転生者がほどほどに原作改変しながらOSR重視な世界で足搔く話 (タマヤ与太郎)
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1スレ目

BLEACH読んだり見たりしてたらBLEACHの二次創作書きたい熱が湧いてきたので、
兄上と緋真さんに子供がいたらいいな……と、
掲示板もの書きたい&転生モノ書きたいを混ぜ込んでぶん投げました。
軽いノリでお読みいただければ幸い。


 

【原作】気が付いたらとんでもねえことになった世界に転生した件について【崩壊】

 

1:OSR

 

助けてくれ、転生したと気付いた時には既に原作と乖離してる世界に転生してしまった

 

 

2:名無しの転生者

 

おっどうしたどうした、割とあるけどまずどの世界か言え

その世界の何に転生したん

 

 

3:名無しの転生者

 

コテがOSRって事はBLEACHか?

愛染か綱彌代にでも転生したか、あるいはユーハバッハ

 

 

4:OSR

 

>>2

>>3

BLEACH。原作どころかアニメにも小説にもゲームにも影も形もない奴

ちなみに時系列的にもまだ原作始まってもいない時期

原作だと存在もしてなかった原作キャラの血縁でな……

朽木緋真って知ってる?

 

 

5:名無しの転生者

 

朽木家が断絶しかけてる原因のご婦人やん

 

 

6:名無しの転生者

 

どゆこと? 確かあの人結婚して五年ぐらいで病死したんだよな

 

 

7:名無しの転生者

 

奥さん好きすぎて白哉兄様が再婚する気ほぼほぼゼロ

 

 

8:名無しの転生者

 

義妹のルキアは子供いるけど朽木の血は入ってねえからな……

 

 

9:OSR

 

その緋真さんの息子に転生したんだよ……割と頭抱えてる

 

 

10:名無しの転生者

 

あっ

 

 

11:名無しの転生者

 

それはお辛い

ちなみに転生前は……

 

 

12:OSR

 

ごくごくフツーの一般人だったよ、鰤は好きだったから原作は大体覚えてるけど、

アニメの方は飛び飛びでしか見れてないからアニオリが絡むとほぼ知らん

一応バウントだの村正だのの概要は知ってる

というか斬魄刀異聞編は見てた

 

 

13:名無しの転生者

 

この手の奴は原作通りに進めようとしてもどっかしらで妙なバタフライエフェクト起こるからな

 

 

14:名無しの転生者

兄上と緋真さん結婚したのが原作スタートの55年前、

亡くなったのがその5年後だったな。

イッチの進め方にもよるが、ある程度原作の悲劇を抑えられるかも……

 

 

15:OSR

ちなみに現在6歳。なおルキア叔母上が朽木家入りしてる

あと母上健在。超元気! とまでは行かんけど普通に元気

 

 

16:名無しの転生者

 

なんで??????

 

 

17:名無しの転生者

 

駄目じゃないけどなんで死んでないんだ

 

 

18:名無しの転生者

 

……あ、なんとなく見当ついた

イッチが産まれたから子育てのためにルキア探し出来てなかったんじゃない?

作中の描写とかアニメを見るに、元々そう頑丈でもないのに、

五年間ずっとルキア探ししてたから体壊したっぽいし

 

 

19:OSR

 

父上の話を聞くに大体そんな感じ。

姉妹仲は……悪くはないけどちょっとぎくしゃくしてるかな、無理もないが

父上とは悪くはない……のか?

わかめ大使のぬいぐるみとか貰って目輝かせてた

 

 

20:名無しの転生者

 

 

 

21:名無しの転生者

 

血縁じゃないのに美的センスは似通ってんのほんと笑う

 

 

22:OSR

 

あの何とも言い難いセンスをいつものあの顔でお出しされると腹筋がつらい

ちなみにまともに物食えるようになって初めて食ったのがわかめ大使饅頭だよ

美味かったけど

 

 

23:名無しの転生者

 

良かったな、美的センスまで遺伝しなくて

ともあれ、朽木家内ではそんなに問題はなさそうか?

朽木家的にも当主の嫡男だ、原作的にどうかはさておきめでたいこった

 

 

24:名無しの転生者

 

現状6歳、ルキア引き取られた直後ぐらいだとして、

既に藍染暗躍中で浦原商店ズ&仮面の軍勢は追放済みか

少なくとも原作スタートというか、いずれチャン一が生まれるのは確定路線かね

隊長格とかに違いはなさそう?

原作の流れからすると五番隊の隊長はもう愛染だよな

 

 

25:OSR

 

>>23

ホントにな(二重の意味で)

 

>>24

瀞霊廷通信を見るにその辺に違いはないらしい。

九番隊も東仙隊長だったし、

十番隊も隊長がヒゲだった。この時期ヒゲないけど

 

 

26:名無しの転生者

 

あ、そうかイッチ生の瀞霊廷通信読めるのか……

割と真剣に羨ましい

 

 

27:名無しの転生者

 

で、イッチよ、周辺状況は大体わかった。

助けてほしいってのは今後についてのアドバイスとかって認識でいい?

 

 

28:OSR

 

そうなるな。今はガキもいい所なのでほとんど何もできないけど、

いずれ護廷十三隊に入って原作進行に干渉していきたい

 

 

29:名無しの転生者

 

原作に干渉していく方向なのな

やっぱ死んだりするキャラを助けたいとか?

 

 

30:OSR

 

そうだな。叔母上助けたいし十三番隊に入れるように頑張ろうと思う

差し当たっては海燕さんを死なせたくないな……

何年後だっけ?

 

 

31:名無しの転生者

 

現状が原作の50年前で、

ルキア・恋次・雛森・吉良の入隊がその1年後ぐらい?

 

 

32:名無しの転生者

 

>>30

確か40年ぐらい前だったはずだから……あと9年。

死ぬ気で頑張らんと厳しいかも知れんぞ?

シロちゃんやギン、最低檜佐木ぐらいはないと短期間で卒業は無理

 

 

33:名無しの転生者

 

檜佐木ぐらいでちょっと行けるんちゃうかと思ってしまった

でもインフレの波にのまれたり卍解するする詐欺だったりするけど、

普通に優秀だからな檜佐木

 

 

34:OSR

 

他がとんでもなく強いだけで檜佐木は相対的に弱く見えるだけだからな

ともあれ、必死に食らいついていくしかあるまいよ、

俺だって死にたくはないしどうせなら親の脛齧って安穏と暮らしたいけど、

死んだり悲惨な目にあって悲しい、と思ったキャラを救えるかもしれない位置に自分がいるし、

何より俺がアホみたいなことしてると父上にも申し訳ないし、

母上も悲しむし、折角母上は命を拾ったんだ、どうせならやれるだけやるのも悪くはない

どうあがいても最終的に滅却師攻めてくるんだし、強くならんと死ぬかもだ

 

35:名無しの転生者

 

頑張れよ、何、血筋は四大貴族、師匠役は兄上にルキアだ

綱彌代の例を見るに四大貴族は霊圧高くなる傾向にあるようだし、いけるんちゃうか

イッチのがんばり次第ではシロちゃんの記録を塗り替えられるかもしれんぞ?

 

 

36:OSR

 

そう考えるといけるんじゃねーかと思えてきた

また知恵を借りに来るだろうから、その時は頼む

 

 

37:名無しの転生者

 

任せろ、最高のBLEACHにしてやろーじゃん

そういえばイッチの名前どんななん?

 

 

38:OSR

 

桃に真で「とうま」。

父上と母上の名前を混ぜた上で母上から一字もらったんやで、

と教育係のじい様が言うとった

 

 

39:名無しの転生者

 

白+緋(赤)で桃、そこに緋真さんの真の一字合わせた感じか

ええやん

 

 

 

 

 

 

「父上、お願いします! 俺も父上のように護廷のために戦いたいのです!

 霊術院で学ぶことをお許しくださいませんか!」

 

「―――ならぬ」

 

尸魂界の四大貴族、朽木家当主にして護廷十三隊六番隊隊長、朽木白哉は、

自室において六歳になる息子、桃真と向かい合っていた。

妻である緋真の妹、ルキアを義妹として迎え入れて一年、

ようやく義妹との距離感も定まって来た、と言う所で、

唐突な息子の懇願に正直困惑していた。

 

元々利発で手のかからぬ子でこそあったが、

つい最近、見よう見まねで瞬歩をしようとして目測を誤り、

庭木にしたたかに頭を打ち付けてから、一心不乱に己を鍛え始めた。

理由を聞けば「朽木の男として強くなりたい」と語り、

ルキアの使っていた霊術院の教本を読みながら着々と知識をつけている。

 

霊術院、そして護廷十三隊を目指す、と言うこと自体は褒めるべきことである。

六番隊の隊長は朽木の当主が務める事が慣例となっており、

桃真もゆくゆくはそうしよう、とは白哉自身も考えていた。

だが、まだ桃真は六歳。十にもならぬ幼い身で、

死神の技を学ぶことは時期尚早、と考える。

 

「桃真、お前はまだ幼い。死神の生は長い、

 もっと体が出来てからでも遅くはないのだぞ」

 

「それでは遅いのです! 確かに俺はまだ十歳にもならない子供です。

 ですが、それが己を鍛えない理由にはなりません!」

 

感情の窺い知れぬ顔でじっと息子を見つめる白哉。

それに対しどこまでも真剣な顔で見つめ返す桃真。

暫しそうしていた後、白哉はため息を一つ吐く。

そして立ち上がると部屋の外へと歩き出し、桃真に背を向けた状態で呟く。

 

「―――生半な道ではないぞ」

 

「……! ありがとうございます!」

 

 

 

 

その後。自室に戻った桃真は大の字になって突っ伏すと、

様々な感情の籠った巨大なため息を吐く。

 

「ぁあ~……緊張したわ……父上何考えてんのかよく分かんねえんだよな……

 とんでもなく不器用でクソ真面目なのは接してて分かるんだけど……」

 

もはやおぼろげになった『生前(転生前)』の記憶の中でも、

未だ色褪せず思い出せるBLEACHの中の白哉は、

尸魂界の、掟を守るため、そして愛する家族を守るために身を砕く男だった。

初登場時は義妹とはいえ罪を犯した妹、ルキアを、

ためらいなく処刑するという硬い意志を貫く男だった。

だがその本質は感情の振れ幅が大きい男で、

尸魂界編では常に『掟を守る(ルキアを処刑する)』と『ルキアを守る』、

この相反する思いに挟まれていた。

 

それが解消された破面編の後は、不器用ながらも妹と和解し、

気遣いを見せるとともに、妙な美的センスを持っていることが発覚し、

読者に何とも言えない思いを抱かせてもいた。

 

桃真の見る白哉(父親)は後者に近く、

これは彼が頑なになった原因であろう妻の死がなく、

自分(息子)というイレギュラーの存在がそうさせているのだろう。

 

「……ただ、まだ安心はできねえんだよな。

 藍染の裏切りはまだにせよ現在進行形で暗躍しているだろうし、

 何より崩玉はいずれ叔母上(ルキア)に埋め込まれるだろう。

 そうなったら叔母上は処刑ルートだ。防ぎたいが……

 『掲示板』の皆(スレのやつら)の協力はあろうけど、動くのは俺一人だ。

 その辺、結局は一護に手伝ってもらうのがいいだろうな。

 とりま、まずは海燕さんを助ける。そのための力と立場を手に入れねーと……」

 

頬を張って気合を入れ、ルキアのおさがりである霊術院の教本を開く。

何にせよ、まずは霊術院に入れるほどの学力をつけなければならない。

『朽木桃真』という転生者のこの行動が、後の流れにどう影響を及ぼすのか。

それは、霊王のみぞ知る。

 

 

 




大体「掲示板」→「その後の小話」みたいな感じで進行します。


〇解説

・朽木桃真
BLEACH原作にはいなかった白哉の息子に転生していたイッチ。
憑依ではなく元々『朽木桃真』として転生していたのだが、
瞬歩に失敗して頭打った拍子に前世の記憶と原作知識を思い出した。
折角なので 『掲示板』の皆(スレのやつら)の協力を得ながら、
死者が減る様に原作改変しつつこの世界を満喫しようとしている。

『掲示板』(スレ)
転生者がアクセスできる汚いアカシックレコード的な何か。
転生先とスレの時間は同期していない。
スレにアクセスしている間体は瞑想しているように見える。


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2スレ目

書き溜めた分を一気に放出。
言うて2話しかないんですが。


 

【めざせ】原作をほどほどに改変しつつ原作に添わせたい件【始解】

 

1:OSR

 

まあそもそも俺という存在がそもそも原作崩壊の危機を孕むイレギュラーなんだけどな

 

 

2:名無しの転生者

 

お、イッチやん、元気?

 

 

3:OSR

 

よう 死神(オレ)だぜ

 

 

4:名無しの転生者

 

死神(シニガミ)……!

 

 

5:名無しの転生者

 

幻想(ユメ)じゃねえよな……!?

 

 

6:名無しの転生者

 

で、あの後結局どうなったん

 

 

7:名無しの転生者

 

近況報告はよ

 

 

8:OSR

 

まあ、あの後父上に頼み込んで訓練付けてもらって、

猛勉強して真央霊術院は入れましたよ

なんだかんだあれから4年で今10歳

 

 

9:名無しの転生者

 

おお、合格おめでとう

やったやん

 

 

10:名無しの転生者

 

普通に優秀で笑う

まあ中の人は普通に成人してたんだろうし、

鬼道の知識とかはあるんだろうしな

 

 

11:OSR

 

実際覚えるのめっちゃ楽しかったからな……

好きこそものの上手なれを実感したわ。

三十番台とかは使えるようになった

 

 

12:名無しの転生者

 

頑張ってんな

原作キャラとは知り合いになったりした?

 

 

13:OSR

 

こないだ恋次と喧嘩した

 

 

14:名無しの転生者

 

なにしてんの??????

 

 

15:名無しの転生者

 

現役の隊士と喧嘩するんじゃない

 

 

16:OSR

 

待ってくれ、ちゃんと理由があるし今はもう友達なんだ

恋次って原作だとルキア捕まえに来るまでほぼ絶縁状態だったじゃん?

 

 

17:名無しの転生者

 

せやな

 

 

18:名無しの転生者

 

ああ、その流れは原作まんまなのね

んで?

 

 

19:OSR

 

和解させたろと思って、放課後に五番隊の隊舎行ったんよ

そこで仕事上がりの恋次・吉良コンビ見つけたから話しかけて、

それで叔母上に会って下さいって頼んだんだ

事情があり話せばわかるからって

 

 

20:名無しの転生者

 

ほうほう

 

 

21:OSR

 

そしたらまーあの赤パイン『お貴族様と話すことなんざねえよ!』

とか言いよってな、あとは話し(なぐり)合いよ

 

 

22:名無しの転生者

 

おめー妙なとこだけ兄上に似てんじゃねーよ

 

 

23:名無しの転生者

 

びゃっくんも若い頃は短気で直情的だったからな……

いや今も無表情の仮面で隠してるだけで中身はあんま変わってない疑惑あるが

 

 

24:OSR

 

まあ途中で仲裁も入ったし少年漫画理論で和解もしたよ

んでそれでもぐずるからうちに引き摺ってって叔母上とも和解させた

恋次引き摺ってく過程で吉良さんの手も借りたので、

叔母上と恋次の感動の和解シーンで『なんで僕ここに居るんだろ……』

みたいな顔して立ちつくしてた吉良さん正直面白かった

 

 

25:名無しの転生者

 

イズル可哀想

 

 

26:OSR

 

でも母上も叔母上も喜んでたのは良かった

父上もすげー悩んでなんかお礼してやりたいな、とか考えたらしく、

ちょっと離れてから2人に桜紋朽木総通証渡してた

なお見てた側としては「数分間無言かつ無表情で睨んだ後どっかいった」なので、

その場を離れた時恋次も吉良さんもすげービビってた

 

 

27:名無しの転生者

 

桜紋朽木総通証?

 

 

28:名無しの転生者

 

朽木家の経営する店での買い物が全品無料になる手形

要するにこれ持ってるだけで一生食うに困らない超レアアイテム

 

 

29:名無しの転生者

 

何それ欲しい

 

 

30:OSR

 

尸魂界限定だぞ

ちなみに吉良さんは全く今回の一件に関わりないから、

総通証貰って『なんで僕こんなもの貰ってるんだろう……』

みたいな顔で立ちつくしてたの控えめに言って大爆笑ですわ

 

 

31:名無しの転生者

 

イズル可哀想……

 

 

32:名無しの転生者

 

まあ吉良と檜佐木は不憫の星の元に産まれた男共だからな

 

 

33:名無しの転生者

 

修兵への厚い風評被害    でもないか

そういやイッチも総通証持ってんの?

 

 

34:OSR

 

持ってる。あんま使ったことは無いけど

大体俺が行くと『支払いは家に請求してくれ』で済むし

正直修行が忙しいのでそうそうドカ買いとかはしない

買うものとしては本とか買う事が多いかな?

『双魚のお断り!』の単行本は朽木家の系列店で揃えた

 

 

35:名無しの転生者

 

忘れがちになるけどイッチ尸魂界でも有数の貴族のボンボンだもんな

双魚の~ってあれか、浮竹隊長の

ほんと作中の劇中劇の現物を読めるイッチマジ羨ましい

 

 

36:OSR

 

しかもこれ浮竹隊長のサイン本だぜ

合同任務の相談とかで浮竹隊長がうちに来た時にサイン貰った

休載多くてごめんな、とか謝られたけど、

肺病患ってるのを無理無理押しとどめてる人に無茶は言えんわ

 

 

37:名無しの転生者

 

一応原作終わるまでには完結するらしいからな。ファンレターとか贈るんだぞ

精神力で保ってる人だろうし、気分が良くなれば休載減るかもだ

 

 

38:OSR

 

勿論。毎回送ってるわ

 

 

39:名無しの転生者

 

読者の鑑よな……

 

40:OSR

 

タイムリミットまであと五年、

どうにか入隊までに始解はしたいもんだが……

あの触手プレイ野郎対策に白打に鬼道も鍛えねーとな

 

 

 

 

 

 

 

「――――――」

 

自室にて、桃真は胡坐をかき、膝の上に斬魄刀を乗せて瞑想をしていた。

刃禅と呼ばれる、斬魄刀との対話をするための座禅である。

真央霊術院に入学するとともに支給される斬魄刀、『浅打』。

院生はそれを肌身離さず持ち歩いて己の霊圧を写し取り、

自分だけの斬魄刀を作り出す。

 

そうなった斬魄刀は白哉の『千本桜』のように固有の名と意思を持ち、

斬魄刀との対話と同調によって名を知ることにより、

第一段階の解放、『始解』に至る。

 

桃真は己の目的のため貪欲に力を求め始解を会得しようと躍起になっているが、

本来護廷十三隊に配属されてもなお始解できない死神も多く、

霊術院にいる時から始解出来るだけでエリートとも呼ばれる。

 

(海燕さんがメタスタシアと交戦するまであと五年。

 その前日には奥さんが襲われている。それまでには……)

 

暗躍していた時期の藍染に作られた改造虚、メタスタシア。

『1日1度斬魄刀を消す』『他の魂魄に寄生し乗っ取る』という能力を持ち、

原作においては志波海燕の妻を食い殺したのちに海燕と交戦し、

その斬魄刀を消し、海燕を乗っ取る。

その後ルキアに倒され、その心に大きな傷を残した。

 

(通常のカリキュラムでの卒業は間に合わない。

 飛び級を狙うなら始解の会得は必須だろう……

 それ以前に、その後の原作展開に介入していくなら力は必要だ。

 この体のポテンシャルは分からねえ、だがうだうだ言ってる暇はねえ。

 出来るかどうかじゃなくてやるかどうかだ)

 

自らの霊圧知覚能力をすべて『浅打』に注ぎ込み、

斬魄刀を構成する霊子と同調し、

奥へ奥へと潜る様に己の心の中へと潜っていく―――

 

 

 

 

桃真の精神世界は、白黒反転した朽木邸であった。

前世(転生前)の記憶の蘇った、庭木のある縁側の風景。

厳密に言えばその一角を切り取った箱庭のような場所、ではあるが。

桃真が頭をぶつけた庭木の前に、死覇装を纏った少女が立っている。

ぼさぼさの黒い長髪をして、整った顔立ちの頬を膨らませて怒りを表している。

その様子を見て、桃真は大きくため息を吐いた。

 

「いい加減名前を教えてくれねーかな?」

 

「やーだ! 浮気する癖に名前だけ聞こうとする人には教えてあげない!」

 

取り付く島もない。彼女の気持ちそのものは理解はできなくはない。

斬魄刀の対話と同調は進めつつも、

メタスタシア対策にそれ以外の技を磨いていたことを根に持っているのだ。

 

「まあ、そこは何とも言いようはないんだけどな……

 俺の斬魄刀なら俺が何でこうしているかは分かってるだろ?

 奴相手にお前使ったら消されるんだぞ?」

 

それ(理由)はそれ! これ(感情)はこれ!

 おまえのとーちゃんわかめ大使ーっ!」

 

「言っとくけどお前(斬魄刀)は実質俺みたいなもんだから、

 お前が俺に対して親を出して罵倒すると自動的にブーメランするぞ?」

 

「じゃあ汚いコナン君(見た目は子供、中身はオッサン)でいいや」

 

「こんのナマクラ刀……ぜってえ名前聞きだしてやるからな……」

 

コントのようなやり取りをしつつも、時間は過ぎてゆく。

タイムリミット、海燕対メタスタシアまで、あと五年。




実年齢10にもならんうちに霊術院入れるかどうかは知らん。
(このお話では『実力があればできる』とした)

〇解説
・桃真くん
がんばって恐らく歴代最年少で霊術院入りした。
多分卒業まで3・4年ぐらいはかかる。

・桃真の斬魄刀
主人が浮気(メタスタシア対策に拳・走・鬼に傾倒してる)
してるのが不満。だから名前教えてやんねー! してる。
桃真の写し鏡なので転生者であることも原作知識も持ってる。
なので斬魄刀を使わない事の意味は理解しているけど、
それはそれとして使わないくせに名前を聞いて来ることが気に入らない。


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3スレ目

そんなわけで3話。
第一の関門突破です。


【もういくつ寝ると】俺の斬魄刀がフリーダムな件【Xデー】

 

1:OSR

 

斬魄刀を亡くしたくないからそれ以外の技術を鍛えてたら、

斬魄刀が拗ねてなかなか名前を教えてくれなかった件

浮気はねーですよあのナマクラ刀

 

 

2:名無しの転生者

 

ようイッチ、苦労してるみたいだな

 

 

3:名無しの転生者

 

まあ斬魄刀としては自分を使っては欲しいだろうしな

気持ちはわかる

 

 

4:塵塚

 

そーなんだよね! 桃真は浮気ばっかするくせに名前教えろ教えろうるさいの!

どうしてもっていうからしかたなーく教えてあげたけど

 

 

5:名無しの転生者

 

えっ誰

 

 

6:名無しの転生者

 

誰? ねぇ……誰なの? 怖いよおッ!!

 

 

7:OSR

 

出来るとは思ってたが掲示板にまで入り込んで来るんじゃねーよ

恥ずかしながら俺の斬魄刀

銘は「塵塚」、解号は「積もりて形成せ」

 

 

8:塵塚

 

解放すると刀と鞘が全部塵になってそれを操れるよ!

 

 

9:名無しの転生者

 

まさかの斬魄刀乱入

 

 

10:名無しの転生者

 

いやまあ斬魄刀は当人の霊圧とか本質を写し取ったものだし、

根本的に言えばイッチ自身と言えばそうだが

 

 

11:名無しの転生者

 

イッチ本人の魂の一部みたいなもんだからここにも来れる……ってコト!?

 

 

12:名無しの転生者

 

能力は千本桜っぽいのな

 

 

13:OSR

 

基本的には劣化千本桜みたいな運用かな

サンドブラストって加工法知ってるか?

あれみたいに塵を叩きつけて削り取る様に攻撃するんよ

あとは塵を押し固めて形を変えられたりする

二刀にしたり、刀1本の形に圧縮して硬度を上げたり

その辺を切り替えて翻弄しながら拳・走・鬼を合わせて戦うスタイル

……に出来たらいいなあと

 

 

14:塵塚

 

浮気者の桃真にはそんな簡単に使いこなせないもんねー

 

 

15:OSR

 

こんの野郎ォ……

 

 

16:名無しの転生者

 

完全に舐められてて草

 

 

17:名無しの転生者

 

まあ始解できるようになった直後なんてそんなもんよ

 

 

18:名無しの転生者

 

喋りからするに子供っぽい感じだけど、どんな姿してんの?

 

 

19:OSR

 

小学生ぐらいの女の子? 死覇装着てる

精神世界はウチの庭の片隅、厳密に言うと記憶が蘇るきっかけになった庭木の周辺かな

 

 

20:名無しの転生者

 

庭木?

 

 

21:名無しの転生者

 

今のイッチが始まったきっかけの場所か、それっぽいな

 

>>20

イッチは5歳か6歳ぐらいの頃、

瞬歩ミスって庭木に激突した拍子に前世の記憶思い出してる

 

 

22:塵塚

 

こんな姿!

 

[画像]

 

 

23:名無しの転生者

 

うわかわいい

 

 

24:名無しの転生者

 

>>22

ボサ髪ロングの元気っ子最高かよ……

 

 

25:名無しの転生者

 

待て待てお前ら、この子おっぱいでっかくない?

 

 

26:名無しの転生者

 

ロリ巨乳か……やるなイッチよ……

 

 

27:名無しの転生者

 

つまり具象化できるようになればロリ巨乳美少女とイチャイチャできると

 

 

28:名無しの転生者

 

天才現る

 

 

29:名無しの転生者

 

もげろ

 

 

30:OSR

 

>>25

>>26

>>27

>>28

>>29

 

やめーや

外見はともかく性格が合わんわ

友人としてならともかくこんなん彼女にしとうない

胃袋がはじけ飛ぶ

 

 

31:塵塚

 

桃真は背が高くておっぱいとお尻がおっきくてふとももがぶっとい人が好みだもんね

 

 

32:OSR

 

いろhちんfdりうggんkbryんうぇrべいkjgn

 

 

33:名無しの転生者

 

自分の斬魄刀に性癖暴露されてて草

それはそれとしてタッパとケツがでかくてぶっとももの女か、

イッチとはいい酒が飲めそうだ

 

 

34:名無しの転生者

 

つまりネムさんか勇音さんみたいな女性が好みと

理解ってるじゃねえの……

 

 

35:名無しの転生者

 

おいてめーミラ・ローズ忘れてんじゃねえぞ

 

 

36:OSR

 

ええい散れ散れ変態共! 近況報告行くぞオラァ!

 

 

37:名無しの転生者

 

わーい

 

 

38:名無しの転生者

 

このまま性癖談義でも俺は構わんぞ?

なんなら塵塚ちゃんのセクシーショットをくれても構わん

 

 

39:OSR

 

>>38

ころすぞ

 

ともかく。あれから五年、なんとか4年で霊術院卒業して、

見事十三番隊に配属されました。そこから1年ぐらい経ってる

ついでに言うと塵塚を始解できるようになってから2年ぐらい

 

 

40:名無しの転生者

 

お、無事十三番隊か、やったやん

まあリアル年齢13歳で始解とか割と快挙よな

 

 

41:名無しの転生者

 

おめっとさん

しれっと飛び級してんなぁ

 

42:OSR

 

配属に関しては父上の意向もあったっぽいけどな

原作みたいに昇進に干渉してはいないっぽい

叔母上確か今十席だったか、俺十五席

あとは海燕さんの奥さんの指揮する部隊に配属された

この辺は叔母上が海燕さんのとこだから海燕さんが浮竹隊長に頼んだらしい

 

43:名無しの転生者

 

兄上も丸くなられて……

ともあれ都さんのとこか、配置的にもベストな立ち位置じゃないか?

 

 

44:OSR

 

>>40

>>41

まあその辺り俺が間に入る様にしてるから兄上と叔母上の確執は無いしな

特に昇進に関しては俺自身から余計な手出しは無用と伝えてある

父上の気持ちも分かるんだけどな……

それでもそういうことされると原作みたいに余計なうわさ話されるし

と言うか入隊当初は結構そういう陰口叩かれた

 

>>43

そうだな。そろそろみたいだ

 

45:名無しの転生者

 

あの辺本当に兄上と緋真さんの善意が空回りしまくってたからなぁ……

一言言えばまだマシだったようなものを

 

46:名無しの転生者

 

浮竹隊長はそう言う忖度しそうにないし、配属先としてはいいかもな

そういえばイッチよ、時期的にぼちぼちメタスタシア出現っぽいが

 

47:OSR

 

ああ、Xデーも近いみたいだな

この間、斬魄刀を持たずに死んでいる死神とか、

明かに死んでるだろって出血量の血痕があったりしたらしい。

多分ヤツだ

 

 

48:名無しの転生者

 

そうか

対策はしてるだろうが気をつけろよ、

原作においての海燕さんの轍を踏むんじゃないぞ

 

 

 

 

 

 

「私達の任務は近頃出没する虚の討伐。

 先に調査・討伐に出た死神たちが一人として戻らない以上、

 何らかの特殊な能力を持った虚と考えられるわ。

 幸い、敵は巣を作ってそこに留まる常駐型の虚、

 包囲して確実に仕留めるわよ」

 

十三番隊三席、志波都に率いられた桃真を含む討伐隊は、

流魂街外縁部の森林地帯を探索していた。

ここ最近頻発している正体不明の虚による死神の襲撃事件。

その調査や討伐に赴いた者達は一人として帰らず、

その為上位の席官である三席の都が指揮する隊が討伐隊として放たれた。

包囲のため散会し桃真一人になったところで、桃真は腰に挿した斬魄刀と、

大量の物資が詰まっているのか大きく膨れた背嚢を確かめる。

件の虚、メタスタシア対策の道具を可能な限り揃え、背嚢に詰め込んでいたのだ。

 

(ここまでは予定通り……あとは先陣を切れれば)

 

メタスタシアの持つ2つの能力のうち、

真っ先に使われるであろう斬魄刀消滅は対抗策がある。

この能力には一日一度という制限があり、

寄生能力と合わせた初見殺しで幾多の死神を返り討ちにしてきた。

 

「匂いがするのう……餌の匂いだ……」

 

死神の霊圧を感知したのか、巣である洞窟奥から虚が現れる。

緑色の四つ腕で器用に這い、巨大な仮面に覆われた頭頂部からは肉色をした触手を無数に伸ばす。

間違いない。原作において都、そして海燕を殺した虚、メタスタシアだ。

 

「ほう、2匹は大したことがないが女に……(わっぱ)……

 美味そうな臭いだ……腹が減るのう!」

 

気付かれているならばと、討伐隊が刀を抜き、一歩前に出る。

桃真はさらに一歩前に出て、制止しようとした都に

振り返らぬまま言う。

 

「志波三席、俺に策があります。ここは譲っていただけますか」

 

「……桃真、大丈夫なのね?」

 

「無論。手柄が欲しいというのも嘘ではありませんが、

 勝算もなく刀は抜きません。

 ……まあ、追いつめられるようならば援護をお願いします」

 

そう言って一歩前に出る。

狙っていた相手が出てきたからか、嬉しそうに触手をうごめかせるメタスタシア。

 

「ひひ、ひっ! まずはお前からか、(わっぱ)

 良いぞ良いぞ、活きが良いのう!」

 

「御託はいらんな。そのでかいツラ、真っ二つにしてやるからそこに直れ!」

 

瞬間、桃真の姿が消え、メタスタシアの面に浅く傷がつく。

瞬歩と斬撃の合わせ技で先手を打った桃真だったが、

目測を誤ったのかメタスタシアの斜め上に出現し、触手を掴んでブレーキをかけた。

続いて斬魄刀を振り上げ、霊圧を大きく高め、叫ぶ。

 

「そんじゃ、これで終いだ! 積もりて形成せ―――」

 

「ほう、童にしては練れておる! だが、触れたな、儂の触腕に!」

 

桃真が解号を唱えようとした瞬間、その手の中の斬魄刀が砕け、消滅する。

メタスタシアの斬魄刀破壊能力だ。

 

「ひひ、使わせたな! わしの触腕に触れたものは斬魄刀が消滅する!

 さあどうする童、助けを求めても……」

 

「斬魄刀が、なんだって?」

 

言いながら、背嚢に突っ込んでいた手を抜く桃真。

その手には斬魄刀―――『塵塚』が握られていた。

 

「な、なんじゃと――――――!?」

 

「積もりて形成せ―――『塵塚』」

 

解号と共に鞘ごと斬魄刀が塵へと変わり、

メタスタシア自慢の触手ごと、その髑髏面をごっそりと削り取った。

 




多分気付いている人はいるとは思いますがネタバラシはまた次回。



〇解説

・桃真くん
なんとか十三番隊に所属できたイッチ。
へそ曲げた斬魄刀から無事名前を聞き出せた模様。
でも斬魄刀が自分の性癖完全に把握してるので、
スレでこれ以上ばらされないか戦々恐々としている。

・『塵塚(ちりづか)
浮気者の桃真におこだったけど何度も頼んでくるので
もーしっかたないなーやっぱ私がいないとダメなんだからなー、
みたいな感じで名前を教えた。主人を超舐めてる。
スレに乱入出来て主人の性癖も完全に把握しているので、
今度自分を使い渋ろうとしたらもっとやべー性癖暴露してやろうとしている。


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4スレ目

前回のネタバラシ含めた第四話。


 

【実験体は】なんかやべー奴に目をつけられた件【嫌だ】

 

1:OSR

 

俺やで

なんやかんやで十二番隊九席として移籍することになりました

 

 

2:名無しの転生者

 

なんでさ

 

 

3:名無しの転生者

 

昇進か? おめっとさん

……まてよ十二番隊?

 

 

4:名無しの転生者

 

マユリ様の隊じゃねーか!

 

 

5:名無しの転生者

 

いやー待て待て、流石にマユリ様でも五大貴族の嫡男に手は……

出しかねんな……

 

 

6:OSR

 

安心と安定のマユリ様よな……

では早速近況報告というか経緯の説明に移る

まあ身代わり戦法でメタスタシアをぶっ殺したわけなんだが

 

 

7:名無しの転生者

 

身代わり戦法? ガードベントか?

 

 

8:OSR

 

こっそり事件現場から回収してた殉職した死神の浅打で、

今にも始解するように霊圧高めて斬魄刀破壊能力無駄打ちさせた

なお都さんと浮竹隊長にこってり絞られた

 

 

9:名無しの転生者

 

効果的ではあるな

故人とは言え他人の斬魄刀を一本ぶっ壊した事を除けば

 

 

10:名無しの転生者

 

人妻に絞られるショタ……閃いた!

 

 

11:名無しの転生者

 

>>8

そら怒られるわ

 

>>10

通報した

 

 

12:名無しの転生者

 

>>10

閃くな馬鹿

 

 

13:OSR

 

>>10

やめーや

 

ともあれ、メタスタシアを退治した! と思ってちょっと気を抜いちゃったんだわ

そこで苦し紛れの寄生能力を受けた

厳密に言うと完全に発動される前に消滅したんで、

寄生されはせなんだが虚の霊圧が体内に残って死にかけた

こってり絞られた半分ぐらいはこれのせい

 

 

14:名無しの転生者

 

あー、なんとなく見えてきたぞ?

四番隊じゃ治療できなかったから十二番隊が出張って来たんだな?

 

 

15:OSR

 

うん。正確に言うと呼ばれてもいないのに来たらしい

気が付いたら技術開発局の手術台の上で拘束されてて肝が冷えた

 

 

16:名無しの転生者

 

ヒェッ

 

 

17:名無しの転生者

 

何されたの!? ねえ何されたの!?

今ここで喋ってるの間違いなくイッチだよな!?

 

 

18:OSR

 

間違いなく俺だと思うよ、塵塚も開放できるし

正直何されたのかはわかんねえ……

涅隊長は『ワクチンを投与したんだヨ』とは言ってた

今んとこ体に異常はないな

ないと信じたい

 

 

19:塵塚

 

桃真であることは間違いないよ!

ネムさんのおっぱい揺れてるのに視線誘導されてたし間違いなく桃真!

 

 

20:OSR

 

叩き折るぞこんのナマクラがよぉ……

 

 

21:名無しの転生者

 

塵塚ちゃんがそう言うなら間違いないな

 

 

22:名無しの転生者

 

うーん流れるように暴露されてて哀れみすら感じる

男は目の前でおっぱい揺れてたら目が行くものだからしゃーない

 

 

23:OSR

 

おめーら覚えてろよ

 

ともかく、その後十二番隊に異動になってな

経過観察もあるのかもしれん

 

24:名無しの転生者

 

爆弾とか埋め込まれてないといいな

 

 

25:名無しの転生者

 

止めろよ縁起でもねえ

まあマユリ様ならやりかねんが

 

 

26:OSR

 

まあ死ぬようなことはしてないだろう たぶん きっと おそらく

少なくとも俺の生命活動に支障が出るようなことはしていないヨとも言ってたし

 

 

27:名無しの転生者

 

生命活動に支障が出ないような事はやってる可能性が……?

 

 

28:名無しの転生者

 

何かしらはやってるよな

 

 

29:名無しの転生者

 

マユリ様だからな

 

 

30:OSR

 

そんな事あるわけねーだろ! と言えないのが恐ろしい

まあそんなわけで十二番隊で色々やってるよ

涅隊長に何されたのか分かんなくて恐い以外は結構楽しい

技術開発局にも結構顔出すんだけど、

『こういう霊具作りたいんですよね』みたいな話すると

『似たようなのはあるから使用感聞かせて』とか言われることもあるし、

色々戦術の幅が広がりそう

 

 

31:塵塚

 

隊長さん以外の人もおもしろいよ!

頭の横のハンドルぐるぐるしておめめびよーんってするおじさんとか!

 

 

32:名無しの転生者

 

鵯州か、あいつ結構好きだな

 

 

33:名無しの転生者

 

技術開発局メンバーはキレてる奴らも多いけど、

ネームドメンバーは割かし見てて楽しい奴らが多い

 

 

34:名無しの転生者

 

何にせよイッチが楽しそうで何より。次のイベントは何あったっけ

グランドフィッシャーの一件と言うか、九年前の聖別?

 

 

35:名無しの転生者

 

いや、多分同時期か前後ぐらいに、

雨竜の爺さんがマユリ様コレクションの被害に遭ってる

あとは銀城がいつごろかかな……?

 

 

36:OSR

 

あー、石田のじいちゃん。死ぬのは避けられんにしても、

魂魄はどうにか保護したいな……

じいちゃん見えざる帝国の情報とか持ってるし……

問題はどうやってマユリ様を説得するかだが

 

銀城はな……場所が分からんというのが辛いな、

代行消失編なら空座町近辺にいるのが分かってるんだが

悲しいが今は見送るしかねえ

 

正直薄々感じてはいたんだが、

悲劇を知っているのと対処できるのかは別問題だよな……

 

 

37:名無しの転生者

 

それでも出来ることをやっていこうぜ

少なくともイッチは海燕さんと都さん、そしてルキアの心を救ったんだ

そこは誇っていい

 

マユリ様の説得なぁ……

何か別の興味深いサンプルを提供?

 

 

38:名無しの転生者

 

まあ、瀞霊廷の影の領域には活きのいい滅却師たちがわんさかいるが

それ言った所で手に入れる手段がなぁ……

一応おじいちゃん持ってる通行証、千年血戦編でも使えるらしいけど、

現世にあるし、多分竜弦管理してるからなぁ

 

 

39:OSR

 

まあ、最悪マユリ様に今後の展開の一部バラすぐらいはやろう

信じてもらえるかはさておき

 

ある意味俺という超レアなサンプルでマユリ様の頭脳を借りれるのなら、

それはそれで心強いのではないかな

 

 

40:名無しの転生者

 

無理はすんなよ……

 

 

41:塵塚

 

桃真はねー、こういうとこあるからなぁ

 

 

42:OSR

 

おだまり

 

というかまあ、そういうのは後で考えるとして、割と切実な問題があるんだわ

 

 

43:名無しの転生者

 

なんかあったっけ?

 

 

44:OSR

 

メタスタシアを倒したことで、藍染に目を付けられねーかってことなんだよな

あいつの能力を無駄打ちさせた隙を狙って仕留めたし

一応被害状況から推理して、申し訳ないと思いつつも浅打を拝借した、

とは説明はしたんだが

 

 

45:名無しの転生者

 

あー……まあ、あれは藍染にとって失敗作らしいから、

そんな注意を引くような虚じゃないとは思うんだがな

 

ホワイトクラスならともかく

 

 

46:名無しの転生者

 

ヨン様に目をつけられたらちょっとやべーな

まだ鏡花水月の解放は見てないんだっけ?

 

47:OSR

 

一応まだだな、霊術院の授業でそう言うことやったらしいんだが、

俺家の用事でその日出席してねえんだよな

極力怪しまれないようにしたいなぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ふむ、こんなものかネ」

 

技術開発局、涅マユリの研究室。

何某かのデータを睨みながら、マユリは一人ごちる。

データには『朽木桃真』とあり、身長・体重・斬魄刀のデータはもとより、

身体を構成する霊子の構成パターンや比率、果ては家族構成まで、

文字通り桃真に関する情報が余すところなく記されていた。

 

「四番隊でも手に負えぬ患者というから出張って見れば、

 存外面白いサンプルを拾えたものだネ。朽木白哉に借りも作れたし、

 まあ上首尾とは言えるか。

 ……浦原喜助のデータを参考にすることになったのは業腹だがネ。

 ネム! おいネムはいるかネ!」

 

「―――はい、マユリ様」

 

音もなく現れる、黒い長髪を三つ編みにした女性。

マユリの娘であり、マユリの義魂・義骸技術の粋を集めた人造死神、涅ネム。

 

「暫く例の小僧をお前の補佐に付ける。監視して何かあれば報告するんだヨ」

 

「畏まりました、マユリ様」

 

ネムがその場を離れ、研究室にはマユリのみが残される。

マユリは視線を画面に戻し鍵盤を操作すると、あるデータを画面に表示した。

それは七十年ほど前、前代技術開発局局長・十二番隊隊長、

浦原喜助が行っていたとされる死神の強化実験のデータ。

桃真を治療するにあたりマユリが参考にしたデータ群だ。

この際の非道な実験による咎で、彼は拘束された後脱走、

現世に逃亡して後の行方は杳として知れない。

 

このデータ自体も、所持しているのが露見すれば、

マユリも同様に拘束されかねない危険なデータである。

 

「……死神の魂魄の強化、だったかネ? まあ、私が完成させてやれば、

 あの男の悔しがる顏でも見れるかも知れないネ。

 今も生きていれば、だが」

 

そう呟くとマユリは画面を消し、自らもまた研究室を後にした。




とりあえずはひと段落?
イベント目白押しでやんなりますね!

〇解説
・桃真くん
ちょっと無力に打ちひしがれたりしたけど無事十二番隊で楽しくやってます。
直近の目標はマユリ様の実験体(宗弦さん)を1人保護すること。

・マユリ様
なんか画策中。


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5スレ目

掲示板形式楽しいねえ! という訳で5話です。
ここから設定や時系列の創作・自己解釈とか多めに入ってくるのでご注意ください。


 

【現世】原作キャラらしきキャラを保護した件【わかんねえ】

 

1:OSR

 

よう、なんか順調に囲い込まれつつある気がする十二番隊六席副官補佐です

 

 

2:名無しの転生者

 

昇進おめでとうイッチ

まあ実害が認識できないならいいんじゃないか

 

 

3:名無しの転生者

 

実害が『ない(存在しない)』ではなく

『認識できない(あっても分からん)』なのがミソよな

 

 

4:名無しの転生者

 

副官補佐? 副官って事はネムさんの補佐か

……これはケジメ案件では?

 

 

5:名無しの転生者

 

カーッ! 見んねお前ら、卑しか男ばい!

 

 

6:OSR

 

>>2

>>3

こえーよ

 

>>4

>>5

明らかに監視のための配置だろーが

期待してるほどの事はねーよ

 

 

7:名無しの転生者

 

……などと申しておりますが、塵塚ちゃん?

 

 

8:塵塚

 

まあ好みの人の部下についてちょっと嬉しそうなのはあるし、

たまーにハプニングがないでもないんだけど……

悲しいほどに……何も……ないんだよね……

 

 

9:名無しの転生者

 

……ごめん

 

 

10:名無しの転生者

 

俺達が悪かった

 

 

11:名無しの転生者

 

大丈夫だって、ネムさんだって成長はするんだし、

長く付き合っていけば何かしらはあるさ

 

 

12:OSR

 

俺だって傷つくんですけど!?!?!?!?!?

 

 

14:名無しの転生者

 

塵塚ちゃんのシュンとなってる感じとても興奮する

 

 

15:OSR

 

>>14

ぶちころすぞ

 

 

ええい、それは良いんだ別に!

今日はスレタイ通りの事があったんでちょっと困っている

 

 

16:名無しの転生者

 

原作キャラと遭遇? こないだいってた宗弦さん?

 

 

17:名無しの転生者

 

まず今があれから何年後かを教えてくれ、

話はそれからだ

 

 

18:OSR

 

えーと、なんだかんだあれから二十五年、特に事件もなく過ぎました

ネムさんの補佐と言うか、実質監視されてるような状態ではあるけど、

特に拘束されてるわけでもなく過ごしているよ

卍解習得のための訓練も欠かしてないしな

十二番隊の上位席官は研究職や技術者が多いから、

実働部隊としては割と上の方ではある

 

 

19:塵塚

 

フツーに強くなってるからね、桃真

まーまだまだ具象化も卍解もするにはよわよわだけど

 

 

20:OSR

 

うるせーぞてめー、あとで覚えてろよ

んで、現世に行った時なんだけど、女の子に会ったんだわ

厳密に言うと、保護したというべきか。

この時点で原作開始から十四年前なんだが

 

 

21:名無しの転生者

 

もう二十五年かぁ。こっちとあっちの時間経過は一致しないとはいえ、

時が過ぎ去るのはあっという間だな

 

十四年前……女の子……分からんな、現世って事は人間だろ?

織姫ちゃん?

 

 

22:名無しの転生者

 

いや織姫はこの時点でまだ三歳になるかどうかだろ?

イッチ、もうちょっと情報が欲しい

 

 

23:OSR

 

おう、続けるわ

場所は鏡野市ってとこ、女の子自体は13・4歳ぐらいの子でな

なんか妙な霊圧を感じたから向かってみたら、

虚に襲われそうな女の子がいたから助けようとしたんだ

 

 

24:名無しの転生者

 

助けようとした?

助けたじゃなく?

 

 

25:OSR

 

うん、もちっと詳細に言うとだな、

 

俺とネムさんが現世の鏡野市に行く

妙な霊圧を感じて向かう

家の中から出てきた女の子が庭で虚に襲われそうになる

助けようとしたら自分で倒した後倒れる

保護してその女の子の家に滞在中(今ここ)

 

な感じ。たださ、その女の子が使ってるの完現術なんだよ

代行消失編が今から十六年後ぐらいとして、

安賀田なんて苗字の女性キャラXCUTIONにいなかったよな?

 

 

26:名無しの転生者

 

……わからんな、たまたま居た原作未登場の完現術者か?

リルカは毒ヶ峰だし、ジャッキーはトリスタンだし

 

 

27:名無しの転生者

 

……安賀田? なあイッチ、その女の子、もしかして名前アウラとか言わないか?

家の地下の水槽みたいな部屋に閉じ込められてたんじゃないか?

 

 

28:OSR

 

うん、大当たり。やっぱ原作のキャラなん?

でもやっぱり覚えてる限りそんなキャラいなかったような……

 

 

29:名無しの転生者

 

……アウラ? あ、もしかして道羽根アウラか! 小説版の!

 

 

30:名無しの転生者

 

多分そう。

そうかイッチは小説版あんま知らんのか。

その子は道羽根アウラ。千年血戦編の半年後を描いた小説、

『Can't Fear Your Own World』に登場するキャラでな、

ざっくり言うと事件の黒幕一派の一人になる子なんだ

道羽根は母方の姓で、父親が安賀田天晶という完現術者。

天晶氏は原作では描写されてないが、完現術能力を消すために、

銀城の所に集まった完現術者の一人なんだ

 

 

31:OSR

 

なるほどな……じゃあ、保護しない方が良かったかな……

原作の流れに支障は出なさそう?

 

 

32:名無しの転生者

 

少なくとも千年血戦編までには影響は出ないな。

個人的には保護しちゃっていいかもしれん。

『Can't Fear Your Own World』の事件が発生しない可能性は高いが、

あれは正直発生しない方がいい類の話だからな……

お話としては最高に面白かったと断言はできるが

 

 

33:名無しの転生者

 

補足というかネタバレしておくと、CFYOWの事件の黒幕は

イッチと同じく五大貴族(この時点では志波家は没落してるので厳密には四大貴族)

の当主、綱彌代時灘。まあこいつが反吐が出るレベルのクソ外道でな……

末席も末席の分家筋だったんだが本家筋を皆殺しにして当主になって、

CFYOWの事件を引き起こしたんだ。

登場はしてないが原作キャラにもかかわってて、

東仙の友人を殺した当人兼その元夫、銀城の一件にもかかわってて、

この二人の闇堕ちに直接的に関わっている終身名誉クソ野郎だ

 

 

34:名無しの転生者

 

で、その子、アウラちゃんの能力を利用して作中に出てくるある存在を作らせるんだが、

逆に言うとその子がいないとマトモな成功例は作れない。

ちなみにこれは時灘だけじゃなく綱彌代家が昔から行ってる事でな。

その子をイッチの手元で保護してしまえば、そいつのというか、

綱彌代が計画している陰謀を打ち砕くことができる

 

 

35:OSR

 

なるほどな……可哀想だし、保護してやりたいな

ちらっと話聞いた限りだとさ、親父さんに監禁はされてたけど、

それでも彼女を危険にさらしたくないという思いが行き過ぎただけっぽいし

それに前にスレでも言われたが、最高のBLEACHにしてやろうじゃん?

だったらそのクソ野郎の陰謀なんざぶっ壊してやるぜ

 

 

36:名無しの転生者

 

その意気よ

ちなみに>>34をもうちょっと具体的に補足するとな、

綱彌代家は霊王をあんなバラバラにして水晶に封印した諸悪の根源でな。

実際に作中で行っていた陰謀も、

『自分たちの言う事を聞く、自分達に都合のいい霊王を作る』事が目的だ

それをさらに悪用して事件を引き起こしたのが時灘

 

 

37:名無しの転生者

 

そのアウラちゃん、小説では愛着を持てる物が無いから固有の完現術はないが、

代わりに霊王の欠片の一つ『霊王の鎖結』を持つおかげで、

たとえるなら斬魄刀がない代わり鬼道・白打が藍染レベルの死神みたいなもん

上で言ってる都合のいい霊王も、それによって人間・死神・虚・霊王の欠片、

これら全部をまぜこぜにして作り出したもんだ

 

 

38:名無しの転生者

 

ちなみに原作中だと『虚に母親が襲われたから能力に目覚めた』とされているが、

完現術者は全員が例外なく霊王の欠片を持ってる

だから本来は因果が逆で、『霊王の欠片を持つから虚に襲われた』なんだよ

 

ちなみにさらに補足しておくと、

霊王は『死神・完現術者・滅却師』の要素を持つ存在だった。

霊王の左腕であるペルニダが自分は元々滅却師だ、と言ってたのはそのためだな

ユーハバッハが霊王を取り込めたのもそのせい

 

 

39:OSR

 

なるほどなあ……つまりこの子をしっかり守ってやれば、

銀城と東仙隊長に報いることができ、かつ五大貴族の面汚しの面目をぶっ潰せるわけだな!

 

 

40:名無しの転生者

 

ついでに言うとアウラちゃんの親父、天晶さんは銀城と知り合いだ。

だから彼の名とアウラちゃんの存在を出してやれば説得は可能かもしれん

銀城が『仲間が殺された』と言ってたのは事実だし、天晶さんもその一人

何よりそれに直接的に関わってるのは綱彌代家で、

浮竹さんは最後まで銀城を信じていたんだよ

原作中では出会うことは無かったが

 

 

41:名無しの転生者

 

あとはあれだ、綱彌代家は完現術者から剝ぎ取った相当数の霊王の欠片を所持してる

その事をマユリ様にぶちまければお手柄だ、とかで滅却師のサンプルをくれたりするかも

 

 

42:OSR

 

おー、そいつは良い案だな! クソ野郎の面目を叩き潰せて、

宗弦さんの魂魄を確保可能で、浮竹さんに恩も返せて、

銀城も説得できるかもしれない。うまくいけば一石四鳥だな……

 

 

43:名無しの転生者

 

気になる事があったらもっと聞いてくれ、CFYOWは全部持ってるからな

あと問題があるとすれば檜佐木が卍解習得するのこの話なんだが……

あの後特に大きな事件なかったらしいからまあ、いずれ習得すんだろ

 

44:名無しの転生者

 

かわいそうな修兵……

まあ、あるいは俺達の干渉によるバタフライエフェクトで前倒しになるかもだし、

そこまで重大な問題ではないな

 

 

 

 

 

 

 

「お、おはよう……」

 

「おはよう、アウラ」

 

「おはようございます」

 

アウラが寝起きしている地下室から出てくると、居間には桃真とネムが居た。

壁際になにやらグロテスクな形状のモニターを設置し、ガチャガチャと配線をいじくっている。

アウラと桃真たちが出会ってしばらく、父親以外に人間を見た事がなく、

また虚や死神といった存在も知らなかったアウラであったが、

桃真らが滞在するにあたり簡単ながら説明を受け、桃真らが種族的な意味での人間ではない事、

また自分を襲った怪物が虚という人間の魂の成れの果てである事、

桃真らが死した人間の魂を導き、あるいは虚になってしまった魂を狩る死神であることも聞いた。

父が会おうとしていた死神代行、銀城とは無関係であるとも聞き、

そして、恐らく父が死んでいるであろうことも。

 

「それは……何を?」

 

「ああ、済まない。少し家具を動かしたよ。

 俺達が尸魂界という世界から来た事は伝えただろう?

 これはその世界と映像と声をやり取りする道具でね。

 もう暫く居させてもらうことになりそうだし、帰る時には片づけるから」

 

「大丈夫……桃真さんには色々教えてもらったし、

 これからも、来てくれても……」

 

おずおずと語るアウラ。父はもうおらず、

ここ暫く桃真達と暮らしていたアウラだったが、不思議と嫌な気分ではなかった。

ネムは無口で時折突拍子もないこともするが気遣いもできる女性で、

桃真は自分と同じぐらいの外見(本来は父ぐらいの年齢らしい)だが、

優しく、ネムと共に親身になってたくさんの事を教えてくれた。

父といる時間が心地よくなかったわけではなかったが、

桃真やネムという『家族』を得た事に、アウラは我知らず安堵の感情を得ていた。

 

「―――接続終わりました、桃真さん」

 

「ありがとうございます。ええとスイッチは……ここか。

 こちら朽木六席です。技術開発局、応答願います」

 

最終的にやはり人の教育を受けるべきだ、として別れ、

アウラは母方の親族に引き取られ『道羽根アウラ』となったが、

この桃真とネムとの生活は、アウラの心に温かいものを残すこととなった。

そしてその後アウラが隣町である空座町に行き着き、

浦原商店経由で尸魂界へ向かう事となるのだが、

それはもう少し先のお話。

 

 

 




安賀田家の場所、アウラさんの年齢(あと銀城関係のあれこれ)などは本作独自の設定です。
アウラさん、大体20台後半のイメージなんですよね……


〇解説

・桃真くん
前世から好きだったネムの補佐(実質的に監視されてる)に付けて、
割と人生上り調子。監視されてるけど。
前世では小説版には手を出してなかったので、
SAFWY、CFYOWなどの小説版の事件に関してはノータッチ。

・ネムさん
桃真の監視をしている。
あまり自己主張の激しい性格ではないので、
一応上司ではあるけど任務とかの場合桃真が指揮することが多い。

・アウラちゃん
この頃はまだ『安賀田』姓だったアウラちゃん。
桃真・ネムと疑似家族みたいな生活をしていた影響もあり、
原作小説よりは真っ当な感性を持つに至る。

・涅隊長
今回未出演。
でもなんかネム感情表現豊かになって来てね?
あの小僧の影響かネ? とか思ってる


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6スレ目

そんなこんなで6スレ目。そろそろ原作開始も近づいてきました。


 

【そういえば】大事なこと忘れてた事を思い出した件【忘れてた】

 

1:OSR

 

所でさ、前回の時点で既にチャン一の仕込み終わってんだよな

時系列的に言うならあの時点で多分1歳ぐらいか?

 

 

2:名無しの転生者

 

仕込みとか言うなや

 

 

3:名無しの転生者

 

初手下ネタで草

そういうイッチはネムさんに仕込めたんか? おーん?

 

 

4:塵塚

 

なんかねー、アウラちゃんの一件以来ちょっとなんかこう、接近?

友達以上ではあるけど恋人未満以前の問題? 的な?

ネムさんちょっと感情分かりやすくなった気がする

あ、今ちなみに前回から五年後ね

 

 

5:名無しの転生者

 

え、進展? 処す?

 

 

6:OSR

 

処すな

アウラちゃんとの疑似家族生活のせいか、ネムさんの情緒がやや育ってきてるようで……

涅隊長の態度が軟化してきてる気がする。

昔は殴る蹴るは普通だったのに、今はちょっと怒鳴るぐらいだし

 

 

7:名無しの転生者

 

おぉ……これがバタフライエフェクト……というにはやや近いか

何にせよ隊長の態度が軟化してきてるのはいい事だな

原作でも尸魂界編後は結構ネムに優しいし

 

 

8:OSR

 

あ、それとだな、アウラちゃんは現在母方の親族に引き取られて大学行ったよ

涅隊長謹製の監視用の菌を分けてもらって様子窺ってる

離れる時は寂しかったけど、立派に育ってくれて何よりだ

現世に行くときには手紙出したり時間作って会ったりはしてるんだ

こっちも忙しいんで年数回ぐらいだけど

 

 

9:名無しの転生者

 

おお、そいつはめでたいな

そういやイッチ、あれから五年と言う事は原作開始まであと9年か?

そろそろ宗弦さんか真咲ママのイベントが起こるころのはずだが

 

 

10:OSR

 

なぁに抜かりはねえ、あの後マユリ様に『なんか綱彌代が妙なもの作ってるらしいっすよ』

とチクって置いたら何をどうしたんだか資料からサンプルから色々パチってきてな?

事前に交換条件に出した滅却師のサンプルを拝領いたしました

勿論石田宗弦さんだ。五体満足ではありました

 

 

11:名無しの転生者

 

やったぜイッチ! 

……一応五大貴族、いや今は志波家没落してるだろうから四大貴族か?

その筆頭の最重要研究の資料とサンプル、どう手に入れたんだろうな……

原作でも時灘が留守だったとはいえ相応のセキュリティがあった場所に踏み込んでるし……

 

 

12:OSR

 

何も見たくねえ

『知りたいかネ?』とか言われたけど絶対に知りたくねえ

 

ともかく、目的の1つだった宗弦さんの保護が出来たのは嬉しいな

死ぬのを避けることはできなかったが……

 

 

14:名無しの転生者

 

それでもマユリ様の実験に供されるよりはマシだろうさ

彼以前に犠牲になった滅却師達の事もあるし、

言い方は悪いが、彼が死んだことで石田関係は原作通りに進みそうなのは救いだな

 

 

15:OSR

 

まあそんなわけで、現在宗弦さんは俺の管理下にあります

表向きは技術開発局所属、俺の部下の霊術研究担当局員、と言う事になってる

こういう時に役立つ第六席副官補佐と四大貴族嫡男という肩書よ

 

 

16:名無しの転生者

 

保護したのは良いがどうするん? 滅却師の技覚えるん?

 

 

17:名無しの転生者

 

そういえばマユリ様が飛廉脚使ってたな

あれは機械的に再現したっぽい描写だったが

 

 

18:OSR

 

実際死神でもやれば出来そうな技術もあるし、

後の見えざる帝国との戦いを見据えると、

滅却師の技術を学ぶことは無意味ではないだろう

 

 

19:塵塚

 

まーた浮気しようとしてる!

いいのかー! また性癖暴露してやろうかー!

 

 

20:名無しの転生者

 

是非是非

 

 

21:OSR

 

シャーラップ!!!!!

死なない為、死なせないため、

強くなるためには手段選んでらんねーんだよ!

 

 

22:塵塚

 

何をー! ネムさんが屈んだ時に横目でチラ見してる癖に!

ネムさんの写真集が押し入れの隅っこにあるくせにー!

 

 

23:OSR

 

おだまり!!!!!!!!!!!

 

 

24:名無しの転生者

 

まあ、イッチも男だもんな……

 

 

25:名無しの転生者

 

イッチよ、男はすべからくエロいものだ、何を恥じることがある

 

 

26:OSR

 

実質俺とはいえ他人に性癖暴露されてるからだよ!!!!!!

 

 

27:名無しの転生者

 

塵塚ちゃんその辺で、その辺で……

これ以上はイッチが憤死する

 

 

28:名無しの転生者

 

流石にこれは同情するわ

 

 

29:塵塚

 

今日はおじいちゃんとスレの皆に免じてこの辺にしといてやる!

 

 

30:名無しの転生者

 

これは屈服しそうにない斬魄刀

 

 

31:OSR

 

いっぺん塩水にでもつけてやろうかこのナマクラがよ……

 

 

32:名無しの転生者

 

実際んところどう? 具象化は出来そう?

 

 

33:OSR

 

あと一歩、ってとこかね……

まー、何とか叔母上救出ぐらいまでには習得したいところだが

 

 

34:名無しの転生者

 

まあ、斬魄刀の屈服って実際は理解に近い所があるし、

ほどほどに塵塚ちゃんとも仲良くな

 

 

35:OSR

 

まあ、気持ちはわからんでもないと言えばそうなんだがな……

 

 

36:名無しの転生者

 

あ、そうだイッチよ、見えざる帝国対策は今からしといたほうが良いかもしれんぞ

マユリ様なら時間があれば瀞霊廷全体の影を無くせるかもだしな

 

 

37:名無しの転生者

 

それに話し合いするにしても影消した部屋ですれば情報漏洩防げるかも

 

 

38:OSR

 

ああ、一応それは考えてる。宗弦さん見えざる帝国出身だし、

そこから得た情報として伝えられるし

 

 

39:名無しの転生者

 

全知全能にどこまで俺達で対抗できるかな……

流石に掲示板の内容までは見えないよな?

 

 

40:OSR

 

正直分からんが……現状のユーハバッハは完全に力を取り戻せてないはずだ

まだ力の9年には入る前だし……全知全能自体、

霊王宮の戦いで完全に力を取り戻してるはずだからな

 

 

41:名無しの転生者

 

まあ、警戒はするに越したことは無いが、

あの能力にも穴はある。やれることをやっていこうや

 

 

42:OSR

 

だな、引き続き協力頼むわ

 

 

43:名無しの転生者

 

まかせろー(バリバリ

 

 

44:名無しの転生者

 

今それ分かる奴いるのか?

 

 

 

 

 

 

「……ふむ、滅却師(クインシー)の技を学びたい、とな」

 

石田宗弦は、そういって髭を扱く。涅マユリの実験体より解放されて後、

死神の少年、桃真の管理下に入り、その助手としての立ち位置を与えられた。

そして幾日か後、そのような申し出を受けたのだ。

 

「はい。そも、死神は内の霊力(ちから)、滅却師は外の霊力(ちから)という違いはあれ、

 本質的に霊力を扱う点においては同様です。

 それに習得できないとしても、術理を理解し造詣を深めるならば、

 これから(・・・・)の戦いにおいても必要となるでしょう」

 

ぞわり。宗弦は、背筋を悪寒が駆け上がった気がした。

これから。そう、この少年はこれから(・・・・)と言ったのだ。

190年ほど前に死神による現世の滅却師の殲滅が行われて後、

尸魂界に補足されている滅却師は監視を受け、

その多くが裏取引により涅マユリの実験体として使い潰されて来た。

同様に捕獲された宗弦が捕捉されている中では「最後」と認識されており、

残るは息子である竜弦、孫である雨竜のみ。

 

しかし、実の所そうではない。

千年前、初代護廷十三隊と戦い、敗れた滅却師の王、ユーハバッハ。

彼とその郎党は瀞霊廷の影に潜み、そこに空間を作り出し『見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)』を建国した。

宗弦もかつては『見えざる帝国』に参画した1人で、

最終的に方針の違いから袂を分かち、現世に出奔した。

だが、尸魂界側は『見えざる帝国』の存在を認知出来てはいない。

ならば、この少年は何故知っている? 嘘やハッタリではない。

明かに帝国の存在を知っていなければ口にできぬ言葉を、彼は口にしたのだ。

周りを見て見れば、六畳ほどの狭い部屋ながら、

そこかしこに仕掛けられた照明により、この部屋からは一切の影が排除されている。

徹底した『見えざる帝国』対策のとられた部屋の中で、宗弦は冷や汗を一筋たらした。

 

「教えるのは構わんが……聞こうか。君はどこまで知っているのかね?

 そして、なぜそれを知っているのかね?」

 

「全てとは言いませんが、大方の所は。何故知っているかについては……

 説明が難しい。ですが、いずれお話します。何、あと10年も時間はいらないでしょう。

 信じていただきたいのは、俺はあなたや、あなたのご家族を害する気は毛頭ないことです。

 俺の言葉を信じられぬのならばそれでも良い。にわかには理解できぬ話でしょうから。

 

 俺が目指すのは、もっとも血に染まぬ道。

 後の世に外道非道と呼ばれようと、悪党と蔑まれようと。

 たとえ傲慢と、不遜と罵られようと、俺の知る彼ら(・・・・・・)の行く先が、

 少しでも明るく、悲しみのない未来であれと、そう望むだけです」

 

その表情は、何処までも真っすぐに、真剣に宗弦を見ていた。

近い未来、ユーハバッハが復活することまで、彼は見通している。

ならば託せるかもしれない。力を貸すのもいいだろう。

自分は妻も子も投げ捨てて修行に打ち込み、孫に苦難の道を歩ませた。

ならば今更だ。志半ばに死したと思えば拾ったこの第二の命(魂魄としての生)

それを息子や孫と、そしてこの少年のために使うのならば。

それがあの暴君(ユーハバッハ)に届きうる刃となるならば、

己の全てをこの少年に託そう。宗弦は、そう決意した。




綱彌代の陰謀を叩き潰したうえで宗弦おじいちゃんゲットの巻。
おじいちゃんのこまかい設定とか死んだ年代についてはちょっと創作はいってます。
実際アウラがいないと彦禰生まれないし、
それが無ければ時灘もそう悪さは出来んだろうと思う。

割と勢いでここまで突っ走って来ましたが、他の連載も書きたいし、
Pixivの方でも書きたいものがあるのでこれまで程のスピードでは描けないかもしれません。
ただエターなるつもりは毛頭ないので、どうかよろしくお付き合い願えれば。


〇解説

・桃真くん
無事宗弦さんを保護。これから滅却師の技を教えてもらおうとしている。
具象化・屈服の修練も続けているも、まだ卍解には遠い模様。

・宗弦おじいちゃん
桃真くんに保護されたおじいちゃん。
桃真くんの先を見通す目に不気味なものを覚えつつも、
ユーハバッハを倒すために協力することを決めた模様。

・綱彌代家
何百年もかけて集めていた霊王の欠片や資料を一切合切掻っ攫われて涙目。
必死に犯人を捜しているが全く見つからない模様。


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7スレ目

7話目です。やはりこの形式書くの楽しいというかすげーサクサク書けるな……


 

【原作開始】ぼちぼち鰤の原作始まる件【ちょっと前】

 

 

1:OSR

 

さあ本編開始の7年前。

チャンイチと真咲さんがグランドフィッシャーに襲われる、

6月17日(雨)は過ぎました

 

 

2:名無しの転生者

 

過ぎてんのかよ

イッチは介入せんかったん?

 

 

3:OSR

 

いやー、それがだな。介入しようと現世の様子を窺ったら……

グランドフィッシャー、倒されてたんよ

 

 

4:名無しの転生者

 

は??????????

 

 

5:名無しの転生者

 

待て待て待て、何が起こった?

ていうか誰に倒されたんだ? 竜弦パパ?

ていうか真咲さんは聖別で滅却師の力無くしてたはずだろ?

 

 

6:名無しの転生者

 

つーか真咲さんは無事なの?

 

 

7:OSR

 

OKOK落ち着け皆、俺もちょっとパニクってる

ともあれ説明はちゃんとする

まず真咲さんは無事だ。大怪我はしたが命に別状はない

聖別は行われたみたいで、滅却師としての力は失ったようだ

 

 

8:名無しの転生者

 

おお、良かった。しかしそうなると誰が介入したんだ?

グランドフィッシャーを倒せるぐらいなんだから、

相応の力を持った霊能力者だろうし……

まさかドン観音寺じゃないよな

 

 

9:OSR

 

アウラちゃん

 

 

10:名無しの転生者

 

なんて????

 

 

11:名無しの転生者

 

いやまあ、この時点でもう大学生だし、

実家が空座町から20kmぐらいの位置だし、

居てもおかしくはないが

 

 

12:OSR

 

まあ、そこは後で解説するとして

アウラが助けに入ってグランドフィッシャーをぶち殺してくれて、

その後真咲さんを家に送り届けてくれたんだよ

 

 

14:名無しの転生者

 

なるほどな……イッチとの生活でいくらかでも真っ当な感性を持ってくれたか

 

 

15:OSR

 

そのようだ。かつて別れる時に、

『霊絡みの事で困ったら、空座町の浦原商店を頼れ』と伝えてたからな

どうやらその絡みで空座町にいたっぽい

 

 

16:名無しの転生者

 

なるほど、あそこ対霊グッズとか売ってるし、

元々死神相手の闇商売やってるもんな

 

 

17:名無しの転生者

 

しかしここで真咲さん生存か……

チャン一の滅却師フラグ立つ?

少なくとも虚が見える程度の霊能は残ってんだろうから、

指導そのものはできるよな

 

 

18:名無しの転生者

 

あるいはアウラから完現術教わってる可能性もあり得るぞ

 

 

19:OSR

 

いやーおもしれ―事態になってきたな!

 

 

20:名無しの転生者

 

おめーのせいだよ!!!!!

俺らのせいとも言うが

 

 

21:塵塚

 

そうだそうだこのおっぱい星人ー!

 

 

22:OSR

 

>>20

そうだぞ、だから責任は皆で山分けだ

 

>>21

今それは関係ねーだろうがよ!!!!!!

 

 

23:名無しの転生者

 

このやり取り安心する

しかし実際どう転がるかね、この後は目立ったイベントはなかろ?

何も無ければこのまま静観になるか?

 

 

24:OSR

 

そうなるかね?

藍染の目があるから直接的に黒崎一家に接触するのは危険かもしれないが、

一度アウラと会っておく必要はあるかもしれん

ネムさんも折に触れ気にはしてる様なんだよな

 

 

25:名無しの転生者

 

ほう

 

 

26:名無しの転生者

 

徐々に感情豊かになっていってるようだな……

いいぞいいぞ

 

 

27:名無しの転生者

 

だがちょっと待ってほしい。アウラは原作時点で20代後半ほどだ、

ネムさんとイッチを交えるとイッチが両手に花になるのでは?

おねショタサンドなのでは?

 

 

28:名無しの転生者

 

言うてはならんことを……

 

 

29:塵塚

 

処す? 処す?

 

 

30:名無しの転生者

 

屋上に行こうぜ……久しぶりに……キレちまったよ……

 

 

31:OSR

 

止めんか馬鹿共。塵塚も混ざらない!

今はこれからどうするかだろうが

 

とりあえずまあ、暫く、具体的に言うと原作1話までは様子見だな

七年後の五月だったか

 

 

32:名無しの転生者

 

その夜フィッシュボーンDの襲撃を受けてルキアが負傷、

一護が死神の力を譲渡されて死神として目覚める、が1話の内容だな

 

 

33:OSR

 

さーて忙しくなるな!

皆にも今まで以上に頼ることになるけど、ほんとよろしく頼む

 

 

34:名無しの転生者

 

任せろ、俺らは結局口出ししかできないからな

三人寄れば文殊の知恵だ

 

 

35:塵塚

 

がんばれ桃真! 屈服はしてあげないけど!

 

 

36:OSR

 

ぶん殴るぞこんナマクラがよぉ……

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

「…………」

 

現世に行くための書類作成などをした後、

桃真とネムは休憩がてら瀞霊廷へと繰り出していた。

朽木家の経営する茶屋の個室で一息つきつつも、黙り込む2人。

ネムは黙々とお茶を啜り饅頭を齧っているが、

桃真は相手が前世(転生前)から好きだったネムと言う事もあり、

個室と言う事で普段以上に意識してしまい何も言えぬままであった。

 

(気、気まずい……ネムさんは自分から話題を振ってくるような人ではないし、

 俺から振ったほうが良いのだろうけど、

 果たしてこういう時どういう話題を振るべきなのだろうか……

 現世ではもう少し話が出来ていた気がするんだが……そうだ!

 アウラの話題を振ろう! そうだそれがいい!)

 

「―――桃真さん」

 

「は、はいっ!?」

 

意を決し口を開こうとするも、先手を打ったのはネム。

上ずった声で居住まいを正す桃真に小首を傾げながら、ネムは話を続ける。

それは、奇しくも桃真が話を振ろうとしたアウラの話題であった。

 

「アウラさんは、元気にしていたでしょうか」

 

「あ……はい。この間は虚に襲われた親子を助けたりなどしていたようです。

 この間会った時よりずっと大きくなっていましたよ、

 現世の人間の成長は早いものですね」

 

「……そうですか」

 

黙り込むネム。しかしその口角は僅かに上がっており、

アウラが健やかに育っていることを好ましく思っているであろうことが見て取れる。

 

「……桃真さん」

 

「どうしました?」

 

「アウラさんのお父様は、どのような思いでアウラを閉じ込めていたのでしょうか」

 

「それは……」

 

返答に詰まる。アウラの父、安賀田天晶。彼の内心については作中で描写される限り、

妻を失ったことで歪んでこそいたものの、

アウラを愛し、守ろうとしていたことは間違いないだろう。

そう答えることは容易いが、ここで考えるべきはネム、

彼女がどのような意図をもってそれを問うてきたか、であろう。

 

これまでの30年近い時間の中でネムの出自について聞く機会もあり、

ネムが涅マユリの細胞や魂魄をベースにして、

義魂・義骸技術の粋を集めて作り出した被造死神であることは聞いている。

(無論、原作において描写されているので、

 それ以前からネムがどういう存在なのかを知ってはいたのだが)

 

ネムはマユリの悲願である被造死神創造計画『眠計画』の第七号、

生まれた当初は『眠七号』と呼ばれていた。

全死神(マユリ自身)の夢。夢は眠っている時に見るもの、故に『眠計画』。

かつて自分を眠七号と呼ばなくなったマユリを訝しみ、

三席である阿近に聞いた時、彼はそのように答えた。

そしてネムが食べ、眠り、健やかに成長していく間、

マユリはずっと夢の中にいるのだ、とも。

 

原作においても、破面編以降はネムに対し乱暴に出ることがなくなったマユリ。

この世界線においても大分前倒しされた感はあるものの、

マユリのネムに対する言動はかなり軟化している。

奇抜な感性と倫理観を逸した行動の多いマユリであるが、

ネムに対する感情の根幹は、やはり父性……(ネム)に対する愛情なのだろう。

 

「こればかりは推し量る事しかできぬことですが……

 歪んでこそいましたが、安賀田殿がアウラに対して抱いていたのは、

 やはり愛情なのでしょう。我が子を危険にさらしたくはない、

 我が子を己の手で守り育ててゆかなければならない。

 涅隊長が、ネムさんに対して抱いているのと同じように。

 まあ隊長は一種独特(エキセントリック)なお方ですが……

 それでも、我が子に愛情を抱かぬ親などいないでしょう」

 

「―――そうでしょうか」

 

「そうですとも。まあ、面と向かって言えば隊長は否定するでしょうが。

 あ、俺がそのように言っていたことはどうかご内密に……」

 

「はい、畏まりました」

 

そう言って、蕾が綻ぶ様にネムは微笑んだ。

なお、ここから先は余談ではあるが。

ネムの微笑にどきりとした桃真は湯呑を取り落とし、

熱々のお茶を足にぶちまけて悶絶、そしてそれを拭く拭かないでひと悶着あったのは、

本筋や今後とは全く関係ないお話である。

 

 





そんなわけで次回以降原作時間軸で進行します。
桃真が関わらない部分はすっ飛ばしたりはするでしょうが。

この小説のメインヒロインはネムさんです。
塵塚? コンみたいなもん。

〇解説

・桃真くん
ほんのちょっとだけ進展したような気もするけど、
未来のお義父さん(涅隊長)がどう出るかが分からなくてちょっと怖い。

・ネムさん
ちょっとだけ母性に目覚める(自覚なし)。

・グランドフィッシャー
来世に幸あれ。


珈琲店員さん、カド=フックベルグさん、怪猫蜜佳さん、誤字報告ありがとうございました。
藍染を愛染と誤字ってる所が割と多かった。


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8スレ目

気が付いたらで来ていた8スレ目。
今回から本編時間軸突入です。


 

【祝】ついに紐解かれるこの世界線のチャンイチな件【本編開始】

 

1:OSR

 

よう、雨竜のママさんも生存してた事が後々発覚したで

 

 

2:名無しの転生者

 

待て待て待て初手から話題をスレタイから逸らすんじゃない

 

 

3:名無しの転生者

 

初手爆弾投下は草

雨竜ママって事は片桐さんか

 

 

4:名無しの転生者

 

せやで

真咲ママとも知り合いのはずだな、竜弦パパの幼馴染だし

 

 

5:OSR

 

前回の1月後ぐらいにアウラに会いに行ってな、

その時にアウラから聞いた。

 

グランドフィッシャー倒した時、

アウラの霊子操作能力で真咲さん治療したんだよ。

その時に聖別でズッタズタになった霊子の流れとか整えたらしいんだけど、

多分自分と同じ目に遭ってるだろう片桐さん達も治せないか? と頼まれたんだそう

ギリギリ間に合って、寝たきり状態だけど一命はとりとめたようだ

その代わりかどうかはわからんが、宗弦さんの奥さん(石田のばあちゃん)と、

混血滅却師のメイドさん達は聖別されてしまったそうだが……

 

 

6:名無しの転生者

 

そうか……雨竜良かったなあ

 

 

7:名無しの転生者

 

片桐さん生存で静止の銀問題どうすんだ、と思ったが、大丈夫そうか?

しかし石田のばあちゃんってことは宗弦さんの奥さんだろ?

あの人も純血統の滅却師じゃないっけ?

 

 

8:名無しの転生者

 

これは考察レベルなんだが、件の奥さん、足にケガしててな?

それが虚によるもので、真咲さんみたいに純血統の子を産めなくなったんじゃないか、

っていう説があるんだよ。それで聖別されたんじゃねーかな

 

 

9:名無しの転生者

 

あーなるほど……

 

 

10:OSR

 

その件も含め一応宗弦さんには伝えておいたよ

すっげえ悲しそうに笑って『辛いことを伝えさせてすまない』と言われたよ

作中描写だと夫婦関係は冷えてたようだったけど、

やっぱり奥さんのことを愛してはいたみたいだな……

 

 

11:名無しの転生者

 

愛していたのは事実だったんだろうが、それ以上に見えざる帝国打倒も本気だったんだろうなぁ

それこそ息子や孫の未来がかかっていたわけだし

息子の竜弦も理解はしていたようだしな、納得はできなかったようだが

 

 

12:OSR

 

こいつは今まで以上に負けられねえ理由が出来たな……

よし、モチベが上がって来たところでスレタイの件だが

秘密裏に現世を監視して叔母上が死神の力を譲渡した所と、

ぞの前後の戦闘は確認できた

 

 

14:名無しの転生者

 

おお、流石は十二番隊

 

 

15:OSR

 

まあ確認できたのはそこだけで、

あとはアウラに彼の事を影ながら手助けしてやってくれとそれとなく伝えたぐらいだ

ので、ここからチャンイチが尸魂界に来るまでは監視も手出しも出来ん

下手に手を貸すとな……死神の力譲渡したのバレるの早まるし、

何より藍染に目を付けられる危険性が高まるし。すまねえ

 

 

16:名無しの転生者

 

まあ、それはしゃーなし

アウラもいるし、何より魔改造チャンイチなら始解した恋次ぐらいはいけるだろ

で、チャンイチのスペックはどんなもんよ?

 

 

17:OSR

 

うむ、多分滅却師の基礎ぐらいは教わってるっぽいな、

飛廉脚らしき歩法を使ったりはしてた

ただ霊子兵装に関しては学んでいないようで、

霊子を拳に集めてぶん殴るぐらいしかしてなかった

これは最低限の自衛程度しか教えなかった、教わらなかった可能性が高いな

 

死神の力を得てからはそれに加えてあのクソデカ斬魄刀がプラスされてた

飛廉脚でぎゅんぎゅん相手を翻弄してずんばらり、

霊子を固める応用か、刀身に霊子を纏わせて斬る、みたいな技も使ってたわ

総じて初期チャンイチよりは強いみたいだ

 

 

18:名無しの転生者

 

原作でも霊子を固めて空中に踏みとどまるぐらいはしてたからな、

ある程度の訓練を受けてるならそのぐらいはするだろう

刀身に霊子を纏わせて斬る、ってのは一心さんの月牙天衝っぽいな、

これも血筋か

 

 

19:名無しの転生者

 

ともあれ何とか原作通りに進みそうか……?

石田家関連がどうなってるかだな

 

 

20:OSR

 

そこまでは確認できなかった……

ので、ここからは俺の情報を公開していこう

 

 

21:塵塚

 

はい! なんか最近ネムさんといい感じっぽいでーす!

こないだなんて現世行くための書類作成の休憩にかこつけて、

茶店の個室で二人っきりだった!

 

 

22:名無しの転生者

 

おうイッチどういうこった!?

 

 

23:名無しの転生者

 

ネムさんと茶店デートだと!?

 

 

24:名無しの転生者

 

まあまて皆、イッチだって男だ、好きな女の子と仲良くしたいだろう

それになんだかんだ体張ってるのはイッチだ、ご褒美の一つぐらいあっても良いだろ

 

 

25:名無しの転生者

 

その心は?

 

 

26:名無しの転生者

 

もっと進展させてから塵塚ちゃんに報告してもらおう

なぁにどうせまだ手も繋げてねーだろって確信がある

 

 

27:名無しの転生者

 

 

 

28:OSR

 

散在する獣の骨

尖塔・紅晶・鋼鉄の車輪

動けば風

止まれば空

槍打つ音色が虚城に満ちる

 

 

29:名無しの転生者

 

待て待て待て雷吼炮の詠唱すんな

めっちゃ怒ってるのは分かったから

てか使えんの?

 

 

30:OSR

 

俺だって好きな子とイチャイチャしてーんだよ!!!!!!

涅隊長がどう出るか分かんなくて及び腰なのは認めるが

 

詠唱ありなら七十番台

詠唱破棄なら五十番台までならいけるぞ

威力ガタ落ちになるが五十番台以降も詠唱破棄できなくはないが実戦じゃまだ使えん

 

 

31:名無しの転生者

 

おお、着実に力をつけてるな

ぼちぼち副隊長も狙えるぐらいにはなってきてないか?

 

 

32:名無しの転生者

 

言うて十二番隊はネムさん副隊長で固定だろうが……

ワンチャン二人目の三席にはなれそうか?

 

 

33:OSR

 

阿近さんいるしなあ、三席

原作十三番隊の三席二人は副隊長いない特例だろうし

実際こっちの十三番隊は三席あ都さんだけで、

四席が仙太郎さんなんだよな。まあその辺は涅隊長次第だろうし、

順当に行くと六番隊隊長になるのが朽木家としての筋だしな

 

あ、そうそう、具象化はできるようになったぞ

まーだ屈服はしやがんねえけどな

 

 

34:名無しの転生者

 

やるやんイッチ、まあ塵塚ちゃんはイッチを完全に舐めてるしな……

 

 

35:塵塚

 

まあ、それだけじゃないんだけどねー

現状考えると下手に強くなると死にに行くようなもんだし?

その辺の覚悟見せて欲しいよね、実力で

一応わたしも原作知識あるし、藍染隊長に下手に目付けられるとねぇ

 

 

36:名無しの転生者

 

ち、塵塚ちゃんが冷静なことを言っている……!?

ただの主人を舐め切ってるボサ髪ロリ巨乳元気っ子メスガキ斬魄刀ではなかったのか……

 

 

37:名無しの転生者

 

でぇじょぶだ、それらの要素と冷静にものを言うことは矛盾しない

まあ斬月のオッサンとホワイトさんも一護の事大事に思ってるし、

死なれたら自分も死ぬから困るもんな

 

 

38:OSR

 

まあそれを含めてねじ伏せるために屈服修行してますよ

同キャラ対戦みたいなもんだし、ちょっと楽しいんだよな、

自分の力が着実に上がっているのを感じる

 

あとはそうだな、滅却師の技もいくつか使えるようになったぞ

銀筒の術いくつかと、あとは霊具に頼る形にはなるが霊弓も作れるようになった

飛廉脚は自力でできるようになったよ

 

 

39:名無しの転生者

 

おお、なんだかんだ宗弦さん助けてから10年たってるもんな

ゼーレ・シュナイダーとかはどうしたん?

 

 

40:OSR

 

製法聞いて死神版魂を切り裂く者っぽいものを再現した感じかね

精度はちょっと落ちるからなんとかチャンイチがこっち来るまでに改良せんとな

ちなみに霊弓作る霊具は手袋みたいな感じになった

散霊手套の逆バージョン? こっちも耐久性に難ありなので要改良

 

 

41:名無しの転生者

 

頑張ってんなあ、無理はすんなよ、

イッチの命はイッチのためだけにあるんじゃないんだからな

緋真さんやネムさん、兄上の為にも命は大事にだ

 

 

42:OSR

 

おう、任せとけ

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――――まあ、こんな所かのう。

 まさか貴方とこのように差し向かいで話せるとは、生きて見るものですな。

 儂はもう死んでおりますが」

 

「フン、こちらとしては腹立たしい限りだヨ。

 苦労して手に入れていたサンプルが出涸らしのミソッカスだと知らされたのだからネ」

 

いつもの影を消した部屋(密談場所)で、石田宗弦と涅マユリが顔を突き合わせていた。

宗弦は現状技術開発局の局員という名目で身柄を保護されており、桃真へ滅却師(クインシー)の技を教える一方、マユリからも滅却師の情報の聞き取りを行われていた。

マユリはあらゆる手段を用いて200年前の殲滅を生き残った滅却師の魂魄を捕らえ、凄惨な実験の贄としてきたが、現世に残る生き残りの滅却師は、瀞霊廷の影に存在する滅却師達の帝国、『見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)』を知らず、また『見えざる帝国』に招かれることのなかった程度の者達に過ぎないと、聞き取りを始めてから宗弦より伝えられたのだ。

 

 

「ともあれ、伝えた情報に偽りはありませんでな。

 あと二年と少し、聖帝頌歌(カイザー・ゲザング)に曰く、『力の九年』が終わるまで、

 彼奴らも目立った行動は起こしますまい」

 

「だと良いのだがネ」

 

「儂が帝国に参画する以前ならいざ知らず、今のユーハバッハは妄執に囚われた暴君に過ぎませんでな。

 すべての滅却師は、奴から見れば手駒にして餌程度の存在でしかないのです。

 息子を、孫を、そしてこの世の全ての生あるものの為にも、奴は討たねばなりませぬ。

 その為なら手段は選ばぬと、儂は『彼』の真剣なまなざしを見て決めたのです」

 

「朽木六席だネ。あの小僧も昔から目端の利く奴だと思っていたが……かつての事と言い、得体の知れん小僧だヨ。何を考えているのだか……」

 

 

マユリは桃真の事を思い浮かべる。

堅物の六番隊隊長、朽木白哉の息子だが、その人柄は明るく社交的。

十二番隊に移籍する前、虚との戦闘で体内に虚の霊圧が残って生死の境を彷徨い、

その治療にご禁制の技術を用いたワクチンを投与しその命を救った。

その後経過観察もあり手元(十二番隊)に異動させ、ネムを監視に付け現在に至る。

 

しかし、マユリはその時の虚への対処法について疑問に思っている。

斬魄刀を消滅させる能力を持つ虚に対し、

当人は『状況から斬魄刀を破壊する能力を持つと推察、他人の斬魄刀を用いて無駄打ちさせた』

と報告している。だが、咄嗟に考えたにしてはあまりにも効果的過ぎた。

 

「かつて儂も彼に問いました。どこまで知っているのかと。

 彼は『大方の所は知っている、十年もしないうちに話せるだろう』と言っておりましたな。

 明言はしておりませんが、涅殿に語った内容の大半は存じているでしょう」

 

「ネムからも『未来を見通しているかのような物言いをすることがある』と報告が来ていたネ。

 いずれ私からも話をしておく必要があるようだヨ……」

 

「ネム殿も随分と明るくなられましたからな。

 父親としては娘に寄りつく悪い虫は看過できませんかな?

 まあ、得体が知れぬというのは同意できますが、悪い御仁ではありますまい。

 事実、ネム殿と接してドギマギとしているのは、年頃の少年のそれですからなぁ。

 ネム殿に懸想しているとみて、気が気ではありませんかな」

 

「五月蠅いヨ! ……だがまあ、否定はしないヨ。

 小僧をネムの部下としてつけて随分経ったが、ネムも随分と成長したものだネ。

 それを為したのが私ではなく小僧だというのは……少々腹立たしいことだが。

 まあいい、今日の所は話は終わりだヨ。私は研究室に戻る。

 お前は小僧に鍛錬でもさせるのだネ」

 

ふん、と鼻を鳴らし、密談部屋を出ていくマユリ。

その後を追って部屋を出ながら、宗弦はかつての桃真の言葉を思い出す。

 

 

 

 ―――俺が目指すのは、もっとも血に染まぬ道。

 

 後の世に外道非道と呼ばれようと、悪党と蔑まれようと。

 

 たとえ傲慢と、不遜と罵られようと、俺の知る彼ら(・・・・・・)の行く先が、

 

 少しでも明るく、悲しみのない未来であれと、そう望むだけです。

 

 

 

(桃真君、君が相応の覚悟を持ってその道を行くのなら、儂も微力を尽くそう。

 すでに後戻りできぬところまで来ている……竜弦や叶絵君に、雨竜。

 そして真咲君やその子供達……妻には苦労を掛けた。息子に会えば殴られるかもしれん。

 それでも、彼に手を貸し、ユーハバッハを討つのが、

 儂がこうして命を拾った理由なのやもしれん。

 生き急ぐでないぞ、桃真君―――)

 

 




マユリ様、桃真を二重の意味で警戒しだすの巻。

〇解説

・桃真君
卍解修行順調に進行中。
滅却師スキルも学んでいるので、現状副隊長相当かちょっと劣るぐらい。
バチバチに具象化した塵塚と殴り合っているので割と生傷が耐えない毎日。

・塵塚
桃真が具象化できるようになって現実世界に顔を出すようになった。
屈服のために殴り合う他、自宅勝手でに具象化して緋真さんに甘えたりもしてる。
実は桃真同様に原作知識もあるので、
桃真以上に3・5・9番隊を警戒している。

・マユリ様
ネムさんが着実に感情豊かになったりして来て感慨深い反面、
桃真がネムさんに対し懸想しているのを察したのでちょっと気が気でない。
原作における同時間軸よりかなり丸くなっている。

・宗弦さん
マユリ様から聞き取りを受けたりしている。茶飲み友達ぐらいの感覚。
マユリ様が自分や生き残りの滅却師に対して行ったことは許してはいないが、
桃真に協力しユーハバッハを討つと決めたのでひとまずは和解した。

・一護
自衛程度の滅却師技術は習得していたけど、
虚から逃げるならともかく倒せるような技術は無かったので、
概ね原作通りに推移してルキアから死神の力を譲渡された。
ここから尸魂界編突入ぐらいまでは概ね原作通りに進む模様。


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9スレ目

9スレ目です。2・3話程日常話を挟んだうえで尸魂界編に入ります。


 

【それはまぎれもなく】最近涅隊長の視線が怖い件【ヤツさ】

 

1:OSR

 

俺やで とりあえず尸魂界編開始までは隊の業務しつつ卍解修行中

も―ちょっとで行けそうな気がしてきた

 

所でスレタイの件だが、最近ネムさんと話していると視線を感じてたんだが、

その視線の主が涅隊長だと気付いた時肝が霜天に坐した

 

 

2:名無しの転生者

 

ヒェッ

 

 

3:名無しの転生者

 

イッチの冥福を祈る

 

 

4:名無しの転生者

 

待て待て死んでないぞ

 

まだ

 

 

5:名無しの転生者

イッチ正直に言え、何をした?

ナニか? ネムさんとナニをしたのか!?

 

 

6:OSR

 

>>5

何もしとらんわい!

 

いやこえーんだって!

振り返ったら涅隊長が半眼無言でじっと視線向けてんだよ!

何か言えばいいのに何も言わないままじっと見つめてきて、

俺が視線に気づくとゆっくり歩き去るんだよ

 

 

7:名無しの転生者

 

まあ、順当に言えばイッチがネムさんのことを好きなのに気づいたんだろうなあ

 

 

8:名無しの転生者

 

それでなくともイッチ(とアウラ)と接するようになってから変わったのは気づいてたろうし

ネムさんの成長を目にしてきたのであれば、その要因がイッチにあろうことは理解してるだろうよ

 

 

9:OSR

 

死にたくねぇ……!

 

 

10:名無しの転生者

 

諦めが早い!(天狗面をつけてビンタする

 

 

11:名無しの転生者

 

まだマユリ様がイッチによってネムさんが変化したのを否定的に見ていると分かったわけじゃないだろう

望みはある たぶんきっとおそらく

 

 

12:名無しの転生者

 

原作でもネムさんを成長させたのはマユリ様だけじゃなく、

それ以外の戦いの日々や尸魂界でネムさんが出会った色んな面々なんだろうしな

どっちにせよいつかは起こる事だったろうさ、腹くくれ

 

 

14:名無しの転生者

 

そうだぞ、そもそも既にマユリ様の実験体みたいなもんだろイッチは

 

 

15:名無しの転生者

 

そういえばメタスタシア戦で死にかけて、マユリワクチンで生き延びたっけな

 

 

16:名無しの転生者

 

まあそのおかげでネムさんと接近できたしよかろ

 

 

17:塵塚

 

桃真はねー、肝心なところでおっかなびっくりになるからねー。

散々〇〇〇にしてるくせに今更恥ずかしがるのとかおかしくない?

 

 

18:名無しの転生者

 

塵塚chang!

 

 

19:名無しの転生者

 

規制ワード入って草

この掲示板に規制ワードって概念があったんやな……

 

まあ塵塚ちゃんに同意はするけどその辺で、その辺で

 

 

20:名無しの転生者

 

まあ外野から観戦してるともどかしいのは分かる

はよ手ぐらい繋げ

 

 

21:塵塚

 

茶店デートとか現世にいた時は半同棲生活(疑似家族あり)とかしてたんだからさー、

もっとグイグイいかないとダメじゃん? もう30年近く片思いしてるんだよ?

相手がネムさんじゃなきゃとっくに他の男にとられてるって

 

 

22:名無しの転生者

 

身内(実質もう1人の自分)からのぐうの音も出ない正論

まあ死神としてのタイムスパンでいうと実質3年ぐらいなのかもしれんが

 

 

23:名無しの転生者

 

あれ、イッチどうした? 返事がないぞ

 

 

24:名無しの転生者

 

ブチキレ過ぎて憤死した?

 

 

25:OSR

 

生きとるわい

ちょっと頭を冷やそうとログアウトはしてたが

それはそれとてめーら後で覚えてろよ 特に塵塚

ログアウトした時にちょっと表の方で色々やってたんだよ

 

 

26:名無しの転生者

 

ああよかった、お(も)し(ろ)い奴を亡くしたかと

 

 

27:名無しの転生者

 

そうだな、お(もちゃにするとたの)しい奴を亡くすのは辛いからな

 

 

28:OSR

 

ぶちころすぞてめえら

 

 

29:名無しの転生者

 

んで、何してたん

 

 

30:OSR

 

雛森副隊長に鬼道のコツを教わってたんだよ

あの人鬼道めっちゃ上手いじゃん?

霊弓というか、神聖矢に鬼道を練り込めないかと試行錯誤しているところ

 

 

31:名無しの転生者

 

おー、それは死神でないとできない事かも知れんな

……雛森ちゃんって事は現在地五番隊舎か?

大丈夫か? 時間軸的に藍染に鏡花水月されない?

 

 

32:OSR

 

あー、それは大丈夫。教わってるの俺んちだから

 

 

33:名無しの転生者

 

てめーネムさんというボンキュッボンのムチムチ美女に懸想しておきながら!

よりんもよって雛森ちゃんを連れ込んでるだと?!

 

 

34:名無しの転生者

 

場合によっては塵塚ちゃんにさらなる性癖開陳を頼むことになるぞ!?

 

 

35:塵塚

 

まっかせなさーい!

 

 

36:名無しの転生者

 

こらこら落ち着け馬鹿共。そもそも朽木邸に彼女がいても不思議じゃないだろう

 

 

37:名無しの転生者

 

どゆこと? 確かにイッチは雛森ちゃんと同期の恋次・イヅルと友人だが

 

 

38:名無しの転生者

 

女性死神協会の会合場所が朽木邸だろ?

確か無断で隠し部屋を改造してる

 

 

39:OSR

 

そう言う事。父上も頭を悩ませてたんだが、

母上の話し相手にもなるし、叔母上も関わる事だしで不問に付した

その家賃代わりに俺に鬼道や白打、歩法や回道を教えてもらうということにしたんだよ

何よりネムさんもちょいちょい来るし

 

 

40:名無しの転生者

 

なるほどな、所属メンバー、大体隊長・副隊長クラスだからな

身元もはっきりしてるから緋真さん相手させても安心だし、

鬼道なら雛森・七緒、白打・歩法なら砕蜂、回道なら勇音さんあたりから教われるか

考えたなイッチ

 

 

41:名無しの転生者

 

ネムさんを家に上げる口実も出来るわけか

これでもう少し押しが強ければなあ

 

 

42:OSR

 

これでも結構頑張ってんですけどねぇーっ!?

 

 

43:塵塚

 

頑張ったって進展してなきゃ意味ないじゃん

これだから桃真は

 

 

 

 

 

 

 

 

「鬼道を練り合わせる時は一息にやろうとしないで、糸をより合わせるように正確に、

 均等に混ざっていくようにすると上手く行くよ。速度は慣れていけば上がっていくから、

 まずは確実に出来るように頑張ってみてね」

 

ある非番の日。桃真は朽木家の敷地内にある鍛錬場で、五番隊副隊長、

雛森桃から鬼道の手ほどきを受けていた。

共通の友人がいるため顔見知りではあり、また女性死神協会の集会場が自宅である朽木家(無断)であったため、

前々から幾度か顔を合わせることがあり、その縁(と負い目)から手ほどきをすることとなった。

元々『鬼道の雛森』と呼ばれるほど鬼道に優れ、優しい性根の雛森と、

力を求めながらも真っすぐな心根の桃真は相性が良く、生徒と教師として良い関係を築いていた。

 

「雛森副隊長は教えるのがお上手ですから、とても分かりやすくて助かります……

 最近は卍解修行に明け暮れておりますので、中々鬼道の鍛錬に割ける時間が無くて」

 

「その年でもう具象化まで行ってるんだ……これは私もうかうかしてらんないなぁ。

 阿散井君も具象化までは行ってるらしいし……」

 

「飛梅が卍解したら、あの火の玉を凄まじい量連射する固定砲台になりそうですねえ。

 単純強化な卍解にはならなくとも、飛梅は射程が長く支援に適した始解なので、

 そう言った方面に伸びるかもしれませんね」

 

雛森とその同期三人組は、今や三・五・六番隊の副隊長として活躍する若手のホープである。

その雛森から見ても目の前の少年、桃真は侮れぬ才を持っているように見える。

聞けば父親である六番隊隊長、朽木白哉に頼み込んで猛勉強し、

十を数える頃には霊術院に入学し、四年で卒業。在学中に既に始解に至っていたのだという。

だからだろうか、なんとなく気になった。何故にそこまで力を求めるのかと。

その答えは、思ったより単純で、真っすぐな理由であった。

 

「俺は、全てをかなぐり捨ててまで強くなりたい、とは思っておりません。

 ですが、誰かに手を伸ばすべき時に、誰かを守りたいと思った時に。

 後悔をすることがない程度には強くありたいと。そう思っているだけなのです。

 まあ、出来ることをやらずにはおれぬ性分と言ってしまえば、そこまでですが」

 

そう言って苦笑する桃真を見て、雛森は眩しそうに目を細めた。

自分もまた、敬愛する藍染惣右介の元へ行くために死に物狂いで努力し、副隊長に上り詰めた。

しかし、そこで自分は満足してしまっていることも理解している。

だが、桃真を見てほんの少しだけ、雛森は思う。このままでいいのだろうか? と。

藍染の元で働きたくないという訳ではないが、自分を救い、教え導いてくれた彼に報いるならば、

現状に甘んじず上を目指すことも、彼への恩返しになるのではないだろうか?

そう考えた雛森の胸に、誰も知らぬ、小さな自立心という火が灯る。

その火が照らす先に何があるのか、雛森をどこへ導いてゆくのか。それは、まだ分からない。




どう藍染隊長と関わらずに雛森ちゃんと関わるか、と考えていたらそう言えば桃真の自宅に女性死神協会居座ってんじゃん、と思い至った結果のお話。


〇解説

・桃真くん
卍解修行をしつつも自宅に居座る女性死神協会の方々から家賃代わりに手ほどきを受けている。
卍解まではまだまだ遠いけど、有事の際に後悔しない程度の力は欲しいと思っている。

・桃ちゃん
奇しくも「桃」の字が同じ桃真の鬼道の師匠。
桃真の奮闘を見て、ちょっとだけ藍染隊長への依存度が下がった。



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10スレ目


なんだかんだで二桁の大台に乗りました。

UA二万八千越え、お気に入り900件越え。閲覧・感想・評価本当にありがとうございます。
皆様の応援、本当に励みになっております。


 

【旅禍】もうそろそろ尸魂界編っぽい件【もうじき】

 

1:OSR

 

海燕殿より叔母上が行方不明になったとの報あり。

これはじきにチャンイチが攻め込んでくるかもしれんな

 

 

2:名無しの転生者

 

ついにか……長かったな

 

 

3:名無しの転生者

 

なんで海燕さんから……と思ったが直属の上司だもんな

それに兄上はそう言う事あんまり口にしそうにないもんな……

 

 

4:名無しの転生者

 

ともあれあと1か月も無いだろうし、準備は進んでる?

卍解習得はできた?

 

 

5:OSR

 

>>3

そう言う事。それに俺、奥さんの都さんの元部下だしな、あの後も親交はあったんよ

母上連れて志波家にお茶飲みに行くこともそれなりにあったからな

 

>>4

屈服そのものは完了した

ただ制御と言うかコントロールが出来てないので習得したとは言い難い

 

 

6:塵塚

 

まあ屈服はしてあげたけど早々使いこなされてたまるもんですかー!

あ、能力はまだ秘密ね。どうせなら皆に分かるように見せたいし

桃真、最近瞑想しないで掲示板に書き込む練習とか、はいしん?

とかいうの出来るようにしてるみたいだから、まあ尸魂界編はいったら見せられるんじゃないかな

 

 

7:名無しの転生者

 

期待させるじゃねえの……

 

 

8:OSR

 

ともあれ、報告するようなことはそのぐらいか?

なので、今回は皆の質問に答えてみようと思う

答えられそうなもんだけな

なお塵塚、お前は回答・質問禁止

 

 

9:塵塚

 

横暴だー! 

 

 

10:OSR

 

だまらっしゃい!!!!!!!!!!!

 

 

11:名無しの転生者

 

残当

んじゃ、質問行くか。家族仲とかどんなもんよ?

 

 

12:名無しの転生者

 

あ、じゃあ俺十二番隊以外の交友関係とか知りたいな

十三番隊にいた時期もあったし

 

 

14:名無しの転生者

 

俺も知りたいな、聞いた限りだと12・13番の人らとは仲いいみたいだけど

 

 

15:OSR

 

>>11

まずは家族仲か、フツーに仲はいいぞ。父上も原作より丸くなってるし

原作通りのクソ真面目なところはあるけど、やっぱ母上がいるからかな?

結構笑う事も多いし、叔母上との絡みも多い。一緒に色々指南してもらったりもする

 

母上はこう、ちょくちょく構ってくれたりするし、女性死神協会の面々もいるんで楽しそうにしてるよ

塵塚が勝手に具象化した時は驚いてたけど娘が出来たみたいとか言ってたな

この子みたいにもうちょっと甘えて欲しい! とか頬膨らませて言われた時は不覚にもキュンと来た

なおその横で心停止仕掛けてた父上がいるのは秘密 笑いをこらえるのが大変だったわ

 

 

16:名無しの転生者

 

お労しや兄上……

まあイッチは年齢不相応のメンタリティだろうしな

親としては子にもっと甘えて欲しいと思うのは自然か

今から緋真さんにオギャってもええんやで?

 

 

17:名無しの転生者

 

びゃっくんを心停止させるとは流石は彼のハートを射止めた女よな緋真さん……

 

 

18:OSR

 

>>16

まあそれなりに親孝行はしてるよ、海燕殿んとこにお茶飲みに行くのもその一環だからな

流石に前世から数えて80年以上生きてるとオギャるのは無理だわ

 

>>17

こう言う所が父上のハートを射止めた所以なんだろうなあ、とは思った

 

んで、十二番隊、十三番隊以外の交友関係か……女性死神協会以外だと十番隊の日番谷隊長かな?

松本副隊長が女性死神協会関連でうちに来るから菓子折りもって詫びに来た事がある

それもあってちょいちょいよく話すかな。幼馴染の雛森副隊長とかとも話すから、

その流れで名前を憶えてくれたのはちょっとうれしかったな

 

 

19:名無しの転生者

 

シロちゃん律儀なやっちゃな……

 

 

20:名無しの転生者

 

まあ部下が他所の隊長、しかも四大貴族の所に上がり込んでる訳だしな

 

 

21:OSR

 

小柄なりの戦い方みたいなのを教わったりもしてるし、斬術で言うなら師匠みたいなもんかもな

なお身長で言うと俺の方が10cm大きい

 

 

22:名無しの転生者

 

イッチほんとにガチめにショタなんやな……

薄い本が厚くなるでよ……

 

 

23:OSR

 

>>22

だまらっしゃい

 

後はそうだな、十一番隊の人らとはよくチャンバラするぞ、斑目三席には斬術だけだと負けるが

ケンカ剣術というか、実践的な殴り合いの鍛錬になっていいんだ

斑目三席はその辺戦い方も教え方も上手いんだよな……

刀と鞘の二刀流したり、始解すれば槍・三節棍と攻め手も多彩だしな

 

 

24:名無しの転生者

 

へえ、十一番隊の奴らと付き合いがあるのは意外だな

あ、でも一角、差し歯阿近さんに作ってもらったりしてるからその縁か

 

 

25:OSR

 

そう言う事だな。あとはまあなんだかんだ単純でわかりやすい奴らも多いしなあそこ

射場さんなんかともその流れで顔見知りだな。狛村隊長と話をしたこともある

 

あと更木隊長とも実はちょいちょい話す。草鹿副隊長と顔見知りだし

 

 

26:名無しの転生者

 

オイオイオイ

 

 

27:名無しの転生者

 

あいつ死んだわ

 

 

28:名無しの転生者

 

いや、剣八は戦闘狂ではあるけど明らかに自分より弱い奴には興味ないだろ

と言うかそういう面を除くと意外と常識人だしな、トイレの後ハンカチで手を拭くぐらいには。

後事務仕事じゃない隊長業務なんかも割かし真面目な方だぞ

 

 

29:OSR

 

そうなんだよな、想像の数倍話が通じる人でびっくりした。草鹿副隊長の方が制御不能の暴走特急で辛い

まあいい鈴紹介したりとかお前がもう少し強くなったら斬り合うのもいいなとか言われてる

後半は丁重にお断りしたが

 

 

30:名無しの転生者

 

予約されてて草

 

 

31:OSR

 

後はな……あ、そうだ。夕四郎さんとは実はちょっと年が離れた幼馴染ではあるな

最近色々忙しいみたいで中々会えてないけど

 

 

32:名無しの転生者

 

あれ、そうなん? 兄上、夜一さん嫌ってるみたいだから四楓院家とは仲悪いと思ってたが

 

 

33:OSR

 

実はそうでもない。夜一さんの出奔で立場は微妙だけど同じ四大貴族だしな。

夕四郎さんの真っすぐな感じは父上としても嫌いではないらしい

貴族関係で言うと伊勢副隊長と浮竹隊長つながりで京楽隊長とも交友はあるぞ

父上には「悪い男ではないがああはなるな」と言われたが

 

 

34:名無しの転生者

 

こうしてみるとイッチ結構あっちこっちにコネがあんのな……

 

 

35:塵塚

 

まあ顔つなぎに意図的にコネ辿ってったとこはあるけどねぇ

 

 

36:名無しの転生者

 

それでも関係が続いているというのは好意的な関係だという事だしな

 

 

37:名無しの転生者

 

これでネムさんとねんごろになれば文句はないんだが

 

 

38:名無しの転生者

 

んだんだ

 

 

39:OSR

 

俺今ここでブチ切れても許されるよな? 卍解すっぞ??????

 

 

40:名無しの転生者

 

やっぱこれだよな

 

 

41:名無しの転生者

 

弄られてこそのイッチよな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……未だ未熟な卍解とはいえ、よくぞその若さで卍解を会得した。見事だ、桃真」

 

「有難う、ござい、ます、父上」

 

朽木家の鍛錬場では、朽木白哉、そして桃真が向かい合っていた。

屈服の完了を報告した後、桃真自身からの願いでそれぞれの卍解をぶつけ合っていたのだ。

疲労困憊で跪く桃真に、それを見下ろしながらも息一つ乱さない白哉。

それが、今の桃真と白哉の実力差であった。

 

「卍解は維持にすら多大な霊圧を使う。制御すらままならぬ今のお前ではなおの事だ。今は休め」

 

「はい……」

 

桃真は呼吸を落ち着かせながら近場の壁に背を預け、水筒を取り出して口をつける。

そして水筒を傾けた所で、不意に白哉が桃真の方を向き、口を開く。

 

「そう言えば前から聞こうと思って居たのだが……桃真。

 お前には好いた相手はいるのか」

 

「!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

 

盛大にむせた。

 

「……済まぬ」

 

「げほっ、あの、ぐふっ、ち、父上……?」

 

「近頃、爺やが縁談の話をそれとなくするようになってな……

 朽木家としては貴族の令嬢を迎えるのが筋ではあるが……望まぬというなら断るのもやむなし。

 好いた相手がいるのであれば、私の方から爺やには言っておくつもりだ」

 

「……意外です。父上ならば朽木の家に生まれたのであれば、その血を繋ぐことも役目である、そう仰りそうでしたが」

 

「確かにそうも思ったが……私も反対を押し切り緋真を娶った身だ。

 お前ばかりに貴族の道理を押し付けるのも筋が通るまい」

 

桃真は考え込む。白哉は変わった。厳密に言えば、尸魂界編以前の冷徹で頑なな面が少なくなり、

破面編以降の不器用ながらも思いやりのある面が増えてきた。

これは間違いなく自分、そして緋真の存在のおかげだろう。

原作においてルキアを迎え入れた時、白哉は両親の墓前で二度と掟に背かない、と誓いを立てている。

この世界線においてその誓いを立てているかどうかは不明だが、自分に対する気遣いともとれる言葉、

そして平素の言動から察するに、この世界線の白哉は原作よりも大分丸くなっている。

少なくとも、貴族としての慣例よりは息子の意志を優先させようとする程度には。

元より生前(転生前)からネムを想っている身であるし、転生する前はごく普通の一般日本人である。

五十余年を死神『朽木桃真』として暮らし朽木家の人間としての振る舞いも身についているが、

根本的に自分の性分としては一般庶民のそれであるので、見知らぬ相手を伴侶とするのには抵抗がある。

ならばいっそ―――

 

「……父上。未だ実らぬ故伏せておりましたが……想いを寄せている女性はおります。

 俺の上司に当たる方、十二番隊副隊長、涅ネム。それが、

 その御姿を見てより俺の心を離れぬ、想い人の名にございます」




日常編その2。卍解習得編。
まあ屈服終えても卍解使いこなせるようになるにはすげー時間かかるからな! とは兄上も言ってたし、習得して一日も経たないうちにあそこまで使えるチャンイチと恋次が化け物なんですって。
桃真の交友関係が広いのは塵塚も言っているように意識的に顔を繋いでいこうとしているのもありますが、それはそれとしてみんなと仲良くしたい! お話したい! みたいな感情も多分にあります。

卍解そのものに関してはお披露目はもうちょっと後になります。
次の次ぐらいで尸魂界編開始予定なのでその中でお披露目したい。
他所の二次創作系みたいに1話丸々小説とかもやりたいですね……この作品が『BLEACH』として連載されてる体の世界線の掲示板編とか。

〇解説
・桃真くん
ついに卍解習得(使いこなせてはいない)。
それもありようやっと腹をくくった模様。
まあ実際は生前(転生前)から累計で70年以上は片思いこじらせてました。

・塵塚
ついに屈服(でも桃真いじりはやめない)。
殴り合いで負けたというよりは、桃真に決定的に足りなかったものを戦いの中で見出したので、
なら卍解させてやってもいいな、と思った。

・白哉くん
最近爺やが桃真の縁談の話を持ってきたのでどうしようと思って本人に聞いたら、
予想外の名前が出てきてちょっと困っている。反対はしないけど。
原作に比べ大分丸くなっているので、息子にも真に想う相手と結ばれてほしいと思っている。
でもそれはそれで掟もあるのでまたちょっと困っている。


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11スレ目

そんなわけで11スレ目。やりたいことやりました。


 

【なんも】報告会をせねばならぬ件【いえねえ】

 

1:OSR

 

皆ー、いるかー、報告がある

 

 

2:名無しの転生者

 

どうしたイッチ

 

 

3:名無しの転生者

 

秘蔵写真集の存在が緋真ママにバレたか?

 

 

4:OSR

 

それはまだバレてないというか秘蔵するほどのもんはねえよ

 

 

5:名無しの転生者

 

あるにはあるのか

で、どうした

 

 

6:OSR

 

うん、そのだな。

ネムさんとお付き合いすることになった

 

 

7:名無しの転生者

 

何て?

 

 

8:名無しの転生者

 

おいおいおいマジかよやったなイッチ

 

 

9:名無しの転生者

 

大丈夫か? 貴族の慣習とかあるんじゃねーの?

と言うか涅隊長キレそうな案件じゃね?

 

 

10:塵塚

 

いやー長かったよね、前世から数えて何年だろ……

享年30代後半ぐらいで高校時代にBLEACH連載してたから……

軽く6・70年ぐらい? やきもきするったらないよ

 

 

11:名無しの転生者

 

めでてえめでてえ

んで、詳細はよ

 

 

12:OSR

 

急かすな馬鹿、俺だってまだ心の整理がついとらんのだ

ともあれ、順を追って話していこう。実は最近、縁談の話が持ち上がってたらしくてな。

父上が「縁談の話持ち上がってるがお前好きな子おるん?」みたいな話をされたんだよ

 

 

14:名無しの転生者

 

兄上……ほんとに優しくなったなぁ

原作だと緋真さん嫁入り+ルキア迎え入れでこれ以上は一切掟破らん! とか言ってたのに

 

 

15:OSR

 

父上もそこは気にしてたが、自分が掟破りの婚姻したのに俺は無理やり、というのはしたくなかったそうで

んでまあ、そこで『ずっと前からネムさんに一目惚れでした!』とカミングアウトしたんだ

 

 

16:名無しの転生者

 

おお、ついにか

まあ本人に言えてない時点でお察しだが

 

 

17:OSR

 

やかましいわい

父上もいろんな意味で悩んだみたいだったんだけど、認めてはくれたんだ

まあ、実らんようだったらお見合い受けて見ろよ、とは言われたが

ちなみにお見合い候補の中には大前田さんちの末妹とかいたらしい

まあ普通に知り合いなんだけどな希代さん

実は砕蜂隊長つながりで、大前田パパに疑似重唱習いに行ったときに知り合った

 

 

18:名無しの転生者

 

あー、あの大前田家の突然変異。可愛いもんな

んで、どう告ったん ハリーハリーハリー!

 

 

19:OSR

 

でまあ、卍解も覚えたしな、俺もそろそろ頃合いだと思って、仕事の休憩時間に茶店に誘って告白したんだ

自分で説明するの死ぬほど恥ずかしいので当時の録画でも見てくれ

ネムさんには申し訳ないと思ったが録画してきたんだ

 

[動画]

(茶店の個室、ひと心地ついた辺りで桃真が話を切り出す……が、 言い淀み、台詞を噛み、挙動不審になった末、

 『ずっと昔からあなたのことが好きだった、お付き合いをしてほしい』と口に出す。

 その後少し沈黙が続き、ネムが頬を染め、「どう答えて良いか分かりませんが……嫌な気分ではありません」と答える。

 直後画面が横倒しになりブラックアウト、録画が終わる)

 

 

20:名無しの転生者

 

おう続き! 続きを持てぃ!

 

 

21:OSR

 

ねえよそんなもん! 全気力使い果たしてぶっ倒れたんだよ!

まあその後介抱されて、目覚めた後改めて聞いてみたんだ。まあOKというか……

「誰かを好きになる」という感情をいまいち理解できてないらしく、

まずはお友達から、そして涅隊長の許可も要るという事でその場はお開きとなったんだ

このあと涅隊長に会いに行った

 

 

22:名無しの転生者

 

想いを告げたのは良かったぜ……しかしまあネムさんの反応も割と想定はしてたが

なんだかんだ箱入り娘みたいな所あるしなあ彼女

 

 

23:名無しの転生者

 

これはイッチにとっては小さな一歩であるが、我々にとっても大いなる一歩である

イッチの弄りネタにもなるし

 

 

24:OSR

 

うるせえ! んでまあ、涅隊長にその件を話しに行ったんだ

結果から言うと、快諾ではないにしろ容認はされた

正直『私の作品に手を出そうとは不届きなヤツだネ、改造してくれようか』ぐらいは言われるかと

 

 

25:名無しの転生者

 

えっ容認しちゃうの? ちょっと意外。俺ももっとこう激怒するかと

 

 

26:OSR

 

まあ、皆も言ってたように前々から、具体的に言うと俺と関わるようになって変わったのは認識してたようで

正直腹は立つが、自分が出来なかったことをやってのけたお前を称賛はしているヨ、と言われたよ

同時に私の許可も得ぬうちから手を付けてはおるまいネ? と疋殺地蔵抜かれてヒュンッってなった

 

 

 

27:名無しの転生者

 

 

 

28:名無しの転生者

 

まあイッチの事だ、手を付けるどころか手をつなぐことすら出来ておるまいよ

 

 

29:OSR

 

そうではあるが! もっと言葉選びなさいよ!?

でまあ、隊長がネムさんに話振って、俺のことをどう思う、という話になった

ほい録画

[動画]

(薄く頬を染め、軽く視線を外したネムが『桃真さんの事は嫌いではなく、好ましい方だとは思う。

 誰かを好きになるという気持ちがどういうものなのか、正直よく分からないが、

 もしマユリが許すのであれば、監視と言う役割を抜きにしても共に居たいと思う』と語る)

 

 

30:名無しの転生者

 

初々しいじゃねえの……

 

 

31:名無しの転生者

 

やっぱ監視として側に着けられてたんだな。でもこれはネムさん自身も満更じゃない?

 

 

32:OSR

 

そのようだ。有り難くはあるな……まあそんな感じで、涅隊長公認でネムさんとお付き合いすることにはなった

まあ俺もネムさんもおっかなびっくり距離を詰めようとしてるって感じ……なのかな?

 

 

33:名無しの転生者

 

何で疑問形なんだよ

 

 

34:OSR

 

うるせえ生前から今までずっと彼女なんて居らんかったんだよ!!!!!!

おめーらだって転生前はどうせ彼女なんて居らんかったろうが!

 

 

35:名無しの転生者

 

バンビちゃんばりの無差別爆撃やめーや

泣いてる俺らだっているんだぞ!?

 

 

36:OSR

 

俺だって今まで散々弄られとったわい!!!!

まあそんなこんなで、仕事終わりに一緒に散歩したり、お互いの話をしたりしている

俺も霊術院時代の話とか十三番隊時代の話とかしたり、ネムさんから昔の事とか、女性死神協会での事とか聞いたりする

ネムさんから漏れたらしく女性死神協会の面々にはめっちゃ冷やかされた

 

 

37:名無しの転生者

 

まるで付き合い始めの中学生みたいな距離感だぁ……

まあ片や生前から数えて九十年物の〇〇、かたや親が怖い箱入り娘だ、

ゆるりと見守ってやろうじゃねえの

 

 

38:名無しの転生者

 

まあそんなことしてる場合じゃねーかもしれんがな

ぼちぼちチャンイチ殴りこんでくるだろ?

 

 

39:名無しの転生者

 

そしたら旅禍騒ぎからの藍染の裏切り、破面編となだれ込むからな……

まあイッチは今まで必死に頑張って来たんだ、このぐらいの役得はあってしかるべきさ

 

 

40:名無しの転生者

 

せやな

 

 

41:名無しの転生者

 

それまでにイッチが手を握れるようになる、に花京院の魂を賭けるぜ!

 

 

42:名無しの転生者

 

じゃあ俺はラッキースケベが発生するのにアヴドゥルの魂を賭ける!

 

 

43:OSR

 

こいつら人の恋愛事情を何だと思ってんだ……

 

 

44:塵塚

 

おもちゃ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しっかしまあ、桃真がネムとねえ……」

 

朽木邸・女性死神協会会合場所でもある隠し部屋で、十番隊副隊長、松本乱菊は呟く。

目前には赤い顔でちょこんと座るネム。業務の休憩中桃真に告白され、

その後マユリの元へと向かい了承を貰った旨を隠し部屋に集まった面々に報告したのだ。

 

「まあ順当な流れとは言えるか? 何十年も共に居たわけではあるしな……

 涅隊長がむしろ容認していた、というのが意外ではあるが」

 

「桃真君頑張ってましたからね。頑張りを認めてくれたって事じゃないですか?」

 

「普通ならそうですが、涅隊長ですからね……」

 

「ところでさー、ネムネム」

 

「どうされましたか、会長」

 

砕蜂、雛森、勇音がそれぞれの感想を漏らす中、一人お菓子を貪っていた会長であるやちるだが、

不意に視線をネムに向けると口を開く。

 

「ネムネムはモモっち(桃真)のどこがよかったの?」

 

「桃真さんの……ですか。何と言いますか……優しい所、でしょうか。

 何かと気にかけていただけますし……一緒にいて、表現しづらいのですが……

 暖かな気持ちになるんです。それを、『好き』というのでしょうか」

 

「わかんない!」

 

がくり、とネムとやちる以外の者が肩を落とす。

肝心なところでその返しはどうなんだ……という空気が漂い始めるが、直後のやちるの言葉は、

彼女らしくもあり、場の空気に沿ったものでもあった。

 

「わたしも剣ちゃんと一緒にいると楽しいし、ぽかぽかするよ!

 一緒にいれたらいいな、離れたくないなって思うんだったら、それが好きって事だと思う!」

 

「……そうでしょうか」

 

「たぶんね!」

 

「やちるあんたそう言う所でオチつけなくていいのよ?」

 

俯き、しかし微笑むネムと、やちるに突っ込みを入れる乱菊。

その後もああでもないこうでもないと話題が入り乱れ、時間は過ぎてゆく。

そしてそれからまたしばらくして……尸魂界に騒乱が訪れる。




そんなこんなで11話、日常編ラストは桃真×ネム編でした。
やや駆け足感はありますがこれがやりたくて日常編書いてたんで……

〇解説

・桃真くん
ついにネムとお付き合いすることになるも生前(転生前)から経験がなかったので距離感やら何やらが中学生レベルのそれ。
目標は手をつなぐこと。

・ネムさん
内部処理的には『好き』ではあれど、当人の認識としてはいまいちどう表現していいか分からない感じ。なので距離のつめかたもおっかなびっくり。
この後周囲からいらん知恵吹き込まれたりしてひと騒動起きそう。

・マユリ様
私の最高傑作なのだから他人に好意を持たれるのは当然だネ、とは思っていてもそこはそれ、
まずないとは思うけど桃真からネムを捨てるようなことがあれば金色疋殺地蔵だヨ、とも思っている。

・女性死神協会の面々
あのネムに彼氏が!? しかも朽木んとこの!? マジで!? みたいに思っている。
各々桃真の師匠みたいなとこはあるので人柄は知っているけど、幸せになってほしいなあ、見たいには考えている。

・やちるちゃん
ネムネムはモモっちといるとぽかぽかする?
わたしも剣ちゃんといるとぽかぽかする!
そしてわたしは剣ちゃんのことが好きだからネムネムもそーだよ! と言い切る。
多分好きの方向性がやや違う。


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12スレ目

そんなわけで尸魂界編突入です。
……厳密にはまだチャンイチ尸魂界来てないけど。


 

【スレ主】悲しい事故が起こった件【不在】

 

1:塵塚

 

やっほー皆の衆! 今回は桃真が出血多量でダウンしてるのでわたしがスレ立てしたよ!

ひかえおろう!

 

 

2:名無しの転生者

 

えっスレタイも気になるけどイッチに何があったんだ

 

 

3:名無しの転生者

 

出血多量って事は怪我したのか? 暗躍が藍染に怪しまれてやられた?

 

 

4:名無しの転生者

 

後は単純に一護たちにボコられたかだが、卍解習得までしたイッチが尸魂界編時点のあいつらに負けるか?

 

 

5:名無しの転生者

 

となるとやはり藍染関係? 塵塚ちゃん解説ヨロ

 

 

6:塵塚

 

説明しましょう! あのあと桃真はマユリ様から色々教わってたんだよね

一応娘と言うか最高傑作を預けるのだからその管理法をと言う事で

 

 

7:名無しの転生者

 

ほうほう

 

 

8:塵塚

 

ネムさんのメンテ法とか、緊急時の応急処置法とか、そういうのを教わってよしじゃあ実践だ!

という訳でメンテナンスを任されたわけよ。そこで悲しい事件が……

 

 

9:名無しの転生者

 

……なあ塵塚ちゃん、なんかオチが見えてきたぞ?

 

 

10:名無しの転生者

 

奇遇だな、俺もだ

 

 

11:名無しの転生者

 

えっどゆこと? 俺いまいちよく分かってねえ

 

 

12:塵塚

 

うん、そういうことなんだよね。

護廷十三隊の隊舎には副官用の私室があって、十二番隊の場合ネムさんのメンテルームになってんだよね

そしてメンテ中は全裸(ここ重要)でメンテ用ベッドに横たわってる

 

14:名無しの転生者

 

よし閉廷!

 

 

15:名無しの転生者

 

解散!

 

 

16:名無しの転生者

 

単なる〇〇の自爆かよ!

 

 

17:塵塚

 

いやーマユリ様に説明受けてる時は何とか耐えたのに二人っきりになったとたん大噴火してブッ倒れるとはね

ここまで純情だったとはこの海のチリヅカの目をもってしても見抜けなんだ

 

 

18:名無しの転生者

 

推し(しかも最近お付き合い始めたばっかり)の無修正全裸だぞ、鼻血ぐらい噴くわな

塵塚ちゃんイッチは復帰できそう?

 

 

19:塵塚

 

幸せな夢を見てるよ……流石に今たたき起こしたら塩水につけられそうなのでやめとく

まあまだ旅禍来てないしね、今ぐらいは幸せな夢を見せてやろうよ

 

 

20:名無しの転生者

 

せやな

ところでイッチのリアルボディは今どういう状況?

 

 

21:塵塚

 

メンテ終ったネムさんに膝枕されて寝てる

ネムさんがまーなんというか慈母の顔というか、うっすら微笑んでて可愛いんだ

 

 

22:名無しの転生者

 

目覚めても即座にイッチの意識遠のきそうだな……

 

 

23:塵塚

 

まあそんなわけで今回桃真が使い物にならないので質問募集とかしようか?

桃真の性癖はもう知れ渡りすぎるぐらい知れ渡ってるからそれ以外で適当に

どうせ桃真が動けないと具象化しても大して動けないからなあ

 

 

24:名無しの転生者

 

あー、そんじゃちょっと気になってた事があるんだが、

勝手に具象化する時あるみたいだけど、あれはやちるちゃんと同じ感じと考えていいの?

 

 

25:名無しの転生者

 

そういえばやちるちゃんも剣ちゃんの意志関係なしに実体化してんな

その上で始解もどきまでするしあちこち飛び回るし

 

 

26:塵塚

 

あれかー。あれとは似て非なる感じかなあ。わたしの場合、一応桃真が出てきていいと思ってる時しか出てこれないし

例えば家にいる時とか、オッケー出てる時に私の意志で出入りできる感じ?

やちるちゃんはなー、あれ異質も異質というかバグにバグが重なってるって言うか

そもそもあの子始解じゃないじゃん? 同じ斬魄刀じゃないと分からないとは思うんだけど

 

 

27:名無しの転生者

 

そういややちるはあれ「野晒」の卍解の具象化らしいからな

始解状態の野晒の具象化は成人女性らしい

 

 

28:塵塚

 

あー、やっぱそういう感じなんだ。まあ、そんな感じなんだよね

何度か誰もいない時に話した事あるけど、早く呼んでくれないかなー、とか言ってた

あの子、具象化した時に剣ちゃんに名前付けてもらったからなのかな?

死神としての力を持って固定化しちゃったっぽいんだよね

ところであの子が卍解の具象化ってどこ情報?

 

 

29:名無しの転生者

 

師匠のファンサイトやで。Q&Aで師匠自身がそう明言してた

そういえば塵塚ちゃんは三歩剣獣って見た?

塵塚ちゃん的にはあれってどう見えた?

 

 

30:塵塚

 

1回見せてもらった。面白い能力だよねあれ。

まあ、あれ始解じゃないよね。始解っぽい何かというか、それっぽくでっち上げたなんかと言うか

あの子の持ってる刀も斬魄刀なのか怪しい感じはする

 

 

31:名無しの転生者

 

やっぱ斬魄刀視点で見ても異質な能力なんだなあれ

まあ、浅打ベースじゃない斬魄刀は存在しないらしいからな……

斬魄刀が後天的に斬魄刀っぽいものを産み出す例自体は花天狂骨のお狂の例があるが、

どちらかと言うとそっちに近い感じなのかね?

 

 

32:塵塚

 

かもしんない。お花さん達には会ったことないからよくわかんないけど

そういえばお花さんも勝手に具象化してるよね? わたしはそっちに近いんじゃないかな

 

 

33:名無しの転生者

 

なるほどなあ。まあ剣ちゃんとかチャンイチは存在そのものがバグみたいなもんだからな……

 

 

34:OSR

 

復 活 ! !

 

 

35:塵塚

 

あ、鼻血王が戻って来た

 

 

36:名無しの転生者

 

ようミスター純情、お加減はどうだい

 

 

37:OSR

 

意識が戻ったら目の前にネムさんの胸があって状況思い出すまで硬直しとったわい!!!!

そのせいか上手くできなかった覚醒状態での掲示板書き込みが出来てしまったがな……

 

 

38:名無しの転生者

 

まあこういうのはふとしたきっかけで出来るようになるもんだからな

 

 

39:塵塚

 

まあ桃真が寝てる間場は持たせといたから安心しなよ

 

 

40:名無しの転生者

 

まあ斬魄刀視点でのあれこれとか面白い話は聞けたよな

 

 

41:OSR

 

げ、このタイミングで叔母上戻って来たのか、危ない所だったな……

となるとチャンイチが来るまであと二週間ちょっとか

 

 

42:名無しの転生者

 

お、ついに来るかチャンイチ

イッチも頑張って来いよー

 

 

43:塵塚

 

桃真がんばえー!

 

 

44:OSR

 

おめーも来るんだよ!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

「叔母上、無理にでも食べないと持ちませんよ。恋次さんや理吉さんに聞きましたが、夕べから何も食べていないのでしょう?」

 

瀞霊廷、六番隊隊舎牢。そこには3人の死神がいた。

六番隊隊長、朽木白哉に捕らえられ連れ戻されたその妹、朽木ルキア。

非番であったがその様子を見に訪れた副隊長、阿散井恋次。

そしてその友人にしてルキアの甥、朽木桃真。

 

「別に……腹が減っておらぬだけだよ、桃真。それに何だ、副隊長(・・・)殿の眉毛が面白くてな、

 食べようとすると脳裏にちらついて吹き出しそうになるのだよ。ひび割れのようで変な眉毛だろう?」

 

「ンだとテメエ出てこい!」

 

「確かに恋次さんの眉毛は面白いというか趣味がいいとは言えませんが」

 

「おう桃真テメエーッ!」

 

掴みかかる恋次を軽やかにいなしながら、桃真はルキアを観察する。

不自然なまでに霊圧が小さい。これではただの人間の魂魄と変わりない程にしか感じない。

やはりここまでは原作通りの流れなのだろう。一護に死神の力のほとんどを奪われ、特殊な義骸に霊圧を削られ、

初級の鬼道すらまともに撃てない程になってしまった。

これはルキアに義骸を提供した浦原喜助の策で、自分が産み出してしまった物質『崩玉』の行方をくらませるため、

崩玉をルキアに埋め込み、義骸によって霊圧をギリギリまで削る事でそれを為そうとした。

しかし、霊子の豊富な尸魂界で暮らせば、直に回復する程度の事ではある。

だがそうはならないだろう、とまで考えた桃真であったが、ルキアの呟きが、その思考を中断させた。

 

「恋次、桃真、私はやっぱり……死ぬのかな」

 

「バカ、てめーあったりめーだろそんなの! てめーなんざスグ死刑だスグ!!」

 

「……そうか……そうだろうな……」

 

恋次が冗談のつもりで行った言葉で俯き、苦笑するルキア。そこに桃真が割って入る。

 

「照れ隠しにしては少し舌鋒が鋭くはありませんか、恋次さん?」

 

「ハァ?! ちちちちげーし! 何言ってんだ!」

 

慌ててまくし立てる恋次をスルーし、桃真はルキアの方を向いて指を1本立てる。

 

「大まかなお話は伺いましたが……叔母上の行った死神の力の譲渡。これは重罪です。

 重罪ですが……死罪になるほどの大事ではありません。やむを得ぬ事情があったのでしょうし、

 そもそも叔母上は朽木家の人間。そうでなくとも酌量の余地はありましょう」

 

「そうかな……?」

 

「そうですとも。……まあ、常の四十六室であれば、ですが」

 

声のトーンを落とし、桃真は続ける。

 

「これはあくまでカンですが……近頃、どうも嫌な予感がするのです。

 何かこう……尸魂界を揺るがす一大事が起こる、そんな気が」

 

息を呑む恋次とルキア。桃真がこうやって神妙な顔で『カン』に基づく話をすると、それは不思議と当たる。

「いずれ副隊長に抜擢されるのでは?」と恋次に言えば、二月前にそれは事実となった。

「現世でも面白い出会いがあるやもしれませんね」とルキアに言えば、なるほど現世で様々な出会いがあった。

無論それはカンではなく原作を知っているが故の原作知識なのであるが、

原作を知っているのでこういう未来になるかも、などと言えない桃真が、少しでも正史に干渉せんとする足掻きの1つではあった。

 

「お気を付けください。もし、叔母上が死罪になどなるとするならば……

 それは何者かの(はかりごと)に他ならないでしょう。真実とは、見える所には見つからぬもの。

 どのような状況になったとしても、決して諦める事のないように。

 俺も、母上も、父上も、勿論恋次さんも。きっと、叔母上を無罪放免にして見せます。

 だから……今しばらく牢でお待ちください。叔母上」

 

「すまない……世話をかける」

 

「何、草鹿副隊長の無体に比べれば……この程度………どうと言う事は…………また鯉が……知らない隠し部屋が……」

 

言いながら、やちるが朽木邸で行った数々の蛮行を思い出し遠い目になっていく桃真に、それを慌てて宥める恋次とルキア。

桃真の諸々と引き換えに、どうにか隊舎牢に立ち込めていた重い空気は吹き飛んでしまったようだった。

どっとはらい。

 




だいたい単行本で言うと七巻、59話辺りのお話。
次話あたりから旅禍騒動が始まる感じです。

〇解説

・桃真くん
ネムさんとお付き合いを始めて順風満帆の純情ボーイ(50代)。
ネムさんのメンテ方法とか教わったけど、果たして桃真は鼻血を噴かずにメンテができるのだろうか。
余談ですがザエルアポロ戦でマユリ様がやったアレのやり方自体は一緒に教わりました。(手引書みたいなもので説明されただけで実践はしてない)

・塵塚
ついに桃真を放置してスレ立てする暴挙に出る斬魄刀。
実は誰も見てないところで斬魄刀友達としてやちるちゃんとお友達になってる。
一般斬魄刀としてはバグにバグが重なるとこんなんなるんだ……とか思ってる。

・ルキア
原作どうり現在六番隊隊舎牢。桃真の説得でご飯はちゃんと食べるようになった。

・恋次
幼馴染にも友人にも眉毛(刺青)をこき下ろされる悲しき定めの赤パイン。
個人的にはアレかっこいいとは思います。


〇おまけ
桃真と塵塚のざっくり外観。こんな感じです。

【挿絵表示】


【挿絵表示】

桃真145ぐらい、塵塚135ぐらい。


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13スレ目

ようやく旅禍来襲です。
気付けばUA四万、ありがてえ限りで……


 

【旅禍】ついに始まった尸魂界編な件【来襲】

 

1:OSR

 

前回はすまんかったな、バタバタしてて

……塵塚が余計なこと言ってないよな?

 

 

2:名無しの転生者

 

自分の斬魄刀なのに欠片も信用してなくて草

 

 

3:名無しの転生者

 

(余計なことを言う)信頼と(いらんことをする)実績の塵塚ちゃんよな

 

 

4:名無しの転生者

 

まあなんもなかったよ。ところでイッチ、このスレタイと言う事は……?

 

 

5:OSR

 

そう。旅禍が! 来ました!

 

 

6:名無しの転生者

 

おお、ついにか! 今どの辺よ?

 

 

7:名無しの転生者

 

ここからが本番だぞ、気張れよイッチ

 

 

8:OSR

 

原作通り西流魂街に出たようで、チャンイチと兕丹坊がやり合ってたあたりかな

実はこの事態を予見してあの辺に監視用のあれこれを仕掛けておいて面子は把握している

 

 

9:名無しの転生者

 

段々マユリ様じみてきたな……流石義理の息子

 

 

10:名無しの転生者

 

面子は原作通り? いやもしかしたらアウラも混じってる可能性はあるか

 

 

11:塵塚

 

説明しましょう!

 

旅禍筆頭、死神代行・黒崎一護!

ツンデレメガネミシン、滅却師、石田雨竜!

気は優しくて力持ち! リアルタイラント(バイオの)・茶渡泰虎!

たぶんチャンイチの好みドストライク! 人外魔境の味覚・井上織姫!

先代二番隊隊長にして100年全裸徘徊プレイの猛者! 四楓院夜一!

 

 

12:名無しの転生者

 

リアルタイラントで草

鉄骨を受け止めて痛いで済むのは人類じゃなくてBOWなんよな

 

 

14:名無しの転生者

 

夜一さんが露出徘徊プレイの猛者はやめてやれよ、いや結果的に事実なんだけど

 

 

15:名無しの転生者

 

ともあれ面子は原作通りか?

 

 

16:塵塚

 

ところがぎっちょん!

実は結構桃真の好みのタイプに育った例のあの子、道羽根アウラ!

XCUTIONリーダーにしてプー太郎疑惑、銀城空吾!

全部こいつ一人でいいんじゃないかな、邪悪の権化、月島秀九郎!

以上8名でお送りします!

 

 

17:名無しの転生者

 

なんて??????

 

 

18:名無しの転生者

 

待て待て待て多い多い多い

 

 

19:名無しの転生者

 

アウラは予想してたけどなんで銀城と月島がいるんだ

多分アウラ繋がりなんだろうけど

 

 

20:名無しの転生者

 

可能性としては、アウラパパの娘を探して遭遇した結果仲間入りしたか……?

挟まれたりはしてないと思うが……

 

 

21:OSR

 

でぇじょぶだ

その時はどんな手段を使ってでも出来る限り苦しませて殺す

 

 

22:名無しの転生者

 

うわぁ! いきなり殺気出すな!

 

 

23:OSR

 

アウラは俺の娘も同然、それに手を出すというならばお代は血で支払ってもらう

 

 

24:名無しの転生者

 

イッチがこわれちゃった……

 

 

25:塵塚

 

なんだかんだアウラちゃんの事を何年も世話してるからね……

掲示板に書いてないところで親バカっぽくなることは割とあるんだよね

まあここまで殺気出すのは月島さんがそう言うことやりかねないからというのはあるけど

 

 

26:名無しの転生者

 

まあびゃっくんの息子らしいと言えばらしいが

んで、基本的には殴りこんでくるのを待つ感じ?

 

 

27:OSR

 

そうなるな。できれば突入後アウラに接触したいな……後は銀城と月島にもな 

 

 

28:塵塚

 

桃真、分かってるとは思うけど月島さんを秘密裏に始末しようとはしちゃだめだよ?

あの人一応ユーハバッハ戦のMVPだからね?

 

 

29:OSR

 

時と場合による

 

 

30:名無しの転生者

 

塵塚ちゃんが抑えに回ってるのってレアケースでは……?

 

 

31:OSR

 

まあそれはそれとして。勿論味方につけるために接触したいんだぞ?

その為にあの腐ったツナマヨ野郎を今まで生かしておいたんだ

浮竹隊長に繋ぎをつけて、主犯であるあのクソ野郎の首をちらつかせれば行けるとは思う

 

 

32:名無しの転生者

 

ツナマヨ野郎?

……綱彌代時灘か、もしかして

 

 

33:名無しの転生者

 

あーなるほど、アウラパパの死の原因にもなってるわけだから……

イッチにも時灘をぶった斬る理由はあるわけか

 

 

34:OSR

 

アウラが歪んだ環境から脱する要因でもある事はあるんだが、

それにしたって実の親と死別する理由を作ったあいつを生かしておくのは許容できん

まあ銀城たちに殺させてやれるかは分からんけどな

 

 

35:名無しの転生者

 

イッチがかつてないほどに殺意に満ち満ちているな……

でも銀城たちにやれるかはわからんってのは……東仙隊長か

 

 

36:OSR

 

ご明察。尸魂界編の間に、可能であれば東仙隊長に繋ぎをつけておきたいんだよな

ここで離反させられはせんだろうが、揺さぶりはかけておきたい

あとは別口になるが市丸隊長の方もだな。あの人の卍解を戦力として運用できれば大きな力になる

ペルニダとかアスキン辺りは初見殺しで瞬殺することは可能なはずだ

その為のカードは少ないが、賭けに出る価値はある

 

 

37:名無しの転生者

 

ここが第一の山場だぞ、気張って行けよ

 

 

38:名無しの転生者

 

何度も言ってるが、イッチがここで死ぬとネムさんが悲しむことになるし、

何より緋真ママもルキアも兄上もアウラも、イッチが関わってるみんなが悲しむんだからな

 

 

39:OSR

 

わーってらい

俺だって死にたくはないし、そのためにずっと備えてきたんだ。やってやるさ

 

 

40:名無しの転生者

 

などと申しておりますが、前回推しの全裸見て鼻血噴いて気絶してるんですよねこいつ

 

 

41:塵塚

 

大丈夫ちょっと進展あるよ! なんと手をつなぐことができました!

誰も見てないところで

 

 

42:名無しの転生者

 

小学生かよ

イッチらしいといえばらしいが

 

 

43:OSR

 

ちょっとカッコよく締めさせてはもらえませんかねぇ??????

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「月島、起きてたか」

 

尸魂界へ来て最初の夜。一護たちが寝静まったころ、銀城は木立に背を預け、月明かりで本を読む月島に声をかける。

 

「ゆっくり本を読む暇もなかったからね。月明かりで読書というのも、中々乙なもんだよ」

 

「そうか」

 

月島の横に腰を下ろし、大きく息を吐く銀城。そこに様々な感情が籠っているのを、月島は知っていた。

 

「銀城」

 

「どうした」

 

「ここが、尸魂界なんだね」

 

「そうだな。あれから14年、長いと言えば長いが――――――あっという間だったな」

 

14年。銀城が死神代行として活動し、月島を始めとした完現術者(フルブリンガー)を集め、

その力を取り除くことでただの人間へと戻そうとしてから、14年。

尸魂界の裏切りによって集まった仲間を殺され、復讐を決意してから、14年。

それは、人間としてであれば長い間だが、尸魂界からすれば、ほんの一瞬の事だった。

 

「まだ、やる気なのかい?」

 

月島の問いに、無言で返す銀城。憎悪はある。復讐心もある。裏切りを許せない心もある。

だが、銀城はそれ以上に疑問に思う事があった。

自分が付き合いのあった死神、自分を死神代行へと命じた男、十三番隊隊長、浮竹十四郎。

尸魂界の裏切りが彼の意志によるものなのか。それだけが、銀城の気がかりであった。

隊長という位にありながら、温和で義理堅く、混ざりもの(真血)である自分にも友人のように接していた男。

彼に預けられた代行証に盗聴器が仕掛けられていることに気付いたのは、全てが手遅れになってからだった。

そして、仲間の完現術者は殺され、襲い来る死神たちを殺し、銀城と月島は身を隠した。

 

「……わからねえ。だが、アウラ……安賀田のオッサンの娘を助け、見守ってきたのも死神だ」

 

「そうだったね。朽木……桃真とか言ったかな? 一護が助けに行くと言っていた子の親戚なんだろうね。

 もしかしたら、兄弟なのかもしれない」

 

今同行している完現術者、道羽根アウラはその時殺された完現術者、安賀田天晶の娘だという。

十四年前、銀城たちが身を隠した後、アウラは飢えに耐えかね監禁されていた場所から抜け出し、

その後死神に助けられ、しばらく共に暮らし、親戚に引き取られてからも連絡を取り合っていたのだという。

 

「まずは浮竹に会って、話してからすべてを決めることにする。

 元々これは一護のケンカだ、相乗りしてるだけの俺らが勝手をする道理もねえよ」

 

「随分丸くなったね、銀城」

 

「そんなつもりはねえが……お前が言うんなら、そうなんだろうな」

 

「正直悔しいよ。銀城は僕を救ってくれた。ギリコやジャッキー、リルカに雪緒、皆そうだ。

 けど……銀城を救ったのは、多分、一護なんだろうね。彼は、僕らの中の誰よりも君に近い」

 

「……そうだな。人と死神の間に産まれ……あいつはまだ気づいちゃいないが、

 一護には俺と同じ虚の力、そして完現術者としての素養もある。だからこそ、こうも思うぜ。

 俺とあいつの立場が逆だったら、きっと俺は朽木ルキアを助けに行ったろう。

 そしてあいつは、仲間の完現術者の敵を討つために復讐を決意したろうさ」

 

「――――――そうだろうね」

 

しばし、その場を沈黙が支配し――――――次に口を開いたのは、銀城だった。

 

「夜一の旦那が言うには……明日行く旦那のダチの空鶴って奴の兄貴、海燕ってのが浮竹の部下らしい。

 上手いこと遭遇出来りゃいいんだが……」

 

「僕ら、基本的に不法入国者だからね。一戦交える覚悟ぐらいはしたほうが良いかもしれないよ」

 

「……挟むなよ?」

 

「善処しておくよ」

 

挟む。月島の能力『ブック・オブ・ジ・エンド』の過去改変能力を行使することを指す。

横目でにらむ銀城にいつもの感情の見えない微笑で返す月島。

そうして、旅禍一行が尸魂界へ来てから、最初の夜は過ぎていった。




そんなわけで某掲示板のスレ(厳密にはそれのまとめ動画)とかを見てたらやりたくなった銀城&月島(とアウラ)が旅禍一行に参戦です。
藍染(チート)には月島(チート)をぶつけんだよ!

なお完現術者襲撃が14年前というのは本作オリジナルです。
その他ちょこちょこ創作入れてたりもします。

〇解説

・桃真くん
今回実は親バカ属性が会ったことが発覚した我らが主人公。
ようやく尸魂界編と言うか旅禍来襲編になってバタバタし始めたら完現術者コンビも来襲で代行消失編に備えて取って置いたツナマヨ野郎の始末計画を実行に移そうとしている。
銀城・月島を引き入れるためにも早めに交渉はしたかったし。
それはそれとしてアウラに月島が挟んでたらこれまでの諸々を投げ捨ててでもぶっ殺すつもりだった。

・塵塚
桃真が暴走する(主にアウラ・ネム関連)と世にも珍しい抑えに回る塵塚が見れます。
これからはたびたび暴走しかねないのでちょくちょく見れるかも。

・銀城
ご存じ初代死神代行。アウラパパの娘を探しに来てチャンイチと遭遇、
その後チャドとか織姫に完現術の稽古や一護のスパーリング相手をしてるうちに、
一護のチョコラテ成分が浸透+アウラの説得でちょっと丸くなった。
復讐心を捨てたわけではないけど、今回は一護らの保護者件、浮竹隊長に真実を問いただすために来訪。

・月島
推定銀城の最初の仲間。精神性としてはあんまり変わってないけど、
銀城にやるなと言われているのでむやみに挟んだりはしてない。
悔しさもあるけど、多少なり一護に恩義を感じていたりはする。



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14スレ目

14スレ目です。
UA45000超え、お気に入り千件越え。本当にありがとうございます。
これからもエタらない程度に頑張っていきます!


 

【懸念は】旅禍軍団大進撃な件【銀城達】

 

1:OSR

 

よう、実はこないだの時点で三席に昇進してた俺だ

あれから2日、どうにか現状原作通りに推移してるぞ

ちょっと前に遮魂膜に激突してあっちこっちに吹っ飛んでった

 

 

2:名無しの転生者

 

アウラとか銀城達がどっちに吹っ飛んでったかがキモだな……

後昇進おめでとう、阿近さん三席だったはずだけどどうしたん?

 

 

3:OSR

 

阿近さんは三席のままだな、研究部門の三席と実働部門の三席と言う事にしたらしい

立場上はネムさんの補佐だしいつまでも六席って訳にもいかんと言うとった

 

 

4:名無しの転生者

 

まあ実際イッチは隊長以下副隊長以上ぐらいの実力者なわけだしな

そんでまずはどこ行くん?

 

 

5:OSR

 

原作だとチャンイチ&ガンジュ・チャド・石田&織姫・夜一さんの4方向だったんだけど、

今回5方向に吹っ飛んでってるんだよな……

 

 

6:名無しの転生者

 

そのどれかがアウラや銀城・月島達か……

えーと、原作だとチャンイチ組が十一番隊方面、チャドが八番隊方面、石田組が七番隊方面に飛んで十二番隊方面。

夜一さんが不明……まあこれも遭遇した連中の隊からの推測だが

 

 

7:名無しの転生者

 

イッチ、飛んだ方向から推測とかできねえ?

 

 

8:OSR

 

あー、一応大体の方向は分かってる。とりあえずは近場から攻めてみるか……

方向的には>>6の推測でだいたい合ってはいる。十三番隊方面に飛んだ奴もいるからな

実は今十三番隊の隊舎にいるんだ、私用で浮竹隊長に会いに来てた

 

 

9:名無しの転生者

 

十三番隊? 古巣だけど何してたん?

 

 

10:OSR

 

叔母上関連で浮竹隊長や京楽隊長から減刑などを頼んでくれとか、

あとは個人的なあれこれと、あとは銀城が来るかも、というのを浮竹隊長に伝えに来た

もし遭遇するようなことがあったら伝えてくれ、ともな

浮竹隊長、大分驚いてたよ。生きててくれてよかった、とも言ってた

 

 

11:名無しの転生者

 

そらそうだろうなあ……

しかし減刑か、この時点で四十六室は全滅して藍染一派が動かしてるから、

いかに隊長格の訴えとはいえ無理じゃないか?

 

 

12:名無しの転生者

 

無理でも処理はしなくちゃならんし、嘆願書なりを出し続けて朽木家、

ないしルキアの親類縁者としては死刑に反対しているというスタンスを示し続けるわけか

 

 

14:OSR

 

大体そんな感じだな。こっちは遺憾の意を示しとんのやぞ死刑強行すんならこっちも考えがあんぞ?

みたいな態度をオブラートに包んで1日単位で届くようにしている

ちなみに朽木・志波・四楓院・京楽・大前田5家の連名である

あと女性死神協会の皆の署名もある。こういう時に役立つあっちこっちへのコネよ

 

 

15:名無しの転生者

 

また地味な嫌がらせを……

まあ藍染が困る分には俺らは楽しいからいいが

 

 

16:名無しの転生者

 

五大貴族のうち3家・武家として有名な京楽・成金とはいえ新旧二番隊副隊長の大前田、

そして隊長・副隊長が多く在籍する女性死神協会か

嫌がらせとしては手が込んでるな、市丸隊長爆笑してそう

 

 

17:名無しの転生者

 

東仙隊長はちょっと精神削れてそうだな

でも毎回律義に読むんだろうな……

 

 

18:OSR

 

そんなわけで野暮用も済んだので旅禍捜索に移るか。アウラに付けた監視用の菌の反応があってな

霊圧を探るとアウラとあと2人……Oh……

 

 

19:名無しの転生者

 

おっどうしたどうした、のっけからあたりか?

 

 

20:OSR

 

うん、アウラとそれに似た……というかぶっちゃけて言うと完現術師の霊圧が2、そこそこデカい

原作通りに吹っ飛んだと仮定して十中八九銀城と月島だな

鯉口を切っておくか……

 

 

21:塵塚

 

桃真ステイ! 殺意しまって!

 

 

22:名無しの転生者

 

うーんこのノータイムの狂犬っぷりよ……

 

 

23:OSR

 

はっはっは死神ジョーク死神ジョーク

笑ってごまかせるかな?

 

 

24:名無しの転生者

 

誤魔化せねーよ馬鹿

……そういえばこいつ卍解習得してるからノータイム始解できんだよな

 

 

25:塵塚

 

いっとくけど桃真、アウラちゃんの目の前でノータイム切り捨てとかだめだよ?

いないとこでもだめ!

 

 

26:OSR

 

分かった分かった、俺だって故もなくそんなことはせんよ

事前に人数分の死覇装は拝借してきてるから渡して着替えさせないとな

アウラ用に目隠しも持った、OK

 

 

27:名無しの転生者

 

アウラの路上生着替えか……

 

 

28:OSR

 

面白い発想だな、続けてくれ

 

 

29:名無しの転生者

 

ヒェッ

 

 

30:名無しの転生者

 

下手に激怒するより怖ぇよ馬鹿

 

 

31:OSR

 

ははは

 

 

32:名無しの転生者

 

これはキレとるな

 

 

33:OSR

 

怒ってはいないぞ、感心はしているがな

 

 

34:名無しの転生者

 

この話はここで終りな! 終了!

んで、とりあえず3人と合流する方向で行くのか?

 

 

35:OSR

 

そうだな、アウラをほっとくわけにもいかんし、銀城関係のあれこれは早い段階で処理しておきたい

浮竹隊長や海燕さん達の協力を得られればだいぶ動きやすくなるしな

 

 

36:名無しの転生者

 

双極破壊するのにも浮竹隊長と京楽隊長の協力がいるし、総隊長の足止めはイッチじゃ無理だろうしな

 

 

37:OSR

 

アウラたちと合流したら浮竹隊長との顔合わせ後十二番隊方面に行くのが予定かな

石田と織姫とも合流せなあかん。なお隊士爆弾は阻止したぞ

もっと効率的に行きましょうと何とか説得した。涅隊長も大分丸くなってるし、

納得はしてもらえたよ

 

 

38:名無しの転生者

 

お、隊士爆弾止めたか。やるじゃん

 

 

39:OSR

 

ノリで隊士減らされるとな……通常業務に影響出んのよ……

ただでさえ涅隊長含む上位席官研究研究で事務仕事とかあんまりやんねえし!

阿近さんが数少ない研究チームの良心! 壷倉パイセンせめてキーボードにカバーかけろや!!!!

 

 

40:名無しの転生者

 

実感籠ってんな……

 

 

41:塵塚

 

ちなみに壷倉ちゃんが隠匿しようとしたルキアちゃんのリュックはしっかり回収しました!

朽木家のルキアちゃんの部屋で大事に保管されてます

 

 

42:名無しの転生者

 

あれ現世のお菓子が食いたいから隠匿したらしいからな……

小説版描写だったのによく分かったなイッチ

 

 

43:OSR

 

あ、小説で描写されてたんだ? そういうの関係なく叔母上の私物を弄られる前に回収しただけだ

壷倉パイセンには恨みがましい顔されたが、「じゃあ他の面々の分の通常業務や事務仕事やります?」

と言ったら黙った。三席舐めんな

 

 

44:名無しの転生者

 

イッチも成長したな……

で、ネムパイの1つでも揉んだりしたか? そっちの進展も興味あるぞ?

 

45:OSR

 

ころすぞ

ぬ、アウラと銀城・月島発見、これより接触に移る

ではまた後でな。一応配信設定にはしていくがミスってたら許せ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何はともあれ怪我がなくて何よりだ、アウラ。お前に何かあったらネムさんも悲しむ」

 

瀞霊廷、十三番隊隊舎付近。アウラ・銀城・月島ら三人との合流を終えた桃真は、

持参した死覇装に三人を着替えさせた後、先導しながらも十三番隊舎へ戻る道を進んでいた。

 

「そっちの……銀城に月島だったか。浮竹隊長に用があるとの事だが……

 14年前の一件の事を浮竹隊長に問いただしたい、との事で良かったか?」

 

「そうだな。俺達としての目的はそうだ。……しかし、随分準備がいいな?」

 

にこやかに問いかける桃真に、銀城は憮然として答える。

元々アウラの養父ともいえる存在であり、味方に付いてくれるだろう、という算段の元同行している。

しかし、この朽木桃真という死神、随分と得体が知れない。

自分達を追いかけてこれたのはアウラがいたからだろうが、擬装用の死覇装を人数分所持し、

浮竹に会いたいと言えばお見通しだったとばかりに快諾する。

アウラと再会した時の様子から見てアウラに家族のように愛情を注いでいるのは間違いないだろう。

しかし、そのすべてを知っているぞ、とばかりの雰囲気は、どこか得体の知れなさが拭えない。

 

「俺は黒崎一護と面識はないが、彼の存在はアウラが彼を助けた時から知っている。

 その黒崎一護が叔母上を助けに来るのだ、協力せずしてなんとする?

 それにだ、可愛いアウラの頼みを断れるほど、人でなしではないつもりだよ。

 まあ、俺は人ではなく死神なのだがな。……それに、アウラは俺の娘のようなものだ。

 ならばこそ、お前たち完現術師の問題も満更無関係でもないんだよ、銀城。

 だからこそ知っているし、言っておくが……あの事件(・・・・)の主犯は浮竹隊長ではないよ」

 

「それが事実だとして……なぜそれをお前が知ってる?

 お前がアウラの恩人なのは十分わかった、が、それとこれとは別問題だぜ」

 

首から下げたロザリオに手を伸ばす銀城だったが、桃真は振り返りもせずにはははと笑う。

 

「単純な話だ、調べたんだよ。あれから14年も経っているからな。

 あの事件が起こった経緯、黒幕、目的まではっきりわかっている。

 一応まだ生きてはいるらしい。そいつの名と復讐の機会を提供する、

 それが俺からお前たちへと渡せる報酬の1つになるだろう。

 ……聞きたいか?」

 

「そりゃあな。だが、ここで言ってもいいのかよ?」

 

「盗聴防止用の装置を起動させている、問題ないさ。

 実働部隊側とはいえ、技術屋集団の十二番隊三席だ、精度は信用してくれていい。

 それでは……どこから話そうか。仔細は後で詳しく話すとして、

 まずはそうだな、なぜあの事件が起こった、から話そうか」

 

そう前置きして桃真が話すのは、14年前、銀城の仲間達が死神に殺された事件の真相。

完現術師の力の源、『霊王の欠片』を手に入れんとした四大貴族、綱彌代家。

彼らが圧力を持って死神代行の証明、代行証に監視機能を持たせ、それを利用し銀城達を襲撃した。

また分家が取り仕切る監視機関、映像庁のデータを弄り、銀城が乱心したように見せかけた上で。

 

「そしてそのデータを弄り、お前を裏切り者に貶めた男こそ綱彌代時灘。

 他者を蹂躙するためならば己の命すら賭ける外道という言葉も生易しい男だよ。

 お前たちが刃を向けるというならば、こいつをおいて他にはおるまい」

 

直後、銀城達は重くのしかかるような圧力を感じる。

否、それは圧力ではなく、霊圧。それも、強い殺気の籠った。

 

「本当ならば本家共々血祭りにあげてやりたい所なんだがな……流石に鏖殺は現実的ではない。

 時灘は譲る、本家は俺に譲れ。何、連中の陰謀はすべて把握している。

 お前たちがやめてくれと頼むほどに生かさず殺さず、じっくり締め付けてやるさ。

 俺とネムさんをアウラと会わせてくれたことに感謝はするが……

 浅ましい欲望のためにアウラの実父、天晶殿を殺し、アウラと死別させた、

 そして、幾多の者達を殺してきた罪はいずれ俺が贖わせる。今はそれで納得してくれ」

 

「お、おう」

 

「アウラさん、彼いつもこうなの?」

 

「いつもではないんですが……たまに……」

 

飄々とした先程とはまるで雰囲気の違う桃真に、銀城は冷や汗を垂らし、

月島に問われたアウラは赤面して俯く。桃真の得体の知れなさを警戒していたが、

割と単純に『親バカで結構面白い奴』だと気付いたのはこの時だった。

銀城は後に一護との語らいで、そう言っていたのだという。

 

どっとはらい。

 

 

 




どのチームと合流させるかはだいぶ迷ったんですが、完現術師チームをまず。
アウラとか月島もう少し喋らせてやればよかったかな……やはりいずれ小説パートオンリーの回は必要か。

■解説

・桃真くん
親バカ気質が暴走しがちなところのある主人公。
まあ普段は結構まともなのは言わずもがなですが。
実は結構便利アイテムとか軽度の改造(インプラントぐらい)とかしている。
あと綱彌代関連はたいそうなこと言いながらスレの奴らに全力で「あいつら何やってたの!? おしえて!?」とかやってた

・銀城
得体の知れない協力者がただの親バカだと知った時の銀城の精神状態を答えよ。
原作より丸くなったのもあり大分毒気抜かれた感じ。


・月島
若干引いてる銀城も面白いよね、とか思っていた。
元々愉悦部の素質あるし銀城に対してもSの気ありそう。

・アウラちゃん
桃真の事は慕ってるけど人前で親バカ炸裂するのはやめてください……とか思っている。
実は塵塚とも顔見知り。


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15スレ目

15スレ目です。
どうも日刊総合評価で1位?になっていた時期があったらしく閲覧数もお気に入り数ももりっと増えてちょっとビビりましたよね。

なんだかんだで閲覧数5万7千越え、お気に入り数1500越え。
本当にありがとうございます……


ぼちぼちオリキャラとかもぽつぽつ出始めるので一応御覚悟ください。


 

【空鶴さんが】やっべえことが発覚した件【殺される】

 

1:OSR

 

[画像]

(Unwelcome School*1が流れて白目向いてる陸八魔アル*2のような顔をした桃真の画像)

 

 

2:名無しの転生者

 

し、死んでる……!? スレタイもだが何があった

 

 

3:OSR

 

いや死んどらんけど、うん、ちょっとな、旅禍チームに想定外の面子がな……

ともあれあの後だが、浮竹隊長に話を通して誤解は晴れたよ

隊長も海燕さんも都さんも腹決まったらしくてな、叔母上解放のために動いてくれると言ってた

 

 

4:名無しの転生者

 

冷や冷やしたぞイッチ、前回の配信で銀城ドン引きしてたじゃねーか

原作小説だと余裕の表情を崩さなかったアウラのテレ顔が見れたのは良かったが

 

 

5:名無しの転生者

 

で、いったい何が起こった? 空鶴って事は志波家関連か?

まさか彼女が殴りこんできたとか?

 

 

6:OSR

 

なんというか、まあ、空鶴さんではないんだが。

あのな、俺はそもそも原作において生まれることのなかった存在だろ?

結婚してすぐぐらいに俺を身ごもったので母上は死なず今に続いてる

 

 

7:名無しの転生者

 

せやな

 

 

8:OSR

 

……で、本来今の時間軸なら本編では海燕さんも都さんも死んでるわけだ

それを俺がメタスタシア倒したので2人とも生存している

で、2人は夫婦なのでまあ、その、することはしていたと思われるんだが

 

 

9:名無しの転生者

 

……あ、おいまさか

 

 

10:名無しの転生者

 

……そういうこと?

 

 

11:OSR

 

うん。あの2人の間には子供が産まれてて、今28歳ぐらい言うてたかな?

父親に似た天才肌で2年で霊術院出て今十二番隊で十席やっとる。俺の部下でもあるよ

この辺は手元に置いても良くないし目の届く六番か十二番で、という感じになって十二番隊に来たそうだ

名前は雀夜(さくや)、都さん似の美少女だよ。性格はこう、海燕さんよりの勝気で勢いのある感じ

 

[画像]

 

 

12:名無しの転生者

 

おーかわいい。イッチより少し大きいとすると雛森ちゃんぐらいか?

……で、この子が?

 

 

14:OSR

 

……旅禍が来る直前ぐらいにたまたま休暇で実家帰っててな、

その後旅禍来襲で休暇切り上げて戻ろうとしたところに一護たちと遭遇して……

 

 

15:名無しの転生者

 

そのまま花鶴射法で瀞霊廷突っ込んじゃったと

 

 

16:OSR

 

そうらしい……空鶴さんはノリノリで行かせたらしいんだが、

流石にやべーと思ったらしく今アウラが教えてくれた

海燕さんからは見かけたらぶん殴って連れ戻してくれと言われた

霊圧探るとどうも十二番隊方面にいるらしい……後知らねえ霊圧が2つ

……いやこれ滅却師と完現術師の霊圧って事は石田と織姫のだな。頭いてえ……

 

なお空鶴さんと雀夜は事が終わった後海燕さんにぶん殴られる模様

 

 

17:名無しの転生者

 

そら怒るわ

 

 

18:OSR

 

一応俺の部下だしね……とっ捕まえとかねーと監督不行き届きで俺まで巻き添え食いかねん

一回雀夜に撮られたツーショット写真海燕さんが見て捩花実演会されたし……

こちとらネムさん一筋だっつーに

 

 

19:塵塚

 

まあ将来的には桃真好みの美人さんになりそうではあるんだけどね!

桃真からすると妹みたいなもんだしネムさん一筋だから眼中にないみたいだけど

貴族的にはお妾さんとかいてもいいんじゃない? あの子も一応貴族じゃん?

 

 

20:OSR

 

やかましいわい

まあ塵塚のアホの言う通り妹みたいなもんなんでそういう感情はねーのよ

たとえネムさんがOK出したとしても御免被る

俺の心の棚はそんなにでっかくねーのだ

 

 

21:名無しの転生者

 

まあ付き合い始めたばっかだもんな……

でもイッチってこう、なあなあで押し切られそうな気がせんでもない

 

 

22:OSR

 

その前に逃げるわい

んでまあ、現状アウラ達と十二番隊方面に移動中なんだが……

さてどうしたもんか。十二番隊の旅禍捜索班は一応俺の仕切りだから融通は利くんだが、

このままだと石田の強化が出来ねえんだよな……この世界線だと涅隊長研究中なんだよな、隊舎で

 

 

23:名無しの転生者

 

あーそうか、マユリ様と交戦して滅却師最終形態になって霊力を喪失、

その後パパとのマンツーマンの特訓で霊力取り戻す、って流れだもんな

 

 

24:名無しの転生者

 

最終形態は色々とオーバースペックだからな……

いると色々計算外の事故が起こりかねんか?

 

 

25:OSR

 

それもある

散霊手套、どうも本来は滅却師養成ギプス的な使い方するもんっぽいんだよな

あの尸魂界編の石田の状態が副産物のようで、着けて外して力を取り戻して、という流れで強化をはかるらしい

まあその副次効果の方を主として教えて、星十字騎士団相手で最終形態を使って……を想定してたそうだ

それでも霊力無くしたらその場で死にかねんから本当に最終手段として渡したと言ってた

なので比較的安全な原作の流れに沿う形で最終形態を使わせて霊力喪失、その後竜弦さんに戻してもらう方向かな

どっちみち銀嶺弧雀の状態じゃないと破面編じゃどうしようもないし

 

 

26:名無しの転生者

 

で、イッチが相手すんの? 石田をキレさせないと最終形態を切りそうにないぞ?

 

 

27:OSR

 

まあそこは一応考えてある

とりあえずアウラ達には先行してもらって雀夜を保護してもらうか……

現状のタイムテーブル的には斑目三席と綾瀬川五席がやられたらしいから、もうじき恋次戦かな?

 

 

28:名無しの転生者

 

あの辺だと……確かチャンイチ・ガンジュが花太郎人質にして失敗して、

チャドとニアミスした後涅隊長が一角が話そうとしないからぶっ殺そうとして止められるんだよな

 

 

29:OSR

 

あ、そうか。現状の一護について一番知ってるのは斑目三席だな……

まあ尋問しようとかは思わんけど一度会っておくかね?

あ、というかそもそもアウラ達に聞けばいいのか

 

 

30:名無しの転生者

 

それもそうだ、少なくとも最近までチャンイチと一緒にいたんだろうしな

 

 

31:OSR

 

……という訳で聞いてみた。基本的には斬月の状態のチャンイチに滅却師の機動力が付加された感じらしい

どうも覚醒後のひたすら浦原さんとチャンバラしてたあたりで銀城・月島とやりあってもいたらしくてな

歩法の燃費と戦闘経験の分だいぶ強くなってはいるようだ

 

 

32:名無しの転生者

 

あ、ちゃんと斬月なのね、BLEACH Brave Soulsってゲームだと滅却師の力を覚醒させた一護とかいたが

あれの前段階みたいな感じなのか? あ、2バージョンあってこんなかんじ

前者が一護の中の滅却師の力を覚醒させたバージョン、後者が石田と能力を相互に与え合ったバージョンだったか?

 

[画像]

(‘19新年記念ver.一護の画像)

 

[画像]

(7周年記念ver.一護の画像)

 

 

33:OSR

 

ブレソルはよーわからんがどっちもかっこいいな……聞くに基本形は死神の力っぽいから前者の前段階みたいなのかね?

まだ月牙天衝は意識して撃ててないようだが一心バージョンっぽいのは使えると言うてた

 

 

34:名無しの転生者

 

確か最初のルキアの力で覚醒した状態でも使ってたって言ってたもんな

尸魂界突入したあたりのチャンイチよりは強い感じか……

 

 

35:OSR

 

この流れだと恋次戦ももうちょっと善戦しそうかね、元々窮地からの逆転! みたいな展開多いし

いずれ合流したいが……タイミング的に卍解修行中ぐらいになりそうだな、ファーストコンタクト

 

 

36:名無しの転生者

 

イッチもあちこち走り回ってるからな……

そう言えばふと思ったんだが、藍染一派はイッチをどう思ってんだろうな

 

 

37:OSR

 

恐いこと思い出させるなよ……不思議なことに今のところ接触も干渉もない

一度鏡花水月受けさせたと思ったからどうとでもなると思われてるのか……

 

 

38:名無しの転生者

 

えっアレ喰らったのかイッチ、学生時代の奴はやり過ごせたって言ってたのに

 

 

39:OSR

 

それが講習会みたいな外せない場でやられてなあ、二年ぐらい前だったか

まあ、どうにかはしたんだが

 

 

40:名無しの転生者

 

どうにか出来んの!?

 

 

41:OSR

 

皆には言ってなかったが俺、軽く体を改造しててな? 流石に涅隊長クラスの改造はしてねえけど

その一種で、五感を意識的にオンオフしたり増幅したりする霊具を埋め込んでるんだわ

それを使って始解の瞬間視覚をオフにしてとりあえずその時は防いだ

バレてねーといいんだけどな……

 

 

42:名無しの転生者

 

力技すぎる

だがなんとなかったならいいか……ただ純粋に藍染一派クソ強いからな、特にギンには気をつけろよ

 

 

43:OSR

 

そうしたいな……まあ逃げるだけなら何とかなるとは思うが

最悪露見してもあと数日ぐらいならまあなんとかなるだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪ぃが涅副隊長、俺は何も知らねえぜ」

 

「……そうですか」

 

四番隊・総合救護詰所、第一治療室。

そこでは、治療を施されベッドに寝かされている十一番隊三席、斑目一角と、

十二番隊副隊長、涅ネムが居た。一角はそっぽを向き、ネムの『遭遇した旅禍の情報提供』に対し、知らぬ存ぜぬを通している。

そこに、第三者からの声がかかる。

 

「おやおや、おかしな話ですね? 真っ向から袈裟懸け、その上利き腕まで斬られている。

 だというのに斑目三席が相手の顔も知らぬとは、不意打ちで目潰しでも受けましたかな」

 

入口からひょっこりと顔を出したのは、目の前にいるネムの補佐にして時折剣術を指南している十二番隊士。

近頃三席に昇進した朽木桃真であった。

 

「……桃真かよ、悪いが俺は何も言う気は――――――」

 

「死覇装にオレンジ色の髪、得物は巨大な出刃包丁のような斬魄刀。

 瞬歩に似た滑るような歩法と、霊圧を刀身に纏った斬撃が決め技――でしたかな」

 

「てめえ、どこまで知ってやがる……!」

 

「おや、カマをかけただけだったのですがね? 隊首会で市丸隊長が遭遇した旅禍の特徴を申しただけですが?

 ……おっと、斑目三席はその御話を聞いていないはずなのになぜか知っている。不思議な話もあるものです。

 あ、そう興奮すると傷口が開きますよ。折角鬼灯丸に仕込んだ血止め薬を使い切ってまで止めてもらったのでしょう?」

 

体を起こそうとして痛みでベッドに倒れ込む一角に、にこにこと朗らかに笑って見せる桃真。

こちらの動向を見透かすような物言いに、血が上った頭から血が引き、冷静な考えが戻って来る。

 

「ちっ……お前の言う通りだよ。俺が遭遇した旅禍は二人。オレンジ色の髪の死神ともう一人、老け顔のガキだ。

 そっちの事はよく知らねえ、弓親が相手してたからな」

 

「そこまで聞ければ十分です。行く先も見当はついておりますからね。懺罪宮でしょう?」

 

「そこまでお見通しかよ……そうだよ、そいつは朽木ルキア……お前の叔母の居場所を聞いてきた。知り合いか?」

 

「いえ、顔見知りではありませんね、ですが、目的は同じようだ」

 

その言葉に、一角は目を見開いて桃真を見る。

目的は同じ(・・・・・)それは即ち――――――

 

「お前、本気か? そりゃあ、お前の母親の妹だ、助ける理由はある。

 だが、それをやることが何を意味するか、分かってねえお前じゃねえはずだぜ」

 

「だから何だというのです? 悪法もまた法とはいえ、此度の四十六室の裁定、あまりにも横暴が過ぎる。

 ならば、尸魂界に規律を齎すべく霊王様の元へ集った死神、朽木の裔として、抗うのが筋というものです」

 

「……どうやらマジみてぇだな……死ぬなよ? 弟子に死なれちゃ寝覚めが悪い」

 

「勿論。お互い生きていられたらまたお会いしましょう。……ネムさん、行きましょう」

 

「おい、桃真!」

 

一礼し、ネムに一声かけて出ていこうとする桃真の背に、一角は思わず声をかけた。

 

「おそらくこの後、更木隊長が来るだろう。そうしたら俺は旅禍の風貌と目的を伝える。

 ―――お前が立ち塞がる可能性もな。重ねて言うが……死ぬなよ」

 

その言葉に桃真は答えず、軽く一礼した後、部屋を出ていった。

 

 

 

 

「……桃真さん」

 

それから少しして、十二番隊舎へと戻ろうとする2人だったが、しばしの沈黙ののち、ネムが口を開いた。

 

「どうしました?」

 

「先程の、斑目三席とのお話ですが……本当なのですか?」

 

「ああ、叔母上を救うというお話ですか。本当ですよ。穏便に済めばよいのですが……

 まあ無理でしょうね。ならば力づくになるでしょうが」

 

「……四十六室の裁定に弓を引かれる、というおつもりなのですね」

 

「……そうなりますね」

 

また、少しの沈黙。その後、先に口を開いたのは桃真だった。

 

「涅隊長にお伝えください。例の計画、言質も取れましたので滞りなく進めて欲しいと。

 俺はまあ……数日身を隠すことになるかもしれませんが、死にはしませんよ。

 父上は恐らく……ギリギリまで悩まれるでしょうから、今のうちにできることをしませんと」

 

はははと笑って先を行く桃真の袖を、ネムが掴む。

思わず足を止め振り返る桃真の視界に入ってきたのは――――――曇り顔のネム。

その顔は、まるで親に置いてきぼりにされた子供のような、そんな顔をしていた。

その顔を見て桃真は苦笑すると、懐から小箱を取り出して開け、中に入っていた髪飾りをネムの髪に差す。

 

「もう少し落ち着いてから贈ろうと思っていたのですが……これを、ネムさんに。

 大前田副隊長に作り方を習っていたのですが……金で買うよりは、余程心が籠ると思いまして。

 この髪飾りにかけて、必ず戻ると誓います。ですので……俺が戻るまで、後はお願いします」

 

そう言って、桃真はネムの手を強く握った。

*1
ゲーム「ブルーアーカイブ」BGM、大体なんかやらかしたコメディ的な時に流れることが多い

*2
「ブルーアーカイブ」登場キャラ、先述の曲が半ば専用曲みたいな扱いをされることが多い。「陸八魔アル 白目」で検索すると大体どんな顔してるか分かります




そんなわけでオリキャラの登場を示唆しつつ15話でした。
海燕さんと都さん生存展開にした時から考えてたんです……

あと今回ブルアカネタも突っ込んでみましたがアルちゃん社長いいですよね……主役の漫画も出てるし結構破格の扱いだと思う。なお社長も推しですが個人的な最推しは忍者研究部とかアツコです。

■解説

・桃真
割と力技で鏡花水月をやり過ごした男。
石田にどう最終形態を切らせようかと考えている。
そろそろ本格的に旅禍に与しないとな……と思いつつも未だ動きの見えない藍染一派を警戒している。
送った髪飾りはまともに買えば恋次のサングラスやバイザーぐらいには高い。

・雀夜ちゃん
存在が言及された海燕さんと都さんの子。
桃真の部下だけど頭痛の種でもある。
現在石田・織姫コンビと同行中。

・ネムさん
桃真が心配だけど隊の事もあるのでちょっとやきもきしている。
桃真がアウラと再会していることは聞かされている。


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16スレ目

ようやっとここまで進めました……1スレでどこまでやるかを考えるのが毎回悩むところです。

前回UA5万7全行ったと思ったら今回までに6万3千言ってて笑う。
ほんとにありがたいこってす……



 

【祝】アウラ達+馬鹿と合流できた件【合流】

 

1:OSR

 

よう、俺だ

無事ネムさんを連れてアウラ達と合流できたぞ

 

[画像]

(ネムとの再会を喜ぶアウラと尻を押さえて突っ伏す雀夜と苦笑する月島とかぶりを振る銀城)

 

[画像]

(唖然とする石田と突っ伏したままの雀夜の尻に双天帰盾をかける織姫)

 

 

2:名無しの転生者

 

雀夜ちゃんなんで突っ伏してんの?

 

 

3:OSR

 

合流した時反省ゼロで駆け寄ってきたので閃花*1からのケツバット(斬魄刀)した

 

 

4:名無しの転生者

 

お前父親の得意技で部下に制裁するんじゃねえよ

どうすんだ雀夜ちゃんの尻が割れたら

 

 

5:名無しの転生者

 

でえじょぶだ、尻は最初から二つに割れてる

 

 

6:OSR

 

事と次第によっちゃちぎりパンみたいにしてやりたかったところですが?????

 

 

7:名無しの転生者

 

どうどう、落ち着けイッチ

その辺にしといてやれ

 

 

8:OSR

 

ともあれ合流はしたので……どうしよう?

 

 

9:名無しの転生者

 

おい

 

 

10:OSR

 

いやだってこの次はチャンイチの恋次戦だし、どっちかっていうとどうやって石田に最終形態切らせようかなって方が重要

 

 

11:名無しの転生者

 

前になんか策があるとか言うてなかったかお前

あれはどうした

 

 

12:OSR

 

いやー悪者ぶって滅却師スキル見せて「それはどこで!?」「何、師が同じだけだぞ兄弟子殿」とか言うつもりだったんだが

そんな空気じゃなくなってきたし……ここで悪者ぶるとアウラとかネムさんに嫌われそうで……

今の流れでそれやるとただのアホじゃん?

 

 

14:名無しの転生者

 

おめー後半の方が本音だろ

というか悪者ぶって戦闘しようとするところからして大分アホだぞ

 

 

15:OSR

 

せやろか

 

 

16:名無しの転生者

 

せやで

 

 

17:名無しの転生者

 

……なあ、ふと思ったんだがイッチよ

 

 

18:OSR

 

ん? どうしたよ

 

 

19:名無しの転生者

 

この世界線だと既に恋次とルキア和解してんだよな?

兄上も大分丸くなってんだよな?

……こうなるとチャンイチに同調してルキア奪取しかねねえよな……

 

 

20:OSR

 

それは……やるかやらないかで言うとすげえやりそう……

浮竹隊長とは処刑当日にやらかそうぜ! みたいな話にしてたから今下手に動かれるとやべえかもしれん……

下手すると更木隊長VS父上とか発生してえらいことになる可能性もある

……ちょっとまった伝令神機に着信だわ、雛森副隊長? ちょっと待ってな電話取るわ

 

 

21:名無しの転生者

 

この流れで雛森ちゃんから連絡……

恋次は副官の待機室から消えたか?

 

 

22:OSR

 

よし終了。うん、恋次さんが副官章置いて消えたらしい

多分懺罪宮だな……よし定点カメラオン! 例によって監視用のあれこれを事前に仕掛けてたんだ

懺罪宮に最も近い地下水路の出口の場所は事前に調べてたからな

ちょっとその辺の倉庫にみんなで隠れて観戦するか、こっちでも見れるようにしとくな

 

[配信中]

 

 

23:名無しの転生者

 

お、いいタイミングだな、丁度チャンイチ・ガンジュ・花太郎が出てきて……

恋次も来た。あの眼つきは戦る気みたいだな

 

 

24:名無しの転生者

 

始まった始まった

セリフ回しとかは大体原作っぽいが……チャンイチが結構押してるな?

原作だと吹っ飛ばされてた蛇尾丸の突きを叩き返した

 

 

25:OSR

 

ふーむ……やはり原作に比べ強くなってるな、スパーリング相手だった銀城達から見てもその時より強くなってるようだ

斑目三席との戦いもしっかり経験値にしたみたいだな……

しかしこれ……恋次さん、もしかしてチャンイチを試してるのか?

 

 

26:名無しの転生者

 

イッチ、どういうこと?

 

 

27:名無しの転生者

 

ルキアを助けるに足る実力があるかどうかを試してるって事?

その割には結構ガチめに斬り込んでるようだけど

 

 

28:OSR

 

たぶんそう言う事なんだと思う

ただ、チャンイチのせいで叔母上が死罪になりそうという事を納得しきれてはいないようだな

見た感じ試し半分憎さ半分みたいな感じだ

 

 

29:名無しの転生者

 

あー……どのあたりでルキアに惚れてたのかは分からんけど、この時点でもう惚れてたとして……

惚れた女が殺されそうになって、助けに来たやつがその原因になってるやつだったからか

原作より強いにしても隊長格とガチれる強さじゃねえからテメエ死にに来たのかよ!?

みたいになってると

 

 

30:OSR

 

多分。なお今現在野球中継見てるような状態なんだが、真横で雀夜が「いけ! そこだ!」「え、今鬼道使うとこだったよね?!」

みたいな感じでたいそううるさい 一応結界張ってんだけどお前現状理解してる?

今お前旅禍のお仲間としてぶった切られても文句言えないんだよ?????

 

 

31:名無しの転生者

 

雀夜ちゃんの気持ちはわからんではない

こう、生の格闘技の試合見てる感じって言うか……アニメ版の戦闘シーン見てる感じなのは否めない

 

 

32:名無しの転生者

 

チャンイチも飛廉脚交えてけっこうテクニカルに攻めてるな

お、斬月弾かれたと思ったら飛廉脚からのサマーソルトで吹っ飛ばした!

 

 

33:OSR

 

浦原さん・銀城・月島三人相手にしてたから結構場数も踏んでるようだな

今後ろで「ま、俺らが仕込んだんだ、このぐらいはやってもらわねえとな」って銀城が後方師匠面してる

実際師匠だったから師匠面とか言うのは変かもだが

そして「オッサン臭いよ銀城」とか月島に言われてちょっと凹んでるの面白い

 

 

34:名無しの転生者

 

まあ月島が外見通りの年齢だったとして20代後半、その月島がショタだった頃から成人の見た目だったしな銀城

 

 

35:OSR

 

どうやら向こうも終わったか……チャンイチが勝ったがまあ双方痛み分けみたいな感じでこっちもぶっ倒れたな

織姫ちゃんが助けに行かなきゃ! とか言うてたが花太郎が優秀だから落ち着けと宥めたよ

 

 

36:名無しの転生者

 

なんとかかんとか原作通りか……?

この後復活して更木隊長とやり合うんだよな。あの人は相手の強さに合わせて強さ変わるから大丈夫か

 

 

37:OSR

 

問題はここからだけどな。まずは父上が暴走せんよう言い含めておいて……

時期的にはボチボチ戦時特例が発令されて……アレが来るはず

 

 

38:名無しの転生者

 

えーとこの流れからすると……そうか、藍染の偽装死がそろそろだな

 

 

39:OSR

 

明日辺りになれば戦時特例発令・藍染偽装死・更木隊長戦、チャドの霊圧が消える、と続くはずだ

それまでは……そうだな、アウラ達には地下水路の隠し部屋に潜伏していてもらおう

実は十二番隊近辺の地下水路にはいざって時に潜伏できる隠し部屋がいくつかある

涅隊長とネムさん、あと俺しか知らん。この際だ、涅隊長も抱き込んでしまおう

 

 

40:名無しの転生者

 

おいおい大丈夫か? 確かにマユリ様は藍染の反乱すらどうでもいいと言ってのける御仁だが

 

 

41:OSR

 

あの人こういうのでハブにすると怒りそうだしな……

手土産にアウラ以外の完現術者の霊圧と血液サンプルを渡せば行けるんじゃないかな

元々完現術者については天晶氏の手記やアウラへ指南するときのあれこれの写しを渡しているからな

生きたサンプルではないが納得はしてもらえるだろうよ

 

 

42:名無しの転生者

 

アウラ以外のサンプル……? まあ銀城月島織姫ちゃんか

確かに銀城は霊王にすらなれる逸材だもんな……

なんでアウラだけ……いやなんでもないです

 

 

43:OSR

 

何か?

 

 

44:名無しの転生者

 

ヒェッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あの、桃真さん……」

 

「………………」

 

瀞霊廷、十二番隊の管轄区域にある倉庫の中では、一護と恋次の戦いを終えた後の一行が移動の準備をしていた。

しかしその中で唯一正座をしている少女が一人。十二番隊十席にして桃真の部下、志波雀夜だ。

脂汗を垂らしながら小刻みに震え、しきりに足を崩そうとするが、その度に桃真に半眼で睨まれ正座を続けている。

つまるところ、足のしびれが限界に達していたのである。

 

「おい桃真……そろそろ移動すんだろ、足崩させてやってもいいんじゃねえのか」

 

「そうは言うがな銀城。まだ雀夜から聞くべきことを聞いていないのだが……まあ致し方ないか。

 雀夜、足を崩してもいいぞ? ……どうした、崩さないのか」

 

見かねた銀城のとりなしにより、ため息を吐きながらも足を崩して良いと許可を出す桃真。

しかし雀夜が足を崩す様子はなく、もじもじと身をよじるも中々正座のまま動かない。

 

「そのですね桃真さん? 足が超痺れてるんで下手に動くと痺れがガツンと来るんですよ。

 なのでちょっと慎重に体勢を崩そうと……あっ待って待ってどうして後ろにーっ!?」

 

「そんな悠長にしている暇があるか。揉んでやるからうつぶせに寝そべれ」

 

「……桃真さん、もしかしてすごく怒ってます?」

 

「そう見えるか? まあ、怒りというものはある一点を過ぎるとかえって冷静になるものなのだがな。縛道の一・塞。破道の一・衝」

 

「ぎゃんっ!? ぬわ急に動いたから足がって何で桃真さん足を掴んでギャーッ!?」

 

言いながらも放たれた鬼道により後ろ手に拘束されたうえで軽く突き飛ばされ、

雀夜はうつぶせに転がされる。詠唱破棄と霊圧制御により威力を落とされた鬼道ではあるが、

かたや席官とはいえまだまだ若い未熟な死神の雀夜、

かたや若いとはいえ既に卍解に至り隊長格に届く実力の桃真、雀夜は解除すらできずに芋虫のように藻掻くのが関の山であった。

そして桃真は急に動かされて悶絶する雀夜の足を掴むと、両手で足の裏をぐいぐいと手荒に揉む。

無論そんなことをされれば辛いのは自明であり、事実先程の比ではない程に雀夜は悶絶。

その姿はまるで陸に打ち上げられてビチビチと跳ねる鮮魚のようであったという。

 

「鬼かよてめえ」

 

「死神だぞ」

 

若干引いた顔の銀城に軽口を返しつつ、暴れる雀夜を意に介さず押さえ込んで足を揉む桃真。

全体をまんべんなくもんで血行を促進させ、次いで勇音から教わった足ツボマッサージを施す。

今まで以上に暴れる雀夜であったが、砕蜂(隠密機動)仕込みの制圧術で押さえ込みながらも口を開く。

 

「雀夜、お前が言う通り俺は怒っているぞ、凄くな。誉ある志波家当主の海燕殿やその妻都殿から産まれ、護廷十三隊に入ったお前がだ。

 叔母上を助けるために来たとはいえ旅禍に混じって瀞霊廷に不法侵入とはどういうことだ?

 アウラ達に与するにしてもお前は正面から門を潜り後に合流する手もあったろう。

 まあ大方その場のノリで突っ走ったのだろうが……お二方が忙しいからと空鶴殿に世話を任せたのが悪かったか?

 空鶴殿が悪い方とは言わんが……話を聞かん、突っ走る、序列を弁えん、その他諸々。志波家の悪い所だ」

 

ひとしきり雀夜を悶絶させたところで足を離して縛道を解き、解放する桃真。

仲裁しようとするアウラを手で押しとどめ、雀夜がこちらを向くのを待って説教を再開する。

 

「そも、席次そのものはお前の実力としても、お前が十二番隊に入ったのは俺の部下として付けるためだ。

 手元に置いても良くはないが目の届くところに置いておきたい、というお二方の親心、理解しておらんとは言わせんぞ」

 

「それは……分かっては、いますけど」

 

「第一、着けるならば父上や恋次さんのいる六番隊でもよかったのだ。

 だがそれでも十二番隊を推されたのは一時とはいえ都殿の部下であった俺を信頼しての事。

 お前が勝手をして俺の顔だけに泥がかかるなら良い。だが、そうではないだろう?

 お前は『志波雀夜』という一人の死神である以前に、護廷の隊士であり、我が朽木家に並ぶ五大貴族、志波家の息女。

 そして十三番隊副隊長志波海燕、第三席志波都の娘である。まあ俺の部下であるのも少しは覚えておいてほしいが……

 ともあれ、お前が勝手をすれば、お前が愛し、お前を愛してくれている方々に迷惑がかかる。それだけは忘れるな。決してな」

 

「――――――ごめんなさい」

 

「よろしい」

 

短くも真摯な謝罪の言葉に、桃真は雀夜の頭に手を置いてぐりぐりと撫でる。

その顔にも険の色はなく、手の焼ける妹に接しているような苦笑であった。

桃真はひとしきり雀夜の頭を撫でた後、アウラ達の方を向く。

 

「まあ、そんなわけだ。俺は俺で動くので、アウラ、銀城、雀夜は今暫くお前たちに預けたい。

 お転婆で粗忽者だが、斬拳走鬼一通り仕込んである。支援ぐらいはできるだろう。

 まあ上には……旅禍に遭遇するも部下を盾にされ逃げられたと言って置くさ」

 

「分かりました。桃真さんもネムさんも、無理はしないでくださいね?」

 

「ったく、面倒だが……まあ俺らが来たせいで巻き込んじまったようなもんだからな。任せとけ」

 

桃真は満足げに頷くと、今度は織姫の方に顔を向ける。

 

「井上……織姫だったか。叔母上からお話は聞いているよ。良くしてくれる優しい友人だったと。

 六番隊の隊舎牢にいた間、叔母上はよく君の話をしてくれていたよ。こうして顔を合わせてよく分かった。

 人見知りをするきらいのある叔母上が友人と呼ぶだけの事はあるとね」

 

「そんな事……! 朽木さんや黒崎君が居なかったら、今頃、私は死んでたかもしれないし!

 それに、今も命を懸けてる黒崎君に比べたら、私なんて」

 

「敵地に飛び込んできたというだけでも生半な胆力ではないさ。二十にも届かない歳でそれだけの覚悟を決められる。

 それは褒める事でこそあれけして嘲る事ではない」

 

織姫に微笑みかけ、桃真は視線を移す。この場にいる最後の一人、滅却師・石田雨竜に。

 

「滅却師の少年。石田雨竜と言ったな。礼を言う。滅却師については少々詳しくてな、

 確か空座町近辺に住んでいる一族の生き残りだろう? よく踏み込んできたものだ。

 君についてもアウラから少し聞いているよ。お母上はお元気かな?」

 

「――――――そちらこそ、よく調べているようだ。しかしそれとこれとは無関係だよ。

 僕はあの死神……阿散井恋次に負けた自分が許せなかっただけだ。

 その雪辱を晴らすのにちょうどいいから今回の件に乗ったまでさ」

 

「……なるほど、言うだけはある。霊圧を見るに上位席官……あるいは副隊長にすら届くかもしれないな。

 佇まいも随分と練れている。だが……まだ十分とは言い難いな」

 

「何だと――――――!」

 

いきり立つ雨竜を制し、桃真は指を一本立てて言葉を続ける。

 

「意気は買う。が、実際の所今直接的に叔母上を救出するのは得策ではない。

 雨竜、お前も知っているはずだ。お前が負けた恋次さんの他にも、護廷十三隊には多くの強者がいる。

 そのうちいくつかは味方につけられようが……白い羽織の死神、そして腕章を付けた死神を見たならば逃げを打て。

 お前も見ただろう、叔母上を連れ去った恋次さんと、わが父朽木白哉。

 お前が現世で見た強さでさえ、周囲への影響を考慮してその力の八割を封印した状態に過ぎんのだ。

 ……いや、父上で言うなら、黒崎一護を倒した際は一割も出していたか怪しいものだ。

 ともあれ、いずれその手袋(・・・・)の真価を使ってもらう時が来る。その時まで、伏して待て。

 それまでは各所で散発的に騒ぎを起こしておく程度にとどめてくれ。

 アウラに渡した地下水道の地図に、この近辺に作った隠し部屋の位置が記してある。潜伏にはそこを使え。

 ―――では、行きましょうかネムさん。まずは涅隊長を説得せねば」

 

「はい、桃真さん。……アウラさん、無理はなさらないでくださいね。あなたが傷つけば……悲しくなると、思いますので」

 

そう言って倉庫から出ていく桃真とネム。そうして残った一行も移動しようか、としたその時、

桃真が入口からひょっこりと顔を出した。

 

「ああ、そうそう、雨竜。結局その服、リニューアルはしなかったのだな。お師匠のセンスが分かってきたのだろう? ――――――ではな!」

 

「ちょっと待て! 何でそれを知ってるんだ!? というかこれは滅却師伝統の衣装であって黒崎と言い君と言い――――――あっ逃げた!

 しかもあいつが使ってるの飛廉脚じゃないか! 散霊手套の事と言い何なんだあいつは!? 道羽根さん!?」

 

「知り合いに滅却師がいたと聞いたことはありますが……お会いした事はありませんね」

 

「悪い奴じゃねえんだってのは分かるが……やっぱあいつちょっと得体が知れねぇな……」

 

爆弾を放って逃げた桃真にキレのいいツッコミを返しながら憤慨する雨竜に、小首を傾げるアウラと半眼でため息を吐く銀城。

月島は銀城を見て実に楽しそうに微笑んでいた。

雨竜のその辺りの疑問が解決するのは、もう数日ぐらい後になったのだという。

 

どっとはらい。

 

 

*1
朽木白哉の得意とする瞬歩の応用技、正面の相手に対し瞬時に背後に回り込む技




これ書きながらどうにかこうにか石田に最終形態切らせる算段が付きました。予定どうりにいけばいいなぁ……


■解説

・桃真
自分の上司(義父)を抱き込むつもりの男。石田に対しちょっと滅却師関係者と言う事を匂わせつつ逃走。
実は配信設定切り忘れてたので恋次戦観戦後の倉庫でのやり取りも掲示板に流れてた。

・雀夜ちゃん
才能はあるけど若さゆえにちょっと至らないところのある桃真の部下。
ケツバットされたのは1回や2回ではない。
自業自得とはいえ事が終わった後父親にぶん殴られる運命にある事は(桃真が言い忘れたので)まだ知らない。
ついでに言うと絶対どっかで口滑らすので宗弦さんの存在も知らない(教えてもらってない)。

・石田
桃真の匂わせにキレのいいツッコミをかましつつもなんだあいつ……みたいに思っている。
本来想定されてたルートでは桃真と霊弓の打ち合いしたりしてた。


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17スレ目

尸魂界編も終わりに近づいてきました。まあなんだかんだ20話は超えるとは思いますが……

UAがぼちぼち七万の大台に乗ろうとしております。
本当に皆さんありがとうございます……


 

【戦時特例】藍染隊長が殺されてしまった件【発令】

 

1:OSR

 

皆大変だ! 藍染隊長が殺された! 旅禍の仕業だろうか!

 

 

2:名無しの転生者

 

その旅禍と一緒にいた奴の台詞じゃねーな?

ともあれ藍染偽装死か、事態がだんだん動き始めてきたな

 

 

3:塵塚

 

ちなみにNO鏡花水月で見るとこうなるよ! まぶしい!

 

[画像]

(ハゲ(一角ではない)が壁に磔になっている画像)

 

 

4:名無しの転生者

 

えっ誰だこのハゲ

 

 

5:名無しの転生者

 

このハゲ生きてたのか、ほら、過去編で藍染の仕草と言動完コピして入れ替わってたハゲ

 

 

6:OSR

 

いやーあいつ生きてたんだなって謎の感慨にふけったよな……

 

 

7:名無しの転生者

 

でも死んじゃったのか……悲しいね……

 

 

8:塵塚

 

まあこれが視認できてるから桃真の鏡花水月対策は成功したんだなって確信できたから必要な犠牲だったよたぶん

 

 

9:OSR

 

まあ問題は周りが鏡花水月ってる時に俺だけ誰に化けてるか分かんねえから気を付けにゃいかん事だが

あ、そうそう。涅隊長を抱き込むのは成功したぞ。サンプル提供して気を良くしたのもあるが、

この一件が終わったら俺と共同のビッグプロジェクトを行うことになったからな、そのためにも事態の収拾は望むところだそうだ

ちなみに俺の出自と言うか、前世の記憶がある事はバラした。元々なんか不審には思ってたらしく納得はしてもらえたよ

まあそもそもその原作からはちょっと逸れてるので完全な予知はできませんが、と前置きはしたがね

近い未来はともかく展開ごと消滅した代行消失編とか、起きるか不明な小説版・アニオリ編とかもあるし

 

 

10:名無しの転生者

 

どういう説明したのかは分からんけどよく納得したな……頭の出来が違うんかね

ともあれ、ある程度腹割って話せる人が増えたのはいいな。マユリ様に話したって事はネムさんも?

 

 

11:OSR

 

うん。横で聞いてた。涅隊長にその時からネムさんに惚れてたのかと聞かれたので即答したら赤面してた……

かわいい……とてもかわいい……今なら藍染にも勝てる

 

 

12:名無しの転生者

 

落ち着けイッチアホになっとるぞ。そういえば兄上はどうしたん?

 

 

14:OSR

 

あー、父上は一応『処刑当日に事を起こすのでそれまでは無闇に動かないでください』と言い含めておいた

『明日(時間的には今日)あたり旅禍が叔母上奪還に来るはずなので死なない程度に叩き返してください』とも

まだ父上には旅禍に協力している事は話してはいない。当然怪しまれたけど、

恋次さんとの戦いの後、一晩は治療と休息に費やすはずなので早ければその辺りになるでしょう、と伝えた

 

 

15:名無しの転生者

 

少なくとも頭脳プレーに関してはイッチの方が上だもんな、メタスタシアの時もそれっぽく言い訳してたし

これで牢屋前で戦闘して夜一さんが連れ去って卍解修行させるルートに乗ってほしいな……

 

 

16:塵塚

 

銀城達があっちこっちで騒ぎ起こしてくれてるみたいだから結構陽動にはなってるみたいだよ

アウラちゃん壁抜けできるから逃げる時は今いる場所から直に地下水道に移動してるんだってさ

あとはあれだね、銀城が言い含めてくれてるのか月島さんもむやみに挟んだりはしてないっぽい?

まああれ表面上はどうなってんのか分かんないんだけどさぁ

 

 

17:名無しの転生者

 

まあブック・オブ・ジ・エンドそのものはぱっと見超斬れる刀だし、

はさんでも表面上使ってるかどうかの視認は困難だから見えざる帝国サイドも理解はできめえ

 

 

18:OSR

 

だといいなあ。ちなみに掲示板の事は言ってない。説明難しいしな

それにこっちで長々会話しててもあっちだと一瞬あるかないかぐらいの時間だし

前に検証したが配信設定にしてる時だけ時間経過が同期するっぽい

 

 

19:名無しの転生者

 

残当やな、まあそこは言わんでもいいだろ

 

 

20:OSR

 

ふむ、懺罪宮の方ででかい霊圧がぶつかってる、多分更木隊長とやり合い始めたな?

そして八番隊の方で京楽隊長が動いた、となるとチャドとやりあってる

となると雛森副隊長に藍染の手紙が届くのも今頃かな

 

 

21:名無しの転生者

 

え、イッチ何かしたん?

 

 

22:OSR

 

藍染が雛森副隊長に残した手紙にちょっと仕込みをな

あのまま藍染に振り回され続けるのは忍びないと思ってな……

まあ平子が来てくれれば立ち直ってくれると思うんだが、仮にも師と仰いだ人だしな

 

 

23:名無しの転生者

 

具体的に何やったの? 偽物とすり替えたとか?

 

 

24:名無しの転生者

 

いやでも筆跡似せる必要あるだろ? 少なくとも雛森ちゃんに見せて違和感ないレベルに似せる必要あるし

 

 

25:OSR

 

苦労したよ、仕事&修行しながらだったから完コピに15年かかった

まああの名も知らぬハゲにできたんだから俺にもできるさ

普通に盗んでも良かったけど気取られるのが怖いからな、ちょっと内容改竄した偽物を置いてきた

復讐を考えてはいけない、僕は君がこれ以上傷つくのを望まない、みたいな感じで

 

 

26:名無しの転生者

 

あまりにも力技の解決過ぎて笑うわ

 

 

27:名無しの転生者

 

恐らくここでしか使わない技術のために15年使ったのか……

無駄ではないけどバカの所業、イッチさてはおめー生前からこういう一瞬のために年単位の準備するタイプだったな?

 

 

28:塵塚

 

まあ有効な手段だから止めなかったけどさぁ……

それに雛森ちゃんめっちゃ動揺してるから多少の違和感は誤魔化せたとは思うけど

まー実際愛染が尸魂界から出ていくまで雛森ちゃんを誤魔化せればいいからね

 

 

29:名無しの転生者

 

……あれ、するってーと原本はもしかして?

 

 

30:OSR

 

うん、俺が持ってる

誰に渡そうかねえ……順当に山本総隊長かな、あるいは卯ノ花隊長か

ニセ藍染の死体検分してるだろうし卯ノ花さんかな? 虎徹副隊長つながりで縁もあるしな

チャドの霊圧が消えた後にでも渡しておこう

 

 

31:名無しの転生者

 

藍染に目付けられねえかな? ちょっと心配だわ

 

 

32:OSR

 

実はそれを狙っている。多分行動を起こすなら藍染自身ではなく市丸隊長か東仙隊長を指し向けてくるだろうし

そこでどっちかに接触したいね、特に市丸隊長

危険な賭けにはなるがここから先はリスクを負う覚悟をしないとな

 

 

33:名無しの転生者

 

無茶をするなあ……

 

 

34:名無しの転生者

 

まあイッチにとってはネムパイタッチよりはイージーだろうて

どうせまだキスもしとらんだろ

 

 

35:名無しの転生者

 

いや分からんぞ、ネムさんとアウラの両手に花かも知れん

なんかアニメのシーンで合ったろ、日番谷隊長が両サイドに雛森ちゃん侍らせてる想像図みたいなの

あんな感じで

 

 

36:名無しの転生者

 

塵塚ちゃんもお膝に乗っけてハーレムと行こう

 

 

37:名無しの転生者

 

天才現る

 

 

38:OSR

 

うわー心底ぶっ殺してえ

 

 

39:塵塚

 

桃真がパイタッチなんて無理に決まってんじゃん

まあネムさんには乱菊さんと一緒に折を見ていろいろ吹き込んでるからそのうち食われるんじゃないかな

ふるえてねむれ

お酒呑むと寝ちゃうからお酒呑まないのも教えてあるからな! 何年か前にアウラちゃんにも!

 

 

40:名無しの転生者

 

塵塚ちゃんファインプレーするやん……

 

 

41:OSR

 

おい塵塚てめーなんか最近コソコソしてると思ったらんな事してたんかよへし折るぞ?????

んでなんでアウラにそれを教えた? ああそうかアウラに出されたら呑むからな……

現世にいられる時間は限られてるしそれを寝て浪費するのは悲しいな

 

 

42:塵塚

 

え? 違うけど?

 

 

43:OSR

 

ん?

 

 

44:名無しの転生者

 

塵塚ちゃんそういうこと?

 

 

45:塵塚

 

うん、面白そうだし教えんとくし言わんといてね

 

 

46:OSR

 

?????? さっぱりわからん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……やれやれ、歳は取ってみるものだネ、よもや前世の記憶などというものを持っている者に会うとは」

 

十二番隊隊舎、密談部屋。一切の影が排され、かつてより大幅に拡張されたそこでは、隊長であるマユリとその副官ネム、そして桃真が湯呑を片手に語らっていた。

今後のための布石の一つとして、桃真はマユリをこちら側(・・・・)に引き込むことを画策。

自分が前世の記憶を持ちこの世界に生まれ落ちた転生者であることを明かしたのだ。

 

「――――――しかも、エェ? この世界が絵物語として語られている並行世界が前世だった?

 荒唐無稽にもほどがあるが……事実なのだろうネ、今までの事を鑑みるに」

 

「まあ、事実ですからねえ。前世(あちら)があるから今世(こちら)があるのか、その逆なのかは判然としませんが。

 それに、俺自身すべてを知っているわけでもありません。大本の作品から派生した外伝もありますから……

 それが絡んでくると今までの要素も含めてどう変化するか。そもそも、俺自身大本にも外伝にも記されていない、全くのイレギュラーな存在ですので……」

 

「……それは今初めて聞いたネ、未来が関わってくる以上多くは話せぬと言っていたが……過去は構わないだろう?」

 

「まあ、そこはもう過ぎた事、あるいはこの世界線では起こり得ない事なので構いませんが……」

 

そして桃真が語るのは、『原作』で綴られた物語。

父・白哉と母・緋真の間に子が産まれず、緋真は結婚して五年後に病死した事。

その一件の翌年緋真の妹ルキアが見つかり、朽木家に迎え入れた事。

妻との死別、そして掟破りを二度も行ったことにより、けして掟は破らぬと白哉が頑なになってしまった事。

 

「そこでお前が産まれた事で分岐した世界……と言う事なのかネ、私達が今認知しているこの世界線は」

 

「そう言う事なのだと思います。世界とは無限に分岐する大樹の枝葉の先のようなものである……とは誰の言葉でしたかな」

 

「このことを私やネム以外の者には話しておるまいネ?」

 

「無論。理解し、信用してもらえると踏んだからこそ涅隊長とネムさんにはお話ししましたので……

 ああ、一応おりますな、我が斬魄刀、塵塚は俺の魂の写し身。

 同様に俺のかつての記憶も持っております。まあ下手に口にするようなことは無いでしょうが。

 あとは……宗弦殿には色々知っているぞ、的に匂わせはしましたが、彼には後で伝えておきましょう。

 何にせよ、語ったところで普通なら狂ったと座敷牢にでも押し込められるのがせいぜいでしょうし。

 傲慢な話ですが……俺の知識を活用し、いずれ来る戦いにおいての被害を少しでも減らす。

 それが、俺の今生においての目的の一つです」

 

そう言って苦笑する桃真にマユリはフン、と鼻を鳴らすが、不意にのんびりと湯呑を傾けている桃真の方に向き直る。

 

「どうされました、涅隊長」

 

「何、大したことではないのだが、桃真。ネムにはもう手を付けたのかネ?」

 

盛大にむせた。

 

「ふぐ、ぐ、がふっ……く、涅たい、ちょう……なに、を……げほっ」

 

「噴き出すんじゃないヨ汚らしい。……で、ネム、どうなんだ?」

 

「手を繋いだり、茶店に行ったりなどはしておりますが……直接的な肉体接触はまだありません、マユリ様」

 

「やれやれとんだ純情小僧だネ。お互い好き合っているのだからやることをやってしまっても良かろうに。

 まあ、別に急ぐものでもないが……いずれネムを娶る以上、眠計画の最終段階は桃真、お前にやってもらう必要があるのだがネ?」

 

むせながらも呼吸を落ち着けていた桃真だったが、聞こえて来た言葉に耳を疑った。

眠計画。マユリの悲願ともいえる被造死神製造計画であり、義魂、義骸技術の粋を集め、神ならぬ身で人を産み出す計画。

無論桃真はその計画を知っており、その計画によって生み出された被造死神第七号、それがネムこと眠七號である。

その『最終段階』を桃真にやってもらう必要がある、それは三十年近くをマユリの下で過ごしている桃真にとっても初耳の情報であった。

 

「良いかネ? ネム、即ち眠七號は、無から()を産み出す眠計画によって生み出された被造死神だヨ。

 未だ細胞分裂が止まるという欠点そのものを克服出来てはいないが……ネムは今までの七体の中で、最も完成に近い個体だ。

 だが、個体としての被造死神を産み出した、ただそれだけでは生命を創造した、とは言えないのだヨ。

 命とは何か、それは繋ぎ、受け継がれて行くモノだヨ。それを成してこそ、眠計画は成功したと言える。

 ……まあ、有体な物言いをしてしまえば、子を孕んでこその命だ、と言う事になるネ。

 神ならぬ身で命を育む、それは女にしかできぬ事だ。だからこそ、私は眠計画で生み出す個体を女として作っているんだヨ」

 

「……なるほど、確かに。女性は神ならぬ身で唯一命を産み出す力を持つ存在。

 ならばネムさんが妊娠、出産し、その子供が健やかに成長することができれば……」

 

「それは紛れもなく、神ならぬ身で魂を、生命を、ヒトを作り出したと言えるだろう。

 だから、さっさとやることをやってしまえば良いのだヨ? 試行回数を重ねねば出来るものも出来んのだからネ」

 

そう言って茶を啜るマユリ、湯呑を持ったまま硬直する桃真、ちらりと桃真の方を見て、その隣に移動するネム。

眠計画の最終段階が達成されるのは、まだまだ時間がかかるようである。

 

この後、ガンジュと花太郎によるルキアの解放が未遂で終り、急行してきた一護が夜一に連れ去られる。

そして、尸魂界を騒がせた騒乱は終幕へと向かう事となり……

藍染一派が、本格的に動き出す。

 

 

 

 




眠計画云々に関しては個人的な考察も大幅に含みます。
ただ生命の創造が目的であるのなら、子供を作れるようになって初めて完成と言えるのでは? と思うのです。一心さんが義骸で子供作ってるのでたぶんネムさんもいけるはず。少なくともこの世界線では。

桃真? 自分から手を出すなんてとてもとても。


■解説

・桃真
15年かけて藍染の筆跡模倣をするというこの一瞬でしか役たたないようなスキルを会得していた我らが主人公。雛森ちゃん周りには親しい間柄だったのもあり思うところあった模様。
眠計画の最終目的を果たすという大役を仰せつかったもののまだABCで言うとAにも達していない。

・塵塚
桃真×ネムを進展させるために乱菊と一緒にいらん事をネムに吹き込んでいる。
主に桃真の性癖関連。テクニックの指南は乱菊担当。

・マユリ様
桃真の出自や計画の大半を知らされ、いずれビッグプロジェクトを行うことになる。
桃真が純情すぎて進展しないので塵塚がネムにいろいろ吹き込んでいるのは半ば黙認している。

・ハゲ
過去編に出て来た藍染の言動や仕草を完コピしたハゲ。
この世界線では偽装用の死体として殺されて磔にされた。
五番隊十五席「禿丸 甚五郎(とくまる じんごろう)」という席次と名前だという設定はしてたけど使わずじまいに終わった悲しきハゲ。


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18スレ目

気が付いたらUAが7.5万を超えてて腰を抜かすことしきり。
皆様本当にありがとうございます……

そんなわけでようやく原作主人公と本作主人公の邂逅です。


 

【主人公と】ついにチャンイチと初遭遇した件【ある意味主人公】

 

 

1:OSR

 

よう、イヅルさんと恋次さんが脱走したってよ

 

 

2:名無しの転生者

 

待ってたぞイッチ、スレタイも気になるがまずはその話からだな

 

 

3:OSR

 

まあ既定路線として脱走した感じだな。恐らく恋次さんは叔母上を救いに、イヅルさんは市丸隊長が手引きしたんだろう

雛森副隊長が脱走した、という話は聞かんので偽手紙で大人しくしてくれているものと思われる

 

 

4:名無しの転生者

 

良かった……雛森ちゃん曇らせは無かったんや……

 

 

5:名無しの転生者

 

良かったな、15年かけた無駄スキルがまさに無駄にならなくて

 

 

6:OSR

 

無駄いうなや、仕事と修行の合間に瀞霊廷通信模写とか怪しまれない程度に藍染隊長の書道教室に通ってコツコツ模倣したんだぞ

まあその流れで講習会に参加せざるを得なくなったのはあるんだが

 

 

7:名無しの転生者

 

努力の方向性は間違ってないんだけど活用する機会が1度しかないスキルのために15年かける熱意を卍解修行に使え

 

 

8:OSR

 

必要なスキルだったんだから良いだろーが別に!

ともあれスレタイの件だが、例の双極地下の元祖勉強部屋でチャンイチと夜一さんに挨拶してきたぞ

 

[画像]

(斬月のオッサンに吹っ飛ばされて犬神家状態になってる一護)

 

 

9:名無しの転生者

 

もうちょっとかっこいいとこ撮ってやれよw

 

 

10:名無しの転生者

 

ともあれやっと本編主人公と顔合わせか

 

 

11:OSR

 

いやだって勉強部屋に降りて来た時に一番最初に視界に入ったチャンイチがこれだったから……

降りて行ったタイミングで丁度1日目の修行終わったから温泉入りながら色々話したよ

 

 

12:名無しの転生者

 

夜一さんの脱衣シーンとかあったはずだけどイッチだいじょぶか? 鼻血噴かない?

 

 

14:OSR

 

ネムさんの裸と夜一さんの裸が等価値とか大丈夫か? ありがたみが違うわい

そもそもすぐに猫になったよ

 

 

15:名無しの転生者

 

こ、これがモテる者の余裕……ッ!

 

 

16:名無しの転生者

 

成長したなイッチよ……

 

 

17:名無しの転生者

 

塵塚ちゃん?

 

 

18:塵塚

 

割とマジで動じてないよ桃真。なんなら「うわホントに下から脱いだよこの人」とすら思ってる

ガチめにネムさん以外眼中にないんだよね……

いや美人に成長したアウラちゃんには一瞬ヌッってなったことはあったかな?

 

 

19:OSR

 

うるせーぞお前ら、特に塵塚!

まあそんなわけでチャンイチと夜一さんと話したわけだが

俺が父上の息子と知って夜一さん驚愕しとったわ、一護は叔母上やアウラから聞いてたのか「あーお前が……」みたいな顔だったが

 

[動画]

(夜一が驚愕し『白哉坊に息子!? つまりあいつ結婚しとったのか!? いやー物好きはおるもんじゃの……

 ……これは喜助の奴割と真剣に殺されるかもしれんな』と言っている動画)

 

 

20:名無しの転生者

 

まあ100年前の兄上って短気で直情的なガキだったからな……今や隊長だぜ

その義妹に崩玉仕込んで結果的に藍染の策略に巻き込んで殺されようとしてるし、知ったらキレるだろうな兄上

 

 

21:OSR

 

俺もその辺は「はははそうかもしれませんな」で流したが会ったら顔面に一発叩きこむつもりではいる

まあそれはそれとしてチャンイチと話したんだが、なんかすげー感謝されたよ

アウラを助けた事で結果的に真咲さんと叶絵さんが助かった事に礼を言われた

 

 

22:名無しの転生者

 

まあそこは当然だろうな、アウラがいたから2人が助かったわけだし

ルキアの事に関しては何か言ってた?

 

 

23:OSR

 

俺のせいで迷惑かけちまったな……とかは言ってたな

とりあえず彼らにはこのまま卍解修行を続けてもらう事にした

俺が卍解使えると伝えたら夜一さんめっちゃ驚いてたわ

……そしてここでバタフライエフェクトの波及が発覚した

 

 

24:名無しの転生者

 

……何があった?

 

 

25:OSR

 

いやな、原作だとこの直前にガンジュ・花太郎が叔母上を牢から出した直後に父上にボコボコにされたじゃん?

そしてちょっとだけチャンイチとやり合って夜一さんに助け出されてる

 

 

26:名無しの転生者

 

せやな

……もしかして兄上が先走ってそれを手助けしようと?

 

 

27:OSR

 

いやそこまでは無かったらしいが……

市丸隊長があそこで割り込んでチャンイチと軽くやり合ったらしいんだよな

聞くにあそこのチャンイチVS父上がチャンイチVS市丸隊長にすり替わった

その後は浮竹隊長が更に割って入ってその場はお流れになったそうだ

 

 

28:塵塚

 

いやービビったよね、危うくあそこで一護が殺されるかと

夜一さん的にも市丸隊長が出張ってきたのはやべーと思ったみたいで原作通り卍解修行の方向になったぽい

 

 

29:OSR

 

あっぶねえ……市丸隊長相手とか普通に死ねるからな……

一応敵対するだろう隊長格、特に東仙隊長に対するメタは色々仕込んではいるんだが、

市丸隊長は卍解も含めシンプルに強いタイプだから相手にしたくないんだよな……

 

 

30:名無しの転生者

 

イッチが最警戒するレベルかギン……

確かに東仙も厄介だが、ギンはほんと不気味なんだよな、敵に回すと

 

 

31:名無しの転生者

 

そんな市丸を仲間に引き込もうとかイッチ正気か?

東仙は説得次第で行けそうな気はせんでもないが

 

 

32:OSR

 

恐らくボチボチ放たれるであろう俺への刺客が誰になるかだな……

東仙隊長なら圧勝は無理でも卍解切れば最低限撤退に追い込めるとは思うんだが

前にも言ったが東仙隊長なら色々対策してるし付け入るスキもあるからな

 

 

33:名無しの転生者

 

刺客ガチャが難易度ナイトメアかある程度対策できてるけどどっちみちハードのどっちかしかないの地獄では?

 

 

34:OSR

 

まあ死ななきゃええんよ、死ななきゃ。四肢吹っ飛ぶぐらいなら補肉剤でなんとかなるし

グロいから言わんかったけど屈服修行中なんて塵塚の野郎素で殺しにかかってきてたからな?

そのおかげで色々覚悟キマってきたところはあるが

 

 

35:塵塚

 

無傷圏とか甘えだよね

 

 

36:名無しの転生者

 

え、塵塚ちゃんアレないの?

 

 

37:塵塚

 

あるわけないじゃん、そもそも私は始解も卍解もそういうセーフティー削ってリソース確保してるからね

なんとなれば手足の一本二本ぐらいは敵もろともぶっ壊すぐらいの覚悟がなきゃやってらんないでしょ、元パンピーなんだし桃真は

大体桃真は相手をぶっ殺そうって気概が足りないんだよ、虚は浄化してるって事で何とかやれてたけど

これからは人の形して動いて喋る生き物をしこたまぶっ殺す必要があるんだからさあ、破面なり滅却師なり

 

 

38:名無しの転生者

 

黄金の精神ではなく漆黒の意志を持てと

 

 

39:塵塚

 

そう言う事。一応やり合ってる間にその片鱗だけでも見れたからよしとしました

 

 

40:名無しの転生者

 

塵塚ちゃん結構厳しいっつーか、ドライなとこあるよな、その辺

斬魄刀は使い手の写し鏡だが、イッチのペルソナの中にもそういう面があるって事なのかね

 

 

41:OSR

 

卍解修行終えた今だと割かししっくりくる気はするんだよな、塵塚の言う事ももっともというか

確かに俺は現代知識とか常識引き摺ってる所あるし、殺人にも忌避感は未だにぬぐえないけどさ

それでも自分の目的や信念と相手のそれがぶつかった上で譲れねえなら、殺るしかねえわな

やらずに後悔するぐらいならやってから後悔するわ

なんだっけ、転生直前にやってたガンダムでも言ってたろ、進めば2つ、逃げれば1つってやつだ

どっちにしたって原作から離れつつある世界だ、逃げずに進んで出来る限りいい方向に変えていかねえとな

 

 

42:名無しの転生者

 

言うねえ、イッチよ

 

 

43:塵塚

 

実際皆もそうでしょ? みんなの転生先は知らないけどさ、助けたい子がいて、それを殺そうとするやつがいるなら殺るでしょ

そうしなきゃその子を絶対に助けられないなら

 

 

44:名無しの転生者

 

まあ、やるやらないで言えばやるよな。むざむざ見殺しにしたら多分死んでも後悔するし

変える余地のある原作付き世界に転生した奴らは大体そうだろ

 

 

45:OSR

 

尸魂界編終われば藍染の目を気にする必要もないし、涅隊長という協力者も得たから心強い

あとはツナマヨ野郎をどのタイミングで殺るか、かね

 

 

46:名無しの転生者

 

この混乱のうちに殺っときたいところだな、確か銀城と月島に場をセッティングするっつってたっけ?

旅禍騒動が落ち着いたらちょっと動きづらくなるだろうし今のうちにやるのがいいかね

 

 

47:OSR

 

だなあ、後で銀城達とも打ち合わせせな。取り合ずボチボチ風呂あがって四番隊舎行くか

本物の藍染の手紙届けるついでにガンジュとチャドの面でも拝んでこよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――――ここに書いてある事は本当なのですか?」

 

四番隊、隊首室。隊長である卯ノ花烈が執務を終えた頃合いでふらりと現れた桃真が差し出した手紙を見て、卯ノ花はその柳眉を歪めた。

そこに記されていたのは、『十番隊隊長、日番谷が双極を奪い尸魂界を滅ぼそうとしている、自分が戻らないようなら敵を討ってくれ』

という文面の、副隊長の雛森に向けた手紙であった。

 

「まさか。嘘八百の出鱈目ですよ。ですが、それは藍染隊長直筆の書状に相違ありません。

 つまり、藍染隊長が日番谷隊長、ひいては雛森副隊長を陥れ、殺し合わせようとしているということですな。

 卯ノ花隊長であれば、あの死体に何かしらの違和感を感じていたのでは?」

 

「……あれは死体ではなかったと?」

 

「死体には間違いないでしょうが、『藍染隊長の死体』ではありませんな。

 俺もあの場におりましたが……あそこに磔にされていた死体は藍染隊長ではありませんでした。

 隊長格を含む(・・・・・・)俺以外の者達には、藍染隊長に見えていたようですがね」

 

卯ノ花は沈黙する。確かにあの死体には違和感を感じていた。

ほんのわずかなそれではあったが……隊長格の死神の死体にしては、決定的に何かが足りない。

何かが違う。そんな些細なものであったが、初代護廷十三隊において、十一番隊隊長(初代剣八)を務めたほどの剣鬼の手には、あの死体は間違いなく藍染であったが、同時に決定的に違う何かでもあると、そう感じていたのだ。

 

「おかしいと思いませんか? 養子とはいえ四大貴族当主の妹を、重罪とはいえ死罪にするには厳しい罪で極刑。 しかも本来隊長格の処刑にしか使われぬ双極を用いてまでです。

 如何に四十六室が腐っているとはいえ、四大貴族に真正面から喧嘩を売るほどの愚行、常ならばあり得ません」

 

「四十六室が何者かに……いえ、藍染隊長に惑わされている、と?」

 

「そんな面倒な事はしないでしょう。卯ノ花隊長すら騙し得る幻惑を操るとするならば……

 皆殺しにした四十六室が変わらず動いているように見せる程度は容易いでしょう。

 何にせよ、常ならば立ち入ること叶わぬ場。殺されていてもすぐには露見はしないでしょうしね」

 

「……桃真さん、あなたは何を知っているのです? そして、何を成そうとしているのです?」

 

当然の疑問であった。この朽木桃真という死神、若くして十二番隊の三席に上り詰める才覚を持ち、

良く交流しているという副隊長の勇音から聞くにその人柄も良い。

しかし、こうして顔を合わせ話しているだけでも、不可解な点がいくつも浮かび上がる。

何故こうまで様々な事を知っているのか、そしてこの混乱の最中に何をしようとしているのか。

事と次第によっては、今ここで切り捨てるのもやむなし。

そう思って己の斬魄刀の柄に手を当てるが、桃真はむしろ自分からその間合いへと踏み込んできた。

 

「全てとは言いませんが、大概の事は。少なくとも叔母上が極刑に処されるべき理由を含め……

 今回の騒乱の事ならば、おおよそ全てと言って過言ではないでしょう

 そして、何を成そうとしているか……ですか。難しい質問ですね」

 

「はぐらかすつもりですか? 知っているでしょうが、あなたは今私の間合いに踏み込んでいるのですよ」

 

「存じておりますとも。どちらにせよ本気で卯ノ花隊長が俺を殺す気ならば、

 この身はすでに千々に散っておりましょう。そうなっていないというなら……

 卯ノ花隊長の(本能)は、俺を今斬るべきではないと直感しておられるはず。

 まあ、大した理由でもないのですが……俺は、誰かが傷つくのが嫌なんですよ」

 

「あなたが、ではなく?」

 

ええ、と苦笑し、桃真は言葉を続ける。

 

「厳密に言えば、俺が好ましいと思っている方々が傷つくのが嫌だという事です。

 理由は今は話せませんが……確かに俺は色々な事を知っております。

 だから出来る限り防ぎたいのです。卯ノ花隊長にその手紙をお渡ししたのも、その一環です。 本来であればその手紙はそのまま雛森副隊長へ届けられ、

 そして日番谷隊長と殺し合う事となります。

 それを防ぐために俺は手紙をすり替え、そして藍染隊長……

 いえ、藍染惣右介の策略に介入すべく、

 今こうして卯ノ花隊長にこれをお届けすることにしたのです。

 ……少々話し過ぎましたね。俺はここいらでお暇する事としましょう。

 卯ノ花隊長、その手紙をどうするか、それはお任せします。ただ、誰かがその手紙を求めた時。

 例えば()がそれを返して欲しいなどと言って来たとしても、決して誰にも渡さないでください」

 

「それは、何故です?」

 

それ(・・)俺である保証がない(・・・・・・・・・)からです。

 他人の死体を己の死体に偽装し、卯ノ花隊長の目と鼻を欺くほどの相手です、

 誰かに成りすますなど容易いことでしょう。それでは、俺はこれで。

 色々とやらねばならぬ事がありますので」

 

そう言って、桃真は開いていた窓から飛び出していった。

それを見送り、刀の柄から手を放し、卯ノ花は小さくため息を吐く。

 

「やれやれ……確かに、あの子の言う通り私の(本能)は、あそこで斬るべきではないと言っていた。

 ならば……信じてみるとしましょうか。さて、どう動いたものでしょうね――――――」

 

そう呟いて嗤ったその顔は、ほんの一瞬ではあったものの、千年前ぶりの顔をしていた。

その顔は『あらゆる流派・あらゆる刃の流れは我が手にあり』と嘯いた剣の鬼、

初代十一番隊隊長、卯ノ花八千流(・・・)と呼ばれた頃の、凄絶な笑みであったのだという。

 

 

 

そしてその頃。桃真は地下水路を十二番隊方面へと進んでいた。

飛廉脚も交えながら音もなく駆け――――――十二番隊管轄区の真下まで来ると、横の壁に手を当てる。

すると石の擦れる音と共に壁が開き、隠し部屋が顔を出す。桃真はその中に滑り込むと扉を閉め直し、懐から墨を取り出す。

その墨をもって掌と腕に文様を描くと、両手を前に突き出し口上を始めた。

 

「黒白の羅 二十二の橋梁 六十六の冠帯 

 足跡・遠雷・尖峰・回地・夜伏・雲海・蒼い隊列 太円に満ちて天を挺れ

 縛道の七十七 天挺空羅」

 

突き出した手の先に四角い霊圧の枠が生まれ、そこから放射状に網のような霊圧が伸びる。

縛道の七十七、天挺空羅。霊圧を補足した相手に言葉を届けることのできる鬼道である。

その先に繋がるのは、3人。

 

「聞こえているな、銀城、月島、アウラ。始める(・・・)ぞ。銀城と月島は上で騒ぎを起こせ。

 それを俺が追う形にして案内する。悪いが予定が詰まっている、今夜中に片づけるぞ。

 アウラはそれ以外の者達を連れて双極の地下にある空間へ向かえ。

 今ならば黒崎一護が卍解修行をしているはずだ。処刑の日までそこで待っていてくれ」

 

用件だけを告げると桃真は天挺空羅を切り、隠し部屋の中に常備してある非常食や水で腹を膨らませた後、

部屋の隅にある転移装置を使って十二番隊舎へと移動、そこから銀城達の霊圧を追って飛び出していった。

 




そんなこんなでツナマヨ退治のお時間です。感想でも言った通りサクッと終わらせるつもりですが。

たまには鬼道使わせたいなあと天挺空羅を使わせてみましたが、よく考えたら伝令神機の通信は十二番隊の管轄だからそこでどうにかすればよかったかも?
まあ銀城達伝令神機持ってないし雀夜を介することになるのでやらなくて良かったかも。


■解説

・桃真くん
漆黒の意志を持ちつつある我らが主人公。
卯ノ花隊長の間合いに踏み込んだ時は必死に恐怖を表に出さないようにしてました。
だって怖いもんは怖い。

・塵塚
千本桜と同系統の癖に無傷圏持たない系斬魄刀。
桃真の映し鏡であるからこそ、桃真の最大の欠点、殺意のなさを危惧し屈服の際それを求めた。
戦いとなるとシビアかつ殺意ましましで戦うタイプなので卍解修行中は桃真の手足が気軽に飛んだ。

・卯ノ花隊長
桃真に藍染レター(本物)を託されちょっとネタバレされた。
あの時わずかでも『斬るべき』と(本能)が告げたら桃真が細切れになってた。

・時灘
秒読み。


おまけの雀夜のざっくりした外見置いときます。

【挿絵表示】


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19スレ目

UA八万を超えました。皆様本当にありがとうございます……
そんなわけで19スレ目、ツナマヨ退治のお時間です。
今回本当に好き放題やってるのでご注意ください。


 

【ツナマヨ】時灘殿を守り切れなかった件【処理完了】

 

 

1:OSR

 

悲しいね……

 

[画像]

(時灘が苦悶の形相で息絶えている)

 

 

2:名無しの転生者

 

やりやがった!

 

 

3:OSR

 

俺がたどり着いた時には既にもう……

惜しい人を亡くしたよ。もっと苦しめてやればよかった

 

 

4:名無しの転生者

 

本音漏れてるぞイッチ

 

 

5:名無しの転生者

 

いやまあやるとは思ってたが……

ちなみに具体的に何をしたんだ?

 

 

6:OSR

 

旅禍と戦闘しながら移動している……という体で移動しつつ家に帰宅してたツナマヨを襲撃した

一応貴族街だったし綱彌代家だったからそこそこデカい家だったが、うちよりは狭いな

 

[画像]

(現代日本感覚だと十分豪邸な家)

 

 

7:名無しの転生者

 

四大貴族の本家の家と比べるんじゃありません

しかし大丈夫だったのかイッチ、この世界線だと当主じゃないし分家の末席のままだったろうから比較的には楽だったろうが

というか一般的な隊長格ぐらいの霊圧はあったよな?

 

 

8:OSR

 

まあな。深夜だったしこっそり忍び込んでこっそり殺してこっそり逃げた

一応世間的には行方不明と言う事にはなるな、死体は疑似亜空間に仕舞った

後で涅隊長にプレゼントするよ

 

まあちょっと抵抗されそうになったが、そこは滅却師の王すら仕留めた黄金パターンで仕留めた

具体的には不意打ちで投薬→拘束→尋問→月島による過去挟みまくりで矛盾からの自我崩壊

 

[動画]

(不意打ちで桃真が薬を打ち込んで拘束、銀城による尋問。薬物も使用し洗いざらい吐かされる)

 

『歌匡殿には私こそが雲だと申されたそうですが……なるほどその通りだ。

 ふわふわ漂ってばかりで上を見ようともせず、下を向いて悦に浸っているから星の輝きの尊さも分からぬのですよ』

 

『四大貴族の嫡男として、正義の名のもとに私を殺すのか? 朽木とて罪の重さなら本家の者達と変わらんだろうに!』

 

『正義? 俺のこれはただの私怨だよ。お前が世界の真実を知り、その上で世界を変え祖先の罪を晴らさんとするなら手も貸したがな。

 そもそもお前になど興味もない。必死に集めた宝物ももはやなく、ただ吠えるしかできん野良犬の遠吠えなど不快でしかないな』

 

『そうか……お前が……その口ぶり、自分もまた世界の真実を知っているとでもいうつもりか? それをどうにか出来るとでも?』

 

『出来るかは分からんがやろうとはしているし、プランも進行中だ。

 知っているが故の責任というものもある。

 己の腐った性根を正当化する言い訳に罪を重ねてきたのだろう?

 さあ、贖罪の時だ。精々滑稽に踊ってくれ。――――――月島、良いぞ』

 

(月島がブック・オブ・ジ・エンドで滅多斬りにする。

直後痙攣し、しばらく悶えた後息絶える時灘)

 

9:名無しの転生者

 

おーおー、煽りよる煽りよる、イッチも言うねえ

 

 

10:名無しの転生者

 

斬ってるけど傷がない……うわ、過去改変で挟み込みまくってんな?

矛盾からの人格崩壊を狙ったのか。えっぐ……

 

 

11:OSR

 

どうせなら封殺火刑にでもしたかったがな、処理がめんどくさいからやめた

まあ、霊圧そのものは隊長格級でこそあったが、涅隊長謹製の隊長格にも効く麻痺&自白剤だぞ

依存性も副作用もない逸品でな、流石に隊長格相手だとそんなに長くは効かんが

 

 

12:名無しの転生者

 

何の目的で作ってたんだよそんなヤク……

というか時灘の死体なんてプレゼントしてどうするつもりだ?

 

 

14:OSR

 

麻痺の方は更木隊長の拘束目的、自白剤は趣味つってたな

末席とは言え四大貴族だし、霊圧も一般的な隊長クラスはあるから使いようはたくさんあるぞ

時灘に捨てるところなしだ、どうせならその細胞の一片まで尸魂界に貢献してもらおう

 

 

15:名無しの転生者

 

ヒェ……

 

 

16:名無しの転生者

 

えっげつなぁ……

 

 

17:塵塚

 

ちなみにねー、結構サクっとやってるように見えるけどかなり危ない橋渡ってるからね?

鬼道とか完現術とかで周りに音とか霊圧とか漏れないようにしたりとか、大変だったよね

そもそもツナマヨを抑え込むのに必死だったから見た目ほど楽々やったわけでもないし

 

 

18:OSR

 

まあ実際隊長クラスとやり合える銀城・月島のサポートに徹したからな

斬魄刀も持ってなかったし三人がかりで抑え込むこと自体はできたよ

 

 

19:名無しの転生者

 

時灘の厄介なのはその頭脳や性根もだけど艶羅鏡典のクソ性能もだからな……

この時点だとまだ手中に納めてはいなかったか

 

 

20:OSR

 

え、あいつそんなんもってたの?

どんな性能だったんだ……まともにやり合わなくて良かった

 

 

21:名無しの転生者

 

艶羅鏡典、解号は『四海啜りて天涯纏い、万象等しく写し削らん』

七緒ちゃんの伊勢家に伝わる八鏡剣みたいに綱彌代家に代々伝わる斬魄刀で、能力は『視認した始解の模倣』

簡単に言うと見た事のある始解をコピーできるチート性能の斬魄刀だな

 

 

22:名無しの転生者

 

威力こそ使い手の霊圧に比例するが、能力は完コピできるからたちが悪い

なお映像で見ただけでもOKらしく、ここでツナマヨの映像庁を取り仕切っているという設定が生きてくるわけだ

ちなみに能力の複数同時発動なんかも可能だぞ。千本桜・侘助・氷輪丸を一度に発動したりできる

作中だとイモ山さんの土鯰なんかもつかってたが、隊長格の霊圧で使うから効果範囲なんかも跳ね上がってる

あとは花太郎の瓢丸なんかも模倣して回復してたっけか

 

 

23:OSR

 

ぶっ壊れでは????

いや手に入れてる辺りで襲撃かけなくて良かった、ワンチャン負ける可能性もあったしな……

 

 

24:名無しの転生者

 

まあ、その超性能と引き換えに使い手の魂魄を削る(治らない)という致命的なデメリットがある

そのせいで歴代当主は使わなかったんだが、ツナマヨは他人を煽るために命を懸ける生粋のクズなので普通にフル活用する

 

 

25:塵塚

 

斬魄刀視点からしてもハイリスクハイリターン能力だよね……先祖もツナマヨみたいなのだったのかなぁ

使い手のメンタルがクソだから能力フル活用できるってのも月島っぽいというか……

あいつの完現術、確か挟んだ過去に応じて自分も挟まれるみたいなデメリットあったよね?

それを銀城以外に興味がないという異常な精神性で踏み倒してる

 

 

26:OSR

 

そういやそんなんだったっけな……ほんと敵に回さないで良かった

しかしまあ……本当に殺意湧くクズでもこう、実際に殺してしまうとキツいものがあるな

ヤツにとどめを刺したのは月島だが、俺も殺意を持って銀城と月島を手引きしたし

これが命の重さって奴なのかね、どうにもスッキリせん

 

 

27:名無しの転生者

 

まあ、そうだな……イッチは実際に殺人に関わったのはツナマヨが初か

嬉々として殺す様にならないだけマシじゃないか、イッチはよくやってるさ

 

 

28:塵塚

 

それでもやらなきゃいけないってのは分かってるでしょ?

辛くなったらネムさんやアウラちゃんに甘えればいいんだよ

イチャつけって訳じゃないけどさ、死神としてはまだぺーぺーの新米なんだから桃真は

辛いときはちゃんと辛いって言わないとさ

 

 

29:名無しの転生者

 

せやな

何度も言ってるが、イッチは命を懸けて必死に頑張ってるのは皆よく分かってる

俺らだって誰かを手にかけた経験がないわけじゃねえし、イッチの苦悩も分かるしさ

スケジュール的には明日の正午あたりにルキア処刑が早まるはずだろ、

今日はもう大人しく休んでしまえ。休める時に休んどかねーと肝心なところでミスすんぞ

 

 

30:OSR

 

……すまんな皆。少しは気が楽になった

そうさせてもらうよ、もうちっと証拠隠滅したらいったん元祖勉強部屋に戻ろう

 

 

31:名無しの転生者

 

そうだぞ、美味いもん食って寝ちまえ

対症療法だが美味いもん食って寝ればマイナスの精神状態をプラスには持ってけるからな

 

 

32:名無しの転生者

 

あ、塵塚ちゃん勿論ネムやアウラに甘えてる所は画像撮ってね、出来れば動画

 

 

33:名無しの転生者

 

むしろ塵塚ちゃんから吹き込んでやってくれ

どうせイッチは自分から甘えるなんて出来ねーだろ

 

 

34:OSR

 

ころすぞ?????????

 

 

35:塵塚

 

まっかせーなさーい!

 

 

36:名無しの転生者

 

いやー様式美様式美

このノリがあってこそのこのスレよな

 

 

37:OSR

 

おうケンカなら買うぞてめーら??????

 

 

38:名無しの転生者

 

甘いぞイッチ、塵塚ちゃんがこちらにいる以上イッチの性癖はこっちに筒抜けだ!

……ま、こんな感じでバカやって気分軽くせんとな。気張れよイッチ、明日が正念場だぞ

 

 

39:OSR

 

おうよ、やったるわい

 

 

40:名無しの転生者

 

しかし尸魂界編ももうじき終わりか……感慨深いねえ

 

 

41:OSR

 

油断は出来ねーけどな……確かアニオリ編とかいくらかあったろうし

 

 

42:名無しの転生者

 

ま、そこはそれだ。イッチはアニオリあんま知らんらしいし俺らも調べておくさ

頑張れよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時灘を始末した後、マユリに時灘の死体を渡してから桃真達が勉強部屋まで戻ってくると、勉強部屋の外縁に家が建っていた。

勉強部屋の片隅に立つその平屋の日本家屋は、周囲の景観からすると非常に異彩を放っていた。

近寄って見ればそれなりに大きく、そしてその家屋の中からは数多くの人間と死神の霊圧を感じる。

 

「……この空間には温泉はあれど家などなかったはずだが……ネムさん達は中にいるようだな。

 となると、この家はアウラが建てたものか」

 

「また器用な奴だな……」

 

「彼女、完現術の基礎能力だけは僕らをはるかに上回ってるからね。 

 なるほど、極まった霊子操作能力なら周囲の霊子を集めて建物も作れるって事かい、朽木」

 

感じる霊圧から危険はないと判断。銀城や月島と話しながらも玄関らしき引き戸を開ければ、丁度奥からアウラが顔を出した所だった。

 

「桃真さん! 皆さん、桃真さん達が戻られましたよ」

 

アウラの言葉と共に居間らしき場所の障子が開き、雪崩のように出てくるのは一護・織姫・石田と言った現世組。

そして雀夜と何故かやちる・一角・弓親という十一番隊の面々。

その後ろから剣八が顔を出せば、アウラの来た方からは卯ノ花とネムがやって来た。

予想外の面々に桃真が顔を白黒させていると、手を叩いて出てきた面々を居間に誘導しながら、卯ノ花がにっこりと笑いかけた。

 

「桃真さん、お疲れでしょうが、今後の打ち合わせもありますのでもう少し辛抱してくださいね?」

 

有無を言わせぬ威圧感バリバリの微笑みだったという。

 

 

 

「―――なるほど、旅禍の方々と通じて朽木ルキアさんの奪還を目論んでいたと」

 

「掻い摘んでいえばそうなりますな。先にご説明した通り此度の一件は仕組まれたものです。

 その為に八方手を尽くしていたわけですね。浮竹隊長・涅隊長・父上はこちら側ですよ。

 京楽隊長も浮竹隊長から協力を要請してもらえるとの事ですが。

 ……で、皆様は何故ここに? 旅禍の面々はともかく、卯ノ花隊長や更木隊長達にここの所在を明かしてはいないはずですが」

 

もっともな疑問に対し卯ノ花が答える事には、自分も一枚噛むために探しており、そうしていた所更木一行と合流。その後霊圧探知とおそらくここだろう、と浦原・夜一の現役時代に場所を掴んでいた勉強部屋を訪れたのだという。

説明を聞きながら居間で食事をしていると(食材は卯ノ花が持ち込んだらしい)、剣八が桃真をじろりと睨む。

 

「……あの、更木隊長?」

 

「桃真、てめえ、卍解出来るんだってな?」

 

「出来ますが……斬り合いならしませんよ、命がいくらあっても足りませんし。

 この一件が終わってから一護と好きなだけおやりになってください。俺は忙しいんですよ。

 平時でさえ十二番隊の実働・書類仕事を仕切っておりますし、研究開発もしています。

 俺に粉をかけるより、斬魄刀は直接攻撃系に限る、などという隊の風潮を正すべきでは?

 先代は知りませんが、七代目・八代目の斬魄刀は生物系と鬼道系でしょう、卯ノ花隊長?」

 

「刳屋敷隊長に痣城隊長ですね。そもそも初代剣八(※本人です)からして直接攻撃系ではありませんし……

 そもそも護廷十三隊の総隊長とその副官からして鬼道系の極致ともいえる斬魄刀ですね。

 ……そういえば十一番隊の隊士が救護詰所で暴れるのですよ。部下の躾けがなっていないのではないですか、更木隊長?」

 

卯ノ花に微笑みかけられ(睨まれ)、ふいと視線を逸らす剣八。

その後見つめ(睨み)続けて『……どうにかする』と不承不承の言質を引き出し、

当日の打ち合わせをした後十一番隊の面々を引き連れて帰っていった。

その背が見えなくなってから、桃真はため息を吐いてがくりと肩を落とし、一護がその肩に手をかける。

 

「つ、疲れた……卯ノ花隊長はともかく更木隊長まで来るとは……そう言えば夜一殿は?」

 

「夜一さんなら周囲の警戒やらで外にいるぜ。あの人も大分疲れてるはずなんだけどな……

 疲れてると言えばお前も走り回って疲れてんだろ、休める時には休んどけよ」

 

「そうだな……今日は色々あって疲れた。すまんが先に休む。アウラ、寝所はどっちだ?」

 

アウラに案内され居間を出ていく桃真。

それを目で追いながら、銀城は部屋の片隅で座っていたネムに目をやり、顎をしゃくる。

 

「―――行ってやれ。多分、あいつは自覚してる以上に精神にキてるはずだ。

 正直色々と得体は知れねえ奴だが……悪い奴じゃあなさそうだしな。

 ここで崩れられても困る、行って膝枕でもしてやれよ」

 

「……失礼します」

 

ぽつりと呟いてその場を後にするネムの背を見て苦笑し、銀城は残った面々に視線をやる。

 

「さて、それじゃ、説明会と行くか。俺達が何をしてたのか気にしてた奴らもいるだろうが……

 その前に、昔話をしておくか。俺が尸魂界の連中と関わっていた時期……死神代行(・・・・)だった時の話だ」

 

 

 

その頃、桃真は床の間に敷かれた布団に包まれて寝息を立てていた。

あの後アウラに案内され床に就いた直後、今までの疲れが来たのかすぐさま眠りに落ちる。

それから暫くして目を覚ますと、桃真は両腕に重く、柔らかい何かが絡みついているのを感じた。

寝ぼけた頭で確認しようとして―――硬直する。

 

右を見る。ネムが眠っていた。左を見る。アウラが眠っていた

両腕を見る。がっちり抱え込まれている。2人の立派なお山が当たっていて変な気分になる。

枕もとを見上げる。具象化した塵塚がひとしきり声を出さずに爆笑した後部屋を出ていった。

このやろう覚えてろよ、と怒りの視線を送り、ため息を吐く。

布団に入った後までは1人だったので、恐らく塵塚辺りの入れ知恵だろう。

起こすのも悪いので天井を見つめながら、極力両腕に当たるお山の感触を頭から追い出しつつも現状を鑑みた。

 

(概ね原作通りに推移している……藍染一派の動きが分からないのが怖いが。

 しかしこの段階で卯ノ花隊長と協力体制を取れたのは良かったな……

 懸念事項と言えば雛森副隊長と日番谷隊長か。脱走を俺がキャンセルしてしまったから、

 今頃日番谷隊長と市丸隊長がやり合っているはずだ。死ぬことは無いと思うが……

 朝になったら様子を見に行かないとな。最悪、雛森副隊長が殺される事態は避けたい。

 牢に入れておくよりはこっちで保護したほうが良いだろう……しかし)

 

目を閉じると浮かぶのは、時灘が苦悶し、絶命した時の顔。

殺すしかない悪党であった。殺意を抱く理由もあった。しかし、命を奪った、殺人を犯したという事には変わりはない。

 

(分かっていたつもりだった。今まで幾多の虚を斬ってきた。

 だが虚を斬るというのは、その罪を濯ぐという事であり、そこに否やは無かった。

 直接命を奪ったわけではないと言い訳もできる。

 だが俺は間違いなく、己の意志で人の命を奪ったんだ)

 

胸が締め付けられるような感覚に陥る。

代行消失編で銀城を斬った一護もこんな気持ちだったんだろうか。

一人だけでこれだ、これからの戦いで大勢奪う事になるだろうに、大丈夫なのだろうか?

結論から言えば、やるしかない。かつて宗弦にも言ったはずだ。

外道非道と謗られようと、もっとも血の流れない道を行くと。

 

「それでもまあ……辛いものは辛いんだが。これが命の重さって奴かねぇ……

 こんなカッコ悪い所、ネムさんやアウラには見せられんなぁ。眠っていてよかっ……」

 

気配を感じ、左右に視線をやる。左右合わせて四つの目が、じっと桃真を見つめていた。

 

「……あの、ネムさん、アウラ、いつから……?」

 

「塵塚さんが出ていった辺りからでしょうか」

 

「同じぐらいの時です……」

 

「聞かれてた……まあ、そう言う事です。

 アウラから聞いているかもしれませんが、俺は先程、銀城達と共に人を殺しました。

 綱彌代時灘、映像庁を取り仕切る綱彌代家分家の者で、アウラの父の死の引き金となった男です」

 

ネムの顔を見て、アウラの顔を見て、最後に天井を見つめ、桃真は苦笑する。

 

「俺は塵のような男です。

 護廷の二字を背負っておきながら、人を手にかけるのがこんなにも恐ろしい。

 いつかは来るものと、いずれ手にかけるものと思っていましたが……この様です。

 情けない男でしょう? 普段は気を張っておりますが、実の所、俺は塵を固めて何かを成した気になっている、そんな男なのです」

 

そう言った直後、拘束が解けたかと思えば、ネムの方を向かせられ、抱きしめられた。

更に後ろからはアウラが密着し、先程以上に両側から挟まれて2人の体が押し付けられる。

後頭部と顔面に特に柔らかな感触を感じつつ、桃真は呼吸を確保しネムの方を見た。

 

「ね、ネム、さん?」

 

「私には、桃真さんの苦しみが分かりません。

 分かりませんが……桃真さんが苦しそうにしているのは辛いです。

 男性がそういう時はこうすると良いと塵塚さんや乱菊さんから教わったのですが……

 上手くできているでしょうか」

 

あのサボり魔何ネムさんに吹き込んでんだ! という叫びが喉から出かかるも必死に抑える。

いらん知識を教え込んでいる塵塚(バカ)乱菊(バカ)はともかく、ネムは純粋に好意から、

そして自分を心配してこうしてくれている。

ここで語気を荒げてはネムを傷付ける事にもなりかねない。

内心に吹き荒れる嵐を必死に抑え込むも、後ろからアウラの言葉が聞こえてくる。

 

「わ、私も、桃真さんの事が心配で……でも、どうしていいか、よく分からなくて。

 銀城さんが『そういう時は抱きしめてやればいいさ』と言っていたので……

 塵塚ちゃんからも『アウラちゃんは桃真好みの外見してるし押せば行けるよ!』

 と言ってましたので……ネムさんもいらっしゃるので、難しいとは思いますが」

 

あのプー太郎にナマクラ刀がよぉーっ! アウラに何させてんだぶっ殺す!

という叫びも何とか抑え込み、桃真は深々とため息を吐く。連中は後で始末するとして、

2人の好意を無下にするのも悪い、と、大人しく抱きしめられるままとなる。

するとアウラはさらに身体を押し付け、再び口を開いた。

 

「……それに、桃真さんとネムさんに助けられてから14年。

 私が人として真っ当に育てたのは、あの時お二人と暮らした日々があったからです。

 情けないなんてとんでもない。桃真さんが、私を『人間』にしてくれたのですよ。

 塵のようなと仰いますが、塵も積もれば山となる、という言葉もあります。

 研鑽を重ね少しでも高みを目指そうとするならば、いつか天にも届く山になるでしょう。

 辛いときは言って下さい。こうして寄り添う事しかできませんが……

 私もネムさんも、桃真さんのお傍に居ます。こういう時ぐらいは甘えていいんですよ?」

 

「む、ん……確かに、少し気を張りすぎていたかもしれないな……

 すまない……今夜ぐらいは、言葉に甘えるとするよ。そして、これからも、かな」

 

そうして桃真は力を抜くと、2人に体を預け……

 

「……お望みであれば、お手を付けていただいても構いませんが」

 

「ん゛っ! げほっ、んん゛っ!!

 ……その、すいませんネムさん、体力を使い切りかねないので……

 それにその、アウラもいますし……」

 

「……そうですか」

 

ネムから放られた爆弾が直撃し、大いに咳き込む桃真。

ネムの声にほんの少し残念そうな響きがあったのは気のせいだと思いたい。

そんなことを考えつつも、桃真は再び眠りに落ちた。

 

 

 

なお、この一件は雀夜と塵塚、織姫らによって覗かれており、

翌朝雀夜と織姫の態度がとてもぎこちなかったのだという。

 

めでたくなしめでたくなし。




まあそんなわけで覚悟キマったとはいえ桃真は桃真ですよ、というお話。
今回特に好き放題したので巣が基本やりたいことをやるがコンセプトなので今後もあんまり変わんないかもしれません。

■解説

・桃真
いくら殺す気だったとしても実際に手にかけたことは無かったので、その重みにそこそこ凹んでいる元一般人。美女二人に挟まれて割とのっぴきならない状態だったけど何とか我慢しました。逆向きだったら危なかった。

・ネム
桃真がつらいのはやだなー、せやこういう時はおっぱいに顔埋めてやるといいって乱菊と塵塚が言ってたぞ! をマジで実行したやつ。桃真の桃真の状態には気づいていたのでちょっと誘ってみたけど状況が悪かった。

・アウラ
最早原作小説版アウラとは大分性格変わってきている20代後半。
桃真に対し親愛以上の感情を抱いてはいるもネムがいるしな……という感じ。
銀城と塵塚に吹き込まれたので添い寝からの抱き着きを実行。
桃真の桃真がえらいことになった一因を担う。状態にまでは気が付かなかった。

・乱菊
戦犯その1。
たぶん今頃は吉良とチャンバラしてた頃合い。

・塵塚
戦犯その2。
アウラの気持ちには気づいているので折に触れそそのかしている。

・銀城
戦犯その3にしてファインプレー。
ここまではアウラの知り合いの完現術者、という認識だったのが、ここで初代死神代行だという事をばらした。時灘を殺ったのも言った。

・卯ノ花隊長
この世界線では完全に桃真サイド。ただし勇音さんは巻き込んでない。
剣ちゃんに睨みをきかせたりした。

・剣ちゃん
今回割と貧乏くじ引いた感じの人。流石にここで卯ノ花さんと斬り合い始めない程度には常識があった。


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20スレ目

20スレ目です。
もう数話ぐらいで尸魂界編終わる……といいなあ。



 

【処刑執行】ついに尸魂界編も大詰めな件【ちょっと前】

 

 

1:塵塚

 

[画像]

(桃真がネムとアウラに挟まれて抱きしめられながら眠っている)

 

[画像]

(細く開いた障子から塵塚がニヤニヤしながら、雀夜と織姫が赤面しながら見ている図)

 

 

2:名無しの転生者

 

塵塚ちゃんGJ!

 

 

3:OSR

 

オイコラ塵塚ァ! 何撮ってんだてめぇ!

 

 

4:名無しの転生者

 

ネムとアウラのパイで頭をサンドされながらおやすみしてるイッチには何も言う権利はねえが?????

 

 

5:名無しの転生者

 

織姫ちゃんと雀夜ちゃんがこっそり出歯亀しながら顔真っ赤にしてるのかわいいね……

 

 

6:名無しの転生者

 

……で、イッチよ、ゲッターチェンジ*1したのか?

 

 

7:OSR

 

するわけねえだろ。翌日大立ち回りが予定されてるのに体力浪費できるか

 

 

8:名無しの転生者

 

はーつっかえ!!!!

 

 

9:名無しの転生者

 

織姫ちゃんと雀夜ちゃんに三人プレイ見せつけて翌日余所余所しくなるところが見たかったんだが?

 

 

10:塵塚

 

あ、大丈夫十分余所余所しくなってたよ

 

[動画]

(桃真達が起きてくると顔真っ赤にして「おおお、おはよう桃真君!」とどもる織姫、

 テンパってわたわたと変な挙動をしながら「ゆうべはおたのしみだったんですか桃真さん!」

 と詰め寄る雀夜。雀夜はその後桃真にチョップされ撃沈)

 

 

11:名無しの転生者

 

これが見たかった……ありがとう……

 

 

12:OSR

 

んで、父上から連絡。叔母上の処刑が早まって明日になったとさ

なんとかここまでこぎつけたな……

一護も卍解修行再開して恋次さんも勉強部屋に降りてきて賑やかになってるな

石田もギリギリまで訓練していくってさ。銀城達も付き合うようだ

 

 

13:名無しの転生者

 

あ、スルーした

イッチはまずどうすんの?

 

 

14:OSR

 

そうだなあ、とりあえず雛森副隊長を牢から出しに行くかな

そろそろ頭も冷えたろうし、何よりこのままだと行きがけの駄賃に殺されかねん

 

 

15:名無しの転生者

 

まあ、そういうことするかしないかで言うとするよな、藍染は

 

 

16:名無しの転生者

 

雛森には興味なくともシロちゃんいじめに精を出してるからなあ作中でも……

 

 

17:OSR

 

ともあれ決行だな……さっき卯ノ花さんがアウラ達を連れてったぞ

卯ノ花さんが総合救護詰所を離れている隙に旅禍が仲間を救うために襲撃という体でチャド・ガンジュを解放するらしい

なので今勉強部屋にいるのは

 

・俺とネムさん

・チャンイチと夜一さん(卍解修行中)

・銀城&月島と石田(鍛錬中)

・恋次さん(卍解修行中)

 

となる。まあチャンイチ組以外には恋次さんが出ていくタイミングで脱出して双極集合な、とは伝えたが

俺もぼちぼち出ないとな

 

 

18:名無しの転生者

 

いよいよだなあ。雛森ちゃんを牢から出したら今度こそ藍染一派の目に留まるだろうし、

マジで気をつけろよイッチ、それこそ藍染が出てきたら終わりだぞ

 

 

19:名無しの転生者

 

まあ出てこない事を祈るしかあるめえ

 

 

20:OSR

 

まあそこは本当に祈るしかないからな……そんなわけでネムさんと別れ十番隊舎到着。

……日番谷隊長と松本副隊長がお出迎えしてくれたんですけど?

「やっと来たか桃真、待ってたぞ」とか言われて頭上にハテナマーク乱舞してる

 

[画像]

(むっつりした顔で腕組みしている日番谷と笑顔でひらひら手を振っている乱菊)

 

 

21:名無しの転生者

 

イッチがここに来るの知ってたって事? なんで?

 

 

22:OSR

 

知らん。ので隊首室に場所を移して聞いてみた。

卯ノ花隊長から今日あたり俺が来るかも、みたいな話をされたらしい。

確かに昨夜卯ノ花隊長との打ち合わせで雛森副隊長は保護しておいたほうが良いとは言ったが

あの人手回し良すぎない?

 

 

23:名無しの転生者

 

うーんなんともはや。

そう言えばあれだろ、原作だとこの時間軸だとシロちゃんも処刑反対派になってたはずだよな?

だから協力してくれるって事でいいのか?

 

 

24:塵塚

 

そうっぽいね。掲示板には書かなかったけど、偽藍染の死体磔のとこ、

雛森ちゃんの「お前か!」の所で桃真も割って入ってるんだよ。

その時始解させる間もなく落としてるのを見て『こいつ雛森がこういう行動に出るって知ってたな?』とか感じてたらしい。

そもそもあの偽藍染見ても大して動じてなかったしね、桃真

 

 

25:OSR

 

まあそんなこんなで日番谷隊長にも事情を話してこっち側に入ってもらったよ

あと松本副隊長にプレゼントをした

 

[動画]

(閃花ケツバットでしたたかにケツをカッ飛ばされる乱菊)

 

 

26:名無しの転生者

 

 

 

27:名無しの転生者

 

何してんだよイッチ

 

 

28:塵塚

 

ネムさんにいらん事吹き込んだ罰だってさ

ちなみに銀城もアウラちゃんけしかけた一件でケツバットの刑です

 

[動画]

(閃花ケツバットでしたたかにケツをカッ飛ばされる銀城)

 

 

29:名無しの転生者

 

天丼はやめろ、笑っちゃうから

 

 

30:OSR

 

ネムさんはともかく、アウラにも添い寝ぐらいしてやれよとか言ってたらしくてな……

三人川の字で寝るの久しぶりでちょっと嬉しかったのはあるが

それはそれ、これはこれ。嫁入り前の女の子を男の布団に入れようとか何考えてんだあのプータローがよ……

 

 

31:名無しの転生者

 

うーん、親バカも極まるとここまで目が曇るもんか

 

 

32:名無しの転生者

 

というかイッチ、ネムさんしか見てない感あるしな……

夜一さんの全裸にも動じてなかったろ?

 

 

33:名無しの転生者

 

まあ昨夜は今日大暴れするからと断ったみたいだが、

逆を言えばこの一件が終われば止める理由がなくなるという訳だし

 

 

34:OSR

 

ん? 何のこと? アウラ関係の事か?

 

 

35:塵塚

 

そういうとこだよ桃真

 

 

36:OSR

 

??? まあいいか。とにかく雛森副隊長も牢から出して事情説明アゲイン。

ここで副隊長に渡した手紙が俺の書いた偽手紙だという事をバラした。

元々そんな長々引っ張る事でもないしね

 

 

37:名無しの転生者

 

んで、反応は?

 

 

38:OSR

 

それが不思議と納得してるんだよな……いや驚いていることは驚いてるんだが。

何なら日番谷隊長と松本副隊長の方が驚いてた

 

 

39:名無しの転生者

 

え、マジで? この頃の雛森ちゃん、藍染に心酔しすぎて刺されて寝込んだ後でも信じ込もうとしてたぐらいなのに

 

 

40:名無しの転生者

 

なんだ、藍染に愛想尽かした? ちょっとイッチ聞いてみてよ

 

 

41:OSR

 

あいよ、配信設定にしとくわ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「桃真君、それは本当なの?」

 

「本当ですよ。手紙の現物は卯ノ花隊長にお渡ししましたが、内容は先に述べたとおりです。

 手紙の最後、俺が書き換えた部分には、日番谷隊長が尸魂界の崩壊を狙っている。

 自分の代わりに彼を討ってくれ、それが僕の願いだ。そう書かれていました。まあ、勿論そんな訳はないのですがね」

 

牢から出され、隊首室へと連れてこられた雛森や日番谷・乱菊に藍染死亡の真相を話す桃真。

3人の顔は一様に驚愕に歪んでおり、桃真の言をにわかには信じがたい、と言外に語っていた。

 

「桃真、じゃあ俺達が見た藍染の死体は何だったんだ? 卯ノ花隊長が診ても間違いなく藍染だったんだろう?」

 

「あれは別人の死体に幻覚をかぶせたものですね。幻覚というとやや語弊はありますが……

 雛森副隊長、この顔の人物に見覚えは?」

 

桃真は懐から紙を取り出すとさらさらと筆を走らせ、こけた頬に釣り目の、禿頭の男の顔を描く。

 

「これ……うちの隊(五番隊)の禿丸さん……?

 藍染隊長が副隊長だった頃から五番隊にいる、古株の人だったはずだよ」

 

「なるほど、五番隊の方でしたか。彼に幻覚をかぶせたものです。

 卯ノ花隊長もわずかな違和感を感じてはいたそうですよ。俺にはずっと彼の死体に見えておりました」

 

「桃真、どういう事? あんたには幻覚がかかってなかったって事?」

 

「そうですね。まあ仔細は事が終わったあとお話しますが……要点を先に言いましょう。

 此度の一件、黒幕は藍染隊長です。死体を用意してまで死を偽装し潜伏する理由などそのぐらいですからね。

 叔母上を是が非でも双極にかけねばならぬ理由が、藍染隊長にはある。そういう話です」

 

「確かに……辻褄は合う。藍染が黒幕だとするなら、市丸の奴の動きも納得できる。

 あいつは元々五番隊副隊長、藍染が副隊長だった時代からその下についてたはずだ」

 

「ええ。手紙で誘導し日番谷隊長と雛森副隊長を殺し合わせようとしたのも策のうちでしょう。

 ……いえ、策とも言えないものなのかもしれませんが」

 

言いながら、桃真は雛森に視線を向ける。原作においては藍染を心酔し、刺されてもなお慕い続けた雛森。

それが黒幕などと言い捨てればここで斬りかかって来てもおかしくはない、と思っていたが、彼女は悲し気に笑うのみ。

 

「……雛森副隊長?」

 

「あ、うん……正直、信じられないかな。でも、思ってたほど、ショックはないんだ。

 何て言うのかな、少し前までの私は、藍染隊長に憧れてた。今も憧れてはいるけど……

 藍染隊長の下にいられればそれでいいって、ただそれだけを考えてた。

 そんな私に変わるきっかけをくれたのは、桃真君だよ?」

 

「……俺ですか?」

 

狐につままれたような顔をする桃真にくすりと笑い、雛森は言葉を続ける。

 

「前に聞いたよね、どうしてそんなに強くなりたいのかって。

 あの後私も考えたんだ。藍染隊長に憧れて、副隊長になって。そこで満足してたんだなって。

 だから、いつまでも藍染隊長におんぶに抱っこじゃいられないなって、卍解の訓練もしてた。

 まあ、まだまだ卍解までは遠いけど……それでも、少しは前が見えてきたって感じがしたんだ。

 だからかな、なんとなく、藍染隊長が私を見てないんじゃ、っていうのは、薄々気づいてた。

 ……気づかなかったら、吉良君みたいに連れてって貰えたのかな」

 

「雛森!」

 

悲し気な微笑を浮かべたままの雛森の目尻に、涙が一滴浮かぶ。

その言葉に危ういものを感じたのか日番谷が叫ぶが、雛森は涙を拭き、大丈夫と返事をした。

 

「朽木さんの極刑に対して思うところがあったのは私もだし、桃真君に協力するよ。

 ……出来れば、藍染隊長の真意を本人から聞きたいけど」

 

「ありがとうございます、雛森副隊長」

 

「……で、話もまとまったところで、私達は何すればいいの? 桃真」

 

雛森の話が終わったところで、今度は乱菊と日番谷が口を開く。

 

「松本の話に乗るようで癪だが……この一件はお前の仕切りと聞いてる。

 旅禍の連中に協力すればいいのか?」

 

「そうですね……まずは叔母上の処刑が執行される寸前まで、

 具体的には双極が発動した直後まで待っていただくことになります。

 それに合わせて浮竹隊長が動いてくださるとの事で……あとは流れで叔母上を守りつつ逃げる事になりますね。

 推測が正しければ、双極をどうにかしてしまえば、連中も尻尾を出さざるを得ないはずです」

 

「……分かった。こっちについてる面子は?」

 

その後、4人で今後の動きについて打ち合わせ、桃真は十番隊舎を発つ。

尸魂界の長い一日が、今始まりを告げた。

*1
三人プレイの意




雛森ちゃんの心に芽生えた小さな自立心が起こしたバタフライエフェクトの結果、雛森ちゃんが藍染隊長に反旗を翻し……てはいないなあまだ。藍染隊長呼びだし。
尸魂界編終わるまで牢屋に入れとこうか迷いましたが、藍染の事なので行きがけの駄賃に殺していきそうだな……と救出しました。

■解説

・桃真
計画もいよいよ大詰めなので頼むぞ……余計なバタフライエフェクト起こるなよ……と祈っているやつ。卯ノ花隊長の手回しでなんかルキア救出作戦の首謀者みたいな認知のされ方をされている。
ゲッターチェンジはしなかった。

・雛森ちゃん
桃真に鬼道を教えてた時に話したことがきっかけで自立心が芽生え、その結果愛染の洗脳から抜け出しつつある。現状日番谷隊長預かりと言う事になっている。

・シロちゃん
元々処刑反対派になっていたのもあり桃真の計画に乗った。藍染藍染言ってた雛森ちゃんに自立心が芽生えた事は嬉しいが、まだちょっと危なっかしくて目が離せないと思っている。

・銀城と乱菊
ケツバット仲間。桃真は乱菊に対しては割と容赦がない。(特に教わっていることもなかったので恩もない)


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21スレ目

気付けばUA9万越え、やはりBLEACHはまだまだアツい……!

そんなわけで21話です。今回掲示板パートちょっと短め。


 

【ついに】双極が発動しそうな件【終局】

 

 

1:OSR

 

とまあそんなわけで単独行動中。具体的に言うと双極発動に合わせて日番谷隊長達と合流して四十六室に殴り込む

 

[配信中]

 

 

2:名無しの転生者

 

最初から一緒じゃあかんの? 雛森ちゃんに『私に変わるきっかけをくれたのは桃真君だよ』とか言われたから照れてんの?

 

 

3:OSR

 

地獄に落ちろ

まあ簡単に言えば陽動だわな。俺が中心になって動いてる(と思われてる)だろうから、

単独行動してれば何かしらの接触はあるはずだ。それでなくともここ2・3日派手に動いてるからな

初手藍染じゃないことを祈りたい

 

4:名無しの転生者

 

藍染はな……ギンはその目的上イッチ的にも交渉の余地はあると思うが

東仙は確か対策山ほどしてんだっけ? 原作だと狛村隊長(+七・八副隊長ズ)と一緒だったか

双極発動前ぐらいに剣八とやりあってんだよな

 

 

5:塵塚

 

ここまで藍染からの干渉らしきものすら感じられないのが怖いんだよねえ

鏡花水月は回避できたにせよ、雛森ちゃん関連とか隊長格の動きからして気取られててもおかしくない

 

 

6:OSR

 

それな

まあ今まで極力他の信用できる隊長格と一緒にいたりしてるから手が出しづらいのもあるんじゃないか

昨日とか剣八コンビと一緒だったからな

おっ噂をすれば東仙隊長、狛村隊長と一緒だ。好都合好都合。集中するから返答できなくなる、すまんな

 

 

7:名無しの転生者

 

お、にこやかに話しかけに行った

まあ方々に顔売ってるから信用だけはあるからなイッチ

 

『おお、狛村隊長に東仙隊長! 副隊長のお二方も。……お耳に入れておきたいことが』

 

 

8:名無しの転生者

 

初手で藍染偽死体と手紙の件を暴露すんのは草なんだわ

東仙がなんとも言えん顔をしてるじゃん

 

『そいつは本当なんか、桃真? あの遺体は卯ノ花隊長直々に検分したっちゅう話じゃろう?』

 

『その卯ノ花隊長自身も僅かながら違和感を感じておられたようですよ、射場副隊長。

 そも、その藍染隊長の遺した直筆の手紙に日番谷隊長を狙うように雛森副隊長に指示がありましてね。

 平素の藍染隊長であればまずやらぬことですが……

 潜伏をしやすくするための攪乱と欺瞞工作でしょうかね』

 

 

9:名無しの転生者

 

しれっとギンも関わっている、そして鏡花水月の存在まで示唆……

イッチ、完全に東仙を遠回しに煽って行ってんな?

何でそこまでして煽ってるのかは知らんが

 

『にわかには信じがたいな……しかし、今回の処刑云々、おかしいと言えばおかしいんだよな。

 藍染隊長かどうかはさて置くけどよ、上位席官とは言え副隊長でもない死神を、

 それもわざわざ双極で処刑ってのも、確かにやりすぎと言えばやりすぎなんだよな……

 朽木家に対する当てつけにしても度が過ぎた話だ』

 

『檜佐木副隊長もそう思われますか? 我が朽木家を筆頭にした五大貴族のうち三家、

 そして京楽家、女性死神協会の連名の書状をいくら送ってもなしのつぶてです。

 何かがおかしいと、そうは思いませんか?』

 

 

10:塵塚

 

あー、これね……桃真ちょっとキレてるなこれ。東仙隊長にはちょっと八つ当たり気味の恨みがあってさぁ

 

 

11:名無しの転生者

 

え、何それ。仲間に誘うみたいな話は聞いたけど

 

 

12:名無しの転生者

 

あ、狛村隊長が動いた。この人は山じいの意志が最優先! みたいな人だから説得は難しいぞ?

 

『桃真、おぬしが言う事にも一理ある。しかし元柳斎殿がお決めになられたことだ。

 お前も護廷の隊士であるならば、元柳斎殿のご意思に従うのが道理である。違うか、桃真』

 

『道理ではありますね。俺が今こうして出せる証拠も口先だけのもの。

 狛村隊長を説得するにはいかにも弱い。分かっていたことではありますが……

 縛道の二十一・赤煙遁』

 

 

13:名無しの転生者

 

赤煙遁って言えば大前田が使ってた奴か……待って待って、煙多くない?

狼煙みたいになってんじゃん

 

『説得が無理とあらば、ここで足止めさせていただきましょう』

 

 

14:名無しの転生者

 

いくらイッチでも隊長2人副隊長2人を倒すのは……ああほら煙から抜けた所で東仙が対応した

……ん? 狼煙? あれイッチ、これ……

 

『目が見えぬ私相手に煙幕は悪手だったな、朽木。自分の目をも潰しては意味があるまい』

 

『そうして突出してきてくれることを待っていたのですよ』

 

 

15:名無しの転生者

 

あ、檜佐木が闐嵐で煙幕ふっとばし……うわでた

 

(煙を吹き飛ばした所で剣八が乱入し、それを狛村が受け止める)

 

『更木隊長、狛村隊長はお任せしますよ。斑目三席たちは副隊長方を』

 

『仕方ねえ……ま、狛村ならちったあ斬り甲斐もあるだろうよ』

 

 

16:名無しの転生者

 

ナンデ!? 剣ちゃんナンデ!?

原作に近い流れではあるが!

 

 

17:塵塚

 

まあ元々こういう打ち合わせだったんだよね。隊長格と出くわしたら狼煙上げて剣ちゃんズ呼び寄せる

という風に説明したけど、実の所原作通り七・九チームと出くわしたらこうする予定だったんだよ。

原作通りの流れに寄せるためと、東仙隊長とどうしても戦いたい、って桃真が言うからさあ

ちなみに赤煙遁は疑似重唱で三つ重ねてるから煙も三倍です。流石に六連はまだ無理っぽかった

 

 

18:名無しの転生者

 

どゆこと? 仲間にしたいとは言ってたけどイッチ特に戦わないといけない理由とかないんでは?

むしろ藍染サイドに戦力を把握される危険性が高まるだけでは……

 

 

19:名無しの転生者

 

……あー、なんとなく見当ついたぞ?

 

 

20:名無しの転生者

 

知っているのか>>19!!

 

 

21:名無しの転生者

 

推測込みだが。ほれ、ツナマヨだよ。東仙とイッチには共通項がある。

東仙は親友の仇。そしてイッチにとってはアウラから父親を取り上げた仇だ

だが、イッチからすると東仙もアウラから父親を奪う遠因を作った男、とも言える。

そうだろ塵塚ちゃん

 

 

22:塵塚

 

だーいせーいかーい。よく分かったねえ、花丸あげよう

 

 

23:名無しの転生者

 

????

 

 

24:塵塚

 

ほら、前にスレで*1教えてもらったじゃん?

ツナマヨが仇というのを隠して東仙隊長と知り合って、『敵討ちなんて彼女は望まない』という言質を引き出したうえで煽った話

 

 

25:名無しの転生者

 

あーあったねそういう話も。で、それがどうつながるわけ?

 

 

26:名無しの転生者

 

ああなるほど。そこでブチ切れて殺したりしたらアウラの父親は死なずに済んだかも、ってこと?

 

 

27:塵塚

 

そだね。桃真自身も半ば八つ当たりだってのは分かってると思うよ。

それでもまあ、正義だ何だと言いながら藍染に手を貸してるのも許せないし、

もっといいやり方がたくさんあったはずなのにそれを選ばなかったのも許せない。

何よりアウラちゃんから父親を奪う遠因を作ったのが一番許せない。

色々考えたけど一発ぶん殴ってやらんと気がすまねえ、って言ってた

 

 

28:名無しの転生者

 

まあ、それは……うん、わからんではないがなあ

 

 

29:名無しの転生者

 

実際なりふり構わずぶった斬ればツナマヨぐらいは殺せたかもしれんしな。

分家の末席を殺した程度じゃ首がすげ変わるだけだったかもしれんが、

少なくとも友人の仇は討てた

 

30:名無しの転生者

 

イッチもなんだかんだ熱いやつだもんなぁ。

……まさか殺したりはしないよな?

 

 

31:塵塚

 

しないとは言ってたよ、手加減して当たれる相手じゃないとも言ってたからもしもはあるけど

その為に色々メタ張ってたみたいだからねぇ

 

 

32:名無しの転生者

 

メタを張ってるとはいえ相手は隊長格だしなあ。無理はせんでほしいが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう少し離れましょうか? 更木隊長の戦いに巻き込まれたくはないですし……

 何より、狛村隊長に聞かれてはまずいお話もあるでしょう?」

 

「…………」

 

にこりと笑い、狛村と戦う剣八が見える程度の位置に移動する桃真。

それに応えぬまま東仙は後を追い、桃真が抜刀するのに合わせて刀を抜き、口を開く。

 

「……朽木。君はどこまで知っている?」

 

「どうでしょうね、通り一遍の事は知っているつもりですよ。

 ……例えば、東仙隊長が100年前に自分の上司、六車隊長や同僚たちを斬った、とか。

 浦原喜助殿の追放に関わった真犯人の1人である、とか。

 上司や同僚を斬って手に入れた隊長の椅子、さぞ座り心地が良かったでしょう」

 

「……そうか」

 

東仙の気配が鋭く研ぎ澄まされて行き、その中に殺気も混じる。

今、東仙の中で自分は『警戒すべき相手』から『斬らねばならぬ相手』へと変わった事だろう。

それを見計らい、桃真は東仙に問うた。

 

「一つだけ、お聞きしたい」

 

「なんだ?」

 

「――――――綱彌代時灘を、なぜ殺さなかった」

 

桃真の顔から笑みが消え、ほんの一瞬、東仙は硬直する。憎い仇の名前だったのもある。

60にもならない若年の隊士の口から出る名前ではない、というのもある。

昨夜(時灘)死んだ(殺された)ことも知っていた(・・・・・)し、その下手人が彼であるのも知っていた(・・・・・)

それについては東仙が忠誠を捧げている男からは『静観せよ』との下知が出ていたため放置していたが、

この瞬間、東仙は桃真が『自分』に殺気を、敵意を放っていることに気付く。

当人曰くの『足止め』に留まらない、ともすれば本当に殺す気でいるかのような、鋭い気配だった。

 

「復讐は何も産まないからか? 故人がそう言ったからか? ならなぜおまえはそこにいる、東仙要。 友の横で、自分を慕う部下の上で、どんな顔をして生きていた、答えろ」

 

回転をかけた瞬歩(閃花)からの胴薙ぎ、滑るような歩法(飛廉脚)からの足薙ぎ、

息つく暇のない目まぐるしい攻めを捌きながらも、東仙は疑問符を浮かべる。

何故、彼はこれほどまでに自分に敵意をむき出しにしているのか、と言う事だ。

 

その口振りからするに、どういう訳か100年前の浦原喜助追放の真相も掴んでいる。

そしてその更に昔に起こった綱彌代時灘との確執も。

多数の隊長格や隊士を抱き込み朽木ルキアを救うにあたり、自分と藍染、市丸には決して助力を求めなかった。

雛森桃の一件でも、藍染惣右介が黒幕であると知らなければできない動きをしていた。

責任転嫁をするつもりはないが、ならば憎しみを向けるならば藍染のはずだ。

自分が(・・・)これほどまでの敵意を向けられる理由とは?

 

「……果たすべき大義のため、為すべき正義のため。

 ただ最も血に染まぬ道を行く。それだけの事だ」

 

「――――――笑わせるな!」

 

桃真の突き蹴りを受け止め、大きく飛び退る東仙。そこに追い打ちをかけるように襲い来る(桃真の始解)

それを『清虫』の音波で吹き飛ばしながら、東仙は瞠目する。

 

(解号を呼ばぬ始解、それは即ち――――――)

 

卍解に至ったものは、解号を呼ばずとも始解を可能とする。

朽木桃真が卍解を習得している、と言う事については調べがついていた。

恐らく、自分が卍解を習得しているという事が露見している前提で彼は戦っているのだろう。

その上で彼はこう言っているのだ、自分は卍解をいつでも使える、お前も卍解を使えと。

 

「今ここに至るまで、どれだけの屍を積み上げた? どれだけの血を流してきた?

 それが一つ増えるだけだろう、お前が時灘を殺さなかったせいで、ある少女の父は死んだ。

 元死神代行・銀城空吾、その下に集った者達もだ。 お前があの時手を下すのを迷ったせいで、多くの人間が死んだぞ。

 そんな貴様が血に染まぬ道(・・・・・・)だと? 冗談も大概にしておけ、東仙要。

 復讐を諦め、藍染惣右介に頭を垂れたその瞬間から、お前の身は返り血に塗れている。

 さあ、抜け(卍解をしろ)よ東仙要。友の(斬魄刀)を血に染められるのならな」

 

その瞬間、桃真は何かが切れた音を聞いた。実際には幻聴の類であったのだが、

膨れ上がった東仙の敵意や殺意が、そのような音として聞こえたのかもしれない。

東仙は刀を立て、鍔についている輪に手を当てる。すると環が回転しだし、鍔から外れ、

巨大化したかと思えば九つに分かれて周囲に散り、東仙と桃真を取り囲んだ。

 

「――――――卍解」

 

その言葉と共に周囲に散った『輪』から何かが溢れ、周囲を覆っていく。

桃真は周囲が覆われていくにつれて、目が、耳が、鼻が、霊圧知覚が鈍くなっていくのを感じ―――

 

「清虫終式・閻魔蟋蟀。さあ朽木、お望み通りの私の卍解だ。 もはや言葉も聞こえてはいないだろうが……

 お前の存在は藍染様にとって必ずや障害となる。故に、ここで必ず排除させてもらう」

 

東仙の卍解、『清虫終式・閻魔蟋蟀』が完成するとともに、桃真は無音無明の暗闇へと落とされた。

 

*1
本編で描写していない小説パートに切り替わった後のスレの流れ




そんなわけで桃真VS東仙勃発。
次回はほぼ小説パートの回になりそうです。


■解説

・桃真
アオリ・ジツを会得していた我らが主人公。
半ば八つ当たりにもほどがあるのは理解しているけど、それはそれとしててめえいっぺんぶん殴る! となった。
キレると素が出るタイプ。

・東仙隊長
仇が死んだ上にその仇に手を下した当人から喧嘩売られたでござるの巻、な苦労人。
桃真的には復讐諦めた負け犬がよぉ! な感じだけど作者的には結構好きな人です。
実際時灘に対してどウするつもりだったんでしょう。

・狛村隊長
桃真の介入の結果剣ちゃんとやり合うことになったお方。
まあ死にゃあせんでしょう。

・剣ちゃん
ゴキゲンで狛村隊長とチャンバラしてます。
何したら死ぬんだろうこの人。


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22スレ目

UA10万越え! 日頃のご愛読ありがとうございます。なんとかハイラルちほーから一時帰宅できました。
今回は前回の予告通り小説パートましましでお送りします。


【卍解】ついにお披露目、塵塚ちゃんな件【発動】

 

 

1:塵塚

 

やっほー皆の衆! スレ伸びそうだったから新たにスレ立てしたよ!

桃真は引き続きスレに上がってこれないから私がスレ立て!

 

 

2:名無しの転生者

 

おつおつ

さて閻魔蟋蟀発動したが、イッチはどうするかね?

色々メタを張っているとは聞いてたが

 

 

3:名無しの転生者

 

つうかあれな、イッチの視覚が遮断されてても配信だと見えるのね

配信者に優しい仕様

 

 

4:名無しの転生者

 

まあこの掲示板どっちかっていうと理の側の産物だしな

いち死神の卍解による五感の遮断程度じゃあ阻止はできんでしょ

確か他のスレでるろ剣の宇水*1に転生した奴、普通に配信設定で周り見えてたしな

 

 

5:塵塚

 

あ、やっぱそうなんだ。和尚あたりだと干渉できそうで怖いなぁ……

 

 

6:名無しの転生者

 

和尚は確かマジモンの神格らしいからなぁ

……なあ塵塚ちゃん、イッチ普通にもの見えてない? 東仙の方向いて喋ってるけど

 

『本当に視覚・嗅覚・聴覚・霊圧知覚を封じるようだな? 搦め手系の卍解は初めて見るので新鮮だ』

 

 

7:名無しの転生者

 

ホンマや。あ、でも焦点は合ってないか? じゃあなんで分かってんだ?

あ、躱した。剣ちゃんみたいにちょっと刺さってから避けてるわけじゃないのに

 

 

8:塵塚

 

あー、これね。色々メタを張るって言ってたじゃない? その関連で五感を弄る改造してたじゃん

その応用で触覚を増幅させたうえで、エコーロケーションみたいな使い方してる

別口の肌で感じた音波を脳内で情報に変換する改造もしててさあ

骨伝導に原理としては近い? 厳密には違うけどね

 

 

9:名無しの転生者

 

五感操作は鏡花水月対策として、まーたこの瞬間でしか役に立たなそうな限定的スキルを……

まあ筆跡模倣よりはまだ使いどころがありそうではあるが。

……ん? 触覚増幅してるって事はこれ攻撃喰らったらめっちゃ痛いのでは?

 

 

10:塵塚

 

私と卍解修行してた時よりはマシじゃない? 手足は飛ばないし

あっ、桃真そろそろ卍解しそう。ごめんちょっとスレ離れるね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……朽木、見えているのか?」

 

「自身の卍解を信用してやれ東仙。見えては(・・・)いないよ。

 これでも十二番隊三席でな。触覚を用いて(・・・・・・)ものを見るぐらいはやらんと涅隊長に怒られる」

 

事もなげに言う桃真に内心舌打ちをしつつも、東仙は紙一重で攻撃をかわし続ける桃真に攻め手を強くしていく。

朽木桃真、あの涅マユリの弟子ともいえる立場にして、四大貴族、朽木家嫡男。

四十六室(藍染一派の根城)に延々と嫌がらせの手紙を送りつける、旅禍と早々に協力し様々な攪乱行動を行う、

隊長格の大半に話をつけ、処刑反対派に引き入れるその立ち回り、まるで未来が見えているかのようだ。

その上で今はどういう経緯か東仙の卍解を把握し、その間を縫うような対策で自身に抗して来ている。

元々かつて放った改造虚の一体を完封するなどその才の片鱗を見せていたが、東仙はここに来てその異質さを肌で感じでいた。

 

(やはりこの少年は、藍染様にとって障害となりうる。卍解がまだ未熟な今、確実に始末せねば……)

 

攻め手を強める。桃真も流石に避け切れずに攻撃を受け始めるが、それでも致命的な一撃は避け続けている。

卍解をする隙を狙っている、そう考えた東仙はさらに攻撃を加えようとするが、必殺の間合いまで踏み込んだ途端、全身を衝撃が襲う。

 

「ぐっ……っ!?」

 

竜巻に揉まれるかのような衝撃に吹き飛ばされるも身をよじって着地する東仙。

その直後、桃真の霊圧が格段に高まるのを感じた。

 

「ああ……どうも身内が関わると熱くなるのは俺の悪い癖だ。ありがとうございます東仙隊長、血が抜けたおかげで頭も冷えました。

 俺が滅却師の技を学んでいるのはご承知でしょう? 今のはその歩法の応用でしてね。

 霊子の流れを周囲に張り巡らせることによって防御を行う……という技なのですが、如何でしたかな。

 まあ、こんな小手先の技、隊長格には大したことは無いでしょうが」

 

桃真が片手を上に翳すような仕草をすると、そこに現れるのはざらりとした質感の、鍔のない刀。

それが桃真の斬魄刀『塵塚』の塵を圧し固めて成型した姿だと気付いた瞬間、桃真が口を開く。

 

「東仙隊長の卍解、清虫終式・閻魔蟋蟀。十分に拝見させていただきました。

 なればこちらも抜かねば(卍解せねば)無作法というもの。我が卍解、とくとご覧ください。

 ――――――――――――卍解」

 

周囲から、何かが桃真を中心に集まり、その背後に形を成していく。

東仙の霊圧知覚には、桃真の霊圧を持つ何かが周囲を覆い尽くす様に生まれ、桃真の背後へと集まってゆくのを感じた。

形を成したそれは、見上げるほどの巨大な石碑のような、四角柱の物体。言うなればそう――――――墓石のような形をしていた。

 

「――――――塵塚無縁仏(じんちょうむえんぼとけ)。父上に比べればつまらぬ卍解ですが、どうかご賞味あれ」

 

直後、巨大な墓石が爆発するかのように砕け散り、それを構成していた莫大量の何かが空間を満たしていく。

それらを精査し、東仙はその「何か」の正体に気付いた。

 

「そうか……これは、塵か!」

 

「ええ。我が卍解、塵塚無縁仏。基本的には始解の特性をシンプルに増強した形になりますね。まあ、それだけではありませんが」

 

そう言うと、手の上に浮かべていた刀を掴み、一振りする。すると周囲に舞っていた塵が刀にまとわりつき、その姿を変えた。

塵を固めたような質感はそのままながら、いくつもの節を持つ巨大な鉈(蛇尾丸)のような姿へと。

 

「それは……」

 

「何、知った形に固めているだけですよ。積もりて形成す。卍解に至れどそれしかできぬ、つまらぬ卍解です。

 ともあれ、立ち話もなんでしょう? そろそろ我が卍解、ご賞味ください」

 

にこやかに微笑む桃真の意思を反映したかのように、東仙を取り囲む塵の群れが、ざわりと音を立てた。

 

 

 

 

絶え間なく響く剣戟の音。平素の落ち着いた雰囲気とは打って変わって目まぐるしく攻め立てる桃真。

その手に持つ塵の刃も攻撃の度に姿を変え、蛇尾丸であったかと思えば槍からの三節棍(鬼灯丸)鎖鉄球(五形頭)

はたまたアーマーリング(雀蜂)連なったショーテル(藤孔雀)など、その度に間合いや立ち回りそのものが変化する。

しかし一見余裕の笑みで煽りすら交えて東仙を圧倒しているように見える桃真であったが、その心中は真逆のそれであった。

 

(次は凍雲、氷輪丸、足元を塵で崩し、斬撃を飛廉脚でいなし……っ! 痛ってえ! 一撃貰った!

 駄目だ、思考を止めるな! 攻め立て続けろ、鬼道を使う暇を与えるな!

 自力ではまだ届かねえ、対策と初見殺し、そして煽りで揺さぶりをかけようやく足下に及ぶ相手だ!

 一瞬でもあっちのペースに持ち込まれればそこから崩される!)

 

手の内を対策し、五感を奪われた状態でも動けるように鍛錬を重ね、自分のペースを押し付けることでようやく戦いになっている。

塵塚との卍解修行で痛みを無理やり押さえつけて戦う事に慣れることで、触覚を増幅したデメリットを踏み倒す。

それでもなお強い。ここで負けるわけにはいかないが、今後の為にもまかり間違っても東仙を殺すわけにもいかない。

そんな紙一重での綱渡りを続けている桃真の脳裏に、自分でない自分(塵塚)の声が響いた。

 

『やっぱキッツイんじゃん、強さで言うとギリギリ隊長に届くかどうかってレベルの桃真が東仙隊長とタイマンとか無理でしょ。

 今は押してるけどさー、卍解の限界時間だってあるんだし、桃真に花を持たせてあげようとしてたけどもういいや。

 勝手に手伝うからね、元々そう言う約束だし』

 

(ッ……元より選んでられるほど余裕じゃねえしな、頼むわ、塵塚)

 

内心でため息をつき、塵塚の提案を受け入れる。詠唱破棄の鬼道を自分もろとも巻き込む勢いで放ち、

強引に東仙との距離を開け、顔に余裕の笑みを張り付け、嘯く。

 

「どうです、東仙隊長。我が卍解は。小手調べはここまで、そろそろ真打ちと行きましょう。

 ――――――影童子(かげどうじ)

 

言葉と共に桃真の前に塵が集まり人の形を成していく。ぼさぼさの長髪に死覇装の小さな少女の姿。

瞬時に形を成し、色がつくと同時に少女―――『塵塚』はその赤い目を開き東仙を見た。

 

「やっほ、東仙隊長! 桃真がご迷惑をお掛けしております! 塵塚だよ!

 ……ま、時間も押してるしさっさと片付けちゃおうか。二対一だけどそっちだってその子(清虫)いるしイーブンだよね?」

 

「斬魄刀の具象化……か? あれには基本的に戦闘能力は無いはずだが……そう言う事ではないのだろうな」

 

「そだね、具象化とはちょーっと違うかな。あくまでこの『影童子』()『塵塚無縁仏』()の技の一環なんだよね。

 そもそもさっきの桃真の説明、間違ってはいないけど全部話してもいないし?」

 

話ながらも桃真と連携して襲い掛かる塵塚。手が塵になったかと思えばその手の中に刀が現れ斬り付け、

避けたかと思えばたなびく髪が刃となって襲い来る。確かにこれは具象化ではない。

この少女そのものは、周囲に満ちる塵を集めて人型に固めたものでしかないのだろう。

 

「まあ、それだけではないとは言ったでしょう? 我が斬魄刀、塵塚は元々自我の強い斬魄刀でしてね。

 言い含めておかないと勝手に具象化してしまうんですよ。そして卍解はその特性をも増幅させるのです。

 お気づきですか? その『影童子』(塵塚)、私は動かしておらぬのですよ」

 

言われて東仙は、『影童子』と共に襲い来る塵の動きが、鋭さを増している事に気付く。

厳密に言えばすべての塵がそうではないが、先程まではどこか命までは取らないという甘さの見え隠れするそれだったのに対し、

鋭さを増した動きをする塵からは『いっそここで死ね』とばかりの殺意に満ちた攻めであった。

 

「自動攻撃型の斬魄刀……いや違うな、刀と鞘が塵に変わる自我の強い斬魄刀、

 その基本性能を卍解により引き上げた結果……死神と斬魄刀、二人で同時に制御する斬魄刀と化したという訳か」

 

「おー、あったりー! 花丸あげよう! ま、動きをよく見れば私と桃真の操る塵は見分けられるけど、

 分かったところであんま意味ないけどね。別に反目してるわけじゃないし。

 まだまだ双極も発動してないしね、もうちょっとあそぼっか」

 

 

 

同時刻。瀞霊廷・清浄塔居林。

本来は中央四十六室の構成員の為の居住区域であったが、現在は死を偽装し潜伏し、

四十六室を皆殺しにした藍染の潜伏する場所として使用されていた。

そこに踏み入る死神が1人。死覇装の上から白い羽織を着た、銀髪狐目の男。

三番隊隊長にして藍染惣右介腹心の部下、市丸ギンであった。

 

「藍染隊長、東仙隊長、あかんのとちゃいます? ええと、そう、朽木クンとええ勝負してるみたいやけど」

 

その声に応じるように、奥から現れる、優しげな面差しの眼鏡の男、藍染惣右介。

桃真のような上っ面だけではない、心底からの余裕の笑みを浮かべ、ギンに軽く手を挙げた。

 

「ああ、それは僕も見ていたよ。万全であれば万が一にも要に負けは無かったろうが、

 相応の対策をもって戦いに臨んでいるようだ。これは……もしかするかもしれないね。

 それに何より、彼は今回の一件の中心人物の1人だ、彼を連れて来てもらえるかい、ギン。

 ……そうだ、そう言えば彼は、かつてメタスタシアの寄生能力を受けて生き残っていたね?」

 

「メタスタシア……ああ、あの改造虚。それがどないしはりましたん?」

 

「メタスタシアとの戦いで、その能力に対し的確に対処しているのが気になってね。

 それに……あの後カルテを見た限りでは涅隊長のワクチンは虚の霊圧を無毒化しているが、消滅はしていない。

 ともすれば……彼を使えば、百年前とはまた違う結果になりそうだ、と思ってね。

 要との比較観察も必要だろう?」

 

「悪い人やなぁ。あの子、確か日番谷隊長や雛森ちゃんと知り合いやったし、面白いことにはなりそうや思いますけど」

 

変わらぬ笑みの藍染に対し、苦笑するギン。具体的にどうする、とは言われていないが、大方の予想はつく。

藍染の興味の対象になったであろう桃真に僅かばかりの憐憫の情を抱くが、抱くだけでギンは指示通りに彼らの元へと向かった。

 

 

 

 

そして場所は戻り、桃真と東仙の戦いは先程より熾烈さを増していた。

幾分か落ち着きを取り戻したのか鋭さを増す東仙の剣に、最早余裕の笑みすらかなぐり捨て、全力で立ち向かう桃真。

弾き、避け、かすってはその激痛に眉をしかめ、それでも致命打を与えるべく死力を尽くす。

 

「笑みが消えたな、朽木。お前は私の心が揺らいでいるうちに決着をつけるべきだった。

 伝わってくるよ、お前の焦りが。たとえ閻魔蟋蟀に対抗策を練ったとしても、

 私の心を惑わし剣を鈍らせたとしても、二対一という数の利を得ていたとしても、お前の剣は私には届かない。

 たとえお前が見えぬ状態で戦う術を持っているとしても、私が闇の中を歩いてきた時間からすれば、あまりにも短い」

 

疲労と消耗からか僅かに甘い軌道で放たれた桃真の剣を弾き、襲い来る塵、そして影童子(塵塚)を鬼道で吹き飛ばし。

真っ向から振り下ろされた剣が、桃真の左鎖骨を断ち割り、その肉に大きく食い込んだ。

 

「く、そ……ッ!」

 

「さらばだ、朽木桃真。お前の怒りは理解できる。私の行いが罪というなら憎むがいい。

 お前は、生かしておくには危険すぎる。せめて、出来る限り苦しまずに殺してやろう」

 

更に力を籠め、そのまま桃真の体を真っ二つに割ろうとしたが……不意に、刃がそれ以上進まなくなった。

見れば腕や刀身に埃……否、塵がまとわりつき、必死に押し返そうとしている。

 

「足搔くな、私の剣も押し戻せぬほどに弱ったお前が、これ以上何ができるというのだ」

 

「う、るっせぇ……! 待ってたんだよ、刀身を、体で……受け、止める、この瞬間、をっ!」

 

桃真の左腕が東仙の腕を抑え込み、右腕が跳ね上がる。

右手には霊子で構成された手甲のようなものが装着されており、

その手甲に沿うように光の矢が浮かび、その先端は東仙の方を向いていた。

 

「……! 滅却師の霊弓か!」

 

「痛くて、気が、飛びそう……だがよ! 今ならはっきり見える(・・・)ぜ、東仙要!」

 

抜き打ち気味に放たれた矢は東仙の喉元を目掛けて飛び――――――その首を僅かにかすめて飛んでいく。

それと共に桃真が脱力、最後の抵抗だったか、と再度力を籠めようとして……東仙の肩口に灼熱感が走った。

 

「が――――――っ!?」

 

桃真に負わせた傷のように深々と東仙の肩口に食い込んだのは、先程外れた霊子の矢(・・・・・・・・・)

視線を向ければ、そこには悪戯が成功した! とばかりに笑う塵塚が、霊子の矢を刀のように振るっていた姿があった。

 

(さっきの一撃は苦し紛れの悪足搔きではなかった、と言う事か――――――!)

 

「滅却師の矢は使いようによっては剣として使える、っての思い出してなかったらヤバかったよね。

 桃真ってば指示もなんもしないでただぶっ放すだけだったもん。……ま、それはそれでいいや。

 桃真死にそうだし、治療のためにもあんたには死んでもらわないと――――――」

 

そこまで言って、塵塚は自分の胸に何かが刺さっているのを感じた。

感覚を巡らせてみれば。閻魔蟋蟀の形作ったドーム外から伸びて来た刀身(・・)が、

桃真、そして東仙をも貫通して自分に突き刺さっている、と言う事を認識する。

 

「……やっばいなあ、ここで終りかぁ」

 

そう呟いて、『影童子』(塵塚)は文字通り塵に還る。

そして周囲の塵が統制を無くし、一部が集まったかと思えば鍔のない刀(塵塚の封印状態)に戻る。

使い手の意志に関係のない卍解の解除、それは即ち、桃真自身の命が尽きようとしていることを示す。

 

「くっそ……卍解の……限界か……」

 

「これは……神槍(しんそう)……市丸か……!」

 

思わぬ横槍によって、折り重なるようにして倒れる桃真と東仙。

そして周囲を覆っていた閻魔蟋蟀のドームもまた砕け、斬魄刀(清虫)へと戻っていく。

そこへふわりと降り立つのは銀髪狐目の青年―――市丸ギン。

 

「――――ああ、こらあかん。朽木くんだけ狙うつもりが、東仙さんまで刺してもうた。

 まあええか。連れ帰って死なない程度に直したら同じやろ」

 

ギンは悪びれる様子もなくそう言うと2人を担ぎ、鉄笠が割れて狼頭を晒し、

全身に傷を負ってもなお剣八と交戦中の狛村に向け、声を張り上げた。

 

「狛村さーん! この二人治療してもらいに連れてくんでそっちは1人で頼みますわ!

 もうちょいで処刑らしいんで早目に上がってきてなー!」

 

言うだけ言って狛村の反応を待たずに消えるギン。

その少し後、遠方からの強大な霊圧を感じ、狛村と剣八は足を止め、そちらの方を見る。

視線の先、遥か遠方には、丘の上に建てられた巨大な矛と磔台(双極)。それが、今にも起動せんとしていたのだ。

 

「これは……!」

 

「……あァ、どうやら……始まったみてえだな」

 

双極が起動準備に入る。それは処刑が今まさに行われんとしていることを示し、

また同時に、朽木ルキアを巡るこの騒乱、その終結が近いという事もまた示していたのだった。

 

 

 

*1
るろうに剣心に搭乗した盲目のキャラ。盾チク戦法が得意




そんなわけで22スレ目でした。
この展開は割かし初期からやりたかったのでようやく形にできた……と感無量。まだまだやりたいことはありますが。

次回はスレ立てる人がいないので小説パートのみでお送りします。


■解説

・桃真
ついに卍解を披露するも東仙と一緒に串団子になった悲しき主人公。
対策と初見殺しと塵塚への無茶ぶりで何とか相打ちぐらいには持ってけた。
ギンにやられるまではまだ卍解維持できてたので横槍が無ければギリギリ勝ててた。

・塵塚
ようやく卍解を披露出来て大暴れしてた。
影童子や形状模倣以外にも色々技はあるけど出してる余裕が桃真にはなかった。
実はスレには書き込まなかったがスレの配信窓で内部を視認しながら戦っていた。ラジコン動かす感覚。

・東仙
メンタルが持ち直せば桃真を圧倒出来るぐらいの実力差はあった。
そこを対策と初見殺しで埋めきれなかったのは純粋に実力差。

・ギン
外部から霊圧探知して神槍した。
東仙にも当たったのは想定外だったけどまあ治せばええやろとか思っている。

・塵塚無縁仏
基本的には始解をシンプルに増強するタイプの卍解。
塵を用いた形状模倣、サンドブラスト攻撃に加え、塵塚自身の意志で塵を制御できるようになっているので影童子のような使い方もできる。
なお習熟度と燃費の関係で1人しか出してないけど普通に何人も出せるし、
無限の剣製ごっこもできる。形状の模倣しかできないので模倣するのは直接攻撃系(あるいは形状だけの模倣)に留まる。

・桃真の霊弓
イメージとしてはガントレットにボウガンがくっついたようなタイプ。
Fateのロビンフッドの奴みたいな感じ。

・スレのやつら
イッチが相討ちかと思えば横神槍でそのまま配信切断だったので割と阿鼻叫喚。


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スレの外の話・尸魂界編1

この作品始まって初めての小説のみのお話です。
次か次の次っくらいにはまた多少なりスレに戻れるかな……


 

(――――――恐ろしくはない)

 

双極の磔架に捕らえられ、目の前に発動した炎熱の大鳥、燬煌王(双極の矛)が顕現していてもなお、ルキアの心は穏やかだった。

得難い出会いがあった。親友である恋次、義兄である白哉、その息子、桃真、恩師である海燕。

そして生き別れになっていた義兄の妻にして実の姉、緋真。

浮竹を始めとする十三番隊の皆に、よく自宅に訪れる女性死神協会の面々。

 

(私は果報者だ。こんなに多くの人と出会うことができた。暖かな人の心に触れることができた)

 

そして、現世では、黒崎一護を始めとする様々な面々と出会い、交流し、助けられてきた。

そんな彼らを置いてゆく事に、いくらかの悲しみはある。寂しさもある。

だが、定められた処刑、それを阻止するために皆があらゆる手段で走り回ってくれていた。

その事が、ルキアにはただ嬉しかった。

 

(私が死んだら、皆は悲しむのだろう。だが、きっとそれを乗り越えて明日へと歩んでゆけるはずだ。

 この処刑に思うところはある。それをさせんがために皆が奔走していたのも知っている。

 それ程までに私は思われていたのだと、少しばかり自惚れるぐらいは、許されるだろうか)

 

燬煌王の穏やかにも見える瞳が、ルキアを見据える。

それを真っすぐに見返しながら、ルキアは一筋、涙を流し呟いた。

 

「――――――さよなら」

 

しかし、目の前に広がる爆炎がルキアの体を焼くことはなかった。燬煌王とルキアの間に、一人の少年が立っていたからだ。

驚くべきことに斬魄刀百万本に匹敵する威力を持つ燬煌王(双極の矛)は、少年が背負う巨大な刃で受け止められていた。

オレンジ色の髪に死覇装、そしてその手にはかつてとはずいぶん様変わりした、巨大な斬魄刀。

 

「……一護……!」

 

「よう」

 

燬煌王を片手で受け止めながら、何でもないかのように笑う少年、黒崎一護。

途端、様々な感情が押し寄せ、胸が詰まり、最初に口を衝こうとした言葉を無理やり抑え込み、「莫迦者」と一護を罵った。

 

「何故また来たのだ! 許さぬと言ったはずだ!」

 

「え!? いやここはありがとうって言う所だろうが!」

 

「双極を受け止める程に強くなったのは分かった! だが、ここからどうやって抜け出すつもりだ!

 お前が受け止めている矛と同様に、この磔架もまたそれを受け止めるほどの硬さを持つのだぞ!?」

 

だからせめてお前だけでも逃げろ、そう言おうとしたルキアを制し、一護はにやりと笑った。

 

「まあ、やってやれないことはねえだろ。それに……お前に死んでほしくねえって奴は、たくさんいるみたいだぜ?」

 

そう言って一護は燬煌王を指で示すと、その首に縄のようなものが巻き付き、先端の杖が伸びて地面に刺さる。

伸びてきた方の縄を追えば、そこには縄の根本であろう盾のようなものを構えた自分の上司、浮竹。

そしてその後ろに付き従うように志波夫妻が控えていた。

 

「浮竹隊長……海燕殿、都殿……」

 

「あの人ら、お前の上司なんだってな。だいぶ心配してたみたいだぜ?

 (燬煌王)の方はどうにかしてくれるみてーだし、俺はこっち(磔架)をぶっ壊すとするか!」

 

言いながら一護は磔架に飛び移り、斬魄刀の握りから伸びるサラシを掴み、振り回し始める。

そして、一撃。ただの一撃で、斬魄刀百万本分の攻撃力の矛を受けても傷一つない磔架は破壊され、ルキアは解放された。

そして同時に、浮竹、そしてその場に居合わせた京楽により燬煌王もまた破壊され、折れた矛だけが残される。

空中に放り出されたルキアを小脇に抱え、一護は口を開く。

 

「ゴチャゴチャうるせーんだよお前は。二度目だな、今度こそだ。

 ―――助けに来たぜ、ルキア」

 

その言葉にルキアはぎゅっと目をつぶり、目尻に涙を浮かべた。

 

「……礼など……言わぬぞ……莫迦者……」

 

「……ああ」

 

 

 

 

―――同時刻。中央四十六室には、日番谷と乱菊、そして雛森の三人が到着していた。

本来であれはここに桃真もいるはずだったが、刻限と定めた双極の発動まで隊舎に現れず、

足止めを喰らっていると判断して到着を待たずに先行したのだ。

そして、そこで日番谷たちは驚くべきものを見る。

 

「全滅している、だと……?」

 

中央四十六室。尸魂界全土から集められた40人の賢者と6人の裁判官で構成される最高司法機関であり、

本来その決定はたとえ隊長格と言えど異を唱えることは許されない。

その四十六室が皆殺しにされていた。それも、飛び散った血が黒く乾ききるほどの時間が経過した上で。

それはつまり殺されたのは昨日今日の事ではないことを示し、ここ数日の四十六室の命令は全て偽装された命令であることも示す。

 

「阿散井がやられて戦時特例が発令されてからずっと、ここは隔離状態になっていたはずだ。

 誰一人近づくことなどできなかったはず……それに、扉にこじ開けた形跡は一切なかった。

 ならこれは――――――お前の仕業か、藍染!」

 

その声にこたえるように、四十六室の奥、清浄塔居林の方から拍手が聞こえ、一人の男が顔を出す。

優しげな面差しに眼鏡をかけた男、藍染惣右介だ。

 

「ご名答。まあ、大方の所は合っているよ、日番谷隊長。松本君も、雛森君も、よく来てくれた。

 桃真君の差し金かな? あの子もここ数日随分派手に立ち回っていたようだからね」

 

「藍染、隊長――――――」

 

雛森の息が詰まる。目の前の男は敵だ。ルキアの処刑を強行し、自分と日番谷を殺し合わせようとした男だ。

しかし、その眼差しは、その声は。雛森桃が憧れた、五番隊隊長、藍染惣右介そのままであった。

 

「桃真に聞いた。お前が俺と雛森を殺し合わせようとした、恐らくは深い理由もなく、とな。

 ――――――雛森は、お前に憧れてた。その隣に並び立とうと必死にあがいて副隊長になったんだぞ!?」

 

日番谷が吠える。それを一身に受けながらも。藍染はその表情を変えることは無かった。

 

「知っているとも。自分に憧れを抱くものこそ最も御しやすいものだ。

 そのために僕は雛森君を僕の部下にと推したんだ。いい機会だ、君達に一つ、覚えておいて欲しいことがある。

 ――――――憧れは、理解から最も遠い感情だよ。憧れは熱意にもなりうるが、同時に目を曇らせる毒でもある。

 憧れ、理想を投影してしまっては、相手の真の姿など見えはしないんだよ。

 尤も、僕の本当の姿など、誰一人理解できていなかったようだがね。

 ――――――出てきたまえ」

 

藍染の最後の言葉は自分の後ろに向けられ、そこからは雛森よりもなお小さな影が歩み出る。

戦闘を経たのかボロボロになった死覇装に、鍔のない青い鞘の斬魄刀。

俯いて顔は見えないが、その姿を日番谷たちは見間違えることは無い。

朽木ルキア奪還を先導した首謀者でもあり、本来日番谷たちとここに来るはずだった少年、朽木桃真だ。

 

「桃真、くん……?」

 

その声に応えるように、桃真が顔を撫でるように(・・・・・・・・)しながら顔を上げる。

その顔は、真っ白な、恐竜の頭骨のような仮面―――虚の仮面(・・・・)で覆われていた。

 

「ちょっと桃真、それ――――――」

 

「積もりて形成せ―――塵塚」

 

乱菊が声を上げようとした刹那、桃真は解号を唱え斬魄刀を解放する。

それを飛び退ってかわしながら、日番谷の脳裏に疑念がよぎる。

 

(―――なんだこの霊圧は。今の声は、誰の声だ?)

 

直前に会った時の穏やかな霊圧とはまるで違う、強大で荒々しい虚のそれ(・・・・)が混じった霊圧。

そして桃真の口から出たであろうその声は桃真の声によく似ていたが、僅かに甲高い声だった。

まるで、別の何者かが桃真の口を借りて話しているように。

 

「ああ、一つ言って置くと彼は朽木桃真君本人で間違いないよ。

 今身体を動かしているのはまあ、言うなれば虚をベースとした別人格のようなものかな。

 止めるならば早くしたほうが良い。彼の人格が消えたら、恐らくは完全に虚になるだろう。

 ……まあ、最低限殺せば止まるはずさ。それができればの話だが」

 

「藍染ッ!」

 

「僕に注意を向けていていいのかい? そら―――」

 

大きな破砕音と肉を斬り、骨を断つ音。振り向けば、吹き飛ばされ壁にめり込む乱菊。

そして―――袈裟懸けにばっさりと切り裂かれた雛森の姿があった。

 

「―――大事なものすら取りこぼす。今の彼……もしかしたら彼女かも知れないが。

 情けの類は期待しない方が無難だよ、日番谷隊長。

 今、体の主導権は完全に別人格側にある。彼の潜在能力を引き出したうえで、情けという限界を取り払った状態だ。

 彼の才能は、彼に剣を教えていた君も良く知っているだろう?」

 

「雛森――――――ッ!」

 

その声に反応したかのように、雛森をぞんざいに放り捨てながら『桃真』が日番谷の方に向き直った。

仮面の奥、唯一伺い知れる瞳が上弦の月のように歪み、くつくつとした笑いが漏れ聞こえる。

嗤っている。何もできなかった日番谷に対してか、殺戮の悦楽にかは分からない。

だが、常の桃真であればけしてしない嘲りに満ちた笑いを受け、日番谷の中で何かが切れた。

 

「――――――卍解」

 

怒りに満ちたその声と共に日番谷の霊圧が高まり、氷輪丸(斬魄刀)を握る右手を中心に氷が覆い、龍の如きあぎとを形作る。

背から伸びる翼と尾、そして背後に浮かぶ四枚一組の氷の華。これこそが日番谷冬獅郎の卍解―――

 

「大紅蓮氷輪丸。藍染、俺はてめえを……殺す」

 

殺気の籠った日番谷の威圧を受けてもなお藍染は眉一つ動かさず、嗤う。

 

「……あまり強い言葉を使うなよ。―――弱く見えるぞ。桃真君……いや、桃真君ではないのだから何と呼べばよいのかな?

 ともあれ、引き続きお願いするよ。日番谷隊長も君を無視しては僕を斬れないだろうしね」

 

その声に応えるように、『桃真』が2人の間に割って入る。

そして『桃真』は僅かに高い、桃真によく似た声で、一言。

 

「卍解―――塵塚無縁仏」

 

周囲の塵が集まり巨大な墓石を形作って――――弾ける。

騒乱は確実に終わりに向かっている。が、その終わりはまだ、杳として分からない。




そんなわけでシロちゃんが雛森ィしました。おかしい、こんな予定はなかったはずなんだけど……気が付いたら雛森ィしてた。とてもたのしかったです。

■解説

・桃真&塵塚
現在名無し(仮)に体を乗っ取られている。
原作で言うと白哉戦でホワイトお兄ちゃんがチャンイチの体を乗っ取って戦ってる感じ。

・名無し(仮)
現在桃真の肉体の主導権を握っている何者か。
桃真に出来ることは大体できるし、色々な意味でリミッターが外れているので東仙と戦ってた時の卍解桃真よりずっと強い。

・藍染
ちょっと憧れから脱却した雛森ちゃんとお気に入りのシロちゃんで遊んでご満悦。
さっさと双極行けばいいのに余裕ぶっこいて観戦してる。

・シロちゃん
雛森ィした。そして卍解もした。藍染を殺す気だけど確実に名無し(仮)が割り込んでくるので実はかなり分が悪い。

・雛森ちゃん
雛森ィした。早く治療しないとやばい。

・乱菊
壁にめり込んだ。雛森ちゃんよりは軽傷。


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