インフィニット・ストラトス ~LBXを操る転生者~ (てーとくん)
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ファントム

ダンボール戦記ウォーズのストーリーをクリアしたら書きたくなってしまい書いてしまった……


「キミ、見たまえ! この結果を!」

 

 

 

「こ、この結果は……! 博士っ!」

 

 

 

「その通り成功だ、成功だよ! やはり我々の理論は間違っていなかった!!」

 

 

 

目の前で喜んでいるのはぼくのことをいじめていた白い服をきた大人たち。

 

 

 

なにをそんなに喜んでいるのだろう?

 

 

 

「喜びたまえ被検体T-10。キミはこの世界を救う救世主となるのだ。女尊男卑などというくだらない風潮になったこの世界をな……!」

 

 

 

救世主? 女尊男卑? そんなものはわからないし、わかりたくない。僕がほしいのは唯一つ。それは‐‐‐‐‐

 

 

 

ドオオオオオオオン!!

 

 

 

「な、なんだ! 一体どうした!?」

 

 

 

「は、博士! 上です!」

 

 

 

そういって上を見上げるとマントのようなものを翼状に広げたロボットのようなものが槍らしきものを持ってこちらを見ている。

 

 

 

なんだろう、アレは?

 

 

 

ぼくのその疑問に博士と呼ばれた人が勝手に答えた。

 

 

 

「青色の機体に翼状に広げたマントのようなもの、そして二十螺旋を描く槍。そんななぜ……なぜ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぜファントムがここにいる!?」

 

 

 

どうやらあのロボットのようなものはファントムと呼ばれているらしい。もちろんぼくは聞いたことがない。

 

 

 

『我が名はファントム』

 

 

 

『裁きを下す亡霊也』

 

 

 

「っ警備員!! 一体何をしている、早くアイツを迎撃しろ!! オイ! 聞いているのか!?」

 

 

 

博士がマイクを使って警備員を使ってファントムを倒せと命令するが誰も反応しない。

 

 

 

『無駄だ』

 

 

 

『この研究所にいるのは貴様ら三人のみだ。あとは排除させてもらった』

 

 

 

「そ、そんなバカな! この研究所には三百人の重装備の警備員がいるんだぞ!! そんな簡単に倒せるはずが……!」

 

 

 

『そこのモニターを見てみろ』

 

 

 

ファントムが指すモニターを見てみると大勢の警備員の死体がそこに移っていた。

 

 

 

「なっ……」

 

 

 

「そんな……」

 

 

 

そのモニターを見た博士と研究員は顔が青ざめていくのが目に見えてわかった。

 

 

 

「ひ、ひいいいいいいいいっ!」

 

 

 

研究員のほうが悲鳴を上げ、逃げようとするが……。

 

 

 

『裁きを下す、そう言ったはずだ』

 

 

 

ファントムが手に持っていった槍を逃げようとする研究員に投げ、そして心臓のある位置に刺さった。そのままその研究員は死にあとは博士とT-10と呼ばれた被検体の少年のみになった。

 

 

 

「…………ぜだ」

 

 

 

『なに?』

 

 

 

「なぜ、邪魔をする!! 我々は今の世の中を、女尊男卑

などというふざけた風潮を変えるために研究を続けてきた! その実験ももう最終段階へとたった今移行した! それをなぜ、なぜ邪魔をするのだ!? 答えろファントム!!」

 

 

 

博士は吠えるようにファントムに言い切った。そしてファントムはその質問に答える。

 

 

 

『……貴様は今まで何人の命を使った』

 

 

 

「それがどうした!! 研究には犠牲が付き物だ、彼らだってこの世の中を変えるためにその命を使われたのだ。ああ、彼らだって本望だっただろうさ!」

 

 

 

『ふざけるな!!』

 

 

 

今まで冷静に話していたファントムがいきなり怒り出した。その怒気にやられ博士は少したじろいだ。

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

『小さい子供たちの命を奪っておいて、なにが世の中を変えるためだ! なにが本望だっただ! 子供の命を使わなければ変えられない世界などクソくらえだ!! 貴様がしたことは殺人と一緒だ!! 恥を知れ!!』

 

 

 

ファントムは博士の言葉に強い否定と嫌悪感を露にする。

 

 

 

「っ!」

 

 

 

『そして冥土の土産に覚えておけ。貴様のようなクズを裁くために私という存在がいることを』

 

 

 

ファントムは穴の開いた天井からゆっくり降りてきて博士と向き合う。そして手を振り上げる。

 

 

 

「ま、待t「ザシュッ!」が、は……!」

 

 

 

『…………あの世で閻魔様によろしく言っとけ。俺もゆくゆくははそこに堕ちるからな』

 

 

 

博士の心臓を突き刺した手を引き抜き、槍も回収しファントムは翼状に広げていたマントのようなもので身体を覆い隠し、空を飛ぼうとする。そこで被検体の少年と目が合った。

 

 

 

『安心しなさい、少年。もうまもなくこの国の警察がやってきてキミを保護するだろう。それまでの辛抱だ』

 

 

 

ファントムは少年を安心させるように先ほどとは違い、優しく声をかける。

 

 

 

「ねぇ、ファントム、さん?」

 

 

 

『どうした少年』

 

 

 

「ぼくは、自由になれるのかな?」

 

 

 

そう、彼が唯一つ欲しかったものそれは自由。物心つく前からこの研究所にいた彼はずっと自由を欲しがっていた。それは研究のために犠牲となった他の子供たちもそうだった。

 

 

 

『なれるさ。人間とはありとあらゆる可能性を秘めた生き物だ。キミが自由が欲しいと願ったのであればそれはきっと叶うはずだ、可能性はゼロではないのだから』

 

 

 

 

「?」

 

 

 

『キミには少し難しかったかな。なにキミももう少し大人になればわかるはずだ』

 

 

 

そういい残し、ファントムは空へ高速で飛び上がり見えなくなった。

 

 

 

「………………」

 

 

 

少年はファントムが見えなくなっても空をずっと仰ぎ見ていた。




一応シリーズは全部やっております。


わからない人にもわかってもらうように書くつもりですがなにか変なところがあれば報告お願いします。


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依頼

DESTINYにはまってしまった。

くそぅ、来週にはモンハンが届くっていうのに……


『おかえり。セレディ』

 

 

 

「ああ、ただいま。ミゼル」

 

 

 

違法研究所から帰ってきて迎えてくれたのは画面に映っている『ミゼル』という俺が生み出したAIである。

 

 

 

ミゼルには俺たちの住処であるステルス司令機『エクリプス』の全管理を任せており、作った俺自身よりもこの艦のことを知っている。

 

 

 

『そういえばセレディーが仕事に行ってた間、篠ノ之束博士から伝言が届いているよ』

 

 

 

「束さんから?」

 

 

 

篠ノ之束。ISを作った張本人にしてこの世を混乱させた人物で自分の認めた人しか視界に移さず、その他の人間はどうでもいいと考えている。

ではなぜそんな人物が俺の連絡先を知っているのかというと、数年前に亡くなった俺の両親と深い交流があったのでそのまま俺とも交流してみたくなったと本人から聞かされた。以降それなりに連絡を取り合う仲なのである。

 

 

 

『今、再生するよ』

 

 

 

画面からミゼルが消えて、代わりにウサギ耳をつけてファンシーな服を着た女性が映し出される。

 

 

 

『はろはろはろ~! 久しぶりだね~セーくん。これを見てるって事はもうお仕事は終わったのかな? お疲れ様ー。そんなお疲れのところセーくんには悪いんだけど実は頼みごとがあるの。実はー、なんと男性であるいっくんがISを動かしちゃったの! それでいっくんはIS学園に強制入学させられちゃうんだ。 でねでね束さんはこう思うんだ! ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐それ絶対ハニートラップしかけられるだろ、って。いくら向こうにちーちゃんと箒ちゃんがいるといってもこの二人だけじゃちょっと不安なんだ。 だからセーくんにはいっくんの護衛をやってもらえたらうれしいなーて思って今回連絡したんだ。ちなみにもうIS学園の方とも話はついてるからもしこの話を受けてくれるのならこの日時にIS学園に行ってね! そこでちーちゃんが待ってるはずだから。じゃあそーいうことで、あでゅー』

 

 

 

そして束さんが画面から消えてIS学園に向かう日時のみが残された。

 

 

 

「………………」

 

 

 

 

『どうするセレディー?』

 

 

 

更にしばらくするとミゼルが画面上に映し出され俺にどうするかを聞いてくる。

 

 

 

そこで俺は考える。

 

 

いっくんこと織斑一夏の護衛をして俺になんのメリット、デメリットがあるのかを。

最初にメリットのほうを考えよう。織斑一夏の護衛をすれば必ずと言っていいほどちーちゃんこと織斑千冬と接触できるはずだ。そこでうまく話をまとめれば彼女と模擬戦ができるかもしれない。彼女との一回の戦闘において取れる戦闘データがどれだけのものなのか、まったく予想がつかない。上手くいけばこれからの研究にその取れた戦闘データが使えるかもしれない。

以上のことを踏まえて次はデメリットを考えてみよう。

まず俺がISを使えるということが完全にバレる。これが最大のデメリットだ。しかもミゼルのことやこのエクリプスのことまでもがバレるかもしれない。そんなことは万が一、いや億が一ありえないことだが世の中何が起こるかわからない。

 

 

 

閉じていた目を一度あけて周りを見渡す。そこである一つのものが目に止まった。

 

 

 

「……なあ、ミゼル」

 

 

 

『なんだい?』

 

 

 

「『例のアイツら』の開発状況はどうなってる?」

 

 

 

『片方はもうほぼ完成しているといっても過言ではないよ。残ってるのは試運転ぐらいだし。でももう片方は戦闘データがない以上完成はかなり遠くなるね』

 

 

 

ミゼルにそう言われ俺は「そうか……」と言ってもう一度目を閉じて考える。

 

 

 

IS学園。それは世界中のISの操縦者や整備士を目指すものたちが集うただ一つの場所。操縦者の中にはブリュンヒルデにかなわないとしても各国の代表候補生や代表生がいるはず。もしブリュンヒルデと戦えなければ彼女たちと戦えば十分な戦闘データはとれるはず。

 

 

 

「ミゼル」

 

 

 

目を開けてこの場にいる俺の相棒に話しかける。

 

 

 

『決まったかい?』

 

 

 

「あぁ。織斑一夏の護衛、受けるぞ」

 

 

 

俺の選んだこの選択が良かったのか、はたまた悪かったのか。それは神のみぞ知るってやつなのだろう。とりあえず約束の日までまだもう少し時間があるのでミゼルと一緒にエクリプスのステルス強化とミゼル自身のアップデート、更にはファイアウォールの強化、その他にもまだまだたくさんやることがある。

 

 

「(約束の日までに終わるかなぁ?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこかの暗い研究室。そこでは女性と男性、二人の科学者がとある研究を行っていた。

 

 

 

「そっちのほうはどう?」

 

 

 

「90%完成した。あとはアイツらがデータを持って来さえすれば、完全に完成する」

 

 

 

彼らは部屋の中央に置いてある三つのISをみる。そのどれもが禍々しい雰囲気を放っている。

 

 

 

「ああ、もう少しなのね。もう少しすればこの世界を壊せる。こんな醜くて汚い世界を」

 

 

 

「そうだ。そうするためにすべてを万全にしなければならない。わかったらお前も早くアイツを完成させてやりなさい」

 

 

 

「あら、大丈夫よ。コイツの核となる部分はもう出来てるわ。ほら」

 

 

 

そう言って女性の科学者が懐から白いマイクロチップを男性の科学者にみせる。

 

 

 

「なら、ちゃんと試運転ぐらいはやっておきなさい。コレに乗るのはお前なんだから」

 

 

 

「相変わらず貴方は過保護ね」

 

 

 

「お前を愛しているからこそさ」

 

 

 

「……ありがとう、『兄さん』」




次からは後書きに用語説明集みたいなのを載せたいと思いますのでよろしくおねがいします。


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