FAIRY TAIL~もう一人の火竜~ (ドラグニル)
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X780 妖精の戯れ
始まりの時


初めての作品なのでアドバイス等下さい!!
それと時系列ではだいたい、780年、エルザがS級魔導師になった所位からです。


 

 

 

 

第1話『始まりの時』

 

 

 

 

 

 

 

ここは、フィオーレ王国マグノリアの近くの森…

 

「やっと見えてきた…あそこにナツが…」

 

そう言いながら木を避けながら歩く青年、赤色の髪にナツより少し長い髪型にナツと同じ服装の上に黒いマントを着た青年がいた。

森を抜けるとそこにはフィオーレ王国マグノリアの一二を争うギルド、妖精の尻尾《フェアリーテイル》があった。

 

「やっとついた~…ってか大体お前の魔法で飛べばよかったじゃねえか、ココア!!」

 

そう言いながらある一匹の茶色の猫に怒鳴りながら青年は猫に話しかける。

 

「何度も言いますが、私の魔法、翼《エーラ》は結構魔力は消費するし疲れるから嫌だと言っているではありませんか。」

 

「…あれ?そうだっけ?だったらいいけどよ…何て言うと思ったか!!またはぐらかされるところだった!!」

 

「っち、でも本当にしんどいんですよ!!この前だって…」

 

二人は妖精の尻尾《フェアリーテイル》の目の前でずっと言い争いをしていたので町の人々は気味悪がっていた。

そこにある緋色の髪型をした少女が青年達に話しかける。

 

「失礼だがあなた達は誰だ?私達のギルドの近くで大声を出しながら話をされては困るのだが?…おっと、人に名前を尋ねる前に先に私が名前を言わねばな。私の名前はエルザ・スカーレット…」

 

エルザと名乗る少女は青年の前で自己紹介をしているがそれを聞かずにまだココアと喋る青年にエルザは怒り一人の青年と一匹の猫にチョップを放つ。

 

「貴様ら…私の事を無視するなー!!」

 

「「ぐへっ!?」」

 

見事に二人の脳天に直撃したあと二人の意識はそこで途絶える。

 

――――

 

ここは何処だ?確か急に頭に激痛が入って…そうだ!!誰かにチョップされたんだ。

……誰だっけ?名前は確かエリザベス・スコット?…何か違うような…まぁいいや、どうせ似たような名前だろうしな。

……てか、それよりも…

 

「やっと起きましたか…」

 

「なぁココア、ここは何処だ?俺の記憶が正しければギルドだよな?」

 

「はい、私もそう思います。」

 

そうだとするならばやっぱりここは妖精の尻尾だよな…

でも実際ここにナツが居るかどうかと言われれば怪しいんだよな。何て言うか…ここはギルドっていうより酒場に近いよな。

 

「おいエルザ!!お前の言ってた子供達が起きたぞ!!」

 

「何?そうか分かった!!」

 

誰かがこっちへ来やがるな…あの緋色の髪の女がこっちに…

 

「すまない…先程の無礼を許してくれ。そして今度こそ自己紹介を…」

 

この声…確か……。

この瞬間少年は思い出す、先程はこの女子にチョップされたことを…

 

「あー!さっきの…名前は確か…エリザベス・スコット!!」

 

「違う!!私の名前はエルザ・スカーレット!!断じてそのような名前ではない!!」

 

周りでは青年が間違えて呼んだ名前が面白く笑いを堪えるものがちらほらと居た。

「すまんすまん。名前言うの忘れてたな。俺の名前はレツ、レツ・ドラグニルだ!!」

 

「レツ・ドラグニル?…ドラグニル?」

 

エルザは青年、レツの言葉の何処かに引っ掛かっていた。

周りのギルドの仲間達も全員が何かに引っ掛かっていた。

ドラグニルという言葉。

そうそれに気が付くのに時間はあまりいらなかった。

最初に気付いたのはギルドのバーの席に座っていた桜色の髪をした少年、ナツ・ドラグニルであった。

「あれ?ドラグニルって俺と同じ名前だ!!」

 

「うん?ナツか?」

 

レツはナツが視界に入るとナツかどうかを聞き出した。

「おう!!俺はナツ・、ナツ・ドラグニルだ!!」

 

「あい!!ついでに、オイラはハッピーだよ!」

 

やっと会えた。ナツに、自分の数少ない家族に。俺の今までの旅は無駄じゃなかった。

 

「やっと会えたな、ナツ!!俺の唯一無二の弟!!」

 

レツはそう言うとナツを抱き締めに行った。それと同時に周りはとてつもなく驚く。

 

『えぇーー!!弟ー!?』

 

ギルドの仲間達はそれぞれが色々と口から声を出す。

 

「あのナツに兄弟が!?」

 

「うそでしょ!?」

 

「オイオイ、マジかよ!!」

 

「なんと!?」

 

「こりゃすげえや」

 

「本当かよ!?」

 

たくさんの意見を言う人々だが突然ある男が口を開いた。

 

「はっ!ナツの兄貴かどうか、調べるなら簡単な方法があるじゃねえか。ナツと一辺勝負すりゃ良いはなしだろ?」

 

そうギルドの仲間達に訪ねたのは黄色の髪にヘッドフォンを付け、柱にもたれかかっている男、ラクサス・ドレアーだった。それに呼応するかのようにナツは…

 

「そうだ!!俺の兄ちゃんなら俺より強ぇ筈だ!!勝負しろ!!」

 

「いいぜ!!俺も同じイグニールから教えてもらった滅竜魔法を弟はどれだけ使いこなせるか見たいしな!!」

 

――――

 

ここはギルドの近くの広場…

 

「なぁどっちが勝つと思う?」

 

「そりゃあナツだろう?」

 

「じゃあ賭けるか?」

 

「オウヨ!!」

 

ナツとレツの戦いに賭けをするものがちらほらと居る。

他にもエルザやラクサスはすでにこの戦いの勝敗の行方をすでに予想し、どちらも似たような結果を想像する。

 

「この勝負はどちらかが参ったと言うか気絶させるかの二択じゃ、では始め!!」

 

そう言うか否かナツはレツ目掛けて攻撃を仕掛ける。

 

「先手必勝!!火竜の鉄拳!!」

 

それをレツはかわさずにそれを片手で受け止める。

 

「な、受け止められた!?」

 

「当たり前だろ?お前程度の片手での攻撃を片手で受け止められないわけないだろう?まだまだこいよナツ!」

 

ナツは続けてレツに攻撃を繰り出す。

「火竜の鉤爪!!火竜の翼撃!!」

 

ナツの怒涛の攻撃を同じ技でレツは相殺し、そのことにエルザやラクサスは驚く。

 

「気付いているかラクサス?」

 

「あぁ。あの野郎わざとナツに攻撃を出させ、そしてそれを寸分狂わず同じ技で…しかも同じ威力で相殺してやがる」

 

エルザやラクサスはレツが少しも本気を出していないことに気付く。ナツ相手に遊んでいるのだ。

 

「くそぉ!!ならこれでも喰らえ!!火竜の…咆哮!!」

 

ナツのブレスは見事にレツに直撃する。その事にナツは安堵し勝ち誇る。

 

「どうだ!!これなら流石のお前でもきいただ…ろ…へ?」

 

ナツのブレスをくらったかに見えたがそこにはナツのブレスを食っているレツがいた。

 

「あむっ!んむぐ…、ぷはぁー!!ナツ…炎の味ちょっとビミョーだな、お前の魔法、確かにイグニールから教えてもらった事は嘘じゃなさそうだ、…だが炎を強くするには修業あるのみ…かな!!」

 

そう言うとナツの視界にレツがいなくなり気が付くと後ろにいた。

 

「ちょっと寝てろナツ」

 

ドスッ!! ナツの首目掛けて手刀打ちをする。それをくらいナツは気絶する。

 

「勝者レツ!!」

 

『うおぉぉ!!スゲェー!!あのナツに無傷で勝ちやがった!!」

 

「賭けは俺の勝ちだな!!」

 

「くそぉー!!」

 

各々が色々と喋る中一人だけが久しぶりの強者に出会い喜んでいた。

 

「(最初はナツの兄と聞いて興味は無かったが、これほど強いのかレツ・ドラグニル!!こいつになら久しぶりに本気を出しても良さそうだ!!)おい、今度は俺と勝負しようぜ!!」

 

そうレツに言うのは最初にこの戦いの場を提案したラクサス本人だった。

 

「いいぜ…、名前は?」

 

「俺か?俺の名前はラクサス、ラクサス・ドレアーだ!!」

 

「へー…まぁ、お前になら本気を出せそうだなラクサス」

 

「そいつは光栄だ!!俺もそう思ってたところだ」

 

まだこの時二人は知らなかった…

そう遠くない未来…レツ・ドラグニルはこのアースランドから姿を消すことを…。

そして、それを切っ掛けにラクサスは変わる。




どうでした?感想など色々下さい!!おねがいします!!
次回はラクサスとレツの戦いです。

それと編集しました!!間違いを言ってくれたかた本当にありがとうございます!!


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炎と雷の戦い

正直この作品は人気がでればいいなとおもったり思わなかったりします!!


 

 

 

第2話『炎と雷の戦い』

 

 

 

 

 

「おいおい…あのラクサスが自分から勝負を申し出るなんてこりゃすげえ戦いになるんじゃねえか?」

 

ギルドの皆がそう言うのも無理はなく、ラクサスはこのギルドの中でも数少ないS級魔導師の内のひとりであり、その中でも上位の強さをもつ一人でもある。

そのラクサスが自分から勝負を挑むのはこれで2回目だろう。

「やるなら早くやろうぜ!!(久々に俺の本気を出せる相手かもしれねぇ!!)」

 

レツ自信ラクサス相手に勝てるかどうかというギリギリの戦いになるかも知れない事実に喜びを隠せないでいた。

「では準備は良いか?それでは始め!!」

 

開始の合図と同時に両者の右拳が激突する。その衝撃に耐えきれずギルドの仲間達でも吹き飛ぶ人がいる。

レツは上空に跳躍し、ラクサスはレツを見上げる。

 

「おもしれぇ!!パワーは俺と同じかよ!!だがこれならどうだ!!」

 

ラクサスはそう言うとレツに雷の光線を放つ。

 

「んなもん焼き消してやる!!火竜の咆哮!!」

 

レツのブレスによりラクサスの雷は呑み込まれてしまう。だがそのブレスの先にはラクサスはいなかった。

 

「何処にいきやがった…!後ろか!!」

 

「遅ぇよ!!オラ!」

 

ラクサスの攻撃を防ぎきれなかったレツは地面に体を激突させる。

 

「がはっ!!」

 

「鳴り響くは召雷の轟き、天より落ちて灰燼とかせ…レイジングボルト!!」

 

ラクサスは続けてレツに隙を与える暇もなく新たに技を繰り出す。

 

「…少し手こずったが…なんとか勝てたか…」

 

ラクサスはそう思い、背を向ける。

 

「おい…何勝った気でいてんだよ!!」

 

「はっ!そんなことだろうと思ったぜ!!」

 

レツは先程の攻撃をまともにくらいながらもダメージはさほどなかった。レツとラクサスはお互いの拳を避けることなくぶつけ合う。

 

「オラ!!…どうしたよラクサス!へばったか?」

 

「へ!!そいつは見間違いだよ!!」

 

「おもしれぇ!!」

 

「上等だ!!」

 

「「ハッハハハハハ!!」

 

レツとラクサスはお互い久し振りの強者に出会えたことに笑いながら殴りあいを続けていた。それを見た仲間達の反応はドン引きである。

だがその均衡は崩れ二人は後ろに下がり力を溜める。

 

「こんなんじゃあ埒があかねぇ!!…右手の炎と左手の炎…二つの炎を合わせて!!…」

 

「おもしれぇ!!二つの雷を纏いて焼き消せ…」

 

「これでも喰ってろ!!火竜の煌炎!!」

 

「ライトニングボルト!!」

 

炎と雷が交わると二人を中心に爆発が起きる。煙でどちらかが勝ったのか分からなかったが、次第に煙は消え視界が良くなる。

 

「どっちが勝ったんだ?」

 

煙が無くなると視界の先には二人の姿があった…

 

「ラクサス…こりゃお前の勝ちだ…な」

 

そう言うとレツは前方に倒れ込んでしまった。ギルドの皆はラクサスが勝ったと思っていたが…

 

「何がお前の勝ちだよ、もう俺も動けねえ…よ」

 

ラクサスもレツと同じタイミングに倒れる。

 

「この勝負…引き分けとする!!」

 

勝負がつくとギルドの仲間達は一斉に叫び出す。

 

「うぉぉぉ!!すげぇぇ!!あのラクサスと引き分けになるなんて!!」

 

「こりゃすげえ戦いだったな!!」

 

「あいつなら今すぐにでもS級魔導師になるんじゃねえか!?」

 

たくさんの歓声の中エルザは真っ先にレツの場所に行った。

 

「…よぅエルザ、どうだった俺の戦いっぷりは…」

 

「ふふ、全くお前には敵わないな、あれほどの戦いを見せられては…(あんなにふざけたやつだと思ったのにこれほど強いとはな……)それに少しほんの少しだけかっこよかったぞレツ」

 

それを言ったエルザの周りは直後にちょっかいをだす。

 

「おぉ!!何だ何だ!!エルザはレツに惚れたか!!」

 

「ち、違う!!私がレツにほ、ほほほ、惚れるなどあるわけなかろう!!」

 

エルザは恥ずかしく慌てて否定するが、 まるでそれは肯定の証の様なものでしかなかった。

 

――――

 

「そういえばお前さん、ギルドには入るのかね?」

 

ラクサスとの戦いから数時間が経ちレツに訪ねたのは妖精の尻尾のマスターマカロフ・ドレアーであった。

 

「うーん…まぁ弟も気になるしそうしようかな」

 

「分かった…ではギルドの紋章は何処に付けるんじゃ?」

 

「じゃあ右肩で色は赤で頼むぜじっちゃん!!」

 

「分かった分かった…(何だかナツがもう一人増えたみたいじゃ~)」

 

ギルドの紋章を付けたレツにナツは近寄ってくる。

 

「な、なぁレツは俺の兄ちゃんなんだよな?」

 

「そうだが?」

 

ナツはそれを確かめた後真っ先にあることに質問する。

 

「兄ちゃんって呼んでもいいんだよな?」

 

「おう!」

 

ナツは分かった途端感情が昂っていた。初めてイグニール以外のイグニールを知るものがいて喜び涙が出そうになった。だがここである事に気付く。

 

「けど兄ちゃんの事俺は全然知らねえぞ?」

 

「そりゃあお前が本当に小さい頃にしか一緒にいなかったからな」

 

それを聞いたナツはレツにあることを聞く。

 

「イグニールは、イグニールは今何処にいるのか知ってるか?」

 

「分からない…それだけは分からないんだ。だけどイグニールのいつもの場所に俺が行ったときこれを置いていたんだ」

 

そう言うとレツは自分のポケットから白色のブレスレットが出された。

 

「俺のやつはマフラーなんだけど…兄ちゃんはブレスレットか…」

 

「正直イグニールの居場所は特定出来ないのが現状なんだよな…」

 

ナツとレツは二人で悩んでいると近くに白色のフリンジショートの髪型をした女の子リサーナ・ストラウスが話しかけて来た。

 

「初めまして♪私の名前はリサーナ・ストラウス、ナツのお兄さんだから…え~とレツ兄でいいかな?」

 

「おう、よろしく!!…お前はナツの友達か?」

 

レツはそう言うとリサーナは違いますと首を横に振り、

 

「私はナツのお嫁さんでーす!!」

 

「ちげぇよ!?何勝手に兄ちゃんにすげえ事言ってんだ!?」

 

ナツは顔を赤くして否定していると…ギルドの席で二人の男性がナツにちょっかいをだす。

 

「何顔を赤くしてんだよナツ!!気持ち悪いぞ!!」

 

「そうだそうだ!!」

 

一人はパンツ一丁の男、グレイ・フルバスター、もう一人は髪の毛が全て逆立っている男、ライト・ハウバーであった。先程の言葉にイラついたのかナツは、

 

「何だやんのか、この変態パンツと能無しツンツン!!」

 

「何こんなことできれてんだこのくそ炎!!それに邪魔なんだよこのラクサスもどき!!」

 

「んだとやんのかこのつり目とたれ目!!」

 

「「「上等だこの野郎!!」」」

 

いつものようにナツ、グレイ、ライトの三人でケンカを始め、それに乗じてたくさんのギルドのメンバーが暴れだす。

 

「これがフェアリーテイル…無茶苦茶だけどおもしれぇ!!……俺もケンカに混ぜろー!!」

 

そう言うとレツはギルドのメンバーと一緒に暴れだし、ギルドはまた騒がしくなる。




感想など出来れば下さい!!


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妖精の日常

今回は数々の仲間達の一日を書きます!!


 

 

 

 

第3話『妖精の日常』

 

 

 

 

 

「な、なぁレツ」

 

「どうした、エルザ?」

 

エルザは朝レツをたまたま…いや、エルザはレツを朝から尾行し、レツがギルドに行くより一足先にギルドに向かい、ずっとレツを待っていた。

 

「今日、暇か?」

 

「……ひまだけど?」

 

レツは今日はこれといった用事もなく、エルザの質問に素直に答え、するとエルザは心の中で喜んでいた。

 

「(今日はレツは暇…ということは!!)な、なら今日、も、ももももしお前が良ければでいいんだが…その…」

 

「…?何だエルザ?」

 

「(頑張れ私!!)今日一緒に仕事行かないか!!」

 

「いいぜ別に、二人で行くか?」

 

エルザはレツの言葉に喜びを隠せないでいた。そうエルザとレツの二人で…。

 

――――

 

一方こちらでは…ライトがどの仕事をしようか迷っていた。

 

「どの仕事にしようかな…」

 

……正直、チームは組みたいけどラクサスはもう雷神衆とかしてるし、レツはエルザと仕事いったし…姉さんも10年クエスト行ったきりだし…どうしようかな…

 

「よおライト」

 

「うん?……おお!ガルムか!!」

 

ライトがそう言うとそこには野性的な感じを見せるが容姿がちゃんと整っている少女がいた。彼女の名はガルム・スティンガー。

 

「……そうだ!!ガルムお前俺と一緒に仕事行こうぜ!!」

 

「別にいいぜ俺は…」

 

「……ガルムその喋り方やっぱやめねえのか?」

 

「何でだよ?」

 

ライトは不思議そうにそう訊ねる。それもその筈、彼女は女なのに一人称が“俺”だからだ。

 

「知ってるだろう?俺はあの人にもう一度会うまではこのしゃべり方なんだよ」

 

「…お前の兄さんに会うまでか?」

 

「あぁ…」

 

「なら、強要はしねぇよ…」

 

二人には何か共通するものがあるかのように二人は空を見上げる。

 

――――

 

こちらではリサーナの姉、ミラジェーン・ストラウスが修業をしていた。

 

「はぁはぁ!!(こんなんじゃ駄目だ!!これじゃエルザに先を越されちまう…いや、今は越されている、か…)」

 

ミラは今焦っていた。同世代のエルザが先に自分より早くS級魔導師になっていることに。

彼女の実力でならS級魔導師になれる可能性は充分にある。ただ時期が悪かった。

 

エルザはミラより早くギルドにいるためそのぶん経験の差もある…そ以外ではミラがエルザに劣る要素はなかった。ミラの下にある一人の女性が現れる。

 

「一人で修業するより、二人で修業した方が効率が良いですわよミラ?」

 

「……ちっ!!帰ってきたのかよシャウト!!」

 

「あらあら、口が悪いこと…」

 

ミラはそう言うと彼女、シャウト・ハウバーの顔を睨み付けていた。

 

「こんなところにいていいのかよシャウトさんよ、出来の悪い弟君があんたの帰りを待っているぜ…っ!!」

 

「おやおや、いつから私の弟を馬鹿にできるような実力を身に付けたのかしら?」

 

そう言うとシャウトの周りからは魔力があふれでていた。

その量に驚愕したミラはさすがに謝罪を口にした。

 

「悪かったよ!だからその魔力を止めてくれ邪魔くさいからさ!!」

 

「ふふ、分かれば良いのです♪それとは別に修業をしていた貴女の姿を見て私も疼いてきたので久々に勝負しますか?」

 

シャウトの申し出にミラは応え、二人は山奥で激突する。

 

――――

 

ギルドの仲間達が全員集まりそこにはレツ達もいた…

マカロフはギルドの一員に前代未聞の事を皆に伝える。

 

「皆のもの今から重大発表をする!!」

 

皆は何なのか不思議そうにしていた。なぜならマカロフはわざわざ夜になってから皆に集まるよう伝えたからだ。

 

「今日からレツ・ドラグニルを…S級魔導師とする!!」

 

マカロフの言葉に皆は口をあんぐり開けて驚く。

 

『な、何ー!!』

 

「なぁエルザ、S級魔導師って何?」

 

「あ、あぁS級魔導師というのはだな、今までなら下のギルドの依頼しか受けられなかったが、S級魔導師になると二階の依頼も受けられるんだ!!」

 

レツはエルザのS級魔導師の説明にあまり良く分からなかった。だが後ろから痛いほどの視線が二つあったが、レツは見て見ぬふりをした。

 

「納得いかねえぜじいさん!!」

 

「そうだぞじっちゃん!!いくら兄ちゃんが凄いからっていきなり試験もなしにS級魔導師は卑怯だ!!」

 

「全くだぜ!!理由を説明してくれマスター!!」

 

上から順に、グレイ、ナツ、ライトは納得がいかなかった。それもその筈、本来S級魔導師は、数々の依頼を受け、そしてそれをこなしマスターに認められて試験を受けることが出来る。

 

そして、その試験でも難易度はエルザ曰く死ぬほどきついらしい。それをクリアしてやっとのおもいでS級魔導師になれる、そういうものなのだ。

 

「まず1つ目にレツはS級のラクサスと同格の力を持っている。」

 

「うっ!!」

 

その一言にナツは黙り…

 

「二つ目にレツはエルザと一緒にS級の依頼を達成しておる。」

 

「なっ!?」

 

その事にグレイは黙り…

 

「そして、最後に、どの魔導師よりも被害届が少ない!!寧ろ感謝されるぐらいじゃ!!貴様らにこのようなことができるか?」

 

「…無理だな…」

 

最後の一言にライトも黙る。

 

「レツ・ドラグニル!!お主を今日よりS級魔導師と認定する!!」

 

その一言にたくさんの人々が驚く。

 

「すげえ!!これで何人目だ?」

 

「えーと、確かギルダーツにラクサス、エルザにシャウト、でレツだから5人目だ!!」

 

レツの一言に皆が驚き深夜になる。

そういえば、レツの家はナツの隣に建ててもらったのである。

 

「そういえばナツ!!ハッピー!!今月の食費大丈夫なのか?」

 

「やべぇー!!」

 

「あいさー!!」

 

レツはナツに呆れながら食費を渡す。

 

「ほれ、50万J、これでなんとかしろ!!」

 

「ありがとう!!兄ちゃん!!」

 

「やっぱりすごいね、ナツのお兄ちゃんは違うね、ナツとはお金も心の器も違うね!!」

 

ハッピーのトゲのある言葉にナツは…

 

「うるせえよ!ハッピー!!お前なんか、兄ちゃん来てから一々トゲがあるぞ!?俺もいつか兄ちゃんみたいになるんだ!!」

 

「ナツじゃ無理じゃない?ブフッ…」

 

ハッピーが笑いを堪えずに吹いてしまう。

そしてそれを見てナツは怒り、レツも笑ってしまう…

レツもナツもこんな日常がこれから毎日続くかと思っていた…

しかし現実ははそう上手くにはいかなかった。

今より近い未来X782年レツ・ドラグニル…ここに死す…

 

――――先の近い未来 X782年

 

「兄ちゃんはこんなところにいねえ…そうだろ?ハッピー、ココア、フレイヤ…」

 

「あい…」

 

「そうですね…彼はこんなところにいない…」

 

「そうですねナツさん…師匠はここにはいない…」

 

『いつだって、約束の場所にいるんだ…』

 

ナツ達はそう言うとその場で泣き出してしまった。

 

「(…あれほど、私の前からいなくなるなと約束したではないか!!やっと、やっとお前にこの想いを伝えられると思っていたのに…)馬鹿者が…」

 

エルザは雨の中一人そう呟き涙を流した。

 

X782年レツ・ドラグニル…隣のX781年リサーナ・ストラウスと同じく…突然の発光体になり体ごと消え変死する。

 

 

 




な、何とこの作品の主人公が死ぬ!?

まあ、勘の良い人はその先の展開も分かるんでしょうけどね!!

感想などよろしく!!
それと前回に続きココア出番少なすぎ!!

話の都合上次回からはX781~782に突入します!!


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X781~783 妖精の変化
失われた化身


早すぎるかもしれないですが話の都合上今回から新章突入します!!


 

 

 

 

 

第4話『失われた化身』

 

 

 

 

「へ、やっとお前と同じだぜ…エルザ!!」

 

「…む?ミラか、それはめでたいことだが、元よりお前が私より劣っているなど思ったことはない!!」

 

ミラはついにエルザと同じS級魔導師になり、追い付いて嬉しかった。好敵手であるエルザに負けるのは嫌だからである。

…ギルドのバーではギルダーツとマカロフそしてレツが話をしていた。

 

「それではギルダーツ…100年クエスト行ってくれるのか?」

 

「まぁ俺が行かなきゃ誰も無理だろ?現時点じゃあよ」

 

「やっぱり行くんだな…ギル?」

 

マカロフはやはり今回はさすがに深刻な顔をし、ギルダーツはいつも通り平然とした顔をして、レツは少しだけ心配そうな顔をしていた。

 

「まぁ、ちょっくら行ってくるわ~」

 

ギルダーツはそう言うといつものようにギルドを出ていった。

それを悲しそうに見つめる女が一人いた。

 

――――

私はいつもそう、あの人に伝えなければいけない大切な事を私はなんで言えないの…

 

「……はぁ~」

 

「どうしたのですか?カナさん」

 

「あぁシャウト…、やっぱりまた伝えられなかった…」

 

そう、私、カナ・アルベローナはいつものようにシャウトに励まされて何とか気持ちを保ってるけど、シャウトが時々羨ましい…

あのギルダーツと同じS級魔導師であることに…

 

「貴女の決めたことには私はどうこう言うつもりはありませんが、1つだけアドバイスをしてあげます。もっと仲間を頼っても良いのですよ♪」

 

あぁ、シャウト…あんたのその裏表のない笑顔のおかげで私はいつだって心を保つ事が出来る。

 

「そうだね!!私はこういうときにこそ仲間に頼らなきゃだよね!!ありがとうシャウト!!」

 

そうだ…次に帰って来たときに伝えよう!!

 

――――

 

「兄ちゃん!!俺と仕事に行こうぜ!!」

 

…この声は…

 

「ナツか、良いけど依頼は俺が決めても良いか?」

 

「…?おう別に良いぞ!!」

 

実はさっき面白い仕事があったんだよな…確か一階の所に…

 

「あったあった、ギャージュ村の炎をすべて消してくれって依頼だ!!何と報酬は150万J!!」

 

「なにー!!」

 

報酬の高さにナツは驚き声をあげてしまった。

…それもそうか、でももしかしたらこの任務を達成したらナツは強くなるかもな…

 

「炎を消すだけで150万J!?本当かよ兄ちゃん?」

「俺が嘘をつくとでも?まぁ何はともあれ出発するかギャージュ村に!!」

 

「あいさー!!」

 

「行きますか…」

 

ナツはやる気をだし、レツは久々の面白そうな仕事に笑顔になりながら、ハッピーもやる気をだし、ココアは何かに心が引っ掛かりながらも、出発しようとしていたその時、エルザがなぜか怒りながらレツの鳩尾めがけて拳を入れた。

 

「げふっ!!」

 

「兄ちゃん!?な、何するんだよエルザ!!」

 

「黙れナツ!!……レツ、今日は私と一緒に仕事にいく約束をしなかったか?」

 

……そう言われれば、確か今日の朝――――

 

「エルザ!!暇だし今日は一緒に仕事行こうぜ!!」

 

エルザは少し前からレツの事を好きだと自覚してしまったので実は凄く嬉しかったのだ。

ましてや思い人からの仕事の誘いなど断る理由もなく…

 

「も、もちろん良いぞ!!そうだ!!時間は昼にでもギルドで待ち合わせしよう!!」

 

「分かった!!んじゃあな~!!」

 

――――

 

……思い出したー!!

 

「あ、あのエルザ…さん、許してくれませんかね?」

 

ヤバイヤバイ!!エルザの怒りが限界まできてる…どうすれば…そうだ!!

 

「え、エルザ…もし良かったら今から行く仕事お前も一緒に来て帰りに店の新作のケーキ食いに行こうぜ…」

 

さ、さすがに無理かな~、怒られる…よな、

 

「帰りにケーキを!し、仕方ないな~ならば許すしかないな!!(レツと二人でケーキ!!)」

 

エルザは少し誤解をしているようだった、レツは二人でなどと一言も言ってはいなかったがエルザは誤解をしてしまった。

 

「それはそうと、依頼の場所は?」

 

「ギャージュ村」

 

「ギャージュ村だと!?」

 

「ギャージュ村って?」

 

エルザは依頼の場所をレツから聞いて驚愕したのだった。

ナツにはその村の事がいまいち良く分からなかったためエルザが説明をする…

 

「ギャージュ村というのは村の周りが炎に囲まれていてそのあまりの炎の量から別名名炎の村とも言われているんだ。」

 

「ですが。それでは少し変ではありませんか?」

 

「その通りなんだよ、炎なら普通に水とかで消せばいい。だが、多分それができないんだろう…」

 

レツの言葉にナツやハッピーは首をかしげる。

 

「つまりはですね、考えられる事が二つあるのですよ」

 

「どういう事なの、ココア?」

 

ハッピーは良く分からずにココアはそれに答える。

 

「まず1つ目だったら簡単なことです、1つ目はただの炎だけど規模がでかすぎるだけで村の資源では足りないということ、…」

 

「なるほど!!…あれ?じゃあもう1つは?」

 

「魔法の力が加わっているということ…」

 

ココアはそう言うとハッピーとナツは良くその言葉の意味が分からなかった…

 

「つまりは魔法の力が加わっていた場合何かしらの人間、はたまた何かの生物の力が加わっていて、その場合敵との戦闘は必然的ってことさ…」

 

「なるほど!!そう言うことか!!」

 

――――

 

「ここだな…」

 

レツ達はギャージュ村に着いて直ぐに依頼主の居場所まで行こうと決めていたがハッピーとココアはこの暑さには耐えきれず…

 

「暑いよ~…」

 

「ハッピー暑いのは私も同じです…」

 

レツはその姿を見て仕方ないと思い、 熱を遮る服をハッピーとココアに渡し、ハッピーとココアはそれを着て熱が無くなるのを感じ、やっと普段の動きを出来るようになった。

村の中に入ると依頼主がいないため村の住民をレツ達は探し出す。

 

「おい、そこの子ども!!俺達は妖精の尻尾…ギルドの依頼を受けて来たんだが…村の村長はどこにいる?」

 

すぐ近くにいた少年に村長の居場所を訊ねる。

 

「あ、ギルドの方ですね、分かりました、案内します」

 

――――

 

「こちらです…」

 

少年はそう言うと村長と思われる人物の横に移動した。

「この度は依頼を受けてありがとうございます、私が村長のカイル・ブロスキー、と申します。実はこの村は昔はただの普通の村でした…、あの怪物が現れるまでは!!」

 

「怪物?」

 

「そいつは村人達を焼き払い、わしの息子までも…」

 

村長の言葉に何か思い当たるのか、レツは少し黙り、そして村長に1つ訊ねる。

 

「カイルさん、1つ聞きたい…その怪物の体は赤い色をしていたか?」

 

「知っているのですか!?」

 

「あぁ、カイルさん、そいつは多分炎の化身イフリートだ…」

 

「イフリート?」

 

レツの言葉にエルザは首をかしげる。

 

「エルザ…バラム同盟は知ってるな?」

 

「あぁ、闇ギルドの中心的な存在のギルドの事か?」

 

「あぁ、その中でも悪魔の心臓《グリモアハート》に並ぶ闇ギルドがある、その闇ギルドの名を失われた化身《ロストモンスター》。あいつらが絡んでいやがる」

 

「失われた化身に何か関係があるのか!?」

 

「あぁ、風の噂じゃあ、実験で創られた怪物の1つ炎の化身をこの村の近くに置いた。それが炎の化身イフリート…あいつらは化身が出来ればすぐに実力を試す。それにイフリートはあのゼレフ書の悪魔にも匹敵すると言われているんだ!!」

 

レツの言葉に皆は絶句して言葉を失う。エルザはその事に怒りを震え、ハッピーとココアは深刻そうな顔をし、そしてナツは何かを決心したようにレツに答える。

 

「兄ちゃん!!そんなやつ野放しには出来ねえ!!今すぐそいつを倒そう!!」

 

「分かってる!!それは分かってるが、何処にいるのか分からなきゃ意味ねえんだよナツ!!」

 

「くっ!!……」

 

レツは初めてナツに怒鳴ってしまった…今まででもどんなピンチでもレツはナツに冷静に応えていたが、今回は違うことにエルザも気付く。

「あ、あの!!」

 

「何だ、少年?」

 

カイルの近くにいた少年は村長によさんか、と止められるが口を開く。

 

「その怪物なら今この村の地下に居ます!!」

 

「本当か!!」

 

レツはその事に喜びカイルは1つ訊ねる。

 

「良いのですか?依頼内容はこの村の炎を消せと…」

 

「良いんですよ、仲間もそれを望んでいる」

 

レツはカイルにそう答えると、レツは仲間たちを呼ぶ。

 

「ナツ!!エルザ!!ハッピー!!ココア!!…イフリートを倒しに行くぞ!!」

 

「おう!!」

 

「もちろんだ!!」

 

「あい!!」

 

「分かりました!!」

 

レツの呼び掛けにナツ、エルザ、ハッピー、ココアは大きく返事をする。

 

「そういえば…少年、名前は?」

 

「フレイヤ、フレイヤ・ブロスキーです!!」

 

「フレイヤ…いい名前だな!!…さてと行くか!!」

 

――――

 

ここは村より400メートルほど下に降りたとてつもなく大きい村の空洞。そこには50メートルを優に越える赤い化け物がいた。

 

「ガルルルル!!」

 

「炎の化身イフリート!!今からお前をぶっ倒す!!」

 

レツの言葉が合図のように戦いが始まる。

最初にナツがイフリートめがけて攻撃をするが大したダメージはなくすぐに反撃を繰り出す。

 

「グガアアア!!」

 

「ナツ一人で突っ込むな!!エルザ!!行くぞ!!」

 

「あぁ!!換装!!炎帝の鎧!!」

 

「これでも喰らえ!!火竜の翼撃!!」

 

レツの攻撃にイフリートは怯みそこをエルザがすかさず攻撃を繰り出す。

 

「炎舞踊!!」

 

エルザは即座にイフリートの後に回り込み、炎の剣で連撃を繰り出す。

 

「今だナツ!!」

 

レツはナツに攻撃の合図を送るとナツは力を溜める。

 

「これでも喰ってろ!!火竜の咆哮!!」

 

炎のブレスがイフリートの体を飲み込む。

イフリートはそれをくらい、怒りの沸点が限界にまで達してしまう。

 

「ウガアアアアア!!」

 

するとイフリートはナツとレツ目掛けて炎のブレスを出す。だが…、二人は炎の滅竜魔導師…火は効かない。

 

「すぅぅぅ!!……ごくん!!、中々の美味い炎だな!!ならこっちもそれなりのもん見せてやるよ!!エルザ時間を稼いでくれ!!」

 

「分かった、換装!!黒羽の鎧!!」

 

そうするとレツはナツを呼び合図を出す

 

「行くぞ!!ナツ!!」

 

「おう!!」

 

レツとナツはココアとハッピーにより上空へと飛んだ。

それにあわせて、エルザも大技を繰り出す。

 

「黒羽・月閃!!」

 

エルザの斬撃により後方へと飛ばされたイフリートは体勢を崩してしまう。そこに、レツとナツの二人が大技を繰り出す。

 

「「右手の炎と左手の炎、二つの炎合わせて!!…」」

 

「「これでも喰ってろ!!火竜の煌炎!!」」

 

ナツとレツの二人の炎によりイフリートは消滅する筈だった。…だがそこに、1つのバリアーによってかき消されてしまう。

 

『なっ!?』

 

そこにはある女性が一人、何もない空間から穴が開いてやってくる。

 

「あぁ、可愛そうな私のイフリート…」

 

女性は一人悲しそうな顔をする。

 

「それでも…失敗作のイフリートはもう用無しね!!」

 

するといきなり女性はイフリートを魔法で粉々にしてしまった。

ナツはいきなり女性に向かって攻撃を仕掛ける。

 

「てめえはいったい何者だ!!喰らえ!!火竜の鉄拳!!」

 

「あらあら、物騒ですわ、でも…そんなことしたら、妖精の羽をもぐわよ…」

ナツは今までな感じたことのない魔力に後ろに飛び、技が解けてしまった。

 

「まぁ、今回はこれで帰りますわ、さようなら妖精のみなさん♪」

 

そう言うと女性は空に浮いて上がっていく。

 

「待ちやがれ!!てめえの名前は何だ!!」

 

レツは空に上がる女性に問いただす。

 

「……!おやおや、今の貴方になら名前ぐらい教えてあげてもいいですわね…、私の名前はファルブブ、ファルブブ・イストレーション」

 

「ファルブブ・イストレーション…!!お前まさか!!待ちやがれ!!火竜の咆哮!!」

レツの本気のブレスをファルブブの横にいた男が片手で破壊する。

 

「ファルブブ様このような輩と話している時間はありません、兄上様がお待ちです…」

 

全身が青い体をした男はファルブブと何かを話している。

 

「そうね、それじゃシバ、ゲートを開いて…」

 

「はっ!!」

 

すると一瞬にして彼女らは消えてしまった。

エルザはレツの顔を見て何か特別な感情が彼にはあると察した。そしてそれはいったいなんなのかエルザには分からなかった。

 

「(レツ…お前は一体あいつらと何があったというのだ?)」

 

「くそ!!」

 

「……」

 

レツは一人悔しそうに地面を叩き、 ココアも何か思っているのか空を見上げる。

 




ついにオリジナルの敵との遭遇ですね!!今日はちょっと疲れました!!
今回から少しオリジナルのキャラの容姿について説明します!!

レツ「じゃあやっぱり最初は主人公の俺だよな!!」

作者「そうなりますね~やっぱり顔はナツ君と瓜二つで、髪型はナツ君の髪型より後が肩につくロン毛って感じですね!!」

レツ「え、俺終了?」

作者「はい!!終了!!」


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新たなる仲間

 

 

 

 

第5話『新たなる仲間』

 

 

 

 

 

「レツ…村に戻ろう」

 

「……あぁ」

 

エルザとレツはナツ達と一緒に村のところまで一緒に戻ることにした。

 

「レツ、今は彼女らよりも依頼を達成するのが先ですよ」

 

「分かってる…(ファルブブ・イストレーション…、そしてその隣にいた青い男…どちらにしても今の俺じゃあ奴等に勝てない。)」

 

ココアはレツが何か考えているという事を知ってか、レツにだけ依頼の方が今は重要だと耳打ちする。

――――

 

村に戻ると、そこには、先程まで村が炎で囲まれていた筈だったのだが、その炎が塵1つ消えていたのだ。 

レツ達はその光景を見て驚愕の表情を隠せなかった。

 

「おぉ、妖精の尻尾の皆さん、ありがとうございます…皆様のお陰で村が元に戻りました」

 

「カイルさん、この炎はいつ消えたんだ?」

 

「確か…あの怪物の悲鳴が消えたあとの少し時間がたってからですかな。それがどうかしましたか?」

 

カイルはレツの質問に答えた後依頼の報酬を渡そうとしたとき…

 

「あ、あの!!レツさんに1つ御願いがあります!!」

 

「お前は確か…フレイヤだったか?」

 

少年、フレイヤは実は先程のレツ達の戦いを見てレツ自身に憧れていた。

 

「僕を貴方の弟子にしてください!!」

 

「……へ?」

 

レツのいきなりの申し出にレツは口を開けることしか出来なかった。

そしてその言葉の意味をレツは理解する。

 

「いいんじゃね?」

 

「本当ですか!?やったー!!」

 

「おいおい、いいのかよ兄ちゃん!?」

 

レツは案外軽く返事を返してフレイヤはそれに喜びを表していた。

 

「そういえばカイルさん、依頼の報酬はこの村の復興にでも使ってください」

 

「で、ですが!…」

 

「そうだな、レツの言う通りこの村の復興に使ってくれ。」

 

「次また来たときに今度はこの村の元の姿を見てぇしな!!」

 

「あい!!」

 

「そういうことで報酬は受け取れません」

 

カイルはレツ達の言葉に感謝をして頭を下げる。

レツ達はフレイヤを連れてギルドへと帰るのであった。

――――

 

一方ここは、闇ギルド失われた化身《ロストモンスター》の1つのアジト…

 

「シバ…まだ痛むの?」

 

「申し訳ございません…先程の奴の攻撃を侮りました…」

 

ファルブブはシバの怪我を心配しながら傷を癒していく。そこにある男がシバのもとへとやってくる一人の男がいた。その男はまるで筋肉の鎧を纏っているかのように思えるほどの体をしていた。

 

「なんだなんだ?シバ、てめえほどの奴が痛手を受けるなんて…何処のどいつだ?」

 

「分からないが、炎を扱う魔導師だ…」

 

「炎!!…いいね~!!俺の雷とどっちが上か勝負したいぜ!!」

 

「やめておけ…お前には手に負えない相手だ。まぁ実際あいつ以外は大した魔力はいないがな…」

 

「俺の手に負えないか今すぐてめえの体で試してやろうか?あぁん!?」

 

「やめなさい、二人とも…、まったく…」

 

――――

 

レツ達は依頼を終えギルドへと帰ってきたのであった。

その途中ナツはミラとリサーナ、そしてミラの弟のエルフマンがS級の任務に行くと言いナツは俺も行くと終始駄々をこねていた。結局レツによって阻止されたが…

 

「ただいまー!!」

 

レツはギルドに戻ると直ぐにマスターにフレイヤをギルドに入れてもいい許可をもらいに行った。マカロフは、別にいんじゃね?、と軽く許可を下した…

 

「今日から皆様の仲間になります…フレイヤ・ブロスキーです!!よろしく御願いします!!」

 

フレイヤはギルドに入って凄く可愛がられる…主に女性陣の方面に、それもその筈、レツはまだ9歳という若さでとてつもなく容姿の整った顔をしていたからだ。

 

「ねえねえ、ぼく好きな食べ物は?」

 

「え…、イチゴですけど?」

 

「イチゴだって……」

 

『かわいい~!!』

 

いつの間にかフレイヤは入って直ぐにマカオやワカバ等の中年男性陣に目をつけられてしまうのであった…

 

「フレイヤ…ちょっとこっちにこい…」

 

「はい!!師匠!!」

 

『師匠!?』

 

レツはフレイヤを一度弟子にすると決めた以上、戦えるぐらいにはするように決めていたのだ。ギルドのメンバーはレツの弟子ということに驚いていた。

 

「フレイヤ、俺と一緒に修業しに行くぞ、ナツも後で来いよ~」

 

「オウ!!」

 

――――

 

 

「フレイヤ…まずお前は何か魔法は使えるのか?」

 

「あ、はい!!僕これでも滅竜魔法を使えます!!」

 

「本当か!?」

 

「水の滅竜魔法を水竜アクアリウスに教えてもらったんですが…X777年7月7日に姿を消しました…」

 

「何はともあれ滅竜魔法を使えるなら話は早い!!実戦あるのみだ!!こい!!」

 

レツはフレイヤと話を終えるといきなりの勝負をすることにした。

 

「水竜の鉤爪!!」

 

「(俺やナツと同じか!!…だが!!)力が入っていない!!」

 

フレイヤの足に水を纏った攻撃はレツにはあまりダメージはなかった、だがそれでもフレイヤは攻撃を続ける。

 

「水竜の龍尾!!」

 

「(水で出来た竜の尻尾か!!)ならば火竜の咆哮!!」

 

フレイヤの水をレツは炎で蒸発させてしまう。

 

「くっ、水竜の聖拳!!」

 

「お前の拳はまだ俺には効かねぇよ!!火竜の鉄拳!!」

 

「(僕の現時点の力じゃあこの人にはダメージは普通に与えられる事は出来ない!!)ならば!!…水竜の龍尾!!」

 

「火竜の咆哮!!」

 

レツはフレイヤの攻撃を蒸発させるとそこにはフレイヤの姿はいなかった。レツはフレイヤが後ろに回り込まれていることに気付くのに一瞬遅れてしまう。そこをフレイヤは自分の全魔力をレツにぶつける。

 

「滅竜奥義!!千渦・流水撃!!」

 

「(反応できない!!)…っ!!」

 

とてつもない規模の水の渦がレツを飲み込む。フレイヤは渾身の一撃をレツにゼロ距離から与えたため少しは効いたと思っていたが煙が消えるとそこには平然とレツが立っていた。

 

「そんな!?僕の最高の技を何で!?」

 

「簡単な話だよ、ただお前の攻撃が弱かった…それだけさ(それでも、結構ダメージはあるけどな…)」

 

「参りました…僕の敗けです。」

 

「お前の悪いところを先に言ってやる、まず1つ目は筋力だな、筋力は滅竜魔法じゃ色々必用不可欠!!、まぁこれは鍛えればどうにかなるさ…」

 

「確かに、力が無ければさっきみたいにダメージはないんですよね…」

 

「そしてもう1つ、これが一番厄介なんだよな~」

 

「もう1つ?」

 

「お前!!戦闘だってのに、無意識に力を抑えてやがるんだ、だから魔法も本来の力の半分もでちゃいねえ…」

 

レツの言葉にフレイヤは思わず言葉を失なってしまう。フレイヤ自身そんなつもりはなかった筈だが知らない内に力を抑えていたのだ。

 

「1つ言っておく、そんなんで戦えるのは自分より弱いやつだけだからな…強くなりたきゃ本気でぶつかれ!!」

 

「っ!!分かりました…」

 

「まあ、お前の良いところは魔力コントロールが異常に良いところだな…これからは俺がみっちり修業してやるから…覚悟しろよ?」

 

「はい!!」

 

レツはフレイヤにそう言うとナツを待つことにした。

フレイヤはこの戦いで自分の弱さを一気に知りどうするかを考える事にした。

仲間を守る力を身に付けるために…




作者「はーいじゃあ今回はライト・ハウバー君の容姿について説明しまーす!!」

ライト「正直なところ、俺忘れられてるかと思ったぜ…」

作者「…ごめんごめん、では気を取り直して…ライト君は髪の色がラクサスと同じなんだよ。んでもって、髪型は全部髪の毛がツンツンのショートヘアーなんだよー」

ライト「そうそう!!俺この髪型にするのに毎日一時間かけてるからな!!」

作者「……、はいでは次は服装ね、服装は黒のタンクトップに黄色の半ズボン…ライト君、数ある服装の中これはないんじゃないか……ってぎゃあぁぁ!!」

ライト「こんな作者はほっといて、また次回もよろしく頼むぜ!!」





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それぞれの想い

俺とナツとフレイヤは山で夕方まで修業をしたあとギルドの下へと帰っていく…だが、その日俺は後悔する。

あの時俺もミラ達と依頼を同行すれば良かったと…

 

 

 

 

 

 

第6話『それぞれの想い』

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまー!!」

 

ナツは元気良くいつものようにギルドに声を上げるがその日は皆が泣いていた…

 

「……あれ?おい皆何で泣いてんだ?」

 

「……!!ナヅ、ずまねぇ!!俺のせいでリサーナが!!…」

 

「……、おい、どういう事だよ…リサーナが死んだ?あいつが死ぬわけねぇ!!」

 

「落ち着けナツ!!…エルフマン、それにミラ…一体何が起きたんだ?」

 

ナツ達はミラとエルフマンに事の全てを聞く。

ミラ達は依頼でザ・ビーストという魔物の討伐をしていたが、途中エルフマンがザ・ビーストをテイクオーバーしようとしたが逆にエルフマンは暴走をしてしまったという。

 

そしてミラは深手を負いリサーナは暴走したエルフマンを止めようとエルフマンに近寄るがリサーナをエルフマンは片手でリサーナを飛ばしてしまったという。

だが、エルフマンはそれでテイクオーバーが解け気を失い、ミラはリサーナの所まで向かい、ミラはリサーナを発見するがリサーナは急に謎の発光体になっていき、リサーナの体全てが消えたという。

 

「……と言うこと何だ…」

 

「ナツ!!すまねぇ!!俺のせいで、俺のせいでリサーナは!!」

 

「エルフマン!!お前は悪くはねえよ…だからあんま自分を責めんなよ…」

 

「ナツ…」

 

ナツはその話を聞いてエルフマンがどれ程苦しんでいるのかを察したのかエルフマンに気を使う。

 

「ハッピー、兄ちゃん、ココア、…ちょっと俺の今から行く場所に付いてきてくれ…」

 

「あい…、リサーナは多分あそこに眠っているはずだよ…」

「「あそこ?」」

 

レツとココアはナツとハッピーの言葉が分からなかった…

 

――――

 

レツ達はナツ達の言っていた場所は教会ではなくある1つの草や藁等で出来た1つの小さな家のようなものであった。

 

「ナツ、ここは一体?」

 

「ここは、俺が初めてリサーナと一緒にハッピーの卵を孵化させるために造った家なんだ…」

 

「あい、オイラは卵から出た後もここでナツやリサーナと遊んだりしてたんだ…」

 

「そう言うことですか。リサーナさんがナツ達と過ごした場所に眠っていると…」

 

レツやココアはナツ達の言葉に納得し、その家に手を合わせる。

そこには少しの間雨の音だけが鳴り続いていた。

 

――――

 

次の日、初めてナツはギルドに来なかった…

 

「よう、エルザ…」

 

「うん?レツか…ナツの調子はどうだった?」

 

エルザの質問にレツは首を横に振る。

 

「そうか…、仕方ない事だな、今回ばかりは…」

 

「だがどうにか立ち直らなきゃいけないからな…、(そうしなければ前には進めれないからな…)」

 

「さすがにミラも今日はギルドには来ていない…」

 

「そう言えばライトも来ていないな…」

 

レツ達は今日に限って声のトーンが1つ下がっていた。

 

――――

 

ここはリサーナの墓場…

 

「リサーナ…、すまない…、私のせいでお前は…!!」

 

ミラは昨日の事件以来ショックで魔力が枯渇していた。

その事に気付いたミラは魔力も無くなり妹を無くした自分をずっと責めていた。

 

「そんなところでいつまで泣いてんだ?ミラ…」

 

「ライト!…、何が悪い、私のせいでリサーナは死んだんだ!!」

 

「だから?」

 

「私が弱いせいで…エルフマンを止められず…リサーナは死んでしまったんだ…」

 

「それがどうした?」

 

「私の、私のせいでリサーナは死んだんだ!!」

 

「それがどうしたってんだ!!」

 

「っ!!」

 

「リサーナが死んだことは俺もすげぇ悲しい…、けどな!!いくらお前がリサーナの事で自分を責めていようともリサーナは戻ってこない!!それに…死んだリサーナの事で自分を責めていたら余計にリサーナを苦しめてしまう。 」

 

「けど…私はこれからどうすればいい?魔力は失い妹を失い、皆に合わせる顔がねぇよ…」

 

「魔力が無くても、リサーナがいなくても…俺がいる!!魔力が無いなら、ギルドの看板娘でもすればいい!!リサーナがいないなら、リサーナの分まで生きればいい!!いつまでもしょぼくれてんじゃねぇ!!」

 

「……、私に出来る…かな?」

 

「出来る!!」

 

ミラはライトの言葉に涙を流す。ミラの今までの溜まっていた感情が涙と共に消えていく。

 

「お前は一体誰だ?言ってみろ!!」

 

「私が…誰かって?…何を言ってるのかしら?私の名前はミラ、ミラジェーン・ストラウスよ!!」

 

これ以来ミラの口癖が荒々しくなくなり、穏やかになっていく。

 

――――

 

日が落ち、ギルドの屋根には、ラクサス、レツ、マカロフの3人がいた。

 

「じっちゃん、それにラクサス、ちょっと今日は飲むのに付き合ってくれねぇか?」

 

「俺は別にいいぜ…」

 

「わしも構わん…」

 

三人は夜空を見ながら酒を飲む。

 

「綺麗じゃのう~」

 

「あぁ、そうだな…」

 

「じっちゃん、実は話があるんだ…」

 

「どうした?改まって…」

 

レツの真剣な表情にさすがのマカロフも表情を固める。

 

「ちょっと前…闇ギルド、失われた化身《ロストモンスター》のメンバーに会った」

 

 

「何と!?」

 

「良く生きてたな…」

 

レツはギャージュ村での一件をマカロフとラクサスに話した。マカロフは驚き、ラクサスはレツ達が生きていたことに安堵する…

 

「実際にあいつらの魔力を肌で感じたから分かる…、男の方は分からねぇが女の方は魔力だけならじっちゃんと同じ…いや…正直分からねえぐらいだ…」

 

「なんじゃと!?」

 

「おいおい…洒落になってねぇぜ。ってことはあれか?少なくともジジイ並の奴が一人や二人いるって事か?」

 

「そう考えても可笑しくはないだろうな…、それに隣の男も実力は俺やラクサス以上だろうな…」

 

レツに告げられた事実にマカロフもラクサスも驚きの表情を隠せれないでいた。

闇ギルド、失われた化身の実力を改めて知ったマカロフとラクサスは言葉を失う。

 

「まぁ正直な所、力を付けなきゃ多分この先また奴等に出会ったら、今度は死ぬと思う…」

 

「それほどまでとは…」

 

「並の化物じゃねえな…」

 

この日夜空の中三人は、闇ギルドの恐ろしさを噛み締めることになってしまう。

 

―――――

 




作者「さぁさぁ!!今回のゲストは…シャウトさんでーす!!」

シャウト「ごきげんよう♪」

作者「いや~シャウトさん、今日は貴女の見た目を皆様に知ってもらうわけですが…も~う前もこの前も野郎ばっかで疲れましたよ~」

シャウト「あらあら、大丈夫ですか?」

作者「はい!!もう元気です!!シャウトさん貴女のイメージを説明するわけですが…えーと顔の見た目はフェアリーテイルのアニメオリジナルキャラのミッシェルちゃんに似てるとか?」

シャウト「そうですね~ミッシェルさんが髪の色黒くなったみたいなかんじですね~」

作者「…え?もう終わり?早くないもう少しシャウトさんと喋りた…」

シャウト「ごきげんよう~♪」


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潜入調査

 

 

リサーナの謎の死から一年が経ち、ギルドもようやく落ち着きを取り戻したある日、レツはいつものようにギルドの依頼を見ていた。

 

「……うーん、やっぱりS級の依頼はどれも面倒くさそうなのばっかだな…」

 

「どうしたんだレツ?」

 

レツの近くにエルザが寄ってくる。

 

「おぉ、エルザか…、実はどの依頼にしようか迷っていてな…」

 

「依頼?……そうだ!!マスターがお前を探していたぞ」

 

「俺を?」

 

「何でもお前に重要な頼みがあるとか…」

 

レツはマカロフからの頼みと聞かされて疑問に思いながらもマカロフの下へと向かっていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

第7話『潜入調査』

 

 

 

 

 

 

 

 

レツは一人でマカロフの下へと行くとそこにはラクサス、そして最近S級魔導師になったと言われるミストガンがいた。

その光景を見てレツはただ事ではないと分かり、表情を固める。

 

「S級魔導師が3人も同時収集とは、一体どういう事だ?ジジイ…」

 

「……、それには俺も少し気になります、マスターマカロフ…」

 

「……ラクサス、ミストガン、そしてレツ…、貴様らにあるギルドの潜入調査をしてもらう…」

 

「まさか…失われた化身!?」

 

「その通りじゃ…」

 

マカロフの言葉にラクサス、ミストガン、レツの三人は驚きの表情を隠せない。

 

「お主らにしか出来ない事じゃ…、本来ならばシャウトや、ギルダーツにも頼みたいところじゃが、あやつらはどちらも100年クエストに行っておる…」

 

「…まぁあいつらが居れば結構楽になるんだがな」

 

「明日の朝日が上る前にはここに来い、私が転送魔法で一気にギルドの近くまで飛ぶ…」

 

「サンキュー、ミストガン…」

 

「礼には及ばない…」

 

「では、頼んだぞ…」

 

マカロフはそう言うと三人に解散させる。

ミストガンとラクサスは、一度ギルドを出ていき、レツはいつものように仲間達と騒ぐことにする。その途中エルザだけがレツのいつもとは違う事に気付いていた。

 

 

 

――――

翌日、レツは家を出て行く途中エルザと出会ってしまう。

 

「こんな時間に何処に行くつもりだレツ?」

 

「 ただのランニングだよ、エルザ…」

 

「違う!!昨日のお前はマスターと話を終えてから、何かおかしかった!!本当はなんなのだ!?」

 

「……お前は俺の今から言うことをギルドの皆には言わねぇと約束するか?」

 

「約束する、だから教えてくれ!!」

 

レツはエルザの真っ直ぐな瞳に負け、エルザにマカロフ達との話を教えた。

 

「……と言うことなんだ」

 

「そ、そんな無茶な任務止めろ!!お前は、お前達はそんな事をする必要ないだろ!?」

 

エルザの言葉にレツは首を横に振る。それでもエルザはレツにその任務を辞退するよう説得を試みるが、レツはそれに応じない。

 

「何故だ、何故お前達がそんな思いをしなければいけない!?」

 

「……力の有るものがギルドの為に頑張るのは当然の事だろ?」

 

「なら、なら一つだけ約束しろ!!ちゃんとギルドに帰ってくるのだぞ…ぐすっ、絶対だぞ!!」

 

「…あぁ、絶対、約束だ」

 

エルザの涙の約束にレツは微笑みながら答える。

 

「レツ…、ちょっとこっち来い…」

 

「?…何だ…!?」

 

レツはエルザの言葉に不思議に思いながらもエルザの近くまで来るとエルザはレツの頬にキスをする。

 

「…っ!?」

 

「レツ…その、帰ってきたらお前に伝えたいことがあるから…だからほんとの本当に…帰ってくるのだぞ!!」

 

「分かったよ…、本当の約束だ。絶対に帰ってくる!!」

 

レツはエルザにそう言うと ギルドの下へと向かっていくのであった。エルザはレツの背中を見て何故か不安に思ってしまう。待って、と伝えようとした時にはレツの姿はもう無かった。

 

「ようやく来たかレツ」

 

「悪いなラクサス、ミストガン…始めてくれ」

 

「あぁ…、それとマスターマカロフからの伝言だ…『もしも敵と遭遇すればその時は直ぐに逃げろ!!』との事だ…」

 

「仕方ねぇ…今回は戦いじゃなくて調査だからな…」

 

「まぁ俺も死ぬわけにはいかねぇからな…(エルザの為にも)」

 

ラクサスとレツはミストガンの言葉に了解すると、ミストガンの転送魔法で一気に三人は闇ギルド失われた化身の下へと向かっていくのであった。

 

――――

 

ここは闇ギルド失われた化身の基地の近くの森。

 

「何とか転送は成功のようだな…」

 

「あぁ…」

 

「それにしても…ここからでも嫌な魔力が3つは感じるぜ…」

 

「二人とも…帰りはまた同じ場所だ、分かったか?」

 

ミストガンは二人の返事を聞き、三人は失われた化身のギルド内に潜入する。

 

「ここが闇ギルド失われた化身…!!」

 

「何か気味悪いな…」

 

「それにしても、あの男共がお前の言っていた奴等か?」

 

レツ達は入って直ぐにとてつもない魔力を感じてしまう。レツは首を縦に振る。三人は男達の会話を聞き、メンバーの名前と情報をミストガンは魔力を粒子化してマカロフに送っていく。

 

「それにしても…、そろそろ出てきたらどうだ?そこの魔法で隠れているもの!!」

 

男はそう言うとラクサス達に攻撃を仕掛ける。

ラクサス達は直ぐにその攻撃を避けるが、その後ろにあった木は破壊されてしまう。

 

「やはり 、ファルブブ様の仰っていた通りですね…」

 

「おぉ!?おいシバ!!お前の言っていた炎の魔法を使うやつはどいつだ?」

 

「あらあら、炎の魔法使いさんはあの長い髪の毛の方よ、ヨルズ…」

 

ファルブブ達はそう言うと誰と戦うかを決めていた。レツ達は今の内に逃げようとするがその時ファルブブ達は…

 

「心配しなくてもこのギルドには私達三人だけですわよ?」

 

「闇ギルドの言葉なんか信用できるかよ!!」

 

「しようがしまいが関係ない…お前達はここで死ぬのだから…」

 

「それはやってみなければ分からない…」

 

「俺らはここを三人で任されているからな!!」

 

「ちょうど良いじゃねえか?こいつら倒せばじっくり調べさせてもらうとしようぜ!!」

 

ファルブブはレツ達も三人、ファルブブ達も三人と言うことに気付き、笑みを浮かべる。

 

「どちらも三人ずつ居るわけだし、1つゲームをしましょう?」

 

ファルブブはそう言うとラクサスとヨルズ、ミストガンとファルブブ、レツとシバの三つの空間を作り出す。

 

「ここは一体?」

 

「ここは私が作った空間よ!どちらかが勝てばその空間は無くなるわ…」

 

ミストガンとファルブブは何もないただの広い野原に飛ばされていた。

 

一方こちらはラクサスとヨルズ…

 

「はぁ~、何で炎の奴じゃなくてこんな弱そうな奴何だよ…」

 

ヨルズは一人あくびをしながらラクサスを呆れながら見る。ラクサスとヨルズは雷が来そうな雲が上空にある空間に来ていた。

 

「俺も、お前みたいな弱そうな奴じゃなくてあの青い男の方がよかったぜ…」

 

二人の挑発で二人同時に殴りかかる。

 

「「誰が弱そうだとこの野郎!!」」

 

二人の拳はお互いの拳に触れ、大きな音が鳴り響く。

 

――――

 

レツとシバの方では、柱が何本もある、博物館のような空間にいた。

 

「炎の魔導師か、1つ忠告してやろう…」

 

「何だよ?」

 

「ファルブブ様と闘うことになったミストガンとか言う男…死ぬぞ」

 

「ミストガンをあんまり舐めんな、あいつは強いぜ!!」

 

「ミストガンがどういう男かは知らんが、あの程度の奴ではファルブブ様の足下にも及ばない…」

 

シバの言葉にレツは少し違和感を感じる…

 

「お前…随分優しいやつだな?」

 

「!!黙れ!!」

 

「敵の心配するとは結構お人好しじゃねえか?」

 

「……お前は俺を侮辱した事を存分に後悔させてやろう!! 確か人間共の間では倒す相手には名を名乗るのだったな…俺の名はシバ!!与えられた化身の力は…単純なる破壊の力だ!!」

 

「俺の名はレツ・ドラグニル!!妖精の尻尾《フェアリーテイル》の魔導師だ!!」

 

二人の拳が両方の顔を捉える。

 

――――

 

これは、この戦いの少し先の話…

 

「おぉ!!ラクサス!!帰って来たか…レツはどうした?」

 

マカロフの言葉にラクサスは唇を噛みしめ答える。

 

「レツは…、レツは死んじまった」

 

その言葉にギルドの皆の力が抜ける。そして口々に声を漏らす。

 

「そ、そんな、兄ちゃんが死ん…だ?」

 

「嘘だ!!あいつが、レツが死ぬわけねえ!!」

 

「そうだぞラクサス!!冗談はほどほどに…」

 

「本当に死んじまったんだよ!!レツは!!…レツは俺達の目の前で光になって消えちまったんだ…」

 

ラクサスの言葉にナツやグレイ、ライト達が黙りこむ。レツの死を聞いたエルザは大声をあげてしまう。

 

「いやあぁぁあぁぁ!!」

 

「エルザ!!落ち着いて!!」

 

ミラの言葉も今のエルザには聞こえず、エルザはただ地面に崩れ落ちながら泣き叫ぶ。

 






今回は少しだけ後の話を混ぜてしまいました!!最近感想が無いので良いのか悪いのか分かりません…感想がほしい…。


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火竜VS破壊神

エルザは今ギルドでマカロフと二人で二階の部屋でレツ達の事で話をしていた…

 

「マスター…何故私はレツ達と一緒に呼ばれなかったのですか?」

 

「……、(レツめ、エルザにだけ教えよったな…、ここは正直に話すとしよう…) エルザ…お前を呼ばなかったのは力が足りなかったからじゃ…」

 

「そんな…」

 

エルザはマカロフに厳しい現実を突きつけられ、言葉を失う。マカロフも、本当に心を痛めるが、こればかりは仕方の無いことである…

実際エルザはS級魔導師になったとはいえ、強さは下の方だからである。

 

「エルザ…、この事は本当は皆に秘密にするつもりじゃったが、仕方ない…エルザ!!この事を皆に伝えてくれ!!」

 

「ですが伝えたところで…」

 

エルザは今さらギルドの皆に伝えても、遅いということに気付いているため無駄だとマカロフに答える。

 

「違う…、皆にこの事を伝え、そして皆にはレツ達の帰還を待ってもらうのじゃ…、今のワシにはそれしか出来ん…」

 

「…分かりました」

 

エルザはそう言うと部屋を出ていきギルドの皆に伝えに行く。

マカロフは酒を飲みながら、唯ずっとレツ達の帰りを願うのであった…

 

 

 

 

 

 

第8話『火竜VS破壊神』

 

 

 

 

 

 

 

レツと、シバの二人は互いの攻撃を喰らいながら瞬きの暇を相手に与えないほど、次々と攻撃を仕掛ける。

 

「これでも喰ってろ!!火竜の咆哮!!」

 

「その者の全てを破壊せよ!!破壊神の息吹!!」

 

レツの炎のブレスとシバの黒いブレスがぶつかり爆破が起きる。

それでも二人は攻撃を止めない。

 

「うおぉぉぉ!!」

 

「はあぁぁぁ!!」

 

二人は互いを殴り合う。レツもシバも避けようとはしない。だが、その均衡が破れる。

 

「破壊神の神撃!!」

 

シバの黒いオーラを纏ったパンチをレツはまともに喰らい、後ろに吹き飛ぶ。

レツは直ぐに起き、立ち上がる。

 

「へ!!効かねぇ…ゴフッ!!」

 

「無理をするな…破壊神の一撃はその者の全てを破壊する…外傷だけではなく内側まで全てにその威力が届くのだ…、それに比べてこちらは少し内部に届く程度のただの炎、貴様では俺には勝て…ガハッ!!…!?」

 

シバは先程のレツ同様血を口から吐き出す。レツはその光景を見て口元を三日月型に吊り上げる。

 

「ただの炎?寝惚けてんのかてめぇは?こちとら、竜迎撃用の炎だぞ…、そこらの只の炎と一緒にすんな!!……、探り合いはもう充分だ…本気で来いよ!!破壊神シバ!!」

 

「……良かろう、貴様には俺の真の姿を見せてやる…、化身の覚醒《モンスターウェイク》!!」

 

すると、シバの周りから魔力により砂煙が起きる…。レツはその砂煙を腕で顔を覆い足に力を入れて踏ん張る。砂煙が晴れるとそこには背中から六本の腕が生え、その六本の手には全て黒いオーラを収縮した小さな黒い球体が手に浮いていた。

 

「何だよ……そりゃ?」

 

「化身の覚醒《モンスターウェイク》、俺達、化身には元の姿がある…そしてこれが俺の真の姿、これこそが破壊神シバである俺の本当の姿…」

 

「(姿だけじゃねぇ!!魔力の質も変わってやがる!!)」

 

「集中しろ…、そして感覚を研ぎ澄ませろ…」

 

シバの言葉にレツは集中し、感覚を研ぎ澄ませる…。だが、次の瞬間レツに向かって六つの黒い球体から黒いレーザーのようなものが放たれる。

 

「……!!、くそ!!」

 

「上に避けたか…だが無駄だ!!」

 

レツが空中に飛んだのとほぼ同じ瞬間にシバはレツの下へと近付く。

 

「八つの破壊神の拳は全てを無にする…」

 

「しまった!?」

 

「砕け散れ…」

 

シバの黒きオーラを纏った八つの拳がレツの体に連続で叩き込まれる。

そしてレツは地面へと落下する。

 

「どうだ…、これが人間と化身の違いだ…!!」

 

「へっ…へへ…、効かねぇ…なぁ」

 

レツは身体中青アザで血が頭から流れ出ていたがまだレツは立ち上がり、そしてレツは攻撃の構えをとる。

 

「無駄だと言っているのが分からないのか!!」

 

「ゴフッ!!」

 

シバはレツに連続で攻撃を更に与える。レツはそれを喰らい、吹き飛ぶが、また立ち上がる。その光景にさすがのシバも恐怖する…

 

「な、何故そこまで戦う事を止めない…」

 

「仲間を、仲間を…助け…るため…だ」

 

「仲間だと?」

 

「あぁ、俺は仲間を助け無きゃいけねぇ…もう後悔すんのは嫌だから、仲間が無くなる所なんてもう見たくねぇから…」

 

レツはリサーナが死んだときのギルドの皆の顔を思い出す。そこには悲しむものの顔しか無かった。

 

「だから…だからお前に勝ってラクサスやミストガンを助けに行かなきゃならねぇんだ!!お前一人に、お前一人に手こずるわけにはいかねぇんだよ!!シバ!!」

 

「何!?」

 

レツはそう言うとシバに火竜の鉄拳を喰らわせる。だがその時シバは気付く…レツの魔力が増大していることに…

 

「おおぉぉぉ!!」

 

「(くっ!!この俺が圧されているだと!?)」

 

レツの猛攻にシバは攻撃をする暇がない。レツは更に攻撃を仕掛ける。

 

「火竜の!!翼撃!!劍角!!砕牙!!」

 

レツの炎の連続攻撃にシバもダメージを受ける。シバもさすがに足に攻撃のダメージがくる。

 

「これで止めだ!!滅竜奥義!!紅蓮爆炎刃!!」

 

「ぐあぁぁぁ!!」

 

レツの渾身の一撃を喰らいシバは倒れたかとレツは思い、勝利の笑みを浮かべる。

 

「今のはさすがに危なかったぞ…」

 

「な、何で生きて!?」

 

「まだファルブブ様にしか見せていない、俺だけが出来る化身のもう1つの形態、化身の進化《モンスターエボルブ》…俺のもう1つの形態だ…」

 

「(魔力の桁が違う…!!)」

 

シバの体は全身が黒くなり背中の腕が無くなっている替わりに魔力がとてつもなく上昇していた…。

 

「楽しませてくれた礼だ…todas.ser.imperative、破邪の息吹!!」

 

「(かわしきれねぇ!!)」

 

シバの黒きブレスがレツを呑み込み、レツは体が自然に倒れそうになってしまう。それを見てシバは驚く。

 

「あの技を喰らってまだ五体満足とは…だが、これで終わりだ…レツ・ドラグニル…貴様の名は生涯忘れないでおこう…今度は全力でいく!!破邪の息吹!!」

 

薄れゆく意識の中、レツはエルザとの約束を思い出す。

 

『絶対に生きて帰ってくるのだぞ!!』

 

『あぁ、約束だ…』

 

「……(そうさ、絶対に生きて帰るんだ!!皆の所に!!一か八か…これに賭けてみるしかねぇ!!)」

 

シバの黒きブレスがレツを呑み込みシバは勝利を確信する。だが、その時…1つの音が聞こえ、1つの人影が見える。それはシバのブレスの中、そのシバのオーラで出来たブレスを食らうレツであった。

 

「まさか…食ったのか!?俺のブレスを!?」

 

「……ごちそう…さま、……魔力が戻っていく、傷も塞いで…!!」

 

「まさか俺の破壊の力が吸収されて…!!、炎と破壊神の力の融合…」

 

その姿は炎の中に黒きオーラを纏ったレツ…『黒炎竜』の力をもつレツであった

 




……主人公のレツが二つの属性を持っちゃったよ!!…アニメ風に言うならば!!次回!!『黒炎竜』って事で次回もよろしくね!!
それと感想もよろしくお願いします!!

炎壊竜を、黒炎竜に編集し直しました!!すいません!!


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黒炎竜

「ごちそう…さま、魔力が戻っていく…傷も塞がって…これならいける!!」

 

「ま、まさかこの俺のオーラを人間が食べたというのか!?」

 

レツはシバの渾身のブレスを食らうことにより炎と破壊神の融合、『黒炎竜』となったのだ…

 

その魔力の異変は空間を通してラクサスやミストガンにも伝わる。

「何だ?この魔力は!!」

 

「へ!あの魔力…レツの野郎何かしやがったな…」

 

「この魔力はレツ…、しかし何かが違う…」

 

「まさか、シバの力を取り込んだ!?」

 

空間を通してヨルズとラクサス、そしてミストガンとファルブブがレツの異変に気付く。

 

 

 

 

 

 

 

第9話『黒炎竜』

 

 

 

 

 

 

 

「炎と破壊神の力の融合…『黒炎竜』だと?」

 

「すげぇ…、いつもの力の何倍にも膨れ上がってやがる!!…これならいける!!」

 

シバは驚いていた…レツに自分の魔力を取り込まれたこともそうだが、それよりも今のレツの魔力は最初出会ったときの2倍にも3倍にも膨れ上がっていることに…

 

「驚きはしたが、貴様を倒すことに変わりはない!!もう一度貴様をこの技で倒してやろう!!破邪の息吹!!」

 

「もうその技は効かねぇよ!!」

 

レツはシバのブレスを片手で破壊する。シバはそれに少しばかり恐怖する。

 

「おぉぉぉ!!」

 

「くっ!!(くそ、こちらが今は圧倒的に不利だ!!)」

 

レツはシバを完全に圧倒していた…。シバはこの状況を打破しようと渾身の大技をレツにぶつけようとする。

 

「喰らえ!!破壊神の鉄槌!!」

 

レツの上空からとてつもない大きさの黒きオーラを凝縮した球体がレツの下へと落ちていく。

 

「終わりだ!!」

 

「この戦いを終わらせるぜシバ!!黒炎竜の―咆哮!!」

 

レツの黒い炎はシバの技を焼きそして壊れていった。

 

「く、くそおぉぉ!!」

 

「黒炎竜の撃鉄!!」

 

レツはシバを黒き炎で纏った拳で殴り飛ばしたのであった。その影響でシバの意識が落ち、そしてレツとシバは空間から抜け出す。

 

「……何故、止めを刺さない?」

 

「妖精の尻尾は相手の命までは奪わない…、例え相手が闇ギルドであってもな。それにお前は本当は良い奴っぽいし!!」

 

「ふっ…敵わないな貴様には…」

 

レツの笑顔に思わずシバも笑みを表す。シバは心の中でこのような人間なら分かり合えるかも知れないとシバは思うのであった。

 

一方こちらはラクサスとヨルズの空間…

 

「おらぁぁ!!」

 

「だらぁぁ!!」

 

ラクサスとヨルズは二人とも唯単純に雷を拳に纏い殴り合いをしていた。二人の顔は青アザだらけで出血もしていた。

 

「そう言えばお前…名前はなんだ?」

 

「あぁ?俺はヨルズだよ!!」

 

「俺はラクサスだ!!」

 

「へ、ならラクサスよぉ、てめえにこの雷を受け止められるか?」

 

「やってみろよ…」

 

「雷獣!!」

 

ラクサスの場所へと一匹の雷の獣をヨルズは放出する。だがそれをラクサスは食べてしまう。

 

「中々旨い雷だな…」

 

「……は?」

 

「1つ忠告してやる…俺はギルドの仲間には隠してるが、一応雷の滅竜魔導師だから雷は効かねえぜ…」

 

その言葉にヨルズは驚くしかなかった。自分の雷が通じないのであればラクサスに勝てる要素がない…ヨルズは最悪の組み合わせであることに気付いてしまう。

 

「悪いが仲間が待ってるんだ、てめえを倒させてもらうぜ!!」

「な、舐めるな!!化身の覚醒《モンスターウェイク》!!」

 

すると、ヨルズは雷の球体を背中に八つ 浮かせながら登場する。

 

「俺の最強の雷を食えるもんなら食ってみろ!!雷獣神の暴雷!!」

 

「無駄なんだかな…」

 

ヨルズの雷と空の雷が混ざり合い、とてつもない量の電撃がラクサスを襲うが…、先程のラクサスが言った通り、ヨルズの雷はラクサスには効かず平然とラクサスは立っている。

 

「今度は俺の番だな…滅竜奥義!!鳴御雷!!」

 

「ぐあぁぁぁ!!」

 

ラクサスの雷を纏った拳と共に雷の電撃を放ち、それをヨルズにぶつける。

すると、空間は消え、レツと出会う。

 

「…うん?ラクサスお前あんまし魔力減ってねぇじゃねえか!?」

 

「これが俺の実力さ、レツとは違ってな…」

 

ラクサスの言葉が引き金なのかラクサスと喧嘩を始めるレツ…。その光景を見てシバとヨルズは互いの顔を見て微笑む。

 

「俺たちもあんな風になれるか?シバ…」

 

「さぁな…、だが闇ギルドを辞めることは出来る、彼奴に教えてもらったからな」

 

ヨルズ達は一からやり直そうとおもったのであった…

ラクサスとレツはミストガンの事を思い出し、直ぐにミストガンを探そうとする、だがその時…ミストガンが現れるのであった…ただし、深傷を負って…。

 

「「ミストガン!!」」

 

ラクサスとレツは直ぐにミストガンの所へと向かい、安否を確かめる。

 

「あらあら、残りの妖精の皆さんは勝たれたようね…」

 

「…ファルブブ様!!1つお話が…」

 

「ファルブブ、俺とシバは闇ギルドを抜け…」

 

シバとヨルズは、レツとラクサスの戦いに破れ改心した二人であったが、その二人の心臓をファルブブは容赦なく貫く。

 

「シバ!!」

 

「レツ…ドラグニル、ゲホッ!!…俺は少しは変わ…ったか?」

 

「あぁ!!…だからもう喋るな!!…何で、やっと分かり合えるかも知れないと思ったのに!!」

 

「俺達の命は…もう…短い、だからせめて、お前に俺のすべての力を…」

 

シバは残った魔力をレツに全て渡し、息を引き取った。

ヨルズもラクサスに魔力を渡し、シバと共に息を引き取る。

 

「レツ…ラクサス、今すぐ逃げろ…奴は強すぎる…」

 

ミストガンは深傷を負いながらもレツとラクサスの二人に語りかけるが二人は断るのであった。

 

「仲間じゃ、仲間じゃ無かったのかよ!!」

 

「仲間?あぁ、彼等の事ね、彼等は本当に私にとって良い玩具だったわ…」

 

「さすがの俺もあんな光景見せられて黙ってられるほど人間出来ちゃいねぇんだよ!!」

 

「貴方達に何が出来るの?」

 

「確かに…今の俺達じゃあ、お前を倒すことは出来ねぇ…」

 

レツの言葉にファルブブは疑問に思い、ラクサスにミストガンを連れて逃げるようレツはラクサスに答える。

 

「ふざけんな!!お前一人を置いて、ギルドに帰るわけに行くか!!」

 

「状況を弁えろラクサス!!」

 

「っ!!」

 

「ミストガンの言う通り逃げた方が良い…だがあいつ相手に逃げることは不可能だ!!だから俺が足止めをする!!」

 

いつも以上に真剣な顔のレツを見てラクサスは悔しそうにしながらミストガンを抱える。

 

「…俺らは先にあそこに行くから、レツもちゃんと来いよ!!」

 

「あぁ!!…行け、ラクサス!!」

 

「誰一人逃がさないわよ!!」

 

「火竜の鉄拳!!」

 

「くっ!?」

 

レツの攻撃を喰らったファルブブは後ろへと吹き飛ぶ。それと同時にラクサスは行く。

 

「調子に乗りすぎよ、レツ・ドラグニル!!」

 

「ちっ!!(ダメージすらねぇのかよ!!)」

 

「貴方には最高の痛みをくれてあげるわ!!」

 

「そいつは嫌だね!!」

 

ファルブブはレツに向かって白い光線を放つ。それをまともに喰らったレツは吹き飛ぶ。

それでもレツは立ち上がる。

 

「はぁはぁ!!(一か八かやるしかねぇ!!)モード黒炎竜!!」

 

「それが先程の…」

 

「ごちゃごちゃ言ってる暇は無いんでね!!渾身の…黒炎竜の咆哮!!」

 

「くっ!!」

 

レツはブレスをファルブブに放つと直ぐに退散し、ラクサスの所へと向かった。

 

「……まぁ良いわ、どうせ今からレツ・ドラグニルを追っても追い付けないし、それに彼はもう…さようなら一人の妖精さん♪」

 

ファルブブはそう言うとギルドの地下へと進むのであった…

 

「…レツ!!来たか…!?」

 

「よ、よう~ラクサス…俺ちょっとミスっちまった…」

 

「待ってろ!!今すぐ転送魔法で飛ぶ!!だから堪えろ!!」

 

レツは先程のファルブブの謎の白い光線をまともに喰らい、体がボロボロになっていた。

 

「……あれ?ラクサス…俺、何か力が入らねぇや…」

 

「何を言って…はっ!?レツ!!体が消えて!!」

 

「悪いがラクサス…俺はどうやらここまでみたいだ…エルザにごめんって言っといてくれラクサス…」

 

「何言ってんだレツ!!お前がいなくなったら俺のライバルはいねえじゃねえか!!勝手に消えようとすんじゃねぇ!!」

 

ラクサスの言葉も虚しく、レツの体は消えてしまったのであった。

 

「レツゥゥゥ!!」

 

ラクサスの雄叫びと共に転送魔法により、ギルドへと帰還するラクサス達であった…




遂に話が大分原作に近付いてきました!!


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悲しみを乗り越えて

ラクサスとミストガンは転送魔法により、無事ギルドに帰還する事に成功する。…レツ・ドラグニルという男を犠牲に…。

ミストガンは気が付くとギルドの仲間に素性がバレるのが嫌なのか体を煙にして何処かへと消える。

 

ラクサスは一人ギルドの二階の部屋から出てくると、そこにはマカロフを含む仲間たちがいた。

 

「おぉ!!ラクサス!!帰ってきたか…、レツはどうした?」

 

「レツは…死んじまった…」

 

ラクサスはギルドの皆から目を背けながら答え、ギルドの皆は言葉を失う。そして間を置いて口々に声を出す。

 

「そんな、兄ちゃんが…死ん…だ?」

 

「嘘だ!!あいつが…、レツが死ぬわけねぇ!!」

 

「そうだぞラクサス!!冗談は程々に…」

 

「本当に死んじまったんだよ!!…あいつは俺の目の前で…、体が発光しながら…、形見の1つもなくして消えちまったんだよ…」

 

ラクサスの初めての涙にナツやグレイ、ライト達は言葉を失う。

エルザはレツの死を聞き床に手を付けて涙を流す。

 

「いやあぁぁあぁぁ!!」

 

「エルザ!!落ち着いて!!」

 

エルザはミラの言葉も聞こえず唯泣くことしか出来なかった。

 

 

 

 

 

第10話『悲しみを乗り越えて』

 

 

 

 

 

レツの死から数時間程経った今ナツ達は教会の墓場にいた。

そこには涙を流すもの、悔しくて拳を握るもの…。そしてマカロフはレツの墓場に向かって声を出す。

 

「彼…、レツ・ドラグニルは神に愛され、神を愛し…、そして我々友人を誰よりも愛しておった。その心は悠久なる空よりも広く、その炎は愛する者の為に誰よりも燃え、愛する者のために燃えるその姿は、気炎万丈の如く燃ゆる炎だった…。愛は人を強くする…、そして人を弱くするのも愛である。…ワシは…、」

 

マカロフの言葉に皆は涙を流す。

 

「彼を…、レツ・ドラグニルを本当の家族のように…、彼が…安らかなことを祈る。」

 

マカロフはレツの墓場でそう言い終えると、オーグを中心に評議院の面々がレツの墓場に寄ってくる。

 

「我々、魔法評議会は満場一致で、空位二席の一つをこの者に永久的に授与する事を決定した。…レツ・ドラグニルに聖十大魔道の称号を与える…」

 

オーグの言葉にナツは声を荒げる。

 

「……、何が、何が聖十大魔道の称号だ!!じっちゃんから聞いたぞ!!お前らが…、お前らが兄ちゃん達に無茶な任務を押し付けたんだろ!!…お前らの…、お前らのせいで兄ちゃんは…」

 

「それに関しては本当に申し訳ないと思っている…」

 

「返せ…返せよ…俺達の…兄ちゃんを…帰して…くれよ」

 

「ナツ…」

 

ナツはオーグの胸元を叩きながら泣き崩れる。それをグレイは唯唯見つめる。…今回の任務は評議会から出された任務でもあったのだ。だからこそナツはオーグ達、評議会を許さなかった。

オーグ達はナツ達にそう伝えると何処かへ去ってしまった。

 

――――

 

ギルドの皆がレツの墓場へと向かっている中、ラクサスは一人ギルドの酒場にいた。

 

「(何故だ…、何故あのレツが死ななきゃならねえんだ!!俺の…、俺の力が足りなかったから守れなかった。……、何が心だ…何が愛だ…、本当に家族を守りたければ力が必要じゃねぇか!!……変えてやる、このギルドをこの俺が力のある、最強のギルドに変えてやる!!)」

 

ラクサスはこれ以来昔のラクサスとは別人のように変わる。

 

――――

 

ナツは一人レツの家にいた。

 

「そういえば…いつも兄ちゃんの家に入って遊んでたな…。兄ちゃんの机に何か置いてある…」

 

ナツはレツの家の部屋の机に二通の手紙と二つの小さな袋を見つける。

 

「これは!?」

 

ナツが手紙を見るとそこにはナツとエルザの二通の手紙が置いていた。ナツは自分への手紙を見ることにした。

 

『ナツへ…もしこの手紙を読んでいることになってるって事は多分俺はこの世には居ないと思う。だが悲しむことはねえ…、俺達の兄弟の絆は死んでも断ち切る事は出来ないんだからよ。それとフレイヤにはココアの相棒になってくれるよう頼んどいてくれ。最後に1つ…、これから先どんなに悲しい出来事があっても立ち止まったら駄目だぜ。…まぁ心配は無いか…、何たってお前は…』

 

レツの次の文章に涙を流しながら笑みを浮かべる。

 

『お前は…、俺の自慢の弟だからな…』

 

「あぁ!!」

 

ナツはそう一人で答えると二つの袋と一通の手紙を持って雨の中エルザのところへ向かう。

 

――――

 

ギルドには重い空気しか無かった。ギルドの中心でもありギルドの皆の憧れでもあったレツの死には誰一人受け入れることは出来なかったからだ。

 

「(レツ…何故お前が死んだのだ?)」

 

エルザはずっと酒場で座っていた。皆も放心状態になっていた。そして誰もが、この状態をどうにかしてくれと願っていた。その時ナツがギルドの扉を開ける。

 

「エルザーーー!!兄ちゃんの手紙と兄ちゃんからのプレゼントだ!!」

 

「ナツ!?」

 

ナツの大きないつものナツの大きな声に皆がハッとする。エルザの下へ向かったナツはエルザに手紙と袋を渡す。

 

「エルザへの手紙は俺も見てねぇから早く見てくれよエルザ!!」

 

「あ、あぁ!!」

 

レツの最後の手紙と聞いてギルドの皆も近寄りながら見ようとする。

 

「では、開くぞ…」

 

『エルザへ…ナツ同様これを読んでいることは多分俺はこの世には居ないと思う…、まぁお前なら大丈夫だと思うし多少の心配しかない…ギルドの皆の事はお前が見てやってくれよ。お前になら出来る、それと…お前にはプレゼントが1つ…、』

 

エルザは手紙を読んでいる途中、ミラが大声を上げる。

 

「これって何!?」

 

「…これは!?…昔、レツとの仕事の帰りに欲しいと思っていた…」

 

『中には一応銀のイヤリングが入ってるはず…。それともう1つは俺のブレスレット…大事な物だからフレイヤとココアに渡しといてくれ。…それと…』

 

エルザは最後の一文を読むと倒れてしまった…。顔を赤くしながら…

ギルドの皆はレツの手紙の最後の一文を皆は読むことにした。

 

『それと最後に…これは皆には内緒でお前にだけ伝える。俺は、エルザ…お前の事を家族として、そして一人の女として大好きだったぜ…』

 

皆はその一文を読み大声を上げる。

 

『な、なんだってー!!』

 

「兄ちゃん!?」

 

「嘘だろ!?」

 

「まさか、レツがエルザの事を好きだったなんて…」

 

ナツ、グレイ、ライトはあまりの事に驚くが三人はそれよりもエルザを無理やり起こしてその返事を聞き出す。

 

「私も…そのレ、レツの事は一人の男としてす、好きだと思っている……」

エルザは顔を赤くしながらそう答え、ギルドの皆の心は1つになる。

 

『ほ、本当に…どぅえきてるぅ~…』

 

巻き舌風に言葉を言ってしまう。

 

「何て言うか…本当に兄ちゃんは、最後の最後まで兄ちゃんだよな…」

 

「あぁ…」

 

「まあそれが俺達の知ってる…」

 

『レツ・ドラグニル!!』

 

ギルドの皆はレツの名前を言うと吹っ切れたように騒ぎだす。

 

「皆の者!!今日はレツの別れという悲しい出来事を乗り越えていく為にも…、そしてレツの為にも!!今回は無理矢理でも騒ぐぞ!!」

 

『おぉーー!!』

 

マカロフの言葉に皆は宴を始める。今日という悲しみを乗り越えて…




ふー!!これで一応は終わりましたね…次回からは原作突入する訳ですが…実際作者は原作を知らないので話の展開はアニメを下に作りたいと思います!!本当はオリジナルストーリーを作ろうと思っていたのですが…すいません!!


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X784プロローグ編
妖精の尻尾


ここはハルジオンの街の駅…

 

「あ…あの……、お客様方…大丈夫ですか?」

 

一人の駅員が列車の中にいた客に焦りながら体調の安全を確認を聞こうとするが…

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

「もう…、限界…うぷっ!!」

 

その客というのはナツとフレイヤであった。二人は乗り物酔いが激しい為に、もうすでに限界であった…

 

「あい!!いつもの事なので」

 

「毎回…、疲れますね…」

 

そう言いながら二人の体調に返事をするのは青い猫ハッピーとブラウンの猫ココアであった…

 

「無理…もう二度と列車には…乗らん…うぷっ」

 

「全く…です…」

 

「情報が確かなら、この町に火竜《サラマンダー》がいるハズだよ。いこ」

 

「二人とも…酔うのは勝手ですが早く来ないと列車が発車しますよ?」

 

「「ちょっと…休ませて…」」

 

二人は声を揃えながら休みを取ろうとするがハッピーとココアはそれを聞き流しながら列車から降りてしまった。

 

「…あ」

 

「出発しましたね…」

 

「「た~す~け~て~!!」」

 

ハッピーとココアは列車を降りていたが、ナツとフレイヤは列車にもう一度乗る事になってしまった。

 

 

 

 

第11話『妖精の尻尾』

 

 

 

ここはハルジオンの街の唯一の魔法屋。そこにはある金髪の女性が一人いた。

 

「えーーっ!?この街って魔法屋一軒しかないの?」

 

「ええ……、もともとこの街は漁業が盛んな街ですからね。街の者も魔法を使えるのは一割もいませんで…、この店も旅の魔導師専門ですわ」

 

「あーあ、無駄足だったかしらねぇ」

 

「まぁまぁ、そう言わずに見てって下さいな…」

 

店員はそう言うと色々と品物を女性に見せるが全く興味が無いようで女性は店の物を色々と見ることにした。

 

「あたしは門《ゲート》の強力な鍵を探しているの…」

 

「門の鍵かぁ、珍しいねぇ…」

 

「あ♪白い子犬《ホワイトギー》!!」

 

「そんなの全然強力じゃないよ…」

 

店員の言葉を無視しながら女性はそれを買う…だが、女性は普通にはかわず値引きをしてみる。

 

「いくら?」

 

「2万J」

 

「……、お・い・く・ら・か・し・ら?」

 

「だから、2万J」

 

店員は値引きを聞かずそれに女性は色仕掛けを試みる。

 

「本当はおいくらかしら?素敵なおじさま?」

 

――――

 

店を出るとその女性…、ルーシィはたったの1000Jしかまけてくれなかった事にイラつき近くの看板を蹴る。

 

「私の色気はたったの1000Jかー!!…!」

 

街の女性達の騒ぎにルーシィも少し気になってしまう。

 

「?なにかしら…」

 

「この街に有名な魔導師様が来ているんですってー!!」

 

「火竜様よー!!」

 

「火竜!?あの店じゃ買えない炎の魔導師!!」

 

街の女性達の騒ぎを聞いてルーシィもその人混みへと向かうのであった…

 

――――

 

ナツとフレイヤはやっとの思いで列車から降りることができ、今はふらふらしながらも火竜《サラマンダー》と呼ばれる場所まで何とか行こうとする…

 

「列車には二回も乗っちまうし…」

 

「ナツ、乗り物弱いもんね」

 

「お腹もすいてきましたし…」

 

「私達、今お金がありませんからね…」

 

四人は今の現状に少しため息を吐きながらナツはハッピーに問う。

 

「なぁハッピー…火竜ってイグニールの事だよな?」

 

「あい、火の竜なんてイグニールしか思い浮かばないよ…」

 

「僕も一度会ってみたいなナツさんのお父さん…」

 

三人の期待の目にココアはため息をつく。ナツは人混みの声を聞き気持ちを昂らせる。

 

「ほら!!ハッピー、噂をすればなんとやらだ!!行くぞ!!ハッピー!!フレイヤ!!ココア!!」

 

「あい!!」

 

「はい!!行きましょう!!」

 

「しょうがないですね…」

 

――――

 

『きゃー!!」

 

人混みの中心にいるのは炎の魔導師…火竜《サラマンダー》と名乗る男であった。

 

「(な…な…な…、何このドキドキは!?ちょ、ちょっとどうしちゃったのよあたし!!)」

 

「ははっ…参ったな、これじゃ歩けないよ…」

 

男はそう言いながらルーシィを一目チラッと見る。

 

「(はぅぅ!!…有名な魔導師だから?だからこんなにドキドキするの!?)」

 

ルーシィは謎の心の高鳴りを抑えることが出来ず思考を巡らせる…。その途中、ナツ達が人混みをどかして火竜と名乗る男の場所まで行く。

 

「イグニール!!イグニール!!」

 

「あともう少しですナツさん!!」

 

「(これってもしかしてあたし…!!)」

 

「イグニール!!」

 

ナツの大きな言葉に目が覚めたかのようにルーシィはハッとする…。そしてナツとフレイヤは火竜と言う男を見て、頭にはてなマークを浮かべながら…

 

「誰だお前?」

 

「あなたは一体誰ですか?」

 

「火竜《サラマンダー》…と言えば分かるかね?…はやっ!?」

二人は別人だと理解したあとがっかりしながら何処かへ去ろうとする。だがそれを周りの女性達は許さず火竜のところまで引きずってくる。

 

「ちょっとアンタ達失礼じゃない?」

 

「そうよ!!火竜様は凄い魔導師なのよ!?」

 

「謝りなさい!!」

 

「お?お…お?」

 

「え、な…何ですか?」

 

あまりの女性達のいきなりの行動にナツとフレイヤは驚いてしまう。

 

「まあまあ、その辺にしておきたまえ…彼達とて悪気があった訳じゃない…」

 

「やっさしい~!!」

 

「あ~ん!!」

 

火竜は女性達にカッコつけながらそう言うがルーシィは一人火竜を睨み付けていた。

 

「僕のサインだ…友達に自慢するといい」

 

「いらん…」

 

「そんな物いりません…」

 

二人は即答すると女性達に袋叩きにされてしまう。

 

「君たちの熱い歓迎には感謝するけど…僕はこれから港で大事な用があるんだ…失礼するよ」

 

そう言うと男は指を鳴らして炎を出し、空へと飛ぶ。

 

「夜は船でパーティーをするよ!皆参加してくれるよね?」

 

「何だったんだあいつは?」

 

「分かりません…」

 

「本当!!いけすかないわよね」

 

ナツとフレイヤは後ろの声に振り向くとそこには先程のルーシィが立っていた。

「さっきはありがとね!!」

 

「?」

 

――――

 

ナツ達は先程のルーシィにご飯を奢って貰っていた。

 

「あんふぁいいひほふぁがぁ!!」

 

「うんうん」

 

「ほんほでふね、あひがほうほはいはふ!!」

 

「…ナツ、ハッピー、それにフレイヤまで…落ち着いて食べなさい…」

 

「ナツとハッピー、それにフレイヤとココアだっけ?貴方達分かったからもう少しゆっくり食べたら…なんか飛んできてるし…(てゆうか、お色気代パーだわ…)」

 

ナツとハッピーとフレイヤは久しぶりの食事にとてつもない早さで皿の料理が無くなっていく。ココアはため息をつき、ルーシィは若干引いていた。

 

「すいません…ルーシィさん、このハンカチ使ってください…」

 

「あ、これはどうも…」

 

何故かルーシィはココアのハンカチを貸してもらい猫なのに何故か敬語を使ってしまった。

 

「あの火竜って男、魅了《チャーム》って魔法使っていたの…この魔法は人々の心を術者に引き寄せる魔法なのね。何年か前に発売禁止された筈なんだけど…そこまでもてたいなんてやらしい男よね?」

「ほっとけばいいんですよ…そんな男」

 

「まぁそうなんだけどね…、何にせよあたしはアンタ達が来てくれたお陰で魅了から解けたわけ…、あたしこー見えても魔導師なんだ!!」

 

「ほふぉ!!」

 

「ふごいへふね!!」

 

ナツとフレイヤはルーシィの話を適当に流していた…今は目の前の食事に集中して…

 

「まだギルドには入っていないけどね。…あ!!ギルドっていうのはね、魔導師達の集まる組合で魔導師達に仕事や情報を仲介してくれる所なの!!魔導師ってギルドで働かないと一人前と言えないものなの!!」

 

「いあ…」

 

「ひがひ…」

 

ナツとフレイヤは何か言おうとしたがルーシィはお構い無しにどんどん喋る。

 

「でもねでもね!!あたしの入りたいトコはね、もうスッゴい魔導師がたくさん集まるところで、あぁ……どーしよ、入りたけど厳しいんだろーな……。あっ!!ごめんね~魔導師の話なんて分かんないわよね~」

 

「いあ…」

 

「でも絶対入るんだそこのギルド…あそこならたくさん大きな仕事もらえそうだもん…」

 

「ほぉか…」

 

「よく喋るね…」

 

「ははは…」

 

「ちょっと引くわ…」

 

ルーシィの話の長さに四人は少し引いていた。

 

「そういえばあんたたち誰か探してたみたいだけど…」

 

「あい、イグニール」

 

「てっきり火竜がこの街に来るって聞いたから来てみたものの…別人だったな…」

 

「火竜って見た目じゃなかったもんね?」

 

「僕もてっきりイグニールさんかと思いました…」

 

「見た目が火竜って……人としてどうなのよ?」

 

ルーシィの言葉にナツやハッピー、フレイヤ達まで首を横に傾げナツは答える。

 

「ん?人間じゃねえぞ。イグニールは本物のドラゴンだ」

 

「……!!」

 

ナツの言葉にルーシィは驚く。そしてすぐにナツにツッコミをいれる。

 

「そんなの街中にいるハズないでしょーー!!」

 

ルーシィの言葉にナツとハッピーとフレイヤはハッと気付く。

 

「オイイ!!今気付いたみたいな顔すんなー!!」

 

ルーシィは大声を出した後、お金を置く。

 

「私はそろそろ行くけど…アンタ達はゆっくり食べなさいよね?」

 

ルーシィの心の広さにナツ達は涙を流しながら土下座をしながら感謝する。

 

「ごちそうさまでした!!」

 

「したー!!」

 

「ありがとうございます!!」

 

「全くです!!」

 

「きゃー!!やめて!!恥ずかしいから!!ほら…お互い助け合ったから…おあいこでね?」

 

「あまり助けていない所が…」

 

「あい…なんとも…」

 

「歯痒い…ですよね…」

 

「これが人の理想像ですね…」

 

そう言ってナツ達は口々と言葉を交わす。それでもナツとフレイヤは歯痒いのかあるものをルーシィに渡す。

 

「そうだ!!これ…」

 

「火竜のサインあげます!!」

 

「いらんわー!!」

 

――――

 

ルーシィは一通りナツ達と話を終えて、今はベンチに一人週刊ソーサラーを見ていた。

 

「まーた、妖精の尻尾が問題起こしたの?今度は何々…デボン盗賊一家壊滅するも民家七軒破壊!?…あははははは!!やりすぎっ!!」

 

ルーシィはそう言いながら次のページをめくる。

 

「あ、グラビア、ミラジェーンなんだ…妖精の尻尾の看板娘ミラジェーン。この人でも無茶苦茶するのかな?あれ…でもそういえば、ちょっと前までは確か火竜のお陰で被害は少なかったって聞いたけど…今何してるんだろう?妖精の尻尾のラクサスって人の相棒とも言われてた…一度会ってみたいな!!」

 

ルーシィはそう言いながらもまた雑誌を読もうとすると…草の茂みの中から先程の火竜が出てきたのであった。

 

「へぇ~君妖精の尻尾に入りたかったんだ~、いや~探したよ、君みたいな可愛い娘が船上パーティーに来てくれると嬉しいんだがね…」

 

ルーシィは男が話し掛けてくるが全て無視しながら何処かへ去ろうとすると…

 

「妖精の尻尾《フェアリーテイル》の火竜って聞いたことない?」

 

「……あるっ!!あんた妖精の尻尾の魔導師だったのね!!」

 

「そうだよ?入りたいんならマスターに話を通してあげてもいい…」

 

「今夜は素敵なパーティーになりそうね~」

 

「わ…分かりやすい性格しているね君~」

 

「ほ、本当に妖精の尻尾に入れるの!?」

 

「もちろん!!ただし、魅了の事は黙っていてね?」

 

「はいはーい!!」

 

「それじゃ、パーティーで会おう!!」

 

「了解でありまーす!!…はっ!?疑似魅了してたわ…。妖精の尻尾に入れるんだ!!やったー!!…それまではあのバカ男に愛想よくしないとね…」

 

ルーシィは一人喜びながら笑みを浮かべていた。

 

――――

 

そして夜になり、ナツ達は店から出ていた。

 

「いや~食った食った!!」

 

「あい」

 

「久しぶりの満腹感ですね~」

 

「そうですね…、そう言えば火竜の言っていた船上パーティー…あの船ですかね?」

 

「あの船か…うっぷ!!」

 

「気持ち悪い…です…」

 

「想像しただけで酔うのやめなよ二人とも…」

 

ナツ達はそろそろ帰ろうとしていた頃ある女性達の言葉に耳を傾ける。

 

「はぁ~、私も行きたかったな、火竜様の船上パーティー…」

 

「火竜?」

 

「知らないの!?あの有名な魔導師…妖精の尻尾の魔導師よ!?」

 

その言葉にナツとフレイヤは反応するがすぐに船を見て酔ってしまう。

 

――――

 

ルーシィは今火竜と名乗る男と二人でいた。

 

「ルーシィか、いい名前だね」

 

「ど、どうも~」

 

ルーシィは愛想笑いを浮かべながら返事をした後、ある程度火竜と話した後ワインを火竜が粒状にしてルーシィに飲ませようとするが…

 

「…っ!どういうこと!!このワイン…睡眠薬が入ってるわよね?私は妖精の尻尾の魔導師になるとは言ったけど…あんたの女になるつもりは無いわよ!!」

 

「しょうがない娘だな?素直に眠っていれば痛い目みずにすんだのに…」

 

「え?」

 

そう言うとルーシィは男達に身柄を拘束される。

 

「おー、さすが火竜さん…」

 

「久々の上玉だな?」

 

「ようこそ我が奴隷船へ…」

 

ルーシィの門の鍵を男は捨て…、そしてルーシィはこの男たちの行いを見て悔し涙を流す。

 

「(これが…これが妖精の尻尾か!!)」

 

「まずは、奴隷の烙印を押させてもらうよ…熱いけど我慢してね…」

 

「(魔法を悪用して、人を騙して、奴隷商ですって!?)最低の魔導師じゃない…」

 

その時船の天井を突き破ってナツとフレイヤが落ちてくる。

 

「ナツ!!フレイヤ!!」

 

「昼間のガキ共か!!」

 

「……おぷ!!、やっぱり無理!!」

 

「耐えられ…ません…うぷ!!」

 

「えー!!カッコ悪!!」

 

あまりのカッコ悪い登場にルーシィは驚き周りの男たちもしらけてしまう。

 

「何で、空からガキが!?」

 

「しかも酔ってるし…」

 

「ルーシィ!!」

 

「大丈夫ですか?」

 

「ハッピー!!ココア!!アンタ達羽なんか生えてたっけ!?」

 

「細かい話は後…」

 

「掴まってください!!」

 

ルーシィはハッピーとココアの手に掴まると空へと飛んでいく。

 

「ナツとフレイヤは!?」

 

「三人は無理!!」

 

「まぁほっといても何とかなるでしょう…」

 

「あらま…」

 

ルーシィを連れて空へと飛んでいたハッピーとココアだが…

 

「ルーシィ聞いて!!」

 

「失礼ながら私も…」

 

「何よ!!こんなときに?」

 

「魔法…」

 

「解けました…」

 

「くそ猫共!!」

 

ルーシィ達は海へと落下するとルーシィは一人門の鍵を見つけ、門を開く。

 

「開け!!宝瓶宮の扉!!アクエリアス!!」

 

――――

 

一方ナツ達は…

「フェア…リィ…テイル…お前が…?」

 

「あぁ?」

 

「嘘は…どろぼう…の始まり…ですよ…」

 

「うるせぇんだよ!!ガキ共が!!」

 

そう言うと男たちはナツとフレイヤの腹を蹴る。

 

「ぐふっ!?」

 

「がはっ!?」

 

「…問題はあの女共だ…、評議会にでもバレれば面倒だな…」

 

――――

 

ルーシィ達は先程アクエリアスを召喚した。

 

「アクエリアス!!あの船を港まで押し戻して!!」

 

「…ちっ」

 

「今ちって言ったかしら!?」

 

「うるさい小娘だ…1つ言っておく、次鍵落としたら殺す!!」

 

「…ご、ごめんなさい…」

 

そう言うとアクエリアスは津波を引き起こす。

 

「オラァ!!」

 

「私たちまで流さないでよ!!」

 

ルーシィ達を含めて船は港まで押し戻しされていった…

 

「ちょっとアンタ!!普通あたしたちまで流す!?」

 

「不覚…ついでに船まで流してしまった…」

 

「あたしを流すつもりだったんかい!!」

 

「一週間彼氏と旅行にいく…彼氏とな…」

 

「二回言うな!!」

 

するとアクエリアスは光となって消えていった…。

「なんて勝手なやつ!!」

 

「あんまり関係良好じゃないんだね?」

 

「ですが、このおかげで軍が来たら良いですね?」

 

するとルーシィはナツとフレイヤを思いだし、船の中に入る…。

 

「ナツ!!フレイヤ!!大丈…」

 

「揺れが…止まった…」

 

「はい、これなら…やれます!!」

 

ナツとフレイヤの顔を見てルーシィは怖じ気つく。

 

「小僧共~勝手に人の船に入ってはいけないじゃないか~うん?」

 

「全くですね火竜…いや、妖精の尻尾のレツ・ドラグニルさん~」

 

「レツ・ドラグニルって…そうだ妖精の尻尾の火竜…レツ・ドラグニル…」

 

その言葉に更に二人は怒りを覚える。

 

「オイ!!さっさとつまみ出せ!!」

 

「いけない!!ここはあたしが…」

 

「言いそびれてたけどナツもフレイヤも魔導師だから」

 

「え!?」

 

ルーシィはハッピーの言葉に驚く。

 

「よぉく顔見せろ!!」

 

「僕は貴方何か知りません!!」

 

そう言うとナツは向かってきた男を殴り、フレイヤは蹴り飛ばした。

 

「俺は妖精の尻尾のナツだ!!」

 

「僕は妖精の尻尾のフレイヤだ!!」

 

「な!?」

 

「え!?」

 

その事実を知った男は驚き、ルーシィも驚く。

 

「妖精の尻尾!?ナツ達があの…」

 

「ぼ、ボラさんこいつら本物だ!!」

 

「あの紋章…確かに妖精の尻尾だ!!」

 

「ば、その名前で呼ぶな!!」

 

「ボラ…紅天《プロミネンス》のボラ…、確か数年前に巨人の鼻《タイタンノーズ》ていう魔導師ギルドから追放されたやつだね…」

 

「知ってる!!魔法を使って盗みを繰り返したっていう…」

 

ボラは本名を明かされて焦っているがナツとフレイヤにとってそんなことはさほど関係が無かった。

 

「おめぇが悪党だろうと善人だろう知ったことじゃねえが、妖精の尻尾を騙るのは許さねぇ!!」

 

「そして何より…あの人の名前を使うなんて…よっぽど覚悟は出来ていると言うことですね!!」

 

「うるせぇんだよ!!ガキ共が!!」

 

そう言うとボラの炎を直撃するナツとフレイヤ…

 

「ナツ!!フレイヤ!!」

 

 

「まずい…」

 

「え!?」

 

「お前…本当に火の魔導師か?こんなまずい火は初めてだ!!」

 

「炎を食って…」

 

「ナツには火は聞かないよ…」

 

「ぬるい炎ですね…」

 

「な!?」

 

「炎が消えて…」

 

ナツは炎を食べて…フレイヤは炎を水で打ち消し…その光景にルーシィは驚いていた。

 

「な…なな…何だこいつらは!?」

 

「食ったら力が湧いてきた!!いっくぞおぉぉ!!」

 

「ボラさん!!こいつ見たことあるぞ!!桜色の髪型に白色の装飾品…」

 

「こいつが本物の火竜の!!」

 

そう言うとナツは炎を吹き、フレイヤは口から大量の水のブレスを出す。

 

「てめぇらは俺等のギルドを騙りやがった!!そして…てめぇらは俺の兄ちゃんの名前も使いやがった!!」

 

「貴方達だけは許しません!!」

 

「な、何なのあいつら…」

 

ルーシィはあまりの光景に声が出ない。

 

「よーく覚えとけ!!」

 

「これが僕たち…」

 

「「妖精の尻尾の魔導師だ!!」」

 

ナツとフレイヤは同時にボラを殴り倒すのであった。

 

「何なのこの魔法…火で殴ったり、火を吹いたり…」

 

「竜の肺は焔を吹き、竜の鱗は焔を溶かし、竜の爪は焔を纏う…これは自らの体を竜へと変換する太古の魔法《エンシェントスペル》…滅竜魔法、イグニールがナツに教えたんだ!!」

 

「じゃああのフレイヤって子も?」

 

「そうだよ、まあどっちも元は竜迎撃用の魔法だけどね…」

 

「あらま…」

 

ナツとフレイヤの暴れっぷりを見てルーシィは確かに感心するが…

 

「すごい…滅竜魔法…すごいけど…」

 

ハルジオンの港はナツとフレイヤの手によって半壊される。

 

「やりすぎー!!」

 

ルーシィのツッコミと同時に軍隊がやって来る。それを見てナツ達は…逃げる。

 

「やべ!!逃げるぞ!!ハッピー!!フレイヤ!!ココア!!」

 

「あい!!」

 

「これはヤバイですね!!」

 

「またマスターに怒られますね…」

 

「……ちょっと!?何で私まで!?」

 

ナツ達はルーシィを連れて逃げることにした。

 

「何でって…」

 

「貴女のような人だったら妖精の尻尾は喜んで受け入れてくれますよ!!」

 

「え…じゃあ!!」

 

「来いよ!!妖精の尻尾に」

 

ナツとフレイヤは笑顔でルーシィを連れていく。

 

この物語から本当の彼らの旅は始まる…




ふ~やっと書けた!!そう言えば今回だけ原作のやつを見れたのでそれ見て参考に書きました!!


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総長あらわる!

 

 

 

ナツ達は今妖精の尻尾のギルドの近くまで来ていた…

 

「そういえばハルジオンの港であんたの事を火竜って言ってたけど結局あんたって本当に火竜なの?」

 

「火竜…兄ちゃんの事か?」

 

「兄ちゃん!?じゃあ火竜って本当はナツのお兄さんの事だったんだ…ってそんなんで納得できるかい!!

 

ルーシィはいまだにナツがレツの弟だということに信じられずにナツにたずねる。

 

「ナツさんは師匠…レツさんの弟なのは本当ですよ」

 

「やっぱり本当なんだ…そういえばそのレツさんていう人は今どこにいるの?」

 

「……」

 

ルーシィはフレイヤの言葉に嘘はないと分かったがルーシィがナツ達に尋ねたもうひとつの質問にはナツ達は答えない。

ナツ達が答えないのをみて少し知りたくなったのかルーシィは、

 

「ちょっと無視しないでよ…」

 

「わりいけどそれは秘密だ…」

 

ナツのその真剣な眼差しにルーシィは聞いてはいけないことだと言うことを理解した。

 

「まぁまぁ…二人ともその辺にして着きましたよ私達のギルドに!!」

 

「わぁ…大っきいね」

 

「ようこそ、妖精の尻尾《フェアリーテイル》へ!!」

 

ナツ達はついにギルドへと到着する…

 

 

第12話『総長あらわる!』

 

 

 

 

『ミラちゃーん!!こっちビール3つお願い!!』

 

「はいはーい」

 

ギルドの中では沢山の魔導士達がそこで食事をするものもいれば…

 

「ミラちゃ~ん」

 

「はいはい、何かしら?」

 

「今度俺とデートしてよぉ」

 

「あ!ズリィ抜けがけすんなよ!」

 

「もぉ…」

 

ワカバのようにミラを口説くものもいる。するとミラはワカバの奥さんに変身する。

 

「ワカバ、あなた奥さんいるでしょ?」

 

「どわーーー!!うちの嫁なんかに変身するなよォ!!」

 

『あはははは!!』

 

その姿を見てワカバは驚いてしまい、それを見てギルドの魔導士は笑う。

 

「ただいまーー!!!!」

 

「ただー」

 

「ただいま戻りました!!」

 

「ただいまー」

 

ナツは何故か不機嫌そうにハッピーとフレイヤとココアはいつも通りにただいまを言いながらギルドの中へと入っていく。

 

「またハデにやらかしたなぁハルジオンの港の件……、新聞に載って……」

 

「てめぇ!!火竜の情報嘘じゃねえか!!」

 

一人の男がナツに話している間にナツは容赦なくその男の顔面を蹴り飛ばした。

「うごッ!!」

 

「あら……ナツが帰ってくるとさっそくギルドが壊れそうね」

 

『もうこわれてるよ!!』

 

『誰かナツ止めろー』

 

『ぎゃふ!!』

 

『てめ…ナツ…!!』

 

『痛て…ハッピーが飛んできたぞ!!』

 

「あい」

 

ルーシィはギルドの光景を見てただ嬉しくてついにやけてしまった。

 

「すごい…あたし……本当に妖精の尻尾に来たんだぁ」

 

ルーシィがその場に立っていると二人の足音が聞こえてくるのであった。

 

「ナツが帰ってきたってぇ?」

「てめぇ…この前の決着つけんぞコラ!!」

 

それはグレイとライトであった。

 

「ライトはともかく…グレイ あんた何て格好で歩いてんのよ」

 

「はっ!!しまった!!」

 

グレイのパンツ姿にルーシィは頬を赤らめながら口をあんぐりと開ける。

 

「この変態が…」

 

「てめぇ…今なんつったコラ!!」

 

「聞こえなかったのか?この変態が!!って言ったんだよこの変態が!!」

 

ライトのその言葉をきっかけに二人は殴りあう。

 

「これだから品のない男どもは…イヤだわ」

 

カナはそう言いつつも大樽にはいった酒をがぶ飲みしているのであった。ルーシィはそれを見て驚きを隠せなかった。

するとエルフマンが姿を現したが…

 

「くだらん…昼間っからピーピーギャーギャー、ガキじゃあるまいし…漢なら拳で語れ!!」

 

「結局ケンカなのね…」

 

もうルーシィはこのギルドの状況に慣れてしまいつつあった。

 

「「「邪魔だ!!」」」

 

(しかも玉砕!!)

エルフマンはライトとグレイ、そしていつのまにかケンカに参戦していたナツに殴り飛ばされる。

今度は少し、いや結構チャラっぽい男ロキは騒ぎに気付く。

 

「ん?騒々しいな」

 

「あ!!『彼氏にしたい魔導士』上位ランカーのロキ!!」

 

「まざってくるねー」

 

『がんばってー』

 

(はい消えたー!!)

 

一瞬にしてルーシィはロキも駄目だと分かった。

 

「な…なによコレ…まともな人が一人もいないじゃ… 」

 

「あらぁ?新入りさん?」

 

「!!!!ミラジェーン!!キャー!!本物!!ってかミラジェーンさんこのギルドにマシな人いないんですか?」

 

ルーシィは感情を激しく変えながらもミラに尋ねる。

 

「そうねぇマシな人っていうならフレイヤとか…フレイヤとかフレイヤとか♪」

 

「全部フレイヤじゃないですか!?」

 

「だって実際この中で暴れまわっていないといったらフレイヤとココアぐらいだからねぇ…」

 

ミラの言うことは実際間違っていないがルーシィは少し疑問に思った。

 

「ミラさん、じゃああの人は?」

 

「あ!!フレイヤと後はガルムもいたわ!!」

 

「(綺麗な人だなぁ~顔はちょっとワイルドででも体の方は…)!?……ミラさん?」

 

ルーシィはガルムのある一点を凝視した。

 

「あぁ新入りさんも気づいた?彼女の胸に…」

 

そう…ルーシィが目にはいったのはガルムの計り知れないほどの胸のサイズであった。

「(私も自分の身体には自身があったけど…何?あの胸のサイズは…見ただけでもG…下手したらそれ以上!?)」

 

ルーシィは驚きを隠せなかった…。

 

「……あ!!そうだミラさん!!この騒ぎを止めなくて良いんですか!?」

 

「いつもの事だからぁ、放っておけばいいのよ」

 

「あららら…」

 

「それに…」

ミラが話をしている間にビール瓶がミラの頭に直撃する。

 

「それに…楽しいでしょ?」

 

「(怖いですぅー!!!!)」

 

ミラは笑顔で言うがミラの頭から血は垂れ流れていた。その笑顔は逆にルーシィには逆効果であった。

すると今度はグレイが素っ裸でルーシィの近くまで飛ばされてくるのであった。

 

「きゃー!!」

 

「おふっ!!」

 

「へっへ~ん」

 

「あー!!俺のパンツーー!!!!」

 

「こっちむくなーーー!!!!」

 

グレイは裸でルーシィの方に向きルーシィは手で自分の視界を遮る。

するとグレイはルーシィに気付いたのかルーシィの方を見る。

 

「お嬢さん良かったらパンツを貸して…」

 

「貸すかー!!!!」

 

「やれやれデリカシーのないやつは困るよね…ところで君どこのモデル?」

「なにコレ!?」

ロキはルーシィをお姫様だっこをしながらルーシィを口説こうとする。

 

「あー、うるさい。おちついて酒も呑めないじゃないの…あんたらいい加減にしなさいよ」

 

「アッタマきた!!」

 

「ぬおおおお!!」

 

「困った奴等だ…」

 

「いい加減にしろってんだよ!!」

 

「かかって来い!!!!」

 

「魔法!?」

 

カナ、グレイ、エルフマン、ロキ、ライト、ナツは魔法を使おうとしたところでついにあの巨人がやって来る。

 

「そこまでじゃ…、やめんかバカタレ!!!!」

 

「でかーー!!」

 

巨人が来た瞬間グレイ、ライト、エルフマン、カナ、ロキは動きを止める。

 

「あら、いたんですか総長?」

 

「マスター!?」

 

「だーはっはっは!!みんなしてビビりやがって!!この勝負は俺の勝ピ…」

 

ぐちゃっと音をたてながら巨人はナツを踏む。

 

「む。新入りかね?」

 

「は、はい…」

 

「ふんぬぅぅうぅ…」

 

巨人はどんどん小さくなりそして巨人…もといマスターマカロフはルーシィの膝辺りまで縮む。

 

「えぇーーーっ!!」

 

「よろしくネ」

 

マカロフのあまりの小ささにルーシィは驚く。

 

「とう!!」

 

マカロフは勢いよく飛ぶが2階の木の柵に頭を打ち付ける。

 

「……、ま~たやってくれたのう貴様等。みよ評議会から送られてきたこの文書の量を!!まずはグレイ!!」

 

「あ?」

 

「密輸組織を検挙したまではいいが……その後街を素っ裸でふらつきあげくのはてに干してある下着を盗んで逃走…」

 

「いや、だって裸じゃまずいだろ」

 

「まずは裸になるなよ…」

 

「次はエルフマン…貴様は要人護衛の任務中に要人に暴行…」

 

「男は学歴よなんて言うからつい…」

 

「カナ・アルベローナ、経費と偽って某酒場で呑むこと大樽15個…しかも請求先が評議会…」

 

「バレたか…」

 

「ロキ…評議員レイジ老師の孫娘に手を出す。某タレント事務所からも請求書がきておる」

 

「そして……ナツ、ライト貴様等二人は特に最悪じゃぁ。まずはナツ!!」

 

「デボン盗賊一家壊滅するも民家7軒も壊滅。チューリイ村の歴史ある時計台倒壊。フリージアの教会全焼…ルピナス城一部損害。そしてハルジオンの港半壊… 」

 

「だっはっはっは!!だっせぇナツ!!」

 

「貴様は笑えんぞライト!!」

 

「なぬ!?」

 

「トライデントの盗賊一家と麻薬売買の商人を捕らえたまでは良かった…じゃが!!コービルの街を半壊、ダヴィル教会全焼!!そしてラコステの街の家14軒破壊!!」

 

「全然気付かなかった…」

 

「アルザック、レビィ、ジェット、リーダス、ウォーレン、ビスカ、ガルム…etc…、貴様等ぁワシは評議員に怒られてばかりじゃぞ…」

 

そのマカロフの言葉に皆は黙る。

それはナツ達も例外ではない…、マカロフは口を開く。

 

「じゃが…、評議員などクソくらえじゃ…」

 

そういうとマカロフは評議会から送られてきた文書を燃やしナツに食わせる。

 

「よいか。理を越える力は理の中より生まれる。魔法は奇跡などではない…、我々の内にある“気”の流れと、 自然界に流れる“気”の波長が合わさりはじめて具現化するのじゃ。それは精神力と集中力を使う。いや、己が魂のすべてを注ぎ込むのが魔法なのじゃ。上から覗いてる目ん玉気にしてたら魔法は進めん。評議員のバカ共を怖れるな。自分の信じた道を進めェい!!!!それが妖精の尻尾の魔導士じゃ!!!!」

 

マカロフの言葉と共にギルドの魔導士から歓声がわき起こる。先ほどまでケンカしていたもの達も笑顔で叫び出す。

 




今回は久しぶりの投稿なので少しサボってしまいました…今回分かったことはガルムちゃんがとてつもないものを持っていることですね!!この作品の挿絵など描いて下さったら自分が良いと思ったのをこの作品に投稿しますので是非是非よろしくお願いします!!


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もう1つの世界

 

X783年…ここはアースランドとは別の世界。その世界にあるとある森…

 

「……なぁ本当にここにあいつがいるのかよ?ルーシィ!!」

 

「黙ってろレビィ!!…情報が確かならこの辺りにいるはずなんだ」

 

そこには面影こそあるが明らかに性格が違うルーシィとレビィがいた。ある男を探して…。

 

「……!!ルーシィ!!」

 

「どうしたんだ?…あれは!!おーい!!」

 

二人は傷だらけで倒れているある男…レツを見るや否やレツのもとへと直ぐに駆け寄る。

 

「おい!!しっかりしろ!!」

 

「ルーシィ今はそれよりも先にギルドに連れて帰ろう!!」

 

「そうだな!!」

 

レビィとルーシィは二人でレツを抱えると妖精の尻尾のギルドへとかえっていくのであった。そしてこの世界はレツがいた世界とは別の世界…この世界の名はエドラス。アースランドとは別の世界…

 

 

 

 

 

 

第13話『もう1つの世界』

 

 

 

 

『……約束だぞ、絶対に死ぬなよレツ!!』

『あぁ約束だ“エルザ”』

 

「……ぃ、……レツ…、おぃ!!起きろ!!レツ!!」

 

「…ここは…?」

 

『起きたー!!』

 

「うぉ!?何だよここ!!」

 

レツはルーシィの言葉で目を覚ます。レツは驚きながらも辺りを見渡すが、そこには見覚えのある顔はあるものの違和感をレツは覚える。

 

「やっと起きたんだね!!お兄ちゃん!!」

 

「お兄ちゃん!?」

 

「忘れたの?僕だよ!!ナツだよ!!」

 

「それは分かってるが…僕!?、おいおい…お前頭でも打ったかナツ?」

 

レツがナツに対して驚くのも無理はなく、ナツの一人称が急に“俺”ではなく“僕”になっているのだから…。だがレツはその事よりもレツはある一点の方向に目が集中する…

 

「……リサーナ?」

 

「どうしたの?レツ兄?」

 

「何で…お前が生きて!?」

 

「おいおい~ついにボケたかレツ。リサーナは死んでなんかいねぇぞ?」

 

レツは死んだと思っていたリサーナが目の前にいることに驚きを隠せなかった。だがリサーナは何かを確信したのか…レツのもとへと近付く。

 

「レツ兄…病み上がりのところ悪いんだけどちょっと来て…」

 

「あぁ…」

 

二人はそういうとギルドの外へと出ることにした。

 

「どうしたんだあいつら?」

 

「何か事情があるんじゃないかな?」

 

――――

 

 

二人はギルドの外に行くとリサーナは今にも泣きそうな声でレツに話しかける。

 

「レツ兄…だよね?」

 

「そうだけど?…何か皆おかしくねぇ…」

 

「レツ兄!!」

 

リサーナはレツの胸に飛び込み涙を流す。それもその筈…リサーナもレツと同じエドラスの住民ではないからだ。

二人はこの世界にいてはならないイレギュラーな存在なのだから…

 

「どうしたんだよリサーナ?」

 

「…ぐすっ!ごめんね、嬉しくて…」

 

「なぁ、俺の予想が正しくないほうが嬉しいんだが1つの聞いていいか?」

 

「どうしたの?レツ兄?」

 

レツは少しの間悩んだが…決心したのかリサーナにあることについて質問する。

 

「ここは…嫌、この世界はなんだ?」

 

「もう…そこまで分かっちゃったんだねレツ兄…そうここは私達の知ってるアースランドではない世界なんだよ…この世界はエドラスっていうらしいよ」

 

「やっぱりそうだったか…この世界でまず気付いたのはこの世界…エドラスじゃ魔法は使えなさそうだな…」

 

「そうなの…エドラスでは魔法はなぜか使えないの、それにエドラスでは魔法は有限であって無限ではないの」

 

それを聞いたレツはやはりな、と頷く。実際レツはこの世界で意識を取り戻した時に魔法を使ってみようとしていたのだが結局は使えなかったのだ。

 

「そして、もう薄々気付いてるとは思うけど…エドラスの世界のナツ達は私達の知ってるナツ達じゃないの…」

 

「!!じゃあ…エルザも…」

 

「残念だけど別人なの…しかもエルザはこの世界では私達の敵なの…」

 

「そ、そんな…事が…」

 

なんとも言えないこの状況にレツは心を保つことで精一杯であった。自分の知っている仲間達はいなく想い人にいたっては敵であるということ。

 

「けれどレツ兄…私はもう決めたの!!この世界で生きていくんだって」

 

「(俺よりも小さいリサーナでさえこれほど決心が強いというのに俺ってやつは…)…分かった俺もこの世界で生きていく…皆には記憶が少し曖昧になってるって伝えといてくれリサーナ!!」

 

自分よりも小さいリサーナの揺るぎない決心を見てレツも心に誓うことにする…もう元の世界に帰れないのならこの世界の皆と生きる事にしようと…

 

「レツ兄どこかに行くの?」

 

「あぁ。魔法が使えないんじゃ俺は腕力だけで敵を倒さなきゃいけねぇからな鍛えに行ってくる…まぁ皆には3カ月ぐらいたったら戻ってくるって言っといてくれ!!」

 

「…分かった!!じゃあ“またね”レツ兄!!」

 

「あぁ!!“またな”リサーナ」

 

二人はそういうと己の進むべき道へと歩いていくのであった。今度は永遠の別れではなくまた会えることを信じてさようならは言わない。

 

――――

 

レツはギルドから離れて、今は森の中にいた。レツは今後どうするかを決めることにした。

 

「さーて…この世界の生き物の強さがよく分からんからな…おっ!!丁度いい感じの獣が一匹いてらぁ!!」

 

そういうとレツは自分の約20倍の大きさの獣を殴り飛ばす。

 

「おらぁ!!」

 

ドゴッ!!っと音をすると獣は泡を吹いて倒れる。

 

「うーん…これじゃあ今一分からんなぁ…そうだ!!今の本気のパンチでどこまで地面に穴があくか試してみるか!!ふん!!」

 

レツの拳が地面に当たると直径100メートル程の小さなクレーターが出来る。あまりの小ささにレツは少し落ち込んでしまう。

 

「魔法無しじゃこの程度しか出来ねぇのか…鍛えるしかないな。目標は直径1000メートルってところか!!」

 

そしてこの時レツは知らなかった…まさか自分達の知っているナツ達に会えることなど…

 

 

――――

 

一方リサーナの方では…

 

「なにー!?レツが勝手に修行の旅に出ただとー!!」

 

「そ、そんなぁ~せっかくまたお兄ちゃんと話そうと思ったのに…」

 

「ま、まぁまぁ二人とも落ち着いて…レツ兄はまた3カ月後くらいに戻るって言ってたから良いじゃない」

 

ルーシィやナツはあからさまにショックを受けていた。いや、ルーシィの場合はショックというよりも怒っているという方が当てはまるかもしれない。

 

「あいつ…まだ治ってねぇのにフラッと何処かに行きやがって…」

 

「まぁまぁルーシィ落ち着いて。逆に言い替えれば強くなってレツ兄は帰ってくるってことだから」

 

「うーん…それもそうだなあ!!強くなって戻ってくるのなら私は別にいい…、?なんだこれ?」

 

ルーシィはレツが持っていくのを忘れた服の中にある1つの日記が落ちていた。それを拾ったルーシィは中身を見ることにした。

 

「えーと…なになに、X775年7月7日…もう1つの家族が失った日?スサノヲの封印?…訳わかんねえな…まぁ帰ってきた頃に渡すか!!」

 

ルーシィはレツの日記を閉じてギルド棚にいれておくことにした。

 

――――

 

 

夜の森…レツはジャングルの中一人で寝ていた…

 

『レツ…お前は、お前だけは生き残るんだ!!』

 

『何言ってんだよ●●!!、皆で生きるって言ったじゃねぇか!!』

 

『周りを見ろ!!皆スサノヲを命懸けで封じて死んでいったんだ!!』

 

『よくも私の最高傑作を!!貴様等の一族は絶対に根絶やしにしてやる!!死ね!!』

 

『やめろー!!』

 

「はっ!?……夢か…、そうだ…もう決心したんだ力を付けてもう誰一人失わないようにするんだって…、もうあの時みたいに後悔したくねぇからな…」

 

レツは一人決心した…その理由を語る日がくるのはまだ遠い未来の事…




はいっ!!というこでレツサイドの話ができました…いやぁ実はオリジナルストーリーというのは苦手で…それとまた質問や感想などあれば是非よろしくお願いします!!


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心の傷

 

 

 

 

 

 

 

第14話「心の傷」

 

 

 

 

 

 

ギルドでは一日中騒ぎその後ルーシィはミラに妖精の尻尾の仲間のマークを押してもらう。

 

「ここでいいのね?」

 

「はいっ!!」

 

「…はい!!これであなたも妖精の尻尾の一員よ」

 

「わぁ!…ナツー!!見てー‼妖精の尻尾のマークを入れてもらっちゃったぁ」

 

ルーシィはあまりの嬉しさにナツに見せびらかすがナツにはもう妖精の尻尾のマークは見慣れているのか正直どうでもよかった。

 

「あっそ~、よかったなルイージ」

 

「ルーシィよ!!」

 

『おまえあんなかわいい娘どこで見つけてきたんだよ』

 

『いいなぁ~うちのチーム入ってくんねぇかなぁ」

 

ルーシィのことを皆は口々に言うがナツは席を立ちギルドの依頼板の方へと行く。

 

「報酬がいいやつにしようね」

 

「お!これなんかどうかな。盗賊退治で16万Jだ!!」

 

「決まりだね」

 

「ナツさーん!!仕事に行くなら僕も同行します‼」

 

「!フレイヤ、うーん…まぁ別に良いぞ!!」

 

「フレイヤが行くなら私も行かないと駄目ですね…」

 

ナツはフレイヤとココアとハッピーの四人で依頼に行こうとしたがその時マカロフが一人の子供と話をしていた。

 

「父ちゃんまだ帰ってこないの?」

 

「む…くどいぞロメオ、貴様も魔導士の息子なら親父を信じておとなしく家で待っておれ」

 

「だって…三日で戻るって言ったのにもう一週間も帰ってこないんだよ?」

 

「マカオの奴は確かハコベ山の仕事じゃったな…」

 

「そんなに遠くないじゃないかっ!!探しに行ってくれよ!!心配なんだ!!」

 

ロメオの言葉にナツとフレイヤは話に耳を傾ける。そしてマカロフはロメオの言葉にきつい一言を語る。

 

「冗談じゃない!!貴様の親父は魔導士じゃろ!!自分のケツもふけねェ魔導士なんぞこのギルドにはおらんのじゃあ!!帰ってミルクでも飲んでおれい!!」

 

「……バカー!!」

 

「おふ」

 

ロメオ泣きながらマカロフの顔面に右ストレートを入れる。そしてそのままマカロフをほってギルドから出る。

それを見たルーシィは妖精の尻尾の厳しさを知る。

 

「厳しいのね…」

 

「ああは言っても本当は一番マスターが心配してるのよ…」

 

「それってどういう…」

 

ルーシィが言い切る前にギルドの物を誰かが壊す音が聞こえる。

 

「オイ!!ナツ!!依頼板壊すなよ!それにフレイヤも床に穴空けるんじゃねぇ‼」

 

「え?」

 

「マスター…ナツとフレイヤの奴ちょっとヤベェんじゃねえの?」

 

「アイツら…マカオを助けに行く気だぜ…」

 

「これだからガキどもはよぉ……んなことしたってマカオの自尊心がキズつくだけだけなのに」

 

ギルドの者はナツ達の行動に反対をするがマカロフは違った。

煙管を口に加えながらどっしりと座る。

 

「進むべき道は誰が決める事でもねえ…放っておけぃ」

 

「ど…どうしちゃったの?アイツ…急に…フレイヤ君まで…」

 

「ナツやフレイヤもロメオくんと同じだからね」

 

「え?」

 

「自分とだぶっちゃったのかな…ナツやフレイヤのお父さんも出ていったきりまだ帰ってこないのよ。お父さん…って言っても育ての親なんだけどね。…しかもドラゴン」

 

そう言うとルーシィはミラの言葉に椅子から転げ落ちる。

 

「ドラゴン!?ナツやフレイヤ君ってドラゴンに育てられたの!?そんなの信じられる訳…」

 

「ね、小さいときそのドラゴンに森で拾われて言葉や文化や魔法なんかを教えてもらったんだって…でもある日ナツやフレイヤの前からそのドラゴン達は姿を消した」

 

それを聞いたルーシィは納得する。ナツがイグニールを探す理由。

おそらくフレイヤもまた別のドラゴンに育てられたのだろう。

 

「そっか…それがイグニール…」

 

「ナツはね…いつかイグニールと会える日を楽しみにしてるの…そーゆートコがかわいいのよねぇ…私たちは……妖精の尻尾の魔導士たちは……みんな何かを抱えてる……キズや痛みや苦しみや……私も…」

 

「え?」

「ううん何でもない♪」

 

ミラの茶を濁すような言い方に何か不信感を抱きながらルーシィは納得する。だか、一つだけルーシィは納得いかないことがあった。それをミラに聞く。

 

「……あれ?でもフレイヤ君はともかくナツってお兄さんがいたんじゃないの?」

 

「……そうね、確かにナツには一人だけお兄さんが“いた”わ…」

 

「いた?まるで過去の話みたいじゃないですか?そのお兄さんはいま何処に?」

 

「お墓の中よ…彼…レツはもうこの世には居ないの」

 

その言葉にルーシィは絶句する。ルーシィは魔導士という世界を実際甘くみていた。魔法を使えれば誰でも気軽に魔導士になれると…

 

「そんなことって…」

 

「あるのよ実際に…評議会直々の依頼で事故が起きてね…その時はナツもグレイもフレイヤも皆泣いたわ…だけどね…今ナツが立ち直れているのはそのお兄さんのお陰でもあるのよ」

 

「それってどういう事ですか?」

 

「ナツに手紙を書いていたの…その内容にはねナツは自分の自慢の弟だって書いてあったの…だからこそナツは立ち直れたし皆も笑うことができた…それに彼は魔導士としても優秀だったわよ?」

 

「そうなんですか!?ナツのあの感じを見てたらちょっと想像つきませんね…」

 

その後ルーシィは何を思ったのかギルドから走り去っていった。

◆◆◆◆

 

今ナツ達は馬車に乗っていた。

 

「でね!!あたし今度ミラさんの家に遊びに行くことになったの~♪」

 

「下着とか盗んじゃ駄目だよ」

 

「盗むかー!!」

 

「それよりも女性同士だからといって如何わしいことをしてはいけませんよルーシィさん」

 

「だからしないって言ってるでしょ‼」

 

ルーシィはハッピーとココアの対応に疲れたのか椅子に腰をおろす。

 

「「てか何でルーシィ(さん)がいるんだ(ですか)?」」

 

「何よ何か文句あるの?」

 

「そりゃあもういろいろと…あい」

 

「だってせっかくだから何か妖精の尻尾の役に立つことしたいなぁ~なんて」

 

「(株を上げたいんだ!!絶対そうだ!!)」

 

「(以外と腹黒いですね…)」

 

そんなやり取りがあるなかでもナツとフレイヤは顔を青ざめ、息を荒げながら馬車に乗っている。それを見てルーシィは同情の言葉を言うがナツ達には聞こえていない。

 

「マカオさん探すの終わったら住むところ見つけないとな ぁ」

 

「オイラとナツん家住んでもいいよ」

 

「本気で言ってたらヒゲ抜くわよ猫ちゃん…どうせならフレイヤ君の方がいいかなぁなんて…」

 

その一言にハッピーとココアはドン引きする。それもその筈、17歳の女性がまだ12歳弱の男の子に住みたいと言うのだから。

 

「ちょ…そこまで引かなくても良いじゃない‼」

 

「いや…だってその…」

 

「はっきり言って無理です。ルーシィさんがショタコンだったのは意外ですがそれよりもフレイヤはまだ12歳です。そんな小さな子供に変な趣味は押し付けたくありません」、

 

「私を何だと思ってんのこの猫ども!?」

 

「!止まった!!」

 

「はい!!止まりました!!」

 

「着いたの?」

 

だが様子がおかしいのかルーシィは馬車の人に聞いてみる。

 

「す、すんません。これ以上は馬車じゃ進めませんわ」

 

「何コレ!?いくら山の方とはいえ今は夏期でしょ!?こんな吹雪おかしいわ!!」

 

そう、そこにあったのは季節はもう夏だと言うのに景色一面が吹雪で覆われていたのだ。

その後ルーシィはナツから毛布を奪い取り星霊の鍵で時計座の扉ホロロギウムを呼び出す。そしてホロロギウムの中に入る。

「〈あたしここにいる〉と申しております」

 

「何しにきたんだよ…」

 

「〈何しに来たと言えばマカオさんはこんな場所に何の仕事をしに来たのよ!?〉と申しております」

 

「…マジですか…」

 

ルーシィの言葉にフレイヤは若干驚く。

 

「知らねえでついてきたのか?凶悪モンスターバルカンの討伐だ」

 

「〈あたし帰りたい〉と申しております」

 

「はいどうぞと申しております」

 

「あい」

 

「今回は仕方ないですね」

「時には自分の力でなんとかしてください」

 

ルーシィをほって四人はマカオを探しに行く。ナツやフレイヤはマカオを大声で呼ぶ。

しかし、返事はなくその代わりに崖の上から足音が聞こえそしてナツとフレイヤを襲う。

 

「バルカンだー!!」

 

「っち!!」

 

「ウホ」

 

「あ!?」

 

フレイヤはバルカンがいった方向に気付き声を上げる。

 

「ルーシィさん!!逃げて…」

 

「人間の女だ♪うほほーー♪」

 

「おお」

 

「遅かった…」

 

バルカンは女を連れ去る習性があるのだ。それを知っていたためフレイヤはルーシィを呼んだのだが、時すでに遅くなってルーシィはバルカンによって連れ去られていく。

 

「んなことよりも…しゃべれんのか」

 

「とにかく助けに行きましょう!!」

 

「〈言ってる暇があったら助けなさいよォオオオ!!〉…と申しております」

 

ルーシィはそのままバルカンに連れ去られていくのであった…

 





作者「はい!!と言うことで久しぶりに投稿した訳なんですが…まず最初に一言…モンスターストライクさん本当にすいませんでした‼」

ルーシィ「どうかしたの?」

フレイヤ「実はですね…モンスターストライクさんには二件もメールが来てたんですよ…更新待ってますってメールが…」

作者「すっかり忘れてました…一応私は漫画家志望兼作者なので…更新が遅れて…」

フレイヤ「シャウトさーん出番でーす!!」

シャウト「作者さん…少し私とあちらでお話をしましょう?」

作者「は、はい…」


その後の事は皆様のご想像に任せます…


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火竜と水竜と猿と牛

 

「(私ルーシィ!!ナツ達に付いてきてやっと念願の妖精の尻尾のギルドに入れたわ‼)……けど…なんでこんなことに…なってる訳~~!!!?」

 

「…と申されましても」

 

「ウッホウホホウホホホ~」

 

「なんかあの猿テンション高いし‼」

 

ルーシィは今絶賛捕まり中であった…

 

 

 

 

第15話『火竜と水竜と猿と牛』

 

 

 

「ナツさーん!!…てもう先に行っちゃってるし…はぁ…バルカンが近くに居るってことは群れが居る可能性もあるのに…」

 

「言ってるそばから来ましたよフレイヤ!!」

 

「へ?」

 

フレイヤはナツ達とはぐれてしまいココアと二人でマカオを探すことにしたのだがフレイヤが後ろを向くとそこには15頭ほどのバルカンの群れが居たのであった。

 

「悪気は無いですけど…少しばかり痛い思いをしてもらいますよバルカン!!」

 

「ウッホホー!!女だー‼」

 

バルカンのその一言がフレイヤをキレさせるのであった…

 

 

◆◆◆◆

 

一方その頃のナツはというと…

 

「うおおおっ!!やっと追いついたー!!マカオはどこだぁぁーー!!」

 

「ナツ!!」

 

ナツは必死にダッシュしてバルカンに追い付いたのであった。しかし地面は氷の一面で出来ているため…当然…

 

「あがっ!!ぐぉぉ!!ふあっ!!ぶへっ!!」

 

滑り転ぶ。

 

「普通に登場できないのかしら…」

 

ルーシィはやれやれとため息を吐く。

 

「オイ、サル、マカオはどこだ!?」

 

「ウホ?」

 

「言葉分かるんだろ?マカオだよ!!人間の男だ」

 

「男?」

 

「そーだ!!どこに隠した!?」

 

「うわー!!隠したって決めつけてるし‼」

 

ルーシィの言うとおりバルカンに対するナツの言葉はとんだ言いがかりである。

だが、バルカンはにやりと笑うとナツに手招きをすると、ナツを雪山から叩き落としたのである。

 

「あ!!ああぁぁぁ……」

 

「ナツー‼」

 

「男…いらん。オデ…女好き!」

 

「やだっ!!ちょっと…死んでないわよね‼きっと大丈…」

 

ルーシィは雪山の高さを見て後の言葉が言えなかった。

その後ろではバルカンがどたどたと踊りをしていて、それを見たルーシィは星霊の鍵を取り出す。

 

「開け…金牛宮の扉…タウロス!!」

 

「MOーーー!!」

 

「牛!?」

 

「あたしが契約している星霊の中で一番パワーのあるタウロスが相手よ‼エロザル!!」

 

ルーシィはタウロスを呼び出して戦闘に入ろうとしたが、タウロスは目をハートマークにしてルーシィを見る。

正確にはルーシィの胸を見る。

 

「ルーシィさん!!相変わらずいい乳してますなぁMOーステキです」

 

「そうだ…こいつもエロかった…」

 

「ウホッオデの女とるなっ!!」

 

「オレの女?それはMO聞き捨てなりませんなぁ」

 

「そうよタウロス!!あいつをやっちゃって!!」

 

やっと戦闘に入るのかとルーシィは思っていたが…

 

「『オレの女』ではなく『オレの乳』と言ってもらいたい!!」

 

「もらいたくないわよっ!!」

 

◆◆◆◆

 

一方…こちらではフレイヤがバルカン十数頭を相手にしていた。

 

「…オマエ女‼ウソつくな‼」

 

「…違ーう!!僕は男だ!!」

 

「あの子ったら…はぁ、やれやれ…」

 

フレイヤは見た目は女のような顔に肩にまで届きそうな長い赤い髪それを見たバルカンはやはり女だと連呼する。

だがフレイヤにとってそれは挑発でしかなかったのだ。

 

「……もう、良いです…」

 

「ウホッ!!オデ達の女になるのか?」

 

「いいえ…あなた達は言葉で言っても分からないようなので…力付くでも分からせてあげます‼」

 

その後…ナツ達は絶句するこの後の惨状に…

 

◆◆◆◆

 

タウロスがついに攻撃を仕掛けようと斧を持ってバルカンに近付いたとき、丁度ナツが雪山から戻ってきたのであった。

 

「よ~く~も落としてくれたなァ…あ~ぶ~な~かった~…」

 

「ナツ!!よかった‼」

 

ルーシィの喜びも束の間、ナツはタウロスを目にいれた瞬間飛び蹴りをタウロスにぶつける。

 

「なんか怪物増えてるじゃねーか!!」

 

「Moふっ」

 

「きゃあああああ!!」

 

「MO…ダメっぽいですな……」

 

「弱ーー!!人がせっかく心配してあげたっていうのに何すんのよ‼てゆーかどうやって助かったの?」

 

ルーシィがナツに質問するとナツは上を見る。

 

「ハッピーのおかげさーありがとな」

 

「どーいたしまして」

 

「そっか…ハッピー羽があったわねそーいえば」

 

ルーシィは納得しながらハッピーを見る。

そこでルーシィはひとつ疑問に思うことがありナツに聞く。

 

「あんた乗り物ダメなのにハッピー平気なのね」

 

「何いってんだオマエ。ハッピーは乗り物じゃねえよ『仲間』だろ?ひくわー」

 

「そ、そうねごめんなさい…(ひかれた‼)」

 

「ウホホォッ!!」

 

「いいか?妖精の尻尾のメンバーは全員仲間だ」

 

バルカンは隙を見てナツに後ろから攻撃を仕掛けようとする。

それでもまだナツは後ろを向きながらルーシィと話す。

 

「じっちゃんもミラも…」

 

「来たわよ!!」

 

「うぜぇ奴だがグレイやエルフマンやライトも…」

 

「わかったわよ!!わかったから!!後ろ!!ナツ!!」

 

「ハッピーもココアもフレイヤもルーシィもみんな仲間だ」

 

その一言にルーシィは言葉を失う。

 

「だから…」

 

「オオオオ!!」

 

「オレはマカオをつれて帰るんだ!!」」

 

バルカンの攻撃をかわし、ナツの火を纏った蹴りがバルカンの顎に当たる。

 

「早くマカオの居場所言わねえと黒コゲになるぞ」

 

バルカンは鼻息を荒立てながら怒り頭上にあるつららを折ってナツに投げる。

 

「火にはそんなモン効かーん!!」

 

つららはナツに当たるが全て水になっていく。

それを見たバルカンは下に落ちていたタウロスの斧を拾う。

 

「ウホ」

 

「それは痛そうだ」

 

「タウロスの斧!!」

 

「キェエエエエッ!!」

 

「わっ!!」

 

バルカンはタウロスの斧を持つとそのままナツを斧で凪ぎ払おうとするがナツは間一髪のところでかわす。

しかしそれでもまだバルカンの攻撃は止まず何回も斧をナツに振り回す。

 

「うおっ!!危……なっ!!」

 

ナツは足元を滑らせ床に尻餅をつく。それを見逃さないバルカンは斧を降り下ろす。

 

「ウホォーー!!」

 

「ふん!!」

 

なんとかナツは斧を両手で止めるがナツの顔を真っ二つにするのも時間の問題かと思われたが…その時、ある異変にバルカンは気付く。それはタウロスの斧が溶けていたのだ。

 

「体の熱で刃を溶かしたっていうの!?しかも食べてるし!!」

「もごもごもご……ぷ!!」

 

「ウホォ」

 

するとナツは溶けた刃をバルカンの額に当てる。

 

「いくぞぉ…火竜の鉄拳!!」

 

「ウホォ!!」

 

ナツの火の纏った拳がバルカンの顔面を捉えてそのままバルカンは吹き飛ぶ。

 

「挟まったよ!!」

 

「あーあ…この猿にマカオさんの居場所聞くんじゃなかったの?」

 

「あ!!そうだった」

 

「完全に気絶しちゃってるわよ」

 

ナツ達はバルカンの様子を見ていると急にバルカンの体が光だしたのであった。

 

「な…何だ何だ!?」

 

するとバルカンの体はマカオへと変わった。

 

「え!?」

 

「バルカンに接収されてたんだ!!」

 

「接収《テイクオーバー》!?」

 

「体を乗っとる魔法だよ!!」

 

ハッピーがルーシィに説明をしているとマカオが雪山から落ちていくのであった。

 

「あーーーっ!!」

 

それをなんとかナツはマカオの足を掴みハッピーはナツの服を掴むが、さすがに重かったのかハッピーも限界である。

 

「二人は無理だよっ!!羽も消えそう!!」

 

「くっそおおおっ!!」

 

「んっ!!」

 

「ルーシィ!!」

 

「重い…」

 

ハッピーの尻尾をルーシィが持つがやはりルーシィ一人の腕力では全員の体重を持つ事は不可能であり、もう終わりと思っていたその時にタウロスが現れる。

 

「MO大丈夫ですぞ」

 

「タウロス!!」

 

「牛ーー!!」

 

そして全員雪山の中に入る事は出来たのだが、マカオの傷が深く出血の量が激しかった。

 

「わき腹のキズが深すぎる…持ってきた応急セットじゃどうにもならないわ…」

 

「………」

 

皆が諦めそうになったとき複数のバルカンの足音が雪山に響く。

 

「ちょっ!!こんなときにさっきの奴がたくさん来るっていうの!?」

 

「ちっくしょおおおお!!……お?」

「どうしたのナツ…え?」

 

ナツ達は言葉を失う。何故なら目の前にいたのはバルカンの肩に乗っているフレイヤとココアとその後ろにいるのはデカイ氷のようなものを背負っている十数頭のバルカンであった。

 

「ナツさーん、ハッピー!!ルーシィさんも!!」

 

「な、なにその大群…」

 

「実はこのバルカン達を調教…こほん…道案内をさせていたときに…」

 

「(え!?いま調教って言った!?言ったよね!?)」

 

「ハコベアイスというものを持っていたのでそれをマカオさんに食わせてみようと。なんでもこの氷病気はもちろん、怪我も治ると言われてるらしいので…食わせてみてはどうでしょう?」

 

そう言うとフレイヤは水で氷を一口サイズにスライスしてマカオに食べさせる。するとマカオの傷は塞がっていくのであった…

 

◆◆◆◆

 

「ここは…」

 

「もうすぐギルドに着くぞマカオ…」

 

「そうか…くそ、情けねえ…19匹は倒したんだ…20匹目に接収されちまって…ちくしょお、これじゃあロメオに会わす顔がねぇぜ…」

 

「別にボロボロでも良いじゃないですか」

 

「フレイヤ…」

 

「どんなにボロボロでも息子のロメオ君の為に必死になって頑張ろうとするマカオさんは一番かっこいいと思いますよ」

 

そのフレイヤの笑顔にマカオはうなずく。

 

「だな…」

 

ロメオがマカオの帰りを待っているとそこにはマカオとナツ達がいた。それを見たロメオは笑顔で彼等を見るが自分の行為を振り返る。

 

『なーにが妖精の尻尾の魔導士だよ!!』

 

『あんなの酒ばっか飲んでる奴等じゃんか』

 

「う、うるさい!!」

 

『魔導士は腰抜けだーい』

 

『オレは大きくなったら騎士になろーっと』

 

『魔導士はさけくさいもんねー』

 

「父ちゃんすっごい仕事行ってきてよ!!オレ…このままじゃくやしいよっ!!」

 

ロメオはそれを思い出すと下を向きながら涙目でマカオに話し掛ける。

 

「父ちゃんゴメン…オレ…」

 

「心配かけたな…スマネェ」

 

「!…いいんだオレは魔導士の息子だから…」

 

「今度クソガキ共にからまれたら言ってやれ。テメェの親父は怪物19匹倒せんのか!?ってよ」

 

マカオはロメオにそう言うとロメオは顔を上げて笑顔を見せる。

 

「ナツ兄ーー!!ハッピーー!!ココアーー!!ありがとぉーー…それと…ルーシィ姉もありがとぉっ!!フレイヤ姉も!!」

 

「…だから…僕は男だって言ってるじゃないですかー!!」

 

フレイヤの悲しみの一言と一緒にナツ達は仕事に向かう。




フレイヤ・ルーシィ「「妖精の尻尾質問&紹介コーナ!!」」

フレイヤ「さーてまずは同じような質問です…これは質問ていうのかな?」

ルーシィ「?」

フレイヤ「えーとhづdnさんとナンバーズさんとクライズラーさんと中二病継続中さんから更新まだですか?とのことです」

作者「いやー私こう見えても忙しいもんでー、はーい、絵描き兼小説みたいなかんですからねーすいません!!」

フレイヤ「まぁ謝っていることですし…許してあげてください…とでも言うと思ったんですか?ちゃんと謝ってください」

作者「は、はい…本当に申し訳ありませんでした!!」

フレイヤ「まったく…」

ルーシィ「…じゃあ次いくわね…Kazutoさんからの質問ね…レツのヒロインに、オリキャラじゃなくてジュビアを追加できないでしょうか。
ジュビアがレツに心変わりするという設定でとの事ですけど…これは…」

作者「まぁまだジュビアすら登場していないということで保留ですね(笑)」

フレイヤ「すいません…では次ですね、こーさんからですがゼレフの事もまだ出てきていないので保留ですが…一つだけ言うならばレツはナツの兄でありゼレフの弟でもあります‼」

作者「それ僕のセリフだから‼」

ルーシィ「これ以上はヤバイので今日は終わっておきまーす…」


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小犬座の星霊とショタコン疑惑

ルーシィは今家賃7万Jの家に住んでいた。そして今は入浴中…

 

「う~ん!!いいトコ見つかったなぁ…7万にしては間取りも広いし、収納スペース多いし、真っ白な壁、木の香り…ちょっとレトロな暖炉に竈までついてる!…そして何より一番素敵なのは…」

 

そういうとルーシィはバスタオル一枚で自分の部屋の扉を開けると…

 

「よっ」

 

「あい!!」

 

「あ、お邪魔してます…」

 

「中々良い部屋ですね」

 

「あたしの部屋ーー!!」

 

そこにはいつものナツ、ハッピー、フレイヤ、ココアがいた。

 

「って…なんであんた達がいるのよ!!」

 

「「まわっ!!」」

 

ナツとハッピーだけがルーシィの回し蹴りをくらう。

 

 

 

第16話『小犬座の星霊とショタコン疑惑』

 

 

 

「ま、まぁまぁルーシィさん落ち着いてください…」

 

「むー!…ったく、まだ引っ越してきたばっかりで、家具も揃ってないのよ。遊ぶものなんて何もないんだから紅茶飲んだら帰ってよね…」

 

「残忍な奴だな」

 

「あい」

 

「紅茶飲んで帰れって言っただけで残忍…って…」

 

ルーシィはナツとハッピーにさんざん部屋を荒らされた挙げ句、このような物言いである。すでにルーシィの怒りのパラメーターは限界を超えそうになっていた。

 

「あ!そうだ、ルーシィの持ってる鍵の奴等全部見せてくれよ」

 

「いやよすごく魔力を消耗するじゃな…」

 

「あ!僕も見てみたいです!!」

 

「しょーがないわねー!!一体だけよ!!」

 

ルーシィのフレイヤへのあまりにも早すぎる対応に猫二匹は確信する。

 

「ハッピー…彼女、もしかしなくてもショタコンじゃ…」

 

「あい…これはもう決定だね……それはそうと、ルーシィは何人の星霊と契約してるの?」

 

「6体よ、星霊は1体、2体って数えるの」

 

そう言うとルーシィは机に3つの銀色の鍵と、3つの金色のカギを机に置く。

 

「こっちの銀色の鍵がお店で売ってるやつ、時計座のホロロギウム、南十字座のクルックス、琴座のリラ」

 

「時計座のほろ…?南十…座のくる?……」

 

「あわわわわ!!別にすぐに覚えなくてもいいのよフレイヤ君!!」

 

「す、すいません!!というか呼び捨てで良いですよルーシィさん!!」

 

「う、うん…まあ気を取り直して…こっちの金色の鍵は黄道十二門っていう門《ゲート》を開ける超レアな鍵なの。金牛宮のタウロス、宝瓶宮のアクエリアス、巨蟹宮のキャンサー」

 

ルーシィがそう言うとナツとハッピーはすぐに食いつく。

 

 

「巨蟹宮!!カニか!!」

 

「カニー!!」

 

「うわー…また訳わかんないトコにくいついてきたし…そーいえばハルジオンで買った小犬座のニコラ、契約するのまだだったわ…どうせだし、星霊魔導士が星霊と契約するまでの流れを見せてあげる」

 

「おおっ!!」

 

「血判とか押すのかな?」

 

「痛そうだなケツ…」

 

「多分お尻の事じゃないと思いますよ?」

 

ナツたちは色々と話をしている中、ココアだけは違う目線で見ていた。それはまるで、昔の誰かと重ねるかの様に…

その事視線にルーシィは気付かず星霊界の門を開こうとしていた。

 

「開け小犬座の扉ニコラ!!」

 

「プーン!!」

 

「「ニコラー!!」」

 

その姿を見てナツたちは汗を出しながらルーシィに一言を言う。

 

「ど…どんまい!」

 

「失敗じゃないわよ!!……フレイヤ…君?」

 

「か…か、か、…」

 

「か?」

 

「カワイイーー!!」

 

あまりの大声にナツたちはビックリする。だがフレイヤはそんなこともお構い無にニコラに抱きつく。

 

「ほわわわ!!もふってしてる!!小さくてカワイイ!!…癒される~」

 

「(え…なにこのかわいさ…ニコラだけでもカワイイのに…やばい鼻血でそう…)」

 

「……はっ!?…」

 

フレイヤはルーシィと周りの視線を感じて顔を赤らめながら部屋の角に三角座りをする。それをみてガッカリするルーシィがいた。

 

「…こほん!!じゃ…契約にうつるわよ」

 

「ププーン」

 

「月曜は?」

 

「プゥ~ウ~ン」

 

ルーシィはニコラに対して召喚できる日を聞く。

 

「地味だな…」

 

「あい…」

 

「(宝瓶宮のアクエリアス…それに…ルーシィ…星霊魔導士…)…」

 

「ココア?」

 

「…何も無いですよ、それよりどうやら契約完了したみたいですよフレイヤ」

 

「ほんとだ…」

 

ココアの茶を濁すような対応にフレイヤは少し疑問を抱きながらも、ルーシィを見る。

 

「ずいぶん簡単なんだね星霊の契約」

 

「確かに見た目はそうだけど大切な事なのよ。星霊魔導士は契約…すなわち約束ごとを重要視するの、だからあたしは絶対約束だけは破らない…ってね!!」

 

それを聞いたナツはニヤリと笑う。

 

「ヘェー…」

 

「そうだ名前決めてあげないと!!」

 

「ニコラじゃないの?」

 

「それは総称でしょ、うーん…」

 

「あの!!だったら僕か名前をつけてもいいですか?」

 

フレイヤは目を輝かしながらルーシィに話す。フレイヤはどうやら前々から決めていたようである。

 

「どんな名前にするの?」

 

「おいでプルー」

 

「プーン!!」

 

「プルぅ?」

 

プルーは名前をフレイヤに呼ばれるとフレイヤのもとへと走り出す。

 

「なんか語感がカワイイと思いまして…」

 

「プルー…なんか良いかも!!」

「プルーは小犬座なのにワンワン泣かないんだ変なのー」

 

「プーン」

 

「あんたもにゃーにゃー言わないじゃない… 」

 

ハッピーの言葉に対して直ぐに突っ込むルーシィであった。その後、プルーはフレイヤから離れるとナツに謎の踊りを見せる。

 

「プルーおまえいいコト言うなぁっ!!」

 

「なんか伝わってるし!!」

 

「星霊かぁ…確かに雪山じゃ牛に助けてもらったなぁ…」

 

「そうよっ!!あんたはもっと星霊に対して敬意を払いなさい」

 

「あん時はルーシィがついてくるとは思わなかったなぁ…」

 

そう言いながらもナツは考え込む。

 

「でも実際にルーシィさんがいなかったら不味かったですよね?」

 

「そーなんだよなぁ~、よ~く考えたらオマエ変なやつだけど頼れるしいい奴だ…」

 

「ナツさん…女性に対して変だなんて…」

 

「…そっか…」

 

そう言うとナツは何かを決心する。

 

「な、なによ?」

 

「ナツどうしたの?」

 

「よし!!決めた!!プルーの提案に賛成だ!!」

 

「何をですか?」

 

フレイヤはナツに質問をするとナツは立ち上がる。そして嬉しそうにしながら答える。

 

「オレたちでチームを組もう!!」

 

「なるほどー!!」

 

「チーム?」

 

「あい!!ギルドのメンバーは仲間だけど特に仲のいい人同士が集まってチームを結成するんだよ、一人じゃ難しい依頼もチームでやれば楽になるしね」

 

「いいわね!!それっ!!面白そう!!」

 

「僕は一応考えておきます…」

 

「フレイヤがそう言うのなら私もそうします」

 

「まあ考えとけよ!!とにかく…一応決定だ!!」

 

「契約成立ね!!」

 

「あいさー!!」

 

「プーン」

 

ナツとルーシィ、そしてハッピーは今チームを結成する。だが、フレイヤとココアは保留という形に留まった。

 

「さっそく仕事に行くぞー!!ホラ!!もう決めてあるんだー!!」

 

「もう♪せっかちなんだからぁ~…シロツメの街かぁ…うっそ!!エバルー公爵って人の屋敷から一冊の本を取ってくるだけで…20万J!?」

 

「な!!オイシー仕事だろ?」

 

ルーシィはあまりの報酬の額にくるくると回りながら喜ぶ。だがフレイヤはため息をつきながらルーシィに話しかける。

 

「ルーシィさん…下の方を見てください」

「えーと…なになに、注意、このエバルー公爵はとにかく女好きでスケベで変態?ただいま金髪のメイドさん募集ちゅ~!?」

 

ルーシィはそれを読むと震えながらナツとハッピーの方を見る。

 

「あ、あんたたち最初から…」

 

「ルーシィ金髪だもんな」

 

「だね!!メイドの格好で忍び込んでもらおーよ」

 

「ハメられたーー!!」

 

「星霊魔導士は契約を大切にしてるのかぁ…えらいなぁ」

 

「ひでえーっ!!」

 

ナツは悪い笑みをしながら頷く。そしてルーシィは先程とは違い、涙を流しながらくるくると回る。

 

◆◆◆◆◆

 

 

「あれ?エバルー屋敷の一冊20万Jの仕事…誰かにとられちゃった?」

 

「ええ…ナツがルーシィとフレイヤ達を誘って行くって」

 

「あ~あ…迷ってたのになぁ…」

 

レビィはがっかりしながらギルドボードを見る。ミラは食器を片付けながらレビィと話す。

 

「レビィ…行かなくてよかったかもしれんぞい」

 

「あ!マスター」

 

「その仕事…ちとめんどうな事になってきた…たった今依頼主から連絡があってのう」

 

「キャンセルですか?」

 

ミラはマカロフに聞くがマカロフは首を横に振る。

 

「いや…報酬を200万Jにつり上げる…だそうじゃ」

 

「10倍!?」

 

「本一冊で200万だと!?」

 

報酬の金額が10倍につり上がったことに皆は驚きを隠せないでいた。

 

「な、なぜ急にそんな…」

 

『討伐系の報酬並みじゃねえか…一体どうなってんだよ…』

 

ギルドで騒いでいる中、グレイはニヤリと笑っていた。

 

「面白そうな事に…なってきたな」

「なにすかしてんだテメエは…」

 

「っるせえ雷ヤロウ」

「あぁ!?オレの雷で髪型アフロにしてやろうか?」

 

「やんのかコラ!!」

 

◆◆◆◆

 

ナツたちは今馬車に乗っていた。

 

「馬車の乗り心地はいかがですか?御主人様」

 

「……冥土が見える」

 

「御主人様役はオイラだよ!!」

 

「うるさいネコ!!」

 

「ならば私は女王様という所ですね」

 

「だからうるさいって言ってるでしょ!!」

 

「あ、あの出来れば…しずかに…おねがいしま…うっ!!」

 

ナツたちはこの依頼を軽く思っていた…だがそれはとてつもない危険が待ち受けているとはまだ知らずにいた。




最近…なんだか投稿のペースが無茶苦茶になっている気がする…一応すいません‼


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日の出に潜む影

ナツ、ルーシィ、ハッピー、フレイヤ、ココア達は馬車で話をしながら時間が経ち、目的のシロツメの街に着く。

 

 

「着いた!」

 

 

「馬車には二度と乗らん…」

 

 

「ほんとです…ね」

 

 

「だらしないなあ二人とも!」

 

 

「そうですね」

 

 

ハッピーとココアはナツとフレイヤの心配などせず、すたすたとルーシィと共に街を歩く。

そこでルーシィは何か閃いたのかフレイヤを無理矢理連れて街の中へと進む。

 

 

 

 

 

第17話『日の出に潜む影』

 

 

 

 

「…なんでフレイヤを連れていったんだ?」

 

 

「分かりません…まあ今は食事にしましょう」

 

 

「そだな!脂っこいのはルーシィにとっておこっか!多分フレイヤはあまり好きそうじゃないと思うけどな!」

 

 

「脂っこいのすきそうだもんねルーシィは!」

 

「大丈夫です。フレイヤには私がちゃんと健康に良いメニューを頼んでおりますので」

 

 

「…あたしがいつ脂好きになったのよ…てかフレイヤ君の扱いだけ良すぎないかしら?」

 

 

「…ぅぅ」

 

 

ナツ達はルーシィとフレイヤ声のする方へ向く。するとそこには、メイド姿のルーシィとフレイヤがいるのであった。

 

 

「ルー…シィ?それに…」

 

 

「フレイヤまでどうしたの?その格好」

 

 

「…フレイヤ…私のいないうちにそんな趣味が…」

 

 

「違うよ!」

 

 

「…ま、まあ別に人の趣味にまで口を出すつもりはないのですが…」

 

 

「これはルーシィさんに無理矢理…」

 

 

半泣きになるフレイヤにさすがに違うと理解したココアはルーシィを見る。

 

 

「だ、だって可愛いからつい…てか!それより私はどうなのよ!?私にたいしての反応は!?」

 

 

「…お、おう」

 

 

「あい…」

 

 

「……」

 

 

「どーしよぉ~!冗談で言ったのに本気にしてるよ~!!メイド作戦…ていうかルーシィよりフレイヤの方がオイラ可愛いと思うよ~!!」

 

 

「今さら冗談とは言えねえしな…こ、これでいくか」

 

 

「不覚にもフレイヤの趣味はともかく姿は可愛いと思いました…」

 

 

「きこえてますがっ!?てか、猫二匹!さっきなんて言った!?」

 

 

「……脱ぎたい」

 

 

ナツとハッピーとココアは仕方なくルーシィとフレイヤのメイド姿で依頼者のもとへ行くのであった。

その時店の中ではある二人の男がナツ達を見ていた。

 

 

「あれが妖精の尻尾か…」

 

 

「黄色の髪の方はともかく、桜色の髪の男は強そうだな…ひさびさに良い仕事になりそうだ…」

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

ナツ達は依頼主の家に行き、依頼主、カービィ・メロンの家に入る。

 

 

「にしてもうまそうな名前だな!」

 

 

「メロン!」

 

 

「ちょっと!失礼でしょ!」

 

 

「すいませんメロンさん…」

 

 

「フレイヤ…よだれ出てますよ」

 

 

「あはは!よく言われるんですよ」

 

 

メロンの話を聞いている時、ルーシィはふと疑問に思う。

 

 

「(メロン……この街の名前もそうだけど…どこかで聞いたことあるのよね…)」

 

 

「まさか噂に名高い妖精の尻尾の魔導士さんがこの仕事を引き受けてくれるなんて…」

 

 

「そっか?こんなうめェ仕事よく今まで残ってたなあって思うけどな」

 

 

「(仕事の内容と報酬がつりあってない…きっとみんな警戒していたのよ)」

 

 

「それに…こんなお若いのにさぞ有名な魔導士さんなんでしょうな…まぁ、それよりも…こちらのお二人は?」

 

 

「あたしも妖精の尻尾の魔導士です!!」

 

 

「僕も…一応」

 

 

メロンはルーシィとフレイヤの格好を少し見ると身を引く。

 

 

「その服装は趣味か何かで?いえいえ…いいんですがね」

 

 

「ちょっと帰りたくなってきた…」

 

 

「僕もです」

 

 

少し涙を流すルーシィとフレイヤ。その後、間をおいてメロンはは仕事の話を始める。

仕事の内容はエバルー公爵が持つこの世に一冊しかない本、日の出《デイ・ブレイク》 の破棄又は焼失である。

そして、驚くことに報酬を当初の20万Jから、200万Jと、10倍の成功報酬へとなっていた。それを聞いたナツ達は驚く。

 

 

「なんじゃそりゃぁぁぁっ!」

 

 

「おやおや…値上がったのを知らずにおいででしたか」

 

 

「200万ちょっと待て!!5等分すると……うおおおおっ!計算できん!!」

 

 

「簡単です!オイラが50万ナツが50万フレイヤが50万ココアが50万残りはルーシィです!」

 

 

「それってルーシィさん残るんですか?」

 

 

「まあなかなかの計算速度ですねハッピー」

 

 

「何言ってるのかしら!?残らないわよ!!」

 

 

「まあまあみなさんおちついて」

 

 

「な、何で急にそんな…200万に…」

 

 

「確かに…通常の報酬とは異なりますね…」

 

 

「それだけどうしてもあの本を破棄したいのです…私は…あの本の存在が許せない」

 

 

「…カービィ・メロンさん…」

 

 

「おおおおおっ!行くぞ皆!燃えてきたぁ!!」

 

 

そう言うとナツ達はエバルー公爵邸へ向かう。

ナツ達がメロンの家から出た数分後、二人は話をする。

 

 

「あなた…本当にあんな子供たちにまかせて大丈夫なんですか?」

 

 

「………」

 

 

「先週…同じ依頼を別のギルドが一回失敗しています…エバルー公爵からしてみれば、未遂とはいえ自分の屋敷に…賊に入られたことになります。警備の強化は当然です…今は屋敷に入ることすら難しくなっているんですよ?」

 

 

「わかっている…わかって…いるが、あの本だけは…日の出だけはこの世から消し去らねばならないのだ…たとえ先週エバルー公爵が雇った傭兵達と闇ギルドが絡んでいるとしてもだ」

 

「…あなた!」

 

 

「仕方ないだろう!父の名誉の為なんだ!」

 

 

「その話…詳しく聞かせてもらうぜ…カービィ・メロン」

 

 

「悪いようにはしねえからよ」

 

 

カービィ・メロンの所に二人の魔導士が姿を現す。

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

そのころルーシィとフレイヤは…

 

 

 

「すみませーん!誰かいませんかぁ」

 

 

「ル、ルーシィさんやっぱりやめませんか?」

 

 

「なに言ってるのフレイヤ君!依頼達成のためよ!」

 

 

「は、はぁ」

 

 

ルーシィとフレイヤはエバルー公爵邸の玄関口で話をしていると、地中が不自然に盛り上がる。それを見たフレイヤはルーシィを咄嗟にかばう。

 

 

「危ないルーシィさん!」

 

 

「ひっ!?」

 

 

「メイド募集?」

 

 

「うひゃぁ…」

 

 

「御主人様!!募集広告を見てきたそうですがー」

 

 

そう言うと巨漢のメイドは穴の方へ、声をかける。

すると、穴から御主人様と呼ばれる一人の男が出てくる。

 

 

「ボヨヨヨ~~ン、我輩を呼んだかね?」

 

 

「「((出た!!))」」

 

 

「ふむぅ。どれどれ?なるほどぅ」

 

 

そう言うとエバルー公爵はルーシィとフレイヤのことをなめ回すように見定める。

 

 

「…まずは、金髪の女」

 

 

「はぁい?なんでしょう?エバルー様」

 

「お前いらん!!帰れブス」

 

 

「ブ……!」

 

 

「それとそこのメイド!」

 

 

「は、はい?なんですか?」

 

 

「お前…我輩の家族になれ!」

 

 

「へ?あの…メイドは?」

 

 

「いらん!そもそも我輩はメイドなら今でも一応事足りるわ。それよりも我輩はお前のような心清らかな妹が欲しかったのだ!」

 

 

「ちょっ!私は」

 

「うん?まだいたのかブス」

 

 

「二度も!」

 

 

「そーゆー事よ帰んなさいブス」

 

 

「え…!?ちょ…」

 

 

巨漢の女メイドはルーシィを片手で掴むとルーシィを放り投げる。

 

 

「我輩のような偉~~~~い男には…美しい娘しか似合わんのだよ!ボヨヨヨ」

 

 

そう言うと地中からまた4人のメイドが現れる。そのメイド達はお世辞にも顔が整っているとは言えない…所謂ブスという分類の女メイドがいた。

それを見たルーシィは頭を抱える。

 

「あちゃーーー!」

 

「え?ルーシィさん!ちょ…助け」

 

 

「行くぞ我輩の妹よ!」

 

 

そう言うとフレイヤは無理矢理巨漢の女メイドに連れ去られていく。

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

「使えねぇなルーシィ…男のフレイヤはちゃんと行ったのに」

 

 

「違うのよ!エバルーってやつ美的感覚がちょっと特殊なの!!あんたも見たでしょ!?メイドゴリラ!!」

 

 

「言い訳だ」

 

 

「心が汚いからですね」

 

 

「キィーーー!!くやしいー!エバルーは私に心が清らかじゃないっていいたいのー!?」

 

 

「こうなったら作戦Tに変更だ!」

 

 

「突撃《TOTSUGEKI》ーー!!」

 

 

「あのオヤジ絶対許さん!!!」

 

 

「やはりこうなりましたか…まあフレイヤを助けに行きましょう」

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

 

一方エバルー公爵邸では…

 

 

 

「性懲りもなくまた魔導士どもがきおったわい…しかもあのマーク今度は妖精の尻尾か、隠さんとこもマヌケだがどーせなら美人をつれてこいっての」

 

 

「なあ主さんよぉ?」

 

 

「なにかな?」

 

 

「あのフレイヤって子も妖精の尻尾のメンバーなんじゃねえの?」

 

 

「ボヨヨヨヨ!あの子はまだ心が清らかな子だ。今のうちに我輩の家族としてちゃあーーんと我輩色に染め上げて見せるのだ!」

 

 

「主様の趣味は分かんねぇな」

 

 

「口を慎みなさい…仮にも我等を雇ってくれている主だぞ」

 

 

「へーへー」

 

 

「さーて…今度の魔導士はどうやって殺しちゃおうかね?ボヨヨヨヨヨヨ!!」

 

 

高笑いするエバルーの後ろには4人の人影が見えるのであった。

 




作者「…」

ルーシィ「…」

シャウト「…うふふ」

作者「す、すいませんでしたーーー!!!」

シャウト「まだ私はなにも言っておりませんよ?別に更新が遅いことに怒ってなどいませんよ?」

作者「すいませんでした…えー、実はですね、作者はこの一年、ずっと話を構想考えていました…」

シャウト「うふふ」

作者「すいません嘘です。本音は…フェアリーテイルの悪魔の心臓編が個人的に好きでそこの物語をどうオリシナルにするかを妄想して妄想して満足してました」

ルーシィ「それで妄想に終わったと…」

作者「はい、すいません!これからも不定期更新にはなりますが頑張っていきたいです…すいません」


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忘れられない怒り

 

「羽…まだ消えないわよね…」

 

 

「あい」

 

 

「フレイヤは大丈夫でしょうか…」

 

 

「とーちゃくです」

 

 

「っと!ありがとねハッピー」

 

 

ナツ達は日の出を探すためエバルー公爵邸に突撃するはずだったのだが、ルーシィの提案によりナツ達は屋敷の屋上の外から侵入することになったのであった。

 

 

「作戦Tってのはな、突撃のTだ。正面玄関から入って邪魔な奴は全員ぶっとばす」

 

 

「ダーメ!!」

 

「で、本を燃やす」

 

 

「だからそれじゃだめなの!!あんたらが今まで盗賊退治やら怪物退治やらいくつの仕事してきたのか知らないけどね、今回のターゲットは街の有力者!ムカつく変態オヤジでも悪党じゃないのよ?ヘタなことしたら軍が動くわ」

 

 

「確かに、今回に関しては突撃はあまりよろしくありませんね…ですが良いのですか?ルーシィさんも許さないとおっしゃっていましたが…」

 

 

「ええ!許さないわよ!あんな事言われたし!!だから…」

 

 

「本を燃やすついでに靴を隠す…などとは言いませんよね?そして靴の中に画鋲など…ありえませんよねルーシィさん?」

 

 

ココアの返答にルーシィは汗をかきながら下を向く。

 

 

「ま、まさかそんなこと…」

 

 

あまりの動揺にナツとハッピーは唖然とする。

 

 

「うっわ…小っさ…」

 

 

「あい…」

 

 

 

 

 

第18話『忘れられない怒り』

 

 

 

 

 

「ふぅー危なかったぁ…てかアウトよね」

 

 

「うおお!!スゲエ数の本でごさる!」

 

 

「あい!!でごさる!」

 

 

―――――ルーシィ達はあの後、結局窓から侵入したものの、ナツとハッピーは物置のような部屋で敵に見つかり、物置から出るとあの巨漢の女メイド+αの女メイド達に攻撃を仕掛けられるもナツが一掃するのであった。

そして…現在に至る―――――

 

 

「エバルー公爵って頭悪そうな顔してるわりには蔵書家なのね…」

 

 

ルーシィはそう言いながらエバルー公爵邸の本棚を漁る。

ナツとハッピーは魚図鑑や文字だらけの本などを探す。

 

 

「恐らくこの中の大半は読んではいないでしょうね」

 

 

「あー…多分そうね、あの顔だし…」

 

 

「おおおっ!金色の本発っけーん!」

 

 

「ウパー!!」

 

 

「あんたら真面目に探しなさいよ!!」

 

 

「いや…ちょっと待って下さいルーシィさん!これは…」

 

 

ナツが見つけた金色の本をココアが見ると、本の表紙にはDAYBREAKと書かれた目的の日の出の本が見つかる。それを見つけたナツは直ぐに燃やそうと試みる。

 

 

「さて、燃やすか!フレイヤも助けなきゃならねえし」

 

 

「簡単だったね!」

 

 

「ちょっ…ちょっと待って!こ、これ……作者ケム・ザレオンじゃない!!」

 

 

「ケム・ザレオン…!!あの魔導士で小説家の人ですか?」

 

 

「そう!あのケム・ザレオン!あたし大ファンなのよー!うっそぉ!?ケム・ザレオンの作品全部読んだハズなのにー!未発表作ってこと!?」

 

 

それを聞いたナツはそれでも早く燃やそうとルーシィに話すがルーシィは断固として否定する。それでもナツは燃やそうとする。

だが、その時地面が盛り上がる。

 

 

「なるほどなるほどボヨヨヨヨ…貴様等の狙いは日の出だったのか…泳がせておいて正解だった!我輩って賢いのうボヨヨヨ」

 

 

地面から出てきたのはエバルー本人と、それに連れられてメイド姿のフレイヤが出てくる。

 

 

「ホラ…もたもたしてっから!」

 

 

「ご…ごめん。あ!でもあれ!フレイヤ君がいるわよ!」

 

 

「ほんとだ」

 

 

「ココアーー!」

 

 

そういうとフレイヤはナツ達の方へ走り去り、本棚の物陰で自分の服へと着替える。

 

「むぅー…やはり我輩ではなくそちらに付くか…まあ良い。しかし、魔導士どもが何を躍起になって探してるかと思えば…そんな“くだらん本”だったとはねぇ」

 

 

「くだらん本?」

 

 

「も…もしかしてこの本もらってもいいのかしら?」

 

「いやだね。どんなにくだらん本でも我輩の物は我輩の物」

 

 

「ケチ」

 

 

「うるさいブス」

 

 

ルーシィはエバルーのブス発言にまた眉をぴくりと動かす。しかし、そこにナツは会話に混ざる。

 

 

「燃やしちまえばこっちのモンだ」

 

 

「だめ!絶対だめ!」

 

 

「ルーシィ!仕事だぞ!」

 

 

「そうですよルーシィさん!流石に」

 

 

「じゃあせめて読ませて!」

 

 

「ここでか!?」

 

 

ルーシィのあまりの行動にその場にいる全員が驚く。それを見て堪忍袋の緒が切れたエバルーは本棚の方へ振り向く。

 

 

「ええい!気にくわん!偉ーーい我輩の本に手を出すとは!来い!バニッシュブラザーズ!そして、猟犬の牙《ファングゴーチャヤ》の魔導士!!」

 

 

本棚が開くとそこからは四人の人影が現れる。そこにはバニッシュブラザーズと呼ばれる二人組と、闇ギルド猟犬の牙の魔導士の男二人が現れる。

 

 

「グッドアフタヌーン」

 

 

「こんなガキ共があの妖精の尻尾の魔導士かい?」

 

 

「まあそう言うなやお二人さん」

 

 

「そうですよ。どうせ皆抹殺するのですから、肉塊になれば皆同じです」

 

 

「あの紋章!!傭兵ギルド南の狼だよ!」

 

 

「こんな奴等雇ってたのか!?」

 

 

「それにあの紋章は闇ギルド猟犬の牙ですね…」

 

 

「…闇ギルド!」

 

 

「ボヨヨヨ!!南の狼は常に空腹なのだ!!そして猟犬の牙は痛いじゃすまんぞ~?ボヨヨヨ!」

 

 

9人が睨みあう中一人だけルーシィは日の出を見ていた。それはもう完全に周りなど気にせずに…

 

 

『おい!』

 

 

あまりのルーシィの常識はずれの行動にルーシィ以外の全員がツッコミをいれてしまう。

 

 

「なんとふざけた奴等だ」

 

 

「これが妖精の尻尾の魔導士か…」

 

 

「中々おもしれえじゃねえか!」

 

 

「やれやれ…このような魔導士と戦わないといけないとは…」

 

 

「バニッシュブラザーズと猟犬の牙の魔導士よ!あの本を奪い返せ!そして殺してしまえ!!」

 

 

その時ルーシィは何かに気付いたのか本を持って部屋から出ていく。そしてそれを見たエバルーは日の出の本に財宝の地図が隠されていると思い、作戦を変更して自らルーシィを捕まえに地面へ潜る。

 

 

「やれやれ身勝手な依頼主は疲れるな」

 

 

「まったくだ」

 

 

「だりぃなくそ」

 

 

「お互い苦労様ですね…」

 

 

「めんどくせえことになってきたなぁ…ハッピーはルーシィを追ってくれ」

 

 

「ココアもルーシィさんをお願い」

 

 

「相手は南の狼と猟犬の牙二人だよ!?オイラ達も加勢する!」

 

 

「そうですよ。無茶は駄目ですよフレイヤ」

 

 

「「二人で十分だ(よ)」」

 

 

それを聞いたハッピーとココアはナツとフレイヤの心配をしながらルーシィのもとへと急ぐ。

ハッピーとココアの二匹がドアから出るのを合図に4人の敵が動き出す。

 

 

「さてじゃあ行くぜ!」

 

そう言うと猟犬の牙の魔導士の緑髪のオールバックの男と赤色の長髪の男はフレイヤの方へ走る。

そして、バニッシュブラザーズの二人はナツの方へ攻撃を仕掛ける。

 

 

「行くぜチビ!猟犬の魂《ファングソウル》!手!」

 

 

そう言うと緑の髪の男は右手を犬のような手に変身させるとフレイヤの服を切り裂く。それを間一髪でかわす。

 

 

「おら!そっちいったぞ!ガリョウ!」

 

 

ガリョウと呼ばれる赤色の長髪の男は両手から光の球体を放つ。

 

「言われなくても分かっていますロウ!くらいなさい…光の豪球《ライトボブ》!」

 

 

「くっ!水竜の円尾!」

 

 

フレイヤは水の尻尾を作り、四方八方から飛んでくる光の球を破壊する。

 

 

「ほお!やるじゃねえかチビ!」

 

 

「流石は妖精の尻尾の魔導士…というわけですか…」

 

 

「…2つ聞いてもいいですか?」

 

 

フレイヤの質問に二人は首をかしげる。

 

 

「貴方達は…いったいどこのバラム同盟の手下なのですか?」

 

 

「失われた化身の傘下ですが何か?」

 

 

「おい!良いのか?こんなチビに教えても」

 

 

「別にいいですよ…どうせ死ぬんですから」

 

 

それを聞いてフレイヤは拳を握る。そして怒りに震えながらもう1つの質問をする。

 

 

「なら…最後の質問です…貴方達は…闇ギルドとして…一ギルドとして人を暗殺する依頼を受け、人を殺すとき…何を思っているんですか?」

 

 

「「別に…何も?」」

 

 

二人の言葉にフレイヤは怒りを顔に出す。

 

 

「もう結構です…貴方達はもう喋らなくて良い!耳障りだ!」

 

 

「親切に質問に答えといてそりゃあねえんじゃねえかチビ!」

 

 

ロウは両手両足を接収すると四足歩行で一気にフレイヤの所まで駆ける。

 

 

「水竜の翼撃!」

 

 

「おせえぞ?チビ!おらぁぁ!」

 

 

「ぐっ!」

 

 

フレイヤの攻撃をかわすと背後に回り込み、ロウの爪がフレイヤの背中を切り裂く。

 

 

「終わりです妖精の尻尾の魔導士…光の槍《ライトスピアー》!!」

 

 

フレイヤの体を光の槍が貫く。それを見たガリョウは、勝利を確信して笑みを浮かべる。

しかし、ガリョウの口からは血が溢れる。

 

 

「がふっ!な、何ですか…これ…は」

 

 

ガリョウの腹には数本の水の槍が刺さっていた。それを見たガリョウはフレイヤの方を見る。

するとそこには光の槍で貫いた筈のフレイヤがいないのであった。

ガリョウの後ろにフレイヤは背中を預けていた。

 

 

「何故…私は貴方を貫いたはず…」

 

 

「…教えてあげますよ。貴方達が攻撃したのは僕ではありません。正確には僕の映った水面です」

 

 

「そんな…事が…」

 

 

「出来るんですよ。…昔ある人に教えてもらったんです。『お前は魔力コントロールが上手いから水面を作って自分の分身を作ることが出来る』って」

 

 

「随分…変わった…人です…ね」

 

 

フレイヤは歯を噛み締める。

 

 

「ええ…変わった人でも僕にとっては…妖精の尻尾にとっては大事な人だったんですよ!…けど、貴方達はその人を奪ったんだ」

 

 

それを言い切る頃にはガリョウの意識は飛んでいた。

そして、ロウはそれを見て驚愕するのであった。

 

 

「ガリョウ!?」

 

 

「この人は死んでません…妖精の尻尾の魔導士として言います…今ならまだ失われた化身の情報を言えば見逃します。ですが、…これ以上やるのであれば…貴方達を見過ごすわけにはいきません…どうしますか?」

 

 

「俺はよォ腐っても闇ギルドのメンバーなんだ…敵に教える情報なんざねえよ!」

 

 

「……?闇ギルドの人が…あの人を殺したギルドの傘下が…そんな綺麗事を!」

 

 

そう言うとフレイヤは両手に水を纏う。それと同時にロウも接収をする。

 

 

「猟犬の魂!全身接収!」

 

 

ロウの体は全身を全長3mほどの大きさの犬に接収するとフレイヤの喉元を噛み千切ろうと突進する。それに合わせてフレイヤは拳を地面に叩き付ける。

 

 

「水竜槍…獄山」

 

 

「がはっ!?」

 

 

地面から何本もの水の槍がロウの体を貫く。ロウの体からは血が溢れ、気絶する。

ロウが噴出した血がフレイヤの頬に触れる。そしてその血を拭わず、ただフレイヤの頬から流れ落ちる。

 

 

「…こんなことをしても…あの人は…師匠は喜びやしないというのに…僕は………そこで少しのあいだ倒れていてください…猟犬の魔導士さん…」

 

 

フレイヤは振り返りルーシィのもとへ一歩…また一歩血の水溜まりをひたひたと歩くのであった。




今回はフレイヤの闇ギルドに対する悪意を書こうとこのようにシリアスな展開になりました!

ナツとバニッシュブラザーズは?って人もいてますでしょうが安心してください!次回にナツはバニッシュブラザーズと戦います!
感想等お待ちしております!


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第19話

「なん…だよ、これ」

 

 

「ナツさん」

 

 

ナツはフレイヤの周りの惨劇を見て言葉を失った。

それもそのハズ、フレイヤの周りにはおよそ人とは思えない肉塊のようなものが散らばり、そこには赤いカーペットのように血塗れの床となっていたのだ。

ナツはバニッシュブラザーズを1人で倒し、そして気絶させた後にフレイヤのもとへと向かっていた。

しかしそこに映っていたのは仲間が人殺しをした現場であった。

 

 

「お前!何してんだよ!!」

 

 

「何って、仇討ちですよ。この人たちはねあの失われた化身の傘下の闇ギルドのメンバーだったんです。こうなって当然ですよ」

 

 

「それでも殺すことは無かっただろ!!」

 

 

「え?」

 

 

フレイヤはナツの言葉に驚きを隠せなかった。

フレイヤにとってナツは師匠の弟であり、そして仲間であり、何より自分にとっての兄のような存在でもあった。

だからこそナツの発言に苛立ちを隠せなかった。

 

 

「それでも?だったらなんで、なんであの人は!!師匠は殺されたんですか!?」

 

 

「っ!!」

 

 

フレイヤはそう言うと人間であったその周りのものを何度も何度も、足で踏む。

 

「誰もが好きだった。誰からも愛されていた。家族を思い、仲間を思い、エルザさんを思い、そして、貴方の兄だった!!何故貴方の口からそのような事を」

 

 

それ以上の言葉をナツは遮るようにフレイヤを殴った。

もちろん魔力のないただのパンチだ。

それでもフレイヤの頬は真っ赤に腫れ、そして鼻血も出ていた。

 

 

「殴るんですか、殴って黙らせる。貴方はそれしか出来ないんですか」

 

 

「うるせえ、、ごちゃごちゃ!!皆であの事は乗り切ろうって決めたじゃねえか!!なのになんでまだその事を」

 

 

「まだ!?そのこと!?実の弟である貴方が!!何故それを」

 

 

そう言い切る前に急に二人の間に巨大なメイドバルゴが走りさる。

それを見たふたりはバルゴに捕まるとふたりは光につつまれる。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

ルーシィとエバルー公爵は睨み合っていた。

先程エバルー公爵はルーシィを見つけ捕まえようとしたがそこでハッピーとココアに妨害され今に至る。

そのハッピーとココアというとハッピーはルーシィを助けた際に下水の水が思いのほか気持ちよく体の大半が浸かっていた為汚いと思ったココアはなんとかハッピーを引き上げるので必死である。

 

 

「猫が2匹増えたくらいで我輩の魔法土潜《ダイバー》はやぶれんぞ!!」

 

 

「これ…魔法だったのかぁってココア何するの!?」

 

 

「何するはこっちのセリフです。いい加減に下水から出てルーシィさんを手伝いますよ」

 

 

「あい」

 

 

言葉と裏腹にハッピーは下水の近くの鉄柵から手をはなそうとしなかった,

 

 

「この本に書いてあったわ!内容はエバルーが主人公のひっどい冒険小説だったの!」

 

 

「なんだそれ!?」「最悪ですね」

 

 

ハッピーとココアがドン引きしていた。

 

 

「我輩が主人公なのは素晴らしい。しかし内容はくそだ!ケム・ザレオンのくせにこんな駄作を書きおって!!けしからんわぁ!!」

 

 

「無理矢理書かせたくせになんて偉そうなの!?」

 

 

ルーシィとエバルー公爵の戦いは止まらなかった。

戦いの中エバルーは語った。

ケム・ザレオンに強制的にエバルーを主人公にした物語を書けと。

そしてそれを書かなければ親族全員の市民権を剥奪すると。

そして彼は苦悩の果てに書いた。自尊心を砕き、家族の仲を引き裂いたエバルーをルーシィは許さなかった。

 

「自分の欲望のためにそこまでするってどうなのよ!!独房に監禁されてた3年間!!彼はどんな想いでいたかわかる!?」

 

 

「3年も……!?」

 

「我輩の偉大さに気付いたのだ!!ボヨヨヨヨヨ!!」

 

 

「違う!!自分のプライドとの戦いだった!!書かなければ家族の身が危ない!!だけどアンタみたいな大バカを主人公にした本なんて……作家としての誇りが許さない!!」

 

 

その言葉にエバルーは額に汗を浮かべた。

こいつはまさか、私の今までの悪事などを書いた本にするように仕組んだのか?と。

元々ケム・ザレオンは魔導士だった。彼ならばそれも容易い。

だがルーシィはそれを否定した。

 

 

「発想が貧困ね…確かにこの本が完成するまでの経緯は書かれていたわ、だけど!ケム・ザレオンが残したかった言葉はそんなことじゃない。本当の秘密は、別にあるんだから!」

 

 

そういうとルーシィは巨蟹宮の鍵で星霊キャンサーを呼んだ。

ハッピーはそれを見た瞬間カニが来たと大喜びするがキャンサーの一言でがっかりする。

 

 

「ルーシィ、今日はどんな髪型にする"エビ"」

 

 

「エビーー!!??」

 

 

「空気読んでくれるかしら!?」

 

 

「やれやれ」

 

 

ハッピーは語尾がカニと思い残念がり、またルーシィは倒して欲しい相手がいるのにヘアスタイルのことを聞かれ、ココアはそれをみたしまらないなあと思いながら頭を抱える。

そしてエバルーはこれまでの悪事を評議会にバレてはいけないと思い、エバルーもまた星霊を呼び出す。

その名は処女宮の扉バルゴ。

そう、先程ナツとフレイヤが一触即発となる時にいた巨大なメイドである。

 

 

「お呼びでしょうか?御主人様」

 

 

「バルゴ!!その本を奪え!!」

 

 

ルーシィとハッピーとココアは驚きを隠せないでいたが、さらにその後驚くことに、ナツとフレイヤがバルゴの背中を掴んでいた。

 

 

「なぜ貴様達がバルゴと!?」

 

「あんたたち!?どうやって!?」

 

 

「どうってこいつが動き出したから掴んだらいきなり……わけわかんねー!!」

 

 

「同じくです、」

 

 

ルーシィは人間が星霊界を通過してきたことに汗が止まらなかった。

そして即座にルーシィはナツとフレイヤに命令してバルゴを倒してもらいキャンサーとの連携でエバルーを倒すのであった。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

カービィ・メロンの家にナツたち一行は戻る途中ナツとフレイヤの間にはなんとも言えない空気が流れていた。

それを見兼ねたココアは口を開く。

 

 

「貴方達、一体何があったのですか?」

 

 

「「ココアには関係ねー(ない)」」

 

 

「はいはい」

 

 

諦めたココアは依頼主のもとへと戻った。

 

 

「こ、これは一体…どういうことですかな?私は確か破棄して欲しいと依頼したハズです」

 

 

「破棄するのは簡単です。カービィさんにだってできる」

 

 

それを聞くとカービィはルーシィの手元から本を奪い焼却しようとする。

それを見たルーシィはカービィに本を読んだ事があるかを尋ねる。

カービィはこの本を読んだことは無いが駄作であると父が言っていたとこたえる。

 

「だから燃やすって?」

 

 

「そうです」

 

 

「つまんねえかは燃やすってそりゃああんまりじゃねーのか!?お?父ちゃんが書いた本だろ!!」

 

 

「ナツさん落ち着いてください!!」

 

 

フレイヤ達はナツをとめようとする。

しかしそれでもナツは足を止めようとはしなかったがカービィの言葉で止まる。

カービィの口から語られたのはケム・ザレオンが31年前3年ぶりに帰ってきた話である。

ケム・ザレオンは作家をやめると言い、そして自らの腕を切り落とした。

カービィは父に何故書いたのかと問いただした。

父は金がよかったと嘘をつき、そして謝罪を語っていた。

それに信じられないと思ったカービィは父に辛辣な一言を放つのであった。

 

 

『作家やめて正解だよ。誇りのない奴にはつとまらない。父親もね』

 

 

カービィのその一言が父との最後の会話となるとも知らず……

 

 

「しかし、年月が経つにつれ、憎しみは後悔へと変わっていった……私があんな事を言わなければ父は死ななかったかもしれない…と」

 

 

そう言うとカービィはせめてもの償いとマッチ棒で本を燃やそうとした時に、本は光る。

本の文字列は変わり、DAYBREAKという駄作はDEARKABY《親愛なるカービィへ》というカービィへの手紙という最高の本へと変わる。

すると中身の文字もバラバラになり空へと広がる。

 

「おおっ!」

 

 

「きれー!」

 

 

「すごい…」

 

 

「これはなんとも美しい…」

 

 

ナツ、ハッピー、フレイヤ、ココアと4人は綺麗に輝くその本に、そしてその中から溢れる文字に心を踊らせる。

 

 

「彼が作家をやめた理由は最低な本を書いてしまった事の他に、最高の本を書いてしまったことかもしれません。カービィさんへの手紙という最高の本を」

 

 

ルーシィがそう言うと空に舞う文字はまたもとの本へと戻っていくのであった。

その時父の一言をカービィは思い出す。

 

 

『いつも、お前の事を想っていたよ』

 

 

それは勘違いかもしれない、しかしそれでも勘違いと言うにはあまりにも懐かしく、そして自分にとって聞き覚えのあるケム・ザレオン本人の声が自分に聞こえたように思えた。

 

「父さん…。私は…父を…理解出来ていなかったようだ…」

 

 

「当然です、作家の頭の中が理解できたら本を読む楽しみがなくなっちゃう」

 

 

ルーシィは笑顔でカービィに答えた。

そしてフレイヤはその様子を見て笑みを浮かべながら、そしてどこか儚げな様子で見守るのであった。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

結局その後ナツ達は報酬を貰うことは無くそのまま帰宅することになった。

そしてそこでルーシィは小説家を目指していることをナツにバレてしまう。

ルーシィは顔を真っ赤にしながらナツに怒るがナツは笑いながら帰宅する。

 

 

「あ、そーだフレイヤ」

 

 

「どーしたんですか?ナツさん」

 

 

「あの時殴って悪かったな」

 

 

「あ…」

 

 

ナツは歩きながらフレイヤに謝る。それを聞いたフレイヤも思い出すように口を開く。

 

 

「僕も、あんな事を口に出して、すみませんでした」

 

 

「別にいいけどよ、後1つ、あの事だけどよ一つだけ訂正すると俺だってまだちゃんと乗りこえられてなんかいないからな」

 

 

「え、」

 

 

ナツ達との会話にルーシィは1人疑問を浮かべながら会話を聞く。

それは悲しく、そして妖精の尻尾のメンバーにとってはすごく辛い話であった。

 

 

「俺だって兄ちゃんが死んだのは辛いし、本当にあの時はどーなるかと思った、いや、今でもたまに夢に見るからよ」

 

 

「ナツさん…」

 

 

「お前は自慢の弟だって言ってくるんだよ。けどその度に起きると涙を流して辛い気持ちが止まらねえ」

 

 

「僕も…そうです」

 

 

フレイヤはナツの言葉にぐしゃっと胸のあたりの服の布を握る。

思い出すのは常に修行の時のレツの真剣な顔、そして一緒に歩いてる時の笑顔。

 

 

「でもさ、前に兄ちゃんが言ってたんだ、辛い時ほど仲間が支えてくれるって」

 

 

「あっ」

 

 

「だからさ、あんまりよく分かんねえけど、でも、それでも仲間が、フレイヤがそういう事するのは俺も見てられねえんだ。だから、これ以上もうあんな事はするんじゃねえぞ」

 

 

ナツのその言葉はいつものふざけた口調とは違い、真剣にそれでいてフレイヤをちゃんと見た言葉であった。

それを聞いたフレイヤは辛い気持ちもありながらも、それでもぎゅっとこらえ、返事をする。

 

 

「はい、わかりました、やっぱりナツさんには敵わないですね」

 

 

「そんな事ねえよ!お前もじゅうぶん強いしなあ!少なくともルーシィよりは」

 

 

「ちょっと!いきなりなんで私に話題をふってくるの!!てかけなしてるし!!」

 

 

ルーシィ達はそういうと笑いながらまた歩き出すのであった。

 

「(それでも、それでももし、仲間の、そして何よりナツさんの身に何かあった時には僕はためらわず相手を殺ります…。)」

 

 

フレイヤは密かにその気持ちを胸にまた歩くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして少年、フレイヤはまた同じ過ちを繰り返す。

それを語るのは少し先の話になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第19話『炎と水は交わることはできない』

 

 




ルーシィ「0点ね」


作者「え?」


ルーシィ「今まではサブタイトルちゃんと書いてから物語が始まるって感じだったでしょ?なんで急に変えるの?」


作者「それは、」



ルーシィ「そもそも今まで更新しなかったくせになんで急に変えたの?そんな事したら読者の人ついていけないでしょ?」


作者「ルーシィちゃんちょっと、落ち着いt」

ルーシィ「てかね!感想にもかかれてるけど新キャラ多いとか、挿絵ないの?ってよく言われるのよ!」


作者「ルーシィちゃん、あの、まだ君はライトくんとはあまり関わってない設定だから呼び捨ては…」


ルーシィ「それより、フレイヤくんこのままじゃあ闇堕ちまっしぐらよね?私のフレイヤ君に何してるの?」


作者「君のじゃないんだけどね、、えっとまずは更新遅れてすみませんでしたああああ!!」


ルーシィ「あ、あとこれからもFAIRYTAIL~もう1人の火竜~は続くので不定期ですがよろしくお願いします!」


作者「最後に一つだけチロっと言うとね、僕個人的にとある人を妖精の尻尾に入れたいんですよ。個人的に好きなキャラなので」

ルーシィ「何ネタバレしようとしてんのよ!!ルーシィキック!!それじゃあまた不定期ではありますがよろしくお願いします!」


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鎧の魔道士

「う〜ん」

 

ルーシィは1人ギルドの掲示板を見ながら次の仕事探しに専念していた。

しかし掲載されているものは魔法の腕輪探しや火山の悪魔退治など種類が豊富だった為悩んでいた。

 

 

「へぇー…依頼っていろいろあるんですね」

 

「気に入った仕事あったら私に言ってね。今は総長いないから」

 

ミラの言葉にルーシィは気付く。

総長、マカロフは現在定例会に出向いているのである。

定例会とは、地方のギルドマスターが集って定期報告をする会のことである。

しかし、このギルド同士の連携を大切にせずおろそかにすると…

 

「黒い奴らが来るぞォォ」

 

「ひぃいいい!」

 

「うひゃひゃひゃっ!!ひいい!だってよ!!なーにびびってんだよ」

 

「もぉ!おどかさないでよ!」

「ビビりルーシィ!略してビリィーだね!」

 

「 変な略称つけんなっ!!」

 

ナツとハッピーはルーシィの驚く姿に笑いながら会話に参加する。

ルーシィはいずれナツにも闇ギルドに声がかかるのではないかと口にする。

 

 

「つーが早く仕事選べよ」

 

「前はオイラたち勝手に決めちゃったからね。今度はルーシィの番」

 

「冗談!チームなんて解消に決まってるでしょ!」

 

ルーシィの返答にナツ達は疑問をうかべる。

ルーシィは金髪の女なら誰でも良かったのではないかと口にするが、ナツはその通りと軽く相槌する。

 

「でもルーシィを選んだんだいいやつだから」

 

ナツの無邪気な笑顔にルーシィは嬉しい半分戸惑い半分といった表情であった。

「なーに無理にチームなんか決める事ァねえ、聞いたぜ大活躍だってなきっとイヤってほど誘いがくる」

そう話したのはパンツ一丁のグレイであった。

グレイはルーシィ達の活躍を褒めていたが大半はナツの手柄と聞いてナツにいちゃもんをつける。

それにナツも乗り2人はいつものように喧嘩をする。

 

「ナツ!!グレイ!!マズイぞ!!」

 

「「あ?」」

 

「エルザが帰ってきた!!」

 

「「あ!!!??」」

 

ナツとグレイはのその一言に恐怖を感じ冷や汗をかく。

 

 

 

 

 

 

 

第20話「鎧の魔道士」

 

 

 

 

 

 

ズシィン…ズシィン。

強烈な足音がギルドへと近付く。

その足音にギルドのメンバーは沢山の表情をみせる。

ある者は驚き、ある者は口を塞ぎ、ある者は恐怖する。

そして足音の正体がギルドに入る。

そこに居たのは緋色の髪の美しい女性が1本の全長5m以上はあるかという巨大なツノを片手で担いでいた。

「今戻った。総長はおられるか?」

 

「おかえり!!総長は定例会よ」

 

エルザはミラと会話を終えるとギルドのメンバーに目を向ける。

 

「それよりお前たち、また問題ばかり起こしているようだな。総長が許しても私は許さんぞ」

 

「な、なにこの人…」

 

「エルザ!!とっても強いんだ」

 

ルーシィはエルザの事が知らないのでハッピーに問いかける。

その答えはシンプル、強いの一言。

 

「カナ…なんという格好で飲んでいる」

 

「うっ」

 

「ビジター、踊りなら外でやれ。ワカバ、吸殻が落ちているぞ」

 

エルザのギルドメンバーに対する注意は止まらない。

 

「ナブ…相変わらず依頼板の前をウロウロしているのか?仕事をしろ。ガルムお前はもう少し女性らしい身なりをするんだ」

 

「……」

 

ガルム下を向きながら床に落ちていた缶を蹴る。

「ところでナツとグレイ、それに…丁度いいライトとガルム、それにフレイヤ達も来てくれ」

 

「や、やあ…エルザ…オ…オレたち今日も仲よし…やってるぜぃ」

 

「あ"い」

 

「ナツがハッピーになった!?」

 

ナツとグレイは先程の喧嘩はどこへやら、肩を組んで手を繋ぎながら仲良しアピール。

その光景にルーシィは口をぐもっと開く。

 

「そうか…親友なら時には喧嘩もするだろう…しかし私はそうやって仲良くしてるところを見るのが好きだぞ」

 

エルザがナツとグレイに話しかけている間に呼ばれたライトとガルムはエルザの元に足を運ぶ。

ライトは少し震えながら、ガルムは先程の言葉に立ち直れてはいないようである。

そしてフレイヤはというと…

「エルザさーん!!」

 

エルザが帰ってくるのを知り、エルザに呼ばれて鎧の胸に飛び込む。

ガチィンという金属と皮膚がぶつかる音がする。

 

「か、かたい」

 

「ただいまフレイヤ」

 

その姿にエルザは微笑みながらフレイヤに話しかける。

 

「は、ハッピーさん?これはいったい…」

 

ルーシィはその光景に動揺半分嫉妬半分でハッピーにたずねる。

 

「あい。フレイヤはエルザの事が好きだからね」

 

「そんなぁぁぁぁぁあ!!!」

 

ルーシィはその言葉にショックを受ける。

しかしその後のお姉ちゃんみたいに思ってるんだよ、というハッピーの言葉を聴き逃していたルーシィであった。

 

 

「実はお前達に頼みたい事がある」

 

エルザの一言にナツ達は顔を引き攣らせながら話を聞く。

 

「仕事先で少々厄介な話を耳にしてしまった。本来なら総長の判断をあおぐトコなんだが早期解決が望ましいと私は判断した」

 

「厄介な話ってなんですか?」

 

フレイヤはエルザに尋ねると…

 

「お前達の力を貸してほしい。ついてきてくれるな」

 

「え!?」

 

「はい!?」

 

「まじか!?」

 

「……!?」

 

「もちろん!!」

 

ナツ達はその言葉に驚きを隠せないでいた。

それもその筈、名声実力共に妖精の尻尾でも指折りの実力者であるエルザが頼みをするからである。

その頼みにギルドのメンバー達は色々な反応をする。

 

「出発は明日だ準備をしておけ」

 

「あ、いや、ちょっ…」

 

「行くなんて言ったかよ!!」

 

グレイとナツは戸惑いをしながらもエルザに意見を口にするがエルザは耳を傾けていなかった。

 

「まじかよ…」

 

「ガルム…諦めろ」

 

「やったー!エルザさんと仕事だ!」

 

ライトは落ち込むガルドに肩をポンっと置く。

フレイヤは喜びのあまりココアを両手で抱え仕事の準備をしにギルドを出る。

 

「エルザと…ナツと…グレイ、それにライトにガルム…フレイヤまで…」

 

「?」

 

「これって妖精の尻尾最強チームかも…」

 

 

 

 

 

■■■■■

 

 

 

 

 

 

魔導士ギルド鉄の森《アイゼンヴァルト》

 

「あの鎧女どこのギルドの者よ?」

 

「知らね」

 

「いい女だったなァ……クソッ!!声かけときゃ良かったぜ」

 

「カゲヤマはまだ戻らねえのか」

 

「"あれ"の封印を解くのはそう簡単じゃねえハズだ仕方ねえよ」

 

「モタモタしてんじゃねえよ…今が好機なんだぜぇ」

 

怪しい笑みを浮かべる大鎌を持った男

死神 エリゴール

「ジジィどもが定例会をしてる今がな」

 

そして闇はいつも必ずひとつとは限らない。

光の数が多ければ多いほど闇もまた然り。

 

「おいおいおい、ジジィどもには俺たちが先に仕掛けさせてもらうぜぇ?エリゴール」

 

「あ?」

 

口を開いたのは全身鎧を纏った大男であった。

大男の後ろには2人の青年が立っている。

 

「然り。我等はこの日の為に力を蓄えた。」

 

「右におなじ」

 

光と闇が今ぶつかろうとしていた。

 

 

 





作者からの一言です。
大変お待たせいたしました。
リアルが少しようやく落ち着いたのでこれからまた開始していこうと思うので応援のほどよろしくお願い致します。
そしていきなり短くて皆様には申し訳ない気持ちでいっぱいです。


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列車

ーーーーーーマグノリア駅ーーーーーーー

 

「なんでエルザみてーなバケモンがオレたちの力を借りてえんだよ」

 

「知らねえよ。つーか助けなら俺一人で十分なんだよ」

 

「参加しなくていいの?アンタ」

 

「…な、内容が内容だからパス」

ナツとグレイは睨み合っていた。

そしてガルムはライトに喧嘩に参加しないのかと聞くがライトもまたエルザが怖い為どこで聞いているかもしれない恐怖に顔を青ざめながら答える。

 

「じゃあオマエ1人で行けよ!!オレは行きたくねえ!」

 

「じゃあ来んなよ!後でエルザに殺されちまえ!!」

 

「迷惑だからやめなさいっ!!!」

 

ボコスカと2人は殴り合うがそれに注意をするルーシィ。

その言葉に2人冷静になるが互いにルーシィに視線を送る。

 

「何しに来たんだよ」

 

「頼まれたのよっ!!ミラさんに!!」

 

時は少し遡りーー

 

 

「確かにあの6人が組めば素敵だけど仲がギクシャクしてるトコが不安なのよねえ〜。特にナツとグレイは。そうだ!ルーシィついてって仲をとりもってくれる?」

 

「ええーーっ!?」

 

 

ーーーーーー

 

 

 

「ミラさんの頼みだから仕方なくついてってあげるのよ!…それとフレイヤ君にエルザさんがひっつき過ぎないように見張っておかないと…」

 

「本当は一緒に行きたいんでしょ。てゆーかルーシィ最後のセリフはやばいよ」

 

「うるさいネコちゃん!」

 

ボコッ!

ルーシィはハッピーの頭を勢いよくたたく。

と、ルーシィはナツとグレイの姿に意識を少し逸らしたタイミングでナツとグレイはまた睨み合う。

そこでルーシィは何かが閃いたのかニコリと笑うとある一言を2人に聞こえるように喋る。

 

「あ!!エルザさん!!」

 

「今日も仲良く行ってみよー!」

 

「あいさー」

 

「あいあいさー!」

 

ナツとグレイ、そして何故か関係のないライトも3人で肩を組みながらニッコリと笑う、フリをする。

 

「これ面白いかも!あはははっ!」

 

「「「騙したなテメェ!!」」」

「あんたら本当は仲良いんじゃないの?ていうかライトくんも何してるの?クスッ」

 

「俺帰ってもいいか…」

 

 

 

 

 

 

 

第21話「列車」

 

 

 

 

 

 

「すまない…待たせたか?」

 

「エルザさん今日は楽しみですねっ!」

 

「フレイヤハンカチ忘れていますよ」

 

エルザとフレイヤそれにココアは大量の荷物、主にエルザの物だが紐で縛った物を担いで歩いてきた。

「荷物多っ!!てか、その手!!」

 

ルーシィはエルザ達の荷物よりもエルザの左手に注目していた。

その左手にはフレイヤの小さな手が握られていた。

 

「ん?ああ、フレイヤが手を繋いでいきたいと言うのでな私も断る理由もないし一緒に来たのだ。そういう君は昨日妖精の尻尾にいたな」

 

「し、新人のルーシィといいます。ミラさんに頼まれて同行することになりました。よろしくお願いします。」

 

「私はエルザだよろしくな。そうか…ギルドの連中が騒いでいた娘とは君の事か」

 

エルザはルーシィが傭兵ゴリラを倒したと勘違いしながらルーシィを褒める。

それにルーシィは否定する。

 

「あ、あのー、エルザさんとフレイヤくんはどのような関係で?」

 

「仲間だが?」

 

「そ、そうなんですね」

 

「仲間…そう…ですね」

 

「え」

 

フレイヤはエルザの一言に少し残念そうな表情をした後頬を膨らませながら歩いていく。

その顔をルーシィは見逃さなかった。

 

「さて、話を戻していいかな?今回は少々危険な橋を渡るかもしれないが君の活躍ぶりなら平気そうだな」

 

「危険!?」

 

「なんの用事か知らねえが今回はついてってやる。条件付きでな」

 

「条件?」

 

「バ…バカ!オ…オレはエルザの為なら無償で働くぜっ!」

 

「も、もちろんオレも!!」

 

ナツのエルザに対する一言にグレイとライトは冷や汗をかきながら自分達は大丈夫と否定する。

そして少しの間があった後、ナツの放った一言は…

 

「帰ってきたらオレと勝負しろ。…あの時とは違うんだ」

 

「オ…オイ!はやまるなっ!死にてえのか!?」

 

「そ、そうだぞ!流石に無謀だ!」

 

「ナツさん…」

 

「死んだな」

 

ナツの言葉に全員がそれを止めようとするが、ナツの意思は変わらない。

ナツの一言には大きな意味があった。

亡くなった兄、レツ・ドラグニルのような人を二度とと出さないため、そして最愛のリサーナ・ストラウスを二度と出さないため。

己は力をつけたという証明をエルザに見せるため。

 

「確かにお前は成長した。しかし、それは私も同じことだ。いいだろう受けて立つ」

 

「おしっ!!燃えてきたァ!!やってやろうじゃねーか!!」

 

 

 

 

 

汽車が発車した後。

 

 

 

 

「はぁ、はぁ」

 

ナツは酔っていた。

正確には…

 

「き、気持ち悪い…」

 

フレイヤも酔っていた。

 

「まったくしょうがないな、私の隣に来い」

「あい…」

 

「どけってことかしら…」

 

ルーシィは静かにフレイヤの横に座る。

そして言葉とは裏腹にニコニコと笑みを浮かべながらフレイヤの横に座る。

エルザはナツを見て優しい笑みを浮かべる。

その姿にルーシィは見習わねばと決心するが、次の瞬間…

ボスッ!!!

ナツの鳩尾に拳の一撃。

「げぼらっ!」

 

「少しは楽になるだろう」

 

「あは、あはは。フレイヤくん膝枕してあげるね」

「あ…ありがとうございます」

ぴとっ。

フレイヤの小さな頭がルーシィの太ももに触れる。

「(ひょわああああ!!え!?なにコレ。可愛すぎる…これはもう、人間?人間なの?)……」

 

「ルーシィ?」

 

「な、なにかしらハッピーくん」

「あい…なんかちょっと変な顔してたよ?」

 

「おほほほほ。何を言ってるのしらネコちゃん」

 

「やれやれ」

 

ハッピーはルーシィの顔があまりにも犯罪者顔をしていた為怪しく思っていた。

そしてその理由を察したココアはため息をつく。

 

「そういや…あたし、妖精の尻尾でナツとフレイヤ君以外の魔法見たことないかも。エルザさんはどんな魔法使うんですか?」

 

「エルザでいい」

 

「エルザの魔法はキレイだよ。血がいっぱいでるんだ、相手の」

 

「…キレイ、なの?」

 

「大したことは無い…私はグレイの魔法のほうが綺麗だと思うぞ?」

 

「そうか?」

 

グレイは左手の手のひらに右手の拳を乗せると、手の周りから冷気が噴出し、右手を開くと妖精の尻尾のマークの形をした氷が出現する。

「氷の魔法さ」

 

「氷ってアンタ似合わないわね」

 

「ほっとけての」

 

「ん?氷、火…あ!!!」

 

ルーシィは突然なにか閃いたかのように、顔を上げると…

 

「だからアンタたち仲悪いのね」

 

「そうだったのか?」

 

「…」

 

グレイはどういう反応すればいいんだろう…と思いながらなんとも言えない表情をルーシィに送る。

そしてその後ルーシィはライト達の席を見て話し掛ける。

「あの!ライトくん…とガルムさんはどんな魔法を?」

 

「ん?ああ…オレはこれ」

 

そういうとライトは右手から電気を軽く放出する。

「わあ、すごい!電気ウナギみたい…」

 

「おいこら」

 

「ぶふっ!電気…ウナ…ギ…」

 

ルーシィの何気ない一言にガルムは声を抑えながら笑いを堪える。

「お前ホントラクサスと被ってるよな」

 

「グレイてめえ喧嘩売ってんのか?」

 

「ア?」

 

「喧嘩か?」

 

エルザは2人に睨みをきかせると、グレイたちは肩を小さくしながら…「「なんでもないですっ」と答える。

「あはは…そういえばガルムさんは?」

 

「俺の魔法は…んー、あんまりここでは使えないな」

 

「ここではって」

 

「あい。ガルムの魔法はね皆が跪くんだよ」

 

「どーいう…」

 

「ま、そういう事だな」

 

「つーかそろそろ本題に入ろうぜエルザ。一体何事なんだ。お前ほどの奴が人の力を借りたいなんてよほどだぜ」

 

「そうだな話しておこう…先の仕事の帰りだ。オニバスで魔導士が集まる酒場へ寄った時、少々気になる連中がいてな…」

 

 

 

 

■■■■■

 

 

 

「コラァ!!酒遅ェぞ!!」

 

「す…すみません」

 

「ったくよォなにモタモタしてんだよ!!」

 

「ビアードそうカッカすんな」

 

「うん」

 

酒場で声を荒らげる男は店員が持ってきた酒を魔法で取るとまた声を荒らげる。

 

「せえっかくララバイの隠し場所を見つけたってのに、あの封印だ!!何なんだよアレはよォ!!まったく解けやしねえ!!」

 

「バカ!!声がでけえよ」

 

「うん…うるせ」

 

「くそぉっ!!」

 

「あの魔法の封印は人数がいれば解けるなんてものじゃないよ。あとは僕がやるからみんなはギルドにもどっているといいよ」

 

糸目の男は立ち上がると重要な一言を口にする。

 

「エリゴールさんに伝えといて。"必ず3日以内にララバイを持って帰るって"」

 

 

 

 

■■■■

 

 

 

 

「ララバイ?」

 

「子守歌…眠りの魔法か何かしら」

 

「眠りの魔法にせよ何にせよ厄介そうだな」

 

ルーシィ、グレイ、ライトは汗を1滴かきながらエルザの情報に不安が募る。

 

「わからない…しかし、封印されているという話を聞くとかなり強力な魔法だと思われる」

 

「話が見えないなエルザ。得体の知れない魔法の封印を解こうとしている奴らがいる…それだけだ…仕事かもしれない。だかそれだけならお前だけで十分じゃないか?」

 

ガルムはエルザに率直な質問をする。

 

「そうだ…私も初めはそう気にはかけてなかった…エリゴールという名を思い出すまではな」

 

エルザがその後口にしたのは鉄の森のエースエリゴールだった。

エリゴールは暗殺系の依頼ばかり遂行し続けついた字名。

本来暗殺目的の依頼は評議会で禁止されているが金を選んだギルド。

その結果6年前にギルド連盟を追放される。

現在は闇ギルドというカテゴリーに分類されている。

 

「不覚だった…あの時エリゴールの名に気づいていれば…全員血祭りにしてやったものを……」

 

「ひいいっ」

 

余りのエルザの剣幕にルーシィは恐怖していた。

しかしエルザの言った様にその場の人間だけならエルザの実力があれば何も問題は無いがギルド1つとなると話はまた別である。

 

「奴等はララバイなる魔法を入手し何かを企んでいる。私はこの事実を看過する事は出来ないと判断した」

 

その後エルザは全員を見てから口を開く。

 

「鉄の森に乗り込むぞ」

 

「面白そうだな」

 

「ま、乗りかかった船だしな」

 

「闇ギルド…少し聞きたいこともあるしな」

 

エルザの言葉にグレイ、ライトはエルザの意見に賛同する。

しかしガルムだけは他のメンバーとは違う反応を少しだけ示していた。

その反応にライトは無言で見つめていた。

 

 

■■■■

 

 

 

エルザ達は駅から下りるとグレイはエルザに質問をする。

 

「で……鉄の森の場所は知ってるのか?」

 

「それをこの町で調べるんだ」

 

「果てしない作業にならないようにだけ気を付けるか…」

 

「………あれ?」

 

ルーシィは異変に気付く。

「やだ…嘘でしょ!?」

 

その異変に次第に他のメンバーも気付く。

 

「ナツとフレイヤ君がいないんだけどっ!!!」

 

ナツとフレイヤは乗り物酔いが治らないままで汽車に乗ったままであるのを全員が忘れているのである。

「はぁっはあっ…」

 

「も、もう…ダメ」

 

「お兄さん達、ここ空いてる?」

 

ナツ達の座席に影が忍び寄る。

 

「あらら…つらそうだね。大丈夫?」

 

「ふぅー!ふぅー。うぷっ」

 

「ひ、非常ボタンを…」

 

「妖精の尻尾…正規ギルドかぁ…うらやましいなぁ」

 

ナツ達の前に現れたのは鉄の森所属のメンバーカゲヤマであった。

 







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