ゲゲゲの鬼太郎なTS転生者 (のぞむ)
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プロローグ
幽霊族の少女(挿絵あり)


ふと思いついたので書いてみました。

※2023年11月27日追記。
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』に合わせて水木さん関連の話を加筆修正しました。


突然だが、俺には前世の記憶がある。所謂転生者だ。

 

 

高校からの帰り道、誤って階段から足を踏み外し、そのまま死んでしまった…

気が付いたら俺は赤ん坊になって産まれ落ちた…筈なんだけど!

どういうわけか俺は土の中にいた…。

 

いやいや!なんで産まれたばかりの赤ん坊が土の中にいるんだよ!?俺の両親はどういう神経してんだよ!

 

 

うげぇ!土が口の中に入っちまった!早いとこ出ないと俺の精神が持たねぇな…

くそ~!何でこんなか弱い赤ん坊(自分で言う?)が土から這い出ないといけねぇんだよ~!

 

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「オギャーッ!!(出れたーッ!!)」

 

 

やっとのことで土の中から出ることが出来た。

いや~、転生したばかりなのに危うく窒息死するとこだった…。

 

ってかここって誰かの墓か?

ずいぶん古臭い感じの墓だなぁ…

 

…ってか寒っ!?めっちゃ雨降ってんじゃん!

 

「は、墓穴から赤ん坊が産まれた!?」

 

おっ!良いとこに男の人がいたぞ!

なんか俺が墓穴から出てきたとこを見られたけど…そんな事より今は助けを求めなきゃな。

 

「こ、この子は、バケモノの子だ!生かしておいたら、どんな災いが起こるかわからない…!」

 

いや失礼だな!いきなり赤ちゃんをバケモノの子呼ばわりするなんてさ!

ってかこの人、俺を殺そうとしてね!?

 

「…ダメだ!俺には殺せない!」

 

そう言って男の人は逃げていった…

何とか殺されずに済んだけど、これからどうしよ…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わが子よーーっ!!」

 

するとどこからともかく高い声が聞こえてきた。

俺の母さんか父さんかな…?

 

「ここじゃここじゃ!」

 

「あぅ…?(え…?)」

 

声は下から聞こえ、俺は下の方を見る。

 

 

 

 

そこには身体が付いた目玉がいた…

 

 

ちょっと待てよ?この目玉って、もしかして”ゲゲゲの鬼太郎”に出てくる主人公の父親、”目玉おやじ”じゃないか?

 

原作やアニメはちゃんと見た事ないからうろ覚えだけど…

 

「よくぞ…よくぞ産まれてきたなぁ…鬼太郎よ…!」

 

…号泣しているこの人?に名前を呼ばれ、確信した。

 

 

 

俺は、ゲゲゲの鬼太郎の世界に、主人公の鬼太郎として転生したらしい…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「き、鬼太郎!お前、女子(おなご)だったのか?」

 

「あぅ!?(なにぃ!?)」

 

あと、俺は女の子らしい…

 

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「ふ、ふわぁ~…!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

朝になり、()はあくびをしながら起き上がる

 

「おはよう鬼太郎!」

 

「おはよう父さん」

 

父さんから挨拶され、俺も挨拶をする。

 

 

転生したあの日から10年ほどの月日が経ち、俺と父さんは”ゲゲゲの森”に家を構え、生活している。

 

赤ちゃんの頃はあの男の人、水木さんに育てられた。

父さんの話では俺が生まれる前、行方不明になっていた俺の母さんを探してとある村に訪れた際に父さんは水木さんと出会ったらしい。

どういう訳か水木さんはその村での出来事を忘れてしまったらしいけど…

 

ある時期に父さんと一緒に水木さんの元を去り、放浪の旅の末、この森にたどり着いたわけだ。

 

「きったろー!」

 

「うわっと!」

 

すると家の中に入ってきた女の子が抱きついてきた。

 

「ちょっ、猫娘!近いって!」

 

「いいでしょ?女の子同士なんだからさ!」

 

女子同士ってこんなにスキンシップ激しいんだな…

 

この女の子は猫娘。

前に妖怪に襲われているところを助けてから仲良くなった猫の妖怪だ。

 

ちょっと…いや、かなりスキンシップ強めなところがあるがそれを踏まえても猫娘は滅茶苦茶可愛い。俺が男のままだったら確実に惚れてたな…(俺が)。

 

「どうしたの?あたしの顔に何かついてる?」

 

「あ、いや、今日も猫娘は可愛いなって思っただけだよ」

 

「ニャッ!?///あ、ありがとう…///」

 

猫娘は何故か顔を赤くして礼を言ってきた。

 

「そうだ鬼太郎!妖怪ポストに手紙が届いてたよ」

 

「そっか。ありがとう」

 

猫娘から手紙を渡された。

手紙は妖怪に困っている人間から届いたものだった。

 

「では、行くぞ鬼太郎!」

 

「うん!父さん!」

 

 

俺と父さんは助けを求めてる人間が待っている場所へ向かう…

 

 

 

 

 

 

 

 

カランコロンと下駄の音を響かせて…




鬼太郎ちゃんは美少女です!


次回からは60年代編に入ります


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1960年代編
おばけナイター①


今回から1960年代編に入ります!

まずはアニメ1期最初のエピソード、おばけナイターをご覧ください!


「良い天気だなぁ~…」

 

1968年の春…

 

俺は今、空き地で寝転がっていた。

ちなみに父さんは俺の片目の中で眠っている。

 

俺は俗に言う隻眼らしく、潰れている片目の中に父さんがよく入ってるんだ。

片目は前髪で常に隠している。

 

「あれ~?鬼太郎ちゃんじゃないの~!」

 

すると聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「ねずみ男じゃん!どったの?」

 

「いや~!我が親友が見えたからちょっと声をかけてやろうかなって思ってな」

 

「とか言って、私になんか金儲けさせようとしてんじゃないの?」

 

「め、滅相もない!ハハハ…」

 

「冗談だって。いくら君でもが私を金儲けに利用したりしないって知ってるよ」

 

「…お前は少し人を疑った方がいいぜ?」

 

「え?なんか言った?」

 

「いえ何も?」

 

「フーン…」

 

黄色の布を纏って顔にねずみのヒゲがあるこの男はねずみ男。

数年前に放浪の旅をしていた時に出会った半妖だ。

やたら金儲けに走り、時々悪い妖怪に寝返ったりするけどなんだかんだ俺に気を使ってくれている友達だ。

 

「あだぁ!?」

 

するとどこからともなくボールが飛んできてねずみ男の顔面にクリーンヒットする。

 

「だ、大丈夫?」

 

「いてて…誰だ!こんな球投げてきやがったのは!?」

 

「す、すみませ~ん!」

 

そこに男の子が謝りながらやって来た。

恰好的にどっかの野球チームの子かな?

 

「おい坊主!こんな球投げつけやがって!どういうつもりだよ!?」

 

「ご、ごめんなさい!」

 

「まぁまぁ、この子も謝ってるしさ、許してあげなよ。はい、次は気を付けてね」

 

「…」

 

ボールを渡すと男の子は顔を赤くしながら茫然としてしまう。

 

「君、顔が赤いけど大丈夫?熱でもある?」

 

「な、なんでもありません!では!」

 

そう言って男の子はそそくさと走っていった。

 

「にしても鬼太郎。何であの坊主は球を投げてきたんだろうね?」

 

「知らないの?あの子はたぶん野球をしてたんだよ」

 

「野球?」

 

「人間がやってるスポーツで、近頃は妖怪の間でもブームになってるんだ。かくいう私も最近特注の野球バットを買って…ああっ!?」

 

「ど、どうしたんだ?」

 

「ヤバいよ!この前墓場にそのバット置いてきちゃった!」

 

「何がそんなにヤバいの?」

 

「あのバットは絶対にホームランを打てるバットなんだよ!それがもし人間の手に渡ったら…」

 

すると近くからヒュイーン!と、どこか不気味な音が聞こえてきた。

 

この音って…

 

「なんだ?変な音が聞こえてきたぞ?」

 

「…遅かったか」

 

「え?」

 

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僕、どん(ぺい)は弱小野球チームに所属している中学生だ。

ある日、おじいちゃんのお墓参りに行った帰りに墓場でバットを拾ったんだ。

バットには”鬼太郎”と名前が書かれていたからその人が忘れていったんだろう。

 

次の日、試合で使ってみたらなんとホームランを打てたんだ!

それからたて続けにホームランを打てた。きっとこのバットの力なんだ!

 

『スゲーなどん平!いったいどうしたらそんなにホームラン打てるんだ!?』

 

『へへっ!このバットを使ったら打てるようになったんだよ!』

 

『じゃあそのバットさえあれば、俺達無敵だな!』

 

『うん!』

 

こうして僕のチームは負けなしになり、またたく間に町中の人気者になった。

 

それにしても、さっき会った女の子…変わった格好してたけど…可愛かったなぁ…

 

どこの子なんだろう?この町じゃ見ない子だけど…

 

「君達、ちょっといいかな?」

 

声が聞こえてきて、僕達は振り返る。

 

そこにいたのは、さっきの女の子とおじさんだった…

 

「なんだお前ら?」

 

チームメイトの1人が警戒気味になる。

 

「君、そのバットって、墓場で拾った奴じゃないかな?」

 

えっ!?なんでこのバットの事を知ってるんだ!?

とにかく誤魔化さなきゃ!

 

「ち、違うよ!これは元々僕のバットだよ!」

 

「そうだそうだ!」

 

「10年も前からどん平が使ってるんだぞ!」

 

「…それならいいんだけど。邪魔してごめんね」

 

「おい!お前らこの辺じゃ見ないけど、何て名前だ!」

 

「私?私は鬼太郎だよ」

 

「俺様はねずみ男様よ!」

 

鬼太郎…?

 

鬼太郎って、このバットに書かれてる名前じゃないか!

 

「正しくは、ゲゲゲの鬼太郎じゃ」

 

え…目玉が生きてる!?

 

「あ、起きてたんだ」

 

「な、なんだその目玉!?」

 

「驚かせてごめんね。私の父さんだよ」

 

「お、お父さん…?」

 

「そうだよ。行こ、ねずみ男」

 

「おう」

 

そう言って鬼太郎さんとねずみ男さんは去っていった。

 

「た、大変だよ!鬼太郎って、このバットに書かれてる名前だよ!」

 

「じゃあ、あいつがバットの持ち主か!?」

 

「たぶん…」

 

「どん平!絶対このバットを守り抜くぞ!」

 

「もちろん!」

 

絶対に、返すもんか!

 

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「なるほどのぉ…お前のバットをあの少年が…」

 

あれから俺は家に帰り、父さんにバットの事を相談した。

 

「どうしよっか?父さん」

 

「ううむ…では、こういうのでどうじゃ」

 

父さんからの提案を聞いて、俺は少し考えてしまう。

 

「なぁに、お前が上手い具合にやれば大丈夫じゃよ!」

 

「…まぁ、それしか方法がなさそうだし…それで行くよ」

 

俺は父さんの提案を受け入れ、あの男の子、どん平くんの家に向かった。



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おばけナイター②

おばけナイターその2です


夜になり、俺はどん平くんの家に忍び込んだ。

どん平くんはぐっすり眠っており、俺はささっとバットを手に取った。

 

これで終わればいいんだけど…

 

「う~ん…ん?バットがない!」

 

「あちゃ~…起きちゃったか…」

 

「あっ!君は昼間の!」

 

「ごめんね。これは私のバットなんだ。返してもらうよ」

 

「ダ、ダメだよ!」

 

そう言ってどん平くんにバットを取られてしまう。

 

「そうは言ってもさ、人の物を盗ったら泥棒だよ?」

 

「構うもんか!このバットには僕達の未来がかかってるんだ!絶対に返すもんか!」

 

強情だなぁ…よし!じゃあ父さんが提案したこの作戦で…

 

「じゃあこうしよ?私のチームと君のチームで試合をしない?もちろん野球のね」

 

「し、試合?」

 

「うん。君のチームが勝ったらそのバットは君の物だよ」

 

「ホ、ホント!?」

 

「その代わり!君たちが負けたら…バットと一緒に君達の命を貰うよ!」

 

「な、なんだって!?」

 

「どうする?」

 

「…わかった!日時は?」

 

「明日の深夜3時、場所は君がバットを拾ったあの墓場。いいね?」

 

「ああ!負けるもんか!」

 

「じゃあ、また明日。おやすみ、どん平くん」

 

俺はどん平くんの家から出て、ゲゲゲの森に帰った。

 

(な~に!このバットさえあれば勝てるさ!)

 

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そして次の日の深夜3時…墓場で待っているとどん平くんとその野球チームがやって来る。

 

「逃げずに来たみたいだね」

 

「当たり前だろ!」

 

「というか、君1人なの?他のメンバーは?」

 

「君達の後ろにいるよ?」

 

「えっ?」

 

どん平くん達がの後ろには俺のチームメイトの妖怪達がおり、その中には猫娘の姿もあった。

 

「よ、妖怪だ~!」

 

「ヒ、ヒィィィィ!!」

 

「も、もしかして、君も妖怪なのか?」

 

「そうだよ」

 

 

俺はどん平くんの質問に正直に答える。

案の定どん平くん達は驚いてしまっていた。

 

「ど、どうする?」

 

「バッカ野郎!今更逃げられるかよ!」

 

「そうだよ!それに大丈夫!僕達にはこのバットがある!」

 

「そ、そうだな!」

 

なにやら相談してたみたいだけど、腹を括ったみたいだな。

さて、俺達も作戦会議をするか!

 

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「鬼太郎!頑張ろうね!」

 

「うん。猫娘も怪我がないようにね」

 

「鬼太郎ってば!私の事心配してくれてるの?嬉しい~!///」

 

「うわっ!」

 

猫娘がいきなり抱きついてきた。

やけにスリスリしてくるけど…うん、可愛いな…

 

「お前らホント仲良いよな~。ヒューヒュー!」

 

「あんたはあっち行って!」

 

そう言って猫娘はねずみ男の顔をひっかいた。

ホントこの2人仲悪いよな…まぁ猫とねずみだしな…

 

「なにすんだ!俺は監督だぞ!」

 

「知るかそんな事!」

 

「ほら2人とも、会議の途中だよ」

 

俺は猫娘とねずみ男を宥め、作戦会議を再開した。

 

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「では先攻は人間チーム!妖怪チームは守備について!」

 

人間チームの先攻で俺達は守備につき、俺がピッチャーをすることになった

 

「プレイボール!」

 

審判の一言で試合が始まった。

俺はキャッチャーの妖怪にボールを投げる。

 

「ストライク1!」

 

ボールはキャッチャーの元に行き、ストライクになった。

 

それからバッターがアウトになり、次のバッターとしてどん平くんがやって来た。もちろんあのバットを持って…

 

 

「それ!」

 

「ハッ!」

 

「ストライク1!」

 

どん平くんは俺を投げてボールを打てず、ストライクになった。

 

「あれ?おかしいな…」

 

「どん平!頑張れ!」

 

「よ、よし!今度こそ!」

 

「それ!」

 

「ストライク2!」

 

またもどん平くんは打ち返せなかった。

 

「…なんか変だぞ」

 

どうやら人間チームが勘づいてきたっぽいな。

このボールが普通のボールじゃないことに…

 

「それ!」

 

「フン!…あれ!?」

 

ボールはどん平くんの目の前で止まる。

 

どん平くんはボールを打とうとするけどボールはバットに当たらず、そのままキャッチャーの元に飛んでいった。

 

「タイム!」

 

そこに人間チームがタイムを要求してきた。

 

「おい鬼太郎!あのボールは何だよ!?」

 

「妖怪ボール。絶対にバットで打てないようになってるボールだよ」

 

「そ、そんなのインチキじゃないか!」

 

「そうだそうだ!」

 

よく言うよ…そっちだってホームランを打てるバットを使ってるくせにさ…ってかあれ、元々俺のバットだし。

 

「わかった!じゃあこのボールは使わないよ」

 

「それでいいんだよ!」

 

「ただし、君達もそのバットを使っちゃダメだよ」

 

「な、なんだって!?」

 

「ど、どうするどん平?」

 

「どうするったって…このままやっても勝ち目がないし…わかった!このバットは使わないよ!」

 

「では両チーム、バットとボールを渡しなさい」

 

俺とどん平くんは審判にバットとボールを渡し、試合を再開した。

 

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あれから試合を続けていたけど、あっという間に7回表に入ろうとしており、得点は42対0で俺達妖怪チームがリードしていた。

 

「鬼太郎。このままじゃ人間チームに勝ち目はなさそうじゃな…」

 

「こんなに弱いだなんて思わなかったよ…」

 

父さんが元々考えていた作戦は、上手い具合に手加減し、人間チームと引き分けで試合を終わらせる事だった。そうすればあの子達の命を奪わずバットを取り返せるからな。

だけど思ったより人間チームが弱く、あっという間に妖怪チームの優勢になっていた。

このままじゃ確実に妖怪チームの勝ちになって、あの子たちは命を奪われる…どうしたら…そうだ!

 

「父さん!ちょっといい?」

 

「なんじゃ?」

 

俺は父さんにコッソリ頼みごとをする。

 

「どうかな?」

 

「うむ。可愛い娘の頼みじゃ。わしに任せておけ!」

 

そう言って父さんは走っていった。

 

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それから少し経ち、49対0で9回表に入ろうとしていた。

 

「あぁ~!もうだめだ~!」

 

「ごめんよみんな、僕のせいで…」

 

「良いって事よ…俺達が欲張りし過ぎたんだ…」

 

人間チームはすっかり諦めモードになってるな…

でもそろそろ父さんが…

 

 

 

 

 

「コッケコッコー!」

 

その場にニワトリの鳴き声が響き渡る。

 

「ヤバい!夜明けだ~!」

 

「みんな!帰るぞ~!」

 

妖怪チームのほとんどは朝が苦手な奴ばかりだからな。

俺と猫娘、ねずみ男以外は慌てながら帰っていった。

 

「もう朝?ちょっと早くない」

 

「確かにそうだな…」

 

「あれだよ」

 

疑問に感じている猫娘とねずみ男に真相を見せてあげる。

 

「鬼太郎~!」

 

そこにニワトリに乗った父さんがやって来る。

俺が思いついたのはニワトリの鳴き声でもう朝が来たと錯覚させるというものだ。

 

「なるほど、そういうことか~!」

 

「あのまま試合を続けてたらあの子たちは命まで失くしてたからね」

 

「鬼太郎ってば優しい~!そういうとこ大好きだよ!」

 

「ハハハ、ありがとう猫娘」

 

「たくよ、女同士でイチャつきやがって…」

 

「なんか言った?」

 

「いえ何も!」

 

猫娘の迫力にねずみ男は黙ってしまった。

 

「あの…」

 

するとどん平くんとそのチームメイトが話しかけてきた。

 

「おっとごめん。このままじゃもう試合はできないから…そうだ!バットは私達妖怪の物。命は君達人間の物。これで良い?」

 

「う、うん…」

 

「異議なし…」

 

「君達、このバットを使わなくてもいいように強いチームになりなよ。頑張ってね」

 

「う、うん!」

 

そう言ってどん平くん達は慌てて逃げていった。よっぽど怖かったんだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、どん平くんが所属するチームが本当に強くなり、全国大会で優勝する事になるのは、もう少し先の事だ…




ここでこの作品の鬼太郎達のイメージCVを公開します


鬼太郎(♀):戸松遥

目玉おやじ:野沢雅子

ねずみ男:松岡禎丞

猫娘:日高里菜


ではまた次回!


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だるま

今回のエピソードはだるまです!


「フフーン!鬼太郎とデートだ!」

 

「デートって…私達女の子同士だよ?」

 

「性別なんて関係ないって!」

 

「そうなのかな…まっ、いっか。楽しいし」

 

ある日、俺と猫娘は町までお出かけに来ていた(猫娘はデートのつもりみたいだけど)。

ちなみに父さんは家で留守番をしている。

 

そういえば父さん、出る前にサムズアップをして『ファイトじゃ鬼太郎!』って言ってたけど、どういう意味なんだろ…

 

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「あ~!おいしかった~!」

 

俺と猫娘は定食屋でお昼ご飯を食べに来ていた

 

「奢ってくれてありがとう!猫娘」

 

「どういたしまして!…もう鬼太郎ってば、ご飯粒ついてるよ?」

 

「マジ?…ハハッ、猫娘だって」

 

俺と猫娘は互いに顔についたご飯粒を取る。

 

 

 

 

 

 

 

それから時間が過ぎ、あっという間に夕暮れ時になってしまった。

 

「鬼太郎。今日は楽しかったね!」

 

「うん」

 

猫娘の問いかけに俺は素直に頷く。

 

…ん?

 

「どうかした?」

 

「いや、あのビルの看板が気になってさ…」

 

俺が指差したのはずいぶんオンボロになっているビルの看板だ。

どうやらビルはアパートらしい。

 

「”妖怪相談・だるま商事”…妖怪相談ってことは、あのビルに妖怪がいるの?」

 

「それはわからないけど…ちょっと調べてみよう」

 

「そうだね!あの看板は…4階にあるよ」

 

猫娘の言う通り、確かに4階にあるな。

さっそくビルに入ってみると中にはアパートの管理人らしきおじさんがいた。

 

「あの~」

 

「はい?何でしょう?」

 

「4階に行きたいんですけど、良いですか?」

 

「!?よ、4階?うちには4階はありませんよ?」

 

「でも、確かに4階に看板が…」

 

「ないものはないんです!現に3階の次の階は5階になってます!」

 

「え?何で3階の次が5階なの?」

 

「父さんから聞いたことがあるよ。確か4は死に通じるから、昔の人はみんな嫌ってたって」

 

「へ~…」

 

俺は前に父さんから聞いた話を猫娘に教える。

 

「とにかく帰ってください!でないと警察呼びますよ!?」

 

管理人さんは怒鳴りながらそう言ってきた。

う~ん…ひとまず帰って父さんに相談してみよう。

 

「わかりました。帰ろ、猫娘」

 

「うん…」

 

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「うぅむ…」

 

次の日の朝、俺は父さんに昨日の事について相談していた。

 

「父さん、どう思う?」

 

「確かに気にはなるが…本当に妖怪がいるのかわからぬ以上、下手に手出しはできんのぉ…」

 

「鬼太郎!」

 

家の中に猫娘が入ってきた。

 

「どうしたの?」

 

「妖怪ポストに手紙があったよ!」

 

俺は猫娘から手紙を受け取った。

 

差出人は”正人(まさと)”という男の子だ。

手紙には父が管理人をしているアパートに妖怪が住み着き、困らされていると書かれていた

 

 

「父さん!これって…」

 

「うむ!とにかくそのアパートに急行じゃ!」

 

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「フフフ…良い具合に事が進んでおるな!」

 

「そうですね先生!」

 

「このアパートの住民を我々妖怪が驚かせ、ここから出ていってもらう作戦…中々良い作戦を思いつくな、ねずみ男」

 

「いえいえ!そういえばここの管理人一家、明後日にはここから出ていくらしいですよ!」

 

「そうか!フフフ…もうすぐこのアパートはわしのもんだーー!!」

 

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「しつこいですね!ここに4階はないんです!」

 

俺と父さん、猫娘は例のアパートに来て管理人さんを問いただしていた。

 

「でもこの手紙によると、あなた達家族は妖怪達のいたずらで困ってるって書かれてますよ?」

 

「なっ!誰がそんなものを!」

 

「あっ!鬼太郎さんですか?」

 

すると上の階から男の子がおりてきた。

 

「君が正人くんかな?」

 

「はい!鬼太郎さん、噂通り美人さんですね!」

 

「でしょ?君わかってんじゃん!」

 

「なんで猫娘が自慢げにしてんの…でもありがとう」

 

「ま、正人。まさかお前がこの人を?」

 

「うん!この人はゲゲゲの鬼太郎さん!悪い妖怪をやっつけてくれるんだよ!」

 

「そ、そうなのか?」

 

「うん!お父さん。鬼太郎さんにならあの事話しても大丈夫だよ」

 

「そうか…では皆さん、ついてきてください」

 

俺達は管理人さんに案内され、3階にやって来た。

 

「窓から覗いてみてください」

 

管理人さんに言われ、窓の外から看板を見ると上の階に看板があった。

次に4階…このアパートで言う5階に行き、窓の外を見る。

 

「あれ?」

 

看板は下の階にあった…。

下の階の窓はちゃんと見たのにおかしいな…。

 

「どうです?おかしいでしょう?」

 

「はい…管理人さん、どうして妖怪達がこのアパートに住み着くことになったんですか?」

 

「えぇ、あれは1ヶ月前の事でした…」

 

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『ごめんください!』

 

『はい?…うわぁ!?』

 

私が掃除をしていると、なんとだるまの姿をした生き物がやって来たんです。

 

『驚かんでも良い。これでも立派な生き物だ』

 

『は、はぁ…それで、何の御用ですか?』

 

『部屋を貸してもらいんだが』

 

『あいにく部屋は全て埋まっていまして…』

 

『わしは4階が空いてると聞いているが?』

 

『その…当アパートでは3階の上は5階になっておりまして…』

 

『金はいくらでもある』

 

『そんな!いくら積まれてもないものはお貸しできません!』

 

『ないものを貸して金が入ってきたらあんたも得するじゃないか』

 

『あなた。あんなに言ってるじゃない。受け取ったら?』

 

『さすが奥さん。話が早いな』

 

私はだるまと女房に強く押され、お金を受け取ることにしました。

 

次の日、なんとだるまは大勢の妖怪を引き連れて引っ越してきたのです!

その日は何も起きなかったのですが、次の日、アパートを見てみるとあの看板があったんです。

 

なんであんなものが出来たのか確認しようとしたんですが、さっきの鬼太郎さんが見たように看板が上にあったり下にあったりしたんです…

 

更にそれから、アパートの住人からお化けに驚かされていると苦情が来たんです。

住人が1人去り、2人去り、とうとう私達家族以外、このアパートからいなくなりました…

 

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「かくいう私達も、明後日にはこのアパートから引っ越そうと思ってるんです」

 

「なるほど…なんとかして妖怪達をこのアパートから出ていってもらわないとな…」

 

「でもどうしたらいいんだろ…」

 

俺と猫娘は良いアイディアがないか考えてみる。

 

「鬼太郎。わしに良い考えがあるぞ」

 

「ホント?」

 

「ああ!みんな、出来るだけタバコの吸い殻を集めるんじゃ!」

 

「タバコの吸い殻だね」

 

「了解!」

 

 

 

俺達は大量のタバコの吸い殻を集めてもってきた。

 

「父さん。ひょっとしてこれで妖怪達をいぶしだすの?」

 

「その通り!管理人さん。マッチを貸してもらえんかの?」

 

「はい!どうぞ」

 

俺はマッチを受け取ってタバコの吸い殻に火をつけた。

 

「さぁ!みんな出るんじゃ!」

 

父さんの指示で俺達はアパートの外に出る。

 

 

 

作戦通り、煙に耐えられなかった妖怪達は次々とビルから出てきて逃げていく。

 

「うわぁ~!くせぇ~!!」

 

ビルから見覚えのある人物も出てきた。

 

「ねずみ男!?」

 

「なんであんたがいんの!」

 

「えっと、これはですね…」

 

「さては、だるまに入れ知恵をしたのは君だね?」

 

「ギクッ!?」

 

「あんた!また性懲りもなく!」

 

猫娘は化け猫モードになってねずみ男を威嚇する。

ほんと、毎度毎度なんで懲りないんだろうな…

 

 

 

「ハーッハッハッハッ!!」

 

「この声は!」

 

「だ、だるま!あいつの声です!」

 

「このわしをタバコの煙ごときで追い出すなどできるものか!」

 

「それならこっちから行かせてもらうよ!」

 

「鬼太郎!」

 

「猫娘はここにいて!」

 

俺は煙が充満しているビルの中に入る。

煙が晴れるとそこにはだるまの姿があった。

 

「来たな!ゲゲゲの鬼太郎!」

 

「あんたがだるまだな!」

 

「その通り!いざ勝負!」

 

「髪の毛針!!」

 

コロコロ転がってくるだるまに髪の毛針を放つがあまり効果はないな…それなら!

 

「霊毛ちゃんちゃんこ!!」

 

俺は右手に霊毛ちゃんちゃんこを纏ってだるまにパンチをする。

これにより通常より強力なパンチを放つことが出来るんだ!

 

「ハハハ!わしは倒れんぞ!」

 

「くっ…!」

 

そりゃそっか…だるまは倒れても起き上がる置物だもんな…

 

「さぁ行け!わしの分身よ!」

 

「なっ!?」

 

だるまは自分の身体から大量のチビだるまを出してきた。

 

「うわっ!?」

 

「鬼太郎!」

 

俺はチビだるま達に捕まってしまい、その時倒れた拍子で父さんは俺から落ちてしまう。

 

「くっ!この!そこを噛むな…!」

 

こいつら…首や腕とか足に嚙みついてきやがる!

ちょ、そこはやめろって…!

 

ええい!

 

「体内電気!!」

 

俺はチビだるま達に体内電気を放つ。

チビだるま達は身体が痺れ、ポロポロと床に落ちていった。

 

「鬼太郎!今の内に逃げるんじゃ!」

 

「うん!」

 

俺は父さんを体に乗せて階段を駆け上っていった。

 

 

 

 

しばらく走っていたがとうとう最上階に来てしまったらしく、目の前は行き止まりになっていた。

 

「くっ…どうすれば!」

 

「袋のネズミだな小娘!」

 

「鬼太郎!チビだるまの中に違う色の奴がいるはずじゃ!そいつを探すんじゃ!」

 

「違う色のチビだるま…あいつか!」

 

俺は水色のチビだるまを捕まえ、試しに軽く殴ってみる。

 

「ぐぉぉぉ~!!」

 

するとだるまが胸を押さえ、苦しみだした。

 

「そうか!このチビだるまはあんたの心臓なんだな…よ~し!」

 

俺はチビだるまを力強く握る。

 

「うぉぉぉ~!やめろ!やめてくれ~!」

 

「おとなしくここから出ていく?」

 

「わかった!言う通りにする!だから~!」

 

「ならいいよ」

 

俺はチビだるまをだるまに返す

他のチビだるまもだるまの中に戻っていった。

 

「では、さらばだ鬼太郎!」

 

そう言ってだるまはアパートから出ていった。

これで一件落着っと!

 

------------------------------

 

 

 

さて、だるまに入れ知恵をしたねずみ男には…

 

「あの~、鬼太郎さん?いつになったらおろしてもらえるんでしょうか?」

 

「もちろん、部屋が全部埋まるまでだよ」

 

「そ、そんな~!」

 

「つべこべ言わずに呼び込みをする!でないと…シャーッ!」

 

「はいっ!」

 

罰としてアパートの屋上につるし、アパートの呼び込みをしてもらった



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幽霊電車

今回のエピソードは幽霊電車です!


「う~ん!ラーメンなんて久しぶりだよ~!」

 

ある夜の事、ねずみ男と一緒に屋台のラーメンを食べに来ていた。

ちなみに父さんは妖怪の集会に参加しているのでここにはいない。

 

「それにしても珍しいね。君が奢ってくれるなんてさ」

 

「な~に!最近やってる商売で思いの外儲かったからさ!」

 

「どうせまたろくでもない商売してんじゃないの?」

 

「失敬だな!」

 

「ハハ、ごめんごめん」

 

俺達は駄弁りながらラーメンを食べる。

 

「チクショー!部長の奴、偉そうにしやがって~!」

 

「おっちゃん、酒とラーメン頼むよ!」

 

屋台の中に酔っ払いの男2人組が入ってきた。

 

ああいうのには関わらない方がいいよな…うん。

 

「そういや先輩!最近噂になってる心霊スポットに行ってみたんですよ~!」

 

「心霊スポットだぁ…?」

 

「そしたら…なんと…何もいませんでした~!」

 

「あったり前だろ~!この科学の時代にお化けや妖怪なんているわけないだろ~!」

 

「そうですよね~!」

 

「「ギャハハハハハ!!」」

 

「妖怪もお化けもいますよ?」

 

俺は酔っ払い2人に物申す。

 

「あん?何言ってんだこのガキ?」

 

「妖怪やお化けはホントにいるって言ったんですよ」

 

「はっ!バカバカしい!」

 

「鬼太郎ちゃん、こいつらに何言っても無駄だぜ。きっと妖怪やお化けを信じないくらいおつむが弱いんだよ」

 

「まぁ、そうかもね」

 

「おつむが弱いだと~!?」

 

「先輩!我々をもっとも軽蔑した言葉ですよ!」

 

「このガキ!」

 

「痛っ!」

 

このおっさん、おもいっきり俺の頭を殴りやがった!

中身は男だけど今は女の子だぞ!?女の子を殴るなんて最低だな!

 

「だ、大丈夫か鬼太郎!」

 

「な、なんとか…」

 

「あら~!鬼太郎ちゃん、デカいコブが出来てるわよ!」

 

「ホントだ…おじさん。同じ大きさのコブでお返しさせてもらうからね」

 

「やってみろ!俺は元ボクサーだぞ?まっ、いつでも相手になってやる。おい、帰ろうぜ」

 

「はい!」

 

 

そう言っておっさん達は帰っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

待ってな。すぐに思い知らせてやるからな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから酔っ払い2人組は駅にたどり着き、帰りの切符を買おうとしていたが…

 

 

「えっ?もう終電出ちゃったの?」

 

「はい…」

 

「そこをなんとか頼むよ~!」

 

「そう言われましても…」

 

 

 

 

 

 

 

「今夜は特別に奥多摩霊園行きの臨時電車が出ることになってますよ?」

 

窓口の奥に駅員らしき人物がおり、そう告げてきた。

 

「あ、駅長さん。まだ居られたんですね」

 

「ああ。その2人を臨時電車に乗せてあげたまえ」

 

「わかりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、恐怖の時間の始まりだよ…」

 

駅長に変装していた鬼太郎が笑みを浮かべながら2人の男を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから2人はホームまで案内された。

ホームには2人の他に人が大勢いた。

 

「先輩。なんだか生あったかい風ですね」

 

「そうだな…」

 

しばらくすると電車やって来て扉が開く。

 

「なんか、火葬場の扉が開く音みたいだな…」

 

「はぁ?何言ってんだよ?」

 

「えっと、この前知人の葬式があってその時に…」

 

「ったく、気のせいだ気のせい!」

 

「で、ですよね…」

 

「ほら、行くぞ」

 

2人は電車に入っていき、席に座る。

他の人達もそれに続き、電車に入る。

 

「…先輩、なんか臭いません?」

 

「言われてみたら…それになんだ?この煙…」

 

2人の男は窓からホームを見る。

ホームには大勢の駅員がおり、線香を持っていた。

更に乗客達もお経のようなものを唱えだした。

 

「先輩…俺達、乗る電車間違えたんじゃ…?」

 

「な、なに言ってんだ…夜中にそう何本も臨時電車があるわけないだろうが…」

 

「そ、そうですよね…」

 

しばらくすると電車が動き出した。

 

『皆さん。毎度ご乗車ありがとうございます。次の停車駅は臨終、臨終』

 

アナウンスが聞こえてきた。

次の停車駅は臨終と言う駅らしい。

 

「なんか、変わった名前の駅名だな…」

 

「そうですね…」

 

電車は臨終駅にたどり着いた。

 

「誰も降りませんね…」

 

「ああ…それに誰もいねぇ…」

 

「ヒッ!」

 

「どうした?」

 

「こ、この人が、急にガクッてなって…」

 

「どうせ酔っぱらってんだろうよ…なっ!?」

 

2人の男は周りの異様な雰囲気に驚いてしまう。

なんと他の乗客もぐったりしていた。

 

「な、なんだよこれ…」

 

「せ、先輩。この電車、気味が悪いですよ!」

 

しばらくすると電車は動き出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『次の停車駅は、火葬場、火葬場』

 

次に電車は火葬場と言うえきに停車する。

 

「ここでも誰も降りない…もうここで降りませんか?」

 

「降りるったって、こんな気味の悪いとこで降りられるかよ…」

 

そう、駅の周りには草むらしかなく、町らしきものは一切ない。

 

「なぁに!終点までの辛抱だよ!」

 

そうして再び電車が動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「次の停車駅は、骨壺、骨壺」

 

すると車掌がやって来た

 

「お客さん。切符を拝見させてください」

 

「あ、ああ…」

 

2人は切符を差し出す。

 

「ありがとうございます。切符をお返しします」

 

車掌は切符を返し、乗務員室に戻っていった。

 

「せ、先輩…」

 

「なんだよ?まだ不安なのか?」

 

「だってよく考えてみてくださいよ!最初に通過した駅名が臨終、次に火葬場と来て、骨壺ですよ?これ、葬式の順番じゃないですか?」

 

「な、なに言って…」

 

「もしかして俺達、あの世行きの電車に乗ったんじゃ…そうだとしたら、乗客達が変なのにも納得できます…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「骨壺~!骨壺~」

 

すると骨壺駅に停車する。

外には不気味な女がおり、駅名を呟いていた。

 

「お、降りるぞ!」

 

「先輩!置いてかないで!」

 

「ここで降りるんか…?」

 

「ヒィッ!?」

 

2人の目の前にいつの間にか不気味な女がいた。

 

「無理じゃろうな…あんたらは終点までの切符を買いなさったんだから…」

 

2人は電車の中に戻る。

するとドアが閉まり、電車が動き出した。

 

「…先輩、俺達が買った切符の終点は霊園…つまり!」

 

「は…は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「墓場じゃねぇかーーーーーッ!!」

 

 

男の1人の叫び声が響き渡る。

 

「せ、先輩!乗客達が!」

 

「あ…あぁぁぁぁぁぁ!!」

 

乗客たちはいつの間にか骸骨になっていた。

 

「しゃ、車掌に言って電車を停めてもらおう!」

 

「こんなところに停めてどうするんですかっ!」

 

「うっせー!このままじゃ俺達あの世行きなんだぞ!?」

 

2人は乗務員室のドアを叩き、車掌を呼ぶ。

するとドアが開いた。

 

しかし、乗務員室にはたくさんの妖怪がいた

 

「なんですか?」

 

「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」」

 

2人は大声を出し、逃げていった。

すると男の1人が窓を開ける。

 

「先輩!何してんですか!?」

 

「こっから飛び降りんだよ!」

 

「そんなことしたら危ないですよ!」

 

「このままじっとしてるよりマシだ!俺達は、幽霊電車に乗っちまったんだ!!」

 

 

 

「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーー!!!!」」

 

 

2人は電車から飛び降りていった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いてて…」

 

「俺達、助かったんですか…?」

 

2人は野原におり、大きなコブが頭に出来ていた。

 

「せ、先輩!あれ!」

 

「あ、あれ!?」

 

2人の後ろにはずいぶん昔に捨てられたであろうオンボロ電車があった。

 

「こりゃいったい…」

 

「フフフ…」

 

「だ、誰だ!」

 

電車のそばに鬼太郎とねずみ男の姿があった

 

「お、お前らさっきの!」

 

「見てみなよ。頭に私と同じ大きさのコブが出来てるよ?」

 

「え…?」

 

「ホ、ホントだ…」

 

「お前たちはこの鬼太郎先生の霊力でスリルを味わってったってわけだよ?」

 

「じゃ、じゃあ、お前はあのお化けの仲間…?」

 

「おじさん達。妖怪やお化けは本当にいるんだよ?よく覚えておいてね…」

 

「ヒ、ヒィィィィ~!!」

 

「お助けぇ~!!」

 

鬼太郎が微笑むと2人の男は悲鳴を上げて逃げていく。

 

「「ハハハハハハハ!!」」

 

2人が逃げていく様を鬼太郎とねずみ男が笑いながら見ていた。



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吸血鬼エリート①

今回から吸血鬼エリートのエピソードに入ります!


「はぁ…お腹空いたなぁ~…」

 

「すまんな鬼太郎…お前にはもっとたくさん食べさせてやりたいんじゃが…」

 

「大丈夫だよ父さん…」

 

俺は空腹になりながら街を歩いていた。

 

今の時代は高度経済成長期真っただ中だからな…物価の上昇が激しくなってきて、中々食べ物を買う事ができなかった。

 

なんて考えてると俺の目の前に車が停車し、車の中から男の人が出てきた。

 

「失礼ですが、あなたはゲゲゲの鬼太郎先生ではないでしょうか?」

 

「そうですけど…あなたは?」

 

「私は国防大臣の秘書をしている者です。大臣が折り入ってあなたにお願いがあるそうなんです」

 

国防大臣から直々にお願いって、凄いことじゃないか!

とにかくまずは、大臣さんに会って話を聞かなきゃな…

 

「わかりました!大臣のところに案内してください」

 

「そうですか!では車にお乗りください!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ鬼太郎くん!待っていたよ!」

 

大臣秘書に連れられ、ある屋敷の一室に案内されるとそこにいたのは国防大臣だった。

秘書さんは部屋から出ていき、この場にいるのは俺と父さん、大臣さんだけになった。

 

「まぁ、ケーキでも食べながら話しましょう」

 

「ありがとうございます!」

 

やった!久しぶりにまともな食べ物にありつけたぞ!

 

「それで鬼太郎くん。これを見てもらいたいんだ」

 

大臣さんは懐から手紙を取り出して俺に見せてきた。

 

「”吸血テストの結果、あなたの血液は私の口に合う事が証明されました。近日中にまた採血に参らせていただきます。吸血鬼エリート”…」

 

「どうだね?退治してもらえないだろうか?これは私個人の為ではない。こんな吸血鬼を野放しにしていたら、日本国民全てが血を吸われてしまうんだ!」

 

この大臣さん…自分が危ないっていうのに日本国民の事を心配してる…

よし!信じてみよう!

 

「わかりました!手ごわい相手かもしれませんが引き受けましょう!」

 

「ありがとう鬼太郎くん!」

 

「ところで大臣さん。図々しいかもしれませんが…ケーキをおかわりしてもいいですか?」

 

「うむ!お安い御用だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ~!どこかに妖怪を雇ってくれる物好きはいないかねぇ…」

 

町の公園でねずみ男が新聞を読んでいた。

するとねずみ男は新聞に書かれている不思議な文字を見てハッとなる。

 

「こりゃ妖怪語の広告だ!”求む秘書。ただし妖怪語を話せる方のみ”よーし!さっそく面接に行くぞ!」

 

ねずみ男は町に行き、面接場所である喫茶エリートにやって来た

 

「確か秘書が欲しい人はギターを持った男前だって書いてあったけど…ややっ!」

 

ねずみ男は椅子に座っている少し顔が大きい男を見つける。

男の手にはギターが握られていた。

 

「あの~…もしかしてあなたが妖怪語の求人を?」

 

「…」

 

男はギターを演奏し始めるとねずみ男が陽気に踊りだしてしまう。

他の客が不思議そうに見ていると男は演奏をやめる。

 

「あれ?俺一体何を…」

 

「…よろしい。月給10万円で秘書をお願いします」

 

「じゅ、10万円!?」

 

「私とあなたは気が合うようです。これからよろしく頼みますよ」

 

「へへっ!こちらこそ!」

 

ねずみ男と男は握手をする。

 

 

この男こそ、鬼太郎が退治すべき男、吸血鬼エリートである…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ねずみ男はエリートに連れられ、山奥にあるエリートの屋敷にやって来た。

 

その途中、吸血コウモリに襲われかけるがエリートが新しい秘書だと言うとコウモリ達は飛んで行った。

 

「ではねずみ男くん。一杯どうかね?」

 

「あの、それって…」

 

「人間の生き血だよ」

 

「えぇっ!?い、今はいいです!」

 

「そうか…こんなにおいしいのに…では」

 

エリートはコップ一杯分の血をゴクリと飲み干した。

 

「やはり人間の生き血というのは最高だ」

 

(こいつ、吸血鬼だったのか…)

 

「では、さっそく仕事の話に移ろう!これは吸血プランだ。読んでみたまえ」

 

ねずみ男はエリートから渡された吸血プランを読んでみる。

プランには著名人の名前がぎっしり書かれていた。

 

「有名人ばかりですね~」

 

「有名人の血じゃないと新鮮さがありませんからねぇ。偉い奴を征服する快感は堪らないですよ…?」

 

「そ、そうですか…」

 

「それで、今回のターゲットは国防大臣だよ。先日血を頂いたら堪らなくおいしかったからね」

 

「へ~…でも、一回襲ってるなら大臣は鬼太郎をガードマンに雇ってるかも…」

 

「鬼太郎?それは誰だね?」

 

「鬼太郎をご存じないのですか?」

 

「私は20年間、美女の血を求めて世界中を旅してたのだ。1ヶ月前に帰国したばかりだから日本の事情はよく知らない。それで、鬼太郎とは何者なのかね?」

 

「鬼太郎は太古の昔に存在した幽霊族最後の生き残りです。滅茶苦茶可愛い顔に反して滅茶苦茶強くてすぐに人間の味方をする生意気な小娘ですよ!」

 

「ほう…それで、その鬼太郎とやらは美女なのかね?」

 

「そりゃもう!親友の俺が言うんですから!」

 

「なるほど…少し興味がわいたよ。私に鬼太郎の性質を教えたまえ」

 

「性質?良いですけど何故?」

 

「鬼太郎の性質を元に曲を作って、そのメロディーでおびき寄せるのだよ…」

 

エリートはそう言って、不気味な笑みを浮かべた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし!異常なしっと!」

 

俺と父さんは大臣さんの家で見張り番をしている最中だ。

 

「やぁ鬼太郎くん!ご苦労様!」

 

「あ、大臣さん」

 

「鬼太郎くん。今日はガードマンを5、6人増やすから君はゆっくり休みなさい」

 

「良いんですか?ではお言葉に甘えて」

 

俺は大臣さんのご厚意に甘え、寝る事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…どこからともなく不思議なメロディーが聞こえてくる。

 

しばらくすると布団の中で眠っていた鬼太郎が起き上がり、部屋を出ていった。

 

そう、鬼太郎はエリートの音楽催眠にかかってしまったのだ

 

そうこうしている内に鬼太郎はエリートとねずみ男の元までおびき寄せられてしまう。

 

 

次の瞬間、鬼太郎はエリートに頭を殴られ、気絶してしまった。

 

「鬼太郎!」

 

「さぁねずみ男くん!彼女を縛り上げるんだ!」

 

「は、はい!」

 

気絶した鬼太郎はねずみ男によってロープで縛られてしまった。

 

「悪いな鬼太郎…」

 

「おぉ…こうして見てみるとこの少女はかなりの美女だ…いや、かなりなんてもんじゃない!まさに1000年に1人の美女だ!早く別荘に連れて帰ろう!」

 

「は、はい…」

 

 

エリートの手に落ちてしまった鬼太郎…はたしてどうなってしまうのか…?



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吸血鬼エリート②

吸血鬼エリートその2です!

エリートに捕らわれてしまった鬼太郎の運命や如何に!?


鬼太郎がエリートに捕らわれてからしばらく経ち、国防大臣がトイレに向かっていた。

 

すると大臣がある異変に気が付いた

 

「おや?鬼太郎くんが寝ている部屋のドアが開いている…」

 

気になった大臣は部屋を覗いてみる。

 

「なっ!?鬼太郎くんがいない!」

 

なんと部屋には鬼太郎の姿はなく、いたのは眠っている目玉おやじだけであった。

 

「目玉のおやじさん!起きてください!」

 

「ん…大臣殿?どうかしましたかな…?」

 

「鬼太郎くんがいないのです!」

 

「なんじゃと!?」

 

目玉おやじは鬼太郎が眠っていた布団を確認し、すぐに部屋を出ようとする。

 

「親父さん!?どこへ行かれるのです!」

 

「鬼太郎を探すに決まっておろう!大臣殿はくれぐれも吸血鬼に気を付けてくだされ!」

 

目玉おやじは屋敷を出て鬼太郎を探し回る。

 

「あっ!あれは!」

 

目玉おやじは道に停まっている一台の車を見つける。

 

車の中にはエリートとねずみ男、縛られている鬼太郎の姿があり、車はすぐに走り出した。

 

「きたろ~!」

 

目玉おやじはすぐに追いかけるが車は遠くまで走っていき、見えなくなった。

 

「くそ~!鬼太郎がさらわれてしまった!おそらく吸血鬼の仕業じゃ!」

 

目玉おやじは項垂れてしまう…

 

 

 

 

 

 

 

「お~い!おやじしゃ~ん!」

 

そこへ布の姿をした妖怪がやって来る。

 

この妖怪は一反木綿。鬼太郎の仲間だ。

 

「おぉ!一反木綿!良いところに来た!」

 

「あれ?鬼太郎ちゃんはどこばい?」

 

「吸血鬼にさらわれてしまったんじゃ…一反木綿!鬼太郎を助けるために協力してくれ!」

 

「任せときんしゃい!おやじしゃん!おいどんの背中に乗りんしゃい!」

 

目玉おやじは一反木綿に乗り、飛んで行った…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ろう…き…」

 

…なんだろう…誰かの呼ぶ声が聞こえてくる…

 

「鬼太郎!さっさと起きろ!」

 

「ねずみ男…えっ!?」

 

俺、何で縛られてんだ!?

ってかここどこ!?

 

「その感じじゃ覚えてなさそうだな…お前は吸血鬼エリート先生の音楽催眠でここまで連れてこられたんだよ。ちなみにここはエリート先生の別荘の屋根裏部屋だよ」

 

「吸血鬼エリートの!?」

 

最悪だ…まさかエリートに捕まっちまうなんて…

 

ってか、このままじゃ大臣さんが危ないぞ!

 

「鬼太郎!エリート先生はお前を仲間にしたいそうだ。先生の仲間になった方がお前の為なんだよ!」

 

「どういう事…?」

 

「先生は…仲間にならないならお前を溶かすつもりらしい!」

 

「と、溶かす!?」

 

おいおい!物騒な話になってきたぞ…

 

 

でも、答えはとっくに決まってる!

 

「…私はエリートの仲間にはならない。仲間になるんだったら死んだ方がマシだよ!」

 

「お、お前!俺の友情が理解できねぇのか!長い付き合いだろ!?」

 

「長い付き合いなら君は知ってるはずでしょ?どんな目に合っても、私は頷かないって!」

 

「うぅ…!」

 

「中々気丈じゃないか」

 

俺とねずみ男の目の前に男が1人現れる。

 

「エ、エリート先生!来ていたんですね!」

 

こいつが、吸血鬼エリート…!

 

「初めまして鬼太郎くん…私は吸血鬼エリート」

 

「ご丁寧にどうも…ゲゲゲの鬼太郎だよ」

 

エリートは不気味な笑みを浮かべて近づいてくる。

逃げようにも椅子に縛りつけられてるから逃げられない…!

 

「サラサラした髪…麗しい瞳…その中にある不屈の眼…実に良い!君みたいな美女に会いたかったのだよ!」

 

こいつ…やらしい目をしながら俺の髪を触ってきやがった!

気持ち悪っ!

 

「是非とも君を私のモノにしたいのだが…私の計画の邪魔をするのなら致し方ない」

 

エリートの手には液体が入った注射器が握られてる…あの液体で俺を溶かす気だな…!

 

エリートは注射器の針を俺に向けてきくる。

 

「最後にもう一度聞こう…私のモノになる気はないかね?」

 

「…ないよ!」

 

「そうか…」

 

ぐっ…!

 

「き、鬼太郎!」

 

「実に残念だよ…」

 

父さん…猫娘…ごめ…ん…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一反木綿、ここじゃ!」

 

一方、目玉おやじと一反木綿はエリートの別荘にたどり着いていた。

 

「それにしても、よく鬼太郎ちゃんの居場所がわかったばいね」

 

「わしら親子はピンチになるとテレパシーで通じ合う事ができるんじゃ。一反木綿、あの窓の部屋じゃ!」

 

2人は窓の割れている部分から部屋に入る。

部屋ではねずみ男が泣き崩れていた。

 

「うぅ…うぅ!」

 

「あれ?ねずみ男ばい」

 

「ねずみ男!鬼太郎はどこじゃ!?」

 

「…あれだよ」

 

ねずみ男は鬼太郎がいた場所を指差す。

そこにあったのは水たまりとロープと椅子、鬼太郎の下駄だけだった。

 

「こ、これが鬼太郎か!?」

 

「俺は忠告したんだ!それなのにあいつ…エリートに歯向かったばかりに溶かされて…!」

 

「そ、そんな!鬼太郎ちゃん!」

 

「うむ…まだ生気が残っておるぞ!ねずみ男!この液体を一滴残さずそこの壺に入れるんじゃ!」

 

目玉おやじは棚に置いてある壺を指差す。

 

「液体なんか集めてどうすんだよ?」

 

「恐山の妖怪病院に連れていくんじゃ。そこならきっと鬼太郎を元に戻せるはずじゃ!」

 

「じゃ、じゃあ、鬼太郎は助かるのか!?」

 

「ああ!」

 

「…おう!そうとわかれば!」

 

「おいどんも手伝うばい!」

 

ねずみ男と一反木綿は鬼太郎の液体を一滴残らず壺に入れた。

 

「それじゃあ一反木綿!頼んだぞ!」

 

「任せんしゃい!」

 

一反木綿は壺を持って恐山目指して飛んで行った。

 

「そういえばねずみ男、鬼太郎の下駄が見当たらんが?」

 

「そういやそうだな…一反木綿が持ってったんじゃない?」

 

「渡した覚えはないんじゃが…」

 

 

 

 

 

「おーい!そろそろ会議の時間だよ~!」

 

するとエリートの呼び声が聞こえてきた。

 

「エリートだ!」

 

「ねずみ男!お前はこのまま奴の秘書のフリを続けるんじゃ」

 

「おやじさんはどうすんだ?」

 

「お前のフードの中に隠れる。正直臭いから入りたくないが仕方ない」

 

目玉おやじはねずみ男の布の中に隠れる

 

「ったく!失礼しちゃうぜ!」

 

ねずみ男は愚痴を吐露しながらエリートの元へ向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少しの時が経ち、大臣宅では…

 

「大臣。モンガ国という国から国王がやってきましたが…」

 

「モンガ…そんな国あっただろうか…?」

 

「南方にある小さな島国らしいんですが…」

 

「なるほど…だが予定にはないことだからなぁ…」

 

「しかし国王は通訳の者を連れて、家に前で待っておられるのです…」

 

「…仕方ない。通してあげなさい」

 

しばらくすると部屋の中にモンガ国王と通訳の男が入ってきた。

 

もちろんエリートとねずみ男だ。

 

「~~~~~」

 

「『初めまして。偉大なる国防大臣殿!』と申しております」

 

「こ、これはこれは、光栄ですな!」

 

「~~~~~~」

 

「『お近づきの印にこのバラをどうぞ』と申しております」

 

「おぉ!綺麗なバラですな!」

 

エリートはバラを大臣に渡す。

 

「血を頂くぞ!」

 

「なっ!?」

 

次の瞬間、エリートは本性を現し、大臣の肩を掴んで血を吸おうとする。

 

「痛っ!」

 

しかしエリートの顔面に2つの下駄が直撃する。

大臣はエリートが怯んだ隙にドアを開けて逃げていった。

 

「だ、誰か来てくれ!吸血鬼だぁーーッ!!」

 

「ク、クソ!こいつ!」

 

エリートは下駄に翻弄されていた。

 

「あ、ありゃ鬼太郎の下駄だ!なんで!?」

 

「忘れたのか?あの下駄は鬼太郎の脳波で動かせるんじゃよ!」

 

「そういやそうだった…でもなんでここにあんだよ?」

 

「おそらくお前とエリートが乗ってきた車に忍び込んでおったんじゃよ」

 

ねずみ男の布に隠れている目玉おやじが説明する。

 

「いたぞ!吸血鬼だ!」

 

そうこうしている内に大臣のボディーガード達がやって来た。

 

「やむをえん!」

 

エリートはギターでコウモリ達を呼ぶ

 

「ちょ、ちょっと~!」

 

コウモリはエリートとねずみ男を掴んでこの場から飛んで行った…




一反木綿:関智一


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吸血鬼エリート③

吸血鬼エリートその3です!


エリートに溶かされた鬼太郎ははたして助かるのか…?


「いや~!危なかったですね先生!」

 

 

ねずみ男とエリートはエリートの別荘に戻って来ていた

 

 

「…ねずみ男くん。少し良いかね?」

 

「はい?」

 

「…私の邪魔をしたあの下駄は鬼太郎の物なのかね?」

 

「えっ!?はて、どうだったかな~?」

 

「ほう…では君が言っていた『あれは鬼太郎の下駄だ!』というのは私の聞き間違いかね?」

 

「ドキッ!」

 

「図星のようだね…あの下駄を持ってきて私に投げたのも君なのだろう?」

 

「と、とんでもない!誤解ですよ誤解!」

 

「もういい!君は用済みだ!」

 

「あ~れ~!!」

 

 

ねずみ男はエリートに突き落とされ、砂場に落ちてしまう

 

 

「そこは砂地獄…そこに落ちたら最後、這い上がることは不可能だ」

 

「そ、そんな!どうかお助けください!」

 

「もう遅いよねずみ男くん。そこでじっくり死の恐怖を味わうといい。ハハハハハ!」

 

 

エリートは高笑いする

 

 

「おやじさん!どうすりゃいい…あれ!?」

 

 

なんとねずみ男の布に隠れていた目玉おやじがいなくなっていた

 

 

「あのチビ目玉!先に逃げやがったな!」

 

「さて、今日のところは眠るとしよう…フフ!なんだ?足がくすぐったい!うわぁーーーー!!」

 

 

エリートは足を滑らせ、砂地獄に落ちてしまった

 

エリートが落ちる寸前、ズボンの裾から目玉おやじが出てきた

 

目玉おやじがエリートの足をくすぐっていたのだ

 

 

「あれ~?あんたも落ちちゃったのか?いい気味だ~!」

 

 

エリートが落ちてきた事でねずみ男は調子に乗り、エリートを煽ってしまう

 

 

「グググ…!こうなったら、お前の血を吸わせてもらおう!」

 

「はっ?いやいや!俺の血凄く不味いよ?」

 

「私の計画を邪魔した報いだ!それに私にとってここから抜け出すのは簡単な事だ!うぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

エリートは変形を始める

 

エリートは巨大な吸血コウモリに変貌した

 

 

「あわわわわ!」

 

「さぁ!血を吸わせてもらうぞ!」

 

「お、お助けぇ~!」

 

 

ねずみ男は逃げ惑うがエリートはすぐそこまで迫って来ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リモコン下駄!!」

 

「うぉ!?」

 

 

そこへ鬼太郎の下駄が飛んできてエリートの顔面に当たる

 

 

「お、おぉ!」

 

 

目玉おやじは歓喜の声を上げる

 

 

 

そこには鬼太郎の姿があった…

 

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--------------

 

エリートに溶かされた時はどうなる事かと思ったけど…父さんとねずみ男と一反木綿のおかげでこうして元に戻ることが出来た!

 

 

「き、きたろ~!」

 

 

一反木綿に助けられたねずみ男が号泣しながら見てくる

 

ねずみ男には心配かけたな…

 

 

「ねずみ男。溶かされた私を助けてくれてありがとね」

 

「た…助けるのはあたり前じゃね~か~!俺達親友だろ~!」

 

「そうだったね。一反木綿もありがと」

 

「いや~!助かって良かったばい!」

 

「き、鬼太郎…生きていたのか!?」

 

 

砂場からエリートが飛んできた…

 

 

「あいにく私は溶かされたくらいじゃ死なないよ?」

 

「なら…君の息の根を止めるまでだ!」

 

 

そう言ってエリートは俺目掛けて飛んできた

 

さぁ!決着をつけてやる!

 

 

「髪の毛針!!」

 

 

髪の毛針を飛ばしてみるけどエリートは避ける

 

 

「そんな攻撃当たらんわ!」

 

「ならこうだ!」

 

 

俺は髪の毛を一本抜いて針状にしてエリートに投げる

 

 

「うわっ!?」

 

 

よし!あいつの右目に当たったぞ!

 

これで決めてやる!

 

 

「指鉄砲!!」

 

「ギャアァァァァァーーーッ!!」

 

 

俺は人差し指を鉄砲のように構えて、そこから発射された光線がエリートの身体を貫通した

 

指鉄砲はそのままエリートの別荘に直撃した

 

すると突然屋敷が燃え始めた

 

 

もしかして中にあったろうそくに当たって発火しちまったかな…

 

中から吸血コウモリ達が燃えながら出てきた

 

 

「わ、私の…エリートの証が…燃えていく…」

 

 

エリートはそう言って動かなくなった…

 

 

「…エリートに証なんて必要ない。人に尊敬され、愛されているのが、ホントのエリートなんだよ…」

 

 

俺はエリートの亡骸を見ながらそう言った…

 

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--------------------

 

-------------

 

「いや~鬼太郎くん!本当にありがとう」

 

 

朝になり、俺と父さん、ねずみ男は大臣さんに吸血鬼を討伐したことを報告している

 

 

「報酬として政府から勲章と100万円を贈呈させてもらうよ」

 

「ひゃ、100万円!?」

 

 

ねずみ男が声を出しながら驚いている

 

 

確かにどっちも凄く名誉なことだけど…

 

 

「いえ、私はどちらもいりません」

 

「な、なに言ってんだよ鬼太郎!?」

 

「私はお金と名声欲しさに協力したわけではありません。大臣さんの国民を想う心に感銘を受けたまでです」

 

「うぅむ…しかし」

 

「それならあのケーキを頂いてもいいですか?あの味が忘れられなくて…」

 

「…わかった!好きなだけ持っていきなさい!」

 

「ありがとうございます!」

 

「トホホ…100万円がケーキに…」

 

「ねずみ男。うちに来て一緒にケーキ食べない?」

 

 

俺がねずみ男に聞くと彼の腹から音が聞こえてきた

 

よっぽど腹減ってたんだな

 

 

「…しょうがねぇな!」

 

「決まりだね!じゃあ帰ろ、ゲゲゲの森に!」

 

 

 

 

俺はケーキを持って、みんなが待つゲゲゲの森に帰っていった




今回でエリート編と同時に60年代編を終了します


次回から70年代編に入ります


それとTS鬼太郎のイラストが完成したので公開します!

【挿絵表示】


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1970年代編
泥田坊①


今回から70年代編に入ります!


「たまには良いね。こうして旅をするのも」

 

「そうだね!」

 

 

時は1971年…

 

 

俺と猫娘はゲゲゲの森を離れ、あてのない旅をしていた

 

 

「それにしても、なんでおやじさんはついてこなかったのかな?」

 

「さぁ…」

 

 

そう、この旅には父さんも誘おうとしたけど『わしの事はいいから、お前達2人で旅を楽しむといい』と言ってついてこなかった

 

 

「父さん、元気にしてるかな…」

 

「そっか、もう半年経つんだよね…もう少ししたら帰ろっか、ゲゲゲの森に」

 

「それもそうだね」

 

「じゃあ鬼太郎!一緒に歩こ!」

 

「わっ!」

 

 

猫娘が俺の腕にしがみついてきた

 

 

「ちょ、ちょっと猫娘!」

 

「鬼太郎…嫌なの?」

 

 

猫娘が上目遣いしながら見てくる…

 

ぐっ!罪悪感が…

 

 

「あ、嫌ってわけじゃ…」

 

「やった!ありがと鬼太郎!」

 

 

そう言って猫娘はスリスリしてきた

 

ホントにスキンシップ激しいよな…まっ、嫌いじゃないけどね

 

 

「鬼太郎!あそこに港町があるよ!」

 

 

猫娘が指差したところに確かに港町があった

 

 

「ホントだ。あそこで何か食べてこっか」

 

「賛成!あたしお腹ペコペコ!」

 

 

かくして俺と猫娘は港町に立ち寄ることにした

 

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---------------

 

「いや~!おいしかった~!」

 

 

港町に立ち寄った俺達はお店で名物の漁師漬けを食べて店を出た

 

 

 

 

満腹感に浸っているとどこからかサイレンの音が聞こえてきた

 

 

「何かあったのかな?」

 

「…行ってみよう!」

 

「あっ、鬼太郎!」

 

 

俺はサイレンが聞こえてきた場所まで走っていった

 

 

「これは…!」

 

 

そこにあったのは泥だらけになって倒れている人間達の姿だった

 

 

「なにこれ…!?」

 

 

猫娘も驚いてるな…

 

 

すると俺の妖怪アンテナがピンと立つ

 

俺の髪は妖気を探知することができ、妖気を感じるとこんな感じに髪が立つ

 

この妖気…この泥から感じるぞ!

 

 

「あの、何があったんですか?」

 

「ああ…漁に出ていた漁師達がヘドロがある場所で事故にあったらしいんだよ」

 

「事故?」

 

「ああ。そういや、漁師の1人が気を失う前に、泥の姿をしたデカいバケモノに襲われたって言ってたっけ…まぁ、恐怖のあまり幻覚を見ただけだと思うけど」

 

 

俺達は現場を後にする

 

 

「猫娘、君はどう思う?」

 

「絶対妖怪の仕業だって!」

 

「そうだよね…もしかして…」

 

「鬼太郎。犯人に心当たりあるの?」

 

「うん。とにかく、事件があった周辺を調べてみよう」

 

 

俺は旅に出る前、父さんから貰った妖怪オカリナを取り出し、音を奏でる

 

 

「鬼太郎ちゃ~ん!」

 

 

オカリナの音色に導かれて一反木綿が来た

 

このオカリナは思い浮かべた妖怪に音色を届けて呼ぶことが出来るんだ

 

と言っても、俺も今日初めて使ったんだけどな…

 

 

「一反木綿!私をあの海まで連れてって!」

 

「わかったばい!」

 

 

俺は一反木綿に乗る

 

 

「猫娘はここで待ってて!」

 

「気を付けてね!」

 

「うん!」

 

 

俺は一反木綿に乗って現場まで急行した

 

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-------------

 

「この辺…ヘドロがたくさんあるな…」

 

 

俺と一反木綿は海まで飛んで行ってヘドロがたまってる場所を見つけた

 

このヘドロ…妖気が大きいぞ!

 

 

 

 

「田を返せー!」

 

 

ヘドロから巨大な泥の妖怪が現れた!

 

 

「あ、あいつは!」

 

「やっぱり泥田坊だったんだ!」

 

「でも泥田坊は確か、田んぼで大人しく暮らしている妖怪の筈ばい!」

 

「田を返せー!」

 

「…もしかして、君が暮らしてた田んぼが人間に壊されて、住む場所がなくなったの?」

 

「田を返せー!」

 

 

怒り狂っている様子の泥田坊は俺達に襲い掛かってきた!

 

戦うしかなさそうだ…!

 

 

「髪の毛針!!」

 

 

泥田坊に向かって髪の毛針を飛ばすが手で弾かれちまった

 

泥田坊は口から泥を吐き出して俺達に放ってきた

 

 

「一反木綿!避けて!」

 

「お任せばい!」

 

 

一反木綿は泥をかわしてくれてるけど、このままじゃ埒があかない…

 

だったらあの技だ!

 

 

「一反木綿!ここから離れてて!」

 

「鬼太郎ちゃん!?」

 

 

俺は一反木綿に離れるように言って海に飛び込む

 

喰らえ泥田坊!

 

 

「体内電気!!」

 

「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

よし!思った通り体内電気が効いたぞ!

 

水は電気を通しやすくするからな!

 

 

「指鉄砲!!」

 

 

俺の指鉄砲は直撃し、泥田坊はバラバラになって海に飛び散った

 

 

「一反木綿!泥田坊の欠片を集めるの手伝ってくんない?」

 

「いいけど、どうしてばい?」

 

「泥田坊は雨とか水で復活しちゃうんだ。こうしてる間にも復活しちゃうから急いで!」

 

「わかったばい!」

 

 

俺達は泥田坊の欠片を集めてそれをビニール袋に入れた

 

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-------------

 

「じゃあ猫娘。留守番よろしく」

 

「うん!気を付けてね!」

 

「じゃあ行くばい!」

 

 

次の日、猫娘を宿に置いて一反木綿と一緒に近くに良い田んぼがないか探しに行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

う~ん…あれからしばらく探してみたけど田んぼが1つも見つからないな…

 

 

「田んぼ、中々見つからないね…」

 

「そうばいね…昔はたくさん田んぼがあったのに…」

 

「泥田坊…きっと仕方なく海で過ごすようになったんだね」

 

「鬼太郎ちゃんは優しいばいね~」

 

「だってさ、このままじゃ泥田坊が可哀そうじゃん。なんとかして見つけてあげないと!」

 

「それでこそ鬼太郎ちゃん!ゲゲゲの森一のお人好しばい!」

 

「それって誉めてる?まぁ事実だけど…」

 

 

そういや前世でもお人好しだって周りから言われてたっけ?

 

懐かしいなぁ…

 

 

「鬼太郎ちゃん?」

 

「あっ、なんでもないよ!」

 

 

俺と一反木綿は田んぼ探しを再開した

 

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-------------

 

「よーし!見つけたぞ!」

 

 

俺と一反木綿は小学校にある田んぼを見つけた

 

学校の先生の話じゃ農薬を使っていない綺麗な田んぼらしい

 

ちょっと狭そうだけど、もうこの辺りにある田んぼはあそこだけだからな…

 

雨も強くなってきたな…泥田坊の欠片は袋に入れて宿の中に置いてあるから大丈夫だろうけど…

 

 

「鬼太郎ちゃん!あれを見るばい!」

 

「えっ!?」

 

 

俺は港町の方を見て、思わず声を上げてしまった

 

 

 

 

なんと、泥田坊が復活して、町で暴れていたからだ…!



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泥田坊②

泥田坊編の続きです


なんで泥田坊が復活してるんだ!?

 

確かに雨に当たらないようにビニール袋に詰めて宿に置いといた筈なのに…

 

 

「あんた!何てことしてくれたの!?」

 

「いててっ!だから悪かったって!」

 

 

あそこにいるのは猫娘と…ねずみ男!?

 

なんであいつがいるんだよ!

 

 

「猫娘!ねずみ男!」

 

「鬼太郎!一反木綿!」

 

「あ~、鬼太郎ちゃん?これはその…」

 

「…何があったか話してくれる?」

 

「実は…」

 

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-------------

 

鬼太郎が一反木綿と一緒に出掛けてからしばらく経った頃、ねずみ男が猫娘が泊まっている宿の一室に入ってきた

 

 

「よぉ猫娘!」

 

「ゲッ!?なんであんたがいんの…?」

 

「そんなに嫌がんなよ。偶々この町に立ち寄ったらよ、この宿に入っていったお前が見えたからちょっと会いに来たってわけ。ってか鬼太郎は?お前ら確か一緒に旅してたんだろ?」

 

「鬼太郎なら一反木綿と一緒に出掛けたよ。用が済んだらさっさと帰って」

 

「ちぇ、相変わらず可愛くねぇ奴…ん?」

 

 

ねずみ男は部屋に置いてある泥田坊の欠片が入っているビニール袋を見つけた

 

 

(なんだこの泥のかたまり…わざわざビニール袋に入れてんだ。もしかしたら金になるかも!)

 

 

欲に目が眩んだねずみ男は泥田坊の欠片が入ったビニール袋をそっと手に取る

 

 

「そうだ!あんたに聞くのも癪だけど、おやじさん元気に…ちょっとあんた!何勝手に持ってこうとしてんの!?」

 

「やべっ!」

 

「あっ!逃げんな!」

 

 

猫娘は泥田坊の欠片を持って逃げたねずみ男を追いかける

 

 

「さーて!さっそく出してみっか!」

 

 

ねずみ男はビニール袋を開ける

 

すると雨が降ってきた

 

 

「うわっ!降ってきやがったな…」

 

「田を返せ…」

 

「ん?」

 

「田を返せー!」

 

「わぁーーーーーーーっ!!」

 

 

ビニール袋の中には小さな泥田坊がたくさんいた

 

欠片が雨に当たったことで泥田坊は生命を取り戻したのだ

 

ビニール袋から出てきた泥田坊達は合体していき、元の大きさに戻っていった…

 

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--------------

 

「そういう事だったのか…まったくねずみ男、君って奴は…」

 

「わ、悪かったよ…」

 

「過ぎた事だしもういいよ…とにかく今は泥田坊を止めなくちゃ!」

 

 

俺は泥田坊の元に走っていった

 

 

「泥田坊落ち着いて!君の田んぼが…」

 

「田を返せー!」

 

 

泥田坊は口から泥を出して攻撃してきた

 

まずは落ち着かせないとダメか…!

 

 

「霊毛ちゃんちゃんこ!!」

 

 

俺は霊毛ちゃんちゃんこを泥田坊の顔目掛けて投げつけた

 

泥田坊がちゃんちゃんこを顔から引きはがそうとする

 

 

「リモコン下駄!!」

 

 

次にリモコン下駄を泥田坊の両足にぶつける

 

泥田坊は膝をついて倒れる

 

 

「よーし!今だ!」

 

 

俺は泥田坊の口から体内に入った

 

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「鬼太郎!」

 

 

鬼太郎が泥田坊の体内に入っていき、猫娘が声を上げる

 

 

「おいおい!鬼太郎の奴、自分から食われちまったぞ!」

 

「鬼太郎には何か考えがあるんだよ!」

 

 

すると泥田坊が起き上がり、猫娘は戦闘態勢に入る

 

しかし泥田坊は襲ってこず、どこかに向かって歩き始めた

 

 

「あら~?あいつどこ行くんだろ…」

 

「追いかけてみよ!一反木綿!」

 

「あいよ!」

 

「あっ、待てよ!」

 

 

猫娘とねずみ男は一反木綿に乗って泥田坊を追いかけていく

 

 

 

しばらくすると泥田坊は学校の田んぼにたどり着いた

 

泥田坊はしばらく田んぼを見た後、田んぼに中に入っていった

 

 

 

 

その直後、田んぼの中から鬼太郎が出てきた

 

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「フゥーッ!」

 

 

泥田坊をこの田んぼまで連れてきた俺は田んぼから這い出る

 

あちゃ~…泥だらけになっちまった…

 

 

「きたろ~!」

 

 

すると猫娘が抱きついてきた

 

 

「ちょ、猫娘!泥ついちゃうよ!?」

 

「大丈夫だよ!気にしないから!」

 

「気にした方がいいと思うけどな~…」

 

「鬼太郎ちゃん。泥田坊の中に入っていったい何したばい?」

 

「泥田坊の脳神経を操縦したんだよ。泥田坊、綺麗な田んぼだって喜んでたよ」

 

「それはよかったばい!」

 

「ちぇ!金になる泥だと思ったのによ…」

 

 

すると猫娘がねずみ男の顔を引っ掻いた

 

 

「あんた!ホントに反省してんの!?」

 

「し、してる!してますって!」

 

「ハハハ…それにしても、猫娘も泥だらけになっちゃったね…」

 

「あ、ほんとだ…鬼太郎!一緒にお風呂入ろっか!」

 

「えっ!?一緒に?」

 

「だって鬼太郎ってば、いっつもあたしと別で入るんだもん!一緒に背中流しっこしようよ!」

 

「う、うん…」

 

 

俺は猫娘と手を繋いでこの町の銭湯に向かいはじめた

 

大丈夫…今の俺は女の子…女の子なんだ…

 

 

「鬼太郎、顔が赤いよ?もしかして、照れてる?」

 

「そ、そんなことないよ!///」

 

「鬼太郎ってば!可愛い~!」

 

「もう…///」

 

 

 

 

お風呂に入った次の日、俺達はゲゲゲの森に帰り、父さんと一緒に親子水入らずの時間を過ごした…




今回で泥田坊はおしまいです

次回も楽しみに待っていてください!


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悪魔ベリアル

今回お送りするのは悪魔ベリアルです!


「父さん。湯加減はどう?」

 

「うむ。いい感じじゃ」

 

 

父さんは茶碗風呂に入ってゆったりしている

 

 

「鬼太郎~!入るぞ~!」

 

 

すると家の中に老人が入ってきた

 

 

「あ、子泣きじじい。いらっしゃい」

 

「どうしたんじゃ?やけに嬉しそうじゃが…」

 

 

父さんが子泣きじじいに問いかける

 

 

 

 

子泣きじじいってのはゲゲゲの森に住む妖怪仲間の1人で三度の飯よりお酒が大好きなおじいちゃんだ

 

 

「実はの、砂かけのおばばが妖怪アパートを建てて、わしがそこに住むことになったんじゃ!」

 

「砂かけばばあの?」

 

 

砂かけばばあはゲゲゲの森に住む妖怪の一人で俺にとっておばあちゃんのような人だ

 

 

「そういえば砂かけばばあ、近々森に妖怪アパートを建ててそこの管理人になると言っておったの…」

 

「へぇ~…」

 

 

俺が声を漏らしていると外から蚊の音が聞こえてきた

 

 

 

外を見てみると大勢の蚊が”SOS”と文字を作っていた

 

 

「父さん!あれってカラス天狗の…」

 

「間違いない!カラス天狗の蚊文字じゃ!」

 

「何かあったのかの?」

 

「とにかく、カラス天狗が住んでる山奥に行ってみよう!」

 

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-------------

 

俺達はカラス達にカラス天狗の里がある山奥まで送ってもらった

 

 

うわっ…里が地面に埋もれてる…こりゃ酷いな…

 

 

「なんということじゃ!」

 

「カラス天狗の里が埋もれておる!」

 

「おーい!誰かいないー!?」

 

 

俺は誰かいないか大声で呼んでみたけど返事がない…

 

やっぱり全滅しちゃったかな…

 

 

「も、もしかして鬼太郎さんですか!?」

 

 

するとボロボロになってるカラス天狗が現れた

 

 

「君、大丈夫!?」

 

「はい…」

 

「いったい何があったんじゃ?」

 

 

父さんが生き残りのカラス天狗に聞く

 

 

「…悪魔です」

 

「え?」

 

「悪魔がやって来て、里を僕の仲間ごと地下に埋めてしまったんです!」

 

「悪魔だって?」

 

「なんと…悪魔が日本に!?」

 

 

父さんが驚いてるな…

 

悪魔って日本じゃなくて海外でよく見るらしいからな

 

 

「きたろー!!」

 

 

すると俺を呼ぶ声が聞こえてきた

 

 

「猫娘!」

 

 

猫娘がカラスに連れられ、こっちに向かっていた

 

なんか焦ってるな…どうしたんだろ?

 

 

「鬼太郎!砂かけばばあが急いで妖怪アパートに来てって!」

 

「う、うん!わかったよ!」

 

 

今は悪魔に関する情報が何もない…とにかく今は妖怪アパートに行ってみよう!

 

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--------------------

 

-------------

 

俺達はカラス天狗も連れてゲゲゲの森に戻って、砂かけばばあが待つ妖怪アパートにやって来た

 

 

「おお鬼太郎!待っておったぞ!」

 

 

アパートに入ると砂かけばばあがいた

 

 

「砂かけばばあ、用事って?」

 

「とにかくついてきてくれ!あいつから聞く方が早いからの」

 

 

砂かけばばあに案内されて俺達はアパートの一室にやって来た

 

 

「よ、よぉ鬼太郎!」

 

「ねずみ男!?」

 

 

部屋には怪我をしてるねずみ男がいた

 

 

「ほれねずみ男!何があったか鬼太郎に話すんじゃ!」

 

「わぁーってるよ!」

 

 

砂かけばばあに言われてねずみ男が事の経緯を話しだした…

 

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----------

 

『ヘッヘッヘッ!お宝ちゃ~ん!出ておいで~』

 

 

ねずみ男は触れてはならないと言われている天道法印塔をあさっていた

 

 

『おっ!なんか高く売れそうな玉発見!』

 

 

そこでねずみ男は光り輝く玉を見つける

 

 

『しめしめ!これで美味いもんたらふく食えるぜ!』

 

 

ねずみ男は玉を持って走り出す

 

 

 

しかし、ねずみ男は誤って玉を落としてしまった

 

玉は粉々に割れ、中から煙がモクモク出てきた

 

 

『あちゃ~!やっちまった…』

 

 

ねずみ男はガックシと項垂れる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『貴様か?我が魔力を封じた玉を破壊してくれたのは?』

 

『え?』

 

 

後ろから声が聞こえ、ねずみ男は振り向く

 

 

『ギャアァァァァァァァーッ!!』

 

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-------------

 

「…ってわけ」

 

 

ねずみ男の説明を聞いて、俺達は思わずタメ息をついてしまう…

 

ホント、”事件の裏にねずみ男アリ”だな…

 

 

「とにかく、今は悪魔を探し出して退治するしかあるまい…」

 

「でもどうすれば…」

 

「フッフッフッ…わしに任せておけ!」

 

 

すると砂かけばばあが砂がたくさん入った壺を持ってきて砂を床に落とした

 

 

「ねずみ男。ちょっと傷口を触るぞ」

 

「イテッ!?」

 

 

砂かけばばあは砂がついてる指でねずみ男の傷口を触った

 

その指を床に落とした砂にチョンと触れた

 

 

「砂かけばばあ。何してんの?」

 

「ねずみ男の傷口にはおそらくその悪魔の妖気が残っておる。それを使ってこの”導き砂”に悪魔がおる場所を教えてもらうんじゃ」

 

 

砂かけばばあって便利な砂をたくさん持ってるよな…

 

そんな事を考えてる内に導き砂が悪魔のいる場所を示してくれた

 

 

場所は…ここから近いぞ!

 

 

俺達はカラス天狗を置いてさっそく悪魔がいる場所へと向かっていった…

 

------------------------------

 

--------------------

 

------------

 

俺達は悪魔がいるであろう場所までやって来た

 

 

「やだ、雷が…」

 

 

猫娘の言う通り、付近には雷が鳴り響いていた

 

 

 

 

 

「ハーッハッハッハッー!!人間どもよ!泣き叫べ!苦しめ!」

 

 

あいつが悪魔か…!

 

 

「そこまでだよ悪魔!」

 

「ムッ!何者だ!」

 

「ゲゲゲの鬼太郎!」

 

「我が名はベリアル!」

 

「ベリアル!どうしてカラス天狗の里を襲ったのさ!」

 

「カラス天狗どもはかつて、我の魔力を玉に封じ込め、どこかに隠してしまった…それ以来我がどんなに惨めな日々を送ってきた事か!だがそこの薄汚い男のおかげで我に魔力が戻った!だからカラス天狗どもに復讐し、我を迫害してきた人間どもにも復讐してやるのだ!それを邪魔するなら小娘!貴様を始末してやる!」

 

 

そう言ってベリアルは分裂して姿を変えてきた!

 

 

それぞれ球体になっていて、耳、目、口、手、足と体が分解されていた

 

あっという間に俺達はベリアルに囲まれてしまった

 

 

「ヤバいよ鬼太郎!」

 

「鬼太郎!おそらく奴にはそれぞれ弱点がある!それを見極めるんじゃ!」

 

「よーし!指鉄砲!!」

 

 

俺はベリアル達に指鉄砲を放っていった

 

 

「あたしも手伝うよ!」

 

「わしらも行くぞ子泣き!」

 

「了解じゃおばば!」

 

 

他の3人もベリアル達を攻撃していた

 

 

よし!このまま押し切るぞ!

 

------------------------------

 

「つ…疲れたぁ~!」

 

 

俺達は何とかベリアルを倒すことができた…

 

 

「ご苦労じゃったな鬼太郎!」

 

 

父さんから労いの言葉を貰って俺と猫娘、砂かけばばあと子泣きじじいは一息ついた

 

 

 

それからしばらく経って、あのカラス天狗が里と仲間達が元通りになったと手紙で教えてくれた

 

 

 

だけど今、妖怪アパートでは新たな問題に直面していた…

 

 

「子泣き!さっさと今月分の家賃払わんか!」

 

「そ、そんな事言われても…わし今持ち合わせが…」

 

「だったら出ていってもらうぞ!」

 

「ヒ、ヒィィィィィ~!!」

 

「…父さん、どうしよっか?」

 

「…放っておけ」

 

 

子泣きじじいがアパートの家賃を払えず、砂かけばばあに怒られていた…




砂かけばばあ:朴璐美
子泣きじじい:島田敏


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さら小僧

皆さん大変お待たせしました!
今回はあのフレーズでお馴染みの妖怪が登場します。


「え…クビ、ですか…!?」

 

ある事務所で3人の男性がショックを受けていた。

 

「歌はヒットしないしつまらないし…ハッキリ言ってお前らには歌の才能がない」

 

「そんなっ!?」

 

「そこをなんとか!」

 

3人のリーダー格の男が土下座をしてクビにしないようお願いする。

 

「…なら一度だけチャンスをやる」

 

「ほ、本当ですか!?」

 

「ああ。三日後、お前らには我が事務所が主催するライブに参加してもらう。そこでウケなかったらお前らにはここを出ていってもらう。それでいいか?」

 

「はい!」

 

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「…とは言ったものの、中々良い歌詞が思い浮かばない…」

 

あれから二日経ち、リーダー格の男は河原で項垂れていた。

 

この男はコーラスグループ、”ザ・ビンボーズ”のリーダーなのだ。

しかし、ビンボーズは全く売れず、事務所からもクビを切られそうになっていたのだ。

 

「やっぱり、俺達には才能がないのかな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぺったら、ぺたらこ、ぺったっこ~!」

 

「なんだ…?」

 

どこからか不思議なフレーズが聞こえてきて、男は耳を澄ませる。

 

「ぺったら、ぺたらこ、ぺったっこ~!」

 

「ぺったら、ぺたらこ、ぺったっこ…何だか気持ちいいフレーズだな…これは良い!さっそくこれを歌にしてみよう!」

 

男はこのフレーズをメモして帰っていった。

 

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ある日の事、俺は猫娘と一緒にお出かけ(猫娘にとってはデートらしい)をしていた。

 

「あっ!ザ・ビンボーズだよ!」

 

「ザ・ビンボーズ?」

 

街中の家電量販店のガラスケースの中に置いてあるテレビを見てみる。

 

『ぺったら、ぺたらこ、ぺったっこ~!』

 

テレビには3人組のコーラスグループが映っていた

 

「鬼太郎知らない?このグループが歌う”ぺったらこ”が今凄く流行ってるんだよ」

 

「へぇ~…」

 

この歌、どっかで聞いたことがあるような…。

 

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俺は家に帰って父さんを茶碗風呂に入れていた。

 

「ねぇ父さん。ぺったら、ぺたらこって歌に聞き覚えない?」

 

「それは…さら小僧の歌ではないか。それがどうしたんじゃ?」

 

そうだ!確かさら小僧が歌ってるのを見た事があったぞ!

 

「それがさ、ザ・ビンボーズっていうコーラスグループがさら小僧の歌を歌ってるのを街のテレビで見たんだよ」

 

「なんじゃと!?それは大変じゃ!」

 

「何が大変なの?」

 

「さら小僧は自分の歌を勝手に歌われるのを酷く嫌っておる。もしその事がさら小僧に知られれば…」

 

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「今日も大盛況だったな~!」

 

俺と父さんはビンボーズがいるというテレビ局の楽屋前に来ていた。

楽屋の中から話し声が聞こえてくる。

 

「ああ!ぺったらこさえあれば俺達は無敵だぜ!」

 

あの人達、人の気も知らないでさ…。

 

「ザ・ビンボーズの人達ですか?」

 

俺は楽屋の中に入る。

 

「な、なんだ君は?」

 

「あなた達が歌ってるぺったらこはさら小僧って妖怪の歌なんです。さら小僧に知られたらただじゃ済みませんよ?」

 

「…ハハハハーッ!おかしな事を言うお嬢ちゃんだ!」

 

「この科学の時代に妖怪だって?ダーッハッハッハー!」

 

「笑い事じゃありませんよ!真面目な話なんです!」

 

「お嬢ちゃん!これ以上デタラメ言うと人を呼ぶぞ!」

 

これ以上は不味いな…!

今日の所は引き上げよう…

 

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次の日、俺と猫娘はまたお出かけ(猫娘にとってのデート)をしていた。

 

『次のニュースです。ぺったらこで大ブレイクしているザ・ビンボーズが昨夜から行方がわからなくなってるとのことです』

 

俺は家電量販店のテレビから聞こえてきたニュースを聞いて立ち止まる。

 

「ビンボーズが行方不明に!?」

 

「そうみたいだね…」

 

「やっぱり、さら小僧の歌を勝手に歌ったから、さら小僧が怒ったのかな…?」

 

「たぶんね…」

 

正直なところ、攫われたのはあの人達の自業自得だと思う。

でも、だからと言って見捨てるのは俺にはできない!

 

「猫娘。父さんも連れてさら小僧に会いに行ってみよう」

 

「うん。それでこそ鬼太郎だね!」

 

俺達は家にいる父さんを連れてさら小僧がいる河原へと向かい始めた。

 

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「鬼太郎。さら小僧は300年以上も生きている妖怪じゃ。一筋縄で行く相手ではないぞ」

 

「うん。だから何とか交渉してみるよ」

 

俺は川に小石を投げる。

それに反応してさら小僧が川から姿を現した。

 

「おう!鬼太ちゃんじゃねぇか!目玉のおやじに猫娘も!」

 

「こ、こんにちは!」

 

「さら小僧。君に聞きたい事があるんだけど?」

 

「聞きたい事だぁ?生憎俺は忙しいんだよなぁ~」

 

「まぁそう言わずにさ。ほら!近くにおいしい饅頭屋があるからそこでゆっくり話そ?」

 

「饅頭か…悪くねぇな!案内しろ」

 

そう言って川から上がって来たさら小僧を連れて俺達は饅頭屋にやって来た。

 

「あ、そういや俺、金持ってなかったわ。鬼太ちゃん、代わりに饅頭代払ってくれよ」

 

「はぁ!?何で鬼太郎が払わなきゃ…」

 

「しょうがないな…わかったよ」

 

「ちょ、ちょっと鬼太郎!」

 

「さら小僧と戦わずにビンボーズを助ける為だよ。背に腹は代えられないって…」

 

「うぅ…」

 

渋々っぽいが猫娘は納得してくれたようだな。

とはいえ、財布がすっからかんになっちゃった…

 

「うんめぇ~!」

 

「ねぇ、さら小僧ってぺったらこの歌をよく歌ってるよね?」

 

「ああ、あれは俺だけが歌う事を許された歌だ。それがどうしたんだ?」

 

「最近ザ・ビンボーズっていうコーラスグループがそのぺったらこの歌を歌っててさ、今行方不明になってるんだよ。君が連れてったんじゃないの?」

 

「ん~…知らねぇな…」

 

こいつ、明らかにシラを切ってるな…

正直イラっときてるけど、ビンボーズを助けるためだ。我慢しないと…

 

「なぁ、俺久しぶりに街に行ってみてぇんだけどよ、案内してくれよ」

 

俺達はさら小僧に言われるがまま街に向かっていった。

 

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さら小僧に街を案内した後、俺達はさら小僧の住処である河原まで戻ってきた。

 

「ねぇさら小僧。あんたビンボーズの居場所知ってるんでしょ?いい加減白状してよ」

 

「猫娘の言う通りだよ。ビンボーズを連れ去ったのは君しかいないんだからさ」

 

「知らねぇもんは知れねぇよ」

 

「こ、この!」

 

「落ち着け猫娘!」

 

父さんが猫娘を宥め、さら小僧の目の前に降り立つ。

 

「さら小僧よ。確かにお前の歌を盗んだあの人間達にも非はある。しかし、だからと言って人間を攫うのはやりすぎじゃ。だから解放してやってくれんかの?」

 

「うるせぇな!」

 

「ふぎゃ!?」

 

こ、こいつ!父さんを踏みつけやがった!

 

「父さん!」

 

「よ、よせ鬼太郎!わしは大丈夫じゃ!」

 

「で、でも…」

 

「目玉の分際で俺に説教か?だいたい前からテメェも鬼太郎も気に食わなかったんだよ!正義の味方面して人間共を助けてよぉ!中には救いようもない人間だっているのにさ!ホント、お前もこの目玉も大馬鹿だな!」

 

…こいつ、今なんつった…?

 

「なんだその顔は?なんか文句でも…フギャッ!?」

 

俺に殴り飛ばされたさら小僧は痛さで転がり回っていた。

 

「き、鬼太郎…?」

 

「私の事を悪く言うのは構わない…けど、父さんの事を悪く言うのは…絶対に許さないっ!!」

 

「鬼太郎…」

 

「こ、このアマァ…!もう許さねぇ!」

 

そう言ってさら小僧は物凄い勢いでこちらに向かってきた。

俺はさら小僧の両手を掴み、取っ組み合いをする。

 

「そりゃ!」

 

「うわっ!?」

 

「「鬼太郎!」」

 

さら小僧に投げ飛ばされた俺は川の中に落ちてしまった。

川の中にはさら小僧の仲間であろう大勢の妖怪がおり、俺に襲い掛かって来た。

 

「体内電気!!」

 

俺の技、体内電気で妖怪達は気を失い、水面に浮かんでしまう。

やっぱ水に電気は効果抜群だな…

 

「やるな鬼太郎!」

 

「あんたもね、さら小僧…!」

 

それにしても、さら小僧はやっぱとんでもない強さだな…さっきも思いっきり投げ飛ばされたし…何か弱点は…あ、もしかして…

 

俺は妖怪オカリナを取り出し、ある妖怪を呼び寄せる。

 

「あれって…」

 

「つるべ火じゃ!」

 

呼んだのは火の姿をしている妖怪、つるべ火だ。

 

「つるべ火!さら小僧の皿の上に行って!」

 

俺の指示を聞いたつるべ火はさら小僧の真上に移動する。

 

「ち、力が入らねぇ…」

 

思った通りだ!

あいつは河童みたいに頭の皿が乾くと元気がなくなるんだ!

 

「霊毛ちゃんちゃんこ!!」

 

俺は霊毛ちゃんちゃんこでさら小僧を拘束する。

 

「やったね鬼太郎!」

 

「うん。父さん、大丈夫?」

 

「ああ。鬼太郎…わしの為に怒ってくれてありがとう。とても嬉しかったぞ」

 

「父さん…」

 

父さんの言葉に思わず照れちゃった…

 

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その後、さら小僧の案内でビンボーズの人達が閉じ込められている隠れ里まで行き、ビンボーズを助け出した。

 

「酷い目にあったなぁ…」

 

「鬼太郎さん。助けてくれてありがとうございます!」

 

「どういたしまして。あなた達もこれに懲りたら他人の歌を盗まずに自分達で頑張ってくださいね」

 

「はい!」

 

「頑張ります!」

 

俺達はビンボーズと別れ、ゲゲゲの森へと帰っていった。




この前『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を観に行ったんですがまぁ中々エグイ内容でしたね。
でも人の姿をしていた頃の目玉おやじと水木さんの関係性や家族愛がとても良かったです。

ちなみに第一話を少し加筆修正しました。
映画の要素を少し書き足しましたので是非見てみてください!


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妖怪大裁判①

TS鬼太郎最大の危機?

今回から妖怪大裁判のエピソードに入ります!


「ハァ…どっかに良い儲け話はねぇもんかな…さみぃ~!」

 

12月9日…ねずみ男が寒さに震えながら夜の町を歩いていた。

 

「ビビビのねずみ男というのはお前さんじゃな?」

 

「ん?」

 

ねずみ男は後ろから話しかけられ、後ろを向くと老人の姿をした妖怪の姿があった。

 

「あんた誰だよ?」

 

「わしは百々(ももん)(じじい)。お前さんの大ファンじゃよ」

 

「お、俺の大ファン…!」

 

百々爺から大ファンだと言われ、ねずみ男は満更でもない顔をしていた。

 

「そうかそうか!あんた見る目あるじゃないの~!」

 

「そうじゃろ?だからお前さんを功績を認めん妖怪共や人間共を見ると腹が立ってしょうがない!」

 

「くぅ~!ここまで俺様の事を誉めてくれたのはあんたが初めてだよ!」

 

百々爺からの賞賛の言葉にねずみ男は感動していた。

 

「それでの、お前さんに良い儲け話があるんじゃが…」

 

「も、儲け話!?」

 

百々爺から儲け話があると聞かされ、ねずみ男は目の色を変えて百々爺に詰め寄る。

 

「しかし誰かに聞かれるとマズイ。耳を貸せ」

 

百々爺はねずみ男に耳打ちをする。

 

「…えっ?」

 

ねずみ男は百々爺からの儲け話を聞いた途端、顔色を変える。

 

「どうした?悪い話じゃあるまい」

 

「で、でもよ!あいつは俺の大親友なんだぜ?そんな事…」

 

「何故躊躇う必要がある?奴がいなくなればお前さんは誰にも邪魔されず金儲けが出来るのだぞ?」

 

「そ、そりゃそうだけど…」

 

「世の中金がすべて…それはお前さんが一番よくわかっているではないか。さぁ、どうする?」

 

百々爺からの問いにねずみ男は考えを巡らせ、表情を変える。

 

「…わかった!その話乗るぜ!」

 

「決まりじゃな」

 

ねずみ男と百々爺はガッシリと握手をしたのであった。

 

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「寒くなってきたね」

 

「そうだね」

 

クリスマスが近づいてきていた12月20日、俺と猫娘はイブの日に執り行うクリスマスパーティーの準備をする為の買い出しに出掛けていた

 

「そういえば。最近ねずみ男に会ってないね…猫娘、何か知らない?」

 

「ううん…まぁあいつの事だし、何かあくどい商売をしてるんじゃないの?」

 

「そうかもね…」

 

「…へくちっ!」

 

すると猫娘がクシャミをしてしまった。

 

「大丈夫?」

 

「う、うん!ちょっと寒いだけから…」

 

「このままじゃ風邪ひいちゃうかも…そうだ!」

 

俺は首に巻いていたマフラーを猫娘の首に巻いてやった。

 

「き、鬼太郎?」

 

「暖かいでしょ?そのマフラー」

 

「うん…でもそれだと鬼太郎が…」

 

「私にはちゃんちゃんこがあるから大丈夫!さ、早く買い物を済ませちゃお!」

 

「…鬼太郎!」

 

「ん?」

 

「あ、ありがとう…すっごく暖かいよ!///」

 

「…そっか」

 

やっば!猫娘の笑顔を見たらドキッとしちゃったよ…///

俺の精神は男だった前世のままだからやっぱり女の子にお礼を言われたりその子の笑顔を見ちゃったらつい意識しちゃうんだよなぁ…

 

「…もしかして鬼太郎、私に意識しちゃってた?」

 

「へっ!?///いやいやいや!そんな訳ないでしょ!?」

 

「えへへ!冗談だよ」

 

「そ、そっか…」

 

脅かせないでくれよ…

 

「…鬼太郎。私の事を意識してくれてる!もっと頑張らないと!」

 

「何か言った?」

 

「ううん!」

 

何か言ってた気がするんだけどな…

まぁいいや。早く買い物済ませちゃお!

 

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「遅くなっちゃったね」

 

「父さん、茶碗風呂に入りたくてたまらないかもね」

 

俺と猫娘はゲゲゲの森に入り、自宅に戻っている最中だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゲゲゲの鬼太郎だな?」

 

突然名前を呼ばれると俺と猫娘は大勢のカラス天狗達に包囲されてしまった。

 

「そうですけど…これはどういう意味ですか?」

 

「我々は妖怪ポリスだ!ゲゲゲの鬼太郎!君に逮捕状が出ている。大人しく降伏せよ!」

 

逮捕状だって!?どういう事だ!

 

「ちょっと!何で鬼太郎が逮捕されなきゃいけないの!?」

 

「それは鬼太郎が妖怪達のパーティーを人間達に晒したからである」

 

父さんから聞いたことがあるぞ。妖怪達のパーティーを人間達に晒すと重い罪になるって…

でも俺にはそんな事をした覚えがない…

 

「それって何かの間違いじゃ…」

 

「証拠や証言は揃っている。これを見ろ」

 

カラス天狗に新聞を渡され、それを見てみる。

新聞には一昨日放送された妖怪番組が視聴率29.6%を記録したことが載っていて、番組は俺の協力で作られたとなっていた。

 

「そんな…」

 

「こ、こんなの何かの間違いだって!鬼太郎がそんな事するわけないでしょ!」

 

「猫娘…」

 

「話は後から聞こう。それ!鬼太郎を捕らえろ!」

 

俺はあっという間にカラス天狗達に取り押さえられ、後ろ手に白蛇の手錠をかけられてしまった。

 

「くっ…」

 

「さぁ歩け!」

 

「鬼太郎!鬼太郎!!」

 

カラス天狗達に連行されていく俺の耳には猫娘の悲痛な叫びが只々響いていた…

 

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「なにっ!鬼太郎が逮捕されてしまったじゃと!?」

 

「うん…」

 

猫娘は先程の出来事を目玉おやじに話していた。

 

「鬼太郎、そんな事しない」

 

鬼太郎は無実だと主張するこの妖怪はぬりかべである。

 

「こうなれば、わしらで鬼太郎の無実を証明するんじゃ!」

 

「わしも砂かけに賛成じゃ!」

 

砂かけ婆と子泣き爺は鬼太郎の無実を証明すると決意する。

 

「ぬりかべ、鬼太郎助ける」

 

「おいどんも鬼太郎ちゃんを助けたいばい!」

 

ぬりかべと一反木綿も鬼太郎を助けると決めたようだ。

 

「…私も、鬼太郎を助けたい!」

 

猫娘もそう言って決意を露わにする。

 

「そうか…おそらく近い内に妖怪(ようかい)大裁判(だいさいばん)が開かれる筈じゃ。なんとしても鬼太郎の無実を証明するのじゃ!」

 

目玉おやじの一声に猫娘達は頷く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その様子を見ていた2人がいた。

 

「上手くいったな、ねずみ男」

 

「そうだな…」

 

そう、妖怪達のパーティーを人間達に撮影させ、それをテレビ放送するように裏で暗躍していたのはねずみ男と百々爺であった。

ねずみ男の手には大金が握られていた。おそらくテレビ局から貰ったお金であろう。

 

「鬼太郎が気になるのか?」

 

「な、何言ってんだ!あんな奴いたら金儲けも出来やしない!いなくなるってわかったら済々すらぁ!」

 

「そうか。さて、妖怪大裁判の時にもお前さんにやってもらいたい事があるんじゃ。頼めるかの?」

 

「お、おう!任せときなって!」

 

鬼太郎の無実を証明する為に動き出す目玉おやじ達と裏で暗躍する百々爺達…

 

果たして鬼太郎の運命は如何に…




ぬりかべ
CV:浪川大輔


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妖怪大裁判②

「これより、ゲゲゲの鬼太郎の裁判を開廷する!」

 

12月23日、大天狗様の一声で妖怪大裁判が執り行われた。

被告人は俺だ…

 

弁護側には父さん、猫娘、砂かけ婆、ぬりかべがいる。

検察側の妖怪達には見覚えがある奴ばかりいる。みんな過去に俺が懲らしめた奴らだ。他にもう1人おじいさんの妖怪がいた。

 

「ねぇ、子泣き爺と一反木綿はまだ来ないの?」

 

「もう来ても良い筈なんじゃが…」

 

「何か変じゃのう…」

 

父さん達の会話を聞くに子泣き爺と一反木綿も来る予定だったらしいな…

 

まず、検察側の証言が始まった。

 

「鬼太郎は妖怪でありながら人間の味方をし、これまで多くの妖怪を退治してきました!ついには人間達に我々を売り渡した!よって厳刑に処すべきです!」

 

「何を言う!お前達が人間達に悪さを働くから鬼太郎がお前達を懲らしめたにすぎん!」

 

「言いがかりもいいところだ!」

 

『そうだそうだ!』

 

検察側は言いがかりと言って反論する。

 

「待ってよ!鬼太郎は何も人間ばっかり助けてるわけじゃないんだよ!傍聴人の中には鬼太郎に助けられた妖怪達がたくさんいるの!そうでしょ!?」

 

猫娘は傍聴席にいる妖怪達の方を見る。

確かにみんな過去に俺が助けた妖怪達ばかりだけど誰も返事をしなかった。

 

「誰も返事をしないではないか?」

 

「そ、そんな事ないよ!ねっ?」

 

猫娘の問いかけに誰も答えようとしなかった。

よく見ると検察側の妖怪達が傍聴人達を睨んでいた。

 

あいつら…俺が有利になる証言をしないようにみんなを脅したんだな!

 

「静粛に!」

 

大天狗の一声で周りは静かになる。

 

「大天狗様!これ以上の審理に意味はありません!鬼太郎に有罪判決を!」

 

「うむぅ…」

 

あの爺さんが俺に有罪判決を下すようにと大天狗様に進言する。

このままじゃマズいな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待ったぁーーーーーー」

 

 

 

そこへ待ったをかける声が聞こえてきた。

 

声の正体はねずみ男だった。

 

「ねずみ男!」

 

「間に合って良かったぜ!大天狗様!俺の証言も聞いてください!きっと決定的になると思いますよ!」

 

「…いいだろう。ねずみ男、証言を」

 

ねずみ男が証言することになって、俺はほんの少し安心する。

 

「あいつも良いとこあるじゃん!」

 

猫娘も今回ばかりはねずみ男に感心していた。

 

「…実は俺、12月10日にある封書を渡され、それをテレビ局に持っていったんです。後から知りましたが、それは例の番組の企画書だったんです…」

 

なるほど…ねずみ男は真犯人に会ってるらしいな。

だとしたら犯人に人相を知ってる筈だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺に封書を持っていくように指示したのは、そこにいる鬼太郎です…」

 

 

 

えっ…?

 

「な、何言ってんのあんた!?」

 

「ねずみ男よ、それは間違いないな?」

 

「はい。残念な事に…」

 

待て待て待て!何であいつ、俺がやったって言ってるんだ!?

 

「待ってください!私はそんな事…」

 

「静かに!」

 

俺は発言しようとしたけどカラス天狗に止められてしまう。

 

「本件はこれ以上の審理を必要としないものとする。よって、ゲゲゲの鬼太郎に判決を言い渡す!判決は有罪!500年の溶解刑(ようかいけい)に処す!」

 

「そんな!」

 

有罪判決が下されてしまった…しかも解かされるなんて…

 

「さぁ立て!」

 

「待ってください!何かの間違いです!放してください!」

 

俺の言い分は聞いてもらえず、カラス天狗は俺を連行していった…

 

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俺は処刑場に連れていかれ、拘束されていた。

 

「大天狗様の命令で直ちに鬼太郎を処刑しろとの事だ」

 

カラス天狗達の会話を聞くにもう俺は処刑されるみたいだ。

 

「鬼太郎の服を脱がせるんだ」

 

「はぁっ!?」

 

俺が驚いている間にちゃんちゃんこ、衣服、下駄を剥ぎ取られ、更に胸を包んでいたさらしも取られてしまった。

うぅ…流石に恥ずかしい…でもこれはあの力を使うチャンスだ!

 

「白蛇の手錠を外し、溶解液が入った壺に入れるのだ!」

 

カラス天狗は俺を拘束していた白蛇の手錠を外した。

よし!今だ!

 

「なっ!?」

 

「鬼太郎が消えたぞ!」

 

「逃げたのか!?」

 

カラス天狗達は俺の姿が突然消えた事に驚いている。

俺は地面と同じ色になり、カメレオンみたいに擬態してるんだ。

 

カラス天狗達が動揺している間に俺はこの場から逃げていった。

 

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その頃、ねずみ男と百々爺は…

 

「上手くいったな!これでようやくお前さんの天下じゃな!」

 

「…」

 

百々爺は嬉しそうにしているがねずみ男はあまり嬉しそうではなかった。

 

「…百々爺!これ、あんたにやるよ!」

 

ねずみ男はテレビ局から貰ったお金を百々爺に渡す。

 

「どういう意味じゃ?」

 

「確かに世の中金と…その考えは変える気はねぇ!けどよ!親友の鬼太郎を殺して得る金なんていらねぇんだよ!」

 

「わしを裏切るのか…?」

 

「そういうこった!そんじゃあ俺は鬼太郎を助けに行くぜ!」

 

ねずみ男はそう言ってその場から立ち去ろうとする。

 

「お前達!裏切り者がいるぞ!」

 

百々爺がそう言うと鬼太郎の裁判の時に検察側であった妖怪達が現れてねずみ男を包囲する。

 

「どういう事だよ!あんた俺のファンなんだろ!?」

 

「そんなもん、お前を騙すための嘘に決まっとろう!お前達!そいつを始末しろ!」

 

百々爺の一声で妖怪達はねずみ男に襲い掛かり、タコ殴りにしていく。

 

「いって~!これでも喰らいやがれ!」

 

ねずみ男は尻から大きな屁を出した。

妖怪達はあまりの臭さに悶絶してしまう。

 

ねずみ男はその隙に逃げ出した。

 

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裁判所から逃げ出した俺はゲゲゲの森に戻り、その辺で拾った布を身体に羽織って父さんを探していた。

 

おっと!父さん達がいたぞ!

あれ?猫娘がいない…

 

「父さん!みんな!」

 

「鬼太郎!無事だったか!」

 

「うん!ところで猫娘は?」

 

「猫娘は…ポリス達に連れていかれてしもうた…」

 

「えっ!?何で!?」

 

砂かけ婆から聞かされた事実に俺は思わず驚き、声を出してしまった。

 

「どうやらポリス達はわしを人質に連れていくつもりだったらしいが、猫娘が自分から身代わりになると言い出してしもうて…」

 

「ポリス達は、『鬼太郎が次の夜明けまでに出頭しなければ猫娘もろとも溶解液で溶かす』と言っておった…」

 

次の夜明けか…今はだいたい夜の11時くらいだからもうそんなに猶予はないな…

 

「お~い!鬼太郎~!」

 

そこへ俺を呼ぶ声が聞こえてきた。

 

あいつは…ねずみ男!?

 

「お前!よくも鬼太郎を嵌めおったな!」

 

「そ、それはそのぉ…」

 

「落ち着いて砂かけ婆」

 

ねずみ男に詰め寄る砂かけ婆に落ち着くように言う。

 

「鬼太郎!こやつはお前を有罪に追い込んだのじゃぞ!」

 

「わかってるさ。でもねずみ男の裏切りはよくあることだし…友達だからさ、許したいんだよ」

 

「き、鬼太郎~!」

 

ねずみ男は何故か感動しながら号泣していた。

とにかく俺達は事の経緯をねずみ男から聞くことにした。

 

検察側にいたあの爺さんは百々爺という名前でどうやらそいつが俺を嵌めた張本人らしい。

更にねずみ男を使って子泣き爺に眠り薬を飲ませて百々爺が一反木綿をどこかに捕らえたらしい。

 

「よし!わしと砂かけとぬりかべは一反木綿を。鬼太郎とねずみ男は子泣きを探しに行くのじゃ!」

 

父さんがそう言うと俺達はそれぞれ子泣き爺と一反木綿の救出に向かった。

 

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「…あ、あのよ」

 

子泣き爺がいる場所に向かってる最中、ねずみ男が話しかけてきた。

 

「どうかした?」

 

「…ホントに、俺を許すってのか?」

 

「そのつもりだけど?」

 

「でもよ!危うく溶かされて500年も壺の中に入れられるとこだったんだぜ!わかってんのか!?」

 

「まぁ確かに危機一髪だったけど…でも君は思いとどまって百々爺のとこから離れたんでしょ?だから許す」

 

ねずみ男の裏切り行為は今に始まった事じゃないし、大変な目にも合ったりする…それでもねずみ男は大事な友達だ。友達の事は信じないとな。

 

「…そ、そろそろ子泣きが眠ってるとこに着くぞ!」

 

「そっか」

 

 

 

 

 

 

 

 

(…ありがとな、鬼太郎)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく歩いていると眠らされている子泣き爺の姿が見えてきた。

 

「子泣き爺!しっかりして!」

 

俺が呼びかけると子泣き爺は目を覚ます。

 

「鬼太郎…?」

 

「大丈夫?」

 

「確かわし、ねずみ男から酒を渡されて…ねずみ男!さてはあの酒に眠り薬を入れおったな!」

 

「いや!これには深~い訳が…」

 

「今はそれどころじゃないんだって!子泣き爺。実は猫娘がポリス達に連れていかれたんだ!早く真犯人の百々爺を捕まえないと!」

 

「なんと!そういう事なら急がんとな!」

 

俺達はその場を離れようとする。

 

 

 

 

 

「こんなところにおったのか」

 

 

 

「ゲッ!?」

 

「あんたは!」

 

俺達の目の前に大勢の妖怪達を引き連れた百々爺が現れた。

 

「ちゃんちゃんこもリモコン下駄もない鬼太郎など敵ではない!者ども!思う存分恨みを晴らすのじゃ!」

 

妖怪達は一斉に襲い掛かって来た。

突然の事に俺達は妖怪達に滅多打ちにされていく。

 

『うわっ!?』

 

すると大勢のカラス達がやって来て妖怪達に大きめの石を落としていった。

 

「鬼太郎!」

 

そこに一反木綿に乗った父さんと砂かけ婆が駆け付けてきた。

 

「何をしておる!早くやってしまえ!」

 

妖怪達は俺達にまた襲い掛かろうとしたが目の前に大きな壁が立ち塞がった。

 

「ぬりかべ~!」

 

壁の正体はぬりかべだ。

 

「ありがとうみんな!」

 

俺は助けてくれたみんなに礼を言って百々爺の元に走っていった。

 

「それ!」

 

「髪の毛針!!」

 

百々爺は鼻から毛針を飛ばしてきた

俺はそれを髪の毛針で対抗して打ち消す。

 

「そらっ!」

 

「うおっ!?」

 

俺は百々爺を捕まえ、馬乗りになる。

 

「さぁ!大天狗様の所に行って罪を白状しな!」

 

「嫌じゃ!わしは溶かされたくないぞ!」

 

「私が大天狗様に罪を軽くするようにお願いしてみるよ。さぁどうする?」

 

 

 

 

 

 

 

「わ、わかった。降参だ…」

 

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--------------------

 

----------

 

 

 

「時間だ」

 

その頃裁判所では約束の時間になった為、猫娘が処刑されようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待ってください!」

 

 

 

そこに間一髪で百々爺を連れた鬼太郎達が戻って来た。

 

「鬼太郎!」

 

猫娘は嬉しそうに笑顔になる。

 

「大天狗様!テレビ事件の真犯人は百々爺です!」

 

「百々爺よ、それは本当か?」

 

「は、はい…すべてわしが仕組んだ事です」

 

「そうか。それ!百々爺を捕らえろ!」

 

百々爺はカラス天狗達に取り押さえられる。

 

「鬼太郎!」

 

解放された猫娘が鬼太郎に抱きついてきた。

 

「猫娘!なんでこんな無茶をしたのさ!」

 

「ごめんね…おやじさんが連れていかれそうになったから…でも私、信じてたから!絶対に真犯人を捕まえて戻って来るって!」

 

「猫娘…ありがとう」

 

鬼太郎は猫娘をぎゅっと抱きしめたのであった…

 

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----------

 

 

 

『メリークリスマース!!』

 

12月24日のクリスマスイブに俺達は自宅でクリスマスパーティーをしていた。

 

 

あれから百々爺は3年間牢で過ごすことになった。

ねずみ男も偽証罪で2ヵ月牢で過ごすことになったが俺が大天狗様に頼んでイブの今日だけ自由にしてもらえる事になった。

 

「鬼太郎」

 

「猫娘?」

 

「…これからもよろしくね!」

 

猫娘は笑顔でそう言ってきた。

 

 

 

 

「…こっちこそ、これからもよろしく!」

 

俺も笑みを浮かべてそう返した。




今回で70年代編は終わります
次回から80年代編に入りますが60年代編、70年代編より少し長くやろうと思ってます。

そして猫娘に恋のライバル?

次回からの80年代編も楽しみに待っていてください!


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1980年代編
鏡爺①(挿絵あり)


今回からバブル時代で有名な80年代編に入ります。

最初は鏡爺をお送りします。


「あ~!楽しかったね~!」

 

「うぅ…」

 

「あれ?もしかして鬼太郎、絶叫系苦手だった?」

 

「へっ!?そ、そんな事ないし!」

 

「そっか~…じゃあ今度はあのアトラクションに…」

 

「マジで勘弁して!」

 

「やっぱり苦手なんじゃん…」

 

は、恥ずい…前世からジェットコースターとかの絶叫系は苦手なんだけど、よりによって猫娘に知られるなんて…

 

「いいよ気にしなくて!苦手な物なんてだれにだってあるし。それに…」

 

猫娘は俺の耳元に顔を近づけてくる。

ち、近い…

 

「鬼太郎の怖がってる姿、すっごく可愛いもん」

 

「~~~~!///」

 

俺はあまりの恥ずかしさに顔を赤くし、声にならない悲鳴を上げてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんごめん!私が悪かったから機嫌直してよ~!」

 

「別に怒ってないし…」

 

 

1985年の春、俺と猫娘は最近新しく出来た遊園地に遊びに来ていた。

80年代という事もあって現在は経済が良くなっている所謂バブル時代に突入していた。

 

昔より街は活気で溢れていて、ビルが沢山出来ていった。

だけどその反面森の木や草が刈り取られ、自然も少なくなっていた。

それが悪い事だなんて言うつもりはないけど少し寂しさはあるかな…

 

「わっ!?」

 

すると走っていたであろう男の子が俺とぶつかってしまう。

背丈的に小学校低学年くらいの男の子だ。

 

「君、大丈夫?」

 

「う、うん…」

 

ぶつかって尻もちをついていた男の子の手を掴んで起き上がらせる。

 

星郎(ほしろう)!」

 

そこへロングヘアの小柄な女の子が駆け寄って来る。

この子のお姉さんかな…?

 

「お姉ちゃん!」

 

「もう!気をつけないとダメでしょ!」

 

「ごめんなさい…」

 

男の子…星郎くんだったかな?星郎くんは女の子に謝る。

 

「ごめんなさい!弟が…」

 

「あ、気にしなくてもいいよ。私も前をよく見てなかったし」

 

俺は女の子にそう言う。

すると女の子は何故か俺の顔を見て茫然としていた。

 

「どうかした?」

 

「あっ、なんでもないわ!それじゃあもう行くね!」

 

女の子は星郎くんを連れてそそくさと去っていった。

 

どうしたんだろ…

 

「ムムム…!」

 

「ね、猫娘、顔が怖いよ…?」

 

「あの女の子の顔…あれは鬼太郎に惚れた顔だよ!」

 

「惚れたって…あの子女の子だよ?」

 

「性別なんて関係ないって!鬼太郎!あたし達、もっと関係を深めていこ!」

 

「う、うん…」

 

フンス!とやる気になっている猫娘を見て俺は思わず茫然としてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(あの女の子…可愛かったなぁ)

 

先程の女の子、天童(てんどう)ユメコは鬼太郎の事を思い出していた。

 

ユメコから見ても変わった服装をしている鬼太郎であったが女の子らしい可愛らしい瞳、綺麗な髪をしていた鬼太郎に少なからずユメコは見惚れてしまった。

 

「…ちゃん…お姉ちゃん!」

 

「えっ!?ど、どうしたの?」

 

「さっき会ったお姉ちゃん、すっごく綺麗だったね!」

 

「そ、そうね」

 

星郎から話しかけられたユメコは動揺しながらもそう返す。

すると2人の目の前にピエロが現れ、星郎に風船を渡してきた。

 

「わぁ~!ありがとう!」

 

星郎がお礼を言うとピエロが走りながら手招きしてくる。

それを見た星郎はピエロを追いかけていった。

 

「あっ!待ちなさい星郎!」

 

ユメコは走っていった星郎を追いかける。

 

 

 

しばらくピエロと星郎を追いかけていたユメコは遊園地の中にあるミラーハウスにやって来る。

その名の通り、中は鏡の迷宮になっていた。

 

「えっ!?」

 

ユメコは星郎を探していると鏡の中に先程のピエロの姿があった。

 

「フフフ、ずっとお前を探していたんだよ…さぁ、おいで」

 

ピエロは腕を伸ばし、ユメコの両腕を掴んだ。

 

「嫌っ!放して!いやぁぁぁぁぁぁーー!!」

 

抵抗するユメコであったが、あっという間に鏡の中に連れていかれてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「鬼太郎!今日は楽しかったね!」

 

「そうだね…」

 

絶叫系以外な。

もう日も暮れ始めたし、そろそろ帰らないとな…

 

 

 

 

「お姉ちゃ~ん!どこ~?」

 

すると大声でお姉さんを探している星郎くんを見つける。

 

「星郎くんだよね?」

 

「あっ!さっきのお姉ちゃん達!」

 

「お姉さんはどうしたの?」

 

「…お姉ちゃん、いなくなっちゃったんだ」

 

「いなくなった?」

 

弟の星郎くんを置いて急にいなくなるなんて…これってもしかして!

 

「猫娘」

 

「わかってる。私達で君のお姉さんを探してあげるよ」

 

「ホント!?」

 

「うん。私と鬼太郎に任せなさい!」

 

「鬼太郎…もしかして、あのゲゲゲの鬼太郎さんですか!?」

 

「そうだよ」

 

「すっご~い!本物だ~!」

 

こんなに喜ばれると照れちゃうなぁ~。

 

「それで星郎くん、お姉さんはなんて名前なの?」

 

「お姉ちゃんの名前はユメコだよ」

 

「ユメコちゃんだね…星郎くん、ユメコちゃんとはぐれた所まで案内してくれないかな?」

 

「わかった!こっちだよ!」

 

俺と猫娘は星郎くんの後をついて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここだよ!」

 

星郎くんの案内でやって来たのはミラーハウスだった。

 

「私が中に入ってみるから猫娘は星郎くんのそばにいてあげて」

 

「了解!」

 

 

 

 

 

中に入ってみると中は鏡だらけの迷宮になっていた。

出口に着くまでも時間が掛かりそうだな…

 

 

「わっ!?」

 

迷宮を歩いていると何かにぶつかってしまう。

ぶつかった場所には何もいなかった。もしかして透明妖怪か!?

 

「この!大人しくしなよ!」

 

俺はぶつかった何かを押さえつける。

 

「待って!」

 

「えっ?」

 

すると女の子の声が聞こえてきた。

この声って…

 

「もしかしてユメコちゃん?」

 

「うん!ピエロに身体を奪われちゃったの!」

 

ピエロに?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おぉ…こりゃまた可愛い女子が来なさったか」

 

俺と透明姿のユメコちゃんの目の前にピエロが現れる。

 

「あんただね!ユメコちゃんの身体を奪ったのは!」

 

「そうじゃよ。せっかくじゃ、お前の身体も奪ってやろう!」

 

するとピエロの身体がお爺さんの姿に変化した。

 

「髪の毛針!!」

 

俺が爺さんに髪の毛針を放つと爺さんは鏡の中に入っていく。

 

「それ!鏡地獄じゃ!」

 

すると鏡は俺達を囲い、回転し始めた。

 

「ユメコちゃん!私の背中に隠れて!」

 

「うん!」

 

俺は妖怪オカリナを取り出し、剣のような形状にして鏡を叩き割っていく。

 

「リモコン下駄!!」

 

更にリモコン下駄で鏡を割っていく。

 

全ての鏡を割り終えると爺さんが現れる。

 

「おのれ!さてはお前、人間ではないな!?」

 

「私はゲゲゲの鬼太郎!幽霊族だよ!」

 

「ゲゲゲの鬼太郎…?」

 

ユメコちゃんが俺の名前を呟く。

 

「幽霊族じゃと!?生き残りがいたのというのか!」

 

すると爺さんは慌てながら鏡の中からユメコちゃんの身体を取り出した。

 

「あっ!私の身体!」

 

「その子の身体をどうする気!?」

 

「ここも騒がしくなったのでな!わしの住処に連れて帰るのじゃ!」

 

「待て!」

 

俺は爺さんを追いかけようとしたが爺さんは天井を突き破って逃げていった。

 

「逃げられちゃった…ユメコちゃん、大丈夫?」

 

「うん…」

 

ユメコちゃんの返事は元気がなさそうだった。

 

「大丈夫!君の身体は絶対に取り戻してみせるから!」

 

「鬼太郎さん…」

 

「とにかくまずはここから出よう」

 

俺はユメコちゃんの手を握ってミラーハウスから出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この人が私の父さんだよ」

 

「目玉おやじじゃ」

 

「て、天童ユメコです」

 

ユメコちゃんは動揺した声色で自己紹介をする。

 

あの後俺はユメコちゃんを連れて帰って父さんに今日起きた事を説明する。

ちなみに星郎くんは自宅に帰った貰った。

このままユメコちゃんが自宅に帰ってもご両親が混乱するかもしれないしな…

 

「う~む…もしやこれは、鏡爺の仕業かもしれん」

 

「鏡爺?」

 

「うむ。鏡爺は元々女好きの優しい妖怪の筈じゃ。何故無理矢理ユメコちゃんの身体を奪ったんじゃ…?」

 

「そういえば…ママが昔住んでたっていう村に鏡の妖怪の言い伝えがあるって聞いたことがあるわ」

 

「鏡の妖怪って…やっぱり鏡爺なのかな?」

 

「…まぁ今日はもう遅いから寝なさい。ユメコちゃんも良いかな?」

 

「はい」

 

俺は寝る準備をし、横になる。

 

「鬼太郎さん…」

 

「ユメコちゃん?どうしたの?」

 

「…一緒に寝てもいい?」

 

「…え?」

 

「私、身体が無くなって、凄く不安で眠れないの…」

 

確かに、身体を奪われて、透明人間になって…不安になるのも仕方ないかもな…」

 

「うん、いいよ」

 

「ありがとう、鬼太郎さん」

 

ユメコちゃんは俺の隣に寝転ぶ。

しばらくするとユメコちゃんの寝息が聞こえてきた。

更に女の子特有の甘い香りする…

 

落ち着け俺!確かにユメコちゃんは猫娘とは違うタイプの可愛い女の子だ!

ダメだ!ドキドキする…

 

ユメコちゃんと父さんの寝息が聞こえる中、俺だけ眠れそうになかった…




天童(てんどう)ユメコ
CV:加隈亜衣

猫娘のイラストが出来上がったので載せておきます。


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鏡爺②(挿絵あり)

「ここか…」

 

俺と父さん、透明人間状態のユメコちゃんは一反木綿に乗ってユメコちゃんのお母さんの実家があったという村までやって来ていた。

 

ユメコちゃんのお母さんの話だとこの村にはもう誰も住んでいないらしい。おかげで村中が朽ち果てていて建物もボロボロになっていた。

 

「ユメコちゃん、怖くない?」

 

「ううん!空を飛んでるだなんて夢みたい!」

 

ユメコちゃんって結構肝が据わってるんだな…

普通妖怪に乗って空を飛んでると怖がっちゃう人が多いのにな。

 

「!」

 

妖怪アンテナが反応してる!

 

あの大きな屋敷に反応してる…

 

「一反木綿!あの屋敷に降ろして!」

 

「コットン承知!」

 

俺とユメコちゃんは屋敷の入口で降ろしてもらう。

 

「一反木綿とユメコちゃんはここで待ってて」

 

「待って鬼太郎さん!私も行く!どうして鏡爺が私の身体を奪ったのか知りたいの!」

 

う~ん…そうは言っても危ないしなぁ…

 

「鬼太郎。連れていってあげたらどうじゃ?何かあればお前が守ってやればいい」

 

「父さんがそう言うなら…わかった!私から離れないようにね?」

 

「うん!」

 

俺達は屋敷の中に入って鏡爺を探し始める。

 

 

 

屋敷の広間に着くと妖怪アンテナが反応する。

反応は広間に置いてあった鏡からだった。

 

「鏡爺、そこにいるの?」

 

俺は鏡爺がいるであろう鏡に話しかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来たか小娘…!」

 

鏡に鏡爺の姿が現れて俺を睨む。

 

「鏡爺、どうしてユメコちゃんの身体を盗んだの?」

 

「お前には関係のない事じゃ!」

 

「そんな事言わないでよ。出来れば君とは話し合いたいんだ。ユメコちゃんもそれを望んでるしさ」

 

「…その言葉に嘘はないな?」

 

「うん」

 

「…わかった。わしの話を聞いてくれ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鏡爺は俺達に語ってくれた。

 

50年も前、この村は活気に溢れていた。

村にあったのはこの鏡だけだったらしく、大勢の女の子が使っていたみたいだ。

特にお(はな)ちゃんと言う女の子からは凄く大切にされていたらしい。

 

でも、いつしか村人達は次々と街に移り住んでいき、お花ちゃんも大人になって村を出ていったみたいだ。

 

鏡は誰にも持っていかれることはなく、何年もこの村に放置されていたらしい。

次第に鏡爺は使うだけ使って、用が無くなれば物を捨てていく人間達に怒りを覚えていったとの事だ。

 

そして、何でもユメコちゃんがお花ちゃんにそっくりだったので身体を奪ったらしい。

 

「わかっておる…君がお花ちゃんじゃない事は…お花ちゃんが子供だったのはもう50年も昔の事じゃし…」

 

「…鏡爺さん!もしかしたらそのお花ちゃんって…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐふっ!」

 

ユメコちゃんが何か言おうとしたら弾丸のような物が飛んできて鏡爺を射抜いてしまった

おいおい!大丈夫かこれ!?

 

「鏡爺さん!」

 

「大丈夫!?」

 

俺とユメコちゃんが駆け寄ってみたけど鏡爺は胸を抑えて苦しんでいた。

 

「がっ!?」

 

「鬼太郎さん!?」

 

突然俺は鏡爺に胸ぐらを掴まれて壁に投げつけられてしまう。

その際父さんは俺から放り出されてしまった。

 

「くっ…鏡爺…?」

 

「う、うぅ…!」

 

何か、様子が変だ…これって暴走か!?

もしかしてさっきの弾丸で!

 

「うぉぉぉぉぉーーー!!」

 

躊躇してる場合じゃないか…!

 

「リモコン下駄!!」

 

俺はリモコン下駄を飛ばしたけど鏡爺に払われてしまう。

 

「うわっ!?」

 

鏡爺は俺の上に馬乗りになってポカポカと殴り始めた。

 

「体内電気!!」

 

「ぐぉぉぉぉぉぉーーー!!」

 

体内電気をまともに喰らった鏡爺は痺れてしまっていた。

このまま追い打ちをかけてやる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もうやめて!!」

 

するとユメコちゃんの静止する声が聞こえてきた。

 

「鏡爺さん!もうこんな事はやめて!お花ちゃんが…おばあちゃんが悲しんじゃうわ!」

 

「えっ…?」

 

お、お花ちゃんが…ユメコちゃんのおばあちゃん!?

 

「ユメコちゃん!それホントなの!?」

 

「うん…私、思い出したの…おばあちゃんが話してくれた事を、大事にしていたって聞いた鏡の事を…」

 

「お花…ちゃん…」

 

鏡爺が呟く声が聞こえてきた。

 

「鏡爺さん!お願い、目を覚まして…!」

 

透明だから見えないけど、ユメコちゃんは涙声で鏡爺に問いかける。

 

 

「あ…あぁ…!」

 

ユメコちゃんの問いかけを聞いた鏡爺は涙を流していた。

 

「今じゃ鬼太郎!鏡爺の邪気をちゃんちゃんこで取り除くのじゃ!」

 

「OK父さん!」

 

俺は霊毛ちゃんちゃんこを鏡爺に被せる。

 

「邪悪なる力よ、鏡爺から消え去れ!」

 

ちゃんちゃんこの力で鏡爺から邪気が消え、鏡爺の身体を射抜いていた弾丸が出てきて粉々になった。

 

「鏡爺さん!」

 

「…ユメコちゃん、それに鬼太郎。すまない事をしてしまったな…」

 

「気にしなくても良いよ。君は邪悪な力で暴走してただけなんだし」

 

「鬼太郎…いや、鬼太郎ちゃん!ありがとうな~!」

 

鏡爺は号泣してしまった。っていうか鬼太郎ちゃんって…

 

「待っとれユメコちゃん!すぐ身体を返してあげるから!」

 

すると鏡爺は鏡の中に入っていく。

 

するとユメコちゃんの身体が現れた。元に戻ったって事だ!

 

「やった~!元に戻った~!」

 

「うわっ!」

 

突然ユメコちゃんが俺に抱きついてきた。

 

「ちょ、ユメコちゃん…」

 

「助けてくれてありがとう、鬼太郎さん…もう少しだけ、このままで良い?」

 

「い、いいよ。ちょっと恥ずかしいけど…」

 

 

 

 

 

(鬼太郎さん…暖かい…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2日後、俺は猫娘とユメコちゃんと一緒に街に出かけていた。

あの事件の後、鏡爺は骨董屋に売って外が一望できるショーケースに置いてもらった。

 

鏡爺、気に入ってくれてると良いけどな…

 

「鬼太郎さん、この前はありがとう!」

 

「どういたしまして!」

 

「ムゥ~…」

 

「猫娘さん?」

 

「…鬼太郎!ちょっとユメコちゃん借りてくね!」

 

「あ、ちょっと!」

 

猫娘はユメコちゃんを連れてどこかに行ってしまった…

どうしたんだろ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

猫娘とユメコは人気の少ない場所までやって来た。

 

「猫娘さん、どうしたの?」

 

「…ユメコちゃん、正直に答えて」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「鬼太郎の事、好きなの?」

 

 

 

 

 

 

 

猫娘の問いにユメコは啞然とする。

ユメコは深呼吸して、口を開く。

 

「…うん。私、鬼太郎さんの事が好きなの///」

 

「…LOVEの方、だよね?」

 

「うん…やっぱり変よね?女の子が同性に、それも妖怪に恋しちゃうなんて…」

 

「ううん!そんな事ないよ!恋する気持ちに妖怪も人間も、女の子同士だからって関係ない!あたしだって、鬼太郎の事が好きなんだもん!」

 

「…私、鬼太郎さんの事、好きでいて良いの?」

 

「うん!だけど、これだけは言っておくね。鬼太郎の恋人になるのは、このあたしだよ!」

 

「猫娘さん…私だって、鬼太郎さんの恋人になりたい!」

 

「じゃあ、今からあたし達はライバル同士だね!あ、でもユメコちゃんとは友達でいたいから、仲良くしようね!」

 

「うん!」

 

猫娘とユメコは握手し、微笑みながら向き合っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ある屋敷では…

 

「ヘヘヘッ!この銃凄いですね!撃っただけで妖怪が狂暴になって暴れさせることが出来るなんて!」

 

「当然だ。このわしが金をつぎ込んで作ったのだからな」

 

朱色の大きな顔の妖怪が銃を眺めており、着物を着た老人の妖怪は笑みを浮かべていた。

 

「それにしても、ゲゲゲの鬼太郎か…噂通り甘ったれた小娘だったな」

 

老人の妖怪は立ち上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くぞ、(しゅ)(ぼん)

 

「はい!ぬらりひょん様!」

 

ぬらりひょんと朱の盆は屋敷を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、屋敷は爆発し、跡形もなく消え去った。




ついに宿敵、ぬらりひょんが登場しました!
イメージCVは以下の通りです。

ぬらりひょん
CV:山路和弘

(しゅ)(ぼん)
CV:間宮康弘

それとTS鬼太郎とねずみ男のイラストです。

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妖怪ぬらりひょん①

鬼太郎の宿敵、ついに現る…


これまでこの作品を見ていただいて本当にありがとうございます!
最後にちょっとしたお知らせがありますので是非最後までご覧になってください!


「う~ん…」

 

「どうしたんじゃ鬼太郎。新聞ばかり見ておるが…」

 

「これ見てよ父さん」

 

俺は読んでいた新聞を父さんに見せる。

 

新聞には”ビル連続爆破事件”の事が載っていた。

これだけならまだ物騒な事件で済ませられたが問題は現場に居合わせていた人間の証言だ。

 

何でもビル爆破前には必ず顔のデカい妖怪がビルの中にいた人間達を脅かしていたらしい。

 

「もしや、朱の盆の仕業かのう…」

 

「朱の盆?」

 

「朱の盆は昔から人間を大きな顔を使って驚かせておる妖怪じゃ。じゃが、その朱の盆にこのような事が出来るとは考えにくい…」

 

「じゃあ、裏で朱の盆を操ってる奴がいるって事かな?」

 

「そうかもしれぬ…」

 

「…ちょっと調べてみよ」

 

俺と父さんは最後に爆破されたビルに向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと!やめてください!」

 

「良いじゃないの~!僕と一緒にデートしようじゃないか~!」

 

その道中、怪しげな男が女の子を無理やり連れていこうとしていた。

 

って、あの二人って…

 

「ねずみ男にユメコちゃん?」

 

「ゲゲッ!?鬼太郎!」

 

「鬼太郎さん!」

 

ユメコちゃんはすぐさま俺の後ろに隠れてしまった。

 

「どうしたの?」

 

「こ、この人にナンパされちゃって…断ってるのにしつこくて…」

 

「ねずみ男、君って奴は…」

 

「ぐぐ…」

 

「鬼太郎さん、この人と知り合いなの?」

 

そういえばユメコちゃんはまだねずみ男に会った事なかったっけ…

 

「彼はねずみ男。まぁ…私の友達だよ」

 

「ビビビのねずみ男様よ!君ユメコちゃんって言うんだ~。そんじゃ改めてデートを…」

 

「鬼太郎さん!友達はちゃんと選んだ方が良いわよ!鬼太郎さんは可愛い女の子なんだから騙されてたら大変よ!」

 

「大丈夫だよ。時々お金に目が眩んで裏切られたりするけどなんだかんだ考え直して戻って来るし」

 

「それ大丈夫じゃないじゃない!」

 

「あの~、聞こえてるんだけど…」

 

「…って、いっけない!ママからおつかい頼まれてるんだった!バイバイ鬼太郎さん!」

 

「バイバーイ!」

 

ユメコちゃんはその場から走り去っていった。

 

そういえばユメコちゃん、鏡爺の一件以来猫娘程じゃないけどスキンシップが激しかったりするんだよなぁ…猫娘が何か教え込んだとか…流石に考えすぎか。

 

「けっ!とんだ邪魔が入っちまったぜ!あばよ鬼太郎!」

 

ねずみ男は不機嫌になったらしく、その場から去っていった。

 

「気にするな鬼太郎。どうせすぐ元気になるに決まっとる」

 

「…それもそうだね」

 

俺と父さんは改めて事件現場に向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく歩いていると事件現場に辿り着いた。

ビルはボロボロに朽ちていて、無残な姿になっていた。

 

すると妖怪アンテナが微かな妖気をキャッチした。

 

「妖怪が微かに残ってるって事は、やっぱり妖怪の仕業か…」

 

 

 

 

 

すると消防車のサイレンが聞こえてくる。

 

「大変だ!またビルが爆発したってよ!」

 

「マジ!?見に行ってみようぜ!」

 

辺りにいた人達がそう言いながら走っていった。

 

「鬼太郎!追いかけてみよう!」

 

「うん!」

 

父さんの言う事に賛同した俺は走っていく人達を追いかける。

 

しばらく走っていると野次馬達が大勢集まっているビルに到着する。

うわっ!めっちゃ燃えてるな…

 

ん?あそこにいるのは…

 

「鬼太郎!あやつが朱の盆じゃ!」

 

「あいつが!」

 

あっ、逃げた!

 

「追いかけるんじゃ鬼太郎!」

 

「うん!」

 

俺は朱の盆を追いかけていく。意外と逃げ足が速い奴だな!

 

「待てぇーー!」

 

「ゲッ!?あいつは!」

 

朱の盆は更にスピードを上げて逃げていく!このままじゃ逃げられちまう…

だったらこれだ!

 

「髪の毛針!!」

 

「うわっ!?」

 

髪の毛針を朱の盆の足に向かって飛ばす。

 

「それっ!」

 

朱の盆が転んだ隙に霊毛ちゃんちゃんこで拘束する。

 

「この~!」

 

「もう逃げられないよ!」

 

「朱の盆!お前1人でここまでの事が出来るとは思えん!一体この事件の首謀者は誰じゃ!?」

 

「へっ!あんたがよく知ってるあのお方だよ…!」

 

「なんじゃと…?」

 

父さんがよく知ってる奴…?

 

「それって誰なのさ?」

 

「それはその目玉に聞くんだな…!」

 

朱の盆の手には水晶玉のような物が握られていた。

もしかして…!

 

「それ!」

 

朱の盆が空中に飛ばした水晶が爆発してしまった。

 

「ゴホッ!ゴホッ!」

 

「だ、大丈夫か鬼太郎!」

 

「な、なんとか…朱の盆は!」

 

朱の盆がいた場所にはあいつがいなくなっていて、朱の盆を拘束していたちゃんちゃんこが地面に落ちていた。

逃げられたか…

 

「父さん、朱の盆が言ってたあのお方って誰なの?」

 

「うむぅ…まさか…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃ねずみ男は路地裏のゴミをあさっていたが何も収穫がなかった。

 

「くそ~!可愛い子ちゃんには逃げられちまうし、金になるもんも見つからねぇし、碌なことがねぇな~!イテッ!」

 

イライラしているねずみ男はゴミ箱を蹴り飛ばすが裸足で蹴った為痛がってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前、金が欲しいのか?」

 

そこに老人が現れ、ねずみ男に聞く。

 

「それならわしに協力しろ。金ならいくらでもやろう」

 

老人は懐から大量の札束を取り出し、ねずみ男に見せる。

 

「おぉ~!こんな大金が貰えるならなんでもするぜ!」

 

案の定ねずみ男は金に釣られてしまった。

 

「契約成立だな…」

 

「…ってかあんたは?」

 

ねずみ男は老人の名前を聞く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わしは日本妖怪総大将、ぬらりひょんだ…」




ただいま『ゲゲゲの鬼太郎なTS転生者』のコミカライズ版を執筆しております。
詳しい詳細はまた後日お知らせします。

それではまた次回!


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