五つ子のガールズバンド (ローマン)
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始まりの音




 需要があるのか分かりませんが、五等分の花嫁原作での女オリ主があまり無かったのと、新作アニメが楽しみということで描きました





 

 

 

先生「今日からこのクラスに新しい仲間が増えることになった! さぁどうぞ!」

 

 

 

 お〜! この流れは転校生かな?

 

 あ、私の名前は星野麗音(ほしの れいん)

 

 旭高校の2年生で、将来の夢はシンガーソングライターだ

 

 まぁ、自己紹介はそこそこにして、今日はうちのクラスに転校生がやってきたんだ!

 

 

 

男子A「なぁ、あの制服って黒薔薇女子の…!」

 

男子B「黒薔薇ってあのお嬢様学校の…!?」

 

 

 

 男子たちからの反応は良さそうだね

 

 確かに転校生は目立たなさそうな感じだけど、普通に整った顔立ちをしてるし可愛いと思う

 

 

 

先生「それじゃあ、自己紹介してもらう。」

 

三玖「中野三玖です、よろしくお願いします。」

 

先生「それじゃあ…中野さんは窓側にある席に座ってくれ。」

 

 

 

 窓側にある席って…私の隣じゃん!?

 

 まぁ、最初は不安なこともあるだろうし、私から積極的に話しかけてみますか!

 

 

 

麗音「私、星野麗音! 中野さん、よろしくね!」

 

三玖「…よろしく。」

 

 

 

 あれ? 思ったより反応悪いなこの子

 

 あんまり人とは関わらない感じなのかな?

 

 

 

麗音「三玖ちゃんってヘッドホンかけてるね、音楽聴くの好きなの?」

 

三玖「嫌いじゃないけど、あんまり音楽聴くのに使ってない。」

 

麗音「へ? じゃあ何に使ってるの?」

 

三玖「ゲームとかするのに。」

 

麗音「あ〜、なるほど。」

 

 

 

 ゲームか〜

 

 あんまり私はやらないからな〜

 

 中野さんはシューティングゲームとか上手そうだな

 

 

 

三玖「星野さん、もしかして友達居ないの?」

 

麗音「え!? い、居ますよ〜!! たまたま中野さんと話してるだけで…」

 

三玖「じゃあ、その友達たちの所に行けばいいのに…なんで私に関わるの?」

 

麗音「なんでって言われてもな〜、気になる転校生だし、仲良くなりたいな〜って思ったから。」

 

三玖「ふぅ〜ん。」

 

 

 

 中野さんは興味なさそうな声を上げると、席を立ってしまった

 

 その後話しかけようとしたけど、中野さんの姿を見つけられず、そのまま放課後を迎えてしまうのであった

 

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

 

?「麗音ちゃ〜ん!!」

 

麗音「お〜! 美優〜!」

 

 

 

 この子の名前は水橋美優(みずはし みゆう)

 

 私の友達で、大人しそうな見た目に反して水泳部のエースである子だ

 

 

 

美優「今日は路上ライブやるの?」

 

麗音「うん、今日はやろうと思ってるよ! 一緒にやる?」

 

美優「うん! やるやる!!」

 

 

 

 まだ明かしていなかったが、私たちは地元の駅前などで弾き語りライブを行なっている

 

 最近では著名なライブハウスに呼ばれたりと、勢いをつけつつあるが、今年いっぱいで解散しようと2人で決めている

 

 

 

麗音「さてと、曲はどうしよっか?」

 

美優「私、【マリーゴールド】がやりたいかな。」

 

麗音「あ〜、あれか〜! 良い曲だよね!」

 

 

 

 ちなみにマイクは、近所の楽器店から一時的に借りてきたものを使っている

 

 

 

麗音「麦わらの〜♪」

 

美優「帽子の君が〜♪」

 

 

 

 そういえば、この曲は私たちが初めて歌った曲だったなぁ

 

 もうこの2人で出来るのもそんなに長くないのか…

 

 即興で歌ったから、立ち止まったお客さんはまばらだったけど、この時間が永遠に続いてほしいなとも思う

 

 

 

麗音「さてと、そろそろ帰ろっか。」

 

美優「そうだね。」

 

?「さっきの歌、すっごく良かったです!!」

 

麗音「お〜、ありがとね〜…ってその制服、旭高校!?」

 

美優「あれ? 四葉ちゃん!?」

 

?「もしかして歌ってたの水橋さんだったんですか!?」

 

美優「そうだよ、それとこっちのギターの子と2人でね。」

 

麗音「凄い〜、2人と…そっちの子は同級生なの?」

 

?「あはは、私のことはたぶん分からないよね〜…?」

 

 

 

 話しかけてきたのは、よく似た顔の2人組で、片方はショートヘア、もう1人はボブカットに緑のリボンをつけた子だった

 

 

 

一花「自己紹介するね、私は中野一花!」

 

四葉「中野四葉です! よろしくお願いします!!」

 

麗音「星野麗音、よろしくね!」

 

美優「水橋美優です、よろしくね。」

 

麗音「あれ…? 中野ってもしかして…」

 

四葉「どうかしましたか?」

 

 

 

 いや、まさかね…

 

 あの中野さんと姉妹なわけ…

 

 

 

一花「こういうの弾き語りって言うんだっけ? いつもここでやってるの?」

 

麗音「まぁ、確かに駅前では結構やってるかな〜。」

 

美優「さすがに毎日はやってないけどね。」

 

四葉「次やる時は教えてください!! 私たちまた観に来ますので!!」

 

麗音「お〜! ありがとね〜!!」

 

一花「そうだ、これ私たちのメアドだよ、良かったら交換しよう!」

 

美優「そうだね!」

 

 

 

 こうして私たちは、中野さん姉妹とメアド交換をしたのであった

 

 

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

 〜翌日、学校〜

 

 

 

 

麗音「あ、お昼忘れた。」

 

 

 

 しまった〜!! 朝、譜面の管理してたから、きっとそれのせいで忘れちゃったんだ〜!!

 

 お金、全然持ってきてない〜…

 

 そうだ、中野さんってお昼どうするんだろ…?

 

 

 

麗音「な、中野さん…?」

 

三玖「なに?」

 

麗音「良かったらさ〜、私とお昼食べない?」

 

三玖「遠慮しとく、もう食べる人いるから。」

 

 

 

 え、本当に〜…!?

 

 まだ私以外と話してるの見たことない気がするんだけど…

 

 

 

麗音「じゃあ、その友達と一緒に食べてもいい?」

 

三玖「いいよ、けど…友達じゃない。」

 

麗音「え…?」

 

 

 

 中野さんの友達じゃない発言

 

 その謎は、この後明かされる…

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

 〜学食〜

 

 

 

 

麗音「何にしよっかな〜?」

 

 

 

 と言っても私、学食ほぼ来たことないからよく分かんないんだよね〜

 

 何かおすすめのやつにしようかな

 

 

 

?「焼肉定食焼肉抜きで!」

 

おばちゃん「はいよ。」

 

 

 

 ん? 今なんて言った!?

 

 焼肉定食の焼肉抜き!?

 

 それって美味しいの…?

 

 

 

麗音「あの〜?」

 

?「ん? 俺か?」

 

麗音「さっき君が頼んだのって…?」

 

?「焼肉定食焼肉抜きだ、お前もこの学食の最安値のメニューを知りたいか?」

 

麗音「さ、最安値…?」

 

 

 

 あ、この子確か、隣のクラスの上杉風太郎くんだよね?

 

 学校一の秀才で、友達が1人も居ないってことで有名になってるあの子だ

 

 

 

麗音「まぁ、安く済むなら話を聞いてあげてもいいかな?」

 

風太郎「よしいいだろう、まず質問だが…この学食で1番安いと思うメニューは何だ?」

 

麗音「まぁ、ライスじゃないの?」

 

風太郎「そう思われるが実は違う、焼肉定食から焼肉皿200円を引くと、ライス単品の値段で味噌汁とおしんこが付くんだ!」

 

麗音「なるほど…!! それは知らなかった…!!」

 

風太郎「気になるなら頼んでみろ、あそこのおばちゃんは優しいからよ。」

 

麗音「そっか! じゃあ早速頼んでみるよ!」

 

 

 

 上杉くんは用事があったみたいで、すたすたと行ってしまった

 

 

 

麗音「おばちゃん! 焼肉定食焼肉抜きで!!」

 

 

 

 この時の私はまだ知らない

 

 上杉くんと、同じ名字の中野さんたちと関わっていくことを…

 

 

 

 

 

 







 私、恋愛モノじゃない音楽系なら意外と描けることが分かりました笑

 ちなみにオリ主と風太郎の恋愛要素はありません





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五つ子の姉妹




 第2話です

 GW中はバーベキューして水族館行ってアニメ見まくってました笑






 

 

 

 

麗音「あ、中野さん居た!」

 

三玖「…まだ探してたんだ。」

 

麗音「急に居なくなっちゃったからびっくりしたよ〜!」

 

三玖「結構少食?」

 

麗音「お昼作るの忘れちゃって、お金もそんなに持ってなかったんだ、でもある子のお陰で安く買えたんだよ。」

 

三玖「ふ〜ん。」

 

 

 

 ふ〜んって…

 

 興味心が少ないよ〜、中野さん

 

 

 

麗音「中野さんは、サンドイッチと…何これ?」

 

三玖「抹茶ソーダ。」

 

麗音「抹茶…ソーダ…?」

 

 

 

 す、凄い組み合わせだね…

 

 

 

三玖「レインも飲んでみる?」

 

麗音「いや私は…って中野さん今なんて言った!?」

 

三玖「飲みたいかって…」

 

麗音「その前! 今、私のこと名前で呼んだ!?」

 

三玖「うん、呼んだ。」

 

 

 

 お〜…! あの何にも興味ない中野さんが…!

 

 なんか感動…!

 

 

 

三玖「あそこの席だよ。」

 

麗音「ここか〜…って!?」

 

一花「あれ〜? 麗音ちゃんじゃん!」

 

四葉「昨日振りですね!」

 

麗音「て、てことは中野さんたちは…」

 

三玖「うん、五つ子。」

 

麗音「……!!」

 

 

 

 私は驚きのあまり、声が出なかった

 

 五つ子って存在するの!?

 

 そう思った瞬間だった

 

 

 

?「ちょっとあんたたち、この子と知り合いなの?」

 

麗音「あはは、君とは初めましてだね、星野麗音、よろしくね。」

 

二乃「中野二乃、五つ子の次女よ、よろしく。」

 

 

 

 あれ? 中野さんたちって五つ子なんだよね?

 

 あと、1人はどこだろう?

 

 

 

?「お待たせしました。」

 

風太郎(友達と食べてる〜!?)

 

 

 

 これが最後の子か、それと上杉くんも来てるけど席が空いてなかったのかな

 

 

 

?「すみません、席は埋まってますよ〜?」

 

 

 

 上杉くんはぐうの音も出なかったらしく、その場を去っていった

 

 その様子を見て、長女の中野さんは席を立っていったが…

 

 

 

?「おや? 二乃の知人ですか?」

 

二乃「あたしじゃなくて三玖のよ。」

 

三玖「同級生。」

 

麗音「星野麗音、よろしくね。」

 

五月「中野五月です、よろしくお願いします。」

 

 

 

 へ〜、凄い礼儀正しい子だ

 

 って、めっちゃ学食の量多くない!?

 

 

 

四葉「あれ? 一花は?」

 

麗音「さっき、上杉くんについていったよ。」

 

四葉「それは気になる〜…私も話してきますね!」

 

 

 

 あ、今度は四女が…

 

 

 

麗音「それで中野さん…」

 

二乃「中野さんだと…私たち全員が当てはまっちゃうのよね。」

 

麗音「あ、そっか。」

 

 

 

 確かにそうだ!

 

 私が中野さ〜ん!って呼んだら、同時に5人も振り向いちゃうじゃん!!

 

 

 

麗音「それじゃあ…二乃ちゃんでいいかな?」

 

二乃「えぇ、別に構わないわ。」

 

三玖「あ、一花戻ってきた。」

 

麗音「上杉くんと何話してたの?」

 

一花「え〜? 五月ちゃんが狙いなのかな〜って聞いたんだよ。」

 

五月「ブフッ…!」

 

 

 

 その話を聞いてた五月ちゃんが、盛大にむせた

 

 

 

五月「ちょっ!? 何を聞いてるんですか!?////」

 

一花「だってあのガリ勉くんなら、五月ちゃんみたいな真面目そうな子好きそうだな〜って思ったんだもん!」

 

五月「よ、余計なお世話です!!////」

 

 

 

 五月ちゃんは真っ赤な顔をして、昼食のうどんをすすっていた

 

 

 

一花「そうだ、せっかくだから2人も麗音ちゃんとメアド交換しときなよ!」

 

二乃「まだ会ったばかりよ?」

 

麗音「まぁ、嫌ならいいけどね。」

 

二乃「別にそうは言ってないわ、三玖の友達なんだし。」

 

五月「私もどうぞ。」

 

 

 

 そして、新たに二乃ちゃんと五月ちゃんともメアドを交換した

 

 

 

麗音「あれ? 1、2、3、4…あと1人やってないよ?」

 

五月「四葉ではないのですか?」

 

一花「四葉は昨日、私たちと交換してるから…」

 

 

 

 あ、分かった

 

 交換してない相手…

 

 

 

三玖「…? 何?」

 

二乃「アンタじゃないの…」

 

三玖「忘れてた。」

 

麗音「あはは…」

 

 

 

 意外と天然なのかな、三玖ちゃんは

 

 こうして私は、中野家の五つ子とメアドを交換したのだった

 

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

一花「麗音ちゃ〜ん!」

 

麗音「お〜、一花ちゃん!」

 

一花「今から帰り? 一緒に帰ろう!」

 

麗音「いいよ!」

 

一花「麗音ちゃんは部活入ってるの?」

 

麗音「私は入ってないんだよね〜。」

 

 

 

 今の時代は、絶対に部活に入らなくてもいいのだ

 

 それでも、成績には関わるからやる人の方が多いけどね

 

 

 

麗音「今日は妹たちと帰らないの?」

 

一花「二乃と三玖と五月ちゃんは先に帰っちゃったから、居るとしたら四葉かな?」

 

四葉「星野さ〜ん!!」

 

麗音「お、噂をすれば何とやら…」

 

美優「一緒に帰らない?」

 

 

 

 やってきたのは、四葉ちゃんと美優ちゃん

 

 あれ? 2人って接点あったっけ?

 

 

 

四葉「私たち、同じクラスなんですよ〜!」

 

美優「たまたま隣の席同士でね、いざ話してみたら凄い仲良くなったんだ!」

 

一花「四葉は運動神経いいからね、話が合う部分があるのかも。」

 

四葉「今日もやっていきますか?」

 

一花「四葉、今日は家庭教師の先生が来る日だよ?」

 

四葉「あ〜! 忘れてた〜!」

 

麗音「ま、時間が出来たらまた駅前でね。」

 

美優「そうだね。」

 

 

 

 こうして、私たちと一花ちゃん四葉ちゃんは別れたのだった

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

麗音「今日はありがとね!」

 

美優「大丈夫だよ、私の趣味みたいなものだし。」

 

 

 

 今日は、美優のお家にお邪魔させてもらってる

 

 一人暮らしだからか、美優は料理が上手い

 

 そして作る料理の味も美味いのだ

 

 

 

麗音「これはカルボナーラって言うんだっけ? スパゲッティの種類の名前って覚えられないんだよね〜。」

 

美優「分かるかも、ナポリタンとかペペロンチーノとか聞き慣れないワードだもんね。」

 

 

 

 そして、美優の作ったカルボナーラを食べていると…

 

 

 

美優「そういえばさ、五つ子ちゃんたちが転校してきた理由知ってる?」

 

麗音「何でだろうね? 親の転勤とかかな?」

 

美優「それがね…前の学校で成績が振るわなくて転学してきたらしいんだよね…」

 

麗音「そうなんだ〜。」

 

美優「あれ? そんなピンと来てない?」

 

麗音「学業って確かに大事だけどさ、勉強が出来ないからって下に見られるのはどうかと思うんだよね、別に頭が悪くたって生きていけないわけじゃないんだし。」

 

美優「確かに、英語とかも日本に居続けるなら別に使わないだろうしね。」

 

 

 

 学生なのに私たちは何てことを言ってるんだと、後々になって後ろめたさが出てきたが、こういう話題も悪くない

 

 なるほどね、それで家庭教師の先生が来るってことだったんだ

 

 

 

麗音「あ、電話だ、ちょっとごめんね。」

 

 

 

 私は電話に出るべく、美優の家の外に出た

 

 電話の相手は父さんからだった

 

 

 

父【今日は遅れるのか?】

 

麗音「そうだよ。」

 

父【全く…あれほど門限を守れといつも言っているだろう。】

 

麗音「そろそろ帰るから…」

 

 

 

 最近、父との距離が開いてきた気がする今日この頃

 

 たぶん、私がシンガーソングライターになりたいって言い出した辺りからだろうな

 

 父さんは、老舗の自転車専門店を経営している、将来、私がそこを引き継ぐことになっていたそうだが、私は音楽を仕事にしたいと反対した

 

 なんなら上京して、音楽の勉強もしたい…! そう想いを伝えても父さんは断固として首を縦に振らなかった

 

 母さんは私の好きなことを優先してくれると言ってくれたが、父さんの許可が降りなければなぁ…

 

 音楽の道が厳しいことなのは、年上の人にも大勢居たから知っている、でも、それほどのリスクを背負ってでも私は音楽をやりたい!

 

 だから…!

 

 

 

美優「麗音ちゃん、電話は終わったの?」

 

麗音「わっ!? 美優!?」

 

美優「そこにずっと立ってると風邪引くよ?」

 

麗音「あはは、そうだね…あとさっき電話で帰ってこいって言われたから。」

 

美優「そっか、じゃあまた明日ね!」

 

麗音「うん、じゃあね。」

 

 

 

 はぁ、明日はどんな風が吹くのかなぁ…?

 

 

 

 

 

 







 さぁ、次回はどんな風が吹くでしょう…?





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果たし状と責任




 昨日は五等分の花嫁記念日だったそうです

 日付は1年を五等分した日なんだとか…!

 今回はアニメで言う2話のお話です、こんな小説にもお気に入りやしおりをくれる方が居てくれて嬉しい…! 頑張ります…!





 

 

 

三玖「おはよう。」

 

麗音「おはよう! 今日は遅かったね。」

 

三玖「うん、足止めされたから。」

 

麗音「何? 先生に注意されたの?」

 

三玖「違う、フータローに。」

 

麗音「フータローって…上杉くんに!?」

 

 

 

 上杉くんってナンパとかするキャラだったんだ…

 

 そんなイメージ全くなかったんだけどな〜…

 

 

 

三玖「しかも、フータローは私たちの家庭教師だった。」

 

麗音「え!? 家庭教師だったの!?」

 

 

 

 さすが学年一位の秀才…!

 

 けど、その生徒が三玖ちゃんたちって…そんなことあるんだ

 

 

 

三玖「レインは勉強得意?」

 

麗音「う〜ん、国語と英語だったら得意かな? あとはそんなに出来ない。」

 

三玖「そっか。」

 

 

 

 うん? 何の質問だったんだ…?

 

 

 

先生「お前ら〜、席につけ〜。」

 

 

 

 あぁ、今日は1時間目から社会か〜…

 

 苦手なんだよなぁ…

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

 そんなこんなでお昼休み…

 

 

 

風太郎「よ、よぉ、三玖。」

 

麗音「あ、上杉くん! こないだはありがとね!」

 

風太郎「え? あ、あぁ、2人とも今、昼ご飯か?」

 

麗音「そうだけど?」

 

風太郎「え〜っと、350円のサンドイッチに…ん?」

 

 

 

 お、上杉くんも気になったみたいだね

 

 

 

麗音「それはね、抹茶ソーダって言うんだよ!」

 

風太郎「抹茶…!? 逆に味が気になるな…」

 

三玖「意地悪するフータローには飲ませてあげない。」

 

 

 

 上杉くん、あんまり五つ子から良く思われてないのかな?

 

 なんだか、距離置かれてる感じだし

 

 

 

風太郎「1ついいか? 今朝の問題なんだが…」

 

三玖「…!」

 

 

 

 三玖ちゃんが何かを言いかけたその時…!

 

 

 

四葉「上杉さん!!」

 

風太郎「よ、四葉!?」

 

 

 

 わぉ…! 元気だね!

 

 

 

四葉「これ見てください!! 英語の宿題…全部間違えてました〜!!」

 

 

 

 四葉ちゃんよ…それは笑顔で言うことではない…

 

 

 

一花「ほら、邪魔しちゃ悪いよ。」

 

四葉「そうだ! 一花も勉強見てもらおうよ!」

 

一花「私はパスかな〜、ほら私たちバカだし。」

 

風太郎「お前、だからって…」

 

一花「それにさ、高校生活勉強だけなのってどうなの〜? もっと恋とかしたくないの?」

 

風太郎「恋…!」ゴゴゴ

 

 

 

 ふぁ…? 上杉くんから黒いオーラが…!

 

 

 

風太郎「あれは学業から離れたもっとも愚かな行為だ、そいつの人生のピークは学生時代となるだろうがな。」

 

一花「この拗らせ方…!」

 

麗音「完全に手遅れだ…!」

 

四葉「いや〜、恋したくても相手が居ないんですけどね、三玖はどう?」

 

三玖「…! い、居ないよ…!」

 

麗音「あ、三玖ちゃん。」

 

 

 

 三玖ちゃんは顔を赤らめると、そそくさとどこかへ行ってしまった

 

 

 

麗音「あの表情…!」

 

四葉「姉妹の私には分かります!」

 

一花「間違いないね!」

 

一花&四葉&麗音「三玖(ちゃん)は恋してるね(ます)!!」

 

 

 

 そしてお昼を食べて教室に戻ると、何やら三玖ちゃんが机の上でガサガサしてる

 

 

 

麗音「何やってるの?」

 

三玖「ひ、秘密…////」

 

 

 

 ほほう〜、分かっちゃったぞ〜!

 

 三玖ちゃんは、上杉くんにラブレターを書いてるんだな?

 

 

 

三玖「これ、フータローの机に入れてくる。」

 

麗音「ふふっ、いってらっしゃい。」

 

 

 

 さてと、授業まではまだ時間あるし、私は新曲の構想でも練ろうかな〜

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

 〜翌日〜

 

 

 

麗音「三玖ちゃん、おはよう。」

 

三玖「おはよう。」

 

 

 

 あれ? 思ったよりリアクション薄いな

 

 もしかしてフラれちゃった?

 

 

 

三玖「今朝登校したら、こんなものが…」

 

麗音「うわ…何これ!?」

 

 

 

 三玖ちゃんの机に入れられてたのは、墨で西昇降口で待つと書かれた紙だった

 

 しかも差出人は上杉くん!?

 

 

 

三玖「昨日、戦国武将の知識で負けたことがよっぽど悔しかったんだろうね。」

 

麗音「へぇ〜、三玖ちゃん、戦国武将に詳しいんだ。」

 

三玖「だ、誰にも言わないって約束できる…?」

 

麗音「え? うん、いいけど?」

 

 

 

 戦国武将が好きなこと、周りには隠してるのかな?

 

 この感じだと、姉妹にも明かしてない感じだな

 

 

 

三玖「放課後、フータローの所に行ってくる。」

 

麗音「ええっ…何かヤバそうだよ?」

 

三玖「フータローのことだから、また戦国武将の知識で勝負したいんだと思う。」

 

 

 

 三玖ちゃん…ご武運を…!

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

 〜翌日の放課後、図書室〜

 

 

 

風太郎「はぁ…残り4人もお前くらい前向きならな…」

 

四葉「声はかけたんですけど…」

 

風太郎「それと、何で星野はここに居るんだ?」

 

麗音「お、名前覚えてくれたんだ、ありがとね! そうだなぁ〜、人を待ってるって言えばいいかな?」

 

四葉「あ…! 上杉さん、残り4人じゃなくて…」

 

三玖「…////」

 

四葉「3人ですよ!」

 

麗音「ねっ! 三玖ちゃん!」

 

風太郎「おぉ…! 来てくれ…たのか…?」

 

 

 

 上杉くんが声をかけようした時、三玖ちゃんは方向を変えて本棚の方へ歩いていってしまった

 

 本棚の前まで来ると、一冊の本を取り出し、パラパラとめくり始める

 

 

 

三玖「フータローのせいで考えちゃった、私にも出来るんじゃないかって、だから…!」

 

 

 

 三玖ちゃんは私たちの方を振り向き

 

 

 

三玖「責任…取ってよね…!」

 

風太郎「…! あぁ! 任せろ!!」

 

四葉&麗音「はっ…!」

 

 

 

 この時、四葉ちゃんと私はある結論に導き出した

 

 

 

麗音「三玖ちゃんの好きな人って…!」

 

四葉「もしかして上杉さんじゃ…?」

 

三玖「…!!////」

 

麗音(あれ? 今外に桜の花びらが見えたような…?)

 

 

 

 もう初秋なのに、桜…?

 

 見間違いかな?

 

 

 

三玖「ないない。」

 

 

 

 そう言う三玖ちゃんの表情は笑っていた

 

 そうか、きっと三玖ちゃんにも春が来たんだね…!

 

 

 

 

 






※作者がこの小説を描くことにした理由


 この小説描くきっかけになったのが、2年ぐらい前にあった五つ子のガールズバンドイラストなんですよね

 あれ見てたら作者の創作意欲が湧いて描いてみたというわけでございます





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異分子な音色




 遅くなったけど、五等分のテレスペめちゃ楽しみ!!

 夏休み編だから、2期と映画の間のストーリーなのだろうか…?








 

 

 

麗音「あれ? 三玖ちゃんじゃん! おはよう!」

 

三玖「おはよう。」

 

 

 

 三玖ちゃんは手にレジ袋を持っていた

 

 買い物帰りなのだろうか?

 

 

 

三玖「レイン、それは?」

 

麗音「あぁこれ? ギターケースだよ! さっき公園で弾いてきた帰りでさ。」

 

三玖「私はこれからフータローに日本史教えてもらうんだ。」

 

麗音「へぇ〜、こないだのは上手くいったみたいだね〜。」ニヤニヤ

 

三玖「べ、別にそんなつもりは…////」

 

麗音「はいはい、せっかくだし、私も三玖ちゃん家にお邪魔しちゃおうかな?」

 

三玖「え? フータロー居るよ?」

 

麗音「別に大丈夫、私は近くでギター弾いてるからさ。」

 

三玖「あ、ここ。」

 

麗音「え!?」

 

 

 

 で、デカっ!?

 

 中野家ってこんなタワマンに住んでるの!?

 

 うわぁ…これがお嬢様たちが住む家かぁ……

 

 

 

麗音「ってあれっ? あそこに居るのって…」

 

三玖「フータローだ、1人で何やってるの?」

 

風太郎「み、三玖!? それに星野まで!」

 

麗音「やっほー、上杉くん!」

 

三玖「今時、オートロックも知らないんだ、ここで私たちの部屋番入れたら繋がるから。」

 

風太郎「おぉ…! まぁ、知ってたけどな!」

 

 

 

 あはは…絶対知らなかったよね…?

 

 

 

風太郎「それと何で星野も居るんだ? お前もここに住んでるのか?」

 

麗音「私は三玖ちゃんとそこで会ったから遊びに来た感じだよ。」

 

風太郎「あのなぁ、俺は今から家庭教師を…」

 

三玖「2人とも何やってるの? 家庭教師…するんでしょ?」

 

 

 

 三玖ちゃんの言葉に我に返った私たちは、中野家のある30階を目指すのだった

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

麗音「おぉ! 広い!」

 

 

 

 凄い…! 8LDKぐらいあるんじゃない!?

 

 しかも、熱帯魚みたいなの泳いでるし

 

 部屋に着いた上杉くんは、早速皆を呼びに行った

 

 

 

麗音「さてと、私はギターでも弾こうかな。」

 

 

 

 私が取り出したのはアコースティックギター

 

 一般的に知られているのはアンプに繋いで音を出すエレキギターだけど、こっちは暖かい音色でソロでも活躍できる万能モノだ

 

 ちなみに弾き語りとかで使われるのは大体アコギ

 

 

 

三玖「レインってギターどれぐらいやってるの?」

 

麗音「もう小学生ぐらいからやってるかな? 長い方だとは思うけど。」

 

三玖「なにか大会とかは出たことあるの?」

 

麗音「あるにはあるよ、私、歌が好きだからさ、でもボーカルとして出ちゃう方が多かったんだけどね。」

 

三玖「ならこれ。」

 

麗音「ん?」

 

 

 

 三玖ちゃんがスマホで見せてくれたのは、地元のフェスのチラシの画像だった

 

 参加条件は…5人か

 

 居たとしても、私と美優で2人だもんな〜

 

 そのフェスには出られないかな

 

 

 

五月「星野さん、それは…」

 

麗音「ギター気になる?」

 

五月「えぇ、初めて見ました。」

 

麗音「ここをね、こう押さえるとジャラ〜ン♪ でこっちを押さえるとジャララ〜ン♪」

 

五月「凄い…! 音が変わりました!」

 

一花「う〜ん…何この音…?」

 

四葉「あ! 星野さんがギター弾いてるよ!」

 

 

 

 おぉ、凄い来るな…

 

 二乃ちゃんの姿だけが見当たらないが、勉強はしたくない感じか

 

 

 

風太郎「よし、これで揃ったか?」

 

四葉「準備万端です! 勉強を始めましょう〜!!」

 

一花「私もまぁ……見てよっかな。」

 

三玖「約束通り日本史教えてね。」

 

五月「私はここで自習してるだけなので。」

 

 

 

 あはは…三玖ちゃんと四葉ちゃん以外は壊滅的だ…

 

 まだまだ、課題は山積みだね

 

 

 

麗音「そういえば二乃ちゃんは?」

 

風太郎「部屋の前に行ったら、ドアきつめに閉められた。」

 

麗音「よし、それなら…!」

 

一花「ん? この曲って…!」

 

四葉「あ! 私聞いたことあります!」

 

 

 

 私がギターで弾き語り始めたのは、【前前前世】

 

 バンド演奏したら絶対盛り上がる曲の1種だ

 

 

 

麗音「やっと目を覚ましたかい〜♪」

 

一花「それなのに何故、目も合わせやしないんだい〜♪」

 

四葉「遅いよと…怒る君〜♪」

 

麗音「これでもやれるだけ飛ばしてきたんだよ〜♪」

 

 

 

 凄い、まさかハモってくるとは思わなかった

 

 やっぱ歌うの楽しいな〜!

 

 そしてこの曲のサビに差し掛かると……

 

 

 

麗音&一花&四葉「君の前前前世から僕は、君を探し始めたよ〜♪ そのぶきっちょな笑い方をめがけてやってきたんだよ〜♪ 君が全然全部無くなったってチリヂリになったって、もう迷わないまた1から探し始めるさ〜♪ むしろ0からまた宇宙をはじめてみようか〜♪」

 

 

 

 一花ちゃんと四葉ちゃん、この曲歌えたんだ…!

 

 ヤバい、楽しくなってきた…!

 

 

 

二乃「騒がしいわね、一体何をやってるの?」

 

風太郎「おぉ、二乃が出てきた…! どうだ? 二乃も一緒に!」

 

二乃「どうせ勉強でしょ? 死んでもお断りよ。」

 

麗音「今は音楽の授業してたんだよ〜? 二乃ちゃんも好きだと思うけどな〜。」プチン

 

 

 

 おや? 何だか嫌な音が…

 

 

 

五月「どうかしましたか?」

 

麗音「あちゃ〜! 弦が切れちゃった…」

 

風太郎「そ、そんな…! 星野、何とかならないのか!?」

 

麗音「替えの弦持ってきて無いしな〜、無理だね。」

 

風太郎「く、くそっ…!」

 

二乃「そうだ四葉、バスケ部知り合いが臨時メンバーを探してるんだけど、あんた運動できるんだし、今から行ってあげれば?」

 

風太郎「そ、そんなのやるわけ…」

 

二乃「なんでも5人しか居ないメンバーの1人が怪我で出られなくなっちゃったんだって。」

 

四葉「上杉さんすみません!! 困ってる人を放っておけません!!」

 

麗音「あらっ?」

 

 

 

 四葉ちゃんは、目にも止まらぬ速さで家を出ていった

 

 

 

二乃「一花も2時からバイトって言ってなかったっけ?」

 

一花「あぁいけない!!」

 

 

 

 そして、一花ちゃんも去り……

 

 

 

二乃「五月もこんなうるさい所より、図書館とか行った方がいいんじゃない?」

 

五月「…それもそうですね。」

 

 

 

 五月ちゃんも出ていってしまった

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

 

風太郎「よ、よ〜し、お前ら集まれ、授業を始めるぞ〜(棒)」

 

三玖「フータロー、現実を見て、もう誰も居ない。」

 

麗音「こりゃ大変だね〜。」

 

 

 

 でも、二乃ちゃんがどうして上杉くんをそこまで嫌うのかがよく分からないな

 

 向こうから睡眠薬を盛ってきたらしいし

 

 

 

二乃「あれ〜? 三玖〜、まだ居たんだ〜? 間違って飲んだジュース買ってきなさいよ。」

 

三玖「もう買ってきてある、授業始めよう。」

 

二乃「…ちょっとあんたら、いつからそんなに仲良くなったわけ? へぇ〜、こういう冴えない顔の男が好みなのね。」

 

風太郎「こいつ今、酷いこと言った…」

 

三玖「二乃はメンクイだから。」

 

麗音「三玖ちゃんも地味に酷いね…」

 

二乃「はぁ? メンクイの何が悪いんですか〜? 外見より中身って言いたいわけ?」

 

三玖「だったら?」

 

二乃「あんたには分からないかな〜?」

 

三玖「分かりたくもない。」

 

 

 

 ちょ、ちょっと! 喧嘩がヒートアップしてきそうだよ〜!

 

 

 

風太郎「お、お前ら、姉妹なんだから仲良くしろよ。」

 

麗音「外見とかどうとか、今はいいんじゃない?」

 

三玖「そうだね、もう邪魔しないで。」

 

二乃「邪魔ですって!?」

 

 

 

 その時、上杉くんのお腹がグゥと音を上げた

 

 

 

二乃「じゃあ三玖の言う通り中身で勝負しようじゃない、どっちが家庭的か料理対決!」

 

麗音「な、何で…!?」

 

風太郎「そ、そんなのやるわけないよな?」

 

 

 

三玖「フータロー、レイン、すぐに終わらせるから座って待ってて。」

 

 

 

 こりゃ、勉強できるまで、時間掛かりそうだね…

 

 

 

二乃「じゃーん! 旬の野菜と生ハムのダッチベイビー!」

 

三玖「オ、オムライス…」

 

 

 

 見た目だけだと、圧倒的に二乃ちゃんのが上だ

 

 

 

二乃「さぁ2人とも! どっちが美味しいかジャッジしてよね!」

 

風太郎&麗音「いただきます。」

 

 

 

 さてさてお味は〜?

 

 二乃ちゃんのはシンプルに凄いな…! このクオリティを高校生で作れるなんて、なんて家庭的な子なの…!?

 

 対して三玖ちゃんは……見た目や味はともかく、一生懸命さが伝わってくるな

 

 ぶっちゃけちゃうと、これは二乃ちゃんの勝利だけど…根本的に問い詰めていくと三玖ちゃんに軍配が上がるかな

 

 

 

風太郎「うん、どっちも普通に美味いぞ。」

 

二乃&三玖「え…?」

 

 

 

 上杉くんの舌だと、どっちも同じくらい美味しいと認識してる!?

 

 どんだけ貧乏舌なの!?

 

 

 

二乃「はぁ!? そんなわけ…」

 

麗音「二乃ちゃん?」

 

二乃「な、何よ?」

 

麗音「確かに二乃ちゃんの方が美味しかったとは思うよ、でもね、相手に気持ちを込めずに作る料理って、結局のところ料理が出来ない人とその本質の味は変わらないんだよ? だからこの勝負は引き分け…かな。」

 

二乃「何それ!? つまんない!!」

 

 

 

 二乃ちゃんは怒って、部屋に戻ってしまった

 

 ちょっと言い過ぎちゃったかな…

 

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

 

麗音「今日は散々だったね。」

 

風太郎「あぁ、ていうかお前、今日何しに来たんだよ?」

 

麗音「本当だね、ギターの弦は切れちゃうし、ついてないね。」

 

風太郎「あ…!」

 

麗音「上杉くん、どうかした?」

 

風太郎「単語帳忘れた…」

 

麗音「あちゃ〜、また戻らないといけないね。」

 

風太郎「先帰っててくれ、ギターって凄い楽器なんだな。」

 

麗音「へへ! 君も魅力に気づいちゃった〜!?」

 

風太郎「そういうのいいから! さっさと帰れ。」

 

麗音「はーい!」

 

 

 

 私はここで家に帰ったけど、この数分後に五つ子裁判が行われたのは後から聞いた話だ

 

 

 

 

 

 







 前前前世、大学の学園祭で踊りました笑

 懐かしいですね〜、あの頃は楽しかった…!




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お祭りの前に…




 先月はすみませんでした!(汗)





 

 

 

ラジオ「快晴の日曜日、いかがお過ごしでしょうか? 本日は……」

 

 

 

 今日は待ちに待ったお祭り!!

 

 なぜ私がそこまで盛り上がってるかと言うと、このお祭りには2つのメインイベントがあり、花火と屋外ステージの発表なのだ

 

 ステージ発表は地域の子どもたちの太鼓演奏や、おじさんたちの渋い演歌などが披露されている

 

 そんななか、私の路上ライブを見てくれた祭りの実行委員の人がステージ発表に出てみないかと直々にオファーをしてくれた

 

 もちろん承諾した私は、知り合いのバックバンドに声を掛けて出演することになった

 

 というわけで、午前中はスタジオでリハーサル、午後からは出番まで少し時間がある

 

 

 

麗音「今日はよろしくね〜!!」

 

 

 

 スタジオに入ると、4人のバンドメンバーが居た

 

 元気いっぱいなギター担当、田村未来

 

 小動物みたいに可愛いベース担当、夕日淳

 

 兄貴分な雰囲気だけど、私にとっては弟のような存在のドラム担当、山中翼

 

 真面目でどこかツンツン気味なキーボード担当、鏑木真奈

 

 たまたま東京にお出かけした時に、ライブハウスで見かけたところから仲良くなった人たちだ

 

 

 

未来「今日はアコースティックギター使うんですよね!? 楽しみだなぁ〜!!」

 

真奈「キーボードもシンセも良い調子ね。」

 

麗音「今日は一大イベントだから気合い入れてこー!!」

 

 

 

 この4人は東京でバンド組んでおり、私がこうしてバンド編成で演奏する時は彼らにサポートしてもらってる

 

 全員が中3とは思えないぐらい、凄い技術なんだよね

 

 

 

麗音「とりあえず順番はこれで大丈夫?」

 

淳「ばっちりです!!」

 

翼「あ〜! 早く叩きてぇなぁ〜!」

 

麗音「じゃあ早速、リハを始めようか!!」

 

 

 

 そして午前中は、スタジオでのリハーサルに臨むのだった

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

 

 〜リハーサル終了後〜

 

 

 

麗音「よし、後は本番に全てをぶつけよう!!」

 

翼「よく仕上がったんじゃないか?」

 

淳「そうだね! 後は本番だけだ!」

 

未来「麗音先輩、今日はお祭りですけど友達とかと行かなくていいんですか?」

 

麗音「これから行くところだよ、4人も出番までお祭り楽しんできなよ! 楽しいよ〜!」

 

真奈「ふふっ、楽しみにしてます!」

 

 

 

 ちなみに私は、今日一花ちゃんたちにお祭りのお誘いを受けているのだ

 

 でも、ライブのことは話してない

 

 まぁ、いわゆるサプライズ的なやつだね

 

 

 

麗音「じゃあ、一旦解散ね。」

 

真奈「分かりました。」

 

翼「本番前にまた会いましょう!」

 

 

 

 そう言って私は彼らと別れた

 

 さてと、時間まで何しようか……

 

 

 

一花「あれ? 麗音ちゃん?」

 

麗音「一花ちゃん! それに皆も! もしかしてお祭り?」

 

四葉「そうなんです! 待ちきれなくて先に着付けしてもらったんです!」

 

二乃「まだ五月が上杉の家に行ったっきり、帰ってこないのよね。」

 

 

 

 なるほど、今は五月ちゃん待ちか

 

 

 

三玖「ねぇ、あれフータローと五月じゃない?」

 

 

 

 本当だ、上杉くんと五月ちゃんに…1人小学生くらいの女の子がいる

 

 

 

四葉「あ! 上杉さん!」

 

二乃「な、何でそいつと居るのよ!?」

 

一花「もしかしてデート中〜?」

 

五月「違いますっ!!」

 

 

 

 あらあら〜! そういうことでしたか〜!

 

 

 

四葉「上杉さんの妹ちゃんですか?」

 

麗音「名前なんて言うの?」

 

らいは「上杉らいはです!」

 

四葉「これから一緒に花火大会に行きましょう!!」

 

らいは「花火……!」

 

風太郎「ちょっと待て! 俺には勉強の予定があるし、お前らには宿題があるだろ?」

 

五つ子「う…」

 

らいは「お兄ちゃん…ダメ…?」

 

風太郎「…! も、もちろんいいさ!」

 

 

 

 あの上杉くんがあっさりと…!

 

 妹ちゃん恐るべし…!

 

 結局、5人は宿題を終わらせてからという条件でお祭りに行けることを許されたのだった

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

 

 〜お祭り会場〜

 

 

 

二乃「やっと終わった〜!」

 

四葉「花火って何時からだったっけ〜?」

 

三玖「19時から20時。」

 

一花「その後に野外ライブもあるらしいよ〜!」

 

風太郎(何なんだ…このテンションの高さは…)

 

 

 

 上杉くんは人が多い場所に慣れてないのか、少し離れた場所にいた

 

 ちなみに私と五月ちゃんは浴衣の着付けで少し遅れた

 

 

 

五月「何ですか? その祭りに相応しくない格好は。」

 

風太郎「?」

 

五月「あ、あんまり見ないでください……////」

 

風太郎「誰だ?」

 

麗音「ええっ!? 分からないの!?」

 

風太郎「ただでさえ顔が同じでややこしいんだ。」

 

五月「五月です!!」

 

 

 

 まぁ、髪型も変えてたし、五つ子ちゃんに興味がない上杉くんにとっては見分けられないか

 

 

 

一花「あ〜あ、ダメだなぁ、女の子が髪型変えたらとりあえず褒めなきゃ。」

 

 

 

 一花ちゃんは上杉くんの近くに立ち、ヒソヒソと話しかける

 

 

 

一花「ほら、浴衣は本当に下着を付けないかとか興味ない?」ヒソヒソ

 

風太郎「それは昔の話な、知ってる。」

 

一花「本当にそうかなぁ〜?」

 

五月「い、一花っ!!」

 

一花「なんて冗談で〜す!!」

 

風太郎「はぁ……」

 

 

 

 さぁ、真実はどうなんでしょうね〜?

 

 

 

麗音「ん? 携帯鳴ってる?」

 

一花「私だ、ちょっと待って。」

 

二乃「あんたたち、何してるのよ?」

 

一花「ごめん、ちょっと電話、はい… えっ…? 今夜ですか…?」

 

 

 

 一花ちゃんの表情に不穏な空気が見える

 

 電話の相手は誰なんだろう…?

 

 

 

二乃「今日は5人で花火を見るつもりだったのに……何であんたも居るのよ!?」

 

風太郎「俺は妹と来てるだけだ。」

 

らいは「お兄ちゃん〜!! 見て見て〜!! 四葉さんが取ってくれたの〜!!」

 

 

 

 らいはちゃんが手に持った袋には、金魚すくいで取ったであろう金魚が10匹以上入っていた

 

 

 

らいは「それとね、これも買ってもらったんだ〜!!」

 

風太郎「それ、今日1番要らないやつ!!」

 

 

 

 線香花火か〜!

 

 皆でやってもいいのにね〜!

 

 

 

風太郎「四葉のお姉さんにちゃんとお礼言ったか?」

 

らいは「あ、そうだった! 四葉さん、だ〜い好き!!」

 

四葉「あ〜! らいはちゃん可愛い過ぎます!! 私の妹にしたいです〜!!」

 

 

 

 四葉ちゃんはお姉ちゃん度がMAXになり、らいはちゃんを抱きしめた

 

 

 

一花「お待たせ! 行こう!」

 

風太郎「ん? どこか行くのか?」

 

三玖「二乃が屋上貸切ってるから。」

 

麗音「貸し切る!?」

 

風太郎「ブルジョワかよ!?」

 

 

 

 さすが、お嬢様……

 

 やることが違うわ〜……

 

 

 

二乃「あんたたち、あれも買わずに行くわけ?」

 

三玖「そういえばあれ買ってない。」

 

一花「もしかしてあれ?」

 

五月「あれやってる屋台ありましたっけ!?」

 

四葉「早くあれ食べたい!!」

 

風太郎「何だよ? あれって?」

 

五つ子「せーの!! チョかきたこ人形焼きあめ!!」

 

風太郎「ええっ……」

 

五つ子「全部買いに行こー!!」

 

風太郎「お前らが本当の五つ子か、疑わしくなってきたぞ…て」

 

麗音「あはは……とりあえずお祭りを楽しもっか!」

 

 

 

 見た目は同じでも、個性はバラバラ

 

 五つ子って面白いね〜!!

 

 そうして私たちは、お祭りに出発するのだった

 

 

 

 

 

 







 話の進みが遅くて申し訳ない……




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お祭り




 五等分のテレスペまだ見れてない……






 

 

 

 〜お祭り会場〜

 

 

 

 う〜、結構人混みが凄いな〜

 

 

 

風太郎「らいは、はぐれると危ないからここ掴んでろ。」

 

らいは「はーい!」

 

 

 

 らいはちゃんは、上杉くんの服の袖を掴んだ

 

 なるほど、はぐれないようにするためね

 

 

 

五月「納得いきません!!」

 

麗音「まぁ、そういう日もあるよ。」

 

 

 

 なぜ五月ちゃんがプンプンしているのかというと、人形焼きの屋台で一花ちゃんの方が多くおまけとして貰っていたからだ

 

 

 

五月「どういうことなんですか!? 五つ子なのに!」

 

 

 

 五つ子も複雑なんだね〜……

 

 

 

四葉「らいはちゃん、次は輪投げしよっか!!」

 

風太郎「迷子になるなよ?」

 

五月「お、焼きそばがありました!」

 

二乃「あんたたち遅いわよ!」

 

風太郎「二乃のやつ、気合い入ってんな。」

 

麗音「そんなに花火見たいのかな?」

 

三玖「花火はお母さんとの思い出だから、お母さんが居なくなってからも毎年揃って見に来てるんだ。」

 

風太郎「そういうことか、どうりであいつがはりきるわけだ。」

 

アナウンス「大変長らくお待たせいたしました、まもなく花火大会が始まります。」

 

 

 

 お、来たみたいだね……!

 

 

 

風太郎「やべっ……二乃たちとはぐれる……」

 

 

 

 花火の情報を聞きつけたお客さんたちが一斉に移動し始めた

 

 そのせいで先頭を歩いていた二乃ちゃんが人混みに流されてしまっている

 

 

 

風太郎「星野、ここは任せたぞ。」

 

麗音「え? う、うん!」

 

 

 

 上杉くんは、二乃ちゃんを助けるために行ってしまった

 

 

 

三玖「あんまり動かないほうがいいかもね。」

 

麗音「うん……」

 

 

 

 皆と離れ離れになっちゃってる以上、その場を動かない方がっ……!?

 

 ダメだ……お客さんに押されて……!

 

 

 

三玖「痛っ!」

 

麗音「大丈夫!? きゃっ!?」

 

 

 

 全然身動きが取れない……!

 

 このままじゃマズイ……!

 

 

 

麗音「三玖ちゃん! こっちだよ!!」

 

 

 

 私は何度も名前を呼んではぐれないようにするが、この調子では埒が明かない

 

 

 

麗音「三玖ちゃん!!」

 

?「はい! どうしましたか?」

 

麗音「え……?」

 

 

 

 三玖ちゃんの代わりに現れたのは、ギターのサポートメンバーである未来ちゃんだった

 

 名前が同じだからか、彼女は反応してしまったようだ

 

 

 

麗音「こ、この辺で青いヘッドホン掛けた子見なかった!?」

 

未来「う〜ん、見てないですね〜。」

 

麗音「そっか……けど何で未来ちゃんがここに?」

 

未来「準備が早く終わったので出店回ってたんですよ、そしたら麗音先輩を見かけたので。」

 

麗音「なるほど……」

 

未来「淳たちもお店回ったりしてますよ!」

 

麗音「それなら……! 未来ちゃん、私と一緒に友達を探してくれないかな?」

 

未来「良いですよ!」

 

 

 

 未来ちゃんは体力ある子だから、ある程度走っても大丈夫だろう

 

 後は……!

 

 

 

麗音「もしもし、二乃ちゃん?」

 

二乃【麗音、あんたどこにいるのよ!?】

 

麗音「二乃ちゃん、お願いなんだけど皆に電話を掛け続けてくれる?」

 

二乃【はぁ!? 急に何を……】ブチッ

 

麗音「よし、あとは他の皆にも……」

 

 

 

 私は他のバンドメンバーにも連絡した

 

 それに加えて、5人の特徴もできる限り伝えた

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

※四葉視点

 

 

 

四葉「らいはちゃん、たこ焼き買ってあげようか? あ! あそこに焼きそばも!」

 

らいは「四葉さん!」

 

四葉「!?」

 

 

 

 すると、らいはちゃんが私の浴衣の袖を掴んできた

 

 

 

らいは「四葉さん、ここ離れちゃダメです! これ食べて我慢してね!」

 

四葉「あはは……面目ない。」

 

?「あの、もしかして中野さんですか?」

 

四葉「はい、私ですけど……」

 

?「よし! 1人見つかったな!」

 

 

 

 私たちを探してる……?

 

 でもこの人たち会ったことないし……

 

 

 

?「あの! 僕たち麗音さんに頼まれて中野さんたちを探してるんです!」

 

四葉「星野さんが!?」

 

?「今、手分けして探してるんですけど、とりあえず連絡付くまで俺たちと居ましょう!」

 

四葉「わ、分かりました!」

 

 

 

 話によると、男の子2人組の名前は片方が夕日さん、もう1人は山中さんと言うらしい

 

 こっちにらいはちゃんも居るし、男の人と居れば多少は安全かもしれない

 

 私はその人たちの言うことを信じることにした

 

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

※三玖視点

 

 

 

三玖(フータロー、遅い……)

 

 

 

 さっき五月を連れてくるからここで待ってろと言われてから結構な時間が経つけど、どうしちゃったんだろう……?

 

 その時、ふと前を見ると、私の姿が建物の窓に映っていることに気づいた

 

 そういえば、一花にあの時……

 

 【女の子が髪型変えたら、とりあえず褒めなきゃ!!】

 

 何でかは分からないけど、髪を結んでいつもと違う髪型にしてみた

 

 これなら、フータローも褒めてくれるかな……?

 

 

 

?「あー!! 青いヘッドホンの子、はっけ〜ん!!」

 

 

 

 だ、誰!?

 

 青いヘッドホンって私のこと……!?

 

 

 

?「見つけましたよ! 早く戻りましょう!」

 

三玖「ま、待って……!」

 

?「どうしました?」

 

三玖「あなた誰? 人違いじゃないの?」

 

?「もしかして人違いでした!? 私は麗音先輩に頼まれて中野さんって人を探してるんです。」

 

三玖「え、レインを知ってるの?」

 

?「はい、知ってますよ! やっぱり中野さんですか?」

 

三玖「私は中野三玖、あなたも五つ子の皆を探してるの?」

 

?「そうです! 他はまだ見つかってない感じですが……早く皆と合流しましょう!!」

 

 

 

 そう言って彼女は、私の手を引いて歩こうとした

 

 

 

三玖「あ、待って、まだ……」

 

?「あっ……怪我してたんですね、もう少し休んでから行きましょうか!」

 

 

 

 近くに石段があったから、そこで少し座っていくことにした

 

 

 

?「そういえば、中野先輩もミクって名前なんですね!」

 

三玖「も?」

 

未来「私、田村未来って言います! よろしくお願いします!」

 

三玖「よ、よろしく。」

 

 

 

 同じ名前なんだ

 

 何だかややこしいけど、私とは正反対な雰囲気してる

 

 

 

未来「確か、あっちの方で麗音先輩が待ってます! 行きましょう!!」

 

三玖「う、うん。」

 

 

 

 この明るい感じ、四葉みたい

 

 フータローもこんな感じの子が……

 

 考えても意味ないか……

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

 

※二乃視点

 

 

 

二乃「もしもし五月、今どこに居るの!?」

 

五月【い、今は星野さんと一緒で……】

 

二乃「星野と一緒に居るの!? 今私が……!」

 

 

 

 そう言いかけた途端、五月からの連絡は途切れてしまった

 

 その時、屋上の階段を駆け上がってくる音がする

 

 

 

二乃「あんたたち、遅……」

 

 

 

 しかし、上がってきたのは初対面の少女だった

 

 見た感じ、中学高校生くらいかしら?

 

 

 

?「もしかして……はぁ……中野さんですか……?」

 

二乃「え? 何であたしの名前を……?」

 

?「麗音先輩に頼まれて探しに来ました、行きましょう。」

 

二乃「ちょ、ちょっと!? あたしはここで待ってるのよ!?」

 

?「それが変更になったんです! 早く行きましょう!!」

 

二乃「ああっ、もう!!」

 

 

 

 私はその子に手を引かれて、屋上を後にするのだった

 

 

 

?「もしもし麗音先輩、中野さんの1人を見つけました、紫の浴衣を着てます!」

 

麗音【それ二乃ちゃんだ! でかしたよ〜!!】

 

 

 

 星野と連絡を取ってるみたいね

 

 携帯は最新の機種なのか、電波が強いのかしら?

 

 

 

真奈「あ、まだ自己紹介してませんでしたね、鏑木真奈です、よろしくお願いします。」

 

二乃「二乃……中野二乃よ、よろしく。」

 

 

 

 やけにハキハキしてるわこの子

 

 きっと五月みたいな真面目ちゃんなのね

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

※麗音視点

 

 

 

麗音「よしよし五月ちゃん、もう大丈夫だよ〜。」

 

五月「うっうっ……」

 

 

 

 事の経緯を説明すると長くなるが、現在迷子になっていた五月ちゃんを発見

 

 絶賛介抱中のところだ

 

 

 

麗音「よし! 今頃、他のメンバーが動いてくれてるところかな〜?」

 

五月「他のメンバー……?」

 

麗音「な、何でもない! 友達が五つ子ちゃんたちを探してるから!」

 

 

 

 危ない危ない……

 

 バンド演奏はサプライズだからね

 

 下手に口を滑らしたら、面倒な事になる

 

 今のところ連絡が来てないのは、一花ちゃんと上杉くんか……

 

 2人とも、どこ行っちゃったの〜!?

 

 

 

 

 

 







 ま、のんびりといきましょう〜




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5人揃って




 もう10月終わり!?

 今回少し長めです





 

 

 

※三玖視点

 

 

 

?「一花ちゃん、見つけた!!」

 

三玖「えっ!? あ、あの……!」

 

 

 

 私は突然、見知らぬ男性に手を掴まれて、連れていかれてしまった

 

 

 

未来「あ、三玖先輩!!」

 

 

 

 未来ちゃんも私を追いかけてこようとするけど、人混みに紛れて中々追いつけそうにない

 

 こ、怖い…

 

 

 

おじさん「もう一花ちゃん、早くして!!」

 

 

 

 一花……?

 

 私のこと、一花と間違えてる……!?

 

 

 

三玖「あのっ! 私、一花じゃ……」

 

 

 

 その時、私の手を男性から引き離し、倒れそうになったところを誰かに受け止められた

 

 この感触、もしかして……!

 

 

 

おじさん「君はさっきの……君はこの子の何なんだ!?」

 

風太郎「俺はこいつの……こいつらの……」

 

 

 

 多くの花火が舞う中、フータローは口にする

 

 

 

風太郎「パートナーだ、返してもらいたい。」

 

三玖「……!!////」

 

 

 

 胸の奥が熱い……////

 

 何なのこれ……////

 

 

 

おじさん「何を訳の分からんことを! うちの大切な若手女優から手を離しなさい!!」

 

風太郎&三玖「え……!?」

 

おじさん「あ、あれ!? い、一花ちゃんが2人〜!?」

 

風太郎「若手女優……?」

 

 

 

 一花が……女優……!?

 

 

 

風太郎「一花が女優って……」

 

おじさん「五つ子って……」

 

風太郎&おじさん「マジ!?」

 

 

 

 じゃあ、あのおじさんは女優関係の人だったってこと……?

 

 

 

未来「三玖先輩、大丈夫ですか〜!?」

 

風太郎「うげっ!? だ、誰だ!?」

 

未来「えっと……これはどういう状況ですか〜……?」

 

三玖「人違いだった。」

 

未来「そうなんですか〜! 良かった!」

 

風太郎「お前、誰なんだよ!?」

 

おじさん「こ、こうしちゃいられない! 行こう一花ちゃん! これから大事なオーディションがあるんだ。」

 

風太郎「そんな、花火いいのかよ!?」

 

一花「……皆によろしくね。」

 

 

 

 それだけ言って、一花はおじさんと行ってしまった

 

 

 

三玖「フータロー、一花をお願い。」

 

風太郎「だがお前を1人にする訳には……」

 

三玖「私はもう大丈夫だから……それに未来ちゃんも居てくれるし。」

 

未来「はいっ!」

 

風太郎「ん? ミク……?」

 

三玖「あ、この子もミクって名前なんだ。」

 

未来「田村未来です! よろしくお願いします!!」

 

風太郎「そ、そうか、三玖の後輩なのか?」

 

三玖「違う、レインの知り合いみたい。」

 

風太郎「あいつのか……」

 

?「どうやらお困りのようですね!!」

 

?「ですね!!」

 

風太郎「お、お前は……!?」

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

 

二乃「もしもし四葉、あんた今どこ!?」

 

真奈「淳、どこに居るの!?」

 

二乃「え? 四葉が……?」

 

真奈「え? 未来が?」

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

五月「もしもし四葉ですか?」

 

麗音「もしもし翼くん?」

 

五月「え? 上杉くんが?」

 

麗音「未来ちゃんが?」

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

※麗音視点

 

 

 

 指定された公園に着くと、もう上杉くんと一花ちゃん以外の人は集まってた

 

 そう、5人で花火は見られなかったけど、線香花火なら出来る!!

 

 四葉ちゃんの提案で皆集まったんだ!!

 

 

 

二乃「五月、大丈夫だった!?」

 

五月「うぇ〜ん!! 二乃〜!!」

 

 

 

 五月ちゃん、相当怖かったんだね

 

 

 

麗音「皆もありがとね!」

 

翼「先輩、それはアレが終わってからにしましょう?」

 

麗音「お〜っと、そうだね!」

 

未来「後は、上杉先輩たちだけですね!」

 

淳「あ、あれ!」

 

 

 

 淳くんが指差した先に、本日の主役2人がやってくるのが見えた

 

 

 

四葉「上杉さんに一花さん! お帰りなさい!」

 

風太郎「花火を買っててくれて助かったよ、あとらいはの面倒も。」

 

四葉「いえ、どちらかというと私が面倒見られてた気が……」

 

二乃「あんたには一言言わないと気が済まないわ。」

 

 

 

 二乃ちゃんはそう言いながら、上杉くんに距離を詰めていく

 

 

 

二乃「お・つ・か・れ!」

 

風太郎「ま、紛らわしいんだよ……」

 

五月「皆も花火しましょう。」

 

二乃「じゃあ、本格的に始めよっか。」

 

一花「皆!!」

 

 

 

 一花ちゃんの声に、全員が一花ちゃんの方を向く

 

 

 

一花「本当にごめん! 私の勝手でこんなことに……本当にごめん!!」

 

二乃「確かに今回の原因はあんたにあるわ。」

 

麗音「そ、そこまで……」

 

二乃「あと、目的地を伝えてなかったあたしも悪い。」

 

五月「私は自分の方向音痴に嫌気が差しました。」

 

三玖「私も……今回は失敗ばかり……」

 

四葉「私も悪かったということで……屋台ばっかり見ちゃってたので……」

 

 

 

 皆……自分なりに反省してる……!

 

 

 

二乃「はい、あんたの分よ。」

 

五月「お母さんが言っていましたね、誰かの失敗は5人で乗り越えると、誰かの幸せは5人で分かち合うこと。」

 

四葉「喜びも。」

 

三玖「悲しみも。」

 

二乃「怒りも。」

 

一花「慈しみも。」

 

五月「私たち、5人で五等分ですから!」

 

 

 

 感動だ……!

 

 五つ子の皆……!

 

 

 

真奈「麗音先輩、ハンカチ使いますか?」

 

麗音「ううっ……!! ありがと〜……!!」

 

翼「凄い涙ですね……」

 

麗音「こんなの……ギャラクシー賞ものだよ〜!!」

 

 

 

 五つ子ちゃんたちは線香花火は楽しんでいた

 

 私たちは……ね?

 

 そんな様子をバンドメンバーと眺めてたよ

 

 ん? バンド……?

 

 あー!! 忘れてた〜!!

 

 

 

麗音「ど、どうしよう!? ライブの準備は…!?」

 

淳「大丈夫です、ライブまでまだ時間ありますよ。」

 

未来「花火の後ですから!」

 

麗音「よ、良かった〜!!」

 

 

 

 フッフッフ……これを知ったら、五つ子の皆は驚くだろうな〜!

 

 

 

一花「そうだ、花火は見れなかったけどさ、この後は野外ライブがあるじゃん?」

 

五月「せっかくですし、皆で見ましょう。」

 

麗音「あ〜、そのライブなんだけどさ〜!」

 

二乃「何かあるの?」

 

麗音「実は、私たちも出るんだよね。」

 

一同「えぇぇぇぇ〜!!!!!」

 

 

 

 そう、まだまだお祭りの夜は終わらないのだ〜!!

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

 

※麗音視点

 

 

 

二乃「星野、あんたバンドやってたの!? あ、だからあの時ギターを…」

 

 

 

 前に中野家に行った時、ギター持ってったんだっけ

 

 あの時は弦が切れちゃって、思うような演奏できなかったからなぁ

 

 

 

五月「星野さんはお1人で出演なんですか?」

 

麗音「ううん、バンド編成でやるんだよ!」

 

未来「私たちが!」

 

四葉「ということは……!」

 

淳「僕たち、麗音先輩のサポートで来たんです!」

 

二乃「そうだったの!?」

 

真奈「さっきは色々と振り回してしまってごめんなさい。」

 

二乃「い、いいわよ、そのくらい、あたしたちだって迷ってたんだから。」

 

三玖「バンドってこんなに人数居たっけ?」

 

一花「確か、ギターとドラムはあったよね?」

 

 

 

 少なくても3人は居るんだ

 

 私たちは5人編成と多分一番多い

 

 

 

麗音「私たちは5人編成、ギターボーカル、リードギター、ベース、ドラム、キーボード。」

 

四葉「おぉ! なんかカッコいいです!!」

 

五月「曲は何をやるんですか?」

 

麗音「それはやってからのお楽しみ〜!」

 

三玖「そう、楽しみにしてる。」

 

 

 

 あれ? そういえば上杉くんは……

 

 

 

風太郎「〜……zzz」

 

 

 

 め、目開いたまま寝てる〜!?

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

 

司会「さぁ、盛り上がって参りました夏フェス、最後のトリを飾ってくれるのは、【レインwithツーフェス】の皆さんで〜す!!」

 

 

 

 遂に私たちの出番だ!

 

 ちなみにツーフェスと言うのは、未来ちゃんたちのバンド名だ

 

 

 

麗音「イェーイ!! 盛り上がってるかーい!!?」

 

 

 

 色々と苦難曲折はあったものの、最後を締めくくるのはこの野外ライブだ

 

 一応私はオリジナル曲も作るけど、今回は夏のお祭りをテーマにしたカバー曲を練習してきた

 

 

 

麗音「まずは最初の曲……青と夏!!」

 

お客さん「おおぉ〜!!!」

 

麗音「夏が始まった合図がした〜♪ 傷つき疲れるけどもういいんだ♪」

 

一花「やっぱ麗音ちゃんって歌上手だよね。」

 

五月「楽器隊の人たちも凄い楽しそうですね!」

 

麗音「映画じゃない、主役は君だ〜♪ 映画じゃない、僕らの番だ〜♪」

 

お客さん「おぉ〜!!!」

 

 

 

 一曲目を終えると、観客からは大きな歓声が上がった

 

 やっぱライブはこうでなくちゃね!

 

 

 

麗音「それじゃあ2曲目…夏のドーン!」

 

 

 

 2曲目も夏をテーマにしたロックナンバーだ

 

 

 

麗音「ドーンとドーンと空に咲け〜♪ 星型うずまき菊の花〜♪ ハートがほら咲いた〜♪」

 

三玖「……四葉、なんか初めて聴く曲な気がしないのは私だけなのかな?」

 

四葉「不思議だね、私も聴いたことある気がするんだ……何だっけ?」

 

麗音「空見上げる君の横顔に〜♪ キュンとときめく夏祭り〜♪」

 

 

 

 バンド編成全開の曲で、会場のボルテージはMAXだ

 

 

 

麗音「よし、それじゃあ最後の曲……夏空グラフィティ!」

 

 

 

 バンドメンバーも、私を見て笑顔を返してくれた

 

 

 

麗音「まぶしいキラメキのなかで〜♪ とびきり熱いままで恋をしたいよ〜♪」

 

二乃「良い曲持ってくるじゃない……!」

 

 

 

 ちなみにこの曲では、私はアコースティックギターに持ち替えて歌ってるんだ

 

 このアーティストには、アコギ欠かせないよね〜!

 

 

 

麗音「この手をいつまでも離しちゃいけないのは〜♪ あなたひとりだけだよ〜♪ 抱きしめていて〜♪」

 

五月「二乃、嬉しそうですね。」

 

二乃「そ、そんなことないわよ!!」

 

一花「その割には、結構目元潤んでなかった〜?」

 

二乃「な、夏の恋にちょっと憧れてただけよ! 悪い!?」

 

四葉「でも私たち、最後に星野さんのライブ観れて良かったね!」

 

三玖「また来年も観たい。」

 

 

 

 こうして、ライブは大盛況の中幕を降ろしたのだった

 

 来年も……またこのメンバーでライブしたいな

 

 

 

 

 

 







 この季節に、夏な感じの回を投稿してしまいごめんなさい笑

 次回から新学期編です!





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新学期




 やっと新学期編です

 それではどうぞ!






 

 

 

麗音「一花ちゃん、おはよ〜!」

 

一花「おはよう麗音ちゃん! 制服似合ってるね〜!」

 

麗音「そう? 一花ちゃんも着こなしてるじゃん! さすが女優!」

 

一花「やぁ、おっはー。」

 

風太郎「ん? おっす。」

 

 

 

 一花ちゃんは上杉くんへ挨拶をしたけど、当の本人はちょっとそっけなさそう

 

 

 

一花「あれ〜? 君は冬服へのコメントなし?」

 

風太郎「朝から何の用だよ?」

 

一花「一緒に登校しようと思ってさ!」

 

風太郎「お前らは妙に目立つから嫌なんだ。」

 

麗音「もしかして私も入ってる!?」

 

風太郎「当たり前だ。」

 

 

 

 で、でも! 目立つのは音楽やってるからだから良いことだ!

 

 うん、多分そういうことのはず……!

 

 

 

一花「昨日ね、皆に仕事のこと打ち明けたんだ。」

 

麗音「どんな反応だった?」

 

一花「皆、びっくりしてたよ。」

 

風太郎「だろうな。」

 

一花「でも、すごいすっきりした!」

 

 

 

 こないだの花火の約束、一花ちゃんは気にしてたみたいだったけど、解決して良かったなぁ

 

 

 

麗音「今度の新曲、一花ちゃんたちのことをテーマにしよっかなって考えてるんだ。」

 

一花「私たちがテーマなの!? それ良いじゃん!」

 

麗音「曲は明日で完成すると思うから……」

 

風太郎「中間テストの勉強はしてるんだろうな?」

 

麗音「……!!」

 

風太郎「ん? 星野?」

 

一花「あちゃ〜……もしかして麗音ちゃん……」

 

麗音「わ、忘れてました……」

 

 

 

 はい…ちゃんと今日から勉強します……

 

 ごめんね一花ちゃん……新曲のお披露目はまだ先になりそうです……

 

 

 

 

__________________

 

 

 

 

 

麗音「うぅ〜……」

 

三玖「どうしたの? いつものレインらしくない。」

 

麗音「それがさ〜……中間テストの勉強忘れてたからって、私も上杉くんの授業に強制参加することになっちゃったんだよ〜!」

 

三玖「自業自得……私たちもレインのこと言えないけど。」

 

 

 

 ちなみに勉強場所は図書館

 

 利用してる人は多いけど、静かで勉強には持ってこいの場所だ

 

 勉強のメンバーは、一花ちゃん、三玖ちゃん、そして四葉ちゃんの3人と私

 

 

 

麗音「着いたはいいけど……肝心の上杉くんが居ないんですが……?」

 

一花「フータローくんは、二乃と五月の説得に行ってるよ。」

 

四葉「あ、帰ってきた!」

 

麗音「なんか顔腫れてない?」

 

 

 

 上杉くん、完全にビンタされたような手形が出来とる……

 

 何やったんだか……

 

 

 

風太郎「……二乃にやられた。」

 

三玖「大丈夫?」

 

四葉「上杉さん問題です! 今日の私はいつもとどこが違うでしょうか!?」

 

 

 

 あ、私は分かったよ

 

 なんてったって、四葉ちゃんのトレードマークだからね〜

 

 

 

風太郎「もうすぐ中間試験だってことは聞いてるな?」

 

四葉「無視!? ヒントは首から上で〜す!」

 

風太郎「このままでは試験は乗り切れない。」

 

四葉「正解はリボンの柄がいつもと違うでした〜! 今はチェックがトレンドなんですよ〜!」

 

風太郎「お前の答案用紙もチェックが流行中だ。」

 

 

 

 あらら…これは酷い点数ですなぁ……

 

 

 

風太郎「中間試験まで1週間、徹底的に対策していくぞ!!」

 

一花「え〜!?」

 

風太郎「だから三玖も日本史以外を……」

 

麗音「上杉くん、三玖ちゃん英語やってるよ?」

 

風太郎「な、何っ!?」

 

麗音「ここ最近、日本史以外の勉強も頑張ってるんだよ?」

 

風太郎「熱でもあるのか!?」

 

三玖「平気、少し頑張ろうって思っただけ。」

 

 

 

 苦手なことに取り組む三玖ちゃん、良いよね

 

 逆境に立ち向かう主人公みたいで!

 

 

 

四葉「よ〜し! 皆頑張ろ〜!!」

 

一花&麗音「お〜!!」

 

図書委員「お静かに。」

 

一花&麗音「はい……」

 

 

 

 そして、五つ子の2人を除いた3人と私は試験勉強に取り組むのであった

 

 

 

 

__________________

 

 

 

 

四葉「う〜ん! 疲れた〜!」

 

麗音「もうクタクタだよ〜!」

 

三玖「一刻も早く帰りたい。」

 

 

 

 気づけば時刻は夕方になっていたから、2時間はやったのかな?

 

 上杉くんの熱血指導もあったから疲れたな〜

 

 ん? そんな上杉くんが立ち止まって考え事……?

 

 

 

一花「ねぇ、麗音ちゃん?」

 

麗音「OK……!」

 

 

 

 一花ちゃんの合図で、私たちは上杉くんの両耳にそっと息を吹きかける

 

 

 

風太郎「なっ!? お前ら何すんだ!?」

 

一花「そんなに根詰めなくてもいいんじゃない? 中間試験で退学になるわけじゃないんだし、それに私たちも頑張るからさ。」

 

麗音「あ、でもご褒美くれたら、私たちもっと頑張っちゃうけどな〜!」

 

四葉「はい! 私、駅前のフルーツパフェが良いです!」

 

三玖「私は抹茶。」

 

麗音「チョコレートパフェあるかな!?」

 

一花「何か食べたくなってきた〜!」

 

風太郎「一刻も帰りたかったんじゃなかったのか……」

 

 

 

 ま、細かいことは置いといてさ、パフェ食べに行こうよ!!

 

 

 

四葉「上杉さ〜ん! 早くしないと置いてっちゃいますよ〜!!」

 

風太郎「ふっ……」

 

 

 

 

__________________

 

 

 

 

四葉「は〜! 美味しかった〜!」

 

三玖「やっぱり抹茶パフェは至高。」

 

麗音「それにしても、上杉くんあの流れでよく帰れたね。」

 

一花「あはは……まぁ、フータローくんらしいけど。」

 

 

 

 上杉くんはあの後、勉強がしたかったとのことで、私たちとは合流せずに1人で帰ってしまった

 

 あれは将来、結婚出来ないダメ男になりそうな予感

 

 

 

一花「さてと、この後はどうする?」

 

麗音「あ! 一花ちゃん、あそこ寄っていい?」

 

三玖「あれは、楽器屋さん……?」

 

 

 

 前から気になっていた駅前に出来たばかりの楽器店

 

 行こうとは思ってたんだけど、いつもタイミング逃してたんだよなぁ〜

 

 

 

四葉「良いですね! 行ってみましょう〜!」

 

 

 

 そして楽器屋に入ると、入り口にはたくさんのギターやベースが並べられていた

 

 

 

麗音「おぉ…! ここもなかなか……」

 

一花「凄い! これ全部ギターなの?」

 

麗音「ギターの方が多いけどベースもあるよ、ほら! この弦が4本のやつ。」

 

三玖「4本の方が簡単そうだね。」

 

麗音「いやいや〜! ベースも案外難しいんだよ? ガッツリ弾いたことあるわけじゃないけど。」

 

 

 

 私がある程度出来るのは、ギターとピアノだけ

 

 他は少し嗜むくらいしか出来ない

 

 

 

四葉「あの、何でしたっけ? あの太鼓みたいなの……」

 

麗音「ドラムだね! 四葉ちゃん、やってみたいの?」

 

四葉「はい! 前から興味あったんです!」

 

麗音「ならあそこに叩けるコーナーがあるよ! 試しにやってみたら?」

 

四葉「そうですね! すみませ〜ん! このドラム叩いてみてもいいですか?」

 

店員「はい、いいですよ!」

 

 

 

 四葉ちゃん、ドラムの叩き方分かるのかな……?

 

 さっき太鼓とか言ってたし、まるっきりの素人だよね、多分

 

 

 

四葉「え〜っと…確かこうして……」

 

麗音「お〜、意外と出来てる……!」

 

 

 

 細かいリズムとかはまだまだだけど、基礎的な所は叩けてそうな感じ

 

 四葉ちゃん、ドラムの才能あるんじゃ……?

 

 

 

一花「う〜ん、私はドラムよりギターとか弾いてみたいかな?」

 

麗音「私も何本か弾いてこうかな、店員さ〜ん、試奏お願いしま〜す!」

 

 

 

 私と一花ちゃんも、試し弾きをさせてもらうことにした

 

 一花ちゃん、黄色いギター似合うなぁ

 

 

 

一花「痛た……弦を押さえるのって結構難しいんだね。」

 

麗音「まぁ、慣れればいっぱい弾けるようになるよ!」

 

三玖「……」

 

麗音「三玖ちゃん? それが気になるの?」

 

三玖「うん、何か一花たちが使ってるのじゃない4本のやつ。」

 

麗音「ベースね! 試しにやってみればいいじゃん!」

 

三玖「うん、やってみようかな。」

 

 

 

 三玖ちゃんは青色のベースを試奏させてもらうようだ

 

 

 

三玖「う……太くて指が届かない。」

 

麗音「う〜ん……ベースも教えてあげたい所だけど、あんま弾いたことないんだよね〜。」

 

 

 

 作曲用に、今度一本購入しておくのもありかもしれないな

 

 そうだ、弦切らしてたから予備のやつ買っとこう

 

 

 

四葉「これがギターに使う弦なんですか?」

 

麗音「うん、いっぱいあるでしょ? よく聴くと音も少し違うんだよ?」

 

一花「へ〜、音楽って奥が深いんだね〜。」

 

麗音「良かったら、皆も楽器始めてみたら? 勉強ほどは難しくないと思うよ?」

 

三玖「それなら、二乃たちも誘ってみようかな。」

 

麗音「それ良いじゃん! 五つ子バンド!!」

 

 

 

 五つ子のバンドとか、めっちゃ面白いと思う!

 

 あと空いてるパートは、ボーカルとギターとキーボードか

 

 ま、やるかやらないかは本人たち次第だし、のんびりといきましょうか〜

 

 

 

一花「じゃあ私たち、これからフータロー君が家に来るからまた今度ね!」

 

三玖「レイン、ばいばい。」

 

四葉「また明日会いましょう!」

 

麗音「うん、じゃあね!」

 

 

 

 こうして、一花ちゃんたちと別れ、私は家に帰宅するのであった

 

 

 

 

 

 







 新学期もとい新楽器編とも言うべきか笑

 というわけで、やっと五つ子のうちの3人が楽器に出会いました

 ここからバンドっぽいことを描いていくつもりなので、次回もよろしくお願いします!





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中間試験




 あっという間に、今年も終わりですね






 

 

 

 

麗音「ヤバ〜い! 遅れる〜!!」

 

 

 

 昨日はテスト勉強+ギターの練習もしていたからついつい寝落ちしてしまい、目覚まし時計をセットするのを忘れていた

 

 

 

麗音「はぁはぁ……何とか間に合った……」

 

四葉「星野さん! おはようございます!」

 

麗音「お〜……四葉ちゃん、朝から元気だね……」

 

四葉「どうかしたんですか?」

 

麗音「いや〜、今日の試験遅刻したらヤバいなって思ってて……けど間に合ったから良かったよ。」

 

四葉「実は、まだ一花たちが……」

 

麗音「え、来てない!?」

 

 

 

 四葉ちゃんによると、上杉くんを含んだ6人は朝寝坊をしてしまったらしく、四葉ちゃんだけが先に学校に着いたという

 

 でももう試験が始まる時間だし、どうしようにも……

 

 その時、四葉ちゃんの携帯が鳴った

 

 

 

四葉「電話……? 五月からだ!」

 

麗音「何て!?」

 

四葉「あれっ上杉さん!? 私はどうすればいいんですか!? え、このままにしろ……?」

 

 

 

 五月ちゃんの携帯に出たのは上杉くんのようで、四葉ちゃんに作戦を伝えたようだ

 

 

 

麗音「とりあえず、私たちは昇降口に向かおう!」

 

四葉「はい!」

 

 

 

 そして、私たちは昇降口へと走るのだった

 

 試験の時間、まだ大丈夫だよね……?

 

 

 

 

__________________

 

 

 

 

 〜昇降口〜

 

 

 

 

五月「先生を騙すなんて、私はなんて無礼を……!」

 

二乃「あんた、真面目過ぎ。」

 

四葉「あ、良かった〜! 皆入れたんだね!」

 

三玖「本物だ。」

 

麗音「五月ちゃん、騙したってどういうこと?」

 

一花「実は私たち、四葉に変装して入ってきたんだ。」

 

麗音「ええっ!? そんなこと出来るの!?」

 

 

 

 さすが五つ子、あの生徒指導の先生の目をくぐり抜けるとは……!

 

 凄い!!

 

 

 

四葉「あれ、上杉さんは?」

 

麗音「その方法、上杉くんは出来ないんじゃ……」

 

 

 

 嫌な予感を感じつつも、入り口を見てみると四葉ちゃんのリボンを着けた上杉くんと生徒指導の先生が話していた

 

 そのまま通り過ぎようとした上杉くんだったが、さすがに先生の目は誤魔化せなかったようで……

 

 

 

先生「遅刻したうえにふざけてるのか?」

 

風太郎「ですよね。」

 

先生「生徒指導室に来い!!」

 

 

 

 そのまま上杉くんは先生に引きずられながら、生徒指導室へと連れて行かれる

 

 

 

三玖「フータロー……」

 

風太郎「早く行け! 俺が居なくても大丈夫だ! 努力した自分の力を信じろ!!」

 

先生「1人で何言ってるんだ!!」

 

 

 

 凄いかっこいいセリフ言ったけど、引きずられながらだとなぁ……

 

 説得力が皆無だよ〜……

 

 

 

三玖「うん……!」

 

一花「良い点取って、フータローくんを驚かせちゃおう!」

 

四葉「二乃も〜!」

 

二乃「な、何で私まで……?」

 

麗音「上杉くんの襷は受け取ったからね!」

 

五月「死力を尽くしましょう……!」

 

「「「「「頑張るぞ〜! お〜!!」」」」」

 

二乃「お、お〜……」

 

 

 

 そして中間試験という名の、戦いの火蓋が切られるのだった

 

 

 

 

 

__________________

 

 

 

 

 〜1週間後〜

 

 

 

 

麗音「美優、中間試験はどうだった?」

 

美優「う〜ん……まぁまぁかな?」

 

麗音「そんなこと言っちゃって〜、本当は凄いんでしょ?」

 

美優「あっ! ちょっと!?」

 

麗音「え!? 全教科98点!?」

 

美優「あ、あんま見ないでよ〜……」

 

 

 

 全部98点だったの、普通に凄いと思うんですけど……

 

 そういえば、三玖ちゃんはどうしたかな……?

 

 

 

麗音「あれ? 三玖ちゃんが居ないな……」

 

美優「三玖ちゃんなら図書室に行ったっぽいよ? 四葉ちゃんが試験結果の報告を上杉くんにするんだ〜とかで。」

 

麗音「へ〜、せっかくだから私も上杉くんに報告しよっかな〜。」

 

美優「上杉くんってあの子たちの家庭教師してるんでしょ? 麗音ちゃんも教えてもらってたの?」

 

麗音「うん、少しだけね、だから一応伝えとこうかと思う、美優も伝えちゃう?」

 

美優「私はこれから部活あるから……良い結果だといいね。」

 

麗音「うん、絶対大丈夫だよ!!」

 

 

 

 私は美優と別れ、図書室へ向かった

 

 

 

 

__________________

 

 

 

 

 〜図書室〜

 

 

 

 

麗音「お〜、五つ子ちゃん勢揃いだね!」

 

二乃「麗音、あんたも上杉にテスト結果を見せに来たの?」

 

麗音「ま、私も少しだけ教わったからね。」

 

四葉「何点だったんですか?」

 

麗音「私はね〜……」

 

 

 

 今回の中間の結果は…

 

 

 国語 95点

 

 数学 73点

 

 理科 71点

 

 社会 67点

 

 英語 90点

 

 

 

 

五月「落差はありますが、私たちに比べたら好成績だと思います。」

 

麗音「あはは……落差がなければなぁ〜。」

 

一花「私たちと違って、レインちゃんの頭が良いことをすっかり忘れてたよ。」

 

麗音「上杉くんとかはどうなんだろうね? 全部100点だったりして……」

 

風太郎「待たせたな。」

 

三玖「あ、来た。」

 

 

 

 噂をしてたら上杉くんが到着したみたいだから、成績発表といきましょうか

 

 

 

三玖「中間試験の報告、間違えた所、また教えてね。」

 

風太郎「あぁ、ともかく答案用紙を見せてくれ。」

 

一花「私は〜……」

 

五月「見せたくありません!」

 

麗音「え……?」

 

五月「個人情報です、断固拒否します!」

 

一花「五月ちゃん……?」

 

風太郎「……ありがとな、だが覚悟はしてる、教えてくれ。」

 

 

 

 こうして、五つ子たちの試験結果が発表されていく

 

 

 

四葉「じゃーん! 国語はヤマカンが当たって30点でした! こんな点数初めてです〜!」

 

三玖「社会は68点、その他は赤点……悔しい。」

 

一花「私は数学の39点、今の実力じゃこんなもんかな〜。」

 

二乃「国数理社が赤点よ、言っとくけど手は抜いてないからね!」

 

五月「残念ですが、合格ラインを超えたのは56点の理科のみでした……」

 

風太郎「はぁ…相変わらずお前らの頭の悪さに落ち込むぞ……」

 

 

 

 あらら〜……意外と五つ子ちゃんってバ……

 

 あ、私、三玖ちゃんに社会で負けてるじゃん……人のこと言えないっ!!

 

 

 

二乃「ま、合格した科目が違うのは、私たちらしいけどね。」

 

三玖「それに最初の5人で100点に比べたら。」

 

風太郎「あぁ、確実に成長してる。」

 

 

 

 5人で100点だったのが、ここまで点数上げたのってやっぱり凄いと思う

 

 努力の賜物だよ

 

 

 

風太郎「三玖、今回の難易度は大したもんだ、今後は姉妹に教えられる所は自信を持って教えてやってくれ。」

 

三玖「え?」

 

風太郎「四葉、イージーミスが目立つぞ、焦らず慎重にな。」

 

四葉「了解で〜す!」

 

風太郎「一花、お前は1つの問題にこだわらなさ過ぎだ、最後まで諦めんなよ?」

 

一花「は〜い。」

 

風太郎「二乃、最後まで言うことを聞かなかったな、俺が来ないからって油断するなよ?」

 

二乃「ふん。」

 

三玖「フータロー、もう来ないってどういうこと? 私っ……!」

 

五月「三玖、今は話を聞きましょう。」

 

風太郎「五月、お前は本当に……バカ不器用だな。」

 

五月「まぁ〜!?」

 

風太郎「一問に時間をかけ過ぎて、最後まで解けてないじゃないか。」

 

五月「うっ……反省点ではあります。」

 

風太郎「自分で理解してるならいい、次からは気をつけろよ。」

 

麗音「……あれ? 私は聞かないの?」

 

風太郎「そもそもお前は俺の生徒じゃないだろ。」

 

麗音「一応、少し教えてもらったから改善点ぐらいは言ってもいいじゃん?」

 

風太郎「そうだな……落差が凄いから気をつけろ。」

 

麗音「それ、五月ちゃんにも言われた。」

 

一花「あはは! 確かに!」

 

 

 

 私の改善点はこの得意教科と苦手教科の差か〜

 

 何とかしなくちゃだね

 

 

 

五月「……! 父です。」

 

風太郎「はい、上杉です。」

 

中野父【五月ちゃんと一緒に居たのか、せっかくだから君の口から聞こうか。】

 

風太郎「はい。」

 

中野父【嘘は分かるからね?】

 

風太郎「はい、次からこいつらには、もっと良い家庭教師を付けてやって下さい。」

 

 

 

 さっきのもう来ない発言とか気になってたけど、もしかして上杉くん、家庭教師辞めるつもりなの…!?

 

 その時、二乃ちゃんが上杉くんから携帯を取り上げた

 

 

 

二乃「パパ、二乃だけど一つ聞いていい? 何でこんな条件出したの?」

 

中野父【僕も親としての責任がある、彼が相応しいのか測らせてもらっただけだよ。】

 

二乃「あたしたちの為ってことね、なら教えてあげる! あたしたち5人で5科目全ての赤点を回避したわ。」

 

風太郎「なっ!?」

 

麗音「二乃ちゃん、マジ?」

 

中野父【二乃君が言うのなら間違いないんだろうね、これからも上杉君と励むといい。】

 

 

 

 そして、五つ子たちのお父さんとの通話が終了する

 

 

 

風太郎「二乃、今のは……」

 

二乃「5人で5科目クリア、嘘は言ってないわ。」

 

麗音「そんなのアリ……!?」

 

二乃「結果的にパパを騙すことになった、多分2度と通用しない、次は実現させなさい。」

 

風太郎「……! あぁ! やってやるよ!」

 

 

 

 二乃ちゃんのファインプレーもあって、ひとまず上杉くんは家庭教師を続けられるみたいだね

 

 

 

風太郎「そういえばご褒美だっけか……? パフェとか言ってたな……」

 

麗音「……ププッ!」

 

一花「フータローくんがパフェって〜!」

 

二乃「超絶似合わないわ〜!」

 

風太郎「わ、笑うな!」

 

五月「それじゃあ私は、特盛で!」

 

風太郎「よ、よし、5人で5科目だから一人前な。」

 

二乃「せこッ!」

 

 

 

 上杉くん、なんだかんだ嬉しそう

 

 三玖ちゃんもホッとしてるし、結果的には良かったのかな

 

 

 

四葉「そういえば、上杉さんは何点だったんですか〜?」

 

風太郎「わっ、やめろ!」

 

四葉「ぜ、全部100点!?」

 

風太郎「あ〜、めっちゃ恥ずかしい!」

 

五月「その流れ、気に入ってるのですか……?」

 

 

 

 こうして五つ子ちゃんたちは見事赤点を回避?し、上杉くんも家庭教師を続けられることになった

 

 

 

 

 

 







 まだまだ1期の中盤までしか書けてなかったとは……!

 今年中に、あともう1話は出したい





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五つ子、音楽に目覚める…?




 今年、最後の投稿です

 やっと、タイトル通りな回になっていきます

 それではどうぞ!!






 

 

 

 

 それはある日、楽器店に立ち寄った時のことだった

 

 

 

 

麗音「あれ? 五月ちゃんじゃん、こんな所でどうしたの?」

 

五月「あ、星野さん。」

 

麗音「もしかして〜? これから楽器を始めるとか?」

 

五月「な、何で分かったんですか!?」

 

麗音「え、本当……?」

 

 

 

 冗談のつもりだったんだけどね〜

 

 五月ちゃん、楽器始めるんだ

 

 何やるんだろ?

 

 

 

麗音「メインの楽器ならね、あっちのコーナーにあるよ!」

 

五月「えぇ、知ってます。」

 

四葉「わ〜凄いね! これがドラムっていうんだ!」

 

一花「間近で見ると、木目とか綺麗だな〜!」

 

 

 

 奥のスペースには、五月ちゃん以外の4人が居た

 

 

 

 

三玖「あ、レインだ。」

 

二乃「丁度いいわ、星野に楽器のこと聞いてみましょうよ。」

 

一花「それいいね!」

 

 

 

 という事で、私が五つ子ちゃんたちに合いそうな楽器を選んであげることになったのです……

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

 

麗音「まず聞きたいんだけど、皆はやりたいパートとかって決めてある?」

 

一花「う〜ん、特には決めてないかな〜?」

 

二乃「なるべく目立つのが良いわね!」

 

三玖「あんまり目立たない方が良い…」

 

四葉「身体を動かすやつないですか!?」

 

五月「私はそもそも楽器には……」

 

 

 

 なるほど、それぞれやりたいパートは同じじゃなさそうだな

 

 1人ずつ教えていこうかな

 

 

 

麗音「じゃあまずは一花ちゃん!」

 

一花「私?」

 

麗音「特にやりたいのが無いって人はボーカルがお勧めだよ!」

 

一花「でもレインちゃんってさ、ギター持ちながら歌ってない?」

 

麗音「うん、あれはギターボーカルってやつだから。」

 

一花「ギターボーカル……! 私、やってみようかな!」

 

麗音「うんうん! 詳しいことは店員さんに聞けば分かるからね。」

 

一花「じゃあ早速選んでくる!」

 

 

 

 一花ちゃんはボーカルマイクのコーナーへと走って行った

 

 

 

麗音「次は二乃ちゃん。」

 

二乃「あたしにピッタリなのはどれかしら?」

 

麗音「二乃ちゃんはズバリ……ギターだね!」

 

二乃「ギターなら一花が選んでなかった?」

 

麗音「それがね、バンドはリズムギターとリードギターがあるのだよ!」

 

二乃「リズム……リード……? 何が違うのよ?」

 

麗音「リズムギターは弾きながら歌うから簡単、リードギターは主旋律を奏でるから難しいけど、ソロとかではめちゃくちゃ目立てるよ!」

 

二乃「良いじゃない! あたしも選んでくるわ。」

 

 

 

 そして二乃ちゃんはギターコーナーに……

 

 

 

麗音「次に三玖ちゃん、目立たないってことは無いんだけどベースをお勧めするよ。」

 

三玖「ベースって目立たないの?」

 

麗音「普通に聴いたら目立たないけど、上手い人には分かっちゃう、リズムの根幹にあたるパートだからやりがいはあると思うよ。」

 

三玖「うん、ありがとう。」

 

 

 

 三玖ちゃんはギターのコーナーに行こうとしてたから、私がベースのコーナーに案内してあげた

 

 

 

麗音「四葉ちゃんは間違いなくドラムだね!」

 

四葉「あのドコドコ叩くやつですか!?」

 

麗音「そうそう! 最初の内は体力使うからおすすめだよ!」

 

四葉「それじゃ行ってきます〜!!」

 

 

 

 四葉ちゃんはドラムのコーナーに走っていった

 

 楽器店は、あまり走り回らないでね……

 

 

 

麗音「最後は五月ちゃん!」

 

五月「あの、私は……」

 

麗音「キーボードだね!」

 

五月「タイピングですか? それだったら自信あるかもしれないです。」

 

麗音「なら尚更! 五月ちゃんはキーボードやろう!」

 

五月「わ、分かりました……」

 

 

 

 ちょっと無理矢理な感じで決めちゃったけど、五月ちゃんって5人の中では1番上品な感じだから似合うと思う

 

 さてと、私は音楽雑誌でも見てこようかな?

 

 

 

 

____________________________________________

 

 

 

 

 

麗音「さぁ! 楽器体験はどうだったかな!?」

 

一花「あはは……ギター弾きながら歌うのって難しいね。」

 

二乃「うぅ〜、指つっちゃいそう……」

 

三玖「太くて音鳴らない。」

 

四葉「頭がパンクしそうです〜。」

 

五月「……意外と悪くないですね。」

 

 

 

 まぁ、楽器始めたばかりはそんなもんだよ〜!

 

 あと五月ちゃん、結構ノリノリじゃなかった……?

 

 

 

麗音「皆はさ、やりたい曲とかってある?」

 

一花「なら、最近流行りのとか?」

 

二乃「最近ハマってるドラマの主題歌が良いのよ〜!」

 

三玖「ゲームで弾きたい曲があって……」

 

四葉「アニメの曲ってカッコよくないですか!?」

 

五月「私は何でも構わないです。」

 

 

 

 あちゃ〜、やっぱりこうなったか〜……

 

 見た目は同じでも、中身は全く別者だもんね

 

 

 

麗音「それならさ、私から提案があるんだけど……」

 

一花「お! 何何〜?」

 

麗音「オリジナルの曲やってみない? 私が作るからさ!」

 

四葉「凄い! 星野さん、歌作れるんですか!?」

 

二乃「シンガーソングライターやってるって言ってたじゃない……」

 

 

 

 そう! こう見えても私は曲も作れるし、歌も出来る!

 

 有名かって聞かれたら、そんなことはないかもだけど……

 

 

 

麗音「なら、私は五つ子ちゃんたちの歌を作ってみようかな〜。」

 

二乃「けど、どんな歌を作るのよ?」

 

麗音「それは完成してからのお楽しみだよ〜! それまでちょっと待っててね!」

 

 

 

 こうして、五つ子との楽器体験は幕を下ろすのだった

 

 

 

 

__________________________________________

 

 

 

 

 

風太郎「ん? 星野……?」

 

麗音「お! 上杉くん、奇遇だね!」

 

風太郎「おっす。」

 

麗音「え〜、それだけ〜!?」

 

風太郎「別にお前に何も用無いし……」

 

麗音「ねぇねぇ! 五つ子ちゃんたちはどんな感じ? 勉強は順調なの!?」

 

風太郎「なんでそれを、お前に話さなきゃならないんだよ?」

 

麗音「だって私は、五つ子ちゃんたちの音楽教師だもん!」

 

風太郎「そうか、けど音楽なんてそんなに難しいか?」

 

 

 

 あ、多分上杉くん、教科の音楽と勘違いしてるな〜

 

 全く、ガリ勉君は〜……

 

 

 

麗音「そうじゃなくてバンド! あの子たちバンド始めるの! そのコーチが私ってわけ!」

 

風太郎「な、何だと……!?」

 

 

 

 おや、ここに来て絶望したような顔をする上杉くん

 

 どうかしたのかな?

 

 

 

風太郎「バンドなんてやってたら、ますますアイツらの成績が下がる……今からでも取り止めよう、話つけられないのか?」

 

麗音「バンドやってるから成績下がるって考え古いよ〜? あの時、二乃ちゃんを部屋から誘き出したのは誰だったっけ〜?」

 

風太郎「こ、こいつ……!」

 

麗音「てなわけで、バンドは始めさせてもらうから! とびっきりの一曲、期待しててよね?」

 

風太郎「は?」

 

 

 

 そう言って、私は上杉くんと別れた

 

 新曲か〜、あぁは言ったけど、まだ何も考えてないんだよね……

 

 ま、しばらく構想期間ってことにしようかな!!

 

 

 

 

 







 実は今ストックが無い状態で、次回以降の投稿の予定が未定となります

 ラストのセリフの通り、この小説はしばらく構想期間としますかね

 それでは皆様、良いお年をお過ごし下さい!!





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