ゲームしてたらパルデア地方に何故かいる『元』24歳は自分です (DELTA-nuinui)
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【復帰勢登場!その名はデルタ!】

 

ポケットモンスター……縮めてポケモン。

 

不思議な力を持ち、ありとあらゆるサイズを持った生き物達と『出会い』『戦い』そして『一緒に冒険する』ゲームである。

 

プレイヤーのことは『トレーナー』と呼ばれ、トレーナー達は初めに貰う3匹の中から1匹を選び、各々のやり方で育成をして頂点を目指す世界ぐるみで大人気シリーズのゲームである。

 

そんなポケモンシリーズに2022年11月18日に新たなソフトが発売された。

その名は【ポケットモンスタースカーレット】と【ポケットモンスターバイオレット】だ。

 

俺にとってポケモンは小学3年生までやったDSの【ポケットモンスターパール】が最初で最後だった。

後はテレビ東京が12chだった頃に【アドバンスジェネレーション】と【ダイヤモンド・パール】を見て少し【ベストウイッシュ】とキッズステーションでやってたポケモンのアニメを見てたくらいだった。

 

それ以上のことは無かったのだが、俺は時折YouTubeでVTuberの配信を見るようになった時の事だった。

そん時にやってたのが【ポケットモンスターバイオレット】だった。

見た当初は『懐かしい』なんて感想は無かった。

 

「すげぇ……」

 

それだけだった。

何せまず世界観が3Dでトレーナーも2頭身じゃない、ポケモンも草むらをランダムに踏めば出るのではなく、その辺を歩いているのだ。

 

俺は突然の光景に、いい歳して部屋で飛び跳ねた。

 

「すげぇ!すげぇよポケモン!!」

 

俺はめちゃくちゃポケモンSVがやりたくなり、まずはNintendo Switchとポケモンスカーレットを購入した。

(調べたところ配信者さんはバイオレットをやってる人の方が多かったので、スカーレットを買えば『何か困った時になんか出来る!』というアホ丸出しの考えで購入した。)

 

ポケモンSVは初のオープワールドとなっていて、ジム・ヌシ・スター団の順番を好きに決めてプレイすることが出来た。

 

俺がスカーレットを買った時には発売から1週間はたってたので、既に攻略情報などは出回っていたので……

 

 

 

 

 

 

「とりあえず『ラウドボーン』と『パフュートン』と『ファイアロー』と『パーモット』と『マリルリ』と『キノガッサ』+‪αを育ててレベル80代にしてから楽々ライフ行こー!」

 

という考えで俺は始めた。

 

初めて持つNintendo Switchの手順を確認しながら俺は色々とキャラ設定をした。

 

「へぇ〜肌の色とか髪型とか色々決められるんだ……」

 

俺はそれでキャラメイクを行い、肌は1番茶色いのにして、目は紫、髪はスキンヘッドとか欲しかったが無かったので、肌によく似た色のピンクを選択して髪型はツーブロックにした。

あとは目つきとかをちょちょいとイジって完成した。

 

「よし!これで完成!名前はデルタだ!」

 

 

そして俺はポケモンスカーレットを始めた。

 

 

 

 

 

それから約1日

 

俺のポケモン達は主にベイクタウンの坂を登った所にある遺跡辺りで、レッツゴーを使ってスリーパー、ドータクン、ナカヌチャン、ヤバチャ偶にストリンダーやバンバドロとドロバンコ、ラッキーなどを狩ってレベルが皆60代になってきた。

 

「すげぇ……小学生の頃じゃ絶対無理だったわ……『がくしゅうそうち』無しで手持ちに経験値割り振るシステム天才すぎだろ…」

 

そんなこんやして、まずはヌシルートを優先してコライドンの機動力から入った。

 

攻略情報では

 

(いわ)ガケガニ 16Lv ダッシュ

 

(ひこう)オトシドリ 19Lv なみのり

 

(はがね)ミミズズ 28Lv 大ジャンプ

 

(じめん)イダイナキバ/テツノワダチ 44Lv かっくう

 

ヘイラッシャ&(ドラゴン)シャリタツ 55Lv がけのぼり

 

となっていた。

 

「最後のヌシ……レベル60はキツいな……」

 

俺は攻略情報を元にイダイナキバまでやった後にオージャの湖で野生のヘイラッシャ狩りを始めた。

 

主力をパーモットにして、技をでんき技とあく技を入れた。

 

ヘイラッシャ狩りになぜあく技がいるかというと。

 

ミガルーサ「やぁ」

 

コイツがいるからである。

 

めちゃくちゃ早いし躊躇ない!

 

「いけぇ!パーモット!そんなクソ魚雷噛み砕いちまえ!」

 

そして俺のポケモン達はオージャの湖を利用することでレベル80どころか95くらいにまで育って、ヘイラッシャもシャリタツも余裕で倒したのだった。

 

この後ペパーと戦うが俺はその前にジム戦をする。

 

(いっそのこと攻略情報のオススメのジム戦の順番と逆に挑みたい!)

 

そう考えて俺が最初に選んだのは、グルーシャがやってる氷のナッペ山ジムだった。

 

そっからはエスパーのベイク、ゴーストのフリッジ、ノーマルのチャンプル、みずのカラフ、でんきのハッコウ、くさのボウルそして最後にむしのセルクルジムをクリアした。

 

「これで全ての野生ポケモンをゲット出来る!」

 

そしてYouTubeでストーリーは何となく把握してるからマジボスは誰〜とか、リーグやペーパーの手持ちは何〜とか皆んな知っている。

 

そしてゲーム開始から2日弱でチャンピオンルート、レジェンドルート、スターダスト★ストリートをクリアして、エリアゼロに行けるようになった!

 

そして俺はチャンプルタウン近くから入れるパルデアの大穴のゼロゲートで3人と落ち合い、過去ポケモンやオーリム博士とのなんやかんやをして、エンドロールを迎えた。

 

「はぁ〜……楽しかった……まさかこんな早くエンディングに行けるってすげぇ………小3の頃とか5ヶ月くらいやってやっとポケモンリーグに行けてクリアしたような……」

 

俺が懐かしさに耽っていると、突然目の前が真っ暗になり、気づけば俺は見たことのない場所に立っていた。

 

「ここはどこなんだ?」

 

辺りを見渡すが、誰もいなかった。

しかし1ヶ所だけほんのり明るい場所があった。

そこに俺は足を運んだ。

その途端にほんのりしか明るくなかった光が一気に世界を覆い尽くすほど広がり、目を覆うほどの強い閃光を放った。

 

「ぐあ!?目が!!目が見えねぇ!!」

 

そして光は徐々に収束していき、やがて元に戻った。

 

「一体何が起きたんだ?…………ってあれ?なんか声が変だぞ……それに身体が縮んでるような……っ!?」

 

俺は自分の『身体』を見て驚いた。

 

「これって………デルタ?」

 

今の俺はポケモンスカーレットで俺がプレイしてる主人公の『デルタ』だった。

 

ゲーム同様に茶色い肌、肌に近い色のピンクの髪の毛で出来たツーブロックにオレンジと黒のキャップ、そして鏡を見て自分の瞳が紫色になってることに気づいた。

「えぇぇぇぇぇぇ!!!!」

俺の絶叫はどこまでも響いた。

 



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【新設定?ピンクの学園】

 

ああああああああぁぁぁ!!!!

落ち着け俺!いくらラノベとか好きで最近ポケモンにもハマってきたからって、『ポケモンの世界』で転生する奴があるかー!

 

俺がベッドに腰掛けて頭を抱えてるとドアの外からゴゴゴゴゴゴと何が地ならしを上げて、迫ってきていて

 

 

 

 

バタンっ!と大きくドアが開け放たれて

 

「デルターっ!おはよー!」

 

と高身長で黒いポニーテールに前髪に緑のメッシュの入った元気いっぱいの女の子が、入ってきた。

 

 

 

そう、ネモである。

俺は状況が掴めてはいないが、とりあえず「お…おはようネモ」と挨拶を返すとネモはムーと両腕を組んで顔をムスッとさせて俺を見る。

 

「え?……あ……どったん?」

 

頭ぐちゃぐちゃながらもネモに聞くと。

 

「遅い!」

 

と返した。

俺は思わず「んん?」と首を傾げると

 

「もう朝の9時だよ!一緒にグラウンドでポケモンバトルするって言ったじゃん!」

 

と言われた。

何故だか俺の頭の中に、昨日ネモとポケモンバトルをする約束は『確かに』あった。

俺は慌ててネモに謝罪言いながら準備を済ませる。

 

 

準備を済ませる最中に俺は色々な事を『思い出した』。

俺の名はデルタ。

パルデア地方のニューチャンピオンであり、ここ『ピーチアカデミー』の生徒だ。

 

 

 

 

 

 

 

(ピーチアカデミーっで何だ?)

 

え?スカーレットは『オレンジアカデミー』でバイオレットは『グレープアカデミー』だよな?

 

俺は自分やネモ、他の生徒の服を見た。

全員がオレンジや紫の所が茶色に少し近いピンク色の制服だった。

 

(そんな事ってあるか?…)

 

俺は更に記憶を辿っていく。

俺がピーチアカデミーに入学してからの出来事が走馬灯のように脳内を流れていく。

そして全ての出来事を思い出てきた。

 

 

 

まずここは『パルデア地方』これは合ってる。

 

通学最中にネモとチュートリアルでポケモンの戦い方やゲットの仕方を学んで、崖から落ちてコライドンと出会い、ペパーとファーストコンタクトをとって戦った。

ここも合ってる。

 

そして俺はピーチアカデミーに入学した。

おかしい。

 

そして俺は初めてスカーレットをやった通りに事を進めてた。

うんうん。

 

砂漠でイシヘンジンに会い、海でコオリッポを見たり、洞窟でタツベイとモノズに出会ったり、ヤレユータンとナゲツケザルの喧嘩に巻き込まれた。

 

(…………)

 

 

ピケタウンの噴水のおっちゃんからは『イワイノヨロイ』と『ノロイノヨロイ』をそれぞれドーミラーとヤバチャの素材で貰えた。

 

(………)

 

 

エリアゼロには過去と未来のポケモン両方がいて、オーリム博士とフトゥー博士と戦い、その後に出会った野生のミライドンをゲットした。

 

 

「おかしぃいい!!」

 

俺は思わず叫んだ。

 

「どうしたの!?」

「え?……あ……ごめん……何でもない……」

「じゃあ早く行こ!」

「う……うん……」

 

そして俺はネモに手を引かれて寮を出た。

俺は今、ピーチアカデミーのグラウンドでネモと対面している。

 

「さぁ!行くよ!デルター!」

「おう!かかってこい!」

 

ネモはチャンピオンルートや学校最強大会で見せるようなボールの構えをするとモンスターボールを投げた。

 

「いけ!パーモット!」

 

ネモが投げたボールからは元気いっぱいに、パーモットが飛び出してきた。

 

【パーモット】♂ Lv.100

 

俺の『目』にパーモットの名前と性別、レベルとHPがゲームと同じように映る。

そして俺もポケモンを出す。

 

「いけ!キラフロル!」

 

【キラフロル】♀ Lv.100 ✧

 

俺が投げたクイックボールから(キラーン☆)と光を放ちながら、水色のキラフロルが出てきた。

その光景に俺とネモのポケモンバトルを見る生徒や先生達はざわめいている。

 

「え?何あれ?新種?」

「すげぇ!カッコイイー!」

「でも何か可愛い」

 

皆んなゲームだと、ただ腕を振ったり、声の出てない応援をするだけのモーションだったのに、この世界だと普通に皆んな驚いたりしてる。

それはもちろんネモもだった。

 

「すごいすごい!それってオモダカさんが使ってるポケモンと同じだよね!?しかも色が何か違う……はっ!もしかして色違いの個体!?」

 

ネモは目をキラキラさせながら興奮していた。

しかしネモは、すぐにはっとなって「でも負けないよー!」と言い

 

「いくよー!デルター!」

 

と言って来た。

それに対して俺も「おう!」と言ってポケモンバトルをする。

 

 

 

 

 

 

「だぁー!また負けたー!」

 

ネモと相棒のポケモン達はグラウンドに仰向けで倒れ込んで、空を見ながら嬉しそうに叫んでいた。

 

「よし!これで5連勝!」

 

俺はガッツポーズをして喜ぶ。

 

「くそぉ!もう1回だ!もう1戦!」

 

ネモが起き上がって、再び勝負を仕掛けてくる。

しかし「お2人ともダメですよ!」と声が聞こえてきた。

俺とネモが声のした方を見ると、少しぷりぷりした表情の数学教師で、元いわタイプのジムリーダーのタイム先生が立っていた。

タイム先生は俺とネモに近づきながら話す。

 

「お2人とも今日だけで5回もグラウンドを独占しています!さすがに他の生徒の皆さんにも譲りなさい!それにネモさんはこれから授業があるでしょう!?」

 

「えー……わかりました……」

 

ネモは渋々と言った感じで返事をした。

俺は「すみません。やりすぎました。皆んなもゴメン。今、空けるから」と言って謝ると、生徒や先生達はそれぞれ

 

「全然大丈夫だよ」

「気にしないで」

「ナイスファイトだったよ!」

 

など言ってくれて、俺とネモに笑顔をくれた。

俺とネモは皆んなに「ありがとう」と言ってポケモンを戻して、グラウンドから出ようとする。

すると俺の耳にこんな会話が聞こえてきた。

 

「すごいよね〜今まで無敗だった生徒会長を倒しちゃう子が来るなんて〜」

「ね〜ネモちゃん、すっごいイキイキしてた」

「それにしても『パモットに進化系』がいたなんてね〜」

「ね〜!私もびっくりした!見た目あんま変わんないけど、めちゃくちゃ強かったね〜」

 

とか聞こえた。

俺は不意にネモに話しかける。

 

「なぁネモ?」

 

俺の呼びかけにネモが振り向く。

 

「ん?どうしたの?」

「パーモット以外に1000歩連れ歩いて進化させるポケモンって何がいるか分かるか?」

 

俺の質問にネモは目を輝かせて俺にずいっと近づいてきた。

 

「え!?パーモット以外にもそんな特殊な子がいるの!?」

 

ネモの好奇心の質問に俺は「ああ…いるよ……パーモット以外に後2匹」と言うと、ネモは更に目をキラキラさせて「教えて!」と聞いてくる。

 

「まずはシガロコだろ?アイツは進化するとベラカスって言うポケモンになる。後はアノクサだな、アイツも1000歩連れ歩くとアノホラグラになる」

 

俺の説明を聞いていたネモは、感心しながら「へぇ〜!!」とキラキラしながらメモしてた。

 

「デルタありがとう!デルタが『教えてくれた』から私のパモットも進化出来た!やっぱりデルタはすごいよ!」

 

ネモのお礼の言葉に俺は「うん」と言ってネモと別れた。

 

(この世界にはレベルアップもしくは石での進化以外、認知されていない…)

 

俺がこの世界で『デルタ』と言う人物の記憶を辿ってみると

 

キリキザンを出すオモダカさん

 

ストライクを出すレホール先生

 

コノヨザルを出さなかったビワさん

 

キリンリキを出したジニア先生

 

そもそも誰もグレンアルマとソウブレイズを知らないって言ってた。

 

(やっぱり…ここは俺の知ってるポケモンsvの世界じゃないな)



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【どりゃあああ!マフィティフ好きなアイツ!】

 

ネモと別れて俺はテーブルシティからも出ようと『そらとぶタクシー』をチャーターしようと、マップを開いた瞬間に

 

ロトロトロトロト

 

と俺のスマホロトムが鳴って、一瞬ビクッとなりながらスマホロトムの通話を開けると相手は、ペパーだった。

 

『よぉ!デルタ!今何処にいるんだ?』

 

ペパーの質問に俺は「テーブルシティだよ」と答えると、ペパーが

 

『おぉ!なんてタイミングがいい子ちゃんなんだ!なぁデルタ!ちょっとサンドイッチの材料が切れそうなんで、買ってきてくれないか?』

 

と俺にパシリ通話をして来た。

俺は面倒くさそうに「え〜」と言うとペパーは面白いくらいに慌てて

 

『あー!別にタダでやらせる訳じゃねぇって!ちゃんと買ってきた分の代金は払うって!』

 

ペパーの言葉に俺は「当たり前だわ!」と突っ込むと、俺はため息をついて仕方ないので「わかったよ」と答えた。

 

『サンキュー!んじゃよろしく頼むぜ!場所はゼロゲートな!よろしくちゃんだぜ!』

 

ペパーは俺にそう伝えると、通話が切れて、買ってきて欲しいサンドイッチの具材一覧がメッセージで来た。

俺は「はぁ〜」とため息をつくと「行くか」と言ってピーチアカデミーを背に、コライドンに乗って、右奥へと進んで行った。

 

俺はトマトスライスやアーリーレッド、ハンバーグなどの(このゲームでは)定番から、トーフやポテトサラダなどのサンドイッチタワーバトルでは、総崩れ待った無しな具材も買ってゼロゲートへと、そらとぶタクシーで飛んだ。

 

「いやぁ〜まさかパルデアチャンピオンのデルタさんを乗せられるなんて今日はついてますな〜!ガハハ!」

 

6羽ほどのイキリンコが牽引するタクシーを操縦する人の話に「あはは……」と愛想笑いをしていると、目の前にゼロゲートが見えてきた。

するとゼロゲート付近から飛んでくるものがあった。

それは俺が乗っているタクシーと同じような感じだが、タクシーと違って1人乗り用な感じのイキリンコ牽引車だった。

そこに乗ってる人はコチラにメガホンを向けて話しかけてきた。

 

『そこのタクシー止まってください。この先はパルデアの大穴となっております。許可のない方は通行できません』

 

と警告してきた。

ゼロゲートの封鎖が解かれたので、毎日何人かは無断で侵入して痛い目にあったり、行方不明になったとオモダカさんや四天王の人達が頭を悩ませてるのを俺は『この世界』に来てから時々聞いてた。

今、このタクシーに警告を出してるのはポケモンリーグが設立した。

パルデアの大穴の警備を行ってる人だと分かった。

俺はタクシー運転手さんに

 

「すみませんここで下ろしてください。あの人とは自分が話します」

 

と伝えてゼロゲートへのトンネルの手前で下ろしてもらった。

そして、そこへ先程俺に警告を出してた警備の人を乗せたイキリンコ牽引車がゆっくり降りてきた。

俺は牽引車から降りてきた警備員さんに「お疲れ様です」と会釈する。

すると向こうも俺に気付いて、俺の方へ歩み寄って来る。

 

「君は確か!……パルデアチャンピオンのデルタくん!どうしてここに?」

 

と聞かれたので、俺は「はい。実は友達のお使いで来ました」と言うと丁度

 

「お〜い!デルター!お疲れちゃんだぜ〜!」

 

とゼロゲートに繋がってるトンネルから手を振って走ってくるペパーの姿があった。

 

「ほいペパー、これ」

 

俺はペパーにサンドイッチの具材を渡した。

ペパーは「おぉ!サンキューちゃんだぜ!」と言って俺に代金を渡す。

このやり取りを見てた警備員さんは

 

「なるほど、そういう事だったんだね」

と納得してくれた。

するとペパーが俺に言ってきた。

 

「なぁデルタ!俺、エリアゼロでマフィティフや他のポケモン達と特訓するんだけどお前も来ないか!?」

 

ペパーの誘いに俺は少し考えた。

 

(まぁ……暇だし……行ってみるか)

 

俺は「いいよ」と言って、ペパーと一緒にエリアゼロへ行こうとした所で警備員さんに呼び止められた。

 

「あーちょっとごめんね。デルタくん……ペパーくんはエリアゼロの立ち入り許可証が出てるから入れるんだけど……君は?」

 

と聞いてきた。

警備員さんの質問に俺ではなくペパーが

 

「おいおい、俺が入れるのにデルタが入れないなんてことないだろ?」

 

と何故か俺に言って来た。

警備員さんは「う〜ん……」と悩んだ。

 

「でもなぁ……いくら君がチャンピオンだからって、もし何かあったら……」

 

警備員さんが悩んでいるが、俺はペパーと警備員さん2人に言った。

 

「じゃあ今からポケモンリーグに行って、エリアゼロの侵入許可証を貰ってくるよ」

 

俺の言葉を聞いて警備員さんは「それがいいね」と賛成した。

ペパーは「分かったちゃんだぜ!んじゃあデルタが来るの待ってるからな!」と言ってきた。

俺は

 

「待ってたら時間もったいないだろ?」

 

と突っ込んだ。

するとペパーは

 

「それもそうだな!んじゃ行ってくるぜ!」

 

と言ってゼロゲートへと走って行こうとした所で「デルタさん」と声がした。



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【大捜査!パルデアの大穴!】

 

「デルタさん」

 

俺はエリアゼロに入るためにポケモンリーグへ行こうとした所で、何者からか呼び止められた。

俺達は声のした方を見ると、そこにいたのは丁度会おうと思ってたポケモンリーグのトップチャンピオンで、ピーチアカデミーの理事長のオモダカさんがいた。

 

「オモダカさん、どうしてここに?」

 

と俺が聞くと、オモダカさんは「えぇ、実はゼロゲートの視察に来てまして……」と答えオモダカさんは「それと」と言って続ける。

 

「エリアゼロの出入りについて、デルタさんは常に入れるように許可証を発行して来ました」

 

と答え、俺にペパーと同じ『エリアゼロ自由出入り許可証』をくれた。

 

「ありがとうございます」

 

俺がお礼を言うと、オモダカさんは「いえいえ、どういたしまして」とニッコリ笑って答えた。

 

「よーし!これでデルタも俺とエリアゼロに行けるな!」

 

俺が許可証を貰ったことに俺以上にペパーが喜んだ。

俺は「だな」と頷く。

警備員さんも

 

「許可証が出たのであれば、私に止める理由はありません」

 

とニッコリ笑って俺を通してくれた。

 

 

 

そんな時だった。

警備員さんの通信機からビー!ビー!ビー!ビー!と何やら不穏な音が鳴り、通信機から別の警備員さんと思われる声がする。

 

『こちらエリアゼロ北1番巡回班!ゴーゴートに乗った少年が、ポケモンごと誤って転落!繰り返す!ポケモンと少年がエリアゼロへ転落!』

 

通信機から聞こえてきた言葉に、その場にいた一同が『っ!』と息を飲む。

 

「やべぇよ、このままじゃ落ちた子の身が危ないちゃんだぜ!」

 

ペパーは神妙な面持ちで言う。

実際そうだろう、エリアゼロにはかなり好戦的でレベルの高いポケモンが、わんさかいる。

俺も「急いで見つけて助けよう」と言うと警備員さんが

 

「ありがとう!君たちなら心強い!」

 

と言ってくれた。

 

「私も捜索に協力します」

 

とオモダカさんも申し出てくれた。

俺達3人は急いで、現場に向かった。

 

 

 

「出てこい!ブロロン、ファイアロー、トドロクツキ、マスカーニャ!」

 

俺はモンスターボールを4つ放って4匹のポケモンを呼んだ。

 

ペパーも『マフィティフ』と『リククラゲ』『ヨクバリス』と『スコヴィラン』を出した。

 

オモダカさんは『キラフロル』『クエスパトラ』『ゴーゴート』『クレベース』を出した。

 

そして警備員さん達はイキリンコが牽引する車に乗って、それぞれ空から探してくれるそうだ。

 

俺達は警備員さんから見せてもらったゴーゴートと一緒に子供が落ちる瞬間の映像を見せて、「この子とゴーゴートを見つけて助けて」と言うと、12体のポケモン達が一斉に頷いた。

 

 

 

「第4観測ユニットがある洞窟内は俺達で探すので、ペパーとオモダカさんと警備員さん達は第1から第3をお願いします」

 

俺の提案に2人は頷いて、オモダカさんから「見つけましょう」と気合いの入った一言が発せられた。

 

「了解ちゃんだぜ!」

 

ペパーも元気よく返事をした。

警備員さん達も『了解!』と言った。

 

「エリアゼロには『アーマーガア』や『ウォーグル』コイツと同じ『トドロクツキ』など空を飛んでいる好戦的なポケモンもいるので気をつけてください。俺もだけど、危険と感じたらお互い連携を取りながら深追いはしない程度にお願いします」

 

俺はよりいっそう強く念を込めて注意を促し、皆んなによりいっそう緊張感が走った。

 

「よし……行くぞ!!」

 

俺の掛け声と共に俺はコライドンに乗ってゼロゲートでは無く、そのまま大穴へ飛び込む。

それに続くように警備員さん達もイキリンコ牽引車で大穴へ降下する。

ペパーとオモダカさんはゼロゲートの転送装置でそれぞれ第1観測ユニットと第3観測ユニットから捜索を始めてもらった。

 

 



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【見つけ出せ!1人と1匹】

 

コライドンに跨り、俺はパルデアの大穴へと飛び込んだ。

ゲームでは一瞬で所定の位置にいるが、ここは現実だ。

大穴を隠すようにある雲を抜ければそのまま、俺とコライドンは洞窟付近まで滑空して行く。

 

「それでは我々は、ここ辺りから捜索を開始します。お気をつけて」

 

俺の後に続いたイキリンコ牽引車に乗る警備員さん達は、次々と展開していき空から少年とゴーゴートの捜索に入った。

俺は

 

「分かりました!よろしくお願いします!」

 

と言って、警備員さんに別れを告げ、コライドンに滑空を止めさせ、洞窟内へと落ちていく。

 

 

 

 

「皆んな頼んだ!」

 

俺はモンスターボールから『ブロロン』『ファイアロー』『トドロクツキ』『マスカーニャ』を出して、それぞれ事前に決めた巡回ルートへ向かう。

 

ブロロンは第3観測ユニットの真正面にある洞窟の入口から第4観測ユニットまでの細い道なりを持ち前の速度で突っ走って探している。

 

ファイアローとトドロクツキは洞窟内の言わば上空と言えるような所に飛んで真上から捜索している。

 

マスカーニャは第4観測ユニットからタイムマシンのある建物がある1番下まで走って探している。

 

俺は第4観測ユニット内を見た後に、コライドンに乗って置き看板を飛び越えて色違い厳選をすることで有名な岩山や、巨大テラスタルの塊の上に飛び乗ったり、タイムマシンの建物及びそこからエレベーターで博士のAIと戦ったフロアに降りて探している。

 

しかし全然見つからない。

 

「どこに行ったんだよ……」

 

そう呟きながら俺は建物から出て、目の前を悠々と飛んでいる野生のキラフロルに『話しかけた』。

 

『(すみません。そちらのキラフロルさん。ここ辺りで自分以外に人間を見ませんでしたでしょうか?)』

 

このポケモンSVにやたらと似た異世界に来てから、俺は色々と考えている最中に気づいたんだが、どうやら異世界モノあるあるのチート持ちだったようだ。

 

例えば頭の中にポケモン関連の情報を見ることが出来る。

色違い厳選を出来る場所や図鑑以上に高性能なポケモンの分布図、目の前のポケモンの名前、特性、性別、レベル、持ち物なども見える。

 

そんな中で今俺が使ってるのは文字通りの『ポケモンと心を通わせる力』だった。

アニポケとかだと、人間の言ったことに対してはポケモンは頷いて行動したりしてるが、ポケモン側の言うことはさっぱり分からない感じだ。

しかし、この力を使うと普通にポケモンが日本語で話してるように聞こえる。

そして今、キラフロルに話しかけたらキラフロルが返してきた。

 

『おや、随分と芸達者なヤツが来たね〜……で、あんた以外の人間だけど、アタシャは見てないよ』

 

喋り方にクセがあるこのキラフロルさんは少年は見てないと言ったので「ありがとうございます。それじゃあ」と言おうとしたところで、『ちょい待ち、他のキラフロルにも聞いてみるから、少し待ってな!』と言って、何処かへ行ってしまった。

 

「えぇ……」

 

俺は思わず声が出てしまったが、すぐに戻ってきた。

 

『やっぱり皆んな知らないって言ってるわ!』

「そうですか、ご協力いただきありがとうございます」

 

俺は丁寧に礼を言うと『いいよいいよ!困った時はお互い様だからね!』と言ってくれた。

 

『あとさ、なんか困ってそうだし、あたしゃ暇してっから相談くらいなら乗れるけど?』

 

おっとこれは長時間長話に付き合わされそうな予感を感じとり「ごめんなさい!それじゃあ!」と言ってコライドンに股がってその場を後にした。

 

 

コライドンで走ってる最中に捜索中のマスカーニャと会った。

 

『(どうだ?)』

 

俺の質問にマスカーニャは首をフルフルと横に振った。

 

『ダメだ。全く見つかんねぇ』

 

俺の問いに対してマスカーニャは落胆するように答えた。

 

俺はマスカーニャの背中を撫でながら

 

『(そっか……こっちもだよ。一体どこに行ったんだろうな……ありがとう。引き続き頼む)』

 

と言うとマスカーニャは『おう!任せとけ!!』と意気揚々に返事をして再び走り出した。

 

俺もコライドンに跨り、第4観測ユニットへ向かった。

 

『お?おい皆んな、人間がいるぜ』

『あ、ホントだ〜戦ってくれるかな?』

『ニンゲン、ヲ、カンチ……セントウヲ、イドム』

『ニンゲンハッケン』

 

コライドンに乗って走っていると、俺とコライドンの周りに『イダイナキバ』『サケブシッポ』『テツノカイナ』『テツノコウベ』と言う過去未来のパラドックスポケモンがやって来た。

言ってること聞く感じ問答無用で挑んでくる感じだ。

 

『(ごめん。今、ここに子供が紛れ込んだかも知んなくて急いでんだ!!相手は出来ねえからまた今度な!!!)』

 

俺は大声で叫ぶと『イダイナキバ』が襲ってきた。

 

『つべこべ言わず戦えやコラァッ!!』

 

俺は腰からモンスターボールを取り出して、投げた。

 

「頼むニンフィア!この分からずや達を止めてくれ!!」

 

『はいですぅー!!』

 

ボールから飛び出した水色のニンフィアは、とくせいパッチで夢特性にして、性格は元々ひかえめ、レベルは100でA抜けのHCぶっぱ余りSの完全に金策用に育てたニンフィアだ。

そんなニンフィアから放たれる『ハイパーボイス』をイダイナキバ達はモロに食らって一瞬で吹っ飛ばされて目を回して倒れる。

 

『どんなもんですかぁ〜』

『(ナイス。ありがとな)』

 

俺はニンフィアをボールに戻して、コライドンを走らせる。

 

『全然いないな……第4じゃないのかな?』

 

今まで黙ってたコライドンが走りながら口を開いた。

 

『(確かに、ちょっと行ってみるか)』

 

俺はスマホロトムを出そうとした瞬間に、スマホロトムが

 

ロトロトロトロト

 

と音を出して俺の前に出て、通話が来た。

 

『デルタさん』

 

通話の相手はオモダカさんだった。

 

『第2観測ユニット付近でワタッコと遊んでいるところを見つけました。少年もゴーゴートも無事です』

 

オモダカさんは満面の笑みで報告してくれた。

俺は

 

「分かりました。それじゃあ皆んなを戻して、そちらに合流しますね。お疲れ様でした」

 

と言った。

 

『はい、お気をつけて』

 

電話を切ると、俺は捜索中のブロロン、ファイアロー、トドロクツキ、マスカーニャに

 

『(全員第4観測ユニットに集合!!)』

 

と伝えると、全員が俺の元に集まってきた。

 

『(第2で見つかったって!お疲れさんだったな)』

 

俺は笑顔で言った。

4匹は『う〜い』や『見つかって良かったな!』や『おっしゃあ!!!』等と返してきた。

俺は「お疲れ様」と4匹に声をかけて、ボールに戻してコライドンに言う。

 

『(じゃあ行くぞ!)』

 

コライドンは「アギャス!」と言って地上目指して走った。

 

 

 

 

「ごめんなさい」

「グゥ〜」

 

少年とゴーゴートは無事に保護されて、第1観測ユニットの前にオモダカさん、ペパー、警備員さん達が集まっていた所に俺は到着すると、少年が開口一番に謝った。

それに対して、ゴーゴートも申し訳なさそうに鳴く。

 

「大丈夫ですよ。ちゃんと戻ってきてくれたんですから」

 

オモダカさんはしゃがんで少年の頭を撫でる。

少年は安心したのか泣き出しそうになるのを堪えているようだったので、俺は少年の背中を優しく撫でる。

 

「さて、そろそろ出発しないと日が暮れてしまいますよ?」

「はい、ありがとうございます。行こうか?」

「うん!」

「ゴウ!」

 

そして俺達はゼロゲートまで戻ってきて、少年とゴーゴートは親の元へ警備員さんに連れられて行った。

 

「ふぅ〜あの子が見つかってホントに良かったぜ!なぁデルタ!」

 

ペパーが満面の笑みで俺に話しかけてきた。

俺もそれに答えるように

 

「ああ、そうだな」

 

と言った。



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【アヴァンギャルド!芸術のメロコ!】

 

「おい!デルタ!ボウルタウンに行くぞ!」

 

「は?」

 

それは突然起こった。

俺はやることも無くピーチアカデミーの学生食堂でサンドイッチをつまんでいた時だ。

いきなり元スター団の炎担当でチーム・シェダルのリーダーのメロコが俺の前の席に腰掛けて目をクワッ!とさせて言ってきたのだ。

 

「だから、ボウルタウンだよ!お前知らないのか!?」

「い、いや知ってるけど……」

 

俺は困惑しながら答えた。

ボウルタウン

全面的にくさタイプを推してる街で、ジムリーダーで芸術家のコルサさんがいるところだ。

風車やキマワリの像がとても印象的な美しい町だ。

 

「ならいいんだよ。ほら、早く行くぞ!!」

「ちょ、ちょっと待ってくれ!!なんで急に……?」

「あ?芸術家のコルサさんに会いにいくんだよ!」

 

メロコは「何言ってんだこいつ?」みたいな顔で俺を見てくる。

 

「えっと……何で俺?…恐らく美術部に入ったから芸術関連だとは思うけど、何で俺?…美術部の人達と行けば良いんじゃないの?」

 

俺が疑問を口にすると、メロコは

 

「アイツらはアイツらなりに作品があって忙しいんだ!」

 

と返した。

 

「他のスター団の皆んなは?」

 

と聞くと

 

「皆んなそれぞれ用事があるんだよ!それにコルサさんに興味ねぇだろ」

 

(俺だってねぇよ)

 

俺がそんなこと思ってるとメロコは続ける。

 

「それにデルタはコルサさんと戦ったりして仲良いんだろ!?」

「仲良いかは分かんないけど、戦ったことはあるな……てかメロコの知り合いで他にいないの?」

 

俺の質問にメロコは「あー」と言って続ける。

 

「チーム・シェダルの皆んなは元々、スター団ってだけでオレ含めてジム戦には行ったことねぇな……知り合いでジム行った事ありそうなのは、お前とネモだけだ……そしてネモは、めちゃくちゃめんどくせぇ事しそうで嫌だし、お前しか居なかったんだよ!!」

「あ、そうですか……」

 

俺は呆れながら返す。

 

そもそもが俺以外に頼るあてが無かったと言うのは少し悲しい気がする。

 

「まぁ、別にいいけどさ」

 

俺はサンドイッチを食べ終えて立ち上がる。

 

「じゃ、行こうぜ!」

 

メロコも立ち上がり、俺とメロコはライドポケモンに乗ってボウルタウンへ向かった。

道中、俺はメロコに気になったことを聞いてみた。

 

「なぁ、メロコ」

「あ?なんだよ」

「コルサさんって、くさタイプのジムリーダーだし作った作品って『投げやりのキマワリ』とかしか知らないけど、メロコの炎イメージとは真逆なんだけど……なんでまた?」

 

と、聞くとメロコは

 

「確かに、炎と草は相性悪ぃかも知れねえけど、その発想は無かった!みたいな作品が作りてえんだよ!だから行くんだよ!」

 

と力強く答えた。

俺は「へ〜」と言う。

そんな会話をしていると、ボウルタウンに到着した。

相変わらず美しい街並みとキマワリ達がわんさかいた。

 

「ここがボウルタウン……」

「ああ、そうだ。コルサさんは多分『いつもの場所』だと思うからそこに向かうぞ」

 

俺がそう言うと、メロコは「いつもの場所?どこだよそれ?」と言った。

俺は「あそこ」と言って風車を指さして、俺とメロコは風車に向かって歩いていった。

すると、風車の近くに人集りが出来ていた。

 

「なんだあれ?」

 

メロコが不思議そうに呟いた。

俺は「見てれば分かる」とだけ言うと、人集りが『おぉ!』と歓声を上げた。

俺とメロコは風車を見ると、回転していない風車の羽の上に1人の男が立っていた。

彼こそがメロコが会いたがっていたジムリーダーで芸術家のコルサさんだ。

コルサさんは「とう!」と羽から飛び降りて、アメコミヒーローのようなスーパーヒーロー着地をした。

 

メロコは「おぉ!?」と驚く。

コルサさんはジムテスト『キマワリ集め』をクリア人の前に現れる時、いつもあのやり方で登場している。

デッドプールや本人も言ってるが、あの着地は膝に悪いらしい。

 

まぁそうだろうな……

 

「よし!行くぞデルタ!」

「え、ちょ!?メロコ!?」

 

メロコは俺の手を引いて、コルサさんの前まで行こうとするが、俺はメロコを思いっきり引っ張って止める。

 

「ちょっとメロコ!ストップ!ストップ!」

 

「あ?んだよ」

「いやいやいやいや!コルサさんがアレやってるって事はジム挑戦者がいるんだよ!少しは待てって!」

 

俺が必死にメロコを抑えていると「む?キサマはデルタでは無いか!」とコルサさんが俺を見て言った。

 

「え?あー……お久しぶりです」

 

俺はコルサさんに挨拶をする。

コルサさんは「うむ!」と答えて続ける。

 

「デルタよ、キサマは何故ここに?」

「えっと、この子がコルサさんに会いたいって」

俺はメロコを紹介する。

 

「オレはメロコだ!コルサさんの作品に興味があってな!」

 

メロコはいつも通りの不良テンションで答える。

コルサさんは頭を掻きむしって『あの言葉』を言った。

 

 

「アヴァンギャルド!!!」

「おあ!?」

 

コルサさんの突然の叫びにメロコが驚いた。

 

コルサさんは続ける。

 

「デルタとは違った、その見た目以上の熱い魂!芸術への愛を感じるぞ!良いぞ!メロコよ!今日は特別に私が直々に作品を見せてあげようではないか!」

「本当か!?」

 

メロコは興奮している。

 

「ああ、付いてくるが良い!」

 

コルサさんはそうすると

 

「あ、あのー……」

 

盛り上がっているコルサさんとメロコに声をかける人がいた。

ジム挑戦者の少女だった。

 

「すみません…あのー…ジムテスト、クリアして戦いたいんですが……」

 

(うん、そうなるわな)

 

俺はコルサさんとメロコを( ⚭_⚭)な顔で見ていた。

 

「む?そうだった!すっかり忘れていたぞ!今はジムリーダーとしているのだった!!」

「わ、悪ぃ!オレもつい興奮しちまった!」

 

コルサさんとメロコは挑戦者の少女に謝る。

 

「すまない。デルタ、メロコよ!私は芸術家ではあるが、今はポケモンジムのジムリーダーの仕事をしなくては!急いで終わらせるから待っていてくれ!」

 

何やらコルサさんの目に闘志の様なものを感じた。

 

「おう!分かったぜ、コルサさん!頑張れよな!」

 

メロコは答えた。

コルサさんは「うむ!」と言うと、ボウルタウンのジムコートの方へ走っていき、少女は「あ、ちょっ!待ってください〜!」とコルサさんを追いかけた。

 

(あ〜コルサさんのマイペースは相変わらずすげぇな……)

 

俺はとりあえずメロコと一緒にコルサさんと少女のポケモンバトルを見ていた。

 

くさタイプのボウルジムのジムリーダー、

コルサさんは挑みやすさで言えば、2番目となるレベルのポケモンを扱っている。

 

コルサさんが出すポケモンは3体

 

チュリネ Lv.16

 

ミニーブ Lv.16

 

そしてマジッキーと1部では呼ばれているくさテラスタルをした。

ウソッキー Lv.17

 

である。

 

少女はポケモンは2体しか連れておらず

 

ヒノヤコマ Lv.17

 

アチゲータ Lv.18

 

だけだった。

勝てなくは無いのかも知れないが……俺は不安だった。

 

「うわーん、まけたー!」

 

案の定、少女は最初の2体を倒して行けると思ったのだろうが、最後のウソッキーの『いわおとし』で、ヒノヤコマとアチゲータは瞬殺された。

 

「……」

 

隣で見ていたメロコはめちゃくちゃ鋭い目付きで、バトルを見ていた。

 

「なぁ、デルタ」

 

メロコが声を低くして話しかけてきた。

俺は一瞬ビクッとした。

 

「な、なんだよ?」

「コルサさんと戦いてぇ」

「は?」

 

メロコの突然の一言に俺は呆気に取られた。

 

「だから、コルサさんと戦ってみてえんだよ!」

「いや、お前、『芸術家』としてのコルサさんに会いに来たんだろ!?なんで戦うんだよ!?」

 

若干メロコの奥にネモを感じた。

ボタン風に言えば「ネモい」だ。

俺とメロコが、そんなやり取りをしていると、コルサさんがケンタロスの如く走って戻ってきた。



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【奇遇だね!まさかのダブルバトル】

 

「待たせたな!デルタ!メロコ!私の作品を見せよう!」

 

ジム戦を終わらせたコルサさんが戻って来てウキウキしながら言うとメロコが、「コルサさん」とメロコが声をかける。

 

「む?なんだ?」

 

コルサさんが不思議そうに聞くと、メロコは言った。

 

「オレと勝負してくれねぇか?」

 

メロコの申し出を聞いたコルサさんが「む?何故だ?」と聞いた。

メロコは答える。

 

「オレはあんたが作る芸術作品が見てみたい!オレはその気持ちで来てみたが、さっきのバトルを見た時に、くさタイプでも ほのお を倒せるコルサさんと戦ってみたらオレも ほのお の使い手として何か学べるものがあるかも知れねえと思ってな!」

 

メロコの言葉を聞いてコルサさんは少し考えて「ふむ、いいだろう!」と答えた。

メロコは「よしっ!」と言って2人の対戦が決まった。

 

「素敵な心がけですね。メロコさん」

「いいねいいね!ワタシも戦いたい!あ!デルター!ワタシと戦お!」

 

コルサさんとメロコの対戦が決まった瞬間に突然、どこからか2人の声が聞こえて俺達は声のする方向を見た。

 

「皆さん、こんにちは」

「やっほー!奇遇だね!」

 

トップチャンピオンのオモダカさんと、ネモだった。

 

えー……何この状況……

 

案の定、ポケモンリーグのチャンピオンのオモダカさんとネモの登場にボウルタウンの人達は騒ぎ始めた。

 

「あれ?ポケモンリーグチャンピオンのオモダカとネモじゃね?」

「そうじゃん!しかもあっちの子、気づかなかったけど新チャンピオンのデルタじゃん!」

「マジじゃん!何が起こってんの!?」

「すげー!!!」

 

うわー……めっちゃ見られてるし、なんか色々言われてんな〜しかも俺まで…

メロコとコルサさんの対決のはずなのに2人が少し空気だもん。

 

「ね!ね!せっかくだからダブルバトルでもしない!?」

 

ネモが思いっきりテンションを上げてコルサさんとメロコに声をかける。

おいおい、いくら何でもそうホイホイと

 

「む?良いぞ!私は構わないぞ!」

コルサさんはノリノリで答えた。

おい

 

「ああ、オレも構わねぇぜ!」

メロコも答えた。

おい、ネモはめんどくさいって少し前に言ってただろ

 

「いいですね。ジム視察という『てい』で、ボウルジムリーダーの腕も確認出来ますし、チャンピオンネモとチャンピオンデルタの力量も見れますね」

 

オモダカさんまで、何か言ってるよ…

2人とオモダカさんの了承を得てネモは

 

「やったー!」

 

と、喜ぶ。

完全に俺の意見は無視で、もうダブルバトルする前提であり、『芸術家』としてのコルサさんに会いに来たはずのメロコもやる気だ。

 

(あぁ……帰りたい…)

 

俺の心の中で虚しい言葉が述べられると、コルサさんとネモvsメロコと俺のチーム戦が組まれた。

ちなみに、審判はオモダカさんがしてくれる事になった。

 

「それでは、これよりジムリーダー・コルサ、チャンピオン・ネモ 対 スター団リーダー・メロコ、チャンピオン・デルタのダブルバトルを行います。使用ポケモンは1人3体、1チーム合計6体。どちらかのチームのポケモン6体が全て戦闘不能になった時点で試合終了となります」

 

オモダカさんのルール説明が終わると、俺以外の3人はやる気だし、ギャラリーの人達は『おぉ!』と歓声を上げている。

なんかスマホロトムで撮影してる人まで出てきた。

 

そして、俺はメロコと話し合って、お互い選出するポケモン3体を決めた。

 

【キラフロル・キョジオーン・カイリュー】

 

メロコ

【ヘルガー・ウインディ・グレンアルマ】

 

この構成をオモダカさんに伝える。

 

「分かりました。相手チームのポケモンも決まりました。それでは、バトル開始!」

 

オモダカさんがバトルの開始を宣言すると、俺たち4人は一斉に1体目のポケモンを出した。

 

俺は『キラフロル』、メロコは『ヘルガー』

 

ネモは『ルガルガン』、コルサさんは『キノガッサ』

 

を出した。

そして俺はキラフロルに指示を出す。

 

「まきびし と ステルスロック を散布開始!」

 

キラフロルは俺にだけ聞こえる『了解!』を言って、キノガッサとルガルガンの上を飛びながらトゲトゲ技を撒き始める。

 

この世界はゲームでは無いため、アニポケの様に『〜しながら』とか『攻撃をかわして○○』とかが、出来るのだ。

 

それをコルサさんは許す訳もなく「キノガッサ!キノコのほうし!」と言った。

キノガッサは瞬時に頭のカサから白い粉状の物をキラフロルに吹きかけた。

 

キラフロルは『あ』と言ってその場にこてりと落ちて、ぐうぐう寝始める。

 

「うむ、ステルスロックは防げたものの まきびし は撒かれてしまったな」

 

コルサさんが真剣な表情で呟いているとネモが「でもナイスですよ!」と言いネモはルガルガンに指示を出した。

 

「ルガルガン!キラフロルが寝てる今がチャンスだよ!ドリルライナー!」

 

本来のネモならルガルガンで、ステロを撒く所だが、先にキラフロルを倒そうと考えてルガルガンに指示を出した。

ルガルガンも「ガゥ!」と吠えて飛び上がり、高速回転して眠っているキラフロルに突っ込んだ。

 

キラフロルは どく いわ なので じめん技は4倍ダメージであり、キラフロルのHPバーが一気に赤にまで達した。

 

そして頭の中にテキストが浮かぶ。

 

キラフロルは心配させまいと持ちこたえた。

 

(サンキュー)

 

キラフロルは接触技を受けたことにより、特性『どくげしょう』が発動して、体から どくびし が撒かれた。

 

「あちゃー、ちょっと残っちゃった……っ!ルガルガン!大丈夫!?」

 

ネモはドリルライナーをしたルガルガンの様子がおかしいのを見て叫ぶ。

 

ルガルガンのHPが何の攻撃も受けていないのに、1/6も下がっていたからだ。

 

俺は口端をニィと上げる。

キラフロルも『上手くいったぜ』と言って起き上がる。

ちょうど目を覚ましたようだ。

 

キラフロルには『ゴツゴツメット』を持たせていたので、接触技を食らって『どくげしょう』と一緒に効果が発動したのだ。

 

ネモは「あちゃ〜、一筋縄じゃ行かないなーさすがデルタだy……っ!」と言ったところで気がついた。

 

「オレを忘れてんじゃねぇよ」

 

メロコが、ヘルガーに『だいもんじ』を支持して、キノガッサを倒したところだった。

 



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【トゲトゲ!害悪戦法の恐怖】

 

キラフロルとルガルガンの戦いに皆んなが注目している隙に、メロコはヘルガーに油断しているキノガッサに効果抜群技『だいもんじ』を指示した。

 

メロコの指示を聞いた瞬間、ヘルガーは瞬時にキノガッサの背後を取り、だいもんじを盛大に食らわせた。

 

キノガッサは「ガァ!!」と鳴いて、戦闘不能になって、倒れた。

コルサさんは「なんてことだ!」と頭を掻き毟って、キノガッサをボールに戻した。

 

これで5:6で1歩有利だが、キラフロルが ひんし寸前だ。

そしてコルサさんは次のポケモンを出す。

 

「いけ!アマージョ!」

 

コルサさんが投げたボールから、黄緑色の長髪をなびかせたエレガントなポケモンが現れた。

メロコは「へぇ……」と言い、メロコはヘルガーを戻して、ウインディを出した。

 

(ナイスだメロコ!)

 

俺は心の中で思った。

コルサさんが使うアマージョには『とびひざげり』と言った悪タイプを持ったヘルガーにとっては、そこそこ不利な技を持っている。

 

「ふんっ、中々にいい判断だな……しかし!アマージョ!とびひざげり だ!」

 

コルサさんの支持を受けてアマージョが飛び上がろうとした。

しかし

 

「ギュっ!」

 

アマージョは少し痛がっている。

場に出たことで『どくびし』と『まきびし』をくらい、毒状態な上に痛がっていた。

それでもアマージョは指示通りにウインディ目掛けて飛びかかる。

 

そしてネモのルガルガンも続くように、俺のキラフロルにトドメをさそうと再び『ドリルライナー』をしようとする。

 

 

 

 

コルサさん…ネモ……忘れてないか?

 

 

 

 

 

 

 

これはタッグバトルだ!

 

俺は「メロコ!」と言うとメロコは「おうっ!」と言ってウインディに『インファイト』を支持して

 

 

 

 

 

ルガルガンを攻撃した。

 

キラフロル目掛けて飛んだルガルガンは、突然目の前にウインディが割り込んできたことに「ガゥ!?」驚いた。

そして岩単体のルガルガンは、ウインディのインファイトでボコボコにやられて倒れた。

 

 

 

しかも

 

「キラフロル!ベノムショック!」

 

『了解!』

 

キラフロルはウインディの代わりにアマージョの『とびひざげり』を受けながら、アマージョに『ベノムショック』を浴びせた。

 

『まきびし』でHPを削られた上に、毒技をモロにくらった。

しかも『ベノムショック』には毒状態の相手に当たると、威力が2倍になる。

そして、持ち物はゴツゴツメット……当然アマージョは「ガッハぁ!」と声を出して倒れた。

 

「キラフぅ〜」

 

キラフロルもなけなしのHPでアマージョの『とびひざげり』を食らってさすがにHPが0になった。

 

そして相手の足元には更に『どくびし』が撒かれて、猛毒地帯になった。

 

俺はキラフロルに「お疲れ様。ありがとう」と言ってボールに戻した。

 

残るはコルサさん1体、ネモ2体

はたやコッチは俺が2体、メロコは無傷で3体つまりは3:5の戦いとなった。

 

「な、なんという事だ…」

 

コルサさんは信じられないといった様子で呟いた。

 

「まだまだだよ!ここで諦めちゃ、それこそデルタの思うつぼだよ!」

 

ネモがコルサさんに勇気づける。

しかし何で俺が悪者みたいに、言ってるんだ。

 

そしてコルサさん、ネモ、そして俺はポケモンを出した。

 

「いけっ!ウソッキー!」

 

「お願い!マスカーニャ!」

 

「いけっ!キョジオーン!」

 

フィールドに3体のポケモンが出た。

 

「ウソッ!」

「ニャー!」

 

登場と共にコルサさんのウソッキーとネモのマスカーニャは『まきびし』と『猛毒のどくびし』を踏んで、かなり大きめのダメージと状態異常になった。

 

そこに俺は追い打ちをかけるようにキョジオーンに速攻で指示を出す。

 

「キョジオーン!ステルスロック!」

 

俺の指示にキョジオーンは『おうっ!』と言ってステルスロックを放とうとする。

ネモは「させないよ!」と言ってマスカーニャに指示を出す。

 

「マスカーニャ!トリックフラワー!」

 

ネモの掛け声にマスカーニャは「ニャー!」と鳴いて、どこからともなくスポットライトを浴びながら指を鳴らした。

その瞬間にキョジオーンの頭上から、バスケットボールみたいな大きさの種が落ちてきた。

 

トリックフラワーはマスカーニャの専用技であり『必ず命中して必ず急所にあたる』というチート技である。

 

トリックフラワーをくらい、キョジオーンは『ぐぁ!』と呻いた。

 

当然、効果抜群の急所技をくらったので、耐久が高いことが売りのキョジオーンでもHPバーが赤になった。

 

『くっそぅ……負けんぞ!』

 

トリックフラワーにギリギリ耐えたキョジオーンは、相手フィールドにステルスロックをばらまいた。

 

そしてキョジオーンには持ち物に『たべのこし』を持たせているので、HPバーが赤からあと一歩で赤になるくらいの黄色になった。

 

ネモは「くっ!さすがデルタのポケモンだけあって、一筋縄じゃいかないね」と言った。

 

その時

 

「ウソッキー!『ストーンエッジ』だ!」

 

ウソッキーは「ウソー!」と鳴いて、メロコのウインディに『ストーンエッジ』をくらわせた。

 

ウインディは「ガウゥゥウ!」と吠えて倒れた。

 

「ウインディ…ありがとな」

 

メロコはウインディに労いの言葉をかけて、ボールに戻した。

 

そして、コルサさんのウソッキーとネモのマスカーニャは猛毒のダメージを受ける。

 

現在3:4

 

そして、メロコは「いけ!ヘルガー!」と言ってボールを投げた。

 

「ガウ!」

 

「何とか立て直すぞ!」

 

メロコは、よりいっそう力強く言った。

ヘルガーも答えるように「ガァァァァ!!」と吠えた。

 

 

 

 

 

 

 

しかし

 

 

 

 

「マスカーニャ!『パワージェム』!」

 

なにっ!?

 

ネモの指示を受けたマスカーニャは光り輝く4つの石を空中に出現させ、現れたばかりのヘルガーを瞬殺した。

 

「ガゥ…」

 

「ヘルガー!」

 

メロコは叫んだ。

 

今までネモが出すマスカーニャは『トリックフラワー』しか見た事がなかったが、まさか わざマシンで覚える技のパワージェムを使ってくるとは思わなかった。

 

そうしている内に俺はキョジオーンに『じこさいせい』をさせようと指示を出そうとした瞬間に、コルサさんがテラスタルオーブをウソッキーに投げて、くさタイプにして先手を取った。

 

「ウソッキー!『くさわけ』だ!」

 

コルサさんの支持にウソッキーは『ウッソォオオオオ!!!』と雄叫びを上げて、キョジオーンを倒した。

 

『ぐあ!無念』

 

(お疲れ様。キョジオーン)

 

俺はキョジオーンを戻した。

 

現在3:2



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【諦めるな!俺達は最高合作】

 

「クソぉ…」

 

「……」

 

始めは全く連携の取れてなかったコルサさんとネモだったが、一瞬で冷静に戦況を分析して、風向きを自分に有利な方向に変えるのは、さすがジムリーダーとチャンピオンなだけあるな。

 

あっという間に戦況がひっくり返されて、

コルサさんが残るはウソッキー、ネモがマスカーニャと未だ場に出していないポケモンが1体の合計3体が向こうにいる。

 

はたや俺たちは、これから出す2体のみ

 

メロコが俺に目を向けて「デルタ、行くぞ」と静かに言う。

俺も「あぁ!勝とうぜ!」と言って、俺とメロコはそれぞれ最後のポケモンを出した。

 

「いけっ!カイリュー!」

 

『うおぉぉぉ!やったるぜ!』

 

俺の投げたボールから暗めだけど薄緑のカイリューが出てきて、キラーン☆と光を放つ。

 

「やっちまえ!グレンアルマ!」

 

「グオォォォ!」

 

屈強な黄色い鎧に身を包んだグレンアルマが、雄叫びを上げて登場する。

 

「さすがデルタとメロコのポケモンだね…残りラストなのに負けることを考えてないね」

 

ネモは少し笑みを浮かべながら言った。

 

「素晴らしいぞ、デルタ!メロコ!ネモ!ウソッキー!最高の合作だ!」

 

コルサさんは嬉しそうな表情で、俺達に称賛を送る。

 

「ウソッキ!」

「ニャー!」

 

ウソッキーとネモのマスカーニャもコルサさんの応援に応えるように返事をする。

 

「ウソッキー!『ストーンエッジ』!」

「マスカーニャ!『じゃれつく』!」

 

コルサさんがメロコのグレンアルマを倒そうとウソッキーに指示を出し、ネモが俺のカイリューを倒そうとマスカーニャに指示を出した。

 

「グレンアルマ!かわして『アーマーキャノン』だ!」

 

メロコの指示を聞きグレンアルマは、その場でジャンプをしてストーンエッジを回避して、両腕をロックマンみたいにして、ウソッキー目掛けて専用技の『アーマーキャノン』を発射した。

 

 

 

 

「カイリュー!『エアスラッシュ』で迎え撃て!」

 

俺の指示にカイリューは『おっしゃ!』と言って飛びつこうとしてきたマスカーニャより高く飛び上がって回避して、ひこう技『エアスラッシュ』を放つ。

 

 

 

 

「ウッソォオオオオ!」

「ニャー!」

 

ウソッキーとマスカーニャはモロに効果抜群技を受けて、マスカーニャは倒れた。

そしてコルサさんのウソッキーは特性『がんじょう』で持ちこたえていた。

 

 

 

 

しかし

 

 

「ウッ……ソォ…」

 

持ちこたえたウソッキーを毒が容赦なく、むしばんで、ウソッキーも戦闘不能になった。

 

残り1:2

 

「みんなお疲れ様……後は私が頑張りますね!」

 

ネモはコルサさんに声を掛ける。

コルサさんも「あぁ!頼んだ!」と言ってネモに託す。

ネモは「うん!」と言って最後のポケモンを出した。

 

「頑張って!パーモット!」

 

ネモが出したボールから元気よくパーモットが飛び出して来た。

 

 

 

 

グサッ

 

 

「ビャアアア!!!」

 

場に出たパーモットは『まきびし』『ステルスロック』を踏んでHPがほぼ半分になり、おまけに猛毒をくらった。

 

「頑張って!パーモット!『れいとうパンチ』!」

 

パーモットはネモの指示に「パァァァ!」と鳴いて、カイリューに高速で飛びかかって、ドラゴン・ひこうタイプのカイリューの4倍弱点の氷技『れいとうパンチ』をくらわせた。

 

『がはぁ!』

 

カイリューのHPバーが一気に半分以上減って赤に近い黄色になった。

 

カイリューの夢特性『マルチスケイル』で

HP満タンのカイリューが受けるダメージは半減されたとはいえ、これはキツイな。

 

そんな時にメロコが「グレンアルマ!『サイコキネシス』!」と叫んだ。

 

(ナイスだ!)

 

グレンアルマが「グオォォォ!」と叫んで

、パーモット目掛けて『サイコキネシス』を発動した。

 

その瞬間だった。

サイコキネシスの音で聞こえなかったがネモが口を動かしていた。

そして、パーモットが光を放ってサイコキネシスに包まれて倒れた。

 

今の光……っ!まさか!

 

「おっしゃぁ!……やったな!デルタ!」

 

メロコは喜んでいたが俺は「いや、まだだと言って」ネモを見る。

 

ネモは「ふふっ」と笑った。

そして俺の頭の中にテキストが浮かんだ。

 

パーモットは『さいきのいのり』を使ってマスカーニャを復活させた。

 



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【放て!アーマーキャノン!】

 

グレンアルマの『サイコキネシス』を受ける直前に、ネモのパーモットは『さいきのいのり』と言う『げんきのかけら』のポケモン技を使って、手持ちのマスカーニャを復活させた。

 

「クソっ!しぶてぇな!」

 

顔は怒ってるはずなのに何故かウキウキしているように見えるメロコが言った。

 

「お願い!マスカーニャ!」

 

ネモが体力が半分のマスカーニャを出した。

 

「ニャー!」

 

マスカーニャは場に出た途端に『まきびし』と『ステルスロック』でHPが残り少なくなり、さらに『どくびし』で猛毒となった。

 

しかしネモのマスカーニャからは、負けないと言う強い意志を感じた。

 

「マスカーニャ!『じゃれつく』!」

 

マスカーニャは種族値特有のスピードで、決死の覚悟を持って俺のカイリューに飛び付いてきた。

 

「ニャー!」

『くそぉう!離せぇ!』

 

カイリューのHPがみるみる無くなってくる。

 

ここは

 

 

「カイリュー!マスカーニャを押さえつけて『にほんばれ』だ!」

 

俺の指示にカイリューは『おぅ!』と返事をして、『じゃれつく』を耐えながらマスカーニャを押さえつけて、空にパァと明るい疑似太陽を出現させる。

 

『にほんばれ』によってメロコのグレンアルマの炎技の威力が上がる。

 

俺はメロコに「メロコ!いけぇ!」と叫ぶ。

 

「で、でも…それじゃあオマエのカイリューにまで!」

 

メロコはグレンアルマの『アーマーキャノン』でカイリューまで倒してしまうことを

気にかけていた。

 

それでも

 

「やれぇ!ここで勝つんだ!」

 

俺は叫んだ。

元々はゲームで遊んだ世界。

しかし今は『現実』だ。

ネモもコルサさんもメロコのポケモンも皆んなレベル100を使うくらいには、世界が違う。

 

 

 

 

 

 

 

ここで手を抜いたら……負ける!

 

 

俺はそれを分かってる。

それにカイリューも死ぬ訳では無い。

さすがに『ちょっと』痛いかもしれないけど……。

 

「……分かったよ!グレンアルマ!」

 

メロコは俺の指示に答えて、グレンアルマをカイリューが押さえつけるマスカーニャに向けた。

 

「『アーマーキャノン』!」

 

グレンアルマが『にほんばれ』に照らされながら、腕をロックマンみたいに突き出して、グレンアルマの専用技『アーマーキャノン』を放った。

 

「いけぇええええ!!」

「グレアァァァ!!」

 

メロコとグレンアルマの咆哮が重なる。

そして バァン! マスカーニャに直撃した。

 

「にゃぁあ!!」

 

マスカーニャは倒れた。

 

そして

 

『……』

 

カイリューもズシンと糸が切れたように倒れて戦闘不能になった。

 

「カイリュー……お疲れ様」

 

俺はカイリューをボールに戻してネモとコルサさんを見る。

 

 

 

 

 

0:1

 

俺たちの勝ちだ。

 

「あはは!あ〜また負けた〜!やっぱデルタもメロコちゃんも凄いよ!」

 

「アヴァンギャルド!キサマ達の素晴らしい戦いに感謝する!」

 

ネモは、いつにもましてすごく嬉しそうな表情をしていた。

コルサさんも頭を掻き毟ってはいるが、直ぐに冷静になり俺達を褒めてくれた。

 

そこへ

 

パチパチパチ

 

と俺達のポケモンバトルを見てた人達が拍手をしてくれた。

 

「良い勝負だったぞ!」

「かっこよかったわね!」

「いいものを見せてもらったぜ!」

 

などと声をかけてくれる人がたくさんいた。

 

「ありがとうございます!皆さん!」

 

ネモが元気よく言った。

 

「おめでとうございます。チャンピオン・デルタ…スター団リーダー・メロコ…とても素晴らしいバトルを見せて頂きました」

 

俺達のバトルを最前線で見ていて、審判も務めてくれたオモダカさんが、笑顔で拍手をしながら俺達に話しかけてきた。

 

「オモダカさん……ありがとうございます」

 

俺はオモダカさんに頭を下げてお礼を言う。

 

「いえ、私こそジムの視察がてらにチャンピオン・ネモとチャンピオン・デルタのバトルを……しかも即席のダブルバトルまで観戦できて大変勉強になりました。この度は本当にありがとうございました」

 

オモダカさんは深々と頭を下げる。

 

「わたしからも、ありがとね!デルタ!メロコちゃん!コルサさん!わたしのわがままに付き合って貰っちゃって!」

 

ネモが言った。

 

「いや、こちらこそ楽しかったから問題ない」

「オレも、久しぶりに本気で戦えてスッキリしたし全然大丈夫だ」

 

コルサさんとメロコが言う。

 

 

その瞬間

 

 

コルサさんに『!』が浮かんで迫力良く「アヴァンギャルド!!」と叫んだ。

 

突然のことに俺達は、ビックリした時のポーズをとった。

 

「ど、どうしたんですか?」

 

俺はコルサさんに聞いた。

コルサさんは鬼気迫る顔で言った。

 

「新しい作品のアイディアが思いついた!これは傑作になるに違いない!早速取り掛かれねば!」

 

そう言ってコルサさんは何処かに走っていった。

 

「あっ!ちょ、ちょっと待って下さい!まだ、お話したいことが!」

 

俺が慌てて追いかけようとすると

 

「わたしもデルタに負けないように、もっと特訓しなきゃだねっ!じゃあね!バイバイ!」

 

今度はネモがどこかへ行ってしまった。

 

「おい!ネモ!……ったく、仕方ないなぁ……」

 

俺はため息をついた。

 

「それでは、私も次のジムの視察へ行きますので、チャンピオン・デルタ…またどこかで」

「あ、はい。オモダカさん。色々ありがとうございました」

 

俺が例を言う頃には、オモダカさんの後ろにイキリンコそらをとぶタクシーが来ていて、オモダカさんはそれに乗り、飛びたった。

 

「おいっ!デルタ!今日のオレは、お前にリードされて勝てたようなもんだからな!今度はお前に頼らないくらいに強くなってやるよ!」

 

メロコが目をクワっと開けて言った。

 

俺は「お、おう…そうか…」と言ってる間に、メロコは「オレも強くなるぞー!!」と言って何処かへ走り去っていった。

 

「ふぅ……なんか今日は疲れたな……」

 

俺は近くのベンチに座る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ!

 

 

 

 

メロコのやつ……結局コルサさんから『芸術』の方面で教わりに来たのに、帰っちまった……

 

 

 

 

「まあいっか」

 

俺は考えるのをやめて、一息つこうとすると

 

 

「デルタさん!サインください!」

「バトル凄かったです!」

「握手してもらってもいいですか!?」

「私もファンなんです!」

「写真撮らせてください!」

 

 

ネモ以来であり、そのネモも倒すパルデアチャンピオンになった事や、2週目のジム巡りでナンジャモの配信で実力を見せたりと、この『パルデア地方』で俺は思ってもみなかったほど有名人になってしまっていたのであった。

 

 

あー……帰ろ

 

 

 

 

余談ではあるが数日後にテレビでコルサさんを見かけて、ニュースになっていた。

ニュースには『天才芸術家!新たな作品完成!』と左上に表示されていた。

タイトルは『燃え上がるドラゴンキマワリ』だった。

 

タイトルの通り主軸はキマワリの像なのだが、背中からまるでカイリューのような翼を生やしており、頭の上には『ほのおテラスタル』のように燃えたシャンデリアの様なものが乗っていた。

 

(なんじゃありゃ)

 

俺は若干引いてると、ニュースではSNSのコメントを紹介しており

 

『あの伝説のバトルを芸術的に再現してる!アヴァンギャルド!』

 

とか

 

『これは投げやりのキマワリを超えた!』

 

とか出ていて、今めちゃくちゃトレンド入りしていた。

 

(コルサさん……すげぇ……)

 

俺はそう思いながら、スマホロトムをしまって、1人の女性に向き合う。

 

「お待たせしました」

 

「ふひひ…デルタ氏の準備は万全のようだね♪」

 

「あー…まぁそうですね。ではナンジャモさん行きましょうか」

 

俺の言ったことにナンジャモさんは、「オッケー♪」と言って一緒に『ゼロゲート』へ入ったのだった。

 



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【ゼロの世界!ナンジャモは見た!】

お久しぶりです。
職業訓練のコミュニケーションワークのプログラムでディベートがありまして、昨日終わりました。



 

『おはこんハロチャオ〜ナンジャモだよ〜♪デルタ氏ぃ〜♪ちょーっとパルデアの大穴に行きたいんだけど、手伝ってくれないかな?』

 

コルサさんとメロコと何故か居たネモのバトルに巻き込まれた日から、2日たったある日、俺のスマホロトムが鳴って、ナンジャモさんからそんなことを言われた。

 

「大穴ですか?なんでまた?」

 

俺は疑問に思ったことを聞いてみた。

 

『ん〜ちょっとね〜……最近デルタ氏のお陰もあって、エリアゼロに入れる機会って出来たじゃん?……それでデルタ氏の報告も相まって、どんどん おとぎ話みたいな感じだったエリアゼロの実態が鮮明になって、皆んなが『無謀にも』挑んで痛い目にあったり、失踪したりする事件が増えてきたじゃん?』

 

ここまでナンジャモさんの言ったことを聞いて俺はなんとなく察してきた。

 

『とりあえずボクは、動画でパルデアの大穴に入って、どれだけ危険なパラドックスポケモンがいるか、みなのものに注意喚起しようと思うんだよねぇ〜』

 

この前のペパーにサンドイッチの具を届けた時もそうだったが、パルデアの大穴……エリアゼロはポケモンリーグ直属に設立された警備部隊によって、許可証のない人は侵入禁止として指定されていた。

その時にあったが、少年とゴーゴートが大穴に落ちて、俺達は大捜査をした。

 

こんな事がまだ続くと……

 

「分かりました。ナンジャモさん、ちなみに俺は大穴で何を手伝えばいいんですか?」

 

俺がふと聞いてみるとナンジャモさんは『にっしっし〜♪』と不敵な笑い声を漏らした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんでこうなった」

 

「それじゃあデルタ氏♪配信はっじめ〜るよ〜♪」

 

パルデアの大穴があるエリアゼロの前で、ナンジャモさんはスマホロトムの撮影モードを起動させながら言った。

 

スマホロトムにはポケモン世界語で『ドンナモンジャTV』と表示されており、その下に『新チャンピオンと行くパルデアの大穴』とあった。

 

「何この、さんぽ動画みたいなタイトル」

 

俺はナンジャモさんにジト目で見つめる。

 

「いやいや、これでも真面目な動画配信だから安心してくれていいよ〜」

 

俺は「はぁ…」とため息を吐いた。

そしてナンジャモさんは配信を始めた。

 

「おはこんハロチャオ〜♪皆んなの目玉をエレキネット♪何もんなんじゃ?ナンジャモです♪」

 

ナンジャモさんが配信を始めると、コメント欄には『おはこんハロチャオ!』とか『配信キター!』とかが爆速で流れ始めた。

 

「さぁ!今日は新たに誕生した、パルデア地方のチャンピオン!デルタ氏と、パルデア地方で話題になっている、パルデアの大穴にやって来ました!」

 

ナンジャモさんを撮っていたスマホロトムが俺の方に向いて、撮り始める。

俺はとりあえず「おはこんハロチャオーデルタです」と言って初めてのジム戦の時みたいに手を振る。

 

(ジム戦配信でも無いのに俺を映して大丈夫か?仮にもこの地方でチリさんと肩を並べる大人気女性ポケモントレーナーなのに)

 

俺は心の中で心配する。

すると

 

 

マスカニャ仮面『うぉー!デルタさんキター!』

 

ナッペさん『マジで!?チャンピオンと一緒にパルデアの大穴行けるの!?』

 

オトシドリのアンチ『え!?あの人!?やべぇ!この前のボウルタウンの戦い見た!』

 

 

(あれ?意外と好評?)

 

俺が呆気にとられているとナンジャモさんが話し始めた。

 

「今日はタイトルにある通り新チャンピオンのデルタ氏とパルデアの大穴…エリアゼロの奥底へ潜入調査をしていくよ〜♪」

 

ナンジャモさんはそう言うと、俺に話しかける。

 

「では早速行ってみよ〜♪」

 

(なんかもう既に帰りたい)

 

俺は心の中で弱音を吐きつつ、ナンジャモさんとゼロゲートへ入った。

 

 

 

ゼロゲートはペパーの両親が開発した。

エリアゼロの観測所を行き来するポータルがある地上と繋がってる施設だ。

 

「うぉ〜これは凄い施設だね〜」

 

ナンジャモさんはキョロキョロとそこら中を見ながら、スマホロトムも動かす。

 

 

コマタナのツノ『噂のゼロゲートだ!』

 

だいもんじ『めっちゃハイテク装置満載じゃん!』

 

ミガルーサに家を貫かれた人『警備員いっぱいいるw』

 

エレキン『(¥5,000)すげー!』

 

 

視聴者の皆さんも画面越しにゼロゲート内を見て興奮している。

 

「エレキン氏ありがと〜♪ね〜めちゃくちゃハイテク装置だらけだね〜」

 

俺とナンジャモさんは警備員さんに、許可証を見せて、エリアゼロへの侵入を許された。

 

「それではエリアゼロへ行きますので、この中央の緑の光を放ってるこの区画に立ちます」

 

俺の説明にナンジャモさんが「え?ここに立つの?」と聞く。

俺は「はい」と答える。

 

「デルタ氏ぃ〜ボクをからかってない?まさかココに立つと転送されます〜とか言わない?」

 

ナンジャモさんが面白半分にジトーとしながら俺に聞いてきたから、俺は「はい、今から転送してエリアゼロへ行きます」といった。

 

「……へ?……ちょ、ちょっと待ったぁあああ!!!」

 

ナンジャモさんは慌てた様子で俺に詰め寄る。

 

「ど、どうしました?」

 

俺はナンジャモさんに焦りながら聞く。

 

「そんなこと急に言われても心の準備ができてなぁあい!」

 

俺は「あ、あはは……」と苦笑いをする。

その後に言う。

 

「転送以外にも1階下のフロアに大穴へ飛び込める場所がありますよ。……地面まで数百メートルありますが」

 

俺のセリフにナンジャモさんは

 

「よ〜し!デルタ氏!早速『転送』してエリアゼロに出っ発だよ♪」

 

と意気込んだ。

 

「分かりました。じゃあ行きましょう」

 

 

ナッペさん『ド畜生で、くさテラスタルするわw』

 

モトトカゲ3号『鬼のデルタw』

 

落とされたカイデン『そういえばボウルタウンでも鬼畜戦法してたし、かなりドSじゃねw』

 

だいもんじ『ナッペ山が、くさテラすんなやw』

 

 

俺とナンジャモさんは、緑色の光の放つ床の区画に立った。

そして

 

「ではいきま〜す♪」

 

ナンジャモさんの掛け声と共に俺達は転送された。

 

 

場所はエリアゼロ第1観測ユニット

 

「お?何か違う感じの部屋に来た!ホントに転送された!」

 

ナンジャモさんはめちゃくちゃ驚いてる。

 

「それじゃあ行きますよ」

 

俺の声にナンジャモさんが「オケオケ〜♪」と言って付いてくる。

俺は「あっ!」と小林製薬みたいな事を言うとナンジャモさんが「ん?どうしたんデルタ氏?」と俺に聞いた。

 

「そう言えばコレ渡しときます」

 

そう言って俺は未来のライドポケモン『ミライドン』の入ったボールを渡す。

 

ナンジャモさんは「ん?モンスターボール?何で?」と聞く。

 

「この中にはミライドンというライドポケモンが入ってます。エリアゼロを移動するのにモトトカゲでは行けない場所があるので」

 

俺の説明を聞いたナンジャモさんは「へぇ〜そんなポケモンもいるんだね〜ありがと♪」と俺からミライドンの入ったボールを受け取る。

 

そして俺達は第1観測ユニットから出た。

 

「ようこそ、エリアゼロへ」

 



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