タイムカプセル (イオリス)
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約束
登場人物紹介


「ラブライブ!」2期終了&劇場版決定!と言うことで、卒業後のμ'sメンバーについて、色々書いてみました。
今回は、絵里メイン回で、絵里が教員として音ノ木坂学院高校に戻り、「アイドル研究部」の顧問になりました。

ちなみに、担当教科は、プロフィールに書いてある得意科目、「英語」「化学」のうち、個人的に興味のある「化学」から、理科教員にしました。



ここで絵里の簡単な設定を紹介します。


絢瀬絵里(作中は2月の設定)
年齢:28 誕生日:10月21日 血液型:B型 身長:162cm 体重:データ不詳 好きな食べ物:チョコレート 嫌いな食べ物:梅干、海苔 趣味:キルトやアクセ製作、飲酒

音ノ木坂学院高校理科教諭。専門は化学。生活指導担当。学校では白衣を着ていることも多い。高校時代から何でもそつなくこなすタイプで、責任感も強い。また、ロシア人の血をひいているせいか、酒にも強い。なお、現在結婚相手募集中(笑)


他のメンバーも職業だけ。

高坂穂乃果:卒業後にアイドルをやっていたが、今では実家で菓子職人になる。

南ことり:売れてるファッションデザイナー。

園田海未:実家の日舞の師範代。

西木野真姫:2年目の研修医。

小泉花陽:元アイドルの絵本作家。

星空凛:元アイドルで花陽と組んでいた。今は、ダンスのインストラクター。

矢澤にこ:元アイドルの主婦。

東條希:バーを経営。占いをやったりもする。


ついでに、亜里沙や雪穂も。

絢瀬亜里沙:絵里の3歳年下の妹。今は、日本語とロシア語の翻訳者になっている。

高坂雪穂:穂乃果の2歳年下の妹で、亜里沙とは同級生。家は姉に任せ、会社員をやっている。



本来、結婚すれば姓が変わることも多いものですが、支障がないので、旧姓の表記にしました。


「ラブライブ!」2期終了&劇場版決定!と言うことで、卒業後のμ'sメンバーについて、色々書いてみました。

今回は、絵里メイン回で、絵里が教員として音ノ木坂学院高校に戻り、「アイドル研究部」の顧問になりました。

 

ちなみに、担当教科は、プロフィールに書いてある得意科目、「英語」「化学」のうち、個人的に興味のある「化学」から、理科教員にしました。

 

 

 

ここで絵里の簡単な設定を紹介します。

 

 

絢瀬絵里(作中は2月の設定)

年齢:28 誕生日:10月21日 血液型:B型 身長:162cm 体重:データ不詳 好きな食べ物:チョコレート 嫌いな食べ物:梅干、海苔 趣味:キルトやアクセ製作、飲酒

 

音ノ木坂学院高校理科教諭。専門は化学。生活指導担当。学校では白衣を着ていることも多い。高校時代から何でもそつなくこなすタイプで、責任感も強い。また、ロシア人の血をひいているせいか、酒にも強い。なお、現在結婚相手募集中(笑)

 

 

他のメンバーも職業だけ。

 

高坂穂乃果:卒業後にアイドルをやっていたが、今では実家で菓子職人になる。

 

南ことり:売れてるファッションデザイナー。

 

園田海未:実家の日舞の師範代。

 

西木野真姫:2年目の研修医。

 

小泉花陽:元アイドルの絵本作家。

 

星空凛:元アイドルで花陽と組んでいた。今は、ダンスのインストラクター。

 

矢澤にこ:元アイドルの主婦。

 

東條希:バーを経営。占いをやったりもする。

 

 

ついでに、亜里沙や雪穂も。

 

絢瀬亜里沙:絵里の3歳年下の妹。今は、日本語とロシア語の翻訳者になっている。

 

高坂雪穂:穂乃果の2歳年下の妹で、亜里沙とは同級生。家は姉に任せ、会社員をやっている。

 

 

 

本来、結婚すれば姓が変わることも多いものですが、支障がないので、旧姓の表記にしました。 絵里はかつて、μ'sのメンバーの中でも、ダンスの振り付けを担当していた。

今や彼女は音ノ木坂学院の理科教員(専門:化学)にして、生徒指導担当、アイドル研究部の顧問だ。

ダンスをしばらく続け、やっと今日の目標を達成した。

「じゃあ、一休みしましょう。次はボーカルレッスンに入るわ。」

絵里が休憩していると

PrPrPrPrPrPrPrPrPrPrPrPrPr

絵里のスマートフォンから電話だ。

「ちょっと外すから、時間になったら始めていて。」

 

 

生徒の返事を確かめてから、絵里は部室を出ていく。

 

「あ、穂乃果?私よ。・・・うん、二週間後ね。・・・その日は、学校は休みだけど、特別に鍵を開けさせてもらうように、南理事長にお願いしておくわ。」

相手は、高坂穂乃果だった。

「・・・うん、・・・μ'sだけの日、になるようにしておくから。」

解散後、それぞれの道に向かって歩み始めたμ'sのメンバー。その全員が卒業式の翌日に集まる。

 



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第1話 アイドル研究部

音ノ木坂学院高校の廃校の危機を救ったアイドル研究会。今や、部に昇格し、予算や顧問もつくようになった。

そうなれば、当然今までよりも結果が求められるようになる。

 

「はい、ワン・ツー、ワン・ツー。・・・そこ、遅れているわ!」

絢瀬絵里が手拍子を振りながら、部員達を指導する。

 

絵里はかつて、μ'sのメンバーの中でも、ダンスの振り付けを担当していた。

彼女は、高校卒業後は理科系の大学に行き、理科の教員免許を取得した後、母校である音ノ木坂学院高校に戻ってきた。

今や、彼女は音ノ木坂学院高校の理科教員(専門:化学)にして、生徒指導担当、アイドル研究部の顧問だ。

学校を愛し、学校とともに生きてきた彼女にふさわしい生き方と言えるだろう。

 

それからダンスをしばらく続け、やっと今日の目標を達成した。

 

「じゃあ、一休みしましょう。次はボーカルレッスンに入るわ。」

 

絵里が休憩していると

 

PrPrPrPrPrPrPrPrPrPrPrPrPr

 

絵里のスマートフォンから電話だ。

「ちょっと外すから、時間になったら始めていて。」

 

 

生徒の返事を確かめてから、絵里は部室を出ていく。

 

「あ、穂乃果?私よ。・・・うん、二週間後ね。・・・その日は、学校は休みだけど、特別に鍵を開けさせてもらうように、南理事長にお願いしておくわ。」

相手は、高坂穂乃果だった。

 

「・・・うん、・・・μ'sだけの日、になるようにしておくから。」

解散後、それぞれの道に向かって歩み始めたμ'sのメンバー。その全員が卒業式の翌日に集まる。

 

(久しぶりにあの9人が集まるのね・・・。)

μ's・・・。それは、9人の音楽の女神からつけられた名前である。

9人の女神により、音ノ木坂学院高校は、廃校から救われたといってもよいだろう。

 

(それにしても10年か・・・。)

絵里は大学院まで行き、高校理科の専修免許を持った訳だが、その間には、色々あった。

 

絵里が教育実習に参加した年度からは共学化したりもした。

 

(男子が入ってくるのは、正直違和感あったわね。)

伝統ある女子校であったが、時代の流れや、他の高校の廃校に伴う転編入を引き受けているうちに変わっていったのだ。

 

(とにかく、また廃校の危機なんかにならなくて良かったわ。)

 

PiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPiPi

 

(おっと、いけない。もう練習の時間ね。)

先に始めてるようには言ったが、絵里が監督するのは義務であるため、急いで戻る。



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第2話 希のバー

音ノ木坂学院高校から、比較的近所にバーがある。絵里はそこの常連だ。

 

「ここに来ると落ち着くわ。」

絵里は、日本だけでなく、祖母の生まれ故郷にあるロシアの酒も多数あるこの店を気に入っていた。

 

ウォッカも、日本では滅多に入らない強いものが置いてある。

 

また、ボルシチやピロシキなどロシア料理も充実している。

 

 

「いらっしゃいま・・・、・・・えりちやないか。」

出迎えたのは東條希。絵里の高校時代からの友人だ。

 

希は、μ'sの名付け親である。また、メンバーの精神を陰から支えてきた、縁の下の力持ちと言うべき人物である。

彼女は、大学を卒業したが、普通の就職活動はしなかった。

 

(希ったら、結局オカルト関係のことができる仕事を選んじゃったわね。)

希にとっては、そうしたことは生きる上で欠かせないのだろう。

 

(バーを開かせたきっかけは私にあるけどね。)

絵里は、クォーターとは思えないほど、ロシア人である祖母の血が強く、日本でよく置いてあるウォッカでは全然足りなかった。

 

普通の居酒屋や、研究室の酒は弱くて物足りないと嘆いていたところ、希が

「ウチに任しとき!」

と、居酒屋を開き、強い酒を用意してくれたのだ。

 

 

ちなみに、この店は元μ'sメンバーの集合場所としても、良く使われる。

9人揃うことはなかったが、それでも何人もの元メンバーが何回か来たり、亜里沙や雪穂の大学の卒業式の内輪パーティーにも使われてきた。

 

もちろん、圧倒的に利用頻度が高いのは、絵里であるのは言うまでもない。

 

(私、ここに来て何百回くらいお酒を飲んだかな・・・・・・。他の店では、物足りないのよね。)

絵里がテーブルに座ってあれこれ考えていると、

 

「・・・・・・ん、お客さん!?」

希が声をかけてきた。

 

「え・・・・・・、あ、ごめん。」

絵里は、ようやく気がついた。

 

「気がついたところで、ご注文は何になさいますか?」

希は、バーのマスターのモードに戻った。

 

「そうね・・・。まずは、いつものにするわ。」

 

 

「かしこまりました。」

絵里の言う、「いつもの」とは、ウォッカのサイダー割のことだ。

(μ's解散から10年か・・・。思えば、あの頃ほど充実した時間はなかったわね。)

絵里は、10年前・・・。μ's時代の自分を思い出していた。 絵里は最初、スクールアイドルの活動には反対だった。廃校を阻止するために発足されたスクールアイドル活動が邪魔になると考えていたからだ。

(あの頃の私は頭が堅くて周りが見えてなかったわね・・・。)

 



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第3話 回想 〜μ'sに入るまで〜

絵里がμ'sの活動に関わるきっかけは、穂乃果達が、こともあろうに生徒会長の絵里にダンスを教わりに来たところだ。

 

(あなたの差し金ね。)

絵里は、海未の方を見た。

 

『あなたに、私達のことをそんな風に言われたくありません!』

 

先日、公園で絵里は海未に、自分のかつてのバレエの躍りを見せて、「A-Riseさえも、私から見れば素人に過ぎない。」と言ったのだ。

 

(彼女らに自分達の実力を知らしめるいい機会だわ。)

絵里は、やるからには自分が許せる水準まで達成することを約束させた。

 

その日の訓練は、絵里の予想通り、彼女達はついていけなかった。絵里が途中で中止を宣告した。

文句を言うにこと真姫には

「自分達の実力がわかったでしょ。」

 

(身の程知らず!)

絵里は極めて冷たい態度を取り続ける。

 

絵里が立ち去ろうとすると

「ありがとうございました!明日もよろしくお願いします!」

と穂乃果達が自分に礼を言った。

穂乃果達の視線から、その言葉に嘘がないことはわかる。

(どうして、そう言えるのよ!)

絵里にとっては意外なことだった。

 

 

その日の夜、妹の亜里沙がμ'sの音楽を聴いていた。亜里沙は「すごく元気がもらえる」と言っていた。

絵里も聞いてみると

(ダンスはまだまだだけど、確かにエネルギーは感じるわ・・・。)

 

 

翌朝、絵里が屋上に来ると、穂乃果達はすでに来ており、やる気を出していた。

 

「辛くないの?昨日あんなにやって、今日またおんなじことをやるのよ。上手くなるかどうかもわからない。」

 

絵里が、穂乃果達に訪ねる。

 

穂乃果達は、廃校を阻止したいと言う熱い気持ちをぶつけた。

それに対して、絵里は無言で去っていった。

 

廊下を歩いていると

「ウチな・・・。」

横から希が声をかけてきた。

「希。」

絵里が希の方を振り返る。

 

「えりちの友達になって、生徒会やってて、ずーっと、思ってたことがあるんや。」

「えりちは、本当は何がしたいんやろって。」

「一緒にいると、わかるんよ。」

「えりちががんばるのは、いつも誰かのためばっかりで、いつも我慢しているかのように、全然自分のこては考えてなくて。」

希の言葉を聞いて、絵里が去ろうとすると

 

「学校を存続させようと言うのも、生徒会長としての義務感やろ。」

 

希が声を張り上げる。

 

「だから理事長は、えりちのことを認めなかったとちゃう?」

おそらくその通りだろう。もっとも、それは理事長がはぐらかさずに教えてやっても良かったのだが。

 

「えりち・・・。えりちの本当にやりたいことは?」

希は、絵里を見つめながら問い質す。

 

「何よ・・・。何とかしなくちゃいけないんだから、しょうがないじゃない!!」

「私だって、好きなことだけやって何とかなるならそうしたいわよ!」

絵里の心の叫びだ。

 

絵里は涙を浮かべ、

「自分が不器用なのはわかっている!」

「でも!今さらアイドルを始めようなんて、私が言えると思うの?」

そう言うと、絵里は走って去っていった。

 

「私のやりたいこと・・・。・・・そんなもの!」

教室に戻って一人で座っている絵里が投げ捨てるように言うと、

 

突然手が差し出された。

絵里が横を向くと、穂乃果達がいた。

 

「あなた達・・・。」

「生徒会長、いえ、絵里先輩。お願いがあります。」

突然穂乃果達が現れて戸惑う絵里。

 

「練習?なら、昨日言った課題を全部こなして・・・。」

「絵里先輩、μ'sに入って下さい。」

「一緒にμ'sで歌ってほしいです。スクールアイドルとして!」

穂乃果が絵里をスクールアイドルにスカウトしに来た。

 

「何言ってるの?私がそんなことする訳ないでしょ。」

絵里の立場なら、そう言うだろう。

 

「さっき、希先輩から聞きました。」

海未が言った通り、希が屋上に言ってみんなに説明したのだ。

 

「ちょっと待って!別にやりたいなんて・・・。・・・大体、私がアイドルなんておかしいでしょ。」

 

これまでの態度を考えれば、それもそうだろう。

 

「やりたいなら、やってみればええんとちゃう?」

そんな絵里を後押しする希。

 

「やりたいことって、そんなところから始まるもんや。」

その言葉は、絵里がμ'sに入るのに、十分な力を与えてくれた。

 

絵里が穂乃果と握手し、8人目のメンバーとなり、その直後に希も加入し、9人が勢揃いした。

 



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第4話 絵里の日常

「お待ちどうさま、」

ロシア風のおでんが、絵里のカウンターに乗った。

 

「希?」

「何?」

「他のμ'sのメンバーの様子はどうなの?変わりないかしら。」

「そうやね・・・。そうそう、先日アイドルを引退して絵本作家をやっているかよちんが結婚するとかしないとか言っていたやね。」

希が、絵里にニヤニヤ笑いをしながら言う。ちなみに、「かよちん」とは、絵里達の2学年下の小泉花陽のことだ。

 

「何よ、その笑いは?」

絵里は、とたんに不機嫌になる。

(結婚か・・・。先を越されたわね・・・。)

絵里は、内心焦っていた。2年も下で、しかも、性格的に奥手な花陽が、もうすぐ花嫁になりそうだったからだ。

 

「相手もおらんのは、うちと真姫ちゃんとえりちだけになってしもうたな。」

「くっ。」

「・・・まあ、うちらと違って真姫ちゃんは研修医で一番忙しい時期やし、2つ年下やからしょうがないけどな。」

希は止めを刺す。

 

「ウォッカのおかわりをちょうだい!今度はストレートで!」

「了解しました。」

やけ酒としか言い様のない絵里の注文に、営業スマイルに戻る希。

 

(えりちはかわいいなあ。)

希は、絵里に見えないように微笑んだ。

 

 

 

絵里は、アイドル研究部顧問であるが、同時に化学の教諭でもある。

 

音ノ木坂学院高校も2月後半に入る。1、2年の年度末考査も終わり、来年度にむけての授業があった。

今の時期の絵里は、2年生全理系クラスの化学を受け持っていた。

 

「まず、今日は有機化合物の特徴の復習に入ります。」

有機化合物とは、炭素の原子を骨格とした化合物(2種類以上の元素からなる物質)のことを言う。

 

「それでは、有機化合物の基本的な特徴を、加藤君、すべて答えてみて。」

「はい。」

加藤と言う男子生徒が立ち上がって説明する。

男子生徒?・・・そう、今の音ノ木坂学院は共学化したため、男子生徒がいる。

現実、今絵里の授業を受けている生徒も半分近くが男子だ。

 

「正解よ、よくできました。座って。」

加藤と言う生徒がきちんと答えたので、絵里はほめて座らせた。

 

「それでは、今日は有機化合物の分類について入ります。教科書271ページを開いて。」

絵里は、教室内の机の間を歩きながら、教科書を開いたかどうか確認していく。

このように、生徒の机の様子を歩きながら確認することを机間巡視(きかんじゅんし)と言い、教員がよくやることだ。

 

今回の内容にあたる有機化合物の分類には、炭素原子骨格のつながり方をみる分類と、有機化合物の中でも、その物質特有の性質を示す「官能基」と呼ばれる部分をみる分類がある。

 

有機化学は、元素同士がどうつながっているかが重要になってくる。そういう点では、人間関係に似ていると言っても過言ではない。

 

「では今日はここまで。」

「起立!」

絵里が授業の終了を宣言すると、号令とともに生徒が立ち上がる。

生徒が礼をして、授業終了。

 

絵里は、熱意ある授業で、男女問わず生徒から人気があった。



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第5話 卒業式

それから時間は流れ、約束の日の前日となる卒業式がやってきた。

 

今年度の絵里は、2年F組の担任である。

 

ちなみに、去年、絵里は初の3年生のクラス担任をしていたが、3年の卒業後のホームルームでは途中から号泣していた。

 

(私の卒業の時も、担任の先生は泣いていたわね。今年も泣くのかしら。)

絵里の担任だった先生は、今年も3年C組で、絵里が卒業した時にいたクラスと同じである。

 

卒業式は、絵里達が卒業する時とは異なり、粛々と進行していった。

 

卒業式の後の行事や飲み会も終わり、自宅に帰った。

その日は絵里の妹の亜里沙も来ており、絢瀬姉妹の再会となった。

 

学校で卒業式をやったためか、絵里は自分の卒業式を思い出した。

 

「穂乃果ったら、『μ's』の歌で送辞をしてくれたわね。あの時は、本当に驚いたわ。」

卒業式に西木野真姫の伴奏で『愛してるばんざーい』の曲を歌ったのだ。

『愛してるばんざーい』は、元々音楽室で真姫が一人で弾き語りをしていた曲で、もちろんμ'sを代表する曲の一つだ。

 

つまり、穂乃果はμ'sの曲で、卒業式の送辞をしたのだ。

 

「穂乃果さんらしい送辞の仕方だったわね。」

亜里沙も穂乃果のことを思い出して笑った。

 

「あれほど感動した卒業式は、全国どこにもないでしょうね。」

絵里は、学校では滅多に見せない、心からの微笑みを浮かべた。

 

「送られた側はもちろん、送った側にも一生の思い出に残るわ。」

あの卒業式は、外部から参加しただけの亜里沙の心にも残るものだった。

 

「まあ、卒業式の私物化だと言われれば、それまでだけど。」

一つの部活動の歌を卒業式と言う場で演奏すると言うことは、普通に考えれば、批判されて当然である。

 

「まあ、あの年くらいはいいんじゃない?だって、μ'sが音ノ木坂を救ったんだし。」

亜里沙の言う通り、廃校を阻止した救世主であるμ'sだから、許されてもいいだろう。

生徒や職員、保護者も、全員とまでは言わないが、ほとんどが認め、理事長も「今年度に限っては認めます。」と言った。

 

もっとも、そのために穂乃果は翌年には生徒会長の座を外れ、結局、答辞も別の生徒に譲ることになったが。

穂乃果本人は、生徒会長の座から降りられてホッとしたのは言うまでもない。

 

「穂乃果のおかげで卒業式まで退屈しないですんだわ。」

絵里は、エネルギッシュなかつての後輩を思いだし、笑っていた。

 

 

「さて、明日もあることだし、寝るわ。」

「お休み、お姉ちゃん。」

 

絵里は、μ'sだから許された明日の集まりのために、眠りについた。




今日は、ここまでにします。かつてのμ'sメンバーが再会するのは、8月3日の穂乃果ちゃんの誕生日までお預けと言うことでお願いします。


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再会
第6話


いよいよ、再会当日になりました。今回は、来る順番を予想する、バクチ要素があります。

また、コメントの返答が遅れますが、どうかご容赦ください。

それでは、よろしくお願いします。


※追記

基本的にアニメに準じた設定の後日談の形にしています。
なお、「先輩禁止」はμ's解散と同時に撤廃されたと考えております。
2期最終話で卒業式後の部室で、真姫がにこのことを「にこ先輩」と呼んでいるシーンがありましたので、これを「先輩禁止」撤廃の根拠といたします。


絵里達の卒業からちょうど10年後の今日、μ'sのメンバーが再会を果たす。

そして、絵里は、再会の準備をするため、早めに学校に来ていた。

「よいしょっと。」

絵里は、スコップを持って、タイムカプセルを掘り起こし、表面を雑巾で掃除した。

「これでよし。」

タイムカプセルをきれいにした絵里は、部室に行き、余所行きの学校に着替えた。

 

「さて、後は皆が来るのを待つだけね。最初に来るのは、花陽かしら?それなら、二番目は凛ね。」

絵里は、最初の1人を小泉花陽と予想した。

「花陽に電話をかけてみましょう。」

絵里は、最新型のスマホを取り出した。

 

「花陽、あと何分くらいかかる?」

「あら、もうそこまで来てるの?じゃあ、私の予想通り花陽が一番乗りね。次が凛で。」

 

絵里は電話を切った。

 

しばらくすると

「絵里先輩、お久しぶりです。」

絵里の予想した通り、一番手は花陽だ。縁の厚いメガネをかけている。

 

「花陽、お久しぶり。さて、凛が来るのを待ちますか。」

絵里がイタズラっ子のような笑みを浮かべる。

 

「それにしても・・・私が一番に来るのを、どうしてわかったんですか?」

花陽は、疑問に思ったようだ。

「μ'sのメンバーの性格を考えればわかるわよ。」

絵里が微笑むと

「かよちーん!」

凛の登場だ。

「お久しぶりね、凛。あなたが二番目よ。」

絵里が凛にあいさつをする。

「絵里先輩、お久しぶりです。」

凛が絵里に返事を返す。

 

「ねえ、二人とも。」

絵里が花陽と凛に呼び掛ける。

 

「「何ですか。」」

「せっかくだから、残りのメンバーがやってくる順番を予想してみない?」

絵里はこう見えてバクチ好きだ。

 

「凛ちゃん、さっき絵里先輩がね、私が一番に来て、凛ちゃんが二番目に来るのを当てたんだよ。」

花陽がさっきの状況を説明する。

「それってたまたまじゃないの?絵里先輩♪」

凛がイタズラっ子みたいな笑みを浮かべる。花陽とは対象的に、凛は目立つ格好だ。少々、少女っぽかったが、髪をショートからロングに伸ばした凛には良く似合う。

 

「そうかもね。だから、残りのメンバーが来る順番を予想してみましょう。」

絵里が改めて呼び掛ける。

 

「いいですよ、じゃあ凛は次は真姫ちゃんが来ると思うな。かよちんは?」

 

「わ・・・私は・・・にこ先輩かな・・・。」

凛と花陽がそれぞれ予想を立てる。

(この子達はいつも一緒だったわね。)

花陽と凛はアイドル時代まで、二人でユニットを組んでいたのだ。

 

「二人とも外れね。次は希だと思うわ。その次は真姫・・・、にこは最後ね。」

絵里は詳細に説明する。

「自信たっぷりですね。外したらどうします。」

凛がニヤニヤ笑いで挑発する。

「あら、それなら二人に何でも好きなものをおごってあげるわ。」

絵里は冷静に返す。

「・・・え・・・。」

(絵里先輩、お財布大丈夫かな。)

花陽は、μ'sでも小柄な凛や自分がかなり食べることを自覚していた。

 

「もし私が勝ったら、二人にはそれぞれ言うことを一つ聞いてもらうわよ。」

(花陽、私の心配なんか無用よ。勝つのは私なんだから。)

絵里は自信満々だ。

 

「よーし、約束を取り付けちゃったぞ!」

凛がワクワクする。



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第7話

数分後、その結果がわかった。

 

「お待たせ〜、えりち。・・・凛ちゃんや花陽ちゃん、もう来とったんか。」

来たのは、希だった。

 

「ええ〜、希先輩!?」

「絵里先輩・・・、・・・すごい、超能力者?」

凛と花陽がびっくりする。

 

「希、手伝ってくれる約束は?」

「少し遅れても大丈夫かと思ったんや・・・。ごめん、えりち。」

希が両手を合わせて絵里にあやまる。

 

「全く・・・、まあ、あなたが遅れるのは予想済みね。」

絵里は呆れたようだ。

(だから、花陽や凛の次はあなたかなと予想できたのよ。)

 

「絵里先輩にあてられちゃったニャー。」

 

 

凛は悔しさからか、語尾に「にゃ」をつける、昔のクセがでた。

「ちょっと、残念です・・・。」

花陽もガッカリする。

 

「何やっとったんや。」

希が絵里に訪ねようとすると

 

「やっと着いたわ。」

真姫が到着した。

 

「フフフ、真姫の順番まで当てたわ。」

絵里は、ここまで全員を当てている。

 

「何の真似ですか、絵里先輩。」

真姫は、ジト目で絵里を見る。

 

「真姫ちゃん、キレイ・・・。」

花陽が、目をキラキラさせる。

「大人っぽくて、凛やかよちんと同い年に見えない。絵里先輩と同格に見えるよ。」

凛も、うっとりした表情だが、言っていることはアホだ。

「凛、それ、ほめてるの?」

真姫は、凛に突っ込みを入れる。

 

「そう言えばえりち。さっきから当てたとか、外したとか何のことや?」

希が気になったようだ。

 

「それはね・・・。」

絵里が、メンバーの来る順番を賭けていたことを説明すると

 

「面白そうやん、ウチも乗るで。」

「せっかくだから、私もやってみるわ。」

希と真姫も同じルールで乗る。

 

「今度は私が先攻ね。・・・穂乃果、ことり、海未、最後がにこね。」

「じゃあ、ウチはにこっち、穂乃果ちゃん、ことりちゃん、海未ちゃんや。」

「私は、海未先輩、ことり先輩、にこ先輩、穂乃果先輩にしておくわ。」

絵里、希、真姫の順番で予想する。さっき外した凛、花陽は参加しない。

 

希はアイシャドーも着けて、髪も学生時代とは違っておろしていた。バーに出勤してもあまり違和感はない。

一方、真姫は大人びたファッションモデルがそのまま出てきたような服装だった。高校時代のギャルっぽい感じは、今の真姫にはなかった。

(二人とも、それぞれの個性がよく出ているわ。)

高校時代からオシャレに気を使っていた真姫は

、研修医と言う非常に忙しい中にあっても、ファッションのチェックは要領よくやっていたのだ。

希の方は、仕事柄予想できる内容だった。今の職業についたのにも、彼女の言うスピリチュアルパワーがはたらいたからかもしれない。



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第8話

約束の時間を少し越えて

「ゴメン、みんな待った。」

「ちょっと遅れちゃったね。」

「全く、穂乃果は!肝心な時に寝坊するなんて。」

高坂穂乃果、南ことり、園田海未が揃ってやってきた。

 

「3人ともお久しぶりね。」

絵里が笑顔で出迎える。

「穂乃果ちゃん達、遅かったなあ。久しぶりにワシワシしたろか?」

「全く、こういう時に遅刻するなんて、ひどいんじゃない?」

外した希と真姫は、不機嫌だ。

 

「みんな、ゴメンね。」

ことりが周囲に謝る。

「穂乃果が夜更かししたせいですよ。」

海未が、遅れた理由を愚痴とともに説明する。

「だって、商品開発も考えないといけないんだもん。」

穂乃果は言い訳に終始する。

 

(この3人が一番変わってないわね。)

絵里は、高校時代の穂乃果、ことり、海未を思い出していた。

 

穂乃果の服装は、普通の女性用のスーツであった。髪型も、高校生時代と変わらない。

ことりは、ファッションデザイナーらしく、彼女にもっともよく合ったゆるふわ系の服装だった。

そのためか、真姫より年下に見える。むしろ、凛に近い感じだ。

 

一方、海未は桜色の着物姿だ。家庭の事情で、大学卒業後は、毎日和服で生活しているため、その格好に慣れたのだ。髪止めもしている。

 

「ハラショー、海未、すごく似合ってるわ。」

絵里は、日本の伝統美に思わず感嘆した。

「海未先輩、すごくキレイ。大人の人感バリバリ。」

凛も大人なのだが、それを感じさせない。

 

「そんな・・・。凛も絵里も決まってますよ。」

そう言いながらも、海未はまんざらでもない様子だ。

 

「さて、希、真姫。賭けの件は忘れていないわよね。」

さっきの賭けも、絵里の一人勝ちだ。

 

「にこっちにはガッカリや。こんな大事な日に遅れてくるなんて。あとでワシワシや。」

希は手をわしづかみの形にしたポーズを取る。

 

「全く、3人揃って来るなんて予想つかなかったわ。」

真姫も悔しそうだ。

 

「高校1年までぼっちだった真姫には難しかったようね。」

絵里が意地悪な笑みを浮かべる。

 

「ぼっちって言わない!」

真姫がすねる。

 

 

しばらくして

「にっこにっこにー。みんなの矢澤にこが、主人公の法則で、遅れてやってきたわよー。遅れてゴメーン。」

アイドル研究部の初代部長にして、絵里の同級生、矢澤にこがラストにやってきた。

 

「何が主人公や、遅れてきよってからに。そんな子はワシワシやーーーー!」

「きゃあーーーー!!!ワシワシは勘弁!」

希が追っかけ、にこが逃げる展開になった。

 

「全く、イミワカンナイ。」

真姫が久しぶりに「イミワカンナイ」を使った。



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第9話 タイムカプセル 1

「これからタイムカプセルを開けるわ。」

絵里は、メンバーをタイムカプセルの位置に案内する。

 

「じゃあ、開けるわね。」

絵里は、そう言うと、1つめの思い出の品を取り出した。

 

「・・・これは、i-Pod。」

「いきなり、私のものからか・・・。」

i-Podを埋めたのは真姫だった。

「そこには、私がμ'sで作った曲が入っているの。・・・9人で歌った曲から、私1人で歌った曲までね。」

真姫は、μ'sの作曲もしてきた。全部となれば、CD何枚分にもなるだろう。

 

『音楽が好き』

真姫がμ'sに入って音楽活動をしてきた理由だ。

 

「真姫ちゃんって、本当に音楽が好きなんだね。自分にあてたメッセージまで音楽だなんて。」

凛が優しく微笑む。

 

「そうね・・・。研修医も終わる頃の私にあてたメッセージとしては最高だったわ。」

10年後を予想して、思い出の品をタイムカプセルに詰めた真姫。

そこには、当時高校1年生とは思えない深い考えがあった。

 

 

「じゃあ、次は・・・、・・・ノートね・・・。・・・イラストブックか・・・。」

「それは、私の。」

ことりのノートだった。

 

「中身は、・・・当時書き留めておいた、μ'sの衣裳の原案だよ。」

ことりはみんなに見えるように衣裳のデザインを見せた。

 

「衣裳って、こんなにあったのね。ちなみに、これって、コピーとかはとったの?」

衣裳に興味を持つ辺り、何だかんだ言って、真姫も女子だ。

 

「ううん、とってないよ。こういうのって、流行り廃りもあるし、前のアイディアが後のアイディアを邪魔することもあるんだ。」

 

 

ことりが10年前と変わらぬ柔らかスマイルで返事した。

 

「わかるよ、ことりちゃん。私もアイディアをノートに取ったりとかしないから。」

「穂乃果のは、ただ単に面倒がって取らないだけでしょ。」

「あーっ、海未ちゃんひどいよ。」

穂乃果と海未は相変わらず漫才をしている。

 

「私は、この衣裳を着て歌うのが楽しみだったな。」

 

『歌うのが大好き』

ことりがラブライブの東京予選で念じた言葉だ。

 

 

「それでは次は・・・。タロットカード・・・、と言うことは・・・。」

「うちやね。」

何の面白みもなく、希だった。

 

 

「希、なんでそんなもん埋めたのよ。」

にこがつまらなさそうな顔をする。

「なんやにこっち、まだ仕置きが足らんようやな。」

希が目以外を微笑ませながら、にこをみる。

「だから、わしわしはいいって!」

にこがない胸を、手で隠す。

「これはな、音ノ木坂学院で3年間使っていたタロットカードや。音ノ木坂学院のスピリチュアルな力を吸収した特別の品やで。」

希お得意のスピリチュアルがでた。

 

「まあ、言い換えれば、うちの学校の日々を見守ってくれたカードと言うことや。」

他者にはわかりにくいが、とにかく希にとっては大事なものと言うことだ。

 

『この毎日が大好き』

希は、いいことがあった時も、嫌なことがあった時も、常にそう感じて生きてきた。

 

 

「気を取り直して・・・、この衣裳は?」

「それ、凛のだ。確か、当時の2年生の人達が修学旅行中だった時の。」

それは凛が女の子として開花するきっかけになったイベントライブの衣裳だ。

「あの時は、凛ちゃんもなかなか衣裳を着ようとしなかったよね。・・・やっぱり、昔男の子達に言われたことを気にしてたよね。」

花陽は、当時のことを思い出した。

 

「あの時、凛が着るよりかよちんが着た方が似合うと思ったのは、本当だよ。でも、だからこそかよちんと真姫ちゃんが背中を押してくれた時は嬉しかった。こんなに凛を応援してくれるんだなあって。」

凛は話ながら、目に涙を浮かべていた。

 

「凛ちゃん・・・。・・・だって、私達はずっと仲間じゃない・・・。これからも支えあっていこうよ。」

凛と幼稚園の頃から一緒で、それぞれの道を歩んでからも、ずっと連絡をとっては会っている花陽ならではのセリフだ。

「この服は入らないかもしれないけど、いつかまたこういう服を着て踊りたいな。」

凛は、うっとりした笑顔を服に向けていた。

 

『踊るのが大好き』

凛は、自分をかわいく見せたいと言う気持ちを、このメンバーの中でも、誰よりも強く持っていた。・・・いや、今も持っている。

 

 

「佳境に入ってきたわね・・・。・・・次は、所々傷んだ扇子・・・。」

「私のですね。」

海未のものだと言うことはみんなわかる。

 

「μ'sには直接関係ないものかも知れませんが、これは私が2年生まで使っていた扇子です。」

 

つまり、海未がμ's時代まで使っていた扇子と言うことになる。

 

 

「普通、このような扇子は捨てるのものですが、これは私にとっては努力の結晶でした。では、一つ舞ってみましょう。」

海未は、そういうと、日舞の一つで歌いながら舞う、曲舞(くせまい)を一曲舞った。

 

一同、海未の舞う姿に見惚れる。和装であることが、より舞を引き立てる。

 

「言葉よりも行動で語るのが、海未らしいわね・・・。」

絵里は、ぼうっとしながらも、冷静な分析は忘れなかった。

 

「さすが海未ちゃんやなあ。ここまで精神的な力を感じる舞は、日頃の努力の結晶や。」

希にしては、珍しく真面目なまとめ方をしたので、他のメンバーはうなずいて黙った。

 

『がんばるのが大好き』

海未は、それを言葉で語るよりも、表現することでみんなに伝えていた。

 



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第10話 タイムカプセル 2

「海未の舞の次は・・・、あら、これは『μ's』と書かれたDVD?」

「フッフッフッフ。いよいよにこにーのものが出てきたわね。」

これはにこのものだった。

 

「それにしても絵里。気が利かないわね。主役は最後って、言っているでしょ。」

にこが文句を垂れる。

「時間に遅れてくる主役もどうかと思いますよ。」

真姫が突っ込みを入れる。

「うっさい!」

にこがすねたように言う。

 

「にこ先輩・・・。・・・この中身は何ですか?」

花陽が中身を気にする。

「いい反応ね、花陽。さすがは私の後継者にふさわしいわ。」

にこが機嫌を直す。

「これはね、私を中心としたμ's全部のライブ映像よ、ライブ映像!」

にこが得意気に語る。別に、にこがセンターになることはほとんどなかったが。

 

「まあ、にこが入った後だから、最初の方は絵里や希はいないわね。」

にこがえりのぞの方を見ながら言う。

「希、にこへのわしわし、手伝ってあげようか?」

「そうやね、にこっちの胸は大きくしてあげたいし。」

「あんた達、根に持ちすぎ。」

えりのぞにこ漫才が炸裂する。

 

「にこ先輩が、μ'sのライブ映像をタイムカプセルに入れるなんて。本当にアイドルが好きだったんだ。」

「今もよ!過去形にしない。」

凛の感想にダメ出しするにこ。

 

「にこ先輩は、介護士の専門学校に行く傍ら、アイドルも目指していましたからね。」

海未がにこの卒業後の話をする。

 

「結局、介護士として、高齢者や障害者のアイドルになったわね。」

真姫が、笑いながら言う。

「ふん!勤務先の社長の息子の心まで射止めたアイドルなんだからね!わかった、絵里!」

にこが絵里の方を向く。

 

「なによ、現実に戻さなくたっていいじゃない!」

「ふふーん、にこは死ぬまでアイドルよ。」

文句を言う絵里に、勝ち誇るにこ。

 

『アイドルが好き』

にこは生涯、アイドル・・・偶像としての道を貫くつもりだ。

 

 

「次は・・・炊飯器?」

絵里は、何だこれは?と言う顔をする。

「そ、それは・・・私の・・・。」

炊飯器をタイムカプセルに入れると言う珍事を成し遂げたのは花陽だった。

 

「なんで炊飯器なの?」

みんなを代表して、穂乃果が質問する。

 

「てか、炊飯器くらいどこのだって同じでしょう。」

にこが呆れたように言う。

「にこ先輩、そういうこと言っちゃダメだよ。」

今度は凛がダメ出しをする。

 

「これは・・・、μ's用に持ち込んだ炊飯器なの。・・・みんなでご飯を食べた思い出の・・・。」

花陽がアヘ顔で説明する。

 

「・・・花陽、その顔はやめなさい。いい話が台無しよ。」

真姫がドン引きした表情で突っ込みを入れる。

 

「・・・は、ゴメン・・・。」

花陽が我に戻る。

「花陽は、本当にご飯が好きなんですね。それでこそ、日本人です。」

海未も、基本的に主食はご飯だ。

 

「・・・それで、大好きなμ'sのメンバーと一緒に・・・、これで炊いたご飯を、また食べたいなあって思ったの・・・。」

好きな食べ物が「ご飯」である花陽ならではのエピソードだ。

 

「さっき凛ちゃんが背中を押してもらったって話をしてくれたけど、私もμ'sに入る時は凛ちゃんや真姫ちゃんに背中を押してもらったよ。・・・その後も、みんなにはお世話になったし・・・。」

花陽も感極まり、目に涙を浮かべる。

 

「それは、私達もおんなじだよ。ね、みんな。」

ことりがそう言うと、他の7人も微笑みながら、無言でうなずいた。

 

『メンバーが大好き』

花陽は、独特のアイテムで饒舌に語る。

 

 

「いよいよ、大詰めに入るわね。・・・穂乃果、何かしら、この布?」

「え、それは私のだけど、何でわかったんですか?」

布は絵里のものでない以上、当然残った穂乃果しかいない。

 

(さすが、あほのか・・・。)

絵里が苦笑した。

 

「あーっ、絵里先輩、今失礼なことを考えませんでした?」

アホの子でも多少は人の感情は読めるようだ。

 

「気のせいよ、気のせい。」

絵里が苦笑したまま返す。

 

「もう少し、穂乃果には洞察力が必要ですね。」

海未はボソッと言った。

「海未ちゃん、何か言った?」

「別に。」

穂乃果の追及を軽くかわす海未。

 

「まあいいや。・・・海未ちゃん、こっち持って・・・。これって広げるとね・・・、μ'sの旗になるんだ。」

 

 

穂乃果と海未が広げると、そこには『μ's』の文字が大きく書いてあった。

 

「最初は、棒ごと埋めようかと思ったんだけどね・・・。」

「あんた、ほんとにアホね・・・。」

穂乃果の話に呆れるにこ。表情だけなら、穂乃果以外全員あきれている。

 

「まあまあにこっち。穂乃果ちゃんのは、まさにμ'sのタイムカプセルにふさわしい中身やないか。」

希が命名したμ's。その象徴的なアイテムにこうして再開できたことは、希にとっては自分のもの以上に嬉しかった。

 

「μ'sでセンターを一番多くやってきた穂乃果ちゃんならではだね・・・。」

ことりがクスリと柔らかく微笑む。

 

「こうして見ると・・・、μ'sって、再結成しそうな勢いだね・・・。」

 

花陽の頭のネジが外れかけているようだ。

「じゃあ、いっそ、再結成だにゃーっ!」

凛が勢いで言う。

「・・・って、私は無理よ。研修医が終わっても忙しいのには変わりないんだから。」

真姫は冷静に突っ込む。

 

『μ'sが大好き』

穂乃果は、どんなこともストレートに表現した。

 

 

「最後に、・・・私ね。」

絵里のアイテムは、音ノ木坂学院の校舎をバックにした写真だ。

そこには、μ'sのメンバーだけではない。絵里の妹亜里沙や穂乃果の妹雪穂、さらにはμ'sを影で支えてきたメンバーが写っていた。

「これは、えりちの呼び掛けで撮った写真やな。」

「そうよ、廃校阻止のために特に動いてくれたメンバーと喜びをかみしめたかったの。」

 

絵里は、一年の後半から生徒会活動に携わり、迫り来る廃校の危機に直面してきた。

その想いが強すぎるあまり、素人の集団だったμ'sには、最初は強い抵抗があった。

やがて、μ'sも同士であることを受け入れると、絵里は誰よりも積極的に活動した。

ちなみに、絵里達の卒業後に廃校の危機が起こるが、それは別の話。

 

『学校が大好き』

絵里が、音ノ木坂学院を誰よりも愛しているのは間違いない。



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原点と夢
第11話 原点 1


タイムカプセルも開け終わった後、絵里がメンバーを集める。

 

「まず、凛、花陽、希、真姫。約束は忘れていないわよね。」

絵里は、四人に確認する。

「な・・・、何をするんですか?」

「あんまり酷いと、・・・凛達泣いちゃうにゃー。」

花陽が怯えたように、凛が若干ふざけたように言う。

 

「アイドル研究部のために、ちょっと時間をとってもらうだけよ。」

絵里が、凛と花陽をなだめるように説明する。

 

「みんなにやってもらうことを結論から言えば、みんなにμ's結成&解散についてインタビューを受けてもらいたいのよ。」

絵里の頼みごとはこれだ。負けていたら、企画は絵里の頭の中にしかないことになっていたかも知れない。

 

「えりち、何でそんなことをするんや?」

疑問を口にしたのは希だが、まあ、誰でもそう思うだろう。

 

「今のアイドル研究部に原点を思い出させるためよ。」

絵里が結論を先に述べる。

 

「まずは、今のアイドル研究部の状況を簡単に説明するわ。」

 

「今のアイドル研究部は、音ノ木坂学院では花形の部活の一つなの。」

「スクールアイドルと、それを支える裏方とにハッキリ分かれる仕組みになり、アイドルは選抜されるようになった。」

ここまでの説明で、アイドル研究部がいかに飛躍してきたかがわかる。

 

「ふふーん、アイドル研究部がそんなに成長するとは、創設者としては鼻が高いわね。」

にこがふんぞり返る。

 

「そのμ'sが解散して10年、今のアイドル研究部に足りないものに気づいたの。それは、原点とも言うべきみんなで支え合う心。」

絵里が説明を続ける。

 

 

「支え合う心・・・ですか?」

ことりがかわいく首をかしげる。

 

 

「一番わかりやすいのは、『ラブライブ!』第二回の東京最終予選かしら。」

 

「あの日は、学校の説明会と重なって、穂乃果達は生徒会との関係で遅れてきたわよね。」

絵里の言う通り、その日は大雪の影響で学校の説明会が遅れ、電車も停止。道路も雪が積もって車が動ける状況じゃない。

 

「そこに、穂乃果の友人3人の呼び掛けで学校のみんなで雪かきをして、間に合った訳でしょ。こういうのって、当時の音ノ木坂ならではだと思うの。」

絵里の言う通り、ヒデコ、フミコ、ミカの呼び掛けがあって、学校の全員で雪かきをした。その彼女らも、それぞれの道を歩んでいる。

 

「当時優勝候補筆頭だったA-riseに勝てたのも、この出来事があって、全員が心を一つに合わせられたからだと思うわ。」

絵里は、あの雪がμ'sに、天が与えてくれたプレゼントだと信じていた。

(まあ、理科教師がそんな非科学的な考えをするのもおかしな話だけどね。)

 

歴史に『もしも』はないと言うが、普通に考えれば、結成して半年強のグループが、優勝候補筆頭に勝つなんて冗談としか言いようがないだろう。

「でも、今の音ノ木坂学院アイドル研究部にはそれがない。普通のスクールアイドルの強豪校になってしまったわ。」

絵里が現状を嘆くように言う。

 

「規模が大きくなれば、どうしても全員が一致団結しにくくなるのはしょうがないわ。」

 

真姫の言う通り、規模が大きくなれば、どうしても目が行き届かないだろう。現実、真姫達が3年生になる頃にはそうだったのだから。「もちろん、全てを当時のようにやれる訳ではないわ。生徒だって多様性があるもの。中には、スクールアイドル内でもいがみあいが発生していることもあるわ。」

残念ながら、今の音ノ木坂学院アイドル研究部では、部員達の人間関係が複雑になり、一致団結とは言い難い。



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第12話 原点 2

「でも、ただ勝てばいいと言うなら、音ノ木坂がスクールアイドルをやる理由はないと思うの。廃校は阻止されたし、今の進学実績なら何も問題はない。」

絵里にとって、音ノ木坂学院のスクールアイドルが、単なる学校宣伝の道具にされることは許しがたいのだ。

 

「少なくとも、音ノ木坂のアイドル研究部の部員には、『みんなで夢を叶える』ことについて考えてほしいのよ。」

絵里がアイドル研究部の顧問になった理由はこれだ。

 

「もちろん、全部私の思い通りに行くなんて思わないわ。特に、相手は生徒と言う人間だから。」

絵里は、高校生だった頃の自分や周囲を思い出しながら語る。

 

「私達の経験なんて、そんなに役に立つものでしょうか?」

海未は自信なさげだ。

 

「アイドルとして花開いたのは2人しかいないものね。」

真姫は、にこの方を見ながら言う。にこは売れないアイドルで終わっていた。

「真姫、あなたが一生独身であることを願ってあげるわよ。」

にこは真姫を呪うポーズを取る。

 

「にこまき、痴話ゲンカは後にしなさい。」

絵里がまとめてたしなめる。

「「誰が痴話ゲンカよ!」」

にこまきからの文句であったが、絵里は無視する。

 

「それに海未、むしろアイドルにならなかった人の話の方が部員には役立つと思うわ。」

絵里は、海未の疑問に答える。

 

「アイドル研究部の皆がアイドル志望と言うわけではないし、アイドル志望者でもアイドルになれなかった場合の将来について考える材料にはなるわ。」

絵里が言うまでもなく、アイドルとして開花するのはさらに難しい。叶わなかった場合を考えさせるのも必要な教育だ。

 

「アイドルになることしか考えていない子の中には、授業中に寝ていたり、おしゃべりをしていたり、本当にマトモな状況じゃない子もいるのよ。」

絵里が、凛、穂乃果、にこを見ると、他のメンバーをそちらを見た。

 

「ひどいよ。」

「そんなに今さら責めなくてもいいじゃない。」

「全く、絵里は性格悪いんだから。」

指名された3人が絵里を非難する。

 

(にこに性格が悪いなんて言われたくないわよ!)

絵里の心の声はもっともだ。

「いい、穂乃果。今の音ノ木坂学院は、小学校の算数ができないと入れないのよ。スクールアイドル推薦なんかしていないんだからね。」

「今はできるもん!」

一番成績の悪かった穂乃果が槍玉にあげられる。高校2年生にして九九ができなかったのでは、しょうがない。

 

「じゃあ、分数の計算は?2/3+3/4を1分以内に解いてみて。」

絵里は穂乃果に式を書いた紙を渡す。

 

「えーと・・・。」

やっぱり、穂乃果には難しかった。通分のやり方など知るよしもないから。

ちなみに正解は17/12だ。

 

悔しがる穂乃果を見て、絵里は

 

「と言う風な問題児もいるの。これでは、卒業してから困るわ。」

「さらに言うと、『音ノ木坂では、小学校の内容もわからない卒業生を出している』なんて言われることほど、恥ずかしいことはないものね。」

ため息をつきながら言う。

 

「まあ、他の学校にもできない子はいるけど、それでいいわけじゃないのよ。」

絵里の言う通り、改善すべきことは忘れてはいけない。

 

「反省してください、穂乃果。」

「海未ちゃんも酷いよ!」

海未からも責められる(あ)穂乃果だった。

 

「あと、μ'sは音ノ木坂学院では唯一全国制覇を成し遂げたグループとして、部員の間では、どんな人達だったか知りたいと言う声が結構あるのよ。」

このことを言うときの絵里は、やはり誇らしげである。

 

「その時のみんなと十年後のみんなを知ってもらうことで、アイドル研究部には、原点を見つめ直すとともに、部員の将来を考える機会を作る機会を提供してもらうわ。」

絵里が全てを言い終わった。

 

「なお、賭けに負けたメンバーはもちろん、遅刻してきたメンバーにも拒否権はありません。ね、希。」

絵里は、希に確認を取る。

 

「そうやな、こんな大事な日に遅刻するなんて、罰の一つも受けてもらいたいレベルやわ。」

希が邪悪な笑いをうかべながら、わしわしのポーズを取る。

 

そんな絵里の提案を断る愚か者はいなかったのは言うまでもない。



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第13話 夢

それから、休憩などを取って、いよいよ記念撮影の時間だ。

 

「今日はスペシャルゲストを呼んでいるわ。お願いします。」

絵里が校門の方に礼をすると

 

「μ'sのみんながこうして学校で集まるのは久しぶりね。」

南理事長だった。

 

「ママ・・・。」

ことりは母親の登場に驚いていた。

 

「今日は、写真撮影でカメラマンをやってくれって、絵里先生にお願いされたのよ。」

理事長自らがカメラマンと言うのは、普通に考えればありえない話だ。

 

「絵里先輩、理事長にこんなことをやらせるんですか?」

真姫が呆れたように言う。

 

「ほら、理事長だって後で映るんだし、手伝ってもらってもいいかなあ、とお願いしてみたのよ。」

 

絵里も、南理事長の性格を知って、手伝いを依頼したのだ。

 

「じゃあ、みんな。集まって。」

理事長の指示で、皆が集まる。

 

立ち位置は、左から絵里、希、真姫、海未、穂乃果、ことり、花陽、凛、にこ、となる。

 

 

「最後に、これからのそれぞれの目標を書いてもらうわ。まずは、穂乃果から。」

絵里は、みんなに紙を渡す。

 

『穂むらを、東京で一番の和菓子屋にする。』

穂乃果は、実家の和菓子屋を発展させたいと言う夢を書いた。

 

『自分のブランドを確立させる。』

ことりは、世界の有名デザイナーの仲間入りを果たしたいと言う夢を書いた。

 

『日本舞踊を世界に通用するものに育て上げる。』

海未の書いた夢は、心の底から日本人としての自覚に満ちあふれているのが読み取れる。

 

 

『脳外科医として、頭の有効な使い方を発見する。』

真姫は、脳外科医の夢を書いた。

 

『絵本作家として、子どもに愛される作品を作り上げる。』

花陽は、いい母親になれそうだ。

 

『一流のトレーナーになる。』

ダンスを磨いてきた凛の夢だ。

 

『一生、介護現場でアイドル道を貫く。』

にこは、とにかくアイドルを続けるのが夢のようだ。

 

ここまでは、まあ普通だ。

 

『早く結婚する。』

絵里の切実な願いだ。

これに、皆が呆れたような目を向けると

 

「何よ、みんな!文句あるの?」

絵里が皆をにらむ。

ほとんどのメンバーが苦笑していたが

 

「えりち、夢と言うのはこういう、建設的なものにしないとあかんよ。」

 

希の書いた夢は

『結婚を誓いあった彼を幸せにする。』

 

「と言う訳や。」

希がニッコリと笑う。

 

「希、どういうことよ?この間、彼氏いないって、言ったじゃない!」

「えりちは甘いな。すぐに結婚式を上げる予定の相手がいないと言っただけや。」

絵里に意地悪な笑みを返す希。婚約はしていないとは言っていない。

 

「何よそれ!全くアテがないのは私と真姫だけってこと!?」

「私も、全くアテがない訳ではないですよ。」

真姫も話に入ってくる。

 

「実は私を好きな人がいて、その人は最高とは言わないけど、なかなか良い人なのよね・・・。」

真姫が顔を少し赤くする。

 

「真姫!あなた、理想が高かったじゃない。いつからそんなに簡単に妥協するようになったの!?」

高校までの真姫は理想が高過ぎるくらいだったため、ないものねだりだと、みんな内心思っていたくらいだ。

 

「希先輩から、バーでの絵里先輩の話を聞いた時、私も理想を高く持ちすぎるのは止めようと思ったの。」

真姫が笑みを浮かべる。

 

「ノゾミ、シャベッチャッタノォ!?」

絵里が花陽のような口調になる。

「真姫ちゃんの幸せのためにな。早く結婚した方が、子供もたくさん作りやすいのは事実やし。もちろん、事情は人それぞれやから、強制はせんよ。」

希が理由を語る。

 

「私は医者になって後悔はしていないけど、将来子どもができて、その子が育った時に、好きなことをやれるようにしてあげようと思って。」

「子供が二人以上いれば、一人が何か別のことをしたいと言っても、他の子に継がせられるでしょ。」

真姫は、音楽の道も考えたことがあり、高校時代も音楽は好きだった。

そんな葛藤をしてきた真姫だから言えることだ。

 

「なるほど・・・。でも、希・・・。私のことを言わなくて良かったんじゃない!?」

絵里は、希に向き直る。

 

「真姫ちゃんのためにもなって、良かったやないか!」

希は絵里の殺気を感じて逃げる。

「そんな問題じゃないでしょ!?・・・希、待ちなさい!」

絵里が追いかける。

 

 

そんな様子を見ていた真姫は

「誰か、絵里さんをもらってあげてよ・・・。」

どこかのぼっちな主人公みたいなセリフをしゃべった。




実は、この作品は携帯電話でpixivから移した作品です。(もちろん、私の作品ですよ。)

最初、移しがうまく行かず、読み苦しいところをお見せしまい、申し訳ありません。


では、話を変えて、絵里先生が、どこかの平塚先生みたいになっていますね。もちろん、体罰は振るいませんよ。懲戒はしますが。(学校教育法第11条)

大人になった絵里達μ'sのメンバーを、音ノ木坂学院と共に書いてみたかった、それだけのための作品です。

改めまして、ここまで読んでいただいた皆様には感謝をして、終わりにしたいと思います。


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