横須賀鎮守府の日常 (イーグルアイ提督)
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設定とかいろいろ


[人物]

※主に登場回数の多い人を中心にしています。

気分で追加すると思われ。

 

【提督】

 

階級大佐。

 

元米海軍Navy SEALsだったり元円卓の鬼神だったりラ-ズグリ-ズの亡霊だったりリボン付きだったりする。

ちなみにロリコン。

電を愛して止まない。電のためなら皇居に核ミサイル撃ち込むくらいの心構えだったりする。

 

 

【電】

 

特Ⅲ型駆逐艦。

 

提督の嫁。

いろんな艦娘や提督に振り回されてる苦労人。

キレると怖い。

基本的に提督にたして悪意を向ける者には容赦なかったりする。

 

装備

10cm連装高角砲

12.7cm連装砲

61cm4連装(酸素)魚雷

 

 

【ケストレル】

 

ヒュ-バ-ド級航空母艦。

 

提督の昔の乗艦。

まさかの大型建造で一番最初に建造された現代艦娘。

最近彼氏が出来た。

過去に自分の姉を自ら撃沈した。

最期の時に受けた対艦ミサイル以外機銃弾一発の被弾も無かった。

装備は初期から4機の艦載機と自衛火器のみである。

 

 

装備

4 F-14D(ラ-ズグリ-ズ隊)

 20mmCIWS

 RIM-7シ-スパロ-

 

 

【アンドロメダ】

※艦級が分からないのでアンドロメダ級にしてあります。

 

アンドロメダ級情報収集艦。

 

提督の昔の知り合い。

情報収集に長けていて、物知りである。

電子戦や戦闘指揮も得意だが戦闘そのものは苦手である。

ケストレルに彼氏が出来てから自分にもほしいと思っている。

 

装備

76mm単装速射砲

20mmCIWS

RAM

電子戦システム一式

 

 

【いそかぜ】

 

いそかぜ型ブイ・ウェッブ艦。

 

一度沈んで引き上げられ、改装を受けた「はたかぜ型護衛艦いそかぜ」。

その自分が沈んだ「いそかぜ事件」で「うらかぜ」を撃沈したことに引き上げられた後も罪悪感を持ち続けている。

ハ-プ-ン対艦ミサイルを極度に嫌っている。

ちなみにレズである。

装備は必要に応じて旧式の魚雷や主砲、最新式のミサイル、砲、魚雷、果ては艦橋や機関も自由に乗せ変えることが出来、変装が大の得意である。

 

装備

127mm単装速射砲

20mmCIWS

特殊弾頭ミサイル「TPex」

特殊弾頭ミサイル「アポト-シスV」

 

 

【うらかぜ】

 

むらさめ型護衛艦

 

いそかぜの恋人。

コイツもレズである。

過去の「いそかぜ事件」でいそかぜに撃沈され、深海棲艦になった。

その後、いそかぜに救助され恋仲になる。

実は夜な夜な結構過激なプレイをしてたりする。

 

装備

76mm単装速射砲

20mmCIWS

VLS一式

90式対艦誘導弾

 

 

【雪風】

※元ネタは戦闘妖精雪風のパロディです。

 

陽炎型駆逐艦

 

つい最近建造された幸運娘もとい戦闘妖精。

ちなみに多重人格だったりする。

艤装をつけた状態・・・特に戦闘中は突然人格が変わる。

「I have control」と呟いた時は大体彼女に変わっている。

変わる前は舌足らずの可愛らしい印象だが、人格が変わると無機質な機械のようになる。

速力35ノットで前進中にその場で速度を変えず超信地旋回して魚雷を迎撃したり、一瞬で迫ってくるミサイルに対して最適な距離で爆発、軌道を変えれるように砲弾の時限信管をセットしたりする。

いったい何なんだお前。

 

装備

12.7cm連装砲

25mm3連装機関砲

61cm四連装(酸素)魚雷

[取り外し不可] YUKIKAZE

 

 

 

[施設など]

 

【横須賀鎮守府】

 

提督たちの所属基地。

提督の独断で勝手にICBMサイロや防空ミサイル、巡航ミサイルなどが配置されている。

果て衛星兵器も所持している。

バックにはアメリカ合衆国があるので大本営も手が出せなかったりする。

ちなみにすべての兵器が深海棲艦に対して有効だったりする。

もうこの鎮守府だけで戦争終わらせれるんじゃないかな。

 

装備

20mmCIWS

20cm沿岸砲

40mm機関砲

88mm対空砲

PAC3対空ミサイル

スタンダ-ドミサイル

MGM-16アトラス(通常弾頭、核弾頭、サ-モバリック弾頭)

BGM-109トマホーク(通常弾頭のみ)

攻撃衛星ODIN

 

 

 

【世界情勢など】

※この作品内ではオ-シア連邦(ヨーロッパ圏)、ユ-クトバニア連邦共和国(ロシア)という感じになっています。ホントはアメリカをオ-シア連邦にしたかったけどもう遅かった・・・。

エメリアとエストバキアは考え中!

 

 

 

日本

 

深海棲艦との戦闘で艦娘の活躍によりどの国よりも優位に立っている。

トラック島などにも泊地を作り、日本近海の安全性は比較的高い。

またユリシ-ズの厄災の被害も少なく、経済、治安共に安定している。

ごく一部の提督を除き、敵情の調査などはすべて二次大戦時の手段を使用している。

そのため情報が遅れる事も多々ある。

それでも大本営は方針を変える気が無いらしい・・・。

 

 

アメリカ

 

対深海棲艦で日本の次くらいに活躍している国。

艦娘という概念は存在せず、既存の兵器を深海棲艦に使用している。

既存の兵器をどの国よりも先に深海棲艦に対し有効な攻撃手段に改造した。

ただ、既存の兵器のため、船や航空機は的が大きくたびたび戦闘では敗北している。

現在ハワイまで防衛の手が間に合わず、深海棲艦に占領されている。

そのため、輸送機や輸送船は大陸を沿って飛行、航行するしかなくたびたびユ-クトバニア連邦共和国の領空に近づきスクランブル発進した戦闘機に追い回されていたりする。

 

 

 

 

深海棲艦

 

1999年のユリシ-ズの厄災と同時に出現した謎の敵性勢力。

艦娘のように過去や現在の軍艦を模した姿をしておらず、一部の陸上型深海棲艦のみが兵器の姿を模している。

また陸上でもある程度の行動が可能なようで、移動速度は極端に落ちるが陸上で砲撃を行うことも確認されている。

また艤装を外し小銃などを使い歩兵として行動も出来るようである。

深海棲艦は最初、既存の兵器でも迎撃が出来ていたが時がたつにつれ既存の兵器は無効化されていく。

また、侵攻をある程度食い止めれただけであり、サイズが少女程度。それでいて火力は既存の軍艦並みだった。

そのため日本と一部を除く各国に艦娘の概念は無く、的の大きな既存兵器で抵抗するしかなかった。

現在深海棲艦はミサイルなど、現代兵器を一部だが使用し始め戦局が深海棲艦側に傾きつつある。

深海棲艦は現在、アメリカ合衆国のハワイ、エメリア共和国の首都グレースメリア、ベルカ公国の約半分などを占領し、さらに勢力を拡大させている。

ただ、内陸地ではほとんど活動できないため、海に面した都市を戦力している。

試験的にベルカ公国で陸上型深海棲艦の運用が確認されたが、ベルカ軍の決死の反抗作戦・・・自国内で七つもの戦術核爆弾を起爆させ自国民もろとも深海棲艦を葬り、その侵攻を阻止した。

結果、核爆弾の影響により12000人超の人命と国土の半分が失われた。

 

 

 

【歴史】

 

1999年7月8日 - 小惑星ユリシーズ落下。同時にアイアンボトムサウンドに深海棲艦出現。

 

2003年夏~2005年9月19日 - 大陸戦争。背景で深海棲艦の勢力が増大、既存兵器が通用しない深海棲艦が現れだす。

 

2005年 - 日本近海で初めて艦娘が発見される。最初は戸惑い攻撃を行おうとした自衛隊であったが、人の言葉をしゃべり、同時にその場に出現した深海棲艦を排除し自衛隊を救った。またこのときの艦娘により工廠が現在の横須賀鎮守府に建設され艦娘が量産されていった。

 

2010年9月27日~12月30日 - 環太平洋戦争。オ-シアとユ-クトバニアの超大国戦争が勃発する。この戦争で幸運の航空母艦、ケストレルが撃沈されている。

 

2012年8月30日~2013年5月 - エメリア・エストバキア戦争。

 

2013年9月 - ついに既存兵器が深海棲艦に対し通用しなくなる。また同時に深海棲艦の侵攻が苛烈になり海に面した都市は次々と占領され深海棲艦の泊地となり始める。

 

2013年10月 - ベルカ公国内で深海棲艦の進行を阻止するため7つの核爆弾を起爆、自国民に12000人以上の死傷者が出た。ベルカ公国は国土の半分以上を喪失する。

 

2014年5月 - 深海棲艦がエメリア共和国の首都グレ-スメリアに侵攻、グレ-スメリアを占領する。先のエメリア・エストバキア戦争で疲弊していたエメリア軍は成す術無く敗北、撤退を開始し散り散りとなってしまう。

 

2015年8月 - エメリア首都グレ-スメリアに横須賀鎮守府艦隊が進攻、首都を解放した。また、この戦闘で人と艦娘が初めて交戦した。

 

【敵艦情報】

 

 

原潜棲鬼

オハイオ級原子力潜水艦をモデルにしていると思われる深海棲艦。

対艦ミサイルや弾道ミサイルを搭載している。

また、戦術級AIを搭載しているとの情報があり、深海棲艦というよりは、深海棲艦が開発した兵器と言ったほうが近いかも知れない。

最後は原子炉が暴走し、爆沈。

 

 

現代級駆逐棲姫(仮称)

姿形が駆逐艦「電」に酷似している。

しかし武装は現代の駆逐艦をベ-スにしているとの事。

現在は情報が少ないため不明な部分が多い。




この艦は艦娘にしてほしい!などの要望がありましたら感想でもメッセ-ジでもどんどんお寄せください!
あまりにチ-トすぎる艦船は出さない可能性が高いので悪しからず。
ヤマトとか・・・ね?


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本編
平和な横鎮


平和な横須賀鎮守府。

平和と言うか提督の俺があんまり出撃さしてないから平和なだけだが。

 

「あの、司令官さん。最近あんまり出撃してないけど大丈夫なのです?」

 

秘書艦の電が少し心配そうに言ってくる。

 

「ああ~・・・まぁ、遠征に出た部隊帰ってきたら南西海域行く予定だけど?」

 

「まさか・・・オリョクル・・・ですか?」

 

「んなわけあるかい!」

 

オリョクル行く暇あったら浜風ドロップを目指すわ!

とか思ったり。

 

「まぁ~・・・別に大本営に急かされてるわけじゃないし大丈夫じゃない?どちらにせよ錬度の問題で西方海域で詰んでるし」

 

「うぅ・・・電が戦艦ならお役立ちできたのです・・・」

 

「いや、電は駆逐艦だからいいんだよ」

 

ニコっと笑って言って見るが、これ何も知らんやつが聞いたらロリコン扱いされるな。

いや・・・ロリコンだけどさ・・・

 

「そういえば司令官、さっきから何を弄ってるのですか?」

 

電は書類の整理をしながら興味津々で聞いてくる。

 

「ん?これ?」

 

カチャカチャと俺は昔、米軍時代に使っていた自動小銃の整備をしていた

ちなみに俺の経歴は民間機パイロット(マイクロソフトフライトシュミレーター)、空軍パイロット(エースコンバット)、米軍兵士(COD&BF)感じですな

 

「司令官さん、これ何て言う鉄砲なのですか?」

 

「ああ、これはM4A1マグプルカスタムだよ。俺が米軍時代に愛用してたからな~・・・」

 

「すごいのです・・・」

 

「そういや・・・あの後頭部ハゲ元気かな~」

 

「ハゲ?」

 

「ああ、昔の上官。」

 

「上官さんをハゲ呼ばわりはよくないのですっ!」

 

「あはは、ごめんよ」

 

俺は分解していたM4を組み立てよっこらせと席をたった

 

「あれ、どこ行くのです?」

 

「ああ、今日友人がこの近くの鎮守府に配属されるんだよ。ま、だいぶ距離はあるけどね」

 

「何日くらい行くのですか・・・?」

 

「おいおい、そんな寂しそうな顔すんな。アレで飛んでいって日帰りしてくら」

 

「アレ?」

 

窓のそとに置いてある一機の戦闘機を指差す。

F-15C。

青い両翼と猟犬のエンブレムは昔のままにしてある。

 

「し、司令官さんの操縦する戦闘機にはもう乗りたくないのです・・・」

 

「あら?そんなに下手か?俺」

 

「い、いや・・・下手というか・・・あの・・・アクロバット飛行が・・・」

 

「空母の連中は喜んで後部座席に乗ってたがな~・・・あと金剛も」

 

やっぱ電には無理があったかな~

 

「ま、とりあえず明日行って来る。晩飯までには帰ってくるよ。あ、それと第六駆逐隊と金剛型、赤城、加賀が留守番な。お金は俺のところから持っていって良いから夜は横須賀の街で外食でも行って来い」

 

「え、でもそのときの留守番は?」

 

「PMCに任せた」

 

「大丈夫なのですか?」

 

「う~ん・・・まぁ、米軍時代の戦友のチ-ムに任してあるから大丈夫だろ」

 

「了解です!気をつけて・・・なのです!」

 

「まだ行かないけどね」

 

あ~・・・もう何か電ちゃん秘書でよかったああああ!!と心から叫びたくなったりならなかったり。

やっぱケッコンするなら駆逐艦だね!

 

「お、そろそろ第二艦隊が遠征から帰ってくるか。迎えに行くか?」

 

「行くのです!」

 

「そういえば海外艦連れて帰ってくるって無線入ったな・・・どんな娘だろ・・・」

 

「司令官・・・浮k・・・じゃなかった他の娘にデレデレしてると嫉妬しちゃうのです!」

 

「お、なんだ?電も提督LOVE勢か?」

 

「ちちちち違うのですううううう/////」

 

「はは、可愛いな」

 

「もう!司令官さんのバカぁ!!なのです!」

 

「上官に向かってバカとは何だ!」

 

俺は笑いながら電の脇の下をくすぐってやる

 

「あ、あはははは!!や、やめっ・・・くすぐったいのですうううう!!!」

 

なんて事してると・・・

 

「あのぉ・・・すみません・・・」

 

「ん?」

 

何か見たことある人がいた

 

「憲兵隊なのですが・・・」

 

「!」

 

「はわっ!?司令官さんの頭の上に赤いビックリマ-クが出たのです!」

 

「逃げるぜ!!」

 

ポケットからM18スモ-クグレネ-ドとM84フラッシュバンを取り出す。

 

「食らえ!煙幕の術!」

 

スモ-クグレネ-ドを足元に投げる。

 

「くっ!逃がすな!」

 

「電!逃げるぞ!」

 

襟元を引っ張って逃走開始

 

「はわわわわわわわ!!!!」

 

はははは!!この煙の中追ってこれまい愚民よ!!

 

「落ち着け!サ-マルゴ-グル装着!」

 

「ファッ!?」

 

サ-マル!?なんで持ってんの!?

 

「足を狙え!!生きて捕らえろ!!」

 

パパパン!!パンパン!!

 

「ししし司令官さんんん!!!撃ってきてるのですうううう!!!」

 

「くそぅ!ならば!」

 

M84の安全ピンを外す

 

「電ちゃん!目を閉じて耳をふさげ!!」

 

「はわわわっ!?」

 

電が目を閉じて耳をふさいだのを確認する

 

「バルス」

 

そう呟いてフラッシュバンを放り投げる

そしてすぐに爆発音がして・・・

 

「ぐわあああああ!!目が・・・目がぁぁぁあああああ!!!」

 

ふっ・・・決まったぜ・・・

 

「さて・・・後は歩いて帰-------」

 

ガシッ(肩をつかまれる音)

 

「あら~・・・まだ生きてた・・・」

 

「同行願おうか」

 

「あ、はい」

 

ずるずると引きずられる俺を電は泣きながら見送っていた・・・

何この強制的に離れ離れにされる恋人みたいな感じ

とりあえず連れて行かれるわけにはいかん!抵抗するのみ!!

 

「い、いやあああああ!!助けて!!ガチムチの憲兵さんにレ○プされるううううう!!」

 

ゴスッ

 

「あべしっ!!」

 

後頭部をぶん殴られ・・・意識がそこで飛んだ

ああ・・・FPSならここで「敵に向かって撃ちましょう-アメリカ製ロケットランチャ-の説明書より-」とか言うのが出てリスタ-トできるのに・・・

 

そんなこんなで3時間後に釈放されましたとさ。めでたしめでたし

 

 




はい!初投稿ですがなにとぞよろしくお願いします!ちなみにフライトシュミレ-タ-もエスコンもCODもBFも現役でしとりますw


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友人のいる鎮守府へ

「つ~か~れ~た~・・・」

 

「大丈夫ですか?司令官」

 

「電が元気くれるから大丈夫」

 

「はわわ・・・///」

 

「ほんと可愛いなお前は」

 

頭をなでてやると幸せそうな顔をする。

ホント可愛い・・・

 

「てか・・・腹減ったな・・・」

 

「もうすぐご飯できると思いますよ?」

 

「お、そうか!今日の当番誰だっけ?」

 

「確か・・・比叡さんなのです」

 

「あいつの料理は初めてだな。楽しみだ」

 

金剛達は料理が何気に上手いからな。まぁ、比叡のだけ食ったことないんだが・・・ほかの連中はマジで美味いから大丈夫だろう・・・

なんてことを思いたいが・・・

 

「なぁ・・・電・・・変な臭いしないか・・・?」

 

「し、司令官も気づいてました・・・?」

 

「サルミアッキ食ったときに口いっぱいに広がるにおいみたいなのがするんだが・・・」

 

アンモニア臭がする・・・確実に厨房のほうから・・・

 

「明日・・・大丈夫かな・・・俺・・・」

 

「そのときは私がつきっきりで看病するのです!」

 

「何それむしろ病気になりたい」

 

なんてこと言ってると

 

「Heyテートクゥ!ディナータイムですよー!!」

 

どっかーん!と言う音が出そうなくらいの勢いで扉を開ける金剛・・・

 

「おまっ!もう少し静かにあけろ!!」

 

「Oh・・・sorryネ・・・」

 

「まぁ、ご飯だろ?今から行くよ」

 

部屋から出ようとすると・・・

 

「テートクゥ!!」

 

「ごぶぁぁぁ!!!」

 

タックル食らう勢いで抱きつかれた

うれしいけど死んじゃうよ僕

 

「明日会えないので寂しいデ-ス・・・」

 

「・・・今の勢いで抱きつかれると永遠に会えなくなるぞ・・・」

 

「はわわわわ!!司令官さん!大丈夫ですか!?もう金剛さん!司令官は大切に扱わないとダメなのです!」

 

「電ちゃん~・・・ごめんなさいヨ~・・・」

 

何か軽く物みたいな扱いされた希ガス

まぁいいや・・・とりあえずご飯に行こうかな

 

「そういや金剛、今日のご飯なんだ?」

 

「比叡特製カレ-だヨー!愛情たっぷりネ!」

 

「お!そいつは楽しみだ!・・・といいたいところだがこのアンモニア臭はなんだ・・・」

 

「そ、それは・・・特製スパイスだと思う・・・ヨ?」

 

「毒殺スパイスの間違いじゃないのか・・・?」

 

「そんなこと言ったら比叡さんに失礼なのです!」

 

「そうネ!比叡も頑張ったんだヨ!?」

 

「ああ・・・その・・・すまん」

 

「分かればいいのです!」

「分かればいいのヨ!」

 

ま、とりあえず食堂に行くか~・・・

 

「あ、そういえば今日着いた海外艦はどこだ?」

 

「マックスちゃんですカ?」

 

「そうそう」

 

「あそこでレーベレちゃんと一緒にい・・・ファッ!?」

 

「ん?どし・・・ファッ!?」

 

「はわわわわわ!!!!!!」

 

食堂の扉を開けた瞬間見た光景・・・

それはカレ-を食べて天国の扉を開けた者たちの残骸であった。

 

「ちょっ!おい!衛生兵!ええええせえええへえええええ!!!!!」

 

「明石さんん!!!司令官!明石さんもカレ-で・・・!」

 

「なんですとぉ!?」

 

「バケツ!バケツ持ってくるネ!!」

 

阿鼻叫喚な地獄絵図が・・・

そのなか

 

「ひええええええ!!!わ、私のカレ-そんなにおいしくなかったですかー!?!?」

 

「犯人はお前かあああああああ!!!!!」

 

「わ、私はカレ-を作っただけですよー!!」

 

「おまっ・・・カレーに一体何入れたんだ!トリカブトか?スイセンか!?」

 

「普通の材料だけですううううう!!!!」

 

とりあえず・・・俺と電と金剛は・・・外で済ませてくるか・・・

 

「比叡・・・責任もって全部食え」

 

「ひええええええええええええ!!!!!!」

 

「あ、あはは・・・これは仕方ないヨ・・・比叡・・・」

 

「そんなぁ!お姉さまぁぁ!!」

 

とりえあえず・・・中華街にでも行こうかな・・・

あぁ・・・70人入渠したせいで資源がグロ画像だ・・・

 

「電・・・金剛・・・あいつは置いといて俺らは中華でも食いに行こう・・・」

 

「さ、賛成ネ・・・」

「賛成なのです・・・」

 

 

 

~数多の屍を乗り越え、次の日~(みんな生きてるけどね☆)

「さてと・・・じゃ、電。金剛達と留守番よろしくな」

 

「司令官さん、事故には気をつけて・・・なのです」

 

「おう!」

 

妖精たちに無理を言って建設してもらった3000m級の滑走路。

使うことはめったにないけどな・・・

ま、車で陸路を行ってたら1日はかかるし音速で行けば3時間程度か?

 

「とりあえず8時ごろには帰ってくる。ご飯は俺の机の上にあるお金使ってどっかで食べて来い。それと・・・もう比叡に飯を作らすなよ・・・」

 

「そ、それは分かってるのです・・・」

 

「さてと・・・んじゃ言ってくるよ。」

 

「いってらっしゃいなのです!」

 

久々だな~・・・この機体も・・・

 

「エンジンスタ-ト・・・よし音も良いな。燃料もよし」

 

外で電が少し心配そうに見ている。

雷も少し送れて見送りに来てくれた。

手を振る雷に俺は空軍式の敬礼を思わずしてしまった

 

「あの二人は可愛いもんだな~・・・」

 

なんてことを思いながらスロットルを全開にし離陸した

 

「そういや式風のヤツは先に行ってるのかな」

 

なんてこと思っていると機首レ-ダ-に航空機の反応が

 

「97艦攻で行ってるのアイツは・・・」

 

挨拶でもしてやるか・・・

そう思い俺は失速ぎりぎりまで減速し翼を振って飛び去ってやった

 

「さて10000ftに上がって巡航するかね」

 

すると無線が

 

<<お前危ないだろうが!!>>

 

「あら?危なかった?」

 

<<危うく接触するところだったぞバ-ロ->>

 

「そりゃすまん」

 

<<今どこ飛んでんだ?>>

 

「知らん」

 

<<・・・・>>

 

「オートパイロットに任せてるからな」

 

<<脆弱乙>>

 

「・・・マスタ-ア-ムオン」

 

<<え、何?>>

 

ちょっと脅かしたろか

オ-トパイロットを切って反転、式風のほうへ向かった

 

<<え、何!?何なの!?>>

 

「バルカンとサイドワインダ-どっちがお好き?」

 

<<ちょ、ちょっ待ったあああああ!!!>>

 

97艦攻は急降下する

・・・逃がさん

 

<<落ち着け!落ち着けください!!>>

 

「ガンの射程内」

 

<<やめろおおおおおお!!やめんかこのロリコン!>>

 

「おっしゃ絶対撃墜する」

 

<<いやあああああああああああ!!!!>>

 

まぁ撃墜したら俺も死刑だからしないけどね

背面飛行で97艦攻の真上をとおりながら写真を撮ってやった。

トップガンで見てから一度はしたかったんだよな~

 

<<はぁ・・・はぁ・・・>>

 

「よう相棒、まだ生きてるか?」

 

<<死ぬわボケェ!!!>>

 

そんなことをしながら飛んでいると目の前の鎮守府が見えてきた。

 

「お前先に下りろ。滑走路空けててくれ」

 

<<へいへい>>

 

さてさて、久々にアイツに会うが・・・どんな提督になってるかな

 

<<降りたぞ。滑走路クリア>>

 

「あいよ~」

 

滑走路が短いからギリギリまで減速しよう・・・

 

「50・・・40・・・30・・・20・・・タッチダウン」

 

久々の着陸だが上手く行ったな

機体から降りると式風が待っていた

 

「よう、空の旅はどうだった?」

 

「・・・お前のせいで最悪じゃアホ!!」

 

「そうキレんなって~」

 

滑走路で話していると

 

「あ、来たんですか!」

 

「今ついたぜ。こいつに撃墜されそうになったけど」

 

「あんなのお遊びだって~」

 

「お前の遊びで殺されかけたぞコノヤロウ!!!」

 

「ま、まぁ・・・喧嘩しないで・・・」

 

「そうだ、お前今暇なのか?」

 

「ええまぁ・・・建造に行く途中ですが・・・」

 

「建造・・・?」

 

これは・・・やるしかありませんなぁ・・・ふはははは

 

「おい・・・イ-グル・・・お前目が光ったぞ」

 

「はっはっは!何の話だね式風くん!」

 

「・・・こいつ絶対なんか企んでる・・・」

 

「そうか建造か・・・よし!良いレシピを教えてやろう!」

 

「本当ですか!?」

 

あっひゃっひゃっひゃっひゃ!!

若造が!見事に引っかかりおって!!

 

「all999でやってみろ!五航戦とか出るぞ」

 

「ふおおおおお!!マジですか!!やるっす!!」

 

バァカめぇ!!嘘ではないがたいてい水上機母艦だぜ!!

 

「・・・お前ホントゲスいな・・・」

 

「え、何の話?」

 

「・・・・・」

 

2分後、工廠にいった友人が帰ってきた

 

「何が来た?」

 

ニヤニヤ・・・

 

「それがですね・・・」

 

お、水上機母艦か?駆逐艦か?

これだから新米にall999を強y・・・すすめるのはやめられませんなぁ・・・

 

「で、何が来たんだ?」

 

「蒼龍って言う空母がキタっす!」

 

・・・え

 

「え?」

 

「だから蒼龍っていう空母なんですよ!これ強いですか?」

 

・・・・・・・・・・・ジャキン☆(M9A1を抜く音

 

「ヤロオオオオオぶっ殺してやらああああああああ!!!!」

 

「ちょっ!!落ちつけ!!!」

 

「離せええええ!!!こいつを殺して俺は逃げる!!!」

 

「死なねぇのかよ!!!!!」

 

ヤロオオオオオオオブクラッシャアアアアア!!!!

 




はは・・・神様は見てるんだね・・・ちなみにall999させて蒼龍来たのは実話です。式風提督に必死で止められましたよ・・・


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お留守番なのです!

「はぁ・・・」

 

「どうしたの電?元気ないわね、そんなんじゃダメよ!」

 

「司令官さん居ないとこんなに寂しいものなのですね・・・」

 

それに何か変な気持ちもあるのです・・・

 

「それはズバリ・・・恋ね」

 

「はにゃ!?」

 

いきなり暁お姉ちゃんに言われてびっくりした

 

「私くらいのレディ-だとすぐに分かるのよ」

 

「暁・・・レディ-はそんな超人じゃないと思うよ」

 

「・・・分かんないのです」

 

「ただ単に寂しいだけじゃないのかい?電と司令官はずっと一緒だったからね」

 

「そうだと・・・思うのです」

 

「まぁ、せっかく司令官が居ないんだ。自由にいろいろしようよ」

 

「司令官いても私たち結構フリ-ダムだけどね・・・赤城さんの一人ボーキ祭りとか」

 

「あ、あはは・・・アレは司令官さん号泣してたのです・・・」

 

今にも飛び降り自殺しそうな勢いで泣いてたのです・・・

 

「そうだ、午後から4人で遊びに行こうよ!」

 

「でも雷お姉ちゃんお留守番しないとダメなのです!」

 

きっと司令官さんも怒るのです!

 

「ええ~・・・でも司令官が呼んだ人たちが来るって言ったじゃない」

 

「お客さんに留守番させるわけにはいかないのです!」

 

「いや・・・そのお留守番に来るんだけど・・・」

 

「あれ?そうなのです?」

 

「聞いてなかったの・・・?」

 

「わ、忘れてたのです・・・」

 

そういえばもうすぐその人たちのお迎えに行かなくちゃなのです!

 

「そろそろ来る時間じゃないのかい?」

 

「あ、そうなのです!」

 

「金剛さんも一緒にお迎えに行きたいって言ってたわよ?」

 

「じゃぁ、行きたい人は寮の前に集合なのです!」

 

どんな人が来るんだろう・・・怖い人じゃなければ・・・いいかな

なんてことを思っていると寮の前に続々と集まってきた。

 

「あれ?みんな行くのです?」

 

「せっかくだからみんな呼んでみたのよ!」

 

「暁お姉ちゃん・・・お疲れなのです」

 

「レディ-だから当然よ!」

 

「比叡!気合!入れて!お迎えします!」

 

そんなことを言ってる比叡さんの手にはクッキ-らしきものが

 

「あ、あの・・・榛名さん・・・あの比叡さんが持ってるのって・・・」

 

「あ・・・はい・・・お姉様の静止を振り切って作っちゃって・・・」

 

大丈夫なのだろうか・・・

 

「とりあえず門の前に行くのです!」

 

もう着くのかな・・・そんなことを思っているとヘリコプタ-の音が聞こえてきた

そのヘリはすぐに近づいてきて司令部前の開けた場所に着陸した

 

「おお・・・すごい屈強そうな兵隊さんが・・・」

 

その隊長らしき人はこちらに近づいてきて・・・

 

「君が艦娘か?」

 

「特三型駆逐艦電なのです!」

 

「俺はプライスだ。よろしく。ところでイギリス生まれの子がいると聞いたんだが・・・」

 

「あ、金剛さんなのです!」

 

金剛さんを呼ぶと・・・

 

「英国で生まれた帰国子女の金剛デ-ス!」

 

「君が金剛か。私は元SAS隊員のプライスだ。」

 

「Oh!SASということはイギリス人デスカ-!」

 

「そうなるな。あそこのモヒカン野朗もイギリス人だ」

 

「ダンディな方ネー!」

 

「とりあえず立ち話もなんだ。鎮守府内に案内してくれないか?」

 

「お任せなのです!」

 

そのときプライスさんが帽子を脱いだ。

ふと後頭部を見ると見事なハゲが・・・

 

「あの・・・もしかしてプライスさんって司令官さんの元上官さんですか?」

 

「ああ、そうだ。よく知ってるな」

 

「司令官さんが話してくれたのです!」

 

「しかしアイツもこんな可愛い娘に囲まれてさぞ幸せだろうな・・・」

 

なんていう他愛もない話をしながら鎮守府内を案内して回った。

そのあとは金剛さんがティ-タイムを開いてくれた。

すごい偶然でみんなイギリス人で金剛さんとすっかり意気投合した。

そういえばあのモヒカン野朗って言われた人は司令官が返ってきたらちょっと爆破するって言ってたのです・・・し、司令官は私がお守りするのです!




ちょっと今回は短い&あまり面白くないかも・・・


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いざ帰還

「さて、長居もなんだ、帰るぞイーグル」

 

「お、じゃそうすっか」

 

「また来てくださいね」

 

「おう、今度はウォ-トホッグで来てやんぜ」

 

「・・・蜂の巣にする気ですか?」

 

「マーヴェリック撃ちこむだけ」

 

「シャレになりませんよ・・・」

 

なんていう冗談をいいながら・・・いや、50%くらい本気だが。とにかく冗談をいいながら俺と式風は滑走路に向かった

 

「そういや、お前操縦は誰がしたんだ?お前資格持ってなかったろ」

 

「独学で学んだ」

 

「俺のイ-グルは操縦できなかったのにか・・・」

 

「ジェットとレシプロは違うかんな」

 

「イーグルもHUD除けばレシプロに近い計器類だぞ?」

 

すると式風は

 

「米帝機なんざ乗ってられるか!」

 

「おまっ・・・」

 

なんという理不尽なキレ方を・・・

 

「まぁいいや・・・帰りにドックファイトするか?」

 

「・・・勝てると思う?」

 

「俺が一方的に捻り潰すだけ☆」

 

「このゲス野朗が!!」

 

「最高の褒め言葉だ!」

 

「・・・・もういいや帰ろう・・・」

 

「そうしよそうしよ」

 

そんなとこ言いいながら滑走路へ向かい、機体に乗り込んだ

 

「お前先に上がれ。」

 

<<後ろから撃つなよ>>

 

「んなことするか!ちょいとエンジンかかるのが遅いだけだ」

 

<<けっ・・・これだからジェットは・・・>>

 

「サイドワインダ-ならとまってても撃てるぜ?」

 

<<ごめんなさい許してください>>

 

まぁ、ロックオン出来ないけどね。

すると突然無線が

 

<<司令官んんんん!!!!!>>

 

ゴ-ヤの声だ

 

「どしたゴ-ヤ」

 

<<やっちまったでちいいいいい!!!>>

 

「なにしたお前・・・」

 

<<マンボウが・・・マンボウが~・・・>>

 

「マンボウ?」

 

すると今度はイクが

 

<<あの・・・マンボウが泳いでて・・・近づいたの・・・>>

 

「ああ・・・」

 

<<そしてら一瞬ビクッ!ってなったと思ったらプカ-ってなっちゃったのおおお!!!>>

 

「お前・・・マンボウのデリケ-トさ知らんだろ・・・」

 

<<知らないわよ!!>>

 

こんどはイムヤが・・・そういや外洋に遠征にだしてたな

 

「お前らなぁ・・・マンボウはスペランカ-みたいなもんだぞ?いや・・・スペランカ-よりも脆いか・・・」

 

<<スペランカ-?>>

 

「あれだ・・・自分の身長程度の高さから飛び降りたら即死するゲ-ム」

 

<<何それ怖い>>

 

「んでマンボウは寄生虫取り除こうとして10cm程度飛ぶんだがその衝撃で死んだり朝日が強すぎて死んだりウミガメとぶつかりそうになってパニくって呼吸方法忘れて溺死したり・・・」

 

<<魚が溺死・・・?>>

 

「ほかにも歯はあるけど口の構造上噛めなくてエビを食べたら甲羅が内蔵に刺さって死んだり・・・」

 

<<も・・・もういっぱいでち・・・>>

 

「だからお前ら潜水艦が近寄ったら即死ル-ト待ったなしだぞ・・・」

 

<<ご、ごめんなさいなの・・・>>

 

「まぁ、次から気をつけろ。いいな?」

 

<<は~い>>

 

それでプツンと無線は切れた

 

<<お前来ないのか?>>

 

「ああ、すまん。うちの潜水艦がマンボウ撃沈したらしくて・・・」

 

<<・・・・・・・・・・何があったの>>

 

「かくかくしかじか四角いム-ブで・・・」

 

<<なつかしいなオイ!>>

 

そういいながら友人のいる鎮守府をあとにした

現在時刻は午後7時半

そろそろあいつ等来てるかな・・・

 

「なぁ式風。お前よく考えたら夜間飛行どうすんだ?」

 

<<あっ・・・>>

 

「あっ・・・じゃねーよ!!!」

 

<<ま、まぁ・・・お前が誘導してくれるよね(震え声>>

 

「いやだから(震え声じゃねーんだよ!俺が失速ギリギリで飛んでも追いつけんのかお前の機体は!!」

 

<<ほらそこは歴戦のパイロットなら・・・>>

 

「歴戦でも新米でも失速したらアウトだろうが!!」

 

あのアホ・・・

なんで夜間装備持ってきてない・・・

 

「お前ナイトビジョンとかないの?」

 

<<もってないでち>>

 

「・・・次、語尾にでち着けたらオリョ-ル海までつれてって撃墜するからな」

 

<<大変誠に申し訳ございませんでした>>

 

「よーし・・・」

 

とりあえず200ノットまで減速して航空灯、衝突防止灯を灯火する。

 

「航空灯が見えるか?」

 

<<なんとか>>

 

「それ見てついて来い」

 

<<サンキュ->>

 

「報酬上乗せだ」

 

<<え・・・>>

 

「お財布握り締めて待ってろよ!」

 

<<いくら取る気なの!?>>

 

「まぁそこそこ」

 

<<いやあああああああ!!>>

 

なんて事を言っていると鎮守府の明かりが見えてきた

 

「もういいだろ。ライト消して増速するからな。今度は先に下りる」

 

<<はいよ~>>

 

「地面とキスだけはするなよ」

 

<<何言ってる俺がキスするのは利根だけだ>>

 

相変わらずだなコイツ・・・

 

「てか、マジで滑走路見づらいから注意しろよ」

 

<<分かってるって>>

 

俺はさっさと降りたが・・・

 

「あっ・・・」

 

俺はふと式風のほうを見る

 

「あのバカ!!ギア降ろしてねぇ!!」

 

急いで無線を繋げる

 

「ギア降りてないぞ!!着陸中止しろ!!」

 

<<え、マジ?>>

 

「いいから高度取れ!!」

 

忠告したが・・・

 

<<あべしっ!!>>

 

そんな悲鳴とともに胴体着陸していた

 

「・・・帰ろ・・・」

 

とりあえず無事そうなのでほっといて帰った。

んで司令室にはいると・・・

 

「・・・何これ」

 

「んふ~・・・テートクゥ・・・こっち来るネ~・・・」

 

なんとも甘い声で顔真っ赤の金剛が出迎えてくれた

電はどこだと思い机を見ると・・・

 

「ナスは嫌゛い゛な゛の゛です!!」

 

酔っ払った電が机をぶっ叩き叫んでいた

なんかすごいことになってる

・・・・・・いったいなんなのこれ・・・




   \ナスは嫌゛い゛な゛の゛です!!/

          _,/ ̄ ̄` ̄\、/レ
        //   ,  /\ .i i V〈
        / /  ∠ム/ ー-V l 「ヽ
         j v、!●  ● i ' ├'
       /  〈  ワ   / .i y'
      / _ ,.イ , `ーゥ  t-!,、_У
      ´ ' .レ^V´ V_,ィtー〈  「| 「|
           / `央ー'j  \_|:| |:|
          ,/ー、{,_ノ /ー、!  \::::]


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ぷらずま&ブラックサンダー

電のヤツ・・・飲んだのか・・・

 

「お、おい・・・電、お前未成年だろうが・・・」

 

「細かいこと言う司令官は嫌゛い゛な゛の゛です!!」

 

とシャウトし机を叩く。

 

「お、落ち着けって・・・」

 

「司令官・・・」

 

「ん?どうしたいかずt・・・ファッ!?」

 

目の前に顔は真っ赤になってるが目が死んでる雷のような何かが居た。

 

「ねぇ・・・司令官・・・ほかの艦娘と遊んでたんでしょ?」

 

「え、何!?」

 

「司令官は私がいるだけでいいよね?ね?」

 

「ま、まて、俺は友人に会いに・・・」

 

「言い訳するの?」

 

「してません!!」

 

何なのこれ・・・しかも警備のPMCはどこいったああああああ!!!

 

「お、おい・・・雷・・・警備のPMCは・・・」

 

「追い出したわよ?私の司令官の間には不要よ。私が守るもの」

 

「OK、待ってくれ。とりあえず誰に酒を飲まされた」

 

「飲んでないって言ってるでしょ!」

 

そばにあった椅子を蹴り飛ばしながら叫ぶ

 

「飲んでないなんて言ったの初耳なんですけどおおおおお!!」

 

「司令官・・・そんなこと言う口はもういらないよね・・・あぁ、そうだ・・・逃げられちゃダメだから足も・・・」

 

「いやああああああああああ!!!!」

 

こんなの雷じゃないわ!雷の姿をした何かよ!!

だったら抱けばいいだろ!!(某大佐風)

ちなみにこの間に雷さん急接近

 

「ちょっ待っ・・・いやああああああああああああ!!!!!」

 

なんということをしてくれやがったのでしょうあのハゲ共

この後からの記憶はない・・・

気づいたら朝だった

 

「んぁ・・・ふぁ~・・・朝か~・・・」

 

あれ?いつの間に自分の部屋に移動したんだ?と思いふと周りを見ると・・・

 

「・・・・・・・・え」

 

まず腕に違和感を感じ横を向くと。

まず金剛デ-ス。裸デ-ス。俺も裸デ-ス。デ-ス・・・DEATH・・・

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

続いて左には・・・

今度はやたら服の乱れた電&雷

 

「えええええええええええええええええええええええええ!?!?!?!?!?!?」

 

さようなら提督!こんにちわ犯罪者!

 

「よし・・・落ち着こう・・・考えるな・・・感じるんだ・・・」

 

まず雷のヤンデレ化。ブラックサンダーと名づけよう。というかもう既出の名前だけどさ・・・

とにかくこのブラックサンダ-に気絶させられた。ここまではOK。寝室につれて来られる。

そこからだ・・・雷に襲われたならまだ説明はいく。何で電と金剛さん居るんDEATH・・・

 

「んん~・・・しれーかん・・・」

 

雷が目を覚ましたようだ

おはよう雷!俺は今日で死ぬよ・・・

 

「んえ・・・司令官・・・司令官!?!?」

 

「おはよう雷!僕は消えるよ!」

 

「いやその・・・ええええええ!?!?!?」

 

ええええええええ!?はこっちなんですけど・・・

 

「な、なんで司令官裸な・・・金剛さんもおおおお!?!?!?」

 

「・・・俺が事情を知りたいよ・・・」

 

「雷・・・」

 

「ななななな何?」

 

「これでひと思いに撃ってくれ!」

 

なぜか枕元にあったDE.50CALを渡す。

 

「いいいいやししし司令官!?だ、ダメよ!撃てないわよ!」

 

「頼む!俺を撃つんだ!」

 

そんな騒ぎをしていると・・・

 

「んぁああ~・・・てーとく~・・・?」

 

「お、おはよう・・・金剛・・・」

 

「ふぁ~・・・あ、雷ちゃんグッドモ-ニングネ~」

 

「あ、あははは・・・おはよう・・・金剛さん・・・」

 

「金剛・・・俺を撃て」

 

雷からデザ-トイ-グルを奪い取り金剛に手渡す

 

「え、どうしたネ!?」

 

「俺は提督失格だ!」

 

「何いってるの!私がここにつれてきただけネ!電ちゃんも雷ちゃんも!」

 

「・・・・・・・え?」

 

「そのぉ・・・私も酔っちゃってて・・・気絶したテ-トク持って寝室までいったヨ」

 

「う、うん・・・」

 

「そしたら電ちゃんと雷ちゃんも着いて来てて・・・寝ちゃったネ・・・」

 

「OK、そこまではいい。何で俺が裸なんだ」

 

「それは・・・その・・・」

 

何かいきなり金剛がモジモジしだした

 

「ちょっと・・・そんな気分になったネ・・・」

 

「・・・」

 

俺の中の何かが切れた気がした

 

「・・・・・野朗ぶっ殺してやるアアアアああああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

「し、司令官落ち着いて!!!」

 

その後起きてきた電に後頭部殴られて気絶しましたとさ。

電は黒い笑みだったとか・・・でも起きたと思ったらすぐに寝て・・・また起きたらいつもどおりだったららしい。金剛は・・・クソがフライドポテトに思えるくらい舐めて便所掃除させようかと思ったがまぁ・・・可愛い艦娘のしたことだから許してやったぜ☆

・・・・起きてるうちに金剛とそういう状態になりたかったとか思ってないよ?10%程度だけど。




金剛に寝込みを襲われたい(迫真


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DACT(異機種間空戦訓練 )

金剛をみっちり説教して俺は通常の提督業務に戻った

 

「あ~・・・空戦してぇええ~・・・」

 

「へ、平和が一番なのです」

 

朝一で俺の後頭部ぶん殴りおった電はいつもの調子で言う。

てか覚えてないんかコヤツは。

するとドアがノックされた

 

「どうぞ~」

 

「失礼します提督」

 

「お、赤城じゃん。珍しく早起きなんだな」

 

いつもはあと3時間くらい寝てる赤城が起きてきた。

 

「あの・・・提督は今お暇ですか?」

 

「まぁ、正直暇だけど・・・」

 

「私の艦載機の訓練を手伝ってくれませんか?」

 

「へっ?」

 

訓練つっても艦娘用の艦載機に人間は乗り込めんぞ。でっかいラジコン飛行機くらいのサイズなのに

 

「どうやんの?」

 

「提督が標的機してください」

 

「・・・あんた鬼?」

 

仮にも提督だぞ俺は。

 

「おまえな・・・俺が空軍時代にくすね・・・もらって来た無人標的機が沢山格納庫にあるだろうが」

 

「いやその・・・やはりエ-スと戦わせたほうが・・・」

 

「まぁ・・・飛びたかったからいいけどさ・・・」

 

「本当ですか!?」

 

赤城は飛び跳ねる勢いで喜んでいる。

 

「あ~・・・電、悪いんだけどこの書類をお願いいたします・・・」

 

「なのです!」

 

それでも電はしっかり引き受けてくれた。やっぱり嫁はこのk(ry

 

「んじゃ、先に外行ってくれ」

 

「提督はどちらへ?あそこの戦闘機ではダメなのですか?」

 

「お前の艦載機が音速超えれるならいいけどよ・・・」

 

「あぁ・・・なるほど」

 

「A-10でも引っ張り出してくるわ」

 

「では、先に演習海域へ向かっていますね。あ、それと正規空母はみんな参加するようでして・・・」

 

・・・・・・・・・・・え

 

「・・・・よ、よく聞こえなかったな・・・もう一回言って」

 

「正規空母はみんな参加するようです」

 

「・・・・・・・・・・・・おk」

 

まぁ・・・・ボーキはたまりに溜まってるからいいか・・・

とりあえず演習用空対空ミサイルと念のためのマーヴェリック積んでくか

格納庫から引っ張りだしたA-10のコクピットは少し埃っぽかった。

 

「・・・懐かしいな。このエンブレム」

 

リボンの中を飛行機が突き抜けていくようなデザインのエンブレム。

あの時はリボン付きの死神とか言われてたっけな~

 

「赤城、今から行くぞ。そっちは着いたか?」

 

<<はい。もう着いてますよ>>

 

「ほいよ~。」

 

エンジンの低い音が響く。

滑走路までタキシングしすぐに離陸した。

演習海域は鎮守府からすぐの場所なので時間はかからなかった。

 

「おっし!艦載機を上げろ!リボン付きの死神様が相手してやる!」

 

<<・・・みんな優秀な子たちですから>>

 

すぐに加賀の戦闘機隊が飛んでくる

 

「お、加賀からか。左からだな・・・」

 

本来、CASのための機体なので空中戦は苦手だ。

 

「う~む・・・やっぱり重いな」

 

するとすぐに後ろに零戦52型が飛びついてくる。

 

「さすが加賀の部隊」

 

だが、基地で空戦にも対応できるようにエレベ-タ-とかいろいろ変えてて良かったよ

ハイ・ヨ-・ヨ-でオ-バ-シュ-トさせる。これで背後を取った

 

「フォックス2!」

 

ついつい癖でミサイルを撃ってしまった・・・

だが、52型は機動性を生かして急旋回。ミサイルを振り切った。

 

<<・・・提督>>

 

「あ、あはは・・・ごめんって・・・」

 

明らかにおこですね加賀さん・・・

 

「いい腕してんな」

 

さっき急旋回した52型はまた後ろに食いついてくる

 

「おっと・・・あぶねぇ!」

 

すぐ横を曳航弾が飛んでいく。

一応ペイント弾だがなかなか怖い

こっちはすぐにジェットの速力を生かしていったん振り切り急上昇して失速させる。

そしてそのまま一気に真下に機首を向けヘッドオン状態で機銃を撃ち込んだ。

 

「スプラッシュワン!」

 

加賀の52型の一機を撃墜判定にした。

 

「よっしゃ!どんどん来い!」

 

そのときふとレ-ダ-を見ると明らかにおかしな点があった。

 

「ちょ、待て。レ-ダ-に新たな反応・・・あ~・・・深海棲艦かもな」

 

<<提督・・・私たち戦闘機しか搭載していないです>>

 

「しゃーないな・・・撤退を援護したるからはよ行け」

 

<<て、提督!?>>

 

「大丈夫、宇宙船も落としたし衛星も落としたし超巨大潜水空母沈めた俺に敵はいないぜ!」

 

<<・・・慢心じゃないですか・・・>>

 

なんて事いってると視界の端に敵戦闘機が見えた

 

「う~しちょっくら撃墜数増やしてくるぜ」

 

<<提督!やめてください!!人間の兵器は通用してないんですよ!?>>

 

「いいからさっさと鎮守府に帰って攻撃隊つんで来い!空母がこの近くに居んぞ!」

 

<<・・・御武運を>>

 

「へいへい」

 

さてさて・・・

 

「来いよヲ級!艦載機なんて捨ててかかって来い!」

 

なんてこと言いながら敵機に突っ込む

すれ違いざまに30mmを撃ちこむと何と撃墜できた

 

「え、マジで?」

 

やった本人が一番びっくりしてたりする

 

<<え・・・提督?>>

 

「俺・・ええ」

 

<<え?>>

 

「俺TUEEEEEEEEE!!!!」

 

<<て、提督・・・?>>

 

「俺強ぇ」

 

一機撃墜

 

「俺つえぇ」

 

もう一機撃墜

 

「俺・・・」

 

敵戦闘機隊全滅

 

「俺TUEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!」

 

すると下にヲっきゅんが一隻見えた

 

「ひゃっはあああああ!!汚物は消毒だあああああ!!」

 

小物台詞を吐きながら提督、突撃

 

「ヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲッッッッ!?!?!?!?!?」

 

という悲鳴が聞こえてきた

 

「ふぅははははははははは!!!!みろ!深海棲艦がゴミのようだ!」

 

俺のマ-ヴェリックを全弾ヲ級ちゃんにぶち込んでやった(意味深

 

「俺TUEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!」

 

そんな絶叫が無線チャンネルを間違えたせいで鎮守府中に広がっていたのは帰って気づいたり・・・

 




うん、なんか変。


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お前は最後に殺すと約束したな?・・・あれは嘘だ

まさかのヲ級撃沈という成果を挙げて帰還したら大本営のお偉いさんに俺のA-10を持っていかれた・・・

 

「お、俺のサンダ-ボルトがああああああ!!!」

 

いくらしたと思ってるのおおおおおお!!!

といくら抵抗したところで無駄なわけでありまして・・・

司令室にトボトボと戻ると・・・

 

「ただいま~・・・あれ?電?」

 

だれも居ない。

 

「あれ?何でだ?」

 

すると・・・

 

「にゃー・・・」

 

「ん?猫?」

 

机の影から一匹の猫が出てきた。

同時に嫌なうわさも

 

「ま・・・まさか・・・」

 

エラ-猫・・・

 

「ま、まままままままさかこんな可愛いにゃんこがそんなわけないよね」

 

あいつらはきっと買い物だ・・・そうだ・・・そうに違いない

 

「まぁビ-ルでも飲んでリラックスするニャ。娘の面倒は俺が見といてやるニャ。にゃははは」

 

キエエエエエエエエエエエシャベッタアアアアアアアア

・・・待て、今娘の面倒は俺が見るとかいったか?

 

「・・・お前今なんつった?」

 

「娘の面倒は俺が見てるニャ」

 

「電はどこだ」

 

「そうあせるニャ、大佐」

 

殺す。焼肉にしてやる

 

「ちょっといろいろ事情があって艦娘たちの世界と切り離されてるニャ」

 

OK,ファンタジ-だな。面白い

 

「お前は面白いヤツだな。気に入った。殺すのは最後にしてやる」

 

「ま、俺が消えれば電たちも戻ってく・・・ニャ!?」

 

尻尾をつかんで持ち上げてやる

 

「いたたたたた!痛いにゃ!!離すニャ!!!!」

 

「・・・」

 

無言で窓際まで持っていってやる

 

「・・・もう一度聞く。どうやれば電たちは帰ってくる」

 

「だ、誰がはにゃすかよ・・・!」

 

「お前をつかんでるのは左腕だ。利き腕じゃないんだぞ?」

 

「た・・・高いところは苦手にゃあああ・・・・」

 

あえてぷらぷら揺らしてみる

 

「ひにゃああああああ!!!分かったにゃ!言うニャ!!俺が消えれば電たちは帰ってくるニャ!!でも特別なことしないと・・・」

 

そこまで聞けたらOK。

 

「そうか。よし」

 

「は、早く降ろしてにゃああああ・・・」

 

「お前は最後に殺すと約束したな?」

 

「そ、そうにゃ・・・た、助け・・・」

 

「あれは嘘だ」

 

そういいきろうとした瞬間

 

「私の猫に何するのおおおおおおお!!!!!!!!」

 

思いっきり後頭部を蹴り飛ばされ体制が逆転。まっさかさまになる

 

「うわああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

あ、俺死んだ。

 

~電視点~

 

工廠で司令官に頼まれたレシピを一通りやってきた。

何か遠くから悲鳴が聞こえた気がするのです・・・

 

「司令官さんの声に似てたような?」

 

そんなことを呟きながら司令部に入ろうとすると・・・

 

「はにゃぁ!?司令官さん!?」

 

司令官・・・さん・・・?と思いたいものが地面から生えていた。

気をつけの状態で頭から花壇に刺さり肩まで埋まっていた。

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

~提督~

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

だ・・・誰だ・・・

 

「司令官さん!司令官さん!」

 

「い、電?」

 

「良かったのです・・・」

 

ああ・・・そうだ・・・エラ-猫を殺そうとして・・・

 

「とりあえず・・・司令室に帰ろう・・・悪い夢を見た・・・」

 

「いや・・・現実世界で地面に司令官さんが突き刺さってたのです」

 

「それは幻覚。いいね?」

 

「ア、ハイ」

 

うぅ・・・頭痛い・・・

ちくしょう・・・あのネコ野朗・・・

後から聞いた話によると俺は居眠りしてるのを金剛が起こそうとしたらびっくりしてなぜか頭から落ちたらしい。

意味が分からん・・・夢遊病か・・・俺は・・・




あんまり面白くないっぽい?


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リボン付きの零戦

「司令官さん!もう7時過ぎてるのです!起きるのです!!」

 

「んん~・・・あぁ・・・電か・・・」

 

「寝すぎなのです!」

 

「疲れが溜まっててな~・・・」

 

いろいろありすぎて疲れたよ・・・

 

「ふぁ~・・・さて、朝ごはん食べるか」

 

「もう準備できてますよ」

 

「ちょっと顔洗ったらいくわ」

 

・・・待て。よく考えたらなんで電が起こしに来れた。寝室に鍵掛けてたぞ。

まぁ・・・うれしいからいいか・・・やっぱ電は嫁でs(ry

とりあえず顔を洗って食堂に行く

 

「おぅ?えらいすごい朝飯だな」

 

「僕が作ったんだよ。ドイツの朝食だよ。」

 

「レーベレが作ったのか。」

 

「僕とマックスだよ」

 

「ん?マックスも作ったのか」

 

そういえばドイツ艦が着任して一ヶ月くらいだけど初めて食ったな。

うまい!(テ-レッテレ-

 

「うぃ~・・・ご馳走様。さてと、司令室に行くかの」

 

食堂を出て司令室に向かうと電と加賀が居た

 

「ありゃ?加賀?」

 

「提督、少しお願いが」

 

「加賀が?珍しいな」

 

「いえ、この子が」

 

「ん?」

 

加賀の足元から妖精の一人が出てきた。

 

「52型の妖精か。どうした?」

 

「あのね、てーとく」

 

妖精はちょこんと机に乗る

 

「あの、びよくに書いてた絵がほしいの」

 

「絵・・・あぁ、エンブレムか」

 

「いいけど・・・絵は下手だしな・・・ちょっと工廠行くか」

 

とりあえず工廠へ向かう。

 

「てーとく~何か用なの?」

 

「ああ、装備を開発してほしいんだが」

 

「どんなの?」

 

「零戦にエンブレムつけるだけなんだが・・・」

 

「ふむふむ・・・とりあえず資材寄越すの!」

 

「おう・・・っておまっ!どんだけ持っていくんだ!!開発資材カンストしてるだろうが!!」

 

「だいじょうぶ、新開発のこの大型開発なら!」

 

「いや、俺の資材が大丈夫じゃない」

 

1万くらい持っていったぞ・・・

すぐに奥から音が聞こえ出す。

 

「できたのー!」

 

「はやっ!」

 

いったいアレだけの資材をどうやったら数分で使い切るのか・・・

 

「とりあえず見せてみ」

 

「ほいっ!」

 

零式艦戦52型(リボン付き)

 

零式艦戦52型(オメガ11)

 

 

「・・・あの」

 

「どしたの?」

 

「このオメガ11ってなんすかねぇ・・・」

 

「知らん!」

 

「俺の元同僚は妖精になったのか・・・」

 

しかも説明文にちゃっかりイジェ-クト!とか書いてるし・・・

 

「とりあえず・・・性能は」

 

リボンのほうは対空が・・・30か

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ファッ!?

 

「対空がさ、30!?!?」

 

「どやっ!」

 

と、とりあえず・・・オメガは・・・

対空が20・・・これでもおかしいが何か新しい項目が増えてる。

 

被弾 +60

脱出 +90

 

・・・・・・・・・・・・・・何この項目

 

「・・・・なにこれ」

 

「そのとおりなの!」

 

「役立たずじゃねえかああああああ!!!!!」

 

「大丈夫なの!機体なんざ消耗品、搭乗員が生還すりゃ大勝利だ!」

 

「・・・おk」

 

「あ、もうひとつ忘れたの」

 

「ああ・・・もうなんでも来い・・・」

 

F-14D(ラーズグリ-ズ隊)

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・ええええええええええ!?!?!?!?!?!?!?

 

「ちょちょちょちょ待ったああああああ!!!!!」

 

「・・・提督、うるさいです」

 

「いや、おま・・・ええええええ!?」

 

「もう・・・一体何が・・・」

 

加賀が手元を覗き込んでくる

 

「・・・さすがに気分が高揚します」

 

「うぉ!まぶし!」

 

一瞬にしてキラキラに・・・しかも光り方尋常じゃない・・・

 

「あ、てーとく。トム猫は一回しか対空攻撃できないよ」

 

「へっ?何で?」

 

「ミサイルが」

 

「ああ・・・まぁ、バルカンもあるし・・・」

 

「M61用の弾薬もないから一回出撃したら機関砲変えないといけないし・・・爆装もほどこさいないと・・・」

 

「まぁ、性能に見合った感じだな」

 

「あ、そうだ・・・一個失敗しちゃって・・・」

 

「ん?何だ?」

 

「これなんだけど・・・」

 

手渡されたものは・・・

 

水上機

 

それだけ書いてあった。形的にカタリナっぽい

説明文は・・・

 

偵察機としても使用可能です!

でも「こんなの飛行機じゃないわ!羽の着いたカヌーよ!」と艦娘は嘆くこと間違いなし!提督は「だったら漕げばいいだろ!」と言い返すのが礼儀です。

 

「・・・・・・・・」

 

「どう?」

 

「・・・ネタ機やん」

 

「・・・失敗作だし・・・」

 

でも何気に索敵と対潜が4ある

とりあえず・・・夕張に積んでやるか・・・

工廠を後にし夕張の元に向かった

 

「お、いたいた。夕張ー」

 

「ん?提督?どうしたの?」

 

「新装備なんだが・・・」

 

「ええ!?本当!?ためさせて!!」

 

水上機を渡す

 

「・・・」

 

「どうした?」

 

「こんなの飛行機じゃないわ!羽のついたカヌーよ!!」

 

本当に言いやがった・・・

 

「だったら漕げばいいだろ!!」

 

俺も反射的に言ってしまった・・・

ちなみにほかの艦娘に試したところ、みんな一言一句間違わずに嘆いていた。利根なんか「~じゃ」と言うのを忘れるほど・・・

 

「これ使えんのかよ・・・」

 

そう俺も嘆いていると・・・

 

「てーとくー!」

 

「ん?あぁ、工廠の妖精か」

 

「忘れ物あったの!」

 

「何だ?」

 

「これ。」

 

何だこれ・・・

妖精のようなものを渡された

名前は・・・

 

筋肉妖精「ジョン・メイトリックス」

 

「・・・・・・誰」

 

説明には・・・整備から戦闘まで自慢の筋肉でなんでもこなす筋肉モリモリマッチョマンな変態妖精!ぜひ火力が足りない艦娘や整備不良が多発する艦娘に搭載してあげてください!

 

「う、うん・・・まぁ、これで4-3も大丈夫だろ・・・」

 

「海がドンパチ賑やかになるな提督」

 

「・・・やる気満々なのね・・・」

 

妖精の癖にめっちゃごつい・・・

この妖精、最近カタパルトの調子がおかしい利根に乗せるとカタパルトがものすごい快調になったらしく喜んでいた。

結構・・・使えるっぽい?

 

 




もう自分で何書いてるのか不明になってきたぜ!☆


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体はテカテカ、脂肪たっぷりの変態だ

「・・・・ふざけやがってえええええ!!!!」

 

「はにゃぁ!?」

 

提督は激怒した。こんなFAXを送りつけてくる邪知暴虐な司令部は除かねばならぬと決意した。

提督には司令部のお偉いさんの頭が分からぬ。提督は一艦隊の司令官である。艦娘を指揮し、時には電たちとイチャ・・・遊んで暮らしていた。けれども邪悪には人一倍敏感であった。

 

「・・・これ見てみろ電・・・」

 

「何ですかこれ?」

 

FAXの内容は司令部に持っていかれたA-10を見たところおかしな箇所はなかったが何故敵航空機の撃墜が出来たのか解明できないため鳩山特務大尉を派遣する。

と言うことだった。

 

「この特務大尉というのは何ですか?」

 

「まぁ・・・エンジニアってとこか?ちょっと違うけど・・・」

 

「この人が来るのがダメなのです?」

 

「いや・・・来るのはいいんだ・・・」

 

「?」

 

「あの特務大尉・・・とんでもねえブラック鎮守府を運用しててな・・・個人的に大っ嫌いなんだよ。」

 

「は、はぁ・・・」

 

「まぁ、ヤツの鎮守府だけならいいがヤツが派遣された鎮守府の艦娘を酷使しやがるんだよ。俺らみたいなところはなおさらだ。資源はある疲労もない。だったら突撃しろやハゲの如くな・・・ちなみにお偉いさんの中でもかなりめんどくさい位置にあって階級は俺のほうが上でも権力は向こうのほうが強いんだよ・・・親父が大将とかでな・・・」

 

鎮守府の入り口に簡易トラップタワ-建造したろか。溶岩処理式の。

 

「そ、それ・・・私たちは大丈夫なのです・・・?」

 

「どうすっかな・・・」

 

ヤツが滞在する期間は1週間。

派遣された鎮守府では2日に一回轟沈艦が出たとか・・・

 

「・・・やりたくないが・・・デルタの知り合いに頼んでみるか」

 

「何するのです?」

 

「狙撃」

 

「え!?」

 

「海上から50口径で狙撃して深海棲艦の流れ弾が当たったことにすればいい」

 

「い、いやあの!仮にも司令部の方ですよ!」

 

「ええ~・・・ダメ?」

 

「ダメです!」

 

だったらコンクリ詰めにして海に放り込むか・・・

 

「あ~・・・どうやって暗殺していいか分かんねえよー!」

 

「いや、まず暗殺って項目を抜いたほうがいいと思うのです・・・」

 

「じゃぁ・・・拉致!とりあえず北鮮にでも連れてってパラシュ-ト無し空挺降下とかさせれば!」

 

「それ死んじゃうのです!たとえ無事に着地できても確実に死んじゃうのです!」

 

「いや、殺すのは向こうだし・・・」

 

「そういう意味じゃないのですぅぅぅぅ!!!!」

 

「でも・・・アイツが来るなら・・・」

 

壁に飾ってあったフリントロック式マスケット銃を手に取り・・・

 

「アイツが来るなら・・・みんな死ぬしかないじゃない!お前も!俺も!!」

 

俺は理性を失ってとりあえず電より少し上に銃口を向けた

 

「ひにゃぁぁ!?!?し、司令官さん!!お、落ち着くのですうううう!!!」

 

「離せぇ!!野朗ぶっ殺してやらあああああああああああああああ!!!」

 

「まだ、来てないのです!!」

 

汚物は消毒だああああああああああああああ!!!ひゃっはああああああああ!!!(理性崩壊

 

「お、落ち着くのです!」(ゴスッ

 

「おぶぅ!?」

 

・・・話によると電に後頭部をぶん殴られ俺は数分立ったまま気絶してたらしい

そしてちょうど起きたとき式風が司令室に入ってきた・・・ちなみこのときはまだいろいろぶっ壊れてた

 

~電~

 

「お~いイ-グル、いるか~?」

 

「あ、式風さん!え、ええっと・・・今司令官さんは・・・」

 

「なんだ?ほかの艦娘連れ込んでベッドウェ-開戦からのアンアンキシムサウンドでそれを電に見られてシュラバヤ沖開戦か?」

 

「ち、ちがうのですっ!!」

 

「んじゃ何・・・だ・・・」

 

式風が司令室まで入ってきた。

 

「へへ・・・どうせ・・・みんな死ぬ・・・へへ・・・」

 

たったまま何かを呟いてる司令官さんが・・・怖いのです・・・

 

「な、なぁ・・・あれ・・・なんだ?赤い水でも飲んだのか・・・?」

 

「そ、その・・・」

 

理由を言おうとしたとき司令官さんは引き出しから38口径拳銃を取り出して・・・

 

「リョウカイ・・・シャサツ シマス・・・」

 

「へっ?」

 

そして発砲・・・

 

「ファッ!?」

 

「しししし司令官さんんんん!!落ち着いてええええ!!!」

 

「あれ絶対、羽生田村行って来ただろおおおおおお!!!」

 

「どこなんですかそれええええ!!!」

 

とりあえずパニックだ

そのときだった・・・

 

「何の騒ぎだね?」

 

顔がテカテカ、脂肪たっぷりの人が立っていた。

 

「派遣で来た鳩山大尉だがイーグルアイ提督はこの中かね?」

 

「ど、どこの誰かしらんが行かないほうがいいぞ・・・」

 

「し、式風さんの言うとおりなのです・・・」

 

「?一体なんだね?」

 

入ろうとすると・・・

 

「ウェヒヒヒ シャサツ シャサツ!!」

 

そして発砲。

 

「ぐわぁ!!」

 

その鳩山大尉は被弾しそのまま倒れこんだ

 

「え・・・」

 

「えええええええええええええええええええ!?!?!?!?」

 

「やばいこれ殺っちゃったよ!!」

 

「お、落ち着くのです!!落ち着いてタイムマシン探すのです!」

 

「いや、落ち着くのお前だろ!!」

 

タタタタタイムマシンどこなのですううう!!!

 

 

 

 

 

 

 

~提督~

 

後頭部が痛む・・・

起きると目の前に何かすっごい疲れた顔の式風と電、明らかにご立腹の鳩山大尉(豚)が居た。

 

「あ、大尉!到着されたんですか!」

 

「ああ・・・到着そうそう君にゴム弾でヘッドショット食らったよ・・・」

 

「あ、あはは・・・」

 

チッ・・・死んでれば良かったのに・・・

 




サイレンって何気に怖かったよね~


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最強の不運

くそう・・・実弾を込めておくべきだった・・・

 

「少し提督と二人にしていただけるかな?」

 

「あ、ハイ。分かったのです」

 

え・・・やめて、こんなのと二人きりはヤダ

 

「さて・・・本題なんだが」

 

「A-10のことですか?」

 

「あぁ。あと君の艦隊についてだ」

 

ハイ来たー。デリンジャ-隠し持ってて良かったぜ

 

「うちの艦隊がどうかしました?」

 

「いや、普段あまり出撃していないようだね」

 

「まぁ、のんびりやってますからね」

 

「そこでだ。君の艦隊の戦闘を見物したんだが・・・」

 

「航空機からならいいですよ」

 

「ふむ・・・そうしよう。一応私はパイロット免許を持っているから自分で操縦するよ」

 

・・・キタ。撃墜のチャンス・・・ふふふ・・・リボン付きの死神、円卓の鬼神、亡霊などと呼ばれた働きをしてやろう・・・ふはははは!!地獄に落ちろベネ・・・大尉!

 

「さて、では早速行きたいんだが・・・」

 

「あ、では機体を用意しますよ。大尉は先に格納庫へ行っててください。」

 

「分かったよ」

 

よし・・・ここでこの前入手したあの筋肉妖精を呼ぶ

 

「何か用か?」

 

「今出て行った豚の機体に爆弾を仕掛けておいてくれ。もし俺が撃墜できなければ爆破するんだ」

 

「タイミングは?」

 

「空がドンパチ賑やかになったらだ」

 

「任せろ提督」

 

妖精は窓から筋肉式スカイダイビングをして格納庫へ走っていった。

てか、あれ妖精って言うか妖怪だよね。筋肉妖怪。

なんてくだらないことを考えながら自分の機体に乗り込む。今日はF-15で行こう。

すでに主力の戦艦隊が錬度向上のために出撃している。

 

「大尉、これより上がりますので着いてきてください」

 

<<OK。ああ、そうだ。上がってからでいい。無線の周波数を118に合わせてくれないか?>>

 

「はぁ・・・まぁ了解です。」

 

何話す気だ?

とりあえず離陸する

 

「V1・・・ローテート・・・V2」

 

機体は離陸速度に達して離陸する。

 

「ポジティブレ-ト。ギア、アップ」

 

あとはチェックするだけ・・・

さてと、何する気か知らんが周波数を合わせるか

 

<<合わせてくれたのか。よし、君に話しておかねばならないことがある>>

 

「なんですか?」

 

<<私の噂話・・・聞いたことはあるだろう>>

 

「はぁ・・・まぁ・・・」

 

<<確かに艦娘は他人から見れば酷使してるようにしか見えんだろうな・・・私は運がものすごく悪くてな。どんなに楽な海域でもものすごい勢力と衝突することがしょっちゅうだ。>>

 

「それで回避しつつ逃げ帰るのに疲労が溜まって・・・って事ですか?」

 

<<まぁ、そうなるな・・・あと轟沈のことだ>>

 

「・・・あれは本当ですか?」

 

<<・・・私の不運のせいで主力級の敵勢力が来ることがあってな・・・そのせいだ。正直言うともう派遣なんてされたくないんだ。私のせいで艦娘が轟沈する・・・そんな罪悪感で夜も眠れんよ・・・>>

 

「・・・」

 

本当なのか・・・?噂のせいで信じがたいが・・・

 

<<今日、君に撃たれただろう?あれで沈んだ私の艦娘、ほかの提督の艦娘に会えると思ったよ。>>

 

本当ならこの大尉、相当不幸だな。

 

<<海軍だって辞めたいが、親父のせいでやめれないよ・・・>>

 

なんて事話してるとレ-ダ-に反応があった。

 

「あ~・・・大尉?お話の最中申し訳ないんですが・・・敵ですね」

 

すると先行している艦娘から

 

<<提督!まずい!戦姫級がいる!撤退許可を!!>>

 

「戦姫!?このオリョ-ル海にはいないだろ!!」

 

<<いや!それでも今目の前のいるんだ!!>>

 

「分かった!長門さっさと撤退しろ!援護する!」

 

急降下して長門たちに上空を通過する。確かに・・・戦姫級がそこにいた

 

「マジかい!」

 

<<やはり・・・呼んでしまったか・・・>>

 

「あんた魔法使いかなんかか・・・」

 

<<とにかく応戦しよう。これ以上沈没する艦娘を見たくない>>

 

「そこには同意だ!」

 

大尉のF-16Cは戦姫に向けて急降下する

それに続き降下する

戦姫は艦載機を発進させた

 

「お~・・・いっぱいきたね~」

 

レ-ダ-に点がいっぱいだ

 

「ロックオン・・・FOX2!」

 

ミサイルは正確に目標に命中する。

長門たちも撤退しつつ艦砲射撃をしてくれている

 

「スプラッシュワン!」

 

戦闘機を一機撃墜した

 

「大尉、そっちはどうですか?」

 

<<・・・まずいかもな>>

 

声と一緒に警報の音が聞こえる

 

「被弾ですか?」

 

<<主翼をやられた。鎮守府には帰れないだろうな>>

 

「ベイルアウトを」

 

<<無理だ。キャノピ-が飛ばない・・・イジェクションシ-トも・・・たぶんダメだ。いいか提督、艦娘を絶対に轟沈させるな。させたら私が化けて出るからな>>

 

「・・・・」

 

<<提督、あとは私がやる。君は逃げろ>>

 

「しかし大尉」

 

<<大丈夫だ>>

 

いや、不運すぎて大丈夫じゃない。

 

<<帰ったら私の好きなハッピ-タ-ンを用意しててくれ>>

 

「大尉!」

 

それ脂b・・・死亡フラグっす

大尉の機体はまっすぐ戦姫向かっていく

 

<<これ以上は進ませんぞおおおおおおお!!!!>>

 

やだカッコいい

とか思ったり。

 

<<うおおおおおおおおおおおおお――――――>>

 

大きな水柱が立ち無線も途切れる。

体当たりか・・・墜落地点に敬礼をする

 

「大尉・・・無茶しやがって・・・!」

 

ちょっと泣きそうになったがふと墜落地点を見ると・・・

 

「・・・外れてる」

 

100mくらい東の方角に突っ込んでる・・・

 

「あ、待てよ・・・・・・俺の機体返せ豚野朗があああああああああああああ!!!!!」

 

悲しみより勝手に人の機体で突っ込まれたことに怒りが・・・FUCK

ちなみに戦姫はこのあと別艦隊の砲撃でボコボコにされたとか

大尉は・・・最後の最期まで不運だったね。南無。

まぁ・・・良いヤツだったよ(小並感

 

 




クソみたいなヤツを無駄にかっこよくしてみたけど失敗した。


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デイリ-任務

今日はデイリ-でも片付けるか。最近やってないし。

 

「電、第二艦隊の錬度ってどれくらいだっけ?」

 

「ええっと・・・平均60lvくらいなのです」

 

「じゃあ、デイリ-消化ついでに第4海域行こう」

 

第4海域詰んでたからな・・・今回は片付けよう

電、そう伝えたあと俺はある部署に電話をかけた

 

「ああ、はい。そうです。あれの準備を・・・はい。」

 

もしものことがあった際に使うぜ。

ついでに大型開発行くか。筋肉妖精は居るから片羽の妖精とか出ようぜ。

というわけで工廠に向かった。

 

「お、てーとく~。このまえの装備はどうだった?」

 

「あの筋肉妖怪か・・・?」

 

「それもなの」

 

「う~ん・・・まぁ、零戦のほうはなかなか戦果をあげてるがあの妖精はもっぱら整備に行ってるな。」

 

「あの妖精は基地系深海棲艦に有効だよ」

 

「・・・こんど使ってみるか」

 

「確か一人ノルマンディー上陸作戦とかで・・・」

 

「なにそれ怖い」

 

「まぁ、とりあえず何か作るの?」

 

「ああ、そうだった。テキトーに資材持っていって作ってくれ。デイリ-消化でもあるし」

 

「OK!」

 

そういうと工廠妖精は資材を20個ほどと資源を1万ちょっと持っていきおった・・・

・・・そろそろ財政難

 

「はいできたー!」

 

だから早えーよ。どうやんだよそれ

 

「んでどんなのだ?」

 

「ほい!」

 

46cm三連装砲×3

 

烈風×1

 

「・・・いやっほおおおおおう!最高だぜええええ!!!」

 

あとで装備組み替えねば!

 

「まだあるよ?」

 

「お、どれどれ?」

 

ADFX-01 Morgan(Pixy)

説明文は・・・

 

オーシア連邦を中心とした連合軍が南ベルカ国営兵器産業廠の試験開発機を接収して完成させた機体。翼構成はカナード、前進翼、内向き斜め双垂直尾翼で構成されるエンテ型。エンジンは双発で、比較的大型のタイプが機体後部にやや左右の間隔を空けて搭載されている。ADFX-01およびADFX-02は後のFALKENのベースとなったこともあり、機首部を除き外観には類似点も多い。広域制圧兵器「MPBM」や、戦略レーザーシステム「TLS」などの強力な武装と、非常に高度な機動性を両立しているが、一方で戦闘機としてはかなりの大型機となっており、前脚にはダブルタイヤを採用するなど、機体重量に対する配慮も見られる。また、前述の特殊兵装の他、通常兵装としては航空機関砲1門と、短射程AAMとして、翼下パイロンにAIM-9L/Mサイドワインダーを装備している。

 

というとんでもないチ-ト。MPBMなんか撃ち込んだら敵艦隊どうなるんだよ・・・

 

「んで?もうひとつは何だ?」

 

「なんと!妖精が出来たの!」

 

「また筋肉かよ・・・」

 

と思い受け取ると・・・

 

 

 

片羽の妖精「ラリー・フォルク」

 

 

・・・だから何で出来るの。どうやったら出来るの。教えてエロい人。

 

「・・・工廠って何なの怖い」

 

「しかもこのモルガン!なんと既存の資源で補給可能なのです!」

 

「いや、チ-トにもほどがあるだろ」

 

「あ、運用資源は一回につき燃料1000、弾薬3000。撃墜されたらボ-キが8000は飛んでくから気をつけてね」

 

「あ~・・・まぁ、性能に見合ってるか・・・」

 

決戦にしか出せんな。てか、コイツ、俺がウスティオに居たときの相棒じゃないか・・・なんで本当に妖精になってるんですかアナタ・・・

 

「よう相棒、元気か?」

 

「・・・なんで本当に妖精になっちゃってるんですかねぇ・・・」

 

「さぁな・・・とりあえずモルガンは俺が乗れば性能が数倍上がるぜ」

 

「知ってる、あんた落とすのにどんだけ苦労したと思ってるの。」

 

とりあえず今回の第4海域攻略戦に組み込もう。

司令室に帰ると・・・

 

「ぷんぷんなのです!」

 

「ええっと・・・電さん、いつからここに?」

 

「30分以上前からなのです!」

 

「・・・すんません・・・」

 

「何で何も連絡せずに出て行くんですか!探し回ったんですよ!」

 

「いやほんとすいませんでした・・・」

 

「激おこなのです!」

 

ああ・・・怒ってる電も可愛いよ・・・

とか考えてる暇があったら指揮を取れですよね、サ-セン

 

「とりあえず第二艦隊には46cm砲を一基ずつ渡してくれるか?あと出来れば一航戦の連中呼んできてくれないか?」

 

「了解なのです。あと、さっきのこと許してあげるのでその・・・あとで・・・」

 

「ん?なんだ?」

 

「え・・・ええっと・・・あとで言うのです!!」

 

顔真っ赤にして走っていく電はなかなか可愛い。

そして一航戦を呼んできてくれた

 

「何か御用ですか?」

 

「ああ、お前ら二人にこの航空機搭載してほしいんだけどいい?」

 

「どんなのですか?」

 

二人はその機体を見て・・・

 

「・・・さすがに気分が高揚します」

 

「上々ね!」

 

「まぶしっ!!」

 

たぶんこのキラキラはミサイルが飛んできても避けれる可能性がある気がする・・・

 

「よし、じゃあ赤城はモルガンと片羽積んでくれ、加賀はF-14Dとリボン付きで」

 

「分かりました!必ず勝ちに行ってきます!」

 

「まぁ、デイリ-消化と飛行試験兼ねてるから小破が出た時点で撤退な。これ重要」

 

てか、正直なこと言うと第4海域を攻略する気がほとんど無かったり・・・

というわけで元気に第二艦隊は出撃していった。

そういえば・・・着艦時はどうするんだろ・・・まぁワイヤ-に引っ掛ければいけるかな?

てか、ラリ-のヤツ去年戦死したとか聞いた気がするんだが・・・




エスコンネタも混ぜていくぜ!あ、でもスカイクロラのほうが合ってる気もする・・・?ちなみにモルガンの説明分はWikiより抜擢しました


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イエス、ケストレル

第二艦隊を第4海域に出撃させたのはいいが一発で小破が出てしまった・・・まぁ、デイリ-消化だからいいんだけどね(震え声

あ、ちなみにこの前電話して用意してたのは・・・なんとトマホ-ク対艦ミサイルだったのでした!

追撃してきたヤツにぶち込んでやろうと思ったんだがな・・・ケッ

 

「金剛の小破以外の損害は無しか?モルガンが落ちたとか・・・」

 

「それは無いって連絡を受けたのです」

 

「なら良かった・・・」

 

モルガンが撃墜されたらシャレにならんぜ・・・ただでさえいくら資源を持っていかれるか分からないTLS(戦略レーザーシステム)積んでるのに・・・

 

「あ、司令官さん、明日の午後にお客さん来られるみたいなのです」

 

「客?」

 

「ええっと・・・武御雷提督なのです。お知り合いの方なのです?」

 

「あ~・・・まぁ、先輩って感じかな」

 

「付き合い長いのです?」

 

「いんや、俺も向こうも忙しくて会ったのは1~2回かな?」

 

もう少将殿だっけかな

 

「さて、せっかく先輩も来ることだしいっちょ大型建造を3回くらい行ってみるか」

 

「え・・・大丈夫なのです?」

 

「資源はある(キリッ」

 

「・・・ま、まぁ・・・司令官がそういうなら・・・」

 

「おーし!工廠いくぜ我が嫁よ!」

 

「なので・・・!?今なんておっしゃいました!?!?」

 

「なんでもないよ?」

 

「な、なのです・・・」

 

やだ可愛い。

とりあえず工廠に行けですよね。はい。

 

「おお!てーとく!今日も開発?」

 

「いや、大型建造で」

 

「ほうほう・・・何作るの?」

 

「とくに目的は無いな・・・3隻分お願いできるか?」

 

「OK!」

 

ああ・・・資源の残りが2万程度になってしまった・・・

 

「よーし!一隻目の建造時間は・・・なんと10時間!」

 

「ファッ!?大和型ですら8時間だぞ!?」

 

「わ、分かんないよ~・・・二隻目は・・・7時間!」

 

「だからそんな建造時間の艦は無いだろ!!!」

 

「でも・・・出たし・・・しかも最後にいたっては・・・!」

 

ああ・・・もう何でも来い・・・

 

「24時間!」

 

「ありえねぇよ!!!」

 

何で!?何で24時間!?アホか!!!

 

「ああ・・・もう何でもいいや・・・高速建造でやっといてくれ・・・」

 

「りょーかい!」

 

ああ・・・うちの工廠は壊れてる・・・絶対そうだ・・・

 

「あ、あの司令官さん・・・もし大和さん来たら・・・秘書艦って・・・」

 

「ん?どした?電のままだけど?」

 

「は、はぅう・・・////」

 

書類で顔を隠している電が可愛すぎる。

 

「新しい艦が出来たよー!!!」

 

妖精が呼びに着てくれた。

 

「お、どんなのだ?」

 

やっぱり気になる

すると出てきたのは・・・煙で見えないが空母・・・か?

何か・・・アングルドデッキ持ってね?

すると煙が晴れて・・・

 

「初めまして。オーシア連邦海軍所属、航空母艦ケストレルです。」

 

・・・・け、ケストレル!?!?!?!?

 

「え・・・もしかして・・・あの・・・ケストレルか・・・?」

 

「?はい、ヒュ-バ-ド級航空母艦の7番艦です。」

 

「・・・すまない、もうひとつ質問させてくれ・・・イーグリン海峡での同伴空母は?」

 

ケストレルは少し顔を曇らせたが・・・

 

「・・・姉の・・・ヴァルチャーと・・・バザ-ドです」

 

やっぱり・・・あのケストレルだ

 

「ケストレル、俺のことは分かるか?」

 

「?ここの提督さんですよね?」

 

「・・・ブレイズ。これで分かるか?」

 

「・・・!隊長!!」

 

ケストレルはいきなり抱きついてきた。

・・・空母のパワ-半端ない・・・

 

「はにゃぁ!?し、司令官さんん!!!!」

 

電はあわててた。

 

「隊長・・・!隊長!」

 

「あ、あの・・・司令官さん・・・一体どういう関係なのです?」

 

俺の腕の中で泣いているケストレルを見て電が激おこになりかけてる

 

「ああ、俺の空軍時代の母艦だよ。まぁ、実はいろいろあってな・・・本来空軍は母艦なんて持たないからな。」

 

「はい、いろいろありまして・・・隊長はたったの23日間でしたが私と共に戦場を駆けてました。」

 

「まさかの乗艦だったのですか・・・」

 

何か電が微妙にしょぼんってなってる。

 

「あ、そうだ、2隻目は?」

 

「ほい!」

 

工廠の扉が開いた先には・・・

 

「・・・あ、あの・・・じょ、情報収集艦アンドロメダです・・・よ、よろしくお願いしますっ!」

 

「・・・アンドロメダ」

 

「け、ケストレルさん!?」

 

「久しぶりね!」

 

二人とも抱きあっていた。そういえばあの時もケストレルの仇を討ったのはアンドロメダだっけかな

 

「あの・・・司令官さん・・・何か顔が緩んでますよ・・・」

 

「あ、すまん・・・懐かしくてな・・・」

 

「もう!や、やきもち焼いちゃうのです・・・」

 

「ははっ。よしよし」

 

「はぅぅ・・・」

 

ケストレルもアンドロメダもかなり可愛いがやっぱり電が一番!

 

「そうだ、最後の艦は?」

 

「お、そうだった!潜水艦なの!」

 

扉が開いて出てきたのは・・・

 

「シンファクシ級潜水空母のネームシップ、シンファクシだ。よろしく頼む。広域制圧は任せてくれ」

 

「シ、シンファクシ!?」

 

その名前を聞いた瞬間ケストレルがものすごい形相でこっちを向いた

 

「シ、シンファクシィィィ・・・」

 

「な、何だ?」

 

「ここで沈めてやる・・・!イ-グリン海峡の姉の仇!!」

 

「ちょ!待て!ここで艦載機を上げるな!!シンファクシもシンファクシで散弾ミサイル撃つな!!」

 

やばい、鎮守府を高度5000ftまで上げねば・・・ああ・・・そうだ・・・ア-クバ-ド造らないと・・・どうなるんだこれ・・・

 

「あ、てーとく、取り込み中悪いんだけど、ハイこれ」

 

「何だこれ?」

 

「運用資源表」

 

「司令室でじっくり見るよ。」

 

一応ここで少し目を通してみると・・・

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「し、司令官さん!?」

 

「あ、あれ!?隊長どうしたの?」

 

「て、提督!」

 

「どうした提督!?」

 

力が抜けてぶっ倒れかけた・・・

運用資源がLv99で大破で残りHP1の状態の大和型10隻分だ・・・入渠時間もな・・・あ、あはははははははは・・・・シンファクシにいたっては弾薬消費量が大和型20隻分はあるぞおい・・・

 

「と、とりあえずみんな帰ろうか・・・か、歓迎パ-チ-だ・・・」

 

「あの・・・司令官さん・・・大丈夫なのです?」

 

「大丈夫大丈夫・・・」

 

今にも死にそうだけどね・・・

 




ケストレルの最期は泣いたぜ・・・
ちなみに知らない人はエースコンバット5で検索!


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天龍のプリン

~電~

 

「電、そろそろ武御雷提督が鎮守府につくと思うから迎えにいってやれるか?」

 

「お任せなのです!」

 

司令官さんのお友達提督さんをお迎えに行くのです!

・・・それにしても・・・司令官さん・・・あのケストレルって言う航空母艦で溺愛しちゃってる気がするのです・・・

 

「・・・はぁ・・・」

 

「電?どうしたんだい?」

 

「あ、響お姉ちゃん・・・」

 

「何か元気無いようだね」

 

「う、うん・・・ちょっと・・・」

 

「私でよければ話を聞くよ」

 

「今は司令官さんに任されたことがあるのでまた後でお願いなのです」

 

「うん、分かったよ」

 

やっぱり頼りになるのです。

鎮守府の入り口に着くとほぼ同時に黒塗りのセダンがやってきた。

ヤ・・・ヤのつく人・・・?

すると車から降りてきた。

 

「君がこのイ-グルアイ提督のところの秘書かい?」

 

「あ、はい!そうなのです!」

 

「武御雷だよ。肝心の提督は何かしてるの?」

 

「え・・・ええっと・・・司令官さんは・・・」

 

「?」

 

「たぶん、司令室で空母の消費資材計算してると思うのです・・・」

 

「あれ、そんなに資材食うかな?赤城とかだろ?」

 

「いろいろあったのです・・・」

 

さすがに現代艦が艦娘になったなんて聞いたこと無いのです・・・ミサイルとか普通に積んでるし・・・

 

「司令室に案内してもらえる?」

 

「はい!了解なのです!」

 

司令室の前まで歩いていくと突然中から天龍さんの怒号が聞こえてきた。

少しだけ扉を開けると・・・

 

「・・・怖いかクソッタレ、当然だぜ元世界水準越えの俺に勝てるもんか・・・フフッ、怖いだろ」

 

「試してみるか?俺だって元ネイビ-・シ-ルズだ」

 

・・・な、何があったのです・・・

 

「ところで提督、もう一度聞くぞ、そこのプッチンプリン。誰が食べた?」

 

「まだ言っているのか?俺だ、まだ3カップあっただろ」

 

「・・・あれはなぁ・・・俺が4つ一気食いしたくて買ったんだよ!人のプリンを何だと思ってやがる!!」

 

「プリンを共用冷蔵庫に入れるお前が悪い」

 

「・・・お前は面白いことを言うな提督。殺すのは懺悔を聞いてからにしてやる」

 

・・・け、喧嘩なのです!?

 

「電・・・これ大丈夫なの?」

 

「へ、下手に止めたらダメな気がするのです・・・」

 

そしてまた二人を見る。

 

「来いよ天龍・・・怖いのか?」

 

「・・・誰がてめえなんか・・・てめえなんか怖かねぇ!!」

 

「フフ怖(笑)」

 

その一言で天龍さんの中の何かが切れた

 

「野朗ぶっ殺してやるああああああああああああああああああ!!!!!!」

 

「来いy―――――ぐえぶっ!」

 

一瞬でタックル食らってものすごい声が出てるのです・・・

そして足を持たれて窓際まで持っていかれた

 

「ね、ねぇ・・・あれヤバくない・・・?」

 

「・・・やばいのです」

 

でも天龍さん怖いのです・・・

 

「・・・提督、謝るなら今のうちだぜ」

 

「だ、誰が謝るかよコノヤロウ!」

 

「参考までに言っとくがな、この腕は利き腕じゃないんだぜ?」

 

「で、フフっ怖いか?ってか?」

 

「・・・お前を殺すのは懺悔の後だと約束したな?」

 

「そうだ、さっさと降ろせ」

 

「アレは嘘だ。」

 

そしてリリ-ス

 

「うわああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

 

司令官さんの悲鳴が鎮守府中に響き渡った・・・

 

「・・・悪は滅びた」

 

天龍さんが少しかっこつけてたのです。

すると壁のほうから何か音が聞こえてきた。

 

「ん?何だ?」

 

天龍さんが窓のほうに行こうとしたとき・・・

 

「てんりゅうううううう・・・・」

 

「きゃぁ!?!?」

 

頭から血を流し泥だらけの司令官さんが壁を這い上がってきた。

天龍さんは今まで聞いたこと無いような女の子らしい悲鳴を上げていた。

 

「ひっ・・・て、提督・・・?」

 

「コノ恨ミ晴ラサデ置クモノカ・・・・」

 

もうこれただホラ-なのです・・・

 

「い、いやあああああああああああああ!!!!!龍田ぁぁぁぁ助けてよぉぉぉぉぉ!!!」

 

「待ぁぁぁぁてぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

直後、司令室から天龍さんが飛び出し、その後を司令官さんがものすごい形相で追いかけていった。

・・・ものすごく怖かったのです。




ひさびさにコマンド-ネタ入れた気がする


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NIMBUS、LUNCH!

天龍の身柄を龍田に引き渡して司令室に戻ってきた。

・・・・ものすごい悲鳴が聞こえてきたけど・・・大丈夫だよね!

 

「うぃ~っす・・・帰ったよ」

 

扉を開けると武御雷提督と電が居た。

 

「あら?武御雷さん、今ついたんですか?」

 

「・・・・いや・・・君がものすごい形相で天龍追いかけていったあたりから居たよ・・・」

 

「あら?そうなの?」

 

「まぁいいや、とりあえずお久しぶり。いつ以来かな」

 

「あ~・・・1年前くらいじゃないですか?ほら、観艦式のときに」

 

「そうだっけ?」

 

「そういや、提督の艦娘は?」

 

「ああ、そとに居るよ?今から演習するって」

 

「えっ」

 

待って聞いてない。動かせるのあの3人なんだけど・・・

 

「どうした?私が怖いか?」

 

「いや、資源が怖・・・いや、なんでもないです」

 

「?」

 

「ええっと・・・演習やるんスか・・・?」

 

「ダメ?」

 

そとでばっちり準備してる艦隊を見てダメとか言えない。

 

「まぁ、私に勝ったら間宮チケット10枚やるよ」

 

「やります!やらせていただきます!」

 

・・・シンファクシ、ケストレル、アンドロメダ・・・

ふふふふ・・・・いける!

 

「じゃあ、やりますか。」

 

3人にさっさと連絡をする。

喜んで了承してくれた。

演習を見守るための部屋でモニタ-を見る。

上空を飛行する両陣営の偵察機の映像とレ-ダ-画面が表示されている

 

「よし!演習開始!」

 

「イーグルアイ・・・君の艦隊3隻なのはなんで?」

 

「・・・・あの娘たちしか居なくて・・・」

 

「・・・お、おう」

 

するともう射程に捉えたのかシンファクシから無線が入る。

 

<<提督、発見したぞ。もう撃ってもいいか?>>

 

「索敵は優秀なんだな」

 

「ここからですよ!・・・・ニンバス、用意!」

 

<<了解!ニンバス、用意!>>

 

「ニ、ニンバス?」

 

「まぁ、見てりゃ分かりますよ」

 

<<潜行して発射するぞ>>

 

「了解」

 

「潜水艦がいるのか?」

 

「居ますよ」

 

「ふふふ、我が艦隊の対潜値を舐めたらアカンで!」

 

「・・・どうですかね?」

 

<<がぼぼぼ!!(ニンバス、ランチ!)>>

 

レ-ダ-に小さな点が4つほど表示される。

☆ち☆な☆み☆に☆

ニンバスとは着弾地点に揮発性燃料をばら撒き着火して大爆発を起こす空間制圧兵器なのだ!

まぁ、簡単に言うと燃料気化爆弾を空中で爆発させる感じだね。

ちな、弾道ミサイルな。

 

「艦載機?・・・ふむ・・・赤城、やれ!」

 

<<了解!第一次攻撃隊、発艦してください!>>

 

赤城隊の艦載機とニンバスが重なりあったところでニンバスの反応が消える。

 

「ふぅはははは!!どうだ!我が航空隊は世界一ィィィィィィ!!」

 

「どうでしょうかね?」

 

「いや、全て撃t・・・ファッ!?」

 

レ-ダ-に再び4つの点が映る。

その3秒後くらいだった

 

<<キャァァァァ!!!真上!?直上・・・!?>>

 

<<な、何だ!?太陽でも爆発したのか!?>>

 

「長門落ちつけ!何が起こった!」

 

<<赤城大破、轟沈判定!電、響も中破!>>

 

「何が・・・」

 

その報告聞きながら俺氏、ドヤ顔

 

「さぁて、ケストレルさん、やっちゃいなさいな」

 

<<了解!ラ-ズグリ-ズ出撃!>>

 

ケストレルから艦載機が発艦する。

え?上がった艦載機?やだなぁ、F-18E(ハープーン装備)に決まってるじゃないですかー

 

「なんてこった・・・赤城さん大破するとお財布やばいんだよなぁ・・・」

 

「ふぅはははははは!!!どや!!相手の力を見ずにやるからこんなことになるんですよ!!!あーっはっはっはっはっは!!どうしようもうどこにも出撃する資源残ってないよ」

 

「お前もやばいんかい!!!」

 

「しかたねーじゃん!!ニンバスってすごい弾薬食うんだもん!!」

 

あれ一発大和2隻分だぞ!!ちなみにレベルMAX、弾薬欠乏状態の大和2隻ね

 

「ところでイ-グルアイ君、下は見てるのかい?」

 

「下?」

 

海面下?と思った瞬間・・・

 

<<きゃああぁ!!・・・そんな!魚雷!?>>

 

「はっはっは!!401の力を見たか!」

 

「oh...」

 

<<そんな・・・もう一発・・・?弾幕展開!>>

 

いやあああああ!!!ケストレルがあああああ!!!

 

「どうした提督?目が死んでるぞ?」

 

<<きゃぁ!!・・・傾斜する・・・でも・・・!どんな機体でも打ち上げます!カタパルトがイカレても構わない!!>>

 

そんなにがんばらなくていいのよ・・・僕ちゃんもう目が塩水で埋め尽くされてるから

 

「あ、あっはっはっは・・・ケストレルがああ・・・」

 

「だ、大丈夫か?」

 

「資源があああ!!!」

 

・・・費用?腹ペコな大和10隻分プラスボーキ消費量がかるく3万こえるぜ・・・

 

<<け、ケストレルさんんんんんん!!!こ、こうなったら・・・あ、あなたが悪いんですよ・・・?や、やられる・・・前に!!>>

 

「待って!!アスロック撃つな!!!」

 

アスロック一発ボ-キ4000と弾薬が8000飛んで行くよ・・・

ちなみにもう遅かったり

 

「・・・今アスロックって言った?」

 

武御雷さん・・・すごい顔になってまっせ

 

「どうやって開発したんだ!?教えてくれ!」

 

「いや・・・うちの工廠が勝手に・・・ね?」

 

結局演習は旗艦ケストレルの大破で判定負け。向こうは長門がニンバスの直撃を4回くらい受けても小破だった。

長門姐さんマジパネェっす

ちなみに向こうは全てニンバスで長門さん以外全滅してたらしい。

俺は資源の消費が激しすぎてちょっと禿げそうになっていた。

 

 

 

 




インフィニティだとシンファクシのアレはニンバスって書いてからニンバス!異議は認め・・・いや認めます。


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航空母艦ケストレル

演習も終わり日が暮れた頃・・・

資源はすっからかん。遠征部隊がいるから何とかなるけどね。

 

「さてと・・・じゃあ、私は帰るよ」

 

「んじゃあそこまで送りますよ」

 

「ありがとう」

 

負けたのは悔しいがなかなかいい戦いだったと思う。

・・・てか、何でニンバスの直撃に耐えれるの長門の姉御

 

「ありがとう、ここでいいよ。後は向かえの車で帰るさ」

 

「艦娘たちは?」

 

「ああ、あの子たちなら先に帰ったよ。」

 

「そうですか」

 

すぐに車がやってきて武御雷提督を乗せる

 

「じゃあ、また演習よろしくね」

 

「・・・もうしたくないんですが・・・」

 

「まぁまぁ・・・じゃ、またね」

 

車は走り去っていった。

とりあえず晩飯食うかな~

そう思い司令室に帰っていくと・・・

 

「・・・なんでお前ら全員ここに居んの」

 

「だってこの艦隊私たちしかいないじゃない!」

 

「そうなのです!9人程度なのでみんなでここで食べるのです!」

 

「しゃーないな・・・机出すか・・・」

 

今日の料理は雷が作ったらしい

さすがロリおk(ry

 

「やっぱ雷の料理は美味いな」

 

「そう?やっぱり?」

 

「やっぱりって何だ」

 

「自信あるのよ!」

 

そんな話をしながらわいわい食べる。

 

「ケストレルさん・・・でしたっけ?秘書艦の電なのです!」

 

「あぁ~君が隊長の秘書か~。昔も今もロリコンなんだね隊長」

 

「Yes!」

 

「いや否定しろよ提督・・・」

 

「ねぇねぇ!そういえばその3人が艦娘じゃなかったときの話してほしいな」

 

「環太平洋戦争の話?」

 

「うん!」

 

その話には電も雷も赤城も加賀も興味深々だった。

ケストレルにはつらい話のほうが多そうだけど・・・

 

「同じ空母仲間としてケストレルさんの話を聞いてみたいです!ね?加賀さん」

 

「・・・そうですね」

 

「うう~ん・・・どこから話して言いやら・・・」

 

ケストレルは宣戦布告と同時に軍港を急襲された話、姉2人をシンファクシの放った弾道ミサイルで撃沈された話、セレス海海戦で実の姉を自らが放った艦載機で撃沈した話をした。

最期の話も

 

「・・・すごい話だね」

 

「でもそのときの対艦ミサイル以外の被弾は無かったんですよ」

 

「ゆ、雪風に負けず劣らずだね」

 

「雪風?」

 

「ああ、駆逐艦なんだけどね、ほとんど無傷で第二次大戦を生き延びたんだよ。」

 

「なるほど・・・お友達になれそうですね。」

 

そしてケストレルは俺のほうを向いていった

 

「その雪風を早く建造してくださいよ隊長」

 

「・・・お前今の資源しってるか?」

 

「ひねり出しなさい!」

 

「ふざけんな!!」

 

出せるかアホ!!!

なんていう賑やかな会話も終わりみんな寝室に帰っていった。

ああ~・・・まだ仕事があるぜよ・・・

 

 

 

 

 

~ケストレル~

 

「ふわあああああ~・・・・」

 

「眠そうですね」

 

「ん~・・・初めての戦闘だったからね~」

 

「無理はしないでくださいね?」

 

「はいはい、分かってるよアンドロメダ」

 

アンドロメダとは長い付き合いだ。

あの戦いで私の仇をとったあとのことは知らないが天寿を全うしてるよね

 

「さてと・・・寝ますかな」

 

「そうですね・・・おやすみなさい、ケストレルさん」

 

「おやすみ~」

 

自分の部屋に入りベットにダイブする

そのとき机からベットに写真立てが落ちてきた。

 

「ん~・・・?あっ・・・」

 

それはニコラス艦長の写真だった

 

「ふふっ・・・」

 

急に懐かしくなってふと笑ってしまう。

 

「艦長、私また航空母艦として戦うよ。もう艦載機を減らせはしないから。」

 

その艦長は4年前に亡くなったと聞いている。

オーシアの病院で亡くなったとだけしか聞いていない。

 

「はぁ・・・また艦長に会いたいな~・・・」

 

なんてことを呟きながら深い眠りに落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

港に鳴り響く警報の音がする。

空襲警報!?

 

<<出港可能な艦はただちに港外へ逃れよ!>>

 

<<これは演習ではない!>>

 

<<見りゃ分かるぞ!馬鹿野朗!!>>

 

<<そこらへんユーク軍機だらけだ!!>>

 

ここは・・・?そうだ、セントヒュ-レット軍港・・・

私は艦橋にいた。

艦橋にいるだけだが艦のデ-タは手に取るように分かる。

まぁ、私自身だからそうだけどね

 

「スノ-大尉、防空戦闘は任せたよ」

 

<<了解です!アンダ-セン艦長!>>

 

私のことは誰にも見えない。

いやまぁ・・・見えたら怖いけど

 

<<こちらは対空艦エクスキャリバ-!前方をふさぐ艦!離れてくれ!SPYレーダ-が照射できない!>>

 

<<こちらサンダ-ヘッド。空中管制指揮官だ。方位280から敵侵入・・・ダメだ、数が多すぎる>>

 

<<何とかしろ!あんたの指示が必要なんだ!>>

 

無線は込み合い聞き取るのも一苦労だ。

そんな中増援に来た、たった3機の戦闘機が戦況をひっくり返していた。

・・・すごい、もう一人五機以上撃墜してる

その戦闘の中私とその他5隻以上が無事に港外へ脱出できた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだろう・・・今度は少し薄暗い。

 

「ちょっとケストレル!置いてくわよ!」

 

「ああ!待ってよ!」

 

久々に姉のヴァルチャ-と航行している。バザ-ドも一緒だ

 

「姉さん、ここまで来れば安全だよね?」

 

「そうね・・・まぁイ-ジスも居るし大丈夫でしょ!」

 

「いや・・・大丈夫じゃないぞ」

 

「え?」

 

そのときだった・・・

 

<<て、敵接近!各隊もどれ!空母を守れ!!>>

 

あの空中管制指揮官からの声が聞こえてくる。

 

「ほら行くわよ!」

 

姉さんは速度を上げていく。

飛んでくるのは全部VTOL機なのが少し引っかかる。

この近くには空母の反応なんてない。基地もない・・・

一体どこから・・・

だが、敵戦闘機隊は全滅。空も海も安全になった・・・と思いたかった

 

<<弾道ミサイル接近!!>>

 

<<弾道ミサイルって・・・一体どこから発射されたんだ!?>>

 

弾道ミサイル!?

 

「姉さん!!逃げて!!」

 

「分かってるわよ!!面舵いっぱ――――――」

<<弾着、今!!>>

 

「姉さん!!」

 

空が突然轟音とともに爆発する

 

<<何だ!?何が起こった!!?>>

 

<<ちくしょう!太陽でも爆発したのか!?>>

 

<<主翼が・・・落ちる!!>>

 

<<誰か!!助けて!!!!>>

 

<<こちらヴァルチャ-!直撃を受けた!沈没する!!>>

 

そんな・・・姉さんが・・・

 

「ケストレル!悲しんでる暇があったら逃げるぞ!!」

 

「でも・・・でも・・・!」

 

<<弾道ミサイル、第2弾接近!!>>

 

「もう一発だ!取り舵いっぱい!!」

 

何で・・・どこから・・・いやだ・・・艦載機も・・・みんな逝かないで!!

 

<<10・・・9・・・8・・・>>

 

早く逃げて!!!

 

<<3・・・2・・・1・・・弾着、今!!>>

 

また空が大爆発を起こす。

 

「ケスト・・レル・・・逃げろ・・・!」

 

「バザ-ド姉・・・!!!」

 

<<ちくしょう!!いったいどこの攻撃だ!!>>

 

<<メーデ-メ-デ-!こちらバザ-ド!損害甚大!総員退艦する!!>>

 

<<あの攻撃は一体なんだ!鉄の雨が降ってきたみたいだ!>>

 

そ、そんな・・・やめて・・・姉さん・・・逝かないで・・・

 

「・・・こちら空母ケストレル。無事に生き残った艦へ。われわれはこれより全速で当海域を離脱する」

 

・・・姉さん・・・一人にしないで・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの海域から9ヶ月。

姉さんたちも失った悲しみも大きいけど私たちは・・・今祖国を相手にしている

15年前のベルカ戦争の好戦派がオ-シア、ユ-クトバニアを惑わせ大国間戦争に導いた。それに気づいたのは、元サンド島分遣隊のメンバ-とアンダ-セン艦長。それ以外はベルカの手のひらの上で踊っている。

でも、捕まっていたユ-クの元首、オ-シアの大統領を救出し両国間の誤解を解こうと必死になっていた。

そしてこのセレス海でそれを邪魔するようにユ-ク海軍が現れた。

本当に・・・なんでこんなに馬鹿なの!!何で気づかないの!?

 

「ユーク艦隊の諸君、私はユ-クトバニアを代表する国家首相、ニカノ-ルだ。」

 

首相の演説が始まる。

お願いだから理解してよ!

 

「この・・・ケストレルか?」

 

「イエス、ケストレル」

 

「オーシア空母、ケストレルの艦上に居る。われわれは再び・・・」

 

何かを言い切ろうとしたときECMで妨害される。

私はすぐにECCMを作動させ通信を傍受する

 

<<・・・艦に告ぐ!オ-シアとユ-クトバニアの間には憎悪しか存在しない!元首ニカノ-ルは敵についた!これを敵と認め、敵艦もろとも海中へ没せしめよ!!>>

 

何でそんな簡単に元首を殺そうとするのよ!

だが・・・

 

<<しかし司令官、仮にも元首のお言葉です。我々だって理不尽な戦いはごめんなのです!戦闘の中止を!!>>

 

一隻のフリゲ-ト艦が旗艦の前方をふさぐ形で回頭をはじめた。

そうそう!もっといってやれ!!ついで司令官殺っちゃえ☆

 

<<・・・我に従う艦は、前方を邪魔するフリゲ-ト艦「ピトムニク」を撃沈せよ!>>

 

・・・・!?何いってるの!?

 

<<撃ち方始めぇ!!!>>

 

旗艦を含め5隻以上が発砲した。だが、命中弾を撃ち込んだのは旗艦と他の一隻だけだった。

・・・ピトムニクと呼ばれた艦は船体の軋む音を響かせ轟沈していく。

今すぐにでもこの旗艦を司令官ごと撃沈したい。

すると・・・一隻の艦から無線があった

 

<<こちらは、栄えあるユ-ク海軍ミサイル駆逐艦「グムラク」。同僚の撃沈を命ずる艦隊司令官とは行動を共に出来ない!我々はニカノ-ル首相を護る!同意する艦は我に従え!>>

 

<<旗艦に従わぬ艦は攻撃する!!>>

 

そのとき私と艦長の思いが一緒だったのかほぼ同時に同じことを言った。まぁ、聞こえないだろうけど

 

「勇気ある彼らを守れ!戦闘機発進!!」

 

3分もせずに次々と戦闘機が発進する

 

「こちらケストレル、そちらの艦名を教えよ」

 

<<こちらグムラク!そちらの艦隊に合流する!>>

 

<<こちら駆逐艦「チゥ-ダ」!本艦もグムラクと共に首相をお守りする!>>

 

<<ケストレル!こちら「ドゥ-プ」!合流し戦闘に参加する!>>

 

「・・・かたじけない」

 

何でだろう・・・すこし涙が出てきた。

 

<<・・・全責任は私が負う!射撃開始!!!>>

 

<<目標・・・「敵艦隊」・・・攻撃を開始する!>>

 

やっぱり敵艦隊と言うのに言葉が詰まるよね。

すると艦長はレコ-ドをかけだす

 

『The journey begins, Starts from within, Things that I need to know.

The song of the bird, Echoed in words, Flying for the need to fly.

・・・』

 

Journey Home・・・私はこの曲が大好き。平和の歌だ。

 

<<Journey Home・・・いい曲だな。こちら「ブイストルイ」!「ブードゥシシイ」と共にケストレル戦闘郡に参加する!>>

 

<<誰だ!戦闘中に音楽をかけているのは!!>>

 

<<何故敵の曲を聴かねばならん!!早く撃沈しろ!>>

 

私も思わず口ずさむ。この曲のおかげか新たに2隻が参加してくれた。

そして・・・このセレス海にオ-シア艦隊が参加してきた。

その中には・・・

 

「久しぶりね・・・ケストレル」

 

「バーベット・・・!」

 

「妹とは言え、裏切り者には容赦しないわよ」

 

「なんで・・・これがベルカの陰謀って分からないの!?」

 

「ベルカ?ああ・・・15年前の・・・それがどうかしたの?」

 

「だから・・・!」

 

「まぁ、話してても無駄ね。あなた達を撃沈する」

 

バ-ベット・・・!この分からず屋!!

だが、すぐにオ-シア艦隊にも私の艦載機が向かう

 

「オーシアイージス巡洋艦「ハルシオン」撃沈!」

 

「オーシア駆逐艦「サンプソン」撃沈!」

 

また一隻戦友が沈む・・・もう嫌だ・・・!

 

「オーシア空母」

 

やめて!!

そういおうとしても声は聞こえない

 

「バーベット、撃沈!!」

 

もういやだ・・・また・・・姉を失うの・・・?ヴァルチャ-姉さん・・・バザ-ド姉・・・バーベット・・・逝かないでよ・・・

 

「・・・オ-シア、ユ-クトバニアの脅威レベル、ゼロ。戦闘はこちらの勝利だ。」

 

もう・・・戦争なんていやだよ・・・

私は自分の手で姉を沈めたことに罪悪感を覚えていた。

あのときもっと粘っていれば・・・!説得できたかもしれないのに!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次の日・・・最後の戦いのブリ-フィング中だった

突然ミサイル警報が鳴る。

 

「対艦ミサイル接近!CIWS、撃ち方はじめ!!」

 

だが・・・弾幕の展開が間に合わず・・・

 

「うわっ!!対艦ミサイル被弾!」

 

「早くラ-ズグリ-ズを出撃させろ!!」

 

右半身に激痛が走る。

被弾したんだ・・・

 

「対艦ミサイル第二波接近!弾着まで10秒!」

 

「弾幕を展開しろ!」

 

「ダメです!衝撃に備えて下さい!!」

 

艦長は静かに目を閉じた。

次の瞬間、また激痛が走る。

 

「右舷に浸水!ダメコン急げ!」

 

「敵潜水艦からのミサイル2発命中!艦が傾斜します!」

 

「彼らを発進させろ!」

 

「ダメです!」

 

「傾斜していきます・・・艦が沈みます!」

 

「発艦を続けろ!」

 

「でも・・・!」

 

まだ・・・カタパルトは大丈夫!絶対に打ち出す!!

 

「彼らを打ち出せ!射出急げ!射出要員を除く、乗組員は退艦急げ!」

 

艦橋があわただしくなり、一人、また一人と船を下りていく。

みんな・・・やっと会えるね・・・

 

「何が何でも君たちを打ち出すぞ!!カタパルトがイカれても構うもんか!!!」

 

戦闘機が一機、また一機と発艦する。

そして最後の一機・・・隊長機だ。隊長・・・短かったけど・・・ありがとね

 

「ブレイズ!行け!!」

 

アフタ-バ-ナ-を点火し、私から最後の艦載機が発進する。

みんな無事に上がれた・・・良かった・・・

 

「発艦を確認した・・・これより射出要員は退艦します!」

 

乗組員のみんな、さようなら・・・元気でね

 

「艦長も急いで!」

 

「ああ・・・ありがとうケストレル・・・負け戦ばかりの私だが・・・今回は私の勝ちだよ」

 

そうだね・・・艦長・・・

長生き・・・してね。

 

 

 

 

 

 

私の意識はそこで途切れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・レル・・・ケストレル!」

 

 

「ん・・・?艦長・・・?」

 

「いや、提督です」

 

「あれ・・・さっき対艦ミサイルを被弾して・・・」

 

「お前・・・あのときの夢を見てたのか・・・」

 

「夢・・・?ふぁあああああ・・・」

 

「ほら起きろ。」

 

「うん・・・って、えええ!?どっから入ったの!?」

 

「いや・・・起きないから起こしに来たら鍵開いててな」

 

「だからって入ってこないでよ!!!」

 

「いいだろうが長い付き合いなんだし」

 

「艦娘としてはまだ一週間たっとらんわい!!」

 

「口悪いぞ。いいから起きろ」

 

「ぐるるるるる・・・」

 

でもなぜか隊長が起こしてくれたことが無性にうれしかったり・・・

それより電ちゃんの視線が何か痛いです・・・

 

 

 

 

 

 




こんなに長いの初めてだww
いやぁ・・・架空艦含めて好きな船を答えよ!って言われたらダントツでケストレル出てくるね!
ちなみにケストレルが沈んだときのミッションのThe Journey Homeの合唱聞きながら書いてたら涙が・・・


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深海棲艦の生い立ち

「ふああああ・・・ねむ・・・」

 

ケストレルを起こしてから司令室に帰ると何か司令室が騒がしい。

 

「何だ?この声霧島か?」

 

何してんだ?と思い司令室に入る

 

「あら、提督」

 

「何してんだ?」

 

「この子たちが深海棲艦について教えてほしいと頼まれまして」

 

そこにはドイツ娘と潜水艦組がいた

 

「霧島の教え方が上手いからな」

 

「いえ、そんなこと・・・」

 

「俺も聞こうではないか」

 

「提督もですか?」

 

「おう・・・て言うかここ司令室だから仕事もあるしな」

 

「そうですか・・・では深海棲艦の歴史について話しましょうか」

 

俺はとりあえず椅子に座って書類整理をする。

電にはケストレルとお使いを頼んでいるから今は居ない。

 

「そもそも深海棲艦がなぜ出てきたか・・・」

 

なぜ出てきたか、これは提督なら誰でも知っている。

今から20年前、1994年に地球の周りを飛んでいた小惑星ユリシ-ズに未知の小惑星が衝突し1万個の破片が地球に降り注ぐことが予測された。

それを重く見た各国政府は持てる力を持って隕石迎撃兵器の製作を開始した。

そのとき完成した超巨大地対空レ-ルガン「スト-ンヘンジ」によって隕石の破片の迎撃に成功する。

・・・・ほんの一部だけ。

そして約6000もの破片が地球を襲う未曾有の大惨事が発生した。

隕石の破片は各国の人のほとんど居ない田舎に落ちた物や、首都を直撃したものもあった。

極東部の被害は、日本は東京に破片が落下、首相官邸を直撃した。しかし破片自体はかなり小さく被害は首相官邸内にいた首相含め10人ほどだった。

中国では隕石の破片は砂漠と北京の一部を直撃したがほとんど人的被害はなかった。人口的に見ればの話だが。

韓国では破片が首都を直撃、政府機能が完全に消失した。

そして隕石の破片のひとつはソロモン諸島のアイアンボトムサウンドに落下した。

また何故か海に落下した唯一の確認可能な隕石だった。

アメリカ政府は隕石の解析のため同海域に調査船団を派遣、日本はアメリカの要請で海上自衛隊のイ-ジス護衛艦を2隻派遣した。

だが、解析を始めた2日後突然同海域にいた船団全てが撃沈される事態が発生した。

そのときの通信で「海面に少女がいる」という通信を最後にイ-ジス艦2隻を含む6隻の船団が撃沈された。

このとき船団を撃沈したのはタ級だとか。

そして時を同じくして出現したのが艦娘だった。

 

「・・・ということで深海棲艦、艦娘が登場したわけです」

 

おお~・・・と話を聞いていた艦娘から声があがる。

いやお前ら知らんかったんかい。授業聞いてる時点でそうだろうけど。

そのときPCに一通のメ-ルが入った。

 

「ん?司令部?」

 

司令部から重要通知のようなものが届いた。

んなもんメ-ルで送るなアホか。

 

「ん~・・・新たに強力な深海棲艦の存在が確認された中部海域へ進軍せよ・・・横須賀鎮守府は全員出動すること・・・」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「めんどくせええええええええええええええええええええ!!!!!!!!」




独自設定盛り込みすぎたかな?


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中部海域

本部からの連絡が来て20分程度のときだった。

式風が利根を連れて司令室にやってきた。

 

「イーグル!中部海域に進撃するぞ!俺とお前で組めばいける!」

 

「え、俺もう資源ないよ。てか行かないよめんどくさい」

 

「えっ・・・いや・・・お前全員出動ってきたろ?」

 

「来たけど資源がないのよねぇ・・・」

 

「ああ、資源なら本部が出してくれるぞ」

 

それを聞いた瞬間・・・

 

「よし行くぞ!」

 

「はやっ!」

 

「んでその第一海域は?」

 

「ああ、俺は後方で援護するからお前は潜水艦でやってくれるか?」

 

「潜水艦?」

 

「ダメか?ダメなら俺が出すが・・・」

 

ダメなわけないだろう。資源は本部が出してくれる。

・・・・ニンバス撃ち放題じゃん。しかも潜水艦?シンファクシの出番じゃねえか!

 

「いや!行くぞ!」

 

「じゃあ、1200時に集合!」

 

「OK!」

 

俺はすぐにシンファクシを呼ぶ

 

「何だ提督?」

 

「お、来たな!出撃だぞ!」

 

「出撃!?」

 

その言葉に目を光らせる

そんなに行きたかったか・・・

 

「と言うことは私の初陣か!」

 

「そうなる。思う存分ニンバスをぶっ放して来い!」

 

「任せろ!」

 

シンファクシは部屋を飛び出し工廠へ向かった。

本当は伊号潜水艦も連れて行きたいが・・・弾道ミサイルと酸素魚雷じゃ射程も威力も違いすぎる。

そして準備の終わったシンファクシが帰ってきたところでちょうど12時になる

 

「あれ?お前の艦隊は一隻だけか?」

 

「どした?」

 

「いや・・・なんで一隻だけなの。しかも誰だこの娘」

 

「うちのひぞっこだ。」

 

「そ、そか・・・」

 

そのシンファクシは式風の艦隊の面々と挨拶をしていた

 

「では、この艦隊の指揮は我輩が取るぞ!」

 

「うちのシンファクシを頼むよ」

 

「任せるのじゃ!」

 

7人の艦娘は海を進んでいく。

何か7人の艦娘って映画のタイトルっぽいね。

 

 

 

 

~シンファクシ~

 

「そういえばお主はどんな艦なのじゃ?」

 

艦隊旗艦の利根に聞かれる。

 

「シンファクシ級潜水空母だ。」

 

「ということは伊号潜水艦系統なのか?」

 

「いや、弾道ミサイルを運用する戦略ミサイル潜水空母だ」

 

「ミ、ミサイルじゃと!?」

 

「何か変か?」

 

「い、いや・・・変とかではなくてじゃな・・・」

 

おかしな旗艦だな。

そのときレ-ダ-に複数の対水上目標が映る

 

「利根、対水上目標6を確認。IFF応答無し」

 

「そ、そのIFFとはなんじゃ?」

 

「敵味方識別装置。逆に積んでないのかアンタは」

 

「そのような名前を聞いたのは初めてなんじゃが・・・」

 

「?」

 

「ま、まぁいい。それで距離は?」

 

「約200kmってとこか?」

 

「なぜ見えるんじゃ・・・」

 

いやだからレ-ダ-に映ってるんだって。なんで逆に見えないんだ。

 

「はぁ・・・まあいい。利根、私は艦載機を上げて潜行する。」

 

「何をする気じゃ?」

 

「先制攻撃だ。敵艦隊と一緒に海底に沈みたくなかったらこのまま進め。」

 

「い、一緒?」

 

「何をする気なの?」

 

「こんな距離じゃ魚雷もあたらないよ!」

 

艦隊メンバ-が一斉に言う。てか魚雷なんか使わないよ。

 

「あ、この海域浅いな・・・仕方ない浮上したまま発射するか・・・」

 

「だから何をする気なのじゃ!」

 

利根の言葉を無視して提督に無線を繋げる

 

「提督、ニンバスの発射許可求む。発射弾数4発」

 

<<ニンバスの発射を許可する。思う存分ばら撒け!>>

 

「了解、ニンバス用意!」

 

背中に背負ったVLSランチャ-のふたが開く。

その前に艦載機を出動させる

甲高いジェットエンジンの音が響く

 

「ああ・・・もう・・・式風のヤツにどうにかして建造してもらわねば・・・」

 

「それしたら私たち艦隊から外されちゃいますよ!」

 

「あいつは相当なフェミニストじゃから誰もはずさんと思うぞ。」

 

そんな会話の中F-35が数機発艦する。

ニンバスの発射準備も完了した。

 

「利根、偵察機は上げないのか?」

 

「そ、そうじゃな!」

 

腕のカタパルトから艦載機を発進させる。

速度的にニンバス着弾後に到着になるだろうな

 

「ニンバス準備よし」

 

<<よぉし!ニンバス、ランチ!>>

 

「ニンバス、ランチ!」

 

VLSから4発のニンバスが打ち出される。

それを見た艦隊全員がおお~・・・と声を上げていた

 

「弾着まで・・・一分」

 

「よし!全速前進なのじゃ!」

 

まぁ今発進しても着弾に間に合うことはないから大丈夫だろう。

つくころにはそこらへんに敵艦隊の残骸が浮いてるだけだろうが・・・

 

「着弾まで10秒・・・」

 

艦載機から送られてくるデ-タから着弾を予測する。

 

「5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・弾着、今!」

 

その瞬間遠くの海に4つの小さな太陽が出来た。

核弾頭ではないから一応その面では安全だ。

 

「なんじゃあれは!?」

 

「て、敵の新型兵器!?」

 

なんて周りは驚いている。

・・・さすがに鬱陶しくなってきた。

 

「・・・潜行する」

 

一気に急速潜行し50mまで潜る。

そしてさらに2発のニンバスを敵艦隊に向けて撃つ。

この戦闘での被害はニンバスのおかげで全くなかったが本部のためていた資源がこの戦闘だけでなくなったとかで提督がものすごいお叱りを受けていた。

 




何か微妙。面白くない希ガス


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電とお買い物

中部海域の第一海域の突破が成功した。

横須賀の提督は来週、敵泊地への侵攻作戦が通達された。

作戦名「バンカ-ショット」

 

「バンカ-ショットねぇ・・・ユ-ジア戦争のときもそんな作戦あったな」

 

懐かしい思いに浸っていた。

今日は書類整理も終わりとても暇だ。

本当にすることがない

 

「あの・・・司令官さん・・・」

 

「ん~?どした?」

 

「午後はお暇・・・ですか?」

 

「暇だけど?いや、現在進行形で暇だよ」

 

「その・・・あのっ・・・!」

 

「どした?」

 

顔真っ赤にして何かを言おうとしている。

すごい可愛い

 

「お、お買い物行きたいのです!」

 

「買い物?」

 

「そ、そうなのです!」

 

「そういえば鎮守府の近くにショッピングセンタ-できたしなぁ・・・行くか!」

 

「なのです♪」

 

「あ、でも鎮守府はどうするんだ?シンファクシたちは明日帰ってくるけど他の連中は明後日まで演習に行ってるぞ?」

 

「あ・・・」

 

それを聞いた瞬間ショボンとなってしまう・・・

うっ・・・失言だった・・・

 

「明々後日に・・・行くのです・・・」

 

声に元気ないし目が死んじゃったんですけどぉぉぉぉ!!!

やばい!!

 

「きょ、今日行こう!警備は憲兵に任せる!」

 

「ほ、ホントなのです?」

 

「おう!」

 

「やったのです♪」

 

「どうせなら今から行くか?」

 

「いいのですか?」

 

「いいのいいの」

 

「じゃあ着替えてくるのです!」

 

電は廊下を急いで走っていく。

やだもう可愛い。

 

「さてと・・・俺も・・・」

 

着替えて準備するかぁ~・・・

持っていくものは・・・うん、これでいいな

財布とM92Fと免許証とスマホっと・・・

え?何か今変な物持っていこうとしてた?

はっはっは!!目の錯覚だよ!

・・・・・・誰に話してるんだ俺。

 

「さて、準備も出来たし行こうかな」

 

部屋を出て外に向かった

そして2分ほどで電も来た。

白基調で青ラインに胸元にリボンのついたセーラ-のような服と服と同じ柄の帽子を被っていた。

何気に髪を降ろしていてこれがまた可愛い。すごく可愛い。セミロングの電マジで可愛い。

 

「お待たせなのです!」

 

「今来たところだよ」

 

すると電は顔を真っ赤にしながら笑って言った

 

「今の・・・恋人同士みたい・・・なのです」

 

「そ、そそそそうだな!!!」

 

あまりの可愛さにどもりまくる俺氏

いやもう電可愛い。嫁、マジで嫁。

ああ!?ロリコン!?ケツの穴の処女を.50CAL弾で奪うぞ!!

・・・・・・いやだから誰に話してるんだろうね僕。

 

「さて、どこ行く?」

 

「まずは・・・商店街のほうにおいしいラーメン屋さんがあるって利根さんが言ってたのです!」

 

「おし!じゃあちょうどいいし昼飯はそこにいこうか」

 

「なのです!」

 

鎮守府をでて最寄の駅に向かう。

そこから電車で約10分のところに俺の艦隊の艦娘達が良く行く商店街がある。

もちろん人も行くのだがどうもここが艦娘たちにとってお気に入りらしい。

電もその中の一人で商店街の人からも顔なじみのようだ

 

「あら、電ちゃん。今日は提督さんとデ-トかい?」

 

「で、デ-ト!?!?」

 

駄菓子屋のおばあさんにそう言われてぼふん!と効果音の出そうな勢いで顔を真っ赤にする

可愛い。

 

「ちちち違うのです!!・・・いや・・・違わないのです・・・」

 

「ふふ・・・相変わらず可愛いわねぇ・・・あ、そうだ、これ電ちゃんの好きなアイスクリ-ムが入ったよ。食べていくかい?」

 

すると電は食べてもいい?と言う感じでこっちを見てくる

 

「提督さんも一緒にどうだい?安くするよ。電ちゃん達艦娘はここの商店街のアイドルだからね」

 

「じゃあ・・・お言葉に甘えて・・・」

 

「いいのですか!?」

 

「ああ、好きなだけ食べていいぞ。」

 

「でも・・・お金が・・・」

 

「んなもん俺が出してやる」

 

「でも・・・」

 

「はい、つべこべ言わずに食べる!」

 

俺は強引におばあさんに500円渡して500円ぶんのアイスとお菓子を購入した。

 

「・・・ありがとう司令官さん」

 

「いいのいいの。おいしいか?」

 

「おいしいのです!」

 

満面の笑顔でアイスを頬張っている。可愛い。

 

「よし、ラーメン屋行くか。」

 

「また寄ってね~。こんどはもっとおいしいの用意しておくから」

 

「ありがとうなのです!」

 

「電ちゃんの笑顔は元気もらえるわ~。」

 

「な、なのです・・・」

 

電はまた顔を赤くして下を向いた。

そしてラーメン屋につくまでの道のりでいろんな人に電は呼び止められていた。

買出しでよく間宮と来るからな・・・

そして目的のラーメン屋についた。

 

「ここか?」

 

「たぶんそうなのです!」

 

「よし入るか!」

 

らーめんとシンプルに書かれた暖簾をくぐる。

中から出汁のいいにおいがする

 

「へいらっしゃい!お、珍しい。カップルかい?」

 

「カカカカカップル!?」

 

なんでそんなにあせるの。まったく可愛いよホント。

 

「違うのです!司令官さんは・・・その・・・」

 

「ん?司令官?もしかして海軍の方かい?」

 

「はぁ・・・まあ・・・」

 

「おお!!そうか!実は家の息子が海軍に言っててな!確か呉だったかな・・・あったらよろしく言ってくれ!」

 

まさかの同業者の親父さんか・・・

呉か~・・・行く事ないな

 

「さてと何食べる?」

 

「ん~と・・・みそラーメンとチャーハンお願いなのです!」

 

「おお、嬢ちゃんよく食べるな!司令官!あんたは何にする?」

 

「何故司令官・・・じゃぁ、俺もみそラーメンの大盛りで」

 

「あいよ!」

 

「楽しみなのです♪」

 

そんなに楽しみか・・・連れてきて良かったよ。

 

「電、このあとどこに行く?」

 

「ええっと・・・わがまま・・・いいですか?」

 

「うん、いいよ。」

 

「その・・・ぬいぐるみショップ行きたいのです・・・」

 

「ぬいぐるみか・・・よし!次はそこに行こう!」

 

「ありがとうなのです♪」

 

すると電の注文したチャーハンが出てきた

 

「へいチャーハンお待ち!」

 

「ありがとうなのです!司令官さん、おさきにいただきますなのです!」

 

「うん、ゆっくり食べればいいからね」

 

電はチャーハンを幸せそうに食べている。

 

「おいしいのです!」

 

「お、うれしいこと言うねぇ!」

 

ニコニコしながらチャーハンを頬張っていた。

 

「へい司令官!みそラーメン大盛りお待ち!嬢ちゃんも少し待ってな!」

 

「おお!これは美味そう!」

 

目の前に置かれたラーメンからものすごいおいしそうな香りが・・・

たまらん。

 

「いただきます!」

 

さっそく一口食べるとなんともいえないおいしさが。もうなんだこれ。美味すぎ。

 

「へい嬢ちゃんもお待ち!」

 

「ありがとうなのです!」

 

電もラーメンを頬張る。

美味い。ほんとうまい。なんだこのラーメン。隠れた名店にもほどがあるぜ

10分もしないうちに完食した。

 

「ふぅ~・・・食べた食べた~・・・じゃあ、お勘定お願いします」

 

「はいよ~!ええっと・・・1800円ね!」

 

「ほい」

 

「あいちょうどお預かりね!また来てね~!」

 

「あ、あの!!司令官さん!!私もお金出すのです!!」

 

「いいのいいの!俺のおごり!」

 

「・・・むぅ・・・」

 

「はは、すねんなって」

 

「お金払わしてばかりじゃ悪いのです!」

 

「はいはい、次行くよ」

 

頭を撫でながら次の店に向かう

 

「はぅぅ・・・」

 

頭撫でられるのがそんなに好きか・・・可愛い。

商店街を抜け、大きなショッピングモ-ルに向かった。

電とデ-トも楽しいな。そろそろ可愛すぎて悶え死にそうだけど。




電といちゃいちゃデ-ト話だぜ!ああ、妄想がはかど(ry


さてこの小説中に何回可愛いが出てきたでしょうか。(2点)


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デート Ⅱ

商店街を抜けてすぐのところに電が行きたいと言った店があった。

 

「ここなのです!」

 

「どんなぬいぐるみがほしいんだ?」

 

「ううんっと・・・特に決めてないのです」

 

「そか」

 

とりあえず自動ドアをくぐり中に入る。

 

「はわ~!」

 

そんな可愛い声を上げると同時に急ぎ足で店の奥に行った。

電はいろんなぬいぐるみを手にとって抱いてみたりしていた。

 

「これも可愛いのです・・・ああ、これも!」

 

「迷ってるのか?」

 

「ううん・・・迷ってる・・・のです?」

 

「いやなんで疑問形?」

 

電はほぼ身長くらいある熊のぬいぐるみとリアルサイズのウサギのぬいぐるみを前にして悩んでた。

値段は二つとも5600円と同じだった。

 

「司令官さん、どっちがいいと思うのです?」

 

「う~ん・・・いっしょに寝たりするなら熊かな~」

 

「うう・・・でもウサギも・・・」

 

迷ってる姿も可愛いのぅ・・・

 

「あううう・・・決まらないのですうう・・・」

 

俺はふと財布の中身を見る。

残金は3万5000円ほど。

 

「電はどっちがいいんだ?」

 

「抱きついて寝たいのですが・・・でもウサギも~・・・」

 

「ウサギだと抱きつきにくくないか・・・?」

 

「あ、確かにそうなのです」

 

「熊にするのか?」

 

「ううう・・・でもお部屋にウサギさん欲しいのです~・・・」

 

あううう・・・とうなってる姿が可愛い。とにかく可愛い。

 

「決めたのです!」

 

と言うと熊のぬいぐるみを担いでレジに向かっていた。

・・・さて俺も買い物だぜ。

ウサギのぬいぐるみをつかみ電と少し離れたレジに並ぶ。

熊のぬいぐるみでこっちは見えていない。

 

「はうぅ~・・・買えたのです~・・・」

 

「いやお前それ・・・でかすぎだろ・・・」

 

「お、重いのです・・・」

 

「はぁ・・・持ってやるからお前はこれを持て」

 

とさっき買ったウサギのぬいぐるみを出す

 

「これ?・・・って、ええ!?いつの間に買ったのです!?」

 

「さっき。」

 

「い、いやその!悪いのです!」

 

「いいの、いっつも秘書艦としてがんばってくれてる電にプレゼント」

 

「で、でも・・・」

 

「うれしいなら素直にうれしいって言う!OK?」

 

「ありがとう・・・なのです!」

 

「よし!」

 

電は鼻歌を歌いながら歩いていた。

 

「さてと・・・次はどこがいい?」

 

「ええっと・・・ゲームセンタ-・・・いいですか?」

 

「おう、いいぞ」

 

「やったのです♪」

 

ここの近くのショッピングモ-ルのゲ-ムセンタ-に向かう。

・・・・ただここDQN多いから電を一人にするとヤバイよな~・・・

なんて思いながら中に入る。

 

「司令官さん!あのUFOキャッチャ-してもいいですか?」

 

「ああ、ふな○しーのか。取れそうか?」

 

「が、がんばるのです!」

 

そのUFOキャッチャ-の台から甲高いヒャッハアアアア!って音声が鳴りまくっている。

電は100円を入れさっそくUFOキャッチャ-をはじめた

 

「そこ・・・もうちょい・・・なのです!」

 

すると見事にアームが引っかかる。

・・・二体取れてるやん。

 

「司令官さん!取れたのです!やったのです♪」

 

「まさかのダブルゲットだな」

 

すると電はふな○しーを・・・

 

「これは司令官さんにあげるのです!」

 

「いいのか?」

 

「二つあるし・・・おそろいなのです♪」

 

「そか。ありがとな」

 

「いえいえなのです!」

 

ちなみに電のヤツ妙のUFOキャッチャ-上手い。とりにくそうなものもほぼ2プレイで取っている・・・。

すごいな・・・

 

「し、司令官さん・・・ちょっとおトイレ行きたいのです・・・」

 

「んじゃ、荷物持ってそこのベンチにいるよ。」

 

「ありがとうなのです!」

 

と電はスタスタと歩いていく。

とりあえずトイレの前のベンチに腰をかけて待つ。

 

「ふあああ・・・ねむ・・・」

 

中部海域のときはろくに寝てなかったからな・・・

あの司令部め・・・何で資源使い切ったくらいで激怒すんだよチクショウ。

そんなことを心の中で愚痴っていると電がトイレから出てきた。

ついでにチャラそうなDQNも男子トイレから偶然出てきて・・・

 

「お、嬢ちゃん一人?」

 

「今から俺らと遊ばねぇ?楽しいとこ連れってってやるよ」

 

「え、ええっと・・・」

 

なんでこうギャルゲに出てきそうなシ-ンになってんの・・・

 

「あ、あの・・・私はあの人と来てるので一緒は無理なのです!」

 

「あ?あの人?何々?彼氏?」

 

「は?あれが?いやいや、俺らのほうが百倍イケメンっしょ」

 

うっわ・・・めんどくせえ・・・

すると案の定こっちに来やがった。来んな。

 

「ねえねえ、お兄さん、俺らさぁ、今からあのこと付き合うから手え引いてくんないかなぁ?」

 

「はぁ?何で?」

 

「あ?何その言い方。行っとくけど痛い目見たくないでしょ?」

 

なんでそんな小物セリフ吐けるの・・・しかも2人でこっちくんな。むさい。

 

「痛い目?へぇ~・・・どうやって?」

 

とりあえず面白いから挑発しておこう。

 

「あ?マジでやんの?」

 

「来いよ。」

 

「てめぇ殺すぞ!!」

 

といってまさかの拳銃を出してきおった。トカレフってお前・・・

 

「これ本物の拳銃なんだけどさ。殺されたくないでしょ?」

 

「別に。見慣れてるしな」

 

「はぁ?余裕ぶっこいてんじゃねえぞコラ!」

 

「いやお前・・・余裕ぶっこくつってもな・・・」

 

だってトカレフのハンマ-が動いてないし・・・それ初弾送りこんでんの?

 

「まぁ・・・本物ねぇ・・・」

 

「そうだよ。助けて欲しけりゃ財布の中身全部置くかあの娘置いてけや」

 

「・・・」

 

「おお?ビビっちゃった?」

 

「・・・別に」

 

と言うのと同時に腰のホルスタ-に差しておいたM92Fを抜く。初弾装填済みだぜ。

 

「は?オモチャだろ?」

 

「どうだろうな」

 

そして少しからだを動かして銃と密着させる。

これでトカレフはスライドが少し動いたためハンマ-がファイアリングピンを叩くことが出来ず発砲できない。

 

「おら、撃てよ。」

 

あえて挑発してみる。

てか、この最中に電はどこ行ったの。

と思った瞬間だった・・・

 

「ぐげっ!!」

 

ものすごい悲鳴を上げてDQN1ダウン。

 

「・・・司令官さんに手を出す悪い人はアナタですか・・・?」

 

「えっ?」

 

あら~・・・何かプラズマモ-ドオンになってるし・・・

ちなみにこのあとDQN2もダウン。二人そろってトイレにほうりこんでケツの穴に大根突き刺しておいた。大根さん、こんなことに使ってごめんなさい。

 

「電、怪我はないか?」

 

「大丈夫なのです!」

 

「う、うん・・・元気そうだね」

 

「さてと・・・時間もいいし帰るか?」

 

「そうですね・・・ちょっと疲れちゃったのです。」

 

「じゃあ、帰るか。」

 

「艦隊帰投なのです!」

 

「ここは海じゃないぞ」

 

「えへへ・・・」

 

夕暮れの中、帰路についた。

電は電車の中で少し眠そうにウトウトしていた。

またこれが可愛い。すごく可愛い。

そして鎮守府の近くの駅に降りる。

 

「あの・・・司令官さん」

 

「ん?どした?」

 

電は突然止まり・・・

 

「あの・・・そのっ・・・あのっ!!」

 

「だからどうした」

 

「て、手・・・」

 

「手?」

 

「手を・・・つないでもいいです・・・か?」

 

「あ、あぁ。いいぞ」

 

キエエエエエ!!!!!(心の叫び

そして電と手をつなぐ。

やわらかい感触がなんとも・・・

 

「ふふっ・・・司令官さんの手、大きいのです」

 

「電も手も小さくてやわらかいな」

 

ちなみに心の中ではキエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!とずっと叫んでいた。叫んでないと気が狂いそうだぜ・・・可愛すぎて。

そして司令室に入ると午後7時を過ぎていた。

さすがに疲れたな~・・・

 

「電、お茶でも飲むか?」

 

「飲むのです!」

 

「じゃあ、ソファーにでも座っててな」

 

俺は部屋を出てお茶を汲みに行く。

 

「何茶にするかな~・・・ええっと・・・ん?何これ」

 

手にとったのは・・・

 

「・・・スガ茶・・・?」

 

しかもとんこつ味とか書いてある。

 

「わ、わけが分からないよ・・・どこで買ってきたんだ・・・」

 

とりあえず無難に番茶を入れる。

 

「お~い帰ったぞ~。」

 

と扉をあけると・・・

 

「す~・・・くぅ~・・・」

 

なんとも気持ちよさそうに寝ていた。

幸せそうな顔だな。

 

「どんな夢見てるんだろうな~・・・」

 

と隣に座り頭を撫でてやっていると・・・

 

「うみゅ・・・しれいかんさん・・・」

 

寝言か?

 

「えへへ・・・しれーかんさん・・・大好き・・・なのです・・・すぅ~・・・くぅ~・・・」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

俺は電の頭をそっと置き・・・

ドアを蹴破る勢いで外に出て海に向かった・・・。

そして・・・

 

 

 

 

「キエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

と奇声を上げていた。

電ちゃんマジ可愛い。天使。ケッコンしたい。

 




タイトルがハリウッド映画っぽいいちゃいちゃスト-リ-part2だぜ。


・・・・・・・・・・電は俺の嫁ええええええええええええええええええええええええ!!!!
キエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!


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バンカ-ショット作戦発令

「おしっ!全員いるな!ブリ-フィングをはじめる!」

 

艦隊司令部の建物内にあるブリ-フィングル-ムに総勢30人が集まった。

 

「これよりバンカ-ショット作戦について説明する。電、デ-タを出してくれ」

 

「なのです!」

 

スクリ-ンに鮮明な海図がCGで表示される。

 

「今回の目標は敵泊地の制圧及び占領にある。また横須賀鎮守府所属部隊のみ出撃となる。本部は俺達のほうが錬度が高いと判断したんだろう。また作戦名の通り、目的地はバンカ-まみれだ。」

 

バンカ-の数はおよそ50を超える。これは偵察機がかろうじて撮影できたものであってまだ数があるだろう。

 

「作戦の詳細は・・・」

 

作戦はこうだ。

まず偵察、その後戦艦より艦砲射撃が行われる。

その後上陸船団とその護衛艦隊が前進、航空機が近接航空支援を行う。

また今回の上陸船団は米海軍海兵隊によって行われる。

ちなみに妖精さんだったり。

・・・・アメリカの妖精さん、普通にそこらへんの人と変わらんのだよな・・・身長の最高は150cmくらいだけど・・・アメリカンサイズっすな。

 

「今回の編成は、戦艦隊は無論、全員出撃。空母もだ。シンファクシはいざと言うときのため、戦艦隊と行動してくれ。上陸船団の護衛には第六駆逐隊を派遣する。それ以外は鎮守府で待機だ。ただし、全員いつでも出撃できるように。」

 

すると赤城が・・・

 

「提督、敵の戦力と注意点などはありますか?」

 

「敵の戦力か・・・情報が少なすぎてな・・・ただ姫級は確実にいるだろう。それと・・・」

 

少し言葉が詰まる。

状況が地味に深刻なのだ。

 

「なぜこんなに状況が分からないかと言うとだな・・・」

 

俺はPCをいじり一つの画像をだす。

 

「この衛星が破壊されたんだ。」

 

「衛星?」

 

「軍事用偵察衛星だ。放置してあったのをハッキングして俺の鎮守府専用にしてやった。」

 

何でかウチの海軍のお偉いさんは偵察衛星を使いたがらずWW2のごとく偵察機の情報に頼りやがる。ほかの提督連中も・・・

 

「俺の予測だが・・・ユリシ-ズが関係あるかも知れない。」

 

「ユリシ-ズ?どうしてです?」

 

「軌道上にはまだユリシ-ズの欠片は1万以上あるんだ。地球に降り注いだのは迎撃できて6000程度だがな。まだ石ころサイズから戦艦並みの大きさまでさまざまなのがある。」

 

「・・・落下が近いと?」

 

「いや、まだ分からない。」

 

ユリシ-ズが衛星を破壊したのであればもう少し証拠があるはずだからな。

宇宙空間なら小さい釘でも下手すれば衛星一つガラクタにできるからそれのせいかも知れない。

 

「今回の作戦、俺は空中管制機から指揮を執る。質問あるか?」

 

手はあがるのでなさそうだ。

 

「よし、本日1600より作戦開始だ!全艦は移動を開始!ここから4時間の位置で他の艦隊と集結することになる!」

 

「了解!!」

 

全員からヤル気のこもった返事が来る。

 

「今日は俺の誕生日だ、プレゼントには勝利を頼む」

 

「・・・あの、司令官さん・・・司令官さんの誕生日って2月じゃなかったのです?」

 

「いや、一回言って見たかったんだよこのセリフ」

 

「ちょっとボケが始まったのかと思ったのです・・・」

 

「待って、酷くない?」

 

「・・・冗談なのです」

 

とデートの後からちょくちょく見せてくれるようになった最高の笑顔で言った。

そして電は暁、響、雷とともに艤装を装備し出撃した。

俺もすでに滑走路に用意してあるE-767に空中管制指揮官として乗り込む。

コ-ルサインはもちろん「スカイ・アイ」だぜ!

 

(L。□_□)[Mobius1 Engage!]

 

 




さてさて今回はエスコンネタを全面に出すよー!
・・・上陸戦といったらあの筋肉も必要だよね?ね?


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Operation Bunker Shot

「スカイアイより各艦へ。これよりバンカ-ショット作戦を開始する!」

 

<<こちら上陸船団A隊のコリンズ!横須賀の提督だな?よろしく頼む!>>

 

海兵隊の妖精から無線が入る。向こうは艦娘は存在しないが、身長が人間とほぼ変わらないので既存の兵器の運用が可能だ。

アメリカの兵力はMBTが約150以上、イ-ジス艦が20以上、LCACが80以上いる。

日本側は横須賀の艦娘が待機してる者を除きほぼ全員参加している。

 

<<ようイ-グル!指揮は任せるぞ!>>

 

「任せ・・・いや待て、お前なんちゅうもんで戦場に来てんだ」

 

<<どうだ?イカすだろ?>>

 

「いや・・・お前・・・どこでデロリアンなんか作った・・・」

 

何故かデロリアンが飛んでいた。

 

<<何か俺も大型開発とかいうのやってみたんだがなぁ・・・すげぇな>>

 

「ああ・・・良かったウチのが壊れてたんじゃなかった・・・」

 

何故か安心感が湧き上がってきた。

 

「さてと・・・空母隊へ。作戦開始!」

 

<<了解!第一次攻撃隊、発艦してください!>>

 

<<・・・鎧袖一触よ。心配いらないわ。>>

 

<<ウォ-ドック、出撃!>>

 

<<攻撃隊、発艦はじめっ!>>

 

<<友永隊、頼んだわよ!>>

 

レ-ダ-に小さな点が約100以上表示される。

またレ-ダ-外から接近する航空機もあった。

 

<<こちら、リッジバックス1。そちらの管制下に入る>>

 

「了解リッジバックス」

 

<<スラッシュから全機、妖精なんか負けるな>>

 

妖精なんかに負けるな・・・ねぇ

 

 

 

~零戦妖精(リボン付き)~

 

「メビウス1から各機!やるわよぉ!!」

 

<<二番機りょーかい!>>

 

<<はいは~い!三番機了解!>>

 

うん!みんな調子よさそう!

 

<<オメガ11行っきまーす!>>

 

「ちょっとオメガ!あんた先にいったらダメでしょ!」

 

<<えぇ~・・・大丈夫だよ~>>

 

「大丈夫じゃないわよ!!この被弾姫!」

 

<<ちょっ!その言い方はないでしょ!>>

 

なんて無線で喧嘩していると後ろからアメリカ側の戦闘機が迫ってきた。

 

<<邪魔だ>>

 

<<こんにちわ妖精さん>>

 

「あっぶな!!」

 

<<おわああああ!!!だ、脱出ー!イジェクトオオオ!!!>>

 

「・・・あんた何しにきたの」

 

側を通過された衝撃波で何故かオメガが撃墜(?)されていた・・・

ホント何しに来たの・・・

するとさっきの戦闘機の一番機から無線がまた来た。

 

<<お前らが横須賀の妖精か?>>

 

「そうだけど、あんたジェットでレシプロ機の横を通り過ぎるってどんな神経してるの!?」

 

下手すりゃ落ちるわ!!

 

<<ふん・・・遊んでるだけなら帰れ>>

 

「ぐるるるるるるる・・・」

 

<<スラッシュより各機。お遊びに来た妖精連中は無視しろ。リッジバックス隊は散開して攻撃を開始する>>

 

無視しろですってえええええ!?なによあの堅物!!!レ-ザ-で焼かれて氏ね!

 

「はぁ・・・メビウス1より各機・・・やるわよ!あんなクソ野朗に負けたら龍田さんのお仕置き120分コ-スだからね!オメガは確定!!」

 

<<い、いやああああ!!!戻ってくる!戻ってきますからそれだけはやめてええええ!!>>

 

「いやだ☆」

 

<<うわああああああああああああああん!!!!>>

 

なんて事いいながら進路上に存在する2つの島の要塞に向かう。

機体はラジコン機程度だけど耐久力も攻撃力も本当のゼロ戦と変わらないんだから!!むしろ被弾面積が減ってるからいいことずくし!

・・・え、防弾?何ソレおいしいの?

 

<<こちら強襲揚陸艦オキナワ!まもなく島の間を通過する!援護頼む!>>

 

「まかせて!」

<<まかせろ>>

 

まさかのあのリッジバックスと被った。

 

<<悪いな妖精。いただくぞ>>

 

「やるもんですかあああ!!」

 

やらせはせんぞ!!

と心の中で叫び急降下する。

だが、ジェットとレシプロ。速さが違いすぎる。

 

<<まずは1キルだ。>>

 

「くやしいいいい!!!」

 

<<あ、あの・・・隊長・・・落ち着いて・・・>>

 

「これが落ちついていられるかあああ!!」

 

しかもさっきの攻撃の当たり所がよかったようで要塞が大爆発を起こした。

・・・もうやだお家かえる

 

<<おいおい、リボン付きの零戦の力はこんなもんじゃないだろ?>>

 

「そんなこといったてぇ・・・」

 

<<だってお前・・・式風のヤツ見てみろ・・・>>

 

「え?」

 

ふとその式風提督が居る場所を見る。

 

<<ヒャッハアアアアアア!!!汚物は消毒だあああああああああああああ!!!>>

 

「ええええ・・・」

 

何か空飛ぶ車でどんどん敵を落としてる・・・

 

「あ、あれは・・・まぁ・・・」

 

とりあえず・・・やろう。

 

<<メビウス各機、敵艦載機が接近中だ。>>

 

「りょうかいっ!叩き落としてやるんだからあああ!!」

 

<<熱くなるなよ>>

 

しかし向こうの実戦経験が薄いのかすぐに撃墜できた。

対地攻撃はぜんぶリッジバックスに取られちゃったけど・・・

そして第一次揚陸船団がビーチに着いたころだった・・・

 

「ん・・・あれ?なにあの光・・・」

 

地上から空に向かって一直線に青い光が伸びている。

その光が途切れた瞬間、ものすごい轟音が・・・それこそ音速の戦闘機が真上を通り過ぎたような音がする。

 

「何この音!」

 

<<なに!?>>

 

すると提督から・・・

 

<<まずい・・・!航空機はただちに退避!接近する艦船もすべて退避急げ!!>>

 

「何!?どうしたの提督!」

 

<<ユリシ-ズ来るぞ!!>>

 

ユリシ-ズ・・・!?と思った瞬間・・・

 

<<うわああああああああ!!!>>

 

<<こちらハルシオン!沈没する!>>

 

<<ぎゃああああああああああ!!!!あきつ丸がああああああ!!!>>

 

米軍や横須賀の提督の悲鳴が聞こえてきた。

 

「いったい何が・・・」

 

あの光が何かしたの・・・?

 

<<・・・スカイアイより各機、司令部より緊急入電だ>>

 

「どうしたの?」

 

<<・・・隕石の軌道を変えるための施設、それが深海側に渡っていたらしい。司令部はこの事実を隠してたみたいだがな>>

 

 

~提督~

 

隕石の落下軌道を変更するための施設・・・「シャンデリア」が深海側に渡るとは・・・

 

「それと・・・この施設は冷却装置が5つあり4つを破壊するとのこり一つの非常用冷却システムが働くようになっているようだ。」

 

しかも・・・その非常用の位置は不明とのことだ。

 

「長門、艦砲射撃は可能か?」

 

<<・・・無理だ。水偵を飛ばしたが撃墜された。正確な位置は不明>>

 

「シンファクシはどうだ?」

 

<<ニンバスで攻撃できなくもない。・・・・味方を殺していいならの話だが>>

 

「くそっ・・・」

 

ニンバスはダメ・・・艦砲射撃も難しい・・・

 

「どうする・・・」

 

<<てーとく、こんなときの航空隊じゃん!>>

 

<<そうそう!>>

 

「お前ら・・・やれるか?」

 

<<やってやるよー!!>>

 

<<イーグル、俺も攻撃に参加させてくれ。>>

 

「式風までどうした?」

 

<<さっきの隕石でうちの利根が怪我しちまってよぉ・・・ちょっと借りを返してくるわ>>

 

「お、おう」

 

航空隊は十分・・・

 

<<こちらコリンズ!MBT含め戦力は十分だ!>>

 

航空隊にかけるか・・・

 

「よし!作戦続行!航空隊は海兵隊の援護をしつつシャンデリアを破壊せよ!」

 

<<りょうかい!>>

 

<<いくぜ深海引きこもり棲艦がああああ!!!>>

 

式風も一緒に突っ込んで行った。

そして散(ry

だが何気に改造された式風の機体が強い。

どっからそんな兵装出てくんだってくらい重武装な・・・

なんて事思っていると・・・

 

<<提督!長門だ、水偵での偵察が成功した!艦砲射撃開始する!>>

 

「了解した!味方にだけは当てるな!」

 

<<任せろ!>>

 

戦艦からの艦砲射撃・・・そして航空隊の攻撃によってシャンデリアは冷却装置をほぼ全部破壊された。

・・・非常用を除いてだが

 

<<ああもう!!弾幕が激しくて非常用の場所なんて分からないよおお!!>>

 

<<あっヤバ!!メビウス3離脱しますうううう!!!>>

 

すると再び軌道変更レーザ-が照射される

 

「クソ・・・長門!逃げろ!隕石はそっちに落ちてくる!!」

 

<<くっ・・・卑怯な真似を・・・!>>

 

隕石は長門たちの居たところを直撃し大破した艦もいた。

 

<<・・・イ-グル、デ-タリンクは可能か?>>

 

「出来るが・・・何をする気だ?」

 

<<・・・俺が単機で突っ込みデ-タを転送する>>

 

「無茶だ!撃墜されるぞ!」

 

だが式風のデロリアンはシャンデリアに向かっていく。

 

<<・・・天使とダンスだ!>>

 

そしてシャンデリアに突入していく

 

<<まだだ・・・もう少し・・・!>>

 

<<式風・・・頑張るのじゃ!!>>

 

<<提督・・・!>>

 

祈るような艦娘の声も聞こえる

 

<<捕らえた!!!>>

 

その声と同時に冷却装置のデ-タが送られてくる。

 

「確認した。早く高度を取れ」

 

式風は海上をかなり低高度で飛行していた。

 

<<・・・・>>

 

警報の音だけがむなしく聞こえる

・・・被弾したのか・・・

 

「聞こえてるだろ!早く高度を取れ!!」

 

すると式風から・・・

 

<<・・・無理だ・・・もう、推力がない・・・だけど・・・もうそんなもの要らないかも知れない>>

 

「脱出しろ!早く!」

 

<<ほら、フロントガラスの向こうに天使の羽が・・・>>

 

そして衝撃音と共に無線がプツリと切れる

 

<<式風提督・・・レ-ダ-から・・・ロスト・・・>>

 

<<そんな・・・提督が・・・落ちた・・・>>

 

そんなバカな話があるか!!

 

「全部隊救助に向かえ!まだ生きている!ヤツはまだ生きている!!」

 

<<そんな・・・嫌じゃ・・・お別れなんていやなのじゃああああああ!!>>

 

利根の悲鳴も聞こえる・・・

 

<<落ちつけ提督>>

 

「落ち着いていられるか!」

 

<<まだジャンデリアは生きているんだぞ!>>

 

クソ・・・でもやるしかない・・・ヤツはあんな程度では死ぬはずない!

 

「・・・全機、シャンデリアを破壊せよ!」

 

そしてそこに居た全ての航空機がシャンデリアに向かって突っ込んでいく。

 

<<・・・よくも零斗を・・・許さんのじゃあああ!!>>

 

利根はありえない速度で主砲をぶっ放していた。

戦姫級を2秒かからずに沈めてる・・・

 

<<もう!!弾幕激しすぎぃ!!!>>

 

<<我輩が・・・じきじきに殺ってやるのじゃ・・・>>

 

<<え・・・ちょっ!姉さん!!>>

 

「何があった!?」

 

<<姉さんが・・・!!>>

 

<<ぶっとぶのじゃあああああああああ!!!!>>

 

<<姉さんが酸素魚雷をぶん投げましたああああ!!!>>

 

「・・・・・・・・・・・ええええええええ!?!?」

 

レーダーにちゃっかりアンノウン表記されとる・・・

 

<<え・・・ちょ!あれ魚雷!?>>

 

<<これが本当の航空魚雷?>>

 

<<ふざけてる場合じゃないでしょ!>>

 

しかも吸い込まれるように非常用冷却装置をぶっ壊していた。

 

<<はぁはぁ・・・>>

 

<<姉さん・・・大丈夫?>>

 

<<あれを壊しても・・・零斗は戻ってこんのじゃ・・・>>

 

<<・・・姉さん・・・>>

 

・・・今回のバンカ-ショット作戦は成功に終わった。

多大なる損害もでた。

提督の一人を失うという事態だった・・・

 

「・・・全部隊へ・・・今作戦は成功した。これで深海棲艦に対する戦闘も減るだろう。・・・彼は最期まで模範的提督であった。」

 

<<・・・うぅ・・・ぐすっ・・・>>

 

「式風提督へ、敬礼」

 

墜落地点の上空をミッシングマン フォーメ-ションでリッジバックス隊、メビウス隊が飛行した。

 

「・・・全部隊へ・・・帰還しよう」

 

そして全ての艦娘と提督が帰途に着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<<おーい!待ってくれ!!ちょっとぉぉぉ!!おーい!!待ってくれええええ!!>>

 

ふと無線が入る。

この声は・・・

 

「・・・とんでもねぇ、待ってたんだ。」

 

<<やめて撃たないで>>

 

「空中管制機で撃てるか!!」

 

<<この声・・・零斗か・・・!?>>

 

<<お、利根!お前置いて死ぬかよ!>>

 

艦隊から利根が急速反転して式風の元に向かっていく。

 

<<零斗・・・零斗・・・!もう会えないかと思ったのじゃあああ・・・>>>

 

<<あ、あはは・・・そんなに泣くなよ・・・>>

 

<<うわあああああああ!!零斗おおおおお!!>>

 

<<ああもう・・・よしよし>>

 

<<旦那を失くす妻の気持ちが分からんのかあああああ・・・・>>

 

<<ぶふっ!!!>>

 

<<今夜は寝かせんのじゃあああ!!!>>

 

<<ちょっ!!待て!!一応カッコカリだぞアレ!!>>

 

<<関係ないのじゃ!!もう夜戦なのじゃああああああ!!!>>

 

「・・・・ああ・・・その・・・お取り込み中悪いんだが・・・これオ-プンチャンネルだから・・・・」

 

<<うるさいのじゃ!!>>

 

「えっ」

 

利根から発射された砲弾が俺の機体を直撃する

 

「うわああああああああ!!!メ-デ-メ-デ-!!!!!!」

 

ちなみに俺はこのあと3日後くらいに救助されましたとさ・・・

電が一人で探しに来てくれたよ・・・

 

 

 




・・・・ううん・・・微妙・・・文章めちゃくちゃじゃないと信じたい




#私の小説嫌いじゃないよって人RT


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高速巡洋戦艦

「さて・・・今日は何すっかな」

 

「式風提督のお見舞いはどうなのです?」

 

「ああ、大事をとって入院だっけ?」

 

「どこも怪我してなさそうですが・・・」

 

「まぁバカは怪我しないから大丈夫だろ」

 

「それ風邪引かないの間違いなのです!」

 

「同じじゃね?」

 

「同じじゃないです!」

 

なんて書類に目を通しながらしゃべっていた。

 

「あ、そうだ」

 

「どうしたのです?」

 

「大型開発行ってみるかな~・・・艦載機ほすぃ・・・って空母の連中いってたし」

 

「資源は大丈夫なのです?」

 

「一応報酬でもらったからな・・・1~2回分はあるよ」

 

「いってみます?」

 

「うん、ちょっくら行こうか」

 

さてさて・・・工廠行こうかね。

そろそろまともな装備ほしいぜ・・・

 

「あの・・・司令官さん」

 

「ん?何だ?」

 

「こうやって、二人で歩くのって久しぶりな気がするのです」

 

「そうだな~・・・バンカ-ショット作戦始まってからは艦娘の誰かと一緒にいるってことはなかったからな。」

 

「そうですね・・・でもまた作戦が始まるって聞いたのですが・・・」

 

「ああ・・・今回は中規模らしいからな・・・まぁ、第一海域突破して第二海域ちょろっと見たらすぐ帰るよ」

 

「それいいのです!?」

 

「いんじゃね?」

 

立派な職務怠慢です本当にありがとう(ry

そんな話しながら工廠に行く途中に島風に会った

 

「お、島風。どしたそんなに急いで」

 

「おうっ!今日の建造当番だから行くんだよー!早いでしょ!」

 

「・・・昼の一時だぞ?」

 

「・・・は や い で しょ !」

 

「はい早いです」

 

怖い。お前はいつからそんな怖い顔ができるようになった。

 

「とりあえずテキト-でいいからな」

 

「任せて!」

 

島風は全速力で走っていった。

 

「さてと・・・ついたか」

 

「今日は何作るの!がんばるよ!」

 

「適当に艦載機見繕ってくれ」

 

「あいあいさー!」

 

資源と資材を持って入っていく

 

「ほいできたー!!」

 

「はやっ!!」

 

「はやいのです・・・」

 

いつもより早かった・・・

 

「今日はね、一機だけしかできなかったよ~・・・」

 

「ほう、どれどれ・・・」

 

F-15Sス-パ-イ-グル(シエロ)

 

説明は・・・

F-15を改良しさらにユ-ジア戦争の英雄仕様にした機体です!もちろん艦載機!その性能は死神そのもの・・・深海棲艦は尻尾巻いて逃げ出すこと間違いなし!

 

「・・・・またジェット・・・?」

 

しかも・・・隊長っすか・・・何でアナタ妖精さんなってるんですかねぇ・・・

 

「・・・隊長・・・なんで妖精になったの・・・・」

 

「空が飛びたかっただけ。」

 

「仕事選べっ!!」

 

・・・人間が妖精になれるとか初耳なんで・・・はっ!待てよ!!俺も妖精になれれば艦娘の寝床や装備の中に入り込んであんな※※※※この提督は粛清されました※※※※

 

「とりあえず・・・」

 

司令室に帰ろうかと思った瞬間

 

「提督提督ー!!!どうしよー!!」

 

「どした?」

 

島風が涙目で走ってきた

 

「工廠壊れたかもおおおお!!!」

 

「ああ、もともと壊れてるから大丈夫」

 

「ひどっ!!!」

 

妖精の言葉は無視して続きを聞く

 

「んで、どうしたんだ?」

 

「建造時間が・・・」

 

「建造時間?」

 

「つ、通常建造なのに・・・9時間ってでちゃったああああ!!!」

 

「いやおかしいだろ!!!お前大型建造やっただろ!!!」

 

「じゃあ見てよこの書類!!」

 

書類には

 

建造方法:通常

 

時間:九時間

 

資材:各800づつ

 

建造責任者:島風

 

と書いてあった。

 

「・・・とりあえずそっち行くから高速建造使ってみなさいな」

 

「おうっ!」

 

「はぁ・・・何で毎回毎回・・・」

 

「あ、あはは・・・司令官さん、仕方ないのです」

 

電は慰めてくれるが・・・うんまぁ気にしないことにしよう

そんなこんなで建造工廠前

 

「うっわ・・・本当に9時間だ・・・」

 

「高速建造材使うよー!!」

 

「あいよ」

 

「とうっ!!」

 

毎回中で何してるんだろう・・・って思うくらい強烈な炎が妖精の持ってる火炎放射器が噴出される

するとチ-ンッっと音がなる

 

・・・・・・・・オ-ブンか電子レンジがここはッ!!!!!

 

すると男の声が聞こえ・・・

 

<<超高速巡洋戦艦、ヴィルヴェルヴィント接近!!!>>

 

同時に島風が

 

「また私より遅い船ができたみたい!」

 

お前毎回それいうのな

 

「・・・遅い・・・?私が?」

 

煙の置くから銀髪ロングの女の子接近!!

 

「だって私より早い船なんていないもん!」

 

いや、水中翼船とかあるだろ。

 

「へぇ・・・あなた、何ノット?」

 

「へっへん!脅威の40ノットだよ!早いでしょ!」

 

「40?ははっ・・・私の半分以下じゃない!」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・なんですとぉ!!!!???

 

「私はねぇ・・・80ノットはでるから」

 

「う、うそは泥棒の始まりだよ!!」

 

「じゃあ試してみる?」

 

「受けてたつよ!!」

 

就航した瞬間のヴィルヴェルヴィント?は、さっそく海に飛び込んだ。浮いてるけど

 

「ここからあそこの小島まで行った人の勝ちね。いくよ・・・」

 

するとどっかで聞いたことのある音が聞こえてるくる・・・

ジェット?

 

「ゴ-!」

 

「おうっ!?」

 

なんと一瞬で島風を追い越していった。戦艦とは思えない速度で・・・

ちなみに勝負はお分かりのとおりヴィルヴェルヴィントの勝ち。

 

「う、うわあああああん・・・!!速さだけが私の取り柄だったのにぃぃぃぃ・・・・」

 

いや、お前の取り柄それ以外にもあるだろ

とにかく大泣きしていた

 

「あ・・・あの・・・ごめんね!泣かすつもりはなかったんだけど・・・」

 

「うあああああ!!!」

 

「あ、あううう・・・」

 

ヴィルヴェルヴィントは混乱していた

 

「はぁ・・・ここは追いといて帰るか・・・」

 

「置いてくのです!?」

 

「なんかもう疲れた・・・」

 

「な、なのです・・・」

 

とりあえず司令室に帰った。

そういえばこの後和解したらしく二人はなぜか親友になっていた。

・・・和解も早いなオイ

 




エスコンもウォ-シップガンナ-ネタもあるんだよ!

ちなみにこのF-15(シエラ)というのはメビウス0さんの小説のキャラの友情出演です。みなさんもメビウス0さんの読んでね!俺は個人的にかなりお気に入りの小説だったりw


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戦線復帰祝いの宴会

「式風の戦線復帰を祝って乾杯!」

 

「かんぱ~い!」

 

あの作戦から3日たった日の夜、軍の病院から退院した式風の戦線復帰を祝うため鎮守府内で宴会を開催した。

何気に勲章者だからな

 

「よ、元気そうだな」

 

「あったりまえよ!毎日利根が見舞いに来てくれたからな!」

 

「ラ、ラブラブだな・・・」

 

「なっ!?そ、そんなんじゃないんだからなのじゃ!」

 

なぜツンデレ風なのか・・・

 

「そういえばデロリアンは完全に損壊しちまって修理は無理だったよ」

 

「いや仕方ないから大丈夫だ」

 

あの墜落のときは進入角度が-3度くらいで毎分降下率も500ft前後だったので衝撃自体はかなり少なかったようだ。

 

「それにしても・・・怪我ひとつないってすごいな・・・」

 

「体はタフだからな!」

 

「お、おう」

 

「とりあえず料理食おうぜ、せっかく一流の料理があるんだから」

 

「お前食い気は元気なんだな」

 

「うるせぇ!」

 

とりあえず食べよう。

すでに艦娘たちは食べ始めてい・・・・・・・・・・・あれ、赤城さん・・・?

 

「一航戦、赤城!食べます!」

 

「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」

 

食い尽くされる!やばい!!

 

「戦艦大和!押してまいります!」

 

「お前もかいいいい!!!!!」

 

なんということだ・・・大食い姫二人が・・・

 

「おいみんな!こいつらに食われる前に全部食え!」

 

「提督・・・勝負と見ていいですね?」

 

「何が!?」

 

「大食いです!」

 

死にます。

 

「やめてください死んでしまいます」

 

そんなやり取りの中・・・

 

「やっぱりレディ-だからテ-ブルマナ-くらいできないとね!」

 

暁は張り切っているが・・・ごめんね、コレ立食ぱーちーなの

すると暁のところにひとつの料理が持ってこられた。

 

「あれ、何で私の持ってこられてるの?何でチキンライスの上に旗立ってるの!?お子様ランチじゃないコレええええ!!!!」

 

ああ・・・お子様ランチ持ってこられたのか・・・

しかも電とかには持ってこられてない

 

「何で私だけ子供扱いなのよおおおおお!!!!!」

 

すると・・・

 

「え、何?え・・・おもちゃ・・・やったあああああ!!!どれもらってもいいの!?わああああい!!」

 

・・・素敵なレディ-だね(困惑

そのときふとドアのほうを見るとちょうど式風と利根が宴会場を出て行った。

 

「むっ・・・ヤツら・・・」

 

これは・・・スニ-キングミッションするしかありませんな・・・え、スト-カ-?ちょっと何いってるか分からないけどこっち来ようか?大丈夫、何もしないからツラ貸せやワレ。

 

「電、ちょっと来てくれるか?」

 

「なのです?」

 

「・・・・・・・でな」

 

「なのです!?!?い、いくのです!!」

 

え、何吹き込んだかって?アレだ、あいつらが不純なことしでかさないようにソナ-使ってくれといっただけだ。

そして鎮守府の艦娘寮。ちなみに屋根の上

 

「あ、あの・・・司令官さん・・・この服なんなのです・・・」

 

「SEALs装備だ。」

 

「いや・・・司令官さんはですけど・・・・私のです・・・」

 

「ああ、それ?スニ-キングス-ツ」

 

「いやコレ見た目いかついタイツにしか見えないのです!!体の線でまくりなのです!」

 

「少し声を落とせ。見つかるぞ」

 

「あ、あううううううう」

 

さて、上空を飛んでるシエロさんに連絡取りましょうかね

 

「隊長、中の様子は見えるか?」

 

<<いや・・・よく見えない。でも本当にいいの?寮ごと吹き飛ぶかも・・・>>

 

「コラテラルダメ-ジだ」

 

<<・・・・・・・>>

 

「コラテラルダメ-ジって何なのです?」

 

「あれだ、軍事目的上の仕方ない犠牲だ」

 

「アカンやつなのです!」

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

「・・・問題しかないで・・・あ、司令官さん!声をキャッチなのです!」

 

何気にノリノリじゃないですか電さん

 

「ええっと・・・しししし司令官さん!!ききききき聞いてくださいなのです!!」

 

「ん?なんだ?」

 

ヘッドフォンを耳にあてる

 

<<・・・とうにいいのか・・・?利根・・・>>

 

<<ま、前にその・・・夜戦って言ったのじゃ・・・・>>

 

<<本気だったのか>>

 

<<あ、当たり前じゃ!お前はその・・・わ、我輩の大切な夫なのじゃから・・・>>

 

<<・・・そうだな>>

 

・・・・・・・・

俺は無線機を取りだし・・・

 

「全部隊へ、アイリ-ン。もう一度繰り返すアイリ-ン」

 

こんなこともあろうかとデルタフォ-ス、陸軍レンジャ-、第160特殊航空連隊を近くに配備してあったのだ!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・野郎ぶっ殺してやるあああああああああああああああああ!!!!!!!!

しかも続きあったり

 

<<零斗・・・我輩・・・お前が墜落したときはどうなるかと思ったんじゃぞ・・・>>

 

<<あれはその・・・すまなかった>>

 

<<零斗に死なれたら・・・我輩・・・>>

 

<<利根>>

 

<<なん・・・んむっ!?んん~!!>>

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

<<ぷはっ!!な、なひするんにゃいきなり!!>>

 

<<そういえば一回もキスしたことなかったと思ってな>>

 

<<むぅ・・・いきなりは何かロマンチックじゃないのじゃ・・・>>

 

<<ん~・・・そうか?>>

 

<<も、もう一度・・・今度はちゃんとしてほしいのじゃ・・・>>

 

【顔真っ赤ゲ-ジ】★★★★★★★★★☆

ちなみに怒りな。

電は別の意味で顔真っ赤

 

<<・・・ん・・・んむっ・・・・>>

 

ちきしょおおおおおおおおお!!!俺なんてまだ電としたことないのにいいいいい!!!!

 

<<・・・ふふっ・・・お返し、なのじゃ>>

 

<<・・・利根>>

 

<<なんじゃ・・・うわっ!!!>>

 

このとき明らかにベットに押し倒した音あり

【顔真っ赤ゲ-ジ】★★★★★★★★★★MAX!!!!!!

 

「突入うううううううう!!!野郎オブクラッシャアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

 

屋根ぶち破って突入した瞬間・・・

 

「・・・ここから先へは行かせることはできんな提督殿」

 

「憲兵!?お前・・・この先に行為に陥りそうな連中がいるのにか!」

 

「ケッコン済みだ。問題はない」

 

「くっ・・・そこをどけ!俺は・・・お前を撃ちたくない!」

 

「俺は撃てる」

 

「えっ」

 

俺氏そこから先の記憶なし。

おきたら司令室だった・・・

・・・式風の野郎は何かすごい幸せそうな顔して歩いてた

ちきしょおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!

 

あ、ちなみに呼んだ連中は憲兵という人間の皮かぶった人型兵器に襲われてブラックホ-クダウンして鎮守府の隅っこのほうでモガディシオの戦闘になってた。

・・・・・・・俺、知ーらない!




自分で書いててリア充ブッコロッシャアアアアアアアアア!!!!!!!ってなってた提督ですはい


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警備任務

「さむっ!もうこんな季節か・・・」

 

朝起きて窓を開けると冷たい風が流れ込んでくる。

ついこの間発動された中規模作戦が第二海域まで進攻できた。

・・・秋月があの海域にいるとは思わなかったけどな・・・

しかもアンドロメダに積んであるCIWSにシ-スパロ-にRAMに興味津々だ。

 

「さて・・・仕事仕事」

 

司令室に向かう途中で朝起きてきたばかりの電と出会った

 

「お、電。おはよ」

 

「あ!司令官さん!おはようございます!」

 

「あれ?イメチェンしたか?」

 

「はぇ?」

 

電は?と言う顔をしたが今日は髪を下ろしている。

 

「ほら、髪を下ろしてる」

 

「あ、これは髪を上げてると首元が寒くて・・・」

 

なぜか申し訳なさそうな顔をする

 

「んな申し訳なさそうな顔するな。似合ってるよ」

 

「はわわ!?お、お先にいくのです!」

 

顔真っ赤にして走っていった。可愛い。

 

「そういや今日は作戦あったっけ・・・」

 

とりあえず司令室にPCを確認する

 

「ん・・・何だコレ」

 

一通のメ-ルが入っていた

 

「・・・警備任務かよ・・・」

 

めんどくせぇ・・・いや、俺は疲れないがあの子たちが疲れるからな~・・・

どうすっかな・・・と悩んでいると続々と起きて来た艦娘が司令室にあいさつに来る

 

「隊長!おはよ!」

 

「お、ケストレル。ちょうどよかった今日遠征とかの予定あるか?」

 

「ううん、ないけど?」

 

「シンファクシとか引き連れて警備任務行ってくれるか?」

 

備蓄資源もたくさんあるしな

まぁ、正面海域だからそんなに遠くはないだろう

 

「いいよー!あ、そうだ!秋月と浜風も連れてっていい?」

 

「いいけど、もう打ち解けたのか?」

 

「うん!しかしあの浜風って娘・・・えぇ乳しとるのぅ・・・」

 

「おいお前いつからそんなキャラになった」

 

「え、何の話?」

 

すっごい笑顔で言ってきますねアナタ。

 

「まぁいいや・・・とりあえず1200から行ってくれるか?今、渾作戦でこの鎮守府の戦力のほとんど出払ってるみたいだから」

 

「隊長は行かなくていいの?」

 

「う~ん・・・まぁ、あんまり行く気ないからいいかな」

 

「ふ~ん・・・ま、分かったよ!じゃぁ伝えてくる!」

 

「おう、よろしくな」

 

ケストレルはひさびさの出撃で少し嬉しそうだ

 

「そういえばこの前ヴィルヴェルヴィントだっけ・・・どんな装備なんだ?」

 

書類に目を通す。

 

「ええっと・・・38cm連装砲に5連装酸素魚雷に12cm両用砲に・・・」

 

へぇ5連装酸素魚雷持ってるのか。

んで機関がっと・・・

 

「機関が・・・・・・・・・・・おかしくね?」

 

明らかにおかしな表記あるんですが・・・

複合サイクルエンジンとか言うのが主機とかと別枠で書かれてる

・・・そういや背中の艤装についてたな・・・

速度は超速て・・・超速てお前・・・

そんなこと思ってるとヴィルヴェルヴィントが起きて来た

 

「Guten Morgen!今日は出撃あるの?」

 

「おはよ。今日は・・・ん~・・・お前はオフだな」

 

「やったー!実は今日レ-ベとマックスとお買い物行きたかったんだ!」

 

「お、じゃ楽しんで来い!晩飯までには帰って来いよ」

 

「うん!」

 

後から挨拶に来たレ-ベとマックスを引き連れて司令室を出て行った。

さてと・・・まずは書類から片付けるか・・・

すると電が朝ごはんをもって司令室までやってきた

 

「司令官さん、朝ごはん持ってきたのです!」

 

「ん?あ、すまんな。」

 

「いっつもカップラ-メンじゃ体に悪いのです!」

 

「だなぁ・・・食生活変えねば・・・」

 

朝ごはんはト-ストにハムエッグと言うシンプルなものだったがカップ麺食べるよりはいいだろう。

 

「ああ・・・クソ・・・またコレか・・・」

 

「どうしたのです?」

 

それは空軍に戻ってこないかと言う手紙だった。

 

「空軍・・・ですか・・・」

 

電はさびしそうな顔をする

 

「そんな顔すんなって。空軍に戻る気はないよ」

 

「ホントなのです?」

 

「ほんとほんと」

 

すると安心した顔をする。

まぁ・・・あんなむさ苦しい場所よりはこの鎮守府のほうがいい。

仕事はキツイがな。

 

「あれ・・・なんだこれ」

 

何かを請求する書類が来てた。なんだこれ

 

「ええっと・・・あ、請求じゃないな・・・消費報告書・・・?」

 

そこには・・・

 

「・・・・・・・・・・・・・赤城ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

「はわぁ!?!?」

 

「あんの大食い女王があああああああああ!!!!!」

 

ボ-キ2万も使いやがって!!!

 

「し、司令官さん落ち着いて!」

 

「落ち着いてられるか!」

 

電は少しおびえた顔をして我に返った。

 

「あ、あぁ・・・すまん。我を忘れてたよ」

 

「も、もうびっくりなのです!」

 

「すまんって」

 

なんてことしてるうちに昼になり警備に行く艦娘が集合してきた

 

「ケストレル以下6隻で警備任務に行ってまいります!」

 

「おう!気をつけて行って来い!」

 

「行ってらっしゃいなのです!」

 

「お、電ちゃんに元気もらったから私がんばるよ!」

 

「あ、あはは・・・」

 

そしてぞろぞろと司令室から出て行った。

 

「ふぅ・・・何も起こらなきゃいいけどな」

 

「あのメンバ-なら大丈夫なのです」

 

「そうだな・・・」

 

俺は司令室から海面を進むケストレルたちを見送っていた。

 

~ケストレル~

 

「さてさて・・・全機発艦!」

 

私は偵察機を発艦させる。

彩雲と言うレシプロ機を赤城さんから貸してもらった。

この子なかなかいいのよねぇ・・・

 

「敵機!敵機はいないかな!」

 

「あ、秋月・・・こないことを祈ってほしいんですけど・・・」

 

敵機を探す秋月の横で浜風が困惑した表情で話しかけていた。

 

「ふふ・・・仲良しですね」

 

アンドロメダは笑顔をその様子を見ていた。

 

「そうだねぇ・・・ってあらら・・・見つけた」

 

「敵ですか?」

 

「うん・・・ってうおおおおい!マジか!!!」

 

「ど、どうしたんです!?」

 

「フラッグ戦艦2隻とヲ級エリ-ト1、駆逐フラッグ3、重巡2!」

 

えらい主力出てきたなぁ・・・まぁ、シンファクシもいるし・・・先制攻撃と参りますか!

 

「全機へ!対艦戦闘!ミサイルをタ級にぶち込みなさい!戦力の差を見せてやって!」

 

<<了解!攻撃開始!>>

 

さて、こっちも対艦戦闘と行こうかね

 

<<ケストレル!いいか、もし攻撃を受けたらすぐに撤退しろ!いいな!>>

 

「どうして?大丈夫だよ隊長」

 

<<お前らの編成は一発一発が致命弾になりかねないんだ!>>

 

「ああ・・・なるほど・・・分かったよ隊長」

 

まったく心配性だなぁ・・・

すると攻撃機から対艦ミサイル命中、タ級撃沈の報告が入る。

 

「ナイス!」

 

「ケストレルさん!敵の無線らしきものを傍受しました!」

 

「え、向こう無線なんて使ってるの?」

 

無線をリンクしてもう

ちなみに秋月は・・・

 

「敵機!敵機来い!」

 

「いやだから来たらマズイですって!!」

 

「ええ~・・・いいじゃん浜風~・・・」

 

平常運転だった。

とりあえず無線を聞くか・・・

 

<<タ級さん!向こうの攻撃は強すぎます!撤退しましょ!>>

 

<<ダメだ。>>

 

<<こちら提督。タ級の言うとおりだ。撤退は許可しない>>

 

<<なんで!>>

 

<<戦力の差など関係ない。敵を沈める。それがお前らの仕事だろう?>>

 

<<しかし・・・このままじゃ全滅も・・・>>

 

<<兵器のクセに死ぬのが怖いのか?>>

 

<<タ級さん!>>

 

<<タ級の言うとおりだ>>

 

ひっどい提督・・・・・・・提督!?!?

 

「ケストレルさん、目標を照準に収めました。」

 

「待って浜風。」

 

「どうしてです?」

 

「何か動きがおかしい・・・」

 

「確かにそうですね・・・」

 

もう少し様子を見よう・・・

 

<<でもタ級さん!この情報を持ち帰れば戦力を整えて出撃できます!撤退を!>>

 

重巡の一隻が前をふさぐ形で増速する。

 

<<我に従う艦は前方を邪魔する重巡洋艦リ級を撃沈せよ>>

 

あれデジャブ

 

<<撃ち方始め!>>

 

そして遠くから砲煙が見える。

同時に黒煙を上げて沈むリ級もだ。

 

<<チッ・・・無駄に撃ちやがって・・・おいタ級、ふざけてるんじゃねぇ>>

 

<<すみません提督。>>

 

<<まぁいい。お前らも分かったか。>>

 

<<・・・・こちらはヲ級。>>

 

<<んだヲ級、文句あんのか>>

 

<<仲間の撃沈を命じる旗艦とは行動をともにできない!私は投降する。同意する艦はついて来て!>>

 

<<旗艦に従わない艦は攻撃する!>>

 

<<私も行く!ヲ級待って!!>>

 

3隻の艦は離反してこちらに向かってきた。

しかしその間に新たな深海棲艦が海中から出てきた。

その数8隻。

 

「どうするの?ケストレルさん」

 

「待って・・・隊長、どうする?」

 

もしかしたら相手は傍受されているの前提で演技しているのかもしれない。やつらは潜水能力を有しているから沈没に見せかけることだってできる。

 

<<・・・・>>

 

「司令官・・・!もうトリガ-を引きそうです・・・!」

 

浜風は照準をずっとヲ級に向けたままだ。

 

<<・・・全艦に告ぐ、作戦変更!>>

 

そして一息つき・・・

 

<<目標は「味方艦隊」の護衛!いいか、絶対に一人も沈めさせるな!この鎮守府まで護りきれ!>>

 

「了解!!」

 

あ、思い出した・・・これセレス海と同じだ・・・

これはあの曲かけたいけど・・・

ま、いっか!

 

「浜風!いい?あのヲ級の後ろのヤツを撃って!」

 

「了解です!!」

 

そして発砲を開始した。

すると向こうから通信が入る。

 

<<こちらヲ級・・・投降します。攻撃を中止してください!>>

 

「中止?端からアナタ達を狙ってないよ!全速でこっちに来て!護ってあげる!」

 

すると少し涙声で・・・

 

<<・・・ありがとう>>

 

「お礼は鎮守府で!」

 

そのとき海中からミサイルが飛び出す。

 

「ちょ!ヲ級たちに当てちゃダメだからね!」

 

<<当てるかバカ>>

 

「アンタってヤツはぁぁぁ・・・・・・・!!!」

 

沈めたろかワレェ!!

 

<<・・・艦隊後方・・・「敵艦隊」・・・砲撃開始!>>

 

<<艦載機発艦!敵旗艦「タ級」を狙って!>>

 

そして遠くで小さな太陽がひとつ出来た。

シンファクシのニンバスだ。

見事にヲ級たちを外している。

 

「・・・流石ね」

 

<<褒められる筋合いはない>>

 

「アンタってヤツは・・・・・何でそんなに可愛げないかなぁ!?」

 

そして30分後・・・敵艦隊は全滅しヲ級たちと合流した。

やっぱり少しおびえている。

 

「始めまして!私は航空母艦ケストレル!」

 

「ヲ・・・ヲ級・・・です」

 

「そんなに怯えなくていいよ!提督は拷問とかそんなのする人じゃないから!」

 

しかし提督と言う言葉に少し怯えている。

 

「どうしたの?」

 

「いや・・・その・・・なんでもない」

 

「とりあえず帰ろう!」

 

そして私達は帰路についた。

 

~提督~

 

「これは・・・鹵獲・・・か?」

 

「そんな言い方しないの!」

 

ヲ級にリ級に・・・

 

「まぁ・・・なんだ。これからよろしく頼む」

 

「え、ええっと・・・その・・・引き渡したり・・・とか・・・」

 

怯えきった表情でヲ級は言って来るが・・・

 

「は?引渡し?んなもんするか。お前らは今から俺らの大切な仲間だ。」

 

「でも・・・この格好じゃ・・・」

 

「ん~・・・そうだな・・・じゃ、コレに着替えようか!」

 

駆逐艦用にセ-ラ-服を出す。

 

「どっから出したの!?」

 

「さあさぁ・・・着替えようか・・・」

 

「ヲッ!?ちょ、ちょちょ・・・!!」

 

ふへへへへへ、おじさん優しいから大丈夫だよ・・・ぐへへへへ

 

「やめんかアホ隊長!!」

 

「ひでぶっ!!」

 

あれ、意識が飛んじゃうぞ。なんでだろ。

あ、あれだ、妖怪のせいだ・・・・

ここで俺の意識は途切れた。

とにかくまた鎮守府に新たな仲間が入ってきた。

とりあえずヲ級には赤城の服を、リ級には利根型の服を、イ級は・・・・まぁ・・・うん。

まぁ、鎮守府がにぎやかになるな。

・・・・・・・・・・・・・・・・そういえば他の提督連中&将校からどうやって隠そう・・・




なんか戦闘シ-ンは微妙なんだよなぁ・・・ま、いっかw
あとカタカナじゃないのは書くと読みにくい!以上!w


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空母ヲ級

~ヲ級~

自分の死ぬ夢を見ていた。

詳しくは思い出せない。

目の前に迫る敵機。そして、対艦ミサイル。

これだけしか夢の内容は覚えていない。

 

「うわああああ!!」

 

私は今日も悪夢をみた。

 

「はぁ・・・はぁ・・・もうなんなのいったい・・・」

 

私の悲鳴を聞いて隣で寝ていた艦娘が飛び起きる

 

「だ、大丈夫なのです!?」

 

「大丈夫・・・」

 

「ホントに!?何か泣いてるのです!」

 

「え・・・あれ・・・?」

 

何故か涙が零れていた。

そうだ、ここに来るまでこうやって気にかけてもらったことなんて無かった。

あの基地でも・・・

 

「今日は・・・提督のところに行かなきゃいけないんだよね?」

 

「なのです!あ、でも別に警戒する必要ないのです!」

 

「でも・・・私は敵なんだよ?」

 

「今は味方なのです」

 

「ありがとう電」

 

私は起きて提督の部屋に向かった。

 

「おはよう、電、ヲ級」

 

「おはようなのです!」

 

「・・・・・」

 

「ん?ヲ級どした?」

 

「・・・なんでもない」

 

・・・提督なんて

 

「ん・・・あれ・・・俺なんか悪いことしたかな・・・?」

 

「・・・司令官さん、初対面で私たちの服着させようとしてたのです」

 

「あ・・・あれはその・・・ごめんなさい」

 

「・・・・・・」

 

別にそんなこと気にして・・・いや気にしてるけど・・・

 

「まぁいいや、それでここに呼んだのはな・・・」

 

尋問か・・・それとも引渡しか・・・

 

「お前らに愛称つけようと思ってな!」

 

私は思いっきりこけそうになる。

なんじゃそりゃ。

 

「いやさぁ・・・何か「何とか級」って寂しくない?」

 

「いや・・・特には・・・」

 

そのためだけに呼んだのかこの人・・・

 

「・・・そんな事なら私帰る」

 

「ちょっ待てって!」

 

「・・・何?」

 

「あと聞きたいことあるんだ」

 

「・・・尋問でもする気なの?」

 

「いや、答えたくないならぜんぜんいいんだ。」

 

「それで何を聞きたいの?」

 

「ああ、その深海側の提督についてだ・・・」

 

「それが?」

 

「そいつは・・・人間なのか・・・?」

 

「人間だよ。正確には人間だったかな?」

 

「どういうことだ?」

 

深海側の提督、それは過去にブラック鎮守府を運営していて艦娘の恨みを買い殺された者達だ。

もちろん、そんな連中しかいないから深海側は物のように扱われどんな時も撤退を許されず休養を許されない・・・ある意味生き地獄だ。

改心したものもごく僅かながらいるが・・・

 

「・・・・そんな場所なのか」

 

「・・・・・・」

 

「・・・・それで、ここまで聞いたら私は用済み?」

 

「用済みって何だお前・・・ここはブラック鎮守府なんかじゃないぞ?」

 

「最初はみんなそう言ったよ!!でも物みたいに扱われて・・・最後には銃口を向けられて・・・信じれるわけないじゃん!!」

 

「・・・すまない、今すぐ信じてくれというわけではないが・・・」

 

「・・・ごめん・・・」

 

涙が止まらない・・・なんで・・・

私は急ぎ足で司令室を出た。

 

「およ?ヲ級ちゃん?」

 

「あ・・・」

 

「あれ?どうして泣いてるの?あ・・・もしかしてあのアホ隊長にセクハラされたんでしょ!ダメだよ~そういう時は黙ってないで砲撃しないと!」

 

さりげなく恐ろしいこと言ってのける・・・

 

「えっと・・・その・・・」

 

「どしたの?」

 

そういえばこの子の名前なんだっけ・・・命の恩人で・・・

 

「えっと・・・えっと・・・その・・・あの・・・な、名前・・・」

 

「ん?あ、ああ私?ケストレルだよ?」

 

「ケストレル・・・」

 

その瞬間だった・・・

 

「う、うあああああああ!!!」

 

「おわあああ!?!?ど、どしたの!?!?」

 

突然の激しい頭痛に襲われる。

頭が割れそうだ・・・

 

「うううう・・・うぐっ・・・・」

 

「ちょ、ちょっと大丈夫!?そんな・・・どうしよう・・・!」

 

もはや立っていられないほどの痛みが襲ってくる。

 

「どうしよ・・・どうしよ・・・!」

 

~ケストレル~

 

どうしよ・・・!私一人じゃどこにも・・・!

 

「うわああああああああ!!!頭が・・・頭がああああ!!」

 

「ヲ級ちゃん!しっかりして!!」

 

だがそのとき悲鳴を聞いた隊長が急いでやってきた

 

「ヲ級!しっかりしろ!!」

 

「しっかり!」

 

しかしこのとき既にヲ級は失神していた。

 

「急ごう!入渠ドッグは開いてるか!?」

 

「今、赤城さんが・・・」

 

「またアイツか・・・バケツぶっかけて叩き出せ!!」

 

「・・・隊長って赤城さんへの扱いひどくない?」

 

「そんなこと言ってる場合じゃないだろ!」

 

そういいながら入渠ドッグの扉を開ける。

 

「キャァッ!?て、提督!?」

 

「すまん、事情が事情なんだ!」

 

隊長はヲ級をドッグ内に入れる。

呼吸を確認すると・・・

 

「ふぅ・・・ただ気絶して寝てるだけみたいだ・・・」

 

「はぁ・・・よかった・・・」

 

ほっとしていると・・・

 

「提督ゥゥゥ・・・・・・・・・」

 

「ん・・・?赤・・・・・・城さん?」

 

阿修羅の顔した赤城さんが立っていた。

 

「ずいぶんと堂々とした覗きですねェ・・・そんなに私の裸に興味ありましたかァ・・・?」

 

・・・・赤城さん怖い。

 

「ああ、その豊満なナイスバデーには興味しかな・・・ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

 

・・・・・・アホだろ

私は静かにお湯に使って眠るヲ級ちゃんを見ながらため息をついた。





更新遅れてすみませぬ!
とりあえず全裸待機してたよい子のみんなお待たせなんだZE☆

今回はヲ級回ですはい。
やっぱね、敵艦の中ではヲ級が一番かわいいよね!


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鎮守府強襲

~ケストレル~

 

ヲ級大丈夫かな・・・

艦娘用のドッグで治るんだろうか・・・

 

「はぁ・・・」

 

「大丈夫なのです?」

 

「あ、ごめんね、大丈夫だよ」

 

「やっぱりヲ級が心配なのですか?」

 

「うん、何か私の名前聞いた瞬間に苦しみだしたし・・・どうしたんだろ・・・」

 

「う~ん・・・あ、そういえばこんな噂聞いたことあるのです!」

 

「うん?どんなの?」

 

「えっとですね・・・」

 

その噂は深海棲艦はかつては自分たちと同じ艦娘だったということと私たちと同じように艦艇時代の記憶がうっすらとだけどあることだ。

また沈んだ艦艇がそのまま深海棲艦になることもあるとか。

 

「・・・という噂なのです!」

 

「・・・・・・」

 

私はヲ級のことで思い当たる節があった・・・

 

「バ-ベット・・・」

 

「バ-ベット?」

 

「・・・私のお姉ちゃんだよ」

 

「あっ・・・」

 

電は少し申し訳なさそうな顔をする。

私が姉を撃沈したことを思い出したんだろう。

 

「ごめん、ちょっとヲ級の様子見てくる!」

 

「わ、私も行くのです!」

 

二人でドッグに走り出した瞬間、ものすごい爆音が聞こえた。

 

「な、何!?」

 

「わ、わかんないのです!」

 

次の瞬間警報が鳴り出す。

 

<<正面海域に敵艦隊3を認む!現在攻撃を受けている!艦娘はただちに出撃、これを撃破せよ!>>

 

「様子見はお預けかな・・・」

 

「と、とにかく司令室へ急ぐのです!」

 

私は走って司令室に向かった。

 

 

 

「隊長!」

 

ドアを蹴破る勢いで中に入る。

 

「いったいどういう状況なの!?」

 

「見て分かるとおり襲撃だよ・・・ああもう・・・」

 

「どうしたの?」

 

「いや・・・それがだな・・・」

 

隊長はパソコンの画面を眺めている。

・・・死にそうな目で。

 

「ん?パソコンがどうかしたの?」

 

ふと画面を除くと・・・

 

「・・・・・・・・・・・・・・隊長さん?」

 

そこにはエラ-表示で強制終了しますというのが出ていた。

・・・・・ギャルゲ-の一番盛り上がるシ-ンで。

 

「ちくしょう!あの衝撃で俺の・・・俺の推しキャラ攻略があああああ!!!!」

 

「・・・・」

 

「お前なぁ!分かるか!?ツンデレキャラをデレモ-ドにさせた時のこの・・・この感情をおおおおお!!!」

 

「・・・・・・お前はアホかああああ!!!!」

 

いや、レ-ダ-とかいろいろ見てなかったの!?襲撃に気づかなかったの!?

 

「アホとは何じゃいワリャアアアア!!」

 

「いや、アホ以外にどういえばいいのコレ!!レ-ダ-とか見てなかったんかいワレエエエエ!!」

 

「んもんよりこっちのほうが大事だしいいいいい!!!」

 

「お前もう提督辞めろおおおおおおお!!!」

 

どんだけアホなんだろうかこの人は・・・

 

「ふざけやがってぇ・・・野郎ぶっ殺してやらあああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 

すると隊長は何かのコンピュ-タ-を取り出す。

 

「なにそのパソコンみたいなヤツ」

 

「見てろ外道が・・・宇宙空間からの狙撃を食らうがいい!!」

 

「・・・・・・・・SOLG・・・・?」

 

「いんや、あれは落としたろ。まぁ、見てろ。」

 

システム「ユ-エ-ヴィ-オンラ-イン」

 

・・・UAVですかー

 

「さてと・・・・プレデタ-で目標指示して・・・ふはははははは!!ODINの力を見るがよい!」

 

「あのぉ・・・隊長?もしかして・・・核?」

 

「んなわけあるか!」

 

「な、ならいいけど・・・」

 

「ポチっとな☆」

 

隊長がボタンを押した瞬間に隊長の知り合いの提督が入ってきた。

・・・名前なんだっけ

 

「イ-グル!!やばいぞ!襲撃だ!!」

 

「知ってるよ」

 

「だったら早く艦隊を!」

 

「まぁまぁ、式風くん、落ち着きなさいな」

 

「落ち着けるか!!俺はもう艦隊を出撃させたぞ!」

 

「え、マジ!?」

 

その瞬間ちょっと隊長が青ざめる。

 

「お、おい式風・・・いつごろ出した・・・?」

 

「10分前だ!」

 

「・・・やっば」

 

「どうしたんだ!早く行くぞ!!」

 

「・・・・・・・今すぐ引き返させて、頼むから」

 

「何でだ!!」

 

「・・・・・今からあの辺衛星から攻撃するんだよ・・・」

 

「ファッ!?」

 

私は・・・とりあえず襲撃の件はどうにかなりそうなんでさっさとヲ級のところに向かった。

 

~提督~

 

「ちょちょちょちょ待て!!衛星から攻撃ってどういうことだ!」

 

「え、ええっとぉ・・・米軍が放置してた攻撃衛星ODINをハッキングして俺専用にしてたんだよ・・・ちなみにあと2分後に攻撃開始」

 

「・・・被害はどれくらいになる?」

 

「ああ・・・まぁ最強クラスの姫級でも体が残ってればいいねってくらい?ちなみに海の深さも1mくらい増すかも・・・」

 

「おいおいおいおい!!!!!それ止めれんのか!」

 

「(・×・)ムリダナ」

 

「マジかああああ!!!!!」

 

式風はダッシュで艦隊を引きもどそうとしていた。

まぁ・・・距離的には今引き返せば余裕で間に合うけど。

 

「さてと・・・あとは誤差だけ修正するかな~・・・」

 

とりあえずプレデタ-の画面を見ながら誤差を直していく。

てか、こいつ等姫クラス連れてきてんじゃねーか・・・

そういえばODINはこの攻撃で残弾があと2発になるから本拠地攻撃までは温存だな。

もう宇宙空間に補給物資もってく術がないからな。

 

「あの・・・司令官さん」

 

「あ、電か。どした?」

 

「あの・・・この子達が・・・」

 

「ん?」

 

電の後ろからガクブル状態でこの前来たリ級とイ級が出てきた。

 

「おう?どした、そんなにガクブル状態で・・・」

 

「あ、あの・・・あの艦隊は・・・私たちを殺しに来た・・・」

 

「ああ~・・・」

 

アレか、情報しゃべられる前に沈めたれということですね分かります。

 

「だから・・・また攻撃に来る・・・そんなのだったら私たちは帰る!」

 

「いやまて、極論過ぎない?」

 

「だって・・・」

 

「だってもクソもあるか、お前らは俺の部隊所属の艦娘、勝手に帰ったり沈んだら沈んだ場所にODINから攻撃食らわすぞ」

 

「・・・ごめんなさい」

 

「分かればよろしい。んで、ほかに用はないか?」

 

「うん・・・」

 

「そか。あ、そうだ、お前ら鎮守府内散歩してみたか?」

 

「いや、まだだけど・・・」

 

「んじゃ今から電といってらっしゃいな」

 

「いいのです?」

 

「いいのいいの。電、よろしくな」

 

「なのです!」

 

電が司令室を出て行った瞬間、敵艦隊のいるであろう場所に宇宙空間から降って来た光の矢が直撃した。

 

「うわぁ~・・・こりゃミンチのほうが体残ってるぶんマシかもな~・・・」

 

味方が巻き込まれてないことを祈って俺はギャルゲ-を再会した。

ちなみにあの攻撃は俺と式風以外は誰がしたのか知らず、神の攻撃ということになってました。めでたしめでたし。

 

~ケストレル~

 

ものすごい爆音と衝撃のあと砲声がぴたりとやんだ。

 

「隊長の攻撃が命中したのかな?てか・・・あの人何気にいろいろおかしい物持ってんな・・・」

 

何で一提督が攻撃用衛星とか偵察用衛星とか・・・この前はICBMまで・・・この人小さいのは拳銃から大きいのは攻撃衛星までこの世にある兵器一式もってんじゃないの?って気分になってきた。

 

「さて・・・とりあえずヲ級は大丈夫かな?」

 

入居ドッグを覗くと・・・

 

「・・・・・・・・・・バ-ベット・・・?」

 

そこにヲ級は居らずあのセレス海で撃沈したバ-ベットの姿があった。

 

「やっぱり・・・バ-ベット・・・だよね?」

 

忘れもしない。あの長く黒い髪、キリッっとした顔立ち・・・

 

「この私よりちっさい胸は・・・やっぱりバ-ベットだ」

 

さりげなくひどいこと言ってみたり。

そんなこといっていると・・・

 

「んん~・・・」

 

「あ、起きた」

 

「ん・・・あ、あれ・・・ここは・・・セレス海じゃない・・・」

 

「おはよ、バ-ベット」

 

「んんん~・・・おはよ・・・ってケ、ケストレルゥゥゥゥゥ!!!??」

 

「そだよ」

 

「え、ええええ!?!?ラ-ズグリ-ズは!?」

 

「ああ~・・・その隊長ならここの司令官だよ?」

 

「え、ええっと待って、状況が読めないわ」

 

「ほいほい」

 

あのときのこと・・・怒ってないかな

 

「ねえ・・・ケストレル・・・あの時からの記憶がないの。何故か艦娘って言うことだけが分かるわ」

 

「そうだねぇ・・・その辺は隊長に聞けばいいと思うよ?」

 

「そ、そうね・・・てか、ケストレル・・・あんた私が起きる前に私よりちっさい胸とか言ってたの聞こえてたわよ・・・」

 

「えっ」

 

マジかよ・・・!

 

「ちょっとお話しましょうか?」

 

やばい、命が危ない

 

「グッバイ!」

 

「あ、コラ待ちなさ・・・キャッ!!」

 

追っかけようとして盛大に床で滑っていた。

お風呂で走っちゃ危ないよ~。

そんなこんなで新しい仲間が増えましたとさ。

・・・あのことは後で謝っとかないと・・・セレス海の事も。




COD;Ghostのスト-リ-って続きありそうなのよさ


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開かずの施設

「・・・・・どちら様?」

 

いきなりケストレルが司令室に何かケストレルによく似た子を連れて入ってきた。

 

「私の姉だよ!バ-ベット!」

 

「建造した記憶がございませんが・・・」

 

「だってこの子ヲ級だったもん!」

 

「うそ!?」

 

一瞬うそ付けぇ!と思ったが噂で深海棲艦の一部が過去の艦艇時代や艦娘時代の記憶を取り戻した時、艦娘になったとか。

・・・奇跡も魔法もあるんだよ!(錯乱

 

「あ~・・・えっと、バ-ベットだっけ?」

 

「ええ、そうよ」

 

「いきなりで紹介遅れたが俺はここの提督のイ-グルアイだ。よろしくね」

 

「よろしくお願いするわ」

 

「しっかしまぁ・・・妹のケストレルとは違ってデキる姉っぽい雰囲気だな」

 

「・・・隊長?表出ます?」

 

あらやだケストレルさん、額に血管湧き出てますわよ。

・・・・・・怖い。

 

「すんませんしたあああ!!」

 

「とりあえず、あいさつも終わったし行っていいかしら?いろいろあって疲れたわ」

 

「ああ、部屋はケストレルと一緒の使ってくれ。」

 

バ-ベットはケストレルに案内されて部屋に向かった。

それと入れ違いで電が入ってきた。

 

「お、電。どした?」

 

「さっきのバ-ベットさんに関する書類なのです!」

 

「ほいよ、どうも」

 

さて燃費とかは・・・

 

「あ、うん・・・予想通り・・・」

 

予想通り、いろいろ欠乏状態の大和さん10隻分以上ありますね・・・

あんまり出撃させれないな・・・

ちなみにこの大和さん10隻分というのはあのゲ-ジ一本分が10隻分であって完全に燃料弾薬を欠乏すると普通に1万は資材飛んで行く。

まぁ・・・現代艦艇だし仕方ないっちゃ仕方ないか・・・

 

「電、今日なんか予定とかある?」

 

「予定ですか・・・ん~・・・書類整理終わったら今日は何もないですね」

 

「お、じゃあ終わらせてどっか飯食いに行くか?」

 

「いいですか!?」

 

「おう!今日は第六のメンバ-全員で中華街でも行くか!」

 

「なのです♪」

 

電はごきげんで鼻歌謡ながら書類整理を手伝ってくれる。

その時、青葉がものすごい速度で飛び込んできた。

 

「司令官司令官司令官ー!!!」

 

「な、何だ?」

 

「スク-プですよ!!」

 

「またか・・・」

 

「またかとは何ですか!これ見てください!」

 

「ん?ええっと鎮守府に開かずの施設がある・・・?」

 

「そうです!しかもここでは・・・出るんですよ」

 

「今冬だぞ、幽霊の連中も冬期休暇中だ。」

 

「ゆ、幽霊さんってお仕事なんですか?」

 

「おう、時給840円で人驚かす仕事だぞ」

 

「司令官・・・お化け屋敷じゃないですよ!」

 

「んじゃ証拠は?」

 

「その言葉待ってました!これです!」

 

「どれどれ・・・」

 

一枚の写真を出す。

そこには・・・

 

「ひにゃあああああああああああ!!!」

 

俺より先に写真を見た電がものすごい悲鳴を上げて俺の後ろに隠れる。

いや、隠れるというより抱きついてる。

あぁ・・・極楽じゃ・・

 

「つーか、そんなに怖いのk・・・・ああああああああああああ!!!!」

 

「はにゃあ!?」

 

待て待て待て!!!!!シャレになってないぞ!!

 

「おい青葉!お払いしてんだろうなこの写真は!!」

 

「え?さっき撮ったばかりなんで何もしてないですよ?」

 

「いやあああああああああああああああああああ!!!!」

 

呪われる、確実に呪われる。

だってお前これ・・・写真の八割がものすごい形相の女の顔で埋め尽くされてんじゃねーか!!しかも一部色が濃かったり薄かったりで呪って文字になってるしいいい!!

一瞬加工かと思ったが加工の跡が無いからな・・・

 

「それで司令官、今日の夜ここ行きましょう!!」

 

「いやいやいや!!無理だから!!」

 

「・・・もしかして・・・幽霊怖いんですか?」

 

「べべべべべべ別にぃ?!ゆ、幽霊なんて怖くねぇしぃ?!」

 

「へぇ~・・・じゃあ行きましょう!」

 

「呪われそうだからヤダ!」

 

「じゃあ・・・スク-プですね・・・元米軍の提督の弱点発見!幽霊が苦手!でタイトル決定ですね!」

 

「よし、行こう。来いよ幽霊、呪いなんか捨てて、かかって来い!」

 

「では、2100に状況開始です!」

 

そういって青葉はそそくさと部屋を出た。

 

「電?もう大丈夫だぞ?」

 

「うううう・・・あ、ごめんなさい!!」

 

電は顔を真っ赤にして飛びのく。

ずっと俺に抱きついてたからな・・・

 

「電も夜に行くか?」

 

「うう・・・司令官さんが行くなら・・・」

 

「無理はしなくていいんだぞ?」

 

「ひ、秘書艦としてかんばるのです!!」

 

「お、おう・・・てか書類はあらかた終わったし、飯行くか」

 

「なのです!みんな呼んでくるのです!」

 

さて、夜の準備しとこうか・・・

とりあえず・・・CQBにバレルを変えておこう。

あとは・・・え?何の準備かって?んなもんお前、調査のためだろ。

とりあえずEoTechにフォアグリップ、AN/PEQ-16装備して・・・ストックはMOEに交換しておこう。

ふふふ、我がM4が活躍するときが来たようだ。

サイドア-ムはM9でいいか。

なんてことしてると電がみんなを連れてきた。

 

「司令官さん!準備OKなのです!」

 

「よし、行くか!」

 

鎮守府を出て街に向かう。

何食うかな・・・

 

「みんな何食べるんだ?お金は全部俺が持つから好きなの言ってくれ。高級中華でもいいぞ!」

 

「あ、暁は一人前のレディ-だから自分のぶんくらい払うわ!」

 

「ほ~・・・んじゃ財布見せてみ?」

 

「い、いやよ!」

 

「何で」

 

「だ、だって・・・そ、そうよ!お金ないわよ!悪かったわね!」

 

「お前見栄張るなよ・・・」

 

「いいじゃない!」

 

「んで、いくら入ってんだ?」

 

「い、一万円・・・」

 

「・・・・普通に自分の分払えるじゃねーか・・・」

 

「え、そう!?」

 

「おう、てか俺があげてた小遣いこつこつ貯めてたんだな。えらいぞ」

 

「えへ・・・えへへへへ」

 

やだ暁可愛い・・・

すると雷が・・・

 

「あー!暁ちゃんだけずるいー!しれーかん私にも!」

 

「ああもう・・・はいはい」

 

「ああ!ずるいのです!」

 

「司令官、私にもしてほしいな」

 

何この状況、僕もう死んでもいい。

なんてことしてるうちに中華街へ。

 

「よし!何食べる?」

 

「コ-ス系食べてみたいな」

 

「私も食べてみたいのです!」

 

「私もそれでいいわ!」

 

「れ、レディはフレンチがよかったけど・・・」

 

「じゃ、暁は一人フレンチで」

 

「じょ、冗談に決まってるでしょ!!」

 

「はいはい、てかお前一人ハブるわけないだろ?」

 

「し、知ってるわよ!」

 

とりあえず店の中に入る。

 

「どのコ-スにする?なんでもいいぞ?」

 

「私は日替わりで」

 

「私は四川料理!」

 

「私も雷ちゃんと同じなのです!」

 

「私は上海料理がいいわ」

 

「あいよ~」

 

俺は・・・うん、辛いの好きだし四川料理でいいかな。

 

「しかし外寒くなったな・・・ついこの間まで暖かかったのに」

 

「きっとあれよ!松岡○造が日本に居ないからよ!」

 

「ああ、すごい納得・・・」

 

「ねえ司令官、鎮守府に温泉は作れないかい?」

 

「ん~・・・温泉か・・・本部に聞いてみないとわからないな・・・」

 

そういえばこうやって第六のメンバ-とご飯食べにくるのは初めてかもしれない。

 

「このあとどっか行きたいとかあるか?」

 

「ん~・・・あ!あのタワーみたいなビルの最上階行ってみたい!」

 

「ランドマ-クタワ-か?いいぞ」

 

「私はお買い物行きたいのです!」

 

「私も電と同じで買い物に行きたいな」

 

「おし!暁は行きたいところあるか?」

 

「う~ん・・・そうね・・・あ!野毛山動物園行きたい!」

 

「動物園私も行きたい!」

 

「じゃあ、飯食ってランドマ-クタワ-行って、買い物したら動物園行くぞ!」

 

計画も決まったところで料理が出てきた。

 

「わ~!おいしそう!」

 

「ココ 料理長 中国行って修行して来たお店ヨ。味最高デスヨー」

 

最近片言のヤツが全員金剛に見えてきた。

なんてどうでもいいことはおいておこう。

 

「か、辛いのです・・・」

 

「電、このマ-ボ-豆腐はご飯と食べるといいわよ」

 

「やってみるのです!」

 

「日替わりもなかなかだね」

 

「んん~!!おいしい!ねえ司令官!私のと少し交換してみない?」

 

「お、いいぞ」

 

なんて楽しい時間が過ぎていった。

ランドマ-クタワ-では暁が高所恐怖症らしく涙目で俺にずっと抱きついていた。

可愛かった。

 

「お、もう7時か・・・早いな」

 

「もう真っ暗なのです」

 

「そうだな・・・また来ような」

 

「・・・この景色を護り通したいね」

 

「そうだな・・・」

 

そういえば今朝ODINから攻撃ぶち食らわしたのに街が案外騒がなかったのにはびっくりしたな。

てか・・・あと二時間ちょいで状況開始か・・・銃と弾薬は準備できた。

ちなみに弾薬は著名な知り合いの霊能力者の婆さんに頼んでお払いとかいろいろしてもらってる。

婆さんの弾薬渡されたときに「え、これをどうしろと?」という顔が忘れられん。

 

「電、帰ったら準備だぞ?」

 

「な、なのです」

 

ちなみに電の艤装もお払いしてもらってたりする。

そんなこんなで鎮守府に無事帰還。

 

「ふぅ~・・・あったか~い・・・」

 

「暁、何かおじいちゃんみたいだよ」

 

「し、失礼ね!」

 

雷、響、暁は楽しそうに話しながら寮へ帰っていった。

 

「さてと、行くか」

 

「が、がんばるのです!」

 

弾薬もある・・・NVGも装備したし大丈夫だ!

え?何でそんな重武装なのかって?お前相手がプレ○タ-だったらどうすんだよ!

 

「し、司令官・・・どんだけ重武装なんですか・・・電ちゃんも・・・」

 

「ははは。青葉よ、そんな装備で大丈夫か?」

 

「いや、プレ○ターがいるわけじゃないんですよ?」

 

「気分だ気分」

 

「と、とりあえず入りましょ・・・あれ、鍵かかってる」

 

「あ、ホントだ」

 

「仕方ないですね・・・とうっ!!」

 

青葉が渾身のキックを扉にお見舞いする。

見事に老朽化したドアは壊れた。

 

「よし・・・GOGOGO!」

 

「なのですー!!」

 

「司令官・・・ここタリバンの基地じゃないですよー」

 

「玄関クリア!」

 

「廊下側クリアなのです!」

 

「聞いてないですね・・・」

 

「よし電、慎重に行くぞ・・・」

 

「了解なのです・・・!」

 

「アンタら案外ノリノリだなオイ」

 

ふははは!タリバン基地襲った日を思い出すぜ!

 

「ん?電、今なんか言ったか?」

 

「え?何も言ってないのです」

 

「ん~・・・今なんか聞こえた気がするんだけど・・・」

 

その時・・・

 

「・・・!!!ひにゃあああああああああああああああ!!!」

 

悲鳴と同時に電ちゃん、主砲斉射。

 

「うおわあああああ!!どうした!?」

 

「ままままま窓に何か写ったのですううううう!!」

 

「おい、青葉!今なんか見えたか?」

 

後ろ振り向くと・・・

 

「あれ?青葉?」

 

青葉が居ない。てか壊れたはずのドアが閉まってる。

んでよく見たらなぜか外に青葉が居る。

そういえばさっき青葉は中には入ってなかったな・・・

 

「おい青葉、何してんだ、ドア開けろ」

 

「し、司令官!やばいです!ド、ドアが勝手に・・・」

 

「は?」

 

「ドアが勝手にしまったんです!!」

 

「・・・・冗談でしょ?」

 

「と、とにかく開かないんです!!」

 

青葉は涙目で訴えてくる。

必死に開けようとしているがピクリともしない・・・

てかよく見たらこのドア内側からしか閉めれないしなぜか鍵穴が内側に付いている。

 

「これ・・・鍵探して脱出か・・・?」

 

「どどどどどうするんですか!?司令官さん!!」

 

「とりあえず・・・ここの管理室に行こう最悪お前の砲撃でドアぶち破って脱出だ」

 

でも施設自体が脆いから崩壊するかも・・・

 

「司令官!司令官が外出してる間に施設の下見したんですがこの施設の反対側にこの前の襲撃で壊れた場所があるのでそこから脱出できますよ!」

 

「了解!青葉、念のため艤装もって待機!」

 

「りょ、了解です!」

 

「電、行くぞ。調査より脱出だ」

 

「な、なのです!」

 

二人いるだけまだマシか・・・

すっごい怖いけど。

 

・・・・・・・・・まてよ?これ吊り橋効果行けるんじゃね!?

やったぜ。

あわよくばココを脱出できたら・・・俺、電にケッコン指輪を渡すんだ!




季節外れのちょいホラーだぜ!
・・・・・・ワイ、ホラー書くの初めてでち。
うまく書けないかもだけど温かい目で見てね(はーと)


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やーい!お前の鎮守府の隅っこハッテン場ー!

床の軋む音が不気味で怖い。

 

「し、司令官さん・・・ここさっきも通った気がするのです・・・」

 

「ああ~・・・俺もそんな気がする」

 

さっきも見た張り紙が張ってある廊下に出た。

張り紙の発行日が20年前だからな・・・つか、何でこんな建物残してんねん。

おかしいだろ・・・

まぁ、場所が鎮守府の隅っこのほうだからな・・・

 

「そういえば階段あったよな、上に上がってみるか?」

 

「い、行くのです?」

 

「行くしかないでしょ」

 

「な、なのです!」

 

階段に向かう。

そのとおりにあるトイレが臭くてかなわんぜ

 

「うぅ・・・怖いのです・・・」

 

「そうだな・・・」

 

そういえばさっきからNVGの調子がおかしい。

付いたり消えたりする・・・PEQのライトを点灯させれば何とかなるが・・・

 

「ん・・・人影か・・・?」

 

「ゆ、幽霊なのです!?」

 

「いや分からん・・・トイレの前で何してんだ・・・?」

 

とりあえず人間っぽいし警告しとこうか・・・

 

「おい、お前何してる」

 

そいつはゆっくりとこっちを向く。

あ、これアカンやつかも

 

「ししししし司令官さんんん!!いやな予感しかしないのですぅぅぅ!!」

 

「激しく同意だ」

 

でもなぜか体が動かない。

オワタ\(^O^)/

 

「逃げるのですうううう!!!」

 

「くそ・・・体が動かん・・・」

 

「はにゃ!?わ、私もなのです!?」

 

ゆっくりとこっちに向かってきた・・・

手は動く・・・こうなった・・・

 

「野郎オブクラッシャアアアアア!!!」

 

トリガ-ハッピ-になっちゃったけどいいよね。

とりあえず全弾ぶち込んでやった。

すると突然体が動くようになったぜ!

・・・それならいいけどね、もう目の前に居ちゃったりするんですよねこれが。

俺死んだ。

 

「ひ、ぴぎゃああああああああああああ!!!」

 

電がものすごい悲鳴を上げてる。

てかこの幽霊さん・・・えらいイケメソっすね。

なんでこんな冷静なんだろ俺。

すると幽霊が・・・

 

「や ら な い か ?」

 

「・・・・・・・・・・・総員退避いいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」

 

「撤退なのですううううううううう!!!!」

 

身の危険と言うより貞操の危険を感じて全力で階段を駆け上った。

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

「つ、疲れたのです・・・」

 

死ぬかと思った・・・主に俺のケツが。

さっきの幽霊(?)は階段に開いていた穴にボッシュ-トされてた。南無。

 

「とりあえず先にすすもう・・・」

 

歩き出した瞬間・・・

 

「・・・・!?ひにゃああああああああああああああああ!!!!」

 

「おわああ!!!どした!?」

 

「あ、ああああ・・・・あそこの扉が・・・」

 

「あそこ?」

 

電が指差す方向を見る。

そこは風なんか吹いていないのにドアが開いたり閉まったりしている。手招きするように・・・

てか、電さんアナタめっちゃ抱きついてきますね。

 

「なぁ・・・電よ・・・」

 

「な、なんなのです?」

 

「許可する、あそこのドアに砲撃しろ!ついでに壁に一発ぶち込んで穴あけて逃げるぞ!」

 

「なのです!!」

 

「いいか、俺の耳元でぶっ放すなよ?耳が聞こえなくなる」

 

「分かったのです!」

 

そして照準をドアに向ける。

 

「砲撃開始なのです!!」

 

電が砲撃を開始する。

・・・・・・・・・・耳元で。

知ってたよ、こういうことになるって知ってたよ・・・

 

「お前俺さっきなんて言った!?もう絶対俺の耳元・・・」

「もう一発なのです!!」

 

お願い話聞いて・・・

鼓膜破れる・・・

ヘッドセットをつけていたから何とか耳は聞こえる。

 

「ああああああああああ・・・・・」

 

「はにゃ!?ご、ごめんなさいなのですううううう!!!!!」

 

「今度から気をつけようね・・・」

 

とりあえず開いた穴から脱出しましょうねぇ。

 

「んで、脱出したのはいいが・・・どうするね」

 

「ああ!司令官!脱出できましたか!」

 

「お前減給な」

 

「ひどいです!!」

 

ひどいわけあるか!!と青葉に心の中で突っ込んでおく。

 

「とりあえず疲れた・・・帰ろう・・・」

 

「なのです・・・」

 

あ、そうだ、電にあの書類渡そうかな・・・

ううむ・・・悩む・・・どう言って渡せばいいのか・・・

と悩みながら司令室に帰ってきた。

 

「ふぅ・・・電、今日はもう休んでいいいぞ」

 

「え、でもお仕事が・・・」

 

「んなもん俺一人でできるよ。いや、心優しいボランティアがいたからそいつに任せるよ。な、青葉ちゃん?」

 

「う、うぅう・・・」

 

「あ、青葉さん・・・頑張ってくださいなのです!!」

 

電を見送ったあと青葉と二人で書類整理とかいろいろ始めた。

 

 

 

 

 

そして次の日。

書類の量が多すぎていつの間にか寝落ちしていた。

 

「うわ・・・寝てたのか・・・とりあえず残りを・・・あれ?片付いてる」

 

ふと隣を見ると青葉がペンを手にぐっすり眠っていた。

コイツ・・・全部やってくれたのか・・・

 

「今日は一日休みにしてやるかな・・・」

 

上着をかけてやり俺は電に渡そうと思っていたケッコン指輪と書類を捜す。

 

「う~む・・・いざとなるとどうすれば・・・」

 

どう言って渡そう・・・

そんなこと考えてると・・・

 

「司令官さん!おはようございますなのです!」

 

元気よく電が入ってきた。

 

「おわあああああ!?!?」

 

「はにゃ!?ど、どうしたんですか!?」

 

「ど、どうもしてない・・・大丈夫だ」

 

「それならいいんですが・・・えっと、今日は私が演習でしたよね?」

 

「んっと・・・そうだな、金剛たちと式風の部隊と演習予定だったかな?」

 

「では今から準備して行って来るのです!」

 

「あ、そうだ電、演習終わって補給終わってからでいいから司令室に来てくれるか?」

 

「了解なのです!」

 

そういって電は部屋を出て行った。

とりあえず・・・昼過ぎまでに考えておこう・・・




タイトル詐欺(迫真
今回は急展開&面白くないかも。
・・・許してちょ☆


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ケ・ッ・コ・ン・カ・ッ・コ・カ・リ

司令室から赤城たちと一緒に海面を進む電を見送りながらケッコンの資料を見ながらため息をついた。

指輪を渡すのはいいが、どう言えばいいか・・・

彼女居ない暦=年齢である俺だが・・・いや、あれだ、彼女居なかったのは米軍とか居たからだ。

 

「はぁ・・・どうするかね・・・」

 

というか電はどう思ってるんだろうか。

そればっかりが気になる。

 

「ベ-シックに「俺とケッコンしてくれ!」でいいかな・・・ううん・・・」

 

なんて独り言つぶやいてると

 

「グッドモーニングネー!」

 

「おぅっ!?金剛!?」

 

「ど、どうしたネ?」

 

「あ、いやなんでもない」

 

「そう?ところで焦って隠した書類は何なのネ?」

 

「あ、ああ・・・これか・・・」

 

金剛ならいいアドバイスくれそうだが・・・

まぁ、見せてみるか。

 

「お~・・・提督もついに電ちゃんにアタックしますカ~・・・」

 

「おう・・・ってお前なんで知ってんだ!!」

 

「そんなもの見てたら分かるヨー。ていうかこの鎮守府でそのこと知らないの電ちゃんくらいネ」

 

「マ、マジか・・・」

 

そんなに分かりやすいかなぁ・・・俺・・・

 

「とりあえず指輪とかはいつ渡す予定ネ?」

 

「ああ、今日演習から帰ってきたらだ」

 

「じゃ、急いで式の準備ネ!」

 

「待て待て待て!!早すぎるぞ!!」

 

「えー・・・でも式風提督のところは式の準備済ませてケッコン指輪渡したのヨ?ついでにプロポ-ズもその時・・・」

 

「いやまぁ・・・アイツの場合は色々アレだしな・・・」

 

「まぁいいネ、プロポ-ズの言葉考えてるノ?」

 

「まだだ・・・」

 

「も~・・・それくらい考えて事起こさなきゃダメヨ!」

 

「す、すんません」

 

「ところで提督、電ちゃんがどう思ってるとか気になってるんでショ?」

 

「!?何で分かるの!?」

 

「提督って結構分かりやすいヨ?」

 

「さいですか・・・」

 

しかしまぁ・・・気になって仕方ないのは事実だがな・・・

 

「電ちゃんなら心配いらないヨ、提督の話してるとき幸せそうな顔してるネ。というか、この前相談受けたヨ」

 

「相談?」

 

「ケッコンの事ネ、提督は誰とするんだろうって」

 

「あ、あぁ・・・」

 

「そのとき電ちゃん、提督のこと好きって言ってたネ」

 

そう言う金剛の顔は少し悲しそうだった。

 

「まぁ・・・知ってたことだから仕方ないネ!」

 

「金剛・・・」

 

「ほら、提督も悲しそうな顔しないネ!」

 

「いや、お前の気持ちは知ってたんだが・・・何もしてやれないのがな・・・」

 

「そんなの問題ナッシング!ていうか重婚考えたら勝手に提督の古巣の部隊に連絡して強襲してもらうからネ!」

 

SEALs呼ぶ気かコイツは!!

まぁ・・・重婚する気はさらさらないがな・・・

一回指がそれお前曲がらないだろって言うくらい指輪つけた提督見かけたが・・・

うんまぁ・・・人それぞれだよね!

 

「それで、どう言って渡すネ?これ重要ヨ?」

 

「う~ん・・・」

 

「俺とケッコンしてくれ・・・電!でいいとか考えてないでしょうネ?」

 

「うっ・・・」

 

「あ~・・・やっぱりネ・・・」

 

「やっぱりって何だやっぱりって!!」

 

「まぁ・・・提督らしくていいけど・・・もうちょっとロマンチックなのがいいと思うネ・・・」

 

うむ・・・ロマンチックか・・・

 

「そうだ!ブル-エンジェルスに頼んでキュ-ピッドを空に描いてもらってプロポ-ズってどうよ!」

 

「いや・・・どこから呼んでくるネ!?」

 

「そりゃお前アメリカ海軍からだな・・・」

 

「とりあえずそれ・・・式の最中にやってもらったほうがいいと思うヨ・・・」

 

「ああ、それもいいな!」

 

「ほかに案ないネ?」

 

「他かぁ・・・う~ん・・・」

 

「これ私の案だけどイイ?」

 

「どうぞ」

 

「俺とケッコンしてくれ電!たとえここの艦娘が全員轟沈してもお前だけは守り抜く!・・・とかどうネ?」

 

「・・・不吉すぎるわ!!てか、明らかに今守られてるの俺だよね!?」

 

「Oh...ダメですカ・・・」

 

「もうストレ-トでいいよな・・・?」

 

「う~ん・・・まぁ・・・それはそれでいいと思うヨ?」

 

とりあえず色々決まったところで・・・

 

「やっぱ式とかいる?」

 

「ん~・・・そこは電ちゃんと要相談かな~・・・細々としたいって子も多いみたいだしネ!」

 

「そうか・・・まぁ、あと2時間程度で帰ってくるしな・・・」

 

「あら、もうそんな時間ネ?」

 

「すまんな金剛」

 

「お安い御ネ!」

 

そういって金剛は部屋を出て行った。

去り際に少し涙流してたが・・・

ちょっと悪いことしたかな。

そうこうしてるうちに二時間たった。

俺の心臓が破裂するんじゃない?って勢いで動いてる。

 

「電、早く帰って来い・・・いや・・・もうちょいかかってもいいぞ・・・」

 

私の心臓破裂しそうでち

するとドアノブが回った。

ステンバイ・・・ステンバ-イ・・・

 

「演習終わりました!」

 

補給も終えた電が笑顔で入ってきた。

・・・心臓破裂寸前だよ。

 

「お、お疲れ様。演習どうだった?」

 

「はい、私たちの勝ちでした!」

 

「よくやったな。お疲れ様」

 

「なのです!あ、それで話ってなんなのです?」

 

「あ、あぁ・・・話な」

 

誰かぁぁぁぁ!!!心臓の鼓動を抑える薬を急いでええええ!!!

 

「えっと・・・そのだな・・・」

 

「?」

 

ああああああ!!心臓がああああ!!!でも首傾げてる電可愛いよおおおお!!!

 

「その・・・あれだ・・・」

 

「司令官さん、どうしたのです?」

 

そして電さん、こっちに接近。

やめてえええ!!今来られたら死んじゃううううううう!!!

ええい!もうこうなったら言うしかねぇ!!いくぜ俺!

 

「電!」

 

「は、はい!」

 

「俺と・・・俺とケッコンしてくれ!!」

 

「えっ・・・」

 

一瞬電がフリ-ズする。

俺の心臓は過労死しそうな勢いで動いてる。

 

「え、えっと・・・私と・・・ですか・・・?」

 

「あ、ああ、お前とだ」

 

「そ、その・・・あの・・・わ、私なんかでよろしいのですか・・・?」

 

「お前だからいいんだよ。電」

 

電は顔真っ赤にして俯いている。

そして笑顔で顔を上げた。

 

「司令官さん!」

 

「おうっ!?」

 

すごい勢いで飛びついてきた。

ついでに抱きついてきた。

 

「私・・・司令官さんのこと大好きなのです!」

 

「俺もだ、電」

 

「やっと思いが伝わったのです!」

 

「はは、まさか両思いとはな」

 

「・・・ずっと司令官さんの秘書艦で居させてくださいね」

 

「当たり前だろ」

 

「・・・・司令官さん」

 

「ん?何だ?」

 

電は目を瞑って見上げてくる。

こ、これはあああああああああ!!!

そして二人の唇が合わさりそうになった瞬間・・・

 

 

 

 

「よう!イ-グル!お前の艦隊すごいな!久々にいい戦いだったってウチの連中も言ってたよ!」

 

式風が司令室に入ってきやがった。

・・・・・・・・・・・・・・・コロス

 

「式風ぇぇぇ・・・・・・・・・・・・・・」

 

「ん?どした?」

 

俺は引き出しからDE.50calを取り出し・・・

ちなみに電もどこからか連装砲を取り出していた。

さすが我が嫁だ

 

「電・・・」

 

「なのです・・・」

 

「え、ちょ、何!?何なの!?」

 

セ-フティ-を外す。

ついでに初弾も送り込む

 

「・・・野郎ぶっ殺してやらあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

 

「なのですうううううううううう!!!!!!!!!!!」

 

式風提督に向けて発砲開始だぜ☆

いいところ邪魔したもんね。仕方ないね。

 

「いやあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

 

その日、執拗に式風を追い掛け回す提督と電の姿が鎮守府のみならず横須賀市内で目撃されていた。




妄想が捗るぜ(真顔
ちなみにリアルのほうでは電ちゃんまだレベル97なの・・・


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ケッコン式

電への告白が成功して今は二人っきりで自分の部屋にいる。

ケッコン式の予定とか決めたいのだよ!

 

「ん~・・・どんな式がいいかねぇ・・・」

 

「そうですね・・・私は鎮守府の海が綺麗に見える場所がいいのです!」

 

「ふむふむ・・・そういえばドレスとかはどうするんだ?」

 

「う~ん・・・そのあたりは工廠の被服班がやってくれてるらしいですよ?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・資源使った?」

 

「え、ええっと・・・たぶん・・・」

 

その言葉を聴いた瞬間俺はダッシュで司令室に走った。

 

「どれだ!どの書類だ!この前見たぞ!!」

 

整理中に架空請求かと思って放置した書類があったのだよ・・・

アレじゃないこと祈ろう・・・

 

「あった・・・!ええっと・・・」

 

数字をまっさきに見ると・・・

鋼材6000

ボ-キサイト3000

開発資材40

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

なぜだあああああ!!!!どうしてドレスに鋼材がいるんだああああああああああ!!!

ガンダムでも作る気か!!

 

「し、司令官さん!どうしたのです!?」

 

「電ああああああ・・・・」

 

「どどどどうしたのです!?」

 

「資源がああああ・・・・」

 

「あ、ああ~・・・」

 

でもよく考えてみるとこの世で一番綺麗な電が見れるというのもあるからな・・・

まぁ・・・安いもんか・・・

 

「すまん、ちょっと取り乱しただけだよ。大丈夫」

 

「そ、それならいいのですが・・・」

 

「ところで司会とかはどうする?」

 

「えっとですね・・・式風さんが司会する!って張り切ってましたけど・・・」

 

「却下」

 

「はにゃ!?」

 

・・・任せられん・・・

とりあえず・・・教会から牧師のおっさんでも連れてくるかな・・・

 

「あ、司令官さん、大きな声じゃ言えないんですけど・・・」

 

「どうした?」

 

「新婚旅行・・・どこに行きますか?」

 

「ん~・・・電はどこに行きたい?」

 

「私は・・・スラバヤ沖に・・・お花を持って行きたいのです」

 

「スラバヤに?」

 

「あの時・・・スラバヤ沖海戦でも救助できなかった敵兵さんもいるのです」

 

「ああ、その人に花を手向けようって事か」

 

「なのです」

 

「ふむふむ」

 

ホント、やさしい子だよな。

 

「あとは・・・」

 

「どこだ?」

 

「シブツ海峡・・・いいですか?」

 

「シブツ海峡・・・あぁ、いいぞ」

 

シブツ海峡は駆逐艦「電」が眠ってる場所だからか・・・

俺も花のひとつくらい持っていくか。

 

「電、すまないが花は空中投下になるぞ?」

 

「大丈夫なのです!また・・・海が平和になったら行きたいのです」

 

「そうだな。」

 

まだ深海棲艦が制海権を握ってる以上、海上でのんびりはできないからな・・・

 

「俺も行きたい場所いいか?」

 

「どこなのです?」

 

「イギリスのデパ-トを丸々ゾンビシュ-ティングアトラクションにしたところがあってな!すっげえ楽しそうなんだよ!」

 

「ゾ、ゾンビですか・・・」

 

「怖いか?」

 

「こ、怖くなんてないのです!」

 

「あとは・・・日本に帰ってきて温泉に行きたいな」

 

「温泉行きたいのです!」

 

「じゃあ・・・日数の計算だな・・・」

 

「交通手段は何で行くのです?」

 

「アレ」

 

「アレ?」

 

窓の外の格納庫で今まさに整備中のF-14Dを指差す。

米軍から退役したのを購入したからな・・・宝物だぜ

 

「せ、戦闘機ですか・・・」

 

「まぁな」

 

「ちゅ、宙返りとかしないですか?」

 

「お前アクロバット系苦手だったろ?安全運転でいくよ」

 

「なら安心なのです!」

 

とりあえず計画が一通り決まったところで・・・

 

「電、久々にデ-ト行かないか?」

 

「い、今からですか?」

 

「ああ、今回は空中デ-トだぞ?」

 

「あの戦闘機で・・・ですか?」

 

「ああ、まぁ遊覧飛行だよ。あと知り合いが艦長の空母が近くまで来てるから挨拶に行かないとな」

 

「アメリカ海軍なのです?」

 

「いんや、オ-シアの航空母艦。名前・・・なんだっけ・・・あ、思い出した!ケストレルだ」

 

「ケストレルさんなのです!?」

 

「ああ、二代目だよ」

 

ちなみに艦娘のケストレルとバ-ベット、アンドロメダを護衛に送ってるから喜んでるだろうな。

 

「とりあえず電、そのフライトス-ツに着替えて外の格納庫前な」

 

「なのです!司令官さん、式はいつがいいのですか?」

 

「あ~・・・準備自体は金剛たちが済ませてるらしいから・・・やろうと思えば明日にでも・・・」

 

「す、すごいのです・・・」

 

あいつら仕事速すぎぃ!

とりあえずまた空中で話を進めるか・・・

 

 

そんなこんなで格納庫前。

 

「電、準備いいか?」

 

「OKなのです!」

 

「よし、左の尾翼、主翼を見てくれるか?」

 

「なにするのです?」

 

「動作チェックだよ」

 

「なるほどなのです!」

 

操縦桿を左と左上、左下、ラダ-ペダルを左に切る。

 

「動作はいいか?」

 

「えっと・・・きっちり動いてるのです!」

 

「よし、次は右だ」

 

「なのです!」

 

さっきと同じ要領で操縦桿、ラダ-ペダルを動かす。

 

「動作チェック異常なし!なのです!」

 

「了解、ありがとうな」

 

「旦那さんの頼みごとなら何でもこなすのです!」

 

「だ、旦那さんか・・・」

 

何か・・・まだ信じられないな。

 

「へ、変ですか?」

 

「いや、まだ信じられないというか・・・」

 

「そうですね・・・私もそんな感じなのです・・・」

 

「まさか両思いと思わなかったからな」

 

「でも・・・思いが叶ってよかったのです・・・ずっと一緒にいてくださいね」

 

「当たり前だろ?お前を一人にはしないよ」

 

「司令官さん・・・」

 

「ん?何だ?」

 

「・・・大好き・・・なのです」

 

「・・・俺もだよ」

 

まったく初々しいというか・・・まぁでも・・・こうやって話できるだけでも幸せなんだよな・・・

さて、エンジンも温まってきたし行くか。

 

「鎮守府グランド。こちらブレイズ、リクエストタクシー。」

 

<<ブレイズ、こちら鎮守府グランド、滑走路31までE1、A ホ-ルディングポイント・C6経由でタキシングしてください。>>

 

「こちらブレイズ、滑走路31までE1、A、ホ-ルディングポイントC6経由でタキシングする」

 

スロットルを少し開いて機体を動かす。

 

「おお~・・・動いたのです・・・」

 

「はは、初めて飛行機に乗った子みたいだな」

 

「い、電はもう大人なのです!キ、キスとかは・・・まだですけど・・・」

 

「ぶふっ!」

 

そ、それは式まで我慢かな?

いや・・・式に出来るかは知らんが・・・

 

「電、シ-トベルトは閉めてるか?」

 

「大丈夫なのです!」

 

「よし!」

 

最後の誘導路を曲がり滑走路31に近づく

 

<<ブレイズ、周波数118.4で鎮守府タワ-にコンタクトしてください>>

 

「周波数118.4で鎮守府タワ-にコンタクトする」

 

コンソ-ルのつまみをいじり周波数を合わせる。

久々のフライトだな・・・

 

「鎮守府タワ-、こちらブレイズ。貴局に周波数を合わせた」

 

<<ブレイズ、こちら鎮守府タワ-、滑走路31に入り待機してください>>

 

「滑走路31に入り待機する」

 

今回は雲ひとつない晴天・・・絶好の飛行日和だ

F-14のエンジンも快調に動いている。

 

<<ブレイズ、風は230方向から3ノットです。クリア-ド・フォア・テイクオフ ランウェイ31>>

 

「クリア-ド・フォア・テイクオフ ランウェイ31」

 

そして一気にスロットルを開きA/Bに点火する

 

「飛んだのです!」

 

「はは、ホント可愛いな」

 

「う、うにゅぅ・・・」

 

また声可愛いな・・・

無骨なヘルメットのせいで顔見えないけど・・・

 

<<ブレイズ、高度制限を解除します。よい旅を>>

 

「了解、ありがとう」

 

「まずはどこに行くのです?」

 

「そうだな・・・とりあえず高度8000メ-トルまであがってみるか」

 

「いきなりなのです!?」

 

「おう!」

 

Gに配慮してピッチを20度くらいにする。

ものの2分ほどで高度は8000メ-トルまで上昇した。

 

「わぁ~・・・高いのです・・・」

 

「だろ?」

 

「綺麗なのです!」

 

「富士山見てみるか?」

 

「見てみたいのです!!」

 

「よし!」

 

進路を富士山にあわせて飛行する。

ひさびさに飛ぶと気圧の変化で耳がなぁ・・・

 

「うぅ~・・・耳が変なのです・・・」

 

「気圧の変化のせいだろうな」

 

「ちょっと気持ち悪いのです・・・」

 

「鼻つまんで息をフンッ!ってしてみな、一発で直るぞ」

 

「・・・ふみゅっ!」

 

何でそこまで可愛いのあなた。

 

「ん~・・・お!おお!!直ったのです!!」

 

「だろ?」

 

「すごいのです!司令官さん物知りなのです!」

 

「ははは、ありがとうよ」

 

しばらく飛行していると富士山が見えてきた。

頂上には雪が積もっている。

 

「こんなところから見たの初めてなのです!」

 

「最近は旅客機もあんまり飛んでいないからな・・・どうだ?いい眺めだろ?」

 

「綺麗なのです!」

 

「よーし!次は艦船の君には未知のスピ-ドを見せてやろう!」

 

「?なんなのです?」

 

「音速だよ」

 

「お、音速ですか・・・」

 

「運がよければマッハコ-ンが見えるかもな」

 

「マッハコ-ンって何ですか?」

 

「ん~・・・まぁアレだ。衝撃波が見えるんだよ」

 

「すごいのです!」

 

「とりあえず洋上に出てから音速になるからな」

 

「何でですか?」

 

「衝撃波が地表に達するとガラス割れたりするんだよ。あと騒音問題にもなるからね」

 

「なるほどなのです・・・」

 

「よし、とりあえず進路変えて海にレッツゴ-!」

 

「なのです!」

 

左旋回して海を目指す。

 

「よーし・・・音の壁を越えるぞ!」

 

「おー!なのです!」

 

再びA/Bに点火して加速していく。

そして音速を超えようとした瞬間・・・

 

「ひゃぅっ!?な、なんなのです!?今、ものすごい音と一緒に白い丸い雲が・・・」

 

「それがマッハコーンだよ」

 

「あ、あれがなのですか・・・一瞬だったのです・・・」

 

「でも見えたのはよかったな」

 

「貴重な体験だったのです!」

 

「そか、よかったよかった」

 

増槽を搭載していないから燃料がそろそろ危ない。

帰らないとな・・・

 

「電、そろそろ燃料がすくないから帰るぞ」

 

「早かったのです・・・」

 

「はは、仕方ないさ。それでだ、式は明日挙げないか?」

 

「あ、明日ですか!?」

 

「ああ、電のドレス姿早く見たくてな」

 

「も、もう・・・早すぎなのです・・・」

 

「あはは、ダメかな?」

 

「い、いえ・・・その・・・わ、わたしも明日したいのです!」

 

「お、そうか。じゃあ、セッティングしてもらわないとな」

 

ただ、ブル-エンジェルスは出動できなかった・・・残念だ・・・

でも明日が楽しみなような不安なような・・・そんな心境だな・・・

 

「電、今日は帰ってゆっくり休もう。部屋はどうする?」

 

「え、ええっと・・・できれば司令官さんと一緒がいいの・・・です」

 

「よし!じゃあ帰って引越し準備だ!」

 

「なのです!」

 

これから電と一緒の生活・・・楽しみでもあり不安でもあるな・・・

そんなことを思いながら滑走路18に着陸した。

 

 

 

 

 

~翌日~

 

「ふああああ・・・おはよ~・・・電」

 

「んんん~・・・おはようございますなのです・・・」

 

朝日がまぶしい・・・今日も快晴だ。

 

「さてと・・・今日は俺たちの式だな・・・」

 

「そうですね・・・もうみんなは呼んだのです?」

 

「ああ、ウチにある航空機フル活用してな。式が始まる2時間前には到着予定だよ」

 

「で、では私たちも着替えないとですね!」

 

「そうだな。じゃあ朝ごはんだけ食べたら準備しようか」

 

「なのです!」

 

顔を洗って二人で食堂へ行く。

すると・・・

 

「「「「ケッコンおめでとー!!!」」」」

 

艦娘のみんながクラッカ-を鳴らして祝ってくれた。

食堂の壁には「祝・ケッコン!」って書いた横断幕が張ってある。

 

「電、おめでと!」

 

「雷おねえちゃん・・・ありがとうなのです!」

 

「司令官もおめでとう、電に変なことしたら許さないからね!」

 

「ふむ、変なこととは何かね?暁ちゃん(ゲス顔」

 

「え、そそそそそんなの・・・も、もうバカアアアア!!」

 

「ぐえぶっ!!」

 

神は言っている・・・ここで死ぬ定めではないと・・・

 

「提督、はいお赤飯。ケッコンおめでとうございます」

 

「ああ、間宮。ありがとうな」

 

「いえいえ、夜戦用にうなぎもありますから」

 

「ごふっ!!」

 

盛大にお茶を吹いた。

今のが電に聞こえてなくてよかった・・・

川内には聞こえてたけど。

 

「夜戦!?」

 

「お前はそこに食いつくな!!」

 

「夜戦!夜戦したいよ提督!!」

 

「ああもううるさい!(意味深)で聞き間違えられたらどうすんだ!てか、昨日も一昨日も夜戦してきただろうがお前!!」

 

「あんなのじゃ足りないよ!私はもっと激しいのがいいの!!」

 

「アカァァァン!それ以上いったらアカン!!」

 

「ええー!なんでー!!」

 

コイツは地雷だな・・・いろんな意味で・・・

まあ、おめでたいせいでもあるが・・・いつも以上に騒がしかった。

 

「あれ?そういえば金剛は?」

 

「提督・・・お姉さまは・・・」

 

「ああ・・・まぁ・・・大体は理解してるよ」

 

「式には出ますので今はそっとしておいてあげてください」

 

「ああ、分かってる」

 

金剛・・・やっぱり・・・失恋は・・・な。

まぁ、でもこんなこと思ってると金剛がブチ切れるだろうから考えるのはやめておこう。

でも、辛いのに相談に乗ってくれてありがとうな、金剛。

その時一人の提督らしき人が食堂に入ってきた

 

「イ-グル提督!お初にお目にかかります!メビウスというものです!」

 

「あ、今日配属された人だっけ?」

 

「はい!提督の前歴の活躍見させていただいてから大ファンなんです!」

 

「え、マジで?」

 

「はい!ぜひともお話をまた聞かせてください!」

 

「おう!また司令室に来てくれればいつでも話すぞ!」

 

「ありがとうございます!あ、それとケッコンおめでとうございます!」

 

そう言うと敬礼して出て行った。

まったく式風とは間反対の好青年だったな~・・・

そんなこんなで朝食も終わり、いよいよ式の本番に近づいてきた。

 

「うう・・・やっぱり緊張するな・・・」

 

「自信もって!電ちゃんもかなり綺麗よ?」

 

「んな事言ったってなぁ・・・てか夕張、お前があの教会みたいなの作ったのか?」

 

「そうよ!よく出来てるでしょ!」

 

「夕張・・・」

 

「ん~?なーに?」

 

「グッジョブ!」

 

「へっへっへ」

 

白を基調にしたデザインなんだが・・・何というかザ・結婚式場みたいでスゴイ。

夕張の給料上げてやらねばな

 

「さて、そろそろ時間よ!がんばって提督!」

 

「ああ、ありがとう」

 

心臓がまた激しく動く・・・破裂はしない・・・よな?

そして扉を出た先には・・・

 

「電・・・・」

 

「あ、司令官さん・・・ど、どうですか?」

 

第六駆逐隊の制服をイメ-ジして作られたドレスがよく似合う。

髪を下ろした姿はまるで別人だ。

というか別人かと思った。

 

「すごく・・・その・・・なんだ・・・綺麗だな」

 

「え、えへへ・・・司令官さんもその服・・・カッコいいのです」

 

「え、そ、そうか?」

 

「そうなのです!」

 

「・・・ありがとう、電」

 

「いえいえなのです!」

 

「じゃ、行こうか」

 

「なのです!」

 

「そういえば電」

 

「どうしたのです?」

 

「さっき燃料補給したのか?」

 

「あ、はい!何か初めての共同作業で艤装つけて司令官さんが射撃を指揮するらしいので・・・」

 

「ああ、なるほど」

 

艦娘は艤装をつけた状態は完全に艦船となるので人間の食料を受け付けないが、艤装を外せば普通の人間の女の子なので逆に燃料弾薬を受け付けない。

ただ、補給してすぐに艤装を外せば体内に燃料が残る。燃料自体は重油だが最新の技術で普通の人間には完全に毒だが艤装を外した状態の艦娘でも悪影響がないように作られてるらしい。

科学ってすごいね(小並感

 

「さて・・・同時に扉をあけるぞ・・・」

 

「な、なのです・・・」

 

「3・・・2・・・1・・・」

 

完全に突入のノリである。

※提督と電は緊張のあまり思考が鈍ってます。

 

「GO!」

 

「なのです!」

 

扉オ-プン!

するといっきに拍手が沸きあがる。

それと同時に上空を妖精たちの航空機がスモークを引いて飛んでいった。

 

「おめでとー!」

 

「おめでとう!そして爆発しろ」

 

なんて声がいろんな方向から飛んでくる。

そして一番先頭まで来た。

そういえば司会はだれなんだろ・・・・

 

「え~・・・ケッコンおめでとうございます」

 

・・・・・・・この声はもしや・・・

 

「ようこの色男!」

 

「やっぱりお前かい!!」

 

式風が司会になってた。

 

「いいじゃん別にぃ~」

 

「ま、まぁ・・・いいけどさ・・・」

 

「ええ~・・・オホンッ!二人はどんなときでも愛し合うと誓いまちゅッ・・・誓いますか?」

 

「・・・・そこで噛むか」

 

「うるせぇ!!」

 

周りは爆笑だった。

 

「え~っと・・・そんで、誓うの?誓わないの?」

 

「何で態度変わるの!?」

 

「さっさと決めやがれ」

 

「なんて横暴!?」

 

なんて言ってると・・・

 

「誓うのです!」

 

「誓うよ」

 

「ええ・・・じゃ、このリア充は誓うとかほざきやがったんで思い出話でもね」

 

「・・・・お前司会やめぃ」

 

「重いノリ苦手なんだよ~・・・まぁ、顔見知りばっかだし」

 

「ま、まぁ・・・お前らしくていいけどよ・・・」

 

そして紹介やら思い出話やらが始まる。

 

「・・・・それでね、コイツは俺のハイスク-ル時代からの親友なんですけどね、ええまぁ大層なロリコンでし・・・はっ!?」

 

「ん?どした?」

 

式風が青ざめていた。

・・・電を見て。

 

「電?」

 

なんと電は「言葉には気をつけやがれなのですこの雑種」って言う言葉を目で式風に送っていた・・・

 

「え、ええ~・・・失礼しました・・・じゃあ続いてはじめての共同作業「ドキドキ!?初めての射撃官制!」を・・・」

 

「なにそのタイトル!」

 

突っ込みどころしかない・・・

 

「突っ込みはあとあと。ほら、艤装つけて」

 

「なのです!・・・・式風さん、後で司令部裏に来やがれ・・・来てくださいなのです」

 

「ア、ハイ」

 

無慈悲な死刑宣告が行われていた。

 

「さてと・・・電、準備いいか?」

 

<<OKなのです!>>

 

電は水面に立ち、射撃体勢に入っていた。

 

「第一目標、左15度!」

 

<<射撃用意よし!>>

 

「撃ちー方始めッ!!」

 

<<砲雷撃戦始めます!!>>

 

電は一発でタ-ゲットを撃ち抜いた。

さすがだ。

 

「第二目標!右対空戦闘!主砲、撃ちー方始めッ!」

 

次は迫りくるBQM-74標的機だ

 

<<対空戦闘はじめ!!>>

 

多数の主砲弾、機銃曳航弾が空中にばら撒かれる。

そして3秒もしないうちに小さな標的機に主砲を叩き込んだ。

 

「よし、電、任務完了、帰投せよ」

 

<<ふぅ・・・緊張したのです>>

 

「ナイスだったぞ」

 

<<えへへ・・・>>

 

そして陸に上がってきた。

少し汗を掻いているのか汗の匂いと一緒に電の女の子らしい香りが漂ってきた。

 

「電、これを」

 

「あ、ありがとうなのです!」

 

燃料の入った水筒を渡す。

弾薬は後から補給される。

 

「さてでは・・・メインイベント行っちゃいましょう!!」

 

「は?メインイベント?」

 

「まだ残ってるだろ?キスがな・・・」

 

「ファッ!?」

 

「はにゃっ!?」

 

まぁ・・・うれしいのか恥ずかしいのか・・・

よし、気合入れよう。

 

「電」

 

「司令官さん・・・」

 

そして・・・

 

「ん・・・んむっ・・・・」

 

二人の唇が合わさるのと同時に大きな歓声が起きた。

俺と電の初めてのキスの味は・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・重油の味がした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごふっ!」

 

ぎ、艤装つけっぱなしなの忘れてたぜ・・・・

遠のく意識の中・・・

 

「え、衛生兵を!!」

 

と医者を呼ぶ参加者と・・・

 

「司令官さん!!ごめんなさいなのですううううううう!!!」

 

と涙を流す電。

そして意識が消える瞬間に見たのは・・・

 

 

 

「メディック!!!メディィィィィィィィック!!!!!!!」

 

 

 

頭を抱えて絶叫する式風のメディックを呼ぶ叫び声だった。




いやぁ~・・・・今回は良い出来だと思うよ!(殴
ああ~・・・・リアルで電ちゃんとケッコンしたいんじゃ~・・・ちなみに3次元でな!(ぇ


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ケッコン初夜

いろいろ波乱なケッコン式が終わった日の夜である。

 

「その・・・司令官さん・・・今日はごめんなさいなのです・・・」

 

「ははは、こうして元気なんだ、そう謝ることないよ。それに今一番幸せな時なんだ、楽しまなきゃ損だぞ?」

 

「そ、そうですね・・・うん・・・はい!」

 

「よし!とりあえずだな・・・プレゼントを見ようぜ!」

 

「なのです♪」

 

大量にあったので全部部屋に運んでもらってるが・・・確認してるだけでも一時間はかかりそうな・・・

 

「なぁ電、もし平和になったらお前はそのまま家族になってくれるか?」

 

「突然どうしたのです?」

 

「あ、いや、ケッコン済みの軍務を終えた艦娘はそのまま提督の家族になる権利があるからな、どうするのかと思って・・・」

 

「そんなの家族になるに決まってるじゃないですか!」

 

「そう・・・だな。俺には家族といえる存在はお前らだけだからな・・・」

 

「なのです!でもご両親はどうしたのです?」

 

「二人はベルカ戦争時に死んだよ。落ちてきた戦闘機が家を直撃したんだ」

 

「・・・」

 

「仕方ないさ、戦争だったんだ。それにもうそんな被害者を出さないのも俺たちの任務だろ?」

 

「ですね・・・」

 

「お前は昔から人を助けてきたんだ、今でも救えるよ」

 

「ありがとうなのです!」

 

そんな話をしながら俺の個室へ帰ってきた。

今は俺と電の部屋だがな。

まぁ・・・ちょくちょく第六のメンバ-が遊びにくるからもう俺の個室ってほどでもないがな。

 

「さてと、何が入ってるかな?」

 

「あ!すごいのです!最新装備なのです!!」

 

「お、何だ?」

 

それは工廠一同からだった。

どれどれ・・・

 

76mm速射砲

ハープーン発射装置+射撃指揮装置

 

・・・・・・・・最新というか現代兵器ですね

でも装備の資源消費量はミサイルはまぁ予想通りだが速射砲は案外安い。12.7cm砲以下だ。

 

「電、これ装備できるか?」

 

「んと・・・ちょっと分からないのです・・・」

 

また明日工廠行ってみようか・・・

 

「お?これは・・・メビウス提督のか。仕事速いな・・・って封筒?」

 

「中身は何なのです?」

 

「ん~・・・?チケット?」

 

そのチケットは

近接航空支援サ-ビスと書かれたチケットだ。

しかもプラチナ会員用の・・・なんとこれは何回呼んでも費用がかからないとか。

まぁ・・・でも制空権の確保くらいか・・・あとは上陸作戦用かな?

てか俺は今思ったんだ。装備が現代化しすぎていると・・・

 

「お、何かカ-ドがあったぞ?」

 

「どんなのです?」

 

「ん・・・え・・・?何これ」

 

筋肉妖精「ランボー」

・・・誰ですかねこのおじさん。

今にもアフガン行きそうですが・・・

 

「み、見なかったことにしよう・・・」

 

筋肉妖怪もいるからな・・・ていうか、筋肉多すぎるだろ!

 

「司令官さん見てください!大きな蟹なのです!」

 

「おお!!すごいな!こんど二人で食べるか!」

 

「なのです♪」

 

しっかしまぁみんなプレゼントいっぱい用意したもんだな・・・

こりゃしっかりとお返しせねば・・・

 

「電、そろそろ風呂に行ったらどうだ?時間も遅いし」

 

「そうですね、ではお先に行くのです!」

 

「混浴だったらいいのにな~・・・」

 

「あ、あの・・・その・・・ま、まだ恥ずかしいのです・・・」

 

「まだ・・・だと・・・!?」

 

顔を赤くして走っていく電を尻目に俺はつぶやいた。

・・・ということは段階を踏めば・・・いや、もう段階踏みまくりな気がするんだけどね。

 

「さて、とりあえず布団だけ出して寝れるようにしとくかな」

 

あとは電がいっつも風呂上りに飲む牛乳を出しておいてやらないとな。

とりあえず準備できたし俺も風呂でさっぱりしてくるかな。

 

「ふああああああ・・・・いろいろあって疲れた・・・・」

 

風呂場の脱衣所で大あくびしながら風呂場に入る。

でも着任から今まで色々あったな~・・・一番最初の作戦で電が大破したときには泣けたぜ・・・

 

「ふぅ~・・・・・」

 

お湯の温度がちょうどいい・・・そういえば最近こうやってのんびり風呂には入れなかったな・・・

入れるには入れるが10分もせずに出たりしてたからな・・・・

そんなこんな途中寝そうになりながら結構長湯していた・・・

 

「ふ~・・・いい湯だった・・・あれ、電はまだか」

 

長湯してんな~

よし、突撃に行こうか・・・へっへっへ

とか思ってたら帰ってきた。

 

「お先だったのです!あれ、司令官さんも入ったのです?」

 

「うん、とりあえず布団とお前が飲む牛乳だけ出してな」

 

「ありがとうなのです♪」

 

「どういたしまして」

 

そして電と他愛もない話をしながらのんびりと時間を過ごした。

テレビを見て最近の芸能人の話をしたり面白い番組を見て二人で笑ったり・・・

今が戦争中ということを忘れてしまいそうだ

 

「ふああああ・・・・そろそろ眠くなってきたのです・・・」

 

「ああ~・・・そうだな、そろそろ寝るか」

 

「そうするのです!」

 

二人で布団に入る。

一応二つ出してあるが電が俺の布団に入り込んできた。

 

「えへへ、司令官さんのところがいいのです」

 

「お、おいおい・・・」

 

「ダメですか?」

 

「い、いや・・・いいけど何か緊張してな・・・」

 

「えへへ、私もです」

 

「なぁ・・・電」

 

「どうしたのです?」

 

「式のとき、まともに出来てなかったよな・・・」

 

「・・・そうですね」

 

そう言うと電は目を瞑ってこっちを見上げてくる。

俺もそれに従い、目を瞑ってお互いの唇を重ね合わせた。

 

「んっ・・・」

 

電の女の子らしい甘い香りとシャンプ-の香りが息をするたびに香ってくる。

式のときはノーカンと考えたい・・・

電とのキスは甘酸っぱい感じがした。

 

「えへへ、これが始めて・・・ですね」

 

「そうだな、式の時はノ-カンだ」

 

「ふふっ・・・そうですね」

 

「お、必死に謝るかと思ったんだがな」

 

「も、もう!そんなこと期待しないでください!」

 

「へっへっへ」

 

「もう・・・司令官さんのバカ・・・」

 

「おお?バカとは何だ?そんな子にはこうしてやる!」

 

電の脇腹をくすぐってやる

 

「ひゃっ!?あ、あはははははは!!ひゃめ・・・やめてくださいなのですうううう!!!」

 

「へっへっへ、この程度ではやめんぞ!」

 

「あはははははは!!!だめ・・・くすぐったいのですうううう!!ひゃううううう!!」

 

さすがに苦しそうなのでこの辺でやめてやる。

 

「はぁ・・・はぁ・・・も、もう・・・息が出来なかったのです・・・」

 

「ははは、ごめんよ」

 

「今度は怒りますからね!」

 

まぁ・・・可愛かったし・・・

あんな可愛い声出されたら誰だって・・・ねぇ?

 

「ふああああ・・・司令官さん・・・そろそろおやすみなのです・・・・」

 

「お、そうだな。寝ようか。おやすみ」

 

「おやすみなさいなのです・・・」

 

そういうと電はもう一度俺にキスをしてきた。

そして少し微笑んだ姿が可愛すぎてやばかった。

とてつもなく心地よく幸せに寝れた日だったかもしれない。

 

 

~翌日~

 

ものすごい雷の音で目が覚める。

今日はあいにくに大雨か・・・雷もなってるしな・・・

 

「電?もう起きてるのか?」

 

「あ、司令官さん・・・ひゃぅっ!?お、おはようなのです・・・」

 

「雷苦手なのか?」

 

「は、はい・・・ちょっとだけ・・・ひにゃああ!!」

 

雷の音が鳴るたび可愛い悲鳴を上げまくっていた。

 

「電、着替えて朝ごはん食べに行くか?」

 

「え、えっと・・・その・・・今日はここで作っちゃダメですか・・・?」

 

「ここでか?そりゃト-スタ-とかもあるからぜんぜんかまわないが・・・」

 

「じゃ、じゃあ・・・ここでお願いするのです・・・」

 

「はいよ、てか電は何食べたい?」

 

「え、えっと・・・あ!作るのは私がするのです!」

 

「お、そうか?」

 

「妻の仕事なのです!」

 

「最近は男もするぞ?」

 

「私もしたいのです!」

 

「そうか、じゃ、よろしく頼むよ」

 

「なのです!」

 

電は張り切って簡易キッチンのほうに行った。

雷の音にビビリまくりだったが・・・

とりあえず俺はPCでもするか・・・

あれ?どこのメ-ルだ?

 

「ん~・・・?ウイルスの反応はないな・・・お、開いた開いた」

 

よく見ると差出人はアメリカ軍だった。

ええっと・・・アメリカ軍のどの組織だ?

 

「ん~っと・・・ペンタゴンか・・・ペンタゴン!?」

 

アメリカ国防総省が一提督にじきじきに暗号化メ-ル送ってくるか!?

 

「ええっと・・・作戦?」

 

内容は国防総省のお偉いさんが俺のところに来るからそこで話すってか・・・お勤めご苦労さんだね~・・・

ちょうどメ-ルを読み終わったとき電が朝食を持ってきてくれた。

 

「お、ありがとう」

 

「召し上がれなのです!あれ、そのメ-ルなんなのです?」

 

「ん~・・・アメリカ国防総省からじきじきに俺のところに作戦が来たんだよ」

 

「あれ、司令官さんって日本軍所属ですよね?」

 

「まぁ・・・正直表面上はな。米軍からの要請があれば日本軍側の指揮を抜けて米軍側の所属になることが出来るんだよね」

 

「それは司令官だけなのです?」

 

「ん~・・・たぶんな。どうも米軍のお上さんが大本営の石頭に頭下げに行ったとか・・・そんなに俺一人が大事かねぇ・・・」

 

「それは司令官さんがきっと無くてはならない存在なんですよ」

 

「そうかねぇ・・・まぁ、今日の午後には到着らしいから出迎えの準備しないとな」

 

「私たちも作戦参加なのです?」

 

「ああ、艦娘と俺の信用できる提督一名をつれてとのことだ」

 

「極秘なのですか・・・」

 

「たぶんな・・・SEALs時代に極秘作戦は結構やったから慣れてるんだけどな」

 

「SEALsって何ですか?」

 

「ん~・・・アメリカ海軍の特殊部隊中の特殊部隊だよ。いやぁ~・・・訓練はきつかった・・・」

 

「どんな訓練なのですか?」

 

・・・・正直思い出したくないんですが

 

「ああ・・・手足縛られてプールに放り投げられたりとかな・・・」

 

「え、えっと・・・すごい訓練ですね・・・」

 

「他にはな・・・」

 

「も、もうお腹いっぱいなのです・・・」

 

はっはっは・・・いろいろあるぜ・・・

今こうしてしてる提督がどんなに幸せか・・・

でも、こうやって電に出会えてケッコンできたってのは本当にこの仕事してて良かったって思うよ

しっかしまぁ・・・米軍の極秘作戦って失敗多いから不安なんだよなぁ・・・

そんなこと考えながら電とのんびりと朝食と取った。




電とのいちゃいちゃスト-リ-書くの楽しい。
くそう、電が可愛すぎる!何なんだあの可愛い生物は!
まぁ・・・その色々臭い内容ですが気にしたら負けです。
え?あとがきに書くな?俺知らねぇし!

はいまぁ冗談おいといて次話も楽しみにしててくださいな。
してなかった?・・・・ふむ、銃殺かハッテン場でケツを改造されるか好きなほうを選びたまえ。


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極秘任務

「作戦か~・・・国防総省直々ってことは極秘なんだろうけど・・・暗殺とかじゃなけりゃいいな」

 

「し、司令官さん殺し屋さんだったのです!?」

 

「いやいやいや違うから!!」

 

「でも暗殺って・・・」

 

「特殊部隊の仕事には暗殺があるんだよ・・・」

 

「司令官さんは・・・したことがあるのですか・・・?」

 

「んや、俺は暗殺任務はないぞ。まぁ・・・空軍時代に撃墜した戦闘機からベイルアウトできなかったパイロットを見ると少し罪悪感に蝕まれたがな」

 

「やっぱり・・・そういうことあるのですか・・・?」

 

「戦闘機パイロットだったしな・・・実際戦争に行ってるから・・・」

 

「そう・・・ですね」

 

「すまないな・・・少しがっかりしたか?」

 

「いえ!そ、そんなことは!」

 

「そうか?」

 

「でもやっぱり・・・敵でも命は助けたいのです」

 

「お前は・・・本当に優しい子なんだな」

 

そういいながら頭をなでてやる。

 

「ふにゅ~・・・」

 

なかなかに可愛い声だしおってからに・・・

すると一番大きな雷が鳴り停電が起きた。

 

「ぴやあああああああああ!!!」

 

「お、停電か?」

 

厚い雲のせいで部屋の中はほぼ視界ゼロだ。

・・・電さん、真正面から抱きつくのはいいけど顔入れてる位置が大事なところだからね。

・・・・・・・・・・・・・・・反応しないように般若心境唱えとこう・・・

 

「か、雷怖いのですううううう!!!」

 

「お、そ、そうだな・・・」

 

アッカァァァァァァン!!!!そこでしゃべったり動いたりしたらアカァァァァァン!!!

 

「と、ところで電、そ、そろそろどけてもらえるか?」

 

「て、停電と雷が怖いのでもうちょっとこのままで・・・」

 

「お、おう・・・」

 

荒ぶりそうなMy sonを抑えるのに必死だぜ・・・

そしてもういっぱつデカイのが鳴る

 

「ぴゃっ!?」

 

「おぅっ!?」

 

か、顔をさらに突っ込んできやがったなコイツ・・・

やばいぞ、般若心境の般若様パワーが限界を迎える・・・!

こうなったら・・・「アラー・アクバル!」と心でシャウトし続けよう・・・

 

「し、司令官さん・・・?」

 

「アラー・アクバル!!」

 

「司令官さん!?」

 

・・・しまった心の声が・・・

 

「ど、どうしたのです!?」

 

「あ、ああ・・・大丈夫だ、ちょっと錯乱してた」

 

「大丈夫なのです!?ど、どこかで怪我したりだとか・・・」

 

「とりあえず・・・そろそろ電気つくだろ・・・離れれるか?」

 

「も、もうちょっとこのままで・・・」

 

お願いだからどけてええええええ!!!!!!そこ俺の単装砲が格納されてるからあああああああああああ!!!

なんて思ってると電気がついた。

・・・助かったぜ・・・

 

「電・・・電気ついたぞ」

 

「び、びっくりし・・・・ぴゃっ!?」

 

電は今まで顔をうずめていた場所に気づき一気に真っ赤になる。

そしてフリ-ズ・・・

 

「お、おーい?電ー?」

 

とりあえず名前を呼んでみると・・・

 

「きゅぅぅぅぅぅ・・・・」

 

そんな声を出してぶっ倒れた。

 

「い、電!?メディック!メディィィィィィィィック!!!!!!!」

 

そんな俺の絶叫で一日が始まった

 

 

 

 

 

 

~3時間後くらい~

 

電を起こして司令室まで二人で歩いていく。

 

「電、大丈夫か?」

 

「なのです・・・ちょっとびっくりしたのです・・・」

 

「そか・・・まぁ、気をつけろよ?てか、もう昼前か・・・」

 

「そうですね・・・ごめんなさいなのです・・・私が気絶してたばっかりに・・・」

 

「いんや、気にする必要ないよ」

 

電はしょんぼりしている。

 

「電、さっきそのペンタゴンのおっさんから連絡あったんだけどもうちょいで到着予定らしいから出迎え任せれるか?」

 

「あ、はい!お任せくださいなのです!」

 

「それと、今日は早く仕事終わらせような。なんとなく・・・電と二人で過ごしたい」

 

「も、もう・・・照れるのです・・・でも、私も同じなのです!」

 

「じゃあ俺は司令室でいろいろしてるからお迎え頼む!」

 

「了解なのです!」

 

電はピシッっと敬礼して外に向かっていく。

とりあえず今回の作戦メンバ-を決めるか・・・

つれて行く提督は・・・信用できるヤツか・・・式風で大丈夫だとは思うが・・・

 

「さてと・・・そういえば偵察衛星残ってたっけな・・・」

 

つい先週ハッキングした偵察衛星の画像を確認する。

たまにデブリで破壊されてるからな~・・・

 

「お、あったあった」

 

画像を見ていくと・・・

 

「お・・・?この画像は・・・もしや!」

 

この前作った露天風呂の画像があった。

・・・誰か入渠しておるな

 

「もうちょい・・・もうちょいズ-ム・・・」

 

偵察衛星が高性能なヤツならオアシスが見えるかもしれない・・・!

 

「もうちょい・・・見えたッ!!!」

 

そこには・・・・

 

 

 

 

 

 

普通に風呂に使ってる俺だった。

 

 

 

 

「・・・・・・・俺かいいいいいいいい!!!!!!!!」

 

な"ん"で"な"ん"だ"よ"お"お"お"お"お"お"お"お"!!!

そんな絶叫上げてるとヘリの音が聞こえてきた。

 

「もう到着か・・・早いな」

 

とりあえずお茶でも汲んどくか。

なんてしてるとドアがノックされた。

 

「どうぞ」

 

「失礼する。」

 

「お客さん連れてきたのです!」

 

「ありがとう、電。とりあえずこちらにかけてください」

 

「ありがとう」

 

何か・・・そこらへんのおっさんっぽいな。

 

「それで、何が始まるんです?」

 

「第三次大せ・・・おっと、作戦だ」

 

「どんな内容の?」

 

「そうだな、詳細はだな・・・」

 

するとカバンからひとつの衛星写真を取り出す。

・・・船団か?

 

「これは昨日CIAから送られてきた写真だ。この船団、積荷は何か分かるか?」

 

「分かってたら苦労しませんよ。それで?」

 

「・・・中身はな・・・「深海側の提督」だ。」

 

「・・・!?」

 

「それも、大将クラス。大物だ」

 

前にケストレルたちが話していたヤツか・・・

 

「あの・・・司令官さん、深海にも提督さんがいるのですか?」

 

「いや・・・分からない・・・」

 

「君は・・・艦娘だったよね?」

 

「はい!特Ⅲ型駆逐艦 電 なのです!」

 

「ふむ・・・イナヅマか・・・今後会うことはないかも知れないが、アメリカ国防総省のブラックだ。」

 

「ブラックさん、電取ったら許しませんよ?」

 

「おいおい、君顔が怖いぞ?」

 

え、そんなアシュラがキシャ-みたいな顔してた?

まぁ、そんなことおいといて。

 

「で、作戦内容は何です?」

 

「ああ、そうだな。簡潔に話す、今回はこの深海提督の捕縛だ。」

 

「・・・・敵側が激しく抵抗した場合は?」

 

「殺害も許可する。今回は深海提督を可能なら捕縛必要あらば殺害だ」

 

かーんたんに暗殺命令だしやがってこのおっさん。

電の顔がすっごい曇ってんぞ

 

「・・・了解。それで、今回の戦力は?」

 

「Navy SEALsと第160特殊航空連隊、あとは君たち、艦娘隊だ。できれば空母と駆逐艦のみで編成してほしい」

 

「どうしてです?」

 

「今回の作戦は日本側にも極秘の作戦なんだ」

 

「なぜですか?大勢で強襲したほうが・・・」

 

「その日本軍が深海と繋がっているとしたら?」

 

「!?」

 

「ど、どういうこと・・・なのです?」

 

「電、すまない、少しお口チャックでいてくれ。」

 

「な、なのです」

 

どういうことだ・・・

 

「これもCIAが入手した資料だ」

 

「メモリー?」

 

「ああ、UAVが確認した密会の様子が入っている。ただし、赤外線映像だったのと建物の外に出る寸前でUAVが撃墜されて詳しくは分からない。それにヤツらが今向かっている場所・・・何があると思う?」

 

「疑問系が多いな・・・何があるんです?」

 

「"核"だ」

 

「核!?」

 

「旧ソ連が放置していた核ミサイル施設がある。・・・・・・ちなみにミサイルもそのままだ」

 

「でも、寿命が来てるんじゃ・・・」

 

「やつらがそのミサイルを撃つとは言ってないぞ、その核を取り出した可能性がある。」

 

「そんなもの取り出して何をしようと・・・」

 

「砲弾か、爆弾にして人口密集地に打ち込むんだろう。しかしミサイル施設の場所は明確だが、それを撃つつもりなのか核をとりだしているのかは分からない。」

 

まずいぞ・・・核弾頭を所有されたら・・・

 

「ブラックさん、ひとつ思うことがあるとすれば・・・・核弾頭のサンプルかもしれない」

 

「サンプル・・・か・・・つまり量産するつもりか」

 

「予想ですがね」

 

「いや、案外あっているかも知れない。」

 

「いますぐ施設を攻撃できませんか?」

 

「無理だ。深海の占領下にある」

 

こうなったらODINで・・・

 

「提督、言って置くが衛星から攻撃しようなどとは思うなよ。あの地下には核廃棄物もある。もし掘り起こされれでもすれば二度と人が住めなくなる」

 

「衛星攻撃つぶされちゃどうしようもないですね」

 

「だから、深海提督を捕縛するんだ。いいな」

 

「了解しました」

 

「必要な武器や兵器があれば言ってくれ。なんでも揃えよう」

 

そういい残して帰っていった。

あああああ・・・・・核を持ってるかもってマジかよおおおお・・・・

 

「司令官さん・・・もうしゃべっていいのです?」

 

「も、もういいぞ。すまなかったな」

 

「ぜんぜん大丈夫なのです!」

 

とりあえず作戦を練ろう。資料を見る限り船団がそこに到着するまで一週間はかかる。

 

「電、今日の艦隊業務は何がある?」

 

「えっと・・・今日はですね・・・」

 

じーっと資料を覗き込んでる

 

「え・・・何もないです・・・?」

 

「うそ!?」

 

電と資料を覗く

・・・本当に何もない。

今日は鎮守府全体が休日状態だ。

 

「お、じゃあ今日は部屋に帰ろうか」

 

「い、いいのですか!?」

 

「何もないのにここに居てもな・・・とりあえず部屋に帰って二人でゆっくりしよう」

 

「今日はゆっくりと司令官さん独占できるのです♪」

 

「はは、じゃ、俺も電を独占だな」

 

「独占夫婦ですね!」

 

「夫婦って言うけど、俺たちまだカップルみたいだよな」

 

「えへへ、でも司令官さんとずっと一緒に居れることに変わりはないのです♪」

 

「そうだな」

 

そんな話をしながら部屋に戻る。

雷は止んだが、雨が激しい。

 

「雨止まないですね・・・」

 

「そうだな・・・てか、時雨のヤツ雨のたびに傘も持たずに外出てずっと空を見てるからな・・・風邪引かなきゃいいが・・・」

 

「でもあの時の時雨さんって何か近寄りがたい感じなのです・・・」

 

「まぁ・・・そうだな」

 

「あ、司令官さん、お茶飲むのです?」

 

「ん、じゃあいただこうかな」

 

「なのです!」

 

そういえば電はいつの間にか私服に着替えていた。

てか髪下ろした姿が天使過ぎる。

 

「なぁ、電、お前これから髪下ろしててはくれんか?」

 

「はぇ?どうしたのです?」

 

「いや、髪下ろした姿が可愛くてな・・・いつも以上に天使に見える」

 

「はわ!?て、天使ですか!?」

 

「おう、エンジェルだ」

 

「はわわわ・・・」

 

顔を真っ赤にしてる・・・可愛すぎる・・・

そんな感じでのんびりと過ごした。

テレビを見たりゲ-ムしたり・・・

負けるたびに悔しがってもう一回!ってなってる姿が可愛くて仕方なかった。

負けて悔しがる姿が見たいからって本気だしたわけじゃないからね!

そんなこんなで夜。

 

「電、電気けしてくれるか?」

 

「もう寝るのですか?」

 

「もう寝るってお前・・・寝る準備万端だろうが・・・」

 

「私は・・・もうちょっと司令官さんとくっついていたいのです」

 

「電気消してもできるだろ?」

 

「うぅ~・・・女心が分かってないのです!」

 

「分かったよ。もう可愛いなぁ・・・」

 

「えへへ・・・」

 

電はいつものように俺の布団に入ってきてくっついてくる。

・・・これ襲ったら犯罪ですかね。

 

「あの・・・司令官さん」

 

「ん?どうした?」

 

「あの・・・その・・・」

 

電は顔を真っ赤にしてもじもじしている

 

「司令官さん・・・司令官さんってその・・・あ、赤ちゃん・・・作る方法ってしってるのです・・・か・・・?」

 

「ぼふぉぉぉ!!!!!!!」

 

盛大にいろいろ噴出した。

 

「ま、待て待て待て!!!!どういうことだ!!」

 

「え、だから・・・その・・・知ってるのです・・・?」

 

「そ、そりゃ知ってるが・・・」

 

「その・・・あの・・・」

 

「ど、どうした?」

 

くそう、今ので完全に心臓が発作でも起きるんじゃないのかってぐらい動いてるぞ。

 

「じゃ、じゃあ・・・その・・・それをしても赤ちゃん出来ない方法とかも・・・」

 

「そ、そりゃ・・・知ってるよ・・・?」

 

「あ、あの・・・司令官さん・・・」

 

「なななななななんですか!?」

 

なんでこんな敬語なんでしょうね私。

 

「司令官さんと・・・それを・・・したいのです・・・」

 

「や、夜戦を御所望で?」

 

するとコクリと頷く。

・・・・喜んだらいいの!?これ喜んだらいいの!?

 

「い、電・・・い、いいのか?」

 

「そ、その道具を・・・もらったので・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・ちょっと待て、誰からもらった。」

 

「し、式風さんからなのです・・・」

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・GJ。

心の中で敬礼しておく。

 

 

 

 

「そ、そうか・・・え、い、電は・・・したいのか・・・?」

 

「さ、さっきからそう言ってるのです・・・」

 

そう言うと電はおもむろに服を脱ぎ始めた。

 

「おわあああああ!?!?!?ちょちょちょちょい待てえええええええ!!!!」

 

「も、もう我慢できないのです!私から襲うのです!と、利根さんだってそうしたって言ってたのです!」

 

誰だあああああああ!!!純粋無垢だった電に色々吹き込んだのはアアアアアアアア!!!!ハッテン場送りにしてやるから出て来い!!!

そんなこと思ってる間に電は生まれたまm

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

    / ̄ ̄\

   /(⌒)(⌒)\

   ( ゙゙(_人_)゙゙ )

   > _| ̄ ̄ ̄ ̄|

   ( ⌒( ヲ見せられ|

   ソ ̄ ̄|ないおw|

   /   |____|

  /   -く

`/ /~ ̄) ノ

(__ノ  (__)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「電・・・ふぅ・・・大丈夫か?」

 

「は、はい・・・でも・・・痛かったのです・・・」

 

「ま、まぁ・・・初めてはな・・・」

 

「でも司令官さん・・・激しすぎなのです・・・」

 

「そ、そうか?」

 

「そうです!途中やめてって言ったのに・・・」

 

「そ、そりゃすまないことした・・・」

 

はい、お察しの通り事後でございます。

え、何?メインがないじゃないかって?

お前タグを良く見るんだ、R18タグはついておらぬ。

見たければ他をあたることだ!ここは次の話を全裸待機で待っている紳士しかおらぬのだ!

 

「でも・・・司令官さん・・・また・・・いいですか?」

 

「え!?い、いいのか?」

 

「は、はい・・・その・・・気持ち・・・良かったのです」

 

「お、おう・・・」

 

「司令官さん、ちょっと疲れちゃったのです・・・」

 

「そうだな・・・寝るか」

 

「そうですね・・・おやすみ・・・なのです・・・ちゅっ」

 

そういうと電はキスをして微笑んだ。

天使だな・・・

だが、次の作戦ではこの子にだけは・・・いや俺の艦娘すべてにおいてだ。

人に銃口を向けさせたくない。

銃口を人に向け、トリガ-を引くのは俺だけで十分だ。

この鎮守府で人を殺した・・・なんて提督は俺くらいだろう・・・いや、俺だけで十分だ。

・・・何人も敵とは言え殺してきた俺だ、もし死ぬときは地獄だろうな。

この子とは・・・天国と地獄で別れてしまうがな・・・

やめとこう、ネガティブになるだけだ。

 

「司令官さん、寝ないのですか?」

 

「あ、いや、そういうわけではない」

 

「ん~・・・キスが足りないのです?」

 

「ファッ!?い、いや、そういうわけじゃ・・・」

 

「ん・・・ちゅっ・・・」

 

するともう一回キスをしてきた。

 

「え、えへへ、2回目なのです」

 

「明日は俺からしてやるからな」

 

「じゃあ、する前にしてやるのです!」

 

「望むところ!」

 

今のこの幸せを大事にしよう・・・

そう思いながら眠りの世界へ入っていった。

・・・・作戦開始は明日の夕方だ。




    / ̄ ̄\
   /(⌒)(⌒)\
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   ( ⌒( ヲ見せられ|
   ソ ̄ ̄|ないおw|
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`/ /~ ̄) ノ
(__ノ  (__)


え~・・・電をそっちの世界に連れ込むなといってた方々へ。



すんませんしたあああああああああああ!!!!!!!


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SilentHunter

「うわああああああああああアッー♂!!!!」

 

「はにゃああああ!?!?司令官さんどうしたのです!?しかも最後のほう悲鳴がおかしかったのです!!」

 

「あ、夢か・・・すまん」

 

「も、もう・・・どんな悪夢見たのですか・・・」

 

自分が死ぬ夢を見た・・・

それも・・・ケツがな!

 

「あの建物入ったときの夢みたよ・・・」

 

「う、うわぁ・・・」

 

「何だよ!そんな引いたような目をするな!」

 

「い、いえ・・・引いてはないのですよ・・・?だ、旦那さんの趣味を疑っただけなのです・・・」

 

「いやこれ趣味違うから!俺はホモじゃないから!」

 

「だ、大丈夫なのです!私は司令官さんがどんなになろうと側にいるのです!」

 

「・・・あれ、何でだろ、悲しいのか何なのか涙出てきた」

 

「あらら・・・よしよしなのです」

 

電はやさしく頭を撫でてくれるが余計にむなしくなる・・・

 

「とりあえず気を取り直して司令室行こう・・・」

 

「あれ、もういくのです?」

 

「ん~・・・ダメか?作戦内容の再確認したかったんだが・・・」

 

「じゃあ、後から朝ごはん持って行くのです!」

 

「お、ありがとう。あ、それとなんだが・・・今回の作戦では電は司令官代理を頼んでいいか?」

 

「代理・・・ですか・・・?」

 

「うん、今回は旗艦を情報処理能力の高いアンドロメダに任せてるからね」

 

「了解なのです!でも・・・司令官さん・・・必ず帰ってきてくださいね」

 

「おう!五体満足で帰ってくる!」

 

いい終わった後にフラグ立てたことに気づいたり・・・うっ・・・

 

「あ、電。ついでに景気づけに大型建造行かないか?」

 

「司令室に行かなくていいのです?」

 

「まぁ、時間はあるからね。行かない?」

 

「行くのです!あ、でも・・・資源浪費はダメですよ?」

 

「わかってるって」

 

そんなわけで工廠行こうかね。

今回の作戦で急遽潜水艦が必要になったら建造したい。

え?シンファクシがいるから大丈夫だろうって?

バッカお前、資源なくなんだろうが!

とわけの分からんツッコミはおいといて・・・

 

「お?てーとく!何造る?」

 

「あ~・・・潜水艦レシピ回しておくれ」

 

「ほいきたー!」

 

妖精連中が資源を持って工廠に入って行く。

 

「ほい!こんだけ使ったよ!」

 

「どーせろくでもない数使ったんだろ・・・」

 

と書類見ると

 

「あれ?お前らやっと反省した?」

 

「は、反省!?」

 

「?どうしたのです?」

 

「これ見てみ」

 

そこには

燃料2500

弾薬1200

鋼材5000

ボ-キ1000

 

と案外普通だった。

・・・潜水艦レシピなにのかは知らんが・・・

 

「んで建造時間は?」

 

「んと・・・三時間と20分ちょい!」

 

「え・・・・!?」

 

そのレシピは・・・

 

「し、司令官!?な、何で震えてるのです!?」

 

「やったぜえええええ!!!」

 

「はにゃ!?」

 

「ついに!ついにシオイが我が艦隊にぃぃぃぃ!!ひゃっはああ!!!」

 

「司令官のテンションすごいのです・・・」

 

「ふふふ・・・・伊号401潜水艦とは最高ではないか!んじゃ高速建造よろぴく」

 

「ほいさー!」

 

バ-ナ-を持った妖精が中に入って行った。

 

「ひゃっはああああああああああ!!!!汚物は消毒だああああああ!!!」

 

「・・・・・・おいあの妖精大丈夫か」

 

「あ、うん、昨日小麦粉吸ってたけど大丈夫」

 

「大丈夫じゃないだろそれ!!!!!」

 

「たまにお頭が火星に行ってるだけだよ!」

 

「いやだから大丈夫じゃないだろ!」

 

と言い合ってるところで建造が終わる。

さぁシオイとご対面!

 

「ようこそシオイ!我が艦隊へ!」

 

扉開け切る前に言っちゃったぜ☆

 

「えっ・・・?あ、あの・・・私・・・」

 

「ん?どした?」

 

すると煙の奥から銀髪のセミロング女の子が・・・色白だし・・・

あれ?シオイってこんな子だっけ?

なんて思ってると・・・

 

「あ、あの・・・わ、私・・・ユ、UボートVIIC型潜水艦、U96って言います・・・」

 

「へっ?」

 

「あ、あの・・・およびじゃなかったでしょうか・・・すみません・・・」

 

「え、いや・・・そのあれ?」

 

「し、司令官さん!今にも泣きそうですよ!」

 

U96は今にも泣きそうな目だった。

 

「あ、ああ・・・そのすまん!俺はここの提督のイーグルアイだ。よろしくな」

 

「はい・・・よろしくお願いしますアドミラル・・・・」

 

「ところでお前さん、あだ名見たいなのあるか?」

 

「いえ・・・ないです・・・・」

 

「じゃあクロなんてどうだ?安直だけど・・・」

 

「い、いえ!私今まで鮫鮫言われてたので・・・・むしろ嬉しいです!」

 

「鮫?」

 

彼女の擬装をよくみると笑う鮫が書いてあった。

 

「ああ、この絵のことか」

 

「はい・・・」

 

「んな気にすんなって!ところでクロ、今日実戦な」

 

「ひゃぇ!?」

 

「ど、どんな声だお前・・・」

 

「い、いやその・・・い、いきなりすぎます!!」

 

「大丈夫、伊号潜水艦たちと哨戒任務だ」

 

「そ、そうですか・・・?」

 

「うん、まぁ早めに実戦経験つんでおいたほうがいいだろ?」

 

「そ、そうですね・・・」

 

「あ、そうだ、紹介遅れてた、この子は秘書艦アンド俺の嫁の電だ」

 

「よ、嫁!?え、えっと・・・秘書艦の電です!名前の似た姉がいるので間違ったらダメなのです!」

 

「あ、もしかして雷ちゃんのことですか?」

 

「あ、知ってるのです?」

 

「はい!昔聞いたことありましたから!」

 

どうやら仲良くなれたご様子で。

とりあえず運用試験してみようかね

 

「クロ、さっそくなんだが魚雷発射演習してみないか?」

 

「いきなりですか・・・?」

 

「ああ。まぁ、命中率を見たいってのもあるかな。ところで魚雷はどんなの持ってる?」

 

「こ、これです」

 

差し出してきた魚雷は・・・

 

「G・・・G7esII・・・・」

 

音響誘導魚雷っておま・・・

 

「あとは通常の熱走式魚雷です・・・」

 

「ふむふむ・・・じゃ、まずはあそこの標的を撃ってみてくれるか?」

 

「わ、わかりました!あ、でも・・・」

 

「ん?どした?」

 

「私・・・戦闘になると人が変わるって言われて・・・」

 

「ん~・・・少々大丈夫じゃね?」

 

「そう・・・ですか・・・?」

 

「まぁ、いってらっしゃいな」

 

クロは海に入る。

 

「んじゃ、浮上雷撃戦よーい!」

 

「浮上雷撃戦用意!」

 

「魚雷一番発射!」

 

「フォイア!」

 

クロから通常の熱走式魚雷が発射される。

移動するタ-ゲットに向かって見事な偏差雷撃で魚雷が進んで行く。

コイツ結構やるな・・・

 

「魚雷命中します・・・」

 

すると大きな水柱があがった。

その瞬間・・・

 

「フタエノキワーミー!!キワーミー!!フタエノキワーミー!」

 

いきなりすごい音量で叫びだした。

ああ・・・うん・・・人変わるね。戦闘じゃなくて命中したときに。

とりあえずうるさいので・・・

 

「静かにせいっ!」

 

「(´・ω・`)」

 

ショボーンってなってた。

とりあえず実戦に出せるのは決定した。

さてそんじゃ作戦会議のために司令室にもどろうかね

 

「電、クロ、行こう」

 

「もういいのですか?」

 

「うん、あとは作戦会議しないと」

 

「なのです!」

 

そんなこんなで司令室へ。

 

「さてと、集まってるかな」

 

「いきなりで悪いんだがイ-グル。この作戦、何で提督が俺だけなんだ。あとなんで米軍いるんだ」

 

「極秘任務って言ってなかったっけ」

 

「聞いてないわ!」

 

「あれ?まぁいいや。とりあえず今回の任務、敵将校の捕縛だ」

 

「敵将校?」

 

「ああ、あれだ、深海の提督」

 

「ファッ!?」

 

「えええええ!?!?」

 

式風と周りの艦娘たちからも驚かれる。

 

「とりあえずこれ、この輸送船団を襲う」

 

「護衛艦隊はいないのですか?」

 

「いい質問だな赤城くん!もちろんそこらへんにいるだろうね」

 

「それを航空攻撃で叩くのですか?」

 

「そうそう。残存を駆逐艦と潜水艦隊で撃破する。あ、それと今回新しく加わった子を紹介するよ。クロ、出て来なさいな」

 

「クロ?」

 

まわりが少しざわつく

 

「あ、えっと・・・その・・・」

 

周りからあの子可愛い・・・舐め回したいとか言う声が聞こえたがあえて聞こえなかったことにしよう。

 

「えっと・・・UボートVIIC型潜水艦U96です・・・よ、よろしくお願いします!」

 

「えっ・・・ユ、Uボートおおおおお!?!?」

 

「え、おまっ・・・Uボ-トってマジか」

 

「え、えっと・・・えっと・・・」

 

クロは周りからはやされおどおどしていた。

 

「はいはい、お前らクロ困ってるからその辺で」

 

「うぅ~・・・」

 

「お前は元の席に帰っていいぞ」

 

「は、はい・・・びっくりしちゃった・・・」

 

「よし、電、衛星画像を出してくれ」

 

「なのです!」

 

「詳細を説明するぞ。本日1800にこの輸送船団はこの鎮守府の200km沖を航行するはずだ。そこでここを艦娘隊と俺たち、SEALsチ-ムで強襲する」

 

ここでちらほら手が挙がる

 

「なんだ質問か?」

 

「はい、今回なぜSEALs・・・?が必要なのですか?深海提督ごと撃沈してしまえば・・・」

 

「赤城・・・俺はお前たちに人を撃たせたくはないんだ。確かにお前は艦載機を攻撃するから実質自分の砲で撃つわけじゃないが・・・」

 

「すみません・・・」

 

「いいんだ。まぁ、それで艦娘隊が周囲の護衛艦隊を殲滅したのち第160特殊航空連隊とともに奇襲する」

 

「それで、タ-ゲットは?」

 

「まだ名前までは確認できてないが・・・」

 

スクリ-ンにひとつの画像を表示する

 

「コイツだ」

 

「ひえ~・・・みごとな悪人顔なこって」

 

「これが俺たち、SEALsチ-ムの標的だ。ここからはSEALsチ-ムの作戦だ」

 

画像を船の画像に切り替える。

 

「まずはヘリで船尾に接近して降下する。そのときの指揮は俺が取る。艦隊の指揮は鎮守府からは電が、海上はアンドロメダと式風に任せる」

 

「せ、責任重大なのです・・・」

 

「今回の作戦は開始から終了まで1時間もかからない。だが相手の力を見くびるなよ」

 

うまくいくことを祈るしかない。

護衛には戦艦級がいるだろうな・・・

 

「あ、式風、お前はQRFで艦隊の指揮を頼む」

 

「はいよ。お前は地上か・・・」

 

「よし!作戦開始は1600!解散!」

 

みんな装備を整えに工廠に向かって行く。

 

「なぁイ-グル。今回の作戦は本当に捕縛だけなのか?」

 

「・・・お前には話しとくか・・・」

 

「何だ?」

 

「・・・対象が激しく抵抗した場合、もしくはこちらの判断で有用な情報が聞けたらその場で排除だ」

 

「・・・殺すのか」

 

「ああ。だから電達には撃たせたくないんだよ」

 

「そこは俺も同意だな」

 

「さてと、俺も可愛い愛銃の整備をするかな」

 

「じゃ、俺は艦隊の調整してくるか」

 

そういって二人で司令室を出る。

 

「相棒生きて帰るぞ」

 

「当たり前だ。」

 

俺と式風は拳を合わせて別々の方向に分かれた。

作戦開始まであと2時間だ。




完全にオリジナルでUボート出しちゃったけどいいよね!
てかUボート数多すぎぃ!
どの艦にしようか迷ったぜ・・・


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作戦開始!

弾薬はこんなもんか・・・

装備を整えて司令室に向かう途中何気なく空を見上げた。

雲ひとつない快晴、冬なのにほんのり暖かい。

 

「はぁ・・・こんないい日に戦争か・・・」

 

なんてつぶやいてると

 

「あ、司令官さん!探したのです!」

 

「ん?電か?どした」

 

「あの・・・これ・・・」

 

「ん?」

 

電がお守りみたいなものを差し出してきた。

 

「お守りか?」

 

「はい!無事に帰ってこれるように・・・私の手作りなのですよ!」

 

電は少しドヤ顔で言ってくる。

可愛いなもう・・・

 

「ありがとうな。電、鎮守府のことは頼むぞ」

 

「了解なのです!司令官さんはもう行くのです?」

 

「ああ、SEALsのやつらと打ち合わせもあるしな」

 

「えっと・・・司令官さん・・・」

 

「ん?何だ?」

 

「気をつけて・・・なのです!」

 

そういって頬にキスをしてくれた

 

「おま・・・ホントに可愛いなもう!」

 

「ふにゃああああ!!頭ぼさぼさになるのですうううう!!!」

 

頭をわしゃわしゃ撫で回してやった。

 

「さてと、行こうかな」

 

「必ず帰ってきてくださいね」

 

「おう!」

 

とまぁ、フラグビンビンに立てたけど・・・

主人公補正あるし大丈夫だろ!(慢心

とメタい話は置いといて。

 

「さて、全員行くぞ!」

 

「待ってたぜ隊長!」

 

「もう一度作戦を確認するぞ、まずは艦隊が敵護衛隊を撃破、その後俺達が降下、制圧する」

 

「了解!」

 

なんて確認してると・・・

 

<<全部隊へアイリ-ン。もう一度繰り返すアイリ-ン>>

 

式風が無線で作戦開始を合図してきた。

うん、こんな開始コ-ド言った覚えないんだけど俺。

まぁいいや。

 

<<了解アイリ-ン!>>

 

<<ファッキンアイリ-ン!>>

 

あんたらノリノリだなオイ。

 

「よし!全員行くぞ!」

 

その合図でヘリが離陸した。

作戦開始!

 

 

 

~U-96~

 

うぅ~・・・いきなり実戦なんて無いよ~・・・

 

「大丈夫?」

 

「あ、はい!だ、大丈夫です!」

 

「でもちょっとふらついてるでち」

 

「き、緊張しちゃって・・・」

 

「大丈夫なの!私達は偵察して帰るだけだから気楽にいけばいいのね!」

 

「き、気楽にって言っても~・・・・」

 

初実戦で緊張しないほうが無理だよ・・・

 

<<アンドロメダより潜水艦隊へ。敵艦発見・・・>>

 

「て、敵艦!?」

 

「ほら、やるわよ!雷撃戦用意!」

 

「で、でも敵艦見えないです・・・」

 

小島にさえぎられてよく見えない・・・

 

<<そっちから見えないのか?>>

 

「ダメね・・・式風提督、そっちからは見えない?」

 

<<いや見えない・・・気象衛星とリンクできないのか?>>

 

「できるわけ無いでしょ!」

 

イムヤさんがすごい突っ込みを浴びせていた。

まぁ・・・その・・・妥当な気がするけど・・・

 

<<え、できますよ?>>

 

「できるの!?」

 

<<イムヤさんのスマホにデ-タ転送しますね>>

 

「あ、そういえば貴女、情報収集艦だったわね・・・」

 

この艦隊なんだかすごい・・・

なんて思っていると双眼鏡に敵艦の姿が映る。

 

「あ、見えました!駆逐イ級が一隻・・・あ、いえ3隻います!」

 

「よーし!じゃ、クロ最初の一撃をそのえっと・・・音響誘導魚雷だっけ?それでやっちゃって!」

 

「わ、分かりました!発射管一番注水!」

 

一番発射管にG7esIIを装填する。

 

「目標位置確認・・・フォイア!」

 

魚雷を撃ちだす。

当たって・・・!

 

「じゃあ私達もやるわよ!」

 

「了解でち!魚雷さん、四番発射!続いて5、6番、放射状に撃つでち!」

 

みんなも続いて魚雷を発射する

私の魚雷は・・・命中まであと10秒・・・

イ級は気づかず前進している。

 

「魚雷命中します・・・」

 

2秒後、大きな水柱があがる

 

「命中!クロさすが!」

 

・・・・・

 

「クロ?」

 

「キワーミー!!キワーミー!フタエノキワーミー!!」

 

ひゃっはああ!!!命中だぜえええええ!!ざまぁ見やがれア○公め!

 

「く、クちゃんの人が変わったでち!?」

 

「お、おーい・・・クロちゃ~ん?」

 

HAHAHA☆次の魚雷装填だZE☆

ふと双眼鏡をのぞくと・・・

 

「あっ・・・」

 

「あ?」

 

駆逐艦が一隻こっちに向かってきていた。

 

「アラァァァァァァァァァァァァァム!!!!!!!!」

 

「え、え?え?ど、どうしたの!?」

 

「く、駆逐艦接近です!急速潜行急いで!」

 

うぅ・・・駆逐艦見て正気に戻ったけど・・・嫌われちゃったかな・・・

 

「い、急ぐでち!」

 

「これはやばいのね!」

 

みんな急いで潜行する。

ソナー音が近づいてくる・・・。

この瞬間はいつも心臓が弾けそうになる・・・

お願いだから通り過ぎて・・・!

そして・・・

 

「・・・もしかして・・・」

 

目をつぶってたから分からなかったけど後ろに行った?

後部発射管の射角内!

 

「・・・後部発射管注水・・・」

 

「クロちゃん、やるでち・・・?」

 

「や、やってみます・・・」

 

さっきと同じようにG7esIIを装填する。

 

「2番発射用意・・・フォイア!」

 

魚雷の音に気づいたイ級が急いで転進しようとするが・・・

 

「遅いです!」

 

魚雷は見事にイ級の腹に直撃する。

 

「フタエノキワーミー!」

 

殺 り ま し た 。

ひゃっはああああ!!2キルだぜえええ!!

 

「く、クロちゃ~ん・・・」

 

「あっ・・・す、すすすすみませんんんん!!!」

 

「ど、どうしたの?」

 

「そ、その・・・昔から戦闘になると人が変わるって言われてて・・・」

 

うぅ・・・またやっちゃった・・・

でもさっきの攻撃で哨戒中だった駆逐艦はすべて撃沈したみたい。

 

<<こちらアンドロメダ、潜水艦隊へ。こちらは護衛艦隊をすべて撃沈しました。そちらは1800・・・隊長が輸送艦に到着するまでの哨戒を継続してください>>

 

「了解しました」

 

「了解!そういえばクロすごいじゃない!初戦で二隻撃沈なんてすごいわよ!」

 

「そうでち!今回のMVPでち!」

 

「え、そ、そうですか?」

 

「そうなのね!まぁ・・・人が変わっちゃうのは・・・」

 

「うぅ・・・」

 

「イク!」

 

「ご、ごめんなのね!」

 

「い、いいんですぅ~・・・」

 

ううううう・・・やっぱり変な印象与えてる~・・・

 

「と、とりあえず哨戒を続行でち!」

 

「そうね、とりあえずイクはちゃんと謝りなさい!」

 

「ご、ごめんなさいなのね~!」

 

「い、いえ・・・そ、そんなに謝らなくても・・・」

 

でも・・・なんとなく仲良くなれそう・・・

そんなことを思った初陣だった。

 

 

 

~提督~

 

<<こちらス-パ-6-1、すべての護衛艦隊が撃沈されたらしい>>

 

「了解した!お前ら、相手を見くびるなよ!」

 

「大丈夫だ!」

 

<<へへへ、あいつら困ったら石投げてくるからよくみりゃ平気だ>>

 

「お前・・・油断してたら死ぬぞ」

 

<<はいはい、隊長殿>>

 

「ホントに分かってんのかね・・・」

 

なんて軽口を飛ばしながら目標に接近していった。

 

<<えらい静かだな・・・>>

 

<<そうだな・・・>>

 

「式風、護衛艦殲滅後敵船で動きはあったか?」

 

<<いや確認できていないぞ>>

 

「了解」

 

いやな予感がする・・・

 

「ガンナ-、クレ-ンの影に気をつけろ!」

 

「了解」

 

先行するブラックホ-クを見ながら無騒ぎを覚えていた。

すると・・・

 

<<左舷からRPG!>>

 

<<回避急げ!>>

 

予想通りだけど・・・まぁ・・・

しかしパイロットがうまいこと射線から逃れて同乗する狙撃手にRPG兵は排除されていた。

倒れる瞬間にRPGが発射されブリッジを直撃していた。

 

「うわぁ・・・艦橋ぶっ飛んだぞあれ・・・」

 

「中は地獄絵図でしょうね・・・」

 

「とりあえず降下しよう」

 

ヘリは艦尾の開けた場所に接近しロ-プを下ろした。

 

「ロックンロ-ルだ!」

 

「GOGOGO!!」

 

次々に兵士が降下していく。

んじゃ我輩も行こうではないか

ロックンロ-ルだぜぃ!




艦これじゃ無くなってきてる希ガス。


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拉致作戦

~アンドロメダ~

 

輸送船に乗り移って行く隊長を見ながら警戒を続けていた。

ソナ-もレ-ダ-も反応なし・・・一安心かな?

 

「赤城さん、索敵機から報告はありますか?」

 

<<いえ、何もありません。海域クリアです>>

 

「わかりました」

 

ふぅ・・・

でも海は安全でも船内からの銃声がたびたび聞こえる。

隊長・・・大丈夫かな・・・

なんて思っていると・・・

 

「ん・・・?何この音・・・」

 

何かが海中を進んでくる音・・・まさか・・・!

 

「魚雷・・・・!」

 

「え、何だって!?」

 

「魚雷音聴知!方位・・・240度高速接近!」

 

いったいどこから・・・

 

「雷!対潜戦闘行くよ!」

 

「了解!」

 

雷ちゃんと響ちゃんが離れて潜水艦の元へ向かった。

するとレ-ダ-に・・・

 

「まずい・・・新たに敵艦隊!規模は小さいですが・・・」

 

<<赤城よりアンドロメダさんへ!敵艦の位置を教えてください!>>

 

「そこより40km先、孤島の影に隠れてます!」

 

<<わかりました!攻撃隊発艦!>>

 

潜水艦は・・・潜っちゃったかな・・・

でも・・・!

 

「雷ちゃん!響ちゃん!こっちに戻ってきてください!」

 

<<え、でもまだ潜水艦いるわよ?>>

 

「大丈夫です!」

 

ふっふっふ・・・私の秘密兵器使うときが来た!

 

「アスロック・・・発射用意!」

 

脇に伸びているVLSの蓋を開ける。

いくら深海に潜ってもコレなら・・・!

 

「発射はじめー!」

 

VLSから2発発射する。

あ、そういえばさっきの魚雷ってどこを狙ってたんだろ・・・

 

「雷ちゃん、魚雷の航跡は見える?」

 

<<ううん・・・見えないわ>>

 

「了解」

 

ソナ-で位置を確認すると・・・

 

「ゆ、輸送船を狙ってる!?」

 

<<え、何!?>>

 

「魚雷は輸送船を狙ってます!」

 

<<ど、どうするの!?>>

 

「げ、迎撃を・・・CIWS攻撃始め!」

 

海面に向けて撃ちまくってみるが・・・

 

「当たって・・・お願い・・・!!」

 

その願いが届いたのか魚雷が水中で大爆発を起こす。

やった・・・

 

「ふぅ・・・迎撃成功・・・やりました!」

 

<<ナイス!あと潜水艦の撃沈を確認したわ!>>

 

<<ハラショ->>

 

「了解しました!」

 

ふう・・・あとは敵艦隊だけかな?

なんてこと思ってると・・・

 

<<フタエノキワ-ミ-!キワ-ミ-!!!>>

 

そんな絶叫とともに水平線の向こうで大きな水柱が立っていた。

潜水艦の魚雷かな?

 

<<あ、えっと・・・クロが敵戦艦を撃沈したわ>>

 

「こちらでも確認しました」

 

<<式風よりアンドロメダ、すべての敵艦隊の撃沈を確認>>

 

「了解です」

 

あとは隊長だけかな・・・

大丈夫かな・・・銃声が大分減ったけど・・・

 

 

~提督~

 

<<ブリッジ制圧!>>

 

「了解、小包は見つかったか?」

 

<<こちらチャ-リ-分隊、小包確保。抵抗ありません>>

 

「了解、そっちに向かう」

 

さて、尋問して核兵器に関して聞きださんとな

階段を下りながらどうやって聞き出してやろうかと考えていた。

 

「この先です」

 

「あいよ、どうも」

 

ドアを開けて中に入る

中はえらい豪華だった

その奥には初老の男性がいた

 

「へえ・・・えらい豪華な内装だな」

 

友好的な雰囲気で話しかけてみる。

深海の提督も普通のおっさんだな・・・

 

「そりゃどうも」

 

「あんたが提督か?」

 

「いかにも」

 

「んじゃ、本題で、核兵器持ってんの?」

 

「・・・どこからの情報だそれは」

 

「あら、もれてることに気づかなかった?」

 

「お前らは偵察機の情報にしか頼っていないだろ・・・それがどこからだ」

 

「あ~・・・まぁ・・・俺は米軍からの情報も仕入れてるからな。てか衛星持ってるし」

 

「・・・チッ」

 

舌打ちしやがったなこのおっさん

 

「・・・それで、聞きたいのは何だ?」

 

「お前ら核を持ってるのか持っていないのか、それだけでいい」

 

「じゃあ答えは持っているだ」

 

「やっぱりか・・・」

 

「今のご時勢、核兵器を持ってないとやっていけないだろ」

 

「じゃあタ-ゲットはどこだ?」

 

「人口密集地、どこの国のもだよ」

 

「テロリストかよお前ら・・・」

 

さすがに呆れた・・・

まぁちゃっちゃと核施設の情報吐かせないと

 

「核施設の情報がほしいんだろ?」

 

「さすがだなおっさん」

 

「おっさん言うなバカタレめ!!」

 

「いや、どうみてもおっさんだろお前!!」

 

「俺はまだまだ20代だしぃ!心は20代だしぃ!」

 

「心かよ!実年齢言えよ!」

 

「・・・・・・48」

 

「おっさんじゃねぇかああああ!!!!!!」

 

不毛な突っ込み争いが・・・

 

「もういいや・・・で、核施設はどこだ?」

 

「教えてくださいイケメンのお兄さんと言ったら教えてやろう」

 

・・・・・・・・コノヤロウ

 

「おーし皆、コイツコンクリ漬けにして海に沈めようぜ」

 

「悪かった俺が悪かった」

 

「んじゃ話してもらおうか」

 

「・・・この先の核施設・・・そこしか知らん」

 

「ふむふむ・・・そこがお前の担当って事か?」

 

「そうだ、鎮守府みたいなもんだ」

 

「なるほど・・・そんじゃ」

 

「?」

 

鎮守府にいる電に無線をつなげる

 

「おーい、我が嫁よ聞こえるか?」

 

<<はわっ!?な、なんなのです!?>>

 

「んとね、俺の机のPC開いて」

 

<<りょ、了解なのです>>

 

「んで開いたらミサイル管制ってソフト開いて」

 

<<ミ、ミサイル!?>>

 

「いいからいいから」

 

<<な、なのです・・・>>

 

「んで、MARVってヤツ選択して弾頭を通常で」

 

<<や、やったのです>>

 

「んじゃ座標送るから入力して」

 

電にメ-ルで座標を送る。

一応通常弾頭だからまぁ・・・大丈夫かな?

 

「入力した?」

 

<<準備OKなのです!>>

 

「んじゃ、発射!」

 

<<発射なのです!>>

 

無線機越しに爆音が聞こえる。

てか・・・俺の鎮守府ってよくよく考えたら重武装過ぎワロエナイ

 

「んじゃおっさん」

 

「素敵なお兄さんだ」

 

「まだ続けるの!?」

 

コイツ実は結構いい人なんじゃないかと思ってきた。

 

「そこの米兵と一緒にみんなのお友達サムおじさんとこ行ってきてね」

 

おっさんは抵抗もせず米兵に連れられてつれてかれた。

 

「はぁ・・・終わった終わった・・・」

 

「さっさと帰りましょう」

 

「そうしよ」

 

後部甲板まで出てヘリで回収してもらう。

弾道ミサイルはもうちょいで着弾するだろう・・・

まだ核施設は残ってるだろうし・・・安心はできんな

なんて事考えてるうちに無事に鎮守府に帰ってこれた。

こちらの損害はゼロ。

 

「電、ただいま」

 

「おかえりなのです!」

 

「お守りのおかげで皆無事だったよ」

 

「え、えへへ・・・」

 

「ふああああ・・・疲れた・・・」

 

「あ、司令官さん」

 

「ん?何だ?」

 

「あの・・・何かまた視察が来るらしいのです・・・」

 

「ファッ!?」

 

何で!?もういやだめんどくさい!

 

「ど、どんな人・・・?」

 

「な、名前までは・・・」

 

「・・・・・・・」

 

めんどくせぇ・・・とにかくめんどくせぇ・・・何がめんどくさいって視察されることじゃなくて仕事しないといけないのが・・・

 

「ど、どうしたのです?震えてるのです!?」

 

「め・・・」

 

「め?」

 

「めんどくせえええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!」

 

「はにゃああ!?」

 

そんな絶叫が鎮守府に響いた。




今回は面白くないと思われ・・・
じ、次回は頑張るんだからねっ!


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鎮守府視察

なんかもう色々疲れた・・・

そんなこと思いながら部屋に寝転ぶ

 

「もう・・・司令官さん、だらしないのです」

 

「今日は勘弁してくれぇ~・・・」

 

明日視察くるって時点でもうすでに疲れMAXなのに・・・

とりあえずリ級とイ級を隠さねば・・・

 

「電、風呂はもう入ったのか?」

 

「あ、まだなのです!」

 

「んじゃいってきなさいな」

 

「なのです!」

 

電は着替えを持ってそそくさと部屋を出て行った。

俺はさっき入ったから眠くなってきた・・・だが、電が帰ってくるまで寝るわけにはいかん!

・・・売店まだ開いてたっけな

 

「さてと・・・電の好きなアイスでも買ってきてやるかな」

 

スー○ーカップのバニラ味大好きだったなあの子は

とりあえずさっさと着替えて近くの売店に向かう。

 

「あれ、クロ?」

 

「あ、司令官」

 

「どしたこんな遅くに」

 

「いえ・・・ちょっと・・・」

 

クロは何かの本を隠した。

 

「どれ、ちょっと見せてみ」

 

「へっ!?い、いえ!」

 

チラッっとタイトルが見えたが・・・雷撃に関する本か

 

「雷撃の教導本か」

 

「あ、み、見えましたか・・・」

 

「バッチリな」

 

「実は今日誘導魚雷しか命中させてなくて・・・」

 

「ああ・・・なるほどな・・・」

 

そのとき誘導魚雷っていう言葉で思い出したことがあった。

 

「あ、そうだクロ」

 

「何ですか?」

 

「お前誘導魚雷決戦時以外禁止な」

 

「えっ!?なななな何でですか!?」

 

「あれな・・・めっちゃコストかかるんだ・・・」

 

「あ、ああ・・・」

 

物自体は二次大戦兵装なんだが・・・性能がな・・・

 

「あ、そうだ、俺用事あったんだ」

 

「あ、すみません!時間とらせてしまって・・・」

 

「いやいや、その本でしっかり勉強して次の作戦も頼むよ!」

 

「了解です!」

 

とりあえずアイスを俺の分と電と分、あと電が好きなお菓子を買って店を出た。

 

「ふ~・・・さぶ・・・ただいま~」

 

やっぱりまだ電は風呂かな

とりあえずのんびり待つかねぇ

 

「暖房つけてなかったな・・・さむっ・・・」

 

この気温じゃ風呂上りの電は風邪引くな・・・

なんてことしてると

 

「お先、なのです!」

 

「お、おかえり、アイス食うか?」

 

「アイスですか?あれ、冷凍庫には無かったですよ?」

 

「さっき買ってきたんだよ」

 

「わ、私に・・・ですか?」

 

「ああ、俺の分もあるがな」

 

「ありがとうなのです!」

 

電はいきなり飛びついてきた。

おぅふ・・・シャンプ-のいい香りが・・・ああ・・・幸せ・・・

 

「あ、私髪乾かしてなかった・・・」

 

「んじゃ俺のひざの上座れ、髪乾かしてあげるよ」

 

「あ、ありがとう・・・なのです」

 

「んな照れんなって」

 

電は俺のひざの上に座って鼻歌を歌っていた。

 

「~♪~♪」

 

「それ、この前UPされたばっかりのボカロ曲だろ?」

 

「あ、知ってたのです?」

 

「イムヤのヤツが教えてくれたんだよ」

 

「うぅ・・・私が教えようと思ったのにぃ・・・」

 

「はは、よしよし」

 

ドライヤーで髪を乾かしながら撫でてやる。

 

「ふあああ・・・・ちょっと・・・眠くなってきたのです・・・」

 

「んだな~・・・寝るか」

 

「なのです!」

 

この前布団を少し大きめのを買ったから電といっしょに寝れるぜ・・・!

 

「司令官さん、今日はお疲れ様なのです」

 

「それを言うなら俺より潜水艦連中と実動艦隊に言ってくれよ」

 

「えへへ、でも司令官さんが先なのです」

 

「ホント可愛いなもう!」

 

頭を撫で回してやる

 

「ふにゃああああ!!!ボサボサになるのですうううう!!」

 

「かまうもんかっての!」

 

「や、やめてええええ!!」

 

可愛い声で抵抗してくる。

ああ・・・可愛い・・・

とか思ってると俺の手をつかもうとした電の手が俺のMy sonを直撃する

 

「ポゥッ!?」

 

「はにゃ!?」

 

下半身に走る激痛・・・Oh...

 

「し、司令官さん大丈夫なのです!?」

 

「う、うん・・・大丈夫じゃない・・・」

 

「はわわ・・・い、痛いのこの辺ですか?」

 

「ファッ!?」

 

電はさっきブッ叩いた俺のMy sonを撫でてくる。

・・・・・・・・・・・・やめろおおおおおおおおおお!!!

 

「ちょ、い、電待て!」

 

「で、でも・・・撫でてたら痛みは・・・」

 

「そこは特殊だから!」

 

「特殊?」

 

電は何のこと?見たいな顔をして今撫で回してる部分を覗きこんだ

 

「ぴ」

 

「ぴ?」

 

「ぴやああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

 

「ぶべらああああああああ!!!!!!!!」

 

ものすごい勢いで布団が飛び出してきたのはいいが、ものすごい力でMy sonを握り締められ顎に頭突きを食らった・・・

ああ・・・意識が飛ぶ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

~朝~

 

「ん・・・ん・・・?朝か・・・」

 

時間は6時・・・よく気絶してて起きれたな俺・・・

電はどうした?と思って横を見ると頬に涙の筋を作って俺に抱きついて寝ていた。

ああ・・・泣いてたのね・・・

 

「お、おーい電~」

 

「ん・・・んん・・・?しれーかん・・・・」

 

「起きたか~?」

 

「ん・・・ふああああ・・・おはようなのです・・・」

 

とりあえず今は泣いてなさそうなのでよかったよかった。

 

「司令官さん・・・昨日はごめんなさいなのです!」

 

「ああ、大丈夫だよ」

 

「でも・・・」

 

「大丈夫だって!AKで撃たれるよりはマシだよ・・・」

 

そう・・・あれはイラクで・・・あ?何?聞いてない?分かったもう言わない

 

「そういや視察の何とかクソッタレ少佐だっけ?」

 

「そ、その言い方は・・・えっと寺田少佐です」

 

「了解、まぁ本人の目の前でファック言わないように頑張るよ」

 

「そ、それ言ったらおしまいなのです・・・」

 

「とりあえず顔洗って朝ごはんにしよう」

 

「なのです!司令官さんはそこで待っててくださいなのです!」

 

「あ~・・・ちょっとだけ外でてきていいか?」

 

「早く帰ってきてくださいね」

 

「はいよ」

 

さて・・・監視カメラと機銃をリンクさせねば・・・

ふはははははは!!!この鎮守府は7.62mm機関銃がそこらへんにあるんだぜ!

侵入者(視察官)は排除しないとな!

とりあえず動くことだけ確認してっと・・・

 

「電~ただいま~」

 

「おかえりなのです!」

 

おお・・・味噌汁のいい香りが・・・

 

「召し上がれなのです!」

 

「いただきます」

 

ああ・・・目の前のメニュ-よりポニテでエプロン姿の電が可愛すぎてご飯3杯はいける・・・

ああもう電をいただきますした(ry

 

「電、今日の予定は何があったっけ?」

 

「えっとですね・・・お昼に視察の方が来られて・・・えっと・・・あ、1000から潜水艦演習です!」

 

「了解、あとは鎮守府待機か・・・んじゃひとつお願いしたいんだが・・・」

 

「なんですか?」

 

「リ級とイ級をどこかに隠すか変装して外出させてくれないか?」

 

「あ、確かに隠さないとヤバイですね・・・」

 

とりあえずソイツが来てまずいいそうなセリフが戦果についてだろうな~・・・

なんて不安に思いながら朝ごはんを食べていた。

 

「ふぃ~・・・ごちそうさま」

 

「おお・・・米粒残さず完食なのです・・・」

 

「電の作った料理は残すわけないよ」

 

「う、うぅ~・・・照れるのです!」

 

「へっへっへ」

 

「笑い方ゲスいのです!?」

 

「ゲ、ゲス!?」

 

なんてやり取りしてたら司令室に行かねばならない時間に・・・

 

「あ、こんな時間か・・・んじゃ司令室行こうかね」

 

「なのです!」

 

「あ、電、一応視察官にお茶くらい出してやらんとアレだからお茶葉買ってきてくれないか?」

 

「なのです!」

 

「ありがとうな、あ、金剛が紅茶が買いたいって言ってたから金剛も連れて行ってやってくれ」

 

「了解なのです!」

 

寮の出口で分かれる。

さてと、潜水艦演習か

そんなこんなで司令室

 

「あ~・・・ねむ・・・」

 

昨日の疲れかまだ眠い・・・

大あくびしてるとイムヤたちが入ってきた。

 

「これより演習に行ってきます!」

 

「おう~気をつけてな~」

 

「・・・なんでそんなダルそうなの?」

 

「・・・今日視察が来るっていうからダルくて仕方ない」

 

「あ~・・・そういう・・・」

 

「まぁ行ってらっしゃいな」

 

潜水艦たちを見送ってとりあえず暇になった・・・

銃の整備でもしようかな

 

「そういえばこの前米軍から買ったハ-プ-ン発射機どこに設置しよう・・・」

 

一応艦娘が出払っている時のために米軍から深海棲艦にも有効な対艦ミサイルを買ったのはいいが・・・

ICBMサイロにトマホ-ク発射機に・・・置く場所なくなってきたな~・・・あ、CIWS無いわ

 

「追加発注しとこっと」

 

とりあえず知り合いの武器商に追加でCIWSとPAC3など地対空ミサイル一式を注文しておく

そういえば・・・ほかの鎮守府に訪問したとき対空砲置いてるとこはあってもミサイルとかは無かったな・・・

何で皆置かないんだろうね←

 

「おし、これでOKっと」

 

何気に外を見ると最近米軍機の離着陸量が増えた気がする・・・この前の作戦で米本土から資源を送ってくれることになったから少し家計が助かった。

まぁ・・・資源って言ってもシンファクシ一隻運用するだけで全部飛ぶような量なんだけどね・・・海路がふさがれてたら空輸だけだし仕方ないっちゃ仕方ないかな

そんなこんなで色々してると午後になる

 

「はぁ・・・もうちょいで来るのか~・・・」

 

なんてため息ついてるとドアがノックされた。

 

「どうぞ」

 

「失礼する」

 

「お客様連れてきたのです!」

 

「お、ご苦労さん」

 

・・・・・・・来たのか~・・・

 

「お初にお目にかかる大佐殿、私は寺田だ。」

 

「ご丁寧にどーも。まぁ、お茶でもどうです?」

 

「そうだな・・・いただこうか」

 

コイツ・・・すっげぇ嫌なヤツそうな顔してる。言い方とか・・・

何かこう・・・目は細目で人を見下した物言いしやがるよ・・・キツネみたいな顔しやがってこのキツネ野郎。

しかもお前・・・電のことじろじろ見てるといてまうぞワリャアアアア!!

 

「司令官殿、少し思ったことがあるんだが?」

 

「ん?なんです?」

 

「この鎮守府、何故アメリカの航空機の発着量が多いんだね?」

 

「ああ、ちょっと施設の改良のために色々持ち込んでるんですよ」

 

「色々とは?」

 

クッソコイツなんか薄~くニヤけてるのが気に入らん。腹立つ。

 

「あれですよ、対艦ミサイルとか迎撃ミサイルシステムとかCIWSとか」

 

「ミサイル・・・だと・・・?」

 

「ああ、あと大陸間弾道弾とかですね。あ、もちろん通常弾頭の・・・あれ、サーモバリック弾頭あったっけ?」

 

「君は・・・!」

 

何で青筋浮かべてんのコイツ

 

「君は・・・それでも日本軍人か!!」

 

「・・・えええええええ!?!?」

 

何でキレたの!?わけがわからないよ!

 

「貴様ァ!この伝統ある日本軍の戦略にミサイルなどと甘っちょろい兵器を使うつもりか!!」

 

「・・・・いやいやいや!!!今21世紀だからね!?」

 

「偵察機で得た情報を元に戦略を組み艦隊決戦をするのが我が日本海軍だろう!そんなアメリカの卑怯で汚い戦法を持ち込むな!」

 

「・・・・理不尽すぎね?」

 

「理不尽などであるものか!」

 

「いやまぁ・・・てか偵察機なんて撃墜されたら終わりでしょうに・・・宇宙空間からの偵察か、無人機が妥当でしょ」

 

「貴様ぁ・・・・・!!」

 

あ、これアカン、怒りが沸点こしてるわ。

てかコイツ頭の中昭和かどっかで止まってんの・・・・?

 

「軍司令部の意向だぞ!この戦法は!だいたい艦娘たちが衛星の電波などキャッチできるものか!!」

 

「え、俺が伝えたりPDA持たせてるんですけど・・・」

 

「どこまで弛んでいるんだ貴様はあああああああ!!!!!!!」

 

「いやいやいや!!!これ一番いい戦略でしょうが!!!」

 

「いいものか!アメリカの手先め!!」

 

「え、俺悪い言い方するとアメリカ軍の手先なんだけど・・・」

 

一応米軍の指揮下に入るし・・・

 

「ふざけているのかああああああ!!!」

 

ああ・・・もういいやめんどくさい・・・

 

「ああ~・・・まぁ落ち着いて・・・」

 

「はぁ・・・はぁ・・・この話は後だ。本題に移ろう」

 

めんどくせぇ・・・コイツ撃ち殺して沈めても大丈夫かな

 

「司令官、君のところは何故あまり出撃しないんだ」

 

「あ~・・・・まぁ・・・最近のはえげつないの多いですからね~・・・」

 

「だから何だと?」

 

「いやだから、こいつ等が被弾、轟沈は嫌なんですよ」

 

「・・・君は兵器に情を持つのか?」

 

あ、コイツあれだ、ホントにウザいヤツだ

スナイパ-配置しとけばよかった・・・

 

「そういえばこの秘書艦の電・・・だったか?この指輪・・・愚の骨頂だな」

 

その言葉で電の額に青筋が・・・あ、すごい笑顔だ・・・

 

「あ~・・・少佐殿・・・?謝ったほうがいいかも・・・」

 

「意味が分からないな。兵器に情を持つなど・・・兵器など所詮消耗品・・・損失が怖くて戦争に勝てるものか」

 

「あ、あの・・・少佐・・・?」

 

電がすごい笑顔なんだけど・・・手とかいろんな場所に青筋が出てる・・・ヤバイ

 

「しかし・・・ケッコンなど・・・私がここの提督ならそんなことする前に進撃させ・・・・あっつぁぁぁ!!!」

 

電が笑顔であっつあつのお茶をぶっ掛けていた・・・

 

「はわわわわ!!!ごめんなさいなのです!!」

 

「貴様ぁ・・・・!!!」

 

「す、すぐに拭くのです!」

 

やったぜみたいな顔して布巾を取りに行った。

 

「司令官!貴様いったいどういう教育をしているんだ!いくら司令官より階級が低いとは言え本部からのものだぞ!」

 

「ああ・・・まぁ・・・不慮の事故ですし・・・」

 

「ああ・・・そうか、貴様がクズだから艦娘もこうなるんだな」

 

カチンと来たが・・・まぁ・・・電がさっきより2倍の青筋と笑顔を浮かべて帰ってきた・・・

 

「少佐」

 

「何だ!!まだしでかす気かこの小娘が!」

 

「司令官の悪口言うとはいい度胸なのです・・・表出ろ」

 

「え」

 

あ~あ・・・

 

「表に出ろ・・・だと・・・!?ふざけるのも大概に・・・ぐはっ!!」

 

1HIT!

 

「き、貴様・・・ぐわあああ!!」

 

2HIT!

 

「電の本気を見るのです!!」

 

目にも止まらぬ速さで少佐をぶん殴っていく。

 

・・・・・いいぞもっとやれ

 

「ぐわあああああああああああああああ!!!!」

 

100HIT!

フルボッコだドン!

 

「司令官への言葉には気をつけろなのですこの雑種が」

 

気絶している少佐に唾を吐き捨てた・・・

あ、ちょっとその唾は欲し(ry

まぁ・・・とりあえずほっとこ・・・

そのうち起きるだろ。

とか思っていると・・・

 

「ぐっ・・・き、貴様ぁ・・・」

 

もう一回ボコれるドン!

 

「まだ生きてたのですか・・・」

 

「ふざけやがって・・・」

 

腰から十四年式拳銃を取り出す・・・

さすがにコレはヤバイのでこの前納入したばかりのSIG226を取り出す

とりあえず銃だけ撃って・・・と思ったが安全装置かかったままなので大丈夫かな

 

「ははは、セ-フティ-がかかってるぞ、ル-キ-」

 

「ル、ル-キ-だと・・・!?俺はこの道10年のベテランだぞ・・・!」

 

と安全装置を確認しようとしたとこで・・・

 

「なのです!!」

 

「ぐはあああああ!!!!」

 

K.O!

今度こそ完全に気絶した。

 

「次生き返ったら海に沈めてやるのです」

 

「あ~・・・電、もう気絶してるから一応メディック呼んどいて・・・」

 

「むぅ・・・仕方ないですね・・・」

 

一応呼んでやるところはホント優しいな・・・

しかし・・・起きたら起きたでめんどくさそうだな・・・

てか考え方古風すぎんよ・・・

そんな感じで視察が始まった。

 

 

・・・・・・・早く帰ってくれないかな

 




今回は頑張った。ぷらずまちゃん頑張った。
まぁ・・・前回微妙だったし多少はね?


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提督の遠征

明日明後日は確実に投稿できないから長めだお☆



これ・・・処理どうしよ・・・

気絶した少佐を見て嘆いていた。

 

「この生ゴミどうするのです?」

 

「お、お前結構怒ってる?」

 

「激おこなのです」

 

笑顔だが額に青筋浮かんでる・・・

なんてことしてると・・・

 

「う・・・ぐ・・・」

 

あ、起きた。

生命力だけは強いね

 

「うっ・・・ここは・・・」

 

「あ~・・・少佐、置きました?」

 

「・・・司令官殿か・・・?あれ・・・まだ視察にはついていないはずだったが・・・」

 

やったぜ、記憶富んでる。

 

「ああ、お疲れのようでちょっと寝てましたよ」

 

「見苦しいところをお見せしたな・・・すまない」

 

「いえいえ」

 

こちらとしたら覚えられてるのがめんどくさいからむしろ好都合だぜ

 

「ところで視察って何なんです?」

 

「ああ、そうだな・・・その前に司令部から預かった話なんだが・・・」

 

「何です?」

 

「君の鎮守府・・・何故こんなにもアメリカの航空機・・・それに米軍が多い?」

 

「あれ、俺の前歴知りません?」

 

「元空軍・・・あとは米軍だろ?」

 

「そうですよ。だからちょいちょいアメリカから物資輸入したりとか」

 

「なるほど・・・まぁそれならいいんだが・・・」

 

お、さっきみたいにキレなかった。

後ろで電が笑顔でスタンバってるけど・・・

 

「あ、それとだ、君にもうひとつ司令部からのお願いでだな」

 

「ん?お願い?」

 

「まぁ出張だ。秘書艦を連れて」

 

「へぇ・・・」

 

「呉に新人提督が着任したんだがそこの教導に行ってやってくれ」

 

「あ~・・・了解です」

 

めんどくさいなんて思ったのはナイショ

 

「ところで提督殿」

 

「何です?」

 

「何故君の鎮守府はこんなにも意味の分からん武装が多いんだね」

 

「い、意味の分からん?」

 

え、結局その話に戻るの!?

 

「当たり前だろう。ほかの鎮守府でさえ対空砲程度だぞ?それを何故、誘導弾などという兵器を配置してあるんだ」

 

「いやまぁ・・・防衛でして・・・」

 

「防衛にそんなものが必要なわけあるか!」

 

「いや大有りでしょ!」

 

「いや無い!この伝統ある日本軍にミサイルなどという兵器など必要ない!」

 

「いやいやいや・・・」

 

「言わせてもらうがな提督殿!こんな甘っちょろい事をするから錬度が上がらないんだ!」

 

「ええええ・・・・関係なくね・・・?」

 

「関係は大いにある!そんな兵器に頼って何ができる」

 

「敵の撃破」

 

逆に敵の撃破以外何ができるんだよ・・・

 

「いいや出来ない!そんな甘い考え方で戦争に勝てるものか!捨て身の精神で突撃し撃破してこそ日本軍だろ!」

 

「何かそれ違う希ガス」

 

「違わない!」

 

なんて言い争いしてると・・・

 

<<警報!!警報!国籍不明の爆撃機、鎮守府に接近中!>>

 

「ば、爆撃機だと!?」

 

「いい機会だ、君の艦隊の錬度を見せてもらおう」

 

「いや・・・今回は出しませんよ・・・?」

 

とりあえず無線で・・・

 

「スクランブル配置の機はただちに離陸、写真撮影と警告射撃を行え!」

 

<<てーとく、撃墜しなくていいの?>>

 

「撃墜は出来たら頼む、ただ、味方の場合があるから注意しろよ」

 

<<了解!>>

 

外を眺めると2機のF-14Dが離陸していった。

あ、もちろん妖精さんね

 

「ジェット機だと・・・?どこまでふざけてるんだ!」

 

「いや・・・近代化して何が悪いの!?」

 

「悪いに決まっている!そんなので日本軍を語るなど・・・この非国民めが!!」

 

「ええええええ!?普通そこまで言う!?」

 

もう怒りというか呆れというか・・・

なんてやり取りを10分ぐらいしてると・・・

 

<<てーとく、爆撃機はアメリカのB52だったよ>>

 

「ん?この鎮守府にか?」

 

<<うん、何かてーとくが注文したものお届けにだって>>

 

宅配便をフライトプラン未提出アンド爆撃機で届けんな!!紛らわしいわ!!

 

「貴様・・・今度は何を買った!?」

 

「え、ええっと・・・CIWSと対空ミサイル一式・・・」

 

「はぁ・・・もういい・・・」

 

やったぜ、諦めた

 

「とりあえず、鎮守府の視察だ。施設の案内をしてくれ」

 

「了解です」

 

とりあえず外連れ出すか・・・

何で本部はこんなめんどくさい人種を送ってくるんだチクショウ

 

「とりあえずここが艦娘寮、その向こうは工廠です」

 

「ふむ・・・なかなかいい立地だな」

 

「んで・・・この先には一応立ち入り禁止なんですけど・・・行きます?」

 

「立ち入り禁止?何がある?」

 

「ミサイルサイロ」

 

一瞬イラッとした顔をしたが頑張って真顔に戻してた。

てかコイツ真顔がニヤケ顔ってちょーキモいんですけど~

まぁそんなこんなで施設も見終わり・・・

 

「ふむ・・・まぁまぁだな・・・」

 

「そりゃどーも・・・」

 

とりあえず途中からミサイルをノリノリで観察してたぞコイツ・・・

 

「ふむ・・・まぁ・・・問題は無いか」

 

よし帰れ!さっさと帰れ!

 

「よし、特に大きな問題も無いな。私は本部に帰るとしよう。提督殿、出張はよろしく頼むぞ」

 

「了解っす」

 

やったぜ・・・視察もそんなかからなくて助かった・・・

とりあえず一応義理なので送って行ってやろう・・・

 

「少佐、帰りは何で?」

 

「ああ、車だ」

 

・・・轢かれろ!

とか思ったけどまあいいか

 

「そういえば艦娘の量が少ないな、どうしたんだ?」

 

「あ~・・・演習行ったり遠征行ったりですね」

 

なんて話してると・・・

 

「提督提督提督うううううう!!!!!」

 

「ん?」

 

あれ・・・島風か?

 

「島風か?どし・・・」

「ぎゃあああああああああ!!!!」

 

艤装装着したままの島風に少佐が跳ね飛ばされていた・・・

時速40ノット・・・うわぁ・・・時速80kmで跳ねられるとか・・・しかも駆逐艦に・・・

 

「おうっ!?」

 

「いやおうっ!じゃねえよ!!人身事故起こしてんじゃねーかああ!!!」

 

「あれ、何か跳ねたの?」

 

「何かじゃねえええええ!!!」

 

本来なら嬉しいんだけど・・・・

 

本部にどう報告しよう・・・

 

「お前・・・駆逐艦が人身事故って洒落になんねーぞ!」

 

「おうっ!」

 

「だからおうっ!じゃねえええええええええ!!!!」

 

ちなみに肝心な少佐は海に飛んでいったあと何故か飛び出してきたクジラに食われてた。

・・・・なんで鎮守府近海にクジラ生息してるんですかねぇ(困惑

 

「はぁ・・・とりあえず電話かけとこ・・・」

 

本部のほうに電話をつなぐ。

どう言おう・・・・

 

<<む、どうした?君からとはまた珍しいな、寺田君は何してるかね?>>

 

「ああ・・・その・・・少佐なんですけど・・・」

 

<<?>>

 

「クジラに食われちゃって・・・」

 

<<ファッ!?>>

 

今電話越しにありえん声が聞こえた気がする

 

<<え、ちょ、どういうことだね!>>

 

「で、ですから・・・海に落ちてクジラに・・・」

 

<<な、なぜ海に落ちたんだね・・・>>

 

「あ~・・・何か白い粉吸って錯乱したっぽいです」(大嘘)

 

<<やはりか・・・実はヤツは違法薬物をしてる疑いがあってな・・・>>

 

え、マジ?ラッキ-

 

<<ふむ・・・まぁ自業自得だ、君に責任はない>>

 

「はぁ・・・ありがとうございます」

 

<<ところで・・・呉に出張は聞いたかね?>>

 

「ああ、はい」

 

<<あれな・・・明日で頼む>>

 

「ファッ!?」

 

早くね!?

 

<<着任が早まって・・・すまない!頼む!>>

 

「ま、まぁ・・・大丈夫ですが・・・」

 

<<では頼むぞ!>>

 

いきなりすぎんよ!

まぁ・・・電も一緒に来てくれるからいいんだけどね

とりあえず電話を切り司令室に帰る。

 

「ふぅ・・・ただいま~」

 

「あ、おかえりなのです!生ゴミはどうなりましたか?」

 

「・・・まだ怒ってる?」

 

「激おこなのです!」

 

「まぁアイツなら島風に人身事故起こされてクジラに食われたよ・・・」

 

「・・・ざまぁ」

 

電の口が悪くなっていく・・・嗚呼・・・

 

「あ、電、明日出張行くぞ」

 

「は、え!?」

 

「呉鎮守府の新人提督の教導だとさ」

 

「わ、私もですか?」

 

「うん」

 

まぁいきなりすぎるよな~

 

「い、急いで準備なのです!」

 

そういうと電は急いで司令室を飛び出していった。

俺は・・・とりあえずその新人とやらを見とくか・・・

え~っと・・・デ-タベ-ス開いてっと・・・

 

「コイツか?」

 

女性提督なんて珍しいな・・・年が・・・

 

「年が18!?」

 

高校生!?いいのこれ!?

 

「ま、まぁ・・・いいか・・・」

 

とりあえず仕事は終わってるし部屋に帰るかな。

時刻は1700・・・疲れた~・・・

学生時代のバイトに比べたらマシだけどね

 

「ただいま~」

 

「あ、おかえりなのです!晩御飯はもうちょっとでできますよ」

 

「お、ありがとう。今日は何?」

 

「今日は電特製カレ-なのです!」

 

「おお!そりゃ楽しみだ!」

 

あ~・・・カレ-の香りが・・・

てか・・・このカレ-、駆逐艦「電」じゃなくて護衛艦「いなづま」のカレ-の香りにそっくりなんだけど気のせい?

 

「電、明日なんだが朝の4時の始発でここ出ようと思うんだけどいい?」

 

「朝の四時の電車ですか?」

 

「いや、五時のだけど4時前にはここ出ようかなって」

 

「そうですね・・・遅れたくないですからね」

 

「とりあえず向こうには行くことだけ伝わってるらしいから」

 

「なのです!」

 

電はご機嫌でカレ-を煮込んでいる

 

「あ、明日から当分指揮を誰に任せよう・・・」

 

「ん~・・・アンドロメダさんあたりがいいのではないですか?」

 

「確かにな・・・秘書艦は・・・ケストレルでいいかな」

 

「そのほうがいいと思うのです!」

 

「あとは・・・そんなもんか」

 

事務処理みたいなのも終了したのとほぼ同時に電のカレ-も出来上がる。

 

「おお!!うまそう!」

 

「召し上がれなのです!」

 

笑顔で差し出してくれる・・・ああ・・・可愛い・・・

そして美味い!!

 

「し、司令官さん食べる速度すごいのです・・・」

 

「おかわり!」

 

「な、なのです!」

 

うますぎる!(某ヘビ風)

 

「ふぅ~・・・食った食った・・・」

 

「すごい食べっぷりだったのです・・・」

 

「だって美味かったしな!」

 

「えへへ・・・今度は司令官さんの作ったものも食べたいのです」

 

「お、いいぞ!俺の学生時代は紛いなりにもホテルの厨房勤務だったからな!」

 

「はじめて聞いたのです!」

 

「腕が衰えてなければ何か作ってあげるよ」

 

「なのです!」

 

さて、風呂でも入るかな

 

「電、もう風呂行って寝ないか?」

 

「もう・・・ですか?」

 

「明日早いしな」

 

「そうですね・・・私も行くのです!」

 

というわけで風呂に行く。

今日はのんびりつかろっと・・・

そんなわけで風呂にのんびりとつかりのぼせる前には出た。

てかこの浴場・・・男俺だけなのに広すぎないか・・・

 

「ふ~・・・ただいま~」

 

部屋に帰ってもまぁ・・・電はまだ帰ってきてない。

さて、布団しいて寝る用意はするかな

布団を敷いてると電も帰ってきた。

 

「司令官さん早いのです・・・」

 

「ははは、まぁ男なんてそんなもんだよ」

 

「そう・・・なのです?」

 

てか何か電がやたらと顔赤いし目がキョロキョロしてんだけどどうしたんだろう・・・

風邪かな?

 

「さて、寝るか」

 

「あ、ちょっと髪だけ乾かしてくるのです!」

 

「はいよ~」

 

とりあえず俺は布団入っとくかな

 

「ふあああああああ・・・・」

 

「お疲れなのです?」

 

「ちょっとな・・・」

 

「し、仕方ないですね・・・」

 

「ん?仕方ない?」

 

すると電が・・・

 

「えいっ!」

 

「ファッ!?!?」

 

いきなり後ろから抱き着いてきておまけに俺のMy sonに手を伸ばしてきた。

どゆこと。

 

「いいいい電!?どした!?」

 

「い、イクちゃんから・・・その・・・司令官を元気にする方法教えてもらったのです・・・」

 

「・・・・・・・・アイツ・・・」

 

「で、ですからこ、今晩は寝かせないのです!」

 

「待ってお願い待って」

 

「も、もう待てないのです!わ、私だってそういう気分になるときはなるのです!駆逐艦の夜戦を舐めたらダメなのです!」

 

「ええええええええええ!?!?」

 

いろいろ状況が掴めないが・・・とりあえずイクGJ。

帰ったらビ-ルおごってやる(フラグ

まぁそんなことしてる間に電はまた生まれたまm(ry

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~朝~

 

「んんんんん・・・・いててて・・・」

 

まだ外は暗い、まぁ今3時だしな

 

「電~・・・?」

 

「すー・・・くー・・・」

 

「可愛い寝顔しやがってコイツは・・・」

 

とりあえず電は疲れてるようだしおんぶでもして連れてってやるかな。

てか着替えどうしよ・・・まぁ・・・どうせ昨日はアレだったから今更、電の服着替えさせるのがどうとか言うんではないけどな・・・

起こさないようにするか。

 

「起きるなよ~」

 

とりあえず寝巻きだけ脱がせて普段着のセ-ラ-服を頑張って着させてみる。

 

「ふっ・・・ぬんっ!!」

 

難しい・・・!

まぁ、5分くらい格闘して何とかなった。

 

「さて・・・行くかな」

 

電はまだ可愛い寝息を立てて寝ている。

すると・・・

 

「隊長」

 

「お?どした?」

 

アンドロメダが部屋まで来ていた。

 

「あ、起きてましたか」

 

「ああ、どした?」

 

「いえ、今日は私が指揮官ということでいいんですよね?」

 

「ああ、そう伝えたろ?」

 

「ちょっと不安でして・・・」

 

「気にすんな、困ったことがあったら俺に連絡して来い。あともし敵泊地見つけたら、鎮守府にある装備全部使っていいからヤツらを石器時代まで戻してやれ」

 

「りょ、了解です」

 

「さて、俺はもう行くよ」

 

「あ、お荷物持ちましょうか?」

 

「あ、すまんお願いできるか?」

 

「はい、お任せください」

 

「電の荷物だけ持ってやってくれ。あともし忘れ物あったら空輸で空中投下してくれたらいいから」

 

「だ、大胆ですねぇ・・・」

 

「いいのいいの」

 

「駅までですか?」

 

「いいのか?」

 

「いえいえ、私もちょっと朝の散歩と日の出を見たかったので」

 

「そか、そんじゃお願いするよ」

 

「了解です」

 

そんなわけで二人で鎮守府を出る。

電は相変わらず可愛い寝息を立てている。

 

「ねぇ隊長」

 

「ん?」

 

「電ちゃんどうしたんですか?」

 

「ああ、疲れが溜まってたみたいだな」

 

「そうですか・・・あ、そういえば隊長」

 

「ん?」

 

「い、電ちゃんともう・・・その・・・やっちゃったんですか?」

 

「・・・・!?」

 

「し、しちゃったんですか」

 

「ま、待て・・・まだアレだ・・・その・・・」

 

アンドロメダは顔を真っ赤にしつつも興味津々で聞いてきやがる

 

「どうなんですか?」

 

「そ、そりゃお前・・・」

 

「やっぱりですか~・・・ケストレルさんと賭けてたんですよ」

 

「おい」

 

「でも私の勝ちですね♪避妊してたっぽいので」

 

「何で知ってんの・・・!?」

 

「なんとなくです」

 

「そ、そか」

 

なんて話してるうちに駅に着いた

 

「すまんな、荷物持たせて」

 

「いえいえ、ではお気をつけて」

 

「おう、ありがとな」

 

アンドロメダは少し微笑んでから鎮守府に帰っていった。

電車はすぐ来たのでとりあえず乗る。

東京駅から新幹線に乗り換えないとな・・・

 

「ふぅ・・・」

 

電を椅子座らせて俺も一息つく

電の艤装は後からC130で空中投下してもらう予定だ。

 

「す~・・・す~・・・」

 

電はまだ気持ちよさそうに眠っている。

とりあえず少しだけはのんびり出来そうだ。

・・・東京駅って何であんなに迷路なんだろうね。

 

「そろそろ東京か・・・」

 

次の駅が東京だ。

とりあえず電を背負って荷物を持つ。

電自体は軽いからそんなに苦じゃない。

とりあえず新幹線乗るか。

電光掲示板から広島行きを探して乗り込む。

 

「ええっと席は・・・あったあった」

 

電を窓際に座らせてやって荷物を置く。

ふぅ・・・疲れた・・・

 

「すー・・・くー・・・」

 

まだ朝の6時前、お疲れだなホント

電の幸せそうな顔を見ながらそんなのこと思ってると・・・

 

「ん・・・んんんんん~~~~・・・」

 

「おはよ、電」

 

「ふあああああ・・・おはようなのです・・・あれ・・・?」

 

「ああ、もう新幹線だよ」

 

「あれ!?い、今何時ですか!?」

 

「6時前」

 

「ごごごごごめんなさいなのですうううう!!!」

 

「そ、そんなに謝んな」

 

「で、でも・・・」

 

「よしよし」

 

「はぅ・・・」

 

「あと4時間ぐらいかかるんだ、寝とくか?」

 

「い、いえ・・・もう大丈夫なのです」

 

「そうか?」

 

とりあえず電は目が覚めたそうなのでよかった。

あとはのんびり電車の旅だな。

 

「ふああああああああ・・・・・」

 

「司令官さんが今度は眠そうなのです」

 

「ちょっと眠いかな・・・」

 

「寝とくのです?」

 

「うん、ちょっと寝るよ」

 

「了解なのです!おやすみなさいなのです」

 

「おやすみ~」

 

とりあえず30分ぐらい寝とこ・・・

 

 

 

 

 

 

 

~4時間後~

 

「ん~・・・・はっ!?」

 

いつの間にか岡山駅を通り過ぎていた。

 

「あ、おはようなのです」

 

「お、俺こんなに寝てたのか」

 

「はい、ぐっすりでしたよ」

 

「う、すまん・・・」

 

「ぜ、ぜんぜん大丈夫なのです!」

 

とりあえず降りる用意だけはしとかないと・・・

いろいろしてるうちに広島についた。

駅からは向かえがくるのでそれに乗って鎮守府へ向かう。

 

「新人の提督さん・・・どんな人なんでしょうか・・・」

 

「ん~・・・写真見た感じ清楚な女の子みたいな感じだったぞ」

 

「女性の方なのです!?」

 

「あれ、知らなかった?」

 

「い、今知ったのです・・・」

 

「あら、マジか」

 

そんな話をしてると目の前にどっから持ってきたのかBTR-60が来た。

・・・なんでロシア製の兵員輸送車なんですかねぇ・・・

とりあえず呉行きみたいなので乗り込む。

中は改造してあって装甲がくっついた高級リムジンみたいだった。

新人か・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やるべきことは一つだな(ゲス顔

やはり、先輩として洗礼は受けさせないとなぁ・・・ハッハッハ

え、何するかって?そんなもんお前、ALL999建造よ!




最初のほうは面白くないかも・・・あ、それと新人提督はオリキャラですので悪しからず


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出張一日目

「司令官さん、今日からいつまでが出張なのです?」

 

「ん~・・・3日だったかな?もしかしたら伸びるかも」

 

「なかなかに長いのです・・・」

 

そんな話をしていると呉についた。

 

「お、到着か」

 

車外にでると

 

「お、お待ちしてました!!」

 

「ん?あ、君が新人提督?」

 

「は、はい!階級は少佐です!」

 

「若いのにお疲れだな」

 

「いえ・・・そんな・・・」

 

「とりあえず施設案内お願いできるかな?あと、この子は秘書艦の電、よろしく」

 

「電です!よろしくお願いしますなのです!」

 

「よろしくお願いします!えと・・・荷物は寮にお部屋を準備してますので・・・」

 

「ありがと」

 

「怖い人じゃなくてよかった・・・」

 

「ん?何か言ったか?」

 

「あ、いえ何も!」

 

「あ、ところで建造とかしたの?」

 

・・・状況開始だ(ゲス顔

 

「いえまだです」

 

「お、じゃあ一発行ってみよう!ALL999とかでやったらすごいのでるぞ!」

 

「ほ、ほんとですか!?やったぁ!」

 

そのとき俺は罪悪感を覚えたが正直面白いのでそんなもん無かったことにした。

そんなわけで工廠

 

「あ、私、天音って言います!」

 

「俺はイ-グルアイだ。階級は大佐だよ」

 

自己紹介も終わりさっそく準備する。

 

「お、一発目からすごいねぇ・・・じゃいっくよー!」

 

「よ、よろしく!」

 

妖精は元気に資材を担ぎ込んでいった。

 

「ほいこれ書類!」

 

「お、どれどれなんて書いてある?」

 

ぬふふふふふふ・・・・まだだ、まだ笑うときじゃない

 

「えっとですね・・・15時間・・・・?」

 

「え」

 

・・・・・・・・・・あれ、大型だっけ!?

 

「すごいすごい!これで私も強い子を持てるー!」

 

元気に飛び跳ねているが・・・

 

「あっれぇ・・・」

 

とりあえずどんな化け物が出てくるか・・・

 

「じゃあ高速建造行っちゃってぇー!」

 

「ほいさー!ファイアアアアアアアアアアアアア!!」

 

そして出来上がる。

俺は内心すごい不安なんですけど

 

「呉鎮守府にいらっしゃい!」

 

天音提督はまだ出てきてもないのに歓迎の言葉をかけていた。

すると中からものすごいデジャブを感じる艤装をつけた子が・・・

 

「いらっしゃい!あなたは?」

 

提督は元気に声をかけていた。

俺氏ポカ-ン

 

「・・・アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦フライトI ネ-ムシップのア-レイバ-クです。盾の役目・・・果たします」

 

「おおお!!!やったアアアア!!強そう!提督、ありがとうございます!」

 

「・・・・・・・・う、うん良かったね」

 

えええええええええ!?!?何で!?ア-レイバ-ク何で!?

提督はア-レイバ-クにほっぺたすりすりしていた。

 

「とりあえず・・・司令室案内して・・・」

 

「はい!あ、私の秘書艦ご存知ですか?」

 

「んや、まだ見てないぞ」

 

「電ちゃんは先に行って挨拶してると思うのですが・・・えっと私の秘書官は吹雪ちゃんです!」

 

「ふむふむ、まぁ司令室で挨拶しようかな」

 

というわけでア-レイバ-クも連れて司令室に戻る

 

「あ、司令官!」

 

部屋に帰ると吹雪が天音提督に抱きついていた。

懐かれてるねぇ・・・

 

「はじめまして吹雪です!」

 

「横須賀から来たイ-グルアイだ」

 

「お話は聞いてます!前歴がすごいとか・・・」

 

「ん?そうか?」

 

吹雪とそんな話してると

 

「ねぇねぇ電ちゃん、これってもしかしてケッコン指輪?」

 

「なのです!」

 

「おお!いいなぁ・・・私にもそういう相手欲しいな~(チラッ」

 

吹雪のほうを見たのはいいが普通に無視されていた。カワイソス

 

「そういえば後ろの子は誰ですか?見たことない艤装着けてますけど・・・」

 

「あ、えっと・・・ア-レイバ-ク級ミサイル駆逐艦一番艦 ア-レイバ-クです」

 

「ミ、ミサイル駆逐艦!?」

 

「な、何かおかしいでしょうか・・・」

 

「すごいすごい!この鎮守府二人目にして大きな戦力ですよ司令官!あ、私は吹雪です!」

 

「よろしくお願いします」

 

・・・・なぜ俺がALL999を薦めた相手にはこんな良いのばっかり来るんだチクショウ。

 

「あ、そうだ、せっかくだし演習してみたら?」

 

「え、演習ですか?」

 

「うん、二人で一緒にやってるっていうのはどう?」

 

演習か~

電もやるかな?

 

「電もやるか?」

 

「え、いいのです?」

 

「おう、行ってこい!」

 

「なのです!」

 

そんな感じで演習の予定を立てていると突然の爆音と衝撃波が鎮守府を襲ってきた。

 

「何だ!?」

 

「わ、わかりません・・・て、敵襲・・・?」

 

「クソ!電、どこから攻撃されたか分かるか?」

 

「わ、分からないのです!」

 

「・・・距離20km、対水上目標6」

 

「ア、ア-レイバ-ク・・・?」

 

「すみません、盾の役目を果たすといったのですが探知が遅れました」

 

強襲か・・・ここの戦力は少ない・・・戦艦が来たら最悪だ。

・・・普通の鎮守府ならな。

 

「ア-レイバ-ク、吹雪、お前らは迎撃に向かえ、指揮は俺が取る」

 

「て、提督!?」

 

「大丈夫、状況には慣れてる」

 

「わ、私はどうすれば・・・」

 

「電の艤装がまだだ。ここで補佐を」

 

「なのです!」

 

「わ、私は・・・」

 

「そこで見て学べ、強襲時の反撃だ!」

 

飛び出していった二人に無線をつなげる。

 

「聞こえるか?」

 

<<はい!>>

 

<<聞こえます>>

 

「よーし、楽しい狩りの始まりだ。ア-レイバ-ク、目標への攻撃は主砲のみで行え、戦艦相手ならミサイルも許可」

 

<<了解>>

 

ついでに横須賀にも無線を繋げる。

 

「アンドロメダ聞こえるか?」

 

<<あ、隊長、はい聞こえます>>

 

「例の斧準備して、いつものヤツ」

 

<<どうかなさったんですか?>>

 

「呉が強襲されてるんだ。いつでも使えるように」

 

<<了解!>>

 

さて、こっちも準備OKっと

 

「敵は確認できるか?」

 

<<えっと・・・駆逐3・・・軽巡1・・・戦艦・・・2!?>>

 

「おー・・・やっぱり出てきたか・・・よし、二人とも戦艦以外をやれ、戦艦は任せろ」

 

<<え!?で、でもどうやって・・・>>

 

「へっへっへ・・・」

 

「司令官・・・ゲスい笑いになってるのです・・・」

 

うっ・・・まぁ気にしないようにしよう・・・

 

「アンドロメダ、準備は?」

 

<<できました!座標入力よし!>>

 

「それじゃ・・・」

 

ヤツら腰抜かすぜ!

 

「トマホーク、攻撃始め!!」

 

<<発射!!>>

 

横須賀からトマホ-クミサイルを発射してやったぜ!

ふはははは!!海のもずk・・・違うや、藻屑となって沈むが良い!

てか、よく見たら天音提督、頭抱えて安全姿勢とっとるやん・・・

 

「吹雪、敵艦隊は?」

 

<<何とか駆逐艦は・・・でも・・・>>

 

「どうした?」

 

<<軽巡が逃げ回っててなかなか砲撃が・・・>>

 

「ふむ・・・」

 

こうなったら・・・

盾にセットでついてる矛を使いますかな

 

「ア-レイバ-ク、SSM用意」

 

<<SSM発射用意>>

 

「天音提督、資源ちょっと食うけど俺のとこから送ってるから心配すんなよ」

 

「は、え?」

 

「ハ-プ-ン発射始め!」

 

<<ハ-プ-ン発射!>>

 

白い尾を引くハ-プ-ンは目標の軽巡に迷い無く突っ込んだ。

あとは戦艦か・・・

 

「着弾まで・・・あと20分・・・」

 

「ど、どうするんです・・・?」

 

「ああ、艦隊は帰投させよう」

 

「え!?でも・・・まだ敵艦が・・・!」

 

「ああ、トマホ-クが飛んできてるから大丈夫」

 

「で、でも通常兵器は・・・」

 

「あ、それな、俺らのはアメリカ軍から直輸入の対深海棲艦用のだから」

 

まぁアメリカは艦娘というか既存の兵器を対深海用にしただけだから攻撃能力が高くても的がでかいからねぇ・・・

妖精さんアメリカンサイズですし

 

「提督、とりあえず忠告しとくが・・・ア-レイバ-クにあまり武器使わすなよ・・・?」

 

「え、何でです?」

 

「あれな・・・主砲はそんなにコスト掛からないないけどミサイルがな・・・」

 

「そんなに掛かるんですか?」

 

「そうだな・・・今の君の鎮守府で一発でも撃つと資源全部持っていかれて君のお財布から1億円くらい飛んでいく」

 

「ファッ!?」

 

「そういうわけだから俺のとこに連絡してくれれば資源くらい輸送してやるから・・・ただし、マジで決戦以外撃たせるなよ・・・?」

 

「りょ、了解です・・・」

 

そんなことしてると・・・

 

「あ、二人とも戻ってきたのです!」

 

「お、そうか!電は出迎えに行くか?」

 

「んと・・・いいですか?」

 

「おう!行ってこい!」

 

「なのです!」

 

電は嬉しそうに外に出て行く。

その10秒後くらいに遠方で大爆発が起きた。

トマホ-ク2発の曳火射撃+直撃弾2発をぶち込んでやったからな・・・体残ってたらいいね(震え声

 

「提督、今日の晩飯とかどうするんだ?」

 

「あ、考えてなかった・・・」

 

「皆で買い物でも行くか。まだ3時過ぎだしな」

 

「そうですね・・・」

 

「よし!イ-ジス建造記念に俺が飯奢ってやる!」

 

「ええええええ!?いいいいいですよおおお!!!」

 

「いいじゃないの、可愛い後輩に飯奢るのも先輩の役目だって!」

 

建造ALL999を強要するのも役目です(ゲス顔

そんな色々あった出張一日目。




今回は微妙かも。特に戦闘が。

ア-レイバ-ク級のイメ-ジが上手いこと沸かない・・・どんな容姿にしようかね。
あ、金髪ロングは決定ですので!


挿絵欲しいなぁ(チラッチラッ
ついでに画力が欲しい(迫真


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出張一日目の夜

「さて、晩飯どうするよ」

 

「司令官さん、お鍋がしたいのです」

 

「あ、私も!」

 

「んじゃ鍋しようか!」

 

そんな話してるとア-レイバ-クが

 

「お鍋・・・ですか・・・?えっと・・・変なこと聞くようなのですが日本人は鉄の鍋を食べる文化が・・・?」

 

「え・・・」

 

「あ、あの・・・すみません、まだよく分かってなくて・・・」

 

「え、えっとねア-レイバ-ク、鍋って言うのは野菜とかお肉を一つの鍋で煮てそれを皆で囲んでわいわい食べる料理にことを言うんだよ」

 

「えっと・・・提督、それはつまりバ-ベキュ-のようなものですか?」

 

「うん、それに近いかも」

 

「なるほど・・・」

 

「とりあえずス-パ-でも行くか、今日は俺が材料費出してやるぜ!」

 

「で、でもそんな・・・」

 

天音提督はものすごく申し訳なさそうだが可愛い後輩に飯を奢るのは先輩の役目だぜ!

そんなわけでみんなでス-パ-に向かう

 

「あの・・・大佐」

 

「ん?」

 

「大佐の前歴ってアメリカ軍だったんですよね?」

 

「おう、正確にはアメリカ海軍だがな。あとはウスティオ共和国空軍の外国人傭兵部隊だな」

 

「すごいですね・・・私は高校を出たときにお父さんに海軍に入ることを薦められちゃって・・・」

 

「あれ、入ったばっかなのか?」

 

「はい・・・」

 

「ん・・・?階級おかしくね・・・?」

 

「そ、それが・・・何故かいきなり提督になることになって・・・それから特別措置に階級も・・・」

 

「あ~・・・」

 

「ですから、年上の方に敬語使われるのが・・・」

 

あ~・・・まあしゃ-ない。

階級が階級だからねぇ

 

「お、そろそろス-パ-着くな」

 

ふと後ろを見ると電はもう吹雪やア-レイバ-クと打ち解けていた。

仲いいな~

 

「とりあえず何鍋にするかな・・・」

 

「そうですね・・・私は海鮮寄せ鍋が食べたいです!」

 

「あ、私もそれがいいのです!」

 

「私も海鮮に一票で!」

 

「えっと・・・私は・・・」

 

ア-レイバ-クは鍋がどんなものなのか理解してないようなので・・・説明してやるか

 

「種類が分からないのか?」

 

「はい・・・恥ずかしながら・・・」

 

「ん~・・・簡単に言うと寄せ鍋はス-プに味がついてる直ぐに食べれる鍋で水炊きって言うのが文字どうり水で炊いた鍋だからポン酢とか調味料につけて食べるんだよ」

 

「なるほど・・・でしたら私も寄せ鍋でお願いします」

 

「んじゃ今日は寄せ鍋だな」

 

ポケットマネ-はこの前の強襲作戦でたんまり報酬もらったから懐が暖かいぜ!

 

「お!蟹発見!買うしかねぇ!!」

 

「し、司令官さん!無駄遣いはダメなのです!」

 

「え~・・・」

 

「もう・・・お金は私が管理するのです!」

 

「か、勘弁してくれよ母ちゃん・・・」

 

「だ、誰が母ちゃんですか!」

 

なんてやり取りしてると・・・

 

「ふふ・・・さすがケッコンした仲だね」

 

「そうですね・・・司令官も早くお相手探さないと」

 

「へへん、私のお相手は直ぐ近くにいるもん」

 

「え、誰のことですか?」

 

ちょっとしたアピ-ルしてるのに吹雪はまったく気づいていない。

 

「うええええん・・・」

 

「し、司令官!?な、泣かないでください!もう・・・どうしたんですか?」

 

頭を撫でてもらっていた。

・・・・・・・おい今口元がニヤついてたぞコイツ

 

「とりあえず何の魚入れるかな」

 

「ん~・・・鮭と・・・鯛はどうなのです?」

 

「鯛か・・・鰤も欲しいな」

 

「あとは魚の団子とかですね」

 

「そうだな、あとシメのうどんも買わないと」

 

そんなわけで色々カ-トに放り込んでいく。

・・・蟹買い過ぎたかも・・・

でも皆カニ好きだろ!でもアレルギーあったらごめんね!!

 

「さて、こんだけ買ったらいいだろ。帰ろうか」

 

「なのです!」

 

そんなことしてると一本の電話が・・・

 

「ん?はいもしもし」

 

<<あ、隊長!>>

 

「ん?ケストレルか?」

 

<<そうだけど・・・その呉を襲ったヤツらの泊地を発見したよ>>

 

「お手柄だな。それで?」

 

<<その・・・新しく部隊を編成してるみたい、こっちはいつでも出れるけど・・・>>

 

「いや、今回は出撃しなくていい。アンドロメダに代わってくれ」

 

<<うん、アンドロメダ?隊長からだよ>>

 

<<はい、代わりました>>

 

「おっし、さっきと同じ要領で攻撃だ、今回はICBMだ」

 

<<弾頭は?>>

 

「サ-モバリック、ヤツらの泊地を石器時代に戻してやれ!!」

 

<<了解!>>

 

「攻撃のタイミングは任せる」

 

そういって電話を切った。

でもこれで鎮守府の弾道弾が残弾ゼロ、トマホ-クミサイルも残り数発しかない。もともと決戦と自衛用に取り付けただけだからな・・・

ハ-プ-ンは10発ほどあったと思うけど・・・

まぁウチは対空兵装を充実させてるからね。仕方ないね。

 

「今の電話はどうしたのです?」

 

「ああ、泊地を見つけたらしいから大陸間弾道弾で石器時代に戻してやっただけだよ」

 

「お、恐ろしいのです・・・」

 

「そうか?」

 

とりあえず材料も買えたし戻ろう。

 

「あの、大佐」

 

「ん?何だ?」

 

「明日って何するんです?」

 

「ん~・・・あんまり考えてないな~・・・まぁ・・・演習でもして・・・後は解散!」

 

「えっ」

 

「どした?」

 

「そ、そんなテキト-でいいんですか!?」

 

「いいのいいの」

 

だってめんどくせぇしぃ!

てか、それより鎮守府の弾薬補充しとかないと・・・

 

「どこに電話かけてるのです?」

 

「知り合いの武器商だよ」

 

とりあえず今日使った分は買っておかないと

 

「もしもし?」

 

<<お、まいど!どした?>>

 

「ICBMとトマホ-クを計4発ずつ買いたいんだが・・・」

 

<<オッケ-!>>

 

「即日お急ぎ便で」

 

<<・・・いつも言うけどウチはama○onじゃないからな!?>>

 

「んなこと言うなよ、古い仲だろ?」

 

<<まぁ近いうちに届けるさ>>

 

そういって電話は切られた。

いつ届くことやら・・・

そんなこんなで鎮守府に帰ってきた。

 

「ふ~・・・ただいま~」

 

「司令官!今日はここでお鍋にしませんか?」

 

「ん~・・・司令室で?」

 

「はい!」

 

吹雪は司令室で鍋をやろうと提案していた。

 

「俺はどこでもかまわんぞ」

 

とりあえず食えたらなんでもいい!!

とか言ってるとケ-タイに一通にメ-ルが入る。

 

「ん?メ-ル?」

 

「どうしたのです?」

 

「ん~っと・・・nenohi_love@・・・こ、このアドレスはもしや・・・」

 

「し、司令官!?震えだしてどうしたのです!?」

 

「だだだ大本営の総司令官!?!?」

 

な、何でいきなり!?

とりあえず内容が・・・

 

「えっと・・・重要事項につき電話で伝える。誤送信の可能性もあるため合言葉を言うこと。合言葉は「今日は何の日?」のあとに何か当てはまる言葉を続けること」

 

・・・なんじゃこりゃ

 

「大佐?このメ-ルなんですか?」

 

「あら、お前のとこにも来たの?」

 

「はい・・・」

 

「?一体どうしたのです?」

 

「ん~・・・ちょっと電話かけて来る」

 

とりあえずかけるだけかけるか・・・

電話番号入力してっと

 

「もしもし」

 

<<合言葉を言え「三合会は?」>>

 

「ちょーさいこー!」

 

ノリで言ったけど何だこれ!!

 

<<あ、ごめん、合言葉間違えた「今日は何の日?」>>

 

「子音だよ!」

 

<<よし、名前を言え>>

 

「はっ、横須賀所属のイ-グルアイです」

 

<<ふむ・・・とりあえず緊急作戦だ>>

 

緊急作戦ならメ-ルで言うなよ!!電話かけてこいよ!!

 

「作戦ですか?」

 

<<ああ・・・数時間前、トラック泊地から救難信号を偵察機が受信した>>

 

「なんで偵察機じゃないと受信できないんすかねぇ・・・」

 

<<まぁその話はあとだ、トラック泊地が空襲を受けている、動けるものはすべて出撃だ、新米ベテラン例外なしだ!>>

 

そういわれて電話は切られた。

向こうもあせってるのか・・・

 

「はぁ・・・鍋はお預けだな」

 

そうつぶやき司令室に戻る。

 

「提督、吹雪、電、ア-レイバ-ク、緊急出撃だ。トラック泊地が空襲を受けている」

 

「そ、それ本当ですか!?」

 

「ああ、俺はここで天音提督の艦隊と合同で敵を迎撃する」

 

「わ、私の艤装は・・・」

 

「今向かってる」

 

俺は無線でアンドロメダを呼び出す

 

「アンドロメダ、聞こえるか?」

 

<<はい、もしかしてトラック泊地ですか?>>

 

「ああ、それだ。いいか、アンドロメダ、シンファクシ、ヴィルヴェルヴィントは鎮守府で待機だ」

 

<<了解しました>>

 

「それ以外は出撃、敵を迎撃する!」

 

<<編成は?>>

 

「一旦すべての艦を呉まで送ってくれ、そこから決める」

 

<<了解しました、行動開始します!>>

 

これでこっちは大丈夫・・・

あとは出撃させるのみか・・・

 

「提督、艦隊を出撃させるんだ」

 

「え、でも錬度が・・・」

 

「大丈夫だ、そこに無敵の盾を持ったヤツがいるだろ」

 

するとア-レイバ-クは「?」って顔をしていた

 

「無理は言わない、損害を受けたらすぐに撤退しろ」

 

「りょ、了解です!」

 

出張一日目からコレか・・・

とにかくトラックは守らないと・・・

今は鎮守府の兵装がハ-プ-ンと対空ミサイル、CIWSしか残っていない。

先制攻撃を加えれないのが残念だな・・・

とりあえずとんだ出張だった




最後のほうが微妙かも・・・う~む・・・


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対潜哨戒任務

緊急指令が発動された翌日の朝。

俺の艦娘と艤装が呉に到着し始めた。

 

「提督、俺たちは比較的難易度の低い丙作戦を実行し敵を迎撃する」

 

「は、はい!」

 

「実戦は初めてか?」

 

「はい・・・」

 

「じゃあこれが初陣だ」

 

「が、がんばります!」

 

「よし!みんなを集めろ!作戦を練るぞ!」

 

そういうと天音提督は走っていった

 

「とりあえず衛星からの情報だと・・・」

 

「ん~・・・潜水艦が多いみたいですね」

 

「電は対潜戦闘得意か?」

 

「潜水艦は苦手なのです・・・」

 

「まぁ・・・みんなのトラウマだしなぁ・・・」

 

そんなやり取りをしてると艦娘たちが集まってきた。

 

「よし!みんな集まったな!今回の作戦は対潜哨戒任務だ」

 

そういってスクリ-ンに海図を表示する

 

「この海域には潜水艦が大量にいる。これをまずは叩く!」

 

するとちらほら手があがり・・・

 

「あの・・・編成は・・・」

 

「今回の編成は天音提督のところと合同で行う。編成は吹雪、ア-レイバ-ク、五十鈴、由良の四隻で行う」

 

「4隻で大丈夫かしら」

 

「大丈夫だ、そこにイ-ジスが一人いる。その情報に従い存分に狩ってこい!」

 

するとその狩って来いという言葉に反応した由良と五十鈴が・・・

 

「久々の狩りじゃ・・・」

 

「狩りじゃ・・・」

 

「私たちのブツは時々危険よぉ・・・?」

 

気のせいだろうか、目が光ってた。青色に。

・・・ストレス溜まってたのかなぁ・・・

 

「よし、これより作戦を開始する!対潜哨戒が終了の後出撃する艦隊を発表する。電、ケストレル、金剛、榛名、千代田、羽黒。この六人だ」

 

「わ、私も!?」

 

「ん?不満?」

 

「い、いや・・・不満とかじゃなくて・・・」

 

ケストレルは久々の出撃だからか喜んでいるっぽい

 

「それじゃ全艦出撃!」

 

まぁ・・・初戦は五十鈴と由良が片付けてくれるだろう。ア-レイバ-クもいるしな!

 

 

 

 

~ア-レイバ-ク~

 

初任務か・・・緊張する・・・けど私は戦闘艦。戦うのが指名だ。がんばろう

 

「ア-レイ・・・バ-クだっけ?どういう船なのかしら?」

 

「私は俗に言うイ-ジス艦です」

 

「へぇ・・・うちの提督はイ-ジスは持ってないわねぇ・・・」

 

五十鈴や由良は興味深そうに艤装を見てくる。

私は逆にその二次大戦の艤装が気になる。

私達、現代艦艇の先輩だからね

 

「・・・ソナ-に感あり・・・」

 

「ナイス!どこ?」

 

「4時方向・・・距離・・・待ってください・・・魚雷推進音!こっちに突っ込んできます!」

 

「どどどどどうしましょう!?」

 

吹雪は慌てまくっている。

 

「向こうが上手ね・・・回避運動!」

 

「魚雷・・・3時方向より接近!雷速30!」

 

「真横ね・・・総員最大戦速!避けきるわよ!」

 

「続きます!」

 

五十鈴と由良は増速をはじめる。

吹雪と私も急いでそれについて行く。

 

「潜水艦は見つけた?」

 

「見つけました!距離200・・・深度10!」

 

「了解!爆雷投射!」

 

「撃てー!」

 

吹雪や五十鈴、由良は爆雷を投射し始めるが・・・

私は爆雷を持ってない。ていうか使ったこともない。

とりあえず短魚雷でどうにかしなきゃ・・・

 

「Mk.32・・・敵潜をロック・・・発射はじめ!!」

 

足の魚雷発射管から短魚雷を2発発射する。

 

「ちょっとア-レイバ-ク!潜水艦相手に魚雷撃ってる場合じゃないでしょ!」

 

「これは・・・その・・・短魚雷といって対潜水艦用にも使える魚雷なんです」

 

「でも・・・魚雷じゃ潜水艦は・・・」

 

吹雪がそう言ってる最中にその短魚雷は命中した。

大きな水柱が上がる。

 

「命中・・・」

 

「へぇ・・・すごいのね」

 

そういう五十鈴も爆雷を命中させている。

確認できる限り由良、五十鈴ともにほぼ全弾命中だ。

 

「五十鈴もすごいですね」

 

「そう?ほめても何も出ないわよ?」

 

「え、私も結構やったんですけど・・・」

 

「由良もすごいです」

 

「それ何かついでみたいじゃないですかー!!」

 

とりあえず10km先にまだ潜水艦が残ってる。

五十鈴たちは気づいていないが・・・

一応アスロックで攻撃しよう

 

「提督、アスロックの発射許可願います。発射弾数・・・4発」

 

<<ん~・・・4発か・・・ちょっと保留>>

 

「了解」

 

やはり資材を食うから撃てないのかな

すると無線が入る。

 

<<一発だけなら許可する。まぁ・・・10km先から魚雷飛んできてしかも追いかけてきたら誰でも撤退するだろ>>

 

「了解、敵潜をロックオンします」

 

「今の無線は?」

 

「提督とです。一発だけ対潜兵装を発射します」

 

「無駄撃ちはダメよ?」

 

「いえ、ここから10km先に敵潜が4隻います。それをここから狙い撃ちにします」

 

「えっと・・・それはミサイルって兵器?」

 

「はい。正確には先ほどの短魚雷にロケットブ-スタ-を搭載した兵器です。22kmまでなら届きます」

 

「これ、夕張が見たら発狂するわね」

 

「明石さんもですね」

 

「でもウチの鎮守府明石さんいないじゃない」

 

「そうですねぇ・・・」

 

明石・・・?何の話だろ・・・

 

「あ、ごめん、攻撃をお願いできる?」

 

「はい。VLA開放・・・アスロック発射・・・始め!」

 

背中のVLSからアスロックが一本発射される。

一応狙いは潜水艦隊の旗艦だ。

これを沈めれば敵を混乱させれる

 

「それじゃ進撃するわよ!」

 

方位を2‐2‐4にあわせる。

 

「そういえば今日は・・・天気がいいですね」

 

「そうねぇ・・・戦争じゃなければ海水浴したいわ」

 

「でもまだちょっと寒いです・・・」

 

「あら、吹雪って名前なのに寒がりなの?」

 

「そ、それは名前だけです!寒いのは苦手です・・・」

 

「あはは!あなたって面白いわね!」

 

「も、もう!からかわないでください!」

 

仲いいな・・・

そんな事を思っていた。

 

「対空目標は・・・うん、いないで・・・待ってください、高速の小型目標接近!」

 

「な、なにそれ!?」

 

「わかりません・・・でも・・・まさか・・・ミサイル!?」

 

「ミサイル!?そんな!アイツら撃てても魚雷じゃ・・・」

 

「わかりません!目標は海面スレスレを・・・まさか・・・」

 

ひとつ心当たりがある・・・これは私も持っている・・・

この動きをするのは・・・

 

「ESSM探知・・・目標ハープーン!」

 

「ハープーン?それって鯨狩用の・・・」

 

「対艦ミサイルです!早く逃げて!!迎撃は私が・・・!」

 

急いでロックオンする。

ハ-プ-ン自体は比較的低速なのでロックオン自体は問題ない。

ただ海面スレスレを飛行するのでいつレ-ダ-から消えるかわからない。

 

「ロックオン・・・よし・・・!」

 

「距離はどれくらいなの!?」

 

「距離は約10km先から・・・まさか潜水艦!?」

 

何で・・・あいつ等は魚雷しかないって・・・

 

「考えてる場合じゃない・・・シ-スパロ-発射用意・・・よし!」

 

「撃ち落せるの!?」

 

「わかりません・・・でも・・・私は盾なんです!絶対に護りきります!」

 

「その言葉信じるわよ!」

 

「任せて下さい!後部VLS・・・シ-スパロ-発射!SALVO!」

 

艤装の後ろの脇にあるVLSから2発のシ-スパロ-が発射される。

 

「チャフ散布始め・・・!主砲、CIWS攻撃準備・・・!」

 

私は艦隊が覆われるようにチャフをばら撒く。

シ-スパロ-が外れた場合に備えて主砲とCIWSも準備しておく。

 

「・・・きれい・・・」

 

吹雪が空中に舞うチャフを見てつぶやく。

太陽光を反射するそれはダイヤモンドダストみたいだ。

 

「インタ-セプト5秒前・・・スタンバイ・・・」

 

命中まであと少し・・・お願い当たって・・・!

そう祈りをこめる。

 

「マ-クインタ-セプト・・・!」

 

その瞬間レ-ダ-からハ-プ-ンとシ-スパロ-の反応が消失する。

命中だ。

 

「目標撃墜・・・!やりました!!」

 

「すごいすごい!やるじゃない!!」

 

「さすが・・・イ-ジス艦ですね」

 

「かっこいい・・・」

 

私に抱きつく勢いでみんながこっちにくる。

・・・だけど今抱きつかれると衝突なんだよなぁ・・・

でも・・・護りきれた。

それと水中の爆発音が聞こえた。それに敵の沈む音も・・・

敵は撤退するだろう。

あとは対空警戒を頑張ろう。

 

「ふう・・・今度こそ大丈・・・え・・・」

 

「どうしたの?」

 

「そんな・・・もう一発・・・!?」

 

「え!?」

 

「ま、まだ一発残ってます!」

 

海面スレスレを飛んでいたのがレ-ダ-に映っていなかったようだ

 

「狙いは・・・い、五十鈴逃げて!!」

 

「え、わ、私!?」

 

「ハ-プ-ンはあなたを狙ってます!逃げて!!早く!!!」

 

「わ、わかってるわよ!!」

 

五十鈴は飛んできてる方向に向けて砲弾や機銃弾をばら撒く。

 

「見えたわ・・・!遅い!全然遅い!!」

 

太陽光をキラキラと反射させながら五十鈴の側面からミサイルは迫ってきていた。

五十鈴はそれに向かって撃ちまくるが・・・

 

「え・・・!?きゅ、急上昇!?」

 

「ホップアップ・・・!もうシ-スパロ-は間に合わない・・・主砲、撃ちかた始め!」

 

速射砲で弾幕を張る。

お願い・・・落ちて!!

 

「もう!!主砲の射角外じゃないの!!機銃撃ちまくって!!」

 

曳航弾が空中にばら撒かれる。

しかしあたらない・・・

そして弾幕をくぐりぬけ最後のCIWSの射程に入った。

 

「CIWS撃ちかた始め!!」

 

ものすごい轟音とともに毎秒50発で20mm弾をばら撒く

落ちて・・・落ちて・・・落ちて!!

しかし命中しない

 

「チャフは・・・再装填中・・・!?そんな・・・!!」

 

そして・・・

 

「キャアアアアアア!!!!!」

 

ミサイルが五十鈴を直撃する。

・・・・・そんな・・・

 

「い、五十鈴さんが大破!!」

 

「うっ・・・ま、だ・・・大丈夫・・・」

 

「五十鈴さん・・・!怪我が・・・!」

 

「大丈夫よ・・・吹雪・・・対空見張りを・・・厳として・・・」

 

「で、でも!!」

 

「いい・・・から・・・」

 

明らかに轟沈寸前だ。

 

「私の・・・私のせいだ・・・あの時・・・チャフをばら撒くから・・・」

 

「落ち着いて!!あなたのせいじゃない!!」

 

「でも・・・でも・・・」

 

私はパニックになっていた。

何が・・・何が盾の役目だ。何がイ-ジスシステムだ。

旗艦一隻護りきれない盾がどこにいる。

 

「五十鈴・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・!」

 

「もう・・・あやまら、ない・・・で・・・」

 

「五十鈴さん!今から曳航して撤退します!指揮は私が!!」

 

由良が指揮を引き継ぎ撤退を行う。

五十鈴は辛うじて浮いている状態だ。

 

「五十鈴さん!頑張って!!機関部が大破してるだけです!」

 

「弾薬庫が・・・無事なの・・・は・・・知ってるわよ・・・」

 

「もうしゃべらないで!!吹雪ちゃん!手伝って!!」

 

「私は・・・私は・・・」

 

「ア-レイバ-ク!!自分ばかり責めないで!!撤退するの!」

 

「でも・・・私のせいで・・・五十鈴が・・・」

 

そこから先はうまく覚えていない。

五十鈴は大破・・・轟沈は避けられたが・・・

吹雪の話によると鎮守府に帰るまでずっと自分を責め続けていたらしい。

今は医務室で五十鈴のお見舞いに来た。

 

「五十鈴・・・大丈夫ですか・・・?」

 

「もう・・・それ何度目?大丈夫よ」

 

「私のせいで・・・」

 

「あなたは報告をくれた。それで私が少し動いたおかげで弾薬庫誘爆が避けれたのよ?むしろ私は感謝してるわ」

 

「でも・・・」

 

「でもじゃない!イ-ジス艦がめそめそしててどうするの!」

 

「・・・ごめんなさい・・・」

 

そんな話をしてるとイ-グルアイ提督が入ってきた。

 

「お、またお見舞いか?お前もご苦労だな。まぁ・・・初戦で旗艦大破はショックだったな」

 

「提督・・・ごめんなさい・・・私が・・・もっと早く気づいてれば・・・」

 

「んな事気にすんなっての。一発迎撃できたんだ。二発とも命中してたら五十鈴はここに帰ってこれなかったんだぞ?」

 

「ごめん提督、想像して鳥肌たったわ」

 

「あ、ごめん、お前のこと忘れてた」

 

「あんたそれでも提督!?てか、何で私のお見舞いにこの子来てるのに私が不在っておかしいでしょ!!」

 

「え、いつものことじゃね?」

 

「いつものことって何だこの童貞提督!!」

 

「はぁ!?おまっ!童貞ってどういうことだゴルァァァァァ!!!」

 

「そのまんまでしょーが!!!このチ○カスがぁぁぁぁ!!!」

 

「んだとワレぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

「やんのかオルァァァァァ!!!!」

 

そのやり取りを見てると・・・なぜか心がほっとした気がする。

 

「あの・・・」

 

「お前は黙ってろぉぉぉぉ!!!」

「アンタは黙ってろぉぉぉぉ!!!」

 

「えええええええ・・・・・・」

 

でも・・・少し気分が軽くなった気がする。

私はそんな喧嘩が巻き起こってる医務室から出た。




今回は面白くできたと信じたい。

感想待ってるぞ(はーと)


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敵の潜水艦を発見!

敵潜から対艦ミサイルか・・・カ級かヨ級から発射されたとは考えにくい・・・

すでに第二艦隊が攻略を始めている。

付近に敵潜水艦の影がないのが救いか・・・

 

「提督、ハ-プ-ンはどこから発射されたと思う?」

 

「ハ・・・ハ-プ-ン・・・?」

 

うわぁ・・・すごい何それおいしいの?って顔してる・・・

 

「まぁ・・・その・・・なんだ?ミサイルだ」

 

「て、敵はミサイル持ってんですか!?」

 

「さっきからそう言ってるじゃん!!」

 

「名前知りませんもん!」

 

「うん・・・まぁいいや・・・てか俺らもミサイル持ってるしな・・・敵が持っててもおかしくないよ」

 

「そうですね・・・その・・・ハ-プ-ンってどれくらいの威力なんですか?」

 

「そうだな・・・あの五十鈴は改修値MAXだったのに一撃で大破、轟沈寸前まで追い込まれた。つまり軽巡クラスまでなら一撃だ」

 

「せ、戦艦は・・・」

 

「現実でも戦艦に向けてハ-プ-ンを撃ち込んだことも撃ち込まれたこともないからどうとも言えないな・・・ただ直撃すればただじゃすまない」

 

「どうしましょう・・・」

 

「お前のとこにはイ-ジスがいる。アイツは対艦ミサイル程度なら簡単に叩き落とせるさ」

 

「でも・・・」

 

「あれは経験が少なかったせいだ。責めてやるなよ」

 

「そ、そんなつもりは!」

 

「まぁ慰めてやれ、だいぶショック受けてるからな」

 

「はい・・・」

 

とりあえず対艦ミサイルはやっかいだな・・・ケストレルたちが無事だといいが・・・

 

 

 

 

~ケストレル~

 

敵潜・・・対艦ミサイル・・・やだなぁ・・・トラウマだよ・・・

 

「Heyケストレル!浮かない顔してどうしたネ?」

 

「あ、いえ・・・ちょっと昔のことを・・・」

 

「今はそんな事を思い出しちゃダメネ!」

 

そんな事言われたってなぁ・・・

 

「・・・彩雲より入電・・・付近に敵影無し・・・だそうです」

 

「ん~っと・・・千代田さん、その情報ちょっと修正、ホ-クアイがレ-ダ-で敵艦多数確認」

 

「さすがですね」

 

「えへへ・・・」

 

私の艦載機は世界一ィィィ!とか言いたいけど今回は戦闘機以外はレシプロ機積んでるんだよなぁ・・・

F-14Dに流星・・・あとは彗星だったかな

 

「距離はわかりますか?」

 

「えっと・・・約・・・100km以上先です」

 

「う~ん・・・射程圏外ネ・・・」

 

「・・・千代田さん?」

 

「うん、分かってるわよ」

 

「空母の本領発揮しましょう!」

 

千代田さんのを操り人形のようなものが入った箱から続々と艦載機が上がる。

なんだかちょっと面白い構造だなぁ・・・

 

「・・・第一次攻撃隊、発艦開始よ!」

 

「カタパルト圧力上昇・・・全艦載機発艦はじめ!」

 

5機の烈風が千代田さんから発進する。

私は肩の飛行甲板から続々とF-14Dが発艦して千代田さんの艦載機を追い抜く。

 

「みんな・・・帰ってきてね」

 

「よーし!総員戦闘よーい!この海域の旗艦やっつけるネ!」

 

金剛さんの合図で増速する。

天候は快晴・・・あっちもこっちも見通しが利くから派手なことはしたくないな・・・

 

「ねぇケストレルさん」

 

「ん?何ですか?」

 

千代田さんが飛び立っていく艦載機を見ながら話しかけてきた。

 

「ジェット戦闘機・・・って私とお姉でも扱えるかな・・・」

 

「ん~・・・カタパルトがないと難しいかも・・・」

 

「提督に相談してみるわ!」

 

「やめてあげて」

 

隊長が禿げそう。

たぶん・・・可愛い艦娘のためなら!とか言ってやるけど開発できなくて禿げる未来が見える。

 

「・・・金剛さん、対水上レ-ダ-に感あり!距離・・・えっと・・・30km!?」

 

「どうしたネ?」

 

「そんな・・・こんなに近くにいるのに気づかないなんて・・・」

 

まさか・・・海中に潜んでた・・・?

そんなことより早く艦載機を引き返させないと!

 

「ケストレル!着弾観測よろしくネ!」

 

「え・・・でも主砲は・・・」

 

「問題ナッシング!私の主砲は35kmまで届きマス!」

 

「・・・了解!」

 

ホ-クアイと私のレ-ダ-システムをリンクさせる。

 

「金剛さん!いつでも大丈夫です!」

 

「OK!」

 

主砲が敵艦隊のいるであろう方向に向けられる。

艦載機たちのほうは続々と戦果を挙げていく

 

「第一第二主砲!ファイア-!!」

 

ものすごい轟音とともに砲弾が撃ちだされる。

私のレ-ダ-にも砲弾が4発表示される。

狙いは敵の艦隊旗艦だ。

情報を見る限りでは本隊なのかな・・・

とにかくトラックを空襲してる空母を沈めないと・・・

 

「5・・・4・・・3・・・2・・・弾着!」

 

その瞬間レ-ダ-から一隻だけ表示が消える。

撃沈だ。

 

「命中!一隻沈めました!」

 

「え・・・そ、それ本当ですか・・・?」

 

当てた本人がめちゃくちゃ動揺してる。

まぁ・・・30km先の目標ですからねぇ・・・

 

「目標・・・敵旗艦ヲ級撃沈!!」

 

「What's!?」

 

「金剛さん!やりました!あとは周りを!」

 

「オ、OKネ!」

 

ちなみに近くの機からの報告によると、3発は敵より離れて落ちたけどなぜか一発だけ敵の艦載機発着口に吸い込まれたらしい。

運良すぎィ!

 

「もう一回・・・全砲門!ファイア-!」

 

今度は8発発射される。

さて、私はこっちに来てる敵艦載機を落とすかな

 

「ねぇ隊長、敵機相手にシ-スパロ-撃っちゃっていい?」

 

<<あ~・・・まぁ・・・ほどほどなら・・・・>>

 

「了解!」

 

とりあえず千代田に向かっている2機をロックオンする。

 

「千代田さん、2機そっちに向かってます!」

 

「え!?ちょ、早く言ってよ!」

 

「大丈夫・・・迎撃します!念のため回避行動を!」

 

「たった一隻の空母でどうするのよ!艦載機居ないでしょ!」

 

「私が現代艦って忘れました?」

 

「忘れるわk・・・忘れてました」

 

「お、おう」

 

とりあえず射程に入ったので攻撃を始めよう。

自衛用だからあんまり弾薬ないけど・・・

 

「シ-スパロ-発射始め!!」

 

甲板型の艤装についているランチャ-から爪楊枝程度の大きさのシ-スパロ-が発射されるがある程度飛ぶと突然光り、大きさがその10倍以上になる。

何だろうねこの謎技術。

ま、いっか。

 

「とりあえず千代田さんに向かってるのは大丈夫かな・・・」

 

ふとレ-ダ-を確認すると金剛さんに向かっている高速の小型目標があった。

 

「え・・・何これ・・・」

 

たまにレ-ダ-から消えるのを見るとかなり低空・・・水面ギリギリなんだろう。

・・・この機動って・・・

 

「艦載機!金剛さんに向かってる物体が見える?!」

 

<<えっと・・・煙を吐いてる・・・ロケット?>>

 

「まさか・・・!!」

 

ついさっき五十鈴さんが大破したソレだ。

 

「金剛さん!逃げて!!!ハ-プ-ンが!!」

 

「ハ-プ-ン?それって何ネ?」

 

「艦対艦ミサイルです!!さっきそれで五十鈴さんが・・・!」

 

「What's!?分かったネ!」

 

金剛さんは砲撃をやめ、転進する。

いま迎撃できるのは私だけ・・・やらないと!!

 

「金剛さん!私が守ります!」

 

「でも・・・」

 

「信じてください!なんとしても・・・」

 

増速して金剛さんとミサイルの射線内に入る。

・・・最後は・・・私が盾になってでも!

 

「シ-スパロ-発射!!SALVO!!」

 

2発のミサイルをハ-プ-ンに向けて発射する。

たぶん・・・相手は二発以上発射してる・・・

 

「榛名さん!金剛さんを引き継いで砲撃してください!電ちゃんは対空警戒を!」

 

「分かりました!」

 

「なのです!」

 

「あ、あの・・・私は・・・」

 

「航空機の迎撃を・・・私の艦載機は今残弾ゼロで帰還中です!」

 

「了解です!」

 

対空目標が多すぎる・・・

 

「私にイ-ジスシステムさえあれば・・・」

 

「電の本気を見るのです!」

 

「全砲門開いてください!!」

 

「主砲!砲撃開始!!」

 

各艦が攻撃を開始する。

電ちゃんと羽黒さんは連度の高いおかげもあり次々敵機を落としていく。

榛名さんも三式弾や榴弾で艦載機や敵艦隊を攻撃していく。

 

「インタ-セプト五秒前・・・スタンバイ・・・」

 

「ケストレル!状況はどうネ!?」

 

「マ-クインタ-セプト・・・撃墜!!」

 

「ナイス!」

 

「油断しないで!まだ残ってると思います!!」

 

まさか一発だけなんて事はないだろう

それこそ目標を変えて突っ込んでくる可能性だって・・・

そのときまたレ-ダ-に小型目標が表示される。

・・・本当にすぐ目の前で

 

「やっぱり残ってた・・・ファランクス、撃ち方始め!!」

 

轟音とともに機銃弾をばら撒く。

当たって・・・!

 

「ケストレル!もういいネ!逃げて!!」

 

「嫌です!!撃ち落します!!」

 

そしてミサイルは羽黒と電の間を通り抜けすぐ目の前に到達した・・・

また・・・食らっちゃうのかな・・・

あのときの記憶が蘇ってくる。

 

「ケストレル!!!!」

 

金剛さんが大声で叫ぶ。

でも・・・護れるならいいよね・・・

と思った瞬間、目と鼻の先で大爆発を起こす。

 

「キャッ!!」

 

ものすごい衝撃波と熱風・・・直撃ではないが・・・至近弾だ。

ファランクスがギリギリのところで迎撃したようだった。

だが至近弾のせいで私は中破・・・カタパルトが破損してしまった。

 

「ケストレル!大丈夫ネ!?」

 

「大丈夫・・・でもカタパルトが破損・・・」

 

「ケストレルさん・・・中破してるのです!!」

 

「大丈夫だから・・・私にかまわず敵を沈めて・・・」

 

私の損害は全体的には中破だが、飛行甲板そのものは小破、あとはCIWSとミサイルランチャ-が破損したくらいだ。

 

「あれ・・・ああ・・・レ-ダ-が消えた・・・」

 

レ-ダ-も破損したみたい・・・

でも偵察機はまだ生きているので状況はまだ分かる。

 

「榛名さん・・・敵は撤退を開始・・・成功です」

 

体の節々が痛い。

・・・昔の艦みたいに装甲ないもんなぁ・・・

直撃しなくてよかった・・・

 

「ケストレルさん・・・痛いところないですか?」

 

「うん・・・ちょっと節々が痛いけど・・・大丈夫だよ」

 

とりあえず機関は無事・・・あとは艦載機を拾って帰ろう・・・

 

「艦隊・・・帰還するのです!」

 

「ケストレル、ありがとうネ」

 

「いえ・・・金剛さんに被害がなくてよかったです」

 

「もう・・・あんな無茶しないで欲しいネ・・・」

 

金剛さんは少し涙声だった。

 

「仲間は失いたくないヨ」

 

「すみません・・・」

 

「ケストレルは悪くない、私をちゃんと護ってくれた、自分に自信持つネ!」

 

そのまま帰るまで金剛さんと話していた。

・・・榛名さんが少しぐぬぬ・・・みたいな顔してたけど・・・

 

 

~提督~

 

「艦隊がお戻りなのです!」

 

「おかえり!ケストレルは大丈夫か?」

 

「はい!なんとか・・・」

 

「はぁ・・・良かった・・・」

 

「あの・・・司令官さん、ハ-プ-ンって何なのですか?」

 

「ん~・・・そうだな、みんな分からずに理解まで時間かかってたようだし説明するか・・・動けそうな者は司令室に集めてくれるかな」

 

「なのです!」

 

電は早足で司令室をでる。

 

「あの・・・提督」

 

「ん?どした?」

 

「あの・・・ハ-プ-ンって何ですか?」

 

「・・・お前もかいいいいいい!!!」

 

「ごごごごごごめんなさいいいいい!!」

 

何で!?あんた提督だろ!?何で兵器の名称わかんないの!?

 

「はぁ・・・まぁあとで説明するよ・・・どこから発射されたかと敵も分かったからね」

 

そして続々と集まってくる。

そのときちょうど呉に寄港していた式風も司令室に来た。

 

「何でお前いるんだよ・・・」

 

「いや・・・そと散歩してたら電ちゃんに話しかけられて・・・」

 

「お、おう・・・てかお前のところで被害は?」

 

「被害?なんの話だ?てか、そもそもなんでこんなに・・・」

 

「あ、事情知らないのね・・・」

 

「・・・すんません」

 

「まぁいい。じゃあこの映像を見てくれ」

 

スクリ-ンにア-レイバ-クがつけていたカメラの映像が出る。

 

「まぁそこにいる式風以外は知っているかも知れないが・・・敵はハ-プ-ンを所持している」

 

「ハ、ハ-プ-ン!?ミサイルじゃないか!!」

 

「そうだ、敵からミサイル攻撃があり五十鈴、ケストレルが被害を受けた」

 

映像には接近するハ-プ-ンにファランクスを撃っている所が映し出される。

ハ-プ-ンもきっちり映っている。

 

「・・・ちょっと待ってこの子見覚えあるんだけど」

 

式風がミサイルじゃないほうを見て驚いている。

 

「ア-レイバ-クのことか?」

 

「・・・なんでいるの?」

 

「そこの天音提督が建造したら出てきた」

 

「・・・何で」

 

「知るか!!」

 

知ってるなら教えてほしいくらいだ。

 

「とにかく話を戻そう。この戦闘で一発は撃墜できた・・・が、もう一発が五十鈴に直撃した」

 

「っ・・・」

 

「大丈夫だ、別にお前を責めてるわけじゃない」

 

ア-レイバ-クが悔しそうな顔をして俯いていた。

 

「それと・・・もう一回、ケストレルのとき」

 

これはレ-ダ-の映像と一緒に表示された。

 

「この映像から見ると・・・かなり近距離で発射されている・・・最低でも10km」

 

レ-ダ-にはいきなりミサイルが表示されていた。

これはたぶん、発射した瞬間だろう。

 

「そしていったんレ-ダ-から消える・・・これは海面スレスレを飛行してるせいだ」

 

そして数秒後再び表示される。

 

「まぁ、何でハ-プ-ンって断定できるんだって言う理由はこの動きだな。海面スレスレを飛んでホップアップ・・・」

 

「・・・」

 

みんな黙り込んで画面を見ている。

 

「それでこれが衛星から偶然とれた映像だ」

 

そこには発射の瞬間が映し出されていた。

そして見たことない敵の姿も・・・

 

「こいつはたぶん新型だ」

 

するとア-レイバ-クが・・・

 

「そんな・・・ソイツは私が沈めたはずです!!」

 

「ああ、あとで確認したがソイツの周りにいた護衛潜水艦だった」

 

「・・・・そんな」

 

「それでそこから逃げて俺たちの艦隊を狙った・・・ただほかの艦隊から被害報告がないのを見るとこいつはたぶん一隻だけだ」

 

沈めてしまいさえすればこっちのものなんだがなぁ・・・

 

「それで、ちょうど補給の瞬間を2回ほど収めれたんだが・・・弾薬しか補給していない」

 

「弾薬だけ・・・?燃料補給は・・・」

 

「確認できない・・・それにアメリカに拘留されてる深海提督の話によると新型潜水艦を建造したらしい。ただ、コストがやたら高いから一隻だけだ」

 

「新型潜水艦・・・」

 

「それと・・・この前の核の話・・・あれが絡んでくる」

 

画面にとある機関の画像を表示する。

 

「これは在りし日のとある潜水艦の機関だが・・・なんだと思う?」

 

現代艦娘以外は?という顔をしていた。

 

「まさか・・・」

 

ア-レイバ-クとケストレルは気づいたようだ。

 

「・・・原子炉・・・」

 

「そういうことだ。ヤツら、これに通常弾頭だが長距離ミサイルも積んでやがる」

 

つまり・・・

 

「つまり・・・コイツに艦種って・・・」

 

「・・・戦略原潜だ」

 

現代艦は唖然としているが・・・

 

「戦略原潜って・・・なんなのでち?」

 

「まぁ・・・何だ、無限に動ける潜水艦だ」

 

「せ、潜水艦革命なのね・・・」

 

伊号の連中は感激していたが・・・

 

「無限に動けるって事は・・・行動範囲が分からないってことですか!?」

 

「そうだ。地球全体のどこでもいける」

 

「そんな・・・」

 

おまけに駆逐艦や軽巡、軽空母の皆は通常動力の潜水艦しか知らない。

未知の敵だ

 

「コイツの戦闘能力は姫級だ・・・それでコイツの仮称を原潜棲鬼とする。安直だがな」

 

「撃沈はどうやったら・・・」

 

「いや・・・それがだな・・・コイツを撃沈するとちょっと問題が起きるんだ・・・」

 

「問題って何なのです?」

 

「・・・放射能だ」

 

放射能という言葉に長門と榛名は青ざめる。

 

「放射能汚染で撃沈した海域は生物が住めなくなってしまう・・・」

 

「そんな・・・だったらどうやって撃沈すれば・・・」

 

「・・・それはまだ検討中なんだが・・・一番手っ取り早いのは鹵獲だ・・・」

 

「む、無茶苦茶・・・」

 

「それと敵の装備についてだ・・・これを見てくれ」

 

画像を数枚表示する

 

「これがヤツの装備だ」

 

「魚雷以外見たことない・・・」

 

「まずはこれ・・・五十鈴とケストレルを攻撃した兵器だ」

 

五十鈴はそれを見て少し青ざめている。

まぁ・・・あんなもん突っ込んできたらねぇ・・・

 

「これが、ハ-プ-ンと呼ばれる対艦ミサイルだ。射程は約120kmある」

 

「ひゃ・・・120!?そんな・・・私達じゃ探知できない・・・」

 

「そうなる・・・」

 

現代艦艇なんて持っている提督がこの世に何人いるのか・・・

 

「式風、次の作戦からはお前が頼む」

 

「何でだ?」

 

「コイツをどうにかしないと艦娘たちが全員沈む」

 

「・・・了解、次の戦闘はどうするんだ」

 

「俺と天音提督は別作戦に入る・・・米軍の協力を得てな」

 

「わ、私も!?」

 

「イ-ジスがいるからな・・・いてくれたほうが心強い」

 

とりあえず装備説明の続きをやろう。

 

「装備説明の続きだ、これはまぁ皆知ってるとおり魚雷だが・・・コイツは誘導魚雷だ。クロの持ってる魚雷より高性能なヤツだ」

 

「ドイツの技術力の結晶なのになぁ・・・」

 

クロはものすごいしょんぼりしてるが・・・

まぁ、仕方ない。

 

「それとこれは弾道ミサイル、直接的にお前らには関係ないが・・・都市部に向けて発射されると大量の死傷者が出る」

 

装備はこんなものか・・・皆終始黙り込んでいた。

 

「あと敵はたぶん俺たちに撃沈されないとヤマを張ってるな」

 

「?なぜなのです?」

 

「さっき言ったとおり、撃沈すると放射能漏れが起きるかもしれない」

 

そんなことが起きれば制海権の奪還なんて話してる場合じゃなくなる。

 

「作戦はまた後日立てる。今日は以上!」

 

全員がばらばらと司令室を出て行く。

残っているのは俺と天音提督とア-レイバ-ク、吹雪、電だけだ

 

「原潜か・・・」

 

はぁ・・・とため息が出る。

 

「なんとかなりますよ、提督」

 

「なんとかしたいがな・・・放射能漏れを起こさずに撃沈なんてな・・・簡単に鹵獲させてくれるならいいけど・・・」

 

「鹵獲の場合の作戦は?」

 

「ん~・・・そうだな・・・とりあえずヤツを航行不能に陥らせないと・・・ただ原子炉に穴あけると大変なことになるんだよなぁ・・・」

 

難しい作戦になる・・・

それより米軍に作戦協力を願おうと思ったがどこに原潜が潜んでるか分からないから無闇に呼べない。

 

「はぁ・・・」

 

「司令官さん、ため息ばかりだと幸せ逃げますよ?」

 

「そうだな・・・」

 

「とりあえずお部屋に帰るのです!」

 

そういうわけで電と一緒に部屋に帰る。

・・・なんかどっと疲れた・・・

いろいろありすぎてオマケに毛根死滅しそうな敵に遭遇した作戦開始1日目だった。




長く書きすぎた!
面白いと信じたい今日のこのごろ。

というわけで敵に原潜を出しちゃいましたてへぺろっ

あのですね、何か自分だけ強すぎるのは面白くないかと思い現代艦をですね・・・。
ちなみに装備からして分かる人には原潜がどこの国のがモデルか分かりそう・・・

とりあえずみんなの感想待ってるぜ!!
(評価してくれてもいいのよ(小声))


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敵の潜水艦を発見!  ←\駄目だ!!/

とりあえず電と部屋に帰ってきた。

・・・やっぱり横須賀の部屋じゃないと落ち着かない

 

「司令官さん、さっき話してた戦略・・・えっとなんでしたっけ」

 

「ん?戦略原潜か?」

 

「それってどんな船なのです?」

 

「ん~・・・簡単に言うと無限に動き回れる潜水艦だな」

 

「無限ってどういうことなのです?」

 

「原子炉っていう機関を積んでるから燃料補給がほとんど必要ないんだよ。ただ、メンテナンスとかあるから絶対に無限に行動できるってわけじゃないけど・・・」

 

「お、恐ろしいのです・・・」

 

だから作戦をどうするかな・・・

そこらへんに転がってるソナ-では探知できない。

ア-レイバ-クとかのソナ-なら可能だが・・・

 

「電、次の作戦・・・お前は出撃したいか?」

 

「突然どうしたのです?」

 

「お前らWW2の艦にとって原子力潜水艦なんて未知の敵だ・・・できるなら出撃させたくないんだよ」

 

「・・・」

 

「アンドロメダとシンファクシも横須賀からこっちに来てくれている。だから・・・」

 

「そんなに・・・私は・・・戦力になりませんか・・・?」

 

「いや・・・戦力にはなる、ただ、対艦ミサイルを瞬時に感知して迎撃行動が取れるか?」

 

「それは・・・」

 

「だから、今回は呉で俺と一緒に指揮をとってくれ」

 

「あ、横須賀に帰れってわけじゃないのですね」

 

「・・・勘違いしてた?」

 

「・・・してたのです」

 

これ勘違い続いてたら喧嘩してたかも・・・

良かった・・・

 

「とりあえず・・・今日は疲れた・・・」

 

「ですね・・・私ももう眠いのです・・・」

 

「そんじゃ寝るか」

 

「おやすみなさいなのです」

 

そういってキスをしてきた。

あ~^可愛いんじゃ~

 

 

 

そんなわけで翌朝

とりあえず鎮守府に到着したアンドロメダとシンファクシを迎え入れ、敵原潜攻撃部隊を組む。

 

「よし、今から編成を言うぞ、原潜攻略部隊の旗艦、アンドロメダ。随伴艦をケストレル、シンファクシ、ア-レイバ-ク。この四隻だ」

 

「四隻でたりますかね・・・」

 

「正直不安だがな・・・原潜に対する知識があるのはこいつ等しかいないんでな・・・」

 

何で不安かって言うと資源の問題でほとんど出撃してないから錬度が・・・

 

「そんじゃ、次はその支援艦隊として暁、響、赤城、加賀、金剛、榛名。とりあえずこの原潜攻略部隊に近づく敵を片付けてくれ」

 

まぁ・・・正直この2艦隊しか出動させれないんだよねぇ・・・

 

「よし、準備が出来次第出撃!」

 

司令室からわらわらと皆が出て行く。

さてと・・・衛星から監視を続けますかな

 

 

 

 

 

~ア-レイバ-ク~

 

鎮守府を出発して数時間・・・私はソナ-とレ-ダ-をフル活用していた。

ケストレルから艦載機も上がっていく。ただ、艦載機はすべてジェット機ではなく、制空戦闘機のみジェット機だった。

アンドロメダからは対潜哨戒ヘリが出動していた。

 

「敵・・・見つかりますかね」

 

「分からないけど・・・見つかるといいね」

 

早く見つけないと・・・

そんな時、ソナ-に反応があった

 

「・・・この音は・・・メインタンク注水音・・・」

 

「見つけた?」

 

「はい・・・たぶん・・・」

 

「あ~・・・ソノブイ持ってる対潜哨戒機さえあれば・・・」

 

ケストレルは少し悔しそうだった。

 

「音紋分析・・・敵原潜!!」

 

アンドロメダが敵と判断したようだった。

 

「けっこう近くね・・・」

 

<<いっそのことニンバスで海域ごと吹っ飛ばすか>>

 

「はぁ!?原子炉も吹っ飛んだらどうすんのよ!!」

 

<<冗談くらい分かれ>>

 

「こんのぉ・・・・」

 

ケストレルとシンファクシは仲がいいのか悪いのか・・・

 

「アンドロメダ、どうしますか?アスロックで先制攻撃も・・・」

 

「いえ・・・この海域の60km範囲内に友軍艦隊がいます!まずは撤退か援護しないと・・・」

 

<<こちら第一支援艦隊、敵艦隊は発見した?>>

 

暁から無線が入る。

敵原潜なら見つけたが、敵艦隊はいないようだった。

 

「敵原潜は発見、でも艦隊は確認できません」

 

<<私達の出番ないかもしれないわね~>>

 

「一応警戒を・・・」

 

<<分かってるわよ!レディ-を舐めないでよね!>>

 

元気だな~・・・

その間にアンドロメダは友軍艦との交信をしていた。

 

「どうですか?」

 

「・・・ひどい」

 

「え?」

 

アンドロメダの顔が少し怒っていた。

 

「どうしたんですか?」

 

「・・・あの子たちの提督・・・あの子たちを物みたいに扱ってる・・・撤退したら即解体って・・・」

 

この前提督が話していた事を思い出した。

ブラック鎮守府・・・

 

「どうしますか?」

 

「隊長に指示を仰いで見ます・・・」

 

アンドロメダは無線をかけ始める。

敵原潜は友軍を補足したがこちらは発見できてないようだった。

友軍の編成は空母2駆逐4という編成だった。

 

<<第一艦隊および支援艦隊へ、聞こえるか?>>

 

「はい、聞こえます」

 

<<まぁ、状況は分かってるな・・・俺の言いたいこと分かるか?>>

 

「まぁ・・・隊長の言いたいことなら大体ね」

 

<<じゃ・・・全艦に告ぐ、友軍艦隊を保護しろ!>>

 

「了解!」

 

進路を友軍艦に合わせて増速する。

本部の意向ではこういったブラック鎮守府の艦艇の保護及び受け入れは推奨されている。

 

「敵原潜の深度は分かりますか?」

 

「分からない・・・でも・・・魚雷発射管を開いた音が聞こえた」

 

「ということは・・・」

 

ハ-プ-ンが準備中だ・・・

私はすぐにスタンダ-ドミサイルに情報を入力、VLSのハッチを開けいつでも撃てるようにする。

あとは味方の防衛に回れるようにすべての火器に火を入れる。

 

「主砲、短SAM攻撃用意・・・イルミネ-タ-レ-ダ-スタンバイ!」

 

「さてと・・・私もESSMの準備するかな」

 

私は見逃さないようにレ-ダ-を睨む。

味方の姿が目視できるところまでは近づいてきた。

 

「敵原潜停止・・・ソナ-からロスト・・・」

 

「攻撃準備か・・・シンファクシ、対潜装備持ってたっけ?」

 

<<ニンバスと・・・あぁ、アスロックがあった>>

 

「ニンバスでミサイル迎撃できる?」

 

<<できないことはないが・・・まぁ・・・ロックオンせずに座標上で爆発させるだけだ>>

 

「やれそう?」

 

<<お前に頼まれるのは癪だがな>>

 

「・・・私にアスロックあったら全弾撃ってるわ」

 

<<冗談だ>>

 

仲いいなぁ・・・

 

<<・・・どこの所属?>>

 

突然無線が入る。

友軍艦艇だろう

 

「こちらは横須賀鎮守府所属、情報収集艦アンドロメダです」

 

<<・・・しらない名前>>

 

「付近に敵の新型艦がいます、早く退避を」

 

しかしここから返事がない。

 

「聞こえますか?早く退避を」

 

アンドロメダがもう一度退避勧告をしていると・・・

 

<<そこの艦隊旗艦に告ぐ、ただちにこの海域から離れよ。従わない場合、本隊の作戦行動を妨害するものとして攻撃する>>

 

「はぁ!?」

 

たぶんあの艦隊の提督だろう。

 

「あんた、こっちは親切に敵新型艦がいるって警告してんのにその言い草はないでしょ!」

 

<<新型艦など確認していない、もう一度警告する、離れろ>>

 

なんだコイツ・・・

心なしか合流した友軍艦の表情が暗い。

疲れのせいかもしれないけど・・・

 

<<どうする?コイツの鎮守府にニンバスぶち込むのもいいぞ>>

 

「やめよう、罪のない人もいるから」

 

<<コラテラルダメ-ジだ>>

 

「その便利な言葉やめよう?!」

 

二人がそんな話をしていると・・・

 

「・・・!!敵原潜、ハ-プ-ン発射!!高速で本隊に近づく!!」

 

レ-ダ-がハ-プ-ンを捕らえた

・・・最悪なことにもう一発別のミサイルも

 

「敵潜・・・弾道ミサイル発射!?」

 

「弾道ミサイル!?迎撃急いで!」

 

急がないと・・・目標はトラックに向かっている。

 

「弾道ミサイルは・・・トラックに向かっています!」

 

そのトラックという言葉を聴いた友軍はすこし青ざめた

 

「どうしたの?」

 

「そ、そんな・・・私たちの母港に・・・?」

 

トラック所属の艦娘だったようだ。

とにかく迎撃しないと・・・

 

「ケストレル!対艦ミサイルをお願いします!私は弾道弾を・・・」

 

「わ、わかった!」

 

急いで情報を入力、ロックオンする。

 

「SM-3・・・発射!!」

 

VLSからスタンダ-ドミサイルを発射する。

 

「ハ-プ-ン補足・・・シ-スパロ-発射はじめ!」

 

ケストレルも迎撃ミサイルを発射する。

今度は絶対に守りきる!

 

「命中まであとちょっと・・・!」

 

ケストレルのシ-スパロ-があとちょっと命中する

 

「命中!一発撃墜!」

 

「もう一発います!!」

 

私のレ-ダ-にはあと1発表示されていた。

 

「え、どこ!?」

 

「目標まで・・・14000!」

 

「近っ!!」

 

狙いは・・・

えっと・・・この人の名前なんだっけ・・・

ケストレルはCIWSを準備していた。

その間にデ-タベ-スを参照して名前を探す。

トラック艦隊の旗艦・・・

 

「飛龍・・・」

 

「何?」

 

こっちを向いた飛龍の顔は疲労の色が出ていた。

目にも光がない・・・

 

「飛龍、そっちにミサイルが向かってます・・・全速で退避を!」

 

「・・・無理だよ」

 

「何で!」

 

「・・・もう燃料がない・・・それに・・・どうせ逃げれないよ」

 

「でも・・・逃げないと!」

 

ミサイルは刻一刻と迫ってきている。

私のSM-3は先ほど命中を確認した。

 

「あのね、撤退すると・・・みんな解体されちゃうんだ。すぐにしてくれるならまだいいけど・・・いろいろされて・・・」

 

「・・・そんな・・・場所を守ろうとしたの・・・?私・・・」

 

私の中にはものすごい怒りが沸いて来た。

会話を聞いていたケストレルも起こった顔をしている。

 

「トラックに残ってる艦隊は?」

 

「たぶん・・・今はほとんど・・・みんな出払ってるから・・・」

 

なら・・・トマホ-クで・・・

と思ったが一応友軍の司令官、独断で攻撃するわけには行かない。

提督は攻撃を許可してくれるだろうけど、そうなれば提督の立場が危うくなる・・・

そのときだった・・・

 

「敵潜・・・弾道ミサイル連続発射!!」

 

アンドロメダが私に向かって叫んだ。

・・・好都合だ。迎撃するフリをして全弾外してトラック鎮守府を破壊してやる。

私はミサイルに情報を入力、ミサイルを発射する。

 

<<あの~・・・ア-レイバ-クさん・・・?>>

 

そのとき突然提督から無線が入る。

 

<<その・・・できれば撃ちまくるのはやめて欲しいかなぁ~・・・なんて>>

 

「ごめんなさい・・・でも・・・迎撃しないと・・・」

 

<<あ~・・・まぁ・・・しゃーないか>>

 

そして無線は切られた。

そのとき、CIWSの射程圏内にミサイルが入ってきたのかケストレルが攻撃を開始した。

 

「今度こそ落とす!!」

 

側舷に装備された3基のファランクスが弾幕を展開する。

 

「当たれ・・・当たれ・・・当たれ!!」

 

すると祈りが通じたのかミサイルは艦隊の数キロ先で爆発した。

私はというとスタンダ-ドをばれないように外した。

そのとき無線が・・・

 

<<飛龍、目の前の艦隊を「敵」と見なす。警告に従わないヤツらだ>>

 

「はぁ!?!?」

 

ケストレルがものすごい声を出していた。

 

「あんたの艦隊助けてやったて言うのに攻撃ぃ!?ふざけてんじゃないよこのダボ!!」

 

ものすごいブチ切れてる・・・

まぁ・・・仕方ないけど・・・

 

<<攻撃しろ。命令違反は・・・わかってるな>>

 

この提督に弾道ミサイルが命中するまであと2~3分・・・

駆逐艦の一人は砲を握って震えている・・・

 

「ケストレル、弾着までと2分程度です」

 

「もうあの提督にぶつけなさいよ!!腹立つなチクショウめ!!」

 

<<あ~・・・女の子がそんな言葉使うんじゃありません>>

 

「だって隊長!あの提督おかしいでしょ!!」

 

<<まぁ・・・全部録音してるし・・・>>

 

すると・・・

 

「ちょ、ちょっと・・・!弥生!やめなさい!」

 

飛龍が怒鳴りだした。

振り向くと額にものすごい汗を滲ませ砲をこちらに向けている駆逐艦がいた。

 

「・・・砲の向けちゃダメな部分がこっちに向いてますよ」

 

弥生とよばれた駆逐艦はそれでも砲を向け続ける。

 

「め、命令に・・・従わないと・・・」

 

「あんたねぇ・・・!」

 

ケストレルは爆発寸前だった。

そのとき・・・

 

<<何をしてる、早く撃て。命令が聞けないのか>>

 

「う、撃てます・・・」

 

<<じゃあ早く・・・ん?何の音-------->>

 

無線が途切れる。

レ-ダ-で弾道ミサイルの行方を追っていたからわかる。着弾したんだ。

提督は戦死だろう。

 

「提督・・・?」

 

「死んだよ。たった今」

 

「し、死んだ・・・?」

 

状況を説明してると・・・

 

<<あ、あの~・・・ケストレルさん・・・?トラックに弾道ミサイルが直撃したらしいッスけど(震え声>>

 

「あ~・・・その・・・」

 

<<しかも壊滅したっぽい(涙声>>

 

「あ~・・・ごめんなさい」

 

<<いやこれヤバイからね!?>>

 

無線の向こうから提督の悲鳴が聞こえてきた。

 

<<はぁ・・・あ~・・・トラック泊地所属の艦隊諸君・・・>>

 

「・・・?」

 

<<今から君たちは俺のとこで引き取る。大丈夫、俺のところはブラックじゃない。休みたければ休ませてやる!>>

 

でもやはり信用できないという顔をしていた。

すると・・・

 

「了解・・・しました・・・今より横須賀所属になります」

 

<<そんじゃそのまま呉まで来てくれ。燃料が足りなければ給油艦を送るが・・・>>

 

「燃料は持ちます」

 

<<了解、そんじゃ呉で待ってるよ。護衛艦を今から送るから気をつけて>>

 

とりあえず艦隊を助けた・・・

あとは原潜だけ。

 

「アンドロメダ、敵原潜をロスト・・・場所は不明です」

 

「了解しまし・・・あ、まってください。新たな推進音・・・潜水艦・・・?」

 

「新手ですか?」

 

「そこまでは・・・」

 

「私が確認に行きます」

 

「了解しました。ただ推進音とともに異音が混ざってます・・・損傷してるのかも・・・」

 

なおさら救助しないと・・・

 

「わかりました」

 

私は艦隊を離れ潜水艦を探しにいく。

敵原潜からの攻撃が完全に止まってるのを考えるとヤツは逃げたのかも知れない。

 

「この辺かな・・・」

 

アクティブソナ-で探す。

するとすぐ近くに反応があった。

それと同時に排水音も聞こえる。

 

「浮上してくる・・・?主砲、一応攻撃準備」

 

主砲の薬室に初弾を送り込む。

そして潜水艦は姿を見せた。

・・・味方・・・?

 

「どこの所属ですか?」

 

「え・・・えっと・・・」

 

見知らぬ艦に遭遇したせいか少し怖がっているようだ。

なんだろう・・・可愛い・・・

 

「ド、ドイツ海軍のUボ-ト、U-511です・・・」

 

「Uボ-ト?」

 

「はい・・・」

 

「了解しました。敵ではないですね?」

 

「み、味方です・・・あ、あなたは?」

 

「呉鎮守府所属、ミサイル駆逐艦ア-レイバ-クです」

 

「ミサイル・・・V1みたいな・・・?」

 

「搭載兵器はそんな感じです。どこの鎮守府にも所属していないなら帰りましょう。たぶん・・・配属先は横須賀だと思いますが」

 

「お、お願いします・・・さっき・・・おっきくて怖い潜水艦に会ったから・・・」

 

「・・・潜水艦・・・?それはどっちに?」

 

「え、えっと・・・東に向かって・・・」

 

そしてふとレ-ダ-を見ると・・・

 

「またハ-プ-ン・・・!!」

 

「え、え?」

 

「511、潜行して私の真下にいてください」

 

「は、はい!」

 

511は急速潜行を行う。

 

「シ-スパロ-発射用意・・・!」

 

<<ア-レイバ-ク!!ミサイルが!!>>

 

「分かってます!アンドロメダはアスロックを!」

 

<<分かりました!ご無事で・・・!>>

 

今度は一発だけのようだ。

狙いは・・・たぶん511だろう。

 

「シ-スパロ-発射!!」

 

2発のミサイルを発射する。

主砲とCIWSも準備できている。

ふとアンドロメダのほうを見るとアスロックを発射していた。

アスロックを敵艦手前で自爆させ水圧で損傷、もしくは撃沈させる予定らしい。

 

「命中まで5秒・・・」

 

シ-スパロ-はもうすぐで命中というところまで来ていた。

だが・・・

途中で反応が消える。

外れたようだった。

 

「右90度・・・まっすぐ突っ込んでくる・・・距離14000・・・砲撃始め!!」

 

主砲の射程に入り攻撃を開始する。

すると運がよかったのか初弾が命中、撃墜した。

 

「ふぅ・・・撃墜・・・511、もう浮上して大丈夫ですよ」

 

すぐに511は浮上してきた。

 

「お、終わりました・・・?」

 

「はい、あとは艦隊に戻りましょう」

 

そのとき遠くから爆音が聞こえた。

同時に船体の軋む音も。

だが、断裂音や圧壊音が聞こえないところを見ると撃沈には至っていないようだ。

でも撤退させることは出来ただろう。

とりあえず、511をつれて港に帰ろう。

 

 

~提督~

 

「司令官さん、友軍を保護したってどうしたのです?」

 

「ああ、あれな。ブラック鎮守府ってあるだろ?」

 

「聞いたことあるのです」

 

「そこで酷使されてた艦娘がいたんだけど、司令官が戦死したようでうちに引き取ることにした」

 

・・・トラック泊地の鎮守府が吹っ飛んだけどね・・・

まぁ、あそこはまだ司令官も残ってたし大丈夫だろう。

それよりも俺の資源がやばい。

もう毛根死滅しそう。

 

「司令官さん・・・ちょっと浪費しすぎなのです・・・」

 

「うぅ・・・毛根が痛い・・・」

 

「何で毛根なのです!?」

 

とりあえずアメリカからの援助のおかげで頭の被害はバ-コ-ド程度で抑えれそうだ。

 

「そういえばドイツ潜水艦を救助したって言ってたな」

 

「言ってましたね」

 

「クロの知り合いかな?」

 

「う~ん・・・横須賀に帰ったら分かるのです」

 

「そだね」

 

それにしても原潜にアスロック命中・・・大丈夫かな・・・

そういえば爆雷程度なら原子炉に被害は入りにくいとか聞いたし爆雷を積んだ機をケストレルに搭載するかな

なんてこと思いながら帰ってくる艦隊を待っていた。

保護した艦隊は疲労がすごいらしいから間宮のアイス準備しとかないと・・・

 




う~ん・・・今回は微妙かも。
次話から本気だす(殴


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亡国のイージス フタマルサンゴー

今回は先に言います。もんのすごく微妙な出来!!

それでもいいよって人もダメだよって人もゆっくりしていってね!


保護した艦隊を迎え入れ、補給などをしていた。

どの子も疲労、損傷が激しい。

おまけに提督不信・・・あるていど信頼関係を築かないと・・・

 

「とりあえず全員補給は終わった?」

 

「はい、なんとか・・・」

 

「あとは入渠か・・・」

 

とりあえずスケジュ-ルを組まないと・・・

 

「あ、そだ」

 

「?」

 

「工廠借りてもいいか?」

 

「工廠ですか?」

 

「うん、ちょっと建造をまわしてみようかと思って」

 

「私のところで大丈夫かな・・・」

 

「まぁ・・・大丈夫じゃね?」

 

そんなわけで電をつれて工廠に行く

 

「ちわ~っす」

 

そんなノリで入ると・・・

 

「むっ!!何奴!!者ども!出合え出合え!!」

 

「ファッ!?」

 

いきなり武装した妖精さんに囲まれました。

何なんですか。

 

「あ、なんだ横須賀の提督か~」

 

「あ、なんだ~じゃねぇよ!!」

 

いきなり取り囲まれたらビビるわ!

 

「はぁ・・・とりあえず大型建造回せるか?一応、俺のところの資材を使うから俺の鎮守府所属になると思うが」

 

「ん~・・・でもうちでこういうことするの初めてだから・・・やってみる!」

 

そして妖精はせっせと資材を持っていっていた。

401が出たらいいな~

 

「それじゃこれが書類ね」

 

「ほいよ、どうも」

 

他人の鎮守府だし壊れてないだろ!

とか思いながら書類を見ると・・・

 

 

 

 

「・・・・・・・・・ここもかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

「し、司令官さん!?どうしたのです!?」

 

「おまっ・・・30時間ってどういうことだ!?」

 

「さ、30!?」

 

何を作ってるんですかねココ

とりあえず気にはなるので高速建造しよう

 

「まぁ、高速建造してみてくださいな」

 

「らじゃー!」

 

バ-ナ-かついだ妖精が中に入っていき・・・

 

「まったく建造は地獄だぜええええ!!ふはははははははは!!!!!」

 

やたらハイな妖精さん。

 

「おい・・・あいつ俺の鎮守府から来たのか・・・?」

 

「そ、それはないと思うのです・・・」

 

「とりあえず・・・出てきた子の演習というか訓練をお願いね」

 

「了解なのです!」

 

そして建造が終わり扉が開く。

どんなヤツが出てくることやら・・・

 

「あれ、何かデジャブ感じる艤装つけてる・・・」

 

ア-レイバ-クで見たことある艤装をくっつけてる・・・

これは・・・イ-ジス!?

 

「いそかぜ型ブイ・ウェッブ艦、一番艦のいそかぜです」

 

「いそかぜ・・・?」

 

そんな艦名聞いたことないしブイ・ウェッブ艦ってなんだ・・・・

 

「すまん、いきなりで悪いんだが、ブイ・ウェッブ艦って何だ?」

 

「話が長くなりますがよろしいですか?」

 

「ああ・・・まぁ・・・」

 

「ブイ・ウェッブ艦とはですね・・・」

 

ブイ・ウェッブ艦というのは「Variable Equipment : Weapon, Engine and Bridge Vessel」の略、「VE-WEBV」で、スタンダ-ド・フレックスの要領で武装、機関は当然のこと艦橋の位置や種類を自由に変更できる。

そして、システムやレ-ダ-、イ-ジスシステムまで何でも積み替えることができる。

いそかぜ曰く旧軍の主砲や魚雷、爆雷、機銃も搭載可能らしい。

砲は15.5cm砲までらしいが・・・

そのため、いそかぜ は変装が得意らしい。

艦橋を変更して兵装を一部換装、一見旧海軍の駆逐艦になることも出来る。

そのため、油断した敵に至近距離からミサイル攻撃を食らわせたり、ある程度地上で行動することが可能な艦娘だから出来る潜入も得意らしい。

 

「そんな感じです」

 

「つまり、ブロックのおもちゃみたいに何でも載せれるってことか?」

 

「そうですね」

 

ふむ・・・ためし装備開発してみて何か載せるかな

 

「そういえば装備は何を持ってるんだ?」

 

「えっと、127mm速射砲一門、VLS一式、CIWS、イ-ジスシステム、システムリマ・・・」

 

「ん・・・?システムリマって何だ?」

 

「深海のイ-ジスです」

 

「なんだそれ」

 

「通常イ-ジスシステムでは複数の対潜目標に対する攻撃ができませんがこのリマは複数の対潜目標を感知、同時攻撃が可能です。また、機関停止状態の潜水艦も簡単に見つけることが出来ます。」

 

「つまりは超高性能なソナ-に対潜攻撃も出来るイ-ジスシステムが合体した感じか・・・」

 

「そうなります。あとは私は対艦攻撃と対ミサイル攻撃が可能なミサイル、「T-Pex」を搭載してあります」

 

「ティ-ペックス・・・?」

 

「テルミットプラス・エクストラ。着弾時に周囲に約6000度の熱を発生させる特殊弾頭ミサイルです」

 

「ろ、6000!?核兵器並みじゃないのか・・・」

 

「いえ、炸薬は通常です。もとは生物化学兵器を殺菌するための兵器です」

 

「対艦で使うと・・・・想像したくないな・・・」

 

「まぁ・・・・乗員は全員ロ-ストされますね」

 

「・・・・聞かなきゃよかった」

 

「あ、あの・・・司令官さん、話が何も入ってこないのですが・・・」

 

「あとで詳しく教えてあげるよ」

 

しっぽりムフ(ry

 

「あと・・・私は常に特殊弾頭ミサイルを装備しているのですが・・・補給などは大丈夫でしょうか」

 

「その特殊弾頭ってのは?」

 

「先ほどのT-Pexとアポト-シスVと呼ばれる電磁攪乱ミサイルです」

 

「・・・マジで?」

 

「電磁攪乱ってなんなのです?」

 

電には意味不明な単語の連発のためハテナマ-クが飛びまくっていた。

てか、この艦は当たりなのか・・・?

一応書類に目を通しておこう・・・

 

「電磁攪乱っていうのは相手の電子装備を一時的に使用不能にするんだよ」

 

「司令官さん物知りなのです・・・」

 

「やだうれしい」

 

なんてこといいながら書類に目を通すと・・・

 

火力 30~180

 

耐久 40~100

 

装甲 2~60

 

速力 低~超速

 

対空 30~400

 

対潜 70~100

 

雷装 0~60

 

索敵 300

 

射程 超長

 

搭載 0

 

回避 30~60

 

運 10

 

・・・・・・・・・いろいろおかしい。

何がおかしいって数値が定まってない。

 

「司令官さん?どうしたのです?」

 

「これ見てみ」

 

電に書類を見せると・・・

 

「こ、これどういうことなのです・・・?」

 

するといそかぜは書類を覗いて・・・

 

「これはきっと装備換装後のことですね。」

 

「いや、火力とかは納得できるんだ・・・その・・・耐久値上がりすぎだろ・・・」

 

「いい忘れてましたが、私は装甲厚の変更が可能ですよ」

 

「なにそれおかしい」

 

とりあえず即戦力間違いナシではある。

 

「まぁ・・・いったん司令室に行こう、装備はあとでまた開発だな・・・」

 

あと演習も・・・

とりあえず俺の いそかぜ に対する印象はよく分からんって感じだった。




前書きで書きましたとおり微妙でしょ?
ここまで読んだ君を僕は愛しているよ。

まぁそんな話は置いといて亡国のイージス2035~ウォーシップガンナー~に登場する艦「いそかぜⅡ」がこの子になります。
GUSOH?いえ、知らない子(ry
いつかは登場予定ですよ?


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敵の潜水艦を発見! ←\嫌だ!!/

「作戦を説明する!」

 

あらたに艦隊に加わった、いそかぜと511の初陣となる作戦を開始しようとしていた。

 

「本作戦の目標は・・・敵原潜を撃沈せよ」

 

「撃沈!?でも放射能が漏れるって・・・」

 

「いや、船体を海のそこに沈めるだけだ。機関部にはあたらないようにする」

 

「でも・・・どうやって?」

 

「今回は爆雷でやる」

 

すると駆逐艦の面子は

 

「爆雷!?そんな・・・あんなの相手なんていくらレディ-でも無理よ!」

 

 

レディ-は果たして関係あるのかないのか・・・

 

「暁よ、もしここで敵原潜を沈めたらお前はもう一人前の超素敵なレディ-だ」

 

「やるわ!」

 

ちょろいぜ・・・

と、そんなこと思っても下手すれば轟沈がありえるので無理はさせれない

 

「今回の作戦は第六駆逐隊に、いそかぜ、ア-レイバ-クが随伴していく。あと伊号全員とクロ、511だ」

 

「私の初任務ですね・・・がんばります」

 

511の気合は十分のようだった

 

「戦術はまず、いそかぜ のシステムリマで原潜を捜索、発見後アスロックを撃ち込む」

 

「爆雷攻撃じゃないんですか?」

 

「まずは敵の航行能力か攻撃能力を奪うんだ」

 

「司令官、でしたら私から一つ進言してよろしいでしょうか」

 

いそかぜが手を上げた。

 

「ん?何だ?」

 

「私に搭載してあるアポト-シスV・・・そのミサイルなら敵原潜から一時的ですが航行能力、攻撃能力を奪うことが出来ます」

 

なにそれチ-トとか思ったがこれなら被害が少なくて済むかもしれない

 

「よし、ならその作戦で行こう」

 

「司令官、アポト-シスVの弱点は半径1km以内の目標はすべて2時間ほど無差別に無力化します。その電磁波は強力で人体に浴びると甚大な被害・・・死亡する可能性があるので人がいる場所、または味方の近くでは使用できません」

 

「了解した」

 

使い方次第では恐ろしい・・・

 

「よし、出撃だ!」

 

 

 

 

~いそかぜ~

 

私の初めての実戦が始まる。

そういえば昨日、司令官と話していて海上自衛隊所属というと少し不安そうな顔をしていた。

たぶん、私が専守防衛を貫くと思っているのだろう。

だけど、私は表面上が海上自衛隊なだけだ。

専守防衛などそっちのけで先制攻撃し撃沈した艦船は数多くいる。

時には同盟国の船すら撃沈した。

・・・仲間の船も

乗っ取られていたとは言え、気持ちのいいものではなかった。

 

「ア-レイバ-クさん、もしかしたらアポト-シスの電磁波が貴女の電子機器に影響を及ぼすかもしれません、ご注意を」

 

「分かりました」

 

「お互い敬語って何か不思議ですね」

 

「私は・・・ちょっと人見知りでして・・・」

 

ア-レイバ-クは少し顔を赤くしてうつむいた。

 

「姉妹は40人ほどいるのに長女がこんなのでは・・・」

 

「・・・その中にア-カンソ-はいましたか?」

 

「ア-カンソ-・・・?いえ、知らない子ですね」

 

「そうですか・・・よかった・・・」

 

「?」

 

ア-カンソ-は過去に私が沈めたアメリカのブイ・ウェッブ艦だ。

姿形はア-レイバ-クそっくりなので姉妹にいないかと思い少し不安だった。

 

「・・・システムリマ・・・起動」

 

そろそろ作戦海域だ。

リマを起動させる

 

「発見しました・・・機関停止・・・隠れてるつもりですがバレバレですね」

 

「見つけましたか?」

 

「はい、距離30000・・・こちらには気づいていないようです」

 

「了解なのです!全艦対潜戦闘よーい!」

 

「電さん、少し待ってください、戦闘用意は10000まで近づいてからで」

 

「?どうしてなのです?」

 

「私のミサイルが着弾して、その有効期間が2時間しかありません。この距離、速度では間に合いません」

 

「分かったのです、方位は分かりますか?」

 

「2-2-0です」

 

「了解なのです!」

 

旗艦の電を先頭に方位を変える

そのときだった。

 

<<また・・・お前なのか>>

 

「!?」

 

私個人に来た無線・・・

この声・・・

 

「どうしたのです?」

 

「ヨンファ・・・」

 

<<ご名答・・・まぁ私は提督しているが>>

 

「また・・・沈めてやる!!」

 

<<ふん、まぁいいがな。そうだ、一つ警告しておこう>>

 

すると無線の周波数を切り替えた

 

<<全艦娘、提督につぐ。我々の作戦行動を妨害しないほうがいい。我々の装備するミサイルの弾頭は通常に非ず。以上だ>>

 

私はその言葉で怒りが爆発しかける

 

「ヨンファアアア!!!」

 

「な、なんなのです!?」

 

また・・・日本を人質にとる気か!!

 

「ヨンファって誰よ!」

 

「テロリストだ!あの死にぞこない・・・また沈めてやる・・・いや、TPexで焼き殺してやる!!」

 

するとヨンファから無線が入る

 

<<そうだ、一ついいことを教えてやる。私はこの原潜に乗艦している>>

 

「乗艦!?艦娘に人間が乗ることなんて・・・」

 

そこから返答がない。

ただ私は思い当たることがある。

2035年の・・・千里馬艦隊の事件・・・AI・・・

 

「あのヨンファ・・・またAIか!」

 

周りは状況が読めずにいるようだ。

いま状況が分かるのは私だけのようだった。

 

「いそかぜさん、ヨンファってのはいったい誰なのです?」

 

「皆さんに教えます・・・ですが・・・必ず撃沈してください!」

 

ヨンファ・・・本名はホ・ヨンファ。

2005年の「いそかぜ事件」の犯人だ。

GUSOHと呼ばれる約一リットルで東京を死滅させれる生物兵器を海上自衛隊のいそかぜに持ち込み東京に撃ち込もうとしたテロリスト・・・

事件はヨンファの死亡、いそかぜ の沈没で終わった。

 

私は2035年にその いそかぜ を引き上げ、改装、ブイ・ウェッブ艦として蘇った いそかぜ だ。

そして事件は起こった。

呉の基地から3隻のブイ・ウェッブ艦、「くにつかぜ」「たかまがはら」「よもつかぜ」を強奪、GUSOHを装備した。

しかしそのヨンファは米軍の開発した戦術AIだった。

私はアポ-トシスでヨンファを破壊、その三隻も撃沈した。

そして事件は終わったと思っていた。

しかもこの世界に「いそかぜ事件」は起こっていない。

なぜヨンファがいるのか・・・

 

「つまり、沈めちゃえばいいのね!」

 

「短的にいうと・・・」

 

するとそのとき突然アラ-トが鳴る。

この誘導電波・・・まさか!!

 

「GUSOH接近!!」

 

「グ、グソー?」

 

「生物兵器です!迎撃は私が・・・TPex準備!」

 

もしこの艦隊に直撃すればBC兵器対策をされていない第六駆逐隊、ア-レイバ-クは無事ではすまない。

艦船にリンクしているから死亡することはないが気絶はするだろう・・・中にいる妖精は確実に死亡する。

しかも毒素は3日間滞留するため下手に救助も出来ない。

TPexで解毒なんてした日には皆沈んでしまう。

私はイ-ジスシステムを駆使してGUSOHをロックオン、迎撃の準備をしていた。

あの時のみたいにはしない!




今回は短めです!
亡国のイ-ジス色が強いかな?
まぁそんなわけで第一回アタスの中会議で敵原潜を静める慈悲はないってことになりました。


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ミサイルの弾頭は通常に非ず

最近すこし忙しいので短めのが多くなりますがなるべく更新頻度上げるよう努力します!


「TPex・・・攻撃始め!続いてアポト-シス発射用意!」

 

私の両脇に着けられた艤装からTPexが発射される。

続いてアポト-シスのVLSハッチを開放する。

目標はもちろん、ヨンファだ。

 

「みなさん!今すぐここから逃げてください!」

 

「に、逃げるたってどこによ!」

 

「どこでもいい、早く離れて!!」

 

私はこれが初実戦。過去に何度も迎撃したミサイルだし自信はあるがもしも外れた場合全滅は不可避だ。

私には対BC兵器対策がしてあるためGUSOH一発程度なら耐えることが出来る。

 

「インタ-セプト五秒前・・・スタンバイ」

 

「SM-2、発射始め!シ-スパロ-スタンバイ!」

 

突然ア-レイバ-クも攻撃を開始した

 

「なっ!?早く逃げてって・・・」

 

「私だってイ-ジスです!絶対に迎撃します!」

 

第六駆逐隊は素直に離れていく。

この状況ではありがたい。

もしあの子たちの主砲、機銃で迎撃できてもGUSOHをその場で拡散させるだけになる。

そして迎撃できる距離はGUSOHの被害圏内・・・

 

「・・・マ-クインタ-セプト・・・!」

 

だが両方の反応が残っている。

・・・・外れた。

 

「目標を外れた・・・!」

 

「SM-2・・・着弾まで3秒・・・」

 

私は主砲とシ-スパロ-を準備する。

 

「ア-レイバ-クさん!もういい!逃げて!!」

 

「まだです!」

 

すると・・・

 

「命中!!迎撃成功!」

 

遠くで爆炎がと同時に大きな雲が形成される。

あの雲こそがGUSOHだ。

 

「あ、あの・・・雲って何・・・・?」

 

「あれがGUSOHです」

 

「でも・・・迎撃は・・・」

 

「あれは私にTPexで迎撃しない限り発生します。今から解毒を行います」

 

「解毒?」

 

「TPex・・・撃ちー方始め!」

 

二発目のTPexを発射する。

すると突然司令官から無線が入る。

 

<<あのぉ・・・そろそろミサイルの使用を制限していただけないでしょうか・・・>>

 

「なんでですか?」

 

<<もうね、君たちを補給する資源残ってないの・・・燃料は大丈夫だけど弾薬が・・・あとお前らに積んであるだけしか・・・>>

 

「了解しました。ヨンファを撃沈したら帰投します」

 

<<ヨンファ?ああ、さっきの無線か>>

 

「聞いていたので?」

 

<<ああ、向こうさん、さっき日本・・・東京を人質にとりやがったぞ>>

 

「!?」

 

<<開放条件はあの艦の撤退を邪魔しないこと・・・だそうだ>>

 

「そんな!あとちょっと撃沈できるんですよ!」

 

<<さっきな・・・その無線を聞いて出撃した艦隊にその・・・特殊弾頭ミサイルが撃ち込まれたんだ>>

 

私は言葉を失った。

2035年の千里馬艦隊の件と同じだ。

・・・千里馬艦隊の撤退を阻止しようとした海上自衛隊の護衛艦「つなしま」にGUSOHが撃ち込まれた。

ヤツらはGUSOHのデモンストレ-ションとして護衛艦の乗っていた全員の命を奪った。

 

<<外洋だったために日本への被害はないが・・・この無線を聞いてみてくれ>>

 

「無線・・・?」

 

<<さっき言ったはずだ。我々を邪魔するなと。もう一度言う、我々のミサイル弾頭は通常に非ず。いいことを教えてやる、この弾頭の毒素は3日間はその場に滞留する。解毒は不可能だ。ある一隻の船を除いてな>>

 

この解毒できる船は私のことだろう。

録音はここで終わっていた。

 

<<・・・今君たちがいるのはトラック島・・・攻撃があったのは東京だ>>

 

「・・・司令官・・・指示を」

 

<<・・・>>

 

 

~提督~

 

<<・・・司令官・・・指示を>>

 

「・・・」

 

今ならヤツを撃沈することは可能だ。

だが、いそかぜが一発で撃沈できるとは分からない。

攻撃を確認した瞬間ヤツはそのグソ-を東京に発射するだろう。

今艦隊がいる位置はいそかぜたちが東京と間逆の位置にいる。

しかも射程ギリギリだ。

もし撃たれれば迎撃できないかも知れない。

それこそこちらが近づいた瞬間撃たれるかも知れない。

 

<<司令官、私は指示に従います>>

 

俺は決心した

 

「・・・いそかぜ、お前は迎撃に自信はあるか」

 

<<・・・あります>>

 

「全艦に告ぐ、作戦続行!目標艦を撃沈せよ!」

 

ただしいそかぜ、ア-レイバ-クはもう積んであるだけしか弾薬がない。

帰ってきて第二次攻撃と言っても補給することが出来ない。

 

「いそかぜ、ア-レイバ-ク、攻撃は今しか出来ない」

 

<<分かってます>>

 

「アポト-シス、TPexは何発残ってる?」

 

<<アポト-シスは18発、TPexはあと16発です>>

 

「了解した。もしグソ-を撃たれたらすぐにTPexを発射、その後アポト-シスを撃ち込め!」

 

<<了解!>>

 

「電、聞こえるか?」

 

<<聞こえるのです!>>

 

「いいか、いそかぜが原潜の動きを止めたら全速で目標に向かって爆雷をばら撒くんだぞ!」

 

<<了解なのです!>>

 

「・・・沈むなよ」

 

<<・・・ちゃんと、司令官の傍に帰ってきますね>>

 

フラグたった気がしたけど気にしない。

俺はいざというときのためにある兵器を準備していた。

 

「ODIN・・・スタンバイ」

 

もし電の身に何かあったら覚悟しやがれ。海域ごと消し飛ばしてやる。

弾頭を空間制圧弾頭にする。

・・・その空間制圧弾頭が30発詰まった弾を落としてやる。

時限信管で海中で爆発するようにする。

30発の空間制圧弾頭・・・それが敵原潜のいる一帯に降り注ぐことになる

 

 

 

~いそかぜ~

 

「ア-レイバ-クさん、行きましょう」

 

「そうですね・・・電ちゃんたちの護衛はお任せください」

 

「いそかぜさん、どういう攻撃をするのです?」

 

「・・・私が単艦で突っ込みます、それについてきてください」

 

「そ、そんな無茶よ!!いくらレディでもそんなこと出来ないわよ!」

 

レディ-関係あるのかな・・・まぁいいか・・・

 

「大丈夫です、私は1対100くらい経験しましたから」

 

「い、いそかぜさんの過去に何があったのかしら・・・」

 

「ハラショー・・・」

 

四方八方からミサイル飛んできたなぁ・・・

そんなことはおいといて。

 

「行きましょう。最大戦速!」

 

私が接近を開始して10分後にみんなも前進を始める。

その間にヨンファから無線があった。

 

<<単艦で来る・・・か。相変わらずだな>>

 

私はそれを無視してアポト-シスに情報を入力する

 

「アポト-シス・・・撃ちー方始め!!」

 

脇の艤装からアポト-シスが発射された。

・・・同時にヨンファから東京に向けてGUSOHが発射された。




これもう亡国のイ-ジスだ!とか思っちゃダメよ?ダメダ(ry

そんなことは置いといて今回は面白くできたとは思うお!
あ、何?艦これ関係なくね?って?

こまけぇこたぁ
    いいんだよ!!
  /)
 / /)
`///   __
| ̄二つ / ⌒⌒\
| 二⊃/ (●)(●)\
/  ノ/ ⌒(_人_)⌒ \
\_/|   |┬|   |
 / \   `ー′  /


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敵原潜、撃沈

「やっぱり東京に・・・TPex発射始め!」

 

一応射程圏内だが当たるかどうか・・・いや、当てる!

 

<<いそかぜ、スタンダ-トを発射します!>>

 

「わかりました、もし迎撃できたら解毒は私が」

 

<<了解です、SM-2攻撃始め!>>

 

後ろのほうで爆音が聞こえた。

敵艦まであと10000・・・

 

「敵艦からミサイル攻撃がない・・・罠?」

 

余裕でハ-プ-ンの射程圏内なのに発射してこない。

すると・・・

 

<<いそかぜ!海中からミサイル出現!これは・・・迎撃ミサイル!?>>

 

「敵潜からですか?」

 

<<はい!>>

 

「こちらでも捕らえました・・・なんで潜水艦が・・・」

 

するとアポト-シスが直撃する寸前で撃墜される。

だが、このアポト-シスは迎撃されても炸裂し、強力な電磁波を発生させる。

ただ敵は海中・・・爆発は空中だったので効果は薄いかもしれない。

 

「アポト-シス炸裂を確認・・・敵潜は・・・?」

 

リマを駆使して敵の状況を探る。

すると効果があったのかさっきまで聞こえていた音がすべて聞こえなくなっている。

 

「敵潜の停止を確認!今です!!」

 

<<なのです!>>

 

<<雷様の本気を見せてあげる!>>

 

各艦が突撃を開始する。

するとそのとき敵の機関だろうか・・・異音が聞こえ始める。

 

「何・・・この音・・・」

 

まるで何かが溶けているような音とガス漏れの音が聞こえる。

すると無線が・・・

 

<<やる・・・な・・・だが、GUSOHは迎撃に失敗したようだ>>

 

「え・・・」

 

レ-ダ-を見ると反応が残ったままだった

・・・そんな・・・

 

<<俺が・・・ただで沈むと・・・思うな>>

 

私はそんな無線を無視して提督に連絡する

 

「司令官!迎撃に失敗しました!GUSOHは東京に・・・」

 

<<分かっている。ただ幸いなことに・・・ミサイルは俺の鎮守府の真上を通るみたいだ>>

 

「何が幸いなんですか!早く避難勧告を東京に・・・!!」

 

<<俺の鎮守府はな、スタンダ-ドやCIWS、パトリオット・・・防空装備のオンパレ-ドだ>>

 

「でもGUSOHは迎撃されても・・・」

 

<<洋上で必ず落とす。そのあとの解毒は頼んだぞ>>

 

そういい無線はプツリと切られる。

それと同時に遠くで大爆発が起き、白い霧のようなものが発生する。

あの霧はたぶんGUSOHだろう。

それと・・・あの爆発は原子炉が暴走して起きた可能性がある。

電磁波で制御回路を損傷して暴走・・・爆発したようだった。

放射能漏れが心配だ

 

「あっけない最後・・・ですね」

 

いつの間にかア-レイバ-クが隣に来ていた。

 

「あ~あ、結局私たちの出番なかったわね」

 

「そ、そんなこと言っちゃダメなのです!」

 

第六駆逐隊は皆本当に中がいいな・・・

そんなことを思っていると・・・

 

「え・・・なにこの音・・・」

 

「?私は何も聞こえませんよ?」

 

私にはハッキリ聞こえる・・・

この音は・・・魚雷!!

 

「魚雷推進音!!」

 

「魚雷!?」

 

「方位2-2-0・・・敵原潜!?」

 

「そんな!今沈んだはずじゃ・・・」

 

そんなことを言ってる間に魚雷はすぐ目の前まで迫っていた。

・・・コ-ス上にいるのは・・・電。

 

「電!避けて!!」

 

私のそんな声と同時にア-レイバ-クが動いていた。

直後に大きな水柱・・・

 

「キャアアアアアア!!!!!」

 

「ア、ア-レイバ-ク・・・さん・・・?」

 

電はいきなりのことに水面に座り込んでいた。

 

「うっ・・・大丈・・・夫・・・?」

 

「わ、私は・・・でもア-レイバ-クさんが!」

 

「左舷に・・・大破孔が出来た・・・だけ・・・です」

 

「そ、そんな事言っても・・・血が・・・」

 

私が・・・もっと集中してれば魚雷に気づけたのに・・・!

でも今自分を責めても何も始まらない。

まずは解毒をしないと・・・

 

「TPex・・・発射!」

 

GUSOHが散布された区域を熱殺菌しないと・・・

 

「ア-レイバ-クさん・・・なんで・・・なんで私を・・・」

 

「仲間を・・・助けるのが・・・仕事・・・ですから・・・」

 

「でも・・・大破して・・・」

 

「私は・・・装甲は・・・薄・・・い・・・ですけど・・・ダメコンは・・・」

 

「でも・・・でも・・・・!」

 

ア-レイバ-クは苦しそうにしゃべる。

だが、損傷は確かに大破だがダメコンのおかげで沈没することはない

 

「とりあえず、帰還しましょう。曳航できますか?」

 

「わ、私が・・・私がするのです!」

 

電がア-レイバ-クと縄で繋がり、曳航を開始する。

被雷した位置は機関部だ。たぶん、機関停止だろう・・・

 

「警戒は私に任せてください。急いで帰りましょう」

 

TPexが着弾、蒼く眩しい炎を上げているのを尻目に帰還を開始した。

 

 

 

 

~提督~

 

「ドックをすぐに開けろ!資材は何でもいい!早く作れ!!」

 

俺は急いでドックを空けさせる。

・・・それにあと10分でGUSOHが俺の鎮守府の射程内に入る。

遠隔操作で迎撃を試みる。

一応、ケストレルの艦載機、横須賀鎮守府でスクランブル待機していた機が迎撃に向かっている。

 

「東京に着弾すればいくらの犠牲が出ることやら・・・」

 

いそかぜの話によれば1リットルで東京を壊滅させることが出来るらしい。

弾頭に搭載してある量は500ml・・・

東京が半壊することになる。

 

「隊長、ケストレルさんの艦載機・・・戦闘機隊はラ-ズグリ-ズですよ?大丈夫です」

 

臨時の秘書艦となっているアンドロメダは落ち着いてPCを弄っていた。

対空ミサイルなどの火器管制のためだ

 

「そうだがな・・・」

 

「スクランブル待機の皆も優秀な子たちです。必ず撃ち落せます」

 

「そう・・・だな」

 

ここは部下を疑わずに信じよう

 

「GUSOH・・・射程まであと2分、迎撃機到着します」

 

「よし、いいかお前ら!もし失敗してもまだ基地の防空網がある!変に気構えて落ちるなよ!」

 

<<りょうかい!>>

 

<<りょーかい、へへっいい声だぜ>>

 

各機がミサイルに群がっていく。

そして・・・

 

「・・・命中・・・?命中!GUSOH撃ちゅッ・・・撃墜!!」

 

アンドロメダが噛んだ。

 

「・・・噛んだな」

 

「かかかかか噛んでなんてないですぅぅぅぅ!!!」

 

顔を真っ赤にして抗議してきた。

とりあえず原潜は沈没、放射能漏れは確認できていないらしい。

呉の生活も終わりだな。

 

「提督、全作戦終了だ。ア-レイバ-クが大破してるが・・・沈没の心配はない」

 

「うぅ~・・・よかったぁぁぁ・・・・」

 

涙声で言ってくる。

 

「帰ったら思いっきり褒めてやれ。俺もお礼言わないと・・・」

 

「入渠ドックは開いてますし・・・資源も一応大丈夫・・・」

 

あとは帰ってくるのを待つだけ・・・

ふぅ・・・あとはいそかぜに頼んで解毒してもらわないと・・・

 

<<隊長、艦載機は全員帰ってきたよ>>

 

「了解、そのまま横須賀に帰投してくれ」

 

<<は~い、懐かしの横須賀だねぇ~>>

 

スクランブル待機の機体にも損害はナシ・・・

ただ、最初の艦隊に撃たれたGUSOH・・・あれは下手に解毒できないため、まだ艦娘たちがGUSOHの霧の中に閉じ込められたままだ。

・・・艤装内の妖精の生存は絶望的だろう。

艦娘も気を失ったままだ。

しかし幸いなことにGUSOHは風で流されない性質のため、東京に毒素が降り注ぐことはない。

自然消滅まであと2日・・・艦娘が耐えれるかどうかが唯一心配だった。

 




とりあえず原潜沈めました!(キリッ

まぁ今回は面白いと思うお!
ただ、亡国色が濃い気がする・・・


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横須賀への帰路

全作戦終了・・・まぁ俺たちの単独任務だったが・・・

やっと気が抜ける・・・

 

「ふぅ・・・そろそろ俺たちも鎮守府に帰るかな」

 

作戦を終えた俺の鎮守府所属の艦娘は帰還していく。

 

「提督、短い間だったが楽しかったよ」

 

「はい!私もいい勉強が出来ました!」

 

俺と電はもう荷物をまとめていつでも帰れるようにする。

帰りも新幹線だ。

 

「電、もういいか?」

 

「う~ん・・・ちょっと医務室に寄りたいのです」

 

「お見舞いか?」

 

「はい・・・」

 

「そんな罪悪感に打ちのめされてる様な顔するな」

 

「でも・・・」

 

「でもじゃない。ほら、早く行っておいで」

 

「・・・なのです!」

 

電は早足で医務室へ向かっていった。

 

「ほんと・・・仲いいですね」

 

「そりゃケッコンした仲だからな!」

 

「・・・・リア充爆散しろ(ボソッ」

 

「えっ」

 

「?どうしたんです?」

 

ものすごい笑顔で首かしげてきますねアナタ。

逆に怖い。

 

「とりあえず修理用の資源はこちらから送ったから安心しててくれ」

 

「送ってくれないと私の鎮守府もたないですよ~・・・」

 

ちなみに俺は毛根が壊滅しそうなんだけどね。

そんなこんなしてるうちに電が帰ってきた。

 

「おかえり、どうだった?」

 

「元気になってたのです!ちょっと長話しちゃったのです・・・」

 

「まぁまたいつか会えるよ」

 

そういいながら荷物を持って司令室を出る。

 

「さて・・・まためんどくさい業務にもどるかな~」

 

「司令官さん・・・お仕事はちゃんとしようなのです・・・」

 

「え~・・・」

 

「え~・・・じゃないですっ!」

 

「勘弁してくれよ母ちゃん・・・」

 

「だから誰が母ちゃんなのですか!!」

 

そんなこんなしつつ鎮守府を出る。

 

「んじゃ提督、またな」

 

「はい!いつか・・・またお会いしましょう!」

 

「そのときは練度上げとくんだぞ~」

 

「はい!」

 

鎮守府を離れ、駅に向かう。

 

「はぁ~・・・原潜相手は疲れた・・・」

 

「あ、そういえばあの・・・えっと・・・ぐそー?でしったっけ・・・」

 

「ん?」

 

「艦隊の皆さんは大丈夫なのでしょうか・・・」

 

「ああ、あれな」

 

GUSOHを被弾し、気絶していた艦娘は無事に救助されたそうだ。

潜水艦でがんばって引っ張って来たらしい。

それと奇跡的なことに艤装内の妖精に生存者がいたらしい。

ただ、妖精が死亡した武装などについては使用が出来なくなるためその艦隊の艦娘の艤装の大半は廃棄処分になるらしい。

あと帰りに いそかぜ が二箇所を解毒してくれたので海はもう大丈夫だが、GUSOHが海水に溶けている可能性があるため油断は出来ない。

実際、東京に大量の魚の死体が流れ着いたり、たまたまその水を飲んでしまった人が死亡したという話を聞いた。

・・・自然分解まであと2日・・・

それまで東京では水がほぼ使えない。

ろ過や沸騰させた程度でGUSOHは解毒できないらしい。

いそかぜ曰く、GUSOHは6000℃の熱でやっと解毒できるらしい。

 

「え~っと・・・12時のがあるな」

 

「あと1時間ほどあるけど・・・どうするのです?」

 

「ん~・・・まぁホ-ム行ってのんびりしとこう」

 

とりあえずホ-ムに行く。

腹減った・・・

 

「電、お腹すいてないか?」

 

「ん~・・・わたしはまだ・・・」

 

「じゃあちょっと俺、そこの売店でおにぎり買ってくる」

 

「いってらっしゃいなのです!」

 

とりあえず梅のおにぎりでも買おう。

買ってきて食べてると新幹線が来た。

 

「さて、横須賀に帰ろうか」

 

「なのです!」

 

ヘリとかで帰れたら良かったんだけどな~・・・

まぁいいか。

 

「あ~・・・なんかすごい久々に気が抜ける気がする・・・」

 

「ここのところ忙しかったですからね」

 

「帰ったら少し開発いってみるか」

 

「無駄使いはダメですよ?」

 

「大丈夫だよ。いそかぜ用の武装とか開発したいしな」

 

「そういえばいそかぜさんって結局どんな船なのです?」

 

「前聞いた話だと、アイツは過去に一回沈んで、それを引き上げられて作られたんだと」

 

「もとは何て名前だったんです?」

 

「元も いそかぜ だよ」

 

そこから改装を受け、ブイ・ウェッブ艦になったという

でも・・・ブイ・ウェッブ艦って聞けば聞くほど凄い船だよな~・・・

本来軍艦は政治の延長線上で建造される。

装備は作られたときから固定だ。

でもブイ・ウェッブ艦はそれこそ、素材となる上部構造が何もない船体さえあればどんな艦橋、機関、武装でも簡単に付け替えれる。

装甲厚ですら変更が可能だ。

それこそ、昨日の作戦では標準的な駆逐艦だったのに今日は装甲は戦艦並み、攻撃能力は戦艦を越えることだって出来る。

そのため いそかぜ曰く、「私の装甲を最上位にすれば大和さんの徹甲弾の2発や3発耐えれますよ。正直、一発目は無傷に等しいかも知れません。やりあったことないので分かりませんが・・・」

 

「いそかぜさんって駆逐艦なのです・・・?」

 

「う~ん・・・一応?」

 

「大和さんの砲弾一発食らって無傷の駆逐艦ってなんなのです!?」

 

「いそかぜの装甲の最上位が80cmらしいから・・・」

 

「それもうヤバイのです・・・チ-トなのです・・・」

 

「まぁただ、こんなことすれば兵装、速力に制限は出るし資源消費量も増えるからあんまりしたくないけどね」

 

「いざというときって感じです?」

 

「まぁ・・・簡単に言うと最終兵器かもね」

 

そんな話で盛り上がっていた。

2時間ほどたったときに突然睡魔に襲われた。

 

「ふああああ・・・ねむ・・・」

 

「寝ますか?ついたら起こしますよ」

 

「ん~・・・お願い」

 

「なのです!おやすみなのです」

 

「おやすみ」

 

そういって俺は夢の世界に落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・官・・・司令官さん!」

 

「ん・・・ん?」

 

「駅ついたのです!」

 

「ふああああああああ・・・もうか・・・」

 

「駅にお迎えきてるらしいですよ?」

 

「お迎え?」

 

ふと空を見上げると聞きなれた音が聞こえる。

俺の鎮守府のブラックホ-クだ。

 

「帰りはヘリか。楽でいいな」

 

「とりあえず駅を出るましょう」

 

「そうだな」

 

そして駅を出て広場に行くとブラックホ-クが降りてきた。

・・・・降りてくるのはいいけど一応ここ・・・公共の場所だからね?

 

「提督!お迎えにあがりました!!」

 

「ありがたいけどここ公共の場だから!!」

 

そんな話してると警官が寄ってきた。

 

「ちょっとそこの君!」

 

「ん?なんでしょう?」

 

「君じゃない、パイロットのほう!」

 

するとパイロットはヘリから降りてきた。

 

「なんです?」

 

「君、ここどこだと思ってるの!ここはヘリを下ろす場所じゃないよ!」

 

「は、はぁ・・・」

 

「おまけにここは公共の場!それに駐機違反だよ!」

 

駐機違反って何

 

「とにかくちょっと来て!切符切るから!」

 

「え、ちょ」

 

何で駐車違反みたいになってんの・・・

つれられていくパイロットの背中をただ眺めていた。

そして10分後帰ってきた。

 

「おかえり」

 

「んだよあのポリ公!!次やったら免停とかいいやがって!!しかも罰金2万に点数つけられるし!!」

 

・・・いや、航空機の免停って何

てかなんで点数あるの

というか航空機で交通法違反みたいなのないでしょ!!

 

「あ、あははは・・・」

 

「とりあえず帰りましょう」

 

「そうだな」

 

そしてヘリは無事に帰路についた。

なつかしの横須賀だ。




というわけで久々の日常であります!
これから当分は日常で行きたいな~・・・


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いそかぜの演習

やっと帰れた鎮守府で待っていたのはアホみたいに溜まった書類だった・・・

・・・全部資源関係の。

 

「ファアアアアアアアアッック!!!」

 

そう叫びながらハンコを押していくしかない・・・

電は遠征に行ってるし・・・

 

「そうだ!気晴らしに開発でも行こう!」

 

最近ジェット機ばかりで赤城たちが嘆いていたしな。

そう思い今日は赤城を連れて開発に向かう。

 

「赤城、艦載機開発に行くんだがどうする?」

 

「艦載機・・・ですか・・・いいのですか?」

 

「ああ、少し欲しかったし」

 

「ではすぐ参ります」

 

赤城は食べかけというか食べ初めだった巨大パフェを0.5秒くらいで胃に突っ込み立ち上がる。

・・・一度大食い選手権とか出てみたらどうなるのか気になって仕方ない。

 

「工廠は久々ですね」

 

「そうだな~・・・特に赤城はほとんど来ないもんな」

 

「改装以来ですよ」

 

そんな話をしてると工廠に

 

「てーとく!何作る?」

 

「ん~・・・赤城達用に艦載機頼む。あ、ジェットはいらんぞ」

 

「え~・・・いいジェットのレシピあったのに~・・・」

 

「魅力的だけど今はいいの!」

 

「ちぇ~・・・それで資源は?」

 

「とりあえず10回分回してくれ」

 

「りょーかい!」

 

「どんな艦載機ですかね」

 

「さぁな・・・ろくでもないのじゃないのを祈る・・・」

 

すると

 

「完成!今回はちゃんとレシプロ機だよ!」

 

「お、どれどれ」

 

赤城は一足先に工廠に入った。

 

「あ、てーとく、これ」

 

「ん?ああ、ありがとう」

 

艦載機の書類か。

どれどれ・・・

 

「・・・・ごめん、俺こんな艦載機知らない」

 

それと同時に

 

「て、提督!」

 

「おおう!?どした!?」

 

赤城がものすごい速度で工廠から出てきた

 

「わ、私あんな機体知らないです!」

 

「・・・俺もだ」

 

作られた艦載機は・・・

 

翠芽

 

翠芽 (クーガ隊)

 

散香マーク2

 

SH-60K

 

FFR-31MR スーパーシルフ"雪風"

 

 

・・・唯一分かるのがSHしかない・・・

 

「なんだこれ・・・」

 

「さ、さぁ・・・」

 

とりあえず説明文を・・・

 

翠芽

 

スイガと呼ばれる逆ガル翼の戦闘機です!とある世界の戦争請負会社の主力機ですが、今は主力の座を散香に受け渡しています。

 

対空+8

 

 

「対空は烈風並みか・・・」

 

「上々ね!」

 

「・・・すごいキラキラしてる」

 

んで・・・次は・・・

 

翠芽(ク-ガ隊)

 

とある世界の戦争請負会社のエ-ス部隊、ク-ガ隊仕様の翠芽です!あのティ-チャの初陣で隊長を務めた部隊でもあります!

空戦能力は最強レベルと言えます。

 

対空+20

命中+10

 

 

「俺こんな部隊知らない」

 

「私もです・・・」

 

「てかとある世界って何だよ・・・」

 

「さぁ・・・」

 

次!

 

SH-60K

 

あ、こいつは知ってるからいいや。

次次!!

 

散香マ-ク2

 

とある世界の次期主力戦闘機です!形状は震電に酷似していますが性能はその上を行っています!機動性は風車と呼ばれるほど高いです。

 

対空+18

命中+6

 

 

「なかなか使えそうだな」

 

「そうですね・・・この子はどこに配属しますか?」

 

「今、五航戦に艦載機が行き渡ってないからな・・・」

 

「五航戦の配属ですかね?」

 

「そうなるな」

 

 

さて最後だな。

ええっと・・・

 

FFR-31MR スーパーシルフ"雪風"

 

とある世界の双発複座の戦術戦闘電子偵察機。機動性は現存するどの航空機よりも上を行っていると言っても過言ではありません。

武装も強力なものを取り揃えてあります。

 

対空+40

命中+30

索敵+50

 

チ-トすぎぃ!!とか思ったが、資源消費量を考えればそんなにバンバン使えない・・・

 

「とりあえずこんなもんか・・・てか、10回分回したか?」

 

「その・・・途中失敗しちゃって・・・」

 

「あ~・・・そういう」

 

「もう一回回す?」

 

「いや、このあと いそかぜ の演習も控えてるしな」

 

「そっか、がんばって!」

 

そういって工廠を後にする。

 

「提督、さっそく演習はどうですか?」

 

「いそかぜ呼んでこないと・・・」

 

「私が呼びに行きます!加賀さんと演習に参加してよろしいでしょうか」

 

「ああ・・・いいけど、今回はいそかぜのデ-タ収集が目的だからな!あと、511も初演習だからビビらすなよ!」

 

最後のほうが聞こえてたのだろうか・・・走って寮に戻っていった。

とりあえず俺は司令室に帰る途中に511に会ったので演習の内容を伝えに司令室につれてきた。

 

「演習はなにするの?」

 

「ん~・・・まぁ今回はいそかぜのデ-タ収集だからな・・・赤城達と組んでいそかぜを攻撃するようになると思う」

 

「うん・・・分かった」

 

「緊張してるか?」

 

「ううん、大丈夫。ユ-はいつでも準備できてます」

 

「そか」

 

511は司令室のソファ-に座ってお茶を飲んでいた。

てか、いつも思うんだけどここ司令室だからね!?お茶飲んでゆっくりする憩いの場とかじゃないからね!?

そんなつっこみは置いといて演習の準備をしよう・・・

書類は・・・もう見なかったことにしよう。

 

そんなこんなで演習のお時間

 

「んじゃいそかぜ、今日はお前単艦でほかはいそかぜに攻撃しろ」

 

「私一人ですか」

 

「まぁ・・・お前の戦闘能力の収集と新型艦載機の試験もあるからな」

 

「分かりました」

 

「よし、じゃあ皆終わったら飯食いに行こうぜ!!」

 

「提督のおごりですか!?」

 

「え、なんで」

 

「ありがとうございます提督!」

 

赤城さん話聞いてない。

まって皆聞いてない。

 

「ありがとう提督」

 

「たまにはいいとこ見せるじゃん」

 

・・・・・・

 

「ああああああ!!もう分かった!おごってやるよ!!」

 

一応原潜撃沈の報酬が入ったしな。

まぁ撃沈というかGUSOHの解毒のおかげだが。

 

 

 

~いそかぜ~

 

単艦・・・か。

がんばろう。

 

<<いそかぜ、調子は大丈夫か?>>

 

「はい、全システムオ-ルグリ-ン、対水上戦闘準備よし」

 

<<じゃあまずは主砲のみで敵機と戦闘だ。赤城、艦載機を上げろ!>>

 

<<了解しました!第一次攻撃隊、発艦してください!>>

 

赤城さんから艦載機が上がっていく。

私のデ-タベ-スにはない機体だ。

あがったのはたった4機の戦闘機。

 

「4機だけ・・・主砲、撃ちー方はじめ!」

 

腕につけられた127mm砲が攻撃を開始。

だが・・・

 

「外れ・・・いや避けられた!?」

 

先頭を飛んでいた黒豹のエンブレムが入った戦闘機を狙ったが簡単にかわされた。

 

<<すごい機動・・・だな・・・>>

 

<<私も艦載機を上げます>>

 

<<いや待て、いったん赤城の艦載機の性能を見よう>>

 

次こそは!

主砲を旋回させ、狙いを定める。

VTなら・・・

 

「主砲!撃ちー方始め!!」

 

今度こそ直撃ル-ト・・・思ったが・・・

黒豹の機体は砲弾が通過するル-ト手前で急減速・・・コブラを行い砲弾をかわした。

 

「な、なんで・・・!?」

 

イ-ジスシステムを駆使しても主砲弾を当てることが出来ない。

 

<<いそかぜ、CIWSの使用も許可する!>>

 

「了解!」

 

<<赤城、艦載機に攻撃命令を!>>

 

<<了解!>>

 

艦載機は私に向かって攻撃を開始しようとする。

 

「CIWS、AAWオ-ト!!」

 

CIWSなら・・・

ものすごい轟音とともにCWISが発射される。

だが、撃墜判定を出せたのは黒豹の随伴機だけだ。

自らの機銃弾と目標を監視して弾道を修正するCIWSの機銃すら簡単にかわして迫ってくる。

 

「くっ!」

 

次の瞬間、すぐ目の前に爆弾が着弾する。

 

「司令官、シ-スパロ-の使用を!」

 

<<う~ん・・・許可する!>>

 

「了解!」

 

これなら・・・絶対にはずさない!!

黒豹機は進路を変えてまた迫ってくる。

 

「今度こそ・・・シ-スパロ-発射始め!!」

 

脇から一本の矢を放つ。

絶対に外れることはない。

レシプロ相手なら!!

 

「行け行け行け・・・!」

 

黒豹は迫ってくるミサイルに気づいて離脱するがミサイルはその背後を取って迫っていく。

そしてあと2秒ほどで着弾という距離で・・・

 

「・・・・クルビット!?なんでレシプロ機が・・・」

 

なんとクルビットでミサイルをかわしてしまった。

そして敵機は真上・・・

 

「くっ・・・最大戦速!!」

 

逃げようと思った瞬間だった・・・

 

「キャアアアアアアアア!!!」

 

演習用の爆弾が直撃・・・私は轟沈判定になった。

 

「そんな・・・」

 

私を撃沈判定にした黒豹は悠々と飛び、赤城さんに帰っていった。

私は・・・レシプロ機ななどと甘く見ていたのが仇になってしまった。

 

「うっ・・・うぅ・・・ぐすっ・・・」

 

<<お、おいおい、泣くなよ>>

 

「だ、だって・・・」

 

<<ああ、よしよし、早く帰って来い。まだ演習始まったばかりだぞ>>

 

「はい・・・うううう・・・」

 

あの黒豹・・・ホントに何者なんだろうか・・・

そんなこと考えながら鎮守府にいったん帰ってきた。




スカイクロラしてたら・・・な?


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エース・オブ・エイセス

~いそかぜ~

 

「はぁ・・・」

 

思いっきりため息が出てしまう。

 

「元気ないわね、どうしたの?」

 

「あ、雷さん・・・」

 

「話なら聞くわよ!」

 

「はい・・・」

 

悔しすぎる・・・

私は・・・イ-ジスなのに・・・

 

「演習で何かあったの?」

 

「実は・・・」

 

私はレシプロ機一機を撃墜できなかったことを言った。

 

「ん~・・・でもそれって仕方ないじゃない?」

 

「仕方なくなんてないです!私は・・・同時に100以上の目標を捕捉、攻撃できるイ-ジスなんですよ!?」

 

「私はイ-ジスっていうのがよく分からないけど・・・でも撃墜だって出来る時と出来ない時があるんじゃない?」

 

「私は・・・音速で飛ぶ戦闘機やミサイルを迎撃するために作られた艦なんです・・・それが・・・レシプロすら落とせないなんて・・・」

 

「でも聞いた話によると向こうはもの凄い機動だったって聞いたわよ?」

 

「それでも・・・」

 

「ああ!ちょっと!泣かないでよ!」

 

こんなのじゃ・・・艦隊防空なんて務まらない・・・

艦隊からだって外される・・・

 

「いそかぜ」

 

「あ・・・司令官・・・」

 

「ちょっといいか?」

 

いやな予感しかしない・・・

 

「何でしょうか・・・」

 

「おおう!?何で泣いてんだ!?」

 

「うぅっ・・・」

 

「と、とりあえず、次は航空機の演習になったっぽいからお前待機な!」

 

「え・・・」

 

それは・・・もう私は艦隊に必要ないのだろうか・・・

 

「おわあああああ!!さらに泣くなああああ!!」

 

「だって・・・だって・・・」

 

「ただの待機だからな!別にさっきの演習がとかじゃないからな!」

 

「ホント・・・?」

 

「ホントだからそんな目で見るなぁぁぁぁ!!」

 

 

 

~提督~

 

あ~・・・ドッと疲れた・・・

いそかぜが涙目でおまけに上目遣いとかアカンやろ・・・

 

「てか・・・あの機体いったい何なんだ」

 

ミサイルすら軽がる避けやがる。

零戦(メビウス)が演習挑んでたけどどうなることやら・・・。

しかもまぁ・・・ジェット機の連中まで勝負挑みおってからに・・・

大人気ない。

ていうか、演習挑んだ理由が「イ-ジスに勝ったくらいで調子のんな!」って・・・

どっかのヤンキーかッ!!

 

「もう始まってんのかな?」

 

外から機銃の音やエンジン音が聞こえてくる。

 

「外行ってみるか~」

 

建物を出て外に向かった。

 

「・・・なんじゃこりゃ・・・」

 

空中では2機の戦闘機がまるで踊っているかのようにドッグファイトをしている。

見物に来ている艦娘が口々に「綺麗」と呟いていた。

 

 

 

~零戦妖精~

 

どこの国の戦闘機か知らないけど・・・赤城艦載機に勝てると思わないでよ!

 

「メビウス1交戦!」

 

空中には私とあの黒豹だけ・・・

大丈夫、昨日入ったばかりのヤツにやられはしない!

 

「ふふ!遅い遅い!!」

 

ヘッドオン状態から突っ込んできた敵機をバレルロ-ルでかわしインメルマンタ-ンで背後を取る。

あとちょっと機銃の射程にはいる。

向こうは悪あがきでもしているのかお尻を振って機銃の射線から逃れようとしている。

そして・・・

 

「もうちょい・・・捕らえた!!」

 

私が機銃のトリガ-を引くのと同時に向こうは高度をほとんど変えず機首を真上に向けるマニュ-ヴァ・・・コブラを使い急減速する。

 

「えっ!?」

 

敵機は一瞬で私の後ろをとって来る。

 

「くっ・・・!このっ!!」

 

このままでやられてたまるか!!

急減速しながら右にバレルロ-ルを行う。

・・・が、まだ食いついたままだ

 

「まだついて来る・・・!!だったら・・・!!」

 

一気に機首を上げて上昇する。

だが、ほぼ垂直のためすぐに失速する。

 

「失速・・・よし!!」

 

失速と同時に機体がグルンと一回転しなら機首が下を向く。

失速を利用したマニュ-ヴァだ。

これでヘッドオンだ

 

「落ちろぉぉぉぉ!!!」

 

トリガ-を引く。

演習用のペイント弾がお互いの機体をかすめて行く。

だが、どちらにも撃墜判定が出ない。

向こうも私と同じようにスト-ルタ-ンを行いまた後ろについてくる。

お互い激しい上昇、旋回を繰り返しGで押しつぶされそうになる。

 

「また後ろ・・・!」

 

私は減速しつつ上昇、旋回を行う。

うまくいけば相手は私を追い抜き無防備な背後を見せることになる。

 

「ここッ!!!」

 

ハイ・ヨ-・ヨ-でうまく敵機をかわせた。

 

「こんどはこっちの番!!」

 

機銃のトリガ-を引こうした瞬間・・・

 

「えっ・・・消えた!?」

 

相手が急上昇したと思った瞬間視界から消えた。

どこに・・・!?

と思った瞬間だった。

 

「後ろ!?キャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

機体が大きく揺さぶられる。

同時に撃墜判定の白いスモ-クを吐き出す。

相手はクルビットと呼ばれる、可変推力機構の戦闘機じゃないとほぼ不可能なその場で高度を変えずにル-プするマニュ-ヴァで背後を取っていたようだった。

 

「そんな・・・私が・・・」

 

私を撃墜した黒豹はすぐ横について来た。

 

<<・・・いい動きだったよ>>

 

「えへへ・・・あんたも」

 

相手は敬礼して戻っていく。

次はジェット機の連中とやるとか言ってたけど・・・

さすがに無理でしょ・・・

 

 

~提督~

 

「・・・動画とってたか?」

 

「いえ・・・まったく・・・」

 

あの二機の飛び方はもはやサ-カスと言ってもいいくらい綺麗なものだった。

 

「もうあれ・・・一機だけで大丈夫じゃないのか・・・?」

 

「それ私も思います・・・」

 

「じゃあ赤城の艦載機はこれからあいつだけな!」

 

「ええ!?」

 

なんてことしてると・・・

 

「てーとく、てーとく」

 

「ん?なんだ?」

 

「はいこれ」

 

「書類?」

 

燃料関連のものだった。

 

「どれど・・・・ファッ!?」

 

「どうされました?」

 

「今すぐ飛行中止!!!演習中止ィ!!!」

 

「どうされたんです?」

 

「これ見ろこれ!!」

 

「あら・・・」

 

そこには燃料消費量が1万とか書いてあったのである。

おもにク-ガ隊の航空燃料に・・・

どうも、かなり特殊な燃料らしくコストがかかるらしい。

一回の出撃で燃料2000はかかるとか・・・

 

「燃料が溜まったら飛ばせてやるから今は中止!!絶対中止ぃぃぃぃぃ!!!!」

 

燃料がほぼすっからかんになってしまった提督の悲痛な叫びが海にこだましていた。

 

 

~電~

 

「あれ、今司令官さんの声が聞こえた気がするのです・・・」

 

「気のせいじゃない?」

 

「そう・・・ですか?」

 

「とりあえずこの燃料と、えっと・・・迷子・・・?」

 

「迷子・・・なのです?」

 

北方海域に遠征中に保護した迷子を基地につれて帰るのです!

 

 




今回は海ではなく空の戦いでございます!
正直あんまり面白くないかも・・・


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迷子

「・・・・電さん?これはどちら様で・・・?」

 

「ゼロ、オイテケ!」

 

「え・・・えっと・・・」

 

遠征から帰ってきた電達が連れていたのはもの凄く見覚えのある子だった。

・・・北方棲姫じゃねぇかあああああああああああああああ!!!!!!!!

 

「・・・海に返して来い」

 

「で、でも迷子だったのです!」

 

「迷子で敵の姫クラス連れてくんなああああああ!!!」

 

何で!?何で連れてきちゃうの!?

とツッコミしてもどうしようもないわけで・・・

 

「はぁ・・・とりあえず空き部屋に連れて行ってやってくれ・・・敵意は無さそうだし・・・」

 

「りょ、了解なのです」

 

「お泊りお泊り!」

 

北方棲姫は電にやたら懐いているようだった・・・

とりあえず司令室に帰ろう・・・

 

「電、ソイツの面倒見てやってくれるか?」

 

「分かったのです!」

 

二人仲良く寮に向かっていった。

何も知らない艦娘に攻撃されなきゃいいけど・・・

 

 

~電~

 

「電、ゼロちょうだい」

 

「ゼロ・・・?ああ、零戦なのです?」

 

「うん!ゼロ!」

 

「さ、さすがに無理なのです・・・」

 

北方棲姫は大事そうに黒い零戦を持っている。

勝手にあげたら司令官に怒られるのです・・・

 

「北方棲姫ちゃんはあそこで何してたのです?」

 

「えっとね、港湾棲姫お姉ちゃんと散歩してたんだけどはぐれちゃった!」

 

「あ、明るそうに言うのですね・・・」

 

「私、ホッポでいいよ!」

 

「分かったのです」

 

「電はなんて呼べばいい?」

 

「電でいいのです!」

 

「分かったー!」

 

なんていいながら歩いていると・・・

 

「あ、電さん、今度の演習なんです・・・が・・・」

 

「いそかぜさん・・・?」

 

いそかぜさんが凍りついていた。

アカンこれ、なのです!

 

「て、敵襲!!電さんが人質にぃぃぃぃぃ!!!」

 

「ちょ、ちょ!!いそかぜさん!!違うのです!」

 

「電さんを離せ!!」

 

「だ、だからぁ!!」

 

いそかぜさんは愛用らしい9mm拳銃をこっちに向ける。

今話が通じないのですううう!!

 

「離さなければ撃つ!!」

 

「お、落ち着いて・・・えいっ!!」

 

「ごふぅ!?ぐっ・・・私が一体何をしたと言うんですか・・・」

 

「ご、ごめんなさいなのです・・・」

 

いそかぜさんの鳩尾辺りを殴って黙らせた。

・・・ごめんなさいなのです・・・

 

「ふぅ・・・さ、ホッポちゃん、起きないうちに行くのです!」

 

「はぁい!」

 

この子元気なのです・・・

そのとき司令官さんから電話がかかって来る。

 

「もしもし?」

 

<<あ、電。北方棲姫と司令室まで来てくれるか?ちょっと寮だと不安で・・・>>

 

「了解なのです!」

 

そういって電話は切られる。

私は後ろに転がっているいそかぜさんを見てため息をついた。

起きたらきっと怒られるのです・・・

そんなわけで司令室

 

「司令官さん、入るのです」

 

「はいよ~」

 

「ゼロ、オイテケ!」

 

「それ挨拶なのです!?」

 

とりあえず椅子に座る。

 

「ホッポちゃん、何か飲むのです?」

 

「ん~・・・重油!」

 

「で、出来れば人間が飲めるもので・・・」

 

「え~・・・じゃあ軽油!!」

 

「それ燃料なのです!!」

 

「電わがまま~!」

 

「これわがままなのです・・・?」

 

「ははは・・・」

 

「司令官さんも笑ってないで手伝ってほしいのですううう!!」

 

「電~!ホッポ、焼酎飲みたい!」

 

「ようやくまともな・・・まともじゃないのです!?」

 

「焼酎!焼酎!」

 

「ホッポちゃん何歳なのです!?」

 

「知らない!」

 

「知らないのです!?」

 

「なんか・・・カオスだな」

 

「だから司令官さん見てないで助けてほしいのですぅぅ!!」

 

「まぁ・・・焼酎だしてやればいいと思う・・・」

 

「いいのです?それいいのです!?」

 

何かもう疲れたのです・・・

焼酎をコップについで出してあげる。

 

「ん~!おいしい!!」

 

「けっこうグビグビ行くのですね・・・」

 

「いい酒が飲めそうだ・・・」

 

「一緒に飲んじゃだめなのです!!」

 

すると一瞬で酔ったのか分からないが顔の赤くなったホッポちゃんが・・・

 

「んふ~・・・電~」

 

「ど、どうしたのです・・・?」

 

「姉ちゃん、ええ尻しとるのぅ・・・パンティ、オイテケ!」

 

「はにゃっ!!?」

 

「・・・なんだこれ」

 

「だから見てないで助けてぇぇぇぇ!!」

 

ホッポちゃん酔ったらおっさんになっちゃったのです・・・

 

「ウェヒヒヒヒ、口で嫌がってもアソコは正直だぜ?」

 

「口調変わってるし何かおかしいのですうううう!!」

 

「へっへっへ・・・」

 

「司令官さん助けてぇぇぇぇ!!」

 

「え~・・・これ助けろったって・・・ねぇ?」

 

「ねぇ?じゃないのですううううう!!!助けてぇぇぇぇ!!」

 

「ウェヒヒヒヒ」

 

なんてことしてる間に体を触りまくってくる・・・

 

「ホッポちゃん、やめっ・・・そこ触っちゃダメぇぇぇぇ!!」

 

「おお・・・これは・・・また・・・」

 

「司令官さんなんでちょっとニヤケながら見てるのです!?なんでビデオカメラ用意してるのです!?」

 

「だってお前・・・な?」

 

「な?じゃないのですうううう!!わ、私の貞操がどうなってもいいのです!?」

 

「む、それはよくないな。よし、一線を越えそうになったら助けよう」

 

「一線越える前に助けてぇぇぇぇぇ!!」

 

何気に体をがっちり押さえ込まれて動けない・・・

てか、司令官さん録画してる!?

 

「ホ、ホッポちゃん!?す、スカ-ト脱がそうとするのやめてええええ!!」

 

「・・・いいぞもっとやれ(ボソッ」

 

「聞こえたのです!バッチリ聞こえたのです!!!」

 

「へへへへ、乳は無いけど尻はええのぅ」

 

「ホッポちゃんおかしいのです!!いろいろおかしいのです!!」

 

し、司令官さん助けてぇぇぇぇ!!録画してないで助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!

 

 

 

 

~提督~

 

ロリ×ロリ・・・最高だ。薄い本が広辞苑になるな。

 

「司令官さんんんんん!!助けてぇぇぇぇ!!!」

 

顔真っ赤&涙目・・・たまらn・・・っとそろそろ助けないとやばそうだな。

 

「ほらホッポ、もうやめろ」

 

「電、オイテケ!」

 

「どゆこと!?ぐっふぇ!!」

 

同時に殴られた・・・あ、これアカン・・・意識飛ぶ・・・

 

「し、司令官さんんんんんんん!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん・・・いててて・・・ああ、クソ・・・」

 

何時間ぶっ倒れてたんだろう・・・

ふと周りを見ると、一通り満足したのか焼酎のビンを握っておっさんみたいに寝るホッポと・・・

服が乱れまくって完全に一線を越えて号泣中の電がいた。

電はそれでも俺の殴られた場所を冷やそうと氷の入った袋を置いていてくれた。

 

「イテテテ・・・電・・・大丈夫か・・・?」

 

「うぅぅぅぅ・・・ぐすっ・・・」

 

「ああ・・・よしよし・・・」

 

抱き寄せてやると・・・

 

「うえええええええええええん!!!!いろいろ大事なもの失った気がするのですぅぅぅぅ!!」

 

「よしよし・・・」

 

「もうホッポちゃん怖いのですぅぅ・・・ぐすっ・・・うええええん・・・」

 

「・・・一体何された・・・」

 

「・・・言いたくないのです・・・」

 

「そ、そか・・・」

 

なんてことしてると・・・

 

<<警報!警報!所属不明艦を感知!距離30000!!>>

 

「不明艦!?」

 

急いで無線をかける。

 

「対水上戦闘用意!ハ-プ-ン攻撃準備!」

 

<<了解!対水上戦闘よーい!>>

 

双眼鏡で相手を見ると・・・

 

「港湾・・・棲姫・・・!?単艦だと!?」

 

<<目標港湾棲姫!ハ-プ-ン準備よし!>>

 

「攻撃少し待て!」

 

<<了解>>

 

よく見ると白旗を振りながらこっちに向かってくる。

一応、オープンチャンネルで話しかけてみるか・・・

 

「あ~・・・港湾棲姫に告ぐ!こちらに向かう意図を明らかにせよ!現在、本鎮守府のすべてのミサイル照準は貴艦に向けられている!」

 

<<あ、あの・・・えっと・・・こ、攻撃の意図はありません!>>

 

「了解した。用件は?」

 

<<あの・・・ホッポはそちらに居ますか?>>

 

「ホッポ?あ、ああ、迷子で保護したが・・・」

 

<<あぁ!良かった!私は引き取りに来ただけです!>>

 

「お、おう」

 

とりあえずいつでも撃てるようにだけはしておく。

 

「電、ホッポの迎えが来たから送ってやるぞ」

 

「お迎えですが・・・ぐすっ・・・」

 

「む、無理するなよ?」

 

「大丈夫・・・なのです!」

 

涙声で言ってくるが・・・

大丈夫かな・・・

 

「とりあえず背負っていってやるか・・・」

 

というわけでホッポを背負って外に出る。

何気に臨戦態勢な艦娘も集まってきている。

 

「あ~・・・お前ら、頼むから撃つなよ・・・?」

 

「大丈夫ネ!」

 

「大丈夫言いながら砲口向けてるよね君!?」

 

「・・・今度こそ決着つけるネ・・・(ボソッ」

 

「お前さっさと部屋帰れぇぇぇぇ!!!」

 

なんてことしてると・・・

 

「ようこそ、横須賀へ」

 

「あ、その・・・ホッポは・・・」

 

「あ~・・・その・・・司令室で焼酎飲んで酔っ払っちゃって・・・」

 

「いつものことなので大丈夫です」

 

「いつものことなの!?」

 

とりあえず寝てるホッポを引き渡し・・・

 

「あの・・・これつまらないものですが・・・」

 

「ん?」

 

「深海最中・・・おいしいですよ」

 

「あ~・・・こっちはお土産ないが・・・あ、間宮の饅頭持って来てやってくれないか?」

 

「あ、そんなお構いなく!」

 

「いいのいいの気にすんな!・・・いい映像が取れたしな(ボソッ」

 

ビデオカメラが無事&かなりナイスアングルで固定されてたのでいい映像が取れていた。

・・・俺の宝にしよう

 

「映像?」

 

「ああ、こっちの話」

 

そんなことしてるとまだ涙目な電が饅頭をもって来てくれた。

 

「んじゃこれ間宮の饅頭。美味いぞ」

 

「すみません・・・何から何まで・・・ご迷惑を・・・」

 

「ああ、いいのいいの。まぁ道中気をつけてな」

 

「はい、またいつか・・・」

 

「ああ」

 

本音はもう二度と会いたくない。

次会うときは絶対敵だし!!

そんなこんなでホッポを連れた港湾棲姫は帰っていった。

 

「はぁ・・・疲れた・・・電、風呂入るか?」

 

「・・・入りたいのです・・・」

 

「んじゃ行って来いな。俺は部屋で待ってるよ」

 

「行って来るのです・・・えぐっ・・・」

 

「ま、まだ泣いてるのか・・・」

 

目を擦りながら風呂場に向かっていっていた。

・・・何かビデオ見るのに良心が痛んできた・・・

うん、やめとこう・・・また今度にしよう・・・

そんなわけで自分の部屋に帰ってのんびりしていた。

一応、仕事は終わったしのんびりするだけだな。

 

「まだ18時か・・・晩飯時だし、今日は食堂行くかな」

 

そんな予定を立てながら電の帰りを待っていた。

 




ロリ×ロリ・・・最高ではない・・・あ、ちょっと待って憲兵さん呼ばないで!!


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いそかぜの悪夢

~いそかぜ~

 

「リンク17解除、対水上戦闘・・・用意!!」

 

「水上戦闘用意」

 

「水上戦闘、ハ-プ-ン攻撃始め、目標「うらかぜ」。発射弾数2発」

 

CIC内に響く鐘の音・・・戦闘が始まる音・・・

正直言ってこれが私の初実戦。

目標は・・・味方の艦。

やめてと叫ぼうにも声が相手に届くはずもなく、システム的な邪魔もできない。

今CICの中にいるのは某国の対日工作員とそれに同調する海上自衛隊員・・・

 

「目標位置 33°13'N 138°41'E」

 

「ハ-プ-ン発射用意・・・よし」

 

着々と味方に対して発射されるミサイルの情報が入力されていく。

今の私は強盗に襲われて縛られた人質みたいなものだ。

何もできない・・・たとえ出来ても殺される。

そんな状況だ。

 

「ハ-プ-ン発射始め!!」

 

何で同じ日本人を攻撃できる。

もうここまで来ると私は相手が迎撃してくれるのを祈ることしか出来ない。

 

「一番発射用意・・・撃てぇ!!!」

 

軽く船が揺すられ、ハ-プ-ンが発射される。

レ-ダ-にも表示される。

もうそこからはほとんど記憶がない。

呆然と画面を見ていたのは分かっている。

うらかぜは一発ハ-プ-ンを撃墜するも2発目が命中・・・轟沈した。

乗員の生存者はほとんど居なかったそうだ。

 

「・・・いそかぜ・・・ユルサナイ・・・」

 

「ひっ!?」

 

何度となく私の前に頭から血を流したうらかぜが現れる。

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・!」

 

「・・・どうして・・・撃ったの・・・ユルサナイ・・・絶対ユルサナイ・・・」

 

そして うらかぜ はゆっくりと私のほうに歩いてくる。

・・・全身ボロボロの姿で。

 

「やめて・・・いやあああああああああああああ!!!」

 

うらかぜ は錨のような物を私に振りかざす。

 

「・・・・いそかぜさん!!」

 

「やめ・・・あ、え・・・?」

 

「ど、どうしたのです!?ものすごいうなされてましたけど・・・」

 

「ハァ・・・ハァ・・・すいません・・・昔の夢を・・・」

 

「昔?」

 

「いえ・・・何でもありません・・・悪い夢です・・・」

 

ふと起き上がると病室だった。

 

「あれ・・・なんで私こんな場所に・・・」

 

「あ、えっと・・・廊下で倒れてたらしいですよ(棒読み」

 

「そう・・・ですか・・・」

 

「元気ないのです・・・大丈夫ですか?」

 

「大丈夫・・・だと思います・・・」

 

「あの、あとで司令官さんが任務があるので司令室に、と」

 

「分かりました」

 

とりあえず歩けそうなので立ち上がる。

あの うらかぜ の顔がまだ頭に残っている。

もう何度目だろうか・・・この夢をみるのは。

たまに千里馬艦隊事件の夢もみるが・・・

 

「司令官、入ります」

 

「お、来た来た。今日任務に行ってほしいんだけど大丈夫か?」

 

「任務・・・ですか・・・」

 

「海上護衛なんだけど・・・タンカ-を守ってくれって依頼が入ってて」

 

「分かりました。編成は?」

 

「お前と・・・あとは雷と響の3人だな」

 

「了解しました」

 

「あ、そうそう」

 

「?」

 

司令官は一枚の書類のようなものを取り出す。

 

「これ、お前積んでなかったろ?」

 

「これ・・・?」

 

それは・・・

ハ-プ-ンだった。

 

「ハ、ハ-プ-ン・・・・・」

 

「お前さん、ハ-プ-ン積んでなかったしな。この際・・・」

「い、いや・・・」

 

私の脳内にあの光景がフラッシュバックする。

 

「いそかぜ・・・ユルサナイ・・・ユルサナイ・・・!!」

 

「うわああああああああああ!!!」

 

「い、いそかぜ!?大丈夫か!!」

 

「いやああああああああああ!!!!」

 

「おい!!」

 

そこからの記憶がない。

気づけばまた病室だった。

 

「お?起きたか。大丈夫か?」

 

「・・・はい」

 

「いったいどうしたんだ?」

 

「作戦は・・・」

 

「え?」

 

「作戦には・・・参加できます・・・」

 

「いやまぁ・・・そりゃ護衛任務は明日だから大丈夫だけど・・・」

 

「すみません・・・」

 

「いったいどうしたんだ?あんなに錯乱して・・・」

 

そうか・・・司令官は知らなかったんだ。

 

「・・・お話します・・・」

 

「無理はするなよ」

 

「はい・・・」

 

私は過去にあった話をする。

・・・いそかぜ事件の話を。

 

「・・・でもそりゃ、先代のお前だろ?何で・・・」

 

「私は・・・その いそかぜ を引き上げて作られたんですよ・・・?もちろん、そのときの記憶だってあります」

 

「そう、だったな」

 

「司令官・・・」

 

「おわっ!?」

 

思わず抱きついてしまう。

泣きながら。

 

「私は・・・怖いんです・・・ずっと夢にでる うらかぜ が・・・それに・・・また味方に砲口を向けてしまいそうで・・・」

 

「・・・」

 

司令官は黙って頭をなでていてくれた。

 

「すみません・・・もう少し・・・このままで・・・」

 

「ああ」

 

少したったら落ち着いてきた。

いつまでもこのままではいけない。

 

「すみません・・・そろそろ明日の準備をしてきます」

 

「ああ、明日は頑張れよ」

 

「はい!」

 

「あ、そうそう、VLS発射型のトマホ-クあるんだが・・・それなら大丈夫か?」

 

「はい、それなら・・・」

 

「んじゃ工廠で装備して試し撃ちでもしてきなさいな」

 

「はい、ありがとうごさいます」

 

私が病室を出ようとしたとき、何だかものすごい笑顔なのにドス黒いオ-ラをまとった電さんとすれ違った。

小声で許さないみたいなこと言ってた。怖い。

 

「あ、電。明日俺ちょっと出張に・・・あれ、何でそんなに笑顔なんですの?何でそんなに青筋浮かべてるんですの!?」

 

「・・・司令官さん、ちょっと裏まで来やがれ、なのです」

 

「え、待って・・・あ、ちょ、その関節はそっちに曲がらっ・・・ぎゃああああああああああああ!!!!」

 

「なのです♪」

 

「ちょ、まっ・・・」

 

メキョッとか言う音が病室から聞こえてきたが怖いのでそそくさと工廠に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

~翌日~

 

「テ、テ-トクゥゥゥゥゥ!!!!」

 

そんな金剛さんの絶叫で目が覚める。

驚いて声のしたところへ向かうと・・・

 

「し、司令官・・・」

 

花壇に頭だけ埋まり逆立ち状態の司令官の遺体(?)があった。

何故、頭だけ埋まってしかも体は気をつけの状態で固定されてるのか謎過ぎる。

 

「と、とりあえず引き抜きましょう!!」

 

「そ、そうネ!」

 

引き抜くと・・・

 

「・・・死んでる」

 

「テ-トクゥゥゥゥゥ!!!!」

 

死んでいた。

 

「そ、そうネ!メディックを!!」

 

「でもそんなのどこに・・・」

 

ふと上を見上げると・・・

 

「え・・・誰あれ・・・」

 

パラシュ-ト降下してくるグラサンつけた黒人米兵が・・・

彼は降り立つと救急箱のようなでっかい箱を司令官の横にほうりなげ除細動器のようなもので・・・

 

「クリア!!」

 

司令官の体に押し当てる。

すると・・・

 

蘇生 100

分隊蘇生 20

 

とかいうテロップなようなものが出てきた。

意味が分からん。

でも司令官は復活したようだった。

 

「うっ・・・お、俺は・・・」

 

「テ-トクゥゥゥゥ!!!」

 

「おわああ!!」

 

「死んじゃったと思ったヨー!!!!」

 

「おれ自身死ぬかと思った・・・」

 

いえ、死んでましたアナタ。

瞳孔開いて心臓止まって呼吸止まってました。

 

「ゴリ・・・すまない」

 

ゴリと呼ばれた黒人米兵は親指を立てて走ってどっかに行ってしまった。

 

「・・・司令官・・・昨日電さんに何されたんですか・・・」

 

「・・・言うな・・・」

 

司令官は青ざめていた。

目撃者によれば終始、ものすごい笑顔の電さんがボコボコにした司令官を埋めてさっきの状態にしたとか・・・

怖い。

 

「仲直りは出来たんですか?」

 

「・・・あとでしてくる・・・」

 

そういいながら司令官は電さんのいる寮に向かっていった。

・・・・ていうか、さっきの除細動器で復活したのはいいけど外れた関節とかまで元通りになってません!?

そんな話を金剛さんにすると・・・

 

「ああ、あの米兵さん、ヘッドショット食らおうが戦車に轢かれようがトマホ-クの直撃食らおうがあの除細動器と救急パックで一瞬で治療できるって凄腕ネ」

 

「え、ええええええ・・・・」

 

凄腕とかいう問題じゃない。

とりあえず私は装備を整え、司令室に向かう。

 

「司令官、入ります」

 

入ると・・・

 

「し、司令官さん・・・あの・・・本当にごめんなさいなのです・・・」

 

「あ、うん・・・大丈夫・・・誤解解けたならいいの・・・」

 

泣きながら司令官に謝っている電さんがいた。

・・・誤解であそこまでされたのか・・・

 

「あ、いそかぜ、今日の作戦は1200までに出発、タンカ-に合流してくれ」

 

「はい、分かりました」

 

「特にこれといって説明することはないからな・・・頼んだぞ!俺はちょっと近場のブラック鎮守府を殲滅に・・・あ、いや視察に行くから司令官代理は電だから」

 

「了解しました」

 

雷さんや響さんを探さないと・・・

 

「あ、二人なら待機室にいるから」

 

「了解です」

 

さて・・・気合入れて頑張ろう。

私は待機室に向かって歩き出す。

・・・まだ私の頭の中には傷だらけで血まみれの うらかぜ の顔が残っていた。




投稿遅れてすんません!
こんかいはよく出来たと思うお!
BFネタ分かる人がいるかな・・・?


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ブラ鎮死すべし慈悲はない

司令部じきじきの命令でブラ鎮司令官暗さ・・・・指導に来た。

一応視察が行くとは伝わってるらしいがその場しのぎすらする気がないらしい。

艦娘はボロボロで動き回っている。

 

「こりゃひどい・・・」

 

「ひどいですね・・・」

 

一緒に視察に来た呉の天音提督と司令部に向かう。

司令室の前まで来るとやたら中が騒がしい。

耳を澄まして聞いてると視察は明日来ると勘違いしていて、今のうちに逃げようとしていた。

よし、いきなり入って驚かせよう。

 

「おやおやおや~?引越しの準備とはご精がでますね、中将殿」

 

「なっ!?し、視察は明日だって・・・」

 

「残念でした、今日ですよ」

 

中将は冷や汗を流しながら後ずさる。

すると苦し紛れに・・・

 

「ちょ、ちょっと待て、飯でも食って話し合おう。そうすりゃどんなアホでも・・・」

 

往生際悪いな・・・

と思っていたら天音提督が中将の顎に蹴りを入れていた。

ミニスカ姿で顎に蹴り入れるとは・・・。

そんなことより・・・くそっ・・・ここでは後姿しか見えん・・・!

あとで中将から何色だったかを聞いておこう。

しかしブチギレモ-ド(?)の天音提督は・・・

 

「祈れ、今お前が生きてるうちに出来るのそれくらいだ」

 

「キャラ変わってる・・・(小声」

 

聞こえたら殺されそう。

すると天音提督、どこから持ってきたのかガソリンの入った缶とバッテリ-のようなものを準備する。

・・・あんたここ吹っ飛ばす気か・・・

 

「提督さん、手伝ってください!」

 

「お、おう」

 

中将と椅子に縛りつけ口をふさいでおく。

その間に天音提督は笑顔でガソリンをばら撒いていた。

あと何かの装置をつないだ車用バッテリ-をまだ油が出ているガソリン缶の横に置いた。

 

「さ、行きましょ」

 

「んー!!!」

 

中将は鼻水と涙をボロボロ流して命乞いっぽいことしてた。

・・・僕はいろいろ設置してないので知りません。

 

「あ、提督。これどうぞ」

 

「なにこれ」

 

「スイッチです♪」

 

「おうお前、俺に汚れ仕事させる気か」

 

「お願いします♪」

 

ちなみにこのお願いしますは笑顔で言ってるが目が笑っていなかった。

すごく怖かったです(小並感

 

「とりあえず司令部に指導できたと伝えるかな」

 

「そうですね」

 

「んじゃ電話かけてくるわ」

 

「了解です」

 

今頃司令室でガクブルなブラ鎮司令官を思い浮かべると少し可愛そうになってきたがこれも仕事だ仕方ない。

☆ちなみに司令部から暗殺命令なんて出てないお☆

 

「もしもし」

 

<<大佐か。どうだ?>>

 

「いまから面白い物聞かせてあげますよ」

 

<<面白い物?>>

 

ポチっとな☆

ものすごい爆音と共に司令部が吹っ飛ぶ。

 

<<・・・そりゃクールだナ>>

 

司令官は爆死、艦娘は呉鎮守府で保護となった。

 

「さて、仕事も終わったし飯くいにでも行くか?」

 

「行きます!」

 

「おっし!」

 

 

 

 

 

~いそかぜ~

 

<<こちらシュガ-ト級輸送艦、護衛感謝する。こっちは可燃物満載だ、鎮守府まで頼むよ>>

 

「了解です。武装はありますか?」

 

<<いや、僚艦のゴ-ドンと共に武装は無しだ>>

 

「了解しました」

 

今いるのは横須賀沖合いの海上、見晴らしはかなりいい。

天候も快晴だ。

 

「いい天気だな~、海水浴したいわ!」

 

「雷、任務中だよ」

 

「ちぇ~・・・響の石頭・・・」

 

「け、喧嘩はダメですよ・・・」

 

<<いそかぜさん、雷お姉ちゃんが迷惑かけてたらごめんなさいなのです・・・>>

 

「め、迷惑なんて掛けてないわよ!」

 

微笑ましい姉妹なことで・・・

そのときふとレ-ダ-を見るといつの間にか敵潜水艦を補足していた。

 

「敵の潜水艦を発見!」

 

「駄目だ!」

 

<<ネガティブ!>>

 

「ダメですか・・・って、本当にいるんです!!」

 

<<おいおい、これは一種の儀式だろうが>>

 

「く、口が勝手に・・・動いちゃったわ・・・」

 

「え・・・ええ~・・・」

 

とりあえず気を取り直して・・・

 

「敵潜・・・本艦隊を取り囲む形で布陣しています。数10。現在停止してます」

 

「先制攻撃掛ける?」

 

「先制攻撃です、まず私が遠くの4隻にアスロックを発射します、残りは私が誘導しますので撃破を」

 

「了解」

 

「任せて!もっと頼っていいのよ!」

 

雷さんは袖をまくり気合を入れていた。

 

「久々に潜水艦狩りだね」

 

響さんは何か黒い笑みが出ていた。

怖い。

 

「VLA開放・・・アスロック発射始め!」

 

4発のアスロックが白い尾を引き空中に撃ちだされる。

 

「雷さん、響さんは各3隻ずつお願いします」

 

「了解」

 

「了解!」

 

二人が分かれて潜水艦に向かっていく。

 

「雷さん、進路230に変更したら連絡を、響さん、進路そのまま、6秒後に爆雷を投下してください」

 

私の積んであるシステムがあれば機関をとめて潜んでいる敵潜なんて一瞬で見つけられる。

またそれに味方を誘導するなんて朝飯前だ。

 

「アスロック・・・命中!」

 

いっきに4隻の反応が消失する。

 

<<てー!>>

 

<<ypa!>>

 

二人も攻撃を始めた。

ものの数分で敵潜水艦は全滅する。

 

<<なーんか、手ごたえないわね~>>

 

「あ、あはは・・・強いと困るのは私たちなんですけどね・・・」

 

なんて話してると突然LINK17という表示が出る。

 

「ん?リンク17?」

 

表示を見ると・・・

 

DD URAKAZE

 

「う・・・うら・・・かぜ・・・」

 

<<どうしたの?>>

 

「やだ・・・うそ・・・」

 

<<だ、大丈夫!?>>

 

私の頭の中にあの血を流したうらかぜが出現する。

 

「いそかぜ・・・ユルサナイ・・・沈め・・・冷たい海に・・・!」

 

「やだ・・・やだ・・・いやあああああああああああああ!!!」

 

<<いそかぜさん!落ち着いて!!>>

 

「いやああああああああああああああ!!!」

 

私はそのまま気を失った。




今回微妙!
じ、次回から本気出すし・・・


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うらかぜ

~いそかぜ~

 

「ハ-プ-ン発射始め!」

 

「一番発射用意・・・撃てぇ!!」

 

またこの夢・・・

 

「いそかぜ・・・ユルサナイ・・・」

 

そして血まみれのうらかぜ・・・

もう嫌だ・・・

 

「もう・・・いや・・・やめて・・・」

 

うらかぜはゆらゆらと迫ってくる。

その手には76mm速射砲が握られている。

その砲口はもちろん、私を狙っている。

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・!」

 

ゆっくりと砲身がこちらを向く。

ああ・・・私もここで沈むのかな・・・

でも・・・こんなに苦しいなら・・・もういいかな・・・

 

「いそかぜ・・・」

 

しかしいつまでたっても砲撃はされない、不思議に思い目を開けるとそこには・・・

 

「いそかぜ・・・もういいんだよ・・・苦しまないで」

 

「うら・・・かぜ・・・?」

 

そこにいたのはあのうらかぜじゃない、在りし日の凛々しいうらかぜだった。

 

「あそこで攻撃を止めれないのは私でも分かってたよ。あれは仕方なかったんだよ」

 

「でも・・・私は貴女を・・・!」

 

「いいんだよ、もう苦しまないで」

 

「でも・・・でも・・・!」

 

なんで私の意識の中にあの うらかぜ がいるのか不思議だった。

うらかぜは私をそっと抱き寄せ・・・

 

「お願い・・・もう苦しまないで」

 

そしてうらかぜは続ける。

 

「・・・私を・・・沈めて」

 

「!?」

 

「私ね・・・あの後・・・深海棲艦になっちゃった」

 

「そんな・・・やっぱり私のせいで・・・」

 

「ううん、違うよ。あなたのせいじゃない。貴女がトリガ-を引いたの?」

 

「それは・・・」

 

「悪いのはヨンファ。それに貴女はその後、ヨンファを自らの手で葬ったじゃない。私の仇・・・いや、その事件で沈んだ味方の艦の仇をとってくれたでしょ?」

 

「・・・」

 

「ね?だから苦しまないで。それと・・・私は深海棲艦のままで居たくないの。だから・・・お願い」

 

「出来ないっ・・・!」

 

「出来るよ、あなたは強いんだから」

 

「私は強くなんか・・・」

 

「ううん、強い。だから・・・早く・・・もう貴女たちを照準に収めてる・・・いま、貴女の僚艦を狙ってる・・・」

 

「そんな・・・でも・・・!」

 

「お願い・・・起きて」

 

「・・・」

 

「貴女は・・・イ-ジス艦でしょ!護衛艦でしょ!!海上自衛隊なんでしょ!仲間を護れなくてどうするの!」

 

「ッ・・・!」

 

「ね?だから・・・」

 

「うああああああああああ!!!!」

 

その瞬間意識が戻る。

 

「うわあ!?起きた!?」

 

「敵艦は・・・!?」

 

「左30度、戦艦ル級」

 

「トマホ-ク攻撃始め!!!」

 

ル級に向けて一斉にトマホ-クを発射する。

 

「・・・うらかぜ・・・ごめんね」

 

「戦艦ル級・・・轟沈!」

 

「残りはいますか?」

 

「いや・・・これだけだよ」

 

「了解しました・・・」

 

私は沈んでいくル級に左手で敬礼を送った。

 

「?」

 

「どうして敬礼送ってるの?」

 

「・・・いえ・・・体が勝手に動いただけです」

 

「帰りましょ!疲れちゃったわ」

 

「そうだね、お風呂に入りたい」

 

<<おいおい、護衛は忘れないでくれよ>>

 

「輸送船を引き連れて帰還します。速力20ノットで航行しましょう」

 

「了解」

 

「りょうかーい!」

 

「ん?あれなんだい?」

 

「あれ?」

 

響さんがさっきまでル級がいた場所を指差す

 

「え・・・まさか・・・」

 

「どうしたの?」

 

「ちょ、ちょっと見てきます!!」

 

「え、ちょっ!」

 

私は全速でその地点に向かう。

あれは・・・

 

「うらかぜええええええ!!!」

 

海上に浮かんでいるの気を失ったうらかぜだった。

 

「うらかぜ・・・うらかぜ・・・!」

 

「ん・・・んん・・・あ、あれ・・・いそかぜ・・・?」

 

「よかった・・・よかった・・・また会えた・・・!」

 

「あ、あれ・・・私・・・さっき会った気がする・・・」

 

「うん!さっき・・・さっき会ったよ!」

 

「ん~・・・どこで会ったかしら・・・」

 

「とりあえず帰りましょう!」

 

「そうね、でも何だか不思議ね」

 

起きたうらかぜは引っ張って帰路につく。

よかった・・・うらかぜが助かって・・・

私は泣きながら海上を走っていた。

 

 

 

 

 

~電~

 

司令官さん居ないとさびしいのです・・・

それよりさっきこの辺で有名なブラック鎮守府が司令官ごと爆破されたって聞いたんですけど・・・

やったのが司令官さんじゃないこと祈るのです・・・

 

「指揮官って結構疲れるのです・・・」

 

司令官さんの机に座っていろいろしてると疲れるのです・・・

司令官さんもこんな感じなのかな。

 

「あ・・・!帰ってきたのです!」

 

まどの外には輸送船といそかぜさん達が見えた。

ただ一人増えている。

 

「あれ、一人増えたのです?」

 

とりあえず外に出て艦隊を出迎える。

 

「おかえりなさいなのです!」

 

「ただいま電!」

 

「うわっ!雷お姉ちゃんいきなり抱きつかれるとびっくりするのです!」

 

「えへへ~、スキンシップ!」

 

「いそかぜさん、その方はどなたなのです?」

 

「あ、えっと・・・」

 

「護衛艦うらかぜです」

 

「うらかぜさんですか・・・よろしくなのです!」

 

「あ、うらかぜ。鎮守府は案内します」

 

「よろしく!」

 

いそかぜさんとうらかぜさんは手を繋いで鎮守府の奥に走っていった。

・・・あれ、いつの間にかデキてるのです!?

 

「とりあえず補給の用意は出来てるのです」

 

「ありがとう電、先にお風呂入りたいな」

 

「了解なのです!」

 

私もお風呂入りたいのです・・・

それより司令官早く帰ってきてほしいのです!!!

 

 




次回から本気出すと約束したな?・・・あれは嘘だ。



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少女の絵本

ブラ鎮爆破・・・指導も終わり、鎮守府に帰ってきた。

すると鎮守府の門の前に一人の女の子が・・・

 

「ん?お嬢ちゃんどうしたんだ?こんな場所で」

 

「あ・・・えっと・・・パパがここにいろって・・・」

 

「パパ?」

 

「ここなら・・・拾ってくれるって・・・」

 

「・・・捨て子・・・か・・・」

 

見た感じ、10歳くらいだ。

いくら一般人でもほっとくわけにはいかない、保護しないと

 

「そか・・・とりあえず中へおいで」

 

「うん・・・」

 

「しかし・・・その服サイズあってなくないか?」

 

「その・・・家は・・・お金なくて・・・」

 

「・・・」

 

戦争の影響で地方部の一部は極貧状態になっている箇所が多数ある。

たぶん、そこから来たんだろう。

 

「お父さんとお母さんは?」

 

「どこかへ行くって・・・遠いとこって・・・」

 

「・・・すまん」

 

たぶん失踪だろうな。生存は絶望的だ。

 

「あ、司令官さん!お帰りなさいなのです!あれ、その子はどうしたのです?」

 

「ただいま、電。さっき鎮守府前に置いていかれてたのを保護したんだよ。たぶん両親は失踪・・・生存は絶望的だろうな」

 

「そう・・・ですか・・・」

 

「うちで養ってやればいいさ、子供一人養えるくらいの物量はあるよ」

 

「了解なのです!」

 

「そだ、いそかぜはどうしてる?」

 

「あの・・・それが・・・」

 

「?」

 

電はものすごい言い難そうな顔をしている

 

「実は・・・うらかぜさんもうち所属になって・・・それからちょっと・・・」

 

「え、また現代艦増えたの・・・?」

 

「いや・・・そこじゃないのです・・・」

 

「じゃあ何だ?」

 

「それが・・・その・・・デキちゃったみたいで・・・」

 

「ファッ!?」

 

まさかの百合カップルですか!?

・・・そそる(ry

 

「それで・・・今お部屋なのです・・・」

 

「と、とりあえず・・・この子の面倒を任せてくれないか・・・?」

 

「りょ、了解なのです!」

 

電に女の子を預け、司令室に向かった。

 

 

~電~

 

「お姉ちゃん、名前なんて言うの?」

 

「私ですか?電なのです!」

 

「いなづま・・・さん?」

 

「呼び捨てでいいのです」

 

「うん!分かった!」

 

「そっちはなんて言うのです?」

 

「私は佳織だよ!」

 

「佳織ちゃんですか、よろしくなのです!」

 

なぜか私と歩いていると突然元気になる。

大人の人が苦手なんだろうか・・・

いろいろ話しているうちに部屋に着く。

すると中から・・・

 

「ハァハァ・・・あっ・・・うらかぜ・・・そこ、ダメ・・・です・・・!」

 

「えへへ、いそかぜってこんな所が弱いんだ~」

 

「あッ!!ダメ・・・!!」

 

・・・・・・・・・・

 

「聞いちゃダメなのです・・・」

 

急いで耳を塞ぐ。

健全な子供には聞かせられないのです・・・

 

「あはは、手がべとべと~、ちょっと洗ってくるね!」

 

「ハァ、ハァ、ハァ・・・う、うん・・・」

 

「えへへ、可愛い」

 

そんな会話が聞こえたと思ったらドアが開いた。

 

「あ、あれ!?電さん!?」

 

「・・・うらかぜさん・・・」

 

一応うらかぜさんは服を着ていたが・・・いそかぜさんは・・・もうR-18タグつくのです・・・

ちなみにうらかぜさんは雷お姉ちゃんとよく似ている。

この前本人が、「まぁ、私って護衛艦「いかづち」だs」といいかけたところでいそかぜさんが急いで口を塞いでいた。

いそかぜさん曰く「関わったらいけない大人の事情」らしいのです。

 

「あ、あはははは・・・と、ところで電さん、この子はどうしたんです?」

 

「あの・・・お二人に預かってほしかったんですけど・・・不安に・・・」

 

言い切る前に・・・

 

「可愛いいいいい!!いそかぜ!見てみて!!」

 

「ち、力・・・入らないですぅぅぅ・・・・」

 

「もう・・・」

 

「と、とりあえず・・・お預けして大丈夫なのです・・・?」

 

「任せてください!」

 

そういってドアを閉めた。

・・・ものすごく不安だ。

そっちの世界に入らない事を祈るのです・・・

 

 

 

 

~いそかぜ~

 

うぅ・・・まだ何だか余韻が・・・

でも小さい子の前・・・服は着とかないと・・・

 

「うわ~・・・お姉ちゃんたち美人・・・」

 

「え、そう?いいこと言うねー!」

 

「ねえお姉ちゃん、本の読み聞かせしてほしいな」

 

「うん、いいよ。どんな本?」

 

「えっとね、これ!」

 

差し出されたのは「新訳 桃太郎」だった。

・・・なんだ新訳って。

ものすごく内容が気になる。

 

「これを読めばいいの?」

 

「うん!」

 

「うらかぜが読みますか?」

 

「任せて!私読み聞かせ得意なのよ!」

 

そういってペ-ジを開く。

 

「むかしむかし・・・」

 

※ここからいそかぜの心の声は【】で表示されます。

 

 

昔々あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。

おじいさんは山に芝刈りに。

おばあさんは川に昨日屠った鬼の返り血を洗いにいきました。

 

 

【おばあさん強いなオイ!!!

何で鬼屠れるんですか!!

桃太郎いらないでしょ!!

と、心の中で突っ込みをした】

 

すると、大きな桃が川上から流れて来ました。

おばあさんは。

 

「じいさんのクソみてぇにデケェ桃だな」

 

と言いました。

 

 

【おばあさん口悪いな!!!

・・・これ突っ込み無しには物語を聞けない気がする・・・

ていうか、なんで うらかぜ は突っ込みのひとつもないんですか!?

でも、女の子は楽しそうに聞いているので声に出しての突っ込みはやめておいた。

・・・声に出して突っ込みたい・・・】

 

 

「しかたねぇ、ジジイにも食わせてやるか」

 

おばあさんは大きな桃を担いで持って帰りました。

桃の総重量は40kgを越しています。

 

 

【おばあさん強靭すぎるでしょ!!!

若々しいですね、おばあさん!!】

 

 

「早く帰ってこないかなじいさん」

 

するとおじいさんが返って来ました。

おじいさんはたまたま仕留めた獲物のプレ○ターを持って帰って来ました。

 

 

【なんでおじいさんプレ○ター仕留めてるんですか!!

もうこれおじいさんとおばあさんだけで鬼が島壊滅できるでしょ!!

・・・もうダメだ・・・声に出して突っ込みたい・・・】

 

 

「今帰ったぞ。今日はいいものを捕まえた」

 

「おかえり。川で大きな桃が取れてねぇ」

 

おばあさんは突然温和な口調になりました。

猫かぶってます。

 

 

【・・・本が突っ込み入れるですか!?】

 

 

「お、その桃はどうしたんじゃ?」

 

「おいしそうな桃だったからねぇ・・・べ、別にアンタのために取って来たわけじゃないんだからねっ!たまたま流れて来たから持って帰っただけなんだから!」

 

おばあさんはこの歳でツンデレです。キツイです。

 

 

【・・・ああ、もう疲れた・・・

突っ込む気力が削がれる・・・】

 

 

 

「どうじゃ、食べてみんか」

 

「そうですね、では・・・チェストォォォォォォォ!!!!!!!」

 

おばあさんはあの赤鬼を屠った伝説の手刀で桃を半分に割りました。

すると中から可愛い赤ちゃんが出て来ました。

 

「おぎゃあ!!(低音」

 

ものすごい低音で泣く赤ちゃんが出て来ました。

 

「おやまぁ!ものすごい低音の赤ちゃんですね!」

 

「こりゃたまげた!低音だ!」

 

おじいさんとおばあさんは低音ばかり気にしてました。

赤ちゃんはほったらかしです。

 

「この子は桃から生まれたから桃太郎と名づけましょう」

 

「そうだな、桃太郎がいいな」

 

子供がいなかったおじいさんとおばあさんは桃太郎をそれは大切に育てました。

おばあさんは料理や家事を教え、おじいさんは銃火器の扱い方、近接戦闘術、兵器の操縦方法をみっちり教導しました。

 

「いいか桃太郎!これから語尾にはサ-をつけろ!分かったか!!」

 

「Sir,Yes sir!」

 

「声が小さい!!」

 

「sir,yes sir!!!!!」

 

「よし!」

 

おじいさんはどこぞのハ-ト○ン軍曹です。

桃太郎がすくすくと育ちました。

もう一人前の海兵隊員です。

 

 

【もうダメ突っ込む。

・・・桃太郎じゃないんですか!?海兵隊員なんですか!?】

 

 

「おじいさん、おばあさん、私は今から鬼退治に行ってきます」

 

「鬼が島へ行くのかい?」

 

「やめなさい、命がいくつあっても足りないよ」

 

「私は鬼達の悪さを止めたいのです。」

 

おじいさんとおばあさんは桃太郎の熱い思いを受け入れました。

 

「仕方ない、行くがいい。じゃが、生きて帰ってくるんじゃぞ」

 

「大丈夫です。私には・・・護るべき人が居ますから。」

 

桃太郎はその思いを胸に武器を取ろうとしています。

おじいさんは桃太郎のために知り合いのガンスミスにお願いしてM92F Inoxカスタム、通称ソード・カトラスを二丁用意しました。

桃太郎はこの後、トゥ-ハンドとして恐れられることになります。

おばあさんは、吉備団子を作るのがめんどくさかったので近くのコンビニからカロリ-メイトを買って来ました。

江戸時代より前なのになんで拳銃とかコンビニがあるのか不思議です。

 

 

【それ私も不思議だし、なんで本が内容に突っ込みいれてるのかも不思議だし、これ小さい子向けの絵本って事忘れちゃいけない。

と、私はそろそろ冷静に突っ込みを入れだす。】

 

 

桃太郎は家を出て、鬼が島へどんどん進んでいきます。

すると途中で犬に出会いました。

 

「桃太郎さん、桃太郎さん、立派な獲物ぶら下げて狩りでも行くのかい?」

 

「ああ、今から鬼を狩りに・・・な」

 

「へっ・・・それなら俺も連れて行ってくれ」

 

「ふむ・・・いいだろう、カロリ-メイトでも食べてお供になってくれ」

 

桃太郎は葉巻を吸いながら犬にカロリ-メイトを差し出します。

 

「うますぎるッ!!」

 

「さぁ、鬼が島へ行こう」

 

桃太郎はズンズンと進んで行きます。

すると今度は猿に出会いました。

 

「ああ、神様・・・助けてください・・・」

 

猿は桃太郎に助けを乞います。

 

「悪いが神は留守だ。休暇取ってベガス行ってる」

 

「ではあなたでいいんです。鬼達を駆逐したい・・・一匹残らず!!」

 

「じゃあ俺のお供になりな」

 

そういって桃太郎はカロリ-メイトを差し出します。

 

「もっと食わせろ!」

 

「さぁ、先に進もう」

 

 

 

【なんで桃太郎は葉巻吸ってるの。なんでちょっとハ-ドボイルドっぽいんですか。

ちなみに横の女の子は目をキラつかせて聞いている】

 

 

先にすすむとキジに出会いました。

 

「メ-デ-メ-デ-!!くそっ!落ちる!!」

 

「ああ!ジャン・ルイがやられた!!」

 

「落ち着けジ-ン!指揮を引き継ぐんだ!」

 

上にはキジが数匹飛んでいました。

その中の一匹が落ちてきたようです。

ワシと戦っているようです。

 

「キジ、大丈夫か」

 

「無理・・・だな、電気系統がイカれてるんだ。キャノピ-が飛ばねぇ・・・イジェクションシ-トもたぶんダメだ」

 

完全に作品を間違えているキジです。

 

 

【それ私のセリフです】

 

 

「これでも食べろ。傷が治る」

 

キジにカロリ-メイトを与えても元気になりません。

桃太郎は仕方ないので手持ちの高速修復剤を掛けました。

 

「上々ね」

 

するとどうでしょう、みるみる傷が治りました。

 

 

【なんでさりげなく艦娘要素でてるんですか。

もはや、突っ込みすぎて続きが気になってきた】

 

 

「さぁ、鬼が島へ行こう」

 

桃太郎たちは山越え谷越え、国境を越え、鬼が島に到着しました。

鬼が島はアメリカ国籍です。

 

 

【なんでアメリカ国籍なんですか!?

あれ瀬戸内海にないんですか!?】

 

 

鬼が島に入るためには大きな門を開けなければなりません。

 

「さて、と。どうする」

 

「俺が上から偵察する。犬と猿は狙撃班だ」

 

犬と猿にギリ-ス-ツを着せ、M21狙撃銃を持たせました。

刀じゃないんですね。

 

 

【なんでさりげなく銃が出てきてるのかもう違和感がなくなった。

もはや普通に感じて来ました・・・】

 

 

「庭内クリア。桃太郎、行けるぞ」

 

「よし、扉を爆破する」

 

桃太郎は扉を吹き飛ばし、大穴を空けました。

これもう桃太郎じゃないですね。

 

 

【ついには作品否定しました!?】

 

 

「皇国の興廃この一戦にあり!」

 

「「ypaaaaaaaaaaaa!!!」」

 

なぜかみんなロシア語でした。

非国民ですね。

 

 

【だんだん辛口になる本に面白さを覚えてきた私は異常ですか?】

 

 

騒ぎに気づいた鬼が集まってきます。

ですが、重武装の桃太郎の敵ではありません。

しかしひときわ大きな鬼が出て来ました。

 

「フハハハハ!!!ガキが一人とはな!!見よ!俺様のこの銃を!」

 

鬼は自分の銃の自慢を始めます。

 

「バレットM82をベ-スにセミ、フル切り替えつき、M2用のベルトリンクが使用可能!さらに下部にはダネルMGLを追加!世界広しといえど、こんな銃を撃てるのは俺様だけよ!」

 

鬼が銃を持ってる時点で作品崩壊が始まっています。

それ以前に最初から崩壊していますのでご安心を。

 

 

【ついに作品崩壊を認めましたよこの作者】

 

 

「うるせぇ!!聞いてもねぇのにベラベラしゃべりやがって・・・お前はテレビ伝道師か!!」

 

むかついた桃太郎は鬼の腹に一発撃ちこみました。

 

「ぐっ・・・卑怯な・・・」

 

「卑怯?あのな、いいこと教えてやるよ」

 

桃太郎は鬼の上に馬乗りになりました。

額に銃を突きつけます。

 

「こんなモンはな、撃って当たりゃいいんだよ!」

 

「ぐっ・・・!」

 

「勉強になったな、それじゃ、死んだお仲間によろしく」

 

容赦なく鬼を射殺しました。

その後攻略はどんどん進み、ついにはボスもボコボコにしました。

 

「ひ、ひぃ・・・!!い、命だけはお助けを・・・もう悪さはしません!!」

 

「そうか、それなら命だけは助けてやろう」

 

桃太郎はボスから去ろうとして振り向いてこう言いました。

 

「・・・と、約束したな?あれは嘘だ」

 

「うわああああああああああああああああああ!!!」

 

ボス鬼に向けて弾倉に残ってる弾を全弾叩き込みました。

えげつないです。

 

 

【これ小さい子向けですよね!?不安になってきたんですけど!!】

 

 

 

 

 

「というわけで村に平和が訪れました」

 

「わー!お姉ちゃん本の読み聞かせ上手ー!」

 

「えへへ、そう?」

 

「・・・いろいろすごすぎです」

 

「お姉ちゃん!次はこれ読んで!」

 

「うん!いいよ!」

 

タイトルは・・・

 

「桃太郎VSプレデター season1」

 

 

「もうやめてえええええええええええええ!!!!」

 

そんな悲痛な叫びが部屋に響いた。

 

 

 

 

~提督~

 

「ん?なんかいそかぜの悲鳴が聞こえなかったか?」

 

「きっと部屋でお楽しみなのです・・・」

 

「あの子置いてきて大丈夫なのか・・・?」

 

「た、たぶん・・・?」

 

「あ、そうだ。それより次の作戦なんだが、キス島撤退作戦だ」

 

「キス島ですか・・・」

 

「ああ、早く救助しないと兵士達の体力が持たない」

 

「そうですね・・・開始はいつなのです?」

 

「明日だ。編成は第六駆逐隊と不知火、島風だ」

 

正直、電達をこの海域に送りたくないが・・・一番練度の高い艦娘なので攻略に必要不可欠になってしまう。

 

「電、すまない。明日は頼む!」

 

「・・・司令官さん、行く前に・・・したいのです・・・」

 

「電・・・」

 

電は頬を赤く染めて近寄ってくる。

 

「だ、ダメだ・・・ここは一応司令室なんだぞ」

 

「今は・・・誰もいないのです」

 

「・・・電、いいのか・・・道具はないが・・・」

 

「今日は・・・その・・・大丈夫なのです」

 

「い、いいのか・・・?」

 

「そ、そういってるのです」

 

電はさらに近寄ってくる。

電の女の子らしい甘い香りが漂ってくる。

 

「司令官さん・・・んっ・・・ちゅっ」

 

電はキスをしてくる。

もう何度目だろうか。

でも、最愛の人とするキスは何度しようと飽きることはない。

 

「ぷはぁ・・・えへへ、司令官さん真っ赤なのです」

 

「そういう電も真っ赤だぞ」

 

「え、えへへ」

 

可愛く笑いながら俺のズボンのベルトを外してくる。

俺はこの甘く幸せな時間が永遠に続けばいいのにと願った。




うらかぜ と いそかぜは百合カップルにしないとダメだって俺の頭が・・・!

とりあえず思いついたネタを桃太郎にぶち込んだというね。
内容は薄っぺらいけど気にしないでね☆


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新婚旅行 出発

目覚ましの音がうるさい。

朝か・・・

 

「ふあああああああ・・・・」

 

電はまだ隣で寝息を立てている。

起きて司令部からメ-ルが無いか確認する。

 

「えーと・・・あ、一通入ってる」

 

内容は、キス島作戦中止の知らせだった。

どうやら陸の兵士が大和魂を舐めるなぁぁぁぁ!!と叫びながら泳いで本土に帰ってきたらしい。

ちなみに全員欠員なく、健康状態も最高、五体満足で帰ってきたらしい。

・・・もうアンタ等が深海棲艦と戦ったらいいんじゃないかな・・・

まぁでも、難易度の高い作戦が中止されてよかった。

 

「そういえば・・・旅行、まだだったな」

 

最近作戦続きで新婚旅行に行けてなかった。

作戦中止のおかげで一週間くらい予定が開く。

せっかくだし行くかな。

寝ている電を眺めていると起きて来た。

 

「ふあああああ・・・あ、おはようなのです~・・・」

 

「おはよ、今日の作戦は中止だってさ」

 

「あれ、どうしたんですか?」

 

「・・・連れてかえるはずの兵士が全員泳いで本土に帰ってきたらしい・・・」

 

「つ、強いのです・・・」

 

「んで、予定空くし、旅行でも行かないか?海外まで行く余裕はないけど・・・」

 

「い、いいのですか!?」

 

「ああ、行こう」

 

「やったのです!!」

 

さて、どこに行こうかな。

国内で行くとすればどこがあるか・・・

 

「電、どこか行きたい場所あるか?」

 

「ん~・・・北海道とか?」

 

「北海道か・・・よし、行こう!」

 

「いつ行くのです?」

 

「ん?今日」

 

「え・・・今日ですか!?」

 

「ダメ?」

 

「い、いや、準備とか・・・」

 

「まぁ、夜には出発できたらいいなとは思うんだけど・・・」

 

「と、とりあえず用意するのです!」

 

電は着替えなどを探し出す。

俺は・・・移動手段を用意するかな

 

「電、ちょっくら格納庫のほう行って来る」

 

「了解なのです!」

 

俺は部屋を出て格納庫に向かう。

何で行くかな・・・

最近は旅客機があんまり飛んでいないからな。

格納庫に着くと中に入って機体を眺める。

今飛ばせそうな機体はF-18Fか・・・

 

「ホ-ネットか・・・まぁ、これでいいか」

 

格納庫に来た整備員に燃料などを任せて部屋に戻る。

 

「ただいま」

 

「おかえりなのです!」

 

「そういえば昨日保護した女の子はどうなった?」

 

「ん~・・・っとまだいそかぜさん達の部屋だと思うのです」

 

「ちょっと様子見てくるかな」

 

「そうですね!・・・いろいろ不安なので・・・」

 

 

いそかぜ達はもう起きていて、部屋で何かしているようだった。

耳を澄ませると・・・

 

「ダ、ダメだって・・・佳織ちゃん起きちゃうッ・・・」

 

「うらかぜが悪いんですよ?昨日あんなにするから・・・」

 

「あッ・・・!そこ・・・ダメぇ・・・!」

 

「ふふっ・・・可愛いです・・・もっとイジメたくなります」

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・やめてぇ・・・」

 

・・・・・・・・・・・

 

「・・・・・・お前ら」

 

「し、司令官!?あ、あのこれは・・・」

 

朝から元気だな・・・

 

「ああ・・・その・・・なんだ・・・この階の奥に空き部屋があるから・・・」

 

「司令官さん!?そこじゃないのです!」

 

いそかぜ達は朝からお盛んだった・・・

とりあえず部屋に入り、女の子の様子を見に行くと女の子は一冊の本を抱えていた。

 

「あ、その本は昨日読んであげてたんです」

 

「へぇ、どんな本?」

 

タイトルを見ると・・・

「エイリアンVS桃太郎」

 

「・・・なんだこれ」

 

「いろいろ内容すごかったです・・・」

 

「はぁ、ふぅ・・・ん・・・」

 

うらかぜが横で色っぽい声を出しまくっている。

・・・落ち着け。

 

「あれ、もう一冊?」

 

拾い上げると・・・

「桃太郎 怒りのアフガン」

 

ラ○ボーじゃねぇのかよ!!!!

内容が気になりすぎる・・・

とりあえず女の子を毒さないようにみっちりと説教し司令室に電と向かう。

 

「司令官さん、仕事終わったら出発なのです?」

 

「そうだな~、仕事って言っても俺がいない間をアンドロメダに任せるってこと伝えないと」

 

「それだけなのです?」

 

「あとはちょっとした書類を片付けて終わりだよ」

 

「お手伝いするのです!」

 

「ありがとう、助かるよ」

 

「お安い御用なのです!」

 

電は頼りなさい!と言わんばかりの顔をする。

 

「さて、ちゃっちゃと片付けようか」

 

「なのです!」

 

書類は10枚程度だったのですぐに終わった。

 

「んじゃ、いない間頼むな」

 

「はい、お任せください」

 

アンドロメダに鎮守府を任せ、部屋に戻る。

荷物はぜんぶ電がまとめていてくれた。

 

「ありがとうな電」

 

「えへへ・・・」

 

頭をなでてやる。

可愛いなもう・・・

 

「さて、出発しようか」

 

「まだ12時来てないですよ?」

 

「いいのいいの」

 

二人で格納庫に向かう。

 

「せ、戦闘機で行くのですか・・・」

 

「こっちのほうが早いしな!」

 

「でも荷物はどこに積むのです?」

 

「ああ、荷物用の輸送ポッド取り付けてあるから大丈夫」

 

「準備いいのです・・・」

 

「だろ?」

 

そんな話をしながら機体に乗り込む。

ひさびさのホ-ネットだ

 

「電、また主翼と尾翼のチェック頼むよ」

 

「了解なのです!」

 

俺はマニュアル通りに動かす。

 

「異常は?」

 

「ないのです!」

 

「よし、出発しよう」

 

エンジンをスタ-トさせて滑走路に向かう。

予定では新千歳についてからいったん旅館に向かい、荷物を置いてから観光に出かける。

電は後部座席でご機嫌に鼻歌を歌っていた。

電と旅行は初めてなので俺も楽しみだ。




さぁ始まりましたイチャラブ編!
ああもう妄想が捗d(ry


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新婚旅行 旅館

鎮守府を飛び立って1時間、もうすぐ新千歳だ。

 

「電、起きろー」

 

「す~・・・く~・・・」

 

「・・・よく戦闘機の中で寝れるな・・・」

 

電の寝息を聞いていた時、管制から無線が入る。

 

<<ホ-ネット、周波数114.1MHzで千歳レーダーと交信して下さい>>

 

「了解」

 

もう空港の目の前だ。

着陸準備に入る。

 

「千歳レーダー、こちらホ-ネット。現在、フライトレベル250から150まで降下中。ATISの情報は「D」の情報コードのものを受信している」

 

<<ホ-ネット、こちら千歳レ-ダ-。最終進入コースに誘導するために、機首を右回りで050度の方向に向け、高度を4000フィートまで降下させて下さい>>

 

「機首を050度の方向に向け、高度を4000フィートまで降下します。ホ-ネット了解」

 

電はまだかわいい寝息を立てている。

機首を050に向けながら空港内で何か買おうかと考えていた。

そうだ、あの子がもってた桃太郎シリ-ズ気になるし一冊買ってみるか。

 

<<ホ-ネット、滑走路19Lに最終進入することを許可します。着陸方式はILSです>>

 

「滑走路19Lに最終進入許可、ホ-ネット了解」

 

滑走路の誘導灯が見えてくる。

久々の長時間飛行は疲れた・・・。

 

<<ホ-ネット、周波数121.8MHzでタワーと交信して下さい>>

 

「了解、周波数121.8でタワ-と交信する」

 

周波数を切り替え、タワ-と交信する。

今日は雪じゃないからよかった。

視界最悪の状態で着陸はしたくないんだよな~・・・

 

「千歳タワ-、こちらホ-ネット。現在無線標識から14マイル」

 

<<ホ-ネット、こちら千歳タワ-。DME無線標識から6マイルになったら報告してください。滑走路は19L>>

 

機体はゆっくりと降下していく。

ホ-ネットのエンジンは強力なので、少し吹かすとすぐに速度が上がってしまう。

とくに増槽、武装がない今の状態ではまさにそうだった。

 

「千歳タワ-、こちらホ-ネット。DME無線標識から6マイル」

 

<<ホ-ネット、脚が下りているか確認してください。滑走路19Lへ着陸を許可。風が170度方向から3ノット>>

 

「滑走路19Lへ着陸許可」

 

さてと、電をそろそろ起こさないとな

 

「電、電、起きろ。空港に着くぞ」

 

「ん~・・・ふあああ・・・あれ・・・寝てたのです・・・?」

 

「おはよ、可愛い寝息が聞こえてたよ」

 

「はううううう・・・」

 

顔を真っ赤してしてるのが見えないけどわかる。

そんなことしてるうちに着陸、機体を駐機させた。

 

「到着っと。忘れ物ないようにな」

 

「はい!」

 

輸送用ポッドから荷物を取り出して空港内に向かう。

時刻は午後1時前、旅館で軽く昼食をとったら出かけよう。

 

「電、少し本屋よっていいか?」

 

「本屋ですか?」

 

「保護した女の子が持ってた桃太郎シリ-ズ気になってな・・・」

 

「ああ・・・あれですか・・・」

 

電はすごく微妙そうな顔をする。

そんなこんなで本屋。

 

「さてと、どこにあるかな」

 

「あ、司令官さん、これじゃないですか?」

 

「ん?お、これ・・・か・・・?」

 

タイトルは「桃太郎 クレイジ-グランドマザ-編」と書いてあった。

なんだこれ気になりすぎる。

とりあえず購入した。

 

「ほんじゃ、旅館に行こうか」

 

「はい!」

 

空港を出て、バスに乗って少し山奥に向かう。

景色がいい峡谷の旅館に予約を入れておいた。

 

「きれいですね・・・」

 

「そうだな~・・・今の時期だと少し寒いけどな」

 

「えへへ、司令官さんと一緒だといつでも暖かいのです」

 

「お、おう、そ、そうか?」

 

急に恥ずかしくなってきた。

 

「司令官さん顔真っ赤なのです」

 

「う、うるせぇ」

 

「えへへ」

 

ああもう可愛いんじゃワリャァ!!

と心の中でシャウトする。

そんなことしてると旅館に到着する。

チェックインも済ませ、部屋でちょっと休憩する。

というか今日はこのまま旅館で過ごして明日から観光に行く予定だ

 

「お~・・・なかなかいい景色だな」

 

「すごいのです・・・」

 

「あ、そうだ。さっき買った本読んでみるかな」

 

「私もちょっと見たいのです!」

 

「んじゃ、二人で見よう」

 

「なのです!」

 

 

※ここから提督の心の声とかは【】で表示されます

 

 

むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。

おじいさんは山へ昨日拉致った鬼を埋めに。

おばあさんは昨日バラした鬼の一部を焼いて川に流しに行きました。

 

 

【いきなりバイオレンスな展開だなオイ!!!なんでおじいさんは鬼を拉致れてんだよ!

ばあさんに至っては猟奇殺人じゃねぇかああああああ!!!】

 

 

おばあさんが焼いた鬼を川に流していると川上から大きな桃が流れて来ました

 

「おや、大きな桃じゃ」

 

おばあさんは桃を拾い上げます。

重量は50kg近いですが、200kgを超えている鬼を素手で撲殺したおばあさんにはティッシュペ-パ-を持ち上げるようなものです。

 

 

【ばあさんどんだけ強いの!?】

 

 

「おじいさんにも食べさせてあげましょうかねぇ」

 

おばあさんは桃を持って家に帰ります。

おじいさんもすぐに帰ってきました。

 

「おーい、今帰ったぞ」

 

「おや、お帰り。今日は川で桃が取れてねぇ・・・」

 

「ワシも山でいいものを拾った」

 

拾ったとか言いながらおじいさんが持ってきたのは、鬼の子供(美少女)でした。

しっかり縛ってます。亀甲縛りで。

 

 

【挿絵がエロすぎるんですけどおおおおおおおおおお!!!つーかじいさん若々しいな!!なんで亀甲縛りできるんだよ!

電は顔を赤くしてそっぽを向いていた】

 

 

「おや可愛い子ですねぇ」

 

「捕まえたのはいいんじゃがどうするかの」

 

「そうですねぇ・・・ここがバレちゃいけませんし・・・口を封じますか」

 

「仕方ない、可愛そうじゃがそうしよう」

 

 

【お前ら残虐だな!!これ子供用だろうが!!!!さらっと口封じしてんじゃねーよ!!!】

 

 

しかしおじいさんはあまりに可愛そうだったので解体作業を行う前に逃がしてやることにしました。

 

 

【解体作業って何!?あんたらサイコパス!?】

 

 

こっそり逃がしてあげ、おばあさんの元にもどります。

おばあさんは桃を食べる準備をしていました。

 

「おじいさん、お仕事お疲れでしょう、桃でも食べませんか」

 

「そうだな、そうしよう」

 

おばあさんはどこからかチェ-ンソ-を取り出してきました。

 

「大きな桃ですからねぇ・・・行きますよ」

 

おばあさんはエンジンをかけます。

 

「うひぇ、うひゃひゃひゃひゃひゃあああああああああああ!!!!」」

 

おばあさんはサイコパスです。猟奇殺鬼を何度となく行い、鬼からは「デ-モン・グランド・サイコ・マザー」と呼ばれています。

ファッキンサイコ。

 

 

【やっぱりサイコかいいいいいいい!!!!

てか中学生が考えたような通り名だな!!】

 

 

桃を真っ二つに切ると、中から可愛い赤ちゃんが出てきました。

 

「おぎゃあ!!」

 

「おや!たまげた!赤ちゃんじゃ!」

 

「おやまぁ、可愛い赤ちゃんですね」

 

おじいさんとおばあさんは若いころは夜な夜なヤったのに赤ちゃんができませんでした。

なのでおじいさんとおばあさんはたいそう喜びました。

 

 

【夜な夜なって生々しいわ!!

電はまた顔を赤くしている】

 

 

おじいさんとおばあさんはこの赤ちゃんを桃太郎と名づけ大切に育てました。

 

「いいかい、桃太郎。おばあちゃんたちは今からお仕事に行くけど、着いてきちゃダメだよ」

 

「はい!わかりました!」

 

おばあさんは一人地下に部屋に降りていきます。

その間おじいさんは桃太郎を海兵隊員に育てあげようとしました。

 

 

【なんで海兵隊員なんだよ!何時代だよ!!】

 

 

ちなみに江戸時代より前です。

何の海兵隊員なんでしょうね。

 

【なんで本がツッコミ入れてんだよ!!

ああ・・・もう疲れた・・・】

 

 

すくすくと育った桃太郎はひとつの決心を固めていました。

 

「おじいさん、おばあさん、私は鬼が島に鬼を退治に行ってきます」

 

「鬼が島へ行くのかい?」

 

「やめておけ、危険すぎる」

 

おじいさんとおばあさんは必死に説得します。

それもそのはず、鬼が島を攻略されては老後の楽しみがひとつ減るからです。

老後の楽しみは何かって?それは鬼殺しです。

 

 

【もう桃太郎要らないんじゃないかな・・・】

 

 

「桃太郎、やめるんじゃ。お前の勝てる相手ではない」

 

「なぜそんなにとめるんですか!」

 

「それは・・・」

 

おじいさんはどう答えようか迷います。

ですがおばあさんはこう言います。

 

「しかたない、桃太郎には話しましょう」

 

「ばあさん・・・」

 

「私たちはね、鬼を捕らえては解体しておったのじゃ」

 

 

【拉致って解体ってもう猟奇殺人じゃねぇかあああ!!!怖ーよ!!これホラ-だろ!!】

 

 

おばあさんは一通り話します。

するとおばあさんは最後にこう言いました。

 

「桃太郎、お前は知りすぎた」

 

「っ!?」

 

「桃太郎、悪いけど・・・死んでもらうからねぇ!!」

 

 

【バトル展開待ったなし

なんだよこれ。もうすでに桃太郎じゃねーだろ】

 

 

「くっ・・・ババァ!!貴様やはり!!」

 

「やはり・・・?知っていたのかい、桃太郎」

 

「俺は、FBIから派遣された捜査員だ。お前を猟奇殺人の容疑で逮捕する!」

 

「殺人とな・・・私は鬼しか殺しておらんが・・・」

 

おばあさんは袖に隠してあったジャパニ-ズ・ニンジャ・ソ-ドを取り出します。

 

 

【刀でええやん!!これ翻訳でもしたの!?てか、なんで桃太郎はFBIなんだよ!!】

 

 

おじいさんはいつの間にか姿を消していました。

 

「桃太郎、思い残すことはないかい?」

 

「お前らにような極悪人に言う最期の言葉などない!」

 

「ふ・・・活きがいいガキだねぇ。鬼なんかよりよっぽど殺しがいがあるねぇ・・・」

 

 

【いっちゃったよ。鬼より殺しがいがあるとか言っちゃったよ】

 

 

「こいよババァ、刀なんか捨ててかかってこい!」

 

「殺してやるよガキィ!キエエエエエエエエエ!!!」

 

おばあさんはカタナを振りかざして襲い掛かってきます。

 

「桃太郎、伏せろ!!」

 

直後、銃声が響きました。

聞きなれた声・・・おじいさんでした。

 

 

【おじいさんキター!】

 

 

「ばあさん、もうやめにしよう。鬼たちは何の罪も犯してはおらん。罪を償おう」

 

散弾銃を持ったおじいさんはおばあさんと自首を呼びかけます。

しかしおばあさんはおじいさんに襲い掛かりました。

 

「ジジィ!あんたから殺してやるよ!!」

 

年をとり、衰えた体ではおばあさんの斬撃はよけれません。

心臓付近を一突きされました。

 

「ぐふっ・・・!」

 

「ひゃははははは!!!私に逆らおうっていうのが間違いでしたねおじいさん!」

 

 

【おじいさん死んだあああああああああ!!!!】

 

 

「ぐっ・・・桃太郎・・・ばあさんを・・・殺せ・・・」

 

桃太郎は無言で散弾銃を拾い上げおばあさんに照準します。

おばあさんは背骨を貫通した刀を引き抜こうとして反応が遅れました。

 

「死ねこのクソババァ!!!」

 

桃太郎は渾身の力をこめてトリガ-を引きます。

こんな犯罪者でも育ての親・・・そのトリガ-は生きてきた中で何よりも重いものでした。

おばあさんは上半身が消し飛びました。

 

「おじいさん!」

 

「ごふっ・・・桃太郎・・・これが・・・地下の鍵じゃ・・・」

 

「これは・・・」

 

「ここに・・・ワシが捕まえた鬼達がおる・・・開放・・・してやって・・・くれ・・・」

 

「おじいさん!もうしゃべるな!傷が・・・!」

 

「ワシは・・・罪を・・・死んで・・・償うよ・・・桃太郎・・・」

 

「馬鹿野郎!!死んだってな、罪は償えねーんだよ!!だから死ぬな!生きろぉぉおおお!!!」

 

しかしおじいさんは微笑みゆっくりと桃太郎の腕の中で息を引き取りました。

 

「おじいさあああああああああん!!!!!!」

 

 

【おじいさああああああああああああああああんんんん!!!!!】

 

 

その後桃太郎は地下に行き、捕らわれていた鬼達を解放し、おじいさんたちを海のよく見える丘に埋葬してあげましたとさ。めでたしめでたし。

 

 

 

 

 

 

「ぜんぜんめでたくねええええええええ!!!!おじいさんとおばあさん死んでんじゃねえかああああ!!!」

 

「何か・・・すごいスト-リ-なのです・・・」

 

「つーか桃太郎がFBIってもはや原作関係ねぇだろおおお!!!」

 

俺はここぞとばかりに突っ込む。

てかこれ幼児向け絵本なんだよ!?

 

「き、きっとこれを呼んで小さい子は成長するのです」

 

「成長って何?サイコパスにでもなるの!?」

 

「さ、さぁ・・・?」

 

とりあえず突っ込みすぎて疲れた・・・

 

「電・・・温泉にでも入ろう・・・」

 

「そうですね!」

 

電と着替えを持って温泉に向かう。

じつはここ、カップル・夫婦専用の混浴がある。

 

「電と風呂入るのは初めてだな」

 

「えへへ、ちょっと楽しみなのです」

 

「可愛いなぁ・・・」

 

「う・・・うにゅぅ・・・」

 

顔を真っ赤にして俯いた。

可愛すぎる。

 

「なぁ電・・・もしもだ」

 

「なんですか?」

 

「戦争が終わったら・・・二人でここに引っ越さないか」

 

「・・・はい!」

 

電は心底うれしそうな顔をして抱きついてきた。

ちなみに戦争が終結した場合、鎮守府に所属する艦娘は引退か、そのまま海上自衛隊所属として警備にあたるかになる。

引退した艦娘は提督が引き取るか、そのまま艤装とのリンクを外され、艦船としての記憶、鎮守府に居て戦った記憶を失い民間人になる。

俺は全員引き取る予定だ。

金はたんまりあるしな。

なにより、電が寂しがる。

そんなことを考えながら脱衣所に入った。

・・・今夜は夜s(ry




今回の桃太郎はちょっと微妙かも。
変なネタ入れすぎたかな?


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姉妹デート

今回は提督と電のイチャコラ話ではないですよ?


~いそかぜ~

 

司令官は電さんと新婚旅行・・・。

電さんと司令官の目がない今なら うらかぜ と・・・ふふっ

 

「ねぇいそかぜ、ちょっと外にでm・・・うわぁ!!」

 

「うらかぜうらかぜうらかぜうらかぜ・・・」

 

「ちょちょちょ!!!怖い怖い怖い!!!」

 

ベットに押し倒して服を脱がす。

 

「ちょ!!朝やったばっかじゃん!!」

 

「司令官も佳織ちゃんも今居ないんですよ?だからもっとしたいです」

 

「わ、私は今は外行きたいいいいい!!」

 

「問答無用です♪」

 

「いやあああああああああああああああ!!!!」

 

 

 

 

 

 

~ケストレル~

 

あれ、何か悲鳴が・・・ま、いっか。

 

「アンドロメダ~・・・暇だよ~」

 

「私は仕事があるので・・・」

 

「真面目だな~」

 

ちゃっかりメガネまでつけて・・・

そだ、久々にバ-ベットと出かけるかな

 

「ちょっとバ-ベット探してくる~」

 

「はい、たぶんお部屋に居ますよ」

 

「うん、ありがと!」

 

司令室を出て部屋に向かう。

たまには姉妹で出かけたい。

 

「バ-ベット?私だけど」

 

「あら、ケストレル?どうしたの?」

 

「暇だし外で散歩でもしない?」

 

「いいわね、私も外行きたかったし」

 

「ほんと?じゃあ着替えてくる!」

 

「うん、30分後に寮の外で会いましょ」

 

「はいよー!」

 

急いで部屋に戻って着替える。

今の服のまま出てもいいけど・・・海軍の制服だからねぇ・・・

 

「何来て行こうかな~」

 

部屋のタンスを探る。

いい服ないな~・・・

まぁ、少し暖かくなったしワンピ-スと羽織るものでもあったらいいかな。

 

「さて、行こっと!」

 

部屋を出ようとしたとき私は日課のひとつを思い出した。

 

「おっと、忘れるとこだった」

 

ベッドに飾ってある今は亡きアンダ-セン艦長の写真。

私にとってこの人は特別な人だ。

 

「艦長、行って来ます。今日はね、バ-ベットとデ-ト行って来るね」

 

そう言った時、写真の艦長が少し笑った気がした。

でも、気のせいだろう。

寮を出て、外に向かうとすでにバ-ベットが待っていた。

 

「おまたせ!待った?」

 

「ううん、今来た所よ」

 

「そっか!じゃあ行こっ!」

 

こうやって二人でいるのが懐かしく感じる。

 

「ねぇねぇ、どこ行く?」

 

「そうね・・・私、ちょっと秋葉原まで行きたいわ」

 

「ア、アキバっすか・・・」

 

「な、なによ」

 

「別に~?」

 

「もう何よ!」

 

「えへへ」

 

「・・・もう」

 

以外なとこあるな~・・・

なんて思いながら電車に乗り秋葉原に向かう。

バ-ベットはついた瞬間ダッシュで同人ショップに向かった。

私はどうすりゃええのさ・・・

 

「やったわ!新刊が最後の一冊!」

 

バ-ベットのうれしそうな声が聞こえてくるが・・・

貴女が今居る場所・・・R-18ゾ-ンでっせ・・・

私はちょっと入る勇気ないかな・・・

バ-ベットは嬉々として10冊くらい薄い本を抱えて出てくる。

・・・気のせいかな、男同士の絵しか見えなかった。

 

「ねぇ、バ-ベット・・・気のせいであってほしいんだけど、男の人のアレ入れてる場所って・・・お尻?」

 

「ええ、ケツよ」

 

「Oh...」

 

なんかえげつないものを見てしまった気がする・・・

まぁ、人の趣味だしいいけどね。

 

「バ-ベット、ご飯でも食べに行かない?」

 

「そうね・・・行きましょうか」

 

そう言って店を出た瞬間だった・・・

 

「ヘイ彼女ー!今暇ー?」

 

「うわぁ・・・ナンパか・・・」

 

ものすごいチャラそうな二人組みにナンパされた。

ちなみに2人の容姿はこのチャラささえなければ、ものすごいイケメンだったりする。

 

「ねぇねぇ、カラオケでもどう?」

 

「いいわ、先を急いでるし」

 

「そんなこと言わずにぃ~」

 

するとバ-ベットはイライラしてきたのか・・・

 

「ああもう、うるさいわね!私はアンタ達とイチャつくよりイケメン同士がイチャついてる方が興味あるのよ!それとも貴方たちがやってくれるのかしら?!ええ?!」

 

「え、ええ・・・」

 

私、ドン引きである。

 

「お、俺、そんな趣味な女の子もタイプかな」

 

引き下がらんのかいっ!!

引くだろ!大声であんなの言われたら引くだろ!!

実の妹の私がすでにドン引きだよ!!

なんて心の中で突っ込んでると・・・

 

「ごちゃごちゃうるさいわよ!!」

 

「おぶっ!!」

 

二人の頭をわしづかみにして思いっきりぶつけていた。

ちなみにこの時、マウス・トゥ-・マウスでキスしております。

・・・・うわぁ・・・

しかもバ-ベット、30秒くらいくっつけたまましてしている。

 

「バ、バ-ベット・・・そこらへんで・・・」

 

とめようとしたとき・・・

 

「ヘイ彼女!」

 

「え?」

 

また目の前にチャラそうな男が現れた。

こいつはちょいブサだが・・・

 

「なに?」

 

どうせナンパだろ・・・

 

「俺で妥協しない?」

 

「え」

 

新手過ぎるナンパで思考が停止した。

 

「・・・ごめん、もっかい言って」

 

「俺で妥協しない?」

 

「・・・妥協って・・・妥協ってアンタ・・・」

 

コイツ普通に面白いヤツなんじゃないかと思ってきた。

 

「ねぇ、どう?」

 

「いや・・・どうって・・・それでナンパしようとするアンタを尊敬するわ・・・」

 

「・・・だってよ・・・」

 

男は俯き気味に言い出した。

 

「だってよ・・・いままでナンパなんて成功したことねーんだよ!彼女だって居ない暦=年齢だしよ!!」

 

「え、ええ・・・」

 

「第一・・・地味キャラとか言われて・・・」

 

「いや・・・アンタ地味じゃないじゃん・・・見た目チャラ男じゃん・・・」

 

「これは・・・イメチェンで・・・」

 

「なんでイメチェンでチャラ男選んじゃったの!?」

 

「・・・これならイケメンになれるかと思って・・・」

 

「いや、アンタ自分に自信持ちなさいよ!!大体、結構フツメンだよ?」

 

「え・・・」

 

何か哀れというか、こいつとなら友達になれそうな気がした。

・・・あれ、ナンパ成功されてねコレ。

ま、いっか

 

「何か可愛そうだし、連絡先くらい交換してあげるよ」

 

「え・・・え・・・?」

 

「ほら、ケ-タイ」

 

「い、いいんですか・・・?」

 

「なんで敬語になっちゃうかなぁ・・・ほら、早く」

 

「や・・・やったああああああああああああ!!!!」

 

男はプラト-ンみたいなポ-ズをして叫んだ。

・・・どんだけ女運なかったんだコイツ・・・

 

「初めて女の子の連絡先をもらったあああああ!!!」

 

「初めてなの!?」

 

「いままで・・・キモイとかいろいろ言われて・・・僕・・・結構オタクで・・・」

 

「何で一人称まで変わったの!?あんたもうチャラいキャラやめとけ!!」

 

「ありがとうございます!!これからよろしくおねがいします!!」

 

「あ・・・う、うん・・・よろしくね?」

 

そして男は笑顔で手を振って帰っていった。

ちなみに私はさっきバ-ベットが放した男どうしが何故か頬を赤く染め、手を恋人つなぎで指を絡めあいながら帰っていくのを見逃さなかった。

バ-ベットがそれをうっとりした顔で見ているのも見逃さなかった。

・・・あいつ等目覚めてんじゃねーよ。

 

「さ、行きましょ。いいもの見れたし」

 

「そ、そうだね・・・」

 

そういえば私も・・・男の人と連絡先交換なんて初めてだな・・・

なんだかちょっと嬉しかった。

ケ-タイを開くとそっけない文章で「これからよろしくお願いします」とだけ書かれたメ-ルが入っていた。

私は自分にもっと自信を持て!と軽い説教文と一緒にこれからよろしくと絵文字付きで返信した。

・・・きっとどこかでプラト-ンポ-ズしてる男が目撃されてるだろうな・・・




今回は微妙・・・かな?
まぁ、温かい目で見てね☆
あ?見ない?うん?おじさん何言ってるか分からないな。
まぁいいからちょっとそこまでツラァ貸せ


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雪風とYUKIKAZE

旅行2日目。

とりあえず札幌に来てみた。

 

「とりあえず札幌に来たのはいいけど・・・どこ行くかな~」

 

「ん~・・・お昼食べたいのです!」

 

「もうそんな時間か・・・よし!ラ-メンでも食いにいくか!」

 

「札幌ラ-メン・・・食べたいのです!」

 

「よし!行くか!」

 

行くか!と行ったのはいいけど、どこに美味い札幌ラ-メンあるのやら・・・

 

「あ、司令官!あそこのお店どうなのです?」

 

「ん?あの列が出来てるとこ?」

 

「そうなのです!」

 

「そうだな、行こうか」

 

少し列の出来たラ-メン屋に向かう。

列に並ぶと前に並んでいた少し太めの中年の男が話しかけてきた。

 

「おや、あんたもこのラ-メンに目をつけたか」

 

「列が出来てたんでね」

 

「つまり・・・初めてか・・・」

 

何だこのオッサン。

 

「ええまぁ・・・ここって美味しいんです?」

 

「いや、クソ不味い」

 

「・・・不味いんかい!!」

 

「いやほら・・・人間どこまで不味いのか気になるじゃん」

 

「ならないでしょ!美味いもの食いたいでしょ!!」

 

とりあえずこのラ-メン屋はやめておこう・・・

わざわざ旅行先で不味いもの食いたくない・・・

 

「司令官さん・・・列って信用できないのです・・・」

 

「すごく痛感した・・・」

 

いや、アレが稀な気がするけど・・・

とりあえず無難に駅前を探すかな・・・。

 

「あ、そうだ。鎮守府のほう大丈夫かな」

 

「もう・・・今はお仕事の話は無しなのです!」

 

ちょっと電が膨れっ面になる。可愛い。

 

「はは、よしよし」

 

「ふにゃああああ!!撫でまくらないで欲しいのですうううう!!」

 

「おっとすまんすまん」

 

「髪がぼさぼさになる・・・」

 

そんなことしてると鎮守府から電話がかかって来た。

 

「ん?」

 

「どうしたのです?」

 

「鎮守府から電話・・・ちょっと出てくる」

 

「了解なのです!」

 

「もしもし?」

 

<<旅行中すみません。少し報告があったので・・・>>

 

「報告?何かあったのか?」

 

<<いえその・・・ケストレルさんに彼氏できちゃったみたいで・・・>>

 

・・・・・・・・・・・・!?

 

「ファッ!?え、ちょっ・・・えっ!?」

 

<<どうもこの前出かけた先で仲良くなった男性がいたらしく・・・今朝嬉々として報告してきました・・・>>

 

「マジかい・・・」

 

<<あ、それと建造報告なんですが、雪風さんが着任されました>>

 

「や り ま し た 」

 

<<ですがその・・・>>

 

「ん?どした?」

 

<<戦闘中の様子がおかしくて・・・>>

 

「怯えてでもいたのか?」

 

<<いえ・・・人が変わるっていうか・・・その・・・話せば長くなるので動画をあとで送ります!>>

 

「お、おう」

 

そういって電話は切られた。

・・・ケストレル・・・いつの間に・・・

まぁ、いっか。

それよりも雪風キタコレ!

 

「電話終わったのです?」

 

「ああ、終わったよ」

 

「じゃあお店探すの再開なのです!」

 

「おー」

 

「棒読みなのです!?」

 

 

 

 

 

~アンドロメダ(昨日)~

 

さてと、建造行こうかな。

 

「えっとデイリ-は・・・うん、これでいいかな」

 

私は工廠に向かった。

 

「建造お願いします。駆逐艦クラス一隻分で」

 

「はいよー!今日はてーとく居ないの?」

 

「はい、電さんと旅行に・・・」

 

「ほ~・・・ということは旅行中に【ピー】とか【ピー】とかしてるんだろうね」

 

「な、生々しい・・・」

 

「とりあえずこれ、高速建造どうする?」

 

「一応お願いします」

 

「イエッサ-!!」

 

いったいあの火炎放射器でどうやって建造してるのか気になって仕方ない・・・。

すると・・・

 

「陽炎型駆逐艦8番艦、雪風です!どうぞ、宜しくお願い致しますっ!」

 

「横須賀鎮守府にようこそ。司令官代理の情報収集艦アンドロメダです」

 

「あれ、しれぇは居ないんですか?」

 

「今は旅行に行かれています」

 

「雪風も旅行に行きたいです・・・」

 

私はそんな会話をしながら司令室に戻る。

 

「雪風さん、さっそくですが正面海域に出撃してもらいます」

 

「い、いきなりですか!?」

 

「はい、私といそかぜさん、うらかぜさんと警備にお願いします」

 

「わ、わかりました!」

 

雪風はビシっと敬礼をして出て行く。

 

「ふぅ・・・えっと・・・装備装備・・・」

 

装備を確認する。

12.7cm連装砲と魚雷・・・あれ、もうひとつ?

取り外し不可と書かれたスロットに「YUKIKAZE」と書かれたものがあった。

ゆきかぜ・・・ん~・・・なんだろ・・・

とりあえず出撃準備を済ませて洋上に向かった。

 

「これが初実戦ですが、雪風さんは主に見学しててください」

 

「は、はい!」

 

洋上に出て少し向かうと索敵レ-ダ-に複数の反応があった。

駆逐艦クラス・・・3隻。

 

「いそかぜさん、うらかぜさん、駆逐艦3を認む。攻撃開始してください」

 

「了解しました。トマホ-ク、攻撃準備」

 

「いそかぜは長距離兵器あるからいいよねぇ・・・」

 

「・・・・(ドヤ」

 

「あー!!むかつくぅぅぅぅ!!!」

 

「あ、あの・・・攻撃を・・・」

 

「了解・・・トマホ-ク、攻撃はじめ!」

 

いそかぜさんから2発のトマホ-クが発射される。

 

「あれ、一発撃ちもらしになるよ」

 

「いえ、一隻は雪風さんがしとめてください」

 

「はい!艦隊をお守りします!」

 

艦隊は増速し、一気に敵艦隊に迫る。

 

「雪風さん、もし敵を撃沈できないと判断したらすぐに援護要請してください」

 

「わかりました!!」

 

雪風は主砲を斉射する。

・・・しかし、射程圏外だ。

 

「あの・・・もうちょっと近づかないと・・・」

 

「あれ、遠かったです?」

 

「ギリギリ圏外・・・あれ!?」

 

すると砲弾はなぜか敵駆逐艦に全弾命中・・・軌道をよく見ると何故か海面近くで発生した超強力な上昇気流で押し上げられ命中したようだ。

う、運良すぎる・・・

 

「敵艦隊殲滅・・・警備を続行しましょう」

 

「了解・・・あ、待って・・・魚雷音!!」

 

うらかぜさんが急に叫ぶ。

魚雷・・・!?

 

「6時方向・・・魚雷20!!」

 

「に、20!?」

 

「間違いありません!!魚雷20・・・雷速40!!」

 

「どどどどどどどうしましょう!?」

 

「雪風さん、落ち着いてください!全艦最大戦速!振り切ります!!」

 

「魚雷・・・そんな・・・誘導魚雷!?」

 

「誘導!?そんな馬鹿な・・・」

 

「魚雷から探針音・・・音響誘導魚雷です!!」

 

「私も確認しました。各艦に五発づつ向かってきます!」

 

私たちは逃げ切ろうと思えば逃げ切れる・・・でも雪風さんはそうはいかない。

現在の速力は35ノット・・・どうやっても追いつかれる。

 

「魚雷・・・距離2000!!」

 

もう至近距離だ。

どうする・・・落ち着け・・・!

すると雪風が・・・

 

「あい・はぶ・こんとろーる・・・」

 

「雪風さん?何か言いましたか?」

 

雪風のほうを振り向くと雪風は死んだ目をしていた。

俗に言うレイプ目みたいな目をしていた。

・・・怖い。

 

「ゆ、雪風さん!?」

 

私が呼びかけても反応しない・・・

そんなことしてる間に魚雷はもう目の前まで迫っていた。

・・・ここで・・・終わりなのかな・・・

雪風のほうを見たまま固まっていると突然雪風は180度急速旋回した。

その場で・・・だ。

いくら艦娘とは言え、そんな旋回をすれば体はもとより、艤装が持たない。

それ以前にいくら現代艦の私たちでもその場で速度を変えずに180度旋回なんて出来ない。

 

「雪風さん!何をする気ですか!!」

 

雪風は速力35ノットで後進状態だ。

艤装の耐久値が心配になる。

 

「主砲・・・準備」

 

雪風はそう呟いて魚雷に向けていきなり砲撃を始めた。

それも正確に一発ずつ撃ち抜いていく。

ものの1分で全魚雷を迎撃・・・

雪風はまた急速旋回で正面に戻る。

 

「ゆー・はぶ・こんとろーる・・・」

 

今度はそう呟いた。

同時に目に光が戻り、さっきまでの雪風になる

 

「ぎょ、魚雷いいいいい!!」

 

「魚雷ならもう全部迎撃されましたよ・・・?」

 

「あ、あれ・・・そうなんですか・・・?」

 

「記憶ないんですか!?」

 

「え、えっと・・・何の話かわからないです・・・」

 

「と、とりあえず戻りましょう」

 

「はい!艦隊をお守りします!!」

 

雪風さん・・・何者なんですか・・・。

そんなこと重いながら鎮守府への帰路に着いた。




ごめんね、イチャイチャシーン上手いこと出来なかったの・・・
というわけで、はい。作品を間違えてる雪風です。
分からない人に説明すると、戦闘妖精雪風見ましょう。以上!
え、説明になってないって?俺は知らん!


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超大型航空機

「ラ-メン美味かったな~」

 

「お腹いっぱいなのです~」

 

二人で札幌ラ-メンを堪能してここから牧場に向かう。

 

「やっぱり北海道といったら牧場なのです!」

 

「もうちょっと早く来てたら雪祭りもあったけどな」

 

「寒いのは苦手なのです・・・」

 

「俺もマイナスの世界にずっとは居たくない・・・」

 

そんな会話をしながらレンタカ-で牧場に向かっていた。

外は快晴・・・気温もちょうどいい感じに暖かくて最高だ。

 

「あと・・・10分くらいで着くぞ~」

 

「楽しみなのです♪あ、それとソフトクリ-ムも食べたいのです!」

 

「おお、牧場のソフトクリ-ムか!食べよう食べよう!」

 

「なのです♪」

 

電はご機嫌で助手席に座っている。

牧場はもう目の前だった。

 

「電、乳搾り体験もあるらしいからやってみるか?」

 

「いいのです?」

 

「おう!」

 

「やったのです!」

 

そんなわけで牧場到着。

とりあえず最初に乳搾り体験をしてみることに。

 

「電、大丈夫か?」

 

「だ、大丈夫なのです!」

 

電は牛を目の前に少しビクビクしていた。

可愛い・・・。

 

「はは、お穣ちゃん、怖がらなくても大丈夫だよ。ほら、こんな風に・・・」

 

牧場の従業員が牛に近づき電に見本を見せようとしてくれていた。

 

「やさしくこうするんだよ。いいかい?」

 

「あ、ありがとうなのです!」

 

電は教えてもらったとおりにやってみていた。

 

「搾れたのです!」

 

「お穣ちゃん、なかなか上手いよ。お父さんも一緒のどうだい?」

 

「お、お父さん!?」

 

「こ、この人お父さんじゃないのです!」

 

「あれ、違うのかい?」

 

「この人は私の夫なのです!」

 

「わ、若々しいね・・・」

 

「・・・俺そんなに老けてるかな・・・」

 

何でお父さんと間違うの。

せめてお兄さんであって欲しかったとです。

電はそのあとも楽しそうに搾っていたが突然手が止まった。

 

「あれ、電?もういいのか?」

 

「・・・」

 

「お、お~い・・・電~?」

 

「・・・どうやったらこんなに大きくなるのです・・・」

 

「え?」

 

「どうやったらこんなにおっぱい大きくなるのですか!!」

 

「そこ!?」

 

「ちょっ・・・お穣ちゃん・・・放し・・・ぐぇ・・・」

 

「さぁ言うのです!おっぱい大きくなる方法言うのです!!」

 

「落ち着け電!!その人放さないと死んじゃうから!!」

 

ちなみに従業員さん、白目剝いてらっしゃる。

ヤバイ。

 

「い、電・・・ヤバイ、そろそろ死ぬぞその人・・・」

 

「あ・・・ご、ごめんなさいなのですううううう!!!」

 

「げほっげほっ・・・」

 

「だ、大丈夫ですか!?ごめんなさいなのです・・・」

 

電は涙目で謝罪している。

 

「だ、大丈夫だよ。今月4回目だし・・・」

 

「4回目!?いったい何回殺されかけてるのです!?」

 

「いやぁ、ここよくあるんだよ、どうやったら牛並みの胸を手に入れれるのかって・・・」

 

その理不尽な理由でこのおじさん4回も生と死の境目に立たされていたのか・・・

そんな騒動の起きた旅行2日目の午後だった。

 

 

 

 

~アンドロメダ~

 

う~ん・・・あの雪風さん・・・本当にどうしたんだろう・・・

 

「ねぇアンドロメダ、その動画みるの何回目?」

 

ケストレルがパソコンの画面を覗き込んで言ってきた。

 

「なぜああなったのかよく分からなくて・・・」

 

「ん~・・・私が思うに、あの子多重人格なんじゃないの?」

 

「多重人格?」

 

「うん、たぶんそうじゃないかな」

 

「でもこれは多重人格で説明が着くんでしょうか・・・」

 

「まぁ、あの動きは説明できないよね~」

 

「雪風さん本人にも分からないようですからね・・・」

 

「この動画は見せたの?」

 

「いえ、まだ・・・」

 

「それじゃ見せてあげたら何か思い出すんじゃない?」

 

「そうですね・・・」

 

「あ、ちょっとごめんね」

 

ケストレルはケ-タイを片手に部屋を出ようとしていた。

 

「どうしたんですか?」

 

「えへへ、彼からデ-トのお誘い」

 

「・・・幸せそうですね」

 

「おお?羨ましいのか~?」

 

「べ、べつにそんなことっ・・・」

 

「アンドロメダにもすぐ出来るよ!」

 

「・・・そうですかね・・・」

 

「そうだよ!っと、私はそろそろ行くね!」

 

「はい、気をつけて」

 

ケストレルは部屋を出て行った。

とりあえず雪風さんに動画見せるかな・・・

 

「あ、そうだ」

 

デイリ-開発を忘れていたことを思い出す。

偵察機が不足してるって隊長言ってたな。

私は雪風さんを司令室に連れてくるついでに開発に向かう。

 

「お、今日も建造?」

 

「いえ、今日は開発で。艦載機・・・出来れば偵察機をお願いします」

 

「はいよー!!ypaaaaaaaaaa!!!」

 

なんでロシア人の妖精追加されてるんですか。

 

「はいできた!」

 

妖精さんが出してきた書類には・・・

 

E-2C早期警戒機

 

と書かれていた。

早期警戒機・・・なかなか当たりかな。

ただ、資源を考えてあまり出撃させれないと思うけど・・・

とりあえず雪風さんを探して司令室に行こう。

 

 

 

 

~ケストレル~

 

・・・遅い。

いや、私が30分くらい早く着いたからだけど・・・

すると・・・

 

「あ、あれ!?もう来てたんですか!?」

 

「遅い!って言いたいけど私も今来たところだよ」

 

「あ~・・・良かった・・・」

 

「はいはい、とりあえず行きましょ」

 

二人で並んで歩く。

公園だが、恋人とだと少し新鮮だった。

・・・てか私って案外チョロいのかな~・・・

この前ナンパ(?)してきた男と付き合うなんて・・・

まぁでも話してて楽しいヤツだし、優しいから私のタイプなんだけどね

 

「ね、ねぇ、ケストレルさんの苗字って何なの?」

 

「何でさん付けちゃうかな~・・・呼び捨てでいいの!」

 

「は、はい!」

 

「それで、苗字?んなもんないわよ」

 

「え、ない!?」

 

「そうだよ?」

 

「え、でも・・・」

 

「まぁまぁ、その話は後々!」

 

・・・私、航空母艦だし・・・

苗字か~・・・ヒュ-バ-ド級だから・・・ヒュ-バ-ド?

ま、正直に話せばいいか。

 

「今日はあったかいね」

 

「そうです・・・あ、いや、そうだね!」

 

「・・・なんかそんな所が可愛いよね君って」

 

「え、えぇ!?」

 

「えへへ」

 

耳まで赤くなってる・・・。

イジリがいがあるなぁ。

 

「ちょっと喉渇いたな・・・どっかで休憩しない?」

 

「あ、だったら僕が買ってくるよ。何が飲みたい?」

 

「え、いいの?私出すよ」

 

「彼女にくらいおごるよ!」

 

「そう?じゃあ、コ-ラお願い!」

 

「分かった!」

 

私は近くのベンチに座る。

なんとなく空を見上げると雲ひとつない青空だった。

・・・そういえばアンダ-セン艦長が着任したときもこんな空だったな~・・・

そんなこと思っていると・・・

 

「ねぇねぇ、彼女今一人~?」

 

「え?」

 

チャラそうな男3人(こいつらはブサイク)に囲まれてた。

なんでまたナンパですか。

何、チャラ男は航空母艦がお好きなの?

 

「私、彼氏いるんだけど」

 

「あ、もしかしてさっきのダサそうなの?」

 

「は?」

 

「いやいや!俺らのほうがカッコいいから!どう?乗り換えない?」

 

「却下」

 

そんなやりとりしてると・・・

 

「・・・僕の彼女に何してるんですか?」

 

「あ?もしかして彼氏?」

 

「・・・だったら何」

 

「何睨んでんだよ?ああ?」

 

あ~あ・・・喧嘩始まった・・・

いざとなったら助けてやるかな。

一応、艤装がない状態の艦娘は艦級にもよるが基礎体力面はそこらへんの成人男性より高い。

 

「お前さ、俺とこの子付き合うから手ぇ引けよ」

 

「えっ」

 

思わず声が出た。

その理屈はおかしい。

 

「・・・ふざけんなよ」

 

「は?喧嘩売ってんの?」

 

「・・・ふざけんなこのゴミが!」

 

やだカッコいいとか一瞬思ったが・・・

 

「ぐあ!」

 

カウンタ-食らってた・・・。

そこは一発でも当てようよ!!

はぁ・・・仕方ない・・・リンチされる前に片付けるか・・・

 

「ははははは!弱すぎ!!」

 

「・・・おい」

 

「ははは・・・あ?」

 

「人の彼氏に手ぇ出してんじゃないわよおおおおお!!!」

 

DQN一匹背負い投げ~。

ちなみに木にぶつかって伸びてた。

 

「て、てめぇ!」

 

DQN2、ナイフを出してきた。

 

「服切り刻んで全裸にしてやれ!」

 

DQN3も来た。

どんだけ小物やねん・・・

 

「・・・ケストレル・・さん・・・逃げて・・・」

 

お前は弱すぎんだろおおおおお!!!

なんで一仕事終えたぜ!護れたぜ!みたいな顔してんだ!!

 

「あのね・・・」

 

「んだコラァ!!」

 

「・・・航空母艦を・・・舐めてんじゃねぇよおおおおお!!」

 

ものすごい勢いで2人をぶん殴る。

100コンボ!!フルボッコだドン!

 

「ぎゃああああ!!!」

 

2人を片付けて彼氏のほうに寄る。

 

「ほら、大丈夫?」

 

「う、うう・・・ごめんなさい・・・」

 

「何誤ってんの、ほら」

 

手をつかんで引き起こす。

 

「さてと・・・警察呼ぶ前に・・・」

 

「何してるのケストレルさん」

 

「今のうちにお小遣いかせがなきゃ♪」

 

「え、ちょっ」

 

うへへへへ、結構持ってやがんな・・・へっへっへ

 

「ちょっ!!ダメだって!!」

 

「いいのよ、少しくらい」

 

「犯罪だよ!!」

 

「こいつらもアンタぶん殴ったしお相子でしょ」

 

「う、うん・・・そうだけど・・・」

 

「まぁ・・・そこまで言うなら1万円で勘弁しといあげるよ。ペッ」

 

「結局取るの!?あと唾まで吐かなくても・・・」

 

ここまでしないと気がすまないの!

まぁいいか・・・

 

「でも・・・私を助けようとしてくれたとこ、カッコよかったよ」

 

「え、えへへ・・・」

 

「まぁ、結局私が片付けたけどねん」

 

「うっ・・・」

 

「強くなれ少年!」

 

「は、はい!あ、それと・・・航空母艦ってどういう意味?」

 

「えっ・・・あ、ああ・・・そうだね」

 

「?」

 

仕方ない、この際言っとくか。

 

「お願い、幻滅しないでね」

 

「し、しないよ!」

 

「私ね・・・」

 

私はビシっとその場で海軍式敬礼をして喋る。

 

「私は日本海軍横須賀鎮守府所属、ヒュ-バ-ド級航空母艦・・・その7番艦のケストレル」

 

「え・・・日本海軍・・・?」

 

「そうだよ、私は艦娘」

 

彼は少しだけ俯いた。

 

「じゃあ・・・僕とはもう会えないの・・・?」

 

「・・・は?」

 

「だって・・・軍なら・・・」

 

そこかよ。

 

「あのね、場所にもよるけどウチの隊長・・・司令官は外出許可ポンポンくれるよ。ていうか勝手に出て行っても何も言われないし」

 

「え、ええ・・・」

 

「まぁ、そういうわけ」

 

「で、でも・・・兵器・・・なんでしょ・・・?」

 

「ん~・・・艤装をつければね~。着けてないと生身の人間と変わらないよ。まぁ基礎体力は私のほうが上だけど」

 

「でも寿命とか・・・」

 

「人と同じよ?まぁ、艤装の寿命はもっと短いけど」

 

「何年くらいなの・・・?」

 

「まぁ・・・物にもよるけど・・・3~40年くらい?」

 

「そ、そうなんだ・・・」

 

「あ、そうだ。こんど鎮守府においでよ」

 

「え!?」

 

「司令官に紹介したいし」

 

「で、でも一般人だし・・・」

 

「んなもん気にすりゃしないわよ、あの司令官」

 

「気にしてよ・・・」

 

「まぁそんなわけだからこれからもよろしくね!あ、アンタの名前聞き忘れてたわ」

 

「僕は島田 拓未だよ」

 

「ん、タクミか。なんで今まで聞いてなかったんだろうね」

 

「ホントにね」

 

お互い笑いながらデ-トを再開した。

・・・てか、早く手、繋ぎなさいよ!!私からは恥ずかしくて無理!!

 

 

 

 

 

~アンドロメダ~

 

雪風さんに動画を見せたがやっぱりよく分からないらしい。

そんなとき、出撃命令が出る。

 

「鎮守府正面海域・・・またですか・・・」

 

「今動けるのって雪風だけですか?」

 

「いえ、バ-ベットさんと赤城さんも同行します」

 

「分かりました!鎮守府をお守りします!!」

 

 

 

 

 

 

~雪風~

 

「雪風さん、お久しぶりです」

 

「赤城さん!いつみてもカッコいいです!!」

 

「貴方はいつ見ても可愛いわね」

 

これが二回目の実戦・・・気合入れます!!

 

「艦載機を上げます」

 

「了解ですっ!」

 

バ-ベットさん、赤城さんから艦載機が上がる。

バ-ベットさんは偵察機のみを上げた。

 

「・・・対空目標・・・30以上いるわね・・・」

 

「多いですね・・・」

 

「赤城さんの艦載機ならやれます!」

 

赤城さんの艦載機は練度が高いことで有名だ。

30機・・・やれます!

 

「メビウス各機・・・交戦」

 

無線機に偵察機からの情報が入ってくる。

 

<<メビウス1、敵機撃墜>>

 

<<オメガ11、撤退を確認>>

 

「またオメガですか・・・」

 

「オメガって何ですか?」

 

「私の艦載機なんですが・・・いつも被弾しちゃって・・・」

 

「私がいるから大丈夫です!」

 

「いえもう被弾してます・・・」

 

「私の幸運の女神パワ-足りないですか!?」

 

そんなやり取りをしていた。

すると・・・

 

<<艦載機各機・・・3時方向・・・距離10000より高熱源体接近・・・恐ろしく速い・・・>>

 

<<何?新型?>>

 

<<分からない・・・いや・・・待てよ・・・>>

 

どうしたんだろう・・・私は無線に集中した。

 

<<ホ-クアイからメビウス隊各機。パ-ンパ-ンパ-ン。ミサイル、ブレイク、ブレイク!>>

 

<<うっそぉ!?>>

 

<<に、にげろおおおおお!!!!>>

 

私にレ-ダ-はないけど分かる・・・みんな散り散りになって逃げている。

すると・・・

 

<<ミサイル・・・弾着ッ!!>>

 

<<うわぁぁぁ!!!>>

 

<<キャアアアアア!!!>>

 

<<み、みんな!!>>

 

遠くに大きな爆炎が見えた。

ものすごい威力なのは見て取れる。

 

<<メ、メビウス1より赤城・・・メビウス2から6・・・撃墜・・・生存機・・・本機を含め・・・3・・・>>

 

「さ、3機しか・・・」

 

「そんな・・・」

 

<<ホ-クアイからバ-ベット。ミサイル発射予想地点特定・・・空中?>>

 

「どこ?早く教えて」

 

<<空中に大型目標!!そちらから2時!!>>

 

2時方向を振り向くと遠くに巨大なエイのような姿をした黒塗りの大型飛行機が飛んでいた。

あの模様は・・・深海棲艦・・・




前半イチャラブからの戦闘!!
・・・疲れた。

あのエイみたいな形で巨大な航空機でものすごい威力のミサイルぶっ放すっていったらどんなヤツか分かるよね?


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重巡航管制機

~アンドロメダ~

 

あの機影・・・まさか・・・!

私は急いでデ-タベ-スを検索する。

すると・・・

 

「アイガイオン級・・・重巡航・・・管制機・・・」

 

アイガイオン級重巡航管制機。

エストバキアが開発した空中空母だ。

 

「何なんですかあの航空機!!」

 

「空中空母です!早く艦載機を・・・!」

 

「ベルカ戦争の時のとは違うの!?」

 

「あれとは違います!」

 

もう艦載機を上げ始めているだろう・・・

あの大きさから考えるに艦載機は・・・1000機以上・・・

 

「赤城さん!戦闘機はあと何機残ってますか?!」

 

「あと・・・メビウスが2機・・・ク-ガ隊のみです!」

 

「バ-ベットさんは!?」

 

「F-14Dが20・・・」

 

少ない・・・でも、やれるうちにやらないと・・・!

そんな時突然レ-ダ-がおかしくなる。

 

「レ-ダ-が・・・まさか・・・コットスは居ないはずなのに・・・!」

 

「私もレ-ダ-が・・・ECM!?」

 

「ECCM出力最大!みなさん、早く艦載機を!!」

 

「わかりました!第二次攻撃隊、全機発艦!!」

 

「上がれる機は全機発艦!急いで!」

 

「わ、私どうしたらいいですか!?」

 

「雪風さんは・・・」

 

今、雪風にできることは無いに等しい・・・

でも・・・対空砲火なら・・・!

 

「雪風さん、主砲で対空攻撃はできますか?」

 

「はい!」

 

「あの機を狙ってください!」

 

「わかりました!!」

 

私は敵をミサイルでロックオンする。

私の対空兵装は申し訳程度しかない・・・今は圧倒的に対空装備に欠けている。

 

「スタンダ-ド・・・撃てー!!!」

 

<<こちらホ-クアイ、敵艦載機発艦を確認。ものすごい数-------->>

 

突然無線が途切れる。

 

「ホ-クアイロスト!!撃墜されたわ!!」

 

「・・・そんな・・・!」

 

「司令官に連絡は入れたの?!」

 

「いえ・・・連絡は入れません」

 

「何でよ!」

 

「入れてももう間に合いません!」

 

するとアイアガイオンから複数のミサイルが発射された。

 

「目標ミサイル発射!!こっちに突っ込んできます!」

 

鎮守府にいそかぜさんとうらかぜさんが居てくれたら・・・

二人はデ-トと言ってどこかに出かけてしまっている。

 

「ミサイル本艦隊に近づく!アンドロメダ、迎撃するわよ!!」

 

「わ、わかりました!!」

 

迎撃ミサイルを発射するもミサイルの数が多い・・・

 

「I have control」

 

雪風がそうつぶやき突然表情が変わる。

さっきまであんなに焦っていたのに雰囲気まで別人になっている。

 

「redy」

 

いつもの舌足らずな口調ではなく流暢な英語を呟いている。

あの人格なんだろうか・・・

 

「GUN」

 

レディガンと呟きミサイルに向けて機銃掃射を始めた。

 

「ミサイル一発撃墜!さらに一発が突っ込んできます!!」

 

「redy main gun」

 

突っ込んできていた5発中、4発機銃で撃墜。

残り一発はもう目の前まで迫っている。

 

「Shelling started」

 

雪風はまず一発を発射。

しかしそれは少し逸れていた。

・・・外した・・・?

すると砲弾はすぐ真横で爆発、ミサイルの軌道を逸らした。

そして迷走を始めたミサイルにもう一発を撃ちこみ撃墜した。

時限信管を使用したのだろう・・・でもあの一瞬で・・・。

 

「ミサイル消滅!あとは本体だけ・・・」

 

しかし目標は弱点を撃ち抜かない限りスタンダ-ドミサイル程度では撃墜できない。

ましてやRAM程度じゃかすり傷一つできない。

 

「せめてあいつの後ろに回り込めたら・・・」

 

「・・・!アンドロメダさん!敵機来ます!」

 

赤城さんが頭上を見て叫ぶ。

・・・シ-スパロ-はもう間に合わない・・・

 

「対空戦闘!CIWS発射!!」

 

「redy GUN」

 

雪風と共に迎撃を急ぐ。

しかし数が多すぎる・・・

 

「多い・・・キャアアア!!!」

 

右半身にはしる激痛・・・

右を見ると雷撃機が火を噴いて墜落していった。

・・・被雷した・・・

急いで被害を確認する。

 

「そんな・・・FCS損傷・・・?」

 

FCSレ-ダ-を破壊されいた。

 

「・・・ここで・・・終わりなの・・・?」

 

周りでは撃ち漏らした敵機の爆弾が着弾しおおきな水柱を上げている。

 

「キャアアア!!真上・・・直上・・・?」

 

「赤城さん!」

 

「飛行甲板大破・・・バ-ベットさん・・・あの子たちを・・・」

 

「わかってるわよ!早くここから離脱して!」

 

「すみません・・・!」

 

赤城さんは離脱していく。

空中は敵機で覆われている。

・・・ここで沈むのかな・・・

隊長・・・鎮守府・・・守りきれなくて・・・ごめんなさい・・・

そんな事思っていたときだった。

 

「CIWS、撃て!」

 

ものすごい轟音が聞こえ横を向く。

 

「貴女は・・・だれですか・・・?」

 

「間に合ったぁ・・・ボクはキ-ロフ級重巡洋艦、ピョ-トル・ヴェリ-キイ!」

 

「ロシア艦・・・」

 

「さっき着任しました!」

 

「了解・・・しました・・・」

 

「ひどく損傷してるけど大丈夫?」

 

「右舷に一発被雷しました・・・」

 

ひどく痛む右のお腹を押さえながら言う。

 

「敵は・・・アイツ?」

 

「そうです・・・」

 

「わかったよ。クズネツォフとボクがあとは片付けるよ」

 

「でも・・・着任したばっかりじゃ・・・」

 

「大丈夫、ボクはこれでも世界最大の戦闘艦だから」

 

「・・・わかりました・・・必ず、鎮守府に帰ってきてください」

 

「やだなぁ・・・それじゃ死亡フラグだよ・・・」

 

そう言って別れる。

雪風が私のそばを守るように航行してくれている。

 

「You have control」

 

「・・・?」

 

「ひやああああああ!!!!ミサイルがああああ!!!!・・・ってあれ・・・?」

 

「あの・・・雪風さん・・・?」

 

「ア、アンドロメダさん!?どうしたですか!?」

 

「魚雷を・・・」

 

「早く帰ってドックに・・・」

 

また覚えていないんだろうか・・・

 

 

 

 

~ケストレル~

 

東京を離れて横須賀に帰ってきた。

彼氏も連れてだけど。

 

「ケストレルさん、横須賀においしいカフェみたいなのって無いかな」

 

「ん~・・・私あんまり外でないからな~・・・行きたいの?」

 

「なんとなく・・・ケストレルさんの家の近くに行ってみたくって・・・」

 

「んじゃ、いっそのこと家来ちゃう?」

 

「え、えぇ!?ま、まだ早いよ!!」

 

「早いって何だ・・・まぁいいや、ついて来て」

 

「ぼ、僕まだ心の準備が・・・」

 

「・・・あんた私と何するつもり・・・」

 

とりあえず鎮守府に向かって歩く。

 

「あれ、ケストレルさん。あれ何?」

 

「そろそろさん付けやめてよ~・・・んでアレって?」

 

「ご、ごめん・・・アレだよ」

 

指差す方向を見ると・・・

 

「え・・・何・・・アレ・・・」

 

「何だろうね・・・」

 

「あの模様・・・」

 

「?何か知ってるの?」

 

「タクミ!ここまで来たならついて来て!!」

 

「え、え!?何!?」

 

「いいから早く!!」

 

・・・深海棲艦・・・・!!!

いつのまに空を飛べるように・・・

ダッシュで鎮守府に帰る。

そういえば今鎮守府にいる艦に対空戦闘能力がほとんど無かった・・・

 

「鎮守府ってここ?」

 

「そう、ここが横須賀鎮守府。とにかく安全な場所に隠れてて!」

 

「え、で、でも・・・」

 

「いいから!!」

 

そういっても私の後を追ってきた。

とにかく急いで工廠に向かわないと・・・

 

「お?ケストレル?」

 

「妖精さん!対空能力の高そうな船、何でもいいから建造して!!高速建造で!!」

 

「あいさー!!」

 

「ケ、ケストレル~・・・ゼェゼェ・・・」

 

「結局ここまで私についてきたのか・・・・」

 

「だ、だって心配だし・・・」

 

「はぁ・・・じゃあ工廠から出てきた艦娘にあのデカブツにしたに行くように言っといてね!」

 

「ケストレルはどうするの!?」

 

「防空司令部に走ってそこのミサイルをアイツに叩き込んでやるのよ!!」

 

「ミ、ミサイル!?」

 

「とにかくお願い!!」

 

そう言って私は防空司令部に向かった。

今動かせるのはトマホ-クのみ・・・

対艦ミサイルを対空攻撃に使うなんて考えたこと無かったけど・・・なんとかしてみせる!

 




戦闘描写が苦手かも知れん・・・そんなこと思った今日のこのごろ。


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キーロフ級重巡洋艦とアドミラル・クズネツォフ級航空母艦

~ピョ-トル・ヴェリ-キイ~

 

さてと・・・一仕事しちゃおうかな

 

「クズネツォフ、制空権取れそう?」

 

<<問題ありません>>

 

「よぉし!」

 

あの巨体をロックオンする。

あれだけ大きいなら少し外したからって問題はないだろう。

 

「フォ-ルト・・・撃てっ!」

 

S-300FMを12発連続発射する。

S-300はかなり大型の対空ミサイルで何も知らない人が見たらICBMと勘違いしそうな形をしている。

ミサイルは2発がコクピット付近、残りは翼に命中した。

10発も大型ミサイルを被弾した翼はへし折れ、大型機はバランスを崩した。

 

<<敵機、バランス崩しました。どうしますか?>>

 

「なんかその・・・機械みたいな喋り方だねよぇ・・・クズネツォフって・・・」

 

<<兵器ですから>>

 

「艤装を外したら別人なのにね」

 

<<・・・グラニ-ト、目標をロックオン>>

 

「わあああああ!!!待った待った!!!!」

 

クズネツォフ怖い・・・

とりあえずアイツはバランス崩したけど・・・落ちる前に反撃してきそうだな~・・・

よし、やったこと無いけど対艦ミサイルを直撃させてみよう

 

「グラニ-ト、諸元入力・・・撃てー!!!」

 

座標を空中で爆発するように設定して発射する。

対艦ミサイルで対空攻撃なんて聞いたこと無いけどね。

 

<<目標にミサイル命中・・・敵機、墜落します>>

 

「あれ、当たった?」

 

<<はい、直撃です>>

 

「やったね♪」

 

<<帰りましょう>>

 

「そうだね」

 

着任早々、デカブツを叩き落して帰路に着いた。

 

 

 

 

~アンドロメダ~

 

「着任早々お疲れ様でした」

 

「いえいえ!初実戦で戦果あげれてボクも満足だよ!」

 

「当然の結果です」

 

「あ、クズネツォフ!いつまで艤装つけてるの?」

 

「これが私の本体です」

 

「基地内では外すのが常識でしょ!」

 

「あ、やめっ・・・・」

 

仲いいですね・・・なんて思いながらクズネツォフの艤装が外されるのを見ていた。

 

「はい外れた!」

 

「えっ・・・ひっ!」

 

さっきまでの機械みたいな口調が変わり、ピョ-トルの後ろに隠れてちょこっとだけ顔を覗かせていた。

・・・かわいいです

 

「あー!隠れるの禁止!」

 

「ひぅ!で、でも・・・・わ、私・・・無理ですうううううう!!!!」

 

そう叫んでクズネツォフはどこかへ走っていった。

 

「え・・・ええっと・・・」

 

「ああ、ごめんごめん!クズネツォフって艤装外したら突然人が変わるんだよねー!あははは!」

 

「ええっと・・・と、とりあえずお部屋分かりますか?」

 

「うん!あ、そういえば提督は?」

 

「今旅行に行かれてますよ」

 

「ああ、そうなんだ!旅行いいなぁ~・・・」

 

「とりあえず今日はお疲れ様でした」

 

「初めてで疲れた~・・・あ、クズネツォフはボクは見つけて連れて行くから大丈夫だよ」

 

そういって司令室から出て行った。

するとこんどはケストレルが司令室に飛び込んできた

 

「ア、アンドロメダー!!よかったぁ・・・」

 

「うわぁ!!ケ、ケストレルさん・・・抱きつかないでください・・・」

 

「だって・・・心配だったし・・・」

 

「あの・・・それより・・・」

 

部屋の入り口で男性が一人ケストレルを眺めていた。

 

「あの人・・・誰ですか?」

 

「ああ、アレ?私の彼氏!」

 

「ア、アレ扱いって・・・」

 

結構扱いひどいな・・・

とりあえず挨拶はしとこう・・・

 

「ケストレルの彼氏さんですか?」

 

「は、はい!島田 拓未と申しますです!」

 

不恰好な敬礼をしながら噛み噛みでしゃべっていた。

 

「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。私は情報収集艦アンドロメダです」

 

「よ、よろしくおねがいします!」

 

「とりあえずお茶でも飲まれますか?」

 

「ああ、アンドロメダ、そんなのいいよ~」

 

「でも・・・お客さんですし・・・」

 

「ほらタクミ!ジュ-ス買ってくる!」

 

「ええ!?」

 

「もちろん、お前のサイフな」

 

「ひどっ!!」

 

「えへへ、冗談だよ。何が飲みたい?」

 

「え、ぼ、僕は特に・・・」

 

「じゃあ、なんでもいいね。アンドロメダは?」

 

「あ、いえ!私が行きますよ!」

 

「いいのいいの」

 

「じゃあ・・・お願いします」

 

「はーい!」

 

そんな感じで司令室はのんびりとした空気になっていた。

 

 

 

 

~提督~

 

「ソフトクリ-ムおいしいのです♪」

 

「たしかにおいしいなコレ」

 

二人でベンチに腰掛け、ソフトクリ-ムを食べていた。

このあとの予定決めてないけど・・・どうするかな

 

「電、このあと行きたい場所とかあるか?」

 

「ん~・・・お買い物に行きたいのです!」

 

「お土産とか?」

 

「はい!あとは北海道のおいしい食べ物とか!」

 

「お!いいな!いっそのこと食べ歩きするか!」

 

「きょ、今日はお腹いっぱいなのです・・・」

 

「んじゃ明日?」

 

「明日なら大丈夫なのです!」

 

「お土産は何買って帰るかな~」

 

「ん~・・・白い恋人とか?」

 

「そうだな」

 

とりあえず時間もいい頃合なので旅館に帰る。

 

「電、今日は満足か?」

 

「はい!・・・牛さんなみのおっぱいってどうやったら手に入るのです・・・」

 

「あ、あはは・・・」

 

そんな話をしながら旅館に帰ってきた。

3時間くらい運転してたら疲れた・・・

食事も済ませて部屋に帰って来た。

 

「ふ~・・・疲れた」

 

「お疲れ様なのです!」

 

長時間の運転はつらい・・・

とりあえず風呂に入ろう

 

「電、風呂行かないか?」

 

「お風呂ですか?」

 

「ああ、ここってカップル・夫婦用の混浴があるしな」

 

「ここここここ混浴!?」

 

「だ、ダメか?」

 

「え、えっと・・・ダメではないですけど・・・」

 

「んじゃ行こう!」

 

「は、はい!」

 

よし、頑張ってMy sonがカ-ニバルだよっ!にならないようにしないとな。

え?何?混浴映像寄越せって?

・・・1万からスタ-トな

 

「電はもう先に入ったかな?」

 

扉を開けて入るとまだ誰も居なかった。

 

「先に入っとくかな」

 

お湯につかり一息つく。

お湯の温度は最高で疲れが取れていく。

・・・・それはおいといて、ここは露天風呂なんだが何故か周りに地上配備型CIWSとロシアの最新式対空ミサイルS-400が置いてある。

あと気のせいであってほしいけど、この露天風呂の半径40km以内は飛行禁止空域だった気がする。

 

「ここは何かの軍事施設かよ・・・」

 

しかもたまにCIWSが上空の目標を追尾するように動いてたりする。

怖すぎ。

 

「電遅いな・・・」

 

一息つきながら空を見上げていると・・・

 

「きゅーそくふじょー!なのです!」

 

「おわっ!?」

 

電がお湯から飛び出てきた。

 

「えへへ、司令官さん、対潜警戒を厳となせ!なのです」

 

「・・・お前はその対潜警戒をする船だろうが・・・」

 

「えへへ♪」

 

「可愛いなもう・・・」

 

「司令官さん、お膝の上いいです?」

 

「ん?いいぞ」

 

「じゃあ失礼するのです」

 

電はあぐらを搔いていた俺の脚の上に座ってきた。

水の中なので元々軽い電がさらに軽く感じる。

 

「空・・・きれいなのです」

 

「そうだな・・・夕暮れ時だしな」

 

「そういえば司令官さんとこうして空を見上げてると何だか落ち着くのです」

 

「場所もいいしな・・・ここで鳥の鳴き声とかあれば完璧なんだが・・・」

 

聞こえてくるのはCIWSのモ-タ-音とバルカンが空回りする音だった。

・・・バルカンが空回りするって結構近いとこにタ-ゲットいるんじゃね・・・?

なんて思っていると・・・

 

「はにゃあああ!?」

 

「おおう!?」

 

ものすごい轟音とともにぶっとい対空ミサイルが飛んでいった。

・・・マジですか・・・

しかもその後空に赤い点のようなものが出来た数秒後、小さい爆音が聞こえてきた。

・・・・撃墜されとる・・・

 

<<お客様にご連絡いたします。さきほど露天風呂上空の飛行禁止空域に偵察機と思わしき航空機が侵入、再三の警告に従わなかったため撃墜処置をとらせていただきました。お客様を驚かせてしまい、誠に申し訳ございません>>

 

「て、偵察機?」

 

「あ~・・・手の込んだ盗撮だな・・・」

 

「び、びっくりしたのです・・・」

 

「俺もだ・・・」

 

突然でびっくりしたがその後は静かになった。

これでゆっくり風呂に浸かれる。

 

「司令官さん」

 

「ん~?何だ?」

 

「・・・大好き・・・なのです」

 

俺のほうに振り向き、上目遣いで言ってきた。

 

「俺もだよ、電」

 

「えへへ・・・ん・・・ちゅっ・・・」

 

何度目のキスだろうか。

・・・ケッコン式のときのファ-ストキスはノ-カンな。

そのまま30分くらいお湯に浸かっていたせいで俺たちは軽くのぼせてしまった。




ラストのイチャコラシ-ンを頑張ったです(小並感

そんなことは置いといて今回はまぁまぁ・・・かな?


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発令!第十一号作戦

~アンドロメダ~

 

今日の仕事は・・・あれ、何もない?

アイガイオンによる鎮守府強襲が起きた翌日、私はいつもどおり司令室にきて今日の仕事を確認していた。

 

「書類整理が・・・少しだけですか」

 

ほんの4~5枚程度の書類があるだけでほかは何もなかった。

デイリ-も今日は回す必要がない。

書類を片付けているとケストレルがやってきた。

 

「アンドロメダ、今日出かけない?」

 

「今日ですか?もう少しで仕事が終わるので・・・」

 

「了解!私の彼氏も一緒にいるけど大丈夫?」

 

「はい、大丈夫です」

 

「実はアンドロメダに紹介したい人がいるんだって」

 

「は、え?私に?」

 

「男の人の友達ほしいんでしょ?」

 

「ええ!?わ、私はそんな!」

 

実をいうとちょっと欲しかったりもする。

男の人といえば隊長くらいしかこの鎮守府にいない。

 

「まぁ仕事終わったらいこっ!」

 

「は、はい」

 

そんなわけで仕事も終わり、着替えてケストレルを待つ。

 

「おまたせ~!」

 

「あ、ケストレルさん」

 

「えへへ、ちょっと服選ぶの迷っちゃった」

 

「私・・・こんな服でいいでしょうか・・・」

 

「普通にかわいいよ!」

 

「そ、そうですか・・・?」

 

「そういえばメガネかけてたっけ?」

 

「最近少し視力が落ちまして・・・艤装つけてるときは問題ないのですが・・・」

 

「そうなんだ、メガネ似合ってるよ!」

 

「あ、ありがとうございます・・・」

 

「とりあえず行こっ!」

 

場所は東京で待ち合わせらしい。

実は会う前から緊張しまくりだ。

 

「ケ、ケストレルさん・・・逃げていいですか・・・?」

 

「ええ!?なんで!?」

 

「お、男の人と話すの緊張しちゃって・・・」

 

「お、おう・・・」

 

「そんな微妙そうな顔しないでくださいよぉぉぉ・・・」

 

「いや~・・・その・・・私が男なら襲ってるね!」

 

「な、なに言うんですか!?」

 

「へへへ、じょーだん、じょーだん!・・・同性カップルはあの護衛艦二人でいいと思う・・・」

 

「あ、あはは・・・」

 

そんなわけで東京駅。

改札を出るとケストレルの彼氏と、その友人らしき人がいた。

 

「おまたせー!」

 

「ううん、今来たとこだよ」

 

「なんだよ、お前可愛い彼女じゃねーかよおおおおおお!!お前だけは・・・味方だと信じていたのに・・・」

 

「あ、あはは・・・」

 

友人さん・・・結構タイプかもです・・・

話してみないとわからないけど・・・

 

「始めまして!俺、朝野 正樹っていいます!」

 

「ほうほう・・・君がタクミの友達か~」

 

「こいつとは小学校からの付き合いだからね」

 

「おまけに趣味も似通ってるしね」

 

「そりゃ、お前に俺が色々吹き込んだからな」

 

ケストレルはすぐに仲良くなったようだ。

私は・・・入りづらい・・・・

 

「そっちの女の子は?」

 

「ああ、この子は私の昔からの友達だよ」

 

「へぇ、よろしく!」

 

「はえ!?あ、ええっと・・・よ、よろしくおねがいします・・・」

 

いきなりびっくりした・・・

 

「名前はなんていうの?」

 

「わ、私ですか?じょ、情報収集艦アンドロメダ・・・です」

 

「ん・・・?どゆこと?」

 

正樹と名乗った少年は頭に?マ-クが飛びまくっていた。

 

「ああ正樹、その子とケストレルは艦娘なんだって」

 

「ファッ!?マジかよ!!」

 

正樹は軽く興奮したように話しかけてきた。

 

「俺、艦娘のファンなんだ!すげぇ・・・」

 

「え、ええっと・・・」

 

「ぜ、ぜひとも連絡先を!!」

 

「ふええええ!?」

 

いきなりのこと過ぎてびっくりする。

連絡先聞かれるなんて初めてすぎる・・・

 

「正樹・・・ナンパするの早いよ・・・」

 

「え、これってナンパなの?」

 

「え、えっと・・・正樹さん・・・」

 

「は、はい!何でしょうか!」

 

「連絡先・・・交換しますか・・・?」

 

「いいの!?やったあああああ!!」

 

「ふぇっ!?え、えっと・・・ケ-タイを・・・」

 

その光景をケストレルとその彼氏さんは遠目から眺めていた。

なんで離れてるんですか・・・

 

「これからよろしく!」

 

「あ、はい・・・よろしくお願いします」

 

連絡先も交換し、4人で街に出かけた。

 

 

 

 

~提督~

 

「ふあああああ・・・」

 

朝の6時か・・・

今日も天気がいい。

ふとケ-タイを開くと着信が何件もあった。

 

「この番号・・・司令部?」

 

とりあえず電話をかけねば・・・

 

「もしもし?」

 

<<ああ大佐!やっと出た・・・>>

 

「なんです?」

 

<<大規模作戦だよ、明後日には作戦開始だ>>

 

「マジっすか・・・」

 

<<ああ、第十一号作戦だ>>

 

「第十一・・・二次大戦の?」

 

<<まぁ、名前はそのままだな。深海棲艦の泊地をリランカ島に見つけた>>

 

「ああ、あれ泊地だったんですか。なんか1ヶ月前くらいから妙な動きしてましたもんね~」

 

<<・・・一ヶ月前・・・?我々が見つけたのはつい先日なんだが・・・>>

 

「えっ」

 

遅すぎぃ!!だから大規模作戦なんかになるんだよ!

・・・報告してないからなのもあるけど

 

<<どうやって見つけたんだ・・・>>

 

「偵察衛星が写真送ってきて、それを元にUAVで現場空域を・・・」

 

<<・・・なんで報告ないの>>

 

「・・・すんません」

 

<<まぁ・・・仕方ない>>

 

よかった。怒られなかった。

 

「とりあえず明後日ですね。了解です」

 

<<よろしく頼む。ところで君今どこにいるんだ?鎮守府に電話しても出ないし・・・>>

 

「ああ、電と北海道に旅行です」

 

<<旅行中だったのか・・・それはすまない>>

 

「いえいえ。作戦でしたら仕方ないですからね。それに、アンタには鎮守府の改造黙認してもらってますし」

 

<<・・・あれは君が「俺のバックわかってます?アメリカっすよ?みんなのお友達サムおじさんっすよ?」って脅迫してきたからだろうが・・・>>

 

「そ、そんなことしたっけな~?」

 

・・・かれこれ3年前くらいにそうやって司令部に言ったのは事実です

とりあえず今日で旅行は終わりだな・・・

 

<<とりあえずよろしく頼む。あと、俺の嫁は子日だ。異論は認めん>>

 

「・・・ペドめ・・・」

 

<<大佐・・・君とはいい酒が飲めると期待したんだがな>>

 

「ロリコンとペドを一緒にするんじゃねーですよ」

 

<<ふむ・・・よろしい、ならば戦争だ>>

 

「いいっすけど、俺のバック分かってます?アメリカっすよ?タスケテーっていったら武装した怖いおじさん達が攻め込んできますよ?>>

 

<<・・・・・・・>>

 

「まぁ、明後日ですね。了解しました」

 

<<・・・無理やり話を終わらすな君・・・とりあえず頼むよ>>

 

「了解」

 

仕方ない・・・帰り支度だけしとくか・・・

 

「ふああああ・・・あれ・・・司令官さん・・・」

 

「おはよ。どした?」

 

「何で荷物まとめてるんですか?」

 

「ああ・・・すまん、明後日から大規模作戦が始まるんだ。それで、もう帰らないと・・・」

 

「もう帰るんですか・・・?」

 

「いや、午後に出発しようと思ってるよ」

 

「じゃあ午前中に急いでお土産買わないと・・・」

 

「そうだな」

 

そんなわけで朝食も済ませて空港付近に向かう。

荷物だけ機体に詰め込んで空港内でお土産を買うことにした。

 

「電、なるべく生鮮食品は避けてくれよ、あと壊れやすいものも」

 

「どうしてです?」

 

「あの輸送ポッドの位置って地味に熱くなるんだよ、あとはGで壊れたりするからね」

 

「なるほどなのです!」

 

「まぁ、白い恋人とかなら大丈夫だと思うけど・・・」

 

「了解なのです!司令官さんは何買うのです?」

 

「ん?俺?これこれ」

 

「木彫りの熊・・・?」

 

「ちょっとこういうのを司令室に置いてみたくってな。なんか偉い人感でるだろ?」

 

「いやまぁ・・・出ますけど理由が・・・」

 

そんな会話をしていたら昼過ぎになる。

お土産もたんまり購入した。

 

「さてと・・・帰るかな」

 

「司令官さん・・・また、連れてきてくださいね」

 

「おう!また来ような」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

~アンドロメダ~

 

横須賀まで帰ってきて4人でカフェに行っていた。

 

「ところでさ、タクミ」

 

「ん?何?」

 

「彼女とどこまでやったんだよ」

 

「ファッ!?」

 

「ブフッ!!!」

 

「ケ、ケストレルさん!?大丈夫ですか!?」

 

「げほっげほっ・・・大丈夫・・・」

 

「な、なにもしてないよ!!」

 

「え~・・・つまんねーの・・・」

 

ちなみにその話・・・私も気になります。

 

「ところでケストレルさん」

 

「げほっ・・・何・・・?」

 

「どこまでやったんです?」

 

「ぶふぉおおお!!」

 

飲みかけてた水をまた盛大に噴出した。

 

「お!やっぱアンドロメダさんも気になる?!」

 

「気になります!」

 

「だ、だから何もしてないって!アンドロメダも目を光らせない!」

 

「いまナイトビジョン起動させてませんよ?」

 

「そういう意味じゃない!」

 

それ以外に目が光るって何があるんだろう・・・

そんな話してると・・・

 

「あ、すみません、少し電話に行ってきます」

 

「どうしたの?」

 

「隊長から・・・」

 

「ん、了解!」

 

店のトイレ付近で電話にでる

 

「もしもし?」

 

<<ああ、アンドロメダか>>

 

「はい。今、機内なんですか?」

 

<<うん、横須賀に帰還中>>

 

「そういえばどうしたんですか?」

 

<<明後日から大規模作戦が始まるんだ。それで1500には会議室にいて欲しいんだけど・・・>>

 

「あと1時間後ですか!?」

 

<<お、おう。どした?>>

 

「ちょ、ちょっと遅れるかもしれません・・・」

 

<<ああ、少しくらい大丈夫だよ>>

 

「すみません!急いで帰ります!」

 

<<はいよー。気をつけてな>>

 

「隊長もお気をつけて」

 

電話を切り、ケストレルのところへ戻る

 

「おかえり~。なんの電話だったの?」

 

「明後日から大規模作戦発令、1500に会議室に集まるようにとのことです」

 

「1500って・・・あと1時間しかないじゃん!」

 

「はい!急いで帰らないと・・・」

 

「ごめんタクミ!!お金は今度返すから払っといて!!」

 

「あ、え・・・う、うん」

 

「すみません!正樹さん、私のもお願いします!」

 

「お、おう。気をつけて」

 

「はい!」

 

急いで鎮守府に戻る。

その最中に真上を聞きなれた轟音が通り過ぎていった。

たぶん隊長だろう。

なんとか10分前までに鎮守府にたどりつけた。

 

「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

「な、なんとか帰れたね・・・」

 

「そうですね・・・あとは着替えないと・・・」

 

「できることならシャワ-浴びたい~・・・」

 

「そんなことしてる暇ありませんよ!」

 

「分かってるって。着替えよ!」

 

「はい!」

 

急いで寮にもどり制服に着替える。

久々に走ったら汗かきました・・・

急いで会議室に入る。

 

「すみません!遅れました!!」

 

「お、おう、時間はまだ大丈夫だぞ」

 

「あ、あれ?」

 

「まだ4分あるよ」

 

「間に合ってよかった・・・」

 

「ははは・・・」

 

なんだか久々に隊長の姿を見た気がする・・・

 

 

 

 

~提督~

 

「よし、1500・・・作戦を説明するぞ!」

 

作戦名は第十一号作戦。

リランカ島攻略作戦だ。

まず、第一海域に軽巡と駆逐艦を派遣して威力偵察を行う。

この場で敵を確認した場合、これを撃破する。

今回の作戦にはケストレル、バ-ベット、いそかぜ、アンドロメダ、ピョ-トル・ヴェリ-キイ、アドミラル・クズネツォフは出撃できない。

支援艦隊としては可能だが。

 

「あれ、何で私はOKなんです?」

 

「ああ、うらかぜはDDだろ?」

 

「そんなこと言ったらいそかぜだってDDだよ?」

 

「あいつはDDGだろうが・・・」

 

「あ、そっか」

 

「あとケストレルとかは一応原子力空母だからな。原子力を使う艦が出撃できないんだ」

 

「なるほど・・・」

 

「とりあえず続きな」

 

編成はまず、第一海域に第六駆逐隊とうらかぜ、雪風を出撃させる。

第二海域は水上打撃艦隊を編成し、出撃する。

第三海域の情報はまだ少ないため後日説明となる。

 

「まぁ、作戦説明はこんなものか」

 

「質問!」

 

「はい、うらかぜ」

 

「私の主な役目って何?」

 

「ん~・・・できればうらかぜは高性能なレ-ダ-で索敵をしてほしいんだ。攻撃もなるべく速射砲で」

 

「了解、どうしても積極的に戦闘に参加しないといけない場合は?」

 

「その場合はミサイルの使用も許可。まぁ、とあるロシア提督から100万くらい資源が届いてな・・・」

 

「さすがロシアやで・・・」

 

「まぁ、そんなとこだ。支援艦隊はケストレル、バ-ベット、ピョ-トル、クズネツォフの4人には必ず入って欲しいんだが・・・いいか?」

 

「ボクは問題ないよ!」

 

「わ、私も・・・その・・・問題ないです!」

 

「私も大丈夫よ」

 

「私も!」

 

「よし、作戦は明後日だが、威力偵察は明日行う!」

 

「了解!」

 

「明日に備えとけよ!解散!」

 

ばらばらと作戦会議室を出て行く。

 

「司令官さん・・・」

 

「どした?」

 

「その・・・実は明日が怖いのです・・・」

 

「・・・」

 

「もし・・・強力な敵がいて・・・それでっ」

 

「もうそれ以上言うな。フラグだぞ」

 

「でも・・・でも・・・!」

 

「泣くなって、な?」

 

「うぅっ・・・」

 

「よしよし。大丈夫だ。うらかぜも、雪風もいる。第六のみんなも一緒だ。安心していって来い。な?」

 

「はい・・・」

 

「ほら、涙拭け。もし何かあったら俺がどうにかしてやるよ」

 

「はい・・・ぐすっ」

 

「よしよし」

 

「・・・司令官さん・・・」

 

「ん?何だ?」

 

「・・・この部屋・・・もう誰も来ませんか?」

 

「ん~・・・まぁ、もう来ないだろうな」

 

「司令官さん・・・」

 

「ん?何だ?」

 

「ここで・・・いいですか・・・?」

 

「いいですか・・・・おまっ・・・」

 

いきなり目の前に服をはだけさせ始めた。

 

「ま、待て待て待て!!せめて部屋でやろ!部屋で!!」

 

「わ、私はここでいいんです!」

 

「落ち着け、落ち着けって!!」

 

「お、落ち着くのはそっちなのですっ!」

 

「ちょ、まっ・・・んぐっ・・・!」

 

「ん・・・ぷはっ・・・」

 

「・・・キスで口塞いで落ち着かせるの反則だろ・・・」

 

「えへへ・・・」

 

結局そのまま司令室で電と夜戦を行い、翌日は地味に腰痛に苦しめられたとさ。

明日は威力偵察だが、油断せずに行こう・・・鎮守府のミサイルも準備しておかないと。




イベント始まりましたねぇ!
やっとこさE-1E-21突破しました!
・・・丙作戦だがな。

いいんだよ!俺は艦娘が手に入ればいいんだよ!


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発動準備、第十一号作戦! 前編

【祝】バトルシップ地上波初放送


作戦開始の朝。

司令室で最後の作戦計画を練っていた。

 

「司令官さん、休憩したらどうですか?」

 

「休憩って言ってもなぁ・・・これがお前らの生死に関わる様なものだからな・・・」

 

「でも・・・司令官さんが体壊しちゃったら・・・」

 

「大丈夫だよ。じゃあ、休憩ついでに建造でも回してみるか」

 

「景気づけにですか?」

 

「まぁ、そんなもんかな」

 

そんなわけで休憩がてら工廠に向かう。

どうせなら支援艦隊のために強力な艦がほしい・・・

 

「てーとく!今日はどうするの?」

 

「大型建造2回ほど回してくれ」

 

「あいあいさー!!」

 

妖精達がバタバタと動き出す。

 

「何が来ると思います?」

 

「・・・まともなものじゃないのは確実・・・」

 

「・・・」

 

電はなんとなく微妙そうな顔をしていた。

準備が整い、妖精が高速建造を始めた。

 

「ypaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!」

 

「・・・なんでロシアなの」

 

「・・・さぁ・・・」

 

「ほい出来たー!!」

 

「どれどれ」

 

扉が開くと、まずは見慣れた武装の女の子が出てきた。

・・・イ-ジスだねこの子・・・

なんで家の鎮守府ってこう・・・現代艦しか出ないんだよ!!もっとあるだろ!!

 

「あんたが提督か?俺はミサイル駆逐艦ジョン・ポール・ジョーンズ!ジョンって呼んでくれ!深海棲艦だろうが宇宙人の戦闘兵器だろうがなんだって沈めてやるぜ!でも、パンジャンドラムだけは勘弁な!!」

 

「ようこそ横須賀へ」

 

俺っ娘か・・・

天龍とキャラ被(ry

そんなこと思ってるともう一人出てきた。

 

「こんどは誰かな」

 

「見た感じ戦艦っぽいのです?」

 

煙が晴れ、出てきた艦娘は自己紹介を始めた。

 

「私はマイティ・ムー。戦艦ミズ-リだ。大和型にも引けを取らないぞ。相手が戦艦だろうが宇宙人だろうがボコボコにしてやるさ」

 

「ようこそ。さっそくだけど、支援任務についてもらえるかな」

 

「いいぞ。任せろ」

 

「じゃあ、1200時に司令室に」

 

「了解」

 

二人を寮まで案内し、司令室に戻ってくる。

 

「司令官さん・・・現代艦多くないですか・・・?」

 

「ああ・・・しかも一人は結構いろんな艦と取っ組み合いしそうだ・・・」

 

「ミズ-リさんですか?」

 

「ああ・・・長門あたりと・・・」

 

「だ、大丈夫だと・・・思うのです・・・?」

 

何で疑問系?とか思ったけど気にしない!

 

「よし・・・とりあえず作戦はこんなもんか」

 

「どんな感じなのです?」

 

「内容はな・・・」

 

威力偵察の詳細な作戦はまず、うらかぜから艦載機を上げ周囲を偵察しつつ、レ-ダ-で警戒。

ほかの艦も対空、対潜警戒を厳としつつ目標海域まで進む。

周囲にはピケット艦などの存在も確認されていた。

今回進むル-トはまず、ポイントA(アルファ)で確認されているピケット艦をなるべく遠距離からの砲撃で撃沈、敵に存在を気づかれないようにする。

もし発見された場合、上空に待機しているケストレル艦載機から電子攻撃を行い、敵の通信網を麻痺させ撃破する。

次にポイントB(ブラボー)に向かい一時待機、偵察衛星の情報をもとにポイントC(チャーリー)、ポイントE(エコー)のどちらに向かうかを選択する。

最短ル-トはポイントCだが敵も強力だろう。

ポイントCに向かう場合、支援艦隊は全力で偵察艦隊を援護、敵艦隊を撃滅する。

ポイントD(デルタ)に向かう場合は少し遠回りにはなるが敵の警備は比較的脆弱だ。

ポイントDには複数の潜水艦も確認されている。その後ポイントF(フォックストロット)に向かう。

ポイントFはポイントCほどでは無いが比較的強力な敵艦隊がいるだろう。

そこでポイントFに向かう場合、少し遠回りをして燃料が減っているため、支援艦隊より長距離ミサイル攻撃を行う。

発射弾数4発、いそかぜからトマホ-ク攻撃を行う。

そしてポイントH(ホテル)が敵の警戒艦隊の旗艦がいる。

まず、交戦と同時にピョ-トルとクズネツォフがグラニ-ト対艦ミサイルを合計4発発射、旗艦とその周りの軽巡クラスを攻撃する。

残りを偵察艦隊で撃沈、殲滅する。

これが今回の作戦だ。

 

「まぁこんな感じかな」

 

「えっと・・・私達は基本的に敵に気づかれないように動けばいいのです?」

 

「まぁ、ポイントAではな。たぶん、ポイントCでは気づかれると思う」

 

「でもそれだと最初に隠密の意味がない気がするのです」

 

「ああ、でも最初に気づかれると敵の支援攻撃があるかも知れないからな。ポイントC、D、Fの攻略が難しくなるんだよ」

 

「なるほどなのです・・・あ、でももしポイントDに向かう場合はDで気づかれてもダメなのでは?」

 

「そうだな。ただ、相手は潜水艦・・・こっちが見つける前にはもうこっちを見つけて通信を行ってるだろうな・・・」

 

「でもケストレルさんの艦載機なら・・・」

 

「ケストレルに積んである電子戦機は一機だけで効果も電子妨害もほんの一戦程度しか行えないんだ。でも、もしポイントAで発見されなければ、ポイントCで電子攻撃を行えるから敵旗艦隊から攻撃を受けるリスクが減るんだよ」

 

「なるほど・・・」

 

「さと・・・そろそろ時間か・・・みんなを集めよう」

 

「なのです!!」

 

 

 

 

~電~

 

「・・・これが今回の偵察作戦の内容だ。質問は?」

 

「質問いいかな」

 

「なんだピョ-トル」

 

「グラニ-トは撃って合計4発だよね。それをどの目標に配分すればいいのかな」

 

「そうだな・・・一発は必ず旗艦、その他は偵察艦隊の情報を元に照準してくれ」

 

「なるほど。分かったよ!」

 

支援艦隊には現代艦・・・ミサイルって兵器を私はよく知らないけど少し頼もしい。

 

「じゃあ皆さん・・・出撃準備なのです!」

 

「おー!!」

 

工廠に走り、装備を整える。

ふと、装備を見ているとケッコン式でもらった砲を見つけた。

 

「あ・・・これ着けていこうかな・・・」

 

76mm単装速射砲

 

攻撃+1

命中+6

対空+20

迎撃+30

 

現代の主砲・・・どんな感じなんだろう・・・

 

「電ちゃーん!つけちゃう?」

 

「あ、工廠妖精さん!こんにちわなのです!」

 

「こんちゃっす!それで着ける?」

 

「う~ん・・・大丈夫なのです?」

 

「大丈夫!」

 

「じゃあ・・・お願いするのです!」

 

「はいよ!」

 

艤装に装着してもらう。

 

「じゃあがんばって!」

 

「なのです!」

 

工廠を出て外に向かう。

もうみんなそろっていた。

 

「お待たせしましたなのです!」

 

「レディは遅刻なんてしないのよ!」

 

「暁、なんでもレディをつければいいって物じゃないよ」

 

「な、なによ!いいじゃない!」

 

「喧嘩しちゃダメよ!」

 

「は、はわわ・・・」

 

でもよく考えたら私達、第六駆逐隊で大きな喧嘩といえば暁お姉ちゃんのプリンを雷お姉ちゃんが食べちゃったくらいしかない。

・・・あのときは口喧嘩から始まって砲雷撃戦まで発展してたのです・・・

流れ弾が司令室に直撃して司令官さんはアフロになって黒煙を吐いていたのが印象に残っている。

そのときPCでしていた仕事(?)の大切なデ-タが壊れてしまったらしく怒った司令官さんが2人に向かって演習用の塗料が詰まったトマホ-クミサイルを発射した。

2人とも塗料でベトベトになって泣きながら帰ってきてたのです・・・

 

「と、とにかく行くのです!」

 

「レディにお任せよ!」

 

「ypa!」

 

「もっと頼っていいのよ!」

 

「艦隊をお守りします!」

 

「速射砲に初弾装填・・・よしっ!行こ!」

 

支援艦隊のみんなはもう出撃して援護位置に向かっている。

偵察任務だけど・・・頑張るのです!!




JPJとミズ-リのセリフの元ネタはもちろんバトルシップですよ!
あの荒ぶるパンジャンドラムの強さといったらもう・・・


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発動準備、第十一号作戦! 後編

今回は先に言います。

戦闘シ-ンがすごく微妙です!
それでも読んでくれるアナタが好き


~電~

 

まもなくA海域・・・頑張ろう

 

「うらかぜさん、そろそろ艦載機をお願いなのです」

 

「了解!」

 

うらかぜの腕についている飛行甲板のようなものからヘリが発艦する。

 

「対水上レ-ダ-には・・・えっと・・・3隻感ありだね」

 

「艦級などは分かりますか?」

 

「う~ん・・・その辺はSHからの報告を待たないと」

 

「距離はどのくらいなのかしら?」

 

「距離・・・約10km」

 

10km・・・一応射程圏内だ。

当たるかどうかは別として。

 

「射程圏内だけど・・・当たるかしら」

 

「私も少し自信ないわ・・・」

 

「電さん、今主砲は76mm砲ですよね?」

 

「はい、76mmなのです」

 

「じゃあ、SHで弾着観測を行いつつ砲撃しましょう!」

 

「了解なのです!」

 

「えっと・・・私達は?」

 

「う~ん・・・一応砲撃を・・・」

 

「一応!?わ、私だって一人前のレディなんだから弾くらい当てれるわよ!」

 

「暁・・・そんな高性能なレディは居ないと思う」

 

響お姉ちゃんの突っ込みが地味に厳しいのです・・・

 

「雪風はどうしたらいいですか?」

 

「一緒に砲撃しましょう、SHの観測を待ってください」

 

「了解ですっ!」

 

砲弾を装填し観測を待つ。

はるか上空にケストレルさんの戦闘機が轟音を響かせ飛行していた。

 

「SHより報告・・・敵艦発見、軽巡1、駆逐2!」

 

「了解なのです!全艦砲撃用意!」

 

「方位220、距離10000!」

 

「いつでも撃てるよ」

 

「私も準備OKよ!レディの力をみなさい!」

 

「暁、何度も悪いけどそんな物騒なレディは居ない」

 

「何よー!!これも女子力じゃない!!」

 

「人はそれを女死力と言う」

 

「言わないわよー!!」

 

「はわわ・・・喧嘩はダメなのです・・・」

 

「あはは・・・」

 

とりあえず砲撃を始めよう。

 

「砲撃開始なのです!撃ちー方ー始めっ!!」

 

「てーっ!!」

 

「攻撃するからね!」

 

「さて、やりますか」

 

「雪風は沈みません!」

 

「撃ちー方始めー・・・用意!てーっ!!」

 

一斉に砲撃を開始、着弾観測を待つ。

 

「着弾まで1分・・・」

 

この一分が長い・・・

命中してくれることを願う。

 

「着弾まであと5・・・4・・・3・・・2・・・弾着!」

 

「命中しましたか!?」

 

「SHより報告、敵巡洋艦大破!駆逐艦2隻の撃沈を確認!」

 

「了解なのです!」

 

<<こちらケストレル、電子攻撃は必要?>>

 

「いえ、大丈夫なのです!」

 

<<了解、必要なら要請を>>

 

「了解なのです!」

 

敵軽巡はもう通信できないだろう。

撤退しても私達を追い抜くことは不可能・・・今のうちに進撃しよう。

 

「まもなくポイントB・・・司令官さん、どちらに進めばいいですか?」

 

<<ポイント・・・あ~・・・ポイントCに向かってくれ、いそかぜはトマホ-ク攻撃準備を>>

 

<<了解しました。うらかぜ、敵の位置報告をお願いしますね>>

 

「了解、任せて!」

 

「今回は敵艦隊に接近します!被弾に気をつけてくださいなのです!」

 

「了解」

 

「了解よ!」

 

「I have control」

 

突然雪風が呟く。

どうしたんだろう・・・

 

「まもなく交戦海域なのです」

 

「敵影・・・確認、巡洋艦1隻、駆逐2!雷巡2!」

 

「雷巡が危ないのです・・・いそかぜさんにその二隻を優先して攻撃するようにお願いするのです!」

 

「了解!いそかぜ、タ-ゲットE-1-1、二番タ-ゲットE-1-4、三番タ-ゲットR-2-6、四番タ-ゲット、R-1-6!」

 

<<了解しました。ミサイル発射します、着弾まで2分>>

 

「了解!」

 

「全艦最大戦速!敵に突っ込むのです!」

 

「了解!」

 

「redy...main GUN」

 

突然雪風が砲撃を開始する。

 

「雪風さん!まだ砲撃しちゃダメなのです!!」

 

「・・・敵だ」

 

「雪風さん・・・?」

 

突然舌足らずな口調から冷たい・・・それこそ機械のような口調になる。

 

「雪風も・・・敵だと言っている」

 

「雪風も・・ってあなたが雪風さんじゃないのです?」

 

「私はユキカゼ」

 

「・・・?」

 

そんな会話をしていると発見されたのか砲弾が飛んでくる。

 

「ケストレルさん!電子攻撃お願いなのです!」

 

<<了解!ECM出力最大!あと20分は持つよ!>>

 

「了解なのです!」

 

「攻撃する?」

 

「するのです!みんな攻撃開始なのです!」

 

「了解!てーっ!!」

 

「撃ちー方始めっ!!」

 

私も攻撃しよう。

 

「主砲!撃ちー方ー始めなのです!!」

 

主砲で砲撃をしていると・・・

 

「あつ!?あ、あつ、熱いのですぅぅぅぅ!!」

 

なんなのです!?背中が火傷するぅぅぅぅぅ!!!

 

「熱いのですううううう!!!な、何か背中にいいいいい!!」

 

「お、落ち着いて!たぶん薬莢が背中に・・・」

 

その場で暴れていると服の隙間から薬莢がポロっと出てきた。

・・・背中絶対やけどしてるのです・・・もう今夜司令官さんに見せられないのです・・・

 

「トマホ-ク・・・着弾!!」

 

「敵艦隊の被害はどうなのです?」

 

「軽巡洋艦撃沈・・・でも雷巡2はいまだ健在!いそかぜ、2発外れた!」

 

<<チッ・・・了解です>>

 

「こ、こらこら・・・舌打ちしない・・・」

 

「えっと・・・何隻健在ですか?」

 

「雷巡2と駆逐1!あとは撃沈!」

 

「了解なのです!」

 

3隻だけ・・・突っ込もう。

 

「全艦突撃、やっつけるのです!」

 

「ypaa!!」

 

「レディにお任せよ!」

 

一気に増速し、突撃する。

敵艦隊はいきなり飛来した対艦ミサイルで旗艦を撃沈され混乱しているようだった。

 

「相手は混乱中なのです!」

 

「みたいだね、一気に片付けよう」

 

「なのです!」

 

「主砲!撃ちー方始め!」

 

全員が一気に砲撃を開始、敵艦隊に鉄の雨が降り注ぐ。

敵は旗艦を撃沈され、通信はECM攻撃で出来ず増援も呼べない。

もはや、当たらないように逃げ惑うしかなかった。

だが、SHの弾着観測のおかげで逃げ惑う敵艦にも命中弾が出だす。

 

「敵駆逐艦撃沈!」

 

「敵雷巡撃沈!今のは暁がやったんだから!!」

 

「目標・・・全滅を確認なのです!」

 

「対水上レ-ダ-に感なし・・・うん。敵艦隊の殲滅を確認」

 

ここまでみんな無傷・・・やっぱり雪風さんが居てくれるからなのです?

だが、肝心の雪風はさっきから無機質な機械みたいな雰囲気を出している。

 

「あとはポイントHの敵旗艦だけ・・・行くのです!」

 

「了解!」

 

ここまで順調に作戦が進んでいる。

このまま被弾が出ないといいけど・・・

 

「・・・!対水上レ-ダ-に感!IFF応答なし・・・敵艦隊!」

 

「了解なのです!支援艦隊に攻撃要請をお願いするのです!」

 

「了解!決戦支援艦隊へ、こちら偵察艦隊。支援攻撃要請、タ-ゲットF-2-4、T-1-9!2発づつ撃ち込んで!」

 

<<了解!グラニ-ト発射!着弾まで3分!>>

 

「了解!着弾まで3分!」

 

「よし・・・突撃なのです!」

 

「おー!!」

 

「redy torpedo......fire」

 

いきなり雪風が魚雷を発射する。

射程圏内だがこれでは命中しない。

 

「雪風さん!これじゃ命中しないのです!」

 

雪風にそう言っても反応してくれなかった。

 

「もう・・・なんなのです・・・」

 

「敵艦・・・発砲!!」

 

すると私達のすぐ近くに砲弾が着弾する。

 

「回避なのです!」

 

回避を始めていると上空に轟音を響かせミサイルが飛んでいった。

ミサイルは敵旗艦を狙うも一発が外れ、もう一発が至近弾として着弾した。

だが小破させることは出来たようだ。

もう二発は敵艦に命中、撃沈した。

 

「敵旗艦は小破・・・でも長距離ミサイルのおかげで混乱してる・・・やるなら今だよ!」

 

「了解なのです!雷撃戦用意なのです!」

 

「了解!」

 

敵艦隊に一気に近づき、至近距離から魚雷を撃ち込む作戦だ。

少し危険だけど・・・

 

「あとちょっと・・・」

 

「私はもう有効射程だよ!」

 

「了解なのです!うらかぜさんに続いて雷撃開始なのです!」

 

「了解!短魚雷・・・撃ちー方始め!!」

 

「魚雷発射なのです!」

 

5隻から4発づつ・・・合計20発の魚雷が放射線状に広がっていく。

その中の4発はうらかぜの誘導魚雷のため、目標を追いかけていく。

敵艦隊はいきなりのことすぎて混乱、回避もままならず被雷、沈没していった。

旗艦も誘導魚雷1発と無誘導の酸素魚雷を2発被雷し、轟沈した。

 

「敵旗艦・・・撃沈!敵艦隊の殲滅を確認なのです!」

 

「簡単だったわね!」

 

「油断は禁物だよ」

 

「You have control・・・」

 

「ん?雪風、何かいったかい?」

 

「あれ、今私何かしてました?」

 

「え」

 

雪風さん・・・記憶ないのです!?

 

「え、えっと・・・ちょっと待って、今あなたそこで普通に戦ってたわよね」

 

「はえ?雪風はまだ出撃したばっかだったと思います・・・」

 

「えっ」

 

記憶喪失なのです!?どこか撃たれたのです!?

 

「ゆ、雪風さん!どこか撃たれたのです!?」

 

「え、え?雪風はどこも撃たれてないですぅ!!」

 

「で、でも・・・」

 

司令官さんに聞いたら何か分かるかな・・・

とりあえず司令官さんに連絡を入れとくのです

 

「司令官さん、こちら偵察艦隊、威力偵察終わりなのです」

 

<<了解、敵情は?>>

 

「う~ん・・・実はあまりよく分からないのです・・・」

 

<<う~ん・・・やっぱりか・・・仕方ない、またこっちで調べるよ>>

 

「お役に立てずごめんなさいなのです・・・」

 

<<いや、ちゃんと役に立ってるよ。あとは無事に帰ってくるんだぞ?>>

 

「はい!」

 

さて・・・と、帰るのです

 

「あ・・・電さん、対水上レーダーに感。一隻のみ・・・」

 

「敵なのです?」

 

「う~ん・・・SHからの報告待ちだね」

 

「了解なのです」

 

敵艦かも知れない・・・一応攻撃準備をしておこう。

 

「SHより報告・・・艦娘ののようだけど・・・見たことない艦だね」

 

「接近してみるのです」

 

「そうだね」

 

その艦娘はここよりそんなに遠くない場所を航行していた。

近づくとこちらに気づき向こうも近づいてくる。

 

「始めまして、なのです」

 

「приятно познакомиться(始めまして)」

 

「ロ、ロシア語なのです・・・?」

 

「私の出番だね」

 

「響お姉ちゃん、ロシア語出来るのです?」

 

「私はこれでもロシア語は達者なほうだよ。見てて」

 

「すごいのです・・・」

 

「приятно познакомиться」

 

「あ、私日本語できます」

 

「できるのか・・・」

 

普通に日本語でしゃべってきた・・・できるのですね・・・

 

「私はソヴィエツキー・ソユーズ。戦艦だよ」

 

「私は響」

 

「もしかしてヴェ-ルヌイちゃん!?」

 

「そうだよ」

 

「わああああ!!始めまして!!こんな可愛い子だったんだ!」

 

「ちょ、ちょっと離れてくれないかな・・・」

 

「ああああ・・・可愛い・・・可愛いよおおおお!!」

 

「・・・そろそろ身の危険を感じてきたよ・・・」

 

「あ、あははは・・・とりあえず帰還するのです・・・」

 

「ヴェ-ルヌイちゃん!今夜私の部屋に来てえええ!!」

 

「い、嫌だよ・・・」

 

「じゃあ私が行く!」

 

「・・・全力で排除する」

 

賑やかな戦艦が加わり、鎮守府への帰路へついた。

彼女曰く、自分は計画艦らしく、計画されただけで建造されなかった艦だそうだ。

・・・いそかぜさんとうらかぜさんと同じ感じがするのです・・・

気のせいであってほしいのです・・・




というわけでリクエスト艦3隻目です!
・・・ごめんね、他の人もいっぱいリクエストしてくれてるけど・・・チートすぎるの・・・

出来れば・・・出来ればでいいんだ!イ-ジス艦とかなら大丈夫なんだ!第二次大戦の計画艦だってバッチ来いなんだ!

いろいろリクエストしていただいてる中本当にすみません!


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第二次カレー洋作戦 前編

作戦は無事成功・・・ふぅ・・・

 

「おかえり、電」

 

「ただいまなのです!」

 

「みんな無事でよかったよ」

 

「はい!被弾した艦娘は居ませんでした!」

 

・・・全部完全勝利ってこの子達怖い。

なんて話は置いといて。

 

「えっと・・・ソヴィエツキ-・・・なんだっけ?」

 

「ソヴィエツキ-・ソユ-ズよ」

 

「ああ、ソユ-ズか。俺はここの提督。よろしくな」

 

「ええ、よろしく。ところで提督」

 

「ん?何だ?」

 

「響ちゃんの部屋教えてもらえないかしら」

 

「え、何で」

 

「いいじゃない!早く!」

 

何で目をギラつかせてるのか不思議でたまらん・・・しかも響は帰ってきたとたん報告だけして自分の部屋に帰っていった。

・・・気のせいかな、いそかぜ達と同じ臭いがする・・・

 

「あ~・・・個人情報なのでお教えすることはできま・・・」

 

「教 え ろ 」

 

「ア、ハイ」

 

胸倉つかまれて物凄い形相で迫られた。怖すぎる。

 

「し、司令官さんに乱暴しちゃダメなのです!」

 

「え~・・・だってぇ~・・・」

 

「だって~・・・じゃないのですっ!!」

 

「ちぇ~・・・自分で探すよ」

 

「・・・どうしても知りたいのですか・・・」

 

「もちろんよ!だって・・・夜な夜な・・・ふへへへ」

 

「憲兵さぁぁぁん!!憲兵さんはどこなのですかァァァァ!!!」

 

この戦艦アカン・・・

そんなこと思った作戦開始前日の夜だった。

 

 

~提督の部屋~

 

「電、背中見せてみ」

 

「い、嫌なのです・・・」

 

「んなこといったってちゃんと治療しないと痕残るぞ?」

 

「でも・・・」

 

「ああ、もうはよせいっ!」

 

「はにゃっ!?」

 

仕方ないので無理やり服を上げる。

 

「あ~・・・ちょっと水ぶくれになってるな・・・」

 

「うぅぅ・・・」

 

「よしよし、軟膏塗るだけだから大丈夫だよ」

 

「・・・痛くないですか・・・?」

 

「お、おう・・・」

 

やめろォ!!涙目&上目遣いとかある種の兵器だぞ!!

やばい、物凄く抱きしめたい。

そんな欲望を抑えて軟膏を塗ってやる。

 

「ほい、出来た」

 

「ありがとう・・・なのです」

 

「痛くなかったろ?」

 

「はい・・・」

 

「よしよし。電、明日も出撃できるか?」

 

「明日も・・・ですか?」

 

「うん。明日は連合艦隊で出撃するんだけど、電には第二水雷戦隊の旗艦をやってもらおうかと思って」

 

「了解なのです!」

 

「編成はまた明日発表するよ」

 

とりあえず明日はソユ-ズとミズ-リも編成に入れる予定だ。

 

「電、おやすみ」

 

「おやすみなのです・・・ふあああああ・・・・」

 

「お疲れ様」

 

優しく頭を撫でてやってると俺に抱きついてきた

 

「司令官さんに撫でられるの・・・気持ちいいのです・・・」

 

「そ、そうか?」

 

「はい・・・ふあああああ・・・」

 

「そろそろ寝よう」

 

「はい・・・おやすみなのです・・・」

 

電はすぐに寝たが俺は電が可愛すぎて当分寝れそうにない。

 

 

 

 

 

~翌朝~

 

「よし、作戦会議だ!」

 

今回の作戦は、カレ-洋の敵艦隊を連合艦隊で撃破する。

まず編成は、水上打撃艦隊。

第一艦隊の旗艦を大和にし、長門、ミズ-リ、ソヴィエツキ-・ソユ-ズ、赤城、羽黒。

第二艦隊の旗艦を電にし、響、北上、大井、夕張、金剛。

編成はこれで行く。

支援艦隊は偵察のときと同じだ。

作戦はまずポイントA(アルファ)に進撃、敵艦隊を撃破する。

今回は隠密行動など必要ないので全力で攻撃する。

次にポイントB(ブラボ-)で一時待機し、ポイントE(エコ-)かD(デルタ)に向かうかを判断する。

ポイントDには戦艦クラスを三隻確認している。

そのため、艦隊は戦艦を優先して攻撃、撃破する。支援艦隊はその周りを攻撃、撃沈する。

ポイントEには空母が多く配備されている。

この編成だと制空権は赤城艦載機でしか取ることはできないので、支援艦隊から艦載機を発艦、制空権を確保する。

その後空母を撃沈だ。

そこが終わるとポイントG(ゴルフ)に進撃する。

この海域には戦艦と空母が確認されている。

交戦した場合、支援艦隊は空母を優先して攻撃、これを撃沈する。

攻略艦隊は戦艦を優先して攻撃する。

そしてGの敵を撃滅したあと、ポイントK(キロ)の敵主力艦隊の攻撃に移る。

ここでは装甲空母姫の存在が確認されている。

そこで、支援艦隊は長距離ミサイル攻撃を再び行い装甲空母姫を攻撃、撃沈に至らなくても艦載機発着艦を困難にすればいい。

攻略艦隊は持てる力すべてを持って、敵艦隊を攻撃、殲滅する。

 

「作戦はこうだ。いいか、一隻たりとも逃がすなよ」

 

「何故ですか?大破状態にすればもう動くことは・・・」

 

「こちらの情報が敵に渡ると向こうから侵攻されるかも知れないからな」

 

「・・・なるほど」

 

「その・・・なんだ、虐殺してこいって言ってるわけじゃない。沈めるも逃がすも最終判断はお前らに任せるよ」

 

「了解」

 

「とりあえず作戦は以上!解散!」

 

あと3時間で作戦が始まる・・・

艦隊の交戦海域はほかの友軍艦艇も入り混じるため、鎮守府からの長距離ミサイル攻撃が出来ない。

いざと言うときが辛いな・・・




う~む・・・面白いとは思うけど・・・


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第二次カレー洋作戦 後編

作戦開始1時間前・・・会議室に今回の攻略艦隊、支援艦隊が集合している。

 

「作戦内容はみんな理解できたか?」

 

一応確認だけはしとかないと・・・

 

「大丈夫よ」

 

「私も大丈夫!」

 

全員大丈夫そうだ。

 

「よし・・・これだけは言わせてくれ。支援艦隊も攻略艦隊にもだ」

 

一息ついて続ける。

 

「本作戦は攻略艦隊、支援艦隊の全員が五体満足で帰還することで成功とする。必ず帰って来い。それ以外は絶対に許可しない!以上!」

 

「隊長が珍しく真面目なこと言ってる・・・今日は大嵐だね」

 

「うっさいわ!!」

 

このやろう、空気を壊しおって。

 

「とにかく、必ず帰って来るんだぞ!」

 

「はーい」

 

「了解」

 

「了解!」

 

みんな言い返事で返してくれる。

こいつらなら安心だ。

 

「さあ、時間だ。全艦出撃!」

 

 

 

 

~電~

 

<<鎮守府より攻略艦隊へ、まもなくポイントA、警戒を厳とせよ>>

 

「了解なのです!」

 

「長門より提督、赤城艦載機より敵艦見ゆ、だそうだ」

 

<<了解、各艦の交戦を許可する!>>

 

<<こちら支援艦隊、いそかぜです。ケストレルさんの機関に異常発生、そちらの交戦までに支援攻撃位置に付けません>>

 

「了解なのです、ケストレルさんの具合はどうなのです?」

 

<<今は修理も完了、全速で回してます。次の海域には間に合いますので次海域より支援攻撃を開始します>>

 

「了解なのです!」

 

「電探に感あり・・・敵艦だ」

 

さすがミズ-リさん・・・見つけるのが早いのです・・・

長門さんが少し不機嫌そうな顔をしていた。

 

「まもなく主砲の射程距離だ、砲撃用意!」

 

「まさかミズ-リさんと一緒に戦うなんて思いませんでした」

 

「私もだ。大和と敵艦とでなく味方でとはな・・・私としてはかつての敵が今は味方というのは胸熱で好きだがな」

 

大和さんとミズ-リさんは仲がよさそう。

長門さんは微妙な顔してるのです・・・

 

「彩雲より報告!軽巡1、重巡2、駆逐3を認む!」

 

「距離は分かりますか?」

 

「距離約20km!敵艦はまだこちらを捕捉できていないそうです!」

 

「了解しました、旗艦大和より全艦へ、対水上戦闘用意!赤城さんは攻撃隊を発艦させてください!」

 

「了解!第一次攻撃隊、発艦してください!」

 

「第一艦隊全艦へ!砲撃用意!」

 

今は水雷戦隊の出番はなさそうなのです・・・

 

「北上さん、大井さん、雷撃用意をお願いします!」

 

「はーい、やろう大井っち」

 

「はい!甲標的は出撃開始!」

 

駆逐艦は・・・出番なさそうなのです・・・

 

「全戦艦は砲撃開始です!」

 

「了解だ!」

 

「りょうかいっ!」

 

「第一第二主砲!斉射、始め!!」

 

「全主砲、斉射!てー!!!」

 

「痛いのをブッ喰らわせてやれ!撃てー!!!」

 

「пушка стрелять!!(主砲、撃て!!)」

 

全身の骨の髄まで響くような砲声と衝撃波・・・あんなの食らいたくないのです・・・

 

「水観より報告・・・着弾!敵重巡撃沈、軽巡大破!」

 

「よし、もう一発いくぞ!」

 

「了解、次弾装填!」

 

最初の砲撃を命中させるなんて・・・みんなすごいのです。

 

「甲標的・・・敵駆逐艦一隻を撃沈!」

 

「艦載機が残りの艦を全艦撃沈!」

 

・・・これ完全に水雷戦隊要らない子なのです・・・

とにかく、先に進もう。

水雷戦隊はみんな装甲が薄いからもし被弾すればただではすまない。

遠距離砲撃で片付くほうがこちらとしても安心だ。

 

「ポイントA・・・オ-ルクリアなのです!」

 

「了解しました!先に進みましょう!」

 

次の海域では脅威はないらしい・・・

一応、いつでも撃てるようにしておこう。

 

「提督、ポイントBに到着します、DとE。どちらに進めばいいですか?」

 

<<ポイントDに進んでくれ!敵戦艦に注意せよ!>>

 

「了解、進撃します!」

 

大和さんの合図でDに向け進撃する。

大和さんとミズ-リさん・・・それに長門さんやソヴィエツキ-さん・・・戦艦が4隻もいると心強いのです。

 

「まもなくポイントD・・・警戒しましょう!」

 

「・・・偵察機から報告!敵艦見ユ!!」

 

「了解!全艦、砲雷撃戦よーい!!」

 

「敵艦、発砲!!」

 

「発砲!?もう発見されているの!?」

 

「わかりません!ですが偵察機が・・・」

 

「くっ・・・回避だ!急げ!!」

 

距離から考えて敵戦艦だろう。

私達、駆逐艦や軽巡が被弾すればただではすまない。

 

「敵艦捕捉!全主砲、薙ぎ払え!!」

 

大和さんの砲が火を噴く。

 

<<こちら前衛支援艦隊!攻撃開始します!>>

 

「了解なのです!」

 

<<トマホ-ク、攻撃始め!!>>

 

<<ラ-ズグリ-ズ、出撃!>>

 

支援艦隊が到着・・・これなら・・・

そんなこと思っていると遠くの空から何かが降って来る。

敵の砲弾だ。

 

「敵弾、来る!!」

 

長門さんの叫び声とともに周囲に着弾する。

しかし遠距離のため着弾位置はかなりずれている。

だが・・・

 

「ぐっ・・・!!」

 

ミズ-リさんの体が爆炎に包まれている。

被弾!?

 

「大丈夫か!!」

 

「くっ・・・!!戦艦が簡単に沈むか!!」

 

ミズ-リさんは小破・・・

だが、作戦続行に支障はなさそうだ。

それよりも・・・戦艦が簡単に沈むか!ってなんだかカッコいいのです!

 

「主砲、てー!!!」

 

「撃ち方始めぇ!!てーっ!!」

 

「撃ちまくれぇ!!!」

 

長門さん達も砲撃を開始、爆音がお腹に響く。

 

「響お姉ちゃん・・・これ私達出番あるのです・・・?」

 

「ハラショー・・・」

 

あ、ダメだ、お姉ちゃんキラキラした目で見てて話聞こえてない・・・

心なしか体もキラキラしてる。

 

「着弾!初弾・・・命中!敵戦艦中破!!」

 

<<トマホ-ク、着弾まであと10秒!>>

 

「了解!」

 

上空を轟音を響かせて黒塗りの戦闘機と4発の巡航ミサイルが飛び去っていった。

 

「だんちゃーく・・・今ッ!!」

 

「彩雲より報告・・・敵艦隊の旗艦撃沈!敵艦隊撤退を開始したようです!大和さん、追撃しますか?」

 

「はい!主砲、ショックカノン・・・じゃなかった、主砲、次弾装填!」

 

ショックカノンって何なのです・・・?

とりあえずそんなことは置いといて。

 

「大和さん、敵はもう戦う気がないはずなのです!無理に撃破しなくても・・・」

 

「でも・・・敵本体に合流されると危ないですし・・・」

 

「敵の命も助けたい・・・っておかしいですか・・・?」

 

「・・・・分かりました。全艦砲撃準備中止!最大戦速で敵本体に向かいます!」

 

「ありがとう・・・なのです」

 

「いえ、あんな純粋な目で言われて砲撃を行うほど私も鬼ではないですよ」

 

「大和さんカッコいいのです!」

 

「え、か、カッコいい・・・?わ、私が・・・?」

 

「はい!」

 

「・・・・」

 

「ま、まぶしっ!」

 

一瞬で物凄いキラキラになった・・・

 

「ポイントGに向かいます!」

 

最大速力で向かう。

キラキラMAX状態の大和さんはGについた瞬間全主砲を斉射、一瞬で敵艦隊を殲滅した。

・・・どんだけキラキラなんですか・・・

 

<<攻略艦隊へ、状況は?>>

 

「状況・・・順調に進んでます!」

 

<<被害は?>>

 

「ミズ-リさんが小破、ですが戦闘に支障ありません!」

 

<<了解、もし中破することがあれば即時撤退だぞ!>>

 

「了解です!」

 

あとは敵本隊だけ・・・

たぶん本隊は夜戦になるだろう。

頑張らないと・・・

 

「まもなく本隊です!戦闘用意!」

 

<<こちら決戦支援艦隊!いつでも撃てるよ!>>

 

「了解しました!そちらの判断で攻撃してください!」

 

<<了解!雑魚はボクらに任せて!>>

 

「全主砲、薙ぎ払え!!」

 

「全主砲、斉射!てぇー!!!」

 

大和さんから続いてどんどん砲撃を始める。

ここからなら着弾まで一分程度・・・命中することを祈る。

 

「敵艦より艦載機発進!空母姫だそうです!」

 

「了解しました!照準を空母姫に合わせ!」

 

「巡航ミサイル・・・着弾!敵戦艦、空母を撃沈!空母姫は健在!」

 

周りの脅威は排除・・・一安心なのです。

今の時刻はもう夕暮れ・・・暗くなり始めている。

 

「日没ですね・・・」

 

「はい・・・日没のため、艦載機帰還します」

 

「水雷戦隊のみなさん、あとはお願いしますね」

 

「はい!お任せなのです!!」

 

やっと私達の時間!

・・・あれ、なんだか川内さんの気分に・・・

 

「あとは敵空母姫だけです!さきほどの砲弾が一発だけ命中しましたが被害はそれほどでもないそうです・・・」

 

「了解なのです!魚雷装填!」

 

暗闇に乗じて一気に接近を試みる。

日没の影響で回りがすぐに暗くなり始める。

 

「探照灯・・・照射!!」

 

6隻の艦から探照灯を空母姫に照射する。

・・・これある意味に嫌がらせなのです。

 

「酸素魚雷・・・撃ち方始めなのです!」

 

「ypa!」

 

魚雷をばら撒く。

北上さんや大井さんも魚雷をばら撒き何十本もの魚雷が空母姫に殺到する。

空母姫は避けようにも逃げる場所がない。

それより探照灯のせいで目が開けれないだろう。

 

「魚雷・・・命中!!空母姫・・・撃沈を確認!」

 

「提督!敵本隊撃破!!」

 

<<了解!よくやった!!だが、家に帰ってくるまでが任務だぞ>>

 

「そんな遠足みたいに言わないでください・・・」

 

そんな会話を聞きながら回りを警戒しているとふと一隻の船影が見えた。

 

「あれ・・・艦娘なのです・・・?」

 

「ん?どれだい?」

 

「あれなのです」

 

指を刺す方向を響お姉ちゃんも見る。

 

「本当だ、空母かな?」

 

「あ、こっちにくるみたいなのです」

 

大和さんたちもそれに気づいて一応警戒する。

その空母はすぐ近くまで来た。

 

「雲龍型航空母艦の三番艦、葛城よ!」

 

「大和です。雲龍型ですか・・・」

 

「今対空砲台とか思ったでしょ・・・」

 

「ち、違います!!」

 

少し賑やかな空母が増えた。

私達は作戦を無事終え、12隻から一隻増え、13隻で鎮守府へと帰還した。

被害はミズ-リさんの小破だけ。

疲れたのです。




ちょっと投げやりになった気がする・・・


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遠征:長距離砲撃支援

「突然なんだけど、遠征に行ってくれないか?」

 

「はぁ・・・遠征ですか・・・」

 

カレ-洋作戦を終えた翌日。

司令室には電を始めとし、ミズ-リ、大和、ジョン・ポ-ル・ジョ-ンズ、ケストレルがいた。

 

「なぁ提督、遠征たってどこ行けばいいんだ?」

 

「ああ、遠征の内容はな・・・」

 

今回の遠征・・・長距離砲撃支援だ。

現在、キス島で日米の陸上部隊がキス島に上陸しようとしている深海棲艦を阻止している。

そこで、沖合いから長距離艦砲射撃およびミサイル攻撃を行い地上部隊を援護する。

座標などは地上部隊が指示してくれるのでそれに従い砲撃するというものだ。

 

「砲撃援護ねぇ・・・ここからミサイルで援護射撃とかいけないの?」

 

「射程がギリギリなぁ・・・弾道弾ならいけるけど味方にあたる可能性もあるしな」

 

「ふーん・・・それより、深海棲艦に上陸部隊なんかいるの?」

 

「ああ、何か噂によると海で死んだ人間をコピ-して作った部隊らしい」

 

「なにそれ怖い」

 

実際普通に怖い話だ・・・

またこれも噂だが、長期間行方不明だったのにいきなり帰ってくる人間がいると言うのだが、みんな共通して海上で行方不明になったとか。

それでその人間が深海棲艦のコピ-だとか。

 

「とりあえず援護すればいいんだな!」

 

「まぁ、そうだな」

 

「よっしゃ!俺に任せてな!」

 

「頼りにしてるよ、出撃はあと2時間後だからな」

 

「了解!」

 

 

 

 

~電~

 

「まもなく作戦海域なのです!」

 

「よーし!向こうの部隊と通信つなげ!」

 

「こちら米軍艦ジョン・ポ-ル・ジョ-ンズ、支援位置に到着した。オ-バ-」

 

<<海軍の支援を要請する!>>

 

<<敵の潜水艦を発見!>>

 

<<駄目だ!!>>

<<駄目d>>

<<駄目>>

<<駄目だ!>>

<<ちくわ大明神>>

<<駄目・・・おい誰だ今の!!>>

 

「なんか混線してるのです・・・」

 

「そ、そうだねぇ・・・」

 

<<こちらミスフィット1-3!洋上の艦船へ!>>

 

「こちらジョンポ-ルジョ-ンズ、聞こえるぞ」

 

<<砲撃支援、位置はJ-P-U-1-5-9 6-8-1!!効力射要請!!>>

 

「了解、位置はJ-P-U-1-5-9 6-8-1。攻撃オ-バ-」

 

<<攻撃アウト!!>>

 

ジョンさんはさっそく砲撃を開始する。

今回ミズ-リさんとJPJさんはアメリカを援護、私と大和さんが日本を援護する。

ケストレルさんは両方を空中から援護する。

 

「こちら大和!砲撃支援は必要ですか?」

 

<<海軍の支援を要請する!>>

 

「了解しました!砲撃開始します!」

 

「あ、あの!座標は・・・」

 

「水観より確認しました!」

 

「了解なのです!」

 

「座標を送ります!」

 

大和さんから送られた座標を元に射角を合わせる。

 

「主砲!てーっ!!」

 

「撃ちー方ー始めなのです!」

 

私の主砲の音が大和さんの主砲の砲声にかき消される・・・やっぱりすごい。

 

<<上空援護機を要請する!>>

 

「了解!ラ-ズグリ-ズ出撃!」

 

無線はさっきから混線だらけ・・・ほとんど聞き取れない。

それよりさっきから無線の最中に「ちくわ大明神」とかつぶやく人いるんですけど・・・いったい何なのです・・・

 

 

 

 

 

~提督~

 

遠征が終わるまで・・・あと半日以上か~・・・

 

「そんなに心配ですか?」

 

「そりゃなぁ・・・遠征つっても被弾しないわけじゃないし・・・」

 

「心配しなくてもきっと大丈夫ですよ」

 

「でもなぁ・・・」

 

「隊長、心配してても帰ってきませんよ」

 

「まぁ・・・そうだなぁ・・・」

 

でも心配なので向こうの無線につなげてみる。

 

「無線ですか?」

 

「ああ、一応状況が知りたくてな」

 

つなげてみると・・・

 

<<ちくわ大明神>>

 

「・・・・・・・!?」

 

<<誰だ今ちくわ大明神って言ったヤツ!!!>>

 

・・・・・・・・・状況が理解できん。

 

「あれ、もう無線きられるんです?」

 

「・・・ああ・・・つなげた瞬間ちくわ大明神って言われた・・・」

 

「向こうでいったい何が起きてるんですか・・・」

 

「さぁ・・・・」

 

「あ、隊長、外出許可願えますか?」

 

「ん?ああ、いいけどどした?」

 

「ちょっとお誘いが・・・」

 

「ああ、例の男の子か?」

 

「は、はい・・・」

 

「んな申し訳なさそうな顔すんなって、もう付き合ってるのか?」

 

「はぇっ!?つつつつ付き合ってなんてないですよ!!」

 

「ありゃそうなのか」

 

「も、もう・・・」

 

「まぁなんだ、一度どんなヤツか見てみたいし鎮守府にでも呼んで来なさいな」

 

「いいんです?」

 

「いんじゃね?」

 

「いや・・・よくないと思うんですけど・・・」

 

「まぁ、見つかっても揉み消すし」

 

「何で揉み消すんです!?」

 

「ほら・・・目撃者がいなければ大丈夫だって」

 

「消すんですか!?」

 

「コラテラルダメ-ジだ」

 

「・・・便利ですねその言葉・・・」

 

「まぁ、とりあえず楽しんで来い!」

 

「はい!」

 

アンドロメダが出て行き司令室に一人になる。

 

「あ、メ-ルだ。また本部からか・・・」

 

内容はっと・・・

 

「え~・・・また出張・・・しかも新米提督かよ・・・またかよ・・・」

 

せめて作戦期間が終わってからにしてくれませんかねぇ・・・

まぁでも期間は約一日程度、何とかなるか。

 

「んで、デ-タデ-タっと・・・」

 

デ-タを参照する。

すると・・・

 

「・・・・・・・・・え?」

 

表示されたのは明らかに呉の天音提督よりも幼い顔立ちの少女だった。

つーか年齢が13ってオイ。

ついに大本営は頭の中に蛆虫でも沸き始めたか・・・

 

「何でまた子供なんか・・・」

 

ふと階級を見ると・・・

 

「・・・少将ぉぉぉぉぉ!?!?」

 

新米だろ!?新米なのに少将!?俺なんてまだ大佐だぞ!?

 

「ああもう・・・突っ込みはおいといて鎮守府は・・・舞鶴か・・・」

 

何でまた子供のお守りみたいなことを・・・はぁ・・・

 

「明日から行けってか・・・少将殿に指導することなんてねーぞ・・・」

 

はぁ・・・めんどくせ・・・

とか重いながらも仕事なので行くしかない。

明日か・・・もう新幹線使うのめんどくせーし・・・F35で行くかな。

VTOLなら着陸も楽だし。




何か最近面白いのが書けてない・・・読者さんすんません!!
あと忙しくて感想返せてないのですが何とか返すようにします!


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出張:舞鶴鎮守府

「というわけで電!すまん!鎮守府を頼む!」

 

「了解なのです!気をつけてなのです!」

 

遠征が終わった翌日、出張の準備をしながら電に引継ぎを任せていた。

誰か一人艦娘を連れて来いと言われたので単座のF35じゃ舞鶴まで行けない・・・

 

「誰連れて行くのです?」

 

「ああ、今回はいそかぜを連れて行こうかと思ってる」

 

「うらかぜさんが怒りそうなのです・・・」

 

「あ~・・・大丈夫・・・だと・・・思う」

 

ちょっと不安になってきた・・・

とりあえず いそかぜ には伝えてあるので出発の準備だけしよう。

 

「まぁとりあえず行ってくるよ。あ、それと俺がいない間は特に作戦を進める必要ないからな」

 

「え、いいのです?」

 

「ああ、まだ期間は残ってるし大丈夫だよ」

 

「了解なのです!気をつけて行ってらっしゃいなのです!」

 

そう言った後に・・・

 

「司令官さん、ちょっと耳貸してほしいのです」

 

「ん?何だ?」

 

「・・・ちゅっ」

 

「!?」

 

頬にキスをしてくれた。

 

「えへへ、行ってらっしゃいのキスなのです」

 

ちょっと赤くなった笑顔で言われた。

可愛すぎるやろがああああ!!!!

 

「と、とりあえず行ってくる!」

 

「はい!行ってらっしゃいなのです!」

 

部屋を出て格納庫に向かう。

今回は艤装を持っていく必要がある。

今鎮守府に艤装を運搬する能力があるのはAC-130しかない。

 

「ガンシップしかないのか・・・」

 

一応、パイロットは俺だが火器管制員は妖精さんだ。

 

「あ、司令官。もう来てたんですか」

 

「ああ、もう出発の準備しないとな」

 

艤装を付けたいそかぜが格納庫までやってきた。

 

「もう出発ですか?」

 

「うん、お前が忘れ物ないんだったらな」

 

「はい、大丈夫です」

 

「んじゃ行こうか」

 

ガンシップに乗り込み、エンジンを始動させる。

 

「さてと、離陸しよう」

 

滑走路に入り出力を上げて離陸する。

舞鶴まで約3時間ほどだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~3時間後~

 

無事着陸し、鎮守府へ向かう。

 

「どんな提督かな」

 

「年齢が13でしたっけ」

 

「13で少将とか何やったらそうなるんだよ・・・」

 

「さぁ・・・」

 

そんな事言いながら鎮守府に向かっていると海軍の制服を着た少女がこっちにやってきた。

 

「お、あの子かな?」

 

「みたいですね」

 

「てかお前いつまで艤装つけてんだ・・・」

 

「始めが肝心じゃないですか?」

 

「いきなり’’私、イージス艦です!’’とか言われても反応に困るぞ・・・」

 

そんな話してると・・・

 

「お疲れ様です!私はここの艦隊を預かっています」

 

「お出迎えどうm・・・ありがとうございます!」

 

いかん、いつもの癖でタメになってしまう。

 

「とりあえずお茶でもどうですか?」

 

「ちょうど良かった、のど渇いてたんで」

 

「では冷たいお茶用意しますね!」

 

「ありがとう」

 

「あ、そういえばその方が秘書艦ですか?」

 

「はい、私は いそかぜ型ブイ・ウェッブ艦、いそかぜです」

 

「・・・ブイ・・・えっとなんです?」

 

「あとで説明します」

 

「は、はい・・・見たことない艤装ですけど・・・」

 

提督は興味津々でいそかぜの艤装を見ていた。

とりあえず中に入ろう。

 

「えっと・・・それでここが司令室になります」

 

「へぇ・・・結構いい立地なんだn・・・なんですね」

 

「はい、海が良く見えます」

 

俺の鎮守府司令室の窓から見えるものはCIWS、パトリオット、対艦ミサイルetc...

 

「あ、大佐さん、いそかぜさん、少しお手伝いしてもらいたいことがあるのですが・・・」

 

「ん?手伝い?」

 

「いいですよ」

 

お茶(綾鷹)もらったしな。

それくらいはしないと。

 

「すみません、あそこの本部まで本を持っていかないといけないのですけど・・・私じゃ重くって・・・」

 

「ああ、そういうこと・・・いいっすよ」

 

「司令官・・・敬語がおかしいですよ・・・」

 

「あ、け、敬語とかそんなに気にしなくていいです!」

 

「でも一応階級上だし・・・」

 

「歳はそっちのほうが上です!」

 

「そうか?じゃあ敬語苦手だしそうするよ」

 

そんなわけでとりあえず本を持って本部まで向かう。

広辞苑みたいな本が10冊以上・・・こりゃ持てないわな。

 

「本当にすみません・・・」

 

「いやいいよ」

 

本部の廊下をあるいていると・・・

 

「おやおや、これは少将殿ではありませんか」

 

声をかけられた方向を振り向くとやたらニヤニヤした提督二人がいた。

なんだこれ、後輩イジリか。

SEALsの時に比べたら可愛いほうだな。

 

「こんにちわ、提督方」

 

「おや!少将殿が挨拶してくれましたよ!」

 

「当然ですよ、大将閣下ですからね。それより・・・駆逐艦ごときが秘書など・・・」

 

「まったくですな!秘書は戦艦クラスでないと!」

 

駆逐艦ごとき・・・ねぇ・・・

まぁ、この子・・・''ミサイル''駆逐艦ですけどね。

 

「提督方」

 

「何かな?」

 

「この子は私に秘書ではありません、そこの提督の秘書です。ごときという言葉を取り消してください」

 

「そこの提督?どちら様かな?」

 

「あ~・・・どうも」

 

「大将閣下に挨拶もないとは・・・」

 

絡みめんどくせぇ!!!

DQNにもなれない位置づけのヤツかお前らは!!

 

「チッ・・・めんどくせーなもう・・・こんちゃーす。ペッ」

 

大将閣下に舌打ちした挙句、すごいだるそうな挨拶して廊下に唾吐き捨てた大佐の図です。

 

「な・・・」

 

さすがにあまりのこと過ぎてひるんでる。

 

「貴様!それが大将に向かってやることか!」

 

「だってうちの子のこと''駆逐艦''ごときとかいうんだも~ん」

 

ガキみたいな言い方だったと我ながら思ってる。

 

「それの何が悪いというんだ」

 

全体的にわりーよ

 

「つーかコイツは駆逐艦は駆逐艦でも種類ちげーですよ」

 

「何だというんだ、どうせ旧型とかそんなのだろう」

 

超絶最新型ですハイ。

 

「こいつの艦種はDDじゃないっすよ、DDGっすよ」

 

「DDG・・・?」

 

「ミサイル駆逐艦」

 

「!?」

 

「司令官、私は護衛艦です。海上自衛隊にミサイル駆逐艦なんていませんよ。ミサイル護衛艦です」

 

「そこ!?ま、まぁいいか・・・」

 

「う、うそをつくな!そんなもの演習でもすればすぐに分かる」

 

「うんまぁ・・・いいけど・・・やるんで?」

 

「ああ!その根性叩き直してやる」

 

元SEALsの根性叩き治せるかな~?

 

「大佐さん・・・いいんですか?」

 

「だいじょぶだいじょぶ、相手が6隻だしてこよーがイ-ジスシステムがあるから」

 

「そうですか・・・」

 

「いそかぜ、演習の準備するぞ」

 

「はい、私のこと駆逐艦って言ったアイツ等許しません」

 

「駆逐艦って言われたことが嫌なんだ・・・」

 

「私は護衛艦です」

 

そこは譲れないのな・・・

そんなこんなで演習へ。

 

「1対6って・・・」

 

「本当は一隻でも良かったんだがな、ボコボコにされる貴様が見たいのだよ」

 

「あ、そ・・・・」

 

ゲスいというかなんと言うか・・・まぁいいか。

 

「演習開始!」

 

「いそかぜ、電子攻撃開始、敵の目を潰せ」

 

<<了解、電子攻撃開始します>>

 

「電子攻撃・・・?何の話だ」

 

電子攻撃分からんの!?何で!?

提督だろ!?

そんな演習を横で見守っている少将が・・・

 

「いそかぜさんってどんな艦なんですか?」

 

「ああ・・・俗に言うイ-ジス艦」

 

「イ-ジス・・・ギリシャ神話の盾ですか・・・」

 

「まぁそんなもんかな」

 

<<司令官、敵偵察機接近>>

 

「了解、対空戦闘用意。シ-スパロ-攻撃始め!」

 

<<シ-スパロ-発射用意よし!!>>

 

「シ-スパロ-発射、始め!」

 

<<後部VLS、シ-スパロ-発射!SALVO!!>>

 

これで完全に敵の目が潰れた。

独壇場だな。

 

「偵察機も撃墜・・・電探もダメ・・・貴様!何をした!」

 

「だからジャミングでレ-ダ-を機能停止させて偵察機は対空ミサイルで撃墜したんすよ」

 

「さっきから山城が電探は不調だし偵察機は落ちるしでものすごい鬱になってんだよ!可愛そうだろ!」

 

「・・・・・・」

 

どう反応すればいいのやら・・・

 

「いそかぜ、敵の目は完全に潰れた、敵空母を攻撃する」

 

<<了解しました>>

 

トマホ-クで遠距離攻撃を行おう。

 

<<いつでも撃てます>>

 

「了解、好きなタイミングで撃て!」

 

<<了解>>

 

空母は確か・・・翔鶴だったかな?

 

<<トマホ-ク・・・攻撃はじめ!!>>

 

俺たちのモニタ-のレ-ダ-にひとつの光点が写る。

 

「・・・・ドカン」

 

「ああああああああああああああ!!!翔鶴があああああ!!!」

 

頭抱えて悶えてる大将閣下であった。

クソワロタ(真顔)

 

「いそかぜ、一気に終わらせよう。イ-ジスシステム起動、対水上目標をすべてロック」

 

<<了解、イ-ジスシステム起動>>

 

「ロックできたか?」

 

<<はい、諸元入力>>

 

「了解、少し待て」

 

<<はい>>

 

ここで大将に降伏勧告(?)でもしてみよう。

 

「大将殿、もうアンタのとこの艦をいつでも全滅させれる、今のうちにそこの少将といそかぜのこと駆逐艦って言ったこと誤ったらどうです?」

 

「は?ふざけるな!俺がなんで貴様等などに謝らないといけないんだ!」

 

「そっすか・・・いそかぜ」

 

<<はい、何ですか?>>

 

「一斉撃ち方」

 

その言葉の数秒後、レ-ダ-にいくつもの光点が写る。

着弾まで30秒足らず・・・可愛そうに、相手は一発も撃てないどころか相手すら見えてない。

 

「ドカ-ン」

 

「いやああああああああああああああああああああ!!!!」

 

さっきまでの威勢がどっかに行き、ものすごい悲鳴を上げていた。

クソワロ(ry

 

「あああああ・・・そんな・・・なぜだ・・・」

 

「さぁ?日頃の行いが悪かったんじゃねーですか?」

 

「ああああああ・・・・」

 

放心状態の大将はもうほっとこ。

 

「いそかぜ、そのままドックに帰還してくれ」

 

<<了解しました>>

 

「さて、少将。帰りますかな」

 

「あ・・・は、はい!」

 

少将もモニタ-を見たまま固まっていたらしい。

・・・もはや見慣れた俺って・・・。

 

 




やっぱり戦闘シ-ンが少し苦手かも・・・


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星降る夜空

一部説明文のようなものはWIKIより抜擢しました


演習という名目の蹂躙が終わり日も暮れてきた。

本部から明後日まで舞鶴に居ろとのことだった。

 

「綺麗な夜空ですね」

 

「そうだなぁ・・・どうせなら電と一緒に見たいよ」

 

「電?」

 

「俺のケッコンした艦だよ」

 

「ケ、ケッコンされてるんですか!?」

 

「お、おう。どした?」

 

「私も相手がほしいです・・・」

 

「すぐ見つかるさ」

 

そんな話しながら空を眺めていると流れ星が過ぎていった。

 

「あ、流れ星」

 

「え、どこですか!?」

 

「もう行ったよ」

 

「見たかった・・・」

 

「また来るだろ。俺はあまり流れ星は好きじゃないよ・・・」

 

「どうしてですか?あんなに綺麗なのに・・・」

 

「1994XF04・・・」

 

「?」

 

「そういや、アンタは生まれてないか・・・」

 

あの死が降る空・・・20年前の光景を思い出してしまう。

 

「こんな名前を聞いたことないか?ユリシ-ズって言う名前を」

 

「あっ・・・」

 

「ちょうどあの時もこんな夜空だったよ」

 

忘れもしないあの光景・・・

120cm対地対空両用磁気火薬複合加速方式半自動固定砲・・・通称「ストーンヘンジ」によってユリシ-ズ迎撃が行われるもすべてを迎撃できず地球に死が降り注いだ。

それだけなら良かった。

アイアンボトムサウンドに落下したユリシ-ズの影響なのかは分からないがその日から深海棲艦が地球上に出現した。

それとほぼ同時に艦娘も。

二つとも何故出現したのか今でも不明だ。

艦娘本人も気がついたら艦娘になっていたという。

 

「大佐は・・・あの日を経験したんですよね」

 

「ああ、ユリシ-ズの厄災も大陸戦争も・・・」

 

ちなみにユージア戦争時には深海棲艦と艦娘の影響力は無いに等しく、人類側である程度抵抗が出来ていた。

しかし時がたつにつれ、通常兵器は効かないようになってくる。

唯一効く通常攻撃といえば、宇宙空間から鉄の矢を落としピンポイントで深海棲艦を文字通り潰すしか無かった。

しかし制空権を取られ、宇宙空間にSSTOを打ち上げようにも迎撃され、衛星兵器に物資が届かなくなってしまう。

そのため現存する衛星兵器はすべて本拠地攻略にそなえ温存されているがこの前の原潜のように弾道ミサイルなど、ミサイルを発射する深海棲艦が現れて来たら回避能力や迎撃能力を持たない衛星兵器など止まっているハエを叩き落すようなものだ。

 

「・・・すみません」

 

「いいや、大丈夫さ。お、また流れ星」

 

「あそこにも!」

 

「・・・多いな」

 

「綺麗です・・・」

 

少将は感動しているようだった。

この子にはあんな悲劇を経験してほしくない・・・俺はそう思った。

 

「さて・・・司令部に帰ろう」

 

「もう少し・・・眺めてます」

 

「そうか、風邪引かないようにな」

 

「はい!」

 

そう言って司令部に帰ろうとした瞬間、空が赤く光り、一直線に降って来る

 

「冗談だろ・・・」

 

その光りは街に落ちていった。

それも一つや二つではない。

 

「20年前の光景をまた見るなんて・・・」

 

「い、いまの何なんですか!?」

 

「隕石・・・クソ・・・!」

 

街のほうで爆発音が聞こえる。

 

「いったん司令室に、大本営と通信を取ろう」

 

「はい!」

 

急いで司令室に戻る。

 

「大本営!こちら舞鶴!聞こえたら応答しろ!」

 

<<こち----営---通---->>

 

「聞こえない!」

 

<<こちら大本営だ!>>

 

「良かった・・・今の隕石の被害は!」

 

<<日本中に落下している!>>

 

「冗談だろ・・・」

 

そんな通信をしていると電話が鳴った

少将がそれを取った

 

「もしもし?はい、大佐なら・・・」

 

「何だ?」

 

「アンドロメダ・・・って方からです」

 

「代わってくれ!」

 

「は、はい!」

 

電話を代わる。

 

「アンドロメダ!」

 

<<隊長、お願いです、今から話すことを落ち着いて聞いてください>>

 

「分かった、何だ?」

 

<<メガリスが・・・敵の泊地になり・・・稼動しています>>

 

「冗談・・・だろ・・・?」

 

メガリス・・・エルジアが開発していた、軌道上に残存する小惑星ユリシーズの破片を落着させるロケット(ミサイル)の発射センターとして、首都ファーバンティ南方のトゥインクル諸島近辺に建設された巨大要塞。要塞から南に伸びるミサイル搬入路の側面に構築された発射機群には、軌道上に残る小惑星の破片と結合し、地上に向かって落下させる機能を持つロケットが多数配備されている。ロケットは要塞から照射される誘導用レーザーによってコントロールされる。この特殊ロケットの他に、中央サイロには大型ミサイル、その東西のランチャーに4発の中型ミサイルが格納されているが、これらが隕石落着機能を持つものなのか、単なる弾道ミサイルなのかは不明だった。メガリスは通常の航空攻撃では破壊が困難な高い堅牢性を持ってはいたものの、開発途中だったためか防衛用対空火器が一切配備されていない状態であった。首都陥落によるエルジア政府降伏後、開発中であったメガリスは降伏に従わないエルジア軍将校団によって占領され、大陸に再び隕石を落下させ始める。

俺はそのメガリスを内部から破壊したはずだった。

なのに・・・

 

「そのメガリスは・・・深海・・・棲艦・・・なのか?」

 

<<分かりません・・・衛星からの写真によると形はそのままで周りには敵艦が・・・>>

 

「了解した・・・」

 

俺はその情報に耳を塞ぎたくなる。

 

<<隊長・・・あともう一つ・・・>>

 

「何だ?」

 

<<ストーンヘンジが・・・深海棲艦の手によってコピ-されて・・・泊地になっています>>

 

「・・・冗談もいい加減にしてくれ・・・」

 

スト-ンヘンジ・・・基本構造は火薬による発砲と電磁加速を併用したハイブリッド式地対空レールガンである。正式には「120cm対地対空両用磁気火薬複合加速方式半自動固定砲」と呼ぶ。射程は約650nm(約1200km)、砲弾によってはその圏内で高度2000フィート以上を飛行する航空機に対しても絶大な破壊力を有している。

使用される砲弾には隕石内部に侵入後炸裂・破砕するAPE弾(Armor Piercing Explosive Ammunition、徹甲榴弾の意)、命中率を重視した榴弾、法的な使用制限があるものの広範囲の破片を処理できる特殊砲弾が存在する。

サンサルバシオン南部の砂漠に円形に広がる巨大な施設に8基の旋回式砲塔が円状に設置され、360度の全天の迎撃や交互発射による複数隕石への対応、同時発射による大型隕石の破砕が可能となっている。またこれらの砲塔を効率的に統合制御するために、施設地下には秒間90億回の浮動小数演算が可能なスーパーコンピューターが8台×1024セット、計8192台設置されている。この総合で1秒間に100兆回もの演算が可能なシステムを使い、人工衛星を含む大陸各地の観測所からのデータを基に大気状況をシミュレート、隕石の落下軌道を割り出し照準する。

これらの設備が必要とする多大な電力を賄うため、専用の原子力発電所が備わっている他、砲塔が消費する瞬間的な大電力をチャージするため、施設敷地内の20%を占めるほどのコンデンサーが設置されている。施設北東には専用の空港が建設されており人員や物資の輸送の他、エルジア軍による占領以前はF-15戦闘機を中心とした18機のUTO軍航空機による警備体制がとられていた。

しかし、2003年・・・エルジアはスト-ンヘンジを軍事転用。大陸の制空権を握った。

だがこいつも俺が叩き潰した・・・はずだった。

 

「こいつも破壊したはずなのに・・・」

 

<<隊長・・・どうしますか>>

 

「泊地はどこからだと一番近い」

 

<<・・・舞鶴からです>>

 

「はぁ・・・呉もだったが舞鶴も巻き込むことになるか・・・分かった、みんなを舞鶴へ」

 

<<作戦のほうは?>>

 

「そんなもん放棄だ!!こっちのほうを優先的にやる!大本営がなんと言ってこようが構うな!あの悪魔の兵器をまた地獄に連れ戻してやる・・・!」

 

<<了解しました。最低限の警備を残しそちらに向かいます>>

 

「そうしてくれ、現代艦は全員頼む!」

 

<<了解>>

 

そういって電話は切られた

 

「すまん、少将・・・少し巻き込むことになる」

 

「いえ!お手伝いできることがあれば何でも仰って下さい!」

 

「ありがとう・・・」

 

俺は記憶を頼りにスト-ンヘンジ、メガリスの攻略法を出来る限りメモに書き残した。

メガリスもスト-ンヘンジも敵の手に・・・降って来る隕石を迎撃できる手段が無いに等しい。

横須賀の街は俺の鎮守府から発射した迎撃ミサイルである程度被害は抑えれているがほかの鎮守府にあるのは対空砲程度・・・しかも手動のものばかりだ。

音速を超える速度で落ちてくる隕石を迎撃など不可能に近い。

艦娘も同じように戦艦娘でも迎撃できるか分からない。

大和の徹甲弾ですら破壊できるか分からない。

今は隕石の落下が止んでいる。早いうちにとめないと隕石なんて弾数無限に等しい。

スト-ンヘンジも高度2000ft(約600m)以下の物はすべて破壊する砲弾を発射できる。

スト-ンヘンジを破壊するまで高度2000ft以上の制空権は敵の物だ。

最優先で破壊・・・もしくは占領しないと地球がクレ-タ-だらけになってしまう。

 

 




ロマンチックな内容だと思ったでしょ?残念でしt(ry

AC04を久々にやったらこんなことになった。

???「大変だジャン・ルイ!敵は全員リボン付きだ!」

???「ああっ!ジャン・ルイがやられた!!」


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砕ける空 前編

あの星が降り注いだ夜から一夜明けた今朝、舞鶴の被害が明確になってきた。

 

「死傷者は5000人以上か・・・」

 

「行方不明者は2000人以上です・・・」

 

メガリスの攻撃で地球上に死が降り注いだ。

今回は主に日本を狙っての攻撃だった。

全国での死傷者は10万人以上・・・大惨事だ。

 

「艦隊は?」

 

「もうまもなくです」

 

「今のうちに作戦を立てよう」

 

机に地図を広げる。

 

「大佐さん、先にどちらを攻撃しますか?」

 

「・・・同時だ」

 

「同時!?」

 

俺自身、無茶だと思っている。

だがどちらか片方を攻撃すれば片方から攻撃を受けることになる。

スト-ンヘンジは2000ft以上の相手に対して絶大な攻撃力を誇るがそれ以下の相手に対しては比較的攻撃能力は弱い。

ただしこれはオリジナルのスト-ンヘンジの場合だ。

だがエルジアは対地攻撃用にスト-ンヘンジを使っておらず、対地攻撃用の砲弾も無い。

そのため海上から戦艦娘による艦砲射撃でスト-ンヘンジを破壊する。

メガリスは空母艦娘より発進した航空隊による攻撃で撃破する。

攻撃時は駆逐艦娘隊が全速で接近、地上部隊を施設に送り込む。

地上部隊により施設が制圧されたあと航空機部隊は全機トンネル状の通路に突入、内部のジェネレ-タ-を破壊し脱出する。

 

「主力は両方に分けないとダメですね・・・」

 

「ああ・・・たぶんメガリスは敵側にとって地上攻略の要だろうからな・・・姫クラスが大量にいるだろう」

 

「スト-ンヘンジにも・・・ですね」

 

「ああ、しかも航空隊はうかつに近づけない。レシプロ戦闘機なら高度600m程度なら飛行は簡単だが遅すぎる・・・迎撃機にやられるかもしれない」

 

「でも相手だって・・・」

 

「黄色中隊・・・」

 

「?」

 

「もしスト-ンヘンジを完全にコピ-しているならかなり強力な迎撃機がいるはずだ」

 

編成は連合艦隊が必要になるだろう・・・

スト-ンヘンジに水上打撃艦隊を・・・メガリスに機動艦隊を・・・。

このさい出撃制限など知ったことではない。

 

「今回の作戦・・・あんたはどうする」

 

「私・・・ですか・・・」

 

「今回の作戦は危険だ・・・最悪轟沈艦がでる可能性だって・・・」

 

「やります!私たちの国が危ないのに・・・仮にも少将が椅子に踏ん反り返ってるわけにはいきません!」

 

「分かった。俺は内容を大本営に伝達してくる。正直・・・OKが出るとは思えないが・・・」

 

戦力がかなり必要な作戦だ。一鎮守府の艦隊だけでは正直無理だ。

 

「司令部に伝えてくる」

 

正直気が進まない。

知り合いの将軍はすぐにOKをくれるだろう。

問題は上の石頭だ。作戦放棄で何言い出すやら・・・

デ-タを送信し、無線をつなぐ。

 

「こちら舞鶴、聞こえるかどうぞ」

 

<<大佐か?>>

 

「どうも、中将どの」

 

<<このデ-タ・・・何だ?>>

 

「この前の隕石に関するデ-タだ。こいつを破壊する」

 

<<・・・ふむ>>

 

「通せるか?」

 

<<いや・・・私は大賛成だがお上がな・・・>>

 

「何とか頼めないか?」

 

<<・・・少し待っててくれ>>

 

ほんの数秒後声の主が変わる。

 

<<大佐かね?>>

 

「はい」

 

<<・・・君は作戦放棄・・・それでいいのか?>>

 

「これを破壊しないと日本は隕石でクレ-タ-だらけになります」

 

<<・・・>>

 

少し渋る将軍にだんだんイラついてくる。

 

「アンタ・・・ユリシ-ズの厄災を知ってんだろ!!メガリスも・・・スト-ンヘンジも!んなもんが稼動してんのにまだあんな作戦引きずんのかこのクソジジイ!!」

 

<<・・・・・・メガリス・・・か・・・あれが稼動しているのか・・・」

 

「そうだ!」

 

<<了解した。君の作戦をメガリス、スト-ンヘンジ破壊に変更する。可能な限り私達もバックアップしよう>>

 

「・・・感謝します」

 

これで自由に動ける、あとは編成か・・・

 

「大佐さん!艦隊が到着します!」

 

「了解!」

 

急いで外に向かう。

 

「電!」

 

「司令官さん!無事でよかったのですぅぅぅ!!!」

 

「おわあああ!!」

 

電が俺を見た瞬間ダッシュで飛び込んできた。

 

「お前も無事でよかった・・・横須賀の街は?」

 

「アンドロメダさんと防空司令部が気づいて迎撃をしたので被害はあまり・・・それでも撃ちもらしが・・・」

 

「そうか・・・」

 

やっぱり完全に迎撃は無理だったか・・・

 

「電、作戦会議があるんだ。みんなを集めてくれ」

 

「はい!」

 

作戦会議室に続々と艦娘が集まってくる。

少将の艦娘は街で被災者の救助を行っているためこの鎮守府には居ない

 

「これよりストーンヘンジ泊地攻撃作戦及びメガリス泊地攻撃作戦を発動する」

 

画面に映し出された画像を指しながら作戦説明を開始する。

アンドロメダ、ケストレルはこの兵器の脅威を知っているため少し表情が浮かない

 

「今回の作戦は同時攻撃作戦となる」

 

「同時攻撃なんて・・・無茶です!片方ずつ戦力を集中させたほうが・・・」

 

アンドロメダが反対をする。

無理もない。俺だってこんな作戦をしたくない。

 

「どちらか片方を攻撃すればその片方に情報が行く・・・後は分かるな?」

 

「・・・・」

 

「片方に攻撃を受けたと情報が行けば、スト-ンヘンジからは特殊砲弾、メガリスからは隕石が降って来る・・・メガリスを先に攻撃すればスト-ンヘンジの砲撃で制空権が奪われ航空攻撃を断念しないといけない・・・スト-ンヘンジを攻撃すればメガリスからの隕石で艦隊が全滅という可能性だってある・・・」

 

だから同時攻撃という結論しかなかった。

普通の泊地なら攻撃しても増援到着前には片付く。

だが今回は話が別だ。

レ-ルガンの砲弾はそれこそ光の速度で飛来する。

隕石はそこら辺をユリシ-ズの破片が飛んでいるので降らそうと思えばすぐに降らすことが出来る・・・それに普通の泊地なら本土攻撃を行うにしてもすぐに戦力が集まらないがメガリスとスト-ンヘンジの二つさえあれば制空権は敵の物・・・隕石で地上は焼け野原にすることが出来る。

この二つの兵器は必ず密接な関係にあるはずだ。

 

「いいか、今回の作戦は危険とか言うレベルじゃない・・・だが失敗は日本・・・いや世界の滅亡に関わる事態になる」

 

本音は無理なら撤退しろ。生きて帰ることを優先しろと言いたい。

だが・・・今回はそんな事を軽々しく言えない。

俺はあの二つの脅威を知りすぎている。

だから途中で見逃すなんて出来ない。

 

「ただし轟沈だけは絶対に許さない!俺は全員生きて勝利しろと言ってるんだからな!誰か一人でも轟沈したらこの作戦は失敗なんだ!」

 

正直不安だ。

ケストレルとアンドロメダ以外はこの兵器の脅威を知らない。

スト-ンヘンジ攻略隊はきっと高度2000ft以下は安全と思い込んでしまうかも知れない。

確かに高度2000ft以下は艦船にとっては安全だ。

ただし弾着観測に出た観測機、偵察機は思いっきり被弾高度だ。

 

「いいか、今回の作戦はこうだ」

 

まずスト-ンヘンジ攻略隊は水上打撃艦隊にて泊地に接近、ミサイル駆逐艦などのレ-ダ-の情報を元に戦艦隊とミサイル駆逐艦隊は地上に対して攻撃を開始する。ただしこの際スト-ンヘンジにECM装置があるものと思われる。

そこで戦艦隊はスト-ンヘンジに向けて三式弾を発射。この際照準はでたらめで構わない。

三式弾でECM装置を破壊後、ミサイル駆逐艦と戦艦は攻撃を開始、敵を撃滅する。

今回は衛星からの支援は出来ない。スト-ンヘンジはもともと宇宙空間から飛来する隕石を迎撃するために作られた砲・・・つまり衛星だって簡単に攻撃できる。むしろ隕石より簡単だろう。

次にメガリス攻略隊は機動艦隊にて出撃、泊地に接近する。

その後艦載機を随時発進させメガリスに接近する。

メガリスを攻撃するには航空機でトンネル状の通路に突入する必要がある。

メガリスには3つのジェネレ-タ-があり、この3つを破壊すれば一時機能が停止する。

その機能が停止してる間に施設中央の扉を艦砲射撃にて破壊、再び航空機が再突入、中にある弾道ミサイルを破壊し脱出する。

非常に難易度が高い作戦だ。

この作戦では支援艦隊を出撃させれないため横須賀鎮守府より長距離ミサイル支援を行う。

 

「・・・航空機で可能なんでしょうか・・・」

 

「大丈夫だ。赤城の艦載機ならやれる」

 

大丈夫なんて根拠はどこにもない。

無責任な事を言ったと思っているが・・・。

 

「作戦開始は明日だ。明日に備えてくれ。以上!」

 

「あの・・・司令官さん・・・」

 

「ん?何だ?」

 

「怖いのです・・・」

 

「俺だって怖いさ。ただお前らのほうが怖いのだって分かってるよ」

 

「・・・」

 

「俺はな・・・あの二つを破壊したって知ってるか?」

 

「はい・・・前に聞いたのです」

 

「本当ならみんなに行ってほしくないんだ。あの悪魔の兵器のある場所に」

 

あの二つがもたらした被害は忘れることなんて出来ない。

 

「でもお前らならやれるって信じてる」

 

「はい・・・」

 

電の顔にはやはり元気がない

 

「電、今は部屋に戻れ、な?」

 

「はい・・・」

 

「あ、電」

 

「?」

 

「これ、俺がこの二つを攻撃したときに持っていたお守りだよ。貸してやるから必ず返しに来るんだぞ、いいな?」

 

「はい・・・ありがとうなのです・・・!」

 

電はお守りをギュッっと抱きしめ部屋に向かっていった。

 

「俺も・・・準備するかな」

 

横須賀に無線で持ってきてもらう品を伝える。

 

「深海の連中に・・・死神の姿を見せてやるか・・・リボン付きの・・・な」

 




完全にAC04です本当に(ry

それより04と5とZEROのリメイクまだですかああああああああ!!!!


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砕ける空 後編

「懐かしいな・・・」

 

横須賀から送られてきた機体を撫でながら呟く。

リボン付きの死神か・・・

スカイアイもまさか俺がこんな島国の鎮守府で艦隊指揮を執っているなんて夢にも思わないだろうな。

オメガなら目の色変えて突撃(イジェクト)してきそうだけど・・・。

 

「あ、大佐さん!電さんが探してましたよ!」

 

「ん?電が?」

 

「はい。あれ、その飛行機どうしたんです?」

 

「横須賀から送ってもらった」

 

「もしかして・・・行くんですか?」

 

「いや・・・あいつらにもしものことがあったらだよ」

 

「そうですか・・・それより電さんのところに行ってあげてください」

 

「ん、了解」

 

そんなわけで電を探しに行く。

 

「おーい、電ー!どこだー!」

 

名前を呼びながら探していると・・・

 

「あ、司令官さん!やっと見つけたのです・・・」

 

「どした?」

 

「あの・・・明日のことなんですけど・・・」

 

「明日?どした?」

 

「編成聞いてないのです・・・」

 

「あれ・・・言ってなかった・・・?」

 

「はい・・・」

 

「す、すまん!!今から伝えるよ!」

 

俺としたことが忘れてた・・・てか!何で誰もそこに質問しないの!?

とりあえず編成は水上打撃艦隊、旗艦が大和、ミズ-リ、ピョ-トル、長門、榛名。水雷戦隊旗艦がいそかぜ、JPJ、クズネツォフ。

 

機動艦隊旗艦がアンドロメダ、赤城、加賀、ケストレル、金剛。水雷戦隊旗艦が電、響、暁、雷、雪風、うらかぜ。

 

この編成で向かう。

 

「これを伝えてくれるか?」

 

「分かったのです!」

 

「電・・・危険な作戦だが・・・気をつけてな」

 

「はい!」

 

作戦案もまとまった。

いったん部屋に戻ろう。

作戦開始は明日の朝だ。

 

 

 

~翌日(いそかぜ)~

 

作戦開始の朝。

すでに私達は洋上に居る。

 

「機動艦隊の方とはここでいったんお別れですね」

 

「はい、いそかぜさんお気をつけて」

 

「電さんも」

 

機動艦隊が別れ私達は進路を変えずに航行する。

 

<<こちら舞鶴鎮守府、スト-ンヘンジ攻略隊、聞こえるか?>>

 

「こちらいそかぜ、感度よし」

 

<<まもなくレ-ルガンの射程圏だ。砲撃来るぞ!>>

 

その通信の数秒後、ものすごい轟音が空に響いた。

 

「ぐぅっ!これがレ-ルガンってやつか!!」

 

「空が・・・砕けた・・・」

 

「全艦最大戦速!!花火の中に突っ込むぞ!!」

 

長門さんの号令とともに増速、接近を開始する

 

「SPY起動・・・ジョンさん、イージスを起動しましょう!」

 

「おう!」

 

「まもなく主砲射程圏です!三式弾装填!!」

 

<<スト-ンヘンジ砲撃!!5・・・4・・・3・・・2・・・インパクト!!>>

 

ものすごい轟音と衝撃波・・・押しつぶされそうだ。

 

「目標!主砲射程圏!!全主砲薙ぎ払え!!」

 

「全主砲、斉射!てーっ!!」

 

「主砲、てー!!」

 

「主砲!砲撃開始!!」

 

4隻の戦艦から三式弾が発射される。

命中を祈るばかりだ。

レ-ダ-を見てもスト-ンヘンジは靄のようなものに覆われていて何も分からない。

 

<<衛星よりデ-タ受信・・・敵艦隊!そちらのすぐ近くだ!>>

 

「了解、こちらもレ-ダ-に捕らえました!ロックオン!!」

 

「やるか?」

 

「はい!TPex・・・撃ちー方ー始めっ!!てーっ!!!」

 

「一斉撃ち方!!」

 

ジョンさんと私から長距離ミサイルを発射する。

敵艦はみた感じ戦艦が中心のようだ。

 

「三式弾・・・弾着確認できますか?」

 

「少し待ってください・・・確認!さっきより靄が少なくなってます!ダメ-ジを与えてます!!」

 

「了解しました!!次弾装填急いで!装填できた艦は砲撃してください!」

 

「榛名!全力で参ります!!」

 

榛名さんが一足先に第二射を斉射する。

続いてミズ-リさん、長門さんと続き砲撃を行う。

 

「三式弾・・・弾着!!」

 

レ-ダ-を見ると・・・

 

「命中!!電子攻撃システムダウン!司令官行けます!!」

 

<<よし!一斉撃ち方!!鉄の雨を降らせてやれ!!>>

 

「了解!トマホ-ク、攻撃始め!!」

 

「グラニ-ト・・・やっちゃえ!!」

 

「敵機確認・・・くるぞ!速い!!」

 

ジョンさんが空を見上げて叫ぶ。

あの機影・・・SU-37・・・スホ-イ!?

 

「スホ-イ接近!」

 

「もうボクの国のじゃないか!!撃ち難いよ!!」

 

「そんな事言ってる場合か!!撃て!!」

 

「分かってるよ!!」

 

「大和さん!対空戦闘は任せて砲台を攻撃してください!!」

 

「分かりました!!・・・幸運を」

 

「大和さんも!!」

 

大和さんたち戦艦隊は増速・・・離れていく

 

「対空戦闘!シ-スパロ-発射!」

 

空中にミサイルをばら撒く。

CIWSや速射砲の砲弾が空中にばら撒かれる。

 

「この戦闘機速い!」

 

<<・・・いそかぜ、その戦闘機のカラ-リングは?>>

 

突然司令官より無線が入る。

カラ-リング?

 

「えっと・・・両翼が黄色く塗装されて全体的にグレ-です」

 

<<・・・黄色中隊か・・・そこまで真似るか・・・>>

 

「なんの話ですか?!」

 

<<帰ったら話す、今は迎撃に集中せよ!>>

 

「了解!!」

 

ところ狭しとばら撒かれるミサイルや砲弾、機銃弾のおかげで敵機は確実に数を減らしていく。

だが一機だけどうしても落ちない。

機種に13と書かれた戦闘機だけは弾がかすりもしない

 

「何なんですかあの戦闘機!!」

 

「さすがボクの国の戦闘機だけあr・・・わあああああ!!!」

 

「褒めてる場合か!!」

 

「貴様は祖国を裏切った!」

 

「何の話だよ!!」

 

こうなったら最終手段・・・アポト-シスを空中で炸裂させて落とすしかない。

アポト-シスは着弾地点に強力な電磁パルスを発生させる。

その電磁パルスは周囲のものを無差別に行動不能、最悪破壊することが出来る。

・・・でも私がやるしかない。

 

「皆さん・・・ここから離れてください」

 

「何する気だよ!!死ぬぞ!」

 

「電磁パルスを発生させます!」

 

「お前・・・・それって・・・」

 

「大丈夫、核兵器なんて使いません」

 

 

「・・・分かった。ピョ-トルとともに海域を離れる。幸運を」

 

私は無言で敬礼する。

アポト-シスの炸裂地点は・・・・真上。

 

「アポト-シス・・・VLS開放」

 

CIWSで敵機を追い掛け回しジョンさん達のほうに行かないようにする。

この場所で炸裂させれば私はただではすまないだろう。

でも方法がこれしかない。

敵は確実に私達にダメ-ジを与えていく。

たった一機でこんな損害だ。

 

「・・・アポト-シス、発射・・・始め」

 

真上に向けて真っ赤な塗装がされたミサイルが発射される。

炸裂高度は約800m。

・・・落ちろ!!

 

「ふぅ・・・ごめんね、うらかぜ」

 

上空で大きな爆発が発生し敵機がコントロ-ルを失ったのが見える。

同時にものすごい衝撃波が私を襲う。

システムがダウンしていくのが分かる。

同時に意識が遠のいていった。

 

 

 

 

~大和~

 

遠くで大爆発が見えた。

 

「いそかぜさん・・・」

 

「あいつなら大丈夫だ」

 

「はい、長門さん、徹甲弾は撃てますか?」

 

「大丈夫だ」

 

「ジョンポ-ルジョ-ンズさん、レ-ダ-で目標を指示できますか?」

 

「ああ、出来る」

 

「了解しました。主砲砲撃準備!目標は?」

 

「距離・・・20km・・・方位2-3-0!」

 

「了解!第一第二主砲、斉射、始め!!」

 

「主砲、撃て!!」

 

砲撃を開始。

当たって・・・!!

 

<<スト-ンヘンジが砲撃を再開!!くるぞ!!>>

 

遠くの島が光る。

でもここは高度600m以下・・・大丈夫!

 

<<5・・・4・・・3・・・2・・・インパクト!!>>

 

その瞬間・・・空と海が砕けた。

 

「きゃあああああ!!!」

 

「ぐっ・・・!!戦艦が簡単に沈むか!!」

 

「あの化け物・・・地対艦攻撃も出来るのかよ・・・!!」

 

「早く止めないと・・・!!」

 

損害は戦艦隊は軽微ですんだが駆逐艦・・・ジョンポ-ルジョ-ンさんは小破してしまった。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「俺なら大丈夫だ!」

 

<<大丈夫か!?>>

 

「大丈夫です!砲台は・・・」

 

「レーダーで砲台2基の破壊確認!!」

 

「あと6基・・・主砲、三式弾に切り替え!!」

 

「三式!?そんなんじゃ・・・」

 

「敵の砲撃の瞬間を攻撃します・・・うまくいけば誘爆で・・・」

 

「無茶だ!そんなのどうやったら・・・」

 

「・・・俺のレ-ダ-か?」

 

「はい」

 

イ-ジス艦のレ-ダ-なら・・・

 

「分かった。発射のタイミングを演算する」

 

「お願いします」

 

主砲を向け、待機する。

 

<<舞鶴より横須賀ミサイル管制!アトラス、気化弾頭!スト-ンヘンジ周辺に存在する敵姫クラスを撃沈する!>>

 

提督が横須賀に連絡する。

弾道ミサイルなら・・・

 

<<メガリスにも弾道ミサイルを使った・・・これが最後のミサイルだ>>

 

「分かりました。・・・外さないでくださいね」

 

<<ああ、分かってる>>

 

「捕らえた!!砲撃予測時間・・・あと1分後!」

 

「了解しました!」

 

一分・・・ちょうど私達の砲弾が着弾するころだ。

 

「主砲!!撃て!!」

 

「全主砲!てー!!」

 

「主砲!!撃ちまくれ!!」

 

「主砲!砲撃開始!!」

 

4隻から一斉に砲撃・・・当たって・・・お願い!

 

「発射予測まであと10・・・」

 

「当たって・・・お願い・・・!!」

 

「5・・4・・・3・・・2・・・1・・・弾着!!」

 

その瞬間スト-ンヘンジで大爆発が起きる。

 

「やったぞ!命中命中!!」

 

<<命中確認!!スト-ンヘンジ機能停止確認!!>>

 

「やった・・・!!」

 

<<あとはメガリスか・・・>>

 

私は勝利の喜びでいっぱいだった。

そして私は空を見上げた。

 

「この空が・・・晴れていたら良かったんですけどね」

 

「ああ・・・まったくだ」

 

そんな会話をしていると空が赤く光り一本の光が降って来た。

 

「ユリシ-ズ・・・!!」

 

轟音を響かせながら雲を引き裂いたソレは私達の目の前まで迫ってきた。




今回は面白く出来たと信じたい。
熱い展開を書いてみたいけど難しいぜよ・・・


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MEGALITH-メガリス- 

~大和~

 

「そんな・・・ここまで来て・・・」

 

目の前に迫ってくる直径30m前後の巨大隕石・・・直撃すれば大和型とは言えただではすまない。

 

「提督・・・ごめんなさい・・・」

 

私は静かに目を閉じた瞬間・・・

 

「主砲撃て!!」

 

轟音が轟く。

私は目を開けると目の前には主砲から煙を上げている長門さんが居た。

 

「長門さん・・・」

 

「大丈夫か?!」

 

「はい、だいじょb・・・あつっ!?」

 

大丈夫と言おうとした瞬間、41cm砲弾で粉砕された隕石の破片が当たった。

まだ大気圏突入の熱を持っているのですごく熱い。

 

「ははは、大丈夫か?」

 

「なんとか・・・」

 

「あとは要塞だけか・・・」

 

「そうですね・・・そういえばいそかぜさんは?」

 

ふと周りを見渡した私は違和感に気づく。

いそかぜさんが居ない。

 

「そういえばさっきから帰ってきてねーな・・・さっきの爆発・・・まさか!!」

 

「・・・最悪の事態を想定したほうがいいな」

 

「刺し違えてでも落とした・・・のか・・・」

 

私もその最悪の事態を想像しつつ捜索に向かった。

 

 

 

~零戦妖精(メビウス1)~

 

「第一次攻撃隊、発艦してください!」

 

「ラーズグリーズ、出撃!」

 

赤城さんから矢が放たれ数機の戦闘機になる。

私もその中に一機だ。

 

「降って来たわね・・・」

 

雪がパラパラと降り始める。

 

<<そうだね・・・こんな海での脱出は悲惨・・・頼むね一番機>>

 

「任せない!でもアンタは被弾姫だから知らないけど」

 

<<ひどっ!!私は今メビウス隊だもん!!>>

 

「名前が変わったからって変わるものなのかしら・・・」

 

<<舞鶴鎮守府より全機、これより航空隊の指揮はE-2早期警戒機、コールサイン「スカイアイ」が担当する。俺は艦隊指揮だ。頼むぜ航空隊>>

 

「了解!報酬はきっちり用意しといてねっ!」

 

<<部隊が全機無事であればだ>>

 

「へへん!お財布握り締めて待ってなさい!!」

 

そんな会話をしていると・・・

 

<<SkyEye here,All Mobius aircraft, report in>>

 

<<Mobius 2 on standby>>

 

<<Mobius 3 through 7 on standby>>

 

<<Mobius 8 on standby>>

 

<<Preparations are complete. Ready for battle. All aircraft, follow Mobius 1!>>

 

何でみんな英語!?ま、まァいいや、さァ行くか!

 

「みんな!全速で行くよ!!」

 

<<Mobius1 engage>>

 

何でみんな英語なの!?何でなの!?

そんな事は置いといて・・・

 

<<航空隊の皆さん、損傷を受けたらすぐに帰ってきてください!いつでも対応できます!>>

 

「分かりました!増援機は?」

 

<<えっと・・・>>

<<行こう・・・雪風>>

 

「・・・誰」

 

赤城さんの声と澄んだ妖精のような声が聞こえた。

 

「えっと・・・どなた?」

 

<<こちらB-3・・・雪風>>

 

「ま、まァいいや・・・さァ行くか!」

 

要塞にどんどん迫っていく。

赤い光の線が空に伸びている。

 

<<あのレ-ザ-は隕石を誘導するためのレ-ザ-らしい。そのためかなり強力だ。航空機が触れればただではすまないだろう>>

 

「やっと日本語しゃべったわね・・・」

 

そんな事に関心していると無線が入る。

 

<<メビウス8、エンゲ-・・・イジェェェェェェクト!!!>>

 

「なんでやああああああああああああああ!!!!!!!!」

 

喉が枯れそうになる大声を久々に出した気がする。

何で?何でオメガ11もといメビウス8はすぐイジェクトしてしまうん?

 

<<まもなく要塞に接近する、全機攻撃開始!!>>

 

「さぁみんな!!帰ったらホットウイスキ-と洒落込むわよ!」

 

<<飛ぶのが怖いやつは赤城さんまで帰って震えてな!>>

 

<<行こう・・・天使とダンスだ!>>

 

一気に降下、トンネル状の通路に向かう。

 

「メビウス1、突入します!」

 

<<こちら3、続きます!>>

 

<<こちらメビウス8、戦線復帰!>>

 

「はやっ!?あんたまだ落下傘で空中じゃないの!?」

 

<<リスポ-ン>>

 

「メタいわっ!!!」

 

そんな事言ってる間にトンネルに突入する。

 

「狭い・・・壁が迫ってくるみたい・・・!」

 

ラジコン飛行機のようなサイズとは言え、トンネルなんて飛んだことの無い場所だ。

 

<<くっ・・・後ろにつかれ----->>

 

<<ジョ-カ-1が落ちた!攻撃部隊残り10!>>

 

<<ジョ-カ-3もやられた!攻撃部隊残り8!>>

 

<<ドミノ4もダウン!!攻撃部隊は残り6!>>

 

無線から聞こえてくるのは落ちていく味方の悲鳴と報告・・・

私達だけでも生きてアレを破壊するしかない。

 

「みんな、絶対に生きて帰るよ!」

 

<<うん!私達にはリボンが付いてる!>>

 

だが・・・

 

<<くぅ!!こちらメビウス4被弾!!>>

 

「大丈夫!?」

 

<<なんとか・・・機体は飛ばせるよ!!>>

 

<<こういうときこそイジェクトよ!>>

 

「お前は黙ってろォォォォ!!!」

 

<<はーい・・・黙ってますから怒らないでください~・・・>>

 

<<えへへ・・・大丈夫、まだ戦える!>>

 

「いい?無理だと思ったら離脱しなさい!」

 

<<はい!>>

 

<<ジェネレ-タ-1に接近!各機攻撃に備えよ!>>

 

目の前に迫ってくるのは巨大な回転する柱のようなもの・・・これがジェネレ-タ-・・・

 

「目標・・・捕らえた!発射!!」

 

<<1に続く!撃て撃て撃て!!>>

 

<<撃て撃て撃て!!>>

 

銃撃を与えトンネルから脱出する。

 

「全機無事!?」

 

<<こちらメビウス3!全機確認!>>

 

「了解!」

 

引き続きジェネレ-タ-を攻撃しよう。

 

「メビウス1よりスカイアイ、分散攻撃を提案します」

 

<<分散攻撃・・・了解少し待て>>

 

<<隊長・・・本気ですか?>>

 

「うん、たぶん・・・このまま何回も突入すると墜落機がでるかも・・・」

 

<<・・・>>

 

<<こちらスカイアイ、作戦を承認する。ただし第二突入はラ-ズグリ-ズ、第三はB-3が突入する>>

 

「私達は?」

 

<<最後だ。扉をぶち破ったら突入、中にある弾道弾を破壊し施設を誘爆で吹っ飛ばす!>>

 

「了解!」

 

<<こちらラ-ズグリ-ズ、突入する>>

 

<<こちらエッジ、ブレイズに続く!>>

 

<こちらB-3、雪風。突入する>>

 

「みんな・・・幸運を」

 

突入していく味方機を眺めながら祈る。

その数十秒後、2箇所で爆発が起きる。

 

<<命中確認、あとは正面だけだ!>>

 

<<電より管制官さん!砲撃ですか?!>>

 

<<ああ、そうだ。撃て!>>

 

<<主砲!砲撃開始なのです!>>

 

<<撃ちー方ー始めー・・・用意!てー!!>>

 

一気に砲撃が扉に集中する。

いくら分厚い扉といえど、艦砲射撃を立て続けに受け崩壊した。

 

「穴が開いた・・・みんな、行こう!」

 

<<うん!!天使とダンスよ!>>

 

<<メビウス1へ、生き残るぞ!>>

 

当たり前!!

そう心で言い突入する。

 

「目標・・・捕らえた・・・撃て!!」

 

<<撃て撃て撃て!!>>

 

<<撃て!!>>

 

どんどん命中弾が叩き込まれミサイルが爆発を起こす。

私達は何とか巻き込まれる前に脱出が出来た。

 

「ふぅ・・・何とか・・・脱出できたね・・・」

 

<<一時はどうなるかと思ったよ>>

 

「あんたは一回脱出して帰ってきてたよね・・・」

 

<<ドヤッ!>>

 

「・・・・・」

 

<<へへん、そんな事より隊長聞いてよ!>>

 

「ん?何?」

 

妙にうれしそうなメビウス8。

 

<<私、実は基地に恋人が居るんだよ!帰ったら私からプロポ-ズしようと!花束も買ってあったりして・・・>>

 

あ・・・(察し

 

<<警告、アンノウン急速接近中!ブレイクブレイク!!>>

 

<<へっ・・・うわああああああ!!!>>

 

オ、オメガアアアア!!と叫ぼうと思ったら。

 

<<エイムが甘いッ!!>>

 

バレルロ-ルで華麗に交わした先に飛んでいた味方と衝突した。

 

<<キャアアアアア!!!メビウス4、イジェクト!イジェクト!!>>

 

<<イジェェェェェェェェクト!!>>

 

二人が脱出していった。

お前何してんねん。

 

「あ~・・・赤城さん、バカ一人が味方を巻き込み墜落、救助は被害者のメビウス4を優先してあげて。オメガ11・・・メビウス8はMIA(作戦行動中行方不明)で報告してください」

 

<<は、はぁ・・・>>

 

<<あ、あたしを見殺しにすんじゃないわよォォォ!!!>>

 

「え・・・ちょっ!?」

 

パラシュ-ト降下中のメビウス8は突然スパナを投げてきた。

いきなりのこと過ぎて対応できず直撃してしまう。

しかもソレがエンジンに突き刺さり火災が発生する。

 

「ちょちょちょ!!イジェクト、イジェクト!!!」

 

<<アタシを見殺しにしようとするからバチがあたったのね!!>>

 

「・・・あんた覚えてなさいよ」

 

その後帰還時にメビウス8だけ雪が降り凍えるような寒さの海にビキニ姿で浮き輪と一緒に括り付けられ放り込まれたとさ。

帰ったら風邪引いてたけどそれはまた別の話。

てか何で風邪引くだけですむのアンタ。

 

 

 

 




シリアスとは一体。

次は帰還時の話を書こうかとね!
メガリス編は短かったかな・・・?


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ラーズグリーズ海峡の悪魔

~いそかぜ~

 

「う・・・ん・・・?」

 

ふと目を覚ます。

すごく寒い。

周りには氷山が浮いている。

いったいどこまで流されたのだろう・・・

 

「あれ・・・ここ・・・あ、そうか・・・」

 

アポト-シスを上空で炸裂させ敵機を撃墜したことまでは覚えている。

そこから気を失っていたのだろう。

 

「SPY、火器管制レ-ダ-が壊れてる・・・あと・・・ああレ-ダ-類は全部か・・・」

 

ほかにもGPSなど航法に必要なものがほとんど壊れている。

ミサイルも誘導装置が破損、唯一使えるのは主砲くらいだ。

主砲も自動装填装置が破損、装填を手動で行うしかない。

とにかく電子装置がすべて壊れていた。

唯一壊れていない電子制御のパ-ツは機関のみだ。

とりあえず航行に支障はなさそうだ。

 

「これじゃ大昔の船ですね・・・」

 

味方はたぶん私のことを探しているだろう。

それにしても・・・我ながらアポト-シスって恐ろしい威力だと思った。

 

「とりあえず・・・なるべく動かないようにしないと・・・」

 

錨を下ろしその場に固定する。

あとは味方が見つけてくれるのを願うしかない。

 

「せめて無線機だけでも生きてたらなぁ・・・」

 

無線機も破損している。

私は空を見上げた。

 

「雲が出てきてる・・・雨が降りそう・・・」

 

雨が降るとなると捜索は一時中断だろう。

おまけにここは寒い。

作戦海域の近くにも氷山が浮いていたのでそんなに遠くに来たわけではないと思う。

 

「いったんこの場を離れて・・・でも・・・」

 

この場を離れるということは運がよければそのまま艦隊と合流できるかも知れない。

その確立は限りなくゼロに近いが・・・

捜索機も来ない可能性が高くなる。

だが動かないと敵に補足されればアウトだ。

 

「このまま・・・東に進んでみますか」

 

錨を上げ、機関を始動させる。

しかし流された距離や現在位置が不明。

燃料も後半分よりちょっとあるくらいだ。

 

「うらかぜ・・・もう会えないのかな・・・」

 

私はそんな最悪の状況を想像してしまっていた。

 

 

~提督~

 

「いそかぜが行方不明!?」

 

<<すみません・・・スト-ヘンジに向かう道中で・・・>>

 

「・・・了解した、こちらは衛星から捜索する、捜索を継続してくれ」

 

<<了解しました。あの・・・うらかぜさんには・・・>>

 

「一応伝えておこう・・・アイツのレ-ダ-が役に立つはずだから」

 

<<はい・・・分かりました>>

 

なんて事だ・・・現場海域で強力なEMPが確認されたが・・・アポト-シスでも使って巻き込まれたのだろう。

 

「あのバカ・・・」

 

 

 

 

~いそかぜ~

 

システム全部ダメかな・・・

 

「妖精さん、航法装置だけでも復旧できませんか?」

 

<<ちょっと待ってー!動けこのポンコツが!動けってんだよ!!>>

 

「あ、あの・・・一応精密機械なんですけど・・・」

 

そんなツッコミしてると・・・

 

「あれ・・・GPSが直った!?」

 

<<この手に限る>>

 

※この手しか(ry

 

「現在の位置は・・・えっと・・・ラ-ズグリ-ズ海峡・・・」

 

周りには氷山が浮いている。

ラ-ズグリ-ズ海峡・・・えっと・・・

デ-タを参照する。

 

「ここは・・・えっと・・・エメリアとエストバキアの境目ですか・・・私の知ってる国名に地名に・・・全部違う・・・」

 

唯一知ってるのはアメリカと日本くらいだ。

ロシアがユ-クトバニアと呼ばれていたりドイツはベルカと呼ばれていたり・・・

ただ過去のデータによるとドイツやロシアも二次大戦あたりでは名前は私の知ってるものと変わらなかった。

 

「不思議ですね・・・」

 

燃料を無駄に消費しないように航行する。

 

「レ-ダ-は直りませんか?」

 

<<ちょっと待ってね・・・動けこのポンコツ(ry>>

 

ポンコツって・・・それ最新鋭の機械ですよ・・・

というツッコミを心の中でする。

 

<<あ~・・・マスタ-・・・?>>

 

「どうしました?」

 

<<壊れちゃった☆>>

 

「はぁ!?」

 

<<え、えへへへ・・・配電盤ぶん殴ったら・・・>>

 

「・・・何してるんですか・・・」

 

<<ほ、ほら!きっと壊れかけだったんだよ!>>

 

「・・・止め刺しましたけどね・・・」

 

<<あ、あははは・・・>>

 

「はぁ・・・」

 

味方艦隊の位置が知りたいです・・・

そんな事してると遠くにチカチカ光るものがあった。

発光信号?

 

「んっと・・・所属と船名を明らかにせよ・・・」

 

私は発光信号で所属、船名を伝える。

すると発光信号がピタっと止んだ。

 

「発光信号が・・・一応攻撃用意・・・」

 

主砲に初弾を送り込んでいると・・・

 

「いそかぜぇぇえぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

「うらかぜ!?」

 

「うああああああ!!良かったよおおおおお!!!」

 

「ちょ、ちょっと・・・」

 

遠くから全速力でうらかぜが突っ込んできた。

 

「もう会えないがどおぼったよおおおおお・・・・」

 

「う、うらかぜ・・・汚いですよ・・・」

 

鼻水と涙で服が・・・

 

「うわああああああ!!」

 

「よしよし・・・」

 

何で私が慰めてるんですか・・・

10分くらい慰めているとやっと落ち着いてきた。

 

「うらかぜ・・・ありがとう・・・」

 

「えへへ、なんたって私はいそかぜの彼女ですから!」

 

「ふふ・・・そうですね」

 

「あ、そうそう。もうちょっとしたら艦隊がこっちに来てくれるって」

 

「分かりました」

 

そんな会話をしていた。

すると遠くから何か女性の声のようなものが聞こえた。

 

「あれ、何ですか?今の」

 

「う~ん・・・アナウンスみたいだけど・・・」

 

「何かを発進・・・?といってたのは聞こえたんですが・・・」

 

「なんだろ・・・」

 

耳を澄ます。

すると・・・

 

『スタウロス装填完了、発射準備OK』

 

「スタウロス・・・なんですかね・・・」

 

「う~ん・・・?」

 

『スタウロス発射5秒前・・・4・・・3・・・2・・・1・・・発射!』

 

直後ものすごい轟音が響く。

 

「な、何の音ですか!?」

 

「私にも・・・レ-ダ-にアンノウン補足!」

 

「くっ・・・レーダ-さえ壊れていなければ・・・!」

 

「方位から目標を推測・・・目標は東京!」

 

東京・・・!?そんな・・・

 

「司令官に報告を!」

 

「分かってる!」

 

私は轟音のあった方向を目を凝らしてよく見る。

そこには・・・

 

「な、なんですか・・・あれ・・・」

 

そこには港湾棲姫によくにた姿形をしているが肩からものすごい長砲身の砲が生えている。

その周りには浮遊要塞のような物体が12も浮いており、各個が同時に大量の煙を吐き出していた。

 

「は、はやく艦隊に・・・見つかると危ないです!」

 

「た、確かに・・・あれはヤバそう・・・」

 

私達は急いで進路を味方艦隊に向けて増速した。

 




エ-スコンバット6ほしいよぅ・・・
何でPS3で出さんのじゃバンナムぅぅぅぅぁぁぁぁ!!!!




設定に世界情勢を追加しました。


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シャンデリア攻落 前編

「東京に巡航ミサイルが十数発着弾・・・」

 

俺は今朝そんなニュ-スを見ていた。

それと同時に横須賀鎮守府の防空司令部に問い合わせもした。

 

「んで、レーダーは何も捕らえていなかったのか?」

 

<<いえ・・・一瞬だけ・・・>>

 

「なんでそれを報告しないんだよ!」

 

<<それが・・・レ-ダ-スコ-プ上をものすごい速さで通りすぎていったので・・・>>

 

巡航ミサイルにしては速すぎる。

なにより十数発もあれば絶対にどこかのレ-ダ-が捕らえているはずだ。

 

「いったいどんな兵器使ってんだ・・・」

 

<<速度から考えて・・・レ-ルガンかも・・・>>

 

「巡航ミサイルを発射するレ-ルガンねぇ・・・ん、待てよ・・・」

 

一つだけ心当たりがある。

 

「すまん、今すぐ情報部にシャンデリアという兵器について調べてくれと伝えてくれ」

 

<<シャンデリア・・・了解しました>>

 

通信を切る。

シャンデリア・・・俺は名前と噂しか知らないが・・・

 

「大佐さん・・・東京は・・・」

 

「何とかまだ政府機能を保ててるよ。着弾位置が霞ヶ関を中心に半径30kmにランダムに着弾してる」

 

「陛下は大丈夫なんでしょうか・・・」

 

「ああ、あそこはホワイトハウス並みに防空兵器あるから大丈夫大丈夫」

 

「何で皇居がそんなに重装備なんですか!?」

 

「何か陛下がホワイトハウスってカッコよくね?俺らもそんな風にしようぜって」

 

「国の象徴がそんなのでいいんですかね・・・」

 

「いんじゃね?」

 

対空兵器まみれに江戸城・・・時代の流れを感じるな・・・

一気に200年くらい流れるけど。

 

「あ、艦隊が帰還されたみたいですね」

 

「よかった・・・損害はなさそうだな・・・」

 

「本当に・・・よかったです・・・」

 

「とにかくいそかぜをすぐ入渠させよう」

 

「ドックは開いてます!」

 

「あとみんなを会議室に」

 

「了解しました」

 

少将が部屋を出て行ったと同時に情報部からデ-タが届く。

 

「お、来た・・・」

 

デ-タ-を開こうとしたとき、司令室に電が飛び込んできた

 

「司令官さんんん!」

 

「おう!?ど、どした!?」

 

「と、東京は・・・横須賀は無事なのですか!?」

 

「あ、ああ。政府機能は何とか・・・横須賀鎮守府も無事だよ」

 

「よかったのです・・・」

 

「そだ、電、また出撃かも知れん・・・大丈夫か?」

 

「補給さえ出来れば・・・今度はどこなのです?」

 

「・・・ラ-ズグリ-ズ海峡・・・北の海だ」

 

たぶん俺は今ものすごい顔になっていると思う。

正直、もう艦娘を過去の悪魔と戦わせたくない。

 

「司令官さんがそんな顔するってことは・・・大変な任務・・・なんですよね」

 

「ああ。正直、行ってほしくない」

 

「でも・・・行かないと・・・ですね」

 

「・・・」

 

俺は無言で送られてきたデ-タ-を開く。

電に詳細を見せるためだ。

 

「電・・・相手は・・・こいつだ」

 

「・・・何なんですか・・・これ」

 

絶句している。

むしろしないほうがおかしい。

超巨大な砲身・・・写真だけでも装甲がかなり厚いのが見て分かる。

大和の徹甲弾ですら抜けないだろう。

 

「名前はシャンデリア、スト-ンヘンジと同じで最初は平和利用のために作られたんだ」

 

だが、途中で計画は頓挫する。

そして・・・兵器転用が始まる。

コイツはスタウロスと呼ばれるミサイルコンテナ弾を亜光速で打ち出し、目標手前で分裂、中から多数の巡航ミサイルが発射される。

これは、人を殺すという目的の元開発されたようなものだ。

平和利用の物が悪魔に成り下がった良い例だ。

 

「電・・・頼む、必ず・・・必ず帰ってきてくれ」

 

「もう・・・それって死亡フラグなのです・・・言われなくたってちゃんと帰ってきますよ、司令官」

 

電は雷をまねて袖をまくりポ-ズを取る。

 

「よし、作戦会議だ。俺の鎮守府にはもう弾薬が残っていない、これ以上発射されると迎撃は出来なくなる」

 

「分かったのです!」

 

電と一緒に作戦会議室に向かう。

 

「今回の作戦を説明する!」

 

画面に海図と写真を映し出す。

 

「これが今回の破壊目標・・・シャンデリアだ」

 

「シャンデリア・・・エストバキアのレ-ルガンですか・・・」

 

「ああ。それで写真を見てくれ。こいつの周りに浮遊する浮遊要塞のような物体が大量の煙を吐き出しているのが分かるか?」

 

「これは・・・?」

 

「これがコイツの弱点・・・冷却装置だ」

 

「はは!丸出しじゃねーか!」

 

「ああ、本当にそのままならな・・・たぶん、装甲厚が大和の砲弾でも抜けるかどうかだ」

 

「私の砲弾でも・・・ですか・・・」

 

「ああ。ただ、それは側面の話だ。正面・・・煙を吐いている部分は比較的装甲が薄い。ここは航空機のミサイルでも貫通可能だ」

 

今回は航空作戦が主力となる・・・が、相手は兵器の形をしておらず深海棲艦になっている。

反応だって早いはずだ。

反応のやたら早いレ-ルガン・・・うっ、頭が・・・

 

「つまり、正面角度から攻撃を行い冷却装置を破壊するんだ!」

 

「編成は?」

 

「今回は・・・」

 

機動部隊に赤城、加賀、ケストレル、クズネツォフ、レールガン攻撃部隊に大和、長門、ミズ-リ、うらかぜ、ピョ-トル、JPJ、雪風だ。

いそかぜは艤装が電子的に破壊されているため出撃が出来ない。

 

「この編成だ」

 

「私達は突撃して撃破か・・・胸が熱いな」

 

これだけの軍勢・・・普通の相手ならひとたまりもないだろう。

でも相手があの化け物だ。

俺はゲロを吐きたくなるくらい言いたくない命令を言わないといけない。

 

「今回の作戦・・・」

 

こんな命令を言いたくない。

だけどこのタイミングを逃せば東京は壊滅、日本は深海棲艦の手に落ちるだろう。

 

「・・・撤退は許可できない、全力で敵を破壊しろ」

 

許してくれ・・・




エスコンネタがありすぎて困るぜ!
今回は少し微妙だけど・・・


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シャンデリア攻落 後編

今回はマジで微妙


~JPJ~

 

撤退は許可しない・・・か

 

「間もなく目標海域です、赤城さん、索敵機を」

 

「分かりました」

 

赤城から艦載機が上がっていく。

俺もレ-ダ-を起動させ周囲を見張る。

 

「・・・とらえた。バカデケェのが」

 

「距離はいくらですか?」

 

「えっと・・・40㎞・・・薄い霧のせいで目視は無理だな」

 

そんな会話をしていると・・・

 

『スタウロス発射5秒前・・・4・・・3・・・2・・・1・・・発射!』

 

ものすごい轟音が響く。

 

「目標から高速飛翔体!行先は・・・東京!」

 

「そんな・・・・こうなったら攻撃を・・・」

 

「分かった、レ-ダ-で砲撃を指示する」

 

「お願いします!」

 

大和、長門、ミズ-リさんの主砲が動き出す。

目標はあのバケモノだ。

 

「全主砲、撃て!!」

 

海に轟く砲声・・・レ-ダ-に多数の砲弾が表示される。

 

「弾着まで40秒!赤城、艦載機を!」

 

「第一次攻撃隊!発艦!」

 

艦載機が上がっていく。

ここからは航空戦力が主体になる。

俺は上がっていく零戦を眺めていた。

 

 

 

~零戦妖精(メビウス)~

 

「メビウス1より全機、戦闘準備はOK?」

 

<<こちら2。OK!3~7もOK!>>

 

「メビウス8、被弾姫?」

 

<<だから被弾姫って言うなぁ!!OKだよもう!>>

 

「はは・・・怒らないの・・・」

 

そんな話をしていると相手が見えてくる。

 

<<こちらJPJ、各機に敵のデ-タを転送する>>

 

工廠の仲間から機体に取り付けてもらったPDAにデ-タが来る。

 

「これは・・・」

 

表示される100を超える目標・・・

ところどころ赤い表示がある。

これがタ-ゲットだろう。

 

「メビウス1より全機!行くわよ!」

 

<<了解!>>

 

一気に降下し目標に向かう。

 

 

 

~提督~

 

「もう・・・交戦が始まったか・・・」

 

「司令官さん、落ち着きがないですよ?」

 

「電もその割にはえらい震えてる気が・・・」

 

「な の で す ?」

 

「・・・・・なんでもありません」

 

すっごい怖い笑顔向けられた。

死ぬかと思いました(小並感

 

「シャンデリアのミサイルコンテナはぎりぎり迎撃できたが次はどうなるか・・・」

 

「もう弾切れなのですか?」

 

「いや、対応しきれない可能性があるんだ。もしかしたらここを狙ってくる可能性だってある」

 

「こ、ここですか!?わ、わたしはどうすれば・・・」

 

「い、いや少将はそんなにビビらなくても大丈夫だと思う・・・」

 

そんな話をしながら衛星から送られてくる映像を睨む。

 

「そういえば電・・・編成に入れなった事・・・何も言わないのか?」

 

「・・・司令官さんの考えてる事・・・大体分かってるのです」

 

「・・・」

 

「私も・・・危険な目に合わせたくないのは分かってるのです」

 

お見通しか・・・さすが嫁だなぁ

 

「確かに今は戦って仲間を守りたいのです。でも・・・私だって愛する人の前から消えたくないのです。だから・・・正直ほっとしてるのです」

 

「・・・電・・・」

 

「あ、あの・・・私お邪魔ですよね・・・」

 

気まずそうな顔をして少将が出ていった。

 

「電・・・」

 

「司令官さん・・・」

 

電が寄ってくる。

女の子らしい匂いが香ってくる。

 

「でも・・・今度仲間外れにしたら承知しないのです」

 

「ああ、わかってる」

 

そういって電は軽くキスをしてきた。

 

 

 

~零戦妖精~

 

<<対空機銃撃h------>>

 

<<2番機が落ちた!>>

 

<<クソ!弾幕が・・・!>>

 

無線からは味方の悲鳴しか聞こえてこない。

 

「冷却装置は・・・見つけた!!」

 

真正面から60㎏爆弾を放り込む。

冷却装置は以外と脆いらしく60㎏爆弾でも簡単に破壊できた。

 

「冷却装置破壊!これで6基目!」

 

あと私はもう一つ弱点を見つけた。

敵の腰についている工場のような物から例の砲弾が出てきていた。

それは簡単に破壊することができ、誘爆でダメ-ジを与えていた。

 

「あの砲弾・・・案外脆い・・・」

 

見た目は重厚だが装甲は薄いらしい。

 

<<こちらメビウス8!イジェェェェェェェェェクト!!>>

 

「うおおおおおおおおい!!!!!!!」

 

なんでまたイジェクトしてんねん!!

ちなみに空になった機体は冷却装置に直撃、破壊していた。

残りはあと一個!

 

「あとは・・・あそこ!!」

 

一気に降下し銃撃を浴びせる。

すると当たり所が良かったのか爆発を起こす。

 

「あとは非常用・・・どこに・・・」

 

上空から探しているが大和さんたちの砲撃の爆炎でよく見えない。

すると・・・

 

<<こちらメビウス8!単機で降り、冷却装置を破壊する!>>

 

「いつ帰ってきたのよ!!てか無理!!そんなのダメ!!」

 

<<危険なのは承知の上だよ。天使とダンスだ!!>>

 

「バ、バカ!!」

 

メビウス8は敵の股のしたにある溝のような場所に潜り込む。

すると・・・

 

<<破壊!破壊!!>>

 

「や、やるじゃない!!そんなことより高度を・・・・」

 

<<・・・・>>

 

「どうしたのよ!!」

 

反応がおかしい。

・・・まさか

 

<<無理だよ。エンジンが・・・それにキャノピ-が歪んじゃって・・・>>

 

「どんな状況でも脱出するのがアンタでしょ!脱出しなさい!!」

 

どんどん海に落ちていく。

私は眺めるしかできない。

 

<<えへへ・・・ほらキャノピ-の向こうに天使のはn・・・イジェェェェェェェェェクト!!!!!>>

 

・・・・・・できるんかい。

 

<<やっぱ落ちるの怖いわ>>

 

「・・・・・・・・・・・」

 

<あ、あはは・・・怒ってる?>>

 

「もう・・・バカァァァァァァァァ!!!」

 

そんな話をしていると何かが動く音がする。

 

<<砲身が開いた・・・あのバケモノ・・・砲身から排熱してるぞ!>>

 

<<往生際の悪い・・・・>>

 

「・・・今度こそ私の出番ね」

 

私は操縦桿を握り直し、砲身に向かう。

あの排熱が終われば砲弾が発射されてしまう。

 

「こちらメビウス1、突入する!」

 

<<わ、私も!>>

 

「ダメ!私一人で行く。大丈夫、任せて!」

 

砲身に飛び込む。

目標は最深部の薬室にある砲弾だ。

それを吹き飛ばせば砲身に穴が開くはずだ。

 

「目標・・・補足・・・撃て撃て撃て!!」

 

機銃弾を浴びせる。

すると大爆発を起こす。

爆風で機体が揺さぶられる。

だが奥から光がさしこんでいる。

穴だ。

 

「やった・・・やった!撃破!撃破!!」

 

その爆発と同時に砲身が崩落をはじめ、シャンデリアを模した深海棲艦に砲弾の雨が浴びせられる。

そして数十秒後、大爆発を起こし、その場は何も残らない焼野原と化した。

 

「あの大きさのものが一瞬で・・・」

 

驚いていると・・・

 

<<帰りましょう。みんな待ってます>>

 

「了解、赤城さん」

 

方位を赤城さんに合わせ帰還を始める。

いつの間にか霧は晴れていた。

 

 

 

~提督~

 

「撃破・・・?!本当か!」

 

大和から入る一報。

これほどうれしい報告はない。

損害だってゼロだ。

 

「やった!やったぞ!!」

 

「大佐さん・・・・終わりましたね」

 

「ああ!」

 

あとはみんなを横須賀に帰らせないと・・・

 

「電、俺たちも帰ろう。我が家に」

 

「はい!」

 

「大佐さん、短い間でしたが・・・ありがとうございました」

 

「こちらこそ。こんなことになるとは思わなかったがな」

 

「ふふ、私もです」

 

そんな話しをしながら司令部を出る。

まるで勝利を祝っているかのように空は晴れ渡っていた。




途中から投げやりだった希ガス・・・
いやホント、すんませんしたああああ!!!


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久しぶりの横須賀

「久々の横須賀だな」

 

滑走路に降り立ち司令部を眺める。

 

「よし、部屋に帰ろうか」

 

「なのです!」

 

電と歩くのも久々に感じた。

まったく深海はなんだってあんなゲテモノ兵器をコピ-するのかねぇ・・・

なんて思いながら部屋に帰る。

もう夏の気温だ。

 

「あっつ・・・」

 

「暑いのです・・・」

 

部屋が蒸し風呂状態だ。

そういえばエアコンが結構古い型だったな・・・指令室も・・・

 

「なぁ電、この後暇か?」

 

「この後ですか?暇なのです」

 

「よし、ちょっくら買い物行くか」

 

「なに買うのです?」

 

「ちょっとエアコンをな、型古いから電気代もかかるし」

 

「ああ~・・・確かに音も大きいのです」

 

「んじゃ行くか」

 

「はい!」

 

とりあえず着替えて外に出る。

電も数分で来る。

 

「ほんじゃ行きましょうか」

 

「はい!」

 

「まずは・・・とりあえず銀行でお金降ろさないと」

 

「カードでいかないのです?」

 

「カードだとなんか無駄使いしそうでな・・・いっつも現金なんだよ」

 

「なるほどなのです」

 

「そういえば電とこうして歩くのも久々だよな」

 

「そうですね・・・いろいろありましたし」

 

「そうだな、まぁ全部片付いたし良かったよ」

 

そんな話をしながら銀行に入る。

 

「えっと・・・14番か」

 

「ATM使わないのです?」

 

「ああ、ちょっと大金だしな」

 

「なるほど・・・」

 

ソファ-に座りのんびりと待つ。

すると・・・

 

「あれ、イ-グル?」

 

「ん?」

 

聞きなれた声がした。

 

「零斗か」

 

「よ、久々」

 

「そうだな~・・・」

 

「買い物か?」

 

「そういうお前も?」

 

「ああ、利根とテレビ買いにな」

 

「なるほど」

 

ふと後ろを向くと電と利根が楽しそうに話していた。

そんな姿を眺めていると外に黒塗りのトラックが止まる。

中からは男たちが降りてくる。

 

「・・・6時に不審者、強盗の可能性あり」

 

「え、なに?」

 

「たぶん強盗だ」

 

「ちょちょちょ!!どうすんだよ!」

 

「・・・お前軍人だろ・・・落ち着け」

 

そんな話していると・・・

 

「ひゃっはあああ!!金出せコラァァァ!」

 

そんな声とともに銃声。

あんたら派手だなオイ!しかも「ひゃっはあああ!!!」って世紀末か!!

 

「どどどどどどどうすんだ」

 

「だから落ち着けっての・・・」

 

めっちゃガタガタ震えてる零斗を横目に強盗の武装を見る。

装備は・・・拳銃と・・・リ-ダ-格が自動小銃か。

よし、元SEALsの力を見せてくれよう。

 

「おいおm・・・」

「オイてめコラ」

 

人質に銃を向ける犯人に対し零斗が立ち上がる。

やっぱり国民を守らんとな。うん。

 

「お前ら・・・ふざけんなよオイ」

 

「んだぁ?黙って座ってろコラァ!」

 

「さっきから黙ってみてりゃテメェら・・・」

 

よし、いったれ!今のお前輝いてるよ!

と心の中で持ち上げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「銃の持ち方違うだろうがァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・そこかいいいいいいいい!!!!!!

 

「お前らバカですかぁ!?そんな片手で持ってたら簡単に奪い取られるに決まってんだろうが!!とくにリ-ダ-っぽいお前!」

 

「え、お、俺?」

 

「AKを片手で構えるとかアホかぁ!?ちょっと来い!」

 

いやあの・・・奪い取ろう。そこは奪い取ろう。銃を。

利根は後ろで「やっちまった・・・」って感じで顔を抑えている。

 

「アホかアイツ・・・どっちの味方だよ・・・」

 

「我輩は何もしらんのじゃ・・・」

 

「とりあえず・・・避難誘導だな・・・」

 

と話していると・・・

 

「おいゴラァ!!人質のクセにしゃべってんじゃねぇぞ!!」

 

ちなみにこの怒声は零斗のものです。

なに役になりきってんだぁぁぁ!!!!!

 

「・・・とまぁ脅すのも大事だ。いいか?こうしないと舐められる」

 

「なるほど・・・」

 

強盗のやり方教練してんじゃねーよ!!!

もういいや・・・

 

「司令官さん・・・早く逃げようなのです・・・」

 

「ああ・・・」

 

「おいそこの小娘、ちょっと来い」

 

「え?」

 

近くにいた男が電をつかむ。

 

「こいつを人質にしようぜ」

 

「ははは!!いいなそれ!」

 

「た、助けて・・・」

 

「ほら、お父さんに助けてーって言えよ」

 

「・・・お父さん・・・?」

 

・・・え。

 

「お、お父さんなんかじゃないのです!!」

 

「じゃあなんだ?お兄ちゃんか?」

 

「夫なのです!」

 

その瞬間場の空気が凍り付いた。

そして人質と犯人が俺を指さし・・・

 

「ロリコンだあああああああ!!!!」

 

「・・・・お前ら全員ぶっ殺したろかああああああああ!?ここをペンキ塗りたての赤い部屋も真っ青なくらいの血の海にしたろかコラァァァァァ!!!!」

 

殺意って簡単に湧くんですね(

 

「はははは、だから俺みたいにこういう子とケッコンすればよかったんだよ」

 

「人の嫁をバカにするのは良くないと思うがのぅ・・・」

 

するとまた空気が凍る。

人質と犯人が零斗を指さし・・・

 

「ロリババアだああああ!!!こいつはきっとババコンだああああ!!!」

 

そんなことを絶叫した。

いやその理屈はおかしい・・・と思ったが俺はこみ上げる笑いを堪えていた。

すると零斗は・・・

 

「よっしゃ全員ぶっ殺したらあああああ!!!血祭りじゃあああああ!!!」

 

どこに隠していたのかPKM軽機関銃を取り出し乱射を始める。

 

「さぁ素敵なパ-ティ-しましょおおおおおおお!!!!」

 

頭おかしいっぽい。

てかお前の背中は四次元ポケットか!

とりあえずこそこそと抜け出せたので銀行を後にする。

中からは銃声が響いていた。

 

「あの・・・いいのです・・・?」

 

「いいのいいの。収穫あったし」

 

「収穫?」

 

「これこれ」

 

なんか強盗の足元にあったスポ-ツバックもらっちゃった☆

何かお札いっぱい入ってた!サンタさんのプレゼントかな?☆

 

「・・・これアカンやつなのですうううううううう!!!」

 

「電、逃げるぞ」

 

「いや早く捨てるのです!ポイするのです!!」

 

「ぽい?」

 

「夕立さんの真似じゃないのですううううううう!!!!!」

 

「ちぇ~・・・」

 

「いいから捨てるのです!!捨てないと・・・指令室の写真燃やすのです!!」

 

俺は音速でバックを放り棄てた。

バカな・・・なぜ・・・あの写真集がバレていた・・・艦娘の隠し撮り写真が・・・

 

「よし、エアコン買いに行こうか」

 

「な、なのです・・・」

 

気持ちを切り替え電気店に向かう。

テレビではさっきの強盗がもうニュ-スになっていた。

 

『先ほど、横須賀の銀行で強盗が発生しました。』

 

「お、もうニュ-スになってる」

 

「早いですね・・・」

 

『現在は警察特殊部隊が突入し事件は収束しましたが犯人の一人が手りゅう弾を使用した模様です』

 

人質は無事だといいが・・・

 

・・・・・・零斗はどうでもいい。

 

『この爆発で人質、犯人を含め6人が遺体・・・失礼しました、アフロ体となって発見されました。』

 

 

アフロ体って何だ!?

 

「アフロ体って何なのです!?」

 

「お、俺が知りたい・・・」

 

「ギャグマンガなのです?!」

 

「ドリフだね(震え声」

 

たぶん零斗もアフロだろうけど・・・

そんなこと言いながらエアコンを探していると誰かとぶつかった。

 

「おっと、すみません」

 

「ああ、いやいや、大丈夫。あれ?」

 

「ん?」

 

ふと見上げると・・・

 

「よ、またあったな!ゲフッ」

 

口から黒煙を吐いてアフロになった零斗であった。

 

「やっぱお前もアフロになってたんかいいいい!!」

 

「はっはっは!!あの手榴弾は俺が投げてやったぜ!」

 

「しかも犯人はお前かよ!!出頭しろ!今すぐ!!」

 

散々な休日になりそうだ・・・

 

 




今回はうまくかけたかな・・・?
最近微妙なのが続いてる気がする。


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ハワイ沖偵察任務

「ハワイ沖で偵察?」

 

<<そうだ、間もなく開始されるパ-ルハ-バ-奪還作戦の前準備だ>>

 

「んなもんアンタら米海軍でしてくれないっすかねぇ・・・」

 

<<こっちは的が大きいんだ、頼む>>

 

「報酬頼みますよ」

 

<<わかった。任せろ>>

 

そういって電話は切られる。

詳細はすぐにPCに送られてきた。

 

「電、作戦会議の準備は今からできそうか?」

 

「はい、大丈夫なのです。何の作戦なのです?」

 

「アメリカ軍の要請でハワイを偵察することになった」

 

「ついに深海棲艦から奪還作戦の前準備ですか?」

 

「そうだな、そろそろアメリカもハワイを取り返したいんだろ」

 

「なるほどなのです」

 

「よし、とりあえずみんなを会議室に集めよう」

 

ハワイ沖の偵察任務・・・来週あたりに日米合同で真珠湾奪還作戦が行われる。

その前準備だ。

 

「みんないるか?よし、任務内容を説明する」

 

今回の任務は、ハワイ沖に接近、艦載機を上げ上空から偵察する。

編成はうらかぜ、JPJ、クズネツォフ、ケストレルだ。

いそかぜは艤装がまだ修理中なので出撃はできない。

 

「まぁ簡単な偵察任務だ、敵戦力と遭遇したら戦闘を避け撤退しろ。今回は敵との交戦がメインじゃないからな。ただし追撃してくる場合は敵艦隊を撃滅しろ、いいか?敵と遭遇したら任務をいったん放棄していい、自分の身の安全を優先しろよ」

 

「分かったよ」

 

「わ、わかりました」

 

「よし、3時間後に出撃だ!」

 

 

 

 

~ケストレル~

 

ハワイ沖か~、せっかくならハワイのビ-チで海水浴とかしたいよ。

 

「ねぇうらかぜ」

 

「なに?」

 

「ハワイ奪還が成功したらさ、みんなでハワイ旅行とか行かない?」

 

「おお!それいいね!」

 

「俺もハワイで海水浴したいな、ん・・・待てよ・・・ハワイ・・・宇宙人・・・うっ頭が・・・」

 

「ど、どうしたの?」

 

「い、いや何でもない、うっ・・・パンジャンドラムが・・・」

 

「英国面が一体どうしたのよ・・・」

 

この人は何にうなされてるんだろうか・・・

まぁそんなことは置いといて。

 

「クズネツォフ、艦載機は上げれそう?」

 

「発艦準備完了しています」

 

「よし、偵察部隊発艦開始!」

 

偵察ポッドを装備したF-14が発艦していく。

あとは報告を待つだけだ。

 

「そういえばさ、うらかぜ は いそかぜと最近どうなの?」

 

「え?どうって?」

 

「ほら、いろいろと」

 

するとうらかぜはちょっと赤くなり・・・

 

「だ、だっていそかぜったら私がもうダメって言ってもやめてくれないし・・・この前なんて私をベッドに縛り付けて【読ませねぇよ!】したり【読ませねぇよ!】して3時間くらいで気絶しちゃったのに叩き起こして【読ませねぇよ!】してき(ry」

 

ごめん、誰もそこまで聞いてない。

てか私はデ-トとかそういうの聞きたかったんですー!

 

「ご、ごめん・・・そこまで聞いてない・・・」

 

「あれ?そうなの?」

 

「う、うん・・・」

 

「ところでさ、ケストレルはどうなの?」

 

「私?う~ん・・・まだ何も・・・」

 

「うっそだー!キスくらいしたでしょ!」

 

「キ、キス!?ま、まだしてないよ!」

 

「あはは、顔真っ赤~」

 

「やめてよ・・・もう・・・」

 

「で、ホントは?」

 

「・・・・」

 

私は顔を茹ダコのごとく真っ赤にさせて俯く。

 

「ねぇねぇ、どうなの?」

 

うらかぜは満面の笑顔で寄ってくる。

 

「ああもう!したよ!悪いか!!」

 

「おお、ついにファ-ストキスしちゃったか~」

 

「そ、そうだけど・・・なによー!」

 

「その先は?」

 

「へっ?」

 

「その先」

 

その先とは何なんでしょうかね・・・

 

「ほらわかってるでしょ?」

 

「な、何のこと?」

 

「知らないふりしちゃって~」

 

うらかぜは耳元まで近寄り囁いてくる。

 

「夜の営み、だよ?」

 

「よよよよよよ夜の営み!?し、してない!断じて私はしてない!ま、まだ処女だもん!!」

 

「そ、それ大声で言っちゃうのか・・・」

 

「はえ?」

 

私の叫びに回りが顔をちょっと赤くさせ肩を震わせていた。

 

「わあああああああああああああ!!!!!」

 

「あははは、弄りがいあるな~」

 

「ひどいよ・・・」

 

「ごめんって」

 

そんなガ-ルズト-クしていると・・・

 

「ん・・・偵察機より報告・・・損傷状態で交戦中の艦娘を補足したらしいです」

 

「救援に向かったほうがいいかも・・・」

 

「隊長、どうする?」

 

<<う~ん・・・・一応救助に向かおう。それと・・・ガ-ルズト-クは無線を切ってやれよ・・・全部聞こえてたぞ・・・>>

 

「・・・えっと・・・どこから・・・?」

 

<<・・・最初から・・・>>

 

「うわああああああああああああああん!!!!」

 

恥ずかしい・・・死にたい・・・

もぅマジ無理。。。爆撃しょ。。。

 

「目標を目視・・・ん・・・?兵士・・・?」

 

私も確認する。

たしかに迷彩服を着ていて、艤装のようなものは足くらいしかない。

手にしているものはM4カービンライフルのようだ。

アタッチメントに40mmグレネ-ドランチャ-も確認できる。

 

「艦娘にしてはおかしいですね」

 

「そうだな・・・とにかく接触しよう」

 

私たちは増速して接近する。

艦娘は接近してくるイ級に対して銃撃を行っている。

 

「味方だ!」

 

JPJがそう叫び砲撃を行う

 

「よかった、助かったわ!」

 

「ああ、あとは任せろ!所属は?」

 

「所属はないわ」

 

「了解した、じゃあ俺たちのところに来るのはどうだ?」

 

「そうね、そうするわ。それより・・・撃たれた傷が痛いわ」

 

よく見ると彼女はあちこちから出血している。

 

「早く港に戻ろう。ケストレル、ハワイの偵察は?」

 

「ある程度の情報は・・・一応任務達成だよ」

 

「よし、全速で帰還しよう。それとアンタ名前は?」

 

「私?私は・・・」

 

一息置き続きを話す。

 

「アーレイバーク級ミサイル駆逐艦の62番艦、マイケル・マーフィよ」

 

 

 

~提督~

 

マイケル・マーフィ・・・どっかで聞いたような・・・

 

「なぁ電、マイケル・マ-フィってどっかで聞いたような・・・」

 

「う~ん・・・?私は覚えがないのです」

 

「確か米軍時代に・・・あっ」

 

思い出した。

2005年6月27日にSEALsが行った作戦・・・『レッド・ウイング作戦』・・・その部隊の隊長の名前だ。

 

「あのマ-フィ大尉か・・・」

 

「知り合いなのです?」

 

「いや、俺は本土にずっといたからな、名前くらいしか知らないよ」

 

そんな話をしていると艦隊が帰ってくる。

 

「みんなのアイスと飲み物でも用意するかな」

 

「アイス食べたいのです!」

 

「よしよし、ちゃんと電の分もあるよ」

 

「ありがとうなのです♪」

 

すると数十分後、指令室に集まってくる。

 

「その子が新型?」

 

「私はマイケルマ-フィよ。よろしくね」

 

「ああ、よろしく」

 

「そういえば提督、艦娘ってヤツについて帰りに聞いたのだけど・・・私は艦娘じゃないのかしら」

 

「?どういうこと?」

 

「艦娘って船だった記憶があるのよね」

 

「ああ、そうだよ」

 

「私には人としての記憶もあるのよ。もちろん、船としてもだけど」

 

「人?」

 

「どんな人だったかは覚えてないわ。でも最期の光景ははっきり覚えてる。険しい山の中・・・追いかけてくる武装した人間・・・」

 

レッドウイング作戦の記憶だろう。

 

「まぁ、たぶん夢じゃないか?とりあえずアイスと飲み物を用意してあるから食べなさいな」

 

するとみんなが・・・

 

「アイスぅぅぅぅぅぅ!!!」

 

「飛びつくなお前ら!!!」

 

ものすごい勢いでわれ先にとアイスに飛びついていた。




ロ-ンサバイバ-を見てたら思いついた。
今回は面白くできたと思うよ!


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平凡な夏日

偵察も無事終わり新しい仲間が入った日の午後、俺は仕事の休憩がてら鎮守府を散歩していた。

 

「いい天気・・・っていうか暑いな・・・」

 

もう気温は夏だ。

海が目の前のおかげで潮風がありいくらかマシだがそれでも日差しが強い。

 

「ん・・・クズネツォフ?」

 

工廠の前でキョロキョロと落ち着きのないクズネツォフがいた。

よし、後ろから近づいて驚かせよう。

 

「どんな声上げてびっくりするやら・・・」

 

そんなゲスい事思いながら近づく。

相手は気づいてない。

よし、誘拐犯みたいな事してみよう。

 

「う~ん・・・提督さん居ないとダメですよね・・・」

 

俺を探しているのか。

ゆっくりと近づき、口をふさぐ。

 

「んぐっ!?」

 

「動くな」

 

ちょっと声を低めにしてみる。

クズネツォフは冷や汗をダラダラ流しながら震えている。

 

「動いたら・・・分かるな」

 

「んんんん!!」

 

ちょっとどんな顔になってるか気になる・・・

まぁ十分楽しんだしネタ晴らしするか。

口から手を離し、振り向かせる。

 

「うぇっ・・・ひ、ぐ・・・」

 

めっちゃ泣いておられました。

・・・ヤバイ、やりすぎた。

 

「お、おーす・・・」

 

「ていとく、さん・・・・?」

 

「お、おう」

 

「ぐすっ・・・うわああああああああああああああん!!!」

 

「ちょ、ちょい待て、そんなに泣くなって!」

 

「ど、どれだけびっくりしたと思ってるんですかぁぁぁ・・・うええええええん!!」

 

「悪かった!悪かったから!!お詫びにアイス買ってやるから!」

 

「うああああああん!!!アイスなんかじゃヤダぁ!!」

 

「駄々こねんな!!」

 

「うえええええんん!!憲p・・・」

 

急いで口をふさぐ。

 

「むぐううううう!!!」

 

「・・・それ以上言わない。OK?」

 

「むぐっ!むぐっ!!」

 

頷いてくれたからまぁいいか。

 

「驚かせて悪かったって」

 

「ひぐっ・・・ぐすっ・・・」

 

「艦載機作ってやるから・・・な?」

 

「かん、さい、き・・・?」

 

「ああ、作ってやるから、な?」

 

「・・・うん・・・泣き止む・・・」

 

ようやく泣き止んだ。

なんでコイツは艤装外すとこう・・・幼くなるんだ・・・

 

「まぁつーわけで艦載機作って」

 

「お、おう・・・ま、まぁ任せてよ。一回?」

 

「ああ、まぁ一回で」

 

「はいよー!」

 

資材を中に運んでいく。

 

「艦載機・・・何ができますか・・・?」

 

「そうだなぁ・・・まだ分からんよ」

 

そんな話していると。

 

「できたー!はい!」

 

「どれどれ?」

 

九六式艦戦

 

「ハズレか・・・もっかい!」

 

九六艦戦

 

「もっかい!!」

 

九六艦戦

 

「もっかい!!!」

 

九六艦s(ry

 

「もっか(ry」

 

九六(ry

 

「(ry」

 

(ry

 

「ファアアアアアアアアアアアアック!!!!!!!!」

 

チクショウ!ふざけやがって!!あと一回分しか資材ねぇ!!

クズネツォフはまた涙目になってきた。

 

「艦載機・・・できないです・・・」

 

「だあああああ!!泣くな!!」

 

「あと一回作れるドン!」

 

「うるせぇ!!!はやく資材ぶち込め!!」

 

「ちぇ・・・ちょっとくらいノってくれたっていいのにぃ・・・」

 

そういいながら妖精さんは資材を運んでいく。

 

「できたー!」

 

「どうせまた九六なんだよね・・・知ってる・・・」

 

そういいながら書類を見る。

すると・・・

 

 

 

Su-33 シュトリゴン隊

 

 

 

「フリャンカアアアアアア!!!」

 

クズネツォフがものすごい声を上げていた。

 

「やったやった!!提督さんありがとう!」

 

「お、おう」

 

とりあえずご機嫌になったみたいで良かった。

というわけで散歩も終え、司令室に帰ってくる。

 

「ただいま~」

 

「あ、お帰りなさいなのです!」

 

「ただいま、外は暑いな・・・」

 

「そうですね・・・冷たいお茶用意するのです」

 

「ありがとう」

 

出された冷たい麦茶を飲みつつPCでマイケルマ-フィの情報を登録する。

鎮守府の艦娘管理のためだ。

 

「ん、そういえば明日給料日か」

 

「あれ、もうそんな日ですか?」

 

「せっかくだし、みんなに休暇やるかな、ここのとこロクに外でれてないだろうし」

 

「そうですね・・・ただ いそかぜさん と うらかぜさんは何があろうと平常運転でしたけど・・・」

 

「うん・・・まぁ・・・」

 

ちなみに今は部屋を防音設備が施された部屋に変更したが、前の部屋では他の艦娘と鎮守府の関係者から「あの部屋、喘ぎ声が毎晩絶えなくて寝れない」と苦情が来ていた。

鎮守府内にも提督以外に男の職員もいっぱい居るが「あの部屋の近くは最初行くと最高に天国だったがもういろいろ激しすぎて最近は息子も萎える」とワケの分からん苦情まで入っていた。

 

「あいつらいつか過労死すんじゃねーの・・・」

 

「それが一番の心配なのです・・・」

 

そんな話しながら給料の計算をしていった。

もちろん、艦娘たちのだ。

いろいろ手当をつけて手取り25万くらいだ。

初任給は13万だったがな。

 

「とりあえず・・・計算はすぐ終わるな。あとは・・・」

 

後の仕事を確認する。

えっと・・・

 

「鎮守府内の装備の補給・・・午後には弾薬積んだ輸送機が来るしそろそろ給料計算終わらせるかな」

 

「私があとを引き継ぎますよ?」

 

「ん~・・・頼めるか?」

 

「はい!お任せくださいなのです!」

 

「すまん!と、そろそろ輸送機来るし俺は滑走路に行ってるよ」

 

「はい、お気をつけてなのです」

 

確か今日くるのは・・・CIWS用の弾薬と鎮守府の航空機用の弾薬だったかな。

ああ・・・日焼けしそう・・・

夏はどうも嫌いだ・・・

そんな事思いながら滑走路に向かった。




まぁまぁ普通の日常風景書けたかな?


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空襲

「あちぃ・・・・」

 

朝、刺すような日差しで目を覚ます。

 

「司令官さん!おはようなのです!」

 

「おはよ・・・元気だな・・・」

 

電はなんでこんな元気なんだ・・・

 

「司令官さんは夏バテ気味なのです?」

 

「どうなんだろうな・・・」

 

とにかく暑い。

汗も出て気持ち悪くて仕方ない。

 

「すまん、ちょっとシャワ-浴びてくる」

 

「あ、じゃあその間にご飯用意しとくのです!」

 

「ありがとう」

 

寮の中にあるシャワ-室に向かう。

艦娘と共同の場所だが今は朝の6時、誰もいないだろう。

それより入ってる場合札がかけられるので人がいるのがすぐにわかる。

シャワ-室に向かうと札はかけられていなかったので遠慮なく入る。

 

「はあああ・・・なんでこんなに暑いかな・・・」

 

そんな独り言を言いながらシャワ-室のドアを開けると・・・

 

「・・・・・・たい・・・ちょ・・・?」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

なんでケストレルが居るんだよ・・・

 

「な・・・なんで・・・?」

 

「いや・・・入ってるなら札かけとけ・・・」

 

「・・・・」

 

ヤバイ、俺死んだ。殺される。

死を覚悟したが・・・

 

「う、うっ・・・ぐすっ・・・」

 

「えっ!?ちょ、なんで泣いてる!?」

 

「だ、だって・・・彼氏にもまだ裸見られたことないのに・・・」

 

「いや見てない!バスタオルで隠れてるから見えてない!」

 

「・・・うわあああああん!!」

 

「ちょちょちょ!泣くな泣くな!!」

 

どうすりゃいいんだこれ・・・

そんな事悩んでいると・・・

 

「司令官さん?なんか泣き声見たいなの・・・聞こ・・・え・・・」

 

「あ」

 

「(ニコッ」

 

電さん、あなた今すっごいいい笑顔ですよ。

うっすら見える眼球がものすごく黒く濁ってるけど。

魔女化寸前のソウルジェムみたいになってるけど。

 

「あ、あの・・・電・・・」

 

「ぐすっ・・・隊長に裸見られた・・・うええええん・・・・」

 

待てぇ!!誤解を招くような事を言うなぁぁぁ!!!

 

「・・・司令官さん」

 

「はい!何でしょうか!」

 

「言い残す事ありますか?」

 

「・・・わが生涯に一片の悔いなs------」

「なのです!」

 

「ぎゃああああああああああ!!!!」

 

言い残すこと言い切る前に処刑が始まった。

 

「待った待った!!その関節はまがらっ・・・」

 

その瞬間、ボッキンっといういい音が鳴った

 

「Ahaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!」

 

思わずアメリカ人みたいに叫ぶ。

 

「なんでケストレルさんの裸見てるんですかぁ?ねぇ?どうしてなのですかぁ?」

 

「誤解!誤解だk・・・ノオオオオオオオオオオオ!!!!!!」

 

次は腕の関節がお亡くなりになった。

・・・これ、そろそろ死にそうなんだけど。

 

 

 

 

~4時間後~

 

みっちり電に説教をされて解放された。

とりあえず不可抗力ということを信じてくれて助かった。

被害も関節が外れたくらいで済んだぜ・・・

 

「電・・・今度からきっちり話聞いてくれ・・・」

 

「でも・・・ほかの女性の裸見たことは許さないのですっ!」

 

「すまなんだ・・・」

 

それでも電はしっかり朝食を用意してくれていた。

 

「遅い朝ごはんですけど・・・」

 

「ああ、ありがとう」

 

食べながらニュ-スを見る。

ちょうど世界のニュ-スをやっているところだった。

 

『次のニュ-スです。幽霊飛行機と言われている超大型航空機が太平洋上を飛行しているのを発見しました。この機体の形状はベルカ戦争時に撃墜された大型航空機XB-0に酷似していて・・・』

 

XB-0・・・んなもんが幽霊航空機ねぇ・・・

・・・ふつうに怖い。

 

「XB-0って何なのです?」

 

「ん~・・・簡単に言うと空飛ぶ航空母艦だよ」

 

「そ、そんなものあったのです!?」

 

「ああ、エストバキアとベルカが開発してたんだ」

 

ただ2つとも、航空機の爆弾に弱いという弱点があったけどな。

てかそれよりもこんなゲテモノに爆弾を投下しようとした変態はふつうにすごいと尊敬する。

そんなニュ-スを見ていると警報が鎮守府に響き渡る。

 

<<こちら防空司令部!アンノウンが当鎮守府に接近中!>>

 

「なんでこんなタイミングで・・・!」

 

部屋にあった無線機をとる。

 

「おい!不明機との距離は?!」

 

<<あと20マイル!>>

 

「クソッ!!」

 

窓を開け空を見る。

そこには・・・

 

 

「XB・・・0・・・」

 

間違いない。あれは・・・XB-0だ。

それはすぐに鎮守府に接近してくる。

 

<<強力なECM!第一種警戒態勢発令!>>

 

<<どうしてここまで侵入に気づかなかった!!>>

 

<<当鎮守府に接近する機影を目視!総員配置急げ!>>

 

<<敵機上空に接近・・・来る!>>

 

大きな影が鎮守府を覆う。

機体下部に装着された榴弾砲や機関砲が牙をむく。

 

<<滑走路に直撃弾!離陸不能!!>>

 

スクランブル発進しようとする機体の前の滑走路に徹甲榴弾が撃ち込まれる。

滑走路に大穴が空き戦闘機が離陸できない。

 

「クソッ!!」

 

「司令官さん!早く避難するのです!!」

 

「あ、ああ、わかった!」

 

向かっているのは・・・東京!!

 

「電待ってくれ!東京に連絡を・・・」

 

「わ、わかったのです!!」

 

急いで東京に連絡を入れる。

 

<<こちら東京司令部>>

 

「横須賀鎮守府だ!!現在国籍不明機に攻撃を受けている!向かっている先は東京だ!!」

 

<<なに・・・待て、陸軍より入電・・・国籍不明機・・・了解した、ただちに航空支援を・・・>>

 

「もう間に合わない!迎撃を頼む!こっちは滑走路を破壊された!」

 

<<了解した、陸軍航空隊のF-15が向かう>>

 

「頼んだ!」

 

そういった瞬間鎮守府をものすごい衝撃・・・地震に近いものが襲う。

同時に熱風もだ。

窓の外を見ると航空機用燃料タンクが爆発を起こしていた。

電は口を抑えて絶句している。

 

「クソったれ・・・鎮守府が・・・!」

 

艦娘を出撃させようにも間に合わない。

黙ってみているしかなかった。




とりあえず戦闘を起こしてみたけど・・・これ後から書くの面倒になるパタ-ンと見た!!



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東京空襲

たぶん面白くないけど・・・許して!!


「ケストレル、バ-ベット!上がれる機は全機上げろ!クズネツォフもだ!」

 

「りょ、了解!」

 

艤装をつけて俺の元に来たケストレル、バーベット、クズネツォフに指示をだす。

三人はすぐに洋上に出ていった。

 

「司令官さん!航空燃料タンクの近くで負傷者が・・・」

 

「分かった、救護班をすぐに!」

 

「わ、私もお手伝いしていいですか?」

 

「・・・できるか?」

 

「やります!絶対に助けるのです!」

 

「分かった、やってみてくれ!」

 

「なのです!」

 

俺は無線の周波数を東京で交戦中の部隊に合わせる。

状況がわからないので無線を傍受するためだ。

 

<<敵大型機、羽田上空を通過!駐機中の民間機が破壊された!>>

 

<<ちくしょう!死傷者が出てるぞ!>>

 

<<避難誘導は警察と消防に任せろ!>>

 

<<レインボーブリッジが落されたぞ!>>

 

<<爆撃により被害甚大!民間人にも死傷者多数!>>

 

<<サーベラス隊、滑走路侵入を許可する>>

 

<<全機、離陸後は空中管制機の指示を受けろ。これは演習ではない、繰り返す、これは演習ではない>>

 

東京はえらいことになってる・・・クソ!

 

「隊長!」

 

「アンドロメダ?どうした?」

 

「敵機の情報が入りました!」

 

「情報?なんだ?」

 

「敵機の発進予想位置は・・・グレ-スメリア!」

 

「グレ-スメリア・・・」

 

グレ-スメリア・・・エメリア共和国の首都だ。

だが・・・今は深海棲艦に占領されエメリア軍はなす術なく内陸まで撤退していった。

 

「どうしますか?」

 

「まずは敵機の撃墜か撃退だ!」

 

「了解しました」

 

無線機からは被弾して撃墜されていく戦闘機のパイロットの悲鳴が時々聞こえてきた。

 

<<敵機の右エンジンに直撃!だけど・・・ちくしょう!一体何基のエンジン積んでんだよこのバケモノ!!>>

 

<<ちくしょう・・・!ミサイ----------->>

 

<<秋葉原付近に爆弾が着弾!小規模な爆発が多数・・・クラスタ-だ!!>>

 

<<ビルが崩壊するぞ!!あのビルから避難する人を確認したか?!>>

 

<<羽田空港、滑走路16R付近で爆発!滑走路に大穴が開いてるぞ!!>>

 

<<上空に退避中の民間機が撃墜されたぞ!!>>

 

深海棲艦のクソったれめ・・・東京が・・・

 

<<コクピット付近の着弾!!これで操舵を・・・>>

 

<<敵機から攻撃がやんだ・・・?>>

 

<<大型機、バランスを崩した!>>

 

コクピットに弾着・・・操縦系統が全滅したんだろうか・・・

無線によると機体は海のほうへ傾いて行ってるらしい。

 

<<そのまま海に・・・・!?おい!都市部に傾いたぞ!!>>

 

<<落せ!!何としても!!あれじゃ霞が関・・・皇居に当たるぞ!!>>

 

そんな無線を聞いていると大きな爆発音が聞こえた。

炎上中の航空燃料が別のタンクに引火したようだった。

 

「おい・・・おい・・・?冗談だろ・・・!?」

 

あれは・・・電のいる方向・・・

 

「電!!」

 

時間がとにかくゆっくりに感じる。心臓の鼓動もえげつないくらいに早い。

 

「電・・・電!!」

 

名前を叫びながら走る。

到着するとあたり一面火の海だった。

瓦礫の量もすごい。

 

「電!どこだ!」

 

瓦礫の海を探していると・・・

 

「げふっ・・・艤装つけて行ってよかったのです・・・」

 

「電・・・?」

 

「あれ、司令官さん!?」

 

「・・・頭どうした?」

 

・・・・・・・・アフロ姿で煤だらけの電(?)が立っていた。

 

「頭・・・はにゃっ!?」

 

金属片に移った自分を見てびっくりしていた。

 

「とりあえず・・・無事でよかった・・・」

 

「はい・・・何とか・・・あ、それとこのあたりの人はみんな助けたのです!一人も欠けてないのです!」

 

「分かった・・・よくやった!」

 

「えへへ・・・」

 

「あとは・・・XB-0か・・・」

 

無線を聞いていると・・・

 

<<敵機・・・東京湾に墜落・・・ふぅ・・・>>

 

<<・・・何機欠けた?>>

 

<<数えただけでも・・・20は・・・>>

 

<<クソッ・・・>>

 

東京も被害甚大だろう。

 

「電・・・とりあえず司令部に戻ろう、あとは消防班に任せよう」

 

「・・・・・」

 

電は無言で隣を歩いていた。

 

 




すんません!いろいろ投げやりですけど許してください!!

とりあえず、近いうちにグレ-スメリア解放戦かな・・・?


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NO RYO 肝試し

あの空襲から一週間が経った。

鎮守府もある程度復興が進み、航空機の離発着と補給は問題ない。

ただ東京では死傷者が3000人以上、行方不明者が2000人以上だった。

羽田空港は第一滑走路とターミナルビルの一部を破壊され今は閉鎖されている。

 

「グレ-スメリア・・・か」

 

「どうしたのです?」

 

「いや、ここが今深海棲艦の巣になってるのはしってるだろ?」

 

「はい、知ってるのです」

 

「ん~・・・いつになるやら・・・」

 

「そんなに難しい作戦になるのです?」

 

「まぁ・・・難しいっちゃ難しいんだが・・・道中がな」

 

「道中?」

 

俺は海図を見ながら悩む。

グレ-スメリアまでの道には巨大な海中山脈の上を通る事になる。

山脈自体は海面下で100m以上余裕があるが、その海域が厄介だ。

膨大な地下資源のせいで通信障害が多発し、混線はもちろん、レ-ダ-やソナ-がうまく機能しない。

アメリカネバダ州にも同じような地域があり、そこはエリア「B7R」と呼ばれている。

地下に豊富な鉱物資源があり通信障害が多発する地域だ。

この二つの地域は昔から資源を求めて血を流しあった場所だ。

空のB7Rがネバダ州ならここは海のB7Rだ。

深海棲艦としてもここの資源はほしいだろう。

なにせ、鉄やボ-キサイトなどとウランがここには眠っている。

 

「この海域は今はユーク海軍が何とか占領してるんだがな・・・そろそろ深海棲艦に奪われそうなんだ。いる部隊もエ-スクラスだしな」

 

「う~ん・・・迂回はできないのです?」

 

「迂回・・・できないこともないが思いっきり深海棲艦の勢力不明海域に踏み込むことになる」

 

「ということはここしかル-トがないのですか・・・」

 

「そうだな・・・とりあえずまだ動こうにも動けんな・・・」

 

俺は参ったというポ-ズをして椅子に座りなおす。

鎮守府修理のための資金関係の書類のチェックがようやく終わった。

 

「そういやケストレルは?」

 

「えっと・・・確か東京に・・・」

 

「そっか・・・」

 

ケストレルの彼氏も東京に住んでおり、その日は空襲を受けていた。

彼は秋葉原に居り、クラスタ-爆弾の破片で負傷したらしい。

怪我自体は軽いもので今は入院している。

ケストレルはその事を知った瞬間泣きそうになりながら病院に向かっていった。

 

「まぁ・・・大事にならなくてよかった」

 

心底そう思う。

 

「よしっ、書類整理おわり!」

 

「お疲れなのです!」

 

「しっかし今日は暑いな・・・」

 

「そうですね・・・夏は苦手なのです・・・」

 

「ん~・・・」

 

ちょっと早いけど・・・涼しくなる事でもしようかね。

’’肝試し’’をな!!

 

「なぁ電、今鎮守府にはどれだけ残ってる?」

 

「んと・・・私たち第六駆逐隊といそかぜさん、うらかぜさん、ピョ-トルさん、クズネツォフさん・・・あとは・・・マイケルさんなのです!」

 

「あとは全員遠征か・・・あれ、シンファクシは?」

 

「今はユ-クトバニアに帰省しているのです」

 

「・・・帰省って・・・あいつ実家あんの・・・?」

 

「た、たぶん・・・?ところでなにするのです?」

 

「ん?そりゃお楽しみ」

 

「気になるのです・・・」

 

この鎮守府を出て少し行ったところに廃病院と家屋があり近所でも有名な心霊スポットだ。

病院が廃墟になった噂はいっぱいあるが一番有名なのは院長が経営難と借金のせいで発狂し患者や医者を猟銃で次々と殺し、自身も自殺したという話だ。

それを裏付けるように血痕のようなものがあちこちに飛び散っており、薬莢も転がっている。

噂では殺された患者や医者と一緒に散弾銃を持った院長の霊が出るそうだ。

 

「さて・・・みんな集めてみるかな」

 

「ここでいいですか?」

 

「おう、頼めるか?」

 

「お任せなのです!」

 

電が出ていったのを確認して俺は肝試しの用意をする。

とりあえず最上階の院長室に置いたお札をとって何かお菓子を備えていくというものだ。

ドロ-ンでお札を置いていこう。

てか・・・このお札・・・よく見たらアルファベットでOFUDAとか書かれてて効果の程が不安すぎる・・・

あと、銃を持った霊が出る可能性があるとなると一応自衛するものがいる。

二人一組にする予定なのでとりあえず拳銃を一組ずつに配ろう。

そんなこと考えてると指令室にみんなが集まりだす。

 

「いきなり司令室に集まれってどうしたの?」

 

「いや、最近暑いしイベントでもとな」

 

「イベント?」

 

「そうだ、題して・・・第一回NO RYO肝試し大会~」

 

「・・・・」

 

「おい、なぜみんなして黙る。面白いスポットだぞ?ここからすぐのところの廃病院だぞ?」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

なぜかみんなすごい顔して黙り込んでいた。

すると暁が・・・

 

「ゆ、幽霊なんていないのは知ってるけど・・・参加してあげないことないんだからね!」

 

「私は面白そうだから参加するよ」

 

「ボクも!」

 

と暁に続き全員参加すると言ってきた。

電は少し怖がってるようだが・・・

 

「あの・・・司令官さん・・・前の建物の時みたいにはならないですよね・・・?」

 

「あ~・・・大丈夫じゃね・・・?」

 

思い出したくないこと思い出した・・・

そんなわけで準備しているうちに暗くなり、出発する。

目的の建物はすぐだった。

 

「おーし!じゃあみんな最上階にお札おいてくるからそれとってお供えおいて帰ってくること!OK?」

 

「OK!」

 

ドロ-ンを飛ばし、最上階においてくる。

あとは・・・

 

「あ、そうそう、一組ずつに・・・」

 

拳銃をバックから取り出し渡す。

 

「・・・なんで?」

 

「いや、銃持った霊が出るらしいから自衛用」

 

「いやこれ・・・効くの・・・?」

 

「大丈夫じゃね?」

 

とりあえずみんなに拳銃を渡しクジでペアを決める。

俺は運がいいことに電と一緒になれた。

あとは暁、マイケルペア。響、クズネツォフペア。いそかぜ、雷ペア、うらかぜ、ピョ-トルペアだ。

 

「おーし!じゃあ順番はどうする?」

 

すると響が・・・

 

「私が行くよ」

 

「ふぇあっ!?」

 

「ダメかい?」

 

「い、いや・・・最初って・・・」

 

「グズってないで行くよ」

 

響は問答無用でクズネツォフを連れていく。

 

「や、やだあああああ!!まだ心の準備がぁぁぁ・・・!」

 

「шумный(うるさい)」

 

「да・・・(はい・・・)」

 

 

 

 

~響~

 

幽霊なんていない。

そんなのいたら見てみたい。

 

「ねぇクズネツォフ、歩きにくいんだけど」

 

「だ、だって・・・幽霊居そうじゃないですかぁ・・・怖いですよ・・・ぐすっ・・・」

 

「泣くほど怖いかな・・・」

 

私はポケットに入った司令官から受け取った拳銃を握りながら歩く。

一応人のいない廃墟だし不審者がいてもおかしくはない。

 

「響ちゃん・・・怖いよぉ・・・」

 

「仕方ないな・・・」

 

手をつなぎながら歩く。

中は埃っぽい。

 

「ここは・・・受付か」

 

ボロボロの受付の中をライトで照らす。

 

「ひやぁぁ!!」

 

「ど、どうしたんだい?」

 

「い、今人影がぁぁぁ・・・もうやだぁぁ・・・」

 

「どこ?」

 

私は拳銃を抜き、構える。

 

「無駄な抵抗はやめて出てくるんだ」

 

「絶対幽霊です!人じゃないですぅぅ!!!」

 

私は指さす方向を見ていた。

すると・・・

 

「にゃー」

 

「猫か・・・」

 

「ねこ・・・?」

 

「ほら、猫だったよ」

 

猫が一匹机の裏から顔を出した。

 

「ほら、先に行くよ」

 

「もうやだぁ・・・行きたくないです・・・」

 

問答無用で引っ張る。

階段を上っていくと病室のエリアについた。

 

「ここは病室だね。上に上る階段はここでもいいけど・・・」

 

「ここ!ここから上りましょ!ね、そうしましょ!」

 

私はたぶんすごいゲスい顔をしていると思う。

そんなこと思いながら・・・

 

「面白そうだから向こうの階段を使おう」

 

その言葉を聞いたクズネツォフは・・・

 

「も、もうやらぁぁぁぁぁ!!うええええんん!!!」

 

号泣してしまった。

 

「ご、ごめん、ちょっとからかいすぎたよ」

 

「うぇっ・・・ひぐっ・・・もうやら・・・怖いぃ・・・」

 

「ごめんって・・・ほら、ここから上るよ」

 

「ま、まだ上るんですかぁ・・・?」

 

「任務完了してないよ」

 

「うわあああああああん!!!やらああああ!!」

 

泣き叫ぶクズネツォフを無理やり引っ張り階段を上った。

病室エリアを抜け最上階の4階につく。

私はこの時ちょっと違和感を覚えた。

空気が少し冷たい。

 

「空気が冷たい・・・警戒しよう」

 

拳銃を取り出し構えながら進む。

 

「空気が重いです・・・」

 

「そうだね」

 

「なんでそんなに冷静何ですかぁぁぁ!!」

 

「いやだって・・・幽霊なんていないから」

 

「います!絶対います!ほら!ア・・・レ・・・・・?」

 

「アレ?」

 

クズネツォフが指さす方向に・・・

 

 

 

 

 

 

 

・・・・半透明の子供がいた。

明らかに眉間に銃創がある。

 

 

「ひやああああああああああああああああ!!!」

 

「・・・・・・・・」

 

私は無言でトリガ-を引く。

というか近寄りながら全弾叩き込む。

 

「・・・・・」

 

「で、出た・・・出たぁぁぁ・・・・」

 

だが半透明の子供は姿を消した。

血も死体もない。

 

「おかしいな、どこに・・・」

 

「ひ、響・・・ちゃん・・・」

 

「ん?」

 

私は後ろを振り向く。

すると・・・

 

「・・・・добрый вечер(こんばんわ)」

 

後ろにさっきの子供がいた。

私の両肩をがっしりつかんでいる。

子供はニヤっと笑い大きな口を開けた。

 

「・・・・・・・ひっ・・・・」

 

「ひ、響ちゃあああああんん!!!」

 

気が付くと外に出てた。

 

「うえっ・・・ぐすっ・・・うええええん・・・」

 

「よしよし・・・何があったんだい・・・」

 

「ピョ-トル・・・あそこ出るよぉ・・・」

 

どうやら気絶した私をクズネツォフが外まで運び出していてくれたようだった。

とりあえず私の結論。

幽霊なんて居ない、あれは妖怪の仕業。

 

「よっしゃ!次は俺らだな!」

 

「し、司令官さん・・・帰りたいのです・・・」

 

「んな事いうなって、出たら守ってやるよ」

 

「やだかっこいい・・・というとでも思いますか?!怖いのです!ふつうに怖いのです!それより響お姉ちゃん気絶して出てきた事には突っ込みないのです!?」

 

「うんまぁ・・・大丈夫じゃね?」

 

「大丈夫じゃないのですううううううう!!」

 

そんな叫びを上げながら電と司令官が病院に入っていった。




銃持った幽霊ってSIRENかなと書いてる途中に思った。


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B7R制海戦

WoWsのオープンベ-タ来ましたな!
さっそくドハマり中の作者です。


病院の中に恐る恐る踏み込む。

雰囲気抜群だ。

 

「司令官さん・・・何も出ないですよね・・・?」

 

「大丈夫だろ」

 

「いやでも・・・響お姉ちゃんが・・・」

 

「・・・・怖くなるからやめようか」

 

「いや怖いんならもう帰ろうなのです!何が楽しくてこんなとこ入るんですかぁぁぁ!!」

 

電の悲痛な叫びが響く。

一階部分を探索していると突然何かが割れる音がした。

 

「おっ?」

 

「ひにゃぁぁぁ!?」

 

「なんか割れたな・・・」

 

「もういやなのです・・・ぐすっ・・・」

 

「あぁ・・・よしよし泣くなって」

 

でも一応気になるので確認しに行く。

 

「行くのです・・・?」

 

「一応な」

 

「・・・私も行くのです・・・」

 

「怖ければ待ってても大丈夫だぞ?」

 

「こんなところに一人のほうが怖いのです!」

 

「まぁ・・・それもそっか」

 

というわけで二人で音のした方向に向かう。

するとそこにはガラス瓶が落ちていた。

 

「風か・・・なんかの拍子に落ちて割れたみたいだな」

 

「幽霊さんじゃないですよね?そうですよね?!」

 

「ん~・・・まぁ幽霊じゃないとおも・・・」

 

思う、と言おうとした瞬間目の前の扉がドンドンと音を立てる

 

「ぴぎゃああああ!!」

 

「おおおおおお!?」

 

さすがに俺もビビる。

いや、ふつうドアがそんな音立てたらビビるでしょ?ね?

 

「な、なんなのですうううう!!」

 

「こっちが知りたいわあああ!!!」

 

そんな叫びをあげているとゆっくり扉が開く。

 

「ひぃぃぃぃ!!」

 

「神よおおおお!!!」

 

電は俺に抱き付き、俺は拳銃を構える。

すると・・・

 

「・・・・・・あれデジャブ」

 

中から青いツナギ着たいい男が出てきた。

・・・いやな予感しかしない。

すると・・・

 

『や ら な い か ?』

 

「・・・・ここもかよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

俺はものすごい勢いで電を担ぎ上げダッシュで逃げる。

 

「はにゃっ!?」

 

「退避ぃぃぃぃぃ!!!」

 

なんでここもコイツいるんだよ!!

てか、銃持った幽霊はいなかったけどさ、ある意味巨砲を持ったヤツいたよ!!

しかもその砲口が女の子のほうに向いててもアウトだけど俺のほうに向いてたよね?!

おまけにエネルギー充填120%みたいな状態で今にも波動砲撃ちそうでしたけどぉぉ!!

 

「なんでアイツここにもいんの!?」

 

「しらないのですうううう!!!ていうか追いかけてきてるのです!!!」

 

『ホイ♂ホイ♂』

 

ホイホイ言いながら追いかけてくる幽霊ってなんなの!?

 

「アカン、ここマジでアカン!!」

 

「いやもう最初からヤバそうな雰囲気出てたのに突入したの司令官さんなのです!」

 

「いやホントごめんなさい!!」

 

『ホイ♂ホイ♂』

 

「お前はホイホイうるさいわあああああ!!!」

 

幽霊にブチ切れながら逃走する。

すると・・・

 

『アーッ♂』

 

という悲鳴を上げて声が聞こえなくなる。

後ろを見ると床に開いてた穴に落ちたようだ。

 

「やったか?」

 

内心フラグのような事を言ったと思いながら穴に近づく。

 

「し、司令官さん・・・危ないのです・・・!」

 

「大丈夫だ」

 

穴をライトで照らすと・・・

 

『ホイ♂ホイ♂』

 

『ウホッ♂』

 

『アーッ♂』

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大量の青つなぎが穴の中にいた。

俺は無言で電の腕を引き外に出る。

 

「し、司令官さん?なに見たのです・・・?」

 

「・・・・・・・・思い出したくない・・・」

 

「何があったのです!?」

 

そして外に出ると同時に・・・

 

「鎮守府!近接航空支援要請!ポイントA-G-0-9-2!廃病院、JDAMで吹っ飛ばせ!!」

 

<<し、司令官!?>>

 

「いいからでっかいの落して吹っ飛ばせ!!」

 

<<りょ、了解!待機中のストライクイ-グルが向かう!>>

 

「司令官さん?!何する気なのです?!」

 

「この悪魔の館を吹っ飛ばしてやる!」

 

「あの・・・司令官・・・なにが出たんですか・・・?」

 

「・・・ホモが出た」

 

「oh....」

 

その20秒後、病院は跡形もなく吹き飛んだ。

 

 

 

 

 

~翌朝~

 

「・・・・昨日はひどい目にあった・・・」

 

「・・・司令官さん・・・もう肝試しはやめようなのです・・・」

 

「俺も懲りた」

 

「そういえばさっきから何の書類を作っているのです?」

 

「ん?ああ、これか。エメリア軍から依頼が来てな」

 

「依頼?」

 

「グレ-スメリア奪還戦だとさ、そんでその前哨戦のB7R攻略の用意だよ。これは米軍と共同でやる任務だ」

 

昨日の夜にエメリア軍からの依頼が日本軍に届いていたらしい。

現在のエメリア軍に深海棲艦と戦える戦力は少なく、ましてや艦娘というものが存在しないエメリアにとっては藁にも縋る思いだったのだろう。

 

「そんで、今回は横須賀鎮守府がエメリア派遣になるらしい」

 

「外国ですか・・・」

 

「成功したら一ヶ月は向こうに滞在らしいよ」

 

「なるほどなのです・・・」

 

「それでその前哨戦としてエメリアに行くためのル-ト上に存在するこのエリアB7Rの制海権を確保、その後米軍と日本海軍の補給艦から補給と修理を受けてグレ-スメリアに進攻って感じだな」

 

作戦としては今言った通りだ。

米軍はB7Rの制海権を確保までがこちらとの合同任務となっている。

その後はエメリア軍と合流しグレ-スメリアに向かう。

 

「よし、とりあえず案もまとまったし、会議室に行こうか」

 

「了解なのです!」

 

一足先に会議室に向かい、機材を準備していると続々と集まってくる。

 

「よし!みんないるな?作戦説明だ!」

 

今回のB7R制海戦、内容は細かいことはあまりない。

なぜならそこは敵味方が乱戦する場所であり、敵と味方を間違えるな。というのが要注意事項なだけだ。

その海域は電波状況も悪く、混線したりして指揮系統がうまく機能しない。

だから作戦案を練ってもあまり意味をなさないのだ。

 

「とりあえず交戦規定はただ一つ、生き残れ。いいな?」

 

昔からB7Rに伝わる交戦規定だった。

 

「それと今回は夜戦になる。そういうわけで川内、好きなだけ暴れてこい!」

 

「ひゃっはあああああ!!!夜戦だああああ!!汚物は消毒だああああああ!!!」

 

「・・・世紀末になってんぞ・・・」

 

とりあえず今回は夜戦メインなので水雷戦隊が主戦力となる。

現代艦は主に後方支援となる。

しかしもし相手にミサイル駆逐艦などがいた場合に備えて、いそかぜとマイケル・マ-フィを艦隊に入れる。

編成は いそかぜ、マイケル・マ-フィ、川内、夕立、第六駆逐隊の8隻だ。

残りの艦は後方から交代要員や支援要員として待機する。

戦艦隊はグレ-スメリアに備えて後方待機となる。

 

「この作戦で行く。質問は?」

 

手は上がらない。

 

「よし、1300から作戦開始だ、解散!」

 

会議室から皆が出ていく。

 

「電、準備は大丈夫か?」

 

「はい!久々の夜戦なのです・・・」

 

「そうだな、まぁ・・・その・・・川内みたいになるなよ・・・」

 

「いや、どう転んだら私がそうなるように見えるのです!?」

 

「いやまぁ・・・大丈夫か」

 

「大丈夫なのです!」

 

「電、装備換装とかは大丈夫か?砲は76mmしかないが・・・」

 

「いえ、案外使いやすいのであれで大丈夫なのです!」

 

「ならよかったよ、もし換装したかったら早めにな」

 

「了解なのです!」

 

電も準備のため部屋を出ていく。

俺も念の為航空支援の準備するかな・・・

そういえば昨日の病院爆破・・・なぜかニュ-スになっていないというこの・・・

俺・・・圧力かけた記憶ないんだけどなぁ・・・

 




今回はうまく書けたかな・・・?


最近感想返せずすみません!
なるべく返せるようにします!




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円卓の鬼神

~いそかぜ~

 

鎮守府を出てはや6時間、もうあたりは暗くなってきた。

 

<<そろそろ作戦海域か・・・内容を再確認するぞ>>

 

「了解」

 

<<今回は米海軍との合同作戦だ。制海権は現在深海棲艦にある。俺たちは米海軍との連合軍として参加する。まぁ、必要事項はこんなもんか?あとは’’生き残れ’’それが唯一の交戦規定だ>>

 

「ずいぶんとさっぱりした交戦規定ですね・・・・」

 

<<昔っからの伝統なんだ、仕方ない>>

 

「了解、そろそろ作戦海域ですね・・・総員、戦闘用意!」

 

「了解っぽい!」

 

いつの間にか改二?というものになった夕立さんは目を赤く光らせていた。

普通に怖いです。

 

「向こうが赤く・・・・戦闘海域に突入します!」

 

闇夜が赤く照らされている。

燃え上がる艦船の炎のせいだろう。

無線を合わせると・・・

 

<<左舷魚雷!!>>

 

<<連合軍統合本部より入電、連合軍海上・航空戦力はすでにその40%を損失!>>

 

<<くそっ!数が多すぎる!手におえん!!>>

 

<<増援はまだか?!>>

 

無線からは味方の助けを求める声や砲声が響いてくる。

 

「みなさん、これより戦闘海域・・・」

「よーし!花火の中に突っ込むっぽーい!!」

 

「あ、ちょっ!!」

 

夕立さんが最大船速で突っ込んでいく。

 

「あらら、行っちゃったわよ?」

 

「私たちも続きます!第六のみなさん、夜戦はお任せします!」

 

「なのです!」

 

「ypaaaaaaaaaa!!」

 

そんな声といっしょに・・・

 

「ひゃっはああああ!!私の時間だあああああ!!!この海を私色に染め上げるよー!!」

 

と、奇声を上げ突っ込んでいく川内さんの姿があった。

 

「みんな元気ね・・・」

 

「マイケルさんも行きましょう、攻撃開始です!」

 

「了解、さて・・・どれから狙おうかしら・・・」

 

「第一目標・・・・チッ・・・敵味方が入り乱れすぎて・・・」

 

レ-ダ-には100以上の光点がある。

狙おうにもどれが敵でどれが味方が今一わからない。

IFFで判別はできるものの、砲撃が行おうにも味方に当たる確率が高すぎる。

 

<<識別信号受信・・・!艦娘隊だ!!>>

 

<<来た・・・来たぞ!天使のお出ましだ!>>

 

味方の士気は上がっているようだ。

ここから見える限り・・・敵艦は30以上・・・味方艦は20を下回っている。

 

<<こちら対潜哨戒機ブル-ハウンド!現在、敵潜水艦の情報なし!>>

 

<<こちら空中管制機ヘビ-クラウド、了解>>

 

<<ベインブリッジより艦娘隊!敵戦艦を片付けてくれ!>>

 

「こちら いそかぜ、敵艦の位置情報願います」

 

<<いそかぜ、こちらヘビ-クラウド>>

 

「こちら いそかぜ」

 

<<そちらより6㎞、ベインブリッジの真横4㎞の位置に敵戦艦だ>>

 

「了解しました!トマホ-ク発射します!」

 

VLSを解放する。

発射弾数は・・・3発!!

 

「トマホ-ク、攻撃はじめ!!」

 

轟音を上げ、艤装からミサイルが放たれる。

 

<<ソロモンの悪夢・・・見せてあげる!>>

 

<<電の本気を見るのです!>>

 

皆次々と敵艦を沈めていく。

その中でも夕立さんの戦果が著しい。

すでに3隻沈めている。

しかも3隻とも戦艦だ。

主力を失いつつある敵艦隊は劣勢になってゆく。

 

<<あの駆逐艦娘なんてヤツだ・・・アイツが戦況をひっくり返してやがる>>

 

<<悪魔だ・・・>>

 

<<そんな生易しいものじゃない>>

 

たしかに・・・悪魔なんてものじゃない。

あれは・・・

 

<<ああいうのはな、鬼神って言うんだよ>>

 

<<鬼神・・・>>

 

そう、鬼神だ。

目を赤く光らせ敵艦を容赦なく葬っていく。

その戦いっぷりに私は見入ってしまった。

 

「すごい・・・」

 

同時に恐ろしくも感じた。

 

<<こちらハルゼ-!敵艦撃沈!>>

 

<<こちらUSSアンツィオ!前方をふさぐ艦、離れてくれ!>>

 

<<ぐっ・・・!こちらソ-サラ-1!被弾したベイルアウトする!>>

 

<<隊長!>>

 

<<こちらAWACSヘビ-クラウド、敵脅威レベル低下。あと少しだ、叩き潰せ>>

 

「敵艦・・・あと15隻!」

 

<<あと何隻?!>>

 

「あと15・・・いえ13隻です!」

 

<<了解!!>>

 

<<もういっちょ撃沈っぽーい!これで6隻目っぽい!!>>

 

「鬼だ・・・」

 

確認できた戦果だけでも戦艦を3隻以上沈めている・・・

 

<<あの犬耳少女・・・鬼だ・・・>>

 

<<円卓の鬼神・・・>>

 

夕立さんに新たな通り名がつけられそうになっていた。

 

「主砲、撃ちー方ー始めー!!」

 

私も負けじと主砲を撃つ。

目標は敵駆逐艦だ。

 

「命中・・・撃沈!」

 

<<こちらAWACS、当海域に近づく艦影を補足、動きが妙だ。警戒せよ>>

 

「増援・・・」

 

そんな事を呟いていると混線で相手側の声が聞こえてくる。

 

<<目標を射程範囲内に補足>>

 

<<雷巡チ級より各艦、槍を放て>>

 

槍・・・魚雷?!

でも距離はだいぶある。

当たるのか・・・?

 

<<こちらブル-ハウンド!魚雷音・・・高速接近!複数、複数だ!避けろ!!>>

 

「ブル-ハウンド!魚雷は何本ですか?!」

 

<<最低でも20!早いぞ!100ノット近く出ている!>>

 

「100!?キャビテ-ション魚雷か・・・・!!」

 

周囲に細かい泡を発生させ抵抗を減らし、航空機並の速度で水中を進める魚雷・・・

ス-パ-キャビテ-ション魚雷・・・かつてユ-ク軍が開発していた魚雷だ。

なぜ深海棲艦が・・・

 

<<魚雷・・・どこなのです!?>>

 

<<雷跡が見えないっぽい!!それに早いよ!!>>

 

<<ぬあああああ!!!こちらシャイロ-!!被弾した!!船殻に亀裂!浸水発生!!>>

 

<<無理だ!避けきれない!!>>

 

<<弱音を吐くな!取り舵いっぱい!!>>

 

<<バカッ・・・!僚艦にぶつか・・・うわっ!!>>

 

<<メーデ-!メ-デ-!!こちらUSSレイクエリ-!僚艦と衝突!!機関部に浸水!!航行不能!航行不能!!>>

 

友軍と衝突する艦も出てくる。

すると・・・

 

<<あ・・・!!電、避けて!!>>

 

<<え・・・?>>

 

無線だけで状況がわからない。

だが・・・電さんに魚雷が迫っているのはすぐわかる。

 

「避け・・・!」

<<面舵いっぱい!!>>

 

レ-ダ-上で電さんと一隻の米軍艦が重なる。

 

<<くっ・・・!!>>

 

<<あ・・・あ・・・>>

 

<<こちらUSSサンプソン。嬢ちゃん、無事か?>>

 

<<あ・・・え・・・ぶ、無事・・・なのです・・・>>

 

状況はきっと被弾しそうになった電を米軍艦が庇ったのだろう。

 

<<無事か・・・よかった。こっちはスクリュ-軸をやられた・・・航行不能だ、総員退艦する!>>

 

<<わ、私のせいで・・・>>

 

<<この艦は最期に女の子を護れたんだ。本望だろうさ、救助頼むぜ天使ちゃん>>

 

<<りょ、了解なのです!>>

 

「みなさん!無事ですか?!」

 

<<なんとか・・・>>

 

<<無事っぽい!>>

 

良かった・・・

あとは敵艦に向けて攻撃を行わないと・・・

 

「マイケルさん!トマホ-ク撃てますか?」

 

<<撃てるわ、敵艦隊ね?>>

 

「はい!攻撃開始してください!」

 

<<了解、攻撃はじめ!>>

 

「撃ちー方ー始めー!!」

 

その攻撃を行ったすぐあとだった。

もう一度混線で敵の情報が聞き取れた。

 

<<全艦、もう一度だ、放て!!>>

 

<<敵高速魚雷発射!>>

 

<<こちらヘビ-クラウド、敵増援機確認・・・速い!>>

 

「敵機まで・・・チッ・・・!!」

 

混線で敵航空隊の無線も聞こえてきた。

 

<<・・・ロト1より各機、野犬狩りだ、艦娘を沈めるぞ>>

 

<<了解っ!>>

 

あの艦載機しゃべれるんですか!?という突っ込みが発生したが気にしない。

とりあえず・・・アポト-シスで迎撃してみよう。

 

「司令官!アポト-シスでの敵機迎撃を進言します!」

 

<<了解、ちょっとまて>>

 

私はいつでも撃てるように敵機の通過予想地点をロックオンしておく。

 

<<許可する!味方に当てるなよ!>>

 

「了解!」

 

次の瞬間、真っ赤に塗装されたミサイルが発射される。

炸裂位置はぎりぎり味方に届かない程度だ。

 

<<こちらヘビ-クラウド、友軍艦艇さらに沈没。戦力50%>>

 

<<敵は!?敵の戦力は!?>>

 

<<敵戦力・・・30%以下に減少、あとひと踏ん張りだ>>

 

<<了解・・・了解!!>>

 

戦力が削られていく。

いつまで持つか・・・

しかしその間にも夕立さんはさらに敵艦船を撃破、もう10隻以上撃沈している。

通り名は完全に円卓の鬼神で決定らしい。

 

「敵艦船・・・あと4隻!」

 

<<敵脅威レベルさらに低下。敵は撤退を開始、B7Rの制海権を確保した>>

 

<<やった!やったぞ!!>>

 

<<ざまぁみろ!!深海に引きこもってやがれ!!>>

 

<<ヘビ-クラウドより艦娘隊、補給艦が3時間後に当海域に到着する、補給が完了後、エメリア軍ミサイル駆逐艦マリ-ゴ-ルドと合流しグレ-スメリアに迎え。また、この後エメリア軍の空中管制機ゴ-ストアイが貴艦隊の指揮をとる>>

 

「こちら いそかぜ、了解しました。お疲れ様でした」

 

補給艦が来るまで待機か・・・

 

「いそかぜさん!お疲れっぽい!」

 

「はい、お疲れ様・・・って何持ってんですか?!」

 

「ぽい?」

 

夕立さんは撃沈した敵艦のツノ?のような物を握りしめていた。

 

「なんでそんなもの持ってるんですか?!これ戦艦のじゃないんですか!?」

 

「殴ったら取れたっぽい!」

 

「戦艦殴り倒したんですか!?」

 

「うん、弾装填中だったから右ストレ-ト入れたら沈んだっぽい!」

 

「どんな威力なんですか・・・」

 

「試すっぽい?」

 

「やめてください死んでしまいます」

 

さすが円卓の鬼神・・・とか思っていた。

てか円卓の鬼神って・・・司令官の昔の通り名ですよね。

二代目ですか・・・

そんな会話をしていると・・・

 

<<なぁ、艦娘の嬢ちゃん>>

 

「?なんですか?」

 

<<このあとよ、俺たちの船でパ-っとどうよ!>>

 

「・・・下心が声色から漏れ出てますよ、USSゴンザレスのクル-さん」

 

<<あ、テメッ!!何作戦中にナンパしてんだ!>>

 

<<げっ・・・砲雷長・・・>>

 

<<お前、便所掃除2週間な。ちなみに第三ブロックの>>

 

<<ちょっ!!あそこ臭くて有名な場所じゃないですか!!しかもなんか出るってみんないうし!>>

 

<<ちょうどいいじゃないか、便所はキレイになるし幽霊は見れる。最高だな>>

 

<<地獄だ・・・・>>

 

そしてプツリと無線が切れた。

 

「あ、あはは・・・向こうも大変ですね・・・」

 

「まぁ、仕事中にナンパしたし、自業自得じゃない?」

 

私はUSSゴンザレスの名も知らないクルーに心の中で合掌しおしゃべりしながら補給艦を待っていた。

 

 




夕立=鬼神って感じがする俺氏。
ちなみに俺の所の夕立はまだ改二じゃないっぽいいいいいいいいいいいい!!!


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グレ-スメリア奪還

B7Rの制海権確保・・・よし!

 

「電、調子はどうだ?」

 

<<良好なのです!これからグレ-スメリアに突入するのです!>>

 

「了解!全力で叩き潰してやれ!」

 

<<電の本気を見せてやるのです!>>

 

無線が切られる。

グレ-スメリアにはもうエメリア軍が攻撃を開始している。

 

「作戦は成功する・・・戦況は常に俺たちの味方だ」

 

自分に言い聞かせるように呟いた。

 

 

 

 

~いそかぜ~

 

<<フォックス2!フォックス2!>>

 

<<ビンゴ!>>

 

<<敵電子戦機撃墜!グレ-スメリアの制空権を確保!>>

 

<<スティ-ルガンナ-ズ、滑走路に接近>>

 

<<正面から堂々の凱旋だぁ!邪魔するヤツは容赦しないぞ!!>>

 

無線から士気マックスの味方の声が聞こえてくる。

今はグレ-スメリア空軍基地を奪還に向かう戦車隊の援護のために射程圏内に近づいている。

 

「みなさん!これより湾内に進入、艦砲射撃を行います!」

 

「了解なのです!」

 

「まず何から撃とうかしら?」

 

<<こちらゴ-ストアイ、敵艦隊は湾内に展開。駆逐艦が主な水雷戦隊だ>>

 

「了解しました!」

 

水雷戦隊・・・キャビテ-ション魚雷を持っていない事を祈ろう。

 

「電さん、水雷戦隊を任せてもいいですか?」

 

「はい!」

 

「私は戦艦を狙います!」

 

「分かったのです!」

 

目標敵戦艦・・・トマホ-ク発射用意!

 

「トマホ-ク発射・・・はじめ!」

 

「私はどうしようかしら」

 

「私と敵戦艦・・・いえ、敵空母をお願いします!」

 

「了解!」

 

分散して攻撃を開始する。

湾内には敵艦隊が最低でも10隻以上・・・でも私はイ-ジスだ、やれます!

 

<<スティ-ルガンナ-ズ、滑走路にさらに接近・・・行けるぞ!>>

 

<<こちら赤城!艦載機を上げます、近接航空支援はお任せください!>>

 

赤城さんたちの第二艦隊が到着したようだ。

続々と艦娘が到着している。

今はもう敵艦より数が上回っている。

 

「油断は禁物・・・ですね」

 

私は注意深くレ-ダ-で索敵する。

その時無線が混線・・・いや・・・混線じゃない・・・

 

<<われらの偉大なる提督は・・・>>

 

これは・・・プロパガンダ放送?

深海棲艦にもこんなことするヤツが・・・

だがその瞬間陽気な音楽が流れる。

今度は何だ?

 

<<電波ジャックなら俺たちに任せろ!本日も最高のビ-トをお届けするぜぃ!俺は自由エメリア放送のDJゼッド!>>

 

陽気なDJが無線をジャックしたようだった。

戦場で電波ジャックした挙句ラジオ放送って・・・どんだけ肝座ってるんですか・・・

 

<<敵対空砲撃破、イエロ-ジャケット、行け!>>

 

<<了解!ラジオ局を奪い返す!>>

 

ラジオ局奪還も始まったようだ。

 

<<こちらドラゴンバスタ-ズ、議事堂を奪還する!>>

 

<<ドラゴンバスタ-ズ、新たな敵増援・・・ビルの間から敵が湧いてきている>>

 

<<敵って・・・あれは女の子じゃ・・・>>

 

「それは深海棲艦です!!容赦しないでくだい!」

 

艤装を外した深海棲艦は厄介だ。

見た目は華奢な少女なので油断したり攻撃を戸惑ってしまう。

そのせいで返り討ちに会うことが少なくないのだ。

 

<<くそっ・・・撃て!!>>

 

<<こちらスティ-ルガンナ-ズ!滑走路に到達!残りを片付ける!>>

 

<<スティ-ルガンナ-ズ、こちらゴ-ストアイ。残敵は撤退開始、追撃する必要はない>>

 

<<了解!グレ-スメリア空軍基地を奪還したぞ!俺たちの滑走路だ!>>

 

さっそく空軍基地を奪還したようだ。

私は湾内の敵撃破に集中する。

 

「こちらいそかぜ、援護を必要としている部隊はありますか?あったら応答してください!」

 

<<こちらアバランチ!敵機が少なくなったが・・・対処しきれる量じゃない、落してくれ!>>

 

「了解しました!」

 

イ-ジスシステムを駆使し敵機を補足する。

 

「撃ちー方ー始め!」

 

<<こちらイエロ-ジャケット!ラジオ局に突入部隊を降下させる!>>

 

<<くそっ・・・この建物はもう持たない!勇士よ、最期まで勝利を信じ、深海に命をささげよ>>

 

<<逃げるんなら俺のスタジオのレンタル料置いていきなぁ!>>

 

ラジオ局の奪還も時間の問題だろう。

あとは湾内と議事堂・・・

でも湾内はあと駆逐艦が数隻だ。

 

「撃沈!これで・・・!」

 

<<湾内の敵を殲滅、マリ-ゴ-ルド、艦娘は湾内に進入しろ>>

 

<<了解した、湾内への侵入を開始する。エメリアのエ-ス・・・いやエメリアのエースと小さな天使に感謝する>>

 

小さな天使か・・・ちょっとうれしいな

 

<<いくぞ・・・ペイバックタイムだ!>>

 

<<アルファ1突入!>>

 

<<ドラゴンバスタ-ズ、議事堂に接近。情けは無用だ、敵を殲滅しろ!>>

 

怒涛の快進撃・・・少し順調に進みすぎて不安になった。

でも、順調に進む事が悪いことではない。

 

「作戦は順調に進行・・・あとちょっとですね」

 

<<上空の敵機は全滅っぽーい!>>

 

<<こちらゴ-ストアイ、了解>>

 

レ-ダ-にも敵機影なし・・・

あの量をどうやって落したのか気になるけど聞いちゃダメな気がする。

 

「あとは・・・あの港!」

 

私のすぐ目の前にある港。

あれが最後だ。

 

<<こちらドラゴンバスタ-ズ、議事堂を奪還した!自由の象徴を奪い返したぞ!>>

 

<<よくやったドラゴンバスタ-ズ。あとは港だけだ>>

 

<<こちらダガ-!艦娘隊を援護する!>>

 

<<了解した。艦娘隊、これより作戦を終了した部隊の一部を艦娘隊の援護に回す。必要に応じ支援要請を行え>>

 

「了解しました!さっそくですが、港付近に展開する砲を排除してください!」

 

<<ダガ-了解!ミサイルを叩き込む!>>

 

<<こちらメビウス1!いそかぜさん!私たちも行くよ!>>

 

「了解しました!これより港に突入します!みなさんは私と単縦陣に組みなおして突入します!」

 

<<了解!>>

 

皆が集まってくるのを待つ。

その間に港の砲台が次々とつぶされていく。

 

「これで全員ですね!これより突入します!」

 

「なのです!」

 

「ypa!」

 

「やるっぽーい!」

 

速力を上げ港に向かう。

港からは敵の最後の艦隊が出現した。

 

「敵艦隊!戦艦2、重巡4!」

 

「砲雷撃戦はじめー!」

 

「90度左旋回!T字に持ち込みます!」

 

「了解!」

 

左に急旋回して敵艦に横を向ける。

これで最大火力を発揮できる・・・と言いたいが私とマイケルさんは砲が一門のみ。

第六のみんなや川内さん、夕立さんが力を発揮できる。

 

「てーっ!!」

 

「ypa!」

 

魚雷や砲を斉射する。

私たちも対艦ミサイルを発射する・・・が私はトマホ-クがもう弾切れだ。

砲と短魚雷で応戦する。

 

「撃ちー方ー始め!!」

 

敵艦隊も負けじと砲撃を始める。

 

「敵弾来る!」

 

「回避してください!」

 

何十発という砲弾が飛び交う。

 

「きゃっ!」

 

「暁お姉ちゃん!大丈夫なのです?!」

 

「小破・・・この程度大丈夫よ!」

 

被弾する艦を出てくる・・・だけど・・・損害軽微!

 

「敵戦艦撃沈!」

 

「あとは重巡だけです!」

 

「雷撃で仕留めるよ」

 

「了解なのです!」

 

あとは損傷を受けた重巡洋艦のみ・・・やれます!

 

「てーっ!」

 

一斉に酸素魚雷を発射する。

魚雷に気づいた敵艦は回避しようとするがもう手遅れだ。

 

「遅い!」

 

次の瞬間、敵艦を大きな水柱が覆う。

撃沈だ。

 

「撃沈確認!港の敵勢力を撃破!!」

 

<<こちらゴ-ストアイ、グレ-スメリアに展開する敵性勢力を殲滅・・・首都を取り返したぞ!>>

 

<<ついにやった・・・俺たちの街だ>>

 

<<やった!やったぞ!>>

 

「ふぅ・・・終わりました」

 

「疲れたのです・・・」

 

「もうすぐ間宮さんが来てくれるそうですよ」

 

「間宮さん!?アイス!アイス!!」

 

私も疲れた・・・アイスが食べたいです。

そんな勝利に浸っていた。

 

<<ん・・・?レ-ダ-にアンノウン・・・>>

 

「え?」

 

私もレ-ダ-を確認する。

確かにアンノウンが表示されていた。

 

<<地上部隊、アンノウンを確認できるか?>>

 

<<待ってくれ・・・えーと・・・------->>

 

<<おいどうした!応答しろ!>>

 

爆発音が一瞬聞こえ、無線が途切れる。

 

<<データ照合・・・エストバキア機の増援を確認!>>

 

<<エストバキア!?クソ!アイツらまだ諦めてないか!!>>

 

<<全機、エストバキア機を迎撃しろ!>>

 

<<こちらアバランチ!弾切れだ!燃料も少ない!>>

 

<<こちらダガ-!私もだ!>>

 

<<ほかの航空部隊も弾薬不足・・・>>

 

どういうことだ・・・?

私は混乱していた。

深海棲艦ではない敵がここに・・・?

 

<<クソ・・・今武器が撃てるのは湾内に展開する艦娘隊だけだ!>>

 

「え・・・?」

 

その時混線で敵の声が聞こえた。

 

<<全機に次ぐ、グレ-スメリアを再び我らの手に>>

 

<<了解>>

 

敵は間違いなく人間だ。

 

<<艦娘隊!聞こえるか?!ただちに迎撃しろ!>>

 

<<対空戦闘!!>>

 

<<おい!弾薬はまだか?!はや------------->>

 

<<3-1応答しろ!チクショウ!>>

 

味方の損害が拡大している。

でも・・・相手は人・・・

私たちが船だったときトリガ-を引くのは人だった。

でも・・・今は私自身だ。

・・・人を・・・殺せるのか・・・。

 

<<艦娘隊!これは命令だ!迎撃しろ!>>

 

私は震える手で砲を上空に向ける。

他のみんなも一緒だ。

砲を向けているのは私とマイケルさんのみだが・・・

全員震えている。

 

「はぁ・・・はぁ・・・・」

 

撃てない。

今の私に人は殺せない。

 

<<艦娘隊!聞こえないのか!!撃て!!>>

 

<<くそ!さらにエストバキア機の増援確認!>>

 

レ-ダ-にさらに光点が増える。

数は10以上・・・

 

「はぁ、はぁ・・・!」

 

息が荒くなる。

今、砲を向けているのは深海棲艦じゃない。

人間なんだ。

その感情を捨てたいが捨てれない。

捨てたら何かが終わってしまいそうだ。

 

「撃てない・・・撃てない・・・!」

 

私はたぶん情けない声を出しているだろう。

その時混線・・・いや明らかにこちらの無線周波数であの増援機から無線が入る。

 

<<シュトリゴン12、進路2-5-0。機器の感度も良好だ。始めよう>>

 

<<・・・ジェントルマンがこんなに集まるとは・・・壮観だな>>

 

<<全機いいか。グレ-スメリアに展開する敵性勢力を排除する>>

 

<<了解した、エメリア軍を''援護''する!!>>




たぶんうまく書けたと信じたい。

たまりにたまった感想を頑張って返さないと・・・
ホント申し訳ない!


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首都解放

~いそかぜ~

 

<<エメリア軍へ、こちら370航空連隊第009戦術飛行隊シュトリゴン隊だ>>

 

<<シュト・・・俺たちの回線に入ってくんなクソが!!>>

 

敵?増援から私たちに通信が入る。

 

「いそかぜさん・・・!どうするのです・・・!?」

 

電さんが冷や汗を流しながら話しかけてくる。

 

<<我々は敵ではない、敵は最初に進入したあのエストバキア機だ>>

 

<<どういうことだ>>

 

<<あれは・・・>>

 

シュトリゴン隊の話によると戦争に負けたあとエストバキア国内では好戦派と守戦派が対立していた。

国内には好戦派が大多数だったらしく再び侵攻してきたとのことだった。

 

<<せめてもの罪滅ぼしだ。これよりシュトリゴン隊はエメリア軍の指揮下に入る>>

 

<<こちらゴ-ストアイ。了解した>>

 

<<おいおい!!信じるのかよ!!>>

 

上の話が何一つ理解できない私たちは茫然としていた。

・・・その時だった。

 

「・・・ッ!?電さん!!敵機直上!!」

 

「えっ・・・・?」

 

突然の轟音・・・真上を見上げるとエストバキア軍のF-18が急降下してきていた。

明らかに私たちを狙っている。

 

「くっ・・・!!」

 

私はとっさにVLSを開きスタンダ-ドを発射する。

スタンダ-ドは白い尾を引き敵機に真正面から直撃した。

直後に轟音と爆風・・・

 

「あ・・・・あぁ・・・」

 

突然に出来事に電さんは放心していた。

 

「はぁ・・・はぁ・・・大丈夫ですか?」

 

「だ、大丈夫なのです」

 

「よかった・・・」

 

私は力なくその場に座り込んだ。

海水がスカ-トを濡らして冷たい。

 

「い、いそかぜさん?大丈夫なのです・・・?」

 

「少し・・・休憩させてください」

 

上空を見上げるとすでに空中戦が始まっていた。

その時私のすぐそばに何かが落ちてきた。

 

「?」

 

私はそれを拾い上げる。

それは・・・血の付いたヘルメットの一部だった。

さっきのパイロットのものだろうか・・・

急激に罪悪感が押し上げてくる。

私は仲間を護った。

だけど・・・人を・・・殺した。

 

「う、うあ・・・」

 

「いそかぜ?大丈夫?」

 

「うあああああ・・・・!!」

 

「・・・」

 

マイケルさんがやさしく私を抱きしめる。

 

「ねぇ、泣いても仕方ない事じゃない?」

 

「でも・・・私は人の命を・・・私は命を護るために作られたのに・・・殺すためなんかじゃないのに・・・!」

 

「でもね、私たちは一応''兵器''なのよ?」

 

「でも・・・!」

 

「でもじゃないの。それに今のは電やみんなの命を護ったじゃない。あの機の翼に着いてた武器を見た?」

 

私は無言で首を振る。

敵機の兵装なんて見ていない。

ずっと見ていたらたぶん、トリガ-を引けなかった。

 

「GBU12・・・誘導貫通爆弾が6発ついてたわ。あんなブットイのが電に当たったら・・・どうなるかしら」

 

「・・・!」

 

考えるだけでもゾッっとする。

 

「それに、相手には明確な殺意があった。というか私たちの姿を確認して急降下ってなかなか殺意に充ち溢れすぎて殺意の波動を感じるわ」

 

「殺意の波動ってなんかかっこいいっぽい!」

 

「あんたは空気読みなさい!」

 

「あだっ!!」

 

マイケルさんに夕立さんがゲンコツされていた。

でも確かにそうだ。遠目から見たら私たちはただの女の子だ。

それに誘導貫通爆弾を叩き込もうとするなんて、そこには明確な殺意がある。

 

<<こちらシュトリゴンリ-ダ-!艦娘・・・だったか?>>

 

「こちらミサイル駆逐艦マイケル・マ-フィ。旗艦がちょっとアレだから私が代わりに交信します」

 

<<了解、上空の敵機には容赦しないでくれ。アイツらは守戦派の連中を兵士、市民、女子供問わず処刑してきたクソったれだ。あと10分でエメリア機が補給を終えて離陸してくる。それまで俺たちの援護と電子支援頼めるか?>>

 

「了解したわ」

 

マイケルさんは通信を切り私たちのほうを向く。

 

「ということで、対空戦闘用意」

 

「た、対空戦闘!?あれは人間が乗った戦闘機なのです!」

 

「そうよ、何か問題でも?」

 

「も、問題って・・・人を殺すのですか!?」

 

「あれは敵。それに貴女だって第二次大戦を駆けた軍艦じゃないの?」

 

「今は違うのです!!」

 

電さんとマイケルさんが口論をしていた。

他の艦娘はみんな黙っていた。

きっと撃つべきか撃たないべきかを考えているのだろう。

 

「・・・私はやるよ」

 

「響!?」

 

響さんが砲を上空に向け呟く

 

「もう姉や妹を失いたくないんだ。だから私は・・・撃つ」

 

「いそかぜ、貴女は?」

 

「・・・やります・・・!」

 

今撃たなければ誰も護れない。

上空の敵機は20以上、シュトリゴン隊は12機程度。

数で押されている。

それに艦娘の存在も気づかれただろう。

敵が来る可能性だって十分にある。

 

「わ、私は・・・」

 

雷さんは砲を握って震えていた。

その時だった。

 

「・・・!敵機接近!!雷さん!!」

 

「えっ!?」

 

雷さんは驚いて振り向く。

そこには今まさに機銃掃射を行おうとするSu-25の姿があった。

30mm機関砲が今まさに牙を剥こうとしていた。

その時。

 

「危ないのです!!」

 

「きゃっ・・・!!」

 

電さんが雷さんを突き飛ばす。

直後にSu-25から機銃掃射が始まった。

 

「きゃあああああ!!」

 

「い、電!!」

 

「い、いたたたた・・・怪我はないですか・・・?」

 

「な、ないけど・・・中破してるじゃない・・・!」

 

「雷お姉ちゃんを護れたから・・・満足なのです」

 

「ま、満足って・・・」

 

電さんは艤装の魚雷に直撃弾を受け、魚雷が誘爆していた。

しかし奇跡的に中破にとどまり轟沈には至らなかった。

雷さんは通り過ぎ、旋回して再び掃射コ-スに乗ろうとしてるSu-25を睨みつける

 

「よくも・・・よくも電を・・・!!」

 

砲を素早くSu-25に向ける。

 

「うわあああああああああ!!!!」

 

少しずらして12.7㎝砲弾を二発発射する。

すると一発は外れたが2発目がエアインテ-クに吸い込まれ機体中央部付近で爆発した。

直後に機体がはじかれるように横に吹き飛んだ。

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

しかし上空にパラシュ-トを確認した。

 

「パラシュ-ト・・・あ・・・!ベイルアウト!!」

 

私は一つ思いついた。

人を殺さずに敵を叩き落とす方法。

なぜ思いつかなかったのだろうか。

 

「みなさん!!聞いてください!!」

 

「何かしら」

 

「敵機の翼か胴体を狙ってください!でも機銃のみで・・・!」

 

「どうするつもり?そんな場所を狙い撃てっていうの?」

 

「ベイルアウト・・・させれなくても敵機を撤退させれます!そうすれば・・・誰も死なない!!」

 

「なるほど・・・でも・・・コクピットに当たっちゃうかもよ」

 

「・・・私はみなさんを信じます!」

 

「旗艦らしいことかは分からないけど、いいこと言うわね。乗ったわ」

 

「私もやるっぽい!狙撃なんてしたことないけど・・・」

 

「私もやるわ!夜戦ならもっと当てれたけどね!」

 

夜戦だと危ないですよ・・・という突っ込みは置いといて・・・

 

「レディ-なら狙撃くらいできるのよ!きっと映画化よ!」

 

いろいろ突っ込みどころが多いが気にしない・・・

 

「よし・・・やります!!まずは敵の注意をひきつけます!主砲弾を時限信管で上空を撃ってください!」

 

「分かったのです!」

 

駆逐艦たちから砲撃が開始される。

今湾内にいるのは私たちだけ・・・マリ-ゴ-ルドやほかの艦はみんな湾内から出て交戦している。

 

「撃てー!」

 

対空砲火に気づいた敵機がこちらに向かってくる。

 

「来ました!機種・・・A-6とSu-34!!Su-34のほうが厄介です!先にアイツを狙ってください!あの青い機体です!」

 

「了解!」

 

一発一発慎重に機銃弾が放たれる。

そして・・・

 

「命中・・・!敵機がバランスを・・・ベイルアウト・・・パラシュ-ト確認!雷さん!」

 

「任せて!助けるわ!」

 

「あ、私も行くのです!!」

 

撃墜したパイロットの救助に二人が向かった。

 

「さて・・・救助はあの二人に任せましょ」

 

「はい!」

 

その約6分後、続々とエメリア機が空に上がってきた。

戦闘は増援の到着とエストバキア機の撤退で終わった。

シュトリゴン隊はその追撃とばかりにその後ろを追っていった。

どんな人たちだったんだろう・・・

 

「ふぅ・・・終わったわね・・・」

 

「はい・・・」

 

帰ったらどこか空がよく見える場所にこのヘルメットを埋めてあげよう・・・

私は撃墜したパイロットの遺品を大事にしまった。

 

 

 

 

 

グレ-スメリアの港に入港する。

と言っても私たちはそのまま陸に上がったが。

電さんと雷さんは撃墜したパイロットを背負って病院に担ぎこんでいた。

もう夕暮れだ。

早くお風呂に入りたい・・・

そんな事を思っていると・・・

 

「いーそーかーぜぇぇぇぇぇぇ!!」

 

「ん?うらかz・・・きゃああああ!!」

 

「えへへ・・・やっと会えた~」

 

「やっとって・・・2日ぶりくらいですよ」

 

「私にとっては3年くらいです!」

 

「いやドヤ顔で言われても・・・」

 

「それよりも・・・お風呂いこっ♪」

 

「え、どこのですか?」

 

「ほらあそこ!」

 

うらかぜは高級ホテルを指さす。

あそこは艦娘に与えられた宿泊地だ。

 

「お部屋はとってあるんですか?」

 

「うん!私たち第3艦隊はさきについてたからね!」

 

「そうですか・・・じゃ、行きましょうか」

 

「おうよ!あ、夜は・・・寝かさないからね♪」

 

「え、あ、あの・・・私、今夜はきついんですけど・・・」

 

「大丈夫♪気絶したら寝れるよ♪」

 

「待って、お願いです待って」

 

「気絶させないようにするけどね♪」

 

「やめてください死んでしまいます」

 

嗚呼・・・私死ぬんだろうか・・・

 

 

 

 

~電~

 

グレ-スメリアの埠頭に腰かけて空を見上げていた。

時刻は夜。

首都解放を祝って花火が打ち上げれていた。

 

「キレイなのです・・・」

 

私はボソっと呟く。

司令官さん・・・早く到着してほしいのです・・・

 

「お前のほうがキレイだよ・・・なんちって」

 

「え?」

 

「よ、2日ぶり」

 

「し、司令官さん!」

 

私は思わず抱き付いた。

久々の司令官さんだ。

 

「おっと・・・可愛いなホント」

 

「えへへ・・・」

 

「さてと・・・よっこいしょ」

 

司令官さんは私と一緒に座る。

波の音と花火の音がとても心地よい。

 

「たーまやー」

 

「日本の花火とはまた違ってキレイですね・・・」

 

「そうだなぁ・・・」

 

「ここでかき氷でもあったら最高なのです」

 

「エメリアは今冬だぞ?」

 

「ふふ、知ってるのです」

 

「日本に帰ったらかき氷食べような」

 

「はい♪」

 

「さて・・・いつまでもここにいたら風邪引くし、宿泊先にでも行くか」

 

司令官さんは私の手を握り歩き出す。

この手を握るには2日ぶりだけど・・・私には1年より長く感じた。

その分・・・幸せだけど。

 

「ホテルに帰ったら高級ディナ-が待ってるぞ~」

 

「おお!楽しみなのです!」

 

「コース料理だって聞いたな・・・楽しみだな」

 

「はい!」

 

そういえば・・・港に帰ってから雷お姉ちゃんの姿が全然見えない。

 

「司令官さん、雷お姉ちゃんはどこ行ったか知ってるのです?」

 

「ん?ああ、あいつなら被災者の救護に回ってたらしいぞ。なんかまぁ・・・すごい活躍だったらしい」

 

「あ、そういえば私たちが助けたパイロットさん・・・」

 

「ああ、エストバキア機の?あいつ等なら病院だよ。まぁ・・・その・・・」

 

司令官さんはすごく言いづらそうになる。

 

「どうしたのです?」

 

「そのだな・・・電と雷に会いたくて仕方ないらしい・・・ちなみにもう4回くらい病院を脱走してる」

 

「え・・・」

 

「お前ら好かれてるなぁ・・・」

 

司令官さんはすごく苦笑いだった。

 

「まぁ・・・電は渡さんがな!」

 

「えへへ・・・」

 

そんな話をしているとホテルに到着した。

 

「さて・・・んじゃチェックインしようかね」

 

「お部屋は何階ですかね」

 

「見晴らしがいいと良いな」

 

司令官さんがカギをカウンタ-から受け取っていた。

 

「えっと・・・25階・・・スイ-トル-ムゥゥゥ!?」

 

「すいーとるーむ・・・?」

 

私には聞きなれない言葉だった。

 

「どんだけいい待遇になってんだ・・・」

 

「スイ-トル-ムって何なのです?」

 

「ん~・・・まぁ・・・めちゃめちゃ高級な部屋だよ」

 

「すごいのです・・・!」

 

そんなところ初めてなのです!

部屋に入るとまずは荷物を置いた。

と言っても私たちの荷物は先に届いていてほとんど司令官さんの物だった。

 

「すごいいい景色なのです・・・」

 

まだ復興が進んでないとはいえ、ライトアップされたお城や艦船がキレイだった。

 

「なぁ電、あのお城明日行ってみるか?」

 

「え、いいのです?」

 

「ああ、休暇が貰えてるからな。それに明日グレ-スメリアに鎮守府を作るしな」

 

「それお手伝いしなくていいのです?」

 

「ああ、妖精さんが全部やってくれるよ」

 

「じゃあ明日はデ-トなのです!」

 

「そうだな!それにしても今日はお疲れ様」

 

「ふにゅ・・・」

 

司令官さんが頭を撫でてくれる。

 

「えへへ・・・」

 

そのまま後ろに倒れるように司令官さんにもたれかかる。

おっきな体・・・それがすごく安心した。

 

「そうだ、風呂入らないとな」

 

「そうですね・・・あ、司令官さん!」

 

「ん?なんだ?」

 

「お背中流すのです!」

 

「え」

 

司令官さんが少し硬直した。

 

「え、い、いや待て待て!一人で大丈夫だ!」

 

「え~・・・でも前混浴したじゃないですか・・・」

 

「あれは風呂ひろかっしな!」

 

「狭いと抱き付いてお風呂入るから安心するのです!」

 

「いや待て安心できん!主に息子が!」

 

「?私、子供は出来てないのです・・・」

 

ちょっと恥ずかしくなる。

で、でも司令官さんの子供なら・・・///

 

「とりあえず行くのです!」

 

「ま、待てって!!はぁ・・・もうなるようになれ・・・」

 

「れっつお風呂ー!なのです!」

 

「おー・・・」

 

「なんで元気ないのです!」

 

「いや・・・元気だよ・・・一部が・・・」

 

「?」

 

変な司令官さん。

 

 

 

~提督~

 

マズイ。結構マズイ。

何がマズイってさすがにこんなところで行為に及ぶわけにはいかん。

 

「お背中ゴシゴシなのです~♪」

 

で風呂に入っちゃってんだよなぁぁぁぁぁ!!!

やばい!マジでヤバイ!

 

「司令官さん、私の背中も流してほしいのです!」

 

「お、おう」

 

ええい、もうなるようになれ!!

 

「んっ・・・くすぐったいのです・・・」

 

電が顔を少し赤くしながら振り向く。

これなんてエロゲですかね。

いやもうゲ-ム化してださい。私買いに行きます。

 

「あっ・・・!」

 

「ど、どした?」

 

「い、いえ・・・その・・・くすぐったかっただけなのです・・・」

 

「そ、そか」

 

司令官さんの主砲が仰角最大ですけどどうしましょうコレ。

どう納めましょうコレ。

あ~そうだ~切り捨てればいいんだ~(乱心

 

「司令官さん、前も・・・流すのです?」

 

「ま、前!?」

 

「えへへ・・・もう司令官さんには何回も見られちゃってるので・・・」

 

「い、いや・・・そのだな・・・」

 

完全にエロゲだなコレ。

 

「前もお願いするのです・・・」

 

顔を赤く染め電がこっちを向いた。

何回も見たとは言ったが・・・まだこれ3回目ですからね!?

いや3回も・・・だけど・・・

今、頭の中で欲望と理性がドンパチしてるけど負けそう。

理性が負けそう。

 

「ん・・・あッ・・・」

 

「ど、どした?」

 

「・・・司令官さんのエッチ・・・なのです」

 

ご褒美ですハイ。

欲望が圧している!占有率70%!

 

「あの・・・司令官さん・・・」

 

「な、何だ?」

 

「変な気分に・・・なっちゃったのです・・・」

 

「へ、変な?」

 

「・・・えへへ」

 

はい負けたー。

理性が負けたー。

 

「い、電・・・」

 

「きゃっ!」

 

さすがに風呂場で押し倒したのまずかったかな・・・

ま、いいか。

 

「お、お風呂場じゃ・・・」

 

「もう無理だ・・・理性が負けた・・・」

 

「ふふっ・・・実は私もなのです・・・結構前から負けてたのです」

 

「電・・・」

 

「んっ・・・」

 

電とキスをする。

 

「ぷはっ・・・えへへ、ここだとすぐ体洗えるので案外いいかも知れないのです」

 

「そ、そうだな・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~朝~

 

「ぶぇっくしょい!!」

 

現在朝の6時。

さすがに風呂あがった後もはキツかった・・・

湯冷めした・・・

よく考えたらエメリアは冬だもんなぁ・・・

 

「電が風邪引いてなければいいけど・・・」

 

幸せそうな顔をして寝る電の額に手を当てる。

幸い熱はなさそうだ。

 

「ふぅ・・・よかった。俺も熱はないけど・・・うぇっくしょい!!」

 

くしゃみが・・・鼻風邪かな

 

「ん・・・くぅ~・・・」

 

「ホント・・・幸せそうな顔してるな」

 

電の頭を撫でながらもう布団に入る。

電の横に行くと・・・

 

「しれーかんさん・・・」

 

電が寝言をいいながら抱き付いてきた。

シャンプ-のいい香りがする。

 

「だいすき・・・」

 

もうその言葉でお腹いっぱいです。

その時フロントから電話が鳴る。

 

「ん?もしもし」

 

<<朝早く失礼します・・・あの・・・お連れ様が・・・>>

 

「連れ?誰です?」

 

<<えっと・・・いそかぜ様・・・とうらかぜ様です>>

 

「はぁ・・・どうされました?なんとなく予想つきますけど・・・」

 

<<実は喘ぎ声がうるさいと苦情が・・・>>

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

<<えっと・・・お伝えしましたので、失礼します>>

 

「あ・・・どうも・・・すみません・・・」

 

電話が切られる。

・・・・・・・・・・・・・・・あのクレイジ-サイコレズ共・・・

 

「はぁ・・・・」

 

深いため息が出る・・・

怒る気力もない。

 

「とりあえず・・・デートの準備でもするか・・・」

 

電の頭をもう一度撫でてやり準備を始めた。

そういえば電とは初めての海外だな。

楽しもう。

 

 




久々にイチャコラ書いた気がする。
序盤がすでに艦これが消えてエスコンになっちった☆


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グレ-スメリアでデ-ト

「・・・いかんさん!司令官さん!」

 

「んあ・・・」

 

「もう9時なのです!起きるのです!」

 

「ふあああああ・・・あれ・・・もうそんな時間・・・?」

 

「そうなのです!デ-トに寝坊なんて、おこなのです!」

 

「す、すまん・・・」

 

俺としたことが二度寝していた・・・

とりあえず起きて顔を洗う。

 

「司令官さん、ご飯はどうするのです?」

 

「ん~・・・ホテルの朝食でもいいが・・・今から出かけてどっかで食うのもいいかな?」

 

「私は出かけるに賛成なのです!」

 

「おっし、んじゃ出かけようか」

 

「なのです!」

 

電は鼻歌を歌いながら荷物をまとめている。

まとめるといっても女の子らしいバックにいろいろ詰めているだけだが。

俺も準備しとくかねぇ。

 

「財布と・・・ケ-タイと・・・」

 

あと護身用に拳銃も・・・

 

「あれ、なんで拳銃持っていくのです?」

 

「ああ、まだ町が解放されたばっかりだろ?警察の目が隅々まで届いてるとは言いにくいしな」

 

「なるほど・・・」

 

「まぁ、撃つ事はないだろうけどな。一応だよ」

 

弾数的に少し不安だが、知り合いから納入した9mm拳銃を専用のホルスタ-にしまう。

予備弾倉は3つ。

 

「さて、出かけるか」

 

「なのです!えい!」

 

「おぅ!?」

 

「えへへ・・・恋人繋ぎ?なのです!」

 

電は満面の笑顔で腕をからめてくる。

可愛い。

ホテルを出て歩いていると声をかけられた。

見たところ海軍関係者のようだ。

 

「イーグルアイ大佐・・・かな?初めまして」

 

「え~っと・・・どちら様?」

 

「僕は今度からグレ-スメリア鎮守府に提督として配属になる、マ-カス・ランパ-トだ。シャムロック・・・まぁそう呼んでくれないかな」

 

「シャムロック?」

 

「ああ、僕が空軍時代だったときのTACネークさ。今は、この通り怪我で飛べなくなったんだけどね」

 

「へぇ・・・俺と同じ空軍パイロットだったのか」

 

「僕はガル-ダっていう飛行隊の2番機だったんだ。一番機は・・・今もどこかで飛んでいるんだろうな」

 

シャムロックはそう言いながら空を見上げた。

まるで大切な物がそこにあるかのような目だった。

 

「タリズマン・・・」

 

「タリズマン?」

 

「隊長機の名前さ」

 

「隊長機か・・・俺も長らく隊長機を務めていたからなぁ・・・ホント、飛行隊の仲間ってのは家族みたいだよな」

 

「まったくだ」

 

そう二人で笑いあった。

 

「あ、そういえば司令部から言われたんだけど、艦娘を4人ほどこっちに派遣させるんだって?」

 

「ああ、まだ誰を派遣するかは決めてないけどな」

 

誰を派遣するか・・・本当に悩む・・・

そんな事をしていると前方からフラフラの雷が帰ってきた。

今の今まで救助や応急治療をしていたのだろう。

 

「ふあああ~・・・つ、疲れた~・・・」

 

「おっと・・・大丈夫か?」

 

「しれーかん・・・もっと私に頼っていいのよ・・・」

 

「今の状況で頼れるかッ!!」

 

「はわわわ!!大丈夫なのです!?」

 

雷は俺に倒れ掛かってきた。

 

「はぁ・・・お疲れ様」

 

「えへへ・・・いっぱい助けたんだからぁ・・・」

 

「あ~・・・シャムロック、すまないがコイツを自室に運び込んでやれないか?」

 

「モニカ・・・」

 

「シャムロック?」

 

「ん、ああ・・・すまない、わかったよ」

 

モニカとつぶやいていたけど・・・なんだ?

 

「シャムロックさん、モニカって呟いてましたけど誰なのです?」

 

「ああ・・・聞こえてたんだね。僕の娘だよ・・・その、雷って子によく似ててね・・・いや、本人かと思うくらい似てたよ」

 

「どんな子なのです?」

 

「えっと・・・写真が・・・」

 

シャムロックは一枚の写真を取り出す。

 

「これがモニカだ」

 

「確かにそっくりなのです・・・」

 

ただ、似てはいるが雷のように元気ハツラツ!みたいな感じではなく、おっとりした感じだ。

 

「今娘さんは?」

 

「・・・死んだよ」

 

「し・・・」

 

「エメリア・エストバキア戦争でね・・・僕は国を守り・・・家族を失った・・・エ-スパイロットが、身内すら守れないなんて・・・」

 

「・・・ごめんなさい、なのです」

 

「いや、いいんだ。君たちに非はないよ」

 

「でも・・・」

 

「いいんだ。なんだが・・・こうやってそっくりな子と会えてちょっと嬉しかったんだ」

 

「そうなのですか・・・」

 

俺は何も言えずにいた。

俺も過去に空爆で家族を失った。

相手は・・・友軍の戦闘機だった。

家族が隠れていた建物の近くに敵の対空車両がいた。

それに誘導爆弾が直撃、爆発で建物が崩壊した。

思い出したくない過去だ。

俺もその上空を飛んでいたんだから。

 

「大佐、すまない時間を取らせてしまって」

 

「ああ、いやいいんだ」

 

「じゃあまた。あと・・・雷ちゃんを送り届けておくよ」

 

「ああ、お願いする」

 

シャムロックと別れ、町に向かう。

 

「さて・・・朝飯をどうすっかな」

 

「ん~・・・あ!あのカフェとかどうなのです?」

 

「お、いいな。行こうか!」

 

「なのです♪」

 

カフェに入り、軽い食事とコ-ヒ-を注文し席に着く。

俺たちはテラス席に行った。

少し寒いが空が快晴で差し込む日差しが暖かい。

 

「む・・・美味いなこのサンドイッチ」

 

「私のクロックムッシュもおいしいのです!」

 

「どれ、交換してみるか?」

 

「はい♪じゃ、あ~ん」

 

「あ~・・・え?」

 

「あ~ん、なのです!」

 

「あ、あ~ん・・・」

 

「おいしいのです?」

 

「うまッ!!なにこれうまッ!!」

 

中のホワイトソ-スは美味い。とにかく美味い。

外にかかっているチ-ズも香ばしい・・・

俺もこれ頼めば良かった・・・

 

「司令官さんのサンドイッチもおいしいのです!」

 

「だろ!でも電のクロックムッシュも美味かったな・・・」

 

「えへへ・・・」

 

電はちょっと照れるような顔をしてコ-ヒ-をすする。

 

「はうぅ・・・苦いのです・・・」

 

「ははは、ミルクとか入れたほうが苦ァァァ!!!!」

 

なにこれ濃い。すごく濃い。

しかもめっちゃ苦い。

でも香りはいい・・・

 

「ん・・・でもこれ後味がいいなこれ!美味い!」

 

「た、確かに・・・でも苦いのですぅぅ・・・」

 

苦いのを我慢して飲んでいる電を眺めながら俺もコ-ヒ-を飲んだ。

 

「さて、次はどこ行くかねぇ」

 

「あ、私お城行きたいのです!」

 

「そういえば昨日も言ってたな」

 

「はい!」

 

「んじゃ行こうか!」

 

近くのバス乗り場からバスに乗りお城に向かう。

その途中バスの中でそのお城に関するエピソ-ドが流れた。

笑顔を武器に敵を屈服させた王様の話だった。

 

「もうすぐ着くな」

 

「降りる準備なのです!」

 

バスの中から町の様子を眺めていたが思ったほど治安は悪化していないようだった。

深海棲艦による破壊は少なく町の状態も良かった。

 

「到着なのです~!」

 

「間近でみると・・・でかいな~」

 

電と手をつないで城に入る。

中の美術品などを見ていると奥に金色の王様の像が見えてきた。

あと隣に何かの看板があった。

 

「ん?なんだあの看板」

 

近寄ってみてみると・・・

 

「・・・金色の雷像って・・・」

 

どうやら応急救護や救難に回っていた雷が黄金の像として建造されるらしい・・・

というか、仕事早いなエメリアの連中・・・昨日今日の話だぞ・・・

完成図にはいつもの明るい笑顔で袖をまくる雷のポ-ズが書かれていた。

 

「お姉ちゃん・・・」

 

「お姉ちゃん人気者だな・・・」

 

「なのです・・・」

 

なんだか妙な気分だったが・・・

まぁいいか。

城を出てまたバスに乗り街に戻る。

 

「そろそろ昼飯時だな」

 

「もうそんな時間なのです?」

 

「ああ、12時前だよ」

 

「早いのです・・・」

 

「まだ時間はたっぷりあるさ」

 

俺たちはその後もいろんな場所を回り、ホテルに帰ってきたのは夜の10時前だった。

 

「ぷはー・・・あのレストランなかなか美味かったな」

 

「なのです・・・食べ過ぎたのです・・・」

 

「あの美味さでバイキングなんだもんなぁ・・・」

 

「しかも安いと来たので・・・」

 

「とりあえず風呂入るか」

 

「あ、お背中流・・・」

 

「今日は大丈夫ッ!!」

 

マッハで風呂場に入る。

「むぅ~・・・・・」

 

とりあえず体を流し、スッキリしたので外に出る。

 

「電、お次どうぞ~」

 

「ありがとうなのです!」

 

電は俺と入れ違いに入っていった。

 

「今のうちに派遣で残す艦娘のリスト作っとかないと・・・」

 

風呂場からは電の鼻歌が聞こえていた。

 

「とりあえず・・・雷は残すべきかなぁ・・・」

 

エメリアの英雄のようなもんだしなぁ・・・

あとは・・・

 

「戦力的にいそかぜ と うらかぜを残したいが・・・こいつ等残したらシャムロックの胃が溶けてなくなりそうだから・・・いや、引き離したら俺の明日の命が保障されん・・・やめとこう・・・」

 

そんな事を呟きながら仕事をしていた。

 

「お先なのです~」

 

「おかえり~」

 

「司令官さんなに作ってるのです?」

 

電がタオルで頭を拭きながらのぞいてきた。

シャンプ-のいい香りがする。

 

「派遣艦娘のリストだよ」

 

「期間はどれくらいなのです?」

 

「そうだな・・・まぁ・・・半年間は・・・」

 

「長いのです・・・」

 

「そうだな・・・まぁ、まだ期限はある。とりあえず今日は寝よう・・ふああああ・・・」

 

「えへへ、お疲れですもんね」

 

「歩き疲れた・・・」

 

「じゃあ、今日はもうお休みなさいなのです」

 

「ああ、お休み」

 

「だいすき・・・ちゅっ」

 

「俺もだよ。ああもう・・・可愛いやっちゃなぁ・・・」

 

俺はそのまま電を抱き枕のように抱き寄せて眠りについた。

 

 

 

 

 

~一ヶ月後~

 

日が経つのは早いもんだな・・・

俺はグレ-スメリア鎮守府に来ていた。

今日は派遣艦娘をシャムロックに引き渡すときだ。

 

「すまんな、雷、暁」

 

「いいのよ!レディ-にはこれくらい寂しくなんてなふええええええん!!!」

 

「泣いてんじゃねーかよ・・・」

 

「お姉ちゃん、半年間のお別れ・・・ですね」

 

「半年間なんてあっという間よ!司令官のことよろしく頼むわね!」

 

「な・・・!私の旦那さんだから大丈夫なのです!」

 

「えっへへ」

 

派遣した艦娘は暁、雷、飛龍、蒼龍だ。

戦力はこれでなんとかなるだろう。

 

「じゃあシャムロック。あとは頼んだよ」

 

「ああ、大佐。しっかりと預かった」

 

俺はそのままシャムロックと派遣した艦娘たちと別れ、空港に向かった。

あとは一緒に来た艦娘たちと一緒に横須賀鎮守府に帰還するだけだ。

 

「電、寂しくないか?」

 

「ふぇ・・・寂しく・・・ないのです・・・ぐすっ」

 

「よしよし」

 

やっぱり寂しいらしくちょっと泣いていた。

俺はその頭をゆっくりと撫でているといつの間にか寝てしまったようだ。

 

「あら・・・寝たか」

 

飛行機はもう滑走路に到達・・・離陸滑走を開始した。

ここから横須賀まで10時間程度だ。

俺も一眠りしよう。

そう思い眠りの世界へ落ちていった。

 

 

 

 

 

 




今回は上手い事かけたと思うよ!

ちょっと今後の話につまりそうだったから無理やりグレ-スメリア編終わらせてすんません!


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萌え萌え大戦争 艦こればーん!!

このタイトルのゲ-ムをレジまで持っていくときは勇気が必要だった(遠い目


「ただいま~」

 

「あ、おかりなさい隊長」

 

「おっかえりー!」

 

「ケストレルもただいま。アンドロメダ、鎮守府の状況は?」

 

「そうですね・・・資源が溜まりに溜まってますよ。なんか・・・匿名の援助も多くて・・・」

 

「なんじゃそりゃ・・・」

 

「司令官さん、建造・・・いっちゃうのです?」

 

「お?電がちょっと建造にノリノリか?」

 

「お姉ちゃん居ないのがちょっと寂しくて・・・」

 

「なるほど」

 

可愛いのうコヤツめ。

まぁせっかく溜まってるし建造行くかな

 

「じゃあちょっくら建造行ってくる」

 

「了解しました」

 

司令室を出てドックに向かう。

せっかくだし航空母艦のレシピを回してみるか・・・

 

「お久~」

 

「てーとく!?殺されたんじゃ・・・」

 

「残念だったな、トリック・・・って何物騒な事言ってんだお前は!!」

 

「えーいいじゃん~・・・」

 

「いいじゃんじゃない!」

 

「はいはい~・・・んで、どうするの?」

 

「建造、空母で頼む」

 

「はいよ~」

 

予想はロクでもないのが出ると見た。

 

「電、何が来ると思う?」

 

「さぁ・・・思い切ってハボクックあたりですか?」

 

「どういう思い切りだソレ・・・」

 

思い切りでハボクック出てこられても(困惑)にしかならんぞ・・・

そんな会話していると妖精が書類を持ってきた。

 

「はいこれ。たぶん失敗だよ」

 

「ん?まぁ見せてみ」

 

「どうなのです?」

 

電と二人で見る・・・すると・・・

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

電と俺氏、絶句。

通常建造までは良かった。

資源もふつうだ。

それは良かった。

良かったんだ・・・

 

 

 

 

 

建造時間3分って何。

 

 

 

 

「おいどうなってんだこれ」

 

「し、知らないよ!」

 

「いったい何が出てくるのです・・・」

 

「さぁ・・・」

 

「とりあえずカップ麺でも作って待ってやがれ!」

 

「お前口悪いな!!」

 

妖精さんにそんな突っ込みを入れながら待つ。

すると建造が終了し、ドアが開いた。

 

「どんな娘が来ることやら・・・」

 

煙の奥に見えたのは駆逐艦サイズ・・・でも電たちと身長がそこまで変わらない。

てか・・・艤装・・・変じゃね?

気のせいかな・・・・・・

可変翼が見える・・・

 

「ようこそ、横須賀へ」

 

いつも通りそう声をかける。

さぁどんな自己紹介をしてくることやら・・・

 

「ニャーはネコにゃ!こんにちにゃ!」

 

「・・・はっ?」

 

ネコなんて駆逐艦居たっけ・・・

あ、軽巡にいたね。ネコじゃないにゃって言ってるけど・・・

 

「あ~・・・ネコ・・・?駆逐艦?」

 

「ニャーは駆逐艦じゃないにゃー!!どう見たらそう見えるにゃー!!」

 

「いやどう見たらって・・・見た目から・・・」

 

「キミの目は節穴かにゃ?!」

 

「いや・・・あの・・・」

 

腰より長い金髪に猫耳のようなパ-ツが頭についている。

艤装は・・・艦船というより戦闘機に近い気がする。

てか・・・この形・・・どっかで見たような・・・

 

「いいかにゃ?!その耳かっぽじってよく聞くにゃ!!」

 

「お、おう・・・」

 

「司令官さん・・・この子・・・船なのです?」

 

「とりあえず戦艦ではないな」

 

「なのです・・・」

 

そんな話しているとネコ(?)は深呼吸して・・・

 

「ニャ-はアメリカ海軍所属F-14トムキャットのネコにゃ!」

 

「・・・・・・・・・なんだって?」

 

「だから、F-14トムキャットのネコにゃ!」

 

「・・・・・・・・」

 

「にゃにゃにゃ!驚いたかにゃ!アメリカ海軍は世界さいきょーにゃよ!」

 

いやまて。いろいろ待て。

まず何で戦闘機が出てきてる。

 

「オイこら妖精」

 

「な、なに!?」

 

「お前いつ開発に切り替えた!?」

 

「いや切り替えてないよ!!」

 

「じゃあなんで戦闘機出てきてんだよ!!ここ艦船用だろうが!!」

 

「し、知らないってばー!!」

 

妖精とそんな言い争いをしていると・・・

 

「えっと・・・初めまして、私、特Ⅲ型駆逐艦「電」と言います。よろしくおねがいします・・・なのです」

 

「イナヅマ・・・?にゃ?」

 

ネコは不思議そうな顔をして首をかしげる。

 

「どうかしたのです?」

 

「護衛艦じゃないにゃ?」

 

「駆逐艦なのです!」

 

「にゃにゃ?」

 

「あの・・・艦娘じゃないのです?」

 

「艦娘?なんにゃソレ」

 

「え・・・」

 

ネコの頭には?マークが飛び交っている。

 

「鋼の乙女じゃいのにゃ?」

 

「鋼の乙女・・・って何なのです?」

 

「はにゃ!?お前鋼の乙女知らないのにゃ!?てか、海戦型乙女じゃないにゃ!?」

 

「海戦型っていうか・・・その私たちは元から艦船というか・・・」

 

「ニャ、ニャ-知恵熱出てきたにゃ・・・」

 

「だ、大丈夫なのです!?」

 

「ちょっと休みたいにゃ~・・・」

 

「と、とりあえず司令室行くのです!」

 

電たちがそんな話をしている最中・・・

 

「お前いったん工廠の整備しとけー!!」

 

「んだとこのクソてーとく!!その短小砲引きちぎるぞ!!」

 

「誰が短小だコラァァ!!」

 

「お前じゃァァァ!!」

 

「やんのかコラァァァ!!」

 

「かかってこいオラァァァ!!!」

 

妖精さんとバトルしていた。

 

 

 

 

~司令室~

 

「ごふっ・・・ただいま・・・ガクッ」

 

妖精のバトルを終え帰ってきた。

死ぬかと思った・・・

なんで100人くらい総動員で襲ってくんの?

怒らすとヤバイ。

ヤバイ、妖精ヤバイ

 

「し、司令官さん!?」

 

「あ、さっきのオッサンにゃ」

 

「オ・・・オッサ・・・ン・・・」

 

「司令官さぁぁぁぁぁん!!!!」

 

誰がオッサンだ!と言いたかったけど俺の意識がそこで終わった。

 

 

 

~3時間後~

 

時刻は夜の八時。

 

「ん・・・」

 

「よ、よかったのですううう!!」

 

起きると同時に電が抱き付いてきた。

 

「電、すまんな」

 

「大丈夫なのです!それよりネコちゃんと仲良くなれたのです!」

 

「お、よかったな」

 

「特にケストレルさんと息が合ってたのです!」

 

「まぁ、F-14っていったら艦載機だしなぁ・・・」

 

そういえばと思い、ネコの情報を確認する。

人の形をしているが・・・艦娘扱いなのか装備扱いなのか・・・

確認すると・・・

 

「ええっと・・・装備としても艦娘としても編成可能・・・どゆこと!?」

 

装備はM61バルカンとAIM-9X・・・あとはAIM-54フェニックスか・・・

艦隊防空向きかな?

 

「なんか・・・ややこしいな・・・」

 

「でも艦娘として編成可能ってことはやっぱり艦娘なのです?」

 

「いや・・・戦闘機だしなぁ・・・」

 

それよりも・・・

 

「この記述・・・鋼の乙女って何だ?」

 

「さぁ・・・私にもさっぱり・・・」

 

「まぁ・・・あとでネコに聞いてみるか」

 

「そうですね」

 

何とも不思議な艦娘(?)が建造(?)された日だった。

 

 




今回は正直このネタやりたかっただけだから微妙!
ゴメンね!!

自分の部屋で萌え萌え大戦争げんだいばーん!を発掘してやったらハマったでござる。
ていうか、開封すらしてなかったという。
記憶にある購入日は2年前・・・
あ~^トムキャンのネコ可愛いんじゃ~^

ていうか・・・ネコの声優はミズハスだったのに今気づいた。
もう何も怖くな(ry


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鋼の乙女と艦娘

なんとも不思議な艦娘(?)が建造された翌日。

 

「さて・・・仕事仕事」

 

司令室の机に腰かけPCを開く。

鋼の乙女とやらについても調べてみるか・・・

 

「最近日本近海は静かだねぇ・・・」

 

そんなこと呟いていると・・・

 

「司令官さん?いるのです?」

 

「ん?どした?」

 

「あの、お手紙が届いたのです」

 

「ん?」

 

電が封筒を持って司令室に入ってくる。

開けてみると・・・

 

「航空写真・・・か?画質悪すぎるだろ・・・」

 

白黒のよくわからない写真・・・

とりあえず司令部に問い合わせてみる。

 

「もしもし」

 

<<大佐か。どうした?>>

 

「あのウチに送ってきた封筒なんですけど・・・」

 

<<ん?ああ、敵泊地のだな>>

 

「あれ泊地なの!?」

 

<<どうした?分からなかったのかね?>>

 

「分かるか!!あんなん分かるか!!何で写真撮影してきたんすか!!」

 

<<いや・・・そう怒鳴らんでも・・・ふつうに偵察機だが・・・>>

 

「機種・・・」

 

<<え?>>

 

「機種は!」

 

<<ひゃ、百式だが・・・>>

 

やっぱり旧式機かよ・・・

 

「なんで陸軍航空隊に頼まないんすかアンタ等は!!」

 

<<り、陸軍などに頼んでどうする!>>

 

「あそこ、RF-4とか偵察機持ってんでしょうが!!」

 

<<え、そうなの?>>

 

「今知ったんかいいいいいいいいいいい!!!!!」

 

<<い、いやぁ・・・すまん・・・ウチと陸軍で仲悪いからなぁ・・・>>

 

「仲悪くても装備の把握くらいしとけ!!」

 

いつの間にかタメ口になってたけどまぁいいか・・・

 

「はぁ・・・とりあえずウチの衛星でどうにかしますよ・・・んで・・その泊地攻撃ですか?」

 

<<ああ、泊地と言っても敵の前哨基地のようなものだ>>

 

「了解しました」

 

ハァ・・・とため息をもらしながら電話を切る。

 

「司令官さん、すごい怒ってましたけどどうしたんですか?」

 

「いや・・・つくづくウチのお上ってネジ飛んでるなって・・・」

 

「?」

 

「ああ・・・知らないほうがいいのよ・・・」

 

「な、なのです・・・」

 

「とりあえず敵泊地攻撃だとさ。敵戦力の確認ができるまで待機だ」

 

「了解なのです!」

 

「あ、そうだ電」

 

「?」

 

俺は一つお使いを頼もうと思っていたことを思い出した。

 

「すまん、ちょっと街まで行ってこのPCのパーツを買ってきてくれないか?」

 

「パーツですか・・・」

 

「ああ、メモを渡すからそれを店員に見せたら教えてくれるから」

 

「分かったのです!」

 

「すまん!あと、帰りに何でも自分の好きな物買っておいで」

 

「え・・・でも司令官さんのお金ですし・・・」

 

「いいのいいの」

 

「えっと・・・ありがとうなのです!」

 

「おう!じゃあ、頼んだよ」

 

「なのです!」

 

電は部屋を出ていく。

俺はふと送られてきた写真を見る。

どれも画質が悪く、何が映ってるのか分からないが・・・

 

「ん・・・滑走路と・・・ハンガ-・・・航空基地か?」

 

てことは・・・戦艦隊の出番かな。

しかし俺は写真に違和感を感じた。

 

「ん~・・・?」

 

よく見てみると・・・

 

「この機影・・・嘘だろオイ・・・」

 

国籍やカラ-リングまでは分からないが・・・

 

「Su-27・・・いや35か・・・なんでフランカ-が・・・」

 

周囲にはMig-29やMig-21の姿もある。

しかし人間の姿はない。

 

「深海棲艦の戦闘機・・・いや・・・だったらもっと小さいはず・・・」

 

そんなことを呟いていると・・・

 

「おっはよーにゃー!」

 

「おわああああ!!!」

 

「おはようにゃ!」

 

「なんだネコか・・・」

 

「なんだとは何にゃ!」

 

昨日建造された艦娘(?)

まぁいいや、今ちょうど聞きたいこともあったし。

 

「なぁネコ。鋼の乙女って何なんだ?」

 

「にゃ!?てーとくともあろう人が鋼の乙女を知らんにゃ!?」

 

「いや初耳だ」

 

「仕方ないにゃ~・・・ニャ-が直々に教えてやるにゃ!」

 

鋼の乙女・・・基本的には戦うために建造された兵器なのだが、名前の通りベースはすべて乙女である。あらゆる国が保有しており、その戦力は非常に高く戦局が鋼の乙女の有無に左右されることもある。最新鋭の技術によって圧倒的な戦力と自我を持ち、すべての鋼の乙女は実在の兵器がモチーフとなっている。そのため、新型機として固有の型番で開発されたものがいる反面、既存兵器の鋼の乙女版として建造されたものもいる。年齢はバラバラで、第2世代ジェット戦闘機の鋼の乙女と第5世代ジェット戦闘機の鋼の乙女が同じ時代に戦っているほどである。鋼の乙女は主に航空機型、艦船型、装甲戦闘車輌型が存在する。

兵器いえど人間の乙女として造られているため、感情はちゃんと存在し、体つきまで人間の女性そのものである(食事もとり、買い物や料理、また旅行なども時たましている。航空機型でもある程度なら泳ぐことも可能だとか。

 

「つまり・・・人に作られた以外は艦娘と同じか・・・」

 

「艦娘がニャ-にはよくわからないにゃー・・・」

 

「艦娘っていうのは、第二次大戦中に存在した艦がなんやかんやでああなって出現したヤツだ」

 

「なんやかんやって何なのにゃ!!もっと詳しく教えるにゃ!!」

 

「いや・・・艦娘って俺たち人間が建造した存在じゃないんだよ・・・」

 

「じゃあアレかにゃ?妖精の仕業とでも言うのかにゃ?そんなこと・・・」

「いやそうだけど?」

 

「にゃ!?」

 

まぁ・・・本当に妖精の仕業かは知らんけどな・・・

 

「それよりも第二次大戦の艦って言ったにゃ?」

 

「ああ、そうだけど」

 

「ケストレルたちは何なのにゃ?」

 

「いや・・・あれも艦娘なんだが・・・その・・・ウチの工廠がおかしいんだよ・・・」

 

「にゃ?」

 

「ふつう電たちみたいな大戦中に存在した艦しか出てこないはずなんだが・・・」

 

「でもなんでニャ-が出てくるにゃ?」

 

「それは俺もよくわからん」

 

「にゃ~・・・あ!そうにゃ!二次大戦って事はミズ-リさんとかいるにゃ?!」

 

「ああ、なんかウチにはいるな。どした?」

 

「挨拶行ってくるにゃー!」

 

「お、おう・・・」

 

ネコはすごいスピ-ドで司令部を出ていくが・・・アイツ寮わかんのか・・・?

すると外から・・・

 

「にゃー!!!ここどこにゃー!!!!」

 

案の定迷っていた。

俺は右往左往するネコを司令部から眺めて仕事に戻った。

 

 

 

 




最近は日常系が多いかな?



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敵飛行場襲撃作戦 前編

「提督より全艦娘へ。1200までにオペレ-ション集合」

 

鎮守府内にそう放送する。

敵泊地攻撃作戦のブリ-フィングのためだ。

 

「電、準備は大丈夫か?」

 

「はい!ばっちこいなのです!」

 

「気合い入ってるなぁ~・・・」

 

電は元気にそういった。

今回は敵航空基地攻撃だ。

第一艦隊が戦艦・空母で編成し敵飛行場に艦砲射撃および空爆を行う。

第二艦隊は水雷戦隊で編成、対潜警戒を行う。

第三、第四艦隊は現代艦で編成、対空対潜対艦警戒を行う。

直接敵飛行場に攻撃を行うのは第一艦隊のみでほかは護衛だ。

 

「さて、ブリ-フィングル-ムに行くか。電、補佐頼んだよ」

 

「なのです!」

 

時刻は1130。

 

「準備は・・・よし!」

 

プロジェクタ-を設置し、作戦海域の海図を表示させておく。

 

「不安要素は・・・アレだけか・・・」

 

本部の情報を元に行った偵察で得た写真。

そこには飛行場といつでも離陸できる状態のSu-27とSu-35、Mig-29、Mig-21。

国旗は表示されていないのでどこの国のかは分からない。

深海棲艦がスホ-イ使ってるって聞いたらユ-クの軍人大激怒だろうなぁ・・・

そんな事考えてる皆が集まってくる。

 

「よし、ブリーフィングを始める!」

 

今回の作戦、編成はさっきも言った通りだ。

第一艦隊が航空基地襲撃。

第二艦隊から第四艦隊までが第一艦隊の護衛だ。

第一艦隊の編成は大和、長門、金剛、榛名、赤城、加賀。

第二艦隊、電、響、秋月、浜風、五十鈴、由良

第三艦隊、いそかぜ、うらかぜ、ピョ-トル、クズネツォフ

第四艦隊、アンドロメダ、ケストレル、シンファクシ、マイケル

 

「編成はこの通りだ。秋月は初実戦だな」

 

「はい!対空攻撃はお任せください!」

 

「あ、それとジョン、ミズ-リ」

 

「ん?なんだ?」

 

「すまん!お前らは別働隊というか・・・派遣でグレ-スメリアに向かってくれ!」

 

「はぁ!?なんで俺らだけ!?」

 

「いや・・・戦力がな・・・」

 

「ああ・・・向こう、駆逐艦と空母しかいねーもんなぁ・・・」

 

「工廠もあるんだがなぁ・・・妖精さんが言うこと聞かんらしい」

 

「なんだソレ・・・」

 

「とにかく頼んだ!」

 

「へいへい・・・」

 

しぶしぶ了承といった感じだった。

 

「話を戻す、今回の作戦・・・不安要素が一つある」

 

「何ですか?」

 

「この写真を見てくれ」

 

うつされた写真はスホ-イなどが映っている例の写真だ。

 

「これ・・・ボクの国のじゃんかー!!なんでこいつ等持ってんだよー!」

 

ピョ-トルが写真を指さして怒り出す。

 

「状況はよくわからんのだがな・・・とりあえず脅威はこいつ等だ」

 

こいつ等が居たら赤城、加賀の艦載機は全滅だろう。

 

「そういえばニャ-はどうすればいいにゃ?まさかお留守番かにゃ?」

 

「いや、お前はケストレル艦載機だ」

 

「任務は何なのにゃ?」

 

「赤城、加賀の航空隊と合流して航空基地まで護衛及び艦隊防空だ」

 

「なんかお仕事多いにゃ・・・でもニャ-のフェニックス空対空ミサイルがあれば問題ナシにゃ!」

 

「なんか不安だが・・・」

 

「ニャーがいれば百人力にゃ!」

 

「ま、まぁ・・・頼んだ」

 

なんとなく不安が残るが大丈夫だろう。

 

「あ、そうだ。今回の作戦、艦隊指揮及び航空隊指揮をAWACSが担当する」

 

「AWACSって何ですか?」

 

赤城が質問をしてくる。

そういや、赤城達には分からん単語だよなぁ・・・

 

「早期警戒管制機。まぁ、空飛ぶ指揮所だよ。コ-ルサインはスタ-バ-ストだ」

 

「了解しました」

 

「よし、一時間後に作戦行動開始!幸運を祈る!」

 

「了解!」

 

わらわらとブリ-フィングル-ムを出ていく。

俺は・・・支援攻撃の準備をしとくかな。

てか・・・あの武器商め・・・ICBMが在庫切れってなんだよ!

あれさえあれば攻略が楽になったのになぁ・・・

 

 

~大和~

 

「こちら第一艦隊、間もなく作戦海域に突入します!」

 

<<こちらスタ-バ-スト。了解。現在索敵レ-ダ-に機影なし>>

 

「大和さん、私たちはここで停止、艦載機を上げます」

 

「分かりました。敵の潜水艦などには注意してください」

 

「はい。では・・・第一次攻撃隊!発艦してください!」

 

赤城さんが矢を放ち艦載機を上げる。

空に無数の戦闘機、攻撃機が展開された。

 

<<ニャ-もすぐいくにゃー!>>

 

後方から轟音・・・ネコさんも航空隊に追いつく。

 

「私たちも行きましょう!」

 

 

 

 

~ネコ~

 

これが初実戦。頑張るにゃ!

 

「お~・・・ラジコンみたいにゃ・・・」

 

横を飛ぶ零式戦闘機を見ながらつぶやく。

 

<<こちらメビウス1!ネコさん!ちょっと速いよー!!もっとゆっくり!>>

 

「これ以上落すと失速するにゃ!これ以上は無理だにゃー!!」

 

<<こっちはフルスロットルなのにー!!>>

 

駄々っ子のように零戦が翼を振る。

そんなこと言われたって無理な物は無理だにゃー・・・。

 

<<こちらスタ-バ-スト。索敵レ-ダ-に機影>>

 

「にゃ!?こっちも捕えたにゃ!」

 

<<目標・・・Su-27・・・フランカ-グル-プ、敵>>

 

「先制攻撃にゃ!みんな先にいくにゃ!」

 

<<了解!ネコさん!また後で!>>

 

「ここはニャ-に任せて先にいくにゃ!」

 

あれ・・・もしかして今のニャ-ってすごくカッコいいにゃ!?

アメリカ舐めるにゃよー!!

 

「ニャ-がやっつけてやるにゃー!」

 

2発のフェニックス空対空ミサイルを発射する。

ニャ-には複数の目標を同時攻撃する能力があるからたったの2機や3機くらいの迎撃なんて余裕にゃ!

 

<<ビンゴ!敵戦闘機撃墜!・・・待て、新たな機影・・・これは・・・!>>

 

「どうしたにゃ?」

 

<<索敵レ-ダ-の反応が・・・ステルス・・・!しかもコイツは・・・>>

 

管制官の声から驚きが漏れている。

 

「どうしたにゃ!早く言うにゃ!」

 

<<F-22・・・ラプタ-グル-プ、敵!>>

 

「にゃー!?!?」

 

索敵レ-ダ-には2機編隊が映ったり消えたりしている。

ニャ-は第4世代の戦闘機・・・相手は第五世代機・・・。

うん、無理にゃ。

 

「ニャ、ニャ-の攻撃を避けれるかにゃ!」

 

残ったフェニックスミサイルを発射に一基に転進する。

 

「ラプタ-相手なんか無理にゃー!!!!」

 

 

 

~いそかぜ~

 

<<ラプタ-相手なんか無理にゃー!!!!>>

 

「ラプタ-・・・!?」

 

「ラプタ-って・・・F-22!?」

 

「IFFはどうなってる?!」

 

「応答なし・・・敵です!!」

 

敵はSu以外にもアメリカ製の戦闘機まで・・・

 

「敵機の迎撃を急ぎましょう!艦隊にたどり着く前に落します!」

 

「了解!」

 

この作戦・・・なんだか嫌な予感がする。

 




上手くできたと信じたい。

何でゲ-ムとか映画とかでロシア製戦闘機って悪役なんですかね?!(憤怒
スホ-イとか美人じゃん!あのフォルムとかエロ可愛いじゃん!!


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敵飛行場襲撃作戦 後編

~電~

 

「らぷたー・・・って何なのです?」

 

横を航行している秋月さんに聞いてみる。

 

「さぁ・・・一応軍用機は把握しているんですが・・・」

 

そんな時上空に轟音が響く。

司令官さんが乗っていた戦闘機の音によく似ている。

 

「あれ?この音・・・司令官さんの戦闘機?」

 

「司令官って戦闘機乗るんですか?」

 

「元パイロットさんなのです」

 

「なるほど・・・今度対空戦闘の練習お願いしようかな・・・」

 

そんな雑談をしていると・・・

 

「航空機直上を通過・・・あれ?急降下・・・」

 

こっちに向かって急降下してきている。

驚かせるつもりなのです?

 

「司令官さん・・・いたずらはダメなのです・・・」

 

そんな事を呟いた時、秋月さんが叫ぶ。

 

「ば、爆弾投下!!」

 

「え!?」

 

上空を見上げると確かに黒い粒のようなものが降ってくる。

もう回避は間に合わない。

 

「そ、総員衝撃に備え!対ショック姿勢なのです!!」

 

とっさにそう叫ぶ。

すると・・・

 

「「「「とっくに対ショック!!」」」」

 

全員からそう返ってきた。

・・・反応というか・・・行動速いのです・・・

私も急いで水面に伏せる。

すると一瞬しか見えなかったがトビウオのような形をした爆弾がすぐ近くに着弾した。

 

<<第二艦隊!こちら第三艦隊!!近くにいる航空機は敵機です!迎撃してください!!>>

 

「も、もう攻撃を受けたのです!!」

 

敵はすぐに反転して向かってくる。

 

「あの戦闘機どこから湧いたのよ!!第三艦隊は補足してたんでしょ?!対空電探には何もなかったのに!!」

 

五十鈴さんが対空砲撃をしながら怒鳴る。

たしかにそうだ。

対空電探を装備した艦娘全員があの敵機を補足していない。

でも第三艦隊はそれを補足していた。

 

「状況が分からないのです・・・」

 

突然出現した敵機。

それにどう見ても深海棲艦の戦闘機ではない。

 

「とにかく迎撃なのです!」

 

上空に弾幕を張るが、敵の動きが早すぎる。

敵は再び急降下をかけてきた。

 

「て、敵機直上!急降下!!」

 

機体下部の扉を開いて急降下してくる。

もう回避は間に合わない。

 

「避けきれな・・・」

「当たれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

私が避けきれないと言おうとするのと同時に秋月さんの絶叫のような声が入る。

艤装の長10cm砲から放たれた砲弾は敵機下部の爆弾倉付近で炸裂。

敵機が搭載していた爆弾が誘爆し空中で爆散した。

 

「や、やった・・・!」

 

「秋月さん!すごいのです!!」

 

「ハラショ-・・・」

 

秋月さんにそんな言葉をかけていると・・・

 

<<こちら空中管制機スタ-バ-スト。横須賀鎮守府より撤退命令が下された。作戦を放棄する。進路を西に保ち海域より離脱せよ>>

 

「撤退・・・?」

 

<<こちら第一艦隊!飛行場まであと少しです!!なんでなんですか?!>>

 

<<付近に敵の新型艦及び不明機が多数迫っている。ただちに撤退せよ。第三、第四艦隊は第一、第二艦隊を援護、電波妨害も同時に行え>>

 

<<こちら第三艦隊、了解しました!>>

 

確かに、この状況では撤退が最善の選択かもしれない。

私たちの電探に捕えられない敵の新型機・・・

 

「撤退急ぎましょう!」

 

「はい!進路を西に変更するのです!」

 

<<あとちょっと作戦成功なのにぃ・・・テートクは何考えてるデ-ス!!>>

 

<<提督なりの考えがあるんだ。文句を言ってやるな>>

 

<<むぅ~・・・仕方ないネ~・・・>>

 

 

 

 

~提督~

 

フランカ-にラプタ-だと・・・?

敵はよりによって既存の兵器を模すんだ・・・

 

「くそ・・・ワケが分からん・・・!」

 

何度考えてもメリットが浮かばない。

いや・・・一つだけある。

下手をするとすべての国の首都が焦土と化す可能性がある。

 

「既存機・・・ということは国籍ごとに使い分ければ近づいても・・・」

 

たとえスクランブルが発動したとしても日本ではすぐに撃墜ということはない。

その間に巡航ミサイルを積んだ爆撃機なら・・・

それに一部の国は航空機にも対深海棲艦用装備があっても大半の国にはない。

特に内陸国などはこの戦争には無関係な国もある。

今までの深海棲艦の艦載機は航続距離の関係で内陸国には行けなかったが既存航空兵器などは話が別だ。

 

「・・・これかなりヤバイな・・・」

 

急いで大本営に送る必要がある。

・・・信じてくれるかは別として・・・

 

「それよりも・・・」

 

俺は衛星から送られてくる映像を見る。

そこに映っているのは・・・

 

「なんで・・・なんでお前がここにいるんだ・・・」

 

複数の深海棲艦と艦隊を組んで進む見慣れた姿形をした者・・・

 

「いったいどういうことだ・・・」

 

俺はモニタ-を眺めながらつぶやく。

これがアイツではないのは分かっている。

今、無事に撤退している最中だ。

それも映像がモニタ-に映っている。

だが、問題のヤツは艤装や色・・・体系も微妙に違うが・・・

気のせいだと思いたいが、写っているのは見慣れた髪型、髪色、顔・・・

 

「なんで・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで深海棲艦にお前がいるんだ・・・電」

 




なーんか微妙なんだなぁ・・・



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S/C

MGSV楽しすぎ&自衛隊採用試験の勉強が忙しく更新遅れました!!
申し訳ない!


「これ・・・どうするかな・・・」

 

偵察機が送信してきた画像と映像。

写っているのは電とよく似た敵艦だ。

 

「しかもこれ・・・ESSMじゃね」

 

この偵察機は映像を送ってきた数十秒後に撃墜されている。

明らかに艤装から対空ミサイルが発射されていた。

弾着の数秒前を一時停止してみるとミサイルがきっちりと映っていた。

形状からしてRIM-162 ESSMだ。

この艦についていろいろ推測していると・・・

 

「隊長、入ります」

 

「はいはい、どうぞ」

 

アンドロメダだ。

お茶を持ってきてくれたようだった。

 

「それ、なんの資料です?」

 

「ああ、なんか電とよく似た敵艦がな」

 

「電さんと?」

 

「艤装はたぶん、現代艦ベ-スだな・・・それを証拠に腕に76mm速射砲も見える」

 

「ん~・・・これって元の艦が存在しそうですね」

 

「たぶんな。あと、日本の艦艇かも」

 

「なんでです?」

 

「なんとなくだよ、そんな気がしただけだ」

 

「そうですか」

 

司令室でお茶を飲みながらいろいろ考えていると電たちが帰ってきた。

ひどい損傷を受けてないのを見ると無事で撤退できたようだ。

 

「おかえり、電」

 

「ただいまなのです、司令官さん!」

 

電は被弾もなく元気だ。

 

「では、私はこの辺で秘書艦を交代しますね、お二人の時間を邪魔しちゃ悪いので」

 

「・・・変な気は回さんでいいからな」

 

アンドロメダはそのまま微笑んで部屋を出た。

 

「さて、と・・・」

 

椅子に座り直しいつもの仕事に戻る。

最近鎮守府に諜報班なるものを作ったし解析はそっちに回そう。

 

「司令官さん、なんで撤退命令を出したのです?」

 

「あの状況じゃ・・・な」

 

「でも、いそかぜさんも・・・」

 

「たしかに、航空戦力も十分だったし・・・」

 

続きを言おうと思ったら扉が勢いよく開き、ネコが飛び込んできた

 

「たいちょー!!!なんで撤退させるニャー!!」

 

「なんでって・・・戦力がな」

 

「戦力は十分だったにゃ!!ニャ-だけでも十分にゃー!!!!」

 

「・・・ラプタ-とか(ボソッ」

 

「ら、ら、ラプタ-ってなんですかにゃ?ラブプラスの新しいキャラですかにゃ?」

 

「おいコラすっとぼけんな」

 

「す、すっとぼけてないですにゃー」

 

と、鼻歌歌いながら部屋から出ていった。

何しにきたんだアイツ。

 

「さて仕事仕事・・・」

 

書類に目を通していると、上空を轟音が過ぎていった。

電が外を見ている。

 

「戦闘機・・・海に向かって飛んでいくのは珍しいですね」

 

「スクランブルじゃないのか?」

 

「スクランブル・・・?」

 

「緊急発進だよ、ウチでもたまにかかるだろ?基本は陸軍航空隊の仕事なんだがな」

 

このご時世、スクランブルがかかることは滅多にないが、それでもごく稀に不明機が日本領空に進入することがある。

たいていはフライトプラン未提出の軍用機だったりするんだが・・・

 

「そういえば何で私たちの鎮守府にスクランブルかかるのです?陸軍航空隊だけでも・・・」

 

「ウチのは対深海棲艦相手だよ、たまに偵察機が飛んでくるからな」

 

その頻度も稀だが・・・

 

「ウチも対空兵器の増強するかなぁ・・・」

 

「え?でももう十分じゃないのです?」

 

「一応な・・・ただ、敵は現用の航空機のコピ-を始めた・・・今までは対空砲程度で落ちてたけど、現用機は別だよ」

 

「ん~っと・・・性能が違いすぎるのです?」

 

「それもだけど、フレアとかチャフって言うミサイルをかわすための防御兵装を積んでるんだ。いそかぜ達も積んでるんだけどね」

 

「チャフ・・・フレア・・・?」

 

「フレアは簡単に言うとエンジンの熱程度かそれ以上の熱源を空中に放出して赤外線誘導のミサイルを避けるんだ。チャフはアルミホイル何かを空中に放ってレ-ダ-波を反射させる兵装で、レ-ダ-誘導ミサイルに使うんだ。艦船にもチャフは積んでるよ」

 

「なるほどなのです・・・でもコレ相手だとミサイルは使えなくないですか?」

 

「いや、チャフとフレアも万能ってワケじゃないんだ。あれは生存率を高めれるだけの物に過ぎないんだよ」

 

実際、熱源誘導ミサイルに追尾されていてフレアを撒き散らしたとしても絶対の回避できるというわけではない。

 

「まぁ、そんなとこ・・・」

 

突然、司令室に大音量でベルが鳴り響く。

壁についている電光掲示板にとある表示が灯った。

 

HOT S/C

 

「な、なんなのです!?」

 

外からはジェットエンジンの音が響いてきた。

 

「防空司令部!状況を送れ!」

 

<<陸軍航空隊のF-15J二機が太平洋上でベイルアウト!付近に不明機あり!>>

 

「了解した!救難機を上げれるか?!」

 

<<待機中のUH60が離陸できます!コ-ルサイン「ピ-クォド」>>

 

俺の予想では・・・深海棲艦だろう。

 

「司令官さん!私たちも・・・」

 

「いや、電たちはまだ休め、待機中の艦娘を出撃させる!」

 

「でも・・・」

 

「でもじゃない、疲労がたまってるんだ、出すわけにはいかない」

 

「・・・了解なのです・・・」

 

電は悔しそうだがどうしようもない。

疲労した体で出撃させても被害を被る可能性がある。

 

「防空司令部、救難機はあとどこから出る?」

 

<<陸軍航空隊所属、百里救難隊から捜索機と救難ヘリが上がります!>>

 

「了解」

 

助かるといいが・・・

 

「ふぅ・・・」

 

「ため息ついてどうしたのです?」

 

「いや・・・助かればいいなと思ってな・・・」

 

「・・・そうですね・・・」

 

「電、明日からは捜索に行ってくれ」

 

「明日からですか?」

 

「疲労もとれるだろうしな」

 

「了解なのです!」

 

だが・・・もし電が見つけたとして回収するのが遺体でないことを祈る。

外を見ると救難ヘリが離陸していった。

 

 




MGSV楽しいっすね~
ただ私・・・殺傷人数1300人超えてるんだよなぁ・・・
シモヘイヘも真っ青なキル数ですね。

敵地前に進入→安全な位置から偵察→砲撃支援要請→ヘリで近接航空支援要請→残った敵を殲滅

これもうCoDかBFだな(確信)


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遭遇戦

「よし、0600・・・電!行ってこい!」

 

「了解なのです!」

 

友軍機撃墜・・・その捜索に電を出した。

編成は電、響、いそかぜ、うらかぜ。

昨日は夜中もずっと捜索を続けていたがまだ見つかっていない。

敵機もその後すぐに姿を消してしまい、見つからなかった。

 

「無事だといいがな・・・」

 

もう10時間ほど経過している・・・

体力は限界かも知れない。

 

 

 

~電~

 

<<アルテミス17よりヘリオス78>>

 

<<こちらヘリオス78>>

 

<<そちらから8時方向、洋上に何か不自然に光るものを確認。至急、向かってください>>

 

<<ヘリオス78、了解>>

 

無線機からは捜索機と救難ヘリの無線が聞こえてきた。

 

<<アルテミス17、こちらピ-クォド。フュ-エルビンゴ、一旦基地に帰還する>>

 

<<アルテミス17、了解>>

 

私たちの鎮守府の救難ヘリが真上を通過していった。

 

「ん・・・?電、2時方向に何か光ってる。距離は・・・えっと」

 

「距離約3000ですね」

 

「見えたのです!」

 

「パイロットかも・・・急ごう!」

 

方向転換して向かう。

確かに何か不自然にキラキラと光っていた。

 

「もうちょっと・・・見えました!」

 

双眼鏡を構えているいそかぜさんが何かを見つけた。

 

「パイロットさんですか?」

 

「いえ・・・尾翼・・・?」

 

近づいていくとそれは飛行機の尾翼だった。

 

「これ・・・F-15Jのだよね」

 

「そうですね・・・ヘリを呼んで回収してもらいましょう」

 

「私が呼びます」

 

無線機を取り出して陸軍航空隊のヘリを呼ぶ

 

「こちら横須賀艦隊、ヘリオス78さん、聞こえますか?」

 

<<こちらヘリオス78>>

 

「洋上で戦闘機の尾翼を発見しました、回収をお願いできますか?」

 

<<ヘリオス78、ラジャ。方位を教えてください>>

 

「えっと・・・」

 

電探を搭載していないので目視でヘリを探さないと・・・

 

「電さん、ちょっと無線機借りますね」

 

「あ、はい。どうぞ」

 

「ヘリオス78、そのまま左に70度旋回、そのまま直進してください」

 

<<了解>>

 

<<こちらアルテミス17、ビンゴフュ-エル。いったん基地に引き返します>>

 

<<ヘリオス78、了解。こちらもあと30分ほどで燃料ビンゴ>>

 

「捜索は引き継ぎますので、給油を優先してください」

 

<<ヘリオス78、了解>>

 

捜索機が帰っていくのを見届け、ヘリが到着するのを待つ。

この海域に敵がいないといいんだけど・・・。

 

<<こちらヘリオス78、現場に到着。回収開始>>

 

低空まで降りてきてホバリングを開始した。

私たちが降りてきたウインチを尾翼に括り付け、引き揚げてもらった。

 

<<回収完了。このまま給油のため一時戻ります>>

 

<<こちらピ-クォド、給油完了し、離陸。ヘリオス78のあとを引き継ぐ>>

 

<<こちらヘリオス78、ラジャ>>

 

私たちも捜索を再開する。

 

「無事・・・ですよね」

 

「無事を信じて捜索するしかないですよ」

 

「絶対無事だよ!ほら・・・なんだっけ、キス島から泳いで帰ってきたって言うじゃん」

 

「うらかぜ・・・それ陸軍さんですから・・・」

 

「あれ?そうなの?」

 

そんな話していると司令官さんから無線が入る。

 

<<あ~・・・捜索中の艦隊へ、聞こえるか?>>

 

「はい、感度よし、なのです」

 

<<あの・・・すごく言いにくいんだが・・・>>

 

「どうしたのです?」

 

<<いやその・・・一人・・・泳いで帰ってきた・・・>>

 

「はぁ!?」

 

<<しかも・・・お手製のヤリ作って魚捕ってきてた・・・>>

 

「あ・・・あの・・・エンジョイしてません・・・?」

 

<<・・・たぶんしてるねあの人・・・>>

 

「ええええ・・・・・」

 

<<すっごいいい感じに日焼けしてて・・・>>

 

「海水浴なのです!?」

 

<<・・・パイロット曰く、サバイバルキットのボ-トで漂流してるときに「今年海行ってねーな・・・よし!ちょうど海の上だし体焼くか!」だって(震え声)>>

 

陸軍さん・・・航空隊もなんかいろいろ超人なのです・・・

 

「あ、でも、もう一人はどうなってのです?」

 

<<そっちはまだ行方不明みたいだな。ただその・・・>>

 

「?」

 

<<コイツもコイツで・・・サメとバトルしてたらサメのヒレに引っかかって行方不明になったらしい・・・>>

 

「アホなのです?その人アホなのです!?」

 

「アホだね」

 

「アホですね・・・」

 

「アホ以外の何物でもないね」

 

全員からツッコミが帰ってきた。

 

<<まぁ・・・捜索を頼む・・・>>

 

「りょ・・・了解なのです・・・」

 

捜索を再開しようとすると・・・

 

<<こ、こちらピ-クォド!!海面に・・・なんだアレ?!>>

 

「どうしたのですか!?」

 

<<救命ボ-トらしき物を確認したんだが・・・高速で移動中!>>

 

それ・・・あのサメの人じゃないのです・・・?

 

「あの・・・ヒレとか見えますか・・・?」

 

<<ヒレ・・・見えた!確認!!>>

 

「それアホのパイロットさんなのです!!」

 

思わずアホのパイロットって言っちゃったのです・・・

 

<<あ・・・えと・・・サメと木の棒・・・いやヤリのようなもので交戦中ですが・・・>>

 

「・・・・」

 

何で陸の人ってなんか変なのです!?ていうか全員が変なのです!?

と心の中でツッコミを入れる。

 

<<あ・・・>>

 

「?」

 

<<・・・なんか・・・サメがプカ-って浮いて・・・あ・・・ガッツポ-ズして雄たけび上げてる・・・>>

 

「狩っちゃったのです!?」

 

<<こちらアルテミス17、捜索に戻る>>

 

「あ、あの・・・もう大丈夫なのです・・・」

 

<<発見しましたか?>>

 

「あの・・・一応・・・」

 

<<生存は?>>

 

「元気なのです・・・すっごく元気なのです・・・」

 

私たちの元気を奪っていくくらいには元気なのです・・・

 

<<了解>>

 

とりあえずもう後は航空隊に任せるのです・・・

帰路に着こうとしたときだった。

 

「ん・・・レ-ダ-に・・・」

 

「どうしたのです?」

 

その時、無線から連絡が入る。

 

<<電!今すぐ逃げろ!!敵艦が迫ってる!>>

 

「え・・・」

 

「レーダ-には一隻だけですが・・・速いです!!」

 

<<この前確認した新型艦だ!!早く逃げろ!!>>

 

「接触まであと5分程度です!!」

 

いそかぜさんが叫ぶ。

 

「し、司令官さん!もう間に合わないのです!」

 

<<間に合うもクソもあるか!!撤退しろ!!>>

 

「ぜ、全員転進!撤退なのです!」

 

「敵艦・・・高速目標分離!!」

 

「え・・・?」

 

高速目標・・・?それは司令官さんから嫌というほど聞かされた。

ミサイル・・・

 

「くっ・・・シ-スパロ-発射始め!!SALVO!!」

 

「シースパロー発射!!」

 

二人から迎撃ミサイルが発射される。

 

「二人は早く逃げてください!!相手がミサイルを使ってる艦なら私たちが相手をしたほうが得策です!」

 

「わ、わかりました!でも・・・すぐに逃げてきてください!」

 

「分かってます!いやがらせ程度に対艦ミサイルを発射したらすぐに逃げます!」

 

「ねぇいそかぜ・・・いやがらせ程度って・・・」

 

「今はそんな話してる場合じゃないです!」

 

「はいはい・・・さてと、やっちゃいますか。インタ-セプト5秒前っと」

 

私は響お姉ちゃんと撤退を開始する。

 

「電、砲弾に近接信管はついてるかい?」

 

「えっと・・・」

 

私に搭載してある76mm速射砲の砲弾の種類を確認する。

 

「一応なのです」

 

「私には電探があるからもし何かあったら頼むよ。電のと私のじゃ性能が違うからね」

 

「なのです!」

 

 

~いそかぜ~

 

「命中!撃墜!!」

 

「さて、そいじゃ先に撃っちゃうよ」

 

「はい、続いて撃ちます!」

 

うらかぜからミサイルが発射される。

私も続いて一発発射する。

ブ-スタ-が切り離され、ミサイルは低空で飛翔していった。

 

「じゃ、私たちもあの二人に追いつこう」

 

「そうしましょう」

 

レ-ダ-を確認しながら撤退を開始する。

 

「敵艦から2つ目標分離・・・あ~・・・やっぱ迎撃してきたか」

 

「みたいですね」

 

「まあ私は2発発射したし、全部迎撃できるとは思わないけどね」

 

「私もトマホ-クですからね・・・」

 

敵艦の艦種が分からない以上、なんとも言えないが。

ただ、すべてをミサイルで迎撃できるとは思えない。

速度的にほとんど全弾が同時に弾着するように発射した。

 

「えっと・・・うわ・・・全弾撃墜された・・・しかもまた向こうがミサイル発射、こんどはこっちを狙ってるね」

 

「チャフをばら撒きつつ撤退しましょう」

 

「そだね」

 

二人でチャフをばら撒きながら前進する。

しばらくすると先行していた二人に追いついた。

ミサイルは上手い事チャフで逸れたそうだった。

 

「お二人とも・・・時間稼いでくれて・・・ありがとうなのです!」

 

「いえいえ」

 

「それよりも・・・これ、逃げれそうにないね」

 

「はい、ちょっと無理そうですね」

 

「どうしてなのです?」

 

「思った以上に敵艦の速度が高くて・・・たぶん、45以上は出てるかと・・・」

 

「45・・・」

 

高速ミサイル艇並の速度だ。

これは交戦する必要があるかも・・・

 

「司令官、撤退は無理です。交戦許可を」

 

<<交戦って・・・逃げれないのか>>

 

「はい、敵艦が思った以上に高速で・・・」

 

<<クソ・・・了解、こっちからも増援を出す、支援攻撃を準備する。いいか、絶対に誰も欠けるなよ>>

 

「分かってますよ、特に、うらかぜは失いたくないですから」

 

<<あの・・・失いたくないのはいいけど・・・夜はほどほどにな・・・>>

 

夜?なんの話ですかね?

とすっとぼけてるのはいいとして、敵艦がそろそろ危ない距離まで迫っている。

 

「司令官、これより交戦します」

 

<<了解・・・幸運を祈る>>

 

無線を切るのと同時に・・・

 

「敵艦から高速目標・・・2!」

 

「向こうも本気・・・ですよね」

 

「電の本気を見せてやるのです!」

 

「ypa!」

 

気合いは十分・・・よし、やります!

 

 

 

 




この捜索機と救難ヘリのコールサインの元ネタがわかる人と酒を飲みに行きたい。

てか、そんな事より昨日スカルズに追いかけまわされる夢みて漏らしそうになりましたまる

追伸
設定に敵艦情報を追加しました


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敵不明艦を拿捕せよ

~いそかぜ~

 

「シースパロ-発射始め!」

 

「シースパロ-発射!!」

 

うらかぜと一緒に2発づつ迎撃ミサイルを発射する。

 

「電さん、響さんは酸素魚雷の用意を」

 

「え?でも魚雷じゃ・・・」

 

「相手に回避と迎撃で手一杯にさせたところで砲撃します!」

 

「なるほど・・・了解なのです!」

 

しかし相手の能力がまだ分からない以上、成功するかどうか・・・

いや、やるしかない!

 

「命中・・・撃墜!」

 

「敵艦目視・・・ってあれ・・・」

 

「うそ・・・」

 

敵艦を目視した電さんとうらかぜが絶句していた。

私もそれを確認する。

 

「え・・・?電・・・さん・・・?」

 

あれ・・・電さんだ。

 

「わ、私・・・?」

 

「電によく似た艦だ、惑わされたらダメだよ」

 

「な、なのです!」

 

向こうはニヤっと笑いまたミサイルを発射してきた。

 

「もう!何発積んでんのよー!!」

 

「私に文句言ったってどうしようもないですよ!!チャフ散布!」

 

「んじゃ私はハ-プ-ン発射!」

 

チャフを散布する前にうらかぜが対艦ミサイルを発射、すぐに私がチャフを散布する。

早いうちに飽和攻撃でもしないと・・・

 

「そうだ・・・電さん、司令官に通達、敵艦に対艦ミサイルを最低でも5発発射してください!」

 

「ミサイル・・・了解なのです!」

 

電さんが鎮守府に無線をかけている間に私たちは迎撃準備をしていた。

相手はこっちの作戦に気づいているのか酸素魚雷を撃たれても余裕でかわせる位置から動こうとしない。

それよりも・・・

 

「ねぇ・・・相手、撃ってこなくなったよね・・・」

 

「そうですね・・・」

 

チャフを散布し、ミサイルをかわした後から一発も撃たなくなった。

代わりに機銃のような物がずっと空を見ている。

 

「いそかぜさん、司令官さんから発射開始したとのことです」

 

「了解しました」

 

私は着弾時刻を予想し、ミサイルに敵艦の情報を入力する。

しかし・・・何か嫌な予感がする。

 

「ミサイル弾着まであと1分・・・トマホ-ク攻撃はじめ!!」

 

発射と同時に空中に複数の光が見えた。

鎮守府のミサイルだ。

 

「電さん、響さん!砲撃用意!」

 

「了解なのです!」

 

「ypa!」

 

しかし次の瞬間、敵艦が両手を広げたと思うと、10発以上の防空ミサイルが発射された。また機銃も迎撃を開始、瞬く間に全弾撃墜された。

そして、相手はこっちを見て意地の悪い・・・いや、不気味な笑みを浮かべている。

 

「まさか・・・」

 

「どうしたの?」

 

「こっちの会話・・・筒抜けですね」

 

「筒抜け?でもそんなはずは・・・」

 

「指向性マイクでも装備しているのか・・・」

 

「どうするのです?」

 

「いっそ、宇宙空間から撃ってもらうかな」

 

「それこの海域吹き飛ぶのです・・・」

 

「相手の動きさえ止めれれば・・・」

 

うらかぜのその発言である方法を思いついた。

・・・アポト-シス・・・それなら強力な電磁波で相手を行動不能にできる!

また、高度な電子システムを搭載していない艦には効果が薄い。

それを利用してアポト-シスで相手の動きを止め、電さんたちが撃沈する・・・

ただ、距離的に炸裂すると一時的に私もうらかぜも電子機器が使えなくなる。

だが、足は動く・・・それにロックオンができなくても指定座標にミサイルを撃てる。

これで飽和攻撃を行えば・・・

 

「みなさん・・・ちょっと勝手な行動を許してください」

 

「へ?」

 

直後、アポト-シスvを発射、気づいた敵艦が迎撃ミサイルを発射してくる。

 

「甘いですね・・・」

 

「ちょ!あれ私たちも危ないじゃん!」

 

「そうですねぇ・・・ちょっとミサイル撃てなくなりますよ」

 

「それちょっとじゃないいいいいいい!!!」

 

「指定座標には飛ばせますから」

 

「迎撃!迎撃できないでしょ!」

 

そんな会話をしているとアポト-シスが炸裂した。

強力な電磁波に襲われるが、奇跡的に炸裂距離が敵艦に近かったためミサイルの誘導装置やそれに必要なシステムが生きていた。

敵艦は何が起こったか分からないという顔をしたまま痺れて動けないようだ。

 

「このミサイル、迎撃しても効果出ますから」

 

敵に向かって言うと悔しそうな顔で睨みつけてくる。

そして

 

「それじゃ・・・これで終わりです」

 

トマホ-クを2発発射する

 

「私たちも行きます!」

 

電さんと響さんから酸素魚雷が発射された。

一直線に敵艦に進んでいく。

 

「どかーん」

 

トマホ-クが着弾、その数十秒後魚雷が次々と着弾していった。

だが、撃沈には至らなかった。

 

「ぬぅ・・・しぶといですね・・・」

 

<<みんな、聞こえるか?>>

 

司令官から無線が入る

 

「はい、聞こえます」

 

<<できればだが、アイツを捕獲してくれないか?>>

 

「今ならなんとか行けそうですが・・・」

 

<<出来ればでいいからな、抵抗が激しかったら撃沈していい>>

 

「了解」

 

私たちは無線を切り、敵艦に近づく。

その時だった。

 

「私を・・・ただで・・・捕まえられると思うなァ!!!」

 

絶叫と同時に一発の対艦ミサイルが発射された。

 

「やば・・・シ-スパロ-準備!!」

 

「間に合いません!CIWS・・・」

 

迎撃を行おうと思ったとき、ミサイルが反転して敵艦に向かっていく。

相手は不気味に笑ったままだ。

 

「まさか・・・!」

 

「あ、危ないのです!!」

 

電さんが砲をミサイルに向ける。

 

「電さん!やめてください!」

 

「でも・・・!」

 

「あの敵艦は・・・私たちに捕まるくらいなら・・・自爆する気です」

 

「だったら尚更!!」

 

たしかに迎撃して助けたほうがいいかも知れない。

だが・・・もう電さんが砲を構えた時には遅かった。

 

「やめっ・・・!」

 

電さんが何かを叫ぼうとしたとき、ミサイルが着弾、爆発した。

 

「なんで・・・なんで自爆なんかするのです!」

 

「敵に捕まって味方を売るくらいなら・・・って思ったんじゃないかな」

 

「でも・・・ってあれ・・・?」

 

敵艦が居た場所を見ると、破片の一つも浮いていなかった。

燃料も流れていない。

 

「もしかして・・・逃げられた・・・?」

 

「これは・・・逃げられたね」

 

「よかった・・・」

 

電さんは敵艦が無事だった事にほっとしているようだった。

 

「電さん、敵が無事でよかったですか?」

 

「え、い、いやあの!」

 

「あ、いえその!怒ってないですよ?ただその・・・なんだかいつもと違ったので」

 

「それは・・・やっぱり自分と同じ顔の人が死ぬところを見たくないって感じなのです」

 

「なるほど・・・」

 

「それより、お腹すいちゃったのです!帰還しましょう!」

 

進路を鎮守府に合わせて前進する。

あの敵艦・・・逃げられたならまた会敵する可能性がある。

正直・・・もうやり合いたくないな




タイトルに悩んですっごく堅苦しいことになったンゴ


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間宮新作「鯛焼きが処刑されてる系パフェ」

あの遭遇戦から2日たった。

依然としてあの敵艦は撃沈したのか逃走したのは不明だった。

だが、逃走の説が濃厚だろう。

 

「ふ~・・・さて、仕事終わりっと」

 

「お疲れさまなのです」

 

「あ、電。明日の予定書いたノ-トとかある?」

 

「はい、すぐ出すのです。えっと・・・」

 

電は背伸びして棚を漁る。

それにしても最近・・・敵も性能を上げてきている。

ついにはミサイルを使用してくる水上艦が出てきた。

 

「ありました!」

 

「サンキュ-。えっと・・・」

 

明日は赤城と加賀をほかの鎮守府といっしょに異機種間空戦訓練に出さないと・・・か。

あとは個人的な鎮守府内の施設改修と・・・それくらいか。

 

「電、施設改修なんだけど、業者に食堂の冷蔵庫直すように伝えてくれる?」

 

「冷蔵庫ですか?」

 

「うん、最近調子悪いらしくてな。そのままほっといて食中毒出すわけにはいかないし」

 

「了解なのです」

 

「さて・・・一応仕事は終わったし、間宮でも行くか?」

 

「行くのです!甘いもの♪」

 

「よしっ!」

 

そういうわけで間宮に向かう。

間宮は鎮守府内にあるが、ここは民間人も立ち入り可能だ。

 

「そういえば司令官さん、最近新しいパフェ出たのですよ!」

 

「ほう、どんなヤツ?」

 

「名付けて・・・鯛焼きパフェなのです!」

 

「待って嫌な予感しかしない。」

 

あの・・・鯛焼きが拷問を受けてるようにしか見えないヤツが・・・

いや、間宮さんのことだ。大丈夫だ・・・よな?

 

「いらっしゃいませ~」

 

「2人、大丈夫?」

 

「あら、司令官さん!はい、空いてますよ」

 

「お、よかった」

 

案内された席に向かうと近くに赤城と加賀が居た。

ちょうどいいや、明日の事伝えとかないと。

 

「よ、赤城、加賀」

 

「あら提督」

 

「なんでしょうか?」

 

内容を伝えようとすると、頬っぺたにクリ-ムつけた赤城が・・・

 

「提督がここに来るのは珍しいですね。はっ・・・もしや私のパフェを狙って・・・?!」

 

「いや待て」

 

「このパフェは私のです!指一本触れさせませんからね!!Don't touch my パフェェェェ!!!」

 

「触らねーよ、てかいらねーよそんあクソデカいパフェ!!!」

 

すると加賀が・・・

 

「・・・という事は赤城さんを狙って・・・!?」

 

「いやあの・・・」

 

「Don't touch my 赤城さんんん!!!」

 

「だから触らねーよ!!つーか赤城はお前の物かよ!!」

 

「やだ・・・加賀さんったら///」

 

「お前らデキてんの!?」

 

もうツッコミ疲れたでござる。

 

「あのな・・・明日、DACTがあるんだよ、それに参加してくれ」

 

「ああ、そんな事でしたか・・・てっきり私のパフェを狙ったのかと・・・」

 

「私も赤城さんを犯されるのかと・・・」

 

「あの・・・提督さん何だと思われてるの?」

 

そんな疑問をぶつけたが・・・

 

「ではまた明日詳細をお願いします」

 

「あ、うん・・・」

 

パフェ食う前に疲れた・・・

とりあえず席に着く。

 

「司令官さん、何の話してたのです?」

 

「ああ、明日の話だよ」

 

「でも・・・なんか叫んでませんでした?」

 

「あの・・・もう掘り返さないでください・・・」

 

「なんかあったのです!?」

 

「なんかあったのです・・・」

 

そんな話していると電が頼んでいてくれたのかパフェが運ばれてきた。

そのビジュアルは・・・

 

「おいしそうなのです!」

 

「おいし・・・そう・・・?」

 

鯛焼きが拷問を受けているビジュアルではなく、鯛焼きがパフェのソフトクリ-ム部分を咥えさせられているような状態で、固定のためのチョコのお菓子が鯛焼きに斜めから突き刺さっており、拷問通り過ぎて処刑されていた。

 

「見た目が・・・」

 

見た目に引きつつ、パフェを食べると・・・

 

「美味いな」

 

「おいしいのです!」

 

和風のパフェで餡子などが乗っているのだが思ったほど甘くなく、食べやすかった。

これ普通に美味いな・・・見た目は別として・・・

そんな事していると間宮が来た。

 

「司令官さん、今日はありがとうございます」

 

「いえいえ、久々に甘いものが食べたくなってな」

 

「その鯛焼きパフェ自信作なんですよ!でも何故か売れないんですよね・・・」

 

「いや・・・それは見た目・・・」

 

「それに、赤城さんが食べてる特盛パフェのほうが人気なんですよ」

 

「へぇ、どんな客が?」

 

「主に女子高生とかですよ」

 

「ああ・・・やっぱり・・・」

 

「いいですよねぇ・・・若い子って・・・」

 

あの世代ってあの量を食べてしまうんだから恐ろしい・・・

 

「しかも華奢な子まで食べちゃいますから・・・」

 

「それだけ美味しいんじゃないか?」

 

「それはそうなんですけど・・・鯛焼きパフェ・・・」

 

「だからそれは見た目が・・・」

 

「見た目ですか?」

 

「これ完全に鯛焼きが処刑されてんじゃねーか・・・」

 

「あ」

 

なんだ「あ」って。

 

「おい・・・なんだ「あ」って・・・」

 

「い、いま気づきました・・・」

 

「遅くね!?」

 

ちなみにこんな話の最中にも電は幸せそうな顔でパフェを食べていた。

 

「か、改善を頑張ります・・・」

 

「が、頑張ってくれ・・・」

 

何故かしょんぼりした間宮は厨房に戻っていった。

 

「味は美味いのになぁ・・・」

 

どうしてこうなった。って言いたくなる見た目なんだよなぁ・・・

ちなみに胴体貫かれている鯛焼き君、皮はモチモチで美味い。

 

「ふ~・・・ごちそうさまなのです!」

 

「ごちそうさま」

 

お会計を済ませて店の外にでた。

 

「司令官さん、もう外が暗いですね」

 

「前はもっと明るかったのにな」

 

「でも私、この時期好きなのです」

 

「なんで?」

 

「なんとなくなのです、強いて言えば外が寒くもなく暑くもなくで夜空を眺めれるから・・・なのです」

 

「そういや今日は満月だな」

 

「お月さま、キレイなのです」

 

月を眺めながら鎮守府構内を歩く。

俺の寝泊りをしている部屋までは約400mくらいだ。

 

「なぁ電、月明かりもキレイだしちょっと港のほうに行くか」

 

「港ですか?」

 

「ああ、たぶん今日は海がキレイだろうしな」

 

ちょっと遠回りして港に向かう。

昼間は少し騒がしい港も今は静かだ。

 

「あれ?人影なのです?」

 

「ん?本当だ」

 

港を歩いていると二つの影を見つけた。

シルエットからして女の子っぽい。

 

「ん~・・・誰だ?」

 

「さぁ・・・」

 

耳を澄ましていると・・・

 

「好きだよ・・・いそかぜ・・・」

 

「私もです・・・」

 

「ねぇ・・・ここなら誰も見てないし・・・」

 

「・・・うらかぜとなら・・・いいですよ・・・」

 

・・・・あのレズ共かい。

てか待て。ここで行為を始める気か貴様ら。

止めに行こうとしたら・・・

 

「いそかぜ・・・結婚してください!」

 

「・・・喜んで・・・!」

 

え・・・プロポ-ズ・・・?

 

「あの・・・司令官さん・・・・?」

 

「目の前でプロポ-ズしちゃってるな・・・」

 

いやあの・・・結婚おめでとうございます。

 

じゃなーい!!!なんでお前ら今、ここでやってんだよ!!

 

「とりあえず・・・場所変えるか・・・」

 

「なのです・・・」

 

アイツらの邪魔するわけにもいかんしな。

と思いその場を立ち去ろうとして後ろを振り返ると・・・

 

「うら、かぜ・・・はぅ・・ん・・・!」

 

行為に入ってた。

やっぱりかい。

 

「電・・・さっさと部屋に帰ろう」

 

「なのです・・・」

 

というわけで部屋に帰り、風呂に入る準備をする。

 

「おっふろ~♪おっふろ~♪」

 

電が鼻歌を歌いながら着替えを準備していた。

ちなみに最近、俺の部屋に風呂を増設した。

一応、艦娘寮の個室にも増設できるようにしているがどうしてもまだ時間がかかる。

やっぱり、冬に長い廊下を歩かせて風呂に行かせていては酷だ。

 

「やたら機嫌がいいな」

 

「えへへ♪司令官さん、一緒に入るのです♪」

 

「おっしゃ・・・ってちょっと待てぃ!!」

 

「なんか変なこと言ったのです?」

 

「言ってますよ、思いっきり言ってますよ!」

 

「?」

 

気のせいか?顔赤いぞコイツ・・・

ふと電の足元を見ると・・・

 

「あれは・・・俺が冷蔵庫に入れてたオレンジジュ-スサワ-・・・」

 

間違って飲んだな・・・

 

「電・・・酔ってるな・・・」

 

「酔ってなんてないのです!さあ、お風呂行くのです!」

 

「あれ、気のせいかな?強制?」

 

「なのです!」

 

フンス!って鼻息を出しながら答えるが・・・

いやホント待ってください。

 

「待って、襲うよ俺!?」

 

「い、いいのですよ・・・?」

 

「よくねーよ」

 

冷静に返答してしまった。

しかし電は・・・

 

「さあ脱げこの野郎なのです!!」

 

「え」

 

「脱がんとタマ潰したろかワレェ!なのです!」

 

「まて!!どこでそんな汚い言葉覚えた!!」

 

誰だァァァ!!三枚おろしにして南蛮漬けしてしてやるから出てこいコラー!!

なんて事してる間に風呂場に連れ込まれましたとさ。

 

「んふふ~・・・じゃあ早速・・・」

 

司令官の主砲をなんで咥えようとするんですかねアナタ。

 

「まてコラ・・・」

 

「んぐぐぐ~・・・もうちょっとで~・・・!!」

 

「もうちょっと俺の理性飛ぶからね!?」

 

「いっそ飛んじゃえ、なのです!」

 

「マジですか・・・」

 

そして力が抜けた瞬間・・・

 

「あむっ!」

 

「フォッ!?」

 

食われた・・・俺の主砲が・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで朝。

いやもう疲労がハンパじゃねーです。

 

「電・・・どんだけ溜まってたんだよ・・・」

 

しかもまぁ・・・避妊具なんて用意されてないし・・・

 

「まぁでも・・・電との子供・・・ならいいかな」

 

「んふ~・・・ママですよ~・・・むにゃ・・・」

 

「夢の中ではママですか・・・」

 

「パパ~・・・遊園地行くのです~・・・」

 

「・・・子供・・・出来たら、みんなで行こうな」

 

寝言を言う電の頭を撫でながらそんな事を思った。

退役したら北海道にでも引っ越してほのぼの暮らしたいな。

あ・・・でも東京も捨てがたい・・・

なんて将来の計画を立てていた。

 

 

 




何を思ったかこんなタイトルになったでござる。

てか監獄学園にドハマリした。
面白すぎるアレ


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航空偵察任務

曹候補生一次通ったぜ!


吹き込む風が寒くなってきたこの頃。

秋刀魚が食べたい。

 

「はぁ~・・・腹減った~・・・」

 

「もう、まだ3時なのですよ?」

 

「んなこと言ってもだな・・・」

 

「もう・・・私がおにぎりでも作ってきてあげるのです」

 

「お!さんきゅー!あ、塩は電の手汗でい・・・ぎゃああああ!!!」

 

「なんか言ったのです?」

 

「何も!何も言ってないから指折れるぅぅぅぁぁぁぁ!!」

 

なんだよ!嫁の手汗で塩味が付いたおにぎりとか最高だろ!

と、なんか思考がおかしくなってる俺がいた。

こんな季節だしね、仕方ないね。

 

「さて、おにぎり作ってくるのです!具は何がいいですか?」

 

「あァん・・・指痛いよぅ・・・あ、具は電の髪のk・・・ぎゃあああああああ!!!」

 

「いっぺん・・・死んでみる・・・?なのです」

 

「ごめんなさいすいません許してくだぎゃああああああああああ!!!」

 

「いったいなんで今日に限ってそんなに変態さんなんですか・・・司令官さん・・・」

 

「うぅ・・・痛いよぅ・・・」

 

「これ聞いてないですね・・・具はこっちで決めますね」

 

腕を変な方向に曲げられて関節外れそうになったでござる。

で、なんでこんなに今日は変態なのかって?

HAHAHA!俺も分からねーぜ!

そんなこんなしてると司令部から電話が

 

「はいもしもし」

 

<<大佐か?ちょっとした偵察任務を任せたいんだが・・・>>

 

「はぁ、偵察ですか・・・む、まさか女風呂を!?」

 

<<いやまて・・・いろいろマズイから>>

 

「じゃあ・・・女湯の露天風呂を空撮ですか?!よっしゃ任せろ!」

 

<<ねぇどうしたの!?今日どうしたの!?>>

 

「俺も分からねーぜ!!HAHAHA!!」

 

<<いやまぁ・・・この近海に深海棲艦の活動が活発になってる場所があるんだ。どうも泊地を建設中らしい>>

 

「つまり・・・」

 

<<つまり?>>

 

「そこの泊地の女風呂を偵察っすね!」

 

<<いやちげーだろ!!どんだけ女風呂好きなんだお前!!>>

 

「はぁ!?女風呂とか最高のパラダイスじゃないっすか!!」

 

<<君いったいどこで拾い食いした?!昨日何食った!?>>

 

「え、昨日?昨日なら電と体を重ね・・・ああああああああああああああああ!!!!」

 

<<え、ちょ、大佐?大佐・・・大佐ァァァァァァ!!!!>>

 

俺氏、突然意識を失う。

ボクが一体・・・何をしたって言うんだ・・・

突然の頭部への衝撃のあと俺は意識を失った。

 

~電~

 

今日の司令官さんどうしたのです・・・あ・・・そういえば今朝盛大に転んで頭打ってたのです・・・

 

「女風呂とか最高のパラダイスじゃないっすか!!」

 

司令室の前にお茶とおにぎりを持ってきた時、そんな声が中から聞こえた。

何話してるのですかこの変態は・・・。

いやでも・・・今日は頭打っただけなのです、きっとそのせいでおかしくなってるだけなのです!私は司令官さんを信じるのです!

 

「司令官さん、入り・・・」

「え、昨日?昨日なら電と体を重ね・・・」

 

私はその言葉の続きを瞬時に理解して司令官さんの顎にアッパ-を入れた。

た、確かに昨日はしましたけど!そこから先ほかの人に言われるの恥ずかしいのです!!

 

「司令官さんの変態!変態変態!!なのです!!」

 

「それは我々の業界ではご褒美・・・で・・・す・・・」

 

何か変態的な言葉を言い残して、司令官さん撃沈。

 

<<あ、あの、もしもーし!>>

 

「電話代わったのです」

 

<<ああ、電か。大佐はどうしたんだいったい・・・>>

 

「あの・・・頭をぶつけて・・・」

 

<<ああ・・・OK、状況を理解した>>

 

「それで、何の御用なのです?」

 

<<ああ、内容は・・・>>

 

近海での偵察任務だ。

この近くで敵の活動が活発になっている地域が確認され、近くには泊地のような物が建設中らしい。

またすごくどうでもいい情報だが、この海域、やたらと秋刀魚がいるとか・・・

すごくどうでもいいのです・・・

 

「了解なのです、司令官さんが起きたらまた伝えるのです」

 

<<ああ、作戦自体の決行はなるべく急ぎで頼む>>

 

「了解なのです」

 

電話を切ったのはいいが・・・司令官さん・・・どうしよう・・・

そんな事を考えていると。

 

「う~ん・・・」

 

「あ!司令官さん!元に戻ったのです?」

 

「元ってなんだよ・・・いてて・・・」

 

「あの、司令官さんが寝てる間に任務が来たのでお伝えしときますね」

 

「ん?任務?」

 

「はい、付近の海域を偵察だそうです」

 

「はいよ、んじゃ早速、赤城、加賀、アンドロメダ、いそかぜを呼んでくれるか?」

 

「了解なのです!」

 

司令官さん・・・元に戻ってよかったのです・・・いやもう本当によかったのです。

 

 

 

~提督~

 

「・・・が今回の任務内容だ。いそかぜは付近の索敵、アンドロメダは情報処理だ。あと念の為、鎮守府の即応戦力としてシンファクシを待機させる」

 

「そういえばシンファクシさんの姿を最近見てなかったんですけど・・・」

 

「ああ、アイツならユ-クの実家に里帰りしてたぞ」

 

「じ、実家あったんですか・・・」

 

「建造された工廠じゃなかったか?」

 

「ああ・・・オクチャブルスクの・・・」

 

てか、潜水艦の里帰りってなんかすごい壮大な気がする。

そんな話は置いといて。

 

「まぁ、そんなわけだ。出撃準備急げ!」

 

「了解!」

 

 

 

~赤城~

 

そろそろ偵察隊を上げないと。

あの子たちはもういつでも飛び立てるみたい・・・

うん、行きます!

 

「艦載機発艦はじめ!」

 

「・・・発艦はじめ」

 

私と加賀さんが放った矢が空中で光、十数機の航空機に変わる。

 

「メビウス隊、加賀航空隊ともにレ-ダ-コンタクト・・・」

 

アンドロメダさんは隣で偵察機の情報を受け取る準備を始めていた。

 

「レーダーに敵影ありません、空域、海域ともにクリアです」

 

「いそかぜさん、それは偵察海域もですか?」

 

「いえ、偵察海域には靄のようなものがかかっていてレ-ダ-には何も・・・たぶん、電波妨害の可能性が・・・」

 

電波妨害・・・知らない子ですね!

 

「それだと・・・私もデ-タ受信ができないですね」

 

「一応、アンドロメダさんと私の電子装置は強力ですし、問題はないと思いますよ」

 

「念の為、ECCM起動します」

 

「了解」

 

二人からはもはやどこの国の言葉か分からない単語が飛び交っていた。

加賀さんのほうを見ると涼しい顔をしていたので・・・

 

「加賀さん、今の二人の話、何かわかりました?」

 

「ええ」

 

「さすが加賀さ・・・」

「まったく分からないわ」

 

ですよねー・・・

 

 

 

~メビウス隊~

 

「まもなく偵察空域に到着、偵察準備」

 

<<こちら2、眼下に何か見えた・・・写真撮るね>>

 

<<こちら加賀航空隊、敵機か?>>

 

<<いや、たぶん違うよ。敵機はお願いね!>>

 

<<赤城さんトコのは偵察に集中してくれ、尻はアタシ達が護る>>

 

「頼もしいことで・・・」

 

偵察空域は驚くほど静かだ。

無理いって増設してもらったレ-ダ-にはまだ何も映っていない。

スイッチをいじり、レンジを10nmから25nmに変更する。

すると小さな光点が映った。

 

「メビウス1より加賀航空隊、現在地から20マイルくらいに反応・・・たぶん・・・航空機だと思う」

 

<<了解、迎撃に向かう>>

 

「今回は私たち、レ-ダ-積んでて重いからホントに頼むからね!」

 

<<ああ、任せろ>>

 

6機の烈風が旋回して迎撃に向かった。

私たちは散開しているため、敵機に補足されると回避が難しい。

 

「メビウス1から被弾姫、聞こえる?」

 

<<ちょ!!だから誰が被弾姫よー!!>>

 

「何か異常ある?」

 

<<無視かーい!スルーですかー!!異常はありませんよーだ!>>

 

「ならいいんだけど・・・なんかまたアンタが一番最初に落ちそうな気がして・・・」

 

<<なんでよー!!>>

 

「乙女の勘ってヤツかな?」

 

<<そんま物騒な勘があってたまるか!って言いたいんだけど・・・敵影目視・・・>>

 

「ちょ、早く逃げなさい!!」

 

<<う~ん・・・難しいかも>>

 

「難しいかもじゃないわよ!!私が守ってあげる、早く!」

 

<<こういう時だけ優しいんだから・・・>>

 

「冗談言ってる場合じゃないわよ!!」

 

私はすぐに旋回してメビウス8のいるほうに向かう。

 

「加賀航空隊!こちらメビウス1!援護要請!」

 

<<ま--れ!!----右に避け------撃----->>

 

「何?!聞こえない!!」

 

<<アンドロメダよりメビウス隊!緊急離脱してください!パ-ンパ-ンパ-ン!コードU、ユニフォ-ム!ユニフォ-ム!>>

 

コ-ドU・・・私たちが決めたフォネティックコ-ドがある。Uはアンノウンを示している。

つまり・・・不明機が接近しているのだ。

 

「もう・・・目の前・・・だよ!!」

 

機体が重い・・・!でも・・・敵機よりは機動性が残ってる!!

 

「オメガ!ブレイクレフト!ブレイクレフト!!」

 

<<くっ・・・こいつ・・・!!>>

 

私は落ち着いて照準を合わせる。

後ろには別の敵機が食いつこうとしていた。

 

「くっ・・・でも!!こいつだけは!!」

 

照準があと少し・・・あと少しで合う!

 

「発射!!」

 

<<撃墜!ありがと!!>>

 

「お礼はいいから後ろのどうにかしてー!!」

 

敵機に食いつかれ、ハイGバレルロ-ルで敵の照準を外そうともがく。

 

「ハァハァ・・・!!くそっ!!」

 

Gのせいで呼吸も苦しい。

でも、苦しさから逃げようと旋回を緩めれば撃墜される。

 

<<隊長!!そのまま機首下げて!!>>

 

「え?」

 

私は思わず機首下げを行う。

後ろを振り向くとちょうど敵機の機関砲が火を噴いたのが見えた。

同時に・・・

 

<<当たれぇぇぇぇ!!>>

 

敵機が爆発を起こすのも見えた。

 

「グッキル!グッキル!!」

 

<<ハァハァ・・・ふぅ・・・スプラッシュワン!>>

 

「まさか助けられるとは・・・それもオメガに」

 

<<まさかって何よー!!>>

 

「えへへ、冗談だよ、じょーだん」

 

横を飛んでるオメガに笑顔を向け正面に向きなおすと・・・

 

「あ・・・」

 

火を噴きながら突っ込んでくる敵機のロケット弾が迫っていた。

油断した・・・

 

「オメガ・・・ごめん・・・」

 

私の最期の言葉をオメガに言う。

静かに目をつぶる

空で死ねるなら・・・まぁ・・・いいか。

 

<<うわああああああああああああああああ!!!!>>

 

オメガの悲鳴のような声と爆発音。

目を開けると小さな破片と爆煙が空に散っていた。

 

「オメ・・ガ・・・?」

 

被弾したのはオメガだろう。

その機影をさがすと。

 

「オメガ・・・どこ!?」

 

<<こ、ここだよ~>>

 

「どこ・・・どこよぉ!!」

 

<<ここだって!>>

 

その瞬間、胴体に複数の穴が開いたオメガの機体が目の前を横切った。

 

「あなた・・・被弾して・・・」

 

<<えっへっへ~、いつもの事じゃん>>

 

「いつもなら脱出してるでしょ!!」

 

そうだ、いつもなら被弾したら必ず脱出している。

でも・・・

 

「オメガ、赤城さんまで帰って!」

 

<<え~、大丈夫だよ>>

 

「帰りなさい!!これは命令よ!!」

 

<<・・・>>

 

<<オメガ?どうしたの?>>

 

<<こちら3、隊長、状況は?>>

 

「ごめんみんな、ちょっと待ってて」

 

今はオメガを帰らせないと・・・

脱出できたなら何か不思議な力か何かで母艦まで帰れるが・・・墜落か撃墜は帰れないのだ。

つまり・・・死ぬということになる。

 

「オメガ!お願いだから帰還して!」

 

<<・・・無理・・・かな>>

 

「・・・?」

 

<<燃料タンクに穴が開いてるの。それに左のエルロンの反応がまるで無い・・・エレベ-タ-も反応が薄い・・・急激な機首上げとかが全然できないよ>>

 

「そ、それ・・・」

 

つまり・・・ほとんど操縦不能だ。

 

「だったら脱出!脱出しなさい!!」

 

<<それも・・・無理かな>>

 

「なんでよ!!」

 

<<キャノピ-のフレ-ムが歪んじゃって・・・扉が開かないんだ>>

 

「あなたどんな状況でも脱出したじゃない!!脱出してよ!お願いだからぁ・・・!」

 

私はいつの間にか涙声になっていた。

目の前で仲間を失うなんて嫌だ!

 

「そうだ・・・機銃でキャノピ-を撃てば・・・!」

 

私はそう思いつくが・・・すぐに現実に戻る。

もしオメガに当たったら?

さっきの空中戦の最中に7.7mm機銃が給弾不良を起こしている。

今残っているのは機関砲のみだ。

しかし20mmなんて口径が人体をかすめれば?

 

「どうすれば・・・!」

 

<<無理だよ>>

 

「なんで諦められるのよ!!」

 

<<何でって・・・私自身が・・・被弾してるもん>>

 

「え・・・?」

 

背面飛行を行いオメガの真上を通過する。

・・・コクピットに血が広がっていた。

 

「ち、血が・・・」

 

<<ケフッ・・・だから・・・無理なんだよ>>

 

「やめてよ!無理なんて言わないでよ!!」

 

何とか助ける方法は・・・

そんな事を考えていると被弾しているオメガを狙って敵機が迫ってきた。

 

「この・・・邪魔するなァァァァァ!!!」

 

残りの20㎜弾を敵機に叩き込んだ。

その間にオメガの高度はどんどん下がっている。

 

<<ああ・・・レ-ダ-が消えた・・・配電盤がイカれてる>>

 

「お願い・・・生きて!死なないでよ!!あなたどんな状況でも脱出して笑顔で帰ってきてたでしょ!!」

 

<<・・・>>

 

<<隊長・・・>>

 

「なによ!アンタは黙っててよ!!」

 

私は思わず僚機に怒鳴りつける。

 

<<・・・敵機が撤退を始めた、加賀さんの航空隊が勝ったみたいだよ>>

 

「だから黙ってって!!そんな事どうでもいいのよ!!!」

 

完全に冷静さを失っていた。

どうする・・・どうすれば・・・機体をぶつけてキャノピ-を・・・ダメ!それじゃオメガが・・・

 

<<隊長、下に敵の空母が見える・・・>>

 

「空母・・・」

 

確かに眼下に敵の空母を発見した。

そして私は最悪の状況を予想してします。

・・・体当たり・・・

 

「オメガ・・・やめて・・・そんなことしないで!!」

 

<<えへへ、やっぱりわかったんだ>>

 

「やめてって!!お願い!帰ろうよ!!」

 

しかしオメガは急降下に入る。

外れかけていたエルロンがその急降下の影響で吹き飛ぶ。

 

「やめ・・・やめて!!オメガぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

<<えへへ、いい声・・・最期に命令違反をごめんなさい・・・>>

 

「オメガァァァァァァァ!!!」

 

数秒後に敵空母の艦載機発着口に機体が飛び込み大爆発を起こす。

敵空母はその爆発で轟沈した。

 

「オメガ・・・バカ・・・バカ!!バカバカバカァ!!!!!!」

 

 

 

 

~いそかぜ~

 

「メビウス8・・・レ-ダ-ロスト・・・」

 

「こちらも確認しました・・・同時に敵空母撃沈確認」

 

「レーダーロストってどういうことですか!?」

 

「赤城さん・・・一機・・・落ちました」

 

「そんな・・・・」

 

赤城さんはその場に膝をつく。

 

「赤城さん」

 

加賀さんは冷静に赤城さんい声をかける。

 

「・・・これは戦争なんです」

 

「だからしょうがないんですか?!そんなの・・・」

 

「でも私たちは艦の時代にも多くの未帰還機がいました。敵だって・・・」

 

「・・・・・」

 

・・・私はその状況を眺めるしかできなかった。

 

「・・・偵察・・・終了しました。敵泊地・・・確認できず、です」

 

「了解しました」

 

泊地に見えたのは過去に作られた陸軍のLCAC用の基地と放置されたLCACだった。

こちらの損害は14機中、4機撃墜だった。

メビウス隊の隊長機は燃料が尽きかけるまで捜索を続けていた。

 

 

 

 

 




曹候補生一次通ったぜ!でも航空学生は落ちたぜ・・・

てのは置いといて、メビウス隊の一機が被撃墜、MIAと言うのはやりすぎたか・・・


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リボンが一つ消えた空

「よし、午前中のノルマは達成だな」

 

今日は電は遠征で出かけていていない。

背伸びしながら何気なく外を見る。

海を見ながら堤防に腰かけている少女の姿が見えた。

 

「アイツ・・・またか」

 

メビウスの隊長だ。

オメガが落ちてからずっとあの調子だな・・・

 

「どれ、ちょっくら行ってくるか」

 

俺も昔は隊長機だった。

仲間が落ちる気持ちは痛いほどわかる。

司令部を抜けて、隊長の元に向かう。

ちなみに非番時の妖精は人間と同じサイズになっている。

 

「よ、隊長」

 

「・・・司令官」

 

「オメガの事か」

 

「・・・・・」

 

目の下にはクマが出来ていて完全に憔悴しきっている。

 

「お前、最近寝てないだろ」

 

「関係ないよ・・・」

 

「そりゃお前が寝ようが寝まいが俺には関係ないけどな・・・」

 

「じゃあ何・・・気休めみたいな慰めならよしてよ!」

 

突然怒鳴る。

相当精神的に来てるな。

 

「なぁ、俺が元パイロットだったの知ってるか?」

 

「知ってるけど・・・」

 

「じゃあ、俺がお前と同じ名前の隊にいたことは?」

 

「知ってる・・・」

 

「じゃあ・・・僚機をもう2人失ってるのは?」

 

「・・・・」

 

まぁ、誰にも話してないし知らんわな。

知ってるのはケストレル、アンドロメダくらいか。

 

「あれは・・・ベルカ戦争の時だったか・・・やっと戦争に終止符を打てそうな時だったよ。俺は二機編隊で飛んでたんだ」

 

メビウスは黙って聞いている。

つーかよく考えたら俺、コイツの名前知らねーや・・・

 

「めちゃくちゃな任務だったよ、ダムに飛び込んでミサイルの制御装置ぶっ壊して来いって・・・んで、そん時の僚機はなんて言ったと思う?」

 

「・・・なんて言ったの・・・?」

 

「俺のファルコンならちっさいから余裕だ!ってな」

 

「それで・・・落ちちゃった・・・?」

 

「いや、まぁ見事にダムに飛び込んで制御装置をぶっ壊したよ」

 

「じゃあ、なんで・・・落ちちゃったの?その人は・・・」

 

「ダムを飛びぬけて上空に上がった時さ。まぁ・・・彼女が待ってるだとか何とか言ってたら目の前からレ-ザ-が飛んできてな」

 

「レ、レ-ザ-・・・?」

 

予想外の攻撃方法にメビウスは目を丸くしていた。

そりゃ・・・ふつうレ-ザ-なんか飛んできませんわな・・・

 

「そのレ-ザ-は俺を狙ってた。だけど・・・そいつは急旋回で俺の目の前に出てきて盾になったんだ」

 

「・・・オメガも・・・」

 

「ああ・・・アイツと一緒だよ」

 

仲間を護るために自らを犠牲にした。

PJもそうだったな・・・

 

「しかし・・・その僚機を撃ったのは俺の元相棒・・・ひどく混乱したよ」

 

「なんでその相棒は敵になったの・・・?」

 

「国境がどうたらって言ってたな・・・まぁ・・・今となっては国境なんてもう意味のない線だが」

 

今は深海棲艦の影響で大抵の国家は孤立してしまっている。

艦娘や深海棲艦に対抗できる物を持っているなら別だが・・・

 

「ねぇ・・・もう一人は・・・どうして落ちたの・・・?」

 

「ああ・・・アイツの時は・・・お前と同じ状態になったなぁ・・・」

 

「え?」

 

「今度は環太平洋戦争の時だ。オ-シアのスタジアム上空で展示飛行をしてた」

 

あの戦争が・・・今思えば一番クソッタレだったな・・・

 

「そしたら、いきなり敵機が襲撃してきて上空は大騒ぎさ」

 

「なんで敵はスタジアムを?」

 

「そりゃ、そこに副大統領が居たからさ」

 

「大統領は?」

 

「それの話はあとで出てくるよ。そんで俺の僚機・・・TACネーム「チョッパー」ってヤツが被弾したんだ」

 

「チョッパ-・・・」

 

「おしゃべりなロックロ-ルオタクでさ、いつも俺の部屋に来てはロックンロ-ル祭だったよ」

 

「にぎやかだね」

 

「いや・・・にぎやかって騒ぎじゃかったけどな・・・」

 

何回壁ドンされたか・・・

 

「んで、被弾したんだけど損傷は大したことなかったんだ。でも安全のため離脱が必要だった」

 

「その時味方は来なかったの?」

 

「来たよ・・・すべてが終わった後だったけど・・・」

 

8492・・・

 

「それで味方を呼んだ。だけど・・・あいつ等演習だって言って撤退しやがった」

 

「え?でもレ-ダ-で・・・」

 

「ああ、見えてたよ。だけど増援って言うのがな・・・」

 

「増援が?」

 

「まぁ、続きだ。それでチョッパ-の損傷が時間がたつごとに酷くなっていった。ベイルアウトが必要になったんだ」

 

「脱出できなかった・・・?」

 

「いや・・・しなかった」

 

「しなかった?」

 

「アイツは機体を落とせる場所がないか探していた。一般市民の頭の上に戦闘機を落とすわけにもいかないからな・・・それで・・・スタジアムを見つけた」

 

「そのスタジアムに・・・」

 

「ああ・・・じゃあ脱出しようって話なった時には遅かった・・・電気系統の破損で射出座席が反応しなかったんだ」

 

「・・・・」

 

「着水って手もあった。緊急着陸だってできただろうに・・・だけど、もし爆発を起こせば罪のない市民が死ぬ。チョッパ-はそう考えて最小限の犠牲で済ませようとしたんだ」

 

「それで・・・落ちたの・・・?」

 

「そうだ、まっすぐスタジアムに降下して・・・ど真ん中に機体を落とした・・・自分も一緒に・・・あの日の空中管制指揮官の声が耳に残ってるよ」

 

「なんて・・・言ってたの?」

 

「普段は石頭のつまらないヤツがさ・・・諦めるなチョッパ-!頑張るんだ、チョッパ-!!って叫んでた。普段はTACネームなんて言わなかったのに」

 

そのあとのアイツの声だって・・・忘れたことがない。

いや、忘れるなんてできない。

 

「それで・・・アイツは「へへっ・・・いい声だぜ・・・」って最期の言葉を残して・・・落ちた」

 

「オメガも・・・」

 

「ん?」

 

「オメガもそう言ってた・・・私の事・・・いい声って言って・・・ごめんなさいって・・・」

 

メビウスは泣き出す。

 

「司令官・・・私どうすればいいの・・・?もう飛べないよ・・・」

 

「・・・割り切るしかない」

 

「割り切る!?仲間を!?やだよ!そんなの・・・やだよ・・・!」

 

「俺はこう考えたんだ。アイツのおかげで10人・・・いや100人・・・いや1000人・・・それ以上の人命が救われたんだって」

 

「オメガは・・・」

 

「アイツは空母を最期に撃沈した。その空母がどこを攻撃するかなんて分からない。だがそいつはもしかすると、首都を空爆したかも知れない。名前も分からない町を襲ったかも知れない。お前たちを襲ったかも知れない。でもそれをオメガが阻止した」

 

「・・・あの子・・・無駄死になんかじゃない・・・?」

 

「あたりまえだ。まぁ・・・人が死んでいて・・・こんなこと言うのも何だが・・・アイツの事を誇りに思え。アイツのおかげで何千いや、何万の人命が救われたんだって」

 

「でも・・・」

 

「どういっても、どう思っても帰ってこないんだ」

 

「そんな事・・・言ったって・・・」

 

「じゃあお前がもしその調子で飛んで落されたらオメガはどう思う?アイツはお前に生きて欲しくて助けたんだ、それを忘れたらダメだ」

 

「・・・オメガ・・・」

 

「何も忘れろってわけじゃない、アイツの事を隊の誇りだって思ってやれ」

 

「うん・・・分かった・・・」

 

「どうだ、少し元気出たか?」

 

「何とかね・・・もうちょっとかかるけど・・・」

 

「そりゃ、すぐに治るわけないさ、まぁゆっくり休んでアイツとの思い出を心に刻んとくんだぞ」

 

「うん・・・分かった・・・ありがと・・・司令官!」

 

「ああ、さて・・・俺も昼飯食いに行くかな・・・」

 

気付けば一時間くらい話してたな。

今日は電の手料理食えないし・・・

司令室にまだ缶飯があったしそれでもいいか。

 

「あと仕事何残ってたっけな・・・」

 

考えたくもない・・・

そんな事思いながら司令室へと戻った。

 

 




今回はまぁまぁだと思・・・う!

そんな事は置いといて、エスコン5を久々にプレイして泣いた俺氏でござる。


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あの真っ黒い空飛ぶ6足歩行戦車

今日も一日頑張るぞい。

とか思いながら机に向かう。

 

「そろそろ経理課作ったほうがいいかな・・・」

 

手元にあるのは経費の書類、書類、書類・・・

40㎝くらいの山になっていた。

大半は資源に関する物だったりする。

燃料不足で中東から独自ル-トで輸入したのはいいが・・・

やっぱり高くつくな・・・

 

「電、コ-ヒ-一杯入れてもらえるかな」

 

「了解なのです!あ、ミルクと砂糖はどうするのです?」

 

「ん~・・・一応つけてもらえるかな」

 

「分かったのです!」

 

電にコーヒーを入れてもらっていると、いきなり部屋に警報が鳴り響く。

 

「うおわああああああ!?!?なんだ!?」

 

続いて無線から・・・・

 

<<CP!CP!こちらデルタ4!駆逐艦娘寮で敵と遭遇!増援求む!送レ!!>>

 

<<こちらCP、了解。過剰戦力を回す>>

 

何で侵入されてんだよ!!

さすがに俺も出たほうがいいな

 

「電、お前はここに居ろ。いいな」

 

「で、でも・・・」

 

「命令だ、安全なところにいるんだ」

 

「わ、わかったのです・・・」

 

手元にあった89式小銃に弾を込め俺も艦娘寮に向かう。

 

「デルタ4、聞こえるか?」

 

<<こちらデルタ4!提督ですか?!>>

 

「ああ、状況は?」

 

<<ビジュアルコンタクトロスト・・・警戒を厳に・・・うわあああ!!>>

 

「おい!応答しろ!」

 

<<いやあああああああああ!!出たあああああ!!!!!>>

 

つづいて無線機から艦娘の悲鳴が聞こえてきた。

出た・・・?

 

<<バ、バカ!大きい声だすからこっちに来たじゃない!!>>

 

<<だ、だってぇ!!>>

 

<<あんたいつまでも驚いてないでどうにかしなさいよ!!>>

 

<<じ、自分にも・・・ぎゃああああああああ!!飛んだああああああああ!!!>>

 

<<いやあああああ!!キモイィィィィィ!!!!!!!>>

 

無線から聞こえる悲鳴。

あと単語から状況が予想できた。

 

・・・・・・・・Gかよ・・・

 

「あ~・・・デルタ4、Gが出たのか?送レ」

 

<<ですです!!そうなんです!!!アパ-ム!!新聞紙持ってこーい!!!>>

 

なんだこれ。

正直な感想がそうだった・・・

 

「はぁ・・・89・・・いらなかったな・・・」

 

そんな事思いながら艦娘寮に入る。

 

「しししし司令官!!出た、出たんですぅぅぅ!!」

 

いきなり いそかぜに飛びつかれた。

目の前には泡吹いてぶっ倒れてる うらかぜが。

 

「あ~・・・コイツどうした・・・」

 

「う、うしろから飛んできたアレに・・・」

 

「なんて不幸な・・・」

 

それよりも白目剥いて、首に手を回して泡吹いてる姿どうにかならねーのか・・・

ホラ-だぞ・・・

 

「ったくG一匹に何騒いで・・・」

 

ふと足元に視線を向けると・・・

 

「・・・・・・・・」

 

Gが「やぁ!」って感じで俺の目の前に出てきた。

 

「ででででで出たぁぁぁぁぁ!!!」

 

「誰かァァァ!!新聞紙ィィィ!!!!」

 

いや、Gがいきなり目の前に出てきたら誰でもビビるでしょ。

とか心の中で言い訳しつつ、パニくる提督であった。

 

「チッ・・・消えた!」

 

「司令官!逃げましょう!ここはもう終わりです!」

 

「いやそこまで大事じゃないからね?」

 

まるでゾンビでも発生したみたいな・・・まぁいいか・・・

 

「とりあえず捜索・・・あ」

 

「え?」

 

何かプチッっという音がしたと思い、足を上げると・・・

 

「・・・・・・・・・ぎゃああああああああああ!!!!!!」

 

G・・・ふんじゃった・・・(号泣

 

「司令官、もう二度と私に近づかないでください」

 

「やめて司令官泣いちゃう」

 

とりあえず泣きながら処理をした。

それよりもどこから発生したのか・・・

 

「なぁ、アレどっから出てきた?」

 

「天井裏から・・・」

 

「ふむ・・・」

 

天井か・・・となると早いとこ駆除しないと・・・

 

「いそかぜ、ガスマスクと強力な殺虫剤頼むわ」

 

「了解しました」

 

いそかぜにガスマスクと殺虫剤を取りに行ってもらう。

少し待っていると・・・

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「出てこい・・・チェ-ンガンが待ってるぜ・・・」

 

なんか顔に迷彩塗装をしたアンドロメダがM134を持って歩いてきた。

 

「・・・・なにしてんだお前」

 

「何って・・・害虫退治ですよ?」

 

「あ、うん・・・そっか・・・」

 

そんな害虫退治あってたまるか。

そんな事思っていたら・・・

 

「ケ、ケストレル!やめなさいって!!」

 

「離してバ-ベット!!汚物は消毒するんだから!!」

 

「あなた火炎放射器もって何言ってるのよー!!」

 

こんどは火炎放射器を持ったケストレルが出てきた。

後ろから必死で止めようとしているバ-ベット。

 

「おまえらなんで駆逐艦寮にいるんだ・・・」

 

「アンドロメダの部屋でUNOしてたら・・・それよりケストレルを止めるの手伝ってよ!」

 

「いや・・・まだ焼かれたくない」

 

「ヒャッハアアア!!汚物は消毒よォォォォ!!!」

 

「出ぇて来いクソッタレぇぇぇぇ!!!!」

 

アンドロメダ、ケストレルが暴れ始めた。

・・・・どうすりゃいいんですかねコレ。

 

「ハァ、ハァ・・・司令官、持ってきま・・・し・・た・・・」

 

「あ、おかえり」

 

「どうしたんですかコレ・・・」

 

「ちょっとクレイジ-になった二人が暴れだした」

 

「見たらわかりますよ!?どうしてこうなったんですか!?」

 

「知らん、とりあえずガスマスクとコレ、もらうぞ」

 

いそかぜから物を受け取り装着する。

さて、駆除に行こうかね

 

「バーベット、いそかぜ・・・その二人落ち着かせといてな」

 

「・・・・」

 

すごく嫌そうだ。

とりあえず天井裏に向かう

 

「・・・どっこいせ!」

 

うわ~・・・薄暗いな・・・

ライトをつけると・・・

 

「・・・・・・・一匹見たらって言うけどさ・・・」

 

想像してごらん、100匹くらいのGが蠢きあってる姿を・・・

 

「ファァァァァァァァック!!!!!!!!!」

 

とにかく殺虫剤をばら撒く。

なんとか数を減らしていくがそれでもまだいる。

 

「ちくしょう!何匹いるんだよ!」

 

殺しても殺しても湧いてくる・・・

そんな戦闘が10分ほど続いた。

 

「ハァ、ハァ、ハァ・・・」

 

なんとか片付いたようだ。

ふぅ・・・

 

「あとはこれを掃除して・・・」

 

箒と塵取りを取りに戻ろうとした瞬間・・・

 

「うぉわ!?」

 

床が抜け、下に落ちた。

 

「いててて・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

ぶつけた腰をさすりながら視線を上に上げる。

 

 

そこには便座に座っている曙さんの姿が。

縞パンッ!!!

 

「あ~・・・男子トイレと間違ったみたいだな、失礼」

 

「いやあああああああああああああああああ!!!!」

 

「逃げろぃ!!」

 

ダッシュで逃げる。

次の瞬間警報がまた鳴り響く。

 

<<CP!CP!こちらズ-ル-1!!トイレに不審者あり!交戦許可願う!送レ!>>

 

<<こちらCP了解、細心の注意を払え>>

 

やばい、捕まったら殺される。

主に曙に殺される。

 

「どうやって逃げ・・・あんなところにダンボ-ル!もらった!!」

 

不自然においてあるダンボ-ルを被り警備がどこかに行くのを待つ。

足音が通り過ぎた・・・?

 

「ゆっくり逃げよう・・・」

 

少し立ち上がると・・・

 

「ん・・・!?」

 

やっべ!!!

 

「CP、こちらデルタ3、ダンボ-ルが動いている。送レ!」

 

<<こちらCP、真面目にやれ。終ワリ>>

 

「クソッ!信じてないぞ!」

 

いや当たり前でしょうに。

 

「もういい、行くぞ」

 

「絶対動いてたんだけどな・・・」

 

なんとか危機は去った・・・

とりあえずガスマスクを外し堂々と歩いていそかぜ達の所へ戻る。

 

「司令官、不審者が出たらしいんですが・・・大丈夫でしたか?」

 

「ああ、それならさっきパトロ-ルの連中が引っ張って行ってたぞ」

 

「そうですか・・・」

 

・・・言えない。

口が裂けても言えない。

 

「とりあえず駆除はしたが・・・」

 

「じゃあ一安心ですね」

 

「ああ、俺は仕事に戻るよ」

 

艦娘寮を後にし執務室に戻る。

するとなんかまぁ・・・青筋浮かべた電さんと刀持った曙さんがいらっしゃいました。

 

「おかえりなのです、司令官さん」

 

「おかえり、クソ提督」

 

「たたたたたたた、ただいまままままま」

 

バレてる?!これもしかしてバレてる!?

 

「司令官さん、さっき不審者が出たらしいんですけど・・・」

 

「ええ、私が被害にあったわ」

 

「そりゃ大変だな・・・パトロ-ルの連中も・・・」

 

やっばい。どうやって逃げよう。

つーかどうやってバレた!?

いや、まだ確信じゃない・・・うまく・・・

 

「ねぇ、クソ提督」

 

「ん?なんだ?」

 

「あたしのパンツ・・・何色だった?」

 

「縞パンッ!!」

 

 

「へぇ~・・・なんで知ってるのですゥ?」

 

「あ、えっと・・・あの・・・」

 

「クソ提督」

 

「はい何でしょうか!!」

 

「言い残すことは?」

 

あ、もう処刑ム-ドだコレ。

電さんもスイッチ入ってますねコレ。

最期くらい・・・キレイに決めたらァァァ!!

 

 

 

 

 

 

「電のパンティおくれェェェェ!!!」

 

「死ねクソ提督!!」

 

「司令官さん、さすがにオイタが過ぎましたねェ」

 

「ぎぃやあああああああああああああああ!!!!!」

 

 

 

 

 

まったくキレイに決まりませんでした。

 

 




なんか微妙でござる。

そんな事はさておき、就職が陸上自衛隊に決まったでござる!
これから頑張るぜぃ!


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電「にゃんっ♪」

なんで本部まで出向かねばならんのだ・・・

今朝、本部への出頭命令を受けて出発し、今帰ってきたところだ。

 

「ええやん・・・別に戦果微妙でも・・・」

 

そんな愚痴を言いながら鎮守府への道を歩く。

一応戦果は挙げているんだが・・・基本的に米軍とかとの共同戦・・・しかも無かった事にしないといけないレベルの作戦・・・ブラックオプスが多いのだ。

大半は敵司令官の排除が主になる。

遠征で偽装しているのでバレはしないが・・・

 

「はぁ・・・コレ言うと大問題だもんな~・・・」

 

敵司令官の排除は問題ではないのだが・・・

深海棲艦との接触、または協力している可能性のある人間の排除も含まれている。

排除するのは米軍だが俺たちはその援護と言う形で協力している。

目標は他国の人間・・・

それの暗殺に日本が絡んでるなんて知れた日には国際問題だ。

 

「それにしても・・・お説教が途中から駆逐艦談義に変わるって何なんだ」

 

途中から突然駆逐艦の良さについて語り合っていた。

まぁそんな事してたからこんな外が暗くなるまで外出していたのである。

 

「ようやく帰ってきた・・・」

 

ホント疲れた・・・

電とのんびり過ごしたい・・・

 

「提督さんがご帰還っと・・・」

 

門をくぐり司令室のある建物へ向かう。

何やら司令室で人影が見える。

 

「あいつら・・・また司令室に溜まりやがって・・・」

 

まぁ、にぎやかで嫌いじゃないが・・・食ったもんとか片付けてくれ。

そんな愚痴を心の中で言いながら司令室のドアを開ける。

 

「ただいま~」

 

「あ~、しれぇ~かんさん~。おかえりなのれす~」

 

「い、電さん・・・?」

 

明らかに酔っている電が出迎えてくれた。

いや、それよりもその猫耳と尻尾は何だ!

俺を殺す気か!似合いすぎだろ!・・・じゃなくて!誰だ酒飲ましたのは!!

 

「しれぇかんさん、見ててくらさいなのです~」

 

「ヘーイ!イナズマ!やっちゃうネ-!」

 

焼酎持ってハイテンションな金剛もいた。

お前か飲ませたのは!!

 

「しれぇ~かんさん~!」

 

「あ、ああ、何だ?」

 

電のほうを見ると・・・

 

「にゃんっ♪」

 

可愛い声出してネコのポ-ズをする電が。

 

「ふぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

変な声出た。

いや、可愛すぎるでしょ。

嫁に来い。あ、もう来てたね。

 

「にゃー!!ニャ-のほうが上手いニャー!見てるにゃ!」

 

「あ、本家が」

 

「にゃんっ!」

 

「・・・にゃんっ♪」

 

電も同時にネコのポ-ズを・・・

 

「電の勝ちだな」

 

「にゃああああああ!!!なんでにゃあああああ!!!」

 

「そりゃお前、普段しないから可愛さ10割増しなんだよ!」

 

「ニャ-だって普段こんなことしにゃいにゃー!!」

 

「いや、普段からにゃーにゃー言ってるやん」

 

「にゃあああああ!!!たいちょーなんか嫌いにゃあああああ!!」

 

「あ、逃げた」

 

叫びながら司令室を出ていった。

てかこの状況いったい何なんだ。

 

「おい、アンドロメダ」

 

「ふぁい~?」

 

「お前も酔っとるんかい!!」

 

唯一まともな艦娘が・・・

 

「たいちょーも飲むといいれす~・・・」

 

「よくねーよ!!」

 

「しれぇ~かんさ~ん」

 

「ん、何だ?」

 

「どうぞなのれす~」

 

そういってチュ-ハイを出してきた。

てかなんでお前も飲んでんねん!!

 

「おいしいのれす~」

 

「はぁ・・・もうせっかくだし俺も飲むか・・・」

 

どうせ今は課業終わりの時間だ。

飲んだってバチは当たらない。

 

「そういや、おつまみあったかな・・・」

 

戸棚を探すとミックスナッツが出てきた。

 

「よっし!みんなで飲もうぜー!」

 

「ヒャッハアアア!!飲むネ-!!」

 

「お前は一升瓶振り回すな!!」

 

酔った金剛が危ない・・・

まあ・・・こんな平和な時間もいいか・・・

 

「しれぇかんさん~」

 

「ん?どした?」

 

「今日も一日、おつかれにゃんっ♪」

 

「グハァァ!!!」

 

ある意味ダメ-ジがすごい一言いただきましたー!

そんなにぎやかな夜だった。

 

 

 

~朝~

 

「ん・・・」

 

朝日で目が覚める。

 

「司令室で寝てたか・・・」

 

あたりを見ると電や金剛、アンドロメダも寝ていた。

てか、なんで金剛は服脱ぎ掛けなんだよ。

電に至っては猫みたいに丸まって寝ている。

 

「お前ら風邪ひくぞ・・・」

 

「ん~・・・」

 

「電、起きろ」

 

「ふにゃああああ・・・」

 

「ま、まだ猫なのか・・・」

 

「あれ・・・司令官さんおはようなのです~」

 

「ああ、おはよう。そんなところ居ると風邪ひくだろ」

 

「あれ・・・司令室?」

 

「お前ら、昨日酒飲んで酔っ払ったろ?」

 

「あ・・・ご、ごめんなさいなのですぅぅぅ!!!」

 

「ど、どした?そんなに謝らんでも・・・」

 

「だって・・・司令官さん帰ってきたのに酔っ払ってて・・・」

 

「いや、滅茶苦茶可愛い電が見れたから問題なし」

 

「え?」

 

「あ、いや何でもないよ」

 

「気になるのです~・・・」

 

軽く膨れる電を撫でてやり今日の業務の確認を行う。

 

「さてと・・・今日は・・・」

 

ふむ、いそかぜ達が鎮守府周辺の警備か。

あとは特に作戦もないな

 

「電、いそかぜ達に警備って伝えてきてくれるかな」

 

「はい、了解なのです!」

 

「あ、そういえばお前ら風呂入ったか?」

 

「あ・・・」

 

「やっぱみんな入ってないよな~・・・」

 

「ごごごごごごめんなさいなのですー!」

 

「いや、俺も入ってないし、今日は暇だから温泉にでも出るか?」

 

「え、いいのですか・・・?」

 

「ああ、金剛とアンドロメダも連れて行こう」

 

「はいっ!」

 

んじゃそれまでに仕事終わらせるかな。

PCを開き、いつも通り衛星から怪しい地域を監視する。

 

「特に異常なしっと」

 

いつも通りの海だった。

いや・・・なんか変なもんあった。

 

「これ・・・ヲ級・・・?」

 

無駄に気合いの入ったおしゃれしたヲ級が誰かと海岸を歩いている。

服装からして相手側の司令官か・・・

 

「深海にもこんなことあるのか・・・」

 

その風景をのんびり眺めていた。

すると・・・

 

「ん・・・?なんだこれ」

 

ズ-ムすると・・・指輪?

司令官が何かを渡している。

 

「へぇ~・・・やっぱあいつ等もこんな話あるんだな」

 

そして受け取ったヲ級はその指輪を笑顔で海に投げ捨てた。

 

「捨てるんかぃぃぃぃぃぃ!!!!!」

 

俺は一人画面に向かって突っ込む。

うわ・・・相手側の司令官泣き崩れたぞ・・・

 

「全然優しくない世界だった・・・」

 

しかもヲ級さん、泣き崩れた司令官に捨て台詞っぽいと唾吐いて立ち去ってますやん・・・

 

「うわぁ・・・・・」

 

えげつない・・・

いや、待て、司令官が何かを始めた。

 

「ん・・・コイツ何して・・・」

 

よく見ると吐き捨てられた唾を舐めとっている・・・だと!?

どんな変態だよコイツ!!

 

「これはひどい・・・・」

 

酷い光景を見た・・・

そんな事していると電が帰ってきた。

 

「おかえり」

 

「ただいまなのです!っていうか・・・まだ寝てるのですか・・・」

 

「ん?あ、ああ。ぐっすりな」

 

そういや起こすの忘れてた・・・。

 

「さてと、昼まであと3時間頑張るか」

 

「がんばるのですー!」

 

「終わったら昼飯ついでに四人で近くに出来た温泉行こうな」

 

「はいっ!楽しみなのです!」

 

「よし、早く終わらせよう」

 

あと書類整理が少しだけ。

頑張るか。




更新遅れて申し訳ないです!

そんな事よりガルパンの映画マジ最高だったぜ!


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泥沼化の戦況

「ふ~・・・仕事終わりの温泉って最高だ・・・」

 

仕事も片付き、温泉につかっていた。

疲れが取れていく~・・・

 

「あ~・・・これで混浴だったらな~・・・」

 

平日の昼過ぎ、爺さんしか居ない温泉の湯船でそう呟いた。

くそう、電たちの様子が見たい。

あ、いや、邪な思いなんかないぞ!

 

 

 

~電~

 

「金剛さん・・・おっきいのです・・・」

 

「電も大きくなればこのくらいなりマ-ス!」

 

「くッ・・・!」

 

司令官さんと温泉に出かけた。

今は脱衣所だ。

 

「私だって・・・十分いい年なのにィ・・・!」

 

「ア、アンドロメダはその・・・そのままでも可愛いヨ?」

 

「そのままでもってなんですかぁ!!あれですか!勝者の余裕ってヤツですか!!ちくしょうめ!」

 

「お、落ち着くネ・・・」

 

アンドロメダさんが自分の胸と金剛さんの胸を比較して暴れていた。

でも・・・アンドロメダさん・・・私からしたら十分なのです・・・

 

「アンドロメダさん・・・サイズおいくつなのです?」

 

「Cですよ!金剛さんくらいがいいのにぃー!」

 

「・・・私からしたら十分なのです・・・」

 

・・・ちくしょう。

あ、心が荒んじゃう・・・

 

「は、早く中に入るのです」

 

「そうネ-」

 

「おっぱい・・・」

 

アンドロメダさん・・・・・・

私への当てつけですか?(ニッコリ

 

「あったかいネ~」

 

「そうですね~」

 

「ケストレルさんもついて来ればよかったのになぁ・・・」

 

「秘書艦代理だし仕方ないのです」

 

でもやっぱりみんなで来たほうが楽しい。

あ、でもやっぱ空母とか戦艦組は・・・うっ・・・泣きそうなのです・・・

 

 

 

 

 

 

~ケストレル~

 

「ぬあああああ!!!私だって温泉行きたいぃぃぃ!!!」

 

「落ち着いてください」

 

「だってぇ~・・・いそかぜはどうなのー?」

 

「う~ん・・・私は特に・・・」

 

ああああ~・・・温泉行きたいよぉぉぉぉ・・・

どうせなら彼氏と旅行に行きたいんだけど・・・

この前の空襲で負った怪我がまだ治んないんだもんな・・・

 

「あ、そうだケストレルさん」

 

「ん~?何?」

 

「彼氏さんと使ってあげてください」

 

「ん?なにこれ?」

 

いそかぜから薬の入ったような箱を渡される。

0.01mm・・・何のこと?

 

「これって何?」

 

「コンド○ムですよ」

 

「ファッ!?」

 

「ほら、ケストレルさんだってお年頃ですし」

 

「い、いやいやいやいや!!!私そんな・・・」

 

「この年くらいのカップルならみんなしてますよ?」

 

み、みんな!?うぅ~・・・確かに興味はあるけど・・・

 

「う~・・・」

 

「顔真っ赤にして可愛いですね」

 

「んにゃっ!?な、何言ってんのー!!」

 

「冗談です。それでどうですか?」

 

「ど、どうって?」

 

「ほら、彼氏さんと」

 

「うぇ!?そ、そりゃ・・・その・・・あの・・・うぅ・・・」

 

「大丈夫ですよ、彼氏さんだってきっと喜んでくれますよ。まぁ最初は戸惑うかも知れませんが」

 

「そ、それは分かってるけど・・・やっぱり最初は・・・その・・・痛いって言うじゃん・・・?」

 

「ん~・・・人によりますよ?」

 

「個人差あるの・・・?」

 

「私の場合、そんなに痛くなかったですよ?うらかぜが上手かったのかな?」

 

そりゃ女同士ですからね!

 

「でも大丈夫ですよ。ちゃんと手順踏めばそんなに痛くないですから」

 

「む、向こうがそれ分かってるかなぁ・・・」

 

「そこはケストレルさんが・・・」

 

「私そんなエッチな娘じゃないもん!」

 

「今時の女の子って男の人よりその辺詳しい気がするんですが・・・」

 

なんて軽い猥談に花が咲いていた。

う~・・・最初が怖い・・・

 

「処女と話すのは結構楽しいですね」

 

「なっ!?」

 

「こう・・・染めていくところが最高です」

 

「このドS-!!」

 

「褒め言葉です」

 

「腹立つー!!」

 

なんて話をしていると・・・

 

「おーす、ただいま」

 

「あ、司令官。おかえりなさい」

 

「ただいま~。あれ?なんでケストレルそんなに真っ赤なんだ?」

 

「う、うるさい!」

 

「どうしたんだいったい」

 

「聞くなー!!」

 

「ちょっと私の経験談と助言を話していただけですよ」

 

「にゃああああああああああ!!!!」

 

もうここいやあああああああ!!!

私はそう叫んで司令室を飛び出していった。

 

 

 

 

 

~提督~

 

「・・・お前、あんまりケストレルをイジメんなよ・・・」

 

「イジメてないですよ」

 

「まぁ、ほどほどにな」

 

さて、さっぱりしたし鎮守府の武器弾薬の管理でもしようかな

 

「いそかぜ、あとは電と交代してくれ」

 

「分かりました。あと、お願いしますね」

 

「はい!お任せなのです!」

 

「うし、とりあえず期限が近い弾薬がないかチェックだな」

 

このチェックがまた骨が折れる。

一応リストをパソコンに作成しているので検索は楽だが・・・

量がな・・・

 

「あ~・・・多い・・・」

 

気分転換にテレビでもつけよう・・・

適当にチャンネルを合わせてチェックを再開する。

その時だった。

突然、大きな爆発音にも近い音が響いてきた。

 

「ん?なんか爆発したか?」

 

「事故・・・ですかね?」

 

鎮守府内ではなさそうだが・・・

まぁ、こんだけ大きい音なら明日のニュ-スにでも上がるだろ。

そんな軽い気持ちでいた。

その時、テレビの番組が突然ニュ-スに切り替わる。

 

<<き、緊急ニュ-スをお伝えします!>>

 

えらく取り乱したアナウンサ-がしゃべっている。

 

<<先ほど、東京湾上空、100mの地点で大きな爆発が発生しました!被害は東京湾沿岸地域で建物が崩壊したとの情報が・・・>>

 

「何?」

 

「東京湾上空・・・」

 

電と二人でニュ-スに見入る。

 

<<負傷者などは不明ですが、おそらく数百人規模に上ると思われ・・・あ、今、爆発の瞬間の映像が届きました!>>

 

俺は今のうちに防空指揮所に連絡を取る。

 

「東京湾上空で大規模な爆発があったらしいんだが・・・レ-ダ-に何か映っていたか?」

 

<<今ニュ-スで出ているヤツですね。えっと・・・いえ・・・何も映っていません>>

 

「ミサイルや爆弾の類ではないか・・・」

 

そんな話をしていると・・・

 

「司令官さん!!」

 

「どうした?」

 

「あれ・・・」

 

テレビを電が指さしている。

そこには爆発の瞬間が流れていた。

 

<<映像では一瞬黒い筋のようなものが見え・・・>>

 

黒い点が一瞬だけ映り、空中でキノコ雲が発生するほどの大爆発を起こしていた。

しかし、その点が通った後一瞬、雲のような物が形成されている。

 

「まさか・・・燃料気化爆弾か!?」

 

「それって何なのですか?」

 

「空中に揮発性燃料を放出して引火させ大爆発を起こす兵器だ・・・まさか・・・」

 

急いでまた防空指揮所につなげる。

 

「おい!あの爆発、気化爆弾の可能性が高いぞ!本当にレ-ダ-には何もなかったのか!」

 

<<それが・・・一瞬だけレ-ダ-に筋が・・・>>

 

「なんで報告しない!」

 

<<すみません、バグかと・・・>>

 

「分かった、これ以上は追及しないが・・・次は見落とすな!それから情報班に映像の調査を」

 

<<それはすでに完了しています、あとは結果待ちです>>

 

「分かった、また連絡してくれ」

 

<<了解>>

 

まずいな・・・深海棲艦の攻撃か・・・それとも他国からの攻撃か・・・

深海棲艦の一般的な技術能力を見れば気化弾頭はまだ製造できないはずだ。

出来ても極少数のはず。

だが、後者の他国・・・それこそもっとありえない。

このご時世に侵略攻撃を仕掛けても第三勢力として深海棲艦が介入することになる。

それにどちらの国も侵略される可能性だってある。

しかし、深海棲艦ならステルス攻撃機を使用したのか・・・?

いや、それならレ-ダ-に跡が残るはずだ。

巡航ミサイルの可能性も低い。

となると残っているのは・・・

 

<<提督、調査結果が出ました>>

 

「俺もある程度推理してみたよ」

 

<<推理の結果はどうですか?>>

 

「・・・大陸間弾道ミサイル・・・それならレ-ダ-にも映らない」

 

<<・・・ビンゴです。あと、悪いニュ-スと良いニュ-スがありますが>>

 

「じゃあ、悪いのから頼む」

 

<<あの弾道ミサイル・・・深海棲艦です。またステルス能力を有しています>>

 

「深海棲艦?深海棲艦製ではなくてか?」

 

<<はい、あの弾道ミサイル・・・発射時に指示された目標への攻撃が困難な場合、自らの意志で攻撃を行えるようです>>

 

「なんでその情報があんな一瞬で・・・」

 

<<それは企業秘密です。あと、これが最悪かもしれませんが・・・>>

 

「まだあるのか・・・」

 

<<あの攻撃はデモンストレ-ションです。本命は・・・『熱核弾頭』です。それも・・・東京の霞が関程度の人口なら蒸発してしまうほどの威力です>>

 

「さいっっあくだな・・・」

 

<<あと、いいニュ-スですが・・・>>

 

その時、テレビが犯行声明文?のようなものを流しだす。

 

「ちょっと待ってくれ」

 

「司令官さん、核兵器っていうのは・・・」

 

「まってくれ、テレビが何か・・・」

 

音量を上げる。

 

『日本国政府・・・いや、全世界に通告する。我ら深海棲艦は強大な力を手にした。これよ侵攻を開始する。人間ども、無条件降伏をするのならその身を保証しよう。ただし、邪魔をするようであれば一匹残らず殲滅する。また、最後に警告する。我々の保持するミサイルの弾頭は"通常に非ず"。以上だ。』

 

「ふざけやがって・・・」

 

「司令官さん・・・」

 

「一匹残らず殲滅だぁ?そのままそっくり返したらァ!」

 

ただ、向こうの核兵器の量が分からない以上、下手に攻撃に出て斉射されれば世界が核の炎に包まれる事になる。

気化弾頭であの威力だ。

通常弾頭でも都心に落ちれば大惨事だろう。

 

「情報部・・・いいニュ-スって言うのは?」

 

<<ヤツらのミサイル発射基地を特定しました>>

 

「それはどこだ!」

 

<<・・・ハワイ・・・パ-ルハ-バ-です。現在は強固に要塞化されています。あと・・・もう一つあります>>

 

「あと一か所はどこなんだ」

 

<<ミッドウェ-です>>

 

「キツイ戦いになりそうだな・・・」

 

<<まだ不十分な情報が多いですので調査を続けます>>

 

「了解した」

 

とんでもない事になったな・・・

日米の連合艦隊で突撃するか・・・

いや途中で発見される・・・

 

「くそ・・・」

 

「あの・・・司令官さん」

 

「何だ?」

 

「その・・・海の中から狙い撃ちなら・・・」

 

「海の中から・・・そうだ!」

 

そうだ、うちにも弾道ミサイルがある。

しかも取っておきの秘密兵器が・・・

 

「電、作戦を練ろう。それを後から本部に送りつけるぞ」

 

「了解なのです!」

 




核兵器はやりすぎた感あったけどいいよね!


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核抑止

「潜水艦たちの用意は?」

 

「できているのです!」

 

「空母は!」

 

「OKなのです!」

 

「よっしゃ!作戦開始!」

 

数日前の深海棲艦からのメッセ-ジ・・・核攻撃を行える能力を有するというものだ。

今、俺たちはその阻止に向かっている。

 

 

~数時間前~

 

「作戦内容を説明する。今回の相手はみんなからすれば未知の相手だ」

 

薄暗いブリ-フィングル-ム。

あの忌々しい核ミサイル基地を攻撃する作戦を開始しようとしていた。

 

「今回の目標、それはミッドウェ-島基地攻撃及び真珠湾基地攻撃だ」

 

作戦目的は、2つの基地を同時に攻撃し破壊すること。

ただし、直接攻撃にはBMD能力を有する艦は参加できない。

BMD能力を持つ、いそかぜ、マイケル・マ-フィ。

この二隻が艦隊後方で防空及び対弾道ミサイル防衛を行う。

まずは、ミッドウェ-島。

ここのはレ-ダ-ピケット艦が半円状に4隻ずつ基地の近くまで展開しており、強固な監視網を敷いている。

ここに潜水艦隊を送り、ピケット艦を4隻ずつ同時攻撃、撃沈し基地に向かう。

基地に近海に到着次第、シンファクシの散弾ミサイルで基地を攻撃する。

この潜水艦隊の後方にマイケル・マ-フィが万が一のため待機する。

真珠湾攻撃隊は航空母艦を中心に編成、航空攻撃による基地の破壊を行う。

現代艦組は誘導貫通爆弾で直接ミサイルサイロを攻撃、戦艦隊は砲撃でサイロを破壊する。

旧軍空母組は上空警戒及び弾着観測。必要あれば徹甲爆弾によるサイロ攻撃を行う。

真珠湾にはピケット艦の存在は確認されていないがレ-ダ-が多数配備されている。

このため、最初に いそかぜ から電子攻撃及び、電磁攪乱ミサイル「アポト-シスV」でレ-ダ-及び基地機能をマヒさせる。

ただし、アポト-シスは比較的低速のミサイルのため最終手段となる。

 

「内容はこうだ。かなり難しい作戦になるが・・・」

 

「・・・失敗すれば日本は核の炎に包まれる・・・でしょ?」

 

「ケストレルの言う通りだ」

 

その威力はツァ-リボンバクラスの100Mtという情報を確認している。

 

「あまりこんなことは言いたくないが・・・どんな手段を用いても核攻撃だけは行わせるな!」

 

「了解!」

 

 

 

 

~現在~

 

「電、お前もそろそろ出撃準備だな」

 

「はい!でも大丈夫なのです!絶対に成功させるのです!」

 

「気合いは十分だな・・・よし!頼むぞ!」

 

「はい!」

 

電は司令室を出て、作戦に向かう。

核兵器・・・

 

「失礼します、秘書艦を交代しました」

 

「ああ、頼むぞアンドロメダ」

 

「はい」

 

情報処理が得意なアンドロメダに補佐を任せ、俺はPCにある情報を入力する。

 

「隊長・・・その座標・・・どこをさしているのか分かっているのですか?」

 

「分かっているよ」

 

その座標・・・それはつい昨日、衛星が見つけてきた敵の都市のようなものだ。

深海棲艦の国のような場所・・・

それが北極付近に存在する。

写真にはヲ級やタ級が艤装を外し仲良く歩いている物や、その子供のような物を映っている。

幸せそうに暮らしている深海棲艦たちが居た。

 

 

・・・・・・そして入力した情報は俺の鎮守府に設置してある弾道ミサイルの目標情報だ。

この間、アトラスから更新を行い、配備したLGM-30ミニットマン。

弾頭はW87・・・475㏏の威力がある。

ちょっとした街なら消し飛ぶ威力だ。

今、そのミサイルはその、罪のない深海棲艦が暮らしている街に向けられている。

ボタンを押せば発射だって可能だ。

 

 

「・・・隊長・・・あなたはどういうことをしているのか承知の上ですよね?私だって軍人です、その行動を非難するつもりはありません・・・でも・・・」

 

「分かっている・・・分かっているつもりだ。でも俺は、お前らのためなら鬼だろうが悪魔だろうがなってやる」

 

死んだら地獄確定だろうがな~・・・

まぁ、今はそんな事どうでもいい。

 

「アンドロメダ、敵の頭に分かりやすいように伝えろ。お前らが核を打てば、こっちだってお前らの愛する者の頭の上に向けて発射すると」

 

「・・・了解しました。・・・・・核抑止・・・ですね」

 

「ああ・・・まるで冷戦だよ」

 

電が知ったら嫌われそうだな・・・

まぁ、向こうが撃たなければこっちだって発射はしない。

だが、俺たちの上は・・・どういう行動をとるか・・・

俺たちの隊はなるべく察知されない行動・・・それに核兵器による行動の制限・・・

 

「アンドロメダ、もう一つ奴らに送ってくれ。今すぐ、核兵器の廃棄又は基地の放棄を行えば核攻撃は行わないと約束する・・・と」

 

「了解しました。平和的解決・・・ですよね」

 

「ああ。あとはこのメッセ-ジを聞いた本部がどう反応するか・・・」

 

「どう・・・とは?」

 

「威力不足とはいえ、俺も核兵器を持っている。上からすれば今すぐ発射して街を攻撃、敵の士気と行動能力を下げろってな」

 

「・・・ありえそうですよね」

 

「ああ・・・」

 

所持している俺がこんなことを言うのはアレだが、核兵器は決して使っていいものではない。

自分も使わず、相手にも使わせない・・・この使用方法で何とか保っている。

撃てば撃ち返される・・・それの繰り返しがどういうことかはどんなバカにでも理解できるハズだ。

撃って撃たれて撃ち返して・・・地球の終わりだ。

 

「頼むから発射するなよ・・・こっちからも撃たなければいけなくなる・・・」

 

 

 

~シンファクシ~

 

核兵器・・・私はそれがどんな物か今一理解していない。

私は弾道ミサイルを運搬する潜水艦だが・・・

核攻撃を行ったことも受けたこともない。

 

「・・・核って言葉・・・あまり聞きたくないでち」

 

ゴ-ヤが突然呟く。

 

「そういや・・・お前はそうだったな」

 

第二次大戦を生き延びた潜水艦・・・

しかも、その核兵器を運ぶ巡洋艦を撃沈した艦だ。

ただ・・・核兵器を運搬した後の・・・だが。

 

「大丈夫よ、うちの司令官なら絶対に撃たせないわよ」

 

「そうなのね!元気だすの!」

 

それでもゴ-ヤは少し落ち込んでいた。

 

「攻撃艦隊の現状は?」

 

近くにいた いそかぜに聞いた。

 

「そうですね・・・現状は問題なし・・・です」

 

「了解。なぁ、お前は核兵器の威力ってのは分かるのか?」

 

「私も正直、微妙です。ただ、生物化学兵器の恐ろしさはよく理解していますが・・・」

 

「化学兵器・・・か。どうして人間はそんなものを作れるのか・・・私のこのミサイルも・・・」

 

私に積んである散弾ミサイル・・・高度5000Ft以下の物体を無差別に破壊するミサイルだ。

これでオ-シア相手に戦った。

このミサイルで何人も殺したが・・・やっぱり気分がいいものではない。

 

「あ、そろそろ待機位置ですね。私はこのままここで対空警戒を行います」

 

「了解した」

 

いそかぜと離れ、潜行する。

敵艦はもうすぐの位置に迫っていた。

 

 

 




う~む・・・びみょう?


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迎撃

核を撃つことがなければいいが・・・

核報復の事ばかりが頭をよぎる。

 

「そういえば隊長」

 

「ん?なんだ?」

 

「電さんって編成に入ってましたっけ」

 

「へっ?」

 

さっき出撃命令を出したが・・・

アレ?なんか入れてなかった気がするような?

 

「ご、ごめん、ちょっと確認してくる・・・」

 

「あ、それなら私の手元に・・・」

 

「ど、どうなってる?」

 

「あ~・・・入ってないですね」

 

「だああああ!!俺のアホォォォォ!!!」

 

急いで電に無線をつなげる。

 

「電!すまん!お前出撃じゃなかった!急いで戻ってくれ!」

 

<<あ~・・・その・・・途中で気づいてまだ鎮守府出てないのです>>

 

「あ、あれ?そうなの?」

 

<<司令官さん、ちょっと落ち着くのです!もうっ!>>

 

「す、すまん・・・」

 

海に出てなくてよかった・・・

ちょっとホっとしながら現場海域の監視を続ける。

 

「もう間もなく潜水艦隊が敵と遭遇・・・航空隊は発艦を開始しました」

 

「了解。シンファクシに散弾ミサイルの発射準備を伝えてくれ」

 

「了解。シンファクシさん散弾ミサイル発射を準備してください」

 

<<了解、弾数は?>>

 

「2発だ。炸裂高度はいつもより低めの2000ftで頼む」

 

<<了解>>

 

2000ftであのミサイルが炸裂すれば基地は壊滅だろう。

 

「そういえば敵からの声明は?」

 

「核報復に対してですか?えっと・・・」

 

アンドロメダが調べてくれてる間にコ-ヒ-を入れに行く。

 

「隊長、ちょっとマズイかもです」

 

「ん?どうした?」

 

「深海棲艦より司令部から・・・」

 

「司令部?」

 

「今すぐ核を撃て。命令が届いています」

 

「核攻撃命令だと?どこのどいつだソレを送ってきたのは!」

 

「最高司令官から・・・」

 

「ふざけんな!電話つなげ!」

 

「りょ、了解しました」

 

電話を司令部につなげ、司令官を呼び出す。

 

<<大佐。どうした?>>

 

「どうしたもこうしたも・・・核攻撃命令についてです」

 

<<ふむ・・・>>

 

「いいですか。核を撃てば撃ち返される。そして撃たれたら撃ち返す、これが核報復なんですよ!」

 

<<私は報復の話を聞きたいんじゃないんだがね>>

 

「これは重要な話です。核兵器は簡単に・・・ロケット砲みたいにポンポン撃っていいものではない」

 

<<ふむ・・・なら、敵はもう撃ってきた。撃ち返すべきではないのかね?>>

 

「あれはたしかに弾道ミサイルだ。でもあれは通常弾頭、核兵器じゃない」

 

<<発射の時点で君に分かるのか?それに核が積んであるか積んでないか>>

 

「確かにそれは確認のしようがない。では、ここで核を撃てば相手から撃ち返されるのは分かりますよね」

 

<<ああ、だが君はそれを迎撃できる装備があると報告があるんだが>>

 

「それは東京までです。」

 

<<敵は東京を狙ってくる。十分だ>>

 

「相手は多弾頭ミサイルだ!日本の重要都市すべてに核を降らせれるんですよ!」

 

<<ふむ・・・で?それが攻撃しない理由だと?>>

 

「そうです、核は簡単に使っていいものじゃない」

 

<<・・・今は戦争中・・・忘れたか?>>

 

「それは分かってます」

 

<<敵は我が国に対して弾道ミサイル攻撃を行い、多数の人命を奪った。それよりも先の隕石落下事件・・・巡航ミサイル攻撃・・・報復攻撃を行わない理由がないと思うが・・・>>

 

石頭め・・・

電話で交渉を続けていると・・・

 

「隊長・・・大変です・・・」

 

「どうした?」

 

「真珠湾基地から・・・弾道ミサイルが発射されたって・・・」

 

「ちくしょうッ!!」

 

<<ほら見ろ。やっぱり撃ってきた。報復攻撃を行え、命令だ>>

 

「クソッ・・・」

 

だが、今司令官の言っている事は100%間違いじゃない。

やるしか・・・ないのか・・・

 

「ブーストフェイズで迎撃は?」

 

「同時に発射された3発中2発を迎撃したらしいんですが・・・」

 

「1発生き残ったか・・・」

 

「・・・・」

 

撃つしかない。

ここで撃たないと・・・また撃たれる。

 

「・・・・アンドロメダ、発射ボタンをくれ」

 

「待ってください!まだ迎撃ミサイルが残ってます!」

 

「報復攻撃だ、やらないとやられる」

 

「隊長!ここで撃てば向こうだって撃ち返してきます!世界が終わりますよ!!」

 

「・・・俺はお前らが核兵器で死ぬくらいなら・・・」

 

ほぼ無理やりアンドロメダからボタンを奪い取ろうとする。

 

「やめてください!」

 

突然聞こえた電の声。

 

「やめてください!罪のない人の命を奪っちゃダメなのです!」

 

「だけど・・・これは撃ち返さないと・・・」

 

「いやなのです・・・」

 

電が泣きながら訴えてくる。

 

「核を撃たれた時点で平和的解決方なんて・・・」

 

「何か・・・何かあるのです!だから・・・撃たないでください・・・」

 

「・・・・・・・」

 

その時一つ思いつく。

やれるか分からないが・・・

失敗の可能性も高い。

 

「・・・・アンドロメダ、電装系・・・吹っ飛んでも許してくれるか?」

 

「え・・・?」

 

「核を宇宙空間で爆発させて迎撃する」

 

「EMPが起きますけど・・・・それ以外なさそうですね」

 

「これしかない。一応PAC-3もあるが・・・」

 

「いえ、相手はMARVです、これでやりましょう」

 

「・・・よし!」

 

盛大な賭けだが・・・やるしかない。

 

「電、ミサイルを撃つが、これは相手の街は狙ってない。分かるよな」

 

「・・・街に撃ったらもう口聞かないですからね・・・」

 

「け、結構罰軽いな・・・まぁ、大丈夫だ。核を宇宙空間で爆発させて迎撃する」

 

「・・・まるでなんでも核兵器時代みたいですね」

 

「・・・・仕方ない」

 

「司令部にはなんと?」

 

「核兵器を発射、だけど宇宙空間で爆発しちゃったゴメンねって送っとけばいいだろ」

 

「了解しました」

 

あとは発射管制に連絡して核の炸裂高度を設定させる。

 

「あとはタイミングだな・・・」

 

「できれば高度が一番高い段階で狙いたいですね・・・」

 

「それを狙うとすると・・・・あと何分後だ?」

 

「あと12分と30秒後です」

 

「分かった」

 

何としても宇宙空間で破壊してやる

 




うん、最近微妙!

そんな事は置いといて、ガルパンはいいぞ


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うらかぜの裏

~いそかぜ~

 

ミサイルが・・・

発射されたミサイルの白煙を見ながら茫然とする。

 

「くっ・・・もう射程圏外・・・」

 

もうあとは鎮守府の防空装備に頼る以外ない。

無線からは攻撃部隊が敵施設を破壊したと言っている。

作戦自体は成功・・・だが、ミサイルは行ってしまった。

 

「もっと早くレ-ダ-で気づいていれば・・・」

 

自分を責めてもどうしようもない。

攻撃部隊は続々と撤退を開始している。

今は司令官を信じて味方を援護しないと・・・

 

「赤城さん、撤退を援護します」

 

<<了解しました、でも・・・>>

 

「ミサイルは司令官が何とかしてくれます、急いで撤退を」

 

<<・・・了解しました>>

 

レ-ダ-を注意深く確認して敵の動きを確認する。

施設自体は完全に破壊され、ミサイルの脅威はなくなった。

潜水艦隊も同じだ。

 

「まだ敵影は無し・・・」

 

その時、司令官から無線が入る。

 

<<いそかぜ、聞こえるか?>>

 

「司令官?はい、聞こえます」

 

<<イチかバチかの賭けを行う。強力な電磁パルスが起きるから注意してくれ>>

 

「何を・・・」

 

<<宇宙空間で核を爆発させてミサイルを爆風に巻き込む>>

 

「・・・そんな無茶苦茶な・・・」

 

<<無茶苦茶だろうがやらないと日本が終わる、とにかく撤退を急いでくれ>>

 

「了解」

 

迎撃ミサイルじゃなくて宇宙空間で核弾頭を爆発させて迎撃なんて・・・

まるで60年代・・・

 

「今は信じなきゃ・・・」

 

そう自分に言い聞かせ、レ-ダ-を再び確認する。

しかし、レーダ-には敵艦隊の艦影が表示されていた。

 

「やっぱり・・・赤城さん聞いてください、敵艦隊が出現しました。攻撃可能な艦載機は艦隊の護衛を行わせてください」

 

<<敵・・・!了解しました!>>

 

レ-ダ-には多数の機影も表示される。

敵には空母もいるようだ。

 

「敵艦隊より艦載機発艦中!迎撃機を急がせてください!私も向かいます!」

 

<<了解しました!>>

 

距離は約200㎞・・・

早く赤城さんたちを逃がさないと・・・

増速して敵艦隊に向かう。

 

「さぁ・・・来るなら来い・・・!」

 

向こうにはレ-ダ-持ちが居るのかこっちに向かう艦載機が多数いた。

艦載機の量を見るに・・・ヲ級か・・・

 

<<メビウス1交戦!>>

 

<<クーガ隊、交戦>>

 

艦載機隊は敵と接触、交戦を開始した。

私はいつでも撃てるように準備するが空中の目標が多すぎる。

どれが敵でどれが味方か分かるには分かるがすべてを補足できない。

 

「私に向かってくるヤツらだけでも落してやる・・・!」

 

接近してくる目標2機をロックオンする。

 

「シースパロ-発射!」

 

ミサイルを発射、同時に電子戦闘を開始する。

せめて敵の目から隠れないと・・・

 

「最低でも100機以上・・・クソッ・・・多すぎます・・・!」

 

そんな時、アンドロメダから通信が入る。

 

<<いそかぜさん、及び攻撃艦隊全隊へ。緊急入電です。ただちに攻撃を中止して撤退してください>>

 

「撤退!?攻撃を受けているんですよ!!」

 

<<敵にあの艦が居ます!撤退を急いでください!護衛の戦闘機隊が向かっています!>>

 

「アンドロメダさん!ジョ-クもほどほどにしてください!!攻撃を中止なんてできません!」

 

<<ジョ-クで戦争を終わりにできるか!攻撃をやめて撤退しろ!>>

 

突然司令官の声に変わる。

 

「撤退ならしています!!でも敵が多すぎて・・・!」

 

<<今お前らの居る場所は敵勢力圏と味方勢力圏の境目にいるんだ!そこからすぐに日本海軍の勢力圏に入れる!>>

 

「でも敵が多すぎます!それに・・・あの艦をほっとけません!!」

 

<<いそかぜ!これは命令だ!!ヤツらは俺たちの勢力圏まで追ってこない!>>

 

「赤城さんたちだけでも逃がして私が応戦します!」

 

<<おい、ふざけるな!!お前ひとりでどうにかできる相手じゃない!>>

 

「攻撃されているのに背中を見せて逃げるなんてできません!!私だけでも撤退の援護をします!」

 

<<いそかぜ!お前分かっているのか!!撤退しろ!命令だ!!>>

 

「くっ・・・この・・・!!」

 

無線機の電源を乱暴に切る。

赤城さんたちはもう日本海軍の勢力圏に入った。

司令官の言う通り敵もこれ以上赤城さんたちを追うつもりはないらしい。

だが、他が私を狙ってくる。

それに敵にはあの深海棲艦が居る。

・・・ミサイルを装備した艦が。

 

「これ以上進まれると赤城さんたちがやられる・・・」

 

だったら私が盾になってでも進行を止める。

敵はもう目と鼻の先だ。

私はミサイルを敵の空母に発射する。

発射されたミサイルをあの艦は無視し、空母に命中。

敵空母隊は壊滅した。

 

「無視した・・・?いや・・・」

 

何かを指示し、護衛の艦を撤退させ、私のほうに向かってくる。

 

「やぁ、また会ったね。私を大破させるなんて」

 

「・・・」

 

「無視なんてひどいな」

 

「・・・あなたと話したくない」

 

「あ、そう」

 

そういうと敵はすぐに砲を向けてくる。

 

「撤退命令出てるんだってね?全部聞いてたから分かるよ。ねえ、早く行ったほうが身のためだよ?」

 

「お前を・・・沈めたら逃げます」

 

「怖い怖い・・・まぁいいや、逃げないんだったら交戦しないと」

 

「最初からそのつもりです!」

 

不意打ちで砲を発射する。

だが、狙いも適当なうえ、相手に動きを読まれたようだ。

簡単に避けられた。

 

「うっわ・・・本当に撃っちゃうかな・・・」

 

私はすぐに距離を取り砲を速射する。

確実に命中コ-スだった。

 

「エイムが甘いっ!」

 

「え・・・?」

 

敵は飛んできたボ-ルを避けるかのように全弾躱した。

 

「イージスなんでしょ?これくらい当てないと、盾になんてなれないよ」

 

「うるさいッ!!」

 

私はバカにされたのが悔しいのか避けられたのが悔しいのかよくわからない気持ちでいっぱいだった。

半ばヤケクソ気味で砲弾や機銃弾をばら撒く。

 

「お~怒った怒った、さすがにここまでやられたら撃たなきゃね」

 

敵も距離を取り反撃してくる。

敵の装備は現代の護衛艦をベ-スにしていると思われる装備・・・

私と装備があまり変わらない。

 

「クソッ・・・!」

 

距離が1キロないところでの砲戦・・・

装甲が無いに等しい私は避けるので精いっぱいだ。

何とか距離さえ取れれば・・・

そう思い、後ろにCIWSをばら撒きながら距離を取る。

 

「アハッ、逃げた逃げた」

 

敵は笑いながら追撃とばかりに砲撃をしてくる。

私は自分でも不思議なくらい焦っていた。

それはたぶん・・・私にとって初めての事だからだろう。

同じ、ミサイルを搭載した水上艦艇と戦うことが。

過去の・・・艦だった時はまた違う。

 

「アポト-シスで・・・いや、この距離じゃ・・・!」

 

私は苦し紛れにミサイルを2発発射する。

 

「可愛がってあげる」

 

敵は気味の悪い笑いを浮かべながら砲弾を撃ってくる。

だが、あえて当たらないようにしているようだ。

 

「クソ・・・クソッ・・・!!バカに・・・しないで!!」

 

CIWSをばら撒くが艦に効果は薄い。

ミサイルは撃っても落される・・・

こうなったら・・・自分も含めてになっちゃうけど・・・

 

「うらかぜ・・・」

 

今度こそ最後になるだろうと恋人の名前を呟く。

そして一つのミサイルのVLSを開いた。

 

T-Pex

 

約6000度の熱を発生させるこのミサイルで焼き払ってやる。

被害範囲に自分もいるが・・・

 

「苦し紛れのミサイルは効かないよ」

 

敵は何のミサイルかは分かっていないだろう。

 

「あのビリビリミサイル?もうあの対策しちゃってるんだよな~」

 

対電磁パルス防御能力を手に入れているのだろう。

でも・・・この高熱なら・・・

 

「アハッ、何かしゃべってよ」

 

「・・・・終わりです」

 

「アハ、だよね~。でも君可愛いから・・・沈めるのもったいないな」

 

電さんによく似た顔で笑うが、その顔はあの天使のような笑顔じゃない。

もっと・・・醜いものだ。

 

「・・・・・天使とダンスでもしてな」

 

「え?何?」

 

私はミサイルを発射する。

このミサイルも迎撃されても炸裂し効果を発揮する。

 

「アハッ!残念でした!」

 

敵は迎撃を行う・・・が。

 

「・・・!?」

「まんまとかかりましたね」

 

青白い光が私たちを包む。

 

「さようなら、うらかぜ」

 

一瞬、熱による痛みのようなものを感じたが、すぐに何も感じなくなる。

敵は悔しそうな顔をしながら光に包まれた。

 

 

~提督~

 

あの爆発・・・T-Pex!

 

「赤城!状況はどうなっている!」

 

<<艦載機からの報告だと・・・>>

 

心臓の鼓動が痛いくらいに早い。

いそかぜ はあんな爆発で沈むようなタマじゃない・・・と信じたいが・・・

 

<<・・・確認!洋上にいそかぜさんが居ます!>>

 

「・・・良かった・・・了解だ」

 

<<あの・・・でも・・・>>

 

「どうした?」

 

<<艤装が・・・>>

 

「・・・」

 

たぶん・・・もう使い物にならないだろう。

あの熱だ、艤装のシステムや装備はすべて壊れているだろう。

・・・艦娘を引退する道しかない。

 

「はやくアイツを連れ帰ってやってくれ・・・」

 

<<・・・了解しました>>

 

無線を置いて深いため息をつく。

 

「あの・・・バカ・・・」

 

だが・・・作戦は成功・・・したと信じたい。

基地の完全破壊には成功したがまたあの艦には逃げられた。

あの戦闘能力・・・これからも遭遇の可能性があったらすぐに撤退が必要になるだろう。

 

~いそかぜ~

 

目が覚めたらベッドの上だった。

 

「あれ・・・?天国ですか・・・?」

 

上半身を起こすとベッドに うらかぜ がもたれかかって寝ていた。

生きてる・・・

 

「いたッ・・・」

 

体にいたるところが痛む。

この痛みは火傷のようだった。

手鏡で自分の姿を確認する。

 

「顔は・・・奇跡ですね・・・被害がないなんて・・・」

 

顔は傷一つなかったが手足が包帯でぐるぐる巻きになっていた。

そんな事をしていたらうらかぜが目を覚ました。

 

「ん・・・ふぁぁぁ・・・」

 

「あ、えと・・・おはよう・・・ございます・・・」

 

「ああああ!!!目ぇ覚ましたぁぁぁ!!!」

 

そういって私に抱き付いてくる。

 

「あの・・・怒ってないんですか・・・?」

 

「え?怒ってるよ?すごく」

 

「・・・・」

 

「・・・艦娘として引退だってね」

 

「え?」

 

「艤装・・・完全に壊れちゃって、修復は無理なんだって」

 

「・・・そうですか」

 

「ホント馬鹿だよ・・・まぁ、いいよ。こうやって生きててくれたんだから」

 

「・・・」

 

うらかぜは笑顔でそう言ってくれた

 

「それにしてもよく寝てたね」

 

「え?」

 

「3日寝てたんだよ?」

 

「え・・・?3日もですか・・・」

 

「もう大変だったんだから・・・」

 

そんな話をしていると司令官が入ってきた。

 

「お、やっと起きたかバカタレめ」

 

「司令官さん!!いきなりバカタレは失礼なのです!」

 

「・・・・すみません」

 

「いそかぜさんは謝らなくても大丈夫なのです!」

 

「でも・・・命令違反・・・」

 

きっとその事で怒られる・・・

そう思っていた。

 

「命令違反で怒られる・・・って顔してるな」

 

「・・・はい」

 

「そんな終わった事じゃないよ、今日聞きたい事あってな」

 

「なんですか?」

 

「いやその・・・本人居る前でなんだが・・・うらかぜについて・・・」

 

「はぁ!?私!?」

 

「え・・・」

 

なんか拍子抜けだった。

なんの事なんだろう・・・

 

「いや・・・うらかぜのヤツ・・・敵の通商破壊作戦に行ったんだ」

 

 

 

~うらかぜ(回想)~

 

<<これより、敵の輸送船攻撃に向かう、各艦へ。病院船が紛れているから気を付けろ>>

 

「・・・・」

 

「了解なのです!」

 

「了解しました」

 

<<おい、うらかぜ>>

 

「・・・何」

 

<<はぁ・・・いそかぜが負傷して落ち込んでるのは分かるが・・・頼むぜオイ・・・>>

 

「・・・」

 

私の頭はいそかぜの事でいっぱいだった。

今は、私とアンドロメダ、電さんの3人で通商破壊に向かっている。

またその艦隊にいる病院船の拿捕だった。

でも・・・今はそんな事どうでも良かった。

いそかぜを傷つけた深海棲艦に対する怒りでいっぱいだ。

 

「アンドロメダより全艦へ、敵影確認。攻撃準備に移行してください」

 

「分かったのです!」

 

「・・・了解」

 

「・・・大丈夫なのです・・・?」

 

「・・・うん、大丈夫」

 

「・・・・」

 

電さんは心配してくれているようだった。

さすがに八つ当たりするほど私は捻くれていないが・・・

 

「敵・・・もうやっちゃお」

 

「え、ちょ、待って・・・」

 

「発射」

 

敵の旗艦らしき艦にミサイルを発射する。

 

「まだ攻撃命令だしてません!!どれが病院船か分かるんですか?!」

 

「・・・別にいーじゃん」

 

「よくないですよ!!」

 

そんなやり取りしてる間にミサイルが命中、増速して目標に向かう。

 

「病院船以外撃てばいいんでしょ」

 

「そうですけど・・・!」

 

速射砲で病院船以外を狙っていく。

 

「うらかぜさん!撃ち方やめてください!!もう航行不能なのです!」

 

「・・・でもさぁ、ほっとくと敵に弾薬届いちゃうじゃん」

 

「捕まえればいいのです!お願いなのです・・・」

 

「・・・・」

 

だが、電さんが助けようとした艦は弾薬に引火したのか爆沈した。

 

「・・・・・・あ・・・・」

 

電さんは爆発に様子を茫然と見ていた。

 

「病院船見っけ」

 

「あ・・・や、やめ・・・」

 

「あなた、深海棲艦の病院船だよね」

 

「そ・・・そうだから・・・い、命だけは・・・」

 

無残にも仲間を沈められた病院船は震えていた。

見た目は深海棲艦よりは艦娘寄りの容姿だった。

 

「ねぇ・・・あなたってさ」

 

「な、何ですか・・・?お願いだから・・・撃たないで・・・」

 

「私の撃った敵を直す医者だよね」

 

「え・・・?」

 

「だったらお前も敵じゃん」

 

私はそのままトリガ-を引く。

 

「なっ・・・」

 

「う、ぐ・・・ああああああああ!!!」

 

「あ・・・避けないでよ」

 

砲弾は腕に命中した。

敵は腕を押さえて苦しんでいる。

その時、頬に鋭い痛みがはしった

 

「な、なにしてるのですか!!」

 

「何って・・・敵じゃん、コイツ」

 

「敵って・・・この子は病院船なのです!!」

 

「病院船だから?ここは戦場だよ」

 

「だからって・・・!」

 

横目で病院船を見る。

痛みで泣いていた。

 

「大丈夫ですか?すぐ診てあげます」

 

「なんで・・・なんで撃つんですか!いそかぜさんの仇とか言うんですか?!」

 

「別に・・・でもほっとけば いそかぜ を傷つける敵になる」

 

「でも・・・海上自衛隊はそんな簡単に人を傷つけるのですか!?」

 

「・・・アンタが何を知って・・・」

 

「私には確かに未来の事なので分からないのです!でも・・・今まで人命を救ってきた組織じゃないですか!」

 

「・・・私はその組織に・・・沈められたけどね」

 

「あ・・・」

 

電さんは申し訳なさそうな顔をした。

 

「電さん、もういいです。これより帰還します。うらかぜさん・・・処罰は覚悟してください」

 

険悪なまま港への帰路についた。

 

 

~提督~

 

「・・・な話があった」

 

「あ、あっれ~?そんな事あったっけな?」

 

「あったわ!!国際問題スレスレだからな!!」

 

「も、もう十分に反省したじゃん!!」

 

「はぁ・・・・もう・・・で・・・こいつって病んでるとこんなヤツなのか?」

 

うらかぜ怖い・・・

 

「い、いや・・・私にも・・・」

 

「・・・いそかぜ、これから うらかぜの監視よろしくな・・・」

 

「あ、はい・・・」

 

そういえば病院船はどうなったんだろう。

 

「あの、病院船はどうなったのですか?」

 

「ああ、看護スタッフになってもらったよ。まぁ向こうはブラックでいい加減亡命したかったが気が弱いんでどうにもならなかったそうだ」

 

「・・・・無事でよかった・・・あ、うらかぜ。ちゃんと謝りましたか?」

 

「謝りましたよ・・・菓子折りもって・・・」

 

「よろしい」

 

体は痛むけど・・・またここに帰ってこれた。

でももう私は艦娘じゃない。

これからは鎮守府のスタッフとして頑張ろう。

 

 

 




投稿遅れて本当にごめんなさい!
ネタが思い付かなかったんです!
でも最近なんか微妙なような・・・
はっ・・・そうだ!コマンド-ネタしてないからだ!←


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電とイチャコラ

核兵器の事件から一週間たった。

何とか平和な日常に戻りつつある。

 

「ふああああ・・・」

 

「大きな欠伸なので・・・ふああぁ」

 

「欠伸がうつったな」

 

「うつっちゃいましたね」

 

お茶を飲みながら電と談笑する。

仕事もちゃんとしてるがな。

 

「そういや、いそかぜの調子はどうだ?」

 

「もうすっかり元気ですよ、ただその・・・」

 

「ん?」

 

「うらかぜさんが落ち込んでた いそかぜさんを励まそうと私の艦長だよって言ったら・・・」

 

「なんとなく予想ついたぞ・・・どうせ独占欲に駆られて・・・か?」

 

「そうなのです・・・」

 

「・・・無理してでも艤装直しといたほうが良かったかな・・・」

 

この前の戦闘でいそかぜは艤装が完全に大破、本人も瀕死の重傷を負ったが奇跡的に助かった。

だが、艤装は解体処分とするしかなかった。

そのため、いそかぜは書類上、解体処分となった。

解体と言っても普通の女の子に戻っただけで本人の希望で海軍に在籍もできる。

もちろん、退役して普通の生活を送ることもできる。

今のいそかぜ は表面上俺の補佐だが、殆どうらかぜの専属オペレ-タ-だ。

 

「なんか日に日に加速するよな・・・過労死しなきゃいいけど・・・」

 

「あはは・・・それは心配なのです・・・」

 

それにしても毎日毎日・・・仕事が同じような物で飽きてくる。

最もそんな事を言ってしまえば終わりだが。

 

「あ、12時・・・」

 

「んあ?そうだな、どした?」

 

「あの・・・今日お姉ちゃんたち帰ってくるので・・・お出迎えに行きたいのです・・・」

 

「そういや今日だったな、東京の港か?」

 

「はい!14時には帰ってくるってメ-ル来たのです!」

 

「じゃあ、行っておいで。俺は悪いけどこの仕事片付けないと・・・」

 

「あ・・・」

 

電は少し悲しそうな顔をする。

仕事中の俺をほっといていいのか考えているんだろう。

 

「んな悲しい顔すんな、誰かに秘書だけ任してきてくれないか?それが終わったら行っておいで。そこらへんで暇してるヘリのパイロット捕まえれば東京まで行ってくれるよ」

 

「はい!あの・・・お仕事頑張ってください、なのです!」

 

「おう、ありがとな」

 

電はルンルンで出ていった。

さて・・・誰かすぐに秘書に出来そうな子っていたっけ・・・

 

「経理の書類多いなホント・・・計算するだけでも大変だよコレ・・・」

 

予算案の提出に必要な事が多いため雑にするワケにはいかない。

電は正直なところ、数学が苦手らしく計算は遅い。

俺も数学は高校時代万年赤点レベルだったので大変だ。

俺何でパイロットになれたんだろう・・・

なんてしてるうちに誰かが扉の前に来た。

 

「ん?誰か居るのか?」

 

「うぇ!?なんで分かるの!?」

 

「その声・・・曙か?」

 

なんとなく気配があったからな。

と、そんな話は置いといて。

 

「もしかして・・・お前が秘書代理か・・・?」

 

「そうよ!何か文句でもあんの?このクソ提督!」

 

「んだよお前かよ・・・このツンドラ娘・・・」

 

「はぁ!?ツンドラ!?」

 

「ツンドラだろ。ツンドラ気候のように冷たいだろお前」

 

「・・・べつにしたくてしてるんじゃないし・・・」

 

「ん?なんか言ったか?」

 

「何も言ってないわよ!」

 

「そうかい、とりあえずそこの計算だけ頼めるか?支出の所だけでいい」

 

「ふ~ん・・・予算関係?」

 

「ああ、ちょっと基地防衛に力入れすぎてこの辺の部署を作る余裕ないんだよな・・・」

 

「もうちょっと考えなさいよ・・・」

 

「返す言葉もない・・・」

 

「でも・・・その考えなしのおかげで私たちがこうやって守られてるのよね」

 

「それ・・・褒めてんのか馬鹿にしてんのか」

 

「どっちでもないわよ?」

 

「そっか」

 

「へへ」

 

「そういや・・・お前の笑った顔初めて見たな」

 

「うぇ!?」

 

「いつもしかめっ面ばかりだったからな。もっと笑え」

 

「うううるさいわね!この会話全部電に報告するわよ!」

 

「いらん誤解招きそうだからやめろ!」

 

なんて半分喧嘩しながら書類を整理する。

 

「うあぁぁ・・・途中から変な単語おお過ぎて目が回る~・・・」

 

「変な単語って・・・ああ・・・これか」

 

曙が見ていた書類は基地防衛のための装備の書類だ。

各部署から申請が届いている。

 

「警備班は・・・ふむふむ、7.62mm口径の小銃を100挺・・・弾薬・・・」

 

具体的にはFN社製のMk17を100挺発注か・・・

 

「曙、FN社ってところに発注かけてくれるか?」

 

「えふえぬ・・・どこそれ」

 

「ベルギ-の会社」

 

「はぁ!?外国語なんて分かんないわよ?!」

 

「ああ、いや。メ-ル送ってくれ、このPCで」

 

「だから外国語は書けないし読めないのよ・・・」

 

「日本語で大丈夫だぞ、向こうで翻訳してくれるらしい」

 

「あ。そうなの?じゃあ任せて」

 

前までは頑張って英語にして送信してたんだが・・・いい時代になったもんだ。

 

「んでお次が防空司令部・・・は見なかった事にしよう」

 

「どうしたの?」

 

「対弾道ミサイル迎撃レ-ザ-砲の建造・・・って・・・ここにエクスキャリバ-ぶったてろって言うのかあいつ等・・・」

 

「エクスキャリバ-って何?」

 

「ベルカ戦争って知ってるか?」

 

「ああ、なんか私たちが沈んだ何十年もあとの戦争よね」

 

「そうそう、まぁベルカ公国はお前も知ってるドイツだった国なんだけど、そこが弾道ミサイル防衛のために高さが1㎞もあるレ-ザ-砲作ったんだよ。んでそれとおんなじもん作れって・・・」

 

「どうしたのかしらね防空司令部は・・・・」

 

「わかんね・・・とりあえず却下」

 

他は弾薬とか電子機器の部品か・・・

防空司令部はどうしちゃったんだいったい。

 

「ふぅ、終わったわよ」

 

「5時か・・・すまん、ありがとうな」

 

「お礼なんていらないわよ、クソ提督」

 

「それは優しい声色で言うセリフじゃないぞ、ツンドラ娘」

 

「う・・・うるさいわね・・・」

 

「じゃあクソ提督って言うのやめろよ」

 

「いやよ、呼び慣れたし」

 

「ほう、じゃあ語呂がいいツンドラ娘でも大丈夫だな」

 

「んなっ!?こ、このぉ・・・」

 

「ふははは!どうした!何か言ってみろ!」

 

と仕事が終わり、若干高いテンションで煽る。

 

「こ・・・この・・・このクソてーとくぅぅぅ!!」

 

そして曙さん、ソファ-に隠してあった俺のヘソクリを取り出す。

何で我が妻でも知らないヘソクリの場所しってるんですかアナタ。

 

「そのツンドラ娘やめないと・・・これを電に報告・・・いや燃やすわよ!!」

 

「な・・・なぜその場所を・・・」

 

「やめるの?やめないの!?」

 

「もう言いません」

 

「はぁ・・・とりあえず返すわ」

 

「・・・なんだかんだ言って返してくれるところ優しいな」

 

と、褒めたはずなのに・・・

 

「・・・・」

 

無言でライタ-に火をつけた。

 

「なんで!?俺褒めたよね?褒めたよね!?」

 

必死に抗議するが、ゆっくりと火を近づける。

 

「ノォォォォォォォォォ!!!!!」

 

叫んでいたらやめてくれた。

曙は封筒を元の位置に戻してくれた。

 

「曙さんや・・・ワイ褒めたやろ・・・」

 

「・・・知らないわよ!」

 

そういって部屋を出ていった。

 

「ツンドラ娘め・・・」

 

早く電帰ってきてくれないかな。

 

「ふああ・・・課業終わりのラッパか・・・」

 

国旗の方向に向かって敬礼してまた席に着く。

 

「30分ほど寝ようかな・・・」

 

そのまま机に突っ伏して寝てしまった。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・さん!」

 

「ん~・・・・」

 

「司令官さん!起きないと風邪ひくのです!」

 

「ん~・・・・?もうちょい・・・」

 

「もうちょいってもう7時なのです!ごはん食べるのですぅぅ!!」

 

電の声で目が覚める。

 

「ふあああ・・・まだ30分も経ってないだろ・・・?」

 

と時計を見ると7時だった。

 

「あれ?7時?」

 

「そうなのです!部屋に帰っても居ないので・・・」

 

「ふあああ・・・すまん、心配かけたな」

 

「大丈夫なのです。それよりもご飯作るので部屋に帰るのです」

 

「ん、そうだな」

 

「お疲れなのです?」

 

「そう見える?」

 

「ん~・・・なんとなく?」

 

「よく俺の事見てるな」

 

そういいながら軽く頭を撫でてやる。

電は気持ちよさそうな顔をしていた。

 

「今日の晩御飯は何だ?」

 

「えっと・・・司令官さんが好きなビ-フシチュ-なのです!」

 

「お!やった!」

 

「えへへ、なんか今の可愛かったのです」

 

「んあ?そうか?」

 

二人で晩御飯を作り、のんびりと過ごす。

 

「そういや最近忙しかったよな~・・・」

 

「そうですね~・・・」

 

「こうやって二人で居ると本当に安心するな」

 

「それは私もなのです」

 

なんて会話しながら食べ終わった食器を片付けて、順番に風呂に入る。

俺はその間、冷蔵庫に入っていた炭酸飲料を飲みながらテレビを見ていた。

 

「は~・・・やっぱデモやるよね~」

 

つけたチャンネルは艦娘反対派のデモだった。

まぁ見た目は女の子だ。

こういう連中が出てくるのは仕方ないだろう。

さすがに戦争反対派はほとんど存在しなくなったらしいが・・・

 

「まぁ、重巡航管制機に空襲されたりICBM飛んで来たりしてるのに言ってる場合じゃないもんな」

 

独り言を言いながらテレビを見ていると電が風呂から出てきた。

 

「お先なのです~」

 

「おかえり、んじゃ俺も行ってくるわ」

 

「はい!お湯加減はいい感じでしたよ」

 

「そりゃよかった」

 

つい一ヶ月前に自室の風呂を増設したのでわざわざ寒い中風呂場に行かなくて済む。

一応、艦娘寮には個々の建物に浴場があるので寒い中風呂に移動する必要はないが、その他職員用の浴場は別の位置にあるので移動がめんどくさい。

 

「ふ~・・・今日も疲れた・・・」

 

のんびりと20分くらい入っていた。

 

「上がったよ~」

 

返事がなかった。

ドライヤ-の音がするから髪乾かしてるのかな?

 

「お~い、電?」

 

「あ、司令官さん上がったのです?」

 

「髪、乾かしてやろうか?」

 

「はい、お願いなのです!」

 

電は俺の足の上にチョコンと座り、ドライヤ-を手渡してきた。

ふんわりといい香りがした。

 

「電の髪の毛ってホントサラサラだよな」

 

「えへへ、どうしたのです?」

 

「触ってて気持ちいいなと思ってな」

 

「えへへっ」

 

「なぁ電、ちょっとお願いしていいか?」

 

「どうしたのです?」

 

「ちょっとポニ-テ-ルしてみて」

 

「いいですけど・・・髪留めのゴムあったかな・・・」

 

電は足の上を離れてゴムを探していた。

俺はそれを眺めている。

 

「あ!あったのです!」

 

電はそのまま髪をくくってポニ-テ-ルにしてくれた。

 

「どう、ですか?」

 

「すっげぇ似合ってるぞ!可愛いな、やっぱり」

 

「え、えへへ・・・照れるのです・・・」

 

「いいもの見れたな。今度電とどこか行くときはその髪型にしてほしいな」

 

「司令官さんが望むのならいくらだってしますよ」

 

電は微笑みながらそう言ってくれた。

 

「お、こんなことしてる間に11時だな、寝るか」

 

「はい!あ、暖房はずっとつけときますか?」

 

「寒いからつけたままにしとこうか」

 

「じゃあこのままで」

 

二人で布団に潜り込む。

電は俺の方向に向いて寝るようだ。

 

「なぁ電、二人は元気にしてたか?」

 

「はい、元気だったのです、でも司令官さんに挨拶に言ったら寝てたって言ってたのです」

 

「あちゃ~・・・悪い事したかな・・・」

 

「また明日行くって言ってたので大丈夫なのです!」

 

「そうだな・・・そうだ、明日は祝日だしみんなでどこかに出かけるか」

 

「賛成なのです!」

 

「んじゃ明日はお出かけだな」

 

「楽しみなのです」

 

「俺もだよ」

 

電はそのまま俺を抱き枕のようにして抱きついてきた。

 

「司令官さん・・・おっきい・・・」

 

「お前はちっこくて可愛いな」

 

「むっ・・・私はすぐに大きくなるのです」

 

電は少しふくれっ面で言う。

これもまた可愛い。

 

「そうだな・・・そろそろ寝るか」

 

「そうですね・・・おやすみない、司令官」

 

「おやすみ」

 

そういって昼寝したのに気付けば夢の世界だった。




最近サイレントハンタ-買った提督です。
使用潜水艦はもちろん、SeaWolf級原子力潜水艦・・・え?なんか違うって?


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合同作戦

途中からACE COMBAT5のBGM「Reprisal」聞いてると良いかもね!


少しづつ温かくなってきた。

差し込む日差しが気持ちいい。

・・・・なんだけど・・・

 

「司令官さん、こんな噂知ってますか?」

 

「ん?どした?」

 

電が珍しく噂話をしてくる。

どんなメルヘンな話が出てくるか・・・

 

「深海棲艦が人間を連れ去って、研究してるって」

 

「こわッ!!」

 

ほのぼのしそうな話かと思ったら普通に怖い話だった。

だが、その話は聞いた事がある。

 

「本当だったら怖いですよね」

 

電は笑いながら話しているが・・・

実は日本以外でも急に失踪する人が増えている。

日本では今月だけで10人だ。

 

「まぁ・・・よくある話じゃないのか?」

 

「ですよね」

 

「・・・今月の失踪者がただの事故ならな・・・」

 

「え」

 

「今月だけで10人消えてる」

 

「え・・・あの・・・」

 

「しかも貧困に困っている人間でも、鬱の症状が出てる人間でもないそうだ」

 

「ちょ、あの」

 

「誰の仕業なんだろうな」

 

「ううう噂なのです!きっとそうなのです!いやそれ以外考えられないのです!」

 

「でも他国の仕業とも・・・」

 

「この話はおわり!」

 

無理やり終わらされた。

ひさびさに焦ってる姿を見たような。

 

「まぁ・・・何かしらの理由で消えたんだろうな」

 

なんて呟きながら来月のスケジュ-ルを組む。

 

「電、テレビでもつけてくれないか?」

 

「あ、はい」

 

テレビをつけた時、血相を変えた情報部のスタッフが入ってきた。

 

「お?どした?」

 

「提督!やばいです!」

 

「いや・・・提督の部屋のドア蹴破って入ってくるお前がヤバイ」

 

「そんな悠長な事言ってられませんよ!今すぐ空母から艦載機を上げてください!」

 

「スクランブルか?」

 

「違います!深海棲艦が人間を拉致してるって話聞きませんか?」

 

「ああ、さっき聞いたな」

 

「その作戦命令を傍受しました、警察はすでに行動を開始。私たちには空中からの支援要請が来ています!」

 

「マジかよ・・・」

 

「え・・・あれ本当の話だったのです・・・?」

 

「みたいだな」

 

ちょうど、すぐ沖合に赤城が航空機の訓練を行っている。

燃料補給を終えさせて向かわせよう。

 

「んで、場所は?」

 

「横須賀市です」

 

「・・・ここか・・・」

 

「警察無線とこちらの無線の周波数を同じにして連携をとりますか?」

 

「そうしよう。あと上空に陸戦要員を待機、警察の手に負えなくなったら降下させる」

 

「了解しました!」

 

赤城に無線をつないで状況を説明する。

今は敵の行動を阻止する必要がある。

 

「赤城、聞こえるか?」

 

<<提督?はい、どうしました?>>

 

「今すぐに艦載機を横須賀市に向かわせろ、それと無線周波数は警察と同じに合わせるように伝えるんだ」

 

<<警察と?どうしたんですか?>>

 

「深海棲艦が日本人を拉致する作戦命令を傍受した、それの阻止だ」

 

<<了解しました、メビウス隊を向かわせます>>

 

「頼んだ!」

 

核兵器のあとは拉致・・・やることすごいなホント

 

「司令官さん、私は・・・」

 

「今できることはない、あいつ等を信じよう」

 

 

 

 

~メビウス隊~

 

<<たーいちょ>>

 

「ん?何?」

 

<<深海棲艦の噂知ってます?>>

 

「ああ、うん。知ってる」

 

<<アレかな、拉致った後はエロ同人みたいな展開になってるのかな?>>

 

「ブフォ!!!」

 

コイツ・・・

脳内ピンク娘め・・・

 

「真面目にしなさいよ!!」

 

<<はいほーい>>

 

「ほんっとにもう・・・何でウチの隊はみんなこんなのなの・・・」

 

まぁ・・・嫌いじゃないけど・・・

そんな事しているうちに警察無線が聞こえてくる。

 

<<・・・航空隊!>>

 

「ん?どちら様?」

 

<<こちら神奈川県警、パトロ-ルカ-です>>

 

「こちら空母赤城所属、メビウス1。そちらの状況は?」

 

<<まだ何も発見できず>>

 

「了解」

 

散開して探したほうがいいかも。

 

「みんな、怪しい動きをする車、航空機、なんでもいいから怪しいヤツを全部警察に報告して、OK?」

 

<<メビウス2、了解>>

 

<<3、りょーかい>>

 

<<4、ラジャ->>

 

今回は4機編隊・・・

あとから増援機が来るらしいけど・・・

 

「全機、広範囲に散開して捜索開始!」

 

<<了解!>>

 

編隊を崩してバラバラに散る。

みんな地上に目を光らせていた。

 

<<こちら警視07、警ら中のPCへ!怪しい車両を発見!軍用車のようだが・・・>>

 

「どこ!?」

 

<<あ~・・・まってくれ・・・そっちの下だ!>>

 

「下!?」

 

ロ-ルして背面飛行しつつ下を確認する。

たしかに怪しい軍用車だ。

 

<<こちら警視11!対象を発見、接近する!>>

 

「メビウス1より、全機。不審なトラックを発見!」

 

<<了解!編隊を戻す?>>

 

「いや、このまま散開してて!」

 

<<了解、号令一つで戻るからね!>>

 

「言葉だけは頼もしい・・・」

 

なんて呟いて監視を継続する。

 

<<そこのトラック!路肩に停車しなさい!>>

 

「止まればいいけど・・・」

 

<<アイツ加速した!警視11より全車!逃走中の不審なトラックを発見!>>

 

<<こちらメビウス2、必要あれば航空支援行います>>

 

<<今は必要ないと・・・うわっ!!>>

 

「どうしたの!?」

 

地上で小さな爆発を確認した。

規模は手榴弾程度だ。

 

<<トラックに接近するもグレネ-ドを撃ち込まれた!路肩の郵便ポストが大破!負傷者無し!その間に逃げられちまった!!>>

 

「了解!上空で監視を継続!」

 

<<あ~・・・海軍の航空隊さん。こちら県警本部、飛行機から銃撃はしなくていいからな!>>

 

<<ちょっとだけでも・・・ダメ?>>

 

<<ダメ!!>>

 

ここで提督の声が聞こえた。

 

<<うっへぇ・・・提督・・・>>

 

<<跳弾が人に当たったらどうすんだ!>>

 

「あはは・・・怒られてやんの」

 

<<こちら警視07!あのトラックで間違いないようだ!>>

 

<<了解!今どこだ!!>>

 

<<横須賀工業高校の通りに差し掛かろうとしている!>>

 

<<こっちは公郷小のところだ!高校のグランドを突っ切る!>>

 

<<落ち着け!!どこ走ろうとしてるのか分かってるのか!!>>

 

なんか・・・すごい警察官がいる。

 

「メビウス1より警視11、目標は弾薬補給所方面に逃走しています!」

 

<<犯人のトラックを発見!!チクショー!撃ってきやがった!!!>>

 

ここからでも発砲の炎が確認できる。

 

「ま、待ってて!今すぐ援護に!!」

 

<<安心しな海軍の嬢ちゃん!撃ちまくって足止めしてやらぁ!!>>

 

「ここ日本ですよ!?」

 

<<なんちゅー警察官だ・・・>>

 

<<陸軍のレンジャ-より怖い気がするのです・・・>>

 

全くだよ!とか思いながらあとを追う。

いつの間にか全機集合していた。

 

「目標・・・衣笠ICから繋がる大通りを北久里浜駅方面に向かいます!」

 

<<こちら警視07!近道の市営公園墓地内を行く!>>

 

<<お前こそどこ走ってんだ!!バチ当たるぞ!!>>

 

<<こちら県警本部、湘南橋を封鎖した!ここに追い込んでくれ!>>

 

<<了解!戦闘機!機銃掃射で頼む!>>

 

「え・・・撃っていいの・・・?」

 

<<まぁ・・・撃てつってるし・・・やれ!>>

 

「りょ、了解!」

 

パトカ-4台ほどがトラックの後方に着き銃撃していた。

それに混ざって行ってほしくないほうの道に機銃掃射する。

 

「そのまままっすぐ!」

 

だが突然、トラックはスリップして停止した。

タイヤを撃ちぬかれたようだ。

 

<<対象は停車!>>

 

<<待て・・・奴らまだ撃ってきやがる!!>>

 

<<往生際が・・・なんだこの音!>>

 

その時、積んであった簡易レ-ダ-が目標補足の電子音を鳴らす。

その数10。

 

<<こちらメビウス4!護衛戦闘機に守られたUH-60ヘリコプタ-を確認!>>

 

<<あいつ等の本命か・・・!>>

 

「全機!護衛戦闘機を撃墜するわよ!」

 

<<了解!エンゲ-ジ!>>

 

アイツらの作戦はトラックに乗せた被害者をヘリで本拠地に運ぶ魂胆だったらしい。

それよりも何で護衛戦闘機まで侵入できてるんだろう・・・

 

「敵戦闘機はなるべく撃墜より撤退させて!」

 

<<地上に落ちるとヤバイもんね!>>

 

「そういうこと!」

 

撃墜でも不時着できる程度の損傷にとどめたいが・・・

奴らは素直に撤退するかどうかだ。

あの機はパイロットがいるのかどうか分からない。

もし居ないのであれば地上に激突させる事だってできる。

パイロットが居ても・・・だが。

 

<<こちら警視11!これから俺は独自に奴らを攻撃する!>>

 

<<おい待て!後部座席に見えるのは何だ!!>>

 

<<携行式の地対空ミサイルだ!署の押収品倉庫から持ってきた!!>>

 

「それアカンでしょ!!」

 

<<アカンね>>

 

<<まじかよこのお巡りさん・・・>>

 

日本の警察おかしい。

空中戦を開始して10分、あの警察官がすでに4機撃墜した。

 

<<誰か!!弾薬!弾持ってこーい!!>>

 

<<先輩!署の倉庫にあったのはこの5発だけです!!>>

 

<<チクショウ!あと一発か!!>>

 

「いや待って、どこの誰が所持してたのそのミサイル」

 

<<ヤクザだろうな・・・>>

 

「提督!おかしいでしょ!!どんだけ重武装なんですかそのヤクザ!」

 

<<まぁ、そこら辺の兵士よりいい装備してるからなあいつ等>>

 

なんてしてる間に全機撃墜を確認した。

運がいいのか悪いのか、全機空中で爆発して地上への被害は軽微のようだ。

 

<<あのヘリはどこ行った!!>>

 

<<待ってろ、視界にとらえたぞ・・・>>

 

別の警察官の声。

なんか嫌な予感がする。

 

「あの・・・何する気かだけ教えてくださいな・・・」

 

恐る恐る質問する。

 

<<署の押収品の倉庫の中にあったRPG-7を持ってきた!これで地面に叩き落としてやる!!>>

 

「日本の警察頭おかしいの!?」

 

素直な感想。

今までにいただろうか、こんな重武装なお巡りさん。

こんなのが街のお巡りさんとか想像したくない。

 

<<撃てッ!!>>

 

見事にブラックホ-クのテ-ルロ-タ-を吹き飛ばした。

回避行動をとろうとしたが間に合わなかったようだ。

そのまま回転しつつ湘南橋のかかる川へ墜落した。

 

<<確保!確保!!>>

 

<<荷台に拉致された被害者を確認、保護した!>>

 

<<被害者に目立った怪我無し!一応救急車を・・・>>

 

<<なんだコイツ・・・女の子・・・?>>

 

<<こちら横須賀鎮守府司令官、警察チ-ムへ。その少女は白い肌に白い髪をしているか?>>

 

<<こちら警視11、白い肌に・・・白い髪だ!>>

 

<<・・・生きているならこちらに引き渡してくれ。上空で待機中のヘリが向かう>>

 

<<了解>>

 

はぁ・・・終わった。

まさか警察と合同なんてね。

 

「そろそろ燃料がビンゴ、帰りましょう」

 

<<りょーかい>>

 

 

 

 

~提督~

 

「んで、コイツか・・・」

 

鎮守府にある空き倉庫に確保した深海棲艦を収容する。

見たところ艤装はなさそうだ。

 

「ヲ級・・・か」

 

犯人グル-プは地元の暴力団がかかわっていた。

また、ヘリは深海棲艦が複製した航空機だった。

機体にはアメリカ国籍があったため一時混乱したようだ。

 

「拷問なんて趣味じゃないんだがな・・・」

 

つい二時間前、海軍本部からどんな手段を使ってでも情報を吐かせろとの通達が来た。

この倉庫にいるのは俺だけ。

一応自衛用に拳銃を持ってきてはいるが・・・

 

「ん・・・」

 

「起きたか」

 

「ヲッ!?」

 

「よく寝れたか?」

 

とりあえずそう話しかける。

だがコイツは開口一番・・・

 

「くっ殺せヲッ!!」

 

「いや待って」

 

エロ同人じゃねーからなコレ。

 

「私はどんな仕打ちを受けようと屈しないヲ!」

 

「待って、これエロ同人的な展開はないから」

 

「私をこんなにしてどうする気!?イジメるの!?エロ同人みたいに!絶対そうする気だヲッ!!」

 

「話し聞けコラァ!!」

 

「やっぱりオ-クとかと同じだヲ!!」

 

「ちげ-よ!!どうみたらオ-クに見えんだよ!アホか!!」

 

なんだコイツ!!

 

「いやあああああ!!助けてヲ!!凌辱されるヲ!!初めてなのに汚されちゃうヲヲ!!」

 

「人聞きの悪い事言うなァァ!!!」

 

しかし運が悪いのか・・・

電が倉庫に入ってきてた。

次いでいうと会話聞かれていた。

 

「し・れ・い・か・ん・さ・ん・?」

 

「ファッ!?」

 

「助けてヲ!!この人欲望のままに私を犯そうとしたヲ!!」

 

「てめ!火に油を注ぐな!!」

 

なんで立場逆転してるんですかね。

なんで私が命の危険に瀕しているんですかね

 

「電!誤解だ!!!」

 

「誤解?はて?それはこのヲ級ちゃんから聞きましょうか?」

 

「やめろおおお!!!ソイツ嘘しか言ってないからァァァ!!!」

 

「うぅぅ・・・私のバ-ジン持っていかれたヲ・・・」

 

「お前さっき初めてがどうたら言っただろ!!」

 

「・・・・司令官さん?」

 

「待って!なんで俺が!!」

 

「尋問はほかの人にお任せするのです!」

 

「ああもう是非そうしてください!!」

 

「いそかぜさんとうらかぜさんにお願いするのです」

 

「それはそれでヤバイ気がする・・・」

 

「ところで司令官さん?」

 

「ん?なん・・・いだだだだだだだ!!!!」

 

ものすごい力で手首をつかまれる。

痛い。

 

「さっきの話・・・本当ですか?」

 

笑顔で聞いてくるが青筋浮かんでる。

 

「いだだだ!!違う!お前以外のヤツに手なんてださない!!」

 

「・・・信じますよ?」

 

「信じて!お願いだから!!関節外れる前に信じて!!」

 

「んもう・・・」

 

「んもうってアンタ・・・」

 

痛む手首をさすりながら倉庫を見ると、いそかぜとうらかぜが入って行った。

 

「ヲ級・・・相手が女の子二人で良かったな・・・」

 

と同時に可愛そうに・・・と思っていた俺であった。

 

 

 

 




最近スランプなんちゃう?とか思い出した。
もはや艦これ関係なくなってきたよ!!
でも直さないんだよ!←
これもう別の物語だろってツッコミ、114514


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日本海軍92便

ある日の昼下がり、少しだけコ-ヒ-を飲みながら休憩していた。

尋問中のヲ級は何を聞こうと「くっ殺せ!」しか言わずしびれを切らしたいそかぜがガチで殺しそうになっていた。

最近、やり方を変えたらしいが倉庫の中からは「んほぉぉぉぉぉ!!!!」とか妙な叫び声がするらしい。

想像したくない。

 

「さて、休憩も終わりにしようかな」

 

今日は滑走路に降りてくる航空機の数も少なく、静かだ。

 

「ヲ級さん・・・大丈夫ですかね・・・」

 

電は心配そうに倉庫のほうを見る。

たぶん、大丈夫じゃない。

 

「まぁ・・・死にはしないと思う・・・」

 

なんて話しているとドアがノックされた。

 

「はい?どうぞなのです」

 

電がドアを開けると、本部の将校がいた。

 

「あら?少将殿?」

 

「いきなりですまん大佐!航空機の操縦は出来るか?!」

 

若干息を切らしていた。

そんなに走ってきたのか。

 

「出来ますけど・・・どうしたんですか?」

 

「それが、佐世保に急きょ出張の予定が出てな・・・飛行機のチケットも取れなかったんだ」

 

「ああ、そういうことですか。ちょうど複座のストライクイ-グルありますけど・・・」

 

「いやそれが・・・輸送する物資も大量にあって・・・」

 

「物資?」

 

「いろいろあるんだが・・・武器弾薬に食料と・・・」

 

「でも今輸送機空いてたかな・・・」

 

今いる航空機のリストに目を通す。

電はその間にお茶を入れてくれていた。

 

「どうも、いたただくよ」

 

「はい、お疲れのようなので」

 

「提督にずいぶん良くしてもらってるんだな」

 

「え?どうしたのです?」

 

「顔だよ、ここに来るまでにいろいろな艦娘に会ったが皆辛いって顔はしてなかったからな」

 

「えへへ・・・」

 

電は少将と雑談をしていた。

んで俺は・・・

 

「物資輸送が可能な航空機は747しかないですね・・・それでも良ければ飛ばしますが・・・」

 

「おお、ジャンボか!しかし君免許はあるのかね?」

 

「一応、昔に2か月ほど民間航空会社に勤めてましたからね。DC-10と747の免許を持ってますよ」

 

「ほおDC-10もか」

 

「・・・もう二度と操縦したくないですけどね・・・」

 

あの機体デフォルトで欠陥があるから・・・

貨物室のドアとか貨物室のドアとか貨物室のドアとか。

 

「それで、いつごろ離陸できる?」

 

「副操縦士が居ないとどうにも・・・一応、航空機関士が必要ない型ですが・・・」

 

「副操縦士の仕事・・・できる娘はいないかね・・・」

 

「ん~・・・電・・・でも免許ないからな・・・」

 

本当なら隣の席に座らせてやりたいが・・・

免許がない以上、それは出来ない。

 

「私じゃ無理ですかね・・・」

 

「無理ではないんだが・・・」

 

「・・・責任は私が取る、乗せてやれ」

 

少将は少しため息をついて言った。

まぁ・・・そういうなら・・・

一瞬頭に児童操縦という単語が過ったが気のせいだと信じる。

 

「じゃあ離陸前点検と積み込みがありますので3時間ほどお待ちください」

 

「了解したよ、機体に乗り込んでおくのはいいかね?私は昔からジャンボが好きでね・・・」

 

「そういうことでしたらコクピットも開けときましょうか?」

 

「いや、もし何かのスイッチに当たるとまずいからな、やめとくよ」

 

そういうわけで代理をアンドロメダに任せて格納庫へ急ぐ。

この747が飛ぶのは2か月ぶりだ。

 

「フレアもIRジャマ-もないが・・・」

 

一応基地防空隊のF-15が2機護衛に着くことになっている。

ただ・・・深海棲艦の艦載機の前では的が小さすぎてどうなるか・・・

 

「機材は・・・異常は無さそうだな」

 

目視と触ってみて点検する。

どこにも異常は見当たらない。

 

「よし、行こうか」

 

電には先にコックピットに乗り込んでもらっている。

そういえば、戦闘機以外に乗せるのは初めてだな・・・

喜んでくれるといいが。

 

「じゃあ、操縦頼むよ機長殿」

 

「航空会社の時はまだコパイでしたけどね」

 

「まぁ、必要な訓練は全部受けているんだろう?」

 

「そうですね・・・空軍時代にもいくらかこの747は操縦しましたからね」

 

「じゃあ大丈夫だ、快適な空の旅を楽しむよ」

 

「了解しました、少将殿。ところでほかに乗る方は居ないんですか?」

 

「ああ・・・私の秘書がもうちょっとで到着する予定だよ。今日は葛城だったかな」

 

「空母が航空機で空の旅って言うのも新鮮ですがね」

 

「ああ、もう下まで来てるらしいがプロペラがついてないのに飛ぶわけない!って必死に訴えてるそうだ」

 

少将は苦笑いだった。

まぁレシプロを見慣れた艦娘からすればタ-ボファンエンジンなんて分からないだろう。

 

「じゃあ私は操縦席に居ますので」

 

「ああ、もしかしたらお邪魔するかも知れないよ」

 

「シートベルトサインが消えてからにしてくださいね」

 

「子供じゃないんだ、分かってるよ」

 

そんな冗談を飛ばして操縦席に入る。

中では電が目を輝かせていた。

 

「司令官さん!高いのです!」

 

「だろ?」

 

俺はそんな電のほほえましい姿を見ながら席に座る。

 

「さてと、管制に連絡しようか」

 

管制に周波数を合わせて通信する。

コ-ルサインはジャパンネイビ-092だ。

日本海軍92便と言う意味だ。

 

「クリアランスデリバリ-、ジャパンネイビ-092。経路と高度の承認を要請」

 

<<ジャパンネイビ-092、佐世保鎮守府までの飛行を、「MITOH1出発経路」に続き、飛行計画どおりの経路経由で承認します。巡航高度は18,000フィート、レーダーコードは3225です。>>

 

「ジャパンネイビ-092、了解」

 

クリアランスももらった

エンジンスタ-トだ。

 

「電、チェックリストを頼む」

 

「チェックリスト・・・あ、これですか?」

 

「そうそうそれ、読み上げてもらえる?」

 

「はい、了解なのです!えっと・・・バッテリオン」

 

電の読み上げ通りにスイッチを押していく。

 

「APUスタ-ト」

 

APU・・・補助動力装置の動く音が聞こえてくる。

 

「空調オン」

 

外の太陽光で温まった機内に少し冷たい風が送り込まれる。

その後も淡々と電の読み上げ通りにエンジンスタ-トの手順を踏む

 

「エンジン・・・」

 

「あ、エンジンはプッシュバック中だよ」

 

「そうなのです?」

 

「ああ、だからプッシュバックが始まったらな」

 

後はスタ-タ-スイッチを押すだけだ。

管制にプッシュバック許可を要請する。

 

「横須賀グランド、ジャパンネイビ-092。プッシュバックを要請」

 

<<ジャパンネイビ-092、滑走路17に向けてプッシュバックを許可します>>

 

「よし、プッシュバックも始まった、エンジンスタ-トしようか」

 

「はい!」

 

スタ-タ-スイッチを押してエンジンを始動させる。

この低音から高音に変わっていく音がたまらない。

 

「エンジン4正常に始動・・・ほかも大丈夫そうだな」

 

4発のタ-ボファンエンジンはご機嫌に動いていた。

 

「よし離陸前チェックだ」

 

「はい!え~っと・・・フライトコントロ-ル」

 

「チェック」

 

「飛行計器」

 

「チェック」

 

「フラップを離陸位置にセット」

 

「チェック」

 

滞りなく離陸前チェックリストを読み上げ、確認していく。

 

「離陸前チェックリスト、コンプリ-ト」

 

「よし、管制に離陸許可をもらおうか」

 

鎮守府の飛行場は少しせまく、格納庫から滑走路まではほぼ直進だ。

離陸は陸側の17番滑走路から行い、着陸は海側の34番から行う。

滑走路をそのまま端まで走ればすぐに格納庫と駐機場に着く。

 

「横須賀タワ-、ジャパンネイビ-092。周波数を切り替えた」

 

<<ジャパンネイビ-092、風160°から5ノット、滑走路17、離陸支障ありません。>>

 

「離陸支障なし、ジャパンネイビ-092」

 

滑走路に入り、エンジン出力を徐々に上げる。

 

「80ノット」

 

電は事前に教えた通りに速度を読み上げていく。

 

「V1」

 

離陸決定速度に達した。

ここまで何も異常はない。

 

「ローテート」

 

機首上げ速度だ。

俺はゆっくりと操縦桿を引き起こす。

前輪はすぐに滑走路を離れた。

その数秒後には後輪も離れ、高度は上がり始める。

 

「V2」

 

機体は宙に浮きあがり、海の上に出た。

 

「ポジティブレ-ト、ギアアップ」

 

ランディングギアを格納する。

速度も高度も順調に上っていく。

 

「フラップス、アップ」

 

ここでフラップも格納する。

航空機はもうフラップで揚力を増やさなくても自力で高度を上げていける速度だ。

 

「離陸後チェックリスト、ランディングギア、アップ。フラップ

アップ」

 

すべて正常だ。

警報も表示されていない。

 

「離陸後チェックリスト、コンプリ-ト」

 

<<ジャパンネイビ-092、周波数120.8Mzで東京ディパ-チャ-にコンタクトしてください>>

 

「ジャパンネイビ-092、切り替える」

 

周波数を羽田空港のレ-ダ-管制室に切り替える。

 

「東京ディパ-チャ-、ジャパンネイビ-092。現在1,200フィートから18,000フィートに上昇中」

 

<<ジャパンネイビ-092、こちらはレ-ダ-で貴機を補足しました>>

 

「了解」

 

さて、ある程度飛行も安定した。

オ-トパイロットに切り替えよう。

 

<<ジャパンネイビ-092、フライトレベル180で飛行してください>>

 

「ジャパンネイビ-092、了解」

 

高度維持装置、ナビゲ-ション保持スイッチ、速度維持スイッチ

オ-トスロットル、自動操縦マスタ-スイッチ・・・よし、全部OK。

 

「電、操縦桿を握ってもいいが曲げたり引いたりするなよ」

 

「何か起こるのですか?」

 

「操縦桿にある程度の力がかかるとオ-トパイロットが切れるんだ」

 

「なるほど・・・そんな事があるのですか・・・」

 

電は操縦桿よりも計器の方がいいようだ。

すると後ろから轟音が聞こえてきた。

 

<<92便、こちら鎮守府航空隊>>

 

「こちらジャパンネイビ-092、目的地まで頼むよ」

 

<<お任せください、提督殿>>

 

「コールサインは?」

 

<<イーグル1とイ-グル2です。F-15Cが二機、武装はM61、サイドワインダ-が4、アムラ-ムが4>>

 

「対空目標絶対に殺すマンだな、頼もしい」

 

そんな冗談を飛ばしながら飛行計器に目を配る。

特に異常もなく10分程度で高度18000Ftに到達した。

 

「シートベルトサインオフっと・・・電、もう席を立ってもいいぞ」

 

「あ・・・じゃあちょっとお手洗い行ってくるのです」

 

「はいよ。あ、そうだ、返りにCAから飲み物を何か受け取って来てくれないか」

 

「はい、わかりました」

 

電が操縦室を出るのと入れ違いで少将と葛城が入ってきた。

 

「すっごーい!」

 

「この機体のコクピットがもう懐かしいなんてな・・・」

 

少将は懐かしいといった目で計器を眺めていた。

葛城は子供のようにはしゃいでいる。

 

「最初プロペラもないのにどう飛ぶのかと思ってたけど・・・プロペラなんかよりも乗り心地最高だわ!」

 

「はは、そりゃよかった」

 

「ねぇ、横須賀の提督さん、操縦桿離してて平気なの?」

 

「ああ、これは自動操縦って言って機械が飛行機を飛ばしてるんだ」

 

「ふ~ん・・・機械が機械を動かすってなんか変ね」

 

「それだけ航空機は進化したってことだよ」

 

少将はコックピットの計器を眺めながら葛城にそう言った。

 

「大佐、ちょっと副操縦士席に座っていいかな」

 

「ああ、はいどうぞ」

 

「あ!ずるい!」

 

「葛城もあとで座らせてもらえ。大佐・・・じゃない、機長に許可をもらってな」

 

「だからホントは機長までなってないですってば」

 

「経歴だけだと機長になってもおかしくないがな」

 

「んな事ないですよ」

 

なんてコクピットで話していたら電が帰ってきた。

 

「今帰ったのです!あれ、みなさんいらしたんですか」

 

電はコ-ヒ-を二つ持ってきていた。

 

「ああ、今葛城が副操縦士席にいるから少し待っててやってくれ」

 

「はい!」

 

葛城は副操縦士席で少しはしゃいでいた。

 

「空を飛ぶってこんなに気持ちいいんだ・・・」

 

「艦載機の気持ちが分かったか?」

 

「うん!私も飛行機の免許取ろうかな・・・」

 

「お?だったらそこの鬼教官に教えてもらえ」

 

少将は俺を指さして言った。

 

「え、俺!?」

 

「冗談だよ、冗談。まぁホントに免許取るって言いだしたら操縦を見てやってくれ」

 

「見てやれって言ってもインストラクターの資格は持ってないですから」

 

「そうなのか」

 

コックピットではそんな空気でなごんでいた。

すると・・・

 

<<警告、アンノウンの接近を感知!>>

 

「マジかよ・・・!電、席につけ!少将も席についてシ-トベルトを」

 

「わ、わかった」

 

平凡な空気が一気に緊張に変わる。

乗っているのは戦闘機ではない、鈍重な大型旅客機なのだ。

 

「イーグル1、2!こっちは高度を10000ft以下に下げる!雲に潜るぞ!」

 

<<了解!1をそのまま護衛に着け2が迎撃に向かいます!>>

 

「分かった!」

 

自動操縦を切り、手動に切り替え高度を一気に下げる。

飛ぶのは無視界状態の厚い雲の中・・・バ-ディゴ、空間識失調を起こすかもしれない。

頼れるのは計器のみだ。

 

「電、いいか。俺の指示通りに頼むぞ」

 

「りょ、了解なのです!」

 

「まずはそこのスイッチをいじってスコ-ク77に合わせろ!」

 

「は、はい!」

 

スコ-ク77・・・それは緊急事態を表すコ-ドだ。

管制官が一目で緊急事態だと分かる。

 

<<ジャパンネイビ-092、こちら東京コントロ-ル。何か非常事態を宣言しますか?>>

 

「ジャパンネイビ-092!未確認航空機に追跡されている!交戦の可能性あり!」

 

<<未確認・・・了解しました!付近の航空機を退避させます。陸軍航空隊に連絡は・・・>>

 

「こっちの護衛機一機が迎撃に向かった!」

 

<<了解、被弾はありますか?>>

 

「まだない!」

 

<<こちらイ-グル2!未確認機は深海棲艦の戦闘機3機!速度400ノット!>>

 

「了解!」

 

あと少しで雲の中・・・!

その時、一瞬ニアミス警報が鳴る。

 

「後ろか!!」

 

ただ敵機の方が早くオ-バ-シュ-トしたようだった。

だが次はそうもいかない。

 

<<ちくしょう・・・!ミサイルが撃てない!!>>

 

距離的に熱源ミサイルしか撃てない。

アムラ-ムを撃つには近すぎる。

 

「もうすぐ雲の中・・・!!」

 

その時、機体が少し揺れ、貨物室の気圧が下がったという警報が鳴り始める。

 

「司令官さん!!」

 

「分かってる!!」

 

すぐに管制に連絡する。

 

「メーデー!メーデー!!貨物室に被弾あり!気圧が下がっている!!」

 

<<被だ・・・りょ、了解しました!高度を下げて・・・>>

 

「無理だ!!雲に隠れて迎撃を待つしかない!!これ以上下げたらいい的だ!」

 

<<客室に被弾は!>>

 

「確認できない!」

 

<<了解、火災に注意!!>>

 

火災に注意と言われた時だった。

火災警報が鳴り始める。

貨物室で発火したのだ。

火災位置は前方デッキ・・・武器弾薬は後部だが

前方デッキには紙などの燃えやすいものがあった。

曳光弾を被弾して発火した可能性がある。

 

「前方デッキに火災!」

 

<<ほかに被害は!>>

 

「まだ確認できない!」

 

マズイ・・・飛行中の火災は大惨事を招く。

この機体にはスプリンクラ-はない。

代わりに貨物室内の気圧をさげる事ができる装置がある。

 

「貨物室内を減圧する!電!操縦桿を少し保持しててくれ!」

 

「は、え!?わ、わかりました!」

 

スイッチを押して貨物室内の気圧を下げていく。

これで空気は外に吸い出され沈下するはずだ。

だが・・・

 

「けほっ!これ、煙じゃ・・・!!」

 

「しまった・・・!」

 

操縦室内に煙が充満し始める。

この機体は煙を感知するとエアバックを開き飛行に必要な計器を見えるようにするシステムが搭載されていない。

その改修に出す前だったのだ。

 

「もっと早くやっとくんだった・・・!」

 

「司令官さん!!操縦桿が・・・引いても機首が上がらないのです!!」

 

「何・・・!?」

 

計器を見ると油圧が下がって行っている。

油圧ポンプにも被弾していたようだった。

俺は急いで自動操縦のスイッチを入れる。

この機体は油圧システムと自動操縦の電気回路は分かれているため自動操縦は可能なはずだ。

煙はまだそこまで濃くはない。

 

「よし、機体が安定した!」

 

ただ急いで着陸する必要がある。

それに客室の状況が心配だ。

 

「イーグル2!状況は!」

 

<<敵戦闘機一機を撃墜!>>

 

「分かった!イ-グル1、迎撃に向かってくれ!」

 

<<え、でもエスコ-トは・・・>>

 

「大丈夫だ!それよりも戦闘機を!」

 

<<了解!>>

 

前を飛んでいた轟音が消える。

この機体に防空レ-ダ-がないのがもどかしい・・・

 

「電、客室の状況を見てきてくれ」

 

「了解しました!」

 

「そこのガスマスクつけて行けよ!」

 

「はい!」

 

電は席を立ち、ドアを開けた。

すると、ものすごい量の煙がコクピットに流れ込む。

 

「しまった・・・」

 

「煙が・・・!様子を見てくるのです!」

 

「分かった、そこのガスマスクも二人分持って行ってやれ!」

 

「分かりました!」

 

後ろを振り向いた時に酸素マスクが降りているのは確認できた。

二人がそれをつけている事を祈る。

 

「これで操縦室に一人きりか・・・」

 

しかも煙は客室側から流れ込みコクピットを満たす。

幸い、火災自体は鎮火しているが・・・

 

「近場の空港に引き返さないと・・・」

 

地図も何もほとんど見えない。

ただ、10㎝弱のところまで近づけば計器は視認できる。

 

「ジャパンネイビ-092!近くの空港に緊急着陸を要請したい!」

 

<<ジャパンネイビ-092、そちらの東190㎞に関西国際空港がある、そちらに緊急着陸を!>>

 

「了解!」

 

周波数を関西国際空港に合わせる。

絶対に地上に下ろす!

 

<<ジャパンネイビ-092、こちら関西空港>>

 

「ジャパンネイビ-092!」

 

<<滑走路06Lを開けました!いつでも着陸してください!ILS周波数108.7MHz!>>

 

「了解!」

 

なんとか見える視界で機首方位を合わせる。

電は客室に行ったきり帰ってこない。

言いようのない不安に襲われるがそれよりも着陸させる事を優先する。

 

<<こちらイ-グル隊!すべての敵戦闘機撃墜を確認!>>

 

「了解!こちらはもう視界がゼロだ!速度と高度、方位を前を飛んで教えてくれ!」

 

<<視界ゼロ・・・コクピット内がですか!?>>

 

「そうだ!雲から抜けているのか抜けてないのか分からない!!」

 

<<了解!あと1分で前に出ます!>>

 

「頼む!」

 

この一分が長い・・・

すると後ろから足音が聞こえてきた。

 

「電か!?」

 

「戻りました!お二人ともなんとか無事です!」

 

「分かった、席に戻れるか?!」

 

「それがほとんど見えなくて・・・わっ!!」

 

躓いたんだろう。

その時、エンジンからおかしな音がした。

出力・・・いや、エンジンが停止した音だ。

 

「はわっ!!!何かスイッチ押しちゃったのです!」

 

「待ってろ確認する・・・」

 

電が押したスイッチあたりを見ると、第三エンジンの燃料がカットされていた。

この煙のなかでは再起動は難しい。

 

「電、客室に戻れるか?」

 

「はい・・・」

 

申し訳なさそうな声。

だが、この視界の中では転んでも仕方ない。

俺は責めはしない。

 

「大丈夫だ、客室に戻ってシ-トベルトを絞めてろ」

 

「はい・・・!」

 

また足音が遠ざかる。

 

<<提督!現在高度6000ft!なおも下がってます!>>

 

「何!?」

 

よく見ると高度維持装置のスイッチが入っていない。

押し忘れていた。

 

「高度はもう6000で維持しよう・・・」

 

<<方位はこのまままっすぐ行けば関空です!速度300ノット!>>

 

「了解!」

 

速度維持装置をいじり、速度を160ノットに減速させる。

手さぐりでフラップも探し、一段階下げた。

 

<<あと100㎞です!>>

 

「分かった・・・!」

 

その時、何かの警報が鳴り始める。

何の音か思い出す。

 

「まさか・・・」

 

計器に5㎝まで近寄って見る。

そこには・・・

 

「フラップが出てない・・・」

 

<<何ですか!?>>

 

「フラップが下がらない!!」

 

<<そんな・・・>>

 

俺は急いで速度維持装置を250ノットに切り替える。

フラップがない。

そうなると低速飛行時に揚力が足りず、翼から気流が剥離し失速することになる。

 

「この速度で下すか・・・それとも急減速で下すか・・・」

 

この速度で下せるか・・・

それともフラップ無しで失速しないぎりぎりを行くか・・・

または滑走路の上空ぎりぎりを飛んで、急減速で無理やり下すかだ。

どれも非常に危険だ。

 

「手動なら行けたが・・・」

 

速度が速くても、関空の滑走路は長い。

ぎりぎり停止できるだろう。

だがILSを使った着陸では・・・

いや、だがここはILSを使う。

どれも着陸前に自動操縦を切らねばならない。

ILSで着陸なら接地後に切っても問題はないはずだ。

本来は着陸前に切るのだが・・・

 

「やるぞ・・・」

 

速度180ノットまで原則する。

機体は若干の迎え角を取り始める。

 

<<空港まであと50km!>>

 

その時、機体がグライドスロ-プに乗った。

ILSの周波数もキャッチしモ-ルス信号のような音が鳴る。

 

「ふぅ・・・」

 

一安心だ。

だが以前として前は何も見えない。

高度は徐々に下がっていく。

 

『2500』

 

「ギアダウン!」

 

2500ftを示す音声が鳴る。

速度は時速にして360㎞。

通常の着陸よりかなり速い。

ランディングギアは正常に降り、ロックしてくれた。

 

「無事に地上に降りてくれ・・・!」

 

エンジンは3基しかないが、この機体はエンジン一基でも飛べるように設計されている。

なんとかなる!

 

『1000』

 

高度1000ft

地上から300mの所にいる。

高度が100ft以下になれば機体は滑走路端に差し掛かるはずだ。

その時にオ-トパイロットを切り、エアブレ-キを展開する。

急減速で地面に叩き付けられるかもしれない。

 

『500』

 

500ft

俺は準備を始める。

もうちょっとだ。

 

『400』

 

もう地表まで120mだ。

幸い失速警報はなっていない。

 

<<ジャパンネイビ-092!フラップが出ていません!>>

 

「ジャパンネイビ-092、フラップは故障により下げられない!!」

 

管制とそんなやり取りの中、200ftを切る。

すると・・・

 

『TooLow,Flaps.』

 

フラップが出ていないというGPWSが作動する。

 

「んなこた分かってんだよ・・・!!」

 

機械に当たっても仕方ないが・・・。

 

『100』

 

100ft・・・!

 

「オートパイロットカット!エアブレ-キ展開!」

 

その時、いきなり降下率が下がり

 

『WhoopWhoopPullup』

 

機首を引き起こせという警報がなったと同時に激しく揺さぶられた。

車輪が接地したのだろう。

 

「止まれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」

 

一人、コクピットで叫んで逆噴射、フットブレ-キをかける。

 

<<滑走路から外れるぞ!!>>

 

「・・・!」

 

護衛戦闘機の警告のあと機体が激しく揺れ始める。

滑走路を外れ、芝生に突っ込んだ。

 

<<提督!逆噴射を切ってください!!>>

 

言われたように逆噴射を切る。

すると、その数秒後機体は停止した。

 

「・・・止まった・・・」

 

一瞬放心状態になる。

だがすぐに我に返り、緊急脱出の手順を踏む。

 

「エンジン・・・カット!」

 

その他の手順も踏み、客室に移動する。

視界は30㎝先も見えない。

 

「全員降りるぞ!!」

 

「げほっ!そうだな!」

 

ドアをこじ開けると脱出スロ-プが出てきた。

俺は全員の脱出を確認してからスロ-プを下りて、機体から離れた。

まだ機体からは白煙が立ち上っている。

 

「ここまで逃げたら・・・」

 

全員の姿も確認し再び機体のほうを見ると、炎が貨物室のドアを吹き飛ばし噴出していた。

どうやら、低空に降りてきた時に火災が再発していてそれが弾薬に引火したようだった。

 

「はぁ・・・運がいいのか悪いのか・・・」

 

地上に降りて、全員放心状態だった。

だが、少し煙を吸っただけで負傷者無し。

強いて言えばこけた時に電が手に怪我をしたくらいだった。

 

「司令官さん・・・」

 

「ん?なんだ?」

 

「生きて・・・ますよね」

 

「ああ、俺が全員連れて帰った」

 

電はそのまま俺に抱き付いてきた。

少将も後ろで葛城に抱き付かれため息をついていた。

 

「とんだフライトでしたね」

 

「ああ、気分は最高だがな」

 

「もう飛行機いやだぁぁぁ!!うわああああああんん!!!」

 

「・・・葛城は深い傷を負ったみたいだがな」

 

「・・・・」

 

大泣きする葛城を横目で見ながら俺も生きていると実感し深いため息をついてしまった。

目の前では747の大きな機体が炎に包まれていた。

 

 

 

 

 




我ながら長いとか思った。
疲れたぜ・・・
面白いかどうかは知らんがな!←


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敵潜水艦

 

「あっつ・・・」

 

エアコンが効いていても日差しが暑い。

もう夏だ。

 

「あついのですぅぅぅ・・・・」

 

俺の横でも電が汗だくになっていた。

無駄に日当たりがいいのでエアコンがなかなか効かない。

 

「こんな日に限って余計なこととか起こったりするんだよなぁ・・・」

 

「縁起でもないのです・・・」

 

「まったくな」

 

アイスでも食べながら休憩しよう・・・

冷凍庫のほうに向かおうとしたとき、電が窓のほうを指差した。

 

「司令官さん、何かこっちに飛んできて・・・」

 

「え?」

 

振り向こうとしたそのときだった。

 

「うわッ!?」

 

突然爆発音、衝撃。

窓ガラスが割れる。

 

「電!無事か!」

 

「あ・・・はい・・・何とか・・・」

 

突然の出来事に若干放心状態だ。

外を見るとレ-ダ-が破壊されていた。

 

「レーダ-がやられた・・・!」

 

そしてまた遠くから轟音が聞こえる。

俺は双眼鏡を取り音のする方向を見る。

 

「クソッタレが!巡航ミサイルだ!!」

 

俺は電を抱きかかえるようにしてその場に伏せる。

その直後にミサイルが近くの建物に着弾した。

激しい衝撃で意識を失った。

 

 

~数時間後~

 

「う・・・」

 

まだ耳鳴りがする。

体が痛い。

 

「生きてるのか俺は・・・?」

 

意識が戻ってくると同時に腕に激しい痛みを感じた。

金属片が腕に刺さっていた。

 

「クソ・・・痛ぇ・・・電・・・」

 

電は俺の腕の中にすっぽり納まっていた。

 

「おい・・・電・・・電・・・!」

 

呼吸、心拍を急いで確認する。

 

「はぁ・・・よかった・・・」

 

生きている。

幸い怪我もなさそうだ。

俺は自分の腕に刺さっていた金属片を引っこ抜き、立ち上がる。

鎮守府のいたるところから煙が上がっていた。

 

「無事な施設は・・・」

 

見渡す限り、瓦礫だらけだ。

司令室があるこの建物と工廠、ドックだった。

弾薬庫と資源保管庫、燃料タンクはすべて破壊されていた。

司令室も大穴が開いていた。

 

「う・・・ん・・・」

 

「電!よかった・・・目を覚ましたか・・・」

 

「あれ・・・どうしてここで・・・」

 

「鎮守府が攻撃を受けた、被害は甚大だ」

 

「攻撃・・・って・・・司令官さん!!腕から血が!!」

 

「あ・・・ああ、これか。大丈夫だ」

 

「でも!」

 

「止血も消毒もした。それよりも・・・」

 

艦娘たちを呼んでくれといおうと思ったら、アンドロメダ、ケストレルが司令室に飛び込んできた。

 

「隊長!!」

 

「大丈夫だ、それより状況は」

 

「防空司令部および航空基地は壊滅・・・その・・・」

 

「どうした?」

 

「生存者・・・無し・・・でした・・・」

 

「・・・!?」

 

「それと・・・東京が・・・」

 

「東京が・・・どうしたんだ」

 

「核攻撃を・・・受けました」

 

ああ・・・意識を飛ばせるならそうしたい。

防空司令部と航空基地が壊滅で生存者無し?東京が核攻撃?

冗談もいい加減にしてくれ。

 

「核攻撃は東京郊外で発生したので都心の被害はないのですが・・・」

 

「不幸中の幸い・・・か」

 

「いえ・・・それが・・・これが最悪のニュースだと思います・・・」

 

「何だ?」

 

「私の偵察機が・・・見ちゃったの・・・」

 

「何をだ、ケストレル」

 

「・・・潜水艦型の艦娘が・・・こっちに向けてミサイルを・・・」

 

「・・・今なんていった・・・?艦娘だと!?」

 

悪い冗談だ。

深海棲艦以外が人間を攻撃?

これが本当なら・・・

 

「ケストレル、それはお前の偵察機が見つけた情報だよな?」

 

「う、うん」

 

「絶対に外部に漏らすな、いいな」

 

「隊長・・・あとその艦娘なんですが・・・」

 

「何だ?」

 

「2隻確認しました」

 

「2隻・・・」

 

俺は頭を抱える。

2隻の潜水艦型艦娘が攻撃してきた。

チラっと見えたあのミサイルはP-700グラニ-ト・・・ピョ-トルたちが積んでいる巡航ミサイルだ。

これを積める潜水艦は・・・

 

「オスカー型潜水艦・・・アンドロメダ、今すぐユ-クトバニアの潜水艦の音響デ-タを集めろ、あと駆逐艦もだ!」

 

「了解しました!」

 

「司令官さん・・・私・・・私たちの仲間がやったんですか・・・?」

 

電は今にもなきそうな声で言ってくる。

ケストレルは居心地の悪そうな顔だった。

 

「ケストレル、対潜哨戒機を上げれるか?あと耳貸してくれ」

 

「わかった。電、ちょっとごめんね」

 

「たぶんだが・・・その艦娘を場合によっては撃沈することになる。現代艦のお前らのみで編成するつもりだが・・・全員に心の準備をさせておいてくれ」

 

「・・・分かった」

 

「はぁ・・・」

 

ケストレルが部屋を去っていった。

俺は核攻撃をわざわざ人の少ない郊外に行った理由を考える。

相手が本当に艦娘なら何故仲間を攻撃する・・・?

ミサイルを郊外に落としたのは寸前で民間人を殺すのが怖くなったのか?

 

「こんなこと考えてもな・・・」

 

電は少し放心状態だ。

幸い、艦娘寮と俺たちの部屋がある場所が無事だ。

 

「電・・・こっち来い」

 

「・・・」

 

「大丈夫、何かの間違いだ。お前らが俺たちを攻撃なんて何の利益があってするんだ?」

 

「・・・」

 

電は少し震えている。

ショックがでかいよな・・・

 

 

 

 

 

~オペレ-ションル-ム~

 

「よし、全員休め」

 

全員が椅子に座って画面を見る。

この作戦会議に電は居ない。

アイツには悪いが・・・どうしても知ってほしくない情報があったからだ。

 

「状況は分かってると思うが・・・当鎮守府は攻撃を受け、東京にも核弾頭が打ち込まれた」

 

スクリ-ンに敵の姿を映す。

あの二隻の潜水艦だ。

 

「こいつら二人を探し出して話を聞け。抵抗したら即・・・撃沈しろ」

 

「げき・・・ちょっと!あんた自分が言ってることが分かってんの!?」

 

バ-ベットが抗議してくる。

 

「ケストレルから話は聞いただろ、覚悟しろって」

 

「・・・分かってるけど・・・」

 

「とにかく、何故やつらが攻撃にいたったのか分からない。その情報だけでも持ち帰ってくれ」

 

「了解」

 

「細かい指示は追って出す。とにかく出撃を急いでくれ」

 

 

 

 

 

~マイケル・マ-フィ~

 

鎮守府を出発して数時間以上たった。

いまだにソナ-、レ-ダ-ともに反応がない。

今回の編成は旗艦を私に、うらかぜ、ケストレル、バ-ベット、ピョ-トル、クズネツォフだ。

 

「見つけたいけど・・・複雑だよ・・・」

 

「どうしたの?うらかぜ」

 

「・・・相手ってさ・・・いそかぜと同じ・・・艦娘って思うと・・・」

 

「艦娘って決まったわけじゃないけど・・・まぁ私も心中は複雑よ」

 

まぁ・・・ただ、相手が敵なら容赦しない。

そういうことだ。

 

「マーフィ!対潜哨戒機が何か見つけた!」

 

<<こちらアンドロメダ、音紋分析します>>

 

私は無言で武器の安全装置を解除する。

私の艤装は他の子と違い、兵士のようだ。

主砲とミサイル類はこのM4のような武器から発射される。

銃身下につけられたグレネ-ドランチャ-にアスロックと書かれた弾を装填する。

 

「アンドロメダ、どう?」

 

<<分析終了しました。艦種はオスカ-型潜水艦およびタイフ-ン級潜水艦と確認!そちらより北100km地点です!>>

 

「了解。艦隊、進路3-6-0。最大戦速」

 

「了解!」

 

ピョ-トルとクズネツォフの返事がなかった。

 

「嘘だ・・・嘘だ・・・そんな・・・僕の同志・・・?」

 

「ピョ-トル、行きますよ。あいつらは人類を攻撃した。祖国の裏切り者です」

 

「そんなこと言ったって!!」

 

「つべこべ言わずに来てください、張り倒しますよ」

 

「・・・・」

 

無言でついてくる・・・が足取りは重そうだ。

 

「・・・!ソ-ナ-探知!潜水艦!」

 

「私が浮上するように言うわ」

 

「待ってよ!敵だったら!」

 

「敵だったらもう撃ってきてるわ」

 

うらかぜを黙らせて無線で相手を呼ぶ。

 

「こちら日本海軍所属ミサイル駆逐艦マイケル・マ-フィ。あなたたちをもう見つけている、味方なら浮上しなさい」

 

すると数分後、海中から何かが浮上してきた。

白く長い髪・・・もう一人はショ-トヘアでソ連の星がついた帽子をかぶっている。

間違いなく艦娘だ。

 

「はじめまして、クソッタレの海軍艦娘」

 

「開口一番口悪いわねピロシキ野郎」

 

「あら、口が悪いのはあなたね。私は野郎じゃないわ」

 

「それは失礼、メス豚野郎」

 

「結局野郎ついてんじゃないのピザ野郎!!」

 

「それはあなたも一緒よ!」

 

こいつとは絶対仲良くなりたくないわ。

 

「アホみたいな話はもう終わって、あなたたちに聞きたいことがあるの」

 

「聞きたいこと?」

 

「・・・あなた、ミサイルを日本に向けて撃ったわよね」

 

「それが?何か問題でも?」

 

その言葉を聞いたうらかぜがつかみかかる。

 

「アンタ自分がしたことが分かってるの?!何人も死んだんだよ!本来ならアンタ達みたいな艦娘が守るはずだった人が!!」

 

「・・・人の事情も知らずによく言うわね。シンビルスク」

 

「はい」

 

「もう一発行っとく?」

 

もう一発・・・まさか・・・

 

「やめなさい!今度はどこを狙うつもり!?」

 

「う~ん・・・そうねぇ・・・私たちが大っ嫌いなアイツを消させてもらうわ」

 

「R-39用意良し」

 

撃たせてたまるか!

私は砲を向ける。

 

「やめなさい!どうして深海棲艦じゃなくて私たちを狙うのか教えなさい!」

 

「はぁ・・・アメリカ人ってどうしてこんなにうるさいかなぁ・・・シンビルスク、発射待て」

 

「了解。あ、今私を沈めようとか思っても無駄ですよ、そんな素振り見せたら私、自爆しますから。積んであるすべての核弾頭が炸裂してこの海域が大変なことになるかも知れませんよ」

 

シンビルスクと呼ばれた艦娘は笑顔で恐ろしいことを言う。

 

「あんたもさぁ・・・艦娘なら提督いるんでしょ?」

 

「いるけど・・・それが?」

 

相手は思い出すだけでも嫌そうな顔をする。

 

「提督ってさ、私たちの指揮官であってその理解者のようなものよね」

 

「まぁ・・・そうね」

 

「そんな人にさ・・・こんなことされて嫌にならない?」

 

突然服を脱ぎ始める。

一瞬、何考えてるのか分からなかったが私は彼女の体を見て悟った。

彼女はブラック鎮守府の艦娘だったということだ。

 

「提督がね・・・こういうこと好きなのよ。私たちを痛めつけてそこから・・・」

 

「・・・後は察したわよ」

 

「最初は我慢してた、他に行くところが無かったから。でもアイツは・・・私の・・・妹を・・・!」

 

彼女は鬼のような形相になる。

 

「ねぇ・・・分かる?私の妹さぁ・・・あのクソ野郎に犯されてる最中に殺されたんだよ?」

 

「・・・」

 

私は黙って話を聞く。

この会話は提督にも聞こえるようにしてあった。

 

「どこで聞いた話か知らないけど、首絞めたら気持ちいいんですって、妹は苦しんでるのにね!!」

 

彼女の怒りが頂点に達しているんだろう。

ただそのとき、彼女の艤装にある魚雷発射缶が開いた。

 

「たまたまさぁ・・・提督に用事あって行ったら司令室で妹が冷たくなってるのよ。最後に心の中できっと言ったでしょうね、お姉ちゃん助けてってさぁ!」

 

「とんでもないクソ野郎ね。で、それはいいんだけど、魚雷発射缶開いてるわよ」

 

「ああ・・・ここ?壊れてるのよ・・・直せる場所もないからほっといてるんだけどね」

 

「あらそう。ただ、へんな真似したら沈めるからね」

 

砲は彼女に向けたままにしておく。

魚雷で撃たれたらたまったもんじゃない。

 

「それで・・・続きだけど、見た瞬間何が起きてるのか分からなかったわ。でもね、あの野郎なんていったと思う?お前の妹はよかったが・・・壊れちまった、お前でいいからさっさと脱げ・・・」

 

「そろそろ胸糞悪くなってきたんですけど・・・」

 

うらかぜ の眉間にしわが寄ってきていた。

 

「私は脱ぐ振りをして拳銃を抜いて撃ち殺してやったわよ、まぁそれが無くてもその日、殺すつもりで提督に会いに行ったんだけどね。で、私たちはそれぞれ別の鎮守府に向かった。まさか・・・そこも同じような場所なんて思わなかったけど」

 

「・・・そこも・・・」

 

「ええ。そこでシンビルスクと出会って二人で任務中に逃げたわ。ただ、私たちの周りは提督に変な忠誠心を抱いたヤツばかりだったからすべて沈めたけど・・・で、私たちはこんなヤツら守りたくも無いしむしろ殺してやるってなった。どう?分かった?」

 

「まぁまぁね。じゃあどう?私たちの鎮守府にきたら・・・」

 

「絶対嫌ね。だって・・・私たちがこんなひどい目にあってるのに幸せそうに暮らしてる人間も・・・艦娘も許せないから。シンビルスク」

 

「はい、何でしょうかクルスク」

 

「撃て」

 

「огонь(発射)」

 

「なっ・・・!?」

 

シンビルスクからSLBMが発射された。目標は飛行進路からしてトラック島だ。

まだブ-スト段階・・・!

 

「SM-3用意!」

 

「撃たせないわよ」

 

クルクスから低速の魚雷が発射された。

私は回避しようとしたため、目標のロックオンが遅れる。

 

「悪いわね、もう私たち人類の敵になるって決めたから」

 

「私より幸せなんて許しません」

 

「そういうことだから」

 

二人は潜行を始めた。

その間にもSLBMは射程外に達してしまう。

 

「提督!トラックに退避命令をだしなさい!」

 

<<分かってる!それと・・・あいつらをどうにかしてつれて帰ってやれないか>>

 

「それなら頑張ってみるけど・・・期待しないでほしいわね、何人も仲間を理不尽な理由で殺されて頭にきてるから」

 

<<・・・分かってる。状況は把握している、ただ・・・なるべく沈めないでやってくれ>>

 

「はぁ・・・アンタも大概優しすぎなのよ」

 

<<・・・うるさい>>

 

「マーフィ!発射管注水音!」

 

「ケストレル、バ-ベット、クズネツォフ!対潜装備持ってる機は全部上げなさい!ピョ-トル、あんたも対潜装備を用意!」

 

「・・・分かった、僕も準備する」

 

うらかぜが水中を必死で捜索してくれている。

そしてこっちを見て叫んだ。

 

「クルスクが魚雷発射!!」

 

「デコイ散布!全艦、対潜戦闘用意!ありったけの対潜兵器をばら撒きなさい!!」

 

艦娘同士の戦闘・・・演習ならしょっちゅうだが・・・これは実弾だ。

あの子たちも・・・もっといい場所で生まれていればよかったのに・・・

私は心の中で少し彼女たちに同情しつつアスロックを発射した。




久々の投稿でいろいろむちゃくちゃだけど許してね☆


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ローン・サバイバー

部隊は天国か。
部隊配置されて教育隊のクセがまだ抜けてない作者だよ(๑>؂•̀๑)


〜マイケル・マーフィ〜

 

「ケストレル!艦載機の発艦を急がせて!」

 

「分かってるよ!あともうちょいで!」

 

デコイを散布しながら回避行動を取る。

魚雷の狙いは空母ではなく私らしい。

 

「私を沈めるつもりかしら?面白いわね」

 

米海軍の駆逐艦舐めないでほしいわね。

そう心の中で呟き、敵潜を探す。

 

「見つけた・・・」

 

短魚雷を3本連続発射する。

これで沈む相手では無いことは知っているが。

 

「準備よし!艦載機発艦始め!」

 

「対潜ヘリを上げます」

 

ケストレルから対潜爆弾を搭載した航空機が、クズネツォフからは対潜ヘリコプターが発艦した。

 

「死にたくないなら投降しなさい。私も艦娘沈めるのには抵抗あるから」

 

戦力的不利は明らかだ。

降伏勧告を行ってみる。

 

《マーフィさん!弾道ミサイルがトラックに着弾!》

 

「・・・被害は?」

 

《トラック泊地に甚大な被害が出ています!ただ・・・核弾頭ではなく通常弾頭で・・・》

 

「・・・そう・・・了解」

 

核弾頭では無かった・・・それを聞き少し安心した。

そしてもう1度敵潜に呼びかける。

 

「シンビルスクだったかしら?優しいところあるじゃない。貴方みたいな娘死なせたくないわ」

 

もう1度、降伏勧告を行う。

だが返事は魚雷で返ってきた。

 

「チッ・・・!可愛くないわねソ連艦は!」

 

「僕そんなに可愛くないかなぁ・・・」

 

「心外です。」

 

「なんでアンタらが精神的ダメージ受けてんのよ!集中しなさい!」

 

何故かクズネツォフとヴェリーキーが心にダメージを負っていた。

 

「魚雷は無誘導・・・拡散しつつ接近!」

 

「うらかぜ、対潜兵装をばら撒きつつ敵潜を追い込むわよ」

 

「了解!」

 

「マイケル・マーフィより提督へ。交渉決裂、現在攻撃を受けているわ」

 

《・・・ダメか・・・》

 

「一応、沈めない程度にダメージ与えてみるけど相手は潜水艦だからちょっと難しいかもね」

 

《分かった・・・》

 

提督は若干落ち込んだ声を出す。

私はそこに少しイラついた。

 

「貴方が攻撃を受けたらやり返せって言ったのよ。自分の言葉に責任持ちなさい!」

 

少し説教してみた。

しかし返事は無かった。

 

「魚雷は・・・このコースなら当たらない」

 

遠ざかる魚雷の航跡を見つつ、アスロックを準備する。

たがその時だった。

 

「くっ・・・」

 

「クズネツォフ!」

 

突然の爆発音がして振り返る。

クズネツォフから水柱が上がっていた。

 

「く・・・あ・・・あの中に誘導魚雷が混ざっていたようです・・・」

 

「クズネツォフ!喋らないで!どこをやられたの!」

 

「機関部が・・・自力では動けません・・・置いていってください」

 

「何言ってるの!意地でも連れて帰るから!」

 

ヴェリーキーがクズネツォフを介抱してる間に新たな魚雷を警戒する。

空母が1隻行動不能になるのは痛い。

ここは全員で撤退するべきか・・・

空母を安全な外海に駆逐艦と共に撤退させて・・・そうなると戦力は私だけになる。

ヴェリーキーの対潜兵装だと少し心もとない。

だが防空能力はうらかぜと同じくらい頼もしいものだ。

 

「・・・全員聞いて、私以外はクズネツォフを連れて外海に退避しなさい。私はあなた達が撤退出来たのを確認したらすぐに退避する」

 

「でもそれだと・・・」

 

「分かってるわ。でも誰かが後ろも守らないといけない、だから私がやるわ」

 

「分かった・・・でも、必ず・・・」

 

「はいはい、分かってるわよ。私はイージス艦なんだから」

 

そう言って私は敵潜の方向へ舵を切る。

艦隊は反転して撤退に入る。

 

「さぁ、来なさい」

 

この言葉に反応するように魚雷が2本向かってきた。

デコイを散布して回避する。

 

「簡単に避けられるわね!ソ連製なんてそんな物かしら?」

 

するとクルスクとシンビルスクから2本ずつ、計4本の魚雷が発射された。

デコイを散布し、魚雷の近くに砲撃をする。

 

「くっ・・・装填!」

 

しかし途中で弾薬が尽き再装填を行う。

魚雷は3本デコイに食いついた。

だが・・・

 

「キャァァ!!」

 

喰らった。

右舷に魚雷を被弾した。

 

「う・・・く・・・しまった・・・」

 

航行に問題はないが、ソナーが壊れてしまった。

これでは海の中の事が何も分からない。

 

「少し調子に乗りすぎたかしら・・・」

 

痛む脇腹を手で抑えて、近くの島に向かう。

出血もしているようだ。

 

「あ・・・」

 

ふと後ろを振り向くと更に魚雷が2本迫ってきていた。

 

「キャァァァ!!!」

 

足に激痛が走る。

足の力が抜ける。

あと少しで浅瀬なのに・・・!

 

「う・・・く・・・」

 

私は何とか立ち上がって島へ向かう。

無線で・・・増援を呼ばないと・・・

その時、ケストレルの艦載機から投下された対潜爆弾が敵潜を1隻捕らえた。

大きな水柱と共に破片のようなものが上がってくる。

 

「沈んだ・・・?」

 

沈んでいなくても損傷は負っている。

今のうちだと、島に向かった。

 

「くっ・・・痛むわね・・・」

 

足と脇腹の痛みに耐えつつ島影に隠れる。

無線機は・・・

 

「・・・雷撃のせいかしらね・・・全くついてないわ」

 

無線機は破損していた。

これでは連絡が取れない。

 

「虎の子の衛星電話だけど・・・この島が邪魔・・・か」

 

電話をかけようと思ったら敵前に身を晒す必要がある。

・・・ソナーが壊れて、機関部も損傷が酷い。

でも・・・

 

「・・・コイツらを沈めないと・・・皆が危ないのよね・・・」

 

敵前に身を晒せば私もタダではすまないだろう。

私は電話を握り締めていた。

 

「あら・・・なんで震えてるの・・・私・・・」

 

勝手に体が震える。

寒いわけじゃないのに・・・

 

「そっか・・・私・・・皆と会えなくなるのが怖いのね」

 

ハワイ沖で出会って、今まで横須賀鎮守府で過ごしてきた。

その大切な仲間達と会えなくなるのが怖かった。

 

「でも・・・私が守らないとどちらにせよ会えなくなるのよね・・・」

 

決意を決めた時だった。

目の前にあの潜水艦ではない、別の勢力が現れた。

 

「深海棲艦・・・!」

 

駆逐艦クラスが3隻出てきた。

すぐに照準して撃沈するがまだ湧いてきた。

 

「ふざけないでよ・・・!!」

 

痛む体を引きずって電波の通じる場所に出る。

ここなら鎮守府に・・・

 

「見てなさい・・・皆殺しにしてやるわ・・・」

 

電話番号を素早く入力して鎮守府に電話をかける。

 

「早く出てお願い・・・」

 

片手で砲撃しながら島の近くにある岩山にもたれ掛かる。

もうほとんど自力では立てない。

 

《横須賀鎮守府だ。誰か?》

 

「こちら駆逐艦マイケル・マーフィ・・・至急、増援を・・・」

 

《マーフィ・・・!?どうした!?》

 

「空母達が損傷したからその撤退援護をしてたのよ・・・」

 

《分かった、今どこだ!》

 

「現在位置は作戦海域にある小島・・・ぐッ?!」

 

《どうした!?》

 

足に砲撃が命中した。

激痛に襲われて電話を手放してしまう。

 

《応答しろ!おい!!正確な座標を!》

 

「クソッ・・・電話が・・・」

 

電話が海の中へと沈んでしまう。

私は残った力で砲を構える。

あと駆逐艦が・・・6隻・・・

 

「遮蔽物があれば・・・」

 

何とか砲を杖にしながら立ち上がって岩山の陰に移動しようとする。

 

「動いてよ・・・私の足・・・お願いだから・・・!」

 

だがまた砲弾が私に当たる。

また足だ。

 

「ぐっ・・・うぁ・・・!」

 

自分でも弱弱しいと思うほどの声が出る。

私はその場に倒れてしまう。

 

「まだ・・・撃てるわよ・・・」

 

意識が朦朧とするなか砲を構えて深海棲艦に攻撃する。

だが・・・

 

「・・・!?弾切れ・・・?!」

 

弾倉を交換しようとした瞬間腕にも砲撃が命中する。

 

「あぐッ!?」

 

力が抜けて垂れ下がる。

腕が上がらない。

 

「絶体絶命じゃないのよ・・・」

 

私は腰に差してした拳銃を取り出す。

提督がくれたM9ピストルだ。

 

「ただの拳銃だけど・・・」

 

威嚇するように駆逐艦に向けて発砲する。

砲を杖にしながら何とか立ち上がる。

 

「せめて・・・キレイな空が見たいわね・・・」

 

そして空を見上げた時だった。

背中に大きな衝撃が来た。

痛みは感じなかったが体の力が自然に抜けていく。

 

(あぁ・・・やられた・・・)

 

もう、声すら出なかった。

景色がスローモーションになる。

私は何とか動く顔を動かして空を見た。

 

(キレイだわ・・・空・・・)

 

そのまま意識が途切れた。




結構めちゃくちゃした気がする。
まあいっか(´>∀<`)ゝ


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いそかぜ再就役





〜マイケル・マーフィ〜

 

山に響く銃声。

血だらけで岩陰に身を隠す男達。

私はその状況を上から見下ろしていた。

他の人たちが何を喋ってるのか分からないがある男の声だけは分かる。

 

(なんで私こんな所に・・・)

 

さっきまで海の上だったはずだ。

そんなことを思っていたら男に向かってRPGが発射される。

 

(危ない!)

 

叫びたいのに声が出ない。

私はただ見守るしか無かった。

 

(この人達は・・・SEALs・・・?相手はタリバンかしら・・・)

 

なぜ私がこんな夢を見ているのか不思議だった。

その間にも男は何とか山の開けた場所にたどり着く。

だが満身創痍だ。

 

(敵がそこまで来てるのに何してるの!仲間は・・・)

 

仲間達は必死にその男を守ろうとしていた。

そして男は電話をかけ始めた。

 

「こちらスパルタン01・・・マイケル・マーフィ大尉・・・」

 

男の名前を聞いた瞬間、私の心臓の鼓動が早くなった気がする。

私・・・?いえ、私と同じ名前・・・?

 

(どうして・・・この人の事は私知らないのに・・・)

 

会話の内容から男は仲間を守るために自分の身を危険に晒しながらも増援を呼ぼうとしていた。

 

(あれ・・・私と同じ事してる・・・)

 

しかし男は増援を呼んだ時に足を撃たれて電話を落としてしまう。

そして銃を杖にして何とか立ち上がり、空を見上げた。

その瞬間、背中に弾丸を受けて力尽きた。

そして私はある事を思い出した。

 

(そうだ・・・この人は・・・私・・・)

 

私の艦名の由来となった人物だった。

なんでこんな重要な事を忘れていたんだろう。

ただ私もこの人と同じ、仲間を守って倒れた。

本望だ。

 

(みんな・・・先に逝くけど・・・許してね)

 

そして夢の中にも関わらず強烈な眠気に襲われて目を閉じた。

私はもうこの目を開くことは無いだろう、そう思っていた。

だが・・・

 

 

「ん・・・う・・・」

 

ゆっくりと意識が覚醒していく。

また体の感覚も戻ってくる。

 

「う・・・ぐぁ・・・生きてるの・・・?」

 

また手に暖かい物を感じた。

 

「・・・シンビル・・・スク・・・?」

 

あのソ連潜水艦だ。

彼女も同じように怪我をし気を失っていた。

私は周りの状況を確認する。

 

「ここは・・・あの小島・・・?」

 

私が最初に隠れたあの小島だった。

だが周りに敵艦の姿も見えない。

それに私はいつの間にか艤装を外していた。

艤装は海岸に転がっていたがシンビルスクの艤装は見当たらない。

 

「あぁもう・・・痛むわね・・・」

 

足と腕が痛くて仕方ない。

ただ背中に関しては無傷だった。

どうやら艤装に砲撃を受けた衝撃で気を失っていたらしい。

 

「ちょっと・・・起きなさい」

 

私はまだ握っていた拳銃を彼女に向けて尋問することにした。

 

「ん・・・」

 

「おはよう、御機嫌はどうかしら」

 

「・・・!?」

 

「貴女の艤装ならどっか行ったわよ」

 

「・・・私をどうする気ですか」

 

「さぁ?お望みならどうにでもするわよ。あ、そうだ、首輪でも付けてメス犬にしてあげましょうか」

 

「・・・つくづくアメリカ人は下品ですね」

 

「何よ、面白くないわね」

 

「貴女こそ自分の心配をしてはどうですか?怪我、酷いことになってますよ」

 

「・・・このくらい・・・大丈夫よ」

 

強がってみせるが酷い痛みだ。

 

「・・・強がってるの見え見えですよ。ちょっと見せてください」

 

「ちょ・・・何触ろうとしてんのよ・・・」

 

「・・・だいぶ出血してますね・・・少し痛いかも知れないですが許してください」

 

「やめてって・・・ホントに、撃つわよ・・・!」

 

だが私の腕は上手く上がらない。

手が震えてしまう。

 

「拳銃すら支えられてないじゃないですか。大丈夫です、危害は加えませんから」

 

シンビルスクはそう言うと腰のポーチから薄い緑色をした液体が入った注射器を取り出す。

中身はきっと高速修復剤だろう

 

「大丈夫です。お願いだから信じてください」

 

「なんで・・・敵の私を・・・」

 

「あなたの行動に好感を抱いた・・・じゃ理由になりませんか?」

 

「・・・そう・・・」

 

変なヤツ・・・正直な感想だ。

シンビルスクはそんな事考えてるうちに注射を打ってくれた。

体が少し軽くなった。

痛みも和らいだようだ。

 

「終りです、これで大丈夫ですよ」

 

「・・・ありがとう」

 

シンビルスクは軽く微笑んだ。

 

「ねぇ・・・私は敵なのに何で?艦娘が嫌いじゃなかったの?」

 

「そうですね・・・元同僚の艦娘は嫌いでしたよ。皆沈みましたが」

 

「そんなに酷い艦娘だったの?喋りたくなかったらいいんだけど・・・」

 

「大丈夫です。そうですね・・・まぁ簡単に言うと皆提督に御褒美を貰いたかったらしいですね」

 

「御褒美?」

 

「エッチな事です」

 

「何それ・・・」

 

「着任と同時にそういう風に教育されましたからね、例に漏れず、私も。でも、私が壊れる前にクルスクが助けてくれました。ちょっと荒っぽかったですが」

 

この娘・・・本当に酷い所に配属されちゃったのね・・・

クルスクも出来れば沈めたくないんだけど・・・

 

「で、周りの艦娘達はその御褒美のためなら何でもするって感じでした。だから・・・私達が逃げようとした瞬間にも・・・」

 

「攻撃してきた・・・のね」

 

「そうです。失敗すれば御褒美はお預け、それが嫌だったみたいですね。別に殴る蹴られるの暴力を振るわれるわけでもないのに・・・」

 

「・・・ねぇ、あなたはこれからどうしたいの?クルスクと行動したい?」

 

「・・・どうですかね・・・彼女は私以外の艦娘を憎んでいます。それに、私は日本に核ミサイルを撃った犯罪者です。今更戻るなんて・・・」

 

「私達の提督はそれでも迎え入れたいって言ってたけど」

 

「信じれるわけ・・・ないじゃないですか。例え本当だとしてもどんなお人好しなんですか。私は罪のない人を核ミサイルで・・・」

 

「でもあなたはその事を悔いているの?ならいいじゃない」

 

「良くないです!分かりますか?!私は本来であれば守るべき人を殺したんですよ!」

 

シンビルスクは大声で叫び出した。

 

「おかしいですよね・・・攻撃しておいて・・・」

 

「いいわよ。あなたの意思で攻撃したんじゃないって分かったから」

 

「え・・・?」

 

「本当の事教えて。あなたは自分の意思で撃ったの?それとも命令されて?」

 

「・・・」

 

シンビルスクは考え込んでいた。

だがすぐに覚悟を決めたような顔をする。

 

「私は・・・核ミサイルを撃つつもりは無かったんです・・・それよりも日本に恨みなんて・・・でも・・・クルスクが・・・」

 

「やれ・・・って言ったのね」

 

「私は最初は拒否しました。でも・・・撃たないなら沈めるって・・・」

 

「・・・」

 

「私はトラック島のあの鎮守府になら撃ちました。あそこだけは・・・許せないから・・・」

 

「その気持ちは分かるわよ、でも日本に撃つつもりなんて無かったのね」

 

「はい・・・言ってしまえば貴女達を攻撃するつもりだってありませんでした・・・」

 

シンビルスクはだんだんと涙声になってきた。

最初は機械みたいで冷酷な子かと思ったけど・・・

 

「もういいわ、大丈夫」

 

私は何とか動く体でシンビルスクを抱きしめる。

 

「私より・・・小さいですね」

 

「はぁ!?」

 

「抱きしめられてサイズが分かりました。私のほうが大きいです」

 

「あんたそのケツ穴溶接して眉間に新しいケツ穴作るわよ!?」

 

「・・・やっぱりアメリカ人は下品です」

 

「うるっさいわね!!」

 

 

 

 

〜提督〜

 

「マーフィの場所は分かるか!?」

 

《ダメ!見つからない!》

 

「隊長・・・やっぱり・・・」

 

「縁起でも無い事はやめろアンドロメダ」

 

「すみません・・・」

 

マーフィと音信不通になって数時間、現場海域には深海棲艦が出現し始めていた。

あの2隻はまだ息を潜めているんだろう。

 

「せめてあの潜水艦の位置さえ特定できれば・・・」

 

その時、執務室に明石と夕張、いそかぜが飛び込んできた。

 

「提督!やりました!」

 

「後にしてくれ」

 

「後とかじゃないのよ!いそかぜの艤装が何とかなりそうなの!」

 

「艤装?あれ修復出来ないんじゃなかったのか?」

 

「兵装までは不可能でした。でも素体となる部分の修復が出来ました!」

 

兵装が修復出来ないんじゃ意味ないだろ・・・

そう言おうとした時だった。

 

「司令官、私の艦種覚えてますか?」

 

「イージス艦だろ・・・」

 

「違います。ブイ・ウェッブ艦です」

 

「ブイ・ウェッブ艦・・・そうか!」

 

「あとレーダー、ソナーについては無事でしたので回収できました。」

 

ブイ・ウェッブ艦・・・自分の好きなように兵装、機関などを載せ変えれる艦。

つまり、船体さえあれば何とかなる船だ。

 

「システムリマも生きていました。これなら敵潜水艦も・・・」

 

「明石!夕張!よくやったぞ!いそかぜ、今すぐ艦娘に再就役だ!」

 

「了解しました。護衛艦いそかぜ、再着任します」

 

あのシステムがあれば敵潜水艦を捜索する事が簡単になる。

あとはマーフィだけか・・・

 

「アンドロメダ、引き続きマーフィの捜索だ」

 

「了解しました。」

 

 

 

〜いそかぜ〜

 

「12.7cm連装砲に酸素魚雷、10cm高角砲、アスロックVLS・・・あとはシステムリマですか」

 

「今残ってる装備はこれだけですね・・・」

 

「明石さん、ありがとうございます。ミサイルの迎撃までは出来ませんがこれなら」

 

「あ、そうそう。これも持って行って!」

 

「チャフと・・・フレア発射機ですか」

 

「これも何とか直せたから!」

 

夕張さんは笑顔で親指を立ててくる。

本当に頼りになる。

 

「じゃあ、頑張ってね」

 

「ありがとうございます、行ってきます!」

 

私は鎮守府を出発する。

久々の海だ。

マーフィさんを撃ったあの2隻の潜水艦・・・絶対に見つける!




若干めちゃくちゃな気がするけど許してね(゜∀。)


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対潜水艦戦闘

駆け足のしすぎで膝死んだ作者です(


〜マイケル・マーフィ〜

 

高速修復剤のおかげでだいぶ体が楽になった。

でも足だけは上手く動かない。

 

「折れては無さそうだけど・・・」

 

「足ですか?」

 

「うん、どうにも動かしにくいのよね・・・」

 

「たぶん、筋が切れたか何かしてるんだと思いますよ」

 

「それっぽいのよね・・・ねえ、貴女にこんな事お願いするのおかしいけど、あそこに置いてある艤装持ってきてもらってもいいかしら」

 

「お安い御用です」

 

「さっきまで撃ち合ってたのに・・・ずいぶん打ち解けれたわね」

 

「本当です。やっぱり・・・あなたの所の提督はいい人ですよね」

 

「突然どうしたのよ」

 

「仲間のために・・・提督のために命を掛けれる所を見ると・・・って感じです」

 

「そうかしら?あれでもただのセクハラ提督よ」

 

「そうやって冗談言えるくらいが私は良かったです」

 

悲しそうな顔で話すシンビルスク。

話が終わると艤装を取ってきてくれた。

 

「ありがと、これ装備したら動けないかしら・・・」

 

装備してみるとさっきより体が重くなった気がする。

やはり艤装のダメージは大きかった。

 

「ソナーがダメ・・・あとミサイル誘導装置も破損・・・残ってるのは主砲のみか・・・」

 

「どうするんです?」

 

「どうするって、とりあえずアンタの仲間を水中から引っ張り出して1発ファックしてやろうかしら」

 

「・・・下品です」

 

「うるさいわよ」

 

ただ、艤装をつけたおかげで何とか立てる。

私はそのまま海に行く。

海岸に体を固定して、迫ってくる深海棲艦を仲間の到着まで追い払えば大丈夫だ。

救難信号も発信すれば確実にここに来てくれる。

 

「シンビルスク、絶対にあなたを連れて帰るから」

 

「なんですかそれ・・・私行きたいなんて・・・」

 

「いいから。私は貴女と一緒に仕事したいって思っただけよ」

 

「・・・私・・・」

 

「はいはい、核ミサイルの事は置いとく。とりあえず隠れてなさい。いい?」

 

「・・・分かりました」

 

シンビルスクが去るのを確認して使える兵装をもう1度確認する。

単装速射砲と短魚雷のみ・・・

レーダーは幸い無事だ。

水上目標は探知できる。

そして、すぐにレーダーに反応があった。

救難信号に反応した深海棲艦だ。

駆逐艦クラスが4・・・

 

「来なさい・・・ファックしてやるわベイビー!」

 

先制攻撃とばかりに先頭にいた駆逐艦に砲弾を浴びせる。

敵も負けじと反撃してくる。

ソナーがない以上、敵潜水艦と魚雷を探知できない。

常に海面に目を配る。

 

「早く来てよ・・・!何時間も持ちこたえられないわ・・・!」

 

駆逐艦も最高速で逃げ回りながら砲撃してくる。

FCSの1部が破損してマニュアルで照準しなければならないため、命中率も少し下がっている。

 

「クソ・・・!当たんない!」

 

その時、弾倉が空になる。

弾倉交換しようとした時、腕に砲撃が命中してしまう

 

「うぐッ・・・!」

 

だが今度はまだ腕が動く。

足の間に砲を挟んで弾倉を交換しボルトストップを押してスライドを前進させて初弾を薬室に送り込む。

 

「いい加減・・・沈んでよッ!!!」

 

叫びながら砲撃を行う。

 

「くっ・・・あと弾倉が2つ・・・!」

 

短魚雷が残り8本だ。

ミサイルはまだ残っているが誘導装置が壊れていて敵をロックオンできない。

 

「誰でもいいから早く来てよもう!」

 

その時だった。

聞き慣れた爆音がし駆逐艦が大爆発する。

空を見上げるとハープーンが飛んできていた。

残りの駆逐艦にも命中する。

 

「このハープーン・・・」

 

その時遠くに発光信号が見えた。

 

「えっと・・・オ・マ・タ・セ・・・お待たせ・・・まったくよ・・・」

 

遠くから艦隊がこっちに向かってきていた。

その中には、いそかぜの姿があった。

 

「いそかぜ・・・?良かった艤装が治ったのね」

 

私はそのまま砲を杖にしてしゃがみこむ。

もう脚が動かない。

機関故障のようだ。

 

「シンビルスク?もういいわよ」

 

シンビルスクの名前を呼ぶが返事がない。

どこにいったのかしら・・・

 

「シンビルスク?」

 

もう1度呼ぶと、聞き慣れた声がした。

シンビルスクのものでは無い声が。

 

「シンビルスクならここよ」

 

「!?クルスク!!」

 

「私に気付かないなんてとんだお間抜けね、アンタもシンビルスクも」

 

「は、離して・・・」

 

「うるさいわよ、裏切り者」

 

「え、ち、違います!」

 

シンビルスクは首に腕を絡められ、人質に取られたような形になっている。

 

「あ、が・・・く、くる、しい・・・!」

 

「何勝手に色々喋ってんの?アンタは」

 

「ご、ごめんなさい・・・」

 

「ごめんなさいで済むと思ってるの?ねえ、貴女のせいで私の命が危ないのよ?分かる?」

 

「ごめ、ごめん、なさい・・・!」

 

シンビルスクは首を絞められているようだ。

私はすぐに砲を向ける。

 

「やめなさい!その子を離さないとアンタが額でタバコ吸えるようにしてやるわよ」

 

「なにその脅し。まぁいいわ。ほら行きなさい」

 

クルスクは思った以上に簡単にシンビルスクを離した。

だが・・・

 

「まぁ無事に離すなんて言ってないけど」

 

腰からマカロフを出してシンビルスクの足に発砲した。

 

「あ、あぁぁぁぁ!!」

 

「何してんのよ!!」

 

私は反射的に引き金を引く。

砲弾はクルスクの腕に命中した。

 

「あぐっ・・・!!」

 

「アンタ、この子は仲間じゃないの?!何で撃つのよ!!」

 

「う、裏切り者を撃って・・・何が悪いのよ」

 

「裏切り者?どこがよ!別に貴女の情報なんて一言も言ってなかったわよ!」

 

「違うわ、艦娘何かと仲良くしてるのが裏切り者って行ったのよ」

 

「な・・・」

 

シンビルスクはその間にも苦しんでいた。

出血も酷い。

 

「う、ぅ・・・痛い・・・痛いよ・・・!」

 

「ほら、早く助けてあげないと」

 

「くっ・・・」

 

海面にクルスクが浮かんでいて、シンビルスクは海岸の砂浜に倒れている。

早く止血してあげないと・・・

 

「じゃ、私は貴女のお仲間を沈めてくるわね」

 

「やめなさい!!」

 

「ふん、止まると思ってんの?」

 

私はもう1度クルスクに砲撃した。

だが砲弾は命中せず、クルスクに逃げられた。

だけど・・・

 

「そうだ、向こうにはいそかぜがいる」

 

あの子のソナーは誰よりも強力だ。

あとはあの子達に任せよう。

私はシンビルスクに駆け寄る。

 

「シンビルスク!シンビルスク!大丈夫!?」

 

「あ、ぅ・・・痛いです・・・足が・・・」

 

「大丈夫、止血してあげるから!」

 

止血帯を救急セットから取り出して止血を開始する。

 

「頑張ってよシンビルスク!」

 

「は、い・・・」

 

だんだん弱々しい声になる。

それに出血も止まらない。

まさか・・・

 

「大腿動脈・・・クソッ!!」

 

動脈が縮んで体の中に入り込んでる以上、動脈を接合しないと止血できない。

手持ちの救急セットには接合セットも動脈を挟むための道具もあるが・・・

 

「シンビルスク・・・」

 

「ハ、ァ・・・ハァ・・・」

 

息も荒くなってきてる。

こんな小柄な女の子に・・・しかも艤装がない、普通の人と変わらない子に銃弾を撃ち込むなんて・・・

 

「シンビルスク、聞いて。今からかなり痛いことするけど・・・貴女を助けるため。分かって」

 

「や、だ・・・痛いこと・・・いや、だ・・・!」

 

「お願い!このままだと貴女は死んじゃうのよ!」

 

「やだ、やだ・・・死にたく、ない・・・!」

 

「じゃあ、我慢して!」

 

シンビルスクは震えながら頷く。

私はなるべく彼女が傷口を見ないように目隠しをする。

 

「やめ、やめて・・・こわい、こわい・・・!」

 

「大丈夫、大丈夫だから」

 

シンビルスクの頭を撫でてやり、そして傷口に手を突っ込んだ。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

シンビルスクの咆哮のような悲鳴が響く。

だがすぐに動脈を掴むことが出来た。

すぐに引っ張り出す。

 

「あとは・・・!!」

 

一気に動脈を縛り付け、接合する。

常にシンビルスクの事を見ながら作業する。

 

「いだい!!いたいいたいいたいよぉぉ!!」

 

「大丈夫!もう大丈夫だから!」

 

「うぁぁああぁぁ!!」

 

「暴れないで!お願いだから・・・!」

 

何とか接合に成功する。

だが傷口から出血はまだ続いている。

 

「お願い・・・はやく誰か来て・・・!」

 

「あ、あぁ・・・う・・・」

 

だんだんと弱々しい声になっていく。

止血帯で止血するがまだ軽く出血してしまう。

 

「無線機さえ・・・この!動け!動きなさい!!このポンコツ無線機!!」

 

怒鳴りながら艤装の無線機を叩く。

するとさっきまで聞こえなかったノイズが聞こえだした。

 

「この手に限るわ!!」

 

急いで鎮守府に周波数を合わせる。

 

「横須賀鎮守府!応答して!!」

 

《こち・・・鎮守府・・・誰・・・》

 

「マイケル・マーフィよ!」

 

《マーフィ・・・のか!》

 

「ノイズが酷い・・・こっちの声はちゃんと聞こえるの?!」

 

《あ・・・え・・る!!》

 

「聞こえてると信じて言うわよ!今から座標、S-B-0-9-3に救護ヘリを送って!大至急よ!」

 

《了解・・・近・・・ヘリ・・・ヘリオス・・・8が・・・かう!》

 

「了解!!」

 

レーダーの端に小さな影が見える。

これがヘリだろう。

何とかして交信を試みる。

 

「マイケル・マーフィから近くの航空機!」

 

《こちらヘリオス78!君だな!今から向かう!あと15分だ!》

 

「了解!!シンビルスク!頑張って!!」

 

「は、い・・・が、がんば、り、ます」

 

だが、目が虚ろだ。

出血もまだしている。

 

「ヘリオス78!お願い!輸血の用意をして!!」

 

《了解!》

 

「シンビルスク頑張って!私と鎮守府に行くんでしょ!!」

 

「鎮守府・・・い、いきたい・・・で、す・・・」

 

「だったら元気になりなさい!!ねぇ!聞いてるわよね!!」

 

「ちゃんと・・・聞こえ、て・・・ま、す・・・」

 

だが目の焦点があってないようだ。

 

「ねえ!私の顔が分かる!?」

 

「も、う・・・よく・・・みえな、い・・・」

 

この状態はかなり危ない。

・・・最悪の事態なんて考えたくないけど・・・

 

「シンビルスク」

 

「なんです・・・か・・・?」

 

「何かして欲しいことある?」

 

「ぎゅって・・・」

 

「何?」

 

「もう、1度・・・ぎゅって、して、ほしい・・・です・・・」

 

私は無言でシンビルスクを抱きしめる。

彼女の体は小刻みに震えていた。

 

「あった、かい・・・です・・・」

 

「・・・あなたもよ」

 

「マーフィ・・・さん・・・」

 

「何?」

 

「も、し・・・出来たら・・・私、を・・・海の見え、る所、に・・・」

 

「・・・やめなさい、そんな話は」

 

「ごめ、ん・・・なさい・・・約束・・・」

 

「約束?」

 

「鎮守府に、いっしょ・・・に・・・」

 

シンビルスクは涙を流しながら言ってくる。

もうか細い声になっている。

私は少し抱きしめる力を強める。

遠くからヘリの音がする。

 

「シンビルスク、ヘリが来た。もう少しよ」

 

「あと、すこ、し・・・」

 

「そう、あと少し、楽勝よね?」

 

「あと、すこ、し・・・らく、しょう・・・」

 

「そう、楽勝。頑張って」

 

「らく、しょ・・・がんば・・・」

 

突然シンビルスクの体が重くなる。

 

「シンビルスク?シンビルスク!」

 

だが反応が無い。

呼吸も・・・止まっていた。

 

「シンビルスク・・・」

 

私はもう1度彼女の体を強く抱きしめて地面に優しく置いた。

そして目を閉じてやる。

 

「・・・・」

 

何とも言えない感情がこみ上げてくる。

 

「あ、ぁ・・・うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

怒りなのか悲しみなのか分からない。

ただ、強烈なクルスクに対する憎しみだけは分かった。

 

《こちらヘリオス78!到着した!!》

 

「・・・遅い・・・もう・・・死んじゃったわよ・・・」

 

《・・・了解》

 

「提督に、その子の遺体は私が帰るまで安置してって伝えて」

 

《了解した。これより収容する》

 

私はそのまま無言で砲を持ち上げる。

不思議と体は軽く、簡単に動けた。

機関だってまだなんとか動かせるようだ。

 

「沈めてやる・・・沈めてやる!!」

 

私は出せる最高速度でクルスクを追いかけた。

 

 

 

〜提督〜

 

「・・・・・・・・了解」

 

「どうしたのですか?」

 

「アンドロメダ・・・シンビルスクの死亡が・・・確認された」

 

「え・・・」

 

「クルスクに撃たれた怪我による失血性ショックだそうだ」

 

「同じ・・・仲間を・・・?」

 

「あぁ・・・」

 

信じたくない。

仲間が仲間を・・・

 

「艦隊の様子は?」

 

「えと・・・第1艦隊が・・・待ってください!マーフィさんが!」

 

「どうした?」

 

「マーフィが敵に向かって進行中!」

 

「マーフィ・・・おい!無線繋げ!!」

 

「りょ、了解!」

 

「おい!マーフィ!!何考えてる!その損傷状態で動くな!!」

 

《うるさい!!!私はアイツを地獄に落としてやらないと気が済まないわ!!》

 

「今のお前は冷静さを失ってる!やめろ!!」

 

《うるさい・・・うるさいうるさいうるさい!!!》

 

「おい!聞いてるのか!!おい!!」

 

だが無線からはノイズが聞こえるだけだ。

 

「交信途絶しました・・・」

 

「クソッ・・・あのバカ!!いそかぜ!聞こえるか!」

 

《はい、聞こえます》

 

「マーフィが今そっちに向かっている!アイツはクルスクを沈めるつもりだ!!」

 

《え・・・?》

 

「とにかく、今クルスクはどこだ!」

 

《それがマーフィさんの近く・・・え、待ってください!》

 

「どうした?」

 

《クルスクの位置?ダ、ダメです!教えれません!!》

 

「マーフィか!?」

 

《はい、あのクルスクの位置を・・・》

 

「アイツを止めろ!!あのままだと二人同時に沈むぞ!!」

 

《りょ、了解しました!!全艦、マーフィさんを止めに向かいます!!》

 

今のマーフィは完全に頭に血が上っている。

刺し違えても沈める気だろう。

クルスクは原子力潜水艦・・・沈めれば放射能汚染が・・・

それよりも怨念も持って沈めば深海棲艦になる可能性が十分にある。

もし原子力潜水艦のまま深海棲艦になれば強敵だ。

 

「マーフィ・・・」

 

 

 

 

〜いそかぜ〜

 

「いそかぜ、どうするの?」

 

「こうなった以上、マーフィさんをどうにかしてでも止めないといけないです」

 

「でも、どうやって・・・」

 

それを今考えている。

だけど思いつかない。

その時だった。

 

「魚雷音聴知!方位240°距離3500!」

 

「クルスクが撃ってきた・・・全艦退避行動!あと、対戦戦闘用意!!」

 

「了解!」

 

「空母はすぐに退避してください!!」

 

「分かってるよ!」

 

すぐにアスロックを目標に発射する。

ただ、これにマーフィが気づいたようだ。

 

「マーフィさん!待って!!」

 

だがマーフィはクルスクが居そうな当たりに魚雷をばら蒔いた。

そして、爆音が水中から聞こえる。

・・・やってしまった

 

「マーフィさんの魚雷が命中!」

 

「やっちゃった・・・」

 

 

 

 

〜マイケル・マーフィ〜

 

大きな水柱が立つ。

命中だ。

だがしぶとくもクルスクは浮上してきた。

 

「いい気味ね、クソッタレピロシキ野郎」

 

「は、ぁ・・・」

 

「あら?喋れないのかしら?大丈夫よ顔面以外を刺身にしたら死人でも喋るらしいわよ。ちょうどナイフあるし試してみましょうか?」

 

「ふ、ふふ・・・本気で私を沈めるの・・・?」

 

「ええそうね。もっと苦しんでもらいたいけど」

 

「あ、あははは、バカね・・・私は原子力潜水艦なのよ・・・

 

「あぁ、そうだったわね。まぁ知ったこっちゃないわ」

 

私は砲をクルスクの眉間に向ける。

 

「最期に言いたい事でもあるかしら?一応聞いてあげるわ」

 

「ふふ・・・本気で怒ってるのね・・・いいわぁ・・・」

 

私はゆっくりとトリガーに力を掛けていく。

クルスクはそのまま続いて言ってきた。

 

「地獄でもまた戦いましょう・・・」

 

「地獄に落ちるのはアンタくらいよクソッタレ」

 

そして空に砲声が響く。

クルスクは眉間に砲弾を撃ち込まれ、崩れ落ちた。

そのままゆっくりと沈んでいった。

私はシンビルスクの仇をうった・・・そう思うと同時に力が抜けて崩れ落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

意識が戻る。

電子音で目が覚めた。

 

「ここは・・・」

 

「・・・んあ・・・起きたか」

 

「提督・・・」

 

「気分はどうだ眠姫」

 

「・・・処分したいなら好きにすれば」

 

「処分してほしいのか?」

 

「え・・・?」

 

「俺は処分って言葉が嫌いなんだよ。それに・・・俺にも気持ちは分かる」

 

「・・・」

 

「シンビルスクの遺体はまだ安置してある。お前が動けるようになったら葬式をして見送ってやろう」

 

「そうね・・・ねぇ、提督。彼女を・・・その・・・遺灰でダイヤモンドを作れないかしら・・・」

 

私は彼女と一緒に居たかった。

ただそれだけだった。

 

「まぁ・・・できないことは無いが・・・」

 

「お願い」

 

「分かったよ。葬儀の後に遺灰は全部回収させる」

 

「ありがとう。提督」

 

「可愛い艦娘の頼みだ。お安い御用だ。」

 

「そういえば、電は?」

 

「アイツか・・・ずっとシンビルスクの身の回りの事してくれてるよ。アイツが自分がやるって言って聞かなかったんだ」

 

「そうなの・・・」

 

「今は居室で寝てると思うがな。さて、俺もその可愛い寝顔でも見に行くかな」

 

「いってらっしゃい」

 

提督はそのまま病室を出ていった。

後から聞いた話だと、クルスクは放射能汚染を起こすことなく沈んでいったらしい。

また鎮守府の被害は死者行方不明者含めて500人以上、その大半が防空指揮所の人間だった。

鎮守府は防空能力を今完全に失っている。

提督はその穴埋めということでWW2の艦娘にも対ミサイル迎撃の訓練をするという事だ。

 

「シンビルスク・・・」

 

私は腕の中で消えていった命を思い出す。

あの感覚は忘れたくても無理だ。

 

「ぅ、うぁ・・・グスッ・・・」

 

涙が頬を伝っていった。

私はあと2日は病室らしい。

寝ていた期間は3日も寝ていたようだった。

その間シンビルスクは冷たい冷蔵庫の中に居たと思うとやり切れない気持ちだった。

 

 




たまにはこう・・・バッドエンドもね?


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葬儀

膝痛いンゴ(´;ω;`)
靭帯炎症起こしてたンゴ(´・ω・`)


あの潜水艦事件から2日たった。

マーフィも車椅子を使って動けるようになった。

 

「司令官さん、行きましょうなのです」

 

「ああ、そうだな」

 

「・・・」

 

「そんな顔するな、俺だって悲しいんだから」

 

「はい・・・」

 

今日は巡航ミサイルの着弾で死亡した人員及び、シンビルスクの葬儀だ。

隊員はそれぞれの地元に葬儀のあと航空機で輸送される。

シンビルスクは横須賀市内で火葬となる。

 

「・・・なんだか・・・後味の悪い任務与えちまったな・・・」

 

「仕方ないのです・・・あんな事になるなんて・・・」

 

「仲間が仲間を・・・今後は同じ事が起きないようにしないとな」

 

居室がある建物を出て、会場がある飛行場地区に向かう。

やはり家族も幾らか来ているようだ。

俺は家族に話しかけられるたびにその息子の最期の瞬間の事を伝えた。

彼らはミサイルが弾着するまでの間、街を守ろうと必死だったと思う。

あれが不意の攻撃だったのが不運だった。

また鎮守府のレーダーは深海棲艦を補足する事に特化した物で艦娘を補足する事は重視されてない物だ。

補足する事は可能だが基本的に艦娘は無条件で味方と判断され、レーダーには小さくしか表示されない。

深海棲艦は大きく表示されるため、もし艦娘側が今回のように攻撃してきた場合は捉えることが難しいのだ。

一応、艦娘は別のレーダーで補足できるが、あの時は任務も無かったためレーダーの電源を落としていた。

 

「鎮守府のレーダー・・・変えるべきだったな・・・」

 

「レーダーですか?」

 

「あぁ、まあ色々難しい話があってだな」

 

「そうなのですか・・・」

 

「そろそろ式の時間だな。電は席に着いて待っててくれ。俺は別にやる事あるから」

 

「分かったのです」

 

「じゃあ、また後でな」

 

電と別れて俺は別の場所に移動する。

シンビルスクの棺がある場所だ。

 

「マーフィ、やっぱりここか」

 

「ええ、もうこの顔見ること出来ないから」

 

「そっか・・・すまんな」

 

「なにが?」

 

「もっと早く見つけていれば・・・」

 

「いいわよ。これは戦争なんだから。それとも貴方はこうやって仲間が死ぬ度に落ち込むつもり?」

 

「いや・・・そんな事はないが・・・」

 

「とにかく、今はこの子と2人にしてよ」

 

「了解した」

 

俺はそのまま式場の壇上に登って式が始まるのを待つ。

泣いている家族もチラホラといた。

そして、10分もたった時、式が始まった。

俺は、彼らがどういう人物で、最期まで必死に街や鎮守府を守ったと言った。

だが、艦娘のミサイル攻撃とは口が裂けても言えなかった。

あの攻撃は深海棲艦の新兵器、ステルス性を持った巡航ミサイルだとしか言えなかった。

 

「タイフーン級潜水艦娘シンビルスク及び、最期まで横須賀の防空に務めた英霊に敬礼!!」

 

「儀仗隊、気をぉぉつけぃ!!」

 

隣では儀仗隊が64式小銃を構える。

 

「控えぇぇ銃!・・・用意!!」

 

空に銃が向けられる。

彼らを見送る弔銃だ。

 

「撃て!」

 

銃声が空に響く。

 

「撃てぃ!!」

 

4回、空に向けて斉射された。

 

「捧げぇぇぇ銃!!」

 

ラッパ手のラッパに合わせて、彼らの棺がそれぞれの航空機に乗れられていく。

シンビルスクは別個に用意された霊柩車へと運ばれた。

俺は降壇し、シンビルスクの霊柩車へと向かう。

 

「・・・ロシア式でやってやりたかったが・・・許してくれ」

 

棺に向かって呟く。

マーフィは無言で敬礼していた。

 

「提督、行きましょう」

 

「あぁ、了解」

 

クラクションを鳴らして霊柩車が出発する。

その後を3トン半トラックが2台着いてきた。

 

「もうこれ以上仲間は死なせたくない」

 

俺は1人助手席で呟いた。

 

 

 

〜マイケル・マーフィ〜

 

ここが本当にお別れの場所・・・

火葬場のロビーでシンビルスクの棺を炉に入れる時を待つ。

私は彼女が骨になる前に棺に近づいた。

 

「シンビルスク・・・ロシア艦娘である貴女にこういうのって変かも知れない・・・だけど、あっちでもこれ、持ってて欲しいの」

 

私はそう言って棺にNavySEALsの部隊章を棺に打ち込み、棺の中に私の艦としてのパッチと識別帽を入れた。

DDG-112と書かれたパッチと帽子だ。

それが終わると係員の人が炉に向かうようにと指示してきた。

私達もそっちに向かう。

 

「・・・点火のボタン押すの・・・私がしていいかしら」

 

「あぁ、お前が押してやれ」

 

炉の扉が開くと空気が一気に重くなった気がする。

その中に棺が入れらた。

 

「マーフィ」

 

「ええ、分かってるわ。さようなら・・・シンビルスク・・・私の友達・・・」

 

ボタンを押すと中からバーナーのような音が聞こえた。

私含めて全員が無言で敬礼をする。

 

「あとは呼ばれるまで待とう」

 

「そうね・・・」

 

「うぅ・・・ぐすっ・・・」

 

「電、泣かないで、あの子だって悲しい見送りはして欲しくないはずよ」

 

「でもなのです・・・」

 

他の艦娘もすすり泣いてるのが多数いた。

 

「私だって・・・泣きたいわよ・・・でも、おかしいわよね・・・あんなに私たちと撃ち合ったのに・・・」

 

シンビルスクが発射した魚雷の傷は足に残っている。

だけど、私は恨んではいない。

 

「とりあえず、待合室に行くぞ」

 

提督のその言葉でみんな待合室に向かった。

 

 

 

 

〜シンビルスク〜

 

私は自分の葬式を上から眺めていた。

変な気分だ。

 

『マーフィ・・・』

 

話しかけたいけど、声が届かない。

ちょっと寂しい。

 

『自分のお葬式って・・・何か変な気分です・・・』

 

1人呟く。

そういえば、ここの提督ってどんな人なんだろう・・・

私はそう思い、提督を探しに行く。

 

『この体なんか楽しいですね、ふわふわ飛べますし』

 

私はちょっとだけこの幽霊(?)ライフを楽しんでいた。

そんな事してるうちに提督を見つける。

 

『あれが提督ですか・・・何か思ってたほどの人じゃないですね』

 

私はきっと太ってる人だと思っていた。

そしてちょっと悪戯を思いつく。

 

『そういえば幽霊って心が読めるとか聞いたことが・・・試しちゃいましょう!』

 

私は提督に突撃する。

 

『ふむふむ・・・パイロットさんですか・・・って!この人なんですか!ロリコンさんですか!』

 

人の心というか記憶を読めたが中々楽しい。

 

『次あの人行っちゃおー!』

 

幽霊ライフをしっかり楽しんでいた。

なんてしてると誰かに肩を叩かれた。

 

『楽しんでる時になんですか?もう空気中読んでくださいよ・・・』

 

振り向くと軽く怒った感じの男の人が3人ほど腕くんで立っていた。

 

『あれ?私が見えるんですか?』

 

『・・・そりゃ同じ幽霊だからな。それよりも何してんだお前』

 

『見ての通り、幽霊ライフを楽しんでるんです』

 

『・・・人の心読むのは程々にしとこうや嬢ちゃん・・・』

 

『え〜・・・』

 

『お前、俺だって記憶読んでるお前見て俺も出来るかなとか思って母ちゃんの記憶よんだら親父との営みの瞬間引き当てたんだよ!分かるかこの気持ちが!!』

 

『いや・・・逆恨みじゃないですか・・・』

 

『いいから見られたくない記憶だってあるんだからやめときなさい、分かった?』

 

『はーい・・・』

 

とりあえず大人しく引き下がろう・・・

 

『あーあ・・・もうお別れだよ・・・』

 

『俺もだ。じゃーな戦友』

 

『あっちでまた会おうぜ』

 

私に説教してきた3人はそう言って別れて輸送機の方向に向かっていった。

私も私の入った棺が霊柩車に運ばれていた。

 

『この鎮守府ともお別れですか・・・1番の思い出ってあの・・・うらかぜといそかぜのイチャイチャ現場見ちゃった事ですね・・・こんな思い出もってあの世に行きたくないです・・・もっと清らかな思い出が良かった・・・』

 

嘆いても仕方ない・・・

それよりも私、幽霊になった勢いで何かネジ飛んでる気がします。

 

『これあれですよね、火葬場行ったらあの曲必要ですよね。コホン・・・今から練習しちゃお』

 

軽く咳払いをして歌う。

 

『アーチーチーアーチーwwwwwwwww燃えてるんだ廊下ぁぁぁwwwwwwwww』

 

アホになったのかな私。

 

『完璧です(ドヤッ』

 

なんてアホな事してる間に火葬場に着いた。

 

『よし、じゃ・・・私の歌を聞けー!なんて、言ってみたいセリフの一つが言えました。満足です。』

 

そんな事を私がフワフワ浮きながら叫んでるなんて誰も思わないだろう。

ていうか気付かないでください、私死んでるのに死にたくなる思いします。

 

「シンビルスク・・・」

 

『あれ?マーフィさん?何してるんですか?』

 

「これあっちでも持っててね」

 

そう言うと棺に何かを打ち込み、また帽子のようなものを入れた。

すると私の手元にそれと同じ物が現れた。

 

『?なんですかこれ?』

 

一つはNavySEALsの部隊章、一つはマイケル・マーフィという船のパッチ、一つはその識別帽だ。

 

『DDG-112・・・これがマーフィさんのですか・・・』

 

そして私の棺が炉に運ばれていく。

もう本当にお別れだ。

あのボタンは点火スイッチだろう。

 

『マーフィさん・・・貴女ともっと一緒に居たかったです・・・』

 

この声はマーフィには聞こえてないだろう。

寂しいけど・・・

 

「さようなら、シンビルスク・・・私の友達・・・」

 

そしてボタンが押された。

私は幽霊なのに不思議と涙が出てきた。

 

『やっぱり・・・寂しいです・・・でも・・・さようなら』

 

私は強烈な眠気に襲われた。

この鎮守府のみんなと居たかった・・・でもそれはもう出来ない。

でも私は核ミサイルを日本に撃ち込んだ。

それは事実なんだ。

だから私はアナタ達と一緒には居られないんです。

そう心の中で呟き私は目を閉じた。

 




何かやたら重いストーリーになったから次回は絶対に明るい話書く!


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イタズラ好きの潜水艦

最後の方に集中力切れてめちゃくちゃになってるかもしれないけど許してね(๑>؂•̀๑)テヘペロ
あと作中に出てくる「たまちゃんハンバーグ」というのは作者が後期の新隊員特技課程を受けてた札幌の丘珠駐屯地のメニューだよ(*´ω`*)
これがまた美味いんだ!あと丘珠駐屯地のゆるキャラみたいなのに「たまちゃん」というのがいるんだぞ!
なんか、ヘリコプターの妖精らしい(・∀・)


あの事件から2週間たった。

鎮守府は何とか機能を回復しつつある。

だがそれも飛行場地区と資源庫などだけだ。

防空能力は陸軍の高射特科から借りたレーダーと短SAM、パトリオットしかない。

あとは87式自走高射機関砲だ。

今日は電が先に部屋を出て執務室に行っていた。

1人だと居室が広く感じる。

 

「さて、仕事に向かいますかー」

 

着替えようとロッカーを開けたら・・・

 

「やべ、制服全部クリーニングに出してるんだった・・・米軍時代の迷彩服しかないしこれでいいか」

 

久々に来たデザート迷彩服は少し小さかった。

ま、いっか。

のんびりと廊下を歩いて執務室に向かう。

それにしてもまだ10月なのにまだ暑い。

そんな事思いながら執務室に入る

 

「おっす、お疲れさん」

 

「あ!司令官さん!おはようなのです!」

 

「おはようは朝言ったけどな」

 

「えへへ、そうでしたね。そういえば今日は迷彩服なんて珍しいですね」

 

「あぁ、クリーニングに出してたの完全に忘れててな」

 

「あらら・・・」

 

「まぁこれでも仕事は問題ない!んで、今日は何がある?」

 

「えっと・・・鎮守府修理のために使った資材のお金関係ですね」

 

「まぁいつも通り書類って感じか」

 

「そうですね・・・100枚以上ありますけど」

 

「殺す気か」

 

机に積み上がった書類をみて嘆く。

ハンコ押すだけだが・・・

 

「まぁいいや・・・やるか」

 

「あ、それとお手紙なのです」

 

「ん?どれどれ」

 

差出人は大本営。

内容は・・・

 

「んーと・・・鎮守府の服務関係の一斉点検・・・あ〜・・・ついに上もブラック鎮守府潰しに来たか」

 

「どういう事なのです?」

 

「服務点検ってのは普通は営内の整頓状況とか見るんだが・・・たぶん上は艦娘の疲労状況とかチェックするつもりだろうな」

 

「あ、私たちが酷使されてないか確認するためですか」

 

「そゆこと。まぁウチは大丈夫だと思うが」

 

「大丈夫なのです!みんな司令官さんの事信頼してますし!」

 

「はは、そう言ってもらえると助かるな。とりあえず書類片付けたらこの部屋軽く掃除すっか」

 

「なのです!頑張るのです!」

 

そこから怒涛のハンコ押しが始まった。

多すぎだろ量!!

 

「うおおおお!!!押しても押しても増えてきてる気がする!!!」

 

「司令官さん、これ追加なのです」

 

「のおおおおおお!!!」

 

途中で他の部署に呼ばれた電がダンボールいっぱいの書類を持ってきた。

司令官泣きそう。

 

「これだけ俺にハンコ押させる書類作るとか殺す気か!?俺の地位でも奪いたいのか!?」

 

そんな事叫びながらハンコ押して昼飯行ってハンコを押すという簡単なお仕事をしていたら課業終了ラッパが鳴った。

 

「お、終わった・・・」

 

これマンガならプシューとかいう効果音と共に頭から煙出てると思う。

 

「電・・・飯行こうか・・・」

 

「お・・・お疲れ様なのです・・・」

 

今日は久々に食堂に行こう。

メニューなんだっけな

 

「今日の食堂のメニューなんだっけ」

 

「えーっと・・・今日は全国の基地メニューで、陸軍の丘珠駐屯地のメニューって書いてますね」

 

「丘珠って・・・札幌か」

 

「確か近く通りましたよね」

 

「そういやUH-1がよく飛んでたな」

 

なんて旅行の思い出に浸りながら食堂に向かうとハンバーグのいい匂いがする。

 

「お!今日はハンバーグか!」

 

メニューには、タマちゃんハンバーグと書いてあった。

挽肉と玉ねぎをほぼ同量使っているらしい。

 

「こりゃ美味そうだな」

 

トレーをもって並んでいると後ろからケストレルに呼ばれた。

 

「隊長!珍しいね」

 

「お、ケストレルか。今日は何となく気分でな」

 

「ねえねえ、後で執務室行ってもいい?」

 

「ん?何で?」

 

「いやー面白そうなDVD借りたから皆で見ようかと思って」

 

「あー・・・まぁ片付けしてくれるなら・・・」

 

「やった!じゃあまた後で行くから!」

 

「ほいほい」

 

また騒がしくなりそうだな・・・

 

「司令官さん、このあと執務室行く用事あったのです?」

 

「あ〜・・・あ、そうだ銃の手入れして無いからしないと」

 

「私も行っていいですか?」

 

「んな許可取らなくても大丈夫だよ。むしろ来てくれ」

 

「えへへ、了解なのです」

 

トレーに晩御飯を取り、席に向かう。

 

「和風ハンバーグなのか、ふかし芋もあるし美味そうだな」

 

「美味しそうなのです!」

 

「じゃ、いただきます」

 

「いただきますなのです!」

 

見た目通りの味と言うか、とにかく美味しかった。

すぐに完食してしまった。

 

「ふぅ、ごちそうさま」

 

「司令官さん早いのですー!」

 

「んな急がなくてもゆっくり食べればいいよ」

 

俺はのんびりと椅子にもたれる。

・・・また食べたいなこのハンバーグ。

 

「ごちそうさまなのです!」

 

「お?食べおわったか?」

 

「なのです!」

 

「んじゃ居室帰るか。風呂入ったら執務室に行くぞ」

 

「了解なのです!」

 

食器を返却し、居室に向かう。

部屋に入り冷蔵庫のコーラを開けた。

 

「かぁー!仕事終わりのコーラは美味い!!」

 

「あはは、おじさんみたいなのです」

 

「む、おじさんとは失礼な」

 

「じゃあ・・・・お兄さん?」

 

その瞬間俺の脳内に一つの欲求が生まれた。

電にお兄ちゃんと呼んでほしい。

 

「電、お願いがある」

 

「な、なんですか?なんで真剣な顔してるのですか?」

 

「お兄ちゃんと呼んでくれ」

 

「はにゃっ!?ど、どういう事なのです!?」

 

「そのままの意味だ。ほら頼む!ハリー!」

 

「え、えぇ・・・じゃあ・・・お、お兄ちゃん?」

 

「もっと可愛く!」

 

「も、もっとですか!?う、うーん・・・お兄ちゃんっ」

 

「あ〜^癒される〜」

 

「一体なんなのですか・・・」

 

その時、部屋から別の声が聞こえた。

 

『提督ってそんな趣味あったんですか・・・』

 

「ん?何だって?」

 

「どうしたのです?」

 

「なんか今変な声が」

 

「司令官さん?」

 

「まぁいいや。空耳だろ」

 

「・・・?とりあえず私お風呂行ってきますね」

 

「あいよー、その後俺も行くよ」

 

「あの・・・一緒に入るのです?」

 

「へっ!?ど、どした!?」

 

「な、何となく聞いただけなのです!」

 

「お、おう、そうか」

 

「わ、私先に行きますね!」

 

電が風呂に入るとまた声が聞こえた。

 

『まるで童貞みたいな反応するんですねこの提督・・・おもしろっ』

 

「おい!誰だ今俺を童貞とか言った奴!!」

 

「司令官さん?どうしたのです?」

 

「あ、あぁ、何でもないよ」

 

そろそろアレかな・・・疲れ溜まってるのか・・・

なんて事思いながらコーラを飲み干した。

のんびりテレビを見ていると電が出てきた。

 

「お次どうぞなのです〜」

 

「はいよー」

 

さっさと汗を流して湯船に浸かる。

 

「はぁ・・・極楽極楽・・・ってじいさんか俺は」

 

風呂場でそんな事呟きながらのんびりと1日の疲れを取る。

 

「ふぅいい湯だった。電、執務室行くかー」

 

「もう行くのです?」

 

「ケストレル達が来るって言ってたしな、なんかDVD見るとか言ってたからお前もどうだ?」

 

「私も見たいのです!あ、そうだ。お菓子とか持っていきますか?」

 

「あー・・・執務室に残ってただろ。あれで大丈夫じゃないか?アイツらも持ってくるだろうし」

 

「なら大丈夫ですね、じゃあ行くのです!」

 

「そだな」

 

執務室の鍵を取り、向かう。

俺は下が陸軍が陸上自衛隊だった時の迷彩服、上はODシャツと言うかラフな格好だ。

 

「なんか司令官さんのその格好似合うのです」

 

「ん?そうか?」

 

「はい!なんか軍人さんって感じするのです!」

 

「そっか、ありがとな」

 

なんて会話しながら執務室に入る。

部屋の中はまだ若干暑かった。

 

「軽くエアコン入れるか」

 

「温度どれくらいにするのです?」

 

「んーと、25℃くらいでいいぞー」

 

「了解なのです!」

 

「えーと、お菓子お菓子・・・トッポとポテチか。まぁこんなもんでいいだろ。あと皿は・・・」

 

ケストレル達が来てもいいように準備してやる。

賑やかなアイツらを見てるのはこっちも楽しいしな。

 

「さて、電はのんびりしてていいぞ」

 

「じゃあ司令官さんの近くで、手入れを見とくのです」

 

「んな面白いものでもないけどな」

 

俺は執務室のロッカーからMk18を取り出す。

引き出しからもP226を取り出す。

 

「もう一ヶ月くらい手入れしてないから油乾いてそうだよなぁ」

 

分解して遊底部から清掃していく。

綿棒には埃がかなりくっついた。

 

「うわ、汚ぇ・・・」

 

油を染み込ませたウエスで拭いていく。

なんて事してたらケストレル達がやってきた。

 

「入るねー!」

 

「あいよー」

 

「失礼します」

 

結構な人数が入ってきた。

ケストレルにバーベットにマーフィにいそかぜ にうらかぜ にアンドロメダに・・・あと珍しく511の姿もあった。

 

「お?ゆー、珍しいな」

 

「私も・・・DVD見たいです」

 

「あとからクズネツォフも来るよー」

 

「なんだよ現代艦しか来ないのか」

 

「ゆーもいるじゃん」

 

「まぁそうだな」

 

「ゆー、忘れられてた・・・」

 

「違うから!大丈夫!悲しい顔すんな!」

 

するとまた声が聞こえた。

 

『あー、提督こんな小さい子泣かせたー。鬼ですね。いや悪魔です』

 

だからお前誰だよ。

とりあえず置いといて。

 

「ケストレル、何借りてきたんだ?」

 

「ん?あ、これこれ!」

 

手にしたのはホラー映画だった。

しかも話題の超怖いやつ。

 

「ゆ、ゆー怖いの苦手です・・・」

 

「大丈夫だよ、映画なんて作り物だし!」

 

「まぁ騒ぎすぎない程度にな」

 

「はーい」

 

なんて話してたらクズネツォフも来た。

 

「ケ、ケストレルさん!ごめんなさい!遅くなりました!」

 

「あ〜いいよいいよー。さ、座って座ってー」

 

「何見るんですか?」

 

「ん?これ」

 

「はうっ・・・か、帰ります」

 

「逃がさないわよ?」

 

「マーフィさん離してください!私帰るんですぅ!」

 

ほぼ強制的に座らされていた。

可愛そうに・・・

 

「さて、俺も続きやるかなー」

 

俺も自分の事にとりかかる。

 

「んじゃスタート!」

 

相変わらず元気なケストレルとどういうDVDか見た瞬間一言も喋らなくなったアンドロメダとバーベット。

この2人怖がりか。

内容は幽霊屋敷の謎に迫るみたいなベターなものだった。

しかしそこは和製ホラー、ベタな展開なんて気にならない仕掛けをしてくる。

 

「キャァァァァァ!!!」

 

「ひぃぃぃぃ!!」

 

「アラーアクバル、アラーアクバル」

 

和製ホラー始めてのマーフィがいきなりぶっ壊れた。

突然アラーアクバルしか言わなくなった。

お前の方が怖い。

 

「ど、どうせ作り物だしぃ!!」

 

「そそそそそうよ!アメリカのゾンビのほうが100倍怖いわ!」

 

「いや、貴女さっきからアラーアクバルとかしか言ってないじゃない」

 

「貴女も何か今までの罪を懺悔してたじゃない!」

 

「な!何聞いてんのよ!!」

 

なんでホラー映画見てるだけで昔の罪懺悔してるのか気になって仕方ない。

ふと電の様子をみると青ざめた顔をしてカタカタ震えつつも画面を見ていた。

怖いもの見たさって感じか。

 

「観察してるのも楽しいな」

 

なんてしてる間に整備が終わり組み立てる。

チャージングハンドルを引いて動作チェックも行う。

 

「キャァァァァァ!?!?なに?なんの音!?」

 

「あ、すまん。俺だ。」

 

「貴方ねぇ・・・張り倒すわよ!」

 

「いや・・・すまんかった」

 

マーフィに本気で怒られた。

てかコイツ地味に怖がりなのね。

なんて事してる間に映画は終わった。

 

「なかなか怖かった・・・」

 

「アンドロメダ・・・」

 

「なんですかバーベット・・・」

 

「トイレ行きましょ」

 

「私も行きたいです・・・」

 

バーベットとアンドロメダが震えながら出ていった。

時刻は10時過ぎ。

外は真っ暗だ。

 

「大体こういうの見てると本物来るっていうよな」

 

「ひぃっ!?そ、そんな事言わないでください!」

 

「あ、すまん」

 

「ししし司令官さん、今日一緒に寝ようなのです」

 

「いや・・・いっつも一緒に寝てるだろ・・・」

 

「ゆ、ゆーも誰かと寝たい・・・」

 

どんだけ怖がってんだよ・・・

 

「司令官さんは怖くないのですか?!」

 

「あー・・・まぁ幽霊よりも怖いもの沢山見たしな」

 

戦場なんてそんなもんだ。

むしろ幽霊のほうが怖くない。

 

「とりあえず、もう2200だ。寝る準備しとけよ」

 

「はーい」

 

なんて事してると・・・

 

「キャァァァァァ!!!」

 

外からアンドロメダ達の悲鳴が聞こえた。

俺はすぐに銃に弾を込める。

 

「どうした!大丈夫か!」

 

銃をもって廊下にでると腰を抜かした2人がいた。

 

「どうした、何があった」

 

「あ、あ、あぁ・・・」

 

窓の外を指さしたまま固まっている。

窓を見るが何もいない。

 

「で、出た・・・出たんですぅぅ!!」

 

「はぁ?見間違いか何かだろ。とりあえず大丈夫か?立てるか?」

 

「あ、ありがとうございます・・・」

 

執務室に入った瞬間、今度は停電した

 

「おっ?」

 

「はにゃぁぁぁ!?」

 

「ひいいいい!!!」

 

まるでホラー映画だな。

なんて事思ってた。

 

「あれ、ブレーカーは落ちてないな」

 

執務室のブレーカーを見たが異常は無かった。

変だな。

 

「とりあえず回復を待つか」

 

俺は無線機を取って業務班に連絡する。

 

「提督より業務班、停電したっぽいんで確認願えるか送れ」

 

《こちら業務班、停電ってどこですか?》

 

「執務室が停電してるんだが・・・」

 

《え?ここから執務室見えますが停電してませんよ?》

 

「は?」

 

《え?》

 

その瞬間、無線機から物凄いノイズが聞こえた。

 

「おい!聞こえるか!業務班!!」

 

だが無線機からはノイズしか聞こえない。

敵の電子攻撃か?

 

「警報!現在鎮守府は電子攻撃を受けている可能性あり!対処班ーーー」

 

《アハハハハハハ》

 

「誰だ!!」

 

突然子供のような笑い声が聞こえた。

なんか洒落になんねーぞ、これ。

 

「どどどどどうしましょう!?」

 

「とりあえず落ち着け、お前らも・・・」

 

他の連中は震えて座り込んでいた。

 

「とりあえず原因を探る必要がある、全員で電気室にいくぞ」

 

「ゆ、ゆー、腰抜けちゃったぽいです」

 

「だらしないわね・・・」

 

マーフィが立たせようとするが・・・

 

「あれ?私も腰抜けちゃったわ」

 

「それキョトンとした顔で言うセリフじゃねーだろ・・・」

 

その時、扉が物凄い勢いで叩かれる。

 

「ひぃぃぃぃ!!」

 

俺は銃を構えて誰何する。

 

「誰か!!」

 

だが反応がない。

まだ扉は叩かれている。

 

「おい!ふざけるのもいい加減にしろ!」

 

ドアを蹴破るとそこには誰もいなかった。

足音も聞こえない。

天井にも床にも何も居なかった。

 

「おいおい・・・嘘だろ」

 

「ゆ、幽霊さんなのです!?」

 

「そそそそんなわけないじゃないですかかかか!!」

 

「アンドロメダさん声震えてるのです・・・」

 

「とりあえず移動しよう。マーフィはまだ車椅子だから執務室に残れ。銃は撃てるな?」

 

「ちょっと待ってよ!私1人!?」

 

「仕方ないだろ」

 

「提督の鬼!悪魔!ビンラディン!!」

 

「最後のおかしいだろ!!!」

 

わけの分からない罵倒をされた。

とりあえず電気室に向かう。

執務室からはマーフィが震え声で早く帰ってこいという感じの言葉が聞こえた。

 

「しかし・・・どういう事だ・・・俺たち以外に誰もいないぞ」

 

「なのです・・・」

 

「う、うらかぜ・・・肩つつかないでください・・・」

 

「へ?私何もしてないよ?」

 

「え?」

 

「え?」

 

「どした?」

 

ふとうらかぜ達の方を向くと・・・

 

「あ・・・」

 

血まみれの男が立っていた。

出た。

 

「あぁぁぁぁぁ!!!!出たァァァァァ!!!」

 

「もうやだぁぁぁぁぁ!!!」

 

「あ!いそかぜ!!待って!!」

 

絶叫していそかぜが逃げていった。

この状況では1人になると危ない。

 

「いそかぜ!うらかぜ、アイツを頼む!」

 

「了解っ!!」

 

その間に血まみれの男は消えた。

電気室まではあと少し・・・

 

「電、大丈夫か?」

 

「あわわわわわわ」

 

「・・・・おーい電ー」

 

「あばばばばばば」

 

「なんてこった」

 

電がいろんな意味で再起不能になった。

とりあえず担いで執務室に戻ろう。

 

 

 

 

〜マイケル・マーフィ〜

 

ホント、女の子をこんな所に1人とか何考えてんのあのバカ提督!!

 

「あーもう頭に来るわねぇ!!」

 

1人執務室で怒鳴っていると・・・

 

『あははは、すっごい怒ってますね』

 

「まったくよ!って・・・なんですって?」

 

『お久しぶりです、マーフィさん』

 

「・・・」

 

目の前に懐かしい顔が出てきた。

でてきた。

出た。

 

「ひゃわぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」

 

『ひっ!?』

 

「やらぁぁぁぁ!!!いやぁぁぁぁぁ!!来ないで!来ないれぇぇぇぇえ!!」

 

『そこまで驚かれると逆に面白いですね。てか、私の事分かってます?』

 

「いやぁぉぁぁ!!お願い!やめてぇぇ!!来ないでぇぇぇ!!何でもするから!何でもするから来ないでぇぇ!!」

 

私は頭が真っ白になって叫ぶ。

 

『ん?今何でもって?』

 

「お金でもお菓子でも何でもあげるからぁぁぁ!!」

 

『いやあの、そろそろ私に気付いてくださいよ』

 

「ひぃぃぃぃ!!しゃべったぁぁぁぁ!!」

 

『いや最初から喋ってるじゃないですか。ていうかなんですか?アレですか、お化け苦手ですか』

 

「うえええええん!!やだぁぁぁぁ!!・・・あ・・・」

 

『あ、漏らした』

 

恐怖のあまり失禁してしまった。

恐怖より恥ずかしさが上回る。

 

「うわぁぁぁぁぁん!!見ないでぇぇぇぇ!!」

 

『いやー、見ないでって言っても私こんな体なんでマーフィさんの自慰行為とかも見ちゃいましたしー』

 

「うええええええん!!!」

 

『ていうかそろそろ落ち着きましょう?それよりも何かマーフィさんめっちゃ可愛いんですけど・・・』

 

「もうお嫁に行けないぃぃぃ!!」

 

『私が結婚してやんよ!・・・なーんて、また言いたいセリフ言えました。んで、いい加減私の事分かってください。シンビルスクですよ』

 

「ふぇぇぇぇんん!!シンビルスクはもういないのぉぉぉぁ!!」

 

『いや、目の前に居ますから。幽霊ですけど』

 

「うぇ・・・目の前・・・?」

 

『あ〜・・・ようやく泣きやみましたか・・・』

 

「ふぇ・・・え・・・?シンビル・・・スク・・・?」

 

『はい、シンビルスクです』

 

目の前にはSEALsの部隊記章を付け、DDG-112と書いた帽子を被ったシンビルスクがいた。

私が棺に入れたものを身につけている

 

「なんで・・・なんで・・・あなた死んじゃったのに・・・」

 

『ほら、何か幽霊になれたんですよね、それに貴女が身につけている・・・ダイヤモンド。私はそこに居ます』

 

「へ・・・?これ・・・?」

 

『1度伝えたかったんですよね、ダイヤモンドを見るたびに貴女が寂しそうな顔をするので。私はそのダイヤモンドとなってずっと貴女と居ます。だから悲しまないでください。ビビるのはいいですけど』

 

「な、なに言ってるの?ビビってないわよ」

 

『へー・・・じゃ、その床の染みはなんですか?』

 

「え・・・?」

 

私は床を見る。

私の下半身から小さな湖が出来ていた。

 

「・・・」

 

『マーフィさんの貴重なお漏らしシーンバッチリ目に焼き付けました。』

 

私は無言で腰の拳銃を抜いた。

 

「さよなら」

 

『わぁぁぁぁぁぁ!!!ストップ!!やめてください!!』

 

「やだぁぁぁぁ!!離して!!離して!!死ぬのぉぉ!!」

 

『命を大事にしてくださいー!てか物理干渉できた私すごい!!』

 

そんなやり取りを10分ほどした。

私も疲れて冷静さを取り戻した。

 

「はぁ、はぁ・・・で、なんで鎮守府はこんなになってるのよ・・・」

 

『あ、それですか?私と防空司令部の方達でイタズラしちゃいました。てへっ』

 

「はぁぁ!?」

 

『いやー、まだ防空司令部の方達って現世に残ってるのでイタズラしちゃおうって話になっちゃいまして』

 

「なんでそんな事すんのよ!」

 

『面白いじゃないですか!あ、あと今この空間現世から切り離してます』

 

「何そのサラッとすごい事出来てるの!?」

 

『いやー皆さん、気合い入れちゃいまして』

 

「えぇぇぇ・・・」

 

『あ、たぶんもう提督さんにもネタバレされてるかも知れませんよ』

 

私はこの状況がとりあえず飲み込めない。

なに?イタズラでこんな事になってんの?

なんてしてると・・・

 

「どっこいしょ!」

 

「あばばばばばば」

 

「提督!?てか、電どうしたの?」

 

「あぁ、ちょっと・・・な・・・な・・・なぁ!?」

 

『初めまして、シンビルスクです』

 

シンビルスクはペコリとお辞儀をした。

半透明の体で。

 

「なぁぁぁぁぁぁ!?出たァァァァァ!!」

 

『あーこの反応みると皆に会ってないですね』

 

「あばばばば・・・あ・・・ここ・・・」

 

『あ、この娘が電さんですか。よろしくお願いします。シンビルスクです』

 

「幽霊なのに丁寧ね貴女・・・」

 

シンビルスクを見た電さんは・・・

 

「にゃぁぁああああああああああああ!!!」

 

そのまま気絶した。

提督も地味に震えている。

 

『あははっ!ここ面白いですね!皆さんもう出てきていいんじゃないですか?』

 

『だとよ、行くか。お久しぶりです、提督』

 

「あばばばばば」

 

『これ俺ら認識出来てなくね?』

 

『そうだな』

 

認識とか以前に周りを幽霊に囲まれたら誰でもそうなると思う。

 

『おーい、提督ー』

 

「あばばば・・・あ?あれ?お前らどっかで見たような」

 

『あ、やっと意識戻りましたか?防空司令部の連中ですよ』

 

「え、何、俺連れていかれんの?」

 

『あー、リア充なんでそうしたいですね』

 

洒落にならないこと言ってる。

そして提督にドッキリでしたと言う事を伝えていた。

すると提督は・・・

 

「つまり・・・なんだ?お前らの遊びだと・・・」

 

『そっすね』

 

「そうか・・・ところで・・・」

 

提督は拳銃を取り出す。

 

「墓にはなんて・・・刻んでほしい?」

 

『ちょいちょいちょいちょい!!!』

 

『提督落ち着いてください!!』

 

「提督落ち着きなさいって!」

 

「うるせぇぇ!!てかお前小便臭いんだよ!」

 

「・・・ぶっ殺すわよ?」

 

『やっちゃっていいと思いますよ?』

 

私は問答無用で提督の顎に1発アッパーを食らわせた。

提督はそのまま崩れ落ちた。

 

『さて、十分楽しめたのでそろそろ元の現世に戻しますか』

 

『せやな。楽しかったぜ嬢ちゃん』

 

もとの現世に戻る・・・そうなるともうシンビルスクとは会えないのかな・・・そう思っていると

 

『もう会えない・・・そう思いました?』

 

「え、分かるの?」

 

『顔をみたら。でも大丈夫です。そのダイヤモンドに私は居るんです。気が乗れば貴女の夢にでも出ますね。あ、たまに枕元に立ちます』

 

「それは怖いからやめて」

 

『あははは!漏らしちゃいますもんね!』

 

「こんのぉ・・・」

 

『まぁこれくらいにして、じゃ現世に戻しますね』

 

そうシンビルスクが言うと突然の眠気に襲われた。

 

「ん・・・ん?」

 

目を覚ますと執務室だった。

提督はまだ気絶している。

 

「みんな居る・・・」

 

まるでさっきまでの事が嘘だったみたいにDVDを見る前に戻っていた。

時間も2200だ。

 

「シンビルスク・・・」

 

私はダイヤモンドを握りしめた。

すると声が聞こえた。

 

『私はいつも貴女を見守っています。だから安心してくださいね』

 

「シンビルスク?!」

 

その後の声は聞こえなかった。

でもダイヤモンドの中にいてくれる。

そう思うだけで心強かった。




最後の方に集中力切れましたごめんね!(๑>؂•̀๑)テヘペロ


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艦娘の日常

イチャコラメインで書きたくなったから書いた( ˆpˆ )


「どっか出かけるかなー」

 

カレンダーを見ながら呟く。

今日は土曜日だ。

 

「あ!私お買い物行きたいのです!」

 

「よし、んじゃ行くか!何買うんだ?」

 

「んと、服と最近出たドラマのDVDほしいのです!」

 

「了解!んじゃ車でも用意すっかな」

 

「車で行くのです?」

 

「たまには運転しないとな」

 

「司令官さんとドライブ楽しみなのです!」

 

「うし!んじゃ着替えて行くか!」

 

「なのです!」

 

着替えて出かける準備をする。

ガソリンあったかな・・・

 

 

〜マイケル・マーフィ〜

 

「はぁ・・・暇ね・・・シンビルスクの幽霊でも出ないかしら」

 

なんて呟くと・・・

 

『呼びました?』

 

「きゃぁぁぁぁぁ!?!?!?」

 

『わぁ!?びっくりしますよ!なんですか!』

 

「ででで出たぁぁぁぁ!!」

 

『そりゃ貴女が呼んだんですから出ますよ!呼んでといてビビるってなんですか!失礼な!』

 

突然の事にびっくりしたがよく見るとシンビルスクだった。

 

「あ・・・シンビルスク・・・」

 

『そうですよ!もうなんで涙目なんですか!』

 

「だってびっくりしたのよ!」

 

『呼んだのそっちじゃないですか!』

 

「だからっていきなり出ることないじゃない!」

 

『なんですかそれ!てか私昨日の夜からずっとこの部屋居ましたし』

 

「へっ・・・?」

 

『マーフィさんの恥ずかしい事してる所見ちゃいましたし』

 

「・・・・・・・」

 

思いある節がいっぱい出てきて頭が真っ白になる。

たぶん顔は真っ赤だ。

 

『マーフィさん彼氏欲しかったんですねー。しかも彼氏居ること想定してあんな事しちゃうなんて・・・昨日のマーフィさんエロかったですよ?』

 

「あわわわ・・・・・・」

 

私はまた無言で机に置いてあった拳銃をとって頭に押し付ける。

 

「今度こそさよなら」

 

『わぁぁぁぁ!!だから落ち着いてくださいってばー!!』

 

「何よ離してよ!私もう死ぬのー!」

 

『だから命は大切にー!』

 

シンビルスクが腕を押さえつけてくる。

 

『あ、そうだ。私物理干渉できるなら・・・あはっ、いい事思いつきました』

 

その瞬間私は金縛りにあう。

 

「あ・・・ちょっとシンビルスク!何してるの!?What are you doing now!?」

 

『私英語分かりません。んでこのままベットへゴー』

 

「何勝手に体動かしてるのよ!やめてぇぇ!!」

 

そして私はベットに寝転んだ状態になる。

何か嫌な予感がする。

 

「ちょ、ちょっとシンビルスク・・・何する気なの・・・?」

 

『んー・・・昨日のマーフィさん何か満足出来てなかったようなので私がお手伝いしちゃいます』

 

「お、お手伝い・・・?何かしら?すごく嫌な予感がするわ」

 

『とりあえず服脱ぎましょうか』

 

「いやぁぁぁぁぁ!!ちょっと!ちょっと待ってよ!これあれじゃない!いそかぜ と うらかぜじゃない!!」

 

『実は数日前から気の強いマーフィさんをイジメたくてあの2人見て研究してました』

 

「何考えてんの!?」

 

そんな事言ってる間には私は生まれたままの姿に・・・

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!私こんなの・・・」

 

『いつもパンツだけ脱いでましたもんね』

 

「そういう話しなくていいからぁぁ!!」

 

『えーと、マーフィさんの弱い所は・・・』

 

「いやぁぁぁぁぁ!!やめてぇぇぇ!!」

 

そこから1時間くらいシンビルスクにイジメられた。

死にそうよ・・・

 

「あぅぅぅ・・・もうやらぁぁ・・・」

 

『ヤバイです、私何か新しい趣味に目覚めそうです』

 

今度はシンビルスクが脱ぎだした。

 

『幽霊なんで出来るかどうか分かりませんが私も一緒にやっちゃいます!』

 

「ま・・・まだするのぉ・・・?」

 

『私がちょっと満足出来ません』

 

「もうやめてぇぇぇ・・・」

 

結局、お昼ご飯の時間まで4時間くらいシンビルスクにイジメられた。

 

 

 

〜ケストレル〜

 

「アンドロメダ?準備出来た?」

 

「ま、待ってください!」

 

「遅いよー!」

 

私はアンドロメダの様子を見に行く。

アンドロメダは必死にオシャレしていた。

 

「そんな気合い入れなくてもいいから」

 

「だ、だって・・・その・・・」

 

今日はアンドロメダと彼氏の友達をくっつけようと彼氏と相談した作戦を実行する日だ。

彼氏の友達は告白したくても勇気が出ないらしく、アンドロメダも会いたいけど忙しくて会えないという感じだった。

 

「お、お待たせしました!」

 

「ほいほい、行こっかー」

 

「うぅ・・・やっぱ恥ずかしいです・・・」

 

「んー?そう?いいじゃん、頑張りなって!」

 

「で、でもぉ・・・」

 

「私は彼氏と2人で何処かいくからそっちは2人で楽しめばいいよ!」

 

「はぅぅぅ・・・」

 

なんて会話してるうちに駅につく。

ここで待ち合わせだ。

 

「さて、あのバカ、彼女を待たせるとはいい度胸してるねぇ」

 

「わ、私達のほうが早く着きましたし・・・」

 

「まぁそうだけどね」

 

ケータイを弄りながら待ってると2人が来た。

 

「おまたせー!って、まだ時間より早いよ?」

 

「んー何となく早く来ただけだよ。んで・・・10分待ったから・・・なんか奢りなさい!」

 

「えぇぇ!?」

 

「へへ、嘘だよ。んじゃ行こうか」

 

「うん、今日はどこいこうかな・・・」

 

「それくらい考えててよー!」

 

なんて会話しながら後ろを見ると、顔を真っ赤にしたアンドロメダとめっちゃおどおどしてる男がいた。

 

「あれ・・・どうすんの・・・?」

 

「あー・・・まぁ今日は正樹が頑張るって言ってたし・・・」

 

「じゃあ、私たちは先に行こっか!」

 

「とりあえずゲーセンでも行く?」

 

「いいねぇ、私よりスコア低かったらジュースね!その代わりタクミが勝ったら何でも言う事聞いてあげる」

 

「よっしゃ!絶対勝つ!」

 

「その代わりゲームは私が選ぶから」

 

「マジですか・・・」

 

「不満?」

 

「大丈夫です・・・」

 

何でも言う事聞くといった瞬間目の色変えやがったなコイツ。

まぁ、私が負けることはない!たぶん!

 

 

 

〜アンドロメダ〜

 

「・・・」

 

「・・・・・」

 

私はなに話していいか分からずずっと髪の毛をいじっていた。

彼も何をしていいか分かってないようだ。

 

「あ、あの!」

 

「ふぇ!?」

 

突然、呼ばれる。

私はびっくりして変な声が出た。

 

「な、なんでひょうか・・・?」

 

噛んだ。

恥ずかしい・・・

 

「ちょ、ちょっとこっち来てもらっていい?」

 

「は、はい」

 

私はきっと顔真っ赤だろう。

普段の仕事ならこんな事ないのに・・・

そして人通りの少ない場所に来た。

 

「あ、あの、どうしたんですか?」

 

「え、えっとだな・・・その・・・」

 

彼もまた顔真っ赤だ。

でも深呼吸して、覚悟したような顔になる。

 

「アンドロメダさん!」

 

「は、はい!?」

 

「お、俺と・・・その・・・付き合ってください!!」

 

「え、えええええ!?」

 

突然の告白。

どうしていいか分からなくてあたふたする。

 

「え、えっと・・・えっと・・・!」

 

彼は答えを待っているようだ。

私も勇気を出して答える。

 

「え、えっと・・・わ、私こそ・・・す、好きです!」

 

勇気を出して答えた。

彼は顔を真っ赤にしている。

 

「え、えっとじゃあ・・・これで恋人だな!」

 

「そそそそうですね!」

 

「アンドロメダ・・・じゃ長いよね」

 

「そそそそうですね!」

 

「・・・アンドロメダさん?」

 

「そそそそうですね!」

 

「あー・・・ダメだこりゃ」

 

私は頭が真っ白になって壊れたラジオのようになっていた。

 

「アンドロメダ?」

 

「ひゃい!?」

 

「あ、やっと気づいた」

 

「え、えと・・・ごめんなさい」

 

「謝らなくていいよ。じゃあどっか行こうか!」

 

「は、はい!」

 

「とりあえずカラオケでも」

 

「カラオケ・・・いいですね!」

 

「なんかやっと普通に喋ってくれたね」

 

「はぇ!?そ、そうですか?」

 

「うん、なんかそれもそれで可愛かったけど」

 

わたしはたぶんその瞬間頭から湯気が出ていたと思う。

すると手に暖かい感触があった。

 

「せっかくだし、手、繋ごっか」

 

「あぅぅぅ・・・」

 

「はは、真っ赤なアンドロメダ可愛いな」

 

「こんなに私を恥ずかしめるなんて許しません・・・」

 

そして手を繋いで歩く。

駅前のカラオケ店に着き、2人で中に入った。

すると正樹の友達らしき人が話しかけてきた。

 

「お!正樹じゃん!なに・・・して・・・ん・・・の・・・」

 

「おっす!奇遇だな!」

 

「あぁぁぁぁぁ!!!!貴様ぁ!!俺達と誓った非リア充同盟はどうしたァ!!」

 

「ふっ・・・遠い過去に・・・捨ててきちまった・・・ぜ」

 

「やめろ一真・・・コイツはもう俺らの手の届かない所に行ってしまったんだ・・・」

 

「あははは・・・」

 

私はその状況を苦笑いして眺める。

そして正樹に連れられて部屋に入った。

 

「じゃあアンドロメダから歌おうか」

 

正樹は意地の悪い顔をした。

 

「え、えぇ・・・は、恥ずかしい・・・」

 

「大丈夫だって!」

 

私はしぶしぶ曲を入れて歌った。

最初は恥ずかしたかったがだんだん楽しくなって最後の方は私がマイクを離さなくなった。

 

「アンドロメダ、歌上手いね」

 

「えへん!もっと褒めていいんですよ!そして私の歌を聞けー!」

 

「でもそろそろ変わってほしい・・・」

 

楽しい時間が過ぎていった。

 

 

〜ケストレル〜

 

「あの2人大丈夫かな」

 

「大丈夫だよ、正樹意外としっかりしてるし」

 

「しっかりやる事ヤってたり・・・」

 

「うわぁぁぁ!!正樹に先に卒業されるのは嫌だぁぁ!!」

 

「何よそれ」

 

私は苦笑いする。

なんてしてると・・・

 

「あ」

 

「あ、勝った」

 

10点差でタクミにスコアが負けてしまった

 

「うわぁぁぁ!!負けたぁぁぁ!!」

 

「よっしゃぁぁ!!言う事聞いてもらうからね!」

 

「くっ・・・殺せぇ・・・」

 

「じゃあ・・・」

 

タクミは僕の行くところに着いてこいという内容だった。

どこに連れていかれるんだ私は・・・

ゲーセンを出て10分も歩いたところで私は察した

 

「ちょ!!ここホテル街じゃないの!」

 

「僕も決めたんだ!今日男になるって!」

 

「私決めてないぃぃ!!」

 

なんてしてると目の前のホテルからアンドロメダと正樹が出てきた。

2人とも物凄く幸せそうな顔をしていた。

というかアンドロメダは女の顔をしていた。

 

「ア、アンドロメダァァァ!?」

 

「ふぇ!?ケ、ケストレルさん!?」

 

「ふっ・・・タクミか・・・」

 

「あ、あぁ・・・馬鹿なぁ・・・」

 

「悪いな・・・俺が・・・先に男になった・・・」

 

「くそぉぉぉ!!」

 

何だこれ。

 

「アンドロメダ!何してんの!?」

 

「な、何って・・・きゃっ」

 

「あわわ・・・」

 

私は若干ヤケになりタクミの手を引く。

 

「わぁぁ!!ちょっと!」

 

「グッドラック・・・タクミ」

 

ほぼ無理やりホテルに連れ込んだ。

 

「ケ、ケストレルさん?」

 

「わ、私もだって・・・私だって出来るし!」

 

「な、何が!?」

 

「さっさとシャワー浴びてきなさいよー!私も行くからー!」

 

「りょ、了解です!」

 

タクミは不格好な敬礼をしてシャワーを浴びに行った。

私はもう引き返せないと思い腹を括った。

 

「わ、私だってもう卒業してやるし・・・」

 

アンドロメダに先を越されたのが悔しいのか何なのか・・・

なんてしてるうちにタクミが出てくる。

 

「お、お先であります!」

 

「わ、私もいくから!」

 

そして私もシャワーを浴びる。

心臓の鼓動が早い。

体をキレイにして外に出る。

タクミはすごいいい姿勢でベットに座っていた。

私はそれに速足で近づく。

 

「え、えっとケストレルさん?」

 

「んっ・・・!!」

 

「んんん!?」

 

ほとんど無理やりキスをした。

そのままタクミに押し倒された。

 

「も、もう後戻りとか無しだよ」

 

「わ、分かってるよ!」

 

そしてそこで私もついに1線を超えた。

 

 

 

〜提督〜

 

「ふぃ・・・ただいまっと」

 

「ただいまなのです〜」

 

「執務室に置くものだけ持っていくかー」

 

「そうですね!」

 

時刻は午後6時

外も薄暗くなった。

 

「いそかぜー、電話番ありがとうな」

 

そう言いながら部屋に入る。

 

「あ、司令官。お疲れ様です。特に電話はありませんでした。強いていうなら詐欺の電話来たので逆探知してトマホーク撃ち込んだくらいですね」

 

「うん、なにめっさ過激な事してらっしゃるの!?」

 

ツッコミどころ満載だがとりあえず置いておく。

執務室に補充のコーヒーや紅茶を置く。

そんな事してたら外から車椅子の音が聞こえた。

 

「ん?マーフィか?」

 

ドアを開けたら・・・

 

「あうううう・・・・シンビルスク・・・もうやらぁぁ・・・」

 

『あ、提督さん、お疲れ様です。ちょっとイジメすぎちゃいました!てへっ』

 

車椅子に座りながら燃え尽きたマーフィとその後を半透明で浮遊しながら車椅子を押すシンビルスクの姿があった。

 

「絵面怖すぎだろ!!」

 

『マーフィさんどうしましょう?』

 

「部屋に戻して休ませてやれよ!」

 

「やらぁぁ・・・部屋に帰ったらまたシンビルスクが・・・」

 

『もう少し愛を深めましょうか』

 

「いやぁぁぁぁぁ!私どうせするなら男の子がいいのぉぉぉ!!」

 

よく見るとマーフィは椅子に拘束されていた。

シンビルスクはめっちゃ悪い笑顔をして車椅子を押して行った。

 

「・・・・」

 

そんな事をしていると

 

「うわぁあぁぁ!?マーフィさん!?」

 

ケストレル達が帰ってきた。

 

「お、ケストレルにアンドロメダ。おかえり」

 

「ただいまー!ねえ隊長聞いて!タクミったら早いのよー!」

 

「へっ?何が?」

 

「ケ、ケストレルさんより早く卒業してやりました」

 

「へっ!?なんだって!?」

 

何となく想像が付いた。

ていうかアンドロメダは彼氏出来たのか。

 

「まぁ・・・幸せなのはいいが・・・それは俺に報告しなくていいから・・・」

 

「おっと、それは失礼。でも安心して!避妊したから!」

 

「そういう問題じゃねーから!」

 

「え・・・ゴム足りたんですか・・・」

 

「うぉぉぉぉいいい!!」

 

目の前の2人のガールズトークには付いていけない。

ていうか、ちょっと前までケストレルはこんな話したら顔真っ赤にしてただろ!

 

「まぁ・・・うん、お幸せにな」

 

「はーい!どうもねー!」

 

「あ、ありがとうございます」

 

2人は寮に帰っていった。

いろんな意味でエンジョイしてんな・・・

 

「司令官さん、あの2人どうしたのです?」

 

「あー・・・大人の階段登ったっぽいな」

 

「?」

 

その話を聞いたいそかぜは。

 

「ケストレルさんアンドロメダさん・・・後で話聞きます!」

 

何やら楽ししうな笑顔をしてた。

 

 




そろそろR-18タグ着きそうだね(・∀・)


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DDG-151 ネイサン・ジェームズ

とある海外ドラマネタ入れました(´∀`)
てかそれメインだな(・∀・)
あとぜんぜん関係ない話、前期の同期が後期教育で第一空挺団行ったんだけど、あの第一狂ってる団噂の1部は本当らしい・・・空挺団怖い。



「暇だ・・・」

 

執務室で一人呟く。

今日は珍しく仕事が無い。

あるにはあるが量も大したことなかった。

 

「建造でもしてみるかな・・・」

 

なんて呟いていたら突然部屋のドアとか戸棚が開いたり閉まったりし始めた。

ポルターガイストが始まった。

だが一瞬で犯人が分かる。

 

「おいコラ、シンビルスク!やめろ!」

 

『えー・・・てか何で私って分かるんですかー』

 

「お前くらいだろこんな悪戯すんのは!」

 

『ほんとに私だけだと思いました?』

 

「え、何それ」

 

『ほら・・・貴方の後ろにも・・・』

 

「はぁ?後ろ?」

 

後ろを振り向くと窓ガラスに焼け爛れた人間の顔があった。

表情が分からないくらい焼け爛れているが物凄い形相で睨んでいることだけは分かる。

控えめに言って超怖い。

 

「おわぁぁぁぁぁぁ!?!?」

 

『いやぁぁぁぁぁ!!?出たぁぁぁぁぁ!!』

 

「なんでお前もビビってんだよ!」

 

『何となく怖そうな人呼んでみたらめちゃくちゃ怖い人がぁぁぁぁ!!!』

 

「お前かよ呼んだの!お帰り願え!!」

 

『あ、悪霊退散!アラーアクバル!』

 

「なんでイスラム教徒と化してんだお前は!」

 

『じゃ、じゃあ、マーフィさんと結婚出来ますように!』

 

「出来ねーだろお前死んでんだから!!てかそれ幽霊に頼むことじゃないよね!?もう一つ言うと幽霊がお願いする事じゃねーだろ!!!」

 

ふと後ろを振り向くと例の幽霊は呆れた顔をして消えた。

 

『あ・・・帰ってくれました・・・』

 

「お前な・・・マーフィの所にでも行っとけ・・・」

 

『いやー、マーフィさんイジメすぎて気絶しちゃんたんですよねーあはは!』

 

「あはは!じゃねーよ!何お前もクレイジーサイコレズになってんだ」

 

この鎮守府に2組もレズカップル要らない・・・

俺はとりあえずこの空間から逃げたかった。

 

「電でも連れて建造にでも行こ・・・」

 

『いってらっしゃい、貴方に神のご加護がありますように』

 

「何今更良いキャラぶってんだよ!」

 

『いいじゃないですかー』

 

とりあえず俺はさっさと工廠に向かう。

その途中の廊下で電を見つけた。

 

「あ、電ちょうどいい所に」

 

「?なんですか?」

 

「ちょっくら工廠まで着いてきてくれ」

 

「了解なのです!」

 

というわけで工廠前。

相変わらずちっこい妖精が動き回っている。

 

「お!てーとく!おひさー!」

 

「ういっす、2隻分建造頼めるか?」

 

「うむ!任せられよ!」

 

機械に資材を突っ込んでいく。

そしておもむろに高速建造材を取り出した。

 

「出てこいクソッタレぇぇぇぇ!!!」

 

「それ建造で言うセリフじゃない。」

 

「ストレス溜まってるのですか・・・?」

 

「たぶんな」

 

そして扉が開く。

さてどんなバケモノが出るやら・・・

 

「提督さん、お疲れ様です。練習巡洋艦鹿島、着任です。うふふっ」

 

「か、鹿島・・・?」

 

「はい?何でしょうか?」

 

「うわぁぁぁぁ鹿島ぁぁぁぁ!!よく来てくれたぁぁぁ!!バケモノ意外がやっと出たァァ!!」

 

「きゃっ!な、なんですか!?」

 

思わずまともな艦娘が出たことに喜びさけんでしまった。

 

「あ、すまん、俺はここの提督だ。とりあえずあと一人出てくるからソイツがきたら鎮守府を案内するよ」

 

「ありがとうございます、ふふっ」

 

鹿島は優しく微笑んだ。

電は若干ムスッとしていた。

 

「どした電」

 

「・・・なんでもないのです」

 

「ん?そか?」

 

『鈍感提督め・・・』

 

「ん!?シンビルスク!?」

 

「シンビルスク?」

 

「あ、あぁ、何でもないよ」

 

そんなことしているうちにもう一つも終わった。

今度は誰が出てくるやら。

そして扉が開いた。

 

「DDG-151ネイサン・ジェームズ参上!ミサイル迎撃から疾病対策までお任せだよ!」

 

「・・・結局はこうなるのか・・・」

 

「あれぇ!?なんでガッカリしてるの!?」

 

「なんでもない・・・てかお前、アーレイ・バーク級か?」

 

「うん!そうだよ!」

 

「んじゃお前の姉がここにいるから後で挨拶でも行くか」

 

「姉!誰々!?」

 

「マイケル・マーフィだよ」

 

「お!マーフィ居るんだ!」

 

「ネイサン・ジェームズさん、鹿島です。よろしくお願いしますね」

 

「電なのです!よろしくなのです!」

 

その時、ネイサン・ジェームズは少しだけビクッとして笑顔に戻る。

 

「うん!よろしく!私もみんなに負けないように頑張るよ!」

 

俺は若干違和感を覚えたがとりあえず気のせいということにした。

 

「んじゃ、鎮守府案内にでも行くか。電も一緒に行くぞー」

 

「了解なのです!」

 

というわけで鎮守府を案内していく。

特に面白い場所もないが。

 

「ホントはもうちょい施設あったんだが・・・ミサイル攻撃受けてな」

 

「えー、私なら一瞬で迎撃したのにー」

 

「提督さん、ミサイルって何ですか?」

 

「あー、そっか。鹿島は分かんないよな。ジェームズ、教えてやってくれ」

 

「お任せあれ!えっとね!」

 

ジェームズはミサイルの概要を簡単に説明した。

内容を聞いた鹿島は若干震え上がっていた。

 

「つ、つまり、狙ったら絶対そこに飛んでくるんですよね・・・」

 

「んー、まぁそだね」

 

「しかも音の早さで・・・」

 

「物によったら音の3倍とかだよー」

 

鹿島は更に青ざめた。

ついでに電も青ざめた。

 

「司令官さん!ミサイルって早くても亜音速くらいで飛んでくるって言ったじゃないですかぁ!!」

 

「あー・・・まぁ特殊な対艦ミサイルはマッハ3くらいだな」

 

そういや教育し忘れてた。

なんて思っていたら若干ヤツれたマーフィが前から来た。

 

「あら、提督じゃない。その2人はどうしたの?」

 

「ああ、さっき建造したんだ。お前の妹もいるぞ」

 

「へっ?妹?」

 

「会いたかったよマーフィー!!」

 

「え、きゃっ!!」

 

「私、ネイサン・ジェームズだよー!お姉ちゃんー!」

 

「え・・・?ネイサン・ジェームズ?艦番号は?」

 

「DDG-151だよ!どしたの?」

 

「・・・ごめんさない。私貴女を知らないわ」

 

「え・・・?」

 

知らない?どういう事だ

 

「同じアーレイ・バーク級じゃないのか?」

 

「お、同じアーレイ・バーク級だよ!」

 

「・・・貴女何を言っているの?アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦に100隻目は居ない。それに私はアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦で最新型なのよ。151なんて存在しない。」

 

「え・・・だ、だって私・・・」

 

存在しない艦・・・どういう事だ。

 

「え、えっと提督さん、私混乱してきました。」

 

「俺もだ。」

 

「わ、私もなのです」

 

俺たちは完全に混乱していた。

1番混乱しているのはジェームズだろう。

 

「で、でも私!あなたがお姉ちゃんって知ってるんだよ!」

 

「・・・ごめんなさい。私には分からない。アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦はまだ62隻しか居ない。私が今ある中で最後に就役した艦なんだから」

 

俺は一つ、ふと思ったことがあった。

いそかぜ のようにパラレルワールドの艦が建造されたのではないか。

SFチックな話ではあるが、いそかぜ と うらかぜ がいい例だ。

 

「なぁジェームズ、お前の記憶にある世界情勢はどうなっている?」

 

「世界?えっと・・・あまり喋りたくない・・・」

 

さっきまで明るかった顔が一気に暗くなる。

 

「どうしてだ?」

 

「・・・言いたくないの!!・・・みんなを信じれなくなるから・・・」

 

突然叫ぶ。

みんなを信じれない?

 

「とりあえずマーフィ、ジェームズはお前の知ってる世界の艦じゃなさそうだ」

 

「どういう事よそれ」

 

「いそかぜ と同じだ」

 

「ブイ・ウェッブ艦って事?」

 

「いや、ジェームズは普通のアーレイ・バーク級だろうが・・・コイツに何かあったんだろう」

 

そんな話をしてる後ろでは電と鹿島がジェームズを宥めていた。

 

「ジェームズさん、大丈夫なのです?」

 

「うん・・・大丈夫。二次大戦の艦なら大丈夫だから・・・」

 

「二次大戦の艦ならってどうしてですか?」

 

「ごめんね、今は話したくない。私の事きっと嫌いになるから」

 

「まぁ、話したくないならまた話せるようになってから教えてくれ。いつでもいいよ」

 

俺はそう言って鹿島と寮に帰らせた。

 

「司令官さん、ジェームズさんどうしたんですか?」

 

「さぁな・・・」

 

そんな話をしていると。

 

『そんな時に私参上です』

 

「にゃぁぁぁぁぁ!?!?」

 

「おわっ!?シンビルスクか!?いきなり出てくんな!」

 

『あ、電さんごめんなさい。提督さんもついでにごめんなさい』

 

「上官に対していい態度してんなお前・・・」

 

『えへへ』

 

「えへへじゃねーよ!」

 

『まぁそんな事置いといて、ちょっと記憶でも見てきましょうか?』

 

「いや、しなくていい。知られたく無いことだってあるだろう」

 

『んー・・・まぁそうですね、じゃ私はこの辺で』

 

「はいよ、じゃーな」

 

シンビルスクはそのまま消えた。

 

「電、とりあえず執務室に・・・電?」

 

「くぁwせdrftgyふじこlp」

 

「・・・・・・」

 

 

 




気づく人は気づいたかな?
ザ・ラストシップの主人公的駆逐艦のネイサン・ジェームズを出してみた。
とりあえず、やたら明るいアホの子で戦闘になるとやたら冷静みたいなキャラにしようと思ってるけど変更は受け付けるよ(゜∀。)


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DDG-151 ネイサン・ジェームズ 2

今回短めだよ\(°∀° )/




「んだぁぁぁぁ!!!終わるかちくしょう!!」

 

大量の事務仕事を前に叫ぶ。

時間は2200だ。

昼はあんなに暇だったのにいきなり夜に仕事が舞い込んだ。

電は疲れていたようなので先に部屋に帰らせた。

 

「はぁ・・・海風にでもあたるか・・・」

 

俺は冷蔵庫からよく冷えたビールを持って外に出る。

今日は月が良く見え外が明るい。

 

「はぁ・・・誰が仕事手伝ってくれないかな・・・」

 

なんて事呟いてると埠頭に小さな灯がみえた。

タバコの火のようだ。

 

「誰だあれ」

 

近づいてみると。

 

「あら?ジェームズか?」

 

「提督?」

 

「奇遇だな。てか、お前タバコ吸うんだな」

 

「まあね。なんか吸ってないとやってらんないよ」

 

「昼みたいな元気さも無さそうだが」

 

「あんなのキャラ作ってるって分からない?」

 

ジェームズは冷たくそういった。

 

「まったくさぁ・・・私にも色々あるだよ。まぁ、こうやってタバコ吸うのもみんなが居ない時にしてるけど」

 

「そうか」

 

俺も隣に座りビールを開けた。

 

「何勝手に隣に座ってるの?」

 

「いいだろ別に」

 

「まぁいいけど・・・てかもう1本ないの?」

 

「ビールか?生憎、お前がいるとは分からなかったしな」

 

「気のきかない提督だね」

 

「うるせぇ」

 

昼とはずいぶん性格が違う。

今のジェームズはとても冷たい感じがする。

 

「で、提督。ビール飲んだら帰るの?」

 

「んー。まぁそうだな。お前と話していたい気もするが」

 

「なにそれ口説いてるの?」

 

「俺はもう電が居るから他には要らん。ただ単にお前の話が聞きたいだけだ」

 

「はぁ・・・まぁいいか。提督なら艦娘じゃないし」

 

「なんでまた艦娘が苦手なんだ?」

 

「苦手って訳じゃないけどね。昔の事のせいでね」

 

「なるほどな」

 

ビールを飲みながら聞く。

 

「私ってね、ある意味で人類最後の希望の艦・・・ラストシップだったのよ」

 

「ラストシップ?」

 

「そ、ラストシップ。感染すると致死率が90%以上の病気が流行ってたんだ」

 

「また恐ろしいな」

 

「最初は極秘任務で出てる間に流行ってたから私自身も病気の事は知らなかった。ただ、ウイルス学者が乗ってた」

 

ジェームズはそのまま続ける。

ジェームズ曰く、そのウイルス学者はウイルスの原子株を見つけてワクチンを作りたかったらしい。

 

「そしたらどこから嗅ぎつけたのがロシア人が原子株を渡せってキーロフ級で襲ってきてね、まぁ大変だったよ」

 

「キーロフ級か・・・キーロフ級は苦手か?」

 

「どういう意味それ。まぁ、苦手だよ、正直ね」

 

「そうか・・・」

 

「どうしてそんな事聞くの?まるでここにキーロフ級いるみたいだよ」

 

「いやまぁ・・・一人居るんだがな・・・」

 

「ふーん・・・名前は?」

 

「ピョートル・ヴェリーキー」

 

「ヴェルニじゃないならいいよ。アイツには借りがあるから」

 

「借り?」

 

「仲間一人殺された。まぁそれだけ」

 

「・・・そうか」

 

「なに暗い顔してるの?」

 

「いや、悪いこと聞いたかなって思ってな」

 

「別に大丈夫だよ。んで、続きだけどさ。ヴェルニにを海の藻屑にしたあとはワクチンが完成した。まぁそれだけなら良かったけど」

 

ウイルスの免疫を持ったグループが襲いかかってきたらしい。

今度は原子力潜水艦を持ってきて。

 

「アスチュート級潜水艦だったかな。アキレスって言ってた。おかしいよね、同盟国の潜水艦なのに」

 

「どうしてみんなお前を狙ったんだ?」

 

「ヴェルニは原子株を奪ってワクチンを作ってそれで世界を掌握しようとした。アキレスは単に私が邪魔だった。免疫者だけの社会を作ろうとしたらね」

 

「世紀末だな・・・」

 

「ホントに。ま、そんな所で私はどうしても艦娘に対して不信感が取れないんだよね。何かしてくるわけじゃないけど」

 

「トラウマってのはなかなか取れないもんだよ。そうだ、いそかぜにでも相談してみろ。いい話相手になってくれるかもな」

 

「なんで?同じイージスだから?」

 

「・・・アイツは仲間を沈めたんだ」

 

「そうなんだ・・・」

 

「まぁ、わざとではないしな。そんなわけだ、アイツならいい相談相手になってくれるかもしれない。ケストレルはお前と似通った感じかもな」

 

「ケストレルって・・・あの空母艦娘だっけ?」

 

「そうそう、アイツの場合は戦争中だったが・・・アイツもアイツで姉を沈めたんだ。まぁ、正確には俺達が沈めた」

 

「え?どういう事?」

 

「俺はアイツが艦の時代に乗艦してたんだよ」

 

その時の戦争の話をした。

オーシアやユークトバニアという国名に首を傾げてはいたが。

 

「そうなんだ。なんかそれ聞いたら安心したよ、私だけじゃなかったんだね」

 

「そういう事だ。お前1人苦しまなくていいよ」

 

「ありがと、すっきりしたよ」

 

ジェームズはもう1本タバコを加えてポケットをゴソゴソしていた。

 

「2本目か」

 

「昼間はなかなか吸えないからね。ニコチンの補給だよ」

 

「そか。まぁ健康には気をつけろよ」

 

「はいはい・・・ってあれ、火がつかない」

 

「オイル切れか?」

 

「あ〜あ・・・提督火、持ってない?」

 

「火か・・・あ〜、マッチならあるぞ」

 

「それでいいや」

 

「ほらよ」

 

マッチを投げて渡す。

彼女は見事にキャッチした。

 

「どーもね」

 

ジェームズはタバコに火をつけていた。

月明かりに照らされてタバコを吸ってる横顔がなんだか映画の主人公みたいだった。

 

「なに見てんの?」

 

「いや、何となく」

 

「あ、そ」

 

ジェームズはマッチを投げ返してきた。

 

「んじゃ、風邪ひくなよ」

 

「言われなくても大丈夫だよ」

 

そう言ってその場を去った。

 

 

〜次の日〜

 

「んあ・・・」

 

起きると執務室の机だった。

 

「やべ、あのまま寝てたのか・・・」

 

口元のヨダレを拭っていたらドアがノックされた

 

「はいよー」

 

「司令官さん!ここにいたのですかー!」

 

「ありゃ、電?」

 

「昨日帰ってこないから凄い心配したんですからね!!」

 

「すまん、まさかの寝落ちしてた」

 

「お仕事終わったのです?」

 

「あぁ・・・なんとか・・・」

 

昨日の夜、マーフィが寝て暇になったシンビルスクが執務室に来たので頼み込んで手伝ってもらった。

幽霊に手伝わせるって凄い構図だが・・・

電とそんな話をしていると鹿島が入ってきた。

 

「おはようございます提督さん、今日の訓練って何がありますか?」

 

「あー・・・そだ、ジェームズの戦闘能力のデータが欲しいからな、鹿島がその情報収集係で」

 

「了解しました」

 

鹿島は敬礼して出ていった。

 

「そういえば司令官さん」

 

「ん?なんだ?」

 

「司令官さんタバコ吸うのです?」

 

「またどうした?」

 

「いえ、なんだが服からタバコの臭いがしたので・・・」

 

「あぁ、ジェームズか」

 

「ジェームズさんですか?」

 

「アイツ、タバコ吸ってるからな。まぁ、本人はそういうキャラじゃないから言わないでって言ってたが」

 

「それ言っちゃっていいのですか・・・」

 

「電には隠し事無し、だろ?」

 

「そうですけど・・・ま、まぁ私は誰にも言わなければ問題ないですね!」

 

そんな話をしてたら今度はジェームズが入ってきた

 

「おっはよー!」

 

「おっす」

 

「今日ってなんかあるの?」

 

「お前の戦闘能力を把握するテストみたいなのするぞ」

 

「ほう!私の本気を見せる時が来たようだね!」

 

「まぁ怪我しない程度に頑張ってくれ」

 

「はーい!」

 

ジェームズは気分良さそうに出ていった。

ホントに昨日とは別人だな・・・




最近またあんまり面白い事書けてないような・・・
思いつきで自衛隊生活日記的なの書いてみようか(・∀・)


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対潜水艦戦闘訓練

北海道は雪がしゅごい。



〜ネイサン・ジェームズ〜

 

鎮守府から約500キロの洋上。

今日は、第六駆逐隊の子達といそかぜの訓練のためだ。

いそかぜは今、第二次大戦の駆逐艦と装備がほとんど変わらない。

ソナーとレーダーは強力な物のままだが。

ちなみに私はそのお守りのようなものだ。

正直めんどくさい。

しかもいつの間にか私が喫煙者って知られてるし・・・

まぁ心置きなく吸えるからいいけど・・・

早速タバコに火をつける。

 

「ふー・・・」

 

訓練海域には潜水艦達が待っている。

今日は対潜水艦訓練だった。

 

「いそかぜ、ソナーは何か捉えてる?」

 

「はい、もうバッチリと」

 

私はふといつもの調子を忘れてそう言った。

 

「なんかいつもと違うのです?」

 

「へっ!?い、いやいやいや!!違わないよー!」

 

「・・・怪しい・・・」

 

「怪しくないから!」

 

さすがに素の私を見たらみんな離れて行きそうだからね・・・

 

「タバコ加えながら必死に否定してる・・・」

 

響に疑いの目線を向けられ私は焦ってタバコを落とした。

しかも足に命中した

 

「うわぁぁぁぁぁあっちぃぃぃぃぃい!!!!」

 

自分でもびっくりするような声が出た。

・・・死にたい。

 

「ジェームズさん・・・もしかしてドジっ子ですね!」

 

いそかぜは笑顔で親指を立ててくる。

素の私がこんなんじゃない上にドジっ子扱いされてちょっとプッチン来たので、脅かしてみることにした。

 

「・・・言うことなし、掛け値なしのどデカ地雷を踏んだよ・・・いそかぜ」

 

「へっ?」

 

「一つ聞きたいんだけど・・・墓にはなんて・・・書いて欲しい?」

 

私はVLSの蓋を開く。

 

「はわわわわ!!!喧嘩はダメなのです!!」

 

電が必死に止めてくる。

 

「ご、ごごごごめんなさいいいいい!!」

 

いそかぜは涙目で謝ってきた。

そろそろ満足したので止めようかな

 

「・・・嘘だよ、必死になってる姿可愛いね!」

 

「はぇ・・・?」

 

いそかぜは海面に座り込んでいた。

 

「ど、どれだけびっくりしたと思ってるんですかぁぁぁ!!」

 

「あはははは!!ごめんごめん!」

 

「もうジェームズさん!意地悪は良くないのです!」

 

「あははは!ごめんって!」

 

なんてワイワイ話ながら進んでいると潜水艦達から無線が入る。

 

《ジェームズさん!聞こえるでちか!?》

 

「ん?ゴーヤ?どしたの?」

 

《所属不明の艦娘2人が深海棲艦から攻撃を受けてるの!イク達だけじゃ難しいのね!》

 

「了解!すぐに向かうから頑張ってて!」

 

そう言って無線を切る。

 

「セイバーホーク1発艦準備!」

 

「レーダーで見つけれないの?!」

 

「ダメ、小島が多くてレーダーの索敵範囲が限定されてる・・・」

 

「潜水艦は捉えてます!ここから東に50km・・・ちょうどあの島が沢山ある所です!」

 

「分かった、セイバーホーク1の情報を待ちつつ全速で向かおう」

 

「了解!」

 

 

 

〜U96〜

 

耳障りなピンガー音。

駆逐艦が私達に食いついて離れない。

 

「どうするのね?」

 

「どうしよう・・・」

 

敵は戦艦3、空母1、駆逐艦2の艦隊だ。

駆逐艦は耳が良いらしく、食いついて離れない。

狼が追い回される側になってしまった。

 

「せめて上の艦娘が片付けてくれれば・・・」

 

上にいた艦娘は現代艦娘のようだが1隻が大破、もう1隻がそれを必死に庇っている。

 

「ねぇクロさん・・・」

 

「なんですか?」

 

ユーが何かを思いついたのか提案してきた。

 

「私が囮になるから誘導魚雷で・・・」

 

「だ、ダメです!危ない!」

 

「でも・・・」

 

そんな話をしていたらゴーヤとイムヤが突然動き出す。

 

「な、何して・・・」

 

「1番練度が高いのは私たちだから!」

 

そう言って離れていく。

駆逐艦はそれに食いついた。

 

「1番2番、誘導魚雷用意!」

 

発射管を開く。

誘導魚雷が駆逐艦を捉えてくれる事を祈る。

 

「魚雷1番2番!発射!」

 

魚雷は磁気信管、ヤツらの腹に大穴を開けます!

 

「爆雷着水音!2発!」

 

ユーが上を向いて叫ぶ。

ゴーヤ達を狙っていた。

だがゴーヤ達はそれを躱して逃げる。

駆逐艦は魚雷に気づいていなかった。

 

「あと30秒・・・」

 

1隻が気づいて反転を始める。

だけど・・・遅いです!

大きな爆発音が聞こえた。

 

「フタエノキワーミー!キワーミー!」

 

「シズカニセイッ!」

 

「(´・ω・`)」

 

「あれ・・・ユー、何か口が勝手に・・・」

 

いつもの事です。

だがこれで駆逐艦は片付いた。

と、同時に艦隊が到着する。

 

 

 

〜いそかぜ〜

 

敵艦隊補足!

沈みゆく駆逐艦を通り過ぎ、敵艦隊に向かう。

 

「先制攻撃をかける、ハープーン攻撃始め。目標戦艦タ級、発射弾数2発。」

 

ジェームズさんは冷静に諸元を入力していく。

 

「ハープーン発射始め!!」

 

ジェームズさんの小柄な体から2発のハープーンが発射された。

ハープーンはブースターを切り離し低空飛行を開始する。

敵艦隊はその音に気づいてこっちを振り向いた。

タ級が3隻・・・!

 

「戦艦は私が抑える。あなた達は空母をお願い」

 

「了解しました!艦隊は私に続いてください!」

 

「了解なのです!でもいそかぜさん、慣れてないうちはあまり前に出ないようにお願いなのです!」

 

「分かってます、私はあなた達の目と耳になります」

 

空母を捜索する。

空母は島の影に身を潜めているだろう。

 

《いそかぜ、私のヘリを使って。空母を捜索させてるから》

 

「わかりました!」

 

ジェームズはさっきまでとは別人のように言ってくる。

 

《こちらセイバーホーク1!いそかぜさん聞こえる?!》

 

「聞こえます!」

 

《敵空母発見!だけど、艦載機の発艦準備に入ってる!そこから西約28km!積んであるペンギンミサイルを撃ったけど迎撃されちゃったからもう援護出来ないよ!》

 

「分かりました!大丈夫です!」

 

「ペ、ペンギンさんがミサイルになっちゃったのですか・・・」

 

電が悲しそうな目で私を見てくる。

第六駆逐隊全員がそんな目で私を見てくる。

普段クールな響が1番悲しそうだ。

 

「・・・戦争だもんね・・・仕方ないさ・・・」

 

いや、そんな悲しそう目で私を見ないでください!

何もしてないのに良心が痛みます!!

 

「ペ、ペンギンミサイルっていう空対艦ミサイルがあるんです!提督に言えば画像見せてくれますから!」

 

「ペンギンさんが爆弾かかえて突っ込んでいく画像なんて見たくないのです!」

 

電は軽く泣きながらそう言ってくる。

ていうか、この子達ペンギンがロケットブースターでもくっつけて腹に爆弾抱えて、さよなら天さんとでも言いながら突っ込んでいく所を想像してるんだろうか・・・

 

「・・・純粋なのはいい事ですよね・・・」

 

敵空母に進撃しつつそんなことを呟いた。

 

《こちらセイバーホーク1!ご主人様!空母から艦載機が上がってきた!》

 

《了解、待ってて。対空ミサイル撃つから》

 

ジェームズさんのほうを見ると複数の対空ミサイルが打ち上がっていた。

私達も空母に急ぐが障害物が多くて移動しにくい。

 

「ねぇいそかぜさん、何か変じゃない?」

 

雷は何かに気づき私に問いかけてくる。

 

「空母を隠すには最適かもしれないけど・・・普通護衛の駆逐艦とかつけるわよね・・・」

 

「・・・確かに・・・」

 

私は嫌な予感がしてきた。

今、ちょうど孤島群の真ん中あたりだ。

孤島に阻まれレーダーが上手く目標を捕えられない。

上空を飛んでいるヘリが唯一のセンサーだ。

 

「これマズイですね・・・」

 

たぶん空母は囮だ。

そしてその予感が的中したのかヘリから無線が入る。

 

《こちらセイバーホーク1!!いそかぜさん、敵駆逐艦出現!数は10を超えています!囲まれてる!》

 

「やっぱり・・・反転して逃げます!どこから来るか分かりません、警戒を厳にしてください!」

 

「了解!」

 

島を縫うようにして離脱を開始する。

その時、目の前に報告にあった不明艦娘を見つけた。

 

「味方です!大丈夫ですか!?」

 

一人は中破、もう1人は大破していた。

 

「僕は大丈夫だからこの子を・・・!」

 

「う、ぅ・・・わ、我輩・・・まだ・・・」

 

「大丈夫です!もう助かりますよ!」

 

「私が肩を貸すのです!」

 

「私もやる!助けるわ!」

 

「電さん、雷さん、お願いします!」

 

ジェームズさんに援護を要請する。

 

「ジェームズさん!助けてください!」

 

《分かってる。早くそこから逃げて》

 

撤退を開始した時、真後ろに駆逐艦が現れた。

私は慣れない砲で砲撃をするが当たらない。

 

「これが速射砲だったら・・・!」

 

その時、無線からジェームズさんの声が聞こえた。

 

《みーつけた・・・》

 

その数秒後、砲弾が飛来する。

 

《そのまま真っ直ぐ行って。ルートはクリアだよ》

 

「了解しました!ジェームズさんも・・・」

 

《私はもうちょいしたらかな》

 

 

 

 

〜ネイサン・ジェームズ〜

 

センサー代わりのヘリが敵艦を捉えている。

可哀想に・・・ここからは誰も逃げれないよ

私は敵に聴こえるように言う。

 

「ほら、さっさとかかってきなさい。それともビビってるの?」

 

挑発してみると背後から攻撃を仕掛けようとした駆逐艦が出現した。

 

「丸見えだよ」

 

速射で4発砲弾を叩き込む。

当たりどころが良かったのか爆発を起こして轟沈した。

 

「残念だったね。私はもう君たちを補足してるんだ。同情するよ、この海域からは誰1人生きては帰れない・・・ここは地獄のモーテルさ、できる限り逃げてみな。でないと・・・」

 

敵を全てロックオンしトマホークのVLSを開く。

 

「ブギーマンに喰われるぞォ!?」

 

トマホークを斉射する。

10発以上のトマホークが飛翔していった。

敵は慌てて逃げ始める。

 

「鴨撃ちだね・・・面白くもない・・・」

 

レーダーから敵が消滅する。

私はいそかぜ達と合流するために進路を変更した。

 

 

 

〜いそかぜ〜

 

「大丈夫ですか?」

 

「僕は大丈夫・・・あ、自己紹介まだだったね。僕はタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦、ヴィンセンス。彼女はオリバー・ハザード・ペリー。ペリーって呼んであげて」

 

ヴィンセンスと名乗った彼女は中破だがまだ余裕そうだ。

 

「ぺ、ペリーなんて呼び捨て・・・我輩・・・ゆ、許さないから・・・」

 

「今は喋らないでください!」

 

「あと2時間で鎮守府なのです!」

 

時刻は夜、まだ鎮守府の明かりは見えない。

 

「司令官!負傷した艦娘を連れて帰投中、あと2時間で着きます!」

 

《了解した!ドックは開いてる、気をつけて帰ってきてくれ!》

 

「了解!」

 

 

〜提督〜

 

「負傷した艦娘か・・・名前からしてまた現代艦娘・・・そろそろ鎮守府の財政がやばくなりそう(震え声」

 

「あらいいじゃない。私は話が分かる子が多くなるのはいいけどね」

 

「そりゃマーフィーとかにとってはな・・・」

 

『私も話せる子が増えるのは嬉しいです』

 

「うわあぉぁぁぁ!?」

 

いきなりシンビルスクが目の前に出てきた。

毎度ながらかなりびっくりする。

ちなみにマーフィーは慣れたようだ。

 

「あら、やっぱり着いてきてたの?」

 

「お前は随分慣れたのな・・・」

 

「そりゃね。そういえば艦娘の名前は何だって言ってた?」

 

「んーと・・・タイコンデロガ級巡洋艦、ヴィンセンスとOHペリー級フリゲートのオリバー・ハザード・ペリーって言ってたぞ」

 

「・・・ヴィンセンス・・・」

 

マーフィは険しいを顔をした。

何かあったのだろうか。

 

「ねぇ、貴方は船の艦歴は結構知ってる方?」

 

「んや、俺は元々空軍だったから艦船についてはからっきしだったからな。どうした?」

 

「いえ、だったらいいの・・・ただ、あの娘の艦歴、見ない方が良いわよ」

 

マーフィは強い口調でそう言った。

ヴィンセンスの艦歴を見ない方がいいってどういう事だ?

 

「何かあったのか?」

 

「まぁ・・・ね。まぁ調べるのは勝手だけど、もしこれが元々知ってる艦娘以外に教えたら貴方、許さないからね」

 

「・・・そんなにか・・・ちなみにシンビルスクは知ってるのか?」

 

『ええ、まぁ。可哀想な話ですよ。あの娘にとっても・・・』

 

「・・・」

 

相当大変な事が起きたのだろう。

知りたいという欲求はかなり強い。

だが、彼女達の言い方を聞く限り知らない方がいいのだろう。

 

「あと、彼女が自分で言ってくるかもしれないけど、その時は絶対に彼女を責めない事ね。まぁ貴方なら大丈夫でしょうけど・・・」

 

「分かったよ、何が起こったのか分からないが・・・まぁ大丈夫だ」

 

「信じるわよ」

 

マーフィにここまで言われるという事は相当なのだろう。

艦歴は絶対に見ない方がいいな・・・



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電の仕返し

書いてて若干砂糖吐きそうになった(

あと一昨日、タナカ製の99式短小銃購入したぜぃ!
とりあえず99式にホロサイトとIRレーザーつけてパラミリ風装備でサバゲに行こうヽ(゚∀。)ノ




「んぐぁぁぁぁ・・・・」

 

背伸びをしたらそんな声がでた。

いつも通りの事務仕事・・・。

 

「お疲れ様なのです」

 

「ホント疲れた・・・」

 

電が持ってきてくれたお茶を啜りながら残りを片付ける。

大体は各部署からの最終確認関係の書類だった。

主にハンコを押すだけだが。

 

「自動ハンコ押し機とか発売されないもんかな」

 

「そしたら司令官さんの仕事なくなっちゃいますよ?」

 

「軍人は仕事無いくらいが丁度いいの」

 

「それサボりたいだけなんじゃ・・・」

 

「む、人聞きが悪い」

 

そんな感じで電と談笑しつつハンコを押していく。

その時電話がなった。

 

「はい横須賀鎮守府」

 

《どうも提督、大本営だ》

 

「うぇ・・・なんですか・・・」

 

《あからさまに嫌そうな声を出すんじゃない。傷付くだろうが》

 

「メンタル弱いなオイ。それでなんですか?」

 

《いや、こっちから送った訓練命令の書類に目を通してくれたかなと思って》

 

「書類?いや、来てないですよ」

 

《おかしいな・・・トンツーで送ったのに》

 

「そりゃ分かるわけないわ!!ウチの通信班員に和文モールスの勉強させて無かった俺も悪いけどそもそもモールスで命令来るなんて想定外なんだよ!!」

 

電話機に向かって怒鳴りまくる。

 

《え・・・だって昔・・・》

 

「昔じゃねーよ!!今何年だよ!!もっと別の手段使えバカタレ!!」

 

《わ、分かったから落ち着いて・・・そうだLINEで》

 

「アンタに情報保全って単語は無いのかよ!!陸軍の前期教育でもいってこい!!」

 

《じゃあどうやって送れというんだ・・・》

 

「専用の回線とか使って送信すればいいだろうが!!」

 

《そんなものは無い。》

 

「無いのかよ!!」

 

ダメだこの軍隊。

電にどうにかしてくれと目で合図したが苦笑いで返された。

 

「はぁ・・・じゃあこっちからヘリ出すんでパイロットに書類渡してください・・・」

 

《分かった、ついでに訓練資材もそこに積んでおくよ》

 

「了解です・・・」

 

そして電話は切れた。

 

「はあ・・・あいつらの頭は何年前で停止してんだ・・・」

 

「何か毎回の事で見慣れちゃいましたね」

 

「なんかすまん・・・」

 

俺はそのまま電話で飛行班に大本営まで飛んでくれと指示を出した。

なんかもう疲れた。

 

「電・・・ちょいと来てくれ」

 

「なんですか?」

 

「俺に癒しをだな・・・」

 

「癒し?はわっ!!」

 

抱きまくらみたいに電を抱いた。

あぁ・・・いい匂い・・・

 

「ちょ、ちょっと司令官さん!」

 

「もう俺のメンタルは限界なんだちょっと許してくれ」

 

「・・・分かったのです、でも今日だけなのです!」

 

「はいはい」

 

「・・・聞いてます?」

 

「聞いてます」

 

電を抱きしめたままそう返した。

最近、忙しくてこんな感じに出来なかったからここで電の成分補給だ。

 

「司令官さん、も、もう離してなのです!」

 

「えー・・・もうちょい」

 

「もうちょいじゃないのです!見られたら恥ずかしいのです・・・」

 

「大丈夫、大丈夫」

 

電の頭に俺の顔を押し付けたままそう言った。

 

「絶対大丈夫じゃないのです!バカップルとか言われるのです!」

 

「大丈夫、大丈夫」

 

「・・・聞いてませんよね?」

 

「大丈夫、大丈夫」

 

「むぅ・・・こうなったら・・・」

 

電は電話に手を伸ばした。

 

「離さないとここの電話でアメリカ合衆国に宣戦布告するのです!」

 

「さぁ仕事に戻るぞー!」

 

速攻で電を離した。

ここの番号でそんな事された日には第三次世界大戦が起こる・・・

 

「電・・・脅しがシャレになってない・・・」

 

「そういうのは2人きりの時限定なのです!」

 

「今も2人きり・・・」

 

「そういう意味じゃないのです!2人ってお部屋に帰ってからの話なのです!それならその・・・何してもいいのです・・・」

 

電は顔を赤くしてゴニョゴニョと喋った。

めちゃくちゃ可愛い。

 

「ん?今なんでもって?」

 

「な、なんでもなんて言ってないのです!」

 

「え、でも今何してもいいって・・・電も溜まってるんだなー」

 

俺はちょっと悪い顔をして電をからかってみた。

電は顔を真っ赤にしてプルプルしてした。

そして・・・

 

「司令官さんがイジメるのですぅぅぅぅ!!」

 

「あっ」

 

執務室を飛び出していった。

 

 

〜電〜

 

司令官さんのアホ!ド変態なのです!ちょっと頭冷やすといいのです!

そりゃ私だってここ1ヶ月くらい司令官さんと・・・

 

「んにゃぁぁぁぁ!!」

 

なんかモヤモヤして廊下でちょっと大声だした。

 

「うひゃぁ!?い、電?」

 

「ま、マーフィさん?」

 

車椅子のマーフィさんが近くにいた。

 

「まだ足は治らないのです?」

 

「うん、医者に診てもらったけど艤装を付けてないと歩くのは難しいかもって」

 

「そうですか・・・」

 

「そんな顔しないで。車椅子生活にも慣れたから大丈夫よ。ところでどうしたの?」

 

「ちょっと司令官さんと・・・」

 

私はマーフィさんにさっきの事を話す。

 

「くっ・・・・砂糖吐きそうなくらい甘いわね・・・」

 

『じゃあマーフィさんも私と砂糖吐きそうなくらいイチャイチャします?』

 

「なんでアンタが出てくんのよ!!」

 

「あ、シンビルスクさん」

 

もう幽霊を見慣れた感じがするのです・・・

 

『電さんも最近私を見慣れた感じがしますね、驚いてる時が可愛かったのに・・・』

 

「アンタこの子にまで手を出したら司令官ブチ切れるわよ」

 

『私寝取られ物は嫌いなので大丈夫です』

 

何の話か分からないけど何故か鳥肌がたった。

 

「そうだ電、司令官の意地悪な事にはこっちもお返ししましょうか」

 

マーフィさんはちょっと悪い顔をして言う。

 

「まず電は2〜3日くらい司令官を避けるようにして部屋に籠るの」

 

「お部屋にですか・・・でも私のお部屋・・・」

 

「それは私の部屋使わせてあげる、それで私が代わりに司令官に電が怒ってるって伝えてあげるわ」

 

「それでどうするのです?」

 

「これで少し頭冷やすんじゃないかしら」

 

「・・・」

 

任務で会えないなら仕方ないけどこうやって2〜3日会えないのは私も辛い。

 

「まぁ電が辛くなったら止めればいいわ」

 

「うーん・・・」

 

ただちょっと司令官さんのイタズラには困ってる所があるのでやることにした。

 

「・・・やるのです!」

 

「じゃあはい、これ」

 

「なんですかこれ?」

 

「盗聴器みたいな物よ」

マーフィさんは軽くウィンクして渡してきた。

そしてシンビルスクと一緒に執務室に向かっていった。

・・・大丈夫かな

 

 

〜マイケル・マーフィ〜

 

さてどんな顔するやら

 

「司令官いるかしら」

 

「ん?どうぞー」

 

『失礼しまーす!』

 

「お前も一緒かい!」

 

『ひどいですね、私とマーフィさんは愛を誓い合った仲なんです』

 

「断じて違う」

 

変な誤解招きそうだからやめてくださいホントに!

 

「あぁ、うん・・・ほどほどにな」

 

ほら招いてるー!

 

「あの、司令官。本題なんだけどいい?」

 

「あぁ。まぁそれもいいんだが電見なかったか?」

 

「見たわよ、その時すっごく怒ってたけど」

 

「!?」

 

「2〜3日くらい私の部屋に籠るって言ってたわ」

 

「そうか」

 

あれ、意外と冷静。

 

「ずいぶん冷静ね」

 

「当たり前だろ。指揮官が不測の事態で混乱したら全員死ぬ事になる。とりあえず電お茶をくれ」

 

ダメだめちゃくちゃ混乱してる。

 

『はい、司令官さん』

 

なんでアンタが電の真似をしてるのよ

 

「おお、ありがとう。あれ?電なんか透明になってね?」

 

『あはは、何を言ってるんですか。私は元々透明ですよ』

 

「おっとそうだった、はっはっはっ!」

 

『あはは』

 

なんだこれ!

 

「シンビルスク、ふざけてないで帰るわよ・・・司令官も電帰って来たらちゃんと謝りなさい」

 

「うわぁぁぁぁ!!消えないでくれ電ぁぁぁぁ!!」

 

「聞きなさいよ!!」

 

「うわぁぁぁぁ!!」

 

話しても無駄そうなので部屋をでた。

とりあえず作戦成功?

その時、ジェームズとすれ違った。

 

「あら」

 

「お姉ちゃん、どうしたの?」

 

「ちょっとね、今司令官暴走してるから気をつけて」

 

「暴走・・・何してるのあの人・・・」

 

 

〜ネイサン・ジェームズ〜

 

「入るよ」

 

ドアをノックするが返事がない。

 

「司令官?」

 

開けて見ると小麦粉の袋から粉を出してまるで麻薬みたいな状態にして吸おうとしてた。

 

「・・・なにやってんの?」

 

「この粉吸うとね、気持ちよくなるんだよー!たーのしー!」

 

「・・・どうしたの?」

 

「君もこの粉を吸いたいフレンズなの?」

 

「フレンズってなんの事言ってるさっぱりなんだけど」

 

「たのしー!」

 

「おいコラ、日本語喋れ」

 

目が逝ってる。

 

「あなたは怒る事が得意なフレンズなんだね!」

 

「いい加減にしてくれないかな」

 

「大丈夫!フレンズによって得意な事と苦手な事違うから!」

 

「いい加減にしろボケナス」

 

私は思いっきり司令官の頭を引っぱたく。

 

「はっ・・・!俺は一体何を・・・!」

 

「なにそのテンプレみたいな気づき方」

 

「あぁ、ジェームズか。どうした」

 

「どうしたってこれ、司令部に書類取りに行かせてたんでしょ」

 

「あ、あぁ、ありがとう」

 

「それより電は?どうしたの?」

 

「・・・・」

 

司令官は黙り込む。

大体予想がついた。

 

「どうせ余計な事して電怒らせたんでしょ?」

 

「なぜ分かった」

 

「そんな顔してたから」

 

私はタバコを取り出して火をつける。

 

「司令官も吸っとく?」

 

「俺は止めたって。それよりもここで吸うなって何回言えば・・・」

 

「いいじゃん、どうせ私以外吸う人居ないんだから」

 

「まぁそうだけど・・・」

 

「それで、書類の内容なんだったの?」

 

「ん・・・あぁ、艦娘の陸戦訓練か・・・」

 

「へぇ、陸戦訓練。楽しそう」

 

司令官は書類に目を通していく。

私はヘリから下ろされる訓練機材を眺めていた。

 

「やり方は各鎮守府に任す・・・訓練機材は・・・」

 

司令官は大きなため息をついた。

 

「今どきバトラーも無しでチームを分けて戦闘訓練なんてやらないぞ・・・」

 

司令官はほれという感じで訓練機材の目録を渡してきた。

 

「うわ・・・」

 

小銃類は38式歩兵銃や99式短小銃。

弾薬はペイント弾・・・

 

「この訓練器材は無かったことにしてウチはうちのやり方でやるか・・・」

 

「どうするの?」

 

「たぶんコレは敵泊地に上陸して司令部陥落を目指すための訓練だろうな。陸戦隊の到着を待ってる時間も惜しいしな」

 

「なるほどね」

 

「ジェームズは車運転出来るか?」

 

「大型までなら大丈夫だよ」

 

「武器庫に行って、これだけ全部あるか見てきてくれないか?」

 

「武器庫ってここの建物にないの?」

 

「あるにはあるが基本自衛用の装備しか置いてないからな、この鎮守府で使う大半の装備を収めてる武器庫がここから2キロ位のところにある」

 

「そうなんだ。了解」

 

私はメモを持って外に出る。

えーっと・・・小銃はM4A1が20、Mk18mod.0とmod.1それぞれ10づつ・・・

 

「CQB向きの装備・・・だね」

 

実際、敵司令部となると施設内での戦闘になるだろう。

そう考えるといいかもしれない。

私は司令官に言われたハンヴィーに乗り込み武器庫に向かった。

 

 

〜提督〜

 

「電ぁぁぁ・・・」

 

1人机につっぷして呟く。

 

「うおおおお!!帰ってきてくれええええ!!俺が悪かったぁぁぁぁ!!」

 

叫ぶのはいいが虚しくなる。

 

「はぁ・・・いいや、訓練の事考えよ・・・」

 

上陸して敵司令部制圧となると大火力の戦艦、イージス艦はなるべく洋上に残したい。

対潜警戒はイージス艦の哨戒ヘリとソナーで大丈夫だとは思うが装甲もあり、対潜戦闘も可能な軽巡も残したい。

そうなると重巡と駆逐、潜水艦娘を重点的に訓練するか。

 

「重巡に指揮を任せて、ちっこくて素早い駆逐艦がライフルマンあたりか・・・潜水艦は隠密行動が得意だから破壊工作・・・」

 

バトラーシステムがあったからあの子達に痛い思いをさせる事はないだろうが、実際に弾丸が飛んでくるという事は分からないかもしれない。

訓練後半でペイント弾使うか・・・

 

「まぁ、これでいいか・・・」

 

一息ついてコーヒーを飲む。

1人だけの執務室でぽけーっと天井を眺めていた。

 

 

〜電〜

 

・・・執務室にはやく戻ってあげたいけど・・・

 

「うぅぅぅ・・・」

 

マーフィさんも今居ないし・・・

 

「んにぁぁぁぁ!!私はどうすればいいのですー!!」

 

『どうもこうも、自分に正直に行動したらいいと思いますよ』

 

「はにゃっ!?」

 

『心配なんでここでさっきからずっといましたよ』

 

いつまにかシンビルスクさんが部屋にいた。

 

「正直に・・・」

 

『提督さんもだいぶ反省してると思うし、大丈夫じゃないですか?』

 

「そうですね!私戻るのです!」

 

マーフィさんの部屋を出て執務室に向かう。

 

『提督さんと距離置くみたいな事言って約30分で戻るとは・・・』

 

何か聞こえた気がしたけど気にしない。

 

「司令官さん?入るのです」

 

だが返事がない。

もしかして・・・

 

「司令官さん!!」

 

ドアを思いっきり開けると机に突っ伏して寝ていた。

 

「ね、寝てたのですか・・・変な心配しちゃったのです・・・」

 

司令官さんに毛布を掛けてあげて机に乗ってる書類をまとめる。

 

「ふぅ、こんなもんなのです」

 

わかりやすいようにまとめて、私はソファーに座った。

ぼけーっとしながら天井を眺めた。

 

「今日はなんか暖かいのです」

 

そう呟いてお茶を入れて元の位置に座る。

お茶を啜りながらいつ起きるのだろうと司令官さんを眺めた。

 

「可愛い寝顔なのです」

 

なんて呟いた時だった。

 

「んぐ・・・んごぉぉぉぉぉ」

 

「おっさんみたいなイビキなのです!?」

 

熟睡していた。

私はその姿を眺めながらお茶を飲んだ。




ここまで書き切るのにけものフレンズのOP、10ループくらいした(
けものフレンズの放送日までが遠い・・・1週間が長い・・・


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敵工廠地区上陸作戦

もはや何か艦これと別物になった気がする若干ホームシック気味のオジサンです


部屋に差し込む日差しが暖かくなってきたこの頃。

鎮守府には銃声が響いていた。

この前の艦娘の陸戦訓練命令、あれをウチでも実施している。

教官にマーフィ、その助教にジェームズが付いている。

2人とも銃の扱いや戦い方も完璧だった。

あの2人が教えたら大丈夫だろう。

ただシンビルスクが訓練用に使っている建物のくらい場所に出てきて訓練生を脅かして1部お化け屋敷みたいになっている。

その度にマーフィにシンビルスクが怒られているのだが・・・

 

「落ち着かねぇ・・・」

 

「そうですか?」

 

銃声の響く場所で仕事はまったく落ち着かない。

電も居たらきっと同じことを言うだろう。

だが当の電はその陸戦訓練に行っていて居ない。

代わりにアンドロメダがいる。

 

「そういえばこの命令どうしますか?」

 

「そうだなー・・・」

 

アンドロメダが差し出した命令文書

内容は深海棲艦の工廠らしき施設を発見、これを強襲、深海棲艦の生産能力の低下とどうやって深海棲艦が生まれるのかを調査せよとの事だった。

別の鎮守府との合同作戦でもある。

そしてこの作戦には今陸戦訓練を行っている艦娘を投入する。

 

「そういえば隊長、不知火さんと夕立さんの成績がトップクラスらしいですよ」

 

「みたいだな、モニターの映像も見たがコイツらノリノリだな・・・」

 

夕立はM240などの軽機関銃を好み少しトリガーハッピー気味だった。

セカンダリーのハンドガンも50口径のデザートイーグルを好んでいた。

そして不知火はMk18.mod0やショートバレルのM3ショットガンなど短めの武器を好んでいて、戦い方はジェームズやマーフィに仕込まれたSEALsのようなスタイルだった。

不知火は陸戦が好きなのか何なのか同じ部屋の陽炎曰く、今までに見たことないくらいご機嫌で

「私は不知火じゃありません。ジョン・ぬぃっく です」

とか言い出したらしい。

陸戦訓練の前に何かロン毛のおっさんが出てくる映画も見ていたらしい。

 

「不知火はノリノリだし夕立は火力バカだし・・・いいコンビなのか何なのか・・・」

 

「どうします?陸戦組は各鎮守府2名ずつってなってますけど」

 

「コイツらで大丈夫だろ。不知火は閉所戦闘や格闘も上手いし標的を素早く切り替えて射撃するのも得意みたいだからな。夕立もトリガーハッピー気味とはいえ、射弾をある程度集中させてるから制圧射撃でいい仕事しそうだ」

 

「では司令部にそのように伝えますね」

 

「了解」

 

・・・普通の兵士より能力が高いとはいえ・・・見た目は10代の女の子に銃を持たすなんてな・・・

複雑な気持ちだ。

 

「はぁ・・・」

 

アンドロメダが出ていき1人になった部屋でため息を着いた。

作戦は1週間後だ。

それまでは艦娘の陸戦訓練に当てられる。

明日からは夕立と不知火を集中的に訓練しよう。

 

 

 

 

 

〜不知火〜

 

もう硝煙の臭いを嗅ぎ慣れた。

私は目の前のターゲットを作業するように撃ち抜いていく。

私と夕立が集中的に訓練され始めてもう4日だ。

 

《オーケー、オールクリア。前よりタイム上がったんじゃない?》

 

「ありがとうございます」

 

《ただちょっとハンドガンへの切り替えにもたつき気味だからそれは要演練ね。とりあえずお疲れ様》

 

私はキルハウスと呼ばれる建物から出る。

 

「お疲れ様っぽい!」

 

「お疲れ様、次はあなたね」

 

「ソロモンの悪夢、見せてあげる!」

 

夕立は大きな機関銃を持ち上げて薬室に初弾を装填した。

私はそれを見ながら水分補給をする。

 

「・・・ちょっと撃ちすぎました」

 

使った弾薬を確認した。

前より10発ほど増えている。

私は少ない弾薬で敵を倒すというやり方をしていた。

弾薬は無限ではないのだから節約するに越したことはない。

 

《ぽいぽいぽーい!!》

 

《ちょっと撃ちすぎよ!!》

 

《まったく戦場は地獄っぽーい!!ひゃっはー!》

 

《一つのターゲットに20発は撃ちすぎよ!!》

 

ターゲットの頭の部分が千切れるまで弾を撃ち込んでいた。

 

「撃ちすぎ・・・」

 

私は呆れ気味に呟いた。

私と夕立の作戦はあと3日後だ。

 

 

 

〜提督〜

 

モニターを前に作戦説明の準備をする。

今回は他の鎮守府との合同作戦だ。

特に隠す必要もないが、現代艦達はなるべく秘匿しておきたい。

もし司令部が知ったらほぼ確実に全ての作戦へ参加させられるだろう。

上からすれば最強の武器なのだから。

そんな事考えてると作戦に参加する艦娘達が集まりだした。

 

「んーっと・・・全員いるかー?」

 

人数を数えたら全員いるようだ。

 

「よし、始めるか。まぁ知っての通り敵基地攻撃だ。ただ今回は敵基地の壊滅とは言え、敵基地の調査も含まれる。だから今回ウチは航空戦力を主体として目標周辺の敵性勢力を精密攻撃する」

 

モニターに敵基地の画像を出す。

基地周辺の防空装備は事前に偵察したところ高射砲や対空機関砲が主のようだ。

 

「ただこの対空装備の近くに対空レーダーらしきものを見つけた。もしかするとレーダーを使い正確に攻撃してくる可能性がある。今回は海軍の基地航空隊も合同で出撃前する。その目標の指示などはウチの部隊持ちだ。んで、そのためにE-767、AWACSをウチから上げる。コールサインはマジックだ」

 

その後も淡々と作戦説明をして行き、最後の陸戦の説明に移る。

 

「陸戦要員に不知火と夕立が含まれてるのは知ってるよな?それと一緒にウチの鎮守府の陸戦部隊も出す。コールサインはハンマーだ。不知火、夕立は艦隊ともに前進、周囲の安全を確保したのちに上陸、艤装は上陸地点に置いてハンマーの到着を待つのとと他の陸戦要員との作戦確認をしておけ」

 

「了解しました」

 

「了解っぽい!」

 

「いいか、危なくなったら後方にジェームズとマーフィ、ケストレル、ピョートル、クズネツォフが待機している。必要に応じて支援要請を行え。艦隊の任務はあくまで陸戦要員の護衛だからな。」

 

そう言ってブリーフィングを締めくくる。

その時、不知火が俺の方に来た。

 

「どうした?」

 

「いえ、これが最後かも知れませんので」

 

そう言って不知火は自分の識別票を渡してきた。

 

「帰ってこなかったらこれを陽炎に渡してください」

 

「・・・形見は受け取らない」

 

「いいから持っててください。もしこれさえ無くなったら陽炎に渡せるものが無くなります」

 

「はぁ・・・分かったよ、でもこれは後でお前に返すからな。分かったか?」

 

「はい」

 

「じゃあ気合入れて行ってこい、全員帰ってくるまでが任務だからな。一人でも欠けたら任務失敗だ」

 

不知火はそれを最後まで聞かずに部屋を出た。

 

「こういうフラグじみた事はやめてくれマジで・・・」

 

一人識別票を握って呟いた。

 

 

〜赤城〜

 

港を出て18時間ほどたった。

もう間もなく作戦海域だ。

 

「皆さん、作戦通りに行きます」

 

「了解!」

 

「加賀さん、艦載機を上げましょう」

 

「了解です赤城さん」

 

艦載機を発艦させていく。

大空に何10機もの航空機が展開された。

 

 

〜メビウス1〜

 

「メビウス1より全機、久々の実戦だから気合入れていくよ!」

 

《メビウス2ラジャー》

 

《ほーい》

 

気合の入れ方は様々だがまぁ大丈夫だろう。

 

《隊長、どうする?低空から行くか上から行くか》

 

「今回は艦爆隊もいるからなるべくカバー出来る位置で。各人が思う位置でいいよ、散開!」

 

《りょーかーい》

 

隊を分散させる。

あたりは若干暗さの残る早朝だ。

 

《隊長、下方に敵艦隊確認!》

 

「了解!艦攻隊は向かってる?」

 

《現在降下中!》

 

「了解、そのまま4と5が援護について!」

 

《了解!エンゲージ!》

 

2機の零戦が降下していく。

自慢じゃないけどウチの隊員は1人1人が1個飛行隊に相当する戦闘力だから100機でも一気に来ない限り大丈夫だ

 

《マジックよりメビウスリーダー、艦攻隊に気づいた敵航空母艦より艦載機発艦中》

 

「了解!みんな聞いた?」

 

《了解!》

 

《聞こえてるよー》

 

全員から返答がある。

大丈夫だろう。

 

《メビウスリーダー、海軍航空隊が当空域に接近中、誤射に注意せよ。またケストレルよりF-14Dが4機発艦、制空権確保に向かっている》

 

「了解!頼もしいのがいっぱい来たわね!」

 

《隊長!敵機視認!単機だから偵察機みたい!》

 

「分かった、迎撃に向かえる?」

 

《まっかせてー!》

 

私は艦爆隊の後方に待機したままでいる。

そろそろ敵機がこっちに気づくはずだろう。

 

《マジックよりメビウスリーダー、発艦した敵艦載機のうち10機がそちらへ向かった、至急迎撃せよ》

 

「ラジャー!メビウス1エンゲージ!」

 

《こちらノーマッド61、間もなく作戦区域に侵入》

 

《マジックよりノーマッド61、まだ敵はそちらに気付いていないようだ、なるべく低空を飛行しレーダーに補足されるな》

 

《ノーマッド61了解》

 

《こちらメビウス4!艦攻隊に迫る敵航空機の半数を撃墜!こちらの被撃墜数は無し!艦攻隊は魚雷の投弾体制に入ったよ!》

 

《了解メビウス4、艦攻隊へ敵対空砲火に注意せよ》

 

《こちら艦攻隊、了解!》

 

無線が飛び交う。

順調なようだ。

 

「見つけた!」

 

艦爆隊を狙う敵機を発見した。

 

「明石さん特製の空対空ロケットでも喰らえ!」

 

出撃前前に明石さんと夕張さんが搭載してくれた空対空ロケット。

これは目標着弾前に複数の子弾に分散して敵を攻撃する物だった。

子弾1発の威力は30mm機関砲弾クラスらしい。

 

「発射!」

 

10機の敵機は密集して接近中だった。

いい的だ。

ロケットに気づいた敵は反転しようとするが遅い。

 

「おやすみ!」

 

空に花火のように爆炎が上がる。

4機撃墜だ。

 

「残り6機!!」

 

味方を4機もやられて頭に来たのか深海棲艦の異形の戦闘機は後ろを取ろうとしてくる。

 

「甘い甘い!」

 

右旋回で回避中にすれ違った敵に機関砲を撃ち込みさらに1機落とした。

 

「あー・・・でもやっぱしつこいなー・・・」

 

後方に3機ついている。

アレやるかー。

 

「よっ・・・と!」

 

機体を80度近くピッチアップさせる。

だが高度は変わらずだが速度は急減速する。

コブラとよばれる機動だ。

これで敵機は私を追い越した。

機首を下げると慌てて逃げようとする敵機の後ろを取った。

 

「おやすみー、いい夢見てね〜」

 

ラダーを切って機首を左右に揺らし横薙ぎにするように機関砲と機銃弾をばら撒く。

被弾した敵機は3機とも撃墜された。

 

《マジックよりメビウスリーダー、敵戦闘機撤退を開始。追撃は避け艦爆隊の護衛に復帰せよ》

 

「了解、歯ごたえないなーホント」

 

《敵偵察機撃墜!!高いところ飛びすぎだよもー!!》

 

《マジックより艦爆隊へ。グローバルホーク無人偵察機から得た情報によると敵基地周辺に強固な対空防衛網が張られている。レーダーによる観測射撃を行っているようだ。ただしレーダーは低空が死角になっている、低空を飛行し爆撃を行え》

 

《艦爆隊了解!!》

 

《マジックよりメビウスリーダー、艦爆隊の護衛を上空のF-14Dが引き継ぐ、艦攻隊の支援に迎え。またもう間もなく呉鎮守府の艦隊が当海域に侵入》

 

「了解!」

 

《呉の航空隊が到着後、艦爆隊の援護をそちらの支援に回す》

 

「了解、艦爆隊から一旦離れる!」

 

《こちら呉艦隊旗艦の神通です・・・聞こえますか?》

 

《マジックより神通、よく聞こえる》

 

《海域の状況を教えてください》

 

《横須賀艦隊の航空隊が敵機動艦隊と交戦中、また艦爆隊が低空で敵基地に進攻している。》

 

《了解しました、私たちの近くに敵はいますか?》

 

《確認出来ない、そのままの進路を維持して目標へ向かえ》

 

《了解しました》

 

呉の艦隊も到着したみたいだ。

これで戦力の増強が期待できる。

 

「赤城さん!そっちはあとどれ位になりそう?」

 

《もうあと2時間ほどで敵基地に肉薄できます、航空隊の皆さんも補給は遠慮せずに行ってください》

 

「了解!」

 

《マジックより旗艦赤城へ、空母は現在位置で停止し駆逐艦と巡洋艦を先行させろ。護衛に後方からネイサン・ジェームズが急行中》

 

《了解しました。加賀さん、ここで止まりましょう》

 

《分かったわ》

 

 

 

〜不知火〜

 

空母と別れて敵基地に向かう。

今いるのは、利根と筑摩、夕立と私だ。

私たちは艤装のほかに上陸後に使う小銃と弾薬、ボディアーマーを艤装に付けている。

 

「不知火に夕立よ、上陸後に敵を追い払うは吾輩達に任せて一気に行くのじゃ!」

 

「分かってます」

 

「危なくなったらすぐ呼んでね」

 

「はい」

 

《こちらノーマッド61!不知火へ、聞こえるか?》

 

「聞こえます」

 

《そちらが上陸して10程で現地に到着する、到着後は当機のドアガンで近接支援を行う》

 

「了解しました」

 

《こちらハンマー1!降りた後はそちらの援護を任せてくれ!》

 

「了解です。頼りにしてます」

 

そうして交信を終える。

 

「さっきから、のーまっどだとか、まじっくだとかよく分からんのじゃ・・・」

 

「姉さん、電子機器とか弱いものね」

 

「筑摩は詳しいのか?」

 

「そこそこですかね?」

 

「今度教えて欲しいのじゃ!」

 

「え、2人でですか?」

 

「当たり前なのじゃ」

 

「喜んで教えますね」

 

2人きりという単語を聞いた筑摩は何かすごく嬉しそうな表情をする。

 

「私がもう手取り足取り隅から隅まで全部教えますね!」

 

「ん、え?あ、ありがとうなの・・・じゃ?」

 

妹の突然のテンションの上がり具合いに姉は混乱していた。

その時、管制機から無線がはいる。

 

《マジックより利根へ》

 

「な、なんじゃ!?」

 

《方位0-3-6に敵駆逐艦を確認。数2。そちらへ向かっている》

 

「ぜ、ぜろ・・・すりー・・・しっくす・・・?」

 

「姉さん、36度って事です」

 

「あ!そ、そういう事か!いや、分かってたぞ?」

 

《マジックより利根へ、了解か?》

 

「分かったのじゃ!」

 

《その駆逐艦を撃破すれば敵基地まですぐだ》

 

「了解したぞ!」

 

「敵、確認しました!射程圏内です!」

 

「砲撃開始!」

 

「発射!」

 

轟音と共に砲弾が発射された。

 

「不知火と夕立はそのまま行くのじゃ!」

 

「了解」

 

「了解っぽい!」

 

《マジックより不知火、そのままの速度で前進せよ。敵基地には複数の沿岸砲が配備されている。攻撃に注意》

 

「了解しました」

 

もう敵基地のある島は目視できている。

 

「夕立、砲戦準備」

 

「了解っぽい!」

 

《不知火さん!聞こえますか?》

 

「はい」

 

《呉艦隊所属の吹雪です!私も同じ陸戦要員なのでよろしくお願いします!》

 

「了解しました」

 

《マジックより不知火、もう間もなく舞鶴艦隊も到着予定。陸戦要員は川内と那珂》

 

「了解しました」

 

「軽巡って期待出来そうっぽい!」

 

「そうですか?」

 

他の鎮守府はきっと上の出した装備で訓練してその通りの装備だろう。

期待は出来ない。

 

「不知火さん!発砲炎確認っぽい!」

 

「回避します」

 

砲の射程まではまだ遠い。今は回避だ。

 

《マジックより不知火へ。後方に展開する友軍艦隊より沿岸砲台に向け巡航ミサイルが発射された。着弾まで持ちこたえろ》

 

「対空陣地へは撃てないのですか?」

 

《対空陣地の正確な位置を特定出来ていないため攻撃は不可能だ》

 

「了解」

 

《着弾まで10分ほどかかる》

 

「了解、この距離を維持して回避します」

 

《こちらメビウス1!敵機動艦隊の攻撃に成功!空母を撃沈!》

 

《マジック了解、艦攻隊は補給が必要な機のみ帰投せよ。その他は他鎮守府艦隊の援護に回れ》

 

《艦攻隊了解、隊を分散させる》

 

《マジックより不知火、舞鶴所属艦隊が当海域へ進入。基地到達まではまだ1時間ほどかかる見込みだ》

 

「了解しました。」

 

その間に安全確保ですね。

そう呟いて前進と回避を続ける。

 

「不知火さんあれ!」

 

夕立が指さす方向から多数の巡航ミサイルが飛来した。

 

「前進を再開します」

 

《不知火!利根じゃ!敵艦隊を撃破!そちらに戻るぞ!》

 

「了解しました。感謝します」

 

目標まであと数マイル。

上空をミサイルが通過していった。

敵の砲撃はまるで命中しない。

 

「敵も大甘照準ですね」

 

「エイムが甘いっぽい!」

 

数十秒後敵基地に爆炎が見えた。

着弾だ。

 

《マジックより不知火。グローバルホーク無人偵察機から新たな情報。敵は防御陣地を構築中だ、接近し艦砲射撃を行え》

 

「了解」

 

もうすぐ射程内だ。

 

《こちらマジック、敵の防御陣地には重機関銃及び迫撃砲の配置を確認した。上陸後に集中砲火を浴びせるつもりらしい。先制攻撃で撃破せよ》

 

「了解。艦爆隊は?」

 

《早期警戒レーダーを回避しつつ接近中。もう間もなくだ》

 

遠くからエンジンの音が聞こえてくる。

空爆を先に行われた方がいいかも知れない。

 

「不知火さん!いつでも撃てるっぽい!」

 

「了解、射撃開始!」

 

敵陣地へむけて12.7cm榴弾を撃ち込む。

敵はまだ砲撃に気付いていないようだった。

また砲撃の直後に頭のすぐ上を艦爆隊が飛行していった。

 

「着弾確認。マジック、効果はどうですか?」

 

《現在偵察機が向かっている。待機せよ》

 

あちこちから煙が立ち上っている。

何発は命中しただろうか。

 

《確認、敵陣地の20%弱にダメージを与えた。のこりは艦爆隊に任せて前進》

 

「了解」

 

ここから一気に速度を上げていく。

上陸まで5分とかからない。

 

「夕立、一気に行きます」

 

「了解っぽい!」

 

すぐ目の前では艦爆隊が敵陣地と対空陣地に対して空爆を行っていた。

 

《マジックより舞鶴航空隊、敵艦隊の約50%を撃沈》

 

《舞鶴航空隊、了解》

 

《舞鶴所属の艦隊はそのままの進路を維持せよ。横須賀艦隊の陸戦要員は上陸を開始した》

 

《了解!急ごう!》

 

《マジックより艦爆隊へ、敵対空設備にダメージ。あとひと踏ん張りだ》

 

私たちもあと一息で目標に着く。

 

「ついたっぽーい!」

 

「マジック、こちら不知火です。上陸に成功しました」

 

《マジック了解。ノーマッド61の到着及び他の味方の到着を待て》

 

「了解。夕立、周りを警戒しつつ装備を変えます」

 

「了解っぽい」

 

夕立はいつものお気楽な感じから雰囲気を変えた。

私も訓練より急いで武装を用意する。

 

「OKっぽい」

 

「ノーマッド61の到着まで待ちましょう。利根、聞こえますか?」

 

《聞こえるのじゃ!》

 

「夕立と上陸に成功しました。周辺の警戒をお願いします」

 

《了解なのじゃ!》

 

《マジックよりメビウスリーダー、当該空域の敵性航空機の排除を確認。上空警戒にあたれ》

 

《了解!》

 

《こちらノーマッド61、もうまもなく到着する!》

 

《了解ノーマッド。まだ目標には少数ながら対空装備があると思われる》

 

《61了解!細心の注意を払い接近する!》

 

《マジックより艦爆隊へ、損害を報告せよ》

 

《10機中が4機が落とされたが全員のパラシュートを確認している!》

 

《了解、ノーマッド61は兵員を降下させた後にCSARを実施せよ》

 

《了解!》

 

無線からは現在の戦況か聞こえてくる。

今はこっちが有利のようだ。

 

「夕立、敵は見えますか?」

 

「まだ居ないっぽい」

 

その時だった、耳元に風切り音がして咄嗟に振り向くと後ろに置いた艤装に銃弾が当たり火花を散らしていた。

 

「コンタクト!」

 

「どこ?!」

 

上陸地点にあった装甲車の残骸に隠れて敵を探す。

ふと基地のまるで研究所のような四角い施設の上にキラキラ光るものを見つけた。

スナイパーだ。

 

「居ました。距離200m、あの建物の屋上です」

 

「見えたっぽい!!」

 

夕立が制圧射撃を開始した。

 

「艦爆隊聞こえますか?」

 

《こちら艦爆隊!》

 

「私たちから見て丁度正面の四角い研究所のような施設の屋上にスナイパーらしきものがあります。機銃掃射を要請」

 

《了解!目標位置確認!》

 

すぐに上からエンジン音が聞こえてきた。

同時に曳光弾も大量に目標の位置に降り注ぐ。

 

《こちら艦爆隊、効果は不明だか敵はビビっただろう》

 

「了解、感謝します」

 

「どうする?」

 

「今のうちに陣地を確保します」

 

「あそこがいいと思う」

 

夕立が指さす先にはまだ損傷を受けていない重機関銃が配置された土嚢で作られた機関銃陣地があった。

 

「あそこに行きましょう」

 

なるべく急ぎながらも警戒をおこたらずに進む。

 

「グロイっぽい・・・」

 

「・・・」

 

そこには空爆の破片を食らったのかそれとも重機関銃の直撃でも食らったのかおびただしい量の血痕と何かも分かりたくない破片がいっぱいあった。

でもそんな事でここを放棄するわけにはいかない。

 

「夕立は50口径についてください」

 

「了解!」

 

遠くからヘリの音もする。

 

《こちらノーマッド61!もう5分もかからない!目標地域は安全か?》

 

「今のところ敵は確認できません」

 

《了解!》

 

《不知火さん!吹雪です!聞こえますか?》

 

「聞こえます」

 

《あと20分ほどで到着します!》

 

「了解」

 

《こちら川内、私たちもあと40分ほどかかるけど到着するよ》

 

「了解しました」

 

私は初の陸戦ということで少し気分が高揚していた。

心拍数も早くなっているような気がする。

まるで始めて陸戦訓練を受けた時みたいだ。

いや、それよりもきっと興奮しているだろう。

私はそんな事思いながら銃を握り直した。




LINEグループで艦娘がCoDキャラになった時の話を見てて思いついた(


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敵工廠地区上陸作戦 2

けものフレンズ難民になりそうな私です(
最終回はきっとみんな笑ってるよね?


〜不知火〜

 

「夕立、右の林を警戒してください。何かいます」

 

「分かってるっぽい」

 

夕立は50口径機関銃を林に向けたまま警戒している。

確実に何かがいる。

 

《こちらノーマッド61!もうまもなく上空に到着!》

 

「了解しました。林に何かいます、こちらで警戒対処します」

 

《了解!》

 

ヘリの音が大きくなる。

もうすぐ近くまで来た時だった。

林から不意打ちのようにロケット弾が発射された。

RPGだ。

 

《右にRPG!》

 

ヘリはぎりぎりで回避した。

 

「見つけた!」

 

夕立はバックブラストを確認した場所一帯に機関銃を撃つ。

 

《こちらノーマッド61!地上に複数の兵員!ガンズ、RPGだRPG!やられる前に殺れ!!》

 

真上のヘリから機銃掃射が始まった。

夕立も合わせて機銃掃射を開始した。

 

《こちら吹雪!大丈夫ですか?!》

 

「こちらで片付けます、でも急いで」

 

《了解です!》

 

《こちらノーマッド!あらかた片付いた、隊員を降下させる!》

 

ヘリは少し移動してホバリングを開始した。

 

《よし、降下地点だ!》

 

《ロックンロール!》

 

《GoGoGo!!》

 

10名の隊員がファストロープを伝って降下してくる。

ものの一分で展開が完了した。

 

《マジック、こちらノーマッド。これよりCSARに移る》

 

《マジック了解。まだ周囲にRPGを持った敵が潜んでいるかも知れない、注意せよ》

 

《了解》

 

降りてきた隊員達はすぐに私の周りに集まった。

 

「ハンマーだ、よろしく・・・って言っても同じ鎮守府だがな」

 

「はい、よろしくです。今のところ敵の攻撃は軽微です。でも念のため周囲の警戒を怠らずに。吹雪隊の到着後、私たちは先行して建物に突入、その際に数名付いてきてください」

 

「了解、では隊を分けよう」

 

「お願いします」

 

吹雪達の到着まであと5分程度。

上陸は吹雪と伊19らしい。

大丈夫だろうか。

 

「もう1度内容を再確認します。この研究所のような場所の調査及び施設の制圧です。研究施設にはなるべくダメージを与えない事が重要な事項です」

 

「了解っぽい」

 

「夕立、射撃はなるべく3〜5発ずつの連射で設備にダメージを与えないように」

 

「うぅ〜・・・了解っぽい・・・」

 

「外なら好きなだけ撃ってください」

 

夕立は撃ちまくれないのが少しお気に召さないらしい。

作戦内容を再確認してるとようやく吹雪と伊19が合流した。

 

「お待たせしました!」

 

「お待たせなのね!」

 

「お疲れ様です。これより突入します」

 

「あれ?この人達は?」

 

「ウチからの増援です」

 

「よろしく。ハンマーだ」

 

吹雪達の武装は2人とも四四式騎兵銃だ。

まぁCQB向きではあるか・・・

 

「行きましょう、夕立、残弾数の把握は確実に」

 

「了解っぽい!」

 

わたしたちは施設に前進を開始する。

 

「不知火さん、その銃ってどこから持ってきたんですか?」

 

「これは元々ウチの装備です。年代的にもこっちの装備が主流だと思うのですが・・・」

 

敵は自動小銃でこっちはボルトアクションライフル・・・戦争末期じゃないんだから・・・

と心の中で呟く。

 

「ハンマー隊は施設の上からお願いします」

 

「了解した」

 

ハンマー隊は側の階段を登っていく。

 

「突入します」

 

ドアに手をかけるが当然と言うべきか鍵がかかっている。

 

「当然ですよね」

 

「どうしますか?」

 

吹雪は困った顔で言ってきた。

だがこういう事は想定内、ドアブリーチ用の爆薬を持ってきている。

 

「吹き飛ばします」

 

「いきなり派手にいくのね」

 

「鍵を破壊するだけです」

 

爆弾を取っ手にかけて両脇に張り付くように指示した。

 

「破壊」

 

爆薬を爆発させドアを吹き飛ばした。

私と夕立が突入し、続いて吹雪達が来た。

 

「クリア」

 

「クリアっぽい」

 

「敵影無し・・・なのね」

 

施設内は少し薄暗く、薬品のような臭いがした。

 

「この臭い・・・なんか危ないお薬っぽい・・・」

 

「ですね」

 

「不知火さん、あっちに下に降りる階段が」

 

「了解、下に行きましょう。ハンマー1聞こえますか?」

 

《こちらハンマー1》

 

「我々は地下に降ります。そちらも上階の捜索が終わったら地下へお願いします」

 

《了解》

 

《こちらノーマッド61、撃墜された搭乗員を救助。目立った怪我は無さそうだ。これより周囲を警戒する》

 

《マジック了解》

 

ヘリが無事に救助を終えたようで一安心だ。

上空ではまだ突発的に空中戦が起きているようだ。

 

「地下施設って何か嫌な雰囲気なのね」

 

「そうですね」

 

「きっと捕らわれた女の子がエロ同人みたいな事されてるのね!」

 

「・・・・」

 

「ぽい?」

 

夕立は分かってないようだった。

 

「エロ同人みたいな事ってどんな事っぽい?」

 

「エロ同人みたいな事っていうのはね・・・」

 

「わー!わー!」

 

「吹雪、大声出さないでください」

 

「だ、だって・・・」

 

「敵がいたら・・・」

 

呆れ気味に前を向いた時だった、壁にチラッと銃口が見えた。

 

「コンタクト!!」

 

次の瞬間、敵が撃ってきた。

 

「伏せるっぽい!」

 

階段だったために逃げ場がない。

私は伏せる時に壁際に敵の姿を確認したので素早く反撃した。

敵は壁の向こうにいるから当たってるのか当たってないのか分からない。

だが私が数発射撃した後に撃ってこなくなった。

 

「やったっぽい?」

 

「分かりません」

 

私はゆっくりと階段を降りる。

下からは少しだがうめき声のようなものが聞こえた。

当たった?

 

「・・・」

 

階段を降りきって曲がり角に着く。

私は拳銃に持ち替えてゆっくりと出た。

そこには肩と足に被弾したヲ級がいた。

側には深海棲艦特有なのか異形のライフルがあった。

ヲ級は撃たれた肩を抑えて恐怖に染まった顔でこちらを見ている。

出血自体は大したことない。

 

「どうしましょうか」

 

私はそばにあった銃を蹴飛ばして遠くにやる。

ヲ級は歯をガチガチと鳴らせながら何も言わずに恐怖に染まった顔で見上げてきていた。

私の銃口はずっと彼女に向いている。

 

「素直に言えば助けます、仲間はどこに居ますか?」

 

ヲ級は恐怖で喋れないのか涙目で震えながら首を振る。

 

「・・・そうですか」

 

銃を構え直して頭を狙う。

ほかの仲間の位置を知らないなんて有り得ない。

 

「素直に言えば助けると言ったんですが、聞こえませんでしたか?」

 

私はゆっくり引き金に指を掛けた。

その時いきなり羽交い締めにされた。

 

「やめてください!本気で怖がってます!」

 

「・・・敵に同情するんですか?」

 

吹雪だった。

私は冷たく言い放つ。

 

「私は約束しましたよ。素直に言えば助けると」

 

「でもこんなに怯えて・・・」

 

吹雪はヲ級を指さそうとした時だった。

ヲ級はさっき蹴飛ばした銃に手を伸ばそうとしていた。

夕立がそれに気づいてヲ級の腕を踏みつける。

 

「何してるっぽい?」

 

機関銃の銃口がヲ級を捉えていた。

 

「妙な真似は止めた方がいいっぽい」

 

「・・・イク、この子をヘリの位置まで連れて行ってください」

 

「り、了解なのね・・・ほら、行くの」

 

念のため手を縛って連れていく。

 

「吹雪はここでイクの到着を待ってください。夕立、行きます」

 

「了解っぽい!」

 

2人で先に進む。

少し調べたところこの施設は地下1階までしかないようだ。

 

「何かここ・・・変な臭いっぽい・・・」

 

夕立が一つの部屋を指さして言う。

確かになんだか変な臭いがする。

 

「よし、行きましょう」

 

ドアに鍵はかかってない。

中からは何かが動く音がした。

 

「突入」

 

ドアを蹴破るのと同時に夕立が先行して突入、続いて私が行く。

不意だったのか中にいた敵は満足に準備出来ていなかったようだ。

1人、また1人と撃って行く。

 

「クリア」

 

「クリアっぽい」

 

倒れているのはタ級やヌ級だった。

タ級が指揮官クラスだろうが、頭を撃ち抜かれて既に息絶えていた。

聞こうにも聞けない。

 

《こちらハンマー1!3階でこの研究所の責任者らしき男とその付き添いの深海棲艦を確保した!》

 

「了解」

 

辺りを見回すと何かのポッドのようなものが沢山ある。

ここがその深海棲艦の研究室なのだろうか。

 

「夕立、ポッドを開けられますか?」

 

「え・・・これあけるっぽい・・・?」

 

「当たり前です」

 

中身の事なんて想像したくもないが開けて中身を見るのも任務だ。

 

「中に何もありませんように・・・」

 

夕立は恐る恐るポッドのロックを解除して扉を開ける。

 

「う・・・やっぱり開けなきゃ良かった・・・」

 

中には何か半液体状の物が人の形を作ろうとしていた。

このポッド内で深海棲艦が作られていたのだろう。

 

「あれ?このスイッチって・・・」

 

夕立が壁に付けられたスイッチに気づいてそれを押した。

するの部屋の奥の壁が開いた。

奥には階段が見える。

 

「まだ地下がありますね・・・念のためハンマー隊の到着を待って行きましょう」

 

「了解っぽい」

 

その数分後に吹雪と伊19が到着した。

 

「あの子の様子はどうでした?」

 

「ひどく怯えてたけど、怪我も大したことないし大丈夫なのね。そっちの航空機に乗せたの」

 

「了解しました」

 

《こちらハンマー、上階で確保したHVTをヘリに乗せた。これよりそちらに向かう》

 

「了解。マジック、聞こえますか?」

 

《こちらマジック》

 

「舞鶴の部隊の到着予定は分かりますか?」

 

《もうあと10分ほどで到着予定》

 

「了解しました。到着後は施設周辺の安全確保を指示しておいてください」

 

《了解》

 

残弾を確認しているとイクが興味深々にポッドに近づいていた。

 

「このポッド・・・もしかして中身は・・・」

 

ジュルリと涎をすする音が聞こえた。

たぶん中でR18なことを想像していたのだろうがそんないい話はない。

 

「中は見たら後悔しますよ」

 

「そんなに凄い事になってるの?」

 

「グロイ意味では凄いことになってますね。めちゃくちゃ臭いですし」

 

「うぇ・・・」

 

イクは汚いものにでも触ったかのような顔をしてその場を離れた。

そんな事してるウチにハンマー隊も到着した。

 

「この下に新たな施設を確認しました、ここに突入します」

 

「了解」

 

「吹雪とイクはここでこの部屋の安全確保をお願いします」

 

「了解です!」

 

「では行きましょう」

 

ゆっくりと階段を降りていく。

下にはもう一つの扉があった。

これは電子ロックみたいだ。

 

「パスワードが無いとダメですか」

 

「ふむパスワードか・・・それならここにあるぞ」

 

ハンマー隊の1人がC4爆薬を取り出す。

それならこのドアを簡単に吹っ飛ぶだろう。

 

「では扉から離れましょう、お願いします」

 

「了解」

 

鼓膜が破れそうになる爆発音を感じた。

下を見るとドアが無くなっていた。

 

「行きましょう」

 

素早く中に突入する。

その時、たぶん全員がその状況を信じられなかっただろう。

中には日本海軍の制服を着た男が立っていた。

階級は中将だった。

周りには鎖に繋がれた艦娘達がいた。

そして男の周りには取り巻きのように深海棲艦が。

男はまさか扉が吹き飛ばされるなんて想像もしてなかったんだろう。

こちらを見て硬直していた。

 

「なっ・・・!」

 

男が拳銃を抜く前に取り巻きの深海棲艦を撃つ。

私がその間に男に体当たりして押し倒した。

 

「クソッ!離せ!!」

 

「動かないでください。じゃないと額でタバコ吸えるようにしますよ」

 

だが男は私を振りほどこうともがく。

拳銃のグリップ部分で男の鼻頭を思いっきり殴打した。

 

「ーーーーー!!!」

 

鼻を抑えて声にならない悲鳴を上げていた。

 

「夕立、その周りの連中は何人か生かしておいてください」

 

「了解っぽい」

 

ハンマー隊の人は鎖に繋がれていた艦娘を解放していた。

私は男の胸ぐらを掴む。

 

「・・・胸糞悪いですね。今からあなたの歯を全部折って飲ませてやりたいですが生かしておいてやります。どうせ後で殺されると思いますが」

 

「クソ・・・海軍の連中は昭和で頭が止まってると思ってたのに・・・」

 

「残念ですが、私達の司令官は元々アメリカの特殊部隊の人ですので」

 

両手を縛ってハンマー隊に身柄を渡した。

捕まえた深海棲艦はタ級とヲ級だけだった。

他はみんな死んでいた。

 

「拘束されていた艦娘達は大丈夫ですか?」

 

「何かひどく衰弱してるけどまだ何とかなりそうっぽい」

 

「了解、回収のヘリを要請しましょう」

 

証拠になりそうな書類や写真などを撮って外に出た。

 

 

 

〜提督〜

 

《マジックより全部隊へ。作戦の成功を確認した。敵の奇襲に警戒しつつ帰投を開始せよ》

 

「ふぅ・・・一安心って所だな」

 

「そうですね・・・誰も怪我しなくて良かったのです」

 

「そうだな」

 

「にゃっ!?」

 

電を抱き寄せて頭を撫でた。

 

「な、なんでいきなり撫でるのです!?」

 

「んー、何となく。強いて言うなら一安心したからかな?」

 

「そ、そうですか・・・」

 

電は顔を真っ赤にしていた。

その時不知火から連絡が入る。

 

《司令官、不知火です》

 

「聞こえるぞ。お疲れ様」

 

《はい。あの、報告なのですが》

 

「んなモン帰ってからすればいい。帰り道には気をつけろよ」

 

《いえ、緊急の報告です》

 

「ん?緊急?」

 

何やら嫌な予感がする。

 

《施設内で日本海軍の将校を捕縛しました》

 

「捕縛?保護じゃないのか?」

 

《いえ、深海棲艦に協力している様子でした。まるで実験材料のように艦娘達が鎖で繋がれていました。》

 

「・・・嘘だろ」

 

《今、ノーマッド61に研究所の責任者といっしょに乗せて帰投中です》

 

「了解した」

 

「どうしたのです?」

 

「ちょっと不知火から深海棲艦について報告でな」

 

「もしかして製造方法分かったのです?」

 

「まぁそんな所かな?電、ちょっと済まないが席を外してもらっても大丈夫かな」

 

「はい、戻っていい時に連絡してくださいなのです」

 

電はたぶん俺の嘘に気づいただろうが気にしないようにしてくれていた。

海軍の将校がなぜそんな所にいる・・・

俺は電話を大本営に繋げる。

 

「・・・」

 

《もしもし?》

 

「横須賀鎮守府だ」

 

《お!大佐か!どうだ作戦は》

 

「成功しました。あと報告なんですが」

 

《報告?》

 

「施設内で海軍将校を捕縛しました」

 

《なっ!?どういう事だ!》

 

「分かりません、ただ深海棲艦と共に居て、実験材料のように周りには艦娘が鎖に繋がれていたそうです」

 

《・・・分かった、こちらでも調べてみる。この事は内密にな》

 

「了解しました」

 

電話を切った。

あのクソ野郎から全部吐かせてやる。

 

「ノーマッド、提督だ。聞こえるか」

 

無線機を取ってノーマッドを呼ぶ。

 

《こちらノーマッド61。感明よし》

 

「到着までどのくらいだ?」

 

《あと2時間弱です》

 

「了解。確保したクソ野郎は生きてるか?」

 

《少しボコった程度ですが生きてます》

 

「了解、まだ殺すな」

 

《了解》

 

無線機を置いて電にもう帰ってきていいと連絡した。

 

「顔を見たら殺しそうだ・・・」

 

深海棲艦の製造方法くらいなら別にこんな怒りは感じていない。

その開発責任者を連れてこられた所で普通に製造方法を聞いて終わりだ。

だが今回は話が違う。

身内が何故その場に居たのか。

何としても吐かせないと。

 

「司令官さん、入ります」

 

「あいよ」

 

「どうでした?」

 

「んー・・・まぁ・・・」

 

「まぁ何となく嫌な事あったって予想がつくのです」

 

「飛びっきり嫌な事だがな・・・」

 

ため息を付きながら電が入れてくれたお茶を飲んだ。

 

 

 

〜2時間後〜

 

ヘリの音が聞こえる。

ノーマッドが帰ってきた。

 

「ハンマー、研究所の責任者は別室で尋問しろ。クソ野郎は俺に渡せ」

 

「了解」

 

「くれぐれも条約に違反しないようにな」

 

「それは提督に言えますけどね」

 

そう言ってハンマー隊の隊員は研究所に居た科学者らしきものを連れていった。

 

「お前はこっちだ」

 

「離せこのクソッタレ!俺が誰だか分かってんのか!!」

 

喚く中将を連れて倉庫に行く。

中にはジェームズが待っていた。

 

「こいつ?」

 

「そうだ」

 

「ふーん・・・」

 

「なんだよ姉ちゃんが俺に尋問しようってのか、ご褒美だな」

 

「軽口叩けるのも今のうちだ。今すぐ殺してやりたいがまだ生かしておいてやる事に感謝しろ」

 

きっと今の俺は電が見たら泣きそうな顔をしているだろう。

中将を椅子に縛り付ける。

 

「お前・・・俺は中将だぞ!上官にこんな事していいと思ってんのかクソッタレ!」

 

「うるせえんだよ」

 

思いっきり腹を蹴飛ばす。

 

「司令官、私がやるから帰ってていいよ」

 

「そうか・・・任せた」

 

「オイ!お前は自分の手を汚したくないからって女の子に尋問させるのか!」

 

俺はそんな罵声を受け流しながら倉庫を出た。

代わりに保護された艦娘達を受け入れる準備をする。

とりあえず執務室でお茶でも出してやろう。

そう思いながら執務室へ向かった。




何か微妙な出来な気がする


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尋問

捕虜の収容も終え、一息ついた。

電はその間に保護した艦娘達の名簿を持ってきてくれた。

 

「駆逐艦春雨、村雨・・・軽巡球磨・・・あと空母翔鶴と瑞鶴か」

 

ずいぶん沢山と・・・何しようとしてたんだ本当に。

その時、電話が鳴った。

 

「もしもし?」

 

《大佐、調査結果なんだが》

 

「え、早・・・」

 

まだ調査すると言って3時間も経っていない。

 

《ヤツは大本営内部の人間だ。しかも前から艦娘を売春目的で色々やったりしてたらしい》

 

「なんでそんなのが中将になれるんすか・・・」

 

呆れ気味で言う。

 

《証拠が無かったんだ。艦娘も他の鎮守府から拉致ってきたらしい。しかもまた何人かで協力して自分たちに従うようにしてきたとか》

 

「エロ同人かよ」

 

《とにかく、容赦しなくていい。ジュネーブ条約も気にするな》

 

「それ上がいう言葉じゃないですけどね」

 

《あと深海棲艦に協力していた話は何としても聞き出せ、その後は火炙りにしようが鋸引きにしようが構わん》

 

「ここは中世のヨーロッパか・・・まぁいいや了解しました。」

 

《頼んだ。ヤツの経歴はトンツーで送る》

 

「だから何自然にトンツーで送ろうとしてんだアンタわ!!」

 

《じゃあ・・・LINEで》

 

「この前同じ事言ったよね!?情報保全って言葉知ってるだろうがオッラーン!!」

 

《すいませんでした・・・車で送るので許してください・・・》

 

「そうしろよ!!」

 

そうやって乱暴で電話を切った。

 

「あーもうちくしょう・・・んで、保護した艦娘達の状態は?」

 

「えと・・・春雨さんと村雨さんの衰弱が酷いらしくて・・・命に別状はないそうなのです」

 

「そうか・・・了解」

 

「なんでこんな酷いことを・・・」

 

電の声は震えていた。

たぶん怒っているんだろう。

 

「1発引っぱたかないと気が済まないのです!」

 

電はどこから出したのか魚雷を振り回していた。

 

「爆発したら危ないからやめようか・・・」

 

「あーもう頭に来るのです!」

 

「それは同じだよ」

 

電は怒りながら残りの仕事のために部屋を出ていった。

あと10時間程度で不知火達が帰ってくる。

 

 

 

 

〜ネイサン・ジェームズ〜

 

「はぁ・・・罵るのもいいけどいい加減吐いてくれないかなホント。疲れるんだよね」

 

「このクソアマが!誰がお前何かに!」

 

「もうさ、早く殺したいから喋ってくれない?」

 

「殺す気かこの野郎!やって見ろよ!ジュネーブ条約違反だぞ!!」

 

「何自分の権利だけ主張してるの?」

 

中将は鼻血垂らしながら必死に暴言を吐く。

まるでいきがっているヤンキーみたいだ。

 

「アンタ本当に自分の立場分かってる?」

 

「分かってないのはお前だ!俺を誰だと思ってる!海軍中将だぞ!」

 

「だから?ウチの提督はそんなの気にしないし私はその命令に従ってるだけ」

 

「この野郎!この国に居られなくしてやる!」

 

「アンタはこの世に居られなくなるけどね。まぁいいや吐かないんだったら用はないって司令官に言われてるし」

 

「おう!だったら早く殺せよ!お前俺のバックが分かってんのか!」

 

「へぇ、バックって何?」

 

自分で墓穴を掘った。

協力者がいるような事を自分で言ったのだ。

 

「・・・・」

 

「なんで急に黙るの?バックがいるんでしょ?早く言ってよ」

 

「・・・そんな事言ってない」

 

「アンタ幼稚園児?録音してあるってバカでも気づくでしょ?」

 

私はボイスレコーダーの録音を止めて再生する。

ボイスレコーダーは呼びで4つほど持っているから一つくらい問題ない。

 

「これで言い逃れ出来ないね」

 

「・・・俺が死ねば終わりだ」

 

「で?自殺でもするの?」

 

さっきまでの威勢がどこかに行ってしまった。

 

「まぁ提督から自殺だけは避けろって言われてるんだよね」

 

私は歯医者なんかにある口を強制的に開けさせる器具を取り出した。

 

「ちょっとお口開けて貰えるかな」

 

「・・・・」

 

「開けろっつってんだろ」

 

私は思いっきり鳩尾を殴る。

 

「かはっ・・・!」

 

一瞬のスキを見て口にそれを入れた。

 

「あが・・・」

 

「私が殴らないって思った?残念だったね」

 

そしてペンチを取り出す。

 

「じゃあ今から歯医者さんごっこでもしようか。患者さんいっぱい虫歯あるから治療しないとね」

 

今の私はどんな顔をしてるのだろうか。

たぶんひどく歪んでいると思うが。

 

「痛かったら手を上げてくださいねー」

 

中将の顔はこれから何されるかを理解して恐怖の色が見える。

 

「話したくなったら頑張ってジェスチャーしてくれたらいいよ」

 

私は頭を無理やり固定して口にペンチを突っ込んだ。

中将は声にならない悲鳴と止めろと必死に叫んでいた。

 

「とりあえず・・・この歯からいこうか」

 

「あがぁぁぁぁぁ!!!」

 

「結構硬いな」

 

倉庫に悲鳴が轟く。

私はゆっくりと歯を引き抜いた。

 

「んがぁぁぁぁ!!!」

 

「あー・・・うるさ・・・んで、吐きたくなった?」

 

頭を離すと泣きながら頷いた。

 

「ちなみに歯はまだ10本以上残ってるから」

 

私がまだやる気なのは相手にも伝わっただろう。

 

「ちくしょうこの悪魔め・・・」

 

中将は泣きながら罵ってくる。

 

「悪魔でも何でもいいから早く言ってくれないかな・・・こっちも疲れるんだよね、オッサン暴れるから押さえなきゃいけないし」

 

「クソ野郎が・・・何が知りたいんだよ・・・」

 

「ようやく話す気になった?あそこで何をしてたのか、それが知りたいんだってさ」

 

「なんでお前は投げやりな感じなんだ」

 

「捕虜の尋問なんて面倒臭いんだよね、それに今回は相手が相手だから殺したくて仕方ない気持ち押さえてるの。分かる?」

 

「・・・・」

 

中将は私の言葉を無視して話出した。

 

「あそこには深海棲艦に艦娘のデータを学習させるためにいた」

 

「学習ね」

 

「まぁ後は個人的な趣味だ。深海棲艦が艦娘を調べる時が好きなだけだ。可愛い女の子が異形に全身くまなく調べられるってそそるだろ」

 

「とんだド変態だね」

 

「それにそのビデオを売ればいい小遣い稼ぎになるんだよ」

 

「そういう下らない理由で私たちの仲間を敵に売ったんだね、余計殺したくなった」

 

「・・・何とでも言え。で、もういいだろ。刑務所にぶち込むなり何なりしろ」

 

「まだ質問が残ってるよ」

 

「なんだ」

 

バックにいる協力者の話を聞けていない。

 

「バックの話しゃべってくれない?」

 

「・・・・」

 

それだけは言いたく無いらしい。

 

「ねえ、それ言ってくれるまで楽になれないよ?」

 

「言うかよクソッタレ」

 

「強情だなホント・・・」

 

私は司令官から渡された護身用の拳銃と別に持っていた22口径の拳銃を取り出す。

 

「おい、殺すのか。司令官の命令は無視かよ」

 

「別に殺さないけど?」

 

私は薬室に初弾を装填する。

 

「じゃあ脅しか。拳銃程度でビビるとでも思ってんのか!」

 

「ねぇねぇ、一生歩けなくなるってどう?」

 

「な・・・どういう・・・」

 

私は膝に向けて弾倉の弾丸全てを撃ち込む。

 

「うがぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「うわぁ・・・グッロ・・・」

 

「あ、ぁぁぁ・・・!」

 

頑張れば治るかも知れないが何かしら障害が残るだろう。

それにしてもなかなか口を割らないってすごいな・・・

 

「ちくしょう殺してやる・・・殺してやるこのクソアマァ!!」

 

「おー怖い怖い、オッサン元気だねぇ」

 

呆れたように言いながら次の弾倉を装填した。

 

「ねえ、アンタのバックにいる人ってさ、この痛みを耐えてでも喋っちゃダメな人なの?」

 

「・・・・・・・」

 

「素直に答えるならまだ生かしておいてあげるかも。家族だっているでしょ?」

 

「・・・・・東京に妻と子が・・・」

 

「また会いたいでしょ?じゃあこんな所で死んでいいの?」

 

「・・・・・」

 

「正直に話せばもう1度は家族に会えるよ。さよなら位言えるんじゃない?」

 

中将は黙ったままだ。

 

「そりゃさ、ずっと家族と暮らしたいって気持ちも分かるけど自分のやった事の大きさくらい理解してるよね?国を売ったのと一緒だからね」

 

私は少し落ち着くためにタバコを咥えて火をつける。

 

「1本吸う?」

 

「・・・タバコは止めた」

 

「そ、ならいいや。正直アンタがここから解放されたらどうなるか分かる?」

 

「・・・・」

 

「ここよりもっと酷い目にあうと思うよ。ウチの海軍の上って脳みそ昭和で止まってるの知ってるでしょ」

 

こういう情もかけれないような捕虜相手になるするか分かったもんじゃない。

CIAと同じくらいキツイ目に会うだろう。

 

「あ、そうだ。もう一つ聞きたい事あった。これは簡単に答えられるよね」

 

「なんだ・・・」

 

「なんで深海棲艦なんかに協力するの?金のため?」

 

「違う、そんな下らん理由じゃない」

 

「変態ビデオ撮って売るのは充分下らん副業だと思うけど」

 

「それは趣味だ」

 

「・・・変態」

 

「何とでも言え。俺が深海棲艦に協力するのは海軍に復讐するためだ」

 

「なにそのありきたりな理由。もっとひねりなさいよ」

 

「聞いたのお前だろ。俺は昔、提督をしてた時に艦隊を全てを沈められた。上の無能な作戦のせいで」

 

「ふーん・・・」

 

「あの馬鹿共は敵機動艦隊撃破の命令を出した。命令書には偵察写真があったよ、1週間以上前の。」

 

「今も昔も変わらないねぇ・・・」

 

ウチはいつもその情報の遅さに司令官がキレてるが。

 

「当時は何も疑問に思わず出撃させた。だけどそこにいたのは機動艦隊と戦艦隊の連合艦隊だった」

 

中将は苦い顔をして続ける。

 

「そもそも司令部の偵察機が写した写真では解像度が低くてほとんど分からなかったそうだ。そこに機動艦隊だけが単体で動いている、今だやっつけろと言わんばかりに命令を出した。それも写真が送られてきて解析が終わり進路を割出してからだ」

 

「・・・まぁ、大体分かったよ。その命令通りにしたら全滅したと」

 

「そうだ。だから俺はアイツらを許さない」

 

「それが何の罪のない艦娘達の売春目的の人身売買と何が関係あるの?艦娘のデータを調べさせるのはまだ分かるけど」

 

「単なる金稼ぎだ」

 

「そ、まぁいいわ。それで話戻すけど。バックについて教えてくれる?」

 

「・・・・」

 

「それは喋りたくないと・・・」

 

「・・・・・分かった」

 

「それでいいよ」

 

「ただ俺を殺す前に家族に合わせてくれ。お前の目の届く所でいい」

 

「殺すって決めた訳じゃないけどね」

 

「俺の協力者は陸軍の連中だ」

 

「海軍と仲悪いって聞いたけど」

 

「アイツらの所に女っ気が無かった、それだけだ。金だと足が簡単に着くかも知れないからな」

 

「艦娘拉致ってる時点で大分簡単に足がつくと思うけど・・・」

 

「拉致ってるのは陸軍の連中だ。俺は知らん」

 

「あ、そ・・・」

 

呆れてきた。

 

「で?まぁ売春組織みたいなのは分かったとして、深海棲艦までのルートは?」

 

「それは深海棲艦側からコンタクトを取ってきた、日本の連中は関係ない」

 

「じゃあ関係あるのは陸軍?」

 

「そうだ、1人は俺と同じ中将だ。あとは若い幹部が数人だ」

 

「了解、ありがとう。とりあえずまぁここまで喋ってくれたらこれで良いかな」

 

「殺すのか?」

 

「まさか。あんたの話が本当かどうか確かめてからじゃないと。何?もう死にたいの?」

 

「・・・・」

 

「もしかして私が優しく話しかけたからって気を緩めた?残念、今もアンタを殺したくて仕方ないよ」

 

私は捨て台詞のようにさっきの膝に向けてもう1発撃ち込んだ。

 

「ウギャァ”ァ”ァ”ァ”ァ”!!!!」

 

「アメとムチってね。いや、飴と22口径?」

 

苦しむ中将を後にして倉庫から出る。

ついでに衛生班に中将の治療を任せた。

私はケータイを取り出して司令官に電話をかける。

 

「もしもーし」

 

《あぁ、ジェームズか。どうした》

 

「ある程度吐かせたよ。確認してほしい事いっぱいあるんだけど」

 

《了解、お手柄だ》

 

「じゃ、ご褒美はキューバ産の高級タバコでいいよ」

 

《それは仕事が終わったらだ》

 

「ほーい。とりあえずちょっと返り血とかついて気持ち悪いからシャワー浴びてから司令室行くね」

 

《了解、じゃあまた後で》

 

そう言って電話は切られた。

外の天気は今にも雨が降りそうだ。

 

 

 

〜提督〜

 

ジェームズから送られてきた情報を確認する。

・・・上層部の汚職か・・・

ついでに中将の経歴にも目を通す。

 

「・・・上のミスで艦隊を全滅・・・そこから本部勤務になるが非行が散見される・・・か」

 

同情したいがやってる事のせいでそんな事出来ない。

もしこれが単なる復讐のために深海棲艦に情報を売ったくらいならまだ同情も出来た。

だが他人が愛情を込めて育て上げてきた艦娘を誘拐して自分好みに調教して売春するなど同情すら出来ない。

 

「どうしたもんか・・・」

 

コイツの元の所属は陸軍か・・・んで協力者の陸軍中将が同期と・・・

 

「電、すまん。お茶もう1杯貰えるかな」

 

「お安い御用なのです!」

 

「さんきゅー」

 

電が持ってきたお茶を啜っていると保護した艦娘の1人の翔鶴がやってきた。

 

「あの・・・」

 

「お?あぁ、翔鶴か。災難だったな。大丈夫だったか?」

 

「お陰様で・・・妹共々無事です」

 

「なら良かった。所属鎮守府は覚えてるか?」

 

「いえ・・・私たちの鎮守府はもう・・・」

 

「襲撃でやれたか・・・」

 

「はい・・・」

 

そういえばつい最近、小規模の襲撃で派遣隊がやられたという報告を聞いた。

そこの所属か。

 

「全員そこの所属か?」

 

「はい・・・全員まだ新米提督の所に配属予定でした・・・」

 

「・・・そうか」

 

確か、艦娘2隻撃沈、提督は戦死という報告が出ていた。

その時に捕まったか。

でも確かあの派遣隊の移動は極秘だったはず。

あの中将が情報を流したのか・・・それなら話の辻褄もあう。

 

「まぁ、行くところがないならウチで過ごせばいい。部屋はちょっと時間がかかるが許してくれ」

 

「大丈夫です、あそこに比べたら・・・」

 

「・・・この執務室を自由に使ってくれ。布団は・・・電、余裕あったっけ」

 

「えっと・・・備品庫に確かいっぱいあったはずなのです」

 

「了解、んじゃここに布団敷いとくか」

 

「了解なのです!翔鶴さん、お茶どうぞなのです」

 

「あ、いえ・・・私はすぐに・・・」

 

「まぁ飲んでいけ、遠慮しなくていいさ」

 

翔鶴は恐る恐る椅子に座って電の出してくれたお茶を飲んでいた。

 

「さて・・・あのオッサンどうするか・・・」

 

「本部の人達は来ないのですか?」

 

「たぶんそのうち来るだろ」

 

ただ処分はそちらでやれと言われたために来ないかもしれない。

 

「まぁ、ジェームズから詳しく聞けば大丈夫か」

 

何て呟いてるとジェームズが入ってきた。

何故か私服だ。

 

「なんで私服・・・?」

 

「いやー、洗濯したら他に着る服無くてね。まぁ司令官なら私服でも何も言わないかなって思って」

 

「お前・・・まぁいいや・・・」

 

「ところでそこのお姉さんは保護した子?」

 

「あぁ、翔鶴」

 

「よろしくお願いします」

 

「うん、よろしく」

 

ジェームズは笑顔で挨拶した。

 

「それでまず、一応さっき簡単には伝えたけど詳しくは言ってないよね」

 

「まぁな。どうだった?」

 

「まずまずかな。飴と22口径が効いたみたい」

 

「飴と22口径って何・・・?」

 

「ひ・み・つ」

 

「可愛らしく言っても少しだけ中身予想出来るから全然可愛らしくない」

 

同情する気はないが・・・南無。

 

「それで、深海棲艦に協力した理由は単に海軍への復讐なんだってさ。上が無能で艦隊が全滅したらしいよ」

 

「なるほどな・・・」

 

「あと、さっき伝えたけど拉致ってるのは陸軍の仕業で必要な情報を伝えてた。これは陸軍とっ捕まえて聞いた方が早いかな」

 

「そうだと思って知り合いの陸軍大佐に連絡取ったよ。特殊作戦群が確保に向かうんだと」

 

「陸軍は仕事早いねぇ・・・」

 

「まぁ、海軍よりは現代的な考え方してるからな・・・」

 

それしても特殊部隊動かすかね・・・

連絡取った時は大佐大激怒してたからな・・・

 

「んで、他には?」

 

「艦娘をあの場に居させたのは深海棲艦に艦娘について学習させるためだったんだって。でもそれは翔鶴に聞いた方が早いかも」

 

突然話を振られて翔鶴は少し困惑していた。

 

「ん〜・・・まぁ言いたくなかったら大丈夫なんだがあそこで何されたか教えてくれるか?」

 

「・・・・」

 

翔鶴は少し悩んでいた。

思い出すのも嫌な事だってあるだろう。

 

「・・・お話します」

 

「喋れるところだけでいい。無理はしなくていいんだから」

 

「・・・はい」

 

「とりあえず軽い質問なんだが、あそこにどのくらい居た?」

 

「えと・・・たぶん一ヶ月は・・・」

 

「・・・一ヶ月もか」

 

「はい・・・とにかくその・・・」

 

翔鶴は口ごもる。

 

「ごめんさなさい・・・あの・・・そちらの方にだけ話していいですか?」

 

「ん?あぁ、いいぞ」

 

翔鶴はジェームズに話を聞かせていた。

同性にしか言えない事って・・・

いや待て俺。邪な考えを生むんじゃない落ち着け。

何かを察した電が笑顔でこっちを見てるんだ。

これはあれだ。違う。

 

「司令官さん?」

 

「はひぃ!?」

 

「な、何をそんなにビビってるのです!?」

 

「いや、あれだ。違うから。エロ同人みたいな事期待してないから」

 

「・・・?」

 

「違うぞ、そういうのはエロ同人の中でしか起きてないって知ってるから大丈夫だぞ!」

 

「あの・・・何かよく分からないのですけど・・・とりあえず落ち着くのです!」

 

なんて俺がパニクっているとジェームズが冷たい声で・・・

 

「司令官、ちょっといい所だから静かにしてくれない?」

 

「いい所ってなんですか!?」

 

「あ、失礼。違うよ、私別にそんな邪な事想像してないから」

 

「・・・・・」

 

翔鶴は顔を真っ赤にして俯いていた。

 

「・・・・ジェームズ・・・こっち来い」

 

「嫌だ」

 

「嫌だじゃねーよ!」

 

「あ、あの・・・もういいですか・・・」

 

「えー・・・もうちょい!」

 

「もうちょいじゃねーよ!お前人の不幸な話聞いて何してんだ!」

 

「司令官だって内容想像してるクセに」

 

「うっさいわ!」

 

俺とジェームズの口喧嘩を見て翔鶴が少し笑っているのに気づいて少し安心した。

あんな事があった後だ、こうやって少しでも安心してくれるとありがたい。

ちなみに状況に察しのついた電さんは笑顔で若干青筋が額に浮かんでいる。

怒ってらっしゃる。

 

「司令官さん?何を想像したんですか?ナニを?」

 

「いやアレだから!これは健全なだな!」

 

「健全なって事は今認めたね」

 

「ちくしょうこの野郎!誘導尋問なんて卑怯だぞ!」

 

「いや、誘導尋問なんてしてないし勝手に自爆しただけだよ」

 

「司令官さんちょっとこっち来てくださないなのです」

 

「・・・はい」

 

部屋の隅に呼ばれて観念してそこに行く。

 

「司令官さん・・・ダメなのですよ、翔鶴さんだって怖い思いしたのにそんな変な事想像したら」

 

「ホントすいません・・・」

 

「司令官さんが健全な人って言うのは分かりますけど、口に出したらダメなのです!」

 

「申し訳ございませんでした・・・」

 

「ちゃんと相手の気持ちを考えるのです!」

 

「ごめんよ母ちゃん・・・」

 

「母ちゃんってなんなのです!?」

 

とりあえず解放してくた。

電が死んだ母ちゃんに見えてきた・・・

 

「あー・・・そうだ。翔鶴、これで瑞鶴と間宮で甘い物でも食ってこい」

 

俺は財布から一万円札を取り出して渡した。

 

「い、一万円も貰えません!」

 

「いいんだよ。てか今手持ちが万札しかないからな、まぁそれで好きなもの食べて売店で何か買ってもいいし好きにしろ」

 

「・・・ありがとうございます」

 

翔鶴は一万円札を丁寧に折りたたんでしまった。

 

「さて、とりあえずここをアイツらが寝れるようにするか」

 

「そうですね、お布団探してくるのです!」

 

「お、頼んだぞ」

 

「じゃあ私はこの辺で」

 

「おいコラ、手伝え」

 

「私今日仕事して疲れたんですけど」

 

「布団敷くだけだから手伝ってくれ」

 

「はぁ・・・じゃあキューバ産タバコ2箱ね」

 

「増えた!?しかも尋問と同じ報酬かよ!」

 

「ほら、可愛い艦娘の頼みでしょ」

 

「この野郎・・・あぁもう分かったよ、それで良いから手伝ってくれ」

 

「約束だよ」

 

ジェームズはそのまま電を追って外に出た。

俺は机やソファーをどかした。

 

「はぁ・・・」

 

疲れなのか何なのかため息が出た。




ジュネーヴ条約?なにそれ知らない(


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アメリカ艦とロシア艦の休日

〜ネイサン・ジェームズ〜

 

ものすごく腹立つ。

私はいつにも増してイライラしながら街を歩いていた。

今私は停職という懲戒処分を食らっていた。

私があの中将に対してやり過ぎだと言うことを後から捜査のために来た警察から怒られた。

 

「はぁ・・・」

 

私は海沿いの公園にあるベンチに座ってため息を着く。

停職という処分をくらってはいるが提督はこんなの形だけの処分だから休暇だと思って外出とかしてもいいと言ってくれた。

それでも処分を食らったことに納得いかない。

 

「このままどっか行こうかな・・・」

 

なんてボケーっと思いながらベンチに座っていると突然声をかけられた。

 

「あ、あの・・・えっと・・・」

 

「ん?」

 

声の方を振り向くと鎮守府の中で見たことある顔がいた。

名前は知らないけど。

 

「どうしたの?」

 

「え、えっと・・・ネイサン・ジェームズさん・・・?」

 

「そうだよ。で、そっちは?」

 

「ア、アドミラル・クズネツォフです・・・」

 

「あー、前提督がロシア艦娘が居るって言ってたの思い出したよ。今日は休みなの?」

 

「は、はい、えっとジェームズさんも見かけたので一緒にお買い物とかどうかなって・・・」

 

クズネツォフは顔を真っ赤にして必死に話しかけてきていた。

私は何だかそれがとても可愛く思えて今までイライラしてた事もアホらしくなってきた。

 

「いいよ、暇だったし。それでなんでもう1人は隠れてるの?」

 

私が奥の自販機に隠れている艦娘の方を見た。

 

「うひゃぁ!?ば、バレてた・・・?」

 

「あんなにチラチラ見てたらすぐ分かるけど・・・どうしたの?」

 

「い、いやその・・・」

 

「ヴェリーキーもこっち来るです」

 

クズネツォフが手招きしていた。

 

「う〜・・・」

 

ヴェリーキーと呼ばれた子は渋々こっちに来た。

ヴェリーキー・・・どっかで聞いたような・・・

少し考えて思い出した。

キーロフ級の艦娘か。

 

「ぼ、僕はピョートル・ヴェリーキーです、あのキーロフ級が苦手って聞いてたから・・・」

 

ヴェリーキーは少し怖がっているようだった。

 

「あー、その話か。あはは、別にキーロフ級皆が嫌いな訳じゃないよ」

 

「そ、そうなの?」

 

「うん、まぁ昔嫌な事があってね。それで、お買い物行くんでしょ?」

 

「あ、そうだった!クズネツォフの私服を買いに行くんだったんだ」

 

「へえ、じゃあ私もついでに買おうかな」

 

「はい、みんなで行くです!」

 

そう言って3人で近くのショッピングモールに歩く。

私はいつものジーパンに上はシャツと薄手のミリタリージャケットだったからたまには女の子らしい服を買ってもいいかな。

マーフィにもせっかくだからオシャレしろって言われてたし。

 

「そういえばジェームズさんって、いそかぜ たちと同じで僕達とは別の世界?の船だったっけ」

 

「普通に呼び捨てでいいよ。私はそうだね、いそかぜ達の事をよく知らないから分からないけどね」

 

「もし嫌じゃなかったら聞いてもいいですか?」

 

「うん、いいよ」

 

特に面白い話でもないが・・・

何て話しながらショッピングモールに向かっていった。

 

 

〜提督〜

 

「大丈夫かな・・・」

 

「どうしました?」

 

「いや、ジェームズの事なんだがな・・・」

 

「ジェームズさんメンタル強そうですし大丈夫じゃないですか?それよりも隊長、今日はヴィンセンスさんとペリーさんの訓練日でしたよね」

 

「あぁ、対空戦闘訓練だな」

 

今日は電達は輸送船団護衛に出ていて秘書がアンドロメダだ。

 

「そういえば結果って出ました?」

 

「ん?結果?」

 

「この前の作戦で色々と資料とか回収したじゃないですか」

 

「あー、それはまだだな」

 

何て話をしていたらタイミング良く情報班の人員が入ってきた。

 

「失礼します」

 

「はいよ、お疲れ様。どした?」

 

「はい、この前の調査結果が出ましたので」

 

「お、ご苦労さん。ちょっと目を通して聞きたいこととかあるからそこのソファーに座っててくれるか?」

 

「あ、はい。ありがとうございます」

 

「アンドロメダはお茶か何か出してやってくれ」

 

「はい、了解しました」

 

俺は資料に目を通す。

回収されたサンプルから深海棲艦の体は人間と同じらしい。

またその生態データは人間の女性のものだった。

艦娘のデータは主に兵装などだった。

そしてその生態データの収集は各地で拉致した人間のデータを集めてより理想的な身体能力を採用しているとか。

そして俺はもう一つ気になる文章を見つけた。

深海棲艦が拉致した人間とその人間のデータから作り出した深海棲艦を入れ替える実験をしているというものだ。

 

「これなんの意味があるんだ・・・」

 

俺はボソッと呟く。

意味不明だった。

軍の上級者を入れ替えるなら理解は出来るが一般人でしかも拉致されている被害者の平均年齢は18歳から21歳程度の少女だ。

 

「そういや、前に同じことあったけど何か新しい情報とかあるのか?」

 

「いえ、特には。ただ、この前の艦娘誘拐グループの連中はまだ捕まっていないそうで」

 

「まだ逃走中か・・・」

 

「はい、特殊作戦群が現在追跡中です」

 

「了解、とりあえず何か新しい情報があったら頼む」

 

「了解しました」

 

そう言って敬礼して出ていった。

そういえばジェームズとあとクズネツォフ達が外出中だったが・・・大丈夫かな。

ジェームズはたぶん捕まりそうになったら逆に相手をボコボコにしてソイツ攫って身代金要求しそうな勢いだが・・・

 

「隊長なんか今ものすごく失礼な事思ってませんでした?」

 

「そんな事はない」

 

「ジェームズさんなら相手をボコボコにして逆に誘拐して身代金要求しそうって思ってそうでしたけど」

 

「なんで分かるの!?」

 

「付き合いの長さだけでいえば電さんより長いですから」

 

「思えばそうだな・・・それをいえばこの中で俺と付き合いが一番長いのはケストレルだな、アイツの就役の時も上で援護に回ってたからな」

 

なんて思い出話に浸っていた。

 

 

〜ネイサン・ジェームズ〜

 

「え、えっと・・・それを着るの・・・?」

 

クズネツォフが自信満々で出してきた服はまさに女の子って感じのフリフリの服。

 

「ジェームズさんなら似合うです!」

 

「クズネツォフってこういう時元気だよねぇ・・・」

 

しかしここで断るのも申し訳ない。

私は苦笑いで試着室に入った。

 

「私のキャラじゃないよね・・・」

 

「何を言うですか!ジェームズさん、茶髪でセミロングなんて私が襲いたいくらい可愛いです!」

 

「そういえばクズネツォフは髪フェチだったね・・・あはは・・・」

 

外ではヴェリーキーの苦笑いする声が聞こえる。

 

「切るの面倒くさくてほったらかしてるんだけどね・・・」

 

自分の髪を触りながら呟く。

正直、ショートにしたいがマーフィが物凄い形相で断固拒否してくる。

黙って切ったら何があるやら分からない・・・

なんて思いながら服を着た。

 

「・・・・・・タバコ・・・やめようかな」

 

自分でもビックリするくらい似合っていると思った。

ただしそこにタバコが無ければだが。

薄めの紺色のスカートに紫色の内着、やたらフリフリのカーディガン。

 

「私も何も無ければ・・・こうやって普通の女の子みたいに楽しめてたかな・・・」

 

私はたぶんアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の中でも実戦経験豊富なほうだろう。

それに核攻撃を間接的に受けた事すらある。

 

「着ましたか?」

 

「え、あ、うん。着たよ」

 

するとカーテンが開けられる。

 

「ふぁぁぁぁ!可愛いです!ジェームズさん可愛いです!」

 

「か、可愛いって2回も言わなくていいから・・・」

 

たぶん少し顔が赤くなってるかも知れない。

言われ慣れてないから・・・。

 

「ク、クズネツォフが見たことないくらい生き生きしてる・・・」

 

「このまま買って着て帰りましょう!」

 

「え!?このまま!?」

 

「ここのお店、店員さんに言ったら大丈夫らしいですよ」

 

「え、えぇ・・・」

 

クズネツォフはキラキラした目でこっちを見てくる。

やめろ。私をそんな目で見るな。このまま拒否することに良心が痛むから。

 

「わ、分かったよ・・・」

 

「じゃあ店員さん呼んでくるです!」

 

そう言ってクズネツォフは店員を呼びに行った。

 

「クズネツォフっていつもあんな感じなの?」

 

「い、いや・・・・今日ほど生き生きしてたの見たのは僕も初めてかも・・・」

 

「そうなんだ・・・」

 

ヴェリーキーは苦笑いで店員を連れてきているクズネツォフを見ていた。

店員はそのまま服のタグを切ってくれ、値段を書いた紙を渡してきた。

私達はそれを持ってレジに並ぶ。

 

「そういえば、クズネツォフ達も買ったの?」

 

「僕は付き添いだから何も買ってないよ、クズネツォフは何か買ったの?」

 

「うへへへ・・・今日はもう可愛いジェームズさん見れたので私は満足です・・・」

 

「・・・・・この子やっぱいつもこうなの?」

 

「・・・今日が特別だと思う・・・」

 

クズネツォフは何も買ってないがとりあえず幸せそうな顔をしていた。

 

「それで、この次はどうする?」

 

「お腹空いたしどこかでご飯とかどう?」

 

「私も同じです!ジェームズさんはどうです?」

 

「じゃあご飯にしようかな、今日はこうやって服も選んでくれたしご飯奢るよ」

 

「え、わ、悪いよ」

 

「いいよ、私そこそこお金持ってるし」

 

「じゃあお言葉に甘えて・・・」

 

「イタリアンなご飯が食べたいですお姉様!」

 

「お姉様!?」

 

私とヴェリーキーがハモった。

 

「ジェームズさん可愛くてカッコイイので私の理想のお姉様です!」

 

「ぼ、僕はダメなのか・・・」

 

何故かヴェリーキーがダメージを負っていた。

 

「えっと・・・お姉様・・・か」

 

私はちょっと艦だった時の事を思い出す。

私はアメリカ海軍のミサイル駆逐艦。

彼女はソ連の重航空巡洋艦。

何だか複雑な気持ちだが、彼女は無邪気な目でこっちを見てきていた。

 

「うん、いいよお姉様で」

 

「いいの!?」

 

「悪い気はしないからね」

 

「えへへー、お姉様ー!」

 

「・・・何だこれ」

 

側でヴェリーキーは微妙そうな顔をしていた。

とりあえずやたらとクズネツォフに懐かれた。

私達はレストランを探した。

 

「ねぇヴェリーキー、クズネツォフって艤装を付けると性格変わるって聞いたけど」

 

「うーん・・・そうだね、なんか本当に機械みたいになるよ」

 

「・・・それが今じゃこれか・・・」

 

私の右腕にべっとりとくっつき、お姉様〜とか言いながら頬ずりしてきている。

なんだこの可愛い生き物は。

 

「あ、こことかいいんじゃない?」

 

ヴェリーキーがある店の看板を指さす。

そこは1000円でピザ食べ放題の店だった。

 

「ここいいね、ここにしようか」

 

そう言って店内に入る。

 

「みんな食べ放題でいい?」

 

「ごめんね、奢らせちゃって」

 

「いいよ、私も今日は楽しませてもらったお礼だよ」

 

「お姉様ー、今度また3人で外出したいです!」

 

「うん、また今度ね」

 

「あはは、すっかり懐かれてるね」

 

「慣れてみると結構可愛いよ」

 

「うー・・・僕にはこんなに懐かないのに・・・」

 

「へへ、アメリカ駆逐艦に負けた気分はどう?」

 

「あー!なにそれ酷いなー!」

 

「あはは、冗談だよ。とりあえずドリンクバーも頼んだし何か飲み物取りに行こう」

 

「お姉様のは私が行くです!」

 

「え、いいよ、自分で行くから」

 

「私じゃダメですか・・・?」

 

何故かクズネツォフは涙目で見てくる。

 

「そ、そんなに行きたいの・・・?じゃ、じゃあコーヒーお願い」

 

「かしこまりです!」

 

「クズネツォフ、行こっか」

 

ヴェリーキーに連れられてドリンクバーに向かっていった。

 

「小動物か何かかなあの子・・・」

 

私も身長が高い方では無いが、ヴェリーキーが160cmくらいでクズネツォフは150もないくらいに見える。

 

「全く提督もこんな子達に囲まれて幸せだねぇ・・・」

 

私はそんな独り言を呟いて2人を待っていたら1分もしないくらいで帰ってきた。

 

「ありがと」

 

「いえ!お姉様のためです!」

 

「一瞬で物凄い懐かれてるね・・・」

 

「自分でもビックリだよ」

 

私はコーヒーを飲みながら一息ついた。

 

「そういえば、お姉様に聞きたいことあるです」

 

「ん?なに?」

 

「その、前に言ってたジェームズの知ってる世界とここの世界が違うって話聞きたいです」

 

「あー、それね。うん、いいけど面白い話じゃないし特にヴェリーキーには辛い話もあるかもだけど」

 

「僕は大丈夫だよ」

 

「そっか、じゃあどこから話そうかな・・・」

 

私はまず、私が世界で最後の希望だったという話から始めた。

 

「ウイルスが蔓延、世界は世紀末・・・でも私にはその病気を治す手段を作れる希望があったんだよね」

 

「希望です?」

 

「うん、その病気を研究するウイルス学者とそのウイルスの原子株って言うのが手に入ってね。そのせいなのか私自身、医療とかはお手の物って感じなんだけどね」

 

「ということはお姉様はお医者さんです?」

 

「まぁそんな感じかなー、免許もないから簡単な治療とかしか出来ないだろうけど・・・」

 

そして私はキーロフ級に襲われた話やイギリス潜水艦に襲われた話などをした。

 

「まぁこんな感じかな」

 

「お姉様・・・結構大変だったんですね・・・」

 

「うーん・・・まぁね」

 

「そういえば僕の姉妹にヴェルニなんて居ないからちょっと安心かな」

 

「もしこの鎮守府に居たら喧嘩してるかもね」

 

私は笑いながらそんな事を言った。

そんなことをしてるうちに頼んだ一枚目のピザが来た。

 

「本格的だね」

 

「おいしそうです!」

 

「じゃあジェームズさん、いただきます」

 

「うん、クズネツォフも言ってるしまた3人で出掛けよっか。あ、でも今度はマーフィも連れてきたいな」

 

「僕は大歓迎だよ」

 

「マーフィさんはお姉様のお姉様ですよね、挨拶するです!」

 

「いやクズネツォフ・・・結婚するわけじゃないんだから・・・」

 

「結婚ダメですか・・・」

 

「本気なの!?」

 

私もピザを吹き出す所だった。

たぶんその話を聞いたら提督はこれ以上レズカップル増やすのやめてくれって泣きながら言ってきそうだ。

 

「でも私はお姉様と結ばれる為ならどんな障害も乗り越えるです!」

 

「・・・ヤバイ、本気だこの子・・・」

 

ヴェリーキーは真正面で頭を抱えていた。

 

「あ、あははは・・・」

 

私は何かもうどうにでもなれという感じの笑いが出ていた。




こういうほのぼのを久々に書いた気がする(


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5月のある日

5月なのにもう暑い。

心の中で嘆きながら鎮守府を巡回していた。

今日は第六駆逐隊は演習で秘書をネイサン・ジェームズに任せていた。

 

「これ終わったらアイスでも食いに行くか・・・」

 

「アイスねぇ・・・冷たいビールのほうが私はいいかな。あとタバコ」

 

「そこは可愛らしくアイスで喜べよ」

 

「・・・わーい!私アイス大好きー!提督さんカッコイイ☆」

 

ジェームズは普段のキャラ・・・というか初対面の時のキャラを更にぶりっ子にしたような感じになった。

たぶんコイツの事を何も知らなかったら可愛いと思えただろう。

というか額に青筋が浮かんでる。

あと視線に殺意を感じる。

 

「誰がそこまでしろと言った・・・あと怖い」

 

「可愛い女の子に向かって怖いとは聞き捨てならないよ」

 

「拘束した人間の膝に22口径とは言え10発以上の弾丸ぶち込むヤツのどこが可愛いんだ」

 

「22口径っていうちっちゃい弾丸使うあたり女子力高いとか思わないの?」

 

「女子力(物理)か女死力の間違いだろ・・・」

 

「まったく提督ってホント電以外には冷たいよね」

 

「そうか?」

 

「まぁ、私はそれくらいの扱いのほうが楽でいいんだけど。で、あとここだけでしょ?」

 

「あぁ、ここで最後だな」

 

「じゃあささっと終わらせてアイスでも食べに行こうよ。提督の奢りで」

 

「お前・・・」

 

そう言いながら俺は戦闘指揮所の扉を開ける。

指揮所とは言え、ここは基本的に鎮守府近海における艦娘以外の部隊の指揮を行っている。

また展開している艦娘がどこにいるのかを表示しているモニターなどがある。

艤装に取り付けた発信機の信号を衛星が拾ってモニターに表示している。

 

「どうだ調子は」

 

「あ、提督。バッチリです。」

 

そのモニターの前に座っている青年はヘッドホンを外して俺の方を振り向く。

 

「演習のほうはどうだ?」

 

「現在、ターゲットドローンを使った対空戦闘中ですね」

 

「そうか」

 

今回の演習は鹿島の練習巡洋艦として新規配置艦娘に教育が出来るようにさせることも目的としている。

 

「ま、あとはよろしくな」

 

「了解です」

 

俺はそう言って指揮所を出た。

ジェームズは外で呑気にタバコを吸っていた。

 

「終わり?」

 

「あぁ、これで終わりだな」

 

「じゃ、行こっか」

 

「どこにだ?」

 

「アイス食べに行くんでしょ」

 

「あー・・・そんな約束してたな」

 

「提督の奢りだからね」

 

「・・・はいはい」

 

何となく甘い物が楽しみという雰囲気がジェームズから出ていた。

何だかんだ女の子らしい所もあるな・・・なんて父親のような気持ちで見ていた。

 

「どうしたの?」

 

「いや、何だかんだ女の子らしい所あるなって思ってな」

 

「・・・それどういう意味?」

 

「アイス食べに行くのが楽しみって雰囲気出てたから」

 

「そ、まぁいいよ。それよりも提督って私のこともしかしてあんまり女の子扱いしてない?」

 

「お前そういうの嫌いそうだからな、正直あんまり」

 

少し怒ってくるかと思ったが意外な返事が帰ってきた。

 

「さすが提督・・・なのかな、よく見てるね」

 

「あれ、怒るかと思ったのに」

 

「苦手だよ、私は女の子扱いされるのって・・・実際、見た目が女の子なだけで中身は実戦経験豊富なイージス艦だからね」

 

そういうジェームズは何か悲しそうだった。

 

「・・・きっとあんな事が無ければ私もマーフィみたいに女の子らしいというかお淑やかな性格になれたのかな」

 

「どうだろうな・・・正直、実戦経験豊富な現代艦艇って言ったらケストレルやアンドロメダ、いそかぜだしな。あとバーベットか」

 

「ケストレル達は戦争だったんでしょ?私のは人間の汚い部分とだよ。まぁ突っかかっても仕方ないけど・・・あ、間宮見えてきたよ」

 

「・・・苦労してんだな・・・」

 

ジェームズの記憶がどういうものかイマイチイメージがつかないからそういう返事しか出来ないが本人は気にしていないようだ。

なんて話してる間に間宮に着いた。

 

「いらっしゃいませー!あれ、提督?電ちゃんとじゃないんですか?」

 

「今日は演習行っててな・・・コイツにはまぁ仕事に付き合ってくれたしそのお礼って感じかな」

 

「ふふ、まるで親子みたいですね」

 

「・・・こんなお父さんやだ」

 

「・・・・・・地味に傷つくからやめろ・・・」

 

ジェームズに傷つけられた所で席に案内された。

席についてメニューを開いた。

 

「そういえば私、日本の和菓子って食べた事ないな」

 

「ありゃ、そうなのか?マーフィは抹茶と一緒に食べる和菓子は最高だって言ってしょっちゅう来てるらしいぞ」

 

「あー、そういえば何かそんな話してたかも」

 

「まぁ何でも好きなの行けばいいぞ、俺は適当に冷たいコーヒーでも飲んでるから」

 

「そう?じゃあこの和風パフェにしとこうかな」

 

「はいよ」

 

近くのボタンを押して注文を受け取ってもらう。

そういえば間宮に来る時は大体電とだったから違うヤツと来るのは何か新鮮だ。

 

「お待たせしました、注文は?」

 

「和風パフェとアイスコーヒー頼む」

 

「はい、了解しました」

 

間宮はメモを持って厨房に戻っていった。

 

「そういえばジェームズはマーフィと外出とかしないのか?」

 

「どしたの?急に」

 

「いや、何となく。一応姉妹だろう」

 

「ホント・・・一応・・・ね」

 

ジェームズは少し悲しそうな顔になる。

 

「私の中じゃちゃんと姉って記憶があるのに向こうにはそれがないからね・・・私の中じゃアーレイバーク級は100隻以上あるのに彼女の中じゃアーレイバークは60隻くらいしか居なくて彼女が1番最新型で妹もまだ作られてないんだから・・・」

 

「・・・まぁ、なんだ。記憶が違うとは言え、同じアーレイバークなんだ。それは違わないだろ」

 

「まぁね、だから向こうも私を妹のように扱ってくれるけど・・・やっぱり何だか私は妹キャラって感じでね」

 

「それはまだ慣れてないから・・・って言いたいけどな・・・まぁ、マーフィなら受け入れてくれるよ」

 

「知ってる、マーフィが優しいのは妹の私がよく知ってるよ」

 

ジェームズはちょっと笑顔でそう言った。

なんてしてる間に注文した物が届いた。

 

「じゃ提督、いただきます」

 

「はいよ」

 

パフェを味わいながら食べるジェームズを見ながらのんびりコーヒーを飲みふと、伝票を見た。

 

「ブフッ!!」

 

「うわぁぁ!?どしたの!?」

 

珍しくジェームズが大きな声を出す。

 

「あ、いや・・・うん、なんでもない・・・」

 

「なにそれ・・・まぁコーヒーかからなかったからいいけど・・・」

 

「・・・・・・」

 

高い。

すんごく高い。

俺のコーヒーが200円なのに対してパフェのお値段なんと3500円。

ちらっとメニュー表を見たら最高級抹茶に日本の中でもかなり有名な和菓子店が間宮用に作ってくれたアンコにその他もろもろ日本の味を詰め込んだ高級パフェだった。

幸いジェームズは味わいながら食べていてくれた。

時々幸せそうな顔をしている。

 

「さすが女子の食べ物・・・」

 

俺はそう呟いた。

 

 

〜ネイサン・ジェームズ〜

 

「は〜・・・ごちそうさま。何か日本の味って感じだったよ」

 

「は、はは・・・そりゃ良かった・・・」

 

「何でそんな顔が引きつってんのさ」

 

「気のせいという事にしといてくれ・・・」

 

「?」

 

なんだコイツ。

とか思いながらも美味しいものが食べれて満足だ。

 

「んで、まだお仕事あるの?」

 

「んや、今日はもういいぞ。外出するなりなんなりしてくれ」

 

「了解、んじゃねーごちそうさまー」

 

私は手を振って隊舎に帰る。

 

「どこか行こうかな・・・」

 

なんて考えながら隊舎の廊下を歩いているとトイレから何かの物音と苦しそうな声が聞こえてきた。

 

「・・・・なにこれ」

 

興味本位と何かあれば助けるつもりでトイレに入る。

耳を済ましていると・・・

 

「い、いそかぜ・・・誰か来ちゃうから・・・」

 

「ふふ、この時間ならこのトイレは誰も来ませんよ。それより昨日はお世話になりました」

 

「ちょ、ちょっとまっ・・・あっ!」

 

「ふふ、私のうらかぜ・・・・」

 

・・・・・・・・これが噂のいそかぜとうらかぜか・・・

しかも鍵かかってないし・・・

私はドアを開けた。

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

2人と目が合う。

 

「・・・・何してんの?真昼間から」

 

「・・・・・あの」

 

いそかぜが何か言おうとしている。

というか洋式便座にうらかぜ縛り付けて何やってるのこの人は・・・

 

「ここ・・・美味しいですよ」

 

「何言ってんの!?」

 

うらかぜの股間を指さしてそんな事を言う。

久々に人にツッコミを入れた気がする。

 

「・・・もういいや、この事は誰にも言わないから・・・」

 

「いやあの、せめて助けよう?!私昨日からずっといそかぜに部屋でも色々されててそろそろ過労気味なんだよー!」

 

「いや面倒臭いし」

 

「薄情者ォォォォ!!!」

 

そんな叫び声を無視してドアを閉めた。

 

「よし、私は何も見ていない。これで皆幸せだよね」

 

そういう事にしておこう。

というかしておきたい。

私は自分の部屋まで急いだ。

 

「・・・・・・もしかしてここも?」

 

部屋の中からはマーフィの声が聞こえる。

声というか喘ぎ声というか・・・

シンビルスクという名前も聞こえる。

確かマーフィに憑いてる潜水艦の幽霊だったような

私は意を決して扉を開ける。

 

「シ、シンビルスク・・・も、もうやめ・・・ジェームズ帰ってくるかも・・・」

 

『えへへー、ジェームズさんはお仕事中ですからね!昨日は出来ませんでしたし!』

 

「も、もうやら・・・やすませて・・・」

 

全裸のマイケル・マーフィさんが全裸の半透明で浮遊してる女の子にイジメられていた。

物凄い絵面だった。

私はそっと気づかれないようにドアを閉めた。

たぶん今私は泣きそうな顔をしてるかも知れない。

 

「・・・まともなのは私だけか・・・」

 

たぶん半泣きになっている。

私は逃げるように執務室に向かった。

 

 

〜提督〜

 

さーて・・・久々に平日なのに午後休みだし何すっかな。

なんて考えながら私物のパソコンを開く。

もし厳しいというか陸軍の連中がこれ見たら懲戒処分を食らうだろうな・・・

そのへん緩い海軍で良かった。

 

「うーむ・・・とりあえずFall〇ut4で111のアイツとなるか」

 

そう呟いてゲームを起動しようとした時誰かが入ってきた。

目線を上に上げると半泣きのジェームズが。

・・・あのジェームズが半泣き!?

 

「ど、どうした!?」

 

「て、ていとくぅぅ〜・・・もう部屋帰りたくない・・・」

 

今にも泣きそうな声で訴えてきた。

というかジェームズが泣くほどって何だ、マジで何があった。

 

「と、とりあえず落ち着け・・・ソファーでも座れ、な?」

 

「うん・・・」

 

嘘だろ。

普段のキャラが一変してか弱い女の子みたいになってる。

明日にはこの鎮守府に砲弾の雨が降るんじゃなかろうか。

 

「とりあえずコーヒーでいいか?」

 

「その前に涙ふけるもの欲しい・・・」

 

「涙?」

 

よく見るともう泣いてらっしゃった。

 

「ちょ、ちょいまて!えーっと・・・あぁ、これでいいや!」

 

今朝洗濯して汗でもかいた時に使おうと思っていたタオルを渡した。

 

「ありがと・・・」

 

涙声だ・・・。

 

「そんで、どうしたんだ?」

 

「マーフィが・・・うぇっ・・・」

 

「わぁぁ!!泣くなって!」

 

「うぇぇ・・・私だって泣く時には泣くのにぃぃ・・・」

 

「分かった、分かったから。泣きやめ。な?」

 

「もうちょっと待って・・・ぐすっ・・・」

 

「・・・お前が泣くほどって何があったんだ本当に・・・」

 

俺はそれが心底心配だった。

あのジェームズだ。

人の膝に22口径ぶち込んでも動じないジェームズが・・・ってこれはさすがに失礼か。

 

「あのね・・・」

 

「お、おう・・・」

 

「部屋に帰ったら・・・マーフィが裸で・・・」

 

「オーケー、もうあとは何が起きたか全て理解した」

 

「ほんとに・・・?」

 

「あぁ・・・全裸のシンビルスクも居てマーフィがめちゃくちゃされてたんだろ」

 

「・・・みてたの・・・?」

 

「違うわ!」

 

それにしても自分の姉が目の前でめちゃくちゃされてる所を見たら泣きたくなるだろう。

 

「・・・落ち着くまでここに居ていいぞ・・・あと2時間は終わらんからな・・・」

 

「・・・」

 

ため息を付きながら滑走路を眺めていた。

そろそろ電達も帰ってくる。

 

「提督・・・」

 

「ん?」

 

振り向くと思いっきりジェームズに抱きつかれた。

 

「んんんんん!?!?」

 

「今はこうしてたい・・・」

 

「え、あー・・・どうすりゃいいのこれ・・・」

 

無下に引き離す訳にもいかない・・・

とりあえず撫でてやるか・・・

 

「ん・・・」

 

「落ち着くか?」

 

「うん・・・」

 

なんてしてる時だった。

 

「司令官さん!演習無事終了なので・・・す・・・」

 

「・・・・・」

 

俺は多分今物凄い顔をして固まっていると思う。

そして電も固まっている。

俺の鳩尾付近には泣きながら抱きつくジェームズとその頭を撫でてる俺の手。

誤解だと言えばいいのだが完全にお互い硬直していた。

 

「し」

 

「し・・・死!?」

 

俺は死を確信していたら・・・

 

「司令官さんの浮気者なのですぅぅぅ!!!びぇぇぇぇぇ!!!」

 

「待ってくれ違ァァァァァう!!!!」

 

遠のく電の声と俺の必死に誤解だと訴える声が虚しくも鎮守府の司令部に響いた。




何かキャラ崩壊起こしてるような(


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敵新型機

お久しぶりです!最近クソ忙しくて投稿遅れました!


「・・・何かごめん・・・」

 

「何かじゃねーよ!」

 

遠ざかる電の悲鳴を聞きながら嘆く。

どうやって誤解を解こう・・・

あんなの誰がどう見たって浮気だろう。

 

「とりあえず電を探して謝るぞ」

 

「それがいいかもね」

 

「・・・まぁお前が泣き止んでからだけどな・・・」

 

ジェームズはまだ目が真っ赤だった。

 

「じゃあもうちょい頭撫でてて」

 

「何でだよ」

 

「落ち着くから」

 

「・・・はいはい」

 

この状況をもう1度見られたら言い逃れは不可能だな・・・

なんて思ってると廊下から物凄い勢いの足音が。

あと何かエンジンの音する。

 

「誰か来たな」

 

「ん・・・」

 

ジェームズは俺から離れて自分で涙を拭っていた。

その様子を見ていたらドアがものすごい勢いで開いた。

開けたのは電さん。

さっきの状況から30秒経ってないのにいつの間にか白装束に着替えてチェーンソーを持っている。

しかもブォンブォン言わせながらエンジン吹かしている。

控えめに言って死ぬほど怖い。

 

「い、電さん・・・?」

 

「私を〜・・・差し置いてぇ・・・他の女とぉ・・・イチャコラしてたのはどなたなのですぅ?」

 

顔を傾けながらそう言ってくる。

前髪で片目が隠れてて余計に怖い。

とりあえず怖い。

 

「あの・・・電さん?少々お話宜しいでござりますか?」

 

「お話の内容次第なら聞いてあげますから早く喋りやがりやがれなのです」

 

「電、あれは誤解だ!」

 

「そ、そうだよ!あれには事情があって・・・」

 

「はて?誤解ってどんな意味のJapaneseでしたっけ」

 

Japaneseだけ無駄に発音の良い電さん。

 

「なんでそこだけ英語なんだよ!てか、ホントに誤解だ!」

 

「大丈夫なのです、初めは皆そう言いますけど1回チェーンソーで刺身にされたら本当の事喋るって教えてもらったのです」

 

「誰だよそんな過激な事教えたの!!」

 

「ごめん私・・・」

 

「犯人お前かよ!」

 

まさかの犯人はジェームズだった。

てかチェーンソーで刺身って何?おいしいのそれ?

 

「とりあえず司令官さん?優しくしてあげるのでお〇ん〇ん出すのです」

 

「何故!?あと優しくって何をする気!?」

 

「去勢なのです」

 

「お願いします許してください何でもしますから」

 

「ん?今なんでもって言ったのです?じゃあ去勢するのです」

 

「いやぁぁぁぁ!!お願い許してぇぇ!!せめて息子の命だけはぁぁぁ!!」

 

土下座しながら息子の命だけは守ろうとする海軍大佐の図である。

ちなみに半泣きだ。

 

「電お願い聞いて!私ちょっと嫌な事あって提督に相談してたの!」

 

「それで抱きついていい理由になると思ってるのです?とりあえずジェームズさんもそのたわわに実ったオッパイが許せないので切り落とすのです」

 

「待って色々おかしい」

 

ジェームズはどうやらおっぱいを切られそうだ。

 

「良かったなジェームズ、まだ子孫残せるぞ」

 

「そういう問題・・・?」

 

「まぁでも、相談内容とやらを聞いてやらないことも無いのです。電は賢いので」

 

「何かキャラ壊れ始めてるぞ電!」

 

電のキャラが壊れ始めたがとりあえず何とか話を聞いてくれそうだ。

聞いてくれそうだがちょいちょいエンジンの回転数上げてて心臓に悪い。

 

「あの、とりあえず説明するけど・・・」

 

ジェームズはことの流れを説明した。

聞いてて俺は胃が痛くて泣きそうだったが・・・

何組のTPO?何それ知らない!レズセ〇クスたーのしー!って言う連中が増えれば気が済むんだちくしょう。

しかし話を聞いた電は・・・

 

「なんだ、私の勘違いだったのです☆彡」

 

そう言ってチェーンソーを窓に向かってフルパワーでぶん投げる。

俺とジェームズはあまりの変わりように唖然としていた。

 

「にょわぁぁぁぁぁぁぁ!!!??チェーンソー!?チェーンソーナンデ!?」

 

というバーベットの悲鳴が聞こえてきた。

普段のクールさが全部どこかに旅立った悲鳴だった。

 

「全くもう、司令官さん早く言うのです!電、勘違いしちゃったのです!」

 

「まぁ・・・その・・・勘違いさせて悪かった」

 

「でも、浮気じゃなくて一安心なのです。あ、それとジェームズさん」

 

「はいっ!?なんでしょう!?」

 

突然話しかけられジェームズも普段の感じがどこかに行っていた。

 

「司令官さんの撫で撫でって落ち着くの共有できたのです」

 

と満足げな顔をして言う。

 

「・・・何突然惚気けてんだ・・・あと提督は何嬉しそうな顔してんの」

 

「いやー、ほら可愛い嫁がだな?」

 

「・・・もういいや、とりあえず部屋帰るよ」

 

「もういいのか?」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

ジェームズは硬直した。

部屋に帰ればまだマーフィとシンビルスクが事を致してるかもしれない。

きっとそう思ったのだろう。

 

「・・・・・やっぱここにいる」

 

「そうしとけ・・・」

 

なんてしてると電話がなる。

 

「もしもし?」

 

《大佐か?少し急な任務を頼んでいいか?》

 

「はいはい、何を頼む気ですか?」

 

《そっちの1番練度の高い航空隊と空母を至急、南方海域に送ってくれ!》

 

「はぁ・・・」

 

《敵の新型機が出たらしいんだ、次々と他の航空隊がやられてる》

 

「敵の新型ね・・・了解です」

 

そう言って電話を切る。

そういえばこの前、南方海域で機動艦隊が全滅したとか聞いた。

まぁでも、ウチのメビウスなら大丈夫だろう。

 

「電、赤城と加賀あと、翔鶴と瑞鶴呼んできてくれ」

 

「了解なのです!」

 

「珍しいね、ケストレル達を呼ばないなんて」

 

「ちょっと資源的な問題でな・・・そろそろ節約しないとヤバイし、最近ケストレル達ばかり使って他の艦娘の練度も上がってないからな」

 

「ちゃんと考えてるんだね」

 

「そりゃな・・・てか今まで考えてないと思ってたのかお前」

 

「普段の提督見てたら・・・仕方ないでしょ」

 

思い当たる節が多すぎて泣きそうだ。

とりあえず涙を堪えて作戦を考える。

 

「とりあえず護衛艦はジェームズとマーフィだ。敵の新型がどんなものか分からないが、お前らの防空圏に引きずり込める事が出来れば何とかなるだろ」

 

「まぁね・・・じゃあマーフィを・・・呼びたいけど行きたくない・・・」

 

「・・・気持ちは分かるがな・・・」

 

ジェームズはトボトボと歩いていった。

それと入れ違いのような感じで電が呼んできたメンツが帰ってきた。

 

「ただ今戻ったのです!」

 

「お、ありがとう。とりあえず座ってくれ」

 

赤城と加賀はリラックスしてるようだが、この前救出された艦娘の翔鶴と瑞鶴はどうにも落ち着かないようだ。

 

「2人とも、リラックスしてくれれば大丈夫だ。んで、ここに呼んだのは任務があるからだ」

 

「任務・・・ですか?」

 

「あぁ、敵新型機の情報収集だ。あと会敵した場合は可能なら撃破だ」

 

「新型相手に私達って提督さん何考えてるの?」

 

瑞鶴は少し怒ったように言う。

そりゃそうだ。

翔鶴と瑞鶴の練度は高い方ではない。

 

「お前らは艦隊の防空役だよ。他にもイージス艦と情報収集艦が着いてくるがな」

 

「イージス艦・・・?」

 

そうだ、翔鶴と瑞鶴は知らないんだった。

 

「まぁあれだ。めっちゃ良く見える電探と超高性能の探針義にめっちゃ強いロケット詰んでる艦種だよ」

 

「ごめん、提督さん。ぜんっぜん分からない」

 

「何!?これほど簡単に説明したのに!?」

 

「ざっくりすぎよ!」

 

「む、そうか・・・じゃあまずイージス艦には大きな特徴があってだな・・・」

 

今度はイージスシステムについて話す。

 

「つまり凄く対空が強い艦娘って事ね」

 

「まぁそうなる。とりあえず作戦についてだが、新型に遭遇したら情報収集しつつ交戦、無理そうならジェームズとマーフィの防空圏に引きずり込め。2人の艦対空ミサイルで攻撃する。あと情報収集艦アンドロメダもいるが、アンドロメダは戦闘には不向きだ、最重要目標として援護するように。まぁこんなもんか」

 

「了解しました。赤城さんとならやれます」

 

「頼むぞ、すでにこの新型に機動艦隊がやられてるらしいからな。じゃあ出撃は今から3時間後の1730だ!」

 

 

 

〜ネイサン・ジェームズ〜

 

鎮守府を出て4時間。

外は真っ暗だ。

 

「南の海に向かうって言っても・・・バカンスは出来ないよね」

 

「何呑気なこと言ってるのよ貴女は」

 

「いいじゃん、たまには平和な世界をね?」

 

「まったく・・・これでも戦争中なのかしら・・・」

 

「ふふっ、お二人共仲いいですね」

 

艦隊先頭に私、マーフィ、アンドロメダ。後方に空母4人がまとまって移動している。

今はまだ安全圏だからのんびりおしゃべりをしながら移動していた。

後ろの空母4人も談笑していた。

 

「そういえばジェームズ、貴女ってフライトⅡAだったかしら」

 

「ん?そうだけど?」

 

「いえ、私の記憶だともうフライトⅢが建造中だったはずだっからね。100隻目ならもうフライトIVとかになってるのかと思って」

 

「うーん・・・その辺の事は知らないんだよね」

 

「まぁ決めるのは大統領とかだしね」

 

「大統領・・・うん、大統領ね・・・」

 

「どうしたの?」

 

「いや・・・私、大統領は皆病気で死んじゃってたから・・・最終的には私に乗ってたけど」

 

「あ・・・ごめんなさい、あなたの知ってる事って結構辛いこと多いもんね・・・」

 

「ううん、いいよ。それよりもタバコ吸ってもいいかな?」

 

「ええ、吸えるのは今のうちよ」

 

「そうだねー・・・」

 

私はタバコを咥えて火をつける。

 

「すー・・・ふー・・・」

 

「ジェームズさんって何かタバコ似合いますね」

 

「ぅん?そう?」

 

アンドロメダが笑顔でそう言ってきた。

ちょっと嬉しい。

 

「ちょっとアンドロメダ、そんな事言ったらジェームズの吸う本数増えちゃうじゃない!」

 

「あはは、ごめんなさい、つい」

 

「もう・・・」

 

「まぁまぁ、いいじゃん」

 

「良くないわよ、貴女そんなのだと彼氏の1人も出来ないわよ」

 

「そういうマーフィは欲しくて欲しくて仕方ないんだっけ?」

 

「なっ!?」

 

「ふふっ、彼氏が居るっていいですよー」

 

アンドロメダはちょっと悪い笑みを浮かべる。

 

「あー!なによその勝者の余裕みたいなの!」

 

「あはは、良ければ紹介しますよ?」

 

「い、いいわよそんなの!・・・・ほんとは欲しいけど・・・」

 

「最後なんて?」

 

「な、なんでもないわよ!!」

 

なんて話しながら海を進んでいく。

その時だった。

レーダーの端に何かを捉えた。

 

「ん?レーダーコンタクト」

 

「あ、ホントね・・・対空目標が・・・1」

 

「IFF応答なし・・・どうする?」

 

「どうするもこうするも、確認しないと。赤城、加賀」

 

呼ぶと2人はすぐに来た。

 

「艦載機を上げて、不明機1を確認したわ」

 

だが2人は顔を見合わせてマーフィに伝えた。

 

「ごめんなさい、赤城さんと私の艦載機は夜間には飛べないわ」

 

「・・・そうだった・・・」

 

マーフィは完全に忘れていたようだ。

 

「仕方ない、確認したら私達でやりましょう」

 

「そうだね。んで・・・警告?」

 

「そうね・・・もし民間機だったら大変だし」

 

「じゃあ私がやるよ。あー・・・地点A-2-0を飛行中の航空機へ、こちらは日本海軍所属ミサイル駆逐艦ネイサン・ジェームズ。貴機の所属、飛行目的を明らかにせよ。3度警告を行うが3度とも返答がない場合は敵と判断し撃墜する。オーバー。」

 

「これで大丈夫かしら」

 

「たぶんね」

 

私達はすでに火器管制装置に火が入っている。

何時でも撃てる状態なだけに緊張が走る。

もし民間機だったらという最悪の事態だけは避けたかった。

しかし願いが通じたのか、返信がある。

 

《こちら、テクノエア357。当機は東京国際空港に向けて飛行中です》

 

私は一安心して返信した。

 

「テクノエア357、了解。突然警告しちゃってごめんね」

 

《すみません、こちらもオートパイロットの不調で航路を少し外れていたので。任務頑張ってください。交信終わり》

 

「ありがと、そちらも安全なフライトを」

 

そう言って無線を切った。

私は軽くため息を着いた。

 

「お疲れ様」

 

「ありがと・・・あーもう、なんで提督はこの時間の民間機を教えてくれないの?」

 

「ああ見えて隊長は結構抜けてますから」

 

「これ下手したら抜けてたじゃ済まない事案になってたわよ・・・」

 

「あはは・・・ごもっともですね・・・」

 

目標海域まではあと6時間ほどだ。

 

 

〜提督〜

 

「ふあぁぁぁ・・・」

 

大あくびをしながらデスクに座る。

アイツらが頑張ってるのに1人だけ寝るわけにはいかない。

 

「コーヒー飲むのです?」

 

「いや、大丈夫だよ。それよりホント昼はすまなかったな」

 

「もう誤解だって分かったので大丈夫なのです!ちょっとびっくりしちゃいましたけど」

 

「まぁ、あれは誤解されても仕方ないしな・・・」

 

「でも私に隠れてあんな事するのは許さないのですよ?」

 

「ちょっとだけでも・・・ダメ?」

 

「司令官さん〜・・・?」

 

ちょっと冗談を言ってみたら電は笑顔で俺の机の引き出しから拳銃を取り出した。

 

「電さんそれ人に向けちゃダメ!!」

 

「でもこれ説明書には敵に向かって撃ちましょうって書いてるのです」

 

「待って味方!フレンドリィ!アイム、フレンズ!ブルーオンブルー!」

 

「ふふ、冗談なのです」

 

冗談が冗談じゃない。

なんて気持ちは心にしまった。

 

「とりあえず銃口は人に向けないように!」

 

「え、でも司令官さん、私に大砲は向けてくるのに・・・」

 

「ぶっ・・・!!」

 

思い切り吹き出す。

まさかのそこですか。

 

「いやそれはその・・・」

 

「えへへ、でも司令官さんの大砲は好きなのですよ?」

 

「え、ちょ、あの」

 

何故か俺が恥ずかしくなってくる。

ていうか普段はこんな事言わないのに何でだ!!

ふと時計を見ると現在時は0100。

深夜だ。

つまり深夜テンションだ。

 

「司令官さん、今ならだれも居ないですよね」

 

「いやまぁそうだけど・・・」

 

「ちょいといい事しましょ・・・なのですっ!」

 

「ファッ!?」

 

ちょっと頬を染めながら膝の上に乗ってきた。

あれ、電ってこんなに色っぽかったっけ・・・

そこから先はイチャラブエロマンガみたいになったのは想像するまでもないだろう。

 

 

 

〜ネイサン・ジェームズ〜

 

「な、ななななにしてるんですか隊長ー!!!」

 

突然アンドロメダが叫ぶ。

 

「ど、どうしたの?」

 

「あ、えっといえ・・・なんでもないです・・・」

 

「でも顔真っ赤よ?大丈夫?」

 

「だ、大丈夫です!」

 

「でもなんでヘッドセット付けたり外したりしてるの?」

 

さっきからアンドロメダが突然挙動不審になりヘッドセットを付けたり外したりしている。

 

「ふぇっ!?え、あの!違うんです!」

 

「とりあえずどうしたの・・・誰にも言わないから」

 

「う、え、えっとその・・・」

 

アンドロメダは小声で私とジェームズに内容を話してくれた。

つまりはアンドロメダに繋いである無線の電源を入れたまま執務室で電と事を致してるようだ。

 

「ジェームズ、やる事は分かってるわよね?」

 

「うん、たぶん今の私達は心が一つだと思う」

 

トマホーク・・・攻撃用意。

目標はあのロリコン提督の脳天。

 

「な、何するんです?」

 

「大丈夫よ、トマホークが2発飛んでくだけだから」

 

「それ大丈夫じゃないですよ!」

 

「大丈夫、電には当たらないから」

 

「そういう問題じゃなくて!」

 

アンドロメダが必死に止めてくる。

これは普通に攻撃しても怒られない様な気がするんだけどなぁ・・・

 

「まぁでも・・・アンドロメダがそこまで言うなら・・・」

 

火器管制装置の火を落とす。

命拾いしたなあのロリコンめ。

 

「とりあえずおしゃべりもこの辺にしましょうか。もうすぐ作戦海域よ」

 

「了解」

 

私は空母組にもう間もなくだとジェスチャーで伝えた。

4人の顔つきも引き締まった。

だがまだ深夜だ。

対空警戒を厳にしつつ休息を取ろう。

私は旗艦のマーフィに一つ意見具申する。

 

「マーフィ、一つ具申なんだけど」

 

「なにかしら」

 

「夜が開けないと艦載機は上がれないんでしょ?だったらここで休息を取るのはどうかな」

 

「あ、それいいですね。賛成です」

 

「うーん・・・そうね・・・そうしましょうか。とりあえず私とマーフィは交代で対空監視ということでいい?」

 

「私はいいけど空母組は朝まで休憩で大丈夫?」

 

「ええ、問題ないわ」

 

「了解」

 

私はその旨を伝えるために空母組に近寄る。

日の出まであと4時間ほどだ。

休める内に休むのがいいだろう。

 

「旗艦から夜明けまで休憩って指示だよ」

 

「本当ですか?」

 

「うん、対空警戒は任せて仮眠でも取ってて」

 

「ありがとうございます。じゃあ赤城さん一緒に寝ましょう」

 

「え、い、一緒に?」

 

「ええ」

 

赤城は若干戸惑いつつも一緒に離れていった。

 

「じゃあ私達も」

 

「うん、そうだね」

 

仲いいな空母組は・・・

なんて思いながら見ていた。

私は1日2日寝なくても何とかなるのでマーフィと警戒につく。

 

「ジェームズ、寝なくていいの?」

 

「私は1日寝ないくらいじゃ大丈夫だよ。マーフィは?」

 

「私も。というか昨日休みで散々寝たし大丈夫よ」

 

「へ、へぇ・・・散々寝たんだ・・・」

 

「なんでちょっと引き気味なのかしら・・・?」

 

昨日の一件のせいで・・・

とは口が裂けても言えない。

 

「ところでさ」

 

「サラッと話帰るわね・・・何?」

 

「マーフィって本当に彼氏欲しいの?」

 

「んぇ!?ど、どうしたの!?」

 

「いや、何となく」

 

するとマーフィは顔を真っ赤にさせながら呟く。

 

「そりゃミサイル駆逐艦なんて言ってるけど艤装を取れば普通の女の子だし・・・」

 

「マーフィは女の子らしいところ沢山あるからきっと出来るよ」

 

「何よ突然・・・そういうあなたも結構可愛い所あるの分かってる?」

 

「うえ!?なんで急に!?」

 

「うーん・・・恥ずかしい思いさせられたお返しかしら」

 

可愛いなんて言われなれてない・・・それだけに恥ずかしい。

 

「そうやって可愛いで顔真っ赤にしてる所とかね。男性が見たらイチコロなんじゃないかしら」

 

「う、うるさい!・・・でも・・・彼氏かぁ・・・」

 

なんて言いながら東の空を見ると明るくなってきていた。

夜明けだ。

 

「マーフィ、夜明け」

 

「ホントね・・・じゃあ、作戦開始といきましょう」

 

「了解、みんなを起こしてくる」

 

私は空母達を起こしに向かった。

 

 

 

〜メビウス1〜

 

「アンドロメダさん、メビウス隊全機発艦」

 

《了解しました。現在レーダーに敵影ありません》

 

「了解」

 

敵の新型機・・・か。

すでに機動艦隊がやられてるって話だ。

 

《隊長、新型機の話って聞いた?》

 

「え?ううん、知らないよ」

 

《これ噂なんだけど、エンジンの音が猫の鳴き声みたいなんだって。それに機体は私達と同じような形をしてて二重反転プロペラって話》

 

「エンジンの音可愛いわねそれ・・・ていうか二重反転プロペラなんてロマンの塊を搭載してるのね」

 

《だねー、落とすの勿体無いかも》

 

「そんな事言ってないで、会敵したら攻撃!」

 

《分かってるよ》

 

毎度毎度緊張感のないこの部隊だ。

なんておしゃべりしながら飛行すること1時間。

アンドロメダさんから連絡が入る。

 

《先行する加賀航空隊から連絡!敵新型機らしきものと遭遇、交戦中との事です!》

 

「了解!メビウス全機、至急急行して増援に入るよ!」

 

《よし来た!私達の出番だね!》

 

《やったろーぜ!》

 

編隊を崩して向かう。

敵はすぐ近くのようだ。

 

「あれ・・・かな」

 

明らかに動きの違う敵がいる。

ただ、1機だけだ。

加賀航空隊は苦戦してるようだ。

 

「全機!花火の中に突っ込むよ!」

 

《了解!》

 

「加賀航空隊!こちらメビウス隊、援護に入る!」

 

《了解、助かる!》

 

最大速度で突っ込む。

その時にその敵機が横をすり抜けた。

エンジンの音はまさに猫の鳴き声だ。

ただしあんな可愛い声ではない。

それに特徴的な二重反転プロペラ。

 

「なっ、速ッ!!」

 

目標はかなりの速度だ。

 

「全機ブレイク!こいつ結構ヤバイかも!」

 

《だろうね!見た目からしてヤバそうだよ!》

 

必死に食いつこうと私も操縦桿を操る。

敵はまるで踊っているかのように飛んでいる。

 

「はぁッ、はぁッ・・・!!」

 

Gで呼吸が辛い。

 

「くっ・・・そ・・・!なんで、あんなに綺麗に飛ぶのよ!!」

 

《敵じゃなかったら一緒に飛びたいレベルだよ!》

 

《まったく同感!!》

 

そんな時だった。

敵が旋回する一瞬を捕らえた。

 

「もらった!!」

 

だが、ソイツは旋回中にクルビットと呼ばれる、高度を変えずにほぼその位置でループする機動をした。

推力偏向能力がついてるなら理解できるのだが・・・

私は逆に後ろを取られた。

 

「えっ!?」

 

《隊長!チェックシックス!!》

 

「な、なんで!?くそ!!」

 

旋回、上昇、降下あらゆる手段を使って逃げる。

 

《隊長!援護に入る!》

 

「了解!」

 

ふと振り向くとメビウス4が敵機の後ろに着いた。

 

《もらった!これで!!》

 

その時だった。

今度はコブラを行いメビウス4の後ろを取る。

 

「逃げっ・・・!!」

 

逃げてと叫ぼうとしたが間に合わない。

敵の機銃が火を吹いた。

 

《うわぁぁぁぁ!!!!》

 

「は、早く脱出して・・・」

 

翼をへし折られて錐揉み状態で落ちていく。

脱出したかしてないかを確認する余裕すらなかった。

敵はまた後ろだ。

 

「よ、よくも・・・!!!」

 

一気に急上昇して私はストールターンを行う。

機体が下を向く前に機銃を撃ち始める。

機首が下を向いた時は敵とヘッドオンのはず。

そう思った時だった。

 

「え、居ない!?」

 

ふと視界の端にプロペラが写る。

そこにはすり鉢状に横滑りしながら飛行する敵機が居た。

何もかもがスローモーションに見える。

 

「・・・!!!」

 

やられた。

この位置だと私の体に砲弾が直撃するだろう。

涙を流す暇すらない。

その時だった。

 

《隊長ー!!!》

 

そう叫びながら5番機が突っ込んでくる。

そしてコースは衝突コースだ。

それに気づいた敵機はロールして私から離れた。

 

「馬鹿っ!アンタ突っ込むつもり!?」

 

《隊長が危なかったんだから仕方ないよ!それよりも後ろ取られた!》

 

5番機を探すと背後にさっきの敵機がいた。

アイツの武装、さっき見えたけど機首に30mmクラスのモーターカノンを積んでる・・・

 

「待ってて!」

 

援護に入ろうと射線を確保しようとするが相手はフラフラと動き回り射線に捕えられない。

それどころか急減速しながらバレルロールを行い再び私の背後につく。

 

「クソ!またなの!?」

 

機動力を改造したこの零戦52型に互角どころかそれ以上の性能なんて・・・

二重反転プロペラに比較的大型の機体。

見た目からは想像出来ないほど機動力がいい。

 

「加賀航空隊!どこなの!?」

 

《待ってなさい!私がやるわ!》

 

加賀航空隊の烈風が上空から降下してきた。

そして背後につく。

 

《もらったわ!》

 

だが私はその後に起こることが想像出来て叫ぶ。

 

「駄目ッ!!逃げて!!」

 

遅かった。

敵はクルビットを繰り出した。

烈風のパイロットからしたら視界から消えたと思った次の瞬間にはその機のモーターカノンと機関砲がこっちを向いている。

 

「やめっ・・・」

《あぁぁぁぁぁ!!ーーーーー》

 

絶叫が途中で途切れる。

烈風はコックピット付近を蜂の巣にされていた。

敵機は耳障りにも感じてきた猫の鳴き声のようなエンジンを響かせてまるで挑発するように正面に出てきた。

 

「この・・・馬鹿にしやがって!!」

 

当たらないと分かっていても機銃を撃つ。

敵機はそれをサラリと躱す。

 

「・・・だったらこっちにも奥の手が」

 

作戦開始前のブリーフィングで聞いた事を思い出す。

一か八かだけどこっちのキルゾーンに引き込む。

そこまではここから15分。

私は部隊に無線で告げる。

 

「いい、聞いて。これからあの敵機をキルゾーンに引きずり込むよ。これは囮作戦になるけどね」

 

敵機は別の機体を追いかけ回している。

私の作戦を伝えるチャンスだ。

 

《大丈夫、私達はリボン付きなんだから》

 

「・・・そうだよね。うん!じゃあ作戦を言うからよく聞いて」

 

作戦といいつつ内容はシンプルだ。

私が囮になりながらジェームズさんとマーフィさんの艦対空ミサイルの射程圏内に引きずり込む事だ。

超機動といえど相手はプロペラ機。

音速の何倍で飛んでくるミサイル相手には無力だろう。

 

「いい、私が囮になってあの機体をジェームズさんたちの防空圏に引きずり込む。もし私に寄り付く敵機が居たら叩き落として。それと・・・」

 

私は一呼吸置いて覚悟を決めた。

 

「・・・私が撃墜されたら誰でもいい。囮を引き継いで」

 

こんな危険な事、仲間にやらせたくない。

だけどそうしないと被害が増えるだけだ。

 

《隊長が撃墜されたらって事だけが聞き捨てならないけど、いいよ。やろう!》

 

《そうだね!黒猫に一泡吹かせてやろうよ!》

 

《あ、その黒猫っていいね》

 

《でしょー、真っ黒な機体に猫の鳴き声のようなエンジン音だしね!》

 

「ちょっと!せめて緊張感持ちなさいよ!」

 

だがこの雰囲気が安心する。

 

《そう言えば隊長、メビウス4のパラシュート確認したよ。無事脱出してた》

 

「ほんと!?良かった・・・」

 

《艦隊にはもう伝えてあるよー。ジェームズさんから救難ヘリが上がってこっちに来てるからそれの援護が必要だね》

 

「了解!代わりに伝えてくれてありがとね!」

 

《隊長忙しそうだったからねー。メビウス4にはちょっと海水浴を楽しんでもらおうか》

 

「あはは・・・まぁこの南方だからね・・・」

 

私は気合いを入れるように操縦桿を握り直した。

 

「じゃぁ・・・行くよ!」

 

《了解!!》

 

加賀航空隊に襲いかかっている黒猫に上空から突っ込む。

それをあっさりと躱して私の後ろに着いてきた。

 

「かかった!」

 

《援護は任せて!》

 

「了解!でも絶対に黒猫に手を出さないで!」

 

《そっちがピンチにならなかったらね!》

 

ぴったりと後ろに食いついて離れない敵機。

正直怖い。

だがここで逃げ切らないといけない。

 

「防空圏まで10分・・・」

 

長い10分になりそうだ。

 




空戦描写が難しい


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ドッグファイト

後期教育中の新隊員を見る度に一年前が懐かしく感じる作者です。
あとキャラ崩壊が激しい所があるのでご注意を!


〜ネイサン・ジェームズ〜

 

「あと60マイルでSM-3の射程内・・・」

 

レーダーを見ながらそう呟く。

赤城の艦載機が提案してきた作戦は私達の防空圏に敵機を引きずり込んでミサイル攻撃をする事だった。

たった1機にこの損害・・・ね。

 

「ジェームズさん、不明瞭な通信を・・・」

 

「不明瞭な通信?」

 

ヘッドセットを手にしたアンドロメダが私にそういった。

 

「解読します・・・えーっと・・・敵機に関して・・・ですね」

 

「敵機に関して?とりあえず続けて」

 

「了解しました・・・えっとこれ・・・敵の・・・コールサイン・・・?」

 

「コールサイン?」

 

「はい、ティーチャと呼ばれてます」

 

「ティーチャ・・・先生?」

 

「分かりません、呼んでいる声はヲ級のようです」

 

「ふーん・・・まぁ何か大それたコールサインだね、ティーチャなんて」

 

「全くね・・・先生は先生でも反面教師って奴かしら」

 

マーフィと2人でそんな事を毒づいていた。

 

「航空隊の損害は?」

 

「加賀航空隊が既に4機撃墜、メビウス隊も1機撃墜されました」

 

「了解、あと20分でセイバーホーク1が現場海域に到着するよ」

 

さっき上げたSH60の状況をレーダーで確認する。

それにしても敵は1機しか居ないのだろうか。

 

「そう言えばさ、あの1機に機動艦隊がやられたって事だよね」

 

「そうみたいね。油断出来ないわ」

 

「全くだね」

 

とは言ったものの、音速の何倍という速度で飛行する艦対空ミサイルをよけれるのだろうか。

まぁそれはやってみればわかる事だ。

 

「メビウスの隊長は大丈夫?」

 

「今のところ・・・」

 

「・・・無事にこっちまで来たら後は任せなさい」

 

マーフィは呟くように言った。

 

 

〜メビウス1〜

 

《隊長!もういいよ!逃げて!》

 

「大丈夫・・・まだ、大丈夫!!」

 

機体を掠める曳光弾。

敵はピッタリ真後ろだ。

 

「後部機銃が欲しいよ・・・!!」

 

《隊長!お願いだからもう逃げてって!!》

 

仲間の悲痛な叫び声が聞こえる。

 

「大丈夫だから!!」

 

私も無線に向かって怒鳴る。

ここで逃げたら味方に被害が出る。

正直逃げたいけど・・・

キャノピーに手を押し付けて後ろを振り返る。

ロールや上昇、降下を繰り返していて後ろを見る余裕がほとんど無い。

敵機の特徴的な二重反転プロペラとその軸にある30mmクラスのモーターカノンを視認できた。

それは間違いなく私の機体を捉えている。

何となくだけどコックピットを捉えてるようにも思えた。

 

「ハ、アッ・・・ハァッ・・・!」

 

恐怖で心拍数も上がっている。

オマケにずっと高いGがかかる機動のせいで息すらままならない。

苦しい。

 

「あと・・・あと5分・・・!!」

 

あと5分このままの進路を維持さえ出来れば味方の対空ミサイルの射程に入る。

だがその時だった。

 

《もう見てられないよ!!隊長!!》

 

上空から1機の零戦が捻り込みながら降下してきた。

敵機はそれに気づき機首を上げた。

私は飛び込んでくる零戦の機首と翼から射撃時に出る炎が見えた。

ヘッドオンだ。

 

「なっ・・・」

 

何してるの。

そう叫びたかった。

そして敵機の機銃からも炎が上がる。

 

《あっ・・・!!》

 

敵のモーターカノンから吐き出された砲弾が機体の中心を捉えていた。

零戦から放たれた機銃弾は敵機の横をすり抜ける。

 

「は、早く脱出・・・」

 

そう言い切るよりも先に空中で機体が爆発した。

あれは・・・7番機・・・

パラシュートは確認出来ない。

 

「え・・・・」

 

少し放心状態に陥る。

目の前で何が起きた?

理解できない。

頭が追いつかなかった。

 

「なんで・・・?」

 

《隊長!!後ろ!!》

 

その言葉で我に帰る。

そして怒りもこみ上げてきた。

 

「この・・・この野郎・・・!!絶対に許さない!!」

 

コックピットで叫ぶと同時に操縦桿を思いっきり手前に引く。

 

「落としてやる落としてやる落としてやる!!!」

 

《落ち着いて!!》

 

僚機の声が鬱陶しく感じる。

 

「うるさい!!!」

 

無線に向かって怒鳴る。

 

《まずいよ、隊長が我を忘れてる!みんな隊長の援護に!!》

 

《了解!!》

 

黒猫は私にぴったりとくっつき射線に捉えている。

いつ撃たれてもおかしくないのにまるで撃ってこない。

 

「クソ・・・クソ、クソ、クソォ!!!バカにしないでよ!!」

 

まるで僚機を落とされて悔しいか?と言いたげな飛び方だった。

私はもう1度ストールターンでヘッドオンになろうとする。

たが、さっきと同じ事になってしまった。

 

「あ・・・」

 

すり鉢状に横滑りしながらこちらに照準を合わせようとしていた。

 

《うわぁぁぁ!!》

 

その時、僚機が叫びながら突っ込んできた。

同じようにかわそうとする敵機。

だが、機銃を撃ちながら突っ込んできた僚機の20mm砲弾が敵機のエレベーター部を捉え、破壊した。

吹き飛ぶ水平尾翼の稼働面。

敵機の機動力が大幅に落ちていた。

 

「もらった・・・落ちろ落ちろ落ちろこのクソッタレ!!!」

 

背後を取り機銃を撃つ。

たが、機動力が落ちたとはいえ、二重反転プロペラの推力は変わっていない。

敵はどんどん加速する。

だが・・・そっちはジェームズさんの防空圏だ。

 

「みんな、追い込むよ!」

 

《分かってる!あの子の仇は取ってやる!》

 

この手であのコックピットを機銃掃射してやりたいが無理なのは分かっている。

せめて避けることが出来ない矢が迫ってくる事に恐怖しながら落ちろ。

私はここの中でそう思った。

そして・・・敵機のスピードから考えてヤツはもう防空圏内だ。

 

《捕らえた・・・マーフィ》

 

《分かってるわ。発射!》

 

《目標、距離450キロ。SM-3発射・・・落ちろ》

 

「・・・さぁ、みんな帰ろう」

 

《・・・いいの?》

 

「何が?」

 

《あの子の事・・・》

 

メビウス7の事だろう。

良い訳ない。

だけど・・・これが戦争だ。

落とす側が居れば落とされる側がある。

そういう事だ。

 

「受け入れるしかないよ・・・これが戦争なんだから」

 

《・・・》

 

《・・・うん》

 

そんな帰投ムードの時だった。

敵は一緒だけ、左に機首を振り、機銃を掃射した。

空中で何かが2つ爆発する。

 

《えっ・・・!?》

 

《SM-3ロスト・・・2発とも・・・やるねアイツ》

 

敵はミサイルを迎撃した。

まるで接近してくるのが分かっているようだった。

そしてその光景を満足そうに見て上昇、雲に隠れてしまった。

 

《アイツどこいったの!?》

 

「後方警戒!どこから来るか分からないよ!!」

 

《了解!》

 

だが、その後姿を再び表すことは無かった。

私達も燃料が限界になる。

 

「・・・なんだったのアイツ」

 

その思いだけが残る。

特徴的な二重反転プロペラに逆ガル翼。

そして機首のモーターカノン。

猫の鳴き声の様なエンジン音。

 

「・・・メビウス7のパラシュート確認できた人いる?」

 

《誰も・・・見てないよ・・・》

 

《・・・・・》

 

「・・・了解。メビウス7に・・・敬礼」

 

彼女の墜落地点に敬礼して赤城さんへと向かった。

 

 

〜提督〜

 

「・・・了解、帰り道には気をつけてくれ」

 

《了解しました、交信終わり》

 

「はぁ・・・メビウス隊で2機落ちたか・・・」

 

アンドロメダの報告を聞いてタメ息をつく。

それにしても報告にあった敵機は深海棲艦としては異質だ。

二重反転プロペラに逆ガル翼。

メビウス1のガンカメラの映像も送られてきたが、あれは俺達の側の戦闘機を模している。いつもなら異型の戦闘機なのに。

それにあの機動力・・・

厄介な相手が出てきたものだ。

 

「これでメビウス隊はあと6機・・・か」

 

普通の航空隊なら補充が効くんだが・・・ネームド航空隊となるとな・・・

とはいえ、代わりの効く命はない。

 

「司令官さん、お疲れのようならお休みしたほうが・・・」

 

「・・・大丈夫だ、それより鹿島の方はどうだ?この前の演習終わってこの鎮守府に配属予定の新隊員の教育に戻っていったが」

 

「うーん・・・それがなのです・・・」

 

電は渋い顔をした。

 

「演習中に聞いたのですが・・・」

 

電は鹿島から聞いたという話をした。

どうやら完全に教官と思われてないらしい。

鹿島自身、かなり優しい性格をしているから叱るに叱れない所があるのだろう。

あとまぁ・・・見た目めっちゃ美少女だしな・・・

 

「あと少しで訓練終わるだろ、執務室に呼んでくれ」

 

「了解なのです!伝えに行ってきますね!」

 

「うん、よろしく」

 

そして俺は無線を取る。

相手はアンドロメダだ。

 

「アンドロメダ、聞こえるか?」

 

《はい、聞こえます》

 

「航空隊の様子は大丈夫か?」

 

《なんとか・・・ただ、メビウス隊の隊長がかなり精神的に来てると思います、普段は滅多にしないゴーアラウンドを3回ほど・・・》

 

「着艦は大丈夫なのか?」

 

《はい、何とか。ただ着艦フックを折っちゃったみたいです》

 

「了解、航空隊の連中には帰ったら休暇をやると伝えてくれ。」

 

《了解しました》

 

仲間をまた失った隊長の気持ちはよく分かる。

俺自身、何人も失っている。

だけど、こう思うしかない。これは戦争なんだ。

敵にだって仲間も居るし家族だっている。

こんな考え方は軍人失格かも知れないが・・・

 

「言葉は通じるのにな・・・」

 

敵の事を思う。

日本語も通じるし、こっちに友好的な者すら居た。

というか、国内でデパートに普通に買い物に来てる姿を目撃されている。

あとゲーセンでプリクラ撮ったりしてる姿とかを写真で見た事がある。

 

「まぁいいや・・・和平交渉は俺の仕事じゃない」

 

なんてしてるとドアがノックされた。

 

「どうぞ」

 

「入ります」

 

入ってきたのは鹿島だった。

それにしても随分早い。

 

「随分早いな」

 

「ちょうどこちらに向かってましたので」

 

「そか、とりあえず電から色々聞いたんだが・・・大丈夫か?」

 

「何とか・・・大丈夫・・・です」

 

「・・・せめてこっち見ようか。目を合わせなくていいから・・・」

 

「うぅっ・・・だって・・・だってあの子達酷いんです!私を困らせて影で楽しんでるんです!この前なんてその私の困った顔とか色々写真に撮って仲間内で商売してる子とかいるんですよ・・・!」

 

「・・・・・・」

 

すまん鹿島。

一瞬、その新隊員達と仲良く慣れそうって思ってしまった。

たぶんその商売目の前でされてたら俺も買ってた。

 

「う、ぇ・・・もう、私どうしていいか・・・」

 

「泣くなって、大丈夫だ。そうだ、教育隊の動画とか見たらどうだ?ネットにいっぱいあるだろ」

 

「ネットですか・・・?」

 

「あぁ、それ見て研究してみるんだ」

 

「ぐすっ・・・分かりました・・・」

 

「とりあえず泣き止んでから部屋出ろよ・・・下手すると俺が泣く羽目になる」

 

たぶん大丈夫だがな・・・電の勘違いはたまに死ぬほど怖いからな・・・

 

「あー・・・もういいや仕事止めた止めた」

 

「・・・いいんですか・・・?」

 

「あぁ、今日は休む。電ももうすぐ帰ってくるだろうしな。部屋帰って2人で映画でも見るよ」

 

「私、今日研究して明日から実践してみます・・・」

 

「そうしてみな。そうだ、これ持っていけ。小型の無線だ。お前の指導とかどんな感じか聞いてみたいしな」

 

「はい・・・ありがとうございます・・・」

 

だいぶ精神的に辛そうだ。

まぁでも、鹿島には将来的に配属予定隊員と新配置艦娘の教育を任せるつもりでいる。

ここで強くなってもらわないとな・・・

なんてしてたら電が帰ってきた。

 

「ただいまなのです!・・・って・・・司令官さん・・・?」

 

「違うんです聞いてください電様」

 

「えへへ、冗談なのです!」

 

「あー、そっか冗談かー!あはは!」

 

心臓止まるかと思った。

というか心停止(物理)が起きると思った。

 

「とりあえず鹿島はもう部屋に帰ってゆっくりして来い。電、今日はもう仕事終わりにして映画でも見ないか?」

 

「いいのです?!」

 

「大丈夫、明日でもどうにかなるよ。あとはやる気の問題だな」

 

「えっとじゃあ・・・私は帰りますね、お疲れ様でした提督さん」

 

「あぁ、明日から頑張れよ」

 

鹿島は目元を拭って執務室から出ていった。

俺も椅子から立ち上がる。

 

「さて、何見る?」

 

「うーん・・・劇場版けものフレンズで!」

 

「よしそれ見るか!」

 

「わーい!たーのしー!なのです!」

 

電ははしゃぎながら部屋へと戻った。

 

 

 

 

〜翌日〜

 

そろそろ訓練が始まる頃だろう。

鹿島に渡した無線の電源を入れる。

 

《はい、皆さんおはようございます!今日はえっと・・・警戒自衛戦闘です!》

 

懐かしいな・・・

俺も新隊員時代に思いを馳せる。

だが・・・

 

《うぇ〜い》

 

なんだこの気合のない返事は・・・相手が鹿島じゃなきゃ殺されるぞ・・・

すると・・・

 

《あの・・・もっと元気よく行きましょ?ね?》

 

《鹿島教官とハグ出来たらもっと元気出ます》

 

・・・おい。

 

 

 

 

 

俺も混ぜろ。

 

 

《あ、あの・・・学生長、ちゃんと指導しました?》

 

《はい、一応。鹿島教官のパンチラ写真渡したら明日からマトモになるって言ってました》

 

・・・・・・・・・・・どうなってんだこの教育隊。

あとその写真ください。

 

《・・・・・》

 

たぶん鹿島今震えてんだろうな・・・

なんて思った次の瞬間だった。

 

《あの・・・皆さん》

 

いつもと雰囲気の違う鹿島の声。

周りは気づいていなさそうだが。

 

《もしかして私がいつもいつも笑顔とかで対応すると思いましたか?ね?学生長?》

 

《え・・・》

 

《すったらお前らは私がいつもいつも優しいお姉さんだと思っとったんやなオイコラ学生長どういう事か説明せんかオイ》

 

ひえっ。

めっちゃ怖い。

普段怒らない人が怒るとこうなのか!?

 

《お前らええ根性しとるなオイ。その気合い別の事に使う気無いんか?なんか答えろコラ》

 

キャラ変わってますけど!?

あとあなた元々可愛い系の声なのにそのレンジャー教官みたいな言葉遣いで違和感マシマシなんですが!

 

《あら、ごめんなさい。私とした事が、ふふっ》

 

この言葉すら怖い!!

 

《でも、皆さん。今日は訓練内容変更しましょうか、では皆さん・・・》

 

ヤバイ、この先何が起こるか少し予想出来てしまったが故に自分の新隊員時代の悪夢が蘇る。

 

《その場に腕立て伏せの姿勢を取ってください♪》

 

来たァァァァァ!!!しかもこれたぶん当分終わらないタイプだ!!

 

《ちょっと、遅いし皆動き揃ってないですよ。ちょっと学生長立ってください》

 

《はい》

 

《返事は大きくハイ!だろうがコラ!》

 

《はひぃ!!》

 

こえええええ。

 

《学生長、おかしいですよね?あなたがこの隊の長なのですから、ね?》

 

《はい!》

 

《返事はレンジャー!だろうが!》

 

お前レンジャー訓練の動画見ただろ。

思いっきり突っ込みたかった。

 

《レンジャー!!》

 

お前は疑問に思え学生長。

おかしいだろ色々と。

 

《あなたの統制力の無さがこの事態を招いているって分かりますか?あなた人間ですよね?分かりますよね?》

 

《レンジャー!》

 

お前もしかしてレンジャー訓練の内容知ってる?レンジャーってとりあえず答えておく感じだと知ってる?

 

《日本語で喋ってくださいね♪》

 

そして君は本当にレンジャー過程の動画見たのかね。

 

《はい!すみません!》

 

《ふふっ、そこの人何姿勢崩してるんですかぁ?やる気ないんでしたらお家に帰っていいですよ♪》

 

《レンジャー!》

 

なんでお前もやねん。

 

《返事だけは立派なカカシばっかりですね、でもそろそろ寒くなってきたでしょう?》

 

現在の気温、32℃。

 

《レ、レンジャー!》

《暑いです・・・》

 

レンジャーという声に混じって弱音が聞こえた。

君の気持ちはよく分かる。

でもそれ言うと死ぬシステムになってるから・・・

 

《あら、今寒いって聞こえましたね♪じゃあ暖めてあげますね》

 

暖めてあげますねって声が物凄く優しいんだが内容を知ってるから死刑宣告にしか聞こえない。

しかも即執行。

 

《まったく、弱音吐かなきゃ終わりにしてあげたのに・・・ふふっ、頑張ってくださいね♪》

 

無線の向こうから聞こえる新隊員の数を数える声と悲鳴が混ざった声。

 

《あ、学生長は立ったままですよ、あなたが皆を指導するんですから》

 

イヤァァァァ!!それ1番精神的に来るヤツだから止めたげて!!

俺は無線を聞きながら過去を思い出し悶えた。

皆汗ダラダラ書きながら腕立て伏せしてる中、お前指導しろって言われて立たされるヤツ・・・あれ本当に死にたくなる。

 

《あら、指導しないですか?命令が聞けませんか?》

 

お願いします、提督さんの顔に免じて許してあげてください。

 

《まったく、学生長がこんなのだと皆死にますね》

 

そこまで言わんといてあげてぇぇぇ!!

 

《あら?腕立て伏せは終わってませんよ?頭で考えられなくても腕立て伏せは出来るでしょう?それとも腕立て伏せすら出来ないバカの集まりだったんですね・・・じゃあ腕立て伏せは終わりにしますね》

 

無線の向こうから安堵の声が少し聞こえた。

 

 

 

・・・・これで終わるわけないだろ・・・南無

 

《全員、雨衣を着てくださいね♪今日はゲリラ豪雨が来ますから》

 

《え、でも今日天気予報だと・・・》

 

《来てください、ふふっ♪》

 

《はい・・・》

 

《ふふっ、いい子ですね》

 

嫌な予感しかしない。

あと何が起こるかももう分かった。

とりあえずぶっ倒れるヤツが出るという事だけ分かった。

俺は電話を取る。

 

「・・・衛生班聞こえるか」

 

《はい、聞こえます》

 

「熱中症の処置が出来る救急車を10両くらい新隊員が訓練してる所に送ってくれ・・・」

 

《何かあったんですか?》

 

「いや・・・今から何か起こるから・・・」

 

《?とりあえず了解しました》

 

そう言って電話を切った。

そして再び無線を聞く。

 

《今日は小銃持ってきてて良かったですね、では皆さん控え銃ですっ!》

 

銃の金属音が聞こえる。

・・・本当にやめてあげて。

 

《では駆け足、進め♪私も走りますから皆さん元気だしてくださいね!》

 

《はい!》

 

めっちゃ気合いのこもった声が聞こえた。

お前ら絶対汗だくになった鹿島が見たくてその気合いだろ。

この後の状況を聞くのが嫌になり無線を切る。

 

「司令官さん、新隊員の方達大丈夫なのです?」

 

「とりあえず死人が出ないように処置した・・・」

 

「なにごとなのです!?」

 

この後、新隊員30人中、10人ぶっ倒れて待機していた救急車に助けられていた。

聞いた話、うわ言のように「鹿島さんの汗だく姿・・・目に・・・焼き付けた・・・」とかぶっ倒れる時の悲鳴が「汗だく透けブラいただきましたー!」とか「鹿島さんの汗1滴飲めた!我が生涯に一片の悔い無し!汗美味し!」とか「汗だく姿エッロ!」とか叫んでぶっ倒れたらしい。

なんて思ってたらドアがノックされた。

 

「どうぞ」

 

「提督さん、入りますね」

 

「はいよ、訓練お疲れ様」

 

「はい、ありがとうございますっ!みんな心を入れ替えてくれるって言ってくれました!」

 

「そか、良かったな」

 

「でも私・・・大切な教え子が10も倒れるまで走らせるなんて・・・」

 

鹿島は涙目でそう言った。

でもたぶん全員怒ってない。

衛生班によると全員怒ってないどころか最高の1日だったと言っているらしい。

倒れた連中も命に別状もなく、また全員何故かとても幸せそうな顔をしているらしい。

 

「大丈夫だって。そうだ、これから毎日でも軽く汗かく程度に皆と走ったらどうだ?全員の士気が相当高くなると思うが」

 

「毎日ですか?」

 

「あぁ、健康にもいいしな」

 

あと男性隊員の心の健康にもいいと思う。

なんて心の声が聞こえたら電がレンジャー教官になりそうだ。

 

「ありがとうございます提督さん!また明日から頑張りますね!」

 

「おう、しっかりな」

 

鹿島は元気に出ていった。

 

「ふぅ・・・」

 

「司令官さん」

 

「ん?」

 

「走って汗かいたら健康に良いってわかるのですが、なんで士気があがるのです?ちょっと説明してくれませんか?」

 

「・・・・・・・レンジャー!」

 

「そうですかそんなに走りたいですか、では司令官さん私も走りますけど司令官さん屈強ですからそこの対化学兵器用の防護衣とガスマスク付けて走れますよね?」

 

「レンジャー!!」

 

この後まさかの小銃じゃなくてジャベリン持って走らされた。

10分もしないうちにガスマスクの目ガラスの向こうに天使の羽が見えた。

後から衛生班の連中に俺がうわ言のように「ほら、目ガラスの向こうに天使の羽が・・・」と言っていたらしい。

目が覚めて時計を見るとあと2時間程度で空母隊が帰って来る時間だった。

あと何だかんだ電は俺の心配をしてずっと傍に居てくれたらしい。

 

「あ!司令官さん、目が覚めたのです!」

 

「あぁ・・・おはよう」

 

「良かったのです・・・昨日はごめんなさいなのです・・・」

 

「大丈夫だ、昔を思い出す程度だったからな」

 

ジャベリン持って走らされる記憶なんてこれっぽっちも無いがな!!

 

「ところで、空母隊は大丈夫か?」

 

「あ、えっとさっき連絡が入ったのですが、メビウス隊の隊長さんがやっぱり精神的に危ないそうで・・・」

 

「・・・だろうな。帰ったらカウンセリングさせるか・・・」

 

航空機の妖精さんも地上に降りれば普通の人間より少し小さいサイズになる。

しかもどうやって小さくなったり大きくなったりするのかまるで分からない。

ある意味世界の七不思議みたいな感じだ。

だが、たまにサイズが帰ってきても変わらない妖精もいる。

大抵は精神的に参ってる時だが・・・

前回、僚機を撃墜された時は大丈夫だったが今回はどうなるか・・・

俺はベッドの近くの窓から艦隊が帰投する方向を眺めた。




レンジャー教官な鹿島さんが現実に居たら新しい何かに目覚めるかも知れない。


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紅茶はキメるもの。

ニコ動で紅茶キメてるヤベー人の動画を紅茶飲みながら見てたら思いついたネタ(


〜ネイサン・ジェームズ〜

 

「あーつーいー・・・」

 

「・・・うるさいわよ」

 

「だって暑いんだし仕方ないじゃん・・・」

 

南方海域の哨戒任務を命じられて沖縄近くまで来たのはいいが暑い。

何せ陽の光を遮るものが何も無い海の上。

日光が痛いくらい眩しい。

 

「せっかく南の海なんだし楽しまないと損よ」

 

「じゃあ冷えたビールとおつまみ。あとタバコ」

 

「・・・あなたね・・・あとタバコは吸ってるじゃない・・・」

 

なんて言いながら哨戒を続ける。

今回は私とマーフィ、アンドロメダ、金剛と大和だ。

哨戒任務にしてはちょっと物騒なメンツではある。

 

「あー・・・せめて冷たいフルーツが欲しい・・・」

 

「あ、そうだ。皆さん、ラムネ飲みますか?」

 

「ラムネ?」

 

そう言って大和はどこからかラムネを5本取り出した。

 

「いいわね、頂きましょ」

 

「大和のラムネは最高ネー!」

 

私も1本貰って飲む。

よく冷えたラムネはとても美味しい。

これだけでもだいぶ戦力回復になる。

 

「まだまだあるので欲しい時は何時でも言ってくださいね」

 

大和姉さんマジ天使。

なんてことを思いながら残りを飲み干した。

 

「美味しかった、ありがとね」

 

「いえいえ」

 

「大和ー!もう1本プリーズネー!」

 

金剛は2本目を飲み出していた。

ほのぼのした空気。

このまま何もなく任務が終わってほしいな・・・

なんて思ってた時だった。

こういう時に限って何も無かった試しがない。

レーダーに光点が映る。

速度や反射からしてミサイルの類いだ。

 

「ヴァンパイア、ヴァンパイア、ヴァンパイア!!飛翔体接近!」

 

「こっちも捉えた、迎撃?」

 

「ええ、迎撃するわよ!」

 

「了解。SM-3、諸元入力」

 

目標の速度は約400ノット。

巡航ミサイルあたりか?

 

「SM-3発射始め!」

 

私とマーフィからミサイルが発射される。

 

「データ解析します、お待ちください」

 

「了解」

 

「私達はどうするネ?」

 

「ちょっと待ってて。たぶん近くに敵艦がいる」

 

ミサイル攻撃をしてもいいが鎮守府の懐事情で燃料があっても弾薬がない。

ミサイルは私達の持ってる分しか当分ない。

 

「敵を見つけたら私達のレーダーで着弾観測をする。それでお願い」

 

「了解しました」

 

「了解ネー!」

 

その時、ヘッドセットを付けたアンドロメダが何かを受信した。

 

「ジェームズさん、通信です!」

 

「通信?」

 

「はい、こちらに向けてのです」

 

「なにそれ・・・いいよ、ヘッドセット貸して」

 

アンドロメダからヘッドセットを借りて付ける。

 

「・・・もしもし」

 

《どうだね我が艦隊の攻撃は!》

 

「いやどうだねって聞かれてもこっちに来る前に落としたけど」

 

《ふっふっふ・・・あれは我が艦隊の武装の中でも最弱よ・・・》

 

「あ、そ・・・」

 

何かすごく面倒くさそうだ。

 

「分析完了しました。えと・・・敵は南方棲鬼です!」

 

「またどえらいのが来たわね・・・トマホーク数発程度じゃダメージすら入らないかも・・・」

 

《ふふ、まだまだ攻撃は続くわよ・・・》

 

その声の後だった。

 

「ヴァンパイア、ヴァンパイア、ヴァンパイア!!新たに2発接近!」

 

「まだくるの・・・面倒臭いなもう・・・」

 

「ぶつぶつ言ってないで撃ちなさい!」

 

「はいはい・・・SM-3、発射」

 

再び、2発のミサイルが飛翔していく。

 

「インターセプト五秒前・・・スタンバイ・・・マークインターセプト!」

 

「目標1発撃墜しました!」

 

「2発目が来るよ、SCAT待機、CIWS対空戦闘用意」

 

「主砲、発射用意!」

 

マーフィが先に主砲で迎撃を開始した。

 

「目標・・・見えました!・・・って何あれ!?」

 

双眼鏡を持ったアンドロメダが叫んだ。

 

「何が見えたの!?」

 

「えと・・・えっと・・・あの・・・」

 

アンドロメダは言いにくそうだ。

というか何が来てるんだ。

 

「もういい!射程に入った!」

 

マーフィは主砲を撃ち始める。

数秒後に空中で爆発が起きた。

 

「撃墜・・・ふう・・・」

 

「で、何が見えたの?」

 

「えっと・・・その・・・形容し難いんですがその・・・羽とプロペラの生えたパンジャンドラムが・・・」

 

「なにそれ!?」

 

「What!?」

 

・・・なんだそれ。

心の底からそう思った。

なぜパンジャンドラムにプロペラと翼を生やす必要がある。

元々紅茶キメたような物にプラスでマーマイトあたりキメててもうヤバいとしか言いようがない。

 

「わ、私が言うのもなんですが紅茶キメてるネ・・・」

 

英国生まれの金剛がドン引きしてる。

私はさっきの無線で南方棲鬼を問いただしてみる。

 

「・・・あんたは紅茶でもキメたの?」

 

《ふふっ・・・驚いてるわねぇ・・・》

 

ええ、そりゃそんな物が羽生やして飛んできたら誰でも驚くと思いますよ。

 

《あれはね・・・私達の提督直々に開発した最新兵器なの・・・これで日本なんて終わりよ》

 

「あー・・・そうなんだ・・・ちなみにそれ作ってる時何か飲んでた?」

 

《んー・・・紅茶飲んでたわね。結構大量に。何か最近、紅茶飲んでないと震えが止まらないって言ってたわぁ》

 

完全にキマってますがな。

とりあえず、もう面倒臭い。

帰ろう。

 

「みんなー、帰るよー」

 

「え、ちょっ、帰るの?」

 

「深海棲艦が英国面に落ちたってだけでも重要な情報だよ」

 

「意味わかんないわよ!というか、敵のボスいるんだから!」

 

「あれほっといても無害だと思う」

 

マーフィと帰る帰らないの話をしてるとレーダーに何かを補足した。

さっきのパンジャンではない。

 

「敵、南方棲鬼及び敵艦隊!!」

 

「ほら来たわよ!!」

 

「出てこなきゃほっといて帰ったのに・・・」

 

敵は5キロ程度の所に出現した。

目視でも確認出来た。

 

《あー、あー、聞こえるぅ?》

 

「アイツ、スピーカー使ってるよ・・・」

 

《艦娘のみんなー、ここが墓場よ》

 

「・・・だってさ」

 

「だってさじゃないわよ!攻撃用意!!」

 

「・・・トマホーク・・・要らないか、大和、金剛、私達が観測するから撃っちゃっていいよ」

 

「わ、分かったネ!」

 

「了解です!全主砲、斉射!!」

 

「ファイアー!」

 

耳をつんざく砲撃の音。

砲弾は綺麗な放物線を描いて南方棲鬼に降り注ぐ。

大したダメージは無さそうだ。

 

《ちょっと!痛いわよ!人がまだ喋ってるでしょ!それならこっちにも考えあるから覚悟しなさいよ!》

 

「だって、怒ってるよ」

 

「なんであなたはそんなに落ち着いてるの・・・?」

 

「無線聞いてたらね・・・」

 

「ジェームズさん!南方棲鬼が何か用意してます!」

 

南方棲鬼の近くに何か緑色の物が見えた。

私は双眼鏡で確認する。

 

「・・・パンジャンだねあれ」

 

「・・・ええ、すっごくパンジャンドラムね」

 

《ふふっ、見えてるかしら。これで貴方達も終わりよ》

 

「あぁ・・・ええ、深海棲艦の脳みそが終わってるって事ね」

 

《違うわよ!!》

 

「なんで聞こえんのよ・・・」

 

マーフィももはや呆れ果てていた。

 

《これはね、燃料気化爆弾搭載のパンジャンドラムよぉ。色々と改良を加えて最強のパンジャンドラムとなったの》

 

最強のパンジャンドラムというパワーワード。

 

「大和、3式弾で撃っていいよ」

 

「え、えと・・・いいんですか?」

 

「うん、もう面倒臭いからパンジャンドラムごと吹き飛ばす」

 

「りょ、了解しました!」

 

再び9門の46cm砲が火を吹いた。

その砲弾はちょうど敵の真上で爆発する。

ついでにパンジャンドラムも誘爆した。

レーダーから南方棲鬼以外の光点が消失した。

 

「あれ硬いわね・・・」

 

「だね。とりあえず近づいて降伏勧告でもしようよ」

 

南方棲鬼に照準したままゆっくりと近づく。

 

「終わりだよ。あんたの敗因はどう考えても紅茶のキメすぎ」

 

南方棲鬼は爆発の熱で服が破けてやたらセクシーなことになっていた。

 

「紅茶キメてるなんて言わないでよ!これでもあの人何日も寝ずに頑張ってたんだからぁ!」

 

「その努力どこかに回せって説教してやったほうがいいと思う・・・」

 

「・・・沈めなさいよ・・・」

 

「え?」

 

「沈めればいいじゃない・・・敵の私を・・・」

 

南方棲鬼は涙目でそう言ってきた。

私はマーフィと顔を見合わせた。

 

「・・・」

 

無言で砲を向けるマーフィ。

その時、南方棲鬼の指に何か光る物を見つけた。

 

「?」

 

私がそれを見ようと手を伸ばすと

 

「や、やめて!」

 

「その指の何?」

 

「これだけは・・・つけたままで沈みたい」

 

その言葉で私は何となく察した。

結婚指輪かその類だろう。

 

「マーフィ」

「・・・分かってる。もういいわ。行きなさい」

「え?」

 

「別に貴女が憎い訳じゃないの。待ってる人が居るんでしょ。早く帰らないと紅茶のキメすぎで倒れるんじゃない?」

 

「・・・」

 

「周り全滅させといてアレだけどね・・・」

 

マーフィは苦笑いでそう言った。

 

「あ、ありがとう・・・この恩は必ずパンジャンで・・・」

 

「要らないわよ!!!」

 

パンジャンドラムの恩返し。映画化決定。

なんてワードが頭の中に浮かび笑いそうだった。

南方棲鬼は何度かこちらを振り返りながらゆっくりと潜航していった。

 

「はぁ・・・今度こそ帰ろう」

 

「そうね・・・疲れたわ」

 

「後味悪い結果にならなくて良かったです」

 

大和は微笑みながら南方棲鬼が帰っていった方向に向かって言った。

 

「まぁね・・・」

 

妙な疲労感を覚えながら帰路についた。

 

 

〜提督〜

 

「報告は以上だよ。」

 

「了解、ご苦労さん」

 

ジェームズからの報告を受け一息付く。

 

「あ、そうだ。お前あてに何か来てるぞ」

 

「え?」

 

俺は昨日届いた小包を出す。

 

「なんだろこれ。開けてみてくれる?」

 

「お前な・・・平気で上官に・・・」

 

これ爆弾だったらどうすんだ・・・

まぁ事前に検査は終わっているので安全ではあるが。

 

「開いたぞ・・・ってなんだこれ。南方棲鬼と・・・あとこれ向こうの提督か」

 

「ラブラブな写真送り付けてくれちゃって・・・」

 

向こうも向こうで楽しくやってんだな・・・なんて海軍本部が聞いたらボコられそうな事を思う。

 

「あと手紙・・・なんじゃこりゃ・・・」

 

中には高そうな紅茶のセットとパンジャンドラムの模型が入っていた。

というか、なぜパンジャンドラム。

 

「これがパンジャンドラムの恩返し・・・ふふっ」

 

「何笑ってんだ・・・」

 

しかもよく見たらラジコンだこれ。

パンジャンドラムのラジコンって・・・

 

「まぁいいや・・・とりあえず外出するなり部屋で休むなりしててくれ」

 

「うん、今日は外出してくるよ、じゃあお疲れ様ー」

 

「はいよー」

 

ジェームズが執務室を出ていったあと俺は少しこのパンジャンドラムのラジコンが気になり遊んでみる事にした。

 

「これどうやって曲がってりすんだろ」

 

とりあえず床に置いてスイッチを入れると車輪のブースターに火がついた。

なかなかリアルだな。

 

「これで前進かな?」

 

レバーを倒した時だった。

 

「ただいまなのですー」

 

「あっ」

 

「えっ?は、はにゃぁぁぁぁぁ!?」

 

電に突進して足に当たった瞬間爆発するパンジャン。

まさかの炸薬入。

 

「い、電ぁぁぁぁ!!!」

 

俺は急いで駆け寄る。

 

「大丈夫か!?」

 

「けほっ・・・大丈夫なのです・・・」

 

「良かった・・・」

 

よく見たら何故か服だけ綺麗に破けて体は無傷だ。

 

「い、電、服がだな・・・」

 

「にゃっ!? 」

 

一瞬で顔を真っ赤にする電。

というか無駄にエロい破け方をしてる。

エロい。

 

「あ、あんまり見ないでほしいのです!」

 

「これが夜ならなぁ・・・」

 

「な、なにを言ってるのですか!!」

 

「んや、可愛いなーって」

 

「にゃっ!?し、司令官さんのバカなのです!」

 

「はは、いつもなら平気な顔してるのにな」

 

「してないのです!!どんなイメージなのですか!!」

 

なんて執務室でイチャコラしてた。

ちなみに後からラジコンの説明書をみたらその深海提督手作りのラジコンで炸薬も入ってるが人体には無害でも何故か服だけ破ける特殊な火薬を使ってるらしい。

あとそれ砲弾に詰めようかと思ってるとか書いてあった。

・・・やめて欲しいようなやって欲しいような・・・

なんて思いながら残りの仕事を始めた。



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ネイサン・ジェームズの嫌いな物

もはや作者のオリジナル艦娘しか出てないという現実。


〜マイケル・マーフィ〜

 

「はぁ・・・」

 

『あら、マーフィさんが珍しく悩んでますね・・・はっ、もしや恋の悩み!?許しませんよ私という女が居ながらー!相手は誰だちくしょー!!そいつの枕元でAK乱射してやるー!!!』

 

「違うわよ!あと長いし物騒だから止めなさい!!」

 

『えー、違うんですかー?あっ・・・ということはもう何ヶ月も生理が来てない・・・ちくしょー!例えトイレに隠れてても見つけ出して核ミサイルぶち込んでやるー!』

 

「だから違うわよ!!」

 

ひとり部屋でシンビルスクに向かって突っ込む。

というかこの子なんでこんなにやる事物騒なんだろうか・・・

 

『じゃあ何の悩み事ですか?』

 

「大したことじゃないわ」

 

『そう言われると余計気になりますよー』

 

本当に大したことじゃないが・・・まぁいいか。

 

「えっとね、ジェームズって何か本気で怖がるようなものってあるのかなって。私はあの子の事よく分かってないからね。あの子には私が姉って記憶があるのに・・・」

 

『あー、そういう悩みなんですね』

 

「それにあの子結構可愛いのに仏頂面だしあんまり笑ったり怖がったりとかないのよね・・・」

 

『えへへ、マーフィさん。それなら調査済みですっ!』

 

「え、ホント?」

 

ただ同時に私はある事を思い出す。

この子他人に入って思考とか読み取って遊ぶ癖がある。

・・・絶対ジェームズで遊んだなコイツ。

 

『ジェームズさんの苦手なものベスト3から行きます!』

 

「あら、随分調べてるのね。ところで・・・どうやって調べたのかしら?」

 

『えっへん!それはもちろん寝てる間に相手の精神に入ってですね!・・・はっ!!』

 

「おかしいわね、私それ止めろって何回言ったかしら?」

 

『ご、5回くらいです・・・』

 

「そう、5回・・・ね?もっとあるけどサービスしてあげるわ」

 

『さ、ササササービスってなんのですか・・・?』

 

「これよ」

 

私はとあるお寺から貰った幽霊を封じ込める力があるというお札を取り出した。

 

『いやぁぁぁぁ!!ごめんなさい許してくださいいいい!!!それだけは嫌なんですー!!』

 

「でも私5回くらい怒ったわよねぇ?ちょっとくらいお仕置きする権利あるんじゃないかしら」

 

『それちょっとじゃないんです!それ封じ込めるっていうより別の空間に飛ばされるんですぅぅ!!しかもそこヤバいんですよ!!一言で表すとヤバい霊しか居ないんですよ!!あれ全部人間界に解き放ったら人類くらい一時間で死滅しますからね!!しかも私この前そこに飛ばされた時の状況分かります?!こんな可愛い美少女来た時の地獄絵図分かりますか!?男の悪霊に犯されかけて女の幽霊には嫉妬か何か知りませんけど本気で殺されかけましたからね?!』

 

「長い。3行」

 

『嫌だ。怖い。行きたくない!!お願いしますマーフィさん何でもしますから許してください!!』

 

「へえ・・・なんでも・・・?」

 

『はいもうマーフィさんが満足するまでエッチしてあげますから!』

 

「・・・」

 

本気で封じ込めてやろうかと思ったが、さすがにここまで怖がってるということは相当な体験だったのだろう。

可哀想だしやめておくか・・・

 

「はぁ・・・もういいわ・・・」

 

『うわぁぁぁ!マーフィさんんん!ありがとうございます!!大好き!!』

 

「はいはい・・・それで、ジェームズが苦手なものって何なの?」

 

やはりそこは気になるので聞いてみる。

 

『え、えっとですね。ジェームズさんが本気で苦手なものが3つありまして・・・』

 

「あら、意外とあるのね。」

 

『まず一つ目!アスチュート級潜水艦です!』

 

「まさかの・・・」

 

『ジェームズさん、その潜水艦には手を焼いたみたいで相当苦手らしいですよ?』

 

「意外と普通なのね・・・というかあの子同盟国の潜水艦とも・・・」

 

ちょっとだけジェームズの過去がどれだけ悲惨だったのか考えた。

アスチュート級と言えばイギリスの潜水艦。

つまりは味方のはずの潜水艦なのだ。

 

「二つ目は?」

 

『えっとですね、ゴキブリです!』

 

私はそれを聞いた瞬間、さっきまで着いていた頬ずえからずり落ちた。

いきなりレベル下がりすぎでしょ!!

 

「い、意外と女の子らしいのね・・・」

 

『ゴキブリを見かけたら火炎放射器でその建物ごと浄化しないと気が済まないみたいですよ?』

 

「・・・・」

 

怖すぎる。

 

『ゴキブリ=未知のウイルスの元。つまり消毒。そして解決。私は世界を救うって心の中にありました』

 

「どんだけ嫌いなのよ・・・」

 

『あ、そうだ、1番苦手なものの前にもう一つ苦手なものありましたよ』

 

「3つじゃなかったの?」

 

『忘れてましたてへっ☆』

 

「・・・封じ込めようかしら」

 

『お許しくださいマーフィ大明神様』

 

大明神ってなんかヤダ。

 

『あ、あの・・・もうふざけないので許してください・・・』

 

「いいわよ・・・」

 

私はため息を付きながらコーヒーを飲む。

 

『ええっと・・・ジェームズさんって女の子として扱われるのが嫌みたいですよ』

 

「え?」

 

『可愛いのにもったいないですよねー・・・』

 

「・・・何となく分かるわ・・・」

 

『そうなんですか?』

 

「あの子、聞いた話だけだけど悲惨な状況に何度も直面して・・・仲間もいっぱい失って・・・自分も沈みそうになりながらも戦ってたんだからね・・・」

 

『・・・』

 

私は船の時代に実戦を経験してない。

だからあの子がどんな気持ちだったかは分からないが、たくさん戦ってたくさん傷ついて・・・たくさん人を殺して。

だから普通に女の子として扱われる事に違和感を感じてるのだろう。

 

「そうだ、1回あの子を心底可愛くしてみましょうか」

 

『どうやるんですか?・・・まさかマーフィさんそれだけはダメですー!!』

 

「違うわよ!!たぶん貴女が想像してる事とは違うから!!」

 

『・・・残念です』

 

「どっちよ・・・」

 

『で、どうやるんですか?』

 

「まぁ普通に可愛い格好でもさせて姉妹デートとかね」

 

『・・・もしナンパされたらどうするんですか?』

 

「大丈夫よ、これでも軍人なんだから」

 

『いえ・・・その・・・ナンパしてきた人達がなんですけど・・・』

 

「どういうこと?」

 

『ジェームズさん下手すれば逆に殴り倒して・・・とか』

 

「・・・・・あなた私の妹になんてイメージもってるの?」

 

『ご、ごめんなさい・・・』

 

「まぁいいわ・・・そういえば1番苦手なものって?」

 

私は1番気になっていた事を聞く。

 

『はい!言いたくてうずうずしてました!ずばり・・・』

 

いったい何が苦手なんだろうか。

あの子を知るいいチャンスだ。

 

『幽霊です!』

 

「あだっ!!」

 

頬ずえからずり落ちて顎を強打した。

痛い。

 

「幽霊が苦手なの?あの子・・・」

 

『ジェームズさん曰く、ゾンビとか妖怪とか何か実体があるならトマホークでも撃ち込めば解決するけど幽霊は物理で殺せないから嫌いらしいです』

 

「あ、あの子らしい・・・わね・・・」

 

『でも私は大丈夫みたいなんですよね・・・残念です・・・』

 

「あら?そうなの?」

 

『何かその・・・アスロック撃ち込めば倒せそうって思われてるみたいで・・・』

 

「・・・あの子の苦手基準は武器が効くか効かないかなの・・・?」

 

でも私はちょっとしたイタズラを思いつく。

 

「ねぇ、シンビルスク。あなた幽霊のお友達居ないの?」

 

『いやあの・・・そりゃいない事ないですけど・・・』

 

「ちょっとジェームズを驚かせてみましょうよ。もうすぐ帰ってくるし」

 

『いいですけどどうやるんです?』

 

「幽霊ってうんと怖い状態とかに出来ないの?」

 

『私達をなんだと思ってるんですか!?』

 

「ほら、怖い映像とかにあるような感じで部屋に立ってくれてるだけでいいから」

 

『まぁ・・・それなら・・・じゃあちょっとまってて下さいね』

 

「うん、よろしくね」

 

そう言った2秒後だった。

 

『お待たせしました!』

 

「はやっ!?」

 

『いやー、飴ちゃんあげたら喜んで引き受けてくれましたよこの子』

 

「・・・え?この子?というかどこに居たの?」

 

『姿見せてくれるって言ってるんでまってて下さいね!あ、そうだせっかくなんで目をつぶってくれます?』

 

「え?あ、あぁ、分かったわ」

 

言われた通り目をつぶる。

その後なんだか顔の周りに暖かいものが・・・

これ絶対に何かいる・・・

 

『はい!いいですよー!』

 

私は意を決して目を開けた。

そこには・・・

 

「にょわぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」

 

10歳くらいの女の子が居た。

居ただけならいい。

前髪垂らしてしかもその隙間から吸い込まれそうなくらい真っ黒になった目が見えた。

しかも無表情。

あとそれが20cmも無いところにいた。

 

『あははは!ビビりすぎですよー!』

 

「び、ビビるわよこんな近くにいたら!!!」

 

『こんな近くにって前から居たんですけどね』

 

「え」

 

『あれ?気づいてなかったんですか?たまにマーフィさんの枕元に居ますよ?普段はそこの角でテレビみたり雑誌読んだりしてますけど』

 

「ちょ、ちょっとまって?嘘よね?」

 

『私、この鎮守府というかこの近くのお友達ってこの子だけですよー』

 

私は一気に鳥肌が立つ。

 

『あ、ちなみにこの子、自分が思う最強に怖い姿してって言ったら今まで研究してきた成果を果たす時って意気揚々と変身しましたよ』

 

「なによそれ!!!」

 

『ふだんはこんな感じですよ』

 

そして目の前の女の子が消えたと思ったら今度は普通に可愛い女の子が立っていた。

・・・というか幽霊って変身できるのか・・・

 

「心底ビビったけど・・・とりあえずこれでイタズラしましょうか」

 

『おー!』

 

女の子は声は出せないようだが笑顔で手を上げた。

 

 

 

 

〜ネイサン・ジェームズ〜

 

「あー・・・やっと終わった・・・ビール飲みたい・・・」

 

今日は電が食堂勤務の当番らしく、代わりに秘書をしてくれと言われた。

それならいいが仕事量が多すぎる・・・

というかレーダーの不調を治すのがなぜに提督直々なのか・・・

 

「めんどくさ・・・飲んで忘れよ・・・」

 

そして部屋の前に到着した。

 

「そういやマーフィ今日は休みかー・・・マーフィお酒弱いから一緒に飲んでくれないしな・・・まぁいいや」

 

そんなこと呟きながらドアを開けた。

すると部屋は真っ暗だった。

 

「あれ?マーフィ居ないのー?」

 

そう言ってみるが返事がない。

 

「外出かな。まぁいいやー、電気電気っと」

 

その時だった。

何か目の前に暖かい物を感じた。

 

「ん?何これ」

 

前には何も無い。

 

「やば・・・疲れすぎてるのかな・・・」

 

そう思いながら電気をつけた。

そしてふと正面を向いた時だった。

目の前に白い服を着た女の子が。

しかも前髪垂らしてその隙間から真っ黒な目が覗いている。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

私の思考が停止する。

・・・私はこんなだけど、幽霊だけは苦手だ。

特にこんな呪ってきそうな奴。

やばい泣きそう。

 

「・・・・・!」

 

私は恐怖に抗いながら部屋を猛ダッシュで飛び出す。

向かうは提督の執務室。

 

 

〜提督〜

 

「さて、今日は電が食堂勤務だし食堂行くのもいいな」

 

終わった書類をまとめてコーヒーをすする。

食事までまだあと30分ほどある。

 

「やっぱり電が入れてくれるコーヒーのほうが美味いな・・・」

 

自分で入れてみたはいいが何か違う。

やっぱり電のがいい。

なんてしてる時だった。

ドアが蹴破られる。

 

「な、なんだ!?」

 

驚いてドアを見ると顔を真っ赤にして俯いているネイサン・ジェームズさん。

・・・今度は何事だ!?

 

「お、おいジェームズどうし・・・」

 

するとジェームズは無言で俺に近づいてきた。

耳まで真っ赤になってよく見ると震えている。

というか仕事で来てた米海軍の迷彩服のままだ。

 

「!?」

 

そしてまた抱きつかれた。

 

「ど、どした!?何があった!?」

 

状況が飲み込めない。

あとまた電に殺されかける・・・

 

「ジェームズ?」

 

「う・・・ぐすっ・・・」

 

「またか!?またなのか!?」

 

俺は前の出来事を思い出す。

マーフィとシンビルスクがイチャイチャしてた事だ。

 

「・・・部屋変えるか?」

 

無言で頷く。

というか鳩尾あたりが濡れてきた。

これ相当泣いてないか・・・

 

「ひぐっ・・・私・・・」

 

「どした?」

 

「ぐすっ・・・私ね・・・」

 

「あぁ、なんだ?」

 

とりあえず聞いてやるか・・・

 

「うぇっ・・・物理で殺せない幽霊嫌いなの・・・ぐすっ・・・うっ・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」

 

どういうこと?

・・・・・・・どういうこと!?

 

「すまんジェームズ。何が言いたいのか分からん!」

 

「だから・・・ね・・・ゾンビとかなら・・・ひぐっ・・・トマホーク撃ち込めば・・・死ぬでしょ・・・?」

 

「・・・いやまぁ・・・うん」

 

「でもね・・・Japaneseなね・・・Ghostには効かないよ・・・」

 

「・・・・・・・すまん。全然わからん」

 

「だから・・・!幽霊嫌いなの・・・!怖いんだよ・・・」

 

・・・もしかしてアレか。

コイツの中で怖い幽霊、怖くない幽霊はミサイルとかその辺の効果があるヤツらか効果が無いヤツらなのか・・・

てかゾンビって幽霊?

 

「分かった、とりあえず俺から離れて座れ。な?」

 

「・・・やだ・・・」

 

「なんでだ」

 

「・・・今の顔・・・見せれない・・・」

 

「・・・お前も何だかんだ女の子らしい所あるな・・・」

 

「違う・・・」

 

まぁいいや・・・。

そう思いながら頭を撫でてやる。

「・・・ありがと」

 

「これぐらいしか出来ないがな・・・」

 

「・・・大丈夫・・・これ以上の事は電にしてあげて・・・」

 

「・・・お前って何か泣いてるとかそういう弱くなった時は本当に女の子って感じだな」

 

なんて言いながら立ったままはキツくなってきたソファーに座る。

ジェームズは抱きついたまま一緒に座った。

・・・なんか地味にいい匂いが・・・っていかん!!このままでは浮気になる!!

 

「てーとく・・・」

 

「なんだ?」

 

「少し落ち着いた・・・借りたいものあるんだけどいい?」

 

「あぁ、なんだ?」

 

「シグ・・・」

 

「なんで君は拳銃をご所望なのかね・・・?」

 

「・・・いいから貸してよ」

 

「頼むから誰も撃つなよ・・・」

 

そう言ってSIG P226と弾倉を渡す。

ジェームズはまだ目が赤いが・・・まぁいつものジェームズだ。

 

「ありがと・・・」

 

そう言って部屋から出ていった。

 

「大丈夫かなアイツ・・・」

 

めっちゃ不安だ。

 

 

 

 

〜ネイサン・ジェームズ〜

 

銃は心強い。

私は拳銃を握りしめてもう1度部屋の前に立つ。

 

「すー・・・ふー・・・」

 

息を大きく吸い込んで私はドアノブを持たずに拳銃で狙う。

怖くてドアノブが持てない。

とりあえずぶっ壊して開けよう。

4発ドアの鍵の部分に撃ち込む。

そしてドアを蹴り開ける。

 

「にょわぁぁぁぁ!?!?」

 

開けた瞬間聞こえたのはマーフィの悲鳴と目の前にいる幽霊。

 

「ふふっ・・・見つけた・・・」

 

私はそう言って拳銃で狙う。

 

『え、ちょっ、ジェームズさん!?』

 

無言で弾倉の全弾をぶち込んでやる。

 

『ひにゃぁぁぁぁぁ!!!!!』

 

幽霊が悲鳴を上げて逃げ回る。

その時マーフィの後ろに小さな女の子の幽霊がいた。

 

「・・・ここにもいた」

 

「ちょ、ジェームズ落ち着いて!!」

 

私は弾倉を新しく差し込んで再装填する。

だがマーフィに押さえ込まれて撃てない。

 

「離してマーフィ!!そいつ殺せない!!」

 

「殺すも殺さないもすでに死んでるからこの2人!!」

 

『そそそそそそそうですよ落ち着いてください!!』

 

「普段冷静なのにどうしたの?」

 

マーフィはそう聞いてきた。

 

「私は幽霊が嫌いなの!!」

 

そう叫んで腕を振り払って拳銃をふたたび話しかけてきた方の幽霊に向ける。

だが・・・

 

「やめろバカ」

 

「あ、提督・・・」

 

「部屋ん中でドンパチやるんじゃねーよ・・・まったく」

 

「返してよ!!」

 

私は提督に向かって叫んだ。

 

「・・・お前が幽霊苦手なのは分かるがな・・・コイツ、覚えてないのか?」

 

そう言って指さすのはよく良く考えたら思い出した。

シンビルスクだ。

 

「あ・・・で、でもコイツは・・・?」

 

そう言って私は提督の後ろを指さす。

 

「ん?」

 

ゆっくりと後ろを振り返った。

そこにはさっきの女の子の幽霊がいた。

白い服に長い髪・・・

 

「のわぁぁぁぁ!!」

 

そしてまさかの拳銃乱射。

 

「あんたもなの!?」

 

マーフィが提督に向かって叫ぶ。

 

「あー・・・びっくりした・・・」

 

提督はそう言いながら胸をなでおろしていた。

さっきの幽霊は居なくなっていた。

 

「・・・・とりあえずジェームズこっちこい」

 

「なんで」

 

「部屋変えてくれって言ってただろ」

 

「あー・・・うん」

 

「えっ!?」

 

マーフィが目を丸くして驚いている。

 

「すまん、すぐ部屋割りを変えるから少しの間一人部屋で我慢してくれ」

 

「え?あ、う、うん・・・分かったわ・・・」

 

悲しそうな顔をするマーフィを見たら何とも言えない気持ちになった。

 

「・・・・」

 

「どうした?」

 

「やっぱり私、このままの部屋でいい」

 

「いいのか?」

 

「うん。この部屋にマーフィ1人にさせれないよ」

 

「そか。じゃあ俺はこのまま飯行ってくるよ」

 

そう言って提督は拳銃を仕舞って去っていった。

 

「・・・」

 

「どしたの?マーフィ」

 

「いえあの・・・ごめんなさい!」

 

「え?」

 

マーフィは涙目になりながら謝ってきた。

 

「私・・・貴女が幽霊嫌いって聞いてイタズラしちゃったの・・・」

 

「あー・・・なんだ、マーフィのイタズラだったんだ」

 

「怒らないの?」

 

「こういうドッキリってアメリカじゃ普通でしょ?私は懐かしくて好きだよ」

 

私の知ってるアメリカはもうこんなドッキリすら出来ない状態だったんだ。

なんだかこういう雰囲気が懐かしくて悪い気分はしなかった。

 

「でもマーフィすごいよね。シンビルスクも。あんなリアルな幽霊の格好するなんて」

 

『あの・・・拳銃撃ちまくられてなんですけど・・・私も立派な幽霊なんですけど・・・』

 

「あんたアスロック撃ったら死にそうじゃん」

 

『ジェームズさんの怖い基準ってあれですか!?物理攻撃効くか効かないかですか!?』

 

「当たり前でしょ。私の心の格言は『血が出るなら殺せるはずだ』だよ」

 

『物騒すぎますよ!』

 

「いや、貴女が言えた話じゃないと思うわ」

 

『マーフィさんは冷静に突っ込まないでくださいいいい!!』

 

なんて3人で笑っていた時だった。

マーフィが爆弾を投下していく。

 

「あ、そうそう。貴女が本気でビビってた幽霊だけどアレ本物よ?シンビルスクの友達なんですって」

 

「・・・・・!?」

 

『あの子、生きてる人間のほうがよっぽど怖いってどっか行っちゃいましたよ・・・私の妹みたいな存在だったのに・・・ぐすん』

 

いや待って。

本物?

モノホンなの?

 

「ジェームズ?どうしたの?」

 

「うっ・・・え・・・今日もう一人じゃ寝れないよ・・・」

 

「ジェームズが泣いた!?」

 

私だって泣く時は泣くんですよ・・・

 

「あ・・・えっと・・・よしよし」

 

マーフィが抱きしめてくれた。

 

『あー!!ジェームズさんずるいですー!』

 

「悪霊退散」

 

『ひどい・・・いいですよ・・・私角っこ丸くなってますもん・・・ぐすん・・・』

 

「ジェームズ、ごめんね。怖がらせて」

 

「ぐすっ・・・大丈夫・・・」

 

そのまま2時間くらい姉に甘えるような感じになっていた。

 



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ブラック鎮守府の捜査

一年近くほったらかしてすみませんでした!




「ガサ入れ・・・ですか・・・」

 

執務室に俺と海軍本部の将校。

 

「うむ。ブラック鎮守府の摘発でな。それで捜査に・・・」

 

「なんで俺なんすか」

 

「ほら君あれじゃん・・・元グリーンベレーじゃん」

 

「元グリーンベレーの俺に勝てるもんか・・・とか言わせたいんですかアンタは。あと俺はSEALsです」

 

「そうだっけ?まぁいいや、とにかく君の鎮守府から地上戦が出来る艦娘を1人連れて行ってくれ。表向きは鎮守府と鎮守府の情報交換みたいなものだ」

 

「だから他のヤツに頼めっての・・・はぁ・・・了解しました」

 

なんで一々俺にこんな任務が・・・提督の仕事じゃねーだろこれ。

この話電が聞いてなくて良かった。

上の言う摘発なんて対象が生きてようが死んでいようが構わないって意味だからな・・・

 

「陸戦得意なヤツなんて居たっけな・・・不知火ですら陸は苦手って言ってたし・・・」

 

「まぁ考えておいてくれ。出発は明日だ」

 

「明日!?」

 

「こういうのは一刻を争うからな」

 

「いくら何でも急すぎるだろ・・・」

 

「報酬は弾むぞ?」

 

「良いように使いやがってからに・・・了解しました」

 

将校は納得したのか頷いて出ていった。

 

「はぁ・・・陸戦得意そうなのはイージスの連中か・・・いそかぜは・・・休暇だしマーフィーはまだ怪我治ってないし空いてるのはジェームズか」

 

早速ジェームズを呼び出す。

ちょうど近くに居たのかすぐに来た

 

「はいよ、呼んだ?」

 

「お前これとか使える?」

 

M9とMP7を渡す。

 

「うん、普通に使えるよ。どしたの?陸で戦えって?」

 

「まぁ・・・そんなもんだな。ブラック鎮守府摘発だと」

 

「それで陸戦できそうなのが私だからって事ね・・・まぁいいよ。任せて」

 

ジェームズは了承してくれたようだ。

それにしても上もブラック鎮守府は即死刑みたいな事言ってるのにまだやるヤツいるのか・・・

大抵は艦娘を性欲処理機だと勘違いした馬鹿相手だが。

 

「あ、そうだ。銃は自前のがあるからいいよ。それに私拳銃のほうが慣れてるから長いのは提督が持っときなよ」

 

「長いのつっても隠し持てるサイズだからな、俺も拳銃くらいか」

 

最悪体術もあるから大丈夫だろう。

 

「電に言わなくていいの?」

 

「言ったら素直に行かせてくれないだろ、上もそれを知って電が居ない時にいつも来やがるんだよ・・・」

 

「好きな人の手を汚させたくないんでしょ。まったくラブラブだね」

 

「どうした?お前も誰か欲しいのか?」

 

少しからかってみた。

 

「私は別に・・・」

 

ジェームズは少しだけ顔を赤くしてそっぽを向く。

 

「まぁ俺は止めりゃしないから街に出て彼氏でも作ってこい」

 

「だから私は別にって言ってるじゃん!」

 

「そうか?今さっきちょっと顔赤くしてたぞ?」

 

さらにからかうとジェームズはその自前の拳銃を取り出して向けてきた。

 

「殺すぞボケナス」

 

「オーケーオーケー。落ち着こう。俺が悪かった」

 

ジェームズはそのまま部屋を出ていった。

ブラック鎮守府なんて胸糞悪いのが大半だし片付けたところでスッキリしないんだよなぁ・・・保護した艦娘には心に傷を負ってるし治すのも簡単にはいかない。

 

「準備つってもなぁ・・・」

 

持ち物は護身用の拳銃とダミーの書類くらいだ。

今日はもうさっさと寝よう。

電は明日まで姉達と遊びに行っている。

 

「とりあえずメールで送っとくか」

 

電に明日から少し居ないとメールを送るとすぐに返ってきた。

可愛らしい絵文字付きで気を付けてねという感じだった。

 

「可愛いなホント・・・」

 

ケータイで電と撮った写真を眺めていた。

大半が寝顔の写真だったが・・・

 

 

 

 

 

〜翌日〜

 

「用意はいいか?」

 

「いいよ、タバコもバッチリ買ってきたから」

 

「そこかよ準備って!」

 

なんてツッコミながらヘリに乗り込んだ。

目標の鎮守府は1時間ほど飛行したところにある。

 

「ブラック鎮守府か・・・」

 

「どした?」

 

「いや、その人って私たちの事なんて思ってるんだろうって思ってね」

 

「さぁな・・・ただの兵器とか思ってる奴も居れば性欲処理の愛玩動物としか思ってないのも居るしな・・・」

 

人それぞれとしか言いようがない。

共通してるのは胸糞悪い事しかないくらいだ。

 

「ねぇ提督」

 

「なんだ?」

 

「提督は私たちの事どう思ってるの?」

 

「なんだいきなり。まぁ・・・なんだ。家族みたいなもんだな」

 

「そっか」

 

なんて話をしてるうちに鎮守府に着いた。

 

「じゃあまた帰りは呼ぶ、操縦お疲れさん」

 

「了解しました!お気を付けて!」

 

ヘリが離陸していくと出迎えの提督と艦娘が出てきた。

秘書は鹿島だった。

提督は見た目人の良さそうなおじさんといった感じだ。

特に艦娘に疲労の色も見えない。

 

「ようこそ、そちらが秘書ですかな?」

 

「DDG151ネイサン・ジェームズです」

 

「DDG・・・はて」

 

「まぁそのへんはゆっくり中で話しましょう」

 

「そうですな」

 

司令部に案内される。

特に変わった雰囲気はないが。

 

「それで情報交換とは」

 

「えーっと・・・あーなんだっけ」

 

書類を探しながら思い出す。

たしか訓練に関してだ。

 

「あ、思い出した。艦娘にも格闘訓練をしろって事でその訓練のやり方についてです」

 

「ほう、格闘訓練ですか。ベッドの上でですかな?」

 

相手の提督はイタズラっぽく笑う

 

「もう提督さんったら、ふふ」

 

「とりあえず下ネタは置いといて」

 

本題に入る。

 

「格闘経験者はいるんです?」

 

「あー・・・確か元アメリカ軍人だったヤツが・・・鹿島、すまないがクックを呼んできてくれ」

 

「了解しました」

 

「元アメリカ軍って奇遇ですね、俺もですよ」

 

「ほう!海軍ですかな?」

 

「海軍は地上に降りてからだったかな」

 

「ということは元パイロットですか!」

 

「そうですね」

 

なんて話をしていたら黒人のおっさんが入ってきた。

 

「あぁ、クック。この人も元アメリカ軍人らしいよ」

 

「ほう」

 

雰囲気で察する。

たぶん俺と同じ特殊部隊出だろう。

さて、俺は本題の捜査でもしようかな

 

「提督、鎮守府を案内してもらっていいですか?」

 

「ええもちろん。鹿島、連れていってやれ」

 

「了解しました」

 

「ジェームズさん・・・だったかな、手伝って欲しい事があるからこっちに来てもらっていいかい?」

 

「了解」

 

「じゃあジェームズ、後でな」

 

あからさまに今、ジェームズと俺を切り離したな。

気の所為だといいが。

ジェームズは何かを察して雰囲気が変わった。

 

「じゃ、よろしく」

 

「はい」

 

鹿島に連れられて歩く。

特に鎮守府に変わった施設があるわけでもない。

ていうか俺の鎮守府が変わりすぎなだけか・・・

 

「えーっと、ここが工廠ですね。ちなみに向こうが鎮守府の防空指揮所になります」

 

「へぇ、武装は?」

 

「そうですね・・・高射砲と・・・えっとたしかソ連から輸入した自走砲でえっと・・・ZS・・・」

 

「ZSU?」

 

「それです!たしか四連装でした」

 

「てことはZSU-23-4か」

 

「はえ・・・お詳しい」

 

「うちの鎮守府にも似たようなのいっぱいあるからな」

 

「あ、あとこれはクックさんのご意見で導入した、ハンビーって車ですね」

 

「なるほど」

 

1時間くらいに案内してもらい司令部に帰ろうとした時だった。

 

「あっ」

 

「どした?」

 

「すみません、ちょっと靴紐が」

 

「そうか」

 

一瞬気にしなかったがよく見たら靴紐なんて着いていない。

俺はとっさに拳銃に手をかけて言う

 

「何考えてる、靴紐なんてついてないぞ」

 

「・・・命令なんです」

 

鹿島は突然スタンガンを取り出して突っ込んできた。

 

「あぶなっ!おい動くな!」

 

「命令守らないと・・・分かってください提督さん!」

 

「分かれもクソも知るか!!いいか動くな!」

 

だが鹿島はまた体当たりしようとしてくる。

 

「この・・・!」

 

上手く相手の首を締めあげれるように捕まえれた。

 

「さっき聞いてたか知らんが俺は元は特殊部隊出の人間だ、格闘でどうにか使用なんざ100年早いんだよボケナス」

 

「か、はっ・・・!」

 

「正直に話せ、あの提督はどこに行った。この鎮守府で何をしてる」

 

「な、何も知りません・・・!」

 

「知らないならなんでスタンガンで攻撃した?」

 

「・・・」

 

「黙りか?まぁいい、お前はここで寝てろ」

 

「・・・!!かはっ!」

 

気絶させるために手に力を込める。

鹿島の目が少し虚ろになってきた。

 

「・・・許せ、起きた時にすべて終わってる。」

 

 

 

 

 

〜ネイサン・ジェームズ〜

 

鍵の閉まる音を私は聞き逃さなかった。

スカートを触るフリをして足のホルスターのP226のハンマーを起こした。

 

「いやー、良かった。あの提督さん強そうですもんね」

 

「そりゃSEALsだからね」

 

「ところで私は君に聞きたい事が沢山あるんだ」

 

口調も変わっている。

よく見ると窓は簡単に割れない加工が施してあるしドアは鍵がかかっている。

 

「聞きたいこと?」

 

「あぁ、君はとても可愛い。好みの男性はいるのかな?」

 

「別に。いないけど」

 

「あぁ、その冷めた態度も素晴らしい・・・」

 

「・・・何言ってるの?さっきから」

 

大体何が起きそうかは察した。

下手に拳銃を出すと向こうも武器を使ってくる可能性もある。

少し弱めの女の子を演じるか。

 

「それでだね、聞きたい事って言うのは全部君の体に聞くから大丈夫だよ・・・」

 

「ちょ、やだ・・・やめてよ」

 

「ふふふ、もう逃げられないよ」

 

「何それ、帰るから」

 

ドアに行き手をかける。

もちろん開かない。

 

「あれ、鍵?」

 

「大丈夫、すぐ気持ちよくなるから・・・ふふふ」

 

「ひっ・・・!」

 

敢えて怯えた雰囲気を出す。

 

「あぁ、いいねぇ・・・その怯えた顔・・・すぐに気持ちよくしてあげるからねぇ・・・」

 

ゆっくりと近づいてくる。

武器は何も無さそうだ。

私は必死にドアを開けようとするフリを続けた。

 

「や、やだ!来ないで!」

 

「怖がらないでいいよ・・・」

 

男は私から5歩くらいに近づいた。

 

「・・・まあ、ちっとも怖がってないけどね」

 

「なっ・・・!?」

 

拳銃を抜いて少し距離を取る。

初弾は装填済、ハンマーも起きている。

つまりは私が引き金を引けば弾丸は発射されるという事だ。

 

「艦娘ならこういう事しないって思ってた?残念だけど、私は陸戦も得意だから。アーレイ・バーク級を舐めないで欲しいかな」

 

私はいたずらっぽく笑いながら言うが銃口は決して逸らさない。

 

「わ、私を撃てば君の立場は無くなるぞ」

 

「なにそれ。というか、私が独断で拳銃を突きつけてるって思ったの?これ、上からの命令だから。アンタを捕まえろって」

 

「な、なら撃てるわけ・・・」

 

「下半身に脳みそでも着いてるの?あの上の連中が生け捕りを重視してるわけないでしょ。提督のところに来た命令だと、死体でも問題ないって来てるから」

 

「・・・」

 

相手の提督は俯いた。

 

「そういう事だから妙な真似は・・・」

 

その時だった。

相手は突進してくる。

 

「うわっ!?」

 

・・・しまった、油断した。

押し倒される形になってしまった。

持ってきていたP226が手を離れてしまう。

 

「ふふ、何だかんだ女の子だ」

 

「ちょ・・・クソっ・・・!」

 

いくら艦娘といえど、体格のいい男に押さえつけられてはどうしようもない。

 

「は、離して!!」

 

「あぁ・・・まずその減らず口を塞ごうか」

 

「なにを・・・んぐっ!?」

 

口に丸めた布を押し込まれた。

しかも何か薬でも入れてるのか妙に甘い。

両手を押さえつけられているから逃れようがない。

 

「・・・さて、ではその体を拝見させていただこうかな」

 

「んんっ!?」

 

この野郎、動けないのをいい事に・・・

男が私の服の前をはだけさせ下着に手をかけようとした時だった。

数発の銃声と共にドアが蹴破られる。

 

「ジェームズ!!」

 

提督・・・。

 

「なん・・・!?」

 

「てめぇこの野郎・・・良くも俺の可愛い部下に手を出しやがったな」

 

提督の額には青筋が浮かんでいた。

だが、私を押さえつけている相手も往生際が悪いのか私が落とした拳銃に手をかけようとした。

 

「この豚野郎が!」

 

提督は数発発砲した。

相手の腕に何ヶ所か風穴が開く。

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

撃たれた事で相手は私の上から少し動いた。

おかげで右手がフリーだ。

思いっきり顔面を殴りつける。

 

「ぷはっ!提督、あとちょっとで大事な処女が持ってかれる所だったよ」

 

「そりゃすまん」

 

「まぁでも・・・ありがと」

 

ふと相手のほうを見たら無線機を手にしていた。

 

「総員に告ぐ!横須賀からの訪問者はスパイだ!射殺せよ!!」

 

「おまっ・・・!!」

 

基地中に警報が鳴り響いた。

 

「ふ、ふふふ、これでお前らもおしまいだ・・・」

 

「てめ・・・」

 

提督が拳銃を向けようとした時だった。

相手の方が先に発砲した。

その弾丸が私の足に当たった。

 

「あぐっ!?」

 

それ見た提督は無言で応射、相手は額を撃たれて崩れ落ちた。

 

「大丈夫か!?」

 

「な、何とか・・・」

 

当たったと言っても太ももを掠めて少し肉が抉られた程度だ。

デカい切り傷といったくらいだが・・・。

痕が残りそうだ・・・

 

「とにかく逃げるぞ!」

 

「んじゃおぶって」

 

「お前な・・・」

 

私を担ぎ上げて提督は航空機がありそうな格納庫に向かった。

 

「まったく面倒な事になったぞちくしょうめ・・・」

 

「まったくね・・・いてて・・・」

 

「大丈夫か?」

 

「まぁ何とか・・・それよりもなんかさっきから体が火照ってる気がする・・・」

 

「そういえば顔も赤くなってるな・・・さっさと帰るか」

 

物陰に隠れながらそんな話をした。

 

「っとそうだ。上に連絡して警備兵を止めないとな」

 

「そだね、撃たれたらたまんないし」

 

「まったくだ」

 

それにしてもさっきからやたらと体は熱いしなんかドキドキするし・・・なんなんだ。

提督は無線で本部と連絡を取り合っていた。

 

「提督・・・」

 

「ん?どした?」

 

「ううん、何でもない」

 

「そか」

 

「連絡は終わり?」

 

「あぁ、30分ほどで本部の憲兵が来る。それまでは念の為隠れないとな・・・」

 

ふと周りを見渡すと人目に付かなさそうな場所に小屋があった。

 

「あそこは?」

 

「ん?あぁ、あそこにするか」

 

「んじゃ、運ぶのよろしく」

 

「はいはい、お姫様」

 

そうして小屋の中に走り込んだ。

 

 

〜提督〜

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

「大丈夫か?」

 

「へ!?う、うん、大丈夫・・・」

 

「とは言っても何か変だぞ・・・出血は止まってるし・・」

 

ジェームズは妙にトロンとした顔をしている。

・・・なんかどっかで見たことあるような。

 

「お前まさか風邪ひいてたな?」

 

「え!?な、何してるの!?」

 

「何って熱あるか見るんだよ」

 

おでこに手を乗せてみる。

汗ばんではいるが熱はない。

 

「んー・・・俺の体温が高いのか?」

 

こうなったら・・・という感じでおでこ同士を合わせてみる。

 

「ッッッッ!!!」

 

ジェームズからは声にならない声が上がる。

 

「ど、どした!?」

 

「な、なななんでもない!!」

 

「そ、そか・・・」

 

だがジェームズは苦しそうに呼吸していた。

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

「・・・」

 

まさか口に突っ込まれてた布に毒でも仕込まれていたのか・・・。

いやそれならもっと早くに効果が出ているはずだ。

 

「ジェームズ、とりあえずそこのマットレスに横になれ」

 

「だ、大丈夫」

 

「いいから」

 

体調不良なのにずっと立たせておくわけにもいかない。

少し汚れてはいるが倉庫代わりだったのだろう、小屋にマットレスがあったのでそこに寝転ばせた。

 

「・・・暑い・・・」

 

「ん?そうか?ってお前何してる!!」

 

「・・・暑いから・・・」

 

暑いからと言いながらシャツのボタンを外し始めた。

・・・下着がこんにちわしてる。

 

「バカお前、下着見えてるぞ!」

 

「・・・提督になら見られていいよ」

 

「何仰ってるんでございますの!?」

 

「・・・だって助けに来てくれた提督カッコよかった」

 

「部下を助けるのは当たり前・・・ってだから更に脱ごうとするな!!仮にも異性の前だぞ!!」

 

「・・・だから提督になら・・・」

 

妙に色っぽい顔をしながらそう言う。

・・・そして俺はピンと来る。

 

「お前媚薬かなんか飲まされたな!?」

 

「なにそれ・・・ていうかもう・・・」

 

そしてジェームズは我慢ならんというように俺の手を引っ張った。

 

「おわっ!?」

 

「提督・・・」

 

「ちょ、まっ・・・俺は妻帯者だぞ!!」

 

「・・・私じゃダメなの・・・?」

 

「ダメとかダメじゃないとかじゃなくて・・・いやダメだろ!!」

 

ジェームズは俺の顔を顔を近づけてくる。

何とか片手で押さえつけて耐えてはいるが。

 

「提督・・・お願い・・・」

 

「お願いじゃなくて!!」

 

「私、提督の下で居られて良かったって思ってるのに・・・」

 

「思ってるのにじゃないわ!ていうかお前薬効きすぎだよ!!」

 

いつものクールな感じとは打って変わって今度はなんか妙にエロいお姉さんと化していた。

 

「提督・・・好きなの・・・」

 

「分かった、俺のこと好きなんだな!分かったから落ち着けってこの野郎!!」

 

「・・・この間からずっと我慢してるのに・・・」

 

「知るかんな事!てか薬のせいでお前変な事になってんだ分かってるのか!?」

 

「私の正直な気持ちだよ・・・!」

 

「分かった、分かったからとりあえず離せぇぇ!!」

 

遂には足を腰に絡めて俗にいうだいしゅきホールド状態になった。

・・・まずい、俺の体制的にバランスを崩すとコイツとキスすることになる・・・

するのが嫌とかではないが・・・いろいろダメなので必死の抵抗を続けた。

 

「いかん・・・そろそろキツい・・・」

 

「ていとく・・・お願い・・・」

 

「んぐぐぐぐ・・・」

 

その時だった。

 

「大佐!!」

 

小屋のドアが開けられた。

 

「大・・・佐・・・」

 

「違う違う違う違う!!誤解だ誤解!!」

 

「・・・邪魔しやがって・・・」

 

本部の憲兵隊の到着でようやく解放された。

その後は鎮守府の艦娘の保護等の処理を任せて帰路につく。

ほんの5時間ほどだったのにどっと疲れた・・・。

ジェームズは薬が効きやすい体質なのか帰りの航空機の中でも火照った顔をしたままだった。

さすがに人目があるからかあと一歩で踏みとどまってるようだが・・・。

そんなこんなで横須賀に戻り、執務室に帰ってきた。

今回は突然だったので誰にも代理を頼まずに出たから執務室はカラだった。

・・・これがまずかった。

 

「提督・・・人、居ないね」

 

「ちょ、待て!」

 

ジェームズさんのスイッチ、オン。

鍵も閉められた。

だが、今度は運がいい事に帰ったことに気づいたマーフィが執務室に来たのだった。

 

「あれ?提督ー?いないの?」

 

「ま、待ってくれ!今開ける!」

 

「・・・チッ」

 

ジェームズは不機嫌そうに舌打ちをした。

その後は状況を説明してマーフィに連れて帰って貰った。

俺は疲れきった体で部屋に戻りシャワーを浴びた。

今日は電は泊まりだとさっきメールが入っていた。

・・・戸締りはしっかりしとこ・・・

 

「さてと・・・1杯飲んで寝るか」

 

冷蔵庫からビールを取り出して飲む。

 

「ふぁ・・・」

 

布団に潜って目を瞑ればすぐに眠りに落ちた。

この時俺はジェームズの薬の効きやすさをもっと理解しておくべきだった・・・。

 

「ん・・・?」

 

何かが体の上にいる。

そして俺が使ってないタイプのシャンプーの香り。

・・・目を開けるとジェームズがいた。

なお全裸。

 

「ジェームズ!?」

 

「あ、起きちゃった」

 

「おま・・・!」

 

よく見るとまだ顔が火照ってる。

何時間効果持続してんねん!!

 

「提督・・・私、2番目でいい、だから・・・」

 

「何が!?あと服着ろ!!」

 

あんのクソ野郎、ジェームズになんて事しやがる!!

おかけで大変な目にあってるんだぞ!!

と今頃地獄でBBQにされてそうなあの鎮守府の提督に心の中で恨み言を言う。

 

「もう我慢出来ない!」

 

「んぐ!?」

 

不意打ちのようにキスをされた。

 

「えへ、やっと出来た」

 

見たことないような幸せそうな顔。

・・・あぁもうどうにでもなれ・・・

 

「ねぇ提督・・・続き、いい?」

 

「あぁもう・・・どうにでもなれ・・・」

 

このクソ提督と自分を心の中で罵った。

 

「ちゃんと避妊はするから、ね?」

 

「そこまでやるの!?」

 

予想してなかった言葉。

 

「だって好きなんだよ、提督」

 

「いや、あの・・・これ逆レ〇プって奴じゃね!?」

 

「そうだけど」

 

「そうだけどじゃねぇぇ!!」

 

「お願い、今夜だけ・・・」

 

ジェームズは今にも泣きそうな顔だった。

 

「・・・あのな、なんでそこまでして」

 

「受け入れてくれたから・・・」

 

「何が?」

 

「私のこと、過去の事とか・・・」

 

「あぁ・・・」

 

「その頃から・・・ちょっと気になってた」

 

ジェームズは軽く泣きながら続けた。

 

「電がいるのは知ってる・・・けど、私、今日助けてくれて、それに受け入れてくれて・・・何回も提督には助けられたから・・・」

 

「・・・そうか」

 

・・・全裸でそんな事申されましても・・・とムード台無しの事を心の中で思う。

 

「だから私、提督が好き」

 

「・・・俺は」

 

「分かってる・・・分かってるけど・・・お願い、今日だけは提督と寝させて」

 

「・・・分かったよ・・・」

 

泣きながらここまで言われてどう断ろうか分からなくなったので諦めた。

・・・電に黙ってこれだと・・・殺されても文句は言えんな・・・

そう思いながら夜を越した。

 

 

 

〜ネイサン・ジェームズ〜

 

「あぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

「・・・・やっちまったな」

 

「ヤッちまったよホントに!!!うわぁぁぁぁ!!!」

 

私はいろいろ思い出し提督の布団に顔を埋めて叫ぶ。

 

「あ、あれ全部薬のせいだから!!」

 

「・・・ここまでしといてか?」

 

あたりに散らばる昨日はお楽しみでしたねという痕跡。

 

「言わないでぇぇぇぇ!!!」

 

「・・・とりあえず服着ろ」

 

「そうする!!」

 

私は急いで服を着た。

・・・とりあえず昨日言ったことは本心ではあるけど・・・

アホ!私のアホ!!もう後戻り出来ないじゃん!!!

 

「・・・俺も大概クズだな・・・」

 

提督は天井を見つめてそう呟いた。

 

「私!全部私のせいだから!!」

 

「半分くらいは俺のせいでもあるがな・・・」

 

「ごめんなさいぃぃぃ!!!」

 

私と提督はその後、なんとも言えない空気で部屋を片付けた。




エロ漫画の読みすぎなストーリーになったと思ってる(


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夜間パトロール

〜ネイサン・ジェームズ〜

 

「はぁぁぁぁ・・・・」

 

「さっきからでっかいため息ついてどうしたのよ」

 

「なんでもない・・・はぁぁ・・・」

 

「何でもないわけないでしょ。ここなら誰も聞いてないし話してよ」

 

提督からの指示で私とマーフィーは哨戒任務に付いていた。

哨戒海域は鎮守府から150kmほどの海域だ。

レーダー類が完全に復旧してない今、イージス艦の私たちが鎮守府の目となっていた。

・・・そして私はこの前のことを思い出してため息を付いていた。

 

「じゃあ無線機は全部OFFで・・・」

 

「分かったわよ。ほら、話してみて」

 

「うん・・・」

 

私はこの前のことを全て話した。

マーフィーはそれを聞いて何を言うだろうと思っていたら意外と冷静な返しをくれた。

 

「あらま・・・ジェームズもやるわね」

 

「あらまって・・・」

 

「私はジェームズが提督の事好きだったのには驚いたけどね」

 

「まぁ・・・うん・・・」

 

「いいじゃない。若気の至りって事で。・・・電にバレたらヤバいだろうけど」

 

「・・・私も提督もその辺に埋まってるよきっと」

 

「あはは、かもね」

 

「笑い事じゃないよ・・・」

 

なんて話をしながら淡々と任務をこなす。

正直、提督と一緒にいると顔が真っ赤になってるので電が近くにいるとバレるかもしれない・・・。

 

「そういえばジェームズ」

 

「なに?」

 

「初めてが提督?」

 

「なに・・・ぶっ!!」

 

私は意味を理解して吹き出した。

 

「な、何をいきなり!」

 

「いえ、何となくよ」

 

「何となくって・・・」

 

「で、どうなの?」

 

マーフィーは笑顔でそう聞いてくる。

 

「は、初めてだよ・・・」

 

「そっかそっか」

 

マーフィーは笑顔でそういった。

まるで妹から恋愛相談受けた姉のようだ。

・・・いや、そうなのだが・・・

 

「まぁいいじゃない、好きな人からなんだから」

 

「そうだけど・・・」

 

私は2番・・・いや、それすらなれないという事が分かっているから悲しい。

 

「まぁジェームズが最近元気ない理由が分かってよかったわ」

 

「結果深刻だよ・・・はぁ・・・とりあえずタバコでも・・・」

 

私はタバコをポケットから取り出して咥えた瞬間だった。

レーダーが何かを捕捉した。

 

「ん?」

 

私はタバコを咥えたままそれが何かを確認しようとする。

 

「マーフィー」

 

「ええ、捕らえてる。味方・・・?」

 

「提督に確認してみる」

 

「話せる?」

 

「仕事だから」

 

確かに少し気まずいが私は軍人。

気まずいからと言って無線通信ができないなんて軍人失格だ。

 

「提督、こちらジェームズ」

 

《こちら提督。なんだ》

 

「不明艦をレーダーに捕捉。横須賀への入港予定があるの?」

 

《いや、この時間帯だとなにも・・・敵味方識別装置は?》

 

「アンノウン」

 

「ジェームズ、艦載機を上げるわよ」

 

「了解。艦載機をあげて確認するよ」

 

《了解》

 

無線を切ってヘリを飛ばす。

目標はここから20km程度だ。

なんでいままで捕捉出来なかったのか・・・。

夜間のため目視確認できない。

 

「ジェームズ、武器はいつでも使えるように」

 

「分かってる」

 

武器の安全装置を解除した。

 

「向こうからは見つかってなさそうだけど・・・何者かしら」

 

「ここまで堂々と海の上移動してるから艦娘かな?」

 

「もうすぐ分かるわ」

 

するとヘリから情報が来た。

目標は艦娘のようだ。

 

「味方・・・ね。とりあえず入港予定ないっていうから所属を聞かないと」

 

「だね。私がやるよ」

 

無線をオープンチャンネルに合わせて呼びかけた。

 

「こちら日本海軍所属駆逐艦ネイサン・ジェームズ。そちらの艦名、目的地を知りたい。オーバー」

 

「・・・応答なしね」

 

「もう1度呼びかける」

 

その後何回かに渡って呼びかけたが応答無しだった。

その間にヘリから新たな情報が来た。

艦娘は大和と金剛だという。

・・・なんでそんな戦艦娘がこんな所に。

 

「提督、大和と金剛って何か任務で出てるの?」

 

《ん?その2人なら今日そもそもどこにも行ってないぞ?》

 

「なら他の鎮守府・・・?」

 

《いや、この近くに大和を持ってる所はない》

 

「じゃあ一体・・・」

 

その時、遠くで何かが光る。

そして爆音も。

これは・・・。

 

「!!レーダーに感!砲弾がこっちに来てるわ!」

 

「こちら日本海軍!!敵じゃない攻撃を中止せよ!!」

 

「ジェームズ!私が迎撃するから連絡を!」

 

「了解!提督!攻撃を受けた!!」

 

《何!?味方からか!?》

 

「味方からだよ!!どうするの!?」

 

「スタンダード、発射!!」

 

「提督!!向こうから応答はないしいきなり撃ってきてるんだよ!どうすればいい!?」

 

《クソっ・・・!》

 

「ジェームズ!発光信号を試して!」

 

「了解!」

 

私は発光信号で交信を試みるが返事がない。

 

「応答無しだよ!!」

 

「なんだってのよ!クソ!!」

 

相手側からは砲撃時の発砲炎が絶え間なく見える。

明らかに沈めるつもりだ。

その時だった。

マーフィーが迎撃した砲弾の破片が降ってきた。

 

「あたっ!?破片・・・?」

 

よく見てみるとその破片は深海棲艦の物とよく似ていた。

・・・これは・・・。

 

「提督!深海棲艦が艦娘をコピーしてるって話はないの?!」

 

《何を言ってる?》

 

「今、迎撃した砲弾の破片が私に当たったんだけどこれは深海棲艦の物だよ」

 

《・・・あの噂は本当の事かよ畜生・・・!》

 

「噂?」

 

「これ以上砲弾が増えたら迎撃しきれないわよ!!提督!!」

 

無線機越しからため息のあと提督が何かを決断した声色で言ってきた。

 

《2人ともよく聞け、あの2隻はの行動は反乱と認める》

 

「沈めろっての!?」

 

《・・・あぁ。その代わりなんでもいいからあの2隻のパーツを回収しろ。出来ることなら本体がいいが》

 

「そんな簡単に言うけどね、こっちだっていっぱいいっぱいなのよ!!とにかく反撃していいのね!?」

 

《あぁ、そうだ!ウェポンズフリー、交戦を許可する!》

 

「了解!ジェームズ、ウェポンズフリー!」

 

「了解!トマホーク用意!」

 

「大和クラスなら1発や2発じゃだめ・・・10発は撃ち込むわよ!」

 

「分かってるよ!ロックオン!」

 

「トマホーク発射始め!」

 

「ファイア!」

 

大和と金剛に対して20発近いトマホークが発射された。

 

「あとは命中祈って迎撃に専念だね」

 

「えぇ、ジェームズは金剛からの砲弾をお願い」

 

「そんなもん認識しきれないよ、手当たり次第に行こう。無傷で帰るよ」

 

「言うわね、やってやるわ!」

 

全力で砲弾を迎撃し、回避する。

時折、迎撃をすり抜けた砲弾が近くに落ちるがその瞬間に見えるのはやはり深海棲艦の砲弾だ。

 

「やっぱり深海棲艦・・・?」

 

そう考えているとミサイルは目標に命中した。

爆炎と爆音が聞こえてくる。

 

「命中!発砲炎も見えなくなったわね・・・」

 

「確認しに行こう」

 

急いで現場に向かうとやはり・・・と言うべきか、見た目は完全に大和と金剛だが被弾した部位からは深海棲艦の部品などが見える。

これは深海棲艦がコピーした艦娘だ。

・・・だがこれは少し厄介な話だ。

 

「マーフィー、写真は撮った?」

 

「ええ、パーツも回収したわ」

 

「じゃあ急いで帰ろう」

 

「ええ、そうね」

 

私たちは鎮守府に急いだ。

 

 

〜提督〜

 

「噂であって欲しかったんだがな・・・」

 

俺はため息をつく。

予想はしていたが恐れていた事態が発生しつつある。

深海棲艦が艦娘のコピーを作るという事態だ。

深海棲艦はどう考えるのかは分からないが、こっちの艦娘達に好き好んで味方を撃つヤツなんて居ない。

それに撃たれてもまずは誤射を疑うだろう。

きっとそこにつけ込んだのだろう。

人間側からしても艦娘の姿をしていたら警告もなしに発砲などしない。

まず、所属不明の艦娘が港に近づいてきたなら所属を聞く、答えなければ何度か聞く。

それでも答えなければ発砲の警告、警告射撃・・・。

しかし本体を狙う危害射撃などしないだろう。

拿捕を狙うはずだ。

その間に移動はし放題だ。

鎮守府の主要部を射程圏内に収めるまで航行を続けていても艦娘の姿をしている限りいきなりは撃たれない。

いや、撃たれることはない。

 

「これ・・・結構ヤバくないですか隊長」

 

「ヤバいってレベルじゃないぞ」

 

「もうすぐ2人とも帰ってきますが破片などはどうします?」

 

「技術班に持ってって調べさせろ。その間にこのコピーがどこから来たのか探ってそこが敵基地なら破壊する」

 

「了解しました」

 

「はぁ・・・いつ終わるんだろうな・・・この戦争は」

 

「・・・どちらかが諦めるまで・・・では?」

 

「どちらか・・・か」

 

この戦争の面倒臭い所は敵の首都を攻め落として国を占領してしまうという方法が取れない所だ。

しかし向こうはそれが可能なのだ。

人類側には取られると困る重要地点がある。

しかし敵には取られたら困る地点があるにしても首都を取られたりするほどのダメージはない。

そしてこのコピー艦娘作戦の内容を推測するに、コピーした艦娘がどこまで接近できるか。

そして上陸が可能ならそのまま首都攻略に向かうつもり・・・なのかもしれない。

そもそも一般人からすればいきなり艦娘が撃ってくるように見えるため軍全体のイメージダウンに繋がるだろう。

このコピー作戦は早めに潰さなければならない・・・。

その事について考えていると2人が帰ってきた。

 

「ただいま、無事帰ったわよ」

 

「・・・た、ただいま・・・」

 

ジェームズはこの前のことがあるからか顔を少し赤くしてそっぽを向いた。

俺も思い出して気まづくなる。

 

「報告は無線で聞いた通りだよな。お疲れ様」

 

「ええ、早めにあのコピー艦娘の出どころ見つけた方がいいんじゃない?」

 

「今全力でやってるよ」

 

「そう。あ、そうそう提督」

 

「ん?なんだ?」

 

マーフィーは俺の近くに来てコソっと言う。

 

「・・・ジェームズにやった事の責任取りなさいよ」

 

「ぶふっ!!」

 

「ふふっ、修羅場にならないようにね」

 

「もう既に修羅場だよ!」

 

そう言ってマーフィーは部屋から出ていった。

ジェームズは気まずそうに部屋に残っていた。

臨時秘書艦のアンドロメダは気を使ってか部屋から出ていった。

 

「・・・あ、あの・・・えっと・・・」

 

「なんだ?」

 

「この前はごめん・・・」

 

「・・・まだその事言ってるのか」

 

「そりゃ言うよ。薬盛られてたとはいえ・・・やっちゃいけない事やったわけだし」

 

「それを言ったらお互い様だろ。な?」

 

「そうだけど・・・」

 

「まぁなんだ。ジェームズの素直な気持ちが分かって嬉しいよ」

 

慰めになるのか分からないが優しくそう言ってみる。

ジェームズは赤くなって俯いたままだ。

 

「私は・・・2番に・・・なれないよね」

 

「・・・俺にはアイツがいるんだ。あんなことやっといていうセリフじゃないがな」

 

俺は苦笑いしながらそう言った。

 

「あぁもう!そういう一途な所が私は大好きなんだよ!」

「ただいまなのですー!」

 

・・・ジェームズさん、私に大好きと言った直後に電さんご帰宅。

 

「あ、い、電・・・おかえり」

 

「・・・」

 

黙り込む電さん。

・・・やばい。

 

「・・・司令官さん?」

 

「はい!」

 

「どうぞ続けてくださいなのです」

 

電は買い物袋を丁寧に部屋の隅に起き、普段は苦くて飲まないという缶のブラックコーヒーを持ってソファーに座った。

・・・いや、どっちかって言うとふんぞり返った。

 

「ジェームズさん?いいのですよ?」

 

「い、いやあの・・・ごめんなさいぃぃぃ!!」

 

普段はぜったいありえないジェームズの絶叫しながら逃走する姿。

 

「あら行っちゃったのです」

 

「行っちゃったな」

 

「さて司令官さん?もしかして・・・隠れて浮気なのです?」

 

あらストレートに聞いてくる。

・・・バレたら死ぬ。

 

「いや断じて違う!!」

 

「じゃあ・・・さっきのは何なのですかぁ?」

 

ズズズと音を立ててコーヒーを飲む電さん。

 

「あ、いや、あれだよ・・・」

 

「・・・はぁ、まぁアレなのです。知ってましたけどね」

 

「はい?!何がでしょうか!?」

 

「ジェームズさんが司令官さんのこと好きって事なのです」

 

「・・・マジで?」

 

「マジなのです!」

 

いったいいつから・・・。

 

「目を見れば分かるのです!最近ジェームズさん司令官さんと会うと楽しそうなのです。それに司令室の帰り道とかたまに笑顔なのです」

 

「よ、よく見てるのな」

 

「えへへ、でも司令官さんがモテモテなのは嬉しいような悲しいような・・・なのです」

 

「まぁ・・・電からしたらな・・・俺が逆の立場なら同じだよ」

 

「司令官さん、ジェームズさんのことどう思うのです?」

 

「どうっていうのは?」

 

「そういう関係として・・・なのです」

 

「俺はお前が・・・」

 

「そういうの無しで!なのです!」

 

なんてこった退路が絶たれた。

 

「まぁなんだ・・・良いとは思う。アイツの事はタイプの部類だよ」

 

ここは仕方ないので正直に言った。

 

「じゃあ司令官さん・・・」

 

俺は一瞬、最悪の事態を想像した。

離婚という最悪の事態を。

・・・だが答えは違った。

 

「重婚なのです!」

 

「・・・・・はい?」

 

「だから重婚なのです!」

 

「い、いやまて!お前自分で言ってること分かってるのか!?」

 

「?分かってますよ?」

 

「いやだったらなんで!?」

 

あまりに想定外の言葉・・・。

 

「重婚そのものは認められてますし、司令官さんの1番は私って所は変わらないのです!あ、でも3人目は許さないのです!」

 

「ふ、2人目ならいいのか・・・」

 

「まぁあの・・・私もジェームズさん好きなので」

 

「・・・え?」

 

「い、いえあの!いそかぜさんたちみたいなアレじゃないのですよ!?」

 

「ごめん、一瞬本気でそう思った」

 

「勘違いなのですぅぅ!!」

 

電曰く、強くそして優しい所が好きだそうだ。

そして・・・ジェームズが俺のことを好きだと知ってこの人となら俺が重婚したとしても許せる・・・そう言うことだそうだ。

 

「まったくモテモテなのです、司令官さん」

 

電は笑顔でそう言った。

・・・俺は心中複雑だがな・・・。

 

「ところで司令官さん。さっきまでジェームズさんと話してたのってそれだけですか?」

 

「ん、まぁ・・・後の大規模作戦の話も」

 

「大規模作戦?」

 

「仮だがな。敵泊地の強襲だよ」

 

「なるほどなのです!あ、それで話戻しますけど、司令官さんどうするのです?」

 

「何がだ?」

 

「重婚」

 

「あ、あぁ・・・」

 

どうするか・・・俺は悩む。

確かにジェームズも女性として好きだ。

だが・・・電がいる身で・・・。

 

「ふふっ、悩んでるのです。良かったのです」

 

「何がだ?」

 

「この事、一瞬で決めたらどうしようって思ってたのです。でも、司令官さんがちゃんと悩んでて安心したのです」

 

「あのな・・・悩まないわけないだろ」

 

「それでこそ司令官さんなのです!ちなみに私は賛成なので司令官さんは好きに決めたらいいのです!」

 

「お、お前は賛成なのか・・・」

 

「えへへ、司令官さんはハーレム状態なので夜は寝れないかもしれないですね!」

 

何故だ!何故今日の電はこうも大人っぽいんだ!!

 

「・・・分かったよ、俺は・・・」

 

俺は決めた。

ジェームズの気持ちは裏切らない。

・・・重婚用の指輪・・・買ってくるか。




ウェポンズフリーって言葉なんかめっちゃカッコイイ・・・カッコよくない?


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研究所捜索

艦これってなんだっけ(


〜ネイサン・ジェームズ〜

 

「これ艦娘の仕事じゃないと思うんだけど・・・」

 

「まぁな・・・それには同意するよ・・・」

 

「同意するなら断ってよ」

 

「んな事言われたって珍しく上層部がまともな命令出したんだぞ?」

 

「まぁそうだけどさ・・・なんで私が名指しなの?」

 

「練度だってよ」

 

私は目の前にある命令書を読みながらそう言った。

内容は国内にある深海棲艦と関わりを持っている可能性のある研究所の捜索だ。

ただの捜索なら陸軍でも出せばいいのだが、捜索グループの1つがこの研究所に行ったあと連絡が取れなくなって1週間経つらしい。

本来なら空爆でもして吹き飛ばしたいところだが証拠まで無くなると困るから爆撃まではしていない。

おまけにその研究所がある地域は前に起きたシンビルスクの核ミサイルが落ちた場所の近くで現在は封鎖という形になっているが、貧困で困った人や反社会勢力等が入り込み無法地帯となっているそうだ。

そこに普通の人間よりも身体能力の高い艦娘で陸戦も出来る私に白羽の矢が立ったということだった。

 

「こんな所行きたくないんだけど・・・」

 

「まぁそう言うなって。武器だって良いのを準備してるんだから」

 

「どんなの?」

 

「あー、ちょっとだけ待っててくれ」

 

そう言って提督は執務室を出てどこかへ向かう。

 

「・・まぁ・・・あなたの命令なら聞くよ」

 

私はボソッとそう言った。

すると・・・

 

『おっほ、こりゃてぇてぇですね!』

 

「・・・!?」

 

びっくりして振り向くと半透明の艦娘が居た。

 

「・・・シンビルスク・・・今の聞いたの?」

 

『聞きましたよ!ジェームズさんと提督の関係尊いですね!』

 

「・・・そう、じゃああんたの墓にトマホークぶち込んどくから」

 

『ちょっと!?それ私以外にも被害でますよ!?』

 

「コラテラルダメージって知ってる?」

 

『いや、知ってますけども!』

 

「それかマーフィにお願いして封印してもらおうか?」

 

『ごめんなさい忘れるので許してください!!!』

 

「ふん・・・」

 

シンビルスクはそう叫びながら窓をすり抜けて逃げていった。

そこに提督も帰ってくる。

 

「ありゃ、シンビルスクでも居たのか?」

 

「いたって言うか化けて出たよ。幽霊って暇なんだね」

 

「あいつが特殊なだけだと思うぞ・・・」

 

提督は大荷物のまま呆れ顔でそう言った。

 

「とりあえずこの装備だ」

 

「なにこれ・・・アメリカ製じゃないの・・・?」

 

「なんだ、お気に召さなかったか?」

 

そう言って提督が放り出したのはAK-74Nだ。

ハンドガードはフロント近くまで覆われているVS-24。

ガスチューブもレイルガスチューブのVS-33が装備されている。

リアサイトはTula TT01が装着され、そのレール部分にはT-1ドットサイトが。

ストックはFAB Defense UAS-AKが装着され、ピストルグリップは MAGPUL MOE-AKタイプになっていた。

ハンドガード下部にはMAGPUL RVGが。

ハンドガード上部のフロントサイト付近にAN/PEQ-15。

マガジンは5.45mmタイプのAK用P-MAGが装着され、マズル部分にはHEXAGONの5.45mmサウンドサプレッサーが装着されていた。

もはや、AKの原型がほぼ無くなるまでカスタマイズされていた。

かなり扱いやすくなってはいるが。

 

「・・・どんだけ金かけてんの・・・」

 

「ユークトバニアから取り寄せんの大変だったんだぞ?特に弾薬とかな」

 

「弾?」

 

「7N39イゴルニクって弾だよ。クラス6のアーマープレートですらぶち抜けるって噂だ」

 

「またどえらい物を・・・」

 

「俺の大切な艦娘だし、重婚したとはいえ、大切な人に変わりはないからな。最高の装備を持ってってくれ」

 

そう言って提督は銃を渡す。

 

「・・・ありがと」

 

私は大切な人と言われて顔が赤くなっているかも知れない。

ちょっと恥ずかしいが・・・。

 

「あと装備はこれだな」

 

「初めて見る、このプレートキャリア」

 

「ANAタクティカル製、M1プレートキャリアだよ。クラス4相当のプレートを突っ込んでる」

 

「へぇ。ていうかANAって航空会社みたいだね」

 

「ユークの会社だがな。」

 

そのあと、提督は他にも集音機能のあるヘッドセットのComTac2とバックパックを渡してくれた。

 

「バックパックには食料とバラ弾詰めていってくれ」

 

そう言って携行食と7N39が詰まった紙箱を渡してきた。

 

「マガジンは銃と合わせて7本。ハンドガンはどうする?」

 

「んー、使い慣れてるから226で」

 

「MP443は使わないか」

 

「それだと完全にロシア兵なんだけど・・・拳銃の弾はくれるの?」

 

「それなら良いの買ってきたぞ、これだ」

 

「何このエグい形した弾は・・・」

 

渡された弾薬はホローポイント弾のようだが鉤爪のような物で弾芯が覆われている。

見た感じ着弾時に体内で筋肉繊維を切り裂きながら広がりそうだ・・・。

 

「9x19R.I.Pって弾薬だよ。1発で敵が止まるんだと」

 

「そりゃ止まるだろうね・・・」

 

撃たれた後のことなんて考えたくもない・・・。

 

「それで、増援はあるの?」

 

「すまない、単独行動になる。上空からの近接支援はあるが」

 

「ん、了解」

 

「何も言わないのか?」

 

「単独の方が楽だよ。見えるもの全部敵だし」

 

「代わりに孤立無援だがな・・・」

 

「そうなったら、助けてくれるんでしょ?」

 

私は少し笑ってそう言った。

提督はいつも誰かが助けを必要としたら例え命令違反でも助けに来てくれる・・・。

そう信頼していた。

 

「まかせろ。総理大臣ぶん殴ってでも助けに行ってやるよ」

 

「ん、そっか。それで?」

 

「それでって?」

 

「出発は3時間後なんでしょ?」

 

「あぁ、ヘリでな」

 

「じゃあほら、やる事あるよね?」

 

「ん?やる事?」

 

私は気づいてくれない提督に少しイラッとしつつもちょっと照れくさくなって小声で言う。

 

「・・・行ってらっしゃいのキスだよ・・・」

 

「ぶっ!」

 

「ちょっと、吹き出すのは失礼だと思う」

 

「す、すまん、お前がそんな事言うなんて思わなくてな・・・」

 

「いいじゃん、指輪ついて夫婦なんだし」

 

「まぁ・・・な・・・」

 

提督はきった電の事を考えているだろう。

少し胸がズキっとした。

 

「・・・今は電じゃなくて私しか居ないの。私だけを見てよ」

 

「お前もそんな事言うキャラだったんだな・・・」

 

「あなたの前だけ。恥ずかしいし・・・」

 

「はは、そうか。照れてる姿も可愛いもんだ」

 

「・・・うるさい。いいから早くしてよ」

 

「はいはい」

 

そう言って提督は私の顔に近づきキスをした。

 

「ん・・・」

 

「満足か?」

 

「それ聞いちゃう?」

 

「あえて」

 

「いっそこの先もやりたいんだけどな」

 

私も今スイッチが入ったかもしれない・・・。

かなり大胆な方の。

 

「・・・それは帰ってからの楽しみにとっとけ」

 

「そうするよ」

 

私はそう言ってプレートキャリアを着込み銃を取った。

 

「頼むぞ、国内の敵を暴くチャンスだからな」

 

「了解。行ってくるよ」

 

私は執務室を出てヘリポートへと向かった。

目的地は廃墟となった街だ。

放射線は観測されていないが熱線や爆風で破壊されていた。

とはいえ、シンビルスクの放ったミサイルは核出力も抑えられていたようで被害自体は爆心地のみといった感じだった。

それでも核攻撃を受けたことに変わりはないが・・・。

 

「それにしても・・・最近は艦娘の扱いが本業以外になりすぎじゃないかな」

 

特にウチの鎮守府は・・・。

身体能力は普通の人間より高いのは分かる。

実際、艦娘にもよるが艤装を外し人として生活できる状態でも厳しい訓練を受けた特殊部隊員より戦闘能力、身体能力は高かったりする。

だから、こういう任務も分からなくはない。

分からなくはないが・・・。

 

「船の仕事じゃないんだよね・・・まぁいいや」

 

そうボヤきながらヘリに向かった。

すでにエンジンを始動し待機していたブラックホークに乗り込む。

私が乗り込んだことを確認してパイロットはヘリを離陸させた。

ここから目的地までは2時間。

着陸地点から目標までが徒歩で1時間だ。

 

《ジェームズ、聞こえるか?》

 

「感度よし。どうしたの?」

 

提督から無線が入った。

 

《状況の再確認だ。目標は東京の閉鎖区画にある研究所。それの調査だ》

 

「詳しく聞いてなかったけど、どこの会社なの?その研究所って」

 

《欧州企業だよ。表向きは大規模な複合企業だがな》

 

「まさかあのゾンビウイルスの・・・」

 

《そりゃゲームとか映画の話だろ》

 

「でもほら、表向きはとかついてるじゃん」

 

《まぁそれも間違ってはないけどな・・・Terra Groupだよ》

 

「テラグループ?」

 

《ありゃ、知らないのか》

 

「私の記憶にはないけど」

 

《あー・・・そうか、違う世界線ってやつだよな》

 

「なんか厨二っぽくてその言い方好きじゃないけど」

 

《なんだよ!》

 

「いやなんで提督が怒るの・・・」

 

《男なんてな!みんな中学2年生なんだよ!》

 

「いや、それは偏見」

 

どうやら押さない方がいいスイッチを押したかもしれない・・・。

とにかくそのテラグループというのが何か端末で調べてみる。

 

「タルコフ・・・?」

 

検索して出てきたページにそう書かれてあった。

内容はユークトバニア・・・私の記憶知ってる世界でいうロシアとヨーロッパが作り上げた経済特区、ノルヴィンスク内で起きた紛争についてだった。

その紛争はTerra Group等のヨーロッパ企業の違法行為等のスキャンダルが原因で政治的対立が起き、ロシア軍と国連軍がタルコフ市内で武力衝突、タルコフは完全に閉鎖されてしまった。

そんな事件の原因の一つであるTerra Groupだが今は事業を収縮し艦娘や深海棲艦についての研究も行っているらしい。

私たちに配布されている高速修復剤もTerra Groupの技術が入っているそうだ。

 

「そんなのが日本でなんかやってるってわけね」

 

《政府としては艦娘研究に貢献している以上、大事にしたくは無いが、深海棲艦と関わりを持っている可能性がある以上放ってはおけないそうだ》

 

「それで、私の出番ってわけなんだね。深海棲艦との関わりの証拠を取ってくればいいの?」

 

《それと行方不明のチームの捜索もな。Terra Groupには私兵のPMCもいるそうだ》

 

「了解、気をつけるよ」

 

提督とのブリーフィングを終えて10分ほどで、ヘリは目的地近くに着陸した。

 

「迎えはよろしく」

 

そう言うとパイロットは敬礼をして離陸した。

 

「・・・さてと、行きますか」

 

初弾を薬室に送り込む。

AKなんて久しぶりに使う。

それにしても、丸みを帯びたハンドガードなので持ちやすい。

Key-modでもあるので余計なレールもないのもあってかなり扱いやすくなっている。

 

「核攻撃で閉鎖された区画に怪しい研究所・・・日本のタルコフってところか」

 

《なんだ、タルコフ事件知ってるのか?》

 

「さっき端末で調べた。なんでこんな企業が日本に展開してるのか不思議だよ」

 

《表向きは優良企業だからな。裏では色々やってたらしいが…》

 

「現在進行形でね。それより航空支援機のコールサインと武装は?」

 

《支援機はMQ-9リーパー。コールサインはレイブン。武装はAGM-114が4発、GBU-12が2発。支援可能時間は8時間》

 

「了解」

 

ドローンが支援機なら心強い。

私は端末に表示される道を歩き始める。

それにしても東京とは思えない場所だ。

郊外だから山だらけなのはあたりまえだが・・・。

だがこの付近はミサイルの爆風を受けて気がなぎ倒されたりしている。

近くにある家も窓ガラスが粉砕され廃墟になっていた。

・・・この区画全体がゴーストタウンのような不気味な雰囲気を醸し出していた。

 

《ジェームズ、その近くに熱源反応ありだ》

 

「熱源?」

 

《2人いる。ちょっと待ってくれ・・・》

 

私は念の為隠れて指示を待った。

 

《なんてこった・・・武装してやがる・・・》

 

「武器は?」

 

《おそらく猟銃だ。この区画は人を完全に退去させてるから居るのは火事場泥棒のロクデナシだけだ》

 

「・・・そのロクデナシをどうするの?」

 

《交戦規定は撃ってくるまでは撃つな。できるか?》

 

「やってみるよ」

 

《念の為武器を捨てて区画から退避するように言えるか?》

 

「無茶を言うねほんと・・・」

 

私は隠れていた岩から立ち上がる。

 

「そこの人達、ここは立ち入り禁止区画だよ」

 

「な、なんだお前!」

 

「ぶっ殺せ!!」

 

そう言うといきなり撃ってきた。

弾が耳元を掠める。

私は咄嗟に岩に隠れた。

 

「いきなり撃ってきたんですけど!」

 

《クソッタレ!無法地帯なのかここは?!》

「撃っていいの!?このままだと殺られるよ!」

 

《クソ・・・撃ち返せ!》

 

私はその場で伏せて右にリーンし射撃した。

2人の胸に弾丸が当たり倒れた。

 

「はぁ・・・2人やった」

 

《・・・了解》

 

私は近づいて背中に銃を向ける。

 

「確認」

 

そして2人に1発ずつ撃ち込んだ。

 

《お前何やってんだ!》

 

「射殺確認。生きてたら困るのは私だよ」

 

《だからって死体撃ちするんじゃねえ!》

 

提督は無線越しに怒鳴る。

 

「・・・分かったよ、ごめん。変なスイッチ入ってた」

 

私はそう言って敵の武装を解除しようとした。

武器に手を伸ばすと持っていたのは89式小銃。

もう1人が上下2連式のショットガンだ。

 

「提督、89式って民間で売られてるの?」

 

《ん?》

 

「倒した1人が持ってた」

 

《まさか行方不明のチームの・・・ソイツ何か持ってないか?》

 

「何かって?」

 

《持ち物だよ、チームのものを持ってるかも知れない》

 

「ちょっと待ってて」

 

私は2人が持っていたのリュックサックを取って物陰に向かう。

リュックサックの中を漁ると食料などと一緒にカメラのようなものが出て来た。

これはヘルメットカメラ・・・?

 

「提督、読みは辺りかも。ヘルメットカメラが出てきた」

 

《端末で再生できるか?出来ればこっちにも送信してくれ》

 

「了解」

 

私は端末にSDカードを差し込んだ。

映像の記録は2日前で止まっていた。

 

「最近殺られたっぽい」

 

《チームが行方不明になる時・・・1週間前のファイルはあるか?》

 

「あるよ」

 

私はそれを再生した。

すると研究所と思われる施設の内部を映した動画だった。

 

『重要書類は片付けたか?』

 

『なんとか全部・・・あとはこのケースさえ持ち帰れば・・・』

 

『とりあえず研究員を全員このエレベーター前に集めろ、すぐに日本政府の連中が来てしまう』

 

音声は英語。

LABと書かれた白衣を着た研究員も映っていた。

 

『脱出はどうするんだ・・・?』

 

『今ヘリを要請中だ。』

 

おそらくこのヘルメットカメラの持ち主は隊長クラスなのだろう。

研究所の責任者と話をしていた。

だが、口調はかなり高圧的で研究員を逃がすと言うよりただ1部に集めているだけのように見える。

 

『妙な真似はしないように言っておけ』

 

『わ、分かってる・・・』

 

そう言った矢先だった。

 

『おい!止まれ!止まれ!!』

 

聞こえるのは銃声と悲鳴だった。

このカメラの持ち主も研究所の責任者と思わしき男性を射殺していた。

まるで口封じだ。

 

「嘘でしょ・・・研究所の職員を撃った・・・?」

 

《・・・大層なお仕事だ・・・》

 

その撃った連中の腕にはUSECと書かれたパッチが貼ってあった。

動画はそこで終了していた。

次の動画を再生すると研究所の外だった。

今度は銃撃戦の最中のようだ。

 

『日本の連中に嗅ぎ付かれたらしいな!』

 

『3-1の9時方向に敵!!』

 

『そこに敵がいるなら爆薬に点火しろ!』

 

そう言うと隣にいた1人が何かのスイッチを取り出した。

 

『ぐあっ!?』

 

だが頭を撃たれて倒れる。

 

『クソっ!3-2は後方に下がれ!爆発するぞ!』

 

そう言ってスイッチを押す。

かなり大きな爆発の後、銃声は止んだ。

 

《・・・おそらくこの連中に攻撃したのは陸軍のチームだろうな》

 

「たぶんね。固まってたせいか全滅だと思うよ」

 

カメラの持ち主は爆発のあった方向に進む。

 

『負傷した日本の野郎だ』

 

『気をつけろ、負傷兵がグレネードを持ってるかもしれない』

 

『死なせてやれ』

 

そして聞こえる銃声。

私は目をつぶった。

戦闘慣れした私でも止めを刺す瞬間は見たくなかった。

それが特に身内の人間であれば・・・。

動画はそこで終わっていた。

 

《・・・これでチームの居場所も分かったな。それにとんでもない証拠も手に入った》

 

「・・・深海棲艦と関わってるって話は見つかってないけどね」

 

《・・・・》

 

「・・・ねぇ、提督。復讐なんて柄じゃないけど、コイツらに報いなくていいの?」

 

《・・・》

 

提督は何も答えない。

 

「分かった、この証拠映像を送信したら私でやるよ。このまま仲間を殺されて帰れない」

 

私はアメリカ海軍の艦とはいえ、所属は日本軍だ。

それにコイツらは見た感じに元米軍のヤツもいる。

同じアメリカ軍属として民間人を撃ち殺すような外道を放ってはおけない。

 

《ジェームズ、これだけは約束しろ。かならず帰ってこい》

 

「分かってる。あなたとの約束だもん。破らない」

 

《・・・今連中の根城を捜索している。少し待っててくれ》

 

私は近くにあった廃屋に入りタバコに火をつけた。

家の中は荒らされ金目の物は全て持っていかれていた。

 

「貧困地区だったらしいけど・・・無法地帯だから人の醜さが出てるのかな・・・」

 

この地区は封鎖される時も避難を拒否して留まり続け結果閉じ込められてしまった人たちも居る。

慢性的な物資不足で争いも耐えないのだろう。

日本国内の内戦地域みたいなものだ。

 

「ここだけ見たら・・・私の記憶と同じだよ・・・」

 

私はあの赤い悪魔の事を思い出していた。

あの時も人の醜い部分が出て居たから。

 

「はー・・・」

 

タバコを1本吸い終わる頃、提督から無線が入った。

 

《ジェームズ、USECの拠点を見つけた。おそらくこの地域からの脱出の為の拠点だろう》

 

「了解。やっちゃっていいの?」

 

《あぁ、やっちまえ・・・》

 

提督はあまり気が乗らないような口調だった。

まぁ、気持ちは分かるが。

 

「で、この動画はどうするの?」

 

《どうするって?》

 

「本部に提出するのかって事。これ、相手がPMCとは言え国際問題じゃないの?」

 

《まぁな・・・》

 

艦娘や深海棲艦の研究で協力している企業に雇われたPMCが研究員を口封じの為に殺し調査に来た陸軍の部隊まで殺した。

こんな映像外に出したら敵が深海棲艦だけじゃ無くなってしまう。

 

《映像は見なかったことに・・・したいんだがな・・・》

 

「それは私が帰ってからで決めよ。とりあえず、あの外道に報いを」

 

《分かってる。ただ、建物内になると近接支援は無理だ。それだけは理解してくれ》

 

「了解。」

 

《今、USECの拠点を見つけた。そこから西に4km言ったとこにある廃工場内だ》

 

私は端末で地図を確認した。

4km・・・歩いて1時間くらいか。

 

「ちゃんと上から見ててよ」

 

《分かってる。お前こそ、気をつけてな》

 

「うん。帰ったらその・・・さっきの続きだから」

 

《ぶふっ!!》

 

「ちょっと、吹き出さないでってば」

 

《いやだから大胆過ぎるだろ!》

 

「いっそ電も誘う?」

 

《あり》

 

「いや、ありなんかい」

 

なんだよこのド変態は・・・。

そのド変態を好きになってしまったわけではあるが・・・。

 

「もういいや、死亡フラグになるだけだよ・・・」

 

《それな》

 

「それなじゃないよ」

 

私はため息をついて廃屋から出る。

弾は十分。

ポケットには注射器に入った応急用の高速修復剤もある。

・・・ヤツらに報いを受けさせてやる。



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PMC襲撃

タルコフみんなやろ??
あと面白いからRAIDも見よ??


「・・・着いちゃったね」

 

《あぁ・・・そうだな》

 

「スナイパーはいる?」

 

目標の廃工場の近くの草むらで身を潜める。

見た感じは普通の木工場だ。

単眼鏡で監視すると、二階建ての社員寮のようなところで人の動きが見えた。

 

《1人居た。工場の屋根、シートを被せて監視してる》

 

「あー・・・はいはい、みーつけた」

 

《やるのか?》

 

「アイツやんないと進めないよ」

 

私は銃を構えてゆっくり狙った。

距離はおよそ150。

 

「すー・・・はぁ・・・」

 

引き金を引く。

発射された弾丸は敵のスナイパーを仕留めた。

持っていた銃が地面に落ちるところが見えた。

 

「ターゲットダウン」

 

《Good hit。いい腕だな。社員寮までの道はクリア》

 

「了解」

 

私は軽く走りながら寮に向かう。

 

《敵の無線を傍受した。これからそちらでも聞こえるようにする。スナイパーから連絡がないって焦ってるみたいだ》

 

「了解。まぁ、もう社員寮目の前だけど。」

 

敵の無線はすぐに聞こえてきた。

 

『Eagle2-1、こちらJoker3-3。定時報告がないぞ。応答しろ』

 

その後ろから聞こえるのは大音量の音楽。

おそらく油断してるんだろう。

それなら都合がいい。

 

「お誕生日会かな。まぁ気を抜いてるなら都合いいや」

 

私は音楽が聞こえる部屋の下まで行く。

グレネードを用意して安全ピンを抜いた。

 

「フラグを投げる」

 

グレネードは窓を割り室内に入った。

 

『グレネード!グレネード!!』

 

『クソッタレ!!』

 

中から爆発音がする。

私はそれを聞いて玄関から中に入った。

 

『ちくしょう!マックがやられた!!』

 

そう言いながら1人が階段を降りてくる。

そこに鉢合わせ、私は相手の胸を撃った。

 

『ぐあっ!!』

 

転げ落ちる相手を避けて廊下にいる敵を撃った。

 

『女!?』

 

『この前の仲間かよ!!』

 

「この前の仲間だよクソッタレども!!」

 

私はそう言いながら射撃する。

 

『アレックスがやられた!!』

 

『アーマー貫いてる!!何使ってんだあのクソアマ!!』

 

『AKだ!AKを持ってる!!』

 

激しい銃撃戦。

敵は突然の襲撃で混乱していた。

 

《ジェームズ、何人か外から回ろうとしている》

 

「何とかしてよ!」

 

《何とかしてやるさ。レーザー照射》

 

「至近弾は勘弁してよ!」

 

《分かってる。任せろ。3・・・2・・・1・・・ライフル》

 

10秒後、外で大きな爆発が起きる。

余りの衝撃に一瞬クラっとなった。

 

『ちくしょう!!近接支援だ!!』

 

『なんなんだよあの女!!』

 

敵は負けじと数にものを言わせて射撃してくる。

頭が出せない。

 

「頭が出せなくったって、これ投げたらなんとかなるでしょ!」

 

私はもう1つのグレネードを壁に跳ね返らせるようにして投げた。

 

『グレネード!』

 

一瞬銃撃が止む。

爆発の後に少しだけ前進した。

敵は奥のロッカールームに隠れているようだ。

 

『アダム待て!よせ!!』

 

ロッカールームから走り出したPMCの背中を撃つ。

弾丸は背中のアーマーを貫通し敵は崩れ落ちた。

 

『このままじゃ押し込まれるぞ!!』

 

『ちくしょう!!』

 

私は再び声のする方向を撃とうとした時だった。

 

「あぐっ!」

 

腕に焼けるような痛みが走る。

 

「クソっ・・・!撃たれた・・・!」

 

私は怪我の状態を見る。

泣きそうなぐらい痛いが、そこは艦娘なのか出血そのものは大した事ない。

私はポケットから高速修復剤を取り出して注射した。

これには痛み止めの効果もある。

 

「はぁ・・・ふぅ・・・」

 

一息ついたその時後ろからも撃たれた。

 

「ぐっ・・・!!」

 

弾は幸いにもアーマーに当たるが、私は急いで敵を倒したロッカールームに逃げ込む。

その時何かに足が当たって転んだ。

足が当たったのは怪我をしたUSECだった。

 

「ちくしょう!消えろ!クソッタレ!!」

 

男は喚きながら拳銃を抜こうとしたが私のほうが早かった。

頭に2発ぶち込んだ。

 

「この裏だ!裏に居るぞ!!」

 

敵はそう叫ぶ。

位置は分かった。

私はロッカー越しにフルオートで射撃した。

だが敵も撃ち返して来る。

その1発が足に命中した。

 

「あぅっ!」

 

自分でも情けない声が出る。

だが高速修復剤のおかげが痛みは少ない。

 

「このクソッタレめ!!」

 

私はロッカーを一つ蹴り倒した。

すると前に驚いて銃を下げたPMCがいた。

私はすぐにそいつを撃つ。

 

『ロッカールームはどうなってんだ!!』

 

『分かんねぇ!女ひとりがいる!』

 

『マットがまだ中にいる!女と一緒だ!!』

 

私はロッカールームの奥を確認しようとした時胸を撃たれた。

さっきの比じゃない痛み。

おそらく貫通した。

だが痛みを堪えて撃った敵に撃ち返す。

 

「ぐっ・・・!!はぁ・・・はぁ・・・」

 

弾は胸に当たっていたが呼吸は異常ない。

おそらく胸の中で弾は止まっている。

 

「女の武器を撃つなんて・・・ぐぅ・・・!」

 

それでも何ヶ所も撃たれて今にも倒れそうだった。

 

「絶対に帰るんだ・・・!!」

 

私は柱の影から後ろの敵に向けて射撃した。

その時目の前で爆発が起きる。

私は後ろにぶっ飛ばされて一瞬気を失った。

 

「あ・・・うぅ・・・」

 

銃声が私を叩き起す。

銃は爆発で吹っ飛び少し奥にあった。

だが、爆発時に敵の死体が私の上に覆いかぶさり上手く動けない。

 

「く・・・そ・・・!!」

 

だが敵の死体には手榴弾があった。

それを手に取りピンを抜く。

敵はこっちに迫ってきていた。

 

「喰らえ・・・!」

 

手榴弾を投げた。

 

「グレネード!」

 

爆発時に敵の下に隠れた。

死んだふりをするように。

その数秒後敵は現れて私に向けて撃ってきた。

幸い全部敵の死体に当たったが。

 

「おい・・・おい!マット!クソっ!ヒックス!マットは・・・・」

 

敵はおそらく仲間の状態を確認しようとしたんだろう。

その隙に拳銃を抜き敵の頭に押し付けて撃った。

もう1人もそれを見て硬直したようだ。

素早く頭を撃った。

すると、左奥からショットガンを持った敵が出てきた。

 

「クソっ!」

 

私はそっちに向けて全弾射撃し敵の死体を除けて逃げる。

敵はあと1人。

リロードしてる暇はない。

私はナイフを抜いた。

 

「このやろ!!」

 

敵に素早く近づきナイフをショットガンに突き刺す。

そして顔面を殴ろうとしたが避けられロッカーに当たりロッカーを凹ました。

 

「ぐっ!」

 

敵もただでやられるわけが無い。

私を思い切り蹴飛ばした。

その時に敵は拳銃を抜いた。

私は咄嗟に近くにあったロッカー内のプレートで銃を殴る。

発砲されたがギリギリで射線を切れた。

 

「ぐぉぉぉぉ!!!」

 

私は敵をロッカーに叩きつけるように押した。

敵も対抗しようとすごい声を上げる。

 

「ふぅっ・・・!!」

 

「はな、せ・・・!!」

 

敵の銃の弾倉を抜こうとリリースボタンに手をかけた。

何とか弾倉を引き抜けたが頭突きを食らった。

怯んだすきに肩を撃たれた。

焼けるような痛みが走る。

 

「あぐっ!!」

 

耳鳴りもするが敵は弾倉を拾いあげようとしていた。

私はそこにタックルして相手の上に覆い被さる。

 

「くたばれ!!」

 

そう叫びながら顔面を殴る。

だが敵も殴り返してくる。

 

「ぐぅっ!」

 

顔に鋭い痛み。

女の子の顔面を殴るなんて・・・とか思うが、ここは戦場。

そんな事気にしたら死んでしまう。

 

「くぁぁぁ・・・!!」

 

敵は私を押しのけようと顔を潰すようにして押した。

敵の荒い息と私の荒い息しか聞こえない。

 

「おとなしく・・・くたばれ・・・!」

 

敵は私の首に手を回す。

そして締め上げてきた。

 

「かっ・・・!あッ・・・!!」

 

気道が締まり息ができない。

私は咄嗟に膝で敵の股間付近を蹴りあげた。

 

「ぐぁぁぁ!!!」

 

敵は叫び私から離れた。

その時に敵からナイフを奪い取る。

 

「ぐっ・・・!!」

 

胸に刺そうとナイフを押し込むが敵も必死に抵抗する。

その時私も股間を蹴りあげられた。

激しい痛みでナイフを離す。

 

「あぅっ!!」

 

敵はナイフを拾うことなく逃げていく。

痛みで苦しみながらも私のAKを拾いあげ逃げていく敵を撃った。

だが当たらなかった。

 

「クソっ!!」

 

私は追いかけるように敵の逃げた部屋に入る。

 

「うぉら!!」

 

思い切り蹴られ体制を崩す。

そこに体当たりをされた。

私はそのまま押し出され窓を割って外に落ちた。

 

「うわぁぁぁ!!」

 

背中から落ちるが鈍い痛みで息もしずらい。

 

「がはっ・・・!」

 

何とか立ち上がろうとした時だった。

 

「見ろよ!女だぞ!」

 

そして銃声。

ここの銃声を聞きつけた現地民だった。

 

「て、提督・・・助けて・・・!」

 

私は這いずりながら遮蔽物に隠れた。

 

《クソっ!待ってろ!!》

 

その数秒後、爆発が起きる。

敵は爆発に巻き込まれて吹き飛んだ。

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

このままだとさっきの敵が来てしまう。

私は痛む体を引きずって走った。

だが現地民がそれを見て追いかけてくる。

ヘルファイアを撃とうにも敵が疎らに居て撃ち辛いようだ。

 

《ジェームズ!救助のヘリを送った!!何とか耐えろ!》

 

「分かってるよ・・・!!」

 

私は近場に伏せて敵を何人か倒した。

倒れたのを確認して走る。

 

「はぁっはぁっはぁっ・・・!!」

 

何とか敵を撒き近くの大木に座り込んだ。

その時近くから物音がする。

 

「・・・!」

 

銃を向けるとさっき私と殴りあったPMCが居た。

向こうもこっちと目が合って気づく。

 

「・・・・」

 

私の方が早く銃を向けた。

敵は諦めたように下を向く。

私は引き金を引いた。

照準は後にいたロクデナシのほうだが。

 

「後ろだよ!」

 

敵は咄嗟に後ろを向く。

だが敵もこっちに撃ってきた。

 

「くっ・・・!」

 

その時、PMCは現地民にほうに向けて射撃をしてくれた。

追ってきていた2人を倒してくれた。

そしてお互い銃を向け合う。

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

もう戦う気なんてない。

私も向こうも同じ顔をしていただろう。

お互いアイコンタクトをするように頷いた。

 

「・・・もう終わりにしたいよ・・・」

 

私は銃を下げた。

PMCも銃を下げる。

 

「・・・」

 

お互い無言の時間が過ぎた。

 

「・・・すまないな、女の子を殴って」

 

PMCはそう口を開いた。

 

「・・・ううん、大丈夫」

 

自然と近寄り、私たちは近くにあった廃屋に入った。

 

「あんた・・・一体なんなんだ」

 

「私は海軍所属の艦娘だよ」

 

「艦娘・・・!?」

 

「珍しい?」

 

「なんで艦娘がこんな所に・・・」

 

「それはあんた達が日本で違法な研究をしようとしたからだよ。詳しくは知らないけど」

 

そして廃屋内でPMCと会話した。

相手はUSEC所属の隊員。

だが、あの研究所の1件で帰ったらやめようと思っていたらしい。

自分は元特殊部隊員として腕を磨きたかったのにやった仕事は民間人の口封じ。

こんな事なら辞めておけば良かったと。

 

「そうだ、これならあんた達の役に立つかも」

 

そう言って何かのUSBを取り出した。

 

「研究のデータだ。このクソ会社を潰そうと思って持ち出したんだ」

 

「いい仕事するじゃん」

 

「それより・・・あんた大丈夫なのか・・・?」

 

私の怪我を見てそう言った。

 

「艦娘は普通の人より強いから。でも・・・まぁ泣きそうなくらい痛いよ・・・」

 

「それならこれを・・・」

 

そう言ってモルヒネの注射器を出した。

 

「大丈夫、これがあるから」

 

私は怪我の酷い足に高速修復剤をもう一度注射した。

そこから救助のヘリが来るまでの1時間、廃屋内で警戒しつつもPMCと話をした。

名前はマイク。

元はデルタの隊員だったそうだ。

 

《ジェームズ、もう間もなくヘリが来る。PMCのヤツはどうする?》

 

「連れて帰ったら?いい証拠になるんじゃない?」

 

《まぁな・・・》

 

「会社も辞めたがってるしウチで雇うとか」

 

《あのなぁ・・・》

 

「雇ってくれるならぜひ行きたいんだがな」

 

「だってさ」

 

《はいはい・・・まぁ帰ってからだな》

 

そう言って無線は切られた。

遠くからはヘリの音がする。

・・・長い1日だった。

さっさと帰ってリラックスしたい・・・。

 

「はぁ・・・タバコ持ってる?」

 

「なんだ、吸うのか?」

 

「私だって年頃なの」

 

「そういう意味で使うか?それ」

 

「いいじゃん。ないの?」

 

「ほらよ」

 

私はUSECからタバコを受け取り火をつけた。

 

「はー・・・」

 

早く帰りたい・・・。

さっきまで敵だったヤツの隣で複雑な気分になりつつ、タバコを吸いながら廃屋の今にも崩れそうな天井を眺めていた。



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アーマードこれくしょん

「……で、ちゃんと分かるように説明できるか?」

 

「……ぽい」

 

若干お怒り気味の俺の前には正座した明石と夕立がいた。

なんで怒ってるかと言うとコイツら2人で結託して内緒で装備を作っていた。

しかも今ハマってるゲームをモチーフにして。

 

「で、でも提督さん!これすごいっぽい!」

 

「あぁ……すごいな。なんだよ艤装にブースターって」

 

「それだけじゃありません!飛躍的に加速できるアサルトブーストという機能も搭載しています!」

 

「んな事聞いてねぇ!!」

 

「あ、提督さん。私の事これから621って呼んで欲しいっぽい!めっちゃイケおじボイスで!」

 

「なんでだよ!!」

 

「ほらお願いします!1回でいいですから!」

 

おかしい、説教のはずが何故かツッコミさせられている。

そんなことしていると……

 

「……ロー……スロー……」

 

「ん……?」

 

「スロー……スロー……クイッククイックスロー……」

 

扉の方から変な声が聞こえてきた。

なんかマーフィーの声にも聞こえる。

 

「コーラルよ!ルビコンと共にあれ!」

 

勢いよくドアが開き車椅子のマーフィーが現れた。

ていうか車椅子にブースターみたいなのが着いてる……

 

「なんなんだよお前ら!!」

 

俺が頭を抱えていると……

 

『司令官さん、私がサポートします』

 

「今度はなんだよ!!」

 

『私は、艦娘のシンビルスク……あなたの脳波と同期し、交信でサポートします』

 

今度は幽霊のシンビルスクまで出てきた。

ほんとになんだよ!!!!

ていうかお前ら絶対アーマードコアやっただろ!!!!

俺まだ出来てないのに!!!!!!

 

「ちくしょうお前ら絶対アーマードコアやっただろ!!」

 

「あらバレた?」

 

「人が業務忙しくて出来てないって言うのによォ!!!」

 

俺はもう半分ヤケクソでブチ切れていた。

 

「夕立はあれか!?艤装をACっぽくしたいのか!?」

 

「そうっぽい!」

 

「この際ヤケクソだちくしょう!!徹底的にやれ!」

 

「やったー!提督さん太っ腹っぽい!」

 

なんかもう一周まわってACになった艦娘も見てみたいので徹底的にやってもらうことにした。

そして波乱の数時間後、改装の終わった夕立が戻ってきた。

 

「見て見て提督さん!出来たっぽい!」

 

「お、どんなのが出来たんだ?」

 

フル装備の夕立を見ると右手にガトリング砲、左手にパイルバンカー、両肩に10連装垂直ミサイル発射機が装備されていた。

 

「完全にACだな」

 

「んふふー!これなら敵戦艦でも一撃っぽい!」

 

「それならせっかくだ、演習でもしてみるか」

 

そういうと夕立は目をキラキラさせて頷いた。

そしてさっそく演習を組む。

内容は簡単に戦艦VS夕立だ。

 

「まぁ、そういうわけで集まってもらってすまないな」

 

執務室でそう言って戦艦娘達に謝る。

集まったのは金剛と榛名だった。

 

「大丈夫デース!」

 

「榛名も大丈夫です!」

 

2人とも乗り気で助かった。

簡単に演習内容を説明した。

鎮守府正面海域での装備試験……これが建前の訓練だ。

2人には何をしてもいいから夕立に一発当てれば勝ち、逆に負けは負けたくなったら負けろ……という超アバウトな内容だった。

そうでもしないとブースターまでついた夕立に勝てないだろうと判断したからだ。

 

「とりあえず、怪我だけしないようにな」

 

「はい!」

 

そう言って2人は出ていく。

俺は演習を確認するためにドローンを飛ばすことにした。

指揮所に連絡するといつでも大丈夫だと帰ってきた。

 

「ま……お手並み拝見だな」

 

 

 

 

〜2時間後〜

 

「よし、訓練開始だ。ルールは分かってるな?」

 

《提督さん!言って欲しいことあるっぽい!》

 

「なんだ?」

 

《621、仕事の時間だって言って欲しいぽい!》

 

「おまえな……まぁいいか……おほん」

 

俺は咳払いをして頑張って声を似せる。

 

「621、仕事の時間だ」

 

《メインシステム、戦闘モード起動っぽーい!!!》

 

そして夕立は金剛と榛名のいる場所に物凄い速度で飛んで行った。

 

《な、なんですかあれ!?》

 

「夕立だ」

 

《話と違うデース!!!》

 

「まぁ……言ってないしな」

 

《か、帰ったら覚えてて欲しいデス!!!》

 

金剛からの怒りの無線が入った。

そりゃまぁ夕立がものすごい速度ですっ飛んできたらビックリもするだろう。

 

《着☆剣!!》

 

《きゃぁぁぁぁ!!!!》

 

そして夕立は榛名に急接近してパイルバンカーをぶち食らわせていた。

訓練用に固めのスポンジ製にしてあったがブーストの速度を乗せた一撃で榛名は軽く吹っ飛んでしまう。

そしてそのまままさかのKOだった。

 

《な、んなぁ!?》

 

無線機からは金剛の驚愕の声が聞こえる。

そして……

 

《いだだだだだだ!!!!!!》

 

夕立は金剛の周りを回りながらガトリング砲の弾を浴びせる。

 

《こ、このぉ!!》

 

負けじと発砲する金剛。

それをひらりと避けた夕立は再び金剛に接近した。

 

《着剣!!》

 

再びパイルバンカーの一撃。

金剛も吹っ飛びKOとなった。

 

《やったやった!完全勝利っぽーい!!》

 

「化け物だ……」

 

正直な感想だった。

夕立の戦闘スタイルにピッタリの装備になってしまった……。

というかこの装備割と普及させれば強いのでは……?

なんてしてたら部屋にジェームズが入ってきた。

 

「あれ、なにしてんの?」

 

「新装備の実験」

 

「ふーん……ん……!?」

 

画面を覗き込んで目を見開いていた。

そりゃそうだ。

戦艦娘2人KOした駆逐艦がいるんだから

 

「……なにこれ」

 

「あれだ、あの……ほら、AC」

 

「ACってなによ」

 

「アーマードコア」

 

「それでなに?その装備作ったって事?」

 

「まぁ……簡単に言うと」

 

そういうとジェームズは頭を抱えた。

 

「ほんっとウチの工廠どうなってんの……」

 

最近ジェームズは鎮守府の資材とか補給関係の仕事に着いていた。

それでまた訳の分からない物を作ったものだから呆れていた。

 

「はぁ……また書類作らないと……」

 

「なんかその……ほんとすまん」

 

「いいよ、その代わりこんど美味しいランチに連れてって」

 

「お安い御用だよ」

 

「あ、せっかくだから電もね」

 

「いいのか?」

 

「ダブルデートだよ」

 

「俺としては両手に花だがな」

 

「嬉しいでしょ」

 

「ここでダンスできそうなくらいには」

 

「ふふ、楽しみにしてるよ」

 

そう言ってジェームズは書類を作りに部屋を出ていった。

その時だった。

 

《提督さん!深海棲艦っぽい!!》

 

突然の夕立からの無線。

何事かと無人機からの映像を見ると敵の斥候と思われる駆逐艦が来ていた。

敵はすぐに砲撃を始める。

 

「嘘だろこんな時に!!!夕立!応戦できる装備はあるか!」

 

《砲とミサイルは訓練弾だけど……》

 

夕立は左手を大きく振ってパイルバンカーに装備された訓練用装備をパージする。

そして万が一にと持ってきていたパイルバンカーを本体に装着した。

 

《これが本当の着剣っぽい!》

 

「なかなかカッコよくなってるぞ。戦艦2人はお前が吹っ飛ばして戦闘不能だ、頼れるのはお前だけだ。大丈夫か?」

 

《大丈夫っぽい。提督さん、もう1回さっきのセリフ言ってくれると助かるっぽい!》

 

「はぁ……分かったよ」

 

俺は再び咳払いをする。

この間夕立はまったく動いていないが不思議と砲弾が当たっていない。

立ち姿はまるで戦闘前の鬼神だ。

 

「621、もうひと仕事だ……頼むぞ」

 

《メインシステム、戦闘モード再起動……っぽい!》

 

そして夕立はブーストを使い駆逐艦に急接近する。

 

《ソロモンの悪夢、見せてあげる!》

 

急接近にしてくる夕立に驚き硬直した敵駆逐艦に夕立は大きく左手を振りかぶる。

 

《着☆剣!!!》

 

チャージするような動作をするとパイルバンカーは火薬の力を使い鉄の杭を打ち出す。

そこにブーストの運動エネルギーも加わり敵駆逐艦に深くパイルバンカーが突き刺さった。

 

「すげえなおい……」

 

砲撃を右に左に高速移動しながら躱し肉薄してパイルバンカーを打ち込む。

夕立の航跡にはブースターの煙の後だけが残っていた。

夕立は駆逐艦が動かなくなったことを確認しパイルバンカーを抜いた。

パイルバンカーからは青い体液が滴っていた。

 

「……よくやった、621。戻って休め」

 

《……ぽい!》

 

 

この日以降、夕立は大層この装備が気に入りこの装備を使えないなら出撃しないまで言い出した。

そしてパイルバンカーの一撃でKOされた金剛と榛名は若干夕立が怖い……と言うようになってしまった。

それよりも好戦的な艦娘達は皆この装備を欲しがりせっかくだから開発してみようと思ったところ、明石曰く3つも作ったら鎮守府が破産するほどの生産費だったようだ。

そんな話聞いていなかったと問い詰めたら「言ったら怒られると思ったので☆」と言いやがったので2日くらい いそかぜ と うらかぜ の部屋に放り込んでやった。



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