五条悟に転生したから呪いの王に勝ちたい (ごごてぃー)
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早寝早起き獄門疆

五条好きな人すまん。。。


 目が覚めると大量の骸骨に囲まれていた。

 

 

 

 

 

 

 

「は?」

 

 

 

 

 ここはどこだ? この骸骨は何だ? 誰が何のために、俺のような一般人をこんな場所に連れてきたんだ? 

 様々な疑問が頭をよぎる。

 

 

 

「てか明らか人骨っぽいのあるのに謎に冷静なのウケるな」

 

 

 

 俺はこんな状況でも冷静で入れられような人間だったんだろうか? 

 そもそも俺には家族や恋人はいたんだろうか? 

 知識を思い出すことはできる。

 だけど俺自身の情報がまったく思い出すことができない。

 唯一思い出せるのは俺が呪術廻戦がそして呪術廻戦のキャラクター達が好きだったということだけだ。 

 

 

 

 

 記憶喪失という言葉が俺の脳裏によぎった瞬間、俺の脳に"五条悟という人間"の記憶が流れ込んできた。

 

 

「痛っ」

 

 

 突然、膨大な情報を流されて頭痛を覚える。

 どうやら俺は呪術廻戦の"五条悟"に憑依したらしい。

 

 

 

 

 "呪術廻戦"

 

 人間の負の感情から生まれる呪霊と呪詛師、それを呪術で祓う呪術師との闘いを描いたダークファンタジー。

 その中でも五条悟は"最強"を自称するほど自信家なキャラクターだ。

 だが実際、五条悟に真っ向から勝てるのは同じく最強と称される呪いの王、両面宿儺くらいのものだろう。

 

 

 

 創作物のキャラクターに憑依するなんて非現実的な出来事に"俺"ならしばらく思考停止に陥るところだが"五条悟"に憑依したおかげか、すんなりと受け入れられた。

 

 

 

「なるほどね。ここが獄門疆の中か」

 

 

 

 "五条悟"の、"()"の記憶は獄門疆に封印されたところで途切れている。

 思い出せる限りでは"僕"の記憶と"俺"の原作知識に違いはない。

 原作で描写されてない場面では違いがあるのかもしれないが。

 

 

 

 

「原作と違うところ見当たらないし、渋谷事変...なんとかならないよなぁ」

 

 

 

 "渋谷事変"

 

 呪術廻戦の話の中でも本格的にインフレが始まる場面だ。

 そのインフレは凄まじく、一級呪霊を相手に一方的に祓える一級呪術師七海建人、禪院直毘人の二人相手に有利に勝負を進める陀艮よりも強い指一本でも特級呪霊を容易に祓える宿儺の指8,9本分と評される漏瑚すら一撃すら入れることができない指15本の宿儺とある程度やりあえる魔虚羅を呼び出せる伏黒恵と言ったインフレ具合で

 

 

 

 宿儺>~>魔虚羅>~>漏瑚>>>陀艮>直毘人>七海

 

 

 

 と一級呪術師という呪術界の上澄みですら陀艮以外では戦力外だ。

 その上、真人というチート術式*1を持っている特級呪霊もいる。

 

 

 

「ま、今は渋谷のことを考えてもしょうがないか」

 

 

 

 獄門疆から出られない以上、今渋谷で起きてしまっていることはしょうがない。

 問題なのは獄門疆から解放されたあとのことだ。

 

 

 

 原作では五条悟は虎杖悠仁達*2の活躍で獄門疆解放される。

 だが、その頃には、とっくに"渋谷事変"は終わり"死滅回遊"が始まっており、その上、宿儺は虎杖悠仁*3から伏黒恵に受肉し、*4完全な自由に加えて魔虚羅まで手にしている。

 そして五条悟は伏黒恵に受肉した両面宿儺に殺害される。

 だが"俺"はそんなのはまっぴらごめんだ。

 

 

 

 "俺"には虎杖悠仁や乙骨憂太が宿儺に勝利したかわからない。

 "俺"の記憶にあるのは鹿紫雲一が宿儺に殺される話までだからだ

 もしかしたらこの先虎杖悠仁や乙骨憂太が宿儺に殺されるかもしれない。

 "俺"は虎杖悠仁や乙骨憂太が好きだ。

 せっかく呪術廻戦の世界に来たのに好きなキャラクターを殺されるなんてとんでもない。

 

 

「生徒と約束したんでね。宿儺には悪いけど遠慮なくやらせてもらうよ」

 

 

 虎杖悠仁や乙骨憂太を殺させやしない。

 "俺"はそう決意し、虎杖悠仁達の助けがくるまで無下限呪術と向き合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
特殊能力みたいなもの

*2
主人公

*3
虎杖悠仁は受肉した両面宿儺を難なく押さえつけることができる"檻"

*4
両面宿儺は虎杖悠仁や伏黒恵といったキャラクターに受肉しなければ活動できない




続きません


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15本宿儺でも圧倒的過ぎて強さがよくわからん






はっはっは、しっかり効いてるじゃねぇか!!(高評価)


「ん?」

 

 

 

 どのくらいたったのだろう。

 時間があっという間に過ぎるような絶対にやり直したくないくらい長いような矛盾の中で突然、自分の呪力の流れを感じる。

 

 

 

 

「やっと来たか」

 

 

 

 どうやら虎杖悠仁達は獄門疆の破壊に成功したらしい。

 やっとここから出れる、と一息つこうとしたその時、

 

 

 

「がぼぼぼ」

 

 

 

 そういやそんな感じだったな、と思い出す。

 羂索*1が獄門疆を日本海溝の沈み込み帯に置いていたんだった。

 瞬時に頭を呪力で防御し、無下限を展開するが、無下限を展開するまでの一瞬で胴体は水圧に潰された。

 

 

「マジで覚えてろよメロンパン。着いたら"蒼"*2で深海8000mの気分を味合わせてやる」

 

 

 

 

 胴体を反転術式*3で治癒し、ニュートラルな無下限呪術*4の効果範囲を広げていく。

 ゴリゴリゴリッッッと展開された無下限とプレートに挟まれて羂索が仕込んでいた呪霊や封印が押し潰されていく。

 だが"僕"はさらに無下限を広げていく。

 やがて"僕"が広げた無下限に押し出されるように、周囲のプレートがずれ、人間が通れるほどの隙間ができた。

 きっと今、上では地震が起こっていることだろう。

 

 

 

 無下限によって作られた隙間を"蒼"を応用した高速移動を使い抜ける。

 プレートを抜けたらあっという間に海上まで着いていた。

 

 "さすが五条悟だな"なんて吞気なことを考えながら記憶にある羂索の呪力を探る。

 

 

 

 

「羂索はあっちか」

 

 

 

 

 探知した呪力を目印に"蒼"を利用した瞬間移動を使い羂索がいる場所に移動する。

 

 

 

 

「最深部は8000メートルの日本海溝──

 

 

 

 どうやら"僕"が獄門疆から出たことに羂索も気がついたようだ。

 

 

 

「"位相""黄昏""智慧の瞳"―術式順転"蒼"」

 

 

 

 

 羂索を目視で確認した瞬間、呪詞を乗せた術式順転"蒼"を発動する。

 だが1000年以上生きてきた怪物がこの程度で死ぬわけがない。

 そう考え、羂索に向けて追撃をしようとする。

 

 

 が、そのとき記憶の中の乙骨憂太の1.5倍以上の呪力を感じた。

 すぐに"蒼"と追撃を中止し、意識をその呪力に集中させる。

 "これが両面宿儺....."

 膨大な呪力、そして隙の見つからない佇まい、その後ろには、ぼろぼろの呪霊に乗った羂索と裏梅が立っている。

 "俺"の前に呪いの王、両面宿儺が立っていた。

 その圧倒的な存在感に"俺"の一般人としての感覚が悲鳴を上げている。

 しかし"僕"としては.....

 

 

 

「寂しいねぇ。話くらい聞いてくれてもいいだろう?」

 

 

 

 

 宿儺の後ろからぼろぼろの呪霊の上に乗った羂索が話しかけてくる。

 どうやら"蒼"に抵抗できる術式を持っている呪霊を取り込んでいたらしい。

 

 

 

 

「"僕"は意味なく切り取り線野郎と話すほど暇じゃないんでね」

 

 

 

 羂索の返答が返ってくる前に宿儺が割り込んでくる。

 

 

 

「覚えているか? クックッ、こっちの小僧になってしまったが、殺す」

 

 

 

 

「悠仁から逃げたやつが尻捲ってみっともねえなあ! 間抜け!」

 

 

 

 出来るだけ原作をなぞるになるように会話を進める。

 

 

 

「貴様っ!!」

 

 

 

 挑発に裏梅が反応し、"僕"に近づいてくる。

 近づいてきた裏梅に対して、触れる寸前で"蒼"を加えた拳を叩き込む。

 ボギュッ、と何かが折れたような音がして裏梅は吹っ飛んでいった。

 "殺すつもりで殴ったが生きてそうだな"という考えと"出来れば裏梅を殺したくはないなあ"という矛盾した考えが同時に浮かぶ。

 

 

 

 

「まて宿儺。彼と戦う前に私との約束を果たしてもらう」

 

 

 

 羂索が宿儺に話しかける。

 

 

 

 

「宿儺様とあろうお方がそんな吐瀉物雑巾の指図を聞くんですか~?」

 

 

 

「.....いいだろう」

 

 

 

 "俺"としても獄門疆から出てきた直後の反転術式でも治せないような凄まじい疲労感の中で戦うより原作知識のアドバンテージを生かすように戦ったほうがよさそうだと感じている。

 

 

 

 "俺"の原作知識にはない宿儺の切り札の力だろうか?宿儺は15本の状態でも今の"五条悟"を殺せるような反応をしているからだ。

 "俺"も原作の"五条悟"よりかは、宿儺の情報を知っているが宿儺は虎杖悠仁の中から五条悟のすべてを知っている。

 単純な実力では負けないだろうが、情報アドバンテージに勝っている宿儺が"五条悟"を殺せると考えている状況で戦うのは危険だと判断した。

 

 

 

 

「.....はあ。ったく今、何日だ?」

 

 

 

「11月19日」

 

 

 

 羂索が分かり切った質問に答える。

 

 

 

「じゃあ12月24日でいいだろ」

 

 

 

 当然、原作をなぞり返す。

 

 

 

「君が24日に私達に予定を合わせろなんて気色悪いな」

 

 

 

「命日が二つもあったらややこしいだろ」

 

 

 

「.....勝つ気かい?」

 

 

 

 羂索の言う通り今のままじゃ原作のように宿儺に勝てないだろう。

 だが、

 

 

 

「勝つさ」

 

 

 

 生徒たちのためにも

 

 

 

 

 その後、宿儺達としっかり縛りを結ばされた。

 ワンチャン、夜中に無量空処しに行こうとおもったんだけどなあ。

 

 

 

 

 

*1
五条悟を封印した呪詛師

*2
五条悟の技の一つ。吸い込む反応を起こすことができる

*3
肉体を回復することができる

*4
無敵バリアみたいなもの




運が良ければ続きます


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いつも おもってたんだ…なんで みんな さいしょに ひっさつわざを つかわないんだろうって




呪力感知の範囲がドラゴン〇ール並になってるけどごめんちゃい♡(今更)
でもそうしないと五条が羂索どうやって見つけたかわからないんだよなぁ。


 目が覚めると、寝起き特有の重さが頭にかかっていた。

 どうやら熟睡していたようだ。

 

 

「ひさしぶりにゆっくり眠れたな」

 

 

 

「やっと起きたかクズ」

 

 

 硝子が話しかけてくる。

 "僕"を看病してくれていたんだろうか? 

 そう考えたのと同時に眠る前までの記憶がよみがえってくる。

 確か、"僕"は宿儺達と別れたあと、硝子の呪力を探知して合流した。

 その後は気絶するように眠ったんだった。

 

 

「硝子、僕はどれくらい寝てた?」

 

 

「今は11月20日の昼頃だ。お前は半日間、寝っぱなしだったよ」

 

 

 

 感知した呪力からして生き残っているのは、原作と同じだろう。

 

 

 

「一応聞くけど呪力を感じないだけで生きている、なんてことはないよね?」

 

 

 

 硝子は"僕"が言いたいことが分かったらしい。

 

 

 

「生きているわけないだろ」

 

 

 

 "ナナミンにあってみたかったなあ"

 改めて七海建人の死を突き付けられる。

 

 

「...七海はなんやかんや生き残るタイプだと思っていたんだけどな」

 

 

 

 だが今は悲しんでる暇もない。

 

 

 

「あ!そうだ。歌姫をよんできてくれる?」

 

 

 

 

 

 

 ━ ━ ━ ━ ━ キリトリ ━ ━ ━ ━ ━

 

 

 

 

 

 

 「もう決戦の日か」

 

 

 

 原作と同じビルの屋上に庵歌姫と楽巌寺嘉伸、そして伊地知潔高と集まっている。

 

 

 この一ヶ月で出来ることはできるだけやってきた。

 新しい術式の運用、結界術の練習、縛りによる強化。

 そして万が一負けた場合のときの保険も。

 

 

 

 

 

「これで負けたら言い訳できないな」

 

 

 

 原作と同じビルの屋上で呪力と集中力を高める。

 宿儺も"五条悟"がここにいることに気付いていることだろう。

 "さすがに緊張するな"

 

 

 

「らしくないですよ五条さん。あなたなら勝てます。私はそう信じている。」

 

 

 

 伊地知潔高が、"僕"が一番信用している人間がそんなことを言ってくる。

 

 

 

「...はっ、らしくないのはどっちだよ」

 

 

 

 覚悟を決め、宿儺を倒した後、一ヶ月間呪力を使えなくなる縛りを結ぶ。

 羂索達は乙骨憂太達に全部任せることになるだろう。

 

「伊地知、──────」

 

 

 "五条悟"の言葉を聞き届けた伊地知潔高が結界を張り始める。

 伊地知潔高は宿儺に気づかれたら命を落とすという重い縛りの一つによって、結界術の精度を高めているようだ。

 

 

 

 "これなら大丈夫そうかな"

 

 

 

「歌姫、おじいちゃん。始めようか。」

 

 

 

 歌姫達には三日前から飲まず食わずで呪詩、掌印、舞、楽すべてを使った儀式を行ってもらっている。

 その過酷な儀式が縛りとなって術式効果を底上げしていた。

 

 

「"九網""偏光""烏と声明""表裏の狭間"」

 

 呪詩や縛り、歌姫達のおかげで強化された300%の───

 

 

「虚式"茈"」

 

 

 

 縛りによって強化された"300%"の"茈"が一瞬で新宿の街を破壊していく。

 だがこの距離では宿儺に致命傷を与えることはできないだろう。

 虚式"茈"によって生成された仮想の質量の後ろについていくように"蒼"による高速移動で宿儺のもとまで移動する。

 そして、

 

 

 

 

 「領域展開」

 

 

 

 最初から領域勝負をしかける。

 

 

 

 

 




ちなみに保険は使う予定はないです(原作リスペクト)


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しかし五条悟は自身の繊細な呪力操作でそれをカバーしていた




今回からかなり独自解釈が混ざります


300%の虚式が放たれたのと同時刻、虎杖悠仁達は冥冥の黒鳥操術によって操られた黒鳥につけられたカメラから送られてくる映像によってその威力を観察していた。

 

 

 

『領域展開』

 

 

 

 五条悟と両面宿儺が領域内に取り込まれる。

 

 

 

「最初から領域展開!?!?」

 

 

 

 五条悟に次ぐ現代の異能、乙骨憂太が驚いたように言う。

 

 

 

「いくら宿儺だろうとあの攻撃を食らったすぐあとに掌印を結べないだろう。勝負あり、か?」

 

 

 

 と、術式を持たずに一級呪術師にまで上り詰めた秀才、日下部篤也がそう言った直後、

 

 

 

「なんだ?ありゃ」

 

 

 

 領域の外殻がバスケットボールくらいまで小さくなる。

 が、その次の瞬間には直径50m程まで大きく、また次の瞬間にはバスケットボールくらいまで小さくなる。

 

 

 

「いや、まだ終わっていません。もし無量空処が当たっていれば領域の外殻をこんな風に変動させる意味がありません」

 

 

 

 と、天使*1

 

 

 

 

「じゃあ、どうやって宿儺は領域を防いだんだ?」

 

 

 

 

 虎杖悠仁がそう疑問を口にした。

 

 

 

 

────────────────────────────────────

 

 

 

 

 300%の虚式を放った直後、"蒼"で宿儺に近づき、領域を展開する。

 

 

 

 『領域展開』

 

「伏魔御厨子」

「無量空処」

 

 

 

 宿儺も領域を展開した?

 いくら宿儺とはいえ、反転術式では治癒が間に合わないはず。

 想定していたことだが、まさか本当に対応してくるとは。

 

 

 

 どうやって領域を展開したのかを確認するため宿儺を観察する。

 原作と違い、胴体に大ダメージを負っている。

 だが腕だけは新品のように無傷だ。

 "なんだ?伏黒恵の腕にしてはやけにゴツく...そういうことか!"

 

 

 

 どうやら宿儺は反転術式による治癒が間に合わないと判断し、腕だけを受肉*2させることで掌印を結んだようだ。

 腕二本分の受肉による回復を消費させることには成功したが、出来ればここで決めきりたかった。

 

 

 

「クックック、やってくれたな」

 

 

 だが環境要因によるバフがかかる領域内での戦闘では"五条悟"のほうが有利なはず。

 御厨子の斬撃によって外殻を破壊されないように、対策もしてきている。*3

 外殻を破壊される前に宿儺に領域を保てないほどの致命傷を与えたら勝てる!

 

 

 

 

 傷を治させないように、"蒼"を瞬時に発動して接近し拳を打ちこむ。

 拳が当たる直前に"蒼"を加え、拳から離れる直前に"赫"で弾く。

 攻撃自体は防御されたが、"赫"によって宿儺は弾き飛ばされる。

 

 

 

 "赫"によって弾かれた宿儺を"蒼"で引き寄せる。

 宿儺が"蒼"の引き寄せる勢いに合わせて拳をふるう。

 が、宿儺の領域展延が付与された拳をニュートラルな無下限を強く保つことで足止めし、

 

 

 

 

「ボディがお留守だよ」

 

 

 

 

 

 空いた胴体に無下限で強化した拳を叩き込む。

 "行ける!領域が壊されるより先に致命傷を与えられる!"

 

 

 

 

 

────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、どうやって宿儺は領域を防いだんだ?」

 

 

 

 

 虎杖悠仁の質問に天使が答える。

 

 

 

 

「どうやって掌印を結んだのかは分かりませんが宿儺は領域を展開したようです」

 

 

 

 天使は掌印こそ見逃したが、呪力の起こりから宿儺が領域を展開したと分かったようだ。

 

 

 

 

「つまり今、領域の押し合いが行われてるわけか」

 

 

 

 日下部篤也がそう言う。

 

 

 

 

「いや領域の押し合いにはならないんじゃないか?宿儺は領域を展開するときに結界を閉じないんだと思う」

 

 

 

 脹相の意見にあり得ない、と議論が巻き起こる。

 

 

 

 

 しかし、脹相の考察を裏付けるように、

 

 

 

「マジか!!?」

 

 

 

 

 領域の外殻をギャリギャリッッ、と何かを削るような異音が包んでいた。

 領域の結界は外側からの攻撃に脆い。

 だが、五条悟は領域の外殻を小さくする縛りによって外殻の破壊を食い止めていた。

 

 

 

「なるほど。彼はこのことを理解して小さい結界を展開したのでしょう」

 

 

 

 

 と、その次の瞬間、ズギャズギャッッ、と領域の外殻を削る異音が鋭くなる。

 

 

 

「宿儺も領域の効果範囲を絞って術式の出力を上げたんだ!!」

 

 

 

 乙骨憂太がそう分析する。

 

 

 

 

「そう焦らなくて大丈夫です」

 

 

 

 天使が安心させるように言った。

 

 

 

「なんだぁ!!?」

 

 

 

 五条悟の領域の外殻が急激に拡大し、宿儺の領域の効果範囲を飲み込む。

 五条悟の領域の外殻の拡大についていくように宿儺の領域の効果範囲も広がる。

 宿儺の領域の効果範囲が広がった瞬間、五条悟の領域の外殻がまた小さくなった。

 

 

 

「おいおい、そうポンポン変えられるモンじゃねーだろ」

 

 

 

 日下部篤也があり得ないものを見るように言う。

 

 

 

 

「彼なら、五条悟なら本当に宿儺に勝てるかもしれない」

 

 

 

 天使がわずかな希望にすがるように言った。

 

 

 

「いや五条先生なら必ず勝つさ」

 

 

 

 

 虎杖悠仁は五条悟の勝利を信じてそう言った。

 

 

 

*1
宿儺と因縁があるらしいキャラクター

*2
本来の肉体に戻すこと

*3
伏魔御厨子は領域を外から攻撃して破壊できる




五条が閉じない領域を習得出来なかった理由としては五条と同等以上の結界術の才能を持つであろう宿儺でも五条と同い年のときは習得できてなさそうだなと思ったので習得させませんでした


あと受肉回復ですが宿儺が伏黒の魂を堕としているときは鹿紫も気づかないくらいの速さでできるっぽいので反転より速そうだなと思い、採用しました


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まこーらいつもありがとう





待たせたな


 領域内での戦闘は最初こそ五条悟が押していたが、戦闘が長引くにつれ、五条悟は攻めあぐねていった。

 

 

 

 

「さっきから逃げ回ってばっかりだけど、どうした?呪いの王。僕が怖いのかい?」

 

 

 

 

 宿儺がとにかく堅い。

 宿儺は領域内での戦闘は不利と判断し、伏魔御厨子が外殻を破壊するまでひたすら耐えるつもりのようだ。

 そのほかにもなんらかの縛りによって自らを強化しているのだろう。

 

 

 

 

「クックック、貴様こそどうした? なにやら焦っているように見えるぞ」

 

 

 

 

 だがそれは宿儺を追い詰めている証拠ともいえる。

 

 

 

 

 

「こんなに早く決着がつきそう、だなんて考えてなかったから、せっかくの準備が無駄になると思ってね」

 

 

 

 

 

 

 宿儺は無量空処への適応をあきらめたのか、伏黒恵の魂に付けていた法陣を自らの後ろに付け直したようだ。

 宿儺に魔虎羅の法陣が付いた以上、適応されないように"赫"は温存するべきか。

 領域内で"赫"を使わない縛りを結び、自分の能力を強化する。

 逃げ回る宿儺を捉えるためには"蒼"は必須だろう。

 

 

 切り札のことを考えなければ、今の宿儺に有効打がない以上、"五条悟"のほうが有利だ。

 このペースでいけば宿儺が防戦に徹してるとはいえ、領域を破壊されるより前に致命傷を与えられるだろう。

 

 

 

 

 

 "宿儺らしくない。何か企んでるな"

 

 

 

 

 

 そう考え、警戒しながら"蒼"を使い、宿儺を引き寄せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ガコンッ』

 

 

 

 

 

 

 ─────────────────────────────

 

 

 

 一番最初にそれに気づいたのは乙骨憂太だった。

 

 

 

 

「また宿儺が領域の条件を変えた!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 宿儺は五条悟の領域の外の必中効果を領域の外殻のごく一部分に絞ったようだ。

 先ほどよりも効果範囲を絞った斬撃により、五条悟の領域の外殻のごく一部がすさまじい勢いで削れていく。

 そしてついには、領域の外殻に小さな穴が開いた。

 領域に穴が開いたことで、場に動揺が走る。

 

 

 

 

 

 

 

「まてまて。宿儺の目的が領域の破壊なら、あの程度の効果範囲じゃ穴はあけれても領域の破壊なんてできねーぞ。それに、五条悟ならあの程度すぐに塞ぎなおせる」

 

 

 

 

 

 

 日下部篤也は冷静にそう言った。

 だが、五条悟以外、宿儺の目的を理解できていないのを証明するように、

 

 

 

 

 

 

「領域の外殻が回転している??」

 

 

 

 

 

 

 五条悟の領域の外殻がぐるぐる、と回りだした。

 

 

 

 

 

 

 

「なんで、五条先生は領域の外殻を回転させているんだろう? 宿儺の強化された斬撃で領域の外殻が傷つくだけなんじゃ...」

 

 

 

 

 

 

 乙骨憂太がそう言ったすぐあとに領域の外殻に2つ目の小さな穴が開く。

 そして、二つ目の穴から、

 

 

 

 

 

 

「宿儺が出てきた!」

 

 

 

 

 

 

 

 最強の式神、八握剣異戒神将魔虚羅の影の中から両面宿儺が顔を出す。宿儺は致命傷を負いつつも五条悟の領域から脱出に成功したのであった。

 

 

 

 

 

 ─────────────────────────────

 

 

 

 

 

 宿儺が領域の条件を変え、無量空処の外の必中効果がさっきより狭まる。

 強化された斬撃により領域に小さな穴が開く。

 "領域に穴があいたな。でもこれくらいじゃ"五条悟"の領域は壊せない。宿儺は何を考えているんだ?"

 

 

 

 

 

 

 突然、宿儺が領域にできた穴に凄まじい速度で向かう。

 "宿儺は閉じた領域から直接脱出するつもりなのか!"

 

 

 

 閉じた領域からの脱出。

 原作で伏黒恵が陀艮の領域から出ようとしたときのように、宿儺も領域の穴から脱出するつもりのようだ。

 

 

 

 

 

 

 もちろんみすみす見逃すつもりはない。

 "蒼"を使い、宿儺を引き寄せる。

 しかし、宿儺は、

 

 

 

 

 

『布瑠部由良由良』

 

 

 

 

 

 "魔虚羅!!?"

 

 

 

 

 

 "蒼"に適応している魔虚羅を呼び出しその影に潜る。

 "まさか宿儺は最初から"

 

 

 

 

 

 

 宿儺は逃げ回ることで五条悟に"蒼"の使用を強制し、それを魔虚羅に適応させることで領域の脱出を"蒼"で邪魔されないようにしたのであった。

 

 

 

 

 

 

 "蒼"を使った高速移動、いや間に合わない!!! 

 出口を閉じるのには時間がかかる、なら出口をズラせば....! 

 

 

 

 

 領域の条件を変え、領域の穴を"五条悟"の後ろに来るように、回転させる。

 宿儺が再び領域に穴にをあける前に、宿儺を止める!! 

 "蒼"を使い、高速移動で接近する。

 

 

 

 

 だが、

 

 

 

 

「"龍鱗""反発""番いの流星"」

 

 

 

 

 魔虚羅のと入れ替わるように出てきた、宿儺の腹あたりにある()()()()()と顔の口から交互に呪詩の詠唱が行われる。

 胴体も受肉させたのか!!? 

 宿儺の胴体が筋肉で盛り上がっている。

 

 

 

 

 宿儺は領域の必中効果が相殺される位置から縁を特定していた。

 そして、

 

 

 

 

 

「解」

 

 

 

 

 

 

 内側と外側、同時に斬撃を叩き込まれ、ついに五条悟の領域に二つ目の穴が開く。

 魔虚羅がいないうちに"蒼"で引き寄せようとするが、次の瞬間には魔虚羅と入れ替わる。

 

 

 

 

 

 だが、魔虚羅が出ようとしている穴のサイズ的に、攻撃をよけることはできないだろう。

 

 

 

 

 

 "せめて魔虚羅だけは....!"

 

 

 

 

 

「術式反転"赫"」

 

 

 

 

 

 領域の穴に目掛けて、"赫"を放つ。

 が、

 

 

 

 

 

 "自分を身代わりにした!? "

 宿儺は自らを盾にすることで魔虚羅の破壊を食い止める。

 そして、そのまま魔虚羅の影に潜り、五条悟の領域を脱出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次もおくれるかも


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帰りてぇ~

よぉ久しぶり()


 五条悟の領域とほぼ同時に、宿儺の領域が崩れていく。

 魔虚羅が影に溶けるように消える。

 

 

 

 

 受肉の進んだ宿儺は、二本の腕、四つ目、腹に口があり、腰から首の辺りまで筋肉の鎧を纏っている。

 しかし腰から下はほっそりとした──もちろん、平均よりかは、筋肉質な──二本の足がついていた。

 その異形を目にした日下部篤也達は驚く。

 

 

 

 

「なんか伏黒恵の体が変わってないか!!?」

 

 

 

 

「恐らく、宿儺の受肉が進んでいるのだろう。あの姿には見覚えがある」

 

 

 

 

 

 唯一、本当の宿儺を見たことがある天使だけが落ち着いていられるようだ。

 ただ、天使が受肉している相手である、来栖華が一番取り乱しているので、はたから見ればまた別なのだが。

 

 

 

 

「そんなことより今は....」

 

 

 

 

 

 余裕がないのか来栖華を放っておいて天使は、領域展開の後は術式が焼き切れ、術式の使用が困難になること、それは五条悟や、宿儺でさえ例外ではないこと、

 そして、"術式が使えないのなら、五条悟は苦戦を強いられるだろう"と、いうことを日下部篤也達に話す。

 

 

 しかし、

 

 

「苦戦?なんか普通に術式使っていないか?」

 

 

 

 

 画面に集中していた脹相がしれっとそう言った。

 

 

 

 

「えっ?」「は?」

 

 

 

 

 

 領域展開の後は術式が焼き切れ、術式の使用が困難になる。

 それは五条悟や、宿儺でさえ例外ではない、そう思い込んでいた常識が崩れていく。

 崩れていく常識の中で乙骨憂太が反転術式による術式の焼き切れの回復の可能性を示唆するが、そんなことはもうまったく頭の中に入ってこない。

 

 

 

 "五条悟で無理ならもう俺たちが行っても無駄死にだろ"

 

 

「俺はもう考えるのをやめるぞ...」

 

 

 

 そう言ったきり、日下部篤也は考えるのをやめる。

 そして、肩の荷が下りたように、帰りてぇ~、と呟いた。

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

 

 

 

 

 

 宿儺が領域外に逃げた直後、五条悟は即座に宿儺の呪力を探る。

 そのあと、領域から出た時、安全な範囲で出来るだけ宿儺の近くになるように、領域の出口をズラした。*1

 

 

 

 そして、"五条悟"は領域を解く。

 それに並行して、反転術式による焼き切れた術式の回復を行う。

 

 

 

 "痛ッッ!!?"

 

 

 凄まじい激痛が頭を貫く。

 

 

 "原作の五条悟はこれを何回もやったのか...."

 

 

 痛みで思考がどこかへ飛んでいく。

 しかし、ゆっくりしている時間はない。

 そう自分へ言い聞かせる。

 

 

 「"九網""偏光""烏と声明""表裏の狭間"」

 

 

 

 

 術式が回復すると同時に呪詩と掌印をによって威力を底上げする。

 原作で、最初に五条悟が術式を回復させたとき、宿儺は対応できていなかった。

 だから、次の虚式は恐らく、当たるだろう。

 

 

 

 さすがの宿儺も領域から出たすぐあとに、虚式を放たれるのは想定外だったのだろうか。

 宿儺が"五条悟"から距離を取ろうとしているが、すでに遅い。

 この距離なら避けることさえできないだろう。

 

 

 「虚式"茈"」

 

 

 

 

 

 近距離からの虚式。

 砂ぼこりで見えないが、仮に領域展延で術式効果を中和したとしても、確実に両腕が吹き飛んでいる。

 それに、宿儺は焼き切れた術式の回復もまだだろう。

 だからこそ、ここで、

 

 

 

 

 「領域展開」

 

 

 二度目の領域展開で決める!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
秤金次が原作でやったやつ




また遅れ(ry)


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余命30秒?

 呪いの王"両面宿儺"は千年ぶりの緊張を感じていた。

 現代最強の術師"五条悟"の手によって。

 

 

 

 

 "あの術師はこんな戦い方はしないと思ったのだがな"

 

 

 

 

 

 

 やはり人間の味はなかなかどうして、などと考えながら領域内で五条悟と()()()腕を使い、肉弾戦を行う。

 宿儺は五条悟が領域を展開する直前に、伏黒恵の肉体に完全に受肉することによって、脳の術式の焼き切れを回復し、掌印を結んだのだった。

 四つの腕を持つ故の、異形の特権。

 

 

 

 

 

 その代わりに、十種影法術は失ってしまったのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 御厨子を拡張させるのが先か、あの術師の限界が先か。

 自らの敗北という考えは浮かばない。

 

 

 

 

 領域展延を四本の腕で同時に使い、ゴリゴリゴリッ、という音とともに、無下限を中和する。

 そして、感触や伏黒恵の知識から、自分の術式をどう拡張すれば突破できるかを考える。

 

 

 

 

 

 

 しかし、あまり、進展はない。

 やはり、十種影法術を捨てたのは惜しかったな。

 

 

 

 

 

 

 

 さて、どう捌くか。

 

 

 

 

 

 

 

 十種影法術こそ失ったが、完全受肉によって変化した脳の影響で御厨子の威力は上がっている。

 この術師の小細工を込みしても、1分かそこらが限界だろう。

 ならば、

 

 

 

 

 

 

 

 下手に逃げられても面倒だ。領域がある以上、この術師も逃げることはできん。ここで確実に切り刻んでおくか。

 

 

 

 

 

 

 

 四腕を使えば、一分くらい稼げるだろう、そう考え、宿儺は切り札を温存することを選んだ。

 しかしそれは...

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの術師が術式によって、肉弾戦から高速で離脱する。

 

 

 

 

 

 

 

 やはり厄介だな。

 

 

 

 

 

 

 引き寄せる力に、それを応用した高速移動。

 

 

 

 

 

 

 

「術式順転"蒼"」

 

 

 

 

 

 

 

 

 違和感。

 

 

 

 

 

 

 俺を吸い寄せていない?

 周りの空気だけを吸い寄せているのか、とそういえばあの術師は()()()()()()()()()などという、器用な真似をしていたなと思い出す。

 恐らく、それの応用だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 自然と頬が緩むのを感じた。

 

 

 

 

 

 

 "あの構えは、小僧の兄を名乗る...."

 

 

 

 

 

 

 吸い込む力によって空気が手のひらで包めるくらいまで圧縮され、それを包み込むように、あの術師が"穿血"の構えをとる。

 そして、あの術師が術式反転で圧縮された空気を弾いて、不可視の"穿血"を放つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 腕を使い、咄嗟に致命傷になる場所を守る。

 こういうとき、腕が四本あると便利だ。

 

 

 

 

 

 

 やはり、あの術師は俺の急所を狙っていたようだ。

 "穿血"を受けた腕がジクジクと痛む。

 不可視に音より早い攻撃、遠距離は愚策だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 反転術式を使いながら、あの術師に全速力で接近する。

 自分の足だからだろうか、使いやすい。

 そして、領域展延を付与した、四腕を振るう。

 しかし、中和した無下限の下に人体とは違う固い感触を感じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 引き寄せる力によって、集めた空気を鎧のように纏っているのか。

 

 

 

 

 

 

 

 領域展延の出力では、順転は中和できない。

 相手の反撃を空いている手を使い防ぐが、それでも、文字通り、手痛いダメージを負う。

 

 

 

 

 その二重の防御を突破するのは、俺でも困難だろう。

 しかし、それだけでは、俺の有利は覆らない。

 

 

 

 

 領域を破壊するまで、あのレーザービーム擬きを放てず、あの術師の打撃が届かない中距離を維持する。

 中距離に移動した直後、あの術師のが話しかけてくる。

 

 

 

 

 

 

 

「宿儺、これから30秒以内に、お前に致命傷を与える」

 

 

 

 

 

 

 いきなりの宣言に少し驚く。

 が、一瞬で縛りだろう、と理解する。

 恐らく、今の、この術師は戦いが始まってからあのレーザービーム擬きや、吸い込む力を応用した空気の鎧を使わない縛り*1によって強化されている。

 

 

 

 

 

 

 それを今、使って来たということは、ここですべてを出し切るつもりなのだろう。

 

 

 

 

 

 

「...ケヒッ、クックックッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 口が歪む。

 しかし、あの術師は、そんなことは、お構いなしに攻撃を始める。

 30秒しかないから当然ではあるのだが。

 

 

 

 

 

 

「術式順転"蒼"」

 

 

 

 

 

 

 

 あの術師を起点に吸い込む力が生まれる。

 だが、本来の肉体になったことで強化されたのか、踏ん張ることができた。

 

 

 

 

 

 

 

「"位相""波羅蜜""光の柱"術式反転“赫”」

 

 

 

 

 

 

 

 息をつく間もなく、あの術師が赫い力を放つ。

 俺は呪力の起こりから、事前にそれを察知して、回避する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 が、避けたはずの赫い力が、ぐるりと回って背後から迫ってくる。

 これが秘策だろうか?また避ければ─────

 

 

 

 

 

 避けようとする直前に、あの術師の目的の気づき、咄嗟に自分の体を壁に使う。

 慣れてきたおかげか、完全に受肉した影響か、領域展延の出力も最初に比べて格段に上がっている。

 致命傷にはならないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日はやけに自分の体を壁にするな、などと考えながら背中への衝撃を待つ。

 だが、衝撃をいつまでたっても感じない。

 

 

 

 

 

 

「"位相""黄昏""智慧の瞳"術式順転"蒼"」

 

 

 

 

 

 

 

 

 その代わりに体を赫い光が()()()()()いく。

 術式対象の自動選別─────

 

 

 

 

 

 

 赫い光は、無下限すら、すり抜けて、あの術師を起点とした。吸い込む力に混じりあう。

 そして、茈色の光が生まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「"九網""偏光""烏と声明""表裏の狭間"」

 

 

 

 

 

 

 

 

 「虚式"茈"」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 茈色の光が視界を覆う。

 

 

 

 

 

 

 

 そして─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
メカ丸の天与呪縛で縛られた年数分の強化と同じ原理



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暇つぶしとして啜る分には丁度いい




宿儺の解釈違い起こしたらすんません。
あと、五条好きの人もごめん(伏線)


 

 なぜ俺に意識があるのだろうか。

 なぜほとんど呪力が感じられないのだろうか。

 ここは死後の世界なのだろうか。

 何も見えない暗黒の中、様々な疑問が頭をよぎる。

 

 

 

 

 

「さすが呪いの王。こんな状況でも冷静じゃん」

 

 

 

 

 

 

 どこか軽薄な声が聞こえる。

 聞き覚えのある声だ。

 俺の最後の記憶が、この声の主に敗北したと教えてくる。

 

 

 

 

 

 

「悪いねー、獄門疆の経験から封印術を磨かせてもらってね」

 

 

 

 

 

 

 

 確かに、ここからの脱出は難しそうだ。

 この術師の、五条悟の前では不可能といってもいいだろう。

 

 

 

 

 

 

「...なんのようだ?」

 

 

 

 

 

 今、自分の意識が意識あることが不思議だった。

 だが、推測はできる。

 おそらく、五条悟は俺にやってほしいことがあって生かしているのだろう。

 

 

 

 

「いや用ってほどのモノじゃないんだけどね。んー、まぁ、とりあえず"僕"優位の縛りでも結んでよ」

 

 

 

 それが”僕”の目的かな、五条悟はそう言った。

 

 

 

「わかった」

 

 

 

 二つ返事で返答する。

 

 

 

「あれ?いいんだ」

 

 

 

 

 その返事に、かつて、俺に愛を説いた阿呆との会話がよみがえる。

 

 

 

 

 "私が勝った後、生きていたらあなたは私に何をくれる?"

 

 

 

 

 "全て───"

 

 

 

 

 

 

「負けたのなら死んだも同然。死体をどうしようと、貴様の自由だ」

 

 

 

 

 

「へぇ、とりあえず、"僕"に絶対服従ね。人間を許可なく害するの禁止」

 

 

 

 

 縛りが結ばれた直後に、封印を緩めたのか、いつもどうりの呪力の流れを感じる。

 

 

 

 

「伏黒恵の肉体に戻してみて。宿儺、君なら受肉の()もできるでしょ?」

 

 

 

 無茶を言う男だ。

 しかし、縛りで逆らうことはできない。

 俺は長い時間をかけ、元の伏黒恵の肉体を再構成する。

 

 

 

 

「うっわ、本当にできちゃったよ。下手したら無限回復とかできそう」

 

 

 

 

「.....それだけか?」

 

 

 

 

 伏黒恵の肉体に戻すだけなら天使に頼めばいいだけだ。

 俺を生かす理由にはならない。

 それを察したのか、クックックッ、と五条悟のいたずらっ子らしい笑い声が聞こえる。

 

 

 

 

「これ、ほとんど"俺"のわがままなんだ」

 

 

 虎杖悠仁とか乙骨憂太達には絶対言わないでね、そう念を押し五条悟は

 

 

 

「実は"俺"、宿儺が一番好きなんだよね」

 

 

 

 

 と言った。

 

 

 

 

「は?」

 

 

 

 思わず口に出る。

 

 

 

 

「好きといっても変な意味じゃなくて、純粋にファンというか、呪いの王らしい熟練者っぽいとこがかっこいいというか、ギャップがいいというか、いぶし銀というか...」

 

 

 

 

「は?」

 

 

 

 

 先ほどと言動が違いすぎて、ショックを受ける。

 が、

 

 

 

 

「まぁいい」

 

 

 

 

 そのどこか既視感のある言動に耐性があったからか、何も考えないことで飲み込む。

 

 

 

 

「ああ、ごめん。暫くここから出られないけど、いつか外に出してあげるから」

 

 

 

 

 縛りはバリバリ結ぶけど、五条悟は付け足すように言った。

 

 

 

 

「いつか、桃鉄99年しようねー」

 

 

 

 そして、また来るから、と言い残したっきり五条悟の気配が遠ざかっていき、暗黒だけが残る。

 

 

 

「....五条悟か」

 

 

 

 これからどうなるんだろう、と初めて考える。

 五条悟に振り回されるのか、それとも人体実験にでも使われるのだろうか。

 様々な可能性が頭によぎる。

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、まぁ─────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後まで読んでくださってありがとうございます。


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