アイドルマスターミリオンライブ ~輝きと夢の向こう側へ~ (熊乃八幡)
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関係者・用語解説

投稿時点での人物と用語の解説。逐次加筆修正予定。


・765プロ関係者解説

 

名前 魚谷 辰馬(うおたに たつま)

年齢 27歳

出身 埼玉

家族構成 独身(実家に祖父母と両親)

職業 765プロプロデューサー(勤続5年目)

趣味 読書

座右の銘 一日一善

 

解説

本作主人公。765プロにてプロデューサーとして勤める。常に冷静沈着を心掛けており、また結構な慎重派。実際後述する髙木の「39プロジェクト」の立ち上げ会議の際にも、真っ先に「既存アイドルの更なる宣伝を優先すべき」と唱えていた。文学部卒であり、オフの日には古書店巡りや読書に勤しむ。

 

 

名前 新堂 涼介(しんどう りょうすけ)

年齢 26歳(遅生まれ)

出身 山梨

家族構成 独身(実家に両親)

職業 魚谷と同期

趣味 サイクリング、写真撮影

座右の銘 叩けよ、されば開かれん

 

解説

魚谷の盟友にして高校以来の同期。大学寮では4年間隣部屋に住み続け苦楽を共にした。絵に描いたような即決即断の権化だが、実は予め下準備を怠らない真面目という裏の顔もある。765プロでは魚谷と実質的な二枚看板を形成するも、39プロジェクト立ち上げの際には既存強化を唱え渋る魚谷と対立。だが「より広い世界に僕らの魅力を発信するには、君とこの計画の成功が必要だ」と唱え3日3晩説得。最終的な彼の賛成を取り付けた。

 

 

名前 髙木 順二朗(たかぎ じゅんじろう)

年齢 56歳

職業 765プロ社長

家族構成 従兄(765プロ会長・ハワイ在住)

趣味 影絵、クレナフレックス、手品

 

解説

765プロ現社長。初代社長であった従兄の勇退を機に現職。良くも悪くもおおらかかつアクティブな性格で、765プロの事業拡大と更なる原石発掘の為に「39プロジェクト」を立ち上げた。魚谷と新堂の入社に携わったのも髙木であり、2人からは尊敬と(色んな意味での)驚きの目を向けられている。

 

 

名前 音無 小鳥(おとなし ことり)

年齢 不詳(本人曰くトップシークレット)

出身 不詳(東京ではないとのこと)

職業 765プロ事務員

家族構成 母(元アイドル・死別)

趣味 妄想、テレビ鑑賞

 

解説

765プロ事務員。仕事は出来るが妄想癖が激しい。それは時に仕事をそっちのけにして夢中になるほど。765プロ内では比較的古株で、一時期はアイドルもこなしていた。今でも時折秘密裏に歌を披露する事があり、それは「世が世なら、そして本人がその気なら天下も夢じゃなかった」と言わしめた往年、そして母の面影を感じさせる。

 

 

名前 青羽 美咲(あおば みさき)

年齢 20歳

出身 鹿児島(種子島)

職業 765プロ事務員

家族構成 姉(同居)

趣味 裁縫、マリンスポーツ

 

解説

765プロ事務員。39プロジェクト開始に合わせ髙木が新規採用した事務員。服飾系の短大を卒業しており、自分の作った衣装をアイドル達に着てもらいたいという夢を持つ。尚髙木が何を思ったか彼女以外の採用に踏み切らなかった為、新事業関連の仕事は社長を除く4人で切り盛りする羽目になった。

 

 

・用語解説

 

765プロ

芸能界では比較的新参となる芸能事務所。初代社長髙木順一朗によって設立され、後の「765プロオールスターズ(通称765AS)」のメンバー13人と当時副社長の順二朗、そして魚谷ら3人で事業を開始した。前述の通り新参ながら3年で全国屈指の知名度を誇る事務所へと躍進しているが、更なる発展と全国に眠るアイドルの原石発掘の為「39プロジェクト」を始動した。

 

39プロジェクト

髙木順二朗により開始された新事業の総称。39は「サンキュー」に引っ掛けた造語であり、39名(当初は100人以上を予定したが、負担増と一人一人の重点育成の為ここまで減らした)のスカウトと育成、並びに専用劇場「765プロライブシアター」における定期公演の実施、そして全国、ひいては海外公演の実現を目標に掲げた壮大な計画である。物語はその始動から始まる。

 




書く事の面白さと設定を練る事の大変さを改めて学び直すこの頃。
ミリオンライブ10周年、そして来るアニメ放送を盛り上げる一助になれればと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いします。


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第一話 始まりの鐘は鳴る

10th前になんとか間に合わせました。


 

~智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに、人の世は住みにくい~

 

 夏目漱石の名著『草枕』の冒頭を脳内で暗唱しながら、私―魚谷辰馬―は頭を抱えていた。頭を抱えていたのは、己の環境に嫌気がさした為ではない。降ってわいた突然の革命的な出来事への思案に思い悩んでいた為である。

 

 私は芸能事務所765プロに勤務してはや5年になる、いわゆる「プロデューサー」という人間である。芸能界に巣くう魔の手やゴシップから担当アイドルを守り、また時に優しく時に厳しくアイドルを導いてきた。彼女らは自分の夢に向かって日々努力を重ね、そして今や日本でも屈指の知名度を誇るアイドルに成長してくれた。そんな彼女らと共にこれからも頑張ろうと考えていた矢先、社長の高木さんがこんな構想をぶち上げたのである。

 

「諸君、わが765プロの更なる発展の為、そしてアイドル活動の裾野を広げる為、原石の発掘とそれに付随する新事業…題して、39プロジェクトを始動する事にしたぞ!」

 

…正直に言えば寝耳に水である。いや正確に言えば昔からこんな風に突然アイデアを閃く(社長曰く「ピンときた」らしい)事が多々あった。その為最初こそ「また始まった」程度にしか捉えていなかったのだが、詳細を深掘りしてみるとこれがとんでもない大計画。別にアイドルのスカウトそれ自体には反対しないが、いかんせん計画が巨大すぎるのと既存メンバーが成長中なのである。そんな中で新規を迎える余裕、あるいは必要があるのか。寧ろ既存メンバーの足場固め、更なる飛躍に尽力すべきなのではないか。そう思わずにはいられなかったのである

 それを真正面から唱えた為会議は難航を極めた。同期にして私の知己である新堂がなまじ「ある意味これはチャンスだ。多少負担が増えるとしても、僕はこの計画に賛成したい」と唱えたものだから余計荒れる。

 

「繰り返すが、僕は新しい子をスカウトする事自体に反対はしていない。ただ、それに付随する計画があまりにも急だし壮大過ぎると言うのだ。半端に育って大失敗のリスクがあるくらいならその子たちの為にもならない。今はじっくりと既存の強化に努めるべきだ」

「春香たちももう一人前だ。どこに出しても恥ずかしくない自信がある。無論君にとってもそうだろう。だからこそ、だ。日々のお姉さん、芸能界における先輩、ゆくゆくはライバルとして。春香たちの更なる成長に役立てるという意味でも、後輩を迎え入れ、その子たちと一緒に新時代を築く。それはそれで大きな夢で良いじゃないか?」

 

 会議室のみならず帰りの車内、居酒屋の席上、そして自室をも使った議論は文字通り三日三晩、いやそれ以上に渡った。だが最終的には新堂とのこんなやりとりで押し切られ、計画を始動させる事となったのである。

 

「俺はな、辰馬。この計画を社長や今いる皆とだけじゃなく、お前とも一緒になって成功させたいと思ってる。お前の努力は本物だ、そうでなければ千早ちゃんや貴音はあそこまで成長してないし伊織も丸くなってない」

「そうかもしれんが…」

「優しいんだよな。アイドルと言っても殆ど齢10代とかそこらの子だ。広くて苦労するこの世界をほとんど知らない。あずささんだってそんなに知ってるかと言えばそうじゃない。だけど、どんな理由であれ夢を追いかけてこの世界に飛び込んできた。だから苦労もいとわないんじゃないか?まあ、千早ちゃんの事も真正面から受け止めたお前だから、そんな苦労をまたしたくない、かけさせたくないと思ったのかもしれないが」

「むう…」

「ただ、さ。それでもなお乗り越えて飛び込もうとするのなら、それを正しく導いてやるのが俺たちの役目だろう?大丈夫、一人で届かないからこそ一人も手放すつもりはない」

「…良心に恥じぬという事だけが」

「我々の確かな報酬である、だろ?セオドア・ソレンソンの名言だ。学生時代からよく使ってきたフレーズだよ」

「俺たちが盾となり、そして光となる、と?」

「そんな仰々しくは考えていないさ。ただ、一緒になってみてみたい景色がある、それだけだよ」

「……可能性に、賭けてみるか」

「決まりだな。ありがとう、またお前と一緒にやれることを誇らしく思うよ」

 

 

「我ながら友人の頼みを断れない人間だよなあ…」

 終わりかけの提出書類を片付けながら、私はそうぼやいた。とはいえ計画はすでに始まった。劇場は既に完成して(流石の新堂もそれには驚いていた。なんでも最重要機密として誰にも知らせていなかったらしい)おり、今日はこれからその下見(と宣伝を兼ねたポスター貼り付け)を行う。そしてスカウト方法の決定と、それから…

 

「またプロデューサー殿は難しい顔をして…何かお悩み事ですか?」

 

 思考の螺旋の渦中に、ふと溌溂とした声が響く。聞きなれたその声に予測を立てて振り返ってみると、やはり予想した通り…頼れる眼鏡っ子アイドル、秋月律子その人だった。

「全くその通りだ。社長の難題を片付けたからこそ、他の難題が出てきたというものだよ」

 秋月律子。セルフプロデュースにも長ける765オールスターズの一員。普段はアイドルとして過ごしているが、時折こうして私達の仕事の手伝いもしてくれる。本人曰く「将来のキャリアの選択肢として、ですよ」との事。流石はできる女性である。

 

「39プロジェクト、ですか。大言壮語というか、誰よりもビッグボスというか…」

「劇場をこさえていたという事は初めからそのつもりでいた、という事だからな。丸め込まれる事まで想定されたら、こちらはもう黙って付き従うしかない」

「博打に乗っかるだなんて珍しいですね」

「律子に言われたくはないさ。いの一番に『後輩と切磋琢磨するのは悪い事ではないですし、何よりも新しい劇場でライブをしてみたいです』と口火を切ったのは君だろう」

「新しい風に乗っかるというのも、存外気持ちのいいものですよ」

「そういう事か…。ところで、だ。一つ相談したい事がある」

 私は彼女と向き合い、胸中にある相談したい事を告げた。

 

 

「なるほど。アイドルを選ぶにあたって、私達の中から誰かを選考官として同席して欲しい、と」

「僕らも人の子だ。どうしても贔屓目が出る。ただ、より実情を知る君たちならばそれを抑えつつ問いかけが出来るだろう?」

「…本気で飛び込む覚悟があるか、と?」

「そこまで本音をぶつけろとは言わないさ。ただある程度覚悟というか、やるなら頂点を目指して欲しいとか仕事を楽しんで欲しい、とかを求めてその答えを聞きたいだけさ」

「なるほど…。分かりました。それならこの秋月律子、全力を以て協力いたしましょう!」

「お、おお…。ありがたいが、本当にいいのか?」

「勿論ですとも。これもいつかの備えの為ですし。あ、そうだ。その言い方ですと、他のメンバーも同席する、という感じでしょうか?」

「選考にか?いや具体的に何名までとかは決めていないな。都度柔軟に、ってのを考えている」

「ふむふむ…分かりました。皆にも声をかけてみますね」

「ありがとう。よろしく頼むよ」

「ところでプロデューサー、そろそろ劇場の下見に行く時間ですが、書類は大丈夫ですか?」

「問題ないよ。散々言われてるからな」

 

「「タスクは余裕を持って片付けよう」」

 

 

 1時間後。魚谷と律子、そして髙木社長と音無さん、別件から合流した新堂の5名は都心臨海部に完成した劇場を訪れていた。大宮や横浜、幕張にある巨大ホールには及ばないものの、定期公演を行うには十分な大きさかつ真新しさを感じさせる劇場である。

「どうだ、素晴らしいだろう?ここでアイドル諸君はなりたい姿を演じ、仲間と切磋琢磨し、そして己の夢に向かって飛び立つのだよ」

「大きいですね…ここからどんなアイドルが巣立つのか、今から楽しみです」

「千里の道も一歩より。そして僕らもダイヤの原石を掘り出し、それを精一杯磨いていかなければならない。気合を入れていこう」

「魚谷P(プロデューサー)の言う通りですね。私も気合が入ります!」

「うむ、気概があってよろしい。私も可能な限り援助する、皆でより良い765プロを作っていこう!」

 

「それでは魚谷君。ポスターだけよろしく頼むよ」

「申し訳ないです、本当は私もお手伝いしたかったのですが…」

「新堂や社長と一緒に事務員さんの面接なら仕方ないですよ。ただでさえ猫の手も借りたいこの状況、まして律子が自分からとはいえ手伝いをしている状況はよろしくないですし。その代わり、ちゃんと見極めてくださいね?」

 新堂への問いかけも含め、彼は後を頼むというメッセージを託した。勿論という様に新堂は頷き、2人は「では行ってくるよ」と手を振って劇場を後にした。ちなみに律子は雑誌インタビューとの事で直接現場に乗り込んだ為、今この場にはいない。

「さて、やりますか」

 

『39プロジェクト始動!アイドル募集中!』

シンプルだが一番メッセージ性が強いポスターである。魚谷はパンと頬を叩き、各部へのポスター貼り付けを開始した。

 

「ざっとこんなものかな。しかし、結構広くて苦労するな…」

一時間後。彼は貼り付けをどうにか終え一息ついていた。外部から目に付く所に貼るので、とにかく数が多かったのである。だがその効果は、ある意味すぐ現れる事となる。

 

「あっ!!あそこの新しい建物、なんかの劇場になったんだ♪ えっと、39プロジェクト…アイドル募集中?ええっ!?あああ、アイドルぼしゅーちゅう?」

 

 …少女は、天真爛漫で挑戦意欲旺盛だった。しかも真っすぐかつ元気いっぱいで、友人からは「太陽みたいに明るい」とか「一緒にいるとこっちも元気になる」と評判の存在だった。そして何よりも…

 

 彼女は、アイドルに憧れ、そしてアイドルになるに相応しい存在だった。惜しむらくは…

 

「って、あわわっ!?うわ~~~っ!!?」

 

 …底抜けに天然かつ真っすぐすぎる、所謂「アホの子」であった。すなわちこの時、ポスターに夢中になるあまり直前まで自分が真っすぐ自転車を運転できていなかった事に気付かなかったのである。そしてその先には…

 

「…ん? むっ!?お、おおおおおお!???」

 丁度ポスターを貼り終えて一息ついていた、魚谷その人がいた…。

 

 

「あいたたた…ご、ごめんなさい!あのっ、大丈夫ですかっ!?」

「あ、ああ…なんとか大丈夫だよ」

 なんとか回避したとはいえ、自転車に乗った女の子が目の前に突っ込んでくるのは予想外。まったくどんな戯け者だ…と見てやれば。サイドテールにピンク基調の服を来た、いかにも元気そうな女の子だった。そして…

 

「あのあの、本当にごめんなさいっ!私、ポスターが気になって、よそ見しちゃって…」

「…ポスター?ああ、これの事かな?」

 彼女の口から出た「ポスター」。一瞬なんのこっちゃ、と思ったがすぐに合点がいった。なるほど、アイドル募集のポスターの事である。少女は元気よく返事をすると、彼に「…あの、アイドルを募集してるんですか?」と尋ねた。

「ん?そうだね、丁度今日から募集を始めたんだけど…もしかして、アイドルに興味があるのかな?」

「興味、あります!アイドルって、なんか、かわいくって、わーって感じですよね!歌もダンスもピカピカで!観てて、元気になっちゃうっていうか…♪」

 彼女は食い気味に、そして語彙力不足ではあるが彼女なりに、アイドルの魅力を語ってくれた。彼もプロデューサーの端くれである。言わんとする事は分からないでもない。アイドルはビジュアル、歌、そしてパフォーマンスのいずれか、またはそれを複合させてファンに何かしらの感動や応援をもたらす。この少女もまた、その感動を受けた一人なのだろう。

 そしてその様子を見ていた彼は、はっと確信した。

 

「この子は、アイドルになるべくしてここにやって来た」と。

 

 …彼は直感をあまり信じない性格である。データや実績を重んじ、基礎から応用、そして発展という過程を何事においても積み重ねてきた人間だ。だが、本当に不思議な事だが、彼が時折信じる直感は見事に当たる…というか、後々に良い影響や結果をもたらすのである。

(もしかしたら、今回もそうなのかもしれない。発言から感じられる明るくて面白い性格。何より自然と出てくる笑顔は、アイドルの基礎基本として大事な要素だ。これはもしかすると、もしかするかもしれない…)

「失礼、お名前を聞いても良いかな?」

 少女はしまったという顔をして、彼に名前を告げる。

 

「私、未来って言います!春日未来、14歳です!」

 

(春日未来、か…。この底抜けに明るい性格、誰にも劣らない笑顔。春香と出会った時を思い出すな…。だとしたら)

「未来ちゃんだね、ありがとう。もしも良かったら…オーディション、受けてみない?」

 

 体感数秒。そして、少女―春日未来―は、驚きの声を上げた。

「ええっ!?お、オーディションって…私が、ですかぁっ!?」

「うん、直感だから確かな事は言えないんだけど…君なら、アイドルになれそうな気がするんだ」

 

 未来は嬉しかった。

 幼少期よりテレビっ子だった未来にとって、アイドルは憧れだった。常におもちゃのマイクでリサイタルを催し、友人と遊んだり家族と出かける時にはとにかく「カラオケに行こう」とねだり、憧れのアイドルの曲を歌う女の子だった。彼女にとってアイドルとは日々を彩り、そして自分に元気や感動を与えてくれる「かけがえのない存在」だった。

 そんなアイドルに、自分がなれるかもしれない。この男の人についていけば、トップアイドルになって、誰かにとっての今の自分―励まされる存在―になれるかもしれない。

 ならば、選択肢はただ一つ。ある意味即断即決な彼女にとって、答えは言うまでもなかった。

 

「えっと、えっと…い、行きます!絶対行きます!」

 チャンスがあるならつかみ取れ。本気で悩んで、それでも躊躇わないならその道へ進め。彼女の父、そして母の教えである。そして今、彼女はそれを実践に移した。

「よし、分かった。そうしたらこの書類を渡すから、必要な事項を記入して当日オーディション会場に持ってきてほしい。お父さんかお母さんの承諾も貰ってね」

「はいっ、分かりました!でへへ、オーディションかぁ…」

「当日は楽しみに待ってるよ」

「はいっ、ありがとうございます!それでは失礼します!」

 書類を受け取ってかごにしまい、意気揚々と漕ぎ出す未来。そして何かを思い出したのか「あっそうだ!」とブレーキをかけ、次の問いかけをする。

 

「すみません!えっと…プロデューサーさん、ですよね?」

「そうだね。…っと、そういう事か。名前を聞いていたのに名乗りを忘れていたね。申し訳ない」

 

「僕は魚谷、魚谷辰馬。765プロダクションのプロデューサーだ。またオーディションでお目にかかろう」

 

 

「春日未来、か…なるほど。直感というのも、案外面白いんだな」

「魚谷さん、か…頼もしそうなプロデューサーさんだったな…よおし、オーディションに向けて、いろいろと準備しなくっちゃ!」

 

 後に「ミリオンのセンター」と呼ばれるトップアイドル、春日未来。後世において「豪腕魚谷」と呼ばれるプロデューサー。

 今はまだ、その道の始まりに過ぎない。だがこの二人、そして彼らを取り巻くまだ見ぬ最高の仲間たちが、後に幾度もの奇跡や感動を巻き起こす事になるのだが…。それはまだ、先のお話である。




未来ちゃん、そして彼女を演じるぴょんさんこと山崎はるかさん。
元気いっぱい、そして誰よりも真っすぐな彼女らこそ「大黒柱」でありましょう。
次回の更新は未定ですが、週末のライブ明けに一話投稿できればと思います。
もしよろしければコメントやお気に入り登録のほど、よろしくお願いいたします。
それでは。


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