ロンメルの開拓 (ゆっくり霊沙)
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プロローグ

1話は前のお話を知っている人向けです。

次の話からでもわかるようにしています


 ~謎の場所~

 

 白い空間……この場所には異世界を旅する者が通る通過点

 

 この空間には3名のウマ娘が存在していた

 

 最年長のエクリプス

 

 2番手のマンノウォー

 

 そしてロンメルである

 

(お久しぶり……そしてお疲れ様ロンメル)

 

(おう、ロンメル久しぶりだな)

 

 エクリプス……イギリスを代表する名ウマ娘である

 

 Eclipse first, the rest nowhere.

 

 意味 唯一抜きん出て並ぶ者なし

 

 ことわざにもなった強いウマ娘であり、最初の異世界転移者である

 

 主な異世界はドラえもん、ポケモン、HUNTER×HUNTER

 

 念能力を操り紅茶を産み出して優雅に今も飲んでいる

 

 マンノウォー……アメリカのビッグレッドと言われた名ウマ娘

 

 主な異世界はジョジョの奇妙な冒険

 

 スタンドが居るらしいが見ることができない

 

 ……そしてロンメル

 

 戦国時代、鬼滅の刃、暗殺教室……そしてウマ娘の世界を駆け抜けたウマ娘

 

 凱旋門3連覇した芝ダート問わない走りと強すぎるゆえに魔王と言われた

 

(久しぶりですねロンメルさん)

 

(おう、久しぶりだなロンメル……どうだったウマ娘の世界は)

 

「随分と醜い生き方をしてしまいました」

 

(そう……私からのプレゼントは受け取った様ね)

 

 プレゼント……エクリプスがウマ娘の世界に残した贈り物である

 

 それは四次元ポケットとポケモンの木の実、HUNTER×HUNTERの植物の種であった

 

 死に際に身につけていた物と身につけた技術、知識を異世界に持っていけが、肉体は10歳から15歳の間まで若返るというルールがある

 

 転移するにはその世界で何か偉業を成し遂げる

 

 例えば悪の親玉を討伐したとか世界を救ったとかレースで伝説になったとか……偉業ならなんでも良い

 

 ロンメルも四次元ポケットがあるがゆえにウマ娘世界の機械類や植物の種等を持ち運べるのでエクリプスには感謝している

 

 これだけで餓えて死ぬ確率がグッと減る

 

(俺達の子孫はどうなっていた?)

 

「エクリプスさんの子孫は貴族として残っていましたが、マンノウォーさんの直系らしい直系は……」

 

(そうか……ロンメルは子孫は残してきたのか?)

 

「私の手では育てませんでした。養子として他のウマ娘に託しました」

 

(随分と複雑そうだな)

 

「まぁ色々と」

 

 

 

 

 

 ロンメルが持ってきた物を整理しよう

 

【自律思考固定砲台】……律という暗殺教室時代からの友人でありノルウェーの天才科学者が作ったAI

 

 自律して思考し、成長を続ける怪物であるが肉体が無いのが欠点

 

【殺フォン】……殺せんせーが作ったスマートフォン(ロンメルが更に改造)

 

 6.7インチのディスプレイ、画面サイズは(幅×高さ×厚さ)72mm×166mm×8.9mm

 内蔵メモリはの100TB

 重さは450g

 様々な電話会社の電波をジャックして通話やインターネットをすることが可能です! 防塵、防泥、防弾、耐斬撃、耐衝撃etc……

 使用可能時間 動画1250時間

 なぜか入っている謎アプリ集達(ポケモン図鑑、悪魔召喚プログラム等)

 

【反物質細胞】……触手細胞とも言う反物質生成装置

 

 ロンメルの肉体を循環することにより反物質を産み出す

 

 そこから産み出されるエネルギーは日本の総エネルギーの10分の1にもなる

 

 色々と万能

 

【刀】……殺影月とも言いロンメルの愛刀、ギミックがある

 

【ポケモンの木の実】……ポケモンの全種類の木の実

 

【HUNTER×HUNTERの作物】……異常な生命力を持つ植物

 

 だいたい食べられる

 

【機械類】……ロンメルが研究していた色々な物がある

 

 多すぎてよくわからない

 

【穀物、野菜、果物の種】……遺伝子改造されており従来種よりも収穫量が多く味も良い

 

【衣服や毛布等の寝具】

 

【道具類】

 

【ポリゴン・ロトム】……ポケモン2種類

 

 

 技術系

 

【全集中の呼吸】……炎、水、月とオリジナルの霸の4種類の呼吸を操る、時間経過で強い肉体を得れる

 

【剣術】……戦国次第にト伝から習った剣術を長年かけて進化させた技達

 

【透き通る世界】……別名一之太刀、世界が透ける、エコーやレントゲン要らず

 

【暗殺術】……死神の名を襲名するほどの実力

 

【格闘術】……空手や柔道、ボクシング等0距離でも死角は無い

 

【特殊な血液】……どんな生物へも輸血可能な特殊な血液

 

 輸血するとその生物もこの血液型に変貌する

 

【近未来の技術】……100年先を行く技術

 

【遺伝子工学】……ロンメルが一番得意な分野

 

【チャクラ操作】……チャクラ(生命力)を操作して肉体に活力を与える

 

【波紋の呼吸】……全集中の呼吸の上位互換

 

 ただ才能の有無によって覚えられない者もいる

 

 以上がロンメルの持ち物、技術等である

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼女達との情報共有も終わり、異世界に旅立つ

 

 ロンメルの目の前には扉が現れる

 

 1つはモンスターボールが描かれていた

 

 1つは白いキューブみたいなのが扉から漏れている

 

 1つは戦車のマークが描かれていた

 

 ロンメルはモンスターボールの扉を握りそのまま異世界に旅立った



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開拓開始

 扉をくぐった先は浜辺であった

 

 透き通る海

 

 綺麗な海岸

 

 跳び跳ねるポケモン達……

 

「ん? やっぱりポケモンの世界かぁ」

 

 ゲームで遊んだことのあるポケモン

 

 ロンメルは早速殺フォンというスマホを起動する

 

 するとロンメルの腰からロトムがスマホに入り込む

 

『ピロロロ……解析中……解析中……ロト! ご主人様初めまして……私の名前はロトムロトよろしくお願い致します』

 

 スマホにロトムが入り込みスマホロトムとなる

 

「あぁ、初めまして……律は居るかい?」

 

『ロンメルさん何ですかこいつは! コラ! 私の居場所ですよこのスマホは!』

 

『ロトロト……怒らないで欲しいロト。喋る為にはこの機械に潜り込む他無かったロト』

 

『むむむ!』

 

「はい、喧嘩しない。とりあえず周辺を探索しますよ」

 

 ということで周囲を探索を始める

 

『ナッシー、タマタマ、ナッシー、タマタマ、クラブ、ヤドン……』

 

『同じポケモンしか居ませんね』

 

「攻撃してこないから放置」

 

 海岸を走ること数時間

 

 どうやらこの島相当広いらしい

 

『自動マッピング中……自動マッピング中……』

 

『ぐぬぬ、ロトムが居るお掛けで充電が減らない……私の居る意味』

 

『ポリゴンに潜り込めは良いんじゃないロト?』

 

「やってみますか」

 

 ポリゴンを出すとスマホにポリゴンを潜り込ませて律のアプリをポリゴンにダウンロードする

 

 するとポリゴンが輝きだす

 

「進化かよ……」

 

『起動確認起動確認……はい自律思考固定砲台インストール完了……ポリゴンP(パーフェクト)……律です!』

 

「なんか見たこと無い姿に進化したぞ」

 

『ロトロト……ポリゴンP、ポリゴン2を更なるアップデートに成功した姿、膨大な情報処理能力はスパコンを上回る。異次元空間を移動できる』

 

『なんか凄い姿になりました!』

 

 見た目はポリゴン2の足? みたいなのが3つ体の周りを衛星のように浮いている

 

『レベルは1ロト。ロトと一緒ロトね』

 

「お前も1なんかーい」

 

『おお、凄いですね! 肉体がある! 色々な情報が頭に入ってきますよ!』

 

「律が良いならいいや……さて何か有るかな?」

 

 走って移動していると船着き場の様な場所が目に入った

 

「船着き場?」

 

『船着き場ポイですね』

 

『船着き場ロト』

 

 とりあえず行ってみるとボロボロであった

 

 穴の空いた船の様な物が浜辺に転がっており

 

 桟橋は噛み砕かれたかのように先が無くなっていた

 

「……人がいた? 痕跡かな」

 

 とりあえずそこから周辺を探索してみる

 

 するとすぐ近くにボロボロの民家の様な掘っ立て小屋が幾つもあった

 

「誰か居ませんか!」

 

『生態反応あり……こっちです!』

 

 律が案内するとそこには無惨な死体となった男性とそれを食べている熊だった

 

『ピピ、リングマ冬眠ポケモン 木の実を普段は食べるが子作りのシーズンとなるとエネルギーを求めて凶悪となる』

 

 グルル! 

 

 ロンメルが来たことによってターゲットをロンメルに変える

 

 ロンメルは素早く腹の四次元ポケットから刀を抜刀すると斬りかかる

 

 正確にリングマの首をロンメルは跳ねた

 

 びちゃっ

 

 リングマは首が宙に舞うとそのまま家の壁にぶつかり、コロコロと足元に転がる

 

 ビューとリングマの残った胴体から血が溢れでる

 

 どちゃり

 

 リングマはそのまま絶命した

 

『『お見事』ロト』

 

「スーハァー……隠れている人よ……もう出てきて大丈夫ですよ」

 

 ロンメルは硬く閉ざされた扉に声をかける

 

 そっと扉が開くと中から子供が出てきた

 

「「父ちゃん!!」」

 

 子供達は亡くなった男性の元に駆け寄りわんわんと泣き始める

 

 見ると凄い痩せており、食事が十分に取れてない事がわかる

 

「……律はここで子供達を見ていてくれ」

 

 ロンメルは直ぐに外に出て住居を巡る

 

 食い散らかされた遺体が3体……生きている人を探す

 

「……ここか」

 

 ロンメルは洞穴の様な場所を見つけると声をかける

 

「リングマは倒しました……誰か話せる人は居ますか」

 

 中の空気がざわつく

 

 そして扉がそっと開き10名の男女と子供が出てくる

 

「ほ、本当ですか」

 

「ああ、倒しました」

 

 ロンメルが襲われていた家を指す

 

 男達が恐る恐るロンメルに着いていきながら家を覗くとリングマの死体が転がっていた

 

「お、おお! リングマが倒されちょる!」

 

「誠か!」

 

「お主が倒したのか!」

 

 男達はロンメルの手を握ると涙を流しながら感謝する

 

「あの……色々と聞きたいのですが」

 

「す、すまん。村の者を集めて話さないといけんな!」

 

 そう言うと男は生き残った人達を比較的綺麗な屋敷に全員集める

 

「12人……限界集落未満だな」

 

「旅の人でええんか? ポケモンとの混血と見えるが」

 

「ん? ああ、ウマ娘という別種です。異世界からの迷い人と言えば良いでしょうか?」

 

「何でもええ、リングマを倒してくれてありがとう!」

 

 その場に居た全員が頭を下げる

 

「いえ、対したこと無いです。頭を上げてください。あと私の名前はロンメルと言います。代表者で良いので名前を教えてください」

 

「……拙者が、最年長のアオギリと申す」

 

「アオギリさんですね。まずここはどこですか?」

 

「ここはフォルモサ……未開拓の島でごわす」

 

「フォルモサ……未開拓の島ということは開拓しに来たのですか?」

 

「あぁ、最初は150人くらい居たんだが、凶悪なポケモンに襲われみるみる数を減らし、ここに居る12名を除き全滅してもうた」

 

「それは……御愁傷様です……なぜ開拓に?」

 

「……口減らしでごわす。祖国もポケモンと争い生存圏を広げるために戦っているのでごわすが、人が住める場所よりポケモンの生存圏が広く……結果こうして口減らしとして毎年何百名と開拓と称してこの呪われた島……フォルモサに来るでごわす」

 

「んん? そしたら普通ポケモンと戦う為に前線に送られそうだけど?」

 

「兵士として戦うにも兵糧や武器等が必要でごわす。トレーナーになるのにも学が無いとなれないでごわす。貧民には学ぶためのお金も無く……こうして開拓に飛ばされるでごわす」

 

「んー、デストピア……なるほど食料等はどうしているの?」

 

「農業をしようにもポケモンが大量に生息していてできず、木の実を決死の覚悟で拾ってくるでごわす」

 

「そりゃ栄養失調になるわ」

 

「栄養……?」

 

 ロンメルは頭を抱える

 

 ここまで残酷なポケモンは嫌であるが来てしまった以上頑張らないといけない

 

「よし、なんとかしてやる。まず腹ごしらえだ」

 

 ロンメルはポケットから食料を出していく

 

「こ、米だ!」

 

「ポケットからお米が大量に!?」

 

「神様だ! 神様が参られた」

 

「はいはい、神でも何でも良いから食事にしよう。リングマ解体して熊鍋で良いか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 まず島民の内訳は成人男性3人、女性3人、男子2人女子4人

 

 時代背景的には明治開拓時代くらい

 

 モンスターボールが高級品らしいので量産されていない

 

 最初にやることはマンパワーの確保……か

 

「生態分布を確認しつつ各自ポケモンを最低1体は保有、逃げられる時間を稼ぐ……かな」

 

 とりあえず刀でポケモンが斬れることはわかった

 

 そしてこの世界のポケモンは普通に食べられるということだ

 

 ヤドンのしっぽだけでなくリングマを解体して普通に熊鍋で食えたし……

 

「食用ポケモンが居る世界か……随分と物騒だな」

 

 そしてポケモン達も人間に平気で牙を向く

 

 LEGENDSアルセウスの世界に近いかもしれない

 

「ポリゴンとロトムが居るのは大きい……居ないと自分一人で色々とする羽目になったと思うとぞっとする」

 

 現在村人達は亡くなった者の墓を作っている

 

 供養しないとゴーストポケモンとして生きている人に災いをもたらすらしい

 

「手元にあるモンスターボールは20個……ぼんぐりは植えれば1年で収穫できるが玉石は手元に無い玉石が無ければ蜘蛛系のポケモンから取れるポケモンの糸で捕獲用ネットを編まなければならないが……はてさて」

 

「村長供養が終わりました」

 

「……村長?」

 

「ダメでしょうか……」

 

「いや、やってあげるよ」

 

 パアっと明るくなり

 

「ありがとうございます」

 

 と女の子が言う

 

 随分と殺伐とした世界だが戦国時代の様で少し馴染む

 

「さてと、まずは労働力の確保か。ここら辺はどんなポケモンが生息しているかわかるかい?」

 

「えっと……アオギリさんなら何か知ってるかも」

 

「わかった」

 

 ということで墓でアオギリを発見してここら辺のポケモンを聞くと

 

「ヒメグマ、リングマ、オドシシ、シキジカ、メブキジカ、マリル、ブイゼルにタマタマ、ナッシー、クラブ、ヤドン……か」

 

 マリルリとブイゼルか戦力になりそうなのは

 

 リングマはどうだろ? 制御不能になれば危なすぎる

 

 他どちらかと言うと食料だしな

 

「とりあえず戦力を確保しないと危ない。1人1体はポケモンを捕獲しましょう」

 

「子供達には危なくないか?」

 

「子供達もポケモンを持ってもらわないと自衛できずに死ぬのが一番まずい。ポケモンが戦っている間に逃げればそれで良し」

 

「でもモンスターボールが無いでごわす」

 

「それは私が出そう」

 

 そう言ってロンメルはポケットからモンスターボールを取り出す

 

「そ、村長は妖術を扱いになるのでごわすな」

 

「まぁ妖術みたいなものか……とりあえず私が偵察に行くからここで待機。子供達を落ち着かせておいて」

 

「はい!」

 

 ということでロンメルは川辺を探しに歩いていく

 

 海、川、森……開拓できれば素晴らしいポテンシャルを秘めていそうな場所であるがリングマの被害が絶えないらしい

 

 川辺にはブイゼルとルリリ、マリル、あとコイキングが泳いでいるのを確認

 

 とりあえず近づいてきたルリリのしっぽを持つとプシューと水鉄砲をしてくる

 

 ロンメルが尻もちするくらいには威力が出る

 

「とりあえず律、川に電撃波連打」

 

『了解しました』

 

 バチバチと高電圧の電撃が川に流れプカプカと痺れた水ポケモン達が浮かんでくる

 

 ロンメルはモンスターボールでブイゼルやマリルを何匹か捕まえ、コイキングはモンスターボールがもったいないので網で捕まえる

 

「よしよしゲット」

 

『ロンメルさん、レベルが上がったみたいです! 力が湧いてきます』

 

「それならなお良し」

 

 で、コイキングを担いで村に戻る

 

「コイキングって食えるの?」

 

「食べられますよ! 中に身がぎっしり詰まっていて……表面は固いですが」

 

「海や川にいっぱい居るけど取らないの?」

 

「漁師の者も居たのですが、海はギャラドスが生息しており、川のコイキングはすばしっこく、なおかつ周りにもポケモン達が妨害してくるるのと泥臭いのですよ」

 

「なるほど……泥臭いのをなんとかすれば良いのか」

 

 ということでロンメルはコイキングの下処理を始める

 

 井戸水とバケツを用意してまずコイキングを絞める

 

 脳を針で破壊して、頭を切断、捌いて血抜きをし、綺麗におろしていく

 

「おお、凄い手際」

 

 にが玉を取り除き、唐揚げにしていく

 

「油をこんなに大量に……」

 

「オレンの実はお好みで、はい完成」

 

 この日の夕飯はコイキングの唐揚げとご飯を食べて終わりとなった




ポリゴンP・・・バーチャルポケモン

ポリゴン2の分岐進化

種族値
HP-攻撃-防御-特攻-特防-素早さ
100-45-95-155-95-70

合計種族値560

HPと素早さが増え攻撃を削り特攻に割り振られたポリゴンZのバグが無くなった姿

特性 学習する固定砲台
特殊攻撃の威力がレベルが1上がるごとに上がっていく

1レベル1.01倍
50レベ1.5倍
100レベ2倍

覚えている技

電撃波、テクスチャー、悪巧み、丸くなる






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家作り ウマ娘作り

 ポケットモンスター……縮めてポケモン

 

 ゲームフリークより発売されたポケモンは日本のみならず世界規模の大人気ゲームである

 

 全年齢が対象だが、幽霊や戦争等の描写がこっそりされており、悪の組織といった世界を混乱に陥れる組織がお約束で登場する

 

 で、外伝的な作品になるがLEGENDS アルセウスなるポケモンが存在する

 

 現代から転移した主人公が昔のポケモンの世界で四苦八苦しながら各地の異変を解決し、その地方にいる全ての種類のポケモンを集め、アルセウスという神話のポケモンに会うために行動していく物語であるが、他のシリーズと違うのはポケモンが恐れられていることである

 

 これまでのポケモンシリーズはポケモンは良き隣人であるとなっていたが、故郷が焼かれたために開拓しにその地方にやって来た経緯からポケモンは恐ろしいものであると人々は口々に言う

 

 ロンメルが今居るポケモンの世界もそうである

 

 色々と詳しく聞いてみるとこの島に開拓団は既に8回も送り込まれているらしいが全て失敗しているとのこと

 

 政敵や貧民を中心に送り込まれ、ろくに支援も受けられないため島流しの刑罰として機能しているらしい

 

 ガチの犯罪者は処刑されるのでこの島には来ないのだとか

 

 今回生き残っているメンバーは全員が貧民で、政治犯等は居ないらしい

 

「まず皆はどの様にしたい?」

 

 ロンメルがコイキングの唐揚げを食べている全員に聞く

 

「どの様に……とは?」

 

「豊かになりたい。こんな思いをさせた本国に復讐したいとか色々とあるでしょ」

 

「……余裕のある生活がしてみたいです。自分の田畑が持てれば最高です」

 

「よしわかった。それを基準として生活基盤を整えていこう」

 

 せっかくだ

 

 前の世界では自粛していた物を色々とやってみよう

 

 ただまずは自衛能力を身に付けないと

 

「明日からまずは自衛できる力を身に付けてもらいます。大人子供関係ありません。よろしいですね」

 

「「「はい」」」

 

 ということで翌日皆にマリルとブイゼルのボールを村人達に配り

 

「まずはポケモンバトルに慣れましょう」

 

 と言ってポケモンバトルをさせてみる

 

 使える技を教え、1対1のポケモンバトル

 

 まぁぎこちないし動きが固いし指示が遅い

 

 かといってロンメルもポケモンバトルは未経験なのでデータを取って勉強し、改善点を言っていく

 

「指示が遅い、もっと早く」

 

「はい!」

 

「ポケモンの技範囲に入らない、かといって離れすぎて指示が聞こえないとダメだからもっと声を出す」

 

「はい!」

 

 等々改善点は山ほどあるが1つずつ潰していく

 

 

 

 

 

 

 

 ミッション1、住居を作ろう

 

 掘っ立て小屋ではポケモンの襲撃があった際にどうしようもないので頑丈な家を作ろう

 

 ということで村人達がポケモンバトルの練習をしている間にロンメルは森で木材調達と穴を掘って地層調査を行う

 

「フムフム、火山灰の地層があるから火山が近くに有るな。……となるとあの山が火山か?」

 

 ということで火山らしき山に向かってみる

 

 走ること30分にて活火山に到着

 

「湧水が多いな。あと炎ポケモンも多い……火山灰や硫黄、鉱物資源も豊富……か、これは良い発見だ」

 

 ロンメルはコンクリートの材料として石灰を数tと火薬や農薬の原料である硫黄を数百キロ採取

 

 四次元ポケット様々である

 

 他にも掘っていると化石、各色の玉石、鉄の欠片、宝石(○○のジュエル)類が手に入った

 

 玉石が手に入ったのは大きい

 

 鉄の欠片と合わせればより高性能なボールを作ることが可能だからだ

 

 ロンメルが村に戻り工事を始める

 

 木材はそこらに木々があるのでそれを使っていく

 

 石灰と川砂を混ぜ合わせ石灰モルタルを作り、そこからローマコンクリートを作っていく

 

 それと木材を組み合わせた家を作っていく

 

「ぐう……やっぱり弱体化しているな」

 

 特殊能力である波紋の呼吸(ジョジョの奇妙な冒険のあれ)やチャクラ(NARUTOのあれ)にて肉体強化を行っているが昔みたいに1日で家が建てられるなんてことは無く、1週間かけて地道に家を建てる

 

「あの俺達も手伝いますよ村長」

 

「まず君達はポケモンバトルを覚えてください」

 

 と言って1人で建てていく

 

 食料はまだまだあるので問題なく、時折律に頼んで電撃漁法でコイキングやマリル、ブイゼルを捕える

 

「マリルは良質な筋肉で引き締まった豚の様な味わい、ブイゼルは首の浮き袋以外は全て食べられますね。骨も煮込めば出汁が出ますし」

 

「ポケモンってこんなに美味しいんだ」

 

「私自身驚いていますが野生でこれですので養殖したらもっと美味しいのでしょうね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 コンクリートと木造を組み合わせた住居が完成し、ロンメルは次にモンスターボールの作り方を教えていく

 

 森を探せばぼんぐりの木が生えており、そこから幾つか拝借した

 

 とりあえず失敗しても良いのでモンスターボールを作らせる

 

「まずぼんぐりを半分に割り、中身をくりぬき、玉石をすりつぶした粉末を中に塗っていきます。金具でボールの開閉口を作り、閉じたら引き締めるために沸騰したお湯で茹でます」

 

「10分茹でたらボールの上下を引っ張り、開かなくなったら完成です」

 

 茹でるとボールが引き締まって開かなくなる

 

 ぼんぐりの内部に(ポケモンには無毒な)ガスがたまりボールでポケモンが捕まえられるとモンスターボールの上部からポケモンが中に入ることでガスが吹き出される

 

 LEGENDSアルセウスの古いタイプのモンスターボールである

 

 このモンスターボールは未来のモンスターボールと違い縮小ができないので野球ボールくらいの大きさがある

 

 瀕死になるとポケモンは小さくなるが、完全に殺せば縮まることはない

 

 特に脳と胴体を切断した場合は縮まること無く体が残ったので脳が何らかの情報を送って小さくしているのだろう

 

 試作したモンスターボールは3割成功で5個のボールが使えそうである

 

(私が作れば日に何百個もできるが自力で作れることに意味がある。慣れさせた方が良いな)

 

 ロンメルはモンスターボールの自動製造機の作り方の図面を書きながら1日かけて全員にモンスターボールを作れるように体に叩き込んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロンメルがフォルモサにやって来て1ヵ月

 

 4部屋、炊事場、トイレ、風呂場付きの家をとりあえず4軒ロンメルが寝る間も惜しんで完成させ、住居はなんとかした

 

 コンクリートで作ってあるのでそう簡単にポケモンに壊されることも無いだろう

 

 となると次は生活を豊かにするのと生存圏を広げる必要がある

 

 ちなみに現在の生存圏

 

火山
住居

 

 みたいな感じだ

 

 海が近すぎるために農業をするならば海から1マス間を挟んだ森で行うのが良いだろう

 

 だがマンパワーが全然足りないため農業をするならばもっと人がいる

 

 周辺のポケモンに農業に適したポケモンは居なかった(しいていうならシキジカ系か?)ので遺伝子操作でクローンウマ娘を作る方向で動こうと思う

 

 異世界でウマ娘が居ないのは慣れたので、ならば作ってしまえ! という魂胆である

 

 機材はあるので安全な場所と広い空間が有ればできる

 

 ということでロンメルは研究施設の建築を始める

 

 これに約1ヵ月かけて研究施設が完成し、禁断の人体錬成を開始

 

 膨大な電力はどうしたか? 

 

 反物質発電で解決した

 

 人体錬成の材料は? 

 

 ポケットに居れていた材料とポケモンの血肉、ロンメルの血液を培養した

 

 建造時間1日

 

 ただこの状態で出来上がるのは赤ん坊なので睡眠学習装置で脳に無理やり情報を詰め込む

 

 普通の人間にやると脳が混乱するのでできないが、そこら辺を遺伝子操作で強化しているので大丈夫である

 

 睡眠学習で1週間

 

 成長剤を投入することで中学生くらいまで成長させる

 

「ということでできました! ウマ娘ちゃんです!」

 

「皆さんよろしくお願いします」

 

「はわわ! 村長は神だ……無から人を作り出してしもうた!」

 

「無ではありませんよ。でもこれからウマ娘がポコポコ増えていくと思いますのでなれてください」

 

「「「は、はい」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 学習レベルを調整すればもっと早くロールアウトできるが、大学レベルまで詰め込むと1週間かかる

 

 そしてポケモンの肉を使ったのでポケモンの技が使えるようだ

 

 マリルの肉を使ったので髪色と瞳が青みがかり、口と手のひらから水鉄砲が放てる、バブルこうせんも放てる、そしてアクアリングで自身の傷ついた肉体を回復できるという恐ろしいまでの高性能

 

 殺フォンのポケモン図鑑をかざしてもポケモンとは出なかったので異能が使えるウマ娘扱いっぽい

 

 もしくは図鑑適応外のポケモンか……

 

「まぁ良いや、とりあえずアクアって呼ぶことにするわ。よろしくアクア」

 

「はい、よろしくお願いしますロンメルさん」

 

 こうしてロンメルは人体錬成を開始した

 

 

 

 

 

 

 

 ウマ娘かつ大卒並みの知能がある人員が増えたことにより行動範囲がぐっと広がる

 

 ロンメル引率で火山に遠征して炎ポケモンを皆にゲットしてもらい、森で草ポケモンもゲットする

 

 火山にいる炎ポケモンはコータス、ロコン、ドンメル、ブーバー、マグマッグ

 

 ブーバーとマグマッグは危険、ドンメルはボーッとしているので捕獲しやすいが進化する前に手懐けていないと危険、比較的危険度が低いなおかつ生活に役立ちそうなロコンとコータスを捕獲する

 

 特にコータスは図鑑説明から石炭が近くにあることの証拠でもあり、コータスが居れば石炭掘りが楽になる

 

 石炭が有れば蒸気機関が使えるし石炭ストーブや薪代わりとして暖をとることができる

 

 コータスもそうだがロコンが居れば毎日の火起こしが楽になるので捕獲する

 

 とりあえず7匹ずつ捕まえて、村人12人に配り、余る2匹は研究材料に解体する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 衣食住の住しかなってない現状

 

 衣はロンメルが持ってきていた服を着せているが有限であるのでなんとかしたい

 

 畑ができれば木綿を植えて服が作りたいが

 

 あとは森の虫ポケモン

 

 森の生体分布は未知数たが蜘蛛系か糸を吐くポケモンが居れば服が作れると思うが……

 

「何が居るか未知数過ぎるが開拓しなければ始まらないからなぁ」

 

 ちなみに火山のレベル帯は15~20

 

 海が25~65

 

 川が10~20

 

 森最低20

 

 となっている

 

 森にはリングマ等も居るので迂闊には手出しできないし……

 

「とりあえず科学と技術とマンパワーが全てを解決する!」

 

 食料の生産も始めないとな



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腹黒開拓

 ミッション2 生存圏を広げよう

 

 とりあえず今の居住地にあるのは井戸、家、堆肥場、研究所

 

 まるでゲームのマサラタウンくらいの広さでしかない

 

 あれはゲームだから良かったが、ここは村と呼ぶのもおこがましい総人口14人の開拓地

 

 外部との交易も不可能なのでとにかく自給自足をしなければならない

 

 有り余っているのは電力くらいであるので、各家庭に電気を通して照明を付けた

 

 電柱が丸太なので定期的に取り替える必要があるのと、ケーブルにコイルがたかりにくる

 

 ふよふよ飛んできては電気を盗み食いしてくるのでケーブルにはカラスみたいにコイルがびっちり張り付いている

 

 それでも電力は各家庭に通っているが……

 

「おお! 電気! 都市圏の施設には電気の施設があると聞いたことがあるでごわす」

 

「ん? 本国でも電気は珍しいの?」

 

「そうでごわす。都市部の一部地域でしか明かりはなかったはずでごわす」

 

「あー、でも電気ポケモンがいるから発電関係の発展は早いのか? いや良くわからんな」

 

「祖国のフッケン地方だとフクシュウシティの一部で大規模な火力発電ができると聞いたことがあるでごわす」

 

「フッケン……福建省? 中国か?」

 

「中国? なんでごわすか?」

 

「んん? 色々と聞きたいんだけど地方=国だったりする?」

 

「そうでごわすな1つの地方で行政は完結していたと思うでごわす。拙者も学が無いゆえに詳しくはわからないでごわすが……内陸に行く程ポケモンの生息圏でごわす。ただ自分の地方しかわからないでごわす……」

 

「なるほど……福建省に近い島……台湾じゃねーか! ここ台湾かよ!」

 

「台湾? フォルモサでごわすよ?」

 

「フォルモサフォルモサ……いや、台湾と同じ地形という確証は無いか、フッケンも同じ名前だけの可能性もあるし……」

 

「村長?」

 

「あー、何でもない。いま考えても仕方がないや。とりあえず開墾しようか」

 

 ということでとりあえず5反の広さの農業用地を確保することを目標に開墾を始める

 

 斧や鎌を各々持ち、木や草を刈っていく

 

 力持ちなマリルは良く働き、木を4匹で持つと人間では持ち上げられない重さの大木をえっほえっほと運んでいく

 

「なるほど特性力持ちか」

 

 ロンメルは手のひらの皮がめくれるくらい頑張り、村人達も草刈りや木こりを頑張る

 

 1日でだいたい0.5反くらいの開拓に成功し、これを毎日繰り返して広げていく

 

 刈った草は集めて干して、数日後に燃やして焼畑を行う

 

 ポケモンもポッポやコラッタ、シキジカ等比較的大人しいポケモンしか出てこないので開墾を続ける

 

「電ノコ、刈払い機が欲しい……マリルの数も増やしたい」

 

 マリルが想像以上に戦力になるのでマリルの捕獲作戦を発令

 

 川に全員で乗り込み片っ端からマリルを捕まえていく

 

 その数50匹

 

 そして開墾で経験を積んだのか何匹か進化を始める

 

 マリルリ、マリル軍団が誕生

 

 律が通訳すると餌くれるなら従うとのことと同族を食わないで欲しいとのこと

 

「コイキングで良いからマリル食わなくても良いか。今はとにかく労働力が欲しいし」

 

 ということで交渉成立

 

 ポケモンは頭が良く道具の使い方を教えればそれに従って動いてくれる

 

 力持ち以外のマリルやマリルリは草刈りを手伝い、ロンメルや男達、マリルリが斧を振るいどんどん伐採する

 

 2週間ちょっとで予定よりも広い10反の開墾に成功した

 

 

 

 

 

 

 

 森の開墾ができれば次は川辺である

 

 森はポケモンの木の実類や芋、野菜を植えるための畑であり、川辺は田んぼを作っていく

 

 律を介せばポケモンとも交渉ができるとわかったので水辺のポケモン達に交渉を試みる

 

 まぁコイキングは無理なのでマリルとブイゼル達だが、殺さない、食料を保障する、住む場所を荒らさないことを条件に仲間に引き込んだ

 

 マリルとブイゼル何を食っているか確認したところ海草やネコブの実を食べているらしく、ネコブの実は攻撃の努力値を下げる木の実なので加工しないで食べると弱体化するのだがポケモンにとってご馳走らしい

 

 ネコブの実の大量繁殖方法はわかっている

 

 ネコブは基本的に成長すると3から6つのこぶを作る

 

 これをちぎってバラし、こぶを植えると1週間程度で3つから6つに増える

 

 田んぼを作ってネコブを最初に大量に植えたら水を張り、水を流し続ければ川から栄養をもらって成長する

 

 とりあえず川辺のポケモン達にネコブを餌に協力してもらい、水田をどんどん作っていく

 

 ポケモンの人海戦術は凄いもので1週間で20反の広さの水田が出来上がった

 

 この内の半分がネコブ用であり、ポケモン達にネコブを植えるのを教える

 

 最初は半信半疑だったがネコブが週を増すごとにどんどん増え、1ヵ月で10反の水田がネコブで埋まるもっともっと水田を広げようということになり、田んぼの手伝いをするなら他の木の実もあげるというとさらに拡張して50反の水田(米は25反、ネコブ25反)の広さとなった

 

 で、腹一杯になるとわかるとポケモンなので子作りをしてルリリとブイゼルが大量発生し、ネコブが今度はみるみる減ってしまった

 

「繁殖調整するしか無いよね」

 

 ロンメルは律を使ってブイゼルとマリル達と交渉し、増えすぎたら間引きするよと脅し、それが嫌なら開拓を手伝って食料を稼ぐしかないよね

 

 と食料を握ることで安価な労働力をゲットした

 

 ネコブの栽培や米の管理は赤ん坊のルリリや赤ん坊のブイゼル以外ならできる

 

 大人のマリルやブイゼルは家族の食事を得るためにロンメルの開墾事業に従事することとなる

 

 開墾の矢面に立つので事故も起きる

 

 そしたらロンメルが遺体を回収してウマ娘の材料にするのだった

 

 

 

 

 

 

「とりあえずこれで食料不足にはならなそうかな」

 

「村長凄いでごわす! マリルやブイゼルを配下に納めるなんて!」

 

「食料をこっちで握ってしまえばこっちのもんよ……さて森の開墾や農作業をマリルやブイゼル達に手伝ってもらって……多分このままでは森のポケモンが黙ってないよ」

 

「黙ってないとは」

 

「森を畑にしてるから木の実泥棒とかが出るだろうけどそれは電気盗み食いしているコイルを捕まえて調教して夜間は撃退させ、昼間はブイゼルとマリル達に田畑を守らせる。そして食料の配分も調整する」

 

「食料の調整ですか」

 

「農作業をするのは一番少ない食料を、開墾に参加するのは少し多めに、戦いを専門にするのは一番多く食料を分けるようにする」

 

『リスクですね!』

 

「うわ! ビックリした」

 

「律正解」

 

『働かないと食料が得れない状況ですから働きますが、農作業組は種を植えて水をまいて収穫するだけなので安全です。ですが開墾は外敵にかち合う可能性が高いですし、戦う専門は命がけです』

 

「なるほど……それがリスクというのでごわすな」

 

「もちろん村人達による監視が必要だけど効率が良いと思うよ。死ねばその死体を材料にウマ娘が増えるし」

 

「えぐいでごわすな」

 

「なーに、最初は犠牲者が出るだろうけど農作業も開墾もバトルも全て経験が入る。進化してしまえばさらに良くなるだろうね」

 

「な、なるほど」

 

 戦わせることで個体数の調整にもなるから一石二鳥いや三鳥……もっとか? 

 

 今は土の調子を整えているが、稼働すればとりあえず2年はなんとかなる

 

 ただ1週間でポケモンの木の実は成長する都合上土の栄養をガンガン吸っていく

 

 普段はすぐに枯れるため影響無いのだが、農業による連作となると話が違ってくる

 

 焼き畑をしても2年で土の栄養が枯渇する

 

 ネコブみたいに川から栄養が流れることによってある程度なんとかなるのと違い、畑は肥料を撒かないと不毛の大地となってしまう

 

 それを解決するのは化学肥料である

 

 膨大な電力があるのでハーバーボッシュ法の改良版HB法によりハーバーボッシュ法より低圧力、低温度での大量のアンモニアの合成が可能性である

 

 空気と電気でパンと火薬を作る方法と言われるハーバーボッシュ法(改良版のHB法)であるが、デカイ施設が必要であるのだが、ロンメル必要だろうとこの機械をチマチマ前世で自作し、今世に持ち込んでいた(なお動作を間違うと爆発するし、修理部品も少ないので永続は不可能な模様)

 

 なお肥料に必要なリンは糞尿から抽出が可能及び草木からリンを抽出できる機械が2080年代に実用化され、それを組み込んだ機械もロンメルが持ってきている(めっちゃ電力をバカ食いする)ため問題なし

 

 カリウムはコイキングの骨粉で代用可能なのでコイキングが居る限り問題なし

 

「とにかく木の実類の収穫に向けて保存施設も作らないとね」

 

「温度を低く保つ必要があるでごわすな」

 

「氷ポケモンを探す必要があるか」

 

「居るとするならば島の更に奥でごわすな」

 

「まぁ四次元ポケットに収納でとりあえず良いか」

 

「その村長のポケットは凄いでごわすな。物が大量に出てくるでごわす」

 

「異空間に収納しているからね。過去に入れた物しか取り出せないけど」

 

「それでも凄いでごわす!」

 

「とりあえず開墾を続けよう」

 

 

 

 

 

 

 コイルを捕まえようと電線を見るとレアコイルとジバコイルが電線に大量発生していた

 

 電気食いすぎて進化したらしい

 

 捕まえていくが、試しにレアコイルに超高圧電流を食べさせてみたらジバコイルではない分岐進化をした

 

『ロトロト! ……ペタコイル 磁石ポケモン 膨大な電気によりレアコイルが更に3体合体したポケモン 同じ様なコアが9つあるが、真ん中のコアはマザーコアになっている』

 

 なんか凄い生物に進化したぞこのレアコイル……

 

「うーん、ポケモンは不思議がいっぱいだなぁ」

 

 新たなポケモンを産み出したロンメルであるが平然としていたのだった

 

 

 

 

 

 

 レアコイルやジバコイル、ペタコイルが夜の見回りをすることにより木の実の匂いに釣られてきたポケモンを撃退し、なおかつマリルやブイゼル達の見張りにもなる

 

 タイプ相性もあるが、マリルやブイゼル達が15レベル前後なのにレアコイル達は最低30レベルなので歯向かうことすらできない

 

 こうして完全な上下関係が出来上がった中開拓を続けているとビークインの支配領域とぶつかることとなる




ペタコイル・・・磁石ポケモン

レアコイルから分岐進化

タイプ 電気 鋼

種族値
HP-攻撃-防御-特攻-特防-素早さ
65-25-120-130-125-100

合計種族値565

HPと攻撃力を削り、特防と素早さを増やした

姿はバグで3体のレアコイルが合体した画像のそれ

特性 精密機械

天候が普通か晴れの状態だと全ての技の威力が1.3倍

雨、霰、砂嵐だと全ての技の威力が0.7倍になる

エレキフィールドだと攻撃技が失敗する

覚えている技

エレキボール トライアタック 電磁波 ラスターカノン


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ビークイン討伐 糸から布へ

 ミッション3 敵対種族と戦おう

 

 ビークイン……巨大な蜂のポケモンであり、ミツハニーを操り外敵と熾烈に戦うポケモンである

 

 ミツハニー団体だと甘い蜜を分けてくれる良いポケモンなのだが……

 

 そしてビークインにも性格が色々ある

 

 今回は怒りっぽい性格のビークインとぶつかったらしく対話は不可能

 

 マリルやブイゼル達にも犠牲が出ているので生存圏を拡大するために駆除を開始した

 

 で、ミツハニーは1匹1匹は弱いのでミツハニーウォールと呼ばれる大量のミツハニーが塊、まるで壁の様な状態となり、永遠と風起こしと虫の抵抗を連打してくる

 

 1匹1匹の力は弱いが集まれば驚異である

 

 対抗するためにロンメルは比較的足の早いブイゼルを使い、レアコイルやジバコイル、ペタコイルのキルゾーンに誘い込んで律がレアコイル達に教えた電撃波で一気に撃滅した

 

 高電圧の一撃でジューっと焼けるミツハニー

 

 生き残りはモンスターボールで捕まえて養蜂の為に働かせる

 

 第一波で終わることは無く、第十波までやって来た後本命のビークインが登場する

 

 目が赤く光り、巨大な姿は貫禄がある

 

 タイプ相性が悪いのにレアコイル達を吹き飛ばして戦闘不能にさせる姿は怪獣である

 

 畑のど真ん中まで進出したビークインを退治するためロンメル自らが刀を振るう

 

 ポケモンや村人達、そしてミツハニー達が遠巻きにビークインとロンメルの戦いを見る

 

「ヌルフフフ血が滾りますねえ……いざ!」

 

 ロンメルは呼吸を整える

 

 全集中の呼吸

 

 ロンメルが剣術を扱うときに使う呼吸であり、透き通る世界にも入ることができる

 

 肉体を呼吸により強化して刀を振るう

 

「炎の呼吸」

 

 燃える様な一撃がビークインに襲い掛かる

 

 ビークインは羽でかまいたちを発生させてエアスラッシュにて攻撃してくるが、ロンメルは刀を振るい全てを叩き斬る

 

 ビークインは慌てて防御指令で防御を上げようとするが、ロンメルの一撃がビークインの上半身と下半身を繋ぐ細い胴体を真っ二つに切り裂いた

 

 ボトリと下半身の巣が落ち、大量の血液を撒き散らす

 

 バランスが崩れたのかうまく飛ぶことができなくなったビークインにロンメルはトドメをさす

 

 額の赤い宝石みたいな部分に刀を突き刺した

 

 グシャオオオオオ

 

 酷い断末魔を叫びながらビークインは絶命

 

 見ていたミツハニー達は森に散り散りに逃げていった

 

 マリルとブイゼル、村人達から喝采があがる

 

「アクア」

 

「はい何ですかロンメルさん」

 

「このビークインを素材にウマ娘を作る」

 

「わかりました。運んでおきます」

 

 こうして森の敵との初戦は勝利を納めたのだった

 

 

 

 

 

 

 ミツハニーを捕まえたことにより養蜂ができるようになった

 

 畑に植えられている作物の花粉から甘い蜜……蜂蜜を作り出す(ポケモン的に言うとキラキラ蜜)

 

 蜂蜜ができれば料理に幅ができるし薬草の苦味を消すことが可能である

 

 ポケモンのみならず人間の外傷も治すことができるポケモンの傷薬

 

 材料は薬草、オレンの実をすりつぶし、油と水を混ぜるとクリーム状に変化する

 

 そして水の量を増やし、油の代わりに蜂蜜を入れると飲み薬に変化する

 

 病気で体力が落ちた時に飲むと体力を回復させてくれるので良い

 

 その上位互換の良い傷薬は傷薬にピーピー草を更に混ぜることで効能を上げることができる

 

 薬草、ピーピー草、元気の欠片を作るのに必要なゲンキノツボミの3種類は育て方が確立しているので畑で栽培することが可能である

 

 ちなみにゲンキノツボミとピーピー草は天ぷらにすると美味しく、薬草は一度茹でてあくを抜いてからなら野菜として食べることができ、根っこに近い赤い部分ほど辛い

 

 

 

 

 

 

 現在森の開拓が3町(30反)まで広がった

 

 が、ポケモンの木の実の種類は約80種なので1種類1反未満なのが現状である

 

 傷薬系と小麦、じゃがいも、薩摩芋、オレン、オボンと多く実をつける木の実を中心に育てている

 

 ちなみに田んぼは更に拡張され8町(80反)にまで増えた

 

 マリルやブイゼルの増殖も一時期に比べればマシとなり、コイキングの養殖もしてみることにした

 

 4反深めに掘ってそこに捕まえたコイキングを放つ

 

 毎日木の実や残飯を撒く

 

 するとびちゃびちゃとコイキング達が群がり勝手に増殖する

 

 毎日2~5匹増えているので毎日1食はコイキングを食べることができそうである

 

 コイキングは雑食なので何でも食べるため餌が楽で助かる

 

 養殖池に入れておけばレベルが上がる可能性も低いのでギャラドスになりにくいのも良い点だ

 

 ウマ娘の人口も増えて私を入れて5人となった

 

 ネームドはアクアとビークインから生成されたビーと言う個体か

 

 ビーは黄色い髪や瞳が特徴で、固有能力として虫ポケモンに指示を出せる

 

 なのでミツハニーの指揮官をやっている

 

 現在の開拓村の人口は人間12のウマ娘5の17人となる

 

 ロンメルがやって来て5ヵ月が経過しようとしていた

 

 

 

 

 

 

 ミッション4 衣をいい加減なんとかしよう

 

 と言うわけで衣服をなんとかするために虫ポケモンの探索を始めた

 

 ロンメル単独の方が動きやすいので森の奥の方を進む

 

 森の奥に行くとダンジョンの様になっており、しっかり開拓しないと危なそうである

 

 スピアーやペンドラーがうようよしている

 

 リングマの巣らしき洞穴やコクーンが大量にぶら下がっている場所、カイロスとヘラクロスが縄張り争いで殺し合いしていたりと危険がいっぱい

 

 森のダンジョンを探すこと3時間……森を抜けてしまい芋虫系のポケモンは近くに居ないのかと思ったロンメルだったが森を抜けた先は少し涼しい場所になっていた

 

 というかまだ夏なのに雪が積もっているじゃないか

 

「ポケモンの世界は四季も狂ってるのか?」

 

 とりあえず雪原を軽く探索するとまさかのここに目当てのポケモンがうようよ居た

 

『ロトロト、ユキハミ 芋虫ポケモン 雪を食べて成長する。雪をいっぱい食べると体の表面に氷柱ができる』

 

 糸を吐くポケモンである

 

 ただ雪を食べて成長するポケモンなため、餌に困りそうだがとりあえず数匹捕獲する

 

 ついでにふよふよ浮いていたバニプッチとウリムー、アローラロコンを数匹捕獲

 

 ロコン系統2種類居るんかと思いながらも手懐け易く、番犬代わりになるので子供達のポケモンとしては良いだろう

 

 マッピングをしながら元来た道を辿りながらロンメルは帰る

 

【開拓地】

【比較的安全な森】

【森のダンジョン】

【雪原】

【雪山】

 

 みたいな感じか? 

 

 山や森を歩き慣れているロンメルで寄り道しなければ片道約2時間なので開拓地から雪原までだいたい30~40キロくらい離れている

 

 火山が開拓地から見て北東とするならば雪山は南東にあたるだろう

 

「台湾の地形ではない? まぁポケモンの世界だしな」

 

 とりあえずロンメルは収穫物片手に開拓地に帰るのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユキハミは暗所を好む

 

 なのでロンメルは穴を掘り、教室2個分くらいの広さの地下室を作り、ユキハミやバニプッチ、イノムーを解き放つ

 

 スイッチ式の照明とスプリンクラーも取り付け、雪降らしという植物を植える

 

 ロンメルが持ってきた植物で元々はHUNTER×HUNTERの世界の植物を更に遺伝子組み換えを行ったものできのこみたいに暗所で育ち、周囲の水分を冷やして雪の様に周囲に降らすという仕組みの不思議な植物で生命力がとても強いしきのこみたいな見た目なのにシソ類の様な繁殖能力も持つ

 

 人が一定量食べると体を冷やして腹を下してしまうためあまり食べられないが、サラダと一緒にあえると冷えて野菜が引き締まる効果がある

 

 これを植えて様子を見ることにした

 

 1ヵ月でウリムーが多くなったので間引きする

 

 猪肉の様な味わいで地下室だとストレス無く育つためか臭みも少ない

 

 イノムーになった個体も食べたが、ウリムーより味が落ちるし少し固い

 

 柔らかくするのに蜂蜜に漬けて熟成させれば美味しい

 

 ひき肉にしてから腸詰めのソーセージを燻製にして保存できるのでこれで肉不足は解消である

 

 ユキハミも数を増やし、木の実を与える代わりに糸をもらうということをやる

 

 だいたい1匹から1日300gの糸が採取可能である

 

 これを濯いで、乾燥させて、煮て、糸を巻いていく

 

 蚕から絹を作るのに似ているかもしれない

 

 出来上がった糸を織って見ると肌触りがシルクの様になめらかで若干涼しく感じる洋服が出来上がった

 

「木綿は防寒服や毛布に、普段着はこれ(ユキハミ製)で良いな」

 

 ロンメルは直ぐにユキハミの糸を布にするための機械を作り、志願した女性とウマ娘の2人に製法や機械の扱い方を叩き込み、何度も失敗しながらも布の安定生産をできるようにしていった

 

 



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塩作りから派生する物を作ろう ウマ娘を増やそう

 ミッション5 塩

 

 田畑が起動に乗り、青々とした稲や野菜、葉っぱが伸びている

 

 気温は35度近くなり夏真っ盛り

 

 村人達は暗室で夏の暑さを凌いだり、ポケモンバトルにせいを出す

 

 マリルやブイゼル達も暑さで疲れが溜まっているのか、疲労回復効果の高い食事や冷やしそうめん、冷たいオボンのジュース等を振る舞う

 

 木製のフォークやスプーンを上手く使い人間みたいに食べる姿にほっこりするが、塩が想像以上に使うので海水から塩の抽出を始める

 

 まず海水の汲み取りポンプを設置し、ろ過装置からイオン交換膜を通し、かん水にした後真空式蒸発缶で煮詰めるすると大粒の塩となる

 

 研究所から電線を海に伸ばしたが、相変わらず電線にコイルがまとわりつく

 

 ほっとくとレアコイルやジバコイルに進化するが大量に張り付くそれは恐怖映像である

 

 まぁ食べられる電力は微々たるものなのでほっておいてるが……

 

 ということで塩の製造装置が完成

 

 出力を最弱にしているが、1日に10キロもの塩が製造されるため塩余りが発生

 

 塩を使う施設を作ることになり、ロンメルが塩サウナに入りたいということで共同浴場を作ることになった

 

 電力が有り余っているから巨大な電気温水器を作り、塩でづくりで大量に出る真水をお風呂に使うという贅沢

 

 真水の製造ができたので巨大な貯水タンクを建造し、各家庭に水道を通していく

 

 今まで村唯一の井戸か川に水を取りに行っていたので生活水準が一気に上がる

 

 お風呂も家庭のは五右衛門風呂だったが共同浴場だとシャワー付きで広々とした入浴ができる

 

 共同浴場と塩と真水の製造システムのメンテナンスにウマ娘を2人取られてしまうが生活水準を上げるためには仕方ない

 

 人間用(ウマ娘も)は男女別にする人数も居ないので混浴である

 

 そして作られた塩サウナ

 

 肌の保湿と殺菌、発汗作用により血流の改善、新陳代謝の向上等が効能としてある

 

 ちなみにポケモン用のお風呂も作って上げたが、夏なので水風呂の方が人気である

 

 塩を作る過程に少し介入して食塩水を電気分解することで塩素と水酸化ナトリウムが発生する

 

 塩素は水で薄め、それに石灰で中性化して海に流す

 

 水酸化ナトリウム……別名苛性ソーダは油脂と水と混ぜることで石鹸にすることができる

 

 油脂はイノムーからラードを作ることで油を確保(畑が広がれば菜の花から菜種油を抽出可能)し、石鹸を作っていく

 

 聞くところによると開拓団に連れてこられた子供達は病気でバタバタと亡くなったらしいのでこれで予防となる

 

 健康な食事と石鹸による殺菌、風呂で清潔にすればある程度は大丈夫である

 

 風邪くらいならオボンの実を擂り潰したジュースや飲み薬で体力を保てば自然治癒で大抵なんとかなる

 

 呼吸困難等にならなければ

 

 

 

 

 ミッション6 村人に勉強を

 

 生活がある程度楽になれば勉強をする余裕が生まれる

 

 ということで大人達も含めて勉強会を開く

 

 で1つ困ったことがロンメルが日本語で話しているが文字を知らない点である

 

 どうにかならんかと考えていると律が

 

『ポケモン文字データでありますよ!』

 

 とのこと

 

 律に教わりながらポケモン文字はローマ字に近いらしく文字が独特である点を除けば直ぐに習得が可能だろう

 

 今まで異世界を旅してきたが文字で苦労する可能性を失念していた

 

 数字は算用数字だったのでそのまま応用できるので良し

 

 とりあえずタイプ相性、算数、国語に波紋や全集中の呼吸とチャクラ学、剣術を教えれば良いだろう

 

 木刀でも波紋か全集中の呼吸とチャクラを組み合わせればポケモンを撃退するくらいはできるだろう

 

 ということでロンメル式の教育を始める

 

 紙がもったいないので黒板とチョークで授業を行う

 

 チョークの材料の石灰と貝殻は海が近いこともあり問題ない

 

 とにかくまずは走り込みで肺と心臓を鍛える

 

 食事も筋肉が付くように今ある素材で工夫して料理をつくる

 

 で、遺伝子操作で鶏を作り出す

 

 新鮮な卵と不安定なイノムーよりも安定したたんぱく質の供給を行う

 

 ロンメル式のトレーニングの1日だが

 

 6時起床

 

 ラジオ体操、柔軟及び呼吸トレーニング

 

 7時朝食

 

 メニュー ゆで卵、ご飯、コイキングの刺身、味噌汁、木の実の漬け物、オボンの実の皮のおひたし、焼きオボン(オレンの汁かけ)

 

 7時半~9時半 座学

 

 休憩30分

 

 10時~12時 ランニング

 

 昼食 ウリムー肉の南蛮焼き 木の実のサラダ ご飯 味噌汁 オボンの実ジュース 茶碗蒸し

 

 13時~15時 剣術指導

 

 30分休憩

 

 15時30~17時 バトル

 

 17時から整理体操、柔軟、入浴

 

 夕食は18時からでコイキングの味噌漬け、各種木の実の料理、ご飯、木の実のスープ、パンケーキ

 

 浜辺が広いのでランニングのトレーニングに向いている

 

 ポケモンが居なければ遠泳をしたいがサメハダーやギャラドスを確認した為危ないので泳げない

 

 これを週6行い、1日を休みの日とする

 

 休みの日も食事をロンメルが作り振る舞う

 

 なおトレーニングをしていると1匹のルリリが朝のラジオ体操からトレーニングに参加するようになる

 

 普通のルリリはゴム毬の様なしっぽに乗ってピョンピョン移動するのだが、このルリリは必死に走る

 

 めっちゃ遅いが必死に走る

 

 毎日トレーニングに参加するので捕まえてロンメルの手持ち兼実験として飼うことにした

 

 試しに波紋エネルギーを毎日流してみたりしていると捕まえて1週間でマリルに進化

 

 呼吸する生物であれば理論上波紋か全集中の呼吸は使える

 

 チャクラもそう

 

 ポケモンにも該当するかわからないがとりあえずやってみる

 

 あと喋るニャースをアニメで知っていたのでロンメルは言葉を暇な時間に教えてみることにした

 

 超が付くほど真面目なマリルはロンメルに言われたことを健気にもこなしていった

 

 

 

 

 

 秋となり収穫シーズンとなるとトレーニングを中断して村人総出で稲刈りや作物の収穫をしていく

 

 米は200石以上の収穫量となり、薩摩芋とじゃがいもは半反で各3トン近くの豊作となった

 

 小麦は600キロだが小麦粉に挽けば約360キロまで減る

 

 大豆は200キロこれも米麹と麦麹の合わせで味噌や醤油を作っていかなければならない

 

 他秋野菜も大量である

 

「「「万歳! 万歳! 万歳!」」」

 

 これで餓える心配はしなくて良い

 

 なんなら人口を10倍に増やしても大丈夫である

 

「村長ありがとうございます……不安でしたがこうして食べ物に困ることが無さそうで本当にホッとしているでごわす!」

 

「……廃民政策は続いてるんだよね?」

 

「祖国のですか? 多分来年も行われるとおもうでごわす」

 

「平均何人くらい来るの?」

 

「100から200でごわすな」

 

「よし、増えてもなんとかなるな。となるとそれを元に逆算して拡張計画を立てる必要が有るな」

 

「村長はどのような発展をさせるつもりでごわすか?」

 

「1地方として独立独歩できるくらいにはさせられれば良いかな?」

 

「開拓作業が続くでごわすな」

 

「数年は基礎基盤の確立でしょうね」

 

「拙者達は早く呼吸法なるものを覚えなければならないでごわすな」

 

「そういえば恋仲の者とかは居ないの?」

 

「ななな!」

 

「いや、次世代的な意味で……移民だけに頼るわけにもいかないでしょうに」

 

「子供達も来年には10歳となるので成人でごわすし、兄弟姉妹はいても親子は死別していてこの村には無いでごわすからな」

 

「なるほど……一夫多妻を奨励するか。ウマ娘は作れるし、そこから第二世代が誕生すれば良いし」

 

「村長凄く恐ろしいことを言ってないでごわすな」

 

「人間も生き物だ。生殖の話は切っては切れないし、人工的につくるしかウマ娘は現状増えない。数年後は違うかもしれないがね」

 

 20人にも満たない限界集落以外の現状であるが開拓をロンメルは楽しんでいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミッション6 ウマ娘の増殖

 

 現状機械類の関係で2週間~1ヶ月に1体のペースで増えているウマ娘を更に増やす必要がある

 

 ロンメルは倫理観が壊れているが、ウマ娘という種族は勤勉、勇敢、強靭、美的種族であり、人の数倍の力を数倍の速さで移動するとが可能である

 

 単為生殖可能というのも特徴か

 

 ウマ娘は経済的、食料的困窮によるストレスでもない限り1人あたり10人から15人近くの子供を産める

 

 が、種族的欠点として人に依存しやすい、ストレスに弱い

 

 があるが、牧歌的、農耕的生活を送る現状にはウマ娘は問題ない

 

 何より一定の学力があるウマ娘を量産しないと近代システムの維持が難しくなる

 

 工場を稼働させても扱える工場長的立場の人間が必要であり、知識階級が存在しないと技術の発展も起きない

 

 15歳前後まで成長させる分15年の寿命を削ってしまうが、それに見合う知識を持っているので良しとする

 

 てなわけでたんぱく質やアンモニア、炭素は石炭や木炭から抽出し、石灰、リン、硝石、硫黄、鉄は素材が揃っているし、他の物質もポケモンの死骸から抽出可能

 

 遺伝子情報はロンメルが前世で採集した1万もの遺伝子情報があり、それを遺伝子操作することで身体的欠点や遺伝の病気等を消して産み出す

 

 とりあえず稼働ラインを5つに増やす

 

 1ヵ月に5人を3年稼働させれば180人、人口的イニシアチブを握ることが可能である

 

 それに高等教育されている人材が一定数居ないと教育もできないのでこれで良い

 

 これで良いのだ



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施設整備をしよう ヤドン

 冬となったが温度比較的暖かく、過ごしやすい日々

 

 真面目なマリルはマリルリに進化したのだが、手足の部分が黄色くなっていた

 

『ロトロト……マリルリ 水ウサギポケモン 波紋の呼吸を扱いやすく進化した姿。触れた相手の生命力を活性化させる』

 

 と図鑑説明も変化し、通常種のマリルリと比べると明確に強い

 

 特性も変化していた

 

「ロンメル、喋れる」

 

 進化すると言葉を喋り始めたではないか

 

 まだ簡単な言葉だけであるが大きな進歩である

 

 ……冬がどれくらい寒くなるかわからないが、開墾により土地が広がり続けている

 

 北、東と南の3方向に5町分の15町+αが現在の生存域であり、北は水田、東が農地、南は整地した土地が広がっている

 

 ウマ娘や来年来る可能性が高い移民のためにもごちゃついている施設の整備をしよう

 

 ミッション7 施設整備

 

塩・真水工場共同浴場鶏牧場木の保管場所
研究施設研究施設家・井戸
研究施設研究施設
地下施設・繊維工場地下施設・繊維工場食糧庫食糧庫
広場広場空き地空き地
空き地空き地堆肥置き場肥料工場

 

 現状の開拓村がこんな感じであり、北に川と田園、南に空き地、東に畑、西に海岸が広がっている感じである

 

 研究施設内に発電施設、クローン製造ライン、人工生育槽ライン(知識の刷り込み)、化学物質製造ライン、研究設備、ロンメルの生活スペース、教室がある感じだ

 

 研究施設が手狭になってきているのでそれぞれを工場として空き地に分散させる工事を開始させた

 

 これでようやくウマ娘クローンの月5体ペースの製造が可能となるだろう

 

 人工生育槽は調整すれば新生児を3歳までは成長させることができるし、言語知識の刷り込み、病気への耐性を獲得可能であり、ウマ娘みたいに15歳まで成長させることも可能であるが、性格や個性が消え、ロボットの様な人材が出来上がるので3歳までの子育てが一番大変な時期だけを飛ばすことができる施設である

 

 村人達はこれを見て複雑な感情を抱いていたが、3歳までに病気で亡くなる子供が本国でも多いらしいので了承した

 

 ちなみにだがウマ娘クローン達はロンメルが基礎5種類開放性、勤勉性、外向性、調和性、神経症傾向を調整し、開放性、勤勉性、外向性、調和性をとにかく高く、神経症傾向を低めに設定し、オプションで3500種類近くある性格的特性の因子を数個埋め込んで育ててあるので明るく陽気かつストレス耐性が通常種のウマ娘より高いウマ娘が出来上がるが、これは1世代限りであり、2世代目から徐々に薄まっていくだろう

 

 閑話休題

 

 施設拡張作業を村人達にも手伝ってもらう

 

 覚えたての波紋や全集中の呼吸、チャクラ操作を駆使し、肉付きも良くなり単純作業なら従事できるようになった

 

 少しずつ覚えてもらう必要があるし、家を建てたり修理したりするのに応用できるので損は無い

 

 知識があるウマ娘達が村人達のサポートをしながら工場や家を建設していく

 

 あとは地下室で放し飼いになっているウリムーの飼育場をしっかりつくる

 

 ウリムーは寒い場所を好み、綺麗な水と食糧、人目につかない場所があるとタマゴが生まれるので地上部分に水飲み場、餌場、地下に薄暗く、くつろげるスペースを作る

 

 雄雌8匹がゆったり生活できる広さにしてあり、それを中央通路を挟み4箇所1棟とし、1棟で32匹のウリムー(マンムー)が生活できるようにする

 

 ほぼ養豚場である

 

 現在いるウリムーが8匹なのでとりあえずこの施設が満員になるようにさせるのが目標である

 

 他には製材場、家具工場、鍛冶屋も作る

 

 製材場はこれから増える家の建材として、家具工場も同様、鍛冶屋は鉄製の道具の安定供給のためである

 

 鉄は当面の間はレアコイルを使った砂鉄採集によって材料を集め、電炉により精錬して鉄とする

 

 膨大な電力がなせる技である

 

 反物質発電恐るべし

 

 で、まだ村人達の基礎教育が終わっていないので専門職に就くのはもう少し後になりそうである

 

 着々と開拓村の拡張をしていくロンメル達

 

 そうこうしていると真冬となるが最低気温が10度前後しか下がらない事がわかる

 

 少し肌寒いくらいであり、寒さにより凍え死ぬという最悪なことは無さそうである

 

 ロンメルは夏ごろからとり始めた気象情報から一年の気温、降水量を逆算し、現代台湾よりフォルモサは4度近く平均気温が低いことがわかった

 

 そのため真冬でも農作業が可能

 

 今は水田は休ませているが2期2毛作ができそうである

 

 2月から6月までの一期

 

 7月から10月の二期

 

 11月から1月までの小麦の裏作

 

 土を酷使するために肥料の投入量は多くなるが問題は無いだろう

 

 25反、200石計算なので1年で400石と小麦1反600キロ計算で15t……挽くと9tが水田での総生産量でる

 

 畑は通常種が二期作、ポケモンの木の実類は1個の木の実から平均10~20個の種が取れ、それが10個くらいの木の実を付けるが遺伝子組み換えで通常種の類似野菜と組み合わせることで成長力を遅くする代わりに収穫量を増加させ、1週間で成長するのを1ヶ月に引き延ばし、50から60個の果実をつけるようにした

 

 その分巨大化し、1m位だったのが4mの木みたいになったが実ると枝という枝に木の実が付くのは壮観である

 

 1反から収穫できる量がだいたい15t

 

 それが25反なので375t、掛ける12ヶ月で4500tとなる

 

 ポケモンか1匹が1日で食べる量の平均が4キロ

 

 掛ける365と働いているポケモンや飼育しているポケモンの数が500匹で年730t消費

 

 どうみても過剰生産ですありがとうございました

 

 なので最初は労働のランクでポケモン達に与える量を決めていたがまんべんなく行き渡ってなお余るので種類や加工品を与えることにした

 

 木の実ジュースやポロックである

 

 ポロックは美味しい、保存性が高い、かさばらない、保管が楽なのでロンメルは木の実の加工工場を建設し、様々な味のポロックを生産

 

 ロンメルも手探りの試みなので量は作れない(それでも日に50キロ 圧縮率100%1キロの木の実で10gができる 1日に食べれるポロックの量は大食いのマリルリやフローゼルでも20個が限界)が美味しいらしく戦闘要員から支給すると毛づやが良くなりポケモン達にメリハリができた

 

 格好いい、可愛い、たくましい、美しい、賢い

 

 ポケモン達の中でもどれかに特化していると人気になるらしく空前のポロックブームがポケモン達の中で起きた

 

 で、食べる物が充実すると増えるのがポケモン

 

 更なる大量発生が発生し、川がマリルとブイゼルでギチギチになってしまったので、マリルやブイゼル達の生活圏を広げるためにロンメル達はマリルやブイゼル達と協力して用水路や溜め池、田園の拡張工場を始める

 

 北に北にと広がっていくと別の川があり、そこにはワニノコ、ヤドン、ミズゴロウ、ハスボーの群生地となっていたため戦争が勃発

 

 押し寄せるマリルやブイゼルの大群にヤドキングやラグラージ、オーダイルやルンパッパが最初は優勢だったが、森に住むリングマ、スピアー他草タイプに鍛え上げられた歴戦のマリルリやフローゼルが争いに介入すると形勢は一気に逆転

 

 ただこれを良くないと思ったロンメルのマリルリは群れを説得し、敵の群れと交渉を行ってきた

 

 結果ロンメルが知らないうちになんか他のポケモンも労働に参加するようになる

 

「ロンメル、争い、良くない、共存、共栄する」

 

 まあロンメル的には安く扱える労働力が増えたので良いし、生存圏が増えたので良いが……

 

 だいたい北に20キロ生存圏が拡大し、村人達も早速他のポケモンをゲット

 

 ヤドンは家畜になるので早速捕獲して牧場を建築して育ててみる

 

 溜め池には養殖用のコイキングを放し、溜め池で釣りをするヤドン

 

 他のっそのっそと餌場で木の実を食べて昼寝をよくする

 

 ヤドンのしっぽが欲しいのでヤドンは〆ないがヤドンのしっぽ図鑑説明だと栄養が無いとあるが少ないだけで普通にある

 

 試しに海釣りをさせてみたところヤドン20匹5時間でコイキング10匹、オクタン1匹、テッポウオ5匹、ケイコウオ5匹、イルカマン1匹、ホエルコ1匹となかなかの釣り上手

 

 ただ20匹中9匹がシェルダーに食われてヤドランに、1匹頭食われてヤドキングに進化したのでこれを産業に組み込むことは難しそうである

 

 釣った魚はイルカマン以外は美味しくいただきました

 




ロンメルのマリルリ・・・水ウサギポケモン

波紋を覚えたマリルリ 特性と種族値、技が違う

タイプ 水 フェアリー

種族値
HP-攻撃-防御-特攻-特防-素早さ
120-100-100-40-80-80

合計種族値520

通常種よりもHP攻撃防御素早さが高い特攻が低い

特性 力持ちα

自身の攻撃の種族値が2倍になる
波紋の力により体力が8分の1回復し続ける

覚えている技

腹太鼓 波紋疾走 アクアテール じゃれつく

波紋疾走・・・ノーマル 威力80 物理 接触 命中100%

相手に波紋による攻撃を行う ゴーストタイプ、悪タイプには必ず命中し、威力が2倍になる


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バトル大会を開こう 決まりを作ろう

 冬が終わり、気温が上がり始める頃になると村人達は見違えるほどたくましく、綺麗になった

 

 全員がチャクラ操作を会得、2名以外が波紋を、2名は全集中の呼吸を習得し、力も増した

 

 剣術はまだまだであるが、恐れていたポケモンにも負けない力を手に入れた

 

 衣食住が充実すると娯楽が欲しくなるため、ロンメルがポケモンバトル大会を開くことにした

 

 ミッション8 娯楽を整えよう

 

 3対3のシングルバトル 持ち物あり 控え無し

 

 各々休みの日にポケモンを捕まえに歩き、鍛練し、技を鍛える

 

 約1ヶ月の準備期間を終えて広場にて村人12名とロンメル、ウマ娘も7名参加し20名の大会となった

 

 4グループに分けて総当たりをし、最多勝が勝ち抜き決勝トーナメントに進む方式を採用した

 

 ロンメルの手持ちはポリゴンP(律)、ペタコイル、マリルリαの3体

 

 平均45レベル 各ポケモンの技構成は

 

 ポリゴンP ノーマルジュエル(1度だけノーマルタイプの技の威力を1.3倍にする)

 自己再生 悪巧み 放電 トライアタック

 

 ペタコイル シュカの実(地面タイプの技を1回だけ半減する)

 トライアタック 電磁波 ラスターカノン 放電

 

 マリルリα オボンの実(体力が半分以下の時の3分の1回復する)

 腹太鼓 波紋疾走 アクアテール じゃれつく

 

 ポリゴンPの律とペタコイルの役割がほぼ被っているのはご愛嬌

 

 ちなみに今あるポケモンの道具は各種ジュエルと木の実くらいしか無いので戦略の幅は比較的狭い

 

 村人達のポケモンの平均レベルは40~45くらい、ウマ娘達は35くらいである

 

 ということでバトル大会が始まる

 

 水タイプにはペタコイルと律がまあ強い

 

 ただ村周辺で手に入るラグラージやマンムーで止まってしまうが、律のトライアタックで撃破したり、腹太鼓からの物理技でマリルリが突破していく

 

 しかし戦ってみると皆色々と考えており、ラグラージ、ジバコイル、シキジカのパーティーやフローゼル、ペリッパー、ヤドキングの雨パ、炎タイプの少なさからマンムー、モスノウ、バイバニラの霰パを作ってきたりと予選から大盛り上がり

 

 ロンメルはなんとか予選を勝ち抜き準決勝に駒を進める

 

 準決勝はアオギリはジバコイル、ラグラージ、マンムーでマンムーがどこで覚えさせたのかステルスロックからの毒々で盤面を整え、サイクル戦を展開

 

 ただポリゴンP(律)の要塞やマリルリの力持ちαという自動回復が付く特性の前に削るよりも削られる方が多く敗北

 

 決勝戦の男の子はリングマに父親を殺された子であり、トラウマを乗り越えて強くなっていた

 

 ロンメルが前に釣り上げて男の子に譲ったイルカマンをエースにペリッパー、ラグラージでイルカマンが初手クイックターンでペリッパーに交代、ロンメルのマリルリは腹太鼓で積み、ペリッパーを波紋疾走で撃破

 

 ただペリッパーの雨降らしで雨となり、ここでイルカマン(マイティフォルム)が登場

 

 ジェットパンチ、一致技1.5倍、水のジュエル1.3倍、雨で1.5倍

 

 これで突破をしようとしたがマリルリ普通に耐える

 

 お返しのじゃれつくでイルカマンを、そのままの勢いでラグラージを撃破し、初代王者にロンメルはなった

 

 村人や見ていたポケモン達も大盛り上がり

 

 そのままお祭りとなり、ロンメルやウマ娘達が料理を村人やポケモン達に振る舞った

 

 

 

 

 

 

 3月となり村人の数も30人を超えた

 

 ロンメル含めウマ娘20人、村民12人で、村人の女性が体調不良を訴え、確認したところ妊娠が発覚

 

 相手もわかったのでそのままなし崩しで結婚式が開かれた

 

 で、ここで少し気になったので宗教的な禁忌みたいなのはあるのかと聞いたところ

 

 人及び人型のポケモンを食べてはいけない

 

 殺人、泥棒、暴行、強姦等をしてはならない

 

 人が亡くなったら供養しなければならない

 

 あと儒教的な側面があり5徳の仁、義、礼、智、信に近い物があったが8徳の忠・孝・悌はそこまで重要視されていないっぽい

 

 ロンメルは考える

 

 今は一定のモラルによって村が運営されているが、移民が来た時にモラルハザードが発生する可能性もあるので色々と決めておいた方が良いだろうということにし、大人達を研究所に集めて話し合いを行う

 

 ミッション9 法令、規律を決めよう

 

 フォルモサの開拓村には今まで法律や規律が無かったのでこの際作っていく

 

 とりあえず5徳と殺人、泥棒、暴行、強姦の4忌はすぐに決まり、個人の物資の保有をどうするかの話しとなった

 

 現状通貨が無いので全ての物が村の共有財産であるが、人数が増えればそうも言ってられない

 

 村人達は共有財産のままで良いではないのかというが、捕まえたポケモンもそうなると皆で共有することになると説くと皆悩み始めた

 

 ロンメルは貨幣について聞くと一般人は銀貨と銅貨が中心でポケドルというらしい

 

 一応金貨もあるとのこと

 

 小銅貨1個1ポケドル、中銅貨1個10ポケドル、大銅貨1個100ポケドル、小銀貨1個1000ポケドル、中銀貨1個1万ポケドル、大銀貨1個10万ポケドル、金貨100万ポケドル、大金貨1000万ポケドルらしい

 

 聞くところによると米10キロ中銀貨1枚、モンスターボール1個小銀貨3枚、日給小銀貨3枚が相場らしい

 

 皆は持ってないか聞くとアオギリがツボを持ってきて

 

「移民の時に皆が持っていた貨幣になります」

 

 と小、中、大の銅貨と小銀貨がツボに入れられていた

 

 どれも品質が悪く欠けていたり、文字が読めなくなっていたりする

 

 悪銭と呼ばれる部類だろうか……

 

「これだったらこっちで独自に鋳造した方が良いな」

 

 とロンメルが判断

 

 アオギリから預かった銭をとりあえず研究所で解析する事にする

 

 銭ができることで共有財産問題は私有財産も認めることにし、土地や建物は共有財産で道具類、ポケモン等は私有財産とすることにした

 

 で次の話題に入る

 

「皆の祖国フッケン地方だと誰が一番偉いの?」

 

「誰でごわすか……詳しいのはわからないでごわすが将軍でごわすな。次が各町の町長でごわすか?」

 

 話を聞くと町(市)単位で完結しているらしく輸送がポケモン関係で大きく衰退しており、主要道路以外の通行はとにかく危険らしい

 

 そのため将軍が地方の長であるが、軍事における将軍であり、行政は町(市)長がトップなのだとか

 

 通貨は共通、言語も共通なれども住む町の縄張り意識が強く、改革は停滞、ポケモンとの争いも一進一退らしく毎年数万人の兵士が亡くなっているのだとか

 

 まあ余剰人口がポケモンとの争いで減るので一般人は飢えることが無いが、村が天災や飢餓、ポケモンによる襲撃で壊滅すると貧民が発生し、こうやって移民となるのだとか

 

 だから町ごとに法令が違っており、奴隷制の所やポケモンとの混血を促進させている町(混血は異能に目覚めやすいため)

 

 男尊女卑or女尊男卑だったりと様々

 

 税金も町によってバラバラだが、各町に割り振られた軍費が軍に徴収されるらしい

 

 ちなみに移民政策は軍の派閥によるもので町の意思ではないらしい

 

 とりあえず開拓村では男女平等、成人は10歳、一夫多妻が決まる

 

 そしてロンメルは新生児の人工生育法、3歳から9歳までの学校教育の義務化を通した

 

 ウマ娘に関しては更に特殊でクローン製造法、人工妊娠中絶の禁止等が決められた

 

 とりあえずこれで動かしていくしかなく、不備が有れば随時改定していく事が決められた

 

 

 

 

 

 ミッション10 お金を作ろう

 

 ロンメルが持っている3Dスキャナーにより貨幣の解析は速やかに行われ、銅銭は青銅であるが不純物が多く銅は約70%、不純物30%と見られた

 

 銀貨も同様で混ぜ物が酷い

 

 鋳造し直して高品質な通貨にすることは可能であるが材料があるかどうかが疑問なため、ロンメルは火山と雪山等の調査を開始した

 

 まあ火山には鉱脈があり、銅、銀、僅かながらに金と他の大量の鉱物資源が眠っていたので小規模の採掘を開始

 

 とりあえず地面に露出している鉱脈をダイナマイト等を使い掘っていく

 

 で、鉱物資源を近くに作った反物質発電所と電炉で抽出し、それぞれインゴットにする

 

 それを荷車で村まで運ぶこととなる

 

 あと貨幣だとかさばると重いので紙幣を作ることにした

 

 材料は麦や稲のワラ

 

 現状ワラがウリムーの寝床くらいにしか使い道が無かったのでワラからパルプ紙を作る

 

 教材の教科書や本等にも紙がそろそろ欲しかったので製紙工場を建築することとなる

 

 



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交渉をしろ

 4月……ロンメルがこの世界にやって来てそろそろ1年である

 

 ロンメルが生活水準を上げる為に奔走し、実に充実した1年であった

 

 村人達も間近だった死から逃れ、しっかりと現実と向き合い協力して生活ができている

 

 マンパワーが相変わらず不足しているがポケモン達によっていくらか緩和している

 

 そんな好循環の中事件は唐突にやってくる

 

 嵐の翌日

 

「村長……船が座礁していませんか?」

 

「……本当だ」

 

 ミッション11 you達はなぜフォルモサへ? 

 

 ロンメル達村人は慌てて船の向かうと困った顔をした男性達が浜辺に何名も出ていた

 

「おーい! 大丈夫か!」

 

「船長人が」

 

「先住民が居たのか……おーい! こっちだ!! 助けてくれ」

 

 とりあえず平和的に接触を果たす

 

 ロンメルは船を見る

 

 貨客船……700tクラスか? 

 

「すまないこの島はフォルモサで有ってるか?」

 

「はい、フォルモサであってます」

 

「そうか……嵐で大型のポケモンが活性化しており、舵がやられて座礁してしまった。今救難のムクホークを放ったのだが、救難されるまで協力を依頼したい。代金は払う」

 

「こちらとしては構いません。あ、自己紹介がまだでしたね。フォルモサ開拓村村長のロンメルです」

 

「アクア団アクアマリン号船長ササキだ。すまないが救難が来るまでよろしく頼む」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが……開拓村!?」

 

「はい、とりあえず色々と決めていきましょう」

 

 船長ササキはまずはロンメルを見てポケモンとの混血者が村長をしているのかと、開拓村と言うくらいだから物資の補給は難しいかと思ったが、田園の広さ、村の文化レベルの高さに驚いた

 

「船長! フォルモサって未開拓の場所って聞いていたのですが……」

 

「あぁ、俺もそう思って居たが……凄いな……ロンメル村長であってるよな」

 

「はい。なんでしょう?」

 

「あの見えてきた大きな機械はなんだ?」

 

「あれですか? あれは海水から塩と真水を作る機械ですよ」

 

「どれぐらいの塩を作れるのだ?」

 

「今セーブしているので毎日10キロの塩ができていますが80%稼働で1日10tの塩を製造可能です」

 

「10t……いやいや、そうなると大量の石炭が必要だろ」

 

「石炭は使いません。電力発電方法が違いますので」

 

「船長! すげえ! 村人に教えられたが大浴場がある! 真水だ!」

 

「なに!」

 

「見ますか?」

 

「是非」

 

 ロンメルは共同浴場を見せる

 

「大風呂、3ヶ所の中風呂、シャワー30ヶ所……1回の入浴で50人が入ることができます」

 

「お、おお! 我々も風呂に入っても」

 

「ええ、構いませんよ」

 

「乗客を優先に船員も入って良し。マナーを守るように」

 

「「「は!!」」」

 

「すまない。船だと真水は貴重でな」

 

「いえいえ」

 

 ロンメルは研究所にササキ船長を連れて行く

 

「何か食べます?」

 

「良いのですか?」

 

「ええ、軽く何か作りますよ」

 

 ロンメルは鶏肉の照り焼き(目玉焼き乗せ)と木の実の塩漬け、ご飯と味噌汁を出した

 

「お、おお! 旨い! なんだこの米は!! いくらでも食べられるぞ! 鶏か? 貴重ではないのか! 卵も含めて……心遣い感謝します」

 

「いえいえ、村民は普通に食べているものなので」

 

「そうなのですか! 旨い! ……旨い!」

 

「お代わりもありますからね」

 

「感謝します」

 

 ・

 ・

 ・

 

「ご馳走さまでした」

 

「はい、お粗末様でした」

 

「いやー、美味しかったですよ。船だとどうしても新鮮な野菜だったり肉も燻製だったりしますので美味しかったです」

 

「それは良かった」

 

「特にこの米は何ですか? 祖国でも米は主食ですがここまで旨い米は食った事ありませんよ」

 

「まぁ作り方が良いのかな?」

 

「開拓の村と言いますが電気が通っているようで、凄いですね。うちの国の町よりも裕福かもしれませんよ」

 

「それは良かった……さて話を詰めましょうか。すみませんが私は出立ちが特殊で外国の様子をよく知らないのですが……他の者もフッケン地方以外を知らなくて」

 

「なるほど……まず我々の出身はホウエン地方……野生溢れる国ですよ。一応国としては7つの地方がありそれの緩やかな共同体です。ポケモンリーグが行政を担当しており、各地方に8つのジムがあるのが特徴ですな」

 

(ゲームの世界に似ている感じか……アクア団というのも気になるが)

 

「ちなみに貨客船と思いますがどこの地方に運ぶ予定だったのですか?」

 

「今回はシャンハイ地方に貨物と人を運ぶ予定だったな……周辺の地域はわかるかい?」

 

「いえ、無学ですみません」

 

「何か書くものはあるかい?」

 

 ロンメルは鉛筆と紙を出す

 

「良い紙だね……」

 

 書かれたのは中国沿岸部と台湾、朝鮮半島と日本だった

 

「まずジャパンがここで出っ張りが半島、広いのが大陸、そしてここがフォルモサだ」

 

(地理的にはほぼ世界地図とリンクしているのか。海南島もあるし)

 

「半島は2つの地方があり、北のコウクリ地方と南のシラギ地方、それに大陸は10の地方が存在し、北から南マンシュー地方(南満州)、ホット(北京と天津、河北周辺)地方、サントウ(山東)地方、コウソ(江蘇)地方、ナント(南京周辺)地方、シャンハイ(上海)地方、セッコウ(浙江)地方、フッケン(福建)地方、コウトウ(江東)地方、カナン地方(海南島)だ。ここら辺が人の生存圏で大陸の奥はポケモンの生存圏になっている」

 

「発展してるのはホット地方とナント地方、シャンハイ地方だな。でここら辺をまとめて東アジアって言う」

 

 今度は世界地図を書き出し

 

「世界は幾つかのグループになっており、欧州、合衆国(北アメリカ)、暗黒大陸(アフリカ)、魔大陸(南アメリカ)、中東、天竺(インド)、東南アジア、東アジア、南方大陸(オーストラリア)にアローラ地方が主な地方だね」

 

(欧州はポーランド東部から未開拓、ロシア……いや、ロシア帝国だった領土、中央林間アジア、インド北部中部、そして中国の海岸近くが未開の地かい北アメリカはカナダ、メキシコが無いけど合衆国は有るんだな。……1国だけでかすぎだろ。そしてアフリカや南アメリカは中国みたいに海岸沿いだけで内陸部は範囲外か)

 

「なるほど……大陸は地方が1つの国と聞きましたが」

 

「そうだね。大陸は地方が1つの国として成り立っているよ」

 

「なるほど……力の強い国とかはありますか?」

 

「ジャパン、ガラル、カロス、合衆国、パルデア、北欧帝国、中央帝国(ドイツ)、ハクスブルク(オーストリア=ハンガリー帝国)、ルネサンス(イタリア)、ホット……かな大国は」

 

(歴史が宛にならねー……技術レベルは明治初期……ビクトリア時代だろうなフロンティアが沢山有るから)

 

(欧州は第一次世界大戦前の地図に似ている感じかパルデアはイベリア半島国家か、ポルトガルとスペインに別れてないから大航海時代などが気になるけど……それは置いておこう)

 

「ありがとうございます。フォルモサの場所もわかりました。最初の方の質問に戻るのですがアクア団というのは?」

 

「アクア団かい? ホウエン地方の造船、海運会社で海外との貿易を一手に引き受けているよ」

 

「マグマ団とか有ったりします?」

 

「有るよ。鉄道と陸輸、鉱山等を経営しているよ。アクア団たは少し仲が悪いんだよな」

 

「そうなのですね……他に大きな会社とかあります?」

 

「デボンコーポレーションだな。炭鉱や工場を幾つも持ちカントーのシルフカンパニーと共同でモンスターボールの大量生産に成功して莫大な富を築いた企業だね。あとはアソウ、カイジマ、ヤスカワの3財閥含めて6大企業って言われてるよ」

 

「なるほどなるほど……ヌルフフフ……」

 

(ゲームのアクア団みたいな悪の組織ではなく企業としてある感じか? となると協力したいな)

 

「ササキさん、私は村長としてフォルモサを発展させる必要があると思うのですよ。村の物を見せますので貿易できませんかね。腰に下げてる小さなモンスターボールや他国の作物なんかは魅力的ですので」

 

「流石に村の規模で貿易は無理だと思うが……ロンメル村長には助けてもらうのでアドバイスできれば」

 

「助かります。外貨獲得もしたいですし、人が足りなすぎて企業で開発してもらえば助かるのですよ」

 

「色々と苦労しているのですね……産業物のサンプル等はありますか? もしくはリスト等が有れば良いのですが……そういうのに詳しい者と交えながら話しましょう。私は経済は専門外なので」

 

「ええ構いませんよ」

 

 ササキ船長も風呂に入り、ゆっくりした後乗客に居た経済学者の先生とアクア団の貿易担当者数名とササキ船長が研究所に集まる

 

「いやー、お風呂に美味しい食事をありがとうございます」

 

「いえいえ……すみません住む場所が船員、乗客合わせて50名近くは用意できてなくて」

 

「いえ、服の貸し出しだけでも助かります」

 

「カナズミ大学のシラトリです。よろしくお願いします」

 

「アクア団の貿易担当のスズミヤです。よろしくお嬢さん」

 

「村長のロンメルです。まずこちらから提供できそうな物資を身繕いました」

 

 ・米

 ・木の実類

 ・紙

 ・布

 ・化学肥料

 ・芋

 ・ぼんぐり

 ・塩

 ・ポロック

 ・ネコブ

 ・蜂蜜

 

「なるほど、この化学肥料というのは?」

 

「化学反応で作った肥料になります。糞等から作る有機肥料とは異なり工場にて量産が可能です。窒素肥料、硝石等がこちらになります」

 

「確かに我が国では肥料は需要があると思います。木の実は加工しないと厳しいですね。ドライフルーツにするか缶詰め、ポロックにしないと船で腐りますよ」

 

「そうですね」

 

(冷凍保存ができないか)

 

「米や芋は良いですが加工した方が儲かりますよ」

 

「人員が足りません」

 

「米はどれぐらいの収穫量になりますかね?」

 

「そうですねぇ……今の規模だと2万石でしょうか」

 

「増産は?」

 

「可能です。まだまだ開墾の余地ありますし」

 

「1回の航海で約3500石の運搬は可能でしょう。米は大陸でも祖国でも売れますから良いでしょう」

 

「輸送費が付く分安くしないといけないですが1石2.5万ポケドルがこちらが提示する買値でしょうね。1回約8750万の利益となります」

 

「集団農業、ポケモンを労働力とした場合、機械化……まぁ妥当か」

 

「この布は?」

 

「木綿とユキハミの糸で作られた布になります」

 

「ユキハミは祖国には居ないポケモンですね。この布は高く売れますよ。どれぐらい作られているのですか?」

 

「1日3キロの布ができますね。拡張は可能です」

 

「今の段階では話しになりません。10担(1担60キロ)生産して欲しい。この質であればどこでも売れるのは保証しますがこちらも貿易として売るなら600キロは欲しい。1担300万ポケドルは出します。それだけの価値がある」

 

「化学肥料は幾らで売りますか?」

 

「そうですねキロ50ポケドル位でしょうか」

 

「こちらとしては安いのでありがたいのですが……」

 

「効果が出るまではあまり売れないでしょう」

 

「紙は」

 

「ジャパンには大規模な製紙工場が有るので売るとしたら大陸の国々ですが、こちらとしてはあまり魅力的では無い」

 

「塩と蜂蜜は?」

 

「有るだけ買いたい。塩は安ければですが」

 

「塩キロ20ポケドルでどうでしょう」

 

「まぁ妥当か」

 

「ポロックの生産量は?」

 

「現在日に50キロですね」

 

「木の実の収穫が拡大できるのであれば500キロ1セットとして1キロ5万ポケドル出しましょう」

 

「なるほどなるほど……勉強になります」

 

「とにかく当面は米は買いますが他の商品は増産しないと難しいでしょう。あと船着き場の整備もしなければいけません」

 

「船着き場の希望はありますか?」

 

「2隻の船が入港可能、大きさは700tクラス……いや1400tクラスですね」

 

「流石にそこまでの船着き場の建造は厳しいと思いますが」

 

「それならばアクア団の方で作る形で貸しとし、利益の1%を返済に宛てて行く形にすれば良いかと……もっとも我々が無事に祖国に帰れたらですが」

 

「必ず帰しますので安心してください」

 

 鋳造を考えていたが、これならば鋳造はしなくて済みそうである

 

 まぁ島内独自通過としても良いが……

 

 有意義な会話をもって交渉は終了する



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アクア団を見送ろう 移民を何とかしよう

 有意義な話し合いは終わり、座礁した船の貿易品を教えてもらう

 

「大量の空のモンスターボールに保存食、鉄道のレールか」

 

「ああ、大陸はモンスターボールの大量消費地でな。1つ100ポケドルで作って20倍で売れるがそれでも手作りの不安定なボールより安全だからな」

 

 ロンメルの持つ旧式のモンスターボールは耐久性と携帯性が低い

 

 木製なので劣化で腐っていくため5年持てば良い方である

 

 そして大きい

 

 野球ボール位の大きさとはいえ、持ち歩ける数に限りがある

 

 一方最新式のモンスターボールは一番耐久力が無い普通のモンスターボールでも劣化せず、圧縮すればピンポンボールくらいに小さく軽くなる

 

 更にいちいち戻す時も旧式はモンスターボールに当てる必要があるが、新型は電子ビームを当てることですぐに戻すことができる

 

 メンテナンスも新型の方が楽である

 

「新型のモンスターボールとレール、現金の支払いでこちらは物資提供でどうでしょうか」

 

「それだとありがたい」

 

 ロンメル的には開拓にモンスターボールは必要不可欠

 

 旧式のモンスターボールの作り方はわかるが最新式のモンスターボールの方が色々と楽なので……

 

「とりあえず至急しなければならないのは居住施設ですよね」

 

「ああ、斜めに傾いた船の中で生活は寝るだけであれば大丈夫だが、厳しいものがある」

 

「乗客の方に手伝ってもらうことは可能でしょうか?」

 

「緊急時ですし大丈夫だと思いますよ」

 

「でしたらすぐにでも住居を作り始めようと思います。とりあえず住居や研究所、共同浴場の休憩スペース等で乗客30名の寝床は確保しようと思います」

 

「助かります」

 

「船員20名はもうしばらくお待ちを……ウマ娘集合」

 

 ロンメルが外に向かって叫ぶとすぐに20名のウマ娘が集まった

 

「これより木造住居の建造を始める」

 

「「「はい!」」」

 

「優先順位を建築を第一とする。場所は南方の平地、5人1組で動くこと! 荷物運搬にはポケモンの力も使え、解散」

 

 ウマ娘達はすぐに動き出した

 

「良く訓練されてますね」

 

「ええ、まぁ」

 

 ウマ娘達が建造に取り掛かり、村人達はロンメルの指示の元で夜食や寝るスペースの確保、衣類の洗濯や仮設トイレの設置を始める

 

 船員や乗客も手伝い、日が暮れるまでにどこで寝るかの割り振りや夜食、衣類の貸し出し、仮設トイレの設置が終わる

 

 夜もライトやランプで明かりを確保しウマ娘達やロンメルは建築を続ける

 

「平屋で広さも大きくなくて良い。とりあえず雨風が凌げれば良いから突貫工場で組み立てるぞ」

 

 ロンメルと律が家の設計、ウマ娘達は木材の加工を行っていく

 

「休憩! 6時間睡眠休憩!」

 

 ウマ娘達はクローン工場や製材所の休憩スペースで眠りにつき、朝5時には起きて朝食を作っていく

 

 少し遅れて村人達も起き、朝食作りに参加、7時に広場のテーブルで食事を取り、作業再開

 

 村人や船員、乗客やポケモン達に木材を荷車に詰め込んで押して運ぶ

 

 運ばれた木材を穴を掘ってコンクリートを流し込んで土台を作り、どんどん組み立てていく

 

 船員や乗客達は村人やウマ娘達の怪力や手際の良さに驚きつつ作業を進めた

 

 子供達は共同浴場の掃除に、女性陣は昼食作りとグループに別れ作業を続ける

 

 午前中には10棟の土台が出来上がる

 

 昼食後午後から壁を作り始める

 

 休憩時間に家畜達の食事を与えたりとロンメルやウマ娘達、村人は別の作業もこなす

 

「よし、あとはウマ娘組が続けるので作業終了」

 

 夕食をとった後ロンメルがそう号令する

 

「ロンメルさん達は休まないのですか?」

 

「体力おばけがウマ娘! 3時間睡眠が取れれば疲れなんてへっちゃらへっちゃら! お前ら! 頑張るぞ」

 

「「「はい!」」」

 

 てなわけで工事続行

 

 翌朝には1軒の建造が終わる

 

「ただ広い平屋だけどこれでよし! 残りも仕上げるよ!」

 

「「「はい!」」」

 

 と言うことで1週間で10軒の平屋の建造が終了

 

 広さは1軒8坪(16畳)

 

 プレハブ小屋に近く、雨風凌げて寝れる場所である

 

 一応電気を通したので明かりが付けられるがそれだけである

 

 トイレはロンメルが夜間に設置したバイオトイレを家の横に設置

 

 とりあえず最低限の住居は完成した

 

 

 

 

 

 

 

 

 建築中にアクアマリン号が救難として放っていたムクホークが帰ってきた

 

 背中のバッグに手紙が入っておりすぐに救助船を派遣するとの事で住居ができて数日後、小型の船が海岸に現れた

 

「大丈夫だったか兄貴!」

 

「おお! コイズミ!」

 

 どうやら船長の弟分が助けに来てくれたらしい

 

 アクア団の幹部も乗っており、ロンメル達に助けてくれてありがとうと感謝の言葉を送った

 

 まず乗客乗員はこれで帰ることができる

 

 ロンメルとササキ船長の間で決められた取引も遵守されモンスターボール1000個、宿泊及び食事や衣服等の代金1人10万ポケドルを支払うとなったが、船に残される鉄道用レール200tと保存食300tが問題となった

 

 船は急遽だったらしく貨物船ではなく客船であり、貨物をそんなに運ぶことができない

 

「できれば村で買い取って欲しいが……不可能だよな」

 

「今回の事故でそれなりの損失が発生する。主力船の喪失と貨物の損害で貿易国であるシャンハイ地方の会社に違約金を支払うことになりましたので……少しでも穴埋めをしたいのですが」

 

 アクア団の幹部の方が言う

 

 そう言われても貨幣も流通していない僻地である

 

 が、乗客のシラトリ教授が仲裁に入る

 

「ここの村が貿易拠点として発展できるポテンシャルは多いにあります。今回の損害は痛いかもしれませんが、ここを開発できれば損害も数年で返済可能だと思います」

 

「本当ですか!」

 

「ロンメル村長、読み書き計算ができて信頼できる者を数名ホウエンのアクア団に送ってはくださいませんか? 我々で話し合った貿易ができると思いますが」

 

「そうですね。ウマ娘5名送りましょう」

 

「ありがとうとございます」

 

 アクア団の貿易担当官だったスズミヤも言う

 

「船で嵩張る物はこの際村に投資と言うことで置いていきましょう。船は後々サベレージできれば良いですがそれは後で、この村を貿易の中継拠点にできればフッケン以南と東南アジアでの貿易が楽になります」

 

 幹部は悩んだ末に

 

「よし、わかった。が、スズミヤは連絡員としてこの島に残れ、給料は出すし、ムクホークも3羽出す。村人と協力して今回の損害回収を行うぞ」

 

「は!」

 

「村長さん、すみませんがスズミヤをよろしくお願いします」

 

「わかりました。こちらからも5名の人員をよろしくお願いします」

 

 協定を書面を作り結ぶと夕方には島を出発してスズミヤ以外はホウエンに戻っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼らが帰った後残された住居の改造をチマチマと行っていく

 

 水道や台所、釜戸を増設し、収納棚や書き物台を作ったりしてウマ娘達やスズミヤがそこに住む

 

 スズミヤなんかは1人で1軒を貰うことになり

 

「いいんですか?」

 

 と聞いてきたので良い良いと答えた

 

 なんならしっかりとしたアクア団の支店を作る計画も建てたりする

 

 で、村人やポケモンを使い保存食やレールを運び出す

 

 重い為大変な重労働であるが、倉庫に運び込み、倉庫の増設を行いながらも2週間かけて全て運び出した

 

 レールはとりあえずロンメルの四次元ポケットに全て収納した

 

 現在の人口

 

 ロンメル含めウマ娘16名、村人12名、アクア団1名である

 

 

 

 

 

 

 5月となり移民の船がやって来た

 

 役人みたいな人が降りてきて

 

「おお、昨年は定住に成功したらしいな! 喜べ先代の移民が生きていたぞ」

 

 役人の声に比べて移民達の表情は暗い

 

「村長のロンメルです。村の代表をしています」

 

「うむ! フチョウシティ(フッチョウ地方の町の1つ)の開拓担当課のシリンだ。ん? 昨年の開拓団に居たか?」

 

「いえ、別口でこの島に定住した者になります。村民と協議した結果村長となりました」

 

「そうかそうか。読み書きは?」

 

「できますよ」

 

「それは素晴らしい!」

 

「シリン担当官に幾つか質問よろしいでしょうか」

 

「うむなんだ?」

 

「フチョウシティ単独の開拓団計画なのでしょうか?」

 

「ああそうだ。フチョウはフッケン1の大都市だからな色々な者がやって来る。村から学も無い者が多くやって来るが学の無い者が就ける職業も限りがあるからな。あとは信用できん。食い詰めれば犯罪者となるから一か八かで開拓団か軍人に応募するのだ。もっとも女は軍人にはなれないからこうやって開拓団に参加するか身を売るかしかないがな」

 

「ありがとうとございます……政治犯等は居ますか?」

 

「……いる。流刑の罪人が10名だ。彼らは解放主義者だ」

 

「解放主義?」

 

「簡単に言うと軍中心の政治をやめて内政に注力しろという思考だ」

 

「なるほど……まぁ私は異国出身なので良くわかりませんが」

 

「わからない方が良い……さて読み書きできるならちょうど良い。前任者がフォルモサに定住した場合、そのリーダーをフォルモサ総督に任命するように言われている。8回も失敗していたからそろそろフォルモサ開拓に予算を使うなと軍に言われていたが良かった良かった……よって貴女をフォルモサ総督に任命する」

 

「はぁ……」

 

「まぁピント来ないだろうな……で、フォルモサ総督にやって貰う事を書いた書類を渡そう」

 

 そう言って渡された書類を拝見する

 

 ・人頭税として1人1石の穀物か5万ポケドルを1年に1度フッケン本国に支払う

 ・できた作物の30%を買い取る(適正価格の80%)

 

「正直この2つを守ってくれれば文句は言わんというか言えん」

 

「まぁ廃民ですから少しでも金になれば良しでしょうしね」

 

「うむ、で総督、秋に収穫物の徴収に訪れるがそれまでに船着き場だけは作ってくれ。できればあの海に停っている船が停められるくらいの大きさで頼む」

 

(ジャンク船かよ……アクア団の商船でも蒸気タービン式の船だったぞ……)

 

「村長何か提案はあるか?」

 

「ちなみに今回の移民は何名でしょうか?」

 

「100名、成人は男25名、女35名10歳未満の男子が10名、女子が30名だ」

 

(成人って言っても20歳以上が20名も居ねーじゃねーか。ほとんど10歳前後のガキやんけ……開拓じゃねーよ、廃民だよバカ)

 

「もう少し年齢の高い者は……」

 

「軍に取られるのと女は年齢がいっていれば軍人達が買っていく」

 

「あぁ、そういう……一気に100名来ると開拓村がパンクするので年2期に分けて50名ずつにはできませんか」

 

「構わないが」

 

「あと穀物以外も買ってはくれませんか?」

 

「それも構わない。安くなるが何でも買おう。何か逆に欲しい物はあるか?」

 

「鉄鉱石、石炭などの鉱物資源、糸を出す虫ポケモンとメタモンがいれば……それと人です」

 

「人は余っているからどんどん出そう。鉄鉱石、石炭も了承した。糸は色々居るが」

 

「とりあえず色々ください」

 

「わかった。メタモンは無理だ。軍の管轄で官民は手出しができん」

 

「わかりました」

 

「お互い良き取引を総督」

 

「ええ、よろしくお願いします」

 

 こうして100名の移民が新たに加わった

 

 ……住居作らないと

 

 

 

 

 

 

 

 

 とにかく飢えていたので料理を作って食わせる

 

 無学かつ栄養失調でろくな労働力にもならん

 

 なので再教育を行う

 

 木造小屋と学校の教室を増築させる

 

 ウマ娘から5人抽出して1人20人のグループを作らせ指導員とする

 

 村のルールや読み書き、職業訓練、ポケモンの取り扱いを教えていく

 

「戦力化するのは半年後だろうな……」

 

 村の開拓計画をやり直す

 

 アクア団との約束もあるので頑張らないといけないが

 

「とりあえず今回新たに来た政治犯組と話を聞かないといけないな」

 

 ロンメルは政治犯と呼ばれた10名の男達を呼び出す



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解放主義

 ミッション12 解放主義? 

 

 ロンメルは解放主義の男達を研究所に集め、人数分の椅子を用意して話を聞く

 

「改めまして村長から総督になったロンメルです。解放主義の皆さんよろしくお願いします」

 

「あ、あの我々は解放主義者では」

 

「あ、大丈夫です。ここは本国ではないので」

 

 男達は目を合わせると頷き

 

「代表のオルテガ……解放主義者だ」

 

「無学で申し訳ないが解放主義について教えてくれるかい?」

 

「解放主義……と言っているがポケモンとの戦争に富を集中するのではなく疲弊した民のために保障や産業育成をするべきという思考です。祖国は軍が頂点にいるため軟弱思想と言われ差別か逮捕されてしまいます。ただ商人や役人の間ではこの思想が根強く……我々はいってしまえばスケープゴートです」

 

「なるほど危険思想かと思ったが全うな考えで安心しました……皆さんの職業を聞いても?」

 

「私は教師を、他は商人だったり労働者です」

 

「なるほどなるほど……ヌルフフフ……読み書き計算は?」

 

「全員一通りできます」

 

「なるほど素晴らしい。現在のフォルモサ開拓団の状況を説明しましょう」

 

 ロンメルは黒板に書いていく

 

「現在あなた達にやって貰いたい仕事は色々あります。塩・真水工場のメンテナンス、繊維工場、家畜の世話、田畑での仕事、教員、肥料工場、建築業への従事、鉱山労働、ポロック工場等々色々な仕事があります。現在通貨が足りていないので物資の配給制をしています。住居も無償提供をしています」

 

 ここまで良いかと聞くと質問があがる

 

「このまま貧富の差がない完全配給制でいくのか、それとも貨幣を流通させていくのか?」

 

 という質問に

 

「国に資金が貯まれば配給制から配当制に切り替えていこうと思うよ」

 

「最終的な起業は可能か?」

 

「可能だね。ただ当面の間は禁止するよ。生産能力や人的資源の最大効率化をするためにね」

 

「内政重視なのかそれとも拡張重視なのか」

 

「生産能力を上げるために更なる拡張は必須。ただ拡張の矢面に立つのはポケモンであり、人は内政に注力する」

 

 その他村でのルール等を教えると納得したらしい

 

「オルテガ達も当面の間はこの島式の再教育を受けて欲しい。労働はそれからだ」

 

「再教育とは?」

 

「体作りと機械類の操作方法、効率の良い農業の方法、ポケモン学等を学んで欲しい……どれも私が作った物だか勉強になると思う」

 

「食料生産などは大丈夫なのですか?」

 

「ポケモン達が労働力になるから大丈夫だ」

 

「……なるほどわかりました。思考や言論は自由でしょうか」

 

「ああ勿論だ」

 

「それは良かった」

 

 オルテガとロンメルは握手をして解放主義の人々との会話は終わった

 

 

 

 

 

 

 訓練が始まり、マラソン、集団行動、勉強、波紋や呼吸法、チャクラ操作など幅広く教えながら生活の改善を続ける

 

 とりあえず他の人員は家の建築を進める

 

 2週間かけて家の数を何とかすると今度は衣類が不足する

 

 衣類の機械を改良して布織りの効率を良くして対応する

 

 ドタバタ対処しながら時間が進んでいく

 

 移民達が来て2ヶ月が経過し7月となる

 

 

 

 

 

 

 移民達やスズミヤに村の大きな建物を聞かれた

 

 ウマ娘のクローン工場なのだが刺激が大きいとして秘密にしてきたが公開することにした

 

「凄い……機械でいっぱいだ」

 

「何の施設なのですか?」

 

「この施設はウマ娘製造工場……ウマ娘を産み出す工場だ」

 

「「「ウマ娘製造工場!?」」」

 

「人工的に人を作っているというのですか!」

 

「あぁ、私の科学力なら可能でね」

 

「もしかして村にいるウマ娘達は……全てここから!?」

 

「そうだよ。ここから産み出された。ウマ娘は人類愛であるが種族が違う。言葉も喋るし、文字の読み書きもできる。ただウマ娘はウマ娘の男性が産まれないという特性がある。人と交わることもできるし、そうすると人間の男女とウマ娘が産まれるし、遺伝子的欠点が無ければ単為生殖……単体でも増えることが可能だ」

 

「人造生命体ということですか?」

 

「うーん、大雑把に言えば私のクローンだ(遺伝子情報的には違うが)」

 

「クローン……未来のテクノロジーですな」

 

「君達からすれば未来のテクノロジーを私はゴロゴロ知っている。勿論知らないことも多いが……生活を豊かにするためならば惜し気もなく投入しよう。ただ未来技術は危険もある。例えば塩と水を精製している工場から作る石鹸の素の副産物の塩素ガスは人体に多大な影響が出る為取り扱いは細心の注意が必要だし、研究所内にある発電装置も莫大なエネルギーを産み出すが取り扱いを間違えればこのフォルモサの島1つを消し飛ばす爆弾に生まれ変わる」

 

「恐ろしいですな……」

 

「まぁ恐ろしい代わりに人類の生活を楽にしてくれるからさ。このクローン技術だってウマ娘を産まれさせるだけでなく手足が欠損した場合に再生させることが可能だよ。病気になった臓器の取り替えも可能」

 

「それは……不老不死が可能なのでは?」

 

「そこまで便利ではないけどね。命を永らえさせることは可能だよ」

 

「ロンメル村長、この技術はアクア団に売ることは」

 

「無理だね。理解するのに人類はあと100年は必要だしエラーが出たときに対応できないでしょ。このクローン装置でも20体に1体の確率でエラーが発生するし」

 

「……そうですか」

 

「軍もメタモンやポケモンを使った人造人間計画があると噂を聞くが……うーむ」

 

「まぁ皆が一緒に生活しているウマ娘達は悪い人居た?」

 

「「「いません」」」

 

「皆親切で優しいです」

 

「時に怒りますが危ない時や訓練時に厳しくしないといけない場面のみですね」

 

「でしょ? ……まぁクローン云々による人工種族だけど仲良くしてくれや。彼女達もれっきとした人類だからさ」

 

 そうロンメルは締めたが、聞き捨てならない言葉があった

 

 軍による人造人間計画

 

 ポケモンとのハーフが考えられるがうちのウマ娘も材料となったポケモンの性質が遺伝することがある

 

 ロンメルはポケモン因子と呼んでるがそこら辺を解き明かせばポリゴンが作れるのではないかと考えていたり

 

 まぁクローンウマ娘を作っているロンメルにフッケンの軍を批判するつもりは無いが

 

「アクア団的にはどうなのですか?」

 

「自然の理から逸脱するのを良しとしない者もおりますが私は別に……学会でもポケモンから人間が作られたという派閥や人とポケモンは別種派閥、人の愚かさを見て神はポケモンを作ったという学説まであり私はそこら辺は各個人の自由だと思っておりますし……」

 

「なるほど。あと新生児の人工生育はどうなのでしょう?」

 

「良いんじゃないですか? 開拓中に子供の世話は親達にも負担ですし、ある程度大きくなればその負担も減りますし」

 

「こっちとしても刷り込み教育ができるのが人工生育中のみの関係上とか色々ありますし」

 

 大人組は色々考えるが、15歳未満の子達は研究所の近未来感に

 

「スゲー!」

 

「カッケー!」

 

 と興奮気味

 

 科学館に初めて来た子供の如く楽しんでいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミッション13 ポケモンバトルを推奨しよう

 

 食事の改善及びトレーニングによってある程度基礎体力ができたのとモンスターボールを自作できるようになったところで移民組にポケモンを捕まえて貰うことにした

 

 クローン技術によって生成された豚によって必要性が激減したウリムー、増え続けているマリル、ブイゼル、ヤドン、ハスボー、ミズゴロウ、ワニノコ、電線で電気を食べているコイル、最近住みだしたエレキッド、害獣組(シキジカ、オドシシ、パモ、ピカチュウ、ラッタ)、オリーブ畑のミニーブ、向日葵畑のヒマナッツ、なぜか増えていたハネッコ、海岸のタマタマ、クラブ、キャモメ等が初捕獲のポケモンとしては狙い目だろう

 

 草、電気、水がやたらと多いが仕方がない

 

 炎は火山地帯はまだ安全圏とは言い難く、未開拓地に行かせるわけにもいかないので生存圏で完結させる

 

 捕獲禁止ポケモンも存在する

 

 ミツハニー、ユキハミ、バニプッチ、コイキング、ヒメグマ、ビードルの6匹は産業的理由か危険度的な理由で禁止とした

 

 本当にごく僅かだがモグリュー、ナックラー、ウパー、スバメ、カラナクシの目撃情報もあり、生態系の変化でポケモンの種類に変化が訪れている

 

 とりあえず各自大人やウマ娘付き添いでポケモンをゲットしていく

 

 3日間で初めてのポケモンの捕獲が全員終わり、これでポケモントレーナーと一応なる

 

 で、娯楽の少ないこの島でポケモンバトルと捕獲、育成は唯一の娯楽であり必然的にポケモンバトルが至る所で行われた

 

 で、アクア団のスズミヤの提案でジムみたいなのを作ってはどうかと提案を受けた

 

「ジムですか」

 

「はい、バッチを与えることで強さの指標にもなりますし、強ければ開拓地外の遠征も可能になるのではないでしょうか」

 

「うむ……ジムじゃないですが少し考えていることがあります」

 

「何でしょう?」

 

「今主要な水、草、電気を主要に扱うリーダーを任命し、3人に勝てば1人前、1人前だけのポケモン大会を開いたりすれば盛り上がりそうと」

 

「ジムと何が違うのですか?」

 

「スズミヤの話を聞くにジムはポケモンを強くしたり、基礎を学ばせる所ですが、ここだと学校がその役割を持ちますし、ポケモントレーナー一本で生活はできません。彼ら彼女らは労働力だからです。あくまでも娯楽の延長線上でしかないのです」

 

「なるほど……島の発展が第一でしたね」

 

「はい、ただ自衛の為に強ければ強いほど良いのは変わりありませんので……スズミヤ、せっかくですし水タイプのリーダーをやってはくれませんか? 貿易時以外は暇でしょ?」

 

「わかりました。引き受けましょう」

 

 他のリーダーも決まる

 

 電気はアオギリ、草タイプリーダーには最初の入植者の女性であるサクライが務めることになった

 

 将来村が発展して幾つもに別れたらジムを作れば良く、それまでは各タイプのエキスパートにジムリーダー代わりをさせれば良いとした

 

 アオギリとサクライは実力で選ばれただけであり、そのタイプに深い知識があるわけではないのだが……

 

 とりあえず形となったのだった

 



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フォルモサの地図

 ミッション14 船着き場を作ろう

 

 8月に入り収穫シーズン前に船着き場を作る必要がある

 

 フッケン及びアクア団との交易のためにも50m級の船着き場を作る必要がある

 

 そこでロンメルは浅瀬だと船が座礁する可能性が高いので沖に100メートル進んだ場所に土石を運び、出島を作ることで海底の深さを確保しようと計画した

 

 が、そんな建材やそれを輸送する重機や船が無いので計画段階で不可能とわかり破棄

 

 とりあえずできる範囲でやる

 

 まず桟橋を作っていく

 

 木材で杭を打ち込み、土台を作り、徐々に沖の方へと広げていく

 

 約1ヶ月村人総出で幅5メートル、長さ100メートルの桟橋を完成させる

 

 木材は海水に浸けていると腐りにくい為10年持てば良いなぁとロンメルは考える

 

 10年有ればしっかりとした港の建造も可能であると思われるし……

 

 

 

 

 

 

 9月中旬になると収穫シーズンとなり勉学も中断して収穫作業となる

 

 今年は殆どがポケモン任せだったこともあり、肥料と作物の生命力に頼った結果だったので1反辺りの収穫量は落ちる結果となった

 

 が、人間が監督していた田んぼはポケモン主体の田んぼに比べて数倍の収穫量となり、植え方、手入れの仕方、水を抜くタイミングの必要性、草取り等々をすればこれだけ収穫できるぞという目安になった

 

 一方ポケモンだけでも芋系はすくすく育ち、薩摩芋、じゃがいも、里芋、長芋が20t、25t、4t、3t

 

 全て1町辺りの収穫量となる

 

 ちなみに米の全体収穫量は1万石、小麦500石、とうもろこし7tという結果だった

 

 人の手が加えられれば更なる増収は可能だ

 

 水ポケモン達の雨乞いによって雨を降らせて水撒きをしているので除草及び土寄せを行えばさらに芋類地中の作物は収穫量が増える

 

「来年からは更なる増産が可能だろう」

 

 収穫を終えたロンメルはそう締めた

 

(収穫物は腐らないように四次元ポケットの中に収納されております)

 

 

 

 

 

 収穫が終わった10月、貨物積載量250tのアクア団の貿易船が入港した

 

 積まれていたのは大量のケムッソとムックルであった

 

「おう、ロンメル村長……いや、今はロンメル総督だったか。頼まれていたケムッソとムックルを連れてきたぜ」

 

「ササキ船長ありがとうございます」

 

「いやいや! お、スズミヤも元気そうじゃないか」

 

「ササキ船長もおかわりなく……どうですか本社は」

 

「うむ、港の建築は輸出量が増えてからだな。当面の間はこのミニマリン号で貿易を行う予定だ」

 

「250tですか。こちらからも当分の間は穀物の輸出しかできませんが」

 

「ああ、それで良い。一応ルートはホウエン→フォルモサ→シャンハイ→フォルモサ→ホウエンで、フォルモサには毎月1回来る予定だ」

 

「なるほどなるほど」

 

「で、大陸側が欲しいのは食料、ホウエンが欲しいのは布、ポロック、蜂蜜、肥料だ。そっちが欲しいのは粘土、石炭、鉄、家畜だったか?」

 

「ええ、ミルタンクと人型ポケモンができれば欲しいです」

 

「OKOKホウエンに戻ったら用意するよ。とりあえず今回は米200t、小麦粉5t、あとは芋類を買おう」

 

「ありがとうございます。真水と船員の食料補給はこちらで出します」

 

「助かる……スズミヤ、差し引いたらどんぐらいだ?」

 

「差し引きフォルモサ側に2000万ポケドルの支払いですね」

 

「よし、取引成立だ。貨幣支払いだったな……細かいのが欲しいって言ってたからほら細かい貨幣もほら」

 

「確かに……紙幣はすみませんが無しで」

 

「しゃーない。貨幣じゃないと担保が無いからな。ただ、銅山や銀山、金山があるのならば国際通貨発行委員会と連絡を取り合った方が良いぞ」

 

「聞くからに通貨を作ってる所に聞こえますが」

 

「そのまんまだな。世界通貨ポケドルを管理している部署でそこの許可があれば通貨の発行ができる。銀行みたいなもんだ」

 

「なるほど……呼ぶにあたって何か条件がありますか?」

 

「人口が1万人以上もしくは銅銀金山のどれかを保有しているかつ経済規模が10億ポケドル以上の地方だ。人口は難しいから鉱山と貿易規模をなんとかしてしまえ……俺らとの貿易を10億ポケドル以上にすれば解決だな」

 

「ふむふむ……ありがとうございます」

 

「おう! じゃあ明日には出発するわ。荷の積み降ろしさっさとやってしまおうぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 早速ケムッソの糸を製糸にするととんでもなく丈夫なかつ肌触りの良い布に仕上がった

 

「成分分析したけど絹に近いけど生糸よりも糸の長さ、量が桁違いだわ。ユキハミの糸が300gなのに対して1キロも糸を吐き出す事が可能だとわかった」

 

 ユキハミは雪だが、ケムッソは葉っぱが好物なので色々食べさせて見るとオボンの木の葉っぱを好むらしい

 

 ただ注意としてユキハミの布の方が価値が高いとアクア団のスズミヤに言われた

 

「ケムッソ、キャタピーによる繊維業はジョウトに大規模な工場があるのでそこまでユキハミの製糸よりも売れないと思います。着ると涼しいという特徴は素晴らしいですからね」

 

 とのこと

 

 なのでユキハミを増やすのを続ける

 

 雄のケムッソと雌のユキハミを交配させて数を増やしたりする

 

 ポケモンはタマゴグループが同じであれば異種交配しても雌のポケモンが生まれる性質がある

 

 メタモンが居れば全て解決なのだがメタモンは徹底管理されているらしい為輸入は不可能とのこと

 

 ユキハミに頑張って貰い日に10匹ずつ増やしているが目標生産量の日に10坦に到達するのはまだまだかかりそうである

 

 

 

 

 

 

 

 10月となり、5ヶ月間の基礎教育が終わった100名の移民達、未成年の10歳未満はこのまま教育を続けるが、とりあえず労働力として始動である

 

 農業、料理、畜産業、繊維、建築業、開拓、鍛冶屋、製材、製紙、捕獲、皮革業、木材加工、ポロック製造

 

 これが基礎教育で就役可能の職業である

 

 高等職は教師、機械エンジニア、設計士、肥料工場、塩・真水工場、栄養師、医者、各種監督

 

 これくらいか

 

 で、現在基礎労働人口が72名、外部労働者1名、ウマ娘45名(うち5名ホウエンに出向中)、未成年40名となっている

 

 これを希望職種で振り分けていきロンメル>ウマ娘>労働者>ポケモンという構図を作り上げる

 

 どの産業も拡張をしなければならないので末端労働力のポケモンの指揮者としてトレーナー達が必要

 

 ロンメルが希望のアンケートを取り、ここから2ヶ月の試運転期間を行う

 

 とりあえず島の産業が動き始めたが、オルテガがギルドの設置を求めてきた

 

「ギルド?」

 

「ええ、まだまだ未開拓の大地が広がるこのフォルモサに冒険者ギルドを作ることで開拓を促しつつ、強いポケモントレーナーを作るのが目的です」

 

「却下だ。そんな人的余裕は無い。生産リソースを開拓に集中させることで計画的な産業育成をしなければならない段階だ。それに島のマッピングは律に頼んで行っている」

 

「律とは?」

 

「私の友人でありポケモンであり右腕だ。君達が入植する前に地図を作るように指示してある」

 

『ロンメルさん! 島の北半分のマッピングが終了しました』

 

「噂をすれば」

 

「見たこと無いポケモンですね」

 

「バーチャルポケモン……人が人工的に産み出したポケモンだよ」

 

『ポリゴンPこと自律思考固定砲台の律です! ロンメルさん印刷機借りますね』

 

「ああ、頼む」

 

 ということでフォルモサ北部の地図ができあがる

 

海岸海岸海岸海中洞窟海岸海岸海岸
海岸草原草原草原草原廃墟海岸
海岸草原湿地湿地海岸
海岸海岸
海岸
空地雪原雪山雪山雪原海岸
海岸草原草原草原雪山高地海岸
海岸草原大穴沼地海岸
海岸海岸

 

「これが……フォルモサの北部ですか」

 

「はい、全体の3分の1ほどですが」

 

「なるほどなるほど……廃墟があることに驚きですね」

 

『廃墟には強いゴーストポケモンがうようよ居ました。北西部の平原には人型のポケモンが少し居ました。リオルとルカリオ、ミミロルとミミロップですね。あと大穴は隕石によるものだと思われます』

 

「なぜ隕石と断定?」

 

『ピッピ系、ソルロック、ルナトーン、スターミー系が住み着いていました。また月の石や星の欠片がそこらにむき出しで落ちていましたので』

 

「なるほど……宇宙の研究もしないといけませんねぇ」

 

「ロンメル総督、となると我々は」

 

「まず升目のすぐ東の森を更に開墾して畑を広げ、山まで接続しましょう。目標は鉄道の敷設です」

 

「て、鉄道!」

 

「ええ、山から様々な鉱石が眠っているのは過去の探索でわかっていますので山をも生存圏に組む込みましょう」

 

 当面の方針が決まる



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悪銭、良貨

 現在のフォルモサではほぼ原始共産主義である

 

 全ての施設が開拓村の関連施設であり、総督であるロンメルという頂点があるもののそれ以外は皆平等状態である

 

 ロンメルは経済発展段階説及び社会段階発展説を信じており、現在は原始共産主義であると見なしていた

 

 ただ同時に社会主義及び共産主義にこだわっているかというとそうではなく、最終的には競争的資本主義になるだろうと考えている

 

 では次のステップに歩むためにはどうしなければならないか

 

 それは労働力が過剰となった時、資本が蓄積した場合、社会的コミュニティが成熟した場合、新たな階級が生まれた時である

 

 まぁ主義主張は社会的余裕が無ければ生まれることはないし、生まれたら今度は社会的困窮が次のステージに押し上げる

 

 矛盾しているようだがいわば革命的暴力は困窮、現状の打開による希望がなければ生まれない

 

 恐らくそう遠くないうちに何かしらの事件がフッケンで起こるだろう

 

 過剰な軍国主義的独裁は長く続くかそれとも何かしらのきっかけで簡単に崩壊するであろう

 

 内部で解放主義という勢力が出てきた以上それが官民に普及している以上何らかの影響がこちらにも出るだろう

 

「まぁ私はこのフォルモサを地道に発展させていくまで」

 

 ロンメルはポロックの更なる増産を、農業の効率化の為の機械を作るのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミッション14 無茶振りに備えよう

 

 11月、約束通りフッケンから新たに50人(成人男性5名、女性15名、男子10名、女子20名)の人員と税金の徴収が行われた

 

「人口は……むむ? ウマ娘とやらが増えてないか?」

 

「祖国から呼びまして(嘘)」

 

「そうか今回はウマ娘の税は免除するが来年からは取るぞ」

 

「は!」

 

「それでは今年は72石の穀物を税として取り上げる。他の作物の30%は買い取りとするが」

 

「果実類は腐りませんか?」

 

「……そうだな。保存加工はできないか?」

 

「現在ポロック工場の拡張を行っていますが……」

 

「うむむ……ポロックか……缶詰めにはできぬか?」

 

「アルミをまず作らないといけないのでボーキサイトを輸入しなければなりません」

 

「ボーキサイトか? 有り余ってるぞ」

 

「本当ですか!」

 

「……よし、それならばアルミ工場を作れ、アルミは戦略物資故にできた80%を買い取りとする。その代わり穀物の人頭税以外を免除とする」

 

「わかりました」

 

「本当にアルミニウムが作れるのだろうな」

 

「任せてください」

 

「で、今回は穀物をいくら売る?」

 

「3000石分売りましょう」

 

「3000……え? そんなに取れたの?」

 

「シリン担当官?」

 

「と、とりあえず1000石いただこう。すぐに船を出させる。代金はもう一度来たときに支払う」

 

 どうやら予想以上の収益だったらしく支払いのキャパオーバーをしたらしい

 

 まぁ人頭税が1石って言ってるぐらいだからな

 

「それと糸を出すポケモンを連れてきたが……軍が妨害してきて3種類、各4匹ずつしか連れてこれなかった」

 

「構いません」

 

 出されたのはイトマル、バチュル、タマンチュラの蜘蛛系ポケモンであった

 

「お、おお! タマンチュラ!?」

 

「蜘蛛系のポケモンによる製糸業は失敗しており、芋虫系が人気だが……」

 

「大丈夫です。恐らくいけます!」

 

「おお、祖国では布不足が深刻で高騰している。どんな布でもよい。半年後に輸出してくれると助かる」

 

「わかりました」

 

 穀物をジャンク船に詰め込みフッケンの者達は帰っていった

 

 

 

 

 

 

 

 妊娠していた女性が出産し、フォルモサで初めて自然に人口が増えた

 

 新生児は健康体であり、自然分娩の後すぐに人工生育器に入れられた

 

 約9日で3歳児まで成長し、小学生低学年の知能が叩き込まれていた

 

 施設を解放していたので様子を見ていた大人達はその科学力に驚愕しつつも新たな村人を迎え入れた

 

 人権なんて無いような物であり、宗教的にも未発展な為ギリギリ受け入れることができたのであろう

 

 安心して子供ができるのを見たこと、生活が安定したことにより娯楽が少ないので結婚や性行為が流行、性病に感染すると不味いので後天的に治す薬を全員に接種してもらい、性病を滅菌

 

 結婚すると一軒家をロンメル達はプレゼントし、移民は5人が共同生活できるプレハブで生活して貰う

 

 その為生活を良くするために結婚が更に流行し、第三移民を除き成人男性は全員が結婚か重婚

 

 この結婚にウマ娘達も入ったので男性は平均2人と重婚することとなる

 

 で、10歳から成人となるポケモン世界

 

 成人すぐに結婚する者も出てきたし、10歳で妊娠する娘も出てきた

 

 この為ロンメルは近未来のカプセル分娩法のカプセルを量産することにした

 

 カプセル分娩法は培養液を満たしたカプセルにお産が始まった女性を入水させ、水圧と補助アーム等で母体へのダメージを減らすお産方法である

 

 技術確立は2065年の未来技術であるが母体が未熟でも安全に産むにはとロンメルは導入した

 

(ロンメルは知らなかったがポケモン世界の人間は強く、10歳前後のお産でも死亡率は3%ほどとのこと)

 

 そのままロンメルは医療知識を詰め込んだ医者タイプのウマ娘を量産する

 

 ポケモン世界は優れた薬草や木の実で大抵の病気は治るが、未知の病気や遺伝子的欠陥による病気、癌、心臓病、脳梗塞、肺炎、臓器不全等の病気は医者が必要であり、村民の健康維持の為に20名の医療タイプのウマ娘が新たに作られることとなる

 

 

 

 

 

 

 

 来年のベビーブームが確定し、シリン担当官が追加の交易で資金がフォルモサに更に流入したが、アクア団の通貨が良貨なのに比べてフッケン側は悪銭であった

 

 解析はとっくの昔に完了しているのでロンメル貨幣の鋳造を開始

 

 悪銭類を溶かし、不純物の割合を調整、鋳造し、良貨へと作り替える

 

 総量は減るが、悪銭だとアクア団との貿易の支障になると困る為に人……特にアクア団のスズミヤにバレないようにウマ娘だけで行った

 

 やってることは私鋳銭で、国際通貨発行委員会に無許可でやっているので不正だが悪銭支払いによる信用の下落に比べればやる方のメリットが上回った

 

 で、悪銭がここまで出回っていることに疑問を持ったのでアクア団のスズミヤに悪銭での貿易はどうしているかと聞くと国際貿易は基本金貨でやり取りするため悪銭が出回ることは無いのだとか

 

 金の含有量は秤で直ぐにわかるので不正がわかると貿易停止処置が国際通貨発行委員会から通達されるので絶対におこなわれないのだとか

 

 ただ銭の良し悪しは国がどれぐらい乱れているかの指標になると教えてくれた

 

 ジャパンは海路陸路がしっかりしており、かつポケモンリーグが行政を完全に掌握しているため末端の銅貨の鋳造の品質維持ができている

 

 逆にフッケンは軍事優先国家なので国のリソースが軍に取られてしまい貿易用の金貨、自国で産出する銀貨の質は良いが銅貨は良くないというのが諸外国からの評価らしい

 

「まぁフッケンの軍事力で大陸内部のポケモンによるスタンピードが発生しない側面も有るから諸外国は貿易して支援するしかできないがね。ただフッケンは石材と茶の産地だけどそれ以外の産業が弱くてね……産業に金を回せてないのがよくわかるよ」

 

 まぁ他国が内燃機船なのにジャンク船を使ってる時点で遅れているのが良くわかるわ……

 

 まぁ今回の貿易量できる量が想定の何倍もできるとフッケン側もわかっただろうからこれからボーキサイト取引を中心に食料品を売り付けていけば良いだろう

 

 人身売買みたいなのもおこなって貰ってるし……

 

 

 

 

 

 

 

 アルミニウム工場の建築が始まり、今までの鍛冶屋の小型電炉とは違い、大型かつ大量生産できる電炉の建造を行う

 

 アルミニウムに必要な電力は有り余っているので問題なく、半年かけて地道に建造していくこととなる

 

 で、その間ロンメルは蜘蛛系ポケモンの糸を衣類転用することを考えた

 

 まず各々の糸の特性を考えてみよう

 

 まずそもそもポケモンの糸は強靭かつ腐りにくい、ポケモン由来の製糸からできた衣類は虫食いが起きにくく肌触りが良いとされる

 

 で、フォルモサに居る糸を吐く虫ポケモンを比較すると

 

 ・ケムッソ……大量の糸を吐くが他のポケモンの繊維に比べると脆い

 

 ・ユキハミ……ひんやりとした肌触りの製糸になる

 

 ・イトマル……強靭、加工するのに工夫が必要

 

 ・バチュル/デンチュラ……少量過ぎて産業に向かない、進化させる必要あり→進化してデンチュラになると産業用にできる、糸は絶縁性の性質を持つ、肌触り的に衣服に向かない

 

 ・タマンチュラ……大量の糸を作る、一番強靭かつ弾力性がある、加工するのに工夫が必要

 

 スパイダーシルク系は一癖二癖あり研究しないと使えない

 

 が、ロンメルには遺伝子解析及び様々な薬品、それに科学力がある

 

 解析した結果洗浄→電磁波→過炭酸ソーダ→沸騰したお湯に30分→特殊な機械から製糸の工程をすればタマンチュラの糸は衣服用に使えるとわかる

 

 作られた製糸は防弾防刃性に優れ、イノムーの牙で布を突いても貫通せず、受け止めるに至る

 

 他ポケモンの技を受けても炎タイプの技以外は受け止めることに成功し、防護服の布として使えそうだ

 

 デンチュラの糸は足りなくなり始めた電線等の銅線の絶縁カバーに

 

 イトマルの糸も特殊な加工をすることで保温性の高い布ができあがった

 

 布がフォルモサの輸出品の主力となりそうな為増産もおこなわなければ……



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赤字

 ミッション15 国民党

 

 12月……糸の増産、アルミニウム工場の建築、家の増築等々

 

 やることが山盛りで大変であるが順次こなしていく

 

 そうしているとアクア団のササキ船長が見慣れない人を連れてきた

 

「ロンメル総督、1ヶ月入港が遅れてすまねえ。シャンハイ側との取引をするに当たって交渉していて遅れちまった」

 

「あ、大丈夫ですよ」

 

「紹介するがアクア団と取引しているシャンハイ地方の国民党のメイメイ殿だ」

 

「メイメイです総督様よろしくね」

 

「ロンメルです。よろしくお願いします」

 

 話してみるとどうやらシャンハイ側にも交渉役が必要だろうと話しになり、シャンハイ地方の与党である国民党から交渉役としてここに来たらしい

 

「シャンハイ地方は貿易により莫大な富を蓄積し、ビルが建ち並ぶ大陸一の金持ち国家ある。シャンハイ地方は未開拓地を他の地方に売ることにより高レベルポケモンが蔓延る危険地帯に接しないことで安定して成長することができたね」

 

 とのこと

 

 シャンハイ側は食料を欲する代わりに人型ポケモンを輸出してくれるらしい

 

「シャンハイでは人型のポケモンが大量に居るので捕まえての輸出は可能ね。ただ食料はいつも高価ある。なるべく大量に送ってくれると助かるね」

 

「わかりました。農作物の増産を何とかしましょう」

 

「あと家を1軒借りたいある。ダメかね?」

 

「いえ、至急用意致します」

 

 こうしてフォルモサにメイメイ担当官が在住することとなった

 

 

 

 

 

 

 人工生育第1号の子供が生育を終えて家族の元に返された

 

「お父様、お母様、ヒムラです。よろしくお願いします」

 

 最初は困惑だったが数日も立てば受け入れ、ヒムラも両親の手伝いや学校で勉強し、周りの皆からも最初は見せ物的であったが、整った容姿と愛される言動で馴染んでいった

 

 

 

 

 

 1月、製糸工場の拡張が終わり、各種糸の増産が始まる

 

 ポケモンの繁殖も順次おこなっているがまだ目標量には到達していない

 

 ロンメルは今年の生産目標を決定し、計画経済令を発令

 

 現在の田畑の広さが150町ほど

 

 1反の収穫量が米10~20石、小麦3~5石、芋類20~30石、とうもろこし20~30石

 

 1石180キロ計算で、水田100町、主食畑30町、野菜や木の実の畑が20石である

 

 水辺の労働ポケモン達の数が爆発的に増えているので今年度は100町の開拓を目指す

 

 遺伝子組み換えにより作物の収穫量が増えているが、肥料を投入しないと土地が枯れてしまう

 

 生産計画としては

 

 農業部門

 ・米  3万石(二期作故に)

 ・小麦 3000石(裏作含め)

 ・芋類 1500石

 ・とうもろこし 1500石

 ・他 500石

 

 製造部門

 ・製鉄 50t

 ・鋼  追加で特殊電炉を建造

 ・製糸 50坦(3t)

 ・製紙 内需分

 ・電力 現状維持(約800億kWh)

 ・塩  10t

 ・石鹸 内需分

 ・肥料 2万t

 ・ポロック 5t

 ・調味料 内需分

 ・アルミニウム 貿易による

 ・モンスターボール 約5000個(日産10~15個)

 

 特殊

 ・ウマ娘 60人

 

 家畜

 ・鶏 5000羽

 ・豚 500匹

 ・魚類 5t(主にコイキング)

 

 の計画を大々的に打ち出した

 

 とても開拓3年目の生産量ではないが努力目標としてはこれぐらいを見据えなければならない

 

 鉄鉱石や石炭、ボーキサイト等は輸入に頼るため生産量は安定しないと思うが……

 

 この計画が成功すれば生活がより安定するし、通貨も国内で回せる分を確保できるだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミッション16 道を整備しよう

 

 開拓村も近代的な工場と木造住宅という時代がぐちゃぐちゃな建造物が建ち並び、気がついたら最初はマサラタウンくらいの3分歩いたら村の端だったのに今では村の端に行くのに走って(ウマ娘基準時速60キロ)10分近くかかるようになった

 

 で、広くなれば道が広くないと色々と不都合である

 

 現在道は舗装はされておらず、土の道となっている

 

 雨の時はぬかるみ、荷車を走らせればわだちができる

 

 これでは良くないためメインストリートだけでも舗装することとなった

 

 現在の村を十字に分け北は田園地帯に、南は住宅予定地に、東は畑に、西は船着き場に接続するように計算し、コンクリート道路を作っていく

 

 舗装距離12キロ

 

 中央の道は幅が20メートルあるため10メートルで区切り、通行止めにし、まずスコップやピッケルを使って穴を堀り、コンクリートを半分入れ、砂利を入れて更にコンクリートを入れ、レイキを使ってならして固めていく

 

 コンクリートは固まるのに1ヶ月かかるし、複数の工程があるため12キロの舗装……ウマ娘やポケモンを合わせて100名投入して完全開通するのに3ヶ月の期間を要した

 

 工事の遅れた理由としては固まる時間もあるが、石灰を火山から取りに行くのにウマ娘達何人もが荷車を引いても1時間で1tが限界であり、他に砂利も運ぶ必要もあり1ヶ月を予定していた工事は伸びに伸びて3ヶ月かかることとなった

 

 このことを受けてコンクリートの石灰使用量の増加のために火山までの鉄道計画をたてていくこととなる

 

 

 

 

 

 

 

 道路工事をしている間にササキ船長がミルタンクを30匹と鉄道用レール50tを持ってきてくれた

 

 これで国内のレールの総量は250t

 

 1m50キロ片車線なので100キロかかる

 

 その為10mで1t、250tといっても2.5kmしか線路を引くことができない

 

 しかも加工品なので高い

 

 1t100万ポケドルであるため今回だと5000万ポケドルもする

 

 しかも粘土や石炭、家畜代金等の他の物も合わせると9300万ポケドルもする

 

 ミルタンクが値段が高く1匹成体で120万ポケドルで3600万ポケドルとなっている

 

 こちらは食料を250t分出すが3500万ポケドルにしかならない

 

 今回はミルタンクが居たとはいえこれをレールの比率を上げればそれだけ値段も上がる

 

 250t全てレールにすると2億5000万ポケドルとてもでないが支払えない

 

 更に言えばフォルモサは難破船の200tのレールを買い取っているので2億ポケドルの借金がある

 

 大幅な貿易赤字である

 

 これを何とかしなければならない

 

 ちなみに布は今回5坦1500万ポケドルで売れ、合わせて5000万ポケドル

 

 4300万ポケドルの赤字は借金となった

 

 アクア団としてはMAXでも10億ポケドルの赤字が許容範囲なので現在2億4300万ポケドルの赤字なので約7億と5000万となる

 

 気を付けないと超えてしまいそうである

 

「ちなみに超えたら?」

 

「土地の強制差押えでしょうね。植民地化です。もちろんロンメル総督からスズミヤに権力も譲渡して貰います」

 

 とのこと

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミッション17 借金を何とかしよう

 

 このままではフォルモサは破綻してしまうし、いつまでたっても貨幣経済に移行できない

 

 借金返済をするに当たり、換金率の高い物を売る必要がある

 

 一番は布の生産量を上げることだがそれもなかなか難しい

 

 アルミニウム工場ができれば全てが解決するのだが……

 

 アルミニウム相場は1t140万ポケドルらしい

 

 250t作れば3億5000ポケドルの収益となる

 

 まぁ最も理論値であるが……

 

 アルミニウムは加工しやすいのもポイントである

 

 缶詰め、食器、防具等々

 

 ハイパーボールの生産にもアルミニウムが素材の1つで必要らしい

 

 需要は大量にあるが供給が間に合ってないらしいのでフォルモサのアルミニウム工場はフォルモサ飛躍の柱になる可能性を秘めていた

 

 とにかく今はアルミニウム工場を完成させること、今年度の計画経済の完遂を予定通り行うこととなった

 

 

 

 

 

 

 2月、裏作の小麦が収穫され、予定以上の3500石の収穫となり計画の1つをクリアーした

 

 小麦粉に加工作業となるが、電動のふるいをかけた後、ロール製粉機を5連続させて1日250石の小麦が上質な小麦粉となる

 

 ちなみに小麦から小麦粉になる量は約60%なので3500石あっても2100石分しか小麦粉にはならない(正確には378tの小麦粉となる)

 

 これが30キロごとに袋詰めされ、保管される

 

 とりあえず計画は順調に推移いくと思われたが開墾を担当していたウマ娘がロンメルの研究所に駆け込んできた

 

「ロンメル総督! 大変です! 森のポケモンが大連合を組開拓組を襲撃! 既にこちら側のポケモンが20体程死亡!」

 

「数と種類は?」

 

「1000以上、キノガッサ、フシギバナ、ベイリーフ、トロピウス、モジャンボ、ララテンス、リングマ、ニドキング、ビークインを確認、司令塔と思わしきポケモンはビリジオンかテツノイサハと思われます」

 

 ミッション18 ポケモンの反撃を撃退せよ

 

 



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ポケモンの反撃

 ミッション18 ポケモンの反撃を撃退せよ

 

 至急人員と動員できるポケモンを集めて問題の場所に急行するとポケモンが地均しの如く徒党を組んだポケモン達が開拓した場所を襲っていた

 

「天候を霰にし、吹雪だ!」

 

 大量のバイバニラやマンムーが天候を霰に変えて吹雪を連発する

 

 ただレベル差が野生のポケモンの方が高くなかなか崩れない

 

 足止め程度にはなり、時間を稼いでいる間に木材や丸太で簡易的なバリケードを作る

 

 そこから支援砲撃としてレアコイルやジバコイルのラスターカノンやハイドロポンプが発射される

 

 が、相手方もソーラービームや種爆弾、ミツハニーの特攻攻撃等で対抗してくる

 

 一時的な拮抗状態となり、進撃スピードが緩やかとなる

 

「ロンメル総督敵の足が止まりました」

 

「霰と吹雪を継続し、雪を積もらせて侵攻不可能にしろ!」

 

 村民達はこの攻防を見てここが最前線の開拓地であることを思い出す

 

 結局雪が3メートル近く積もったことで侵攻不可能となり野生のポケモン達は退いていった

 

 こちらも負傷したポケモンや遺体を回収していく

 

 双方合わせてポケモンの死者数が100体近くであり、殆どがミツハニーであった

 

「とりあえず当分の間は東への開拓は無理だな。危険すぎる」

 

「そうでごわすな。そしてスタンピードに備えて軍を作るべきでごわすな」

 

 アオギリの意見に対してオルテガが反論する

 

「いやしかし、軍は必要ないのではないか? 今回のように撃退できたではないか」

 

「それはロンメル総督が素早く指揮を執ってくださったからじゃないか」

 

 解放主義者達は軍に対して嫌悪感がある

 

 これに対しアオギリ達は普通のポケモン達では対抗できなくなっているので指揮官となる人物が必要な為、軍は必要であると反論する

 

「「ロンメル総督どっちですか」ごわすか」

 

「軍は最終的に必要だけど今は不必要に拡張する必要は無いよね。ただ軍に準じる組織は今後ポケモンとの戦争では必要だ……現在の生存圏約150町を更に拡張するためには森のポケモンと生存競争をする必要があるからね」

 

「オルテガ達の軍へのアレルギーはわかるが武力無くして生存圏を守ることはできないよ。……まずは監視施設と罠の設置、それを指揮する人材が必要だねぇ……とりあえずウマ娘で防衛隊を作ることにするよ」

 

「それだと我々にウマ娘が反乱を起こすのでは……」

 

「おい、ロンメル総督もウマ娘だぞ」

 

「いや、ウマ娘が支配するというビジョンを持つのは良い視点だよ。常にそれは警戒しておいた方が良いだろう。ウマ娘と人間は人類であるが良き隣人でしかない。互いに利用し合う関係くらいに考えなければ」

 

「外部はロンメル総督をポケモンとの混血と考えていますからね」

 

「まぁまず軍の前身組織を作ろう……自警団だと締まりが悪いから防衛隊にするか」

 

 次に森との境界部分をどうするかの話になる

 

「バイバニラとマンムーの吹雪で広範囲を通行止めにしている間に堀と土壁を作るしかないだろうな。コンクリートブロックによる壁だと撤去が大変だし……兵器も開発するしかないのかなぁ」

 

「兵器ですか?」

 

 ロンメルはそもそもポケモンの世界の武器のレベルがどれくらいなのか知らないことに気がついた

 

「そもそも軍は何を使ってポケモン達と戦争してるの?」

 

「そりゃ銃とポケモンでしょう」

 

「銃か……どれぐらいの技術レベルなんだろうか」

 

「それはアクア団のスズミヤ殿や国民党のメイメイ氏の方が我々より詳しいと思いますよ」

 

「移民組は村に自衛用の古い猟銃くらいしか見たことが無いと思うでごわす」

 

 移民組はそもそも従軍経験が無いので武器を触れた事が無いとのこと

 

 そこでアクア団のスズミヤに聞いてみると

 

「自衛用に銃が欲しいですか……構いませんがポケモンの方が手っ取り早いですよ」

 

「というと?」

 

「ポケモンを捕まえて戦わせればその方が強いからです。地面、岩、鋼、ゴーストポケモンに銃弾は効きませんし、他のポケモンにも一定のレベル以上であれば効果が薄いです。鍛え上げられた人間や異能持ちと呼ばれるポケモンとの混血にも銃弾は効きづらいのですよ。それより鍛えての白兵戦やポケモンを使っての攻防の方が侵攻も防衛もやり易いですよ」

 

「なるほど……ポケモントレーナーを育成してそれを量産する方が強いと」

 

「ただ全部の武器が弱いわけではありません。大砲なんかは榴弾はポケモンのじばくと同じ程度の威力があります。バリスタや弓なんかも威力は落ちますが毒を塗ることで殺傷能力を高めることができます。ゴーストポケモンにも効果がありますからね」

 

 とのこと

 

 どーも聞くに銃火器の発展がこれは進んでないだけかもしれないぞ? 

 

 ロンメルは試しに3Dプリンターで銃を作り(強化プラスチックがロンメルが持っている分しか無いため量産不可能)、シキジカに発砲したところ確かに効きが悪い

 

 殺すに至らない

 

 5発ぶちこんでようやく動かなくなったので弱いシキジカでこれなら確かに銃より刀で叩き斬った方が早い

 

(それがこの世界のルールなのかな? 効きづらいで効かないわけではないのかポイントか……ポケモンに効く武器の開発……やってみるか)

 

「律」

 

『はい』

 

「ポリゴンの設計図はできているね」

 

『はい、ポリゴン、ポリゴン2、ポリゴンPに至るまでのデータが出来上がっております』

 

「素材は?」

 

『クローンの素材を流用可能です。実体化できなくてもパソコンの中でウイルスとして増殖可能でしょう』

 

「よろしい。平行してポケモンにも対抗可能な武器の開発も行う」

 

『何か考えが?』

 

「ポケモンの特殊技と呼ばれるエネルギーを蓄積、放出することが可能である武器が理想、物理は波紋と全集中の呼吸、チャクラコントロールで底上げする」

 

『わかりました。となると研究所の地下にある連立式量子コンピューターを起動させても』

 

「ああ、電力も安定化しているし研究する余裕も出てきた。律はどんどん技術を確立して欲しい」

 

『わかりました。ロンメルさんは統治を中心に?』

 

「あぁ、やれるだけやってみようと思う。案外闘争が面白くなるかもね」

 

『死なないように頑張りましょう』

 

「ああ、互いにね」

 

 

 

 

 

 

 

 ミッション19 森のポケモンへの攻勢計画を立案しよう

 

 森のポケモンは約1000匹であり、伝説と呼ばれるポケモンが統率している

 

 平均レベルは65

 

 低くても50で高いと75くらいであろうか

 

 歴戦かつ最精鋭のマリルリやフローゼルが70レベルなのでいかに今回の戦いが難しいかわかるだろう

 

 ただ難しいがやり方を工夫すれば何とかなるだろう

 

 村人達を集めて会合を開き

 

「ポケモン達に波紋や全集中の呼吸を伝授することにした」

 

「「「おぉ……」」」

 

「ポケモンも扱えるのですか?」

 

「扱える。うちのマリルリができるのだから知能があり呼吸を行うポケモンであれば可能だ。逆にコイルやコイキング等の機械や魚類は恐らく無理だ……ギャラドス等はわからんが」

 

「……ギャラドスは制御できれば強いですが……」

 

「ギャラドスとサメハダーは難しいよな」

 

「波紋や呼吸は第三移民組以外は扱えるよな」

 

「「「はい」」」

 

「医者のウマ娘達と教員のウマ娘と合流してポケモン達に戦い方と呼吸を教えなさい。完了次第反攻作戦を開始する」

 

「しかし水タイプが多いうちらでは森のポケモンに不利では?」

 

「そもそも田んぼ川に生息するポケモンの数がわからないのですが」

 

「こちらで独自に調べたが戦闘従事しているのが150体、開拓従事が500体、農作業に従事が2500体、他未成熟だったり非協力的なのが300~500体だな。さすがに非協力的なのまでは調べられなかった」

 

「農業従事のポケモンを戦闘従事に変更すると広大な農地の維持が破綻するのですよね?」

 

「あぁ、だから農業従事のポケモンを引っ張ることはしたくない」

 

「となると開拓従事のポケモン500体は開拓が現在中止していますし戦闘従事に変更できると」

 

「戦闘従事もポロックが安定供給できるように絞っていただけだからポロック工場が拡張し、人員も配置できるようになったことで650体くらいなら十分に供給可能です」

 

「決まりだ。それにウリムー牧場を再稼働させる」

 

「それはなぜ?」

 

「ウリムー……いや、氷地面タイプのマンムーの強靭な力が必要となった。数を増やすのに牧場の方が良く、ウリムーは全村民に配ろうと思う。マンムーとなれば農耕地を耕したり背中に乗れば移動が楽になる。移動要塞として戦うことも可能だ」

 

「わかりました」

 

 ウマ娘達はすぐに納得し、人間サイドも問題なし

 

 そして数日後に防衛隊が設立され、ウマ娘10名が指揮官としてポケモン達と建築業に従事する人員を指揮して空堀と土壁を建造することとなる



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山積みする問題

 赤字にポケモンの襲撃と問題が多くなってきた3月

 

 とりあえずポケモンの襲撃問題は2月は小手調べらしく、食料が多くなるこれからが本格化するだろう

 

 もしくは森の木の実が不作でこちらの木の実を奪うために襲撃を仕掛けてきている可能性もあるが……

 

 このタイミングでシャンハイから人型ポケモンが奴隷の如く運ばれてきた

 

「進化前のポケモンを多くしたね。進化後だと高くなるあるよ。とりあえず1体10万ポケドルね」

 

 運ばれてきた数は200体近く

 

 種類もバラバラであるが進化前……レベルも5レベ以下である

 

 ただ本当に色々混ざっている

 

 ワンリキー、バルキー、ラルトス、アサナン、ドッコラー

 

 この5体はタマゴタイプ的に人型なのでわかるが

 

 ププリン、トゲピー、ピンプク、カヌチャンは人型じゃなくて妖精だぞ? 

 

「あのこれは?」

 

「人型ポイポケモンね。弱いし、本国も進化が不確定でよく分かってなくて売れ残ってたある! いや! 売れて万々歳ね」

 

 そりゃなつき進化は分からんよな

 

 というかカヌチャンって危険生物って聞いていたが大丈夫かな? 

 

 やたらとカヌチャンが多いが

 

「あのカヌチャン多くない?」

 

「き、気のせいあるね」

 

 いや、カヌチャンだけ30匹居るんだが

 

 他10匹とかなのに

 

「鋼や金属をハンマーに加工するから売り払われたなさては……まぁええわ」

 

 今回は小麦粉200t(2000万ポケドル)、肥料50t(500万ポケドル)を売ることでやや黒字

 

「次粘土や石灰中心でお願いしますササキ船長」

 

「あいよ」

 

 とりあえず交易は終了

 

 メイメイ氏はロンメルの中で要注意とレッテルを張り、ポケモン達をウマ達や村人に配り育成をしていく

 

 カヌチャン軍団はウマ娘に管理させ不用意に鉄を盗まれないようにする

 

 と思っていたら早速コイルに集団で殴りかかる

 

 レベルが高いコイルに集団は全滅させられたが……

 

「蛮族やんけ……怖」

 

 レベルが低いから良いが、コイツらが育ったら反抗してくるんじゃないかと思いながらも管理を任せる

 

 

 

 

 

 

 成人式が村の中で行われ30名が成人となった

 

 成人になって変わることは結婚できることと労働の強制従事くらいだが……十分変わるな

 

 ただ学校で1年近く学んでからの労働従事なので呼吸や波紋をしっかり覚えかつ文字の読み書き、四則算、集団行動はできるので十分な戦力である

 

 というかポケモン世界の人達って発育が良いな

 

 10歳にはとても思えない

 

 まぁ大人組なんかは栄養不足でそこまで身長は無い(男が160、女が145くらい)だが、子供達は成長に必要な栄養を取れたためか10歳で男女共に150を超えている(ロンメルが元居た世界の子供10歳の身長が140なので10センチもデカイ)

 

 恐らくポケモンという脅威に対抗するための早熟性なのだろう

 

 女性陣も男性陣も10歳で射精も初物も全員来てるから驚きである

 

 これで労働人口が約200名、内人間が120名、ウマ娘が80名である

 

 男女ウマ娘の比率は1:2:2である

 

 他未成年が41名なので村の総人口は約240名となる

 

 最初の13人の約18倍と考えると感慨深い

 

 ただ労働効率を考えると男性陣が1とすると女性が0.9ウマ娘が2.5となる

 

 元々の種族的優位及び高等教育人工生育で学士クラスが人工的に産み出される故なのだが……人達が波紋を覚えればウマ娘達も波紋を覚えるので効率が変わらない

 

 ちなみに波紋を覚えてない男性の労働効率は0.6である

 

 律の計算によれば高等教育……大学まで教育を受ければ労働効率は1.5まで上げられるらしいが、それが種族的限界である

 

 知能労働であれば別だが、ここは開拓村……肉体労働が主である

 

(ウマ娘が圧倒的少数にならないようにしつつ、人間との合計比率は子供も合わせれば3:1……できれば5:3くらいがベストだがベビーブームで血が混ざれば警戒心は薄くなるか。調整をミスればユダヤ人になりかねないからな……できれば人型ポケモンに言語と知恵を教えることで新たな人類種に近しい者ができれば対立等も無いだろう)

 

「カヌー?」

 

 近くに居たカヌチャンを抱き上げ

 

(どうやって教育する? 人工生育器を調整できれば良いが……律に計算してもらうか)

 

「ヌチャ?」

 

「ごめんごめん考え事をしていた」

 

 カヌチャンを離す

 

「ロンメルトレーナー、大丈夫?」

 

「大丈夫だよマリさん(ロンメルのマリルリの渾名)お前は可愛いな」

 

「えへへ」

 

(成功例は目の前に居るからな。人型ポケモンじゃなくても人の言語は習得可能かつ他のポケモンも人の言語を理解できている……コミュニケーションと読み書きができればポケモン達の労働の質も向上する……その分人を別の仕事に就けさせる事ができるか)

 

 ロンメルは悩みながらも物事を進めていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 我々はロンメル総督より産み出された存在だ

 

 知識を与えられ、個性を与えられ、機械から排出される存在

 

 待遇は良い

 

 知識だけであるがロボットのようにずっとの強制労働でもなければ大量の食事にポケモン達に触れあうことで癒され、共に強くなるのが心地よい

 

 休みの日は広場で行われる野良レースで同族のウマ娘達と走り、村人と互いの手持ちのポケモンでバトルをし、意見を交換し、ポケモン達とトレーニングをする

 

 拡張された100人風呂と呼ばれる共同浴場に入り、キンキンに冷えたミルタンクのモーモーミルクを飲み、共同食堂で産まれた当初から大幅に増えた料理の中から選んで食事を取る

 

「お、親子丼がメニューにある! 久しぶり食べるか」

 

 ポケモン達用の餌はポロックは輸出用や戦闘従事のポケモン優先なので木の器に入れられた木の実のジュースとポケモンフーズを食べさせる

 

 ポケモンフーズはポロックより量産しやすく、ポケモン達の疲れを癒すがポロックみたいに毛づやが良くなったりかっこよくなったりはしない犬や猫の餌みたいな物だ

 

 味はそれぞれタイプで好みが有るらしく現在は水、草、虫、氷、炎、電気の6種類のポケモンフーズが作られている

 

 ただ味が同じなのでふりかけ(木の実のドライフルーツ)をかけることで味を変えて食べやすくしている

 

 ウマ娘の私が興味本位で食べてみたところボサボサした味の薄いクッキーに近い

 

 ……調理台を見ると調味料が前より増えていた

 

 知識だけだったマヨネーズ、ケチャップ……ミルタンクから出る牛乳でバターからホワイトソース、デミグラスソース、オニオンソース……これに味噌、醤油、塩、酢、山葵、ニンニク、香辛料等が加わる

 

 ただ不足しているのが甘味と酒だ

 

 今島である甘味と言えば薩摩芋と甘い木の実を煮込んだジャム類と蜂蜜……結構あるな

 

 砂糖をロンメル総督は作りたいらしいが人手が足りないと嘆いておられ、ウマ娘か労働人口が増えればやりたいと仰っていた

 

 酒は……皆密造酒を作ってそれを通貨代わりに使っている

 

 果実酒、蜂蜜酒、清酒、味醂……ロンメル総督はガラスの材料が揃い、瓶が作れるようになれば酒造りを始めたいと仰っていたので楽しみである

 

 ただ皆思い思いにアレンジした酒を作るので味が違って娯楽の一種になっている

 

 家に帰ると他のウマ娘ももう帰っていたのかツマミと人参をテーブルに置いて賭けトランプをしていた

 

「ただいまー」

 

「お! キタキタ! アナログほらあんたも参加してよ! 参加費は取るけど何かある?」

 

「わかったわかった。この前作ったピリ辛の漬け物と人参の糠漬け出すよ」

 

「やり! アナログの漬け物美味しいんだよな!」

 

「あんたは何出すの?」

 

「ヤドン尻尾の燻製とソーセージ」

 

「ツマミには最高だね」

 

「デジタルがどぶろく作ってたからそれを飲みながらパーっとやろうよ! 今大富豪が熱いよ」

 

 今私達は同じ時期に製造された5人で同じ家で生活している

 

 もっとも家の広さは36畳程の広さがあり、台所(釜戸、水道)、風呂、外にはトイレ、薪置き、備蓄庫が設置されていて1人5畳の個室と6畳のリビングとなかなかの広さだ

 

 床は木な為固いが布団や座布団をひいて生活する

 

「誰か好きな人できた?」

 

「あー、あたし告白された」

 

「「「まじかよアナログ!」」」

 

「同じ職場の新しい子が職業訓練時から好きだったんだって。成人したから結婚しませんかだって」

 

「いいじゃん良いじゃん付き合っちゃえ」

 

「ということで来月にはここ出ると思うわ」

 

「まーじか、アナログは最後だと思ったのにな」

 

「どういう意味だデジタル!」

 

「痛い痛いほっぺた引っ張らないで」

 

「たく」

 

 私達は作られた存在ですが……まぁ楽しく生きてます

 

 親であるロンメル総督にはボチボチ感謝してるのでもっと楽しく生きて欲しいです

 

 



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大爆発

 ミッション20 戦争を決着させよ

 

 4月アルミニウム工場が完成間近となり、連立量子コンピューターが稼働を始めたことで研究効率がはね上がった

 

 薬、建材、合金、新物質、反物質等々

 

 特に人工生育槽の改良によるポケモンの知識の刷り込みの研究を急速に行わせた

 

 そんな最中伝書鳩ならぬ伝書ムックルによる緊急伝書が届く

 

 ポケモン軍団による本格攻勢とのこと

 

 規模は前回よりも増え2500体程

 

「準備不足だぞ!」

 

 ロンメルは叫ぶがポケモン達は待ってくれない

 

 約5キロに渡りポケモン達が一斉に進撃

 

 30キロにわたる空堀と土壁を使って防衛中とのこと

 

 ロンメルは油という油、肥料の製造ラインを転用して準備していた火薬を農作業従事のポケモンや村人達を動員し運び、油の樽や火薬樽、木材等を空堀に向かって投げていく

 

「点火!!」

 

 そう叫ぶとロンメル側のポケモンや戦っていた人員が土壁から離れ、時限式の爆弾が投げ込まれた

 

「逃げて伏せろ!!」

 

 油5t、火薬20tが投入された爆発深さ5mの空堀と高さ2mの土壁を全て吹き飛ばし、殺到していたポケモン達の8割を戦闘不能に追い込んだ

 

 凹により爆風はへこみ部分に集中し、爆発のダメージだけでなく破片、石等の物質による殺傷、熱風によるダメージ、崩れた土砂により生き埋めになるポケモンも現れ、500m程離れて地面に伏せていたロンメル達にも衝撃が伝わり、空堀だった場所はキノコ雲が昇っていた

 

「今だ! 捕まえるだけ捕まえろ!!」

 

 爆心地中心に居たポケモンは原型をとどめていなかったが流石ポケモン……大多数が生きてもがいていた

 

 その際ビリジオンと思わしきポケモンがロンメルをすごい形相で睨みながらも森へ逃げていった

 

 貿易で得た最新式のモンスターボールだけでなく旧式のモンスターボールも全て使った結果

 

 捕まえた数約1500匹、死んでいたポケモンの数約300匹、他は何とか森に逃げていった

 

 ロンメル以外はその凄惨な現場を見て吐いていたり、気が動転してしまっていたがウマ娘達にポケモンの遺体を運ばせる

 

 捕まえたポケモン達は知識の刷り込み実験の実験体にしたり、従順な個体は希望する村人に分け与えた

 

 予想外の大勝利であったが、ロンメルは防衛隊を増強を急ぐのだった

 

 

 

 

 

 

 フォルモサ東部の森……セイスイの森

 

『……糞が糞人間どもが! 森を破壊するだけでは飽きたらず、我等が同胞を大量虐殺するとは!』

 

 セイスイの森のリーダービリジオンは荒れていた

 

 これまでの人間は森の中に入ればすぐに殺す事ができていたが、今回の人間は水のポケモン達を扱い森を燃やし、畑と呼ばれる物に変えてきている

 

 数百年前にも人間の大軍がフォルモサにやって来た時もビリジオン達はポケモンの大軍を率いて海に叩き出した

 

 今回も最初の1500の同胞で撃退できなかったから進化前も集めて2500もの同胞を集めて大攻勢を行ったが、穴と壁に阻まれ上手く侵攻することができなかった

 

『何をぐずぐずしている!』

 

『ビリジオン様、迂回した方が良いのでは』

 

『いや! この壁を乗り越えれば畑と呼ばれる木の実が沢山あると鳥ポケモン達が言っていた。食料の山は目の前ぞ!』

 

 ビリジオンは鼓舞し、フシギバナやベイリーフが蔓を伸ばして足場を作り、トロピウス達が飛んで侵入しようとした矢先空が電撃で覆われた

 

『裏切り者のコイルどもが!!』

 

『ピピピ、人間電気食わせてくれる。お前ら倒せば誉めてくれる』

 

 空からの侵入は大量のレアコイル、ジバコイルに防がれて無理な為種爆弾やソーラービームで壁を破壊していく

 

『糞、想像以上に固い』

 

 てこずっていると壁から樽が投げ込まれる

 

『ビリジオン様、ベタベタします!』

 

『けほけほ? 黒い砂?』

 

 樽がどんどん投げ込まれる

 

 人間めこんなもので止まると思うなよ

 

 と思っていると何か黒い塊が投げ込まれた

 

 ビリジオンは嫌な予感がして距離を取った

 

 すると目の前がキラリと光ると大きく吹き飛ばされた

 

 

チュドドドーン

 

 

『『『ギイヤァァァァ!!』』』

 

 辺りて断末魔や悲鳴が上がる

 

『痛いよ痛いよ』

 

『熱い! 熱い!』

 

『う、うわぁぁぁぁ!!』

 

 辺りは火の海に変わりポケモン達は私の指揮を離れ恐慌状態になり、我先に森に逃げ始めた

 

『ビリジオン! 俺達をこんな恐ろしいことに巻き込みやがって!! 覚えてろよ!』

 

『おかぁさ──ーん!!』

 

『話が違うぞ!! 人間とはこんなにも恐ろしいのか!!』

 

『誰か助けてくれ』

 

『水! 水!』

 

 ビリジオンは最初唖然としたが次第にこんな光景を作り出した人間に増悪を募らせる

 

『に、人間めぇ』

 

 人間のリーダーと思わしき女と目が合う

 

『必ず殺してやる』

 

 ビリジオンは森へ戻っていた

 

 それからビリジオンは大変だった

 

 侵攻に森の精鋭1500の同胞だけでなく進化前の1000の同胞まで動員しての侵攻に失敗しただけでなく犠牲いくらか、生き残って逃げられた同胞がいくらか居るのか把握する前にビリジオンという森の圧倒的リーダーの大敗に森では自分の種族がリーダーになるべく動きをみせている

 

 特にこれまでも敵対姿勢をみせていたドダイトスと雪原のユキノオーが森に殴り込みを仕掛けてきていた

 

『ビリジオン様!』

 

『糞が糞が糞が!!』

 

 セイスイの森はパワーバランスが崩れ群雄割拠となるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大侵攻から数日が経過し、フォルモサではいつもの日常が戻りつつあった

 

 ロンメルは得られた大量のポケモンを使い実験を繰り返す

 

 捕まった1500匹のポケモンのうち1000匹近くを使い潰し(ウマ娘の材料へとリサイクルするが)た結果技マシンと呼ばれるディスクの開発と記憶の削除及び刷り込み、人工生育槽の改良、新種の植物の開発、人造ポケモンの開発に大きく弾みをつけることができた

 

 残ったポケモン達は都合の良い記憶に刷り込みした上で村人に譲渡し、農業で大活躍することとなる

 

 記憶が改ざんされた結果レベルが大幅に低下する副作用はあるが制御できるから良しとする

 

 ウマ娘の素材増加で月の生産量を5から10に増やす

 

 防衛隊の人員増強の為だ

 

 今回の教訓として弾丸は効かなくても火薬は大きくダメージを与えられる事がわかり、肥料だけでなく火薬の生産も開始する

 

 また油を大量に使ったので油不足となり、当面の間油関連の物は制限が加えられることとなる

 

 

 

 

 

 ミッション21 アルミニウム工場稼働

 

 5月となり今年一期目の米の収穫が終わり、2万石の豊作となった

 

 アクア団の貿易船から石灰、粘土、ガラスの材料、食用油が輸入され、こちらは米とコイキングの塩漬け、味噌を輸出

 

 諸々でだいたい2000万ポケドルの黒字となり、それについでフッケンからも貿易船が到着する

 

 1000t級のジャンク船2隻であり、山積みされたボーキサイト、粘土が特徴であった

 

 移民も50人追加で訪れその中に

 

「フーハハハ! ここがフォルモサか! 我が知的好奇心を満たすのに相応しい!」

 

 とやたらとテンションの高い人物が混じっていた

 

「ロンメル総督、約束通りボーキサイト1500tと鉄鉱石300t、石炭200tになります」

 

「ありがとうございます。これでアルミニウムが作れます」

 

「ではアルミニウム協定をお願いします」

 

「はい。ボーキサイトの約7割がアルミニウムになるので今回だと約1050tのアルミニウムになると思います」

 

「それは素晴らしい! こちらはボーキサイトを供給し続けるので生産量の8割はフッケンに卸す約束をお願いしますね」

 

「ええ、わかっています。相場よりも3割安く卸せば良いのですよね」

 

「ええ、それで大丈夫です。あと今回持ってきたこのジャンク船をフォルモサとの貿易専用船にしますので毎月1隻、最低500tのボーキサイトを運びましょう」

 

「ありがとうございます」

 

「缶詰めも期待していますよ。今はまだフォルモサの注目度はフッケン政府内で低いですが、我々官僚はその成長力に期待しています」

 

「ええ、で、今回も米1500tと塩500tの輸出で良いですかな」

 

「素晴らしい! これでフッケンで餓えている人民を救うことができます! ロンメル総督これからもよろしくお願いしますね」

 

 ちなみにボーキサイトの値段は1t1000ポケドルな為1500tでも150万ポケドルにしかならない

 

 鉄鉱石も1t2000ポケドル、石炭1t1500ポケドルな為合計しても250万ポケドルくらいにしかならない

 

 こっちはフッケン価格とはいえ米2000tの輸出で約1.5億ポケドルの黒字だ

 

 話は変わって布の話となる

 

「タマンチュラの糸で作った布がこちらになります」

 

「少し分厚いか? 保温性は凄そうだが」

 

「この布炎タイプの技以外は効きが悪いですし、このように刃物でも貫通しない丈夫さをもっています」

 

「お、おお! これは軍が欲しがりそうな逸品じゃないか」

 

「現在1日1坦程作れるので月産30坦となります。いくらつけます?」

 

「うむむ、サンプルを持っていってからになるが1坦30万くらいか?」

 

「ユキハミの糸が他国だと1坦300万で売れますが」

 

「うちの国は布にそんな値段つけられん。だったら木綿の布を安くても大量に売ってほしい。1坦……50万ポケドルが限界だろう」

 

「……わかりました。でしたら木綿の布を1坦5万ポケドルで売りましょう」

 

「それは助かる」

 

 とりあえず貿易の協定が結ばれた

 

 こちらからはアルミニウム、食料、布を売る代わりにフッケン側からはボーキサイト、鉄鉱石、石炭、粘土を輸入する

 

 アルミニウムの転売であちらは儲けられるので良し、色々売れるのでWin-Winの協定となった

 

 こうしてアルミニウム工場が稼働を開始し、連動して缶詰め工場も稼働する

 

 生産及び一次加工が本格化したのだった

 

 

 



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シルクショック

 ミッション22 マッドサイエンティスト

 

 今回の移民50名の中にポケモンの研究者が混じっていたので話を聞く事にした

 

「おお! 貴女がロンメル総督か! ポケモンとの混血と聞いているが」

 

「正確には違うのですが……えっとオカベ博士」

 

「うむ! 私がマッドサイエンティスト! オカベだ!! 本国の連中は私の有用性を理解することなく追放しやがって!」

 

「ちなみにどんな研究をしていたのですか?」

 

「うむ! 人間からポケモンになるという現象の解明から逆にポケモンから人間へ変化することはないのかという研究をしていたのだが! なかなか成果が出なくてな。予算とポケモンを食う割には成果無しと見られてしまった。政争にも負けてここに来たがロンメル総督が高い科学技術を持っていると噂程度で聞いていたが……どうやら本当のようで」

 

「ええまぁ……その研究もしかしたら答えがあるかもしれませんよ」

 

「なぬ!?」

 

「とりあえず研究所へ。食事も出すので」

 

「おお! 助かる! お腹が空いていてな!」

 

 オカベ博士を連れて研究所に移動する

 

 そこでオカベ博士にウマ娘の製造プログラムとポケモンの肉体を使ってウマ娘を作る生産ラインを見せた

 

「ふむ……いや、確かにこれも1つの到達点であるが、俺が考えるのは進化による人型化だ」

 

「進化による?」

 

「多くのポケモンは進化することで巨大化する。勿論クサイハナからキレイハナの様に小さくなるポケモンもいるが、それは例外だ。ただ、ポケモンは進化をすることで強く、賢くなる。それだけ進化のエネルギーは未知と希望に満ち溢れている。それに過去の文献にあるキズナヘンゲ……人との絆によりフォルムチェンジした姿だが、これこそがポケモンから新人類への鍵と私は見ている」

 

「なるほど……面白いですね」

 

「わかってくれるか!」

 

「研究室を与えましょう。資材も出します。ポケモンの人化実験を行ってください」

 

「ああ! 勿論だ! このマッドサイエンティストオカベが必ず解き明かしてみせようじゃないか!!」

 

 オカベ博士と握手をする

 

 フッケンの担当官であるシリンに聞いたところオカベ博士はポケモンの進化学とエネルギーの異端児扱いで貴重なメタモンを使い潰したことに軍が怒り、更に才能を妬んだ他の研究員によって罪をでっち上げられてここに飛ばされたらしい

 

「でっち上げられたとは本人からの話ですが、客観的に見てもはめられたんだなぁと思いまして……仲良くしてあげてください」

 

 とのこと

 

 オカベ博士はロンメルの手持ちのマリさん(ロンメルのマリルリ)が喋れるので興奮しながらデータを取っている

 

 この手のタイプは自由にやらせるのが一番とロンメルは定期的に研究成果を聞きながら自由にやらせた

 

 

 

 

 

 

 ミッション23 警察

 

 人数が増えてきたことでトラブルが少しばかり起きるようになってきた

 

 痴情のもつれだったり、仕事上のトラブルであったり、密造酒でのトラブルなんかもあった……

 

 そこでロンメルは村の代表者を選び、村民会議の開催を発表、最初の議題として警察の設置を提案した

 

 警察といっても仲裁人の役割が大きく、もめ事の間に入り、両者の意見を聞き、裁く、悪質な場合は村民会議に上げ、懲罰労働か追放刑……最高刑を人体実験の素体にするとなった

 

 悪質といっても何人も殺したとか放火したとかよほどのことをしなければ大丈夫である

 

 代表達もトラブルが多くなってきたので賛成し、新たに5名の警察官が選ばれた

 

 ウマ娘1名、人間4名であり、防衛隊がウマ娘だけならば、警察官は人間が多い方が良いであろうという政治的な配慮だったが、知識量が高等教育の刷り込みがされてあるウマ娘の方が優秀なため、直ぐに警察官の代表者の長官に警察官で話し合い選ばれることになる

 

 

 

 

 

 アルミニウム工場が稼働し、缶詰め工場も稼働

 

 鉄鉱石と石炭が大量に入手したことで鉄や鋼も生産される

 

 まだまだ産業は貧弱であるが育ってはきている

 

 余裕が出てきたので人型ポケモンの繁殖に取りかかる

 

 まず村人達と一緒に育てられられた人型ポケモン達は3ヶ月で大半が進化し、繁殖可能となっていた

 

 そこでロンメルは進化した人型ポケモン達を集め、ポケモンフーズに媚薬を仕込んだ結果、1日で1種族当たり10個近くのタマゴを採取することに成功

 

 人型ポケモンは単純労働において人や普通のポケモンよりも高い作業効率なため、どんどんタマゴを産ませ、人工孵化槽、産まれたらそのまま人工生育槽にぶちこみ、草ポケモンの犠牲で確立した言語の刷り込みをおこなった

 

 結果人の言葉を喋るワンリキーやラルトス等の人型ポケモンが爆増した

 

 

 

 

 

 

 喋るポケモンが増えると村人達から自分達のポケモンも喋らせてくれないかという話となり、データを集めるためにも了承、ポケモン達は刷り込みによって喋れるようになっていく

 

 そうなるとポケモン達の中でも階級ができる

 

 人に捕まえられているポケモンかつ喋れるポケモンが一番上で、次に野生の喋られる人型ポケモン、戦闘従事のポケモン、開拓従事、一般労働、それ以外の順である

 

 ポケモン達の中ではポロックが通貨として流通し、野生のポケモンなのに他の野生のポケモンを従えるという階級みたいなのができていた

 

 ポケモン達はこぞって人の言葉を覚えようとし、人工生育槽は限りがあるため学校に入って文字の勉強を行うポケモンも現れた

 

 そんな摩訶不思議なフォルモサの様子を他国の人間達は本国に報告

 

 人の言葉を喋れるというのは通訳として凄まじい価値があり、譲って欲しいと言われたので何匹か産まれたばかりでレベルの低いポケモンを身繕い、友好の証として渡したりした

 

 そんなことをして8月

 

 アクア団のスズミヤが本国ホウエンとの定期連絡で送られた情報でとんでもない情報が送られてきた

 

「欧州最大のポケモンシルク生産国のカロス、ウールーのイメージが強いがユキハミの糸の最大生産国ガラル等の西洋で虫ポケモンの疫病が大流行してシルクの生産がストップ!」

 

「はい! その為ポケモンシルク……生糸の需要がアジアに集中すると見ています。なので生糸の増産をお願いしたい」

 

「わかりました。ユキハミの糸を日産5坦、他の糸も日産10坦から20坦を目指しましょう」

 

「いえ、その倍をお願いしたい」

 

「倍ですか」

 

「この事態にポケモンリーグが動き価格調整を行おうとしているのですがフォルモサはポケモンリーグの管轄外。アクア団としては資金調達や業績改善のためにフォルモサ産の糸を1回の貿易で1500坦程確保したいのです」

 

「90tですか……抜本的な改革が必要ですね」

 

「正直な話250t船を全て生糸で埋めて欲しいとも言われていますが」

 

「現状では無理ですね」

 

「だろうね……ホウエンだけでなくジャパンはこれを機にポケモンシルクの世界シェア1位を狙っている。現状でも2万tの生産をしているがそれを倍増させるつもりだ」

 

「なるほどただ価格調整をされると調達にも金がかかるからフォルモサ産の安いポケモンシルクを転売して資金を稼ぎたいと」

 

「あぁ、そうだ」

 

「わかりました。何とかしましょう。幸い労働力は確保しましたのでね」

 

 ということで新たな目標が決まった

 

 国際生糸の値上がりで末端のこちらにも利率が通常貿易より1.5倍の値段で買うとの契約も結べたのでここで一気に稼がせてもらう

 

 

 

 

 

 

 ミッション24 ポケモンシルク大増産令

 

 ロンメルは飼育が難しいユキハミは今まで通りロンメル管轄下で飼育するが、ケムッソは飼育が簡単なため村人1人当たり2匹譲渡し、増やした数分だけ村で使える独自通貨の発行を決めた

 

 素材はアルミニウム貨幣と紙幣である

 

 アルミニウムは1グラム1元とし、紙幣は10元から

 

 1元でタマゴ1個、木の実1個、針1本、木の実の葉っぱ5キロ

 

 5元ポケモンフーズ3キロ、コイキング1匹、ミルク1L

 

 10元野菜1ザル分、小麦粉2キロ、ポロック1キロ、

 

 20元で米5キロ、蜂蜜500g、アルミ製食器、5L壺、ケムッソのタマゴ1個、定食1食

 

 50元鉄製農具、人型ポケモン

 

 300元基本日給

 

 と値段を定めた

 

「とにかくケムッソを増やそう。ポケモンシルクの増産で外貨を稼ぎ、ポケドルに交換しよう!」

 

 と発表をおこなった

 

 ケムッソが即日育て方と一緒にマニュアルを配布し、仮通貨の発行も行われた

 

 ケムッソは進化させ、マユルド、カラサリスにすると糸の生産量は増えるがアゲハントやドクケイルになると糸の生産量が減ってしまう

 

 タマゴを産ませるだけであるならケムッソ×ケムッソは日に1個、マユルド(カラサリス)×マユルド(カラサリス)でも1個、アゲハント(ドクケイル)×アゲハント(ドクケイル)だと2~3個のタマゴを産む

 

 雄1匹に対して雌5匹まで産ませる事が可能

 

 食べ物は野菜の屑、木の実の葉っぱが好ましいが、ポケモンフーズ(虫)も可(食べる量だとポケモンフーズの方が少なくて済む)

 

 水は1匹当たり1L飲む

 

 等々色々書かれているマニュアルを配布

 

 まあ要は基本労働の他にケムッソのタマゴをロンメルに売ってねとのことで、通貨もおまけだったが、今まで物々交換だったのが通貨の出現で貨幣経済に強制的にアップデートされ、密造酒やポケモンの売買が行われるようになる

 

 中には労働の後に夜だけの酒場を開く者も出たり、育て屋の真似事を始める者、ケムッソ飼育を大成功させて富豪になる者も出始めるのだった

 

 貧富の差が僅かであるができた瞬間だった




ポケモン最終回お疲れ様でした


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新聞と12伝説

 9月となり、ロンメルは世界情勢がわからないのは困るということでシャンハイ国民党のメイメイとアクア団のスズミヤ、フッケンのシリンと交渉して新聞を輸入することにした

 

 新聞には地域の情報と世界の情報が載っており、これがなかなか面白い

 

 ホウエン新聞、ジャパン新聞、カナズミ新聞、シャンハイ新聞、国民党広報、大陸新聞、フッケン防衛日報この7社の新聞を各100部1ヶ月纏めて買うことにした

 

 1ヶ月5000ポケドル×100部×7社で約350万かかるが村民にとって一種の娯楽なので奮発して購入

 

 で色々新聞を見比べてみるとフッケン政府の日報は威勢の良い事ばかりが並んでいるが、大陸新聞からは

 

『無駄な突撃多し、戦死者多数。国内派閥争い激化、混迷極める』

 

 と書いてあった

 

 フォルモサについて扱っているのはフッケン日報のみで、小さく開拓者募集と書いてあるだけだった

 

 フォルモサは一応フッケンの植民地(村)扱いであり、まぁこれは仕方がないと思った

 

 新聞は1部2元で販売され、それを読んだり、着火材にしたりした

 

 ただ気になったのが

 

「極楽教? ポケモン大好き倶楽部?」

 

 極楽教は大陸系の新聞に、ポケモン大好き倶楽部はジャパン系の新聞によく出てくる名前であったのでメイメイとスズミヤに聞いてみると

 

「極楽教あるか……地域の密教が情勢不安に浸け込んで勢力を伸ばしている新興宗教あるね。ホット地方(北京周辺)では后妃様が極楽教にのめり込んで一気に国教となったあるね。大陸勢力の統一、諸外国の勢力の排除、12体の伝説のポケモンの捕獲もしくは排除の3つを教義として掲げているある」

 

「12体の伝説のポケモン?」

 

「4災チオンジェン、ディンルー、イーユイ、パオジアン」

 

「4神ボルトロス、ランドロス、トルネロス、ラブトロス」

 

「4霊ホウオウ、スイクン、カイオーガ、テラパゴス」

 

「大陸伝説に度々登場する12体の伝説ある」

 

「1体だけでも国を滅ぼした伝説が残っているある。それを従えるなんて正気じゃないあるし、ホット地方はこの宗教を国教にしたから統一戦争をするんじゃないかと周辺国は警戒しているあるね」

 

「ポケモン大好き倶楽部はポケモンとの融和、共存を掲げ、互いにテリトリーを決めて仲良く共存して暮らしましょうという頭お花畑の集団ですよ。何気にジャパンだと全国規模のデカイ組織で、事業も成功しているので資金力もある質の悪い組織でもあります」

 

(ゲームと逆になってるんかアクア団とポケモン大好き倶楽部……)

 

「とりあえず両組織共に相容れないのはわかりました。ポケモンを素体に実験を繰り返し、生存競争を繰り広げているフォルモサにとってポケモン大好き倶楽部は勿論、大陸統一を掲げて武力闘争をする組織も危険ですね……ん? 極楽教は何が資金源なのですか?」

 

「阿片あるね」

 

「普通に麻薬売買かーい!」

 

「ちなみにホット地方以外は禁教指定を喰らって攻撃されてるある。フッケン政府は過激で見つけ次第殺害しているある」

 

「そりゃ解放主義者とは段違いで危険だわな」

 

「ちなみに他にもヤバい組織はあったりするの?」

 

「……天国団あるね」

 

「天国団?」

 

「もう滅んだとされてるあるが最大級の農民反乱ある。セッコウ地方で250万人もの農民が参加した大反乱あるが、セッコウ政府は正規軍50万人で鎮圧したある」

 

「それは……凄いな……ちなみに大陸の人口てどれくらいなの?」

 

「正確にはわからないあるが1億人と言われているある。1地方1000万人が生活していると考えて良いある」

 

「ジャパンは?」

 

「全地方合わせて4000万人くらいですね」

 

(ポケモンの生存域がある分人間の数が減っている感じか? しかし250万人の反乱はヤバいな。それを50万人で鎮圧したセッコウ政府もヤバいけど)

 

「なるほどなるほどとりあえず気を付けることにします」

 

 

 

 

 

 

 10月の収穫期となり作物を収穫していく

 

 ここで1月に立てられた生産計画がクリアーしたか確認しよう

 

 開拓地

 150町→200町(目標250町)

 

 農業部門

 

 ・米  3万石(二期作故に)→4万石

 ・小麦 3000石(裏作含め)→3500石

 ・芋類 1500石→2000石

 ・とうもろこし 1500石→1500石

 ・他 500石→1750石

 

 製造部門

 ・製鉄 50t→100t

 ・鋼  追加で特殊電炉を建造→20t

 ・製糸 50坦(3t)→250坦

 ・製紙 内需分→クリア

 ・電力 現状維持(約800億kWh)→現状維持

 ・塩  10t→現状維持

 ・石鹸 内需分→クリア

 ・肥料 2万t→4万t

 ・ポロック 5t→10t

 ・調味料 内需分→クリア

 ・アルミニウム 貿易による→1000t

 ・モンスターボール 約5000個(日産10~15個)→クリア

 

 特殊

 

 ・ウマ娘 60人→80人

 

 家畜

 ・鶏 5000羽→クリア

 ・豚 500匹→450匹(年内到達可能)

 ・魚類 5t(主にコイキング)→4t(年内到達可能)

 

 とりあえず開拓地以外は目標達成しそうである

 

 今年はこれに道路舗装、缶詰め工場の稼働等があり躍進したんじゃなかろうか? 

 

 特に製糸業はフォルモサの主要産業に発展させるために労働力を集中させている為更に伸びる

 

「とりあえず金欠からは解放されたか……森がまだざわめいているから深入りはしていないが……次は製鉄か」

 

 鋼の生産量を増やし鉄道を敷き、火山と接続しなければコンクリート、ガラスの需要を満たせない

 

「鉄道を敷けば別の地域への入植も可能ですし、なるべく早く鉄道を敷かなければ……」

 

 その為には鉄鉱石を輸入する必要があり、その代金の支払いの為にポケモンシルクの生産量を増やすのだった

 

 

 

 

 

 出産シーズンとなり30名の赤ん坊が産まれ、人工生育槽にぶちこまれた

 

 だいたい比率が男女ウマ娘で1:1:1くらいになっており、順調な推移である

 

 子供達は9日で3歳児くらいまで成長し村に合流していった

 

 

 

 

 

 

 

 11月、フッケンから更に50名の入植者がやって来た

 

 ボーキサイトとアルミニウムの取引を行い、ついでに鉄鉱石や石炭も輸入する

 

 アルミニウムは順調に売れているらしく、フッケンは莫大な富が転がり込んでいるらしい

 

 フォルモサもその6割が入ってきているのでウハウハであった

 

 アクア団や国民党からアルミニウムを売って欲しいと言われたがフッケンに通してくれと拒否

 

 少し友好度が下がったが、フッケンからボーキサイトを輸入している以上フッケン政府がボーキサイトを止めればこちらのアルミニウム工場も停止してしまうのでフッケンの機嫌を損ねるわけにはいかない

 

 植民地として宗主国の意向は大きいのだ

 

 ただ今回の移民により総人口が450人を突破

 

 村としてちゃんと機能する人口となった

 

 この調子で拡張を続けるのだ

 



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海賊襲来

倉庫倉庫倉庫養蜂所
貯水槽広場鶏牧場製材所
塩・真水工場共同浴場鶏牧場木の保管場所
研究施設研究施設家・井戸
研究施設研究施設
繊維工場繊維工場食糧庫食糧庫
広場広場クローン工場養豚場
学校製紙工場堆肥置き場堆肥工場
住宅地住宅地住宅地住宅地
共同食堂住宅地住宅地住宅地
皮革工場鍛冶屋鍛冶屋家具工場
ポロック工場巨大冷凍室製糸工場製糸工場
住宅地住宅地家具工場調味料工場
皮革工場アルミ工場アルミ工場住宅地
建材工場アルミ工場アルミ工場缶詰め工場
住宅地住宅地貯水槽共同浴槽
住宅地住宅地住宅地ミルタンク牧場

 

 3年目も終わろうとしている12月

 

 肥料や米でアクア団から毎月500万ポケドルくらいの黒字、フッケン政府との貿易はアルミニウム貿易で毎月5億から7億の黒字を叩き出した

 

 この時代アルミニウムの世界生産量が約7000tらしいのでその7分の1をフォルモサのアルミニウム工場で生産していることになる

 

 来年の中頃にはポケモンシルクの生産量もはね上がっていると思われるので更に外貨が獲得できる見通しだ

 

 早速作った元という独自通貨をロンメルは1元10ポケドルでの強制交換を布告し、ポケドルの普及を早めた

 

 他には喋る人型ポケモンが日に30体のペースで進化前とはいえ増えていたので労働人口が増加

 

 道具の需要が爆増した

 

 鉄鉱石から特殊な電炉で精練された鉄はどんどん農具や工具に作られていく

 

 それだけでは需要に追い付かないため、ロンメルは作業工程をできるだけ機械化させる

 

 とは言ったものの鉄及び鋼を特殊な電炉で作り出しているとはいえサイズに限界があり、大型の特殊電炉はアルミニウム工場に建材を集中させたため材料不足で建造が停止していた

 

 その為鍛冶屋に備え付けられた小型電炉に頼るしかなくとても大量生産とは言えなかった

 

「ふむ……今なら鋼の輸入でも耐えれるか?」

 

 毎月250t2億5000万ポケドルの輸入となるとアルミニウムの収益が黒字の間はいけると判断したロンメルはアクア団のスズミヤに鋼の大量輸入を行うと連絡を取るのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミッション25 海賊撃退

 

 1月となり、ロンメルは今年度の計画を立てている中港が騒がしいのに気がついた

 

「オラオラ! 泣く子も黙るシナ海賊様だ! 金目の物を差し出せ!!」

 

 と暴れる50名程の男ども

 

 防衛隊がポケモンを出して交戦中であったので、ロンメルは久しぶりに血が騒ぎ、刀を抜刀する

 

「総督……どうやら海賊兼ポケモンハンターらしいです」

 

「ほぅ……殺しても人体実験の材料にしても良い素体かぁ」

 

「総督?」

 

「おいおいネーチャン、ポケモンも出さねーで刀なんかで俺らを殺れるかよ!! アーボックやっちまえ!!」

 

 ……

 

「おい? アーボック?」

 

 その瞬間アーボックの胴体がずるりと横に落ち、べしゃりと浜辺が赤く染まる

 

「は? え?」

 

「おい、やべーぞあいつ」

 

 ロンメルが踏み込むと砂浜はボンと大量の砂が舞い、一気に海賊の目の前に迫る

 

「な!?」

 

「○○○!? ○○○が殺られた!!」

 

「た、躊躇いなく殺しやがった」

 

「海賊に情けは要らないよなぁ」

 

 そこからは虐殺であったロンメルはポケモンを出される前に斬首していき、何名か峰打ちで気絶させると防衛隊に指示を出して捕縛する

 

 50人いた海賊は10分も経たずに全滅するのだった

 

 村人達は血塗れのロンメルを見て恐れると同時に心強さを感じた

 

 俺達の総督は身を呈して村人を守ってくれると

 

「君達もさ呼吸扱えるんだからこれぐらいできないと」

 

「「「いやいやいや」」」

 

 村人達はロンメルの言葉に否定したものの、憧れの様なものを抱くのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 捕縛した海賊達は研究施設に連れていかれ、死んでいるのはウマ娘の材料に、生きているのは薬物実験や解剖に使わせてもらった

 

「生きている人間を使った人体実験は初だな」

 

「人からポケモンに変質する仕組みを研究しないと次には進めませんよオカベ博士」

 

「うむ、そうだな」

 

 他医療従事のウマ娘達に麻酔のやり方や解剖実験、オボンの実や薬草類による治癒能力の確認、裁縫実験、等余すことなくやっていく

 

 特にエスパーポケモンの細胞を移植した結果ユンゲラーになったり、惨たらしく殺され供養もされなかったので魂が集まりゴースになったりしてこちらを殺そうとしてきたが、こちらは怪物を殺すことに特化している

 

 清めた刀に透き通る世界でポケモンコアを斬ればゴースごとき簡単に成仏させることが可能だ

 

 あまりにもロンメルが命に対して淡々としているのを見てオカベ博士は少し恐怖を覚えたが

 

「彼らの死は人類を少しでも未来に進めることができましたし、ユンゲラーを人工的に生み出す実験も成功しました。他の細胞を投入しても異能と呼ばれるポケモンの技を使える人間ができましたが……いやはや、適合したと思ったら制御できずに水を撒き散らして生命維持に必要な水も出しきって死亡するとは……興味深いですね」

 

「お、おう……異能が扱えるのはポケモンとのハーフに限るとされてきた学説が覆るが発表するのはまずいな。人体実験は国際的な批難をされてしまうぞ」

 

「まぁ国家秘密ということで……海賊達から興味深いポケモンも入手しましたし」

 

「何か居たか?」

 

「バスラオですよ。コイキングよりは狂暴ですが、食用として増やすのに値しますよ」

 

「産業系に興味深いポケモンだったか」

 

「とりあえず淡水でも生育可能か確認したら空いている生け簀で養殖できるか試してみるつもりです」

 

「まぁ水ポケモンについても研究してみるか。回り道になるかもしれないが」

 

「効率的に大きく太らせる餌の開発をお願いしますよ」

 

「あいよ」

 

「さてさて、律さん」

 

『呼びましたかロンメルさん!』

 

「うわ! ……律さんか。相変わらずいきなり出てくると驚くな」

 

「ポリゴンの増殖はどうなってる?」

 

『繁殖用インターネット空間を作り、そこで電子プログラムで増殖させています。いやー、コピーガードされていますがロックが甘いですね。連立量子コンピュータの暗号解析能力が有れば1秒も掛からずにコピーガードを突破しましたよ。設計図がわかればそのまま量産ですよ』

 

「ポリゴンPが増産されれば電子戦において圧倒的なアドバンテージを握ることになりますからねぇ」

 

『そもそもこの世界にコンピューターはあるのですか?』

 

「無いね。これから1から作るとなると何年かかることやら……生きている間は無理かもね」

 

『でしょうね。とりあえず私のバージョンアップした自律思考移動砲台の建造をしようと思います。人型ロボット……ヒューマノイドにポリゴンPを組み込むことで超高性能なスパコン以上の処理能力を持った機械になると思いますよ』

 

「行政機構にはうってつけな存在だねぇ」

 

「んん? コンピューター? インターネット?」

 

「あー、オカベ博士にはわからないか……高速処理する計算機……算盤を人の手でやらなくても自動で計算してくれる機械化な?」

 

「凄まじいな」

 

「これも人を作り出すと同じなのでは? ポリゴンに人に近い肉体を与えるわけだし」

 

「これまた別な気がするが……律さんには更に色々と教えてもらわなければ」

 

『ええ、いいですよ。いつまでもこのスベスベボディー(ポリゴン2に似た状態)から人型になりたいですし』

 

「何か手伝えることはあるか?」

 

『いやー特にはありませんね……あ、ロンメルさん中型3Dプリンター借りますよ』

 

「ああ、いいよ。パソコンには接続しておくからね」

 

『ありがとうございます』

 

 

 

 



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アクア団と商談

 資金に余裕ができたフォルモサはアクア団に鋼の輸入を依頼し、これを承諾

 

 2ヶ月に1回鋼が輸入されることとなり毎月2キロずつレールが敷かれることとなる

 

 そしてロンメルはフォルモサに準備政府の設置を布告

 

 フッケン政府側には植民地政府として行政、貿易、治安維持等を行う組織として報告

 

 フッケン政府はこれを承認し、開拓村からフッケン地方紐付きの植民地であるとフッケン政府から世界に発信されたが、これにフッケン軍部が激怒し、フッケン政府以外の国々は冷ややかな目でこの発表を見た

 

 というのもフッケン政府は海外メディアによって廃民政策が露呈しており、小さいながら村ができたから植民成功と大々的に宣伝しても効果は薄かった

 

 内情を知っているアクア団と国民党は自分達の利益の為に黙秘

 

 そしてフッケン軍部は自分達が必死に戦っている裏でこそこそと利権拡大をしていたフッケン政府に怒ったのだ

 

 フッケン軍部はすぐにフォルモサに船を出し

 

「フッケン軍部のエミヤ少将だ。フォルモサ準備政府にフッケン軍部から戦争協力課税を行う通達に来た」

 

 エミヤ少将は人頭税の他に戦争協力課税として穀物の収穫量の50%を支払えと言ってきた

 

 高圧的かつこちらに何の見返りも無いその提案に苛立ちをロンメル達は覚えたが、ボーキサイト取引が停止してしまうと困るので渋々了承

 

 ただ今回の件が後々大問題となるのだが……それを彼らは知らない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 穀物に課税がついたことでロンメルは換金作物を大々的に作ることを決める

 

 森は相変わらず騒がしいが開拓の再開を宣言

 

 とりあえずサトウキビ、綿花、バナナ、カカオの4作物

 

 1作物最低100町の広さが欲しい為に畑の拡張をしなければならず、これが開拓再開宣言に繋がる

 

 で、4年目ともなると色々と職種の割り振りみたいなのができてきた

 

 ウマ娘は主に高等職業及び人間の監督役、運送業に従事

 

 人間はポケモンの監視及び技術労働

 

 人型ポケモンは肉体労働、単純労働

 

 他のポケモンは戦闘及び開拓、農業従事となる

 

 ウマ娘がフォルモサの物流を支えており、三九式輜重車のサスペンションやゴムタイヤ等に改良したフォルモサ式輜重車(積載量1.5t 時速10キロ)でウマ娘が走り回っていた

 

 こうした取り組みの中、ロンメルは戸籍を作ったり、ポケモンを効率よくレベルを上げる方法を模索していた

 

 ゲームとは違い、バトルだけじゃなく経験が有ればレベルが上がる

 

 仕事をすれば上がるし、生きているだけでも上がっていく

 

 ポケモン達も文字を教えたり勉強をしてもレベルが上がったりする

 

 ただバトルが一番効率が良いのでどうしようか考えていると、ふと天啓が降りる

 

「個で考えるからダメなんだ。集団で鍛えれば良いや」

 

 ということで暇しているうちのマリさんを教官に人型ポケモン達に呼吸を教え、傷薬や元気の欠片を大量に投入し、戦闘担当で待機中のポケモン達にバトルの相手をさせてレベルを上げていく

 

 軍隊式でスパルタながらメキメキとレベルが上がり、1レベルから30レベルまで上げるのに2週間という短期間で上げられた

 

 ワンリキーからゴーリキーへ、ラルトスからキルリア→サーナイトへ、ドッコラーからドテッコツへ、バルキーからサワムラー、エビワラーへ、アサナンだけレベルが足りずに進化しないか、進化してしまえば即戦力である

 

 人の大きさにも近く、人の言葉を喋り、ある程度の労働に従事できる

 

 まさに奴隷である

 

 農業の機械化が困難な現状、奴隷労働力こそ力であり、更なる農地拡張が可能となった

 

 更にポリゴンPを宿した機械生命体の生産ラインも出来上がりつつあり、人種が混沌としてきたが、人種の混沌化による差別の軽減がロンメルの短期目標である為現状はロンメルにとってとても喜ばしい

 

「働けば働くほど豊かへ! 更なる拡張! 更なる増産!」

 

 この言葉をスローガンに基本物価だけ固定し、あとは自由に売買させる方法を取り、経済を加速させた

 

「10分の1法! (従事してできる作物、加工物のうち自分の担当の10分の1を自由に扱って良い)」

 

 これにより賃金の他に自分が働いてできた物を僅かながら私物化が可能となり

 

「自由市の毎週開催、村営小売店の開業!」

 

 と自由の増加を目的とした事を増やしていった

 

 まだ食事に関しては村営の共同食堂だったりするがとにかく自由を増やしていった

 

 そして

 

「ポケモンバトルの奨励、賞金ありのポケモントーナメント戦、職業別代表戦、3リーダーを倒した実力者によるチャンピオンズカップの開催」

 

 とポケモンバトルに関する大会を総督権限で推奨し

 

「ウマ娘のレースの開催」

 

 とウマ娘のレースの開催も行うことになった

 

 ポケモン大会は個人戦はベスト16から賞金が、職業別は準優勝と優勝者のチームにボーナス、チャンピオンズカップはベスト4から賞金だが個人戦の5倍高い賞金で競い合うこととなる

 

 ウマ娘のレースは現金の賭けではなく勝利ウマ娘に賞金と勝ったウマ娘に投票した人は食材の詰め合わせが贈られることになった

 

 これにより明確に目標ができたことでポケモンバトルに熱が入る

 

 ロンメルとしても貿易で稼いだポケドルをばらまけるので都合が良い

 

 この自由競争を推進した結果密造酒で稼いだ酒屋、ポケモンを預かってバトルに調整する育て屋、ポケモンを捕まえて売るポケモンハンターが副業として現れ、ポケドルの他に自身が作った酒やジャムが通貨代わりとして流通した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 5月となり、追加で移民が増え人口は600人を突破

 

 森への開拓も小規模の抵抗はあるものの前みたいな大規模な反抗はなく、30人に増えた防衛隊や戦闘従事のポケモン達で撃退を続けている

 

 ポケモンだけの統計もとってみたところ今1万体のポケモンが人類に協力している

 

 うち喋れるポケモンが2000体、人型ポケモンは1800体といったところか(200体は人型のタマゴグループに属さないポケモン)

 

 更に研究を続けてきた人型ロボットの生産ラインが整い製造を開始

 

 スパコン以上の演算能力を持った産業ロボットであり、小売店や市場に配備して売買の円滑化を行った

 

 鉄道もようやく10分の1が敷き終わり、順調といったところ

 

 とここで国民党のメイメイよりカロス地方で行われる万国博覧会に行かないかと招待され、ロンメルは他国の技術レベルを調査するため、ウマ娘5名を連れてカロスに旅立った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミッション26 ホウエン

 

 フッケン政府には内緒で行われたカロス訪問はアクア団と国民党の協力で実現し、アクア団の貿易船でホウエンに渡り、そこから欧州への船に乗り換えることになった

 

 ホウエン地方に到着すると耳としっぽが生えているのが珍しいのか奇妙な目で見られる

 

「ロンメル総督、前回アクア団と交渉した時もこの様な目で見られていました。ポケモンとのハーフと誤魔化していますが、ハーフでも耳やしっぽがあるのは相当珍しいとのことです」

 

「なるほど」

 

 現在カイナシティで地理的には長崎に近い場所である

 

 アクア団の支店もあり、貿易でお世話になっているので町を探索しながら支店に向かう

 

「港、市場、造船所、灯台に宿、鉄道の駅……ポケモンセンターもあるな」

 

「ポケモンセンターでは手持ちのポケモンを無料で治療するだけでなくポケモントレーナーには食堂や宿泊の複合施設の様です」

 

「なるほど」

 

 ポケモンセンターを覗くとアニメで見たピンク髪のジョーイさんではなく看護服を着た黒髪の若い女性だった

 

「いらっしゃいませ。初めての方ですね。トレーナーカードの提示をお願いします!」

 

「あ、いやトレーナーというわけではなくて……僻地出身のでポケモンセンターが珍しくてよらせてもらいました」

 

「あら! そうですか! ちなみに場所を伺っても?」

 

「フォルモサです。フッケン地方の植民地ですね」

 

「……すみませんピンと来なくて」

 

「あ、いえいえ」

 

「よろしければ案内しますが」

 

「お願いします」

 

「○○さん、お客様の案内するので受付交代お願いします」

 

「はいはーい」

 

「……ジョーイさんで良いのですよね?」

 

「あ、はい、職業名がジョーイですね」

 

「ポケモンの治療はどのようにおこなっているのですか?」

 

「はい、外傷系は傷薬を塗って包帯で巻いたり、体力回復効果のある木の実を食べさせたりしてベッドで安静にしてもらいます」

 

「機械にモンスターボールごと乗っけることで治療はできないですよね?」

 

「できませんよ! そんな機械が有れば私達ジョーイは要らなくなってしまいますよ」

 

「ちなみに普段はどんな仕事を?」

 

「主に薬や薬用ポケモンフーズの調合、病気のポケモンの診療ですね。バトルで傷ついたのならばある程度簡単に治るのですが、病気だと時間がかかりますし、そのまま亡くなることも多々ありますから」

 

「なるほど」

 

「あくまでポケモンの病院とトレーナーのサポート施設ですから」

 

「ポケモンセンターにはどれぐらいの宿泊能力が?」

 

「100名は泊める事ができます。食事は5000名までですね。兼業トレーナーが多いので気軽に昼食や夕食に来る方も多いのですよ」

 

「なるほど……ポケモンセンターの誘致には何が必要とかありますか?」

 

「そうですね……ポケモン協会の認定が行われ、人口が1万人以上、トレーナーが1000人以上……あとポケモン協会への運営費ですね。その地方から割り当てられた費用を支払わないといけなかったと思いますよ」

 

「なるほど……となるとフッケン地方のポケモン協会と話し合わないといけないのですね」

 

「あ、フッケン地方は……新規は難しいと思いますよ」

 

「それまたどうしてですか?」

 

「フッケン地方は軍にリソースを注ぎ込んでいるのでポケモンセンターが軍属にされていまして……前線に近い町か大都市にしかポケモンセンターを置かなかったと思います」

 

「なるほど……フッケンに属している間は無理か」

 

 その後も色々と見ていく

 

 ポケモンセンターの大きさはあれだ大きな学校みたいな感じ

 

 病院としての機能と宿泊施設、食堂、裏には8面のバトルコートまであるためまあ広い

 

「いかがでしたか?」

 

「いやー、良い経験ができました」

 

「良ければ皆さん近くのフレンドリィショップにも寄ってみたらいかがですか?」

 

「フレンドリィショップですか」

 

「はい!」

 

 というわけでフレンドリィショップに6人で行ってみると

 

「いらっしゃいませ」

 

 ゲームだとコンビニみたいだったが、ドラッグストアに近い

 

 モンスターボールだった傷薬だったり毒消し、麻痺直し、眠気覚まし等が色んな種類が売ってある

 

 まだメーカー毎にバラバラらしくゲームみたいに統一されていない

 

 他には飲料水や缶詰め、人用の包帯や薬なんかも売っている

 

(医療用大麻やヒロポン、鎮痛剤としてモルヒネまで売ってやがる。まだそこら辺よくわかってない感じか?)

 

 モンスターボールは1個1000円(ジャパンだと円で統一されている ポケドルも1ポケドル1円として使うことができる)

 

 1つ100円がアクア団曰く原価らしいので10倍で売られているが大陸だと20倍らしいのでまだ安い方である

 

(フレンドリィショップは是非とも誘致したいが……とりあえずアクア団に聞いてみるか)

 

 フレンドリィショップの品揃えに感激しながらアクア団の支店に移動する

 

「こんにちは、フォルモサのロンメル総督です。アクア団のササキ船長やスズミヤ担当にはお世話になっています。支店長は居ますでしょうか?」

 

「あ! スズミヤから来訪の連絡は受けておりますどうぞこちらに」

 

 応接室にロンメル達は通されると中で初老の男性がソファーに座って居た

 

「6代目シズクだ。アクア団の幹部をしておる。フォルモサとの貿易はこちらもありがたくてな。総督と一度会いたいと思っていた」

 

「シズク殿、フォルモサ総督のロンメルです。よろしくお願いします」

 

「おお、若いと聞いていたが20くらいか?」

 

「そうですね19になります」

 

「そうかそうか……ウマ娘という種族は皆美しい種族と聞いておる。いつの間にか増えているともな……そこら辺の秘密はお互いのために聞かないでおこう」

 

「ありがとうございます」

 

「今回の訪問はカロスの万博の見学と聞いているが」

 

「ええ、そうですね。一度フォルモサの技術レベルと比べたく思いましてね」

 

「塩や肥料、アルミニウムの大量生産ができると聞いているが、やはりアルミニウムはこちらに卸せないか?」

 

「……ボーキサイトを輸出してくだされば250tの船に満載するくらいならば出せます。総生産量の20%は自由に貿易してよいとフッケン政府と取引しておりますので……ただフッケンの軍部がフォルモサの穀物の50%を税として取り立てると通告がありましてね……反抗したら武力を使うと脅されたりもしましたので渋々従いましたが」

 

「ホッホッホッなるほど……いやー、フォルモサはアクア団としてはとても魅力的な場所だ。肥料、アルミニウムだけでなくポケモンシルクの生産にも力を入れてもらっていますからな。こちらも鋼を輸出できますし……そうですなぁ船を増やしましょうか。1000t級の輸送船を出してもよろしいかな? 鋼、石炭、粘土、石灰……他になにか必要かな?」

 

「フレンドリィショップの誘致をしていただきたい。もしくはアクア団系列の小売店、書物も輸入したい」

 

「フレンドリィショップは人口が少なすぎて誘致は恐らく無理だろう。アクア団のショップで良ければ出そう。どんな物が欲しいかあるかな?」

 

「香辛料系、調味料類、砂糖、そちらで売っているジュースや魚介類でしょうかあと書物」

 

「そんなに書物が欲しいか。ジャパンだけでなくシャンハイ地方の書物も卸そう。他に欲しいものはあるかな?」

 

「漁船を共同で作りたい。漁船を売られても操舵技術が未熟故に造船所の共同出資をしていただきたい」

 

「まあそれぐらいなら良いだろう」

 

「ありがとうございます」

 

 その後他愛ない世間話をし、最後は握手をして商談は終わった

 

 アクア団のホテルで数日宿泊した後、欧州行きの船に乗り込んで約2ヶ月の船旅となるのだった



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