悪魔の妹 (こんこんВерныйカワイイヤッター)
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悪魔、そしてその妹。

狂気が足りないッ!!


ここはライン戦線。本日も視界良好につき砲弾や弾幕日和でございます。避難につきましてはお近くの塹壕へ、稀に恐慌状態の敵兵が殴り込んで来ますのでご注意ください。

この泥臭い戦場に金髪の少女が2人。1人は敵魔導中隊を屠らんとし1人は慌ただしく後方で物資を集めている。

「ーーーなぜ諸君らは侵さんと欲す!!」

「遊び足りないというなら!鉛のおもちゃをくれてやるわ!!」

鉄の馬に乗った男の号令と共に敵中隊が射撃する。がその弾は彼女をすり抜ける。

「デコイです!!」

「ふざけやがって!!!」

現れた本体に無慈悲な攻撃が加えられる。しかし高度差により減衰し大した被害が与えられない。

「交渉の余地も無しか」

そして彼女の口から神を讃える言葉が出る。そしてその直後彼らに向かって放たれた銃弾は想像もつかない程の爆風、閃光を発し彼らを焼き尽くした。

「また派手にやったな姉ちゃん」

金髪の少女が彼女に近づく。

「ノアか…ここは戦場だぞ?」

ノアと呼ばれたその金髪の少女は抑えめに笑いながらこう言った。

「だからこそだよ姉ちゃん…ところでターニャ・デグレチャフ少尉。補給は必要か?」

「ああ必要だ。ノア・デグレチャフ少尉」

「了解。ほら、補給だ…あと上から追加の命令だ。地上の友軍に対し支援を行えだとさ。あと詰めが控えてるから頃合いをみて離脱しろと。俺たちは撃墜された友軍観測班を捜索、救助する。よろしくな」

「はぁ…上は我々を余程こき使いたいらしいな」

「そうだな…では任務に戻る。支援、よろしくな」

そう言いノアは地上近くへ降下し捜索を始める。

 

「あー…クソ。どこもかしこも焦げた死体だらけだ」

そんなノアを横目に見ながら黒髪の大柄な男は言った。

「辺りの兵士に聞いた感じこの辺りに大火力の爆裂術式が撃ち込まれたらしいです。この調子じゃ全滅しているでしょう」

「そうだな…ベルガー伍長。司令部と連絡は取れるか?」

「はい。報告はなんと?」

「周辺の兵士によると魔導攻撃による大規模爆撃が敢行されたとのこと。我々の調べた限り生存を確認できず…とでも伝えておけ」

「了解しました」

無残にも爆撃に晒され焼け焦げた地上から見る姉はそう…美しかった。

 

「ノア、私たちはどうも後方に下がれるらしい。楽しみだな」

「そうだな…なぜ俺も下がれるんだ?」

「忘れたのか?ノアは効率的な飛行に関するレポートや魔導士による空中補給、そしてその実地試験を任されていただろう。もうそろそろ任期だ」

「ああそうだったな…姉ちゃんは?」

「エレニウム95式の実地試験で来てたからな。同じように任期だよ」

そしてその夜、シュワルコフ中尉に見送られながらデグレチャフ姉妹は内地へと帰還した。




話は変わるけど艦これE-2-1が終わらな過ぎて禿げそう。
取り敢えずながもんとかイベント終わったら育てて5-3レベリング行かそう。


誤字だらけだったって話する?


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誕生、訓練、実戦。

頭を空っぽにして書く小説はいいぞぉ。なお駄文。


俺は昔からついていなかった。だから俺は不運にも勝てるように努力した。天才や幸運には勝てない。しかし平凡な奴には努力すれば勝てる。俺が死んだときは確か建築会社の社員をしていた。死因は恐らく事故だ。建築現場を見に行ったとき、安全を確認せずにクレーンで上げられた鉄骨が落ち、その下敷きになった。その時に出会った奴が居た。

「お前もか…これだから最近の人間は…」

「誰ですかあなたは」

「お主らが言う神だ」

「神ですか…それならば主よ。ある格言をご存知でしょうか」

「なんだ」

「神は死んだ。有名な格言ですよ。神が居るのならばなぜ私がこのような不運を受けるのでしょうか」

「なら私は何なのだ」

「悪魔、または同等の性質を持つ想像上の生物と予測します」

「ほう…実はお主と同じような者と先程会ってな…お主も例外しよう」

「何をするつもりですか!ちょっ待て…」

 

こうして俺はノア・デグレチャフとして再び生を受けた。姉にはターニャという奴も居るがどうも姉妹共々捨てられたようだ。教会に育てられていた俺は姉と同じく魔法適正がありそれをきっかけに軍に志願した。俺は特には何もなかったが成績は良く修了課程は実地試験を残すだけとなった。姉は哨戒任務だったが俺は物資の輸送任務だった。しかし俺は思い出す。いつの世にも不幸は訪れるものだと。

 

「協商連合による越境行動を確認。ROEより防空遊撃戦へ移行せよ。現時刻を持ってターニャ・デグレチャフ准尉は少尉に昇格。コールサインはピクシー01とする。」

どうやら協商連合が喧嘩を売りに来たらしい。

「ノア・デグレチャフ准尉も現時刻を持って少尉に昇格する。コールサインはクレスト01。ピクシー01と合流せよ」

俺にも命令が下った。こんな大荷物を持ちながらだ。かなり時間がかかるぞ。

「クレスト01。了解」

現場に到着すると姉が爆発していた。姉のことだ。多分無事だろう。

「クレスト01よりノルデンコントロールへ。ピクシー01が撃墜された。指示を乞う」

「ノルデンコントロールよりクレスト01へ。敵機を追撃せよ」

「クレスト01。了解」

もっと速く…そう思ったときあることを思いついた。航空機のように揚力を使って飛べば推進力を余すことなく使えるのでは。今から考えると実戦で即興で思いついた戦術を使うほどとち狂ったことはないと思うがやってしまった。しかし考えたことはどうやら合っておりかなりの速さで飛べた。

「隊長!新たに敵魔導士を発見。1機です!高速で接近しています!」

「ちぃ…仕方あるまい。迎撃するぞ!被弾を最小限に!速く撃墜して撤退する。負傷者を速く撤退させろ!」

どうやら敵は迎撃するらしい。

「クレスト01よりノルデンコントロールへ。荷物の投棄の許可を!」

「ノルデンコントロールよりクレスト01へ。認可する」

出来るだけ軽くするために荷物を捨てる。その数秒後に格闘戦に入った。ヘッドオン。敵1体を集中的に狙い障壁を破る。

「くそ!速い!」

そう敵が言った言葉が耳に入る。そのまま急上昇。反転し障壁が破られ遅れた敵に弾を浴びせる。敵は血みどろになり地上へ落ちる。1機撃墜。そのまま敵編隊中央に突撃する。弾幕がかなり濃くなるがすぐに弾幕がなくなる。敵は躊躇して撃てなくなるのだ。そのまま粘着し撃ちまくる。貫通術式を使いまた敵1体を撃墜。バレルロールを行いながら応射する。この速度だと弾も掠る程度で大したダメージは入らない。まるで猟だ。さらに旋回し敵を集中砲火。撃墜には至らなかったが右手に貫通術式の弾が当たった。恐らく戦闘不能だろう。しかしすぐに弾が尽きる。急上昇し雲の中に逃げ込む。すると下で何か爆発音が聞こえた。雲間から覗くと友軍が居た。

「クレスト01よりノルデンコントロールへ。弾薬が尽きた。撤退の許可を」

「ノルデンコントロールよりクレスト01へ。認可する。ピクシー01を回収し撤退せよ」

「クレスト01。了解」

こうして俺の初陣は終わった。帰還して数日経つと一般突撃章が貰えた。確か突撃した者に対する章だったか。ありがたいものだ。

 

数日後、ある論文を軍に提出した。内容は効率的な飛行方式に関してのものだ。すると軍から興味があるから詳細をと上に呼び出された。

「教官!お久しぶりです!」

「ノア君。久しぶりだなぁ。確かまだ入りたての頃だったな。立派になりおって」

教官はそう言い頭を撫でてきた。

「教官。流石に頭を撫でるのはどうかと」

「すまんすまん。娘を思い出してな。確か飛行術に関するものだったな。ついてきなさい」

そうして俺は応接室に呼ばれた。

「では、話してみなさい」

「はっ。まず初めに既存の飛行方式に関して話させてもらいます。現在、普及している飛行方式は空間に干渉して飛行するものが主です。これには定点攻撃が可能な点から対地攻撃に適していると考えられます。私が提唱する飛行方式は航空機のように揚力でもって飛行するものです。この方式は既存のものよりも速く対空能力に長けています。しかしこの方式は定点攻撃が出来ず対地攻撃にはあまり適しません。また非常に難しい方式のため育成に時間がかかります。定点攻撃ができないという弱点は既存の方式を併せて運用することで解消できますが育成に関しては難しいと小官は愚考します」

「よろしい。確かに良さそうだな…うむ。上に掛け合っておこう。恐らく数日後には移動命令が出る。すぐに移動できるように荷物を纏めておきなさい」

「了解しました。では小官はこれにて」

「ああ。ご苦労であった」

こうして俺は中央に呼び出されその飛行方式の実戦運用のための試験にラインへ、そして今俺は本国に帰ってきた。俺は今、嬉々として学問に励んでいる。




クレスト01の元ネタは空自のヘリ空輸隊のやつです。なお書いてるうちにクレスト(アーマードコアのほう)が頭の中に…


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204魔導中隊

今回かなり早く書けた。なお駄文。メモ帳ってほんと有能。


「あーマジでやべぇ…」

「またか…そろそろ覚えんとマズいぞ?」

そう声が響くデグレチャフ姉妹の部屋に2人の少女が居る。ノアは試験を前に範囲を覚え直しているところだがあまり前には進んでいない。前世のキャリアがある分常識的な範囲はすぐに答えられるが軍大学特有の軍人しか習わないような範囲が吸収しずらい。しかし努力は続けなければ成績が取れない。そこで理解の早いターニャに頼み込み教えてもらっているところだ。

「そういえばまだその1人称は治らんのか?」

「これはもう赤ん坊の頃からの癖だ。今から直せと言われても無理だ…ああもうなんなんだこの範囲。まだ日本の企業の試験のほうがましだったぞ…」

「…へ?」

「うん?」

「今日本と言ったか?」

「…あぁ…なんでもn」

「なぁ真面目に聞いてくれ…日本と言ったか?」

「…あぁ」

「てことはお前存在Xの手下か?」

「誰だそいつ」

「神と自称するやつだ」

「あったなそういや…だが俺は理不尽に飛ばされただけだぞ?」

「なら同志か」

「姉ちゃんも?」

「ああ」

衝撃の事実。姉がまさかの転生者だった。

 

「なるほどノアは建設会社の会社員だったのか」

「姉ちゃんこそ首切りしてたのか…道理で怖いと思った」

「その姉ちゃん呼びは止めてくれないか?中身男に言われるのは気色悪い」

「無理だな。5年以上言い続けてるから癖になってる…周りにばれないように姉ちゃん姉ちゃん言ってたがすぐ近くに同志がいたとは」

「まったくだ」

「さて、勉強に戻るか」

「そうだな姉ちゃん」

手短にお互いの人生を語り合った彼女たちは暫し笑いあったがすぐ真面目に勉強を再開するのであった。

 

どうにか試験に間に合い少し経った。成績も平均を普通に上回り平穏に学業に臨んでいたがその日ある人物と出会った。その時俺がいたのは図書館だ。茶色く分厚い本を取ろうとしているとき後ろから大人の手がその本を取った。

「航空力学についての本か…熱心なことだ」

「はぁ…それはありがたい…ヒェッ!?」

本を取った人物を見るとそこには准将が…

「ノア・デグレチャフ中尉であります!!!失礼をお詫び申し上げますぅ!!!」

「よい。私はゼートゥーア准将だ。ほれ、これを返そう」

「ありがとうございます…!」

まずい。なぜこんなところでお偉いさんとエンカウントするんだ…!とっとにかく失礼のないようにしないと…!

「そういえばノア君。君は考案新しい飛行方法をライン戦線で試したそうじゃないか。それも補給部隊を率いて。どうだったかね?」

「はぁ…それは…私なりにはかなりいい戦果をあげられたと思います」

「ほう?」

「戦果といってはなんですが前線での補給はかなり部隊の継戦能力を上げられ戦闘も考案した飛行方法のおかげで被弾無しで潜り抜けることが出来ました」

「なるほど…ターニャ君が絶賛するだけのことはある」

あの姉俺も巻き込みやがったな。

「姉がですか…」

「ふむ…少し言いたいことがあるから来なさい」

「拝命致しました」

そうして…緊張であまり覚えていないがある一室に招かれた。

「機密事項ではあるが君の姉に魔導大隊を指揮させようと考えている」

「それは…姉にとって嬉しいことですね」

「そのとき君の姉は魔導士による前線での補給の有効性を説いていてな…彼女は君を絶賛していた。そこで君にも部隊を任せてみようと思っている」

「私が…部隊を…?」

「ああ。ところで補給部隊はどの規模が必要になると考える?」

「小規模なら中隊規模。補給対象が大隊より大きくなると大隊規模が適切かと。戦闘部隊ではありませんので最低限効率的に補給ができることが重要になりますので」

「ふむ。多少は人員の採用権も融通してやろう。君を上層部に掛け合って少佐に昇格させよう。編成は君に一任しよう」

「了解致しました」

 

そして月日は過ぎ、俺は第204魔導中隊の編成を任されることになった。人員の募集は短い文章で行われることになった。

「求ム魔導士。我々ハ時代ノ先ヲ行ク者也。道無キ道ヲ行ク者、決シテ命ノ保障無シ。勇敢ナル者、来タレ」

こうして応募した者が集められた。しかし俺が欲している人材は魔力が多く、タフな者。応募のなかから条件にあう人材を上澄みから12人。中隊規模を編成した。しかしここから厳しい訓練が始まる。このときの人材はまだまだひよっこである。これを猛禽に育て上げるかどうかは俺にかかっている。そこからかなり厳しい訓練になったが無事、新式飛行法、輸送法などを叩き込めた。そのなかにはかつての部下、フィン・ベルガー大尉が居た。以前は准尉だったが昇進したのだろう。この大尉、まさかの成績トップであった。このことから副隊長に任命された。ところで彼らにはある新型宝珠が配備されることになった。九七式エレニウム演算宝珠。試作型の演算宝珠だ。なんでも姉の九五式のデチューンモデルらしい。しかしエレニウム工廠製の演算宝珠は扱いにくいことで有名だ。そして同時に戦線へ投入予定の203魔導大隊の訓練はまだ続いている。このことが意味することは何か。そう訓練だ。さらに高高度飛行や一連の戦闘機動、さらには爆撃訓練、射撃訓練も行った。戦闘部隊ではないが前線に出る以上覚えておいて損はないだろう。また、輸送機も回してもらい204魔導中隊に配属されることになった。そして実戦に出ることになった。そう、あのダキア公国に。

 

俺たち204中隊は203大隊と共に出撃した。姉と会議し当初の予定通り全機爆装状態で。

「あれだな…なんだ?あいつらは」

「航空戦力無し…おまけに機関銃も確認できませんね」

そうベルガー大尉は呆れながら言った。勿論俺も呆れるどころか少し引いている。

「全機散開!思い思いに爆撃せよ!」

中隊が散開。203大隊と連携し203大隊の対地砲撃の切れ目から突撃。グレネードを落としまた急上昇する。

「まるで狩りだな…姉ちゃんが言っていたある種のマンハント。実弾演習のために用意された的というのも納得できる」

「そうですね…」

地上へ砲撃を行いながら呟く。すると相手から

「卑怯だぞ!!降りてこい!!!」

と聞こえたが無視。構わずそいつにグレネードをプレゼントしてやった。

数分後ダキア公国軍は殲滅された。

「はぁ…ここまで時代遅れとは…泣けてきますね」

「そうだな。しかし情けはかけてやらん。首都でも攻撃しに行くか?」

そう言ったそのとき姉も同調した。

「そうだな…次の目標は」

そして姉はこう告げた。

「首都だ」

 

そして敵の工場を丸ごと焼き払い撤退。俺たち204中隊と203大隊はまずまずの戦果をあげ初戦を勝利で飾ることとなった。




204魔導中隊は輸送機であり爆撃機であり戦闘機であり歩兵でありetc…
まともに使われることなんてない。実は204中隊は新式飛行法のおかげで九五式を使ったターニャちゃんぐらいの速さが出ます。しかしターニャちゃんにはノアが飛行法を教えているのでもはや誰も追いつけない。戦闘機(めちゃくちゃ速い機種)でもないと絶対追いつけないです。


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北方にて

最近の駆逐艦はいいぞ!最高だ!


第204魔導中隊の諸君。空の上で悪いがブリーフィングだ。防衛の任に就いていたヴァイパー隊が無視できない損害を負っている。また同空域に魔導士、爆撃機の存在を確認している。我々の任務はヴァイパー隊の救出。並びに敵魔導士、爆撃機の撃退だ。203魔導大隊と協力しこの任に就く。必要に応じて弾薬などの投棄を許可する。落とされる間抜けは居ないと思うが集中して事に当たれ。では全機、かかるぞ。

 

 

帝国軍魔導士がかなりの速さで高度を上げる。地獄のような地上から全力で距離を離し敵魔導部隊より高度を上げる。

「ノア。私と爆撃機を落としにかかるぞ」

「了解。204中隊は敵魔導部隊を落とせ!俺と姉ちゃんは上の爆撃機をやりに行く!」

「了解!」

2人の少女は天上へ、その他は敵魔導部隊を襲いにかかる。俺達に敵爆撃機編隊からの弾幕が浴びせられるが俺はバレルロールで、姉ちゃんは乱数回避機動で避けながら爆撃機に肉薄する。そして姉ちゃんは敵の編隊長と思しき機体の上に降り立つ。

「こんにちは。そして、さようなら」

そう告げられたパイロットたちは恐れおののきまともに反撃出来ないままグレネードによって吹き飛ばされ死んだ。俺は敵の編隊を一度通り過ぎ、一気に降下を開始。上空から爆裂術式にて狙撃する。1、2、3…次々にコックピットから火を吹き地表に叩きつけられる。

「ば…爆弾を投棄!!離脱するぞ!!!」

爆弾をバラバラと落とし敵は急速旋回。一直線に逃げ帰る。

「胆の座っていない機械の鳥どもだな」

「まったくだ」

そしてその数秒後、姉ちゃんによる攻撃で鳥達は羽根を捥がれることになった。

 

「うん?生き残ってそうな機が居るな。来いノア。捕虜を回収しに行くぞ」

「了解」

そうして2人の少女は地上に降り立った。

「くそ、死んでるな…姉ちゃん!そっちは?」

「だめだ。こっちも死んでやがる。…はぁ…流石に脳味噌を拾って帰る訳にはいかんしなぁ」

そしてそのとき、世界が止まりあの忌々しい声が響く。条件反射のように銃を向けマガジン内の全ての弾丸を吐き出す2人。

「調子はどうかな?2人とも」

「ああ、最悪だよ存在Xめ。とんだ世界に飛ばされた挙句こんな爆弾まで突きつけられるとは」

そう姉ちゃんが言い放つ。はて?爆弾?

「爆弾?」

「これのことだよノア。私が祝福したエレニウム95式だ」

「存在Xを賛美したくなるというぶっ飛んだ呪いも付いてきてるがね!」

この悪魔。なんつうことをしてやがる。質が悪すぎるぞ。

「そうだノア。お前にも祝福を与えてやろう」

そう悪魔は言い放ちMP40を召喚する。そしてそれを押し付けるようにして俺に渡す。

「マシーネンピストーレ40だよ。それを使えば使うほど私を身近に感じるようになる。神に会う機会が多ければ崇めたくはなるだろう」

「絶対に使うかこんなもの!」

「おっと忘れていた」

そしてそいつはこう言い放った。

「それは例え壊れても万全の状態で主の下に帰ってくるぞ」

「はぁ!?」

「ではさらばだ。君たちが世界を相手に戦うところを見ていてやろう」

あんの…あの…!!

「死にやがれ!!あの悪魔!!!存在Xめ!!!今度あったら蜂の巣にしてぶっ殺してやる!!!!」

そう心に誓ったのであった。

 

一方その頃、大尉以下、大隊含む60名が敵魔導部隊と交戦していた。

「1人で戦うな!!ツーマンセルを徹底しろ!!!」

ベルガー大尉が喝を入れ中隊全員がそれに呼応する。203大隊は敵をまるで箒で埃を掃くが如く落とすが204中隊はそもそも戦闘部隊ではないため敵を落とすにも一苦労といった具合だ。

「あれが隊長機だ!やれ!!!」

そう敵が言いベルガー大尉は集中砲火を受ける。数発被弾こそするが全てバイタルパートを外れており大した被害を受けない。それはベルガー大尉が徹底している横滑りによって射線をずらすという行為のおかげだ。そのままベルガー大尉は急上昇しながら直下に応射する。しかし小刻みに移動しながらの射撃のため安定しない。敵の一部がそれに追従し射撃を続ける。しかしそれはベルガー大尉の罠である。敵を釣り上げたところを中隊が捕捉し一網打尽に。敵部隊は戦闘能力を失い地面に叩きつけられる。別の場所では203大隊が敵の残存部隊を追撃していた。

「敵部隊は統率を失いつつあり!!我が204中隊は敵の退路を塞ぐぞ!!!」

ベルガー大尉の号令で中隊は高速で敵の退路へ移動し敵の残存部隊を203大隊と挟撃。殲滅した。

 

「まさか本当に爆撃機まで落としてくるとは…本部は相当な化け物を飼っていたようだな」

シュライゼ中将は呟いた。しかし彼女たちは予定外とはいえど切り札とも捉えられるほどの実力があり是非、冬季大攻勢の際に使いたい逸材であった。しかし…

「…よって攻勢を仕掛けるには時期尚早かと。越冬を待ち春に攻勢を仕掛け前線を押し上げることが最善の策だと小官は愚考いたします」

なぜこの小娘は理解せんのだ!

「早期解決こそが大切だ!!なぜそれが分からん!!!」

「…ラインでは戦友が泥をすすっていましたが…どうやらここ、北方は違うらしい」

「出ていけ!!今すぐここから出ていけ!!!」

「では失礼します」

 

「現在の兵站状況から言って今の時期に攻勢を仕掛けるのは無謀が過ぎます。春を待ちそこから攻勢を仕掛けるのが得策だと考えられます」

そうターニャはレルゲン中佐やルーデルフ准将に発言する。

「まあ待てデグレチャフ少佐。この冬季攻勢について何か考えうるメリットは無いか?」

そうルーデルフ准将はターニャに発言を促す。

「メリットと言いますと…ライン戦線の負担を少しばかり軽く出来ることと後方に手を出しやすくできることぐらいでしょうか…うん?後方?後方…」

ターニャは考える。

「どうかしたか?デグレチャフ少佐」

「前面への攻勢は囮…後方への攻撃こそが本命…?」

そう聞いた瞬間彼らは驚く。

「どこで聞いたデグレチャフ少佐!?ゼートゥーア閣下に聞いたのか?」

「はて?」

レルゲン中佐が問うが教えてもらっていないものは分からない。ジェスチャーで知らない、と返す。

「なんてことだ…まさか一部の将校しか知らないことを言い当てるとは…」

レルゲン少佐が驚きながら呟く。

「…やはり君を使うとしよう。今度の攻撃地点は…」

そしてルーデルフ准将はこう続ける。

「オース・フィヨルドだ!」

ターニャは大きく頷き賛同する。

「してデグレチャフ少佐。君にはオースフィヨルドを攻撃するとき事前に砲台の無力化をしてもらいたい」

「でしたら私の妹の部隊である204魔導中隊も同行させてください。地上に対する攻撃力で言えば204魔導中隊のほうが火力が高く短期に砲台の無力化が望めます」

「なるほど、一理ある。同行させよう。デグレチャフ少佐、君には期待しているぞ」

こうしてオースフィヨルドへの攻撃に203魔導大隊、204魔導中隊の参加が決定したのであった。




実はターニャちゃんは95式の出力が高いがために従来の機動のほうが回避能力が高いんです。簡単に言ったらacでいうVOBを接続した輸送機とネクストみたいな感じ。自由に運動できる分弾を避けやすいです。


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オースフィヨルド

わぁ。駄文だぁ。


「俺がオースフィヨルドに?」

北方にてデグレチャフ姉妹に割り当てられた部屋で俺は姉ちゃんに問いかける。

「ああ。上層部が今回の極秘作戦の内容を鑑みた結果204魔導中隊が適任だとされた。日の昇らない間に輸送機から出撃し強襲する」

俺は溜息をつきそれからこう言った。

「上層部は俺達を爆撃機とでも思ってるのか?」

「帝国には余力が少ないのだ。使えるものはなんでも使うのさ。それが馬であれ群衆であれ…例えそれが本来の用途と違ってもな」

そう姉ちゃんは窓の向こうを見ながら話す。

「あれを見ろ」

そう姉ちゃんは俺に窓の外を見るように促す。そこには敵国である協商連合の銃を背負っている帝国軍人が居た。

「何事も無限に利用できるリソースというものは無い。ラインで見たくないというほど見ただろう。物資に困窮する部隊を」

「確かにそうだったな」

そう言いながら視点を窓の外から机の上に戻す。

「俺たちの攻撃目標はなんだ?」

その問いに対し姉ちゃんはある地点を示した。

「敵の沿岸砲の破壊。それだけだ。しかしそれを短時間で行わなければならない。敵の魔導士も必ず居るだろう」

「護衛隊は?」

「我々203大隊が引き受ける。残業は嫌だからな。しっかりやってくれよ?」

「ああ。任せろ」

 

作戦日当日、203大隊と204中隊がそれぞれの輸送機に乗り込みオースフィヨルドへ向けて出撃した。

「ベルガー大尉。恐らく上は俺達のことを爆撃機だと思ってるそうだぞ?」

「少佐殿。それは少し語弊がありますよ?前の戦闘では爆撃機の迎撃を任されましたしね」

「はっはっは!!確かにそうだな!!では上は便利屋として俺達を使ってるらしいなぁ?」

「上層部の靴でも磨きましょうか?」

「それは良いな!!しかしその前に目下の課題を片付けなければな。中隊各位へ。我々の目標はあくまでも沿岸砲の破壊だ。では中隊諸君?出撃だ」

 

「絶景だな」

そうアンソン・スー大佐は呟く。複雑な地形に高火力な重砲を配置した姿はまさに天然の要塞といえる。視界の隅に訓練したばかりと見える新兵たちが訓示を受けている姿が映る。

「これはスー大佐!ご昇進おめでとうございます!」

廊下のほうを見ると昔会ったことのある士官が居た。

「おお!久しぶりだな!…しかし上が足りなくなったという理由で昇進するのは良いことなのか悪いことなのか。戦線は日に日に悪化しているそうじゃないか」

「ええ…本来なら喜ばしくない昇進なのですが…こればかりは仕方ありませんね」

そうしてまた窓の外を見る。すると爆発音と共に1つの沿岸砲から火の手が上がる。

「なんだ!?」

無意識のうちに声を上げてしまう。そして次の爆発音で何が起こったのかを察する。…敵の…攻撃…!?

 

「目標を破壊したら速やかに輸送機へ帰還し再度爆装、反復出撃せよ!」

ノアが叫び命令する。その周囲にはバックパックに梱包爆弾を満載した204中隊の隊員が目標を破壊せんと急降下と急上昇を繰り返し、そしてその上空では203大隊が待機し対空警戒を行っている。

「予定が思ったよりも早く進んでいるな。嬉しい誤算というやつだ」

そう呟きながら俺は地上へ急降下する。敵は突然の強襲だったからだろうか。対空砲火がほとんど見られない。しかも砲撃できている高射砲は管制が上手くいっていないらしく信管の調整がガバガバ。ありもしない方向へ飛んでいき当たる訳のない高度で炸裂している。そんな砲撃、素人でも当たる訳がない。むしろ当たったなんて知られたら笑いものだ。そんな対空射撃が無く無防備な沿岸砲に梱包爆弾を容赦なく投下。あっけなく大破させる。急上昇しようとしたところどうやら弾薬庫らしきものを発見。そのまま低空飛行で接近し爆弾を投下。巻き込まれないように距離を取ると弾薬庫は恐ろしい爆発音を響かせ衝撃で辺り一面を薙ぎ払いながら火柱を立てた。

「絶景だな」

そうノアは呟いた。

「こちら203大隊。敵魔導部隊が接近中。これより攻撃する。誤射に注意されたし」

203大隊からの通信。その数秒後敵魔導部隊が上空の203大隊の襲撃を受ける。敵は驚き編隊を崩す。そうなればこっちのもの。203大隊がロッテ戦法にて敵をさらに攪乱。もはや統率不能なレベルまで指揮系統が混乱し203大隊に手玉に取られる。その中でも2人、エレメントを崩さない優秀な魔導士が居た。スー大佐とその副官だ。しかし多勢に無勢。下へ、下へと追いやられついに副官が被弾。低空を高速で飛行していたため死亡したと思われる。そのとき上空を見てスー大佐は嘆く。

「なぜ…あいつが…」

金髪で、おおよそ軍人とは思えない身長の、ラインの悪魔。我らがターニャ・フォン・デグレチャフ少佐がその目に映る。そして次の瞬間スー大佐の中で何かが弾け飛んだ。

「ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

雄たけびを上げターニャに突撃するスー大佐。それを止めようとヴィーシャがそれを撃つ。しかし効果はなく逆にスー大佐が持つ愛娘からの贈り物。サブマシンガンで撃たれ怯む。スー大佐は足を止めずターニャに狙いを定めた。しかし発砲の瞬間ターニャは急上昇。撃った弾は虚空へと消え去った。そしてスー大佐は絶望する。海上に大型の火砲を持つ化け物。海の王者。そう、戦艦1隻を率いる帝国艦隊がオースフィヨルドに。海の王者は咆哮しあらゆるものをねじ伏せた。鉄道、司令部、ありとあらゆるものがその咆哮の前に崩れ去った。

「こちら203大隊。目標の達成を確認。これより回収地点へ移動する。204中隊も下がれ」

「こちら204中隊。了解した。指示に従う」

スー大佐は絶望した。どこかに逃げ込みたい気持ちの裏側には何故か軍人として最後まで戦い抜くという正反対の感情があった。そしてスー大佐は決断した、軍人の本懐を遂げんと。

「ん?姉ちゃん。敵魔導士が1人向かってきてる」

「ノア。私が行こう。お前はここで待ってろ」

ターニャは急加速しスー大佐へ向かう。そのあいだ全く速度を緩めないスー大佐。ターニャとスー大佐がすれ違う。そしてターニャとスー大佐は急旋回しスー大佐は銃を構えたがターニャはその懐へ素早く飛び込んだ。スー大佐の腹部に異常な熱さを感じる。が、仇敵がそこに居るのだ。嬉々として銃を撃とうとする…しかし体が動かない。そして銃を掴まれ奪われる。風を切る音が耳に入り視界は高速で動く。落ちた。そうスー大佐は確信した。そのとき頭に浮かんだのは愛娘。メアリー・スーのことだった。

「メアリー…」

そう呟きながら彼はこの冷たい海へ身を預けることになった。

 

ノアとターニャは回収された駆逐艦で再会した。

「姉ちゃん。これで協商連合はしばらく黙るな」

「ああ。そうだな」

彼女らは少しぼーっとしながら話す。まだアドレナリンが抜けきってないのだ。

「帰ったら部下の為にも宴会を開くか」

「204中隊も混ぜてくれ」

「もちろんだとも」

そうとろけながらいう姿は珍しく年相応の見た目だった。

その後。

「はっはー!!!飲んでるかー!!!」

…一体どうしてこうなった。

「ノア。大丈夫だと思っていたがまさかこんな惨状になるとは」

「大丈夫だ姉ちゃん。俺もこうなるとは想定してなかった」

すっかりカオスになった場所を見ながら彼女らはまた溜息をついた。

 

 

 

本日未明、オースフィヨルドが帝国によって陥落しました。これにより協商連合は大きな打撃を受けーーーーー

「お父さん?」




そういえばE-2-1が攻略出来てE-2-2はあと割るだけで終わる。え?E-2-3が地獄だって?…怖く…怖くなんてないよぉ…gkbr


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