緋弾のアリア Original story (ITOSIKI)
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プロローグ
少年は迫り来る死の恐怖から逃げていた。
(くそ、何でこんなことに……!)
それは、6年前のある日のこと。いつものように家へ帰ると、そこには、泥棒に入られ、全てを失った家があった。そして、中にいた泥棒が口封じのために襲い掛かってきたのだった。
少年は、全速力で逃げたが、緊張のせいか突然転んだ。
(あっ……俺、もうだめかも……)少年は、覚悟を決めた。
その時、何かが泥棒の足に当たり倒れこんだ。そして、大柄な男の人が、泥棒に向かって、銃を突きつけた。
「俺は、武装検事の遠山金叉だ、君を、窃盗並びに殺人未遂の疑いで逮捕する」
そう言って、大柄の男は泥棒に手錠を掛けた。
「僕、大丈夫だったかい?」
遠山さんは、僕に声を掛けてくれた。
僕は、遠山さんに質問をした。
「あの!どうやったら、あなたみたいな力を手に入れられますか?」
遠山さんは、自分の子供に教えるようにこう言った。
「目標を持って、努力すれば、きっと、力は得られるよ」
そう言って、去っていった。
(かっこ良かったな……)
そして俺は、毎日努力を重ねて、遂に東京武偵高校に入学した。
しかし、俺は不思議な、そして不運な事故に襲われる。
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第一話
「初めまして、僕は、天音和彦です。一年間よろしくお願いします。」
俺は、初めての教室で自己紹介をした。そして、自分の番が終わると、後ろの席の人が自己紹介をした。
「俺は、遠山キンジだ、よろしく。」
彼は、無愛想にそう言った。そして、他の人も自己紹介が終わって、HRになった。
「遠山君ちょっといいかな?」
俺は、遠山君と、話したいことがあって呼び出した。
「遠山君はヒステリア・サヴァン・シンドローム、君の言うヒステリアモードを持っている。それに、君には、お兄さんがいる。そしてお父さんは、元、武装検事だった。」
遠山君は驚いた様子で
「なぜ……それを知っている……!」
と言って呆然としていた。
「まず、僕の話を聞いてほしいんだ……」
俺は、過去の話をした。
「入学式前日の午後、俺は、交通事故にあい死にかけた。だが、ある神が俺を助けて、ライトノベルの主人公と関係する人の設定を知っている能力と特殊能力や自分で作って使えるスキルを俺にくれたんだ……」
俺は遠山君にそう話した。
「そこまで、言うんだったら、模擬戦をやろうじゃないか。今すぐ、強襲科(アサルト)のスタジアムでやろう。」
俺は、その誘いで、遠山君と模擬戦をした。
「ルールは、どちらかが、ギブアップするまで、何を使ってもいいが、殺してはいけないそれでいいか?」
遠山君が確認してくる。
「いいよ、それで。それにしても、大丈夫?ヒステリアモードじゃなくて?」
「大丈夫だ、問題ない」
そう言って、ベレッタを抜き三点バーストで撃ってきた。
「そんなの軽いよ」
俺は、USPで、三発の銃弾を弾いた。
「くっ……ビリアード撃ちか」
そう言って、接近し白兵戦(CQC)を掛けてきた。遠山君が出した腕を、勢いそのままに背負い投げた。
「痛いな……!」
遠山君は、受身を取りながら、ベレで撃ってきた。
「僕は、それを左に受け流す~♪」
軽口を挟みながら螺旋(トルネード)で左にそらした。
「なっ……!」
遠山君は絶句した。
「じゃあ、終わりにするよ。」
俺は、USPをしまって集中した。
「雷化!」
一瞬で、遠山君の背後に回り、痺れるくらいの電圧を加えた。
「俺の……負けだ……」
そう言って降参した。
「じゃあ、これから、友達になってくれる?」
俺は、条件を出した。
「分かった、これからは友達だ、天音」
「よろしくね、キンジ」
そう言って、友情ができた。
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第二話
俺とキンジは、アサルトのパートナーとして、組み、パーティを作るときは、不知火とも組んだ。
「それにしても、不知火君は、さすがだね。オールAランクなんて」
俺は、不知火をほめた。不知火君は、体術、銃技、ナイフの三項目でAを取っている優秀な存在である。
「いやいや、僕は、それほどでもないよ、」
それに、すばらしい人格者でもある。
「ところで、何でお前は、Bランクなんだ?」
キンジが、不思議そうに聞いてくる。
「仕方がないだろ、銃の分解整備(オーバーホール)がまったくできないんだから。」
このときの評定検査で、整備以外は、Sランクだったが、整備のところで絶対につかないはずのGランクを取ってしまっていた。
「そういう、キンジこそなんで、Cランクなんだよ。」
不思議なことに、今回初めてCランクを取っていた。
「今日は、体調が優れなかったんだよ。」
そう言ってそっぽを向いた。その時、俺とキンジの携帯の着信が入った。
「遠山君、天音君、緊急事態が発生しました。東京湾に停泊中の客船がシージャックされました。直ちに、テロリストの身柄確保と人質の開放任務に当たってください。」
「先生、3人で向かってよろしいですか?」
俺は、質問した。
「構いません、とにかく十分後車輌科(ロジ)の第三格納庫に集合してください。」
十分後、俺たちは、装備を整え、第三格納庫へ集合した。
「今回のミッションは、少数での潜入ミッションです。テロリストの武装解除もしくは、人質の救出が目的です。くれぐれも武偵憲章を破らないようにしてください。」
俺たちは、すぐさま、用意された小型ボートに乗り作戦海域に向かった。
船に取り付き無事潜入に成功した。
「これより、ミッションを開始する。不知火君は、機関室を掌握してくれ。
キンジは船橋(ブリッジ)の確保とテロリストの規模を調べてくれ、俺は、人質を探す。」
そう指示して、それぞれの任務に向かった。
「くそ、狭いな……」
内部の廊下は思っていた以上に狭く、銃の取り回しが難しそうだった。
個室を調べてみると、誰もいないが、特に荒らされた形跡もなく何か違和感を感じた。
「天音君、機関室を制圧したけど、ボイラーが全部壊されているんだ。」
「天音、ブリッジを制圧したが妙なんだ、航海日誌がどこにもなく記録が何一つ残っていない。」
「分かった、いったん潜入ポイントに集合しよう。」
そう言って、戻ろうとしたその時、後ろのドアから、人が出てきた。
「動くな!!」
俺は、USPを構えて威嚇したが、その人は止まらず、ゆっくりと着実に迫ってきた。俺は走って合流ポイントに向かった。
「先生、人質ならびにテロリストはいませんが、自衛隊の対N,B,C部隊の派遣を願います!」
俺は、急いで先生へ報告した。
「天音君、まずいよ、次々と人が襲ってくる!」
「天音、こいつら、足を撃っても効かないぞ!」
キンジと不知火はパニックになっているようだが、俺は、焦らず指示をした。
「キンジと不知火君は、ボートでこの海域を離れて。」
俺は、考えたように言った。
「いや、でも……」
不知火は、残ろうとしたが、キンジは、意図が伝わったらしく
「分かった脱出する。死ぬなよ。」
そう言って、ボートに乗り込んだ。
離れたことを確認して、俺は、決意を固め、集中した。
「リミッターを解除」
俺は、船全体にバリアを張り、次に、魔法を詠唱し始めた。
「究極爆発魔法(テラフレア)!」
甲板を覆っていた、ゾンビの群れを焼き払い、中へ進んでいった。
(おそらく、tウィルスに冒されている)
俺は、感染源を断つためにあちこちを調べた。
すると、艦長室から、サンプルの入っているケースを発見した。
「瞬間移動(テレポート)」
俺は、そのケースを、キンジの乗っているボートの下に転送した。
「キンジ、下にケースが入っているはずだ、そのケースを自衛隊に渡してくれ、くれぐれも扱いには気をつけろ。」
通信を入れて、もう一度甲板に戻った。俺は、道中で邪魔なゾンビを次々と焼き払った。
甲板に着いた俺は、魔法を詠唱し、放った。
「隕石落下(メテオ)!」
次々と、命中する隕石によって船はバリアの中で粉々になった。
「召喚(サモン)」
俺は、小型の高速船を召喚し海においた。
「瞬間移動(テレポート)」
そして、召喚した船に乗り込み、最後の仕事として、
「上昇(レイズ)」
大気圏外にこの粉々になった、船を捨てた。
「ミッション終了」
そう言って、武偵高へ帰還した。そして、担当の先生に報告しに行った。
「先生、残念ながら、人質の救出はできませんでしたが、船を襲った、ウィルスの駆除に成功しました。」
「そう……残念ね……分かったわ、今回の報酬として、三人には、4単位と、300万円を振り込んでおきます。」
そう言って、返された。
「お疲れさん。」
俺は、不知火とキンジに結果を報告した。
「天音、今日ちょっと良いか?」
キンジにそういわれ一緒に帰った。
「今日のミッションだが……派手にやったもんだな。」
キンジは、憂鬱な面持ちでそう切り出した。
「ごめん、今日は」
「良いって、それにしてもあいつらは一体何だったんだ?」
「分からないが……しゃがめ!」
突然、キンジの後ろから銃弾が飛んできた。
「こっちだ!」
キンジが、路地を示しそっちに逃げた。
「二手に分かれよう」
そう言って、俺は左に、キンジは右に、逃げた。
「逃がすな!!」
追跡者たちは俺のほうに来た。
「仕方ないか」
俺は、普通の状態で、壁を蹴り、ブロック塀を乗り越えた。すると、背後から、車で追いかけてきた。
「嘘だろ!」
俺は、集中して、能力を使った。
「トランザム!」
赤色に体が発光し、通常の三倍で走る。
無事に逃げ切ったが、携帯に着信が鳴った。
「くそ、ドジった。つかまった」
そう言って、連絡が途絶えた。
「索敵(サーチ)」
俺は、携帯の電波の発信源を探し、そこに向かった。そこには、4~50人の武装した、人がいた。
「構築(メイキング)」
俺は、ステルス迷彩を作り装備した。進入した俺は、ゆっくりと、キンジに近づき、魔法を詠唱した。
「治癒魔法(ケアルガ)」
キンジの傷が塞がり、動けるようになったことを確認した俺は、集中した。
「リミッター解除」
その瞬間に俺は、力を込めた。
「雷化!」
キンジの近くに居た兵士を気絶させ、キンジを逃がすと、俺はさらに、暴れた。
「電撃特攻(ボルテッカー)!」
近づいてくる兵士を巻き込みながら、出口に向かって、突撃する。銃弾は全て燃え尽きまったく効かない。
出口に着いた俺は、扉に向かって最後の仕上げをした。
「岩石封じ!」
出口を、岩で塞ぎ、出てこれないようにした。
「大丈夫か?」
キンジは思った以上に疲労しており心配になった。
「大丈夫だ、これぐらいでへばっていたら武偵が勤まるか。」
そう言って、立ち上がったが、すぐに座ってしまった。
「俺の背中に乗れ」
そう言って、俺はキンジをおぶった。その時、後ろから、一人の人が、出てきた。
「遠山キンジ武偵、私達は、君の能力をほしがっている。こちらに来ないか?」
そいつは、キンジにそういってきた。
「誰だ、お前たちは」
俺は、そう尋ねた。するとそいつは、歌い始めた。
「おいで、おいで、イ・ウーは楽しいよ。おいで、おいでイ・ウーは天国だよ~♪」
そう歌って、キンジに、襲い掛かった。
「トランザム!」
俺は、全速力で走ったが、少しずつ追いつかれてきた。
「くっ、このスピードで追いつく!?なら!」
そう思い、さらに、能力を重ねる。
「加速(アクセラレート)!」
通常の3倍にさらに3倍を掛けて、合計、9倍のスピードで駆け抜けた。
わずか、1分で、武偵高の教務課(マスターズ)にたどり着いた。
「蘭豹先生、遠山君が、イ・ウーに狙われました。今、逃げてきたところです。」
「何やて!分かったすぐ対処するわ!」
そう言ってあわてて、準備して出て行った。
「すまないな、迷惑を掛けてしまって……」
キンジは申し訳ないようにそう言った。
「気にするな、友達だろ。」
俺は、励ますように言った。そして、それぞれが、家に帰っていった。
(イ・ウーとは、何だ?)
俺は、疑問に思いネットで調べてみたが何も出なかった。
(もしかして、故意に消されているのか?だとしたら一体何のために……)
俺は、その後もしばらく考えた。
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