カンピオーネ!~風変わりな男(仮) (八雲さん)
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序章~
プロローグっぽいもの


初めまして八雲さんです。
初投稿で至らぬ点が多いと思いますがよかったら見て行ってください。

今回は全く進みません。すみません。


 まだ人は生まれておらず太陽は荒れ狂う天候に閉ざされ、人は存在していないはるか昔、

後の世で呼ばれる氷河期と呼ばれる時代のころであった。

 

 その男は生まれた。いや、生まれたでは語弊があるかもしれない。

 男がそこにいると認識した時には既に存在していたのだから。

 男は自分が何者かはわからなかった、しかしどのような存在かは本能的に理解できた。

 

 その姿はどこらか見ようと誰が見ようと一度聞いたことがある者ならばわかるだろう。

 男は20代くらいの顔立ちで180cmはある身長 引き締まった肉体をもっていた。ここまでは普通・・トレーニングしたものならば決しておかしくはない。

 

 その男は金髪でまるで狐を思わせるような細長い美しい金色の目を持っており、その髪は白い景色と相まってきらめいていおり誰もが見ても美しいものであった。

 

 ここまでならばまだ 人 と呼ばれる存在だったかもしれない。

 東方の国などではならめずらしいもののヨーロッパなどではいるかもしれなかった。

 

 だが人であったならば、人間であったならばないものがそこにはあった。

 男の頭には、男の背中にはそれぞれある物があった。

 いや、ついていたというべきだろうか。

 

 それは自身の髪と同じ色のふさふさした狐のような耳と同じくふさふさとした九つもある大きな尻尾であった。

 

 これの示すところは自ずとわかるだろう。

 この姿はこの後の長い歴史の中でもたった一つの種族しか持つ特徴でしかない。

 

 この男は妖怪と呼ばれる者たちの中でも大妖怪に位置づけられ恐れられる存在。

 

 

 九尾と呼ばれる一族の者であった。

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 「元来妖怪である者たちは人の弱い心から生まれる存在であるとか、人の恨みからうまれた悪しきものとか

周りの環境が生み出した化けものである。」

 と、後々の研究者の中にこう語る者がいたがこの話真に受け信じる者はほとんどいなかった。現代の人間で妖怪という存在を信じる者は一部のオカルト好きか一部の少数派であろう。

 

 なにせ今の人々は基本的に自分で見たものか科学的に証明されたものなどしか信じないのだから。

 

 たとえば日本の平安時代の京の都では陰陽師とよばれた者たちがいた。

 そのものたちは人が生まれながらにして持っている呪力を用いて妖怪退治を生業としていた・・陰陽師は語り継がれ今の時代いろいろと流用されている。

 西洋の国でも呪力と呼ばれる力を持っている者がいた、魔術師などである。呪力は持っている者といない者がいるのだがすべての人が信じているわけではない、何かと使われていようとも存在自体を信じているわけではなくただ単に面白いからではないだろうか?

 なぜならいかに証拠として残っていようとも、いかに語り継がれいようとも、今の人にとっては直接見たり

科学的に証明されたものではないからだ。

 

 逆に言うならば本当に、確実な、証拠あるいは科学的に証明できなければそれは無いに等しいものである

と言えないだろうか?

 

妖怪と呼ばれる存在も昔の人々にとっては当たり前の存在であった。なぜならそこに存在していたから。昔は科学と呼ばれるものはほとんど発展していなかった。故に人々は恐れた。何か怖いこと、恐ろしいことは「妖怪の仕業である」と。故に人々は救いを求めすがった。救いの手を差し伸べてくれるのならば誰でもよかったのかもしれない。故に世界にありとあらゆる神が生まれた。人々に救いの手を差し伸べていった。人々は考えた、神こそが今まで我々を救い導いてきて来た偉大なる存在である。ありとあらゆる存在は全て神々から生まれた存在であると。母なる大地も、海も、空も神が創造したものであると。故に神話は生まれた。人々は決して疑わなかった。すべての奇跡はは神々起こしたものであるが故に不思議ではなかった。かえって人の神への崇拝は強くなっていった。「神は祝福も罰をも与える、すべては神の思し召しである」と人は考えを改めていった、信仰が強くなるにつれて神も力を強めていった。神への理想的すぎる崇拝はそのほうがよかったにしか過ぎない。それによって妖怪とよばれる存在は数を減らしていったのだ。故に神々は後々の世にまで語り継がれてゆく、偉大なる存在として。

 

 しかし、化学が発展していくうちに神と呼ばれる存在も信じる者も少なくなっていった。そして妖怪と同じ道を辿って行くこととなる。だが神々は人々の心から消えてしまうことを恐れた。故に神は己の尊厳と威厳を再び世に知らしめるためにまつろわぬ神として神話の世界から飛び出して行くことになる。

 

 ここで話を少し戻すが、妖怪も神も元をたどれば人から生まれた存在であると言えないだろうか?ただ生まれるもととなった物が対極にあったが故に。

 

 妖怪は長生きをすればするほど力が増え強くなっていく。どんな妖怪でも生まれてすぐは弱い、これはどんな生物でもあたりまえのことである。100年きればそこそこ名は知れ渡り認知されていく、500年生きればいや生き残ることができれば名前とともに恐れられる。弱肉強食の世界で長く生き残ることは容易ではない、だが神が権能を持つように人も妖怪も何かを持つ能力を持つことがある。種族によって得意なこともある。だが、能力といってもありとあらゆるものがあり、どれも一概に強いや弱いとも言えない、使い方によっては弱くも強くもなるからだ。

 

 この男も持っているのだろうか?それはまだ誰にもわからない。

 

 

 ここまで長い説明もとい話をしてきたがこの物語はこの男がこの世界で好き勝手自由気ままに過ごしてゆく物語である。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 この男は特異な存在なのか考え方が捻くれていた。 

 

 まず男が考えたことはここはどこであるとかなぜ自分がここにいるとか寒いとかなんかではなかった。

 

「ううっ眠い、とりあえず眠る場所を探そう」

 

 ・・・もしここに誰かがいたならば「お前そんな悠長なことしてたら死ぬぞ」とか極々一般的な 言葉で返されそうなものだが突っ込まれそうなものだが。

 残念ながらここには突っ込めるものは存在しない・・本当に残念ながら。この男は妖怪であったため体は強く何も食べなくても生き残ることならばできた。しかも九尾あったために体には体毛が生えていてある程度寒さを緩和してくれたというのもあるのだが。

 これがこの男がこの世に姿を現してこれがすぐの行動である。

 

 男はとりあえず眠る場所を求めて適当に歩いて行った・・・

 

 

 




見ていただきありがとうございました。

見にくい点、誤字脱字などありましたら是非活動報告またはメッセージにてお願いします。

後アイデア下さい。


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プロローグの続きって何ローグ?

2話目なのに遅くなってしまった。次からはだいぶ時を飛ばします。

急いで書きましたので誤字などありますがそれでもよかったら見てってくださいな。




???side

 

 

 あれから、小さな祠を見つけひとまずの寝床を確保した男であったが祠は岩でできておりいたため寝ようとしたらもちろん寝心地が悪かった。がこの男ははよほど眠たかったのか眠りたかっのかある程度平らな場所を見つけると、

 

 「ここでいっか。それにしても寒いなあ、どうにかならんかねコレ。ふあぁ~」

 

 「あ、寒いって思ってたんだ」と、思わせる発言をして寝る態勢に入ってしまった。。これからどうするつもりなんだろうかこの男は。餓死にはなりずらいとはいえ腹は人並みに減るし、気力は衰える。・・つまりこの男には一切危機感がないということだ。・・大丈夫なんだろうか?

 

 「まっ次起きた時にはどうにかなってるでしょう。いやなってるはずだ、うん。」

 

 だめだこいつ早く何とかしないと。もうこれ大丈夫じゃないよね?

 

 「おやすみー。zzzzz」

 

 本当に寝てしまったよ。彼の言うとおり次起きた時に何とかなってればいいのだけど。まあ彼は面白い力を持っているようだ。そう簡単には死なないだろう。いや、死ねないのかな?

 

 いやはや本当に面白いことをしてくれるね彼は。僕が目を付けたとおりだ、ここに呼んでよかったよ。○○ない程度の能力と○○する程度の能力か、ありゃ?おかしいな無理やり送ったせいか異物が混ざっているようだけどいっか。服もちゃんと一緒に来てるね。でも一着だけで出足りるかな?何個かプレゼントしておこう。記憶は消しておいたけど、なさ過ぎても困るから少しだけ戻しておいてあげよう。

 

 それにしても妖狐いや尻尾が9本だから九尾か、大物を引いたようだね、それにしてもこの僕でさえ能力見ることができないだなんてすごいな、ふふっだからこそ呼んだかいがあるってものだ。だがまだ目覚めてはいないようだ。どんな力なんだろうか気になるなあ。ああ気になる気になる、けどこれは後の楽しみにとっておくことにしよう。ついでに少し加護を授けておこう、僕が加護を与えるとはおかしな話だけどももし死んでしまったら困るからね。

 

 ・・・選ばれたのはこの男。僕はついに見つけることができたのだろうか?悲願を達成するためには仕方がなかったとはいえ少々無茶をしてしまったようだね。いくら大きな力を持つ僕であってもこの儀式はつらかったようだ。ぶっつけ本番でやるべきではなかったかな?今までの苦労を考えるとこの疲れもまあいいかな。

 

 賽は投げられた、もう後戻りすることはできない。こんなことをやってしまったとしても・・・

 

 ナイーブになってしまうなんて僕らしくないな、本当に疲れているらしい。  

 

 とにもかくにも寝てしまったので僕も寝ることにしよう。またね次ぎ合うときはおそらく考えるのをやめてしまうほど遠い後のことだろうね。なんでわかるかって?それはひ・み・つ♡

 

 ・・・まあ言ってしまえばそういう予感がするんだよ、信じるか信じないかは君次第だけども、僕の予感は結構当たるんだぜってやっぱ信じてないだろ。

 

 まあいいさ、どちらにせよ何時か分かることだ。では一度さようならだ。Good-bye until we meet again.(訳:また逢う日まで、さようなら)

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 side男 

 

 

 「ふぁ~~よく寝た。ん~?」

 

 男が目覚めてから目に飛び込んできたのはこの世界で初めての輝かしい光であった。吹き荒れていた風も穏やかになり、心地よい風が吹いていた。太陽が地表を照らし、過ごしやすいことは言うまでもない、寝る前の天気とは雲泥の差であった。特にやることもなかったのでとりあえず外に出で散歩してみることにした。

 

 辺り一面緑が広がっていた。The自然である。足を踏み出してみると「さくっ」と草を踏みしめる音がしてリズミカルな雰囲気作り出す。

 

 「これはまた壮観だな。いやラッキーラッキー。」

 

適当に歩き回っていると透明に透き通った川を見つけた。男はこの世界に生まれてから何も口に入れていないので、長い間寝ていた分も合わせて腹が減っていた。 とりあえず水を飲んでみた。

 

 「うん、冷たくてうまい。水飲んだら次腹が減ってきたな・・んっ?」

 

 暗いなと思い上を見てみると。そこには体長約18mの大きな恐竜がいたのだが。これを見て、

 

 「うまそう。でもこれでたりるかな?まあ足りなかったら別のやつ食えばいいか。」

 

 といった。どうやって食おうかなあと余裕感たっぷりで考えていたのだが、むこうも腹が減っていたのか大きな声を出して襲ってきた。いまだまともな戦闘を行ってきたことはなかったのでとりあえず、思いっきり殴ってみた。

 

 「あ、やっちゃった。」

 

 ぶつかったその拳はドンとと大きな音をだして一撃でノックアウトさせ、周りの木々こと吹っ飛ばした。

 

 まあ、いいかと思い直し、調理法などというものは一切思いつかなかったので、いや思いついても結果は変わらなかったけど。とりあえずそのまま食べてみることにした。

 

 かぶりついてみると肉から次々とこってりとした油があふれてきた。筋があったけれどこの男は人に非ず妖怪であったので。むしろ歯ごたえがあっておいしかった。あまりにもおいしかったので体が汚れるもいとわず食べていった・・・

 

 なんやかんやできれいさっぱり食べきりおなかが膨れた後、川に浸かって体を洗うことにした。

 

 川に浸かりながら男はこれからについてゆっくり考えていた。(食糧はいっぱいいるし水もあるよなあ、困ることといえばさしずめ、暇ってことかな。な~にするかな~・・・・・思いつかん、やることないしとりあえず適当にあるきながらなんかすればいっか。問題なし!)

 

 と結論?を出したところでいったん祠に戻ることにした。

 

 戻って日が沈みかけてたので一晩寝てから、祠を一目見てあ意外と風化してるなーと感がつつ荷物といっても置いてあった一見普通そうで普通じゃない服とかををさっきの恐竜の皮でつくったリュックポイものに入れて、出発する前に一応いままでありがとねーと祠に礼をしつつ昇りはじめた太陽の方向・・とは逆の方向に歩いて行った。まるで旅立ちを見送るように太陽は赤々と輝き、風は穏やかに吹き、空は青く澄み渡っていた。

 

 

 ・・・そして時は去ってゆき、かくしてこの男の長い冒険の始まりを告げたのであった。人類が現れてくるまではまだ何千年もの時間が存在する。長いこの道のりは男をどうするのだろう?この男になにをもたらすのだろう?この先、生き残れるのか?どんな生物と出会うのか?どんな現象と出会えるのか?何を見出すのか?それはまだ誰にもわからないけれどこの男ならばきっと・・きっと・・・

 

  

 

 




最後までありがとうございます。  

さてリクエストですが三つほど活動報告の方で募集しています。よければかならず活動報告またはメッセージにてお願いします。

ではでは~次一週間以内かなたぶん。


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人との初めての出会い

今回は東方要素を入れてみました。

東方のキャラで一番最初に出てくるのは誰でしょう?


 あれから、あの旅の始まりから、長い時が流れた。その長い旅の中でありとあらゆる出来事が起きた。ここで語るにはとても多く大きな話だ。後々の世に語られるパンゲア大陸の分割、長きに亘る恐竜の繁栄、隕石の落下、人の誕生、氷河期の再来、語るにも語れないどれも大きな話であるのでいつか語ることにしてここでは省かせていただこう。

 

 男も当たり前かのように無事に生きていた。歳は取らず姿は変わらず食糧を確保するため様々な生物と戦う日々を過ごして、自然と戦い方を覚えていった。移動する時間と睡眠の時間を確保するためどうやったらもっと簡単に効率的に戦えるかを考えていた。夜、闇の中で戦うこともあったがそこは妖怪そんなに困らなかった。時に囲まれることもあったが、危なげながらもなんとか倒すことができた。

 

 そんな日々を過ごしていた日々の中で空に飛んでいる生物を見ることがあった。さすがに飛ぶことは出来なかったので地上に、近づいてきたときに倒す戦法をとっていたのだがいかんせん非効率的だったので石を投げることにしたが石が周りにない時があったのでどうしようかな~と思ったが石がなければ近づくしかないじゃないと言わんばかりに木お蹴って近づこうとしたが届かず悔しかったので修行をすることにした。的はいっぱいいたから。

 

 その結果世界記録?なにそれおいしいの?と言わんばかりな脚力とムキムキな体を手に入れることができた。時間は腐るほどあったので。

 

 そうして過ごしていたある日自分から生物が逃げてしまうようになり、寝ているときに襲われるとともなくなった。逃げても容赦なく追いつくのだが。最初のうちは気にしなかったがだんだん不思議に思ったので調べてみると今まで意識をしていなかった体内にあった力に気付いた。いや、気づくことができた。

 

 それと同時にその力が体から漏れ出ていることになんとなく気付いた。見つけることなどほとんど無理なのだがこれもまた時間の産物だった。どっかの人が「そんなんチーターやチーターやろ」と叫んでるような気もしないくらい時間さまさまだった。

 

 

 後々の容疑者の発言で「暇すぎてやっっちゃた☆」などと発言しており(以下ry)・・やる気と時間があればできるんだということを証明した後で、この力をどうにかできないかな~と考えてみて、考えてみて・・・思いつかなかったのでとりあえず力が漏れ出ないようにしようかなと考えた。

 

 それから何十年何百年かけて力を引っ込めるだけではなくそのうえ気配も限りなく薄くできるようになった。目視されれば一発でばれるのだが森の中などではとても有効的だった。これと脚力を組み合わせることで空を飛んでいる生物も近づいて仕留められるようになった。

 

 さらにそれから何千年もたち寝たり起きたり寝たり肉を食べたり寝たり移動したりを繰り返していたある秋の日、村があった。気配を殺し少しのぞいてみると、そこそこの『人』がいた。本来この時代にはいないはずなのだが。 

  

 そこにいる人たちが何か身に着けていてそれが何かはわからなかったがいいな~と思ったので、何着か拝借した。現代から見てみれば質素なものであるがこの時代の環境を鑑みると十分なものであった。

 

 長い間生きてきてこのような建築物でさえ珍しかったので面白そうなのでしばらくこの付近にあわよくばここに住もうと思っていた。そのまま正面の入口のようなとこらから入ろうと思ったのだが、入ろうとした瞬間村人に囲まれ破かしげな目でこちらを見ていた。(なんで?恨まれるようなことしたかな~?)と特に緊張もせず考えていた。・・服を盗んでいるのだが白々しいにもほどがあるのであった。 

 

 とある村人が男に向かってむかって「出てけこの妖怪が!」と大きな声で言ったのを皮切りに罵詈雑言があっちこっちから飛び始めた。のでとりあえず退散することにした。

 

 近くの森でいったん休憩することにした男はとりあえず寝た。

 

 次の雨の日、原因を考えた男は自分の姿ほ近くにあった水たまりを見て、そういえば昨日見た者たちはこの付近にいるこの前であった妖怪の話では『人間や人』と呼んでいた種族の話をしてくれたことを思い出した。食糧を少し分けてなんてことはせず脅迫(物理)で教えてもらった特徴を思い出してそっくりだなーと男は思った。

 

 それともう一つの話を思い出した。

 

 『いいかい旦那、旦那があいつらのところに行くのはいいですがねそのままの姿だと入れてもらえませんぜ。』

 

 確かにこの耳と尻尾は目立つなあ~とさすがに思ったのでいままであまり使わなかった幻術を使ってみることにした。多少精通したものであれば気づくくらいのお粗末なものであったが大丈夫だろうと思いもう一度行ってみることにした。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 今度はしっかり手前の森の中で黒髪黒目の人に変装してから村のほうへ歩いて行った。

 村に近づいて昨日と同じ入口から入ると結局昨日ほどではないにさえ囲まれてしまった。・・よく考えてみてほしい、急に外から自分たちと同じ人間でさえ外から見たこともないやつがやってきた場合、普通怪しむだろう。

 

 そんなこととはつゆとも知らずどうしようかな~と昨日と同じようにゆったりと待ち構えているとふと囲いの外のほうから、

 

 「何事です」と小女の声が聞こえてきた。

 

 人混みをかき分けやってきたのは銀髪の幼い少女であった。幼いながらも風格を漂わせていた彼女は周りの村人に話を聞くとこちらに話しかけてきた。

 

 「どこからやってきたのですか?」と聞いた彼女に対して男は、

 

 「旅人さ、この近く来たら村があったので寄ってみたんだ。」と答えた。

 

 一瞬考えた彼女はほかの村人に対して

 

 「この人は大丈夫よ」と一言だけ言うとほかの村人は「八意様が言うなら・・・」と言って去って行った。そして彼女は振り返り男に振り返って、 

 

 「さて、一度家に来てくださる旅人さん。」とだけ言ってこちらの答えも聞かず歩いた行ってしまった。男はとりあえずついて行った。

 

 

 村の中央にある家の前に着くと「ここが私の家よ」と言ってそそくさと家の中に入って行ったので男もそれに続いて中に入って行った。

 

 部屋に通され(ここは『居間』というらしい)部屋に座って待っていると、何を持ってやってきた。飲んでみると今まで飲んできたもの(『水』というらしい。)より少し苦いけどの飲んで悪くないと思った(これは『お茶』というらしい)。そうした後で彼女は当たり前の会話をするように言った。

 

 

 「さて、ここには何しに来たのかしら旅人いや妖怪さん?」

 

 男は驚きはしたもののなんとか表には出さず、

 

 「旅をしているのは本当だ。ここに来たのは、まあなんとなくおもしろそうだったからだ。それにしてもなぜわかった?少し自信があったんだが。」

 

 と少し残念そうに言ったら彼女は、

 

 「そうね、私は少しほかの人とは違うからかしらね。これでも頭はいいのよ。」と少女らしい言葉で言った。それに続けて彼女は、

 

 「ここで一回自己紹介をしておきましょうか、私は八意永琳よ。ここの村長のようなものをやっているわ。あらゆる薬を作る程度の能力をもっているわ。」

 

 「能力ってなんだ?」

 

 「あら知らないの?あなたなら持ってると思ったんだけど、そうねえ能力とは誰しもが持っている可能性がある固有の力みたいなものかしら。一回、目をつぶって集中したらわかるかもよ?」

 

 ということなのでさっそくやってみることにした。

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 座禅を組み深呼吸をして 意識を頭の中へと向ける。よく暗い世界を見てみると、その中にこの世界を照らすように輝いている文字とその陰に隠れるように鈍く輝いている文字があった。暗いほうはよく見えなかったが、明るいほうは見ることができた。

 

 「縛られない程度の能力とあともう一個・・はよく見えないな。ん~わからん。まあいつかわかるだろう。」

 

 「あらわかったの?」

 

 「ああ、縛られない程度の能力とあとよく見えないのが一つあった。」

 

 「まあ見たところ長生きしてそうだったから持っているだろうとは思っていたけど二つもねえ。」

 

 「二つ持ちは珍しいのか?」

 

 「珍しいというか見たことないわよ!一つだけでも珍しいんだから。」

 

 「そうか。」

 

 「そうかって・・はぁ~もういいわ言っても無駄な気がするから。」

 

 「わかってるね。」

 

 「・・・あなたってずいぶん悠長にしてるけどいつから生きてるのよ?」

 

 「ん~わからん。だけど誰よりも長いこと生きているとは思うよ。」

 

 「そう。もしよければあなたここにしばらく住んでみない?あなた見るからに強そうだし村を守ってほしいのよ、さらに村の男衆を鍛えてくれるとなおありがたいんだけど。」

 

 「ふむ。長い間旅を続けてきたからしばらくここに住むのはいいし村を守るのも鍛えやるのもいいがなぜ俺なんだ?妖怪と分かってなぜ頼む?」

 

 「あなたならきっとこの村なんて簡単につぶせるでしょう、なのにしなかった。それに二日連続で来るくらいだから変わり者でしょうあなた?」

 

 「まあ会う奴らにはそういわれるよ。そういうことなら、これからよろしくな。」と言って手を差し出した。

  

 それに対して彼女は、、 

 

 「ええ!よろしく、今日からここに住んで頂戴、部屋なら余っているから。」

 

 「ああ、わかった。」

 

 

 

 「そういえばあなたの名前は?」

 

 「俺の名前は・・・・・ないな。」

 

 「ないって今まであなたどうしてての?」

 

 「名前って相手を識別するための物だろ?俺は今幻術をかけているからこの見た目だが、元の色はほかのやつと違って目立つし見た目が見た目だけに名乗らなくても良かったしな。」

 

 「そうだけどないとこれから不便よ。・・じゃあ私が考えてあげる。」と言ってうれしそうに考え出してしまった。そんなに嬉しいのか?まあいいけど。

 

 「うーん薬の名前なら簡単に思いつくのだけど。」

 

 「そんなすぐに考えなくても。」

 

 「部屋で考えてくるわ、あなたはここでくつろいでて。」と言って部屋に向かっていったらしい。

 

 

 「・・いやはや、名前かあ。楽しみだな。」と男はゆらりと笑った。

 

 

 




正解は( ゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん!でした。東方知らなかった人は済みませんが自分で調べてください。

次から神も出しますから、カンピオーネメインになっていきますから今回は許してください。

誤字脱字がありましたら活動報告またはメッセージにてお知らせください。

加筆)8月12日場面設定を少し追加しました


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別れと出会い

 遅れてしまってごめんなさい。盆は忙しかったんや。名前で何日も考えたとかではないです。
 ないったらないです。

 仮設置だから仮設置。まともなのが思いつかなかった。

 今回もまだ東方ですがよかったら読んでって下さいな。も、もう少し待って。

 


 永琳が部屋に引きこもって数十分、ずいぶんと考えてるなーと思いつつお茶を飲みながら待っているとようやく部屋から出てきた。

 

「決まったわよー。」

 

 「ずいぶん遅かったな、で、どんな名前になったんだ?」

 

 「時雨よどう?」

 

 「時雨か、いい名前だな。」

 

 「そう!よかった。」

 

 「これからは時雨と名乗っていくことにしよう。」

 

 ・・・この瞬間、この妖怪に名が生まれた。この男には名乗る名前ができた。この名前は古今東西、ありとあらゆる場所へ広まっていく。かかわった人物にあらゆる希望と絶望を与えることになる・・かもしれない。

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 あれから数十年の日々が経った。この村、いやそれでは語弊がある。村はあれよあれよの内に大都市へと発展していたのだから。コンクリートでできた高層ビル群、夜を照らす光、都市を囲む壁、そこを守る銃を持った兵士。現代でも決して見ることは出来ないだろう。それほどすごいことが短期間でできていた。

 

 時雨は耳と尻尾を隠しながら人として過ごし時に襲ってくる妖怪を撃退し、時に兵を鍛えながら過ごす日々を過ごし『隊長』と呼ばれていた。

 

 ある日時雨は永琳から呼ばれていた。

 

 「永琳呼んだー?」

 

 「ええ、時雨月夜見様を知ってる?」

 

 「ああ、この都市の中でもえらい神様だっけ?」

 

 「・・まあ、それでもいいわ。今日月夜見様にあなたも呼ばれているから一緒に来て頂戴。」

 

 「ええーめんど「来て頂戴」わかったよ行けばいいんでしょー行けば。」

 

 「さあいくわよ。」

 

 「え、ちょまっ今って俺まだ準備がーー。」

 

 引きずられながら連れ出されていった。

 

 

 しぶしぶ永琳についてきた時雨だったが、不意に永琳が

 

 「さあここが月夜見様のお屋敷よって、なにふてくされてるのよ。」

 

 「なんで呼ばれたんだめんどくさい。」

 

 「私だって知らないわよ、行けばわかるわよ。」

 

 「はぁ~って痛いから引っ張らないでもらえません?」

 

 「さっさと来ないのが悪い。」

 

 永琳が門前の兵と少し話して門を一緒にくぐって入って行った。そしてそのまま歩いていると急にすさまじい、一般人だったならば卒倒しているほどの圧力がピンポイントでかかってきた。息ができないほどではなかったが、この時初めて冷や汗をかいたのであったがそれよりも本能ゆえかその圧力を発している人物を見ていた。

 

 妖怪ゆえか目がいいこともあり見つけることができた人物は屋敷の襖を開けこちらを見ていた。その人物は・・笑っていた。

 

 

 永琳に心配されながら屋敷の中へ入っていき、先ほど見た人物部屋の前まで来た。おそらくこれが・・・

 

 「月夜見様時雨を連れてまいりました。」

 

 「入れ。」

 

 がらっと音をたて扉を開けた先には、銀色の髪、月をモチーフとした服を着て座っていた少女がいた。

・・こちらを見て一瞬だけ驚いたような気がした。

 

 

 

☆★☆★☆★

 

月夜見side

 

 

 

お茶が運ばれ静寂な空気を破ったのは時雨だった。

 

 「で、なんで呼んだんだ月夜見?俺の正体は解ってるんだろ?」

 

 「時雨あなたっ」

 

 「よいよい、私の神力を前にしても竦まずおびえず、ほかの妖怪とは一線を隠す力を持ちながら人の味方をする妖怪とは不思議よの。」

 

 「・・で?呼んだのはこうして話をするつもりではないんだろ?」

 

 「ふふっ、せっかちよの。まあそうじゃな、用というのはな、お主永琳から月移住計画は聞いておるか?」

 

 「・・まあ少しは。」

 

 「もう少しで月へ行くためのロケットが完成し、なるべく早く月に行くのだが・・ここ最近周りにいる妖怪どもがやけに静かでな、何もなければいいんだが万が一の時に備えてだなその。」

 

 「・・月夜見がいれば大丈夫なんじゃないのか?」

 

 「それが、だな、私は事前に月に行ってやることがあるのでな。ここにずっといられなくて、だな。」

 

 「・・・・・・」

 

 「・・・・・・」

 

 「・・・わかったよ俺が何かあったときは守ればいいんだろ。」

 

 「すまぬ、頼めるのはそなたしかおらぬ。」

 

 「はぁ~めんどくせえ、けどやるからには一つ条件がある。」

 

 「なんだ?私とか?」

 

 「ちげえよ!どうしてそうなった。条件ていうのは「わた・」だからちげえよって言ってるだろ。」

 

 「ふふ、冗談よ。」

 

 「条件はそうだな…何かあったときは一回手を貸してもらおうか。」

 

 「まあ、それならばいいのだが。」

 

 「それでこれで話は終わりか?」

 

 「・・時にそなたはいつから生きている?」

 

 「なぜそれを聞く?」

 

 「特に理由はないが気になるのでな。」

 

 「?そうだな・・数えた事はないが恐竜が生まれるよりは前から生きてるな。」

 

 「え?」「え?」

 

 「これで満足か?・なら俺は帰って寝る。」

 

 「あ・・皆をよろしく頼む。」

 

 「俺はやると言ったらやりきる男だぜ、じゃあな。帰ろうぜ永琳。」

 

 「えっええ、それでは月夜見様失礼します。」

 

といい扉を開けて去って行ってしまった。・・あの変わらない姿といいあの声といいあの時と一切変わっていなかった。あの男らしいな・・・・・。

 

 

side out 

 

 ちなみに余談だが永琳が喋ったのは最初のほうと最後のほうだけであった。永琳マジ空気。

 

 (閑話休題)

 

☆★☆★☆★

 

時雨side

 

    

 あぁ〜面倒くせえーけどまあ最近やることないから仕方ないとして、月夜見様ねえ…どこかで見たことがあるようなないような。

 

 まあいい、永琳たちがここを去るならばここにもう要はない。また世界でも回りますかねえ。

 

 それにしても俺がここまでここに留まるなんて、  

 

「・・れ・ぐれ・時雨!」

 

 「呼んだ?」

 

 「呼んだ?じゃないわよ。何ボーッとしてるの帰るんでしょ。」

 

 「へーい。」

 

 何にせよ面白いことが起きそうだ。男はゆらりとした笑みを浮かべた。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 あれから一月後、月に行く日が来た。永琳たちには月に行かないことも言ってあるし大丈夫だろう。もともと妖怪である俺は行けないけども。

 

 高台から見張っていたのだが妖怪たちが大軍で押し寄せてくるのが見えた。都市の防衛機能と兵たちでは長くは保たず、全てのロケットが出発するまでの時間は稼げないだろう。

 

 「うわ~多くね、・まあいっちょやりますか。」

 

 走って単騎で突っ込んでいった。

 

 

 

 

 そこにはカマキリのよう妖怪やクマのようなやつなどがいて、個々の力など時雨の前では塵に等しいのだがいかんせん数が多い。おそらく数万くらいではないだろうか。

 

 なので本来の姿に戻り、永琳たちに手伝ってもらった体内にある力、俺の場合は『妖力』というらしいがそれを妖怪たちに向かってレーザーに変えて次々に発射した。

 

 地面は抉れ、ありとあらゆるところで死体が舞い、砂埃が立ち込め、地獄絵図のようなのだが妖怪たちはそれでも進軍するのをやめなかった。

 

 妖力が少なくなってきた頃でも、いまだ妖怪たちは顕在していた。後退しながら戦闘を継続していたのだが、都市に近づいてきたことで下がるのをやめ妖力を纏って迎え撃った。

 

 近づくやつらを片っ端から殴ったり蹴っ飛ばしたり地面にたたきつけたりを繰り返し進軍を遅らせていたのだが、とうとう都市の中に入られた。

 

 「しまった。」と思ったのだが、ここで最後のロケットが月に向かって発射していった。

 

 だが安心したのもつかの間、永琳から言われた『アレ』を思い出し全力で都市から遠ざかって行った。

 

 

 

 次に時雨が振り返った時には都市が爆発していた。

 

 「すべてのロケットが発射したら地下にある核爆弾が30秒後に爆発するから頑張って逃げてね。」

 

 永琳が言った『核』というのはわからなかったが遠くでも爆風が来るのだからそこにいた妖怪たちは言うまでもない。というかここまでってなぜ言わなかったしと思った時雨は決して悪くないと思う。

 

 そこはかとなく安心しながら、この男は再び旅を始めたのであった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここから時は再び跳び場所は地中海、時雨は・・とある女神の鎌によって心臓を貫かれていた。

 

 ???「妾に向かってあのような戯言を言っておきながら、情けない。」

 

 

 

 

 

 

 

 




 次からようやくカンピオーネぽくなるかな。原作のストーリの順番については基本的には一巻から順に行くつもりです。(あくまでもつもりですが。)

 それともアニメぽく多少入れ書いたほうがいいですかね?

 原作読み直さなければいけないかもしれない。 


 ・・ちなみに言わないでネーミングセンスないのは解ってるから。・・悔しくねーし。

 


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これがホントのプロローグ

一度名前が決まると今まで以上のハイペースで書いてしまった。何を言っているがわからねえと思うが俺も何を言って(以下ry

 たぶんこんなハイペースは今回でけだと思います。ハイ。

それと今回無駄に予約投稿にしてみました。

 ではどうぞ。


 時は遡る。ようやく現代の先祖たる人類が生まれ、活動を徐々に徐々に広めていった時代。時代に適応できなかった生物は衰退していき、逆に適応できた生物は繁栄していった。

 

 文明の発達が遅いなあと最初のころは思っていたのだが、これが本来の姿だと認識を改めた。よくよく考えればあの時代のあの場所にいたのはおかしいのだから。

 

 人は弱いながらも知恵があった。人は協力し合った。人は武器を作り出した。人は自分たちより各上の存在を倒していった。

 

 人は集まり自分たちの居場所を作った。人は道具を生み出した。人は文明を作りだした。

 

 あるとき『言葉』が生まれた。あるとき『文字』が生まれた。それらはさらに文明を加速させていく。

 

 あるとき『国』が生まれた。争いが生まれた。人々は互いの利権をかけて戦うのだ。

 

 いつの世も弱肉強食であることに変わりはない。

 

 それは人だけに留まることではない。どんな存在であれ等しく訪れるものだ。

 

 古代ローマの国でも神々が崇拝されていた。神話を決して疑わなかった。

 

 神々の王は地中海で崇拝されアフリカから招かれた大地と冥府の地母神であり、戦神にして智慧の女神である彼女であった。

 

 女性が崇拝されていた世も、男性にとって代わって行った。

 

 それと同じくして神々の王も男性に変わった。そうして神話は改ざんされ、彼女は貶められていく。

 

 かくして彼女『アテナ』はまつろわぬアテナとして後のこの世にあらわれるのだ・・・。

 

 しかしただ一人、たった一人のの男の存在によって本来の運命から確定されていた未来から良くも悪くも異なる道を歩むことになる。

 

 それはにをもたらすのだろうか?

 

 何も変わらないかもしれない。 

 

 

 それはまだ誰にもわからない。

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 時雨はいまだに人に対して興味を待っていた。永琳たちのような完璧な人もいいのだが不完全のほうが面白いと思っていた。

 

 時に変装しながら人とともに過ごし、場所を変えながら人とともに歴史を歩んでいった。そしてあるとき転機が訪れる。ある場所で出会った女神によって。

 

 

 時雨side

 

やはりこの世はおもしろいな。特に人は面白い。あらゆる神や鬼と呼ばれるやつら特にあの二人の少女たちや天狗、奇妙な力を持った・・スキマ妖怪の彼女や傾国の美女でった自分と同族である彼女、スカーレットの名を持つ吸血鬼や命蓮寺に住む者たち、半人半霊の彼や半人半獣のかのしょや不老不死となった彼女やおもしろかったがやはり人のほうが面白いと思う俺は妖怪の中で変わり者だろう。

 

 人に紛れて暮らしていると人々は次々に新しいものを作り出す。不便なものを使いやすくしたり、より強い存在と戦っていくためにそれぞれ独自の戦い方を作り出した。

 

 ・・・まあ全部パクらせていただきました本当にありがとうございました。魔術や陰陽術など実に面白い。俺では到底思追いつかなかっただろう。・・思いつく必要がなかったのだが。

 

 パクったといてもきちんと習得したつもりだ。スキマ妖怪の彼女や白髪の少女である彼女に手伝ってもらって人の技術を再現するのは本当に大変だった。呪力は妖力と似たようなもので持っていたからよかったものの、陰陽術は妖力でもできるように改良したものであるから正確には異なるのだが。

 

 スキマ妖怪である彼女は近頃理想郷を作るとかで少し手伝ったがまあそこは俺が関与するとこではないだろう。

 

 時に人は言葉というものを作ったが場所によって異なるので覚えるのが大変だった。何言ってるか全くわからなかったときは焦ったが、通訳をする奴に倣えたのは僥倖だったと言えるな。

 

 とにもかくして長い時を過ごしていた俺だがあるとき、西洋のほうをぶらぶらしていた時ある海の近くである神と出会った。

 

 さまざまな実力者と戦ってきたから対人や対大多数の経験はもちろんのこと、毒や麻痺などはそもそもこのからだに効かないし、何かしらの手段を講じてきても縛られない程度の能力を使えば問題はなかった。もう一つのほうはいまだにわかっていないが、空も妖力を使って飛べるようになったし術もほとんど使える・・筈だ。

 

 問題なかった筈だった。

 

 あるとき、とある女神の話を人伝に聞いた。今まで出会った神は半分以上が男神だった。気の合う奴もいたのだが、例えば月夜見の弟だったかな。名前は・・昔すぎて忘れてしまった。今度久しぶりに会いに行ってみようかな。

 

 結局俺は男であるから基本的にはむさ苦しい男は仲良くなりたいとは思わない。面白いやつか面白いことを呼び込むやつかな仲良くするのは。・・まあ女性も結局同じようなものだが。

 

 とにもかくにも親しいものは生きてきた人生や長い歴史に比べてとっても少ない。さらに友人以上の者はいない。ほしいと思ったこともないし、なりたいと思わせることもしたことはない。

 

 ほかの者の人生そのものに関わる気はなかったし、関わらせるつもりも毛頭ない。それは無粋なものだろう。

 

 やりたいことをやりたいようにやる。それが俺の信念の様なものだ。その上に面白いことを探すが来ている。

 

 だから今回とて面白そうだったからその女神がいるという場所までゆっくり赴いてみた。すぐ探そうと思えば探せるし目にも止まらない速さで移動もできるのだが、長年の習慣だろうかたびはゆっくり自分の足で歩くものだとおもうのだがどうだろう?

 

 そうしてゆっくり探し数か月たったころ、かつてのローマ帝国の都であるローマに来た。かつてローマ帝国が繁栄した時に来たことがあるが、その時入った『テルマエ』なる物は良かったし、あれほど長く続いた国はそうはなかったはず。

 

 かつての面影を思い出しながらコロッセオのほうまで歩んでいくと、神力を前方から感じた。視界にとらえたその姿は幼い少女を思わせるような佇まいで物静かな印象を受けた。

 

 「そなたは何者だ?このあたりでは見ない顔だが。」

 

 彼女は振り返ってこういった。

 

 「何者・ねえ、俺はただの長生きのしがない狐といったところかな。」

 

 「ほう、妖狐か。直接目にするのは初めてだ。そなたの名はなんと言う?」

 

 「時雨というよ。聞いたことはないかなお嬢ちゃん?」

 

 「貴様妾に向かって・・そうか貴様があの九尾か。」

 

 「それが何を指しているかはわからないけどたぶんそれであってると思うよ。」

 

 「貴様に恨みはないが妾は今気分が悪い、悪いとは思うが死んでもらうぞ。」

 

 そういって彼女は己の武器を取出しこちらに向かってきた。勢いそのまま前に出会った赤髪の死神の少女のような死神の鎌を振るってきた。それを一歩体を反らすことによって躱し、続けざまに振るってくる鎌を紙一重で躱しながら、

 

 「そういえば、お嬢ちゃんの名前はなんだい?俺は答えたんだから教えてよ。」

 

 と先ほどと大して変わらぬ声でこう言った。

 

 「まだ言うか!」

 

 「神とあろうものがたかが一匹の狐にそうむきにならないでよ。」

 

 「・・・妾の名はアテナ。まつろわぬアテナよ。大地と冥府の地母神であり、戦神にして智慧の女神でもある。聞いたことぐらいあろう。」

 

 「あのアテナ・・ねえ、俺が聞いたアテナに比べれば弱すぎるな。こんなものではないだろう?」

 

 「何を!」

 

 「いやねえ、俺は気が遠くなるほど長い時を生きてるから知ってるんだよ。今の偽りの神話ではなくかつての正しき神話を。かつての栄光を。」

 

 「黙れ黙らぬか!」

 

 先ほどをも上回る速さで振るってきたその鎌を避け続けていた時雨であったがついにあらゆる命を刈り取ってきたその鎌は・・・・・寸分たがわず時雨の体に突き刺さった。心臓を突き刺したであろうその一撃はその妖狐を殺すには十分すぎる一撃だった。

 

 「妾に向かってあのような戯言を言っておきながら、情けない。」

 

少し感触のなさに不思議に思ったが、しょせんこんなものだろうと思い、ここを立ち去ることにした。もう一度死体に目を向けてみるとそこには・・・・・・・・何も残っていなかった。

 

 「確かに殺したはず、あ奴はどこへ行った!」

 

 確かにさっきの一撃は十分すぎるものだった。これは誰から見てもその通りである。

 

 

 もし当たっていればの話であるが。

 

 

 お忘れではないだろうか?この男は妖狐である前に九尾である。九尾は優れた力を持つ一族であり、たぐいまれな戦闘能力を持つがそれだけだはない、九尾は・・・幻術を得意とするのだ。

 

 もし彼女、アテナが我を忘れていなければ気づいていただろう。彼女は決して弱くはないのだから。

 

 

 そう、これは時雨に誘導されたものだったのだ。全てはこの幻術をかけるために。

 

 しかしアテナは智慧の女神であるが故に気づいた。が、それに気づいたアテナは一足遅かったのだ。

 

 

 「なあ、そうだろう。かつてのアテナだったならばこれくらいなんてことなかったはずだ。」

 

 アテナが振り返ったその先に先ほどと同じく平然と立っていた時雨の姿があった。その姿には一切の傷はついていなかった。

 

 「そなたいつの間に・・」

 

 「それを教えてやる義理はないし、教えてやることはない。まあ、智慧の女神でもあるなら気づけるだろうよ。」

 

 「そなた、その実力ならば妾を殺すこともできよう。なぜしない?」

 

 「女の子を殺生する趣味は生憎持ち合わせていないんでね。」

 

 「ふふふはははは。そうか・・完敗よの。改めてそなたの名を聞かせてはくれぬか?覚えておこう」

 

 

 「ならばもう一度名乗ろう、俺の名は・・・時雨だ。」

 

 

そう言ってゆらりと笑いながら、時雨はまた面白いことを探して去って行った。またこの女神と出会う予感を感じながら・・・。

 

 side out

 

☆★☆★☆★

 

 side アテナ

 

 あの忌々しい過去を思い出しながら佇んでいると、妙な男が近づいてきた。話をしてみると話に行く九尾のようであった。忌々しい過去を言ってきて、先ほどのことも相まって我を忘れてしまった。妾らしくないことであったな・・・・・。

 

 終わってみればあの男、時雨か。とあたり前のように話しておった。誰かと会話するのは久しいことであったが、悪くないものであった。

 

 それにしてもつかみどころのない男であった。これほど不思議な奴はほかにおるまい。

 

 あやつはおそらくだれよりも強いのではないだろうか。

 

 少し話を戦いの後にしたが、時雨は旅をしているらしい。

 

 

 

 

 

 またどこかで会うのではなかろうか?そんな気がしてたまらぬな。

 

 side out

 

 

 アテナの言うとおりこの後も何度か出会い本人たちの自覚がないまま深い関係となっていくのだが、この短い出会いは小さい出来事なれどアテナにとっては大きな転換点であった。

 

 

 

 

 だがそれはまだ誰も知らない。




 ムムムっ!なんか無駄に壮大なものになったような気がする。書けば書くほどだんだん違うものになっていくような気がする。

 ・・まあいいよね。うん。

 何かあればぜひぜひ活動報告またはメッセージにて質問ください。

 ・・・ヒロイン要るかなあ?


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生きてりゃいいこともあるさ

神斗の意見から今回の話のオチを思いつきました。ありがとうございます!。

次からやっと原作に入れるかな?たぶん入りますのでご安心ください。

今回はまあ、閑話のような感じですかね。

まあ、どうぞ。 


 アテナと出会ったしばらく点々とした後、久しく長いこと行っていなかった日本に行ってみることにした。

 

 特に理由はないのだがしいて言うならば、久しぶりに今は隠居をしている気のあった数少ない友人に会いに行くことだろうか。

 

 あと、久しぶりに和食を食べに行こう。自分でも様々な地域の料理を作れるのだが、その地域に行ってその地域の食事をそこで食べるのが良いのだろう。

 

 俺はどこで生まれたかは全く分からないけれど、一番日本という国が落ち着くような気がする。

 

 なぜかは分からないけれど、この国では初めて行ったところでも見たことがあるような気がするのだ。・・・気のせいだろうきっと他のとこの地域と似ているからに違いない。だがこの国にはあまり来たくないのだがな。

 

 兎にも角にも俺はこの国へと足を踏み入れたのであった。

 

 お土産を携えて。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 京の都から東京へとこの国の中心が移って行ってから早数百年、時代ともに文明が発展していった。

 文明が発展いくにつれ、生活が豊かになって行った。

 

 しかし文明が発展していくに比例して緑が自然が消えていった。後先考えずに急速に発展していったせいだ。そのおかげでこの世界の風景は刻一刻と変わっていく。

 

 それはこの国も例外ではなかった。昔に比べればだが。

 

 「いやはや、これはずいぶん変わったなあ。まあ致し方ないといえ・ね。」

 

 なつかしみながら、ゆっくりと歩いて行って。やっと東京に着いた。ここは特に騒がしくていいところではないので魔術を使ってさっさと幽世にワープしたのだった。

 

 

 

 「相も変わらず何もないなここは。」

 

 ここには動物などはいない。枯れた木々がまばらにあるだけである。まあ、ここは生と死の境界であるから仕方ないことなのだが・・・。

 

 「それにしても、ここはどこだ?移動する方法があったような・・・・・、あ~ヘルプすさ「うるせーよ」お、来てくれて、痛え。」

 

 とりあえずここの主の主を呼ぼうとしたのだが、呼ぶ前に来てくれたと思ったらなぜか殴られた。ちくせう。

 

 「おめえは毎度毎度移動方法忘れてんじゃねーよ。バカか?バカなのか?バカだよな?」

 

 「まあいいじゃん。来てくれたんだし。」

 

 「はぁ~おめえは相も変わらず・・。」

 

 「はっはっは。とにかく久しぶりだな『須佐之男』。」

 

 「ああ、久しぶりだな時雨。」

 

 数百年ぶりの親友との出会いであった

 

 

館に移って。

 

 「それにしてもおめえがここに来るなんて不思議なことがあるもんだな。それともなにか?いつものように嗅ぎ付けてやってきたのか?」

 

 「なんだよ人を獣のように・・獣だけどもさあ。今回はなんとなく・だな。ほら、土産の日本酒だ。しかも飛び切り度数の高いやつ。」

 

 と言っていつのまにか時雨の手に握られていた高そうな酒をさも当たり前のようにスサノオに手渡した。

 

 「前から思ってたんだが・・・どっからその酒持ってきてるんだ?」

 

 昔のことであるが時雨はこの国で宴会が好きな妖怪たちとよく飲んでいたので、自然と酒を常に数本常備するようになったのだ。今となっては見ることは数少ないだろう。

 

 「まあまあいいだろそんなこと。それより久しぶりの再会を祝って乾杯しようぜ。」

 

 「急に押しかけてきたと思えば・・はぁ~お前さんらしいな。わかった乾杯だ。」

 

ひっそりとしたこの館で二人ゆっくり酒を飲み明かし始めたのであった・・・。

 

  

 「お前さんは未だに旅をしてるのか?」

 

 「もちのろんだぜ。まあでも昔のほうが良かったかなあ。喧嘩撃ってくる奴あんまりいないんだよねー。」

 

 「お前さんは・・・・。今はほぼ妖怪は見かけないからな。というかそもそもお前に喧嘩売ってくる奴ってそんなにいなかっただろ。まさかおまえってそういう・・。」

 

 「いや別に戦闘狂じゃないし。ただの面白いことが好きな男だって・・・。」 

 

 戦闘狂といえばUSCの彼女のことを思い出した。俺はあんなふうじゃない。・・よな?うんそうだ。きっとそうだ。そうに違いない。

 

 挑んできたやつの心をへし折ったり、挑発しながら心をへし折ったり、ぼこぼこにした挙句にさらして心をへし折ったりなどなど・・・・・。  

 

 そういえばそれから挑んてくるやつはよっぽどのバカか自意識過剰な奴だったような・・・

 

 イライラした時はいろいろやったような・・・。

 

 やばい否定できなくなってきた。

 

 「まあまあそれよりもさここ数百年間こっちはどうよ?。」 

 

 「まあ、いろいろとごたごたはあったけどよ、表立った動きはまだないな。ここにはカンピオーネもいないしな。」

 

 「カンピオーネね・・・あいつらねえー。まつろわぬ神を殺したやつか、しょせんは人だろー。あいつらの近くにいたら何か起こるかもしれないとはいえ力をごり押しだけのやつだったよ。たがだが数百年生きただけってやつもいたし。まあサルバートレとかいう奴は面白かったけどな。気も合うし。」

 

 「あ~あいつか。まあ、あいつなら気は合うだろうよ。」

 

 「最近あんまり戦ってなかったせいか、ちょっと余裕なかったけどな!はははっ。」

 

 「と言いながらどうせ勝ったんだろ。お前さんの負けたところなんて見たことねえよ。」

 

 「まあだてに長生きしてないからな。負けるつもりは毛頭ないぜ。」

 

 「長生きといえば・時雨おまえ最初にあった時よりも前から生きてんだから数千年よりは生きてるよな?。最近なんかでちらっと思ったんだが、狐と言っても年月や性質によっていろいろ種類があるだろ。お前はどれに当てはまるんだ?。」

 

 「さあ?俺がこの世界にいた時はすでにこうだったし、それに狐のすべてを知っているわけじゃないんだろ?俺もすべてを知っているわけではないし、まあ俺は善狐に非ずというのはわかってるけどな。今はただの九尾だぜ。多分これからもな・・。」 

 

 そう言って、時雨は何か思いにふけるよな顔をしてしまった。こいつ普段はあんな性格ではた迷惑な奴なんだが、ある時な話になるととたんにだまってこんな風になるんだが。なにがあったんだ?誰かに負けたわけでもあるまいし。女がらみの話も少ないしな・・。

 

 「だいぶ酔いが回って木屋みたいだ。スサノオ、どっか部屋空いてんだろ?寝かせてもらうぜ。」

 

 と言ってふらふらしながら歩いて行った。いつものように部屋を探し当てるのだろう。俺もそろそろ寝ますかね。

 

 普段はこれくらいの時間で二人酒にせよ宴会にせよが終わることなどないのだが・・・。

 

 

 

ーー次の日ーー

 

 

 「あーよくねたー。ここどこだっけ?・・・・・そうかスサノオのとこに来て酔っぱらって寝たんだなきっと。」

 

 太陽はないので時間は解らないのだが、きっともういい時間だろう。

 

 既に起きていたスサノオにおはようの挨拶してから台所を借り適当に料理を作り平らげた後、ここらへんに何かないかを聞いてみても正史編纂委員会なる物ができたとかだけだし。ここに来たのは無駄足だったかね?

 

 「ああ、そういえば前に姉貴が来てお前の行方きいてったぞ・・。」

 

 「えっ前に会ったのって・・もしかして百年くらい会ってない・・。」

 

 「なっおめ何やってるんだよ。そんなことしたら姉貴が何をするか・・。早く会いに行けよバカ野郎。」

 

 「会いに行けっていたって、どの面っていうかあそこ行くと帰れなくなるんだよ!。」

 

 「じゃあお前あれか?ここやこの国がどおなってもいいと?責任とってくれるんだな?なあ。」

 

 「なんでわざわざ死地に赴かなければならないんだよ。」

 

 「何もかもお前のせいだろ。プラプラ歩き回りやがって。ただでさえ今の姉貴はただの神だがお前のことになると「呼びました?」」

 

 「「え、・・・・・・・・。」

 

 互いに冷や汗をかきながら恐る恐る二人そろって後ろに振り返ってみると、そこには

 

 「お久しぶりです。時雨さん・・それと愚弟。」

 

 どす黒い笑顔を浮かべている。三貴子の一人で三兄弟の長女であり高天原を収めているはずの日本の神々の頂点に立つ天照大神その人だった。

 

 「やっやあ、久しぶりだなアマテラス。ちょっとここ長いところ忙しくてなかなか帰ってこれなかったというかなんというか。」

 

 時雨はあわてるようにまくしたて

 

 「ひっひさしぶるです姉貴。いっいま時雨のことを伝えようかと!。」

 

 速須佐之男命とは噛みながらもあわてては発言したのだが、時すでに遅し。

 

 「正座。」

 

 「まっ待って一回落ち着こう。焦ってもいいことないよ。な、スサノオ。」

 

 「そっそうですよ姉貴。ゆっくり深呼吸。」

 

 「・・・正座。」

 

 「「まっ。」」

 

 「正座。」

 

 「「・・はい。」

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 あれから足が痺れ感覚がなくなり意識がもうろうとしながらも天照からの説教もとい拷問を気が遠くなるほど受け続けていたのだが。満足したのか天照は説教をやめた。最後に、

 

 「いいですか時雨さん。これからは・そうですね最低一年に一回は会いに高天原に来てください。時雨さんならこれるはずです。い・い・で・す・ね♡?」

 

 「ハイ、ワカリマシタ。」

 

 「あとこの愚弟、次もこんな体たらくだったら殺しますよ。」

 

 「ハイ、ワカリマシタ。」

 

 「じゃあ行きましょうか時雨さん。いえア・ナ・タ♡。」

 

 「え、あなたになったつもりは、痛い!痛い!足痺れてるから引っ張らないで、STOP、止まって、もう少し待って、お願いします何でもしますから。」

 

 「今、何でもって言いましたね?。」

 

 「え?・・言ってない言ってない。「うふふふふふふ。」暗いオーラ出てますよ天照さん。えっなにそのバカ力、あっあの肩みしみしって言ってるんですけど、・・・スサノオー!!!。」

 

 顔色が蒼くなってきた時雨が見た先には、あっち向いてお茶を飲む速須佐之男命の姿があった。

 

 「こっこの裏切者ー!!。後で覚えとけー!!。」

 

 「・・・・・死ぬなよ。」

 

 「さあ、行きましょう。二人の愛の巣へ♡。」

 

 「じっ自分で歩くから、このままでと死ぬー!!!!!!。」

 

 その日幽世のはある男の叫び声が響きましたとさ・・・・。その男は一か月は帰ってこなかった。と言う。

 

 

 

 

 

 

 

 帰ってきたその男はこう言ったとさ、

 

 「もうお婿に行けない。」

 

 それを聞いて彼の友人は言った。

 

 「生きてりゃいいことあるさ。」

 

 「「ハッハッハッハ。」」

 

 二人男の乾いた笑い声が響き渡りましたとさ。

 

 

 おしまい。

 




まだ終わらないというかこれからです!

私の中の天照はこんなかんじです。異論は認めるけど変えるつもりもないし後悔も反省もない(キリっ

名前やオリキャラなどはまだまだ大丈夫ですので引き続き募集しておりますので活動報告またはメッセージにてお願いします。

では、意見などあればぜひぜひ。 


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主人公設定

一応決まったので投稿しておきます。神斗さんsamaLさん並びにほかの方も意見をいただき本当にありがとうございました。



 名前:時雨

 

 種族:九尾?

 

 容姿:金髪金目で和服を常に着用しているが時代時代に適した服装をしないこともない。和服に慣れているためだとか。春、夏、秋、冬も和服着用。

 

 ※服のセンスもないので各々考えてください。

 

 年齢:一億歳以上

 

 交友関係:大体の者とは知り合いであるが、仲が良いか悪いかのの二択である。中間はあまりない。大和の神々とは大体仲がいい。海外の神々とは大体仲がよろしくない。というか基本的には男とは仲は良くない。からかうため。いじるため。ただ、アテナとは親密な仲である。(本人は自覚なし)

 

 性格:面白いことが好きな男。めんどくさいことは嫌いだが、面白いことのためなら努力を惜しまない。能天気。娯楽主義者。負けず嫌い。また、長生きも相まって鈍感なところも時々ある。頭は良くて知識はあるけど一周回ってバカな時がある。罠があれば堂々と真正面からきちんと全部壊したうえで報復をする時には相手の心も壊す真面目にもなる律儀な男でもある?。

 

 特技:だいたいのことは出来るようになった。というかした。

 

 能力:縛られない程度の能力とあらゆる術を使う程度の能力

 

 権能:天照から預かっている権能※1「癒しの光」とロキから奪った権能※2「創造レーヴァテイン」

※3「トリックスター」がある。

  権能を預かっているのは天照がまつろわぬ神になるのを防ぐため。

 

 好きなもの:旅好き。酒好き。ワインも好き。お茶も好き。ただ水が一番好き。自然。文化。面白いと判断したこと全般。

 

 嫌いなもの:むさ苦しい奴。自信過剰な奴。

 

 苦手なもの:暑さ。寒さ。つまり夏と冬。天照。

 

 その他:ただの神でずっとこっちにいるのは天照いわく、「あなたとずっと一緒には居れないじゃないですか!」とのこと。基本的に地上をを常に放浪している時雨とずっと一緒にいたいから。断れなかったらしい。前は幻術を使って逃げた。でもなんだかんだでほってはおけなかった。なんだかんだで天照とは長い付き合いで嫌いではない。ただ苦手なだけ。家なし。持ち物は亜空間に保存しあり、空気がないため腐らない。今は自身の力を一部封印している。あと最近何かを考えている。 

 

 

 今の強さ:時雨>>>>>神々≒カンピオーネ>>>魔術師関係>>>>一般人

 

 

 

 ※1その名の通りあらゆる者を癒す権能である。ただし、日中に限る。

 

 ※2魔剣を召喚する権能。魔術等と相性がいい。出し入れ自由。壊れても直る。大体の物は切れる。ただしドニの権能にはかなわない。

 

 ※3あらゆる者を騙す権能。もともとの幻術のうまさと相まってかなり強力。一度破られたら連続は使えない。間をおけば再度使用可能。あくまでも権能は破られたら。騙すのは姿形だけではない。気配なども完璧に隠せる。  




やっつけで書いたところもありますので何かご指摘があれば活動報告またはメッセージにてお願いします。

おそらくこれ以上は強くならないと思います。本来の力以上はね。

ネーミングセンスに関してはお察しということで目をつぶってください。それか考えてください。

9月2日改稿


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第一章~
気分は工場見学


今回から原作に入って行くんですが、最初のほうは長々とやっても面白くないので巻いていきます。

ではどうぞ。


時は平成の世。今現在は世界に6人のカンピオーネがいる。正確に言えば時雨も神殺しではあるのでこれに当てはまるのだが、人ではないので省かせていただこう。幾重にも折り重なった幸運を持ってまつろわぬ神を殺め権能を簒奪せし魔王。カンピオーネとなった人は肉体が不老となり呪術などは効きづらく相当タフであり、いづれのカンピオーネであっても思考捻くれたもので変人である。逆に言えば凡人には到底なしえないことでありここまで多くのカンピオーネが同時に存在できているのも珍しい。

 

 古来より、盛者必衰は世の理で、力を持つ者は何時かは滅びる。人の短い世の中一人の人間が権勢を振りかざせるのはせいぜい数年か長くても数十年だろう。これまでの歴史をひも解いても例外はなかった。

 

 少し後イタリアの地で新たなる日本人の神殺しが生まれる。そのものは古代ペルシアの軍神、あらゆる障害を打ち破る者にして、常勝不敗の神を倒せしめる者。

 

 かの者にはあらゆることを引き付ける力があり、それは運命にして定めである。

 

 かの者の生活は一変する。 

 

 かの者もまた変人であろう。 

 

 かの者にはどのような未来が待ち受けているのだろうか?

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 ある日、あの出来事があった日から時雨は幽世に居候もとい天照監修の元折檻されていた。本来ならば高天原であったのだが、頼み込んで「せめてこっちで」と命を賭してしばらく一緒にいるからと言ったら許可された。なんだかんだで天照は時雨と一緒に入れればいいのだ。

 

 数年たったある日、地上に何体か放っていた使い魔(陰陽師風にいうなら式神)から、日本から遥か西の地で膨大な神力の衝突を感じ取った。

 

 おそらくまつろわぬ神であろう。と推測した時雨は今すぐに飛び出していこうとしたが、ふと考え直し。深夜布団からこっそり抜け出し、置手紙を残してロキから奪った権能「トリックスター」で全力で隠蔽しながら足早に幽世を飛び出していった。

 

 帰ってきた後のことを考えずに。

 

 -ちょっと出かけてきます。多分すぐ帰ってこれないので探さないでください。

 PS絶対に探さないでください。お土産買ってきます。

                by時雨

 

 これを見た天照が屋敷の一部を吹き飛ばしたのがあったとかなかったとか。

 

 

☆★☆★☆★

 

 使い魔からの情報を詳しく分析したところによればここからずっと西に行った遠いイタリア辺りでまつろわぬ神同士での戦いがあったようだ。とにかくそっちの方向へ目につかないほど高高度の高さから神速の速さで飛んで行った。

 

 イタリアの地へある程度近づいたあたりから速度を落とし痕跡を探しながら飛んでいると一つの島にたどり着いた。

 

 普通の『人間』に変装してから痕跡を求めて歩き回っていると、戦ったであろう場所にたどり着いた。たいがい、というかほとんどの場合で神同士もしくは神とカンピオーネの戦いの場所になったところは半壊以上はあたりまえで大災害並みもおかしくないので見つけることには困らないのだ。

 

 しかも、周りの住民が普段どうりの生活をしているのならなおさら特定できる。大災害並みの出来事が起こっているのにむしろ行動を起こさないのがおかしいのだ。

 サルデーニャ島と呼ばれるこの島は地中海でも有数のリゾート地であり景色は美しい。あの後入念に探したのだが特に詳しいことは解らなかったが、どちらもまだ消滅したわけではないことが分かった。

 

 どうせ神は戦いを好む傾向があるので、そのうちまた現れて勝手に争い始めるだろうと結論づけたところで、せっかくだからこの島を観光することにした。

 

 春だったこともあり過ごしやすく、食事もおいしかったので満足だった。適当なところで宿をとり寝た。なんだかんだで疲れた。

 

 引きこもっていたニートが外に出た結果であった・・・。

 

 次の日当たり前のように昼に起きた時雨は、特に何もすることはなく適当にそこら辺をふらついていたらふと近くで神力を感じた。(まつろわぬ神・・いやこれは神獣の類か)怪しまれない程度に急いで向かったのだが(幻術などを使うには一度元の姿に戻る必要があり気取られたくなかったため)既に神獣?はいなかった。

 

 やはり人というのはめんどくさいものだなと思ったが、後の祭りであった・・・。

 

 

 

 寝過ごしたりとタイミングがなかなか合わなかったので神が現れるまでおとなしく待っていることにした。お金なら幸いたくさん奪っ・・取っ・・貰っているので問題はない。

 

 そうしてだらだらと過ごしていたら、ある日二人の人間が夕暮れ時だというのに遺跡・・確かサン・バステン遺跡とか言ったか、向かっていくのが見えた。しかも片方の人から妙な気配を感じたし、もう一人の金髪の女・・エリカ・ブランデッリと言ってたやつは確か赤胴黒十字の騎士だっけ?とりあえずこっそり抜き足差し足でついて行った。

 

 鬱蒼とした森の中で前が見ずらい闇の中であっても時雨にとっては全くなんともなかった。タクシーの後をついていくのは腰が折れたがあきらめて途中で元の姿へと戻り念には念を入れて権能を使ってタクシーと並列して走って行った。

 

 遺跡に近づいていくのが分かったあたりから尾行をやめ、そこらへんに潜んでいることにした。神殿の入り口と思しき辺りに呪力を感じた。

 

 式神を男の背後に投げて忍ばせ、二人が中へ入って行くのを見送った。

 

 話を聞いているとそこにいたのはまつろわぬ神メルカルト真の名をバアル、おそらくこいつが二体のうちの一体の神だろう。・・そこそこえらい神様でなかったっけ?

 

 そのあとあわてて出てきた二人を視界に入れつつ相も変わらず隠れていると森の外に強い呪力、目を凝らせば白馬が見えた。

 

 ここにあいつが見えるということはつまり・・

 

 「久しいのう、小僧、それに魔女よ。こんなところをまだうろついておったか。」

 

 奴はこっちに気付かず二人に話しかけた。妙にイケメンな奴はもう一体のまつろわぬ神であろう。対話を聞いているとブランデッリが不敗なる東方の神といった。

 

 そうか・ならばあいつはウルスラグナだ。

 

 今までと今あらわれている神獣はだいたい10、そしてあいつは10の姿に変身して常に勝利する常勝不敗の神。しかも古代ペルシアの軍神であるから間違いない。

 

 メルカルトとウルスラグナ・・か。どちらも強き神であることには間違いはなく、戦ってみるのも面白そうだが、まあここは成り行きは見送ることにしよう。

 

 ・・と思ったのだが、少年、護堂らしいが何やら石板を使って白馬を奪ったと思えば、ウルスラグナはメルカルトの結界に阻まれ一度引き返していった。

 

 朝になれば戻ってくるらしいがそれまで暇である。もう一度言おう・・・暇である。だからと言ってここで眠る訳にはいかない。

 

 眠るわけにはいか、いかなzzzzzzzz。

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 目を覚まし、まず目に入ったのは見知らぬ天井というわけでもなく、石版、魔導書プロメテウス秘笈からほとばしる青き焔と二つの棍棒を二振りの黄金の剣を以て切り裂いた満身創痍のウルスラグナの姿であった。

 

 また寝過ごしたよーと落ち込んでいると近くから護堂が出てきた。と思っていたのもつかの間、ぼこぼこにされていた。

 

 いやだってさ啖呵を切って出てきたんだぜ。何かあると思うだろ?と思ったらサンドバックになってたんだぜ?訳が分からないよ。

 

 これで終わりかと思ったら、護堂がプロメテウス秘笈を使う博打に出た!そんなことをすれば自分も無事ではいられまいに・・・。

 

 秘笈より迸った白き焔はウルスラグナを飲み込んで・・・相打ちと相成った。

 

 

 ・・・くくく、はははは、ハハハハハハ。まさかあの所業をこの目で見れるとはね。これだから人は面白い。あの状況からの大逆転。何百何千という確立を引き出すとは、護堂とやらはよほど恵まれて、いや呪われているのに違いない。

 

 なんにせよ、せっかく立ち会ったのだから挨拶位していきますかねえ。あの幼女も出てきたことだし。

 

 

 「やあやあみなさんこんにちは?こんばんわ?いやおはようかな?」

 

 「おぬしは物の怪の類か?」

 

 『お主は何者だ?』

 

 「あら、時雨じゃない。また嗅ぎ付けてここに来たのかしら?」

 

 「嗅ぎ付けたとは失敬な。だが間違ってもいない、から否定もできないし。まあ、とりあえず、自己紹介をするならば、俺はただの長生きが取り柄のしがない九尾で時雨と申す者。聞いたことがありますかな?」

 

 「ほう、九尾であるか。」

 

 『見るのは初めてよ。』

 

 「気持ち悪、なにその言い方。」

 

 「あーはいはいこれでいいですか。ここに来たのは、まあ、暇つぶしを兼ねてきたら思いのほか面白そうだから戦ってみるのもいいかなーくらいの気持ちくらいだったんだけどねー。最近運動不足だったしまさかこうなるとはね・・。」

 

 「何が言いたいのだそなたは。我には時間がないのだ。」 

 

 「・・いや別に何でもないさ。では、挨拶もこの辺にして、あの秘儀やるんだろパンドラさんや。どうぞおかまいなく。」

 

 「・・ええそうね。」

 

 おおーやってるねー。それにしても再び会うまで誰にも負けるな、か。さすがに勝利の化身といったところか。これで人のカンピオーネは7人か。・・多くね?ここまで多いとアイツが出てきてもおかしくないのだがな。どこで眠っているのやら。

 

 儀式は無事に終わったようでウルスラグナは消滅したが、またいつかこっちに来るのだろう。神話が続く限り。

 

 さて日本へそろそろ帰るとしましょうかね。・・・おとなしくしていてくれればいいんだけど。かえりたくねーなー・・・・・。おお、こわいこわい。

 

 あ、お土産忘れてた。めんどくさいけど適当になんか買いますかねー。プレゼントはいいものだ。

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 この後少年、草薙護堂はカンピオーネとして初めてメルカルトと戦うのだが、見にはいかなかった。だって長期滞在はねえ・・・うっ嫌な思い出が。

 

 とにかくここまで近くに来たのだからちょっと会いに行きますかねえ彼女に。一日くらいなら大丈夫だよな。

 

 地中海をさまよって捜し歩けば、遅かれ早かれ会える。姿は少女なれどその本質は古代の女神。

 

 「久しぶりだな、相も変わらず美しいな。前に会ったのは数十年前かな?」

 

 「久しぶりなどではないぞ!妾はずっと待っておったのだぞ。」

 

 「これには深いわけがあって、会いに行けなかったんだよ。この通りごめん。」

 

 といっって日本の伝統技DOGEZAをかましたのであった。土下座すること数秒間。

 

 「・・これでは怒れないではないか。ここは妾の寛大な心で許してやろう///。」

 

 「ありがとう女神か!って女神か。」

 

 「ただ。」

 

 「ん?」

 

 「その・・」 

 

 「なんだって?」

 

 「何でもないわ!それよりも妾は忙しい。私は行くぞ。そっそれと、また会いに来るのだぞ!」

 

 「?わかった。」

 

 と言って颯爽と去って行った。こんなにすぐに行かなくてもいいのに、体調でも悪かったのかな?顔赤かったしな。

 

 

 かくして草薙護堂との出会いは一方的な出会いとなるのだが再び会いまみえる日は決して遠くはない。  




メルカルトはカットカットカット!というか11巻はまるまるカットでいかせていただきます。

これ原作と齟齬ないよね。大丈夫だよね。






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我が求むるはゴルゴネイオン

なんだかんだで週一ペースを維持している。これを目標に頑張って行こうかな?

では、どうぞゆっくり読んでいってくださいな。


時に時雨は居候の身で外に出かけることはあるが、それはよほどのことがない限りありえない。昔と今では妖怪としては住みずらい世の中になってしまったのだ。

 

 ずぼらな時雨であるがそこまでふしだらな生活を送っているわけでない。太陽のない幽世では寝過ごすことはあるものの規則正しい生活を送っていればきっちり起きれるのだ。基本的には引きこもっているがそれはめんどくさいため外に家を作らないないからともいえる。

 

 昔知り合いの鬼たちに作ってもらったちょっとした家があったものの、自然とともに消え去ってしまった。放浪していたので必要なかったことからそのあとも家がない生活を続けていたのである。

 

 ここで、時雨の一日の生活を紹介しよう。

 

 まず朝に起きる。朝ごはんを自分の分を含めてここ幽世の住人の分を作って食べる。その後お茶を飲みながら昼くらいまでゆったりと過ごす。天照とが隣にいてふっついてくるのだがもうあきらめて放置している。

 

 昼ごはんのまた時雨が作って食べた後午後は、その日によってまちまちだが散歩をしたり、昼寝をしたり、道具を作ったり、運動をしたり、温泉に入りに行くために遠出をしたりなどだが、これらは常にwith天照である。さすがに温泉の時は一人で行くのだが。

 

 そうして夜になったら夜ご飯を食べ、酒をスサノオと飲み交わし、しかる後布団に入ってこようとする天照を縛って置いた後、寝る。

 

 というのが基本的なパターンである。ときとぎ昼夜が逆転したりがあるがほとんど変わらない。

 

 面白いことは常に探しいているのだがなかなか見つかることはない。古今東西ありとあらゆる場所に行った時雨だが今となっては自分から積極的に動くことは少なくなった。あくまでも昔と比べたらだが。

 

 ある日の夜のこと、暇である。最近時雨がお茶を飲みながら抱いた感想はこれであった。昔のように白昼堂々行動したらめんどくさいことになるので仕方がないのだが。

 

 「はぁ~まつろわぬ神とかが暴れてくれたならいいのになぁ~。天照お茶おかわり。」

 

 「ハイ~♡、でもあなた神が来ないなら自分で呼べばいいじゃないですか。余裕で倒せますよね。」 

 

 「なんだその、パンがなければお菓子を食べればいいじゃない的な感じは。・・・それも悪くはないけど、自分で呼ぶかとめんどくさいしな。パスで。」

 

 最近キレを増してきたスルースキルを発揮しつつ、地上の小高い静かな土地できれいな満月を見ながら言った。ここで月見酒をしないのは、単に酔っぱらった天照が怖いからだ。

 

 「それに、あるがままに身を任すのが面白いんだよ。この自然のようにな。」

 

 「まあ、私は構いませんが。ずっとここにいてもいいんですよ♡。」

 

 「それもいいかもねえ・・「え?」何時かは隠居でもするかな。でもあそこに行くには有名になりすぎたかな。」

 

 「あそこ、ですか。あなたが行くなら私もも行きます!」

 

 「まあ、大丈夫だろう。あいつにも話しておくさ。あいつら元気にしてるかねえ。」

 

 「あなたなら行こうと思えば行けるのでは?有言実行って前言ってましたよね。」

 

 「まあ、場所もわかってるし行く方法もわかってる。これは・そうだなけじめみたいなもんかな。軽々しくは行けないよ。迷惑も掛かるだろうし。」

 

 かれこれ五百年くらいは会ってないな・・・。いつでも来てくれていいとは言っていたが、今かの地はどうなっているのだろうか。

 

 「そんなことより、そろそろ帰って一緒に二人で愛を・・って置いてかないでくださーい。」

 

 さっさと帰って寝ますか・・・それにしてもいまどきの忍者ってすごいね。

 

 

 「逃げられましたか。 それにしてもなんでこんなことをしなければいけないんですかねぇ。時間外手当も出ませんし。さっさと報告しに帰りますか。」

 

 

 このあと、時雨はまた旅に出かけるのだった。何の目的も持たずにただ気の向くままにはるか昔と同じように、人と出会うまでの自分と同じように、自給自足の生活で、妖怪としての本来の姿へと戻って妖怪らしく。今までの自分を見つめ直しながら先のことは考えずに。

 

 この旅は知る者はいた、が内容を知る者はいなかった。 

 

 日本で再び発見されたのはそう遠くはなかったが。

 

 

この日々は長くは続かなかった。時雨の人生に比べれば短かったけれど長い時にも等しいほど濃い日々であっただろう。これからの時雨の人生に影響を与えたに違いない・・・かもしれない。

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 草薙護堂が日本を立ちイタリアの首都ローマに着いたと同時に時雨もローマに来た。あの旅が終わったわけではないが、とある気配を感じてきたのであった。

 

 ただの呪力のこもった品やちょっとした神具では来なかっただろうが、かの品ならば仕方がない。まあ、今回も今回とて特に手を出すつもりはないが。

 

 人の姿へと戻らず妖怪の九尾の姿のままで、自身に認識疎外の術をかけただけで今回はいってみることにした。もう人の姿になることはないかもしれない。

 

 ただ、この世とのつながりはまだ絶てそうにはなかった。この世界にはまだやることがある。まだ楽しめれる出来事がある。まだ守るべきものがある。今はそんなような気がしたのだ。後で違えることになったとしても、それはそれでいいであろう。今を生きているのだから。

 

 こっそりと後を着ける探偵のように草薙護堂と途中で合流したエリカ・ブランデッリを尾行していった。

 

 「・・・ん?」

 

 「どうしたの護堂?」

 

 「いや、なんでもない。」

 

 草薙護堂には怪しまれたがばれずについて行った先は、コロッセオの近くの丘についた。さらに進み広い場所へ抜けそこにはお偉いさんの魔術師らしき人物が三人いた。特に興味はないので調べてはいないが。

 

 そして、エリカ・ブランデッリと草薙護堂との戦いが始まった。話を聞いたところゴルゴネオンを預けるに値する人物か見極めるために勝負をしているらしい。ここで奪ってしまうかとも考えたがやめた。メリットがない上にアテナの興を削ぐようなまねはできなかった。ここままうまく行けば草薙護堂とアテナの本気の戦いが見られるというほうが大きな理由であったが。  

 

 紅き悪魔と若きカンピオーネとの戦いは序盤こそエリカ・ブランデッリが攻め続け草薙護堂が避け続けるという展開だったが草薙護堂が権能を使い始めてからは一転した展開となった。彼は自称平和主義者と言っていたのだが彼もまた魔王であったわけだった。しまいには権能で呼び出した猪でコロッセオの一部を壊してまでも勝利をもぎ取るとは。むしろ一番たちが悪いんではなかろうか。彼が戦うときは毎回何かの建築物を壊しているし。

 

 まあ、とにもかくにも三人の魔術師たちに認められた彼はゴルゴネインを持って帰ることになったわけで、ということはつまり、おもしろくなりそうだ。

 

 いずれ日本で争うことになるだろが、せっかくだからここら辺を周ってから帰るか。と思ったのだが、

 

 「なあ、そこにいるあんたは誰だ?」

 

 草薙護堂がこちらに向かって話しかけてきた!なんで今・・・そうか戦いの中に身を投じたことで感覚がどぎ済まされたか。とはいってもそこに誰かがいるしか解っていないわけだが。気づいた彼を誉めるべきか気づかれた己を叱咤するべきか。

 

 「出てこないならこっちにも考えがあるぞ。」

 

 とにかく出ていきますか。遅かれ早かれいつかは会うのだから。認識疎外の術を解除した。

 

 「よく気付いたな少年。誉めてやろう。」

 

 草薙護堂以外の者たちは驚いているようだ。まあ、無理のないことだ。急に魔王たる彼が誰もいない方向に声をかけて、妖怪たる九尾が出てきたのだから。

 

 「護堂、あの姿って私も始めてみるのだけれど、知ってる?」

 

 「聞いたことはあるけど、九尾だろ。」

 

 「ええ、そうよ。細かい話は後にするけれど、あれはただの九尾ではないわ。」

 

 「ほう、よく気づいたなお嬢ちゃん。まあ今なんて九尾どころか妖怪すらほとんど見ないからわかるよな。時雨って名前聞いたことはある?」

 

 「「「!!!」」」

 

 「なんだよエリカ知ってるのか。」

 

 「話にしか聞いたことしかないけれど、九尾の妖怪時雨と言えば、少なくとも数百数千年は生き続けていて相当強いってって聞いたことはあるわ。」

 

 「間違ってはないね。」

 

 「な!!!まじかよ。」

 

 「なぜそんなあなたがここにいるのかしら。」

 

 「なぜって言えば・・・面白そうだから?まあまあ、そんなにかしこまらないで、今は何もするつもりはないから、しいて言うなら挨拶みたいなもんだし。すぐに帰るよ。じゃあね。」

 

 この辺で帰りますか。早くいかないとアテナ来そうだし。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 時雨が去った後。

 

 「結局なんだったんだアイツは。」

 

 「さあ、私も詳しく知らないから何とも言えないわね。とりあえずそれは忘れましょ。あなたにはやるべきことがあるんだから。」

 

 「あ、ああ。」

 

 この後無事に?護堂君はゴルゴネイオンを持って日本へ帰りましたとさ。

 

 

 さらにその後、

 

 ゴルゴネイオンは仇敵の手に渡ったようだ。この地に残るゴルゴネイオンと仇敵の余韻と!!この妖力はまさか時雨・・・。

 

 なぜここにいたのだ。なぜ妾に会いにこない・・・。

 

 いや、それよりも妾童は蛇を追わねばならぬ。きっとあやつのことだから、おそらく何らかの形でからんでくるはず。その時にとっちめればよい。

 

 「我が求むるはゴルゴネイオン。古の蛇よ、願わくば、まつろわぬ女王の旅路を導き給え。闇と大地と天井の叡智を、再び我に授け給え!」

 

 かくしてまつろわぬ女王は東方へと至る旅路をゆっくりと歩み始めたのであった。

 




いっぺんに書いたら目が痛くなってきた。

誤字脱字などありましたら是非活動報告またはメッセージにて。


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女神怖い

アンケートについて十分な活動方向等への誘導がなかったこと。心からお詫び申し上げます。誠に申し訳ありませんでした。

これからもこのような私ですが見ていただいていただければ幸いです。

お詫びとしてはなんですが文字数少し多めです。


 アテナは少しずつ東方に向かって進み始めたようだ。少しずつと言ってもそれは神からの尺度で考えた時であるから人から見てみれば十分に早いのだが。だってヨーロッパから徒歩で?数日で来れるのだから。まあ、俺なら魔術で一瞬で移動できるがな!ちょっと気持ち悪くなるからほとんど使わないけど。

 

 なんでか知らんが怒っているかなーと思いつつもまあ、大丈夫でしょうと思っている。

 

 今はアテナより早く日本へと先回りしている。幻術とロキの権能の組み合わせで本気で隠れているから、ばれてはいない・・・と信じたい。前に天照から逃げていた時になぜかばれた時があるのだ。本人曰く「乙女の勘です♡」だとか。基本的にこの権能を使うときはこのようなときくらいなので昔使った時より勘が鈍っている。ついでに言うと天照の権能なんてめってによほどのことがない限り使わないのでこれを知る者は少ない。そもそも権能どころか幻術などすら使わなくても勝てるからなのだが。

 

 草薙護堂にばれたのは権能を本気で使わなかったからと近くに寄り過ぎたからだろうと思っている。

 

とにかく誰にもばれずに行動できているわけだが、暑かったので滝で水を浴びたり、川で無駄な機動力を使った天然流しそうめんをやったり、そのあと運動がてら海に潜ってサメとかと勝負したり、キンキンに冷やした酒を片手に月見酒をしたり、久しぶりに月に行ったりなどしていたのだ。ハイテク都市でいつでも涼しく時々避暑地にしたりしていて一年に二回以上は行っている。これのためにあのお願いを使ったのだ。月が別荘地な扱いになっているのは気にしない気にしないの精神で行こう。

 

 かくして時間をつぶしているとアテナがようやく日本へ来そうだというのを察知したので上陸しそうな場所へと向かった・・・。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

  

 アテナが日本へ上陸して、草薙護堂達と相対することになったのはすでに必然であり、そこにすでにべストポジションをとっていた時雨が相変わらずアテナは美しいなとか考えつつ見届ける中、アテナが少女らしいソプラノで告げた、

 

 「久しいな、神殺しよ。妾はあなたと再会できて喜ばしく思う」

 

 ・・・・・

 

 「俺は喜ばしくない。あんたたちは平和に暮らしている人間を巻き込んで、いらん騒ぎを引き起こすだけだからな。はっきり言って迷惑だ」

 

 いや草薙護堂よお前もそっち側の人間なんだぞ。しかも神話を作ったのは人間でしょう。

 

 「エピメテウスの申し子にしては、良識ある発言だ。あなたは珍しい神殺しだな」

 

 いやアテナさんや、今まで見てきたカンピオーネにそんな奴いたか?

 

 「まずは名乗ろうか。妾はアテナの名を所有する神である。以後、見知りおくがいい」

 

 ・・・・・

 

 「東方の神殺しよ、あなたの名を聞きたい。これより古の《蛇》を賭けて対決する我らなれば、互いの名を知らずに済ませるわけにはいくまい」

 

 ・・・・・・

 

 「俺の方には、あんたと戦う理由はひとつもないぞ」

 

 早くしろよエセ平和主義者が・・・ドニのようにいけよ。ガッとさあ。男だろう!もっと熱くなれよ!!

 

 「あなたは古き帝都よりゴルゴネイオンを持ち去った。魔術師どもに請われての行いであろう?《蛇》を妾より遠ざける者は、何者であれ妾の敵だ」

 

 ・・やっぱり神は人を見下すなあ。それが災いの元となるのにねえ。

 

 「さあ聞かせてもらおうか、あなたの名を」

 

 「・・・・・草薙護堂だ。それと、そっちにいるのはエリカ・ブランデッリ。あんまり人間を無視するな。神様だろうが何だろうが、すごく失礼だぞ」

 

 それはその通り。

 

 「草薙護堂。あの男の名の響きと似ておるな。覚えておこう」

 

 ・・俺だな。

 

 「さて草薙護堂よ、重ねて問おう。ゴルゴネイオンは何処にある?」

 

 「あのな・・・俺が大人しく教えると思うのか?」

 

 そりゃそうでしょう。

 

 「思わぬよ。が、まずは聞いておきたい。闘神としての妾の心は草薙護堂を敵だと認め、戦えと叫んでおる。しかし、智慧の女神たる心は警告を発しておる」

 

 二重人格いや神だから二重神格ですか?でもかわいいから許される。かわいいは正義だと思う。

 

 「あなたは奇妙な気味殺しだ。我が同朋から奪い取った力は、まだ少ないはず。しかし、アテナをアテナたらしめる機知が、あなたを危険だと告げている。うかつに手を出せば、手痛い反撃を受けそうな・・・罠にも似た脅威を感じるのだよ」

 

 カンピオーネですから。

 

 「故に、まずは問う。その返答によって対応を決めよう。妾はアテナ、闘争と知恵の女神である。和するもよし、争うもよし。さあ、あなたの答えは如何に?」

 

 「できれば和をとりたいんだけどな、俺は・・・断るよ。逆に提案するけど、ゴルゴネイオンのことは諦めて、このまま帰ってもらえないかな。無益な戦いでお互いに傷つけ合うよりも、その方が賢いと思うんだけどな」

 

 ばーかだな。まあ血の気が多いのもいかんとも思うけど。いい加減始まってくれないかなあ。

 

 「・・・――許せ」

 

 と言ってアテナが草薙護堂にキスを・・・キス・・・え?・・なん、だと。え、いや何でそこでキスをするの?死の言霊?いやだとしてもほかの方法があるでしょう。ましてや闘争の神なんだからー。一回落ち着こう、Be cool Be cool. ・・ひっひっふう~~。はぁ~~・・・

 

 ーー十分後ーー

 

 さてと・・・みんなどこ行った?いや、草薙護堂が死にそうだったのは知ってる。でその後なんかやってと。つまり逃げた?剣を研いでなかったから無理かとは思ってたけども。ウルスラグナの権能があるから生き返るからもう一回戦うかな?でアテナはゴルゴネイオンを追跡中と。誰もってんだ?うかつに探知魔術使うと気取られそうだなあ。

 

 こっそりついいていきますか。Let’s ストーキング!

 

 

 

 まつろわぬ神がいると人は避けていくので本人にばれなかったら問題なかったなあ。アテナが闇を広げているようだがまったくもって問題ないな。余裕で見れるわーはっはっは。

 

 なんて思ってたら、ついにアテナがゴルゴネイオンを持つ巫女に追いついた。そして巫女の持つ《蛇》を手にした。

 

 「これこそ、古の《蛇》。ついに妾は過去を取り戻した」

 

 「・・・・・ここに誓う、アテナは再び古きアテナとならん!」

                                             ・・

 おお、あっちの姿もいいがこっちの姿もまた美しい。これが本当の姿か・・・まさに女王のごとし原初の神話通りだな。元神々の女王にして、大地と冥界を支配する地母神。さっさと奪ってプレゼントしてやればよかったかな?そうしたら謎の怒りを収めてくれただろう。しくったなあ。

 

 「神を殺める羅刹の化身、魔術師たちも王と崇める者ーー草薙護堂が御身と戦います!彼に勝つまでは、かような狼藉はおやめ下さいませ!」

 

 およよ?と死の息吹がこっちにまで来てるな、縛られない程度の能力を使って言霊に縛られないっと。

 

 「草薙さん!草薙護堂!早く来て!私とアテナはここにいます!早く――あなたの力を必要とする者がいるんです。急いで!」

 

 ん?これって、遅れて王子様の登場かな。第二ラウンドの始まりだな。

 

 

 

 さっそうと現れた王子様は死に向かっていた巫女を言霊によって救ったか。これってよく日本の漫画だったかってやつと同じ気配じゃないか。これが終わったとが楽しみだ。

 

 かくして草薙護堂とアテナとの戦いが始まったわけですが、いきなり彼はどこかに向かって走り去っていった。そしてそれを追うアテナ。・・せっかくベストポジションとったのに。また先回りしますか。おお、だるいだるい。この言葉いいなあ。

 

だがその前に、

 

 「やあ、君たちこんばんわ。そちらの巫女さんは初めましてかな?俺は時雨という」

 

 「あなたはあの時の九尾!」

 

 「エリカさんご存知で?」

 

 「むしろあなたの方が詳しそうな気がするのだけれど」

 

 「まあ、名前くらいなら聞いたことはありますがそこまですごい方なのでしょうか」

 

 「すごいくらいではないわよ。それより、御身はは何しにここに来られたのですか?」

 

 「ん?もしかして俺のこと調べたりした?まあそれはいいとして、だ。そこまで恭しくする必要はないよ。ただの長生きの爺だからな、タメ口で時雨いいぜ。さんづけも可」

 

 「しかし・・・」

 

 「まっ、とにかくさ見に行かない?近くで見たいでしょ。守ってあげるからさ」

 

 「とおっしゃると?」

 

 「もちろんあいつらのところだよ」

 

 「しかしまつろわぬ神とカンピオーネの争いの場に近づくというのは・・」

 

 「はっはっは、俺は長生きしていることもあっていろいろできるからね。それとも見たくない?今回は特別サービスだぜ」

 

 「「行かせていただきます」」

 

 「よろしい」

 

 

 

 所変わってどっかの庭園。

 

 少し離れたところに結界を張り認識疎外の術と暗視の術をかけて三人で観戦しはじめた。

 

 最初に草薙護堂がいきなり切り札たる『戦士』の化身を使ってきた。まつろわぬアテナの経歴を暴き出すことで神をも切り裂く言霊の剣を作り出す。アテナの場合もっとも鍵となるのは蛇であるためそこを暴き出したようだ。どうやってその知識を得たかはなんとなく想像できるが。

 

 アテナはその力を目の当たりにしてようやく草薙護堂の力を認めたようだ。そうして心を冷静にし、智慧の神としての彼女の一面が彼が権能を簒奪した神をウルスラグナとその権能さえも暴き出したようだ。

 

 かくしてアテナの一面たるメドゥサの邪眼と言霊の剣は互いにぶつかり合った。このまま消耗戦になればアテナが勝つのは自明の理。神々は伊達ではない。だからだろう、草薙護堂は突っ込んでいき接近戦でアテナがの漆黒の鎌ごと切り裂きアテナがにダメージを与えたようだが、同時に死の言霊を浴びたようだ。

 

 「護堂さん!」

 

 「エリカ・ブランデッリ、お前さんは心配にならないのかい?」

 

 「護堂ですもの」

 

 「なかなかの忠誠心だな。だてに大騎士と名乗っているだけのことはあるか」

 

 「御身は「時雨」・・時雨あなたって何者?いくら長生きしている太古の妖怪とはいえアテナと護堂の先頭の余波をものともしないなんて、認識疎外もかけているようだし、暗いのによく見えるし、呪力もばかにならないはずよ」

 

 「・・・全部は話せないけど、そうだねえ、何も呪力が多いだけでは負けることもあるということさ、いかに効率よく瞬時に行使をできるか、それが大事なんじゃないかな?それが上手なだけだよ俺は」

 

 とおしゃべりしている間に、アテナと草薙護堂は互いに立ち上がりまさに最後の一戦といったところかな?

 

 ひたすらアテナの攻撃を避け続ける嵐の前の静けさの時

 

 「少し失礼するわ」と言ってブランデッリどっかに行った。なんとなくは察せられるけどね。草薙護堂の残り使える権能の中で切り札となるのは太陽の化身のみ。しかればそれをどこで使うかは勝負のカギ。アテナもそれを察しているようだが果たして?

 

 「我が元に来たれ、勝利のために。不死の太陽よ、我がために輝ける駿馬を遣わし給え。俊足にして霊妙なる馬よ、汝の主たる光輪を疾く運べ!」

 

 真っ暗な夜にもかかわらず東の方角は赤く燃えていた。これが第三の化身か。俺でもまともに食らったらやばそうだな。しかしそれを読んでいたアテナは闇の障壁でガードと。

 

 終わって・・・・・なわけはないよね。万策尽きた彼であったが、一人ではなかったということ。クオレ・ディ・レオーネを手にした彼のの一撃がアテナを貫き、終了と。

 

 素晴らしいな彼は、今後が楽しみであるが、それは置いといて

 

 「さて祐理とやら行かなくてもいいのかい?」

 

 「はっはい!」といって駆けていった。・・青春っていいねえ。

 

 で、久しぶりに会いに行きますか。傷ついている女神の元へと。さすがに忍びないなあ。

 

 

 「・・・私は早くとどめを刺すべきだと思うけど」

 

 「私も同感です・・・」

 

 「ちょっと待ってくれないかな?」

 

 「「!?」」 「やっぱり出てきたわね」 「・・・」

 

 あーやっぱり驚いてるな。丁度真中くらいに立ってるし目立つねえ。

 

 「しぐれ、か・・?」

 

 「いやーごめんね。面白かったからつい出てくるのが遅くなってしまったぜ。」

 

 「遅いわ・・・ばかもの(ボソッ」

 

 「あんときのあんたか。何しに来たんだ?俺と戦う気か?」

 

 「それはつまらないだろう。真正面から戦うのが俺の主義なんでね。今回来たのはアテナが知り合いだったからってところかな」

 

 「あんたとアテナが知り合いだと?」

 

 「ああ。出だ若き神殺し君。君さえよければアテナを連れってもよろしいかな?もし嫌だといっても連れてくけど一応聞いておくよ」

 

 「それって結局同じじゃねえか。ああ、いいよ。俺はこれ以上の力は望んでいないんだ」

 

 「いさぎいいな。そういうところは嫌いじゃない。では厚意に甘えていくことにしよう、行くよアテナ」

 

 「うむ。次も戦うか否かは知らぬが、壮健であれ。縁があれば、いずれ再会するときもあろう。妾に土をつけた男の名、この胸に刻み付けておく。--さらばだ草薙護堂」

 

 ではさっさとワープして帰りましょう。サルデーニャ島でいいかな。

 

 

 

 

 時雨たちが去ったその跡地は元の面影を残さず消滅していてそれを媛巫女に説教されたものがいたとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーサルデーニャ島ーー

 

 う、気持ち悪。相変わらずこれにはなれないな。うぷっ、吐きそう。オロrrrrrr・・・・。

 

 ふうすっきりした。まずはアテナの治療が先か。日本では夜だがこっちでは昼である。だからこの天照の権能が使える。

 

 「天に在りし太陽よ、万民を照らす太陽よ、その自愛の光を持って傷ついているものを照らしあらゆるものを癒せ!」

 

 すると太陽がより一層輝いたと思ったらサルデーニャ島だけ強い光に包まれた。そして横になっていたアテナの体の色が健康な色へと戻り、傷は癒え、元の美しい姿に戻った。ただ、神力を消費したためか少女の姿のままであったが。というか太陽の権能でも大丈夫だったんだな。よくわからん。

 

 「これでいいかな?それにしても久しぶりすぎて範囲を絞れなかったか。・・・魔術師たちに騒がれそうだなあ。そこらへんはドニに頼みますか。戦ったら引き受けてくれるな」

 

 寝ているのもまたかわいいなっていつから寝てたっけ?。それよりこれ以上ここにいると誰かきそうだ。だから、

 

 「もしもーしアテナさん起きてくれませんか―」と耳元で囁いてみた。

 

 「なっなんだ//、脅かすな!・・・この体は時雨が直してくれたのか?」

 

 「ああ」

 

 「感謝するぞ(ボソッ」

 

 「あんだって?」

 

 「ありがとうといっておる!」

 

 「おっおう」(なんで怒ってる?)

 

 アテナはすっと立ち上がって

 

 「そ・れ・よ・り!ずっと会いに来なかったくせにどこをほっつき歩いておったのだ!ずっと待っておったのだぞ(ボソッ」と言って胸ぐらをつかんできた。

 

 「え、ええっと世界中を回っておりました?「ほう」いやちょっと待って首しまってる絞まってるからああああ」

 

 「妾との約束はどうしたのだ!」

 

 「約束?こっ今度は首が変な方向に曲がってるううううう。ちょたんまたんまああああ許してえええ」

 

 「ならば言うことがあるだろう」

 

 「ちょ目が怖いいい。待って言うから言うからああ」

 

 「そうか」ぽいっ

 

 スーハ―スーハ。しっ死ぬかと思った。それより早く言わなければ。

 

 「約束を破って申し訳ありません出した次は二度としないので許してくださいお願いします<m(__)m>」

 

 何で天照といいこうなるんだよーーーー。

 

 「二度はない。次破ったらその首を差し出してもらうからな。」

 

 冥府の神様怖いいい。女神怖い女神怖い女神怖い女神怖い。 

 

 「それで時雨はこの後どうするのだ?まさかずっとここにはおるまい?」

 

 さらりと笑顔に戻ってるんですけどー。えっまじか。十秒もたってませんよ。いきなり変ったよ般若もびっくりの変わりようだよ。とっちあえず答えねば、

 

 「そっそうだなやることもないしまた世界を回ろうかなあはははは・・・」

 

 「ならばそなたに罰を与えよう。」

 

 「(^O^)」

 

 「とり会えずしばらくは妾についてきても会おうか。そこで智慧の女神たる妾がゆっくり考えてやろう光栄に思え」

 

 「えっいやなんで「よいな」あっはい」

 

 「ふふふふふ・・・・・」

 

 もう死ぬかもしれん。




最後また同じような展開なってごめんなさい。でもこの小説内でのアテナの性格が決まっていてどうしてもあの展開になってしまいました。

後戦闘シーンが皆無で申し訳ありません。もう少し待ってください。


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バカ二人

何かと忙しく遅くなりました。

今回は短いですがどうぞ。

アンドレアsideのところは作者sideもはいってますが気にしないでいただきたいです。


 あのあと数日かけて説得して何とか開放してもらえた。。と言ってもいつでも俺の居場所がわかるように尻尾の毛を渡しているから「いつでも会えるよ」と言ったら大丈夫だったのだが、なぜだわけわからん。そのときの笑顔に思考を手放したことは俺のプライドにかけても言えん。この間の記憶はそっと頭の中の箪笥に厳重にしまっておいた。

 

 あと、この時に天照のことを思い出し、和紙に筆で描いた手紙を投函の術で幽世に送っておいた。あいつには悪いのだが、いろいろとめんどくさいことになるので今は会えないのだ。あいつは基本的には日本から出ない、つまりそういうことだ。悪いとは思っているのだが。

 

 かくして自由に身になった俺はドニのところに行くことにした。先日の折、サルデーニャ島のことをドニに揉み消すように頼んだ時、ドニに

 

 「僕と戦ってくれたらいいよ!」

 

 と言われたからだ。何ともやつらしい直球で行ってきたのでこっちも「よろしく頼むぜ、ただ、今どうしても手放せない案件があってそれを片づけてから行くから終わってから行くわ」

 

 と言い、イタリアの地で戦うことになったのだ。普通カンピオーネや神などが戦ったら戦場の跡がすごいことになるのだが、結界を張ることによって被害を抑えることができる。権能を使われたらあまり意味をなさないのだが、自動再生機能を持たせて切られても即再生にすれば大丈夫・・ではないとは思うが。

 

 イタリアの地へ文字通りひとっ飛びした俺は、二月ほど前草薙護堂とサルバトードニの戦場となった、かの地へ行くとそこには、

 

 「やあ、待っていたよ時雨。愛おしいくらいにね。」ドニと、

 

 「あんたも物好きなこった、こんなバカと戦ってやるとはな」アンドレアだった。

 

 「久しぶりだなドニ、言っとくが俺はホモではないからそれ他で行ったら覚えとけよ。それより件の件やっておいてくれたか」

 

 「もちろん。きっちりやっておいたさ」

 

 「やったのはお前じゃなくて俺だ」

 

 「どっちだもいいじゃないか、やったことには変わらないんだから。それにしても僕に頼んでくるなんて珍しいね」

 

 「めんどくさかったから。なんでわざわざそんなことを自分でしなければならん」

 

 「バカが二人がいいると思うと胃が痛くなってきた」

 

 「あの現象のことも教えてほしいけど、そんなことより早く戦おうよ!僕は早く戦いたくて体がうずうずしているんだ」

 

 「わかった。あの現象は勝ったら教えてやらんこともない。場所はここでいいか。めんどくさいし。」

 

 「・・できるだけさっさと終わらせてくれ。後処理は誰がやると思ってる」

 

 「「アンドレアだろ(だね)常識的に考えて」」

 

 「お前ら何時か覚えとけよ」

 

 「まあそんなアンドレア君のために結界を張ってあげよう。特別性だから気休め程度にはなるさ。じゃあさくっとやろうかアンドレア君のために。創造レーヴァテイン」

..

「アンドレアのことを考えて極力被害が出ないようにしてみるね!」

 

ドニは剣を取り出して自然体となり、時雨はドニめがけてまっすぐ突っ込み心臓向かって剣を振り下ろした

 

 そして戦いののろしが上がった。「あのバカ一号(ドニ)とバカ二号(時雨)マジでアイツらどうしよう。カンピオーネとこの例外バカ二号を止められるのはカンピオーネかまつろわぬ神だが・・・。胃が痛くなってきた。この二人といると薬の消費がやばい」

 

 

 

☆★☆★☆★ 

 

 

アンドレアside

 

 

 

 最初に一撃はガキンと、音をたて鍔ぜり合いとなった。バカ二号はノーモーションで動いたつもりのようだがあっさりバカ一号に防がれてしまった。バカ二号はバカ一号の力を受け流していったん後ろに下がり、直線で突っ込んでやがる。これもあっさりとはじかれたが、今度は下がらずにひたすらレーヴァテインで斬りつける。あのバカ一号もわざと応戦してるし。

 

 バカ二号がバカ一号の首を狙って斬りつけるが、躱される。逆にバカ二号が首を狙われるがレーヴァテインで受け流しつつドニの心臓向かって斬りつける。だがこれもすぐに剣を引き戻したバカ一号にはじかれてしまう。はじかれた勢いを利用し横に動きながら剣道の要領で脇腹を切りつける。が、この行動を理解していたごとくドニは剣で受け流し、逆に時雨の脇腹を斬りつけた。・・やはり剣だけではいい勝負をするな。早く終わればいいのに。

 

 久しぶりのためか反応が遅れた時雨が慌てて腰をひねり無理やり横へ逃れられるようとするが少しあたったのだろう。脇腹付近の和服には血がにじんでいた。

 

 「いったー。やっぱ最近運動が足りないかな。いくら準備運動とはいえもうちっちっとしっかりやったほうがいいかな?」

 

 「いくらなんでも鈍り過ぎじゃない?これはこれで楽しいけどもっと本気を出してよ!」

 

 「今までのはメラゾーマではないメラだ」

 

 やっぱりあいつらは遊んでいたか。そうだろうとは思っていたが。ただ、剣を振り回していただけだしな。殺意は一切感じられねえし。血ももう止まってるようだしな。

 

 「???メラって何???」

 

 「あーー、手加減してたってことだよっ!」

 

 またもノーモーションで真っ直ぐすっこんでいった二号は先ほどよりも速く、音よりも速くただシンプルに斬りつけた。

 

 「うん。いいね。やっぱりこうでなくちゃ!!」

 

 一号は嬉々として自分からも突っ込み斬りつけた。そこから再び剣の応酬が再び始まった。ただの斬りつけ合いといえ、カンピオーネと大妖怪なんで戦ったらそれだけども地形は壊れそうなんだが、あのバカの結界は役に立ってるみたいだな。胃が楽になってきた。

 

 「いっただろう。今までのはメラだと。」

 

 「やっぱり時雨はいいね!」

 

 あーこのまま無事に終わってくれないかな。

 

 「このままではらちが明かないね。---ここに誓おう。僕は、僕に斬れぬ者の存在を許さない」

 

 「おまっもう使うのかよ。これもこれで面白いか」

 

 あのバカ!

 

 ここからは一転してバカ一号の一方的な攻撃だった。というのも、バカ二号が剣でしか攻撃しないだからだが。やっぱりバカのやることは理解できん。

 

 「俺もちょっとやりますかね」

 

 おびただしい量の呪力がレーヴァテインに送られる。ここから再び何度目かの斬り合いとなった。といってもさすがにバカ一号の権能には負けるらしく、何度かレーヴァテインが切断されるのだがすぐに修復されバカ二号は斬られないように受け流しながら斬りつけてゆく。

 

 数十分後そろそろようやく互いに疲れてきたようで、互いに先ほどよりは動きが鈍っている。とはいってもすさまじいことには変わらないんだが。

 

 「そろそろ休憩にしないかドニ。腹減った」

 

 「そうだね、そうしようか」

 

 ・・ようやく終わってくれるか。

 

 「これで終わりだよ!」

 

 互いにぶつかり合ったが一瞬速くバカ一号の剣がバカ二号を斬りさいて・・

 

 「やられたなあ」

 

 地にひれ伏していたのはドニだった。

 

 「はっはっは。まだ負けてたまるか。最後の最後まで気を抜いちゃダメだろ。俺に勝ちたいなら搦め手を使ってこないとな」

 

 地に立っていたのは時雨だった。

 

 

side out

 

 

☆★☆★☆★

 

時雨side

 

 

 一応ドニが怒っていたアンドレアに手当てをされた後、いまだそこに立っていたのだが急に

 

 「はは。また最後に騙されたか。勝てないなあ」

 

 すぐにドニは立ち上がった。まあ、レーヴァテインでぶっさしたといえ、急所は外しているしカンピオーネも回復力は異常だから何日かで治るだろう。

 

 「なあバ・・お前さんは最後どうやってこのバカを倒したんだ?」

 

 「何単純さ。最後に話しかけた時に一瞬目を離したすきに分身を作ると同時にドニの後ろに回り込み後ろから倒したってところかな」

 

 「そうかわかった。で、だバカども。なんで俺が怒っているかわかるか?」

 

 「「まったく」」

 

 「かりかりしてるのはカルシウム不足だぜ。牛乳飲んでるか?」

 

 「大丈夫かいアンドレア。やっぱり疲れてるんだね。休むといいよ」

 

 「・・カルシウムは取ってるし、毎日しっかり休んでる。もう一度だけ聞くぞなんで怒ってるかわかるか?」

 

 「「さっぱり」」

 

 「わかった。バカどもに教えてやろう。俺が怒っているのはな、周りを見ればわかる」

 

 「「???」」

      

 「わかるか友よ。俺には全く見当もつかん」

 

 「僕にもさっぱりわかないよ。友よ」

 

 「この切り刻まれてぼろぼろになった土地はどうしてくれるつもりだ!!!」

 

 「知らんな」「知らないね」

 

 「このバカどもがああああああ!!」

 

 

 これから数日間ある男の声が聞こえてきましたとさ。男は毎日胃が痛かったという。




アンドレアは苦労人だと思います。ハイ。


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