱり……でも……全部、美味しいです!」

 

「じゃあ、まだまだチャレンジ!」

 

更にチャレンジすることになったけど……

 

「色々な味が口の中に混ざっているんだが……」

 

「が、頑張れ……グーリ」

 

僕とグーリは残ったたい焼きを処理していた。ノア……いつになったら帰ってくるんだよ……

 

 

 

 

 

 

沢山の餡を作るために買い出しに出掛ける僕ら。

 

「はちみつとカスタード……オレンジとか果物もいいかも! あとは……」

   

「鮭です! 思い付くものは全部買いましょう!」

 

「あはは……」

 

「ソラ……処理する方の事も考えてくれ……」

 

たい焼きに鮭は余計に合わないような気がするし……

 

「もう時間もないし、それで上手く作れればいいけど……ううん! きっと作れる!」

 

「ましろさん。ありがとうございます。ボクのために、ソラさんと、桜空とこんなに頑張ってくれて……」

 

「お礼なんていいよ……私はただ、ツバサ君にヤーキターイを食べて喜んでもらいたいだけで……」

 

「まぁ折角のパーティーだからな」

 

「思い出します……私も、ここに来たての頃、ましろさんに、スカイランドをイメージしたくもパンを作ってもらいました……それが、すごく嬉しくて……ましろさんの料理は、食べた人を笑顔にする、不思議な力があるんです!」

 

「はい!」

 

「え……そんな事ないよ。でも、もしそうだったら、嬉しいな!」

 

「まぁましろの料理は毎日食べたくなるからな」

 

「も、もう桜空くんまで~」

 

本当の事なんだけどな~ましろの料理は何処か暖かいし

 

「私が初めて料理をしたのはね、お仕事で疲れているパパとママに、おにぎりを作ってあげようと思ったからなんだ……でも、そんな私に、パパとママが気付いて、一緒に作ってくれて、あの時食べたおにぎりは、とっても美味しくて、みんな笑顔で、ずっと忘れられない味……もしかしたら、私にとってヤーキターイみたいなものかも!」

 

「あ…」

 

ましろの話を聞いて、何かに気がついたツバサ。どうしたんだ?

 

「ツバサ君? どうしたの?」

 

「ボク、気付きました!ボクは、ヤーキターイを食べたかったんじゃなくて、本当は……」

 

『美味しい~焼き芋なのね~ん』

 

ツバサが言いかけた瞬間、それを遮るように変な声が……あれって……どう見ても……

 

『ホラホラ! 甘くて、ほっかほか! 美味しいのねん!』

   

「ツバサ君、教えて!」

 

「本当に食べたかったものって……」

 

「それは……」

 

あれ?無視して進める感じ?

 

『ちょいちょいちょーい! 聞いてんのか! 美味しい焼き芋なのねん!』

 

カバトンも主張してきてるし……少しは反応してやれよ……

 

「今大事なところなので、後にして下さい!カバトンなんて気にしないで、話を続けて!」

 

「えっと……」

 

『美味しい焼き芋なのねん!』

 

何か可哀想に思えてきたんだが……あっちに僕が行った方がいいのか?

 

「もう……」

 

「ごめん! ちょっと静かにしてて!」

 

カバトンは我慢の限界だったのか焼き芋のランボーグを召喚してきた。と言うか罠でも張っていたんだろうけど……バレバレだよな

 

「「邪魔しないで(ください)!!」」

 

「みんな!行くよ!」

 

「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」

 

ましろたちがプリキュアに変身し、僕は氷竜の力を解放した。

 

「四人もろとも倒してやるのねん!ランボーグ!熱々ほかほかの焼き芋ミサイル!」

 

ランボーグの焼き芋ミサイルを避けつつ、ウィングとスカイが攻撃を仕掛け、更に僕が氷の拳で殴る

ランボーグはミサイルを放ち続けていき、それをプリズムの光弾で撃ち合いになり、押されていくが僕ら三人でランボーグを仰け反らせた。

 

「こうなったら!」

 

カバトンは何を思ったのか焼き芋を食べると屁で視界を奪った。

 

「くさっ!?」

 

視界だけじゃなく嗅覚まで奪うなんて……やばすぎだろ

 

「やれ!ランボーグ!」

 

ランボーグが更にミサイルを撃ってきて、僕らはギリギリ避けるが、プリズムはミサイルを撃ち落とした際に起きた煙で視界を遮られ、気がつくとランボーグにパンチを喰らっていた

 

「プリズム!?」

 

「一人仕留めた!」

 

「私はまだ、戦えるよ!」

 

何とかガードが間に合ったみたいだけど、それでもダメージがあるみたいだった。

 

 

 

 

 

 

 

アスside

 

面白そうな騒ぎを聞き付けていけば、そこには氷竜の継承した奴とプリキュアがいた

 

「折角だから遊んで……」

 

戦いに加わろうとしたが、私はあるものを見て固まった。

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

プリズムはまだ戦えるみたいだけど、大丈夫か?

 

「みんな! ここからだよ! 力を合わせれば、きっと勝てる!」

 

「ケッ! 空も飛べねぇ、身軽でもねぇ、何にもできねぇ、よえー雑魚が何言ってやがる!」

 

プリズムが雑魚?何をふざけたことを……僕は言い返そうとしたが……

 

「それは違います!」

 

「それは違う!」

 

スカイとウィングが先に言い返していた。

 

「ああん? 何が違うってんだ? やれ! ランボーグ!」

 

「お前は何も分かってない! プリズムには、誰にも負けない優しさがあるんだ!」

 

「そうです! プリズムは、その優しさで、いつも私を照らしてくれます! それが、どんなに、心強い事か!」

 

「ボクのために、ヤーキターイを作ろうとしてくれた……おかげで、ボクは、大切な事に気付く事ができた!」

 

二人はランボーグのミサイルを撃ち落としながら、ランボーグに攻撃していく。

 

「プリズム、ましろさんは!」

 

「周りのみんなを、照らしてくれる!」

 

「「輝きを持ってるんだ!」」

 

「ウィング……スカイ……」

 

「やれやれ……言いたいこと言われちまったな。カバトン……お前にプリズムのことを何も分かってない。少しは黙ってろ!」

 

僕は地面に触れてランボーグを凍らせていく。

 

「桜空くん……ありがとう」

 

「黙れ! 黙れ! 何、訳の分かんねぇ事言ってやがる! つえーってのは、こういう事なのねん!」

 

動けなくなったランボーグが巨大なミサイルを発射し、僕らに向けて迫ってくるが……

 

「ヒーローガールプリズムショット!」

 

プリズムが僕らの前に出て、プリズムショットを放った

 

「私の大事な友達に手出しはさせないよ!」

 

プリズムショットがミサイルを破壊し、ランボーグに命中して、仰け反った。その隙にスカイとプリズムは

 

「スカイブルー!」

 

「プリズムホワイト!」

 

「「プリキュア・アップドラフト・シャイニング!」」

 

「スミキッタ~」

 

二人の浄化技でランボーグを倒すのであった。さて、カバトンは……

 

「いーもん! いーもん! もういーもん! 今日は、このへーんで、許してやる!」

 

そう言い残して撤退するのであった。

 

 

 

 

 

 

いつの間にか日が暮れ始めていた。ツバサはあの時言いかけたことを僕らに告げた

 

「ボク、気付いたんです。本当は、ただヤーキターイを食べたかったんじゃなくて、父さんや母さんと一緒に食べた、あの楽しい時間を過ごしたかったんだって、その事に気付けたのは、ましろさんのおかげです!」

 

「え?」

 

「だって、今日、ましろさんやソラさんと、ヤーキターイを作ろうとして、それがすごく楽しくて、でき上がったものを食べてみたら、あの時と同じくらい、美味しかったから……あーこの感じって、スカイランドで家族と食べた、ヤーキターイと同じだなって……」

 

「ツバサ君……」

 

「味は違っても、今日みんなで作った料理は、ボクらのヤーキターイです!」

 

こうして僕らは家に帰り、ツバサの歓迎パーティーを開き、ましろもまた自分の輝きを信じられるようになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

アスside

 

戦いに参加しようとしたとき、あとオレンジの子を見て……胸がキューと締め付けられた。この感情は……

 

「あの子……かっこ良かったな……」




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23 みんなでハイキング

ノアside

 

ある日の早朝、何かの物音に気がつき、リビングに行くと……

 

「可愛い! もちもちで、きゃわわ!」

 

寝ていたツバサ(プニバード)を抱き抱えるあげはの姿があった。ツバサは逃げるように人間体になった。

 

ワオ! 今の、どうやったの!?」

    

「あなたは、あげはさん!」

 

「お邪魔してまーす! 私、聖あげは!」

 

「どうも……」

 

「はじめまして! ちゃんと話すのは初めてだよね?この間の活躍、見たよ! ましろんからも色々聞いてる! ってか、鳥でも朝弱かったりするの? ねえ! 後で、もう一度鳥になるのやってみせて!」

 

「早朝から何をしてるんだよ。あげは」

 

「あ、ノア。おはよう!ちょっとましろんたちとね。それとよろしく!少年!」

 

あげはの握手に答えるツバサだったが、どうにも聞き捨てならないことがあった

 

「少年って、ボクの事ですか!?」

 

「うん!」

 

ツバサからしてみればその呼び方はどうにも気に入らない感じだった。

するとソラたちも騒ぎを聞き付けて起きてきた。あげははこんな早い時間に訪ねてきた理由はどうにもハイキングに誘いに来たらしいが……

 

「でもあげはちゃんの車だとみんな乗れないね」

 

「あー、そっか……ノアが竜の姿になって桜空を乗せていくとか?」

 

「いや、普通に目立つからね。あげは姉……」

 

留守番でもいいが、あげはのこの感じだとどうにかしてみんなで行きたい感じだな……ふとあることを思い出し、俺は電話をすることに…………

 

 

 

 

 

 

「悪いなフウ。呼び出して運転手させて」

 

「構わない。俺も少し話したいことがあった」

 

車を運転するフウ。俺たちよりも先に来ているから免許を持っていると思い、聞いてみた結果、どうやら正解だったみたいだ。

 

「と言うか竜が免許とか取れるのかよ」

 

「それなりに融通が聞くようになっているからな。じゃなければ先生などしていない」

 

まぁ馴染んでいると言うことにしておこう。するとグーリが現れ、フウにあることを聞いた

 

「それで貴様が話したいこととはなんだ?まさか別の竜がまたこの世界に来ているのか?」

 

「いや、そうではない。アスのことだ」

 

「アス……あいつが何かしようとしているのか?」

 

桜空はアスの名前を聞いて身構えていた。この間の戦いで俺と痛み分けをし、その前は桜空が何とか退けた。アスはまた何かしら企んでいるのか?

 

「どうにも様子がおかしいのだ」

 

「「様子が?」」

 

俺とグーリが声を揃えて言うと……フウはアスの様子を話し出した。

 

「少し前に家に帰ってきたら、何故かボーとしていてな。それにいつもなら俺と無理矢理戦おうとしてくるのが、上の空だった」

 

アスが……そんなことに……一体……

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで目的地であるらそ山にたどり着いた俺たち。フウは帰るころに戻ると言い、そのままドライブへと出掛けた。

 

ソラたちと合流するとエルが看板を見て興奮し始めた。見てみると……

 

「らそ山クエスト?」

 

「ソラ吾郎の出す謎を解きながら、山登りに挑戦しよう」

 

「謎を解きながら山登りですか! 面白そうですね!」

 

「すべての謎をクリアすると、非売品グッズをプレゼントだって!」

 

「ソラ吾郎って……」

 

看板に書かれたソラ吾郎は髭が生えているが何処と無くプニバード族に見える。まさかと思うが……いや、言わないでおこう

 

「エルちゃん、ソラ吾郎好きなんですか?」

 

「なんか少年に似てるね!」

 

「似てませんよ! フン!」

 

あげは、思ってもそういうことを言うなよ……

登山のルートは二つ、一つは歩きやすく、ゆったりしたコースで、もう1つは、距離は短いものの、やや険しめのルート。険しめなルートはソラが好きそうだな

 

「ソラちゃん。エルちゃんのお世話は私に任せて、行きたい方に行きなよ!」

 

「ありがとうございます!」

 

それを聞いて興奮するソラ。エルをあげはに任せると……

 

「では、エルちゃん! 行ってきますね!ましろさん、行きますよ!」

 

「ええ!? 私も、そっちなの!?」

 

「桜空、お前も付いていってやれ」

 

「分かったけど……僕もあっちか……」

 

「訓練に近いだろ」

 

「わかったよ……」

 

三人を見送り、残った俺たちは……

 

「じゃあ、少年とノアは私とだね!」

 

「え……」

 

「よーし! いっくぞー!」

 

本来なら俺はソラたちの方に行くべきだが、ツバサとあげはの事が気になっていた。どうにも相性が悪い。

 

「やれやれ、俺が人間の関係について気を遣うなんてな」

 




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24 分かってもらう気持ち

今回戦闘カットです


ラソ山を登る俺、あげは、ツバサ。しばらく歩いていると最初の謎解きが書かれた看板があった。看板には大量のたの文字にいくつかの文字。更には動物の絵が描かれていた。

正直竜の俺からしたら謎解きは簡単なものだが、ツバサたちが考えているのを見て、答えを言うのを止めた。何でもかんでも答えを言うのは良くないと思ったからだ。

あげははエルのオムツを交換しに近くの休憩所に向かうとツバサは看板の謎の答えが分かったのか急いで休憩所に行くと……

 

「あげはさん!答えが分かりました!答えは……」

 

「アスレチックでしょ?」

 

「答え分かってたんですか!?」

 

「分かっていたなら、先に言って下さいよ……」

 

「ごめんごめん! でも、問題解くのって楽しいじゃん?」

 

「それは、そうかもしれないですけど……」

 

「それにさ、答えを最初から分かってたのはノアさんの方でしょ」

 

「まぁな。竜からしたらあれくらいはな」

 

「ノアさん……それなら……」

 

「こう言うのは楽しむものだろ。簡単に答えを言ったらつまらなくなる。人間はそういうものだろ」

 

「そう……かもしれませんが……」

 

「ほらほら、少年!行くよ」

 

何だか納得していないツバサ。やれやれだな

 

 

 

 

今度はあげはの提案でアスレチックに挑むツバサだが、アスレチックは謎解きに関係はなかった。まぁあげはからしたらツバサにアスレチックを楽しんでもらいたかったのだろうかもしれないな。

更に先へ進むとまた看板があり、あげははそこに書かれた文字を読んだ

 

「ここに何か綺麗なものが隠されているって事?」

 

あげはは辺りを見渡すとロープウェイを見つけ、

 

「あれ、乗ろう!」

 

「そっちはコースから外れちゃいますよ! 謎解きは!?」

 

「いいからいいから! 少年! 早く早く!」

 

「もういいです! ボクは、こっちを探します!」

 

ツバサは怒り出し、コース通りに進んでいった。

 

「あちゃー嫌われちゃったかな?」

 

「ツバサからしたら、あげはみたいな奴は苦手なのかもな」

 

「ノアさんは少年についていかなくていいの?」

 

「まぁツバサには少し考える時間は必要だからな」

 

「そっか……じゃあロープウェイに乗ろうか」

 

「そうだな」

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

険しいコースを何とかクリアしたけど……あんなコース用意するなよ……

 

「楽しかったですね!二人とも!」

 

「それ、言えるのソラちゃんだけだよ~」

 

「ソラに絶対に他の山登りとか教えない方がいいな……多分付き合わされる……」

 

「そうだね……」

 

僕とましろは疲れはてていると、道の先にツバサがいた。何で一人だけ?心配になり声をかけると、どうにもあげは姉と揉めたらしい

 

「ボク、ああいう強引な人って、ちょっと苦手です」

 

「あげはちゃん、分かってくれると思ったんじゃないかな? ツバサ君の事信じてたから……」

 

「ボクの事?」

 

「この前、エルちゃんを守った時、ツバサ君、カバトンにすごく怒ってたでしょ?」

 

「あれは、アイツがプリンセスをバカにするから……」

 

「あげはちゃんも、すごく怒ってた……ちょっと強引なところもあるけど、エルちゃんを思う気持ちは、ツバサ君もあげはちゃんも同じだよ?」

 

「あげはさん、そんなツバサ君なら、言葉にしなくても気付いてくれると思ったのかもしれませんね」

 

「あげは姉の事を少し分かったか?ツバサ」

 

「……そうか…もしかしたら、山を登った先に何かあるのかも……ボク、山頂へ向かいます!」

 

ツバサは何かに気がつき、山頂を目指していく。これで少しあげは姉と距離が縮まればいいな

 

「私たちも行きましょう!」

 

「そ、ソラちゃん……少し休んでからにしよう?」

 

「こ、こう言うのはのんびり休みながら行くのが楽しいからな」

 

「そうなんですね!」

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

山頂に着いてから少しした時、ツバサが必死に登っていくのが見え、登りきる直前であげははツバサの手を握り、ツバサは山頂にたどり着いた

 

「どうして……」

 

あげははある場所を指差し、ツバサはその場所を見た。それはさっきまで歩いていた花畑が虹色の翼のように広がっていた

 

「あれって、謎解きの答え?」

 

「うん。上から見ないと分からないようになってたみたい……」

 

「どうして、分かったんですか? ボクが山頂を目指してくるって……」

 

「ロープウェイから走ってるの見えたよ」

 

「え……」

 

「走るの速いんだね!」

 

「分かっていたなら先に言って下さいよ!」

 

言い争う二人だけど、何処か絆が深まった感じがした。まぁこれはこれで良いのかもしれないな。

 

「ねぇ……」

 

そんな事を思っていると、不意に後ろから声をかけられ振り向くとそこには黄色の髪の少女……こいつは!?

 

「お前は!?」

 

「ノアさん?どうか……」

 

「ランボーグ!」

 

突然ランボーグまで現れ、あげはとエルの二人を掴み、下へと降りていこうとしていた。

 

「お前は陽動か!ツバサ!お前は変身して、ランボーグを!」

 

「わ、分かりました!」

 

ツバサはプリキュアに変身し、ランボーグを追いかけていく。俺は目の前の少女を睨み付けた

 

「こんなところにまで来るのか……アス!」

 

「悪いけど……ノアと戦う気はないの」

 

「それなら桜空か?」

 

「そっちも興味ない。と言うより戦う気はないよ」

 

何だ?あの戦闘狂のアスが戦う気はないって……

 

「あの……プリキュア」

 

アスはランボーグと戦うウイングを見つめていた。今度の標的は……プリキュアか?厄介すぎるな

 

「その……ね……あの子……凄く格好いいから……ね」

 

アスのこの様子……ま、まさかと思うけど……

 

「お前……まさか」

 

「うん、あの子……好きみたいなの……」

 

こんなことあるのか……いや、別に竜が人に恋することはあり得なくない。そういう竜がいたのは知っているが……まさかアスが恋するとは……

 

「どうしたら良いかな?仲良くなるには……急に抱きついたら怒るかな?」

 

「いや、そんなことしたらツバサの骨が折れるからな……」

 

「うぅ……どうしたら……とりあえず……」

 

アスは岩石を生み出し、ランボーグに放った。ランボーグは岩石が当たり、バランスを崩したところをウイングが浄化技を放ち、無事撃破した。

 

「ノア!後で私がサポートしたって言っておいて!私はあの子と釣り合えるように考えるから!」

 

アスはそう言って姿を消すのであった。何だろう……あいつの闘いに対する情熱より恋の炎の方が面倒なことになりそうだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスside

 

あの子と釣り合えるようになるためにどうしたら良いのか考えていた。私は昔から力加減が出来ない。そもそも加減するなんて考えなかった。今からやってもつい加減を間違えるかもしれない。どうしたら……

 

「そうだ……あれをやれば良いんだ」

 

私が思い付いたこと、それは昔から竜の間に伝わる儀式……授けの儀をやれば……




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25 特訓開始!

アスside

 

授かりの儀を行うために、人を探しているとおでんを食べているカバトンの姿を発見した。

 

「ヤバい……ヤバ過ぎるのねん……次にしくじったら、俺は……ランボーグじゃ、プリキュア達には敵わねぇ……もうあの奥の手を、使うしか……」

 

「奥の手なんてあるの?」

 

「そりゃとびっきりの……ってお前!?」

 

「やっほーカバトン」

 

「この間はよくも邪魔を!」

 

「こっちにも考えがあったの。それによりプリキュアとか竜を引き継いだ子を見なかった?」

 

「あん?見掛けてたらそく……ん?」

 

カバトンが何かを見つけ、私も振り向くとそこには探し人がいた。

 

「お祖母ちゃんのお使いが終わったら、プリホリのカフェでお茶していこうか!」

 

「はい! あそこのスイーツは絶品です!」

 

「へー、行きましょう!」

 

「まぁたまにはいいかもな」

 

「桜空くん、あんまり付き合ってくれないからね」

 

「二人きりだと色々と……」

 

タイミング良かったのかもしれないね。カバトンは直ぐ様彼らの前に立ちはだかり……

 

「お前は……」

 

「カバトン!」

 

「いらつくぜ! いらついて、しょーがねーのねん! こっちは、いよいよヤバい事になってるってのによ!」

 

「ヤバい? どういう事です?」

 

「うるせー! そもそも、ぜーんぶ、お前が悪いのねん! プリンセス・エルをさらおうとしたあの時、お前さえ邪魔しなけりゃ……あれから、やる事なす事、まるで上手くいかねぇ!お前は、俺の疫病神だ! お前さえ倒せば、全部上手くいく! 俺と、1対1で勝負しろ!勝負は3日後! 最強につえー奥の手で、お前を倒してやるのねん!」

 

「逆恨みもいいところです!」

 

「ソラちゃん! そんな勝負、受ける必要ないよ!」

 

「嫌とは言わせねぇ! もしお前が勝ったら、もうプリンセス・エルには手は出さねぇと約束してやる!」

 

「その言葉に嘘はありませんね?」

 

「ああ!」

 

なるほどね。後がないから焦っているみたいだけど、勝つための作戦があるみたいだね。それじゃ私も……

 

「なら私もそこの氷竜を継いだ子と戦おうかな?」

 

「アス!?」

 

「アスさん……あの、この間……」

 

あ、ツバサくん……ごめんね。お礼を言いたいみたいだけど、後でちゃんと聞かせてね。

 

「お前も決闘する気か?」

 

「そうだね。でも決闘ではなく……授かりの儀を受けてもらうよ」

 

「授かりの儀だと!?」

 

突然グーリが現れ、私がやろうとしていることに驚いていた。それもそうだよね。この儀を私がやると言うこと時点で驚くよね

 

「授かりの儀?」

 

「本気の本気の戦い。この戦いに敗北した人は相手にその力を半分授ける……私に勝ってみせなよ……氷竜を継いだ子……桜空」

 

「アス!貴様は何を企んでいる!」

 

「決まってるじゃない……この儀に私が負けたら……ツバサくんとお付き合いしてもらうために!」

 

『はい?』

 

何故かその場にいた全員が驚き固まっていた。私はツバサくんを見つめ……

 

「ツバサくんの格好いい姿を見てから……ずっと気になってたの。だから……ね」

 

「え、は、はい?」

 

「それじゃ楽しみにしてるからね」

 

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

家に帰り、改めてカバトンとアスとの決闘についてヨヨさんとノアに話した

 

「ソラちゃん、本当に大丈夫なの?」

 

「私が決めた事ですから……この先、エルちゃんをスカイランドに送り届けたとしても、カバトンに狙われている限り、安心できません。これで、決着をつけます!」

 

「でも、あんなヤツの言葉を信じていいんでしょうか?」

 

「カバトンの目は、いつになく真剣でした。」

 

「だったら、奥の手と言ってたのも、ハッタリじゃないって事です。一体どんな手を使ってくるか……」

 

「どんな手かは分かりませんが、それでも勝つのが……」

 

「ヒーロー、だよね?」

 

「ましろさん?」

 

「ツバサ君、心配なのは私も一緒だけど、こうなったら、ソラちゃんを応援しようよ! 決戦までまだ3日もあるし、良い考えがあるんだ!」

 

ましろのいい考え……それは特訓することだった。確かに時間があるならするべきだしな。

 

「あとはアスとの授かりの儀か……そっちも合わせて桜空には特訓を受けてもらう必要があるな」

 

「あの……ノアさん……アスさんが言ってたことは……」

 

「前にラソ山で聞いてたが……まぁアスが授かりの儀を提案してくるのは意外だったな」

 

「戦うことが好きだからこそ、奴から授かりの儀をやろうと言い出したのには驚いたぞ……」

 

「いや、僕に好意を寄せている事に対してですよ!何で!?」

 

「一目惚れだから……諦めろ。奴もお前に釣り合うようになりたいんだ」

 

「ツバサくん……頑張って!女の子を悲しませたらダメだからね」

 

「ましろさんまで……ソラさん助けてください」

 

「ツバサくん……頑張ってください!」

 

何だかツバサが不憫すぎないか?うん……

 

「それで特訓って何を……」

 

「お前の特訓は決まっている……それは必殺技だ!」

 

『必殺技?』

 

 

 

 

 

 

 

次の日、あげは姉が調べた特訓に向いている場所に来ていた。あけば姉……レポートで忙しいって言ってなかったか?

僕たちはとりあえず特訓の定番である滝に来ていた。

 

「どう? 私の調べたアゲアゲのパワースポット!」

 

「ソラちゃん、ここなら良い特訓できそうだね!」

 

「はい!では、早速滝に打たれて……」

 

ソラが滝に入ろうとすると、先客のお爺さんを見て何かに気がついた

 

「あれは……」

 

「ただ者じゃないです……一言で言えば、無の境地……何も雑念がない、自然体です……」

 

「肩凝り解消!」

 

お爺さんが笑みを浮かべたらと思ったら、肩凝り解消って……もしかしてここって……

 

「よく見たら、ここって、肩凝り解消のパワースポットだった!」

 

『え……?』

 

「まったく、しっかりして下さいよ……」

 

「ごめん、ごめん……」

 

「さっきは、超優秀とか言ってたけど、本当は学校が忙しくて、余裕がないんじゃないですか?」

 

「え!?」

 

「あげはちゃん……」

 

「そうなんですか?」

 

「アハハ! 違う違う! それより、次は、山の主だっけ? ちょっと調べて……」

 

「しょうがない……ボクが、この辺の鳥達に聞いてきます」

 

「ツバサ君、鳥と話せるの?」

 

「そりゃ、まあ、ボクも鳥なので、ここは任せて下さい!」

 

「じゃあ、その間に私は、キャンプの準備するね! 夕ご飯、期待してて!」

 

「ありがとうございます! では、私は滝に打たれて精神統一します!」

 

「えっと……私は?」

 

『学校のレポート!』

 

「アハハ……了解!」

 

ソラたちがそれぞれ別れる中、僕とノアも離れた場所で……

 

「必殺技……竜なら誰にでも使える」

 

「ブレスとは違うのか?」

 

「違う。そして竜の必殺技は必ず相手をころ……倒す技だ」

 

何か不吉な単語が聞こえたんだが……

 

「グーリ、お前が使っていた技を教え、そして俺に向けて放て」

 

「それだとノアが……」

 

「安心しろ。俺も必殺技を使って相殺する。覚えたてなら……使用しても問題はないしな」

 

ノアの笑顔がちょっと怖いけど……やるしかないよな




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26 地竜防膜

この間のひろプリ……かなりすごい展開だったのもあり、前々から考えていたオリジナル回の内容も固まったので、スカイランド帰還後辺りにオリジナル回書く


ノアside

 

桜空の特訓の合間にソラの様子を見に行くと、ソラはリスから特訓を受けていた。俺はツバサに話を聞くことにした

 

「あのリスは?」

 

「山の主です」

 

あれがこの山の主か……確かにあのリスから感じるオーラは只者ではないな。

 

「俺の方から教えることはなさそうだな。ツバサはソラの事を見てやってくれ」

 

「分かりましたけど……桜空さんの方はどうなんですか?」

 

「ボチボチだな。感覚は掴んでるから後はものにするだけだ」

 

俺はそう言ってその場を後にするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

特訓を続けていき、ようやく必殺技ができた。出来たのは出来たが、問題があるとすれば……

 

「命中率か……」

 

命中率と言うか上手く決められるかどうかの問題だけど……やるしかないよな。

そう思いながらテントに戻るとソラとましろの二人が話していた。

 

「綺麗だね……」

 

「はい……」

 

「いよいよ明日だね……」

 

「はい……でも何だか、眠れそうにないです……」

 

「そっか……私も……」

 

「ボクもです……」

 

「ツバサ君!」

 

「カバトンは、どんな奥の手を使ってくるのか、色々と考えていたら、なかなか寝付けなくて……ボクらがこんなに落ち着かないんだから、ソラさんは、もっとですよね?」

 

「ツバサ君……」

 

「私達はこれぐらいの事しかできないけど、でも、だから全力で応援するね!」

 

「ましろさん!」

 

「ボクらだけじゃありません。あげはさんも、ヨヨさんも、プリンセスも、応援してるみたいです」

 

「うん……」

 

「とても心強いです!皆さんのおかげで、心の曇りが晴れました!」

 

ソラの気持ちの方も大丈夫みたいだな。とは言え……

 

「僕の事は応援してくれないのか?」

 

「桜空くん!?もちろん!桜空くんのことも応援してるよ!」

 

「そうですよ!桜空さんには頑張って……あ……」

 

「桜空さんが頑張るとツバサくんがアスの……それでも頑張ってください!」

 

ツバサは物凄く微妙そうな顔をしていたけど、応援してくれるなら頑張るしかないな。

そろそろ寝ないと明日に響くため、寝ようとすると僕はあることを思い……

 

「ましろ」

 

「何?」

 

「明日の決戦が終わったあと……話したいことがある」

 

「え///」

 

「それじゃ……」

 

そう言って僕はテントに入るのであった。

 

「え?あ……え?」

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

木の上で二人の様子を見ていたが……

 

「人間らしいな」

 

「何がだ?」

 

いつの間にか俺の隣にいたフウ。分かっているくせに……

 

「アスの様子はどうだ?」

 

「……かなり集中している。明日はかなりの決戦になるぞ」

 

「そうだな。だがこれはアスが……そして桜空が決めたことだ」

 

「そうだな……それにしても授かりの儀……力を半分か」

 

「なんだ?」

 

「グーリ自身はどう思っているんだろうな?」

 

「さぁな……口を出さないと言うことは桜空に任せているんだろう」

 

奴自身、授かりの儀の経験者……いや、そうするしかなかったからこそだったな

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

次の日、川原にはカバトンとアスの二人が待ち構えていた。僕とソラはそんな二人の前に並び立っていた。

 

「来たか! なのねん!」

 

「今から授かりの儀を始めようか……あなたの敗北は死……私の敗北は私の力を半分授ける」

 

死か……それほど危険……なのは何となく分かっていた。

 

「ビビって逃げ出したかと思ったのねん!」

 

「約束は守ります!カバトン! あなたも約束は憶えていますね?」

 

「ああ! もし俺が負けたら、プリンセスには手は出さねぇ! まあ、負ける訳がねぇがな!」

 

そう言ってカバトンは手の上にアンダーグエナジーを出現させ

 

「これが俺の奥の手だ! この3日で最大限まで高めたアンダーグエナジーを俺自身に注入する!カモン! マックスアンダーグエナジー!」

 

自身に注入し、巨大化した。アスは言うと構えずに……

 

「打ち込んできて、全力で防ぐから……防ぎきれなかったら……あなたの勝ち」

 

「分かった!」

 

僕は特訓を思い出し、拳に力を貯め……アスの身体に全力で打ち込んだ。

 

 

 

 

 

ノアside

 

スカイとカバトンの戦い。巨大化して、パワーが上がっている。一撃でも当たればキツいだろうが、スカイは集中して、カバトンのパンチを避けていき、カウンターを決めた。

 

「な、なめるなって……お、俺は最強につえーんだ!力さえあれば、お前なんかに負ける訳ねー!」

 

カバトンは両手でスカイを押し潰そうとし、スカイは何とか耐える。

 

「どうだ! もうこれで、ちょこまか逃げられねぇ! このまま潰してやるのねん!」

 

このまま押し潰されそうな所を、ましろ達が応援し、元気付けていく。その応援を聞き、スカイはカバトンの両手を押し返していった。

 

「な、何だと……パワーじゃ俺が圧倒的に上なのねん! あ、ありえねぇ……こんな事、絶対にありえねぇ!」

 

「みんなの……みんなの応援が、私に力をくれます!」

 

「お、応援だ? そんなもん、強さにゃ、関係ねー!」

 

カバトンが大きく振りかぶるとスカイも同じ様に振りかぶり、互いの拳がぶつかり合った瞬間、カバトンが吹き飛ぶとスカイは追撃に

 

「ひーろーがーる!スカイパンチ!」

 

スカイの一撃が決まり、スカイの勝利が決まった。だが……

 

「桜空くん!?」

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

必殺技が……当たったと思った。だけど……

 

「なるほどね……いい技だけど……私の防御を打ち抜くの無理みたいだね」

 

アスの身体は……無傷だった。アスは僕を蹴り飛ばすと笑みを浮かべながら身体を変化させていく。

 

「地竜アスが誇る最強防御……」

 

アスの身体に岩が張り付いていき、アスは人型の竜へと姿を変えた。

 

「その名も『地竜防膜』これを打ち砕けるかな?氷竜!」

 

打ち砕くか……どうする?このまま更に必殺技を打ち込むか?だけど……

 

『桜空!弱気になるな!』

 

「分かってる……もう一度……」

 

再度必殺技を繰り出すが、アスの防御は少し砕けたくらいだった。

 

「さっきとは威力が違うみたいだね。失敗かな?がっかりだよ」

 

アスの拳が直撃し、僕は吹き飛ばされた。




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27 二つの決着

アスの一撃を喰らい、吹き飛ばされた僕。何とか立ち上がるが激痛が身体中に走った。

 

「くっ……う……がはっ……」

 

激痛と共に僕は血を吐いていた。アスの一撃がここまでダメージが大きいなんて……

 

「桜空くん!?」

 

ましろの心配する声が聞こえる。心配するなと声をかけるべきかと思ったが、今はそんな余裕がない

 

「その身体でまだ戦う気?このままだと死ぬよ」

 

アスは余裕なのかそんな事を言ってくるが、僕は構えた。

 

「そう……死ぬ気なんだね。いいよ、あなたを殺したあとに……今度はノアに授かりの儀を受けてもらう。私にはどうしても……ツバサくんと仲良くなりたいからね!」

 

「僕を……殺したら……ツバサに嫌われるぞ」

 

「うっ……そうだけど……なら、瀕死に追い込む!もしくは今すぐあなたは戦いをやめてもらう!」

 

とことんツバサの事を思って言ってるんだろうな……これは要するに愛の力なら……ツバサ……頑張って受け止めてもらうしかないな。

 

「そうだな……そうだよな……好きな子のためならなんだってする……人間だろうが竜だろうがそこは同じなんだな」

 

「へー、それじゃあなたの好きな人は?」

 

「もちろんいるし……お前に勝って……伝えないといけないからな……」

 

僕は目を閉じ、集中した。最初の一撃……あれはタイミングを合わせようとしていたから失敗した。それと同時にアスの地竜防膜が発動したのも失敗の原因なら…………

 

「次の一撃……それで決める!」

 

「いいよ!私の防御を打ち破ってみて!」

 

アスは防御の姿勢を取る。僕は痛みすら忘れる程、集中し、駆け出した。

 

「必殺!氷竜爆撃!」

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

桜空の拳がアスに当たった瞬間、アスの地竜防膜が砕かれ、アスの胸に拳の形が残った。

 

「桜空さんの必殺技は……失敗したんですか?」

 

カバトンが気絶したのを確認して、俺の隣に駆け寄ったスカイ。普通に失敗したように見えたが……

 

「いや、成功だ」

 

俺がそう告げた瞬間、アスは血を吐き、膝をついた。

 

「凄いね……今の……ノアが教えたの?」

 

「俺が教えたのは必殺技がどんなものかだ。物にしたのは桜空自身だ」

 

「私としては……身体に傷がつかなくても……防膜が破られたらこの子の勝利にしようと思っていたけど……流石にやるね」

 

桜空の必殺技……氷竜爆撃は拳が当たる瞬間、相手の身体を凍らせ、それを砕く技。タイミングが難しいものだが、完璧に決まれば一撃必殺となる。

とは言えアスの防膜はいくつもの層が出来ているため、それを全部砕かなければならないが……桜空は層を砕いては凍らせを繰り返した結果……勝ったみたいだな。

 

「ん……はっ!?」

 

すると気絶していたカバトンが目を覚まし、敗北したことを理解したみたいだ

 

「俺が……負けた……」

 

スカイは目覚めたカバトンに向かって告げた。

 

「カバトン。約束通り、もう二度とエルちゃんには……」

 

「そんな約束、忘れたのねん!」

 

カバトンが闇のエネルギーでエルを捕らえようとする。そこまで狙っているのか。

 

「どんな手を使っても、最後に勝ったヤツがつえーのねん!プリンセスさえ手に入れられれば、俺の勝ちだ!」

 

カバトンが放った闇のエネルギーが迫る中、ましろとツバサがエルとあげはの前に立ち、プリキュアに変身し、ウィングは二人を抱き抱え助け、プリズムはスカイ共に

 

「スカイブルー!」

 

「プリズムホワイト!」

 

「「プリキュア・アップドラフト・シャイニング!」」

 

「スミキッタ~ノネン」

 

カバトンに浄化技を放ち、カバトンはパワーアップ前の姿に戻された。

 

「カバトン。あなたの負けです……」

 

「嫌だ! 負けるなんて、ぜってー嫌なのねん!」

 

「ん?」

 

カバトンは何でそこまで負けるのを嫌がるのかと思っていると、妙な気配を感じた瞬間、空が黒い雲に覆われ始めた。

 

「アンダーグ帝国じゃ、よえーヤツに価値はねぇ……だから、俺は必死に、つえーヤツになろうと!」

 

「アンダーグ……」

 

「帝国?」

 

カバトンが空へと浮かび上がる。黒幕がカバトンを始末しようとしているのか?だとしたらかなり嫌な感じだな。

 

「や、やめて……俺は、まだ、役に立ちます……どうか、どうかお許しを!」

 

スカイは処刑されそうなカバトンを見て、助けに入った。全くヒーローとして見捨てられないか

 

「俺は、お前の敵なのねん! な、なぜ……」

 

「分かりません!でも、こうする事が正しいと思ったからです!」

 

スカイはカバトンを助け、黒い雲が消えるのであった。

 

「アンダーグ帝国……はっ!?」

 

黒い雲が消えると同時に何か得体の知れない気配を感じた俺……今のは…………

 

「まさかな……」

 

 

 

 

 

 

 

『アンダーグ帝国が動いてくれたお陰で……ようやく我も動けるようになった。ゆっくりと支配してやろう……竜たちを!』

 

「お任せください……邪竜さま」

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

カバトンとの戦いの次の日、重傷の怪我が治った。グーリを宿しているとはいえ、回復力が凄いな……

今はアスから授かりの儀の最後の仕上げとなる力の受け渡しをしている。

僕とアスが握手をすると僕の中に何かが流れ込んでくる感覚があった

 

「これで力は受け渡したよ。まぁ半分だからね」

 

「それでツバサとは?」

 

なんというか結果的に勝ってしまって、ツバサに申し訳ないのだけど……

 

「お友だちから始めようって……ツバサくんは私の事をそこまで知らないから……ちゃんと知ってから付き合うか決めるって……」

 

上手い具合に逃げ道を見つけられたみたいだな。うん

 

「と言うわけで!今からツバサくんにアプローチしてくる!」

 

アスはそう言って部屋を出ていった。するとグーリが表に出てきて……

 

「やれやれ、半分とはいえ、地竜の力を手に入れるとはな」

 

「グーリの力と同時にアスの力も使いこなさないとな」

 

「そうだな……さて、我は眠る。ちゃんと伝えろ」

 

グーリはそう言って僕の中に戻った。伝えろって……あ……

 

「えっと……桜空くん」

 

扉の前を見ると、ましろがもじもじしながら立っていた。

 

「その……伝えたいことがあるって……」

 

「あーうん……その……」

 

僕はましろの目の前に立ち……

 

「ましろ……僕は……お前の事が…………」




次回に続きます!
感想待ってます!


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28 数日間の出来事

今回と次回は日常回になります

あとBURNINGさんの『虹のプリズムと夜明けの光』とコラボさせてもらうことになりました。
そちらの方もよろしくお願いします


「ましろの事が好きだ!」

 

自分の想いをましろにハッキリと伝えた。ましろはと言うと顔を赤らめながら……

 

「えっと……はい……私も桜空くんのこと……好きだよ///」

 

「え、あ……その……それって……」

 

「両想いだったんだね///」

 

「う、うん」

 

お互いに両想いだと言うことを知りつつも、ましろと付き合うことになった事に嬉しくもあった。

 

 

 

 

ちゃんとソラたちにも伝えるべきと言うことで、夕食の時にみんなに僕とましろが付き合うことを話した。因みにあげは姉には夕食前にましろが伝えてくれたらしく、

 

『ようやくか~お互い好きあってるのに中々一歩踏み込まなかったもんね~桜空、ましろん、おめでとう』

 

と祝福してくれた。ソラたちの反応はと言うと……

 

「ましろさん、桜空さん、おめでとうございます」

 

「お二人共お似合いですよ」

 

「えるぅ!」

 

「ふふ、エルちゃんもおめでとうって言ってくれてるわ」

 

ソラ、ツバサ、エルちゃん、ヨヨさんも祝福してくれた。ノアとグーリはと言うと……

 

「「結婚の前に恋人になる文化はよくわからない」」

 

との事。文化の違いってこんなところに出るんだ……

因みに後日遊びに来たアスはと言うと……

 

「やっぱり結婚の前に恋人になるのが当たり前なんだね!」

 

と普通に祝福してくれた。こちらの常識などはフウさんが教えてくれているから多少の理解はあるらしい。

 

 

 

 

 

 

 

ましろと付き合うことになってから数日が経った。その間の出来事と言うと……まずはノアたち竜たちの年齢についてだ。

竜たちは僕らより長生きだからかなり歳上だと思っていた。と言うより聞く機会があまりなかったため、折角だから聞くことにした。

 

「俺は170歳だな」

 

「我は160歳だ」

 

ノアが170歳、グーリが160歳……グーリの場合は死んで僕の中にいるから享年になるような気がするけど……

 

「竜は基本的に長生きだが、俺やグーリは人間の歳では17歳位だぞ」

 

「じゃあ人間の姿の時はそっちに合わせてる感じなのか?」

 

「そうだな。まぁそもそも人間体の姿は自由に変えられる。おまけに竜の姿のときもな」

 

「そういえば私がノアと会った際は小さかったですね」

 

「あの時は戦って力を失っていたからな。自然とそうなった。グーリも基本的にその姿なのはお前に宿り、負担をかけないようにしているからだろ」

 

「そうだな。下手すれば竜の力に耐えきれない可能性があった」

 

僕は何も考えずにグーリを宿したのか~

 

「あの、ノアさんたちが長生きだとしたら……グーリさんを宿した桜空くんも……」

 

長生きになる可能性があるのか……それはいやだな。ましろがお婆さんになっても僕だけ若いままなのは……

 

「そこら辺は安心してもいい。老化関連に影響はない。と言うよりも人間と竜が結婚をした場合は、竜の方が人間に合うようになっている」

 

つまり竜の寿命が人間と同じになると言うことか……ノアもグーリも詳しいことを知らないらしいがそう言う性質らしい。

 

「良かった」

 

ましろが安堵してるけど……それはつまり……その……うん、将来的な話だから……うん、先の事は今は考えないようにしよう。

 

 

 

 

 

出来事二つ目

 

アスについてだ。アスから力を授かった後、アスの方にも変化はあった。

それは人間体の姿が前は高校生くらいだったのが、今はツバサと同じくらいになっている。アスの話を聞くとどうにも授かりの儀をやった結果らしい。とは言えアス自身は人間の年齢的にはぴったりの姿らしい。

因みにアスの年齢は120歳との事。フウは210歳くらいとか……

年齢の事は置いといて、アスはここ数日、ツバサに会いに来ているらしいが、ツバサは遊びに来たアスに対して

 

「今はプリンセスのお世話で忙しいんです!」

 

とアスを避けていた。アス自身は一緒にお世話をすると言うがツバサに断られたとか……まぁツバサ自身もアスを傷つけるために言った訳じゃないらしいが……アスは落ち込んでいたが、ヨヨさんが手伝ってほしいことがあるとアスに頼み事をしてからは、ヨヨさんになついたとか……

ツバサもアスにゆっくりでいいからとエルちゃんのお世話を覚えてほしいと伝え、それなりに仲良くはなっている。

そんな色々があった数日後……僕とましろはある悩みを抱えていた。それは…………

 

「「恋人らしい事ってなんだろう?」」




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29 恋人らしい事ってなんだろう?

ひろプリ、ハグプリみたいな歴代プリキュアが出る回をやってほしい


ツバサside

 

桜空さんとましろさんの二人が付き合いだして数日経った。その間起きたことと言えば、アスさん関連の事だ。

何故か僕の事を好きになった事で色々とあったが現在は友達という関係に落ち着いたのだが……

 

「ツバサくん、遊ぼう!」

 

遊びに来ては僕に抱きついてくる。一回くらいならまだしも、話しかける度に抱きついてくる。正直プリンセスを抱っこしているときに抱きついてくるのはやめてほしい。そう言うことが続いたからか僕はついアスさんに……

 

「今はプリンセスのお世話で忙しいんです!」

 

と強めの口調で言ったら、アスさんは申し訳なさそうに謝り、物凄く落ち込んでいた。

それを見てヨヨさんがアスさんを連れて何処かに行き、帰ってくるとアスさんはヨヨさんになついていた。更にアスさんは遊びに来ても抱きつかず、僕の様子を見るようにしていた。僕はため息をつき、一緒にプリンセスのお世話をしないかと言うとアスさんは大喜びしてプリンセスのお世話をするようになった。

そんな事があった数日間、僕は桜空さんに相談を持ちかけられていた。

 

「恋人らしい事ってなんだろう?」

 

「はい?」

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

僕はツバサに相談をしていた。ツバサはと言うと……

 

「あの、まず何で僕に?ノアさんとかグーリさんの方が相談に乗ってくれるはずじゃ……」

 

「恋人関係はあの二人は感性が違いすぎて……」

 

「あーなるほど……」

 

竜たちは恋人関係はよく知らないというか……付き合う=結婚という感じだった。そんな二人に恋人云々について相談するのはと思い、年下だけどしっかり理解しているツバサに相談することにした

 

「そもそも普通に恋人らしいことをすればいいんじゃないんですか?例えば……一緒に学校に行ったりとか」

 

「付き合う前からしてる」

 

「…………手を繋ぐとか。ほら、学校に行く時とか帰るときとか」

 

「しようとしたけど、ソラが『今日はみんなで手を繋いで行くんですね!では私も!』って言い出して……」

 

「…………ソラさんに話して学校に行く時間を…………」

 

「一回したら、物凄く悲しそうな顔をされて…………」

 

「…………………………休日にデート」

 

「ソラがついてくる……」

 

「…………………………………………」

 

静かな空気が流れた。いや、ソラが悪いとかではない。ソラはみんなと一緒にと言う気持ちが強いだけなんだ…………うん

 

 

 

 

 

 

ましろside

 

私はあげはちゃんに恋人らしいことについて相談していた。因みにソラちゃんとアスさ……アスちゃんも一緒だ。

 

「あー、うん、それは……なんと言うかね」

 

「すみません……気を遣うべきですよね……」

 

「ううん、ソラちゃんは悪く…………ないよ。ただその……ね」

 

ソラちゃんが物凄く悲しそうな顔をされると私たちが悪い気がして……

 

「うーん、まぁましろんと桜空は一緒にいる時間が多いんだし、気にせずいちゃつけばいいんじゃないの?」

 

「気にせず!?」

 

「そうです!例えばましろさんと桜空さんが手を繋ぐときだけ、いつもと違う繋ぎかたをすればいいんです!」

 

「えぇ!?」

 

いや、確かにそれは……うん、ありかもしれないけど……私に出来るかな?

するとパフェを食べていたアスちゃんが私の肩をたたき……

 

「もっといい方法があるよ。ましろ」

 

「え?」

 

「家に帰ったら……抱きつく!」

 

「それハードル高すぎない!?」

 

「アスちゃん、それいいね!」

 

「なるほど……確かに私たちには普通に『ただいま』と言い、桜空さんには抱きついて『ただいま』と言うですか……他の挨拶の時も……」

 

「それ却下!」

 

あげはちゃん、少し悪のりしてるし、ソラちゃんは純粋だし、アスちゃんは恋愛に関してちゃんと学び直した方がいいよ……

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

夜、ましろと話し合った結果、手の繋ぎ方だけを変える所から始めることにした。因みに僕はヨヨさんにも相談し、

 

「そう言うのは一歩ずつ一緒にやっていくのが大切よ」

 

との事だった。こうして僕とましろの悩みは解決したのだが…………また一つ問題が起きた…………

 

 

 

 

 

 

それは次の日の朝、三人でランニングに行こうとすると、ソラがあることに気がついた。

 

「裏山に家なんてありましたっけ?」

 

「「え?」」

 

何故か見知らぬ家が出来ていた。




ソラちゃん空気を読まないのではなく、ソラちゃんは犬みたいな感じと思ってください。
次回は本編に戻ります
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30 引っ越しとファーストシューズ

オールスターズFの予告見て、各々のチームにこれまで書いたプリキュア作品のオリキャラを交えると……スカイチームのブレーキ役が現状居ないことに気がついた


桜空side

 

裏山に出来た家……一体何なのか気になり、ランニングを止めその家に行ってみることにした。

 

「こんな家……なかったよね」

 

「あぁ……昨日までは……」

 

何かの罠かと思い、警戒しているとソラが躊躇いもなく呼び鈴をならした。

 

「「ちょ!?」」

 

「あれ?ダメでしたか?引っ越してきたのですから挨拶をしようと……」

 

「アンダーグ帝国の罠とかだったらどうするんだよ!?」

 

「その時はその時です!」

 

ソラからしてみれば、襲ってきたら迎え撃つつもりなんだろうけど……本当に大丈夫かと心配していると、玄関の扉が開き、出てきたのは……

 

「あれ?3人ともどうしたの?」

 

アスが出てきた。

 

 

 

 

 

 

 

「えぇ、昨日の夜のうちにアスさんとフウさんが来て、引っ越して来たみたいよ」

 

家に戻り、ヨヨさんに話すとどうやら知ってたみたいだった。と言うか夜のうちに家が出来るものなのか?

 

「住み処を作るくらいなら簡単だ。それに急に家が出来たとしても問題ない」

 

フウさんがそう言うけど……何だか疲れているみたいだった。ノアやグーリが言うには家を作ったり、移動させるくらいなら龍特有の力……魔法とかでなんとかなるみたいだが、混乱が起きないようにするのが疲れるみたいだ。

 

「それにしても何でまた……」

 

「えー、ツバサくんが言ったから~」

 

僕、ソラ、ましろがツバサの方を見るが、ツバサは心当たり無さそうだった。

 

「ツバサくん、言ってくれたじゃない!いつもこの家まで来るの大変じゃないですかって!だからツバサくんに心配かけさせないように引っ越してきたの!」

 

「いや、そうはならないですよ!」

 

なんと言うか龍って、本当に独特な考えを持っていると言うか……

 

「アスと我々を一緒にしないでほしいのだが……」

 

グーリが小さくつっこむのであった。

 

 

 

 

 

 

 

そんな騒がしい数日が経ち、エルちゃんも徐々にだが歩けるようになった。それを見てヨヨさんがファーストシューズをエルちゃんにあげた方がいいと提案された。ファーストシューズとはよちよち歩きができるようになった子供が、無限に広がる世界へ踏み出していく、その1歩目を祝福する大切な靴。それが、ファーストシューズ。

僕、ましろ、ソラ、ツバサ、エルちゃんは街の靴屋に来ていた。

 

「とっても頑丈そうだし、防御力高そうです!」

 

ソラが選んできた靴を見せるがエルちゃんはそっぽ向いた。

 

「防御力の件は、とりあえず置いとこっか?この靴とかどうかな?ぴかぴか光るよ」

 

「エルっ!」

 

ましろが選んだ靴もお気に召さないようだった

 

「めっ! 好き嫌いは駄目ですよ?」

 

「ふぅ……プリンセスは悪くありません。足りていないんです。お二人のセンスが」

 

「「ええ!?」」

 

「エルちゃんはスカイランド王家のプリンセス。キラキラ輝く一番星。国民のアイドル。そんじょそこらのデザインで満足するはずが……さあ、お受け取り下さい、プリンセス! あなたのナイトが選び抜いた、とびっきりの……」

 

ツバサが選んだ靴もエルちゃんにはお気に召さなかった。まぁこれは誰かが選ぶよりもエルちゃんが気に入ったやつを見つけた方が一番なんじゃないかと思う

 

「エルちゃんのお気に入りが見つかるまで、この街の靴屋さん全部を!いいえ! この世界の靴屋さん全部を回りましょう!」

 

「話が壮大になってきたね……終わる頃には、エルちゃん、大人になっちゃうよ?」

 

「そもそも世界を回る時点でかなり……出費もかかるような……」

 

「そこは……ノアに乗って……もしくはツバサくんがアスさんに頼めば……」

 

「止めてください……あの人なら本当にやりかねないです……」

 

そんな話をしていると、エルちゃんが何かに反応を示した。見てみるとおばさんが子供の靴を買おうとしているところだった。

 

「あれは人のです!」

 

「別のにしよ? ね?」

 

「えぅ!」

 

「もう、プリンセス? あまり駄々をこねないで下さい……」

 

「どえらい可愛い赤ちゃんやな!」

 

僕らの様子に気がつき、おばさんが声をかけてきた。まぁ普通に目立つよな……

 

「これ気に入ったん?」

 

「すみません!」

 

「これ、あげるわ!」

 

「え? でも……」

 

「遠慮せんでええんよ! まだお会計済ませる前やしな!」

 

ソラは靴を受けとるけど……あの人……そもそも買うつもりだったのに良かったのか?

 

「ありがとうございます!」

 

「こない気に入ってもらえて、靴も喜んでるわ! 逆に、おおきに!」

 

「ヒーローです! ヒーロー発見です!靴の気持ちまで考える優しさ! それが、ヒーロー!」

 

「なんでやねん!」

 

「あの! 本当にいいんですか?これって、誰かにプレゼントする靴、ですよね? その子が、がっかりしたりしませんか?」

 

「これで良かったんや……」

 

「え?」

 

おばさんがそう言ってお店を出ていった。ソラは慌てて探すが見つけられなかったみたいだった。

 

 

 

 

 

 

 

その日の夕方、エルちゃんは買ってきた靴を気に入った様子で今は眠っている……

 

「断るべきでした……」

 

「え?」

 

「きっと何か事情があったんです……なのに、私……未熟!」

 

「今度どこかでまた会えたら、その時改めてお礼を言おう?」

 

「いいえ! 今すぐあの人を探しに行って、靴を返しましょう!」

 

「プリンセスが気に入ってるのに!?」

 

おばさんのことを話していると、突然波紋みたいなものを感じ、ヨヨさんの部屋に行くと水色の空間がミラーパットから現れていた。

 

「待たせたわね。ようやくスカイランドへのトンネルが完成したわ」

 




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31 本当の気持ち

桜空side

 

スカイランドへのトンネルが完成したことを、王様と王妃様に伝えるヨヨさん。

 

「安全のため、少しばかりミラーパッドを調整する必要があります」

 

『どれくらいかかるのです?』

 

「ええ……明日の夕方には……」

 

『おお! 頼みましたぞ!』

 

『プリンセス、待っていますよ!』

 

「えぅ!」

 

トンネルが出来るまで長かったような短かったような……でもこれでエルちゃんも帰れる。それを知って嬉しそうにしているエルちゃんだけど……でもこれって……

 

「さて、みんな聞いてちょうだい。」

 

ヨヨさんはエルちゃんを抱きながら、真剣な表情であることを告げた。

 

「アンダーグ帝国は、これからもきっと、エルちゃんを狙ってくるでしょう。戦いの場所は、このソラシド市から、スカイランドに移る。でも、ましろさんと桜空さんは、スカイランドでは暮らせない。ソラシド市で学校に通わなくちゃいけない。勉強もしなくちゃいけない。それに……」

 

「ラ、ランボーグがエルちゃんを襲ってきたら、私、トンネルを使って、すぐスカイランドに助けに行くよ?」

 

「僕もだよ。ましろ一人に行かせるつもりはない」

 

「桜空くん、ありがとう」

 

「そうね。そうしてあげて。でも、ひとつ屋根の下、みんなで暮らすのは、明日でお終い。寂しいけれど……」

 

今日でソラたちとお別れか……ましろの提案であげは姉を呼ぶことになる中、ノアとアスは……

 

「二人はどうするんだ?」

 

「俺はスカイランドに帰る。元々ソラと一緒にいると決めているからな」

 

「私もツバサくんについていくよ!スカイランドに行くならツバサくんの両親に挨拶しないと!」

 

「挨拶ってなんのですか!?」

 

「ツバサくんの未来のお嫁さんですって」

 

「絶対にやめてください!僕の両親、絶対に信じますから!そもそも引っ越してきたばかりじゃないですか!」

 

「大丈夫!フウは帰るつもりないから!」

 

何だかフウさんも大変だな……それにしてもノアのソラと一緒にいるって……何かあるのか?

 

 

 

 

その日の夜、あげは姉を呼び、みんなで夕食を食べていた。あげは姉もソラたちが帰ることを知り、少し寂しそうにしていた。

 

「そっか……帰っちゃうんだ……」

 

「エルちゃんをお家に帰してあげる。そのために頑張ってきたんですから!」

 

「それはそうだけどさ……ましろん、明日どうするの?」

 

ましろに声をかけるが、ましろは何処か上の空だった。

 

「ましろん?」

 

「え? 明日? 一緒にエルちゃんを送り届けて、ちょっと観光してから帰ってくるよ。ちょうど学校お休みだから……」

 

ましろ……何となくましろの様子がおかしい理由は分かる。僕から何か言うべき……でもこれは……

 

 

 

 

その日の夜、寝付けず、少し夜風に当たるために外へ出るとましろとソラの二人がいるのを見つけた。声をかけようとしたが何となく邪魔をしたらいけないと思い、影で様子を見ることにした。

 

「初めて来た時には、魔法の世界かと……」

 

「フフッ、そんな事言ってたね!」

 

「でも、今はなんだか、ここがもう1つのふるさとみたいに思えます。そんなに長い間暮らした訳じゃないのに……」

 

もうひとつの故郷か……ソラにとってはそう思える場所だって思えるようになったんだな……そしてましろからしたら……

 

「ご、ごめんなさい! また、すぐに遊びに来ますから!」

 

「うんうん!」

 

「え、えっと、明日! 靴を譲ってくれた人を探しに行きませんか? トンネルが開くまで時間がありますし!」

 

「そうしよう! そうしよう!」

 

二人とも……もう少し素直になればいいのに……

 

「あ、桜空くんも誘ってもいい?」

 

「そうですね。私もノアを誘います!」

 

二人の時間を邪魔して……いや、二人の気持ちを考えれば……仕方ない。断る理由もないしな。

 

 

 

 

 

 

アスside

 

ソラたちが出掛けているため、ツバサくんと一緒にエルちゃんのお世話をする私たち。

 

「今日は、お家で遊びませんか? 天気予報で言ってましたよ? 雨が降るかもって……絵本! 絵本を読みましょう! それとも、お人形遊びが……」

 

「何だか大変そうだね。ツバサくん」

 

「アハハハ……ズルいですよ、ソラさん、ましろさん、桜空さん、ノアさん……ボクに損な役回り押し付けて……」

 

「まぁまぁあの子達からしたら大切な時間だから」

 

「アスさんって、意外と……」

 

「人間の気持ちを知ってるみたいだって思うでしょ。まぁ私からしてみたらこうして人と関わることは長かったからね」

 

「竜だからですか?」

 

「うん、竜はたくさんの人と関わった。それはノアやグーリ、フウも同じ。長い年月の中では戦いの対象となったり、人の暮らしを豊かにするためだったりね」

 

「戦いの対象……」

 

「まぁ今はツバサくんって言う一生を添い遂げてもいい人が……」

 

「あ、あはは……」

 

「ほら、エルちゃん。たかいたかいしてあげるね」

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

街に出て、色んな靴屋を回るがあのおばさんを見つけることが出来なかった。どうしたものかと考えていると……

 

「悪いけど、急用が入ってしもて……うん……うん、ごめんやで……あっちに着いたら電話ちょうだい。ほな、達者でな!」

 

あの電話している人って……昨日の……

 

「あの!」

 

「うん?」

 

ソラはおばさんに声をかけ、近くの喫茶店で靴の件を話すことにした。

 

「そら、ご苦労さんやったなあ……でも、お金払ったのは、そっちやし、それに、あの赤ちゃん、この靴、えらい気に入ってたやんか? そっちこそ大丈夫なん?」

 

「大丈夫、ではないです……正直なところ……」

 

「でも、これで良かったって言ってたのを聞いて、なんだか気になって……」

 

「心の声が漏れてもうたかー! おばちゃん、恥ずかしわー!あんな? この靴、孫に買うてやろと思とってんけど……子供てな、ホンマに可愛いなあ……未来しかない……そんな子が、こないだ1人で歩けるようになって……」

 

「それじゃあ、この靴は……」

 

「そう、ファーストシューズっちゅうやつ? でもなあ、仕事の都合で外国に引っ越してしまう事になってなあ……空港まで見送りに行って、そこで渡そうと思ってたんや……でも、こんなん渡したら、おばちゃん絶対泣いてまう・・・。そしたら、おばちゃんの息子も、みんな、しんどい気持ちになるやろ?そんなん、だーれも得せえへん? 別れは涙で汚さん方がええ。ニコニコ笑って明るくお別れした方がええ!そんで、外国でバリバリ仕事してもろて、家族で楽しく暮らしてくれた方がええねん!」

 

本当にそれでいいのか?何だか本当の気持ちを押さえ込んでいる感じがした。何か言うべきかと思い、伝えようとすると……

 

「「そんなの駄目だよ!」」

 

ましろとソラの二人が同時に言った。二人も自分達と重ねていたのかもしれないな

 

「きゅ、急にどないしたん?」

 

「本当の気持ちを言わないと駄目です!」

 

「嫌だって、寂しいって、ずっと一緒に暮らしたいって!」

 

「泣いたっていい……」

 

「駄々をこねたって……」

 

「そしたら、きっと……」

 

「きっと、その後は本当に笑ってお別れできる。そう思います」

 

「かもしれへんな。でも、もう遅いねん……じきテイクオフや……せやから、その靴、やっぱり、お嬢ちゃん家の赤ちゃんにあげといて……」

 

おばさんと別れた後、ましろは直ぐ様空港までの道のりを調べあげ……

 

「ノア、少し行ってきます!」

 

「あぁ」

 

「桜空くん、行ってくるね」

 

「分かった」

 

二人は何処かへと行き、窓の外を見るとプリキュアに変身した姿でおばさんが行った先へと向かう姿が見えた。

 

「一応、見届けるか」

 

「後、靴も探しつつな」

 

 

 

 

 

 

 

空港へと着くとましろとソラの二人が出てくるのが見えた。二人は泣いた後が見えたけど……互いに自分の本当の気持ちに向き合ったんだな

 

「ごめんね。急に」

 

「いいよ。あと、これ」

 

僕は二人にあのシューズを見せた。空港までの道のりに見つけた靴屋で同じものがあった。

 

「ノア、お疲れ様です」

 

「まぁ付き添っただけだからな」

 

笑顔で話すソラとノア。この二人って……

 

「どうしたの?桜空くん?」

 

「いや、なんでもない」

 

まぁ僕が気にすることではないか。

 

 

 

 

それから家に帰り、エルちゃんに靴を渡し終え……僕らはスカイランドへと向かうのであった。

 

 

 

 

 

ヨヨside

 

みんなを見送り、王様たちにそちらへ向かったことを伝え終えると、ある電話がかかってきた。

 

「もしもし?あぁ久しぶりね。そう、取りに来るのね。あら、使いの人を?分かったわ」

 

彼が使いとして来るのね……これもまた運命ね

 




ヨヨさんが最後に電話していた相手はとあるオリ主です。エル太郎の話が終わったら、オリストとして書きます
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32 スカイランドと再会

ノアside

 

トンネルを通って、スカイランドに着いたのはいいが……

 

「王様!すみません!」

 

「わー、何で王様の下に!?」

 

「と言うか直ぐに退いた方がいいんじゃ……」

 

トンネルの出現位置が悪かったのか、何故か王の下に落ちてしまった。因みに俺とアスはしっかりと着地している。エルは浮いて王妃の所に抱きついていた。

 

「それにしてもようやく辿り着いたな」

 

俺とソラの当初の目的地にようやく……

 

 

 

 

 

 

「歩いた! プリンセスが歩いたぞ!」

 

「ええ……ええ……」

 

来たときの騒動が落ち着き、王と王妃はエルの成長を喜んでいた。それを見て、ソラたちも嬉しそうにしていた。

 

「そなた達。よくぞプリンセスを取り戻してくれた……深い愛情を持って我が娘の世話をしてくれた事、心から礼を言う。そなた達が守ってくれたのは、あの子の身の安全だけではない……笑顔だ!」

 

「ソラ、ツバサ、ましろ。あなた達は、スカイランドのヒーローです!」

 

「ヒーローだなんて、そんな……ねえ……」

 

「まぁ……なぁ……」

 

「「スカイランドの、ヒーロー!」」

 

ソラとツバサの二人はヒーローだって言われて嬉しそうにしている。まぁ素直なんだろうな。

ソラは今後の事を話そうとしたが、王たちはエルの帰還を国民たちが待っていると言うことで、ちょっとした御披露目が行われた。

 

 

 

 

 

お披露目も終わり、会議室で俺たちはこれまでの事を王たちに話した。

 

「アンダーグ帝国……それにまさかまさかと思っていたが、竜族が手を貸してくれるのとは……」

 

「成り行き上な。グーリは桜空に宿っているから手を貸しているようなものだし、アスは……」

 

「ツバサくんの為にこれからも頑張る!」

 

俺たち竜の場合はそんな感じで協力しているからな

 

「えっと、ノアさんたちは本来なら協力とかしない感じなんですか?」

 

「あぁ、基本的に人間の問題に首を突っ込んだりしないな」

 

「まぁ私たちが関われば直ぐに解決しちゃうことが多いからね」

 

「故に見守るか互いに力を高めるために竜たち同士で戦うくらいだ」

 

「へー」

 

ましろ……何だかあまり興味なさそうだけど……まぁ今更そんな感じだって言っても仕方ないことだな。これまで協力してきたし……

 

「話は分かった。これからは我々がプリンセスを守る。そなたたちは家に戻るんだ」

 

「そうですね。ゆっくり休んでご家族を安心させてください」

 

「待ってください!エルちゃんを守るために、アンダーグ帝国に立ち向かえるのはプリキュアの力が必要です!それに相手がどんなに強くても、正しい事を最後までやり抜く。それがヒーローです!」

 

「ヒーローか……」

 

突然誰かの声が聞こえ、後ろを振り向くとそこには見知らぬ女性がいた。この女……出来るな。

女はソラを見て、少し微笑み、王たちに膝をついた。

 

「プリンセス。よくぞご無事で」

 

「戻ってくれたか」

 

「都を留守にしていた間とはいえ、プリンセスをお守りできず……」

 

「いいえ。辺境の地の大火災、あなたがはるばる出向いて、指揮をとってくれたおかげで……」

 

「本物だ……」

 

「え? 誰?」

 

「シャララ隊長ですよ!スカイランドを守るヒーローチーム・青の護衛隊。シャララ隊長は、そのリーダー。世界で一番強い剣士なんです!うわー、握手してもらえないかな」

 

シャララ……つまりあの女が……ソラは突然走り出し、シャララに後ろから抱きついた

 

「大きくなったな、ソラ。」

 

「はい!」

 

「あれから、もう10年になるか」

 

「はい!」

 

「ノア、あの人って……」

 

「あぁ、ソラの憧れの人物だ。俺も話くらいは聞いていたが……」

 

まさかここで再会することになるとはな。

 

 

 

 

 

 

 

その次の日、俺はソラの付き添いで青の護衛隊の待機所に来ていた。ソラは王の褒美に青の護衛隊に入隊する事を希望した。元々それが王都に来た目的だったからな。

シャララから紹介してもらい、挨拶をするソラだが……

 

「子供じゃないですか……」

 

赤い髪の少女が不服そうにしながらそんなことを言っていた。

 

「控えろ、ベリィベリー!」

 

「別の世界に行ってプリンセスを救ってきたとか、護衛隊に入りたくて嘘をついてるのかも……」

 

「私、嘘なんて……」

 

「弱い奴を仲間に入れるのは反対です! 邪魔ですから!」

 

「だ、だったら、私の力をテストして下さい!」

 

「面白い……」

 

いがみ合うソラとベリィベリー。シャララはそんな二人に模擬戦をやらせることにした。

 

 

 

 

ベリィベリーは右手のグローブに嵌め込まれた宝石から雷撃を走らせる。

 

「さあ、始めようか。好きなものを使っていい」

 

訓練所には剣や槍が置かれていたが、ソラはそのまま拳を構えた。

 

「後悔するぞ!」

 

「始め!」

 

ベリィベリーは雷撃を放ち、牽制していく。ソラはその雷撃を避けながらも攻撃を繰り出していく。

 

「ノア殿。この試合……どう見る?」

 

「あの宝石の力をあそこまで扱う人間はそうはいないだろうな」

 

「では?」

 

「だがソラは弱くはない。何せずっと鍛えてきたからな。あんたと出会ってからも、そして俺と出会ってからも……」

 

「ノア殿とソラは一体どんな出会いを?」

 

「さぁてな」

 

ソラはベリィベリーの動きを読み始めている。早々負けるようじゃないからな。ただベリィベリーには余裕が無さそうだ。

 

「ソラちゃん!」

 

するといつの間にか来ていたましろ、ツバサ、桜空、アス。ましろは思わずソラの名前を呼んでしまい、ソラがよそ見をしてしまい、ベリィベリーの雷撃を喰らってしまう。

 

「青の護衛隊は最強のチームだ! 弱い奴に居場所はない!」

 

ベリィベリーが止めの一撃をと接近してくるが、ソラはベリィベリーの拳をギリギリの所で避け、カウンターのパンチをベリィベリーの顔面で寸止めをした。

 

「勝負あり!」

 

負けたベリィベリーは膝をつき、その場で項垂れていた。

 

「弱いとか、強いとか、大事なのは正しい事をしたいって気持ち……そうですよね?貴方は間違っています!」

 

「わ、私は……」

 

試合が終わったのを見て、ましろたちがソラに駆け寄る中、ベリィベリーは泣きながらソラを睨み、何処かへと行くのであった。

 

「やれやれ……シャララ、悪いが一個頼んでいいか?」

 

「頼み?」

 

「スカイランドにいる間、桜空も青の護衛隊で鍛えてやってくれ」

 

「はぁ!?」

 

「桜空さんも護衛隊に入るんですか?」

 

「え……」

 

「鍛えてもらうだけだ。ましろもそんな顔をするな」

 

「理由は?」

 

「これまで桜空に教えてきたが、こういうのはお前たち人間の方がいいと思ってな。力のコントロールは多少は出来ている。それに地竜の力もな」

 

アスの教え方が合うのか地竜の力は扱えるようになっている。氷竜も徐々にだが……後は動きのみだ。




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33 新たな幹部と気配

新キャラ登場!


深い深い奥底、そこには闇に包まれた何かがいた。

その何かの前にはフード姿の四人の前に更に一人……黒い髪の男がいた。

 

「邪竜様。集まりました」

 

『ご苦労。アンダーグ帝国の動きはどうなっている?』

 

「幹部の一人が動き出しました。我々も動くべきです」

 

『よろしい……奴等が動けば動くほど……闇は深まる』

 

「そして邪竜様が復活出来ます。ただアンダーグ帝国の目的を邪魔するプリキュアの側に三人……いや、一人は氷の竜をその身に宿す存在ですね。竜たちが邪魔をする可能性が……」

 

『その為に我が闇の力を手にしたお前たちがいる』

 

「奴等の相手は四邪竜……お前たちに任せる。分かったか!爆竜、雷竜、嵐竜、そして…………竜」

 

『はっ!』

 

四人の姿は消え、残った男は……

 

「我々が動くことで木竜に勘づかれますが……私が行きましょうか?」

 

『老いぼれやその付き人が動いたところでどうにもならん。ましてやお前が奴等に負けることはないだろう。そうだろう?蛇竜』

 

「はっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

今日の護衛隊としての任務が終わり、ソラの付き添いでシャララの所に挨拶に来た俺。桜空は慣れない訓練だったからか疲れているため、先に帰した。

 

「お先に失礼します!」

 

「今日は疲れただろう。ゆっくり休みなさい」

 

「はい!」

 

「ベリィベリーの事だが……小さい頃、腕に大きな怪我をしてな、そのせいで3年間、入隊試験に落ち続けた。だが、誰よりも努力して強くなった。だから、あんな風にこだわる。強さと弱さに」

 

強さに拘るのは悪いことではないが……人間からしたらそれによって大きく変わってしまう。だからこそソラがあの時かけた言葉、ソラ自身も悪いことを言ってしまった思っているのかもしれないな。

 

「私は、酷い事を……」

 

「今のベリィベリーには必要な言葉だった。彼女には明日改めて話をする。気にするな。ただ、憶えていてほしいんだ。正しい事を最後までやり抜く。それがヒーロー。ソラ、君の言う通りだ。でも、だからこそ、正しいとは何なのか、ヒーローは考え続けなければいけない」

 

「考え続ける……」

 

「ベリィベリーにはベリィベリーの正しさがある。みんな、そうだ。難しいな……ヒーローというものは……」

 

「私、行ってきます! ベリィベリーさんに謝ってきます!」

 

「いや、明日……」

 

「明日じゃ遅過ぎます!」

 

ソラは直ぐ様ベリィベリーの所へと向かった。やれやれ、思いきったらすぐ行動するな……いや、だからこそのヒーローなのかもしれないな

 

「いい子だな……ノア殿が教えたのか?」

 

「俺は教えてない。あいつがあいつなりに考えた結果だ」

 

「そうか……嬉しそうだな」

 

「嬉しそう?」

 

そんな顔をしていたのか?だが悪いことではないな。それだけソラの事を……思っているからかもな

俺はシャララの部屋を後にしてソラを追いかけた。

 

 

 

 

 

 

アスside

 

ツバサくんが少し忙しいため、暇潰しに散歩していると、確か昼間にソラと戦っていた子が膝を抱えていた。なんと言うか人間は変に悩みすぎな気がするけど……まぁいいか。放っておこうと思っていると、あの女の子の前に緑髪の男がいつの間にかいた

 

「ずっと1人で頑張ってきたんだね……」

 

「だ、誰だ?」

 

「苦しかったよね? 寂しかったよね? もう頑張らなくていいんだよ? 君を傷付けるこんな世界、僕が壊してあげるから……カモン!アンダーグエナジー!」

 

突然手袋と宝石のランボーグが現れた。まさかあの男!?カバトンの仲間!?

 

私がランボーグの前に出ると丁度、ソラたちとノアと桜空がやって来た

 

「ベリィベリーさん!」

 

「気を失っているだけだよ。弱い者には手を出さない。そう決めてるんだ。だって、ほら。僕って優しいから、分かっちゃうんだよね。弱い者の悲しみ? 怒り? なんか、そういうの……」

 

弱いものに手を出さない?この男の言葉はどうにも……私があることを告げようとするとノアが遮った。

 

「お前はアンダーグ帝国の奴だな」

 

「バッタモンダー!言うなれば新しい敵って所かな?」

 

ランボーグが暴れだし、ソラたちは変身をした

 

「「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「ウイング!」

 

「「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」

 

 

 

 

 

ノアside

 

スカイたちはランボーグから放たれる雷撃に苦戦していた。あの雷撃をどうにかすれば何とか出来ると思い、俺は構えた瞬間……

 

『!?』

 

俺、アスは何かを察知し、桜空は……

 

「何だ?今の……悪寒みたいなものは……」

 

『……この気配……』

 

グーリが宿っているから、悪寒みたいなものを感じたみたいだな。

 

「おいおい、余所見をしてていいのかい?僕は弱いものには手を出さないけど、ランボーグはどうかな?」

 

気がつくとランボーグが動けないでいるベリィベリーを潰そうとしていた。

 

「悲しいね、弱いって……」

 

「弱くなんか……ベリィベリーさんは、弱くなんかない!」

 

俺とソラでランボーグの拳を受け止めていた。アスも感じていたが、このバッタモンダーは……

 

「ごめんなさい……」

 

「あなたは、ソラ?」

 

「1人で苦しんでいた事、でも、ずっと頑張ってた事……私、何も知らないのに、間違っていますなんて……」

 

スカイは自分の過ちを謝り、そして俺と一緒にランボーグの拳を押し戻した。

 

「スカイ、俺たち竜には強いだの弱いだのは拘らない……だが学んだことはある」

 

「学んだこと?」

 

「それはあのバッタモンダーみたいに卑劣な奴が強さや弱さを語る資格はないってことだ!」

 

俺は右拳に炎を纏い、倒れこんだランボーグに向かって必殺の一撃を放った

 

「剛破火炎撃!」

 

ランボーグに追撃の一撃を喰らわせた。俺はスカイとプリズムの二人に叫んだ!

 

「今だ!」

 

「スカイブルー!」

 

「プリズムホワイト!」

 

『プリキュア・アップドラフト・シャイニング!』

 

「スミキッター」

 

浄化技を喰らい、ランボーグは浄化された。

 

「あ? ふざけんなよ!おめでとう! お互い、良い戦いだったよね?また会おう! バッタモンモン!」

 

あのバッタモンダー……素が出たけど……まぁいい。あぁいう奴に本当の事を言うのは止めておこう

それから、ソラはベリィベリーと和解したみたいで良かったが……あの時感じた気配……

 

「ねぇ……ノア……あの気配……」

 

「あぁ……竜の気配だが……あそこまで邪悪なものは……」

 

「もしかしてあの悪寒が……」

 

「桜空……お前にはそう感じたみたいだが……我には……」

 

「グーリ?」

 

「いや、勘違いだ。竜の気配の中に奴の気配なんて……そもそも奴は…」

 

新しい敵に、謎の竜の気配……一体何が起ころうとしているんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「奴等、気がついたみたいだな」

 

「おっさんがわざと出してたからでしょ」

 

「それでどうする?」

 

「………………」

 

「先ずは……」

 

「僕が行くよ。あの竜たち……楽しみだな。特に竜を宿した奴……上手くやれば僕らと同じになるかもね」

 

「ならば任せたぞ。雷竜」

 

 

 




次回、オリストです。内容としてはある竜たち登場と次の本編の話を混ぜつつ、ソラとノアの関係が……
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34 竜の長

今回はオリスト!そして新キャラ登場


スカイランド王都

 

一人のオレンジ髪の老人が城を見つめていた。

 

「やれやれ、久しぶりに会うのう……」

 

老人はゆっくりと城を目指して歩き出すのであった。

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

スカイランドに来てから2日くらい経った。その間何度かランボーグの襲撃を受けたが、スカイや青の護衛隊が対処し、スカイは勿論のこと、青の護衛隊もランボーグを撃破していた。ランボーグって普通に倒せるものなんだな……そう思いつつ僕は護衛隊で訓練を受けていた。

 

「桜空さん!段々動きがよくなってますよ」

 

「ありがとう……それにしても何でノアは僕にこんな特訓を?」

 

「竜の力に振り回されないようにでは?」

 

そう言われるとそうかもしれないけど……後は自分の身体の動かし方について教えられないとか?それはあり得そうだけど……

 

「桜空くん、ソラちゃん。お疲れ様」

 

そんなことを考えているとましろがドリンクを渡してきた。僕はましろからドリンクを受けとると……

 

「そういえばツバサとアスは?」

 

「二人なら……エルちゃんのお世話をしながら言い争いしてたよ」

 

「珍しいですね。ツバサくんもアスさんも最近はそう言うことは……」

 

「何だかアスちゃんがエルちゃんに変なことを吹き込んだとか……」

 

何を吹き込んだんだ?あいつ……そう言えばノアも見ないけど……

 

「ノアでしたら、ヨヨさんに連絡を取ってましたね。フウさんと話したいとかで……」

 

この間の変な気配の事かな?あれ以来感じることはなかったけど……本当になんなんだったんだ?

そろそろ休憩も終わり、訓練の続きを再開しようとしたとき、何だか騒ぎが起きていた。

 

「隊長!大変です!」

 

「ベリィベリー、どうした?」

 

「城門前に……襲撃者が現れ、兵士たちでは歯が立たなく……」

 

「分かった。青の護衛隊!出撃だ!」

 

襲撃者って……アンダーグ帝国の?

 

 

 

 

 

 

城門前に行くとそこには一人の老人を囲い込む兵士たちがいた。老人が軽く手を振った瞬間……兵士たちが吹き飛ばされていった。

 

「なっ!?あの方は!?」

 

グーリが老人を見て、驚いて出てきた。何だ?知り合いなのか?

 

「ほっほっほっ、グーリ来たみたいじゃない。後はノアとアスじゃが……来るまで少し遊んでやろうかの」

 

遊ぶとか言ってるけど……この爺さん……普通じゃないような……すると副隊長さんや他の隊員が爺さんを囲った。

 

「隊長。ここは我らが……」

 

「ふむ、今の護衛隊か。少しは鍛えておるみたいじゃが……」

 

副隊長さんと隊員たちが一斉に爺さんに仕掛けるが、空から3つの影が降ってきて、副隊長さんたちを吹き飛ばした。吹き飛ばした三人……銀髪の女性と金髪の男と黒髪の少女は爺さんの所に集まり……

 

「長!こんなところにいたんですか!」

 

「早く帰ろうよ~」

 

「日差しがキツい……帰りたい……」

 

「ふむ、少し顔を見せるだけじゃ。お前らが来るほどではない」

 

「いえ、長を守るのは我々の役目です」

 

そんなことを話していた。本当に何なんだ?

すると騒ぎを聞き付けてツバサとアスがやって来た。

 

「何があったんですか!?」

 

「ツバサくん!見てて!襲撃者を倒してさっきのことを許してもら……う……あわわわわ」

 

アスが爺さんたちを見て怯えだした。アスが怯えるほどの人たちなのか?

 

「たくっ、何をしてるんだ?じじい!」

 

今度はノアがやって来て、声をかけていた。

 

「ノア、知り合いなのですか?」

 

「あぁ、このじじいは……竜族の長の木竜の……」

 

「ツゥドじゃ。久し振りじゃな」

 

 

 

 

 

 

 

ノアたちの知り合いと言うことで、お城の応接室で王さまたちも来て話をすることになった。因みに吹き飛ばされた兵士と隊員たちは怪我は無かったみたいだ。

 

「これはこれはツゥド様……まさかおいでになられるとは」

 

「現国王に王妃か。なぁに、ただワシは里を出ていった奴等の顔を見に来ただけじゃ」

 

「まさかお前たちが人間と……特にグーリが人と融合するとはな」

 

銀髪の女性……鏡竜のミーラさんが意外そうな顔をして、僕とグーリを見て言った。

 

「アスも授かりの儀をやるとは……」

 

金髪の男……光竜のニングもアスを見て驚いていた。そして黒髪の少女……闇竜のネスはというと……何故か机の下にいた

 

「落ち着く……」

 

「すまない。妹は眩しい場所が苦手でな」

 

「あ、いえ……」

 

「桜空よ。この三人は長を守る者達だが、長は常識外の強さを持っている」

 

「ほっほっほっ、そう言うではない。老いたただのじじいでよい」

 

いや、そう言われても……兵士たちを吹き飛ばしたとき、何をしたのか分からなかったぞ

 

「それでじじい……何しに来た?」

 

ノアは睨みながらそう聞いてきた。苦手というより嫌ってるのかな?

 

「ふむ、どうやら邪に染まった竜の気配を感じてのう……お前達に注意をするように伝えに来たのじゃ。それと顔を見にな」

 

「邪に染まった竜?」

 

「グーリを宿した少年……桜空と言ったのう。邪に染まった竜は……言うなれば人間や竜を滅ぼす恐れがある竜じゃ」

 

「竜は人間が過ちを起こせば、罰を与える。とは言えここ何百年はそう言ったことはないが……竜の中にはある感情を抱いた瞬間……邪に染まる」

 

「感情?」

 

「憎しみ、妬み、怒り、そう言った悪感情だ」

 

「そう言った感情を抱いた瞬間……邪竜によって邪に染められる……今回はその忠告に来たのじゃ……」

 

邪竜に……邪に染まった竜……じゃあこの間のは……そいつらが?

 

「ノア、アス。気を付けるのじゃぞ。奴等は強い。今のお前達よりもな。そして桜空よ……お主は………………」

 

忠告をし、木竜たちは帰っていった。それにしても木竜が僕に言った最後の言葉は……どうにも気になった……

 

『お主は……染まらないように気を付けよ』

 

この言葉が……後々に大きく僕の運命を……そして……ソラの心を折ることになるとは思ってもみなかった……




次回は本編の話を混ぜつつ、ソラとノアの関係が……
因みにツバサとアスの言い争いの内容は……アスがエルちゃんにあることを教え込んだからです
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35 ソラの気持ち

今回はオリストと本編が混ざってる感じです


アスside

 

エルちゃんのお世話部屋で、私は正座させられていた。更にエルちゃんは正座させられている私の膝の上に座っている……うん、普通の人間なら足が痺れているのに、重石を乗っけられている……まぁ竜の私からしたらこの程度苦ではないけど……

 

「アスさん。僕が怒っている理由は分かりますか?」

 

「さぁ?」

 

現在ツバサくんに叱られている方がちょっと苦だった。

 

「プリンセスのお世話の手伝いをしてくれるのは良いとして……もう少し周りの人への配慮を考えてください!」

 

「配慮って……そんな私はただ……エルちゃんが外に出たそうだから、散歩を……」

 

「散歩をしてくれるのは良いですが……窓から飛び降りて散歩に出かけるのはどうなんですか!おまけに着地の時に兵士の人たちを巻き込んで……」

 

「まぁ……エルちゃんが喜んでたから良いじゃん」

 

「だからって……前々から思っていましたが……アスさんは僕以外の人に対してもう少し配慮した方が……」

 

「それはまぁ……持って生れた性格みたいなものだし……私からしたら、一番はツバサくん。二番はエルちゃん。三番は自分だから……」

 

「アスさん……」

 

元々そういう風に育ってきたんだもん……と言うかツバサくんに出会う前は自分の欲望のまま動いてたし……

ツバサくんが直せって言うなら直す努力はする。

 

「…………例えばアスさん。僕が他の人も気にかけろってお願いしたら……気にかけてくれますか?」

 

「まぁ……そうするかな?」

 

「分かりました。今後そうします」

 

ツバサくんなりにそうした方がいいって考えて出した答えなのかな?間違いとかどうとか私には関係ない。ツバサくんがそうしたいならそうするだけ

 

「後ですね……プリンセスに『ツバサくんはアスさんと結婚する』って吹き込むのは止めてくれませんか?」

 

「…………えへ」

 

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

木竜の爺さんたちが帰って次の日、僕はグーリに気になっていることを聞いてみた

 

「竜たちって基本的に人と関わったりしないよな?」

 

「あぁ、基本的にはな。前にも話したが竜が関われば人間の問題など簡単に解決してしまうからな」

 

「でも木竜の爺さんは王さまたちと知り合いな感じがしたけど……」

 

「その事か……今の王が即位した際に長は会っているからだ」

 

「会っている?何でだ?」

 

「盟約だろうな。人が竜を頼らないようにと……その確認のためだ……それに……人間が悪意で国を栄えようとしないためでもある」

 

何だか竜と人との関係って……

 

「まるで竜が人を見張っているような……」

 

「竜とはそう言うものだ」

 

色々と考えさせられることだけど……ただ今は平和ならそれでいいのかもしれない……

 

「桜空くん、今大丈夫?」

 

グーリと話しているとましろが部屋を訪ねてきた。どうしたんだろう?

 

「今日は訓練もないし、大丈夫だけど……」

 

「実はね。そろそろ帰ろうって思って」

 

 

 

 

 

 

 

ソラside

 

今日はシャララ隊長とノアと一緒に近くの集落で暴れている動物を止める任務についていた。暴れていた動物は足を怪我していたから暴れていたため、何とか押さえ込もうとしたが、壁に激突してしまった。暴れていた動物はノアが止め、治療して近くの森にノアが送り届けに行った。私は隊長と一緒にノアが帰ってくるのを待ちながら話していた。

 

「護衛隊って、色んなお仕事をしてるんですね!」

 

「都を襲う危険な敵と戦うのも大事だが、パトロールも同じくらい大事だ。辺境の地には、助けを必要としている人が大勢いる」

   

「私も、あの時の私も、そうでした……」

 

あの日、私が隊長と出会った日。私は隊長に家に送られた時に、隊長に幸運のお守りを上げた

 

「あの日……あの日、私……ヒーローになるって決めたんです! あんなスカイジュエルのかけら、どこにだってあるのに……」

 

そう言っていると隊長はあの日私が渡したスカイジュエルの欠片を加工したものを取り出した。

 

「君とこうして再び出会えたのは、このジュエルの導きかもしれない……」

 

「……はい!」

 

隊長はあの日渡したお守りを今も大事に持っていてくれた。何だか嬉しい気持ちでいっぱいだ

 

「そういえばソラ。ノア殿との出会いはあの森での出来事の後か?」

 

「はい!私はヒーローになるために特訓をしていました。そんなある日……」

 

 

 

 

 

いつも通り特訓をしようとしていると、森があちこち焼けていた。普通なら大人を呼ぶべきだと思ったけど……何だか気になってしまい、調べに行くと……焼け落ちた木々の中に何かが落ちた後があり、その中心に小型の竜が傷だらけで倒れていた。私は思わず声をかけた

 

「大丈夫?」

 

「人間か……どうやら……力を失って寝ていたらしい……」

 

「誰かと喧嘩をしたのですか?」

 

「喧嘩……いや、あれは殺し合いに近い……奴め……」

 

竜からは怒りの感情を感じたけど、今は傷の手当てをしないと……私は竜を抱き抱えた

 

「何のつもりだ」

 

「傷だらけの貴方を放っておけません!直ぐに家に連れて帰って手当てします!」

 

「手当てはいらない。そもそも何が目的だ?」

 

「目的?」

 

「人間は竜の力を利用しようと考える奴がいる。お前もそのつもりだろ」

 

「違います!」

 

「何?」

 

「ヒーローとして……傷だらけの人を放っておけません!それだけです!見返りを求めるためだけに助けるのはヒーロー失格です!」

 

「……ふっ。面白い奴だ。お前、名前は?」

 

「ソラです。ソラ・ハレワタールです!」

 

「俺はノアだ」

 

 

 

 

 

 

 

「それから手当てをして、両親を説得してノアといるようになりました。ノアも私と一緒にいることが恩返しのつもりだと思います」

 

「そうか……ノア殿はこれからもお前と一緒にいるつもりなのか?」

 

「どうでしょう?もしかしたら近くで見守るか……でも出来たらずっと一緒にいてほしいです」

 

「それは……ノア殿が好きだからか?」

 

「え?好き?」

 

考えたこともなかった。私はノアの事をどう思っているのだろうか?家族……として好きなのかもしれないけど……でも……

 

「分かりません。この気持ちは家族としての好きなのか……それとも……」

 

「すまないな。悩ませることを聞いて」

 

「いえ、少し自分の気持ちを確認してきます!」

 

私は立上がり、ノアの所に向かった。

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

暴れていた動物を森に帰し、ソラたちの所へと戻ろうとすると、ソラがこっちにやって来た

 

「どうした?何かあったのか?」

 

「ノア!私はノアの事が大好きです!」

 

「……お、おう……」

 

「ただ……この好きの意味がどういう意味なのか分かりません……なので……」

 

ソラは突然抱きついてきた。本当にどうしたんだ?

 

「………………」

 

「ソラ?」

 

ソラは俺から離れると……何故か顔を赤らめていた。

 

「ドキドキが止まりません……私のこの気持ちは……ノアの事を家族として好きではなく……一人の男性として好きだって気づきました……ノア!私は貴方の事が好きです!」




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36 ソラとノア。現れる巨大ランボーグ

ノアside

 

突然やってきたソラがハグしてきて、更に告白……俺自身は何がなんだが分からないでいた

 

「何で急に告白なんて……」

 

「隊長と話していて……自分の気持ちをハッキリさせようと……」

 

それで俺のことを一人の異性として好きだと気づいて……告白したと……何でだよ!?

 

「ノア……私ではダメでしょうか?」

 

「……」

 

ダメと言うわけではない。ただ俺自身恋愛と言うものは分からない。アスみたいに今から学んでいくしかないのだが……そもそもアスを参考にしていいものなのか?

 

「本当に俺でいいのか?」

 

「はい!ノアがいいです!ノアが大好きです!」

 

断る理由もない。俺はため息をつきながらソラの頭を撫でた。

 

「分かった。付き合ってやるが……俺は……俺たち竜は恋愛については分からない。もしかしたらお前を傷つけることに……」

 

「私も分かりません。ヒーローになるために頑張ってきたので……ましろさんたちを参考にしましょう!」

 

それ、あいつらが……まぁいいか。

こうして、俺とソラは付き合うことになった。

 

 

 

 

 

 

 

アスside

 

ツバサくんに少し休んでくださいと言われたので、お城の中をぶらついていたが、特にやることなくお世話部屋に戻ると……

 

『虹ヶ丘ましろさんと真倉桜空さん。向こうの世界で一緒に暮らしてた』

 

『『え!?』』

 

『お前、しばらく見ない間に結婚したのか!?』

 

『違うから!』

 

『お母さん、恋人はまだツバサちゃんには早いと思うわ』

 

『だから違うってば!』

 

もしかして……ツバサくんのご両親が来てる!?何だかましろちゃんと付き合ってるだの結婚してるだの勘違いをしてるけど……私は直ぐ様部屋に入り

 

「初めまして、ツバサくんのお父様、お母様!私はツバサくんと将来を誓いあったアスと言います!」

 

「アスさん!?」

 

「ち、誓いあったって……」

 

「ツバサくん……暫く見ない間に……そんな事を……」

 

「アスさん!何で誤解を……」

 

「私、竜ですけど……種族なんて愛の前には関係ないですよね!ね!」

 

「ま、まぁツバサのことをここまで思っているなら……」

 

「アスさん、不束な息子ですけど……」

 

「勝手に話を進めないでください!と言うか桜空さんもましろさんも止めてください!」

 

「「いやー止めたら悪いかなと」」

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

とりあえずツバサの説明で何とか理解したツバサの両親だけど……「ツバサのことをあんなに……」「その内挨拶に来たりとか」なんて言ってたけど……大丈夫なのか?

僕とましろがツバサとエルちゃん、アスに会いに来たのは明日帰ることを話にきたためだった

 

「住む所が変わるだけ。トンネルを通れば、いつだって会える。何も変わらないし、何もなくならない。だって、私達は友達だから! でしょ?エルちゃん、元気でね……お腹出して寝ちゃ駄目だよ? ちゃんと歯磨きは、仕上げまでしてもらうんだよ? あんまりツバサ君にイヤイヤ言っちゃ駄目だよ?それと……私の事、忘れないでね……」

 

「えぅ……」

 

離れ離れになることを理解しているのかエルちゃんが悲しそうな顔をしていた。そんなとき、突然大きな音が鳴り響き、外を見ると黒いエネルギーがいくつも現れ、一ヶ所に集まっていき、巨大なランボーグに変わった。

 

「ランボーグ!?」

 

「何で!?」

 

「……なるほどね」

 

するとアスは何かに気がつき、窓から飛び降りていく

 

「アスさん!?僕、偵察に行ってきます!お二人はプリンセスを!」

 

ツバサは変身して、アスを追いかけていった。

 

 

 

 

 

 

 

アスside

 

突然現れたランボーグに向かっている途中、ツバサくん……今はウィングが追い付いてきた。

 

「アスさん!待ってください!」

 

「ウィング?どうしたの?」

 

「どうしたって……アスさんが一人で行くからです!」

 

心配して来てくれたんだ……嬉しいな~抱き締めたいけど、今は……

 

「あのランボーグについて、何か知ってるんですか?」

 

「あの大きさから見るに、アンダーグエナジーがいくつも集まって生まれたランボーグだね」

 

「どうして……それに急に現れて……」

 

「これは想像だけど、ランボーグは倒そうと思えば誰でも倒せるけど、プリキュアの力を使わないと、アンダーグエナジーが残ったままになるんじゃないのかな?」

 

お城の部隊が普通に倒したけども、浄化もせずに放置していた結果だろうね。後処理をすれば何とかなったかもしれないけど……

 

「そんな……」

 

「起きたことはしょうがない。今はどうにかした方が一番……あの形だと爆弾みたいだし、迂闊に攻撃したら被害が出そうだね」

 

「それならソラさんとましろさんの合体技で……」

 

「それでもいいけど……私がブレスを吐いて、爆発する瞬間にウィングの技で浄化してみる?」

 

一気に上にあげれば、被害が出る前に何とかできるかもしれないしね

 

「……犠牲は……」

 

「多少の犠牲は仕方ないと思うよ」

 

「それじゃ……」

 

「迷っているうちに……二人の合体技が放つ前にあれが爆発するのと……後処理に時間がかかる方……どっちを選ぶ?」

 

「…………アスさん」

 

「怒るのも無理ないよね。でも前にも言ったけど、私は……」

 

「いえ、もう一つ方法はあります。アスさんの地竜防膜でランボーグを包み込むことは?」

 

「出来るけど……力半分の状態だから……時間はかかるよ」

 

「そらなら、あのランボーグを包み込んで……爆発しても押さえ込めるんじゃ……」

 

「なるほどね」

 

多分だけど爆発した場合……降り注ぐのはアンダーグエナジーかもしれないね。あの……えっと……バッカモンダー?が考えそうだよ。でも私の力で包み込めば……

 

「早速やろう!」

 

私が両手をかざした。その瞬間……上から雷が落ち、私とウィングはその直撃を喰らった

 

「そんな簡単には行かないよー僕が邪魔するからね」

 

倒れた私たちの前には、黄色髪の男の子がいた。この気配……竜!?

 

「あんたは……」

 

「僕は雷竜のライ。あのランボーグを浄化したいみたいだけど……悪いね。邪竜様にアンダーグ帝国に力を貸せって言われているんだよ。だから……邪魔させてもらうよ」

 

邪竜……そうか。それなら……

 

「ウィング……動ける?」

 

「ア…スさん?」

 

「こいつは私が相手する…だからウィングはお城に戻って…」

 

「アスさん…でも…」

 

「本当はかっこよくこいつを倒すところを見せたかったけど…仕方ないよね。早く行って!大丈夫…相性は私が有利だから!」

 

「わかり…ました…」

 

ウィングは立ち上がり、お城へ戻っていく。さて…

 

「相性ね…地竜のアスだっけ?電気は地面を通さないから有利だと思ってる?バカだね。雷は…地面を抉るんだよ」

 

「好きな人に対して、見栄を張りたいの…あなたには理解できないよね」

 

竜の気配は3つ……任せたよ。ノア、桜空!




アスの死亡フラグが……
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37 最大の危機

今回最後まで書ききれなかった……
あと雷竜の名前が被っていたので変えました


ノアside

 

異変を知り、急いで城へ戻り王たちにあのランボーグについて聞くと、バッタモンダーが送りつけてきた脅迫状には、どうやらこれまで青の護衛隊が倒したランボーグのエナジーが集まった爆弾ランボーグとの事。一時間後に爆発し、この地を闇のエナジーが包み込むほどのものらしい。エルを渡せば爆発させないでやるとの事だが……

 

「あぁいうタイプは信用できないな」

 

「ノア……」

 

エルを渡したところで素直に撤退するなんてしないだろうな。だとしたら浄化した方が早いが……

そんなことを考えているとボロボロになったツバサを連れて、桜空とましろの二人が来た。

 

「何とか……しないと……」

 

「ツバサくん、アスさんと一緒に偵察に出て……」

 

「アスさんは……突然現れた邪竜の手下……雷竜から僕を逃がすために……」

 

「雷竜……」

 

邪竜の手下が出てくるとはな…………

シャララはランボーグをどうにかする方法としてアップドラフト・シャイニングで浄化できないかと提案された。確かにあれなら何とかできそうだが……あのバッタモンダーが自信満々に脅迫状送りつけてきたんだ。対応されているかもしれない。それなら…………

 

「桜空!お前はアスの救援に向かえ。俺はスカイたちをサポートする」

 

「分かった」

 

「それとアスを助けるだけに専念しろ。決して戦おうとするな」

 

「それほど……雷竜はヤバイのか?」

 

「雷竜自体は俺も初めて知った竜だ。どれくらいの強さか……それに邪竜の力もあるからな……」

 

「分かった」

 

気がかりは……竜の気配が他にも感じることだ……警戒しとかないとな

 

 

 

 

 

 

 

ソラたちはプリキュアに変身し、アップドラフト・シャイニングを発動させ、ランボーグを吸い込んでいくが、ランボーグの身体から無数の手が生え、アップドラフト・シャイニングの円盤を掴み、吸い込まれないように耐えつつ、破壊しようとしていた

 

「だろうな!それなら下から押し上げる!」

 

俺は翼を生やし、ランボーグの下から押し上げようとした。だがその瞬間……

 

「狙いはいいが……そう簡単にやらせぬ!」

 

不意に誰かが現れ、爆発に飲み込まれた。

 

「ぐっ!?」

 

俺は地上に下り、見上げるとそこには赤黒い髪の男がいた。こいつは……

 

「邪竜の手下か」

 

「その通り!我名は爆竜のエクス!炎竜よ!楽しもう!竜の戦いを!」

 

「そう言うのは余所でやれ!今はランボーグをどうにかするのが先決だ!」

 

「人がどうなろうが我ら竜には関係ないだろう!闇に染まろうが死に絶えようが!」

 

エクスが殴りかかる。俺は防御するが殴られた瞬間に爆発がおき、ダメージを負う……

 

「くそが……」

 

スカイたちもどれくらい持つか分からない……急がないと……

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

アスの所へ向かっていると細身の男が立ち塞がった。

 

「お前が竜と混じった人間か」

 

「邪竜の手下か?」

 

「桜空!気を付けろ!こいつは……強いぞ」

 

グーリが警戒するように伝えた瞬間、僕は突然吹き飛ばされた。

 

「なっ!?」

 

「氷の力……それに地の力。だが私の嵐には通じない!」

 

細身の男が竜巻を起こし、僕に向かって放ってくる。僕は氷の盾で防ぐが……

 

「削れ!」

 

氷の盾が削られていき、僕はまた吹き飛ばされる。

 

「ぐぅ……」

 

僕の身体は竜巻で切り刻まれていた。早くどうにかしないと……

 

 

 

 

 

 

 

 

アスside

 

「ねぇ、防いでばかりでつまらないよ」

 

「はぁ……はぁ……」

 

あれから私の防膜を何回破壊された?身体の所々が痛い……ふふ……痛みなんて久しぶりに感じたかも……ね

 

「あぁそうか。近づけないもんね。仕方ないか~」

 

ライは小さな雷で私の肩を抉る……遊んでいるつもりなんだろうな……

 

「こっちとしては……ツバサくんをお城に向かわせるのが目的だから……目的は達成したんだよ……」

 

身体が万全なら……ダメージ関係なしに突っ込んでいきたいところだけど……流石に今はキツい……

 

「あのプリキュアがどうなろうが関係ないけど……あれを見ても強気でいられる?」

 

さっきから見えてるよ……アップドラフト・シャイニングが破られようとしてるのも……ノアが押し上げようとしたら妨害を受けているのも……

 

「プリキュアも限界みたいだし、折角だから更に絶望を与えよう……」

 

ライが片手を上げるとこれまで以上の雷の球体が現れた。

 

「これが発動したら……街や人間はどうなるかな?」

 

人溜まりもないし、下手すればあのランボーグも爆発か……今までだったら関係ないって思っていたけど…………

 

「ツバサくんに嫌われたくないな……」

 

あれが放たれる前に……ライをどうにかする!私は覚悟を決め、突っ込んでいく

 

「悪いけど……大人しく見ててよ」

 

ライがそう告げた瞬間、両足が何かに切られた。気がつくと背後にはフード姿の奴がいた。

 

「ぐぅ……」

 

「やぁ、動かないから高みの見物かと思ったよ。それで話はついたの?」

 

「…………」

 

フード姿の奴は頷くのみだった。奴の手には何もない。私は……何に切られた?

 

「それじゃ……終わらせようか。きっと邪竜様の復活も近づくからね!」

 

雷の球体が上へ上がっていく。

 

 

 

 

 

 

 

ソラside

 

あちこちで煙が上がっている……ノアたちが戦っているのかもしれない。助けにいきたいけど……今はランボーグを……でもこのままだと……プリズムも限界が近い……どうしたら……

そんなことを思っていると、ランボーグに向かっていく影が見えた。あれは……隊長!?

 

「相手がどんなに強くても、正しい事を最後までやり抜く。それがヒーロー!頼むぞ!鷲よ!」

 

隊長は鷲に乗りながら、ランボーグの手足を切っていく。これなら……だけど、隊長が乗る鷲に雷が落ち、隊長はそのまま投げ出され、ランボーグのエナジーに飲み込まれた

 

「ヒーローの出番だ……」

 

呑み込まれる直前、隊長がそう言ったように聞こえた。私たちは……力を振り絞り……

 

『プリキュア! アップドラフト・シャイニング!』

 

ランボーグを浄化し、そのまま気を失ってしまうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

ツバサside

 

二人の様子を王さまたちと見ていると、バッタモンダーが突然現れた。

 

「ざっけんなよ! 弱いくせに……弱いくせに……」

 

「バッタモンダー!」

 

「強いオレに逆らうなんて、ありえない!」

 

僕はバッタモンダーと対峙するが、殴り倒されてしまった。アスさんが…みんなが頑張っているのに……

 

「僕とした事が、つい取り乱してしまった……ごめんね。怖かっただろ? はい、これでケンカは終わりだ! じゃ、プリンセスをこっちに!」

 

「決して渡すものか!」

 

「この身に代えても、プリンセスは守ります!」

 

プリンセスを守ろうとするが、バッタモンダーは退屈そうにしていた。

 

「そうかい、残念だよ……バッタモンモン」

 

王さまたちはバッタモンダーが放った黒いエナジーに包まれて倒れてしまった。ダメだ……このままだと……

 

「プリンセスは僕とお散歩の時間だよ」

 

プリンセスは映し出された映像を見て、助けを求めるように叫んだ。

 

「ソラー!」

 

その瞬間、天井を破り、スカイが現れた。だけど、スカイはもう限界に近かった。バッタモンダーは余裕そうにしていたが……

 

「動くな!」

 

スカイの言葉に怯えた

 

「そこからエルちゃんに1ミリでも近付いたら、絶対に許さない!」

 

怯えるバッタモンダーだったけど、何故か笑みを浮かべていた。その瞬間、スカイが殴り飛ばされた。

 

「くっ!?」

 

「なんだ。手伝いに来てくれたんだ」

 

そこにはフード姿の人物がいた。折角……スカイが来てくれたのに…………

 

 

 

 

 

アスside

 

ライが隊長を雷で撃ち落とすと同時にフード姿の奴が消えた。

 

「なんだ。ランボーグ倒されちゃったか……まぁいいや。この王都くらい破壊しておこう」

 

雷の球体が上へ上がりきり、今には大量の雷が降り注ごうとした瞬間…………

 

『風よ斬り裂け』

 

雷の球体が切り刻まれた。

 

「なっ!?」

 

更にライが風に包まれ、吹き飛ばされる。

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

隊長が……くそ……

 

「桜空……しっかりしろ!」

 

身体中切り刻まれ、動けない……隊長を助けられなかった……

 

「弱いね……まぁ仕方ないよね。君みたいな雑魚では勝てないよ」

 

僕は……僕は……

 

「あれを見るがいい。ライが放つ無数の雷で……この地も人も終わる!」

 

「させて……たまるか……」

 

立ち上がろうとするが、ダメだ……ダメージが大きすぎる……みんな……

 

「終わりだ!」

 

『風よ斬り裂け』

 

ダメかと思った瞬間、雷の球体が切り刻まれ、更には細身の男が吹き飛ばされた。

 

「この風は!?」

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

エクスと殴り合う中、雷の球体が切り刻まれた。それと共に聞こえた声は……ふっ、来ていたのか

 

「仲間のところにいったらいいんじゃないのか?」

 

「何?」

 

「滅多に手を出さない平和主義の奴が……戦いに来た!」

 

 

 

 

 

 

 

 

スカイside

 

バッタモンダーとフード姿の人物の前に現れたの……風を纏ったフウさんだった。

 

「…………」

 

「な、なんなんだよ!次から次へと!バッタモンモン!」

 

バッタモンダーは撤退し、残ったフード姿の人物も何処かへ消えた。

 

「すまない。嫌な予感がして、来てみれば……」

 

「フウ……さん……皆さんを……ノアたちを……助けてください……」

 

「安心しろ。最悪の事態は回避したが……間に合わなかった事もあったみたいだな」

 




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38 これからのことと元気づけること

桜空side

 

スカイランド王都を襲った爆弾ランボーグと邪竜一派たちを退けたが、被害が大きかった。王さまと王妃様はバッタモンダーに呪いをかけられ、眠り続けている。

シャララ隊長はランボーグを弱らせ、スカイたちを助けたが雷竜とランボーグの攻撃を受け、行方不明だった。今は青の護衛隊とソラが探している。

そして今回の戦いで一番の重傷者はアスだった。アスはツバサをお城まで行かせるように雷竜の攻撃を受け続け、更にはフードの竜の攻撃も喰らい、傷だらけで発見された。

竜は治癒能力が高いから平気かと思っていたが、それでも完治するにはかなりの年月がかかるらしい。今はツバサがついているけど……

 

「手も足も出なかった……」

 

細身の男……グーリ曰く嵐竜のテンペスター。奴はかなり強かった。本当に手も足も出なかった……

 

「こんなに悔しい事ってあるんだな……」

 

アスに負けたときはそうでもなかった。たぶん今回は色々なことが起きすぎたんだ……

 

「桜空くん……大丈夫?」

 

「ましろ……」

 

部屋を訪ねてきたましろが心配そうにしていた。ましろもランボーグを浄化するときに無茶をして、気絶していたらしいけど……今は大丈夫そうだ

 

「怪我は……ないみたいだな」

 

「うん……でも……」

 

「ソラのことか……」

 

ソラは憧れの人物を目の前で…………

 

「フウさんの話だと、死んだ可能性は低いって……」

 

「そうなのか?」

 

「うん、あの人は風を操るから……もしも誰かが死んだら……その臭いが風に乗ってくるから……」

 

フウ……今回助けに来てくれなかったら、本当に危なかった…………

 

「アスさん……大丈夫かな?」

 

「傷が抉られている状態で、一番ひどかったのは両足らしいからな……」

 

アスの両足はあと数センチ切られていたら、完全に切断されていたらしい。竜の治癒能力でも治すのが困難とか…………

 

「もしかしたら……今後戦いに参加するのは……」

 

「ツバサが……気にしそうだな」

 

アスが自分で決めたこととはいえ、ツバサは多分自分が無理矢理にでもと気にやんでなければ……

 

「桜空……ましろもここにいたか」

 

するとノアが部屋にやって来た。どうしたんだと思っていると、フウが話したいことがあるらしい。僕とましろはノアの後を付いていき、フウがいる会議室に来た。

 

「今回の邪竜一派のことについてだが……かなり厳しい戦いになる」

 

「厳しい戦いに……」

 

「現状奴等と互角に戦えるのはノアと私ぐらいだ」

 

僕は……仕方ないと思っている。まだ僕自身……邪竜一派の足元にも及ばない…………アスは傷が完治しないと戦いに参加することができない……

 

「あの……そこまで強いんですか?」

 

「キュアプリズムは見てなかったらしいな。奴等は竜本来の力に邪悪な力を重ね合わせている。それだけで普通の竜の数倍は強い」

 

「でも、ノアさんやフウさんは互角なんですよね?」

 

「ましろ。互角じゃだめなんだよ」

 

ノアの互角じゃ駄目と言うのは、互角同士の戦いは不毛でしかない。あくまでどちらかが勝っていなければ、戦いには勝つことが出来ない

 

「フウは戦闘嫌いだが、本気を出せば奴等に勝てる。だが戦わない以上は俺や桜空が強くなるしかない。桜空……これまで以上鍛えるしかないぞ」

 

「……分かった」

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

桜空とましろは今後の事を護衛隊と話す事になり、部屋を出ていった。俺とフウは……

 

「互角か……衰えたのではないか?ノア」

 

「衰えたか……違うな。まだ本来の力を取り戻せていないだけだ」

 

「それだけ……激しい戦いだったのだな。お前とグーリの戦いは……」

 

「…………」

 

あの戦いは……今の俺たちの運命を決めるようなものだった。だからこそ……

 

「お前は邪竜たちに勝てると思うか?」

 

「勝てるさ……私やお前と同じように桜空とアスが成ればな」

 

「四元の竜か…………」

 

 

 

 

 

 

 

アスside

 

ベッドで寝かされている私。流石に今回はキツいかも……傷の治りが遅いし……

 

「ツバサくん、エルちゃんの所にいなくていいの?」

 

「今は護衛隊の人に任せてます。ちゃんとお世話もしてますよ……ただ今はアスさんの側にいます!」

 

「いや、付いていてくれるのは嬉しいけど……ナイトとしての役目を果たした方が……」

 

「僕は……プリンセスのナイトとして頑張ってます……でも……アスさんの側に今はいたいです」

 

「ツバサくん……」

 

ツバサくんは今回の怪我の事を自分のせいだって思っている。こういうとき……否定したりするべきだけど……多分今のツバサくんには届かないかもしれない……

どうしたらいいものか…………

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

それから今後の事を話していると、ソラから一度ソラシド市に戻って、ヨヨさんに相談しようと提案された。ソラも色々と考え、今するべき事を決断したんだろうな…………

青の護衛隊のみんなは継続して隊長の行方を追いつつ、僕らはソラシド市に戻るのであった。更に怪我をしているアスもスカイランドにいるよりかはあの屋敷に戻りたいと言い出した。

こうして多くの出来事が起こったスカイランドから僕らは元の世界に戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

元の世界に戻るとあげは姉が来ていた。アスを寝床に寝かせたあと、あげは姉にスカイランドで起きたことを話した。

 

「それにしてもムカつくね。そのバッタモンダーって奴」

 

「そもそもアンダーグ帝国ってなんなんだろう?」

 

悪い奴等……と言うことくらいしか分かってないよな。するとヨヨさんは僕らがスカイランドに行っている間に調べたことを話した。

 

「あれからアンダーグ帝国について調べたわ。アンダーグ帝国はスカイランドと光と闇のような関係。大昔に戦ってからは交わることはなかったけど……今こうして姿を現した。それと共に……邪竜についても書かれていたわ」

 

ヨヨさんはあるページを見せた。そこには黒い塊のようなものが描かれていた。

 

「邪竜は古に姿を現し、破壊の限りを尽くした。だけど四天の竜と呼ばれる存在が邪竜を封印した」

 

「四天の竜?」

 

「悪いが我らも知らぬな」

 

「木竜のじいさんにでも聞けば分かるだろうな」

 

グーリとノアは知らないみたいだった。フウに聞こうにもこっちに戻ってから直ぐに家帰ったし…………

 

「今は王さまたちとアスさんの傷についてね。王さまたちの呪いを解く方法としては、キラキラエナジーが必要ね」

 

『キラキラエナジー?』

 

「ランボーグを浄化するときに出るキラキラしたものがキラキラエナジーよ。それをミラーパット一杯集めれば薬が出来るわ」

 

王さまたちを助ける方法が見つかった。これなら……

 

「良かったですね、プリンセス!」

 

「パパとママを目覚めさせる事ができるかもしれないって!」

 

「パパ……ママ……パパ!ママ!」

 

エルちゃんは王さまたちを思い出し泣き出した。仕方ないよな……あんなことがあった後だし…………

 

「プ、プリンセス!」

 

「ごめんね! エルちゃんにもよく分からないよね!」

 

「よーしよし」

 

「今は、うつむいている場合じゃありません! まずは、エルちゃんの笑顔を取り戻しましょう!」

 

「はい!」

 

今はエルちゃんを元気づけるか。そうだな……

 

「あの……お祖母ちゃん、アスさんの傷は……?」

 

「普通の薬では効果はないわ。普通の薬を使うよりも竜の治癒能力に頼るべきだけど……今、ここに私の友人がお世話になっている家の子が薬草を届けに向かっているのよ」

 

ヨヨさんの知り合い?もしかして……

 

「その薬草を使った薬なら……」

 

「いいえ、薬ではないわ。その子自身の力ならなんとか出来るわ。彼には傷を癒す力を持っている。だけど今はその力を失っているけど……それを取り戻せば……」

 

どうにか出来ると言うことか……それなら今はエルちゃんを元気づけるのが先決だな

 

 

 

 

 

 

 

ヨヨside

 

みんながエルちゃんを元気づけることに集中している中、私は彼に連絡をし、事情を話した。

 

「貴方の中にある欠片を元に戻す薬は完成させているわ……後は……」

 

『分かってます。戦いのためではなく、助けるためにならみんなは反対しないよ。まぁ一言相談しろって怒られそうだけど……』

 

「とはいえ、一時的に力が戻るだけだからそこら辺も話すべきね」

 

『分かりました……ヨヨさん』

 

「それじゃ……お願いね。紫乃さん」

 




最後に出てきた彼は、自分の別作品の主人公です。彼の活躍はエル太郎が終わってからです
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39 弱くなんてない

桜空side

 

エルちゃんを元気づけるために先ずは絵本の読み聞かせをしようとしたが、あげは姉は折角だから人形劇にしようと提案してきた。

 

「ちょうど学校の演習でやっててさ、これ、授業で作っちゃった!」

 

そう言って見せてくれたのはお姫さま姿のあげは姉に似た人形だった。結構クオリティー高いな……

 

「可愛い! なんだか、あげはちゃんみたい!」

 

「あげは姫って感じ?」

 

「人形でお芝居……楽しそう!」

 

と言うことで人形劇をすることになった。先ずは何で人形劇をやるか話し合うことになり、エルちゃんは『ももたろう』が気に入った感じだった。ソラはましろからももたろうについてあらすじを聞くと……

 

「こちらの世界の犬、猿、雉は強いんですね!」

 

「そう言う訳じゃないけど……」

 

ましろが苦笑いをしながらツッコミを入れる中、ノアはというと

 

「確か犬が逃走者で、雉がピンクで愛が重くて、猿が俳句を読むんだよな。あと黄色鬼がいたり、主人公のももたろうは目が合っただけで縁が出来たって……」

 

「ノア……それは違うももたろうだからな。ドンがついたり、暴太郎だったり……」

 

「ましろさん、ノアと桜空さんは何の話を?」

 

「えっと……ももたろうだけどももたろうじゃない話かな?」

 

「少年は鮫になりそうだね」

 

「……あげはさんも何の話をしているんですか?」

 

「える?」

 

そんなこんなで早速人形劇の準備をすることになり、準備が終わり、劇が始まった。因みに僕も手伝いをすることになり、ノアは見学することになった。

 

「むかーしむかし、ある所に、小さな雲がふわふわと下りてきました」

 

「桃じゃないんですか?」

 

「だよね?」

 

「アレンジしちゃった!」

 

いや、いきなりアレンジしすぎじゃないか?

 

「そして、舞い下りた雲がパカッと開くと、中から元気なえるたろうが出てきました!」

 

『えるたろう?』

 

「そう! 雲から生まれた、えるたろう!」

 

まぁエルちゃんを元気づけるのが目的だからえるたろうで問題はないだろうな

 

「えるたろうはミルクを飲んで、グングン大きくなっていきました。しかし、ある日、えるたろうの大好きなあげは姫が鬼に連れ去られてしまったのです……」

 

『あげは姫?』

 

「せっかく人形あるしさ!あーれー! 助けて! えるたろう様!」

 

「だいぶお話変わってきてるよね……」

 

それからえるたろうはお婆さんからくもパンを貰い、あげは姫を助けに行くことに…………

するとえるたろうの前に……

 

「待って下さいワン! ヒーローの出番ですワン!そのくもパンを下さい。そうしたら、鬼ヶ島へお供しますワン!」

 

ソラ犬がくもパンを貰い、えるたろうのお供になった。

 

「ちょっと待ってウキ! くもパンをくれたら、えるたろうさんと一緒に鬼ヶ島に行くウキ!」

 

「それは心強いですワン!」

 

ましろ猿もお供になることけど……何でましろが猿なんだ?いや、まぁ……配役的にそうなるのは仕方ないけど……

 

「ちょっと! お待ち下さいケン!ボクはプリンセスのナイトになります」

 

「プリンセスじゃなくて、えるたろうさんウキ……」

 

「おっと、そうですケン!」

 

「4人は旅をしながら、笑ったり、たまにはケンカしたりして、少しずつお互いの事を知り、仲良くなっていきました。そして、ようやくえるたろう達は、港に辿り着きます。遥か海の向こうに見えるのは、鬼ヶ島。鬼ヶ島には、村を襲い、あげは姫をさらった、恐ろしい鬼が住んでいました」

 

「あれが、鬼ヶ島……」

 

「なんだか嫌な感じです……まるで、アンダーグ帝国……」

 

鬼ヶ島がアンダーグ帝国と重なって見え始めたソラたち……僕も……

 

「えるたろうさん。ボクは、あなたのためなら、たとえ、どんな敵が相手でも、戦ってみせます……それに……アスさんに……もうあんな顔をさせたりしません……」

 

「私も、みんなを悲しませる人達に、負けてなんていられないから……」

 

「私は、強く誇り高いヒーローにならなくては……あの人のように……シャララ隊長……」

 

「僕も……今のままじゃダメだよな……強くなったと思い込んでた…………もっと強くならないと……」

 

「みんな……」

 

すると突然エルちゃんが泣き出した。さっきまで楽しそうにしていたのに……

 

「どうしたの、エルちゃん?」

 

「何か怖いものでも?」

   

あげは姉はエルちゃんを抱き抱え、あやした

 

「大丈夫だよ! 大丈夫……不安な気持ちって、不思議と伝染しちゃうんだよね」

 

「ごめんね、エルちゃん……」

 

「笑顔になってもらおうと思っていたのに……」

 

「自分の心を抑えきれず、未熟でした……」

 

「えるたろうは大丈夫! ね?」

 

あげは姉はえるたろうの人形を見せ、エルちゃんも元気になってきた。

 

「ソラ、心を抑えきれないのは未熟だが……それに気がつけるかどうかだけで変わってくる」

 

「ノア……はい!」

 

自分の心の未熟差に気がつけるかどうかか……そうかもしれないな

 

 

 

 

 

気を取り直して、人形劇を再開した。

 

「鬼達よ! えるたろうさんに、あげは姫を返して下さい!」

 

「何の用だ?」

 

鬼は旗に絵を描いたものだった。声は僕だ

 

「ええ……大き過ぎるウキ……」

 

「まるで、大きな山ケン!」

 

「お前らが噂のえるたろうとお供達か? フン、どれだけ強いか試してやる!」

 

「まずは私がいきますワン!」

 

ソラ犬が突っ込んでくるが、勢いが強すぎて舞台が壊れてしまった。

 

「ご、ごめんね、エルちゃん……」

 

「み、未熟……つい力が入ってしまって……」

 

エルちゃんも突然のことでポカンとしていた

 

「すぐ直すからね!」

 

「ほら、大丈夫ですよ! プリンセス!」

 

するとエルちゃんは立ち上り、ゆっくりとこっちに歩きながら……

 

「ソラ。ましろ。ツバサ。あげは。桜空。ノア……」

 

僕らの名前を呼び、更には扉の向こうを向き……

 

「アス」

 

「エルちゃん、ましろって……」

 

「プリンセスが、ボクの名前を!」

 

エルちゃんにこうして名前を呼ばれるだけで何だか嬉しくなった。そしてみんなも……

 

「結局、エルちゃんに励まされちゃってるし!」

 

「そうだね!」

 

「エルちゃんに元気になってほしかったのに、元気がないのは、私達でした……ですが、力を合わせれば鬼……じゃなく、バッタモンダーやランボーグからエルちゃんを守り抜き、いつか、スカイランドに戻る事ができる!大丈夫です!きっと!」

 

「うん!」

 

「もう人形劇は必要ないみたいね!」

 

こうして人形劇が終わり、一件落着かと思っていたが、窓の外が騒がしかった。見てみると小鳥が何かを伝えようとしていた。その小鳥たちはツバサの友達らしく、話を聞くと公園に変なのが現れたらしい。僕らは急いで公園に向かうとそこには……

 

「やぁ来たみたいだね」

 

バッタモンダーが鬼の的当てに乗って待ち構えていた。

 

「バッタモンダー!またエルちゃんを狙って!」

 

「違うよ。僕の狙いは……君たちプリキュアだ!カモン!アンダーグ・エナジー!」

 

「ランボーグ!」

 

バッタモンダーが鬼型のランボーグを生み出した。すると更に空から……

 

「それじゃ竜の相手は僕がするよ」

 

黄色髪の少年が現れた。あいつは話に聞いていたライって奴か!

 

「桜空、今回はお前が相手しろ。俺は手を出さない」

 

「ノア……分かった!」

 

僕は戦闘スタイルになり、ソラたちもプリキュアに変身する。

 

「「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「ウイング!」

 

「「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」

 

スカイたちはランボーグに向かっていき、僕はライと対峙した。

 

「君みたいな未熟な奴にはこれだけで十分だよ」

 

ライは僕に向かって雷を落とす。僕は避けようとするが雷が落ちるスピードが早すぎる

 

「避けるなんて無理だよ!竜を宿しているだけの未熟な奴には!」

 

避けるのが無理なら…………僕は地面に手をかざし、地の盾を上に作り出し、雷を防ぐ

 

「へぇ、防ぐくらいはできるみたいだけど…………それだけだと攻撃することは出来ないみたいだね」

 

ライの言う通り……防御に専念してるだけじゃ……どうすれば良い……どうしたら……

そんなことを考えていると、こっちに向かって光弾が放たれてきて、僕は吹き飛んだ

 

「なんだよ!邪魔するなよ」

 

「はっ!協力してやるって言っても遊んでるだけだろ!」

 

気がつくと辺りがめちゃくちゃにされていた。今の攻撃を含めてやったのはあのランボーグ……

 

「それにしても……あぁ、めちゃくちゃだ……これじゃ、まるで、スカイランドのようじゃないか……王と王妃が倒れ、護衛隊の隊長も消えてしまって……弱いって、なんて可哀想なんだ……」

 

このバッタモンダーは……

するとスカイは立ち上り、バッタモンダーに向けて言った

 

「いいえ……スカイランドは、弱くなどありません! みんな、希望を胸に、前に進もうと頑張っている!それは、私達も、同じ! 前に向かって進むだけです!」

 

希望を胸に……前に進むか……僕らは立ち上り、前を見つめた。

 

「スカイ!プリズム!ウィング!桜空!」

 

エルちゃんも応援してくれている。頑張れる気がしてきた!

 

「教えてあげる。どんな希望があろうと、強さの前では何の意味もないって事。やれ、ランボーグ!」

 

向かってくるランボーグに向かってプリズムが光弾を放ち、当たる直前で弾けさせ目眩ましをし、追撃にウィングがかかと落としを喰らわせていく

 

「ボク達には、まだできる事がある!」

 

「たとえ、わずかな光でも!」

 

「希望の光は、心と拳を、無敵にしてくれるんです!」

 

三人のコンビネーションでランボーグを追い詰めていく。僕も負けてられない!

 

「プリキュアがどんなに頑張ろうが!お前は弱いままなんだよ!」

 

また雷が落とされる。僕は地の盾で防ぐ

 

「防ぐだけじゃ芸が……」

 

「地竜の力を100%にして使うだけじゃダメだ……地と氷を両方扱えるように……」

 

今回の盾は1回防ぐだけで砕けたが、砕けた欠片を凍らせて、僕はライに向けて放った。

 

「地氷弾!」

 

どれか一つの力を完全に使うのは僕には難しい。だけど半分の力を使う……今の僕にはこの戦い方が一番合っている

 

「ぐっ!舐めすぎていたよ……次はこうはいかない!」

 

ライはそう言って姿を消すのであった。後は……ランボーグだけど、スカイたちがランボーグを追い詰めていき……

 

「スカイブルー!」

 

「プリズムホワイト!」

 

『プリキュア・アップドラフト・シャイニング!』

 

「スミキッター」

 

「ミラーパット!オッケー!」

 

スカイはミラーパットにキラキラエナジーを回収した。

 

「ありえねぇ! こんな弱いヤツらに負けるなんて! ぜってー俺の前にひざまずかせてやるからな!おっと。僕とした事が……君達の奮闘ぶり、とても素晴らしかった! また会いに来るよ!」

 

バッタモンダーがそんな捨て台詞を吐いて逃げるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

気持ちがへこんでいたが、エルちゃんに元気づけられた僕ら。エルちゃんも元気になったみたいだ。そんな帰り道のこと……

 

「そういえば……私とノア。お付き合いすることになりました」

 

「「「「へー……えぇ!?」」」」

 

ソラの爆弾発言を聞き、驚く僕らであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

アスside

 

夜、ツバサくんたちも元気になって良かった。私も早く治さないと……そんなことを思っているとき、ツバサくんが部屋を訪ねてきた

 

「どうしたの?」

 

「アスさん……僕、決めました!プリンセスを守るために……そしてアスさんをこれ以上戦わせないためにも強くなります!」

 

「え?」




次回、前々から予告していたヒープリのオリ主が登場するオリジナル回です!
感想待ってます!


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40 雪の呼吸の使い手あらわる 前編

今回はオリジナル回+自分が前に書いたヒーリングっとプリキュア 雪の呼吸の使い手のオリ主の登場になります


桜空side

 

「アスが引きこもってる?」

 

朝になり、ましろからそんな話を聞かされた僕。何でまた……

 

「朝ごはん持っていこうとしたんだけど、部屋に入ってほしくないって……鍵をかけてて……」

 

何かあったのか?思い当たるとしたら……

 

「ツバサ……何かしたのか?」

 

「え?何で僕を疑うんですか!?」

 

「そうですよ!ツバサくんはアスさんの看病をしているんですから、傷付けるようなことをしたりしません」

 

「だが……思わぬ一言で傷ついているのかもな」

 

ノアの言うようにツバサが何かしら言って……でもツバサは思い当たらない感じだけど……とりあえず昨日の夜、何を話したのか聞こうとしたとき、呼び鈴がなった。

 

「僕が行くよ」

 

僕はそう言って、玄関のドアを開けるとそこには僕とそう変わらない歳の男の子がいた。ましろの知り合い?いや、クラスメイトなら僕は知ってるし……うわ……そんなことしないよな

 

「あの、虹ヶ丘ヨヨさんいますか?」

 

「ヨヨさん?」

 

それじゃもしかして……こいつがヨヨさんが前に話していたアスの怪我を治せる奴なのか?でも見た感じ普通そうだし……まぁ竹刀袋を持ち歩いているのか気になるけど……

色々と考えていると、中々戻らない僕を心配してましろが様子を見に来てくれた。

 

「桜空くん、お客さん?」

 

「うん、ヨヨさんを訪ねてきたみたいだけど……」

 

「来たわね」

 

するとヨヨさんも部屋から出てきて、笑顔を男の子に向けた。

 

「ヨヨさん、頼まれていた薬草とか持ってきましたよ。あと……」

 

「そうね……その前にあなたの事をこの子達に紹介しないと」

 

 

 

 

 

 

 

リビングでお客さんについてヨヨさんから紹介を受けた。因みにリビングに案内する時にあげは姉が来て、あげは姉も一緒に紹介を受けることになった。

 

「彼は橘紫乃。彼の祖父と居候の彼女とは知り合いでね。紫乃さんともその繋がりで知り合ったのよ」

 

「橘紫乃です。よろしく」

 

「虹ヶ丘ましろです」

 

「真倉桜空です」

 

「ソラ・ハレワタールです。こちらはエルちゃんです」

 

「える!」

 

「ノアだ」

 

「ツバサです」

 

「聖あげはです。桜空たちと同じ歳くらいだね」

 

「はい……」

 

「それにしても怪我を治せる人だと聞いてましたが、普通な感じですね」

 

「うん、特殊な力を使えるって聞いてたけど……」

 

「ヨヨさん……話したんですか?」

 

「特殊な力を使えると言うことくらいよ」

 

何だかあまり触れてほしくない感じだけど……何かあるのか?紫乃に?

するとノアは紫乃を睨み付けていた。

 

「お前……人間か?」

 

「!?」

 

「ノア、何を言ってるんですか?」

 

「お前から人とは違う気配を感じる。ただその気配は小さいがな」

 

ノアは何を感じ取ってるんだ?紫乃は少し俯いたが……すぐ顔をあげた。

 

「ノアと桜空も少し変わった感じがするけど?」

 

「!?」

 

紫乃は気付いているのか?だとしたらこいつ……何者なんだよ……

 

「僕としてはあまり気にしないけど、気になるなら話すけど?」

 

「いや……いい。お前が悪い奴ではないことは何となく分かるし、フウが出てこない事を考えれば……更に説得力がある」

 

「それならいい」

 

ノアは警戒してたからあんなことを言ったんだろうけど……フウさんが出てこない事が信憑性があるってことなのか?

 

「機会があったら紫乃さんの事を話すわ。いいわよね?」

 

「はい、それで怪我の治療についてだけど……」

 

「えぇ、問題が二つあるわ」

 

「問題?」

 

「一つは紫乃さんの力は今、弱くなっていること。それはこの薬を飲めば戻るわ」

 

ヨヨさんは小さな瓶に入った赤い薬を取り出した。というかヨヨさん……そんなのも作れるのか……

 

「でも本当にいいの?」

 

「はい、まぁ友達に怒られるけど……僕としては誰かを助けるために力を取り戻すのは別に悪いことではないですので……」

 

紫乃はそう言って薬を飲み干したけど、何だか苦そうな顔をしていた。そんなに不味いのか?

 

「もう一つの問題は……怪我人が今閉じ籠ってるのよ。そこは何とかしてくれるから……ましろさん、桜空さん。彼に街を案内してあげて」

 

「う、うん」

 

「分かった」

 

「よろしく。後力に関してだけど、薬飲んですぐに使える感じじゃないから……馴染むのにちょっとかかるかも」

 

「分かったわ」

 

とりあえず僕らはヨヨさんの言いつけ通りに紫乃に街を案内するのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

残った俺らは、閉じ籠もったアスをどうにかするためにツバサからアスと何かあったのかを聞くことになった。

 

「昨日の夜……アスさんに言ったんですよ。これ以上アスさんが傷つくところを見たくないから、僕はもっと強くなるって……」

 

それを聞いて、あげはがため息をついた。

 

「ダメだよ……それ……少年はアスちゃんの気持ちを分かってない!」

 

「えぇ!?」

 

「そんなにダメな発言でしたか?」

 

「あげは……分かってない奴がもう一人いるぞ」

 

「ソラちゃんは……まぁ仕方ないとして……アスちゃんは少年の為に頑張るために桜空に力を半分あげたりしたんだよ。少年の為に頑張ろうとしているアスちゃんの気持ちを少年は踏みにじったの」

 

「ぼ、僕はそんなつもりは……ただアスさんを守りたいと……思って……」

 

「少年の言葉を聞いて、アスちゃんの頑張る理由を台無しにしちゃったんだよ」

 

「そんな……僕は……」

 

「少年は少し反省のために、ましろんたちと一緒に行った方がいいよ。アスちゃんの事は任せて」

 

「はい……」

 

ツバサは俯いたまま、出掛けていった。ツバサからしたらこれからアスと一緒に戦うと言う意味で言ったのだが、アスからしたら自身の生きる目的を否定された感じだからな…………

 

「色々と大変だな」

 

「ノアも気を付けた方がいいよ。案外ソラちゃんの事を傷つけるかもしれないし」

 

「大丈夫です!その時はハッキリと言いますから!」

 

「あー、二人なら大丈夫そうだね。エルちゃん、早く少年とアスちゃんが仲直りするといいね」

 

「えぅ!」

 

「そう言えばノアは紫乃さんから何の気配を感じ取ったんですか?」

 

「ん?あぁ……小さい気配だったが……あいつからは………………」

 

「「えぇ!?」」

 

二人も聞いて驚いていた。それもそうだよな。あいつからは竜でも人間でもない……化物の気配を感じたんだから




紫乃に関しては次回紹介します
感想待ってます


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41 雪の呼吸の使い手あらわる 中編

桜空side

 

ましろと二人で紫乃に街の案内をし、少し休憩として近くにあったベンチで座る僕ら。

 

「何だか悪いな。わざわざ案内してもらって」

 

「まぁヨヨさんに頼まれたし……」

 

と言うか聞くべきかな?紫乃が何者なのか?ノアが警戒するほどの存在なのか?どうしても気になるけど……本人が気にしていたらと考えるとな~

 

「紫乃くんは何処に住んでるの?」

 

「ん?すこやか市って所だよ。温泉とか色々とあるところで……なんと言うか名前の通りすこやかに過ごせるようにって感じだな」

 

「へぇー」

 

ましろは普通に聞いてるけど、まぁ差し障りのない話題ならいいか……

 

「その……紫乃くんの力について聞いていい?」

 

ましろ……それ、聞いてもいいことなのかよ……紫乃は少し考え込むと……

 

「まぁ気になるよな。特にあのノアって人に警戒されたし……」

 

「何だかごめんね。でも話したくないなら……」

 

「いや、話すよ……二人はプリキュアって知ってるか?」

 

「「えっ!?」」

 

何でプリキュアのことを?ヨヨさんが話した?でも知っているかなんて聞くから……ましろやソラやツバサの事を聞いているとかではない感じだし……

 

「この街にも怪物が現れて、それと戦う戦士……プリキュアがいるって聞いたけど?」

 

「あー、うん、知ってるよー」

 

「あ、あぁ」

 

「すこやか市にもビョーゲンズって言う怪物を操る奴等が現れて……それと戦うプリキュアもいたんだ。僕はそのプリキュアと一緒に戦っていた」

 

「「え?」」

 

紫乃の話を聞くと、紫乃はプリキュアと出会う前に別の世界から来た鬼を狩る組織の二人と出会っていたり、その二人と出会う前に会ったとある人物に鬼狩りの人たちが使う特殊な戦闘法と刀を譲り受けたらしい。

 

「これがその刀だ」

 

紫乃はそう言って背負っていた竹刀袋から刀を取り出した。こんなところで出しても大丈夫なのかと思ったけど、どうにも認識をずらすようにされているらしく、普通に取り出しても問題はないらしいけど……何で僕らには普通に見れるんだ?

 

「最初の頃は治癒能力が高いだけかと思っていたけど……」

 

ある時に自分の姿が鬼のように変わったらしい。だけど紫乃自身の自我はしっかり持っているらしい。それからビョーゲンズの他に鬼神と呼ばれる集団との戦いが激しくなるうちに、紫乃は自分の身体の事を知った。それは幼い頃、病弱だった紫乃に紫乃のお祖父さんの知り合いが治療として鬼の血を紫乃の身体に輸血し、紫乃は人でありながら鬼狩りたちが戦う鬼の力を得たらしい。

 

「紫乃くんは……ショック受けたりとかは……」

 

「多少はね。でも友達が……大切な人が普通に接してくれたりしたから…………」

 

それから更に話を続けた。鬼神たちは鬼狩りたちがいた世界から鬼たちを連れてきて、しかもその鬼たちは全員弱点である日の光に対して耐性が出来ていたりしたらしい。

そして最後の戦いで鬼神たちの目的が明かされた。それはこの世界の鬼たちのボスが大地にバラバラになった身体を隠し、ゆっくりと復活しようとしていたが……鬼神はビョーゲンズの地球を汚す力を使い、プリキュアに浄化させることで鬼たちのボスを浄化させることだった。紫乃たちと戦ったのはその事を復活しようとしている鬼のボスに気づかれないようにするため、そしてもしものために紫乃たちを強くするために戦っていたことを明かしたらしい

 

「ビョーゲンズを倒し、鬼神たちの手下も倒し……後は鬼たちのボスの配下は……まぁ平和に暮らせるならと言うことで戦うことはなかったけど……」

 

全てが終わった瞬間、紫乃は鬼狩りの世界から現れた鬼のボスに吸収された。そして鬼のボスとの最後の戦いに、紫乃は吸収される瞬間、鬼のボスだと気がつき、鬼のボスの身体を操り、最後は鬼のボスごと自分を浄化させたらしい

 

「一緒に消滅するかと思ったけど、まぁ何とか生き延びて……結果的に残ったのは再生能力だけだったんだけど……あれ?」

 

「いやいやいや、自分を犠牲にするなんて……覚悟決めすぎだよ……」

 

「多分……僕にはそんな覚悟ないよ……」

 

結構重めな話を聞かされたんだが……じゃあノアが感じた気配は鬼の気配ってことだよな?

 

「それじゃ……紫乃くんは鬼の力を取り戻すのは……」

 

「友達には怒られそうだけど……誰かのためならって思えば怒られてもいいかなって……」

 

「そうだったのか……」

 

「なるほどのう……それにしてもお前と桜空は似ておるのう」

 

不意に声が聞こえると僕の頭の上にグーリが現れた。紫乃はグーリを見て驚いていたが……

 

「蜥蜴?」

 

「違う!竜だ!」

 

「何か……桜空も変わってるな」

 

「そう言えるお前が凄いんだが……」

 

「みなさん、こんなところにいたんですね」

 

呆れているとツバサがやって来た。どうしたんだと聞くとどうにもあげは姉に頭を冷やせと言われたらしい。一体何があったのかと聞こうとすると……

 

「おや~こんなところにプリキュアと竜がいるとはね」

 

バッタモンダーが現れた。僕らは身構えると……

 

「桜空たちの様子を見ると……この街に現れる怪物の元凶か?」

 

「誰かは知らないけど……折角だから巻添え喰らってもらうよ。カモン!アンダーグ・エナジー!」

 

「ランボーグ!」

 

バッタモンダーは近くに止まっていた車をランボーグへと変えた

 

「紫乃……お前は気がついてるんだろ……だから驚くなよ」

 

「ましろさん!いきましょう!」

 

「うん!ヒーローの出番だね!」

 

「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」

 

「プリズム!」

 

「ウイング!」

 

「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

ましろたちはプリキュアに変身し、僕は戦闘形態に変わった。紫乃は特に驚かずに刀を抜いていた。

 

「やっぱりか」

 

「気がついていたんなら言えよ」

 

「まぁ内緒にしときたいのかと思ってな」

 

「へー君も戦うんだ~武器なんて構えて……以下にも弱そうなのに」

 

バッタモンダーは煽るが紫乃は気にすることなく……

 

「お前みたいな以下にも弱そうな奴には言われたくないけどな」

 

紫乃はそう言ってランボーグに斬りかかろうとしたが……突然落ちてきた雷に打たれ、地面に倒れるとランボーグが紫乃を撥ね飛ばした

 

「「紫乃(くん)!!?」」

 

「今のは!?」

 

「僕にも遊ばせてよ。バッタモンダー」

 

「またお前か。まぁいい!まずは一人仕留めた。やっぱり弱い奴がでしゃばるのが悪いんだよ。いや、それとも守れなかった君たちが悪いのかな?」

 

バッタモンダー……こいつ!それに……ライまで現れるなんて……紫乃は……撥ね飛ばされた勢いで瓦礫の下に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソラside

 

ツバサくん……大丈夫でしょうか?私は心配していると窓の外に小鳥が騒いでいた。もしかして……

 

「ノア!」

 

「あぁ!あげははエルを頼んだぞ」

 

「OK!」

 

「えぅ……ソラ……」

 

「待っていてください……みんなで帰ってきますから」

 

エルちゃんに心配かけないようにしていると……

 

「ま……まって……私も行く……」

 

ヨヨさんに支えながら下りてきたアスさん。どうして……

 

「足手まといだと言うことを分かっているのか?」

 

「ツバサくんに……伝えないといけないことがあるの……私の気持ちを……」

 




簡単な紹介

橘紫乃

ヒープリと鬼滅とのクロスのオリ主。幼い頃輸血された鬼の血で人より高い再生能力を得る。その後戦いの中で鬼になれるようになり、呼吸と血気術を使えるようになる
最終決戦にて某パワハラボスこと無惨に取り込まれるが、それを利用して無惨の身体を操り、動けなくしたところで、共に浄化されるが……奇跡的にヒーリングガーデンに送られ、その後肉体再生し、みんなと再開を果たす。その際、鬼の力はなくなり再生能力のみになった

鬼滅の敵として十二鬼月全員登場するが下弦組は鬼神に対してホワイト上司に見えている

次回でオリジナル回終わりです
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42 雪の呼吸の使い手あらわる 後編

今回でオリジナル回終わりです


桜空side

 

ランボーグに撥ね飛ばされ、瓦礫の下敷きになった紫乃を助けたいけど、ライまで来るなんて……

 

「プリズム!ウィング!ランボーグとライは僕が相手する。二人は紫乃を!」

 

再生能力があっても下敷きにされていたら……くそ、最悪なことを考えてしまう。

 

「そうはさせないよ」

 

ライは雷を降らし、僕らを襲う

 

「くっ!?」

 

「雷が凄くて……近づけない……」

 

「それなら……僕が囮になります!」

 

ウィングはそう言って空へと上がる。ライはウィングに向けて雷を放ち続ける

 

「何とか避け続ければ……」

 

「空を飛ぶくらいしか能がないくせに……おい!バッタモンダー!手伝え!」

 

「やれやれ、仕方ないな……それなら……」

 

するとランボーグがプリズムに向かってくる。僕はプリズムの前に出て地の盾を出して防ぐ

 

「ありがとう。桜空くん」

 

「今のうちに……紫乃を!」

 

助けるように伝えようとするが、ランボーグの突撃が止まらない?

 

「そのまま走り続けろ!ランボーグ!」

 

突撃をやめないランボーグ。すると僕の盾が傾きだした。

 

「まさか!?」

 

ランボーグは僕の盾が傾いたのを見て、距離を取り再度突撃してきた。僕は急いで盾をしまおうとするが間に合わず、ランボーグは僕の盾をジャンプ台にして空を飛ぶウィングに突っ込んだ。

 

「くっ!?しまっ!?」

 

何とか耐え、体勢を整えようとしたがその瞬間、ライの雷を直撃し、ウィングは落ちてしまった。

 

「「ウィング!?」」

 

ウィングがやられたことに気を取られ、僕とプリズムはランボーグに跳ねられ、ウィングの近くまで飛ばされた

 

「先ずはプリキュア二人に竜擬きを一人と」

 

「止めを刺そうか」

 

ライは両手を前に突き出し、雷をため始めた。不味い……このままだと……

するとウィングは立ち上り、僕らの盾になろうとしていた。

 

「ウィング……だめ……」

 

「お前だけでも……」

 

「僕は……もう逃げません……また誰かを置いていくなんて……出来ません!」

 

ウィング……まさか……あの時……アスを置いて行ったことを……だけどあれは……

 

「僕が……強ければ……アスさんをあんなに傷つくことは……だからもうあんなことを繰り返さないためにも!」

 

「あぁ、いいね。格好いいよ。だけどその覚悟も……終わりだよ」

 

「先ずは倒れている二人よりもそこのボロボロの奴からだ!」

 

ランボーグとライの雷撃がウィングに向かって放たれていく。僕は咄嗟に盾を出そうとするが……ダメだ……間に合わない……

 

「ツバサくん!」

 

すると突然現れた地の盾が二つの攻撃を防ぐ。ウィングの前にはアスがいた。

 

「アスさん……どうして……」

 

「スカイとノアに頼んで、ここに投げ飛ばしてもらったの……よかった……間に合って」

 

「間に合ってって……アスさん、血が出てますよ!?それに両足からも」

 

「あはは……これくらい……」

 

「どうして……僕のために……傷つこうとするんですか!僕はそんな風に傷ついていく姿を見せられたら……」

 

「そっか、ツバサくんは……だけどね。忘れたの?私はツバサくんのために戦う!ツバサくんを守りたい!そのためなら!」

 

「アスさん……僕だってアスさんを守りたいんです!だから今は……」

 

「……それじゃお互いに守り合おうよ。それなら解決だね」

 

「それは……そうかもしれないですけど……でも!」

 

「お互いに守りながら戦えば……エルちゃんも守れるよね!」

 

「うぅ……」

 

お互いに守りながらか……確かにそれはいいかもしれないけど……このままだと……スカイやノアとまだ来ない……

 

「アホくさ。ランボーグ!その二人をやれ!」

 

「今度は消し炭にしてやるよ!」

 

ランボーグとライの雷撃がまた!?二人は身体を支え合いながら耐えようとしてるのか?ダメだ……このままじゃ

 

「ランボーグ!」

 

「雷銃砲!」

 

二つの攻撃が迫り来る。ウィングとアスは……防ごうとしている。このままじゃ……

 

 

 

 

 

 

 

 

まばゆい光が辺りを包み込み、光が治まると……僕らは何かに縛られて、宙に浮かんでいた。

 

「守るために戦うか……僕もそうやって強くなってきたよ」

 

僕らを縛る赤いものの先には……紫乃がいた。僕らは下ろされると……

 

「紫乃さん……」

 

「悪い。いいタイミングで力が戻ったんだけど、ダメージを受けるのが久しぶりでな」

 

紫乃はそう言いながら、僕らを赤い水……これは血?紫乃の血を浴びると怪我が治った。

 

「久しぶりだし、応急処置位だけど……そっちの子、完全に治せてないけど……」

 

「充分だよ。貴方が私の怪我を治せる人だね」

 

「あぁ!」

 

紫乃は刀を抜き、ランボーグとライを睨み付けた。

 

「久しぶりに戦うから……本気を出す!」

 

紫乃はそう言うと、髪の色が白髪に変わり、額に角が生えた

 

「なんだ?最初にやられたやつ……傷がないし、化け物になりやがった!」

 

「気配からしても化け物に変わりないね」

 

「その通りだよ。僕は化け物だ。だけど……お前らみたいな奴を打ち倒す存在だ!」

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

スカイと共に桜空たちの所にたどり着くと、そこには角が生えた奴がランボーグとライと対峙していた

 

「あいつは……紫乃か?」

 

「角が生えてますが……」

 

「スカイ。紫乃くんは化け物じゃなく」

 

「紫乃は紫乃だ」

 

プリズムと桜空がそう言うならそうだろうな。

 

「おい、一人で行けるか?」

 

紫乃に向かってそう言うと……紫乃は笑顔で答えた

 

「任せて!」

 

 

 

 

 

 

アスside

 

紫乃って子がランボーグとライを相手に戦う中、私はウィングにあることを告げた

 

「ねぇ、ウィング。ランボーグが弱ったら……一緒に浄化しよう」

 

「浄化って……アスさんにランボーグを浄化する力は……」

 

「ないけど……ウィングの力になれるよ」

 

「……分かりました!」

 

 

 

 

 

 

紫乃side

 

久しぶりの戦い。鬼の力も久しぶりだから……少し加減が効かないけど……

 

「血鬼術!血癒の盾」

 

ランボーグとライって奴の攻撃を防ぎ、追撃に……

 

「『雪の呼吸!壱ノ型!初雪!』」

 

ランボーグを切りつける。

 

「ランボーグ!」

 

「少し切っても……駄目か」

 

「甘いんだよ!たかが再生能力と身体能力が高いだけで!僕には勝てない!」

 

ライが雷を纏い、殴りかかる。僕は左腕を犠牲にして防ぐ。

 

「たくっ、こっちは久しぶりなんだから……痛いんだよ!」

 

「は、はは、その姿に驚いたが、なんてことのない。やれ!ランボーグ!」

 

あのバッタなんとかは指示を出すだけか。まぁビョーゲンズもそうだったけど……仕方ない。

僕は左腕を再生させ……

 

「血鬼術!血癒の雨!」

 

血の雨を降らし、ランボーグとライの身体を血で濡らす

 

「こんなもん!効くか!死ね!ばけも……がふっ!?」

 

「ら、ランボー……グ」

 

「な、何だ?何をした?」

 

「僕の血鬼術は他の鬼が使うような攻撃的ではなく、治癒の力だ。それの応用でランボーグとライには過剰回復させた」

 

過剰回復。他者の治癒能力を過剰に上げ続けることで、肉体を崩壊させる力。ランボーグには怪物になるエネルギーを増大させることで、身体が耐えきれず、ライは右腕が崩れ始めた。後は……止めを刺すだけだけど、そんなときウィングがアスを抱えながら空を飛んでいた

 

「紫乃さん!ランボーグは」

 

「私たちに任せて!」

 

お言葉に甘えて、僕は構えた。

 

「止めだ!」

 

「アスさん!お願いします!」

 

「うん!」

 

アスがウィングの身体を地の膜で包み込み、尖らせた塊になり……

 

「ひーろーがーる!アース・ウィング!アタック!」

 

ランボーグの身体を貫くと同時に浄化させた。

 

「ミラーパット!オッケー!」

 

水色のプリキュア……ソラは鏡を取り出して何かを吸収した。あっちが終わったなら……後は……

 

「………………」

 

ライに止めを刺そうとするが、フード姿の奴が僕の斬撃を防いで、ライを連れて逃げ出した

 

「くそが!化け物に邪魔されなければ!バッタモンモン」

 

バッタも帰ったみたいだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

紫乃の活躍とウィングとアスの活躍で何とか勝てた僕らは虹ヶ丘家に帰ってきた。そして今は……

 

「血鬼術、血癒」

 

アスの身体の傷が完全に癒えていた。紫乃の力は癒やし……本当に凄いな

 

「傷は完全に治したけど、何処か変なところないか?」

 

「ありがとう!元気全快だよ!それに何だか前に比べて力も上がってる感じがする」

 

「僕の血鬼術にそんな効果ないけど……竜だから変な化学変化でも起きたのか?まぁいいや」

 

アスが完全回復に強化されたって…………

 

「それにしても鬼とかそんな変わった感じだったなんてね。ノアが変なことを言うから心配したよ」

 

「あげは……まぁあくまで警戒という意味だったからな」

 

「紫乃さん!ありがとうございます!それにしても紫乃さんの友達がプリキュアで一緒に戦っていたなんて……桜空さんと同じですね」

 

僕と同じか……まぁましろも何となく似ているって言ってたし……

 

「そういえば紫乃くんのお友だちのプリキュアってどんな子達なの?」

 

「どんな子か……まぁ個性的だな。そういえばましろさんと声が似ている奴がいたけど……」

 

「へぇーどんな子?」

 

「…………まぁ機会があったら話すよ(言えない。ウサギの妖精なんて……)僕は帰るよ。あんまり帰りたくないけど……」

 

帰りたくないって……そんなにソラシド市が気に入ったとか?

 

「鬼の力を取り戻したことを……みんなに話すのが怖い……いや、心配してくれてるからこそ怒るんだけど……とりあえず、ツバサ、アス、桜空!三人はこれから先戦い続けるけど、守るための戦いはより人を強くするから……頑張れよ」

 

「はい!」

 

「これからもよろしくね。ツバサくん」

 

「それにしても……紫乃の使う戦闘技法は凄いな……僕にも出来たりとかは?」

 

「あー、教えたいけど才能によるからな。でも桜空は氷の竜の力を使えるんだから…………」

 

紫乃は荷物の中から刀身がない刀の柄を渡した。

 

「これを使って氷の刀身を作ればいけるんじゃないか?」

 

氷の刃をか…今度の訓練でやってみよう。

 

「それじゃ帰るよ。もし機会があればすこやか市に遊びに来てくれ。その時に友達を紹介するよ」

 

こうして紫乃は帰っていった。機会があれば会えるのかもしれないな

 

 

 

 

 

 

アスside

 

完全に回復して、早速エルちゃんのお世話をしようとしたけど、ツバサくんにあることを確認したかった。

 

「ツバサくん。確認したいんだけど」

 

「何ですか?」

 

「私を守るって事は……私の事好きになったの?」

 

「はい?」

 

「だってそうだよね?好きだから私の事守るんだよね?」

 

「そ、それだとプリンセスの事も僕は好きだということになりますよ!」

 

「エルちゃんを守るのはツバサくんの使命だもん。それなら私の事は……」

 

「うぅ……ま、まぁ……その……好きですよ」

 

「そっか~えへへ~」

 

ツバサくんが好きになってくれたんだ~嬉しいな~それなら……

 

「じゃあツバサくん!」

 

「何ですか?」

 

「ツバサくんが私の事を好きから大好きになったら……ちゅうしてね」

 

「はい!?」

 

「と言うことでよろしくね」

 

今度はツバサくんが私の事を大好きになってくれるように頑張らないと!

 

 

 

 

 

 

 

紫乃side

 

帰りの電車にて、僕はある人にメッセージを送っていた。

 

「それにしても……竜の力か……あの人みたいだな」

 

前にあった人は竜の身体を素材にした武器を使っていたらしいけど…………あの人もその内桜空たちと会うのかもしれないけど……

 

「まぁ大丈夫か……ん?ちゆから返信が……」

 

『紫乃へ、事情があったらしいけど、鬼の力を取り戻したことについてお説教ね』

 

「…………」

 

一応事情は伝えたけど……怒られるのか…………はぁ

ため息をついていると更に返信が今度はのどかとひなたから……

 

『ちゆちゃんのお説教が終わったら私の番ね』

 

『のどかっちが終わったら、私と一青くんの番ね』

 

帰りたくないな~本当に……




紫乃の血鬼術は治癒。傷の治療を行うことが出来ます。更には敵には回復阻害、過剰回復させ、身体をボロボロにさせることが出来ます。
呼吸は雪の呼吸です。優しく静かに降り積もる雪と吹雪みたいな猛威を奮うような技だったりします
あと紫乃の恋人はちゆです

次回はプリキュア本編に戻ります。オリジナル回はミックスパレット入手後になります。また自分の書いたプリキュアシリーズからオリ主が……

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43 ましろの特訓とご褒美?

ちゃっと間空いてしまった


桜空side

 

ある日の放課後、みんなで喫茶店でお茶をしながら学校で起きたあることを話した。

 

「ましろんがリレーの選手!?」

 

「凄いです!ラルー……ではなくリレーの選手に選ばれるなんて」

 

「選ばれたと言うかソラちゃんの推薦で……」

 

「でもましろん、走るの苦手じゃなかったっけ?手紙でも走るのいやだーって書いてあったけど……」

 

「実は……」

 

ましろが選ばれた理由は、本当にソラの推薦だった。

学校で運動会の選抜リレーの選手を決める際、クラスの推薦でソラが選ばれたのは納得と言うか……なんと言うか……因みにスカイランドではリレーのことをラルーと言うらしい。

ソラもみんなに期待されているからリレー選手になることを決めたが、ソラは自分にバトンを渡す役をましろにやってほしいと言い出した。

リレーにおいて一番重要なのはバトンパス。

 

「なので、勝利のため、私へ繋ぐ大切なバトンを託せるのは、ましろさんしかいません!」

 

ソラの期待に応えるようにましろは引き受けることになった。

 

「それでね、やるからには、ちゃんと走りたいと思って……ソラちゃん、リレーの特訓、付き合ってくれないかな?」

 

「もちろんです! やりましょう、特訓!」

 

ソラはソラで燃えてるのか何か変なオーラが見えてるけど…………

 

「そういえば桜空は?」

 

「僕は無難に障害物競争だよ」

 

竜の力があるとはいえ、普通の人間と同じように動きをセーブしてるから、身体能力面ではソラの方が上だしな。

 

 

 

 

 

そんなこんなで次の日、ましろの特訓のために近くの公園に来ていた。ソラたちと僕、アスの二人。ノアは調べたいことがあるといい、来なかった。

 

「よろしくお願いします! ソラコーチ! ツバサコーチ!」

 

「「コーチ……」」

 

コーチと呼ばれて嬉しそうなソラとツバサの二人。アスとあげは姉はと言うと……

 

「頑張れ、エルちゃん」

 

「あい!」

 

「わぁ~上手だね~」

 

「アスちゃんもお世話上手くなってきたんじゃない?」

 

「こう見えてツバサくんと一緒に頑張ってるからね」

 

自慢げに言うアス。まぁ確かに昔に比べてアスとツバサの二人が喧嘩とかしなくなっている。この間の出来事が切っ掛けなんだろうな

 

「僕もこれをものにしないと」

 

僕は紫乃から貰った柄を使い、氷の刃を作り出す。それなりに上手くは出来ているけど……強度があまりないな……

 

「訓練続けているみたいだな」

 

「まぁな。今の自分にできる範囲でだけど……」

 

昔みたいにブレスを吐けるようになれなんて言われなくなってきた。グーリ自身も僕にはそうするべきだと思っているからかな?

そう思いつつ、ましろたちの方に耳を傾けた。

 

「スピードに乗ったら、姿勢は真っ直ぐです! ひじは前と後ろに大きく振りましょう! 手は軽く開いてリラックスです!」

 

「はい!」

 

「ましろさんの足は、転がるボールと同じです! 上半身の力を抜いて、転がる力に身を任せましょう!」

 

「はい! ソラコーチ!」

 

「バトンを渡す時は、前の人を追い越すつもりで走りましょう! バトンは手の平に押し付けるように、しっかりと!」

 

「大変だ……」

 

「いいえ! ましろさん、すごいです!」

 

ましろも頑張っているし、僕も頑張らないとな!

 

 

 

 

 

 

少しして休憩中、ましろもけっこう頑張っているように、エルちゃんもたくさん歩いたみたいだった。

 

「ましろさん、よく頑張りましたね!」

 

「ましろ」

 

「すごいね、エルちゃん! 沢山歩いたね!」

    

「エルちゃんは、身体を動かすだけで楽しいんだよね!」

 

「身体を動かすだけで楽しいか……私にもそんな時があったのかな……」

 

「あったあった! ましろんってば、鬼ごっこの鬼させて、ずっと走ってたんだから!」

   

「ええ……憶えてないよ…でも、そうなんだ…」

 

「あったな…ましろの無限鬼ごっこ…ましろが疲れるか僕らが疲れるかのどっちかだったな…」

 

子供の体力って無限なのかっていうくらい凄いからな

 

「あの、桜空くん…そんな遠い目をするほどなの?」

 

「ちょっとな~」

 

まぁ今だと楽しい思い出の一つだったけど……

 

「そういえばましろん。特訓が頑張れるように桜空に何かご褒美でもお願いしたら?」

 

「ご褒美?」

 

あげは姉……変なことを吹き込まないでほしいのだけど……

 

「ご褒美なら……キスとかでいいんじゃないの?」

 

「え、えぇ!?」

 

「アス……変なことを言うな……」

 

アスまで変なことを吹き込むし、ましろは言うと……何か考え込んでるし……

 

「えっと……頑張るからご褒美……待ってるからね」

 

いや、ご褒美あげるのはいいけど……本当にどうしたものか……はぁ…




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44 繋ぐバトン

キュアマジェスティ、登場しましたが……あることを思った。それに関しては後書で


ましろside

 

ある日の夜、私は海外で働く両親とリモートで話していた。

 

「それでね、ソラちゃんって、すっごく足が速いの! だから、バトンを渡す最後の瞬間まで、全速力で走らなきゃなんだよ……ちゃんと落とさずに渡せるかな……」

   

「おー! ましろちゃん、いつになくやる気だね!」

 

「ましろが体育祭を楽しみにしてるなんて、初めてじゃない?」

 

「楽しみなんじゃなくて、緊張してるんだよ~」

 

でも両親からしたら、私がこうして体育祭を頑張ろうとしているのは本当に初めての事なのかもしれない。

 

「今すぐソラシド市に帰りたいよ~ましろちゃんが走るところ、見たいよ」

 

「応援してるからね、ましろ!」

 

「うん!」

 

「それに桜空くんからご褒美待ってるんだよね?」

 

「うぇぇぇぇ!?何でその事知ってるの?」

 

「ちょっと前にご褒美のことを相談されたからな~」

 

「二人が付き合うなんて……帰ったらお赤飯ね」

 

「ちょ、ちょっと~」

 

桜空くん…いつの間に相談なんてしたんだろう?いや、相談していたことは何となく知っている。何せ桜空くん自身から私の両親に付き合うことになったことを報告したから、その時辺りに色々と相談するようになったみたいだけど……

 

「桜空くんは本当にいい子だからな」

 

「意外と早い段階に結婚の挨拶しそうね」

 

「気が早いよ~」

 

反対はないけど気が早い両親に困惑する私であった。

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

そんなこんなで体育祭当日、ヨヨさん、あげは姉、ツバサ、エルちゃんの他にアスも見に来ていた。ノアとフウの二人は学校関係者だけど……姿は見なかった。

 

「あの二人、何してるんだ?」

 

ここ最近調べ事をしてるみたいだけど、何を調べてるのやら……

 

体育祭は進み、リレーの時間になった。僕はましろとソラの二人に声をかけようと二人の所に行くと……

 

「いよいよだ……」

 

「リラックスですよ! ましろさん!」

 

「ソラちゃんは、どうしてそんなに元気でいられるの?」

 

「だって、信じてますから! ましろさんが最高のバトンを渡してくれるって!」

 

「もっと緊張しちゃうよ……」

 

「大丈夫ですって!」

 

何だか邪魔しちゃ悪いと思い、僕は声をかけずに戻るのであった。

 

 

 

 

 

そしてリレーが始まり、ソラたちの組は結構いい順位まで来ている。ましろにバトンを渡させれ、ましろが特訓の成果も出て頑張っているが……途中で転んでしまった。転んでいる間にみるみる内に抜かれていき、最下位になってしまったが、ましろは諦めずに立ち上り、走り出しソラへとバトンを渡すとソラは猛スピードで追い抜いていき、結果一位になったが……

 

『ましろさん! 勝ちましたよ!』

 

『うん! やっぱり、ソラちゃんはすごいよ! もう目にも止まらぬ速さっていうか……ほんと、ビューンって……』

 

ましろは泣きそうになるのを堪えながら何処かへ走り去っていった。僕も心配になり、ましろを追いかけた。

 

 

 

 

 

「ましろ」

 

「あ、桜空くん……」

 

ましろは校舎裏の水道の所で顔を洗っていた。

 

「あはは……どうしたの?桜空くん……」

 

「悪い……こう言うときなんて声をかければいいか分からない」

 

どう声をかけても……正解じゃない気がした。ましろはと言うと……笑顔で誤魔化していた。

 

「ましろさん……」

 

悩んでいるとそこにソラがやって来た。ソラもましろの事を心配して……

 

「ど、どうしても、お水飲みたくなっちゃって……汗もかいてたし……」

 

「ましろさん……大丈夫ですか?」

 

「私……走るの、苦手だし、リレー選手だって自信なくて……なのに、自分にもできるって思っちゃったんだよ……みんなと沢山特訓したから……ソラちゃんみたいに速く走れなくても、ずっと走れるって……でも、大事なところで転んじゃって……それが悔しい……」

 

ましろは我慢していたが、自分の悔しいと言う気持ちを吐き出したからか涙を流していた。

 

「ごめんね……ソラちゃんが頑張ってくれて、せっかく勝てたのに、こんな事言っちゃって……」

 

「ごめんなさい! 私、言いました……勝つためには、ましろさんのバトンパスが必要だって……それは、半分は本当と言いますか……もう半分は、ただ友達と一緒に走りたかったんです……だから、ましろさんが転んでしまった時、ほんの少しだけ諦めてしまったんです……負けるかもしれないけど、しょうがないって……でも、ましろさんは、転んで悔しいとか、追い抜かれて悲しいとかじゃなく、ただひたすら前を見て走っていた……ましろさんのその走りが、私に火をつけてくれたんです……絶対に勝つんだって!何が何でも、1位になるんだって!ましろさんは私に、最高のバトンを渡してくれましたよ!」

 

「ソラちゃん……」

 

何だかソラのお陰で大丈夫そうだな。それにしても僕はダメだな。ましろに何か声をかけるべきなのに正解が分からないからとかで、迷ってるなんて……

 

「そうです!桜空さん!ご褒美なんですけど、ましろさんを抱き締めてあげてください!」

 

「「はい?」」

 

「気持ちが沈んでいるときにそうすると落ち着くと聞いたことがあります!」

 

いやいや、だからって……

 

「えっと……そうだ!帰ってからにしよう!うん!」

 

「そ、そうだな!帰ったらに……」

 

とりあえず僕とましろはご褒美の件を後回しにしつつ、グラウンドに戻るとライン引きのランボーグが暴れていた。

ツバサとアスはましろたちにミラージュペンを渡しに来て……

 

「「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「ウイング!」

 

「「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」

 

ましろたちはプリキュアに変身し、僕とアスも戦闘形態になり、ランボーグに攻撃を仕掛けるが、ランボーグは素早く動き攻撃を避ける。

 

「今回は邪竜たちが来ないみたいだけど……」

 

「それでもこの動きは厳しいね……地面をぶっ壊してもいいけど……被害やばそうだし」

 

「アス、本当に変わったな」

 

「ツバサくんに大好きになってもらうためだからね!」

 

アスも変わり始めたけど、ランボーグに対して有効な手が……ウィングが後ろから攻撃を仕掛けるけど、直ぐにランボーグは体勢を立て直すし……どうしたら……

 

「…………」

 

するとプリズムが光弾を作り出し、そして

 

「スカイ! はい!」

 

スカイへと渡した。もしかして……

 

「スカイなら当てられるから……お願い」

 

「はい!」

   

スカイはプリズムから光弾を受け取り、駆け出していき、見事ランボーグに光弾を命中させた。

 

「スカイブルー!」

 

「プリズムホワイト!」

 

『プリキュア・アップドラフト・シャイニング!』

 

「スミキッター」

 

「ミラーパット!オッケー!」

 

ランボーグが怯んだ所に二人の浄化技でランボーグを浄化するのであった。

 

「ハァーーーーー!!!何なんだよ!名前わかんねぇ道具!バッタモンモン」

 

バッタモンダーも撤退したけど、今回のランボーグにした奴ってライン引き以外の名前あるのか?

 

 

 

 

 

 

 

体育祭も終わり、家に戻りみんなとお茶を飲もうとしたとき、ノアとフウの二人に呼ばれた僕。二人は調べていた内容を話した。

 

「フードの奴って……あいつだよな?」

 

アスの足を切ったり、ライを回収したりした……

 

「奴の事だが…………未だに正体が分からない」

 

「ノアと共に調べていたが、奴の事だけは分からないんだ」

 

正体が分からないフードの奴……でも……

 

「グーリはどうなんだ?」

 

「桜空……分からないな。そもそも奴の正体を調べる必要があるのか?」

 

「未だに正体も……そして実力も未知数だからな」

 

「警戒はしておいた方がいい」

 

「桜空さん!ノア!フウさん、お話は終わりましたか?」

 

フードの奴について話しているとソラがやって来て、ソラはノアたちを連れ出していき、すれ違いにましろがやって来た。

 

「その……ご褒美……ソラちゃんに急かされて……」

 

「そう言えば忘れてた……」

 

なかったことには……出来そうにない。何故なら窓の外から様子を見ているソラたちがいる……

 

「…………ましろ。目を瞑れ」

 

「目を……えぇ!?」

 

顔を赤らめるましろは目をつむると僕はそっと…………

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぇ」

 

ましろの頭を撫でた。悪いけど、抱き締めるのとかキスとかはまだ……

 

「これでいいか?」

 

「う、うん///」

 

窓の方を見ると、ソラは嬉しそうにしていて、あげは姉とアスの二人はがっかりしていた。あと、ツバサ……エルちゃんの目を隠してるけど……エルちゃん見えてる気がするぞ……

 

 

   




キュアマジェスティのペアとなる竜は誰にしよう?新しいオリキャラか今出ているキャラにするか……どちらか希望があれば……
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45 戦いを嫌う

明日はついにプリキュアオールスターズF公開!明日見てきます!


桜空side

 

川の近くで僕らは現在戦闘中だった。バッタモンダーが生み出した釣具のランボーグの攻撃を避け続ける僕ら。

 

「避けてばかりだね!プリキュア!竜擬きたち!」

 

「私とノアは竜なんだけどな」

 

「仕方ないだろ。あいつ、頭が悪そうだからな」

 

ノア……それは流石に……的を得すぎてる。

 

「バッタモンダーからバッカモンダーに改名したらどうだ?」

 

「てめぇら!!」

 

「桜空くん、あんまり煽らない方が……」

 

「そうですよ!避難している人達が巻き込まれる」

 

僕だけ注意されたんだが……とは言えそろそろ避難が終わると思っていると、ランボーグが吹き飛ばした看板が避難してなかった親子に目掛けて吹き飛んでいくが、寸前でウィングが看板を蹴り飛ばして親子を助けた。

 

「大丈夫? さあ、早く逃げて」

 

ウィングは助けた親子が避難したのを見届け、僕らに報告した。

 

「避難完了です!」

 

ここから反撃だな。僕は氷の刀を作り出し、ランボーグが持つ網を切り裂く。

 

「氷刃刀・鋭利」

 

「アス!合わせろ!」

 

「了解!」

 

ノアとアスの二人が炎を纏った拳と大地を纏った拳で殴り飛ばした。

 

「火炎拳」

 

「大地拳」

 

「プリズム!」

 

「うん!」

 

追撃にスカイとプリズムが蹴りを喰らわし、ランボーグは倒れると

 

「ひろがる!ウィングアタック!」

 

「スミキッター」

 

ウィングの浄化技を喰らわせ、ランボーグは浄化された。

 

「ミラージュパット!オッケー!」

 

キラキラエナジーも無事回収し、無事戦いは終わった。そう言えば避難してたあげは姉とエルちゃんは……木の近くで避難しつつら応援していてくれたみたいだった。

 

「やったやった! さすがプリキュア!」

 

「おい! そこの外野!」

 

「は?」

 

「言っとくけど、まだ僕は全然本気出してないからね?」

 

「負け惜しみってカッコ悪いよ?」

 

「なっ!?戦ってもない外野のくせに……お前ら、次は覚悟しとけよ!」

 

何か捨て台詞を吐いてバッタモンダーが撤退したけど……なんと言うかまぁ……小物と言うか……

 

「だからカッコ悪いのに……まあ確かに、私は外野なんだけどね……」

 

「そんな事ありません!」

 

「そんな事ないよ!」

 

外野呼ばわりされたことを気にするあげは姉だけど、スカイとプリズムの二人が声をかけた

 

「あげはちゃんは大切な仲間だよ!」

 

「いつも私達を応援してくれるから、頑張れるんです!」

 

「プリンセスも大好きですしね!」

 

「だいすき!」

 

「ありがとう!」

 

「あげは姉がいてくれるからこそ、助けられた事があったからな」

 

「そうだな。力になってくれている」

 

「それに色々と教えてくれるし、優しいもんね」

 

「桜空、ノアさん、アスちゃん。ありがとう」

 

照れるあげは姉。僕らは戦いも終わり、帰り道、あげは姉は実習があることを伝え、ましろたちが応援することになるのであった。因みに実習中は虹ヶ丘家から通うらしい

 

 

 

 

 

 

あげはside

 

荷物を取りに戻ろうとしたとき、見覚えのある人を見かけた。

 

「あれ?フウさん」

 

「お前は……あげはだったな」

 

あー、あんまり話したりとかしてないから名前覚えられてないか~

 

「それでこんなところで何してるの?」

 

街中で見かけるなんて珍しい……と言うよりこの人ってずっと自分の家に籠ってる感じだったような

 

「少し調べ事だ。そう言えば今日も戦いがあったらしいが……邪竜一派は現れたか?」

 

「うーん、出てこなかったね」

 

「そうか」

 

無表情でそう言うけど……もしかして……

 

「心配ならフウさんも戦ったら?」

 

「……戦いは嫌いだ」

 

フウさんはそう言って何処かへ行くのであった。何か余計なことを言ったかな?ずるいけど、今度ノアさんたちに聞いてみるかな?

 

 

 

 

実習が始まり、ちょっと口を滑らせて私がプリキュアの知り合いだと言うことを園児たちにバレちゃったりもしたけど、それなりに充実して実習出来ている。

 

そんなある日の夕方、私は園児たちから受け取ったファンレターをソラちゃんたちに渡しつつ、ノアさん、アスちゃんにフウさんの事を聞いた。

 

「あいつが戦いが嫌いな理由か……」

 

「まぁノアさんたちに聞くのはずるいけど……気になってね」

 

「うーん、戦いが嫌いなら私が暴れたりしてたときは注意したりするけど、そんなことはなかったからな」

 

「アスちゃんを我慢させるのは難しいからって思ったから?でもアスちゃんはフウさんと一緒にこっちに来たんだよね?」

 

「そうだよ。フウがこの世界のことを調べるのに付いてきた感じ」

 

「あいつは知識を得るのが好きだからな……それでフウが戦いが嫌いな理由だが……争いは悪いことしか生まないからだ」

 

「悪いことを?」

 

「あぁ……少し昔話をしてやるか」




フウの過去とバタフライ誕生まで次回は頑張って書き上げます
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46 フウの理由とバタフライ誕生

プリキュアオールスターズF、良かったです


あげはside

 

「俺たち竜は人より何百倍もの長生きなのは知っているな」

 

「うん……」

 

前にそんな話を聞いたことがあるけど、確か人と交われば竜は人と同じ年月生きるようになるって……ましろんや桜空が安堵してた。

 

「今は平和なスカイランドの竜たちの暮らす場所でも昔は争いが絶えなかった」

 

竜同士の争い。争いの原因は他の竜たちの領土支配だったらしい。

 

「俺やグーリはその戦いに参加していた。アスは」

 

「まだ小さかったからね。それに地の竜に対して侵略行為や戦争を持ち込む馬鹿な竜はいないからね」

 

「フウは今でもそうだが、昔もかなりの強さを持っていた。だがフウは誰よりも……自然を愛していた」

 

「それじゃ……戦いで荒らされる自然を見て、戦いを……」

 

「いや、戦いで荒らされるのは仕方ないと思っていたらしい。フウが一番気にしていたのは…………戦いで失われていく命。それを悲しみ、憎しみ、恨み、終わりなき悪感情を目の当たりにして来た。だからこそ……」

 

「戦いを嫌いに……」

 

「あいつは戦いから生まれる悪感情を一番嫌う。アスに対しても最初はそうだった」

 

「でも私は戦いは楽しいものだって伝えたし、それに証明してみたから……」

 

「証明?」

 

「戦ったあと、遺恨なくまた戦おうとか……高め合えることを……それに戦う理由は誰かのためだってことをね。まぁ私は最近になって誰かのために戦うことを知ることが出来たからね」

 

「そっか……」

 

フウさんは戦いから生まれる悪感情……終わりない戦いがあるから……

 

「だからあげは。フウの事はそれなりに気にしてやれ」

 

「何で私?」

 

「お前はソラたちより少し大人だ。あいつらは戦いから生まれるもの……正義の違い。そういうものをまだ理解しづらい。だがお前ならな」

 

「ノアさんが、私のことを評価しているのは分かったよ。とりあえずフウさんには後で謝っておく。勝手に昔のことを聞いたし」

 

「そう言うところだ」

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

あげはがソラたちの所に戻るとアスは意外そうな顔をしていた。

 

「何だ?」

 

「ノアが人をそこまで評価するなんてね」

 

「俺も変わってきているだけだ」

 

「ふーん。それにしても正義の違いか~私にはよく分からないけど」

 

「お前は正義の違いに関してはそれなりに理解しているが……」

 

心配なのはソラたちだ。あいつらはまだ子供……それにソラは多分……

 

「正義の意味を理解できないかもな」

 

「どう言うこと?」

 

「そんな事で悩んだりしないことを俺は祈るよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

あげはside

 

数日後

 

フウさんに謝ろうとしたけど、会うタイミングがなかった。その内また会えるかもしれないと思いつつ、私は実習に参加していた。ここ数日、特に問題は起こらなかったけど……園児の一人……キュアウィングのファンのたけるくんが他の子と喧嘩したらしい。話を聞くと……

 

「あいつがじゅんばんまもらないから、やっつけただけだもん!」

   

「そっか……でも、ぶつのはどうかな?」

 

「ボク、さいきょうになるんだもん! プリキュアみたいに、わるいやつやっつけるんだ!」

   

「たける君。最強になるために大事なのはさ、先生はやっつける事じゃないと思う……」

    

「なくないよ! ボク、ただしいもん!」

 

たけるくんはそう言って教室から出ていった。

 

「あげはせんせいは、さいきょうじゃないもん!」

 

「たける君!」

 

私は慌ててたけるくんを追いかけるのであった。

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

あげは姉が頑張っているところを隠れて見に来た僕らは茂みの裏で様子を伺っていた。

 

「誰かに見つかったら、迷惑かけちゃうからこっそりだよ」

 

ましろもこうして参加するのは結構意外と言うか……まぁあげは姉のこと気になったからだろうな

するとあげは姉が保育園から出てきて、園児を追いかけていた。ソラは鬼ごっこをしていると思ってるみたいだけど、何だか様子がおかしい?

そんなことを思っていると突然ゾウ型じょうろのランボーグが現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

あげはside

 

「ランボーグ!?」

 

何でまたこんなところに!?すると工事中の建物の上にバッタモンダーがいた

 

「外野!この間はよくも負け惜しみとか言いやがったな!今回は観客がいるからな!子供たちの前でプリキュアが負けるところを見せてやる!」

 

本当にめんどくさい奴!するとソラちゃんたちがプリキュアに変身した姿で駆けつけてきた。

 

「たける君、お手紙ありがとう! 後は任せて!」

 

「うん!」

 

スカイが避難するように促すが、ランボーグは園児たちを狙っていた。もしかして観客だから逃げられないように?

スカイたちは攻撃を喰らわせて、ランボーグを止める。更に……

 

「氷刃刀!」

 

桜空が追撃にランボーグを斬ろうとするが、突然竜巻が起き、桜空が吹き飛ばされた。

 

「あれは!?」

 

スカイたちの前には一人の男がいた。あれって……

 

「久しぶりだな」

 

「お前は……テンペスター!」

 

「今日はお前一人か。まぁいい」

 

テンペスターは両手から竜巻を放ち桜空を襲うが、桜空の前に地の盾が現れた。

 

「ジュース買いにいっている間に戦いが起きるなんてね」

 

「邪竜一派か。ライはどうした?」

 

アスちゃんとノアさんが駆けつけてきた。と言うかジュース買いに行っていたって……

 

「ライはまだ回復中だ。それなりに強くなったらしいが……」

 

「先手必勝!」

 

テンペスターが何かを言いかけてたけど、アスちゃんが岩や石の塊を放ったが、テンペスターの前に竜巻が現れ、防いだ。

 

「無駄だ。お前らの攻撃は通じない」

 

テンペスターは岩や石を巻き込んだ竜巻を桜空たちに放ち、吹き飛ばした。

 

「みんな!?」

 

テンペスターはバッタモンダーの隣に立つと……

 

「いつまで遊んでいるんだ?」

 

「うるさい!おっと彼処にプリンセスがいるな」

 

バッタモンダーは隠れていたエルちゃんを見つけ、ランボーグにエルちゃんを襲うように指示をしたが、スカイたちが庇おうとするが、バッタモンダーはそれを狙っていたかのように、スカイたちを黒いシャボン玉に閉じ込めた。

スカイたちは必死に抜け出そうとするが何故か無理だった。

 

「それは、アンダーグエナジーを濃縮した球体さ。君らの力は使えない。脱出は不可能だ!それだよ! それ! その顔が見たかったんだよ! プリキュア!どうだ、外野! これで僕の強さが分かっただろう?」

 

スカイたちを追い詰めているからって馬鹿にして……

 

「後はプリンセスを手に入れれば、完全勝利さ」

 

「そんな……さいきょうのプリキュアがまけるなんて……」

 

「ああ、そういえば、他にも観客がいてくれたようで嬉しいよ」

 

ランボーグがたけるくんを狙う。たけるくんは逃げるが転んでしまったが……私はランボーグの前に出た。

 

「そうはいかない!これ以上、アンタらの好きにはさせない!」

 

「せんせい……」

 

「はあ? アハハハハ! こりゃいいや! 外野のくせに僕をどうするって?なら逃げきってみなよ……」

 

私はたけるくんを背負い、ランボーグの攻撃を避けながら逃げる。

 

「いいぞ! 頑張れ、外野!」

 

「あげはちゃん!」

 

「あげは姉!」

 

桜空は立ち上がろうとするけど、まだダメージが大きすぎて中々立ち上がれなかった。でも心配しないで見てて……

私はランボーグを回るように逃げていくと、ランボーグは目を回してバランスを崩して倒れた

 

「たける君……大丈夫?」

 

「うん……」

 

「良かった……」

 

流石に走り回るのは疲れた……でも

 

「せんせい……」

 

「大丈夫……」

 

「へえ……外野の割にはやるじゃないか……」

 

「その外野っていうの、やめてくれる? プリキュアや保育園のみんなは、私の大切な人達なの……だから、私は外野なんかじゃない!」

 

「外野じゃなければ何だというんだ……」

 

「保育士!」

 

「はぁ?」

 

「そして、最強の保育士も、最強のヒーローも、目指すところは一緒……それは、大切な人達を守る事!」

 

「だから、どうした? プリキュアですらない無力な君に何ができる?」

 

「だったら……だったら、私は!」

 

私の思いに答えるようにまばゆい光が胸から放たれ、ミラージュペンが現れた。私はミラージュペンを掴み、

 

「たける君。これで先生も最強になるよ!」

 

「え?あげはせんせいは、もうさいきょうだよ!」

 

「ありがとう……エルちゃん!」

 

「える!?」

 

「アゲアゲでいこっ!」

 

「あげ!ぷりきゅあーー!」

 

エルちゃんからスカイストーンを受けとり、私はミラージュペンを構えた

 

「最強の保育士の力、見せてあげる!」

 

私はプリキュアに変身をする

 

「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!バタフライ!きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ!あげて広がるワンダホー!キュアバタフライ!」

 

キュアバタフライ……これが私のプリキュアとしての姿。

 

「くそ!やれ!ランボーグ!」

 

ランボーグが黒いシャボン玉を放つが、私は蝶型のシールドで防ぎ、更にランボーグは噴水攻撃を仕掛けるがそれすら避けていく。

 

「だぁぁぁぁぁ!おい、テンペスター!お前もやれよ!」

 

「命令をするな……新しいプリキュア……この竜巻は防げるか?」

 

テンペスターが大きな竜巻を作り出していくが、その竜巻が何かに切り裂かれた。

 

「何!?」

 

「今のって……風?」

 

気がつくと木の上にフウさんがいた。助けてくれたのかな?

 

「邪竜の気配を感じて来たが……まさかお前がプリキュアになるとはな」

 

「フウさん……フウさんは戦いが嫌いなことは知ってる。戦いから生まれるものが嫌なことばかりだけど……でもさ、助けるための戦いは嫌なことなんて生まれない!だから……」

 

「……俺は最初から助けるために動いている」

 

「え?」

 

「余所見をする余裕があるなら!」

 

テンペスターがまた竜巻を作り出すが、フウさんはまた竜巻を切り裂いた。

 

「無駄だ。テンペスター。お前は竜巻を作り出すが……俺は風を操る。作り出す必要がない。言いたいことは分かるか?」

 

「くっ……」

 

テンペスターは姿を消していった。フウさんって本当に強い?

 

「さっさとランボーグを倒せ」

 

「オッケー!」

 

私は蝶型のエネルギー弾をランボーグに喰らわし、ランボーグは倒れ込むと、工事中の建物からビニールシートを借り、ランボーグを縛り上げ……

 

「ひろがる!バタフライプレス!」

 

大きく飛び上がり、ランボーグを大きな蝶型のシールドで押し潰し浄化した。

スカイたちを閉じ込めていたシャボン玉も消え、スカイはキラキラエナジーを回収するのであった。

 

「い、いい気になるなよ! 僕がさらに本気を出せば……」

 

「いつでも相手になるよ。でも、もし、また私の大切な人達に手を出したら、許さない!」

 

「うっ……バッタモンモン」

 

バッタモンダーは撤退し、戦いは終わった。たけるくんも大切な人を守るために最強になるって言ってくれた。フウさんは……お礼と謝罪をしようとしたけど……いつの間にかいなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

それから数日後、私はこれからみんなと一緒にプリキュアとして戦うならと思い、虹ヶ丘家に居候することにしたのであった。

それにしても……フウさんは最初から助けるために動いているか……確かにそうかもしれないね




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47 頑張り屋のあげは

あげは姉が虹ヶ丘家に住むことになってから数日後の朝、テーブルの上には豪華な料理が並べられていた

 

「なんて豪華な朝食なんですか!」

 

「あげはちゃんが作ったの?」

 

「そうだよ! 美味しいもの食べて、朝から気分アゲてこ!」

 

「エルちゃんのサンドイッチも可愛いね!」

 

「かーいーな!」

 

「それでは、みんなで……」

 

『いただきます!』

 

料理を一口食べると……うん、凄く美味しい。

 

「美味しい!」

 

「どれから食べようかな……」

 

「少年って鳥だし、やっぱ野菜好きなの? 大盛りにしとくね!」

 

「ボク、野菜以外も食べますから!」

 

「オッケー! じゃあ、サンドイッチとフルーツもモリモリで!」

 

「だ、大丈夫です! 自分でやりますから!」

 

何か一気に朝食が賑やかになったな~それに……

 

「あげは、今度私にも料理教えてね」

 

「いいよ。アスちゃん。でもアスちゃんはましろんにも教わってなかったっけ?」

 

「ましろちゃんとあげはにも教わりたいから!」

 

「アスちゃん、本当に変わったね~」

 

「色々と刺激受けてるからかな?竜は基本的に料理とかしないし」

 

「そうだな。大体はそのまま食すか焼くくらいだからな」

 

「じゃあノアさんはソラちゃんといるようになってから料理について知ったの?」

 

「そうですね。最初の頃はそのままでいいって言ってましたが、今はしっかり食べるようになりました」

 

「あれだけしつこく出されたからな」

 

ノアもノアで何だか嬉しそうと言うか……なんと言うかだった。

 

 

 

 

 

 

アスside

 

ソラたちが学校に行き、私はツバサくんと一緒にエルちゃんのお世話をしていた。あげはというと部屋の掃除をしていた。

 

「あげはって、本当に頑張るね」

 

「そうですね……」

 

ツバサくん、何か気にしてる?もしかして……

 

「ツバサくん、あげはのことが……」

 

「なんでそんな発想になるんですか?」

 

「うーん、私としては…………ライバルになるかもしれないけど……でも……そうだ!あげは、ツバサくんと結婚して!勿論二番目の妻として!」

 

「あはは、アスちゃんがいるなら楽しそうな生活になりそうだね」

 

「僕が一番苦労しそうですけど……と言うか、何してるんですか?」

 

「巣箱の掃除」

 

「ボ、ボクが自分で……」

 

ツバサくんがあげはから巣箱を取り返すと何故か巣箱は綺麗に装飾されていた。

 

「な、何ですか、これ!?」

 

「デコ巣箱! 可愛いでしょ?」

 

「可愛いは可愛いですけど、落ち着かないですよ……」

 

「じゃあ、クッションだけでも。フワフワで気持ちいいよ!」

 

「まあ、これはいいですけど……とにかく、自分の事は自分でやりますから!」

 

「オッケー!」

 

それからみんなで外で遊んだり、汚れたから小さなプールでツバサくんとエルちゃんが水浴びをしているなか、私はあることを聞いた。

 

「そう言えばフウに謝ったの?」

 

「あはは……まだなんだよね。中々タイミング合わなくって」

 

「仕事と調べ事で忙しいからね~」

 

「それにさ、前にフウさんが言ってたんだけど、フウさんは助けるために動いているって聞いてさ……そう言えばそうだったかもしれないって」

 

「そうなの?」

 

私からしたら今までと変わらずあんまりに戦いに関わろうとしてないような…………

 

「そうだよ。私も話しか聞いてないけど、アスちゃんがまだ桜空たちと争ってた頃とか」

 

「あーうん、その頃はね……私からしたら戦いが全てみたいなところあったから……」

 

「アスちゃんが傷だらけになったときとか、フウさんが来て助けたりしたでしょ」

 

「あれは……そうかもしれないけど……」

 

「それにスカイランドの時とかこの間の戦いでも……フウさんは本当に誰かを助けるために動いている。それに気がつけたんだ」

 

確かに言われてみれば……フウは戦いが嫌いだけど、戦いで誰かが傷つくのが嫌だから……だからこそ……

 

「あげはは本当に凄いよ」

 

「そう?」

 

「うん」

 

 

 

 

 

 

 

そんなフウの事を聞けた次の日、朝早くに虹ヶ丘家に出向くと……ツバサくんとあげはの二人が言い争いをしていた……いや、言い争いと言うよりツバサくんがあげはに注意をしている?

 

「『えへ!』じゃないでしょ! もう、あげはさんは頑張り過ぎなんですよ!」

 

「いや、そんな事……」

   

「あ、り、ま、す、よ、ね!?」

 

「ボク、見たんですから! 昨日の夜、あげはさんが、ここで何か描いてたの!ボク達のために色々やってくれるのは分かります。でも、ソラさんやましろさんだって、こんな風に疲れてほしくないはずですよ……」

 

「だね……」

 

「自分の事は自分でできますし、むしろ、あげはさんが、ボク達をもっと頼ってくれていいんですよ!」

   

「そこまで言うなら、頼っちゃおうかな!」

   

「明日、空けといてね! あ、アスちゃんもよろしく!じゃあ、ベッドで寝てきます!」

 

「い、いいですよ……頼ってもらおうじゃないですか!」

 

「私、来てたのバレてた……」

 

「アスさんは大体この時間に来るじゃないですか……」

 

まぁそうなんだけど……




アスは基本的に寝るときは自宅に戻り、早朝に虹ヶ丘家に来ている感じです。
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48 ミックスパレットと四元の力

割と長めになってしまった


アスside

 

次の日、ツバサくんとあげはとエルちゃんとである広場に来ていた。そこの壁には沢山の絵が描かれていた。この絵はあげはが前に実習に行ったソラシド保育園の園児たちが描いたものらしいけど、一部だけ何も描かれていなかった。

 

「保育園の先生が、実習の記念に描いてくれって、言ってくれたんだ! でも、引越しでバタバタして、時間がなくて……」

 

「時間がないのに、ボク達のお世話もしてたんですか?」

 

「あげはは本当に頑張り屋だね」

 

「あはは、お、上手じゃん! 少年!」

 

「父さんが絵描きなので、これくらいは……」

 

「そうなんだ! ねえ、スカイランドのご両親って、どんな人?」

 

「うーん……2人とも、いつまで経っても、ボクを子供扱いですよ……何かと構ってくるから、うっとうしくて……」

 

何かを言いかけるとツバサくんは何かに気がついた。

 

「あげはさんの世話焼きな感じ、誰かに似てると思ったら、父さん母さんに似てるんだ!あ、ごめんなさい! 失礼な事言って!」

 

「ううん! 全然!っていうか、ツバサ君は今、家族と離れ離れじゃん? エルちゃんとソラちゃんもそうだし、ましろんも桜空も……だからかな? 色々、やってあげたくなっちゃうんだよね! みんながいっぱい頑張ってるの、知ってるし!」

 

「あげはさん……」

 

「そう言えばアスちゃんの両親は?」

 

「私の?」

 

私の両親か~うーん……

 

「あんまり皆みたいに思い出とかないからな~」

 

「「え?」」

 

「竜は生まれたときは一人だからね。親とかあんまりね。だからなのかな?誰かと繋がりたいって言う思いはあるから……」

 

それはノアもグーリもフウも同じ。誰かと繋がる方法は別々だけど……私の場合は最初は強い相手と戦う事で見出だせると思っていたけど……今は……

 

「な、何だか……複雑なことを聞いてすみません」

 

「アスちゃん……だけじゃなくノアさんたちも……」

 

「今は大丈夫だよ。みんながいるからね」

 

「アスさん……」

 

「だから気にしないで……あれ?エルちゃんは?」

 

話に夢中でエルちゃんがいないことに気がついた。するとエルちゃんは手にペンキをつけて壁画にタッチをしていた。

 

「プ、プリンセス! 駄目ですよ! めっ!」

 

「いや、むしろ良くない? ほら、こうすれば、チューリップ! こっちはツバサ君! どう?」

 

エルちゃんがタッチしたところをあげはが上手い具合に修正していた。確かにこれはこれで……

 

「いいですね!」

 

「よーし、エルちゃん! もっと、おててペタペタしよ!」

 

「そうだ! ツバサ君も自由に描いてみてよ!」

 

「え? ボクがですか?」

 

「その方が、4人の合作って感じがするじゃん?」

 

「まあ、あげはさんが言うなら、いいですけど……」

 

「ほら、アスちゃんも」

 

「うん!」

 

それから四人で絵を描いていき、完成させることができた。

 

「完成! ありがとね、3人とも! おかげで、最高の壁画ができたよ!」

 

「でも、本当に良かったんですか? ボクとアスさんとプリンセスが混ざっちゃって……」

 

「だから、いいんじゃん! 相乗効果ってやつ? 私1人で描くより、もっとずっと楽しい絵になったよ!」

 

「確かに楽しかった!こうしてみんなで何かするのって楽しいね」

 

「アスちゃんがそう言ってくれるのは嬉しいよ」

 

絵も完成して、満足そうに笑い合う私たち。

だけどそんなとき……

 

「悲しいね」

 

不意に声が聞こえ、振り向くと木の上にバッタモンダーがいた

 

「せっかく仲間が増えたのに今日はバラバラ……カモン!アンダーグエナジー!」

 

バッタモンダーはゴミ箱をランボーグに変えた

 

「要するにプリキュア全員には勝てないからバラバラの状態でって事だね」

 

私は戦闘スタイルに変わり、ツバサくんとあげはもプリキュアに変身する

 

「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」

 

「ウイング!」

 

「バタフライ!」

 

「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「あげて広がるワンダホー!キュアバタフライ!」

 

「やれ!ランボーグ!」

 

「「ハアアア!!」」

 

ウィングとバタフライの二人がランボーグを圧倒していく。するとランボーグはペットボトルのミサイルを放つ。二人は避けようとするが、バタフライはあることに気がつき、ミサイルを蝶のバリアで防いだ。

 

「バタフライ?」

 

どうしたのかと思ったら、バタフライの後ろには絵が描かれた壁画があった。このままだとバタフライが守ることに集中して……

 

「バタフライ!壁画は私がまも……」

 

突然雷が落ちてきた。この雷は……まさか!?

 

「前だったらこんな壁守ることなんてしなかった筈なのにな!アス!」

 

「こんなときに……久しぶりに来ないでよ!ライ!」

 

電気を纏ったライが姿を現すなんて……

 

「…………ウィング、バタフライ。私はライの攻撃を防ぐよ」

 

「OK!無理しないでよね!」

 

「アスさん……」

 

「安心して!今度は負けない!」

 

私たちはランボーグのミサイルとライの雷から壁画を守る。

 

「本当に変わったな!アス!こんな価値もないものを守るなんてな」

 

「価値がないか……あんたには分からないよ!一生ね!」

 

雷が激しくなっていく。まだ私は……諦めない

ウィングたちもバリアが破られそうになっているけど、諦めていない。

そんなときだった。エルちゃんが突然叫んだ。もしかして……エルちゃんも守るつもりで……

エルちゃんも頑張ろうとしている。それなら……

 

「正直、バリアは、これ以上持ちそうにない。私が隙を作るから、何とか……」

 

「大丈夫です! ボクを頼って下さい!」

 

「じゃあ、頼っちゃおうかな!」

 

「力比べの続きは、ボクが引き受ける!」

 

二人はランボーグの突撃を防ぎながら、前へと押していき、バリアをそのまま押し飛ばし、ランボーグを吹き飛ばした。

 

「私も!」

 

「無駄だ!お前は力を半分ないくせに!この攻撃は防げない!」

 

巨大な雷の珠を放ってきたけど、私は……私は!!!

 

「負けるつもりはないよ!」

 

そう叫んだ瞬間、私の身体が光り出し、私の戦闘スタイルが変わった。黄色ドレスに頭には2本の角。それに体格も前みたいなツバサくんと同じ背丈ではなく、あげはと同じ背丈に変わっている。

良く分からないけど、私は迫り来る雷の珠を殴って打ち消し、巨大な岩をライに放つ。

 

「なあぁ!?」

 

ライは直撃を喰らい、右腕が消し飛んでいた。

 

「その姿……くっ!」

 

ライは撤退した。するとウィングたちが私に近寄ってきた。

 

「アスさん、その姿は?」

 

「分からない?何か力も戻ってる……というより前よりも上がってる!」

 

「目覚めたようだな」

 

これは一体なんなんだろう?と思っているとそこにフウが現れた

 

「フウ、目覚めたって?」

 

「四元の力にだ。目覚めた結果、お前は桜空にあげた力以上に能力が上がっている」

 

四元の力……良く分からないけど、今は!

 

「あのランボーグを!」

 

「そうだね!」

 

「ボク達と一緒に守りましょう! プリンセス!」

 

「泣くのは、もうお終い! ここからアゲてくよ! エルちゃん!」

 

エルちゃんがバタフライの声に答えるかのようにまばゆい光に包まれ、二人に新たなスカイストーンを渡した

 

「これって、ボク達も、スカイとプリズムみたいに……」

 

「やっちゃおう!」

 

二人はミラージュペンに新しいスカイストーンをはめ込むと、何だか変わったアイテムが現れた

 

「なにこれ?」

 

「使い方……分からないんですか?」

 

新しい力なんだけど……使い方分からないって……そういうことあるの?

 

「は、はは、ビビらせやがって!やれ!ランボーグ!」

 

またランボーグがこっちに突っ込んでくる。ウィングはランボーグの突撃を止めに入るけど力負けしてる。私も助けに入ろうとすると

 

「よく分からないけど、何とかなる!」

 

バタフライはそう言って、スカイトーンを新しいアイテムにはめ込み

 

「2つの色を1つに!レッド!ホワイト!」

 

筆で二つの色を混ぜ合わせていくとウィングの身体がオレンジ色のオーラに包まれ、ランボーグを軽々と持ち上げた。

 

「ちょっ、どうしたらいいんですか!? 何なんですか、これ!?」

 

「ミックチュパレット!」

 

「ああ、そういう名前……じゃなくて!」

 

「そっか、ミックスパレットは、みんなをパワーアップできるんだよ!」

 

「そういう事なら!」

 

ウィングはランボーグを放り投げた。地面に落ちたランボーグは動けないでいる。ウィングとバタフライはチャンスと思い、ミックスパレットの力を使った

 

「すべての色を1つに!ミックスパレット!レッド!イエロー!ブルー!ホワイト!」

 

筆でパレットのカラーボタンを押して色を取り、

 

「まぜまぜカラーチャージ!」

 

とカラフルディスクを時計回りに回転させて色を混ぜ、まばゆい光をウィングが浴び、巨大な火の鳥に変身して飛び、バタフライが背中に乗った

 

「プリキュア・タイタニック・レインボー!」

 

ウィングに筆からの光をまとわせるとウィングが巨大なプニパードの姿に変わり

 

「アタック!」

 

ランボーグを押し潰し浄化するのであったけど、そう言えばキラキラエナジーどうしようかと思っていると、いつの間にか来ていたスカイがミラーパットでしっかりと回収していた。

 

 

 

 

 

桜空side

 

ソラとましろと一緒に帰っているときに、ランボーグが現れたことを小鳥たちから知らせを受けて、駆けつけたがウィング、バタフライ、アスのお陰で戦いも無事に終わった。

 

新しい力に目覚めたアスだけど、アスの身体はいつも通りの子供の姿に戻っていた。力の方も変わってないらしい

 

「良かった。元の力に戻ったらエルちゃんのお世話出来ないところだったよ」

 

「あの姿は戦いの時だけなんですかね?」

 

「うん、そうみたい。でも姿は自由に変えられるようになったかな?」

 

何かアスが笑顔だけど……大丈夫か?ツバサ……

 

「なるほど、そんな事が……」

 

「今度からは、ツバサ君だけじゃなくて、私達にも頼ってね! あげはちゃん!」

 

「そうする! 正直、張り切り過ぎちゃったとこあるし……」

 

「みんなで、私達の暮らしをアゲアゲにしていきましょう!」

 

 

 

 

 

 

あげはside

 

戦いも無事に終わり、みんなで帰ろうとしたとき、フウさんが一人で何処か行こうとしたところを呼び止めた

 

「フウさん、待った」

 

「なんだ?」

 

「ごめんなさい。フウさんの過去のこととかノアさんから勝手に聞いたの」

 

「それぐらいで謝るな。俺は気にしない」

 

「いや、私が気にしちゃうからさ。ね、フウさん。これからも助けてよ」

 

「…………」

 

一緒に戦ってとは言わない。それだとフウさんからしたら嫌なことだから……だからずるいけど……助けに来てほしいと頼むことにした。

 

「…………助けるくらいならいつでも」

 

フウさんはそう言って姿を消すのであった。良かった。

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

夜、フウに呼び出されてアスが四元の力に目覚めたことを聞かされた。

 

「アスが目覚めたか」

 

「あぁ、残るは……桜空だが」

 

「桜空には四元の力は耐えられない。人の身体には大きすぎる」

 

「…………そう思うか?」

 

「どういうことだ?」

 

「奴はグーリが宿っているが、アスの地の力を扱える。それはグーリがいるからか?」

 

「まさか……いや、ましろの話ではグーリが宿る前は普通の……」

 

桜空は普通の人間のはずだ…………

 

 

 

 

 

 

 

ある深い場所にて、黒い塊の前に蛇竜はいた

 

「ライの報告では、地竜が四元の力に目覚めたそうです」

 

『四元の力……目覚めたところで四元竜は絶対に現れない』

 

「そうですね……四元……炎、地、風、そして水の力を一つにすることで現れますが……」

 

『水もそして四元の竜となる器もない』




次回はオリストです。自分が書いたハグプリのオリ主が出てきます
基本的にソラがメインになり…………
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49 ソラと正義と龍騎

今回からはオリスト。自分の書いたハグプリのオリ主が登場します


夜の街、路地裏に一人の少女がいた。少女の周りには倒れた男たちがいた。

 

「来ないで……私に……近づかないで……」

 

少女は苦しみながら、そう呟き……夜の街へと消えていく。その様子を見る白衣の男。

 

「苦しいなら耐えずに本能のままに生きれば良いのに……」

 

「お前が彼女を連れ出したのか?」

 

そんな男の元に黒髪の男……蛇竜がいた

 

「おや、別世界の危険種……いや、竜ではないですか」

 

「お前の目的はあの少女か?」

 

「えぇ、それが何か?」

 

「少し協力してやろうか?」

 

「いえいえ、結構ですよ。あなた方も彼女を手に入れたいみたいですが、彼女は私の計画に必要なので……それが達成すればいくらでも協力してもらいますよ」

 

「ほう……気がついていたか」

 

「見ていてください。私の兵隊と……彼がいますから」

 

白衣の男の後ろには何十人もの異形の人間と大太刀を持った男がいた。

 

「ふっ、ならば見届けよう」

 

蛇竜は姿を消し……

 

「さて、彼女を連れ出しましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

夜中に色々とあってか寝坊してしまった。まぁ今日は休日だから良いけど……

 

「おはよう桜空くん。今日はお寝坊さんだね」

 

「ましろ……グーリが夜中に騒いで……」

 

「人を子供みたいに……」

 

グーリは機嫌悪そうに言う中、この場にいないソラとノアの姿が気になった。

 

「ソラとノアは?」

 

「ノアさんは朝早くにフウさんが訪ねてきて、出掛けてるよ。何だか変な気配を感じたとか?ソラちゃんはこの事件について調べたいって言って……」

 

ましろがテレビに映ったニュースを指差した。昨日の深夜に暴行事件があったらしい。だけど普通の事件ではなく何だか被害者が怪物を見たとか?

 

「ランボーグ?」

 

「いえ、ランボーグではないみたいですよ。朝方友達の梟が来て、話してました」

 

ツバサ……梟まで友達なのか……

 

「それにしてもフウさんとノアさんの気になることって……竜関係?アスちゃんはいかなくて良いの?」

 

確かに二人が出掛けているのを考えると竜関係になるだろうし、グーリが騒いだ件を合わせると余計に……でもアスは残ってエルちゃんのお世話をしている

 

「うーん、確かに感じだけど……特にヤバイ感じはしなかったし……二人に任せた!」

 

ヤバイ感じはしないか…………

気になりつつましろが入れてくれたコーヒーを飲む僕であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ソラside

 

うーん、怪物騒ぎを聞いて何故かヒーローとして動くべきと判断しましたが……街は平和だった。

 

「仕方ありません。少し街を見て帰りましょう」

 

私はそう言って帰ろうとしたとき、ふと歩道橋の階段を上るお婆さんが目に入った。何だか危ない感じがしたと思っているとお婆さんが階段を踏み外し、落ちそうになった。私は急いで助けに入ると

 

「「大丈夫(か)?」」

 

見知らぬ少年と同時にお婆さんを助けていた。私とその人は一緒にお婆さんを向こうの道に送ると……

 

「あの、貴方は?」

 

「ん?俺はミナトだ」

 

「ミナトさん……私はソラ・ハレワタールです。ミナトさん、咄嗟にお婆さんを助けに入るあの身のこなし……貴方もヒーローですか?」

 

思わずそう聞くとミナトさんは少し不思議そうな顔をしていた

 

「ヒーロー……か。まぁ似たようなものだな」

 

「私もヒーローを目指しています!何だか貴方とは気が合いそうですね!ミナトさんはこの街の人ですか?」

 

「いや、ちょっと仲間……友達と用があって来てな……人探しをしている」

 

「なるほど……では手伝います!」

 

「何でそうなるんだよ……」

 

「困っているならヒーローとして手を差し伸べます!どんな感じの人なんですか?」

 

「…………いや、大丈夫だ」

 

ミナトさんはそう言って何処かへと去っていく。あの人……本当に不思議な人……何だか竹刀袋みたいなものを持ち歩いていますが……また会える気がする

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

フウと共に街であるものを探していた。だが見つからない

 

「フウ、見つかったか?」

 

「いや、見つからない……どうにも気配を感じ取れない」

 

「竜であり、竜ではない気配……何なんだ?」

 

「分からないが……調べるべきだ」

 

フウはそう言うが……竜の気配も俺たちとは違う気がする……何なんだ?

 

 

 

 

 

 

 

ソラside

 

やはりミナトさんの事が気になり、ミナトさんを探す私。一体どこに行ったのだろうか?

 

「そろそろ日が……仕方ありません」

 

今日はずっと街にいたからかきっとましろさんたちも心配しているはず。早く帰らないと思っていると……

 

「いやぁぁぁぁぁ!!?」

 

突然悲鳴が聞こえ、私は悲鳴が聞こえた方へと向かった。

 

 

 

 

 

建物と建物の間の道を入り、少し進んでいくとそこには倒れた白髪の少女とその前には尻餅をつき怯える白衣の男と……刀を向ける……ミナトさんがいた

 

「わ、悪かった。見逃してくれ」

 

「見逃すと思っているのか?」

 

ミナトさんは怯えた男に刀を振りかざした。私は咄嗟に止めに入る

 

「何をしているんですか!」

 

私の声に気がつき、ミナトさんは振り返った。その隙に白衣の男は逃げ出した。

 

「ちっ、逃がすか!」

 

「動かないでください!」

 

白衣の男を追いかけようとするミナトさんの前に立ち塞がる私。この人はヒーローだと思っていたのに……

 

「ソラ、邪魔をするな。いや、こっちの問題なのに首を突っ込むな」

 

「いいえ、貴方は怯えている人を容赦なく切ろうとしていました。そんなのヒーローのやることではありません!」

 

私はそう訴えかけると、ミナトさんはため息をつき、刀を鞘に納めた

 

「ヒーローか……悪いがお前の言うヒーローはどんな奴でも助けるのか?」

 

「はい!それがヒーローとしての役割です」

 

「助けたやつがとんでもない悪人でもか?今は真面目にやっているが過去に悪事を働いたやつでもか?」

 

「どう言うことです?」

 

「人の恨みや憎しみは消えないんだよ。そいつがどんなにまともになっても……な」

 

「それでも……許すのがヒーローです!」

 

「そうか……どう合っても動くつもりはないなら……先ずはお前のヒーロー像……いや、お前の正義と俺の正義……ぶつかるしかないな」

 

ミナトさんが拳を構え、私も構えた。

 




ミナトのキャラ紹介は次回!
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50 ソラVSミナト

書いててハグプリのオリキャラだけではなく、まほプリとキラプリのオリキャラとアカメが斬るのキャラも登場させることにしました


ソラside

 

ミナトさんと戦う私。私はパンチを繰り出すがミナトさんは私の腕を掴みパンチを止めた。その瞬間私は軽く跳び、蹴りを放つがミナトさんはそれを防ぎ、私の腕を掴んだまま投げ飛ばした。私は何とか着地をし、構える。

 

「鍛えているみたいだが、真っ直ぐ過ぎるな」

 

「良く言われます……」

 

ミナトさんとの攻防は何回か繰り返しているが、私の攻撃はミナトさんに全て防がれている。ミナトさんの攻撃は何とか防いでるが……一発が重い……それに時折急所を狙ってくることもあり、それに対応するだけでもかなり神経を使う……

 

『ソラ、お前は武術の才はあるが、真っ直ぐ過ぎる』

 

今になってノアの言葉を思い出した。スカイランドで特訓をしていたとき、ノアに言われた

 

『真っ直ぐ?フェイントを入れてますよ』

 

『そういうことじゃない。戦う際、ただ真っ直ぐに相手と戦うだけじゃ勝てないことがある』

 

『と言うと……煽ったりとかですか?私にはとてもそう言うことは……』

 

『それも一つの手だが……ブラフを入れたりとかもな』

 

『ブラフですか?』

 

『相手にその攻撃は使わないと思わせておいて、土壇場で使うとかな……まぁお前らしいやり方でいい』

 

本当にこんなときにあの時の事を思い出すなんて……ブラフを張る……今更張っても仕方ない……あとは挑発をするとしたら…………苦手ですが……

 

「刀を使わないのですか?」

 

「どうしてだ?」

 

「貴方は確かに強いですが……格闘戦よりも刀を使った戦いの方が強いと思います」

 

これは挑発……ミナトさんは明らかに格闘戦に慣れている。もしもこの挑発に乗り、刀を使えば……ほんの小さな隙を狙えるはず…………

 

「…………悪いが刀は使わない。これを使えばお前との戦いは殺し合いになるだけだ」

 

「殺し合い……貴方は………」

 

「俺はそういう戦いをしてきた」

 

「…………分かりません。何故殺し合うのか……一度悪事を働いた人を殺すと言うことは……やり直す機会を与えない……ましてやその人にも家族が……」

 

「それがどうした?その悪人は……人を殺し、殺された家族を悲しませる」

 

「だからと言ってそれではただの繰り返しにしかなりません!それに命を奪うことは……」

 

「背負う覚悟くらい……とっくにしている!」

 

気がつくとミナトさんは目の前にいて、私の胸を殴った。

 

「かはっ!?」

 

殴られた衝撃で倒れそうになったが、何とか耐えきるが……気がつくとミナトさんの踵落としが頭に直撃し、私は倒れた

 

「悪いが……少し本気を出した。ソラ、お前の正義は…………」

 

「わ…たしは……ヒーローと……して……」

 

気を失うわけにはいかない。私は……まだ……でも……立てない

 

「諦めの悪いやつだな」

 

ミナトさんが私に近寄ってきた瞬間、突然上から誰かが降ってきた。

 

「ソラに何をしている!」

 

それは炎を纏ったノアだった。ノアは炎の拳をミナトさんに繰り出していく。ミナトさんは避けていくと……

 

「風よ切り裂け!」

 

今度は風の刃がミナトさんを襲う。ミナトさんは後ろに下がると……石が降り注ぎ、ミナトさんは更に下がる

 

「何か偉いことになってるけど……今度は私たちが相手だよ」

 

ノアだけではなく、フウさん、アスさんが駆け付けてきた。更には桜空さんがミナトさんの後ろに回り込み、氷の刃を首筋に当てていた。

 

「状況は分からないけど……ソラをこれ以上痛め付けるなら……」

 

「ソラちゃん!」

 

「プ…リズム…ウィング…バタフライ…」

 

プリズムたちも駆け付けてきた。プリズムは私を心配そうに抱き抱え、ウィングとバタフライはミナトさんをノアたちと一緒に取り囲んだ。

 

「今度は僕らが相手です!」

 

「一人相手に多人数で卑怯とか言わないよね?」

 

「なるほどな…プリキュアか。だとしたらソラもプリキュアとなるな」

 

ミナトさんは取り囲まれても冷静でいた。この人数相手に怯まないなんて……

 

「とりあえず……」

 

ミナトさんは後ろを向くと同時に桜空さんを蹴り飛ばした。

 

「なっ!?」

 

「殺気が感じられないから先に狙わせてもらうぞ」

 

「くっ、氷弾!」

 

桜空は氷の塊をミナトさんに飛ばすがミナトさんは刀を抜き、全部弾き落とした。

 

「氷使いには嫌な思い出があるんだよ……だけど……いや、あの人と比べるのは止めとこう」

 

「一人で納得……」

 

「やめろ!桜空!」

 

殴りかかろうとした桜空さんをノアが止めた。桜空さんは止まるとノアはミナトさんの刀を睨んだ

 

「その刀……危険すぎるな」

 

「良い勘だ。この刀も危険だが……刀を抜けば俺は更に強くなる」

 

ノアとミナトさんが睨みあっている。私は何とか立ち上り……

 

「ミナトさん……まだ私は…………」

 

「ストップ!」

 

一触即発の状況の中、上から誰かが降ってきた。その人は私たちと同じ年くらいの男の子で、コートに変わった形の剣を持っていた。

 

「陽斗。それに……」

 

遅れて鬼のような鎧を纏った人が現れた

 

「楽しそうだな。俺も混ぜ……」

 

「そういう状況じゃないから!クロト!ちょっとこっちの話を聞いてほしいんだけど……ダメかな?」

 

陽斗と言う人は私たちの間に入り、一触即発の状況だった空気を変えた。

 

「話は聞くが、こっちはソラをボコボコにされているんだ」

 

「ミナト……何で喧嘩してるんだよ!」

 

「先に手を出したのは向こうだ」

 

た、確かに手を出したのは私ですが……

 

「色々と話す前に、そこの子を安全な場所に連れていきたいんです。あともう一人仲間がいて、その人もいるんで……」

 

とりあえず陽斗さんの話を聞くことになり、私たちは気絶した少女を連れて虹ヶ丘家に戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

ミナトside

 

ソラたちの家に向かう途中、鎧を解除したクロトが話しかけてきた。

 

「珍しいな。お前があそこまでボコボコにするなんて」

 

「少し……苛ついてな」

 

「苛つくか」

 

ソラのヒーローと言う言葉を聞いてどうにもイラついて仕方ない。このままいればアイツが自分で自分を潰しかねない。

 

「本当に……苛つく」

 

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

家に戻るとヨヨさんとヨヨさんに抱かれたエルちゃんが出迎えてくれた。そう言えばミナトさんたちの事を説明しないと……

 

「話は聞いてるわ。それと彼らの友達もいるわよ」

 

ヨヨさん……いや、ミラーパットで様子を見ていたのかもしれないけど……何でそう状況を理解しているのか不思議でしょうがない

 

リビングに入るとソファーにはポニーテールの女の子がいた。

 

「ミナト……」

 

女の子はミナトさんのことを見て、頬笑み……顔面にパンチを喰らわした。

 

「あんたね……善良な女の子をボコボコにするのどうかと思うわよ!」

 

「つぅ……」

 

「本当にごめんなさい。ミナトに変わって謝ります」

 

「いえ……」

 

ソラは……怪我はミックスパレットで治療したけど、何だか落ち込んでいる。ボコボコにされたから?

 

「私はセリューって言います。とりあえずその子を寝かせてもらって良いでしょうか?」

 

セリューさんの言う通りに気絶した少女をとりあえず空いている部屋に寝かせ、改めて話を聞くことにした。

 

 

 

お互いに自己紹介し、ミナトさん、セリューさん、鎧を纏っていたクロトさん、止めに入った腕輪を着けた陽斗。この四人が寝ている女の子との関係を話した。

 

「まず……私とミナト、クロト、陽斗の両親はこことは違う世界からきた人間です」

 

「陽斗は違うけど、両親は異世界から?」

 

「うん、今はもういないけど……僕らはそれぞれ違う街でプリキュアと一緒に戦っていたんだ」

 

この人たちも……紫乃と同じようにプリキュアと……

 

「それぞれの戦いが終わり、私とミナトは今はなんでも屋みたいなことをしていたんですけど、ある日元の世界の仲間から連絡があって……彼女を保護してほしいと頼まれました」

 

「保護するために……でもそれでソラちゃんと何で喧嘩を?」

 

ましろがミナトさんの事を見てそう聞くと……

 

「あの寝ている奴は元々悪い奴に捕まっていたんだよ。その悪い奴から逃げてこの世界に来たんだ」

 

「私たちは情報を集めつつ、敵の戦力を考え、色々とあって知り合った陽斗と昔の同僚のクロトにも協力を頼んだんだけど……本当に何で喧嘩なんて」

 

「先に仕掛けてきたのはそっちだ。そもそもソラが止めに入らなければ敵を逃がすことはなかった」

 

「…………だからと言って殺そうとするのはどうかと思います」

 

『殺そうと!?』

 

僕、ましろ、つばさ、あげは姉が同時に驚いてしまった。だからソラは……

 

「その事については……その……理解してもらうのは難しいですけど……陽斗以外の私たちはそういう戦いをしていたので……沢山の覚悟をしています」

 

殺す覚悟……って事だよな?僕には分からない……いや、分かりたくないけど……かなり重いよな……それって……

 

「お互い理解しあえない事がある。そう理解してください」

 

セリューさんは申し訳なさそうに言う中、ノアはあることを聞いた

 

「色々と言いたいことがあるが……俺やフウが一日中調べていたことと関係がある事について聞くが……お前らが保護した女……奴は何者だ?」

 

「彼女からは人とは違うものを感じる……それも俺たちと近いもの……彼女は竜なのか?」

 

あの女の子が竜?もしかして昨日グーリが言っていた……

 

「……彼女は竜であり、人です」

 

「どう言うことだ?」

 

「あいつは俺たちの世界で危険種と呼ばれる魔獣……大昔に存在した竜。レガオン・ドラゴンと人間の間に生れた子供の子孫だ」

 

 

 




キャラ紹介

ミナト・ユウ

ハグプリのオリキャラ。アカメが斬るの世界からプリキュアの世界に転移した人物。転移した際に野々はなと出会い、共に戦うことになった。
圧政を強いる帝国から市民を救うため、殺し屋集団『ナイトレイド』に属していた。元々は帝国の警備隊だが、ある事件を切っ掛けに警備隊を抜け、ナイトレイドに入った。
悪人には容赦ない。プリキュアたちと共に行動していき、愛崎えみる、ルールー、野々はなに好意を抱かれ、えみると恋人(現在は婚約者)となる
使っている武器は最終決戦で受け継いだ帝具『一斬必殺の村雨』斬られれば最後死に至る呪毒が刃にある武器を今は使っているが……

セリュー

アカメが斬る本編のキャラ。悪には容赦なく、悪人と一緒に行動していた人間すら容赦なく殺す帝国軍人
ミナトとは警備隊の時の同僚。ミナトとある約束をしてからはアカメが斬る本編と違い、少しキャラが変わった人物。悪に対して考えることに……

ハグプリ組はこんな感じで残り二人は次回

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51 もしも自分なら

今回のオリストは結構長くなるかも……本編に戻れるように頑張ります


桜空side

 

保護した少女。竜と人が交わった子の子孫……そう話を聞いたけど、なんと言うかそこまで驚きはなかった。理由としてはノアたちから前に聞いてたから、個人的には本当にそういうことがあるのか~って感じだった。

とりあえず少女は暫くは虹ヶ丘家で様子を見ることになり、ミナトたちはフウの家にいることになった。

 

僕は眠れず、リビングのソファーで一人考え込んでいた。それはある問題について……

 

問題は僕らとミナトたちの価値観の問題。悪人は絶対に許さないか許すかの違い……

ソラ、ましろ、ツバサ、あげは姉はミナトたちのやり方に関して反対。ノアたち竜たちは場合によるらしい。その場合は何のときなのかは教えてくれなかったが、フウさんが嫌うことらしい。

僕は…………僕は分からない……

人を傷つけるような悪人をぶっとばすことはするけど、命を奪うまではしたくない。だけどもし、もし……ましろを傷つけられたりしたら……いや、ソラたちの時も……多分僕は…………

 

「難しいな……」

 

「何が?」

 

「えぅ?」

 

気が付くとましろがエルちゃんを抱いて後ろにいた。ましろはエルちゃんを抱いたまま僕の隣に座った。

 

「それで何が難しいの?」

 

「自分だったらの話」

 

「もしかしてミナトさんたちの……」

 

「ましろたちみたいに命を奪うことまでって言う事は僕も分かる。僕だってしたくない。だけど……もしもましろやソラたちが傷つけられたりしたら……って思うと…………何か黒いモヤモヤが出てきてな……」

 

「桜空くん……」

 

「謝って済む話なら色々と楽なんだろうけど……」

 

「それは……難しいね……ソラちゃんも今、悩んでるみたい」

 

「そうなのか?」

 

「確かに今回のはソラちゃんは否定してる。だけど……ミナトさんたちの世界ではって考えると……」

 

「認めたらソラのヒーロー像は間違っていることになるかもしれない。でもミナトさんたちの正義を否定することは本当に正しいのか…………」

 

「だから悩んでるみたい……自分はどうするべきかって……」

 

本当に難しいよな…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜の廃ビル……そこには白衣の男と大太刀の男がいた。

 

「もう少しで手に入れられたのに」

 

「仕方あるまい。妨害を受けたのだ」

 

「お前がいなかったのが……いや、別れて行動した俺が悪いが……」

 

次はどうするか悩んでいる男。するとそこに蛇竜が現れた

 

「どうやら困っているみたいだな」

 

「お前か……」

 

「力を貸そう。勿論対価は貰うがな」

 

「仕方ない……対価は何を払えば良い?」

 

「お前たちが狙っている少女の身体の一部だ。髪でも皮膚でも良い」

 

「それぐらいなら良いだろう。お前には死体をくれてやる。あの女の血が必要なだけだからな」

 

「交渉成立だな。バッタモンダー」

 

蛇竜が呼ぶと痩せた男が現れた。

 

「僕は別に君たちの仲間ではなく協力者なんだけどな~でも、プリキュアを排除することが出来るんだね」

 

「あぁ、こいつらの目的が達成すればな。勿論、お前一人が動くだけではない。こちら側も戦力を出そう」

 

気が付くといつの間にかフード姿の竜が現れた

 

「動く時は……プリキュアたちが少女を連れて街に出たときだ。それはお前たちがやれ」

 

蛇竜が白衣の男に命じると白衣の男は笑みを浮かべた。

 

「それは任せろ。あの少女……俺を助けた少女を利用する」

 

 

 

 

 

 

 

 

ソラside

 

早朝、私は一人で走っていた。昨日の夜、ずっと考えていたが……答えが見つからない

 

「私は……」

 

ミナトさんたちのやり方を……正義を認めて良いのか?だけど……

 

「難しいです……」

 

前にシャララ隊長と話したことを思い出した。

 

『正しい事を最後までやり抜く。それがヒーロー。ソラ、君の言う通りだ。でも、だからこそ、正しいとは何なのか、ヒーローは考え続けなければいけない』

 

「ヒーローは考え続けなければいけない……か」

 

私は…………どうしたら良いのだろう?

 

「あの……」

 

そんなとき、不意に声をかけられ振り向くと、そこには昨日の白衣の……私は咄嗟に身構えると……男は慌てていた

 

「警戒……しますよね。彼女を拐おうとしたのですから」

 

「拐おうとした?貴方は彼女を閉じ込めて、逃げ出したから捕まえようと……」

 

「そんなことありません。俺はただ彼女を助けようとしただけです」

 

「どう言うことですか?」

 

「改めて自己紹介を……俺はヘルト。研究者です。彼女が竜と人のハーフの子孫と言うことは?」

 

「聞いてます」

 

「そんな彼女を俺は助けたいのです」

 

助けたい?でも聞いている話とは……

 

「彼女の竜の力を取り除くために研究をしていたのです。確かに閉じ込めていましたが…………彼女を救うために仕方なかったのです」

 

「………………」

 

「信じてもらうのは難しいですね。ですがこれだけは言っておきます。俺を襲った男は悪人ですよ」

 

「…………それは」

 

「彼女は今は?」

 

「まだ眠っています……」

 

「では目覚めたらこの場所に…………」

 

ヘルトはそう言って姿を消した。私は…………

 

 




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52 どうしたいか

ソラside

 

ヘルトと別れたあと私はどうしたら良いのか迷いながら家に帰ると桜空さんの鍛練をミナトさんが見ていた。

 

「氷の塊を飛ばすのと氷の刃を作るのと拳に氷を纏わせるか」

 

「後は竜の力としては氷の翼で飛ぶことが出来るけど……」

 

「まぁ普通はそんなもんだよな」

 

「なんじゃ、我の力を普通と言うのか?」

 

グーリさんが出て、ミナトさんの発言に怒るけど……ミナトさんは遠い目をして……

 

「発想力が凄すぎるからか……氷の騎兵を作り出したり、国全体に猛吹雪を起こしたり、時間を凍らせるって感覚で時を止めたりする氷使いの奴がいて……」

 

「……化け物か何かか?」

 

「どんな頭をしているんだよ……」

 

「まぁそのせいか氷使いはそんな感じのイメージがついてな……後はまぁ氷の塊を飛ばす技を進化させてもいいかもな。塊じゃなく武器を作り出してとか」

 

「なるほど……」

 

「後は凍らせるのも出来るんじゃないか?」

 

「うーん、ちょっと考えてみるか」

 

「それにしても殺し屋に戦い方を教わるのはどうかと思うがな」

 

「まぁそう思われても仕方ないか……ただこれだけは覚えてほしい……俺たちのやり方で救われるものがいるって事を……」

 

「……救われるか……多分だけどソラはそれでも……」

 

「分かってるよ。ソラはそこまでしたくないって、ただもしも自分の正義で後悔したりしたら、アイツは潰れるかもしれないって……」

 

「正義に潰される……」

 

正義に……潰される……確かにそうかもしれない。もしかしたらそうなるかもしれない……ミナトさんはもしかして……私にそうなって欲しくないから?

 

「ヒーローと言うのはそれだけ大変だったりするしな」

 

私は……私は……

 

「ミナトさん……」

 

私はミナトさんたちの前に出た。そして告げた自分のヒーローとしての思いを……

 

「私は……どんな悪人でも見逃します。ただこれから先、見逃した人が悪いことをしたとしても……私は戦います……」

 

「その悪人とやらが反省することを願ってか?」

 

「はい……」

 

「もしもその悪人がお前の友達や家族……大切な人を傷つけようとしてもか?」

 

「その前に止めてみせます!」

 

「……後悔は?」

 

「しません!」

 

私の宣言を聞いて、ミナトさんは少し笑った。

 

「そうか……じゃあ頑張れよ」

 

「はい!」

 

ミナトさんは満足そうにしている。私の答えを聞いたからなのかもしれない。

あとそうだ……

 

「実はさっき……」

 

私はヘルトと遭遇し、目的と彼女を返してほしいと言われたことを話した

 

「なるほどな……」

 

「正直……信じていいか迷っています」

 

「いや、明らかに罠だろ」

 

桜空さんの言う通り、罠の可能性がものすごく高い。でも本当に彼女の竜の力を……

 

「ソラ……お前はどうしたい?」

 

「え?」

 

「今回の件は俺たちが持ち込み、お前たちを巻き込んだ。だけどあの子の事はお前の判断に任せたいと思っている」

 

「何故ですか?」

 

「お前ならいい答えを見つけられそうだと思ってな」

 

私なら……しばらく考え、私は答えを出した。

 

「あの子が起きたときに、あの子に選ばせたいです。あの子の処遇を私たちが決めるより本人に委ねた方が……」

 

「分かった。今回の件はお前に任せるけど……まぁいいか」

 

そう……あの子がそうしたいと思うなら……私は……

そんな話をしているとましろさんが家から出てきた。

 

「ソラちゃん!あの子が起きたよ」

 

 

 

 

 

 

 

彼女が眠る部屋に行くが、何故か彼女はミナトさんを見て怯えた。ミナトさんは気を遣い、ヘルトの捜索に行った。とりあえず私、ましろさん、ノア、桜空さん、アスさん、フウさんで話を聞くことに……

 

「ごめんなさい。あの人が私を助けてくれたのは分かっているのですが……何だか似た気配を感じて……」

 

「似た気配ですか?」

 

「はい……私と……そちらの方々はそれなりに平気なのですが……」

 

彼女はノア、桜空さん、アスさん、フウさんを見てそう言った。似た気配?竜の?でもミナトさんは……うーん……

とりあえず彼女の話を詳しく聞くことに……名前はリユウ。ミナトさんたちがいた世界の住人だけど、自分の中の竜の力に目覚めてからは、住んでいた村を離れたらしい。理由としてはもしかしたら村に迷惑をかけてしまうかもしれないからだ。

一人旅をしているときに、ヘルトに捕まり、自分の中の竜の力を奪おうとしていた。何とか自力で脱出をしたが、捕まっていた場所にあった変な機械が作り出した穴に吸い込まれてこの世界に来たらしい

 

「私は……確かに竜の力を無くせるならそれでいいと思ってましたが……あの白衣の男なら嫌なものを感じて……」

 

「そうなんですね……」

 

それからはソラシド市に来てから逃げてはいたけど、ヘルトに見つかったが……ミナトさんに助けられたと……

 

「私はこれからどうなるのでしょうか?」

 

どうなるのか…か。ミナトさんたちと一緒に行けば、多分リユウさんは穏やかな日常を……でも身に宿した竜の力が暴走するかもしれない……

ヘルトに奪われれば…………

 

「リユウさん……どうしたいですか?」

 

「え?」

 

「これから先の事はリユウさんが決めるべきです。私はそのお手伝いをしたいです」

 

「私もソラちゃんと同じように手伝いたい」

 

ましろさんも私と同じ気持ちだった。そして桜空さん、ノアも……アスさんもフウさんは…………あれ?いつの間にかいなくなってる?

 

「私が決める…………竜の力については……元の世界に戻ってから考えます……その前に……この街を見て回りたいです」

 

「分かりました!では……」

 

「いいのか?ミナトが止めるかもしれないぞ」

 

ノアの言う通りだ。止められるかもしれないけど…………アスさんは笑顔で答えた

 

「多分フウが今、彼の気を引いてるからいける!」

 

今のうちにという事ですね……私たちは街へと行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

ミナトside

 

彼女……リユウとの話し合いはまだ続いているのかと思いつつ、外で待っていると……

 

「まだ話は続いてるぞ」

 

「お前は……フウか」

 

風の竜らしいけど、人の姿になっているとか……まぁそこまで驚きはないというか……

 

「リユウがお前を警戒している」

 

「それが?」

 

「そして俺たちも……お前からは竜の気配を感じる。それもリユウと同じものが……」

 

フウから殺気が感じ始めた。警戒から妙な動きをしたらやられる可能性があるということか……

 

「…………」

 

さて、どう答えるべきか……とりあえず……

 

「説明は後にして、こいつら片付けないか?」

 

家の周辺から感じる殺気……見張っていたがフウが殺気を出した瞬間、見張りがこちらに向けて殺気を出し始めた。

 

「いいだろう。こちらは任せてもらう代わりにお前の仲間を借りるぞ」

 

「分かった」

 

フウはそう言うと、竜の角を生やし空へと浮かび上がり、周辺にいる奴らを風で包み込み、フウの家の近くにある山へと吹き飛ばした。

 

「竜に似た兵士か」

 

「ヘルトの奴が作ったみたいだな」

 

フウに竜の兵を任せ、俺はソラたちに注意をするように言いにリユウの部屋に行くのであった




何か雑になってきてしまった……
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53 ヘルトの計画

ソラside

 

リユウさんを連れて私たちは街へと出ていた。ミナトさんたちには言わずにやったことは正直申し訳ないですが…………

 

「ソラちゃん、大丈夫?」

 

「はい?」

 

「リユウさんを連れ出したこと……怒られちゃうって思ってる?」

 

ましろさんは本当に鋭いというか……

 

「怒られるときは私たちも一緒にだよ」

 

「そうですね。ソラさん一人で責任を取る必要はないですよ」

 

「大丈夫大丈夫。ちゃんと理由も話せば分かってくれるから」

 

ツバサくんもあげはさんもそう言ってくれるからか、少し安堵する私。すると桜空さんがあることに気がついた。

 

「リユウ、調子悪いのか?」

 

「え、あ……大丈夫……です」

 

リユウさんはそう言うが、本当に調子が悪そうだった。もしかして……無理に連れてきたから?慌てていると……ノアがリユウの額に触れた

 

「え、あの……」

 

「ゆっくり深呼吸しろ」

 

「は、はい……」

 

顔色が悪かったリユウさんだったが、直ぐに元に戻った

 

「竜の力を無理に押さえ込めば、身体に負担が出る」

 

「は、はい」

 

「ノア?」

 

「どうにもリユウの体質的には竜の力は押さえ込められないみたいだな」

 

「でもそれなら……」

 

桜空さんが思っていることは何となくわかる。体質が合わないなら……暴走とかするのでは?

 

「もしかしたら何度か押さえきれなかったことがあったのか?」

 

「は、はい……元の世界で一度……こちらでも仕掛けましたが……その…絡んできた人を……」

 

発散したら落ち着いたと言うことでしょうか?

 

「また前兆があったら、ゆっくり呼吸を落ち着かせろ。そうすれば落ち着く」

 

「分かりました」

 

ノアも気にかけているけど、あれでも……いや、体質の問題ですよね。

 

「おや、こんなところで会うなんて…奇遇だね」

 

不意に聞き覚えのある声が聞こえ、私たちは身構えると電灯の上にバッタモンダーがいた

 

「ここで会ったのも偶然ということで……カモン!アンダーグエナジー!」

 

バッタモンダーが落ちていた蜥蜴の縫いぐるみからランボーグを生み出した。

 

「リユウさん、下がっていてください!」

 

「ソラ……」

 

「ヒーローの出番です!」

 

「「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「ウイング!」

 

「バタフライ!」

 

「「「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「あげて広がるワンダホー!キュアバタフライ!」

 

「「「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」

 

私たちはプリキュアに変身し、ノアたちも戦闘スタイルに変わったが、バッタモンダーは不気味な笑みを浮かべた

 

「あはははは!変身してるときは無防備になると思っていたからね!」

 

どう言うこと?と思った瞬間、悲鳴が聞こえた

 

「いやぁぁぁぁぁ!?」

 

「リユウさん!」

 

後ろに避難したリユウさんを見るとそこにはリユウさんの腕を掴んだフード姿の人がいた。

 

「あいつは邪竜の!」

 

ノアがすかさず攻撃を仕掛けるが、フード姿の人はリユウさんと共に消え、さっきいた場所から少し離れた場所に移動していた。そしてそこにはヘルトと刀を持った男がいた

 

「ご苦労。さて、感謝するよ。お嬢さん」

 

「ヘルト!リユウさんを離してください!」

 

「勿論、用が済めば話しますよ」

 

ヘルトは懐から注射器を取り出した。何をする気?私は直ぐ様駆け出した

 

「リユウさんは任せてください!皆さんはランボーグを!」

 

私と一緒にノアが飛び出し、ヘルトに近づくが刀を持った男とフード姿の人に阻まれた。

 

「ふむ、中々いい度胸だが……所詮は子供!」

 

刀を持った人が刀を抜いた瞬間、切られたような衝撃が私を襲った

 

「ぐぅあ…」

 

「ソラ!くっ!」

 

ノアもフード姿の人に吹き飛ばされる。

 

「さて、名乗ろう。我が名はイル。そしてこの刀は皇具『衝天』斬り傷をつけられないが、代わりに切った衝撃を与える」

 

「イル。ご苦労様。さて…」

 

「うぁ…」

 

ヘルトは注射器をリユウさんの首筋に射し、血を抜き取り、そのまま突きとばし、抜き取った血を小瓶二つに分けた

 

「報酬の竜の血だ」

 

小瓶の一つをフード姿の人に渡し、フード姿の人は姿を消し、ヘルトは残った小瓶の血を更に取り出した瓶に入れ混ぜ合わせ、その液体を飲み干した

 

「これで…これで!手にはいった!俺が欲した竜の力!」

 

ヘルトの姿はみるみる内に変わり、頭には巨大な角、両腕は赤黒くなり、両手は鋭い爪を伸ばし、背中から赤黒い翼と尻尾を生やした姿に変わった

 

「まるで竜だな」

 

「その通りだ!俺は竜へと変わった!この力ならこの世界を!あの世界を支配できる!」

 

「支配……」

 

私は倒れたリユウさんを抱き抱えながら聞くと……ヘルトは答えた

 

「そうだ!我が師……ハイトは悲しみも、憎しみも、辛さも無くそうと大昔に戻り、歴史を変えようとしたが……俺はそうはしない!ありとあらゆる世界を支配し、俺が君臨する!」

 

「いやはや、中々素晴らしい計画だね」

 

バッタモンダーはヘルトの言葉を聞き、拍手をしていた。そんなこと……させない!

私はヘルトに向かっていこうとするが、その前に10体の竜を模した兵が現れた。私は兵を殴ろうとしたが……

 

「止めておけ。その兵は元は人だぞ」

 

それを聞いた瞬間、私は拳を止めた。そして兵たちに殴り飛ばされる

 

「くぅ……」

 

「ソラ!躊躇するな!」

 

ノアがそう言うが……でも……

 

「攻撃力に特化した兵たちだけど、脆いからな~殴ったら死んじゃうかもね」

 

私には……

 

「あぁ、そうだ。君には感謝するよ」

 

「感謝?」

 

「その小娘はもっと早く手に入った筈だけど……あの男に邪魔されてね……おまけに殺されそうになったけど、君が助けてくれたお陰で、こうして俺の計画は達成する」

 

「私の……」

 

「正義感強い君のお陰だよ。ヒーローごっこも案外役立つんだな」

 

「スカイ!聞かないで!」

 

プリズムの声が聞こえるけど……でも……

 

「おっと、そう言えば……その小娘……モルモットは処分しないとね。竜兵……やれ!」

 

倒れたリユウさんに竜兵たちが群がり始める。私は……助けないと……でも……

 

「それに俺の頼みは聞かなかったが、お前が連れ出したお陰で、計画は上手くいった。ありがとう。正義感強いヒーローごっこを楽しんだ……ガキが!」

 

私は……私が……私が……あの時……

 

 

 

 

 

 

 

座り込む私……リユウさんを助けられない……私のせいで……リユウさんを……

頭の中に後悔が渦まくる中、リユウさんに群がっていた竜兵5人が切り裂かれた

 

「たくっ、何をしてるんだ。ソラ!」

 

リユウさんの前には刀を抜いたミナトさんがいた。

 

「ミナト……さん……」

 

「色々と言いたいが……お前は何をしてるんだ?」

 

「私は……私のせいで……リユウさんが……それにヘルトの計画が……」

 

「そうだな。手後れみたいだな」

 

「私のせいです……私がやろうとしたことが……結果的に……私は……ヒーローしっ……いたっ!?」

 

言いかけた瞬間、私はミナトさんに頭をチョップされた。ミナトさんはため息をつき……

 

「後悔しないんだろ」

 

「あ……」

 

私は……後悔しようとしていた。そうだ……後悔しないって決めたのに……

 

「それに手後れでもまだ何とでもなる!先ずはあの竜兵とやらを切る!」

 

「で、でもあれは……」

 

「元は人間とか言われたんだろ……だけど、嘘だな」

 

「え?」

 

「こっちの世界に来る前にヘルトの資料を見たが、あれは人工的に作られた存在らしい」

 

「そうだったんですか!?」

 

「だから……あれに関しては任せろ!」

 

「…………」

 

「ヘルトとあの大太刀をもった奴はお前に合わせる!」

 

 

 




オリキャラ紹介

ヘルト

謎の研究者。正体はミナトが戦ったオリジナルラスボスのハイトの弟子。ハイトの目的は帝国による民たちの絶望を無くすために過去に戻りやり直そうとしていた。そのためにハグプリの敵であるクライアス社と手を組んだが、最終的にミナトによって野望ごと打ち砕かれた。ヘルトはハイトの遺志を継がず、世界を支配することにし、そのために強力な竜の力を得ようとした。

次回でオリスト終わりです
今回はソラは立ち上がりましたが……
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54 龍騎と近づく悲劇

今回でオリスト終わり


ソラside

 

ミナトさんの強さを再認識した。いや、最初に会った日の夜に戦ったときに、ミナトさんの強さを知っていたけど……それでもこの人は……強すぎる

 

「ば、馬鹿な……竜兵の強さはかなりのものにしたはずなのに……」

 

ミナトさんは襲いかかる竜兵を全て一撃で仕留めていた。それも全部急所を狙ってだ。

 

「人工的に作られた存在みたいだからって、急所も人と同じ様にする必要はないだろうに……」

 

ミナトさんは刀を構えながら呆れた顔をしていた。

 

「ぐ、ぐぬぅぅ……イル!お前の出番だ!俺は」

 

ヘルトは大きく飛び上がり、プリズムたちと戦っているランボーグに並び立った

 

「任された以上は……貴様を討ち取らせてもらう」

 

「ミナトさん……この人は強いですから……」

 

「そうみたいだな」

 

ミナトさんはゆっくりとイルに向かって歩き出した。

 

「ほう、自ら切られに来たか……その覚悟は良し!」

 

イルが大太刀を振り落とす中、ミナトさんは避けようとも防ごうともせずに直撃を食らう

 

「ミナトさん!?」

 

あの大太刀は斬ることは出来ないが、その痛みを相手に与える。ミナトさんには今、斬られた衝撃が……

 

「その程度か」

 

「なっ!?」

 

ミナトさんは平気そうにしていた。どうして?直撃を受けたのに?

よく目を凝らすとミナトさんの身体を包み込む白いオーラが見えた

 

「そのオーラは……?」

 

「愛の奇跡。前に使っていた帝具が残してくれた力。身体能力を限界まで上げる事が出来る。この状態から更に力を上げることを出来るけど、今回は使わない」

 

「身体能力あげた程度で無傷で済むはずが……」

 

「身体能力+防御力も上げてくれているらしい。とりあえず!」

 

ミナトさんはイルの腹を思いきり殴ると、イルは吹き飛び建物の壁にめり込むのであった。

 

「さて、後は」

 

「そうですね」

 

私たちはプリズムたちの所へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

リユウを安全な場所に避難させ、俺はランボーグとヘルトの所へ行くと、ランボーグたちの攻撃に翻弄されつつある桜空たちがいた

 

「あはは、先ずはお前たちを潰せば!」

 

「やれやれ、勝てそうにないからって、弱い奴等を狙うなんて……良い趣味してるよ」

 

「あんたがそれ言う?」

 

何とか立ち上がるバタフライがバッタモンダーの言葉にツッコミをいれた。ランボーグだけならまだしも……あのヘルトは割と厄介だな

 

「ふん、口ならいくらでも言えるよな!」

 

バッタモンダーはバッタモンダーで電灯の上で調子に乗ってるが……一気にやるか?

 

「このまま片付けてやる!」

 

ヘルトは口を大きく開け、プリズムたちに向けてブレスを吐いた。

 

「桜空!」

 

「あぁ!」

 

アスは四元の力を開放し、巨大な地の盾を作り、桜空はその盾に氷を纏わせ、盾を強化し、ブレスを防ぐ。ヘルトがブレスを吐き終えると盾を崩れていき、アスは元の姿に戻った

 

「防ぐのに一気に力使っちゃった……」

 

「まずいな……またさっきのを……」

 

「次は防げないだろ」

 

もう一発ブレスを吐こうとするヘルト。ここは俺が……

 

「「ハアアアア!!!」」

 

俺がやろうとしたが、スカイとミナトの二人がヘルトの顔にキックを喰らわせ、ブレスを止めた

 

「くっ!イルを倒すとは!」

 

「後はお前だけだな。ヘルト!」

 

「プリズム、ウィング、バタフライ、桜空さん、アスさん。大丈夫ですか?」

 

「スカイ!うん、大丈夫」

 

「ですがランボーグとヘルト相手は……」

 

「かなり厄介だね……」

 

「ソラ……いや、スカイ。お前はあのランボーグと言うやつを、俺はヘルトを倒す」

 

「分かりました!」

 

「あはははは!二人増えたくらいでどうにか出来ると思ってるのか?」

 

バッタモンダーが大笑いをしてるが、ミナトは呆れた顔をしていた。

 

「お前みたいな高見の見物をして、笑ってる奴には確かに無理だろうな」

 

「あん?」

 

「と言うかそうやって自分は安全圏にいて笑ってる奴は…………弱い奴って相場が決まってる」

 

「て、てめぇ!ひぃ!?」

 

ミナトは近くにあった石をバッタモンダーに投げつけ、掠めた。

 

「五月蝿いから黙ってろ。弱虫野郎」

 

ミナトは軽く嚇しをかけ、ヘルトの方を向いた

 

「ふ、イルを倒したみたいだが、俺には勝てない!その武器では俺の身体は切ることはできない!」

 

「だろうな。だから……」

 

ミナトは手をかざし、纏っていた白いオーラが掌に集り禍禍しい剣が生み出された

 

「来い!レガオン!」

 

レガオン……リユウの先祖であり、その身に宿した力の元……レガオン・ドラゴンと同じ?

 

「この剣は愛の奇跡で作り上げたもの……オリジナルは壊されたが……こうして作れるようになった。そして能力も変わらない!奥の手!龍騎!」

 

ミナトは赤い鎧を身に纏った。その姿は竜に似ている……

 

「よ、鎧を纏ったからなんだって言うんだ!」

 

 

 

 

 

 

 

ソラside

 

私たちはランボーグと対峙する。ランボーグは尻尾を大きく振っていくが、バタフライはバリアで防ぎ、私はランボーグの顔を殴るが、ランボーグは大きく口を開け、噛もうとして来たが、すかさずウィングが私を助け、大きく開いた口にプリズムが光弾を放ち、ランボーグが仰け反った。

 

「スカイ!」

 

「はい!ひろがる!スカイパンチ!」

 

追撃にスカイパンチを喰らわせ、ランボーグが浄化された

 

「スミキッター」

 

「ミラーパット!オッケー!」

 

ランボーグを浄化し、バッタモンダーはいつの間にかいなくなっていた。後は……

 

「ヘルト……を……?」

 

ミナトさんの方を見るとミナトさんは竜の鎧を纏い、ヘルトを圧倒していた。

 

「がはっ……な、なんなんだ……その強さは……」

 

「さぁな。お前みたいに奪った力で強くなった程度に負けるつもりはないだけだ!」

 

追撃の一撃をヘルトに喰らわせ、ヘルトは元の木阿弥人の姿に戻った。

 

「殺すつもりはない。スカイと約束をしているからな……だが」

 

ミナトさんはヘルトの胸ぐらを掴み、脅しをかけた

 

「もしまた悪事を働けば……殺す」

 

「ひ、ひいいいいい!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いが終わり、リユウさんも対した怪我もなかった。ヘルトたちはミナトさんの仲間たちが先に何処かへ連れていった。

 

「元の世界に戻されるだろうな。まぁ向こうには伝言で命を奪ったりはしないように頼んでおいた」

 

「ありがとうございます。後は……」

 

リユウさんの竜の力……安定するには時間がかかるみたいで、下手すれば暴走する危険性があるらしい

 

「狂竜は怒りによって暴走するからな……安定させれば何とかできるけど……」

 

「ミナトさんがついていると言うことは?」

 

「だとしてもリユウは自由になるのに時間がかかる……どうしたものか?」

 

私とミナトさんがそんな話をしていると、ましろさんがエルちゃんを連れて何故か慌てていた

 

「あ、あの……エルちゃんがリユウさんに触れたら……こんなのが出てきて」

 

見てみるとエルちゃんは小さな宝石を持っていた。これは……

 

「ノアさんに聞いたら……竜の力の結晶らしく……リユウさんから竜の力が消えたみたいで……」

 

えっと……つまり……エルちゃんの不思議な力でどうにかなった?

 

「なんと言うか……その子もだけど……プリキュアに関わる赤ん坊は不思議な力を持ってるものなのか?」

 

ミナトさんも呆れながらそう言うのであった。

 

 

 

 

 

それからミナトさんはリユウさんを連れて、元いた街に帰っていった。ミナトさんとの出会いは私にとって考えさせられるものであったが……それでも実りあるものだった。

 

「私は後悔しないように……ヒーローとして頑張ります!ノア!一緒に頑張りましょう!」

 

「そうだな」

 

この時は知らなかった。私は……ヒーローとして最大の危機を迎えることに、そしてノアと桜空さんが……

そしてエルちゃんがリユウさんの竜の力を宿した結晶がもたらすものはなんなのか?

そして……

 

 

 

 

 

 

 

「ご苦労。狂竜の力。我々が存分に使わせてもらう」

 

「…………」

 

「先ずは……雷竜にアンダーグエナジーを宿すために……」

 

「…………」

 

「狂竜の力を奴に?いや、これは……」

 

蛇竜は今も封印された邪竜に狂竜の血を差し出し、3つの卵が邪竜から生み出された。

 

「さて、これで計画は……」

 

 

 

 




呉越龍騎 レガオン

ミナトが元々使っていた帝具。指定した部位に装着する事が出きる。ある戦いで破壊されたが、ミナトがえみると一緒に育んできた愛が奇跡を起こし、今はミナトの身体能力、回復力を上げる「愛の奇跡」として力を残している

次回からは本編に戻ります。次回のクロス回は……マジェスティ+キョーボーグ登場後になります。出るとしたら……別作品でプリキュアに変身した彼女……

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55 イチャイチャと絵本

今回から本編に戻ります


桜空side

 

ある日の事、朝の鍛練を終わらせ、リビングに行くとましろがエルちゃんに絵本を読ませていたけど、何だか疲れてる様子だった

 

「どうしたんだ?ましろ」

 

「あ、桜空くん。エルちゃんに絵本を読ませてたんだけど……読み終えたら次読んでって……」

 

せがまれていたのか。それにしても今日は朝から静かというか……

 

「他のみんなは?」

 

「ソラちゃんとノアさんはランニング。ツバサくんは飛行機を見に行って、アスちゃんはそれに付いていって、あげはちゃんはバイト。お祖母ちゃんは乗馬クラブに行ってるよ」

 

と言うことは今、家にいるの僕とましろとエルちゃんだけなのか……

 

「俺もいることを忘れてないか?」

 

「グーリをカウントするかちょっと悩んだ……」

 

とは言えましろとちょっとした二人きりになるのか……

 

「桜空くん?」

 

「あ、いや……二人きりだなって……」

 

「二人きりって///ほ、ほら、エルちゃんとグーリさんもいるし……」

 

「ま、まぁそうだけど……」

 

僕はそっとましろの手に自分の手を重ねた。ましろは少し反応を示すがいやがっている様子はなかった。

 

「その……いいの?」

 

「その……雰囲気に流されたということで……」

 

僕はそっと顔を近づけるとましろは目を閉じ……

 

「ただいま帰りました!」

 

「ツバサくんと二人きり楽しかったな~」

 

「アスさんがそれでいいのなら……」

 

「所で邪魔したか?」

 

あと少しのところでソラたちが帰ってきて、僕とましろは慌てて離れた

 

「お二人は何をしてたんですか?」

 

「あ……ソラさん……」

 

「あ~」

 

ソラ以外が察してるけど……うん、とりあえず何も言わないでくれ……

するとエルちゃんが僕とましろを指差し……

 

「ましろ、さくら、イチャイチャ」

 

「イチャイチャ?」

 

「「エルちゃん!?」」

 

 

 

 

 

 

 

色々あって、とりあえず僕らはあげは姉のバイト先のプリティホリックに来ていた。

 

「あげはさん。忙しいのに、バイトまで……無理してるんじゃないですか?」

 

「全然! 前からここでバイトしたいと思っててさ! もう、めちゃくちゃ楽しくて!」

 

「本当ですか?」

   

「アハハ! 心配し過ぎ! お母さんじゃないんだから!」

 

「それは、こっちのセリフです!」

 

あげは姉とツバサの二人がそんな話をしている中、ましろ、ソラ、アスはコスメを見て盛り上がっていた。

 

「あ! これ、新作だね!」

 

「綺麗な色ですね!」

 

「正直こういうの興味なかったし、飾るのは人がすることだからって思ってたけど……こうして見てみると面白いね。色もいいし」

 

「うん! 夏のキラキラ太陽に負けないくらい元気になれそう!」

    

「素敵な表現ですね」

 

すると一人の女性が声をかけてきた。誰だろう?店員さんみたいだけど……

 

「あ、菜摘さん!」

 

「あげはちゃんのお友達? よく、うちのお店に来てくれてるよね?」

 

「はい!」

 

「ましろんは、ここの大ファンで、それで私もよく来るようになったって感じで!」

 

「プリティホリックは、私の癒しなんです!」

 

「フフ、そうなんだ!」

 

あげは姉から話を聞くと菜摘さんはプリティホリックにバイトしている美大生で絵の勉強をしているとか。

菜摘さんはましろの表現力に関心を持ち、ある相談を持ちかけた。それは……

 

「ここ、何か物足りない気がして……プリティホリックファンのましろんさんなら、何か良いアイディアあるかなと思って……」

 

その絵は海の中の絵だった。これはこれで完成している感じに思えるけど……物足りないって?

 

「この絵、菜摘さんが?」

 

「うん」

 

「綺麗……まるで人魚が住んでそう……」

 

「人魚? それ、いいかも!」

 

菜摘さんは直ぐ様ましろの言う通りに人魚の絵を描き足すと、さっきと比べてかなり良い絵になった。

 

「すごい……短い時間で、あっという間に描いちゃうなんて……」

 

「これ、すっごくいい! 新作コスメ使ったら、人魚になれそうって感じする!」

 

「うん、ありがとう!」

 

絵が完成して嬉しそうにしている菜摘さん。すると菜摘さんはましろにあることを話した

 

「私にも、ましろんさんみたいなセンスがあったら、絵本もスイスイ描けるんだろうけど……」

 

「絵本、ですか?」

 

「あれに挑戦してるの!」

 

菜摘さんが指差した所にあったのは絵本コンテストのポスターだった。自分で絵本を描くって事か?

 

「でも、なかなか上手く描けなくて……そうだ! ましろんさんもやってみたら?」

 

「いえいえ! そんな……」

 

「へー、面白そうじゃん、ましろん!」

 

「ええ……」

 

結局、ましろは押し負け……僕らは画材屋さんへと行くのであった




ちょっと短すぎたかな?
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56 ましろの夢

今週のプリキュア見て……竜族……どうしよう?


桜空side

 

ましろの絵本作りのために、画材を買いに近くのホームセンターに来た僕ら。

 

「絵本作り……」

 

「迷ってるのか?」

 

「う、うん」

 

「やるだけやってみたら良いと思うぞ」

 

「そうだけど……」

 

迷ってるましろ。もう少し背中を押しておくべきかと思っていた

 

「ありました!」

 

「こっちもありました!」

 

ソラがスケッチブックを持ってきて、ツバサも絵を描く道具を見つけた

 

「本当に私、やるのかな?」

 

「ましろさんが作ってくれたくもパン、感動しました!菜摘さんが言うように、ましろさんには、センスというものがあるんだと思います!」

 

「エヘヘ……そうかな?」

 

「私、ましろさんが描く絵本を見てみたいと思って! すみません、私の勝手な希望です!」

 

「とりあえず、挑戦してみようかな!」

 

試しにって感じで挑戦することにしたましろ。するとノアとアスがエルちゃんに付き添いながらこっちにやって来たけど……エルちゃんも持ってるのって……砂場で遊ぶ道具だよな

 

「エルちゃん、本来の目的忘れてて」

 

「欲しそうにしてたから買ってやった」

 

「えるぅ!」

 

 

 

 

 

 

 

場所を移動して、近くの公園で絵本作りをすることに、ソラ、ツバサ、ノア、アスの四人はエルちゃんに付き添って砂場で遊び、僕はましろの隣に座り見守ることになった

 

「まずは、お話を考えないと……うーん……昔々、山の中にさらさらと流れる川……そこに、大きな大きな桃が流れてきて……って、それじゃ桃太郎だし! しかも大きい!えーっと、桃じゃなくて……川からカボチャが流れてきて、中から、それは美しい女の子が……って、シンデレラだよ、それ! しかも、桃太郎と、ごっちゃになってる!」

 

目茶苦茶難航してる……流石にオリジナルで作るとなると難しいからな

 

「こうピンっと来るものとかないのか?」

 

「うーん、ないね……」

 

まぁそう簡単に思い付くことはないだろうな

 

「やっぱり無理かも……ストーリーなんて全然浮かんでこないし……絵だって、あんなに綺麗に描けないし……そもそも、私にセンスなんて……」

 

「ましろ……」

 

何て声をかけたら良いんだろうか?と言うか僕はいつもそうだな……どんな風に声をかけるべきか迷ってばかりだ

すると様子を見に来たソラがましろに声をかけた

 

「私が先走って、ましろさんを困らせてしまったみたいですね……」

 

「ううん……褒めてもらえて嬉しかったし……でも、みんなみたいに、これをやりたいって気持ちにはなれなくて……」

 

「あの、ましろさんはましろさんのままでいいと思う気持ちは、今も変わりません……だから、気にしないで下さい!」

 

「うん……ありがとう、ソラちゃん……」

 

「……何て言うかダメだな。僕は……」

 

「桜空くん?」

 

「ましろが悩んでるのに、何て声をかけるか迷ってばかりだ……」

 

「桜空くん……あのね。私は桜空くんが側にいてくれるだけで……」

 

「側に?」

 

「うん……それだけで」

 

「プリンセス、1つくらい貸してあげればいいじゃないですか!」

 

ましろが言いかけた瞬間、ツバサの声が遮った。僕らも砂場に行くとどうにもエルちゃんは買ってきた玩具を同い年の子に貸さないみたいだった。ソラは叱るがエルちゃんは嫌がり、ましろが諭すがそれでもダメだった。結局親が来て遊んでいた子を連れて帰っていった。

 

「まだまだ未熟です……私は、エルちゃんを叱るばかりでしたが、ましろさんは、エルちゃんに優しい気持ちを伝えていて、すごいです……」

 

「そんな事ないよ……結局エルちゃんにも分かってもらえなかったし、どうしたら良かったのかな……」

 

そんなことを呟くましろ。すると近くのベンチに座る親子の声が聞こえ、ましろは何かを閃いたのか

 

「私、先に帰るね。桜空くんも」

 

「へ?」

 

僕はましろに手を引っ張られ、家に戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

家に帰るとましろは早速買ってきた画材を広げ、絵本を描き始めた。僕はというとましろのベッドに座らされていた

 

「手伝うことないか?」

 

「ううん、大丈夫」

 

何もしなくて良いってことなんだろうけど……それはそれでかなり暇になるんだけど……

暫くしてからソラがお茶とおやつを持って様子を見に来たが、ましろが集中しているのを見てそっと部屋から出ていこうとするが、ましろはソラに今、楽しんでやっていることを話した。

 

「ましろ、本当に僕は何もしなくて良いのか?」

 

「うん……側にいてくれるだけで……私は力を貰えてるから」

 

側にいるだけで……

 

「こうして付き合いはじめて……改めて思ったの。私は桜空くんが側にいてくれるだけで……沢山元気も力も貰えてる。それに安心できるから」

 

「ましろ……」

 

思わず抱き締めたくなったけど、今は邪魔したら悪い

 

「どうしたの?」

 

「いや、何でもない」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

数日後、絵本は完成した。早速市役所に提出しに行くことになった。ましろ曰く時間的には余裕があるらしいけど……信号待ちをしていると、見覚えのある奴がいた。

 

「バッタモンダー!」

 

「その封筒、随分大事なものなんだね?」

 

「アンタには関係ないし!」

 

「僕は君達が心配なんだ。何かアクシデントに巻き込まれて、その封筒を失ってしまわないかってね」

 

こいつ……そのつもりで!それならと思い、僕は氷のつぶてを放ち、バッタモンダーの頬を掠めた

 

「お前!いきなり攻撃するか!?」

 

「悪いけど、邪魔はさせない!」

 

「ちっ!それなら!カモン!アンダーグエナジー!」

 

バッタモンダーは信号機をランボーグに変えた。ましろたちがプリキュアに変身しようとすると……

 

「桜空、ましろ。お前たちは先に行ってろ」

 

「ノア?」

 

「で、でも……」

 

「大丈夫です!行ってください!」

 

「そうですよ! あんなに頑張ったんだから!」

 

「私達、いっつもプリズムの優しさに支えてもらってる! だから、今日くらい思いっきり応援させてよ!」

 

「こう言うときは頼ってよ。ね」

 

みんなの思いに答えるように僕はましろをお姫様だっこし……

 

「少し揺れるぞ」

 

「うん、みんな、気を付けて!」

 

市役所へと向かうのであった。

 

「はっ、プリキュア一人と竜擬きがかけて、勝てると……」

 

「アス……本気を出して良いぞ」

 

「そうだね……本気で……」

 

「へ?」

 

「ランボーグ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

市役所に無事にたどり着き、絵本を提出できた。

 

「みんな、大丈夫かな?」

 

「心配だから早く戻らないと……」

 

そんなことを話していると、ソラたちが追い付いてきた。と言うか何か早くないか?

 

「凄かったよ……」

 

「ランボーグが可哀想に思えました……」

 

あげは姉とツバサの二人が苦笑いを浮かべ、ソラは……

 

「上に打ち上げ、そこからノアとアスさんの二人の攻撃……凄かったです」

 

本当に何があったんだ…………

 

 

 

 

 

 

それから数日後、絵本コンテストの結果を見に行くと、大賞に菜摘さんのが選ばれていた。ましろのは落選こそしたが、エルちゃんの心に届いたみたいだった。ましろもこれからもエルちゃんや誰かの心に届く絵本を描きたいと夢を見つけたらしい

 

 

 

 

 

その日の夜、ましろが僕の部屋にやって来た

 

「どうしたんだ?」

 

「えっと、お礼を言いに……」

 

「お礼って僕は対したことは……」

 

「それでも……言いたいの。ありがとうね。桜空くん」

 

ましろは笑顔でお礼を言い、僕はましろの頭を撫でるのであった。

 

「後ね……頑張ったご褒美……貰いたいな~って……そのこの前の朝の……」

 

それってつまりそう言うことだよな…………

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、リビングに行きましろを見て……

 

「お、おはよう///」

 

「桜空くん……おはよう///」

 

二人して顔を赤らめていると、あげは姉が……

 

「ヨヨさん。今日の夕飯は赤飯にしましょう」

 

「あら、二人とも節度を持った方が……」

 

「「違う(よ)」」

 

あげは姉にからかわれるのであった。

 

 

 




あえての戦闘シーンカット!
竜族に関してはノアたちとの関係性を考えます。一応竜族の過去が上手く絡めそうですし
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57 ツバサの悩み

アスside

 

ある日の事、みんなで家の掃除をしていた。私はツバサくんと一緒にツバサくんの部屋を掃除していた。

 

「アスさん、結構掃除とか得意なんですね」

 

「え?そうかな?まぁよく掃除をしてたからかな?」

 

「……何か違う意味に聞こえるのは気のせいですか?」

 

違う意味って……まぁ掃除は掃除でも喧嘩を売ってくる竜たちを掃除してたけど……

 

「ツバサくんに認められるように家事とかも頑張って覚えてるんだよ。私は」

 

「本当に……あ……」

 

本の整理をしているツバサくんがあるものを見つけたみたいだった。それは航空力学の本だった

 

「そういえば、最近、読んでなかったな……というか、もう読む必要もないのか……プリキュアになって空を飛べるようになったから……あんなに勉強してたのに……いつか絶対、空を飛ぶんだって……」

 

「どうしたの?」

 

「いえ……ただ」

 

「ただ?」

 

ツバサくんは何かを言いかけたけど、何も話さずに本を置いた。

 

「アスさんは……空を飛べるんですよね」

 

「うん、私たち竜族はね」

 

「竜族?」

 

「そっか、私たちの種族の事を詳しく話してなかったね。私たちは大まかに言うと竜族って呼ばれてるけど、私やノア、フウ、グーリみたいな神竜族。小型の竜は竜族って呼ばれてる」

 

小型の竜族は今は何処にいるのかは不明だけど……

 

「違いとかあるんですか?」

 

「神竜族は人の姿になれたり、持っている力が大きいからね。ほら、私は大地を操ったり出来るでしょ。そう言う事ができるのは神竜族。竜族は力が弱いから人の姿になれないからね」

 

「へー」

 

「まぁ今のスカイランドの人たちはそんな細かいことは気にしてないから、大まかに竜族で纏めてる感じかな」

 

「そうなんですね……いつかその竜族に会ってみたいです」

 

「ツバサくん……」

 

興味がある感じなのか?とりあえずこの話を終え……あれ?何でこんな話になったんだっけ?まぁいいや。

私たちは部屋を出て、皆のところに行くと、エルちゃんが掃除を手伝っているところをソラちゃんたちが褒めていた。

 

「すごいよ、エルちゃん!」

 

「少し前までハイハイしてたのが嘘みたいです!」

 

「あんなに小っちゃかったましろんが中学生なんだもん! エルちゃんだって、すぐ大人になっちゃうよ!」

 

エルちゃんが大人になるか~まぁ人間の時間からしたら長くは感じるけど、私たち竜からしたら短く感じるんだろうな~

ふとツバサくんを見ると何故か思い詰めた顔をしていた。

 

 

 

少しして思い詰めたツバサくんに対してヨヨがお茶に誘い、私も付き合うことになった。

 

「ボク、プリキュアになって、空を飛ぶ夢が叶った事、すごく嬉しいんです……ただ、何ていうか、その……」

 

「努力が無駄になったような気がする?」

 

「はい……いや、でも別にいいんです! 今のボクにとっては、プリンセスをお守りする事が、何より大切ですから……でも……」

 

「でも?」

 

「プリンセスが大人になったら、ボク達がずっと傍にいる事もなくなって……将来的にソラさんは青の護衛隊の隊長になり、ましろさんは絵本作家、あげはさんは最強の保育士、桜空さんは……ましろさんの側で支える仕事に……ボク1人だけ追いかける夢も、やりたい事もなくて、ボーっとしてるんじゃ……」

 

ボーッとしてるだけの生活……それは別に……いや、うん人はそれだけじゃダメだよね

 

「すみません、こんな話……」

 

「いいのよ。話してもらいたくて、お茶を淹れたんだから。さっき話に出なかったノアさんたちは?」

 

「ノアさんは……多分ですがソラさんと一緒にいるかもしれませんし、アスさんは……」

 

「ツバサくんのお嫁さん!」

 

「らしいですし……フウさんも多分ですがのんびり過ごしてるかもしれませんから……竜の皆さんとは何か……その」

 

「まぁ大体の竜はそうだからね。集落でのんびり過ごしてるだけだし、使命があればそれに全うしてるくらいだからね」

 

竜は本当にそんな感じだから……参考には全くならないからね

 

「それなら悩みを解決できる良い場所があるわ」

 

「良い場所ですか?」

 

「あ、もしかして……」

 

あの場所だよね。でもツバサくんの悩みを解決できるのかな?

 

「アスさんは先に行っててね」

 

「うん、分かった」

 

丁度整備のために朝早くから行く予定だったしね。

 

 

 

 

 

 

 

そして休日、私はある場所でみんなが来るのを待っていた。

暫くしてからツバサくんたちがやって来た。因みに今回は大人数の移動だからフウが車を出してくれた。

 

「アスさん、どうしてここに?」

 

「ヨヨにこの畑の管理を任されてるの」

 

今いるこの場所は山近くの畑。この場所はヨヨの趣味で作られた場所だが、私はある日から管理を手伝うことになった。

 

「アスさんには少し前からね。土の状態や作物の状態を見るのが得意みたいなのよ」

 

「そうだったんですね……」

 

「そういえばアスちゃん、休日にちょくちょくいなくなると思ってたら、ここに来てたんだね」

 

「ここは私にとっては色々と教えられた場所だからね」

 

そう、この畑は私がこうしてツバサくんを好きになってから出来た思い出の場所だ

 

 

 

 

 

あれはツバサくんに冷たい扱いを…………

 

「あの僕……冷たくしたことありましたっけ?」

 

「「合ったね」」

 

桜空にましろちゃんの二人は思い当たる事が合ったみたいだ。

 

「そういえばツバサくんは最初の頃はエルちゃんのお世話で忙しいってアスさんを……」

 

ソラちゃん、それ大正解。あの時落ち込んでたときに、ヨヨが私をここに連れてきて、手伝ってくれないかって言われて……

 

「最初はやる気はなかったけど、アスさんは徐々に精を出し始めたわね」

 

「土の状態とか見てたら、ヨヨが丁寧にお世話してるのが分かったからね。私も頑張って色々と覚えてね……」

 

私にとっては使命が出来た瞬間だったかもしれない。




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58 無駄じゃなかったこと

アスside

 

ソラちゃんたちと一緒に畑の収穫をしているとヨヨが持ってきた土を取り出したけど、ソラちゃんたちは不思議そうに見ていた。まぁわざわざ土を持ち出すのは不思議だよね

 

「これは、新しい土?」

 

「お祖母ちゃんが作った肥料だよ!」

 

「肥料も自分で?」

 

「ええ!生ごみと土を混ぜて、しばらく置いておくの。それを繰り返すと、自然の力で、栄養満点の肥料になるのよ」

 

「ヨヨさんって、すごい……どうして、そんなに物知りなんですか?」

 

「気になる事を調べ始めると、また新しく気になるものが見つかるの。例えば、ハーブについて調べていると、ハーブを使ったお料理の事が気になって、レシピを調べたの。そうすると、実際に作りたくなるわよね?それでお料理をすると、どうしても生ごみが出ちゃうでしょ? 何かに使えないか調べてみたら、肥料を自分で作れるという事を知ったの。せっかく肥料もある事だし、と思って畑を始めたら、野菜について勉強するようになって!」

 

「全部繋がってるんですね……」

 

「えぇ……知りたいという気持ちは、繋がって広がっていくものだと、私は思うわ……」

 

「繋がって、広がる……」

 

ツバサくん、少しは悩み解決の糸口見えてきたかな?

するとソラちゃんがお腹を鳴らしたので、昼食を食べることになった。

 

「すごく美味しそうです!」

 

「あれ?フウは?」

 

フウの姿がないけど……と言うか収穫初めてから姿を見ない。どこ行ったんだろう?

 

「風を感じに行ってる。こういう場所はあいつにとっては良い場所みたいだからな」

 

フウらしいな~

 

「生で食べられる野菜は切っておいたから、沢山食べてちょうだいね!」

 

「これはディップソース! お野菜につけて食べてみて! カレーマヨと、たらこクリームチーズ。それから、ハーブヨーグルトだよ!」

 

「ヤバ! オシャレで気分アガるね!」

 

「とれたてのお野菜をデップ? ソース? で食べるなんて、確かに特別なお弁当です!」

 

「それじゃ、いただきましょうか」

 

「はい!」

 

早速食べようとした時、ツバサくんは空を見て何かに気がついた

 

「あれは……これから雨が降るかもしれません」

 

「こんなに晴れてるのに?」

 

するとツバサくんの言う通り雨が降り始めてきた。

 

「本当だ! 降ってきた!」

 

「少年、当たったじゃん!」

 

「本降りになる前に、屋根のある所へ行きましょう」

 

近くのベンチスペースに移動し、昼食の続きをすることに……

 

「ピーマンをカレーマヨで食べると止まりません!あげはさんもどうぞ!」

 

「え? アハハ……」

 

「あげはちゃん、ピーマン苦手?」

 

「そ、そんな訳ないじゃん! 私、大人なんですけど?」

 

「あげは姉、それ言う人は大体……」

 

「えっと、ほら、食べられるよ。あれ? 美味しい! カレーマヨのおかげで食べやすい!」

 

「それは、ピーマンが嫌いな人の感想だよ?」

 

「それにしても、この雨、いつまで降るんでしょうか?」

 

「すぐにやむと思いますよ」

 

「さっきも天気を当ててたけど、どうして?」

 

「雲を見たんですよ。朝は小さかった雲が、雨を降らせる大きい雲に成長してたんです」

 

「あの雲は短い時間雨を降らせるので……」

 

「すごいです! ツバサ君!」

 

「お祖母ちゃんみたいに物知りだよ!」

 

「あの雲は短い時間雨を降らせるので……」

 

「すごいです! ツバサ君!」

 

「お祖母ちゃんみたいに物知りだよ!」

 

「いや、そんな……空を飛ぶためには天気も大事なので、それで勉強してて……」

 

ふとツバサくんは気がついた感じだった。そうだよね。勉強してきたことは無駄じゃないってことを

 

「知りたいという気持ちは、繋がって広がっていくものだと、私は思うわ……空を飛ぶために勉強していた事が、みんなを雨から守ってくれたわね」

 

「はい……」

 

「私ね、何かを学ぶ事と畑は似ていると思うの。学んだ事は肥料になって、あなた達の夢の種を育ててくれる。けれど、その種がいつ芽吹くかは分からないから、学んだ事は全部無駄だったんじゃないかって、不安になるのよね……でも大丈夫。それは、明日かも、ずっと先の未来かもしれないけれど、必ず花開く時が来るわ。しかも、自分の思いもよらない花が咲く事もあるのよ。勉強のために作った鳥の模型が、畑を守ったりするみたいにね!」

 

「ツバサくん、無駄じゃないって分かった?」

 

「アスさんは……その、気がついてたんですか?僕の悩みの解決する方法」

 

「ツバサくんの事が大好きだからね。何となく理解できるから」

 

「そ、そんな理由なんですか……」

 

呆れつつも笑顔を向けるツバサくん。嬉しそうだな~

 

「君たちを倒す作戦を考えるためにこんな山奥に来たと言うのに、まさかここで会うとはね。プリキュア、竜たち」

 

『バッタモンダー!?』

 

こんなところに来るなんて、あのお邪魔虫め~

 

「カモン!アンダーグエナジー!」

 

バッタモンダーはツバサくんが作った鳥の模型をランボーグに変えた。私、ノア、桜空は戦闘スタイルになり、ツバサくんたちもプリキュアに変身した

 

「「「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「ウイング!」

 

「バタフライ!」

 

「「「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」 

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「あげて広がるワンダホー!キュアバタフライ!」

 

「「「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」

 

ランボーグは羽を飛ばして攻撃を仕掛けてきた。バタフライはそれをバリアで防ぎ、プリズムは光弾を、桜空は氷の礫を放つが、ランボーグはそれを空中で回避した

 

「なんて素早い動きです! さすがウィングの作った鳥さんですね!」

 

「いやー、エヘヘヘ」

 

「照れてる場合じゃないよ!」

 

危ない。私も褒めるところだった。それにしても空をあんな風に飛ばれると……私やノア、桜空が攻撃しかけてもランボーグをうっかり浄化せずに倒しちゃう可能性がある。するとバタフライがミックスパレットを取り出した。

 

「ここは任せて!ミックスパレット!ホワイト!ブルー!温度の力!下げてこ!」

 

ミックスパレットから放たれた冷気がランボーグを凍らせた。ミックスパレットってそんな力まであるんだ。桜空にも出来そうだけど、加減が難しいみたいらしい。

 

「今!」

 

プリズムと桜空の攻撃が命中し、スカイが追撃しようとするが避けられ、ランボーグは高く飛んでいた。

 

「翼を羽ばたかせていないのなんで?」

 

「多分、上昇気流に乗ったんです」

 

「俺たちなら気流なんて関係なく飛べるが……あのランボーグが攻撃を仕掛けてこないとなると……罠に近いな」

 

ウィングなら同じように上昇気流に乗ることは出来るけど、ランボーグが邪魔をするってことか。するとウィングはバタフライに雲に向かってさっきのミックスパレットの力を放つように指示し、バタフライはミックスパレットで雲を冷やすと大きな雹が降ってきて、ランボーグに命中した。

 

「雲は冷やすことで、あんな風に雹を降らすことが出来ます」

 

ランボーグは更に羽を飛ばして攻撃を仕掛けてくる。

 

「このままじゃ……」

 

「ウィングも高く飛べれば……」

 

「高く飛ぶ……アスさんは気流とか関係なく飛べますか?」

 

「うん、出来るよ」

 

「それなら、僕が高く飛んだら、それについてきてください!」

 

ウィングはそう言って、ランボーグを挑発すると、ランボーグは翼を羽ばたかせ、突風を起こすとウィングは狙っていたかのように高く飛び上がった。あれってもしかして……

 

「どうやら突風が山に当たり、大きな上昇気流を起こしたみたいだな」

 

いつの間にか来ていたフウが空高く飛び上がるウィングを見てそう言った。

 

「と言うかフウが力を貸せば……」

 

「あの少年がそれを望むかどうか次第だった。ほら、行ってこい」

 

そうだ。ウィングが待っている。私は翼を広げ、ウィングを追いかけ、雲を抜けると雲の上に抜け、そこは青空が広がっていた

 

「プリキュアの力だけじゃ、ここには来られなかった……無駄じゃなかったんだ」

 

「ウィング。良かったね」

 

「はい!それにアスさんと一緒に見られて良かったです」

 

「へ?」

 

何でこんなときにそんなことを言うかな~

 

「アスさん、来ましたよ」

 

ランボーグも追いかけてきたみたいだけど、ランボーグより高く飛んでいるなら……

 

「四元の力!解放!」

 

私は四元の力を解放し、ウィングとともにランボーグにパンチを喰らわせ、地上へと落し

 

「バタフライ!」

 

「オッケー!すべての色を1つに!ミックスパレット!レッド!イエロー!ブルー!ホワイト!まぜまぜカラーチャージ!プリキュア・タイタニック・レインボー!アタック!」

 

タイタニックレインボーによって、ランボーグは浄化されるのであった。

 

「くそ!こうなったら、あれを使うときが来たか」

 

バッタモンダーはそう言って姿を消すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

それから家に戻り、ツバサくんはヨヨからたくさんの本を貰った。まだみんなみたいに夢が見つかってはないけど、たくさんの事を知ることは無駄じゃないって言い、更にヨヨからミラーパットを受けとるのであった。

 

 

 

 

 

 

そして夕飯後、私はツバサくんと二人でいた。

 

「あの、二人で見たかったってどう言うこと?」

 

「え?いえ、思ったのですが……アスさんはこうして僕らと一緒にいるようになってから、たくさんの事を知っては楽しそうにしていると思って」

 

「うん、今までは戦うことが全てだったからね」

 

「僕は楽しそうにしているアスさんの笑顔が素敵だと思います。だからこれから一緒にたくさんの事を知り、見ていきたいと思ったので……ってアスさん、何で顔真っ赤に?」

 

「ツバサくん……無自覚で言ってる////」

 

「えぇ!?」

 

ツバサくん、あんまり恥ずかしいこと言わないでよ……

 




次回はついに……

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59 ソラの心、ノアの決意、桜空の目覚め ①

今回の話から色々と動き出します


桜空side

 

夢を見ていた。真っ暗な場所で僕は一人佇んでいた。

 

「ここは一体……」

 

何処かに移動しようとしたが動けない。

そんな中、何かの声が聞こえてきた。

 

『目覚めの時』

 

『あなたの役割を知るとき』

 

僕の……役割?それは……

 

『我らは貴方を守る』

 

『我らは貴方を守る』

 

『『貴方は?』』

 

 

 

 

 

「夢?」

 

「あぁ……」

 

朝食が終わったあと、みんなに夢の事を話した。何であんな夢を見たのか?それに目覚めの時とか役割とか……よく分からない。

 

「もしかして竜の力関係とか?」

 

「確かに考えられますね。桜空さんはグーリさんと融合していますから、それ関係とか?」

 

「悪いが覚えがない。たまたまそういう夢を見ただけだろ」

 

「そうだと良いけど……」

 

どうにも気になる……あげは姉やツバサの言う通り竜関係だとしても……

 

「もしかしたら、アスさんみたいに四元の力に目覚めるとかでしょうか?」

 

「もしくは竜になりつつあるとか?」

 

アス、頼むから不安になるようなことを言わないでくれ。僕以上に不安になってるましろがいるんだから

 

「桜空くん……本当に大丈夫?」

 

「うん、身体も変な風にはなってない……そもそも竜と融合しているようなことって前にもあったりするのか?」

 

「聞いたことないな」

 

「私もないね。ノアは?」

 

「俺もないが……桜空。何かあったら直ぐに言え」

 

「分かった」

 

とりあえず夢のことは一旦忘れた方がいいな。変に気にしていると悪い方向に働くことになりそうだし……

 

「みんな、少し良いかしら?」

 

するとヨヨさんが僕らに部屋に来るようにと声を掛けた。どうにもスカイランドから連絡が来たみたいだ

 

 

 

 

 

連絡をくれたのは青の護衛隊の副隊長さんからだった。内容は王さまたちは変わりがないこと。それはつまり今も眠り続けていることだ。ヨヨさんはキラキラポーションはあと少しで完成すると話していると、ベリィベリーが割って入ってきて、シャララ隊長がここ最近になって目撃されたとのことだった。ソラはそれを聞いて喜ぶが、どうにも目撃者の話を聞くと気がついたらシャララ隊長が消えていたとのことだった。

何だか嫌な予感もする中、ましろは……

 

「本当なのか嘘なのか、ここで話していても始まらないと思います。引き続き捜索を続けて、何か情報があったら、また教えて下さい。どんな小さな事でもいいので……待ってます、ベリィベリーさん!」

 

「了解だ!」

 

通信が終わり、ソラはようやく手に入った情報に期待をしていた。

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

スカイランドとの通信が終わったあと、俺はフウの所に来ていた。

 

「桜空の夢か……」

 

「桜空は気にしないようにしているが……どうにもな」

 

「…………」

 

フウはしばらく考え込み、あることを告げた

 

「前にも話したが、四元の力……桜空が覚醒する可能性はあるか?」

 

「どうだろうな?今はまだな」

 

「アスは目覚め、俺も既に目覚めている。ノアはお前は……」

 

「俺は使わない……現状はな」

 

「気にしているのか?四元の力はお前にとって……」

 

「分かっているなら言うな……四元の力はもう使う必要はない」

 

四元の力だけは……俺は使ってはいけない。俺には…………

 

『グーリ!止まれ!このまま……』

 

あの日の事を思い出してしまう…………

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

買い出しに行こうとましろとソラに声を掛けようと思い、探しているとソラの部屋にましろとエルちゃん、ソラの話し声が聞こえてきた。

 

『この手帳に書いた事は、絶対に守らなきゃいけない……そういうつもりで書いてます……立ち止まるな、ヒーローガール……絶対に守れるって自信、ずっとなくて……シャララ隊長の身に、もしもの事があったら、それでも私は前に進めるのでしょうか? ヒーローでいられるのでしょうか?』

 

『ソラちゃん……』

 

『さっきは、ありがとうございました!』

 

『え?』

 

『前に進む足が止まりそうになっても、隣にましろさんがいて、背中を押してくれる……私、今日なら書けそうな気がして! シャララ隊長の言葉を、この大切な手帳に……立ち止まるな、ヒーローガール!』

 

『ひーよー!』

 

『はい! 絶対ヒーローになるぞ!』

 

『あい! ひーよー!』

 

『なるぞー!』

 

『おー!』

 

ソラも色々とあったからこそ、一歩進めているな。それにましろが背中を押してくれるか……

 

『目覚めの時』

 

『役割を知るとき』

 

一瞬、夢の声が聞こえた気がしたが……僕は気のせいだと思い、聞こえなかったことにした。




次回は……

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60 ソラの心、ノアの決意、桜空の目覚め ②

流石にソラの心を折りすぎかなと思い、改変します。流石にね……ソラちゃんが……ね


ノアside

 

フウとの話が終わり、家に戻ると買い出しに行くと言われ、俺もそれに付き添う。ソラたちが買い出しをしている中、俺は桜空の様子を見ていたが、桜空は特に変化はないみたいだ。

桜空が言っていた夢はただの夢だと思いつつ、買い出しが終わり、帰ろうとしたときソラは何かを見つけた。

 

「ソラちゃん?」

 

「シャララ隊長!」

 

ソラは慌てて駆け出した。シャララの目撃情報が出たタイミングで俺たちの……いや、ソラの前に現れると言うことは……

俺は急いでソラを追いかけた。

 

 

 

 

 

 

ソラを追いかけていくと工事現場にたどり着き、シャララが呆然と立っていた。

 

「シャララ隊長!無事だったんですね!」

 

ソラが近寄ろうとした瞬間、シャララが振り向き様に切りかかろうとした。ソラは咄嗟に防ごうとしていたが、シャララは黒い靄となって消えた

 

「手品さ。アンダーグエナジーで、ちょいちょいっと作った幻だよ。本物だったら今頃、君は真っ二つだったよ?」

 

やはり罠か……ソラを期待させて……

 

「どうして? 何で、こんな意地悪するですか! 何が楽しいんですか!?」

 

「楽しいよ……マジ楽しい……」

 

「私の何の恨みが……」

 

「あるね! 大ありだ!」

 

バッタモンダーはあの日城で自分を威圧し、逃げたことに対してソラに憎しみを抱いていた

 

「憎い……この胸が憎しみで張り裂けそうだ……」

 

「逆恨みだな」

 

「黙れよ。強くて優しいこの俺に、こんなにもどす黒い憎しみを植え付けた責任、きっちり取ってもらうぞ!」

 

バッタモンダーがそう叫んだ瞬間、地面からランボーグが現れたが……なんだこいつは?今まで違ってシンプルな姿……

 

「ノア!行きましょう!ヒーローの出番です」

 

「あぁ」

 

ソラはプリキュアに変身し、俺は戦闘スタイルに変わるとランボーグは青く光る剣を出現させ構えた。

 

「ランボーグの陰にこそこそ隠れて! それで、あなたのつまらないプライドは満たされるんですか!?」

 

「ふっ」

 

ランボーグは剣を大きく振るとその勢いで周りのものを吹き飛ばす

 

「中々の使い手ですね。当たればタダではすみま……」

 

「待て、スカイ」

 

スカイが攻撃を仕掛けようとしたが、俺はそれを止めた。このランボーグ……まさか……

 

「妙だと思わないか?」

 

「妙?」

 

「今までは何かを媒介にし、ランボーグを生み出してきた。だが今回は何を媒介にしているのか分からない」

 

「確かに……」

 

ただシンプルな姿に剣……剣を媒介にしているなら、ランボーグの姿は剣だ。だが……今回はランボーグが剣を扱っていることを考えると…………

 

「バッタモンダー……どこまで腐っている」

 

「へー、君は気がついたみたいだね」

 

「どういうことですか?」

 

「あのランボーグはシャララを媒介にして作られている」

 

「なっ!?」

 

「正解!」

 

バッタモンダーが指をならすとランボーグの背中にマントが装備された。やはり……

 

「君の大切なシャララ隊長にアンダーグエナジーを注ぎ込んだんだ。折角君が何も知らずにランボーグを攻撃してくれれば……」

 

「スカイ……心を乱すな」

 

「つぅ……はい……」

 

前までならスカイの心は完全に折れていた。だが前にミナトの一件で何とか持ちこたえている。

 

「ノア……どうすれば……」

 

「…………ランボーグ自体強い。弱らせればお前の技で浄化できるが……」

 

「それだと……シャララ隊長が……」

 

「一撃で決めるしかないが……」

 

俺とスカイだけでは無理だ。みんなが来るのを待つか?

 

「ちっ、竜が邪魔だな……」

 

バッタモンダーからしてみればスカイの心を折るのに、俺が邪魔みたいだな。なら、

 

「俺がランボーグの攻撃を全部防ぐ……お前は心を平静に保ちながら、みんなが来るのを待て」

 

「分かりました」

 

これなら……何とか……

だがその瞬間……竜の気配を感じた。

 

「ほう、丁度良いタイミングだな」

 

そこに現れたのは見たことのない男と鎖に縛られたライの姿だった。

 

「お前!遅いんだよ!」

 

「どうやら停滞気味だったか。ならば……バッタモンダー、やれ!」

 

「ふっ!おい、キュアスカイ!お前の大好きなシャララ隊長はこんな風に姿を変えたんだよ。カモン!アンダーグエナジー!」

 

バッタモンダーがアンダーグエナジーをライへと注ぎ込み、ライは真っ黒な電気を纏い、人型のサイズの竜へと変わった

 

「実験は成功。邪の力とアンダーグエナジーが混ざり合い、新たな力を得たな」

 

『グオ……グオオオオオオオ!!!』

 

「意識は消えたか。まぁいい」

 

「お前……何者だ?」

 

「邪竜様の右腕……蛇の竜……ウロボロス!やれ!雷邪竜ライ!」

 

『グオオオオオオオ!!!』

 

ライが俺に向かって突っ込んでくる。俺は炎を出し、ライの動きを止めようとするがライはそのまま突っ込んできて、俺を吹き飛ばす

 

「ノア!?」

 

「余所見をしてて良いのかな?」

 

「はっ!?」

 

スカイは隙を突かれ、ランボーグの攻撃を喰らい吹き飛ばされる。俺は咄嗟に助けようとするが、ライが俺の上に飛び

 

『ライ……ジャ……ホウ!』

 

黒い稲妻が俺を包み込んだ。

 

「ぐううううう!?」

 

まずい、スカイがこのまま地面に叩きつけられる。

そんなとき何かがスカイを助けた。それはウィングとアスだった

 

「スカイ!大丈夫ですか?」

 

「ウィング……それにアスさん……」

 

気がつくとプリズムたちも駆けつけてきたみたいだ

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

ランボーグとあれは……ライなのか?その2体に苦戦するスカイとノア。プリズムが光弾を放とうとするが、スカイが慌てて止めに入った。

 

「駄目! やめてー!撃たないで!」

 

「えっ?」

 

「隊長なんです! あれは……シャララ隊長なんです!アンダーグエナジーのせいで、シャララ隊長がランボーグに」

 

「そんな……嘘……」

 

まさか……そんな……スカイは泣きそうになるのを堪えている。どうしたら……

 

「汚い奴。それにあっちは……」

 

「アイツはウロボロス。邪竜の右腕。そしてあの黒い雷を纏っているのはライだ」

 

「よくとまぁ……姿を変えてるけど……どうする?ランボーグは私がやろうか?」

 

アスがそう言うとウィングが止めた。

 

「アスさん、ダメです。スカイが……」

 

「こう言うとき、私が責任取るよ。それくらいの役割は……」

 

「アスさん……そんなことさせたくないです。それにランボーグに変えられたなら、浄化すれば……」

 

「ウィングの言う通りだね。スカイ、少し傷つけるけど……」

 

「…………はい」

 

スカイは涙を拭き、覚悟を決めた。

アスは地面に触れランボーグを拘束しようとするがライがアスに向かってくる。だがライは突然現れた風の檻に閉じ込められた。

 

「どうやら危機的状況だな」

 

「フウさん!そっちはお願いね」

 

バタフライがタイタニックレインボーを放つ準備に入ろうとするが……なんだ?バッタモンダーは余裕そうに……

 

「だめー」

 

突然エルちゃんが叫び、タイタニックレインボーの発動を止めに入った。

 

「ちぇっ……バレちゃったか……」

 

「どう言うこと?」

 

「シャララ隊長をランボーグにしようとした状態は、瀕死だったんだよ。つまりシャララ隊長は、アンダーグエナジーによって生かされている。それを浄化してしまったら、どうなるだろうねえ?そう! 君達ご自慢のタイタニックレインボーも、アップドラフト・シャイニングも、隊長にとどめをさす、やべぇ技に過ぎないって事!本当は、君達に隊長の始末をさせるつもりだったんだ。それは最高の絶望になるだろうからね……でも、いいや。好きな方を選べよ……隊長を倒すか、隊長に倒されるか……フフフ……」

 

何だよ……それ……

スカイを……苦しめるために……やってるのか?

そんなこと……許せるのか?

いや、許せない……許しちゃいけない…………

こいつだけは……こいつだけは……………………ユルセナイ

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

突然真っ黒な気配を感じた。その気配を出しているのはウロボロスでもライでもなく……桜空だった。

 

「ユルセナイ……ユルセナイ……ユルセナイ……ユルセナイ……ユルセナイ……」

 

桜空の身体から真っ黒な闇が溢れだし、桜空の両腕を黒い氷の爪に変え、頭から黒い氷の角を生やした。あれは……

 

「どうやらあの小僧は邪に染まったな」

 

「なんだと……!?」

 

「竜が邪に染まるのは、黒い感情が心を満たしたとき。だが早々染まるものではない。爆竜、嵐竜、雷竜は邪竜様によって邪の力を与えられた。だがあの小僧は……いや、人間の心は悪感情を抱きやすい。そうなれば融合した竜も……」

 

桜空……くそ、こんな状況で…………

 

「見物だな。邪に染まった竜と融合した人間は……どうするのか?」

 

 




…………ソラちゃんの心はギリギリ折れてないです。はい
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61 ソラの心、ノアの決意、桜空の目覚め ③

シリアス続きます


プリズムside

 

邪に染まった桜空くんは、バッタモンダーへと襲いかかる。だけどバッタモンダーを守るようにランボーグが桜空くんの攻撃を止めた。

 

「な、なんなんだよ!こいつは!?おい、ウロボロス!こういう奴の相手はお前たちだろ!」

 

「確かにそうかもしれぬが……ふむ」

 

ウロボロスは桜空くんを見て…………つまらなそうにしていた。

 

「邪の力を制御するかと思ったが……呑まれ、暴走するか……つまらん。ライ、帰るぞ。いつまでも理性を失った奴を見ているほど……あぁ、そうだったな。お前も理性を失っているか。その内捨て置こう」

 

「お前……!!」

 

ノアさんが炎をウロボロスに放つがウロボロスの前に黒い穴が開き、炎を飲み込んだ。

 

「我々に構っている暇はないだろ。そこの期待はずれの奴をどうにかしたらどうだ?」

 

ウロボロスはライを連れて姿を消した。そして……

 

「くそが!まぁいい!こっちも逃げさせてもらうからな!バッタモンモン」

 

バッタモンダーもランボーグを連れて逃げた。残ったのは……

 

「ユルセナイ……ユルセナイ……」

 

「桜空くん……」

 

「プリズム……いえ、ましろさん……今は桜空さんを!」

 

「でも……スカイは……」

 

「シャララ隊長の事は……私にとってかなり厳しいものですが……今は私のことより……桜空さんの事が大事です!」

 

スカイ……自分が一番辛いのに……

桜空くんは私たちを見て、構えている。今は……桜空くんを……

 

「アスさん、プリンセスをお願いできますか?」

 

「私も参加したいけど……仕方ないか……エルちゃん、私の後ろに隠れてて、絶対に守るから」

 

「あす……」

 

エルちゃんの安全を確保し、私たちは襲いかかる桜空くんを止めようとした。

 

 

 

 

ノアside

 

桜空はプリズムの光弾を避け、ウィング、スカイの攻撃を氷壁で防ぐ。

 

「フウさん!合わせて!」

 

「仕方ない!」

 

「ちょっと痛いかもしれないけど!我慢してよね!ひろがる!バタフライプレス!」

 

「風よ!」

 

バタフライプレスの落下速度をフウの風で加速させ、桜空を押し潰そうとするが……桜空は口を開け、氷のブレスを吐き、バタフライプレスを破壊した。

 

「ちょ!あんなのあり?」

 

「ただ破壊しただけではなく、凍らせて砕いたのか……」

 

「ユルセナイ……ユルセナイ……ユルセナイ……」

 

このまま……桜空は戻れない。だとすれば……

 

「みんな……桜空くんを押えられないかな?」

 

プリズムがそんなことを言い出した。まさかと思うが声をかければ戻るとでも?

 

「プリズム……」

 

「私の声なら……止められるかもしれない……だから……」

 

「試してみる価値あるかもね」

 

「でも桜空さんを止めるなんて……」

 

「ウィング!私と交代して!」

 

アスはそう言って前に出た。それに合わせてフウも前に出ると……

 

「大地よ!縛れ!」

 

「風の鎖よ!縛れ!」

 

土の鎖で両足を、風の鎖で両腕を縛り上げた。その隙にプリズムが桜空に近づき……

 

「桜空くん……お願い……元に戻って!」

 

プリズムの……ましろの声を聞き、拘束から抜け出そうとしていた桜空の動きが止まった。

 

「届いた?」

 

「だとすれば……」

 

誰もが安心した。だがその瞬間、桜空を縛る鎖が凍り、鎖を破壊し……プリズムの右肩を氷の爪で貫いた。

 

「ーーーーーーーー!?」

 

「くっ!」

 

俺はプリズムの肩を貫く桜空を蹴り飛ばした。プリズムの肩から血が流れ、変身が解除された。

 

「ましろさん!」

 

「待って!治すから!ミックスパレット!癒しの力!あげてこ!」

 

ミックスパレットの力でましろの傷は塞がった。だが……もう……

 

「ましろ……悪いがもう取り返しがつかなくなった……」

 

「ノア?何を?」

 

「お前……まさか……」

 

これは宿命なのかもしれない。グーリがお前と融合した事で取り返しがつくようになった。そう信じていたが……もう無理そうだ……

 

「四元解放!」

 

俺は真っ赤な炎を纏い、髪も炎で作られた姿に変わった。

 

「桜空……お前を殺す!グーリと同じようにな!」

 

 

 

 

 

 

 

この時、桜空の邪に染まった姿に違和感を覚えたの俺でもなく、アスでも、フウでも、スカイでも、ましろでも、ウィングでも、バタフライでも、エルでもなく…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グーリside

 

桜空がましろを傷つけた。完全に……理性を……

ノアは桜空を殺すことで救おうとしているが……それはどれだけ重いものか理解しているのか?

だが……この声は届かない……どうすれば……

 

「待て……何故我は意識があるのだ?」

 

桜空は邪に染まった。それは桜空の心が悪感情に染まり、我ごと邪の力に支配されているはず……理性を失うはずなのに……どう言うことだ?

気がつくと遠くの方に何かが輝いている?我はそれに近寄るとそこには二匹の竜の石像があり、その中心には光る紋章……いや、これは器?

 

『氷の竜よ』

 

『器の主を止めよ』

 

「お前たちは……何者だ?」

 

『主のあの姿になったのは、この器を媒介に邪の力扱っている』

 

『意識を止めれば、その隙に主の闇を消し去る』

 

『それが我らの役目』

 

『それが我らの使命』

 

『『主の役目は……………………』』

 

そんな……桜空は……だとすれば……既に桜空は…………二つの力を……偶然とはいえ……そんなことが……

 

「無理だ……桜空を止めることはできない。我は肉体を失った」

 

『出来る。氷の竜に器の力の一部を』

 

『守れ!主を!』

 

器から眩い光が溢れだし、我を包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スカイside

 

炎を纏ったノアと桜空さんが互いに向かっていく。ノアは……桜空さんを殺すって……それは……

 

二人がぶつかりそうになった瞬間、眩い光が溢れだし、ノアの前に水の壁が現れ、水の壁から鎖が現れ、ノアを縛り上げ、桜空さんは白い氷で包まれた。

そして二人の間に割って入ったのは、氷の様な長い髪の男だった。

 

「これで桜空は止まる。ノアよ。我みたいに桜空を殺すな」

 

「お前は……グーリ……」

 

あれがグーリさん?でもグーリさんは……

 

「話すことがある。桜空が邪に染まっているのにも関わらず、我が理性を失わずにいられたこと……桜空の中に……四元の器がある」

 

 

 

 




次回、桜空の中にあるもの。そしてソラとノアが……
ソラは曇ることはないです。

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62 ソラの心、ノアの決意、桜空の目覚め ④

今週はひろプリなかった……


グーリside

 

「四元の器だと!?」

 

フウが桜空の中にあるものを聞いて驚きを隠せないでいた。それもそうだ。器は長い年月見つからなかったものだから……

 

「話をする前に……」

 

凍り付けにした桜空を解放すると桜空は元の姿に戻り、そのまま眠っていた。

 

「先ずは家に戻ろう。話はそれからだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

ましろside

 

家に戻り、桜空くんをベッドに寝かせた。グーリさんの話では目覚めるための選択をしているらしい。

私は桜空くんに貫かれた肩に触れた。傷はミックスパレットによって塞がってるけど、貫かれたときの衝撃のせいなのか少し痛む。きっと起きたら桜空くんは気にしてしまうかもしれない……

 

「私は気にしてないからね」

 

私は眠る桜空くんにそう言って、リビングに戻ると、元の姿に戻ったグーリさんの周りにみんなが集まっていた。そんな中、ノアさんだけは離れている……

 

「すまないな。ソラ」

 

「はい?」

 

「真っ先に話すべきはシャララのランボーグについてだが、先ずはこちらを優先させてもらう」

 

「大丈夫です……今は桜空さんの事が心配ですから……シャララ隊長の事は……私なりに答えを見つけてます」

 

ソラちゃん……本当に大丈夫なのかな?

 

「先ずは四元の器についてだ。大昔に四元竜と呼ばれる竜が存在した。その竜は炎、水、風、地の属性を全て操る竜と知られていたが……本来は四つの属性を一つにすることで覚醒する力の事だ」

 

「炎、水、風、地って事は……ノアさん、フウさん、アスちゃんが揃ってるけど……残りの水は?」

 

「水に関しては我が昔、水竜と授かりの儀を行い、今は我の中にあるが……その後に起こったことは……今は話すことではない」

 

もしかして……ノアさんと戦ったことなのかな?それで魂になって桜空くんと……

 

「我も桜空が器だということはついさっき知った。そして本来なら器は目覚めることはないはずだったのだが……」

 

「グーリが融合したことで目覚めたとか?」

 

「アスよ。確かにそうだが……もう一つはお前がきっかけでもある」

 

「私?……あ」

 

「アスさん……もしかして授かりの儀をした事が……」

 

「きっかけはそれだが、器が目覚めた原因は……今回の件だ」

 

グーリさん曰くバッタモンダーの行動に桜空くんが深く怒りを覚え、器を媒介に邪の力に染まったらしい。

 

「あいつ、本当に余計なことしかしない」

 

あげはちゃんはそう言うけど……まぁその……そうなんだろうけど……

 

「我が一時的に元に戻れたのは器を守る竜たちによってだ」

 

「二匹の竜?」

 

「フウ、これは知られてないことだが、四元の器を守る竜が存在する。一人は全てに染まる白き竜。一人はあらゆるものを塗り潰す黒き竜。その二人のお陰で今は桜空は元に戻り……選択を強いられている」

 

「選択……」

 

「この先、器の力が解放されないように……我も封印に回り、戦いから降りるか……再び邪に染まらないように、二匹の竜と融合し……人を捨て戦い続けるかだ」

 

『!?』

 

「この選択は……桜空にしか選べない。今は相談することできない……そして目覚めるには選択するしかないことだ」

 

グーリさんの言葉を聞いて……私は……桜空くん……

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

真っ暗な場所で目覚めた僕。確か……そうだ……僕は……

 

『目覚めましたか。主』

 

『あなたは今、精神のみをこの場所に運ばれた状態です』

 

「ここは……」

 

『貴方の心の奥底』

 

『我々は四元の器を守る竜』

 

『選択してください』

 

「選択?」

 

『プリキュアと共にこれからも戦い続けるために、我々と融合し、人の姿を失い、竜として生き、戦い続けるか?そうすれば今回のようなことは起きません』

 

『もしくは氷竜が器を封印に協力し、二度と戦い参加しない。平和な日常を人として生きるか?』

 

『『さぁ選択を!』』

 

いきなり目覚めたと思ったらとんでもない選択肢を……僕は…………

 

「選ぶのはお前だ。桜空」

 

すると見たことのない男が現れた。いや、見たことないけど知っている。

 

「グーリ……」

 

「急を要することだが、これからのことを考えろ……」

 

これからのことを……か……

 

 

 

 

 

 

 

 

ソラside

 

昨日はみんな疲労が溜まっていたから話せなかったけど、シャララ隊長を救う方法……それはミックスパレットの力を使うこと……あれならランボーグを浄化した瞬間に癒しの力で……だけどそれで本当に救えるのかわからない。だけど……

 

「ノアがいてくれたら……」

 

信じられる。救えるって……私にとってノアはそれだけの存在だ。早速ノアに話をしようとしたが……

 

「あれ?ノア?」

 

リビングにノアの姿はなかった。ノアならもう起きているはずなのに……いない?

するとヨヨさんがリビングにやって来て……

 

「ノアさんなら……スカイランドに行ったわよ」

 

「スカイランドに?どうして?」

 

「……もうソラさんに会わせる顔がないって言っていたわ……」

 

ノア……が……




ソラは心折れてないため、ミラージュペンの件はないですが、それでも……

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63 ソラの心

今回の話もオリジナル多めです


ましろside

 

桜空くんは眠り続け、ノアさんも今朝、スカイランドに行ったとお祖母ちゃんに言伝てをしていった。

ソラちゃんはノアさんがいなくなったことがショックで今日は学校を休むことに……

 

「桜空くん……ノアさん……ソラちゃん……」

 

学校から帰り、私は桜空くんの様子を見に来た。桜空くんはまだ起きない……

次にソラちゃんの部屋をノックしたけど、返事がなく部屋に入るとソラちゃんの姿はなく……机の上には書き置きが置かれていた。書き置きには……

 

『今のままじゃ、私はヒーローを名乗れません』

 

「ソラちゃん……!?」

 

 

 

 

お祖母ちゃんの話では、私が帰ってくる前にソラちゃんはスカイランドの実家に戻ったらしい。それを聞いたあげはちゃん、ツバサくんはソラちゃんを連れ戻そうとしていたけど……私は……

 

「本当に行かないんですか?」

 

「ねえ、やっぱり今は1人しておいてあげよう……周りからワーって言われたら、ソラちゃん、きっと……」

 

シャララ隊長のこともノアさんの事もあって、きっとソラちゃんの心は深く……傷ついているかもしれない。

 

「ボクは、そうは思いません……何のための仲間なんです? 何のために、プリキュアは1人じゃなくて、4人なんです?何……何で一言相談してくれなかったんだ……ソラさん……」

 

「ツバサくん……ましろちゃんの気持ちも考えて」

 

「あ……」

 

アスちゃんは私に気を遣ってくれているけど、私は……大丈夫…だよ。

 

あげはちゃん、ツバサくん、アスちゃんはそのままミラーパットでスカイランドへ行くのであった

 

 

 

 

 

 

 

アスside

 

スカイランドのソラちゃんの家に着くと早速ツバサくんが呼び鈴を鳴らすと、ソラちゃんの母親らしき人が出た

 

「貴方たちは…もしかしてソラの?」

 

「ソラさんはいますか?」

 

「ツバサくん?あげはさん、アスさんまでどうしたんですか?」

 

来客が気になり、様子を見に来たソラちゃん。ツバサくんとあげははソラちゃんに詰め寄った。

 

「ソラさん!どうして黙って出ていったんですか!」

 

「色々と辛いこと大変なことがあっても私たちがいるじゃん!」

 

「えっと……何の話を?私はただノアを連れ戻しに帰ってきただけですよ」

 

「「へ?」」

 

何かお互いに噛み合ってなかったみたい。それにしても……

 

「ノアの居場所知ってるの?」

 

「はい、きっと……始まりの場所にいると思います。ノアを連れ戻そうと決めたのは夕方だったので、今日は家に泊まって、明日話をしてきます」

 

「それじゃ……ソラさんは大丈夫なんですか?その、色々と……」

 

「……辛いですが、私にはましろさんや皆さんがいます……ただシャララ隊長を助けるために……覚悟を決めるためには……ノアがいないとダメなんです……私にとってノアはかけがえのない人ですから」

 

ソラちゃんらしい……というかそれだけノアを信頼しているって事だよね。

私は二人に帰ろうと伝え、二人も頷きソラシド市に帰ろうとすると……

 

「あの、ましろさんに伝えてください」

 

「うん、良いけど……」

 

「私はみんなのヒーローであり、ましろさんのヒーローにもなりたいと思ってます。だけど……ましろさんのヒーローであり、みんなのヒーローでもあるのは……あの人です。きっとその人はましろさんの危機に駆けつけてくれます……だから信じてあげてください……と」

 

 

 

 

 

 

 

ソラside

 

ツバサくんたちが訪れた次の日、私は森の中に入っていく。奥へ奥へと進んでいくと思い出してくる。あの日、あの時……ノアと出会ったことを……

 

「やはりここでしたか」

 

森の奥、ここまで歩いてきたが木々が生い茂っていたのが、この場所だけは焼かれた状態だった。どんなに新しい木を植えても緑は戻らない場所……その中心にノアがいた。

 

「何しに来た。ソラ」

 

「貴方に会いに……」

 

「お前がいるべき場所は……ソラシド市だろ。シャララを助けなくていいのか?」

 

「助けるために……貴方が必要なんです」

 

「甘えるな。お前は俺に依存しているだけだ!俺がいなくてもお前はヒーローになれる!」

 

「甘えている……依存している……そうかもしれません。ですが!私は!どんなことを言われても!貴方が必要なんです!だから!」

 

ノアは笑みを浮かべると同時にノアの身体が燃え上がった。あれは……四元の……

 

「そうか……それだけお前は俺が必要か……ならそんな考え!この炎で燃やし尽くす!」

 

「…………ノア!貴方を連れ戻す!」

 




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64 ノアの決意

ソラside

 

四元の炎を纏ったノアと対峙する私。ノアは攻めてこない……

 

「プリキュアに変身しろ。そうすればある程度怪我はしなくてすむ」

 

「する必要はありません!ノアとの戦いにプリキュアの力を使うのは間違ってますから!」

 

「そうか……なら!」

 

ノアの姿が揺らいだと思った瞬間、いつの間にか私の前に現れ、思いきり腹を殴ってきた。

 

「かはっ!?」

 

「今からでも遅くない……変身しろ」

 

「し……ません!」

 

お腹を押さえながら私は立ち上り、拳を構えた。

 

「なら、諦めさせる!」

 

ノアは炎で私の周りを囲んだ。一呼吸で喉が焼けるほど熱い……

 

「これで終わりだ。この炎を突破するには、生身では無理だ」

 

「ハアアアアア!!!」

 

「なっ!?」

 

私は腕で顔を隠しながら、炎を突破し、ノアを蹴る。ノアは私の蹴りを防ぎ、反撃のパンチを繰り出すが、私はそれを防ぐ。

 

「何処まで……」

 

「ハッキリと分かりました!ノア!」

 

「何がだ!」

 

ノアは炎を燃え上がらせ、空へと跳んだ。そして両拳に力を貯め……

 

「本気で……お前を……炎竜・灼熱砲!」

 

炎の塊が私に迫ってくる。だけど……私には分かる。この攻撃は…………

 

 

 

 

 

 

 

 

ましろside

 

朝、私は部屋で手紙を書き桜空くんの側に置いた。いつでも起きたときにすぐ読めるように……

そんなときツバサくんからある知らせが入った。街であのランボーグが暴れていることらしい

 

「私はソラさんたちのところに行くわ」

 

「えるも!」

 

お祖母ちゃんとエルちゃんはソラちゃんにランボーグが現れたことを知らせにスカイランドへ行き、私たちはプリキュアに変身し、街へと向かった。

 

 

 

 

 

 

アスside

 

街に辿り着くとランボーグがビルを破壊していた。そしてその前に……

 

「はい、強い! コイツを操るボクも強いんだよな!」

   

「この世界のことわざを、アンタに1つ教えてあげる。弱い犬ほどよく吠える!」

 

「ワン!」

 

わざわざ吠えるなんて…弱い犬だって認めてるよね?

ウィングたちはランボーグに向かっていき、私も続こうとすると黒い雷が落ち、そこにはライがいた。

 

「捨てるとか言ってたけど、このタイミングで捨てるかな~」

 

「アスさん!」

 

「大丈夫!ノアと桜空がいない分、私が頑張るから」

 

「それなら、俺も頑張ろうか」

 

突然風が吹くといつの間にかフウがいた。タイミングいいな~

 

「お前は二人が戻ると思ってるのか?」

 

「戻ってくるでしょ。何せあの二人を想ってる人がいるんだしね」

 

「そうだな!」

 

私とフウはライに向かっていく。

 

 

 

 

 

 

 

『桜空くんへ。グーリさんから話聞いたよ。色々と大変なことになって、戦わないようにするか人間を捨てて戦い続けるか選択することになってるって……でも私はどちらを選んでも桜空くんの事を変わらず想い続ける。それが桜空の恋人である私の想い。だから……後悔だけはしないで。ましろより』

 

その手紙を読み…………

 

「行くのだな」

 

「あぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

炎が消えるとそこには生身で耐え抜いたソラの姿があった。いや耐え抜いたというより……

 

「外れた?」

 

「違います。外したんです」

 

俺が攻撃を……外した?何故だ?そんなこと……

 

「あり得ないと思ってますよね。でもこれが真実なんです」

 

ソラは一気に俺への距離を詰め、殴ってきた。

 

「ノアは強くそして厳しい人ですが!そんな中に!」

 

殴り続けるソラ。俺は防御せず受け続けた。

 

「優しさがある!その優しさは誰よりも!」

 

「優しさだと!そんなの……」

 

「無意識に貴方は私に加減しました!攻撃も外しました!それが何よりの証拠です!」

 

俺が……そんな……

 

「貴方の炎は確かに熱く、全てを燃やし尽くすほど……ですが!何処か安らぎを感じさせます!」

 

「そんなこと!」

 

「そんなことあります!だから貴方は桜空さんを殺そうとしたとき……悩み続け、決断しても……後悔していました!だから!」

 

ソラの渾身の一撃が俺の顔に当たり、俺は膝をついた

 

「貴方の炎は全てを燃やし尽くすものではなく、全ての心を暖かくする……ノア自身を象徴する炎です!」

 

「俺が……」

 

気がつくと四元の力は解除され、これまで焼け焦げた場所はいつの間にか緑で溢れていた。

 

「私には……貴方が必要なんです。大好きなノアが側にいないと……ダメです。ダメダメなヒーローなんです……だから……一緒にいてください。これからもずっと……」

 

ソラから差し伸べられた手を俺は握り返した。

 

「……本当にいいんだな」

 

「はい!」

 

「ふっ……敗けだよ。ソラ……」

 

俺は立ち上り、ソラと一緒にいることを選んだ。そしてソラの家に戻るとヨヨとエルが待っていた。

 

「どうやらそちらは解決したみたいね」

 

「そら、のあ」

 

「ヨヨさん、もしかして……」

 

「えぇ、例のランボーグが現れたわ」

 

「行きましょう!ノア!」

 

「あぁ!」

 

「ソラ、行くのだな」

 

すると家の中からソラの父親のシドが出てきた

 

「はい、ノアと一緒に」

 

「そうか……ノア。ソラを頼む」

 

「あぁ」

 

ソラはプリキュアに変身し、ソラシド市へ戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

プリズムside

 

ランボーグに苦戦する私たち。ランボーグは限界までアンダーグエナジーを取り込み、強くなっている。それに、アスさんたちもライに苦戦していた

 

「相変わらず相性が……」

 

「それだけではない。こいつはリミッターを解除している。自分の身体がどうなろうがお構いなしに暴れまわっている」

 

「コロス……コロス……」

 

「もう諦めろって、キュアスカイも尻尾巻いて逃げたんだしさ」

 

「ソラちゃんは……逃げてなんか……ない」

 

ソラちゃんはきっと……

 

「あっそ、やれ!ランボーグ!止めだ!」

 

ランボーグが剣を振りかざした瞬間、まばゆい光が辺りを照らし、そこには……

 

「ヒーローの出番です!」

 

「ソラちゃん……」

 

「「スカイ!」」

 

スカイが現れ、その隣にはノアさんが一緒にいた。二人は同時にランボーグを殴り飛ばした。

 

「お待たせしました!」

 

「悪かったな……色々と」

 

二人はそう言う中……

 

「コロス……コロス……コロス!」

 

ライが黒い雷を私に向けて放った。だめだ……避けようとしても……ダメージが……

 

「大丈夫です。ましろさんのヒーローであり、みんなのヒーローが来ました!」

 

黒い雷は私に当たらず、黒い壁に吸い込まれていった。そして私の前には……

 

「待たせたな。ましろ」

 

「さ……」

 

白と黒のコートを羽織り、髪の毛は氷のような色、

そして頭には水色の角が生えた。

私は泣きながらその人の名前を呼んだ

 

「桜空……くん……」

 

「こいつは僕に……いや、僕らに任せてもらっていいか?スカイ、ノア!」

 

「はい!」

 

「行けるのか?」

 

「あぁ……僕が選択した決意を見せる!」

 




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65 桜空の目覚め

今回でシリアス回終わり!


プリズムside

 

ピンチに駆け付けてくれた桜空くん。嬉しいけど……でも……桜空くんがこうしてこの場にいるということ……

 

「桜空くん……グーリさんたちと融合したの……」

 

グーリさんから聞いた桜空くんの選択。器を封印するために戦いから降りるか戦い続けるためにグーリさんと器を守る竜たちと融合し、人を捨てるか……桜空くんは……

 

「大丈夫。僕は僕だよ。融合なんてしてない!」

 

桜空くんはそう言ってライへと駆け出していった。融合してないって……

 

「あいつは選んだんだ。人として、ましろをお前を守るための3つ目の選択を」

 

突然私の前に人間形態のグーリさんが現れ、そう言った。3つ目の?

 

「我も二匹の竜たちも予想しなかった3つ目の選択。それは……」

 

 

 

 

 

 

グーリside

 

選択を迫れる桜空。桜空の出した答えは……

 

「人のまま、グーリやお前たちの力を使って戦い続ける。それが僕の選択だよ」

 

『人のまま?』

 

『そんなこと……我々と融合すれば主は邪の力に染まることはないのだぞ』

 

「確かに……リスクなしで戦い続けるのなら、そうするべきだけど……僕は人間だ」

 

『人……だからこそ』

 

『人間ほど邪に染まりやすい存在はいない。ならば……』

 

「邪……悪い感情……それに染まりやすいのは分かる。だけど、だからこそそれが人間なんだよ」

 

『人間……だから…』

 

「人間には悪い心を生みやすいけど、だけどそれを乗り越えることが出来る。耐え抜くことが出来る。お前たち竜には分からないことかもしれないけど……出来たら理解してほしい。人間の可能性を……」

 

人間としての可能性か……ふ、桜空らしい答えかもな。

我は人間形態になり、桜空の隣に立った

 

「信じてみるしかないだろう。お前たちの主を……もしかしたら新たな可能性を見出だせるかもしれない」

 

『……本当に変わった主だ』

 

『だが信じられる。良いだろう。人として、これまで通り戦え!』

 

「あぁ……僕はましろのヒーローだからな!力を借りるぞ!」

 

『ならば!』

 

『我々の名を呼べ!』

 

『『全てに染まる白の力を!全てを塗り潰す黒の力を!』』

 

「桜空!これまで通り……我も力を!全てを凍てつかせる力を!」

 

 

 

 

 

 

「それが桜空の選択。安心しろ!ましろのヒーローが戻ってきた」

 

我はそう告げて桜空の中へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

ライの黒い雷が迸る中、僕は右腕を突き出し、

 

「塗り潰せ!黒龍!」

 

黒い竜のエネルギーがライの雷を打ち消していく。

 

「雷ガ……アリエナイ……ウオオオオオオ!」

 

ライは力を解放し、巨大な竜へと変わり、口を大きく開けると黒い雷を纏ったブレスを放った!

 

「全てを凍てつかせろ!氷竜!」

 

僕は口から氷のブレスを放ち、ライのブレスを凍らせた。

そして一気に距離を詰め……

 

「雷の力で染まれ!白竜!」

 

左拳でライを殴るとライは巨大な竜から小さな子供へと姿を変えた。後は……

 

「黒竜……頼む」

 

『あぁ』

 

黒髪の青年……黒竜が現れ、僕の中から黒いエネルギーを抜き取り、打ち消した。

 

「上手くいったな」

 

「私の黒竜としての力を使って、邪の力とそれと同等に近いアンダーグエナジーを消すことを考え付くとはな」

 

「後は悪さができないように竜の力を奪えた白竜の力も助かったよ」

 

「本当に面白い主」

 

白髪の女性が感心していた。そしてグーリも現れ……

 

「器の事を知り、竜の力も一気に使えるようになったみたいだな。後は……」

 

ランボーグだけど……あっちは大丈夫だろ。何せ……ヒーローガールと隣に並び立つ炎竜がいるからな

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

シャララボーグの攻撃を避けながら、俺たちは攻撃を仕掛けていく。

 

「前に進む足が止まりそうになっても、私には、背中を押してくれる人達がいます!それに隣に立つ大切な人も!だから…だから…立ち止まるな、ヒーローガール!」

 

スカイの一撃でシャララボーグの剣を打ち砕くと俺は…

 

「四元の力解放!受け取れ!スカイ!」

 

「ノアの想いの炎を…力に!」

 

スカイの右腕が炎を纏い、そして……

 

「ひーろーがーる!フレイム!スカイパンチ!」

 

炎を纏った拳がシャララボーグを倒し……

 

「ましろさん!」

 

「うん!」

 

「いっけー! ましろん!」

 

「ソラさん! 決めて下さい!」

 

『プリキュア! アップドラフト・シャイニング!』

 

シャララボーグは浄化され、元のシャララに戻るとスカイはバタフライに向かって叫んだ

 

「バタフライ!癒しの力を!」

 

「そっか!癒しの力!あげてこ!」

 

ミックスパレットの癒しの力でシャララの傷は癒えるが……目を覚まさないでいた

ふと見るとバッタモンダーが怯えながらゆっくりと近づこうとしてきたが……

 

「動かないで!」

 

「ひぃ!?」

 

「1ミリでも動いたら、絶対に許さない!」

 

プリズムの言葉に完全に怯んだバッタモンダー。どうやら完全に敗北を理解したみたいだな

 

「きっと大丈夫……信じて待っている人がいる限り、何度だって立ち上がれる……きっと、それが、ヒーローですから……」

 

スカイはシャララの手を握り締めると……シャララは……

 

「良い言葉だ……また会えたな、ヒーローガール」

 

「シャララ隊長……会いたかった!」

 

スカイはシャララに抱きつき、安堵していた。さて残ったのは……ライは姿を消し、バッタモンダーは……こそこそ逃げていた

 

「ありえねぇし……ありえねぇし……ありえねぇし……」

 

俺たちはバッタモンダーの前に立ちはだかり、逃げ場を奪う。バッタモンダーは怯えながら……

 

「ヒイッ!?バババ、バッタモンモン……」

 

スカイはそんなバッタモンダーに背を向けた。見逃すと言うよりも……

 

「と、とどめをささないのか? じゃないと、また来るぞ! また、お前の嫌がる事をしてやる! それでもいいのか? ソラ・ハレワタール!」

 

「構いません。どんな事をされても負けないくらい、私、強くなりますから……」

 

そう告げるとバッタモンダーは完全に戦意喪失していたのだった

 

 

 

 

その様子を見ていた二つの影、一つはウロボロス。もう一つはフード姿の人物

 

「ライは完全に敗北し、姿を消したか」

 

「…………」

 

「始末しなくていいかだと?別に放置しておけ!奴は所詮捨てゴマ。それにしても……四元の器の目覚めと炎竜の目覚め……あちら側に有利に事が運んでいるように思えるが……四元の竜は絶対に目覚めない、氷竜が水の竜の力を持っていてもだ……そうだろ……」

 

ウロボロスはフードの人物の方を向くとフードの人物はフードを取り、水色の髪の少女の顔が露になった。

 

「水竜よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

家に帰り、みんなに自分の状態のことと雷竜の力を手に入れたことを話した。雷竜の力は今後ノアたちの強化を考え、後で話し合うことになり……そして……

 

「ましろ……服を脱いでくれないか?」

 

「へ?」




次回はシリアス続きだったので、その反動でイチャイチャオリスト!
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66 ましろの気持ちとあげはの……

今回はシリアス続いたので、イチャイチャ回


ましろside

 

夜、部屋にやって来た桜空くんの突然の発言……えっと聞き間違いだよね?

 

「えっと、何て言ったの?」

 

「上着を脱いで、下着になってほしい」

 

…………えっと何か具体的になったんだけど……桜空くん、本当にどうしたんだろ?もしかして黒竜さんと白竜さんが目覚めた影響で変なことを言い出し始めたりとか?でもそう言うことを言わなそうな人たちのような……

 

「ましろ……脱いで……見せてほしい」

 

み、見せろって……あっと、その……

 

「た、ターーーーーイム!!」

 

色々とまずいので私はタイムをかけた。だって私たちはまだその……

 

「わ、私たち…キスしたばっかりだよ。それに中学生だし///え、エッチなことはまだ早いと思うの///」

 

「エッチなこと?何を言って…………あ」

 

桜空くんは自分の発言を思い出し、顔を真っ赤にさせていた。

 

「い、いや、そう言う意味じゃない」

 

「そう言う意味じゃないなら何で服脱いでほしいってお願いするの」

 

「その……傷……痕になってないか……」

 

あ……桜空くんは暴走してたときの記憶が……

 

「……分かったよ」

 

私はパジャマの上着を脱ぎ、下着姿になった。あの時の傷はミックスパレットで痕も残ってない。でも桜空くんは本当に申し訳なさそうにしていた。

 

「ごめん…」

 

「気にしないで…あの時は仕方なかった事だから…」

 

「それでもごめん…ましろの事を傷つけて……」

 

謝り続ける桜空くん。私はそんな桜空くんを抱き締めた。

 

「大丈夫だよ。私が一番傷つくとしたら……桜空くんが傷つくことだから……だからこれ以上謝らないで……」

 

「ましろ……」

 

「桜空くん……」

 

私たちはお互いに顔を近づけてキスをしようとしたとき……

 

「ましろん、聞きたいことが……」

 

あげはちゃんが訪ねてきた。あげはちゃんは今の私たちの光景を見て固まり……

 

「えっと……一応エルちゃんやツバサくんがいるから気を付けた方がいいよ」

 

そう言ってドアを閉めた。私たちは顔を見合わせ……

 

「「誤解だよ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

あげはside

 

あの二人、流石に進みすぎな気がする。と言うか大きな戦いのあとだからって……ましろんも下着姿だったし……とりあえず大人として注意しないと……そういえば他の面々は……ソラちゃんとノアさんは台所に立ってお粥を作ってた。

 

「味どうですか?」

 

「まぁ普通だな」

 

「うーん、もう少し味付けを…」

 

「そう下手にやるよりレシピ通りに作った方が一番いいぞ」

 

「なるほど!分かりました!」

 

笑顔を向けるソラちゃんをノアさんは頭を撫でた。今回の一件から何だか二人の関係が進んだ気がする。と言うよりノアさんがソラちゃんに対して甘くなった気がする。

まぁこの二人の場合は恋人同士に見えるようになってきた気がする。それにノアさんは大人だからしっかり……でも竜の価値観としてどうなんだろう?

 

「ツバサく~ん、疲れたよ~」

 

「アスさん…疲れたのは分かりましたが、抱きつくのはやめてください」

 

「やだ」

 

「何でですか!」

 

「ツバサくんに抱き付くと疲れが取れるから!ね、エルちゃん」

 

「あい」

 

エルちゃんもツバサくんの足に抱きついてる。この二人の場合は……ツバサくんもアスちゃんに対して甘くなってるけど、エルちゃんが真似してるのを見ると教育に……

 

 

 

 

 

 

私は庭で立っているフウさんに声をかけた

 

「フウさんは何を?」

 

「念のため、警戒してるだけだ。それで何でそんな疲れた顔をしている?」

 

そんな疲れた顔をしてるかな?まぁしてるとしたら昼間の件より……

 

「なんと言うか恋人同士の事を考えると……色々と気を付けないとって思って」

 

「あいつらのことか。まぁ色々とあったから仕方ないだろ」

 

「そうだけど……」

 

「注意することだけ注意しておけばいい。あいつらなら一回言えば気を付けるだろ」

 

「フウさんはよく見てるね」

 

「お前ほどじゃない。あげは、もう休め。明日に響くぞ」

 

「そうだね。話聞いてくれてありがとう」

 

何だかフウさんとはいい関係になれそうな気がするくらい話しやすいな~

ん?何でドキドキしてるんだろう?




次回は本編に戻ります
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67 呪いの解呪と竜たちの関係

紋ましが本編でやってるのを見て、こちらでは桜空を嫉妬させるかどうか……


桜空side

 

シャララ隊長を助けてから数日後、シャララ隊長も調子が戻ってきたみたいだった。

僕……と言うよりも竜たちの方にもちょっとした出来事があった。それは雷竜の力に関してだ。このまま僕が持っていても良かったのだけど、ノアとフウさんの提案で竜たちの誰かに渡して強化をするべきだと言うことで話し合った…………と言うか…………

 

「私の勝ちー!」

 

ジャンケンで勝敗を決めた結果、アスが雷竜の力を受け継ぐことに……

 

「まぁ相性的にはアスかフウが受け継ぐべきだな」

 

「私よりもアスの方が戦闘スキル高いから大丈夫だろ」

 

という話し合いでアスが雷竜の力を受けとるのであった。

 

そしてキラキラエナジーも貯まり、必要分貯まり王様と王妃様の呪いを解くポーションが完成し、みんなでスカイランドへと行くのであった。

 

 

 

 

 

スカイランドへ着き、ベリィベリーたち青の護衛隊のみんなが迎えてくれた。ポーションが完成したこととシャララ隊長を救出出来たことを感謝していた。

そしてヨヨさんがポーションを使い、王様と王妃様の呪いが解かれ、エルちゃんも嬉しそうにしていた

 

「ぱぱ、まま」

 

「おしゃべりができるなんて……」

 

「もう一度、呼んでごらん?」

 

「ぱぱ、まま」

 

「うん……うん……」

 

「プリンセス、良かった……」

 

「やっぱ、パパとママだよね!」

 

「うん……家族みんな一緒が一番だよね……」

 

 

 

 

 

 

 

王様たちが目覚めた事はスカイランド中に広まり、プリキュアと竜たちの活躍のお陰だとも広まり、パレードが開かれることになった。ましろたちもパレード関係で外に行っている間、僕、ノア、フウの三人はお城の応接室に来ていた。そこには木竜ツゥドさんと鏡竜のミーラさんがいた。

 

「久し振りじゃな。ノア、フウ、桜空」

 

「木竜のじいさん、来てたのか」

 

「護衛の二人はどうした?」

 

「ほほほ、二人は来ておらんよ。会いたくないやつがいるからな。のう、黒竜、白竜」

 

ツゥドさんが二人の事を呼ぶと僕の中から二人が出てきた。

 

「久しぶりだな。木竜」

 

「少し老けたみたいね」

 

黒白の二人と知り合いみたいだけど……どんな関係なんだ?

 

「邪竜封印後、器は消えてしまい、それと同時にお前たちも消えてしまったが、まさか器は桜空に宿り、お前たちと再会できるとはな」

 

「本来なら俺たち二人も主と融合し、消えるはずだったが」

 

「主の選択により、こうして会えました。ミーラも久しぶりね」

 

「そうですね。とは言えあなた方の縁者は来てませんが」

 

「あの二人……仕方ないが……」

 

縁者って事は……光竜と闇竜の二人のことだよな?

 

「光竜と闇竜はあの二人と血の繋がりがあるが、使命が違うからな」

 

グーリも出てきて、黒白竜と光闇竜の関係について教えてくれた。同じ性質の竜たちだが、名前や持っている能力が違うし、使命としては黒白竜たちは器を、光闇竜は竜の長を守る存在らしい。

今回会いたがらなかったのは、会わせる顔がないらしい。色々とそこら辺は複雑らしい……

 

「ともあれ、邪竜たちの動きが活発になってきておる。くれぐれも注意するのじゃぞ」

 

「あぁ……俺も四元の力を完全に扱えるようになった。だが油断はするつもりはない」

 

「それと聞きたいことがある。蛇竜ウロボロス……奴は何者だ?」

 

「ウロボロス……聞いたことはないが……こちらで調べておこう」

 

ツゥドさんたちは本当に顔を見せに来ただけらしく、帰っていった。それにしてもウロボロスか……

そう言えば前に狂竜の力を宿した宝石……ツゥドさんたちに見せなくって良かったのか?まぁあれはエルちゃんが持ってるし、今は親子の時間を邪魔したくない。とは言え見張りについているアスは何かしでかしてないよな?

とりあえず僕らはましろたちの所へ行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

アスside

 

ツバサくんたちはパレードの準備をしている中、私は王様たちの護衛についていた。

目覚めてめでたしではなく、こう言うときに敵が攻めてきたら大変だしね。

王様たちはエルちゃんが色々と出来るようになってきたことを喜んでいたけど……

 

「しゅかいみらー! とーねくと!」

 

「「上手!」」

 

エルちゃんのプリキュアの変身の真似を見て喜ぶ二人。私は口を出さずに見ていた

 

「ひおがるしゅかい! ぷりきゅあ!」

 

エルちゃんがそう言った瞬間、胸に小さな光が……光はすぐに消えたが……エルちゃん、プリキュアに?まさかね

 

「プリンセス! ホッ……」

    

「今のは……」

 

「あの時と同じ光……」

 

何だか二人とも、エルちゃんについて隠してることでもあるのかな?

それにしても親か……竜の私たちにはあまり関係はない……と言うよりも無関心だから……ただ……

 

(今回の件で私のことが伝わってないよね?)

 

色々と心配事が……木竜たちが上手く情報を隠してくれていればいいけど……




アスの話は後々に
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68 エルちゃんの秘密

桜空side

 

ツゥドさんとの話が終わり、僕らはましろたちの所へと行くとましろは鳥に乗るのに苦戦していた。どうにもパレードでこの鳥に乗る必要があるらしい。それにしてもこの鳥……何て名前なんだろう?チョ○ボ?

 

「桜空はましろに付き合ってやれ」

 

ノアはそう言って何処かへ行った。多分ソラの所かな?フウはもう少し調べ事をしたいとのことで、何処かへ行くのであった。

 

「桜空くん、話終わったの?」

 

「あぁ…それでましろとベリィベリーは何をしてるんだ?」

 

「この子が彼女を乗せてくれないみたいでな」

 

「そうなんだよ~何だか逃げられちゃって…」

 

乗せてくれないってことあるんだ……警戒心が強いとか?でもましろ相手なら気を許してくれそうだけど……

とりあえず僕はましろが鳥に乗れるのを手伝うのであった。

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

ソラのところに行くと、ソラとシャララが話していた。邪魔をしては悪いと思い、少し待ちつつ二人の話を聞いていた。

 

『ソラ。君は随分と成長したな』

 

『立ち止まるな、ヒーローガール……辛かった時も、隊長の言葉に背中を押してもらえました!』

 

『それは光栄だ……だが、君を変えたのは、私だけじゃないだろう?』

 

ふと気がつくとソラは俺がいる方を見て、笑顔を見せた。気づいていたのか?

それと同時にましろと桜空もベリィベリーと一緒にこっちにやって来た。

 

『友との出会いが世界を広げ、新たな自分に出会わせてくれる……そうだろう?』

 

『はい!』

 

シャララとベリィベリーと別れ、桜空とましろの二人が楽しげに話している中、ソラはあることを言ってきた

 

「私が変われたのはましろさんや桜空さんたちのお陰でもありますが、ノア、あなたのお陰でもあるんですよ」

 

「俺は別に……ただ」

 

「ただ?」

 

「俺が変われたのはお前のお陰でもある」

 

そう言うとソラは笑顔になった。俺はそんなソラの頭を撫でるのであった。

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

それからあげは姉とツバサと警護をフウと交代してきたアスと合流し、みんなでおやつを食べることになったけど、僕らの前にあるおやつって、ボールドーナツ?

 

「わあ! こっちにもボールドーナツがあるんだね!」

 

「やだなぁ、ドールボーナツですよ!」

 

「ぼーなどーる?」

 

「ドールボーナツです」

 

「どーな……」

 

「まぁまぁ! とにかく食べてみよ!」

 

要するにスカイランドのボールドーナツって考えれば良いってことだよな

 

「いただきます!」

 

「美味しい! けど、いつも食べてるドーナツとは何か違うような……」

 

「だね!」

 

「私には、いつも通りのボーナツですが……」

 

「やっぱり、違う世界なんだね……ソラちゃんやツバサ君と、私と桜空くんとあげはちゃん。見た目は変わらないのに、別々の世界の人なんだなって……」

 

「私たちは世界と種族も違うけどね」

 

「だが大まかに言えば違う世界の住人になるな」

 

確かにノアやアスはそうだけど……でも僕からしたら普通の人にしか思えない

 

「奇跡みたいだなって思うの……絵本に出てくるようなお城があって、不思議な鳥さんに乗ったのも、不思議なドーナツを食べてるのも……みんなと出会えた事も……この奇跡が、ずっと続くといいな……」

 

ずっと……か。そうだよな……ずっと続けばいいのにって僕も思っている。

 

おやつを食べ終えると青の護衛隊の副隊長が王様たちが僕たちを呼んでいると言われ、僕らはお城へ戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

謁見室で僕らは王様たちにお礼を言われた。

 

「勇敢なるプリキュア、そして竜たちよ。そなたたちには何度も救われた。プリンセスのこと、私たちの呪いを解いてくれたこと。心から感謝する」

 

「本当にありがとうございました」

 

「あいがとー」

 

改めてお礼を言うために呼び出した?すると王妃様があることを告げた。

 

「この子を……プリンセスを再び貴方たちの世界に連れ帰ってほしいのです」

 

王妃様の言葉を聞いて僕らは驚きを隠せないでいた。何でまた……

 

「我々も可愛いプリンセスと一緒にいたい。だがこの子は……運命の子なのだ」

 

「運命の子?」

 

王妃様は語った。一年前、夕暮れの時、王様と二人で空を眺めていたとき、一番星からまばゆい光が降り、その光はエルちゃんに変わった。そして一番星は二人に告げた。

 

『その子は、運命の子。滅びの運命にある、このスカイランドを救ってくれるでしょう。あなた達の手で、この子を育てるのです。ただし、そう遠くない未来に、旅立ちの知らせが届きます。あなたたちは、それまでの間、面倒見るだけの、いわば、かりそめの親。親としての時間は、ほんの一時。それでも良ければ、この子の手を取りなさい』

 

王様たちはエルちゃんと名付け、育てることにした。更に一番星はあることを告げた。

 

『旅立ちの時、その子を守る竜も現れる。星竜が……』

 

 

 

 

 

「エルちゃんが空から……」

 

「そして、プリンセスに、再び運命の光が宿った……無情にも、旅立ちの知らせを告げたのだ……」

 

「本当は、ここで共に暮らしたい……エル……」

 

「なでなで……えーん、ちないよ。いいこ、いいこ……」

 

エルちゃんは悲しそうにしている王様たちを慰めていた。

 

「エル……」

 

「こんなにも優しい子になっていたのね……そうね……きっと大丈夫……ここを離れても、あなたには、守ってくれる温かな家、家族がいるんだもの……」

 

「家族……私たちが……」

 

「アンダーグ帝国は、これからも、スカイランドや、そなた達の元へ刺客を差し向けるに違いない……危険を背負わせて、すまぬ……だが、どうか、プリンセス・エルを守ってほしい……」

 

「王様、王妃様……」

 

「これまでにまして、必ずや、エルちゃんをお守りします!」

 

「ボクも、任せて下さい!」

 

「頼んだぞ、プリキュア」

 

僕らはエルちゃんの事を改めて任されることになったのだが……それにしてもエルちゃんを守る星竜って一体……

 

 

 

 

 

ノアside

 

王たちとの話が終わり、パレードが始まろうとしている中、俺はソラと一緒にシャララのところにいた。

 

「ソラ。君達の先導を務めるぞ」

 

「ありがとうございます!」

 

「だが、私に続くのは、これが最後だ。君は、君のヒーローを目指せ……大切な仲間とともに……」

 

「はい!」

 

そうだな。ソラはそれだけ成長してきている。するとソラはポケットからあるものを取り出した。それはシャララが持っていたネックレスだ

 

「あ、そうだ! これがなくても、また会えますよね?」

 

「あぁ。スカイランドは、私が守る。そして、いつでも君達を支えよう。」

 

「はい!」

 

そしてパレードが始まるのだが、空に黒い雲が現れた。あれは晴れた日に1つだけ現れるいじわる雲……こんな日に限って……

 

「私達で何とかできないかな? スカイランドの晴れた空、エルちゃんに見せてあげたい……」

 

ましろの提案でソラたちはプリキュアに変身し、アップドラフト・シャイニングとミックスパレットの力でいじわる雲を吹き飛ばし、晴れた空を見せることに成功し……

 

「折角だから私たちもやろうよ」

 

「アス……まぁそうだな。」

 

「それじゃ……」

 

「やるか」

 

俺、フウ、桜空、アスで空に向かって炎と風と大地と氷で空に花火を作り上げた。こうしてパレードは終わるのであった。そしてみんなでソラシド市に帰ろうとしたとき、空から紫色の光が降り、エルの持っていた狂竜の宝石に宿ると宝石が一匹の小さな竜へと変わった

 

「これは……」

 

「ノア、もしかして星竜ですか?」

 

「そもそも星竜なんて存在するのか?」

 

「分からないが……」

 

フウもまた星竜の誕生に驚いた。

 

「みぃ、みぃ」

 

星竜はただただ鳴くのみであった。




最期らへん急ぎ足だったかも
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69 みんなで動物園

桜空side

 

今日はみんなでお出掛け、エルちゃんも運命の子とか気にせず、いつも通りに食事を楽しんでいる中……

 

「ましろは何でそんな不満そうな顔をしてるんだ?」

 

「その……いいのかなって」

 

「どうしたんですか?お二人とも?」

 

ソラが荷物の準備を終えて、僕らに声をかけてきた。

 

「どうにもさっきからましろが不安そうで」

 

「だって……いいのかなって……エルちゃんが運命の子なのに普通に食事させて……」

 

「大丈夫ですよ! ましろさんの作るご飯は、すっごく美味しいですから!」

 

「そうだな。ましろのご飯は毎日食べたいしな」

 

「桜空くん///で、でもでも、もっと豪華なご飯じゃなきゃ駄目なのかも?」

 

「そんなに沢山用意しても、エルちゃんが好きなのは、おにぎりとバナナですよ?それを言うなら、これは、私の弟のお下がりですけど、もっと豪華なドレスを着せるべきなのでは?」

 

「今日はお出かけだし、動きやすい服の方が……」

 

何だか気にしすぎな気がするけどな……

 

「ソラさん……ましろさん……桜空さん……」

 

するとツバサの弱々しい声が聞こえ、振り向くと何故かアメフトの格好をしているけど……本当に何があったんだよ……

 

「「ツバサ君!?」」

 

「プリンセスは運命の子……絶対にお守りしなきゃって思ったら、どんどんこうなっちゃって……」

 

もう暴走しすぎな気がする……

少ししてあげは姉が様子を見に来たが……

 

「みんな、準備できた? えぇ!?」

 

ソラ、ツバサ、ましろの三人はアメフトの格好をしていたのだった。あげは姉は苦笑いをしながら……

 

「何それ? 流行ってるの?」

 

そう突っ込むのであった。

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

フウが車を出し、俺、桜空、アスでフウの車に乗った。桜空から今朝の話を聞くと……

 

「いちいち気にしすぎだろ」

 

「そうだよね~運命の子だからってエルちゃんはエルちゃんだし」

 

「本人は分かってないだろうしな」

 

「多分あげは姉も同じことを言ってるかもしれないかも」

 

まぁわざわざ気にしていたら、エルが不安になるだけだからな。それよりも……

 

「こいつは本当になんなんだ?」

 

俺は頭の上に乗る星竜について触れた。狂竜の宝石に空から降ってきた光が宿り、小さな竜に変わった。話に聞く限りだとエルを守る竜らしいだが……

 

「力は感じられないが……まだ幼いからだろうな」

 

「白竜、黒竜の話だと星竜なんて竜は知らないらしいから……」

 

「もしかして新しく生まれた竜とか?」

 

新しく生まれたか……それがあり得るなら……ウロボロスもまた……今は考えない方がいいな。まだ想像の域でしかないからな

 

 

 

 

 

 

 

暫くして今日の目的地である動物園に着いた。入り口には巨大な何かが置かれていた。あげは曰くこの動物園のマスコットであるソラシドサウルスらしいが……

 

「ノアたちみたいに翼がないですが……これも竜なのでしょうか?」

 

「あれはこの世界で大昔に存在した恐竜らしいですよ」

 

「「「恐竜か……懐かしいな」」」

 

俺、フウ、アスは口を揃えて言うと、ましろが驚いた顔をしていた。

 

「えっと、懐かしいって……」

 

すると桜空の頭にグーリが現れ……

 

「スカイランドにいるのだよ。恐竜と呼ばれた竜がな」

 

「そうなの!?」

 

本当に懐かしい……あいつは凶暴だったが、昔どこかの世界に自分の分身体を送ったことで木竜のじいさんに怒られていたが……もしかしたら……このソラシドサウルスは恐竜の分身体が進化した姿かもな

 

「何だか……意外な事実を知ったような……」

 

「まぁまぁ気にせずに行こうよ!ツバサくん」

 

アスの言う通り、いちいち気にせずにこの場所を楽しむことになった。

 

 

 

 

 

 

 

皆が動物を見て回っている中、俺は星竜をあやしていた。基本的に大人しく本当にエルを守れる力があるのか不思議だが……

 

「お兄さん……その子は何?」

 

不意に声をかけられ、振り向くと黒髪の子供がいた。敵意もなくただ星竜に興味があって声をかけてきただけか

 

「ペットだ」

 

「へー変わったペットだね」

 

「お前は……親はどうした?」

 

「ちょっとトイレの帰りだよ。またね、お兄さん」

 

黒髪の子供はそう言って去っていった。

 

 

 

 

 

それから少ししてお昼ご飯を食べることになったが、動物を見ている最中に、どうにもエルが動物の言葉が分かる事が判明した

 

「やっぱり、エルちゃんは、動物とお話できるみたいだよ」

 

「これから、もっと色んな力を使えるようになるんでしょうか?」

 

「ありえるかも。ただでさえ、私達をプリキュアにしたり、不思議な力を持ってる訳だし」

 

「もしかしたら、空が飛べたり……」

 

「力持ちになったり……」

 

「目からビームが出ちゃったり?」

 

「そ、そんなの、ハイパースゴスギ赤ちゃんだよ!」

 

「やっぱり、今からでも英才教育をするべきなんでしょうか?」

 

「ご飯にも、もっとこだわるべきかも! お料理の勉強しなきゃだよ!」

 

「はっ! まさか、こんなに早く、エルちゃんにスカイランド神拳を伝授する時が来るとは……」

 

「それはまだ早過ぎるんじゃ?」

 

何だかまた迷走し始めているな。すると見かねたあげはが三人を止めた

 

「みんな、落ち着いて! また考え過ぎモードになっちゃってるよ!」

 

「じゃあ、あげはちゃんは、どうすればいいと思う?」

 

「うーん……分かんない」

 

『えぇ……』

 

「だって、それ、プリンセスや運命の子じゃなくたって、パパさん、ママさん、みんな悩んでる事だし!」

 

「そう…なんですか?」

 

「そうだよ!絵本は何を読めばいい? ご飯は何を食べさせたらいい? 習い事はさせる? させない? 子供の良いところを伸ばしたくて、素敵な大人になってほしくて、みんな悩みながら育ててるんだよ」

 

あげはの言葉を聞き、三人が落ち着くとエルが心配そうに声をかけていた

 

「いたいいたい、ちた?」

 

「いえ、そういう訳では……」

 

「たいの、たいの、とんでけー!」

 

「ありがとう、エルちゃん!」

 

「プリンセスのおかげで、痛いのは空の向こうまで飛んでいきました!」

 

「どたまちて!」

 

「これ以上、エルちゃんを心配させる訳にはいきませんね!」

 

「そうだね! お弁当食べて、動物を見に行かなきゃだよ!」

 

笑顔が戻ってくる中、アスは一人思い詰めていた。まぁアスには何となく分かるんだろうな……

 

 

 

 

 

 

 

ある森の奥深く……そこに一人の男がいた。顔は牛のような顔をし、身体は筋骨隆々の男。そこに爆竜エクスが現れた

 

「この時をどれほど待ちわびた事か…ようやく、我が戦うにふさわしい相手が現れた…フン!いざ刃を交えようぞ、プリキュア!」

 

「ならば竜たちは俺が相手しよう」

 

「貴様は邪竜の部下か!悪いがこちらの流儀に合わせてもらうぞ!」

 

「いいだろう!邪魔をするなと言うことならな!」




ようやくミノトン出せた。ミノトンの再登場はいつなんだろう?
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70 新たな幹部

そう言えば結局ミノトンとカバトンはどういう繋がりなんだろう?


ノアside

 

昼食を食べ終わり、ソラたちは触れ合いコーナーに行き、兎と戯れていた。そんな中、桜空はあることを聞いてきた。

 

「そういえば僕らには怯えたりしないんだな」

 

「あぁ俺たちは意識して押さえてるからな」

 

こういう小動物は俺達竜の持つオーラみたいなものを感じとるからな。意識的に押さえてる。じゃないと邪魔しているみたいだからな。桜空の場合は身に宿る竜たちが押さえてる。

そんな中、不意に兎たちは何かに怯え始めた。気がつくと周りにいる動物たちも……これは何かの異変と思い、動物園の外に出るとソラシドサウルスの模型の前に牛みたいな奴と前にスカイランドで俺が戦った竜がいた

 

「その赤子、プリンセス・エルとお見受けする。なれば、貴様らがプリキュアと竜だな?」

 

「あなたは何者です!?」

 

「我が名はミノトン! アンダーグ帝国に仕える者!」

 

「プリンセスを狙う新たな刺客という訳ですか!」

 

「ミノトンって事は、カバトンのお兄さんとか?」

 

「あんな下品で下劣な愚か者と一緒にするでない!意地汚いわ、おならで戦うわ、武人の風上にもおけんわ!」

 

「カバトンは禁句みたい……」

 

「我こそ、真の武人! プリキュアよ! 我がランボーグと手合わせ願おう!来たれ! アンダーグエナジー!」

 

ミノトンはアンダーグエナジーをソラシドサウルスに注ぎ、ランボーグへと変えた。そして……

 

「竜たちよ!お前たちの相手はこの爆竜エクスが相手だ!」

 

俺たちは戦闘スタイルになり、ソラたちは……

 

「「「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「ウイング!」

 

「バタフライ!」

 

「「「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」 

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「あげて広がるワンダホー!キュアバタフライ!」

 

「「「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」

 

プリキュアに変身し、エルを安全な場所に避難するように伝え、ランボーグに挑む。俺たちはエクスと対峙した

 

「スカイランドで戦った時よりも心の強さを強めた炎竜、氷竜と四元の器をその身に宿した少年、四元の中では一番強い風竜、そして戦闘狂と名高い地竜姫!相手に不足はない!」

 

「!?」

 

エクスが何故アスのその名を?いや、今は戦いに集中だ!エクスはまずは俺に向かっていき、殴ると同時に爆発が起きた。俺は爆発の瞬間、炎を出し爆発のダメージを防ぐ

 

「ほう!あの時よりも強くなっているな!」

 

「こっちは色々と乗り越えたからな!」

 

炎を纏った拳を繰り出すがエクスは後ろに下り、攻撃を避けると

 

「悪いけど……その『地竜姫』は捨てたんだよね」

 

アスは背後に回り込み、蹴りを繰り出すがエクスはその蹴りを掴み

 

「そうか!それは……すまなかったな!」

 

地面に叩きつけると同時に爆発が起きる。アスは何とか耐えきり、距離を置くと

 

「グーリ!氷の礫を!」

 

「ならば合わせよう」

 

氷の礫が混ざった竜巻がエクスに放ち、エクスは防御していると、エクスを中心に大爆発が起きた。煙が消えると無傷のエクスが立っていた

 

「面白い!やはり戦いは素晴らしい!ウロボロスの誘いにのって正解だ!」

 

「誘いに?」

 

「知らぬようだな。邪竜様の配下である雷竜、嵐竜、俺、そしてもう一人はウロボロスの誘いに乗った。理由はそれぞれ……雷竜は弱い自分のために、嵐竜は一族の復讐のために、そして俺は強きものと戦い続けるために邪の力を手に入れた!」

 

戦うためにか……分かりやすい理由だな

 

「本来ならば俺は木竜たちと戦おうとしたが、お前たちの力を見てはっきりした!俺はお前たちと戦った方が一番楽しめる!」

 

エクスは駆け出し、俺の目の前に立つと顎に拳を入れた。俺は爆発を喰らいながら上に吹き飛ぶとエクスは俺の両足を掴み、

 

「人間が繰り出す技と俺の力を一つにしたこの一撃!『エクスプロージョンドライバー!!』」

 

足を掴みながら俺を逆さまにして、地面に叩きつけると同時に爆発が起きた

 

「ノア!」

 

「これで立てなければ、俺の勝ちだな」

 

「……桜空、アス、フウ。お前たちはスカイたちの所に行け、こいつは俺がやる!」

 

俺は立ち上り、四元の力を解放した。

 

「ほう、流石は炎竜だ!まだ楽しませてもらうぞ!」

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

僕らはプリズムたちの所に行くとエルちゃんが迫り来るランボーグから兎を守ろうとし、スカイたちがそれを守ろうとしていたが、ミノトンがその前に飛び出し、ランボーグを掴み、投げ飛ばした。

 

「どういう状況?」

 

「強者に立ち向かうその心、赤子ながら、あっぱれ!」

 

「エルちゃんと、うさぎさんは、安全な所へ!」

   

「あなた達の目的は、エルちゃんのはず。なのに、なぜ、ランボーグから守ったんですか!?」

 

「赤子に牙を向けるなど、武人のする事ではない!プリンセス・エルは、貴様らを倒した後でよい。我はずっと待ち望んでいたのだ……貴様らのような強者と戦うのを!」

 

ミノトンはランボーグの隣に立ち、ランボーグに指示を出した。あくまで武人として戦うのか。それにしてもあのランボーグ……強い。だけど恐竜だとしたら……

 

「僕があいつの隙を作る!その隙にみんなは!」

 

「桜空くん、分かったよ」

 

僕はランボーグに向かっていき、ランボーグの突進が当たる寸前で上に跳び、ランボーグの身体に掴まり……

 

「凍てつけ!」

 

ランボーグを凍らせるとアスとスカイの二人がランボーグの尻尾を掴み、投げ飛ばした。

 

「行くよ!ウィング」

 

「はい!」

 

「すべての色を1つに!ミックスパレット!レッド!イエロー!ブルー!ホワイト!まぜまぜカラーチャージ!プリキュア・タイタニック・レインボー!アタック!」

 

タイタニックレインボーによってランボーグは浄化されるのであった。

 

「見事だ!プリキュア!ミノトントン!」

 

ミノトンは去ると……ノアがこっちにやって来た。あちこちボロボロになっていたが……

 

「殴りあっている時に、こっちの戦闘が終わったのを勘づいて退いたみたいだ」

 

アンダーグ帝国の新しい幹部に爆竜エクス……これから先、戦いが激しくなりそうだな

 

 

 

 

 

それからみんなでまた動物園に戻り、エルちゃんが動物たちと触れあっているのを見ながら……

 

「そっか。さっきのエルちゃん、ソラちゃんのマネしてたんだ」

 

「そうみたいです! 危ない事はマネしてほしくないのですが……」

 

エルちゃんは動物たちにも優しく餌を分けあっていた

 

「エルちゃん……」

 

「前は、こんな風に譲ったりできなかったのに……」

   

「ましろんの絵本が、エルちゃんの心に届いたんだよ! 」

 

「エルちゃん、私達が気付かないうちに、色んな事を沢山受け取ってくれてたんですね……」

 

「これでいいのかなっていう不安や悩みは、これからもずっと続いていくんだよね……でも、エルちゃんは今、優しく育っている……だから、今はこれでいいのかな……」

 

「大丈夫です!」

 

「ボク達なりの答えを、みんなで考えていきましょう!」

 

「うん。みんなで見守っていこ!」

 

こうしてエルちゃんのちょっとした成長を見届けることが出来たお出掛けは終わるのだけど……そう言えばアスの『地竜姫』ってなんなんだろうか?




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71 地竜姫

今回はオリストです!


桜空side

 

「ツバサくん、今日何処かお出掛けしない?」

 

「良いですけど……プリンセスのお世話を……」

 

「エルちゃんも行くよね」

 

「いくー」

 

休日の昼、リビングでアスとツバサの話を聞きながら、軽く氷を作っては砕く練習をしている。ましろは僕の隣で次の絵本の作成をしていた。

ソラとノアの二人はヨヨさんに頼まれてスカイランドに行っている。どうにもツゥドさんに呼ばれたとか……何かあったのか?

とりあえず後々話を聞くことになるだろうなと思っていると、あげは姉が僕とましろの二人にあることを聞いてきた

 

「あのさ、ツバサくんとアスちゃん……距離近くない?」

 

「「そう?」」

 

いつもあれぐらいかと思ってるけど……

 

「いや、近すぎる気がする……アスちゃんは年齢的にはかなり年上だけど、精神年齢はツバサくんと同じくらいでしょ」

 

前に年齢について聞いたけど、精神年齢は人と変わらないのはフウ曰く人の姿になるまでは竜の姿で固定化されるからその影響とか……でも付き合ってるから別に……

 

「まぁ付き合ってるからあの距離感は仕方ないって思ってるけど……前にエルちゃんをお風呂に入れることになったとき……アスちゃんとツバサくんは一緒に入ってる」

 

…………僕とましろは顔を見合わせた。二人の年齢的……いや、ツバサの年齢的にはギリギリ……判断が微妙すぎる。

 

「とりあえず下手なことはないだろうから……放置でいいんじゃない?」

 

「うん、間違えそうになったら注意する感じで」

 

「まぁ二人がそう言うなら……」

 

この話はこれで終わりにしておこう。一応結論としては見守るということになったんだし……

するとソラたちが帰ってきた。用事が終わったのかと思っていると…………ソラ、ノア、ヨヨさんの他にお客さんが二人。髭を生やした男とあとは何処と無くアスに似た女の人が……アスはその二人を見た瞬間、全力で窓から逃げ出そうとしていたが…………

 

「逃げ出すなんて、相変わらずね。アス」

 

一瞬でアスの前に回り込んだ女の人。とりあえず誰なのか知りたいんだけど……

 

「この二人はアスの両親だ」

 

『はい?』

 

僕らは同時にそう言うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

アスの両親が来た理由はアスの様子を見に来たらしいが…………

 

「私は帰らないよ。こっちの世界でツバサくんと幸せに暮らすんだから!」

 

「貴方は自分の役割を忘れているのですか?我々地竜の次期代表……地竜姫なのですから」

 

「悪いけどその名は捨てたから」

 

何か色々と重要なことを言ってるんだけど……地竜姫は前に聞いたけど……代表って?

 

「竜族には属性を司る竜が複数いる。竜族全体の長は木竜殿。その下にそれぞれの属性を司る竜たちの代表がいる感じだ。妻はその代表。アスは次期代表のため地竜姫と呼ばれている」

 

僕の隣にいるアスのお父さんことグランドさんが教えてくれた。因みにお母さんの方はテッラさんという名前らしい

 

「娘は元々戦闘力が高く、戦うことが趣味みたいなもので……」

 

うん、それは知ってる。初めて会ったときから知ってる

 

「妻はそんな娘に対して、お淑やかになれと躾続けたのだが……ある日、アスが」

 

『親の理想を勝手に押し付けないでくれない?私はお人形じゃないの』

 

「と言って家出をして……風竜の所でお世話になっている話を聞いていたのだが……ついこの間木竜殿がアスの事を聞いて……会いに来たのだが……」

 

こんなことになってると……それにしても代表か……

 

「炎竜は今は誰かは知らないな。ソラの家に来てから知ろうとしてなかったからな」

 

ノアからしてみたら興味がないみたいだった。風竜は現在はフウのみだからフウが代表らしい

氷竜は……グーリ曰く氷竜は水竜の変異で代表の水竜は亡くなっているらしい。だけどグーリは何処か思い出したくないらしく、それ以上は語らなかった。

とりあえずあの二人の喧嘩を止めた方がいいのか?

 

「分かりました。ならば試練を与えます!3対3の対決です!表に出なさい!」

 

「断る!戦ったらこの家がなくなる!」

 

何か殴り合いになりそうなんだけど……とりあえずノアが間に入り……

 

 

 

 

 

 

庭に出て僕は地竜の力で土台を作った。そして勝負は……腕相撲になったけど……

 

「そっちは二人しかいないけど……」

 

「器様……いえ、桜空さん。安心を……ではフウ、審判を……そしてあげはさん、進行をお願いします」

 

土台を作っている間に呼び出されたフウは……何処か面倒そうな顔をしていた。大変だなと思いつつ、最初の試合は僕が出ることに……テッラさんたちのチームからは…………

 

「えっと……よろしくね」

 

ましろだった。何で…………?

 

「お願いしたら了承したので」

 

絶対にお願いはしてないような…………うん、これは…………僕の負けです。ましろのは色々と相性が……

次の試合はノアが出た。相手はグランドさん。

試合が始まると同時にノアがグランドさんを瞬殺していた。

そして次は……テッラさんとアスかと思っていたらツバサが出ることになった。

 

「ちょっと、ノアや桜空とましろを巻き込んだの悪いと思ってるけど、ツバサくんまで巻き込むのはどうなの?」

 

フウも巻き込まれているけど…………

 

「アスが好きな相手を試すだけです」

 

テッラさんはそう言い、ツバサは……

 

「試すですか……分かりました!アスさんの代わりに頑張ります」

 

ツバサ……大丈夫なのかと思ったけど……何だか自信満々だけどいけるのか?

 

試合が始まり、ツバサは必死に力を込めているが……テッラさんは微動だにしない。アスはハラハラしながら見守る。これ……大丈夫なのか?と思っていると……テッラさんは何かを呟くと……ツバサも呟き……そして……テッラさんが負けを宣言した。

 

「アス。貴方の勝ちです。後は勝手にしなさい。ただたまには顔を見せに来なさい」

 

「…………たまにはね」

 

アスには二人が何を話しているのか聞こえていたのか?いや、聞こえていたのはノア、フウ、グランドさんみたいだ。後は……僕の中にいるグーリたちも…………何を言ったんだ?

 

 

 

 

 

 

 

アスside

 

二人が来て帰った日の夜……私はツバサくんと顔を合わせられなかった。今回巻き込んだことを申し訳ないのと…………

 

『貴方はアスの事が好きなのですか?あの子は無理矢理な所があります。もし無理矢理ならば……』

 

『僕は……アスさんは最初は怖いイメージしかありませんでしたが……今はアスさんの笑顔を見るのが、アスさんと一緒にいるのが大切な時間だと思っています。だからアスさんの事が好きです!大好きです!』

 

………………うん、恥ずかしい。恥ずかしすぎる…………と言うか大好きになったってことは……ちゅうを///考えただけで余計に……うぅ

 




ツバサくんは無意識に言ってます

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72 飛行機好き同士と嫉妬

ある日のこと、僕はましろの部屋に来て、一緒にリモートに参加していた。リモートの内容は定期的のましろの両親とのリモートだ。普通なら僕は参加しなくても良いのだけど、今回は僕の母親も参加している

 

「本当!?」

 

「そうなんだよ!」

 

「仕事が一山越えて、やっと休みがとれたの!」

 

「あー! 早く会いたい! ほっわほわの真っ白綿雲、ま、し、ろ、ちゃん!」

 

相変わらずましろのお父さんはましろの事を溺愛してるな~

因みに付き合っていることに関しては既に話している。その反応は……反対されるかと思ったら、意外と賛成されており、それはましろのお父さんが結構信頼しているからとのこと。また健全な付き合いなら尚更信頼度が高い。

 

「もう、やめてよ。パパってば! もう子供じゃないって言ったでしょ!」

 

「あ、そうだった! ごめんごめん! でも、いくつになっても、可愛い娘に変わりはないんだ」

 

「ええ、早く会いたいわ……」

 

ましろの両親の話が終わると今度は僕の母親が画面に映った。仕事関係でましろの両親と合流したらしいけど……因みに僕の両親は父さんが小説家。ただしネタ探しのために世界を回っている。母さんは父さんのマネージャー。僕が虹ヶ丘にお世話になった理由としては、母さんは残るつもりだったが、父さんがネタ探しのために危険なところに行くことがあるから、そのブレーキ役のために付いていっている。僕も了承しており、ヨヨさんも僕が了承してるならと許可している。

 

「父さんは?」

 

「ちょっとしばいといたわ」

 

相変わらずだな……今度は一体何をしたんだよ?

 

「桜空の話を聞いて、ネタに使える!って言い出してね」

 

「それぐらいなら別に……」

 

「えぇ、ましろちゃんと付き合い始めた事を聞いたら…………まぁ二人の歳的には見ちゃいけないものを書き始めてね…………しばいたわ」

 

うん……それは仕方ない。なので今回の帰国は母さんのみだ。

リモートを切るとましろからあることを聞かれた。

 

「桜空くんのお母さんたちに話してるんだ」

 

「話してるって?」

 

「グーリさんたちの事とかプリキュアのこと」

 

「母さんからきつく言われているからな……秘密は絶対にしないこと。ちゃんと全部話すようにって」

 

これは僕ら家族の間のルールみたいなものだ。下手に秘密にしておくと後々面倒になる。ただし今回の場合は僕がそうしたいって決めていると意思を伝えているから反対はされてない。

 

「それにしても……桜空くんのお父さんが書いてた私たちが見せられない小説ってなんだろう?」

 

「…………知らない方がいいよ」

 

言えないよ……それは……いや、ましろが疎い……いや、ソラも含めると女子組は基本的に疎いのかも。あげは姉は……多分察すると思う。

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで親組が帰国する日、僕らはももぞの空港に来ていた。僕らは親組が乗る飛行機が来るまでの間、空港内を見つつ展望台に来ていた。丁度飛行機が離陸していた。

 

「やっぱ、空港っていえば、飛行機っしょ!」

   

「はい! ボクは、ずっと空を飛びたくて、航空力学を勉強してきました。だから、夢が叶った今も、飛行機が憧れの存在である事に、変わりはないですから……」

 

そうだよな。ツバサからしたらずっと行きたがっていた場所だもんな。

 

「そういえばどうして飛行機は羽ばたいたりしないで飛べるのでしょうか?ノアですら羽ばたかせているのに?」

 

ソラはそんな疑問を投げ掛けると、ノアとアスは……

 

「科学の進歩でいいんじゃないのか?」

 

「そうだね。因みに翼を羽ばたかせないで飛べるのは、フウくらいだよ」

 

アス曰くフウは風を操作しているとのこと。因みにノアも翼を使わないで飛べるとのことだけど、その方法は炎を一気に解き放つことで飛べるらしい

ソラの疑問にツバサは答えた

 

「鳥は、羽ばたく事で、翼に風を受けますが、飛行機はジェットエンジンなどで加速して、その時に受ける風の力で、飛ぶ事ができるんです」

   

「えー!? ジェットニンジン!?」

    

「空飛ぶ野菜かな?」

 

「つまり! 鳥も飛行機も、翼を受ける風の力で飛んでいて、その力を専門用語で言うと……」

 

「揚力!」

    

「そうなんです! よく知ってましたね! って……」

 

気がつくと僕らの側に小さな女の子がいた。誰かの知り合いと言うわけではなさそうだけど……

 

「そんなの簡単過ぎよ! 風って目に見えないけど・・・。」

 

女の子はシャボン玉を膨らませるとシャボン玉が風に乗った

   

「ほら! 風に乗って飛んでくの!風って、飛ぶのにすごく大事なのよね!」

   

「もしかして、君も飛行機に興味が?」

 

「あなたも詳しそうね! 望遠鏡で一緒に見ましょう!」

 

同じ趣味仲間だからか直ぐに意気投合するツバサと女の子。微笑ましい事なのだけど…………何か僕の中にいるグーリ、白竜、黒竜が危険信号を……あとノアの頭に乗る星竜が怯えてるのは気のせいだと思いたい

 

「私は、天野翔子! 『翔子』には、空高く飛ぶ子って意味があるのよ! 素敵でしょ!」

    

「あなたは?」

 

「ボクは……夕凪……夕凪ツバサです」

 

「へー、あなたも素敵な名前ね!」

 

「はい!」

 

「「「夕凪?」」」

   

「名字があった方が、何かと便利でしょ? この前、少年と考えたんだ!」

 

「そうだったんだ!」

 

「ツバサ君にピッタリです!」

 

「翔子ちゃんって、本当に飛行機が好きなんですね!」

 

「そうよ! だって、私、いつかママみたいな、パイロットになるのが夢だもの!」

    

「ちょ、ちょっと待って下さい……じゃあ、翔子ちゃんのママって、パイロットさんなんですか!?」

 

「すごいでしょ!」

 

「すごい! すご過ぎです!」

 

「今日ね、ママが操縦する飛行機に初めて乗る日なの!」

    

「それは楽しみですね!」

 

「うん!」

 

本当に仲いいな……うん、分かってる。僕もさっきから気づいている。アスが笑顔で二人を見てるけど…………何だかヤバイオーラが見えてるのが…………

 

『あれ、邪竜化してないか?』

 

『いえ、その……』

 

『しているが完全に邪竜の力をコントロールしている……流石は戦闘狂……』

 

『白竜、お前の力で……』

 

『勘弁してください』

 

『主、とりあえずは……』

 

僕の中の竜たちが奥に隠った。逃げたな…………




A アスはエルちゃんに対して嫉妬は?

Q しません。アスが色々とエルちゃんに仕込んでます。またエルちゃんがツバサと結婚すると言っても、エルちゃん将来的には国を納める立場になるから、重婚ありという法律を作ってもらうように仕込んでます

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73 アスの発散

翔子は父親と一緒に空港に来たのだが、手続きを待っている間、父親に近くで待っているように言われたのだが、つい展望台に来てしまい……ようやくはぐれたことに気がつき泣き出していた。どうしたものかと思っていると丁度迷子のアナウンスがかかり、案内所までソラがおんぶして行くことに……

 

「では、私の背中に!もうジェットニンジンの速さで、パパの所に送り届けます!」

 

「うん! あとジェットニンジンじゃなくて、ジェットエンジン……」

 

勢いよく駆け出すソラだが、直ぐに戻ってきては……

 

「案内所って、どこですか?」

 

うん、とりあえず勢いで行くのはやめた方がいいぞ。ソラ……

みんなで案内所に行くことになったが、アスは少し落ち着きたいと言い出し、展望台に残った。

 

 

 

 

 

アスside

 

心がざわざわする。うん、これが邪の力……だけど特に暴走するとかではなく力が溢れているような……そもそもツバサくんとあの女の子が仲良さそうにしているのを見ただけで何で…………

 

「お姉さん。こんなところでどうしたの?」

 

気がつくと目の前に黒髪の男の子がいた。この子も迷子?

 

「迷子ならあっちに案内所があるから」

 

「あはは、僕は迷子じゃないよ。ただ景色を見に来ただけ」

 

「ふーん」

 

ただの観光客か……

 

「何だかイライラしているね」

 

「イライラか……まぁそうかもね……」

 

「そう言うのは溜め込まない方がいいよ。発散させた方がいいかもね」

 

「発散?」

 

「そう、発散。ずっと溜め込むよりも……発散させればすっきりするよ……なんてね」

 

男の子がそんな事を告げて中に戻っていった。発散……発散か……確かに必要かもしれないね…………

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

案内所にいき、翔子の父親と合流することが出来た僕たち。アスも合流してきたけど少しは落ち着いた感じだった。

 

「翔子のママは、パイロットという仕事柄、飛行機であちこちを飛び回っていて、いつも一緒にはいられなくて、寂しい時もあると思うのですが、そんな素振りは見せずに、ママの事を応援していて、いつか一緒に空を飛ぶんだって楽しみに……」

 

「分かります! 楽しみ過ぎて、飛行機が見られる場所まで、1人で行っちゃったんだよね!」

 

「うん!」

 

翔子たちはそろそろ飛行機に乗る時間となり、搭乗口に行くのであった。それにしても応援か……ましろも寂しい思いをしてるけど、それでも両親のことを応援してる。僕の場合は……まぁ無事を祈っている位だな

 

「やっぱり、飛行機っていいなあ……乗客を乗せて飛ぶだけじゃなくて、乗る人の思いも繋げてるんですね……」

 

とりあえずまだ回っていないところに行こうとすると、また迷子のアナウンスがかかったが……

 

『プリキュア様。プリキュア様』

 

プリキュアって……

 

『ミノトン様がお探しです。屋上・展望デッキまでお越し下さい』

 

ミノトン……何かカバトンもそうだったけど、変なところでこっちの世界にあるものを利用しているような…………とりあえず僕らは展望台に行くとそこにはミノトンとエクスがいた。

 

「来たか!プリキュアよ!来たれ! アンダーグエナジー!」

 

ミノトンは扇風機のランボーグを召喚してきた。

 

「貴様らがここに来た目的は、我を恐れて、飛行機で高飛びするためだろうが、そうはいかん!」

 

みんなもプリキュアに変身し、ランボーグに挑む。僕らはエクスと戦うはずが……アスが飛び出し、エクスを殴った

 

「ほう、今回は地竜が相手か!良いだろう!楽しませて……」

 

エクスの言葉を遮るようにアスは再度殴った。何かいつもと違う感じが…………

 

「グーリ、黒竜、白竜。アスは邪に染まっているのか?」

 

「あぁ……だが……」

 

「制御している?」

 

「おまけに殴る度に邪の力を発散させている」

 

僕の中から出てきた三人がアスの様子を見てそう言っていた。一体どういうことだ?するとアスは大きく息を吸い……

 

「私は!ツバサくんとあの女の子が仲良さそうにしているのを見て!イライラが止まらなかった!」

 

「えぇ!?」

 

「あの竜はふざけているのか?」

 

ランボーグと戦うウィング達だけではなくミノトンも突然の発言に驚いていた。

 

「ツバサくんが好きだから!つい他の子と仲良さそうにしているのはみて、イライラしたけど…………帰ったら!ツバサくん!私の思いをたくさん聞いて!ツバサくんも私に対しての気持ちを伝えて!」

 

「は、はい!」

 

つまり……帰ったらイチャイチャしてくださいってことだよな?うん……今言うことなのか?

 

「ふん、帰ったらか……ここでお前を倒せばそれは叶わないぞ!」

 

「どうかな?」

 

アスは雷を纏わせた岩を沢山作り出し、エクスに向かって放ち続けた。エクスは殴って岩を破壊し続けるが、岩の数が多すぎてそのまま岩に押し潰された

 

「地雷弾!邪の力も全部発散できたし、OKかな?」

 

エクスは積み重なった岩を爆破で破壊し……傷を負いながらも立っていた

 

「ふふ……今回は敗けを認めてやる……」

 

そう言い残し、エクスは消えた。それと同時にランボーグもウィングの機転により、浄化されるのであった。

 

 

 

 

 

 

それから無事に飛行機は飛び、ましろの両親と僕の母さんとも再会できた。因みに家に帰ってからツバサとアスは部屋に行き……部屋から出てきたツバサは何か声が枯れていたけど……うん、大丈夫だよな?

 

それからましろの両親と僕の母さんと楽しく過ごしたあと、三人はまた仕事のため海外に行った。そして……

 

「桜空くん。出して」

 

「……何を?」

 

三人を見送った夜、ましろが僕の部屋を訪れて、そんな事を言ってきた。

 

「お父さんが作ったあのシャッツ……持ってるよね?」

 

「…………持ってないよ」

 

あのアイラブましろシャッツは……うん、ましろのお父さんから貰った。しかもこっそりと…………

 

「そっか~それじゃ正直に出すまで……話し合おうか」

 

「………………」

 

その後……ましろとの話し合いが深夜まで続き、僕はなくなくアイラブましろシャッツを渡すのであった




次回もプリキュア本編の話になりますが、桜空たちメインになるので一話のみになります

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74 ノアたちの話

今回はプリキュア本編の話ですが、オリストです


ノアside

 

今日は花火大会ということでソラたちは楽しみにしている中、俺と桜空とアスはヨヨに頼まれて買い出しに行っていた。特に買い忘れもなく、家に戻ると何故かソラたちの姿はなく、エルとヨヨがキッチンで何かを作っていた

 

「ソラたちは?」

 

「ソラさんたちならミラーパットの中にいるわ」

 

ミラーパットの中に?どういうことだと思っていると、どうにもエルがミラーパットを弄っていたら急に光だし、ソラたちが吸い込まれたらしい。ヨヨ曰くミラーパットの隠し機能である『わくわくトレーニング』が起動してしまったらしい。エルは間違って起動させてしまったこととソラたちが巻き込まれたことに落ちんでいた

 

「とりあえず戻ってきたらちゃんと謝ることだな」

 

「えぅ……」

 

「まぁましろたちなら許してくれるだろうし」

 

「それにちゃんと謝ることが大切だからね。ね、エルちゃん」

 

「たいせつ?」

 

「そう、大切」

 

「エル、あやまる!」

 

アスの言うことをきくエル。アスとエルの二人は割と仲がいいな。まぁお世話をしているからだろうけど

 

「とりあえず戻ってくるまでのんびり待つか」

 

「そうだな……まぁ僕は僕で……ちょっとグーリたちと話してくるよ」

 

桜空はそう言って部屋に戻るのであった。グーリたちとの話……例の件か。まぁあまり重要ではないけど……あの竜二人からしたら……な

 

「それにしてもアス」

 

「んー?」

 

アスはリビングのソファーに座りながら、お菓子を食べようとしていた。俺はそんなアスにあることを聞いた

 

「お前、この間の戦いで邪に染まったみたいだが、制御していたのはどうしてだ?」

 

「んー良く分からないけど……邪の力を制御するよりも発散した方がいいかなって……だから拳に邪の力を溜め込んで……殴ると同時に解き放つ感じで……」

 

それであの時の力がかなり上がっていたってことなのか?

 

「まぁあの時は嫉妬してたからって言うのがあったから……あげはに話したら嫉妬だって言われたし……」

 

「…………変な子供に会わなかったか?」

 

「変な子供?そういえば……まぁ相談に乗ってくれただけだし」

 

アスは気にしていない感じだが……俺も動物園で会った奴と一緒なら……だが……あの子供からは何も感じなかった。ただの子供なのか?

 

「みーみー」

 

俺の頭に乗る星竜が鳴き出した。こいつもこいつで何なんだろうな?育てばすごい力を発現するかもしれないが……今は何も…………

 

「何の話してたんだ?」

 

部屋に行っていた桜空が戻ってきた。どうやら決まったみたいだな

 

「決まったのか?」

 

「あぁ白竜はブロン。黒竜はノワールだ」

 

『いつまでも名がないのはな』

 

『これでより強い力を扱える』

 

この二人も嬉しそうにしていた。名前が大事か…………

 

「とりあえずソラたちが戻るまで準備をするか」

 

 

 

 

 

 

 

少ししてソラたちが戻った来た。どうやら特に怪我とかしてないみたいだった。まぁ特訓をして何か実りあるものを見つけられたみたいだな。

 

 




短めですみません。今回の話はミラーパットの中に行くよりも外での話にしました
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75 早乙女姉妹とあげは

ポケモンやってて更新遅れました。なお、ポケモンの蒼の円盤……まだクリア出来てない


桜空side

 

今日はみんなと街でエルちゃんの洋服を買いに来ていた。更に珍しくフウさんも参加していた。まぁフウさんはノアから話を聞きに来たらしいけど……

 

「エルちゃん! こんなのどう?」

 

「ちょっとちがう!」

 

「いかがです? とってもゴージャスで、プリンセスにふさわしい服だと思います!」

 

「や!」

 

「見て下さい! これ、最高じゃないですか!」

 

「ぜったい、や!」

 

エルちゃんのわがまま……と言うよりエルちゃんの好みが中々見つけられないでいたけど……うん、ソラ……そのヒーロー見参って書かれた服はエルちゃんが絶対に着ないと思うぞ……

 

とりあえず他の店でも探そうと言うことになり、外に出ると丁度モデルの撮影が行われていた。

 

「あの二人!早乙女姉妹!」

 

「ましろさん、知ってるんですか?」

 

「有名なモデルさんだよ!撮影見れるなんて~」

 

ましろがそんなことを話していると、モデルの二人がこっちに近寄ってきた。

 

「久しぶりだね!」

 

「ばったり会えるなんて、超うれしい!」

 

「「あげは!」」

 

「私も会えてアゲアゲだよ! まり姉ちゃん! かぐ姉ちゃん!」

 

姉ちゃんって……あれ、そういえばあげは姉って確か……

 

「キャー! あげはちゃん! ウッソ! ヤダー! 会いたかった! もう離さないんだから!」

 

何か今度は濃い人が……モデル二人のマネージャさんかな?

 

「「私達も!」」

 

「みんなもアゲアゲだね!」

 

 

 

 

 

 

場所を移して改めてモデル二人のマネージャーさんから二人の事を紹介して貰った

 

「早乙女まりあ。雑誌の読者モデル出身で、最近ドラマでヒロイン役を演じて話題沸騰。人気急上昇中。早乙女かぐや。モデル兼ファッションデザイナーで、『KAGUYA』っていうブランドで、海外からもすごく注目されているわ。2人は姉妹で大人気。ファッションとかメイクとか、女の子達が、みーんなマネして、いわばカリスマ的存在なの!アタシは、2人のマネージャーの加古! 人呼んで、カッコーよ!」

 

「はい、どうぞ! これでいい?」

 

「はい! ありがとうございます!」

 

ましろはしっかりまりあさんとかぐやさんからサインをもらっていた。

 

「こちらこそ、いつもありがとう!」

 

「え?」

 

「あげはから時々、電話やメールで聞いてるよ。ましろちゃん。ソラちゃん。そして、ツバサ君。桜空君、ノアさん、アスちゃん、フウさん」

 

「妹のあげはが、いつもお世話になってます」

 

それから喫茶店で楽しい時間が流れる中、僕はフウさんにあることを聞かれた。

 

「あの三人は姉妹なんだろう?何故名字が違う?」

 

「ん?あー僕も昔聞いたきりだけど、あげは姉の両親って別々に暮らしている……と言うより離婚してて……」

 

僕も母さんから聞いたのを今まで忘れていた。まぁ忘れていた理由としては……

 

「あげは姉はあんな感じだから僕も忘れてたんだよ」

 

「そうか……」

 

何かフウさんがこんな風に気にかけるのは珍しいな……

するとあげは姉がこっちにやって来て

 

「どうしたの?」

 

「フウさんが色々と気にしてる感じで」

 

「あー、まぁ離れ離れになったのは悲しかったけど、離れていても姉妹なのは変わりなかったしね」

 

「お前らしい答えだな」

 

フウさんも納得していた。とりあえずみんなのところに戻ると加古さんがお昼寝から起きたエルちゃんを見て何か閃いていた

 

「全身からにじみ出る品の良さ。高貴なお顔立ち。あなた、お名前は?」

 

「エル」

 

「エルちゃん! ベリープリティ! あなたなら、きっと、モデル界のプリンセスになれるわ!」

 

「エルちゃんは、元々プ……」

 

「もっとプリンが食べたい? もう食いしん坊なんだから!」

 

加古さんたちから詳しく話を聞くとどうにも明日やるファッションショーに出る子が体調不良で出れなくなったらしく、そこでエルちゃんが代役として出てほしいとのこと、エルちゃんもかぐやさんがデザインしたショーに着る服を気に入り、あげは姉ももしもの時はフォローすることでエルちゃんが参加することに決まった。

 

 

 

 

 

 

 

フウside

 

みんなと別れ、一度家に戻ろうとするが……

 

「あの、そこのお兄さん。道を尋ねたいのですが」

 

黒髪の子供が話しかけてきた。俺は咄嗟に風で攻撃を仕掛けようとしたが……

 

「……何処に行きたい?」

 

「駅までなんですけど……あの、何か?」

 

この子供から何も感じない。ただの子供なのか?ノアから聞いていたが……あいつの考えすぎな気がするが……

俺は子供に駅までの道のりを教えると……

 

「ありがとうございます」

 

お礼を言って子供は去っていった。やはりノアの考えすぎか……仕方ない。桜空の覚醒後、色々とあったからな。

 




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76 みんなと自分の笑顔のために

フウside

 

翌日、ファッションショーの舞台袖に来ていた。

 

「かわいい」

 

「エルちゃん、ラブ! めっちゃ似合ってる!」

 

着飾ったエルを褒めるあげはだが、どうして俺があげはの付き添いでいなきゃいけないんだ

 

「フウさんもありがとね!付き合ってくれて」

 

「別に……ただ何故俺なんだ?桜空やノア、アスもいるだろう」

 

「うーん、なんとなく?」

 

なんとなく……か。あげはらしいな

 

「もうすぐ出番よ!」

 

「エルちゃん、あのお姉ちゃん達の所まで、歩いていくんだよ!」

   

合図を受け、エルが歩き出すが途中で止まってしまった。恐らく周りに注目されてしまい、怖くなったみたいだ。泣きそうなエルを見て、あげは咄嗟にステージに出た

 

「まり姉ちゃん! かぐ姉ちゃん! 任せて!エルちゃん、見て。あの雲、ウサギさんみたいじゃない?」

 

あげははエルを落ち着かせるために、エルの興味をひくものを次々と言っていく

 

「あっちは羊さんかな?」

 

「ひつじしゃん!あれ、くましゃん!」

 

「本当だ! お空の動物園だね!」

 

エルも落ち着いてきたが……この状況をどうするんだ?

 

「あげはちゃん……ショーの途中だよ?」

 

観客席にいたましろがそう声をかけると、あげははようやく状況を理解したみたいだ

 

「ヤバっ……やっちゃった!こんな時は、思いっきり楽しんじゃおう!」

 

そう言って自分の着ている服を少しアレンジし、姉たちの協力でアクセサリーや髪型を変え、ステージを歩き始めた。

 

「あげは、かわいい!」

 

「みんなでアゲてこう!」

 

どんな状況でも楽しむか……あげはらしいな。

 

 

 

 

 

 

ショーも無事に終わりつつあったのだが、突然ステージにミノトンが現れた

 

「遊びは終わりだ!来たれ!アンダーグエナジー!」

 

ミノトンは照明をランボーグに変えると

 

「巻き込まれたくなければさっさと逃げるがいい」

 

そう言って人を避難……本当にこれまでの幹部とは違う感じだな…………

俺とあげははソラたちと合流し、

 

「みんな、ヒーローの出番だよ!」

 

プリキュアに変身するのであった。

 

「「「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「ウイング!」

 

「バタフライ!」

 

「「「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」 

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「あげて広がるワンダホー!キュアバタフライ!」

 

「「「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」

 

俺たちも戦闘スタイルに変わり、今にも襲われそうになった姉二人と加古を助け、ランボーグの触手をプリキュアたちが掴み、そのまま投げ飛ばした。

場所を移して、ランボーグと戦おうとしたが、そんな俺たちの前に突然竜巻が起こり、そこにはテンペスターがいた

 

「お前が出ているなら俺の出番だ!風竜!」

 

「貴様か……テンペスター!」

 

「フウ、奴は任せていいな」

 

「あぁ」

 

「それじゃ私たちはプリキュアたちと一緒に!」

 

「フウさん、気を付けて!」

 

三人はプリキュアの援護に向かい、俺はテンペスターと対峙する

 

「気がついているだろう!俺やエクス、ライはお前たちの上位に立つ存在だと!なのに貴様はそんなの関係ないように……」

 

「上位存在に関しては知っている。だがお前たちはそうは思えない」

 

「貴様!!!どこまで侮辱すれば……」

 

テンペスターが竜巻を俺に向かって放ってきた。俺は腕を軽く振り、その竜巻を切り裂いた

 

「甘い!」

 

切り裂いた竜巻が二つの竜巻に変わり、俺を襲う

 

「なるほど……確かにこれは……」

 

「どうだ!風なんてたかが吹くのみ!俺みたいに全てを蹂躙する力の前では無力だ!」

 

「無力?違うな……四元解放!」

 

俺はゆっくりと息を吸い、一気に力を解放した。翠のコートを羽織り、両腕両足に風を纏わせた。

 

「なっ!?」

 

「確かに普通の風竜はお前には勝てない。ましてやノアたちでもお前に勝つには骨が折れるだろうが……俺は違う。風の竜の生き残りであり、決して何も失わせないように鍛え続けた……竜だ」

 

テンペスターの身体を風で拘束し、腕を掲げ……

 

「風と言う質量に押し潰されろ!」

 

巨大な風の塊をテンペスターに落としたのだった。

 

 

 

 

 

桜空side

 

物凄い音が聞こえたかと思ったら、フウさんがテンペスターを圧倒している

 

「フウの本気だな」

 

「正直、フウに挑もうとは思わないんだよね。絶対に勝てないし……」

 

「ってみんな~話してないで~」

 

フウさんのことを気にしているとプリズムに叱られてしまった。確かにそうだな。僕らはランボーグのレーザーに苦戦をしていた

 

「軟弱者どもが……日々の鍛錬を怠り、チャラチャラした格好で笑っているからだ!」

 

「みんなで笑う? 最高じゃん! いつも笑える訳じゃない……苦しい時、辛い時、泣きたい時もある……でも、そんな時こそ笑顔で……みんなを笑顔にするために、頑張って、頑張って……笑顔が返ってきたら、最高なんだって、教えてくれた!だから私は、そんな風になりたいんだ!」

 

「だからこそか……」

 

するとフウさんが駆けつけてきた。

 

「バタフライ!力を合わせるぞ」

 

「力を?そっか!ウィングやスカイみたいに!それなら!桜空!プリズム!ランボーグの注意をひいて!」

 

「分かった!プリズム!」

 

「うん!」

 

プリズムは光弾を放ち続け、僕はランボーグが光弾に気を取られている内に距離を詰めた

 

「氷昇竜撃!」

 

氷を纏わせた拳でランボーグを打ち上げると……

 

「風の加速でバタフライプレスの威力は上がる!」

 

「ひろがる!疾風!バタフライプレス!」

 

バタフライとフウの合わせ技でランボーグを一気に弱らせ、その後タイタニックレインボーで浄化するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

無事ショーも終わった帰り道のこと、俺はあげはの隣を歩いていた

 

「お姉ちゃんたちとさ。自分とみんなの笑顔のためにって、改めて頑張ろうって話してたんだ」

 

「まぁお前なら出来るだろうな」

 

「フウさんがそういうと何か出来そうだよ」

 

そんな話をする中、前を歩くノアたちを見た。ノアとソラは楽しそう……ソラだけは楽しそうに手を繋ぎ、桜空とましろは少しもじもじしながら手を繋ぎ、アスはエルをだっこしているからか、後ろからツバサに抱きついていた

 

「相変わらず仲良しだね~」

 

「そうだな」

 

「まぁ付き合ってるから当然だけど……折角だから私たちも付き合う?なーんて」

 

「付き合うか……そうだな。お前となら退屈はしなさそうだ」

 

「え?えぇ?」

 

「これが正しい気持ちなのか分からないが、俺はあげはの事が気に入ってる」

 

「あ…え…ええええええええ!?」




次回は普通に本編の話になりますが、あげはとフウの関係について触れます
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77 不思議なぬいぐるみ

ノアside

 

ある日のこと、ソラと一緒に出先からの帰り道……突然雨に降られ、たまたま近くにあった洋館で雨宿りすることになった。

 

「すごい雨ですね」

 

「まぁ少ししたら落ち着くだろう」

 

「折角のデートなのにちょっと残念です」

 

「デート…ね」

 

家を出るときにあげはにからかわれたけど、ソラは無自覚に……「あげはさんは返事したんですか?」って聞いて、あげはは顔を真っ赤にさせてたな

 

「まぁたまにはこういうこともある」

 

「そうですね。これも思い出になりますね」

 

二人でそんなことを話していると……

 

『こっち』

 

「ん? どなたですか?」

 

『こっちだニャ』

 

誰の声だ?ソラと顔を見合わせた。すると閉じていた扉がいつの間にか開いていた。俺たちはとりあえず中に入ることにした

 

「助かります! お邪魔します!」

 

中に入るが人の気配はなかった。さっきの声の主は?

二人で捜索をしているとある一室に入り、窓際に汚れたぬいぐるみがあった

 

「ぬいぐるみ……」

 

ソラは倒れていたぬいぐるみを起こすとぬいぐるみは猫のぬいぐるみだった。

 

「ネコさん! 可愛い!」

 

その時雷が鳴ると、猫のぬいぐるみがゆっくりと立ち上り……

 

「連れてってニャ」

 

喋りだした。ソラは思いきりその場から逃げ出すのであった。

 

「ふむ、不思議な事があるんだな。とりあえず……ん?」

 

いつの間にかぬいぐるみが消えていた。まさかと思うが……ソラに付いて行ったのか?

 

 

 

 

 

 

 

家に戻るとソラはタオルを頭に被り、あるものを見てびびっていた

 

「ノア~連れてきたりは……」

 

「してないぞ」

 

さてどうしたものか……とりあえず一旦ソラを落ち着かせ、何が起きたのか話した

 

「えっと、このぬいぐるみがソラちゃんに付いて、うちまで来たって事でいいのかな?」

 

「そうです!」

 

「そんな事ある訳ないでしょ?」

 

「私、確かに声を聞いたんです! 『連れてって』って!ノアも聞きましたよね!」

 

「あぁ」

 

「でも、街外れの洋館って、確か今は空き家だったはずだよ?」

 

「じゃあ、ソラちゃんが聞いたのは……」

 

「もしかして、このぬいぐるみ……?」

 

ましろ、ツバサ、あげはがぬいぐるみを見つめた

 

「おばけ!」

 

エルがそう言うとソラが更に離れた

 

「ソラちゃん、怖いの苦手なんだね……桜空くんたちはそこまで怖がってないみたいだけど……?」

 

「僕の場合は近い存在がいるし……」

 

「我の事か?」

 

「主、我々は……」

 

「まぁ魂だけの存在だしね。近い存在だね」

 

グーリ、ノワール、ブロンが出てきてそう言ってきた。まぁこの三人は確かにそうかもしれないな

 

「あの洋館に返しに行きましょう!」

 

ソラがそう言った瞬間、ぬいぐるみが動きだし、机の上に乗ると部屋にあった本を操りだし、閉じ籠った。帰りたくないって事か?

するとエルが近づき……

 

「にゃーにゃー。にゃーにゃー。にゃーにゃー。だいじょうぶだよ!」

 

エルの声かけに心を開いたのかぬいぐるみは本を元の場所に戻し、エルに抱きついた

 

「エルちゃんに教えてもらっちゃったね、相手が誰でも同じように接するって事!」

 

「未熟でした……その通りです!」

 

「ソラちゃん?」

 

「ヒーローは困っている人には誰にでも手を差し伸べる。なのに、ネコさん……あなたの気持ちを分かろうもとせず、帰らせようとしてしまいました……ごめんなさい! 私でよければ、力になります!」

 

そう言うがソラはまだ怖がってるな……

 

 

 

 

ソラとましろの二人がぬいぐるみを洗っているとツバサがあることを聞いてきた

 

「そういえば竜の幽霊とかいるんですか?」

 

「いるぞ。まぁ人間と変わらないが……」

 

「変異した上位存在がかなり厄介だよね」

 

「変異?」

 

「あぁ幽竜と呼ばれる実態のない竜族がいるが、そいつらは彷徨う魂を成仏させる存在だ」

 

「あとは腐竜って言うのがいるけど、あれは災害みたいなものだよね」

 

「アスも戦ったことあるのか」

 

「うん、かなり強いって言うか……ヤバイね」

 

「そ、そんなにですか?」

 

「ツバサくんが知らないって……スカイランドにいる存在なのにおかしくない?」

 

「腐竜はスカイランドの住人たちと遭遇する前に俺たち竜族が止めているからな。奴等が暴れれば国が滅ぶ」

 

腐竜……身体は腐り、痛みを感じない存在。厄介なのが攻撃をしても意に返さず、更にはリミッターを外しているから向こうの攻撃はかなり強力だったりする

 

「まぁこっちの世界に現れることはないだろ。その前に潰しているからな」

 

 

 

 

 

 

 

それからぬいぐるみをどうにか元の持ち主に帰すために明日色々と聞いて回ることになった。

 

 

 

 

 

そして次の日、俺、桜空、ソラ、ましろ、エルの五人でぬいぐるみの持ち主を探すが見つからなかった。まぁそうそう見つかるわけないか

 

「エルちゃん、よく寝てますね」

 

「ソラちゃん、まだ怖い?」

「実は、まだちょっと……」

 

「ぬいぐるみって、いいものだよ。抱っこすると安心できるし。ほら」

 

確かにエルは安心して眠っている

 

「私、子供の頃は、修行や特訓ばかりで、分からなくて……」

 

「ぬいぐるみって、一番最初にできる友達みたいなものだよ。私も大事にしてたよ……」

 

「友達……」

 

すると突然ぬいぐるみが動き出した。何か見つけたのか?

 

「どうしちゃったのかな?」

 

「追いかけます!」

   

とりあえず追いかけることに……

 




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78 ぬいぐるみの思い出

ノアside

 

突然飛び出したぬいぐるみだが、一人の女の子に向かっていくがその女の子が振り向いた瞬間動かなくなった。一体何を思って飛び出したんだ?

 

 

 

 

ソラside

 

その日の夜、ねこさんは動かなくなったままだった。私はおやすみと声をかけ眠りについた。

 

気がつくと私は夢の中にいた。そして私の前にはねこさんがいた

 

「これは……夢?」

 

「ソラ。今日はごめんニャ……」

 

「気にしないで下さい、ネコさん」

 

「でも、騒ぎになっちゃったニャ……」

 

「大丈夫です。何があったのか、聞いてもいいですか?」

 

「似てたんだニャ……友達……」

 

景色が変わり、これはねこさんの思い出……

 

「嬉しい時も、悲しい時も、一緒だったニャ……ずっとずっと、一緒にいられると思ってたニャ……でも……1人ぼっちになったニャ……寂しいニャ……昼間の子は、あの子に似てたんだニャ……」

 

「私が探します! 必ず見つけます! それでも、もし会えなかったら、その時は、私がネコさんとずっと一緒にいます!」

    

「ずっとなんてないニャ……それに、これ以上迷惑をかけられないニャ……」

 

「迷惑だなんて、そんな事ありません!」

    

「ソラ。見つけてくれて、一緒に遊んでくれて、嬉しかったニャ。ありがとニャ……」

   

「でも、やっぱり、あの子の事を待つ事にする……さよニャら……」

   

「ネコさん!」

 

段々とねこさんが離れていく。私は必死に追いかけようとするが追い付けない。

    

「待って!」

 

目覚めるとベッドに置いておいたねこさんがいなくなっていた。私はましろさんたちに話、みんなでねこさんがいるであろう洋館へと向かった

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

消えたぬいぐるみ。手がかりとしてはソラ曰くあの洋館にいるはずだとのこと。俺たちは洋館に辿り着き、中に入ろうとすると……ミノトンが俺たちの前に現れた

 

「ミノトン!」

 

「私たちはねこさんを探しに来たんです!邪魔しないでください!」

 

「ねこだと?そんなことより勝負が大事であろう!きたれ!アンダーグエナジー!」

 

ミノトンは洋館をランボーグへと変えた。ソラたちは……

 

「皆さん!行きましょう!」

 

プリキュアに変身した。

 

「「「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「ウイング!」

 

「バタフライ!」

 

「「「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」 

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「あげて広がるワンダホー!キュアバタフライ!」

 

「「「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」

 

俺たちも戦闘形態に変わるが、ランボーグはスカイたちを吸い込んだ。俺たちも吸い込まれそうになったが、俺だけ何かに掴まれランボーグに吸い込まれなかった。

 

「ミノトン!悪いがこいつだけは俺がやらせてもらうぞ」

 

「エクスか。良いだろう!」

 

わざわざ俺と戦いたいからって……ランボーグに吸い込まれたのはスカイたちプリキュアと桜空、アスか。何とかなるだろう。

 

「さぁ!楽しもう!」

 

「楽しむか……」

 

俺は構えるとエクスが直ぐ様距離を詰め、殴ってくる。やはりこの直撃の後に来る爆発はキツいな

 

「どうした!折角の戦いを!楽しまないのか!」

 

「あぁ……そうだな」

 

パンチを繰り出してくるエクス。俺はカウンターでエクスの顔面を殴る。

 

「ふ、いい拳だ!段階を上げようか!」

 

エクスは気合いを入れると体から黒いオーラを纏った。

 

「そいつは……」

 

「邪の力を解放した!その力を喰らうがよい!」

 

エクスが再度距離を詰め、連続で殴ってくる。俺は防ぐがさっきまでと違い、拳の重さが違う。更に爆発が起きない?

 

「奥義!大爆連撃!」

 

大きく振りかぶった一撃を防いだ瞬間、俺の体が何度も爆発した。

 

「ぐうううう!?」

 

「攻撃の度に爆発させず、連続で攻撃を喰らわせた後に、一気に爆発させるこの技……どれだけ防ごうが爆発事態は防げまい」

 

「かなりキツい技だな……なら……」

 

俺は四元の力を解放し、構えた

 

「四元の力と俺が編み出した必殺の技を……喰らえ!」

 

技を放とうとした瞬間、ランボーグの扉が開き、スカイたちが出てきた。

 

「ちっ、邪魔が入りそうだな。この勝負預ける!」

 

エクスは撤退すると俺はスカイたちの所に駆け寄った

 

「ノア!怪我してますが……」

 

「大丈夫だ。ぬいぐるみは助けられたんだな」

 

「助けたと言うより助けられました」

 

よく分からないが、無事ならいい。ランボーグは体を回転させ、迫ってくる。俺とアスは同時に炎と岩を放ち、炎を纏った岩をランボーグに喰らわし、桜空は氷の剣で一撃を与えたあと、プリズムが放った光弾をスカイが思いきりランボーグに叩きつけ、ランボーグを怯ませた

 

「今です!」

 

「すべての色を1つに!ミックスパレット!レッド!イエロー!ブルー!ホワイト!まぜまぜカラーチャージ!プリキュア・タイタニック・レインボー!アタック!」

 

タイタニックレインボーによってランボーグは浄化されるのであった。

 

 

 

 

 

 

ランボーグを無事に浄化し終わり、改めてぬいぐるみの持ち主を探そうと言う話をしながら、家に帰ろうとしていると、ある親子とすれ違い……

 

「りほ、そんなに落ち込まないで。絶対に会えるから! ね?」

 

「うん……」

 

親子があの洋館の敷地に入ろうとしていた。まさかと思いソラはその親子に声をかけた

 

「あの……」

 

女の子はソラが持つぬいぐるみを見て反応を示した。

 

「マロン?」

 

「このネコさんの事ですね?」

 

「りほ! マロン! マロンだよ! 良かったね!」

 

どうやら持ち主みたいだが、女の子は受け取ろうとしなかった

 

「そのぬいぐるみ、この子のお気に入りだったんですが、引っ越しの時に忘れてしまって……でも、なかなかこっちの方まで来れなくて……いいんだよ、りほ。マロン、ちゃんと見つかったよ」

 

女の子もまた忘れてしまったことに罪を感じているみたいだった。ソラはぬいぐるみに小声で何か声をかけ……

 

「ずっと、待ってたニャ。」

 

ソラがぬいぐるみの変わりに気持ちを伝えると女の子はぬいぐるみを受けとり抱き締めた

   

「マロン! 会いたかった!マロン、置いていってごめんね……これからは、ずっと一緒だよ……マロン……」

   

 

 

 

 

その後親子と別れを告げた。あのぬいぐるみも持ち主のところに戻って満足みたいだな

   

「にゃーにゃー、ばいばい!」

 

「バイバイ!」

 

「持ち主、探す必要なくなっちゃいましたね」

 

「再会できたから、すべてよし!」

   

「ソラちゃん、ちゃっと寂しい?」

 

「大丈夫です。マロンさん、嬉しそうだったから。」

 

その瞬間、ソラには何か聞こえ、嬉しそうにしていた

 

「ぬいぐるみって、良いですね」

 

「ね?」

 

 

 

 

 

深い闇の底……ウロボロスは邪竜が封印された場所にいた

 

「そろそろ目覚めの時です。邪竜様……そして……」

 

封印されている邪竜の側には四つの卵……既に何かが孵り、三つの卵を見つめた

 

「…………後はライの後任を……いや、後任ではないな」

 

「それは……俺のことか……」

 

「来ていたのか?腐竜よ」

 

ウロボロスの後ろにはボロボロの服を着た男がいた。

 

「久々だ……邪竜様が封印されてから……ずっと……集めていた……」

 

「お前が一番適任だからな」

 

「いつ……俺は……動く」

 

「少し待て……邪竜様が動く時まで!」




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79 みんなで海

桜空side

 

今日は折角の夏だから海に行こうと提案され、みんなで海に来ていた。

 

「桜空くん、水着似合ってるかな?」

 

「あ、うん…似合ってるよ」

 

「も~何だか反応が悪いよ~」

 

いや、そうは言われても…

 

「ちゃんと言うのが恥ずかしいから……」

 

「桜空くんらしいね。でも似合ってる言ってくれて嬉しい」

 

僕とましろの場合はこんな感じで……ノアとソラはと言うと……

 

「ノア!水着どうですか?」

 

「あぁ可愛いぞ」

 

「えへへ、ましろさんとお揃いなんです!」

 

何かあっちはあっちでいつも通りな感じだな。と言うか僕もノアみたいに言ってみたかった……

 

「あげは、水着似合ってるぞ」

 

「え、あ、あはは…ありがとう///」

 

あげは姉はフウさんに対して反応が……未だに避けてる感じだけど…

 

「あげはちゃんのあれは好き避けみたいだね」

 

「その内時間が解決する感じか?」

 

「かもね」

 

さてあの二人は……ツバサはエルちゃんを抱きながらアスの事を待っていると……

 

「ツバサくん!どうかな?水着似合ってる?」

 

「えぇ、似合ってますが……その水着……胸のところに書かれてるのは……」

 

「ましろちゃんが貸してくれたんだ!」

 

アスが着ている水着は……あれってスク水?

 

「アスちゃん……水の中でわざわざ専用の服を着るのは面倒だからって、裸で泳ぐって言い出したから……頑張って説得したんだよ」

 

疲れた顔をしているましろ。説得にかなり苦戦したんだな。

 

「でもちょっと胸のところがキツいんだよね」

 

「………………」

 

何かましろが笑顔で固まってるけど……何も言わない方が良いよな

 

 

 

 

みんな準備を済ませ、早速泳ごうとするが……ソラだけが浜辺に打ち上げられていた。

 

「海……無理です……」

 

「って、まさか……」

 

「ソラちゃん、泳げないの!?」

 

一旦パラソルを立てた場所でソラの話を聞くことにした

 

「ソラちゃんが泳げないなんて、意外だよ……」

 

「スカイランドの湖では、ガッツとハートで乗り切ってきました……」

 

「湖の底を歩いてたからな」

 

「歩いてたんだ、湖の底を……」

 

「海もいけると思ってたんですが……」

 

「歩く気だったんだ、海の底……」

 

「と言うかノアたちは泳げるんだ」

 

「あぁ、って言っても人の姿で泳ぐとなるとそこまで速くは泳げないな」

 

「いつもは竜の姿だったな」

 

「私はどっちの姿でも得意だよ!元々戦うの好きだからどんな場所でも戦えるようにね!」

 

何かアスらしい理由だな。ソラはヒーローたるもの泳げなければならないと言うことでみんなに泳ぎのコツを教わることになった。

まず最初にツバサが教えることに……ツバサはプニバードの姿に変わり、華麗に泳いだ。

 

「素晴らしいです! どうやって、こんな技を!」

 

「スカイランドでは、泳ぎが上手い友人に教わったので、泳ぎなんて、コツをつかめば簡単ですよ!」

 

「本当ですか!」

 

早速ツバサが教えるが……

 

「はい、いいですか? まず、このように、両方の翼を素早く動かします。さらに、魚のように身体を……」

 

「はい、先生!」

 

「何ですか?」

 

「手は翼の代わりになりますか?」

 

「あ……」

 

うん、ツバサのやり方を教わるのは難しいみたいだな。

次はあげは姉が教える番。あげは姉は保育園でも教えているから自信満々だけど……

 

「はい、ゆっくり歩いて! 1、2」

 

「「1、2。1、2……」」

 

あげは姉の掛け声で波打ち際をソラとエルちゃんが歩いているけど……あれって練習には……

 

「かれこれ30分あんな感じだけど……」

 

「泳ぎの練習に入る前に、夏が終わりそうですね……桜空くんたちは?」

 

「僕の場合は教えるの下手だから……ノアたちは?」

 

「俺たちの泳ぎ方は参考にならないな」

 

となると教えられる人物がもう……

 

「桜空くん、私のこと忘れてない?」

 

ましろが教える側?そもそもましろって……

ましろは早速泳いで見せた。確かに人並みには泳げてる

 

「すごいです! ましろさん!」

 

「じょーず!」

 

「まあね。小学生の時、スイミングスクールに通ってて……水泳8級なの!」

 

ドヤ顔してるけど……8級って……いや、言わないでおこう。とりあえず少し辺りを散策してくることにした。

 

 

 

 

辺りを散歩していてあることに気がついた。何だろう?観光客が多い割にはゴミがなく、綺麗だけど……

 

「地元の人が頑張ってるのか?」

 

「そうだよ」

 

ふと声をかけ、振り向くと日焼けした青髪の男がいた。

 

「えっと……」

 

「あぁ俺は近くに住んでる海斗だ」

 

「真倉桜空って言います」

 

「桜空か。一人できているのかな?」

 

「いや、友達と……」

 

「そうか。ゴミとかちゃんと持ち帰ってくれよな」

 

海斗さんはそう言って去っていった。変わった感じがしたな……




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80 海の竜と蠢くもの

桜空side

 

散歩から帰り、みんなで昼食を食べているとあげは姉からある話を聞いた。

 

「そういえばこの海に伝承があるらしいよ」

 

「伝承?」

 

「何だか大昔はここら辺の海は酷く汚れていたらしいんだけど、突然人々の前に巨大な怪物が現れて、海をこれ以上汚せば罰を与えるって……それ以来ここら辺に住んでいる人たちは海を汚さないようにゴミ拾いとかしてるとか」

 

「そんな伝承があるんだ……」

 

「こちらの世界にはそういう話が伝わっているんですね」

 

「もしかして竜族が関わっているとかですかね?」

 

竜族が?まさかそんなこと……あり得そうだけど……

 

「まぁこちらの世界に住み着いた竜がいてもおかしくはないが……」

 

フウさんはこれ以上は予想の域でしかないため、この話は終わった。

それから僕が散歩に言ってるいる間、みんなは海を楽しんでいたみたいだ。泳げないソラには浮き輪を用意したり、シュノーケルで海の中を見たりしたらしい

 

「海……スカイランドの湖とは、また違った美しさがあります……」

 

「夏休みの最後に来られて良かったね、みんなでさ」

 

「ああっ! ムードに完全に流されていましたが、泳ぎの練習をすっかり忘れていました!」

 

「大丈夫だよ。泳げると思う」

    

「でも、遊んでいただけですよ?」

 

「だからだよ。ソラちゃん、力入り過ぎてたから。越えなければならない壁とかじゃないんだよ。海、楽しかったでしょ?」

 

「はい……」

    

「だったら、もう大丈夫!」

 

「のんきなものだな!プリキュア!」

 

ソラとましろの二人がそんなことを話していると突然ミノトンが現れた。こいつ、何処にでもいるな……

 

「海とは心身を鍛える神聖な場!プリキュア!我が修行の成果見せてくれるわ!きたれ!アンダーグエナジー!」

 

ミノトンは浮輪にアンダーグエナジーを注ぎ、ランボーグを産み出した。僕らは直ぐ様戦闘形態になり、ソラたちは……

 

「みんな!」

 

「「「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「ウイング!」

 

「バタフライ!」

 

「「「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」 

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「あげて広がるワンダホー!キュアバタフライ!」

 

「「「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」

 

プリキュアに変身し、浮輪ランボーグと対峙する。僕らも構えると……

 

「ほう、ここにいたか!」

 

エクスも姿を現した。エクスは両腕を前に突き出し、炎の塊を放ち続ける

 

「くっ!今回は皆纏めてか!」

 

「あぁミノトン!良いだろう!」

 

「うむ、良かろう!ランボーグ!」

 

ランボーグがこっちに攻撃を仕掛けてくる。僕らは一斉に攻撃を避けるとスカイだけが海の方に避けてしまった

 

「あっ!?」

 

「スカイ!」

 

ウィングが慌ててスカイを助け、近くの岩場に降りるとランボーグはスカイとウィングに向かっていく、ノアとアス、フウも助けに入ろうとするが、エクスの爆破に防がれる。

 

「くっ!」

 

「みんな、エクスは僕が押さえる!ここは海!それなら!」

 

海の中に入り、海水を凍らせてエクスの爆破を相殺しようとするが……凍らない!?

 

「桜空くん、海水は普通の水と違って凍りづらいから」

 

そういえばそんな話を聞いたことがある……それなら……

 

「氷地竜防膜!」

 

氷と地の鎧を纏い、エクスの爆破を防ぐ

 

「ほう、自ら犠牲にしてか……どこまで耐えられるか!」

 

「桜空くん!」

 

「プリズムたちはスカイたちの所に行ってやれ!僕は大丈夫だから!」

 

「わかった!行くよ!プリズム!」

 

「う、うん」

 

二人は光弾と蝶の障壁で足場を作り、スカイたちの所へ行き、ノアたちも翼を生やし同じようにスカイたちを助けに向かった。

僕も防ぎながら反撃を狙わないと……だけど爆破が激しい。

 

「どうした!このままその防御が削れるまで耐えきるか!」

 

エクスの攻撃が激しい。おまけに白竜と黒竜の力を使う隙も……

プリズムたちもランボーグの空気を抜くがスカイはランボーグに海へと引きずり込まれ、プリズムたちもランボーグに捕まってしまってる。ノアたちもそのせいか攻めあぐねている。何とかしないと……

 

「な、何だ!?あの化け物は!?」

 

すると騒ぎを聞き付けてきた海斗がいた。

 

「逃げろ!ここは危険だ!」

 

僕は咄嗟に逃げるように言うと……

 

「ふん、ただの人間が……痛い目見たくなければ!」

 

エクスが海斗に攻撃を仕掛けようとするが……突然海から水の塊がエクス目掛けて放たれた。

 

「何だ!?」

 

「とりあえずあの化け物とそこの爆破している奴をどうにかすればいいんだね」

 

海斗はそう言ってみるみる内に姿を変えた。青い髪は長く延び、焼けた肌は青い鱗に変わった

 

「その姿は……?」

 

『まさか!?』

 

僕とグーリは海斗の姿を見て驚きを隠せないでいた。まるで僕みたいに竜が宿っているような……

 

「君と同じだね。僕の中には海竜様の力が宿っている。これは一族の定めみたいなものだ」

 

海斗はそう言って海水を操り、エクスを縛り上げていく。更にはランボーグを攻撃し、プリズムたちを助けると海に沈んだスカイが復活し、泳ぎながらランボーグに近寄り攻撃を放つ。

 

「あっちは大丈夫そうだね。こいつは……」

 

縛り上げられたエクスはそのまま海の中に引きずり込まれ、少ししてから水柱が上がるがエクスが上がってこなかった

 

「どうやら海の中で爆破の力を使ったみたいだね。まぁ爆破の圧力でダメージを受けたみたいだけど……」

 

海斗はそう言って元の姿に戻り、ランボーグも無事浄化された

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いも終わり海斗から改めて話を聞くと……海斗の一族は大昔に現れた海竜と交わり、代々海竜の力を宿すようになったが、制約があるらしくここら辺の海を綺麗にし続けなければ、罰が下るらしい。

 

「桜空とは違う感じだな。それにしても……制約か……」

 

「制約あると何かあるのか?」

 

「制約をかけることで、竜の力はかなり上がると言われている」

 

だから海斗はあんなに強いのか……

 

「まぁそっちも大変みたいだけど、頑張れ。こっちは海を守るのを頑張るから!」

 

海斗はそう言って去っていった。こうして海水浴は終わるのだが…………

 

 

 

 

 

 

 

「どうだ?前の話に乗る気になったか?海竜の子孫よ」

 

「ウロボロスだっけ?悪いけどお前たちには協力はしない」

 

「……まぁいい。制約をかけられている海竜……リスクが大きいからな。だがこれだけは覚えておけ。いずれ世界は邪竜様の手に落ちる」

 

「その時はこの力でお前たちを倒す」

 

「ふっ」

 

 

 




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81 動き始める邪

明けましておめでとうございます
昨日更新しようとしましたが……やめました


桜空side

 

ある日、僕は庭でノアと模擬戦をしていた。ここ最近敵も強くなっているからこそ、少し本気の模擬戦をしているが……

 

「星竜は見ていて楽しいのか?」

 

僕らの模擬戦を星竜がジっと見つめていた。そういえば……

 

「星竜に関して何もわからない感じなのか?」

 

「そうみたいだな。フウも調べてはいるが……それよりも桜空。ブロンとノワールの力は扱えているのか?」

 

「うーん、ちゃんと使いこなせてないかな。そもそも二人の力を使う隙があまり……」

 

「確かにな。ライの場合は暴走していたからこそ、隙をつけた感じだが……あとは……」

 

「前に話していた一時的に四元の器を使う方法か……」

 

「短い時間かつ一気に力を解き放つ……それなら身体への負担は少ないだろ」

 

「とりあえずやれるだけやってみるよ……」

 

ノアやアス、フウと前に話し合った方法……それなら一時的に使えるだろうけど……まだ理論上だからこそ…………

 

「休憩しよう。星竜、来るか」

 

「みー」

 

ノアの肩に星竜が乗ったけど……星竜ってエルちゃんを守るために生まれたんだよな?エルちゃんの側にいなくて良いのかと思いつつ、ノアと二人でましろたちの所へと行くと……

 

「どういう状況?」

 

部屋に入ると物凄く落ち込むソラと苦笑いをしているましろとちょっと膨れているエルちゃんがいた。

話を聞くとあることでソラがエルちゃんを叱るがエルちゃんはそんなソラに対して嫌いと言ったらしく、それでソラが落ち込んだみたいだった。とりあえずみんなを呼び話し合うことに……

 

「プチイヤイヤ期かもしれないね」

 

「プチイヤイヤ期?」

 

話を聞いてあげは姉が思い当たることがあった。

 

「こうしたい。ああしたい。自分の意志が通らないと、すねたり、泣いたり。大きくなる中で、どんな子も通る道。だから、ソラちゃんが落ち込む必要ないよ!」

 

「分かってますけど……」

 

ソラ……余程嫌いって言われたのがショックだったのか……

 

「まあ見てて!エルちゃんの事も描いてほしかったんだよね?でも勝手に描いたら、ましろんがえーんしちゃうよ? だから、ダーメ! 分かった?」

 

注意をするあげは姉だけど……エルちゃんはましろの側に行き……

 

「あげは……きらい」

 

何か犠牲者増えたな……どうしたものか話していると……

 

「それならこんなのはどうかしら?」

 

ヨヨさんが写真館でイベントがやっている事を教えてくれた。沢山の衣装で着飾り、とっておきの写真を残そうというものだった。エルちゃんも興味津々みたいなのでみんなで行くことに……

 

「移動は車だし、フウも呼んでおくね!」

 

アスはそう言ってフウの所へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ある場所にて、ミノトンが穴の中へと落とされた。そしてその前にはフード姿の男が一人……

 

「お前が動くか」

 

「ウロボロス……」

 

「我々も動く時だ」

 

「ほう……」

 

「お前ほどの男でもプリキュアと同時に竜たちを相手するのは骨が折れるだろう。それに……」

 

二人の元に近寄る一人の人物。二人はその人物を見つめる

 

「貴様は……」

 

「久しぶりと言うべきかな?とは言えこの姿では分からないか……」

 

二人の前に現れたのは黒い髪の子供。

 

「竜たちには四天王の竜たちと僕の事を紹介しないとね」

 

「ですが……あなた様は……」

 

「まだ不完全でも……竜たちは勝てないよ」

 

その男の子は笑みを浮かべた。ウロボロスは膝をつき……

 

「分かりました。あなた様が炎竜、地竜、風竜と接触した訳は…………奴等の実力を見るためですね」

 

「そうだよ。器には接触出来なかったけど……今の僕には勝てない。そうだろ?ウロボロス」

 

「はっ!邪竜様!」

 

 




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82 悲劇は突然

桜空side

 

ソラシド写真館にやって来た僕ら。早速衣装を見ることになったが……

 

「では、こちらからお衣装を選んで下さい」

 

「ゆ、夢みたいな可愛さだよ!」

 

「これ! 私、これにします!」

 

「お2人のために来たんじゃないんですけど……」

 

「ハッ……」

 

盛り上がるソラとましろの二人にツバサがツッコミを入れる。まぁ今回のメインはエルちゃんだからな~

そんな中、あるものが目に入った。それはプリキュアの衣装だった。店員さんの話を聞くには巷で噂になってるプリキュアたちの衣装が子供たちに人気であり、作ったらしい

エルちゃんはプリキュアの衣装に興味津々だった。

 

「どのプリキュアが一番好き?」

 

店員さんがそう聞くとエルちゃんはしばらく悩むけど……ましろたちは誰のを選ぶのか気になって仕方ないみたいだけど……

 

「みんな、すき!」

 

エルちゃんの答えを聞いてホッとするましろたちであった。

それからプリキュアの衣装全部着たり、色んな衣装を着てエルちゃんも満足そうだ。

 

 

 

 

 

 

 

帰り、ツバサがプニバードの姿で車に乗るため、僕はあげは姉の車に乗ることになったが……よくアスが僕に譲ったな~

 

 

 

 

 

 

 

アスside

 

フウの車に乗り、家に帰る中……

 

「私……あっちが良かったんだけど……」

 

「仕方ないだろ。フウが大切な話があるらしいからな」

 

写真館から帰る際にフウが私たち竜に話があるからと桜空をあげはの車に乗るように誘導したけど……

 

「それで話って?」

 

「…………色々と調べて分かったことがある。グーリと水竜の事だ」

 

「水竜……奴は死んだろ?グーリが殺し……それがきっかけで奴は邪に染まり、俺と相討ちになり……グーリは死に魂となって桜空と融合し、俺は大怪我を負いソラに救われた」

 

「私は水竜に関してはあまり知らないけど……どんな人なの?」

 

「……強い奴だった」

 

うーん、フウがそう言うなら本当に強いんだろうけど…………

 

「それで何か分かったのか?水竜に関して……」

 

「…………奴の遺体が見つからない……奴が死んでいるならば遺体…もしくは骨でも鱗でもあるはずが……何も見つかっていない」

 

それってつまり生きているってこと?でも…

 

「グーリはなんと?」

 

「確実に殺した…そう言っているが……もしかしたら……」

 

フウが言いかけた瞬間、突然急ブレーキがかけられた。一体何事?急ブレーキの理由はあげはが突然車を止めたことみたいだけど……

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

帰り道、疲れて眠っているエルちゃんとその側で眠る星竜をソラは見つめ、ソラはエルちゃんに触れると……

 

「そら……」

 

「はい?」

 

「だいすき……」

 

「私も大好きですよ……エルちゃん……」

 

再び眠りにつくエルちゃんを見て、頬笑むソラ。

 

「いつの日か、アンダーグ帝国との戦いが終わって、世界に平和が訪れて、もうプリキュアがいらなくなった時、エルちゃんはスカイランドに帰って、私達のプリンセスから、みんなのプリンセスになる……それがエルちゃんのためです……なのに、エルちゃんが大きくなるのを、隣でずっと見ていたい……今、そう思ってしまいました……未熟です……」

 

涙を浮かべるソラは涙を拭った。いつの日か……

 

「いつかは離れ離れになる日が来る……でも、それは、今日じゃないよ?」

 

「はい……」

 

「その日が来るまで、ボク達のプリンセスを、エルちゃんを一緒に守っていきましょう!」

 

「はい!」

 

決意を新たにする中、突然急ブレーキがかけられた。一体何が起きたのか分からなかった。

 

「どうしたの、あげはちゃん?」

 

「た、確かに人が……」

 

「あげは!合図をしたら直ぐに車を走らせろ!」

 

突然の事で困惑する中、ノアたちが駆け寄ってきた。もしかして敵の襲撃か?

 

「桜空!お前はそのまま車に!」

 

「……フウ、ノア……ちょっとヤバイかもね。あげはは直ぐ様車を走らせて」

 

ノアたちが見つめるほうを見るとそこにはフード姿の男がいた。あげは姉は直ぐ様車を走らせる。

 

「アンダーグ帝国の新たな敵なら、戦いましょう!」

 

「ヤバいよ、あれ……」

 

「ただの敵ではありません……あの目、戦いの前につきものの高ぶりも、緊張も、怒りも憎しみも、何もありませんでした……あんなに冷たい目、見た事がありません……」

 

不意に車の上に物音がなり、そして……突然目の前に黒い穴が開き、そのまま吸い込まれた。

 

 

 

 

 

 

気がつくと霧のかかった薄暗い場所にいた。外にはノアたちの姿があったが……

 

「ああ!」

 

「どうしたの?」

 

「エルちゃんと星竜が……」

 

慌てて外に出てエルちゃんを探すことに

 

「プリンセス!」

 

「どこにいるの? 返事して!」

 

不意に上を見るとエルちゃんと星竜が黒い穴へと吸い込まれていった。そして僕らの前にフードの男がいた。ソラたちは直ぐ様プリキュアに変身し、僕らも戦闘スタイルに変わった

 

「エルちゃんを返しなさい!」

 

「答えろ! プリンセスはどこだ!」

 

「アンダーグ帝国に送った」

 

「エルちゃんがアンダーグ帝国に?」

 

「そんなの嘘に決まってる!」

 

「嘘? 嘘はつかない。私が求めるのは真実のみ」

 

男はフードを脱ぎ捨てるとそこには頭に二本の角を生やし、モノクロをつけた男の姿を現した

 

「私の名は、スキアヘッド。帝国の支配者、カイゼリン・アンダーグ様の命により、プリンセス・エルをいただいた」

 

「カイゼリン・アンダーグ?」

 

「私はプリンセスを連れてくるようにとしか命じられていない。今日のところは、ここで帰ろう。カイゼリン様のお気持ちが変わらなければ、お前達は助かるかもしれない」

 

スカイは直ぐ様スキアヘッドに襲いかかるがスキアヘッドは転移するとプリズム、ウィング、バタフライは追撃を与えるがスキアヘッドは物怖じひとつしてなかった。

 

「返しなさい……私達のエルちゃんを……」

 

「「「「返せー!」」」」

 

僕らも戦いに参加しようとすると……

 

「竜たちよ。お前たちの相手は私ではない」

 

突然黒い穴が開くとそこから現れたのは黒髪の子供とエクス、テンペスター、ウロボロス、ボロボロの服を着た男。そして何度も姿を現してきたフード姿の人物。

 

「あの子供は!?」

 

「なるほどね。邪竜の仲間だったんだ」

 

「だとしても何も感じなかったが……」

 

あれが話に聞いた謎の子供……

 

「器の人間だけ初めましてかな?僕は邪竜オルドグルス」

 

「奴が……邪竜!?」

 

あの子供が……なのに……どうして何も感じないんだ?

 

「さて、少し遊ぶ前に……君の力を見せてあげな」

 

フードの人物がフードを脱ぎ捨てるとそこには青い髪の少女がいた。

 

「馬鹿な!?何故お前が……お前が生きている!水竜リウム!」

 

「久しぶりね……グーリ。そしてさようなら」

 

リウムが刀を抜き、僕に向かって切りかかってきた。僕は咄嗟に氷の盾を出し、防ごうとするが……

 

「防ぐな!避けろ!」

 

グーリの声が聞こえた瞬間、僕の右腕が切り落とされた。

 

「桜空くん!?」




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83 四元竜と謎のプリキュア

桜空side

 

突然右腕が切り落とされた。それを見て慌ててプリズムが駆け寄ろうとしたが……

 

「大丈夫だ!」

 

「桜空くん?でも…」

 

僕は落とされた右腕をくっつけ、切られた箇所を氷で固定した。

 

「グーリ……色々と聞きたいことがあるけど……今は頼めるか」

 

「桜空……」

 

「大丈夫……ブロン、ノワール……回復力を高めてくれ」

 

『分かりました』

 

『元に戻るには5分だ』

 

痛みが強いけど……今は回復に……

 

「プリズム……そう言うわけだから……今はそっちのスキアヘッドを」

 

「桜空くん……分かったよ……」

 

プリズムを少し安心したみたいだ。そしてグーリは人の姿になり、リウムと対峙した

 

「リウムの相手は我がする!」

 

「そう言うことみたいだから……リウム。氷竜の相手をしてあげな」

 

「はい……」

 

グーリとリウムが戦い始めると、アスとフウの前にはボロボロの男が立ちはだかった

 

「俺は……こいつらと遊ぼう」

 

「この感じ……腐竜と同じ気配」

 

「もしかして腐竜たちの長的な?」

 

「あれは……俺の分身。分身と……同じと考えるな……俺は腐竜のストレイア」

 

「アス……気を付けろ」

 

「分かってる!」

 

フウとアスの戦いが始まり、ノアの前にはウロボロスが立ちはだかる

 

「エクスやテンペスターではないのか?」

 

「こちらの戦力を見せるためにな。あの二人は見学だ」

 

「そうか……なら!」

 

ノアは炎を纏い、ウロボロスに殴りかかる

 

「こちらも本気を出そう!」

 

ノアとウロボロスの戦いも始まる中、回復に専念している僕にオルドグルスが近寄り……

 

「さぁ僕らは話でもしようか?」

 

「ふざけてるのか?」

 

「ふざける?楽しんでるのさ。お前たちがどう足掻くのかを」

 

「それをふざけてるって言うんだ!」

 

「まぁ見てなよ。君の仲間たちがどう足掻くのか?」

 

オルドグルス……こいつは……だけど今は怒りに任せるところじゃない……耐えるんだ

 

 

 

 

 

ノアside

 

四元の力を解放し、ウロボロスを殴り続けるが……

 

「確かにお前の炎はかなりのものだが」

 

黒い穴に炎が吸い込まれていく。こいつの力は一体……

 

「悪いがお前たちの能力は私には通じない」

 

ウロボロスが右腕を尻尾に変化させ、俺を縛り上げる。

 

「単純な力で私に勝つしかない」

 

「なるほどな……なら!」

 

ウロボロスの顔をめがけブレスを吐き、拘束が緩んだ瞬間、ウロボロスに蹴りを喰らわす

 

「殴りあいが望みならいくらでも付き合ってやる!」

 

「ほう!」

 

互いに殴られては殴り返す。それを繰り返す中、俺は桜空の合図を待った。あいつなら……やるはずだ。それにスキアヘッドと戦うスカイたちも何とか助けに入らないと……

 

 

 

 

アスside

 

「「ハアアア!」」

 

フウと同時に攻撃を放つがストレイアは防ごうとせず、ただ攻撃を受けるのみ。いくらフウの風に切られようと私の岩で串刺しになっても……平気そうにしている

 

「効かねぇな……」

 

ストレイアは私の頭を掴み、地面に叩きつけるがそれを何度も繰り返す。

 

「アス!」

 

叩きつける威力が明らかにおかしい……何なの?こいつ……

 

「中々壊れねぇな……」

 

「ストレイア……お前、その腕……」

 

私を叩きつけるのを飽き、そのまま投げ飛ばす。私は頭から血を流しながらも立ちあがり、ストレイアの腕を見た。ストレイアの腕はボロボロになり、骨も出ているのに……

 

「俺は痛みを感じない……お前たちや人間と違って……力は常に……リミッターが外れている……」

 

要するに面倒な相手って事だよね?あーもう……血が流れてるからちょっとふらつくけど……

 

「アス……こいつを倒そうと思うな……桜空の狙いに合わせるぞ」

 

「分かってる……面倒なのは押さえつけるって事だね」

 

ストレイアを拘束するか……本気で大変かもね

 

 

 

 

 

 

グーリside

 

リウムが何故生きているのか分からない。だが今はこの危機を乗り越えないといけない。我は氷の剣を作り、リウムに斬りかかるがリウムは後ろに避け、水の刃を振る。我は横へ避けるとさっきまで立っていた場所に切ったあとが出来た。

 

「相変わらず……とんでもない刃だな」

 

「水竜刀……水は高速に噴出すれば全てを切る。それが私の武器でもあり、力でもある」

 

「そうだな……だが」

 

我は四元の力を解放した。四元の力解放は魂の姿となった我からしてみれば直ぐに元の魂の状態に戻ってしまうが…………リウムを押さえるだけならば……

 

「さぁ……水竜刀で我の氷竜結界を抜けるかな?」

 

「…………」

 

後は……桜空の合図を……

 

 

 

 

 

 

プリズムside

 

スキアヘッドと戦う中、私は桜空くんの事が心配でしょうがなかった。桜空くんは大丈夫だって言ったけど……それでも……

 

「プリズム!」

 

「うん!」

 

スカイの掛け声と共に私たちは一斉にスキアヘッドにパンチを繰り出すが……

 

「守れ!」

 

スキアヘッドが展開したバリアに私たちのパンチは防がれ、更に……

 

「弾けろ!」

 

黒い光弾が一気に放たれ、私たちは吹き飛ばされる。

 

「ないのだ。プリンセスを助ける手は、もう。既にすべてが終わっているのだ。そして竜たちもだ」

 

ノアさんたちが苦戦している。でも私は桜空くんを見ると桜空くんから黒い光と白い光が溢れ出していた。

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

「なんだい?この光は?」

 

「準備してたんだよ……」

 

僕はオルドグルスを殴り飛ばし、白と黒の鎧を身に纏った。

 

「みんな!今だ!」

 

僕の掛け声と同時にノアの炎、グーリの氷、アスの岩、フウの風が僕に向かって放たれた。四人の竜たちの攻撃は一つのエネルギーとなり、僕に吸収され、身に纏う鎧が赤、水色、黄色、緑の四色に変わった。

 

「四元竜の力!解放!」

 

「なるほど。擬似的に四元竜の力を…………」

 

「ここでお前を倒す!オルドグルス!」

 

「いいね!やれるものなら!」

 

僕の拳とオルドグルスの拳がぶつかり合う。

 

「互角か!」

 

「いいや、邪竜様の勝ちだ」

 

オルドグルスの力が……強い……このままだと……いや、諦めない。そうだろ……プリズム…スカイ…ウィング…バタフライ……ヒーローは諦めないだろ!

 

「エルちゃん……」

 

「エルちゃん……」

 

「プリンセス……」

 

「エルちゃん……」

 

プリズムたちも互いに手を繋ぎ、立ち上がる。まだ諦めてない。

 

「足掻き続けるか……そういうのは嫌いなんだよ!」

 

オルドグルスの拳が大きくなっていく。このまま僕を潰す気か…………

 

その瞬間……空から眩い光が差し込んだ。そして光の中から一人の少女と一匹の巨大な竜が姿を現した。

 

「消し飛ばせ!」

 

スキアヘッドが巨大な黒い光弾を放つが……

 

「ひろがるチェンジ」

 

光弾が当たり、少女がいた場所が煙に包まれ、煙が晴れるとそこには紫の衣装を纏った少女がいた。その姿はまるでプリキュア……

 

「まさか……」

 

「新しいプリキュア!?」

 

謎のプリキュアはスキアヘッドへ向かっていく。スキアヘッドはバリアを展開し、謎のプリキュアの拳を防ぐ

 

「問おう。汝の名は?」

 

「キュアマジェスティ!」

 

「キュア……マジェスティ……」

 

「キュアマジェスティ……その名前、知識の宮殿に記録しておこう」

 

スキアヘッドは姿を消した。

 

「なるほど……あれが……」

 

スキアヘッドが消えてもまだ邪竜が……その時、マジェスティが紫の竜に何かを伝えると、紫の竜は光の塊となり、ノアを包み込む。

 

「これは……」

 

ノアは紫の鎧を纏った姿に変わると、直ぐ様僕の援護に加わる

 

「その鎧……まさか!」

 

「ここで消えろ!邪竜!」

 

「消え去れ!」

 

オルドグルスの拳を僕とノアの拳が打ち砕き、オルドグルスは吹き飛ぶ。

 

「やったか?」

 

「やるね……まさかこんな面白いことになるなんてね」

 

吹き飛ばされたオルドグルスを包み込んだ煙が晴れると、そこには左腕を消し飛び、腹に風穴が空きながらも立つオルドグルスの姿があった。

 

「もっと楽しみたいけど……スキアヘッドが帰ったし、僕らも帰ろうか。あぁそうそう僕を倒そうとは思わない方がいいよ。僕は人がいる限り不死身だからね」

 

オルドグルスがそう言い残し、消えるとリウムたちも姿を消した。そして僕たちも元の世界に戻された。

 

辺りを探すと木の影からエルちゃんと星竜の姿があった。ソラたちがエルちゃんたちに駆け寄った。

 

「エルちゃん……」

 

「そら!」

 

「よくぞ、ご無事で! プリンセス!」

 

「良かった……本当に良かった……」

 

「エルちゃん……怖かったよね……ごめんね……ごめんね……守ってあげられなくて、ごめんね……」

 

「ましろさん……」

 

エルちゃんが無事だと知り、安心と心配から泣きじゃくるましろ。エルちゃんはましろにそっと近寄り……

 

「なかないで、ましろ……」

 

頭を撫でるエルちゃんをましろは抱き締め……

 

「もう絶対に離さないからね!」

 

そう言うのであった。僕はましろの肩を叩くと……

 

「桜空くんも!心配かけすぎだよ!」

 

「え、あ、ごめん」

 

「腕……落とされるし……本当に心配だったんだからね!」

 

「ご、ごめんなさい」

 

その後、ましろに怒られる僕であった。それにしてもアンダーグ帝国が本格的に動きだし……邪竜たちも……グーリは僕の中に戻ってから黙り込んでる。

それに気になるのはあのマジェスティと紫の竜は一体……




桜空が出した四元竜は一時的であり、本来の四元竜ではないです
グーリは桜空が器の力に覚醒してから、一時的に人の姿として戦えますが、時間制限つき

キョーボーグ登場したあとに、オリストでまた自分の書いているオリ主が絡む話をやります
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84 マジェスティの正体

桜空side

 

スキアヘッドと邪竜たちの襲撃の次の日の朝、ましろたちは浮かない顔をしていた。

 

「ごめんね。昨日のことを考えてたらパン焦がしちゃった」

 

「何とか元の世界に戻れましたが……プリンセスを奪われてしまいましたからね……」

 

「スキアヘッド……強かったです……それに……」

 

ソラはアザだらけの顔をしたノアを見つめた。ノアは見つめられていることに気がつくと……

 

「これぐらいならその内治る。アスや桜空の腕もな」

 

昨日の戦い……フウさんはアスのサポートに回っていたから怪我はなかったけど、今は家で邪竜の部下である腐竜について調べている。アスはというと……

 

「ツバサくん~頭撫でて~そしたら傷も早く治るから~」

 

額が割れるほど地面に叩きつけられたらしいけど、いつも通りだった。

 

「アスさんも無事で良かったです」

 

「ツバサくん、心配してくれてるんだ~えへへ~」

 

この二人はまだいつも通りだけど……

僕は右腕は繋がったけどまだ完全には動かせない。それに無茶をしたから……

 

「はい、桜空くん。あーんして」

 

「いや、自分で……」

 

「あーんして」

 

ましろに言われるがままあーんすることに……昨日の一件でかなり無茶したので、その罰なのかもしれないな

 

「とりあえずさ、起きたことを考えるよりも、これからの事を考えようよ。今度はエルちゃんが奪われないように私たち自身が強くなるように!」

 

あげは姉の言う通りだな。みんなもそれを分かってる。ただ……グーリは昨日からあまり表に出てこない。水竜のリウムが生きていたことがかなりきているみたいだ

 

「それにしてもあのキュアマジェスティ……何者なんでしょうか?」

 

「めちゃ強だったよね」

 

「それに一緒にいたあの竜は……桜空くんは聞いてない?」

 

「ノワールたちも知らないみたいだけど……」

 

「ヨヨさんなら何か知ってるかもしれませんが、今はスカイランドへ……」

 

「える!」

マジェスティと謎の竜について話していると、エルちゃんが手をあげた。

 

「どうしたんです?」

 

「キュアマジェスティの正体、知ってたりして!」

 

「え!? 教えて下さい!」

   

「えるだよ!」

 

思わぬ返事にその場にいた全員が固まった。

 

「える、きゅあまじぇすてぃなの!それにあのりゅう、せいりゅうなの」

 

「みー!」

 

星竜も誇らしげにしているけど……えっとこれは……

 

「エルちゃんが……」

 

「キュアマジェスティ!?」

 

ましろとソラも驚くのも無理もないよな。それにあの紫の竜が星竜だってことにも僕らは驚いている。

 

「へんちん! つよいの!」

 

「でも、キュアマジェスティは……」

 

「エルちゃんより、ずっと年上だったよね!?」

 

「でも、ありえるかも! 運命の子だもん!」

 

「確かに……カバトンがエルちゃんを誘拐した際に、エルちゃんの中にある力を狙っていましたね」

 

「それに星竜もエルを守るために現れたからな。同様に不思議な力があってもおかしくないが……」

 

「エルちゃん。今、キュアマジェスティに変身できる?」

 

「える!ひーおーがーる、ちぇーんじ!」

 

あげは姉に言われるままに変身しようとするが、エルちゃんは変身できなかった。というか持ってるのはミラージュペンじゃなくスプーンだし……

 

「みーーーーー!!!」

 

星竜も変身しようとするが、何も変わらない

 

「あの……」

 

「エルちゃん……」

 

「スプーンで変身は……」

 

「える? ぷりきゅあ! ぷりきゅあ!」

 

何度も変身しようとするが、プリキュアになれないでいた。これって……

 

「える、へんちん! つよいの! うそないの!」

 

「大丈夫! ウソなんて思ってないよ!」

 

「エルちゃん!」

 

「ボクらもです!」

 

「でも、今はなぜか変身できなくて、こまった、こまった……なんだよね?」

 

「える……」

 

「よっしゃ! ここは最強の保育士を目指して、私の出番かな! どうすれば変身できるか、一緒に考えてみよう!」

 

「える!」

 

それにしてもエルちゃんが変身できないのも気になるけど、星竜も姿を変えられないの何でなんだ?

もしかしてエルちゃんが変身しないと星竜も姿を変えられない?

 

 

 

 

 

 

 

アンダーグ帝国

 

「カイゼリン様。ついに、あのキュアマジェスティが降臨しました」

 

「チッ……」

 

「まだその強大な力を使いこなせぬうちに、消し去らねば」

 

「よかろう」

 

「すべては、この私めに、お任せを……」

 

「頼りになる部下を持っているね。カイゼリン」

 

カイゼリンとスキアヘッドの前にオルドグルスとウロボロスが姿を現した。

 

「邪竜。何をしに来た?」

 

「挨拶に来たんだよ。カイゼリン……それにこれからも手を結ぶんだからさ」

 

「…………スキアヘッド。邪竜たちの好きにさせろ」

 

「分かりました」

 

「ふふ、それでウロボロス。誰に行かせるのかな?」

 

「エクスが行きたがっています」

 

「そう……じゃあ僕らはテンペスターの様子を見ようか」

 

「はっ!」

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

「そらー!」

 

「エルちゃん! あげはさん! 変身の方はどうですか?」

 

ソラと一緒に組手をしているとあげはとエル、星竜がやって来た

 

「頑張ってはみたんだけどね……変身ポーズを変えてみたり、色々と……それで、先輩プリキュアのソラちゃんを見学してみようって!」

 

「せ、先輩……気合いを入れていきますよ! タァーッ!」

 

ソラは嬉しさのあまり気合いが入ってるが……あまり気合い入れすぎると……

 

「ソラ、気合い入れすぎだ」

 

「ですが……」

 

「ほら、エルを見てみろ」

 

ソラの真似をして転びそうになっていたのをあげはが助けに入っていた。

 

「えぅ……」

 

「あはは、エルちゃんにはまだ早かったみたいだね」

 

あげははエルと星竜を連れて次の場所へと向かった。

 

「そういえば星竜さんが変わらなかったのは何故でしょう?」

 

「エルとの繋がりが強いからかもな」

 

「繋がり?」

 

「ただ気になるのは……」

 

何故あの時……鎧として俺に宿ったんだ?

 




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85 変身!キュアマジェスティ

桜空side

 

キッチンでましろの手作りヨーグルトの味見を……と言う感覚で呼ばれたと思ったら何故か一皿全部食べるように言われた。

 

「少しでも栄養を採って桜空くんには元気になってもらわないと!」

 

「あのさ……ましろ……限度と言うものが……」

 

「はい、追加分」

 

更に追加されるヨーグルト……いや、こうなったのは仕方ないけど……

そんなときあげは姉とエルちゃん、星竜がやって来た

 

「ましろん!」

 

「あ! 今、ヨーグルト作ってたの! もっと強くなるために、ビタミンたっぷりレモン果汁入り!それに桜空くんの療養として!」

 

「すっごく元気出そう!」

 

「あげはちゃん、味見してみて!」

 

「美味しそう!」

 

これで少しは負担が減ると思っていたけど……何か僕に作ってるのと違うやつじゃない?そう思っているとエルちゃんが何を思ったのかあげは姉が食べた酸っぱい方のヨーグルトを見て……

 

「エルちゃんには、こっちの……」

 

「こっち!」

 

「あ、そっちは……」

 

食べると酸っぱそうにしていた。流石にエルちゃんには早いよな。すると星竜が僕の皿のヨーグルトを食べ、エルちゃんと同じ反応をしていた。

 

「や、やっぱり酸っぱかったよね? えっと、こんな時は……」

 

「これでごっくんしようか?」

 

「そう、それ!」

 

エルちゃんはヨーグルトをミルクで流し込み、星竜は物凄くしょんぼりしていた。

 

あげは姉たちがキッチンから離れると……

 

「僕もそろそろ……」

 

「桜空くん、まだおかわりあるよ」

 

「…………ましろ。大好きだ」

 

「うん、私もだよ。だからはい、おかわりのヨーグルト」

 

あ、逃げられないのね…………

 

 

 

 

 

 

 

アスside

 

「ツバサく~ん、何でまた勉強してるの?」

 

「今後の戦いに向けて、航空力学を応用した戦いかたを考えてるんです」

 

「そっか~頑張り屋だね」

 

「それでその……アスさんは何で僕に抱きついているんですか?」

 

「勉強の邪魔をしないようにツバサくんに抱きついて回復してるんだよ」

 

「その……効果あるんですか?」

 

「それなりにね」

 

そんな話をしているとあげはたちがやって来た。するとエルちゃんはツバサくんのミラージュペンを見て……

 

「それ、かちて!」

 

「このミラージュペンですか?」

 

「少年、貸してあげて!」

 

「はあ……じゃあ……はい!」

 

ツバサくんからミラージュペンを受けとるとエルちゃんは……

 

「ひおがるちぇーんじ!ちぇんじ! ちぇーんじ! ちぇんじー!」

 

変身しようとしてたけど、何も起こらなかった。

 

「そのペンはボク専用なんです。だから変身は……」

 

「えぅ……」

 

エルちゃんは変身出来なかったことに対して落ち込んでいるとあげはが……

 

「よーしよし。エルちゃん、すっごくすっごく頑張ったんだよね?でも、なかなか上手くいかなくて、悲しくなっちゃったんだよね?エルちゃんには、エルちゃんだけのミラージュペンがあるはずだよ?」

 

「える……だけ……?」

 

「それは、エルちゃんにしか見つけられないものなんだ。でも、きっとエルちゃんなら見つけられる」

 

エルちゃんだけのミラージュペンか……もしかしたら気持ちが足りない感じなのかな?

そんなときツバサくんの鳥友達が窓の外で騒いでいた。ツバサくんが話を聞くと街に騒ぎが起きているとの事だった。

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

街に行くとそこには巨大化したミノトンが暴れていた

 

「ミノトン!?」

 

「あの姿は……」

 

「来たか。プリキュア」

 

離れた場所にはスキアヘッドの姿があった。

 

「スキアヘッド!ミノトンに何を!」

 

「アンダーグエナジーを注いだ。そうすれば今まで以上の力を出せる」

 

「そこまでしてエルちゃんを……!」

 

「今の目的はプリンセスではなく、お前たちプリキュアと竜たちを潰すことだ!行け!ミノトン!」

 

ミノトンが雄叫びを上げるとソラたちはプリキュアに変身し、俺たちも戦闘スタイル変わった。

 

「エルちゃんと星竜は安全なところに!」

 

「あぅ……」

 

エルを安全な場所に下がらせると、ミノトンの隣にエクスが現れた

 

「エクス!」

 

「炎竜ノア!お前との戦いはもう少し楽しみたかったが……邪竜様が動き始めた以上……お前を潰すために本気を出させてもらうぞ!」

 

まるで俺たちが邪竜に勝てないみたいな言い方だな……

 

「桜空、アス、お前たちはスカイたちを頼む。こいつは俺がやる!」

 

「ノア……分かった!」

 

俺は四元の力を解放するとエクスの身体から黒いオーラが溢れだした

 

「邪爆竜解放!さぁ!楽しもう!」

 

互いに駆け出し、同時に拳を繰り出すのであった。

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

「ひらがる!スカイパンチ!」

 

スカイがスカイパンチを繰り出し、ミノトンに喰らわせるがミノトンは耐え、スカイを捕まえ握りつぶそうとしていた。すかさずウィングが助けに入ると……

 

「先ずは動きを封じる!氷のつぶて!」

 

氷のつぶてを浴びせるとその隙にアスが近寄り、

 

「地竜昇拳!」

 

岩を纏わせた拳でアッパーを喰らわせるが、ミノトンは怯まず僕らを掴み、投げ飛ばした。

 

「中々強くなってるね」

 

「それに多分アンダーグエナジーのせいで痛みも感じにくいのかもな」

 

「最強となった我の攻撃を!」

 

ミノトンが黒い波動を放ち、バタフライが咄嗟にバリアを張るが威力が強くバリアが砕かれていく。

 

「無駄だ! 無駄無駄! 諦めろ! 貴様らがプリンセスを守る事など叶わん!」

 

バリアが今にも砕かれそうになる中、プリズムたちが一緒にバリアを押していく。僕とアスは氷と地でバリアを強化していく

 

「諦めたりなんか……」

 

「しない!」

 

「そうです!」

 

「無駄なあがきを!」

 

「エルちゃんは!」

 

「プリンセスは!」

 

「私達が!」

 

「絶対に!」

 

『守る!』

 

バリアと共に黒い波動が霧散していった。なんとかなったみたいだけど……

 

「つぅ……!?」

 

「桜空くん!?」

 

右腕に痛みが……まだ完治してないのに無理をしたからか……

アスも額から血が流れてる

 

「アスさん!大丈夫ですか?」

 

「大丈夫……ちょっと傷口が開いただけだから」

 

ここで倒れる訳にはいかない。するとミノトンの様子が変わった。

 

「グッ……ここまでやるとは……敵ながら褒めて……」

 

意識が戻ったのか?すると黒いオーラが溢れだし、再びミノトンの意識が飲まれた

 

「グッ! 否! 否! 始末するのみ!もう力は残っていまい!」

 

ミノトンがまたあの黒い波動を……どうする?どうしたら……

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

互いに息を切らしていた。昨日の今日でこの戦いは……だけどエクスは……

 

「その力……負担が大きいみたいだな」

 

「意識を保ちながら邪の力を最大限まで高めているからな……だが!まだ終わるつもりはない!」

 

エクスの身体から黒いオーラが大きく溢れだす。このまま放置は出来ないな……

 

「四元の力を!最大に!必殺!」

 

俺は炎を拳に纏わせ、エクスを連続で殴り続け

 

「炎竜円舞!」

 

止めの蹴りを喰わすが、エクスに足を掴まれ……

 

「爆砕!邪竜撃!」

 

腹を殴られた瞬間、大きな爆発に飲み込まれた

 

「勝った!勝ったぞ!」

 

エクスの声が聞こえる中、意識を失った。

 

 

 

 

気がつくと真っ暗な世界の中、俺と俺の前に星竜がいた

 

「なんでお前が……」

 

「今のままでは誰も邪竜には……邪竜の部下たちには勝てない」

 

「…………それでも戦うことは諦めるつもりはない」

 

「だからこそボクの力を貸す!」

 

「星竜の?何で俺なんだ?お前の力なら桜空の方が……」

 

「彼には四元の器の力がある。そして全てを凍てつかせる竜の力も……これ以上は力を授ければ……」

 

桜空に負担がかかると言うことか……それなら……

 

「星竜……力を貸せ!」

 

「分かりました!今なら……彼女の力も目覚めた今なら!」

 

彼女?もしかして…………

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

もうダメかと思った瞬間、エルちゃんが僕らを庇うように前に出た

 

「だめー!」

 

「エルちゃん!」

 

「いけません!」

 

「いや! いや!みんな、だいじ! だいすき!えるも……まもる!」

 

その瞬間、エルちゃんから眩い光が溢れだした。あれって……もしかして……

 

「みつけたの……えるも! ぷりきゅあ!」

 

ミラージュペンとスカイストーンが現れ、エルちゃんが変身をした

 

「スカイミラージュ!トーンコネクト!ひろがるチェンジ・マジェスティ!」

 

赤ん坊の姿から成長した姿に変わり……

 

「きらめきホップ!さわやかステップ!はればれジャンプ!」

 

紫の神秘的な衣装を纏った姿のプリキュアに変わった。

 

「降り立つ気高き神秘!キュアマジェスティ!」

 

「キュア……」

 

「マジェスティ!」

 

「やりましたね……」

 

「見つけたんだね……エルちゃんだけのミラージュペン!」

 

「あのペンは、自分の中の気持ちが、形になったものです!」

 

「バタフライ、最初から分かってて……」

 

バタフライがウィンクして答えるとノアがいる方からも眩い光が溢れだした。

 

「彼も覚醒したみたいね」

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

立ち上がるとエクスは驚いた顔をしていた。

 

「な、その姿は……」

 

俺の身体には星竜が鎧の姿に変え、俺に纏わせた。

 

「星竜の鎧だ!そしてこの姿は……星炎竜!」

 

星の光と炎が溢れだし、エクスを殴るとエクスの身体から黒いオーラが霧散した

 

「ぐぅ!?何故だ!」

 

「星炎は邪を消し去る力があるみたいだな」

 

『四元の守護竜と違い、一瞬で消失させますから』

 

星竜の声が聞こえる。これもこの姿ならではか

 

「一気に決めるぞ!」

 

『はい!』

 

眩い光と炎が混ざり合わさった光弾をエクスに向かって放ち、エクスは耐え抜こうとするが邪のオーラが霧散していく

 

「このまま……負け……」

 

すると突然エクスの姿が消えた。逃げられたか?

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

「返り討ちにしてくれる!」

 

襲いかかるミノトンをマジェスティが圧倒していく。これがエルちゃんがプリキュアになった力なのか……

マジェスティが一気に攻めていき、ミノトンが怯んだ瞬間

 

「お願い!」

 

スカイとプリズムの二人がマジェスティに答えるようにアップドラフト・シャイニングでミノトンを浄化るがミノトンは黒い穴に飲み込まれて消え、スキアヘッドもいなくなっていた。

マジェスティも変身を解くとエルちゃんは疲れ果てて眠りにつくのであった。

 

 

 

 

 

それからノアとも合流し、星竜も覚醒した事を話した。星竜も眠っていたが……エルちゃんがプリキュアに変身したのに反応するように姿を変えたらしいけど……何か繋りがあるのか?

そんなことを帰り道考えていると

 

「プリンセス、ぐっすりです!」

 

「こんな小さな身体に、あんな力があるなんて……」

 

「みんな、どう思う? 心配は心配だけど、これからは私達の目の届く所で、一緒に戦った方がいい気がするな……」

 

「確かに!」

 

「はい! 最強のエルちゃんを守るため、私達は、もっともっと強くなるのみです!」

 

みんなの士気が上がる中……

 

「ましろ?どうした?」

 

「……何でもない」

 

ましろだけは……




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86 謎の遺跡とましろの心配

ひろプリも今月で終わってしまいますが、こちらはまだまだ……


桜空side

 

ある日の事、ましろの部屋を訪ねようとしているとドアの前でエルちゃんがいた。何をしているのかと思っていると……

 

「キャー! やめてー! 助けてー! もうダメー!」

 

「ばーん!」

 

ましろの助けを呼ぶ声に答えるかのようにエルちゃんが飛び出した。なるほど、遊んであげているのか。それでぬいぐるみを…………

 

「おりたつけだかきしんぴ! きゅあまじぇすてぃ!」

 

エルちゃんはぬいぐるみの頭に触れると

 

「はい!」

 

「ありがとう、エルちゃん! 守ってくれて!」

 

「えるちゃんじゃないよ?」

 

「あ、ごめんね……ありがとう、マジェスティ!」

 

「もういっかいやる!」

 

うん、楽しそうなのはいいんだ。いいんだけど……

 

「あれ?桜空くん、どうしたの?」

 

「さくらもやる?」

 

「いや、僕は良いよ。とりあえずましろ。その……スカート気を付けて……」

 

「え?あ///」

 

大丈夫……見えてない。見えてない。ましろの白い何かなんて見えてない。うん

 

「桜空くんのえっち……」

 

「見てないから……」

 

とりあえず少ししてからまた訪ねよう。

僕は一旦自分の部屋に戻り、ベッドに座り……

 

「グーリ。いい加減出てこいよ」

 

グーリに声をかけるが……姿を現さない。あれから暫く表に出てこない。やっぱり気にしてるのか?

 

「ノアの話だとエクスを完全には倒せてないらしいし、それに敵も強くなってるから…………」

 

グーリの四元の力を扱えるようになりたかったんだけど…………グーリが出てこない以上は特訓のしようがはい……

そんな事を考えているとましろが僕の部屋に訪ねてきた。

 

「ごめんね。エルちゃん、おやつ食べ始めたから……それで話って?」

 

「あ、うん。ましろ……何か悩みでもあるのか?」

 

「あ……」

 

ここ最近……エルちゃんを心配そうに見つめているましろ。それに僕に対してもだ。前の戦いで僕は右腕を切り落とされたりしたし……今は完治しているけど……ましろからしたら心配でしょうがないよな

 

「……あのね。桜空くんはエルちゃんを戦いに参加させるのは……どう思うの?」

 

「エルちゃんのことを?」

 

もしかしてましろは……そうだよな。変身すると成長するとは言え、元は赤ん坊だから……

 

「……確かに心配だけど、一番に決めることはエルちゃんの気持ちじゃないのか?」

 

「エルちゃんの……」

 

「それに心配かけるのは僕だってそうだろ?」

 

「うん……」

 

ましろの心配症なのは優しさから来るところでもある。それに優しさだけじゃなく…………

 

「桜空くん……」

 

「少し見守ってやれ。それに僕の事は……」

 

「桜空くんの事もエルちゃんと同じくらいに心配してるよ」

 

「色々と無茶をするし、無理もする。これからも……それでも信じてほしい……絶対にましろの所に帰ってくるって……」

 

「うん……」

 

ましろはそっと目を閉じた。僕はゆっくりと顔を近づけキスをすると……

 

「ましろさん、桜空さん。スカイランドに行っているヨヨさんから連絡が……あ……」

 

キスしているところにタイミング悪くツバサがやって来て固まった。

 

「そ、その……下で待ってます……その……」

 

なんと言うかツバサに悪いことをしたな……ましろも顔を赤らめて固まってるし……

 

 

 

 

 

ヨヨさんの話はスカイランドに突然現れた遺跡の調査をお願いしたいとの事だった。ましろたちは鳥さんの背にのって移動し、僕、ノア、アス、フウの四人は飛んでいくことに……

 

「桜空、大丈夫か?」

 

「ちょっと安定しないけど……なんとか」

 

「グーリに飛行関連は任せれば良いのに、もしくはあの二人に」

 

「ノワールたちは飛行は苦手と言うか……翼での飛行はあまりしないから出来ないって……」

 

「グーリは未だに……」

 

「うん、いい加減出てきてほしいよ」

 

空を飛びながらそんな話をしていると、目的の遺跡に着いた。

遺跡は一週間前に現れたが入り口がなく、石碑があるだけだった。石碑には『すべての人を救う究極の力が、この地に眠っている。その力を手に入れなさい。運命の子よ』と刻まれていた。ヨヨさんはエルちゃんに何か関係しているのではと言うことで僕らを呼んだらしい。

するとエルちゃんが石碑に触れると突然入り口が現れた。早速入ろうとするとましろが止めた

 

「ねえ! ここって、危ない場所かもしれないよね?」

 

「ましろさん?」

 

「もしかしたら大岩転がってきたり、危険な生物とか現れたり……」

 

「ましろ?」

 

「やっぱり、エルちゃんは連れて行く訳にはいかないよ……私達だけで行こう?」

 

「ましろん。エルちゃんを危ない目にあわせたくない。その気持ちは、みんな一緒だよ。王様達だって……遺跡がエルちゃんを呼び、エルちゃん自身が運命に向き合おうとしている……もちろん、難しい事までエルちゃんは理解していないかもだけど、今私達にできるのは、エルちゃんを守って、サポートしてあげる事だと思う」

 

「それは、キュアマジェスティになったエルちゃんは、すごく強いし。けど……」

 

心配するましろ……ましろの心配は確かに分かる。だけどエルちゃんは……

 

「える、いきたい! いっしょにいこう、ましろ!」

 

笑顔でそう言うエルちゃんを見て、更に心配そうな顔をするましろを見て、エルちゃんは泣きそうになった

 

「ごめんね……ごめんね……一緒に行こうね……」

 

ましろはエルちゃんを抱き締めるとエルちゃんは直ぐに笑顔になった。

 

「ダメって言えないよ……」

 

「ましろ……」

 

 

 

 

 

遺跡の中に進んでいく中、道がない場所はエルちゃんが触れただけで道が出来るようになった。それにしても罠とか遺跡を守る魔物とかいないな……

 

「こういう遺跡は竜が関係してたりとかは?」

 

「関係してる場所はあるにはあるが、大体は寝所だな」

 

「結構落ち着くよね」

 

「それに遺跡には竜にとっては身体を癒す場所だったりする。だがこの場所は運命の子のみの場所だが……」

 

フウは何かを感じ取っている?いや、ノアもアスも……そして僕の中にいるノワールたちも……

 

「そう言えば桜空。ましろんとキスしてたんだよね」

 

あげは姉……こんな状況で聞くことなのか?

 

「ツバサには悪いことをしたけど……」

 

「まぁタイミング悪かったことで……それでましろん、何か相談してきたりしたの?」

 

流石はあげは姉と言うべきか……ましろが抱えている問題に気がついている。

 

「今はましろの中で解決するしかない。あとはちゃんと話すか……」

 

「そっか……」

 

今でもましろは心配そうにエルちゃんを見詰めている。ましろからしたら痛い思いをしてほしくないって思ってるだろうな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遺跡奥深く

 

「…………どうやら来たみたいね」

 

宙に浮かぶ本を見つめる女性が一人いた。

 

「運命の子、そして四元の器…………長かった……ようやくあなたとの約束を守れるわ。エルレイン」




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87 マジェスティクルニクルンと氷の四元

桜空side

 

遺跡の中を進んでいくと行き止まりにたどり着いた。辺りを見渡すが道がないが……目の前には壁画があり、そこにはエルちゃんが変身する際の少女と似たものと本が描かれていた。

エルちゃんがその壁画の本に触れた瞬間、ましろたちに似た絵が現れ、更には黄色の竜、赤い竜、緑の竜、水色の竜。そして四色の器と白の竜、黒の竜も描かれるとヨヨさんを除いて僕らは壁画の中に吸い込まれた。

 

 

 

 

 

気がつくと僕らは壁画の奥にあった部屋に来ていた。その部屋の奥には光る本が浮いていた

 

「本だ……本が究極の力なのか?」

 

「まじぇすてぃくるにくるん!」

 

エルちゃんが本を開こうとするがどうにも開けなかった。あげは姉も試すが無理そうだ。どうしたらいいのか悩んでいると……

 

「その本を開く方法知りたいですか?」

 

いつの間にか僕らの後ろに一人の女性がいた。長い金髪でどこか神秘的な印象を感じた。

 

「何者だ?」

 

「この遺跡の管理者か?」

 

「管理……そうなるかもしれませんね。私はこの本を守り、貴方たちと会うためにずっとここにいました。その子が運命の子ですね。そして伝説の戦士、プリキュアと炎竜、地竜、風竜、そして氷竜と白竜と黒竜をその身に宿した四元の器」

 

一目見ただけで……ノアたちや僕が器だって事を見抜いた?この人は……

 

「何者だ、お前は?」

 

ノアが身構えると女性は微笑んだ

 

「私は神竜。神竜族の祖です。そして……四元の器の主でもあります」

 

「神竜族の祖?」

 

「それに……器の……」

 

「プリキュア、そして神竜族、そして現代の四元の器。貴方方に伝えることがあります……邪竜について、そしてあの時……私たちが邪竜を封印した理由は……」

 

神竜が語ろうとした瞬間、部屋が大きく揺れた。もしかして……邪竜一派?それともアンダーグ帝国?僕らが身構えると壁を破ってアンダーグエナジーに取り込まれたミノトンが現れた。更には黒く染まったエクスも現れ……

 

「アンダーグ帝国の狙いはマジェスティクルニクルンだとして……エクスは……」

 

「あの時、邪の力を消し去ったが……まさか更に取り込んできたってことか?」

 

「それも意志が残らないくらいに……」

 

色々と話を聞きたいところだけど……今はこの状況をどうにかする必要がある。僕らは戦闘スタイルに変わり、ましろたちもプリキュアに変身する

 

「「「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「ウイング!」

 

「バタフライ!」

 

「「「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」 

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「あげて広がるワンダホー!キュアバタフライ!」

 

「「「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」

 

「えるもへんしんする!」

 

「スカイミラージュ!トーンコネクト!ひろがるチェンジ・マジェスティ!きらめきホップ!さわやかステップ!はればれジャンプ!降り立つ気高き神秘!キュアマジェスティ!」

 

プリズムたちがミノトンを、僕らがエクスと戦おうとするとエクスが僕を掴み壁に投げつけた

 

「狙いは僕か……」

 

「そう…だ…お前を…潰す…それが…俺の…」

 

「ノア!アス!フウ!プリズムたちと一緒に戦ってくれ。エクスは僕がやる!」

 

「分かった。無理するなよ

 

三人はプリキュアたちの所に行かせ、僕はエクスと対峙する

 

「俺は…ノアに…負け…邪の力に染まった……もう…武人としての誇りはない……ただの竜として…戦う…」

 

「来い!エクス!」

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

スカイ、プリズム、ウィング、バタフライがミノトンを撹乱し、隙が見えた瞬間に、

 

「炎竜拳!」

 

「地竜連脚!」

 

「風縛!」

 

俺たちの攻撃を喰らわせ、追撃にマジェスティが一撃を入れた。星竜は小さい姿のままだが……

 

「ノア。星竜は呼び掛けることで貴方の力になります」

 

「マジェスティ。あいつの言葉が分かるのか?」

 

「えぇ」

 

とは言えまだ星竜の力を使うべきではない。そう思っているとミノトンが懐からいくつもの瓶を取り出した

 

「我こそが、最強!」

 

瓶の中身を全て飲み干すとアンダーグエナジーが溢れだし、ミノトンの筋肉も肥大化し、大量のアンダーグエナジーの光弾を放ち続けた。

 

「ちっ、アス!フウ!合わせろ!」

 

「了解!」

 

「あぁ」

 

炎、地、風のブレスで光弾を相殺していくが光弾が多すぎる。するとマジェスティの所に光弾が迫ってきていたが、プリズムが咄嗟にマジェスティを庇った。

 

「スカイ、大丈夫か?」

 

「は、はい!私よりも……」

 

スカイはミノトンを気にかけていた。あの瓶……アンダーグエナジーを取り込んでいるみたいだが……身体に大きな負荷が……

 

「プリズム! 大丈夫?」

 

マジェスティはどうにかしようと思い、クルニクルンに呼び掛けた

 

「クルニクルン! 私達に究極の力を! クルニクルン! お願い!」

 

クルニクルンはその呼び掛けに答えるかのように眩い光が溢れ出すと……

 

「今の……」

 

「プリキュアの心を一つに重ねた時……」

 

「クルニクルンの奇跡のページは開かれる……」

 

「心を一つに……みんな! クルニクルンに手を重ねて!」

 

「それなら、ミノトンは俺たちが押さえる!」

 

俺は炎の鎖で、アスは岩でミノトンを囲い込み、フウは風でミノトンを押さえ込み、スカイたちが集まるまでの時間を稼いだ。スカイたち5人がクルニクルンの前に手を合わせ……

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

「エクスプロージョン・ナックル!」

 

爆破を伴う拳を喰らい、吹き飛ばされる僕。やっぱり強い……

 

「ノワールたちの力を使いたいけど……」

 

爆竜の力を奪えばいいが……それには相手が弱ってないと……邪の力はノワールが何とか軽減してくれているけど……

 

「ぐ……オォ……オォ……」

 

理性が無くなり、攻撃力が上がってる……どうすれば……

 

「これで……オワリ……ダ……」

 

エクスは口を大きく開け、ブレスを放った。僕は何とか耐えようとすると神竜が前に出て、バリアを張り防ぎ続ける

 

「神竜?」

 

「今は貴方の中の彼に呼び掛けてください」

 

「……分かった。グーリ!いい加減うじうじするな!お前に何があったか知らないけど!今は力を貸せ!そして……お前が力を貸して欲しいときは……僕が力を貸す!だから!出てこい!グーリ!」

 

その呼びかけに答えるかのように、身体から冷気が溢れだし、氷の鎧を身に纏い、右手には氷の太刀が握られた。髪も氷のような長く伸びた。

 

『やれやれ、うじうじ悩んでいたんじゃないぞ』

 

「そうなのか?」

 

『リウムとの件は……今は関係ない。お前の力になれるように……お前が我の四元の力を使えるようにしていたのだ』

 

そうだったのか。何だかこれまで以上に力が溢れる

 

「行くぞ!エクス!」

 

「グァ……コイ……」

 

エクスが爆破のブレスを放った。僕は氷の太刀を大きく振った瞬間……

 

「…………ノワール。邪の力を」

 

『あぁ、取り込み消滅させるには負担が少なくなっているな』

 

『後は少し爆破の力を……』

 

「いや、取り込む必要はない。エクスは強さを求め続けた存在だから……大丈夫だろ」

 

『そうですね』

 

「それとグーリ、氷はいつ溶ける?」

 

『あっちが終われば溶かすが……ピンチのようだ。手を貸しに行くぞ』

 

「あぁ!」

 

僕は皆のところへと向かった。神竜は僕がいた場所を見つめていた

 

「四元の力をここまで……それに現代の器は……」

 

神竜が見つめる先にはブレスごと凍らされたエクスの姿だった

 

「凍らせると同時に邪の力も凍らせ、砕くとは……」

 

 

 

 

 

 

みんなの所に駆けつけるが、みんなは手を合わせているけど……何を?

 

「どうして? 私達の心は一つのはず……」

 

「みんな、何があったんだ?」

 

「桜空、その姿は……グーリか……マジェスティクルニクルンの力を使おうとしたが、反応がないみたいなんだ」

 

反応がない?それにマジェスティがさっき言っていた心を一つに……もしかして……

気がつくとミノトンがアンダーグエナジーのブレスを放とうとしていた。僕らは守りに入ろうとするが間に合わない。その時マジェスティクルニクルンから何かが放たれ、ミノトンの攻撃を防いだ

 

「クルニクルンが守ってくれた?」

 

守ってくれたのはいいが、クルニクルンのバリアにヒビが入っている。

 

「バリアが……」

 

「クルニクルンの力でも駄目なのか?」

 

クルニクルンの力を使えない理由は……僕には分かっていた。そしてプリズムも……

 

「私のせいだ……エルちゃんを戦いに巻き込みたくないって思ってるから、だからクルニクルンの力が目覚めないんだよ!」

 

「そんな事言っている場合ですか! このままじゃ、マジェスティもボク達も……」

 

「分かってる!」

 

その瞬間、バリアが破られた。だが僕らは前に出てミノトンの攻撃を防ぐ

 

「エルちゃん、ごめんね……私が守ってあげなくちゃいけないのに……」

 

「プリズム……信じるんだ」

 

「え?」

 

「桜空さんの言う通りです。ましろさん! エルちゃんの気持ちを信じてあげて下さい!」

 

「エルちゃんの?」

 

「はい。エルちゃんだって、私達が心配で、私達を守りたいんです!私には分かります……だって、あの時と同じだから!」

 

あの時……スカイがプリズムに戦ってほしくないと言う思いから戦わないでほしいと言い出したときのことだ。

 

「あの時、ましろさんは私に言ってくれました!」

 

「ましろ……あなたが心配だよ……助けたいよ……気持ちは同じ……それって、一緒に戦う理由にならないかな?」

 

プリズムの……ましろの気持ちがマジェスティの思いに答えようとした瞬間、クルニクルンから眩い光が溢れ、ミノトンのブレスを弾き返し、四人はクルニクルンに手を合わせた。

 

『マジェスティクルニクルン!』

 

クルニクルンのページが開くとマジェスティが開いたページにペンでハートの形をなぞり、スカイ、プリズム、ウィング、バタフライ、マジェスティからオーラが溢れだし

 

『ひろがる世界にテイクオフ!』

 

円形に囲まれたダイヤの形を描き[注 25]、最後にマジェスティが形を描く際に5人が円になって開いたクルニクルンのページに手を重ね、羽の付いたダイヤの形の紋章を形成し、5人が上空から左手を伸ばして

 

『プリキュア・マジェスティック・ハレーション!』

 

紋章がミノトンに向かって放たれ、ミノトンが浄化されるのであった。

 

 

 

 

 

 

戦いが終り、ミノトンも無事に元の姿に戻り……

 

「我に武人の心を取り戻してくれたこの恩、いつか返す……また会おう」

 

ミノトンはそう言って姿を消すのであった。

 

「一方的なヤツだな……聞きたい事はいっぱいあるのに…」

 

「きっと武人には、武人のやり方というものがあるのでしょう」

 

「そうだね!」

 

「はい!」

 

「プリズム、大好きよ!」

 

「私もだよ、マジェスティ!」

 

ましろの心配も大丈夫みたいだな。安堵していると神竜とエクスが遺跡から出てきた。

 

「神竜はこれからどうするんだ?」

 

「少しこの世界を見て回ります。彼も一緒に……」

 

「……彼女に付き、鍛え直す。次に会うときは……この恩は返す」

 

恩って……こいつもミノトンと似た感じだもんな

 

「それと桜空さん。四元の器について伝えることがあります」

 

「伝えること?」

 

「四元の器を宿したものは……四元竜の力を完全に扱うために竜へと変貌します」

 

『!?』

 

何となく……そうなりそうだと思ってたけど……そうか……

 

「桜空くん……」

 

「ですが……キュアプリズム。貴方にお聞きしたいことが」

 

「え?」

 

「貴方は桜空さんの事が大好きですか?」

 

『はい?』

 

「え、えぇ!?」

 

何か話が違う方向になってないか?神竜は何故か真剣な顔をしてるし……

 

「どうなんですか!」

 

「その……だ、大好き…です///」

 

プリズムも顔真っ赤だし……

 

「それなら大丈夫ですね。桜空さんが竜へと変わることがなく、四元竜の力を完全に扱えます。どんな力も愛の前には叶わないですから……それではいつかまた会いましょう」

 

神竜とエクスはそのまま姿を消すのであった。えっと……

 

「とりあえずいつも通りに過ごしていていいって事ですね!」

 

「まぁそうなりますね……」

 

「まぁ節度を持てばね」

 

「桜空とましろは頑張ってイチャイチャしてね」

 

マジェスティ……頼むからそう言うことは……

 

 

 

 

 

 

 

神竜side

 

「いいのか?邪竜の事を伝えなくて」

 

「あの人たちなら大丈夫です。きっと……それに伝えるべきか迷いましたが、近い未来のことを」

 

「未来が見えるのか?」

 

「えぇ……近い未来…断片的に見えましたが…プリキュアと竜は出会うことになります……天使に」

 

 




天使に関してはオリストで、次回はバッタ回

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88 バッタモンダーの復讐

そこは一軒のボロアパート。俺は色々あってそこに住むようになったが……

 

「俺は決して忘れない……お前達から受けた屈辱……ヒェー!」

 

まーた同居人がトラウマぶり返してるよ。そこまでプリキュアにトラウマ植え付けられるほどの事をされたのか?すると隣の部屋から壁ドンと共に怒声が聞こえてきた

 

『隣でギャーギャーうるさいのねん!』

 

「すみません!」

 

「相変わらず一人でよくとまぁそんなに騒げるよな?バッタモンダー」

 

「てめぇ!ライ!何処に行ってやがった!」

 

「子供らしく学校だよ。今日は昼で終りだからね」

 

そう、俺は雷竜のライ。前は邪竜の力によってプリキュアや竜たちに猛威を奮っていたが、あの竜擬きのせいで邪竜の力はなくなるわ。竜の力の8割を大幅に失い、結果的に子供の姿にされた。まぁそれはいい。竜の力は自然に元に戻る。まぁ百年位待てば……

 

「とりあえずバッタモンダー、飯」

 

「てめぇ……」

 

「住む場所と資金は俺が出したことを忘れてないよな?」

 

「くぅ……カップラーメンでいいか?」

 

「いいよ」

 

バッタモンダーもプリキュアに怯えるようになって、アンダーグ帝国に戻れなくなり、俺も力を失ったから色々とさ迷うことになったが……俺が資金を出す代わりにバッタモンダーには俺の身元保証人……保護者になってもらうが、力関係としては俺の方が上だ

 

「と言うかお前の方が金を持ってるんだから……」

 

「こっちの世界に合わせて、大人が子供を養うべきだろ」

 

「お前の方が年上な気が……」

 

「あまりうるさいと……静電気喰らわせるぞ」

 

「くっ」

 

まぁ不自由な身体になったがこちらの世界の生活は楽しい。

 

「時は来た……今こそリベンジの時! 見てろよ! このバッタモンダー様がお前達を絶望のどん底に!」

 

まーたプリキュアに復讐を誓ってる……

するとまた隣から……

 

『いい加減にするのねん! こっちは夜勤明けで眠いのねん!』

 

バッタモンダーは驚いてびびり散らしていた。本当にこいつは……

 

「おのれ、隣に住んでるヤツめ……それでオレがビビるとでも思ってるのか?俺にケンカを売った事を後悔するがいい!」

 

勢いでちゃぶ台を持ち上げるバッタモンダー。俺は咄嗟に自分のカップラーメンを避難させるとバッタモンダーは自分のカップラーメンを溢していた。

 

「あっちぃー!まあ、いい……今日は勘弁してやろう……命拾いしたな……」

 

バッタモンダーも一人でよく騒げるな~

それにしても隣の人か……何度か会ったことがあるけど、何か見た目が変わってるからアンダーグ帝国の関係者かと思ってるけど、まぁ別にいいか

 

「あ……やべ! 時間だ!」

 

バッタモンダーは人間の姿になった。にしてもこいつ、人間の姿はまともそうに見えるのが不思議だ。

 

「バイトに行ってくる!お前は?」

 

「んー何か図書館で面白そうな事をやるらしいから途中まで付き合う」

 

何か読み聞かせをやってるとか……あと読み聞かせしている女の人が可愛いとか……まぁ俺は暇潰しだけど……

 

 

 

 

 

バッタモンダーと一緒に外を歩いていると

 

「くそ、こんな金で今月過ごせるのか?」

 

「出してやってもいいけど?」

 

「見た目が子供のお前に金を出して貰うのは絶対嫌だ!と言うか出すって言っても利子付きだろうが!」

 

「知らないのか?金に関してはしっかりしていた方がいいって教わったぞ」

 

「くそ……」

 

まぁ食費は本気で出してあげてもいいが……

そんな事を思っていると、聞き覚えのある声が聞こえ、バッタモンダーは咄嗟に側溝の中に隠れた

 

「今日の絵本、新作なんですね!」

 

「うん!」

 

「プリンセスのはなぞの!」

 

「プリンセスシリーズですね! 私、大好きなんですよ!」

 

「えるもすき!」

 

「もう10冊目でしたっけ?」

 

「描くのが楽しくて!みんなに喜んでもらえるといいけど……」

 

「もらえますよ! プリンセスだって、こんなに大喜びなんですから!」

 

「それに描いてるとき、桜空くんが……えへへ」

 

「あー、うん///」

 

「桜空、一応色々と……」

 

「ただ側にいただけだよ!」

 

「ふーん、それはそうと「ましろん、絵本作家になったら?」

 

「え……」

 

「いいですね! ましろさんなら絶対になれますよ!」

 

「そうかな……」

 

「ましろなら大丈夫だろ」

 

「絵本作家……なれたらいいな……」

 

プリキュアに竜擬き、炎竜、地竜までいるのか……まぁ俺に気づくことはないだろうけど……そもそも迂闊に手を出して痛い目見る未来しか見えない……

 

「絵本作家だと? 俺をこんな目に遭わせておいて……お前のその夢、ぶっ潰してやる!」

 

バッタモンダー……お前……自業自得の逆恨みだろ……まぁいいや。

バッタモンダーはバイトが終わったら計画を実行するとか言って俺と別れた。

 

 

 

 

俺は予定通り図書館で読み聞かせを見ていた。と言うかまさかと思っていたが、キュアプリズムが読み聞かせしてたのか……

 

「南の国のプリンセスは、お花が大好き。お城のお庭には、赤や黄色、白や水色など、色々なお花が咲いています。プリンセスは、お花を眺めながら思いました。もっと沢山のお花を植えたいわ……すると、庭師が言いました。隣の国には虹色の花があるそうで、プリンセスは目を輝かせました。虹色のお花を見てみたいわ」

 

意外と面白いな。人間の作る物語はこの姿になってから色々と読んだが、どれも面白いものだが……

 

「いこ!」

 

「うん!」

 

小さな子供が飽きたのかその場から離れようとしていた

 

「どうしたの? まだ途中だよ?」

 

「だって、つまんないんだもん!」

 

ハァー、理解に苦しむな。人間の子供は……

 

「え?」

 

「すみません。こら、待ちなさい!」

 

「ましろさん、続き!」

 

「えっと、ごめんなさい……続き読むね」

 

まぁ子供にイラついても仕方な……竜擬き、お前殺気が漏れてるぞ……子供にイラついても仕方ないだろ……

 

「そのお花はもう虹色ではありませんでした。でも、心は虹色なのでした。そして、プリンセスは、ますますお花が大好きになりました。おしまい!」

 

読み聞かせが終わり、拍手が鳴り響いた。

 

「おもしろかった!」

 

「プリンセス、かわいかった!」

 

「おはな、きれいだった!」

 

「だった!」

 

「ありがとう!」

 

「すごいですね。よく見せてもらってもいいですか?」

 

「もちろんです!」

 

まぁ何事もなくはないが、無事に終わったみたいだな。だが、キュアプリズムはさっき飽きたとか言っていた子供たちが外で遊んでいるのを見ていた

 

「気にする事ないよ。走り回る方が好きって子もいるから!」

 

「うん、そうだね……」

 

やれやれ、少し散歩するか……

 

 

 

 

 

 

 

俺は図書館の近くの公園で散歩しているとキュアプリズムとあれは……画家の格好をしたバッタモンダーがいた。何だ?何してるんだ?

 

「あの、落としましたよ?」

 

「え!? 僕の大事な筆を!?ありがとう。僕は、美術の勉強をしている紋田というもんだ」

 

本当に何をしてるんだ?あいつ……

 

「あれ?君……図書館にいた子だよね?」

 

不意に声をかけられ、振り向くとそこには地竜がいた。まずい!遠くの方に炎竜まで……

 

「君、もしかして……ましろちゃんのファンとか?」

 

「……あ?」

 

地竜……気づいてないのか?

いや、俺はお前を一度ボコボコにしたんだぞ!気づけよ!

 

「あ、私はアス。君は?」

 

「えっと……ラ……雷人って言います」

 

「よろしくね」

 

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

アスが子供に話しかけているが……あの子供の気配……ライだよな?

 

 

 

 

 

グーリside

 

桜空の中でアスが子供に話しかけているのを見たが……あれ、雷竜だよな?桜空は……ダメだ……ましろに話しかけている男に嫉妬している!?ノワールたちも器が邪に染まらないように頑張ってる

 




ライ……竜の力を奪われ、小学一年生くらいになった。資金を持っているのは、竜の性質上、金塊やらなんやらを集める事もあり、何かあってもいいように、ソラシド市に金塊を隠していた

桜空の場合は、ましろの読み聞かせをちゃんと聞けよと子供に怒ってるが、言葉にせずに殺気が漏れている感じです

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89 嫉妬?とましろの覚悟

ライside

 

バッタモンダーとキュアプリズムに気づかれない位置まで行き、二人の会話を聞きながらアスを相手にしなければならない……本当に面倒だ

 

「なにして遊ぶの?」

 

「えっと……砂遊びを……」

 

「それなら向こうに砂場が……」

 

「こういう固い場所の砂で遊ぶのが楽しんだよ」

 

頼むから……何処か行ってくれ……

 

『美術の・・・。もしかして、美大生ですか?』

 

『ああ。僕は画家を目指してるんだ。ここには、よく絵を描きに来るのさ!』

 

絶対バッタモンダーのやつ、『クーッククク! 絵を描くなら美大生に興味を持つ……思った通りだ!』とか思ってそうだけど…………

 

『どんな絵を描いてるんですか?』

 

『こんな絵だよ』

 

『わぁ……素敵な絵ですね!』

 

『ありがとう』

 

スマホで絵を見せてるけど、絶対ネットで適当に拾ってきた絵だろ。と言うか……寒気がヤバイな……あの二人から少し離れた場所にいる竜擬きの冷気が漏れ出してるよな?

 

『君はどんな絵を描いてるの?』

 

『私は全然駄目です……』

 

 

『何か悩みでもあるのかな?』

 

落ち込んでるけど……もしかして図書館での……あと竜擬きのこと気付け……地面凍らせてるからなー

 

「見て見て、お城が出来たよ」

 

「え?地面固いのに?」

 

「こうやって地面を耕して柔らかくして」

 

こっちも頼むから力業で何とかしないでほしいんだけど……

気付けばキュアプリズムが落ち込んでいる理由を話終わってる

 

『……という事があったんです……』

 

『なるほど……』

 

バッタモンダー……絶対に喜んでるだろうなーでも早く逃げろー竜擬きが氷の太刀を作ろうとして炎竜に止められてるからなー

 

『君、絵本作家になるのかい?』

 

『え? あの……なれたらいいなって……』

 

『プロの作家になれば、悪く言われる事は避けられないんじゃない? それが嫌なら、描くのをやめるしかないよ。僕も、描いた絵をつまらないって言われた事あるけど……』

 

『それで? 紋田さんは、どうしたんですか?』

 

バッタモンダー……何かアドバイスしてないか?気のせいか?あと、竜擬きと炎竜が殴り合いはじめて、アスが仲裁に入ってる……

 

『紋田さんは、絵をつまらないって言われた時、どうしたんですか?』

 

『いや、別に。僕は、何とも思わなかった』

 

『え?』

 

『だって、僕には、ちゃんとあるからね。覚悟が。悪口言われる覚悟がね』

 

覚悟か……まぁ俺も邪の力を手にする前はバカにされ続けてきた。そんな覚悟がなかったから…………

 

「ましろさーん!」

 

「ソラちゃん!」

 

するとあれは……キュアスカイとプリンセスがやって来た。あ、バッタモンダー終わったか?

 

『こちら、紋田さん!』

 

『こんにちは!』

 

『ど、どうも……』

 

『絵がすごく上手なの!』

 

『へー、私、ソラ・ハレワタールです! 私にも絵を見せて下さい!』

 

『い、いいとも……』

 

スマホで絵を見せようとするとキュアスカイがバッタモンダーが持っていたキャンパスを勝手に見ていた。

 

『これですね! おー、真っ白ですね。ああ……全然分かりません……』

 

うーん、これは巻き込まれる前に逃げておくか……もしくはバレたときの為にバッタモンダーを回収して逃げる方法を考えるか……悩むな……

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

ノアとアスに落ち着けと叱られ、僕はましろの所に来た

 

「ましろ、大丈夫か?」

 

「あ、桜空くん……何でボロボロ?」

 

「ちょっと……色々と……いや、はっきり言うと……嫉妬して」

 

「嫉妬?」

 

何と言うか……我ながら嫉妬深くなったな……と言うかどんな理由で嫉妬したのか言うのが凄く恥ずかしい

 

「ぶらんこ! ましろも!さくらも!」

 

「はいはーい!」

 

「分かった」

 

僕はましろの隣に座るとエルちゃんはあることを言い出した

 

「なかよし!」

 

「え?」

 

「ぶらんこ、なかよし!」

 

「エルちゃん……」

 

「……悩み解決した感じか?」

 

「え?多分……それで桜空くんはもしかして私が紋田さんと話してるの見て嫉妬したの?」

 

「……そんなところ……」

 

「大丈夫だよ」

 

ましろは僕の手の上に手を重ねた。

 

「私が一番大好きなのは桜空くんだから……桜空くん、心配しないで大丈夫だよ」

 

「……ましろ」

 

そっと顔を近づけようとすると、エルちゃんがキラキラした目をしていた

 

「ましろとさくら、いちゃいちゃ」

 

 

 

 

 

 

ライside

 

あの二人……赤ん坊の前でキスしようとするとか……どんだけなんだよ……

バッタモンダーは……キュアスカイにまだキャンパスを見られていた

 

『そうだ! みんなにも見てもらいましょう! 皆さーん!』

 

あーこれは……

 

『なになに?』

 

『どうしたんですか?』

 

キュアスカイの呼び掛けでプリキュア全員集合……更に炎竜、アス、竜擬きまで……終わったな。

 

『こちら、美大生の紋田さん!』

 

『こんにちは』

 

『すごく真っ白な絵を描かれるんですよ! ホラ!』

 

『確かに!』

 

どうするか……バッタモンダーを回収して逃げるにはあいつらの注意を……でも炎竜が俺が隠れてるところを見ている気がする……気付かれているな……なのにアスはなんで俺の正体に気がつかない!

 

「っていうか……どこかで、会いました?」

 

「いえ、初対面ですよ……」

 

「気のせいか……」

 

「そうそう……」

 

「「アッハハハ!」」

 

更に気がつくとバッタモンダーの足元にプリンセスが張り付いて、何かを見つめてる?あぁ頭に止まったバッタを見ているのか

 

「ばった!」

 

うん、多分今の状況的にバッタモンダーの正体がバレたと思ってそうだな。

プリキュアたちがバッタを捕まえようとしている。うん、バッタモンダー、無事に帰ってきてくれ。俺は早く逃げる!

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

ましろたちがバッタを捕まえようとしていると、突然突風が吹き、砂煙が晴れるとスキアヘッドがいつの間にか現れた

 

「あなたは!」

 

スキアヘッドは近くにいた子供からスケボーとフリスビーを見つめると

 

「アンダーグエナジー召喚!」

 

二つの物にアンダーグエナジーを注ぎ込むと新たな怪物『キョーボーグ』を生み出した

 

「みんな!行こう!」

 

僕らは戦闘スタイルに、ましろたちはプリキュアに変身した

 

「「「「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「ウイング!」

 

「バタフライ!」

 

「マジェスティ」

 

「「「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」 

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「あげて広がるワンダホー!キュアバタフライ!」

 

「降り立つ気高き神秘!キュアマジェスティ!」

 

「「「「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」」

 

「やれ、キョーボーグ!」

 

キョーボーグは回転しながら走り出し、僕らを撹乱していき、隙をついてフリスビーの腕から円盤状のエネルギー弾を飛ばして攻撃をしていく。

マジェスティはエネルギー弾を弾いていくが、力を溜めたエネルギー弾を弾くことが出来ず、吹き飛ばされた。

 

「強い!?」

 

「ですが……いつも通りに戦うだけです!」

 

「だよね……苦戦する覚悟なんて、とっくにできてるもんね!」

 

「大切なものを守るためですから……」

 

「どうって事ないわ!」

 

プリズムはみんなの言葉を聞いて、何かを思い、そして覚悟を決めていた。

 

「キョーボーグの動きを止めれば何とか出来そうなら……」

 

僕は四元の力を解放し、キョーボーグの周りを凍らせていく。キョーボーグは氷を砕いていくが僕は更に凍らせていく

 

「色々と溜め込んだもんを一気に解き放つ!!」

 

キョーボーグの周りを完全に凍らせ、動きを封じるとプリズムたちが連携でキョーボーグに攻撃を喰らわせ、アスが巨大な岩をキョーボーグに落とし、ノアは

 

「星竜!」

 

「みーーー!」

 

ノアが星炎竜となり、キョーボーグを思いきり殴り、完全にダウンさせた。

 

「今だ!」

 

『マジェスティクルニクルン!ひろがる世界にテイクオフ!プリキュア・マジェスティック・ハレーション!』

 

マジェスティック・ハレーションでキョーボーグを浄化するのであった

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、僕はましろの部屋を訪れた

 

「あのね、色々と落ち込むことがあったけど、私は絵本を書き続けるよ」

 

「そっか……あの紋田って奴のお陰か?」

 

「多分ね。色々と悪く言われるかもしれないけど、誰か一人でも読んでくれるなら私は絵本を書く。今度紋田さんに会ったらお礼を言わないと」

 

「そっか……」

 

「桜空くん……また嫉妬してる?」

 

「……あぁ」

 

気にしないようにしても、気にしてしまうな……

 

「それじゃ……嫉妬しないように……一緒に寝る?」

 

「ましろ……色々とさ……」

 

「私が桜空くんの事を大好きだって沢山伝えないと……だから……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライside

 

バッタモンダーは無事に戻ってきた。とりあえずお疲れの意味を込めて昨日の夜は俺が金を出して夕食を食べた。そんな事があった次の日の学校帰り……

 

「あれ?昨日の」

 

「アスさんだっけ?」

 

「昨日は怪物騒ぎあったけど、大丈夫だった?」

 

「まぁ……アスさんも?」

 

「うん、あ、買い物帰りだから、また会ったら話そうね」

 

「う、うん」

 

「またね。ライ」

 

アスが去り際にそう言うが……え?俺の事……気づいてた?

 




次回は前々から言っていたオリスト。
オリスト終わったら映画の話をやります。
因みにましろと桜空は……添い寝のみです。してません。
感想待ってます!


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90 天使のような少女

今回はオリスト!例のごとく自分の書いている別の小説からオリ主が……今回は特殊です



…………ますか

 

あなたは誰?

 

…………の世界に危機が迫ってます

 

いや、本当に誰?

 

…………そこはあなたが知る彼女たちの世界とは別の…………

 

彼女たち?

 

あなたが来ることで…………その世界は救われる可能性が…………

 

あなたは……一体……?

 

いずれ訪れる破壊の力を持ったものと…………宇宙の皇帝の名を持つ竜を…………

あなたが来ることで呼び起こせます。…………聖の…………

私を…………私たちを救った……貴方なら…………

 

 

 

 

 

 

 

ソラside

 

ある日の事、私はましろさん、ノア、桜空さんと一緒に街に来ていた。

 

「えっと、後は……うん、おばあちゃんに頼まれてたもの全部買えたよ」

 

「後は帰るだけだな」

 

「それにしても……なんで僕とましろが付き添うことに……」

 

「あげはさんが罰とか行ってましたが……何をしたんですか?」

 

何だかこの前の朝、あげはさんがお二人を叱ってましたが…………特に何かをしたわけではないのに?

 

「「なにもしてないよ///」」

 

「この二人は何もしてないがしたようなことを疑われてるからな」

 

うーん、良く分かりません。たまにエルちゃんが笑顔でお二人がイチャイチャしていたと話すくらいでしたが…………イチャイチャなら私とノアもしているのに……どうしてこの二人だけなのでしょうか?

そんな事を考えているとふと辺りを見渡している制服姿の女の子を発見した。あの様子…………もしかして道に迷って困っている!それなら!

 

「何かお困りですか!」

 

私は直ぐ様駆け寄ると、女の子はセミロングの白い髪に整った容姿。雰囲気は何処か天使を思わせるような感じだった。

女の子は私を見て安堵していた。困っていたところに声をかけてくれた人がいた事で安堵したのかと思っていましたが……

 

「ソラちゃん、じゃあここはソラシド市なんだね」

 

「え?あの……?」

 

何故か私の名前を知っているのか分からない。何故なら私はこの女の子の事を知らないからだ

 

「えっと……ソラちゃん?」

 

「あの……どちら様ですか?」

 

私がそう答えると、女の子は暫く考え込んだ。そして……

 

「物凄い厄介事に巻き込まれた感じかな?」

 

ため息を付きながらそう言っていた。

するとノアたちもこっちにやって来た

 

「ソラ、どうしたんだ?」

 

「その人……どうかしたの?」

 

「ソラの知り合いか?」

 

「いえ、知り合いではなないのですが……」

 

「あ、ましろちゃんだ。いや、ましろちゃんも私の事知らない感じかな?」

 

「え?どちら様?」

 

「だよね。それにそっちの男の人二人は私は知らないし……」

 

女の子の言葉を聞いて、ノアは警戒し始めた。とりあえずこの女の子は何者なのか知るべきと思った私は……

 

「あの、あなたは……」

 

「私は高柳未唯。簡単に言うと別の世界から来たみたい」

 

苦笑いをしながらそう答える未唯さん。

 

「「別の世界!?」」

 

 

 

 

 

 

 

家に戻り、みんなを集めて未唯さんから事情を聞くことに……

 

「その未唯さんは別の世界……スカイランドとは全く違う世界から来たと言うことですか?」

 

「そうだね。別の世界って言ったけど……平行世界から来た感じかな?」

 

平行世界?えっと……どういう意味なのか分からないでいると、ツバサくんが答えてくれた

 

「平行世界と言うのは、僕らがいるこの世界と似たような世界と言うことです。スカイランドはこの世界で言うと異世界と言う扱いになりますね」

 

「その……平行世界から来たって言う事を何で未唯さんは分かるの?」

 

「うーん、私がいた世界でソラちゃんとましろちゃん、そしてエルちゃんが来たことがあったの。その時に出会っていたから私はソラちゃんの事を知っていた。それに後々になってあげはさんやツバサくんのとも知り合ったけど、ノアさんたち四人は初対面だから……」

 

「なるほどな……」

 

「平行世界……何故お前はこの世界に来たのか分かるか?」

 

フウさんがそう聞くと未唯さんは首を横に振った

 

「分からない。ただ声を聞いたけど……何を言っていたのか分からないんだよね」

 

未唯さんもこの状況になったことを分からないでいた。流石に何かをすれば元の世界に戻れるかもしれませんが、手がかりが……

 

「とりあえず帰る方法が分かるまでここにいてもいいわよ」

 

ヨヨさんが未唯さんが滞在する事を許可する中、未唯さんはあることを告げた

 

「一応伝えておこうと思うことがあるんだけど……私はソラちゃんたちがプリキュアだってこと知ってるから」

 

「「「「え?」」」」

 

未唯さん曰く別の世界の私たちは未唯さんの前でプリキュアに変身したらしい。更には未唯さんの世界でカバトンやバッタモンダーが悪さをしたと言うこと話してくれた。

そんな未唯さんが話をしている中で……ノアたちは外へと出るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

ソラたち四人を家の中に残し、俺は桜空たちにあることを告げた。

 

「あの未唯という女……警戒した方がいい」

 

「どういうこと?」

 

「別に悪い人じゃない気が……」

 

「……オルドグルスみたいに何も感じさせない奴かもしれないと言うことか?」

 

「あぁ、俺もあの未唯を見た限りでは邪竜の仲間とかアンダーグ帝国の一味と言う感じはしなかったが……戦いが激しくなっている中、気を付けた方がいい」

 

「それにあの女は、どうにも落ち着きすぎだ」

 

フウの言う通りだ。未唯は平行世界に来たと言うのに慌てた様子がなく、自分の置かれた状況を直ぐ様理解している。

 

「そこは警戒する理由なのかな?ただ単に肝が座ってるだけとか?」

 

「もしくは……こういう不測の事態に慣れているとか?まさかな」

 

「とりあえず警戒だけはしていて損はない」

 

もしかすればソラたちの身に危険が及ぶ可能性があることも踏まえてだ。

 

 

 

桜空たちに警戒するように伝えるとソラから未唯の世界について聞かされたが本当に平和な世界で、未唯はお台場という場所でスクールアイドルをやっているらしい。

ソラは未唯の話を聞き、少し落ち込んでいた。

 

「未唯さんは気にしなくてもいいと言ってましたが……別世界の私たちとはいえ、平和な世界に私たちの戦いを持ち込んでしまった気がして……どうにも……」

 

「あくまで別世界のソラたちの話だ。それにあいつは気にしてないなら気にするな。それとも何か恨み言でも言われたか?」

 

「いいえ!そんなことありません。未唯さんは本当に優しく……私たちではなくカバトンやバッタモンダーに対して怒っていました。特にバッタモンダーを」

 

平行世界のバッタモンダーは何処でもやらかしているのか……

 

「ノアは……未唯さんの事を警戒しているんですか?」

 

「様子を見つつな。何が起きるか分からない。だから……」

 

「わかりました。ですが私は未唯さんを信頼します」

 

ソラらしいな……とりあえず今回は俺たちが警戒しておけばいい。それに何事もなければそれでいい

 

 

 




高柳未唯

虹が咲き、白が交ざると虹が咲き、白が交ざる 外伝 白と翡翠のオリ主。白髪のセミロング
その容姿等から周りからは天使と呼ばれる。
未唯がいた世界で、平行世界のソラとましろと出会っているため、プリキュアに関しては知っている
今回転移したことに関して、特に焦ることなく慣れた様子を見せている

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91 恋話?宇宙から近寄るもの

ひろプリ……最終回良かった。こちらはまだまだ続きますので!


未唯side

 

うーん、失敗したかもしれない。

私が知るソラちゃんたちとは別の世界のソラちゃん達のいる世界に来てしまったのはもうしょうがないと思うしかない。それに来れたのだから帰る方法もあるはずだし……

それにこの世界のソラちゃんたちは変わらずソラちゃんたちだったから良かったけど……まぁ男の人がいるのは驚いたけど、今はそこが問題ではなく、その男の人たちに警戒されている事だ。

警戒されている理由は何となく分かる。私がこっちの世界に転移したことに対してどうにも慌てている様子もなく、何だか慣れている感じを出しているからだ。

いや、仕方ないじゃん。元の世界でも色々な経験を……いや、あれは経験ではなく被害にと言うべきか……そう言うことがあったから私的には不思議なことに対して慣れてしまっている。

 

「何だかごめんね~ノアたちが警戒してて」

 

「あ、いや、まぁ……」

 

因みに今はアスちゃんと一緒にエルちゃんのお世話をしている。ツバサくんは勉強で忙しいみたいなので、私とアスちゃんで引き受けることになった。

 

「警戒するのは普通のことだし、気にしてないよ」

 

「そもそも警戒されてるって気づいてたんだ」

 

「うん、人の視線とか空気を感じるようにしてるから」

 

じゃないと色々と大変な事が起きる。特に幼馴染関連で……

 

「そっか~」

 

「みい、だっこ~」

 

エルちゃんに催促され抱っこする私。それにしても私が知るエルちゃんはここまで歩いたり、話したり出来なかったけど……赤ちゃんは成長が早いってことかな?

 

「さっきの警戒の話だけど、アスちゃんはあまり警戒してない感じがするけど?」

 

「んー未唯から感じるのは特に怪しいものじゃないし……ただ怒らせたりしたらダメかなって感じはする」

 

「私はそんなに怒っても怖くないはずだけど……」

 

容赦はしないだけ……

 

「因みに聞くけど……ツバサくんに対して変な気とか起こさないよね?」

 

「え?どういうこと?」

 

「いや、好きになったりとか……」

 

なるほどね。アスちゃんは……

 

「大丈夫だよ。私には好きな人がいるから……そもそもアスちゃんはツバサくんのどこが好きなの?」

 

「うーん、初めてツバサくんがプリキュアになったとき、凄く惹かれた。それから気になるようになって……この気持ちが好きだって言うものって知って……」

 

「一目惚れと……なるほどね」

 

「それにツバサくんの優しいところとかたまに見せる格好いいところとか本当に好きで……エルちゃんもそう思うよね!」

 

「える!」

 

本当にツバサくんの事が好きなんだな~と言うか何となく気づいたのは、ソラちゃん、ましろちゃんにお相手がいる感じだし、あげはさんはどうにも気になっている人がいる感じがするけど……わざわざ聞く必要はないよね。

 

「あす、おなかすいた」

 

「あ、ちょっと待ってて。用意してくるから」

 

アスちゃんはその場から離れると、エルちゃんと二人きりになった。いや、警戒してなくてもエルちゃんと二人きりにしていいものなの?

 

「みい、なやみごと?」

 

「そんなところかな……」

 

とりあえず元の世界に戻れればいいけど、きっかけはないものか……ただ気になるのは持ち歩いていた訳ではないのに、いつの間にかポケットに入っていたこれは……

 

「必要になるってことなんだろうけど……」

 

正直こっちに来て誰にも見せてない。もしかしたらソラちゃん辺りが気にするかもしれない。

 

「みい?それ……」

 

ポケットから取り出したこれを見てエルちゃんは驚いていた。まぁ驚くよね

 

「エルちゃん……この事は秘密ね。必要にならなければいいと思ってるから」

 

「わかった。やくそく」

 

「うん、約束」

 

本当に何もなければいいのに……

 

 

 

 

 

 

 

深い闇の中、嵐竜テンペスターは一人焦っていた。

 

「まずいまずい。ライだけではなくエクスまで……このままでは残された私は……」

 

昔みたいに役立たずと言われてしまう。私はもうあの頃に戻りたくない。だからこそ邪の力を手にしたというのに……

 

「切り捨てられるくらいなら……邪の力を限界まで……」

 

私は邪の力を取り込み始めた。この場所は邪竜さまの力の源が封じられている事もあり、取り込むのは容易い。ならば…………

 

「奴等を倒し!私が使えることを!証明する!」

 

そんなテンペスターを見つめるとオルドグルスとウロボロスの姿があった

 

「よろしいのですか?」

 

「あぁ、テンペスターが何処までやれるか楽しみだね。それよりも……」

 

テンペスターへの興味を無くし、天を見つめるオルドグルス

 

「この気配……僕の勘違いではなければ……」

 

「えぇ、奴が迫ってきています。それと破壊の力を持ったものも」

 

「厄介だね。奴等が手を結ぶことはあり得ないから、偶然同じタイミングで地球に向かっているのか……」

 

「どうするおつもりで」

 

「このまま見過ごすことは出来ないからね……竜たちでも太刀打ちは出来ないくらい厄介だよ」

 

「では……」

 

「現状の力以上を得るためにテンペスターには頑張って邪を……負のエネルギーを溜め込んでもらわないと……奴には……宇宙から来る皇帝竜には勝てない」




未唯は大切な存在に対して、傷つけるような人物がいれば怒り、容赦なくなり使える手札を全て使う感じです
未唯がいつの間にかポケットに入っていたものは、次回明らかに
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92 警戒

桜空side

 

未唯さんがこの世界に来てから一週間。特に問題なく過ごしているけど、本当に警戒するほどの人物なのか?

普通に料理を手伝ったり、エルちゃんのお世話をしてくれるし……

 

「警戒解いてもいいんじゃないのか?」

 

ノアに思わずそう聞くと、ノアも警戒は緩めるべきと判断しているけど……

 

「あくまで警戒を緩めるだけだ。もしもの事を考えた結果でもある」

 

「もしもか……」

 

「桜空やアスだけでも警戒は解いてもいいだろう。俺やフウは最後まで続ける」

 

「アスも?」

 

「アスもお前と同じように話していたからな」

 

そうなるとノアの言う通りにするべきだな。うん

 

「あのさ、何で私が近くにいるところでそういう話をするかな?」

 

ふと未唯さんが呆れた顔をして見ていた。いや、ノアは未唯さんの近くを離れようとしてないから……

 

「物陰でこそこそ話しているのを聞かれるよりかはマシだろ。それでお前が傷つくだろうしな」

 

「それはそうだけど……警戒してるから怖い人かと思っていたけど、意外と優しいんだね。ノアさんは」

 

「俺はずっとこういう性格だ」

 

未唯さんも特に気にしている様子はない。なんと言うか未唯さんはこういう人なんだなと思うようになってきた

 

「まぁ警戒されるような事をしたのは私の方だし、特には気にしないしね」

 

「じゃあ何故そういう事をしたんだ?」

 

「…………物凄く信じられない事を経験してきたなんて話しても……ね」

 

なんだろう?未唯さんは遠い目をしてるけど……一体何があったんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

未唯side

 

ノアさんたちとの話から次の日の朝、私はソラちゃんとましろちゃんの二人と一緒にランニングしていた。まぁ私ものんびりしていたら体力が落ちるかもしれないと思ってだけど……

 

「未唯さんは結構体力あるんですね」

 

「スクールアイドルは体力が大事だからね」

 

「スクールアイドルか~この世界にはそう言うのがないけど……やっぱりかわいい衣装とか着たりするの?」

 

「うん、色んな衣装を着たアイドルがいたりもするね。可愛いだけじゃなくセクシーなものとか」

 

「せ、セクシー///」

 

ましろちゃんにはちょっと早かったかな?とは言え私もセクシーな衣装は苦手だけど……

 

「ソラシド市に来て、色々な文化を学びましたからアイドルについてもそれなりに学びましたが、やはり大人数で踊ったりするんですか?」

 

「うーん、私たちの場合はソロでステージに上がったりするかな」

 

「ソロ?」

 

「一人でって事だよ。ソラちゃん」

 

「一人で……それって心細かったりしませんか?私も一人で戦おうとしていた際に……」

 

その件はそれとなく聞いてるけど……確かにソロは心細い。だけど……

 

「ステージでは心細い事もあるけど、一人じゃないって分かってるから」

 

「一人じゃない?」

 

「応援してくれるファンや一緒に練習してきた同好会のみんなと繋がってる。ステージでは一人でも心で繋がってる」

 

「心で繋がってるか。何だかいいね」

 

「はい!私たちも離れ離れでも繋がってます!ですよね!ましろさん」

 

「うん」

 

なんと言うか……こっちの世界のソラちゃんはソラちゃんだな~

まぁこっちにはノアさんや桜空くんがいるからましろちゃんが変に不安になったりしないから安心だけど……

 

 

 

 

 

 

 

ランニングから戻るとあげはさんからみんなで買い物に行こうと誘われ、街に出ることになった。とは言え私の見張り……と言うより警戒のためにノアさん、フウさん、アスちゃん、桜空くんも付いてくることになったけど……

 

「その蜥蜴は連れてきて良かったの?」

 

「蜥蜴じゃなく竜だ。星竜」

 

「みー!みー!」

 

星竜が不満を訴えていた。。うん、ごめんね。羽が生えた変わった蜥蜴にしか見えなかったよ

 

「とりあえず服でも……」

 

あげはさんがお店に入ろうとした瞬間、私たちの前に突然見知らぬ男が現れた

 

「貴方は!スキアヘッド!」

 

「誰あれ?」

 

「アンダーグ帝国の幹部です!」

 

「カバトンたちより上みたいで、凄く強いの」

 

要するに大ボスの右腕みたいだけど……なんだろう?あのスキ……スキン?スキアヘッドから感じるのは……忠誠心よりも……

 

「アンダーグエナジー召喚!」

 

近くにあった看板と電灯にアンダーグエナジーが注がれて怪物が産み出された。

 

「キョーボーグ!」

 

「未唯さんは下がっていてください!皆さん!ヒーローの出番です!」

 

ソラちゃんたちはミラージュペンを取り出し、プリキュアに変身した

 

「「「「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「ウイング!」

 

「バタフライ!」

 

「マジェスティ」

 

「「「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」 

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「あげて広がるワンダホー!キュアバタフライ!」

 

「降り立つ気高き神秘!キュアマジェスティ!」

 

「「「「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」」

 

「って……ええええええええ!?」

 

エルちゃんもプリキュアになれるようになったって聞いたけど、成長して変身するなんて聞いてなかった。

 

「何でそんなに私が変身することに驚くのよ」

 

「赤ちゃんのままで変身するかと……」

 

「まぁ驚くよね」

 

「僕らも」

 

桜空くんたちは姿を変え、頭に角が生えた姿に変わった。これが竜の力での戦いの姿。

桜空くんたちが姿を変えるとキョーボーグの隣に黒い竜巻が起き、そこには黒いオーラを纏った一人の男がいた

 

「あいつは!」

 

「テンペスターか。だがあの姿は……」

 

「潰す!潰す!潰す!」

 

私は物陰に隠れながらみんなの戦いを見守ることになったけど……さて、どうしたものか?




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93 進化する力。目覚めていた力

ノアside

 

キョーボーグとテンペスターが現れ、俺たちは戦うことになる中、俺は未唯の方を見た。物陰に隠れてこちらの様子を見ている。あれは心配しての行動なんだろうが……いや、今は戦闘に集中だ。

 

「潰す!潰す!潰す!潰す!」

 

テンペスターは黒い竜巻を放つが、俺、桜空、アスは黒い竜巻を避け、フウが風の刃で竜巻を切り裂く。テンペスターがそれを見て動揺した瞬間

 

「炎竜拳!」

 

「氷刃!」

 

炎の拳と氷の刃を喰らうテンペスター。更にアスが上から岩の塊を生み出し

 

「地竜弾!」

 

岩の塊を砕き、その破片をテンペスターに浴びせる

 

「潰す!潰す!潰す!」

 

ダメージを与えるがテンペスターはまだ立ち上がり、黒い竜巻を放ち続ける

 

「何度やっても無駄だ。お前の竜巻は私の風で切り裂ける」

 

「もっと!もっと!もっと!もっと!」

 

フウに指摘されても竜巻を放ち続けるテンペスター。邪の力に飲まれているから理性を……

 

 

 

 

 

 

スカイside

 

「キョーボーグ!」

 

キョーボーグが両腕から光を放つが、バタフライの障壁で塞がれ、プリズムが牽制で光弾を放ち、更にウィングとマジェスティの同時のキックを放ち、怯んだキョーボーグに私はパンチを放ちキョーボーグが倒れたが直ぐに起き上がった。

 

「このキョーボーグ。耐久力があるみたいですね」

 

「看板って雨だろうがなんだろうがずっと置かれてるから耐久力があるから?」

 

「それに防げたけどあの光、直撃喰らったら目が見えなくなるかも」

 

「それでも連携して当たれば!」

 

「怖くないわ!」

 

キョーボーグが再度光を放とうとした瞬間…………キョーボーグの動きが止まった。

 

「あれは!?」

 

キョーボーグの背後にはテンペスターが見る見る内に竜の姿に変わっていき、キョーボーグを食べ始めた。

 

「キョ!?ボー……」

 

「力を!もっと!もっと!もっと!もっと!力を!」

 

「ほう……これは……興味深い」

 

スキアヘッドが興味深そうにしながら、テンペスターを見つめていると、看板と電灯が地面に落ち、テンペスターは真っ黒な竜へと変貌した。

 

「リュウボーグ!」

 

「スカイ!テンペスターは!」

 

ノアたちが合流し、目の前のリュウボーグを見て驚いていた。

 

「竜がアンダーグエナジーを取り込むことで更なる進化を遂げたか。ならばその逆も……知識の宮殿に刻んでおこう」

 

「リュウボーグ!!!!」

 

リュウボーグが黒い竜巻を放つが、これまでと違っていくつもの竜巻が放たれ、私たちに襲いかかった

 

「くっ!?一気にあの量の竜巻を……」

 

「フウ!切り裂けるか?」

 

「いや、さっきまでと違い、切った瞬間に元に戻るみたいだ」

 

攻略法は…… その時、ノアが星炎竜へと変わった。

 

「ならば一気に決めるだけだ!」

 

ノアは駆け出し、リュウボーグへと突っ込んでいく。リュウボーグは自分を中心に竜巻を起こし、ノアの特攻を弾き返した。

 

「くそ!読まれていたか?いや、本能で防いだのか?」

 

攻撃も防御も隙がない。どうすれば……

 

「しかもノワールたちが言うには、リュウボーグには二人の力も効果がないみたいだ。これまでと全く違う竜みたいだ」

 

桜空さんの力でも……どうすればいいのか悩んでいるとウィングがあることを提案した

 

「アスさん、合体技で行きましょう!」

 

「合体技って……流石にアース・ウィングアタックでもあの竜巻は……」

 

「竜巻を横から打ち破るのではなく、上から行くんです!竜巻は激しいように見えますが、中心は穏やかです!ならば!」

 

「なるほどね!それなら四元解放!」

 

アスさんが四元の力を解放し、ウィングと一緒に空へと上がり、

 

「「ひろがる!アース・ウィングアタック!」」

 

二人が地の膜に包まれながら、上から竜巻に進入し、リュウボーグへと向かっていったが、眩い閃光が竜巻の中から溢れだし、ウィングとアスさんが竜巻の中から弾き出された。

 

「くっ……」

 

「ブレス吐くなんて……しかも光熱だし……」

 

まさかあのキョーボーグの力を取り込んでいた?だからリュウボーグに変貌した時に元になったものが吐き出された。

 

「これは思った以上の力だ。リュウボーグ、プリキュアと竜たちを倒す前に己の無力を教えてやれ。そこの小娘を攻撃しろ」

 

「リュウボーグ!!!!」

 

リュウボーグの視線の先には未唯さんが隠れている場所!?

 

「未唯さん!」

 

私たちは一斉に飛び出し、バタフライの障壁と桜空さんの氷の障壁でリュウボーグの竜巻を防ぐが、下から竜巻が突然起き、私たちは空へと打ち上げられ、地面に叩きつけられた。

 

「スカイ!?みんな!」

 

未唯さんは慌てて駆け寄る。私は何とか立ち上がろうとするけど……ダメージが大きい……

 

「何の力もない小娘を助けるために身体を張る。それが人間……無駄なことを、そんな逃げ遅れ隠れていた小娘を見捨てればいいものを」

 

「みす……てま……せん……未唯さんは……私の……私たちの友達です……友達を守れ……ない……なんて……ヒーロー失格です!」

 

「スカイ……」

 

私は気合いを入れて立ち上り、泣きそうになっている未唯さんに笑顔を見せ、

 

「それに……未唯さんの歌っている所……見たいですから……だから……泣かないでください……私は……ノアたちみたいに未唯さんのことを警戒してません。信じてます。友達である貴方の事を……」

 

「スカイ……ううん、ソラちゃん……」

 

私はリュウボーグに向かっていこうとしたが、力が入らず倒れそうになった。だけどそんな私を未唯さんが抱き抱え、ゆっくりと地面に座らせた。

 

「ありがとう。そしてごめんね……」

 

「未唯さん?」

 

未唯さんは笑顔を見せると、前に出た。

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

未唯さんが前に出た。何をするつもりなんだ?

 

「ここで……何かするつもりか?」

 

ノアがそう言うけど、未唯さんは首を横に振った。

 

「全部話せなかったのは、信じてもらえないかもしれないって思ったから……元の世界で色々とあって……猫になったり、子供になったりとか……普通に信じられない事を体験したから、この世界に来ても、不思議な事になれてたりしてたから……」

 

ふ、普通にそれは信じられないよな……うん

 

「でもどこの世界でも共通することはあるんだね。大切な友達を傷つけられて、黙ってられない事があるって!」

 

「ほう、ならばどうする?何の力もなくリュウボーグに挑み、その命を犠牲にするか?」

 

「そうだね……今のままだと無理だけど……」

 

未唯さんはもしかして……でも……

 

「ミラージュペンが生まれても、マジェスティの状態でスカイトーンって出せるの?」

 

「どうなの?マジェスティ?」

 

「…………分からないわ。でもスカイトーンは……」

 

マジェスティは未唯さんを見つめ、微笑んでいた。そして未唯さんはポケットからあるものを取り出した。

 

「あれは!?」

 

「まさか!?」

 

プリズムとノアが驚くのも無理もない。未唯さんの手にはミラージュペンと虹色のスカイトーンが握られていた。

 

「未唯は既にプリキュアだから」

 

そして未唯さんはプリキュアに変身した

 

「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!エンジェル!」

 

未唯さんの髪が長く伸び、白いワンピースドレスを身に纏い

 

「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」

 

両手には黒いリボンが、背中には12色のリボンがつけられ、胸の中心には虹色のリボンがあしらわれる。

 

「みんなの心を救う。虹色の天使!キュアエンジェル!ここからは私もヒーローとして戦う!」




リュウボーグ

邪の力を宿した竜がキョーボーグを取り込むことで姿を変えた存在。キョーボーグ時の力を使え、竜としての力も邪の力とアンダーグエナジーが掛け合わさり、強大になっている。二つの闇の力が混ざっているため、黒竜と白竜の力は通じない。
スキアヘッドはリュウボーグに興味を持つが…………

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94 キュアエンジェル

キュアエンジェルの能力に関してかなり凄いものです


エンジェルside

 

私がプリキュアに変身できるようになったのは、助けたい子がいたから

ソラちゃんたちが私がいた世界に来たときに、現れた名の無き少女……私は『貴方』と呼んでいた。その子は私が世界とは違う平行世界で同好会でマネージャー兼同好会の部長をやっていたけど、ちょっとした騒動で同好会のメンバーはバラバラに……あの子は一人部室でみんなの帰りを待っていたが、誰も戻らず心配してくれたメンバーが手を差し伸べたがその手すら払い除けてしまった。そんな世界が無数にあり、同一の存在である『貴方』が集まり、負の存在となり私たちの世界に現れ、カバトンを利用しランボーグを使ってスクールアイドルの歌を奪い、自分達が感じている負の感情で染めようとしたが、そんな『貴方』の中にいた悲しむだけの子。私はその子から助けての言葉を引き出し、そして助けるために動こうとした事で、プリキュアに変身できるようになった。

そして今、私はこの世界のソラちゃんたちを助けるためにプリキュアに変身した

 

「キュア……エンジェル……」

 

「未唯さんがプリキュア!?」

 

「それもプリンセスからスカイトーンを既に!?」

 

「サプライズ過ぎるでしょ」

 

「別世界の私も未唯の想いに応えたみたいなのよ」

 

「バタフライ、確かみんなを回復させられるよね?私がリュウボーグを相手しているからその間に」

 

「オッケー!任せて!」

 

みんなが回復している間にリュウボーグをどうにかしないと

 

「キュアエンジェル……私の知識の宮殿に存在しないもの。放っておけば何が起こるか分からない以上……やれ!リュウボーグ!」

 

「リュウボーグ!!!!」

 

あのスキアヘッドとかの言うことは聞くのか……そこはキョーボーグみたいな感じなんだろうけど……

リュウボーグは黒い竜巻を放ち、私に襲いかかる。私は両腕を前に突き出すと両手に巻かれた黒いリボンが黒い羽に変わり、竜巻を反射してリュウボーグに返した

 

「リュウボーグ!?」

 

「反射した!?」

 

「あれがエンジェルの力か?」

 

ノアさん、あまりそのエンジェルって呼ばないで欲しいのだけど……でも今はそんなこと言っている場合じゃない。リュウボーグは何度も竜巻を放ち、私は反射し続ける。

 

「攻撃の反射。厄介だがあくまで反射出来るのは光線や竜巻などのものだけならば……リュウボーグ、直接攻撃をしろ」

 

「リュウボーグ!」

 

リュウボーグが接近し、殴りかかってきた。私は背中の12本のリボンを翼に変え、上へと飛んだ。それにしてもあのスキアヘッド、カバトンとかバッタモンダーよりもよく見ている。

 

「だけど私の力は反射だけじゃない!」

 

私は翼を羽ばたかせ、羽を飛ばしてリュウボーグにダメージを与えていく。

 

「リュウボーグ。竜巻を起こせ」

 

リュウボーグは自身を竜巻に包み込ませた。確かにこれでは普通に羽が弾かれる。

 

「だけど私の羽は普通じゃないんだよね」

 

放った羽が軌道を変え、竜巻の上へと向かい、竜巻の中に入り込み、リュウボーグを攻撃する

 

「操ることが出来るみたいだな。だが……リュウボーグ、奴等を狙え」

 

リュウボーグは竜巻を消すと回復中のスカイたちに向かっていく。思っている以上にダメージが大きいから回復に時間がかかってるみたいだから、逃げられそうにないみたいだけど……それなら……

 

「羽よ!スカイたちを守って!」

 

羽をスカイたちの前に重ね集め、リュウボーグの攻撃を防ぐ

 

「私の羽は攻撃と防御できるどちらも扱えるの。しかも自動でね」

 

「ほう……確かに強力な能力だが……リュウボーグ、やれ」

 

「リュウボーグ!」

 

リュウボーグがスカイたちから離れると今度は無数の小さな竜巻を出現させた。

 

「この竜巻は小さいがその威力は強大。ましてやお前の羽を飛ばしても無駄だ」

 

試しに羽を飛ばしても無数の竜巻に飲み込まれていく。

 

「更にお前の羽は攻撃と防御を自動で出来るらしいが……同時には無理。違うか?」

 

リュウボーグが光線を放ち、私は羽で防ぐ。リュウボーグは光線を放ち続ける。うん、これは……

 

 

 

 

 

 

 

スカイside

 

エンジェルが押されている。このままだと……

 

「回復しました……エンジェルの助太刀に行きます!」

 

「ちょっと!まだ完全には」

 

「でもこのままじゃ……」

 

「あの竜巻を破壊すれば……」

 

「何とか勝機が見えるってことね」

 

プリズム、ウィング、マジェスティもエンジェルを助けるために動こうとしている。エンジェルだけに戦わせるわけにはいきません!

 

「ならば俺たちもだな」

 

「あの竜巻をどうにかするくらいなら」

 

「私たちにでもね」

 

「それにあの竜巻は無数にある分、壊れやすいようだな」

 

「はぁーもう!私もやる!」

 

私たちは一斉に動き出し、小さな竜巻に攻撃を与えた

 

「みんな!?」

 

「エンジェル!竜巻は私たちが破壊します!エンジェルはリュウボーグを!」

 

「あの光線は」

 

「バタフライと共に押さえる」

 

「「ひろがる!疾風!バタフライプレス!」」

 

光線をバタフライプレスと突風で押し返し、リュウボーグを怯ませた。

 

「これで攻撃に!?」

 

気がつくとスカイたちが破壊した竜巻が復活していた。

 

「リュウボーグの力を侮ったな。どうやらリュウボーグの力はキョーボーグや竜とは違い、無限に近い。いくら破壊したところで無駄なこと」

 

「勝った気でいるみたいだけど……こっちはまだ隠していることがあるんだよね」

 

私は手をかざすと無数の羽が空へと上がった。この羽は私が翼を羽ばたかせた時に落ちた羽。消えることなく舞い続けている。更に竜巻に飲み込まれた羽も竜巻を破壊し、私の所に集まる

 

「いくら羽が集まろうとも、お前の能力は把握している」

 

「だろうね。だって……私は嘘をついたからね」

 

集まった数百の羽がリュウボーグに向かっていく。いくつかは竜巻に飲み込まれるが、竜巻を破壊し……

 

「この羽は確かに自動で攻撃と防御が出来るけど……操ることもできる」

 

「その全てを操る?人間の脳では不可能だ」

 

「……普通ならね」

 

数百の羽がリュウボーグへと向かっていく。それも竜巻に飲み込まれることなく。

 

「何……」

 

「私は人よりも集中力が高いからね。これぐらいの量なら操れる。それと私の能力は……最適な答えを見ることが出来る。リュウボーグへの道は見えてるけど……それだけじゃない」

 

いくつかの羽がスカイたちに迫ろうとしているけど、羽たちは避けリュウボーグへと向かう

 

「最善な答えを私自身が決めることで、最善で最適な答えを!」

 

数百の羽がリュウボーグに命中し、リュウボーグが倒れ、無数の竜巻が消えた。後は……

 

「これで終わりにするよ!」

 

リュウボーグの周りに羽が集まり、リュウボーグの動きを封じつつ、私は近づき、12の翼で包み込んでいく。

 

「ひろがる!エンジェルスフィア!」

 

翼がリュウボーグをつつみこみ、浄化すると元の竜巻を操る竜に戻った。桜空くんはそれを確認すると竜から黒いもやと何かのエネルギーを取り込んだ

 

「キュアエンジェル……知識の宮殿に刻んでおこう。そしてアンダーグエナジーと邪の力についても」

 

スキアヘッドは姿を消し、街も元に戻った。あの竜も気がつくといなくなってる……

 

「エンジェル!大丈夫ですか?」

 

スカイが駆け寄るけど……私もそろそろ限界……

 

「ごめん……この姿はかなり負担があってね……脳をフルに使うから……ちょっと休むね」

 

私はそのまま眠りにつくのであった。

 

 




キュアエンジェル

未唯の貴方を助けたいと言う想いによって、変身した姿。白いワンピースドレスに背中には12個のリボンと両手には黒いリボンが装着されている。
12個のリボンは翼に変わり、メンバーカラーの翼になっている。黒いリボンは相手の攻撃を反射可能。
翼から抜け落ちた羽根は自動操作により、攻撃と防御が可能。ただ最適な動きしかしない。自分で操作をすることが出来るが、普通に操作すると脳への負担が大きくなるが、未唯自身は集中することで戦いながらも並行して操作可能。
また最適な未来を見ることが可能だが、未唯は最適かつ最善な未来を見るようにした。
浄化技は敵を12の翼で包み込み、虹色の球体へと閉じ込めて浄化する。『ひらがるエンジェルスフィア』

分かりやすく言うとファ○ネルを使いつつ、最善で最適なゼロシステムを持っている。またキュアエンジェルには想いによって姿は変わり、負担が少ない姿と容赦なく操る相手をボコボコにする姿がある

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95 切っ掛けと近付く終焉

オリストエピローグ!


未唯side

 

気がつくとなんとも言えない不思議な空間にいた。何なんだろう?ここは……

 

『目が覚めた?』

 

声が聞こえ振り向くとそこには朧気な姿をした人がいた。この声は……

 

「貴方……なんだね」

 

まさかまた会えるなんて……でも気になる事がある。

 

「何で貴方はこうして私と話せるの?」

 

『私だけほんの少し力が残ってるのかもしれないからかな』

 

そういうものなのかー

 

「ここは?」

 

『説明すると難しいけど……分かりやすく言うと、不思議な空間。貴方の意識だけここに連れてきたの』

 

「ふーん、何となくだけど私をこの平行世界に連れて来たのは貴方なんだよね?」

 

『そうだよ。この世界は危機に瀕している』

 

「それはアンダーグ帝国が関係してること?」

 

『いいえ、宇宙から来る強大な存在』

 

宇宙から……何か壮大だな……

 

『普通ならその存在だけならばプリキュアだけなら勝つことは出来るけど……もう1つの存在……そいつがいるせいでプリキュアも竜たちも勝てない』

 

「私がここに連れてきたのはそのもう1つの存在に対して有効な手段を持っているから?」

 

とは言ってもそんな大役……

 

『いいえ、未唯。貴方がこの世界に来ることで……プリキュアも竜たちもプリキュアと共に戦ってきた戦士たちも奴に勝てる力が与えられる』

 

「切っ掛けみたいなもの?」

 

『そう……だから……』

 

段々と貴方ちゃんの姿が消えていく。そろそろ時間だから?

 

『多くの切っ掛けが……力に変わる……少しすれば貴方は……元の世界に……戻れる……扉を開いた……』

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと何処かの部屋にいた。ここって虹ヶ丘家の部屋だよね?

 

「未唯さん!?目覚めたんですか!」

 

するとタイミング良くソラちゃんが部屋にやって来て、私が目覚めた事に気がついた

 

「良かったです……戦いが終わったあと気を失ったから……」

 

「あー、それは……何かごめんね。あの姿は頭をフル回転させるから……変身後は寝ちゃうんだよね」

 

想いによって姿を変えるみたいだけど……ソラちゃんたちとは似てるようで違うんだよな~

 

「そうだったんですね……未唯さん……未唯さんが変身するようになったのは……」

 

「ソラちゃんたちが巻き込んだことが切っ掛けじゃないよ。私は私なりに助けたい子がいたから……だからソラちゃんみたいにヒーローとして変身したんだよ」

 

「ヒーロー……私はまだまだですよ」

 

「ソラちゃんはもう立派なヒーローだよ。私はそう思っている」

 

「……はい!」

 

突然私の身体が薄くなってきた。そろそろ帰る頃なんだね

 

「未唯さん!?」

 

「そろそろここで私がやるべき事は終わりみたい。色々とありがとうね」

 

「お礼を言うのは……」

 

「今度会えるか分からないけど……また会おうね。ヒーロー」

 

「未唯さん……はい!」

 

 

 

 

 

 

 

気がつくと元の世界の私の部屋にいた。時間はそんなに経ってないみたいだけど……

 

「そういえば伝え忘れてた……」

 

迫り来る脅威について……でもきっとソラちゃんたちなら……

私は窓から見える青空を見て微笑むのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「テンペスターがやられたみたいです」

 

「ウロボロス……テンペスターはいい仕事をしたよ。お陰で……」

 

オルドグルスは黒い塊を見つめていた。黒い塊からは黒いオーラが溢れている

 

「もしものための保険が役に立てばいいが……ウロボロス、ストレイアと共にここを守れ」

 

「邪竜様は?」

 

「僕とリウムは地上に出る。それと奴を呼び戻しておけ」

 

「既に呼び戻しております。それと奴には勝手ながら別命として海竜の元に」

 

「海竜はこちらの仲間にはならないが、今回ばかりはな」

 

「では……奴を臥竜が戻り次第……」

 

「あぁ……奴等の影響が及ばないように……結界を張っておけ。破壊の力を持った奴と宇宙皇帝竜……下手すれば全てが終わる」

 

 

 

 

 

桜空side

 

未唯さんが元の世界に帰ったとソラに言われた。あげは姉はちゃんと見送りたかったと言っていたけど……まぁ突然帰ることになったから仕方ないけど……

ちょっとしたどたばたが続いたが、ほんの少し日常に戻るのであった……

 

だけど……その次の日……僕らは敗北することになるとは思ってなかった……




次回からオールスターズFになります。これまで出たオリキャラも登場しつつ、止まってしまっているテパプリのオリ主も出そうかな?あとブラペも
未唯はオールスターズFには出ません。オールスターズFには
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96 見知らぬ荒野と出会い

今回からオールスターズFの話になります
先ずはスカイチーム


桜空side

 

何かが消えていく中、僕の目の前には兎の頭をした何かと三つ首の竜の姿があった…………それと同時に砕ける音が鳴り響く

 

 

 

 

 

 

「はっ!?」

 

目を覚ますと見たことのない荒野にいた。

 

「ここは……何処だ?」

 

何で僕はこんなところに……

 

『目を覚ましたか。桜空』

 

僕の肩に現れたグーリ。僕より先に目覚めていたのか

 

「グーリ、ここは?」

 

『我にも分からぬ。気がついたらこの場所に……』

 

『私たちも分かりませんね』

 

『主が目覚めた事だけは喜ばしいことだが……』

 

ノワールとブロンも姿を現す。三人ともこの場所が何処か分からないか……

 

「何か身体が変な感じがするけど……怪我とかしてないよな?」

 

自分で見える範囲では怪我はない。グーリたちにも見てもらうが特におかしなところはないらしい

 

「とりあえず誰かを探さないと……」

 

この不思議な世界にいるのは僕だけじゃないと思いたい。ましろたちやノアたちもいるかもしれない……

そう思い適当に辺りを散策しようとすると……

 

『む?誰だ!そこにいるのは!』

 

グーリが近くにあった岩場に向かって叫ぶと、岩場の影から一人の少年が出てきた

 

「ようやく人を見つけられた」

 

そこにはいたのは白髪の少年。この世界の住人か?

 

「お前は……この世界の人間か?」

 

「いや、僕も気がついたらこの世界に……あぁ自己紹介がまだだったね。僕は……マリス」

 

マリス……変わった名前だな。とは言えこんな状況で出会えたことは何かしらあるな

 

「僕は桜空。よろしく」

 

「あぁ、よろしく。それで桜空。何処に向かうつもりなのかな?」

 

「とりあえず他にも誰かいないか……友達や大切な人がこの世界にいるかもしれ……」

 

不意に何か感じ取り、周辺を見渡すと少し離れた場所に土煙が上がった。

 

「あそこに行ってみよう」

 

「そうだね」

 

マリスと共に土煙が上がった所へと向かうことになった。

 

 

 

 

 

土煙が上がった場所にたどり着くとそこには悪魔みたいな姿をした化け物とそれと戦う三人の少女たちがいた。その少女の一人に見覚えがあった

 

「スカイ!マリス、悪いけど避難しててくれ!」

 

「わ、分かった」

 

僕は戦闘スタイルになり、スカイたちの援護に向かった。

 

「氷竜弾!」

 

氷のつぶてを放ち、化け物の注意を引く。

 

「誰?あの人?」

 

「あれは!?桜空さん!」

 

「貴方の友達?」

 

「スカイ!それと……えっと……プリキュア?」

 

スカイたちにプリキュアが……いや、いるのは聞いてたけど……まさかこんな世界で出会うことになるとは……

 

「あの化け物は?」

 

「分かりません。急に襲ってきたので……」

 

「プリキュアーーーー!」

 

化け物が大きく拳を振り上げて殴りかかってくる。僕らは咄嗟に避けると、化け物の前に見知らぬ黒髪の少年がいた。

 

「おい、危ないぞ!」

 

「やれやれ、変な場所にいたと思ったら、こんな怪物がいるなんて……」

 

化け物は少年を殴るが少年は殴り飛ばされることなく、微動だにしなかった

 

「悪いけど、僕にはこういう攻撃は効かない」

 

少年はまばゆい光と共に姿を変えた。髪は黒から灰色に変わり、白いコートを羽織った神秘的な衣装の姿に……

 

「なゆくん!」

 

「再会を喜びたいけど、今はこの化け物をどうにかするしかない!」

 

なゆと呼ばれた少年は化け物を殴り、化け物は仰け反るとその場から逃げようとするが……僕は化け物の足を凍らせた。

 

「スカイ!決めろ!」

 

「はい!ひろがる!スカイパンチ!」

 

スカイパンチを喰らい、吹き飛ぶ化け物だったが、立ち上り空へと飛んで逃げた

どうやら撤退したみたいだな。他にも化け物はいないみたいだし……とりあえず僕らは元の姿に戻った

 

「桜空さんもこの世界にいたんですね」

 

「あぁ、気がついたら……でもソラがいるってことは……」

 

「はい、他のみんなも……きっと……」

 

ソラと合流できただけでも喜ぶべきだな。

 

「なゆくんもいたんだね」

 

「あぁ、ゆいも……」

 

「とりあえずさ、みんな自己紹介しない?私は夏海まなつ。さっき変身したときのはキュアサマー!」

 

「私は和実ゆい。こっちはコメコメ」

 

「よろしくコメ」

 

「結城なゆだ」

 

「私はソラ・ハレワタールです」

 

「僕は真倉桜空。それと……」

 

僕の肩にグーリ、両隣にノワールとブロンが現れ紹介した。それと安全を確認して、マリスがこっちにやって来て、自己紹介を済まし、どうするか話し合うと

 

「あの遠くにあるお城……なんだろうね?」

 

まなつが指を指した方向には遠くだが確かにお城が……何かしらあるだろうなと思い、お城を目指そうとするが……大きなお腹の音が鳴り響き、

 

「はらぺっこたー」

 

ゆいがお腹空いたとのことで先ずは食料探しをすることになった。

 

 

 

 

 

ソラside

 

桜空さんと合流できましたが……ノアやましろさんたちは……一体何処に……

ふとポケットの中に何かあることに気がつき、取り出すとそれは真っ赤な宝石があった。

 

「これは……?」




オリキャラ紹介

真倉桜空

炎と氷の竜のオリ主の一人。氷の竜グーリがその身に宿ったことで氷竜の力が扱える。またグーリが宿ったことで『四元の器』と呼ばれる力を扱えるようになった。ましろとは幼馴染であり恋人同士。
見知らぬ荒野で目を覚まし、ソラと合流するが、自身の身体に何か違和感を覚えていた

結城なゆ

大罪の勇者のオリ主。あることが切っ掛けで神と共にデパプリの世界に転移した。元の世界で勇者と呼ばれる少女たちを見守ることになっていたが、デパプリの世界に転移する際に自身も勇者の力を得るが……7つの大罪の力を扱え、基本的には攻撃吸収を中心とした能力『暴食』の力で戦っている。

マリス

桜空がおかしな世界で初めて会った少年。

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97 それぞれの状況

オリキャラ続々登場!


ノアside

 

周辺は海に囲まれ、近くにはちょっとした小島があった。そして目の前には……

 

「まなつ……じゃない。邪魔したわ」

 

「ちょっと待って!折角他の人に会えたんだからもう少し、もう少しね!」

 

ましろが海の中から現れた少女を捕まえようとしていた。

目覚めたら俺とましろの二人だけがこの変な場所……いや、変な世界と言うべきだな。そんな変な世界にいた。

 

「あのね、私は人じゃないわよ」

 

海の中から現れた少女は尾びれを見せてきた。なるほど、人魚か

 

「とりあえず移動しながら話すべきじゃないか?」

 

俺は二人にそう提案した。人魚の少女はローラ。友達のまなつと言う少女を探していた。ましろはローラの背に乗り、海を渡ることに……

 

「と言うか貴方、空を飛べるならこの子背負っていけるんじゃないの?」

 

「空は飛べるがましろを背負うとなると大変だからな」

 

「私……そんなに重くないんだけど……」

 

「体重の問題じゃない。どうにも力加減が難しくなっている。下手に背負うとましろが燃える」

 

「ノアさん、そんなに力加減出来なくなったの?」

 

「この世界に来てから……どうにもな」

 

力が安定しない。と言うより馴染まない感じがする……

 

「桜空くんとソラちゃん大丈夫かな?」

 

「ソラは……不安になってなければいいが、桜空の場合はグーリたちがいる」

 

こういうサバイバル関連は大丈夫だろと思っていると、少し離れた場所から何かの鳴き声が聞こえた。俺たちは気になり様子を見に行くことに……

 

 

 

 

 

鳴き声が聞こえたところに行くとそこには人間サイズの悪魔みたいな化け物が何十体もいた。その化け物に囲まれているのは……金髪の少女と小さな動物と白い服を着た男がいた。

 

「ブラペ、大丈夫か?」

 

「あぁ……それにしてもこいつら何なんだ?」

 

「分からないが……」

 

金髪の少女は小さな動物に襲いかかってきた化け物を蹴り飛ばす。

 

「こんなか弱いものを襲うなんて、許せない」

 

どうやら襲われているみたいだな。さてどうしたものか……

 

「助けなきゃ!」

 

ましろは直ぐ様走り出した。そうだな。見過ごすことはできないな

 

「ちょっと待ちなさいよ!」

 

「ひろがるチェンジ!」

 

「プリキュア!トロピカルチェンジ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「ゆらめくオーシャン! キュアラメール!」

 

プリキュアに変身したましろとローラ。まさかローラもプリキュアだとは……

 

「「「プリキュア!?」」」

 

プリズムたちも驚いていた。そうだよな。たまたま出会ったのがプリキュアとは誰も思わない。

すると化け物たちはプリキュアに反応し、こちらに襲いかかってきた。

 

「プリキュアを狙っている?まぁいい」

 

俺は迫り来る化け物を炎を纏った拳で殴り飛ばした。力が安定しなくても戦えるな。

プリズムたちも化け物と戦えている。援護は……と思っていると一人の青年に化け物が迫っているのが見え、俺は直ぐ様駆け寄ると白い服を着た男も同じように青年を守ろうとし、俺と同時に化け物を吹き飛ばした

 

「あんたは?」

 

「俺はノア」

 

「俺は……この姿ではブラックペッパーと名乗っている」

 

ブラックペッパー……変わった名前だが……後は

 

「そこのお前は?」

 

「あ、俺はイクス。気がついたら……」

 

「事情は後で聞く……今は」

 

プリズムたちの方を見ると戦えてはいるが、どうにも倒しきるのが難しいみたいだな。それなら……

 

「全員!こっちに!」

 

プリズムたちにこちらに集合をかけ、集まったと同時に俺は飛びあがった

 

「炎竜連拳!」

 

炎の拳の塊をいくつも放ち、化け物たちにぶつけ怯んだところで俺たちはその場から離れるのであった

 

 

 

 

 

 

 

紫乃side

 

砂漠を歩く僕とのどか。気がついたら僕ら二人だけ変な世界に来ていたみたいだ

 

「大丈夫か?のどか?」

 

「う、うん……」

 

とても大丈夫そうではないよな。流石に砂漠を水もなく渡るのは……

 

「あちらの方にオアシスがあるみたいですよ」

 

すると一緒に行動していた少女が指を指して場所を教えた。

 

「何で分かるんだ?」

 

「そういう力を持ってますので」

 

「凄いよね。リアムちゃんって」

 

リアム。僕らがこの世界に来て直ぐに出会った幼い少女。彼女も気がついたらこの世界にいたらしい。

それに幼いながらも襲ってきた化け物を水を操り撤退させた。

今はのどかはプリキュアに変身できないから僕一人で戦わない状況ではかなり助かってる

 

「ちゆちゃんたち、何処にいるんだろうね?」

 

「無事だといいが」

 

ちゆたちも心配だが……今は休める場所を……

 

 

 

 

 

 

 

フウside

 

変な世界に飛ばされた俺、ツバサ、エル、星竜。そこで出会ったさあやとことはと陽斗とミナト。ことはが箒で飛べるとのことでさあやとツバサとエルを乗せ、俺は風の力で陽斗とミナトを運ぶことになった。

 

「私、魔法って初めて」

 

「はー!本当は内緒なんだけどプリキュア同士だからいいよね」

 

プリキュア同士だからいいか……それにしても奇妙な偶然だ。おかしな世界に来たと思ったら、そこで出会ったのはプリキュアと共に戦う戦士だとは…………

 

「乗り心地は大丈夫か?」

 

「悪いが……不満を言ってる場合じゃないからな」

 

「それにしてもこんな世界で見知った人と出会えるなんて……」

 

陽斗とミナトとは前に会っている。とは言えこんな世界で再会とはな

 

「人になれる鳥なんて初めて見たよ」

 

「友達にも似たような事出来る人がいるよ」

 

そんな話をしつつ、この世界の事を考察する中、手懸かりはやはり遠くに見える城。あそこに行けば何か分かるかもしれないと言う話をしていると……

 

「陽斗、あそこに誰かいるよ?」

 

「本当ですね……それに……襲われている!?」

 

ツバサもことはが発見した人を確認するとこの世界に来たとき襲ってきた奴と同じ感じだが、ウツボみたいな化け物……それと対峙しているのは……プリキュアか?

 

「ハアアアア!」

 

ウツボの化け物の攻撃を避けていくと化け物は大きな口を明け、プリキュアを喰らおうとするが、プリキュアはロッドを取り出し、

 

「プリキュア・ローズ・トルビヨン!」

 

赤いバラの花を化け物の口に放ち吹き飛ばし、更にプリキュアはドレス姿に変わり、

 

「プリキュア・フローラル・トルビヨン」

 

ピンクの花びらの吹雪が化け物を包み込み吹き飛ばした。化け物はダメージを受けたからかその場から逃げ出すのであった。

 

「ごきげんよう」

 

戦いが終わり、俺達も近寄るとツバサが真っ先に降り、人の姿に戻り

 

「貴方はもしかして!この世界のプリンセス!」

 

「え?」

 

ツバサ……プリンセスに反応し過ぎじゃないか?

新たに出会ったプリキュア……キュアフローラこと春野はるか。彼女はプリンセスを目指しているらしい。この世界には気がついたら来ていたらしいが…………

 

「どうした?ミナト、陽斗」

 

「いや、どうにも気になることがな」

 

「うん……僕とミナトは見知った仲だけど……さあやとはーちゃん、はるかの3人は初めて会った感じがどうにも……」

 

「元々知り合い同士なのかもしれないと言うことか」

 

「それに俺もどうにも……力が安定してない。お前たちは?」

 

「俺もだ。身体が思っている以上動けない感覚がある」

 

「僕も本来はリゼルファの能力はエメラルドの力だけじゃなく他の力も扱えるのに……」

 

この世界に来て何かしら変調があると言うことか……

この世界に何か秘密があるのか?それとも……

 

 

 

あげはside

 

気がついたら一面雪景色の世界に来ていた私とアスちゃん。そこでアスミちゃんとラテ、一青くん、ララちゃん、ゆかりちゃん、クロトくんと出会ったけど……

 

「ゆかり!勝手な行動は止めるルン!」

 

「全員がプリキュアだって事は分かったわ。でも必ずしも全員で行動する理由にはならないでしょ」

 

「ここがどんな世界か分からないのに単独行動は危険ルン。協力し合うのが効率的ルン!」

 

「お互い見知った仲じゃないのよ。私は一人の方が気楽だわ」

 

「まぁまぁゆかりちゃんはお姉さんなんだからさ、年下の子には優しくさ」

 

とりあえず仲裁をすることにした私。こう言うときは本当に言い争いをしてる場合じゃないし……

 

「子供扱いしないで欲しいルン。私の星では……」

 

「貴方、疲れるわね」

 

「ルン!」

 

「貴方たちは好きなようにしたらいいわ。私もそうするから」

 

そう言って去っていくゆかりちゃん。うーん、どうしたものか……私は元々ゆかりちゃんと知り合いのクロトくんを見詰めた

 

「意地を張っているんだろう。それといきなりおかしな世界に来たから余計に…………まぁ暫くはそっとしておけ」

 

「そうするしかないか……」

 

「あのさ……ゆかりも心配だけど……あっちは……」

 

一青くん。前に私たちの所に来た紫乃くんの友達。この世界に来てアスミちゃんと出会った。そんな一青くんが気にしてるのは……

 

「ツバサくん……大丈夫かな……」

 

さっきから雪でプニバード姿のツバサくんを作るアスちゃん。この世界に来てからどうにもツバサくんの事が心配で心配でしょうがないみたいだ

 

「アス、少し落ち着きましたか?」

 

「なんとか……」

 

そんなアスちゃんはアスミちゃんに出会って直ぐになついてるのがちょっと気になる。さてどうしたものか……




オリキャラ紹介

ノア
炎の竜。元々はソラと共にスカイランドにいたが、ひょんな事からソラシド市に訪れた。
ソラとは兄妹みたいな関係だったが、恋愛感情が芽ばえ恋人同士になった。恋人同士になってもイチャイチャしたりはあまりしてないが、本人同士はそういうものだと気にしてない

イクス

ノアたちが戦っている所に出会った青年。気がついたらこの世界に来たらしいが……

橘紫乃
幼い頃輸血された鬼の血で人より高い再生能力を得る。その後戦いの中で鬼になれるようになり、呼吸と血気術を使えるようになる。ちゆとは幼馴染であり恋人同士
気がついたらのどか共に砂漠にいた。

リアム

のどかと紫乃の二人と出会った少女。水を操り、水がある場所を感知することが出来るらしいが……


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98 合流とフィジカル高め女子

それぞれのオリキャラたちの相手その1
なゆ→あまね、ここねのどちらか
紫乃→ちゆ
ミナト→えみる
陽斗→みらい



ノアside

 

俺たちは謎の化け物から逃げ延び、ある地域を歩いていた。そこは……

 

「何で急に砂漠?」

 

「暑い……」

 

人からしてみればこの砂漠の暑さは堪えるものらしい。俺は竜だから平気だが……

 

「あっ……大丈夫?プーカ」

 

「プーカ……」

 

ましろは助けた小動物……プーカを気にかけていた。助けたのは良いがまさか砂漠を歩くはめになるとは思ってなかったから余計に心配だろうな

 

「プーカって?」

 

「プカプカ言うからプーカ。ほら、掴まって」

 

ましろは辛そうなプーカに手を差し伸べるが、逆にプーカは拒否した。

 

「触られるのが苦手なんじゃないか?」

 

「うーん……」

 

触られるのが苦手か……野生の動物ならそう言うのがあるが……プーカを見ているとどうにも……

 

「あんたは辛そうじゃないな」

 

「拓海、俺は竜だ。環境への適応力が高い。それだけだ。それに平気そうなのはもう一人いるだろう」

 

俺はもう一人の同行者、イクスを指差した。イクスは平気そうに砂漠を歩いている

 

「俺は元々住んでいた場所が砂漠みたいに暑い場所だったからね」

 

普通に適応力しているだけか……

 

「それにしても拓海のあの姿はプリキュアと同じようなものか?」

 

「まぁそんな感じだ。俺はノアが竜だと言うことに驚いたけど……」

 

プリキュアと関わっていれば、それくらい驚いたりしないだろうと思ったが、まぁ普通は無理だと言うことだろうな

 

「ん?あれって……」

 

ローラがあるものを見つけた。それはオアシスだ。ましろ、ローラが急いで走り出そうとするが、あまねが止めに入った

 

「待て。こういう場合……ノア、悪いがあれは本物のオアシスと思うか?」

 

「……本物だな」

 

あまねが俺の答えを聞くとオアシスに向かうことをましろたちに許可した。

 

「蜃気楼を疑ったのか?」

 

「あぁ」

 

確かにその可能性があったら、気持ちが落ち、更には急いで向かった分体力が削られるからな

 

 

 

 

オアシスに辿り着き、ましろたちは水を飲むことに。まだ砂漠地帯が続くなら水筒などに入れてもいいが……持ち合わせがない

 

「オアシス最高ー!」

 

「えぇ、まさに!」

 

「生きてるって感じ~」

 

不意に見知らぬ声が聞こえ、振り向くとそこには見知らぬ少女二人と見覚えのある少年がいた。

 

「あ……ごめんなさい」

 

「あれ?ましろさんとノアさん?」

 

「あれ?紫乃くん?」

 

まさかこんな世界で紫乃と再会することになるとはな

 

 

 

 

 

 

紫乃と一緒にいた少女、花寺のどか。彼女もプリキュアだが、今は変身できないらしい。理由としてはパートナーで友達がいないと無理らしい。

そしてもう一人、リアム。彼女は紫乃たちと出会った少女だが……俺は一瞬リアムを見て、敵と認識してしまった。だがリアムから敵意を感じなかったから直ぐに俺も殺気を出すのをやめ、少し警戒するようにしているが……この世界に来て、やはりどうにもおかしい……

 

「そっか、あなたも友達を探してるんだね」

 

「うん、ラビリンっめいうんだけど……こんな知らない世界ではぐれちゃったから心配なんだ……ラビリン」

 

「プカ……」

 

「みんな、状況は同じだな」

 

「プカ?」

 

「もしかして君もそうなのか?」

 

あまねがそう聞くとプーカは首を横に振っていた。友達を探していると言う訳じゃないのか

 

「そういえば、この子どうするの?」

 

「放っておくわけにもいかないだろう。旅は道連れだ」

 

「じゃあ、一緒に行く?」

 

プーカも一緒に行くことが決まる中、紫乃と拓海とイクス、リアムは………

 

「水はリアムが出せる?」

 

「うん、水を操ることが出来るだけじゃなく、水を出したりも出来る」

 

「へぇー便利な能力だね」

 

「………まぁこういう場所で目覚められたのは良かったですが」

 

リアムはイクスを警戒しているが………知らない世界だからなのか不安で仕方ないから警戒しているのか?

 

「紫乃、お前は能力はどんな感じだ?」

 

「能力?うーん、何と言うか……どうにも不安定……と言うより前に比べて力が使えてない感じがするけど、多分ちょっと最近、鬼の力が戻ったからかもしれない」

 

「なるほどな……」

 

紫乃の力に関しては前に会ったときに教えてくれた。その時は警戒してしまい、悪いことをしたと思っている

 

「そうだ!紫乃くん、ひどいよ。ラビリンに似てるって聞いてたのに、ましろちゃん、普通の女の子だったよ!」

 

「いや、ちゃんと説明したんだけど……声が似てるって」

 

紫乃とのどかは仲がいいが、恋人と言うわけではないらしい。ただ家が隣同士だかららしい

 

「恋人か」

 

「あんたにはいるのか?」

 

「あぁいるが……」

 

「そっか……」

 

拓海は少し俯いていた。多分、拓海にも……

 

「品田は誰かと付き合っている訳ではなく、片想いをしている……いや、両思い?なのかもな」

 

何故疑問系なのか気になるのだが……

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

「なるほど……その拓海さんって言う人はゆいのことが好きなのか」

 

「あぁ……ただゆいは恋愛よりも食。いや、近すぎるからか拓海の事を兄弟と……いや、拓海がゆいを見ていたとしても自分が見られてるのではなく、周りにいる子を見ていると思っていると言うか」

 

「要するに……大変なんだな」

 

僕はなゆと二人で水を作っていた。近くに川とかあれば良いけど、川の水を飲んで腹を壊したらいけない。

ただ僕は氷を作れるからそこから飲み水を作れることに気がついた。そのためなゆとマリスと三人で氷を溶かして水になるのを待っていた。因みに氷は僕が『溶けやすい氷』と頭の中で思い浮かべながら作ればそう言う氷が出来るとグーリが教えてくれた。

ただこの作業は暇でしかない。そのため何故か男同士で恋愛話をしていた。

 

「マリスにはそう言う人はいるのか?」

 

僕がそう聞くとマリスは首を横に振った

 

「君たちが言う子はいないよ。ただ……大切な存在はいる」

 

「大切な存在?」

 

「あぁ……姉だよ」

 

マリスは何処か寂しそうな顔をしていた。何かあったんだろうか?

因みに女性陣は……

 

「うおおおおおおおおお!採ったよーーーー!」

 

まなつが大木に実った果実を採り

 

「やああああああ!採ったよ~!」

 

ゆいが崖を登り、崖に生えた木から果実を採っていた。

 

「あちらにも果実が!」

 

ソラは負けじと果実をとろうとしたが、茂みの中にいたバッファローがいて、ソラはバッファローに乗ったまま、2人を追いかけられることに………

 

「あの三人………脳筋?」

 

「フィジカル高め女子って言ってやってくれ」

 

ソラは分かるし、まなつは何となく身体能力高そうな感じがしていたけど……ゆいが身体能力高いのは意外だな

とりあえずバッファローは近くに合った岩にぶつかり気絶。

ソラはその勢いで地面に落ちた。そんなソラをまなつが手を差し伸べた

 

「大丈夫?」

 

「ありがとうございます」

 

ソラがまなつの手を握るとソラは何か違和感を感じた様子だった。

 

「ソラ、どうしたんだ?」

 

「いえ、何でも……」

 

 

 

 

 

とりあえず集めた果実と水で食事を取ることになった。そんな中ソラは……

 

「でもこんなこしている場合なんでしょうか?」

 

「「え?」」

 

「私たちがいるってことは私や皆さんの友達もこの世界にいる可能性が高いってことですよね?」

 

「そうだね……」

 

「だったら早く探して、元の世界に戻る方法を見つけないと!私はヒーローとして、自分達の世界を守りたいんです!そのためにも早くあのお城に行って手がかりを見つけないと!」

 

焦るソラ。確かに僕もましろやみんなの事が心配だけど……そんな中、まなつは特に焦った様子もなく果実をかじり

 

「今一番大事なことをやる!」

 

「はっ!?」

 

「うんうん、はらペコったら元気が出ない!元気が出ないと歩けない!」

 

「だから今は全力で腹ごしらえ!」

 

そうだよな……今やるべきことと大切な事を一緒に考えていたら、大切な事が優先してしまい、他の事がにつかない……ソラもそれに気がついたみたいだ

 

「私だって心配だよ。トロピカる部のみんなのこと。でもこうしてみんなとも会えたんだしさ」

 

「おばあちゃん言ってた。人の力もダシも合わせるのがミソって、だから大丈夫!」

 

「……そうですね!すみません、少し焦ってました」

 

ソラも少しは気持ちが前向きになったみたいだな。その時、ソラが空を飛ぶあの化け物の姿を見つけたが……

 

「何だか様子が……」

 

あの化け物……逃げてる感じが……すると化け物に向かって何かが放たれた。化け物を攻撃したのは女の子?それにあの格好は……プリキュア!?

謎のプリキュアは化け物を圧倒している……一体あのプリキュアは……

 




オリキャラ紹介

ミナト・ユウ

ハグプリのオリキャラ。アカメが斬るの世界からプリキュアの世界に転移した人物。転移した際に野々はなと出会い、共に戦うことになった。、愛崎えみる、ルールー、野々はなに好意を抱かれ、えみると恋人(現在は婚約者)となる
さあやと共に不思議な世界にいたが、さあやとことはが初対面な感じなことに違和感を覚える

浅賀陽斗

まほプリでのオリキャラ
みらいと幼馴染みで恋人同士。みらいとリコがプリキュアに変身した際に、両親の形見である指輪『リゼルファ』と宝石を使い、共に戦うことになった。
宝石はプリキュアが使うリンクルストーンダイヤ、ルビー、サファイア、トパーズ、エメラルド、アレキサンドライトと共鳴、それぞれの宝石にあった姿に変わる
不思議な世界に来てからは、エメラルドの力しか使えなくなっている。ミナトとはあることがきっかけで出会っていたが……

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99 仲直りと気付き

オリキャラのヒロインその2
クロト→ひまり
一青→ひなた


アスside

 

吹雪の中、私たちはとりあえず歩いていた。

 

「寒っ!?アスミさん寒くないの?」

 

「私は平気です」

 

アスミちゃん、薄着なのに平気そうにしてる。まぁアスミちゃんの場合、特殊な存在なのかなと私は思っている。いや思うよりも感じ取っている。

 

「ですが……」

 

アスミさんとあげはは私たちより少し離れた所を歩くララちゃんの事を気にしていた。まぁ言い争いしてしまうのは仕方ないけど……言い争った相手の事を気にするとは……意外と優しい子なのかな?

 

「……気になるなら追いかければいいだろに」

 

「色々と難しいと思うよ。お互いに素直になれない感じだから」

 

クロト、一青の二人はそう言う中、ラテちゃんが何かを決心して駆け出していった。多分向かう場所は……なるほどね

 

「ラテの方がしっかりしてる感じだね」

 

とりあえずみんなで追いかけていくことに……

 

「所でアスはいつまでそれを抱いているんだ?」

 

一青が私が抱き抱えている雪像を見てそう言った。

 

「落ち着くまで」

 

ツバサくんモチーフの雪像……何故か本能的に心配で仕方ない。何故だろう?それにこの世界も……どうにも気になる

みんなは別の世界と思っているけど、私にはここが別の世界とは思えない。

 

 

 

 

 

フウside

 

夕暮れの中、歩きながらこの世界に来た経緯を皆が話していた

 

「じゃあ、みんなも?」

 

「うん、気がついたら陽斗と一緒にこの世界にいたの」

 

「いつ、どうやって、ここに来たのか全然思い出せない」

 

「僕もです。共通点はプリキュアだと言うこと」

 

「それとプリキュアと共に戦う戦士だな」

 

ミナトの発言を聞き、それとなく理解できる。俺、ミナト、陽斗はプリキュアと深く関わっている。それは共に戦っている関係だから……

 

「それとあの怪物たち……」

 

「プリキュアを知っているみたいだった」

 

「もしかしたらこの世界にも悪い人たちがいて、それと戦うプリキュアがいるのかもしれません」

 

「じゃああのお城は……」

 

「きっと……そのどちらかに関わるもの……」

 

どちらかに関わるもの……もしくは両方に関わるものかもしれない。そう思う中、ミナトは……

 

「…………」

 

「気になることがあるのか?」

 

「あぁ……あのお城……どうにも目立っている」

 

「お城が目立つのは別に悪いことじゃ……」

 

「城と言うのは権力……言うなれば力の象徴。こういう世界ならお城があっても不思議ではないけど……目立ちすぎている。まるで目的地はここだって言っている様な……」

 

ミナトは別世界の人間だからこそ、お城に対して何かしら警戒しているのか?それにしても目的地か……

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

謎のプリキュアを追いかけていく僕ら。ようやく追い付き、ゆいが声をかけた

 

「ねぇ!あなたもプリキュアなの?」

 

謎のプリキュアは僕らの方を振り向くと何故か驚いた顔をしていた。いや、僕となゆ、マリスを見ていない。見て驚いているのはソラたち……

 

「なんで?」

 

「ん?」

 

「覚えてないの?」

 

「え?何?」

 

謎のプリキュアは何かを確信したのか、直ぐに謝ってきた

 

「あぁごめん。そうだよ!僕もプリキュアだ」

 

やっぱりプリキュアだったか……だけどなんだ?この……感じは……

 

「私、夏海まなつ!あなたは?」

 

「シュプリーム」

 

「キュアシュプリームコメ!」

 

シュプリームは元の姿に戻るけど、耳が僕らと違う。この世界の人間だから?

 

「プリムでいいよ」

 

まなつは握手を求める中……僕はさっき感じた違和感が気になって仕方ない

 

 

 

 

 

 

アスside

 

足跡を辿り、辿り着いた洞窟の中にゆかりちゃんがいた。ラテは心配そうに吠える中、ララちゃんが真っ先に声をかけていた

 

「ゆかり!よ…よかったルン…」

 

ゆかりちゃんの無事を確認して、安心したのかその場に座り込むララちゃん。本当に心配だったんだね

 

「ご無事でしたか。ラテが貴方を見つけてくれました」

 

「ワン!」

 

「行きましょう。近くで良いものを見つけたのです」

 

とりあえず合流できたのかなと思っていると、洞窟の奥から何か気配を感じた。私とクロト、一青が前に出て構えると

 

「ようやく人と会えたのに……何でそんなに警戒されるんだ?」

 

洞窟の奥から現れたのは日焼けした少年……確か海斗?

 

 

 

 

 

海斗も気がついたらこの世界にいたらしく、少しの間洞窟に避難していたらしい。

確か海斗は海竜の力を扱えるみたいだけど……海が近くにないと本来の力は発揮できないらしい。まぁそういう制約があるから仕方ないか。とは言え海がなくてもそれなりには戦えるとか……

とりあえず私たちはアスミちゃんが見つけた足湯に浸かっていた。

 

「ごめんルン…私、自分の考えばかり優先して…ゆかりの気持ちを考えてなかったルン」

 

「そうね。でも…ありがとう」

 

「みんな、知らない世界で迷子になって心が疲れていたのでしょう」

 

「それじゃお湯に流して仲直り!」

 

これでララちゃんとゆかりちゃんは仲直り出来たみたいだね。

 

「それにしてもこんなところに都合よく足湯なんてね」

 

「ここは私が知る足湯に似ています」

 

「変な偶然ルン」

 

「偶然……」

 

一青は一人だけ足湯を見て、何か考え込んでいた。あげはがどうかしたのかと聞くが、何でもないと答えていたが……一青のあの感じ……まるでこの足湯は似ているのではなく……

すると足湯の湯気が晴れた瞬間、ゆかりちゃんはあるものを見て、驚いていた。いや、ゆかりちゃんだけじゃなくクロトもだった

 

「クロト……」

 

「あぁ……偶然ではないだろうな」

 

ゆかりちゃんたちは何かに気がついた?もしかしたら私が感じているこの違和感にも……

 

「あれ?あげは、その宝石は?」

 

「ん?あぁこの世界で気づいたらポケットに……何だか持っていた方がいいと思って」

 

あげはが持っている緑の宝石……一瞬だけどあの宝石からフウを感じたけど……気のせい?

 

 

 

 

 

 




オリキャラ紹介

フウ

風の竜。元々はアスのお目付け役としてソラシド市に来た。アスがツバサに好意を寄せ、授かりの儀を行ってからは桜空たちと行動を共にするようになった。そんな中、あげはの心に触れ、あげはに好意を寄せるがまだ恋人同士にはなってない
異世界に来てからは他の面々と行動する中で異世界の謎にいち早く触れつついる

アス

地の竜。元々は強い相手と戦うためにノアたちの前に現れた。ノアたちと戦うためにカバトンを利用していたり……ツバサがプリキュアに変身する経緯を見て、ツバサの勇姿に惚れ、ツバサにより近い距離でいられるように桜空に地竜の力を半分授けた。
現在はツバサと恋人同士になっている。
異世界に来てからはプニパード姿のツバサの雪像を作り、周りを心配させていたが、本能的にツバサの身を案じており、更には異世界について地竜の特性からか違和感を感じている

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100 プリキュアとは?

ノアside

 

夜の砂漠を歩いていくとあるものを見つけた。

 

「あれは……」

 

「線路だ!」

 

「列車に乗ることが出来ればあの城の近くまで行けるかもしれないな」

 

確かにそうかもしれないが……いや、そういう世界なのだと思えば気にはならないか……

ふとましろがあるものを見つめていることに気がついた

 

「ましろ、それは?」

 

「あ、これいつの間にかポケットに入ってて……」

 

水色の宝石……仄かにグーリの気配を感じるが……気のせいか?

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

プリムと合流し、一旦夕食を食べることになった。それにしても……食材探しをしていくうちに見つけたあの車は明らかに地球のもののような気がするが……似ているだけなのか?

まぁ変な憶測を言うのはやめておこう。ソラたちは鍋を楽しんでるし……

 

「プリム、どうかな?」

 

「まぁ……」

 

プリムは……まぁ出会ったばかりだからまだ馴染めてない感じがする。いや、ソラたちが直ぐに仲良くなったのがおかしいのか?

 

「何か気になることがあるのか?」

 

色々と考えていたからかなゆが声をかけてきた。

 

「いや、まだなんとも言えないから……」

 

「……違和感か?」

 

なゆも何か感じているのか?

 

「あぁ……ただまだ確証がない」

 

「僕もだよ」

 

お互いに違和感を感じているが、それが何を意味するのかは分からないでいる。一体なんなんだろうか?

僕ら二人が話している中、ソラはゆいたちに前にも会ったことがないかと訪ねていた、ゆいたちは特に思い当たらない様子だけど……

その時、プリムはソラたちにあることを聞いてきた

 

「僕も聞いていいかい?」

 

「はい?」

 

「プリキュアって何?」

 

「「「プリキュア?」」」

 

三人がプリムの突然の質問に悩んでいた。

 

「改めて聞かれると……プリキュアって何でしょう?」

 

「って言うかプリムもプリキュアでしょ?」

 

「あっ…つまりその……どうやってプリキュアになったのかなって」

 

あぁそういう意味だったのか……

プリキュアになった経緯についてまなつが先に答えた

 

「私は……いま一番これが大事って思ったからかな」

 

「あたしはブンドル団からレシピッピを助けたくて。ソラちゃんは?」

 

「私はもともとヒーローになりたかったので」

 

「ヒーロー?」

 

「はい、昔からヒーローの心得を書いた手帳を持ち歩いていまして……」

 

ソラは手帳を取り出し、みんなに見せた。改めて見ると本当に毎日書いているんだな

 

「日々書き足しているんです。大切な友達や仲間たちから教わることも多くて……」

 

そう言いながらあるページを開くとソラは俯いた。そのページにはプリズムの……

ましろ……大丈夫だよな?

 

「じゃあ、あたしたちもいいとこ見せられるように頑張るよ」

 

「え?」

 

「だってもう友達でしょ」

 

「はい!よろしくお願いします!」

 

ソラたち三人の絆が深まる中……一瞬殺気を感じた。殺気が感じた方を見るけど……そこにはプリムとコメコメのみだった。気のせい……?

 

「そう言えばさ、桜空たちは一緒に戦うようになったのは?」

 

まなつが突然そんなことを……いや、突然でもないか。

自然にそうなるか

 

「……大切な人を守りたいって思ったからかな」

 

あの時……死の淵でグーリの呼び掛けに応えた。ましろを守りたいって……グーリは僕の答えを気に入り力を貸してくれた。

 

「僕は……いきなり戦闘に巻き込まれたな……そんな中、ゆいたちを助けたいって思って……」

 

僕やなゆも誰かを助け、守るために戦っているのか……

 

 

 

 

 

フウside

 

夜、俺は見張りをしているとさあや、はるかが起きてきて少し話していると

 

「何か他にも忘れているような気がするんだよね」

 

「うん…なんだかとても大きなこと…でもちゃんと覚えていることもあるよ。例えば夢」

 

「私も覚えているよ」

 

「さあやちゃんの夢?」

 

「うん、お医者さんになりたいんだ」

 

「ステキ!」

 

夢か……俺には考えられないことだな。今は守りたいものを守るために…な

 

「プリンセスだってステキだと思う」

 

「どうしたらなれるのかまだよくわからないんだけどね」

 

「何でもできる。何でもなれる。友達の受け売りだけど」

 

「友達のことなら私も覚えてるよ」

 

するとことはがいつの間にか起き出していた。いや、ことはだけじゃなく、ツバサやミナト、陽斗もだ

 

「ごめん。起こしちゃった?」

 

「すみません。聞こえてしまいました」

 

「私!夢はまだ分からないけど、みらいたちのことは絶対に忘れない!みらいたちだって同じはずだよ!」

 

「僕の仲間たちだって絶対そうです」

 

「うん!早く会いたいな。みんなに」

 

「私たちの他にも誰かとはぐれた人がいるかもしれないね」

 

他にもか。確かにその可能性は捨てきれないな

するとことはが突然ペンを取り出し

 

「キュアップ・ラパパ!みんなが早く大切な人と会えますように!」

 

「その魔法。叶うといいな」

 

陽斗は笑顔でそう言う中…ミナトは

 

「……」

 

「何を気にしている?」

 

「いや、ただこういう時間もいいなと改めてな」

 

「当たり前だ。だからこそ」

 

「あぁ」

 

あの城を目指すしかないな。そう思っているとツバサが何かを見つめていた

 

「ツバサ、その宝石は?」

 

「あ、これは……気がついたら持っていたんです。この宝石……何だかアスさんを感じて」

 

アスを感じる?一体この宝石は……

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

朝になり、俺たちは列車を追いかけていた。油断していたわけではないが……まさかこんな朝早くに来るとは……

 

「まって~」

 

「待ちなさいよ~」

 

俺、紫乃、リアム、拓海、イクス、あまね、ましろ、ローラ、プーカが列車に飛び乗るが、のどかだけが乗り遅れそうになっていた

 

「のどか!掴まって!」

 

のどかの体力では限界が近い。仕方ない!

 

「紫乃!拓海!リアム!イクス!俺がのどかを投げ飛ばすからしっかり受け止めろ!」

 

「いや、投げ飛ばすって……」

 

「マジでやるのかよ!」

 

俺ならなんとか行ける。それに着地してのどかを投げ飛ばしてから列車に追い付くことも……

列車から飛び降りようとした瞬間、列車のドアから何かが飛び出してのどかの手を掴んだ。それはウサギの妖精だった。のどかとローラの尾の間に入り、引っ張りあげて列車の中に入り込むことが出来た

 

「ラビリン!」

 

「のどか!」

 

のどかはラビリンとの再会を喜びあっていた。

 

「良かった」

 

「やっと会えたラビ!ずっと探してたラビ!」

 

「凄い偶然だな」

 

「まるで奇跡か魔法だよ」

 

「ラビリンにも会えたしらちゆちゃんたちにもきっと会えるよね!」

 

「もちろんラビ!きっとラビ!」

 

それにしても聞いてた感じ……ましろとラビリンは声が似ている。まぁ今はその事を言うべきではないと思っていると、プーカが何か慌てていた。首についているリボンと両手が緑に光だした。プーカは慌てて近くにあった座椅子に触れた瞬間、車両に巨大な穴が開き、プーカは更に焦り、色々な所に触れては破壊してしまい、俺たちが乗っていた車両が見事に粉々になるのであった。

 

「プカ……」

 

「すごい……」

 

「あなた一体何したのよ?」

 

「だから手をつなぎたがらなかったのか」

 

「プカッ!?プーカ……」

 

プーカは逃げ出そうとするがのどかが呼び止めた

 

「待って!大丈夫だよ」

 

「プカ?」

 

「そうだよ。ちょっとびっくりしただけだから。ねっ?」

 

誰もプーカのことを責める気はないみたいだな。まぁ見ていて望んでやったことではないことは分かる

 

「どうやら訳ありのようだな」

 

「それを言うなら私たちだって訳ありよ」

 

「それもそうだね」

 

「そこ張り合うのか……さて、また別の列車が見つかればいいが」

 

「今度は気を付けなさいよ」

 

「行こうラビ!」

 

「プーカ……」

 

「プーカ。その力がなんなのか分からないが……気にするな」

 

「プカ?」

 

「俺は竜だ。お前とは違うが破壊する力を持っている。こんな風にな」

 

俺は近くの岩を殴って破壊した。

 

「プカ!?」

 

「それにみんな、怒ってない。それだけを理解してくれればいいよな」

 

紫乃も笑顔でそう言い、俺たちは先へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

桜空side

 

朝になり、僕らは先を目指した。手懸かりであるお城を目指して

 

 

 

 

フウside

 

きっと困難が待ち受けようとしても、必ず仲間たちと会えることを信じて

 

 

 

アスside

 

悲しいお別れもあった。私が作った雪像が……溶けてしまった。あげはやアスミちゃん、ゆかりちゃんが慰めてくれたりもした。

 

 

 

 

桜空side

 

時には驚き……と言うより普通にトロッコと並走するソラとゆいの二人に驚きつつ……僕らはお城の近くにある街へと辿り着いた。




オリキャラ紹介

海斗

海の竜と契約した末裔。海水浴しにきた桜空たちと出会った。祖先が海竜と契約し、制約に縛られているがそれでもかなりの強さを持っている。異世界ではあげはたちと合流するが……

クロト
キラキラ☆プリキュアアラモード 黒の鬼神のオリ主。ミナトとは元同僚。悪を絶対に許さず徹底的に打ち倒したりする。過去の一件で女性に守られるのを嫌う。ひまりと恋人になってからはそれなりに落ち着いている
異世界ではゆかりが不安であり、強がっているのを理解している。またゆかりと同時にあるものを見て、異世界の秘密に気付き始める

成瀬一青
ヒープリのもう一人の主人公
月輪刀と呼ばれる刀を持ち、鬼たちと協力関係であり、一時期は紫乃たちと敵対していた。親からは忌み子と呼ばれ捨てられたところを鬼神に拾われた。扱う呼吸は十二月の呼吸。痣も発現しているが後遺症は紫乃の力でなくなっている。ひなたとは恋人?みたいな関係に
異世界に来てからはアスミと共に来た。足湯を見て、異世界の違和感に気がつく

アスがプニパード姿の雪像を溶かして落ち込んで女性陣が慰めているのを見て、男性陣は苦笑いを浮かべてます

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101 再会!離れ離れ!合流!

ノアside

 

無事にお城近くの街に着いた俺達。早速情報収集を行うが……

 

「一体何なのよ!ここの人間たちは!」

 

「落ち着いて……」

 

「だが確かに変だ」

 

ここの住人たちから話を聞くが誰に聞いても、この世界に現れた謎の怪物のボス。魔王アークについてしか語らない

 

「誰にどう聞いても似たようなことしか言わないし……」

 

「お店はどこも開いてない」

 

「……何だかここの住人……」

 

「紫乃くん?」

 

「あぁ、いや、なんと言うか……ごめん。ちょっと違和感を感じてるだけだから……」

 

紫乃はそう謝るが、俺と拓海は紫乃から詳しく聞いた方がいいと思い、ましろたちに聞こえないように聞いた

 

「何か気になるんだな」

 

「話してくれ。もしかしたら重要なことかもしれない」

 

「……ここの住人はまるでゲームのNPCみたいだなって」

 

NPC……確か桜空から聞いたが決められた台詞しか話さないゲームのキャラ……モブみたいなものか

 

「確かにそんな感じは……」

 

「決められた台詞しか話さない……」

 

引っ掛かる。ここの住人から作られたような気配を感じない。ましてやこの世界が実はゲームの世界……と言う感じでもない。だとすれば……

 

「やっぱりアークって言う人が原因なのかな?」

 

のどかがそう言うが……まずはアークって奴に会わないとな。

するとプーカがお城を見つめて怯えていた

 

「何よ?言いたいことがあるならはっきり言いなさい」

 

「プーカしか言えないよ~」

 

色々と気になることが増えてきたと思っていると、何処からか声が聞こえた。

 

『はらペコった~』

 

あまねと拓海の二人がその声に反応した

 

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

「やっと着いた~」

 

「お城まであと一息です!ここでしっかり休んで元気を充電です!」

 

「本当に……ずっと歩いてばっかりだったからな」

 

本当に疲れた。途中からグーリに身体を操作してもらうか頼んだら……

 

『結局疲れるのはお前だぞ』

 

って言われたからな。なゆもマリスも疲れてるし……

 

「ゆい!」

 

「ゆい!なゆ!」

 

不意にゆいとなゆの事を呼ぶ声が聞こえると少し離れた場所に……

 

「あまねちゃん!拓海!」

 

「ソラちゃん!桜空くん!」

 

「まなつ!」

 

そこにはましろやノアたちがいた。僕とソラは顔を見合わせ……

 

「ましろさん!ノア!」

 

「ましろ!」

 

僕らは駆け出そうとした瞬間……僕は二つの視線を感じた。一つは殺気を感じるもの。ましろたちと一緒にいる青年から感じる。誰を睨んでいる?視線の先にはマリスがいた。マリスも似たように睨んでいた。

そしてもう一つは……何だ?まるで使えないものを見るような視線……ノアも感じ取り、足を止めた瞬間……まばゆい光と共に大きな穴が開き、ましろたちが落ちていった。僕は慌てて穴に飛び込もうとするが

 

「大丈夫だ!ましろは守る!お前はソラを守ってくれ!」

 

「お城で!お城で会おう!必ず行くから!」

 

「まなつもよ!」

 

「約束だ!」

 

「なゆ!ゆいを頼む!」

 

ましろたちの姿は見えなくなった。本当に何で……突然……それよりも……

 

「マリス……あの一緒にいた男と知り合いか?」

 

「……いや、知らない。知っているのはあの女の子の方だ」

 

「女の子?」

 

そう言えば幼い少女がいたな。気に止めなかったのは……僕がましろと再会できたことに集中してたからか

 

「どうしてこんなことに……」

 

「分かりません。でも……」

 

お城を目指すべきと言うことは分かったな。

 

「う~わっ!」

 

不意に聞き覚えのある声が聞こえ、振り向くと少し離れた場所にあげは姉とアスたちがいた

 

「あげはさん!」

 

「アス!」

 

 

 

 

僕らはあげは姉たちと合流した。

 

「ここまでよく頑張ったね。ソラちゃん」

 

「痛いです……あげはさん」

 

「あ、ごめん。桜空もお疲れ様。でもこれで私たちの仲間はこの世界にいるって分かった!」

 

「ルン!必ず見つけるルン!」

 

「「うん!」」

 

「それにしても紫乃とのどかもいたのか」

 

「他にもこの世界にいて、誰かしらといるかもな」

 

クロトとは前に会ったけど、一青は紫乃と友達らしい。とりあえず合流できたことを喜ぶことにしよう。だけど……

 

「どうして他人のことでそこまで盛り上がれるんだ?」

 

プリムが何か呟いていたが聞き取れなかった。

 

 

 

 

 

アスside

 

プリムって子を睨むゆかりちゃん。そしてラテとアスミちゃんと一青は……

 

「わん……」

 

「わかっています。恐らくこの世界は……」

 

「だとしたら……」

 

「この世界のこと……私も気がついたよ……」

 

アスミちゃん、一青は驚いていたけど……私からしたら本能的に理解できた。地竜としてなのかな?

 

「皆さん!行きましょう!」

 

今はお城を目指すことに専念しないと……

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

穴に落ちた俺達。俺と紫乃で何とか落下のダメージはなかった。

 

「流石に不死身の身体でも痛いな」

 

「いや、額が少し割れるだけで済むって……」

 

「人間離れしてますね」

 

リアムが淡々と言うとプーカが目を覚ました。

 

「プカッ!?」

 

「あなた。本当ハチャメチャな力ね」

 

「どうやら紫乃とノアのお陰で助かったが……」

 

「プ……プカ……」

 

プーカは光続ける自分の手を見て落ち込んでいた。

 

「なんて顔してんのよ」

 

「プカプカプカプカ!プカ!?」

 

自分の力に対して嫌がるプーカ。だけどのどかはそんなプーカの手を握った

 

「大丈夫」

 

「プカッ!」

 

のどかが自分の手を握っていることに気がつき、慌てるプーカ。もしかしたら自分の力でプーカを傷つけるかもしれないと思っているのかもしれない

 

「大丈夫って言ったでしょ?」

 

「大丈夫ラビ!」

 

プーカは落ち着いたのか光が治まった。のどかはそんなプーカを抱き締めた

 

「事情は分からないけど怖かったんだよね」

 

「それにそういう力は怖いのは分かるさ。僕も似たようなことで悩んでたしな」

 

紫乃もプーカの頭を撫でながら告げた。紫乃も自分の力で悩んでいたらしいな

とりあえず城まで続いているみたいだから先を進むことに……

その前に……イクスの警戒を強めるべきだ

 

 

 

 

 

桜空side

 

城の門まで辿り着いた僕ら。

 

「うーん、本調子なら城を壊したんだけどな~」

 

「え?」

 

「あー、竜なら先ずそうするけど……誰かいるかもしれないだろ」

 

「桜空。わかってないな~こういう悪の根城に住んでるのは敵だけ!だったら尚更だよ!」

 

「え?え?」

 

「とりあえず扉を開けて……」

 

ソラが扉を開けようとすると、クロトが止めた

 

「普通に扉を開けて……直ぐに戦闘開始になるな。なら、俺が開けたあとに速攻だ」

 

「任せて!」

 

「よし!オラッ!!」

 

クロトが扉を蹴破ると中には大量の化け物が……だが化け物が襲いかかる前にアスがブレスを放った

 

「さて!行こう!」

 

「…………常識的な奴って俺だけ?」

 

「私のことを忘れないでほしいルン!」

 

一青とララがそう呟くのであった。




常識的な人は現段階だとあげは、一青、ララくらいですが、アスとクロトのやり方に賛同的なのは一青、ララだけです。他のメンバーは手っ取り早いからいいかと納得してます
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102 合流!現れる黒幕!

桜空side

 

化け物たちをアスのブレスでそれなりに減らしたが、流石は根城だけあってまだまだ数が多い

ソラたちはプリキュアに変身し、僕らも戦いに参加した

 

『十二月の呼吸!壱の月!睦我月‼』

 

一青が放つ攻撃で切り裂かれる化け物たち。一青の攻撃を避けた化け物は上から襲いかかるがクロトが鬼のような鎧を身に纏い、化け物たちをアスと共に凪ぎ払っていく

 

「やるな!」

 

「貴方もね!」

 

僕に向かってくる化け物たち。僕は拳を氷で覆わせ……

 

「氷竜爆撃!連打!」

 

化け物たちを吹き飛ばす。更に追撃としてなゆが両拳に炎を纏わせ

 

「憤怒の炎!」

 

赤黒い炎で化け物を焼き付くしていった。

 

「桜空さん!上を目指しましょう!」

 

スカイがそう叫んだ。確かにこういう城だと首謀者は上に陣とっている。それなら……

 

「…………海斗。そろそろ」

 

「分かってる」

 

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

「しまった……加減を間違えたか」

 

フィナーレが下から城へと侵入するために技を放ったが、加減を間違え敵に気づかれてしまった

ましろたちはプリキュアに変身し、俺達も敵を凪ぎ払う

 

『雪の呼吸!肆の型‼深雪‼』

 

回転しながら化け物を切り裂いていく紫乃。改めてみると紫乃も中々の強さだ。そして拓海……いや、今はブラックペッパーか。ブラックペッパーは光弾を放ち、化け物を吹き飛ばしていく。

後は…………

 

「リアムがいない?いや、リアムは後回しだ」

 

今はイクスを見張るだけだ。

 

俺達は上へと上っていき、頂上の部屋の扉をプリズムが開くとそこには巨大な化け物……こいつがアークか

 

「あなたがアーク?」

 

プリズムがそう問いかけるがアークは何も言わない

 

「返事くらいしなさいよ!」

 

ラメールがそう言うとアークは突然倒れ、辺りが煙に包まれた。

 

「え?」

 

「あ、あれ?」

 

声が聞こえると別の場所に見知らぬプリキュア……いや、ウィングとフウ、エル、星竜、ミナト、陽斗の姿があった

 

「倒しちゃった?」

 

「そ……そのようです」

 

「やけにあっさりだったな」

 

「なんと言うか……本当にこの世界を支配してる奴なのか?」

 

「分かりませんが……」

 

「ただ言えるのは……はぐれた仲間がそこにいるな」

 

フウは俺達の方を見た。

 

「ウィング?」

 

「あっ!プリズム!ノアさん!」

 

「ウィング!」

 

プリズムがウィングの名前を呼んだ瞬間、また別の扉から……

 

「あれ?どういう状況?」

 

「何あのでっかいの?」

 

「はっ!プリズム!ノア!」

 

「バタフライ!アスさん!」

 

「ウィング!エルちゃん!星竜!フウさん!」

 

「グレース!」

 

「ブラペ!フィナーレ!」

 

「ラメール!」

 

「サマー!」

 

「プレシャス!なゆ!」

 

「アース!」

 

全員が一斉に駆け出していく。これで全員合流か

 

 

 

桜空side

 

「プリズム……大丈夫か?」

 

「うん!桜空くんも……やっと会えた」

 

プリズムが笑顔でそう答えると僕は少し照れ臭くなった。

 

「ノア!合流出来ましたね!」

 

「そうだな。無事みたいだな」

 

「はい!」

 

ノアもスカイと会えて嬉しそうだった

 

「バタフライも無事だな」

 

「まぁね。心配してくれたんだ」

 

「好きなやつを心配しないやつがどこにいる」

 

「え、あ……あはは///」

 

あの二人も……相変わらずだな。

 

「アスさん、何だかお久しぶ……」

 

「ふぇ……」

 

「え?アスさん?」

 

ウィングを見て泣き出すアス。それだけ待ち焦がれてたのか?

 

「ウィング~良かった……良かったよ~」

 

「わっ!?ちょっと……アスさん……僕は無事ですよ」

 

泣きじゃくるアスをウィングが抱き締め、頭を撫でて落ち着かせていた。

 

 

 

 

 

 

なゆside

 

「ブラペ!ブラペも……この世界に……」

 

「あぁ……大丈夫だったか?」

 

「うん……ブラペも」

 

「……ブラペ、プレシャスを抱き締めなくていいのか?」

 

「「なっ!?」」

 

フィナーレ……二人をあまりからかうなよ……

 

「なゆは私のことを抱き締めないのか?」

 

「抱き締めた方がいいか?」

 

「それは……ふふ、後に取っておこう。ここねに叱られる」

 

フィナーレのその言い方は後でいちゃつくってことだよな?

まぁ今はこの再会を喜び合うしかないな

 

 

 

 

サマーside

 

「私たちもあれくらいやっておく?」

 

「あれは特定の相手がいないと成立しないんじゃないの?」

 

「そうだね」

 

私はラメールと笑いあった

 

 

 

 

 

紫乃side

 

「ちゆとひなたとは会えてないのか」

 

「あぁ……とは言えお前たちと合流できたのは良かったがな」

 

「そうだね。もしかしたらまだここに来てないかもしれないし」

 

「……そうだと良いのですが……」

 

 

 

 

ミナトside

 

一部のメンバーが再会を喜び合う中……俺達は目の前に倒れるアークを見つめていた

 

「まぁあっちは良かったとして……まだ何も解決してないわ」

 

「でもこれじゃ何も聞けないルン」

 

「話そうとしたんだけど、ただ襲ってくるだけで……」

 

「どうしましょう……」

 

襲ってくるだけか……

 

「まるでそう設定されているみたいだったな」

 

「ミナト?」

 

「お前と陽斗はこの世界について……気がついたか?」

 

「あぁ違和感だらけだった」

 

「うん……もしかしたら……」

 

突然倒れたアークが爆発音と共に消え去った。

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

アークが消え、部屋の奥に立つのは……シュプリームだった

 

「勝手に終わらせないでよ」

 

「シュプリーム?」

 

シュプリームは退屈そうな顔をしていた。まさか……

 

「何をしたの?」

 

「壊したんだ。こいつは本当は僕が倒すために作った悪者。この世界もそう……僕が作った実験場。でも無駄になっちゃった」

 

「きみ、何を言って……」

 

バタフライがそう言いながら近寄ろうとした瞬間、マカロンが遮った

 

「近づかないで!」

 

マカロンがそう遮った瞬間、シュプリームから閃光が放たれ、マカロンを壁に吹き飛ばした

 

「ああっ……はあ?」

 

「シュプリーム!?」

 

「何してんの!」

 

「ちっ!」

 

マカロンが吹き飛ばされ、みんなが驚く中、ミナトとフウが飛び出し、シュプリームに向かっていこうとするが……その二人の前に一人の人物が立ち塞がり、二人を蹴り飛ばす

 

「お前の実験も中々だったが、終わりか」

 

シュプリームの隣に並び立ったのは……ノアたちと一緒にいた青年……

 

「イクス……やはりか!」

 

「あぁそうだ。そして気がついてる奴等がいるな」

 

イクスは吹き飛んだマカロンを見ると……

 

「そういう……ことだったのね……」

 

「マカロン!」

 

「いちご山……私たちの町の名残を見つけたわ」

 

「すこやか市の痕跡もありました」

 

「えぇっ!?」

 

吹き飛ばされたフウは立ち上り、イクスを睨み付けた

 

「決め手なのは……ミナトと陽斗だ」

 

「あぁ……俺達はここに来る前から……友人同士だった。それなら……アンジュとフェリーチェの二人も……会っている筈なのに……初対面だった」

 

「なによりこの世界から感じられる気が地球と全く同じなのです。やはりここは……」

 

「そうだよ。ここは君たちの世界だ」

 

この世界が……僕らがいた世界…………信じられない。みんなも信じられない様子だった

 

「どういうこと?」

 

「本当に覚えていないんだね」

 

シュプリームから放たれた光が僕らを包み込み……そして僕らは思い出した……あの日、あの時……僕らは……




書いてて思った。イチャイチャしてる面々に対してイラついたシュプリームがアークを消し去る感じになってしまったことを……シュプリームの行動は原作通りです
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103 敗北と失われたもの

一気に書いてるのでほぼ毎日更新してます


桜空side

 

宇宙にて、隕石の大地に倒れていくプリキュアたち。その前にはウサギに似た頭部に4つの目、6枚の翼を持った白い龍のような生物がいた。

 

「スターパンチ!」

 

「2000キロカロリーパンチ!」

 

プレシャスたちがその生物に攻撃を繰り出していくが、生物は無傷。プレシャスたちを吹き飛ばしていった

 

「一体何者なの?」

 

『僕はシュプリーム』

 

シュプリームは光線を放つ。その光線をフェリーチェが防いだ

 

「何が目的なのですか?」

 

『あらゆる世界で僕が最も強い存在だと確かめるために戦い続けている』

 

シュプリームの強さは異常だ……だが僕らプリキュアと共に戦う戦士たちもまた強大な敵がいた

 

『俺の名は宇宙皇帝竜イクス。全ての宇宙を、全ての次元を、全てを統べる竜』

 

金と黒の身体、巨大な翼、長く伸び、先端が剣のような尻尾、巨大な足、鋭い爪を生やした巨大な両腕、そして何より特徴的なのは三つ首。シュプリームと同じ大きさの竜が僕らを薙ぎ倒していた

 

『まさかシュプリームと同時になってしまうとはな。まぁいい。今は目的である反逆の意思を持つものたちを打ち倒すこと。そして二度と反逆の意思が生まれないように……地球と言う星を破壊する!よいな?シュプリーム』

 

『別にいいよ。彼らの相手をしてくれているんだから……僕は僕の目的を果たす』

 

「そんなことで……」

 

「私たちの世界は……」

 

「「壊させない!」」

 

キュアブラック、キュアホワイトの二人で放つ『マーブルスクリュー』がシュプリームを仰け反らせる。それに合わせて何人ものプリキュアが攻撃を重ねていく。まだみんな……諦めてない

 

「ノワール、ブロム!力を貸せ!」

 

僕は二人の力を解放し、イクスに向かっていく。ノアたちもそれに合わせて立ち上がっていく。いや、プリキュアたちも絶望的な状況でも立ち上がっていった。僕らはこのまま負けるわけには……

 

『ほう!四元の器。元々は全ての邪を打ち倒す力。まさかこの目で見ることになるとは……だが!』

 

眩い閃光と共に吹き飛ばされるプリキュアたち。そして地球が光の粒子に変わっていく

やったのは……シュプリームだった。

 

「なっ!?」

 

『余所見をするな!』

 

三つ首から放たれた黒い光線が僕を包み込み……それと同時に何かが砕ける音が響いた

 

 

 

 

 

 

「思い出した……」

 

全てを思い出した……僕らは……あの時……

 

「私たち……」

 

「負けたんだ……」

 

「やっと思い出したんだね。でも誇りに思ってほしい。世界を破壊できるこの力。僕に使わせたのは君たちが初めてだ」

 

「そうだったな。本来は戦いのあと、俺が破壊するはずだった」

 

「悪かったねイクス。でもそれだけ僕は驚いた。本当に強かった。だから僕は君たちに興味を持った。壊した君たちの世界を新しくこの世界に作り替え、弱いものと強い悪者を作り、そして僕自身の姿も君たちに似せて作り替えた」

 

「俺もまたシュプリームに付き合い、人の姿としてこの世界を見続けることにした。それだけシュプリームのやろうとしていることに興味があった」

 

シュプリームのやろうとしていること……?

 

「そうしてこの世界で悪者と戦う実験を始めたんだ。僕がプリキュアになるために……だから消えたはずの君たちが現れたときは驚いたよ。それもプリキュアの力?本当に凄い」

 

「プリキュアや共に戦う戦士たちがいたのは俺も驚いた。だがそれでもイレギュラーは存在した。だがこの場にいないことを察するに……逃げたか」

 

イレギュラー……この場にいない?

 

「世界を作り替える?そんなことが……」

 

「出来るんだよ。僕には」

 

「じゃあパパやママ……他の人たちは?」

 

「必要ないものは作ってない」

 

シュプリームの言葉を聞き、プリズムのすすり泣く声が聞こえ、僕は何とか立ち上がろうとあがいた。

 

「必要ないと言えば……お前もそうだったな」

 

「プカッ!」

 

 

 

 

 

ノアside

 

シュプリームは柱の影に隠れるプーカに向かってそう告げた。プーカも……シュプリームと何か関係があるのか?

 

「プーカ?」

 

「君たちが連れてる小さい妖精を真似て僕も作ってみたんだ。でも……僕の力を分けたのにも関わらず、戦おうとしなかった。役立たずを消そうとしたけど……逃げてしまった。まぁ弱くて臆病な奴は勝手に死ぬだろうと思っていたけどね」

 

「そんな……」

 

「ひどい……です!」

 

「僕が興味あるのは君たちだけだ。その強さの理由が分かるかもしれないと思って、一緒に行動してみたけど……下らない話をしたり、笑ったり、何にも分からなかった。全て無意味だった」

 

シュプリームからオーラが溢れ出すと白い衣装が黒に染まり、肌も黒くなった。

 

「もう終わりにしよう。僕が一番強いということに変わりはない!」

 

「そうだな。終わりだ……」

 

イクスが黒いオーラに包まれると、全身真っ黒な身体の上に骨のような鎧を身に纏い、顔も骸骨竜を要した兜に包まれ、両肩には白い骸骨の竜の首が伸びた姿へと変わった

 

「シュプリームの実験の後片付けをし、俺はまた別の場所へと行こう」

 

「イレギュラーはいいのかい?」

 

「どうせ最後にはこの世界も壊すのだろう。放っておく」

 

「そうかい」

 

シュプリームがため息をついた瞬間、フェリーチェとフィナーレがシュプリームに拳と蹴りを放ち、陽斗となゆの二人はイクスに攻撃を仕掛けるが、二人とも平然と受け止めていた。

 

「宝石の力を扱うもの。エメラルドの力のみしか使えないのなら、敵ではない」

 

左肩の竜の首から黒い閃光が放たれ、吹き飛ばされる陽斗。

 

「大罪の力を持つ勇者。神に抗う力を持っているが……その暴食は厄介だが……」

 

右肩の竜の首から巨大な岩が放たれ、壁まで吹き飛ばされるなゆ

シュプリームが雷を放つが、アンジュとミルキーが雷をバリアで防いだ

 

「このままじゃ今度こそ全滅だよ!」

 

シュプリームはそんな二人をバリアごと吹き飛ばす。

 

「ハアアア!」

 

ミナトはイクスに切りかかるが、イクスはミナトの斬撃を腕で防いだ

 

「即死の刀。一太刀浴びれば俺は死ぬが……お前程度の力では俺の身体に傷をつけることはできん!」

 

イクスは右腕を刃に変え、ミナトを切りつけ、更に蹴りを喰らわして壁まで吹き飛ばした

フローラとラメールの二人もシュプリームに向かっていくがシュプリームは二人の攻撃を軽々といなしていく。

 

「今も地球の命……人々の想いは感じます。消えていないはずです」

 

「よく分かんないけど無理矢理歪められてるものなら元に戻るかもってことでしょう?」

 

「方法を見つけられれば……」

 

「オッケ!後はよろしく!」

 

バタフライが飛び出し、シュプリームの蹴りを避け

 

「少しは大人にもかっこつけさせてよね!」

 

爆発が起き、上に投げ出されるシュプリーム。追撃としてアース、グレース、マカロンが攻撃を繰り出し……

 

「風よ!切り裂け!」

 

「雪の呼吸!」

 

「十二月の呼吸!」

 

「叩き潰す!」

 

フウ、紫乃、一青、クロトがイクスに同時に攻撃を繰り出すが、イクスの身に纏う骨の鎧から鋭い棘が伸び、四人を突き刺した。

 

「ぐっ……まだ……」

 

「風の竜、古の剣士の末裔、異世界の鬼神の力が宿りし武具を扱うもの……所詮は俺の敵ではない。そして鬼の力を持つ者……不死には永遠の苦しみを」

 

紫乃は壁に固定され、針から流れる電流を浴びせられた

シュプリームもバタフライたちをウサギ型の障壁で押し潰した。

サマーとプレシャスがシュプリームに挑むが

 

「「プリム!」」

 

「シュプリームだ!」

 

「ゆい!危ない!」

 

シュプリームが放つ閃光からブラックペッパーがプレシャス守ろうとしたが、サマーと共に城の外へと吹き飛ばされる

 

「プレシャス!サマー!」

 

「くっ!ノワール!ブロム!力を!」

 

桜空が四元の器の力を使おうとしたが…………

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

四元の器が……反応しない?

 

「当たり前だ。四元の器はあの時、俺の光線によって破壊されている」

 

「なっ!?」

 

そんな……こと……

 

『主……すみません』

 

『私たちも……作り替えられたさいに……記憶を失っていて……何を守っていたのか……忘れられていました』

 

四元の器がなければ……シュプリームとイクスには……もう……

 

「プリンセスを頼みます!」

 

「「えっ?」」

 

ウィングが床を砕き、スカイ、プリズム、僕、ノア、エルちゃん、星竜、プーカを下へと逃がした

 

 

 

 

アスside

 

「ウィング……」

 

「アスさん……行きましょう」

 

そうだね。桜空たちなら……きっと……

 

私たち二人はシュプリームとイクスに向かっていくのであった

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

気がつくと壊れた壁から世界が破壊されていくのが見えた。エルちゃんはスカイたちに声をかけ続けていた

 

「無事か?」

 

ノアはそう言いながら、外を見ていた

 

「スカイたちは?」

 

「生きている。だが……今回は……かなり厳しい……」

 

スカイたちも……心が折れているかもしれないか……僕も……四元の器がない状態で……グーリの力のみで……あの二人に勝つのは……

 

「諦めるつもりかい?桜空」

 

不意に声が聞こえ、振り向くとそこにはマリスと幼い少女と海斗がいた

 

「マリス……」

 

「リアム……いや、お前は……お前たちは……」

 

「記憶が戻り、僕らに気がついたか」

 

「ごめん。二人とも……事態が事態だから……彼に協力していたんだ」

 

マリスの姿は変わり、マリスの姿から……僕らにとって忘れられない姿に変わった

 

「お前は……邪竜!?」

 

 

 

 




宇宙皇帝竜イクス

金と黒の三つ首の竜。全ての宇宙、全て次元、全てを統べるため現れた。シュプリームとは何度か会っているため互いに知っていた。シュプリームとは違い破壊の力を持ち、抗う力を持つものが反逆の意思が生まれないように動き、破壊していく。モチーフはキ○グギ○ラではなく、カ○ザーギ○ラ

イクス竜人態

シュプリームに合わせて、人の姿になった際の戦闘形態。黒い姿の上に骨のような鎧を身に纏い、両肩には白い骸骨の竜の首が生えている。その強さは宇宙皇帝竜の時と変わらない
モチーフはモン○ターX

イクスに関してはどんな感じにするか悩み……最初は某ウルトラマンに出てくる虚無みたいなものにしようとしたけどやめました

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104 絶望的でも……

桜空side

 

ウィングのお陰であの場から離れることが出来た僕らだが、あまりの強さに心が折れかけていた。そんな僕らの元にマリス……邪竜オルドグルスと水竜リウム、海斗の三人が現れた

 

「邪竜……貴様……何をしに来た!」

 

「勿論……手を貸しにきた。いや、元々手を貸すつもりだった。何せ今回ばかりは僕らにとっても何とかしないといけないからね」

 

「オルドグルスとイクスは……味方同士じゃないのか?」

 

「オルド。ここまで旅をしたんだ。そう呼んでくれたまえ。桜空」

 

そう呼べって……いや、今は気にしない方がいいな。

 

「イクスは全てを統べるために不必要なものは全て破壊する。僕らからしたらかなり不都合だ」

 

「不都合?どういうことだ?」

 

「僕は確かにこの星を……この世界を支配したい。だけど支配するためには人が必要だ。何せ邪竜の力の源は人の負の感情。それがなくなれば……僕は弱る」

 

邪竜の力の源……だとしても……

 

「だからと言って支配するのだろう?」

 

「あぁ……ただし恐怖や暴力の支配ではなく……負の感情が起こりやすくするためさ」

 

「それが……支配……」

 

どちらにしても邪竜たちとは……だけど今は……

 

「言いたいことはあるが……時間がない。海斗……お前が邪竜に協力しているのは?」

 

「……元々邪竜たちから仲間になれって言われてたけど……普通に受け入れられなかった。だけど少し前に邪竜たちの仲間から協力を頼まれた。シュプリームとイクスによってこの世界が破壊されるかもしれないって…………僕もそれは嫌だからね。協力することにした」

 

「僕の本来の力は徐々に封印が解けてはいるけど、イクスを倒すことはまだ出来ないほどだ。だからウロボロスたちに頼み、その力を僕らのアジト、僕、リウム、海斗をシュプリームとイクスの破壊の力から守るための結界を張っていたが……」

 

それでも少なからず影響を受けているということか…………

 

「シュプリームに関しては彼女たちがどうにかするだろうが……」

 

オルドは気を失っているスカイたちを見つめた。スカイたちに勝算があるのか?

 

「問題はイクスだ。奴と渡り合えるのは、本来の力を取り戻した僕か四元の器を使える桜空のみだったが……」

 

「四元の器は……もう……」

 

「その件だが……いや、憶測で希望を持たせるのはやめておこう。今のままでは確かにイクスやシュプリームに勝つことは出来ないが……渡り合える方法がある。それは……」

 

「そら、ましら」

 

「みー」

 

オルドがシュプリームたちと渡り合える方法を話そうとしたがエルちゃんと星竜がプリズムたちが目を覚ましたことを知らせてくれた。プリズムたちは現状を理解し……

 

「また……世界が壊されようとしてる」

 

「なんで……なんでこんなことに……」

 

「私たちはあの時、シュプリームに負けました。そして消されたんです」

 

「じゃあなんで私たちここにいるの?」

 

「分かりません……」

 

「意味わかんないよ……」

 

「そうですね……意味…分かりません」

 

二人は涙を流していた。もうこの先…絶望しか……

 

「そっか……それだよ」

 

だけどプリズムだけは違った。

 

「何故かは分からない。でも今ここにいる。それにはきっと理由がある。理由があるから戻ってきたんだよ。私たち!それは多分私たちが…ううん、ソラちゃんが……」

 

プリズムはスカイの手を握り、スカイはプリズムの言葉を理解し……

 

「ヒーローとは……泣いている子を見捨てない!そしてヒーローとは!どんな時も笑顔を絶やさず今一番大事なことをするものです!」

 

二人は絶望していたが、それでも立ち上がった。

 

「プリキュアたちも目を覚ましたみたいだね」

 

「邪竜!?」

 

「それに確か……リウムさんに海斗くん!?」

 

「実はな」

 

ノアは二人に邪竜たちの事を話し、そしてシュプリームたちと渡り合える方法があることを邪竜が教えようとしていると伝えた

 

「それで……その方法とは……」

 

「……僕が桜空と融合することだ」

 

オルドと……融合……

 

「それって……桜空くんが前みたいに……」

 

「あぁだが現状やれる方法がそれだけだ」

 

また暴走……いや、下手したらオルドに身体を……もしも勝っても……待っているのは……

 

「……邪竜。その方法を教えるのは……桜空の意識が奪われたりしないからか?」

 

「ノア?」

 

「そうだ。はっきり言うけど、リスクが合ったとしたら僕は提案しないよ。それだけ今回はかなりヤバイからね」

 

意識を奪われたりしないって……

 

「決めるのは桜空。君だ」

 

僕は……

 

「……プリズム、ノア、行きましょう」

 

「スカイ?」

 

「私は信じてますから。きっと桜空さんが邪竜の力に支配されずに私たちのところに来ることを!」

 

信じているか……スカイにそこまで言われると……

 

「リウム、海斗。彼女たちと共に行ってやれ。そして炎竜」

 

「あぁ……分かっている。星竜、行けるか?」

 

「みー!」

 

星竜はノアの肩に乗った。僕は……

 

「プリズム!」

 

「桜空くん?んん///」

 

僕は最後の戦いに行こうとするプリズムにキスをした。

 

「ど、どうしたの?急に///」

 

「最後のキスとかじゃなく……勇気を……元気をもらいたくって……」

 

「そっか…待ってるから」

 

「あぁ!」

 

「……ノア!私たちも!」

 

「やらないからな。終わってからだ」

 

「はい!」

 

「何か……恋人組は……」

 

「行きましょう」

 

プリズムたちを見届け、僕は邪竜と向き合った

 

「さぁ……始めよう」

 

「あぁ……飲まれそうになっても……想いの力を信じろ!桜空」

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

城の天辺にはシュプリームとイクスの姿があった

 

「君達にはもう用はない。この世界を壊して、次の相手を探しに行くよ」

 

「このまま破壊されろ」

 

スカイとプリズムは手を握りあった。俺は星竜と融合し、星炎竜の姿に変わった

 

「さようなら。最後のプリキュア」

 

シュプリームの放つ光線で辺りが包まれる中、俺は接近してきたイクスと殴りあった

 

「あの器はどうした!逃げたか!」

 

「逃げるわけないだろ!桜空は……いや、俺たちは最後まで諦めてない!」

 

「最後まで?これが最後なんだよ!」

 

互いに殴り合うが、イクスの方が上だ。桜空……早くしろ!

 

「水刃!」

 

「ハアアアアア!」

 

リウムと海斗も混ざるが、イクスにはまだ……

 

 

 

 

 

桜空side

 

「プカ……」

 

不安になるプーカの手を優しく握りしめるエルちゃん。

 

「だいじょうぶ」

 

それでもプーカはまだ……するとプーカは何かを思い出したかのように、オルドに……いや、今は……聞いていた。

 

『そうだよ。君の言う通りだ。君なら……出来る。時間は僕らが稼ごう』

 

「エルもやる!」

 

エルちゃんはそう言ってプリキュアに変身した。

 

「桜空。調子は?」

 

「何とか……な」

 

『負荷が大きいが、グーリ、ブロン、ノワールがそれでも抑えている』

 

「急ごう。プーカがきっかけを作るために」

 

「あぁ……」

 

 

 

 




邪竜は裏で色々と動こうとしてましたが、偶然桜空やノアと合流してしまってました
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105 記憶と想い

ネタバレ
公開処刑?


ノアside

 

シュプリームの光線をスカイとプリズムは何とか耐え抜こうとしていた

 

「負けない!」

 

「私たちが生きる大切な場所!この世界を…」

 

「「取り戻す!」」

 

「無理だよ」

 

シュプリームは光線の威力を強めるが、それでもスカイたちは諦めずに耐え抜いていた。

 

「無駄な足掻きを…先にプリキュアを始末してやろう!」

 

「させるか!」

 

イクスが二人のところへと向かおうとしたが、俺、リウム、海斗はイクスを止めようとするが……

 

「無駄だ!」

 

イクスの両肩の竜とイクスの口から放たれたブレスを喰らい、吹き飛ばされる俺達。イクスが二人に近付く

 

「やめろ!」

 

「終わりだ!」

 

その瞬間、黒い影がイクスを吹き飛ばす。更にシュプリームの光線をかき消し、スカイたちの前にその影は降り立った

 

「桜空……くん?」

 

「悪いな。待たせて……」

 

黒く長く伸びた髪に、額に一本、後頭部に二本の黒い角。真っ黒な鎧を纏い、水色のマントを靡かせ、両手には鋭く伸びる竜の爪の手甲。これが……桜空と邪竜が融合した姿

 

「意識は……大丈夫なのですか?」

 

「グーリたちが抑えているけど、集中してないと……厳しい」

 

『無理は……いや、無理をしなければ勝てない相手だ』

 

「そうだな」

 

桜空は吹き飛ばされたイクスを睨んだ。イクスは無傷で楽しそうに笑っていた

 

「器の人間と融合しなければ俺と戦えないか!なぁ!邪竜!」

 

『皇帝竜……お前はここで打ち倒す!』

 

「みんなの未来のために!それに……」

 

シュプリームが再度光線を放とうとするが、紫色の光が城から飛び出し、シュプリームの攻撃を遮る

 

「「マジェスティ!」」

 

「まだ残っていたのか。ん?」

 

それと同時に緑色の小さな光が見え始めた。あれは……プーカ?

 

「何のつもり?今更出てきて何ができるっていうの?」

 

「プーーーーーカーーーーー!」

 

プーカの光が大きくなると同時に世界が壊れ始める。これじゃ……世界の破壊を加速させてるようなものじゃ……

 

「なんだ。その力は僕と同じものだぞ。自分で世界を壊してどうするの?」

 

「はっ、あの小さい奴は諦めたのか?」

 

「いいや、違う!」

 

桜空はイクスに蹴りを放ち、更にパンチを繰り出し続けている。まるで……時間を稼いでいる?

 

「そうです。壊してない。これはきっかけ」

 

「それってどういう……」

 

世界が破壊され、斑な空間へと変わった。そうか、プーカの力は……

 

 

 

 

 

桜空side

 

斑な空間から何処かの景色へと変わった。

 

「今の僕の役目は……プーカのやろうとしていることを邪魔させないことだ!」

 

イクスへの攻撃を繰り出していくが、イクスは両肩の竜で僕の肩と脇腹を噛み付かせ、思いきり殴ってきた。僕は吹き飛ばされるが何とか耐え……両腕の手甲が水色と黒に変え

 

「『邪竜氷剛球!!』」

 

黒く染まった氷の塊をイクスに向かって放つが、イクスは両腕を掲げ

 

「皇帝の前に!絶望しろ!皇竜破壊弾!」

 

赤黒いエネルギーの塊を放ち、僕らの攻撃を打ち消し、そのまま僕らはイクスの攻撃を喰らい、倒れてしまった

 

「桜空!」

 

『意識を……保って……』

 

グーリ……の声が聞こえるけど……駄目だ……意識が……

 

『パートナーとか相棒とかそうじゃなくて、あなたは私の友達』

 

プリズムの声……それにこの言葉は……スカイとプリズムが一緒に戦うきっかけになった時の……

 

『それって……一緒に戦う理由にならないかな?』

 

プーカ……成功したんだな。消えそうな意識の中、まばゆい光を放つライトがプーカの前にあるのが見えた。後は……オルド……好きに……

 

『その……伝えたいことがあるって……』

 

『あーうん……その……ましろ……僕は……お前の事が…………ましろの事が好きだ!』

 

「えっと……はい……私も桜空くんのこと……好きだよ///」

 

『え、あ……その……それって……』

 

『両想いだったんだね///』

 

……何か……恥ずかしい思い出が流れてない?

 

『プーカの力の影響だな』

 

「……あの……これって……」

 

『でもコメコメも知らないんじゃない?コメコメと一緒に食べて一緒に笑って、あたし、とっても幸せだよ』

 

今度はプレシャスとコメコメの思い出が流れ、更に

 

『怒ってるに決まってるでしょ!何よ!プリキュアやめるって!』

 

まなつとローラの思い出

 

『ごめん、ローラ。何があってもやめないよ!だって……』

 

『私、プリキュアやっててよかった。ココの夢を叶えたら自信が持てる気がする。そしたらきっといい未来がひらけると思うんだ』

 

あれは……キュアドリームの思い出

 

『これ……なぎさの……なぎさの手帳でしょ?』

 

『行こっ!ほのか』

 

『うん!』

 

これは……プリキュアたちの思い出。いや、それだけじゃない。

 

『ノアは強くそして厳しい人ですが!そんな中に!優しさがある!その優しさは誰よりも!』

 

『優しさだと!そんなの……』

 

『無意識に貴方は私に加減しました!攻撃も外しました!それが何よりの証拠です!貴方の炎は確かに熱く、全てを燃やし尽くすほど……ですが!何処か安らぎを感じさせます!』

 

『そんなこと!』

 

『そんなことあります!だから貴方は桜空さんを殺そうとしたとき……悩み続け、決断しても……後悔していました!だから!貴方の炎は全てを燃やし尽くすものではなく、全ての心を暖かくする……ノア自身を象徴する炎です!』

 

『俺が……』

 

『私には……貴方が必要なんです。大好きなノアが側にいないと……ダメです。ダメダメなヒーローなんです……だから……一緒にいてください。これからもずっと……』

 

「ふっ、懐かしい思い出だな」

 

「はい!」

 

「そうか……プーカは世界を壊してるんじゃない。シュプリームが作り替えた世界をバラバラにしただけ、それが元に戻ろうとしてるんだよ。これはきっとプリキュアの記憶、想い……それが世界をもう一度繋ぎ始めてるんだよ」

 

「それだけじゃないよ。プリキュアと共に戦う戦士たちのもっとも強い想いが世界の修復を手伝ってる」

 

「私たちの……みんなの想いは消えていない!」

 

「だったら、世界を元に戻すカギは……」

 

「私たち!」

 

「プリキュア!」

 

「そして……共に戦う戦士たちだな!」

 

スカイたちの前にプーカの持つライトが現れ、二人はそれを手にし

 

「光を!」

 

「光を!」

 

「「プリキュアの想いを照らして!」」

 

まばゆい光がみるみる内にこの空間を照らし始める

 

「ちっ!させると思っているのか!」

 

イクスはスカイたちの所へと向かおうとしたが、僕はイクスの腕を掴み、思いきり殴り飛ばした

 

「なんだ?意識が無くなりそうだったのが……」

 

『邪の力に飲み込まれない方法は一つだけある。それは想いだ』

 

「想い?」

 

『どんな想いでもいいが、もっとも強い想いは……愛だ!お前はあの思い出を見たことで、自身の想いを更に高めた!』

 

想いの力……そうだ。そうだったな。アスも飲み込まれそうになっていたとき……想いの力を使って発散させた

 

『どうだ?負ける気は?』

 

「しない!」

 

「思い出?くだらないものを見せるな!」

 

「くだらなくない!」

 

イクスの攻撃をマントで跳ね返していくと、ノアがイクスに向かって炎を放った

 

「ぐうううう!?なんだ?力が上がっているだと!」

 

「想いの力で、俺達の……シュプリームに破壊された俺達の力が戻り、更に高めている!」

 

ノアが星炎を纏い、イクスを圧倒していく。すると僕の中からグーリが人の姿で現れ、リウムと並び立った

 

『……ごめんね……グーリ』

 

『リウム……』

 

血を流すリウムを抱き抱えるグーリ。

 

「……今でも辛い思い出?」

 

「あぁ……」

 

「私がこうして貴方の敵になったことは話せないけど……私はこの時……救われたんだよ」

 

「そうか……そうだな。お前は……優しい奴だったな」

 

二人は笑みを浮かべ、イクスへと向かっていく

 

「……邪竜。そろそろいいよな?」

 

『あぁ海斗。使え』

 

海斗はポケットから古びた棒を取り出すと、古びた棒はトライデントに変わった

 

「海竜の矛……僕にとっての想いは海に対してだ。その想いによってこの矛は目覚め、僕に本来の力を!」

 

海斗は海竜の矛を手にし、イクスに向かう

 

『他のプリキュアや戦士たちも……思い出が溢れ出すな』

 

シュプリームの前にキュアブロッサムとキュアドリームの思い出が流れると、キュアブロッサムとキュアドリームが復活し、シュプリームの前に現れた。後は……なゆたちだ




桜空(邪竜形態)
髪は黒く長くなり、額に一本、後頭部に二本の黒い角。真っ黒な鎧を纏い、水色のマントを装備、両手には鋭く伸びる竜の爪の手甲。モチーフはブラックウォーグ○イモン。イクスと渡り合えるが桜空が意識を保つのが難しい。想いの力で完全に制御している

一気に進めようとしましたが、オリキャラ組の公開……思い出が長くなるため分割します
感想待ってます!


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106 戦士たちの想い

桜空side

 

プリズムとスカイの持つライトにより、プリキュアたちが復活し、シュプリームと対峙する中、なゆたちにも愛の思い出が溢れ出していく。

 

 

 

 

なゆside

 

気が付くと目の前にある思い出が映し出されていた

 

『なゆ、君はどっちを選ぶんだ?』

 

『私たちは……なゆが選ぶなら……』

 

二人に告白され、どちらかを選んでほしいと迫られた時の……

 

「懐かしいな……」

 

「フィナーレ……本当に……な」

 

僕の答えは……

 

『「僕はここねもあまねもどっちも好きだ。優柔不断だと思うなら、嫌ってくれてもいい。だけどこれだけは言わせてほしい。僕は二人が思っている以上、二人の事が大好きだ」』

 

本当に……優柔不断だよな。二人を傷つけたくないとかそう言う気持ちじゃなく、本当に二人の事が大好きだと言うことを……伝えられた

 

「でも……嬉しかった」

 

気が付くと僕とフィナーレの前にスパイシーが現れた。スパイシーはフィナーレと同じ様に笑顔を見せていた。

 

「立ち上がれるな?なゆ」

 

「なゆ……私たちの想いと一緒に……」

 

「あぁ!」

 

僕の身体が光だし、中から小さな妖精が現れた。

 

『ようやく……なゆの前に来れました』

 

「シン……早速で悪いが……」

 

『えぇ、大罪の力を!解放します!』

 

シンと融合し、灰色の鎧を身に纏う。これが僕の……七つの大罪の鎧。そして右手には真っ白な大剣『正義の大剣』が握られた

 

「行こう!」

 

 

 

 

拓海side

 

気が付くとある光景が目に入った。これは……

 

『おい……泣くなって……ほら。』

 

『デリシャスマイル……』

 

『黙っててごめん……』

 

『拓海がブラペで、あたし嬉しいよ!』

 

『これからも、よろしくね!』

 

『あぁ……よろしく!』

    

「あはは……この時は色々と感情がぐちゃぐちゃになっちゃって……」

 

「そうだったな。俺からしたら一番プレシャスとの……ゆいとの一番の思い出になってる」

 

「拓海……こんな時でもあたしは拓海がいるから頑張れる」

 

「ゆい……俺もだ」

 

俺はプレシャスとお互いに笑顔を向け、自分達が戦うべき相手のところに向かった

 

 

 

 

陽斗side

 

『みらい……その……』

 

『う、うん』

 

『僕のこの気持ちが本当にみらいの事が大好きなのかわからないけど……その……』

 

『うん……』

 

『近すぎて分からなかったけど、僕はみらいのことが大好きなんだ……』

 

『……私も陽斗のことが好きだけど……友達として好きなのかどうかわからない。だから……ちゃんと二人で確かめ合おう』

 

「本当に……この時は……はーちゃんのせいと言うか……お陰と言うか……」

 

「ごめんなさい。でも……切っ掛けにはなりましたね」

 

フェリーチェとそんな話をしていると、僕らの前に2つの紋章が現れ、そこからミラクルとマジカルの二人が現れた

 

「正直、焦れたかったわよ」

 

「あはは……でも自分の気持ちを見つめ直して……私は陽斗の事が好きだって気がついた」

 

「ミラクル……いや、みらい。僕はみらいの事が好きだ。だから……必ずこの戦いに勝つ!」

 

「うん!」

 

僕はリゼルファを構え、叫んだ

 

「リゼルファ!アレキサンドライト!」

 

赤、白、緑、黄色、青が混ざりあった衣装に変わり、五色の剣を握り締め、イクスへと向かっていく

 

 

 

 

 

 

クロトside

 

このまま意識を失ったらどれだけ楽だろうと思っていた。だが……俺の前にはあの日の光景が映された

 

『クロトさん、私は……クロトさんの事が好きです』

 

『ひまり……』

 

『クロトさんは……』

 

『俺は……お前の事が好きなのかもな。ただ人を愛するってことは…………』

 

自分の中でずっと蝕んでいた後悔……もしかしたらひまりも……

 

「そうならないように……クロトさんは私を守ってくれるんですよね?」

 

「ひまり……」

 

気が付くとカスタードが俺の前にいた。

 

「それとも……クロトさんのことは私が守った方がいいですか?」

 

「…………カスタード。俺を怒らせるなよ。俺は女に守られるのは嫌いだ。大嫌いだ!だから……俺は立ち上がる!」

 

俺はオーガデーモンを起動させ、最強の力を発動させた

 

「オーガデーモン!鬼神!守ってやるよ!全部!叩き潰す!」

 

 

 

 

 

 

紫乃side

 

『紫乃が側にいるとね…………安心するの。でもその安心は…………好きだからこその安心だと思う。紫乃、私は貴方の事が好き…………大好き』

 

『小さい頃から…………一緒にいることが多かったけど、僕のちゆへの気持ちは…………』

 

『無理して答えなくていいよ。他の人が好きなら…………紫乃の気持ちを大事に…………んん!?』

 

『これが返事でいいかな?』

 

『バカ…………大好き』

 

我ながら告白の返事をキスで返すって……

 

「紫乃くんとちゆちゃん、本当に仲良しだったもんね」

 

「グレース」

 

これは僕の思い出……なんと言うかみんなに見られてるのか……

 

「それから紫乃は強くなった」

 

声が聞こえ、振り向くとそこにはフォンテーヌがいた。何だか久し振りな気がするな

 

「そうだよ……僕はずっと……ちゆを守りたいって……みんなを守りたいって想いながら戦ってきた。だから……今も……」

 

僕は鬼化していく。これからもずっと変わらない想いを胸に秘め……

 

「絶対に勝つ!」

 

 

 

 

 

一青side

 

『それに……お前は泣いてるより……笑ってる方が……いいぞ』

 

『いっくん……』

 

「…………本当に俺は……ひなたの笑顔が大好きだ」

 

「あはは……何か……恥ずかしいな」

 

いつの間にかいたスパークルは恥ずかしそうにしていた。

 

「ひなたがいるお陰で俺は前へ進める!だから改めてはっきり言う。俺はひなたが大好きだ」

 

「いっくん……私も大好き」

 

俺は痣を発現させ、イクスへと向かう。もう負ける気はしない。ひなたがいるから!

 

 

 

 

 

ミナトside

 

『あの……手紙読みました。これは……』

 

『読んだんなら分かってるだろ。俺はお前の気持ちを知りたい……聞かせてくれないか?えみる……』

 

『わ、私は……ミナトお兄さんのことが……いいえ、ミナトさんの事が大好きです。貴方の隣に立てるようなヒーローに、ふさわしい女性になりたいって思っています』

 

『えみる、俺はお前のその優しい心……誰かを愛していくっていう気持ち……そういうところに惹かれたんだ。だから俺もお前のことが…………好きだ』

 

『嬉しいのです……嬉しくって……嬉しくって……貴方のことが見れません』

 

『えみる……』

 

『ミナトさん、大好きです』

 

俺はえみるを選んだ。だけどはな、ルールーが育んできた想いも大切にしたいと思っている

 

「ミナトさん、大丈夫ですか?」

 

「マシェリ……」

 

「相変わらず……ボロボロになっても立ち上がりますね」

 

「アムール」

 

「でもそんなミナトくんだからこそ、私たちは好きになった。そしてミナトくんがえるみを思い、えみるもミナトくんを思う。そんな二人が私は大好き」

 

全く……復活してそんなことをよく言えるな

 

「マシェリ……お前の愛を……育んできた想いを俺に」

 

「はい」

 

俺たちはキスをするとレガオンが現れた。俺はレガオンを掴み……叫ぶ!

 

「愛龍騎!」

 

育んできた愛が愛龍騎という力となる。そして

 

「三人とも……行ってくる!」

 

 

 

 

 

 

 

フウside

 

『まぁ付き合ってるから当然だけど……折角だから私たちも付き合う?なーんて』

 

『付き合うか……そうだな。お前となら退屈はしなさそうだ』

 

『え?えぇ?』

 

『これが正しい気持ちなのか分からないが、俺はあげはの事が気に入ってる』

 

『あ…え…ええええええええ!?』

 

「……いい加減、答えを知りたい」

 

「あはは……ごめん。先伸ばしにして……」

 

バタフライは真剣な表情で俺を見つめていた

 

「今は答えを出す空気じゃないからね。でもちゃんと答えを出すから」

 

「そうか」

 

「うん、だから期待して待っててよ!」

 

バタフライはそう言ってシュプリームの所へと向かう。期待して待っててか……なら、イクスに勝たないとな!

 

 

 

 

 

アスside

 

『私を守るって事は……私の事好きになったの?』

 

『はい?』

 

『だってそうだよね?好きだから私の事守るんだよね?』

 

『そ、それだとプリンセスの事も僕は好きだということになりますよ!』

 

『エルちゃんを守るのはツバサくんの使命だもん。それなら私の事は……』

 

『うぅ……ま、まぁ……その……好きですよ』

 

『そっか~えへへ~じゃあツバサくん!』

 

『何ですか?』

 

『ツバサくんが私の事を好きから大好きになったら……ちゅうしてね』

 

「……ツバサくん」

 

「何ですか?アスさん」

 

「今もツバサくんは私の事が好き?」

 

「…………」

 

「私はツバサくんがプリキュアになった瞬間を見て、好きって気持ちを知った。ツバサくんと一緒にいて、好きから大好きになった。ツバサくんは?」

 

「僕も……アスさんと一緒に過ごしていく内に……気がつきました。アスさんを守るんじゃなく……隣で一緒に戦い、過ごしたいくらい大好きだって……」

 

「そっか……」

 

私はツバサくん……ウィングにキスをした。

 

「それじゃ頑張らないとね!」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

桜空side

 

プリズムたちによってプリキュアが復活し、更になゆたちも愛の想いと共に立ち上がりイクスを圧倒していく。

そんな中、僕はオルドの想いに触れた

 

「これは……」

 

『今は語る必要はない』

 

そうだな。今は……

 

「何だというんだ!想いなどただ脆いだけだ!簡単に破壊できるはずが!」

 

「お前には一生わからない。プリキュアと共に戦う戦士たちの想いは決して破壊なんてされない!それだけ強いんだ!」

 

僕がそう叫んだ瞬間、スカイ、プリズム、ウィング、バタフライから小さな宝石が解き放たれた。この宝石は……スカイがあの異世界でいつの間にか持っていた宝石……それにこの宝石から感じるのは……

 

「これは……四元の器?」

 

「そうか!?器は破壊されてなかった。破壊される前に自ら四つに分れ、竜たちを一番に想うプリキュアたちの元で……主!邪竜との融合を解除してください」

 

ノワールに言われ、オルドとの融合を解除し、僕が4つの宝石を手にした瞬間、真っ白な聖杯へと形を変えた。聖杯が僕の身体に入り込むとまばゆい光と共にプリキュア全員と壊された地球が復活した。そして僕の姿は真っ白な鎧に真っ白なマント。右手には白とピンクの杖が握りしめた。頭には真っ白な角が生えた姿に変わる。

 

「これは……想いの力を結集させる聖杯の竜……その名も聖竜!!」

 

78人のプリキュアとプリキュアたちと戦う戦士たちが地球を背に、並び立った。




聖竜については次回。聖竜は言うなれば劇場版フォームです。また真っ白な姿なのは……そのままの意味です
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107 想いと奇跡の戦い

桜空side

 

復活したプリキュアたちと想いの力で再び立ち上がった戦士たちを見て、楽しそうに笑うシュプリーム。

 

「フフ、アハハハ!本当にすごいよ!それでこそ僕が欲した力……君たちを倒して僕はプリキュアになる」

 

「シュプリームよ。悪いがあの戦士たちは俺が破壊する!危険な存在は真っ先に破壊されるべきだ!」

 

「好きにするといいさ」

 

シュプリームが小さな光を円を描くように展開させると、シュプリームに似た白い分身体を大量に生み出した

 

「ええっ?」

 

「少し理解できたよ。仲間が多ければ強いんだろう?」

 

「そう言うことじゃないよ!」

 

「そして俺も出そう!」

 

イクスは黒い穴を展開させ、中から三つ首の小さな竜が大量に現れた。

 

「この数……どうする?桜空」

 

ノアは余裕そうに聞いてきた。確かに普通なら厳しいかもしれない。だけど……聖竜の力を宿した今なら……

 

「聖竜の力よ……地竜、風竜、氷竜、水竜に星の力を!」

 

杖を掲げると紫の光が四人に宿った。アスは黄色の鎧を纏い、手には巨大な斧を、フウは緑のコートを羽織り、手には2本の剣を、グーリには水色の鎧を纏い、巨大な刀を、リウムは青いコートに、青く長い刀を……そしてノアに宿る星竜はそれに反応するかのようにノアの手に炎を纏った大剣が握られた。

 

「そして戦士たちに……力を!」

 

なゆたちを真っ白な光に包まれ、白いオーラが溢れだした。その中にはオルドと海斗もいた

 

「へぇー僕にも与えてくれるとはね」

 

「オルド……今は味方だろ?」

 

「ふっ、そうだったな」

 

「この力は……温かい……」

 

聖竜としての力を使い、みんなを強化した。そしてスカイは……

 

「私たちは一人ではありません。みんながいるから私がいる!その意味をあなたはまだ知らない!」

 

「じゃあ教えてよ!プリキュア!」

 

シュプリームから放たれた光弾。爆発と共に白い煙に包まれるが、僕らは煙から飛び出し……

 

「私たちは絶対に負けません!私たちが私たちであるために!今こそ!プリキュアと!」

 

「共に戦う戦士の!」

 

「「出番です!!」」

 

僕らが駆け出すと同時にプーカがライトを掲げるとプリキュアたちと共に歩んできた妖精たちがライトで照らし始める。それと同時に地球からも光が見えた。あの光は……プリキュアたちを支えてきた人たちの光。それがプリキュアたちの力になっている

 

「勝つのは僕だ!」

 

シュプリームは黒く巨大な姿に変わり、そしてイクスも

 

「貴様ら全員!破壊してやる!」

 

三つ首に両腕両足が竜の首に変わり、尻尾までも竜の首に変わった。更に胸には巨大な竜の頭が出現した。

どんなに姿を変えても……僕らは負けない!

 

 

 

 

 

なゆside

 

「不幸はここまで!幸せハピネス!」

 

「力を合わせてウルトラハッピー!」

 

「みんなで幸せゲットだよ!」

 

ラブリー、ハッピー、ピーチ、ベリー、ソードの5人が分身体を吹き飛ばす中、僕とブラペは数体の三つ首竜を相手にしていた

 

「ハアアアア!!!」

 

ブラペがキックを放ち、上へと浮かぶ三つ首竜に更に光弾を当て、僕は剣を構え……

 

「大罪に切り刻まれろ!」

 

三つ首竜をバラバラに切り裂く

 

「相変わらずやるな。なゆ!」

 

「ブラペも……いつも以上に気合が入ってるけど……終わったら告白か?」

 

「こう言うときに変なことを言うなよ!」

 

「そうだな」

 

まだ三つ首竜がいるが、負ける気はしない

 

 

 

 

ミナトside

 

「ここで決めなきゃ!女がすたる!」

 

メロディ、リズム、アムール、マシェリが分身体を倒していく中、俺は周りを囲んでいる三つ首竜を睨んだ

 

「確かにイクスと同じ強さを持ってるのかもしれないが……」

 

俺は一瞬で三つ首竜を殴り飛ばし、一ヶ所に集まったところをブレスで消し飛ばした

 

「マシェリたちが育んできた愛の前では無駄だ」

 

「も、もうミナトさん///」

 

「本当に仲が良いですね」

 

 

 

 

陽斗side

 

「キュアップ・ラパパ!とびっきりの奇跡をみんなに!」

 

「絶好調なりー!」

 

ミラクル、マジカル、ハニー、フォーチュン、ブルーム、イーグレットによるフォームチェンジを駆使し、分身体を倒していく。僕は迫り来る三つ首竜を……

 

「ハアアアア!!!」

 

ルビーの力。炎の籠手

トパーズの力。黄色の銃

サファイアの力。水の槍

ダイヤモンドの力。白の剣

エメラルド力を宿した剣

アレキサンドライトの浄化の剣を自由に切り換え、倒していった

 

「陽斗!全開だね!」

 

「ミラクルが頑張ってるからな。僕も頑張れる」

 

「そっか」

 

「ほら、そこのカップル、いちゃつかない」

 

マジカルにツッコミを入れられながら、僕らは敵を倒していった

 

 

 

 

紫乃side

 

バリアを張れるプリキュアたちが分身体を囲み、閉じ込められた分身体に一斉に攻撃を放つプリキュア。更にフォンテーヌたちによって凍らされて砕かれる分身体……何かえげつないというか……

 

「まぁ……人のことを言えないよな」

 

襲ってくる三つ首竜を治癒の血で回復阻害と過剰回復でボロボロにした。まだ残っている襲ってくる三つ首竜たちだが……

 

「合わせろ!」

 

「海斗!分かった!『雪の呼吸!参ノ型!雪桜』」

 

水を纏った矛と僕の呼吸による斬撃で三つ首竜を倒していく

 

「強いな。海斗」

 

「君もね。まぁ僕は普段は海が近くにないと本気を出せないけど……」

 

「それでその矛か」

 

「それもあるけど、桜空が僕らを強化しているから……ただ」

 

「そうだな」

 

桜空のあの力は……長時間持つのか心配になる

 

 

 

クロトside

 

ホイップたちによる合わせ技で分身体を包み込んでいく中、俺と一青は三つ首竜の山を築いていた

 

「これだけの数だ。一気に止めを刺すぞ!」

 

「あぁ!」

 

俺は金棒で三つ首竜の山をぶっ潰し、その衝撃で吹き飛ぶ三つ首竜を一青が切り刻む

 

「『弐の月!如切月!』」

 

「数はそれなりに減ったか?」

 

「いや、まだ……」

 

三つ首竜の数は減ってきているが、イクスはまだ……

 

 

 

 

 

グーリside

 

リウムが三つ首竜を水の刃で貫いていき、我は貫く度に凍らせ砕いていく

 

「リウム……」

 

「本当に……久し振りですね。こうして一緒に戦うのは……」

 

「そうだな……」

 

「三つ首竜も減ってきました。後は宇宙皇帝竜を倒すのみ」

 

「行こう!」

 

今はこうして一緒に戦える時間に集中しよう。その後のことは考えない

 

 

 

 

フウside

 

「アゲアゲで行くよ!」

 

「夢見る乙女の底力!受けてみなさい!」

 

バタフライとドリームの合わせ技でシュプリームにダメージを与えつつ、ウィングがマジェスティとフローラとプリンセスであるプリキュアたちと共にシュプリームに攻撃をくわえるが……

 

「むぅ~ウィング……プリンセス好きなんだから~」

 

「アス、そう言うのは後にしろ。今は……」

 

迫り来るイクスの右腕の首。俺たちは避け……

 

「星風の双剣!」

 

風を纏い、巨大化した刃で竜の首を切りつけ、更に……

 

「私の想いを沢山込めた一撃!星地の斧!」

 

巨大化した斧でイクスの首の1つを切り落とした。

 

 

 

 

 

なゆside

 

左腕のイクスの首が僕とブラペに迫る。僕は前に出て暴食の力で防いだ

 

「ブラペ!」

 

「分かってる!ペッパーミルスピンキック!」

 

エネルギーを纏ったキックをイクスの首に放ち、額をへこませると同時に僕は正義の剣を構え……

 

「八番目の大罪!僕の正義の一撃を喰らえ!」

 

青白い光を纏った刃が左腕の首を切り落とした

 

 

 

 

紫乃side

 

一青と共に右足の首から放たれる光線を避け続ける

 

「一気に決める!紫乃!」

 

「あぁ!」

 

『雪の呼吸!奥義!拾ノ型!雪月花!』

 

『十二月の呼吸!終ノ月!』

 

一青との同時攻撃でイクスの首を切りつけるが、少し浅かった

 

「それなら!」

 

僕は自分の腕を切り落とし、日輪刀に血を纏わせた。

 

「血鬼術!血癒ノ刃!」

 

血を纏った斬撃を飛ばし、イクスの首に過剰回復を与え、脆くなり始めた。

 

「一青!もう一度」

 

「あぁ!」

 

二人の呼吸を合わせ、同時に放った

 

『雪の呼吸!月の型!雪花ノ月夜!』

 

合わせ技でイクスの右足の首を切り落とした。

 

 

 

陽斗side

 

迫り来るイクスの左足の首。このまま僕を喰らおうとしているのか?だけど僕はイクスの口の中にアレキサンドライトの剣を突っ込ませ

 

「アレキサンドライト!破壊の竜の首を!」

 

そのまま全力で左足の首を切り裂いた。

 

 

 

 

 

クロトside

 

尻尾の首が迫り来る中、俺は首を掴み

 

「砕けてろ!」

 

握り潰した後、高く飛び上がり……金棒を大きく振り上げた

 

「そしてぶっ潰れろ!」

 

そのまま尻尾の首を叩き潰した。残るは頭の3本と胸の頭だけ!

 

 

 

 

 

ミナトside

 

右側の頭が鋭い棘を放ってきた。俺は避けずにそのまま鎧で弾いた

 

「悪いな。育んできた愛がその程度の攻撃で貫かれると思うな!」

 

高く飛び上がり、左腕を斧に変え、そのまま一直線に右側の頭を切り裂いた。

 

 

 

 

 

 

海斗side

 

雷を放つ左側の頭。僕は矛を回転させ雷を弾いていく

 

「この矛は時間制限付きだからね。一気に終わらせる!」

 

矛が水を纏い、巨大化すると僕はその矛を左側の頭に目掛けて投げ、そのまま左側の頭を貫くと同時に矛は消滅した

 

「後は任せたよ」

 

 

 

 

 

グーリside

 

真ん中の首が我とリウムを絞め潰そうとするが、リウムの水の塊によって防がれた

 

「これで決める」

 

「そうだな」

 

我が作り上げた巨大な氷の槍にリウムが水を纏わせ、そのまま真ん中の首に向かって放ち、真ん中の首は抉られ、そのまま消滅した。

だがその瞬間、胸の頭が延び始め、そのまま身体を捨てて逃げていった。

 

「追いかける?」

 

「いや、後はあいつらに任せよう」

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

「馬鹿な馬鹿な馬鹿な!!俺がこのまま負けるなんて……だがこのまま逃げれば!回復した後、再び奴等を!」

 

「このまま逃がすと思うか?」

 

逃げ出した最後のイクスの頭。東洋の竜みたいな姿だけど……

 

「まさか、邪竜の読みが当たるとはな」

 

「ふっ、何となく感じたのさ。宇宙皇帝の名の割にはどうにも逃げ腰な感じがさてね」

 

黒い鎧を纏うオルドは呆れながらそう告げた。

 

「逃げ腰だと!?俺は……」

 

「お前は最初から破壊の力を使っている。シュプリームはここぞと言うときに使うと言っていたのを聞いてね。思ったんだ。本当に強いなら奥の手は……最後まで使うって」

 

「それに……お前の言う反逆の意思を持つものを消そうとするのは……自分を倒せる可能性がある奴を真っ先に消せば、死ぬことはないからだろ。お前は臆病なだけだ」

 

オルドとノアは剣を構えながら、そう告げた。イクスは悔しそうにしながら……

 

「俺は……臆病ではない!!」

 

イクスは口を大きく開け、ブレスを放とうとするが僕は杖を巨大な剣に変えた

 

「イクス……このまま決める!!!」

 

僕、ノア、オルドの三人が同時にイクスに向かっていく。イクスはブレスを放つが、僕らはそのブレスを切り裂きながら突っ込んでいき、イクスの身体を切り裂くのであった

 

「俺が……俺が負けるなんて…………オオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

 

イクスはそのまま爆発し、消えるのであった。後は……

 

「うっ……」

 

突然聖竜の力が消え、元に戻ってしまった。

 

「桜空、後は俺が行く。お前は……」

 

「休んでられないよ……オルド……再融合だ」

 

「やれやれ……負担が大きいことを忘れるなよ」

 

オルドと再融合をし、僕らはプリズムたちの所に向かうのであった

 

 

 

 




桜空(聖竜)

四元の器が想いの力により聖杯へと変わり、桜空に一時的に与えた姿。白い騎士甲冑にピンクを交えた杖を持ち、竜たちには星竜の力を与え、なゆたちには協力なバフを与える。杖は遠距離、中距離、近距離に対応でき、万能。但し聖竜の姿は一時的のため長くは使用できず、いつでも使えるわけではない


次回でオールスターズ回完結!
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108 もう一度二人で……

今回でオールスターズ回完結!


桜空side

 

オルドと再融合し、ノアと共にシュプリームのいるところに辿り着くとシュプリームはプリキュアたちを踏み潰そうとしていた

 

「流石!でも僕の方が強い!」

 

だけどシュプリームの足を押し返そうとする二人がいた。それはブラックとホワイトの二人だ

 

「強いか弱いかじゃないの!」

 

「私たちの明日は自分達で決める!」

 

「じゃあ、そんなのなくしてあげるよ!もう一度!」

 

二人がシュプリームを押し返すとシュプリームは再び破壊の力を放つが、何かによって遮られた。それはプーカだった

 

「プカー!」

 

『シュプリームと同じ破壊の力を宿しているんだ。同じ力がぶつかり合えば当然、相殺することが出来る』

 

「それなら!」

 

僕はその隙を突き、シュプリームに攻撃を喰らわせる。

 

「ちっ!イクスの奴!負けたのか!」

 

シュプリームはプーカを殴ろうとしてきた

 

「お前……やっぱりあの時消しておけば!」

 

すると紫乃、グレース、アンジュ、フェリーチェの四人がシュプリームの拳を防いだ

 

「させないラビ!」

 

「プーカは今生きてるの!」

 

「あまねく命は祝福されるもの!」

 

「輝く未来への可能性だよ!」

 

「その可能性をお前が消す権利はない!」

 

「その小さな存在が何だと言うのさ!」

 

シュプリームは四人を蹴り飛ばすとプーカを握りつぶそうとした。

 

「なんでもできる!なんでもなれる!自分を信じて!」

 

エールの言葉が響く中、プーカの周りに眩い光が照らされた。それはコメコメ、キャンディ、モフルン、ペコリンがプーカの周りに集まり、ライトを輝かせている。

 

「あれって……」

 

「そうだよ。モフルンたちは……」

 

「そうだな……妖精たちにも奇跡は起きる」

 

陽斗とクロトの二人が笑みを浮かべながらそう告げた。その瞬間、プリキュアたちと共に歩んできた妖精たちのライトも輝き、コメコメたち四人がプリキュアに近い存在が現れ、プーカに宿るとプーカはキュアシュプリームに似たプリキュアに変わった

 

「お前!」

 

「キュアプーカ!」

 

プーカは叫びながらシュプリームの胸に合った結晶を殴ると結晶にヒビが入った

 

「この力は嫌いプカ!でもこの力で誰かを助けることもできるって、やっと気付いたプカ!」

 

「消えろ!お前たち全部!」

 

シュプリームは両手でプーカを潰そうとしたが、僕、ノア、スカイ、プリズムでプーカが潰されないように押さえ込んだ

 

「消されたりなんかしないよ!」

 

「この心だけは誰にも壊させはしません!」

 

「お前は知るべきだったのは、命の意味を!」

 

「プリキュアの……みんなの想いがなんなのかを!」

 

「ぬぅ!?」

 

「何度倒れても絶対に諦めない!」

 

「きっとそれが私たち!」

 

プレシャス、サマーの攻撃を喰らい、仰け反るシュプリーム。僕らはその勢いでシュプリームの結晶にパンチを喰らわせる

 

「ウアアアアアーーー!」

 

シュプリームがパンチを繰り出そうとするが、ウィング、アンジュ、フェリーチェ、フローラ、マジェスティ、フウ、ミナト、陽斗でその拳を押し返す

 

「何なんだ!」

 

シュプリームは蹴りを放つが今度はバタフライ、アース、マカロン、ミルキー、クロト、一青で押し返し、追撃にプリズム、フィナーレ、グレース、ラメール、ノア、紫乃、ブラペ、リウムが攻撃を繰り出し、僕、スカイ、プレシャス、サマー、なゆ、グーリで更に攻撃を喰らわせると、プリキュア全員が一気に突撃していく

 

「何なんだ!お前たちはーーー!?」

 

『私たちは!』

 

「プリキュアです!」

 

プリキュア全員の想いを込めた一撃がシュプリームの結晶を砕くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「起きたみたいだな」

 

「えっ?」

 

目覚めたプリム。衣装は黒いままだけど肌が白に変わっている。僕は目を覚ましたプリムの事をみんなに教えた

 

「なんで?」

 

「なんでって……同じ釜のご飯を食べた仲間だもん」

 

「それじゃ……材料探しです!」

 

「やれやれ……最後まで付き合うか」

 

「そうですね」

 

みんなで鍋パーティーをするのはいいとして、オルドとリウムが参加するのは驚きだ

 

「二人は帰らないのか?」

 

「帰るべきだけど、君たちの敵である僕たちは……」

 

「ですがそれでも参加してほしいと……彼女たちに言われましたから」

 

『良いのではないか?桜空』

 

まぁいいか。こういう敵味方関係なしのパーティーも……

 

「これがプリキュアか……」

 

「何故僕がこの姿になったのか?今は分かる気がするプカ」

 

気がつくといつの間にか後ろにいたプーカは語りだした。自分がプリキュアになったのかを

 

「僕を作ったとき、君はもう変わり始めていたんだプカ」

 

「そうか……僕はあの姿に憧れたんだな。でも僕は……一人だ」

 

一人だと言うプリムの手をプーカが握りしめた

 

「もう違うプカ。始めるプカ。ここからもう一度……二人で……」

 

こうしてながかった戦いが終わるのであったが…………

 

「桜空、君が見た僕の過去……誰にも語るなよ」

 

オルドはそう言って鍋の材料探しに向かった。あの時、僕が見たオルドの過去……幼いオルドが泣きじゃくりながら誰かに助けを求めていた。オルドが姉と呼ぶその人物に見覚えがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだだ……まだ終わりではない」

 

宇宙空間にて、黒く輝く何かがいた。それはイクスの身体の一部

 

「あの時……俺の力と身体の一部を切り離すことで……完全に消滅は逃れた……時間をかけ必ず復讐を……」

 

「……いや、お前は終わりだ」

 

不意に声が聞こえた瞬間、イクスの欠片は巨大な蛇に飲まれた。飲み込んだのはウロボロス

 

「破壊の力……お前の力は私の計画の役に立ってもらうぞ」

 

ウロボロスはそう言いながら姿を消すのであった。

 




不穏な終わり方をしつつ、次回から本編に戻ります
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109 ソラ、コーチ就任

今回から本編に戻ります!


桜空side

 

ある日の昼休み、ソラの前に人集りが出来ていた。その人集りが出来ている理由と言うと……

 

『ソラ・ハレワタールさん!』

 

「今日こそ、うちのサッカー部に入ってくれ!」

 

「いいえ! バスケ部よ!」

 

「バレー部にぜひ入って下さい!」

 

「テニス!」

 

「空手!」

 

「セパタクロー!」

 

「タ、ターイム!」

   

「ソラさんは今からお昼ご飯です!」

 

「ご飯を食べないと、ソラちゃんは全然元気が出ません!」

 

「お誘いは、ご飯の後に、して下さーい!」

 

なんと言うか……みんな諦めないな……

とりあえず勧誘も去り、昼食を食べることになった。

 

「今日も大人気だね、ソラちゃん!」

 

「ソラちゃんは運動神経すご過ぎるもん!」

 

「でも、本当にどの部活にも入るつもりないの?」

    

「スポーツは好きですが、私が目指しているのは、ヒーローなので!」

 

「まぁソラらしいな」

 

「そういう真倉くんだって、結構勧誘受けてない?」

 

「あー確かに何か2年生になってからだよね」

 

「僕の場合は……まぁそれとなく断ってる」

 

勧誘されるようになったのも、進級してから竜の力を上手く扱えてなかったのが原因だったし……

そんな話をしているとまた来客がきた

 

「失礼します!」

 

「女子野球部のたまかなコンビだ!」

 

「たまかな?」

 

「ああ、ソラさん、知らない?」

   

「ピッチャーの四宮たまきさんと、キャッチャーの扇かなめ先輩! ソラシド学園の女子野球部を連戦連勝に導く最強バッテリーだよ!」

 

「バッテリー……」

 

「ソラ・ハレワタールさん!」

 

「は、はい!」

 

「女子野球部の特別コーチになって下さい!」

 

「お願いします!」

 

『お願いします!』

 

「と……特別コーチ!?」

 

勧誘じゃなくまさかのコーチ!?

 

 

 

 

ノアside

 

仕事を終らせ、グランドに来た俺。ソラが女子野球部に頼まれ事をしたらしく、俺もそれに付き合った方が良いと桜空に頼まれた。まぁ俺も少し気になることがあったからいいが……

女子野球部がソラに頼んだことはコーチ。理由としてはピッチャーのたまきと言う少女が肘を故障し、次の大会には間に合わないらしい。その間ソラを相手に練習したいらしい

 

「頑張る人の背中を支える……それがヒーロー! 私でよければ、特別コーチ、やらせて下さい!」

 

『ありがとうございます!』

 

まぁソラからしたら断る理由はないよな

 

「ところで……野球って、どんなスポーツですか?」

 

まぁそうなるわな。とりあえずソラは説明を受けると……

 

「あぁアスさんとやった奴ですね!」

 

アスとやったか……何か不安になるな……うん、色々と……

 

早速コーチをすることに……

ソラは投げれば豪速球、打てばホームラン、捕ればスーパージャンプでキャッチ。これ……人選合ってるのか?

 

「ねえ、何とか女子野球部に入ってもらえないかな?」

 

「確かにソラさんはすごいよ。でも私達、連続優勝目指して、ここまで頑張ってきたじゃん!ソラさんの手を借りて、もっともっと強くなって、このメンバーで優勝しようよ!」

 

「だね! ごめん、たまき!」

 

「ちゃんと休んで、早く戻ってきてね!」

 

「たまきさんも、皆さんも、カッコ良いです!」

 

 

 

 

その日の夜、みんなにソラがコーチをすることを話していた。

 

「あー、あれが野球なんだ」

 

「皆さんの見ていましたが、アスさんとやったのはちょっと違う感じでしたね」

 

「そうなんだ……」

 

「アス……どんなことをしたんだ?」

 

「えっと……私が投げたボールをソラちゃんが打つってだけだけど?」

 

「凄かったです……近くにあった木は折れ。私が投げたボールもバットで突いただけで粉々に……」

 

「楽しかったな……今度また」

 

「はい!」

 

楽しそうなソラとアス。俺たちは言うと止めるべきか悩むのであった。

 

 

 

 

 

それから練習が続き、俺も時間があるときは付き合うことにしているが……やはりと言うべきか……いや、今はソラの事を見守るか

 

「お疲れ様!」

 

ましろが差し入れにくもぱんを持ってきて、俺たちも食べていた。にしても……

 

「桜空も参加か」

 

「ソラに頼まれたからな……まぁそこそこ加減をしながらだけど」

 

「そうか」

 

「ましろさん、差入れありがとう!」

 

「いえいえ!」

 

「ソラさんもありがとう! おかげで良い練習ができてるよ!」

 

「たまきさんが、色々と教えてくれたからです!」

 

「休んでるんだし、それくらいはね!」

 

「実は、ソラさんに特別コーチをお願いしたいって言い出したの、たまきなんだ!」

 

「そうなんですか?」

 

「うん……肘を痛めて、練習を休まないといけなくなって……」

 

「たまきが練習もできないんじゃ、優勝は難しいかもって、みんな落ち込んでたんだ……でも……」

 

たまきは部員のみんなに休むことについて謝り、自分も出来るだけ部員が強くなれるように頑張ると言ったらしい

 

「自分だって辛いだろうに……チームのために動いてくれたんだ……」

 

「たまきさん……」

 

「連続優勝するって決めたからには、絶対に諦めたくなかったの……だって、勝つために努力するのがエースだから!と言っても、今は、ソラさんに頼るしかないんだけど……」

 

「たまきさんの気持ち、分かります……」

 

「優勝目指して、一緒に頑張りましょうね!」

 

「うん!」

 

ソラとたまきの二人は握手を交わすのであった。

 

 

 

 

 

 

その日の夜……俺の部屋に……

 

「大丈夫だ。俺一人だ」

 

「……ノアさん」

 

訪ねてきたのはましろだった。ましろは思い詰めた顔をしていた。

 

「学校での様子は大丈夫なんだろう」

 

「うん……家でも普通だった。だけど……」

 

「四元の器かもしくは桜空自身が強くなった。そう思おう」

 

「はい……」

 

少し前にましろから頼まれた事……それは桜空が邪竜と融合した時の後遺症が出てないのが心配らしい

 

「邪の力は想いの力で何とか出来るらしいからな。心配なら抱き締めるなりキスするなりしてやれ」

 

「……はい」

 

ましろはそのまま部屋を後にするのであった。




ましろと桜空はその後滅茶苦茶イチャイチャした

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110 一人で背負い込まない

ノアside

 

ある日の練習中、たまきがソラや部員たちに肘の手術について聞かされた。手術をして、リハビリをすれば前みたいに投げられるようになるらしいが今度の大会には間に合わないらしい

たまきはそれではダメだと思い、大会が終わったあとに手術を受けるから今度の大会で投げさせてほしいと言うが……

 

「駄目だ……野球、続けたいんでしょ?」

    

「はい……」

 

「それなら、お医者さんの言う通り、酷くなる前に手術するべきだよ」

   

「でも、連続優勝がかかってるんですよ? それに、かなめ先輩は卒業しちゃうから……これが最後の大会なのに……」

 

「たまきさん……」

 

「落ち込むのは、そこまで! 私達がこんなんじゃ、たまきも安心して手術受けられないだろ!」

 

「そうだよね……私達、ソラさんに鍛えてもらって、どんどん強くなってるもん!」

 

「たまきの分まで絶対に勝ってみせるから!」

 

「みんな……」

 

「うん! みんな、絶対勝ってよね!」

 

明るく振る舞っているが……あの様子だとな……

ソラも心配し、片付けの最中にかなめに話していた。

 

「たまきさん、大丈夫でしょうか?」

 

「明るく振舞っていたけど、辛いと思う……」

 

「どうして……」

 

「だって、たまきはエースだから。エースは、チームの勝利を背負って、たった1人でマウンドに立つ……チームの中心だし、みんなを引っ張っていかなきゃいけない……だから、辛いとか怖いとか、みんなの前で言えなかったんじゃないかな?実は、次の大会で、たまきの代わりに投げるの、私なんだ……」

 

「かなめ先輩が!?」

 

「ソラさんに沢山鍛えてもらったから、大丈夫だよ!それに、たまきに、自分が休んだせいで負けたなんて思ってほしくない……だから、絶対に勝ってみせる」

 

 

 

 

 

 

 

「俺には分からないことだな」

 

「何がですか?」

 

ソラとましろ、桜空と帰る中、俺はソラにあることを話していた

 

「怪我に関してだ。人間は怪我をすれば治るにも時間がかかる。下手すれば二度と好きなスポーツを出来なくなる。完全に治しても精神的な問題が起こる」

 

「ノア……竜は違うんですか?」

 

「竜は基本的に怪我をしても直ぐに治る。人間とは本当に違うからこそ、分からない事がある」

 

「……ですが分かる事があります」

 

「ん?」

 

「ノアが怪我をしたら私はすごく心配します。直ぐに治るからと言っても……それでも心配です。ノアも同じですよね?私が怪我をしたら……」

 

「……そうだな。心配するな」

 

「それに気持ちに寄り添えることも出来ますから……」

 

「そうか……とは言え」

 

前を歩く桜空とましろを見つめた。桜空の場合は心配かけているのに無茶をしている……本当に取り返しのつかないことをやらかさなければいいんだけどな……

 

「ましろさん、桜空さんの事心配してますけど……桜空さんは気がついているのでしょうか?」

 

「さぁな……」

 

気が付いていても……無茶をしそうだな

 

 

 

 

 

それから数日後の大会当日、どうにも手術の日と試合の日が重なったらしい。とは言えそれでも野球部員はたまきの為に頑張ろうと言う気持ちで試合に望もうとしていたが……たまきが病院からいなくなったとの連絡があった。ソラたちと共にたまきを探すことになった。

俺は色々と探し回っているとグランドにソラとたまきの二人がいるのを見つけたが……たまきはどうにも思い詰めている表情をしていた

 

『エース失格だよね……私、大会には出られないし、病院からは逃げ出すし……』

 

『そんな事ありません! 怖いですよね……分かります……』

 

『ソラさんには分からないよ!野球が好きで、野球ばっかやってきたの! なのに、肘は手術しなきゃだし、私のせいでチームが負けちゃうかもしれないんだよ!みんながグラウンドにいるのに、私は1人で病院にいて、こんな気持ち、分かる訳ない……』

 

『たまきさん……』

 

思った以上に精神的に追い詰められていたみたいだな。ソラはどうしたらいいのか分からず、言葉に迷っていた。そんなとき……ソラたちの前にスキアヘッドが現れた

 

「プリキュア」

 

「あなたは!」

 

「ここで消えてもらう。アンダーグエナジー!召喚!」

 

スキアヘッドはピッチングマシーンとグローブからキョーボーグを生み出した。

 

『か、怪物……ソ、ソラさん……逃げないと!』

 

『分かります……一人ぼっちで戦う気持ち……』

 

ソラはミラージュペンを取り出すと……

 

『ヒーローの出番です!』

 

ソラはプリキュアに変身する

 

『スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!スカイ!きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ!無限にひろがる青い空!キュアスカイ!』

 

プリキュアに変身し、キョーボーグに挑むが、スカイ一人ではかなり厳しい。俺は戦闘形態になり、キョーボーグを殴った

 

「ノア!」

 

「え?ノアさん?」

 

「スカイ!時間は稼ぐ!先ずは……」

 

「たまきさんを避難させます!」

 

スカイはたまきを抱え、グランドから離れようとしたが……突然水の柱が現れ、スカイの進行を妨害した

 

「これは!?」

 

「次に会うときは……敵同士……忘れてないですよね?」

 

キョーボーグの隣にはリウムの姿があった。

 

「リウムさん……」

 

「キョーボーグに……リウムか……」

 

俺は四元の力を解放し、キョーボーグとリウムを相手取る。スカイには隙を見つけて、避難するように伝えたが……リウムの水の刃が遮り続ける

 

「ソ、ソラさん、逃げよう……このままじゃ……」

 

「昔、こう思っていたんです……一人ぼっちを恐れない。それがヒーロー。でも、そうじゃないんだよって教えてくれた人がいて……そのおかげで、私は、もっとヒーローに近付けたと思っているんです……かなめ先輩から聞きました。エースは、チームの勝利を背負って、たった1人でマウンドに立つんだって……でも、1人で何もかも背負わないで下さい……」

 

「ソラさん……」

 

「私もたまきさんも、1人じゃない!」

 

このままキョーボーグもリウムの攻撃が続くと……避難させるのが難しい……四元の力を解放しているが……それでも力を抑えている状態だ。本気を出せば何とか出来るが、熱でたまきに被害が出る。どうしたらいいのか悩んでいると、リウムの氷の刃が凍りついた。

 

「お待たせ!」

 

キョーボーグが現れたことを察知し、桜空たちがやって来た。プリズムたちがキョーボーグを抑えている間、スカイはたまきを避難させ、桜空、アスはリウムに立ち塞がる中……俺は二人の前に出た

 

「グーリ。悪いが今日は少し譲ってもらうぞ」

 

『……分かった』

 

俺は星竜の力を借り、星炎竜となってリウムに挑む

 

「炎と水……水の方が有利だと思ってないか?」

 

俺は星炎を纏った拳でリウムの水の刃を殴ると水の刃が沸騰し始めた

 

「火力で水を蒸発させる……ですか……今日はここまでにしておきます。彼の様子を見たかったので……」

 

リウムはスカイたちと戦う桜空を見つめ、姿を消した。

 

 

 

 

桜空side

 

キョーボーグの攻撃を回避しながら、攻撃を繰り出していき、少しずつキョーボーグにダメージを与えていく。そんな中、スカイはプリズムから光弾を受取り、全力でキョーボーグに投げつけ、キョーボーグがダウンした。その隙に……

 

『マジェスティクルニクルン!ひろがる世界にテイクオフ!プリキュア・マジェスティック・ハレーション!』

 

マジェスティック・ハレーションでキョーボーグを浄化するのであった。

 

 

 

 

 

ノアside

 

それからたまきも気持ちを持ち直し、手術を受けることを決意した。野球部の試合も無事に一回戦を突破したのだった。

 

 

 

 

桜空side

 

「…………」

 

自分の部屋で僕はため息をついていた。するとグーリ、ノワールたちが姿を現した

 

「桜空……どうした?」

 

「まさか……前に邪竜と融合した影響が?」

 

「だとしたら皆にも……」

 

「……それが全く言っていいほど……影響がないんだ……」

 

多少影響が出ると思っていた。だけど全く無かった……もしかしたらましろとのイチャイチャ……想いがと思ったけど……

 

「まるで……いや、ましろとの想いだと思う」

 

まるで……邪の力が馴染んでいる?まさかな……




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111 引越しとあげはの思い

アスside

 

「ヨヨさん、改めて今日からお世話になります」

 

「すまないな。急な申し出を受けてくれて」

 

「良いのよ。状況を考えれば……」

 

私とフウは荷物を持って虹ヶ丘の屋敷にいた。理由は本格的に虹ヶ丘の屋敷に住むことになったからだ。邪竜が姿を現した頃から度々話としては出ていたが、あくまでそうした方が良いのではないかというだけだったが……

 

「それにしても……ふふ、引っ越してきた理由がフウさんらしくないわね」

 

「仕方ないだろ。アスは勿論……ましろにも言われたからな」

 

引っ越しを決意した理由は、フウとあげはの関係を進めるべきとましろが提案。勿論戦いが激しくなってきたからなるべく一緒にいた方が良いというのもあるが……そちらは3割くらいだね

後の7割はましろからの「あげはちゃん、答えを出すって言って、もしかしたら言わない可能性があるから……」とのこと。まぁあげはがそんなことをしないだろうけど……

 

「悪いな。アス……急に引っ越して」

 

「ううん、基本的にこっちで過ごしていたから……これからはツバサくんと夜も過ごせるから!」

 

因みに元の家はフウが何とかしたらしい。まぁ竜族のあれをあれしてあれしたからね

 

「とりあえずみんなには既に話しているけど、今はツバサくんとエルちゃん、星竜しかいないわ」

 

そういえばソラたちは学校か。ノアは仕事だし……あげはは実習か……

 

 

 

 

 

あげはside

 

幼稚園でたける君が泣いていた子を励まし、一緒に砂の山にトンネルを作るのを見守っている中、私はフウさんたちが住むことになったことを考えていた

 

(前々からその話は出ていたのは分かってたし、一緒にいた方がいいって話も分かるけど……フウさんが乗り気なのはやっぱり告白の返事だよね……)

 

あの戦いで返事をするとは言ったけど……なぁなぁで流れる感じもあった。そうなったら仕方ないって思ってたし、私自身もフウさんが改めて聞いてくるのを待っていた所もある……だけど今回の引越しの話を進めたのはましろん。ましろんも私たちの関係を何とかしたいと思っていたからだろうけど…………

 

(まさかましろんがそこまで乗り気とは…………まぁ桜空の一件もあるからだろうけど……)

 

桜空も邪竜と融合したのにも関わらず、特に平気そうにしているのが気になっていた。それを含めて桜空を見守る人が多いと判断したんだろうけど…………

 

(答えか……)

 

私の答えは……既に決まっている。だけどやっぱり言うタイミングが……いや、それを含めても色々と考えてしまう……特に答えを言う場所とか雰囲気とか…………本当にどうしたものか……

 

 

 

そんな事を考えたいたが、その日の夜は特にフウさんから何も聞かれなかった。何でだろうと思ったけど、ソラちゃんたちが歓迎会とかを開いていたからそう言う雰囲気じゃなかったのかな?

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

ここ最近ましろが僕の部屋を訪ねてくる事が多い……まぁましろも僕の事を気遣っているからなのだろうけど……そんな中、ましろからフウの話が出た

 

「待っているって……あげは姉の返事を?」

 

「うん、前々から相談されてたけど……焦って返事がまだかとか聞くよりも待った方がいいって教えたの」

 

「だから今日は……あげは姉的には答えは決まってたりするのか?」

 

「うーん、多分だけど……決まってると思う。ただ色々と考えてるかもしれない」

 

もしかして拘っているからとかなのか?

 

「僕も……告白の時拘った方が良かったか?」

 

「ううん、私は特に……あ、でも……その////」

 

何故かましろは顔を赤らめていた。告白は特に拘らなくてもということは……

 

「……プロボーズ?」

 

「うん……ロマンチックにプロポーズしてほしいかな///」

 

「そ、そうか……か、考えておく///」

 

お互いに顔を赤らめながらも、キスをしてそのまま一緒に寝るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

フウside

 

引っ越してから数日後の夜、あげははため息をついていた。ソラたちは心配して理由を聞くと仲の良かった園児であるたけるが引っ越してしまうらしい。たける自身も引越しでみんなとお別れをすることで落ち込んでいるらしい。どうにか元気付けたいとあげはは思っている中、ツバサがあることを聞いていた

 

「あの、今更ですが、その最強の保育士って何なんですか?」

 

「強い先生って事です?」

    

「うーん……そういう強いじゃなくって……私が小さかった頃、お父さんやお姉ちゃんと離れて暮らす事になって、悲しくて、保育園でも落ち込んじゃって……そんな時、傍で見守ってくれた先生がいたんだ!雨の日も、晴れの日も、ずっと気にかけてくれて……」

 

その先生はあげはの手を握り、悲しいの悲しいの飛んでけーとおまじないをしてくれたらしい

 

「先生の手が、すっごく温かくて、心まで温かくなった気がして……保育園の先生ってすごい……最強だって思ったの」

   

「その先生が、あげはさんの心を守ってくれたんですね」

 

「子供の心を守る……それが、私が思う最強の保育士……

でも、私は、たける君に何にもしてあげられない……このままお別れなんて……」

    

「あげはちゃんも寂しいよね……元気出して……」

 

「ありがとう、ましろん。でも、私の事はいいの……今はただ、たける君に笑ってほしい……」

 

「あげはちゃん……」

    

「……って、ごめんごめん! 大丈夫! 明日は、バッチリアゲてくから!」

 

あげははそう言って笑顔で言うが……何となく伝えたいことがあった。それはツバサも同じように思っている感じだった。




それぞれのトーンコネクト(意味深)
ソラ×ノア→キスのみ
ましろ×桜空→未遂または未満
ツバサ×アス→キスのみ

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112 心に寄り添う

フウside

 

あげはに伝えたいことがあり、俺は車から降りるあげはに声をかけようとするとあげはのバッグからプニバード姿のツバサが出てきた。俺は邪魔をしないようにこっそり二人の話を聞くことにした

 

『少年!? 何してんの!?』

 

『どうしても言いたい事があって……あげはさんは、寝ている時も子供達の事を考えて笑っているような、おかしな人なんです!』

 

『お、おかしなって……』

 

『でも、そんなあげはさんだからこそ、たける君や子供達は、あげは先生が好きなんだと思います!無理に笑おうとしないで下さい……そのまんまのあげはさんでいればいい……十分、素敵な保育士さんなんですから……』

 

『ツバサ君……』

 

『じゃ、ボクは忙しいので!』

 

「ツバサ……お前、アスに言いつけるぞ」

 

「フウさん!?いつから!?」

 

「あげはに伝えたいことがあったんだが……ツバサ、あまりそう言う事を軽々しく言うなよ」

 

「ぼ、僕はパートナーとして……」

 

「あ、あはは……フウさんが伝えたかったことって?」

 

「ツバサに大体言われたからな……まぁあげははあげはらしく接してやればいいんだよ。俺が好きになったお前らしくな」

 

「あっ///」

 

「な、何か僕……お邪魔みたいですね」

 

「そうだね。帰ろうか~」

 

何故かいつの間にかいたアスが笑顔でいた。

 

「アスさん!?いつから?」

 

「さぁてね。とりあえずそういう無自覚を自覚しようね。それじゃ!」

 

アスに腕を掴まれながら引きずられていくツバサ。さて、俺も……

 

「そうそう、フウは見届けあげたら?認識阻害してね」

 

アスはそう言ってツバサと一緒に去っていくのであった

 

「認識阻害?」

 

「神竜族にはそう言う事ができる。アスもそれで後をつけてきたんだろう」

 

「そっか……それで見届けるの?」

 

「あぁ」

 

俺は風の力を利用して、認識阻害をするのであった。

 

 

 

 

暫く様子を見ていると雨が降ってきた。あげはは園児たちに中に入るように言うが、たけるだけは中に入ろうとせず、砂場にいた。

あげはは呼び掛けるが、建物に入ろうとしなかった。その様子を見てあげははたけると一緒に遊び始めた

 

「よーし! 先生もトンネル作っちゃお!そういえば、前にここで宝探しした事あったよね? ボール埋めたりして!他にも、たける君とは、色んな遊びしたな……ヒーローごっこでしょ! 鬼ごっこでしょ! みんなで手遊びもしたり!たける君、何でも上手だったな……朝も元気な声でごあいさつして……お当番も頑張って……困ってる子を守ってあげて……」

 

思い出を語るあげはだったが、少し泣きそうになっていた。それだけ寄り添えていたんだな。あげは……

 

「開いた! トンネル!」

 

「ごめんね……せんせい、いっぱいあそぶって、いってくれたのに……」

 

「たける君……」

 

「ぼく、このまま、このほいくえんにいたかった! あげはせんせいと、もっとあそびたかった!」

 

「うん……先生も、もっと一緒にいたかった……でも、忘れないよ……一緒に沢山遊んだ事も、美味しい給食食べた事も……こうやって手を繋いだ事も……」

 

「ぼくもわすれない……あげはせんせいのこと……」

 

「いっぱいあそんでくれて、ありがとう!」

 

「まだまだ遊ぶよ! たける君!」

 

何とか出来たみたいだな。あげは……それにしても帰ったはずのツバサとアスがこっそり見ていることに関しては何も言わない方がいいか?

そう思っていると、突然の突風と共にスキアヘッドが姿を現した

 

「アンダーグエナジー召喚!」

 

スキアヘッドは枯葉とドングリからキョーボーグを生み出した。

 

「たける君。みんなの所へ行って、保育園から逃げるよう、伝えられる?」

 

「できるよ! ぼく、さいきょうだから! あげはせんせいとおなじだから!」

 

あげははたけるを見送り、ツバサとアスも駆け付け、俺も並び立ち……

 

「三人とも!行くよ!」

 

あげはとツバサはプリキュアに変身し、俺とアスは戦闘形態に変わった。すると空から何かが落ちてきた。

 

「初めましてと言うべきだな。プリキュアに竜たちよ!俺は臥竜のドルト」

 

鈍色の鎧を纏った男……こいつが邪竜の新たな……

 

「アス、こいつは俺がやる」

 

「分かった!」

 

バタフライ、ウィング、アスの3人はキョーボーグに戦いを仕掛ける。キョーボーグは両手のドングリのミサイルを放つ中、俺はドルトに向けて、風の刃を放つが……

 

「その程度の風!」

 

ドルトは手をかざし、風の刃を打ち消す。俺は攻撃の手を緩めず、風の塊をぶつける。それでもドルトは無傷だった

 

「いいな。お前……俺の糧になってもらう!」

 

臥竜……こいつの力は何なのかわからない以上、攻撃し続けるか?それとも様子を見るか……

 

「ハアアアアア!」

 

ドルトは距離を詰め、俺の腹を思いきり殴る。

 

「ぐううう!?」

 

一撃が重い……反撃しようにも……上手く身体が動けない……バタフライたちもキョーボーグのミサイルに苦戦している。どうしたらいいのか悩んでいると、氷と炎がキョーボーグとドルトを包み込んだ

 

「お待たせしました!」

 

「みんな、行くよ!」

 

ピンチに駆け付けてきたソラ、ましろ、エル、桜空、ノア、星竜。ソラたちはプリキュアに変身し、桜空たちは戦闘形態に変わった

 

「四元の器か!楽しめそうだな!」

 

「くっ……桜空、こいつの相手は任せた!」

 

俺は桜空にドルトとの戦いを変わってもらい、バタフライたちと共にキョーボーグに挑む

 

 

 

 

桜空side

 

「改めて俺は臥竜ドルト!楽しもうぜ!四元の器!」

 

ドルトがパンチを繰り出し続ける。僕は氷の盾で防ぎ続けるが、直ぐに破壊される

 

「臥竜……何かしらの力を使っているのか?」

 

「いいや!力はないんだよ!俺には!」

 

ドルトの回し蹴りの直撃を喰らう。1発喰らっただけでダメージが大きい……

 

「力がない?」

 

「あぁそうだ!俺はまだ能力がない竜!いずれ目覚める為に!お前たちとの戦いを楽しませてもらう!」

 

能力がないってことは……力押ししかできないって事でいいんだよな?それなら……

 

「四元解放!」

 

氷の四元を解放し、ドルトを凍らせていく。

 

「無駄だ!この程度……」

 

「あぁ……だから凍らせ続ける」

 

倒すことを考えず、足止めするくらいなら……

 

 

 

 

 

 

フウside

 

ノア、アスと共にプリキュアと協力してキョーボーグと戦うが、キョーボーグのミサイルが厄介だった

 

「痛っ!?」

 

何とかミサイルの軌道を変えたいが、ドルトとの戦いのダメージが大きい……どうしたら……

 

「フウさん、協力技いける?」

 

「少し威力は下がるが……」

 

「それでも充分!」

 

バタフライは駆け出し、ギリギリの所で高くジャンプをした。キョーボーグはバタフライに向かってミサイルを放つ。バタフライはバリアでミサイルを防ごうとするが、ミサイルはバリアを避けてバタフライに向かっていくが、

 

「読んでいたよ!」

 

バタフライはバリアを足場にして、更に高く跳び……ミサイルを避けた

 

「絶対にみんなを守る、最強の保育士になるって決めたから!」

 

バタフライは俺を見ている……俺はバタフライに答えるように高く飛び……

 

「「ひろがる!疾風!バタフライプレス!」」

 

合せ技でキョーボーグを怯ませた。そして

 

『マジェスティクルニクルン!ひろがる世界にテイクオフ!プリキュア・マジェスティック・ハレーション!』

 

マジェスティック・ハレーションでキョーボーグを浄化するのであった。

桜空の方を見るとドルトの姿はなかった。

 

「ドルトは?」

 

「凍らせていたんだけど……キョーボーグが浄化された瞬間に氷ごと消えた」

 

臥竜……桜空の話では能力を持たないらしいが……おかしい……神竜族は何かしらの能力を持って生まれるはずなのに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あげははたけるの家族が乗る電車が通る場所でミックスパレットを使い、見送り行っていた。

 

「見送り終わったのか?」

 

「うん……そういえばたけるくんのお祖母ちゃんって、実は私が保育士を目指すきっかけをくれた人なんだ」

 

「そうだったのか」

 

「うん、私……これからも最強の保育士を目指すよ……それでさ……」

 

「なんだ?」

 

「答え……伝えておきたい……私は最強の保育士を目指す……そんな私を近くでしっかり見届けてほしい……だから……フウさん……私もフウさんの事が好きだよ」

 

「……あげは。ありがとう」

 

俺はあげはの肩を掴み……顔を近づけた。あげはは目を閉じ…………キスをした

 

「これからよろしくね」




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113 思い出の木

桜空side

 

ある日の事、みんなでましろの昔のアルバムを見ることになった。改めて見ると懐かしいな~

 

「あ! この女の子って!」

 

「あげはさんです!」

   

「これって私達が出会った頃の写真じゃない? 最初、ましろんって、すっごく人見知りで、話しかけると、こんな感じだったもん!」

 

「そういえばそうだったな……」

 

確かあの頃って、僕が一緒だといつも僕の後ろに隠れていたような……

 

「小さくて、あまり憶えてないけど、そうだったみたい……」

   

「3人は、いつからこんなに仲良しに?」

 

「あ、知りたいです!」

 

「えっと、それは……」

 

するとソラが木の前でましろとあげは姉の二人がハートを作っている写真を見つけた。

 

「素敵な写真です!」

 

「はーと!」

 

「あ! この木、憶えてる! 確か、ここで仲良くなったんだよね!」

 

「そうだった。でも何かあったような……」

 

「確か……」

 

思い出そうとしたら、ある光景が浮かんだ。……あれって写真撮られてないよな?

みんなも仲良くなったきっかけを思い出す為にその場所に行ってみようと言う話になっている。見つけたらこっそり抜いて……

 

「ましろ、ちゅーしてる」

 

『はい?』

 

「あっ……」

 

エルちゃんが見つけた写真にみんなが注目していた。その写真は幼いましろが僕の頬にキスをしている写真だった。

 

「この頃からましろさんは桜空さんの事が大好きだったんですね!」

 

「これも……何のときだっけ?」

 

「うーん、覚えてない。桜空くんは?」

 

「恥ずかしいから言わない」

 

あの時の事は嬉しかった思い出だけど、今思うと恥ずかしいんだよな……

それからあげは姉の提案でみんなでましろとあげはの思い出の場所を探そうと言う話になった。

 

 

 

 

 

 

「みんなで宝探し楽しみだな~」

 

フウの車に乗りながら楽しそうにするアス。フウもいつも車を出してもらって申し訳ない。

 

「気にするな。俺もあげはの思い出の場所がどんなところか気になる」

 

「お前も変わったな」

 

フウとあげは姉が付き合い始めたって聞いたのはようやくかと思ったけど……何故かましろがニコニコしながら、あげは姉の部屋とフウの部屋を防音にしておくと言い出したりしてたけど……あれ……絶対からかってるよな?

 

それから前にもお世話になったせつこお婆ちゃんの家に着き、挨拶を済ませのんびりと過ごしていると

 

「思い出した……前に来た時も、ここでお茶したよね」

 

「うんうん!」

 

「…………」

 

「桜空の反応を見る限り、合ってるみたいだね」

 

「ねぇ、桜空くん。場所は覚えてないの?」

 

「場所は覚えてないのは本当だよ」

 

キスの件が衝撃的……いや、キスともう一つが衝撃的過ぎて場所に関しては印象がなくなってるからな……

とりあえずせつこさんに話を聞くが知らないみたいで、折角だから辺りを散歩しながら探すことに……後せつこさんが飼っている山羊の散歩を兼ねてだった

 

 

 

 

 

少し歩いていくと見覚えのある道に辿り着いた。

 

「あの頃と少し変わった所もあるけど、この道って前も来たよね?」

 

「という事は、この先に、きっとあの木が!」

 

するとちょっとした広場にあるブランコをエルちゃんが見つけた。

 

「ぶらんこ!」

 

「プリンセス? 遊びたい気持ちは分かりますが、今は我慢です。その代わり、木を見つけたら、あのブランコでボクと心ゆくまで……」

 

「つばさ、はやく!」

 

「え……」

 

「つばさ、あそぶのあと! がまん!」

 

「ツバサくん、後で一緒に乗ってあげるからね~」

 

「いや……ボクは……待って下さい!」

 

ツバサ……エルちゃんに振り回されてるな~

 

 

 

 

 

それから暫く思い出の木を探すが見つからず、気がつくと夕方になっていたが、麦が夕陽に照らされ綺麗な場所に着き……

 

「綺麗! ここはみんなと見つけた新しい思い出の場所だね!」

 

「じゃあ、そろそろ帰ろうか!」

 

帰ろうとしたとき、エルちゃんが被っていた帽子が飛ばされ、ソラとツバサの二人が拾いに向かった。

 

「確か、あの時も、帽子が……」

 

「あ! そうだった!」

 

 

 

 

 

ましろside

 

ちょっと思い出した瞬間……ある風景も思い出した。

 

『わたし、さくらくんとけっこんする』

 

「ふぇ///」

 

「どったの?ましろん?」

 

「あー、えーと……ちょっと恥ずかしい思い出が……」

 

「ましろ……もしかして……」

 

「う、うん///」

 

私って……あの頃から桜空くんの事が好きだったんだ……うぅ思い出すと何だか本当に恥ずかしい///

 

『じゃあちゅー』

 

「/////」

 

「ましろんが真っ赤に!?」

 

「ま、ましろーーー!?」

 

 




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114 新しい思い出

桜空side

 

色々と思い出してきたその日の夜、せつこさんに思い出したことを話した

 

「それで、探してるのは、2人の思い出の木なんだって?」

 

『はい!』

 

「手がかりは見つけました!」

 

「少しだけ思い出したんです! あの時も、お散歩してたら、私の帽子が飛ばされて……あげはちゃんと桜空くんが追いかけてくれたんですけど、帽子は、どんどん飛んでいって……あの木に引っかかってしまって……でも、その後が思い出せなくて……」

 

ましろ……ほっぺにちゅーとかには触れないのやっぱり恥ずかしいからか?いや、うん、僕も恥ずかしい

 

「だよね……私達、どうしたんだっけ?」

    

「きっと、あげはさんがどうにか帽子を取ってあげて、仲良くなったんです!」

 

「それなら、写真のましろさんが、かぶっていそうですが、帽子はどこにも……」

 

「ここ!」

 

エルちゃんが写真に指差した所を見ると、木に帽子が引っ掛かっていた。

 

「エルちゃん、すごい!」

 

「えっへんなの!」

 

「帽子は引っかかったままなのに、どうして2人は仲良くなれたのでしょう?」

 

「それと思ったんだけど、何で桜空が写ってないんだ?」

 

「うーん、多分遠慮したからとかかな?」

 

ノアの疑問にそう答える僕。まぁ子供の頃からそこら辺気にしてそうだな。僕

 

それからせつこさんに改めて木を見てもらうとあることを話してくれた

 

 

 

 

次の日、昨日訪れたブランコがある公園に僕らは来ていた。思い出の木は去年の台風で倒れてしまったらしい。

 

「でも、教えてもらってよかった!」

 

「うん! そのおかげで、あの時の事、全部思い出せたから!」

 

「そうだな……」

 

 

 

 

 

 

あの日、飛ばされて木に引っ掛かった帽子を取ろうとした僕とあげは姉。木に登っているとあげは姉の肩にリスが登ってきたことに驚き、そのまま落ちてしまった。僕もそれに驚いて一緒になって落ちてしまった。

 

「あっはは! 平気平気!」

 

「駄目! あげはちゃん、痛い痛いだもん……病院行こう!」

 

「ありがとう! でも、ホラホラ! 本当に平気だから!」

 

「あげは姉、危ないから僕が……あれ?」

 

ふと帽子を見ると帽子の中にリスが2匹いた。

 

「もしかして、リスさん達、帽子を気に入ったのかな?」

 

「そうみたい……」

 

三人して顔を見合わせ、笑っている中……

 

「あ、あのね……私、本当は、あげはちゃんとお友達に……」

 

「もう友達だよ!そうだ! これからは、ましろんって呼んでいい?」

 

それから二人は友達同士になり、あの日の写真を撮るのであった。

因みに……

 

「あ、桜空くん。怪我してる」

 

「ん?これぐらい……」

 

ちゅ

 

気がつくと頬に柔らかい感触が……

 

「ま、ましろ……その……」

 

「こうすれば痛いのなくなるって……」

 

「で、でもちゅーするのは結婚する人とじゃ……」

 

「じゃあ桜空くんと結婚するー」

 

 

 

 

 

 

 

「桜空くん、キスとプロポーズの印象が強かったから……」

 

「仕方ないだろ……うん」

 

「二人とも本当に……」

 

まぁ子供の頃らしい思い出だったってことだよな

 

「そういえばあのブランコは、この木で作られたんですよね?」

 

「きっとリスさんも、大切な思い出の木なんだね!」

 

「ボクらもです!」

 

「みんなでワクワクドキドキ! 宝探しみたいに探して、大切な思い出がいっぱいできました!」

 

「じゃあ、みんなで写真撮ろうか!」

 

それからみんなと何処からともなく現れたリスと一緒にミラーパットで写真を撮るが、シャッターの直前でくしゃみをするソラだった

。みんなで笑い合うと突然かかしと竹が合わさったキョーボーグが現れた

 

「スキアヘッド!」

 

「こんなところにまで!」

 

「みんな!行くよ!」

 

ましろたちはプリキュアに変身する

 

「「「「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「ウイング!」

 

「バタフライ!」

 

「マジェスティ」

 

「「「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」 

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「あげて広がるワンダホー!キュアバタフライ!」

 

「降り立つ気高き神秘!キュアマジェスティ!」

 

「「「「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」」

 

僕らも戦闘形態に変わると、キョーボーグの隣に突然一人の男が現れた

 

「今回は俺が遊ばせてもらう」

 

「腐竜のストレイア!」

 

「厄介そうな奴が現れたね……桜空、ノア、フウ、こいつは私がやるよ」

 

僕らは顔を見合わせ、互いに頷き合い、僕とノアでプリキュアたちの所に、フウはアスの所に残った

 

 

 

 

 

アスside

 

一人でやれるのに……心配性だな~

 

「気を付けろ。こいつは普通に戦っても勝てない……」

 

「分かってるよ。油断なんてしてないから!」

 

私が岩の塊を鋭く尖らせたものをストレイアに投げつけた。ストレイアは右腕を突き出し、私が飛ばした岩の塊をボロボロに崩した

 

「悪いが俺には生半可な攻撃は効かない」

 

「生半可な攻撃……ねぇ……」

 

私は岩を身体に纏わせ、ストレイアを殴り続ける。

 

「フウ!今のうちに!」

 

「!?わかった!」

 

私はストレイアの腹を思いきり殴りあげ、フウはその隙に風の刃でストレイアを吹き飛ばした

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

僕は氷刃刀をノアは炎の拳でキョーボーグに挑む。キョーボーグは竹槍を高速で突いてくる。この速度……弾いたりするのは難しい。それにこれだと正面からは……

 

「正面から危険だが……」

 

ノアは笑みを浮かべると、キョーボーグの両サイドからスカイとマジェスティがキョーボーグに攻撃を喰らわすとキョーボーグは竹槍を二本に増やし、更に近づけなくさせた。

 

「大技で決めるか?」

 

「いや、あの竹槍の捌き……大技を掻き消されるだろ」

 

どうしたものか考えているプリズムがあることを提案した

 

「私にいい案があるの。みんなはキョーボーグの動きを止めて」

 

プリズムのあの目……僕らはプリズムを信じ、キョーボーグの足止めをする。その間、プリズムは光弾を放ち続ける。プリズムの狙いは竹槍に光弾を同じところに当て続けることで、竹槍を破壊した。

 

「やるじゃん!プリズム!」

 

「桜空!合わせろ!」

 

「わかった!」

 

氷の刃と炎の拳でキョーボーグを吹き飛ばし、倒れたところで……

 

『マジェスティクルニクルン!ひろがる世界にテイクオフ!プリキュア・マジェスティック・ハレーション!』

 

マジェスティック・ハレーションでキョーボーグを浄化するのであった。

 

 

 

 

 

アスside

 

「…………」

 

「アス!」

 

気がつくと私の腕を覆っていた岩がボロボロに崩れ、腕が腐っていた

 

「ふぅー、いいね。少しは楽しめたぞ!あちらは終わったみたいだ。なら帰る!」

 

ストレイアは消えるとフウは心配そうに私の腕を見つめた

 

「大丈夫か?」

 

「なんとか……自然に治るかもしれないけど、バタフライに治してもらおう」

 

ストレイア……近接戦では不利……ううん、私や桜空では不利かもしれないけど…………

 

「不利でも……勝つ……」

 

「笑顔が怖いぞ」

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

それから家に帰り、みんなで写真を見ながら、新しい思い出が出来たことを僕とましろは嬉しそうに笑い合うのであった




おまけ

ましろ「桜空くん、頬怪我してるよ」

桜空「あっ(もしかして子供の頃みたいに……流石に怪我した所にキスをするとか……やらないよな)」

ちゅ→唇にキス

ましろ「これで直ぐ治るね///」

桜空「ましろ////」

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115 ハレバレジュエルの輝き

当時見たとき本気で悩んだ回……


桜空side

 

ある日の事、ヨヨさんの所にスカイランドの王様から連絡が来た。話を聞くとどうにも空を行くものの道標『ハレバレジュエル』の光が消えてしまい、夜に空を飛ぶ事が出来ずにみんな困り果ててるらしい。それをどうにかできないかと相談があったのだが、ヨヨさんの推薦でツバサならどうにかできるかもしれないと言うことで、僕らはスカイランドに来ていた

 

「あの島にハレバレジュエルがあるそうです」

 

「誰も行ったことがないという浮き島ですが……」

 

「みなさん、行きましょう」

 

誰も行ったことのない浮き島……そこにあったハレバレジュエルがなくなったっていうことは……アンダーグ帝国かそれとも邪竜が関わってるのか?色々と気になるけど……

 

「あの浮き島……」

 

「フウ、ツゥドのじいさんには連絡してるのか?」

 

「一応な。俺たちが行くならのんびり向かうらしい」

 

『やれやれだな……』

 

「ノアたちは何か知ってるの?」

 

「そうだな……アスは知らなかったな……」

 

「行ってみれば分かることだ」

 

ノアたちはハレバレジュエルの光が消えた理由に何か覚えがあるみたいだけど…………

 

 

 

 

移動しながらツバサがハレバレジュエルについて話してくれた

 

「ハレバレジュエルは大昔からある輝く石で曇りなく永遠に輝き続けると言われてます。とは言っても僕もヨヨさんの持っていた古い本で知っただけで、見たことがないのですが……」

 

「でもどうして少年に頼んだんだろね?」

 

「僕も理由を聞いたのですが…」

 

ツバサ曰くヨヨさんは今回の件はツバサなら解決できると言われたらしい。

 

「ツバサくんならきっと解決できるよ!」

 

「アスさん、ありがとうございます」

 

そんな話をしながら僕らはとある市場にたどり着いた。ここは色々な人が集まっている。僕らはそこで見知った渡り鳥に浮き島に連れていってほしいと頼むが…

 

「行けるわけないやろ!見ろ!上空は乱気流でまともに飛べないし!あの雲の中に入ったら出てこれんこと間違いなしや!というかそっちの竜たちに頼めばいいだろ!」

 

「悪いがそれは出来ない。確かに俺たちならそんなの関係なしに浮き島にたどり着けるが……ソラたちを乗せて乱気流とあの雲を抜けるとなると…………そのままソラたちが落ちる」

 

乱気流に積乱雲を抜ける事が出来ても、乗ってる人は危ないと…………

 

「乱気流の道を抜けれれば大丈夫と言うことですね……ボクが風を読みます。任せて下さい!」

   

「困ってる皆さんのためにも!」

 

「おねがいます!」

   

「えーい! やったるわい!」

 

「それならあの雲は俺が何とかしよう」

 

「なら、俺、フウ、アスで先行する。桜空、お前はソラたちと一緒に浮き島に向かえ」

 

「分かったけど……僕も空を飛べるけど……」

 

「空を飛べても乱気流とあの雲を抜けるまではいかないだろ」

 

確かに……僕じゃ普通に飛ぶことしか出来ないよな……

 

 

 

 

 

少し移動して広い場所に出ると……

 

「久しぶりに竜の姿になるな」

 

「そうだな」

 

「普段は人の形態だからね~」

 

三人はそう言ってドラゴンの姿に変わった。ノアは赤く翼の先が炎で燃え上がっていた。フウは緑に尻尾の先に風を纏ったドラゴン。アスは黄色に両腕が岩に包まれたドラゴンに変わった

 

「ノアのその姿は久しぶりに見ました!」

 

「会った頃はこの姿だったな」

 

「ツバサくん!ツバサくん!私のドラゴン形態どうかな?」

 

「格好良いです!でも僕は普段の可愛らしいアスさんが好きですよ」

 

「えへへ~ありがとう~」

 

アスを褒めるツバサだけど……

 

「あいつ、恥じらいもなくあんな台詞を……」

 

「ツバサくんって……本当に無自覚だよね」

 

「少年って……本当……」

 

僕、ましろ、あげは姉はツバサの凄さを改めて驚くのであった。

 

 

 

 

 

 

アスside

 

先に浮き島に辿り着いた私たち。フウは早速嵐の雲を風で打ち消した

 

「流石だな」

 

「風の力だけではなく、テンペスターの持つ嵐の力を桜空から受け取ったのもある」

 

「それでこの浮き島にあるハレバレジュエルについて、ノアたちは何を知ってるの?」

 

「そうだな……この島に住んでいるものたちの様子を見に来たことがある。それぐらいだ」

 

住んでいるもの?それじゃハレバレジュエルの輝きが消えたのはその住人が関わっていると…………

 

「心配だな……おっと、あげはたちが来たみたいだ」

 

私たちはツバサくんたちと合流し、浮き島の中心へと足を進めるのであった。




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116 竜族と神竜族

桜空side

 

ツバサのお陰で乱気流と積乱雲を抜けて、浮き島に辿り着いた僕ら。そこで先に行っていたノアたちと合流した

 

「手付かずの森って感じですね」

 

ソラがそう言う中、不意に何かの気配を感じた。辺りを見渡すけど何もいない……

 

「何か気配を感じました」

 

「ソラも感じたか……」

 

僕とソラは気配を感じていたけど……ノアたちは気配を感じた上で放置してる様子だった

 

「動物とかかな?」

 

「猛獣とか?」

 

「えぇ……」

 

「大丈夫ですよ。こんな高いところにある島には飛べる動物しかこれません」

 

ツバサの一言でみんなが安心する中……ノアたちは

 

「警戒してるのかもな」

 

「だとしたらあちらから接触してくるまで待つか」

 

「それって先住民のこと?」

 

三人の話が聞こえてきたけど……先住民なんているんだ……

 

 

 

 

 

島の中心部まで歩き続けるが意外と距離があった。ましろも歩き通しで疲れきっている

 

「中々中央にたどり着きませんね」

 

「もうそろそろのはず……あっ……」

 

歩いているとツバサが風寄りの木が沢山生えているのを発見した。ソラが風寄りの木の葉を持ち上げただけでも凄い風が起きた

 

「すみません。ちょっと持ってみただけなんですが……」

 

「でもちょっと疲れが取れたかも」

 

「本当ですか!」

 

「えるもやる!」

 

ソラが再度風を起こすと辺りを覆い尽くしていた木々が広がり、島の中心部への道が開けた。確か島の中心部にある塔の天辺にハレバレジュエルがあったらしいが……

 

「あそこにハレバレジュエルがあったはずですが……」

 

「あの塔を……」

 

ましろがため息をついているとあるものを見つけた

 

「ましろ?」

 

「桜空くん、これって……」

 

二人で地面についた足跡を見つめた。これって……獣にしては大きすぎないか?すると辺りから物音が聞こえ、全員で一ヶ所に集まると茂みから小型の竜が5体現れた

 

 

 

 

 

 

アスside

 

竜たちに囲まれた私たち。まさか竜族がここにいるなんてね……

 

「何の用だ?」

 

『しゃべった!?』

 

「もしかして、あなた達は竜族ではありませんか?」

 

「竜族?ノアたちと同じように見えませんが……」

 

「だったら、何だってんだ?…………ん?今ノアって言わなかったか?」

 

「久しぶりだな」

 

ノアが竜族たちの前に出ると竜族たちは驚いていた。

 

「の、ノア様!?それにそちらにいらっしゃるのはフウ様!?」

 

「待て!そっちの娘……地竜の気配を感じるが……」

 

「初めまして、私は地竜のアス」

 

『地竜姫!?』

 

「それにそっちの小僧から感じるのは……氷竜様の気配!?」

 

「久し振りだな」

 

『!?』

 

うーん、私たちを見て物凄く動揺してるよ……まぁ仕方ないと言ったら仕方ないか

 

「えっと、ノア?これは一体……」

 

「こいつらは竜族」

 

「竜族なら……ノアさんたちと同じ種族だよね?」

 

「違う!俺たちはただの竜族!ノア様たちは神から力を与えられた竜……神竜族だ!お前たち人間の基準で言わせれば、貴族と市民の違いだ!」

 

まぁ分かりやすいような分かりにくいような例えだけど……

 

「そ、それでノア様たちはこの浮き島に何をしに……」

 

「それならツバサが説明しろ」

 

「分かりました」

 

ツバサくんはプニバードの姿に変わり改めて自己紹介と事情を話した

 

「ボクは、プニバード族のツバサといいます。ハレバレジュエルの光が消えてしまったので、元に戻すため、この島に来ました!」

 

『ハレバレジュエル!?』

 

「お前たちが管理していただろ。何があった」

 

「…………実は」

 

赤い竜族が持っていたハレバレジュエルを見せ、何が起きたかを話した。

ある日の夜、ハレバレジュエルの輝きがいまいちだったらしく、磨いていると足場が崩れてしまい、ハレバレジュエル事そのまま下に落ちてしまったらしい。どうにか戻そうにも自分達では無理であり、定期的に様子を見に来てくれる神竜族が来るまでの間守っていたらしい。

 

「ノア様たちはその……」

 

「俺たちはスカイランドの王に頼まれてきた。まぁ頼まれたのはツバサだけどな」

 

「はい!それで事情が分かったので……ハレバレジュエルを戻さないと」

 

「それなら渡り鳥さんに頼んで……」

 

「それはダメだ!」

 

まぁスカイランドの人達に自分達の事を話すのは無理だよね……

 

「俺達のご先祖様は、人々に怖がられて、共存は叶わなかった……そして、この島に、逃げるように飛んできたという……」

 

「それにそのご先祖様を撃退したのは当時最強を誇った神竜族の長だ……だから神竜族はスカイランドの住人たちには怖がることはなかった」

 

「とは言え俺たちは別に神竜族に対して憎しみはない。先祖がやったことは怖がられて当然のことだからな」

 

「そのご先祖様が、ハレバレジュエルを見つけて、岩山に置いたんですよね? スカイランドの人々が夜、道に迷わないように……」

 

「辛い目に遭わせてしまったのに、どうして?」

 

「さあ……それが竜族の伝統だからな……」

 

「とにかく、また人々の前に姿を見せれば、怖がられてしまう……」

 

「そんな事……」

 

「そもそもだ……代々こもり続けて、俺達は羽が退化してしまった……もう空は飛べんし、この島から出る事ができない……」

 

本当に……竜族たちの問題に関して、色々と大変だからね……ノアたちや他のみんなが様子を見に来るのは分かる。

 

「ほう、竜族がここにいるとは」

 

その時、私たちの前に現れたのはスキアヘッドだった。こいつ、こんなところまで来るなんて……

 

「アンダーグエナジー!召喚!」

 

スキアヘッドは茸と蝿取草を混ぜ合わせ、キョーボーグにした。

 

「皆さん!行きましょう!」

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

ソラたちはプリキュアに変身し、俺たちも戦闘スタイルに変わった

 

「「「「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「ウイング!」

 

「バタフライ!」

 

「マジェスティ」

 

「「「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」 

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「あげて広がるワンダホー!キュアバタフライ!」

 

「降り立つ気高き神秘!キュアマジェスティ!」

 

「「「「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」」

 

スカイたちがキョーボーグに向かう中、俺たちも戦いに参戦しようとした瞬間、巨大な蛇が俺たちの目の前の大地を抉った

 

「神竜族に竜族がこうして集まるとはな」

 

「お前は……ウロボロス!」

 

「少し実験に付き合ってもらう!」

 

ウロボロスが両腕を蛇に変え、俺たちに向かって攻撃を仕掛けてくる。俺と桜空はその両腕に縛られると、フウとアスがウロボロスの背後に回り込み、

 

「地竜弾!」

 

「風刃!」

 

岩の塊と風の刃がウロボロスに迫るが、ウロボロスの後ろに黒い穴が開き、二人の攻撃を飲み込んだ

 

「風と地。後は……」

 

ウロボロスは俺たちを縛り上げたまま、地面に叩きつける。俺は咄嗟に体勢を整え、ウロボロスに炎を浴びせるが……

 

「無駄だ」

 

また黒い穴が開き、炎を飲み込む

 

「充分だな」

 

「何が充分だ!」

 

桜空が黒竜と白竜の力を解放し、ウロボロスに殴りかかる。ウロボロスは黒い穴を開かずそのまま桜空に殴り飛ばされる

 

「なるほど……それなら……桜空、フウ、アス!お前たちはプリキュアの所に行ってやれ!こいつは俺がやる」

 

「わかった!」

 

三人をスカイたちの所に行かせ、俺はウロボロスを睨んだ

 

「良いのか?四元の器は私に唯一対抗できるのに……」

 

「お前の力は理解した。俺達神竜族の力を飲み込む事が出来るみたいだが…………肉弾戦で戦えば……」

 

「対抗できる……か。正解だ!そしてもう一つ、器を守護する力に対しても俺は対応できない。だがお前はどうなのだ?」

 

「悪いな……俺はスカイと共に鍛えてきたんだ!」

 

「フッ」

 

互いに駆出し、同時に拳を繰り出すのであった。

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

プリズムたちの所に駆けつけると、ウィング以外がキョーボーグの蔓に縛られていた。ウィングは竜族に風寄りの木の葉を使って竜族たちは空を飛ぶが、赤い竜族がキョーボーグに襲われ、墜落しそうになったが竜族は自力で飛び上がった。

 

「今のうちに!」

 

「三人で同時に!」

 

「行くぞ!」

 

氷、地、風を合わせたエネルギー弾をキョーボーグに放ち、キョーボーグが怯むと縛られたプリズムたちが解放された。怯んだキョーボーグに向かって

 

『マジェスティクルニクルン!ひろがる世界にテイクオフ!プリキュア・マジェスティック・ハレーション!』

 

無事キョーボーグを浄化したなのだった

 

 

 

 

 

ノアside

 

ウロボロスと殴り合いをしていく内に、あることに気がついた

 

「お前……飲み込んだ力を……」

 

「気がついたか」

 

殴られた場所の傷が、地の力で抉られ、風の力で切られ、炎で焼かれたものがあった

 

「四元の力を得ようとしている?いや、擬似的に器の力を得ようとしているのか?」

 

「違う……あくまで実験だ。四元の力は必要ない。必要なものは……」

 

ウロボロスの右拳が禍禍しいオーラを纏い、俺の腹を殴った瞬間、身体中に亀裂が入った。

 

「ぐうううう!?」

 

「ぐうあ!?」

 

そしてウロボロスの右腕もひび割れていく

 

「……破壊の力……まだ完全には……」

 

「破壊の力?まさか……」

 

「今回は撤退させてもらう!」

 

ウロボロスは姿を消すのであった。ウロボロス……あの破壊の力は……まさかイクスの?

 

 

 

 

 

 

それからスカイランドの城へと戻り、王たちに竜族たちのことを話し、王は竜族に感謝を述べる中、ヨヨはツバサにあることを告げた

 

「ツバサさん。あなたなら、あの島に行き、必ず竜族を説得できると思っていました」

 

「竜族の事、知っていたんですか?」

 

「えぇ、でも、彼らをここに連れて来るとは、予想しなかったわ。この事は、あなただからこそ、できたのよ」

 

「そんな、大げさな……」

 

「いいや。ツバサよ、光が戻ったのも、竜族の心を動かしたのも、そなたのおかげだ」

 

「王様。どうでしょう? 今後、彼を賢者として迎えてみませんか?」

 

「えぇ!?」

 

「こちらはいつでも迎え入れよう」

 

「そんな……恐れ多いです! それに……」

 

「スカイランドの未来には、あなたが必要になるわ。あなたの知恵と、その勇気がね」

 

「ボクで大丈夫でしょうか?」

 

「大丈夫よ! 立派に解決できたでしょう?」

 

「はい!」

 

ツバサは認められ、賢者を名乗ることになったのだった。そんな俺たちの前に……

 

「ほほほほ、久しぶりじゃの。ノアたちよ」

 

ツゥドの爺さんが現れた。

 

「竜族の様子を見に行く前に城へと寄ったら……なるほど、竜族たちの確執を解決するとはのぅ……」

 

「わざわざそれを言いに来たのか?」

 

「ふむ……こちらで得た情報を話そうと思ってのぅ……邪竜の配下、蛇竜、腐竜、臥竜……その3人は神竜族ではなく、四元の器の対極にあたる死獄の器から生まれたものだと言うことを」

 

「死獄の器?」

 

「対極って……」

 

「死獄の器……四元の器が生まれたと同時に生み出された邪の塊……それが邪竜に力を与え、そして3人の竜を生み出しておる」

 

「だとしたら……オルドは……」

 

「死獄の器を持っていると思ったが……桜空よ。お主は皇帝竜との戦いで邪竜と融合したらしいな」

 

「あぁ……」

 

「四元と死獄。二つの器は交わることはない。邪竜が死獄の器を持っていない証明になるが……邪竜に力を与えているのは死獄の器で間違いない。そして……死獄の器を手にした者は絶大な力を得る。今後何が起こるか分からん。気を付けろ」

 

死獄の器……それによって生み出された三人の竜……そしてそれを踏まえて邪竜は…………どこから生み出されたんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「破壊の力……まだ安定しない……急がなければ……」

 

目の前に胎動する黒い塊……邪竜様に力を与え続ける死獄の器……

 

「必ず……必ず……」

 

私の長年の計画を……果たすために…………

 

そんなウロボロスを見詰める一つの影……

 

「あれが死獄の器……アンダーグエナジーと同じ闇の力……」




感想待ってます!次回はハロウィン回です!


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117 ハロウィン!

あげはside

 

ある日の保育園でハロウィンに向けてジャックオーランタンのお面を園児たちと作っているとある話が耳に入った

 

「ほんとうにいくの? れな、ちょっとこわいな……」

 

「オレはぜんぜんへいき!」

   

「でも、まほうでカボチャにされちゃったら……」

 

「なになに? 何の話?」

 

「あのね、おかしをもらいにいくおうちのなかにね……」

 

「ほんもののまじょのおうちがあるんだよ!」

 

「本物の魔女?」

 

そんな魔女なんて……まぁ身近に竜はいるけど……

 

「おかのうえにあるおうちで……」

 

「おばあちゃんとおんなのことおとこのこがすんでるの!」

 

「あかちゃんもいるんだよ!」

 

「うんうん。ん?」

 

「まるいとりさんもいる!」

 

「……って! それ、うちじゃん!」

 

まさか虹ヶ丘家の話だったなんて……

 

「あげはせんせいのおうちなの?」

 

「じゃあ、まじょのなかま?」

 

「かっこいい!」

 

「ちょ、ちょっと待って! どうしてヨヨさんが魔女なの?」

 

「だって、すっごくきれいなあおいいしをあつめてたし!」

 

「かがみとおはなししてた!」

 

「あかちゃんをうかせてた!それに小さなとかげがとんでた!」

 

「ねえ! ほんもののまじょでしょ?」

 

ヨヨさん、目撃されてるじゃん!

 

「それにまじょのおでしさんもいるんだよね」

 

「弟子?」

 

弟子って誰のことだろう?思い浮かぶのは……

 

「きいろかみのおんなのこで、おやさいとかそだててるひとだよ」

 

あー、うん、アスちゃんか。あの子、ヨヨさんの弟子扱いなんだ……とりあえずこの件、帰ったら話しておこう

 

 

 

 

 

夕食の時に昼間の話をして、みんなで大盛り上がりだった。

 

「孫の私が言うのもなんだけど、確かにお祖母ちゃん、魔女っぽいかも」

 

「何だか期待されてるみたい。今年のハロウィン、頑張らなきゃね」

 

「そうだ!それなら本物の魔女の館に見えるように飾り付けしませんか!」

 

「わぁ、賛成!来てくれる子達もきっと喜んでくれるよ」

 

「もちろんヨヨさんには、魔女の格好をしてもらいます! その名も、ハイパースゴスギレジェンド名誉大魔女・ヨヨ!エルちゃんは、ハイパーカワイスギプニプニちびっ子魔女・エル!アスちゃんは子供たちにヨヨさんのお弟子さん扱いだから、見習いっぽい格好でドラゴンの魔女で!」

 

「ドラゴンの魔女……いいね!」

 

そんな話をしているとソラちゃんと少年が何か話していた

 

「お化けの格好をしてお菓子をもらうなんて、こちらの世界のお祭りは、面白いですね!」

 

「私達はどうしましょうか?」

 

「魔女に仕えるカボチャのお化けはどう? みんなにお菓子を配るお手伝いをしてるの!」

 

「それ良い! 可愛過ぎ!」

 

「カボチャのお化け……私に務まるでしょうか?」

 

「しゃべり方は、どうしましょう? 普通に話すとお化けっぽさは出ないですよね? 『お菓子をあげるカボ~』とか?」

 

そんな真面目に考えなくても良いんだけど……まぁいいか。ノアさん、フウさん、桜空も…………戦闘形態が既に仮装みたいなんだけどな~

 

「うんうん! やるからには、トコトンなりきっちゃおうよ!」

 

「その……お菓子って、小さい子だけのもの、なんですよね?」

 

「ちゃんとソラちゃんや、みんなの分も用意するよ!」

 

「ハロウィン、すっごく楽しみです!」

 

本当にハロウィン楽しくなりそうだな~

 

 

 

 

 

 

 

ライside

 

ソラシド市に来てからそれなりに経った。本当にこっちの世界での生活に慣れたな~

アスにバレたときはひやひやしたけど、特に問題はないけど……それにしたって街で見掛けたら声をかけるのは本当に勘弁してほしい。

それはそうと新しい住人が増えた

 

「テンペスター、出てきたらどうだ?」

 

「いい、ここで飯を食べる!」

 

押し入れに引きこもる中学生くらいの男……テンペスター、少し前にプリキュアに……いや、話を聞く限りだと天使みたいなプリキュアにボコボコにされたとか……それで力を奪われて、逃げ出しここに来たらしい。バッタモンダーは追い出そうとしたけど、テンペスターにちゃんと家賃を払わせるようにするからと説得しておいた。とは言えずっと引きこもるのはどうかと思うけど……

 

「それでバッタモンダー、何してるんだ?」

 

「よし、完成だ……ハロウィンが楽しみだよ……フフフフ……ハーッハッハ!」

 

高笑いをしているとまた隣から壁ドンされた。壁が薄いんだから騒ぐなよ……あとテンペスターも怯えるなよ……

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

ハロウィン当日、街はハロウィン一色になっている中、保育園の子達が虹ヶ丘家にやって来た

 

「魔女の館にようこそ……大魔女様がお待ちです……どうぞ、こちらへ……」

 

お化けの格好をしたましろと角だけ生やした僕が出迎え、屋敷の中に案内し……

 

「魔女の館へようこそ……」

 

「ようこちょ!」

 

「ト、トリ……トリック……」

 

『トリックオアトリート! おかしをくれなきゃイタズラするぞ!』

 

「まあ、すごく元気だ事!」

 

「どうしますか、大魔女様?」

 

「魔法の道具にイタズラされたら困っちゃうわね。お菓子をあげましょう」

 

「かしこまりました!はい、どうぞ!」

 

「ありがとう!」

 

「どういたしまして!」

 

『ありがとう!』

 

『どういたしまして!』

 

「まじょさん! まほうのどうぐ、みてもいい?」

 

「もちろん! さあ、どうぞ」

 

子供たちも楽しんでもらえて良かった……それにしてもハロウィンらしいことをしたのって、小さい頃にやったきりだよな……

 

「ハロウィンって、お菓子をあげる方も、すっごく楽しいですね!」

 

「うん! 私ね、ハロウィンって特別なお祭りだと思うんだ……いつもならお話しない人とだって、いつもと違う服を着て、『トリックオアトリート』の言葉1つで繋がれる……そして、笑顔が広がっていくの……ハロウィンって、本物の魔法みたいじゃない?」

 

「私も、そう思います!」

 

ましろの楽しそうな顔を見て、僕は微笑むのであった。

 

 

 

 

 

 

 

ライside

 

ビルの屋上にやってきた僕と無理矢理外に出したテンペスターは目の前に立つバッタモンダーを見つめた

 

「バッタモンモン!プリキュアになーれ!お菓子大好き、イタズラカボチャ! キュアパンプキン!」

 

「………………」

 

「………………」

 

バッタモンダーの種族って、病院に連れていっても治療出来たっけ?特に頭の…………




感想待ってます!


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118 トリック オア トリート

ライside

 

頭がおかしくなったのか?カボチャを被ったバッタモンダーはプリティホリックに訪れると……

 

「プリティホリックカフェ特製のカボチャクッキーだよ!」

 

「ありがとう!」

 

「僕にもちょーだい!」

 

「ちょっと! ちゃんと順番を守って……え……」

 

プリティホリックの店員が配っているお菓子を全て奪った

 

「トリックアンドトリート!」

 

「な、何なの?」

 

「僕はキュアパンプキン! プリキュアの仲間さ!ダーハハハハ!」

 

なんだろう?やってることが小悪党みたいなことを……

バッタモンダーは別の場所に移動してはお菓子を奪っていく

 

「もうやめてくれ! みんなのために用意したお菓子だぞ!」

 

「みんなは知らないの? 僕はキュアパンプキン! プリキュアはイタズラするのが、だーい好きなんだよ!」

 

「いや、プリキュアな訳ないじゃん!」

 

うん、プリキュアの評判を落とすのも作戦に入っていたんだろうけど……もう少しやり方を……というかバッタモンダー……アンダーグ帝国にいたときの方がもう少しやれていたような……

 

「プリキュアは街を守ってくれるんだよ!」

 

「怪物と戦ってるの、見た事あるもん!」

 

「子供達の言う通りだ! この偽物!」

 

「んだと!なんだよ……おい、お前ら……僕は正義の味方、プリキュアなんだぞ!」

 

バッタモンダーはお菓子を奪って、逃げ出すと街の人たちに追われていくのであった。

 

「助けないのか?」

 

「自分で何とかするでしょ……とりあえず………………テンペスターは先に帰っていいよ」

 

「分かった」

 

貰ったお菓子をテンペスターに渡し、先に帰らすと僕は……

 

「それで僕らを始末しに来たのか?」

 

「よく気がつきましたね」

 

背後にはリウムがいた。素顔のままいるのは珍しいな……いや、正体を明かしているのか?

 

「始末するのはいいけど、僕と君とでは相性が悪いよ?」

 

「今の貴方は全盛期よりかなり劣っています。それに水と雷の相性なぞ、子供が考えるよりもかなり複雑なものです」

 

「やってみなきゃ……分からないことがあるけど?」

 

互いににらみ合いをするが……リウムは剣を収めた

 

「たまたま貴方たちを見かけて声を掛けただけです。始末するようにとは言われてません」

 

「そう……ならいいや。それにしても君はまだ邪竜の配下にいるとはね……その身体が理由のひとつかな?」

 

「……そうですね。私は邪竜様のお陰で生きれています」

 

「邪の力……か……」

 

邪の力、僕やテンペスター、エクスには本来の力を倍にする。リウムみたいに傷を癒し、命を繋ぎ止める力……リスクがあるとすれば邪の力に適応できなければその身は理性を失った獣になる。いや、獣というより竜か……

もしくは僕やテンペスターみたいに暴走する危険性もある。

 

「…………どちらが救われるんだろうな?」

 

「何がですか?」

 

「邪の力によって誰にもバカにされない強さを持つこととあいつらみたいにただ楽しく生きること……」

 

「それは自分で決めることです…………」

 

「そうだね……」

 

僕はテンペスターに渡し忘れた飴が入った袋をリウムに渡した。

 

「あげる。これを舐めてる間は戦わないように……」

 

「……そうですか」

 

意外と素直に聞いてくれるんだ……さてさてバッタモンダーはと思って、様子を見るといつの間にか来ていたプリキュアたちがお菓子を配っていた。

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

子供たちも大喜びの中、街にキュアパンプキンと名乗るプリキュアの偽者が現れ、お菓子を奪って行くという事件が起きた。それを聞いて悲しむ子供たちのために、ヨヨさんが屋敷にあるお菓子を配ろうという話になり……

 

「皆さーん! お菓子と笑顔をお届けにまいりました!」

 

「まちた!」

 

「はい! どうぞ!」

 

「もうお菓子もらえないと思った!」

 

「ありがとう! カボチャのお化けさん!」

 

お菓子を貰えてみんな大喜びだけど……なんだろう?さっきから視界の隅に映るカボチャ頭の人は……僕が声を掛けようとすると突然キョーボーグが現れた

 

「スキアヘッド!貴方がキュアパンプキンを!」

 

「何の事だ?」

 

多分スキアヘッドは関係ないような……まぁいいや。ましろたちはプリキュアに変身し、僕らも戦闘形態になり、キョーボーグに向かっていく。カボチャとキャンディーのキョーボーグ、ふわふわ浮いて接近戦では不利みたいだな。

僕は空を飛び、ウィングと共に蹴りを喰らわすと、プリズム、アス、フウ、ノアが遠距離での攻撃を繰り出すが、キョーボーグに避けられる。どうにか動きを止められればと思っていると、スカイが無闇に突っ込んでいくが……どうしたんだ?一体……

 

「スカイ! どうしたの?」

 

「言ってません……」

 

「え?」

 

「私、まだトリックオアトリートって言ってません! 今日という日を、すっごく楽しみにしてたんです!」

 

スカイ……こんなときに……みんなも突然の発言で戸惑って……マジェスティとアスだけはうんうんって頷いてる……

 

「駄目でしょうか?」

 

「ううん! 私も言いたい!」

 

「そうだよね!」

 

「スカイの言う通りです!」

 

「全く……それならさっさと終わらせるぞ」

 

ノアが炎を出し、キョーボーグの動きを制限させ、フウが風でキョーボーグを縛り上げると、アスと僕で……

 

「合わせて!」

 

「あぁ!」

 

岩と氷でキョーボーグの身体を固め、スカイがプリズムたちの協力で高く飛び上がり、キョーボーグに強力なパンチを喰らわせ、

 

『マジェスティクルニクルン!ひろがる世界にテイクオフ!プリキュア・マジェスティック・ハレーション!』

 

「スミキッター」

 

無事キョーボーグを浄化するが…………今回邪竜の一派が来なかったのは気になるけど…………

 

 

 

 

 

 

 

ライside

 

「あんな怪物まで暴れさせて、イタズラじゃ済まないんだから!」

 

「いや、あれは僕がやったんじゃ……」

 

「問答無用!」

 

追いかけ回されるバッタモンダーを眺めつつ、リウムは飴を舐め終え……

 

「帰ります」

 

「そう、僕も帰るよ」

 

「…………邪竜様に飴をあげた方がいいですか?」

 

「さぁ?好きにしたら?あと僕らの事は……」

 

「邪竜様は知ってますが……別に始末するつもりはありませんが……ウロボロスがどう動くかはわかりません」

 

「ウロボロス……か」

 

あいつが一番怪しいよな。何せ僕らに邪の力を欲しくないかと言ってきたのはアイツだからな……

 

「……まぁプリキュアや竜たちがどうにかするだろう」

 

お菓子をもらって喜ぶプリキュアたちを見ながら僕は笑みを浮かべたけど…………アス、こっち見て手を振るなよ。怖いよ。うん




次回はツバサある意味ピンチ!回
感想待ってます


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119 ツバサとエルの結婚

アスside

 

ある日の事、スカイランドの王様から送られてきた本を読みながら勉強をしているツバサくんにコーヒーを入れてあげた

 

「頑張ってるね。ツバサくん」

 

「アスさん、ありがとうございます」

 

「研究してみたいことがあるって聞いてるけど、順調そう?」

 

「それなりには……」

 

「ふーん」

 

恋人としてはツバサくんの研究は応援したいけど……

私はそっとツバサくんに抱きついた

 

「あ、アスさん!?」

 

「恋人の事、放置したらダメだからね」

 

「は、はい」

 

顔真っ赤にさせているツバサくん。私からやると照れたりしてる割には無自覚な発言が多いんだよな~

なんて思いつつ、部屋出ようとするとドアの隙間からエルちゃんが見ているのに気がついた。どうしたんだろう?と思ったけど……直ぐに理解した。これは後でツバサくんに言っておかないとな~

 

「エルちゃん! 下のお部屋で遊ぼっか!」

 

あげははエルちゃんを抱えて下へ行ったらしい。私も行くとみんなで何かを話していた。テレビにはこの世界の結婚式についてやっていた。エルちゃんも興味津々みたいだ。

 

「おー、エルちゃん、興味津々だね!」

 

「綺麗です! こちらの世界の結婚式は、こんなにキラキラで、ロマンチックなんですね!」

 

「あれ? もしかして、スカイランドの結婚式は違うの?」

「はい! 私の村では、結婚する2人が、まず、村中に聞こえるくらいの大きな声で力一杯叫ぶんです!その声を聞いた村の人が集まって、みんなで一晩中ダンスでお祝いするんです!」

 

「なんか、それも楽しそう!」

 

「はい!なのでノア!その時が来たら頑張りましょう!」

 

「ソラ……お前……いや、そうだな」

 

ソラって、ノアと結婚する気あったんだ……いや、ずっと一緒に過ごしたいからこそなんだろうけど……

 

「ましろさんにはこちらの世界の結婚式みたいに真っ白で綺麗なドレスを着るんですよね!桜空さん!」

 

「そこで何で僕に振るかな……まぁ……うん」

 

「も、もう///ソラちゃんは///」

 

「あはは、ましろんたち顔真っ赤だね~式の時は私が何か催しを……」

 

「あげはさんとフウさんの時はスカイランドですか?それともこちらで?」

 

「そうだな……あげはの望む方で……」

 

「へ///」

 

なんだろう?ソラちゃん、無双してない?

みんなが結婚で盛り上がる中、エルちゃんだけはじっとテレビを見詰め……

 

「けっこん、なに?」

 

「結婚っていうのは、大好きな人同士が、これからもずーっと仲良くしようねって約束する事かな?」

 

エルちゃんはあげはから説明を受け、再度テレビを見詰めると……

 

「える、つばさとけっこんする!」

 

 

 

 

 

桜空side

 

エルちゃんの突然の発言にその場にいた全員が固まった

 

「けっこんするの!」

 

『えーっ!?』

 

エルちゃんの発言を聞き、全員が身構えつつ、アスを見詰めた。いくら赤ちゃんだからって…………

 

「エルちゃん…………なるほどね。そうだね、ツバサくんと結婚しないとね」

 

「うん!」

 

『えっ?』

 

アスの返事にみんなが戸惑いつつ、アスはツバサを呼びに行き、事情を話した

 

「ボクが……プ、プリンセスと……結婚!?」

 

「するの!」

 

「エルちゃんはツバサ君が大好きですからね!」

 

「でも、結婚は、まだ早いかな?」

 

「お言葉は大変にありがたいのですが、ボクがプリンセスの結婚相手なんて、と、とても恐れ多くて……」

 

「やーや! けっこんする!」

 

「えっと……あ、アスさんは……」

 

「ん?今回の結婚は賛成だよ」

 

「えぇ!?」

 

アスの答えに更に戸惑うツバサ。いや、僕らも戸惑っているけど……

そんな中、ましろはテレビに映った結婚式の映像を見て、エルちゃんは綺麗なドレスを着たり、大きなケーキを食べたりしたいのではないかと察し、ツバサも結婚式ごっこをしたいエルちゃんのために引き受けるのであったけど……アスがどうにも気になる……

 

 

 

 

それからみんなで結婚式ごっこの準備を始めた。そんな中、ツバサは送って貰った本を読んでいた

 

「お、少年、随分頑張って読んでるじゃん!」

 

「この本、見た事のないスカイジュエルが沢山載っていて、キチンと学べば、スカイランドの役に立てるかもしれません!」

 

「ケーキ焼き上がるまで、時間あるし、ツバサ君は本を読んでていいよ!」

 

「こちらの準備も、もう、あと少しですから!」

 

「ありがとうございます! では、お言葉に甘えて、読んできますね!」

 

そう言ってツバサはリビングから離れるのであった。

 

 

 

 

 

アスside

 

あちゃーツバサくん……エルちゃんの視線に気がついてないよ……うーん、どうしたものか……言ってあげた方がいいかな?

するとあげはがエルちゃんの視線を察し……

 

「大丈夫! 結婚式の準備ができたら、ツバサ君、戻るからね!」

 

「える!」

 

そう言って安心させた。そして私に声をかけた

 

「アスちゃんは気がついてたの?」

 

「うん」

 

「だからエルちゃんに変に怒ったりせずに結婚式に賛成だったんだ」

 

「それにエルちゃんにはずっと教えてるからね」

 

「教えるって何を?」

 

「それは……まぁ言ったらツバサくんに怒られるからやめておく」

 

そう言って私は結婚式の準備を進めるのであった。

 

 

 

 

準備も終わり、早速結婚式を始めた。神父役としてヨヨさんがやることになった。エルちゃんは折り紙とかで作った飾りを身につけてツバサくんと並んだ

 

「エルちゃん、可愛い!」

 

「少年、リラックス! リラックス!」

 

「よ、余計に緊張させないで下さい!」

 

「エルちゃんとツバサさんは、これからも大好きな気持ちを忘れず、仲良くする事を誓いますか?」

 

「もちろんです!」

 

「ずっとなかよち!」

 

それからみんなで集合写真を撮ったり、ケーキを食べたりして結婚式は終わり、ツバサくんは部屋に戻ろうとするがエルちゃんが掴んで放さなかった。

 

「けっこんちたの!」

 

「エルちゃん?」

 

「けっこんちたから、ずっといっちょなの!」

 

「結婚って……結婚式っぽいパーティーじゃなくて?」

 

「んーん!」

 

「もしかして、ホントのホントに、結婚なんですか?」

 

「える!」

 

「え、えーっ!?」

 

驚くツバサくん。そして私を見詰めた。

 

「可愛い奥さんだよ。ツバサくん」

 

「あ、アスさん!?」

 

私は笑顔でそう言い、屋敷の中に戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

ツバサside

 

プリンセスの結婚式ごっこが本当の意味で……しかもアスさんが受け入れている……一体何がどうなってるのか分からない……そう考えながら眠りにつくとある夢を見た

 

「け、け、結婚!? 私の可愛い可愛いプリンセス・エルをお嫁さんにするなどと、許されると思ってるのか!?」

 

「そもそも、あなたは、一国の王として、このスカイランドを背負っていく覚悟が、あるのですか!?」

 

「か、覚悟!?」

 

「ツバサ! お前は、なんという大それた事を!」

 

「分かる……気持ちは分かるのよ、ツバサちゃん……でも、お母さん、結婚はまだ早いと思うの……」

 

「ちょ! 話を聞いて!」

 

「えるとつばさは、けっこんしたいの!」

 

「ちょっ!?アスさん助け……」

 

「お似合いだよ。ツバサくん」

 

 

 

 

「ボクには、荷が……重過ぎます……それにアスさ……ん……どうして……」




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120 寂しい気持ち

アスside

 

結婚式の次の日の朝、畑の様子を見て、家に戻るとみんなで何かを探していた

 

「どうしたの?」

 

「あ、アスさん……本を知りませんか?」

 

「本?」

 

「王様から送られてきたあの本だよ。ツバサくん、朝起きて読もうとしたら無くなっていたんだって」

 

あの本か……私が起きたときはまだ合ったような……

そんなときエルちゃんがやって来たけど何かを隠している感じだった

 

「すみません、プリンセス。今、探しものをしていて……プリンセスは、椅子の上にあった本、見ませんでしたか?あの、王様にいただいた本ですが……」

 

「える、ごほん、しらないもん!」

    

「ん? エルちゃん、これは?」

 

うん、エルちゃん……さっきから後ろに隠してたよね……

そりゃ後ろから見たらバレるよ……

 

「かくしてないもん!」

 

「あー!」

 

「プリンセス! ちょっと待って下さい!」

 

「やーや!」

 

「もう……プリンセスってばー!」

 

「やーや! やーや!」

 

逃げるエルちゃんを追いかけるツバサくん。私たちはそれを見詰めていた

    

「まさか、エルちゃんが持ってたなんて……」

 

「うーん、エルちゃんにはエルちゃんの考えがあるからね~」

 

「どういうことだ?」

 

桜空も分かって……いや、あげは以外はエルちゃんの行動に関して気づいてないみたいだね。とりあえず私は二人の様子を見に行くかな

 

 

 

 

 

二人を追いかけていくと、ツバサくんはエルちゃんに追い付いていた

 

「それは、ボクの大事な本なんです……返して下さい……」

   

「つばさの、だいじ?」

 

「とっても、とーっても! 大事です……」

    

「ありがとうございます!」

   

「きらい!」

 

「え……」

 

「つばさ、だいっきらい!」

 

あ……何かツバサくんの何かが壊れた……エルちゃんはそのままその場から離れていった。とりあえず私はエルちゃんの側にいるかな?

 

 

 

 

 

桜空side

 

ツバサとエルちゃんの所に行くと何だかエルちゃんに嫌いと言われてショックを受けるツバサの姿があった

 

「エルちゃん?」

 

「何で……昨日は結婚式ごっこして、今日は嫌いって、もう訳が分かりませんよ……」

    

「分かってないな、少年は!」

 

「どうせ少年ですから……」

    

「ねえ。何でエルちゃんは本を隠したと思う?」

 

「何でって……うーん?」

 

「最近のキミ、カッコ良いよね!一生懸命勉強して、自分の目標に脇目もふらずに向かっててさ!」

   

「それは、どうも」

 

「でも、エルちゃんは、ちょっぴり寂しかったのかも……今までずっと一緒に遊んでくれてたツバサ君を、どこか遠くに感じちゃったんじゃないかな?それにアスちゃんみたいに我慢することも出来ないしね」

 

「アスさんみたいに……」

 

「ほーら! 行ってこい、少年!」

 

「あげはさん……」

 

あげは姉はツバサの背中を叩き、エルちゃんの元に向かわせた。

 

「あげは姉、気づいてたんだ」

 

「まぁね。それにアスちゃんも最初から気付いてたみたいだしね」

 

だからエルちゃんの結婚って発言を聞いて賛成してたのか……

 

 

 

 

 

 

アスside

 

エルちゃんの所に行くとエルちゃんは不貞腐れていた。

 

「える、つまんない……もっとなかよちがいいのに……」

 

「そうだよね。もっと仲良しがいいよね」

 

「あす……」

 

私はエルちゃんの頭を撫でつつ、隣に座った

 

「私もツバサくんが勉強ばかりで寂しいよ」

 

「あすも、さびしいの」

 

「うん、寂しい。でもツバサくんのやりたいことを応援もしたい。だから私はエルちゃんみたいに我慢せずに素直な気持ちは言えないんだ」

 

「そうなの?」

 

「でもエルちゃんは自分の本音をちゃんと言った方がいいよ。そうしないといざと言うときに……後悔しちゃうからね」

 

「プリンセス……アスさん……」

 

気がつくとツバサくんが来ていた。話……聞かれちゃったかな?まぁいいか

ツバサくんはエルちゃんに謝りだした

 

「だから結婚したいって……なのに、ボクはちっとも気付かないで……プリンセス……ごめんなさい……寂しい思いをさせてしまって……」

    

「つばさ……」

 

「アスさんにも……」

 

「私はちゃんと言ったりしてるよ。でも伝えていても寂しい……でも応援もしてるからね。だから謝らなくてもいいよ」

 

「……はい……」

 

そんな時、一羽の雀がツバサくんに何かを伝えにきた。もしかしてと思いみんなと合流し、教会に向かうとそこには……

 

「スキアヘッド!」

 

スキアヘッドが教会の屋根の上から降り

 

「アンダーグエナジー召喚!」

 

「キョーボーグ!」

 

鐘とリースを交ぜたキョーボーグが生まれた。私たちは戦闘形態になり、ツバサくんたちはプリキュアに変身した

 

「「「「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「ウイング!」

 

「バタフライ!」

 

「マジェスティ」

 

「「「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」 

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「あげて広がるワンダホー!キュアバタフライ!」

 

「降り立つ気高き神秘!キュアマジェスティ!」

 

「「「「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」」

 

ウィングたちがキョーボーグに向かっていき、私たちも戦いに参戦しようとすると目の前にストレイアが現れた

 

「よぅ!また遊ぼうぜ!地竜!」

 

「狙いは私か……みんなはプリキュアの所に行って」

 

「アス、前の戦いでわかったと思うが、奴とお前は相性が悪いぞ」

 

「フウ……そんなの分かりきってるよ……それでもやるのが私だから」

 

「そうだったな……」

 

三人はプリキュアの所へと行き、私はストレイアと対峙する

 

「この前みたいに殴り合うか?」

 

「それもいいけど……今回は貴方を押さえるだけ!」

 

私は腕を掲げた瞬間、ストレイアの周りの大地が盛り上り、ストレイアを閉じ込め……

 

「四元解放!地漠轟弾!」

 

巨大な岩を作り出し、捕縛したストレイア目掛けて押し潰した

 

「これで終わればいいけど……」

 

「そう簡単にはいかないぞ」

 

ストレイアを押し潰した岩が腐蝕していき、ストレイアは無傷の姿で現れた

 

「だよね……」

 

今度はストレイアの周りに無数の石を作り出し、ストレイア目掛けて放つが、ストレイアに当たる前に塵になって消えていった

 

「遠距離ではお前は俺には勝てない。分かりきっているだろ」

 

「そうだね……」

 

正直言うと奴の腐蝕の力に耐えきる石や岩を作り出せば良い話だけど……そう簡単にはいかない。もしくは圧倒的質量で押し潰すのもありだけど……周辺が偉いことになる……そんなことをしたらツバサくんが怒る……私に残されているのは…………

 

「殴り合いか……」

 

両腕に岩などを纏わせると、ウィングたちの方から物凄い不快な音が聞こえた。あれは……キョーボーグの攻撃?見てみるとマジェスティが拘束されているし、あの音でみんなの動きが悪い……それなら…………

 

「四元の力を………ブレスに……」

 

「お前のブレスが俺に通じるとでも?」

 

「貴方に通じたら良いんだけど……ね!」

 

私は最大出力のブレスをストレイアに向かって放つ。ストレイアは腐蝕で防いでいるが……私の狙いはストレイアの後ろでウィングたちを追い詰めているキョーボーグ!ストレイアはブレスを防いでるけど……後ろのキョーボーグは守れてない!

 

「何!?」

 

キョーボーグが私のブレスを喰らいのけぞると、マジェスティを助け出したウィングがマジェスティと一緒に追撃で同時にキックを喰らわせ……

 

『マジェスティクルニクルン!ひろがる世界にテイクオフ!プリキュア・マジェスティック・ハレーション!』

 

キョーボーグを浄化させた。

 

「ちっ、俺と戦いながら仲間を助けるか……まぁいい!お前とはいずれ……」

 

ストレイアはそう言い残して消えた

 

「ストレイア……私が勝つには……」

 

命を懸けるか周りを気にせずに戦うか……だね

 

 

 

 

 

戦いも終わり、ツバサくんもエルちゃんと仲直りしたみたいだった

 

「つばさ……」

 

「誓います……ボクはナイトとして、プリンセス・エルを、ずっとずっとお守りする事を……これからも一緒にたくさん遊びましょうね」

 

「つばさ、そら、ましろ、あげは、さくら、のあ、あす、ふう、ずーっといっちょ! ずーっとなかよち!」

 

こうしてちょっとした結婚騒動は幕を閉じ……

 

「それにしてもアスちゃんはエルちゃんの気持ちに気づいて結婚に賛成してたけど、何かもう一個くらい理由ある感じかなって思ったけど?」

 

「え?あー……うん……」

 

言えないよ……ずっとエルちゃんにツバサくんの一番目の奥さんは私。二番目はエルちゃんだよって言い続けたことは…………そして前々からマジェスティに……「アスはツバサといつ結婚するの?」って言われたことがあることも……

 

「アスさん?何か隠してますね」

 

「えっと…………ツバサくんとキスしたいな~なんて……」

 

誤魔化そうとすると不意にツバサくんが私にキスをした

 

「これからは……あまり我慢せずに素直に言ってくださいね」

 

「ツバサくん///」




次回!またまだバッタモンダー回!
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121 アスの力

桜空side

 

ある日の事、アスとツバサの二人が僕の部屋を訪れ、ある事をお願いした。それはアスにとっては悩みに悩み抜いたこと…………

 

「地竜の力をアスに戻す?」

 

「うん……この間のストレイアとの戦いで……今のままだと私は負ける……四元の力で一時的に元の力になったとしても勝てないって分かったの……それで……」

 

「本来の力を取り戻すか……僕は別にいいけど……」

 

僕はアスの隣にいるツバサを見た。元々アスが僕に地竜の力を授けたのはツバサと一緒にいたいが為、当時は力加減を制御するために授かりの儀を行ったけど……

 

「僕もアスさんの提案には賛成です」

 

「良いのか?」

 

「もし……今のまま戦い続けて……アスさんが死んでしまうのは僕も嫌です……それに共に過ごしてきて今のアスさんなら元の力を取り戻してもきっと大丈夫だって信じていますから」

 

「そっか……それならブロン」

 

僕の呼び掛けに答え、白竜のブロンが現れた。

 

「地の力を返しますね」

 

ブロンはアスに触れるとアスの姿が高校生くらいになった

 

「おぉ……四元の力を使ってるときはこっちの姿だけど……日常的にこっちの姿になるのは何だか久しぶりな気がする」

 

「身体は大丈夫ですか?」

 

「うん、昔みたいにちゃんと加減が出来るようになったけど……」

 

アスはツバサを見つめると、今までと同じツバサと同い年の姿に変わった

 

「やっぱりツバサくんと一緒にいるときはこっちの姿じゃないとね」

 

「そうですね……少し成長したアスさんは綺麗だけど……僕はいつも通りのアスさんが一番好きです」

 

「も、もう///ツバサくんは///」

 

アスは照れてツバサの背中を叩くがツバサは少し痛がっている位の反応を見せていた。どうやら本当に力加減が上手く出来ているみたいだけど…………人の部屋でいちゃつかないでほしい……

 

 

 

 

ため息を付きつつ、ツバサたちと一緒にリビングに行くとましろが頭を抱えていた。

 

「これじゃ駄目!どうしよう……絵本のテーマが決まらないよ……」

 

絵本コンテストが近いため、ましろはそれに向けて絵本作成をしていたが……かなり難航しているみたいだった。僕も力になりたいけどこういうのってどうアドバイスすれば良いのか分からない……

 

「やっぱり楽しいのが良いのかな? それとも、インパクト重視? 全米が泣くような感動ものにするべき?」

 

「ましろ、迷走してる迷走してる」

 

「うぅ……」

 

「今まで描いた絵本が沢山あるんですから、その中から選んで応募したらどうですか?」

 

「それじゃ駄目だよ! みんな、きっとすごい絵本を描いてくるから私も新作で挑まなきゃ!」

 

「そ、そうですか……」

 

「ましろさん! 気合いが入ってますね!」

 

「気合い入ってるよ! やる気で燃えてるよ!でも、何を描けばいいのか、全然分かんないよ……どうしよう……このまま何も思い付かなかったら、時間がどんどん過ぎて、地球がグルグル100回回っちゃうよ!」

 

これ、迷走所が気合い入りまくって空回りもしてないか?

 

「ましろさん、力が入り過ぎですよ! ちょっと肩の力を抜いて……固っ! 全然動かせません!」

 

どうにかして気分転換させないとダメだなと思っているとエルちゃんが庭に落ちた紅葉に興味を持った。良い機会だし散歩に出かけるのも悪くないかもしれないな

 

 

 

 

 

 

ライside

 

近くの公園でバイトをしているバッタモンダーを見つめると僕とテンペスター

 

「こぼさないように気を付けてね」

 

バッタモンダーがそう注意するが、子供は普通に受け取ったジュースを落としていた

 

「ジュース……」

 

「大丈夫? 濡れなかった?すみません……」

 

「大丈夫ですよ。代わりのジュース、お持ちしますね。ああ、お母さん。片付けは僕がやりますから」

 

「おじちゃん、ありがとう!」

 

「また来てね!」

 

頑張ってるな~バッタモンダー……まぁバイトしないと生活できないから大変だよな……

 

「ライ、普通に生活費出してやれば……」

 

「バッタモンダーの為にはならないだろ。それ……と言う食費は出してるぞ」

 

まぁ僕ら竜は食べる量が多いから……食費が凄いことになってるけどな

バッタモンダーは休憩に入り、僕らも付き合うことになった

 

「クソッ! 俺はアンダーグ帝国のバッタモンダー様だぞ! 俺の華麗な作戦でプリキュアを倒し、一旗揚げる予定だったのに……何とかアンダーグ帝国に戻る方法を考えないと……」

 

「いい加減諦めて今の生活を楽しめば良いのに」

 

「そうだぞ……こっちの世界は敵に襲われるようなことないし……」

 

「うるせぇよ!お前らは力を失ってもまだまだ力あるだろ!」

 

「お前は……」

 

諦めが悪いな……いや、諦めたら死んでしまうんじゃないかって思ってるのか?

 

「くそ……ん? アイツは……」

 

バッタモンダーの視線の先には屋台を引いた明らかにアンダーグ帝国の関係者がいた

 

「カバトン!」

 

カバトン……確かバッタモンダーの前にプリキュアに負けた……と言うかあいつ、隣に住んでる人だよな?何度か見かけたことあるし……

 

「カバおじちゃん!」

 

「芋ちょうだい!」

 

「お前達、また来たのねん!」

 

「だって、カバ焼き芋、超美味しいんだもん!」

 

「そうだろそうだろ! ホラ、おっきい芋食べるのねん!」

 

『やった!』

 

なんと言うかプリキュアに負けて、アンダーグ帝国から離れた割には充実した生活を送ってるような……

 

「へっ。アイツも、帰るに帰れないんだな。のんきに子供と笑って、落ちぶれたものだねえ。……って、俺もじゃないか!」

 

「まぁお前よりかは幸せそうだな」

 

「うるせぇ!このままではドン底まで落ちてしまう……落ち葉のように散って、最後は……何とかしないと!」

 

やれやれ、何を言っても無駄みたいだな……

折角だしカバ焼きイモでも買って……

 

「カバさん、カバさん。カバ焼きイモちょうだい」

 

「はいよ…………って竜女!」

 

「久しぶり~元気にしてたんだ」

 

「まぁな……そっちも元気そうだな」

 

「うん!」

 

何か見知った奴が楽しそうに話してるけど……これ、気づかれない内に離れて……

 

「あれ?ライ。また会ったね」

 

離れる前にバレたよ……アスに……

 

 

 

僕とアスは少し離れた場所のベンチで焼きイモを食べていた

 

「お前、僕が負けたあとに会ったとき、僕だって気づいてただろ」

 

「うん、悪巧みしてるのかなって思って……様子を見てたけど……楽しそうにしてるね」

 

「まぁ……ボチボチな……お前は……何か力戻ってないか?」

 

なんと言うか……戦っていたときは力を落としている感じだったのが、今は溢れに溢れまくってる

 

「色々とあってね……元の状態じゃないとダメみたいで……ライは?」

 

「あの竜擬きに力を奪われたけど、まぁ元に戻るには時間か一気に取り込むしかないけどな」

 

「取り込む?」

 

「僕らはその属性にあったものを取り込めば力を取り戻せる。僕の場合は雷だな」

 

「力を取り戻したら……どうするの?」

 

「……さぁ」

 

「さぁって……」

 

取り戻したらか……こっちの世界だと力がなくても困らないし……

 

「お前は……僕らが邪竜の配下になった理由は知らないだろ」

 

「うん……」

 

「僕とテンペスターは……お前たちみたいなと比べて、属性の力がかなり強い……それでも力は弱いものが生まれる」

 

「…………そうなんだ」

 

「力がなければ他の竜……いや、同族にすら襲われる。だから力を求めて邪の力を得た。まぁエクスみたいに更に力を高めようとしてる奴やリウムみたいに生かされている奴もいる」

 

「…………」

 

「ただこの世界で過ごすことになってからは力なんて必要ない……いや、必要でも弱い力でも役に立てることだってある……」

 

「そっか……」

 

「まぁ、僕やテンペスターの事はノアたちに話しておけよ。別に知らされても困らないしな」

 

「うん……」

 

僕はそのままアスと別れ、バッタモンダーの様子を見に行くと……バッタモンダー……またあのキュアプリズムと一緒にいるよ……




一応と言うべきか……ラスボスはオリジナルになります
どういうのかその時に……
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122 落ち葉の気持ち

ライside

 

キュアプリズム……確かましろとか言ったな……そいつとバッタモンダーがベンチで何か話してるけど……大丈夫か?

 

『落ち葉?』

 

『はい! 今度また、絵本のコンテストがあるので、応募しようと思って!』

   

『前回は駄目だったけど、今度こそ入選したくて!』

 

『絵本作家になる。それが君の夢だったね?』

 

『はい! 夢を叶えるために、頑張ってます!』

 

『頑張り屋さんだね』

 

バッタモンダーのことだからまた精神的に追い詰めようとかしてるんだろうけど……

 

「な、なぁライ」

 

「どうした?」

 

「あっちの方……やばくないか?」

 

テンペスターが指を指した方を見ると、あの二人から少し離れた木の陰に竜擬きがいたが……あれ、氷竜の力……溢れに溢れて木を凍らせてない?

 

「ど、どうするんだよ?」

 

「ど、どうしようもないだろ……」

 

「桜空、嫉妬してるね~」

 

「そうなんだ……ってアス!?」

 

さっき別れたばかりなのに何でまた僕のところにいるんだよ!?

 

「皆のところに合流しようとしたら、ライたちが何かしてるの見つけて……つい」

 

何かもうちょっとあるだろ……こう……あんなシリアスな話をして別れたのに……

 

「それよりも桜空は……あぁ何か嫉妬してしまっていることを反省し出してる」

 

「あの二人は……」

 

『でも、頑張っても上手くいかない事ってあるよね……』

 

『え?』

 

『頑張れば夢は叶う、なんて言うけど、必死に頑張ったって、夢が叶う人なんて、ほんの一握り……勝つのは、いつも、強い力や才能を持つ人達だ……その他大勢は、どんなに頑張ったところで、夢を叶える事なんてできない……だから、夢なんて見ない方がいい……辛い思いをするだけだから……どうせ最後は、落ち葉みたいに落ちて、消えてなくなるんだから-』

 

辛い思いをするなら夢なんて見ない方がいいか…………

 

「……そうだよな。いつか救われる。いつかやり返せる。そう夢を見続けていたこともあった……よ。僕も」

 

「そうだな……どんなに頑張っても……な」

 

だからこそ僕たちは……邪の力を求めた

 

「夢に才能とか関係あるのかな?」

 

「「はい?」」

 

「私にはそう思わない。確かに辛い思いをするときもある。叶わないから諦めることもあるけど…………私は最後まで諦めたりせず夢を追い続ける……そうすれば夢は叶う。そう思うよ」

 

「それはお前が……」

 

「それに後ろや下を向かずに前を向けば、少しは気持ちも明るくなるよ」

 

前を向くか……

とりあえずあの二人の様子を見るか

 

『紋田さん……辛い思い、してるんですか?』

 

『え?辛い? 僕が?』

 

『紋田さん、元気ないから……なんだか苦しそうで……もしかして、絵の事で悩んでるんですか?』

 

『やだな……全然そんな事ないよ……ただ落ち葉を見てると、そんな気持ちになるんだよ……緑だった葉っぱが枯れて、地に落ちて、踏まれて、みじめだなって……』

 

『落ち葉は全然みじめじゃないですよ』

 

『え?』

 

『木が葉を落とすのは、寒い冬を乗り越えるためなんです。冷たい空気に触れる面積を、少しでも減らすために』

 

『それは、木に切り捨てられたって事じゃ?』

 

『いいえ。落ちた葉っぱは、土になって、木の栄養になるんですよ!枯れた色も綺麗だし、落ちても頑張ってるって感じで、落ち葉、私は好きですよ!』

 

ましろがそう言うと、バッタモンダーは辛そうな顔をしながら、そのまま走り去っていった。

 

「根っこの部分か……」

 

とりあえず追いかけていくか。その前に……

 

「アス、付いてくるなよ」

 

「はいはい」

 

「行くぞ、テンペスター」

 

「お、おう……」

 

 

 

 

 

桜空side

 

本当に自分の嫉妬心をどうにかしたいと思いつつ、ましろの所に行く僕

 

「ましろ、誰かと話してたけど……」

 

「あ、桜空くん……さっき紋田さんと会って……私、傷つけるようなこと言ったのかな?」

 

「傷付ける?どうだろうな?傷つけたと言うより……ましろの優しさに触れるのが嫌だったんじゃないか?」

 

「私の?」

 

「だから逃げたんじゃないのか?」

 

「そうなのかな……」

 

「だからましろ」

 

僕はましろの隣に座り、手を握りしめた

 

「僕はましろの優しさはきっと通じてるって思うよ」

 

「そっか……うん……私!紋田さん、追いかけてくる」

 

「僕も行くよ」

 

 

 

 

 

 

 

ライside

 

バッタモンダーを追いかけていくとバッタモンダーが膝を抱えているのを発見した

 

「この俺が苦しそうだって? 分かったような事を! お前に俺の何が分かる!」

 

声をかけようとすると、誰かがバッタモンダーに近づいてきた。あれは……スキアヘッド!?

 

「どこかで見た事があると思ったら、お前か。バッタモンダー」

 

「ス、スキアヘッド様!」

 

「何をしている?」

 

「え?」

 

「なぜ、まだのうのうと生きている?お前は、いつもそうだ。何の力もない落ちこぼれのくせに、諦めが悪い。あがき続けるお前の姿は見苦しく、目障りだった。プリンセスを連れ去る任務を放棄し、プリキュアに執着し、あげく敗北した。力のない者に存在する価値はない。消え失せろ」

 

スキアヘッドが黒いエネルギー弾を放とうとした。僕は咄嗟にバッタモンダーを助けようとすると、その前にましろと竜擬きがバッタモンダーを庇おうとした

 

「やめて!」

 

「スキアヘッド!」

 

「どうして、こんな事するの?」

 

「価値のない者を消そうとしているだけだ」

 

「紋田さんをそんな風に言わないで!」

 

「価値がないって……お前が決めるなよ」

 

「そいつについて話す事すら時間の無駄だ。アンダーグエナジー!召喚!」

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

スキアヘッドはキッチンカーとパラソルを混ぜ合わせキョーボーグを生み出した。ソラたちと合流し、ましろたちはプリキュアに変身した

 

「「「「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「ウイング!」

 

「バタフライ!」

 

「マジェスティ」

 

「「「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」 

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「あげて広がるワンダホー!キュアバタフライ!」

 

「降り立つ気高き神秘!キュアマジェスティ!」

 

「「「「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」」

 

プリズムたちは一斉にキョーボーグに向かっていくが

キョーボーグは物凄いスピードでみんなを撹乱し、持っていたパラソルを放つ。僕、ノア、スカイ、マジェスティでパラソルを弾き返そうとするが、パラソルの回転により、逆に弾かれてしまった

 

「あのパラソル、厄介だな」

 

「生半可な攻撃は弾かれるか……」

 

どうしたものかと考えているとアスがパラソルに向かっていった

 

「元に戻った力と雷の力を掛け合わせて!地雷砲!」

 

雷を纏った岩の塊を放つが、パラソルの回転が少し収まったくらいだった

 

「アス!雷竜の力とお前の力が上手く合わさってない!」

 

「それ、どういうこと?」

 

「もしかすると地の力が強すぎるんだ!」

 

まさかここに来てそんな弊害が……アスはしばらく考えると……

 

「力加減だね……」

 

アスは目を閉じ、力のコントロールを始めた。その間にキョーボーグをどうにか動きを止めないと……

 

「あのパラソル……止められるかも!」

 

プリズムはそう言ってスカイたちと相談し、パラソルに向かってプリズムショットを放つ。プリズムショットはパラソルに弾かれるが、スカイとウィングの二人が弾かれたプリズムショットの威力を強め、パラソルに当てるとパラソルの動きが止まった

 

「お待たせ!雷地砲!」

 

アスは動き回るキョーボーグに向かって無数の石に雷を纏わせたものをキョーボーグに当て続け、キョーボーグが怯んだ

 

「地の力を弱めたか」

 

「私なりに考えてるんだよ!みんな。今だよ!」

 

『マジェスティクルニクルン!ひろがる世界にテイクオフ!プリキュア・マジェスティック・ハレーション!』

 

マジェスティック・ハレーションによりキョーボーグが浄化された

 

「ほう。力のない弱い者でも、集まれば強い力となるのか」

 

スキアヘッドは物陰に隠れていた紋田を見つけ、近寄ろうとするとスカイが透かさず助けに入った

 

「やめなさい!なぜ、あなた達アンダーグ帝国は、こんな事をするんですか!?」

 

スカイは殴りかかるがスキアヘッドは表情を変えず受け止めていた

 

「愛するお方が、それを望んでいるからだ……」

 

「えっ?」

 

「未熟!」

 

一瞬の隙をつかれ、黒いエネルギー弾に当たりそうになったスカイをウィングが助けに入り、スキアヘッドはそのまま去っていった

 

「くっ……未熟……」

 

 

 

 

 

 

 

ライside

 

戦いを見続け……

 

「力か……集まれば強くなる……」

 

僕は空を見つめた。

 

「やってみる価値あるかな?」

 

 




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123 シャララ隊長の来訪

ノアside

 

この間の戦いでスキアヘッドの言葉を聞いてから様子がおかしいソラ。俺としては何かしら言った方が良いのかと思いつつも、声をかけられないでいた。

そんな中、俺たちはこちらの世界にやって来たシャララを出迎えていた。

 

「わざわざご苦労様」

 

「王様の命ですから……スカイランドの命運がかかった研究成果ですから、必ず持ち帰るようにと」

 

今回シャララが訪ねてきたのは、ツバサが以前から研究していたキラキラエナジーについてだ。

キラキラエナジーによって壊された街などの修復機能を見て、スカイジュエルを使い、キラキラエナジーを発生させればキョーボーグがトンネルを通ってスカイランドに現れるのを防いだり、外からの攻撃を防げるはずとのことだった。

また研究が上手くいけばプリキュアではなくてもキョーボーグを浄化させることが出来るらしい。ツバサは研究資料をまとめるのに夕方までかかると言うことでシャララに待ってもらうことに……

 

「それとノア殿。ツゥド殿たちがスカイランドに来ている」

 

「木竜のじいさんたちが?」

 

「嫌な予感がするとのことで、暫く滞在しているらしいが…………」

 

木竜のじいさんが何かを警戒している……邪竜たちの動きが活発になり始めているのか?

 

「…………」

 

「ノア……」

 

「木竜のじいさんたちなら大丈夫だ」

 

何かあったとしてもそうそう負けることはない。

 

 

 

 

 

 

ツバサの資料まとめが終わるまでの間、シャララに街を案内することになった。因みにアスは残ってツバサの手伝いをすると言い出した。あいつも変わったな……

 

「みんなに街を案内してもらえるとは……この服、どうかな?」

 

そう聞くシャララだが、ソラは上の空だった

 

「え?」

 

「似合ってないかな?」

 

「と、とっても素敵です! ハハ! ハハハハ!」

 

本当に大丈夫か?ソラ……

 

「あげはちゃんの服、ピッタリ!」

 

「私より着こなしてるよ!」

 

「それで、どこに連れていってくれるんだ?」

 

「とっても良い所があります!」

 

 

 

 

 

桜空side

 

ましろが提案した場所はショッピングセンターなのだけど……シャララ隊長の反応が初めてソラが訪れたときと同じなんだけど…………

 

「スカイランドの人間って……みんな同じ反応するのか?」

 

「さ…さぁ…?」

 

「もしかしたら少年とかそう言う反応をしてたりとか?」

 

確かに……ツバサってソラとエルちゃんが来るずっと前からこっちの世界にいたから……いやでも虹ヶ丘家から外に出たりしていたのか?謎だと思いつつ、シャララ隊長はジャージが気に入り購入するのであった

 

 

 

 

 

 

 

ノアside

 

家に戻ってもソラは上の空だった。そんなソラにシャララはトレーニングをしないかと誘った

 

「ジャージを試してみたくてな。無理に付き合わせたかな?」

 

「とんでもないです! シャララ隊長とトレーニングできるなんて光栄です!」

 

「トレーニングをする前には身体をほぐし、入念な準備が必要」

 

俺は側で様子を見ることにした。二人が柔軟をしていると、シャララはソラに訊ねた

 

「で?」

 

「はい?」

 

「何があった?」

 

「な、何って……」

 

「隠しているつもりだろうが、真っ直ぐなヒーローは、ウソが苦手なようだ。それで何を悩んでいる?」

 

「一瞬、戦いを忘れました……」

 

ソラはあの時の戦いでスキアヘッドの言葉に戸惑いを感じたことを話した

 

「自分でも理由が分からないんです……」

 

「なるほど。その答えを求めてるという訳か」

 

「はい……」

 

「言ったはずだ。君は君のヒーローを目指せ」

 

「大切な仲間とともに……分かっています……仲間に相談するべきだって……でも……今回はしません……1人で考え、私1人で答えを見つけたいんです……」

 

ソラなりに一人で答えを出すべきと判断したんだろうが……そう言うことを許してくれない奴がいることを忘れているな……

俺は茂みの中から様子を見ていたましろたちを見ると、ソラの言葉を聞いてツバサが飛び出してきた

 

「またですか!」

 

「ツバサ君!」

    

「ちょっと……」

 

「まぁ、落ち着きなって!」

 

「ボク達に相談して下さいよ!1人で答えを見つけたいだなんて……ボク達、仲間でしょ!水臭いじゃないですか……1人で抱え込むなんて、ただのワガママです!」

 

「ワガママかもしれません……でも、今回は、1人で考えないと、ダメなんです……スキアヘッドに一歩踏み出せなかった、私と向き合わないと……答えは出せないと思うんです!」

 

「少年だって、1人で頑張ってるでしょ! キラキラエナジーの研究!」

 

「それとこれとは話が違いますよね!? 研究はボクしかできない事だし……」

 

「同じじゃん! ソラちゃんの気持ちはソラちゃんにしか分からない! ソラちゃんにしか答えは出せないと思わない?」

 

「だよね! ソラちゃん! 私達にできる事があったら、協力するから、思いっきり考えて、目一杯悩んでよ!」

 

「本当、ボクらで相談に乗れる事があったら、して下さいよ……」

 

「はい!」

 

「それにさ、ノアなんて相談してくれなくって寂しそうだったよ」

 

「俺は別に……」

 

「ノア……すみません」

 

「気にするな」

 

そう言う俺だが、フウは俺を見て笑っていた

 

「ノアも変わったな」

 

「お前もな、フウ」

 

俺とフウは互いに笑い合うのであった

 

 

少ししてシャララが帰る時間になった

 

「お願いします……」

 

「この研究と、動きやすいジャージがあれば、敵はなし。必ず平和は訪れる。」

    

「随分気に入ったみたいですね! ジャージ!」

   

「きっと、答えは見つかるさ……」

 

「はい!ありがとうございます!」

   

「立ち止まるな。」

 

「ヒーローガール!」

 

ソラも少しずつだが前を向き始めたな……




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124 戦う理由

ノアside

 

ソラが答えを出そうと決めた次の日……

 

「見つかりませーん! 答えがまるで! どうしたらいいんですかー!」

 

「家でずっと考えているより外にでも出たらどうだ?」

 

「ノア……ノアはどう思いますか?」

 

「……どうと言われてもな……俺は変わらない」

 

「変わらない?」

 

「俺はソラを守るために戦ってきた。今はソラのために戦っている。それだけだ」

 

「ノア……」

 

我ながら恥ずかしいことを言ってしまったな……とりあえずみんなを誘って外に出掛けることにした。

 

 

 

 

 

桜空たちと一緒に街に出て色んな所を回りつつ、ソラも少しは気が楽になるかと思っていると、俺たちの前にスキアヘッドが現れた

 

「スキアヘッド!?」

 

「キラキラエナジーを研究しているみたいだな」

 

「どうしてそれを!?」

 

「無駄なことを……アンダーグエナジーこそ最強の力。それをどうこうしようなどと……小賢しい!アンダーグエナジー召喚!」

 

スキアヘッドはマネキンと標識を混ぜ合わせ、キョーボーグに変えた。みんなが身構える中、ソラだけは戸惑っていた

 

「ソラ!集中しろ!」

 

「はっ!?はい!」

 

ソラたちはプリキュアに変身し、俺たちも戦闘形態に変わった

 

「「「「「スカイミラージュ! トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」」

 

「スカイ!」

 

「プリズム!」

 

「ウイング!」

 

「バタフライ!」

 

「マジェスティ」

 

「「「「きらめきHOPホップ、さわやかSTEPステップ、はればれJUMPジャンプ」」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」 

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「あげて広がるワンダホー!キュアバタフライ!」

 

「降り立つ気高き神秘!キュアマジェスティ!」

 

「「「「「ReadyGo!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」」

 

キョーボーグが標識をフリスビーのように飛ばしてくるが、ウィングとマジェスティの二人が蹴り返し、プリズムとバタフライがキョーボーグに攻撃を与えるが、スカイだけは戦いに集中できず、キョーボーグの攻撃からウィングと俺に守られていた。俺たちは一旦ビルの屋上に避難することにした

 

「スカイ、今は……」

 

「わかってます……わかっているのに……なぜ戸惑う? 私は……」

 

「スカイ……」

 

「…………」

 

そこまで悩み続けているのであれば…………

 

「ウィング」

 

「はい」

 

キョーボーグの攻撃がスカイに迫るが、俺とウィングはキョーボーグの攻撃を弾いていき……

 

「話せばいいじゃないですか!」

 

「え?」

 

「あ、ボクとじゃなくて、スキアヘッドとです。そんなにスキアヘッドが気になるなら、話してみたらどうですか!」

 

「話す……スキアヘッドと……」

 

「みんな! スカイをスキアヘッドの所へ! スキアヘッドと話をさせて下さい!」

 

ウィングの呼び掛けにプリズムたちや桜空たちが答えた

 

「スカイ! スカイを行かせる事が、仲間として今、私達ができる事だね!」

 

「プリズム……みんな!」

 

「付き合うぞ。スカイ!星竜!」

 

俺は星炎竜に変わり、スカイと共にスキアヘッドの所へ向かう。キョーボーグが妨害に入るが

 

「氷刃刀!」

 

「地岩弾!」

 

「風鎖!」

 

プリズムたちと桜空たちの協力でキョーボーグを吹き飛ばし、スキアヘッドの所へたどり着いた

 

「スキアヘッド!」

 

「小賢しい!」

 

スキアヘッドは黒いエネルギー弾を放つが、俺は星の剣で弾いていく。スカイは対応しきれず、地面に落ちてしまった。スキアヘッドはスカイに止めを指そうとするが……

 

「ずっと……考えていました……なぜ私に隙が生まれたのか……あの言葉を、聞いたから!」

 

「我らが戦う理由を聞いて怯んだというのか? 今になって」

 

「あなたも誰かのために戦っている……私達と同じじゃないかって……」

 

「だったら何だ?」

 

「だとしたら、私達は戦わなくてもいいんじゃないかって!」

 

「つくづく未熟。戦う相手を気にかけるとは」

 

スキアヘッドは黒いエネルギー弾を放つ。俺はスカイを守りに入るとスキアヘッドはビルの屋上に移動し、巨大なエネルギー弾を作り出していく

 

「この前と同じ。考え、悩む事で、戦いに迷いを生む。見せてやろう。お前の迷いが、この街ごと吹き飛ばす」

 

「あなたはどうして、迷わないんですか? 悩まないんですか!?誰かのために戦うあなたが、どうして!なぜ人を傷付けられるのか、なぜ、あなたがみんなを苦しめられるのか、教えて下さい!」

 

スカイの言葉を聞き、俺はスキアヘッドの言葉に違和感を感じた

 

「お前が知る事はない。ここで消えるのだからな。戦う相手への興味。それ自体は否定しない。だが、お前の興味は感情的。街は消える。すべては、お前が引き起こした。己の未熟さを呪うがいい」

 

「これが未熟というのなら、未熟でも構いません……未熟だから知りたいんです・・・。未熟だから、立ち止まらず、前に進まなければならないんです!考えて悩む事が未熟だというならば、それでいい! それこそが……仲間とともに、私が目指すヒーローです!ノア!」

 

「あぁ!」

 

スカイの拳に俺の炎…………いや、星炎を宿らせた。スカイは駆け出していき、スキアヘッドが放った巨大なエネルギー弾に向かっていき……

 

「ひろがる!フレイム!スカイパンチ!」

 

星炎の拳で巨大なエネルギー弾を打ち消した

 

「この力は……」

 

「スキアヘッド……話をしましょう……」

 

話そうとするスカイだが、その二人の前にキョーボーグが落ちてきたため、スキアヘッドはそのまま撤退した。残ったキョーボーグはスカイたちによって浄化されるのであった

 

 

 

 

 

 

「スキアヘッドにも、戦う理由はあるのかもしれません……ですが、どうして誰かを傷付ける事ができるのでしょう?」

 

「うーん……答えは簡単には見つからないかもね……」

 

「はい……簡単じゃないかもしれないですけど、もっと彼らの事を知れば、きっと、答えは見つかると思うんです!」

 

「うん!」

 

ソラが改めて誓いを立てる中……俺はスキアヘッドの言葉に違和感をずっと感じていた。

奴の言葉……偽りのようにしか感じない。それは俺がスキアヘッドをただの敵として見ているからなのか?分からないが……

 

「ソラ」

 

「はい?」

 

「俺はお前のために戦う。何があっても……お前を守るために……」

 

「ノア……はい!」

 

俺も自分の戦う理由を改めて誓う。

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその誓いを破らないために戦ってきたが……俺は目の前にいる黒い姿の…………

 

「……もうおしまいだな……」




最後の最後に不穏な事をやりつつ……
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125 雨の中で……

桜空side

 

「その日は……朝からとても強い風が吹いていました。びゅーん! と、その日一番の強い風が吹いて、うわー! とうとう葉っぱが一枚吹き飛ばされてしまったのです。おちばくんはしょんぼりしてしまいました。ボク一枚じゃ花も咲かせられないし、実もつけられない……ボクには何もできないよ……

それから、おちばくんは……うーん……」

 

「思い付かないのか?」

 

「あ、桜空くん。どうかしたの?」

 

「絵本の進捗どうかなって?」

 

ましろはここ暫くずっと絵本作りに集中しているみたいだ。

 

「コンクールに出す絵本だろ」

 

「コンクールに……あっ……」

 

ましろ、その今思い出したかのような反応は……忘れてたのか?

 

「あはは……コンクールのこと忘れてた」

 

「それは……それだけその絵本を完成させる事だけに集中してるって事だな」

 

「うん……」

 

それにしても落ち葉の話か……

 

「僕には在り来りなことしか言えないけど……落ち葉には落ち葉にしか出来ないことがあるのは当たり前だけど……これはましろの描いた絵本だ。だから……」

 

「私が描いた絵本……」

 

「この落ち葉には何でも出来る……そんな感じかな?」

 

「何でも出来る……桜空くんなら?」

 

「僕?僕は……ましろのヒーローでありたい」

 

「私のヒーローか……えへへ、嬉しいな」

 

ましろは嬉しそうに……本当に嬉しそうに笑っていた。僕はこのましろの笑顔を失いたくないな……

 

 

 

 

 

 

 

ライside

 

天気は悪く、空も今にも雨が降りそうな中、僕は早朝からテンペスターと一緒に雲の中にいた

 

「ある程度は貯まったな」

 

「お、俺はまだ……もう少し……」

 

「そっか、じゃあ僕は先に戻るよ」

 

テンペスターと別れて、近くの公園に降りるとバッタモンダーとましろの二人がいるのを見掛けた

 

『紋田さん!』

 

『ひぃ!?』

   

『おはようございます!』

 

『やあ。こんな天気なのに、朝から散歩かい?』

 

本当に二人で会ってるのか~今回は竜擬きはいないみたいだな

 

『そんなところです……実は、また絵本の事で悩んでて……そうだ、紋田さん! 良かったら、私の絵本を読んでもらえませんか?』

   

『僕が?』

 

『実はこの絵本、紋田さんとお話しした事を元に描いてるんです!』

 

ベンチでバッタモンダーはましろが描いた絵本を読み終え……

 

『どうすれば、このおちばくんのお話をハッピーエンドにできるかなって、すっと悩んでて……』

 

『ハッピーエンド?』

 

『紋田さんが落ち葉を見ても、辛い気持ちにならずに済むような、そんなお話にしたいんです……』

 

ハッピーエンドか……確かに何事も幸せな終わり方がいいよな……だけどバッタモンダーは立ち上り……

 

『君が悩むのも当然だよ……なぜだと思う?』

 

『え?』

 

『役立たずの落ち葉に、ハッピーエンドなんてありえないって、内心じゃお前も気付いてるからだよ……』

 

スケッチブックを破っていき、地面に叩きつけて踏みつけていく。バッタモンダー……お前は……

 

『落ち葉にだって意味がある? 落ち葉が好きだ?そんな綺麗事で、誰が救われるっていうんだよ!そもそも、全部お前らのせいじゃねーか! お前らのせいで、俺は負け犬のまま、アンダーグ帝国に帰る事もできない!』

 

『アンダーグ帝国?バッタモンダー?』

 

自暴自棄になり、正体に気付かれたバッタモンダーはましろからプリキュアに変身するペンを奪い取ると……

 

『仲間を呼ぶなら、今ここで壊すからな!』

 

『全部……ウソだったんだ……』

 

『ああ、そうさ!』

 

『何で、そんな事……』

 

『お前の心をめちゃくちゃに傷付けるためだよ! どうやら大成功みたいだな! ウハハハハ!』

 

『良かった……』

 

『え?』

 

『紋田さんが苦しんでたのも、ウソだったんだ……』

 

ましろ……キュアプリズム……眩しいな……酷いことをされたのにバッタモンダーにそんな優しい事を言えるなんてな……

 

『でも、あの時、スキアヘッドがあなたを狙っていたのは……』

 

『そうだよ! 任務に失敗したから、俺は消されちまうんだ!』

 

『私達なら、あなたを助けられるかもしれない……ううん……助けてみせる!だからミラージュペンを返して!』

 

バッタモンダーはましろの言葉を聞き、歩み寄ろうと……いや、すがろうとしたが……直ぐに後ろに下がった

 

『あ、危ね! そうはいくかよ!ペンを取り戻したら、俺を始末するつもりだろ! バレバレ過ぎて笑えるぜ! ヘヘヘヘヘ!』

 

バッタモンダーはそう言うがましろは真っ直ぐバッタモンダーを見つめていた

 

『お、俺はお前を騙してたんだぞ! それに……』

 

『助けるよ!』

 

『お前には分かんねぇよ……何の価値もない落ち葉の気持ちはな……バッタモンモン……』

 

バッタモンダーは消え、雨が降り続ける……僕は消えたバッタモンダーを探しに向かった。

 

 

 

 

 

桜空side

 

雨が降ってきた事に気がつき、迎えに行こうとしたらソラも付いていくと言い出し、二人で迎えに行くことにした

 

「すみません。桜空さんの邪魔をして」

 

「いや、気にしてない。というか謝る必要も……」

 

「だって桜空さんはましろさんのヒーローでは?」

 

「いや、ソラもだろ」

 

「あはは、そうでしたね」

 

二人でそう話していると、公園のベンチの前で座り込むましろを見つけた

 

「ましろさん! 大丈夫ですか!?」

 

「ましろ!」

 

僕らは座り込むましろに駆け寄る。ましろはボロボロになったスケッチブックを手にしていた

 

「ましろさん……」

 

「ましろ……」

 

「ソラちゃん……桜空くん……」

 

ましろは僕らに抱きつき、泣き出した。

僕は……僕は……何をしていたんだ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

ライside

 

バッタモンダーを探していると、路地裏にいるのを見つけ、声をかけようとすると……バッタモンダーの前にスキアヘッドが現れた

 

「ス、スキアヘッド様!」

 

「お前に、無価値ではないと証明するチャンスをやろう」

 

スキアヘッドは黒い塊を取り出し、バッタモンダーに差し向けた

 

「そのアンダーグエナジーを取り込めば、強大な力が手に入る」

 

「で、ですが、こんなヤバい力を取り込んだら、俺は……」

 

「そうだ。お前の心はアンダーグエナジーに取り込まれ、消滅する。後に残るのは、強力な力を持つ怪物だけだ。嫌だと言うならば、ここでお前を消す。さあ、自分が無価値ではないと証明してみせろ」

 

スキアヘッドは消え、雨の中俯くバッタモンダーに僕は声をかけた

 

「バッタモンダー……」

 

「ライ……か……何しに来た?」

 

「お前は……そのままでいいのか?」

 

「……黙れよ。黙ってろよ……お前に何が分かるんだよ!役立たずの俺の気持ちは……」

 

「僕にだってわかるよ……力ない自分が嫌だったから……」

 

「お前は…………もういい、俺の前から消えろ!テンペスターにも伝えておけ!」

 

バッタモンダーは再び姿を消した。

 

「…………」

 

「ライ……」

 

いつの間にかいたテンペスター。テンペスターもバッタモンダーの今の気持ちを知ってるんだな……

 

「なぁテンペスター……」

 

「な、なんだ?」

 

「バッタモンダー……助けたいな」

 

「…………そうだな」

 

 

 

 

 

 

 

桜空side

 

ましろが落ち着きを取り戻し、何があったのか話してくれた。バッタモンダーが…………

 

「ごめんね、みんな……私のせいで、ミラージュペンも取られちゃって……」

 

「ましろさんのせいじゃありません!」

 

「そうだよ! アイツ、ましろんをだまして、傷付けて……」

 

僕も何かを言うべきだけど……今は黙っていることにした。

 

「いっぱいウソつかれたし、酷い事もされたけど、バッタモンダーの事、今はあんまり怒る気になれないんだよ……」

 

「ましろさん……」

 

「アンダーグ帝国の人達は、強さや力の事ばかりで、他の人より優れてないと、価値がないって思ってる……その気持ち、ちょっとだけ分かる気がするから……得意な事も、将来の夢もなかったから、自分には何もない気がして……でも……今は違う……自分は自分のままでいいんだって気付けたから……」

 

「ましろさん……」

 

ソラはボロボロになり、破かれた落ち葉くんの絵を見つめた

 

「何もできないって悩んでるおちばくんは、ましろさんだったんですね……」

 

「あっ……そっか……楽しいだけじゃない……苦しんでる人を元気付けるような、そんな絵本を描きたいと思ってた……あの時、落ち葉を見て辛そうにしてた紋田さんみたいな人を少しでも元気にできたらって……でも、この絵本は、私のお話でもあったんだ……みんな、お願いがあるの! ミラージュペンは必ず取り返さなきゃいけないけど、その前に、私、バッタモンダーと話したい!」

 

ましろの決意を聞き、みんなが頷く中……僕は…………

 

「ましろ……」

 

「桜空くん?」

 

「ごめん……僕は今回……バッタモンダーを助けるのに参加しない……」

 

「えっ……」

 

僕は…………

 

 

 

 

 




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