仮面ライダーディクリード re (夢野飛羽真)
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仮面ライダーディクリード・起

OP曲
AK-69:Forever Young feat. UVERworld
https://www.youtube.com/watch?v=YEJJe8L-ANE


『赤コーナーより、千草海来選手の入場です!』

 

ここは元々工場であった建物だが、既にその役目を終えて新たな役割を持つようになった。

真ん中にはリングが設置され、それを取り囲むようにパイプ椅子がいくつも並んでいる。

後方にはステージがあり、その上にあるスクリーンには1人の男の名前が表示されている。

 

「いけー!」

 

「やってやれー!」

 

プロレスやアマチュア格闘技の会場として使われるようになったこの建物内にいる人々を湧かせる男が1人いた。

それはステージからリングに繋がる花道を、歓声と入場曲を背に歩く千草海来という男であった。

金髪でツーブロックの髪型と、釣り目に整った顔立ちが特徴的である。ファイトパンツとグローブのみを身に着けたその肉体は筋骨隆々という言葉が相応しい。その背中には1羽の鷹を描いたタトゥーが入っている。

 

「ドリンクは?」

 

「貰うぜ。」

 

リング脇でセコンドを務める友人の三雲和樹が、手に持っているアクエリアスのペットボトルを海来の口に運んでグローブをはめていて物を持ちにくい彼の変わりにその中身を口内に流し込む。海来の口には既に黒と白のマウスピースがはめられている。

 

「さあ、稲妻落としてやるぜ!」

 

右腕を高く突きあげてリングに入り、対戦相手と顔を合わせてからその中を一周する海来の姿に観客が完成を上げる。

 

『これより、第10試合を始めます。青コーナー!伊能智弘!』

 

入場曲が止まると、今度はリングアナによって相手選手の名前がコールされて歓声が上がる。

 

『赤コーナー!千草海来!』

 

続いて海来の名前が呼ばれるとともに、会場中から歓声が上がる。

海来は何度かこの地下格闘技の興行に参加し、未だ無敗だからか常連客から人気があるようだ。

 

『なお、この試合は3分2RのMMAルールで行います。』

 

この試合は寝技もありの総合格闘技ルールで行われることが告げられ、リング上の選手2人が拳を合わせて距離を取る。

 

『ROUND1!ファイト!』

 

試合開始のゴングと共に、海来は左足を前にして拳を構えるオーソドックススタイルのファイティングポーズで相手選手との距離を測る。

 

「来たか!」

 

先に仕掛けたのは相手選手の伊能の方で、海来の足元目掛けてタックルを仕掛けるが…

 

「おおー!」

 

そこに合わせて海来が飛び上がって右膝を突き出して膝蹴りを繰り出すと、それを被弾した伊能の体制が崩れてしまう。それを見て客席からも歓声が上がる。

 

「パンチだ!パンチ!」

 

セコンドの三雲の指示に従うように、海来は伊能の顔面部目掛けて2発、3発とパンチを撃ち出していく。

 

「ストーップ!」

 

パンチの連打を浴びて倒れる相手選手に向けて、更に何度か拳を振り下ろす海来であったが、彼らの間に入って試合を止める。それと共に相手選手が戦意を喪失しているのを確認して海来のKO勝利を宣告し、それと共にゴングが鳴る。

 

「また勝ったぜ。」

 

「うん、お疲れ様。」

 

自身の勝利に笑みを浮かべる海来に、会場から歓声が浴びせられ、セコンドの三雲からは労いの言葉を賭けられる。

 

「やはり、あの人が…」

 

一方、客席にはその試合を静かに見つめる女性がいたのであった。

 

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「今日もありがとな~それじゃあ、お疲れさん。」

 

「うん、お疲れ様。じゃあまたね。」

 

大会を終えて、俺は三雲さんと別れて帰路に着く。

俺は酒は嫌いだから打ち上げとかは特にしねえし、試合終わって片付け終わったら大体お互いすぐ家に帰る。まあ、三雲さんは俺がプロだった時から世話になってるからなんか労いはしておきてえな。

 

(つーか、あれから2年か…)

 

俺がプロ団体を追放されてもう2年か…

戦いたくてずっと地下格闘技団体に出てるけど、中々芽が出ねえ…

俺はこのままで良いのか?こんなモヤモヤも、最近は試合に勝っても晴れはしねえ。

 

「見つけました!千草海来さん!」

 

そう思いながら道を歩いていると、1人の女の声が後ろから聞こえた。

俺の名前を呼ぶ声に反応し、後ろを振り返るとそこにはショートカットの髪型に、スレンダーな体型の所謂キレイなお姉さんって感じの人がいた。スーツが似合うような少しキリッとした感じの女だ。まさか逆ナンか?

 

「なんだ?この俺に何か用か?」

 

逆ナンしてくれんのはありがてーけど、よく見たらその女が着ている服は少し汚れてるところがあって、ボロボロって感じだ。これから遊ぶとはあんま考えられねえ感じの格好だ。絶対スーツとかの方が似合う…

 

「単刀直入に言います。私達のために戦ってください!」

 

「戦う?なんだ、ファンの人か?そういうことなら…」

 

どうやら俺のファンの人だったみたいだ。

これからもファンのために格闘技を続けて欲しいってお願いならまあ、受けるけど…

 

「そう言うことじゃなくて…」

 

「イー!イー!」

 

とその時だった。

甲高い奇声が俺の耳に入って来る。

その奇声を上げる黒タイツの集団が現れる。

 

「なんだよ、アイツら…」

 

「あれはショッカーです。さあ、こっちへ!」

 

「ちょ、おい!」

 

その集団から逃げようと、その女が俺の手を引いて裏路地の方に連れて行こうとする。

とりあえずこの女と…黒タイツの男達が何か関係あることは分かるが…

 

「なんなんだよアイツら!」

 

今はまずこの女と一緒に走って路地裏の方に向かい、ショッカーとかいう連中のことを問いかける。

 

「彼らはショッカー、私達の世界を支配した者達です!」

 

「世界を支配?どういうことだ!この世界は誰にも支配されてないだろ!」

 

世界の支配っつっても、この国は今も元気に総理大臣とかいう人らが抑えてるし、他の国もそんな感じだ。世界を裏から支配とかそう言うことか?少なくとも俺はショッカーとかいう奴らに支配された覚えはない。

 

「見つけたぞ!西連寺レナ!」

 

とそこで、俺の目の前に毒を持ったエリマキトカゲみたいな化物が現れる。

 

「ビックリさせやがって…誰だお前!」

 

思わず目の前に出てきた怪人の顔面を殴り飛ばす。

 

「いって!何するんだ!」

 

殴り倒されている怪人が棒の様な武器を俺に振るってくるが、それを避けて前蹴りで突き飛ばして再び地面に倒す。

 

「海来さん、これを使ってください。」

 

「これはなんだ?」

 

さっきの怪人に西連寺レナと呼ばれていた女が、俺にゴツイスマートフォンの様なものを手渡す。

 

「これはディクリードライバーです。これを使って戦ってください!」

 

「ただのスマホだろ?」

 

「良いからこれを!」

 

と言って俺はディクリードライバーとかいうスマホらしきものを手渡される。

 

「し、仕方ねえな!」

 

とにかく今はさっきの怪人とか黒タイツとかが追ってきててお互いの命が危ない。

ここはつべこべ言わず戦うしかねえ…

 

「クソッ!こうなったらもう、やってやるよ!」

 

再び起き上がり、俺らに向かってくるトカゲ怪人と黒タイツ集団をまずは吹っ飛ばす。

そのために俺はスマホ型デバイスのアプリを起動する。

 

『変身アプリを起動します。』

 

すると、俺の腰にベルトみたいなものが巻き付けられる。

 

「デバイスをベルトに装填してください!」

 

「おう!」

 

西連寺の指示に従い、ベルトにデバイスを装填すると横にあるカードホルダーから1枚のカードを取り出す。

 

「変身!」

 

『カメンライド!ディクリード!』

 

取り出したカードをディクリードライバーのスマホ画面部分に翳す。すると俺の身体は灰色のオーラに包まれていく。

 

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『カメンライド!ディクリード!』

 

ディクリードのカメンライドカードがベルトに吸い込まれると、その画面から20個のビジョンが飛び出してくる。それらは全て1人の戦士の姿を模した灰色のホログラムであり、それらが海来の身体と重なり、彼を1人の仮面の戦士に変化させる。

 

「仮面ライダーディクリード、あなたが変身する仮面ライダーの名前です。」

 

黒のアンダースーツの上に、バーコードを模したアーマーを胸部や肩に装備していて、体の多くは金色のパーツが付いている。紫の複眼が騎士の兜を模したバイザーの中から敵を覗き込む。

 

「ディクリード…今はよく分かんねえけど、まずはテメエらを倒す!」

 

「よく分からない間にやられてたまるか!やれ!」

 

「イー!」

 

ディクリードへの変身を遂げた海来を、毒トカゲ男が引き連れるショッカー戦闘員達が襲う。

 

「動きは…初心者以下だな!」

 

この状況を打破するため、戦う決意をした海来は腕を大きく振ってナイフを振るう戦闘員達の動きを次々と見切って避けていき、戦闘員のうち1体の腹部目掛けてパンチを打ち込む。

 

「ハアッ!トウッ!」

 

さらに向かってくる戦闘員達との間で距離を取りつつ、攻撃を避けてから、パンチやキックを繰り出して戦闘員を次々と倒していく。

 

「貴様!」

 

次々と戦闘員がやられていく様子に業を煮やした毒トカゲ男が、棍棒を手にディクリードに向かって走っていくが…

 

「そんなんじゃ俺は倒せないぜ!」

 

ディクリードが右ハイキックを撃ち、それを毒トカゲ男が自身の武器でガード。

だが、ディクリードがその右足を地面に着地させるとそれを軸に体を回転させ、今度は左足を突き出す。

バックスピンキックが毒トカゲ男の顎を捉え、攻撃を受けた怪人の身体が地面に倒れ伏す。

 

「イー!イー!」

 

「これじゃキリがねえな…」

 

ディクリードが毒トカゲ男に追撃を仕掛けようとするが、主である怪人の身を守るために、ショッカー戦闘員たちが彼らの間に立つ。

 

「海来さん!ライダーカードを使ってみてください!」

 

「おう!これか?」

 

多数の戦闘員を迎え撃つべく、ディクリードはレナに言われた通り新たに1枚のライダーカードをホルダーから取り出して、ベルトに翳して認証させる。

 

『カメンライド!龍騎!』

 

すると、カードに描かれていた仮面ライダー龍騎のホログラムがベルトから映し出されて、ディクリードの前に立つと、その幻影が彼の身体に入っていく。

 

「これは…」

 

すると、ディクリードの右手に龍の頭を模した籠手の様なものが装備される。

その形は、仮面ライダー龍騎の契約モンスターであるドラグレッダーの頭部と同じ形をしている。

 

「仮面ライダー龍騎の力を武装したものです。」

 

「龍騎?なんだそいつは?」

 

「仮面ライダー龍騎、あなたと同じ仮面ライダーです。」

 

「コイツも、仮面ライダーの力か…」

 

ディクリードは仮面ライダーのカードをカメンライドすることで、ライダーの能力を引き出し、自らに武装することができる。仮面ライダー龍騎をカメンライドすることで右腕に装備された龍騎・ドラグアームを構えながら、自身に迫る戦闘員達を見据える。

 

「これでも、喰らいやがれ!」

 

パンチを撃ち出すように、ディクリードが拳を突き出すと、龍の籠手から炎が放たれて戦闘員達を一瞬にして焼き尽くす。

 

「こいつは強い!」

 

龍騎・ドラグアームの力を絶賛しつつ、ディクリードは更なるカードを引く。

 

『カメンライド!フォーゼ!』

 

次はフォーゼのカードをカメンライドさせると、ディクリードライバーから仮面ライダーフォーゼのホログラムが映し出されて、ディクリードの身体に入っていく。

 

「おお、今度はロケットか!」

 

すると、龍騎・ドラグアームが仮面ライダーフォーゼの使うロケットモジュールに変化する。

 

「よっしゃ行くぜ!」

 

フォーゼ・ロケットモジュールのブースターから火を噴くと、ディクリードは毒トカゲ男に向けて加速しながら走っていき、ロケットの勢いを乗せたパンチを敵の胸部に叩き込む。

 

「これでも喰らえ!」

 

更にロケットモジュールのブースターで飛び上がりながら、右膝を突き出して、毒トカゲ男の顎を撃ち抜く。

 

『カメンライド!ブレイド!』

 

続けて仮面ライダーブレイドのカードをカメンライドすると、ベルトから仮面ライダーブレイドのホログラムが空中に映し出されて、ディクリードの身体に取り込まれる。

 

「今度は剣か!」

 

次は左手に仮面ライダーブレイドの得物である剣、ブレイラウザーが装備されている。右手に残ったロケットモジュールで火を噴きながら飛び立ち、毒トカゲ男に接近してその刃で切りつける。

 

「どれだけ能力があるんだ!」

 

毒トカゲ男も棒状の武器を振るうが、それをディクリードはブレイド・ブレイラウザーで受け止める。

 

「さあな…?俺も知らねえ!」

 

ディクリードの前蹴りが毒トカゲ男の腹部に蹴り入れられ、一度2人の距離が離れたかと思えば、ブレイド・ブレイラウザーが右上から左下に向けて振るわれ、毒トカゲ男の身体を切り裂き火花を散らす。

 

「さあ、稲妻落としてやるぜ!」

 

そして、目の前の弱った敵に止めを刺すべく、ディクリードは新たなカードをホルダーから引き抜く。

 

『ファイナルアタックライド!ディ・ディ・ディ・ディクリード!』

 

そのカードをディクリードライバーに認証させると、ディクリードは空中に向けて飛び上がると左足を突き出す体制になる。彼と怪人の間に並ぶ20人の仮面ライダーのカードのビジョンを1つ1つ通っていきながらディクリードの身体が毒トカゲ男に向けて突き進む。

仮面ライダー達のエネルギーをその身に溜めたディクリードの蹴りが毒トカゲ男の胸部に突き刺さると、吹き飛ばされた毒トカゲ男の身体はダメージに耐え切れず爆発四散。

自分達に襲い掛かってきた敵が全て倒されたと分かると、勝利を確信した海来は自身の変身を解く。

 

「まずは、初勝利ってとこか。」

 

「いいえ、まだ戦いは始まったばかりです。」

 

海来の下に、西連寺レナが歩み寄ってくると、彼の手に持つディクリードライバーを手に取る。

 

「おい、何するんだ?」

 

「あなたには今から私達の世界に来てもらいます。」

 

「お前らの世界って…ちょっ!?なんだあれ?」

 

レナがディクリードライバーを操作して、アプリを起動すると彼らの周囲に灰色のオーロラカーテンが現れて、海来とレナの2人を飲み込んでいくのであった。




千草海来:入場曲
https://www.youtube.com/watch?v=9O0ND_H98rk

千草海来 (ちぐさかいき)/仮面ライダーディクリード
23歳
CV鈴木達央
大阪府を拠点に活躍する地下格闘家。
目は釣り目で整った顔立ちをしており、髪は金色に染めている。
身長175cm、体重71kg(試合時)、体格は筋肉質で服の上からでも分かるほど筋肉が付いている。
背中には大きめの鷹のタトゥーが入っている。
熱くなりやすい性格で、正義感が強い。
テンションが上がりやすく、周りからうるさいと言われてしまうこともある。
喜怒哀楽が表に出やすく、割と素直。


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仮面ライダーディクリード・承

OP曲
AK-69:Forever Young feat. UVERworld
https://www.youtube.com/watch?v=YEJJe8L-ANE


「こっちや!はよこい!」

 

荒廃したとある土地、周囲には元々建物だったコンクリートの塊やむき出しの鉄筋が見える。

この地を何かから逃げ惑う人々が走っており、しゃがれた声の大男と彼の仲間達が人々を誘導している。

 

「イー!イー!」

 

その人々を追うのは、白い骸骨の絵が描かれた黒タイツを身に纏うショッカー戦闘員達だ。

 

「撃て!」

 

戦闘員達に向けて、しゃがれた声の大男の部下たちがアサルトライフルを構えて、弾丸を連射していく。

 

「退け!退け!」

 

銃弾が戦闘員達を撃ち抜き、何人かの戦闘員を倒して足止めできたと判断できれば、大男が銃撃の役を担った仲間たちに退く様に指示を出す。

 

「南野さん!こちらは避難できました!」

 

「そうか、俺達も行くぞ!」

 

しゃがれた声の大男の名は南野力也、レジスタンスのリーダーを務める男だ。

ショッカーの支配から逃れ、生き残っている人々を纏め上げている。

 

「ここの地区ももう終わりか…」

 

人々をショッカーの魔の手から逃がし続けることこそできているが、未だにショッカーに支配されていない地域は日々減ってきている。

そのことを憂いながら南野もこの場から退くのであった。

 

「南野さん!」

 

「おう!どうした?」

 

戦闘員達を足止めした南野達は地下の通路に入り、そこから自分達の基地に向かう。

その道中、覆面を被ったレジスタンスの人間が南野の下に駆け寄って来た。

 

「申し上げます!レナが帰ってきました!」

 

「おお!てことは例の男も?」

 

「はい!既に一緒に同行しています。」

 

「早速会いに行くか!」

 

レナが1つの任務をやり切ったと聞いた南野達は、基地に戻る足を速めていく。

 

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「俺らが住んでるとこ以外にも、別の世界があるってのはよく分かった…」

 

ディクリードライバーの力によって灰色のオーロラカーテンで世界を移動させられた海来は、自分が見たことのない様子の世界に驚きつつも、目の前に広がる現実を受け入れていた。

 

(俺がさっき戦ったショッカーの奴らが、世界をこんなことに…)

 

海来が連れて来られたレナの暮らす世界。

そこは海来自身が住む世界に比べると荒廃してしまっており、人々は困窮した暮らしを強いられている。

これらは全てショッカーによる侵攻が齎したものでる。

 

「アイツらが、こんなことしてるなんてな…」

 

もし自分達の住む世界にもショッカーの魔の手が伸ばされてしまったらと考えて、海来は少し身震いする。

 

「はい、10年前に突如として現れたショッカーは私達の世界を…奪いました…」

 

「ああ、ひでえことする連中だな…」

 

突如として自分が過ごす日常が壊される。そんな想像を絶する経験をレナを始めとするこの場に居る人々がしていることを実感しつつ、海来はその拳を強く握りしめる。

 

「おお!この人が例のディクリードの人か!」

 

と、海来達がいる部屋に戦いを終えた南野が入って来る。

 

「アンタは?」

 

「俺はレジスタンスのリーダーやってる南野や!よろしくな!」

 

「う、うっす!」

 

少し暑苦しい印象の南野が手を差し出してくるのに応えるように海来も手を出して、握手を交わす。

 

「あ、えーと…俺は千草海来って言います。」

 

「おう!知ってる知ってる。もう既に君の情報は調べてあるからな。」

 

「え、いや調べてるっつってもどうやって?」

 

既に自分自身の情報を知っている南野らに、海来は驚きを隠せない様子だ。

自分の情報などはあまりネットに載っている訳でもないし、南野らがいる世界と自分が過ごす世界はそれぞれ別の世界であるため、どうやって調べたのかと海来は首を斜めに向ける。

 

「これで調べたんや。そこのディクリードライバーで…」

 

「これで?」

 

「はい、その話もしたいとこですけど、まずはディクリードライバーについて説明します。」

 

そう言うとレナは、彼が手にするディクリードライバーを指さす。

 

「仮面ライダーディクリード、それはかつて様々な世界を旅し、その平和を守ってきた戦士です。かつての戦士、ディクリードは戦いの中で命を落としたと言います。ただその忘れ形見でもあり、彼にとって重要なアイテムであるディクリードライバーが遺っていて、あなたを新たな仮面ライダーディクリードに選びました。」

 

「俺の前にディクリードがいたのか…で、俺がドライバーに選ばれたってのは?」

 

海来自身の前にも、仮面ライダーディクリードに変身して悪と戦った男がいた。

命を落としたその戦士の後継者として選ばれたのが、千草海来であった。

 

「ショッカーに世界を征服され、絶望の淵にいる私達の下にディクリードライバーが現れました。そして、示したんです。次の戦士はあなただと…」

 

「ほう…で、俺が選ばれた理由は?」

 

「分かりません。ただディクリードライバーが示したのは貴方の情報と、あなたが新たなディクリードに相応しいと言うことだけです。」

 

「状況はまあ…大体分かった。」

 

自分がかつてのディクリードの後継者に選ばれた理由は分からない。

だが、自分がここに呼ばれてディクリードとして戦うことになった経緯を海来は理解した。

少し俯いて地面の方を見てから、海来は顔を上げて立ち上がる。

 

「まあまずは、ショッカーとかいう連中をぶっ倒してやるよ!」

 

「戦いに協力してくれるんだな?」

 

「ああ、アイツらがやってることは気に入らねえし、それに俺みたいな世間から見放された人間が誰かのために戦えるチャンスなんだ。やるしかねえだろ!」

 

人々の平和な暮らしを奪い取ったショッカーへの怒り、プロ格闘技団体を追放された自分が人を救うために戦えるチャンスを得れる期待感、そして自身の中にある闘争心は海来に仮面ライダーディクリードとして戦う決意をさせるのに十分だった。

 

「協力してくれんのはありがたいな。これからよろしく。」

 

「オッス!よろしくお願いします!」

 

戦う意思を固め、正式に仮面ライダーディクリードとなることとなった海来と南野が再び握手を交わすのであった。

 

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「悪いな、大変な状況なのに個室まで用意してもらって…」

 

「当然です。無理矢理私達の住んでる世界に連れて来たんですから。」

 

てことで今俺はレジスタンスの施設を案内してもらってるところだ。他の奴らは皆大部屋とかで雑魚寝してるみたいだが、俺は個室を用意してもらってる。流石に他の奴らが雑魚寝してるのに俺だけってのはアレだし固辞しようかと思ったけど、結構手厚く進められて断りにくくなっちまった。

 

「ここが食堂兼広場です。ご飯の時はここに来てください。」

 

「おう、てかなんかいっぱい人がいるな。」

 

次にレナに案内されたのは廃工場みてえな建物だ。

ここで炊き出しして、レジスタンスと一般市民で一緒に飯食ってるみたいだ。

ただ、広場ってことで飯時じゃなくても人が多い…つーかテントとかもいくつも並んでて隅の方には本棚が幾つか並んでいる。

 

「ここは避難民の方々の居住スペースも兼ねていますからね。」

 

ショッカーに住む場所を奪われた人達がこういうとこで生活してるって考えると、尚更俺だけ個室なのは申し訳ない。

 

「他にこの人らが住む場所は無いのか?」

 

「ショッカー以外の人が住む場所も、徐々に彼らの侵攻によって奪われていってます。だからこうして限られた場所に隠れて住むしかないんです。」

 

「なるほどな…」

 

ショッカーによる侵攻は、こうやって人がいる場所も奪っている。

レジスタンスを始めとする反ショッカーの人々の領土ってのが減ってきているそうだ。

 

「お母ちゃん、お腹空いたよ。」

 

「ご飯まで時間はまだまだだから我慢よ。」

 

「え~アレじゃ足りないよ~」

 

しばらく広場の方を見ていると、腹を空かせた様子の子供もいた。

飯も満足に食えてないんだろうな…

 

「あ!レナお姉ちゃんだ!」

 

「こんにちは~」

 

しばらく歩いていると、レナに気付いたのか避難所の子供たちが駆け寄って来る。

 

「この子達も避難所の?」

 

「はい、普段私が本の読み聞かせをしてる子達です。」

 

南野さん曰くレジスタンスメンバーと避難民の間での交流もしてるらしいが、レナは子供たちと交流して本の読み聞かせとかをしてるらしい。

 

「なるほどな…」

 

「ねえねえ、レナさんこの人は?」

 

「そうそう、お兄ちゃん誰?」

 

おっと、どうやら子供達も俺のことが気になってるみたいだ。

 

「俺は千草海来、格闘家だ。」

 

「格闘家?お兄ちゃん強いの?」

 

「ああ、俺は強いぜ。」

 

俺の格闘技の強さっつったら、まあぶっちゃけ謙遜も出来ないぐらい強い。

格闘技の試合出てからプロでも地下でも負けたことはない。もうちょっとちゃんとしてたらチャンピオンになれたかもな…

 

「へえ~強いんだ~」

 

「けど、どうやって強くなるの?」

 

「そりゃいっぱい食っていっぱい戦ったら強くなれるぜ。」

 

格闘技始めたての時は食トレなんかもよくしたものだ。いっぱい肉喰ってトレーニングして動かせる筋肉を作り上げた。それも俺の強さの秘訣だ。

 

「いっぱい食べるって言ってもな~」

 

「いつも腹いっぱい食べれないんだよ…」

 

と俺の前でシュンとする2人の男の子。まあやっぱ、ここの子供達はあんま飯とか食えないんだろうな…

 

「そっか、肉とかもか?」

 

「うん、たまにしか食べれないよ。」

 

「いつも大体野菜とか、運良かったら誰かが釣ってきた魚が食えるぐらいだな~」

 

肉もあんま食えないんじゃ、流石に可哀想だ。

身体も強くならねえし、何よりあんな美味いもんを子供たちに食わせてやれないなんてかわいそうだ!

 

「よし!任せろ!俺がいっぱい飯食えるようにしてやるから、もう少しの辛抱だ!」

 

「え?」

 

「本当に!?」

 

「で、でもどうやって…?」

 

とは言っても、ここにあるもんでもっと食材を用意する策ってのは俺にはない。

レナもおれの考えが読めずに少し戸惑っている。

 

「まあ見てなって、とりあえず南野さんとこ行ってくるわ!」

 

てことで俺はまた南野さんのとこに走っていく。

 

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「南野さん!今から動ける奴をすぐに集めてくれ!」

 

「おう!どうしたんやいきなり?」

 

レジスタンスの基地となる建物には、南野らレジスタンスの幹部が常駐している司令室があり、そこに海来が駆け込んでくる。

 

「今からショッカーに逆侵攻だ!」

 

「逆侵攻!?何言って…」

 

突然の海来の提案に、南野は少し驚いた様子だ。

これまでショッカーの侵攻に対して防戦一方であり、戦力差などからレジスタンス側から攻めると言うことは考えられなかった。

 

「さっき避難民の様子を見て来たけど、現状維持のままじゃ土地も飯も足りなくなる。」

 

「確かに…ショッカーに奪われた土地からの避難民を受け入れ続けているから、土地も食料もそろそろカツカツ気味ではあるが…」

 

南野の右腕的存在である弥益という男も海来が危機感を抱いた問題に関して、レジスタンス内でも問題になっていることであると頷く。

 

「確かにこのまま守り続けても、いずれ資源も枯渇してまうだけやけど…ただ、ここで攻めに転じて勝ち目はあるのか?」

 

「さあな、分かんねえ。」

 

「分からないのか!?」

 

「ああ、けどこのまま攻めに動かなかったら100%負けるのは確かだ。」

 

現状維持を続けていれば、食料資源や人の住む土地が失われ、子供達も育ち切らずにこのままショッカーに潰されてしまうのは確実だろう。

 

「南野さん、俺はコイツの意見に賛成だ。現状維持のままだと負けるのは確かだ。」

 

そう言った危機感を抱いている人間は少なくなかった。レジスタンスの覆面男、芦田も海来の意見に賛同し、外崎も静かに頷く。

 

「確かに海来の言う通りだな…よし、動くか!」

 

そしてレジスタンスのトップである南野も海来の意見に賛同したことで、レジスタンスからショッカーへの侵攻が決定した。

 

「で、どこに攻める?土地広げるなら岐阜の方か…」

 

司令室の大きなテーブルに、日本地図が広げられる。

現在彼らがいる地は滋賀県の大津であり、地図上でもそこには赤い点が記されている。

 

「京都とか大阪はどうなんだ?」

 

「西に行くのか!?そこは元々大都会で今はショッカーの関西支部がある重要な土地…だが、獲るのはかなり難しい…」

 

「ああ、難しいだろうな。けど、そこを落とせば一気に戦局は変わる。俺もここがどれだけ重要な土地化分かってるぜ。」

 

大都会大阪と、古都京都、さらに大きな港を抱える神戸。

本部こそ別の地に持つショッカーであるが、この地にも大きな基地を構えている。

 

「だからこそこのアップセットで勝って、周辺のショッカーの連中ごと飲み込んでやろうってことだ。どうだ?」

 

「勝てれば大きいのは確かだ。それに俺も大阪の生まれや、取り返したい!」

 

「なら、決まりだな!」

 

「よし!行くか!出撃だ!」

 

レジスタンス内でショッカーに対する西上作戦をすることが決まれば、早速レジスタンスのメンバーは出撃するための準備を始める。敵に情報が洩れる前に、一気に動いてしまおうという南野の考えで、侵攻作戦が決まってすぐの出撃となった…

 

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京都府・山科

ここは京都と滋賀の境付近にある土地であり、未だにレジスタンスがこもる滋賀の地を監視する砦が築かれている。

 

「毒トカゲ男がやられたそうだな。」

 

「はい!どうやら例の仮面ライダーが目覚めたそうです!」

 

その基地ではカニと蝙蝠の特性を持つ怪人ガニコウモルと、チーターとカタツムリの特性を持つ怪人チーターカタツムリが言葉を交わしていた。別の世界でディクリードライバーを持つ者を追っていた毒トカゲ男が敗死したという報告が彼らの下に届いていた。

 

「レジスタンスも動いてきたか…」

 

「ならまた領地を奪いに行けばいい…さっきは逃がしたみたいだがまた援軍でも送って奴らの本拠地までd一気に攻め上がるのが良いだろう!」

 

毒トカゲ男は並行世界でレジスタンスの人間を追っていたが、そこで死んでしまった事でレジスタンスも関与していると察したチーターカタツムリは昼に行った侵攻により注力していこうと考える。

 

「では早速指令を…」

 

「イー!イー!」

 

ただ、彼らの部屋に慌てた様子のショッカー戦闘員が現れると、急いで何かをガニコウモルに伝える。

 

「何!?前線の部隊がやられただと!?」

 

「イー!」

 

「それだけでなく、レジスタンスがこの砦に向かっているだと!?」

 

戦闘員からの報告を聞きガニコウモルとチーターカタツムリが窓から砦の外を見ると、そこには信じられない光景が広がっていた。空中でレールを生成しながら、その上を進んでいく1台の列車があった。時の列車デンライナー、その客車が展開されて客車が展開されて現れる大砲やランチャーなどからの砲撃が地上にいるショッカーの者達を吹き飛ばし、宙に浮かぶショッカーの飛行船も撃ち落とされていく。

 

「何が起きている!?うわっ…!!」

 

デンライナーの4号車に搭載されたキジ型ミサイルのバーディミサイルが、彼らショッカーのいる砦に向けて放たれる。

 

「ここから出て迎撃だ!」

 

この奇襲攻撃に対してガニコウモルらは迎撃をするために砦の外に向かう。

 

「これは一体!?」

 

上層階から地上階に降り、砦の門から出てきた2人の怪人が目にしたのは、レジスタンスの軍勢と彼らの先頭に立つ仮面ライダーディクリードの姿であった。

 

「すごいだろ、カード1枚でこういうこともできるんだぜ。」

 

『カメンライド!クウガ!』

 

ディクリードが仮面ライダークウガのカードをドライバーに読み込ませてカメンライドすると、クウガのホログラムが現れて、それがクウガの相棒でもあるゴウラムを模したクウガ・ゴウラムライドに変化して周囲の敵を飛びながら撥ね飛ばしていく。

 

「あれもお前の力で呼び出したというのか!」

 

「まあ、そんなところだ。」

 

今現在空中で暴れ回っている電王・デンライナーもディクリードのカメンライドによって作り出されたものであった。

 

「さて、次はテメエらの番だ!」

 

「やれるものならやってみろ!」

 

ディクリードの挑発に乗り、ガニコウモルが鋏の付いた左腕をディクリードに向けて振るうがそれはあっさりと避けられる。後ろにステップを踏んで避けたディクリードは右フックを敵の顔面部目掛けて撃ち出す。

 

「クソッ!」

 

またも鋏の付いた腕を振るおうとするガニコウモルに対して、ディクリードは距離を詰めてプレッシャーをかけると、至近距離からガニコウモルの腹部に向けてパンチを撃ち出す。

 

「キイエェ―‼」

 

パンチを撃たれて距離を一度取ったガニコウモルが、再びディクリードに向けて鋏が付いた左腕を振るってその体を切り裂いてしまおうとするが、それらの攻撃はあっさりとディクリードに避けられてしまう。

 

「攻撃が大振りすぎる!」

 

大振りな敵の攻撃を簡単に見切って避けては、カウンターでパンチを撃ち出す。

さらに相手が攻撃を撃ち出しにくい距離に詰め寄っていけば、ガニコウモルの腹部に膝蹴りを繰り出す。

 

「どけ!私がやる!」

 

ガニコウモルの攻撃は既にディクリードに読み切られてしまっていると感じたチーターカタツムリが動く。地面に粘液を散らすとその上を高速で滑走してディクリードに突撃する。

 

「ッ…!?」

 

チーターとカタツムリの特性を持ち、高速移動が可能なチーターカタツムリの動きを見切って避けるのは流石の海来でも難しかった。高速で動くチーターカタツムリがディクリードの周囲を駆け回りつつ、縦横無尽に攻撃を仕掛けていく。

 

「速いな…なら、これでどうだ?」

 

攻撃を凌ぎ切れず攻撃を喰らってしまうディクリードは、新たなカードを読み込ませる。

 

『カメンライド!カブト!』

 

仮面ライダーカブトのカードを読み込ませると、彼のベルトから下の下半身部に赤いアーマーが装着される。カブト・クロックアップアーマーを装備したディクリードは、腰に付いているスイッチを叩く様に押す。

 

『クロックアップ!』

 

タキオン粒子がアーマーからディクリードの身体に流れ込み、チーターカタツムリに対抗して高速移動をする。

 

「さあて、いくか!」

 

ディクリードはクロックアップを使うことで、高速移動をするチーターカタツムリと対等に動けるようになった。

 

「何!?速くなっただと!」

 

「まあな、遠慮なくいかせてもらうぜ!」

 

高速で動くディクリードとチーターカタツムリの右の拳がぶつかり合う。その次の2手目を出すのはディクリードの方が早かった。左のストレートパンチがチーターカタツムリの顔面部に直撃する。

 

「オラァ!」

 

さらに接近して距離を詰めれば、そのまま敵の腹部に膝蹴りを放つ。

 

『カメンライド!ウィザード!』

 

さらなる追撃を加えるべくウィザードのカメンライドを使用して、手に付けるタイマー状の装備であるウィザード・エレメントハンドを武装する。

 

『ヒート!』

 

ウィザード・エレメントハンドのスイッチを押すと、赤い魔方陣が生成されてそこから怪人達に向けて炎が放たれる。

 

「あ、熱い!」

 

『ハリケーン!』

 

更に今度は地面に緑色の魔方陣を生成すると、そこから竜巻が起こってガニコウモルとチーターカタツムリの身体を空中に吹き飛ばす。

 

『カメンライド!オーズ!』

 

すると今度は、ディクリードは仮面ライダーオーズを模したアーマーを体に装着する。

脚部のバッタ状のアンカージャッキを使って飛び上がれば、赤い鷹の翼を展開して飛翔。

空中に吹き飛ばした2体の怪人を虎の爪状の武器で切り裂く。

 

「さあ、トドメだ!」

 

オーズ・タトバアーマーの翼で飛行しながら、ディクリードは2体の怪人に止めを刺すべくカードを引く。

 

『ファイナルアタックライド!ディ・ディ・ディ・ディクリード!』

 

空中に現れる20枚の仮面ライダーのカードのビジョンを通過しながら、右足を突き出した態勢でガニコウモルに向けて突き進み、ライダーキックで敵の身体を貫いて空中で爆散させる。

 

「ガニコウモルがやられたか…」

 

「さあ、稲妻落としてやるぜ!」

 

さらにディクリードは、地面に着地したチーターカタツムリを狙う。

 

『ファイナルアタックライド!オ・オ・オ・オーズ!』

 

空中でディクリードライバーに認証させたのは、仮面ライダーオーズのファイナルアタックライドカードであった。するとディクリードの隣にライダーキックを放とうとする仮面ライダーオーズのホログラムが現れると、ディクリード自身も敵に向けて足を突き出す姿勢になった。

ディクリード自身とオーズのホログラムが空中で重なり合うと、赤、黄、緑の輪を潜りながらディクリードがチーターカタツムリに向けて突き進む。

 

「粘液攻撃!」

 

チータカタツムリは、自身に向かってくるディクリードに向けて粘液の壁を作って攻撃を防ごうとするが…

 

「何!?」

 

ディクリードの蹴りは粘液の壁を貫き、チータカタツムリの胸部に突き刺さる。

 

「そんな馬鹿な!だが!ショッカーはこのようなところでは倒れない!ショッカー!万歳…!!」

 

ディクリードの蹴り飛ばされて、地面を転がったチータカタツムリは一度立ち上がるが、戦いの中でダメージの限界を迎えており、両手を高く上げながら倒れて爆散した。

 

「海来さん!砦の占拠ができました!」

 

「おう!ナイスだ!」

 

怪人達を倒し終えたディクリードの下にレナが駆け寄って来る。

彼女曰く、南野らがショッカーの砦を占拠しこの山科の地を奪還したとのことだ。

 

「これでまずは第一歩だな。」

 

「はい…けどどうして海来さんは逆侵攻を提案したんですか?」

 

レナの問いかけに応えながら、ディクリードは変身を解除して千草海来の姿に戻る。

 

「まあやっぱ、子供達の笑顔を見たかったからかな。俺は昔、親が死んで施設で育ったからな。俺と同じ思いはあんまして欲しくねえ…それに、いっぱい飯食えた方が嬉しいだろ。」

 

海来が向ける笑顔にレナも微笑んで頷けば、2人は南野らが待つ元ショッカーの砦の中に入っていくのであった…



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仮面ライダーディクリード・転

今回は予定変更で金曜更新です。
OP曲
AK-69:Forever Young feat. UVERworld
https://www.youtube.com/watch?v=YEJJe8L-ANE


海来主導で行われたレジスタンスによるショッカーへの逆侵攻が始まってから数日。

彼らの作戦は順調に進んでいっていた。

 

『カメンライド!アギト!』

 

大阪の地に辿り着いた海来達レジスタンスは、大阪城跡地に構えられたショッカーの支部を攻めていた。

 

「さあ来い!ディクリード!」

 

その地を治めるショッカー幹部ゾル大佐が変身する黄金狼男に対し、ディクリードはアギト・トリニティアームを武装し、ストームハルバードとフレイムセイバーの2本の武器をその手に構える。

 

「ハアッ!」

 

爪が付いた手を振るう黄金狼男に対し、ディクリードは2つの武器を振るって応戦する。

敵に対して身を後退させながら、ストームハルバードによる突きを繰り出す。

リーチの差から黄金狼男の剛腕がディクリードの身体に達する前に、ストームハルバードの刃先が黄金狼男も腹部に刺さり火花を散らす。

 

「リーチは俺の方があるぜ。」

 

「ならこれでどうだ!」

 

素手と槍のリーチ差を無くす術を黄金狼男は持っていた。それは指先に搭載されたミサイルであり、至近距離からその小型ミサイルをディクリードに向けて撃てば、火を噴きながらまっすぐに突き進んでいく。

 

「おっと危ねえ…」

 

ディクリードは手に持っていたフレイムセイバーを構えて、その刃でミサイルを受け止める。

 

「まだまだ!」

 

黄金狼男はさらに指からミサイルを発射していく。

 

「テメエをミサイルごとぶっ飛ばしてやる!」

 

竜巻を放つストームハルバードと、炎を放つフレイムセイバー。それらをディクリードは目の前で交差させるとミサイルと黄金狼男がいる方向に向けて炎の竜巻を放つ。炎の竜巻にミサイルと黄金狼男が巻き込まれ、吹き飛ばされる。

 

「ミサイルが!」

 

炎の竜巻は、ミサイルを破壊しただけでなく、黄金狼男の身体を燃やしてミサイルを作る器官すらも爆破させた。

 

『カメンライド!鎧武!』

 

攻撃手段の1つを失った怪人相手でもディクリードは容赦なく、カメンライドで装備した鎧武の武器大橙丸を片手に敵に向けて駆け出していく。

 

「ソイヤッ!」

 

ミサイルを失い狼狽する怪人の胸部に、オレンジの刃を横一閃。

鎧武・大橙丸に切り裂かれた黄金狼男の胸部から血が噴き出すかのように火花が散る。

 

「おっしゃあ!稲妻落としてやるぜ!」

 

『ファイナルアタックライド!ガ・ガ・ガ・鎧武!』

 

そのまま相手に止めを刺すべく、鎧武のファイナルアタックライドカードをベルトに読み込ませる。

すると大橙丸を構えた鎧武のホログラムが現れると、ディクリードと共に敵に向けて走っていく。

 

「ハアッ!」

 

ホログラムとディクリード自身の身が重なるとともに、黄金狼男がオレンジのエネルギーに閉じ込められる。そのオレンジを真っ二つに切るように横向きに大橙丸を振るえば上下に切られた黄金狼男の身体が爆散する。

 

「そろそろこっちも落ちたか…」

 

それと同時に、ショッカーの大阪基地から煙が上がる。

それはレジスタンスがここを落としたという狼煙であった。

 

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「いやあ~疲れたな~」

 

俺にとって怒涛の1カ月が終わった。

俺が来たときはレジスタンスの土地は滋賀しかなかったが、これまでの戦いで関西全域まで広げることができた。その地域で働かされていたショッカーの奴隷だった人たちも開放できた。

 

「そうだ、アイツらにも連絡しとかねえと…」

 

現状、ディクリードライバーを使って別の世界にいる三雲達に連絡することができる。

こっちでの戦いが一段落したし、たまには帰って地下格の試合に出ても良いかもな。

 

「あ!海来兄ちゃんだ!」

 

「おーい!」

 

どこかから声がしたかと思えば、子供達が俺を見つけて駆け寄って来た。

 

「この前のお肉美味しかったよ!」

 

「ハンバーガー美味しかった!」

 

「おう!美味かっただろ?」

 

俺らの土地が広がったことで、色んな飯を手に入れれるようになった。

神戸牛とかも食えるし、ショッカーにまだ侵攻されていないアメリカの方から仕入れた飯も手に入れやすくなった。全部の世界がショッカーの手中に落ちてたと思ってたが、北アメリカ大陸とかあの辺のアメリカとかの地域は土地とか資源を守り切れてるらしい。

 

「海来兄ちゃんの言う通りだったね!」

 

「そうだろ?俺は約束は守る男だからな。」

 

レナと俺のことを気に入ってくれてる子供達。特に今俺のとこに来てるレン、ジョウ、タツキの3人はよく話とかする仲だ。

 

「ねえねえ、海来兄ちゃん。」

 

「どうしたんだ?レン。」

 

「海来兄ちゃんが強くなった理由聞きたいなーって思って。」

 

「またそれか~良いぜ。」

 

前はいっぱい飯食えば強くなるとか、筋トレしたら強くなるとか教えたけど、まだまだ知りてえみたいだ。

 

「まあ、つっても俺は師匠と出会えたのがデカいと思うけどな。」

 

「師匠?」

 

「ああ、路上で喧嘩ばっかしてた俺を拾ってくれて、格闘技を教えてくれた人だ。」

 

昔の俺は散々だった。親が居なくなって孤児院で暮らして、それで学校ではいじめを受けた。俺は俺に抗い、他の奴らも守るために日々喧嘩に明け暮れた。そんな俺を拾って格闘家として育ててくれたのが俺の師匠である山本恭二という男だ。

 

「師匠はどんな人だったの?」

 

「優しい人だったぜ。俺みたいな奴を拾ってくれる懐の広さもあったし、ボランティアなんかもいっぱいしてたな。ただ、格闘技となると話は別だった。」

 

格闘技の試合や練習での師匠は顔付きがガラッと変わる。他人にも、自分自身にも厳しくなり一切の隙を許さない厳しさを表に出してくる。それ以外の時は俺の飯の面倒を見てくれたり、銭湯に連れて行ってくれた。いろんな面で支えてもらって感謝しかねえ。

 

「格闘技だと?」

 

「クソ怖くてクソ強い。試合も見たことあるけど、何回も敵を秒殺してるぜ。」

 

練習の時は何度怒鳴られたか分からねえ。それに師匠の試合は野獣の様にアグレッシブでド派手だ。秒殺KOも執念の末のKOも何度も見せられた。

 

「まあ、師匠が居なかったら俺はまだまだ弱かったと思うぜ。」

 

「そんなにすごい人なんだね~」

 

「俺、会ってみたいな!」

 

「それは俺もだ。」

 

ただ、師匠は俺がプロデビューする前にどこかに行ってしまった。連絡をしても返ってこない。今どこにいるか分からないまま5年ぐらい経ってしまった…

 

「海来さん。少し良いですか?」

 

「ん?どうしたんだ?」

 

子供達と話していたところ、そこにレナがやって来る。

 

「南野さんが呼んでいます。こちらへ…」

 

「おう!じゃあまたな~」

 

「うん!またね!兄ちゃん!」

 

レナに呼び出され、俺は子供達に別れを告げて南野さんがいる方に向けて歩き始める。

 

「あの、海来さん。」

 

「どうしたんだ?」

 

しばらく歩いていると、隣を歩くレナが声をかけてきた。

相変わらず冷静な雰囲気だが、服もであった頃よりキレイなものを着れていてよりクールな印象が強くなっている。

 

「ありがとうございます。戦ってくれるだけでなく、子供達の面倒まで見てもらって…」

 

「まあな、こうやって子供達の面倒を見るのも悪くねえし、なんか昔を思い出すんだよな。」

 

小学校と中学校の9年間は孤児院で暮らしてたし、こうやって年下の面倒を見るのは慣れてるし楽しさもある。

 

「そうなんですね…私達海来さんに助けられてばっかで…」

 

「気にすんな!俺はこうして好きなように戦って色んな奴らの笑顔を守れる。それで十分だ!」

 

師匠も昔から言っていた、皆が笑ってる方が良いってな。

俺もその通りだと思うし、皆の笑顔を守るためならいくらでも戦える。

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

「よし、全員揃ったな。」

 

新たに大阪に構えられたレジスタンスの基地の司令室に、南野、芦田、弥益、レナ、そして海来を始めとしたレジスタンスの主だった面子が集まる。

 

「今回皆に集まってもらったのは他でもない。ショッカーの本部への道が切り開かれた!」

 

「というと?」

 

「東海エリアのショッカーの拠点が全部落ちた。俺らの仲間の西成って奴が頑張ってくれたみたいや。」

 

「そいつはありがてえな。」

 

南野の盟友である西成という名のレジスタンスが名古屋など東海地方にあるレジスタンスの拠点を落としたとのことだ。

これによりレジスタンスの治める近畿地方の土地から、ショッカーの本拠地である東京への道が開けたと言える。

 

「このまま東京に攻め込めば、ショッカーは一気に瓦解する。」

 

「ああ、この戦いを終えることができるかもしれない。」

 

弥益と芦田はショッカーの打倒を為せる日が近づいてきていたことに喜びの表情を見せる。

 

「そういうことや。海来、やれるか?」

 

「ああ、勿論だぜ!」

 

南野が海来に東京での戦いもこなせるか問いかけると、海来は力強く頷く。

既にディクリードとしての戦いを幾度となくこなしてきた海来には、ショッカーの本拠地という条件ですらいとも容易く乗り越えられる壁に感じれてしまう。

 

「それじゃあ、東京侵攻やるか!」

 

「「「はい!」」」

 

「やることはもう決まってる。1週間後に準備して出陣や!」

 

軍議の中で東京にあるショッカーの本部への侵攻に反対する者はいなかった。

自分達を苦しめてきたショッカーをようやく倒すことができるとレジスタンスの面々は意気込んでいた。

 

「さて、やってやるか。」

 

軍議を終えた海来は部屋を出て自身の拳を見つめながら歩いていく。

 

「ん?どうしたんだ?レナ、浮かない表情だな。」

 

だが、海来の隣を歩くレナの表情は少し暗かった。

 

「確かに、私もショッカーの本拠地を叩けることは嬉しいです。ただ少し上手くいきすぎな気がします…」

 

「どういうことだ?」

 

「それが、名古屋や静岡のショッカーの基地もそれぞれ防御力が高いはずなんです。強い怪人もいるはずです。それがいくら西成さんと言えどこんな簡単に陥落させれるなんて…」

 

これまでの攻勢は中心に仮面ライダーディクリードである海来がいたからこそできていたが、他のレジスタンスはその海来抜きで東海地方をあっさりと抑えてしまった。勿論彼らが力を付けたり、ショッカーの勢いが大阪陥落で落ちてしまった影響だろうと考えられる。だがそれでも、レナの中で何か引っかかるものがあった。

 

「まあ、どうであろうと関係ねえよ。俺がぶっ飛ばすからな。」

 

自身の勝利を信じて疑わない海来は、そのレナの言葉を軽く受け止めてしまったのであった…

 

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「関東のショッカー本部はどういう感じの防衛施設があるんや?」

 

「既に得ている情報によると、旧山手線の線路沿いに防壁が築かれ、本部は以前に東京ドームがあった地域に構えられている。」

 

そして迎えた侵攻戦の前日。

レジスタンスの面々はどう侵攻するかを決める作戦会議を行っていた。

ショッカーがこの世にあらわれた日。ショッカーの本部であるタワーが当時の東京ドームの横に突如生えてきた。そこはその後ショッカーの本拠地となり、今はその周囲にショッカーの城下町がありそれを守るように防壁が築かれている。

 

「まずはこの小田原から攻めるって話だったな。」

 

「せや、小田原に入ってそこから横浜、最後に東京に攻め入る。」

 

「小田原と横浜も中々落としにくそうだな…」

 

レジスタンスが東京に向かうにあたり、神奈川の地域も通らなくてはいけない。

その地域の敵の拠点も防御力は高そうだと海来達は気を引き締めて戦いに備える。

だが、彼らの備えは杞憂に終わってしまった。

 

「ここも雑魚だけか!」

 

東京へ繋がるショッカーの拠点はあっさりと陥落していった。

戦闘員や末端の怪人達しか配置されていない砦などはあっさりとディクリードの手によって墜ちていった。

そして僅か1週間も経たぬ間に海来達は東京に辿り着いた。

 

「ここがアイツらの拠点か…」

 

海来と南野を始めとするレジスタンスの眼前には、嘗ての山手線沿いに築かれた巨大な防壁が広がっている。品川の地に着いた彼らはその防壁をどう攻略するか立ち止まって考えていた。

 

「まあまずは、俺に任せてくれ。」

 

『変身アプリを起動します。』

 

レジスタンス達の前に立つ海来は、ディクリードライバーを起動する。

 

「変身!」

 

『カメンライド!ディクリード!』

 

腰に付けたディクリードライバーにカードを読み込ませれば、海来は黒と黄色の騎士仮面ライダーディクリードに姿を変える。

 

「よっしゃあ!稲妻落としてやるぜ!」

 

『カメンライド!ドライブ!』

 

目の前の壁を突破するのにディクリードが選んだのは仮面ライダードライブのカードであった。

ドライバーから出てきた仮面ライダードライブのホログラムが、赤い自動車に変形する。

ドライブ・トライドロンを呼び出したディクリードは、その運転席に腰掛けてハンドルを握る。

 

「いくぜ!」

 

その車のアクセルペダルを踏むと車体は壁に向かって前進していき、タイヤから放たれるタイヤ型のエネルギーが障害物となる壁にダメージを与えていく。

防壁にヒビを入れて、そこに突撃して一気に破壊しようという考えであった。

 

「アリアリアリアリ!マンモー!」

 

だが突如壁の上から放たれた光弾がドライブ・トライドロンを襲い、それに対処する様にタイヤ型のエネルギーを飛ばして攻撃を打ち消す。

 

「ここで敵が出てきたか!」

 

久々の接敵に対処すべく、ディクリードはドライブ・トライドロンを乗り捨てて別のカードを引く。

 

『カメンライド!キバ!』

 

それは仮面ライダーキバのカードであった。

ホログラムから召喚されたキバのホログラムを吸収すると、ディクリードの左腕にはガルルのアーマー、右腕にはバッシャーのアーマーが装備される。胸部はドッガの鎧によって固く守られる。キバ・ドガバキアーマーを上半身に纏った海来は、バッシャーマグナムを襲撃してきた敵であるアリマンモスに向けると、泡の弾丸を撃ってアリマンモスの光弾に対処していく。

 

「アビアビアビアビ!!」

 

さらに左腕の電磁ハサミを振り回しながらシオマネキングがディクリードに襲い掛かる。

 

「なんだ?この気持ち悪い怪人は?」

 

振り下ろされるハサミをガルルセイバーで受け止め、ディクリードは数歩下がって距離を置く。

さらに前蹴りを敵怪人の腹部に放ち、シオマネキングの身体を地面に転がす。

 

「アリアリ!」

 

さらにディクリードに向けてアリマンモスの光弾が次々と放たれていき、それをバッシャーマグナムの銃撃で何とか防いでいくが、ディクリードにさらなる脅威が襲い掛かる。

 

「よく来たな仮面ライダーにレジスタンス!」

 

「あれは…地獄大使!」

 

「それに死神博士まで!?」

 

南野やディクリード達の前に、2人の男が現れる。

そこにいるのは黒いコブラの鎧を纏う男と白衣と赤いマントを纏う白髪の男だ。

彼らの名は地獄大使と死神博士。ショッカーを代表する大幹部2人である。

 

「ここまで貴様らを誘い出しておいて正解だったな!」

 

「さあ、ここが貴様らの墓場だ!」

 

2人の幹部の号令と共に、更に複数の怪人が現れて海来達を取り囲む。

 

「これって…」

 

「やはり、罠でしたか…」

 

レナが抱いていた不安は的中であった。ショッカーは名古屋から東京までの各拠点の怪人達を東京の地に集中させ、進軍してきたレジスタンスを一網打尽にしようという作戦であった。

 

「撃て!!」

 

ショッカーがこの地を選んだ理由は、彼らが築いた防壁があるからであった。

防壁の上から怪人達や銃を構えた戦闘員達がレジスタンス一同を狙い、弾丸や光弾を放っていく。

 

「退け!皆退くんや!」

 

ショッカーからの攻勢に不利を悟った南野は仲間達に撤退の指示を出す。

 

「逃がすか!ゆけ!」

 

レジスタンス達を逃がすまいと、地獄大使の指示で新たな怪人が現れる。

壁の上から飛び降りたその怪人が、レジスタンスとディクリードの間の場所に着地する。

 

「あの怪人は…」

 

「パーフェクトホッパー、ショッカーの最高傑作だ…」

 

死神博士によってその名を明かされた怪人は、腹筋と胸筋を模した銀色のアーマーに黒いグローブを装備している。頭部は複眼とバッタの触角が生えたヘルメットに覆われており、その名の通りバッタの怪人であることがわかる。

 

「そいつは俺がやる!皆は逃げろ!」

 

新たな怪人の存在に、ディクリードはガルルセイバーでシオマネキングを切り捨ててから、その怪人の対処に向かう。

 

「けど、海来さん!その数じゃ…」

 

「大丈夫だ。俺が殿を務めるから早く逃げろ!」

 

レジスタンスの仲間達を襲おうとするパーフェクトホッパーに向けてガルルセイバーを振るい、切ろうとするが。

 

「おいおい、結構なパワーだな…」

 

振るわれる刃をパーフェクトホッパーが手で受け止め、押し返そうとしてくる。

 

「レナ!お前達は早く逃げろ!体制立て直さねえとヤバいだろ!」

 

「けど、海来さんは…」

 

「問題ねえ!」

 

仲間たちの安全のために早く逃げるように言う海来は、敵の腹部に膝蹴りを打ち込んで少し距離を置く。

 

「俺は強いから大丈夫だ!早く!」

 

「わ、わかりました…」

 

「すまんな…皆退くぞ!」

 

レジスタンスの兵達は敵からの銃撃や攻勢から逃れるために撤退を開始する。

レナはその場に残って殿を務める海来の方を見てから、仲間達と共にその場から離れていく。

 

「アビアビアビアビ!」

 

「アリアリアリアリ!」

 

逃げていくレジスタンスにシオマネキングとアリマンモスが襲い掛かろうとするが…

 

『カメンライド!ビルド!』

 

ディクリードが仮面ライダービルドのカードを読み込ませると、赤いウサギのメカと青い戦車のメカを召喚。召喚されたメカ達、ビルド・ラビット&タンクは背後から2体の怪人を攻撃。

シオマネキングにウサギ型メカのビルド・ラビットが飛びつき、アリマンモスを戦車型メカのビルド・タンクの砲台から放たれるエネルギー弾が撃ち抜く。

 

「まずはテメエからだ!」

 

『カメンライド!ダブル!』

 

そしてディクリードは目の前の怪人、パーフェクトホッパーを倒すべくダブルのカメンライドを発動する。

 

『サイクロン!』

 

召喚されたプリズムビッカー型のシールド、ダブル・メモリシールドにサイクロンのガイアメモリを装填すると、緑色の竜巻状のエネルギーがパーフェクトホッパーに放たれる。

 

「…」

 

だが、パーフェクトホッパーが右手を翳して紫色のエネルギーを出すとその竜巻が打ち消されてしまう。

 

「じゃあ今度はこれでどうだ!」

 

『ヒート!』

 

今度はダブル・メモリシールドにヒートガイアメモリを挿入し、火の玉を生成するとそれをパーフェクトホッパーに向けて撃ち出す。

 

「…」

 

だがその火の玉も、敵の掌から放たれる紫色のエネルギーによって打ち消される。

 

「パーフェクトホッパーには闇のエネルギー、ダーズレイを生成するダークレイズエンジンが搭載されている!闇のエネルギーはパーフェクトホッパー自身に多大な恩恵を授けるのだ!」

 

死神博士が声を上げるのと共に、パーフェクトホッパーは闇のエネルギー、ダーズレイを全身に纏わせてディクリードに向けて駆けていく。

 

(速いッ!)

 

そのエネルギーは敵怪人の身体能力を向上させ、ディクリードに向かっていくそのスピードは海来が目で捉え切れない程であった。眼前に迫った怪人の拳をモロに腹部に受けてしまい、身体を後ろに退けてしまう。

 

「いてえな…この野郎!」

 

腹部に受けた一撃は重かったが、ディクリードはパーフェクトホッパーの脚部目掛けて屈んだ姿勢からタックルを仕掛ける。

 

(このままテイクダウンだ!)

 

相手に組み付き、片足を持ち上げて敵のバランスを崩して倒してしまおうとするディクリードだが、その敵の身体は巨木の様にピクリとも動かなかった。自身の背部に向けてダーズレイを放出して、身体が押し倒されるのを防いでいた。

 

「…ッ!?」

 

その状態からディクリードの方に向けてダーズレイを放出すると、ディクリードの身体は吹き飛ばされて地面を転がる。

 

「コイツ、強い…!」

 

『カメンライド!ブレイド!』

 

体制を立て直したディクリードがブレイド・ブレイラウザーを構えて、パーフェクトホッパーに切りかかる。

 

「なっ…!?」

 

だが、パーフェクトホッパーが生成したダーズレイのエネルギー弾が次々とディクリードの身体を撃ち抜く。そのダメージに、地面に膝を付いてしまう。

 

「流石、パーフェクトホッパーだ。」

 

「俺はまだ…負けてねえ!」

 

ブレイド・ブレイラウザーを地面に突きたてて杖代わりにして立ち上がる。だが、ディクリードを今度はダーズレイで生成された黒の光弾が襲い、彼の身体や地面に落ちたその弾は爆発していき、ディクリードの身が爆炎に包まれる。

 

「クッソ…」

 

地面に倒れ伏すディクリードの身体を死神博士が踏みつける。

 

「先代に続いてこの代のディクリードも倒してしまうとは…流石パーフェクトホッパーだ。」

 

「先代?どういうことだ!」

 

「教えてやろう。このパーフェクトホッパーは数年前、この世界にやってきた先代のディクリードを殺している!」

 

死神博士の口から語られた事実。それは海来の前のディクリードもパーフェクトホッパーによって葬られてしまっていたという事実であった。

 

「前の奴もテメエらにやられたってことかよ…」

 

「ああ、だが我々の前からこのディクリードライバーが消え、そして貴様の手に渡っていた。何故か分かるか…?何故貴様が新たなディクリードになったのか…」

 

「さあな、知らねえよ…」

 

嘗てのディクリードと海来の関係性を問いかけつつ、彼のマスクを覗き込む死神博士。

 

「既に調べはついてある!千草海来、君が先代ディクリードの弟子だってことがな…」

 

「俺が弟子…?何言ってる?俺の師匠は先生だけだ!」

 

海来は自分が先代ディクリードと思われる人物に弟子入りしたことなんてないと主張する。不良だった自分を拾い、格闘技を教えてくれた山本恭二という男だけが自身の師匠である。

 

「その先生だよ。先代ディクリード、山本恭二…そして今のディクリード、千草海来…まさか師弟関係だったなんてな。大阪を墜とされた後に調べておいて正解だったよ。さあ、師匠と同じ道を歩むと良い…」

 

死神博士の後ろでパーフェクトホッパーがダーズレイを使って槍を生成し、ディクリードを突こうとする。

 

「お前らが…先生を…!」

 

『カメンライド!クウガ!』

 

死神博士の隙を突く様にディクリードがベルトにクウガのカードを読み込ませると、クウガ・ゴウラムライドが召喚され、背後からパーフェクトホッパーに激突。

 

「テメエらをぶっ殺してやる!」

 

(そこまでだ。海来…!)

 

(こ、この声は!)

 

更なるカードを引いて、攻撃を続けようとするディクリードを謎の声が止める。

 

(今は逃げろ!ここでまだ死ぬべきじゃない!)

 

『カメンライド!電王!』

 

その声に従う様に、ディクリードは電王のカードによって電王・デンライナーを呼び出して乗り込むとその場から咄嗟に逃げる。ショッカーが追撃を仕掛けようとするが、ディクリードが召喚していたクウガ・ゴウラムとビルド・ラビット&タンクがそれを阻む。

 

「や、ヤバかったぜ…」

 

一方、電王・デンライナー内の客車に座り込む海来は、戦いによるダメージで立つこともままならない状況で身を横にしていた。所々から血が流れており、それを止血することもなくただディクリードライバーを見つめていた。

 

「先生…」

 

海来の中で幾つもの感情が交じり合う。先代ディクリードが自身の師であったことへの驚き、師匠が死んでいたという事実への悲しみ、そして師匠を殺したショッカーへの怒り。これらの感情が複雑に混ざっていき、海来は涙を流すことしかできなかった。

 

「けどなんで、先生の声が…」

 

ただ、その中でも海来の中で疑問に感じるものがあった。

それは先程の戦いの中で自身に逃げる様に促した声のことだった。

海来はその声に聞き覚えがあった。かつての彼の師である山本恭二の声と全く同じものであった。

 

「ああークソ、分かんねえな…」

 

だが、今の海来にそのことを考える暇もなかった。

ただただ無気力に体を横にし、眠りに着くのであった。




全話投稿後に設定集を作る予定です。
各カメンライドの詳細もそちらに載せる予定です。
最終話は年明けの予定です。
では皆さんよいお年を!


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仮面ライダーディクリード・結

OP曲
AK-69:Forever Young feat. UVERworld
https://www.youtube.com/watch?v=YEJJe8L-ANE


「ここは…」

 

身体中に包帯を巻いた海来がゆっくりとベッドの上でその身を起こす。

 

「ようやく目を覚ましましたね。海来さん。」

 

「レナ…ここは?」

 

「横浜の仮拠点です。」

 

目を覚ました海来は、横に座っているレナからここが横浜にあるレジスタンスの仮拠点であることを告げられる。

 

「あの後、ボロボロの海来さんが戻ってきてそこから3日間眠っていました。」

 

「そうか…あんま覚えてねえけど…」

 

レナの言葉を聞く海来の様子は、心此処に在らずと言った様子だ。

パーフェクトホッパーに敗北してしまった事、そして自身の師匠が殺されてしまっていたことへのショックが大きかった。

 

「クソッ…!アイツら…!」

 

「まだ寝ててください!傷が広がります…」

 

海来の中の闘志はまだ消えていなかった。だがその闘志を燃やし続けている要因はショッカーに対しての憎しみの感情であった。師匠を殺されたことへの怒りと憎しみで身体を起こして、再び敵の下に向かおうとするが、レナが彼のことを止める。

 

「いてて…クソッ!俺がアイツらを倒さねえといけないんだ!」

 

「分かっています。ショッカーへの反撃は続けます。今は南野さん達と一緒にショッカーの怪人や防御壁の対策を練っています。だから、作戦が組めるまで海来さんは回復してください。」

 

まだまだ闘志が消えていないのはレジスタンスの者達も同じであった。

再び東京に攻め入り、次こそはショッカーの本拠地を墜とすために準備を進めていた。

自分達の侵攻ペースの速さから油断を生んでしまっていたが、次は堅実に攻めるつもりだ。

 

「そうか…」

 

レナから伝えられた南野らが準備を進めているという言葉に、冷静さを取り戻した海来はレナの言葉に従う様にベッドに体を倒して寝転ばせる。

 

「そういえば分かったぜ。俺がディクリードになった真実が…」

 

「ディクリードになった真実…?」

 

「ああ、先代ディクリードの正体は俺の格闘技の先生だったんだ。ただ、ショッカーとの戦いで負けて死んじまって…その後にディクリードライバーが俺を導き出した。」

 

「つまり海来さんは、先代ディクリードの弟子…?」

 

「まあ、そう言うことだ。」

 

ショッカーとの戦いの中で知った真実をレナに話す。

 

「けど、分かんねえんだ。俺が戦いの中で敵にやられそうになった時、先生の声がしたんだ。」

 

「先生の声が?」

 

「ああ、それで俺に逃げるように促した。まるで生き延びろって言ってるみたいな感じで…なんでだろうな…?」

 

数日前の戦いで起きたとある出来事を、海来はずっと不思議に感じていた。

その疑問をレナに投げかけてみる海来。

 

「亡くなった人の声が聞こえる…理由は分からないですけど、誰かが海来さんを生かそうとしてその思いが伝わったのかもしれませんね…」

 

「俺を生かせたい…」

 

「ええ、その声が海来さんを生き永らえさせたのですから。」

 

レナの言葉を聞きながら、海来は自身の拳をじっと見つめる。

 

「もしかしたらその先生の残留思念とかかも知れないですね。」

 

「先生のか…」

 

「けど、他にも要因はあるかもしれませんね。あなたが生きてて嬉しいって人が多いので、その想いが伝わったのかもしれないですね…」

 

レナの言葉に、パッと目を見開いたまま海来がレナの方を見る。

 

「そうなのか?俺にそんな…」

 

海来が生きてて嬉しい。そんな言葉を投げかけられるのは彼にとって久しいことだった。

 

「私達にとって海来さんは必要な人なんです。それは戦力としてだけではありません。一緒に暮らしてて、子供達と遊んでくれて、私達からすれば家族みたいに大事な人なんです。」

 

「そうやって言われんのも久しぶりだな…」

 

海来が生きてきた格闘技の世界は厳しい世界だ。あるスター選手がいたが、1度の負けでその選手に多くの批判が集まった。チャンピオンを何人も倒してきたと言うのに、一部の者達は彼を弱いと罵った。一度の負けで評価がガラリと変わってしまう。

 

「レナが俺の過去、どんだけ知ってるか知らねえけど、俺がプロ格闘家だった時に大きな失敗をしちまったんだ。」

 

「格闘家の時の失敗ですか?」

 

「ああ、とある試合で俺は納得いかない判定を受けたんだ。そん時にブチ切れて審判を殴り飛ばしたんだ。それでプロの業界から追放を喰らっちまった。その時俺はジムからも追い出されて、何とか知り合いの三雲さんに拾ってもらって格闘技を続けることはできたけど、プロの世界には戻れなくなっちまった。」

 

プロデビュー3年目で海来が起こした暴力沙汰は、彼のプロキャリアを完全に終わらせてしまっていた。

地下格闘技の試合に出続けることでしか彼は闘争本能をぶつけることができなかった。

 

「だからこうやって、色んな人から求められて応援されんのが嬉しかった…生きてて嬉しいって言われんのが…嬉しいんだ…!」

 

レナが口にした"あなたが生きてて嬉しいって人が多い"という言葉は、愛に飢えていた海来の心に響いていた。目から落ちる温かい液体が地面に落ちる。孤児院で暮らし、喧嘩の道を歩み、ようやく手にした格闘技人生も台無しにしてしまった自分でも、まだ戦うことができる。

 

「さっきまで、復讐のためにショッカーぶっ潰してやるって思ってた…けどそれは止める。俺は、レナ達の…皆のために戦う!」

 

「はい!南野さん達も待ってます。少し顔を出しに行きましょう。」

 

「ああ、そうだな!」

 

海来の言葉にレナも大きく頷く。そしてこれからの戦いのために、海来達は南野らのもとへ向かうのであった。

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

「南野さん、今戻りました。」

 

「おお、戻ってきたか。」

 

俺がレナと共に南野さんがいる部屋に行くと、そこには南野さんともう1人、スキンヘッドの大男がいた。

 

「何とか回復したみたいやな。」

 

「まだちょっと、痛みますけどね。ところでその人は?」

 

「おお!紹介するわ!コイツがレジスタンスで俺に並ぶ名将の西成や!」

 

「西成旭です。」

 

南野さんと一緒にいるのはレジスタンスの西成って人らしい。

南野さんと同じく、言葉はどこか大阪訛りを感じる。

 

「うっす、俺は千草海来です!よろしくお願いします。」

 

「よろしく頼むで。」

 

俺は西成さんと握手を交わす。そういえば西成さんは俺らが大阪を墜とした後、名古屋とか東海道を抑えたって聞く。ショッカーの作戦だったとは言え、あの範囲を一気に抑えたのは凄いな。

 

「で、この西成さんがいるってことは…」

 

「ああ、もうショッカーと戦う戦術は練り始めてるってことや。」

 

俺が寝てる間にも、既に南野さん達レジスタンスは動き出そうとしているみたいだ。

皆のショッカーを倒したいって気持ちはまだまだ消えていない。

 

「俺もまた戦うぜ。アンタらのために…」

 

「おう!頼もしいな!またよろしく頼むで!」

 

「任せろ!」

 

そうして俺は南野さんとまた握手を交わす。

 

「じゃあ今度改めて軍議をする。海来は来る戦いに向けて体を回復させてくれ。その間に策は用意しとくわ!」

 

「よろしく頼んだで。」

 

「ああ、また来るぜ。」

 

まずはこの前の戦いのダメージを体から抜かねえとな。

ダメージが残ったまま次の戦いに行っても満足に戦えないだけだ。

一旦寝室に戻って寝るとするか。と言うことでいったん俺は部屋を出て、さっきの部屋に戻る。

 

「けど俺、この世界に来てよかったぜ。」

 

「それは…どういうことですか?」

 

その部屋までの帰り道、俺はレナに言葉をかける。

 

「ここでは皆が俺の戦いを求めてくれる。こうやって必要とされて戦えて俺は嬉しいぜ。」

 

皆が俺のことを頼ってくれるのは、俺からしても嬉しいことだ。

そういう人たちと暮らすことができて嬉しいし、この世界も好きになった。

 

「そう言ってもらえて嬉しいです。」

 

「俺も嬉しいぜ。一緒に戦えて…だからこそ皆で勝ちを味わいたいな。」

 

だからこそ、次こそはショッカーに勝つ。そして皆を笑顔にしたい。

 

「じゃあ、俺も休みながら色々考えるか…」

 

問題はあのパーフェクトホッパーとかいう怪人だ。

よく分かんねえエネルギー出して攻撃や防御に使ってくる。

あれを攻略しないとショッカーに勝つことはできない。

どうやって倒すかだな…今できることは、持ってるライダーカードの力を再確認することだな。

 

「先生…」

 

後は先生に教わったことをまた思い出して、特訓していくだけだ。

俺は絶対に勝つ!そのために準備をしていこう。

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

レジすランスが再びショッカーに侵攻するのに、1カ月もかからなかった。

2万人を超えるレジスタンスのメンバーが全国から集まり、東京に向けて進軍していた。

中にはショッカーから奪った戦車や戦闘機に乗っている者もおり、全員がショッカーの本拠地を叩き潰す気である。

 

「南野さん、アンタのお陰で俺もさらに全力で戦えそうだ。」

 

「いやいや、俺だけやないて。西成もようけ人呼んでくれたし弥益と芦田も色々と準備してくれた。」

 

そのレジスタンスの大軍の先頭を歩くのは、海来と南野達だ。

南野の仲間である西成らが、この数の人員と装備をかき集めた。

仲間達の戦力が増強されたことで、海来もより安心して戦うことができる。

先の撤退戦のような展開を避けることができる。

 

「見えてきたな。敵が…」

 

再び海来達の視界に、旧山手線沿いに築かれたショッカーの城壁が入ってくる。

 

「海来さん…」

 

「ああ、絶対に勝つさ。」

 

『変身アプリを起動します。』

 

海来がレナの方を向き、ニコッと笑うとディクリードライバーを起動する。

腰に巻き付いたベルトにスマホ状のディクリードライバーを装填してカードを翳す。

 

「変身!」

 

『カメンライド!ディクリード!』

 

黒と金の騎士、仮面ライダーディクリードが再び東京の地に立つ。

 

「さてと、ショッカー…テメエらに稲妻落としてやるぜ!」

 

『カメンライド!電王!』

 

ディクリードへと変身を遂げた海来がショッカーの基地に向けて駆け出すとともに、カメンライドによって電王・デンライナーをこの場に呼び出す。電王・デンライナーは空中にレールを生成し、その上を走りながらショッカーの城壁に向かっていく。

 

「アリアリ!あんなもの!撃ち落としてやる!」

 

城壁の上から電王・デンライナーに向けて光弾を放とうとするアリマンモスであったが…

 

「アリー!?」

 

電王・デンライナーの1号車が展開し、現れた4問の大砲ゴウカノンから放たれる光弾に撃ち抜かれ、アリマンモスが構えていた城壁の一角ごと爆発し、コンクリートの破片と共に地面に落ちていく。

 

「イー!イー!」

 

「アビアビアビアビ!」

 

今度は地上からシオマネキング率いるショッカーの戦闘員達がディクリードとレジスタンスに襲い掛かる。

 

『カメンライド!龍騎!』

 

それに対してディクリードは龍騎のカードを使用する。仮面ライダー龍騎のホログラムが現れてディクリードの身体に入り込むとその右腕には龍騎・ドラグアームが装備される。

 

「焼き尽くしてやるぜ!」

 

龍騎・ドラグアームから放たれた炎が、シオマネキングと戦闘員達を包み込む。

 

「アビー!」

 

戦闘員達は焼き尽くされて一瞬で消し炭にされて、残ったシオマネキングも火だるまになって地面を転がる。

 

「もう一発喰らいやがれ!」

 

まだ意識があるシオマネキングを仕留めるべく、ディクリードが上から下に龍騎・ドラグアームを付けた右腕を振り下ろす。

 

「アビー!!」

 

自身が倒れているところに、更に拳が振り下ろされてしまう。

その右腕の籠手から炎が放たれると、シオマネキングの身体がさらに焼かれて内部の機械に引火し爆散する。

 

「アリアリアリアリ!マンモー!」

 

シオマネキングを仕留めたディクリードに、更に怪人達が集まっていく。

その先頭に立つのは壁から落とされたアリマンモスだ。

 

「ほな、俺らの出番や!」

 

ディクリードに向かってくる怪人達や戦闘員達の相手をするのは、レジスタンスの仲間達だ。

彼らはショッカーから奪った装甲車に乗り、車の装備を使った銃撃で敵を次々と仕留めていく。

 

『カメンライド!ゴースト!』

 

仮面ライダーゴーストのホログラムが現れ、ディクリードの中に入っていくとその左手首には眼の様なものが付いたリングが装備される。

 

『グレイトフル!』

 

左手首に装備されたゴースト・グレイトフルリングのスイッチを押すと、ディクリードらの勢力にさらなる頼もしい援軍が加わる。

宮本武蔵や織田信長と言った英雄たちのゴースト総勢15体が召喚されると、各ゴースト達が得物を手に戦闘員や怪人達と戦いを繰り広げていく。

 

「アリアリー!」

 

レジスタンス達に向かっていくアリマンモスを、エジソンゴーストとノブナガゴーストが各々の武器を銃形態にして撃ち抜いてその足を止めさせる。

 

「さて、俺も行くぜ!」

 

『カメンライド!響鬼!』

 

ディクリードの中に響鬼のホログラムが入り込むと、ディスクアニマルの1つであるアカネタカの翼がディクリードの背中から生える。

 

「トウッ!」

 

ディクリードが飛び上がって飛翔すると、敵軍の上部に布陣するように飛んで羽を広げる。

 

「喰らえ音撃!」

 

そして下にいる敵に向けて音波を放ち、戦闘員の軍勢を次々と倒していく。

 

「…!」

 

だが、突如黒いエネルギーの様なものが響鬼・アカネタカウィングを撃ち抜く。

 

「来やがったか…」

 

飛行能力が低下してしまった翼を使い、上空から落下しないように着地する。

 

「パーフェクトホッパー!」

 

ディクリードに向けて歩を進める銀色の装甲を纏う怪人。

前回の戦いで海来を破り、数年前には彼の師である山本恭二を葬り去ったパーフェクトホッパーが再びディクリードの前に立つ。

 

「おっしゃあ!リベンジマッチだ!」

 

ディクリードは目の前の敵と戦う意思を示すようにファイティングポーズをとる。

 

「よっしゃこいや!」

 

ディクリードが両手を広げてパーフェクトホッパーを挑発すると、怪人は自身の中で闇のエネルギー、ダーズレイを生成してその身に纏わせる。身体能力を上昇させたパーフェクトホッパーが地面を蹴って走ると、一瞬にしてディクリードの眼前に迫る。

 

「おっと…」

 

その状態からパーフェクトホッパーがディクリードの顔面部に向けて放つ右ストレートパンチを回避すると、追撃でパーフェクトホッパーが放つ左フックも回避。

 

「おらッ!」

 

パーフェクトホッパーから仕掛けた打ち合いに応じるようにディクリードも龍騎・ドラグアームを纏わせた右の拳を敵に向けて突き出す。

 

「流石に避けられるか…」

 

その攻撃が回避され、ディクリードと相手の間で距離が開くが、再度パーフェクトホッパーの方から足を踏み込んでいってディクリードに向けて拳を放っていく。

 

「そこだ!」

 

パーフェクトホッパーにパンチを撃たせたのは、海来の作戦だった。

パンチを避けつつ、拳を放った体制の敵の腹部目掛けて膝蹴りを放つ。

 

「効いたな!」

 

完全にパンチをすることに集中しており、パーフェクトホッパーの腹部に隙ができていた。

そこを上手く狙って放たれた膝蹴りは、敵の銀色に輝く腹筋部の装甲を抉り取ってしまう。

 

『カメンライド!ファイズ!』

 

さらにディクリードライバーにファイズのカードを読み込ませると、そこから仮面ライダーファイズのホログラムが現れる。そしてそのホログラムは1体のロボット、ファイズ・オートバジンに姿を変える。ファイズ自身が乗るバイクオートバジンのバトルモードと同じ形をしたロボットは盾の形をした武器のバスターホイールのガトリング部分から連射される弾丸がパーフェクトホッパーを襲う。

 

「良いぜ!オートバジン!」

 

オートバジンが連射した弾丸はダーズレイによって防がれるが、その内数発をパーフェクトホッパーは被弾してしまっていた。

 

『カメンライド!エグゼイド!』

 

だがその間に、ディクリードはゲーマガシャット型のアイテムを手に持ち、そのスイッチを押す。

 

『マイティアクションX!』

 

エグゼイド・ゲーマガシャットを起動すると、ディクリードらの周囲にチョコでできたブロックの様なものが浮かび上がってくる。

 

「バンバンいくぜ!」

 

『高速化!』

 

浮かび上がるブロックの内1つをディクリードが破壊すると、黄色のメダルの様なものが出てきてディクリードの体の中に入る。すると彼自身のスピードが上昇して高速で移動。捉えることのできな速さでパーフェクトホッパーの背後に回ると、その背中を蹴り倒す。

 

『鋼鉄化!』

 

振り返ってディクリードに向けてパーフェクトホッパーはダーズレイを弾にして射出するが、ディクリードは灰色のメダルを体に取り込み、身体を鋼鉄のように硬くして攻撃を防ぐ。

 

「これやるよ!」

 

続いて飛び上がったディクリードは近くのブロックを破壊し、そこで得た紫色のメダルを敵に向けて投げつける。

 

『混乱!』

 

そのエナジーアイテムを体に取り込んでしまったパーフェクトホッパーは、混乱してしまって動けなくなる。攻撃をすればいいのか歩けばいいのかもわからないほどに混乱した敵を海来は容赦なく狙う。

 

『マッスル化!マッスル化!マッスル化!』

 

周囲のブロックをいくつか破壊し、赤色のメダルを3枚集めてその身に取り込むと、ディクリードの身体の筋肉が隆起していく。

 

「おおー!パワー!!」

 

筋力を強化し、その状態で敵に肉薄したディクリードがその腕を振るい棒立ちのパーフェクトホッパーを殴り飛ばす。

 

「しっかりと作戦を練って正解だったぜ。」

 

このリベンジの機会に向けて、海来は仮面ライダーの能力を改めて勉強していた。

対策を練るのにレナの知恵も借りて、しっかりと準備をしてきていた。

 

「さあ、止めと行こうじゃねえか!」

 

ダーズレイを巧みに操るパーフェクトホッパーに対し、ディクリードはエグゼイドのエナジーアイテムの力と自らの格闘技の技術で完封してみせた。そしてトドメを刺すべくカードを読み込ませようとするが…

 

「そこまでだ!仮面ライダー!」

 

どこからか放たれた赤い鞭がカードを弾き飛ばす。

 

「テメエらは…」

 

「パーフェクトホッパーをここまで追い詰めるとは中々やりおるな…」

 

その鞭の使い手である地獄大使と、死神博士がパーフェクトホッパーの両隣に立つ。

 

「パーフェクトホッパーが完璧かつ最高傑作たる所以…見せてやろう。」

 

死神博士の言葉と共に、彼の眼と地獄大使の眼が赤く光り、闇のオーラに彼らの身体が包まれる。

 

「私の知能と!」

 

「俺の戦闘力!」

 

「「そしてパーフェクトホッパーの身体が組み合わさり最強の怪人が誕生する!」」

 

地面から起き上がったパーフェクトホッパーの身体から放たれるダーズレイが地獄大使と死神博士を包み込む。そして3人の闇は1つとなり、1体の怪人となる。下半身はパーフェクトホッパーのものであるが、右胸部と右腕は水色のガラガラヘビに絡まれており、左腕と左胸部は白いイカの触手に絡まれている。

頭部の仮面は本来のパーフェクトホッパーの物に、水色と白色のラインが入っている。

 

「これが真のパーフェクトホッパーの姿だ!」

 

死神博士と地獄大使がパーフェクトホッパーと合体したことで、パーフェクトホッパーは完全体と言える姿となった。

 

「良いじゃねえか。でっかい相手が3人かと思いきや1人になって、倒しやすいじゃねえか!戦いの手間が省けるぜ!」

 

パーフェクトホッパー、地獄大使、死神博士を同時に倒せると、ディクリードは意気込みながら3つのカードを取り出す。

 

『カメンライド!カブト!』

 

『カメンライド!キバ!』

 

『カメンライド!オーズ!』

 

そのカード全てをディクリードライバーに読み込ませると、3人のライダーのホログラムを体に吸収する。

下半身は赤いカブトのアーマーに、上半身はキバドガバキフォームと同様のアーマーに包まれ、その背中からは赤い鷹の翼が展開される。

 

「さあて、今からテメエらに稲妻落としてやるぜ!」

 

「倒されるのはお前だ!ディクリード!」

 

パーフェクトホッパー完全体がディクリードに蛇の尾とイカの触手を伸ばし、その先端部でディクリードの身体を突き刺そうとする。

 

「クロックアップ!」

 

ディクリードの腰に装着されたスイッチを押すと、タキオン粒子がディクリードの身体を駆け巡り、その身体は超加速。

 

「止まって見えるぜ!」

 

超加速した海来の視界には、自身に向かってくる触手などは全てゆっくりと動いてるように見える。

完全に動きを捉えられてしまった触手を、ディクリードはガルルセイバーで次々と切り落としていく。

そして敵の眼前まで迫ると、前蹴りを繰り出して敵の身体を地面に倒す。

 

「いつの間に!?」

 

一瞬にしてディクリードの触手を切られ、蹴り飛ばされたことにパーフェクトホッパーは動揺する。

 

「さて、次は上からだ!」

 

その間にディクリードはタカの翼で上空に飛び立ち、上からバッシャーマグナムで泡の弾丸を敵に向けて放っていく。

 

「流石に防がれるか…」

 

パーフェクトホッパーは上からの攻撃に対して、ダーズレイを固めて盾を作るとバッシャーマグナムから放たれる弾丸を防ぐ。

 

「さて、これでいくか。」

 

『カメンライド!クウガ!』

 

空中でディクリードがクウガのカードを使うと、クウガ・ゴウラムライドが召喚されて空中からパーフェクトホッパーに向けて降下していく。

 

「オートバジンも頼むぜ!」

 

パーフェクトホッパーの正面からゴウラムが突進し、背後からオートバジンがガトリングで弾丸を連射していく。パーフェクトホッパーはダーズレイをドーム状に展開して、自身の身を守る。

 

「さてと、その状態であと何個の攻撃受けれるんだ?」

 

『カメンライド!ビルド!』

 

そこから追撃と言わんばかりに、ビルドのカードを使ってビルド・ラビット&タンクを召喚。

右側からウサギ型のロボットがシールドを蹴り、左側から戦車型のロボットが砲撃を加えていく。

 

「んじゃあ、潰してやるぜ!」

 

そして空中からディクリードが降下しながら、ドッガハンマーを振り下ろすと、様々な方向から攻撃を加えられていたダーズレイ製のシールドが限界を迎え、破られる。ドッガハンマーがパーフェクトホッパーの頭部を殴打し、クウガ・ゴウラムライドの突進、ファイズ・オートバジンの弾丸、ビルド・ラビットの蹴りと、ビルド・タンクの砲弾が一気に敵に突き刺さる。

 

「何故だ…!完全体になったのに何故!?」

 

「教えてやるよ…レジスタンスの奴らや人々の思い、レナのサポート、そして先生の教えがこの俺を完璧を超える最強にしてくれてるからだ!!」

 

ディクリードの言葉と共に、召喚されたゴウラムらが次々とパーフェクトホッパーを襲う。

連続で攻撃してくる彼らに、パーフェクトホッパーはダーズレイを使って対処していく。

 

「隙だらけだ!」

 

『クロックアップ!』

 

各方向にエネルギーを放出していく敵に対し、海来は攻略の一手を見つけた。

様々な方向から来る攻撃に対処するために散発的にエネルギーを出していく敵に、ディクリードはクロックアップを発動して敵に向けて近付く。

 

「そこだ!」

 

腹部に再度膝蹴りを打ち込み、怯ませる。

 

「さあ、ここで仕留めてやる!」

 

『ファイナルアタックライド!ディ・ディ・ディ・ディクリード!』

 

そして弱った相手に止めを刺すべく、ディクリードが必殺のカードをベルトに読み込ませ、ライダーキックを放つ。

 

「させるか!」

 

パーフェクトホッパーはダークレイズエンジンをフル稼働させ、全身に闇のエネルギーダーズレイを纏わせ、両掌から一気に解き放って蹴りを放つディクリードの進撃を防ぐ。

 

「俺だって、こんなところで負けてらんねえよ!俺がここで稲妻落としてやるぜ!」

 

海来の言葉と共に、カードホルダーから20枚のカードが飛び出してきて、ディクリードライバーに取り込まれていく。

 

『ファイナルアタックライド!オールライダーズ!』

 

そのカードは、クウガからジオウまでの20人のライダー達のファイナルアタックライドカードであった。

それらを全て読み込むと、ディクリードの身体は黄金の光に包まれて、彼の周囲にクウガやアギトを始めとする20人のライダー達が召喚されて一斉に足を突き出してライダーキックの姿勢に移っていく。

 

「はああああああ!!」

 

ディクリードと20人の仮面ライダーがパーフェクトホッパーに向かって突き進み、自らの進撃を阻むダーズレイを押し込んでいく。

 

「ノックアウトだ!」

 

20人のライダー達とディクリードが重なり1つになると、パーフェクトホッパーのダーズレイを全て吹き飛ばし、敵の胸部に自身のライダーキックを炸裂させる。

 

「こんなところで…!負けるとは…!ショッカー!万歳!」

 

ライダーキックを受けて吹き飛ばされたパーフェクトホッパーは両腕を上げてから地面に倒れ伏し、爆散する。

 

「よし、勝ったぜ!」

 

パーフェクトホッパーを仕留めたディクリードが右腕を高く掲げる。

 

「よっしゃあ!このままの勢いでいけ!」

 

それと時を同じくして、ショッカーの城壁も破壊されてその中にレジスタンスとディクリードが召喚した英雄ゴーストらが雪崩れ込んでいいっていた。幹部怪人と最大戦力、そして城壁を失ったショッカーの本拠地が陥落するのにあまり時はかからなかった。

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

「また、戦いに行くんですか?」

 

「まあな…」

 

あの日の戦いから数カ月。

この世界を支配していたショッカーは完全に排除された。本部を失ってから完全に勢いを失ったショッカーは世界中の犯行勢力によって駆逐されてしまった。戦いが終わり、人々は安らかなひと時を過ごしたり復興に向けての準備を進めていたが、海来は違った。

 

「私達の世界のために戦ったのに、また他の世界に行くなんて…」

 

ショッカーが滅亡して数日後、海来は突然他の世界にも言って戦うと言い出し、旅立とうとしていた。

 

「ゆっくりするのも良いけど、俺は戦うのが好きだからな。それに先生が色んな世界で戦ってたのなら、その跡を継いで何を目指してたかとかも知りてえし。」

 

また新たな戦いに向かう意思を既に固めていた海来は、ディクリードライバーを操作して世界を移動するための灰色のオーロラカーテンを作り出す。

 

「また会おうぜ。俺のここでの使命は終わった。」

 

「ちょっと待ってください!」

 

そのカーテンを潜って他の世界に移動しようとする海来の腕を、レナが掴む。

 

「なんだ?俺を止めるのか?」

 

「そうではないです。ただ、もっと海来さんの戦いが見たくて…」

 

「へえ、俺と一緒に旅に行きたいってことか。」

 

「はい、もっと見たいんです。海来さんの活躍を」

 

レジスタンスとショッカーの戦いの中でレナは海来に魅せられていた。

また彼の戦いや、活躍を傍で見たい。そう考えて旅に一緒に行きたいと告げたのだ。

 

「良いぜ。こういうのは仲間が多い方が楽しいからな。よっしゃ!来やがれ!」

 

「ありがとうございます。」

 

ショッカーとレジスタンスの戦いが終わり、これからは海来とレナによる世界を駆け巡る戦いの旅が始まるのであった。

 

「おーい!ちょっと待ってくれー!」

 

2人が旅立とうとしたところを、走りながらやってきた南野が呼び止める。

 

「どうしたんすか?南野さん?」

 

「旅立つ前に海来に渡しておきたいモンがあってな…」

 

既に海来が他の世界に行くことを知っており、送り出す覚悟も出来ていた南野であったが、その前にどうしても伝えなければいけないことがある様子だ。

 

「これや。」

 

南野が自身の後方に指をさすと、そこには芦田と弥益がおり、彼らの間にはディクリードと同じく黒と金のボディを持つバイクがあった。

 

「先代ディクリードが使ってたバイクが見つかったんや。その名もマシンディクリーダー!旅するなら必要やろ!」

 

「ありがとな!南野さん!」

 

そのバイクは、嘗て海来の師匠である山本恭二が使っていたものであった。師の愛車であり、ディクリード専用のバイクであるマシンディクリーダーを海来が嬉しそうに笑みを浮かべながら受け取る。

 

「レナも旅に行くなら準備せなアカンやろ。もう少しゆっくりしていき。」

 

「そうだな。俺もコイツを乗りこなす練習しねえとな。」

 

受け取ったマシンディクリーダーに跨り、グリップを握りながら海来がレナの方を見ると、彼女も静かに頷く。

彼らが世界に旅立つのに、あと数日はかかる様だ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「で?コイツらなんか倒れてんだけど大丈夫か?ボロボロだし。」

 

「連れてくるタイミング、間違えたんじゃないですか…?」

 

ディクリードの力によって呼び出される電王・デンライナーの客車にて、海来とレナは椅子の上で身体を横にする男と女をじっと見つめていた。

 

「俺は確かに1番強い状態で連れて来たぜ!」

 

「1番強い形態に変身はできるみたいですけど、満身創痍な状態じゃないですか!」

 

2人は何やら口論になっている様だ。その原因は恐らく彼らの前で眠っている男女である。

 

「助っ人にするにしても、今の状態では戦えるようには思えないですね。」

 

「仕方ねえ、こいつら送り届けてやり直すか。」

 

To be continued…




皆様ディクリード全4話読んでいただきありがとうございます。
これにて物語は一旦完結ですが、また気が向いたら続編を作るかもしれません。

さて、その前にまずは志村琴音さんの仮面ライダーアクトと仮面ライダーブートレグとのコラボも行います。
皆様お楽しみに~


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ディクリード・設定集

千草海来 (ちぐさかいき)/仮面ライダーディクリード

23歳

CV鈴木達央

大阪府を拠点に活躍する地下格闘家。

幼い時に両親を亡くして施設で過ごし、周囲から迫害を受けていく内に小学生のころから喧嘩に明け暮れる日々を過ごす。中学、高校でもそんな日々を過ごしていたが、格闘技の先生に出会い総合格闘技を身に着けていく。

ジムで鍛えて高校卒業前にはアマチュア格闘技の大会で優勝できるレベルになるが、その頃に先生が病気で亡くなってしまう。 高卒と同時にプロデビューしてそこから3年間無敗であったが、トラブルが原因で追放になってしまう。

その後はアルバイトをしながら地下格闘技の試合に出続けている。

目は釣り目で整った顔立ちをしており、髪は金色に染めている。

身長175cm、体重71kg(試合時)、体格は筋肉質で服の上からでも分かるほど筋肉が付いている。

背中には大きめの鷹のタトゥーが入っている。

熱くなりやすい性格で、正義感が強い。

テンションが上がりやすく、周りからうるさいと言われてしまうこともある。

喜怒哀楽が表に出やすく、割と素直。

 

西連寺レナ

22歳

CV内田真玲

レジスタンスに所属する女性

ショートカットにスレンダーな体系をしており、クールビューティーな印象の女性。

子どもの時に世界がショッカーに支配されてから、レジスタンスの下で生活しながら訓練を受けた。

ある日手に入れたディクリードライバーを使い、海来に出会う。

 

南野

レジスタンスのリーダー

シャガレタ声の男

モデルは地下格闘家のアンディ南野

 

 

 

仮面ライダーディクリード

基本スペック

身長:192cm

体重:83kg

パンチ力:4t

キック力:8t

ジャンプ力:一跳び25m

走力:100mを6秒

スマホ型デバイスのディクリードライバーにライダーカードを読み込ませることで、各ライダー達の力を武装して戦う。

必殺技はニューディメンションキック

 

カメンライド

クウガ・ゴウラムライド

カメンライド・クウガを使用することで召喚されるゴウラム型のメカ。

自立飛行をしており、ディクリードの攻撃のサポートや運搬、飛行が可能である。

 

アギト・トリニティアーム

カメンライド・アギトで両腕に装備する腕の装備。

アギトトリニティフォームと同じく腕がストームフォームとフレイムフォームのものとなり、それぞれの武器も装備する。

 

龍騎・ドラグアーム

カメンライド・龍騎で右腕に装備する武装で、龍騎のドラグレッダーの様な赤い龍の頭部を模した籠手を装備する。 ドラグアームの先端からは火炎放射を行える。

 

ファイズ・オートバジン

カメンライド・ファイズで召喚されるロボット。

バイクにも変形することができるメカで、戦闘に参加もできる。

 

ブレイド・ブレイラウザー

カメンライド・ブレイドを使用することで、仮面ライダーブレイドの装備であるブレイラウザーを装備できる。 中にはラウズカードも備わっており、その効果を使っての戦闘も可能。

 

響鬼・アカネタカウィング

カメンライド・響鬼を使用することで、背中に装備するアカネタカを模した翼。

自身に飛行能力を付与するだけでなく、翼から出す音波で魔化魍を清めることができる。

 

カブト・クロックアップレッグ

カメンライド・カブトを使用することで、装備する下半身のアーマー。

腰の部分にあるクロックアップスイッチを押すことで、タキオン粒子による高速移動を可能とする。

 

電王・デンライナー

カメンライド・電王を使用して呼び出すことができる列車型の乗り物。

本来のデンライナーと同じく、時を超える力を持つだけでなく、客車で過ごすこともできる。

 

キバ・ドガバキアーマー

カメンライド・キバを使用して装備する上半身のアーマー。

キバのドガバキフォームと同様の上半身の鎧を纏い、3種のアームズウェポンの力を使う。

 

ディケイド・コンプリートケータッチ

カメンライド・ディケイドを使用することで登場するアイテム。

ケータッチを似た形状をしている。

現状は使用用途不明

 

ダブル・メモリシールド

カメンライド・ダブルを使用することで装備する盾。

プリズムビッカーと似た形をしており、ガイアメモリを装填して、その力を解放できる。

 

オーズ・タトバアーマー

カメンライド・オーズを使用することで装備する背中に装備するアーマー。

鷹の翼と虎の爪を装備したり、バッタの足を模したアンカージャッキを背中から展開できる。

 

フォーゼ・ロケットモジュール

カメンライド・フォーゼを使用することで右腕に装備する武器。

仮面ライダーフォーゼのロケットモジュールと機能は同じ。

 

ウィザード・エレメントハンド

カメンライド・ウィザードの装備

ウィザードのドラゴタイマーを模した武器で、ヒート、ウォーター、ハリケーン、ランドの4種類の魔法を発動できる。

 

鎧武・大橙丸

カメンライド・鎧武を発動することで装備する剣。

鎧武が使う大橙丸とほとんど同じ。

 

ドライブ・トライドロン

カメンライド・ドライブを使用して呼び出す車型の乗り物。実際に搭乗することができ、普段使いできる。また、通常の車よりも頑丈なだけでなく、車型のエネルギーを放って攻撃することができる。

 

ゴースト・グレイトフルブレス

カメンライド・ゴーストを発動することで、左手に装備されるブレス。

小型のグレイトフル眼魂の様なものがついており、15種類のゴーストを召喚できる。

 

エグゼイド・ゲーマガシャット

カメンライド・エグゼイドを発動することで出現する、ガシャット型アイテム。

起動させることで、自分の周囲にエナジーアイテムが入ったチョコブロックを出現させる。

 

ビルド・ラビット&タンク

カメンライド・ビルドを使用することで召喚できる中型のサポートメカ。

赤いウサギ型のメカと、青い戦車型のメカを呼び出すことができる。

 

ジオウ・グランドウォッチ

カメンライド・ジオウを使用することで登場するアイテム。

グランドジオウライドウォッチと似た形をしている。

現状は使用用途不明

 



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