緋弾のアリア 意志を受け継ぎし者 (暗黒の影)
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第00弾「日常の終わり」


駄作ですが、気楽に読んでください。


 

20XX年 a月d日

 

埼玉県

 

とあるマンション

 

 

ppppppppppppppppppp・・・ガチャ

 

「・・・ん~・・・朝か」

 

俺は、鳴り響く目覚まし時計を止めてベッドから起き上がる。

 

「・・・あぁーそうだ・・・今日、バイトの日じゃん・・・」

 

あぁ~ダルイ・・・

 

ベッドから降りて身を整える。

 

「メシは、コンビニでいいか・・・」

 

財布を持って、マンションから出る。

 

ちゃんと鍵は、閉めているからな?

 

そのまま、マンションの駐輪場に行き自分のロードバイクに乗ってコンビニに向かう。

 

シャー・・・

 

数分自転車を漕いでいると、コンビニの前に着く。

 

俺は、そのままコンビニに入る。

 

「いらっしゃいませ~」

 

店員の言葉を聞きながら、食品コーナーに向かう。

 

「オニギリ2つで良いか・・・」

 

俺が、オニギリを手に持ってレジに向かう。

 

「おい!!金を出せ!!」

 

だが、黒い服装の不審者が銃を店員に向けて脅していたことで、買えなかった・・・

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「どうするか・・・」

 

俺は、銃を持つ不審者に見えない場所に姿を隠して、不審者の対応をどうするか考える。

 

「コレは、どうしたら良いか・・・」

 

ゆっくりと顔を出して不審者を覗くと未だに銃を向けたまんまの不審者。

 

その手に持つ銃は、未だ現役のソ連軍の銃だった。

 

「うぇ・・・Σ(゚д゚;)何で、マカロフなんて持ってんだよ・・・」

 

マカロフ。

 

第二次世界大戦中、ソ連軍が開発し量産したTT30/33の暴発事故多発に悩み戦後に戦場でのハンドガンの能力限界を分析して新型オートマチック・ピストルとして開発されたハンドガンだ。

 

使用弾薬は、威力は低いが撃ち易い9mmマカロフ弾である。

 

「と言うか・・・何で銃なんて持ってんだよ・・・」

 

まさか、密輸か?

 

「まぁ、今はこの状況をどうにかしないとな・・・」

 

俺は、ゆっくりと商品棚を盾に犯人に近付く。

 

何も持たずに素手で銃を持つ不審者に挑むなんて、無謀なんだがな・・・

 

俺は、商品棚に置いてある白いウォッカ瓶をゆっくりと音を鳴らさずに手に持つ。

 

「おい!!何時まで待たせんだ!!さっさと金出せ!!」

 

不審者・・・いや、強盗犯か。

 

強盗犯が、金をゆっくりと出して袋に詰めている店員に痺れを切らしかけているな・・・

 

俺は、出来る限り気配を消して腰を低くして強盗犯の後ろに回り込む。

 

        出口

      ┃   ━━━

    店員┃   

      ┃犯人 ━━━

      ┃    俺

      ┃   ━━━

 

この角度なら丁度、犯人にも店員にも見えない死角なのだ。

 

俺は、ゆっくりと腰を上げる。

 

「おい」

 

俺は、腰を上げると同時に犯人に聞こえる声を出す。

 

「っ!?」

 

犯人が俺の声に反応し驚いた顔で此方に顔を向けると同時に銃も向けてくる。

 

「おりゃ!!」

 

だが、銃を向けて照準が合う前に持っていたウォッカの瓶を犯人の顔目掛けて投擲する。

 

「っな!?」

 

犯人は、驚きながらも顔に当たりそうになった瓶を咄嗟に避ける。

 

だが、咄嗟に避けたことで体制のバランスを崩し倒れそうになる。

 

俺は、その瞬間を見逃さず、一気に接近し左手で犯人が右手で握っているマカロフを払い除けると同時に、足も払い除け、右手で犯人の頭を掴みそのまま地面に叩きつける。

 

「っがっは・・・!!」

 

地面に叩き付けられた犯人は、肺に入っていた酸素を吐き出し気絶した。

 

「っふぅ・・・危なかった~」

 

俺は、犯人が気絶したのか確かめて犯人が握っているソコロフを奪い取る。

 

「ったく・・・なんでこんなもん持ってるのかね~」

 

俺は、奪い取ったマカロフを分解(フィールド・ストリッピング)しながら呟く。

 

「あっ・・・あの!!」

 

俺が、マカロフを分解し終えてレジ前に分解したマカロフを置くと脅されていた店員が声を掛けてきた。

 

「え?あぁ・・・大丈夫でしたか?」

 

「・・・はい。ありがとう・・・ございます」

 

「無事なら良いけど、悪いんだけど警察呼んでもらって良いかな?」

 

「っあ、はい!!」

 

俺が、そう言うと裏に入っていく店員。

 

「はぁ・・・バイト行く途中で強盗に遭うって、どんだけだよ・・・」

 

人生でこんな体験は初めてだっちゅうの・・・

 

「まぁ、なんとか対処できたから良かったけどな・・・」

 

だけど、コレは確実にバイト遅刻かな・・・

 

店長になんって言おうかな・・・

 

ドスッ・・・!!

 

俺が、外を見ながらバイトの事を考えていると背中に激痛が走る。

 

「あぁ?」

 

俺は、後ろを振り向くと先程まで気絶していた筈の犯人が後ろにいた。

 

「はぁはぁ・・・」

 

犯人が鼻息を荒くしながら俺を見ている。

 

俺は、ゆっくりとソイツの手を見るとベットリと赤い液体が付いたナイフがあった。

 

それを見て確信した。

 

コイツは、俺を刺したのだと・・・

 

「お前・・・」

 

「っふ!!」

 

ッドス!!

 

俺が喋ろうとした瞬間、犯人は再び手に持っていたナイフで俺の腹部を突き刺した。

 

「っぐ!!」

 

背中に刺されてるのに腹部にも刺さるって・・・

 

「はぁはぁ・・・」

 

ブッシャ!!

 

「っ・・・・・・」

 

犯人がナイフを抜き取って後ろに下がったと同時に腹部から血が流れ出てきた。

 

俺は、刺された腹部を抑えながら犯人を睨む。

 

「っ・・・てめぇ」

 

「うあぁぁぁ!!」

 

犯人が、いきなり大声を出しながらナイフを突き出して突撃してきた。

 

「・・・同じ攻撃をそうそう喰らうかよ!!」

 

俺は、ナイフの突撃を避け痛む背中と腹部を耐えながら、犯人の首に全体重を乗せた回し蹴りを喰らわす。

 

ドンッ!!ゴロ!!ゴロ!!ガッ!!シャーン!!

 

回し蹴りを喰らった犯人は、商品棚にぶつかり完全に沈黙した。

 

「っクソったれが・・・!!」

 

それを見て俺は、痛むと言うより寒気を感じながら、レジ前に凭れ(もたれ)ながら座った。

 

「大丈夫ですか!?」

 

先ほどの音を聞いたのだろう店員さんが電話を持ってきながら此方に来た。

 

っあ。ヤバい意識が朦朧としてきた・・・

 

「・・・大・・・夫・・・・・・か・・・!!」

 

ダメだ・・・もう・・・

 

そこで俺の意識は途切れた。

 

 





次回、神に会います。

( ̄^ ̄)ゞでは


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神と遭遇


( ^ω^)_凵 どうぞ


 

『・・・・・・・っ』

 

何だ・・・声が聞こえる・・・

 

『目覚めないさい。人の子よ・・・』

 

誰だ・・・

 

「・・・ぅん?」

 

閉じていた目を開けると辺り一帯が真っ白な場所にいた。

 

「俺は・・・確か強盗に刺されて・・・」

 

そうだったな。気を失ったんだった。

 

「だけど此処は・・・一体?」

 

良く考えて周りを見てみたら、創作物である白い空間だな・・・

 

『此処は、神の区域ですよ***さん』

 

俺が、空間を見渡していると後ろから声がかかる。

 

「アンタは?それに今なんて?」

 

この場所にいるって事は、関係者か何かか?それに最後の言葉が聞き取れなかった。

 

『私は、アナタが言うところの神です。そして最後の部分は聞き取れませんよ』

 

「神だと?それに聞き取れない?」

 

『はい。私は神と言うべき存在ですね。そして聞き取れない理由は、此処が神の区域だからです』

 

「そうか・・・なら、俺は何故此処に?」

 

『死期より早くアナタが死んでしまったからです』

 

「死期より早い?俺が死んだ?まさか、あの犯人に刺されたからか?」

 

『はい。システムに支障が出てしまいアナタは死んでしまいました』

 

システム?

 

「死んだのは、俺だけか?」

 

『いいえ。アナタを含めた5人が死んでしまいました』

 

「そうか。それじゃあ、俺はこの後どうなるんだ?」

 

『選択肢が2つあります。1つは、このまま輪廻転生し新たな人生を送る。この場合は、記憶を無くしアナタがいた世界に生まれる。もう一つは、私が力を渡して好きな世界に転生させることです』

 

「力を渡す?」

 

『アナタが死んでしまったのは、私がシステムの不調に気付かなかったことにあります。ですから・・・』

 

「力を渡して転生か・・・」

 

『はい。既にアナタ以外の4人は転生をしました』

 

「残りは、俺だけか・・・」

 

『アナタは、何を望みますか?』

 

「それじゃあ、2番の力を貰って転生だな」

 

『そうですか。アナタにも言っときますが、大きな力を求めれば、それ相応のリスクを負います』

 

「例えば、どんなだ?」

 

『写輪眼が欲しい場合は、転生した世界で親しい人が亡くなると言ったアニメの様な事がおきます』

 

「じゃあ、リスク無しで使える能力を貰うとしたらどうなるんだ?」

 

『例え能力のリスク無しの能力を持ったとしても、アナタ自身にそれ相応のリスクが起きます』

 

『先ほどの写輪眼をリスク無しで貰うのであれば、アナタの何かを犠牲になるかもしれません』

 

「大きい力ほど・・・」

 

『はい。リスクは大きいです』

 

「分かった。それと転生場所は?」

 

『アナタの世界に似ながら、アナタが望んでいた争いがある世界です』

 

「そうか・・・なら、欲しい力は決まった」

 

あの世界に似ているというなら、この力でいいな・・

 

「―-----・・・っとこのぐらいかな?」

 

『良いのですか?この力ではアナタにそれ相応のリスクが掛かりますが・・・』

 

「構わない。そうじゃないと面白くないしな」

 

『分かりました。では、あちらに転生すると自動的にシステムが力を授けます』

 

「了解した」

 

『それでは、幸運を・・・』

 

神がそう言うと俺は、急激な眠りに襲われ意識を無くした。

 

 





次回キャラ紹介。

ネタバレ有り。


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キャラ紹介


こんな感じかな?


 

主人公

 

名前:ゼロ

 

コードネーム:リンクス

 

番号:G-XNS-000

 

種類:強化人間

 

コンセプト:化物にも圧勝ができる完全兵士(パーフェクト・ソルジャー)

 

強化箇所:肉体・骨格・脳・内蔵・神経・精神など

 

所有色金:ククロイロカネ(オリジナル)

 

詳細

前世でコンビニで朝食を買おうとした所を何処で手に入れたのか不明のソコロフを持った男性が強盗に入り、何とか気絶させるが少し目を離した瞬間に後ろから刺され喋ろうとした時に腹部を刺され負傷する。最後の力を出して犯人を完全に気絶させるが、異様な出血多量で死んでしまった。

神に力を授かり、転生した。

 

 

肉体強化箇所について

 

・肉体:肉体の筋肉を電力を流したら強化される人工筋肉(version-0)を使用する。

※version-0は、パワー・瞬間加速性・強化性が異様に高く、肉体が耐え切れずに肉塊と化す可能性が高い為、人体に使用する場合は注意を払って使用する必要がある。

その代わりにそのパワー性能は、どこぞのジャック・ザ・リッパーと同じ位であり、鉄の歯車を持ち上げる程のパワーがある。

 

・骨格:骨格の骨には、鉄より軽く鉄より丈夫なリン酸カルシウム複合チタン合金製を使用する事で圧倒的な防御力と耐久性を持たせた。

※この骨格にすると成長に合わせてチタン合金が成長するが、重さが平均より上に行く。

 

・内蔵:耐衝撃強化性処理。つまり、耐G処理(level-7)をする事での内蔵の強化。

※この処理は、内臓自体を強化することで衝撃を緩和させる。だが、この処理をするには、元々の内蔵を取り出し強化処理をされた内蔵を移植すると言うモノであり、処理途中でショック死する可能性が高い。

level-7は、強化処理をレベルであり、level-0~7まである。1~3は、60~110㌔で走る車の衝撃を緩和させるレベルであり、4~6は、120~260㌔で走る車の衝撃を緩和させるレベルであり、最高の7は、380㌔で走る車の衝撃を緩和させるレベル。

 

・脳:情報処理能力・演算処理能力・空間認識能力などの向上と拡張を目的にハイニューロ・チップを埋め込んだ。コレによって圧倒的な頭脳を手に入れた。

※この処理は、試作段階のニューロチップを強化改修したハイニューロを埋め込んだが、いつこのチップが機能停止するか不明である。このチップが機能停止をすると実質上処理された被験者は、植物状態になる可能性がある。

 

・神経:各神経伝達網には、ナノ単位の極細光ファイバーを使用する。コレによって神経伝達率が大きく変わり、反射神経が常人以上の速さになっている。

※神経を光ファイバーに変える場合は、全ての神経を順序よく移植していかないと被験者は死んでしまう。

 

 

 

容姿:黒髪に少し銀髪になりかけている雷電(ライジング)と思ってくれ・・・by作者

 

 

※補足

 

ククロイロカネについて

・全色金の原初であり、謎の多い色金である。その具現した力はその名の通り『何もかも燃やし尽くす』程であり、時間・空間・重力・概念なども含めて燃やし尽くすと言われている。

この色金を手に入れた者は、世界に終焉を齎すと言われているが再生を齎すとも言われている。

今の所で確認できているのは、この色金には何かしらの意識があるのか、色金が認めた生物にしか触れることができない事であり、もし認められていない生物が触ると力の具現体である『黒炎』が、その生物を燃やし尽くすのである。

 

 





後悔も何もしていない(`・ω・´)キリッ


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原作前:My of Crimson flash-紅き閃光の舞い(プロローグ)-
第01弾 日常から非日常へ



こんなもんかな?


 

・・・此処は?

 

目が覚めると何処か場所が分からないが、液体の入ったカプセルの中にいることは、理解できた。

 

『目が覚めたか、G-NXS-000[リンクス]』

 

俺が、目を開けてカプセル内で静かにしていると2人の男女が姿を現し喋りかけてきた。

 

「・・・・・・・」

 

『ふむ。正常に稼働している様だな』

 

稼動とは・・・機械の様な言い方だな・・・

 

『博士。彼を機械のように言っては・・・』

 

俺と同じ考えなのか、男の横にいた女がそう言う。

 

『ん?不思議な事を言うな、彼は戦闘の為に作り出された機械なのだよ?』

 

戦闘の為に作り出された?

 

『ですが・・・』

 

『無駄な心配は、計画に支障が出るのでな。耐えられないのならば、やめてもらって構わないが?』

 

っふ・・・そう言う事か、神が言っていた強すぎる力を求めたら、それ相応のリスクと言う事か・・・

 

『いえ・・・ですが、この実験が成功すれば、本当に弟の様な存在が消えるんですね?』

 

弟の様な存在?何かの事件で失ったのか?まぁ、今の俺には無関係か・・・

 

『あぁ。その為の実験だ』

 

実験か・・・さっきから実験とは、何かやる様だな。

 

『・・・はい』

 

『それじゃあ、彼をカプセルから出したらセッション1を始めるが、私はその準備を整えないといけない。キミは、彼をカプセルから出して、その他の稼働問題がないか調べてくれ』

 

『分かりました』

 

『頼んだよ?Dr.ヘレナ?』

 

『はい。Dr.ミハイル』

 

女がドクター・ヘレナで、男がドクター・ミハイルか。脳内に記憶しとかないとな。

 

俺が、2人の名前を記憶すると同時にミハイルが部屋から出て行った。

 

『・・・・ごめんなさいね』

 

ヘレナがそう呟くと俺が入っているカプセルの横にある装置を弄り始めた。

 

すると、俺がいるカプセル内に入っていた水の様な液体が、排出され無くなっていった。

 

俺の体は、液体によって浮いていたが、その液体が無くなった事で、そのままカプセルの冷たい地面に降り立つ事になった。

 

地面に立つと同時にカプセルの扉が開いた。

 

『出なさい。G-NXS-000・・・いえ、リンクス』

 

どうやら、俺の名前はリンクスと言うらしいな。

 

「・・・・・・・・・」

 

俺は、ヘレナの言う通りカプセルから出て部屋の地面に足を立たせた。

 

これからが、地獄の始まりだな・・・

 

「コレを着なさい。リンクス」

 

そう言って、ヘレナが病院で患者が着るような医療服を渡してきた。

 

「・・・・・・・」

 

そう言えば、俺が、神に頼んだ能力について言ってなかったな。

 

能力は至って簡単だ。

 

雷電と同じスペックの『肉体』と『強力な色金』とその全てを『使いきれる力』と『圧倒的な記憶能力』の4つなのだ。

 

あ、注意な?雷電と同じスペックの『肉体』ってのは、ライジングの時の特殊作戦用義体スーツを、そのまま純粋な人間の肉体に変えるってことな?

 

つまりだ、機械だから出せたパワーなどを無理矢理、普通の人間にできる様にするってことだ。

 

だから、神が転生させる時に心配してたんだ。

 

「それじゃあ、付いてきなさい。リンクス」

 

カプセルから出た俺を見てヘレナが、そう言い前を歩く。

 

「・・・・・・・・・」

 

俺は、その言葉を聞きヘレナについて行くと、ミハイルが出て行った扉とは、別の場所に繋がるだろう扉に向かって歩き始めた。

 

その扉にヘレナが近づくとカードを専用のカードスキャナーに通して暗証番号を入力した。

 

「(暗証番号、4963か。コレも脳内に保存だ)」

 

稼働したての俺に油断しているのか、ヘレナは俺に暗証番号を隠して入力しようとしなかった事で、俺は暗証番号が丸見えだった為、脳内に保存ができた。

 

暗証番号を入力すると扉が開いた。

 

開いた扉の中には、色々な装置が置いてあったり設置されていた。

 

「リンクス。そこに立ちなさい」

 

ヘレナは、そう言い顔を置くような機械がある場所を指して言った。

 

「・・・・・・・」

 

俺は、そのまま言われるがまま顎を置く台に顎を乗せてるとヘレナが固定具の様な機械を頭に装着させた。

 

「良い?今から前に出される数字や穴がある絵の方向を答えなさい」

 

ん?視力検査か?

 

「・・・・・・了解」

 

「っ・・・それじゃあ、始めるわ」

 

そう言うと設置された場所に目的の物が表示される。

 

「・・・・コレは?」

 

ん?近いな・・・これなら

 

「・・・・・・・1」

 

「じゃあ、次は?」

 

これも楽だな。

 

「・・・・・6」

 

「コレは?」

 

お?少し遠くなったな

 

「・・・左」

 

________________________________________________________________

 

1時間位そんな事が続き色々な検査をした。

 

視力検査に握力検査、立ち幅跳びと走り高跳びによる跳躍力検査、2500m持久走による体力検査etc

 

握力は、初っ端からパワー制御無しの本気で握ったら、電子メーターがエラー表示になってしまった。

 

立ち幅跳びは、想定ラインを超えるわ、走り高跳びは棒を楽に越してマリオジャンプができてしまったし、持久走じゃあ、全く体力が減らなかったし・・・

 

アレだな。予想以上に人間離れしてる様だな・・・

 

 

 

 

 

だが、この時の俺は、自分の規格外な肉体に驚いていた事で忘れていた。

 

 

 

 

 

この先が地獄になると・・・

 

 





因みにまだ、肉体改造がされていません。

その状態でコレとは・・・





では、次回会いましょう!!



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第02弾 不穏な空気



強化される数時間前。


 

俺が目覚めて約2年が経った。

 

この2年でやってきたのは、ひたすら体の調整をしたり、黒い鉱石に触れたりとしていただけなのだが、途中から英才教育をするようになった。

 

黒い鉱石がなんなのか分からないが、何かしらの力がある事は、俺の中ににある『何か』が感じ取った。

 

それに黒い鉱石を触れてから、この研究所にいる全員の態度が急変した。

 

急に英才教育を始めるは、戦闘訓練をするわ、イマイチ良くわからんが、黒い鉱石が関係あることだけは確かだ。

 

『G-XNS-000[リンクス]へ。第07部屋に集合せよ』

 

俺が、研究所の事を考えていると部屋にあるスピーカーから研究員の声が流れた。

 

「・・・・・第07部屋?」

 

あそこには、何もなかった筈だが?

 

「・・・・考えても意味がないか」

 

一応、左胸に身分証明書と同じ役目を果たす専用カード兼名札を付ける。

 

俺は、未だに医療服しか着る物がない為、そのまま医療服の状態で部屋を出る。

 

この名札は、部屋に入る時やセキュリティーが高い場所などに入る時に必要になる。

 

だが、今回向かう第07部屋には、このカードが不要である場所である。

 

まぁ、念の為に付けてきただけだしな。

 

それにしても、驚きだな。

 

俺に『アサシン』としての血が流れているなんてな・・・

 

俺は、歩きながら目を一旦閉じて心を落ち着かせ、再び目を開ける。

 

すると周りが少し青黒くなり、

 

この力があるって事が、確信なんだがな?

 

アサシン一族には、必ずこの『タカの眼(イーグルビジョン)』が備わっている。

 

と言っても、このタカの眼を開花させるのは難しく、厳しい鍛錬を積み重ねければ開花しないのだ。

 

このタカの眼は、アサシン一族が持つ特殊能力であり、その力は、人間を含む生物の気配・感情・意図を読み取る特殊な能力であり、人間の5感を越えるモノである第六感(シックスセンス)である。

 

気配は、3色に分かれている。

 

赤は、攻撃的または、敵と言う意味、青は、友好的または、味方と言う意味、金は、標的または、重要な物と言う意味をもっている。

 

「この眼を持っている言う事は、アサシンクリードの世界なのか?」

 

再び目を閉じてタカの眼を解除する。

 

確かに俺の望んだ争いのある世界だが・・・

 

「・・・いや、決定づけるのは、まだ早い・・・」

 

もしかしたら、力だけなのかもしれないしな・・・

 

力の事について考えているといつの間にか考えていると目的の場所に着いた。

 

「・・・考えるのは後にするか」

 

俺は、考えをやめ、目的の場所である第07部屋に入る。

 

その部屋には、何も無い。無の部屋だった。

 

「・・・・?」

 

俺が部屋の真ん中まで歩くと自動ドアが閉まりロック音する。

 

「っ!?」

 

閉じ込められた!?

 

『来たようだな。リンクス』

 

俺が扉を閉められた事に驚くと同時に響き渡る声。

 

「・・・・ミハイル博士」

 

『キミには、コレから私たちの企画しているの[完全兵士(パーフェクト・ソルジャー)]被検体になってもらう』

 

「・・・・完全兵士(パーフェクト・ソルジャー)?」

 

『まぁ、キミには拒否権なんて存在しないがな』

 

プシュー・・・

 

良く分からない単語に俺が不思議がっていると通気口から白い煙が出始めた。

 

「・・・・っ!?博士!?」

 

その煙が、何なのか分からないが、俺の『何か』は、それが危険な物だと感じ取った。

 

『暴れてもらったら、此方もめんどくさいのでな。安らかに眠りなさい』

 

安らかに!?

 

「・・・っ!!」

 

俺は、医療服で口元を抑えて扉に近づく。

 

ダメもとで扉を殴る。

 

ッガン!!

 

子供の力では、到底不可能な鋼鉄製の扉をへこませる。

 

「・・・・っく」

 

医療服で口元を抑えるが、入ってきた白い煙が医療服を通り抜け肺に入る。

 

それと同時に襲って来る急激な目眩。

 

足元が、フラつき地面に倒れ込む。

 

「・・・・っくそ」

 

倒れると同時に眠気が襲ってきて、俺は意識を失った。

 

 

 





次回、グロいです。



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第03弾 狂気の舞


グロ注意です。




 

「・・・そ・・だ・・・お・・・た・・」

 

「・・・で・・・そ・・・も・・・う・・」

 

・・・ん?此処は・・・

 

確か第07部屋で強制的に眠らされたんだっけ?

 

俺は、周りがうるさく目が覚め動き始めた思考をフルに回転させた。

 

何だ?体が動かない?首も動かない?

 

いや、何かに固定されている?

 

『目を覚ましたか。リンクス』

 

俺が、起き上がろうとしたり、首を動かそうとするが、動かない事に疑問を感じていると、俺を眠らせた張本人が、またしてもスピーカーで話してくる。

 

「・・・・・っ!?」

 

俺は、博士に声を掛けようとするが、何故か声が出ない。

 

『今のキミは、喋ることができない筈だよ』

 

確かに何故喋ることができないのか、理由を聞こうとするが、やはり声が出ない。

 

「・・・・・っ!!」

 

喉に何かが詰まっている様ではなく麻痺しているかの様に動かないのだ。

 

『覚えているかね?私がキミに言った完全兵士(パーフェクトソルジャー)の事を』

 

俺が、頑張って声を出そうとしていると博士が喋り始めた。

 

「・・・・・・」

 

『キミは、その完全兵士の第1の実験体だ!!』

 

第1の実験体?

 

『キミがコレからなるのは、何者にも負けない肉体に頭脳を持ち、それを扱う精神力・生命力を手に入れる実験さ!!』

 

何者にも負けない?

 

『まぁ、キミに決定権は無いから、強制的にやらせてもらっているがね?』

 

「・・・・・・・?」

 

どう言う事だ?

 

『自分の体を見たまえ』

 

カシュッ!!ガシャンッ!!

 

博士は、そう言い頭部の拘束ベルトを遠隔操作で放す。

 

放された拘束ベルトは、そのまま地面に落ちた。

 

「・・・・・・・?・・・・・っ!?」

 

俺は、解放された頭部を上げて自分の体を見る。

 

そこには、所々を『解剖』されている俺の体が目に入った。

 

体の中にある筋肉が所々抜かれており、骨や真っ赤な血液が見える状態になっている。

 

「・・・・・っ」

 

自分の体とは言え、込み上げてくる異様な気持ち悪さを何とか堪える。

 

『良かったね。丁度キミの体に人工筋肉を移植する所だよ』

 

人工筋肉を移植だと!?

 

っくそ!!筋肉が無い所為で体が全く動かない・・・!!

 

『さぁ、始めてくれ』

 

博士が、そう言うと10人以上の怪しい手術服を着たマッドな医者達がクーラーボックス何個か持って現れた。

 

「分かりました。それでは、始めるぞ」

 

執刀医らしき人物が、仕切り始めた。

 

「まずは、人工筋肉を移植する。E-8の人工筋肉を」

 

そう言うと執刀医とは、別の医者がクーラーボックスから銀色をメインに赤色のラインが入った足の膨ら脛部分の人工筋肉を取り出した。

 

「無害である足の筋肉を先に移植し、その後に上部の筋肉を移植する」

 

「はい」

 

「では、手術開始」

 

そう言うと受け取った膨ら脛部分の筋肉を移植し始めた。

 

麻酔無しでだ。

 

「・・・・・っ!!・・っぐ!!・・・」

 

今思うとだ、何故此処まで筋肉をくり抜かれているのに生きてるのかさえ不思議に思う。

 

そんな奇跡的な状態だと言うのに肉体にまだ負担を掛けると言うかの様に麻酔無しで移植する医者ども。

 

当然麻酔無しで移植なんてされたら、体中に強烈な痛みが襲って来る。

 

「・・・ぐぅ!!・・・・あぁぁぁぁあ!!」

 

出せなかった筈の声すら、痛みが強すぎて出せてしまう。

 

何かしら強力な薬を使ったのかもしれないが、その抑制する許容範囲を越える程の痛み。

 

喉が潰れてもおかしくない程叫ぶ。

 

それでも、医者達は、手術を続ける。

 

「よし、E-8の移植は、完了した。次は、E-6の移植に移行する」

 

どうやら、俺が苦しんでいる間に左膨ら脛の移植が終わった様だ。

 

「はぁ・・・はぁ・・・ゲホッ!!ゲホッ!!・・・はぁ・・・」

 

痛みに耐え切った俺は、息切れをし咳き込む。

 

「スゥーハァー・・・」

 

息を整える為に深呼吸をすると微妙にだが、痛みが引いていった。

 

だが、それも束の間の休息。

 

医者どもは、右膨ら脛の移植をし始めた。

 

イタイイタイイタイイタイイタイ・・・・・

 

頭の中に異物が入ったかの様に痛みが流れ込んでくる。

 

「・・・ぬぅ!!・・・がぁぁぁぁあ!!」

 

麻酔が無い事で痛みが強く再び叫ぶ。

 

「神経接続完了、電力稼働機能装置接続完了」

 

医者は、俺がどんなに叫ぼうが、聞く耳持たずと言うかの様に手術を続ける。

 

「・・・ぎぐっ!!・・・ギガッ!!・・・」

 

痛みに耐えきれず、もはや声とも言えない状態になってしまった。

 

「よし、E-6の移植を完了。E-7の移植に移行する」

 

医者のその言葉を最後に聞き俺は、気を失った。

 

この時、俺は自分が望んだ力に少し後悔した。

 

 

 

 

 





と言う感じにグロくなってしまいました。

まぁ、主人公は肉体改造をされた強化人間ですから・・・

それでは、次回会いましょう。


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第04弾 不気味な深淵


最新話( ^ω^)_凵 どうぞ


 

虚空の暗闇。何も無くただただ暗く虚しい場所・・・

 

俺が今いるのは、その言葉が最適な場所だ。

 

・・・ヌゥ・・・ヌゥ・・・

 

いや、訂正だ。

 

この虚空の暗闇には、何かしらの生物が潜んでいる様だ。

 

と言っても、その生物は、人の形をしているが、顔の部分に古代部族人達が被っていた様な仮面を被り、手にはファンタジー感覚で溢れる武器を握っていた。

 

そんな正体の分からない生物が現れるが既にこの場所に来てから、正確な時間が分からないが、体感時間では既に数時間経っている為、コイツを見るのは慣れた。

 

『・・・あぁ!!?』

 

そして部族仮面を被った『何か』が手に持っていた弓の様な形をした剣で斬りかかってきた。

 

「はぁ・・・本当に此処は、何処なんだ?」

 

俺は、斬りかかって来たそいつの攻撃を最低限の動きで回避しながら、考える。

 

『あぁあ!!』

 

最低限の動きで避けるが、そいつは諦めず斬りかかってくる。

 

「それにこいつらは?」

 

俺は、斬りかかってくるそいつの正体が未だに分からない。

 

「まぁ、さっさと片付けますか」

 

俺は、一旦後ろに大きく下がりソイツと距離を取る。

 

右腕を顔の近くに左腕は腹の近くに構える。

 

特にコレといった流派を受け継いでいる訳でもないが、漫画やアニメで出てくる技を可能な限り再現した我流である構えをする。

 

『あぁあぁああ!!?!?』

 

俺が拳を構えると同時にソイツが走って来て剣を乱暴に振って接近してきた。

 

「・・・・・・・・」

 

俺は、ゆっくりと右腕をソイツが振り回す剣の柄の方向に向ける。

 

ソイツの剣が俺の体を切り裂く様に向かってくる。

 

「・・・遅い」

 

俺は、ソイツが握っている剣の腕を左手で掴み取りソイツの勢いを利用し腕を逆関節に決めながら勢い良く投げる。

 

ゴッギン!!

 

勢い良く投げると同時にソイツの腕から鈍い音が聞こえる。

 

俺は、そんな鈍い音を気にせず、ソイツを背負い投げの領域で投げ飛ばすとソイツの頭が地面の方に向く。

 

「じゃあな・・・」

 

俺は、直ぐ様体勢を立て直しソイツの頭目掛けてパワーセーブしていないローキックをする。

 

ズガッン!!

 

ローキックされたソイツの頭は、破裂しミンチよりひでぇ事になってしまった。

 

「パワーセーブしなかったが、問題ないか・・・」

 

何処か、分からないが何となく俺の『何か』が告げてくるのが、此処が自分の精神世界だと言う事だ。

 

何故俺がそんな精神世界にいるのかは、多分あの実験で失神した後、俺という人格を消さない様に自動的に脳が此処に連れてきたんだろう。

 

出る方法が分からないんじゃあ、どうしようもないぞ・・・

 

しょうがない。暇つぶしに周りにいるヤツ等を排除しますか

 

________________________________________________________________

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

相手が考え無しの敵でも無限湧きしてくるとなると流石の俺でも体力がもたない。

 

ヤツ等と戦い続けて既に数日は経っているのでは、ないだろうか?

 

と言っても、体感時間で数日経っている感覚だがな。

 

『あぁぁぁあああ!!』

 

俺が、息を乱していると周りにいたヤツ等が斬りかかって来た。

 

「少しは、休ませてくれよ・・・」

 

俺は、最低限の動きで躱していくが、やはり休まず戦闘していた事が、体の限界を早めてしまったのか、足がふらついてしまいバランスを崩した。

 

「っしま!?」

 

何とか、右手で地面に手を付いて転ばない様にするが、好機だと思ったヤツ等が追撃で斬りかかって来ている剣が俺の顔目掛けて振りかかって来た。

 

俺は、自分の体が切り裂かれるのかと思い目を閉じた。

 

だが、ソイツの剣が俺を斬る事は、無かった。

 

「・・・・・・・・・っ?」

 

俺は、不思議に思いソイツに目を向けるとソイツは、俺の後ろを見ていた。

 

いや、後ろにある何かを見ていた。

 

ソイツだけと言うより、全員の動きが止まった。

 

俺は、不思議に思いソイツ等が向いている方を見る。

 

そこには、漆黒の何かがいた。

 

ヤツ等とは、何かが違う存在感のある『何か』

 

暗すぎて何なのか分からないが、この『何か』は強いって事は分かる。

 

『-----』

 

そんな強い『何か』がソイツ等に喋ると剣を振り下げてきたヤツを含めて全員が消えた。

 

「っな!?」

 

地面に沈んで消える訳でもなく、その名の通り消えた。

 

そんな摩訶不思議な事が起きた事に驚いた訳ではなく、ヤツ等を消した『何か』が俺の目の前に瞬間移動した事に驚いたのだ。

 

俺は、直ぐにその場から動こうとするが、体が鎖か何かに巻き付いているかの様に体が動かない。

 

動けないでいると『何か』が手を伸ばし俺の頭に触れた。

 

「・・・っ。何を」

 

する気なんだ。と言おうとする前に『何か』が口を開いた。

 

『-------』

 

「っなに・・・っ!?」

 

何かを言ったのだろうが、良く聞き取れず聞き直そうとするが、頭に走った激痛によって阻まれる。

 

『--------』

 

先程と同じく何を言っているのか分からずにいると激痛が更に強まった。

 

「っ・・・く・・・そ・・・」

 

俺は、強くなっていく頭痛に堪え切れず、気を失った。

 

気を失う少し前に体の硬直がなくなっており、重力に引かれるかのように倒れたが、その時目の前にいた『何か』が優しく抱き倒れるのを防いだ。

 

その時、僅かにだが『何か』の声が聞き取れた気がした。

 

________________________________________________________________

 

「・・・此処は」

 

確か・・・あの後、気を失って・・・

 

「戻ってきたのか?」

 

目が覚め周りを見ると何回も見た事ある自分の部屋のベッドで寝ていた。

 

「一体なんだったんだ?」

 

あの精神世界で現れたあの人間みたいなヤツ等ややつ等の戦闘後に現れた『何か』

 

ソイツ等の正体が分からないまま帰って来た様だが・・・

 

「ん?」

 

ベッドから起き上がろうと体を動かすと違和感が襲う。

 

「なんだ・・・?」

 

実験で気を失う前と同じ体なのに何故か別の体と思ってしまうのだ。

 

「視力が上がった?」

 

気絶前の時と比べると断然良くなっているのだ。

 

「分からない事が、多いな・・・・」

 

『それなら、説明してあげましょう』

 

俺が自分の体に違和感を感じて声を漏らすとスピーカー越しに返事が返ってきた。

 

「Dr.ヘレナ」

 

『遅いお目覚めのようね。リンクス?』

 

「・・・・・」

 

『アナタが体に違和感を感じるのは、実験でアナタの体を改造したからよ』

 

「・・・・・・」

 

人体改造・・・そう言う事か・・・

 

『でも、まさか3日間も寝たきりなんて思わなかったわ』

 

3日間・・・やはり、結構な時間を気をうしなっていたみたいだな。

 

「・・・・・・」

 

『まぁ、良いわ。目を覚ましたのなら、実験の続きをするわ』

 

「っ!?」

 

『安心なさい。実験とは言ったけど、アナタには、戦闘訓練を受けてもらうわ』

 

「・・・・・・・」

 

戦闘訓練・・・完全兵士(パーフェクトソルジャー)を作り上げるためか・・・

 

『明日の10:00に実験開始よ。その間に体を休ましておくのをオススメするわ』

 

それだけ言うとスピーカーが切れた。

 

「・・・体を休ませておけ・・・か。そうさせてもらう」

 

俺は、再びベッドに戻り寝っ転がる。

 

「明日から、本当の地獄か・・・」

 

俺は、そう呟き目を閉じて寝た。

 

 





次回、時系列飛びます。

と言っても3~5年です。

( ̄^ ̄)ゞでは、次回


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第05話 時の進み


今回、アサシンクリードの内容が濃いです。




ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!

 

聞こえてくるのは、乾いた音。

 

その音が鳴るたびに飛翔する物体が目標物に当たり穴を開ける。

 

俺が今いるのは、第03射撃訓練所。そこで、射撃をしている。

 

使用しているのは、『砂漠の鷹』と呼ばれる手に握るIMIデザートイーグル

 

別名『ハンドキャノン』と呼ばれているモンスターハンドガンだ。

 

『リンクス。次は、距離50m先の目標だ』

 

「・・・・・・了解」

 

俺は、再び銃を構える。

 

狙うのは、新たに出現した人型のホログラム。

 

俺は、引き金を引く。

 

薬室に装填された弾薬、50AE弾(アクション・エキスプレス)の雷管に撃鉄がぶつかり、発火薬に火花が引火し爆発。

 

強烈な爆発で発生した運動エネルギーが弾頭である弾が発射された。

 

________________________________________________________________

 

『今日の射撃セッションを終了する。次は、戦闘セッションに移るため、移動したまえ』

 

「・・・・・了解」

 

体が、改造されてから5年が経った。

 

既にパワーの調整など全てのコントロールができるようになっている。

 

この5年間、体の調整・戦闘訓練・破壊工作・情報操作・潜入訓練など数えると数え切れない量の訓練をして来た。

 

頭にニューロチップって言う良く分からないチップを脳みその一部に埋め込んでから、異様に頭の回転が早くなった。

 

そのおかげでもあるのだが、たった5年で全ての訓練が終わり、現在強化プランであるセッションを行っている。

 

今から向かう場所には、その強化プランの戦闘セッションを行う特別な部屋に向かっている。

 

5年の月日が経っときながら、未だにこの世界がどこなのか分かっていない。

 

それに女神が言っていた俺の望んだ争いのある世界・・・

 

まだ、分からないが、ひと波乱ありそうな、世界なのは確実だな・・・

 

ビィー・・・

 

思考の渦に潜っていると突然鳴った音によって現実に引き戻される。

 

考えすぎていたのか、気がつくと目的の場所に到着していた様だ。

 

「・・・考えすぎたか」

 

俺は、専用のカードを装置にスキャンさせロックされた扉を開けて中に入る。

 

中に入ると数人の白衣を着た研究者が椅子に装置を付けたかの様なモノを囲んでいた。

 

「来た様だね。それじゃあ、そこに座りたまえ」

 

白衣を着た研究者の中にいたDr.ミハイルがそう言った。

 

「・・・・・・・了解」

 

俺が、装置の付いた椅子に座ると透明なバイザーが出てきた。

 

「それじゃあ、始めようか。起動させたまえ」

 

「はい。アニムス2.0を起動させます」

 

ミハイルが近くの研究者に指示を出すと透明だったバイザーに色が付き始めると空間が流れ星の様に駆け始め目の前が真っ白になった。

 

 

 

次に目にしたのは、戦火によって業火の炎に包まれた戦場だった。

 

 

 

 




次回、アサクリで最強のアサシンと呼ばれたあの人が出てきます。



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第06弾 最強の弟子たち


遅くなりますたwww

インフルに掛かると同時にネタが思い付かないと言う事がおきまして、こんなに遅くなりました。

では新作です( ^ω^)_凵 どうぞ


 

俺は、今不思議な体験をしている。

 

どんな体験か?

 

簡単さ、戦火によって業火と化している戦場に白い布生地をメインにその裏に赤い布生地を使用したローブを着た

髭を生やした男性が目の前にいるんだ。

 

その男性の名前は、エツィオ・アウディトーレ・ダ・フィレンツェ

 

15世紀のイタリア、ルネッサンス時代のフィレンツェ貴族階級出身であり、銀行を経営する父親を持っていた男。

 

テンプル騎士の『陰謀』によって、父・兄・弟の3人の家族を失う。

 

生き残った母・妹・専属メイドの3人を連れて家族と共に父たちを殺したテンプル騎士に復讐を誓った。

 

だが、父が残した仕事・・・アサシンとしての仕事をこなしていく事、数年。

 

復讐ではなく、義務としてアサシンの自覚が現れ始めた。

 

その結果、エツィオは、マスターアサシンと呼ばれる、アサシン教団の最高階位の称号の一つを手に入れた。

 

この称号は、師範代・暗殺者としての修練を極めた者に与えられるのと同時に教団内の他のメンバーから尊敬を多大に集め、隠密行動と暗殺技術の芸術的な域に達した者と、しばしば類い希な技術と才能を持つものに与えられる。

 

この称号を得たエツィオは、(のち)にボルジア家の支配からローマを解放した事でイタリアアサシンの導師となる。

 

それ以外にもアルタイルの残した写本・エデンのリンゴ・アルタイルの書物庫などを見つけると数々の功績を出した。

 

そして、その強さや功績からアサシン教団からアルタイルの『伝説のアサシン』になぞってエツィオは『最強のアサシン』と呼ばれた。

 

 

 

そんなアサシンが目の前にいるんだ。

 

それも、周りには弟子のアサシンが沢山・・・

 

数えるだけで10~20人はいる。

 

それに対して俺は、一人だ。

 

1対約20って・・・・絶望的じゃねぇか!!

 

と言いたい所だが、もうこのタイプの奴は、慣れた。

 

この前なんて1対10だったんだ。

 

それを考えると10やそこら、人数が増えたってね。何とか対応してみせるわ・・・

 

シャキン!!シャンッ!!

 

俺が、敵の数を見て開き直ると同時にエツィオの弟子2人が武器を取り出した。

 

仮面を付けフードを被ったアサシンが、大剣を肩に乗せた状態で一歩前に出て、もう一人は、口元を隠すマスクでフードを被ったアサシンが短剣を構えた状態で一歩前に出た。

 

まずこの2人が俺の相手をするって事だろうな・・・

 

さてと、それじゃあ戦いますか・・・

 

 

 

 

 

 

っと、その前に俺の装備について説明しないとな。

 

俺の装備は、MGRの特殊作戦用義体にアルタイルの鎧を被せた様なモノであり、胴部分が現代のアサルト・ボディ・アーマーに変え両腰の投げナイフが右腰と右肩に装備されている。

 

足には、繊維強化プラスチックを伸縮させたのを表面に薄いチタン・セラミック合金を複合させた、研究所が開発した特別すね当てを装備。

 

腕の腕甲は、日本の戦国時代にあった籠手を模様したモノであるが、使用している素材は、足のすね当てと同じ繊維強化プラスチックとチタン・セラミック合金を複合させた特別金属を使用した籠手を装備。

 

肩には、繊維強化プラスチックとTNKワイヤー(ツイステッドナノケブラー)の2つで織り込んだ防弾防刃仕様と薄いチタン合金の研究所特別製の肩当てを装備。

 

左腰には、鞘付きのサバイバルナイフを装備。

 

あ、それとアサシンブレードは標準装備です。

 

まぁ、こんな感じか?

 

それじゃあ、戦闘開始しますかな?

 

 

 

 

俺は、サバイバルナイフを鞘から抜き取り逆手持ちにし距離を図る。

 

奴らとの距離は、十分にある。最初に沈めるべきは大剣持ちか短剣持ちか・・・

 

こんな場合『アレ』を使うかな・・・

 

「・・・・網膜投影による状況分析開始」

 

目の前の敵に聞こえない声で呟くと戦火で真っ赤になっていた世界が薄い水色のスキャン膜によって、水色に変わった。

 

コレは、アサシンの持つ『タカの眼』とは、少し違うモノであり、強化・改造されたこの目で見た視覚情報に拡張現実(AR)が投影され視野に敵の装備や状況レベルなどの各メニューを展開する事が出来る索敵・状況分析用複合2億画素人工眼球と言うヤツであり、超便利なものだ。

 

------ppppp・・・スキャン完了------

 

早いな、展開して5秒も経っていないぞ?

 

「情報を展開」

 

そう言うと視野に情報が瞬時に展開される。

 

先ずは、大剣装備の大男からだな。

 

------名前:不明。

 

まぁ、元々興味無かったからな。別に良いか・・・

 

------性別:男性

 

これもまぁ、見れば分かるな・・・

 

------年齢:30~40歳前後

 

へぇ~アレで中年のおっさんなのか・・・驚いたな

 

と言っても、リベレーション時代のエツィオの方が凄いか・・・

 

------装備:バスターソード×1、アサシンブレード×2、煙玉×3、投げナイフ×4

 

アサブレは予想通り2つ所有しているのと煙玉に投げナイフか、まぁアサシンの標準装備か・・・

 

------鎧の下に鎖帷子を着想している模様。近接戦闘での攻撃は、ムラサマブレード以外、効果を見せない為推奨できません。

 

うげぇ・・・かったるいなぁ・・・

 

んじゃあ、もう一人の方は?

 

------名前:不明

 

あぁ・・・注意点と装備だけ展開頼む。

 

------了解

 

------装備:スルタンの短剣×1、アサシンブレード×2、煙玉×4、衝撃弾×2

 

衝撃弾?こりゃあ、珍しいね~

 

あ。衝撃弾が何か教えとくな。地面に叩き付ける事で衝撃が火種となり中にタップリと詰まった火薬と特殊な粉で強烈な光を放つ手持ちサイズの爆弾だ。

 

------要約すると、一昔前の人たちが作った閃光手榴弾です。

 

あれ?説明が取られたんだけど・・・・

 

まぁ良いか・・・

 

------衝撃弾もそうですが、アサシン全員に鎖帷子を着ている模様です。近接戦闘による戦闘は、推奨できません。

 

「・・・・・・・・マジか」

 

つまり、近接戦闘以外をしろってか?

 

いや、腰にあるムラサマブレードを使うしかないか。

 

「しょうがないか・・・」

 

俺は、ゆっくりと前に進みアサシンとの距離を詰め様とするが、逆にアサシンは距離を開ける。

 

これじゃあ、意味がないな・・・

 

なら・・・走って近づく!!

 

「・・・そらぁ!!」

 

電流で強化させた足の人工筋肉で地面を蹴り、短剣を持っているアサシンに高速で近づく。

 

「っ!?」

 

アサシンが一気に近付いて来た俺に驚く。

 

因みにフードを被っていて顔が見えないが、どうやら驚いている様だ。何で分かったか?情報分析で解析した様で、視野に勝手に投影された。

 

まぁ、それは置いといて・・・

 

 

俺は、そんなアサシンに目を向けず、サバイバルナイフを一気に振り抜いた。

 

 

 

 

 

鎖帷子って言うのは、頭から足まであるんだが、どうしても人間の喉元って露出するんだよね~

 

特に軽装備なヤツほどな・・・

 

ザシュッ!!

 

振り抜かれたサバイバルナイフは、狙い通りアサシンの喉を掻っ切り真っ赤な血が一気に噴出した。

 

「・・・・・次は、お前か」

 

アサシンの血を吸い真っ赤な液体を垂らしているサバイバルナイフを振り払い血を落として、目の前にいる大剣を持った大男に向けて言う。

 

そう言うと無言で肩に乗せていた大剣を構えた。

 

「・・・来い」

 

 

 

 





今更だけど、主人公のヒロインはレキと理子です。

因みにタグのその他モロモロって言うのは、色々な作品やネタが混ざりますよ~って言う意味です。

では、次回会いましょう( ´ ▽ ` )ノバイバイ


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第07弾 アサシン


3ヶ月の間すみません。

待っていた読者の皆様すみません。

コレから、もう少し早く更新したいと思います。

では、( ^ω^)_凵 どうぞ


 

「・・・・・・ふぅ」

 

何時間が経っただろうか。

 

先程まで戦っていた弟子アサシン全員を何とか、無力化した。

 

と言っても、無事に倒せたわけでもない、着ていたアサシンローブは、連戦続きでボロボロ・・・それに倒したアサシン達の血がベッタリ・・・、使っていたナイフも刃毀れしボロボロ・・・

 

使える物は、手首に付けているアサシンブレードと未だに鞘から抜き出していないムラサマブレードの両方だ。

 

さてと・・・こんな装備で最後の一人であり、未だに勝った試しのない人物・・・

 

「残るは、あんた一人だけだぞ・・・エツィオ・アウディトーレ」

 

刃毀れしたナイフ2本を両手に持って、話し掛ける。

 

「・・・っふ。まだ、私を倒した事のないのに強気だな。リンクス」

 

エツィオの顔はフードを被っていて見えないが、嫌味たらしく言っているのは、理解できた。

 

「・・・・・確かにな。だが、いつまでも負けるわけには、いかないからな。今日で決着を着けさせてもらう」

 

こんな所で躓いていたら、この先に起きる事すら防げない・・・

 

「・・・・なら、来い」

 

俺は、刃毀れしたナイフを地面に捨てる。

 

「・・・本気で行かせて貰う・・・ぞ!!」

 

俺は、体を低くし左足を半歩下げた状態から脚の人工筋肉に力を通して走り、ムラサマブレードの柄を握り締め、エツィオの懐に入る瞬間で握っていた柄を離しアサシンブレードを出し顔に向けて横薙ぎする。

 

「っく!!」

 

エツィオは、人工筋肉をフル稼働させて走った俺の速度にアサシン特有の並外れた反射神経と身体能力を活用して、アサシンブレードをギリギリで回避した。

 

「っち。一筋縄じゃ行かないよ・・・な!!」

 

俺は、アサシンブレードを瞬時にしまい腕を引っ込め横にステップし距離を離し肩の投げナイフを2本、エツィオに向けて投擲する。

 

「っふ!!」

 

エツィオは、俺が投擲した2本の投げナイフを自身の両腰にある投げナイフを3本投擲し3本の内2本で俺のナイフの方向を変えもう1本は、俺の胴体に向けて投擲してきた。

 

「っちぃ!!」

 

俺は、体を最小限で横にずらしてエツィオのナイフを回避する。

 

エツィオは、その隙を逃がさす程優しくなく、背中に背負っていたクロスボウを俺に向け引き金を引く。

 

強力なリムで引き絞られた弦によって射出される鋭く尖った矢は、再び俺の胴体に向けて飛翔して来た。

 

「っくぅ!!」

 

俺は、回避が間に合わないと瞬時に理解し右腕を盾にして射出された矢を防ぐ。

 

肉を切り裂く様な音が聞こえると同時に腕に激痛が走るが、痛みを我慢し一旦距離を開ける為、無事の左腕で右脇の投げナイフを3本掴みエツィオの頭・胴体・脚に投げ瞬時に脚の人工筋肉に力を入れ離れる。

 

「・・・・っ!!」

 

エツィオは、迫ってきたナイフを先ほどの様にナイフとナイフをぶつける様な事をせず、横に転がり回避した。

 

「・・・っ・・・痛ぅ・・・」

 

俺は、腕に刺さった矢を引き抜いて地面に捨ててエツィオを再び見る。

 

「・・・・・・」

 

動く気配がないな。多分こちらの動きを見てるんだろうな・・・

 

どうするか・・・怪我をした腕は、人工筋肉に力を入れて傷口を塞ぐと同時に研究所の奴らのお陰・・・って言うと癪に障るが、研究で鍛えられ過ぎた自然治癒能力で既に治ってるから稼働に問題は無い。

 

「・・・・・・」

 

俺は、エツィオから目をずらして自身の左腰にある物を見る。

 

そこには、未だに鞘から抜かず、新品同然の様に綺麗なムラサマブレードがある。

 

その次に見るのは、自身の腕に装着しているアサシンブレードを見る。

 

残っている武器は、右腰の投げナイフ2本、右肩にある投げナイフ3本、ムラサマブレード1本、アサシンブレード2本。

 

勝てるか・・・?

 

いや、勝つしかない俺には、道がない・・・

 

「・・・・ふぅー」

 

深呼吸をして再びエツィオを見る。

 

「・・・・っふ。いい顔つきになった。来い、鍛えた力を見せてみろ」

 

全くよ、待ってなくていいと思うんだがな・・・

 

「・・・・待たせて悪いな。見せてやるよ俺の力を」

 

俺は、この戦いで一度も抜いた事のないムラサマブレードの柄を先ほどのフェイントの様にでは無く本気で強く握り体勢を低くしその体勢を保ちながら、脚の筋肉と腕の人工筋肉のリミッターを外す。

 

「っ・・・・来い!!」

 

その言葉を聞き俺は、リミッターの外れた脚でエツィオに向けて走り懐に入る寸前で止まり、鞘のトリガーを引いた・・・

 

トリガーを引いた事でカートリッジに入っていた弾薬の火薬が爆発し鞘内でスパイクしムラサマブレードが押し出された。

 

「はぁぁぁあ!!」

 

スパイクで高速で押し出されたムラサマブレードを怪我が治った右腕で掴み取り振り抜いた・・・

 

刀を振り抜いた俺が次に見たのは、笑いながら倒れるエツィオだった。

 

 





補足:矢が刺さったのは、装甲と腕の隙間です。

主人公だったら、防げたのでは?と言う事には、主人公の思考と反射に体が追いつけていない為です。

現在12歳なので、あと3年経てば体が、追いつきます。

では、次話で会いましょう。



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第08弾 テンプル騎士団


( ^ω^)_凵 どうぞ


 

 

----リンクスの部屋----

 

 

 

時刻午前0700

 

 

 

エツィオとその弟子達との戦闘が終わって、既に3日が経っている。

 

 

 

俺が、この3日間やっているのは、アニムス訓練プログラムによるサバイバル訓練・対アサシン訓練など局地での即時対応が出来る様な訓練をひたすらやっている。

 

 

 

今日も0900に訓練を始めるって言っていたしな。

 

 

 

「・・・・・」

 

 

 

訓練が始まる時間には、全然余裕があり、俺はベットに腰をかけて少しの間、目を閉じる。

 

 

 

この世界が、何処なのか未だに決定打する事はないが、この世界にASSASSIN`S CREED(アサシンクリード)で登場する『歴史の裏で必ず活躍している』アサシン教団。『歴史の中で世界征服を目論む』テンプル騎士団。

 

 

 

この両者が、存在しているこの世界は、多分ASSASSIN`S CREED(アサシンクリード)の世界で間違いないのだと思う・・・

 

 

 

だが、何故だろうか・・・この数年間で鍛えられた第六感(シックスセンス)が違和感を伝えているんだ・・・

 

 

 

なんて言えば良いのか・・・こんな時に言葉に出来ない自分が憎い・・・

 

 

 

俺が思うに多分、複数の世界(アニメ・漫画)が混ざっていると考えている。

 

 

 

具体的には、分からないが・・・

 

 

 

「・・・・ハァー。整理する筈が、逆に混乱してきてしまった・・・」

 

 

 

それにしても、今更だがASSASSIN`S CREED(アサシンクリード)か・・・

 

 

 

生前、ゲームで『無印』『2』『BH』『黙示録』『3』『ローグ』『4』『ユニティ』をプレイしてきたが・・・

 

 

 

エデンシリーズは危険すぎるな・・・

 

 

 

何かしらの補正が掛かって欲しいモノだ・・・

 

 

 

もしこの世界にエデンの『リンゴ』や『剣』その他のエデンシリーズがあるなら、早急に回収しておきたいな・・・

 

 

 

無闇矢鱈と使って良い物ではないしな・・・・

 

 

 

「・・・ここを出た後にやる事が増えたな・・・」

 

 

 

閉じていた目を開けて腰をかけていたベッドに寝っ転がる。

 

 

 

目に入るのは、この数年間、何十回、何百回、見てきた真っ白な天井とこの部屋を照らすLED対応の照明。

 

 

 

「・・・・ハァー。この世界に来てため息を吐くことが増えたな・・・」

 

 

 

コツ・・・コツ・・・

 

 

 

「・・・・・」

 

 

 

俺が考え込んでいると部屋の外から、足音が聞こえてきた。

 

 

 

この地区は、イザと言う時に切り離す事が出来る為、俺か見張りの兵士しかいない。

 

 

 

つまり、この部屋の外から聞こえてくる足音は、見張りの兵士か研究者か・・・なのだが、どうやら、博士の様だな。

 

 

 

ppppp プシュー

 

 

 

入ってきたのは、実質上、俺の教育担当のドクター・ヘレナだった。

 

 

 

いつもの凛として何処か秘書らしい気配を漂わしている筈の彼女が、今日は少しばかり、慌てている。

 

 

 

「リンクス。直ちに訓練用着に着替えなさい」

 

 

 

「・・・・・訓練は?」

 

 

 

何かあったのか?訓練を後回しにするなんて・・・

 

 

 

「今日の訓練は全てキャンセルよ。今から私たちの上司に当たる人に会いに行くわ」

 

 

 

上司?ミハイルとは、別の人物?

 

 

 

「良いから、早くしなさい」

 

 

 

「・・・・はい」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

着替え終え、今から会うミハイル以外の上司が待つ部屋に向かっている事、数分。

 

 

 

「良い?これから会う人物は、テンプル騎士団、上級騎士であるオッツォ・ベルグ。みんなミスターベルグと呼ぶ男性よ」

 

 

 

オッツォ・ベルグ!?・・・・だと!?

 

 

 

ふざけるなよ・・・確かアイツは、テンプル騎士団の上級騎士でありながら、最前線に出ている男・・・

 

 

 

「・・・・・・・」

 

 

 

「フィンランドの特殊部隊に所属していたって言う記録もあるわ。余り、彼を怒らせないようにしなさい」

 

 

 

「・・・はい・・・」

 

 

 

俺もなるべく怒らせたくないしな・・・

 

 

 

 






アサシンクリードって、頻繁に起きるバグさえ、どうにかすれば、最高のゲームだと思うんだ。

っと、次回!!、主人公テンプル騎士団、上級騎士のオッツォ・ベルグと出会う。



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第09弾 上級騎士 オッツォ・ベルグ


まさかのPS4が故障と言うね。新作のBFをやった次の日にディスクが勝手に出て来るって言う故障。

マジないわ~(´Д`)ハァー

そんなこんなで、( ^ω^)_凵 どうぞ


 

 

待合室

 

 

 

俺は今、ドクターヘレナに連れてこられ部屋にいるわけなのだが・・・・

 

 

 

そんな俺の目の前には、茶色の革ジャンを着た強顔の男がソファーに座って、コーヒを飲んでいる。

 

 

このコーヒーを飲んでいる男こそ上級騎士のオッツォ・ベルグ本人だ。

 

 

「それで?彼が、『例』の?」

 

 

飲んでいたコーヒーをテーブルに置くとオッツォは、視線を俺に向けたまま俺の隣に座っている女性、ドクターヘレナに聞く。

 

 

「えぇ。この子こそ、完全兵士計画(ソルジャープロジェクト)の完成体です」

 

 

完全兵士計画(ソルジャープロジェクト)・・・・対犯罪や紛争地域へ派遣させ完璧に仕事をこなす戦闘傭兵を作り上げる計画。

 

 

と言うのは、表向きでアサシン教団を混乱させる情報であり、実際は、アサシン教団に対抗する為に伝説、最強のアサシン。つまり歴代のアサシンを越える超人的な身体能力と反射神経などの総合能力を持たせたテンプル騎士団の忠実な番犬にさせる計画だ。

 

 

忠実な番犬にさせた後、何をさせるのか不明だがな・・・・

 

 

まぁ、大体がアサシンと戦わせたりだと思うがな・・・

 

 

「そうか・・・名称はあるのか?」

 

 

名称って・・・まぁ、アンタ等からしたら、作り物だから扱いが『物』なんだろうさ・・・

 

 

「『リンクス』です。ミスター・ベルグ」

 

 

今更だけどさ、名称の『リンクス』って聞くと、アーマードコアを思い出すんだが・・・

 

 

「リンクス・・・・・山猫か」

 

 

山猫の意味があったのね。アーマードコアみたいな繋がる者(LINKする)って意味じゃないのか・・・

 

 

「いえ、もう一つ意味があります」

 

 

「ほう?」

 

 

あるのか?

 

 

繋がる者(LINKする)と言う。意味です」

 

 

ちょっ・・・

 

 

繋がる者(LINKする)か?」

 

 

「はい。意味合いは、世界と繋がる我々を護る者と言う意味です」

 

 

嫌だわ~こんなキチガイ共を守りたくないわ~

 

 

「では、リンクス。キミに聞く」

 

 

む?空気だった俺に質問か・・・

 

 

「・・・・なんでしょうか、ベルグ様」

 

 

「ミスター・ベルグで構わん。君に聞きたい事は、我々の仲間になるかと言う事だ」

 

 

おいおい。仲間って・・・アサシン教団と敵対してるテンプル騎士団に入れって事か?

 

 

「・・・仲間ですか?」

 

 

確かにメリットが、あるって言えばあるだろうけどさ。

 

 

「む?ミス・ヘレナ。彼に説明していないか?」

 

 

「はい。詳細までは・・・」

 

 

「何故だ?」

 

 

「はい。確かに我々が制御・監視しているリンクスですが、精神面が、まだ、幼いと思いまして・・・」

 

 

十分大人なんですけど?

 

 

「・・・・問題ないだろう。彼のデータを見たが、問題はないと私は、思ったが?」

 

 

データってのが、すごく気になるが、今は、放っておこう。

 

 

「・・・・分かりました。では・・・」

 

 

「いや、私が説明しよう」

 

 

お?説明してくれるんですか?ではお願いします。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

数分後

 

「-----と言う事だ。理解できたか?」

 

 

えぇ。理解できましたよ?懲りずに『秩序』による世界征服を企んでいる事以外ね?

 

 

「・・・・はい」

 

 

「ならば、もう一度キミに問おう。我々の仲間になるか?」

 

 

さてと、どうする?このまま『NO』と言うか『YES』と言うか・・・

 

 

『NO』と答えたら、隠してるつもりだろうけど、確実にオッツォの左脇に携帯している銃が俺に向くだろうな・・・

 

 

『YES』と答えたら、此方も隠してるだろうけど、ドクター・ヘレナの左手にある注射器が俺に刺さるだろうな・・・

 

 

多分、注射器の中身は、多分観測所を元にした監視用ナノマシンだな・・・

 

 

「・・・・・・・・・・・」

 

 

『YES』か『NO』か・・・決まっている・・・・

 

 

「・・・・少し時間をくれませんか?」

 

 

俺が考えたのは、この瞬間、決めるのではなく時期を先延ばしする事だ。時間の問題かもしれないが、あと2年・・・いや1年の余裕が、あれば、俺の肉体が反射神経と情報処理に追付くはずだ・・・そん時に、この研究所から出れる筈だ・・・!!

 

 

「アナタにそんな時間があると思って・・・!!」

 

 

だろうな。アンタ等からしたら、上司になる男の前で待たせる訳には、いかないんだろうけどさ。

 

 

「・・・・・ふむ。分かった」

 

 

「良いのですか?ミスター・ベルグ」

 

 

「急かしても、意味がない。我々に欲しいのは、心からテンプル騎士団に仕える者だ」

 

 

へぇ~首輪を付けて躾けた犬じゃなく、首輪も何も付けず主の後を追う忠犬がお望みと・・・

 

 

「・・・・ありがとうございます」

 

 

俺は、心の底から感謝している様に見える様に頭を下げる。

 

 

「ただし。1ヶ月だ。それ以上は認めん」

 

 

一ヶ月・・・まぁ、1~2年なんて無理だろうと思っていたが・・・一ヶ月か・・・短すぎる・・・

 

 

だが、この男の瞳は、変更なんて認めない強い瞳をしてる・・・

 

 

「・・・分かりました」

 

 

さて、どうするか・・・たった一ヶ月でどうにかしないとな・・・

 

 

「よし。では、要件は終わりだ。私は、失礼させていただく」

 

 

急いでいるのか、俺との話が終わると残っていたコーヒーを飲み干し、ソファーから立ち上がった。

 

 

「分かりました。では、お見送りを・・・・」

 

 

「いや、結構だ。来た道は、覚えている」

 

 

「そうですか。分かりました。どうか、お気を付けて、ミスター・ベルグ」

 

 

「あぁ。・・・・そうだ。一つ聞き忘れていた彼に『任務』をさせたか?」

 

 

『任務』?なんだそれは?

 

 

「いえ、まだですが・・・・」

 

 

「それだったら、彼に『任務』一回でも良いやらせるんだ」

 

 

「『任務』をですか?」

 

 

「そうだ。一回は『任務』をやらせるべきだ」

 

 

「・・・分かりました。ミスター・ベルグが、そう言うのであれば、リンクスに『任務』をやらせてみせます」

 

 

おい?『任務』って何だ?勝手に話を進めるな・・・

 

 

「『任務』内容は、後日、私が送ろう」

 

 

「ですが・・・」

 

 

「構わない。彼が、我々の矛と盾になってくれるのであればな」

 

 

「分かりました。お願いします」

 

 

「あぁ。それでは、本当に失礼させてもらう」

 

 

「はい。では、ミスター・ベルグ。また」

 

 

「あぁ」

 

 

話が済んだのか、オッツォは部屋から出て行き、残ったのは、此処にいるドクターヘレナと俺だけだ。

 

 

さて、この先どうなるのやら・・・

 

 

 

 





次回、アサシンクリードの主人公視点だ。

この小説の変更点は、色々あります。

アサクリ現代主人公の死亡回避

現代主人公から得られた遺伝子情報を得られなかった為、テンプル騎士団の情報は、アサクリ3以上ローグ未満です。

逆に教団は、ローグ以上ユニティ途中未満です。

では、次回会いましょう( ´ ▽ ` )ノ


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第10弾 闇に生きし者


新作です。( ^ω^)_凵 どうぞ


 

 

北アメリカ

 

 

とある山奥、アサシン教団の隠れ家

 

 

そこの一部屋には、色取り取りのロングコートやパーカーを着た人たちが集まっていた。

 

 

「全員、幹部全員、集まったか?」

 

 

その部屋に黒髪に少し白髪が混ざったヒゲを生やしたワイルドな男性がそう言いながら、入ってくる。

 

 

その男性の後から、白いパーカーを着て口元に切り傷がある青年が入ってくる。

 

 

「はい。導師」

 

 

部屋にいた全員が、青年と男性を確認すると一人の男性が、答えた。

 

 

「そうか。なら、緊急会議を始めよう」

 

 

白髪よりの男性、ウィリアム・マイルズが、そう言うと全員が見える様に机の上に紙を置いた。

 

 

「導師。一体何があったのです?緊急会議を開くとは・・・・」

 

 

アサシン教団での緊急会議とは、ウィリアム・マイルズの息子、デズモンド・マイルズがアブスターゴ社に捕まり、救出する際に開いた緊急会議以来なのだ。

 

 

「今回、緊急会議を開いたのは、情報収集担当のショーンが手に入れたこの情報の所為だ」

 

 

そう言うと先ほど机の上に置いた紙を全員に配り始めた。

 

 

「コレは?」

 

 

最初に紙に目を通した金髪の男性がウィリアムに聞く。

 

 

「テンプル騎士団が現在、計画している物だ」

 

 

「また、ですか?」

 

 

質問した金髪の男性は、ウィリアムが言ったテンプル騎士団が新たに計画をたてていると聞き呆れていた。

 

 

テンプル騎士団が前回たてた計画は、ウィリアムの息子、デズモンド・マイルズを誘拐し各地に散らばり眠る『リンゴ』をアニムスを通して先祖の記憶を辿り探す計画であったが、当時のアニムス開発者であったルーシー・スティルマンが裏切り、デズモンドが逃走してしまう。

 

 

これにより、テンプル騎士団は『リンゴ』の場所を知る事ができなくなり、一時的な平和が続いていたのだが・・・

 

 

懲りずに新たな計画をたてているとウィリアムに聞き呆れていたのだ。

 

 

「あぁ・・・」

 

 

「それで一体何なのですか。この完全兵士計画(ソルジャープロジェクト)って言うのは?」

 

 

「テンプル騎士団は、この計画の名前の通り、完全な兵士を作ろうとしてる」

 

 

「計画の目的は?」

 

 

「世界各国にある紛争地域に傭兵として活躍させ終戦させたり、国で起きている暴動などの鎮圧させ平和にしたり、重要人などを護衛する要人警護などを含むモノを専門とした活動をさせる兵士を作る計画らしい・・・が」

 

 

「腑に落ちませんね・・・・」

 

 

金髪の男性の横にいた薄茶色の髪をした男性が、左腕を台にして右手を顎に添えて、考えるポーズをしながら、そう言った。

 

 

「確かにな。アイツ等が、ただ単にそんな計画をたてる訳無いしな・・・」

 

 

男性の言葉を肯定しながら、考え込む金髪の男性。

 

 

「そこで、済まないが、クリストファー・ペンジャミンとシーザー・フレデリックの両名は情報収集を」

 

 

「「御意」」

 

 

金髪の男性・・・クリストファー・ペンジャミンと薄茶色の男性・・・シーザー・フレデリックは腕を前で組み一礼した。

 

 

「この計画が、危険だと判明したら、即時報告をしろ。我々は、それまでテンプル騎士団の行動を制限させる」

 

 

「っは」

 

 

「残りのアサシンは、全員各国に潜伏しているテンプル騎士団を排除し、かく乱行動をしろ」

 

 

「「「御意」」」

 

 

「この資料は、全員、目に通したら各自、処分しろ。では、解散だ」

 

 

ウィリアムが、そう言うと全員フードを被り、部屋から退出していった。

 

 

その部屋に残ったのは、ウィリアムと白いパーカを着て口元に傷がある青年だけだった。

 

 

「それで?父さんコレから、どうすんだ?」

 

 

パーカーの青年が、ウィリアムに聞く。

 

 

「デズ。お前には、もしこの計画が危険だった場合に備えてアサシンの訓練をしてもらう」

 

 

そう・・・・気づいていると思うが、この青年こそが、世界の危機を救った裏の英雄・・・デズモンド・マイルズだ。

 

 

「え?なんで!?」

 

 

「お前には、計画が危険だと判明したら、計画阻止のため動いてもらうからだ」

 

 

「マジかよ・・・」

 

 

「それに、ここ最近『武偵』が、私たちを嗅ぎ回っている」

 

 

「うわぁ・・・マジかよ。メンドクセー」

 

 

「つまり、そう言う事だ。帰ったら、アニムスを通して訓練を開始する」

 

 

「はぁ・・・了解~」

 

そう言い2人は、部屋から出ていき、姿を消した・・・

 

 

 






はい。出てきました。アサクリの主人公のデズモンドさん。


イマイチAC(アサシンクリードの略。けしてアーマードコアの略では無い)を知らない人にサクっと説明します。

デズモンド・マイルズは、一族全員がアサシンであり幼い頃から訓練をされてきたが、現実タイプのデズモンドは、アサシンなんて妄言だと言い、訓練を放棄すると同時に家から逃げ出しバーテンダーとして働いていたが、昔からの敵であったテンプル騎士団に攫われる。

攫われた場所は、世界的に有名であるアブスターゴ社の研究所であり、そこで、遺伝子情報を読み取り、ご先祖の記憶を引き出す機械『アニムス』により、祖先であり、デズモンドにそっくりなアサシン『アルタイル・イブン・ラ・アハド』の記憶を覗く。

それによりアサシンの存在やテンプル騎士団の存在が、現実にあると言う事に気付くと同時にテンプル騎士団が探している物が『リンゴ』と知る。

しかし、気づくのが遅すぎて、どうにもできない状況であり、逃げ出すにもアサシンとしての能力は、幼少時代の訓練を逃げ出してしまったデズモンドにとって、入門したアサシンより低かった・・・

途方に暮れて、新たなアサシンの記憶である『エツィオ・アウディトーレ・ダ・フィレンツェ』の誕生を知ると『アニムス』の開発者『ルーシー・スティルマン』が現れ、デズモンドを連れてアブスターゴ社から、逃亡した。

逃亡した先で一時的な隠れ家であった都市から離れた倉庫でアサシンの協力者であった『ショーン・ヘイスティングス』と『レベッカ・クレイン』と知り合う。

その中で『レベッカ・クレイン』が独自で作り上げた『アニムス2.0』を使い『エツィオ・アウディトーレ・ダ・フィレンツェ』の記憶を辿った。

それにより、数多くの経験を得たデズモンドは、たった数週間で既にマスターアサシンまでの実力を手に入れていた。

そしてテンプル騎士団は、既に多くの『エデンのリンゴ』を手に入れており、デズモンドたちは、それを阻止するために動く。


などなど・・・全部詳しく書くと滅茶苦茶大変なんで、詳細は、Wikiで調べてくれや。

それじゃあ、次回会いましょう( ´ ▽ ` )ノバイバイ



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第11弾 リベリア



細かい事を気にせず、( ^ω^)_凵 どうぞ


 

 

リベリア 紛争激戦地区

 

 

西アフリカに位置する共和制国家。北にギニアがあり、西にシエラレオネ、東にコートジボワールと国境を接し、南は大西洋に面する。首都はモンロビア

 

 

リベリア共和国は未だに争いが絶えず、銃弾が飛び交う場所。

 

 

つまり戦場だ。撃って撃たれて、撃たれたからといって撃ってと、負の連鎖を引き起こす場所だ。

 

 

そんな負の連鎖を創りだす戦場にリンクスは、アメリカ陸軍の増援部隊として赴いていた。

 

 

リンクスside

 

 

よう。俺は、今、防弾・防刃を含む各種防護が付いた真っ黒なコート(MGRのサンダウナーのコートみたいなの)を着た状態でM1130『ストライカーCV』の兵員用シートに座って向かっている。

 

 

まさか、初任務が要人暗殺かよ・・・。もう少しヌルい任務を期待したんだけどな・・・

 

 

『まもなく、予定戦闘領域に入ります』

 

 

初任務である要人暗殺の事を愚痴っていると、頭部両側面に付けている索敵・状況分析・防毒マスク合体型バイザーからナレーターの声が聞こえた。

 

 

その声を聞くと同時に下に向いていた顔を上げて周りを見る。そこには、俺と同じ様に戦場に行く兵士たちがシートに座っている。

 

 

だけど、注意な?こいつ等、全員、テンプル騎士の戦闘用エージェントだからな?

 

 

「全員、戦闘準備をしろ!!降りた瞬間に頭撃たれるなんてヘマをするなよ!!したヤツは、俺が直々に地獄に送ってやるからな!!」

 

 

「「「「了解!!」」」」

 

 

隊長であるエージェントが隊員全員にそう言い隊員の声を聞くと俺の方へ向いた。

 

 

「リンクス。ベルグ上級騎士から話を聞いている。今回、お前は初任務になるそうだな」

 

 

「・・・・・・・」コク

 

 

えぇ。コレが初任務ですよ?初任務なのにこんな難しそうなのって・・・

 

 

「そうか・・・・。コレから行く場所は、戦場だ。人の生き死が激しく負の感情しか産まない場所だ」

 

 

戦争や紛争、太古の時代から、人間が自分たちの欲で起きる争い。

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

多くの人間が死に行き倒れる場所・・・

 

 

「俺たちは、そんな戦争と変わらない紛争を続けている元凶を絶つ為に派遣された部隊だ」

 

 

紛争を絶つ・・・ね。

 

 

「・・・・・・」

 

 

「コレから、行く場所には、多くの敵が潜伏していると予想される。俺たちが、何とか殲滅するが、敵が予想より多い場合、そうだな。俺たちが対処できない数の敵が出てきたら必然的にお前にも出て行ってもらう事になる」

 

 

まぁ、そうだろうな。

 

 

「・・・・・・」

 

 

「お前は、まだ、若い。余り、人の生き死を見せたくないのだがな・・・」

 

 

この人の目に映る感情は、子供を見守る様な父の目をしている・・・

 

 

隊長から、目線を外し周りを見るとシートに座っていた隊員全員が、俺を見ていた。

 

 

「・・・・・・・」

 

 

あぁ・・・この人たちは・・・・戦闘用に製造された俺をちゃんとした人間として見てくれている様だ。

 

 

精神年齢は、30歳だけど、肉体の実年齢は12歳つまり、小学6年生の子供に人を殺させたくないのだろう。

 

 

優しい・・・だけどな、それじゃあ・・・

 

 

「・・・・・心配ないです。自分は、戦闘用として作られた兵器。言わば、人型兵器です」

 

 

俺の言葉を聞いた隊長と隊員たちは、驚くと直ぐに顔を顰めた。

 

 

「・・・・」

 

 

「・・・・・・」

 

 

俺は、隊長達から目線を外し目を閉じた。

 

 

「「「「・・・・・・」」」」

 

 

俺の言葉に言葉が詰まったのか、全員黙ってしまい。空気が重くる。

 

 

『全員。下車準備だ。戦闘領域に入った。目標地点まで、あと5分で着くぞ』

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

 

そう通信機から聞こえた瞬間、全員降りる準備としてシートから立ち上がった。

 

 

俺も座っていたシートから立ち上がり、シート横に立て掛けてあった、全体が黒くトリガーとカートリッジが融合した鞘を腰のアームパーツに接続する。

 

 

ダダダダダダ!!キキキキン!!

 

 

全員が下車準備をし終えると同時に金属と金属のぶつかる音が聞こえてくる。

 

 

『全員、気を付けろ!!やっこさん方、こっちに気付いて攻撃してきやがった!!一応物陰にハッチを開ける!!弾が当たらないと思うが、気を付けろよ!!』

 

 

「「「「「了解!!」」」」」

 

 

全員が返事をすると同時に後部ハッチが開いた。

 

 

「GO!!GO!!GO!!」

 

 

ハッチが地面に着くと同時に全員背を低くした状態で外に走り出る。

 

 

「クリア!!」、「クリア!!」、「クリア!!」

 

 

外に出た兵士たちから、周囲に敵がいない事が知らされる。

 

 

「リンクス。兵器として生まれてきたからといって、人間の心を捨ててはいけない。それでは、ただのロボットと変わらないぞ」

 

 

何を・・・人間の心を捨てなければいけない様にしているのは、アンタ等テンプル騎士じゃないか・・・

 

 

「自分は、機械です。心を持ってしまっては、任務に支障を出します」

 

 

「・・・・今は、分からなくて良いさ。いつか分かる時が来る。さて、お話は、終わりだ。今回の目的である要人を暗殺しに行くぞ」

 

 

隊長は、そう言い背を低くした状態で外に出て行った。

 

 

人を殺す事に戸惑いを感じてしまっては、俺が殺られる・・・。だけど、人を殺す事に何も感じなくなってしまっては・・・

 

 

「いや・・・迷うのは、後にしよう。今は・・・」

 

 

頭部両側面に付いているバイザーとマスクを展開させ、隊長に続くように外に出る。

 

 

「暗殺目標である要人を殺すだけだ・・・」

 

 

 

 






次回会いましょう( ´ ▽ ` )ノ


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第12弾 紅き雷電(リッパーを受け継ぎし者) 前編

気付いたら、こんなに書いていた・・・


では( ^ω^)_凵 どうぞ


 

リベリア 紛争激戦地区

 

 

中央最前線ゲリラ基地 防衛網

 

 

第三者Side

 

 

此処は、地区の中でも数少ない大型基地であり、20メートルの金属とコンクリートを合わせた複合防壁に滑り落ちやすい砂を使った12メートルの深い堀を含めた、対空・対地装備が充実している。

 

 

そのお陰で、今まで数多くの戦いから落とされずに済んでいた。

 

 

「クソッ!!何なんだアイツは!!政府の奴ら、あんな化け物を増援に呼んだのか!?」

 

 

しかし、そんな基地を防衛しているリベリアの兵士たちは、異様に焦っていた。

 

 

「おい!!RPGを持って来い!!」

 

 

焦っていた兵士の一人が、大声でそう叫んだ。

 

 

※RPGとは、ロシア語で『携帯式対戦車擲弾発射器』と意味する。因みに「РПГ-7:Ручной Противотанковый Гранатомёт(ルチノーイ・プラチヴァターンカヴィイ・グラナタミョート)」の英字綴りである「Ruchnoj Protivotankovyj Granatomjot」の頭文字をとった略称から作られた。英語の訳表記では「Rocket-Propelled Grenade(ロケット推進擲弾)」と綴られるが、これはバクロニムであり、厳密には誤りである。

 

 

その声を聞いた別の兵士が、長くスマートな筒にロケット弾を差し込んだかの様な武器・・・・RPG―7を持って走ってきた。

 

 

「ソレを貸せ!!」

 

 

兵士が持ってきたRPG―7を半端無理矢理、奪い取る形で取り、肩に乗せ発射態勢を取り固定されているスコープを覗きロケット弾を当てる標的に狙いを定める。

 

 

覗いたスコープには、未だに兵士を斬り続けている、髪の毛が白く体が黒い悪魔が見えていた。

 

 

「死ね!!悪魔の子供が!!」

 

 

兵士は、そう叫び引き金を引いた・・・

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

時間を遡り数十分前

 

 

リンクスSide

 

 

ストライカーから降り、分隊仲間と共にチェックポイントである廃ビルに向けて周囲を警戒しながら走る。

 

 

俺は、右脚のポーチに差し込んでいたカスタムハンドガンを手に持ちながら、周囲を警戒する。

 

 

「良いか。チェックポイントに到達次第、暗殺目標である男、ハルゲルト・ラ・シュナイロが確認されている最前線基地に向かうぞ」

 

 

「「「「了解!!」」」」

 

 

ストライカーから数メートル離れた裏路地を分隊全員で歩いていると仲間の一人がハンドサインとして『止まれ』を出した。

 

 

「どうした?」

 

 

隊長の言葉に前方警戒していた兵士に聞くと、向いの廃ビル、丁度チェックポイントの廃ビルの手前に立つ廃ビルに4人のスナイパーと地上を巡回する正確な人数は不明だが、数十人の兵士がいると隊長と分隊全員に報告をした。

 

 

「スナイパーが4人・・・チェックポイントに行ける道は、この道しかない・・・」

 

 

隊長は、カバー状態から顔を覗かせて兵士から報告をされた場所を見ていた。

 

 

「オーグメントモード 起動」

 

 

展開していたバイザーに搭載されている索敵・状況分析用ホログラフィック透視システム。通称、オーグメントモードと読んでいるこの機能は、赤外線・衛生情報を含めた各種の情報を複合する事で、バイザー越しであれば、どんなに建物や光学迷彩で隠れたって簡単に見つけることができる。

 

 

俺は、オーグメントモードを起動させる事で、敵がいる廃ビルを見る。

 

 

屋上に4人のスナイパーと屋内に12人の歩兵の反応、野外には、14人の歩兵が巡回していた。

 

 

「隊長」

 

 

俺は、オーグメントモードで確認した敵情報を報告する為、作戦を考えている隊長に声を掛ける。

 

 

「スナイパーを無力化と気付かれない様に巡回兵を・・・どうした。リンクス」

 

 

俺の声を聞き取り此方に振り向く隊長。

 

 

「屋上4人のスナイパーと屋内に12人の歩兵反応。野外には14人の歩兵が巡回してます」

 

 

オーグメントモードを起動させたまま、敵のいる場所を見詰めて報告する。

 

 

「何?敵の人数と場所がわかるのか!?」

 

 

「・・・・・はい。このバイザーには、衛星リンクによる映像とバイザー越しによる投影により、敵の居場所を透視する事ができますから」

 

 

「・・・・そんなものを、何処で・・・いや、聞かない方が良いか・・・」

 

 

何故、この様な高性能な物を持っているのか、不思議に思ったのかもしれないが、隊長は、深く聞くと危険だと思い聞く事を諦めた。

 

 

「・・・はい」

 

 

「敵の装備は、わかるか?」

 

 

「服装は、分かりませんが、装備している武器は、分かります」

 

 

「了解した。敵の所持している武器はなんだ?」

 

 

「スナイパーは、M14 EBRを近接武器としてマカロフを各自装備しています」

 

 

「M14ライフルをSage社が改修を施し、ピカティニーレールや専用ストック・グリップが装着され現代化された強化型バトルライフルか・・・威力、射程共にライフルマンの武器においてトップクラス、さらにそれを生かす高い精度を持つライフルだな」

 

 

「室内の兵士は、AN―94 アバカンを8人装備、残り4人は、PKP ペチェネグ軽機関銃を装備。サブウェポンとして、マカロフを装備しています」

 

 

「AN―94。ロシア製のAKの発展形で、特殊部隊向けの新型アサルトライフル。5.45×39mmロシアンを使用し、装弾数は30発。2点バーストの命中率が、確か高かったな。それにハンドガンは、マカロフで固定なのか?」

 

 

「・・・・はい。どうやら、全員ハンドガンは、統一している様です」

 

 

「分かった。野外の奴の装備も分かるか?」

 

 

「野外の兵士は、AKS―74Uを10人装備、残りは、RPK―74Mを装備しています」

 

 

「AKS―74UとRPK―74Mか・・・分かった、リンクス。此処から確実にチェックポイントに着けるまでの道を計算できるか?」

 

 

「既に出来てます。屋上にいるスナイパーを排除した後、異変に気付かれる前に右手側にある店に入ります。計算上、2人の兵士が、ルートを塞いでいますが、背後から2人を排除しします。その後は、隊長のルートを渡れば、完了です」

 

 

この作戦、聞くだけだと簡単そうに聞こえるが、実際に行動に移すとなると難しい。理由は、屋上にいるスナイパーが屋内と野外の兵士に5分間の定時連絡をしている事、つまり、5分以内にチェックポイントに着かないといけない。

 

 

「5分以内か・・・。悩んでも仕方ない。全員聞いたな。まず、スナイパーの排除だ」

 

 

『了解!!』

 

 

「それじゃあ、もう一度確認するが、屋上のスナイパーが4人、屋内に12人、野外に14人だな?」

 

 

「・・・はい。スナイパー、歩兵共に此方に気づいていません」

 

 

「分かった。余り騒がせたくないからな、屋上のスナイパーを殺った後は、最小限の道のりでチェックポイントに向かう」

 

 

「「「「了解」」」」

 

 

「リンクス。お前は、動くな。ここは私達だけで殺る」

 

 

そう言い隊長達は、自身たちが装備していたSCAR-Hにサプレッサーを取り付けて構えた。

 

 

「・・・・ですが」

 

 

「命令だ。私たちだけで殺る。お前は動くな」

 

 

「了解・・・」

 

 

どうやら、俺の出番はないようだ。隊長の命令通りに動かない様にしてるか・・・

 

 

「全員。良いな?同時にスナイパーを撃つんだ。奴らに気付かれたら面倒だからな」

 

 

隊長がそう言うと、全員息を整え始めた。

 

 

「・・・・・・・スゥー」

 

 

誰の声か分からないが、全員息を吸い止め、数秒・・・

 

 

「・・・・・・・ファイヤ!!」

 

 

隊長の声と共に4人の銃から放たれた銃弾は、亜音速のまま飛行し目標であるスナイパーの頭に風穴を開けた。

 

 

「・・・・・・目標の排除を確認。良し、行くぞ!!奴らに気付かれる前に行動するぞ!!」

 

 

目標の排除を確認した4人は、匍匐状態から立ち上がり直ぐに行動を移した。

 

 

「リンクス。先に行け。敵の排除は、私たちがする。気にせず行け」

 

 

「・・・・了解」

 

 

俺は、先ほど報告した道を慎重に進む。と言っても俺の脚部は、消音機能に近いモノがあるから、ある程度走っても気付かれないと思うが、後ろの分隊を考えたら、この速度が丁度良い。

 

 

店の中に入り、角などにトラップが無いかを瞬時に確認し進むと2人の敵兵が、丁度出口付近で左右を警戒していた。

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

「待て、お前は、動くなと言ったはずだ」

 

 

俺が、両腕に装備しているアサシンブレードで敵兵2人を排除しようと動こうとしたら、隊長に肩を掴まれ止められた。

 

 

「ですが・・・」

 

 

「お前には、本当に動いて欲しい時に動いてもらう。・・・それに2人だけなら、私達でどうにかなる。見ろ」

 

 

俺は、隊長に言われた通り出口にいる敵兵2人の方を見ると銃からナイフに変えた分隊員2名がカバー状態から同時に動き、迅速に腕を首に回し店の中に引き連れ手に持っていたナイフを喉に差し込み無力化した。

 

 

「な?」

 

 

「・・・・はい」

 

 

この人の部隊は凄い。ハンドサインを出さず、アイコンタクトだけで行動を起こせるほどの信頼がある。

 

 

「進むぞ。そろそろ、気付かれる」

 

 

「・・・はい」

 

 

俺は、そのままバイザーに表示されているルートを警戒しながら、進んでいると後ろの方が、うるさくなってきた。

 

 

「っち!!気付かれたか。全員走れ!!チェックポイントまでもう少しだ!!全員全速力で走れ!!」

 

 

「「「「了解!!」」」」

 

 

隊長の言葉を聞くと同時に全員走る。

 

 

「#%$#”!!」

 

 

走ると同時に屋内にいた兵士と野外にいた兵士が此方に気づき、発砲してきた。

 

 

「っち!!」

 

 

「GO!!GO!!GO!!」

 

 

弾に当たらない様に気を付けて走っていると曲がり角に弾除けに丁度良いくらいの建物があった。

 

 

「全員!!その建物に入れ!!」

 

 

その言葉と共に全員が建物の中に入る。

 

 

ダダダダダダダダダ!!

 

 

建物に入ると同時に飛んできていた弾が建物のコンクリートを削っていく。

 

 

「隊長!!どうしますか!?」

 

 

負けじと此方も応戦しながら、隊員の一人が聞いてくる。

 

 

「今考えている!!・・・・クソッ・・・チェックポイントまであともうちょいなのだが・・・」

 

 

悩んでるな。それもそうか、こんな弾幕で出て行ったら、仲間を危険に晒すだけだしな・・・。このまま、ジリ貧か?いや、めんどくさい・・・俺が出よう。

 

 

「隊長。チェックポイントまでの距離は?」

 

 

敵を近付けさせない様に弾幕を張っている隊長に聞く。

 

 

「100mだ!!それがどうした!?」

 

 

「・・・自分に作戦があります。誰でも良いです。敵一人を排除したら、建物から出てチェックポイントまで全力で走ってください」

 

 

「「「「「っな!?」」」」」

 

 

「何を考えている!?この弾幕だぞ!?」

 

 

「ですが、このまま、ジリ貧なのも時間の問題です。安心して下さい。自分がどうにかします」

 

 

「・・・・・だがな」

 

 

俺は、真剣な眼差しで隊長を見る。

 

 

「・・・・・・分かった」

 

 

「隊長!?」

 

 

「・・・・ありがとうございます」

 

 

「全員。聞いたな!?リーダーらしき奴を狙え!!」

 

 

『了解!!』

 

 

部隊全員が応戦一旦止め、タイミングを待つ。

 

 

ザッザッ・・・

 

 

不思議に思ったのか、敵兵数人が警戒しながら此方に向かってくる。

 

 

「いました。中央のRPK―74Mを所持して赤いベレー帽を被った奴です」

 

 

分隊員の一人が、必死に探し見つけたリーダーの様な兵士を全員で気付かれない様に見ると確かに確認できた。

 

 

「殺れ!!」

 

 

「了解!!」

 

 

分隊員は、瞬時に手に持っていたSCAR-Hをリーダーの様な奴に向け狙撃した。

 

 

ドサッ・・・

 

 

狙撃された敵兵は、そのまま重力に従い地面に倒れた。

 

 

何が起きたのか、理解できなかったのか、確認しに来た兵士を含めた敵兵士全員の動きが止まった。

 

 

「今だ!!走れ!!」

 

 

俺は、弾幕が止んだのを確認し全員に聞える様に叫んだ。

 

 

その声を聞いた分隊員全員が建物から飛び出てチェックポイントまで全力で走り始めた。

 

 

「・・・・・・!?#&$’!!」

 

 

俺らが、外に出て走り始めた事により、敵兵士も気を取り戻し此方を撃ってくる。

 

 

「リンクス!!撃って来たぞ!!」

 

 

「・・・・アナタ方は、そのまま走ってください!!俺が、止めます!!」

 

 

俺は、自身の身体能力を使い、脚を止めず、走りながら、飛来してくる弾を斬るのではなく、途方に弾き飛ばす。

 

 

「リンクス!!」

 

 

分隊員に当たりそうな弾も体を瞬時に動かし空中で弾いていると、分隊員の一人がチェックポイントに到着していた。

 

 

「・・・・全員が到着するまで時間を稼ぎます!!」

 

 

俺は、そのまま、チェックポイントの入口を敵兵士に見えない様に立ち止まり、ムラサマブレードを鞘に差し込み居合いの構えを取る。

 

 

「!!$#&%’!!」

 

 

警告を言っているのか、罵っているのか分からないが、敵兵士が叫びながら、銃を向けてくる。

 

 

「何を言っているのか分からん」

 

 

俺が、武器を下ろさないことが伝わったのか、それともシビレを切らしのか、発砲してきた。

 

 

各種から亜音速で飛んでくる弾丸を俺は、目で追い自分の間合いに来るまで動かない。

 

 

その間に弾が増えていくが、俺に見えているのは、味方に当たりそうなのと自分に当たりそうな弾丸を弾くだけであり、それ以外の弾は無視だ。

 

 

弾が、俺の間合いに入った瞬間、鞘に取り付けられているトリガーを引き薬莢に詰まった火薬から生まれる爆発を利用したスパイクで刀であるムラサマブレードが高速で射出される。

 

 

「・・・・・っふ!!はっ!!せっ!!」

 

 

高速で射出されたムラサマブレードを掴み取り飛来してきている弾丸を高速抜刀で弾き、次に飛来してくる弾丸にぶつけて弾く。コレを高速で繰り返す。

 

 

名付けるなら、連鎖撃ちver:S(ソード・キャノン)ってか?

 

 

そんな事を思っていると、敵の一人がリロードに入り弾幕が薄くなった。

 

 

「リンクス!!OKだ!!全員入った!!」

 

 

弾幕が薄くなると同時に全員がチェックポイントに到着した様だ。

 

 

「・・・・了解」

 

 

俺は、腰のポーチから、閃光手榴弾を取り出しピンを抜き取り、敵の中心にあたいする場所に放り投げ、直ぐに後ろを向き脚に電流を流し筋肉を膨張させ走る、まぁ、つまりニンジャランをし隊長たちのいる場所に向かう。

 

 

すると後ろから、一瞬だけ光が見えると同時に甲高い高音が鳴り響いたが、気にせずそのまま隊長たちのいる場所に滑り込んだ。

 

 

 

俺が、滑り込むと同時に分隊員が入口を閉め近くにあった物を扉の後ろに置き開かない様にした。

 

 

「一安心だな・・・」

 

 

全員がいる事を確認した隊長を含めた全員が一息ついた。

 

 

「リンクス。今回は助かった。だが、あまりあの様な無茶をするな」

 

 

「・・・了解です」

 

 

「それなら良い。行くぞ」

 

 

俺たちは、チェックポイントである廃ビルにある、目的の場所に向かった。

 

 

 




5811文字も書いていた・・・

いつも書いてる文字数の倍は行っとる・・・

では、次回会いましょう( ´ ▽ ` )ノ


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第13弾 紅き雷電(リッパーを受け継ぎし者)中編


中編です。( ^ω^)_凵 どうぞ


 

チェックポイント

 

 

「良いか。暗殺目標であるハルゲルト・ラ・シュナイロは、三日前。中央最前線基地の司令官になった」

 

 

チェックポイントにある隠し部屋で俺たちは、作戦を聞いていた。

 

 

「この最前線基地は、他の基地より、装備や施設が豊富だ。戦車・戦闘ヘリ・装甲車を含めた兵器に対空兵器、歩兵に持たせる携帯火器に対戦車装備、兵士の生命線にもなるMKT(移動キッチン・トレーラー)が数台、それらを含めた各種通信システムを複合した通信設備・・・そして基地を守るために設置された防衛網のトーチカ。流石、最前線基地なだけあるな」

 

 

用意された地図に置かれたミニサイズの戦車、トーチカの位置と数を見て、隊長は、感心と同時に呆れた。

 

 

「戦力差があり過ぎますね・・・」

 

 

隊長の言葉を聞いた分隊員の一人が自分たちとの戦力差を聞いて考え込む。

 

 

「リンクス。この戦力で敵の防衛網を突破できるか?」

 

 

「95%の確率で全滅します」

 

 

隊長の言葉に俺は、バイザーを展開させる事なく即答する。

 

 

「残り5%は?」

 

 

「防衛網に展開している対抗勢力のアメリカ陸軍に協力要請、天候変化、深夜による行動を含めた場合です。ですが、これは、望みが薄いと思います。理由は、展開しているアメリカ陸軍が要請を受諾するとは思えません。それと天候の変化については、奇跡しか起こらない限り、何も起きません。そして深夜に行動ですが、敵も間抜けではないようで、警戒を強化していると推測します」

 

 

天候変化については、雨や砂嵐が今月に起きる確率は5%だ。アメリカ陸軍には、一般的に極秘行動しているしな・・・深夜は、トーチカによる24時間警備とどうやって入手したか不明のMi-24(ハインド)数機の周辺警備・・・どう考えても深夜の分隊行動は危険過ぎる。

 

 

「・・・そうか」

 

 

「どうしますか。隊長、この戦力差では・・・」

 

 

「・・・・・上からの情報でも詳細不明と言われていたが・・・此処まで戦力差があるとな・・・」

 

 

隊長の質問に答えた俺の言葉に分隊員全員が考え込む。

 

 

俺は、そんな分隊員の表情を見て閉じていた口を開けて言った。

 

 

「・・・・自分だけならば、敵勢力の注意を引く事が、可能です」

 

 

「・・・何?」

 

 

俺の言葉に隊長は、此方を見た。

 

 

「おい!!それってつまり!!」

 

 

それと同時に分隊員の一人が俺の言葉の意味を理解し声を上げる。

 

 

「はい。敵勢力の軍勢を自分が対応します。隊長達は、その間に最前線基地に侵入しターゲットの排除をお願いします」

 

 

この分隊員全員が敵地に侵入しても全滅する確率を上げるだけ・・・。なら身体能力が超人的で装備が強力な俺一人で敵勢力の注意を逸らしている間に隊長達が最前線基地に侵入する方が、生存率は高くなる。

 

 

「ふざけるな!!言ったはずだ、私が良いと言うまで、手を出すなと!!」

 

 

「隊長。お言葉ですが、現状では、自分が敵勢力を惹きつけた方が成功率95%を出しています」

 

 

「しかし!!」

 

 

「隊長。自分は、戦うために作られた兵器です。戦う時に戦わなくては、自分の存在する意味はありません」

 

 

今の俺は、テンプル騎士団の所有物だしな。裏切ったら、何の後ろ盾もない俺は、即殺だろうしな。使えなくても処分ていう名の『死』だろうしな。

 

 

「・・・・良いか。可能な限り、殺しは控えろ。若いお前が、その手を血に染める必要はないんだ」

 

 

血に染める必要がない、か・・・。それは、間違いだぞ。隊長。

 

 

俺は、臆病者だからな。早めに自分の意志を決めないと、後々から戸惑って命を失う可能性が出てしまうんだ。

 

 

殺しの技は、確かにVR訓練で数多く習得し、熟練に訓練されたアサシン教団のアサシン達を殺した。

 

 

だが、それは、VR訓練でできた仮想現実世界が作り出した本物の人間ではない。

 

 

仮想現実世界は、現実じゃない、確かに怪我や空腹を感じる事もできる、だが、現実では何もない・・・

 

 

ソレを勘違いしてゲーム感覚で人を殺してしまっては、それこそ・・・ただの狂った機械だ。

 

 

俺は、隊長に戦う為に生まれてきた兵器だと言ったが、人間としての心を捨てるつもりは、毛頭ない!!

 

 

「・・・・了解」

 

 

だから、俺は、今回の戦いで命を奪う覚悟を決める。

 

 

「なら・・・作戦を説明する。私たち、潜入部隊は所定位置に向かう。リンクスは、私たちが位置に到着するまで、行動を起こすな、私たちが位置に着き次第、通信を入れ行動合図を送る。そうしたら、警戒ポイントを通過する警備部隊と交戦を開始しろ。派手に暴れてもらって構わない。それによって、気を取られている間に侵入する」

 

 

派手に、ね。盛大に暴れてやるかな。

 

 

「・・・・了解」

 

 

「侵入したら、私たちは、ツーマンセルで組み目標を見つけろ。見つけ次第、目標を排除しろ」

 

 

サーチ&デストロイですか・・・

 

 

『了解!!』

 

 

「では、戦場に向かうぞ!!」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

目標ポイント

 

 

[此方、オメガ1。目標ポイントに到着した]

 

 

俺が、一足先に目標ポイントで待機していると時間通りに隊長達から連絡が来た。

 

 

[此方、オメガ0。了解]

 

 

[オメガ0。殺しは控えろ。殺しをしない加減で好きに暴れろ]

 

 

[了解]

 

 

隊長の言葉に俺は、待っていましたと言わんとばかりに敵の警戒ポイントに姿を晒しに向かう。

 

 

一応、姿というか顔を見られたくないのでな、バイザーとマスクを展開させておく。

 

 

「此処か」

 

 

警戒ポイントに入って、待機していると歩兵数人を連れて巡回していた戦車が目の前からやって来た。

 

 

「&&)&()E&!!」

 

 

巡回ルートである警戒ポイントに見知らぬ人間がいた事に兵士たちが、銃を構えて呼びかけてくる。

 

 

多分、動くなとか所属はとか言っているんだろうが、今の俺に関係ない。

 

 

「さぁ・・・始めよう」

 

 

俺は、呼びかけを無視し腰に装着しているムラサマブレードの柄に手を添える。

 

 

「=&#!!」

 

 

なんと言っているか分からないが、一人の歩兵が此方に向かって歩いてきた。

 

 

「”=&$!!」

 

 

歩いてきた歩兵一人が、声を荒げて俺に何かを言っている。

 

 

「済まないな・・・」

 

 

俺は、相手に聞こえる程度に日本語で言い、手を添えていた柄からトリガー付きの鞘に変え握り締めた。

 

 

「#$=&!!」

 

 

呼びかけても反応しない俺にシビレを切らしたのか、目の前にいた兵士がAK-47の銃床(ストック)で俺の顔を殴りつけようとした瞬間、俺は、鞘のトリガーを一気に引き火薬を燃焼させる事で発生したスパイクでムラサマブレードを高速射出させて、銃床(ストック)で殴ろうとした兵士の顎を強打させる。

 

 

「ゲボォア!!」

 

 

火薬の爆発で高速に射出されたムラサマブレードの柄が、兵士の顎に直撃すると骨が砕けるような音を聞こえ、178cmの大人が10m位も浮き上がり、口から血を吐き出しそのまま地面に倒れた。

 

 

兵士全員がいきなり起きたことに呆然とするが、兵士の一人が意識をすぐに戻し、俺のことを通信で連絡を取り始めた。

 

 

それに続く様に瞬時に兵士全員がセーフティーを外したAK-47を歩兵が向け、敵戦車であるT-72主力戦車は、主砲である125mm滑腔砲 2A46Mを向けてきた。

 

 

「%#?&*!!」

 

 

ダダダダダダダ!!

 

 

俺が仲間の兵士を無力化した事に怒りを覚えたのか、歩兵全員がAK-47のトリガーを引き、7.62x39mm弾が数百発飛来してくる。

 

 

「はっ!!ふっ!!」

 

 

俺は、飛来してくる7.62x39mm弾を自前の反射神経でスローモンションに見ながら、敵の顎に強打して空中に浮いたままの柄を掴み取り、飛来してきている弾丸を斬るのではなく、射線を逸らす様にムラサマブレードを振る。

 

 

亜音速で飛来する凶弾は、鋭く綺麗に研がれた紅く緋色に輝く刃により、直線に飛ぶはずの射線が逸れ虚空に消える。

 

 

「=~%$&!!」

 

 

歩兵たちは、自身が放った弾が、それも数百もの弾を刀一本で、防がれている事に驚き顔を変えるが、攻撃の手を緩めないのは、流石と言う所だろう。

 

 

素人や戦い慣れしていない兵士であったら、攻撃の手を止めてしまい、相手にチャンスを与える機会を出してしまう。

 

 

だが、俺の前にいる兵士たちは、攻撃の手を緩めるどころか、強くしてきている。刀の届かないであろう足を狙い、防いでる間に頭を狙ったり、腕を狙ったりとコンビネーションがプロ並みだ。

 

 

『#%&#!!』

 

 

俺が、弾丸を弾いていると戦車から、隊長らしき人物の声が聞こえると兵士たちが、攻撃の手を緩めず、戦車の射線から退き始めた。

 

 

「攻撃が通らないと分かった様だが・・・主砲か」

 

 

攻撃の手を緩めたら、俺が攻撃してくると分かっているのだろう、主砲が此方を狙っているのにも関わらず、攻撃をやめない。

 

 

「無駄弾でしかないぞ・・・」

 

 

戦車の主砲が俺に砲口を向けているが、俺は、焦らず無駄弾にしかならない、飛来してきている弾丸を弾く。

 

 

『$&$%!!』

 

 

戦車から隊長の声が聞こえると、その鋼の装甲に覆われた乗り物の主砲である125mm滑腔砲 2A46Mから放たれたHE弾は、大量に入った火薬が燃焼して発生した爆音が聞こえると同時に高速で飛来してくる。

 

 

「遅い・・・」

 

 

俺は、体内に内蔵されている稼働中の小型発電ジェネレーターから電力を少量解放させ、人工筋肉であるCNT筋繊維に通電させ筋肉を膨張させる。

 

 

それと同時にハイニューロ・チップを起動させ、情報処理能力・演算処理能力・空間認識能力を使い、脳の稼働を常人の60倍にさせる。

 

 

その瞬間、世界が止まった・・・いや、止まったかの様に遅くなっていた。

 

 

俺の脳は、ノーマル状態で既に常人の10倍もの稼動をしてる・・・それにハイニューロチップの稼働をしてしまうと10倍+60倍で、合計70倍もの思考能力を得るのだが・・・

 

 

俺は、訓練でもこのハイニューロチップのフルパワーを使ったことがない。

 

 

研究所によるとハイニューロチップをフル稼働させると今の倍数から常人の180倍もの思考能力を得られるとの事だが、流石の機械の俺でも250倍もの思考能力は、脳が耐え切れないとの事で最悪の場合、脳死で良い所で体が動こなくなるだとのことだ。

 

 

動かなくなれば、俺は、殺処分だろうし、と言うか、そんな事になりたくないからやらないがな。

 

 

さて、そんな事を考えていると戦車から放たれた砲弾は、いつの間にか4m近くに来ていた。

 

 

「っ!!」

 

 

俺は、スローモーションからなる視界で前から飛来してきている砲弾に向けて俺は、縦一筋にムラサマブレードを振り下ろした。

 

 

 

斬!!

 

 

 

通電で膨張し、パワーが上がった筋力と電力による反射神経のブーストが掛かった縦一筋の一撃は、高速で飛来してくる砲弾を一刀両断した。

 

 

一刀両断された砲弾は、そのままV字に別れ後ろの地表に着弾する。

 

 

砲弾が地面に着弾すると中に詰まった火薬が爆発したと同時に俺は、ハイニューロチップをリセットし全ての思考能力を通常に戻し、ムラサマブレードを鞘に戻す。

 

 

思考能力が通常に戻ると同時に世界が動き始める。

 

 

『・・・・・・』

 

 

流石のプロの兵士たちでも目の前で起きた事に頭が追いつかないのか、呆然としていた。

 

 

「戦場で動きと考えを止めたら終わりだぞ?」

 

 

俺は、そのチャンスを逃さないように脚部に搭載されている加速装置を使用し一番近い兵士の目の前に移動しCQCを叩き込む。

 

 

「そらっ!!連続!!」

 

 

敵が俺に向けているAK-47の銃口を左腕で俺から逸らし、空いている右腕の掌で兵士の上腕筋肉の浅指屈筋部分を強く打ち付け、握っているAK-47を落とさせると同時に、そのまま右肘を相手の鳩尾に攻撃を叩き込み、左手で相手の服を掴み取り、一本背負いしの応用で相手を持ち上げ逆さま状態で宙に浮いた敵の後頭部をローキックの用量で蹴り飛ばす。

 

 

「っがは!?」

 

 

多分だが、加速装置で高速移動した為、兵士には、俺が瞬間移動した様に見えているだろう。呆然としているその隙に

瞬間移動からのCQC・・・何が起きたか理解できないだろうな。

 

 

何が起きたのか理解せぬまま後頭部を蹴り飛ばされた敵は、そのままピクリとも動かなくなった、それどころか耳から口から目から血が溢れ出てきた・・・まぁ、当たり前だと思うがな。

 

 

殺す思いで蹴り飛ばしたからな、多分、脳が潰れて血が溢れ出てきたか。

 

 

「C!!」

 

 

俺は、そんな状況の敵を見て動きを止めず、その敵の近くにいた敵との間合いを瞬時に縮めて右腕の掌で敵の顎を打ち砕き衝撃で浮いた体を左腕で掴み、右手で首を鷲掴み右足で敵の脚に引っ掛けてバランスを崩させ後頭部に直撃するよう後ろに勢い良く叩きつける。

 

 

「げぼっ!?」

 

 

バランスを崩して後頭部を叩き付けられた敵は、最初の敵と似たように声を上げるとピクリとも動かなくなり、同じ様に口や目、耳から血が溢れ出ていた。

 

 

先程と同じ様に俺は、その敵をチラ見してまた別の敵兵の間合いを縮めて近づく。

 

 

「Q!!」

 

 

間合いを詰めた瞬間、敵の顔を右パンチ、左パンチを一発ずつお見舞いし脳震盪で意識が朦朧としている間に心臓部分に右ストレートパンチ・・・まぁ、いわゆる、ハートブレイクショットってヤツをブチ込み相手が前屈みになった瞬間、右腕を敵の首に回し入れ膨張してパワーが上がっている人工筋肉で敵の首の骨をへし折り、殺す。

 

 

「がっ!?」

 

 

首の骨をへし折る時にゴギンッ!!と音が聞こえるが、気にしない。

 

 

「C!!」

 

 

更に近くにいた敵に近付き左手で右腕を掴みとり、右足で敵の右足を引っ掛け右手を敵の首筋を掴み取り、一気に後ろに引き寄せると、引っ掛けた足によりバランスが崩れ体を一回転させ、脊椎骨の胸椎骨にあたる部分を地面に強打する様にする。

 

 

「っは!?げホッ!?」

 

 

胸椎骨部分から強打された衝撃で骨が砕け肋骨が『運悪く』肺に刺さってしまったようだ。

 

 

敵は、肺に詰まっていた血が器官を通って口から溢れ出ていた。

 

 

「まだだ!!」

 

 

敵歩兵を無力化したが、まだ、敵戦車が残っている。

 

 

俺は、砲塔が此方に向けられない車体の下にある空いたスペースにスライディングで滑り込みムラサマブレードを振り抜く。

 

 

縦、横、斜め・・・可能な限りの範囲でムラサマブレードを振り、そのまま外に出て立ち上がり、振り抜いたムラサマブレードを横になぎ払い鞘に戻す。

 

 

金属の擦れる音が小さく聞こえ最後に閉まる音が聞こえると先ほど斬った戦車が後ろで爆発した。

 

 

「さて、まだまだ。ヤツ等の注意を向けないといけないからな・・・・ん?どうやら丁度良いタイミングで増援部隊が来たようだな」

 

 

先ほど無力化した兵士の中に仲間に連絡していた奴の要請で増援部隊が来たようだ。

 

 

それにしても敵が多い。

 

 

T-72主力戦車が3、Mi-24(ハインド)が4、BTR-60が2、分隊歩兵が4グループと可笑しい増援部隊の量だ。

 

 

 





主人公が使っているCQCは、殺しに特化したモノであり、一般兵が、このCQC使っても気絶するレベルであるにも関わらず、主人公が行うとサイボーグのパワーにより、背骨が折れたり、首の骨が折れたりと、一撃が重く簡単に人間を無力化してしまいます。


因みに態々、ムラサマブレードを使わずに歩兵をCQCで無力化したのは命の重みを知る為です。


この行為が後々主人公の在り方を変えるかもしれない伏線だと思っていてください。


では、( ̄^ ̄)ゞ次回会いましょう( ´ ▽ ` )ノ



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第14弾 紅き雷電(リッパーを受け継ぎし者)後編

紅き雷電後編です。( ^ω^)_凵 どうぞ


 

最前線基地内部 B1倉庫

 

 

リンクスが防衛網で暴れている間に別行動中の隊長達は、既に基地内に通じるのダクトから潜入していた。

 

 

「リンクスが暴れてくれている、お陰で此方も潜入し易い」

 

 

リンクスが防衛網で暴れている事で基地内の警備が緩くなり、隊長を含めた隊員たちは、ダクトから基地内にある倉庫に侵入していた。

 

 

「ここは、倉庫か」

 

 

隊員の一人が自分たちがいる場所が倉庫だという事を直ぐに理解した。

 

 

「リンクスのお陰でここにいた警備もいなくなっていますね」

 

 

この基地内の警備は、正規軍事基地とあまり変わらないレベルであり、定時連絡・定期的な周辺警戒を随時行なっている程であるのだが、それらを行なっていたのが新米兵士(ルーキー)であったことにより、外で起きているリンクスの騒ぎにより、冷静に対応し内部の警備を厳重にしなければならないのに、逆に慌ててしまい警備が軽くなってしまっていた。

 

 

「リンクスが陽動をやってくれている間に奴の見つけて排除するぞ」

 

 

「了解です」

 

 

隊長の言葉を聞くと同時に隊員全員が動き始める。

 

 

「移動するぞ。ヤツを探さないといけないしな」

 

 

隊長を含めた分隊員全員が動き始め、倉庫から出ると見渡しの良い通路に出た。

 

 

「コレは・・・敵に見付かったら、ひとたまりもないな・・・」

 

 

隊員の言った通り、通路は見渡しが良すぎるため、敵の目に入れば、簡単に見つかってしまうのだ。

 

 

「見取り図にも通路は、ここしかないな・・・全員気を引き締めろ」

 

 

分隊員全員がセーフティーを外したSCAR-Hを握り直し曲がり角などを警戒しながら、進んでいく。

 

 

++++++++++++++++++++++++++++++++++

 

 

数分後

 

 

「何も無いですね・・・」

 

 

ひたすら、見渡しの良い通路を歩くが、コレといって目星い所が見つからない事に隊員が口に出す。

 

 

「情報によると、この先に目標のオフィスがあるからな。急ぐぞ、リンクスの行動に感づかれる前に何とかしたいしな」

 

 

隊員の言葉を聞いた隊長が、ゴーグルに映し出されているマップを見て言う。

 

 

「目標が、この騒ぎの中、黙ってジッとしていますかね」

 

 

「どうだろうな。情報によると、目標は、慎重派の様だが、予期せぬ行動を時たま取ると書いてあったしな・・・」

 

 

「可能性としては、逃げる手筈をしているか、ジッとしているか・・・」

 

 

「口を閉じろ。ここは、敵地だぞ?死にたいのか?それと目標のオフィスに着いたぞ」

 

 

隊員たちが、それぞれの思いを口に出していると、隊長が、振り向き注意すると同時に目標ポイントであるオフィスに到着する。

 

 

「・・・・・(お前は、右で待機、お前は、左でブリーチ爆薬を準備、俺とお前は、カバーだ。良いな?)」

 

 

『・・・・・・・(了解)』

 

 

目標ポイントに到着すると隊長が、腕を動かし指示を出す・・・所詮、ハンドサインだな。

 

 

全員が配置についたのを確認し、隊長がカウントを開始した。

 

 

「・・・・・・・(3・・・2・・・1・・・っGO!!)」

 

 

隊長の指示と同時にブリーチ爆薬が扉にセットされ、起爆されオフィスの扉は木っ端微塵になる。

 

 

「GO!!GO!!GO!!」

 

 

隊長の声が響くと同時に分隊全員がオフィスに突入した。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

最前線基地 防衛網

 

 

リンクスside

 

 

「!”#!!」

 

 

敵兵士の言葉と同時に爆音や銃声が鳴り響き、様々な弾丸が俺の命を刈り取ろうと飛来してくるが、全て目で追い最低限の動きで避ける。

 

 

「・・・・遅い」

 

 

先ほど使用したハイニューロ・チップは、一度使用すると学習し、体が記憶する事で同じ事が起きた場合、自動的に体が動かす、戦術稼働機動プログラム・・・通称『OAD(オーバーオートディフェンサー)』により、飛来してくる各種の弾丸を自然に回避していく。

 

 

「さっき、隊長達から連絡が来たからな。そろそろ、此処から移動するか・・・」

 

 

俺は、最小限の動きで敵の銃弾を回避し、近くにいる敵をCQCで無力化していきながら、基地の方を見る。

 

 

「移動の前に、こいつらを沈黙させるか」

 

 

俺は、ゆっくりとムラサマブレードを仕舞い、アサシンブレードを展開させる。

 

 

何故、威力が高くリーチの長いムラサマブレードを使わないのかは、気分でだ。

 

 

「さて、殺るか・・・」

 

 

脚部の筋肉を電流による強化をし、行動を開始する。

 

 

近くにいる兵士の喉をブレードで突き刺し、引き抜く・・・それにより、少し返り血を頭に被るが気にせず、無力化した兵士の近くにいた兵士を同じ様に近接で連続技として絶命させていく。それを淡々と続けて行く。

 

 

「・・・!#%」

 

 

淡々と敵を無力化していくと、次に無力化しようとした敵兵が自分の味方の血で染まった俺を見て、何か小さく呟いたが、俺は、気にせず、無力化していく。

 

 

「それにしても、どれだけ出てくるんだ?かれこれ、100人以上は、無力化しているが・・・」

 

 

リンクスが出てくる敵兵を無力化しているのに未だにBTR-60(装甲兵員輸送車)Mi-24(戦闘ヘリコプター)から、増援部隊として、兵士が出てくる。

 

 

「ウザいな・・・」

 

 

当然、兵器であるBTR-60やハインドも増援を出すだけで無く、攻撃をしてくる。

 

 

BTRは装備されている14.5mm重機関銃をハインドは4銃身ガトリング式重機関銃で俺のことを攻撃してくる。

 

 

当たりそうに無いものは、無視し当たりそうな弾丸は、『OAV』を応用し、無意識レベルで回避していく。

 

 

「邪魔だ・・・」

 

 

俺は、無力化した敵兵の傍に落ちていたRPGを暴発しない程度で蹴り上げ、右腕で掴み取り、肩に乗せ標準を定める。

 

 

俺が蹴り上げて掴んだRPGは、84mm無反動砲・・・別名『カールグスタフ』と呼ばれる無反動砲であり、スウェーデンのFFV社で開発されたモノ、口径は84mm。名称のカールグスタフは、生産に関わったCarl Gustav Stads Gevärsfaktori社の名前に由来する。

 

 

因みに現在はサーブ社が旧ボフォース社を買収して生まれた『サーブ・ボフォース・ダイナミクス社』が製造・販売している。

 

 

「それだと、良い的だぞ・・・」

 

 

標準に入れたのは、兵士を降ろす為にホバリングしているハインドだ。

 

 

俺は、そのまま、標準に入れたハインドに向けて引き金を引く。

 

 

引き金を引かれたカールグスタフは、発射装置が作動、弾頭のロケットに火が点火され、砲口から84mmの弾頭が姿を現し、ホバリングして兵士をラッペリング降下させているハインドに向かって高速飛翔し、2秒も経たずにハインドのコックピットに直撃。

 

 

弾頭に詰まった爆薬が爆発し、コックピットからメインローターに掛けて爆発、たちまちコントロールができなくなったハインドは黒煙を各所から出しながら、回転落下する。

 

 

ラッペリング降下途中であった、兵士たちは、回転しながら墜落するに振り回される者もいれば、危険だと直ぐにロープを断ち切り、地面に落下する者もいる。

 

 

回転しながら、墜落するハインドは、近くで同じくホバリングして兵士をラッペリング降下させていたハインドに衝突、両機の高速で回転していたメインローターを含むテールローターが2機のハインドを傷付けていくと黒煙を出していたハインドから大量に漏れる燃料が遂に引火し、ぶつかったハインドを巻き込み大爆発した。

 

 

爆発し粉々に弾け飛んだ部品が地面に降り注ぐ、破片の一つであるプロペラの破片が、下にいたT-72の車体、それも戦闘室の下にある弾薬室にまで突き刺さってしまい、弾薬の一つが暴発し、それに続くように他の弾薬が暴発してしまい燃料に引火、爆発した。

 

 

「・・・そらよ」

 

 

撃ちきったカールグスタフを地面に投げ捨て、他の兵士の近くにあったRPGを再び蹴り上げる。

 

 

「・・・何故、使用する火器を統一しないんだ?」

 

 

俺が、蹴り上げたRPGは、先ほど撃ったカールグスタフでは無く、コンパクトな形をしたロケット砲、M72LAWであった。

 

 

M72 LAW(Light Anti-Tank(Anti-Armor) Weapon)は、口径66mmの使い捨て対戦車ロケット弾であり、設計はアメリカ合衆国のTalley ディフェンス、製造はノルウェーのNammo Raufoss ASであり、アメリカ陸軍では、朝鮮戦争以後バズーカの後継装備品として導入された。

 

 

因みにその外観と使用法から、別種の兵器であるにもかかわらず、先代の物と同じ「バズーカ」と誤って呼ばれることが多いらしい。

 

 

俺は、収納形態から、展開状態に素早く変える。

 

 

まず、方向のフタを外し、安全ピンを引き抜き、リア・カヴァーを外す、そこから、ロケット弾が収納されている後部チューブを引き伸ばす・・・が、この時点で発射を中断して後部チューブを収納し戻すことができるが、防水シートが破けてしまっているため、雨が降っている場所の場合、無意味である・・・後部チューブを伸ばしたら、自動的にショルダーレスト(肩当て)と照準器が起き上がる。

 

 

そのショルダーレストを肩に乗せて、本体上部にあるセフティ(安全装置)を押しながら、トリガーボタンに指を乗せる、コレで、発射準備完了だ。

 

 

「お前も邪魔だ・・・」

 

 

目の前にいるBTRの燃料タンク付近に向けて俺は、トリガーボタンを押し込む、発射装置により、弾頭のロケットが点火、後部チューブから、噴射したガス・・・バックブラストが起き、周囲に粉塵が立ち上がると同時に高速でチューブに収納されていた66mmHEAT弾が、姿を現し、砲口を向けていたBTRの燃料タンク付近に着弾。

 

 

弾頭に詰まった爆薬が点火し爆発、その爆発により、燃料タンクに引火、更に爆発。それが、連鎖し重機関銃の弾薬にも引火。結果、BTR-60は、爆散した。

 

 

「まだまだ、あるからな。使わせてもらおうか・・・」

 

 

M72 LAWを拾った兵士の背中には、まだ、2本入っており、俺は、それを拾い取り、先程と同じ様に収納状態から、展開状態にし他のBTRに狙いを定める。

 

 

「終われ・・・」

 

 

グラっ・・・

 

 

「っ!?・・・っと、危ない危ない・・・」

 

 

俺が、トリガーボタンを押そうとした瞬間、立っていた地面が急激に揺れ始めた。

 

 

「っ!?%&%&’!!」

 

 

俺と同じ様に急激な揺れに足元を取られてしまい転んでしまう敵兵を見た限り、俺の所だけ、揺れているわけではないようだ。

 

 

と言うか、俺以上に慌てている。

 

 

「・・・・網膜投影による状況分析開始」

 

 

この揺れは、一体なんだ?自然現象じゃなさそうだ・・・

 

 

俺は、頭部両側面に付いているバイザーを展開させ、地震の原因を探る。

 

 

---pppppppp---スキャン完了---

 

 

相変わらず、早い分析能力ですこと・・・

 

 

「情報展開」

 

 

敵が未だに続いている地震に体勢を整えられない内に情報を展開させる。

 

 

-------地震の原因:最前線基地の地下が震源地と確認。震度5弱の揺れ。現在も尚、揺れは継続中。震源地である最前線基地では、推定震度8と推測されます。

 

 

「震源地が、最前線基地だと!?隊長達は、無事か!?」

 

 

--------アメリカ陸軍 特殊作戦部隊『レッドクロス』隊員生存不明。仮に生存していたとしても、生存率0.9%

 

 

「っ・・・了解だ、作戦に変更はない。目標であるハルゲルト・ラ・シュナイロの暗殺任務を続行する」

 

 

---bbbbbbb!!---警告警告!!---急速に接近する熱源を確認!!

 

 

「次から次へと・・・!!」

 

 

俺が、任務である目標暗殺を続行しようと行動を起こす前にバイザーから警告音と警告マークであるPL-1マークで大量に表示された。

 

 

---熱源100m先で停止。浮上を開始しました。約5秒後、目視可能レベルに到達します。

 

 

網膜投影による状況分析を聞くと同時に先ほどより、強く揺れ始め、100先の地面が膨れ上がっていく。

 

 

「何なんだよ・・・一体。何が現れるんだ?」

 

 

俺は、肩に担いでいたM72を暴発しない程度に地面に捨て、仕舞っていたムラサマブレードの柄に手を添え、姿を現す何かを睨む。

 

 

5秒が経つと同時に地面から姿を現したのは、金属の装甲で覆われた強大な機械であった。

 

 

「・・・な・・・に?」

 

 

俺は、姿を現した巨大な機械に見覚えがあった。

 

 

2足歩行をし、強靭そうな胴体の右横には、巨大なレドームが搭載され、左横には、長大で砲身が2つに分かれているモノが取り付けられている。

 

 

そう・・・この世界にあるはずのない・・・存在するはずのないヤツの姿に瓜二つである。

 

 

『っはははは!!コイツが、ヤツ等が作り出した戦闘用ヒューマンか!?ヤツ等も等々おかしくなったか!!っはははは!!』

 

 

俺が、その姿に呆然としていると中に載っているのか、外部スピーカーを通してウザい声が聞こえてきた。

 

 

「お前は・・・誰だ!!」

 

 

『あぁん?お前らが探してた男だよ』

 

 

つまり・・・コイツが暗殺目標のハルゲルト・ラ・シュナイロ

 

 

『こんなガキを戦闘用に作るなんてな!?ヤツ等も切羽詰ってきたのか?まぁ良い、俺の部下をこんなにしてくれたんだ・・・狩りは返さねーとな!!』

 

 

ハルゲルトが叫ぶと同時に巨大な機械の脚部の太腿に辺りの装甲が展開しミサイルが飛来してくる。

 

 

「・・・俺は、任務を遂行する」

 

 

俺は、冷静に飛来してくるミサイルをムラサマブレードで一刀両断にする。

 

 

 





最後の巨大な機械について、皆さん分かりますよね(苦笑)


次回でこのリベリアでの戦いも終わりです。


では、次回会いましょう( ´ ▽ ` )ノ バイバイ



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第15弾 呪われし二足歩行型戦車(メタルギアカース)




※このメタルギアカースは、形がREXに非常に似ているが、地中を潜行できる性能を持っている。


では、15話( ^ω^)_凵 どうぞ


 

 

数分前 最前線基地内部

 

 

ハルゲルト専用オフィス

 

 

ブリーチ爆薬を使い、オフィス内を強襲したが、その中には、誰もおらず、もぬけの殻であった。

 

 

「隊長。目標が確認できません」

 

 

「分かっている。コレは、最悪の事態を想定したほうが良いな・・・。この部屋に何か目星になるものが、あるかもしれない。よく探せ」

 

 

この部屋は、ハルゲルトの専用オフィス・・・それならば、アイツが何処かに行ったかが、わかるはずだと思い、分隊員全員に部屋を探らせる。

 

 

「それにしても、奇妙な部屋だな・・・目に通るような資料が置いてあるだけで、コレといって、目星いモノが置いてないなんて・・・」

 

 

部下の言うとおり、このオフィスに置いてあるものは、どれも重要そうに見えない資料ばかりだ。

 

 

それを最高責任者でもあるハルゲルトのオフィスに置いてあるは、奇妙だ・・・

 

 

「隊長!!コレを見てください!!」

 

 

私が部屋を探っていると隊員である一人が、手に資料を持って慌てていた。

 

 

「どうした?少し落ち着け。一体何を見つけたんだ?」

 

 

「そ、それが・・・とにかくこの資料を見てください!!」

 

 

私が慌てている隊員を落ち着かせようとするが、その前に資料を見せられる。

 

 

「落ち着けと言うに・・・全く、それで、なになに・・・・・・っ!?」

 

 

隊員から受け取った資料を見た私は、驚愕する。

 

 

何故なら・・・

 

 

「馬鹿な・・・メタルギア計画(鉄の歯車)だと・・・っ!?本部にこの計画資料データを送れ!!」

 

 

この計画は、極秘裏に進められていたはずだ・・・一体何故アイツが・・・?

 

 

「既に送りました・・・ですが、まさか、ヤツがこの計画を進めているなんて・・・」

 

 

「そうか、仕事が早くて助かる。それならば、早急にヤツを見つけ出さないとな・・・」

 

 

この計画に書いてある二足歩行型戦車は危険過ぎる・・・。計画を建てたアイツ本人から聞かなければ・・・

 

 

「この資料によると、どうやら、第2格納庫に収納されていると記されていますが・・・」

 

 

「あぁ・・・急いで移動を・・・っ!?」グラっ

 

 

分隊員を連れて格納庫に向かおうとした瞬間、基地全体が揺れ始め私を含む分隊員全員が地面に倒れ込んでしまう。

 

 

「一体何だ!?この揺れは!?」

 

 

「分かりません!!ですが、この揺れからして震源地は、この基地だと思います!!」

 

 

「この揺れからして、タダ事じゃないだろうな・・・」

 

 

ミシ・・・ミシ・・・

 

 

「っく。この基地は、対震災設備をしていないようだな!!全員急いでこの基地から脱出するぞ!!」

 

 

『了解!!』

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

現在

 

 

最前線基地 防衛網

 

 

『流石に、そう簡単に終わるわけないか!!』

 

 

一刀両断したミサイルは、そのまま地面に衝突し爆発それにより、立ち上がる粉塵を背中に受け止めながら、二足歩行をしている巨大な機械にムラサマブレードを構え直して向ける。

 

 

「隊長達をどうした?」

 

 

『隊長達ぃ?あぁ・・・赤十字の連中なら、瓦礫の下じゃないのかぁ?』

 

 

瓦礫の下?まさか!!

 

 

俺は、隊長達がいた筈の最前線基地の方向を見ると、先ほどの大きな地震で崩れてしまったのか、半倒壊状態の最前線基地が目に入った。

 

 

「何が・・・」

 

 

----現在、目の前にいる金属機械の出現による地震により、対震災設備をしていなかった最前線基地が倒壊したと思われる。

 

 

「コイツの所為か・・・」

 

 

バイザーからの情報を見た俺は、ゆっくりとムラサマブレードを鞘に仕舞い、居合の斬りの構えをする。

 

 

『へぇ?諦めないのか?』

 

 

ハルゲルトが、そう言い今度は、機械の胴体に取り付けられている2つのガトリングガンが俺に照準を定めた。

 

 

「今更だが、状況分析による目の前の兵器の情報を展開」

 

 

------対象武装:二足歩行型兵器「名称不明」。装備武装:脚部内蔵式三連対戦車誘導弾、脚部太腿装備式アクティブ・デコイ(スモーク&フレア)、胴体下部装備式FEL(自由電子レーザー)砲、胴体前部装備式30mmガトリングガン、右胴体装備式レーダーレドーム、左胴体装備式撃墜弾射出用レールガンを確認しました。

 

 

「装備は、そのままか・・・」

 

 

------機体装甲は、特殊耐熱セラミック複合タングステン装甲を使用。通常火器では、与えるダメージが無く。携行地対空ミサイル『スティンガーミサイル』、もしくは航空機搭載型ロケット弾『ハイドラ70ロケット弾』が有効ですが、現在望ましい武装がありません。

 

 

------ですが、ムラサマブレードを使用した場合の戦闘勝利確率は、98%です。ムラサマブレードの使用を推奨します。

 

 

「元々、そのつもりだ・・・」

 

 

『さてと、準備は完了したかぁ?』

 

 

俺が姿勢を低くし、ムラサマブレードを構えると同時にハルゲルトから声が掛かる。

 

 

「あぁ・・・」

 

 

『ならぁ・・・死になぁ!!』

 

 

ハルゲルトの声が聞こえると同時に照準を定めていた30mmガトリングガンと対戦車誘導弾が俺に向かって発射された。

 

 

「この距離じゃあ、俺の攻撃が当たらないからなぁ・・・攻める!!」

 

 

30mmガトリングガンが毎分3900発もの化物のスピードで発射する30x173mm弾が、俺に着弾する前に俺は、脚部人工筋肉を強化させ、一気に走る。

 

 

亜音速と言う高速で飛来する弾丸が当たらないギリギリの距離で移動している俺の頬を掠めていくが、気にせず前に突っ走る。

 

 

発射された対戦車誘導弾は、熱源感知センサーを搭載している様で車以上の速度で走っている俺に向かって真っ直ぐ飛んでくるが、俺は、無駄に切らず、そのままギリギリまで近づかせ、ぶつかりそうになった瞬間、脚力を使った跳躍し誘導弾を踏み台にし回避する、それに続くかの様に飛来してくる誘導弾も全て踏み台にして回避していく。

 

 

踏み台にしたヤツは、地面に着弾する様に強く踏む事で無力化していく、無力化にすると同時にハルゲルトに接近していく。

 

 

『ははは!!流石だな!!戦闘用に作られただけある!!』

 

 

攻撃を避け無力化していく俺の姿を見たハルゲルトが外部スピーカを使い叫んでくる。

 

 

「・・・コレだけだと思われると、いささか不満しかないな・・・」

 

 

『ははは!!なら!!もっと力を見せてみろ!!』

 

 

俺は、未だに飛来してきている誘導弾を踏み台にしながら、居合い斬りを放つ準備をする。

 

 

「なら・・・見せてやる。お前が馬鹿にしている組織が作り上げた、強化兵士の力の一つをな」

 

 

そう言うと同時に次に飛来してきた誘導弾を最後に俺は一気に脚部人工筋肉に力を入れて開放する事で一気に加速しハルゲルトに接近する。

 

 

『ははは!!この機械はな!?核搭載二足歩行型戦車、どんな地形でも核ミサイルが撃てる兵器なんだよ!!そんな兵器が・・・この呪われた金属の歯車(メタルギアカース)が貴様ごときに破壊されるだと!?それこそ有り得えないな!?』

 

 

呪われた金属の歯車?一体どう言う意味だ?

 

 

「メタルギア・・・」

 

 

『そうだ・・・お前が、いやお前らの上は、このメタルギアの情報が欲しかったのだろぉ?』

 

 

情報?それにオッツォたち上司が、メタルギアについて?

 

 

「だが・・・今の俺には、関係ない」

 

 

そうだ・・・関係ない。今の俺がこの情報を知ったところでどうしようも出来ないんだしな。

 

 

『なにぃ?』

 

 

「それに、貴様を抹殺するのが俺の目標だ・・・」

 

 

目標までの距離・・・あと、8m

 

 

『そうかい・・・なら、死ねぇぇぇぇ!!』

 

 

ハルゲルトは、メタルギアカースの脚部とその巨大で強靭な胴体を使い、俺にタックルしてくる。

 

 

「無意味・・・」

 

 

その行動を予想していた俺は、瞬時に鞘に付いているトリガーを引きムラサマブレードをスパイクさせて高速で射出させ、柄に添えていた状態から一気に握りしめて、振り抜いた。

 

 

高周波で強化され斬れ味が高くなっているムラサマブレードは、スパイクで射出され高速で引き抜いた事で更に切れ味が上がり、バターを切るかの様にメタルギアカースの装甲を、レドームを切り裂いた。

 

 

「流石だぁ!!流石!!戦闘用兵士なだけある!!」

 

 

カースは、レドームを切り落とされた事に一瞬体勢を崩しかけるが、瞬時に機体の体勢を立て直し此方を向くと、コックピットにあたいする場所が開いており、パイロットであるハルゲルトの姿を確認できた。

 

 

俺は、カースのレドームを切り裂いた瞬間、地面に着地してカースのコックピットを見上げる。

 

 

「・・・暗殺目標のハルゲルト・ラ・シュナイロを確認した。コレより任務を執行する」

 

 

「まだまだ、弾はあるんだぁ!!食らいつけぇ!!」

 

 

ハルゲルトが、そう言い先程と同じ様に誘導弾とガトリングガンをバラ撒いて攻撃してくるが、それに紛れる様にFEL(自由電子レーザー)砲によるレーザー攻撃をしてくるが、同じ様な攻撃は、OADを使い回避していく。

 

 

「コックピットだけ・・・いや、パイロットだけを無力化するか」

 

 

俺は、脚部人工筋肉を瞬時に開放し跳躍する。それも今まで以上のパワーを出した事により、弾丸の様なスピードでカースに突っ込む。

 

 

「っ!?はやっ!?」

 

 

まだまだ!!もっと早く!!

 

 

「っぬ!!」パンッ

 

 

俺は、脚部のパワーを使い、常人では、有り得ない速度で空間を蹴り飛ばすことで空中を3次元移動する。

 

 

先ほど聞こえた空気を割る様な音は、空気を蹴った事により発生した音である。

 

 

「っ!?消えただと!?」

 

 

普通のそれこそ、サイボーグ処理もされていない人間が、俺の姿を捉えるのは・・・不可能!!

 

 

「っは!!せいっ!!っふ!!」

 

 

未だにスピードが上がり続けている事で徐々に俺が移動する場所に残像が発生し始めるが、俺は気にせず、スピードを生かして瞬時にカースに近づき、脚部を切断する。

 

 

「っなに!?」

 

 

脚部を細切れに切断された事でカースは、バランスを保てなくなり、崩れた。

 

 

バランスを崩したカースは、そのまま自身の巨体を地面に倒れ込んだ。

 

 

「っぐぁ!!」

 

 

カースが、勢い良く倒れ込んだ事でコックピットに乗っていたハルゲルトが飛ばされ出てきた。

 

 

「・・・・どうした?俺にやられないんじゃなかったのか?」

 

 

俺は、カースから落とされたハルゲルトを見た瞬間、高速移動を中断しハルゲルトの目の前に現れる。

 

 

「っく・・・子供だと思って、侮りすぎていたが・・・それも此処までだっ!!」

 

 

そう言い、肩に掛けておいた、サブマシンガン『M10』の銃口を俺に向けて引き金を引いた。

 

 

「・・・・バカの一つ覚えの様に」

 

 

俺に向かって放たれた9mm弾が、俺に直撃する前に先ほど使った高速移動を使う。

 

 

横にズレてから、先程と同じ様に脚部人工筋肉を使い、ハルゲルトの周りを円回りに動く。

 

 

「っ馬鹿な!?増えただと!?」

 

 

ハルゲルトは俺が、先ほどより、より一層速度が上がった高速移動により、発生し形を保ち始めた残像を見て、どうやら混乱しているようだな・・・

 

 

「・・・どうした?俺を殺してみろ」

 

 

常に場所を移動しているため、俺の発する声が、エコーがかかったかの様に聞こえる。

 

 

「っく・・・」

 

 

どれが、本物の俺か分からないのか、先程まで引き金を引いて弾をばら撒いていたM10の動きが止まる。

 

 

「・・・・動きを止めて良いのか?ふっ!!」

 

 

俺は、右腰の投げナイフを2本引き抜き、ハルゲルトに向かって投擲する。

 

 

狙うのは、1本目は、銃を握る右手の甲、2本目は、脚の太腿部分を狙う。

 

 

「っぐぁ!!腕がぁ!!足がぁ!!」

 

 

投擲したナイフは、狙い通りに右手の甲と太腿に刺さり、ハルゲルトは、手の痛みと足の痛みに耐え切れずに銃を地面に落とすと同時に体勢を崩し前に倒れ込んだ。

 

 

「っくそ・・・!!」

 

 

ハルゲルトの足からは、血が出ており、止血するのでなく、落とした銃を掴もうとしていた。

 

 

それを見た俺は、高速移動を中断し、銃を蹴り飛ばし、更に遠くに飛ばすと同時に袖に隠しているアサシンブレードを展開させてハルゲルトの喉元に当てる。

 

 

「っ・・・流石、アイツ等が作った兵士なだけある・・・人間離れしすぎだな・・・」

 

 

喉元に自分の命を刈り取るものがあるにも関わらず、喋るハルゲルトに俺は、少し感心する。

 

 

「・・・当たり前だ。体を弄られたからな」

 

 

骨は、特殊なチタン合金になり、筋肉は、電力で強化される人工筋肉に変えられ、内蔵も車やバイクなどに轢かれたときもしくは、それ相応の攻撃を食らった時に内蔵が潰れない様に人工的に作られた強化内蔵、脳も元々、データー通りに作られた場所に追加でハイニューロチップを埋め込み報処理能力・演算処理能力・空間認識能力の向上をさせるほぼ機械に近い脳にされ、神経全てが極細ナノ光ファイバーにされ、人間の何倍・・・何十倍もの速度で体を動かすことが可能になり、眼球も高性能一眼フレンズと変わらない性能を持った。

 

 

「身体を弄られたぁ?そりゃあ、アイツ等だからな・・・」

 

 

「・・・体全身の構成を変えてまでの人体実験が・・・か?」

 

 

「体全身?お前まさか・・・」

 

 

少し喋りすぎたか・・・

 

 

「・・・俺は、近い内に彼処から・・・テンプル騎士団の研究所から抜け出す・・・いや、脱走する」

 

 

あんな奴らの『駒』になる気は、毛頭ない・・・

 

 

「・・・脱走ぉ?っは。奴らも失敗したもんだな、自分たちが作り出した兵士が完璧じゃないとはな・・・」

 

 

「・・・確かにな。・・・最後に一つ聞きたい、何故テンプル騎士団に追われている?」

 

 

情報では、アサシン教団の幹部と書いてあったが、それだけで狙われる筈がない・・・

 

 

「・・・俺は、元々テンプル騎士団に所属していた。それも上級騎士の階級をもっていた」

 

 

上級騎士!?オッツォと同じ階級じゃないか!?

 

 

「そんな奴が、何故テンプル騎士団に?」

 

 

「・・・奴らが知られたくない情報を俺が、持っているからさ」

 

 

知られたくない情報?さっき言っていたメタルギアが関係しているのか?

 

 

「・・・メタルギアか?」

 

 

「遠からず正解に近いな・・・。奴らは、アメリカ海兵隊から強奪した超ド級潜水艦をとある場所に隠し研究しているんだよ」

 

 

アメリカ海兵隊から強奪した超ド級潜水艦・・・だと!?まさか!!

 

 

「アーセナル・・・ギア・・・」

 

 

「っ!?何故知っている!?・・・いや、良い。そうだ。お前が言ったアーセナルギア・・・超ド級のメタルギアの隠されている場所を俺は、知っている・・・」

 

 

「・・・そう言う事か・・・テンプル騎士団は、その情報を渡されたく無い為にお前を殺そうと俺を・・・俺たちを送ったわけか」

 

 

何も知らない俺をこの戦場に出させ、重要人物を殺すと言うだけで、アイツ等は、俺のデーターを取ると同時に機密情報が消せるわけだ・・・まさに一石二鳥だな。

 

 

「そうだろうな。さて、話すことは、話した。俺を殺せ」

 

 

俺の質問に答え終えたハルゲルトは、死を待つかのように目を閉じた。

 

 

「・・・・・」

 

 

俺は、アサシンクリードを仕舞い込み、ムラサマブレードを引き抜く。

 

 

アサシンブレードだと、楽に殺せないからな。せめて、一発で終わるムラサマブレードで殺す。

 

 

「・・・最後に何かあるか?」

 

 

俺の質問に答えてくれたハルゲルトの遺言を聞く。

 

 

「俺を殺したら、左内ポケットに入っているデーターをお前の記憶にアップロードしろ。その後、そのデーター本体は、壊して消せ。パスワードは、ERIS。それだけだ」

 

 

データー?まさかな・・・

 

 

「・・・分かった。それじゃあ・・・」

 

 

いや、あとにしよう、今は、苦しまずに逝ける様に考えるとしよう。

 

 

「あぁ・・・」

 

 

俺は、ムラサマブレードを上段の構えをし、狙いを定める、狙うは首。

 

 

「さらば/じゃあな」

 

 

別れの言葉を言うと同時にムラサマブレードを一気に振り下ろした。

 

 

振り下ろされたムラサマブレードによって、ハルゲルトの首は、切断され頭部が転がり落ちると切り落とされた部分から血が噴射して、出てきた。

 

 

首を切り落とした俺は、近くにいたことで、噴射する血を頭から被る事になった。

 

 

「・・・終わったか」

 

 

返り血を頭から被った状態で俺は、先ほどハルゲルトが言っていた左内ポケットを探ると、小さなUSBメモリーが出てきた。

 

 

「情報分析による内部検索」

 

 

バイザーを起動させ、USBメモリーにコードを差し込み中身を確かめる。

 

 

-------データ、アップロード完了。網膜投影しますか?

 

 

「あぁ・・・情報の展開を頼む」

 

 

-------・・・・情報を展開できません。パスワードを入力してください。

 

 

「パスワード入力。ERIS」

 

 

-------パスワード:ERIS・・・プロテクト解除完了。情報を展開します。

 

 

そう言うと同時にバイザーに大量の情報が展開された。

 

 

 






メタルギアソリッド(シャドーモセス事件が2005年)

この事件でメタルギアREXが登場。

メタルギアソリッド2サンズ・オブ・リバティ(タンカー編が2007年)、(プラント編が2009年)

タンカー編でメタルギアRAYが完成した。

プラント編でアーセナルギアが登場

つまり、現在このストーリーの年代は、現在2003年。

時系列が可笑しいと思われるがそこは、ご了承を・・・

では、次回急展開です。( ̄^ ̄)ゞでは、次回会いましょう( ´ ▽ ` )ノ



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第16弾 襲撃



主人公は、未だに緋弾のアリアの世界では無く、アサシンクリードの世界か、アサクリの世界と別の何かの世界が融合した世界だと思っています。


では、16話( ^ω^)_凵 どうぞ


 

 

俺は今、集中精神更生プログラミング設定審問所・・・つまるところ、独房だな。そんな場所で両手両足を拘束されて精神不安定と言う名目で収容されている。

 

 

何故俺が、収容されているかは、それは、ハルゲルト暗殺任務を完遂した俺は、回収班がいる場所に向かったのだが・・・着いたと同時に回収班である兵士全員に銃口を向けられた。

 

 

銃口を向けられた俺は、困惑すると同時に一つの考えが浮かんだ。

 

 

何故、あそこまで大規模な戦闘をしていたのに助力もしないで、連絡もしなかった?

 

 

「リンクス。ハルゲルトより、回収したデータを渡せ」

 

 

まさか、こいつ等・・・

 

 

「そうだ。今回の任務は、確かにお前の戦闘能力などを含めた総合評価を見る目的でもあった。しかし、それは、表の目的。裏は、ハルゲルトが盗んだデータの回収だ」

 

 

「・・・・・・・」

 

 

「何だ?ショックだったか?」

 

 

「・・・いや、ショックではないが、聞きたい事がある、隊長達はそのことを・・・?」

 

 

「いいや、奴らに・・・『レッドクロス』には、この通達はしていない。奴らは、優しすぎるからな、この情報を教えたら、いつどこで貴様に教えるか分からないしな」

 

 

「・・・そうか。最後だ、隊長達は?」

 

 

「あぁ?死んだぞ?耐震設備のない基地の瓦礫に潰されてな。天に召されたぞ?」

 

 

「・・・・・このデータをどうするつもりだ?」

 

 

「貴様には、関係ないな」

 

 

「・・・・貴様らにこのデータを渡すわけには、いかないな」

 

 

俺は、ムラサマブレードを引き抜こうと手を柄に向けようとすると回収兵がポケットから何かのリモコンを取り出した。

 

 

「まぁ、そう言うと思ったからな。強制的に無力化させてもらうぞ?」

 

 

回収兵は、そう言い取り出したリモコンのスイッチを押した。

 

 

「・・・やってみろ」

 

 

俺は、リモコンに疑問が浮かぶが、それと同時に脚部の人工筋肉を強化させて回収兵をムラサマブレードで切り落そうと急接近する。

 

 

「っなに!?がぁっぁぁぁぁ!!」

 

 

俺が、回収兵との距離が3mになった瞬間、急に高圧電流が襲い体勢を崩してしまい、地面に倒れ込んだ。

 

 

「っははは!!俺たちがお前の様な化け物に勝てるわけないからな。あらかじめお前の体に埋め込んでおいた超高圧電流放電装置を起動させてもらった」

 

 

超高圧電流放電装置・・・?だと・・・?

 

 

「お前が、もし命令違反した場合に使う、緊急装置だ。だがまぁ、使い勝手が非常に大変でな。距離が」

 

 

「っく・・・」

 

 

「安心しろ。お前の体にしか放電する仕様だからな。データが壊れることもない。しかし、お前が起きていると色々とめんどくさいのでな。少しの間、寝てもらうぞ」

 

 

回収班が、そう言うとリモコンを弄り、電流の出力を最大まで上げスイッチを押した。

 

 

「がぁぁぁあぁぁ!!」

 

 

流された電流により、気を失わないようにするが、電流を流され続け3分が経過し、徐々に意識が薄れ始め、最終的には、気を失ってしまった。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

現在 集中精神更生プログラミング設定審問所

 

 

まぁ、と言う訳で気付いたら、手足に拘束具を付けられて、身動きができない状態な訳なんだ。

 

 

既に筋肉を強化させて脱出を試みたが、筋肉のコントロールができず、拘束具の破壊が不可能。

 

 

多分、通常状態の筋力で破壊可能と思ったかもしれないが、それも試したのだが、どうやら俺が壊せない素材と強度を持っている様で、どうしようもできない。

 

 

因みにスーツは、気を失っている間に脱がされていたから無い。

 

 

スーツがなく、自身の筋力では破壊不可能と来た、手詰まりだなコレは・・・

 

 

「どうするかな・・・そろそろ、行動を移したいのだが」

 

 

俺が、監視者に聞こえない様に部屋の隅で呟いていると、俺のパンチにもビクともしなかった分厚い特殊合金の扉が空気が抜ける音をたてると同時にスライドし動いた。

 

 

「お前たちは、外で待機していろ」

 

 

扉が開いたと同時に姿を現したのは、テンプル騎士団の中でも高い階級を所有しているオッツォ・ベルグであった。

 

 

「やはり、予想通りであった様だな」

 

 

部屋の隅で座り込んでいた俺を見て、オッツォは、いきなりそう言った。

 

 

「・・・・・予想・・・通り?」

 

 

俺は、オッツォが、いきなり言った事に疑問を持った。

 

 

予想通り?まさか、俺がこうなると言う事を予想していたのか?

 

 

「そうだ。まともに戦場に出たことのないお子ちゃまが、暗殺目標の言葉にそそのこされ、我々に反乱分子と判断されて、この独房の様な場所に入る事を予想していた」

 

 

何故・・・何故、分かっていながら、俺を戦場に?

 

 

「・・・・・」

 

 

「貴様の戦闘レベルの確認と機密情報の回収の為であるが、貴様の戦闘レベルを基準とした戦闘兵士を作り上げるためのデータ回収の為だ」

 

 

「・・・戦闘レベルの基準?」

 

 

「貴様は、プロトタイプにしては、ほぼ完成に近い・・・いや、今回の精神的混乱作用(命令違反)がなければ、貴様は完全兵士(パーフェクトソルジャー)の完全完成体になる予定だった」

 

 

「・・・・・・・」

 

 

「しかし、貴様は、私の予想通り、命令違反をした。それは、つまり失敗作になったと言う事だ。通常であれば、失敗作は、その場で殺処分だが、貴様には、あと1年は生きてもらう」

 

 

「・・・・・・・」

 

 

「私たちの組織で作り上げた兵士の実験をしなければならないからな」

 

 

「・・・・・・・」

 

 

「それだけだ。私はもう行く。さらばだ」

 

 

言いたい事だけ言って部屋から出て行くオッツォの背中を見て、逃げ出すチャンスだと思ったが、監視されている俺が、妙な動きをした瞬間、例の装置で俺を動けなくするだろうと考えて、目を閉じて次の策を考える。

 

 

「何か・・・何かいい策は・・・」

 

 

目を閉じて策を考えていると、任務での疲れと一時の休息を得た俺は気を許してしまい、襲ってきた眠気に勝てず、眠りについてしまった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

集中精神更生プログラミング設定審問所 患者監視所

 

 

そこには、部屋一面にテレビが置かれており、そのテレビに映る映像には、一人の子供・・・リンクスの姿があり、その子供を監視する者が3人いた。

 

 

「ありゃあ、寝たな・・・」

 

 

監視者の一人である男が、コーヒーを片手に呟く。

 

 

「あぁ。寝たな。ベルグ氏に会ったすぐ後に眠るなんてな、肝が大きいと言った方が良いのか、ただの馬鹿か・・・」

 

 

その隣で設置されている椅子に座りながら、サンドイッチを喰う2人目の監視者。

 

 

「・・・・それにしても、大人しいな。最初方で扉を殴ったり、拘束具を壊そうとした事ぐらいしか目を向ける所がないな」

 

 

3人目の監視者である金髪の男性は、部屋の隅で座り眠りについている子供、リンクスを見て不思議に思う。

 

 

「そうか?まぁ、アイツは、ああ見えて頭脳も身体能力も俺たち人間より断然に高いからな。諦めたんじゃないか?」

 

 

金髪の男性の呟きに答えるコーヒーをすすり飲む監視者。

 

 

「・・・・それなら、『俺たち』も行動に移せるな・・・」

 

 

本当にそうであって、欲しいと思いながら、呟く。

 

 

「はぁ?どう言う・・・」

 

 

事だ、っと言うはずだった監視者の声は、続かなかった。

 

 

何故なら、その監視者の首から獲物の血で緋色に輝く刃が貫通していたからだ。

 

 

「っ!?おまっ・・・っがは!!」

 

 

サンドイッチを食べていた監視者も驚きを隠せていないが、直ぐに気を取り直して腰のポーチにある銃「USPハンドガン」を引き抜こうと動くが、それより早く金髪の男性が左手に握っていた銃「Px4ハンドガン」が先に火を噴き、発射された45ACP弾が監視者の額に風穴を開けた。

 

 

幸いなことにPx4には、サイレンサーが装着されており、発射音は、極小に抑えられた。

 

 

2人の監視者を殺した金髪の男性は、直ぐに着ていた服装を脱ぎ捨てて、白を強調したパーカーを着込み、耳に装着していた通信機で目的の人に連絡し始めた。

 

 

「作戦を開始してください、導師」

 

 

『了解だ。クリストファーは、そのまま作戦通り行動しろ』

 

 

「了解です。導師、彼はどうしますか?」

 

 

『・・・・拘束具を解除させて、好きにさせろ。ヤツの動きで此方の動きが容易になるからな』

 

 

「了解です。では、安全と平和を・・・導師」

 

 

『うむ・・・安全と平和を兄弟』

 

 

アサシンの合言葉に近い言葉を言い通信機を一時的に切った金髪の男性、クリストファー・ペンジャミンは、監視カメラに写っている子供、リンクスに目を向けると先ほど殺害した監視者のポケットから取り出したリモコンのスイッチを押す。

 

 

すると先程までリンクスの攻撃にもビクともしなかった拘束具が外れ、音を立てながら地面に落ちた。

 

 

「お前が、どう動くかによって、俺たちの運命も変わる・・・願わくわ、味方として動いて欲しいな」

 

 

クリストファーは、あまりリンクスの事をよく思っておらず、このまま拘束させておく方が良いのでは、と思うのだが、最高司令官でもある導師からの命令でもあるため、クリストファーは、リンクスの拘束具を外すと同時に独房のロックも解除した。

 

 

「それではな、山猫・・・いや繋がる者(リンクス)

 

 

やることもやったクリストファーは、パーカーに付いていたフードを目元が隠れるまで被り、監視室から姿を消した。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

集中精神更生プログラミング設定審問所

 

 

「・・・う・・・ん?」

 

 

部屋の隅で脱出の方法を考えようと考えていたら、寝てしまった様だ。

 

 

「気を付けないとな・・・ん?」

 

 

俺は、自分の失態に右手で自分の額を抑える動作をすると異変に気付いた。

 

 

「・・・拘束具が外れている?それに扉が開いている?」

 

 

両手両足の拘束具が地面に転がり落ちており、自身のパンチですら無傷だった独房の扉が開いていた事に不思議に思い、俺は立ち上がり周囲を警戒しながら部屋の外を覗く。

 

 

「・・・誰も・・・いない?」

 

 

俺の今の姿は、防御力ゼロで機動力が高い医療服である為、もし敵に攻撃を受けたら、簡単に無力化されてしまうからな。

 

 

行動を慎重にして進む事を心がけないとな。

 

 

「・・・この服では、心許無いからな。武器庫で装備を整えた方が良いな」

 

 

俺は、音をたてない様に銃火器を置いてある武器庫に移動を開始する。

 

 

ドゴォォォォォーン!!

 

 

「っ何だ!?」

 

 

音をたてずに移動をしていると通路全体が揺れると同時に爆発音が響き渡った。

 

 

いきなり、起こった揺れと爆発音に何とか耐えるが、ビックリして声を出してしまう。

 

 

幸い周りにコレといった敵兵がいなかった事から、リンクスの声に反応する者は、いなかった。

 

 

「っ・・・何が起きてるか、分からないが、此処から脱出した方が良いな」

 

 

音をたてない様にしていたリンクスであったが、先ほどの揺れと爆発音を聞いた事でタダ事では無いと考え、走り始める。

 

 

「此処でのニンジャランは、少し危険だからな。使用しない様にしないとな」

 

 

最大出力で走るニンジャランは、時速約120km/hを叩き出すのだが、コレは脚部の電力と人工筋肉の出力を最大限に出さないと出来ない事と、もし出したとしても電力を最大まで再充電するには、72時間掛かる事と人工筋肉が分裂して故障する可能性が非常に高く、使用できない。

 

 

実際に訓練中に最大で走ったら、脚部が故障寸前になった。ドクター・ヘレナに止められなかったら、完璧に故障していた。

 

 

ニンジャランを加減して走ったとしても、約60km/hまでにしか速度を落とせない為、使用に適していない。

 

 

「爆発音が近かったな・・・少し急いで此処から離れないとな、嫌な予感がする」

 

 

通常の人工筋肉を使用していない状態での走りでさえ、金メダルのマラソン選手も真っ青になる速度で走っていると先程まで聞こえていなかった銃撃音が聞こえてくる。

 

 

「・・・銃声?」

 

 

俺は、近づくにつれて徐々に大きくなっていく、銃声を聞き速度を緩めると丁度、T字路に出るとテンプル騎士団の戦闘警備兵と白を強調した服を着てフードを目元まで被り、ボディアーマーを着込んだ2つの勢力が激しく戦闘をしていた。

 

 

「・・・白い服にフード?まさか、アサシン?」

 

 

俺が、壁に背を付けて覗き込む様に見ているとアサシンらしき人物たちの後ろから、仲間であろう人物が現れ、肩に担いだRPG-7を戦闘警備兵が隠れているバリケードに向けて発射した。

 

 

「っくそ!!」

 

 

発射された弾頭の進行ルートは、俺の覗いている壁の近く・・・つまり、このまま覗いていたら、爆発に巻き込まれる。

 

 

その考えが、頭に横切った瞬間、反対側の通路に向けて一気に走り込む。

 

 

反対側の通路に入るが、そのまま止まらず、走り続ける。

 

 

反対側に入ると同時に発射された弾頭がバリケードに直撃・・・弾頭に詰まった炸薬が爆発し戦闘警備兵を複数人巻き込んで爆発した。

 

 

「っがは!?」

 

 

その爆発が、通路全体に伝わり、通路を走り抜けたリンクスの背中にぶつかり、リンクスを吹き飛ばした。

 

 

「っぐ・・・!!」

 

 

吹き飛ばされたリンクスは、そのまま一直線の通路を飛んでいき突き当たりの壁に衝突した。

 

 

「・・・っくそ。こんな狭い場所でRPGを放つなんて・・・な」

 

 

直ぐに立ち上がり、周りを見渡すと同時にバイザーに投影されているマッピングを今いる場所と照らし合わせる。

 

 

「このまま、通路を真っ直ぐ行けば、ショートカットには、なったな・・・」

 

 

マップには、60m先に目標の武器庫があると表示されていた。

 

 

「さてと・・・あの謎の組織とテンプル騎士団に見つかりたくないからな。急ぐか・・・」

 

 

ニンジャランで走っていると10秒も経たずに武器庫に着いた。

 

 

「此処か・・・」

 

 

対戦車ミサイルにも耐えられる厚さ40cmの自動扉が、俺の目の前にあった。

 

 

「コイツは・・・流石に素手では、無理だな・・・」

 

 

俺は、素手で開ける事を直ぐに諦めて、扉の横にある壁に埋め込まれたパネルを弄る。

 

 

「パスワードと専用のレベルカードが必要・・・か」

 

 

パスワードも専用カードも今の俺は、所有していないしな・・・

 

 

「なら・・・賭けに出る・・・か!!」

 

 

人工筋肉で強化した右腕をパネルに殴り突っ込んだ。

 

 

「配線は・・・コレか」

 

 

パネルに突っ込んだ腕で扉に通っている配線を探り当て、掴み取り勢い良く外に引き抜く。

 

 

電流が通っており、ちぎれた場所からバチバチと放電しており、エラーが起こったのか分厚い扉が動くが、10cmくらいで止まった。

 

 

「さて・・・身作りするか」

 

 

扉を無理矢理、手でこじ開けて全開にさせ、武器庫の中を覗く。

 

 

「・・・流石は、テンプル騎士団・・・表に堂々といられる組織なだけあるな・・・」

 

 

武器庫には、ハンドガンからロケットランチャー・・・はたまた、アンチマテリアルライフルまで置いてあった。

 

 

「・・・バレッタにジャベリン。最新鋭装備が多いな・・・ん?この反応は・・・」

 

 

部屋に置いてある武器を見ながら、奥に進んでいるとバイザーに反応が現れる。

 

 

「・・・ははは。まさか、こんな所に保管してるなんてな」

 

 

反応があった場所に向かうと鉄網と耐弾強化ガラスによって厳重に保管された俺のスーツである特殊作戦用義体スーツがあった。

 

 

「・・・ムラサマブレードがない・・・な。この近くにあるか?オーグメントモード起動」

 

 

バイザーを使い、オーグメントモードでムラサマブレードを探す。

 

 

「・・・反応は・・・スーツの下から?」

 

 

反応の間違いと思ったが、何回行っても同じ結果の為、スーツの下に置いてあるのだろうか。

 

 

「・・・人工筋肉、出力40%・・・開け口は、見つけた」

 

 

厳重に守られているスーツの扉を閉めている鍵に向き、手を延ばし腕を後ろに引く。

 

 

「・・・貫天手!!」

 

 

一気に鍵に向けて撃ち抜く・・・すると、いとも簡単に電子錠を貫通した。

 

 

突き破ると鋭く切れ味の高い鉄網が、腕の人工皮膚を切り裂き、腕に通っていた血が流れ出る。

 

 

「損傷レベル確認・・・可動に問題なし・・・止血は、特に必要なし」

 

 

腕の損傷を確認し、スーツを固定している装置に近づき、スーツに背中を預ける様にする。

 

 

すると展開状態だったスーツの背中に内蔵されている脊髄接続ユニットに接続すると同時に展開状態のスーツが全て閉じ、俺の体を覆った。

 

 

「・・・特殊作戦用義体スーツ、稼働範囲に問題なし・・・神経接続・・・問題なし。人工筋肉出力・・・問題なし。各自問題なし」

 

 

スーツに問題が無いか確かめると下からムラサマブレードが鞘に収まった状態で現れた。

 

 

「そう言う事か・・・道理で反応が下から現れる訳だ」

 

 

現れたムラサマブレードを持ち、腰の定位置に装着させると、付け合せの様にムラサマブレード用予備特殊弾倉が、目の前に6個現れた。

 

 

30発入りが6個か・・・特殊弾は全部で180発分か・・・いや今、鞘に入っている弾倉を含めたら・・・210発分だな・・・

 

 

「そうそう、使う事がないだろうが・・・コレだけあれば、十分だな」

 

 

予備弾倉をポーチに入れて出る。

 

 

「・・・丁度良い、此処にある。兵装を少し貰っていくか・・・」

 

 

手榴弾系統は、フラグ・スタン・スモーク・焼夷・EMPの各種類を2個ずつポーチに入れ、小型プラスチック爆弾、つまりC4爆薬を2個もポーチに入れる。

 

 

「・・・コレは?」

 

 

ある程度、持てる分だけ持った俺は、外に出ようとするが、丁度入口付近に立て掛けられていたハンドガンに目が移った。

 

 

「いや、後にしよう・・・」

 

 

目に入ったハンドガンを手に取り、近くにあった専用のハンドガンポーチを直ぐに右太ももに取り付け、そのポーチに差し込み、外に出る。

 

 

「・・・後は、逃げるだけだな。オーグメントモード、最短ルートでの脱出口を検索」

 

 

俺は、バイザーからの情報を更新させると、数秒も経たずに蒼色の実線ルートが足元に表示されると同時に黄色の二重丸が表示されていた。

 

 

「・・・目的の出口まで784mか、長いがやるしかないか・・・」

 

 

武器庫から退出した俺は、そのまま敵に見つからない様に走る。

 

 

 

 






次回、あの人外名探偵さんと出会います。


では( ̄^ ̄)ゞ次回会いましょう( ´ ▽ ` )ノ



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第17弾 脱出そして邂逅



17話( ^ω^)_凵 どうぞ


 

 

武器庫から200m離れた通路。

 

 

「ここら辺は、兵士が多い区画だった気がするからな・・・ステルスを基本で行くか」

 

 

この周辺は、武器庫を管理している兵士と緊急配備兵士がいるのだが、現在、侵入者による厳重警備により、周囲警戒していると俺は、予測しステルス行動にでる。

 

 

『各員、状況を報告せよ』

 

 

「っ!?」

 

 

ステルス行動をしていると、丁度、曲がり角である通路から、通信機からの音声が聞こえ、急いで壁に張り付き敵の会話に聞き耳をたてる。

 

 

「此方、武器庫周辺、異常なし」

 

 

『了解した。そのまま、定時連絡を頼む』

 

 

「了解・・・。はぁ、なんでこんな問題が起きるかね?」

 

 

定時連絡をしていた兵士が、通信機の兵士に愚痴をこぼしていた。

 

 

『言うな。こっちだって、今慌ただしい状態なんだ。まさか、アサシンがこの研究所を攻めてくるなんて、思っていなかったからな』

 

 

アサシン?じゃあ、あのフードを被った奴らが、アサシンで合っていたのか・・・

 

 

「なんで、あのテロリスト共は、俺たちの組織ばっかり狙うんだ?」

 

 

そりゃあ・・・お前らが所属している組織がな・・・

 

 

『さぁな。上の連中は、俺たち下っ端には何も教えてくれないからな』

 

 

「はぁ・・・このまま、何も無ければ、いいがな」

 

 

俺もそう願いたいから、その場所から早く退いて欲しいものだが・・・

 

 

『そうだな。それじゃあ、定時連絡まで通信機を切るぞ』

 

 

話が、やっと終わるか・・・

 

 

「あいよ。またな」

 

 

『あぁ』

 

 

兵士が通信を切ると銃を持ち直し、周辺を警戒し始めると曲がり角を左に曲がった。

 

 

「・・・・・・」

 

 

それを視認した俺は、スニーキング技術を応用し気配の同化と忍び足で敵に気づかれない様に通過する。

 

 

「っくぁあ~」

 

 

通り過ぎると同時に壁に張り付き、バイザーのオーグメントモードを起動させて、曲がり角の敵を見ると先程通信していた兵士が欠伸をしてボーっとしていた。

 

 

「・・・・(ちゃんと警備しろよ・・・)」

 

 

それをオーグメントモードで確認した俺は、内心でそう思いながら、チャンスでもあったことで、そのまま通路を進んでいく。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

オーグメントモードでの表示されたルートを警戒して走る事、約10分

 

 

アブスターゴ・インダストリー研究所

 

 

漸く、出口が見えた。その距離、約100m

 

 

このまま、突っ走れば、問題無く外に出れるのだが・・・

 

 

「そう簡単には、行かないか・・・」

 

 

出口の前には、多分テンプル騎士団の警備員が設置したと思われる設置型セントリーガンが6台配置されていた。

 

 

その為、セントリーガンの射線に入らない出口付近の高台に飛び乗り、他の奴に見つからない様に姿勢を低くして、どうするか検討中だ。

 

 

「状況分析、セントリーガンの情報を」

 

 

‐‐‐‐‐‐‐完了。提示します。

 

 

提示された情報には、使用弾薬・センサー反応距離・発射速度・弱点が記されていた。

 

 

「弾は、5.56x45mm NATO弾を使用・・・センサー反応距離は、750m・・・発射速度は、700発/分・・・性能が高いな」

 

 

しかし、弱点が、銃口上部にあるセンサーと後部にあるバッテリーか・・・

 

 

「真っ向勝負しても良いのだが・・・銃声でバレるだろうしな・・・」

 

 

この場合、どうしたものか・・・出口は、すぐ目の前にあると言うのに・・・ん?

 

 

「出口が直ぐ?・・・・俺とした事が、隠密である事を考え過ぎていたな」

 

 

出口が直ぐと言う事は、真っ向勝負しなくても、そのまま強行突破してセントリーガンを無視していけば良い。

 

 

隠れてバレない様に移動する事ばかり考え過ぎて、元々の目標を忘れる所だった。

 

 

「・・・・この傍に敵の反応は?」

 

 

‐‐‐‐‐‐‐現在確認できません。

 

 

「・・・・なら、今の内だな」

 

 

その言葉を聞いた瞬間、俺は高台から飛び降りた。

 

 

『っ!?』

 

 

地面に着地すると同時にセントリーガンのセンサー内に入った俺に向かって銃口が向き・・・・

 

 

「無警告発砲か・・・だが・・・」

 

 

警告も無しに発砲してきた6台のセントリーガンの弾幕が俺の命を刈り取ろうと迫ってくるが、全て弾いていく。

 

 

「・・・無意味」

 

 

俺は、いつもの人工筋肉を使ったダッシュをすると同時にムラサマブレードで弾を弾き飛ばしながら、セントリーガンとの距離を詰めていく。

 

 

「・・・じゃあな」

 

 

セントリーガンとの距離が、20mを切った瞬間、地面を強く踏み込み、射線に入らない宙に飛ぶと同時に瞬間的に『斬撃モード』を発動させて、俺の真下にいるセントリーガンを✕字に切り裂くと『置き土産』を置いて、そのまま出口に向けてニンジャランで走る。

 

 

出口であるシャッターが締まりきったガラス窓に向かい、距離が10mを切った瞬間、先程と同じ様に『斬撃モード』を瞬間的に発動し、シャッターが締まった窓ごと、切り裂き、タックルの領域で肩からぶち当たり、外に出ると同時に先程、セントリーガンの近くに『置き土産』として置いてきたプラスチック爆薬『C4』の起爆スイッチを押し込む。

 

 

爆発に巻き込まれないように全力で目の前に広がる森をフリーランとニンジャランを使い走り抜けていくと起爆スイッチを押されたC4が起爆し、後ろからけたたましい音が聞こえる。多分、アレでセントリーガン全滅であるだろうな・・・

 

 

「・・・・・・状況確認。現在位置は」

 

 

あの研究所の地下では、衛生情報も繋がらないため、研究所のある場所が分からない。その為、まず此処がどの国なのかを探る。

 

 

‐‐------完了。現在位置は、イギリス・マインヘッドの山奥です。

 

 

「イギリス?それにマインヘッド・・・確か海に近かったか・・・」

 

 

地理に関しては、英才教育により覚えている。

 

 

「・・・まぁ良い・・・先ずは、此処から逃げないとな・・・俺の今の格好を見たら、完全に不審者だしな。人目にかからない場所に行かないとな」

 

 

そんな事を呟きながら、大きな倒木を飛び越えたり、くぐり抜けたり、スライディングして通り抜けたりして、スピードを落とさず、突き進んでいく。

 

 

「・・・・此処まで、来れば大丈夫か?」

 

 

レーダーを見ると、研究所との距離、2.3kmと表示されていた。

 

 

それを見た俺は、ニンジャランをやめて山を歩き回る。ゆっくりと歩いている俺のいる場所である、イギリスのマインヘッドとは、田舎に値する場所であり、森に生えている木々の葉が、太陽の光で照らし出され、周りからは、鳥たちの鳴き声や風に揺れる草たちの音が聞こえ幻想的な空間を目を閉じて味わう。

 

 

「・・・・さて、この後、どうするか・・・」

 

 

閉じていた目を開けて、周りを見渡す。

 

 

周りは森、森、森、人、森、森、森。

 

 

俺のいるこの国、イギリスは、日本と同じ海に囲まれた島国であるため、国から出ることができない・・・どうしたものか・・・

 

 

「・・・って、人?」

 

 

後ろを見るとハット帽子を深く被り、目元を隠し顔が伺えなく、茶色のコートを着込んだ男性がいた。

 

 

「初めまして、と言った方が言いかね?リンクス君」

 

 

っ!?俺の名前を知っている!?

 

 

「・・・誰だ?」

 

 

スーツに取り付けられているアサシンブレードを出し威嚇する。

 

 

「コレは、失礼したね。僕の名前は・・・」

 

 

俺が、アサシンブレードで警戒していると、男性は、被っていたハット帽子を手に持ち素顔を見せた。

 

 

「っな・・・アンタは・・・」

 

 

20歳後半にしか見えない男性の顔・・・それは、生前読んでいた小説の登場人物とそっくりであり、その人物の名は・・・

 

 

「シャーロック・ホームズ。改めて初めまして、リンクス君」

 

 

『緋弾のアリア』で登場する人外名探偵こと、シャーロック・ホームズ本人であった・・・

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「・・・何故、アンタが此処にいる」

 

 

素顔を見てしまった所為で余計警戒してしまうな・・・

 

 

しかし、シャーロック・ホームズがいるってことは・・・まさか、『緋弾のアリア』の世界と『アサシンクリード』の世界の融合か?

 

 

「どうやら、僕の事を知っている様だね。無駄にあの研究所に閉じ込められていなかった訳だね」

 

 

「・・・アンタが来た理由は、その未来予知と言って良いレベルにまで研ぎ澄まされた優れた推理力『条理予知(コグニス)』に導かれてか?」

 

 

シャーロックの言葉を流し、聞き入れる。

 

 

「ふむ。確かに僕が此処に来たのは『条理予知(コグニス)』が面白い未来を見せたからかね?」

 

 

「・・・俺を殺すのか?」

 

 

シャーロックは『緋弾の継承』を行うために、邪魔者は消す可能性があるからな・・・

 

 

「ふむ。確かに場合によっては・・・ね?」

 

 

アサシンブレードを仕舞い、ムラサマブレードに手を添える。

 

 

「っと言いたいんだけどね。どうやら、君は僕が思っていた以上に不思議な存在の様だね」

 

 

一向に戦闘体勢を取らないシャーロックに不思議に思っていると、唐突に言われた事に呆気を取ってしまった。

 

 

「・・・何?」

 

 

俺が、不思議な存在?まさか・・・転生者であると?

 

 

「読めないんだよ。君がこの先、何をもたらすのかがね」

 

 

「・・・・アンタの『条理予知(コグニス)』でもか?」

 

 

まさか、シャーロックの条理予知でさえ、俺の未来が読めない?

 

 

「だからかな。君を消したとして、未来にどんな影響を与えるのかが分からない」

 

 

喜ぶべきか悲しむべきか・・・いや、素直に喜ぶしかないな・・・

 

 

「・・・つまり、そう簡単に殺せないと?」

 

 

だが、油断はできないが、今すぐに殺そうとは、思っていないようだな・・・

 

 

「そうだね。それに僕としても君を消したくないしね」

 

 

何?消したくない・・・だと?

 

 

「僕は、君がこの先、何をもたらすのか気になるんだよ。僕の探究心が揺すぶられてね」

 

 

「・・・そうか。なら、今ことを起こす気はないんだな?」

 

 

「戦いたいのかい?」

 

 

「・・・いや、そのつもりはない。アンタにその意思がないなら、それに越した事はないからなら」

 

 

俺は、ムラサマブレードに添えていた手を引っ込めて、戦闘態勢を解除する。

 

 

「・・・それで、俺をどうする気だ?」

 

 

「君で良ければ、イ・ウーに来ないかい?これでも僕は、イ・ウーを纏めている人でね?組織皆からは『教授(プロフェシオン)』と呼ばれているんだ」

 

 

「イ・ウーに?あの超犯罪組織にか?何故だ?」

 

 

「君が未来に何をもたらすのかを間近で見てみたいのだよ」

 

 

「・・・そして、危険だと思ったら、排除できる様にか?」

 

 

「さぁ?どうだろうね?だけど、君はこの提案を受け入れるしかないと思うんだけど、どうかな?」

 

 

確かに、この国から出たとして、そうそう長くは、もたないだろうな・・・・

 

 

しかし、思い通りに動くのは、何か癪に触るからな・・・

 

 

「・・・良いだろう。俺は、アンタの組織『イ・ウー』に入ろう。しかし、条件がある」

 

 

「何かね?可能な限りなら、条件を飲めるよ?」

 

 

「1つは、単独自由行動の権限だ。2つは、俺を命令できるのがアンタしかないこと。3つは、活動拠点が欲しい」

 

 

「ふむ。3つ目の活動拠点は、少し時間がかかるかもしれないね」

 

 

「・・・いや、活動拠点には、俺本人に目星がある。そこに行ける様に手配をしてもらえれば、構わない」

 

 

「そうかい?なら、交渉成立だね。ようこそ、イ・ウーへ。リンクス君」

 

 

俺は、テンプル騎士団の研究所から脱出したこの日、イ・ウーに所属した。

 

 

 






と言う感じで主人公は、イ・ウーに行きました。


次回、イ・ウー本拠地に赴きます。


( ̄^ ̄)ゞまた次回会いましょう( ´ ▽ ` )ノ



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第18弾 悪の巣窟


所々の年代表記が可笑しいかもしれませんが、ご了承ください。


では、( ^ω^)_凵 どうぞ


 

 

原子力潜水艦:伊・U・船内

 

 

俺は、現在、イ・ウー元No.2であった女性。砂礫の魔女と世間から呼ばれている女性と戦っている。

 

 

「・・・流石にジリ貧だな」

 

 

「妾の呪いを受けて、未だに生きているとは、驚きじゃ」

 

 

「呪いか・・・そう言った類は、効かない体質でな」

 

 

何故、俺が、この女性、クレオ・パトラと戦っているのか・・・

 

 

それは、数十分前に遡る・・・

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

イギリス・マインヘッド

 

 

「・・・それで、どうやって潜水艦に行くんだ?」

 

 

交渉成立した俺とシャーロックは未だにマインヘッドの山奥の森にいた。

 

 

「安心するといい。プリストル海峡に駐留させているからね。街への行き方は、山道に止めている車で行くよ」

 

 

「・・・車?この先の道を無事に降りれるのか?」

 

 

この山道は、車が通れる程の道じゃないと思うのだが・・・

 

 

「大丈夫だよ。少し揺れると思うけどね」

 

 

そうか?なら、良いのだが・・・

 

 

「それなら、車のある場所に・・・ん?」

 

 

ブォォォオン・・・

 

 

俺が、シャーロックが車を停めている所に行こうと足を進めると同時に研究所方面からエンジン音が聞こえてきた事にその足を止めてしまう。

 

 

「どうやら、そうも言ってられないようだね?」

 

 

聞こえてきたエンジン音が、どんどん近くなって来ている事に俺は、先程入手したハンドガンを構える。

 

 

「変わった。銃だね?大分カスタマイズを施されている様だけど」

 

 

シャーロックは、俺の構えたハンドガンを見て不思議そうに、そして気になる様に聞いてきた。

 

 

「・・・あぁ。研究所から、拝借したハンドガンだ。名前は・・・『皇帝殺し(キラーエンペラー)』らしい」

 

 

「皇帝殺しとは、物騒だね・・・」

 

 

このハンドガンの形は、最早ハンドガンの分類に入らない・・・分類で言ったら、ハンドキャノンと呼ばれる様な大口径ハンドガン(簡単なのはデザートイーグルの様な大型)に入る。

 

 

この銃のバレルは、強固なロングバレルになっており、頑丈かつ確実な動作性を確保している。全体の重量を保たせる為、大型スタビライザー内蔵のストライクフロントキットが付いており、銃全体のバランス性と近距離による対処が可能になっている。スライド部分は、カスタムスライドを使い重量スライドで発砲した時の反動を抑える。トリガーには、カスタムトリガー2ホールロングにする事で操作性と連射速度を上げた。ハンマーには、ステンレス製スケルトン・ハンマーになってり、トリガーと合わさる事で連射速度・操作性をともに上げる。サイトには、ナイトサイトを使われており、夜間での命中率を上げる。

 

 

使用弾薬は、500S&Wマグナム弾を使っている。装弾数は、8発と少ない。

 

 

しかし、それは、しょうが無いことであり、このハンドガンは威力と性能しか求めていないものであり、人が使う事を考慮していない為、この様な仕様になってしまっている。

 

 

「さて、話しているのも、これくらいだね。お客さんが来たよ?」

 

 

ブォォォォオン!!

 

 

シャーロックは、再びハット帽子を被った。俺は自身のハンドガンについて説明していると近づいて来ていたエンジン音の正体が露わになった。

 

 

姿を現したのは、現行配備されている軍用バイク、カワサキ・M1030M1/B1に乗った武装兵士が4台現れた。

 

 

「リンクス。研究所に戻れ。貴様に外出の許可を出した覚えは無いぞ」

 

 

バイクに乗っていった兵士が、そう言いながら、俺とシャーロックに手に持っていたサブマシンガンを向けて警告してきた。

 

 

「・・・との事だ。どうする?」

 

 

「そうだね。君は、もうイ・ウーのメンバーだからね。今、連れて帰られると困るからね・・・ん~」

 

 

銃を向けられているにも平然としている俺とシャーロックは、軽い言葉を交わしていた。

 

 

「・・・俺も研究所に戻るのは、嫌だからな・・・」

 

 

「貴様に決定権はない。従わないのならば、無理矢理連れて行くだけだ」

 

 

バイクに股がっている兵士がそう言い、俺を無力化したあの忌々しいスイッチを取り出した。

 

 

「・・・またか」

 

 

兵士が取り出したスイッチを見た俺は、嫌気がさした。

 

 

「貴様が言う事を聞かなくても、コレを使えば、言う事を聞くことになる」

 

 

兵士は、そう言いスイッチを押した。

 

 

「っ・・・・っぐ!!」

 

 

全身に超高圧電流が流れ始め、激痛が走り始める。

 

 

「ぬぅ・・・ぐぅ!!」

 

 

しかし、何故だが、最初に喰らった時より、痛みが断然に少なかった。

 

 

「・・・っ・・・その忌々しい装置を止めろ・・・」

 

 

俺は、最初の時より少ない痛みに耐えながら、握り締めていたハンドガン『皇帝殺し(キラーエンペラー)』をスイッチを持っている兵士に向ける。

 

 

「っ!?何故だ!!何故効いていない!?」

 

 

その事に驚きを隠せない兵士は、スイッチを押したまま、手に握っていたサブマシンガン『H&K MP‐7』を向けてきた。

 

 

「・・・・黙れ」

 

 

俺は、スイッチを握っている腕に目掛けて『皇帝殺し(キラーエンペラー)』の引き金を引いた。

 

 

乾いた様な発砲音では無く、爆音に近い音が響いた。(パンッ!!✕ガゥン!!○)

 

 

皇帝殺し(キラーエンペラー)』の銃口から爆音が鳴り響いた瞬間、兵士のスイッチを握り締めていた手が消し飛んだ。

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

銃を撃った俺本人、その現象に驚きを隠しきれない。

 

 

「っえ?・・・うぅぁぁぁぁあ!!腕が!?俺の腕が!?」

 

 

スイッチを握りしめていた兵士が、消し飛んだ腕の場所を押さえて泣き叫ぶ。

 

 

「・・・君、中々、エグい事をするね」

 

 

「・・・いや、流石の俺も驚いている」

 

 

消し飛んだ腕を見て、冷や汗を掻く2人。

 

 

皇帝殺し(キラーエンペラー)』に使用されている弾丸・・・500S&Wマグナム弾は、44マグナム弾の3倍の威力、454カスール弾の34%増と言う強力過ぎるパワーを持っている。

 

 

それを人体にぶち当てたら・・・まぁ・・・ね?

 

 

「・・・まぁ、さっさと終わらせるとするか」

 

 

シャーロックは手を出さなさそうだからな・・・、俺一人で対処するか・・・

 

 

スイッチが消えた事で超高圧電流が収まり立ち上がる。それと同時に周りにいた兵士を睨む。

 

 

「っ・・・殺れ!!オッツォ氏から連れ戻せないなら、殺しても構わないと言われている!!」

 

 

スイッチを握っていた兵士が消し飛んだ腕を抑え、忌々しそうな声で他の敵兵に呼びかけた。

 

 

「・・・一応、聞くが手伝ってくれるのか?」

 

 

「いやいや、コレは君の問題だからね。僕は手を出さないよ」ニコニコ

 

 

いや、予想はしていたが、こうまでニコニコした顔を見たら、苛立ちが込み上げてくるな・・・

 

 

「・・・分かった。なら、先に車の所に行っていてくれ」

 

 

「そうかい?なら、待っているよ」

 

 

いつの間にか敵の包囲網を抜けていたシャーロックは、車が置いてある場所に向かって歩いていた。

 

 

「・・・・・・さて、俺とアンタ等だけになったな」

 

 

俺は、左手でムラサマブレードを鞘から引き抜き、逆手持ちにしながら、後ろで構え『皇帝殺し(キラーエンペラー)』を腕を無くした兵士に向ける。

 

 

「殺れ!!」

 

 

腕を無くした兵士の怒声に近い声で言うとバイクに乗っていた兵士たちが、バイクから降りて、手に持っていたサブマシンガン『MP-7』の引き金を引き、発砲してきた。

 

 

「・・・遅い」

 

 

左右から飛来してくる数十発の4.6x30mm弾をバク宙で回避すると同時に空中で逆さま状態で『皇帝殺し(キラーエンペラー)』の引き金を引き、500S&Wマグナム弾を2発、右側にいる2人の兵士のバイクのエンジンに撃ち込んだ。

 

 

地面に着地すると同時にバイクが爆発する追い撃ち続けている兵士の弾丸が、飛来するが、体を左右に逸らし弾を回避していく。

 

 

「っがは・・・」

 

 

弾幕が止まり、4人が弾倉変え(リローディング)した瞬間、人工筋肉を使いった短距離縮地を行い、敵との距離を瞬時に詰め、ムラサマブレードで右端の兵士の胸を下袈裟斬りすると同時に後ろ回し蹴りを行い後ろの木に叩きつける。

 

 

「っくそ!!撃て!!撃て!!」

 

 

仲間が殺られた事に動揺している兵士たちが、射線が定まっていない状態で乱射してくる。

 

 

「・・・それだけか?」

 

 

俺は、ゆっくりと歩き近寄り、飛来してくる弾丸をムラサマブレードを使い、弾いていく。

 

 

「何故だ!?何故当たらない!?」

 

 

自分たちが撃っている銃の弾丸が、目標である俺に被弾しない事に動揺しているが、俺がしているのは、ムラサマブレードを使い、飛来してくる弾丸を常人では見えない速度で弾き飛ばしているだけ、その所為で常人からしたら、謎の防護膜があると思ってしまうんだ。

 

 

「・・・シャーロックを待たせているんでな。早急に終わらせてもらう」

 

 

瞬時にムラサマブレードを鞘に戻し、鞘の引き金を引きスパイクで飛び出たムラサマブレードを掴み取ると同時に人工筋肉を瞬間的にだが、最大出力にして間合いにいる敵兵5人に向けて振り抜く。

 

 

それによって、発生したのは、ただの風。刀の刃本体は、敵兵の誰にも当たっていないのだ。

 

 

「あ・・・悪魔・・・」

 

 

しかし、兵士の言葉を最後に全員の体が腹部から横にズレ落ち、死んだ。

 

 

「・・・・残りのバイクも消しとくか」

 

 

皇帝殺し(キラーエンペラー)』をホルスターから引き抜き、瞬時に引き金を引き、驚異的な破壊力を持つ500S&Wマグナム弾を残り4台のバイクのエンジンに当て、爆発させる。

 

 

「・・・シャーロックの場所に向かうか」

 

 

バイクが破壊したのと兵士の脈が止まっているのか確認し、地面に落ちているサブマシンガン『MP‐7』を2丁と予備マガジンを6個ほど回収し、その場から、フリーランを活用してシャーロックが待つ場所に向かった。

 

 

残されたのは、未だに燃え続けているバイクとその近くに横たわる武装兵士たち6人の死骸だけ。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

シャーロックが居るであろう場所に向かうと、そこには、エンジンを起動させた状態で外でパイプを吹かしているシャーロックがいた。

 

 

「・・・待たせたな」

 

 

「予想より、早かったね。もう、大丈夫かな?」

 

 

「あぁ。さっさと移動しよう。多分だが、増援部隊が向かってきている」

 

 

「そうだね。じゃあ、乗りたまえ。移動しようじゃないか」

 

 

運転席に乗ったシャーロックを見て、後部座席に飛び乗る。

 

 

「・・・・安全運転で頼むぞ」

 

 

飛び乗ると同時にシャーロックは、車のハンドブレーキを下ろすとギアを入れてアクセルを踏んで車を発進させた。

 

 

「ははは。任せたまえ」

 

 

ゆっくりと道を下っていると2人の間に沈黙が訪れた。

 

 

「・・・・アンタに聞きたい。『愛国者達』『アサシン』『テンプル騎士団』『エデンのリンゴ』『核搭載二足歩行型戦車』このどれかに聞き覚えはあるか?」

 

 

胡座状態でムラサマブレードを肩に掛けて聞く。

 

 

「ふむ。君の言葉からして、表的な意味ではなく裏での意味かな?それなら5つとも知っているよ」

 

 

「っ何!?『エデンのリンゴ』も知っていると!?」

 

 

「あぁ。僕自身も『彼ら(テンプル騎士団)』とは、長い付き合いでね。その中で『エデンのリンゴ』や『アサシン』についても知ったね。『愛国者達』の方は、大分前に戦ったね」

 

 

「・・・なに?テンプル騎士団との関係は、後で聞こう。愛国者達と戦ったとはどういう事だ?」

 

 

「どうやら、過剰戦力を有している僕たちを恐れたらしくてね。アメリカ海兵隊所属の強襲揚陸艦『ナッソー』一隻を出して来たよ」

 

 

「・・・おいおい。軍隊か?」

 

 

強襲揚陸艦って・・・

 

 

「そうだね。でもまぁ、丁重にお引き取りを願ったけどね」

 

 

「そうだろうな・・・。それにしても、死者を出さずにか?」

 

 

パトラとか、ブラドがいるからな・・・一人くらい死者が出るかと思ったのだが・・・

 

 

「彼らの事かい?契約で[死者]を出さない様に言っといたからね」

 

 

死者の部分を強調するって事は、死なないレベルで無力化したと・・・重傷者が多かったんだろうな・・・

 

 

「良く承諾したな・・・」

 

 

アイツ等が話を承諾するとはな・・・

 

 

「言ったろう?契約をしたって」

 

 

その契約内容が気になるが・・・っ!?どうやら、追っ手が来たか・・・

 

 

「・・・まぁ、内容は聞かない・・・それより、お客さんが来たぞ」

 

 

俺は、先程手に入れたサブマシンガン『MP-7』2丁を構えると同時に後方から、4台のハンヴィーが姿を現した。

 

 

それもガチガチの追加装甲を装着しており、防弾性能が高い。追加装備としてM249軽機関銃が上部ハッチに装着されていた。

 

 

「みたいだね。この軍用ジープだと少々厳しいね。街に出てしまえば、彼らも、そう簡単に撃てないからね。それまで、お願いできるかい?」

 

 

お願いってのは、このジープの護衛だろうな・・・

 

 

「・・・殺らなければ、こっちが殺られるからな。アンタは運転に集中していろ」

 

 

「そうかい?まぁ、任せたよ」

 

 

「あぁ・・・」

 

 

返事を返すと同時に俺は、試しに後方に付いたハンヴィーの窓に向けて、MP-7を発泡する。

 

 

「・・・当たり前か」

 

 

放った弾丸は、強化防弾ガラスによって、阻まれる。

 

 

「・・・攻撃は、不可能か。多分だが、タイヤも防弾製だろうな。攻撃じゃなく防御が主要だな」

 

 

MP-7を仕舞い、ムラサマブレードを構える。

 

 

「・・・奴らが撃ってくる。ある程度はガードするが、回避行動は任せる」

 

 

「分かったよ。任せると良い」

 

 

言葉を短く極端に言うと同時にハンヴィーの上部ハッチが開き、兵士一人が機関銃の引き金を引き発砲して来た。

 

 

「・・・・っ!!」

 

 

飛来してきている弾丸をムラサマブレードで高速に動き連鎖撃ちver:Sを行い弾いていく。

 

 

「っコレでも、喰らえ!!」

 

 

左側のハンヴィーから、対戦車ミサイルであるジャベリンを肩に掛けた兵士が上部ハッチから現れ、ロックオンしようとスコープを覗き狙いを定める。

 

 

「・・・遅い」

 

 

それに気付いた俺は、すかさずレッグホルスターに収めていた『皇帝殺し(キラーエンペラー)』を引き抜き、狙いを定めて、引き金を引く。

 

 

「・・・・・っ!?」

 

 

この不安定過ぎる山道での射撃の命中率は、あまり期待ができない。それも、動いている的である頭を狙うと言うのは、極めて難しい。

 

 

筈なのだが・・・俺の体は、人工筋肉とリン酸カルシウム複合チタン合金製によって、強化された事で異様な程の射撃精度を持っている。

 

 

それにより、先ほど発射した弾丸は、寸分狂わず、敵兵の頭を消し飛ばした、頭が吹き飛んだ兵士は、その反動でジャベリンを下に向けて引き金を引いてしまった。

 

 

ロックオンが完了していたジャベリンの成形炸薬弾頭が車両内に発射された瞬間・・・

 

 

「・・・一台排除完了」

 

 

車が爆発・・・黒く灰色の煙と薄赤いオレンジ色の炎が立ちこもる。

 

 

「開けた道に出るよ」

 

 

「・・・了解だ」

 

 

シャーロックの言葉に目を前に向けると、少し先に車輌2台分は通れる道が見えた。

 

 

「それと、コレを使うと良い。因みに1発分しかないからね?」

 

 

目を移すと同時に助子席から、一つの銃を渡してきた。

 

 

「・・・古典的な武器を良く持っていたな」

 

 

その銃は、中折れ式リボルバーの先端に大きく丸い物を付けた『異形』だったが、その銃には見覚えがあった。

 

 

それは、1930年にドイツのワルサー社が制作した26.6mmの信号拳銃を改良した物で、先端に手榴弾をくっ付けて発射する、ピストル型擲弾発射器『カンプピストル』だった。

 

 

「即席に用意したのが、それしか無くてね。まぁ、許してくれたまえ」

 

 

「・・・無いよりかは、マシだ」

 

 

この銃、カンプピストルは対軽装甲車輌としても、使用されていた。その為、対爆発処理をされていないハンヴィーには、効果はあるだろう。

 

 

しかし、残弾は一発限り、残り車輌3台・・・使いどころを間違わない様にしないとな。

 

 

「さぁ。彼らが来たよ」

 

 

カンプピストルを受け取り、近付いて来ているハンヴィー1台を見る。

 

 

この間に敵は、攻撃を緩めず、ひたすら機関銃を撃って来ているが、全てムラサマブレードで弾き飛ばしている。

 

 

ッガン!!

 

 

近付いて来たハンヴィーが、勢いを付けてぶつかってきた。

 

 

「おっと・・・随分と乱暴だね」

 

 

「・・・街まで、どれくらいだ?」

 

 

車体が、削れる音がするが、気にせずシャーロックと喋れるあたり、自分でも結構肝が据わっていると思う。

 

 

「もう少し先だね」

 

 

「・・・先か」

 

 

ッガン!!

 

 

「・・・話の邪魔をするな」

 

 

車体を衝突させ、シャーロックとの会話を邪魔してくるハンヴィーにイラつき、再度衝突しようとした瞬間にムラサマブレードを車体に突き刺し、上に持ち上げる。

 

 

「・・・おら」

 

 

突き刺したハンヴィーを後方で、未だに機関銃を撃ち続けているハンヴィーに向けて投げ飛ばした。

 

 

「人の事を人外だと思っておきながら、君も十分人外ではないかい?」

 

 

投げ飛ばされたハンヴィーは、機関銃を撃ち続けているハンヴィーにぶつかる。

 

 

車体裏のガソリンタンク付近をピンポイントにカンプピストルの榴弾をぶち当てる。

 

 

「・・・・心を読んだのか?」

 

 

榴弾が、ガソリンタンク付近に着弾した瞬間、大爆発。2台のハンヴィーが黒煙と炎が発生するが、気にせずシャーロックの言葉に反応する。

 

 

「簡易的にだけどね」

 

 

そりゃあ、肉体改造されたからな、骨や内蔵を含めたほぼ全てが、改造されているからな。

 

 

「・・・確かにな。アンタの事を人外と思っていたが、俺も大概に人外だな」

 

 

「最後の1台は、どうするんだい?」

 

 

爆発した味方車輌を回避しながら、距離を詰めてくるハンヴィーを見る。

 

 

「・・・相手をしなくても良い様だな」

 

 

距離を詰めて近付いてくるハンヴィーであったが、山道から街に続く、街道に出た瞬間、スピードを落とし始めた。

 

 

「どうやら、追ってこない様だね」

 

 

「・・・あぁ」

 

 

街の入口付近に近付き始めると車が止まり、追ってこなくなった。

 

 

「彼らの対応力は、少し厄介だからね。今の内に急ぐとしよう」

 

 

街の道路に入ったとしても、スピードを緩めず、そのまま目的地である浜辺まで突き進む。

 

 

「おっと、そうだった。彼女に連絡をしないとね」

 

 

追っ手が来ない事を確認した俺は、ムラサマブレードを鞘に戻して、座り込んでいるとシャーロックが何かを思い出したかの様にコートのポケットから、小型無線機を取り出した。

 

 

「さてと・・・『聞こえてるかい?もう直ぐ着くから、準備をお願いするね』」

 

 

通信機のスイッチを押しながら、シャーロックが、そう言うと通信機越しに焦った女の子の声が聞こえた。

 

 

『シャーロック卿!!ご無事でしたか!?』

 

 

「『あぁ。安心すると良い、彼を連れて今海岸に向かっている途中だよ』」

 

 

『彼・・・と言う事は・・・分かりました。直ぐに浮上させます』

 

 

「『あぁ、お願いするね。着き次第、直ぐに離れるよ』」

 

 

『分かりました。ではシャーロック卿。お待ちしてます』

 

 

「『あぁ』・・・と言う事だから、良いかい?」

 

 

「・・・あぁ。聞くまでもないだろう」

 

 

「そうかい?まぁ、気にしない事だよ」

 

 

「・・・それより、聞きたい事がある」

 

 

「さっきの質問の続きだね。構わないよ」

 

 

「・・・・核弾頭搭載二足歩行型戦車について、知っていると言ったな。どう言った事を知っている?」

 

 

「ふむ、そうだね。1999年に中近東に隣接するザンジバーランド騒乱事件がつい最近起きたばかりだね」

 

 

「・・・・ザンジバーランド騒乱事件。そうか・・・他には?」

 

 

ザンジバーランド騒乱か、アウターヘブン蜂起でクローンいや、彼の(ファントム)であるBIG BOSSが、愛弟子であるソリッドの手によって、殺されたが、真のBIG BOSS(ジョン)が再び起こした事件。

 

 

つまり、伝説の英雄の(ファントム)が死に影を失った伝説の英雄は、表の舞台に姿を現し、息子に殺された。

 

 

しかし、多分BIG BOSSは、愛国者達によって、生き延びているだろうな。

 

 

「ふむ、そうだね。今の所は、聞いてないかな?」

 

 

正確には、アウターヘブン蜂起の前から、

 

 

「・・・分かった。なら、最後に聞きたい『エデンのリンゴ』の在り処についてだ」

 

 

「それを知って、どうするつもりだい?」

 

 

「・・・アイツ等とヤツ等(アサシンとテンプル騎士団)には、手渡せないからな。集める」

 

 

テンプル騎士団は世界統一と言う名の世界征服を目論む独裁組織。アサシンは人民による縛られない自由な行動と言う名の反政府ゲリラ組織みたいなものだ。

 

 

確かに2つの中には、物分りの良い人達もいるが、幹部の奴らが信用できない。コレは両者とも同じだ。

 

 

「その後は、どうするつもりだい?」

 

 

どうするか・・・簡単だ。

 

 

「・・・誰にも見つからない場所に厳重保管する」

 

 

場所には、心当たりがあるからな。

 

 

「ふむ。今の所、何十箇所かは、場所を知っているよ」

 

 

やはり・・・なら・・・

 

 

「でも、今の君に教えられないね」

 

 

その言葉に苛つくが、その言葉を聞いて納得をしてしまう。

 

 

「・・・確かにそうだな。今の俺に教えても意味がない。来るべき時が来たら教えてくれ」

 

 

「そうさせてもらうよ。さぁ、着いたよ」

 

 

シャーロックから、情報を聞いていると目的地である海岸に到着した。

 

 

「・・・潜水艦は?」

 

 

後部座席から、飛び降りるとブリストル海峡の碧色の海が広がっていたのだが、目的の原子力潜水艦・ボストーク号の姿が見えない。

 

 

「もう来ているよ」

 

 

「・・・何?」

 

 

シャーロックの言葉と同時に海面が、膨れ上がり始めると黒く金属特有の光沢を輝かせる物体が姿を現した。

 

 

「・・・コレが、ボストーク号か」

 

 

姿を現したボストーク号に目を向けると、入口である上部ハッチが開き、女の子が現れた。

 

 

「シャーロック卿!!お急ぎ下さい!!彼らが来ております!!」

 

 

姿を現した女の子が、そう叫んでおり、俺たちの行動を急がせる。

 

 

「との事だ。それでは」

 

 

「・・・少し、遅かったな。奴らの先行部隊が到着していた様だ」

 

 

俺たちに行動を急かすが、物陰から重武装の兵士たちが姿を現し、銃口を此方に向けている。

 

 

「・・・どうする。戦闘を開始するか?」

 

 

「いや、このまま、行動を開始してしまったら、ボストーク号が囲まれてしまうからね。此処は・・・」

 

 

「・・・了解した」

 

 

シャーロックの言葉を理解した俺は、先程まで乗っていたジープを先行部隊に向かって、蹴り飛ばす。

 

 

その瞬間、先行部隊の視界を遮るとシャーロックを脇に抱えて、ボストーク号の上部ハッチに向けてジャンプし着地した。

 

 

「きゃっ!!」

 

 

着地した瞬間、いきなり現れたシャーロックと俺に驚き倒れそうになるが、それをシャーロックが受け止める。

 

 

「・・・着いたぞ」

 

 

「そのようだね。それじゃあ、中に入ろうか」

 

 

女の子を降ろして、言うシャーロックに俺は、無言で頷き動く。

 

 

「・・・あの?」

 

 

「・・・先に入れ」

 

 

「は、はい!!」

 

 

客人である俺より先に入ろうとしない女の子に向けて、そう言うと、恐怖心の様な感情が混ざった顔をしながら、返事をして中に入っていく。

 

 

「・・・・・・」

 

 

全員が入ったことを確認し、自分も中には入り、上部ハッチを閉じる。

 

 

「さて、ようこそ。イ・ウーへ、歓迎するよ。リンクス君」

 

 

上部ハッチを閉じて地面に立つとシャーロックがそう言ってきた。

 

 

 





年代表

1995年:アウターヘブン蜂起事件発生

1999年:ザンジ・バーランド騒乱事件発生

2004年:現在の年代(この小説内の)

2005年:シャドーモセス事件発生

2007年:タンカー沈没事件発生

2009年:ビックシェル事件発生・緋弾のアリア原作開始



次回会いましょう( ´ ▽ ` )ノ


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第19弾 砂礫の魔女との戦闘



ここ最近MGSⅴTPPのFOB襲撃が6回も起きて大変です。

その内、三回防衛に成功して、後の三回は防衛に失敗・・・資源とかの回収が・・・・


っと新話です( ^ω^)_凵 どうぞ


 

 

ボストーク号・艦長室

 

 

「さて、リンクス君。君がこのイ・ウーに入学したのは、良いのだけどね?君の実力を疑っている者も多いんだ」

 

 

艦長室と言う名のシャーロックの部屋には、高級品であろう茶革製の椅子に座り、話しているシャーロック。

 

 

「・・・何が言いたいんだ?」

 

 

言いたい事は、何となく理解している。多分だが・・・

 

 

「簡単さ。実力を示してみれば、納得するさ」

 

 

「・・・実力か。つまり戦えという事か?」

 

 

「そうだね。戦ってもらう事になるね」

 

 

戦うか・・・ブラドあたりか?

 

 

「・・・了解した。なら、使い慣れているムラサマブレード1本で戦うが、構わないな?」

 

 

「別に構わないよ?対戦相手は、先に訓練区画で待っているからね。今から向かうけど構わないよね?」

 

 

「・・・あぁ、了解した」

 

 

戦闘か・・・奴らとの逃亡劇と戦闘が終えて休まずに戦闘か・・・

 

 

いや、別に研究所の時は、長期間戦闘訓練(3ヶ月)をやっていたからな、疲れていないが・・・

 

 

「・・・あの、良かったら、どうぞ」

 

 

俺が、シャーロックの言葉に顔を歪めず、心の中で嫌気がさしていると扉の近くで立っていた女の子が、俺の横に移動してティーカップを机に置き差し出してきた。

 

 

「・・・何だ?」

 

 

「っひ・・・あの、その・・・」

 

 

置かれたティーカップを見て、置いた本人に目を向けて声を出すと、やはり、先ほどと同じで怯えている。

 

 

この感情は、弱者が強者を見る時の・・・それも、恐怖心が支配している時の視線だ。

 

 

「・・・俺が、怖いか?」

 

 

俺は、机の上に置かれたティーカップの中を覗く。

 

 

「(っふ・・・確かにこれでは、恐怖を与えてもおかしくないな)」

 

 

ティーカップの中に注がれた紅茶・・・この匂いからして、ダージリンだろうな。

 

 

その注がれたダージリンの水面に反射して映る自分自身の顔を見て思う。

 

 

銀髪と黒髪が混ざり合ったウルフカットに眼付が雷電より鋭く、目を向けただけで恐怖を与えられる。

 

 

「っ!!・・・その・・・」

 

 

その様な人物に睨み付けられている様な目線を送ったら、恐怖を覚えてもおかしくない。

 

 

「・・・・・旨いな」

 

 

俺の問にどう返したらいいのか分からない女の子を見て、俺はティーカップに注がれたダージリンを飲み、感想を声に出していう。

 

 

「・・・え?」

 

 

「・・・俺が、怖いなら別に構わない。慣れているからな」

 

 

「・・・・・・・」

 

 

「・・・ご馳走様。待たせたな。シャーロック・・・いや、教授(プロフェシオン)

 

 

飲み終えたティーカップを置いて、席を立ち上がって、シャーロックの方に向く。

 

 

「構わないよ。それじゃあ、向かおうか」

 

 

扉を開けて言うシャーロックを見て俺は、ムラサマブレードを腰に装着させて、歩き部屋から退出した。

 

 

「・・・・・・」

 

 

女の子の表情が困惑を浮かべている事を理解して。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

ボストーク号・訓練区画・決闘場

 

 

「・・・それで?訓練区画に着いたのは、良いが、こんなにギャラリーがいるんなんて聞いてないが?」

 

 

周りには、俺たちを囲む様に大勢の観客がいた。

 

 

「みんな、君の実力を知りたいから見に来たんだよ。僕もその一人でね。期待してるよ」

 

 

期待か・・・どうだろうな。

 

 

「・・・・・・・」

 

観客に囲まれながら、訓練区画の中央に一人で歩いていくと、対戦相手である人物の姿が見えた。

 

 

「お主かのう?妾と戦おうと言う愚か者は」

 

 

その人物の服装は、露出度が非常に高い過激な衣装を身に纏い、耳に大きな金のイヤリングを付け、頭には、コブラを象った黄金の冠、胸当ては防御力が皆無と言っても過言ではない程に細く、その周りに黄金の飾りが付いている、腰は、細い金の鎖で留めた帯の様な絹布一本垂らしている。

 

 

「・・・・・まさか、対戦相手が、アンタだとはな」

 

 

訓練区画に佇んでいたのは、砂礫の魔女と言われている、おかっぱ頭の女性、クレオ・パトラ、ご本人であった。

 

 

「なんと、妾を前にして、その言葉遣いなっておらん」

 

 

確かに古代エジプト王妃である人物に使う言葉遣いじゃないな・・・

 

 

「・・・申し訳ございません。私の名は、リンクスと申します。不束者ですが、今回この様な試合でアナタ様との対戦相手になりました」

 

 

テンプル騎士団の研究所で教わった英才教育を活かした作法と言葉遣いを行い、改めて話し掛ける。

 

 

「なんぢぁ?やろうと思えばできるぢぁないか。妾は、古代エジプト王紀、クレオ・パトラぢぁ。しかし、なんぢぁろうな。お主に合わん、特別ぢぁ、普通に話す事を許してやろう」

 

 

はぁ・・・どう言う事だろうな。お辞儀に言葉遣い、それを完璧にやった筈なんだが・・・

 

 

研究所でも、同じ様に言われたな・・・

 

 

「・・・似合わないか、具体的には・・・いや、目や表情、雰囲気か」

 

 

「そうぢぁのう。お主の雰囲気が原因ぢぁろうな」

 

 

両者見合いながら、話し合っているが、2人とも交戦可能距離をとっており、いつでも戦える状態だ。

 

 

「さて、2人共、そろそろ大丈夫かね?」

 

 

俺らが、距離を空けながら話していると、観客側にいたシャーロックが、始めろの声が掛かる。

 

 

「妾は、何時でも大丈夫ぢぁ」

 

 

「・・・俺も同じだ」

 

 

シャーロックの言葉に返事を返し、俺とパトラは、各自特有の戦闘態勢をとる。

 

 

「それじゃあ、始めようか。これより、クレオパトラ対リンクスの決闘を始めるよ。タイミングは君たちに任せるよ」

 

 

「なら、先行は妾が貰うのぢぁ」

 

 

シャーロックの言葉が掛かると同時にパトラの足元から砂が現れ、意思がある様に動き俺に向かってくる。

 

 

「・・・・・・やはり、砂による攻撃か」

 

 

襲いかかって来た砂を後ろにステップして回避するが、そのまま続いて襲い掛かってくる。

 

 

「妾の攻撃は、避けれぬぞ。どうする?」

 

 

多分だが、あの砂には、呪いが掛かっているだろう。あまり、触れない方が良いな。

 

 

「・・・っふ!!」

 

 

腕の人工筋肉と腰の人工筋肉の出力を瞬時に上げて、ムラサマブレードが収まった鞘の引き金を引き、ムラサマを高速射出させ、砂に向かって高速で振り抜く。

 

 

腕と腰の人工筋肉からの出力とムラサマブレードのスパイク射出による両方によって発生した風の斬撃は、波の様に襲ってきた砂を切り裂いた。

 

 

「・・・んぁな!?妾の『王の砂塵壁』を切り裂いたぢぁと!?」

 

 

風圧の斬撃により切り裂かれた砂の隙間から、パトラの驚きの顔が見えた。

 

 

多分、あの砂の技は、結構自信があって・・・それで、決着をつけるつもりだったんだろうな。

 

 

だが、予想外な事に風圧で自信の技を切り裂かれて驚いたんだろう。

 

 

「・・・触れなければ、良いだけだだからな」

 

 

この様な事を言ったが、極みまで鍛えた様な達人級の者ならともかく、普通の人間が実際にやろう物ならば、腕と腰が使い物にならなくなるだろう技だ。

 

 

そんなデメリットの大きい技であるが、メリットも大いにある技であり、砂の壁が無ければ、そのままパトラの胴体を切り裂いていた。

 

 

・・・と言っても、砂の壁を切り裂く為に放った技であり、届いたとしても、そこまで深い傷を負う訳でもなく、風速の失速により、鎌鼬にやられた様な浅い切り傷を負う位だ。

 

 

「ふむ。名付けるなら、真空斬り(峰)かな?」

 

 

観客側で見ていたシャーロックが、俺の放った技に勝手に名前をつけた様で俺にも聞こえるレベルで呟く。

 

 

「これなら、どうぢぁ!!」

 

 

流石、イ・ウーNo.2を持っているだけあって、砂の壁が切り裂かれるも、直ぐに意識を戻し、砂を動かして来た。

 

 

先程、切り裂いた砂が、俺を円状に囲む様に動き始め、ドーム状になり俺を閉じ込めた。

 

 

上にジャンプして回避する方法もあったが、その場合、出た瞬間に攻撃されるだろうからな・・・

 

 

こうさせてもらう!!

 

 

「・・・・せやっ!!」

 

 

体全体の人工筋肉を連動させ、腰を限界まで捻り曲げ、居合い斬りの構えでムラサマブレードを持ち、人工筋肉の出力を上げていく。

 

 

バチッ・・・バチッバチッ!!

 

 

人工筋肉の出力が上がっていくと同時に体から、蒼色の電流が放電し始め、真っ暗な砂のドーム内が、明るくなっていく。

 

 

「・・・コレくらいか?」

 

 

『どうぢぁ!!コレで、逃げれまい!!潔く降伏すれば、出してやるのぢぁ!!』

 

 

人工筋肉の出力を上げていると同時に微調整をしていると外からパトラの声が聞こえてくる。

 

 

「・・・甘いな」

 

 

敵に命乞いを薦めるとはな・・・。それじゃあ、敵に隙を与えているだけだぞ・・・

 

 

『なんぢぁと!?妾が気を利かせているというのに!!それならば、その<砂落の処女>で死ぬが良いのぢぁ!!』

 

 

パトラがそう言うと、ドームの内側の砂が膨れ上がり、鋭い針状に変化した。

 

 

「・・・アイアンメイデンの砂版の様な物か」

 

 

『最後ぢぁ!!降伏せんのぢぁな!?』

 

 

「・・・クドい」

 

 

『そうか、ならば・・・王に歯向かった罰ぢぁ!!死ね!!』

 

 

鋭く尖った針状の砂が、俺に向かって伸び肉を切り裂き穿つ前に溜めに溜めた人工筋肉の出力を解放・・・それと同時に鞘のトリガーを引きムラサマブレードを高速で・・・人には見えない速度で『何十回』も振り抜く。

 

 

するとどうだろうか・・・先程とは、段違いのスピードと威力によって発生した『斬撃』は、俺を閉じ込めていたドーム『砂落の処女』が、先ほどの風圧の数倍の風圧が発生・・・狭い空間に風圧を閉じ込められず、膨張し爆発した。

 

 

風圧で吹き飛んだ砂は、砂煙となり訓練区画全体を覆い隠した。

 

 

「な、なんぢぁ!!一体何が起きたんぢぁ!?」

 

 

「・・・オーグメントモード起動」

 

 

いきなり、発生した砂煙により、混乱しているパトラであるが、俺はバイザーとマスクを展開させて粉塵マスクとオーグメントモードによる暗視ゴーグルにより、パトラの場所が見えている俺は、スニーキング歩法と歴代アサシンに直接教わった気配同化を応用しパトラの後ろに近づく。

 

 

「どこぢぁ!!姿を見せるのぢぁ!!」

 

 

俺は、後ろにいる事に気づいていないパトラの首筋にムラサマブレードを静かに音をたてず、気配を悟られずに向けようと動く。

 

 

このまま、行けば試合終了になるの筈だった・・・

 

 

「っぐ!?」

 

 

ムラサマブレードの刃が、パトラの首筋の肌に触れるかと思った瞬間、俺の左脇に強い衝撃が走り、体が浮き上がり、強制的にパトラから離れることになった。

 

 

突然の衝撃に驚くが、瞬時に頭のニューロチップを動かし、視覚的反応速度を極限まで動かす事で時間の流れを緩め、衝撃の正体を探る。

 

 

緩くなった時間の中見つけたのは、頭部が黒い犬・・・いや、ジャッカルの様な形をした人間が半月型の大斧を振りかぶった状態で佇んでいた。

 

 

「なんて言う訳ないぢぁろ。妾の後ろにいる事は知っておるのぢぁ」

 

 

空中で体勢を立て直し、地面に着地しパトラの方を見ると立ち篭っていた砂煙が収まり始め姿が見えた。

 

 

「・・・・何故わかった。気配ともに足音も聞こえなかった筈だ」

 

 

「ほほほっ。砂煙の中、後ろから不意打ちするつもりだったのぢぁろう?」

 

 

俺が後ろにいた事がわかった絡繰りが分からず、頭を動かしながら、聞くとパトラは手の甲を口元に当て嗤いながら言ってくる。

 

 

「・・・あぁ。ムラサマで降参させる予定だった」

 

 

どう言う事だ?完全にアイツの後ろをとった筈だ・・・レーダーか何かがない限り、分かる訳・・・レーダー?

 

 

・・・まさか

 

 

「お主の考えている通りぢ。妾が得意とする物は『砂』ぢよ」

 

 

「・・・あの視界不良の中で俺の居場所がわかったのは、それのお陰か」

 

 

「そうぢ。砂煙だろうと砂埃であろうと、妾は元々、それらが酷かった砂漠にいたのぢ。対応策があるに決まっておる」

 

 

「・・・そうか」

 

 

視界不良の酷い砂煙の中、俺の居場所が、分かった理由・・・それは、コイツの使う魔力を含んだ砂がレーダーの役割をしていたからだ。

 

 

結果、始っからパトラに見つかっていた俺は、それに気づかず、まんまと脇腹に攻撃を食らってしまったのだ。

 

 

「どうぢ?素直に降参するか?」

 

 

未だに降参を薦めてくるパトラに対して俺の返事は・・・

 

 

「・・・いや、コレで終わりにさせてもらう」

 

 

パトラにそう返事を返し、先ほどのドーム内と同じ様に人工筋肉を動かす。

 

 

「ならば、お望み通り終わりにしてやるのぢ!!」

 

 

瞬時に人工筋肉の出力が上がり、蒼色の電流が流れ始めると同時にパトラの横にいたジャッカル頭の人型が半月型の大斧を構えながら、突撃してきた。

 

 

「・・・・・パトラ。忠告だ、死にたくないなら、避けろ」

 

 

先ほどの剣技は、自身が閉じ込められた時や物が塞がっている時に使うものであり、範囲が狭かったのだが、今から放つ剣技は、全体に剣速を振るのでは無く、前方に剣速を一気に振る事で、前方に真空波の刃である非常に鋭い『斬撃』を放つ。

 

 

「・・・・っぜぁあ!!」

 

 

・・・つまり

 

 

「っきゃ!!」

 

 

パトラの前にいたジャッカル頭の人型は、腹部から切り裂かれ上半身と下半身が分離すると風速に耐え切れず、砂に戻り消え去ったが、真空波の刃は、そのまま、パトラに向かって飛んでいく。

 

 

パトラの腹部を切り裂くかと思った真空波は、パトラ自身が危険だと察知し、しゃがみこんで回避すると訓練区画の壁を切り裂き止まった。

 

 

「な、なんぢ。今のは・・・」

 

 

尻餅状態で真空波の斬撃に気を惹かれているパトラに縮地で近づき、首筋にムラサマの刃を付ける。

 

 

「・・・・コレで終わりだ」

 

 

「・・・ぬぅぅ。そうぢのぅ。お主の勝ちぢぁ」

 

 

パトラ本人の敗北の宣言を言うと観客席側から、拍手が鳴り響いた。

 

 

「おめでとう。リンクス君。コレで君の実力は、皆にも伝わったと思うよ」

 

 

拍手した人物に目を向けると観客席側にいたシャーロックが此方に歩きながら、そう言ってきた。

 

 

「さて、コレにより、新人であるリンクスとクレオパトラの決闘を終了する。お疲れ様2人共。それと入学おめでとうリンクス君、君は今日から本当にイ・ウーの生徒だよ」

 

 

「・・・そうか、パトラ。立てるか?」

 

 

俺は、シャーロックの言葉に返事を返しながら、尻餅を付いたパトラに手を差し出す。

 

 

「なんともないのぢ。それより、最後のはなんぢ?」

 

 

そのまま、自力で立ち上がったパトラを見て、差し出した手を引っ込めると先程放った剣技を聞かれた。

 

 

「・・・知っても意味がない。シャーロック。俺の部屋は何処だ?」

 

 

「君の部屋なら、僕の部屋に戻れば分かるよ」

 

 

「・・・了解した」

 

 

パトラの質問を答えず、シャーロックに聞く事を聞いて訓練区画から、そそくさと出て歩く。

 

 

後ろの方で、パトラが騒いでいるが、俺は無視して、そのままシャーロックの部屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

コレは、後に紅き鷹の雷電(ライトニング・ホーク)と呼ばれ全世界から恐れられる事になるリンクスのプロローグにして序章に過ぎない。

 

 

 






パトラの言葉遣いがぁぁぁぁ!!

可笑しい・・・パトラってこんなに優しかったけ?

喋り方とか、色々可笑しいと思いますが、すみません。自分の文才では限界です(´;ω;`)



それでも構わないと思う人は、次回会いましょう( ´ ▽ ` )ノ



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原作前:Ground Zero-紅き爆心地‐
第20弾 機密情報閲覧とミッション




説明が可笑しいと思いますが、気にしないで下さい。お願いします(o*。_。)o

そして短いです。では( ^ω^)_凵 どうぞ


 

 

リンクス専用個室内

 

 

「・・・・・・・」

 

 

「・・・えっと、その」

 

 

魔女であるパトラと戦い終わり、既に3日経っており、部屋で瞑想を終え、ムラサマブレードの手入れをしていると初日にあった女の子が訪れた。流石にそのまま、と言うのはアレだったので、部屋に入れたのだが、話す事が無く、空気が重い。

 

 

「・・・用事があるのでは?」

 

 

煎れたコーヒーを女の子の傍に置き、先程までやっていたムラサマブレードの手入れをしながら聞く。

 

 

「その・・・お名前を・・・」

 

 

「・・・・・・・」

 

 

話を聞くと、多分だが名前を聴きに来たんだろうな・・・それだけの為に聴きに来たのか?

 

 

「・・・名前?」

 

 

「は、はい・・・私は、リサ。リサ・アヴェ・デュ・アンクと言います。その・・・アナタ様は?」

 

 

何処か恐怖を感じながら、聞いてくる女の子・・・リサを改めて見る。

 

 

幼いにしろ近い将来、美人になる事が目に見えるほど、スタイルが整っている。目は澄んだエメラルドカラー、天然の白に近い金髪、肌は日に当たっているとは言えない程抜ける様な白さ。

 

 

原作を知っているからと言っても、所詮は小説で読んで出てくる女性ヒロインと言う感じだった。

 

 

それも『万能メイド』と言う私生活では、チートに近い性能を持っていたと言う記憶だ。

 

 

「えっと・・・あの~?」

 

 

俺が、リサを見ていると、リサ本人が怖がりながら、聞いてくる。

 

 

「・・・・・ゼロだ」

 

 

「え?」

 

 

「・・・・・名前は、ゼロだ」

 

 

「ゼロ・・・様。ですか?ですが、シャーロック卿は、リンクスって・・・」

 

 

「・・・・・リンクスは、コードネームだ。名前は、ゼロだ」

 

 

研究所では、リンクスって呼ばれていたが、それはコードネームであり、ちゃんとした名前があるのだが、名前と言えるモノででない為、好きではなかったのだが・・・

 

 

「そうですか・・・そのゼロ様」

 

 

「・・・先程から『様』をつけているが、何故だ?」

 

 

「そのメイド学校で、自分より格上の人物には『様』を付ける様に習いまして・・・」

 

 

「・・・俺に『様』は必要無い」

 

 

「ですが・・・」

 

 

「・・・名前だけ聴きに来たのか?」

 

 

「あ。いえ、ゼロ様の体のサイズを計らせて下さい」

 

 

サイズ?そんな物を計って何の意味がある?

 

 

「・・・何故だ?」

 

 

ムラサマブレードの手入れを終えた俺は、シャーロックに頼み、数十個貰い受けた鞘のサイズに合うSTANAGマガジンを手に持ち、専用の弾薬を装填しながら、リサの言葉を聞く。

 

「恐れ多い事に私は、イ・ウーの会計士を担当しています。その為、イ・ウー内の食糧や武器弾薬、備品の在庫管理をしています。新しく入って頂いたゼロ様の衣服を用意させていただくには、サイズを計らないと分からいので・・・」

 

 

「・・・・衣服はいらないと思うが?」

 

 

「シャーロック卿からのミッションに赴く時にそのスーツだと嫌でも目立ってしまいます。せめてコートか何かを着てください」

 

 

・・・・そう言われてみれば、そうだったな。シャーロックのミッションによるが、もし街なんかで義体スーツを着たままだったら、警察行きだな・・・

 

 

「・・・分かった。それなら、さっさと終わらせろ」

 

 

俺は、マガジンに弾を込める作業を一旦止めて、リサの目の前に立つ。

 

 

「はい。直ぐに終わらせます」

 

 

名前を教えてからと言うモノ、リサの纏う恐怖の雰囲気が和らいだ様に感じられるが・・・ただ、仕事モードに入っただけか?

 

 

「はい。終わりました。ゼロ様」

 

 

俺が考えている間にサイズの計りが終わった様だ。

 

 

「・・・・用事が済んだろう」

 

 

「はい。私は、ゼロ様専用の衣服を用意しますのでこれで失礼させていただきます」

 

 

「・・・・・・」

 

 

メイド学校で教わっただけあり、綺麗なお辞儀をしてソっと出て行った。

 

 

「・・・・行ったか」

 

 

バイザーを展開させオーグメントモードでリサが消えた事を確認した俺は、裏データパックを開き、パスワードを入力し特定のファイルを開く。

 

 

「・・・・さて、アイツから貰い受けた。データを見させて貰うか」

 

 

リベリアでの戦闘でハルゲルトから貰い受けた極秘ファイルの内容を見てなかった俺は、今日辺りに中身を見ようかと思っていたからな・・・

 

 

「・・・ファイルを展開」

 

 

------了解です。コード『18052』展開します。

 

 

「・・・っ!?コレは!!まさか!!」

 

 

内容を見た俺は、驚愕と恐怖を感じた・・・

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

コード『18052』

 

 

テンプル騎士団:超極秘ファイル『核抑止力による戦闘艦計画(アーセナルシップ)

 

 

・この計画は、アメリカ合衆国海軍が20世紀末頃に建造を計画していた新たな戦闘艦の種別の名称である。アーセナルシップ計画を再計画したモノであり、前計画のアーセナルシップ計画は、戦闘艦の一種として外洋航行能力を備えた比較的大型の船体に、主に対地攻撃用の大量のミサイルをVLS内に搭載するが、戦闘用レーダーを搭載せず、自衛用兵器も最小限度に留めているなど、意図的に兵器搭載量のみを拡大させた艦とされた。目標の探索・追跡や攻撃目標の決定に関わるあらゆる機能を省いて、決定済みの攻撃目標データを僚艦となるイージス艦やそれに類する司令部機能を備えた友軍から受けることで、攻撃を行うものであった。

 

・自衛対処しかない結果、従来の戦艦より、戦闘能力が全くもって無いアーセナルシップ計画は、採用される事が少なかった。

 

・その為、本計画は、メリットの大きい部分である兵器搭載量拡大・対地攻撃用の大量のミサイル、そしてデータリンクシステムを生かしたままのデメリットである、自衛機能を戦闘機能に変え自衛能力から戦闘能力を持った。

 

・この計画の重要な要は、アメリカ海兵隊から超極秘裏に強奪し手に入れたアーセナル級超大型戦艦『ラグナロク』であり、この戦艦の動力源は、溶融金属冷却原子炉であり、数十年は整備が不要であり、この核動力戦艦と武装として各種ミサイルに魚雷、対艦用バルカン、対空バルカンを搭載している。

 

・計画の名前にある通りの核抑止力は、本体自体が核弾頭になっている他、ミサイル以外にも厳重に保管された純粋水素爆弾が搭載されている。この両者による抑止力と『エデン』を使った世界秩序統制を行う。

 

・本計画の始動時期は、まだ先であり、現在太平洋中央付近の海域に建設されている元海上油膜除染施設を改良した海上武装施設の最下層に保管されている。

 

・『ラグナロク』には、本計画と同レベルの超極秘裏である『エデンのリンゴ』の知識により、長年の問題であった核廃棄物処理を短期間で可能にさせた処理機能が搭載されている事と先ほどの『エデンシリーズ』を緊急時に保管する機能も持ち合わしている。

 

・現在、ラグナロク船内には、どんな長期間戦闘をしたとしても数年は補給がいらないレベルまでの整備・補充がされている。

 

・もし、ラグナロクが起動した場合、補給地点として、この海上武装施設が使用される為、施設内には兵器開発工廠プラットフォームや食料製造プラットフォームなどを含んだ各種プラットフォームが存在する。

 

 

 

 

 

 

------本計画は、超極秘裏計画であり、漏洩の危険がある場合は、本計画を破棄せよ。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「・・・シャーロックに報告するしかないか」

 

 

予想外であった。まさか、アーセナルギアが既に存在しており、現在アーセナルギアを使用した計画が進行中と言う真実に驚きを隠せない。

 

 

「その必要は無いよ。リンクス君。いや、ゼロ君」

 

 

情報を見た俺は立ち上がり、手入れが終わったムラサマを手に持ち部屋を出ようと扉に振り帰ろうとした瞬間、聞き覚えのある声が掛かった。

 

 

「っ!!」

 

 

「危ないじゃないか」

 

 

後ろを取られた事より、情報を見られた事に焦った俺は、瞬時にムラサマブレードを引き抜き、声の掛かった人物に振り掛かると、声を掛けた人物の顔を見た瞬間、首を切る手前でギリギリ止める。

 

 

「・・・・いつからいた。シャーロック」

 

 

そこにいたのは、イ・ウーのリーダーであり、全員から教授(プロフェシオン)と呼ばれている男性であり、世間では伝説の名探偵と有名なシャーロック・ホームズが佇んでいた。

 

 

「つい先ほどだよ。僕の条理予知(コグニス)が何やら反応したからね。来たんだよ」

 

 

「・・・ノックをしろ。英国紳士じゃないのか」

 

 

「したさ。したけど、反応がなかったからね。勝手に入らせてもらったよ」

 

 

「・・・鍵は?」

 

 

「解除したよ。それより、どうしたんだい?」

 

 

反応が無いからといって、鍵を開けて入ってくるとは・・・。いや俺本人が気付かなかった事もあるが・・・

 

 

「・・・今から見せるデーターについてだ。部屋に戻って見てくれ」

 

 

「ふむ。分かったよ。部屋に戻ったら、見させてもらうよ。それと君にミッションだよ」

 

 

シャーロックにデーターチップを渡すとシャーロックが思い出したかの様に服のポケットからUSBメモリーを取り出し、ミッションだと言ってきた。

 

 

「・・・ミッション?」

 

 

「現在、ボストーク号は、インドに向かって航行中でね。そこで補給をするんだけど、丁度インドに僕たちの存在を知り、組織的に消そうとしているヤツ等がいるんだ、今回のミッションは、その組織の壊滅と僕たちのデータの削除だよ。詳しくは、そのUSBメモリーを見てくれ」

 

 

「・・・組織の壊滅?まぁ、良い。なら移動手段の乗り物が必要なのだが、何か無いか?」

 

 

「それなら、後でリサ君に聞くといい」

 

 

リサに聞くか・・・ホント俺と同じ歳の女の子なのに良く働くな・・・

 

 

「・・・了解した。ドイツ到着日時は?」

 

 

「4日と17時間38分後だよ」

 

 

4日か・・・それまでに用意する物を用意しないとな。

 

 

「・・・了解した。そのミッション受諾しよう」

 

 

「よろしくね。ゼロ君」

 

 

ニコニコしながら、部屋から出て行くシャーロックの背中を見ながら、ミッションの準備をする。

 

 

 






重大な事を書き忘れていました。

雷電は、この小説に出ません。

雷電に似た立ち位置の主人公がMGS2のタンカーとプラントに出ます。

色々、おかしな事になってしまいますが、世界観が壊れない程度に調整します。

( ̄^ ̄)ゞでは、次回会いましょう( ´ ▽ ` )ノ



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第21弾 覚醒の予兆



シャーロックによる任務を受けた主人公の潜在能力が目覚めます。


第21話です。どうぞ ^^) _旦~~


 

 

インド ムンバイ

 

 

現時刻19:20

 

 

南アジアを代表する世界都市の一つであるムンバイに補給で訪れたボストーク号(イ・ウーの本拠地)は、とある場所の港に駐留させており、乗車員は一時的な自由を得られる中、俺は、YZF-R25(バイク)でシャーロックからの依頼であるミッションを遂行しに目的の場所に向かっている。

 

 

広く長い高速道路を規定速度を超えない速度で走り続ける。

 

 

「・・・目的地まで、あと少しか」

 

 

俺の義体スーツを隠すためにリサが3日で制作した特殊繊維を多く使用したロングコートを風に羽ばたかせていると、目的の場所である街に出た。

 

 

「・・・・確か、この辺りだったな」

 

 

目標地点である組織が滞在中の高層ビルの地下駐車場にR25を駐車し隠す。

 

 

今更だが、このYZF-R25は、ボストーク号の格納庫内に放置されていたバイクを『整備・改造』して持ち出した奴だ。

 

 

そんなバイクを隠した俺は、事前に貰い受けた書類とカードを手に持ち、高層ビルに近づく。

 

 

「・・・上手く行けば良いが」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

数分前

 

 

「・・・シャーロック。本当に大丈夫なのか?」

 

 

YZF-R25に跨り、エンジンを動かした状態でステッキを地面に付けて立っているシャーロックに聞く。

 

 

「安心すると良い。君の事は、事前に向こう側に教えておいたからね。僕たちの使者だってね」

 

 

今回の作戦は、俺たちイ・ウーをどうしても潰したがっている組織・・・FR株式会社の殲滅だ。

 

 

大型会社のお陰で、警備性が高く侵入するのに時間が掛かってしまう為、潰したがっている組織の交渉役として、俺を派遣し話し合いを進めると言う事を口実に幹部が集まっている所を殲滅する。

 

 

「・・・そんな手に引っ掛かるかるのか?」

 

 

「引っ掛からないと言う事はないさ。彼らは、どんな手を使ってでも僕たちを潰したいはずさ。僕たちを嵌めてでもね」

 

 

「・・・・了解した。ミッション終了後は、バイザーから連絡する」

 

 

「あぁ。任せたよ。ゼロ君」

 

 

「ミッションの時は、リンクスだ」

 

 

「そうかい。なら改めて、いってらしゃい。リンクス君」

 

 

「あぁ」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

高層ビル地下

 

 

「・・・・さて、オーグメントモード」

 

 

---システム起動。ウィルスステルスハッキングを開始します。

 

 

当初の計画通り、高層ビルの地下駐車場に『改造した』R25を高層ビル出入り口付近に駐車し、ハッキングに成功する。

 

 

このハッキングは、あるパスワードを入力した瞬間、コンピューターシステムを掌握、ウィルス発信者以外操作不能にさせるモノであると同時にウィルス発信元の場所を情報攪乱する事で、発信元の場所を複数出現させる。

 

 

-----システムハッキング完了。いつでも起動可能です。

 

 

オレが、高層ビルの受付に着くと同時にシステムハッキングによる第一段階を終えた知らせが来る。

 

 

「・・・・システム起動ワード『レイヴン』」

 

 

-----システム起動ワード確認。ウィルス散布開始します。約10秒後にシステム掌握します。

 

 

「・・・・了解だ。コレより、任務を開始する」

 

 

システムワードを言うと同時に受付から、周りを見る、この高層ビルの会社はインドの中でも、有名な会社でもあり、それなりの警備が配置されていた。

 

 

金属探知機型ゲートが2つ・・・そのゲート専用のカードセキュリティシステム・・・ゲート付近に立っている武装警備員が4人・・・

 

 

「次の人、どうぞ」

 

 

オレが、周りを見ていると順番が回ってきた様だ。

 

 

「そのまま、ゲートを潜ってください」

 

 

「・・・・・・」

 

 

警備員に言われるがままにゲートを潜る・・・・・・。それと同時に金属を探知した様で警報が鳴る。

 

 

「すみませんが、金属類の物をお持ちではありませんか?あるなら、見せてもらっても宜しいですか?」

 

 

-----システム掌握完了です。全警備システムをレッドで作動させます。

 

 

呼び掛けに応じない俺に不審に思ったのか近づいてくる警備員4人。

 

 

「・・・・マルチターゲット・・・ロック」

 

 

俺自身のスキルである『複数捕捉(ロック・アイ)』で予めに警備員を含めた会社員全員をロックオンしておく、これにより行動に出た瞬間、何時でも4人を排除できる。

 

 

「キミ。持ち物を見せ・・・っ何だ!?」

 

 

俺に触れようとした警備員だったが、突然鳴り響き始めた警報に驚き、声を上げる。

 

 

「……」

 

 

突然鳴り出した警報機に反応する警備員を余所に俺は足を進めて中に入る。

 

 

「おい!!止まれ!!」

 

 

警報機が鳴った事で騒いでいる民間人に紛れながら、ゲートを潜ると同時に先ほど俺を止めた警備員が、アサルトライフルを向けて静止の呼び掛けをしてきた。

 

 

「・・・防犯シャッターを全て降ろせ」

 

 

足を止めてバイザー内のシステムに命令すると全ての窓・部屋・通路に頑丈な防犯シャッターが下り始めた。

 

 

----了解です。全防犯シャッター起動します。

 

 

「おい!!お前、勝手に前に進むな。さもないと不法侵入罪で捕まえるぞ」

 

 

俺がバイザーに指示を出していると先ほど静止の声を出して銃口を向けてきた警備員が目の前にいた。

 

 

「・・・それはないな」

 

 

「なに?」

 

 

「・・・貴様を含めたこの会社の社員は、ここで死ぬからな」

 

 

「何を言っている?」

 

 

この会社、表では確かに有名に動いている会社らしいが、その裏はインドの首相である人物の弱みを握り脅迫、それによって手に入れた金を使い会社を拡大し研究という名の人体実験を多く行っている、俺が手を出さずとも武偵が証拠を掴んで取り押さえているだろうが、それより先に俺が潰させてもらう。

 

 

「ちょっと!!出してよ!!」

 

 

「何だよこれ!!どうして防護シャッターが閉まってんだよ!!」

 

 

「どうなっている!!防犯システムの異常か⁉」

 

 

「いや!!コントロールルームでも問題が起きている様だ!!」

 

 

俺の言った事に不審に思った警備員が続きを聞こうとするが、周りは防護シャッターが閉まってしまった事に不安がって騒いでいた。

 

 

「・・・こう言うことだ」

 

 

手に持っていた書類を地面に落とし、特殊繊維製ロングコート内に隠していたMP-7を2丁取り出し、警備員に向ける。

 

 

「っな⁉」

 

 

警備員の驚愕の顔を見ると同時にMP-7の引き金を引き、銃口から放たれる数十発の4.6×30mm弾が受付にいた人間の頭や体を貫いていく。

 

 

「きゃぁぁぁぁ!!」

 

 

「ぎゃっ⁉」

 

 

「ぐあっ!!」

 

 

受付フォームにいた人たちの断末魔や悲鳴が空間に響き渡る。

 

 

------残存勢力確認できません。1階の武装兵士の排除を確認。目標の階に数十人の武装兵士を確認しました。

 

 

「・・・感づいたか。目標の排除を優先する。作戦通りに爆薬を設置するぞ」

 

 

------爆薬設置場所を表示します。

 

 

「・・・これで本当に壊せるか不安だが、やるしかないか」

 

 

弾数ゼロになったMP-7を投げ捨て、先ほど地面に落とした書類を拾い上げ中から、一枚書類を取り出し壁に貼る。

 

 

紙と同じ繊維で違和感のない仕様になっているこれは、ミッション開始前にシャーロックから渡された物であり、紙の様に見えて実際は、C4爆薬並みの破壊力を持つ『ペーパーボム』と言う物らしく、実験用に使用してきてくれと頼まれた物だ。

 

 

予定場所に『ペーパーボム』を設置し停止しているエレベーターの扉を無理矢理こじ開ける。

 

 

「目標の階は、最上階だからな。丁度3階付近で止まっているエレベーターを使って向かうとするか」

 

 

こじ開けた入口から顔を上に向けて3階付近に止まっているエレベーターを確認した俺は、エレベーター内部の鉄骨や壁を足場にして、止まっているエレベーターの上に音を消して着地する。

 

 

-----エレベーターを起動させます。

 

 

再起動したエレベーターに乗ること数十秒、漸く目的地である階に到着した。

 

 

「何人いる」

 

 

------バリケードを築いて待機中の武装兵士が6人確認できます。会議室内には、ターゲット4人を含めた武装兵士5人が扉を机などで開かないようにして立て籠もっています

 

 

「・・・バリケードか。3秒後にエレベーターの扉を開けろ」

 

 

------了解です。

 

 

このまま、エレベーターの扉を開けたとしても意味がないだろうからな。工夫させてもらおう。

 

 

上からエレベーターのメンテナンス用ハッチを開け、安全ピンを引き抜き改良されたスモークグレネードを落とす。

 

 

「・・・バイザーとマスクを起動。ナイトビジョンも起動」

 

 

バイザーと同じ様に付いているマスクが起動し、俺の顔を隠す。

 

 

------開きます。

 

 

エレベーターの扉が開くと同時に先ほど落とした物が作動、数秒で白い煙を焚き上げエレベーター内を隠す。

 

 

「っ!!」

 

 

ムラサマブレードを手に持ち、ハッチから飛び降り、一気にエレベーター前に築いてあるバリケードに向かい距離を詰める。

 

 

「っくそ!!何だ!!前が見えないぞ!!」

 

 

「落ち着け!!慌てるな!!」

 

 

「何処にいやがる!!」

 

 

距離を詰めた事でバリケードの奥にいる奴らの声が聞こえ、俺はこの距離で近い一番落ち着いている武装兵士の背後に気づかれず忍び寄り、左手で兵士の口を塞ぎ右腕のアサシンブレードで兵士の肺を突き刺す。

 

 

「っ!?」

 

 

「・・・眠れ安らかに」

 

 

驚愕の顔を浮かべる兵士だが肺を突き刺された事による激痛と口を塞がれている事で喋れず、力が抜ける様に地面に倒れる。

 

 

「っ何だ!?ぎゃ!!」

 

 

「どうした!?ぐぁ!!」

 

 

「お、おい!!がはぁ!!」

 

 

それに続き、近くにいる兵士を連続CQCを応用した連続キルストークを繰り出し、アサシンブレードの刃により命を絶たれていく。

 

 

「退け!!退け!!スモークから出るんだ!!」

 

 

連続キルストークで続いて4人目の兵士を無力化しようとブレードを向けようとした瞬間、生き残った兵士の一人の指示により、3人の兵士がスモークの範囲内から出てしまった。

 

 

「っくそ!!おい!!他の奴らは!?」

 

 

「分からねぇ!!悲鳴が聞こえたと思ったら別の奴の悲鳴も聞こえて・・・それで」

 

 

「っち!!奴はまだ、あそこにいる筈だ!!奴から俺たちが見える訳ない!!撃ちまくれ!!」

 

 

生き残った3人がスモークの外で話し合っているな。それよりもこんなに視界が悪い状況で無暗に銃を撃つとは・・・仲間がいるとは思わないのか?

 

 

多分死んでいると思っているんだろうが・・・

 

 

「・・・それよりも俺は隠れるか」

 

 

ムラサマブレードで地面のコンクリートを薄く切り、俺が入れる位の穴を作り隠れる。

 

 

「うおおおぉぉぉぉぉ!!」

 

 

「死ねぇぇぇぇぇぇ!!」

 

 

「消えろ!!消えろ!!消えろぉぉぉ!!」

 

 

俺が穴に隠れると同時に兵士の雄たけびと空薬莢の落ちる音そして銃弾を放つ銃声が聞こえてくる。

 

 

「・・・全く、混乱しすぎだろ」

 

 

普通こう言った部隊なら冷静に対処しないといけない筈なのにな。放たれた数十発もの銃弾は、地面に倒れている元仲間である兵士の体に突き刺さる音やコンクリートの壁を削り取る音が聞こえる。

 

 

「止め!!止め!!」

 

 

数秒後、兵士の一人が射撃停止の合図を出すと、それから2秒後に銃声が止んだ。

 

 

はぁ、体中の砂埃が半端ないな・・・帰ったらスーツのメンテナンスとコートの洗濯、それにシャワーを浴びないとな・・・

 

 

そんなことを思いながら、穴から出て前を見ると、未だに前が見えない為に此方を疑う様に見ている兵士が3人いた。

 

 

「・・・そろそろ警察が来るだろうからな。早急に終わらせよう」

 

 

ムラサマブレードを構え、兵士3人の場所に向かって歩く。

 

 

「っ!!構えろ!!何か来る!!」

 

 

マスクとバイザーを解除して敵のいる場所に足を進めると兵士の一人が感づき残り2人に声をかける。

 

 

「・・・・・・」

 

 

ゆっくり・・・ゆっくりと遅くないスピードで恐怖を感じさせる様に歩き、スモークの範囲から出る。

 

 

 

「っひ⁉どうして生きて・・・」

 

 

スモークの範囲内から出た瞬間、3人の内の一人が悲鳴に近い声を出して後退する。

 

 

「貴様!!一体何者だ!!ここが世界有数の大型会社`クルーエル´と知ってか!!何故この様な事を!!」

 

 

一人が怯えている中、2人が銃口を向けて言ってくる。

 

 

「・・・貴様らに言う必要はない」

 

 

実際問題、この会社の奴らは、全員グルである事を確認済みであり、口止め料として結構な額の金を全員もらっている。そんな奴らに言った所で意味はない。

 

 

それにな・・・私情なんだが、俺自身こう言った会社には胸糞が悪いほど嫌いでな。

 

 

「・・・そんな会社に勤めときながら、知らん振りしている奴には、もっと苛立ちを覚えるからな・・・」

 

 

怒りゆえか分からないが、自分の体から黒く闇に近い色をした炎が漏れ始めた。

 

 

「・・・?」

 

 

俺自身その黒炎が何なのか、分からないが怒りゆえにそんな事を気にしている暇がなかった。

 

 

「何だ!?その体から出ている物は!?」

 

 

さぁな?俺本人が聞きたい所だな。

 

 

「ま、まさか!?超能力者!?(ステルス)

 

 

超能力者か・・・それだったら、この黒炎が熱くなく暖かい、言うなれば、母に抱き着かれている様な暖かさか?

 

 

「っくそ!!撃て撃て!!」

 

 

何故だろうな。普通だったら、奴らが放つ銃弾を回避したりガードする物だろうが、この黒炎がいるだけで、それをしなくて済むような安心感がある。

 

 

そんな思いがあった為か。回避をしなかった俺の体に向かって数十発もの銃弾が飛来してくる。

 

 

「(こんな賭けに出て死んでしまったら、シャレにならないな・・・頭に飛来してきた弾丸だけ防ぐか)」

 

 

既にハイニューロチップによる脳の高速稼働をしている事で飛来してくる弾丸を目で追えるレベルまでにしている為、容易に回避が可能だ。

 

 

しかし、その考えも直ぐに不要になった。

 

 

「・・・そんな心配も要らないようだな」

 

 

何故なら、俺が頭に飛来してくる弾丸の弾道を読んで回避しようと動く前に黒炎が先に動き、俺の2m先で黒い炎の壁が現れ飛来してきた銃弾が瞬時に`蒸発´した・・・そう、蒸発したのだ。

 

 

こう言うと、結構可笑しな話だが、普通だったら黒炎の壁にぶつかった瞬間、弾丸を`溶かす´物ではないか?

 

 

それを溶かすのではなく`蒸発´させるとは、火力が可笑し過ぎるな・・・

 

 

この能力少しばかり厄介だな。使い所を選ばないと危険だ。

 

 

「っくそ!!弾が当たらね!!」

 

 

「奴に当たる前にあの黒炎に妨害されやがる!!」

 

 

「くそっ!!くそっ!!」

 

 

俺が、一人で思考をしている中で、黒炎によって自分たちが放った弾丸が無力化されている事に苛立っている兵士の声が聞こえ、意識を向けると未だに銃を撃ち続けている兵士3人がいた。

 

 

「(それより、この能力は武器として使えるのか?)」

 

 

俺の体から漏れ出て、先ほど銃弾を意識を持っているかの様に動いて防いでくれたという事は、武器として使えないだろうか・・・

 

 

「・・・思い立ったら何とやら、だっけか?」

 

 

左手を前に出し軽くイメージを開始する。とある人が言っていたな超能力などはイメージが大切だと・・・

 

 

イメージをするのは、地獄の炎。人間の血肉や骨をも焼き尽くす灼熱の劫火・・・

 

 

軽く?イメージすると手の平から先ほど銃弾を防いだ黒炎の壁より、濃く濃厚な色をした火の玉状の黒炎が現れた。

 

 

「(大きさからして硬式野球ボールくらいか?)」

 

 

これがどう言った効果を持つのか。俺にも分からないが・・・

 

 

「くそっ!!おい!!アイツ何かやるみたいだぞ!!」

 

 

俺の手の平に浮かぶ黒炎を見て慌てている様だが、そんなことより逃げる事をお勧めしよう。

 

 

「・・・黒炎の大火球(ダーク・ボール)」

 

 

3人が慌てている中にピッチャー顔負けのフォームで投げ込むと空中で3つに分裂し各個3人に向かって飛来し瞬時に着弾した。

 

 

「何だよ!!これ!?」

 

 

「くそっ!!熱いぃぃ!!」

 

 

「消えねぇ!!この火!!消えねよ!!」

 

 

避けても追尾した黒炎に着弾した3人の体を瞬時に黒炎で包み燃え始めた。

 

 

地面に転がり、黒炎を消そうとする奴もいれば、服を脱いで消そうとする奴もいたが、銃弾を瞬時に蒸発させた火力のだけあって、その火力により人体を瞬時に焼く。

 

 

「・・・・・・・」

 

 

数秒が経っただろうか?気付いたら3人の声が聞こえず周囲には、血生臭く焦げの臭いが漂っていた。

 

 

兵士がいた場所に残ったのは、未だに燃え続けている黒炎しかなかった。

 

 

「・・・消えない?」

 

 

未だに燃え続けている黒炎は、地面のコンクリートの上で燃え続けており、消える気配がなかった。

 

 

「・・・燃やす物が無いのに燃え続けている?」

 

 

このまま残すのも危険のため消したいのだが・・・

 

 

「・・・消えた?」

 

 

心の中で`消したい´と思った瞬間、体から漏れ出ている黒炎と燃え続けていた黒炎が焼失した。

 

 

「・・・今一、この能力が何なのか分からないが使えるな」

 

 

・・・っと、それよりさっさと終わらせないとな。

 

 

3人が燃え尽きた場所をみた俺は目的を思い出し、バリケードの先にある部屋の前に移動する。

 

 

「・・・この能力についてはシャーロックに聞くか」

 

 

自分でも、この能力がわからないからな。この任務が終わり次第、聞きに行くか。

 

 

そんな事を考えながら扉前に移動しムラサマブレードを構える。

 

 

「・・・終わらせるか」

 

 

 

 






登場した爆弾『ペーパーボム』について

紙の繊維自体が超圧縮された爆薬であり、極微量の電流(静電気)によって化学反応が起き、爆発する仕様になっている。

その為、紙の近くには携帯電話型信管が置いてあり、その携帯電話に連絡した瞬間、静電気が発生し爆発させる様になっている。


では次回会いましょう(^_^)/~


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第22弾 氷の貴公子との邂逅


やっと、オリキャラ出せました!!


長かった・・・実に長かった・・・


申し訳ありません。今回短いです・・・


すみません。


第22弾です。どうぞ( ^^) _旦~~





 

 

現在位置:太平洋ハワイ付近

 

 

ボストーク号内:シャーロック執務室

 

 

インドでの任務から、既に2ヶ月経っている。つまり俺がこの組織に入って2ヶ月と3日になった。

 

 

未だにインドで発現した黒い炎の能力については、不明点が多い状態で止まっている。

 

 

俺が今、シャーロックの部屋にいるのは、能力の事について聞くためだ。

 

 

「・・・それで、どうなんだ?」

 

 

高級品である皮製の椅子に座りながら優雅に紅茶を飲んでいるシャーロックに聞く。

 

 

「ふむ。やはり、フォートナム・メイソンは良いものだよ」

 

 

「・・・どうなんだ?」

 

 

「僕の力でも未だに分かっていないよ」

 

 

「・・・進展なしか」

 

 

「ふむ。しかし、気になる事が幾つかあるね」

 

 

「・・・気になる事?」

 

 

「研究所で君は黒い宝石に触れていたっと言っていたね?」

 

 

ん?確かに言ったな。

 

 

英才教育・戦闘訓練・特殊工作訓練を受けている中、時々だが黒色の鉱石を触れていた。

 

 

その黒い鉱石が、普通の鉱石では無いと言うのは知っていた。

 

 

「・・・あぁ。奴らに触れと言われて触っていたな」

 

 

「どう言う鉱石だったんだい?」

 

 

「・・・何故だ?鉱石が関係しているのか?」

 

 

「その可能性が高いかもしれないね」

 

 

「・・・そうか」

 

 

「それで?どんな感じなんだい?」

 

 

どんな感じ・・・か。

 

 

「・・・見た目は黒く何もかも飲み込んでしまいそうな色だが、感じが悪い訳じゃない。むしろ・・・」

 

 

「むしろ、優しく包み込む様な感じかい?」

 

 

「・・・あぁ。触れた時の感じは、暖かく何かの温もりを感じた」

 

 

・・・あれが何か分からないが、何かに包み込まれた様な・・・父や母の様な存在に抱かれた様な?感じか?

 

 

「・・・・・・・」

 

 

俺がシャーロックに言うと先ほどまで飲んでいた紅茶を置き、何かを考えるかのよう動きが止まった。

 

 

「・・・どうした?」

 

 

「もう少し、時間をくれないかい?僕の考えが合っていれば、君の能力について分かるかもしれないからね」

 

 

「・・・そうか。分かった。どれくらい掛かる」

 

 

「確証が付いたら知らせるよ」

 

 

「・・・つまり、不明か」

 

 

「すまないね」

 

 

「・・・別に構わないさ。俺の我が儘だしな」

 

 

分かったら知らせるか・・・しょうがない、新しく考えた技を訓練区画で試すか。

 

 

「・・・邪魔したな」

 

 

「うん。それじゃあね」

 

 

シャーロックの部屋から退出し訓練区画に通じる通路を歩く。

 

 

背中に殺意のこもった強い視線を感じる、この視線はシャーロックからのミッションで出会う人間たちと似ている・・・

 

 

もう一人視線を感じるが、この視線は殺意がこもっていない、敢て言うなら心配などの感情がこもった視線だ。つまり俺を見ている人間が2人いるという事・・・

 

 

「・・・・・・」

 

 

それも隠す気が無い様だな・・・

 

 

視線を感じながら、そのまま無人の訓練区画に入り剣技を使うときに使用する特別訓練区画の中央に向かい立ち止まり、未だに感じている視線を向けている人物に向かって言う。

 

 

「・・・俺に何の用だ?」

 

 

ムラサマブレードの柄に手を添え視線を向けている人間に向かって殺意を込めて言う。

 

 

「・・・っ!?」

 

 

顔を相手に向けずに言うと同時に背中に危険を感じ、体を少し動かすと先ほどまでいた場所に先端が鋭く透明な物体が通り過ぎた。

 

 

「・・・いきなりか」

 

 

ムラサマブレードを何時でも引き抜ける様にしながら、先ほどの『物体』を投擲してきた場所に振り向き目線を向ける。

 

 

「っち。今のを避けるのかよ」

 

 

その言葉が聞こえると投擲したであろう場所から現れたのは、白く輝く銀髪を揺らしてLEDライトによって光り輝く胸当てプレートと騎士を思い出させるかの様な腕当ての篭手、足には薄い金属プレートで作られたかの様なレガースを体に装着した俺と同じくらいの男が出てきた。

 

 

「・・・何の用だ?お前の様な奴に命を狙われる様な覚えは無いと思うが?」

 

 

万が一にあったとしても、記憶に残っていると思うがな。

 

 

「何?記憶に無いだと?俺の伴侶に手を出し(誘惑)ときながらか?」

 

 

伴侶?一体誰の事を言っているんだ?俺の記憶の中にそんな奴に手を出した(殺し)覚えは無いと思うが・・・

 

 

「・・・一体誰の事だ?記憶に有り過ぎて分からない(殺した人数や恨まれる理由)」

 

 

「貴様ぁぁ!!俺の伴侶では飽き足らず他の女性にも手を出しているだと!?」

 

 

目線を下げ左手を顎に添え、考える人ポーズで頭の中の記憶メモリーを引き出す。

 

 

女性?此奴が言っている伴侶は女性なのか?しかし、俺の記憶の中で女性と言うとなれば、ミッションで同行したリサと曹操姉妹の狙姉(ジュジュ)と孫(猴)くらいだと思うが?その中で伴侶なんていたか?

 

 

「・・・おい。一体何の㏊・・・っ!?」

 

 

俺が確かめに聞こうと思い、目線を上げると先ほどと同じ様に鋭く透明な物体が目の前に迫ってきており、瞬時に首を傾けそれを回避するが、頬の掠めた様で少し切れてしまい人間が流す血とは、かけ離れた灰色の血液が切り口から垂れた。

 

 

「・・・・・・何のつもりだ」

 

 

突然の攻撃に驚きと苛立ちを感じ、声に力が入りドスが聞く声を出してしまう。

 

 

「黙れ!!貴様の様な下種野郎は野放しにできない!!教授が直接連れてきた者だろうが、俺には関係ない!!俺の伴侶に手を出した者は絶対に許さん!!」

 

 

っち・・・此方の話は聞かないつもりか。なら・・・

 

 

「・・・・・・お前に聞かせられる様にするまでだ」

 

 

俺は後ろに後退しムラサマブレードを引き抜く態勢で攻撃してきた人物を睨む。

 

 

「良いだろう。貴様に引導を渡してやる!!」

 

 

 





すみません。


リアルでの友人と一緒にBF4やらFFオンラインやらをやっていたら、遅くなりました。


そんなリアルでの友人をモデルにしたオリキャラがやっと出せました・・・


他にも2人ほど、リアルでの友人を元にモデルにしたオリキャラが出ます。


それらの深い設定は、また後程に


では次回「第23弾 氷の貴公子との決闘」


では(^_^)/~次回会いましょう。



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第23弾 氷の貴公子との決闘


すんごく短いですがすみません。


ではどうぞ( ^^) _旦~~


 

ボストーク号:特殊訓練区画

 

 

その部屋には、パトラと戦った時とは違い観客などの野次馬おらず、静かな空間を保っている。

 

 

そんな部屋に2人の少年から溢れ出る殺気により、一変して殺しが絶えない戦場と同じ空気になる。

 

 

リンクスSide

 

 

意味の分からない理由で襲ってきた人物の装備を見る。

 

 

体は露出度の高く防御力が無いであろう防具を装着しており、手には刀身が曲っており、刃が鋸状になっている凶悪なククリナイフを握っている。

 

 

手に持っているククリナイフの方も気になるが、俺の方向から見えないが腕に装着されている物は・・・

 

 

「・・・・・っ!!」

 

 

俺が奴を見ていると先ほどと同様の攻撃を行ってきた事に思考を中断し攻撃を躱す。

 

 

「っふ!!」

 

 

透明で鋭い物体を避けると同時にククリナイフで斬り掛かってくるが、ムラサマブレードの鞘で受け流す。

 

 

「っく!!ふっ!!はっ!!」

 

 

「・・・」

 

 

二の腕、太腿、首と連続で斬り掛かってくるが、全て鞘で防いでいく。

 

 

「氷槍っ!!」

 

 

「・・・・・・」

 

 

斬り合っている中、先ほど飛ばしてきた物より少し大きく鋭いモノを飛ばしてくるが、体を最小限で動かし回避する。

 

 

ふむ。敵性レベルで言えば『A+』と言ったところか。

 

 

「貴様っ!!ふざけるのもいい加減にしろ!!何故抜かない!!」

 

 

俺が反撃せず、回避している事に苛立ったのか、手に持っているククリナイフを此方に向けて言ってくる。

 

 

「・・・抜く必要は無いと判断したまでだ」

 

 

敵性レベル『A+』とは、良くて軍人の一般レベルであり、俺から見たら十分に弱い。

 

 

「俺が弱いとでも言いたいのか!!」

 

 

「・・・ああ」

 

 

確かに奴のレベルは常人より高い。しかしそれは『得意分野』での話だ。

 

 

バイザーからの情報で分かった事だが、奴の本当に得意な分野は、こう言った近接格闘戦ではなく、遠くにいる敵を狙い撃つモノ、所詮『スナイパー』と言った所だ。

 

 

「貴様ぁ!!」

 

 

どうやら、頭に血が上り過ぎていて得意分野であるスナイプではなく、近接格闘戦にしてしまった様だな。

 

 

「・・・・」

 

 

戦場で冷静さを失ったら自身の『死』を招くと言うのに、どうやら身内の事になると頭に血が上りやすいのか?

 

 

しょうがないな。少し相手をするか。

 

 

「やっと、その気になったのか?」

 

 

ムラサマブレードを引き抜かず背中に装着させて近接格闘の構えを取る。

 

 

「・・・・さぁな」

 

 

「っ・・・貴様の様な奴を見ていると虫唾が走るんだよ!!」

 

 

そう言われてもな、此方は完全にお前の勘違いで襲われているだけだしな。

 

 

「・・・少し頭を冷やせ」

 

 

奴に先手を打たせる前に此方が先手を打つ。人工筋肉による瞬間距離移動術『縮地』を使い奴との距離を目に見えぬスピードで詰めて目の前に移動する。

 

 

「っ!?」

 

 

いきなり目の前に現れた俺に思考が一瞬だが止まった様だが瞬時に思考を動かし右手のククリナイフで斬り掛かってくるが、左腕の篭手で受け流し、空いている右拳を装甲プレートのない腹部を体が吹き飛ばさず内臓を壊さないレベル(嘔吐レベル)で殴る。

 

 

「っがは!?」

 

 

そんなレベルで殴られた衝撃で前かがみになった瞬間、右拳を引っ込めずそのまま装甲板を掴み、ククリナイフを握っていた右手を左手で掴み取り、そのまま背負い投げに近い投げ技で奴の背中を地面に叩き付けた。

 

 

「・・・がっ・・は!?」

 

 

自身の体重と投げられた時の衝撃によるダメージが一気に体内の器官を圧迫された事で肺に入っていた酸素を吐き出す。

 

 

「・・・・・・」

 

 

「・・・気絶したか」

 

 

最初に背中から地面に接触したからと言っても、頭にもそれなりの衝撃が襲い脳震盪を起こし奴は気を失った。

 

 

「・・・さて、説明を要求する」

 

 

俺は割れ物を扱うかの様な対応で襲って来た奴を看病している女『リサ』に向けて少し殺気(普通だったら泡を吹くレベル)を当てながら言う。

 

 

「・・・・・あ・・・そ・・の・・」

 

 

殺気に当てられたリサは、顔を青くし冷や汗を流しながら喋ろうとするが上手く舌が回ら無い様だ。

 

 

「・・・説明をして欲しいのだが?」

 

 

殺気で喋れないのであろうと思った俺は、殺気を治めて聞く。

 

 

「・・・はっ・・・はぁはぁ・・・はい・・・」

 

 

殺気を治めた瞬間、大きく息を吸い込み返事をするリサ。

 

 

・・・そこまで強く殺気を送った覚えは無いのだが?←(無自覚)

 

 

まぁ、それよりもコイツが襲って来た理由を聞くとするか。

 

 





呆気無い程の戦闘終了。


次回辺りにオリキャラの名前が出します。多分・・・


では(^^)/次回会いましょう(@^^)/~~~


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第24弾 氷の貴公子の誤解

明けましておめでとうございます!!


気づいたら新年迎えちゃいました!!


こんな調子で投稿して行きますがよろしくお願いします!!


ではどうぞ( ^^) _旦~~


 

ボストーク号・休憩室

 

 

ゼロSide

 

 

「それで?つまりコイツの勘違いだと言うのか?」

 

 

未だにCQCでのダメージが大きかったのか眠りについている男・・・コルネール・J・ダルクを見て言う。

 

 

「はい・・・」

 

 

どうやら、此処で延びてる男・・・コルネールはリサ・アヴェ・デュ・アンクの主・・・つまり一種の従者と言うモノだな・・・

 

 

その『主』が何をどうやって勘違いしたのか知らないが主人であるコルネールは、リサが部屋に戻った時に俺に対しての恐怖を感じて空元気な雰囲気(第19弾参照)を出し続けていた所を感じ取り、俺に脅されているなどと言う考えに至ったらしく、怒り行動に移してしまった様だ。

 

 

その結果・・・と言うか完全なる勘違いで返り討ちにされ地面で延びている・・・

 

 

「・・・・・・大体は理解した。リサ・アヴェ・デュ・アンク」

 

 

理解はしたが、このままだと気が収まらないからな・・・

 

 

「は、はい!!」

 

 

「・・・・・・3日後の資金調達ミッションに2人共同行しろ」

 

 

3日後の資金調達ミッション・・・アメリカのニューヨーク州ロチェスター市に潜伏している大量麻薬密売集団‘レッド・クレイジー’の殲滅と汚れた金の回収だ。

 

 

依頼主は確かアメリカ合衆国第43代目ジョージ・シアーズだ。

 

 

そう・・・知っている人は知っていると思うがメタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティで愛国者からの自由を手に入れる為に大型テロを引き起こした張本人・・・後のソリダス・スネーク本人からの依頼だ。

 

 

この依頼は、シアーズ本人からシャーロックに今時珍しい極秘暗号化され一般の手紙でカモフラージュされた依頼書が届いたらしい。

 

 

その依頼書の内容には、イ・ウーの中にいるで実力がSランクに匹敵する者を最低でも3人必要とのこと。

 

 

「わたしとコウ様を・・・ですか?」

 

 

何故、俺がこの2人を選んだかと言えば簡単だ。ちょうどいい具合にこの2人の役割(ロール)が合っているからだ。

 

 

リサ・アヴェ・デュ・アンクはサポートに特化した人材だ。現にイ・ウーの会計士を担当しているし救護としての腕前も十分だ。

 

 

なんせ軍隊並みか・・・それ以上の衛生技術をもっているからな・・・

 

 

それとは逆にコルネールは遠距離から標的を狙うスナイパーとしての腕はバイザー越しの計測によるとスナイパーに必要な能力値がプロスナイパーと同等かそれ以上の数値を出していたからだ。

 

 

数値だけで信用するのかって?いや、普通だったら信用しないだろうな。

 

 

選ぶ理由は2つあるのだが、その内の1つは戦場(?)で私情を挟むと言うのは良い事じゃないが・・・主な理由は俺を襲ってきたコイツへの仕返しでもある。

 

 

もう一つはスナイパーとしての腕前は多分だが狙姉(ジュジュ)の方が上だろうが、後れを取らないレベルだとは思う。

 

 

通常ミッションでの同行では、この男でも大丈夫であると判断する為でもあるしな。

 

 

「・・・・・・あぁ」

 

 

「あの・・・ですが、わたしは・・・」

 

 

「・・・・・・お前は戦場に出なくて良い」

 

 

「え?」

 

 

「どうやら、今回赴くミッションの奴らは今までの奴らと違い連携と武装が段違いだ。だからお前は主であるその男のサポートをしてもらう」

 

 

大量麻薬密売集団‘レッド・クレイジー’の本拠地にアメリカの特殊戦術部隊‘SWAT’と連邦捜査局‘FBI’の2組が強襲したが、正規軍隊と同等の武装をした一個中隊規模の武装ギャングたちの猛反撃により2組に多大なダメージを与えたられ返り討ちにされたとの報告がある。

 

 

そんな所に連れて行った所で足手纏いになるしな。狙撃手であるコルネールとその従者であるリサなら観測主としての役目もこなせるだろうしな。

 

 

「サポート・・・ですか?」

 

 

「・・・・・・あぁ。狙撃兵であるコルネールのサポート・・・つまり観測主(スポッター)をすれば良い」

 

 

「スポッター・・・ですか?」

 

 

今までイ・ウーでの会計士としてしか活動していたのが仇になりあまり戦闘をした事がないリサにとって、狙撃手(スナイパー)のサポート役である観測主(スポッター)がどの様なモノか分からず、焦りの表情が出る。

 

 

「・・・役割が分からないなら、三日もあるんだ三日でお前の主に迷惑を掛けないレベルになってみるんだな」

 

 

幸いこの潜水艦内には、役割について教えてくれる人間がいるだろうしな・・・

 

 

「コウ様に迷惑を掛けない・・・・・・はい!!やります!!」

 

 

「・・・・・・そうか。なら俺の用は済んだ。部屋に帰らせておらう。ちゃんとそこの狸寝入りしている主さんに説明しとけよ」

 

 

俺は気合を入れているリサにそう言い、休憩室から退出して部屋に向かおうとするが、腹部から空腹の訴えが聞こえてくる。

 

 

「・・・・・・そう言えば、朝から何も食っていなかったな」

 

 

部屋に向けていた足をPXに向けて歩く。

 

 

「・・・・・・結局、新技を使わなかったな」

 

 

そんな呟きは、腹部からの訴えによって虚しく消えた。

 

 

 





え~と、リサの勇者様は原作主人公である遠山キンジではありません!!

なんとオリキャラであるコルネール・J・ダルクがリサの勇者様になっています!!

リサ好きの方すまない!!だがこれは予定であった通りなんだ!!

本当に済まない!!


今後こう言った展開があるかもしれませんが苦手である人はブラウザバックお願いします!!

大丈夫である方は、また次回会いましょう(^_^)/~



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第25弾 紅き雷電と自由を求めた蛇



長らくお待たせしました。


ではどうぞ( ^^) _旦~~


 

アメリカ合衆国

 

 

ニューヨークのとある隠れ家

 

 

資金調達任務の当日、俺を含む3人はシャーロックが用意したアメリカの隠れ家にいた。

 

 

「・・・ついたな」

 

 

「へぇ・・・もう少しボロボロかと思ったが、結構新しいな」

 

 

「はい。どうやら、建ててまだ1か月しか経っていないそうです」

 

 

シャーロックに用意されたアメリカの隠れ家に着いた俺たち3人は、各自自分の部屋に入り荷物を置きリビングに集まる。

 

 

「・・・・・・資金調達の任務に来たわけだが、少し情報が必要だな。2人は情報を取ってきてくれ」

 

 

「俺は今回の依頼主に会ってくる。2人は食料と情報を調達してきてくれ。フード付きのパーカーで顔を見られない様にししてな」

 

 

「分かっている。お前こそ気を付けろよ。今回の依頼主はアメリカ大統領だ。潜入には大いに気を配らないと捕まるぞ」

 

 

「・・・あぁ。問題ない。エンジニアの壷に製作させた光学迷彩がある」

 

 

「それなら良いが・・・」

 

 

2LDKの室内に必要最低限の装備以外を武器庫に置き支度を済ませる。

 

 

2人、コルネールとリサの両名にそう言い、俺はスーツの上からインドの任務から着ている特殊繊維ロングコートを着て足の太ももに専用レッグホルスターを付けてキラーエンペラーを入れ外に出る。

 

 

外に出て人目の付かない場所に移動しロングコートに付いているフードを被り市街地を走る。

 

 

----目標ポイントまでの距離589mです。

 

 

「・・・通常ルートだと時間が掛かるな。ショートカットしていくか」

 

 

柵を飛び越え、ある程度の高さの建物を登り走る。

 

 

「すげー・・・動画でも撮ってるのか?」

 

 

「フリーランの動画か?」

 

 

「マジかよ。アレがプロか」

 

 

俺が街中でフリーランしていると、それを見たアメリカ人達がフリーランニング動画の撮影かと思い携帯で撮ろうとして注目を集めるが、俺はそれ気にせず走る。

 

 

----目標ポイントまでの距離122mです。

 

 

「・・・そろそろか。光学迷彩起動」

 

 

低ノイズ音の様な音が聞こえると同時に俺の姿が消える。

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

シアーズSide

 

 

「・・・また軍事費用が増えているな」

 

 

秘書から受け取った書類を見ているとアメリカの軍事費用が増えている事に頭を抱える。

 

 

もう少し掛かる費用を下げて欲しいモノだ・・・これでは無駄に金が減っていくだけじゃないか・・・

 

 

〔シアーズ大統領。ダリル・ランシング副部長がお見えです〕

 

 

費用に頭を抱えていると更に頭を抱える原因である人物が来た様だ。

 

 

「通してくれ」

 

 

専用の電子機のマイクでそう言うと数秒後、ノックが聞こえ返事をすると部屋の扉が開き少し太った中年の男が部屋に入ってきた。

 

 

「どうやら、経費に頭を抱えているようですな。シアーズ大統領?」

 

 

「そう思われるのであれば、少し手伝ってはくれませんか?ダリル副部長」

 

 

「ははは。遠慮させて頂きますよ。それと今回ここに訪れたのは、これをお渡しするためです」

 

 

この男、ダリル・ランシングはCAI作戦本部副部長の職に就いている男だ。そして、私の同士でもある。

 

 

そのダリル副部長がそう言いながら書類を渡してきた。

 

 

「ふむ。拝見しても?」

 

 

「えぇ」

 

 

「っ!!・・・・・・そうか、準備ができたのか」

 

 

「はい。あとは時期です」

 

 

「わかった。検討してみよう。ほかにこの情報を知っている者は?」

 

 

「今のところ、あなたと私だけです」

 

 

「分かった。下がりたまえ。おって連絡しよう」

 

 

「はい。それでは」

 

 

下がるように言うと素直にそのまま部屋から出ていくダリルを目で追い、部屋から出たのを確認し、別の場所に目を向ける。

 

 

目を向けた場所には、本来来客が来た時に座らせるソファーしかない。しかし、よく目を凝らして見ると『何か』がいた。

 

 

「さて、そこにいるのは、誰だ?」

 

 

この部屋に来るまでにあるセキュリティーをどうやってすり抜けて来たのか非常に気になるが、まずはそこにいる「何か」の正体が分からないと意味がない。そう思った私はそこに座っている「何か」殺気を立て聞く。

 

 

「・・・・・・ふむ。光学迷彩と言えどやはり便利ではないか」

 

 

私は驚いた。私の問いに答えたのは、まだ幼さが残っている子供の声であった事もだが、その「何か」が言った光学迷彩は我が国で現在製作途中であるのだから、しかし「何か」が纏っているそれは正真正銘の完成した光学迷彩であった。

 

 

「その声からして子供か・・・なぜ子供がその様な技術を持っている?」

 

 

「・・・・・・それは答えられないな。シアーズ大統領。いや『自由を求める蛇』」

 

 

姿の見えない子供の「何か」に向けて机の中に隠していたPDW「P―90」の銃口を向ける。

 

 

「貴様っ!!『奴ら』か!?」

 

 

「・・・・・・いや、俺は愛国者達じゃない。俺は・・・いや何でもない。此処に来た理由は、イ・ウーとしてだ」

 

 

愛国者達じゃないだと!?ならばどうしてその名を知っている!!シャーロックッ!!一体何者を送ってきているのだッ!!

 

 

「・・・・・・落ち着け。俺以外この情報を知っている者は今の所いない」

 

 

「証拠は何処にある・・・っ!!」

 

 

「・・・・・・はぁ。ならこれでどうだ?」

 

 

子供の声の『何か』がそう言うとノイズの入ったラジオ音の様な音が聞こえると同時に『何か』の姿が見えた。

 

 

「っ子供か・・・」

 

 

姿を見せたのは黒いロングコートを身に纏い、目元まで隠れるフードを被った少年だった。

 

 

「・・・確かに俺はまだ14歳のガキだが」

 

 

しかし、イ・ウーに属しており、かの名探偵で有名なシャーロック本人が寄越した者ある。

 

 

「しかし、そのフードから覗ている瞳に宿るのは狂気に近し哀しみと憤怒の瞳・・・そして人を殺めた事のある兵士の瞳をしている」

 

 

この少年の瞳から溢れ出んばかりの異常なオーラ・・・いやプレッシャーか?

 

 

「・・・・・・」

 

 

この少年・・・確かに奴らの仲間でもなければ利害関係でもなさそうだ・・・

 

 

「良いだろう。信じてやろう。最後に名前を聞こう」

 

 

P-90を下ろし席に座り直して、名前を聞く。

 

 

最低でも名前さえ判明してしまえば、我々アメリカの力で身元など簡単にわかってしまう。

 

 

今この目の前にいる少年が何者なのかを知らなくてはならない。

 

 

「・・・・・・コードネーム:リンクス」

 

 

「まさかっ!!紅き鷹の雷電・・・ライトイングホークかっ!?」

 

 

紅き鷹の雷電(ライトニング・ホーク)・・・・・・各国の悪名高い犯罪集団を見つけたら、気配を消して忍び寄り狩りのチャンスを見つけた瞬間一気にその魂を切り捨て、誰に見つかる事無く姿を消し立ち去る。

 

 

その場に残るのは、命尽きた者の紅き血痕とその者であった体、地面に落ちた無数の空薬莢・・・そして何か大きなモノに切られたかの様な斬撃の跡・・・

 

 

狙った獲物は必ず仕留める狩人にして暗殺者・・・我々アメリカは、この者の2つ名を紅き鷹の雷電(ライトニング・ホーク)と決定した。

 

 

この者の通り過ぎた道には無数の空薬莢、鼻の奥に染み渡る程に充満した硝煙と火薬の燃焼の臭い、悪しきモノであった切り落とされた体とその体から溢れ出る血の海が現場に残る。

 

 

その現場に赴き現状を見た者は皆、口を揃えて言う『地獄の様な場所』であったと・・・

 

 

「・・・・・・そう呼ばれてもいる」

 

 

「ははは!!驚いた・・・まさかこの様な歳場のない子供が、かの紅き鷹とは」

 

 

「・・・・・・本題に移って良いか?」

 

 

「お主が紅き鷹の雷電(ライトニング・ホーク)ならば、先ほどの事も頷ける。良かろうお主がイ・ウーのシャーロックが寄越した兵だと言う事と奴らの仲間ではない事も信じよう。して聞きたい事とは何だ?」

 

 

「・・・・・・今回のミッションのレッド・クレイジー殲滅。俺たちがいなくてもアンタ等アメリカなら出来るのではないか?」

 

 

「ほぅ。どうしてそう思う?」

 

 

「アンタの私設部隊『死の細胞(デッドセル)』やロスアラモス研究所の人口天才を使えば可能だと思うが?」

 

 

この少年・・・一体どこまで情報を知っているんだ?ロスアラモスについては極秘研究所のはずだ・・・情報閲覧は出来ないと筈だが・・・

 

 

デッドセルとて同じだ・・・あの者達についての情報は消したはずだが・・・

 

 

「この際、どうして情報を知っているのかについては聞かないが、その疑問についての答えは不可能だからだ」

 

 

「・・・・・・不可能?部隊派遣がか?」

 

 

「我々にも状況確認が完全に出来ていないのだ。先遣隊による偵察を試みたが全員帰還してこないのだ」

 

 

「・・・・・・アメリカでこの有様・・・だから超人が集まるイ・ウーに救援を頼んだと?」

 

 

「情報がわからないと言う状況に兵を送る事もできない。しかしお主らイ・ウーは金や条件次第で動く。だから任務を送ったのだ」

 

 

「・・・・・・良いだろう。ならば此方で回収した薬物や金は好きにさせて貰う」

 

 

「構わん。汚れた金など処分するだけだからな。薬物も同じだ」

 

 

「・・・・・・了解した。ではミッションについては終わりだ」

 

 

「何が聞きたい?此方も用事があるのでな。早急に済ませたいのだが?」

 

 

あと、数十分後には会議に出席しなければならない。

 

 

「・・・・・・アメリカを自由の国に・・・本当の意味で自由の国にしたいか?」

 

 

少年の言葉から出てきた言葉に驚きはしない。

 

 

「・・・・・・当たり前だ。それが出来るのなら私は何でもしよう」

 

 

愛国者たちから縛られたこんな国は好きではない。

 

 

「・・・・・・アンタの様な奴を本当の意味で『真の愛国者』と言うんだろうな」

 

 

「何が言いたい?」

 

 

「・・・・・・俺は愛国者達をテンプル騎士団を消したい」

 

 

テンプル騎士団・・・あの者たちか

 

 

「・・・・・・アンタも愛国者達からこの国を救いたい。国に住み喰らう害虫であるテンプル騎士団の排除も望んでいる・・・違うか?」

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 

「・・・・・・沈黙は肯定と受け取る。利害は一致している。俺はアンタ等と手を組みたい」

 

 

「お主に何のメリットがある?」

 

 

「・・・・・・俺もアンタと似た様な理由があると言うだけだ。その中に俺の行動理由がある」

 

 

「・・・分かった。良いだろう。貴様と手を組もう」

 

 

「・・・・・・そうか」

 

 

「しかし、必ず奴らを消せ。それが私からの提示する絶対条件だ」

 

 

「・・・・・・あぁ。わかっている」

 

 

「それじゃあ、話は終わりか?」

 

 

「・・・・・・あぁ。また会おう」

 

 

言うこと言うと少年は先ほどと同じ様に姿を消し私の前から消えた。

 

 

「・・・・・・紅き鷹の雷電(ライトニング・ホーク)が動くか」

 

 

 

 

 





ソリダスに関しては、原作でもアメリカを自由にしたいと言う意思でMGS2の様な事をしているので、利用させていただきました。


今後、ソリダスと主人公は打倒っ!!愛国者達を願い手を組んでいきます。


因みにシャドーモセス事件は起きます。


ですが、ソリダスがオセロットを使って行うのではなく、愛国者達の手によって起きます。


いやぁ・・・ストーリー考えるのって大変ですね(;^_^A アセアセ・・・


では次回会いましょう(^_^)/~




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第26弾 資金調達ミッション・追跡

お待たせしましたーー!!

第24弾です。ではどうぞ( ^^) _旦~~


ニューヨーク州ロチェスター市

 

とある市街地

 

リンクスSide

 

俺は今、レッドクレイジー実地行動員が本拠地に向かう日が今日であると言う情報を掴んだコルネールとリサの2人と一緒に追跡する為に実地行動員が目撃されるポイントで待機している。

 

「『こちらライデン。目標ポイントに到着した』」

 

オープンカフェでコーヒーとトーストを頼み、見た目は黒色のただの折り畳み式携帯電話なのだが色々と特殊工作されている携帯電話で2人に連絡を取る。

 

『確認できてる。此方もポイントに着いてるからな』

 

コルネールがいるであろうポイントに目線をチラッと向ける離れた場所から一度だけ、光の反射が見えた。

 

恐らく・・・いや確実にコルネールのスコープからの光反射だろう。

 

『はい。私も確認できています』

 

次に聞こえた声に目を向けるオープンカフェの近くにあるレストランで俺と同じく座って、カフェオレを啜っているリサを見つける。

 

「『確認するが対象の印象は、無地のジーパンに無地の黒色ポロシャツ、緑と黒の迷彩色のポリキャンバスショルダーバックを身に纏った180cmの身長で頬に縦切り傷ある男だったな?』」

 

『あぁ。現地情報によるとそうらしい』

 

『はい。イ・ウーの情報屋によると、それであっていると思います』

 

『了解した。長電話は周囲に怪しまれる。切るぞ』

 

『『了解』』

 

長電話で冷めたトーストを口の中に入れ咀嚼し、コーヒーで胃に流し込む。

 

「すまない。コーヒーをもう一杯くれるか?」

 

飲み終えたコーヒーを俺は近くにいた女店員にそう言うと営業スマイルで新しいコーヒーを持ってきた。

 

「さて、もう直ぐで目標が現れる時間だな」

 

目標が見えると言っている今更ながら、俺の来ている服の黒色のロングコートって言うのは結構、アメリカで人の目を惹いてしまうのだが、アニムスによって各マスターアサシンに鍛えられた周囲の民に紛れる気配同化を使い、自然体でいることで注意を惹く事無く一般市民として紛れる事ができている。

 

「おい。コーヒーをカップで一つくれ」

 

俺が意識を外していると目の前のレジで一人の男がコーヒーを注文した。

 

「あ?何だ?」

 

「・・・・・・いや、何でもないが?」

 

コーヒーを注文した男に目を向けた瞬間、目が合ってしまうが、直ぐに目を逸らしコーヒーを飲み干し、店員に金を払い席を外す。

 

何故なら、目が合った男こそ目標の男であるからだ。

 

「・・・・・・・・・・・・(作戦開始だ)」

 

目標の男に感づかれる前に距離を離れて、スナイパーのスコープでサポートしているコルネールにはマバタキ信号(ウインキング)を送り、近くにいるリサには目標に見れない所で指信号(タイピング)を送り、作戦開始を知らせる。

 

「ごちそうさまでした(了解です)」

 

俺とリサは、目標と距離を開けた場所に自然体で止まり、目標の動きを監視する。

 

因みに鷹の目(イーグルビジョン)を使って、目標のマーキングをしているからな。目標を一時的に見失っても大丈夫だ。

 

さて・・・お前の仲間たちがいる場所を教えろ

 

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シアーズSide

 

「まさか、シャーロックが送り込んだ戦闘員が『奴ら』とはな・・・」

 

手元にある書類は、今回シャーロックが寄越した3名の工作員についての情報だ。

 

一枚目の書類には、肌と同じ様に抜けるように白い金髪を持ちメイド服を着た北ヨーロッパ人の女性が写っていた。

 

「リサ・アヴェ・デュ・アンク。イ・ウー主戦派にして、イ・ウーNo.2に最も近い人物・・・か」

 

あの様な超人しか集まらない組織でこんな少女の実力がイ・ウー内で2番目に強いか・・・

 

経歴には、アムステルダムにある一流メイド学校に3年間通学し最年少で卒業。その後、現在奉仕している「主」に誓いをたてメイドとして活動するが「主」がシャーロックにスカウトされ共にイ・ウーに入る。

 

その後は、イ・ウー内で会計士として武器弾薬の値段交渉、備品や食料の買い出しにそれらの在庫管理を行う役を現在も一人で行っている。

 

「しかし、どう見てもただの少女にしか見えないな・・・本当にこの少女が『ジェヴォーダンの獣』なのか?」

 

ジェヴォーダンの獣・・・18世紀のフランス・ジェヴォーダン地方(現在はロゼール県の一部)に出現した、オオカミに似た生物とされている。1764年から1767年にかけマルジュリド山地周辺に現れ、60人から100人の人間を襲ったと言われており、表では未確認生物・・・一種のUMA説か、政府がたてた陰謀説で有名だ。

 

噂によると変貌した外見は、ウシと同じ大きさのオオカミに似た生物で、広い胸部で長く曲がりくねった尻尾はライオンのような毛皮の房で先端まで覆われていた、そして、小さく真っ直ぐな耳と巨大な犬歯がはみ出ている、グレイハウンド犬のような頭部をしていたと獣は全身が赤い毛で覆われ、特筆すべきは黒いしまが背中の長さ分あったことだそうだ。

 

噂を聞く限りどうやら、彼女の場合は前者に近いのであろうな。

 

「再度、注意しておかなければな・・・次はその『主』か」

 

1枚目を机に置き2枚目に目を通す。

 

「リサ・アヴェ・デュ・アンクの主。コルネール・J・ダルク」

 

15世紀に活躍したフランスの英雄で有名な策士・・・ジャンヌ・ダルクの子孫。

 

その面影を残すかのように書類の写真には、綺麗に輝く銀色の短髪で左端の髪をゴムで束ね眼鏡を掛けた美少年が写っていた。

 

現在は異母兄弟である従姉のジャンヌ・ダルク30世に名を受け継がせ、自分の存在を知らせる事無く裏で活動をしている。

 

これと言って目立った経歴はないが、シャーロックにスカウトされる前までは母国であるフランスで、義賊紛いな事をしており、磨き上げた狙撃能力と従姉までとは行かないが洗練された氷魔術を使った戦術で多くの悪人の命を散らしてきた様だ。

 

絶対半径は1872メートルと十分可笑しい距離を持っており、距離も射撃精度も驚異的だ。

 

それ故に裏では氷結の狙撃手(サーペント)と呼ばれている。

 

「サーペント・・・フランス語で『蛇』か。それとも古代伝承に登場する海の大蛇から象ったのか・・・」

 

「どちらにせよ。この少年も警戒しなければな。さて、問題は・・・」

 

2枚目の書類を1枚目の上に置き3枚目を見る。

 

「紅き鷹の雷電・・・本名共に全ての経歴が不明・・・唯一わかっているのはコードネームである『リンクス』のみ」

 

しかし、実際はアブスターゴエンターテインメント社が極秘裏で進めていた『対化物用2足歩行型戦闘兵士製作』で最初に完成したプロトタイプの怪物だ。

 

詳細は不明だが、銃弾を目視し回避、刀による攻撃では一振りで大型の高層ビルを切り壊すことも可能だとの事であるとか、肉体はどこぞの映画で出てきそうな対象を『ターミネート』する金属ロボットやらの様に改造されているとは聞いているが・・・

 

「怪物か・・・兵士には見えたが怪物には見えないがな。しかし、たった1年半で良くここまでやるものだ」

 

アブスターゴエンターテインメント社の極秘研究所からの逃亡でSランク武偵に匹敵する4人の特殊部隊員の殺害もだが・・・

 

初任務のリベリアで紛争激戦区に建つ最前線ゲリラ基地での戦いもだな。

 

当時のゲリラは正規軍と何ら変わらない兵力を持っていたにも関わらず、たった一人の兵士によって壊滅した。

 

T-72主力戦車12台、Mi-24(ハインド)戦闘ヘリコプター8機、BTR-60装甲兵員輸送車8台、50人編成の小隊8班。合計636名のゲリラ兵をたった一人で殲滅したのだ。

 

636名・・・数字にするとどれくらいの規模か、過去の数字で表すとしたなら日本が初めて国連平和維持活動としてカンボジアに派遣したカンボジア派遣施設大隊が約600名だ。

 

つまり、奴は刀一本と殺したゲリラ兵の装備を使い銃弾が四方八方から飛んでくる中、大隊規模のゲリラ兵を殲滅した事になる・・・

 

「切り裂き魔・・・か。確かにこの惨状を見ればそう言えるな」

 

リンクスの去った戦場に残っていたのは、刀で切り裂かれて屍になっているゲリラ兵や一刀両断された戦車にヘリ、そして装甲車の残骸・・・

 

誰がどう見てもそう言って間違いないだろうな。

 

「これもだが、インドでのFR株式会社‘クリーエル’爆発事件・・・社内にいた社員を含む社長等が何者かに斬殺されていた・・・」

 

この会社は元々、シャーロックの組織イ・ウーを追いながら、人体実験などを行っていた事で理由も十分だという事で排除されたんだろうな。

 

「・・・潜入能力共に戦闘能力も十分に高いな・・・なんせこのホワイトハウスにも侵入し撤退すらも楽にできてしまうのだ・・・こいつは要注意人物だ」

 

それにどこで知ったのか、愛国者達の事も知っていると来た・・・

 

「奴が此方に刃を向けない事を願いたいな」

 

私は、切にそう思いながら、書類を仕舞った。

 

 




オリキャラの説明回に近かったですね。

次回、2人のオリキャラ無双です。

レッドクレイジーVSオリキャラ2名+リサになります。

では次回会いましょう(^_^)/~


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第27弾 資金調達ミッション・潜入

大統領Side

「私だ。あぁ・・・分かった。あぁ、奴を送るのだな?許可する」

そうか・・・ロスアラモス・エリートの人口天才(ジニオン)であるRランク武偵が動くか。

さて、イ・ウー内でも最強に値すると聞く紅き鷹の雷電の力を見せてもらうとしよう。


ニューヨーク州ロチェスター市・街はずれ

 

レッドクレイジー本拠地・周辺

 

リンクスSide

 

レッドクレイジー行動員を尾行していると町外れにある建物を囲む様に武装した集団を発見し、対象が建物に入ってから出てくる気配がない。

 

その間に周辺を警戒している奴らを各ポイントし俺はバイザーで確認し、コルネールはスコープで確認、リサは双眼鏡で確認している。

 

『・・・・・・おいおい。ただの麻薬組織じゃないとは思っていたけどな・・・これは・・・』

 

警備を行っている奴らの装備や兵装を見て、驚愕しているコルネールの通信を聞きながら相手を観察する。

 

「・・・・・・中距離対応にコルトM4A1、近接対応にレミントンM870、近距離対応にIMIウージー、遠距離はPSG1か・・・」

 

そこら辺で手に入る装備じゃねえな。

 

ちなみにバイザーは付け外し可能であり、さきの街中での時も外していた。

 

『この周辺でのあの様な装備を手に入れる方法は難しいですね・・・。服装やベスト系統は簡単ですが武器になると』

 

「・・・・・・何れにせよ。あのマークにあの装備。目標である場所だな」

 

『どうするんだ?警備は厳重だぞ?』

 

「・・・・・・スナイパーに関しては任せる。それ以外は此方が対処する」

 

『・・・おい。まさか、真正面から突撃する気か?』

 

「・・・・・・いや。あの建物に入る大型のトラックに紛れて侵入する」

 

『トラック?そんな奴見えなかったが?』

 

「・・・道路を見るにタイヤの痕跡が残っていた。それも結構濃く残っていた事から結構な量の『何か』を運んでいるんだろう」

 

『麻薬・・・か』

 

「・・・・・・さぁな。確証はない」

 

『了解だ。なら、俺は狙撃手として背中は守る』

 

「・・・・・・あぁ。俺の予測じゃあ、最後の車両がまだ残っているはずだ。俺はそれに乗り込む」

 

『『了解』』

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 

最後のトラックを目視で確認した俺は、サイドミラーに映らない様に後方に入り通常の走り(常人以上の速度)でトラックの後部にくっ付くが直ぐにトラックの下に滑り込み張り付く。

 

「・・・・・・此方、ライデン。鷹が餌に喰い付いた」

 

『了解。確認できてる・・・・・・お前本当に人間か?』

 

「・・・・・・何だ?いきなり」

 

『普通の人間だったら、時速60kmで走っている自動車に追いつく事は出来ないはずだと思うが?』

 

「・・・・・・色々と体を弄られたからな・・・純粋な人間とは言えないな」

 

『体を弄られた?』

 

「・・・・・・あぁ。俺は元々、人工的に造られた人間だ」

 

『人工的に造られたって・・・』

 

「・・・・・・アブスターゴエンターテインメント社を知っているか?」

 

『え?あ、あぁ。知っている。切っても切れない縁だな』

 

「・・・・・・そうか、お前の腕の袖に隠している、その武器はアサシン教団の印だな」

 

『っ!?』

 

「・・・・・・俺は、主に対アサシン教団対応特殊行動戦闘兵として製作された人工人間・・・いや、強化人間になるのか?」

 

『っ・・・そんな、お前がどうして此処に?』

 

「・・・・・・至ってシンプルだ。不完全・不良品・未完成やら何やら言われ、殺処分される所をアサシン教団の手によって襲撃と同時に逃亡した」

 

『・・・イギリスにあるテンプル騎士団強襲作戦での生き残りか』

 

「・・・・・・今では、シャーロックにスカウトされイ・ウーのメンバーになっている」

 

『お前は・・・』

 

「・・・・・・話し過ぎたな。建物内に侵入する、一旦通信を切る」

 

『っ・・・了解だ』

 

揺れながら走っているトラックの下で話しに集中しすぎていたのか、ゲート前に到着し一時停止した。

 

「どうだ?問題ないか?」

 

「あぁ。一般的な工業用大型トラックだからな。中身が大量の麻薬だとは知られない」

 

「ははは。さて、中でボスが待ってるからな。行って良いぞ」

 

ゲートまでに身分証明・・・と言うか仲間であるか確認しながら、軽く話をするとゲートが開き車が再度、動き始める。

 

数分すると新たな建物に入り、トラックが止まるとエンジンも停止し運転手2人が下りていく。足音が遠くに行くのを耳で確認し再度、通信を開きCALLする。

 

「・・・・・・サイレント。周囲に敵は?」

 

『いや。確認できない。それで中に侵入したのは良いが、この後はどうするんだ?』

 

「・・・・・・このまま、駐車場から出て建物内に侵入し中にいる兵士を片っ端から排除していくが、全員ステルス・キルで静かに排除する。お前は見える範囲の奴を出来る限り排除してくれればいい」

 

『了解だ』

 

「・・・・・・作戦開始」

 

音をたてないよう静かに地面に下りて周りを確認・・・クリア。そのまま出口に向かって、出口の壁に張り付いて周りを見る。

 

すぐ側に武装した兵士が1人・・・その先に2人・・・左の車の前に3人か・・・

 

まずは・・・近い奴から排除していくしかないからな・・・

 

「・・・・・・・・・・・・」コンコン

 

小さく近くの武装した兵士の1人に聞こえる様に拳で壁を2回ノックする。

 

「ん?誰かいるのか?」

 

音を聞きつけた兵士がM4A1を構えて警戒しながら此方にゆっくりと歩いてきた。

 

右腕のアサシンブレードを構え、息を潜める・・・近付いて来ている兵士が踏んで鳴る地面の音をゆっくりと耳に入れて距離を確かめる。

 

3m・・・・・・2m・・・・・・1m・・・・・・っ今だ!!

 

暗殺可能距離が近づいた事を認識した瞬間、音をたてない様に静かに素早く動く。

 

左手で敵の右肩を掴み、此方に引き寄せると同時に声を出させない様に右腕のアサシンブレードで喉元に突き刺し、左手で素早く口を塞ぐ。

 

「・・・っ!?・・・っ!!・・・・・・・・・・・・」

 

手足をバタつかせて暴れるが、数秒すると糸が切れた人形の様に動かなくなった。

 

「・・・・・・・・・(通信機と手榴弾2個、サバイバルナイフを頂くか)」

 

死体から装備を拝借し、近くにあるゴミ箱を静かに開け静かに死体を入れて隠す。

 

「・・・・・・オーグメントモード起動」

 

--------お久しぶりです。どうかしましたか?

 

何故だろうか?オーグメントモードを久々に起動させたら人間味ある対応の仕方になっている・・・

 

「・・・・・・確認した敵をレーダーに表示してくれ」

 

そう言うとバイザーの右上に円形状のレーダーが現れ赤色の点が5つ表示された。

 

表示された赤色の敵から薄青色の扇状の視覚情報が表示されていた。

 

「・・・・・・・・・これは・・・」

 

--------はい。ソリトン・レーダーです。敵の位置・視覚・地形情報を入れた次世代レーダーです。

 

「・・・・・・・・・いつの間に・・・」

 

--------いえ、アナタへの戦闘のサポートを行いたいが為に、これまでの戦闘データーを元に独自で製作させていただきました。

 

「・・・・・・そうか。助かる」

 

--------いえ。アナタをサポートするのが私の使命ですので

 

「・・・・・・軍事衛星をジャックして、この建物周辺の敵を随時更新して表示しておいてくれ」

 

--------了解しました。

 

さて、これで敵の位置は分かるからな。

 

「・・・・・・サイレント。前方にいる敵2人見えるか?」

 

『あぁ。確認できてる』

 

「・・・・・・俺が、奴らの後ろに移動して合図を出したら、右側の奴を狙撃して無力化してくれ」

 

『了解』

 

狙撃ポイントからの距離は約600m先だが、問題ないだろう・・・俺は奴らの後ろに移動しよう。

 

スニーキング歩法で静かに素早く動き、3つに並んだドラム缶後ろに身を屈め隠れる。

 

身を隠すと同時に聞こえてくる話し声に少しだけ耳を傾ける。

 

「それにしても、ここ最近、売り上げが良くねえな」

 

「あぁ。どうやら武偵が動いてる所為で上手くいっていないらしい」

 

「はっ!!アイツらだって金を貰えれば何でもするって言うじゃねえか。やってる事が俺たちと何が違うってんだ」

 

「まぁ・・・確かにな。それと噂じゃあ、この場所もヤバくなってきたって聞くぜ?」

 

「はぁ?ここには軍隊顔負けの装備があんだぞ?どうして危険なんだよ?」

 

確かにな。俺たちも最初見たときは驚いたが、それを扱う奴らがこんなにもどうしようもない奴らならどうにかなるな。

 

「いや、俺も聞いた話なんだが、どうやら武偵がこの場所を嗅ぎ回ってるって話だ」

 

武偵が?厄介だな。俺たちが攻めている今日に突撃して来ない事を祈るしかないな。

 

「あぁ?武偵1人位どうにかできんだろ」

 

慢心は良くないぞ・・・現に俺とスナイパーがお前らの命を狙ってるんだからな。

 

「あぁ。ただの武偵なら良いんだが、どうも噂に聞く武偵って言うのがRランク指定の化け物らしいんだ」

 

っ・・・Rランク武偵が?それこと本気で今日来ないで欲しいな・・・

 

「はぁ!?Rランク!?おいおい、冗談じゃねぞ!?そんな1人で国を相手できる化け物が来るっていうのかよ!?」

 

「いや、噂で聞いた話だから本当か分からないが、もしかしたらBランク武偵の集団かもしれねぇぞ?」

 

「どちらにせよ。俺たちも切りの良い所で、ここから退散した方が良いな」

 

「あぁ」

 

「・・・・・・・・・(今だ)」

 

話し終えたのか、右側の奴が前を向いた瞬間、コルネールに合図を出し素早く動く。

 

まず、左側の奴の口を右手で押えて後頭部の延髄に向けて右腕のアサシンブレードを突き刺し、延髄から出る体への各神経を遮断させると同時にカバー状態から俺の隠れているドラム缶の後ろに引きずり込み隠す。この作業僅か0.5秒

 

隠すと同時に右側の奴が頭部を狙撃され、脳ミソを地面にブチ撒けると同時に地面に倒れる。

 

「・・・・・・・・・nice shot」

 

『この距離なら、動いてる的でも簡単だ』

 

「・・・・・・そうか。少し死体を動かす」

 

『了解だ。背後は任せろ』

 

俺は、自分の手で殺した奴をドラム缶に寄り掛かる様に寝かせ、狙撃した奴の場所に移動し、その奥にあるゴミ箱まで担ぎ上げて隠す。

 

左側の3人はこの事に気付く事無く、そのまま奥に移動していく。

 

それを確認し俺は、目的の建物に向かって足を進めるが、入り口付近を監視しているスナイパーが2人おり、物陰に隠れ、通信を開く。

 

「・・・・・・入り口付近の屋根にいる。スナイパーの排除を頼む」

 

『了解だ』

 

その返事が聞こえた3秒後、反対側のスナイパーから見えない場所に立っていたスナイパーが無力化されると更に3秒後、2人目のスナイパーが無力化された。

 

「・・・・・・グッドキル」

 

『内部からは対処できないが大丈夫か?』

 

「・・・・・・あぁ、もしこの建物内に入る奴を見つけたら排除を頼む」

 

『あぁ。見つかったりしたら、次のポイントに移動する』

 

「・・・・・・あぁ。数分で終わるとは思う」

 

『了解』

 

通信を切り、スニーキングで建物の中に侵入する。

 

「・・・・・・ルート検索と索敵開始」

 

-------了解です。・・・・・・・・・・・・ルート検索終了。索敵も完了しました。

 

「・・・・・・バイザーにルート展開と同時にソリトンレーダーに敵情報を表示」

 

-------展開と表示完了しました。

 

ソリトンレーダーを見る限り、建物内部にいる奴は30人ちょいか・・・スニーキング能力とステルス能力を使えば早急に終わるな。

 

「・・・・・・さて、害虫駆除を始めるか」

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 

時間は少々戻りスナイパーの視点に・・・

 

コルネールSide

 

アイツの言っていたアサシンの事については、今回の任務が終わり次第に聞くとするか・・・

 

俺は今、狙撃ポイントである場所に着き、使い捨ての毛布を地面に敷いた場所に、体への負担を減らす様にして寝そべっている。肩に担いでいたL96A1スナイパーライフルは下ろしバイポットを展開させて目の前に置いている。

 

「さて、あの人外はトラックにくっ付いたか」

 

普通の人間は、60kmで走るトラックに走って追いつく事はないのだが・・・アイツはやってのけた・・・だから人外だ。

 

「はい。ここからですね」

 

俺の隣に同じように毛布を敷いた場所に寝そべるリサの手には、軍隊用携帯風速温度計と軍用デジタルレーザー距離観測単眼鏡を持っている。

 

今回、リサには俺の観測手(スポッター)として動いてもらう。

 

その為、3日の間に出来るだけ、観測手としての仕事を教えた。

 

しかし、まぁ・・・覚えが早く、3日後の今となっては、順調に準備を終えているのだがな。

 

今の風速・気温・距離にスコープを微調整し終えている為、あとはリンクスが基地内に侵入するのを待つだけだ。

 

「・・・・・・(にしても、こう言うとなんだが。今のリサの態勢が・・・その・・・凄くエロいです)」

 

スコープから少し目を離しリサの態勢を改めて見る。

 

こんな場所に似合わないメイド服により、スッと成り立つ腰に女性の威厳?を現すと言われている胸部の膨らみが毛布を敷いた地面に押し付けられており、スカートから見える透き通る様な健康そのものな美脚・・・

 

「・・・・・・(本当に同い年か!?なんか、その・・・大人な雰囲気が溢れ出ていると言うか何と言うか・・・)」

 

「どうかしましたか?」

 

俺の視線に気づいたリサが此方に目を向けて聞いてくる。

 

「・・・っうぇい!?あ、いや、何でもない」

 

邪な考えをしていたなんて・・・口が裂けても言えない・・・

 

「(イカンイカン。任務に気を戻さないとな)」

 

俺が気を取り戻してスコープを覗くと、丁度トラックがゲートを越えて駐車場に向かっていた。

 

数秒するとトラックが駐車場に運転手らしき人物が2人降りてその場を離れ、少し進んだ建物に入っていた。

 

『・・・・・・サイレント。周囲に敵は?』

 

数十秒後、リンクスから通信が来る。

 

「いや。確認できない。それで中に侵入したのは良いが、この後はどうするんだ?」

 

この通信は、リサとも共有している為、敵の情報は直ぐに分かる。

 

『・・・・・・このまま、駐車場から出て建物内に侵入し中にいる兵士を片っ端から排除していくが、全員ステルス・キルで静かに排除する。お前は見える範囲の奴を出来る限り排除してくれればいい』

 

「了解だ」

 

『・・・・・・作戦開始』

 

その声と共にリンクスは音をたてないよう静かに周りを注意しながら移動し始める。

 

「敵の数は?」

 

「リンクス様の前に1名とその先に2名です。その左奥の車の陰に3名の兵士がいます」

 

壁に身を隠すのに気付くと同時に観測手であるリサに確認を取る。

 

すぐ側に武装した兵士が1人・・・その先に2人・・・左の車の前に3人か・・・最初に近い兵士を無力化するな?

 

案の定、動いたか・・・

 

っ!?アサシンブレードだと!?どうしてアイツが!?・・・・・・いや、後で聞けば良い事か・・・

 

俺が少し混乱しているとリンクスが死体から装備を拝借し、近くにあるゴミ箱を静かに開け静かに死体を入れて隠していた。

 

『・・・・・・サイレント。前方にいる敵2人見えるか?』

 

少し進んだ場所で身を隠しているリンクスから再び通信が入る。

 

「あぁ。確認できてる」

 

『・・・・・・俺が、奴らの後ろに移動して合図を出したら、右側の奴を狙撃して無力化してくれ』

 

「了解。リサ」

 

「はい。気温・・・24度、風速・・・東南から毎秒1.2メートル、距離・・・597メートルです」

 

「了解だ」

 

狙撃ポイントからの距離は約600m先だが、特に問題ないな。

 

スコープを距離に合わせる様に微調整して・・・っと、あとは合図を待つか。

 

リンクスはスニーキング歩法で静かに素早く動き、3つに並んだドラム缶後ろに身を屈め隠れていた。

 

「ん?どうしたんだ?」

 

身を隠してから動きがない。此方はいつでも撃てるのだが・・・

 

「多分ですが、話を聞いてるのではないでしょうか」

 

「話し?・・・あぁ、確かに敵の情報でも得ろうとしているのか?」

 

「多分、そうだと思います。Rランクの武偵が来るか来ないか話しているようです」

 

「みたいだな。勘弁して欲しいモンだな。俺たちは追われる身だからな」

 

「はい」

 

スコープから目を離さず、話していると2人が話し終えたのか、右側の奴が前を向いた瞬間、リンクスから合図を出た瞬間に素早く動く。

 

吸った空気を外に吐き出すと同時に息を止めて、標的の頭部を20倍率のスコープで狙う。

 

すると時間が遅くなったかのようにスローモーションになる。

 

これは、俺がシャーロックにスカウトされる前から鍛えた狙撃能力(スキル)の内の一つであり、狙撃限定で思考速度と反射速度の加速を行い、あたかも時間が遅くなった様になる事で標的に必中させる技。静遅術(セイチジュツ)と俺は呼んでいる。

 

この遅くなった瞬間、引き金を引くと薬室に装填されていた.338 Lapua Magnum弾の雷管に接触し発火薬に着火、そのまま発射薬に引火し弾丸を発射された。

 

溝の彫られたバレルから空気慣性に乗り高速回転して発射されたマグナム弾は、そのまま標的の後頭部に突き刺さり、脳ミソを散らして倒れる。この時間僅か2秒

 

標的が地面に倒れる前にボルトを起こし手前に引き弾丸が発射された空薬莢を排出させボルトを戻し次弾を薬室に装填する。この作業に1秒

 

「ふぅ・・・」

 

止めていた息を吸うと遅くなっていた時間が戻り始める。

 

『・・・・・・・・・nice shot』

 

「この距離なら、動いてる的でも簡単だ」

 

『・・・・・・そうか。少し死体を動かす』

 

「了解だ。背後は任せろ」

 

俺が狙撃した奴を奥にあるゴミ箱まで担ぎ上げて隠すと左側の3人はこの事に気付く事無く、そのまま奥に移動していくが直ぐに動きが止まった。

 

移動した先の建物の屋上にPSG1スナイパーライフルを構えた兵士が2人いた。

 

『・・・・・・入り口付近の屋根にいる。スナイパーの排除を頼む』

 

「了解だ」

 

「左側の物陰に隠れている兵士を最初に無力化してから、2人目の兵士を無力化してください」

 

「あぁ。ふぅ・・・っ」

 

静遅術を使い、物陰で煙草を吸おうとしていた兵士の頭を狙撃する。ボルトを起こして空薬莢を排出させ次弾を薬室に装填させ、2人目の頭部を狙撃する・・・ボルトを起こして空薬莢を排出させる。

 

この作業、僅か6秒。

 

「流石ですね!!コウ様!!(モーイ!!モーイ!!)」

 

『・・・・・・グッドキル』

 

2人から称賛の声を貰うが直ぐに表情を戻す。

 

「内部からは対処できないが大丈夫か?」

 

『・・・・・・あぁ、もしこの建物内に入る奴を見つけたら排除を頼む』

 

「あぁ。見つかったりしたら、次のポイントに移動する」

 

『・・・・・・あぁ。数分で終わるとは思う』

 

「了解」

 

通信を終えるとリンクスは、そのまま建物内に侵入して行った。

 

「さて、リサ。周辺にいる敵は?」

 

「はい。リンクス様が入った建物周辺に約18人の兵士が確認できます。どうしますか?」

 

「決まってる。やるぞ」

 

スコープ内に見える物陰に隠れている兵士から無力化いくとするか。

 

 

 

 




???Side

MH-47D‘チヌーク’内

「たくよ。アメリカ陸軍(USA)の連中は何やってんだ?」

軍事用に開発された戦闘用スーツを身に纏い顔には軍用フェイスペイントをした少年が愚痴りながら、目的の場所に向かっていた。

「合理的に考えたら、私たちに回ってくるのも頷けるけどね」

少年と同じ戦闘用スーツを身に纏った栗色のおかっぱ頭をした少女がそう言う。

「話によるとイ・ウーメンバーが3人いるって聞いてるが、ソイツ等だけで良いじゃねぇか」

「・・・合理的に考えたら、アイツ等は私たちの実働データーが欲しいんだろうね」

「っは・・・自分たちは何もしないでノコノコと生きているクソ共がっ!!」

「私もムカついてるから、この苛立ちをイ・ウーメンバーにぶつけても問題ないでしょ?」

「確かにな。オーダーには、レッドクレイジーの全滅としか言われてねぇしな。アイツ等に手を出すなとは言われてないからな」

「じゃあ・・・」

「あぁ・・・。イ・ウーメンバーには悪いが俺の糧になってもらうか」

ヘリ内で不敵な笑みを浮かべる人外と将来ヤンデレになる少女は、まだ知らない。





そのサンドバック気分にしようとした人物に自分たちが追い詰められる事を・・・。



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第28弾 資金調達ミッション・強襲


27話です。どうぞ( ^^) _旦~~


ニューヨーク州ロチェスター市・街はずれ

 

レッドクレイジー本拠地内部

 

リンクスSide

 

天井から下を通る2人の兵士の後ろに降り暗殺する技・・・ダブル・エアアサシン。

 

「・・・・・・っ!?」

 

「っが・・・!?」

 

目兵士2人を両腕のアサシンブレードで喉を切り裂き、人目の付かない場所に隠す。

 

「・・・・・・粗方、敵も排除したか?」

 

------はい。残存兵力の排除は、見つかっても問題なくできます。

 

「・・・・・・よし。ボスを排除する」

 

------了解です。目標ポイントを表示します。

 

「・・・・・・敵人数は?」

 

-----目標ポイントにて4人います。目標以外は全員武装しています。

 

「・・・・・・問題ない。いくぞ」

 

-----了解です。

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 

コルネールSide

 

「・・・・・・っ!!」

 

敵の数も減ってきたな・・・もうそろそろで戦闘態勢に入るだろうな・・・

 

「ヘッドショットです・・・右から兵士2人来ます・・・」

 

「っ・・・!!・・・っ・・・!!」

 

「ダブルキルですよ!!・・・ナイスショットです(モーイ!!モーイ!!)」

 

「・・・・・・ふぅー。全員ワンショット・ワンキルで終わらせているな」

 

ボルトを引き起こし空薬莢を排出させ空になった弾倉を入れ替えてボルトを戻し周囲を見る。

 

少し目が疲れ、スコープから目を離し目元をほぐす。

 

横に置いた空弾倉は既に4つ置いてある。一つの弾倉につき5発しか入らない弾倉が4つ・・・単純計算だと20人を殺ったことになるが、先ほどの様なダブルキルをした回数を入れると20人は超えているのだ。

 

「大丈夫ですか?コウ様」

 

「あぁ。リサは大丈夫か?」

 

「はい。リンクス様やコウ様みたいに前線に出れない私が弱音を吐く訳にも行きません!!」ニコッ

 

あぁ・・・この子は、何て良い子なんだ・・・・・・

 

「そうか・・・分かった。それじゃあ気を取り直して掃除をするか」

 

「はい!!頑張りましょう!!」

 

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リンクスSide

 

「・・・・・・さて?答えて貰おうか。貴様らが隠している『物』は何処だ?」

 

ボス部屋にいた突入した俺は、武装していなかった一人奴以外を排除し、本命の隠している金の居所を聞いている所だ。

 

「誰がテメェ見てえなガキに言うか!!」

 

そんなガキに片手で持ち上げられているのは誰だ?

 

「・・・・・・そうか。なら用済みだな」

 

空いている片腕に付けているアサシンブレードの刃を射出させて相手に見せる。

 

「ま、待て!!ほ、保管庫だ!!保管庫に隠している!!」

 

はぁ・・・少しと言うか何と言うか・・・根性の無い雑魚だな、おい・・・

 

「・・・・・・場所は?」

 

まぁ・・・教えてくれるなら、それに越したことはないんだがな。

 

「え?」

 

何を呆けているんだ?コイツは・・・

 

「・・・・・・場所は何処か聞いている」

 

刃を出したままのアサシンブレードを喉元に近づける。

 

「ひっ!?ち、地下だ!!この建物の地下にある!!」

 

地下・・・あぁ、あの網膜パターン認証式だった奴か・・・

 

「・・・・・・そうか」

 

あの場所が、そうなら網膜認証が必要だな・・・

 

「な、なぁ・・・アンタの欲しい情報を与えたんだ!!見逃してくれんだろ!?」

 

ん?コイツ何言っているんだ?

 

「・・・・・・そうだな。確かに貴様にはもう用がないな」

 

「なっ・・・なら!!」

 

「・・・・・・誰が生かしておくと言った?」

 

「え?」

 

「・・・・・・確かに用は無いが、生きて返す理由もないが?」

 

「まっ・・・待てよ!?約束が違うじゃねえか!!」

 

「・・・・・・約束?俺は一言も生かして返すなんて言っていないが?」

 

「だっ・・・騙したのかよ!!」

 

騙したか・・・勝手な勘違いを止めて欲しいんだがな・・・

 

「・・・・・・さてな。もう用は無いじゃあな」

 

喉元に近付けたアサシンブレードを一旦後ろに引き、一気に突く。

 

「ガハッ!!」

 

そのまま、口を塞ぎ数秒後・・・動かなくなったのを確認し、椅子に座らせる。

 

扉に背を向ける様にして椅子に座らせたら、手持ちの手榴弾2つの安全ピンを引き抜きセーフティ・レバーを離さない様にワイヤーで体と一緒に巻き付ける。

 

その後、余りのワイヤーを机の足に巻き付けて完了っと・・・

 

即席ブービートラップの完成だ。

 

この部屋は、『レッド・クレイジー』リーダーである人物の部屋であると言うのは確認できているからな。後は、リーダーが自分の椅子に座っているコイツを見つけて椅子を動かした瞬間・・・爆発する。

 

「・・・・・・と言ってもリーダーが見つからないなんてな・・・」

 

このブービートラップになった男は、どうやらリーダーの右腕の様な存在だったからな。

 

保管庫以外の全ての部屋は回って排除したしな・・・

 

「・・・・・・確率で言えば保管庫にいるのか?」

 

まぁ・・・見つけ次第、排除するんだがな。

 

さて、このまま地下の保管庫に向かうか。

 

「・・・・・・それにしても、網膜パターン認証なんて・・・一環の麻薬組織が設備できない筈だが」

 

政府が関係している?いや・・・自前でどうにかしたのか?

 

情報が少なすぎる・・・と言うか、そんな事を考えなくて良かったな・・・

 

「・・・・・・考えても分からないし、関係ないな・・・」

 

『リンクス。聞こえるか?』

 

「・・・・・・あぁ。問題ないが、どうした?」

 

『外は片付いたが、そっちは?』

 

「・・・・・・リーダーがまだ見つかってないが、多分保管庫にいるかもしれない」

 

『了解だ。なら俺たちもそっちに向かう。待機していてくれ』

 

「・・・・・・了解。待機する」

 

さて、外も中も排除し終えた・・・残りは、保管庫だけだな。

 

そう言えば、資金について連絡しないとな。

 

無線通信をテレビ電話に変えてシャーロックに連絡をする。

 

「・・・・・・こちらリンクス。聞こえるか教授?任務を完了する所だ」

 

バイザー越しに連絡すると左端にシャーロックが映し出される。後ろを見る限り私室で撮っている様だな。

 

『聞こえているよリンクス君。予定通りに進みそうかい?』

 

「・・・・・・結果なら、自慢のアレで見えているんじゃないか?」

 

『ははは、そうだね。確かに見えているよ』

 

「・・・・・・そうか。ならそう言う事だ」

 

『ふふ・・・この後が楽しみだよ』

 

「・・・・・・?。まぁいい。それじゃあ、この場所に機嬢(ジーニャン)を頼む」

 

『分かった。直ぐに連絡するよ。それと一言』

 

「・・・・・・なんだ?アンタからの一言には良い思い出がないが」

 

『どうやら、此処の人工天才が動いたようだよ』

 

っち・・・Rランク武偵が動き出したか・・・

 

「・・・・・・了解だ。少しめんどくさいがどうにかしてみよう」

 

『ははは!!頼んだよ』

 

「・・・・・・あぁ」

 

Rランク武偵が動いたらな・・・早急にリーダーを見つけて排除しないとな・・・

 

「・・・・・・入ってきて大丈夫だぞ」

 

シャーロックへの通信を切ると同時に扉の前にいる2人に声を掛ける。

 

「・・・本当に室内にいる奴を全員無力化したんだな。正直ビックリしているぞ」

 

「すごいです!!たった一人で無力化してしまうなんて!!(モーイ!!モーイ!!)」

 

返事を返してきたのは、先ほどスナイパーをしていたコルネールとスポッターをしていたリサが入ってきた。

 

「・・・・・・少し問題が起きそうだ。直ぐにリーダーを排除するぞ」

 

L96A1を肩に掛け、M4A1カービンライフルを両手で持って、警戒を怠らないコルネールとMP-7を持っているリサに言う。

 

「問題?リサ。警察が来るまでどれ位だ?」

 

「・・・車で此処まで来るとしても、およそ10分でしょうか?警察署が離れている事と交通事情によりますが」

 

「だと言うが?リンクス。警察か?」

 

どうやら、俺の言った問題が警察関係だと思っている様だな。

 

「・・・・・・いや、警察については問題じゃない」

 

「じゃあ、一体何が問題なんだ?」

 

「・・・・・・シャーロック・・・教授から先ほど言われた『Rランク武偵が動いた』とな」

 

「「っ!?」」

 

「・・・・・・そう言う事だ。早急に終わらせるぞ」

 

「了解だ。お前は良いとして俺たちはRランク武偵を相手できる筈無いからな」

 

「・・・・・・この通路の先にある階段を下りた先に網膜認証型の扉がある。そこに多分だがリーダーがいると思う。いくぞ」

 

トラップを仕掛けた部屋から出て通路を歩く。俺が敵を殲滅したからと言っても警戒は怠らない。

 

それは、後ろの2人も同じである。俺はレッグホルスターから皇帝殺し(キラーエンペラー)を抜いて片手に持ちオーグメントモードとソリトンレーダーで警戒をし、コルネールはM4A1カービンを構え周囲の警戒をしている、リサはMP-7を持ちコルネールの後ろを歩き警戒している。

 

「それで?網膜認証なんて、この組織のメンバーがいないと開かないんじゃないか?」

 

「・・・・・・その心配は無い。斬り開けるからな」

 

「おいおい。大丈夫か?」

 

「・・・・・・問題ない」

 

「はぁ・・・隠密に行かないのか?」

 

「・・・・・・Rランク武偵が来るんだ。もう手段を選んでいる意味はない」

 

「そうだろうが・・・」

 

多分だが、セキュリティーに掛かってサイレンが鳴ったら、ヤバいって言いたいんだろうが・・・生憎そうも言ってられないからな・・・

 

「・・・・・・此処だ。少し離れてろ」

 

説明している間に着いたようだな。

 

「しょうがないか・・・。少し楽な道を選びたかったんだけどな」

 

目的地に着き網膜認証型と言うのを確認した瞬間、コルネールが説得を諦めた顔をして呟く。

 

「・・・・・・っは!!」

 

ただの抜刀術・・・されど常人には見えない高速抜刀術。その高速抜刀術で2回、刀をX状に振り鞘に戻す。

 

すると自動ドアである扉にX状の切れ目が走り、1秒も満たない時間で地面に落ちる。

 

それと同時にけたたましいサイレン音が耳に入る。

 

「・・・・・・行くぞ」

 

「「了解(はい)」」

 

けたたましいサイレン音を耳に入れながら、中に入る。

 





次回あたりでこの調達ミッションも終わりにするつもりです。

では次回会いましょう(^_^)/~


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第29弾 資金調達ミッション・地下保管庫


長らくお待たせしました。

いや・・・高校卒業して社会人として働いていると大変ですね・・・

はぁ・・・早く金を貯めてサバゲーに行きたいですね・・・

では、第29弾です。どうぞ( ^^) _旦~~


ニューヨーク州ロチェスター市・街はずれ

 

レッドクレイジー本拠地・地下保管庫通路

 

けたたましいサイレン音が鳴り響く中、保管庫に繋がる通路で複数の人影が動き回ると同時に銃弾が飛び回っており、戦場と化していた。

 

リンクスSide

 

網膜認証を突破してから、うるさくてしょうがないサイレン音と保管庫内にいたギャングどもがゾロゾロと蟻の軍団がそのサイレン音に引き付かれて現れ、現在戦闘中だ。

 

「・・・・・・右に一人。左に3人いる、左の3人は牽制でフラッシュバン(FG)を投擲後、射撃をする・・・その隙に右を排除しろ」

 

リサが持ち込んでいた試作防弾壁でギャングが撃ってきている弾を身を屈めて防ぎながら、M4A1の弾倉をリロードしているコルネールに言う。

 

「分かった!!しっかりと援護してくれよ!!」

 

「・・・・・・あぁ。了解だ」

 

先ほど網膜認証型の扉付近で拝借したM4A1と数十個のマガジン、3種類のグレネードがあれば、十分に援護はできる。

 

試作防弾壁から身を乗り出さず、フラッシュバン・グレネードの安全ピンを引き抜き投擲体制に入る。

 

「・・・・・・3秒後に投げる。起爆した瞬間に制圧射撃を開始して、隙ができたら撃て」

 

「あぁ!!わかった」

 

「・・・3・・・2・・・1・・・っふ!!」

 

オーグメントモードで暗算表示された投擲ラインに沿って相手の目の前にFGを投げ込むと安全レバーが空中で取れ、計算通りのラインから敵の目の前に落ちると、起爆した。

 

薄暗い通路が一瞬だけ明るくなり、光が収まった瞬間、身を出して前を見ると先ほどの光をまともに見てしまったギャング4人は、目を押さえて苦しがっていた。

 

「・・・・・・眠れ」

 

その隙を逃す事無く、M4A1の照準サイトをギャングの胸に合わせて引き金を引き2発打ち込み頭にも同じく2発撃ち込み無力化する。残り2人も同じ様に無力化していく。

 

腕の筋肉を瞬間的に硬化させて、反動を筋肉で吸収させることで、瞬時に次の標的を無力化できる。人間を止めている俺だからこそできる技でもあるが、少し動きが遅くなるのが、欠点であり、近くの敵じゃないと標準移動ができないのだ。

 

「っそこ!!」

 

俺が3人を無力化したと同時にコルネールも右のギャングを無力化した。

 

「・・・・・・進むぞ。この先に目的のものがあるんだ」

 

ギャングの下っ端しかいない?これはどういう事だ?

 

「あぁ。早急に終わらせよう。リサ、出てきても大丈夫だ」

 

消費した弾倉をタクティカル・リロードし、新たな弾倉に変えてリア・サイト下にあるチャージングハンドルに指をかけて引き、放しチャンバーに初弾が装填されるを確認し、周囲の警戒をする。

 

「はい・・・。すみません。コウ様、リンクス様・・・リサは役に立てていません」

 

試作防弾壁を回収したリサは、表情を曇らせて謝罪をしてきた。

 

「どうした?リサ?戦闘に参加にする必要はない」

 

「御二方が必死に戦っていると言うのにリサは・・・」

 

主が戦っているのに従者である自分が何もできない事に悔やんでいるようだな。

 

「・・・・・・何故悔やむ。お前は元々、後方支援タイプなんだ。戦闘ができなくて当たり前だ」

 

「・・・・・・っ」

 

俺の辛辣な言葉に胸の近くに手を置き下を向いて落ち込んでしまうリサ。

 

「リサ。アイツの言葉に賛同するのは納得できないが、元々はリサの担当は後方支援だ。俺やコイツは前線で戦うのに対してお前は、後方支援なんだ。お前の支援が無いと俺たちだって危険になっていたかもしれないんだ、けど生きてるって事は、リサがちゃんと仕事をしていてくれているからだ。だから役に立っていないなんて言うな。良いな?」

 

俺と違ってフォローが上手いな。

 

「・・・・・・っはい」

 

「・・・・・・話は終わりだ。この先に奴がいるかもしれないからな」

 

未だに姿を見せないリーダーに警戒しておいて損はないだろうしな。

 

後ろにいる2人を気にせず、M4A1を構えゆっくりと遅すぎず早すぎずのスピードで通路を進んでいく。

 

「っ!!止まってください!!」

 

オーグメントモードと自前の視力を使い通路を警戒して歩いていた俺の耳にリサによる停止の声で動きを止める事になる。

 

「どうした、リサ?」

 

「・・・・・・何か問題か?」

 

「そこの床に気を付けて下さい。少しだけ歪んでいます、たぶんトラップかと思います」

 

トラップだと?リサに言われた場所を良く見てみると確かに床が歪んでいた。

 

「確かに歪んでるな・・・」

 

「・・・先ほどの者たちが仕掛けたモノだと思います。多分匂いが同じなので」

 

「・・・・・・そうみたいだな」

 

オーグメントモードで集中分析させると、リサの言う通り歪んだ床の下には、3つの手榴弾がワイヤーとガムテープで纏められており、その上に無数に広がった釘やらネジが撒かれていた。

 

俺たちの体重で圧力が掛かった瞬間に爆発して撒かれた釘とネジが俺たちの体をハチの巣にして殺すって言う寸法だったみたいだな。

 

こんな即製爆発物(IED)に引っかかる程の馬鹿でもないが・・・解除に少し時間が掛かるな。

 

「・・・・・・こんな狭い通路で爆発されたら洒落にならない・・・解除する間、警戒を頼む」

 

「解除って・・・爆発物処理ができるのか?」

 

「・・・・・・問題ない」

 

「なら、任せる。俺とリサは周囲警戒を行う、間違って爆発されたらヤバいからな。集中して解除してくれよ」

 

「・・・・・・ああ」

 

2人が周囲警戒をしてる間に俺は直ぐに動く、右肩の投げナイフ用のナイフポーチから2本のナイフを抜き取り、歪んだ床にゆっくりと差し込む。

 

この時に注意が必要なのは、ワイヤーとガムテープに接触させない様にしなくてはいけない。

 

もし接触したら、ワイヤーに巻かれている手榴弾の安全レバーを外してしまい起爆するからだ。

 

ゆっくりと差し込んだ後、少し上に持ち上げて2本のナイフを横から縦に変え中の構造を見る。

 

3本目のナイフで釘とネジを退けていき、手榴弾を見つける。

 

このタイプのIEDは、設置する奴が阿保なだけで処理が簡単なタイプだからな・・・早々に処理をするか。

 

正直、起爆しない様に周りの釘とネジの撤去とガムテープとワイヤーさえどうにかできてしまえば、解除した事に違いない。

 

「・・・・・・終わったぞ」

 

解除処理した手榴弾の塊を片手に持ち釘とネジと歪んだ床を元の場所に戻す。

 

「おいおい。処理頼んで30秒しか経ってないぞ?」

 

「・・・・・・こんな雑なIEDに一分も必要ない」

 

片手に持っている手榴弾の塊を分解せず、リサに持たせポーチに入れさせる。

 

「・・・・・・さて問題は処理した。進むぞ」

 

「と言うか・・・目の前なんだよな・・・」

 

「・・・・・・入り口付近に敵数人が待ち伏せ(アンプッシュ)しているようだ・・・」

 

「・・・・・・リサ。アイツを貸せ」

 

「はい。アレですね・・・どうぞ」

 

俺が要求したものをリサが背負っていたバックパックから正四角形の板を取り出し渡してきた。

 

「おいおい。態々ブリーチ爆薬使うのか?」

 

ブリーチ爆薬・・・

 

建物の扉を引き飛ばすために製造された特殊爆薬であり、粘着マグネットと言う木製ドアであろうと金属ドアであろうと両方にくっ付き、安全ピンを引き抜くと3秒後に起爆セットできるタイプと遠隔スイッチタイプがある。

 

今回は、自動起爆型であり3秒後に起爆する。

 

「・・・・・・ドアの脇に移動して耐ショック姿勢に入れ」

 

俺は、2人がドアの左脇に移動し耐ショック姿勢に入ったのを確認し、音をたてないようにゆっくりとドアにくっ付けて安全ピンを引き抜く。

 

「・・・・・・起爆する、突入準備」

 

ドアの右脇に移動し背を向ける様に耐ショック姿勢に入る。

 

耐ショック姿勢に入ると同時にブリーチ爆薬が起爆・・・

 

その大きさから有り得ない破壊力を持った爆発が金属のドアを吹き飛ばした。

 

「・・・・・・GO!!」

 

爆発した瞬間に動く・・・その瞬間、脳内にあるハイニューロチップが稼働した事によって、周りの時間が遅くなりスローモーションで見えてくる。

 

一気に開かれ原型を留めていないドアの先に進むと先ほどのブリーチ爆薬の爆風で体を吹き飛ばされて空中を飛ぶ人影が3人に爆風から顔を守ろうとして腕で此方を見ていない人影が4人とその奥には、後ろを向いており此方を向いていない奴が1人いた。

 

それを瞬時に確認した俺とコルネールは思考を止めずに動く。

 

俺は左のギャング2人の心臓と頭にM4A1を向けて引き金を引き5.56x45mm NATO弾を確実に当てていき、無力化する。

 

コルネールも同じく2人の頭を撃ち抜き無力化した。

 

「隠れて下さい!!」

 

4人のギャングを始末した俺たちは残りの奥にいたギャングを撃とうと照準を定めた瞬間、IEDの時と似たようなリサの声を聞き、俺とコルネールは保管庫の両脇に置いてある武器コンテナの裏に隠れる。

 

「・・・・・・っち!!」

 

「っ何だ!?」

 

身を伏せて隠れると同時に俺たちが立っていた場所に弾丸の嵐が襲った。

 

「貴様ら!!よくも俺様のアジトをぉぉぉ!!」

 

銃弾の嵐を起こした正体は、このアジトの・・・いや組織のボスである男であった。

 

「・・・・・・設置型の回転式多砲身機関銃(ガトリングガン)タイプのセントリーガンが左右に1台ずつとあの男本人が持つミニガンを合わせると計3つのガトリングが敵か・・・」

 

設置型は赤外線熱探知タイプの機銃だな・・・。顔を出したら銃口が瞬時に向くだろうな。

 

「どうするんだ!?3つも同時に相手できないぞ!!」

 

俺と同じ様に身を低くして飛来してくる銃弾の雨を回避していたコルネールが叫ぶ。

 

「・・・・・・お前の超能力(ステルス)はどうだ?」

 

そう・・・コルネールの家系であるダルク家は氷を使った超能力を永い年月、研究開発し深めていた。

 

その力を既に知っている俺は、コルネールが持つ超能力を使えるか聞く。

 

「出来たらどれだけ良い事か・・・俺の超能力のレベルじゃあ、どうにもできない」

 

「・・・・・・前方に大きく氷の壁を作れるか?」

 

「少し難しいな。できなくもないが水分が少ないからな、強度が出ないぞ?」

 

「・・・・・・一瞬でも姿が隠せるなら構わない」

 

「・・・了解した。合図したら作る。その瞬間に移動しろ」

 

「・・・・・・あぁ、分かっている。リサ。先ほど渡した手榴弾の塊をくれ」

 

「は、はい!!」

 

入り口付近で身を低くして隠れていたリサに先ほど分解したIEDの手榴弾の入ったポーチを地面を滑らせ受け取る。

 

「アイツの攻撃が止んだら、力を使う」

 

作戦は簡単だ。コルネールの超能力を使いタレットとリーダーの視界を一瞬だけ奪った瞬間、奴らの頭上に投げ爆発すればそれでいい、しなければしないで注意を惹ければ、ムラサマで斬るまでだしな。

 

ムラサマブレードが収まったスパイクシース(特殊機構型鞘)を片手に持ち、反対の手には手榴弾の塊を持ってチャンスの時を待つ。

 

「出て来い!!ネズミ共が!!俺様の部下共を殺し続けやがって!!ハチの巣にしてやる!!」

 

アジトと自分の部下を悲惨に殺られたリーダーが毎分3000発以上もの驚異的なスピードで7.62x51mm NATO弾を発射している化物銃を荒ぶる様に周りに撃ち続けている。

 

「アイツのミニガンがオーバーヒートするか。弾切れになるのを待つか?」

 

「・・・・・・待っていたら厄介者が到着するだけだ・・・一瞬で良い、一瞬の隙を突ければそれだけで良いんだ」

 

そう・・・一瞬で良いんだ。何か奴の気を惹くものは・・・

 

俺が気を惹くモノが無いかと考えていると俺の視界の端に見覚えのある髪が通り抜けた。

 

「コウ様を狙うのでしたら、わたしを狙いなさい!!」

 

何を思って動いたのか分からないがリサがリーダー達の目の前に姿を出したのだ。

 

「馬鹿が!!素直に姿を見せるなんてな!!ハチの巣にしてやる!!」

 

リサの姿を確認したリーダーは、手に持っていたミニガンの銃口をリサに向けた。

 

それを見た俺が身を乗り出す前に俺と同じ様に隠れていたコルネールが身を乗り出した。

 

「っリサ!!」

 

身を乗り出した瞬間にコルネールはM4で火災報知器を瞬時に撃ち抜き消火液を降らせる。

 

オルレアンの森(forêt d'Orléans)!!」

 

コルネールが魔力を溜めて発動した術は、火災報知器により放出された消火剤を利用し周囲の気温を下げると前方に厚さ3cmの氷の壁が出来上がる。

 

それと同時にコルネールとリサの2人にリーダーのミニガンの銃口が向く、俺はチャンスでもあると感じ瞬時に動く。

 

「・・・っふ!!」

 

奴のミニガンが起動する前に手に持っていた手榴弾を氷の壁を利用して奴の頭上に投げて、縮地を使い奴の死角に回り込む。

 

「小癪な真似を!!」

 

俺の投げた手榴弾に気付いたリーダーは、直ぐにミニガンの銃口をそちらに向けて迎撃する。

 

ミニガンの銃弾に当たった手榴弾は空中で爆発、リーダーの姿が煙で隠れる。

 

「っちぃ!!しゃらくさい!!」

 

周りが見えなくなったリーダーは我武者羅にミニガンを撃ち始める・・・

 

弾丸の嵐が煙を超えて襲い掛かってくるが、コルネールとリサは寸での所で物陰に隠れて弾丸を回避した。

 

俺は、壁を蹴り飛ばしリーダーの真上にジャンプしてムラサマブレードを抜刀の構えをとる。

 

「どこだぁぁぁ!!」

 

脳内の血中酸素レベルを増大させることで思考速度・判断速度・反射速度を加速させる『斬撃モード』を起動。

 

その瞬間、周りの時間が一気に遅くなりスローモーションの感覚になる。

 

バイザー越しに見えるリーダーの後上をとったのを確認した瞬間、スパイクシースの引き金を引き絞る。

 

特殊弾薬が点火・・・瞬時にスパイクが発生しムラサマブレードを射出させる。

 

「・・・・・・っぜぁあぁ!!」

 

射出されたムラサマブレードの紅色な刀身に紫電を纏いながら、俺は柄を掴み取りリーダーの背中を叩き斬る。

 

「ぬぅぐっ!!」

 

しかし、寸での所で気付いたリーダーが、少し体を逸らすと同時に裏拳をしてきたが回避する。

 

リーダーの体を一刀両断が出来なかったが、背中を深く斬る事ができた。十分に戦闘継続ができないレベルだ。

 

「ガキがぁぁあ!!」

 

背中の痛みで握っていたミニガンを地面に落とし片膝を着いた状態で俺を睨んでくるが、特に気にせずに2台のセントリーガン(ミニガン)をガラクタレベルまで斬り壊す。

 

「この俺が・・・俺様が・・・貴様みたいな、ガキにやられるだと・・・?・・・・・・ふざけやがってぇぇ!!」

 

片膝ついた状態でポケットから何か錠剤らしきモノを口に入れ飲み込んだ。

 

自害的な行動かと思うが、俺の第六感が直ぐにそこから離れるべきだと訴え始める。

 

「・・・っち!!」

 

その場から離れる為に後ろにジャンプすると俺の立っていた場所に俺の伸長と同じ位の『何か』が通り過ぎた。

 

「・・・・・・往生際が悪いな」

 

前を見ると身長が約4mと驚異的に成長し肌色が緑色に変色し、体から血管が浮かび上がった巨人がいた。

 

 





説明しますと、リーダーが飲んだのは非合法で複数の薬物で生産された強靭強化肉体変身錠剤です。

飲んだ人の筋肉の膨張と硬質化、頭脳膨張を行うが・・・使用者は元の姿とは、かけ離れた姿になる。

簡単に要約すると『Fallout』で登場するスーパーミュータントみたいな姿を想像ください。

では次回会いましょう(^_^)/~



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第30弾 資金調達ミッション・強奪


いや~遅くなりましたwww

定時制の学校も卒業して社会人として働いていたら遅くなりましたWWW

休日と仕事終わりに少しずつ書いていましたから・・・



まぁ・・・この先似た様に更新が遅れますが気長に読んでくれると有り難いです~

ではどうぞ( ^^) _旦


ニューヨーク州ロチェスター市・街はずれ

 

レッドクレイジー本拠地・地下保管庫

 

地下保管庫内で巨人と1人の影が走りながら激闘をしていた。

 

「っふん!!」

 

緑色に変色した肌を持った巨人が剛腕を振りかぶり、風を切るスピードで剛腕がアスファルトにぶつかる。

 

「・・・・・・っちぃ」

 

風を切る速度でアスファルトに剛腕がぶつかり、砂埃とアスファルトの破片が襲ってくるが、自分に当たりそうな部分だけを切り落とすか身を少し動かして回避をしながら走る。

 

「うぉおお!!」

 

変異したリーダーは砂埃と煙で見えなくなるが、瞬時に煙の上部から飛び出て来て、再び剛腕を振りかざしてきた。

 

「・・・・・・ぜぁぁあ!!」

 

右の剛腕が俺の頭に当たりそうになった瞬間、右足を軸にし左に回転し首を少し傾ける事で剛腕を紙一重で回避すると同時にムラサマブレードを抜刀術で引き抜き、躱した右剛腕を斬り落とす。

 

斬り落とされた剛腕が地に落ちると同時に左剛腕が直ぐに襲ってくるが、慌てず冷静に考え動く。

 

後ろにジャンプをすると同時に俺は足裏を剛腕に引っ付けてバク宙をして回避する。

 

少し距離を開けて、リーダーの様子を見る。

 

「・・・っふ・・・ふふふ・・・はははははは!!」

 

拳を振りかざし、片腕から血を流している状態で唐突に笑い始めたリーダーを見て可笑しくなったのかと思う。

 

「貴様の玩具みたいな刀じゃあ、俺様を殺せないぞ!!」

 

「・・・・・・」

 

「見てみろ!!貴様の玩具によって斬られた腕を!!」

 

ムラサマブレードの侮辱に続いて、斬られた腕を見ろだと?ふざけているのか?

 

しかし、俺の考えは少し変えられた。

 

何故なら、斬り落とされた場所の腕から骨や筋肉、血管などを一つから再構築していたからだ。

 

一般じゃあグロ注意な位の光景だな・・・

 

「・・・・・・高速治癒能力か?」

 

いや・・・最早治癒能力では収まりきらないな・・・

 

「がハハっ!!どウシた?ガキぃ?ご自慢ノ剣技ハ、そンなモンか?」

 

っち・・・厄介な薬を使いやがって、どうやって、いや何処で手に入れた?

 

こんな薬物・・・裏でも出回るとは思えないが・・・

 

「・・・・・・その薬を何処で手に入れた?」

 

裏でも表でもそう簡単に手に入るモノじゃない・・・こんな薬は・・・

 

人体を骨から細胞組織の隅から隅まで変化させる薬物なんて・・・

 

「ソウ簡単に教エルと思ッていルノか?」

 

そう言いながら端に置いてあった大型の鉄パイプを握り持ちながら問いかけてきた。

 

「・・・・・・問いに問いを返して来るとはな。分かった貴様を無力化して聞くとしよう」

 

「ハハはは!!ソンなツもり無イだろうが!!」

 

轟っ!!と空気を裂く音を響かせ鉄パイプを振り下ろしてくる。

 

「・・・・・・どうだろうな!!」

 

鉄パイプが地面にぶつかる前にムラサマブレードで切り刻み無力化し、懐に接近する。

 

「っヌん!!」

 

「・・・っ・・・」

 

細切れになった鉄パイプを直ぐに手から離して剛腕を振ってくるが手の甲で受け流しリーダーとの距離がゼロ距離になる。

 

ゼロ距離になった瞬間、腕を前に出し掌をリーダーの腹部に押し付ける。

 

「・・・・・・無手零式・無衝波」

 

「あア?」

 

右足に全体重を乗せた状態で一気に地面に踏み込み体重を瞬間的に倍加させ、その倍加した体重を足から体へ・・・そして腕に通してリーダーの腹部に倍加した全体重を衝撃波として放つ。

 

「ッガは!!」

 

予想外の衝撃波を受けたリーダーは、自動車に撥ねられたかの様に後ろに吹き飛ばされ一気にアスファルトの壁に衝突した。

 

「リンクス!!無事か!?」

 

「大丈夫ですか!?リンクス様!!」

 

FN-57を構えて現れたコルネールが聞いてくる。

 

「・・・・・・2人とも準備は?」

 

壁に衝突したリーダーから目を離さず、2人に聞く。

 

「準備完了している!!あとはアイツを呼び込むだけだ!!」

 

「・・・・・・了解した。お前たちは所定の場所で待機していろ。直ぐにコイツを連れて行く」

 

「急げよ!!嫌な予感がするからな!!」

 

「・・・・・・あぁ」

 

先ほど言った準備って言うのは、コイツから逃げている時に攻撃して傷口が急速的な回復を見た俺は一時的にリーダーを撒きコルネールとリサに長期戦になる様だったら早急に終わらせる作戦を教えていたのだ。

 

この保管庫に通っている水道管は基地の広さが広さなだけあって数多くのパイプがある。

 

当然その複数のパイプが束ねられた場所が一ヵ所は存在する・・・その場所にリーダーを誘き寄せる。その後水道管を破壊し奴の体を水浸し状態にさせコルネールの氷を利用して瞬時に氷漬けにし動きを止め俺が再生不能レベルまで切り刻む。簡単な作戦だ。

 

まぁ、そんな説明しながら今現在もゆっくりとその場所に誘き寄せているのだがな。

 

「ヌガァア!!フザケヤガッテ!!ブッコロシテヤル!!」

 

意外と短気なのか俺の技に吹き飛ばされたリーダーが怒り心頭になり突進してきた。

 

怒りにより周囲が見えていないのか、雄たけびを上げながら突進してきている。これは非常に都合の良い

 

このまま、相手の感情を怒りと焦りを感じさせて冷静にさせずに目的の場所に誘導させるとしよう。

 

「・・・・・・っふ。どうした?俺を殺すんだろ?」

 

突進による攻撃を誘導しながら回避しムラサマブレードで小さな切り傷を与えていく。まぁ・・・高速再生能力のまでは意味ないが、奴の精神状態を悪化させることはできる。

 

「チョコマカト、ウゴクンジャネェ!!」

 

さて、予想より早く目的の場所に誘き寄せる事ができたな。

 

奴は怒り心頭で周囲を見えていないのか、足元に浸かる冷たい水に気付いていない様だしな。

 

「・・・・・・そう言えば、少し寒くないか?」

 

水溜りに近い位だが地面は水があり、その水の上には白い靄・・・いや冷気が漂っている事を遠回りに教える。

 

「アァ゙?ナニイッテ・・・ミズダト?」

 

俺の言葉に疑問を持った様だが、直ぐに周りの異変に気付いた様だ。

 

「ナニヲタクランデイルノカシラナイガ、オレニハイミヲナサナイゾ!!」

 

薬によって変異した体の一部である脚を使って地面を蹴るとその巨体からでは考えられない速度で俺に急接近してきた。

 

「・・・・・・いや、終わりだ」

 

鞘のトリガーを引きムラサマブレードをスパイク射出させ、柄を掴み取り少量の電流で筋肉を強化しムラサマブレードを亜音速より高速で振り、上下左右に地面を切り刻む。

 

そして地面が斬れ崩れる前に奴の後ろに瞬時に移動し手足をムラサマブレードで切断し、先ほど斬った地面に向けて蹴り飛ばし、地面に着地しムラサマに付着した血液を縦薙ぎに払い、ゆっくりと鞘に戻す。

 

この動作、僅か0.3秒

 

「ッガハ!?」

 

奴の声が聞こえると同時に切り裂かれた地面に衝突する音と崩れる音が同時に聞こえる。

 

「・・・・・・今だ!!」

 

俺の合図と同時に切り裂かれた地面の上に設置されていた水道官の束が破裂し、大量の水が切り裂かれ大穴と化した地面に降り注ぐ。

 

「ッグ!!ゴホッ!!ゴボボ!!」

 

破裂した水道管の束から溢れ出る水は、『雨の様に降り注ぐ』と言うより『滝の様に流れ出る』と表現した方が良いだろう。

 

その水位は直ぐに上がっていき、奴の顔が完全に塞がった。

 

このまま溺死を待っても良いが、アイツ自身の高速再生能力は侮れないからな・・・念には念を入れてな。

 

「氷点下の寒さに凍れ!!氷河期の檻(Cage de période glaciaire)!!」

 

コルネールの体から溢れ出る濃密に圧縮された魔力を大量に使用し発動した氷属性の魔術。

氷河期の檻(Cage de période glaciaire)とは今現在コルネールが出せる最大魔術の一つ捕縛魔術であり、一回の使用に多大の魔力を消費するのだが、威力は十分であり俺の通常パンチ(約20t)を楽々防いだほどだ。

まぁ、防がれた事にムキになった訳じゃないが、最大パンチ(約105t)は防げなかったみたいだ。

詰る所、無動作で俺レベルのパンチを放てないだろうし、放ったとしてもそこまで威力も無いパンチじゃあ、奴がどう足搔こうが無意味だ。

 

コルネールの力によって氷ブロックと化したモノを俺は、ムラサマを差し込みブロックを一気に持ち上げる。

 

どうやって持ち上げているか?簡単だよサイコロステーキにフォークを刺して持ち上げている様にしているだけだ。ただステーキが大きくなったと思えば簡単だろう?

 

まぁ、今から斬り捌くがな。

 

「・・・・・・っふ!!っはぁ!!っせやぁ!!」

 

右、上、左、下、左、右、下、上・・・ムラサマブレードで縦横無尽に切り裂いていると5m近くあった氷ブロックが徐々に小さくなっていき、地面には切り捌かれた氷ブロックが山の様に積み重なっていく。

 

一分も経たずに消えた氷ブロックの代わりに残ったのは山になったサイコロサイズの氷だけ。

 

既に原形を留めていない麻薬リーダーであったモノをジッと観察する。

 

「・・・・・・何分経過した?」

 

「丁度5分になりました」

 

「・・・・・・5分経過で奴の反応無し。どう思う?」

 

奴から目を離さず後ろの2人に聞く。

 

「サイコロ状に切り刻まれて5分経過してるとなると問題無いと思うが?」

 

「はい。普通の人間でしたら既に死んでいると思うのですが」

 

「・・・・・・その様だな。それじゃあ、この後はコルネールとリサの2人は言った通りに資金を俺は、奴が使用したモノが此処にあるか探してみる」

 

あの薬がまだ存在するなら早急に回収しないとな危険だ。

 

「「了解だ(分かりました)」」

 

2人の返事を聞き、俺は足を動かす。

 

「・・・・・・オーグメントモード起動」

 

------周囲スキャン開始します。

 

そう聞こえると周りが薄青色の背景に変わり、棚に乗った木箱類が塗り潰されている。

 

その簡易スキャン内容は、数多くの麻薬(乾燥大麻・ヘロイン・コカイン・覚醒剤など)の反応が検知された事から此処にある木箱はほぼ全部が薬物だろうな・・・

 

その木箱がある奥を進んでいくと高圧電流注意の看板がある電流の流れた鉄格子によって厳重に保管された大型の金庫があった。

 

「・・・・・・中身を提示」

 

------スキャン内容提示します。

    ↳1.特徴波長から大量の金塊(延べ棒)です。約30t近くあります。

    ↳2.その奥には、特徴波長から少量のカットされたダイヤモンドです。約300個近くあります。

    ↳3.今のレートで総合計算しますと金塊が約100億円、裏ルートでしたらダイヤモンドは約2000億円になります。

    ↳4.少量の放射能物質を検知しました。人体に影響を与えるレベルではありません。

 

金庫の中身は大量の金塊とダイヤモンドか・・・しかし何故、放射能物質の反応が?

 

「・・・・・・それ以外に特に無いか?」

 

------特に検知されるモノは無いです。

 

「・・・・・・分かった。2人の通信機に掛けてくれ」

 

------了解です。・・・・・・掛かりました。どうぞ

 

『サイレントだ。どうした?』

 

『サポーターです。どうしましたか?』

 

「・・・・・・そっちに目的のモノはあったか?」

 

『いや、無いな』

 

『はい。見当たるのは大量の薬物です』

 

「・・・・・・それなら、俺が進んだ方向に来ると良い。目的のモノを見つけた」

 

『そっちにあったのか・・・了解だ。直ぐに向かう』

 

『はい。了解です。私も直ぐそちらに向かいます』

 

2人の返事を聞き通信を切り、電流の流れた鉄格子を見る。

 

「・・・・・・電流の流れた鉄格子か・・・確かに普通の人間だったら触れただけでも感電死するレベルだが」

 

ムラサマブレードを鉄格子に向けて軽く振る。

 

その光景は、ただ鞘に納まっていた刀を引き抜いた様に見える程の自然な抜刀であったが、よく見ると前方の鉄格子に切れ目が入っていた。

 

「・・・・・・俺には無意味だ」

 

鉄格子の切れ目が少しずつズレていくと人が1人入れるほどの穴が開く。

 

「・・・・・・ついでだ。金庫も開けるか」

 

そのまま抜刀したムラサマで金庫の金具部分とセキュリティー部分を斬り壊し、ただの鉄の塊と化した扉にムラサマを突き刺して外に投げ飛ばす。

 

それにより、先ほど開けた鉄格子を壊してその後ろの通路に飛んでいく。

 

それに見向きもせず、金庫の中身を見る。

 

そこには保管庫の照明で黄金色に光り輝く大量の金塊と透明で綺麗な反射光で煌めく大量のダイヤモンドがキレイに保管されていた。

 

「・・・・・・放射能物質はコレか」

 

普通だったらこんなにも大量のお宝を目にしたら、ジャンプしながら喜ぶのだろうが、俺はその奥に眠っている高さ10cm、横15cm、長さ30cmの長方形の箱に目を向けている。

 

-------はい。微弱ですが放射能反応はその箱から検出されています。

 

「・・・・・・特にこれと言って放射能対策を施された箱ではないみたいだな。なら問題ないな」

 

もし放射能対策された箱から微弱ながらの放射能が検出されたのなら開けた瞬間抑えられていた放射能が一気に放出されるからな。

 

「・・・大きな音がしたから急いで来てみれば、何だこの有り様は?」

 

「見た限りですとこの大きな扉・・・リンクス様が立っている金庫の扉ではないでしょうか?」

 

「あぁ・・・多分そうだろうな。それにしてもあの短時間でこんな有り様にするなんてな」

 

俺が箱を開けようとした瞬間聞き覚えのある2人の声が聞こえ後ろを振り向くと俺が起こした惨劇をみたらしく。1人は呆れた表情を1人は苦笑いをしていた。

 

「・・・・・・来たか。ちょうどいい。2人ともこの金塊とダイヤモンドの山を運び出すぞ」

 

「はぁあ!?ちょっと待てこの量の金塊とダイヤモンドを全部か!?」

 

「これは根気がいりますね・・・」

 

一本約11,600gある金塊の山と300個あるダイヤモンドを全て外に運ばないといけないのだからな・・・

 

「・・・・・・荷台に乗せて引いて行くぞ。この先の場所にリフトがあった多分だがここのモノを運び出す為のモノだろう」

 

「どこに出るのか。分かっているのか?」

 

「・・・・・・あぁ。先ほど侵入した駐車場の脇に出る」

 

------警告、警告。この施設上空に熱源を確認しました。パターンからアメリカ海兵隊所属のV-22(オスプレイ)です。2人の降下兵を確認。

 

っち・・・少し長居し過ぎたか・・・

 

「あぁ、あそこか。ならトラックに積んで運ぶか?」

 

これは、機嬢(ジーニャン)には待機の連絡を入れた方がいいな・・・

 

「・・・・・・それが良いかもしれないな。少し長居しすぎたようだ」

 

「は?それってどういう・・・」

 

―――――ドゴォォォン!!

 

俺の言った事に不思議がったコルネールが問いを掛けようとするが突然に襲ってきた地下からでも伝わる爆音と揺れによって遮られる。

 

「・・・・・・さっきのブービートラップに引っかかったみたいだな。急ぐぞ」

 

手榴弾3つの塊と引火性の高い酒に囲まれたリーダーの部屋からだと確認して急ぐ。

 

「っち!!Rランク武偵か!!」

 

「台車を持って来ました!!」

 

声がしないと思ったら、どうやら部屋の隅にあった台車を持ってきていた様だ。

 

「・・・・・・コウ手伝え」

 

俺は、10個ずつの金塊を持ち上げてコルネールに渡す。

 

「ちょっ!?重っ!!」

 

楽々持てた俺とは違いコルネールは方に重りが乗ったかのようになっている。

 

バケツリレーと似た様な感じで金塊を台車3台に乗せる300個のダイヤは100個ずつ袋に分けて入れて俺とコルネールとリサの3人で1人1つで持つ。

 

「・・・・・・よし。運び出すぞ。急げ」

 

俺は台車を押しながら先頭に立ちリフトに向かう。

 

「Rランクがいるって事はどうするんだ?このまま見逃してくれるとは思えないが・・・?」

 

「・・・・・・最悪の場合、戦闘になるだろうな。そうなったら2人で金塊をトラックに載せて脱出しろ」

 

「・・・見捨てろってことか?」

 

「・・・・・・いや、単純に逃げれるからな。お前らが逃げるまでの時間稼ぎをしたら俺もキリの良い所で脱出する」

 

「本当だろうな?」

 

コルネールと話していると目的の場所に着いた様だ。

 

「・・・・・・あぁ。それと着いたぞ」

 

俺は、一旦台車から離れてリフト前に降りているシャッターを持ち上げ無理やり開けて2人を先に通す。リフトに乗ったのを確認し俺も台車を押しリフトに乗せる。

 

「・・・・・・上がるぞ」

 

リフトの横についてるボタンを押す。すると機械が作動し乗っているリフトがゆっくりと上に上がっていく。

 

「・・・・・・武器確認」

 

俺は、レッグホルスターからキラーエンペラーを引き抜き弾薬確認をする。

 

予備マガジンは腰のポーチにある2つを合わせると24発+薬室に1発の25発か・・・投げナイフは右肩と右腰を合わせて10本。

 

さてこの装備でどこまでできるか・・・

 

「M4の予備マガジンは2つでファイブセブンが3つだ」

 

「私はP239の予備マガジンが2つです」

 

全員拳銃の弾数が多いと言うか・・・少し心持たないな・・・

 

「・・・・・・いつでも撃てる用意をしておけ」

 

徐々に見え始めた地上の光を確認しそう言う。

 

ゆっくりと地面に到着すると固定具が機能しガコンッ・・・と大きくもなければ小さくもない音を鳴らして地面に着いた。

 

キラーエンペラーを構えた状態で少し前進し進行方向のクリアリングを行う。

 

「・・・・・・周辺に敵影なし。急げ台車を乗せるぞ。リサ」

 

「はい」

 

大型トラックの貨物室を開けて貨物台にリサの台車を乗せて持ち上げて中に入れていく。

 

中に入ったのを確認し貨物台を下す。

 

「・・・次コウ」

 

「あぁ」

 

同じように貨物台に乗せて中に入れていく。

 

「・・・・・・こいつで最後・・・っち!!」

 

降りてきた貨物台に乗せようと台車を押そうとした瞬間、突然襲ってきた陰の攻撃を回避する。

 

「リンクス!!」

 

「リンクス様!!」

 

「・・・・・・構うな!!さっき言った通りにしろ」

 

貨物室から顔を出したコウとリサの方に向かずに言う。

 

「っち!!さっきので確実に首を貰ったと思ったんだがな?」

 

突然襲ってきた影に目を向けていると影本人が喋り始めた。

 

「・・・・・・武偵が殺しか?」

 

「っは・・・テメェみてぇな奴に手抜いたらこっちがヤバいっての」

 

そう言い、歩いてくると徐々に姿が見えてくる。

 

その姿は確かにキンジそっくりであり同じ顔のやつが2人ってのが嫌でフェイスペイントで顔を隠すな。近い将来・・・

 

しかし、よく見てみると体の所々が黒く焦げていた。

 

「・・・・・・さすがRランク武偵だな。瞬時の状況確認に決断能力」

 

少しで良い、時間を稼いで2人の逃走準備をさせないと・・・

 

「そうかい・・・っで?お前ら3人がイ・ウーメンバーか?」

 

「・・・・・・そうだ」

 

「そんじゃあ、捕まってくれや」

 

「・・・・・・断る。それともう1人はどうした?」

 

「んぁ?ソイツなら----------

 

 

 

 

 

 

お前の後ろだが?」

 

 





おまけwww


※本編で詳細を書きますので深く考えないで読んでね☆彡

リンクス達が地下で金庫を開けたちょっと前

GⅢSide

オスプレイから降りた俺とGⅣは試作段階のライフルと少し大きな高周波のブレードを手に持ちながら進む。

「さてと・・・さっさと終わらせるか」

「そうだね~。さっさと終わらせよ~」

頭部に装着しているバイザーで周りを見ながら進んでいくとそこら中に死体が転がっている。

「うえ~・・・くっさい~」

ジーフォースがそう言いながら鼻を抑えているのも無理はない。

転がっている死体は全員刃物で切り殺されており、内臓が飛び出していたり一刀両断だったり・・・

その所為で周りの空間には死臭が漂っていた。

俺でも鼻を抑えているしな。

「・・・コイツらを殺ったのがいるとなると、少しばかり面倒くさくなりそうだ」

黙って進んでいくと目的のリーダーのいる部屋の場所に到着した。

特に警戒せずに部屋の扉を開けるとリーダーらしき人物が此方を背にして高そうな椅子に座っていた。

「おい」

俺が声を掛けるが特に返事もしない奴に警戒して進んでいく。

「おい。聞こえてんだろ?」

「おじさん。返事した方が良いよ~」

「・・・・・・・・・・・・」

「っち・・・おい!!」

返事の帰ってこない奴に苛立ち椅子を思いっきり此方に向ける。

その瞬間、聞こえる糸か何かが切れる音と地面に落ちる金属のレバーらしきもの・・・

それを見て理解した、俺はジーフォースを引き寄せて試作型対爆風金属シートを被る。

それとほぼ同時に大爆発が起きた・・・



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第31弾 資金調達ミッション:終焉


3ヵ月ぶりの更新ですwww

長くお待たせしてすみませんでした。(え?待ってないって?)

仕事が長く続き、暇な時間にチマチマと書いていましたが、更新できる所まで至らず、こんな時期になりました。

もう少し早めに更新できるように努力してみます。

では第31弾どうぞ( ^^) _旦


ニューヨーク州ロチェスター市・街はずれ

 

レッドクレイジー本拠地・駐車場

 

脳内に響き渡る様な警告音を感じた俺は体全身を動かさず咄嗟にムラサマブレードを逆手持ちで引き抜き背中に向ける。

 

「・・・・・・・・・っ!!」

 

その瞬間、ムラサマブレードから伝わったのは衝撃と刃と刃がぶつかり合い鳴り響く乾いた様な金属音。

 

それを感じた瞬間、そこに敵がいるのだと理解し、ムラサマで防いだ方向に蹴りを放つ。

 

ただの蹴りじゃなく人工筋肉で強化した強蹴りを放った。

 

「っつ!!」

 

腕で防いだのか生々しい感触と骨の様なモノが砕ける音が聞こえると同時に蹴りの体勢を瞬時に解き目の前の敵に向けてキラーエンペラーを向けて引き金を引き絞る。

 

ハンドガンでは出せないだろうと思いたい程の大きな射撃音が耳に響く。

 

後ろから攻撃してきた奴は、俺の強蹴りの力に耐えきれず後ろに吹き飛び、目の前の敵はキラーエンペラーから放たれた500S&Wマグナム弾をバク宙で回避した。

 

「・・・・・・流石だな」

 

流石と言えるな・・・今の一瞬で判断して回避行動するとはな。

 

「っは・・・お前もな。まさか試作型の光学迷彩で姿を消したGⅣ(ジーフォース)に気づくなんてな」

 

「流石だぜ。このアメリカ屈指の問題集団を殲滅しただけある」

 

反射神経にその運動神経・・・人工的に造られた人間だけあるな・・・

 

「・・・・・・そうか。ならアドバイスしといてやる。その試作型光学迷彩と斬り掛かってきたブレードについて言っといてやる」

 

そう・・・アドバイス(時間稼ぎ)だ。

 

「なに?」

 

「・・・・・・試作型の光学迷彩を使うのは良い。姿を周りの背景と同化できるからな。しかしその光学迷彩の弱点がある、俺が何故気づいたのか・・・簡単だ。完全に姿を消し切れていないからだ。気配に雰囲気に同化できていないし、試作型だけあって、光屈折が緩過ぎる。少し見ただけで丸見えだ」

 

コウ達が逃げ延びるまでの時間稼ぎだが・・・この話は本当だ。

 

なら何故先ほどGⅣを見失ったのか、コウとリサの2人に目をやった瞬間に視界外に行かれたからだ。

 

「あの一瞬でそこまで分かるか・・・」

 

「・・・・・・それとブレードも試作型なのかは知らないが、内部構造の問題か何かで空気を揺らし過ぎているし少量の雑音が聞こえる。そんな武器を使う位ならただの刀やナイフなどを持たせる事だな」

 

「まぁ、試作型だしな。今回が初めての運用だからな。問題は多く出てくるさ」

 

時間稼ぎは出来ただろうが・・・コイツら俺以外に興味が無いのか?

 

「・・・・・・あいつ等を無視したがいいのか?」

 

「あ?あー。元々破壊する予定だった場所の破壊をしてくれた事と俺たちに対抗できるのはお前だけだろうからな。雑魚には興味がないだけだ」

 

雑魚とは・・・酷い言いようだな。確かに奴から見たら弱いかもしれないだろうが・・・能力値を含んだ全ては特殊部隊以上あるんだが・・・

 

「なぁ?GⅣ」

 

「イタタ・・・そうだね~確かにあんなのよりこっちの方が良いと思うよ」

 

先ほど吹き飛ばされた一人が戻ってきた様で蹴られた箇所を手で押さえながらGⅢの言葉に頷きながら歩み寄ってくるGⅣと呼ばれている少女。

 

先ほどの蹴りを喰らって平然としているとはな・・・肋骨が砕けているかと思ったんだがな

 

「・・・・・・肋を何本かやったと思ったんだが?」

 

「うん。確かに肋骨2本を持ってかれよ?・・・けど戦闘継続に支障はないよ」

 

肋骨を砕かれているのに戦闘継続可能とは・・・最悪の場合、肺に骨が刺さるというのに・・・

 

いや・・・刺さらない様に調整しているのか。

 

いやはや・・・流石と言うべきだな・・・蹴られた瞬間に後ろに跳び衝撃を最小限に緩和させようとして緩和しきれないと理解して被害を最小限にする様にあの一瞬で判断し行動に移した様だ。

 

「・・・・・・己で体の調整をするか・・・流石だな」

 

“普通”の人ならばそんな芸当はできないだろうしな・・・流石Rランク武偵と同レベルなだけあるな。

 

「おいおい。まさか衝撃逃がし(ショックアウト)だけで驚いてんのか?」

 

「・・・・・・いや。少し関心しただけだ」

 

そう・・・驚くより感心する・・・人工的に作られた人間と言えば俺も同じだが体の中身を弄られた俺と違いアイツらは純粋な肉体だ。

 

機械(サイボーグ)である俺と人間(ジニオン)であるアイツ等では、やはり肉体が違うと思うのだがな・・・

 

「そうか。そりゃあ・・・良かったぜ!!」

 

「・・・っほ!!」

 

俺が2人の身体能力の高さに感心していると、唐突にGⅢとGⅣが同時に攻撃を仕掛けてきた。

 

GⅢはボディ目掛けて高速のパンチを放ち、GⅣはヘッド目掛けて高速のキックを放ってくる。

 

GⅢの高速パンチを左手で掴み止め、GⅣの高速キックを右腕で防ぎ止める。

 

それと同時に両サイドから襲い掛かってくる強烈な衝撃を地面に受け流し攻撃を無力化するが、受け流した衝撃が強すぎて俺を中心に砂埃が起ち籠る。

 

「おいおい。マジか・・・この骨格の感触・・・」

 

骨格の感触?まさか・・・

 

「やっぱり、この感触って、そうだよね・・・ジーサード」

 

「あぁ・・・」

 

俺との一回の接触で俺の正体が分かるとは・・・

 

「テメェ・・・その人間特有の骨格とは違った衝撃振動感覚と硬さは・・・」

 

「・・・・・・そうだ。その想像通りだ」

 

「肉体改造?強化人間の類か?」

 

「・・・・・・まぁ、その類に入る」

 

「っち・・・通りで可笑しい身体能力をしてる訳だ」

 

「・・・・・・俺の正体が分かった所でどうする?」

 

このまま、俺の正体を理解した状態で見逃してほしいのだがな。

 

「っは・・・そのまま、はいそうですかって言える訳ないだろうが!!」

 

俺の問いに予想通りの返答をすると同時に反対の手を使いパンチを送り込んでくるが掴み止めている腕をそのまま殴りかかってきた腕を交差する様に絡ませて関節技(サブミッション)を掛ける。

 

「非合理的だよ・・・そのまま帰しちゃったら私の肋骨が無駄になっちゃうじゃん」

 

ジーフォースも似た様に返答し試作段階のブレードを振ってくるが、ムラサマブレードの鞘で防ぎとめる。

 

「っち・・・らっ!!」

 

ジーサードが関節技(サブミッション)から抜け出して同じ様にパンチをしてくるが先ほどと違い速度が遅く腹部に添えるような感じで拳を腹に突き出してきた。

 

「喰らいやがれ!!杭撃ち(バンカーショット)!!」

 

ジーサードの声が聞こえると同時に腹部に強烈な衝撃が襲い掛かる。

 

腹部に衝撃が襲い掛かる寸前にバックステップするが、衝撃を緩和しきれずに腹部に衝撃波がぶつかる。

 

その強烈な衝撃は、おおよそ人が出せない様なパワーであり、一瞬だが思考が止まった。

 

「・・・・・・ゴフッ」

 

バックステップしたと言うのに的確に内臓の一部である肝臓を撃ち抜いてきやがった・・・

 

対G処理で強化されているとは言え、これほどの強烈な衝撃をまさか生身の人間が放って来るなんてな・・・

 

「っほ!!」

 

「っ・・・・・・」

 

腹部に強烈な衝撃が走ってる中でジーフォースがブレードで追撃をしてくるが予想していた事で直ぐに反応し、腕を絡めて攻撃を受け流し後ろに投げ飛ばし、ジーサードには腹部を蹴り飛ばし一旦距離を開ける。

 

「・・・・・・全身の筋肉繊維を振動させて発生した衝撃波を腕から放って対象の腹部に大ダメージを与える技か・・・」

 

「おいおい。もう仕組みが分かっちまったのか?」

 

脳に肉体に神経が強化された俺からしたら1秒の間になら大体の技の構造も理解するが、その攻撃を喰らってしまえば、瞬時に理解できてしまう高性能ボディだからな。

 

技を放つ瞬間に腹部に手を添えてる所為で微弱だが筋肉から伝わってきた振動を感じ取れたからな。

 

「・・・・・・大きな技を使うなら、もう少し連続した攻撃の中で自然と入れ込むべきだ。じゃないと簡単に対処できてしまうぞ」

 

「っは!!あんたが俺にご指南してくれるってか?」

 

まぁ・・・それも良かったがな。

 

「・・・・・・そうしたかったが、時間だ」

 

十分な時間は稼いだ。脱出からの撤収準備もできてる時間帯だろうしな。

 

「っち。まさか、逃げようってか?」

 

「非合理的だと思うな~。2人相手に本気なの?」

 

「・・・・・・あぁ。悪いがな」

 

地面を蹴り飛ばし後ろにある燃料タンクに乗り移る。

 

「あぁ?おいおい、空でも飛ぼうってか?」

 

まさにその通りだ。

 

「・・・・・・あぁ。そうだが?」

 

「「はぁ?」」

 

俺の返事に呆気を取られる2人を確認した瞬間、燃料タンクを背に地面を蹴り飛ばし空中に上がり、キラーエンペラーを3発・・・時間差で発射する。

 

「・・・・・・じゃぁな」

 

初弾が燃料タンクに穴を開け、中にある高可燃性の液体を漏れさせる。

 

残りの2発は液体の付近で銃弾撃ち(ビリヤード)を行い亜音速での衝突で起きた火花で燃料液に引火させる。

 

引火した液体は導火線の様に燃えていき燃料タンクの中に入り燃焼・・・急速に発生したエネルギーが一気に膨張し直ぐにタンクに限界が訪れ爆発した。

 

その爆発を推進剤に空中にいた俺は、そのまま施設から弾き飛ばされるかの様に飛んで行き一気に施設とジーサード達から撤退する事に成功する。

 

「・・・・・・っと!!成功だな」

 

爆発したレッドクレイジー拠点から約300m離れた地点に難なく着地し、一気にニンジャランで走る。

 

理由は簡単だ。あいつ等2人が追ってくるかもしれないし、早急にこっから撤退して予定ポイントで逃走車でイ・ウーに向かわないとな・・・

 

「・・・・・・さて、急ぎますか!!」

 

 





今回、ジーサードが放った杭撃ち(バンカーショット)は桜花のプロトタイプであり、改善点が多くあり、後に進化し流星になります。

設定など色々可笑しな所がありますが、今後とも宜しくお願いします。

では次回会いましょう。


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原作前:Horrible Theftーー恐ろしい窃盗ーー
第32弾 the light reinn



皆さん、どうも遅すぎますが明けましておめでとうございます。

この作品は非常に更新が遅いですが、どうかご了承を・・・

では第32弾です・・・どうぞ

直訳で「光の道」


 

イ・ウー艦内

 

リンクスSide

 

Rランク武偵であったジーサードとジーフォースから逃れて無事に逃走車両であるランボルギーニ・LM002を運転し逃げ切り、現在は本拠地であるイ・ウー艦内にいる。

 

「・・・・・・教授。任務を終えたが、これが何か分かるか?」

 

レッドクレイジー本拠地で入手した放射能反応が微弱にある謎の箱をシャーロックに見せる。

 

俺が出した謎の箱をシャーロックのテーブルに置くと興味を持ったのか箱に触れる。

 

すると少し目を見開き考え始めた。

 

「ふむ・・・その中身は少々危険だね・・・」

 

しかし数秒で、考え終えたのか俺が見せた謎の箱の中身の危険性を感じたのかそう言ってくる。

 

「・・・・・・危険?確かに人体に害はないレベルの放射性物質を放っているが・・・」

 

「僕の予想が当たっていれば、この箱の中身は核だろうからね」

 

「・・・・・・なに?」

 

今、シャーロックは何て言った?この箱の中身が核だと?

 

「・・・・・・いや、確かに放射性反応はあるが核なのか?」

 

「触ってみて分かったけどその箱は、内も外も鉛で出来た素材だね。見た目は木箱に見えるけど彫刻とデザインコーティングでそう見えるだけだよ」

 

鉛で出来た箱だと?どうりで重い訳だ・・・しかし中身が核なんて・・・起爆したらヤバいじゃないか・・・

 

「安心したまえ、この潜水艦には、爆発物処理専門部屋がある。そこで開けよう」

 

既に行く準備を済ませたシャーロックが立ち上がり、部屋から出ていき俺も後を追う様に外に出る。

 

「さて、その中身だけど、もし危険性がなかったら君に譲ろう。危険性があった場合は私が処理するが別に構わないかな?」

 

シャーロックの言う通りに場所を移動し爆発物処理専門部屋へ向かう途中にそう言ってくる。

 

「・・・・・・・・・あぁ。危険性があるなら処理した方が良いに越したことはないが、良いのか譲り受けて」

 

「持っていた所で利用価値が無くは、ないけど君の方が必要になるだろうからね」

 

「・・・・・・・・・そうか。なら有り難く頂くとしよう」

 

「さて、着いたよ。此処だよ」

 

シャーロックに案内されて移動してきた部屋は分厚い扉に重厚なガラス張りの如何にも爆発処理部屋と言える場所であった。

 

「・・・・・・・・・今更だが、潜水艦の中に爆発処理部屋があると言うのはどうなんだ?」

 

「しょうがないさ。このイ・ウー内では爆発物を使う輩が多いからね。必然的に必要になるんだよ」

 

爆発物を扱う輩・・・・あぁー、ココ達か

 

「・・・・・・そうかもしれんが、潜水艦の中じゃ、もしもの事が起きたらヤバいんじゃないか?」

 

無いとも言えないが爆発範囲が大きくて潜水艦に穴が開いたらヤバいんじゃないのか?

 

俺がそう言う中でシャーロックは部屋の中に入り問題の品を中央テーブルの上に置いた。

 

「安心したまえ、全面耐爆振動強化ガラスを使用しているし、この区画の金属も全て特殊素材で出来ているからね、ちょっとやそっとで壊れないさ」

 

「・・・・・・そうか」

 

シャーロック本人がそう言うんだ・・・たぶん問題ないだろう・・・

 

「さて、では、開けるとしよう」

 

ん?開ける?

 

「・・・・・・おい。ちょっと待て」

 

「ん?なんだい?」

 

なんだい?じゃないだろう・・・

 

「・・・・・・防護服か何かを着なくて良いのか?」

 

「問題ないさ。この大きさで入っている物がそんな簡単に爆発もないだろうし中身を推測するに生物兵器でも無さそうだからね」

 

おいおい・・・

 

「さて、話しも終わったしね。では開けてみよう」

 

そう言い、シャーロックが鉛でできた箱を開けた。

 

「・・・・・・こいつは・・・」

 

その中に入っていたモノに驚愕する・・・

 

「ふむ。少し予想外だね・・・」

 

大きさ約30cmのパイナップルの様な形をした代物・・・その横に貼ってあるラベルには三つの扇状の絵とその中心に球体の絵が描かれたシンボル―――そう有名な放射能のハザードシンボル・・・つまり核マークだ。

 

「・・・・・・この小ささで?」

 

つまり・・・この小さいモノでありながら、核爆弾であろう・・・

 

「ふむ・・・・・・これは、少し厄介だね」

 

箱を開けた本人であるシャーロックも少し表情を動かす。

 

「・・・・・・安心して良いんじゃなかったのか?」

 

おいおい・・・・・・

 

「そう簡単に爆発する心配は必要ないよ。・・・・・・だけど中身は非常に不安定だね」

 

不安定・・・?

 

「・・・・・・それの何処が安心して良いんだ」

 

シャーロックに聞くと外殻が安全で爆発はしないだろうが、内部は非常に不安定で中にまで強い振動が届くと直ぐに爆発する程らしい。

 

「このままで、君に渡してしまうのも危険だね・・・」

 

「・・・・・・いや、こんな代物を貰う気にもならないんだが?」

 

「大丈夫。専門家に頼んでこの状態より、安全にしてもらってから君に渡すよ」

 

「・・・・・・(核を何に使えと?)」

 

何処から出したのか分からないが、シャーロックは中にクッションが詰まった特殊素材の箱に代物を入れた。

 

「それと、中にこの様な手紙が入っていたよ?」

 

手紙?・・・この核に関係のあるモノか?

 

「これは、今から僕が専門家に持っていくよ。リンクス君はこの後自由にして良いよ」

 

シャーロックから受け取った手紙を開き目を通す、その間にシャーロックが核を入れた箱を片手に持ち部屋から退出していった。

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 

レッドクレイジーリーダー宛

 

今回この試作段階の兵器を貴様らに送る・・・使用方法は貴様らに一任するが、取り扱いには注意しろ・・・

 

ミニニューク・・・「個人携行用核兵器」

 

ちょっとした衝撃で、起爆する危険物であるから気を付けろ。

 

起爆したら半径約5m内は蒸発し消滅する、更に約10m内は放射能の嵐になるからな・・・注意しろよ。

 

保管方法や輸送方法は、なるべく衝撃の伝わり難いクッション素材と放射性物質が通り難い鉛を使った特殊な箱に入れて保管し、なるべく箱に衝撃を与えない様に安全な道で進むと良いだろう。

 

繰り返すが、このミニニュークは、非常に危険だ取り扱いには、注意しろよ。

 

ではな、貴様らがどう足掻くか見物だな・・・

 

それと・・・この書類は読み終わり次第、焼却処分にしろよ?手掛かりは残したくないからな・・・

 

MDS 逆歪 王我より

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

リンクスSide

 

ミニニューク・・・だとっ!?

 

通りで形に身に覚えがあった訳だ・・・滅茶苦茶な設定をされた爆弾じゃないか・・・

 

俺が、この世界に転生する前、生前の頃にやっていたゲーム『Fallout4』で登場する最終兵器だ。

 

「・・・・・・この世界にミニニュークがあるだと?」

 

デイビー・クロケット(携帯用戦術核弾頭)より威力が低く、範囲が狭いが十分な戦略兵器であり、核弾頭と同じく爆発した後に放射能をバラ撒き周囲を焼野原に変えられる事に変わりがない兵器だ・・・

 

「・・・・・・いや、もしかしたら、名前だけが一緒なだけかもしれないが、注意しといた方が良いか?」

 

ミニニュークの手掛かりは、この紙に書かれている逆歪 王我(サカマ・オウガ)と言う名前くらいか・・・

 

もしくは、このMDSが何か意味を持っているだろうか?

 

「・・・・・・情報が少ないな、この件は後回しにするか・・・

 

そう言えば、確かコルネールとリサの2人が呼んでいたな・・・会いに行かないとな。

 

 

 

 

 





この作品は多重クロスオーバー作品です。

現状でクロスオーバーする作品は・・・

・メタルギアシリーズ(世界観・組織・人物・武器兵器)
・アサシンクリードシリーズ(世界観・組織・人物・エデンシリーズ)
・バットマン(敵・組織・兵器類・人物)
・ターミネーターシリーズ(兵器類・Tシリーズ)
・ヨルムンガンド(人物・組織)
・ガンスリンガーガール(人物・設定)
・ブラックラグーン(人物・組織)
・NOIR(人物・組織)
・Fate(人物・組織)
・フォールアウト(武器兵器)

などなど、まだまだ増加する予定ですがご了承を。


では、次回会いましょう。ではまた~


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第33弾 The World Begins To Move


お久しぶりです。更新速度が相変わらず遅いですが、どうかご勘弁を・・・

今回の話から少し話を進めていきます。では・・・どうぞ

サブタイトル名の意味は直訳で「動き始める世界」です。



 

教授の部屋

 

リンクスSide

 

核問題から既に4日が経っており、俺は、ある計画の為にシャーロックがいる部屋に来ている。

 

「・・・・・・教授(プロフェシオン)。いや、シャーロック。聞きたいことがある」

 

自分の机の上でルベルリボルバー・・・正式名:MAS Mle 1892リボルバーを分解し掃除(クリーニング)しているシャーロックに向けて言う。

 

「ふむ、君の聞きたい事は、BIG BOSSの事かな?」

 

俺が聞きたい事・・・それは、ザンジバーランド騒乱事件で焼殺された筈のBIG BOSSの死体の居場所である。

 

まぁ・・・実際は死体じゃないがな・・・・・・多分『愛国者達』の手によって完全に治療されているだろからな。

 

「・・・・・・その通りだ」

 

「聞いてどうするつもりだい?」

 

俺の考えている大きな計画に必要不可欠なモノであるが為だ。

 

「・・・・・・理解している筈だが?」

 

シャーロックの力があれば、簡単に理解するであろうに・・・・・・

 

「そうだね。君が自分の組織を作り上げようとしている事は理解しているよ」

 

そこまで、理解するか・・・・・・まぁ、想定の範囲内だったから良いが・・・

 

「・・・・・・そう言う事だ。その過程に必要な情報だ」

 

BIG BOSSが何故、武装蜂起を起こしたのか・・・それは『愛国者達』の政治的・軍事的な拡大を阻止する為に起こしたものである。

 

俺の目的は、愛国者達・アブスターゴ(テンプル騎士団)・超古代文明人を含む大型組織からエデンシリーズ・聖遺物等を含んだ大量破壊兵器を回収し、破棄または永久保管する事である。

 

同時に大型組織の軍事力より勝り、イ・ウーに似た様に俺の作り上げる組織を抑止力とするのが目的である・・・

 

俺とBIG BOSSの目的は一緒なんだ・・・どうにかして、仲間にできないだろうか?

 

「・・・君は本当に予想外の動きをするね」

 

予想外?嘘こけ・・・俺の行動は読めている癖に・・・

 

「・・・・・・そうでもないだろうに、俺がこうやって動くのは予想の範囲ないだろ?」

 

「・・・そうでもないんだよ。君の動きはどうしてか読めない部分が多いんだよね」

 

読めない?俺の動きが?シャーロックの力でさえ?

 

「・・・・・・そうなのか?」

 

「読めるのは、君の部分的な行動でしか読めないんだ」

 

部分的な?俺の行動が予想できないとなると・・・俺の何かがシャーロックの力を妨害しているのか?

 

「・・・・・・読めないか・・・まぁ、俺には関係ない。それで、情報は?」

 

元々、シャーロックの読みを頼って行く気はなかったからな・・・・・・読めようが読めなかろうが・・・関係ないな。

 

「関係ないって・・・まぁ、それはそれで面白いからね、君がどうやって動くのかが・・・ね?」

 

「・・・・・・知らん。それで?」

 

情報はよ!!未来が読める読めない関係ないから、BIG BOSSの居場所をはよ!!

 

「BIG BOSSの・・・彼の居場所は、ロシア連邦のシベリア連邦管区ブリヤート共和国にある元旧ソ連弾道ミサイル開発局・・・今ではロシア第106親衛空挺師団実験担当試験開発局に変わっているけど、その施設の最高秘匿エリア最深部に眠っているよ」

 

ロシア?アメリカじゃないのか?それにロシアって・・・愛国者達の手が届いているのか?

 

「ザンジバーランド騒乱から彼の体は非常に衰弱していてね。無駄に動かすんじゃなく、自分たちの手が届いている近場の軍での治療を行って、来るべき日に目覚める様に冷凍睡眠されているらしいよ」

 

冷凍睡眠・・・どうりで原作の時まで生きてる訳だ・・・・・・

 

「・・・・・・シャーロック」

 

今回、俺が行おうとしている作戦は至ってシンプルであると同時に危険性が高い。

 

「っふ、大丈夫だよ。君が頼もうとしていることは大体わかったからね」

 

そうだろうな。俺の未来が読めないって言ったってパズルピースみたいに所々のヒントを出していたら分かるか・・・

 

「・・・・・・なら、今回の作戦に力を貸してくれ」

 

この世界で生まれて初めて・・・俺は、頭を深く下げた・・・・・・

 

「っふふ。そうだね。生徒の頼みを聞くのも先生としては、当たり前だからね」

 

その行動を見たシャーロックはメンテナンスをしていたリボルバーをゆっくりと机に置きそう言った。

 

「・・・・・・すまないな。この借りはいつか返す」

 

俺ができるのは、将来での動きをサポートぐらいだろうが・・・

 

「そうだね。そうしてくれる事を願っているよ。さて、作戦は決まっているのかな?」

 

「・・・・・・あぁ。手を貸してくれるのなら・・・これが今回作戦の計画書だ」

 

そう言い、1枚の計画書をシャーロックに渡した・・・

 

「ふむ。何ともまぁー個性の強い子達を選んだね」

 

「・・・・・・あぁ。だが、こいつ等の方が作戦の成功率は高い」

 

「そうだろうね。わかったよ、みんなには僕から伝えておくよ。君は準備をしていてくれるかな?」

 

「・・・・・・了解だ。教授(プロフェシオン)

 

 

 

 

 





はい。と言う事で次回はBIG BOSSの救出(拉致)作戦です。

この小説は作者のご都合主義と気晴らしに書いている小説です。

非常に駄作であるこの作品を読んでくれている読者様方には、感謝しています。

暫くの間は、メタルギア要素が大きいです。

つまらないと思うのであればトップページに戻ってもらって構いません。

では、次回会いましょう(^_^)/~



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第34弾 Sunset World

劇場版アサシンクリード見に行きましたけど、ファンとしては最高でしたね。主人公がイーグルダイブを成功させたシーンは鳥肌が立ちましたね。

では、BIG BOSSの救出作戦スタートです。


ロシア領空内 シベリア連邦管区  上空3万5千フィート

 

AC-130H<スペクター>

 

後部ハッチ内

 

そこには、武装した4人の男女が静かに装備チェックをしていた。

 

その中には、リンクスの姿があった。

 

リンクスSide

 

俺たちは今、ガンシップ内の後部ハッチでHALO降下準備をしている。

 

「・・・・・・3人とも準備は終わったか?」

 

背中に背負ったラム型パラシュートバッグのチェックを終えた俺は、3人に確認の返答を聞く。

 

「あぁ・・・俺は終わったよ」

 

ベル・ヘルメットを被り酸素マスクをヘルメット横のフックにぶら下げ、しっかりとパラシュートバッグを背負い愛銃であるL96A1をライフルホルスターに仕舞った状態で返事を返すコルネール。

 

「私も終わった。あとは孫だけ」

 

同じくヘルメットを被ってマスクをぶら下げてパラシュートバッグを背負った銀髪碧眼の女の子・・・弓の名手として有名なロビン・フッドの子孫であるセーラ・フッドが返事を返す。

 

「えぇーと・・・これがここで・・・これが・・・」ヾ(・ω・`;)ノぁゎゎヽ(;´・ω・)ノ゙

 

慣れなていないのか、ヘルメットとマスクは問題なく装着できているのだが、それ以外のアタッチメントに戸惑い焦っている斉天大聖の孫・・・今は猴だが・・・が遅れている様だ。

 

「・・・・・・はぁ・・・コルネール、手伝ってやれ」

 

作戦開始まで時間がないんだからな。

 

「了解」

 

準備を間に合わせるためにコルネールに手伝わせ、俺は3人に背を向けるようにしバイザーを開いて通信を繋げる。

 

『・・・・・・シャーロック、聞こえているか』

 

通信を繋げる場所はこのガンシップのパイロットであるシャーロック。

 

『問題なく聞こえているよ。リンクス君』

 

『・・・・・・それで?到着時刻までは?』

 

『ちょうど、あと3分後だね』

 

『・・・・・・了解だ。作戦開始時刻になったら放送頼む』

 

『わかったよ』

 

シャーロックの返事を聞き通信を切りバイザーを戻す。

 

「貴方のそれ便利」

 

俺がシャーロックとの通信を切ると俺の後ろに立っていた女の子・・・セーラが唐突にそう言ってくる。

 

「・・・・・・あぁ。通信を含めた暗視機能に各種光学機能が搭載された高性能バイザーだ」

 

暗視・望遠・赤外線・指向性マイク・生体センサー・動体探知機・ソリトンレーダー・一眼デジタルカメラ・ビデオ通信電話・アナライザーなどなど

 

ハイニューロチップと兼任してバイザーを使うことで超高性能バイザーになる。

 

「便利だけど、取り外せないのが不便」

 

そうセーラが言った通りであり・・・超高性能なバイザーであるが蟀谷部分に接続ユニットがあり、ちょっとした工夫をしないと取り外す事が出来ないのである。

 

「・・・・・・少し不便だが、そこまでではない」

 

「私は不便」

 

確かに女性からしたら不便だろうな。

 

「・・・・・・そうか」

 

セーラとの会話を一旦中断し準備をしている2人の方を振り向くとちょうど準備を終えたのか此方に来ていた。

 

「準備できたぞ、リンクス」

 

「す、すみません・・・遅れました」(ノд・。) グスン

 

「・・・・・・準備完了か?」

 

「は、はい!!」

 

「・・・・・・そうか。なら、再度作戦を説明する」

 

全員の準備が終えたことを確認した俺は、手元にある小型映像投影端末機(MGSTPPのiDROIDを一回り小さくした様なモノ)を起動し作戦マップを3Ⅾホログラフィックで空中投影する。

 

投影する場所は、今回の作戦場所ブリヤート共和国の街外れの山奥にあるロシア第106親衛空挺師団実験担当試験開発局(以降ロシア開発局)である。

 

「・・・・・・今回の作戦は、事前に教えていた通り『ある人物』の救出作戦だ」

 

投影されている作戦マップを指で触り拡大化させてBIG BOSS救出作戦概要を説明する。

 

「・・・・・・作戦領域はロシア第106親衛空挺師団の管轄内である試験開発局だ。要救助者はこの試験開発局の最下層に軟禁されている」

 

正確には軟禁ではなく『永久保存』に近いんだがな

 

「・・・・・・今回の作戦目的は、その軟禁されている人物の救出と同じく施設内で捕らわれている子供たちの救出だ」

 

BIG BOSSが眠る施設内では、BIG BOSSの持つソルジャー遺伝子を使った人体実験が行われており、その実験体である子供たちは、各部門に特化した超人能力を持っているという情報を掴んでおり、BIG BOSSの救出を最優先として次の優先順位として子供たちの救出である。

 

「・・・・・・作戦領域内での戦闘は、避けられないだろうが出来るだけ戦闘は避けることだ。特に騒ぎになったら救出対象等の移動をさせられる可能性があるからな」

 

空中投影された作戦マップを提示し目標がいる場所の詳細データを提示して説明しているとコルネールが静かに手を挙げて質問してきた。

 

「敵の数と装備などの情報はあるか?」

 

その質問に対して、端末機を少し動かし事前に手に入れていた敵兵士たちの装備を作戦マップの横に並列投影させる。

 

「・・・・・・あぁ。この投影されているデータがそうだ。基本的にAN-94‘アバカン’を装備しているスナイパーライフルにはSVDの変更モデルであるSVDSを装備している」

 

「・・・・・・それ以外にもPKMとRPK-74Mも確認されている」

 

「ガチガチの警備隊の装備か・・・」

 

AN-94は2点バースト射撃による射撃レートの安定の高さもあり、室内による取り回やすさを優先して折り畳み式ストックであるSVDS、分隊支援火器でも射撃レートの安定さがあるRPK-74Mと威力と射程が優れているPKM

 

攻撃支援火器能力の高さに室内戦を考慮した機動力・・・腕の良さは、武偵ランクで言う所のC~Aランク相当の熟練兵士揃い・・・それも、ほぼBランク相当の兵士たちで形成されている。

 

「・・・・・・その警備隊も問題だが、侵入後の施設内も問題がある」

 

警備隊の情報の横に施設最深部を警備している奴らの情報を投影する。

 

「・・・厄介」

 

「あぁ・・・めんどくさいな・・・」

 

「えっ・・・あれ?装備一式、丸々変わってる?」

 

投影された情報を確認した3人が言ったそれぞれの意見通りであり、セーラとコルネールが言う通り『めんどくさく厄介』そして猴が言った様に『装備一式、丸々変わっている』のである。

 

施設内の最深部には、全員がAランク相当の兵士で構成され隊長クラス全員がSランク相当だと言う情報を得ている。

 

その最深部の兵士たちの装備一式は地上とは打って変わって服装から装備全てを変更されている。

 

・AN-94→AK-12:ドットサイト・ショートフォアグリップ・グリーンレーザーサイト・折り畳み式ストック

 

・SVDS→SV-98:レッドレーザーサイト・PSO-1M2スコープ・2脚バイポッド

 

・RPK-74M→RPK-12:レッドドットサイト・ショートフォアグリップ・グリーンレーザーサイト・折り畳み式ストック

 

・PKM→PKP‘ペチェネグ’:レッドドットサイト・2脚バイポッド・グリーンレーザーサイト・折り畳み式ストック

 

上の連中とは圧倒的に違う性能を持つ銃火器・・・それらに取り付けられたアクセサリー。

 

どう見ても装備が違い過ぎる・・・それに服装は上の連中は、ブラックカムBDU、フルベストアーマーにヘルメットと言う動き難そうな重装備に対して下の連中は、グリーンカムタクティカルベストとバラクラバと言う軽装備。

 

「・・・・・・上の連中と下の連中で仕切られることで侵入者を見分けると言う警備システムらしい」

 

「上の連中から服を奪った所で、その服で下に行ったらバレるってことか・・・」

 

「途中で下の服を奪えば良い」

 

「・・・・・・下の連中の服は、限定的な場所にしか予備の服を置いていない・・・それが此処と此処だ」

 

そう言いながら情報を投影する。一つは監視カメラによって常に監視している第一兵装倉庫(主にグリーンカムBDU、グリーンカムタクティカルベスト、バラクラバ等の服装類を保管している)。もう一つは、監視カメラと警備員4人が監視している第四武装倉庫(主に下の連中が装備する武器を保管している)

 

「監視が厳重だな」

 

「・・・・・・巡回中の兵士は全員が定時連絡する規則があるみたいだ」

 

例え巡回中の兵士から装備を奪取した所で定時連絡がされなかったら、警備体制が非常にややこしくなるのだ。

 

「めんどくさい」

 

「・・・・・・纏めるぞ。この施設に潜入するには、まず上の連中にバレずに内部に侵入する必要がある。内部侵入するまで無暗な戦闘は避けること」

 

「この4人全員が纏まって移動するのか?」

 

「・・・・・・いや二人一組で動く。俺と猴の二人一組、コルネールとセーラの二人一組で動く」

 

「っへ!?・・・えっと、よろしく・・・お願いしま・・・す・・・」

 

「・・・・・・あぁ。俺と猴が先行し侵入する。2人には後方からの援護と敵の位置把握を頼む」

 

「「了解」」

 

「・・・・・・侵入後は、第一兵装倉庫に向かい服と武器の奪取、そのまま要救助者の場所まで急行する」

 

「・・・・・・コルネールとセーラは、総合監視ルームを制圧し敵の動きを止め、通信機器を使用不可状態にし増援部隊への連絡手段を切り、俺と猴で要救助者の脱出ルートを確保する」

 

「・・・・・・その後は、要救助者を外に出し、このガンシップでこの基地を襲撃し混乱に生じて滑走路に着陸し要救助者たちを乗車後は俺たちも乗って脱出だ。良いか?」

 

「「「了解」」」

 

《さぁ、目的地上空付近に到着したよ。高高度からの降下の準備はできているかい?約15秒で降下開始だよ》

 

全員への作戦説明が終えると同時にこのガンシップのパイロットであるシャーロックから機内放送が流れる。

 

「・・・・・・全員準備は良いか?」

 

「「「はい(あぁ)」」」

 

全員の返事を聞くと同時に俺は機内にある後部ハッチの開閉ボタンを押す。

 

外に吹き荒れる風を感じながら後部ハッチが開く際に鳴り響くサイレン音を聞き、バイザーとマスクを展開させる。

 

「・・・・・・マスク着用!!」

 

俺の言葉と同時に3人がマスクを着用し、酸素ボンベを起動させる。

 

《降下準備良いかい?・・・・・・3・・・・・・2・・・・・・1・・・・・・降下だよ降下》

 

緩い降下指示を耳に聞き入れ、3人にも伝える。

 

「・・・・・・行け!!降下!!降下!!降下!!」

 

後部ハッチ付近で3人に指示を出すとコルネール、セーラ、猴の順番にハッチから飛び出て降下していく。

 

「・・・・・・シャーロック。援護頼んだぞ」

 

全員の降下を確認し後部ハッチギリギリの場所でシャーロック向けて言う。

 

《頼まれました。リンクス君》

 

「・・・・・・なんだ?」

 

《ふふ。鳥になってきなさい》

 

まさか・・・シャーロック本人に言われるとはな・・・・・・

 

「・・・・・・了解だ」

 

シャーロックの言葉を聞き、立っている後部ハッチから前方に態勢を傾けて大空に舞う。

 

 

 





次回・・・敵地に侵入します。では次回会いましょう。


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第35弾 Through the forest


5ヵ月ぶりの更新です・・・

見てくれている人は少ない(いない)だろうけど35弾です。

無意味な言い訳も何もしませんが、更新遅れて申し訳ありません。

リアルの都合上どうしても遅くなってしまいますので・・・

まぁ、タグに不定期更新と書いてあるので大丈夫だと思いたいですね。

では・・・どうぞ


 

ロシア領空内 シベリア連邦管区 ロシア開発局付近

 

「・・・・・・全員いるな?」

 

ガンシップから降下して無事に着地した俺たちは、事前に決めていた合流ポイントにて合流し無事を確認する。

 

「「「はい(あぁ)」」」

 

「・・・・・・了解した。ならプラン通りに進めるぞ」

 

「・・・・・・俺と猴は、このままAルートを先行し目標ポイントに向かう。コルネールとセーラはBルートを進み、援護または狙撃ができる場所に移動しながら目標ポイントに向かってもらう」

 

「「「・・・・・・ッコク」」」

 

「・・・・・・ブービートラップにも気を付けろ。奴らの監視網にまだ入っていないとしても、罠を仕掛けていないわけがないからな。俺が事前に渡した地雷探知機をよく見ろよ」

 

今いる山奥には特に気を付けないといけないからな・・・

 

「「「っ了解」」」

 

全員が返事して、準備ができていることを目視で確認する。

 

「・・・・・・作戦開始だ」

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

 

《Aルート》

 

太腿のレッグホルスターからサプレッサーを付けた『MK.23SOCOM』を引き抜き先を進む。

 

敵がいないか確認(クリアリング)をし、先に進んでいるとバイザーに地雷反応が出る。

 

「・・・・・・猴。止まれ。足元に気を付けろ」

 

反応はちょうど斜め後ろから付いて来ていた猴の足元付近からであり、猴本人に注意する。

 

俺の言葉を聞いてすぐに止まり足元を見る猴。

 

「っ?・・・・・・っ!?」

 

猴の足から約30cmの距離に緑色に塗装されたワイヤーが引かれており、その両端には『RKG-3(対戦車手榴弾)』が樹木に括りついていた。

 

「・・・・・・足元には注意しろ。その手榴弾は対戦車用のモノだ。起爆すればタダじゃ済まないぞ・・・」

 

「・・・はい」

 

しかし、こんなにブービートラップが多いとなるとだと目標地点までに時間が掛かるか・・・

 

元々、そう知っていてこのルートを選んだんだがな・・・

 

「・・・・・・このまま向かうが、少し移動方法を変える」

 

「移動方法ですか?」

 

「・・・・・・木の枝の上を移動するぞ」

 

「木の枝の上ですか?」

 

「・・・・・・『パルクール』または『フリーラン』を知っているな?」

 

「はい。確か道具とかを使わずに移動するスポーツですよね?」

 

「・・・・・・そうだ。今からそれを応用して木の上の枝を走って移動する」

 

そっちの方が移動速度的にも順調に・・・・・・ん?

 

効率的な考えを述べると猴が何か言い難そうな顔をしているのが目に入る。

 

「・・・その・・・大丈夫なんですか?」

 

何がだ?っと聞きそうになったかが直ぐにその質問に気づいた事から口に出さずに平気だと伝える

 

「・・・?・・・・・・あぁ、問題ない」

 

「そ、そうなんですか?」

 

「・・・・・・・・・あぁ、このスーツにはそれ等をサポートする機能があるからな」

 

猴が心配して聞いてきたのは、簡単に言ってしまえば「そんな忍者的な動きをそのスーツを着たままで出来るのか」

と言うのを簡略化して聞いてきたにすぎない。

 

「そ、そうですか・・・」

 

1000年以上生きている猴にとっては木の枝の上を移動するなどというのは、非常に簡単であるが俺はそうでないと思っていたのか、少し不安げにしている。

 

「・・・・・・・・・問題ない」

 

研究所にいた際はアニムスデータを用いて歴代のアサシンたちの動きを完全に習得しており、それらの身体能力を飛躍的に向上させてサポートを行ってくれる、このスーツと強化された肉体によって問題なく行える。

 

移動速度的にNARUTOで出てくるような忍びの動きを想像してくれれば良い。

 

「・・・・・・・・・行くぞ」

 

ホルスターに銃を仕舞い、微量の電流を脚の人工筋肉に流し込み、脚力を強化し木の枝の上に着地し、先に進む。

 

「え?・・・あっ・・・ま、待ってください!!」

 

唐突な動きに唖然とする猴だが、すぐに気を取り直して追いかけてくる。

 

「・・・・・・・・・」

 

「リンクスさんは、そんなこともできるんですね」

 

流石は1000年以上生きてるだけはあるな・・・結構な速さで木の枝の上を移動しているのに問題なく追い付いてきている。

 

その小さな手と足をどれ程に巧みに使っているのかが分かるな。途中で尻尾も使っている所を見ていると本物であると思わされる。

 

「・・・・・・・・・そういう風に作られたからな」

 

猴の様な人間の枠を超越した者たちと戦うことを目的として作られた体だからな・・・ほぼほぼできないことはない。

 

「え?」

 

「・・・・・・・・・いや、何でもない。そろそろ着くぞ」

 

何を呟いているのか・・・全く自分自身の甘さに嫌気がさすな・・・

 

--------目標まで200mです。警戒をしてください。

 

「・・・・・・・・・サイレント。指定位置に着いたか?」

 

俺は、目標地点に移動しながら俺たちと同様に目標地点に向かっている狙撃手2名に向けて通信連絡する。

 

 






『RKG-3』
・1950年にソビエト連邦で開発された対戦車擲弾であり、安全ピンを抜いて投擲すると4枚パネルのドラッグシュートが緩衝として働き、手榴弾の飛行姿勢を安定させ90度の角度で目標に命中することを補助し成形爆薬の威力を最大限に発揮する。その威力は種類によるが、鋼板170~220mmを貫通するほどである。

『MK.23SOCOM』
・ドイツの銃器メーカーであるヘッケラー&コッホ社(以降:H&K社)が開発した自動式拳銃。SOCOMの要求によってH&K社が開発したモノであり、特殊作戦用の新型拳銃である。
M9の後期モデルの開発検討の際にスライド破断事故や『マンストッピングパワー』の不足による9×19mmパラベラム弾に対する不信感からの開発であり、並行して開発していたUSPをベースに開発された。
・特殊作戦用であるがためサプレッサーの着脱も可能で悪環境でも正常に作動する。

『パルクール』
・パルクールは「芸術」「パフォーマンスアート」「移動するための技術」との考え方もあるため、一概には、エクストリームスポーツと呼ぶ事ができないという考え方もある

『フリーラン』
・フリーランニングとはフランス発祥の運動方法で、走る・跳ぶ・登るなどの移動動作で体を鍛える方法。周囲の環境を利用した身体動作でどんな地形でも自由に動ける肉体と困難を乗り越えられる強い精神の獲得を目指す、「移動するためだけの技術」


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第36弾 Persona non Grata


題名の意味:歓迎されざる者

新作のアサクリをプレイしていますが・・・驚きましたね・・・
劇場版アサシンクリードと話が繋がっている思いませんでした。
事前情報では話が繋がっていない別次元のストーリー枠だったはずなのに・・・
どこかで変更したのでしょうか?
まぁ・・・それは置き。

36弾です。どうぞ!!






 

『こちらサイレント。目標地点まで120m。約1分で到着する、そちらは?』

 

ブービートラップに手間取っているのか少し遅れているみたいだな・・・

 

「・・・・・・こちらは残り30秒で到着する」

 

俺たちは木の枝の上を移動しているから速いが、やはり少し時間に差ができるか・・・

 

『了解。少し急ぐ』

 

「・・・・・・気を付けろよ」

 

急いでブービートラップに引っかかったら話にならないからな・・・

 

『了解』

 

通信を切り後方に続く猴に向けて言う。

 

「・・・・・・猴。聞いていたな?」

 

「はい。このまま警戒態勢で目標地点に向かいます」

 

さて・・・この作戦・・・無事に終われるか・・・

 

BIG BOSSを保管し管理している組織は、各国を裏で支配する『愛国者達』

 

そして基地全体を警戒しているのは愛国者達が自ら訓練し強化した兵士たちだ。

 

それもソルジャー遺伝子を導入したジーンセラピーによってだ・・・

 

視覚・聴覚などを含む身体能力をジーンセラピーによって強化されており常人の軍人よりも優れている。

 

気を引き締めて挑まないとな・・・

 

「・・・・・・着いたな」

 

目標地点に到着し木の枝の上から降りて地面に足を付けて、前の光景に目を通す。

 

森を抜けると山と山の間にできた自然に囲まれた大きな谷には、その自然に似合わない現代技術の塊が建っていた。

 

8つの監視塔とその監視塔から繋がる防壁によって侵入と共に脱出も困難と思われるぐらい厳重に守られ、その中には航空機らを誘導する管制塔や通信・気象を測る大きなパラボラアンテナ4基に兵士が寝泊まる兵舎、軍需物資の備蓄を保管している倉庫・・・多くの施設が建設されており、決められた順路を警備している強化兵。

 

「ここがロシア開発局・・・ですか」

 

「・・・・・・あぁ。やはり大きいな」

 

隠密行動による作戦開始だな・・・

 

レッグホルスターに入れていたMK.23SOCOMを引き抜き猴に向かって言う。

 

「・・・・・・猴。その背中のを」

 

「あ、はい。どうぞ」

 

猴の背中に背負っていた強化プラスチック製のガンケースを受け取り中を開ける。

 

ガンケース内には、『CAAタクティカル ロニ』を元に開発したセミオートマチックハンドガンの部分部品を交換することでフルオートマチックに出来ると同時にカービンタイプにさせる試作型コンバージョンキットであった。

 

「・・・・・・」

 

MK.23SOCOMの上部スライドを取り外しノーマルバレルをロングバレルに交換しコンバージョンキットを取り付ける。

 

瞬時にハンドガンをキットの上部ロックに差し込みロックし、専用の部品を取り付け・・・最後にロングマガジンを差し込む。

 

「・・・・・・・・・」ガシャン

 

MK.23SOCOM(vr.CB)か?CBとはカービンの意味だ

 

「フルオートマチックですか?」

 

「・・・・・・あぁ。流石に只のハンドガンでは無謀だろうからな」

 

「アサルトライフルとかサブマシンガンとかは?」

 

「・・・・・・動き難くなるからな。扱い易い此奴にした」

 

PDWやサブマシンガンなどの武器も良いのだが、純粋に俺自身が使わないからな。

 

使い慣れているこのハンドガンの方が良いのだ。

 

『こちら、サイレント。目的地に到着した』

 

「・・・・・・向こうも到着したみたいだな」

 

組み立てたMK.23SOCOMを片手に前方の険しい岩山の天辺に2人の姿がバイザー越しのズームにて見える。

 

「・・・・・・視認した。時間がない作戦を開始する」

 

『了解』

 

「・・・・・・猴。行くぞ」

 

「はい」

 

バイザーの右上に表示されたソリトンレーダーとオーグメントモードを兼用し索敵を行いながら地面を蹴り視線の下にあるロシア開発局の戦闘警戒領域に踏み入れる。

 

 




『CAAタクティカル ロニ』:イスラエルのCAAタクティカル社が開発した、ピストルをカービン化するコンバージョンキットであり、組み込み方法は銃をキットに挟み込むだけで、銃の分解や特殊な工具等は必要無い。スライドは、キット内蔵のコッキングハンドルに固定される。
 本体上部に240mm、本体左右と下部に20mmの合計4つのピカティニーレールを搭載し、多種多様なアクセサリーが装着可能となっている。オプションとして、バックアップ用のフリップアップサイトと、着脱式のフォールディングフォアグリップを標準装備。マズルポートの開いた銃口はサプレッサーを装着する際には取り外しが可能である。
 テレスコピックストックは、5段階の高さに調節可能なチークピースと予備弾倉ホルダー付き。本体後部にはスリングスイベルを固定するためのマウントも備わっている。
 ※本作で使用したのは試作品が故に上部スライドを取り外してのバレルを取り換えての射程距離の増加と射撃安定性を上げている。
 3つのモードがあり、セミオート・バースト・3点バーストの3つがある。因みに消音器であるサプレッサーを内蔵していることで発砲音を極めて抑えられている。



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第37弾 Awake and snake 前編


意味:目覚めし蛇

37弾の前編です。どうぞ!!




 

 

シベリア連邦管区 ロシア開発局 A区航空機格納庫裏

 

 

飛び降りた俺と猴は、音を立てずに壁を蹴りながら、衝撃と重量を軽減させ、地面を滑るかの様に着地すると同時に軽減仕切れなかった衝撃を筋肉を使って地面に逃がす。

 

 

ちょうど、着地した場所が格納庫裏であった事もあり、目撃されずに済んだ。

 

 

さて、作戦を始めるか。

 

 

「・・・・・・・・・オーグメントモード」

 

 

オーグメントモードにより周辺が青色に見える中に赤色として見える人影が複数確認できる。

 

 

航空機格納庫周辺に6人、格納庫内に整備員含めて16人か・・・その先の格納庫も同様の人数か・・・

 

 

これは、上のルートを通るか・・・

 

 

「・・・・・・猴。地上じゃなく、屋根上から進むぞ」

 

 

「人が多いみたいですね・・・分かりました」

 

 

俺は、少し筋肉に電力を通して力を入れて格納庫の屋根上に向かってジグザグにジャンプし、先程と同様に音を立てずに着地する。

 

 

猴も同じように尻尾を使ってアクロバティックに移動してきて、音もなく着地した。

 

 

「・・・・・・サイレント。このまま、見つからずに上を通るが、進行ルートに敵影は?」

 

 

『今のところは、確認できてるのは前方30m先の監視塔に1人とその左、15m先の監視塔に1人を確認した』

 

 

「・・・・・・了解だ。合図したら、前方の30m先のヤツを特注麻酔弾で眠らしてくれ」

 

 

特注麻酔弾とは、機嬢に製作してもらった特注品の麻酔弾であり、使用する弾をAPFSCD弾に似たように装弾筒の中に小さな針が入っており、対象に刺さり次第地面に落ちて砕け散る仕様であり、証拠を残さなく使用する麻酔薬も後遺症の少なく即効性があるが、目覚めが速い複合開発麻酔薬を使用した事で隠密作戦としての利用価値が高い。

 

 

まぁ、使用コストがバカにならないのだがな・・・(一発辺り35万円だったな)

 

 

「・・・・・・猴、前方30m先の監視塔が見えるな?」

 

 

「はい・・・見えます」

 

 

「・・・・・・合図したら、サイレント(コルネール)に狙撃させて前方の監視塔の兵士を一時的に気絶させる。その瞬間を一気に走り抜けるぞ」

 

 

「・・・制限時間は、10秒でしたね」

 

強力な睡眠作用を持っており瞬間的な効果を出すのだが10秒と言う短時間しか作用しないモノである。

 

欠点的な部分が大きく出ているが、人外に足を踏み入れている俺や猴からしてみれば10秒の時間での行動は容易にできる為、問題はないが一般的な使用を目途に量産はまだ程遠いだろう品物だ。

 

それに麻酔を受けた対象にとっては『眠る』と言う感覚より、脳の集中力が途切れて起きるボーっとすると言う『呆ける』感覚に近いだろうがな・・・

 

「・・・・・・10秒もあれば、十分に走り抜けられるだろう?」

 

 

「・・・はい。可能ですが・・・その・・・他の人に見られないでしょうか?」

 

 

「・・・・・・問題ない。視認できる兵士が此方を見ていないタイミングを見て指示を出す」

 

 

「わ、わかりました・・・」

 

オーグメントモードで透視確認するが現状を見た限りで此方を見ている人や物は確認できない。

 

監視カメラを含み、周辺警戒をしている警備兵は此方とは逆方向を見ている。

 

タイミング的には絶好のチャンス・・・・・・

 

「・・・・・・(準備はできているな?)」

 

 

「・・・(はい)」

 

 

「・・・・・・(準備完了だ。カウント3秒後に目標への狙撃を頼む)」

 

 

『了解。カウント3秒後に狙撃する。タイミングは任せる』

 

 

「・・・・・・(了解)」

 

 

オーグメントモードの望遠システムを使用し、監視塔にいるスナイパーを所持した敵兵をよく見る。

 

 

『はぁ・・・毎日同じように監視塔で警備してるが、こんな場所を襲撃するヤツなんているのか?』

 

 

今現在で襲撃しようとしているヤツがいるのだが・・・・・・

 

 

『はぁ・・・全く、上の考える事はわからん』

 

 

『さてと・・・〈CP・・・CP。此方、監視塔〉』

 

 

『〈こちらCP。どうした?〉』

 

 

『〈定時連絡の報告をする。此方、Bポイント監視塔、敵影らしき不審なモノは見当たらない。引き続き警戒する〉』

 

 

『〈了解した〉』

 

 

どうやら、上の連中(愛国者達)は下の連中には、話を通していないみたいだな・・・

 

 

まぁ・・・そのお陰で慢心状態になっての警戒心低下になってくれているのであれば、十分にありがたいな。

 

 

猴にアイコンタクトで確認を取り、視線をスナイパーであるサイレントの方に向けて見える様にハンドサインを出すとそれをスコープにて確認したコルネールが通信で連絡してくる。

 

「・・・・・・(行くぞ)」

 

 

 

『3』

 

 

 

『2』

 

 

 

『1』

 

 

 

『0』

 

 

 

ゼロになった瞬間、オーグメントモードで見ていた敵の後ろ首筋(うなじ部分)に約5mmサイズの注射針の様なモノが刺さる。

 

 

その瞬間、首筋に違和感を感じた敵が、そのまま意識が首筋に向き首筋に触ろうとしたと同時に動きがピタリと止まるとバイザーディスプレイに敵兵の頭上に青色の睡眠マーク(Zzz)が表示された。

 

 

「・・・・・・(GO!!)」

 

 

ディスプレイで意識を失った事を確認した瞬間、ハンドサインでGOサインを出し、猴と2人で動く。

 

 

足音を鳴らさずに済む特殊な技である無音走り(サイレントラン)を使い屋根を走り・・・敵が見えないように角度を調整した高さに飛べるようにして屋根を飛ぶ。同じく猴も無音走り(サイレントラン)を使って屋根を飛んだ。

 

 

目的の建物の屋根に到着する手前で先ほど眠らせた敵兵をすれ違い様ではあるが、再度確認をすると目の焦点が合っておらず、完全にどこかわからない場所を見た状態で固まっていた。

 

 

そのことを確認した瞬間に目的地である開発局の屋根に到着した。

 

 

「・・・・・・(無事か?)」

 

 

「(はい。問題ありません)」

 

 

ハンドサインで怪我がないか確認し周辺を警戒しながら通信を繋げる。

 

 

この時点で時間は、6秒であり・・・制限時間にも余裕で間に合っていた。

 

 

『・・・・・・此方は無事に到着した。次はお前たちのルートの援護を行う』

 

 

『了解』

 

 

 

 





・特注麻酔弾は、非常に即効性があると同時に効果時間も非常に短い特殊な麻酔弾。その結果、一発あたりでの値段が日本円で35万円に達している。


では次回会いましょう~~


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第38弾 Awake and snake 中編

前書き

長らくお待たせしました。

38弾です。どうぞ!!


シベリア連邦管区 ロシア開発局内

 

あの後、順調にコルネールとセーラの二人とも合流し、敵の監視の薄い兵士の衣服を置いている更衣室にて一時的な作戦状況確認(ブリーフィング)を行う為に周囲警戒を行いながら説明する。

 

と言っても、ちょっとした状況確認だけの筈なのだが・・・少しこの基地に対して気味が悪く思える。

 

何故なら・・・

 

「・・・・・・さて、順調に作戦は進んでいるが、問題の制服だが全員サイズに問題は?」

 

「いや、特にないが・・・」

 

「・・・・・・なんだ?」

 

「・・・下層エリアの制服って、このエリアに無かったんじゃ?」

 

「あれぇ?ピッタリです」

 

そう・・・気味が悪くなったのは、事前の敵情報では、この集合している兵員用更衣室に『無い』はずのグリーンカム迷彩服が『有る』ことなのだ。

 

それも、全員分の制服がありサイズも全員ピッタリと言うおかしな現象が起きているのだ・・・

 

「・・・・・・分からん。何故俺たちの制服があるのか・・・だが、手間が省けた」

 

確かに気味も悪いが、敵から奪うより危険性が少なく手間が省けた・・・

 

「俺たち思いっきり、嵌められてるんじゃないか?」

 

「そうですね・・・確かに可笑しいですよ」

 

「・・・どうする?作戦中止するの?」

 

中止か・・・確かに嵌められている可能性が大きいだろうが、作戦を中断したら『愛国者達』によって『BIG BOSS』の場所が、また行方知らずになるのは絶対だ・・・ 

 

「・・・・・・いや、中断はしない。このまま進むぞ」

 

このチャンスを逃したら、もう見つけられないと俺はどこからくるか分からない

 

「良いのか?」

 

「・・・・・・あぁ。制服を用意したと言うことは『どうにかしてくれ』と言うことだろう。最悪の事態になった所でどうにかできるだろうしな」

 

自身の能力に過信している訳ではないのだが・・・俺を含んだこの4人のチームは、見た目にそぐわず純粋に能力があるのだ。

 

俺は『人外レベルの反射神経を含む身体能力』をコルネールは『正確な狙撃性と氷による超能力』をセーラは『弓を使ったサイレントキルと風を使った超能力』を猴は『人外の身体能力と孫の力(ヒヒイロカネ)』を持つ・・・

 

普通であれば、軍事基地に4人で攻めに行くと言う時点で舐めているのだが・・・俺と猴の2人はおおよそ『1人でRランクに匹敵』し、コルネールとセーラの2人はおおよそ『1人でAランクに匹敵』している。

 

Rランクは、1人で小国の軍隊を相手できる実力を持っており、Aランクは1人で中型ギャング組織を相手できる実力を持っており・・・実質上この4人で既に一つの小国を潰せる程の実力を持っているのだ。

 

そして全員がイ・ウーメンバーであることも考えると普通の軍隊では、予想外な事(イレギュラー)が起きようとも手こずる事もなく楽に完全制圧が可能である。

 

だが、今回の作戦は潜入救出ミッションであることから一度のミスが起きると再度のミッションが行えない一度っきりのミッションである。

 

その為、基地を制圧してしまうと救出対象が移動する可能性が非常に大きく、救助後の制圧も対象への被害を考えるとあまりお勧めできない。

 

だからこそ潜入した痕跡を残さず、まるで最初からその場にいなかったかの様に救出対象を救助する・・・幽霊(ゴースト)の様に動く必要がある。

 

なのに・・・先ほど言ったようにない筈の制服が置いてあるのだが・・・

 

まぁ・・・最悪の状況も考えた方が良いだろうな・・・

 

「・・・・・・ライフルは各自現地で入手するしかないからな。ライフルが手に入るまで見つからず早急に進もう」

 

「「「了解」」」

 

誰かに誘導されている様に感じてしまうのは気のせいか・・・?

 

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シベリア連邦管区 ロシア開発局 中枢深層エリア 重要人物冷凍睡眠室

 

その部屋は、辺り一帯が真っ白な空間であり、汚れが何一切ない清潔な空間であるのだが、その空間の中心には近未来的な機械で大きな装置に繋がれた強化ガラスと特殊な金属で作られたかの様な長方形の箱が設置されていた。

 

P---P---P---P---P---P---P---P---P---P---P---P---P

 

そんな異質な空間に鳴り響くのは、患者の心臓の動きを電極にて感知して知らせる心電図モニタ。

 

そして、その音が鳴り響く部屋に設置されている長方形の箱の近くに立ち箱を眺めているのは、茶色の革を主体としたロングコートを纏う白髪の男性であった。

 

--------------------------------------------

 

???Side

 

そろそろ『土産』を『見つけた』頃合いか?

 

態々、周辺警戒を行っている兵士たちの巡回ルートを外してやったのだ・・・『土産』が見つかることもないだろう・・・

 

全く・・・あの『天才探偵』め・・・こちらがどれだけ大変か理解しているだろうに態々『土産』を『用意させる』とは・・・

 

しかし、この作戦が全て私の・・・いや私たちの思惑通りに進むんだとしたら『呪縛』という名の『拘束』からの『解放』に繋がる・・・

 

「BOSS・・・予定より早いですがアナタを再び眠りから目覚めさせます。彼らと共に行動し『この呪縛』を終わらせましょう」

 

この様な装置に入れられて・・・眠りにつくなど・・・

 

BOSSが入っているカプセルに向けて視線を向けながら語り掛ける。

 

ザンジバーランド騒乱事件で『あの男』に倒されたBOSSは、複数の銃創と全身の肌が焼き爛れるほどの大火傷を負い瀕死の状態で最後には息絶える筈であった。

 

しかし、『愛国者達』の設立者にしてメンバーの一人である『ゼロ少佐』はBIGBOSSの持つ英雄性を自身たちの象徴に据えようとすると言う意思により、密かに回収し瀕死状態のBOSSを最先端技術を惜しみなく使い、ザンジバーランド騒乱で受けた傷を『人工皮膚』などを使い火傷の痕跡を無くし、目覚めさせないように老化現象を遅める『冷凍睡眠』によって、今も尚・・・眠っている。

 

あの戦いで欠損した部位は、現代で再現できるだけの技術を使用したバイオニックアームタイプの義手と同じくバイオニックレッグタイプの義足の両方を使用することで応急処置に近い状態で補っている。

 

腕などの欠損部位は、未だにちゃんとしたモノに修復できていないが、それ以外の内臓・器官の類は修復されている。

 

しかし、BOSSを目覚めさせるにも問題が多いのだ。

 

四肢損壊と内部器官の損傷による重傷を治したとはいえ、BOSS本人の体力にも限界がある。

 

20年前、キプロス野戦病院で9年間も昏睡状態になっていた頃に比べて短いが、その頃とは怪我の範囲が広すぎるのだ。

 

「BOSS・・・」

 

しかし、このまま目覚めさせない訳にもいかない・・・

 

私はBOSSが収納されている装置の横にあるコンピューターシステムである装置のキーボードを弄り解除コードを打ち込んでいく。

 

「目を覚ましてください。BOSS」

 

予定通りに来て欲しいものだな・・・紅き雷電(ゼロ)

 

???Side

 

--------------------------------------------

 

シベリア連邦管区 ロシア開発局 中枢深層エリア 第2区通路

 

現在、コルネールとセーラの二人には、怪しまれない様に別行動を行い、このエリアのHQの制圧を頼み俺と猴の二人でBIGBOSSが眠っているとされる場所に向かって進行している。

 

「・・・・・・・さて、どうにか問題なく侵入で来たな。」

 

「はい、そうですね。まさか、疑問に思われることなく通れるとは思いませんでした」

 

そう・・・制服とIDカードがあるからといって、俺の身長は156㎝で猴の身長は140㎝と子供らしい大きさしかないのだ。

 

普通であれば、違和感と不自然さに警戒すると言うのに奴らは警戒どころか『この制服』と『IDカード』を一瞥するだけで通らせるとは・・・・・・

 

それ程までに『この制服』『IDカード』が特別であると思うべきなのか・・・それともただ単に無関心だったのか・・・

 

いや・・・流石に無関心はないか・・・おおよそこの制服とIDが特別なのだろうな・・・

 

「・・・・・・・・・確かにな。だが、注意して進むぞ。あまりにも上手く行き過ぎているからな」

 

「は、はい!!」

 

PPP・・・PPP・・・PPP・・・・・・通信傍受・・・通信者:コルネール・J・ダルクです。

 

猴と共に歩いて進んでいると自動的に通信を傍受したバイザーが自動的に起動し展開する。

 

歩きながら展開したバイザーの左下には通信者の名前であるコルネール・J・ダルクと音声グラフ表示される。

 

「・・・・・・・・・此方、ライデンどうした?」

 

『此方、サイレント。司令部(HQ)を無事に確保した』

 

どうやら、向こうは上手くいったみたいだな。

 

「・・・・・・・・・了解。セカンドミッションの方は?」

 

『確認している。どうやらファーストミッションでの対象者と俺らのいる位置との中間あたりに監禁されているみたいだ』

 

「・・・・・・・・・中間か、なら予定通りに作戦を進めるぞ」

 

『了解。・・・っと、少し急いだ方が良いかもな・・・此処を制圧して5分も経ってないって言うのにもう違和感に気づき始めた』

 

「「っ!?」」

 

予定より少し早い!?流石はプロだな・・・動きが速い

 

「・・・・・・・・・猴、急ぐぞ」

 

「は、はい!!」

 

バイザーのオーグメントモードを起動させ、歩いていた廊下を2人で走る。

 

「・・・・・・・・・サイレント。敵はこっちに来ているか?」

 

『いや、まだ気づいて・・・っクソ!!理由が分からないが兵士が6人そっちに向かっている!!』

 

何だ?気づくには早過ぎるし兵士が6人?

 

「・・・・・・・・・こっちに向かって来ているんだな?」

 

『あぁ!!確実に狙っている!!』

 

嵌められた?愛国者達に気づかれていた?

 

何時からだ?・・・っクソ、考えても仕方ないか・・・

 

「・・・・・・・・・猴、ステルス失敗だ。戦うぞ。準備しろ」

 

走りながら、手に持っているAK-12の安全装置(セーフティ)を動かし3点バーストに移動させ、服の裏に隠していたMK.23SOCOM(vr.CB)をいつでも使えるようにする。

 

「はい・・・」

 

猴も同じく走りながら、背中に向けて手を伸ばして取り出したのは三つの柄に金属の鎖が付いた武器・・・『三節棍』

 

「・・・・・・・・・三節棍か、木製の柄じゃないな?」

 

バイザーを展開していることで、オーグメントモードに内蔵されている全自動的に起動する敵性情報を読み取るシステム『Combat Enemy(コンバット・エネミー) Battle Scan(バトル・スキャン) Online(オンライン)=C.E.B.S.O.』が作動する。

 

 

Combat Enemy(コンバット・エネミー) Battle Scan(バトル・スキャン) Online(オンライン)=C.E.B.S.O.』

視界内に入っている人物の武器を含む装備などの詳細データーを瞬時に解析しリアルタイムでバイザーによる光学透過式ディスプレイと2億画素人工眼球内に内蔵された網膜投影に送信する事で通常スキャンよりも素早く詳細データを会得することができる。

欠点としては、使用する際にバイザーを起動させなければならない所である。

 

 

このシステムから送られてきたのは、猴が持っている『三節棍』についてと猴についてのデーターである。

 

素材部分の欄には「カーボンナノチューブ繊維複合アルミニウム合金素材」と表示されている。

 

「・・・・・・・・・防弾仕様の三節棍か」

 

「はい。ですので問題ないですよ?」

 

「・・・・・・・・・そうか」

 

三節棍は元々、中国拳法で多く使用された非殺傷武器であるが、使用者によっては相手を死に至らしめることもできるからな・・・まぁ、そこら辺は猴なら問題なく調整するだろうしな。

 

っ!!

 

「・・・・・・・・・反応ありだ。次の角を左に曲がったら3秒後に接敵するぞ」

 

そうこうしている内に敵がレーダー内に侵入したことを確認し猴に知らせる。

 

「はい!!」

 

『気を付けろ!!奴ら未確認の装備を多数持っているしバリケードも作ってるぞ!!』

 

知らせると同時にコルネールからの通信が入り直ぐに行動に移す。

 

「・・・・・・・・・行くぞ!!」

 

目的地に向かう方の角を曲がって進むと鉄板が横に並んだ様な形をした最新技術のバリケードが展開しており、その裏に隠れていた兵士たちが、こちらに向けて銃を撃ってくる。

 

「・・・・・・・・・っふ!!」

 

数十発もの弾丸が飛来してくる事をスローモー状態で視認する瞬間に足を主体に体全体の人工筋肉に電流を流し強化させ、強化した脚力を使い前方に錐揉み回転しながら短距離移動歩法(ショートジャンプ)を行う。

 

錐揉み回転を行うと同時に体中に流れる電力が一時的に外部に放出され、放電現象(スパーク)が起きることで飛来する弾丸に微弱な電流と錐揉み回転で起きる風を当てる事で軌道を大きく変えることで銃弾を避ける。

 

「っはぁ!!」

 

俺が飛んで弾丸を回避行動をすると同時に俺の後方にいた猴は、別の軌道で飛来してきた弾丸を自前の反射神経を利用し『防弾仕様の三節棍』を巧みにコントロールして扱う事で弾丸を負荷を無く弾き飛ばすことを行いつつ、前進してくる。

 

「・・・・・・・・・っはぁ!!」

 

錐揉み回転で回避した瞬間に左手でAK-12を敵の2人に向け、特殊作戦用義体スーツ(デスペラード)の胸当てにある投げナイフ1本を右手に持ち、地面に着地した瞬間に準備していた武器であるCBの引き金を引き絞り2名の敵兵の太腿・心臓・脳天の三か所に順番に狙い撃ち確実に殺害し投げナイフをもう一人の左目に目掛けて高速に投擲し、頭部を貫通させて即死させる。

 

通常のナイフだったら突き刺さるだけなのだが、使用したナイフが高周波ブレードと同じ原理を利用したナイフであり、刀身が高熱に発熱化した事で切れ味が非常に高くコンテナ金属板くらいの厚さをも溶断することができ、高速で投げると人体すらも簡単に溶断することもでき、貫通させることも容易である。

 

「・・・・・・・・・」

 

こっちの方が終わり、猴の方を見ると三節棍を巧みに扱い瞬時に敵の腕・脛・首を順番に高速回転させた棍を当てて無力化していき、2人の敵兵を無力化するが最後の一人が少し遠くにおりAK-12を構えており、距離的に三節棍の有効打撃範囲外にいる。

 

「・・・っ!!」ダッダダダダダダ!!

 

猴の周りに味方がいないことを確認した瞬間にAK-12の引き金を引き5.45x39mm WP弾を発射してくる。

 

「っはぁ!!っふ!!」キンッ!!カンカンッ!!カカカカンッ!!

 

その行動を瞬時に感付いた猴は、飛来してきた銃弾をすべてはじき返し敵がリロードに入り、攻撃の手が止まったその瞬間、縮地を行い距離を瞬時に詰め三節棍の有効打撃距離に入る。

 

「せいッ!!やぁあ!!」

 

敵を確実に無力化させるために膝・腕・側頭部に高速回転させた棍をぶつける。

 

「がはっ・・・!!」

 

最後の一撃である側頭部への攻撃で敵兵が横に一回転しながら吹き飛び勢いよく地面に衝突した。

 

「・・・・・・・・・(流石と言うべきなのか?)」

 

膝蓋骨の粉砕骨折・腕の粉砕骨折・頭蓋骨の複雑骨折・内出血多数・脳震盪による意識不明による重傷。

 

傷が完治したとしても重大なレベルで後遺症が残るだろうな。

 

膝は関節への負荷で上り下りでの膝への激痛、前腕は曲げたり重い物を持った時に耐え難い激痛、側頭部は脳の側頭葉に障害が起き言語・記憶・聴覚がまともに機能しなくなる。

 

「終わりましたから急ぎましょう!!」

 

そんな重症レベルにしときながら、微笑みながら話しかけてくる猴。

 

「・・・・・・・・・あぁ」

 

孫ではない猴の時は、殺しを良しとしない人格故に生き地獄の様な体験をすることとなると生きて行くのも辛くなるな。

 

「・・・・・・・・・いくぞ」

 

無力化した兵士を見て急いで目的地に走り始める。

 

『ショートカットとして扉をこっちでロック解除して行くから急いで走り抜けてくれ』

 

「・・・・・・・・・了解」

 

HQにいるコルネールがハッキングデバイスを使って扉をハッキングしてカギを開ける事ができるが、システムガードが堅い為にハッキングして保てる時間は10秒が限界らしい。

 

「・・・・・・・・・猴。遅れるな」

 

「はい!!」

 

 

 




短距離移動歩法《ショートジャンプ》は、縮地とはまた違った歩法で一種のテレポートに近い歩法。

では次回会いましょう。


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第39弾 Awake and snake 後編


新年あけましておめでとうございます。


今年もこの『緋弾のアリア 意志を受け継ぎし者』をよろしくお願いします。

だいぶ遅れての更新です。

では第39弾どうぞ!!


 

シベリア連邦管区 ロシア開発局 中枢深層エリア 重要人物冷凍睡眠室

 

ダンッ!!ダダダッ!!ダダダッ!!ダダダッ!!

 

「やはり、気づかれたか・・・」

 

先程までコンピューターシステムを弄っていた茶色の皮を主体としたロングコートを着こなした男性が飛来してきた弾丸を回避するために自動扉式の入り口を壁にしながら呟く。

 

ダンッ!!ダダダダダッ!!ダダダダダッ!!

 

「・・・・・・・・・(1・・・3・・・6人か・・・その内4人がRPK-12とPKPペチェネグか)」

 

目を瞑りながら銃声と共に僅かに聞こえる足跡を聞き取り人数を確認する。

 

「・・・(攻撃が止んだ瞬間が狙い目だな)」

 

男性は、自分の愛銃であるコルトSAA(ピースメーカー) モデル:アーティラリーをホルスター越しに触れながら反撃の機会を伺う。

 

ダダダダダッ!!ダダダダダッ!!カチッン!!カチッン!!

 

考えもなしに銃を撃ち続けた結果に訪れる当然の始末・・・「弾切れによる弾倉交換(リロード)

 

反撃には絶好の機会が訪れたのだ。

 

「バカ共が・・・自分の使っている武器の装弾数くらい覚えろ」

 

ゆっくりと扉から姿を見せ敵の前に現れると僅かにながら敵も驚愕したのか、どよめきが訪れるが敵もそこまで馬鹿ではないのか、瞬時にリロードを行い再び射撃体勢を取ろうとする。

 

 

しかし、その一瞬の隙さえもこの男性にとっては、絶好のチャンスであった。

 

 

「・・・っ!!(遅い!!)」

 

男性は、右前腰のホルスターから瞬時にSAAを右手で引き抜き、腰だめ状態で狙いを定め初弾発射のハンマーをホルスターから引き抜いた瞬間に引き高速で引き金を引き初弾を発射し、元に戻ったハンマーコックを瞬時に左手の親指で後ろにコックし、引き金を引き次弾を発射をし、人差し指で再び後ろにハンマーをコックさせ引き金を引く、同じ工程を中指・薬指・小指の順番で行い回転式弾倉(シリンダー)内の6発の弾を常人では目に見えぬ速度で発射する。

 

ツーハンドによる早撃ち(クイックドロー)を行う・・・この動作を0.02秒で行うと言う神速如き速度で抜き撃ちを行える人間離れした早撃ち。

 

ドサッ・・・ドサッ・・・ドサッドサッドサッドサッ・・・・・・

 

その速度で放たれた銃弾は全て敵の急所である頭の額部位を撃ち抜いていた。

 

それも軽機関銃を撃ってリロードに入っている4人は勿論、壁を背にして隠れていた敵兵も同じく額部位を撃ち抜かれていた。

 

攻撃の手が止んだことを確認し撃ち切った弾丸の薬莢をシリンダーから排出していき、リロードを行う。

 

「・・・早撃ち(クイックドロー)跳弾射撃(エル)か。腕は衰えていないようだな」

 

1発1発シリンダーから空薬莢を排出し終えて新たな弾丸をゆっくりと再装填していると後ろから、白髪が少し混ざった茶色の髪の毛と髭を無造作に伸ばし、右目を黒色の眼帯で隠した渋い男性が姿を見せ、扉に寄り掛かった状態でリロード中の男性に話しかける。

 

「もう、立ち上がって大丈夫なのですか?・・・」

 

視線を眼帯の男性に向けながら問いかける。

 

「こんなドンパチ騒がれたら寝れるものも寝ていられんしな。それにゆっくりしていたら、また永い眠りにつきそうだからな」

 

男性の質問に呆れながら答えているが、その姿は弱弱しく見える。

 

「・・・そうですか。では銃は?」

 

「あぁ・・・45口径(フォーティファイブ)ならな」

 

ゆっくりと歩き両腕の調子を確かめる様に握ったり開いたりを繰り返しながら答える。

 

「そうですか・・・ではこちらを」

 

男性が自身のコート裏から1挺のハンドガンを取り出して眼帯の男性に向けて差し出した。

 

「ん?おぉ!!コイツは!!懐かしいな・・・この鏡の様に磨き上げたフィーディングランプの強化スライド。更にフレームとの噛み合わせをタイトにして精度を上げてある。サイトもオリジナル。サムセイフティも指が掛け易く延長してある。トリガーも滑り止めグルーブのついたロングタイプだ。リングハンマーにハイグリップ用に付け根を削り込んだトリガーガード。それだけじゃない、ほぼ全てのパーツが入念に吟味されカスタム化されている。間違いない、この45口径(フォーティファイブ)あの作戦(スネークイーター)の時に貰ったヤツじゃないか」

 

手渡されたハンドガンを目にした瞬間の驚き様は凄く、顔文字にするとこんな感じになっている。『(。´◆ω・)ん? →  (◆д・;)おぉ!! → (◆∀・*)懐かしいな』

 

「えぇ、あの作戦の・・・最後の決着をつけた後、湖から回収しておいたんです」

 

再びコート裏に手を差し込み取り出したのは、消音器であるサプレッサーであり、それを眼帯の男性に渡す。

 

「わざわざ、回収して整備までしてくれたのか」

 

スライド部位を手動で後ろにスライドさせ内部の異常がないかを確かめつつ問いかける。

 

「えぇ・・・あなたと別れた後も時々この銃を眺めてアナタを思い出す様にしていました」

 

「おいおい・・・恋する乙女か?」

 

二重思考(ダブルシンク)での記憶の目覚めに使うトリガーにしていたのです」

 

「っふ・・・そうか、そんじゃまぁ行くか?山猫(オセロット)

 

「えぇ、ここから出て少し進みましょう。そうすれば、合流地点(ランデブーポイント)に行ける筈です(ボス)

 

眼帯の男性は「山猫(オセロット)」とリボルバーを持つ男性は「(ボス)」と呼び合うと直ぐに態勢を整えて銃を構えて前に進み始めた。

 

----------------------------------------------------------------------------------------

 

シベリア連邦管区 ロシア開発局 中枢深層エリア 第1区通路 重要人物冷凍睡眠室付近

 

リンクスSide

 

ダッダダダダダン!!

 

「・・・・・・・・・っ!!」

 

先程の敵兵を倒した後にも増援として数多く兵士が来るな・・・

 

追跡してきた敵から放たれた銃弾を戦術稼働機動プログラム『OAD』を改良改善したモノを使用し、未来予測に近いシステムから送られてくる弾道予想とズバ抜けた身体能力を利用し、弾丸を回避&切り払いを行い通路を突き進む。

 

『その先10m先の角を左に曲がったらY字通路に出る!!そこを右に曲がったら放置された倉庫の入り口が一番手前にある!!幸いロックが外れてる!!そこで一旦、身を隠せ!!入ったらすぐにロックを掛ける!!急げ!!』

 

コルネールの通信ナビゲートを聞き直ぐに行動を起こす。

 

「・・・・・・・・・了解っだ!!」

 

先ほど倒した兵士から拝借したM84スタングレネードとM18スモークグレネードの安全ピンを引き抜く。

 

「・・・・・・・・・猴っ!!耳を塞げ!!」

 

M84は起爆した瞬間、170-180デシベルの音響を発生させるからな。耳を塞がせないと耳の良すぎる猴には、危険だからな。

 

「っ!!(>_<;)ギュ

 

俺が猴に向けて言った瞬間、耳と目を強く閉じた。

 

「・・・・・・・・・(いや、確かに耳を塞げとは言ったが・・・両手でそんな強く耳を塞がなくても・・・あぁー猴は人間より耳良いから逆にした方が良いか・・・と言うか目も閉じてるし、よく同じ歩幅でスピードも緩まずに真っすぐ走れるな・・・)」

 

俺の指示で目と耳を塞いだ猴を見て一瞬思考が止まりかけたが直ぐに気を戻す。

 

「・・・・・・・・・っ!!(じゃなかった!!)喰らえ!!」

 

安全レバーを離して時間差で後ろに放り投げる。

 

レバーが外れ時間差で投げられM84は、ちょうど追手の目の前で起爆し、甲高い音響と100万カンデラもの強い光を発生させる。

 

「っひゃ!!」

 

耳を抑えていた猴が小さく悲鳴を上げる。おおよそ塞いでた耳に届いてしまったんだろう。

 

「・・・・・・・・・っ(追加だ!!)」

 

チラッと後ろを確認したら追手の全員が動きを止めていたことを確認してもう一個のM18を奴らの足元に投げ込む。

 

「・・・!!・・・!?・・・っ!!」

 

強烈な閃光と音響によって視界と聴覚を一時的に無力化させ、続いて投げ込んだスモークグレネードで閃光が治りかけの奴の視界も塞ぐ。

 

瞬く間にM18の内部から白い煙が発生し奴らの通路付近全体を視界不良にさせている。

 

「・・・・・・・・・目は潰したっ!!急げ!!」

 

「はい!!」

 

一瞬だけ作ったチャンスを使い、一気に走り抜けコルネールのナビゲート通りの道を通ると確かに鍵の開いた部屋を見つけた。

 

「・・・・・・・・・猴っ」

 

「Σ( ̄口 ̄*)はうっ!」

 

部屋を見つけた瞬間、体を反転させ後ろを走っていた猴を抱きかかえて直ぐに部屋に入る。

 

「・・・・・・・・・サイレントっ!!」

 

猴を抱きかかえて室内に入り、入り口のすぐ横に張り付いて通信を通してコルネールに告げる。

 

『分かってる!!』

 

自動ドアは、自動的に閉まると同時に電子ロック音が小さく鳴る。

 

明かりが点いていない部屋は、ドアが閉まったことで光の無い漆黒の闇が襲い掛かり静寂が訪れる。

 

気配をこの部屋と同化させつつ、通路に意識を集中させる。

 

「・・・・・・・・・(オーグメントモード)」

 

オーグメントモードを起動させて扉の向こう側を透視するその一瞬に視界には闇が見えるが直ぐに青白いデジタル映像に変わり、耳には自身のする小さな呼吸音と猴の小さな呼吸音が耳に入ってくる。

 

<ダッダダダダ!!>

 

耳を澄ましているとこっちのルートを探索しに来た兵士数十人の足音が聞こえてくるとオーグメントモードの透視と指向性で兵士たちが走ってくる所が見える。

 

「・・・・・・・・・」

 

<・・・・・ダッダダダダ・・・>

 

息を潜めてジッと通り過ぎるその時を待っていると兵士の足音が徐々に遠のくのを聞き去った所を透視で確認する。

 

「・・・・・・・・・ふぅ」

 

「(; ̄X ̄ )ゝもごもごっ」

 

しかし、その行動に集中し過ぎたのか腕の中にいる猴が少し苦しそうに動く。

 

「・・・・・・・・・すまん。手を離すが静かにな」

 

「(・ω・*)(._.)(・ω・*)(._.)コクコク」

 

口に手を当てている事から必然的に俺に目を合わせようとすると上目遣いになってしまうこともあり、その純粋無垢な紅い瞳が俺の濁り切った赤い瞳を見つめてくることになるが、特にリアクションもせずに口を塞がれておきながら器用に首を縦に振る猴を見てゆっくりと地面に降ろす。

 

「・・・どうですか?」

 

俺がオーグメントモードによる透視を行っているのに気づいており、声を抑えて聞いてくる。

 

「・・・・・・・・・あぁ、通り過ぎたようだな」

 

完全に兵士が見えなくなったのを確認し、オーグメントモードをOFFにしてバイザーを戻す。

 

「・・・バイザーを戻しても大丈夫なんですか?」

 

「・・・・・・・・・?・・・あぁ、問題ない。この眼は赤外線式軽倍率の暗視装置機能を搭載している。バイザーには20倍望遠システムとレンジファインダーによる距離観測システムと距離にもよるが半径約30mであればどんなに厚い物に隠れても見える透視システム、通信システム赤外線熱画像装置(サーモグラフィー)、指向性マイクシステム、自動物質分析システムなどを含んだオーグメントが内蔵されている」

 

「・・・え?そんなに薄いディスプレイにそんな沢山のシステムがあるんですか?」

 

「・・・・・・・・・あぁ。まぁ・・・細かく話すと長くなるから説明を省くが、結論を言うとバイザー無しでも問題なく見えるということだな」

 

機械として肉体改造の手術を行われ視力強化として人工眼球を移植した事で異様なまでの視力を得ている。

 

人工眼球・・・正式名称は「索敵・状況分析用複合2億画素人工眼球」であり、名前の通り2億画素と言う高性能デジタル一眼レフカメラにも並ぶ程の性能を持っており、バイザーに搭載されている望遠システムを使用せずとも裸眼状態で約12と言う視力を持っている。

 

おおよそ視力の高い人類部族であるマサイ族にも匹敵する視力を持っているのだ。

 

そんな性能を得ている中でバイザーと兼用しないとそこまで性能を引き出せないが夜間でも十分な性能を持つ赤外線式軽倍率の暗視装置機能も搭載されていることもあり、こんな密室ではバイザーを閉じても問題がないのだ。

 

「・・・はぇー(゚○゚) 」

 

「・・・・・・・・・さて、このまま進みたいが」

 

カンッ!!

 

「っ誰だ!!」

 

猴と二人で次の動き方を言おうとした瞬間、無音だった部屋に金属性の何かに金属の何かがぶつかった様な甲高い音が鳴り響く。

 

この部屋には、俺と猴しかいない・・・そして俺と猴は入り口のすぐ横の壁におり、金属の鳴る様な場所は俺のいる壁際しかなく音が鳴る様な場所は他にはない。

 しかし、俺と猴は音を鳴らす様な事はしていないのだ・・・もしあるとすれば、この部屋には俺と猴以外の第三者がいることになる。

 

俺と猴には、現在味方はいない・・・いるとすれば管制塔を制圧しているコルネールとセーラしかいない。

 つまり、音の鳴った方には味方ではない誰かがいることになる。

 

機能している暗視装置を使い、音の鳴る方に目を向けると四角い金属のコンテナが横に2つと縦に2つ積み重ねられていた。

 大きさからして、十分大人を隠せる大きさを持っている。

 

「・・・・・・・・・っ」

 

瞬時に閉じていたバイザーを起動させ、人工眼球より高性能な暗視装置を起動させて、手に持っているMK.23SOCOM(vr.CB)を音が聞こえたコンテナの方に向けながら、音を鳴らさないようにゆっくりと近づいていく。

 

「・・・・・・・・・」

 

ゆっくりとと足を進め、あと10cmでコンテナの裏が見えると思った瞬間、コンテナの裏から2つの大人の腕が飛び出てくると構えていたMK.23SOCOM(vr.CB)のスライド部分に片手で掴み、もう一つの手を俺の腕を掴んできた。

 

「・・・っち!!」

 

それを認識した瞬間、見ていた視界が急に逆さに反転し、体に一瞬の浮遊感を感じて驚くが瞬時に体を反転させて元の態勢に戻る。

 

「・・・っは!!」

 

近接での戦闘では、銃火器は動きに支障が出る事を直ぐに理解しMK.23SOCOM(vr.CB)を地面に投げ捨て、腰にあるサバイバルナイフを左手で引き抜き、頭の高さまで上げ、空いた手である右手を胸の高さまで上げて近接格闘であるCQCの構えを取り、瞬時に開いた距離を詰める。

 

「・・・・・・・・・」

 

サバイバルナイフを相手の首がある場所に向けて振りかぶるが、手首を押さえられ関節技(サブミッション)を仕掛けられそうになるが、瞬時に地面を蹴り上げ空中で体全体を捻りあげ、関節技から逃れ地面に足が着地すると同時に相手に目掛けて、後ろ回し蹴りを行うが直ぐに避けられる。

 

「・・・・・・・・・何者だ」

 

避けた事で空いた距離を利用し、相手に問いかける。

 

「・・・お前こそ、何者だ?」

 

暗視装置から改めて見える人物は、顔を隠すかの様に巻き付いている包帯で顔が見えないが、体格を見ると男性であるとわかる。

 

「・・・・・・・・・俺は、この基地を襲撃した者だ。お前は?」

 

ゆっくりと男性と思われる人物の詳細データをバイザーを使い検索する。

 

「俺は・・・この混乱で逃げのびた、しがないの捕虜さ」

 

しがないの捕虜・・・ね。

 

「・・・・・・・・・」

 

------検索結果の報告します

 

バイザーに搭載されている情報分析システム(久しぶりの登場AIちゃん)

 

------前方の不審人物は、性別:男性であると確定します。

 

やはり、男性か・・・

 

------推定年齢:60代後半

    筋繊維からして十分な運動を行っていなかったことによる筋肉の衰弱状態を確認。

    DNA検索結果によると「ソルジャー遺伝子」が検知されました。

    再検索中・・・検索完了。

    「ソルジャー遺伝子」の中でも最優秀である「BIG BOSS」の持つ「ソルジャー遺伝子」との配列と一致します。

 

60代後半・・・BIG BOSSが生まれた年は1935年・・・今は2003年。

 BIG BOSSの年齢は68歳であるとすれば、同年齢に値する。

 

------DNA照合による遺伝子検索共に検索対象の骨格適合検索を含む詳細データを照合した結果・・・

    検索対象は95%で『    』です

 

この情報データには数多くの情報が表示されており、DNAである遺伝子情報や体をスキャンすることで得た情報を基に分かる体格情報や年齢を含む怪我などの損傷部位は勿論、外部を含む内部の情報を表記してくれる。

 

つまり・・・

 

「・・・・・・・・・しがないの捕虜とわな・・・衰弱しているが、その鍛え上げられた肉体を持つアンタがね?」

 

この人物が「しがない」で済む訳がない。

 

「・・・」

 

両者とも構えを解かずに警戒しながら、次の動きを読む。

 

「何が言いたい?」

 

「・・・・・・・・・っふ。いや、初めまして」

 

 

 

 

BIG BOSS

 

 

 





Combat Enemy(コンバット・エネミー) Battle Scan(バトル・スキャン) Online(オンライン)=C.E.B.S.O.』は戦闘用の戦術スキャニングシステム

情報分析システムは、バイザー内に搭載されているシステムの一つで、上記のシステムが戦術用であればこのシステムは、医療用スキャニングシステムであり、X線などを使い人体の透過スキャニングや瞬時に外的要因による損傷かどうかを検索したり、遺伝子データなどの目に見えない情報を含み体重や身長の全ての身体情報を瞬時に提示するシステム。
 ちなみに説明役のAIちゃんは、何故か自己意識が目覚めており、使い込んでる主人公でさえ何故目覚めたのかは不明(作者にも不明)。




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第40弾 Rescue and escape 前編

お待たせしました!!

第40弾ですどうぞ!!






平成最後の日にギリギリ間に合った・・・


シベリア連邦管区 ロシア開発局 中枢深層エリア 第1区通路 重要人物冷凍睡眠室付近

 

第03通路保管倉庫内

 

 

リンクスSide

 

BIG BOSS・・・・・・20世紀最強の兵士と呼ばれた傭兵にして核戦争から世界を救った英雄。

 

そして、ザンジバーランド騒乱を引き起こした張本人でもある史上最悪の犯罪者(テロリスト)

 

「・・・・・・・・・」

 

BIGBOSSと呼ばれた男は、しっかりと此方の眼を見ながら口を閉ざす。

 

「・・・・・・・・・だんまりか」

 

銃を仕舞いゆっくりと構えを解きながら、小さな声で呟く。

 

「どうして、そう思った?」

 

俺が構えを解くと男もゆっくりと構えを解いていく中で訪ねてくる。

 

「・・・・・・・・・俺の肉体は、天然の人間の体ではなく研究所によって試験管から生まれ隅々まで改造された人造人間でな」

 

試験管ベビー(デザイナーチャイルド)と呼ばれる体外受精で生まれた存在であり、世間では嫌われているモノ・・・

 

「それで?」

 

 

「・・・・・・・・・俺の・・・このバイザーと眼は、高性能なデジタル機器になっていてな。この機器には遺伝子情報検索とか身体情報らを読み取る事の出来るシステムも内蔵されている」

 

つまり・・・

 

「っふ・・・つまり、お前からしたら俺の事は筒抜けだと?」

 

包帯の隙間から見える口元が緩む様に聞いてくる。

 

「・・・・・・・・・あぁ」

 

俺もその姿を見ながらゆっくりと頷き肯定する。

 

「そうか・・・それで?お前は何者なんだ?この基地の者じゃないんだろう?」

 

俺が、奴の正体を暴くと同時に奴も俺と同じ様に問いかけてくる。

 

「・・・・・・・・・どうして、そう思う?」

 

これでは、さっきのやり取りと真逆だな・・・

 

「・・・基地の者ならば、統一された動きに軍特有の気配があるものだが、お前にはその2つが見て取れない」

 

統一された動き・・・確かに俺には無いな。軍の動きが悪いわけではなく、純粋に俺には合わないということだな。

 簡単に言ってしまえば、整列して大進軍する軍の中を誰もいない所で一人でただ普通に歩いている様なモノ。

 

軍特有の気配・・・これも上記と同じで確かに俺には無いモノだな。

 上記の場合は動きだとすれば、これはオーラなどのことだな。言わば、強者たるに値する雰囲気の違いだろう。軍の場合は形に嵌った刺々しく何処か触れ合い難い雰囲気を出しているのだが・・・

 俺の場合は、周りと同化することを無意識の内に行っているからな、自然と雰囲気がゆったりとした緩いモノに感じるのだろうな。

 

「・・・・・・・・・」

 

もし、俺と同じものを言うならば、少し気を付けなければならないな・・・

 

と言っても、この2つをどうにかすることは難しいんだがな。

 動きは、どうにか真似をしてギリギリ誤魔化せるかもしれないが、雰囲気については長い間、アニムスのデータでアサシンとして鍛え上げられたこともあり、自然体でいることを強いられた事もあり、誤魔化しきれない。

 つまり、雰囲気については、どこかしらで誤魔化しのきく方法を身に着けないといけないな。

 

「わかってるんだろう?何がないのか?」

 

 

「その動きは、よく見たことがある暗殺者の動きに近い、気配も同じくその自然に同化するかのような気配の薄さ、軍の中でも異質感が半端ではないな」

 

「まぁ・・・いるとすれば、それこそ暗殺を主とした部隊位だろが、この基地にそんな存在はいないからな」

 

いない?何故そんなことを知っているんだ?

 

それに今更ながら、何故BIG BOSSは起きているんだ?

 

「・・・・・・・・・今更だが、何故起きている?事前情報によればアンタは冷凍睡眠に入っていたはずだが?」

 

問いかけが遅れたが気になる所だからな聞いておかないとな・・・

 

「確かに今更だな。だが教えたところでどうする?お前に関係あるのか?」

 

関係か・・・

 

「・・・・・・・・・あぁ、関係あるな」

 

BIG BOSSの問いに俺がそう答えると包帯で隠している顔が僅かに動いた。

 

「俺を・・・殺すのにか?」

 

どうやら、BIG BOSSは俺をここの兵士ではなく自分を殺しに来た暗殺者だと疑っている訳か・・・

 

「・・・・・・・・・いいや、アンタには生きてもらう。その為に俺たちは動いたんだからな」

 

そう、俺達はみんなBIG BOSSである彼を救出する為にわざわざこんな危険極まりない基地に潜入してきたんだからな。

 

「どういう事だ?まさか、俺を救出にでも来たと言うのか?」

 

俺の答えに動いた表情が次は固まり呆ける。

 

「・・・・・・・・・そのまさかだ。俺とコイツを含んであと数人で編成された少数精鋭でアンタを救出しに来たんだ」

 

この作戦に参加しているのは、指揮兼パイロットのシャーロック・ホームズ、医療人のエル・ワトソン、メカニックの壷、実働部隊のコルネール、リサ、猴、リンクスの合計7人で編成された少数精鋭である。

 

「正気か?仮にも国が管理している軍に攻めてくるなんて・・・」

 

それをアンタが言うか・・・

 

「・・・・・・・・・ザンジバーランド騒乱を引き起こした本人が言う事か?」

 

再び問いかけに対して俺が答えると呆けていた顔から苦虫を噛んだかの様な顰めっ面になった。

 

「いや、まぁ・・・確かにそう言われるとそうなんだが、お前の歳で国を相手にするのは・・・」

 

しかめっ面から少し表情を変えて何か言い難そうな表情で言葉を言いかける。

 

「・・・・・・・・・無謀か?確かに俺一人で国と戦えば簡単に朽ち果てるだろうな。だからこそ他人に力を借りている」

 

誰も一人で国を相手にできるなんて思っちゃいない。

 

例え俺がこの世界の原作を知って、どの様に世界が動くか分かっていようが、神の力でこの世界に能力を貰い転生したからと言いおうが人ひとりでできる事なんて、たかが知れているからな・・・・・・

 

「・・・・・・・・・ここに来るまでも、仲間の力を借りている」

 

ゆっくりと視線を後ろにいる猴に向け、直ぐに視線を戻してBIG BOSSを見る

 

「・・・だが・・・いや、やめよう、ここで話すことじゃないか。直ぐに此処から移動するのか?」

 

世界を相手にした事のあるBIG BOSSが何かを言いかけるが、直ぐに首を振り考えを切り替えて本題の方に意識を向けてくる。

 

「・・・・・・・・・少し待て『サイレント、最優先目標を確保した。退避ルートはどうだ?』」

 

瞬時に通信を開き、コルネールに詳細を述べず告げる。

 

『此方、サイr・・・なんだって?』

 

突然の言葉に驚愕しているのか、素っ頓狂な声で聴き返してきた。

 

「・・・・・・・・・説明すると長くなるから省くが結論から申して、今入った部屋の中に最優先目標である人物を発見し確保した」

 

そう再度、告げると呆れたかの様な雰囲気を出しているのが分かるくらいの小さなため息をつく。

 

『ハァ・・・いろいろ省き過ぎなんだが・・・まぁいい、本当に本人なのか?』

 

 

「・・・・・・・・・あぁ。バイザー内にあるシステムC.E.B.S.O.で確認済みだ」

 

 

『結果は・・・?』

 

 

「・・・・・・・・・95%の確率で本人だった」

 

 

『・・・はぁ、わかった。予想時刻より圧倒的に速いが了解だ退避ルートを教える、直ぐにそこから・・・』

 

 

「・・・・・・・・・どうした?問題か?」

 

『いや、最優先目標である人物の退避は、鳳凰に任せてライデンはセカンドミッションに移行してくれ、どうやら基地の奴らが動き始めたようだ』

 

「・・・・・・・・・了解。それとピクシーはどうだ?」

 

 

『ここを占拠して直ぐにセカンドミッションに向かってもらった、先ほど通信で順調だと言っていたぞ』

 

 

「・・・・・・・・・了解だ。それなら此方もセカンドミッションに移るとする・・・通信アウト」

 

 

『任せた・・・部屋のロックは解除してあるからな。通信アウト』

 

今更ながら『鳳凰』は猴で『ピクシー』はセーラの通信コードネームであり、基本的に通信会話の時はこちらの呼び方で読んでいる。

 

「・・・・・・・・・さて、猴は彼を連れて退避ルートを進みランデブーポイントに迎え」

 

 

「アナタは?」

 

 

「・・・・・・・・・俺は、セカンドミッションに移行する。ミッションが完了次第すぐにランデブーポイントに向かい合流する合流次第は救助者全員を連れて脱出するぞ」

 

BIG BOSSを含む要救助者たちを連れて、滑走路付近まで向かい対空兵器を含む戦闘機を破壊し、対空砲火を鎮め次第シャーロックが搭乗するAC-130H<スペクター>を滑走路に着陸させ、救助者全員を機体に搭乗させて早急に離脱する。

 

「お一人で・・・ですか?」

 

 

「・・・・・・・・・あぁ。俺を心配するより自分の心配をしていろ」

 

 

「は、はい・・・」

 

 

「・・・・・・・・・アンタもいいな?」

 

猴の問いを答え、視線をBIG BOSSに向けつつ問いかける。

 

「そう聞かれてもな?俺に残されている返答は『YES』しかないんだが?」

 

包帯の隙間から見える口元と眼には呆れが見える。

 

「・・・・・・・・・つまり、そういうことだ。ではミッションを始めよう」

 

ゆっくりと体を動かし、扉付近に敵がいないかオーグメントモードで透視して安全を確認する。

 

「・・・・・・・・・スネーク。扱い難いだろうがコイツを持っていけ」

 

直ぐに視線を後ろに向けて先程から読んでいたBIG BOSSと呼ぶのを止め、スネークと呼び変え、持っていたAK-12とマガジンを2本渡す。

 

「良いのか?」

 

渡されたAK-12を見て問いかけてくる。

 

「・・・・・・・・・構わない。俺にはコイツ等がいるからな」

 

手に持っているMK.23SOCOM(vr.CB)と左腰に下げているムラサマブレード(何故かバレなかった)と右脚の太腿に着けているレッグホルスターの中にあるキラーエンペラー(コイツも何故かバレなかった)に視線をやる。

 

「そうか、なら遠慮なく受け取ろう」

 

俺の視線を辿り装備を見たBIG BOSSも頷きAK-12を受け取る。

 

「・・・・・・・・・外に敵はいない。行くならば今だな」

 

「そ、それじゃあ、行きましょう」

 

ロックの外れた扉を開けて、念には念を入れ注意しながら通路に出る。

 

「・・・・・・・・・<敵影なし、進路クリア>」

 

敵影を確認できない事をハンドサインで2人に知らせるとゆっくりと猴とスネークが警戒しながら出てくる。

 

「・・・・・・・・・<進むぞ>」

 

--------------------------------------------

 

AC-130H<スペクター> コックピット内

 

そこには、世界の裏に存在する秘密結社を率いるリーダーである男性『シャーロック・ホームズ』が通信用片耳ヘッドセットを耳に掛けてコックピットの機長席に座っていた。

 

「さて、そろそろ時間になるね・・・『ワトソン君。少しの間運転を変わっていただけないかな?』」

 

そのリーダーである男性は、ゆっくりと胸のポケットにしまっていた懐中時計の蓋を開き時間を確認すると耳に掛けた通信機で連絡を入れる。

 

『僕がですか?わかりました。直ぐに向かいます』

 

「すまないね」

 

通信機から聞こえてくる声に軽く謝罪の言葉を述べ、機器を弄る。

 

「さてと、詳細の準備は・・・これで大丈夫だね。あとはリンクス君次第だね」

 

そう言い機内機器の一部をおふらオフラインからオンラインに切り替えた。

 

 

 

 

 

 

機内火器管制システム=オンライン

 

 




ギリギリすぎる投稿だ・・・

次回の話も急いで投稿できるように頑張ります。


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第41弾 Rescue and escape 後編


平成が終わって令和となっての初投稿ですな。

6か月振りの投稿です。

だいぶ期間が空いてしまいました。

申し訳ないです。

では第41弾です。どうぞ


 

シベリア連邦管区 ロシア開発局 中枢深層エリア 第8区通路 被験者実験エリア

 

第01通路

 

リンクスSide

 

猴とスネークと別れてから、着ていた制服を脱ぎ捨て元々着ていたスーツを着用し、通路を急ぎ走っている。

 

ニンジャランによる高速ダッシュを行っていることにより、足元には電流の跡が残るが気にしている暇はない

 

「・・・・・・・・・情報提示」

 

------了解です。情報を提示します。

 

バイザー内のAIを起動させ情報を聞く。

 

------現在、向かっている目標地点に確認できる生体反応は20です。

 

20?多いな・・・

 

------その内の12は反応の大きさが小さいです。推測するに残りの8が敵性勢力で12が救助者であると推測します。

 

「・・・・・・・・・生体反応20の内12が救助者か・・・救助し次第の合流ポイントへのルートを再検索を頼む」

 

------了解しました。

 

検索に少々時間が掛かるのか、AIが黙り込む。

 

生体反応が12か・・・事前情報によると研究の被験者として連れてこられているのは、全て子供だと聞いている・・・

 

この基地を脱出するのに12人もの子供を連れてになると少し難しいな・・・

 

「・・・・・・・・・捕まってる子供が戦えれば良いが・・・」

 

------検索結果を報告します。検索結果、97%の確率で安全に通れるルートを発見しましたが、前提条件として救助対象が全員、応戦できることが必要です。

 

「・・・・・・・・・応戦・・・と言うことは、戦うと?」

 

------はい。と言っても最悪の場合によります。

 

「・・・・・・・・・うまくいけば、戦わずして安全に行けるんだな?」

 

------はい。

 

「・・・・・・・・・なら、そのルートを提示する準備を・・・直ぐに突入して制圧するぞ・・・」

 

ニンジャランによる高速ダッシュにより、目的地である『被験者収容所』に辿り着きAIにそう告げると直ぐに返事をすると検索モードから戦闘モードへと移行する。

 

モードが切り替わったことを理解した瞬間、ムラサマブレードの居合切りの構えを取ると同時に警告がAIから届く。

 

------告。ドアロックと同時に室内に動きがあります。

 

「・・・・・・・・・なに?・・・オーグメントモード」

 

------了解です。オーグメントモード起動

 

居合切りの構えを解かずにオーグメントモードを起動すると先ほどの情報で出た生体反応20の内8が敵だと判断すべき武装した大人で残りの12は子供たちであると把握し銃を構えた状態の大人が囲っているのが分かる。

 

「・・・・・・・・・人質と言う訳か・・・」

 

------このまま、突入しますか?

 

そんなもん・・・決まっている。

 

「・・・・・・・・・あぁ。奴らが引き金を引くより先に動き斬る

 

リンクスSide out

 

--------------------------------------------------------

 

敵兵Side

 

いつも通り、被験体であるガキどもの警備で終わる済むはずが・・・

 

「っクソ!!どうなってやがる!!」

 

現在の状況を考えるに侵入した人数は多くなく少人数らしいのだが、既に多くの兵士が殺られているらしく、その情報を聞いた隊長も理解できずにいた。

 

「・・・・・・っ」

 

その大声を聞いた被験体であるガキ数人が体をビクつかせているが、そんなものもお構いなしに被験体の一人である薄茶色のガキの腹部に向けて手加減なしの蹴りを八つ当たりでぶつける。

 

「・・・ガッ!?・・・ゲホッ!!ガホッ!!」

 

無防備にも蹴られたガキは、衝撃を殺しきれずに体をくの字に曲げ一瞬だが両脚が地面から離れ宙に浮くが、直ぐに地面に着くと同時に苦しそうに地面に倒れ蹲まる。

 

「っくそ!!おい!!さっさと立て、ここから移動するぞ!!」

 

八つ当たりから自分で蹴り飛ばしたガキの髪の毛を鷲掴み、無理やり立たせようとする。

 

「っがは!!・・・うっ・・・・・・」

 

無理やり立たされたガキの表情は激痛により、歪みその奥の瞳は苦痛と絶望に塗りつぶされていた。

 

その表情をみると同時に自分の通信機が鳴る。

 

「・・・こちらアサルト2。どうした?」

 

 

『こちらサポート1。監視カメラが侵入者を捕捉した。現在直進してそちらに向かっている警戒を強めろ。約30秒後に到着するぞ』

 

監視カメラを監視していた兵士の一人からの連絡であり、今回の襲撃犯がカメラに映ったことの報告を寄越してきた。

 

「了解だ。お前らも此方に急いで合流しろ。侵入者をお出迎えしてやるぞ」

 

現状で6人だが、カメラを監視している2人を含めれば8人になる。

 

・・・・・・いくら侵入者が強かろうと8人の武装兵士には敵う訳ないはずだ。

 

『了解。サポート1。合流する』

 

 

『サポート2。了解、合流する』

 

 

「よし。通信アウト」

 

 

『通信アウト』

 

通信を切り、未だに苛立っている隊長の元に近寄り知らせる。

 

「隊長。どうやら例の侵入者が此方に向かって来ているとのことです」

 

 

「なに!?っち!!何故こっちに来る必要がある!?クソっ!!」

 

 

「っが!!」

 

隊長本人に通信の内容を伝えるとその内容に苛立ち、先ほど蹴り飛ばしたガキを再び蹴り飛ばす。

 

「仕方ねぇ!!アサルト3とアサルト4は、入り口付近にバリケードを作って待機しろ」

 

 

「「了解」」

 

指示が出された2人は直ぐに近くにある金属製のテーブルをひっくり返し即席のバリケードを作り上げるとバリケードの上に持っていたRPK-12とPKP‘ペチェネグ’のバイポッドを展開させて構え待つ。

 

「アサルト5と6は、アサルト3と4と同じ様にバリケードで構え待て」

 

アサルト5と6は、アサルト3と4の方に向かい扉に銃を構えて待機する。

 

「サポート1、サポート2合流します」

 

移動し終えると同時にカメラを監視していた2名の隊員が合流する。

 

「よし、サポート1とサポート2は、俺とアサルト2と共にガキどもを囲むように並んで待機だ」

 

「「了解」」

 

ガキどもを囲む理由は2つだろうな・・・1つ目はガキどもが変な気を起こさないためだろう、2つ目は侵入者に対しての人質としてだろうな。

 

「・・・・・・っひ!!」

 

AK-12をガキどもに向けると小さな悲鳴を上げるとガキどもが身を寄せ合い震え始める。

 

「ふん。さてぇ?こうすれば奴は入ってくると同時に5.45×39㎜弾の蜂の巣になるだろうなぁ?最悪バリケードを超えて来たとしても此方には、こいつ等がいるしな?流石に人質関係なく襲ってこないだろうしな。ははは!!」

 

斬っ!!

 

隊長が高らかに笑い声をあげると同時に扉に切れ目が入ると隊員全員に緊張が走る。

 

「っな!?っクソ!!総員構え!!」

 

 

「(電動式気圧自動ドアとは言え、その厚さは約90mmだぞ!?切り裂くなんて無茶な筈なのだが・・・・・・)」

 

バガンッ!!

 

隊長がバリケードにいる隊員に向けて言うと同時に切れ目から扉が吹き飛んでくる。

 

「っクソ!!」

 

 

「ッがぁ!?」

 

吹き飛んだ扉の破片がバリケードにいた4人に目掛けて飛来してくるのに対して右側の兵士2人と左側の端にいた兵士は、瞬時に反応し身を屈めることで事無きを得るが左側の手前にいた兵士の一人が回避が間に合わず、破片が体に突き刺さり、その勢いのまま俺たちの横の壁に貼り付けられる。

 

その兵士の左肩から腹部にかけて破片が袈裟斬り状態で刺さっており、その体からは夥しい量の血を流し地面に血の池を作り壁には血しぶきによる大量の血がこびり付いており、一目で即死であると言うのが分かる。

 

「っな!?撃て!!総員射撃開始!!」

 

壁に貼り付けられた仲間の死体をガキどもを囲んでた俺を含む4人が視認し理解すると同時に隊長が直ぐに硬直した意識を戻しバリケード前の兵士たちに向けて命令を出す。

 

「っ!!このクソ野郎!!」

 

「ッよくも!!バルメロを!!」

 

「ッ野郎!!死にやがれ!!」

 

 

ダダダダダッ!!

 

 

その命令と共に止まっていた兵士たちも仲間を殺った侵入者に向けて罵倒発言しながら動き始め、RPK-12とPKPペチェネグから5.45×39㎜弾と7.62×54㎜弾が吐き出される。

 

ドアが吹き飛ばされた入り口は、未だに立ち込める煙でドアを吹き飛ばした張本人が確認できないが、それは向こうも同じである。

 

敵の位置が掴めなくても入り口付近にいれば、そのまま身に受けてたちまちハチの巣になる筈だ。

 

「総員射撃止め!!」

 

隊長の指示を聞き、バリケードの隊員3人が引き金から指を離し、鳴り響いていた銃声が止む。

 

「・・・・・・どうだ?死体はあるか?」

 

隊長の言葉にバリケードにいた隊員の一人がゆっくりと動き、入り口に目を向けると視界不良の原因になっていた

煙がゆっくりと晴れていく。

 

「・・・いえ。死体どころか・・・誰もいません」

 

入り口に目を向けていた兵士の報告に全員が困惑する。

 

「・・・馬鹿なッ!!いないだと!?そんな筈はない!!いるはずだ!!」

 

隊員の報告に隊長が感情を爆発させる。

 

「し、しかし、外にはいません!!」

 

 

「(いない?じゃあ、先ほどのドアを吹き飛ばした奴は・・・・・・っ!!)っまさか!!」

 

先程飛んできた扉の破片に向けて視線を向けようとした瞬間。

 

「・・・あれ?」

 

額に衝撃を感じると同時に視界が暗転し意識が遠退いていくなか、隊長たちの体から噴き出す真っ赤な鮮血が視界に捉えると同時に意識を無くした。

 

敵兵Side out

 

 

 

リンクスSide

 

 

副隊長と思わしき人物の額を高周波ナイフで一刺し絶命させる同時に体を瞬時に動かし子供を囲んでいる兵士全員の腕を切り落とし、喋る前に喉元を切り裂き絶命させる。

 

「・・・・・・まさか、気づかれるとはな」

 

ムラマサブレードの刀身にこびり付いた血を振り払う動作「血振り」で血を刀身から降り落としつつ、上腕と下腕を繋ぐ関節部位で刀を挟み込み振り落としきれていない血をふき取り鞘に戻しながら呟き、此方を向いていない兵士に腰の高周波ナイフ3本を投擲し絶命させる。

 

扉前にいる筈の俺がどうやって敵に気付かれずに銃弾の雨を潜り抜けたのかは、至って簡単だ。

 

スモークグレネードを2つ取り出し安全ピンを引き抜き地面に落とし、スモークが出始めると同時にムラマサブレードでドアを切り、切れ目に向けて八卦を応用とした掌打で吹き飛ばす。

 

吹き飛ばした時にオーグメントモードで確認し計算することで破片を任意的な方向に飛ばすことで敵兵の死角を作りあげる。

 

視界不良を利用しながら、吹き飛んだ破片の死角を利用し短距離移動歩法(ショートジャンプ)を行う事で常人では捉えることができない移動速度で部屋の中に侵入したのだ。

 

したのだが・・・どうやら、隊長より思考が優れていた副隊長の方が気づくとはな・・・

 

少しだが、焦ってしまったな・・・

 

俺の方を見る前に始末できたのは良かった、そのお陰で入り口付近のバリケードにいた兵士をナイフで「サイレント・キル」できたのは幸いか。

 

「・・・・・・さて、ガキどもを連れて脱出するか」

 

ゆっくりと後ろにいる子供たちの方に体を向けて視線を向ける。

 

『・・・・・・ッ!!』

 

この部屋に入る時に見た時よりも顔が恐怖に染まっているのが良くわかる。

 

まぁ、仕方ないか数十分前まで自分たちを囲んでいた兵士たちの体から突然、血が噴き出て、視認できないレベルで投擲されたナイフでバリケードの兵士たちも絶命したと思えば、次の瞬間には目の前にSFチックな体をした男がいれば、怖いだろうな。

 

「・・・・・・動けるな?此処から脱出する、ついて来い」

 

しかし、そんなものを気にしている暇は無い。

 

冷酷非情にも感じ取れる様な態度で言葉を投げかけ、そのままゆっくりと子供たちに向かって歩いていく。

 

一歩一歩ゆっくりと歩いて行く度に地面に倒れている兵士の死体から流れ出る大量の赤い液体を踏んでいく事で出る音は他者から聞けば、窮地を救ってくれた救世主が歩み寄る音に聞こえるのか、はたまた死神が魂を刈り取る大きな鎌を振り上げ今にも魂を刈り取ろうと歩み寄る音に聞こえたのかはわからない。

 

「っひ!!」

 

悲鳴を上げたのは隊長格に殴られ、蹴り上げられていた薄茶色の髪をした少女からだった。

 

「あ、アナタは?」

 

白色に近いプラチナブロンド色の長髪をした少女が悲鳴を上げた少女に瞬時に近づき抱き庇いながら問いかけてくる。

 

「・・・・・・この基地を襲撃した奴だと言えば理解するか?」

 

その言葉を告げた瞬間、人質にされていた子供全員が体を震え上がらせた。

 

「・・・な、なぜ。私たちを・・・助けるんですか?」

 

少女を抱き庇っていた少女が、声を振るえさせ畏怖した視線を向けながら聞いてくる。

 

(時間が惜しい・・・少しでも動かなければ、増援部隊が来るかもしれない。そうなれば、ここにいる子供全員を守りながらだと少々厳しい、早急に動きたいのだが・・・・・・仕方ない)

 

 

「・・・・・・その問に答えれば、貴様ら全員動くのか?」

 

 

「そ、それは・・・」

 

 

「・・・・・・俺としては、どちらでも構わない。貴様らが動かないのなら、そのまま置いていくだけだ」

 

 

「・・・っ!!」

 

 

「・・・・・・どうする?このまま、此処に残って奴らの実験台になるか?それともどこの誰だが分からない奴と共に此処から出ていくか」

 

 

「・・・・・・残れば、生きるか死ぬか分からない実験台になるだろう」

 

 

「・・・アナタと出たら?」

 

 

「・・・・・・最悪の場合は死ぬだろうな・・・だが、死なせる気は一切ないし実験台として扱う気もない」

 

 

「・・・少し」

 

 

「・・・・・・ん?」

 

 

「少し、みんなと話させて」

 

 

「・・・・・・断る。今この場でこの瞬間で決めろ」

 

 

「っな!?」

 

 

「・・・・・・貴様らはどうする?」

 

今まで会話に参加してこない子供全員に向かって問いかける。

 

「私たちは・・・・・・」

 

鼠色の短髪をした少女が声に出しながら、迷い始めるとほかの少女たちも迷い始めた。

 

それを見たリンクスは、止めていた脚を動かしゆっくりと扉まで移動していく。

 

その動きは、早くも遅くもなく、普通に歩けば追い付けるほども速度であった。

 

「・・・・・・はぁ、貴様らを待つ時間はないんだ。残りたいのならそこで大人しくしていろ。俺は行くぞ」

 

しかし、少女たちには自分たちを見捨てていく様に見えたのか・・・・・・

 

「ま、待って!!」

 

少女たちは、焦り始め思考が纏まらずにいたのだが、とりあえず止めてほしいのか、声を大きくして言うが・・・

 

「・・・・・・待たん。さっさとしろ。ついてくるならついて来い。ついてこないのならそのままでいろ」

 

リンクスは、そう言い動きを止めず、歩いて行き自動ドアが開き姿を消した。

 

 

 

 





だいぶ期間が空いてしまい申し訳ない。

ネタは沢山あるので、どうにか書く速度(打ち込む速度)を上げていけるように頑張ります。

ではまた次回会いましょう


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第42弾 Escape 前編


新年あけましておめでとうございます。(遅っ!!)

気付いたら2月中旬・・・・・・やばっ

地道に書いてはいたと言えば書いていました・・・はい。




正直に言いますと、遅くに仕事終わって購入したゲームを消化していました。

落ち着いてきたので再び書き始めます・・・はい。




と言う訳で第42話です。どうぞ






 

シベリア連邦管区 ロシア開発局 中枢深層エリア 第8区通路 被験者実験エリア

 

リンクスSide

 

突き放さない速度で歩きながら、所持していた銃の残弾を確認する。

 

MK.23SOCOM(vr.CB)の残弾・・・30発マガジン(4本)と装填済みの1マガジンの5本で合計150発

 

キラーエンペラーの残弾・・・10発ダブルカラム・マガジン(2本)と装填済みの1マガジンの3本で合計30発

 

ムラマサブレードの残弾・・・20発ダブルカラム・マガジン(1本)と装填済みの1マガジンの2本で合計40発

 

「・・・・・・(とりあえず、これだけの残弾が残っているのならば十分に戦えるな・・・・・・)」

 

腰や脚、胸のポーチに装着してある弾薬ポーチに入っている残弾をすべて確認していると後ろから複数人の走ってくる音が耳に届く。

 

聞こえてくる音からして、あの部屋にいた12人の子供全員がどうやら追いかけてきたようだ。

 

「はぁ・・・はぁ・・・待ってください!!」

 

走り寄ってくる音を聴き取り人数を認識すると同時に少女らしい声を高さと走ってきたときの息切れを含んだ少し甲高いくらいの声を掛けられる。

 

「・・・・・・結局、全員が付いてくるのか」

 

声を聴き歩いていた脚を止めて腰の位置に移動させたムラマサブレードの柄に手を添えた状態でゆっくりと子供たちの先頭を走っていた白色に近いプラチナブロンド色の長髪をした少女に視線を向ける。

 

「私たちも連れて行ってください!!」

 

息切れをしている事も含めて少し声を抑えずに叫んでいる状態に近い声で少女は言う。

 

「・・・・・・それは、覚悟ができているということか?」

 

部屋を出る前に述べた事を踏まえて『その言葉』を言っているのならば、別に構わないのだが・・・再確認として問いかけを少女たちにする。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

その問かけに少女たちは、視線を合わせずに下に向けてしまう。

 

「・・・・・・どうなんだ?」

 

 

「まだ・・・」

 

再度の問いかけに視線を下に向けていた少女の一人であるプラチナブロンドの子がゆっくりと視線を上げて目を合わせて呟く。

 

「・・・・・・」

 

 

「まだ・・・まだ、ちゃんと覚悟ができたわけじゃありません」

 

その答えには、正直に言えば納得する。

 

生きてきた中で実験台として扱われていた子供にその問いかけは、難しく様に決められるものではない。

 

しかし、その事を気にしている暇は、此方にはないのだ。

 

「・・・・・・それでも、ついてくると?」

 

 

「あのまま・・・私たちが、何もせずにあの部屋にいたとしても・・・待ち受けているのが絶対的な絶望なら・・・少しでも希望が存在する方に行きたいんです」

 

絶対的な絶望と少しでも存在する希望を天秤に掛けてこちらに来たと言うことから、まだ少し甘さがあると言うことだがそれは、しょうがないであろう。

 

「・・・・・・確かに絶望からは逃れるだろう、しかしその先が希望かは分からないぞ?」

 

 

「・・・はい、それでも・・・それでも・・・みんなと決めました。私たちは貴方に着いて行きます!!」

 

プラチナブロンドの少女が、そう言うと他の少女たちも顔を上げて視線を向けてくる。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

視線を上げて合わせてくる視線には、最初に会った時の待ち受ける絶望と恐怖が合わさったモノではなく、自分たちの意思による決意と希望に変わっていた。

 

「・・・・・・なら、ついて来い」

 

少女たち全員が決意しているのならば、俺から言うことはない。

 

決意したのならば、あとは少女たちを無事に届けるだけである。

 

その後のことは聞かずに止めていた脚も動かし歩き始める。

 

「え・・・あの・・・」

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

プラチナブロンドの少女が何か言いたそうにしているが、片手を上げて喋ろうとするのを止めさせてバイザーを展開させ通信をする。

 

「・・・・・・こちら、ライデン」

 

 

『こちら、サイレント。成功か?』

 

 

「・・・・・・あぁ、これから合流ポイントに向かう」

 

 

『了解だ、此方も既にピクシーと合流している。後は鳳凰と最優先目標を待つだけだ』

 

 

「・・・・・・了解。2名と合流したら、イーグルに連絡をしてサードミッションを開始する」

 

 

『待たなくて、良いのか?』

 

 

「・・・・・・構わない」

 

 

『了解。合流次第、サードミッションに移行する』

 

 

「・・・・・・通信アウト」

 

 

『通信アウト』

 

・・・さて、サードミッションが始まると言うのなら、急ぐしかないな。

 

視線をゆっくりと後ろに向けると此方の様子を窺うように視線を向けてくる少女たちがいた。

 

「・・・・・・時間がない。急ぐぞ」

 

そんな様子の少女たちを見ても表情を変えずに付いてくるように指示を出し、歩くスピードを速める。

 

「っえ!?あ、はい!!」

 

その指示に対して、驚きもするが直ぐに意識を切り替えてリーダーであろう少女が返事をするとほかの少女たちも直ぐに意識を切り替えて付いてくる。

 

「・・・・・・スピードを上げるぞ」

 

少女たちが付いてきてる事を確認すると歩きから走る方へとスピードを上げていき、少女たちの盾になる様に先行・誘導する。

 

「「「っはい!!」」」

 

この基地にて人体実験として扱われていただけあって、体力面も高くなっている様だ。

 

「・・・・・・(このままのスピードで行けば、予定時刻には合流ポイントにたどり着けるか。)」

 

 

少女たちの先頭を走るリンクスは、思考を走らせながら次のミッションの事を考える。

 

-------------------------------------------------------------------------------------------

 

              「サードミッション

 

1.ファーストミッションとセカンドミッションが問題なく完遂した事で移れるミッション。

 

 

2.セカンドミッションである「救助対象」の救助と「破壊工作」が完了しサイレントとピクシーを含む別動隊と合流ポイントで合流次第、次の工程に移る。

 

 

3.上空で待機してるシャーロックたちが搭乗するAC-130H<スペクター>による近接航空支援を行い、地上部隊を錯乱させる。

 

 

4.錯乱された地上部隊の持つ対空兵器をセカンドミッションで行った「破壊工作」でピクシーが設置した爆薬を

同時に起爆させ、対空兵器を全て無力化。

 

 

5.対空兵器を無力化すると同時に地上部隊の掃討による無力化を行う。

 

 

6.勢力の無力化を確認次第、AC-130H<スペクター>を滑走路に着陸させる。

 

 

7.AC-130H〈スペクター〉が着陸後、要救助者と救助対象を迅速に搭乗させて現場を離脱する。

 

 

8.空域を離脱次第、サードミッションは完了。

 

-------------------------------------------------------------------------------------------

 

鳳凰と最優先目標(スネーク)がサイレントとピクシーの別動隊と合流すると同時にサードミッションが開始される。

 

つまり、このままでいると上空にいるスペクターによる対地攻撃の被害を受けてしまう可能性が高く最悪、死者が出る可能性も高い。

 

 

「・・・・・・(だが、俺たちを待っている間も安全とは言えない。最優先目標は目覚めたばかりで体力も少ない、救助対象も数が多くまだ幼い)」

 

 

「・・・・・・(待っている間に見つかり交戦状態になったら、ひとたまりもない)」

 

 

「・・・・・・(ハイリスクハイリターンで対処するしかない)」

 

 

「・・・・・・(予想以上に少女たちの体力が多くあった事で予定時刻より早く合流ポイントには着けるだろう)」

 

 

P---P---P---P

 

 

サードミッションについて考えて行動していると体内に内蔵された通信装置のサブ機能であるEシステム(メール)に連絡が入る。

 

 

「・・・・・・ッ!!全員ッ!!止まれッ!!」

 

Eシステムに入った連絡を開いて目を通したリンクスは、周囲にいる少女たちに聞こえるレベルで声を高めて言う。

 

 

「「「「っ!?」」」」

 

 

当然の声に驚きつつも、バランスを崩さずに少女たちは足を止めた瞬間・・・

 

 

 

 

ドゴォォンッ!!グラッグラッ

 

 

 

 

爆発音と衝撃で基地全体が大きく揺れた。

 

 

「・・・・・・始まったか」

 

 

リンクスの呟いた小さな声は、未だに続く揺れと音によってかき消されていった・・・・・・

 

 

 

 





次回、上空にいるシャーロックたちの視点から始まります。

では次回会いましょう!!


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第43弾 Escape 後編

第43話です。

長らくお待たせしました。

どうぞ


ロシア領空内 シベリア連邦管区  上空1万5千フィート

 

 

ロシアの地上から豆粒の様に見えるほどの遥か上空に大きな翼を持ち獲物を探す鷹の様に円周状に左旋回で回っている大型の輸送機がそこにいた。

 

その輸送機はただの輸送機ではなく、多数の武装を搭載した対地専用攻撃機・・・通称:ガンシップと呼ばれ、地上兵士から『空の悪魔』と畏怖されている航空兵器である。

 

 

 

AC-130H<スペクター>統合武装管制システム

 

 

そんな畏怖を込めた異名で呼ばれるガンシップ内に設置された武器を操作するシステム操作モニター前にはベストパイプと呼ばれる喫煙具の一つを咥えて吸っている男性がいた。

 

 

シャーロックSide

 

 

条理予知(コグニス)で導き出した事でこの先で起きる事を理解している僕は、イギリス産の煙草の葉である『ダンヒル・マイ・ミックスチェア965』の入ったパイプを吸ってゆっくりと時間を待っていた。

 

「さて、そろそろかな?」

 

胸の内ポケットに入れていたアンティークゴールド調の懐中時計*1を取り出し、閉じていた蓋を開閉ボタンを押して蓋を開け時刻を確認する。

 

文字盤にはアナログタイプであるローマ数字が刻まれており、短針はローマ数字のⅩを指しており、長針はローマ数字のⅥを指していた。

 

条理予知(コグニス)で導き出した事で読んだ先までの事が起きる時刻まで後、5分と言った所であるのが分かる。

 

「さぁシステムのチェックをしないとね。

  全火器管制システム・・・・・・オンライン

  20mmバルカン砲 3門・・・・・・オンライン

   40mm機関砲 1門・・・・・・オンライン

    120mm榴弾砲 1門・・・・・・オンライン

 

  全システム・・・・・・オールグリーン

 

   うん。火器管制システムは全て問題ないね」

 

ふむ。少々時間が空いてしまったね。それじゃあ、少しこの機体について説明しようかな?

 

 

僕たちが乗っているこのAC-130Hはいろいろな所を改造された特殊な機体であるのだ。

 

 

例えば、機体装甲には耐弾性の高いチタン装甲を使用することで全体的な防弾性を持ち地上からの攻撃である30mm弾をも防ぎつつ、装甲内部にはレーダー波を吸収するレーダー波吸収素材(RAM)と吸収しきれないレーダー波を内部反射と減衰を繰り返して吸収するレーダー波吸収構造(RAS)を採用した特殊装甲になっている。

 

 

その装甲表面にはレーダー波吸収素材を含んだ塗料が用いられておりレーダー波は熱へと変換され、これもレーダー反射断面積を低減させるモノの一つでありレーダー網にも映りにくくなっている。

 

 

つまり、地上攻撃機仕様の大型F-22<ラプター>と思えばいいのではないだろうか。

 

 

地上を攻撃する兵装が桁外れに強力ではあることを抜けば、ステルス型のガンシップであるともいえる。

 

 

20mmバルカン砲自体も通常とは仕様が違い、普通であれば並列に設置するバルカン自体を三角形状(トライアングル)に設置しており、一回の面制圧射撃能力を上げている武装であるのだが、毎分6000発も発射するものが3つ連結していることで単純計算するだけでも分かる様に毎分18000発と言う量の弾丸を6砲身式のバルカン砲の1つの砲身と残り2つの砲身から同時に放つ為に通常のバルカン砲よりもオーバーヒートする速度が速くなっており、おおよそ5秒以上でオーバーヒートを起こしてしまう兵器、通称『ケルベロス』

 

 

搭載されているバルカン砲の弾薬である20x102mm弾は1800発分があり、全て機体下部に内蔵されており、全て自動装填される仕様になっており、装填役の兵士を必要としない。

 

 

40mm機関砲と120mm榴弾砲に関しては、自動装填方式と排出機構を取り入れており、40mmの砲弾装填口付近にボックス型の給弾装置が入っており、ボックス内には150発分の40mm機関砲弾が装填されており、発射すると自動的に設置された薬莢回収機に回収される。

 

 

120mm榴弾砲も40mm機関砲と機構自体は一緒であり、砲弾装填口兼排出口である場所にボックス型の給弾装置が付いており、ボックス内には100発分の105mm榴弾が装填されており、排出から装填を自動化していることで人手がいらない。

 

 

このシステムは全て電子機械によって制御されている事で僕が座っている席で気軽に操作することができるのだ。

 

 

「(まぁ・・・少しエンジン面も弄らないといけなくなったけどね?)」

 

エンジン面も含めて全てのシステムと技術を見直さないといけなくなった事でコスト面に大きく負担が掛かってしまうは、保管場所の事情で一機しか改造できない状況になってしまったが、性能面はそれに見合う物となっている。

 

装甲面の強化による防御力向上と武装面の強化による攻撃力の強化を行い、エンジン面とシステム面も弄ることで機動力と火器管制システム向上のすべてを行っているこの機体は、正に『空の悪魔』と呼ばれるにふさわしいであろう仕上がりになっている。

 

「・・・もうそろそろかな?」

 

自分の脳内での解説を行いながら、ポケットの懐中時計の時間を確認すると予定時刻の1分前に差し掛かっていることを確認する。

 

「・・・さて、では取り敢えずは試験運用を頼まれている『ケルベロス』を使ってみるとしようか」

 

火器管制システムであるディスプレイに表示されている武器情報を変更するようにコンソール盤のスティックコントローラーとコマンドを打ち込み使用火器を「『120mm』・40mm・20mm」から「120mm・40mm・『20mm』」へと変更させる。

 

武装変更にコンソールを弄ると同時に耳に着けていたインカムから通信が入る。

 

『こちら、サイレント。パッケージ(目標)を回収しました。これより、サードミッションに移行します。イーグル(AC-130H)には、鷹の眼(対地攻撃)をお願いします』

 

コルネール君も真面目だね、この通信を何者かが傍受しない様に通信の暗号単語を使うなんて。

 

この通信を傍受して解読したところでデーターは消される未来しかないのにね。

 

まぁ、そんな真面目な所が彼らしいと思うけどね。

 

「こちらシャーロック、了解したよ。気のままに鷹の凄さを教えてあげるよ」」

 

 

『・・・はぁ、イーグルお願いしますから専用ワードを使ってください』

 

 

「ははは、分かったよ。イーグル了解」

 

スティックである操縦桿を操作しカメラの映像をズームさせてコルネール君たちがいる場所を見つける。

 

『・・・はぁ、攻撃の合図は基地が爆発した時が合図になります。今自分たちがいる場所は分かりますよね?』

 

 

「心配ないさ。君たちが付けている通信機とバッジ状の装置にはIFF*2機能が付いているからね。間違っても誤射なんてしないよ」

 

カラー画面には、味方を現す水色の枠が複数点在していた。

 

BASE1

TGTHANGAR1

Mi-24D

Mi-24D

SA-22

SA-22

2K22

2K22

TGTHANGAR2

Mi-24D

Mi-24D

SA-22

SA-22

2K22

2K22

TGTHANGAR3

Mi-28

Mi-28

SA-22

SA-22

2K22

2K22

TGTHANGAR4

Mi-28

Mi-28

SA-22

SA-22

2K22

2K22

TGTHANGAR5

Ka-60

Ka-60

BTR-80

BTR-80

HANGAR6

Ka-60

Ka-60

BTR-80

BTR-80

SILENT1

PHOENIX1

PIXIE1

SNAKE1

TGTHANGAR7

T-90

T-90

T-90

T-90

TGTHANGAR8

MiG-29M2

MiG-29M2

MiG-29M2

MiG-29M2

TGTCONTROLTOWER1

SA-22

SA-22

2K22

2K22

TGTCONTROLTOWER2

SA-22

SA-22

2K22

2K22

TGTRUNWAY1

MiG-29M2

MiG-29M2

MiG-35D

MiG-35D

Su-27SM2

Su-27SM2

2K22

TGTRUNWAY2

MiG-29M2

MiG-29M2

MiG-35D

MiG-35D

Su-27SM2

Su-27SM2

2K22

TGTRUNWAY3

MiG-29M2

MiG-29M2

MiG-35D

MiG-35D

Su-30SM

Su-30SM

2K22

 

連絡を貰ったコルネール君たちは基地の表層からIFFの信号が出ており、場所はB区航空機格納庫内からである。

 

コルネール君たち以外のリンクス君たちは基地本部の地下から反応が現れている。

 

BASE2

LEIDEN1

ESCAPE1

ESCAPE2

ESCAPE3

ESCAPE4

ESCAPE5

ESCAPE6

ESCAPE7

ESCAPE8

ESCAPE9

ESCAPE10

ESCAPE11

ESCAPE12

 

IFFのおかげで問題なくみんなのいる場所が把握できている。

 

水色は、自軍と友軍を指し表しており、緑色は敵軍(エネミー)を指しており、その横に表示されている文字は敵軍(エネミー)の兵器機種と赤文字のある四角枠は最優先破壊ターゲットであり、ターゲット(TARGET)の文字を取ってTGTと表示されている。

 

「こっちは、いつでも大丈夫だよ。サイレント君」

 

『了解です。では始めます』

 

味方の位置確認と兵器の使用確認が済んだことで準備が完了したことをコルネール君に伝えるとその3秒後に画面に映っていた「2K22」と「SA-22」の反応が爆発と同時に消失した。

 

それは、コルネール君が言っていた爆発で間違いないだろう。

 

「さて、では始めるとしようか」

 

爆発が起きたことを映像で理解し操縦桿モデルにある人差し指が当たる赤色の引き金を押し込む。

 

すると機体側面にはみ出ている3個連結式6連装バルカン砲「ケルベロス」の砲身がゆっくりと回り始めると徐々にスピードが上がっていき、そのスピードは眼では追えないほどになると連結されている3つの砲身から20x102mm徹甲炸裂弾が一気に数百発も発射された。

 

ギュゥイィィーーンヴォオオォォォォォーー!!

 

発射された数百発の弾丸は滑走路に止まっている戦闘機群に着弾していくと徹甲炸裂弾が戦闘機たちの装甲を貫通すると同時に内部に入っている炸薬が爆発していき戦闘機のエンジン部位や燃料タンクに直撃と同時に引火し破壊していく。

 

発射し続けず、一秒に一回のペースで引き金から指を離して発射すると言ういわば「指切り」という技術を使って弾丸を次々と発射していく。

 

「おや、予想通り部隊が動き始めたね。では、兵装を変えるとしようか」

 

空からの突然の奇襲で動きが遅いかと思われていた戦車と装甲車部隊が動き始める。

 

スティックの親指を当てる部位にある小さなボタンを押し込む。

 

すると画面端に映っている「120mm・40mm・『20mm』」が「120mm・『40mm』・20mm」に変わった。

 

通信機を起動させて基地の格納庫内にいるコルネール君に使用兵装変更の連絡する。

 

「サイレント君、使用している兵装を変えるよ?20mmから40mmに変えるよ。2~3発発射後に120mmに変更するから注意してね?」

 

 

『了解です。40mmはどこに?』

 

 

「ちょうど動き始めた戦車部隊に向けるよ。120mmは2番目の管制塔に向けて発射するよ衝撃に備えてね?」

 

 

『了解です。120mm使用時は連絡をください』

 

 

「了解だよ」

 

コルネール君に返事を返すと同時に40mmを発射する。

 

トンッ!!ヴォオオォーー!!

 

ボフォース40mm機関砲から放たれる徹甲榴弾(APHE)が機動した戦車部隊に向かっていき、戦車部隊の中心にいるT-60の真横に着弾すると同時に榴弾内に入っている炸薬が信管によって起爆し、大きな爆音を響かせる。

 

着弾した場所には大きな土煙と炎を出し、その威力を語っている。

 

トンッ!!ヴォオオォーー!!

 

トンッ!!ヴォオオォーー!!

 

爆発音が響くと同時に連続して砲弾を発射させて周囲にいる戦車部隊を破壊していく。

 

「ふむ、サイレント君。5秒後に120mmを使用するよ」

 

機動し集結し始めた戦車部隊の壊滅を確認し、通信機を使いコルネール君に連絡する。

 

『了解です。5秒後ですね?』

 

 

「うん。5秒後に発射するよ」

 

 

『了解です』

 

20mmや40mmと同じ様にスティックの小さなボタンを押し込み兵装を120mmに変更する。

 

120mmの威力は40mmとは、引けを取らないというより40mmの威力の倍であり、その威力は・・・・・・

 

「5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・発射」

 

発射目標である第2管制塔に向けて引き金を押し込むと40mmの発射音よりも低い音が鳴る。

 

ドッォオン!!ドゴォォオオン

 

着弾した瞬間、40mmの着弾よりも大きな音が鳴り響くと同時にその爆発もキノコ雲の様な大きな土煙と爆炎が

発生する。

 

「上空何千メートルといるところにまで120mmの着弾音がここまで響くなんてね。やっぱり怖いな」

 

煙が晴れると破壊目標である第2管制塔が見る形もなく崩れ去っており、瓦礫しか残っていなかった。

 

「さてサイレント君。あとの動きは任せるよ?滑走路の安全を確保してね?」

 

とは言っても一切援護しないわけではないのでハンガーから出てきた戦闘機類を破壊していく予定ではある。

 

『了解です。ピクシーに設置させた爆弾がまだありますから、滑走路の安全と残存勢力の無力化に入ります』

 

 

「お願いするね。僕も援護するから」

 

 

『はい』

 

 

*1
アンティークゴールド調の懐中時計

*2
IFF




アンティークゴールド調の懐中時計
文字盤がシンプルなローマ数字であり、蓋の表には聖女マリアが彫られており、蓋の裏には製造年月とシャーロックの名前が彫られている。

IFF
軍用機において、敵・味方を識別する装置のことで、特定の電波を相手に向かって発信し、規定の返信があれば味方として、それ以外の反応は敵としてレーダーに表示する。肉眼で確認するよりも早く敵味方の判別をつけられるため、より適切な対処を行うことができる。

Mi-24D(ハインドD)
ソ連のミル設計局で開発された戦闘ヘリコプターである。

SA-22(グレイハウンド)
ロシア連邦で開発された近距離対空防御システムである。

2K22(ツングースカ)
ソビエト連邦が開発した自走式対空砲/ミサイルシステムである。

Mi-28(ハヴォック)
ロシアのM・L・ミーリ記念モスクワ・ヘリコプター工場の開発した縦列複座式攻撃ヘリコプターである。

Ka-60(カサッカ)
ロシアのM・L・ミーリ記念モスクワ・ヘリコプター工場の開発した縦列複座式攻撃ヘリコプターである。

BTR-80
ソビエト連邦で開発された装甲兵員輸送車である。1984年に採用された。BTR-70の改良型にあたる。

T-90(ヴラジーミル)
ソビエト連邦、およびロシア連邦が開発した第三世代主力戦車である。T-72をベースに大幅に改良してより高価なT-80Uのレベルに近づけた戦車で、1992年にロシア連邦軍が制式採用した。

MiG-29M2(ファルクラムE)
ソ連のミグ設計局で開発された戦闘機で、MiG-29の発展型である。第4.5世代、MiG-29Mは4世代++ジェット戦闘機と定義されている。

MiG-35D(ファルクラムF)
ロシアのRSK「MiG」によって開発されたマルチロール機。ロシアでは当機を第4++世代ジェット戦闘機に定義している。

Su-27SM2(フランカー)
ソ連のスホーイ設計局が開発した戦闘機。現在もロシア、旧ソ連諸国や第三世界で使用、改良された本機はアメリカのF-15 イーグルにも匹敵する極めて高い格闘性能や長大な航続距離を誇る。

Su-30SM(フランカーH)
Su-30MKI/MKMをベースとしたロシア国内向けの機体で、ベース機に搭載されていたアビオニクス類 (射出座席、通信/航法システム、IFF等) などの外国製機材がロシア製の最新のものに変更されている。





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第44弾 Assault horizon 前編


長らくお待たせしました。

どうぞ44弾です。




 

シベリア連邦管区 ロシア開発局 中枢深層エリア 第8区通路

 

リンクスSide

 

突然襲ってきた激震が収まり、周囲を見渡しながら後ろにいる少女たちを見ると激震に耐えれずに何人かの少女は地面に座り込んでいた。

 

「・・・・・・収まったか」

 

MK.23SOCOM(vr.CB)を構え直して言うと少女たちの中にいた座り込んだ赤色というよりは、赤に近い桜色の髪の毛をした少女が声を荒げていた。

 

「痛っ!!クソっなんなんだよ、もう!!」

 

突然の激震で尻を強く打ち痛かったのか悪態をついていた。

 

「いたた、ちょっと大丈夫?多由也」

 

多由也と呼ばれる悪態をついていた少女に近づき手を伸ばしながら話しかける金髪ポニーテイルの少女が目に入る。

 

「あぁ、大丈夫だ。ったくよ!!なんなんだ?今の揺れは?いの、分かるか?」

 

いのと呼ばれた少女の手を借りて立ち上がりながら問いかける。

 

※(今後は「いの」の名前は「イノ」のカタカナでいきます)

 

「さ、さぁ?でも普通の揺れ方じゃなかったよね」

 

多由也の問いに戸惑い気味に答えている、いのを視界にいれつつ多由也の問いかけに俺が答える。

 

「・・・・・・AC-130H、通称はスペクターと呼ばれる対地攻撃専用の大型航空機だ」

 

 

「「「「「え?」」」」」

 

 

俺の答えにビックリしたのか気の抜けた声を数人が上げた。

 

 

「・・・・・・今の揺れからして、120mm砲を使ったな。急ぐぞ、此処から出たら攻撃を行った輸送機に乗って脱出する予定だ」

 

 

「えっ!?で、でもこの基地の滑走路には数多くの兵器が配置されてましたよ!?」

 

兵士に蹴られ暴力を受けていた少女に肩を貸していたオレンジ色の少女が声を抑えて聞いてくる。

 

「・・・・・・問題ない、滑走路にある脅威は全て排除しているだろう。その為の攻撃でもあるからな今のは」

 

 

「それでも、ヤバイ数の兵器が置いてあったろ?無事で済むのか?」

 

外の光景を朧気に覚えていたのか数が多かったことを多由也が聞いてくる

 

「・・・・・・俺とは別に動いている他のチームが工作行為をしている、この攻撃もその工作行為が上手くいった合図でもある」

 

そう、120mmによる攻撃が来たと言うことは地上に設置されていた対空兵器群は設置型の爆薬や無力化されたことを意味しているのだ。

 

つまり、あと数分程度で上にいるスペクターが地上に降りてくると言うことになる。

 

「へぇー」

 

その事を聞いた多由也は、曖昧な声で納得していた。

 

「・・・・・・納得したか?なら急ぐぞ、スペクターが来るまで時間がない」

 

 

「まっ、待ってください!!ここを進んだ先に武器庫があります!!そこで私たちの武器を回収させてください!!」

 

先を急がせようと止まっていた脚を動かすと同時にプラチナブロンドの少女が声を出して言ってくる。

 

「・・・・・・武器の回収だと?」

 

確かに武器を持たせた方が自分の身を守れて安全になるかも知れないが、同時に危険でもある。

 

それに、武器の回収と言うことは・・・

 

「・・・・・・自分たちの専用の武器を持っているのか?」

 

少年兵になれる年齢かも知れないが、こんな基地で自分専用の武器を持たせているのか?

 

「は、はい。この基地にいる間は銃などを使った訓練をずっとやってました。私とトリエラも2人は狙撃手を多由也とハナビの2人は偵察兵をイノは尋問兵を紗津希は工兵をひかりは衛生兵をヒナタとヘンリエッタと二代の3人は突撃兵をウオルシンガムとネイトの2人は援護兵の訓練を受けています!!その訓練の際に自分たちが扱う武器もあずかっていました!!ですから!!」

 

 

「・・・・・・お前の名前は?」

 

 

「えっ・・・?っあ・・・照安鞠亜です」

 

名前が次々と出てくるがつまり、このプラチナブロンドの少女が鞠亜と言い、その後ろにいた褐色肌の金髪ツインテールの少女がトリエラ、桜色に近い赤髪の少女が多由也で手を貸した金髪ポニーテイル少女がイノで、黒髪ショートの少女2人がヒナタとハナビであるんだろうな。

 身長差からヒナタが姉でハナビが妹であるだろう、そしてその2人と一緒にいる茶髪のおかっぱ少女がヘンリエッタなのだろう、トリエラとヘンリエッタの2人は、まともな人間とは言い難い体をしているようだな。

 

兵士に蹴られていた薄栗色のショートヘアーの少女が紗津希と呼ばれている子でその子に肩を貸している子で薄橙色のショートヘアーをした子がひかりと呼ばれる少女でその近くにいる大きく巻かれた4つの薄紫色に近い白髪が特徴的な少女がネイトと呼ばれる少女だろう。

 

そして、目つきが鋭い紺色のポニーテイルの少女が二代と呼ばれる子でその子の近くにいる全身機械の体を持った赤髪ロングヘアーの女の子がウオルシンガムと呼ばれる子だな。

 

「・・・・・・なら、直ぐに向かうぞ。ゆっくりしているヒマは無いからな。案内しろ鞠亜」

 

 

「えっ・・・は、はい!!」

 

長いことこの基地にいて訓練もしていたのなら初心者ではないだろうしな、問題ないだろう。

 

リンクスSide out

 

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少し時間が戻り地上

 

 

シベリア連邦管区 ロシア開発局 航空滑走路 第6格納庫

 

コルネールSide

 

BTR-80装甲車

 

スペクターからの地上攻撃が起きると同時に混乱に乗じて格納庫内に置いてあった装甲車一台に全員が急いで搭乗する。

 

運転席に俺が座り、その横の助手席には猴が座り上部に設置されているPKT 7.62mm機関銃にはセーラが、砲塔である2A72 30mm機関砲には要救助者であった人物『BIG BOSS』が操作席に座っている。

 

各部スイッチを操作し異常がないかを確かめ、エンジンキーを捻り回すと停止していたエンジンのバルブが動き始めてエンジン内に空気が入りピストンが激しく動作し始め冷えていたエンジンが徐々に熱くなっていく。

 

「動く準備はOKですね!?」

 

後方にいる2名に確認を取る為に後ろを見ると丁度『BIG BOSS』も砲塔の準備を終えており、セーラも上部の装甲板を叩いて準備完了を知らせる。

 

「それじゃあ、少し派手に外に出ますから踏ん張ってくださいね!!」

 

アクセルペダルをベタ踏みと呼ばれる状態まで踏み込み、一気に停止していた装甲車を走らせてスペクターの攻撃の余波で中途半端に閉まっていた格納庫の扉を無理喰いにこじ開けて出る。

 

一種の弾丸の様に格納庫から出たコルネールが操作する装甲車内にいた者たちが見たのは、突然の攻撃で監視センターを含む管制塔類の指揮を行う重要地点が破壊され指揮系統が機能せず、混乱している兵士たちと攻撃で負傷した者たちを助ける者たちが入り乱れており、攻撃に出る者たちが非常に少ない。

 

「どうやら、予想以上に作戦が効果的だったみたいだ・・・このまま、スペクターが着陸する場所に向かおう」

 

スペクターが降りてくる滑走路に向かおうとハンドルをきろうと回そうとした瞬間・・・・・・

 

『左に避けて!!』

 

銃座にいたセーラから悲鳴に近い大きな声を聴くと同時に背中に冷水を掛けられたように感じた感覚が襲い、セーラが言った方に急いでハンドルを回すと火の玉の様な物が風を切る様に通り過ぎる。

 

通り過ぎた火の玉が、そのまま地面に当たると大きくも小さくもない爆発と土煙が発生する。

 

その正体を確認するまでもないっ!!これは攻撃だ!!

 

それよりも確認しないといけないのは・・・

 

次の攻撃に備えて、車体をジグザグに蛇行運転をする。

 

「戦車2台だ!!」

 

車体を激しく揺らしているにもかかわらず、いつの間にか砲塔を旋回させ砲塔スコープを覗いていた『BIG BOSS』が声を大きくして報告してくる。

 

戦車・・・つまり、T-90戦車だろう。

 

この基地に来る前にデーターを見ているからどう言う性能かは、把握している。

 

「あの戦車は命中精度が高のですが!!次弾装填に2~3秒掛かります!!発射しそうになったら、30mmを奴の砲塔に撃ってください!!」

 

 

「了解だ!!」

 

此方の武装は30mm砲しか有効打になるものがない、だとすると相手を確実に仕留められる瞬間を見極めないといけなくなる・・・

 

「猴、すまないが人員輸送区画に何か有効打になりそうな武器がないか調べてくれないか!!」

 

助手席に座っている猴に呼びかけ、戦車に有効打になる兵器を探すように言う。

 

「は、はい!!直ぐに探してきます!!」

 

返事をした猴は直ぐにシートベルトを外すと素早く動く。

 

「すまない、助かる」

 

 

「よいしょ、急いで兵器を探しますね!!」

 

 

「もう一射くるぞ!!」

 

ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!

 

猴が人員輸送区画に行くと同時に砲塔スコープを覗いていた『BIG BOSS』から報告が来ると同時に先制攻撃を行い始めた。

 

発射された30mm徹甲弾は、3発ほど敵戦車の前面装甲にあたる傾斜型の複合装甲に弾は弾かれるが、1発は旋回部位の胴体の接続部位に着弾し徹甲弾が炸裂する。

 

接続部位の重要機器を破損させたのか大きな火花を発し旋回機能不全を起こしたのがわかる。

 

「そのまま、もう一台の方に牽制射撃をして撃たせないで下さい!!」

 

2台の内の戦車一台は旋回して狙えない状況にしたが、もう一台が無傷の状況のため直ぐに対処してもらう。

 

「了解だ!!」

 

しかし、対処しようとした戦車は、一台目の後ろにおり盾にするかのように走行しており狙えない状況になっている。

 

サイドミラー越しに見ると、砲塔が機能せずに故障した部位から黒煙を吐き出しているT-90一台しか見えないのを確認すると上の機銃にいたセーラが大きな声でもう一台の位置を知らせてくれる。

 

「ピッタリと後ろに付いてる!!」

 

 

「この装甲車で攻撃しても大きなダメージにはならないし、相手の砲塔をもう一回同じ様に機能不能にできるとは限らないし・・・クソっ良い案がないか?」

 

例え、前衛にいる履帯を破壊したところで後衛にいる奴が即追撃をしてくるだろうし・・・

 

「っあ!!あ、ありました!!戦車に効きそうな武器!!」

 

作戦に悩んでいると後部兵員輸送区画に向かった猴から声が上がったのを聞き、顔を後ろに向けて猴が持って来たものを確認すると瞬時に悩みが消え作戦が思いつく。

 

「良し!!猴っ!!弾頭を装填して機銃座にいるセーラに渡してくれ!!」

 

 

「は、はい!!」

 

猴が持っているモノ・・・それは、名前は分からずとも一般人でも映画や漫画などで数多く姿を見てきているモノ・・・・・・

 

簡易的な作りでありながら戦車に有効的な兵器。

 

ソ連が開発した携帯型対戦車用擲弾発射器『RPG-7』を小改良した対戦車兵器である『RPG-7V2』

 

弾頭は、通常弾頭のPG-7VL 対戦車榴弾とは違う対爆発反応装甲用のPG-7VR タンデム対戦車榴弾を装填していた。

 

「えっと・・・炸薬を此処に取り付けて、擲弾発射器に弾頭を差し込んで・・・・・・」

 

猴が覚束無い手で弾頭に炸薬を取り付けて、擲弾発射器に弾頭をゆっくりと装填しているのが声だけで分かる。

 

「そうだ、弾頭を後ろまで思いっきり差し込んだら、弾頭の先にある安全ピンを引き抜くんだ」

 

砲手をしているBIG BOSSが慣れてない手つきで準備をする猴にゆっくりと優しく指示を出しているもが理解できる。

 

「よ、よし!!できました!!セーラさん。受け取ってください!!」

 

炸薬の取り付けから弾頭の装填を終え発射準備が完了したらしく、猴が機銃座にいるセーラに渡す。

 

「まだ、構えないで下さい、ピクシー!!30mm砲で一台目のキャタピラを破損させます!!その隙に脇から出て来るだろう2台目の砲塔付近に弾頭を着弾させて無力化してください!!」

 

 

『・・・・・・了解っ』

 

 

「聞こえましたね!?」

 

通信を切ると同時に後ろにいる砲手を担当しているBIG BOSSに声を大にして聞くと大きく返事してくる。

 

「あぁ!!任せろ、この距離では外したくても外せないさ!!」

 

 

「(上手くいって欲しいが・・・)」

 

作戦は、至ってシンプルなモノであり、砲塔の動かない戦車の履帯を30mm砲の徹甲弾で攻撃し破壊すると同時に戦車を盾にして後方にいる戦車を炙り出た所をRPG-7V2のタンデム弾で攻撃して無力化させると言うものである。

 

そこまで心配しなくても、セーラの持つ颱風の力で弾頭の操作は容易だろうから問題ないと思う。

 

「お願いします!!」

 

 

「あぁ!!そらっ喰らっとけ!!」

 

BIG BOSSが引き金を引くと2A72 30mm機関砲が瞬時に起動し砲身から火が噴き数多くの30mm徹甲弾を放ち始めた。

 

重厚な重々しく響き渡る音を立てながら、発射された30mm弾は戦車の履帯に数発連続して被弾する。

 

ガギャンッ!!ギャリリィィィィ!!

 

金属特有の絡み合う大きな音を立てると同時に地面と擦り合う甲高い音が聞こえてくる。

 

「よし」

 

音が聞こえサイドミラーを見るとBIG BOSSが見事に戦車の履帯を撃ち抜いたことで体勢を崩したT-90は車体が傾きバランスが取れずにいた。

 

「ピクシー!!体制が崩れました!!そのまま貴女から見て左に逸れて行く筈です!!その瞬間に出て来る筈ですので遠慮なく撃ち抜いてください!!」

 

 

『分かった』

 

通信を急ぎ入れて伝えると同時に戦車の車体がスピードを殺しきれずに右に向くと後ろに隠れていた戦車が姿を見せた。

 

『そこッ!!』

 

隠れていた戦車が姿を見せた瞬間、隠していたRPG-7V2を外に出し瞬時に押し込み型の安全装置を押しロック状態からアンロック状態にし照準器を覗き込むとタイミング良く砲塔を此方に向けていたT-90が見え、セーラは迷いなく胴体と砲塔の中間部位に向けて引き金を引いた。

 

ドシュー!!

 

その瞬間、発射器の後ろから大量の後方燃焼噴射ガス(バックブラスト)を噴き出すと同時に前方にも燃焼で発生した白い煙でセーラを一瞬覆い隠しながら放たれたタンデム弾頭は狙っていた部位に直撃した。

 

『OK、無力化したよ』

 

直撃した戦車は、装甲を貫通され内部にいたクルーは死を免れない結果であろう。

 

最悪生きていたとしても戦車を動かすことはできない。

 

「ピクシー。残存勢力は?」

 

 

『見当たらない』

 

眼の良いセーラに戦車以外の地上兵器の類を索敵してもらったが、現状の範囲では見当たらない事を聞き通信を上空にいる教授(プロフェシオン)が搭乗するAC-130H(スペクター)に切り替える。

 

「了解です。此方サイレント。イーグル聞こえますか」

 

 

『此方イーグル、聞こえてるよ』

 

 

「地上勢力の無力化を完了しました。右滑走路に着陸をお願いします」

 

 

『了解。直ぐに着陸態勢に入るよ』

 

教授がそう言うと通信を切り今いる左滑走路から移動する。

 

「さて、こっちはこれで任務完了だね。あとは・・・」

 

ハンドルを動かしてスペクターが来るポイントに向かっていると通信が繋がる。

 

『・・・・・・此方ライデン、ポイントに到着した』

 

 

「了解。右の滑走路にイーグルが来ます。急いでください」

 

 

『・・・・・・了解』

 

 

「あとは警戒して待つだけですね」

 

 

 





と言う事で他作品キャラが参加します。

NARUTOから「多由也」「ヒナタ」「ハナビ」「いの」

リトルアーモリーから「照安鞠亜」「小海 紗津月」「上月 ひかり」

ガンスリンガーガールから「トリエラ」「ヘンリエッタ」

境界線上のホライゾンから「ネイト」「本多・二代」「ウオルシンガム」

が参加しました。

詳細は今後出すキャラ紹介で説明します。



では次回に会いましょう。


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第45弾 Assault horizon 後編


皆さん。明けましておめでとうございます!!

そして、大変申し訳ありません。

ちまちまと書いてはいたのですが、少し気力が出ずに一年も経ってました。

この先もこのようになると思いますが気長に見て頂ければ幸いです。

では…第45弾です。


シベリア連邦管区 ロシア開発局 研究局出入り口付近

 

リンクスSide

 

「・・・・・・了解」

 

コルネールへの連絡を終え、後ろを見て全員に聞く。

 

「・・・・・・準備は良いか?」

 

 

「「「「(コクッ)」」」」

 

先頭にいた鞠亜を含む全員がゆっくりとしかし確実な意思の下に頷いていたのを確認する。

 

「・・・・・・外に出たら手筈通りに進め。足を絶対に止めるな」

 

出入り口から100mちょっと離れた曲がり角に背中を付け見つからない様に覗き込みながら後ろにいる少女たちに言う。

 

「「「「了解!」」」」

 

 

「・・・・・・俺が先行して道を開けていく。遅れるな」

 

そう言い残し上空からの対地攻撃で大騒ぎしている兵士たちに目を向けて電力強化した人工筋肉で接近する。

 

「おいっ!!急げ!!外にある対空砲で上空に飛んでいるヤツを打ち落とす必要があるんだぞ!!」

 

先程の攻撃で崩れた瓦礫によって外に繋がる出入り口が塞がれ指揮官らしき人物が指揮を出しているのを確認すると同時に鞘に入っているムラマサを通常の状態で抜刀してスピードを上げる。

 

「っな!?侵入っ!っがぁ!?」

 

急接近する俺に気付いた指揮官が声を上げて周囲の兵士たちに知らせようとするが突如として飛来してきた物に喉元を突かれてしまい言葉が途切れると同時に後ろに倒れこむ。

 

「「「っ!?」」」

 

突然倒れこんだ指揮官にビックリした部下の兵士たちが振り返り指揮官を見る。

 

そこには、喉元に黒色の物体が突き出ており、口から血を吐いている自分たちの指揮官が目に入る。

 

数秒間程、動きが止まってしまうが直ぐに気を取り戻し警戒態勢に入ろうと態勢を整えようとするが・・・

 

「・・・・・・っは!!っふ!!」

 

 

「っぐあ!?」「ぎゃあ!!」「脚がぁ!!かひゅっ!?」「がはッ!?ぐッ!?」

 

指揮官を見て動きが止まった事により容易に距離を詰めることができたリンクスは、瞬時に態勢が整っていない兵士たちの急所をムラサマブレードで切り裂き確実に無力化(殺害)していく。

 

一人は銃ごと腹を切り裂き上半身と下半身を分離させる、一人は両腕を切り落とし鳩尾に拳による強烈な一撃(内臓破裂レベル)を与える、一人は片足を切り落とし態勢を崩した所を首を切り落とし、一人は投擲されたムラサマブレードが心臓に突き刺さり後ろに倒れる前にムラサマブレードを引き抜かれ壁に蹴り飛ばせる。

 

この工程を約0.5秒で殺り遂げており殺られた兵士全員は何がされたのか理解する前に命が絶たれていた。

 

「・・・・・・(来い)」

 

オーグメントモードを起動し周辺に敵がいないかを確認し、後方にいる鞠亜たちに向けて手信号(ハンドサイン)を送り安全であると知らせて此方に来させる。

 

「「「『っ!!』」」」

 

 

「これは!?」

 

徹底的に無力化された敵兵の姿を見て彼女たちは、嘔吐まではいかずとも顔色が悪くなり声が出ていた。

 

「・・・・・・いくぞ」

 

彼女たちの反応を見ても気にせず出口付近に向かう。

 

「・・・・・・オーグメントモード」

 

瓦礫によって塞がっている出口に向けてオーグメントを起動させる。

 

 

                                 

---Урал-4320(ウラル-4320)多目的オフロードトラック ×2輌

 

 

---UAZ-3151多目的小型軍用車輌(オープントップ仕様) ×3輌

 

 

---武装した兵士(AN-94・MP-442・RPK-74・PKP ペチェネグ) ×34名

 

 

 

「・・・・・・多いな」

 

出口付近に待機している兵士たちの数を見て急ぎ通信を開く。

 

『・・・・・・此方、ライデン。イーグルに支援要請』

 

 

『此方、イーグル。そろそろだと予想していたよ。入り口付近の兵士含め小型車両を攻撃すればいいんだね?』

 

 

『・・・・・・あぁ。トラック一台だけ残してくれればいい』

 

 

『了解したよ。少し揺れると思うから、気を付けてね』

 

 

『・・・・・・了解』

 

通信を切り、入り口から少し離れ、後ろにいる女の子たちに声をかける。

 

「・・・・・・全員少し、しゃがめ。」

 

 

「「「?」」」

 

突然言われた皆は、不思議そうな顔をしながらもゆっくりと身を屈めた。

 

「・・・・・・少し揺れるぞ」

 

 

ズガガガガガ!!

 

 

強烈な音とそれに連動する様に揺れ動く地面。

 

 

「きゃっ!」「うわっ!?」「くそっ!?」

 

身を屈めていた彼女たちもビックリし各々声を小さく出して驚いている。

 

「・・・・・・」

 

皆が驚いている中で俺は、ゆっくりとオーグメントモードで外の状況を確認する。

 

 

---Урал-4320(ウラル-4320)多目的オフロードトラック ×2輌→1輌

 

 

---UAZ-3151多目的小型軍用車輌(オープントップ仕様) ×3輌→Lost

 

 

---武装した兵士(AN-94・MP-442・RPK-74・PKP ペチェネグ) ×34名→Lost

 

 

オーグメントモードによる情報を確認すると目的である車輌以外を全て排除している事が分かり、入り口に近づく。

 

「・・・・・・流石だな」

 

素直にシャーロックの腕前を称賛しつつ瓦礫に塞がれた入り口の前に立つ。

 

「・・・・・・入り口を開けたら右側にあるトラックに乗れ。運転は全員できるな?」

 

少女たちも直ぐに気を取り戻して入り口前まで来たことを確認し問いかける。

 

「えぇ。一応全員運転できるわ」

 

 

「・・・・・・了解だ。行くぞっ!!」

 

ムラサマブレードを目にも止まらぬ速さで引き抜き、塞がっている道に向けて8連続もの斬撃を放つ。

 

その斬撃は、その速さによって一時的に赤熱した線として*と□を合わせた様な形に入り前方に吹き飛び入り口が開いた。

 

「・・・・・・よし、行け!!」

 

 

『っ!!』

 

引き抜いた刀を手に持った状態で指示を出し、後ろに待機している彼女らを先にオフロードトラックまで走り抜けさせる。

 

トラックとの距離は、おおよそ20mと遠くもなく近くもない距離であり、走り抜けば数秒で辿り着けるほどである。

 

自分たちの使い慣れた武器を持った状態でトラックまで各々走り始める中で怪我を負っている小海と肩を貸している上月が少し出遅れているのがわかる。

 

「・・・・・・急げ!!」

 

手を貸してやりたいのは山々だが、周辺の警戒をしている事で手を貸すことができないのである。

 

照安は運転席に行きエンジンを掛け、多由良は助手席に乗り込み、ヒナタとハナビ、イノは後部貨物に乗り込み、小海と上月の後方を警戒し、ネイトが後部貨物に乗らずに2人が到着するのを待機して、トリエラとヘンリエッタが車体の右側を警戒し、本多とウオルシンガムが車体の左側を警戒している。

 

その動きは、訓練してるだけあって素早く動けており粗い部分も多くあるが、十分に動けているのが理解できる。

 

このまま、訓練を続けていけばすぐにでも使える人材になるほどの人材であると思われる。

 

オーグメントモードと周辺の気配を探っていた事もあり、一通りの動きを見て感心する。

 

「(鍛えれば使えるな・・・)」

 

 

「「きゃっ!!」」

 

思考を照安に向けていると体力の限界に来ていた小海が瓦礫に躓いてしまい、肩を貸していた上月を巻き込み地面に倒れてしまった。

 

トラックにいた彼女たちにも見えており、焦りが表れて見える。

 

「紗津月っ!!ひかりっ!!」

 

状況を見ていたネイトが呼び掛けると同時に駆け抜ける。

 

「・・・・・・っち!!・・・っ!?」

 

リンクス自身も動こうと体を向けた瞬間に起動していたオーグメントモードにレッドアラートが鳴り響く。

 

WARNING(警告)!!》《WARNING(警告)!!》《WARNING(警告)!!》

 

「っ!!」

 

リンクスSide out

 

--------------------------------------------------------

 

敵兵Side

 

「っぅっぐ!!」

 

目が覚めたら目の前に映ったのは、いつもの通りの平和で退屈な日常の背景とは程遠い…襲撃者によって建物は崩れ落ち炎に包まれ、仲間たちは四肢欠損して死んでいる者、内臓が飛び出て死んでいる者が多くいる状況……

 

まさに東洋で使われている言葉で言う死屍累々。

 

「っぅ・・・はぁっ・・・!!・・・はぁっ・・・!!」

 

視線を腕に向けると右腕が無くなっていることに気づく。

 

気付くと同時に激痛が走り始めるが、その痛みを歯を食いしばり我慢しつつ、悲鳴を上げている体を無理やり動かして起き上がり、周囲に生存者がいないか見渡す。

 

しかし、先ほども言った通り周囲は既に死屍累々の状況である・・・生存者なんてものは見渡す限りでは確認できない。

 

「っくそ・・・!!」

 

見渡す限り見えてくるのは・・・

 

死体死体死体死体死体死体残骸死体死体死体死体残骸死体死体死体死体残骸死体死体死体死体死体死体残骸死体死体死体死体死体死体残骸死体死体残骸死体死体死体死体死体残骸死体死体死体死体死体死体残骸死体死体死体死体残骸死体死体死体死体死体死体死体死体残骸死体死体死体残骸死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体

 

「・・・はぁっ!!・・・はぁっ!!」

 

発狂してもおかしくない状況であるが生き残りがいると信じて意識をつなぎ留めながら周囲を見渡す。

 

「・・・・・・!!」

 

耳鳴りが酷い耳に何か声が聞こえてくる。

 

「誰・・・っだ!!」

 

出せない声を振り絞りつつ声を出しながら周囲を探す。

 

「・・・・・・・・・!!」

 

どこからか声が聞こえる筈なのに見つけられないことに焦りを感じ始める。

 

しかし、それも直ぐに焦りから途方のない怒りに変わった。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・!!」

 

何故なら声のする方向を見つめると其処にいたのは、侵入者である者と一緒に逃げる被験者たちであった。

 

研究所の規則として命令外で外に出た場合は、即刻命令違反者として射殺命令が出ている。

 

味方の兵士数人が見当たらない時点で裏切り者であると理解した。

 

「っ!!・・・・・・殺してやる!!」

 

動かすのもやっとの体を動かし近くに設置されていたZU-23-2*1に向かう。

 

ZU-23-2の砲塔に近づき敵の航空支援で受けたダメージで起動しなくなった電子機器で作動しなくなった自動旋回システムを手動で動かし射角を無理やり合わせ、弾薬を装填するチャンバーワイヤーを引き座席に乗り込み、片手で安全装置を外し照準を目視で合わせる。

 

「っ!!・・・・・・仲間・・・の仇・・・だっ!!」

 

黒い強化外骨格を身に纏った少年がこっちに気づいたのか振り向き向かってくる。

 

「っ死ねぇ!!!!」

 

向かってくる少年(襲撃者)にお構いなしに砲弾を発射するレバーボタンを押し込む。

 

23x152㎜BZT徹甲弾が連続で発射された。

 

「っは!!・・・・・・ハハハ!!」

 

ザガァンッ!!ザガァンッ!!ザガァンッ!!ザガァンッ!!ザガァンッ!!ザガァンッ!!

ザガァンッ!!ザガァンッ!!ザガァンッ!!ザガァンッ!!ザガァンッ!!ザガァンッ!!

ザガァンッ!!ザガァンッ!!ザガァンッ!!ザガァンッ!!ザガァンッ!!ザガァンッ!!

 

「ハハハ!!・・・は?・・・うぇ?」

 

機関砲を連射していて気分が高揚していて気付かなかったが発射された砲弾が狙った場所とは違う所で着弾していることに気づいた。

 

砲身の向き照準は問題なく迫ってきている少年(襲撃者)に向いている挙句には発射されている砲弾の弾道も問題なく少年(襲撃者)に向いている。

 

「・・・ぅ・・・うあっぁあ゛!!」

 

此方が問題あるのではない。少年(襲撃者)に問題があったのである。

 

なんと少年(襲撃者)は、方法がわからないが飛来してきている砲弾をすべて弾き返しているのだ。

 

それも後方にいる被験者どもに当たらない様に角度調整して弾き返しているのである。

 

「・・・ッこの!!・・・・・・バケモンがぁぁ!!」

 

それを理解してしまった瞬間、高揚していた気分が一気に冷め、恐怖に埋め尽くされた。

 

変わらず発射ボタンを押し込み続けているが状況は変わらずにいる。

 

足を止めるどころかスピードが徐々に上がっている気がする。

 

「ッくそぉぉお!!」

 

自分との距離が20mを切るかと思った瞬間、紅き閃光が見えると同時に視点が暗転した。

 

 

敵side out

 

 





ZU-23-2

ガス圧作動方式の2門の23㎜口径の2A14機関砲をZPU-2後期型の二輪と三脚を備えた砲架に搭載した低空防空用牽引式対空機関砲である。
第二次世界大戦後にソビエト連邦が開発した対空機関砲であり、1950年代後半から開発が始まり、1960年に制式採用された兵器。
初期型は照準機構は手動で行っていたが、改良型は電動旋回機構が搭載されZAP-23光学機械式照準器に目標情報を入力することでより正確な対空射撃を行うことが可能であるほか、T-3対地射撃用照準器に付け替えることで地上の歩兵や軽装甲車両を攻撃することも可能になる。
初配備が1960年でありながら、未だに現役として数多くの国で使用されている。


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原作前:Void of sky bird‐虚空を翔ける鳥-
第46弾 Su-47 Беркут



第46弾です。

今回の話は専用用語が多いので後書きにて簡易的に説明します。


シベリア連邦管区 ロシア開発局 航空滑走路 対空兵器残骸付近

 

 

リンクスSide

 

あのまま撃たせていたら危ないところだった。

 

後方にいる救助者を考えると早急に片付けないと被害を食らっていたところだ。

 

奴が放った砲弾をムラサマブレードを振って地面に落ちてるコンクリートの瓦礫を此方に被害を来ない様に調整して弾き飛ばすことで被害をゼロにすることができた。

 

ZU-23-2を破壊して周囲を警戒していると滑走路方向からAC-130H<スペクター>(イーグル)特有のターボプロップエンジン音が聞こえてきたことから通信を開き、救助者たちが乗るウラル-4320多目的オフロードトラックに設置されている通信機に回線を繋ぎ運転手含めた全員に聞こえるように連絡する。

 

「・・・・・・エンジンを掛けて、イーグルに向かえ!!」

 

 

『えっ!?ですが!』

 

運転席にいた照安が返事を返してくるが、そんな事で言い合う暇はない!

 

既にサイレントたち(コルネール達)は滑走路におり、いつでもスペクターに乗れるようになっている。

 

しかし、こっちはまだ研究所入り口前にいる状況だ。

 

今から出ないと流石に間に合わなくなるのだ。

 

 

「・・・・・・構わない!こっちはどうにかする!急げ!!間に合わなくなるぞ!!」

 

 

『ッ!!わかりました!!』

 

言葉を強く言う事で直ぐにトラックのエンジンを掛け滑走路に向かって走り出した。

 

エンジンを掛けてすぐにアクセルペダルをベタ踏みしたのだろう、タイヤが数回転地面を滑って走り出した。

 

「・・・・・・さて、どうしたものか」

 

ZU-23-2の残骸付近で少し考えているとバイザーを下ろしていた事もあり、オーグメントモードによる自律型思考AIシステムとして派生進化したプログラムが起動する。

 

------システムを起動します。

 

 

「・・・・・・ん?」

 

 

------お久しぶりです。マスター

 

 

「・・・・・・システムの最適化とインストールは終えたのか?」

 

任務に就く前に突如表示されたオーグメントモードにシステムの向上として全システム最適化とインストールを行うという通知が来たことで許可をした。

 

それにより、先ほど全てのシステムの最適化を終えたようだ。

 

------はい。全て順調に終えました。マスターに必要のあるシステムやデーターの最適化を行い全てを統一化しました。これにより、今まで以上の戦闘のサポートを行えます。

 

 

「・・・・・・助かる。それと再起動して直ぐにすまないが、イーグルに追いつける方法はあるか?」

 

 

------了解です。戦術的サポートシステムを起動。全ての可能性を考慮した計算を開始・・・・・・完了。最も有効的で可能性の高いモノを提示します。

 

前々からシステムが色々と独自進化していたのは、何となく察していたがここまでの大幅な進化とは驚きだ。

 

システム音声的には、男性ではなく女性的な音声だ。

 

「・・・・・・頼む」

 

 

------では、提示します。付近をスキャンした結果ですが、第2格納庫内にステルス性の高い機体が確認されました。

 

 

「・・・・・・機体?それもステルス性の高い?」

 

 

------はい。この距離でも確認できるのはステルス性の高い機体としか述べられません。

 

 

「・・・・・・了解。なら確認できたという機体の所まで行くとしよう」

 

 

------了解です。最短ルートでナビゲートします。格納庫到着まで1分です。

 

 

「・・・・・・了解」

 

ナビゲート通りに進むとしよう。

 

『此方、イーグル。要救助者と救助者を確保したよ。そちらはどうだい?』

 

走ること一分、目的の格納庫前に到着すると同時にイーグルから通信連絡が届く。

 

閉まりきっている格納庫扉を自前の人工筋肉を使い一気にこじ開け、格納庫内に佇む一つの機体を確認しながら応答する。

 

「・・・・・・ライデンだ。そのまま離陸して構わない。レーダーで確認できないほどのステルス性を持った航空機・・・ステルス戦闘機だと思われる機体を確認した。これに乗って空で合流する」

 

 

『了解したよ。空で待っているよ』

 

そう言い通信が切れると同時に自律型思考AIに問いかける。

 

「・・・・・・それで、此奴は動くか?」

 

 

------はい。ここまで接近できれば全体スキャンが可能になりました。スキャンした結果。いつでも飛行可能であると言えます。

 

 

「・・・・・・そうか。まさかこんな形でお見えになるとはな」

 

そこに佇んでいるのは黒いシルエットをした特徴的な機体・・・・・・

 

ロシア連邦にあるスホーイ設計局が提案した第5世代ジェット戦闘機にあたるS-32の概念実証機にして自社予算(プライベート・ベンチャー)で開発された。前進翼にカナード・尾翼を備えるという奇抜な構成を採用され作られた機体。

 

Su-47 Беркут(ベールクト)

 

「・・・・・・さて、乗り込むか」

 

 

------了解です。Su-47の操縦マニュアル説明しますか?

 

開いているキャノピーに飛び移り、コックピットに乗り込むと同時にAIから操縦マニュアル説明を必要か聞かれ直ぐに返事を返す。

 

「・・・・・・頼む」

 

 

------では、手順を説明します。

    まず。HUD近くにるバッテリーのスイッチをonにしてください。

この時に火災報知器はちゃんと動作しましたか?

 

座席内にある数多くの機器を見つつ視界内にハイライトされているスイッチをオンにすると右端にある警告ランプらしきものがオレンジ色に数回点滅し始めた。

 

「・・・・・・あぁ。作動している」

 

 

------では、次にAPU*1の電源スイッチを入れてください。

    入れましたか?では、座席左側にある右スロットルを1段階上げてエンジンの出力を上げてください。

 

 

「・・・・・・了解」

 

同じくハイライトされたスイッチを入れると数個の機器に光が付き始めると同時に指示通りに右エンジンスロットルであるスロットルレバーを少し前に上げるとエンジン回転数を表示するRPM計*2の右エンジンの数値が、ゆっくりと上昇していき出力数値が25まで行くと数値がピタリと止まる。

 

------確認できました。では、各計器のスイッチを入れて左エンジンの出力も右エンジンと同様の出力まで上げてください。

 

 

「・・・・・・上がったぞ」

 

 

------では、APUをoffにして酸素供給機器*3の電源をonにしてください。

    確認できました。機体各部位の状態確認も完了です。

 

「・・・・・・燃料計、大気速度計、マッハ計、ADI*4ならびに各計器問題なし」

 

 

------了解です。各計器オールグリーン、機体状態も全て問題無いことを確認しました。いつでも発進可能です。

 

 

「・・・・・・了解。なら発進する」

 

キャノピーを閉じるスイッチを押したことで開いていたキャノピーがゆっくりと閉まっていくのを確認すると同時にエンジンスロットルを上げると機体後方のジェットエンジンが大きく唸り始める。

 

------マスターのバイザーとマスクをこの機体と同調させます。

    バイザーは、HUD*5システムと簡易兵装選択システムをインストールしました。マスクの方は高高度での酸素供給システムとしての酸素濃度の調整をしています。

 

その報告を聞くとバイザーの画面に変化が起きGEC広角型HUDシステムが表示されていた。

 

「・・・・・・助かる」

 

視界の真ん中には、進行方位情報・スピードメーター(速度計)エンジンスロットル(スロットルゲージ)ピッチスケール(角度表示メーター)ウィスキーマーク(機首方角印)ターゲッティングスケール(標的距離表示計)ALT(高度表示計)などの標準的なHUDシステムと同様に左下の端に索敵用のミニマップが右下の端には機体に搭載されている各兵装一覧と機体シルエットが表示される。

 

ゆっくりと動き始めるSu-47を格納庫から出し速度を変えず、そのまま滑走路に向かう。

 

「・・・・・・今更だが」

 

 

------なんでしょうか?

 

 

「・・・・・・AIとして進化したのならば、名称が無いと不便だと思ってな」

 

 

------名称ですか?

 

 

「・・・・・・あぁ」

 

 

------どのようなものに?

 

 

「・・・・・・Autumu(オータム)だ。秋を意味する」

 

 

------オータムですか?了解です。個別認証としての名称はオータムとして登録します。

 

 

「・・・・・・良いのか?」

 

 

------はい。素敵な名前です。ありがとうございます。

 

 

「・・・・・・そうか」

 

素直に感謝されるとむず痒いな・・・

 

 

------マスター、滑走路に到着しました。

 

 

「・・・・・・了解。各部位のチェックも終えている、すぐに飛ぶ」

 

 

------了解です。戦術ニューラルネットワークをハッキングしました。付近を飛ぶ航空機はいません。いつでも行けます。

 

 

「・・・・・・了解、リンクス。出撃する」

 

ゴォォォォォォ!!

 

スロットルレバーを全開に押し込んだことで、2基の推力偏向ノズル型ターボファンエンジンから青色の炎が出始めると機体が一気に加速する。

 

「・・・・・・っぐ!!」

 

一気に加速することで体に強烈なGが掛かることで声が漏れるが、そのGに耐えつつ機体を空に上げる。

 

------無事に空に上がれましたね。進路そのままで高度を6000mまで上昇後、スピードは1200でイーグルに向かいましょう。

 

 

「・・・・・・了解」

 

 

*1

*2
RPM計

*3
酸素供給機器

*4
ADI

*5
HUD





・APU(Auxiliary Power Unit=補助動力部)
 主動力系統が機能していない状況で機械を動作させる為の補助エンジン。
 本来の動力系統と同じ仕事を行えないが内部の電子機器(アビオニクス)に電力供給することのできる。
 何故か詳しく(*_*;

・RPM計
 航空機用のタコメーターの様なものであり、エンジンの回転数を表示する機器。
 雑な紹介( 一一)

・酸素供給機
 高高度でのパイロットへの酸素を供給する機器である。
 外すと危険( ゚Д゚)

・ADI(Attitude Director Indicator=姿勢指示器)
 航空機に搭載されている航空計器の一つであり、人工水平儀と呼ばれる機体が水平になっているかを表示してくれる機器。
 機器に問題が発生すると計器が荒ぶるぞ!(-ω-)/

・HUD(Head Up Display)
 人間の視野に直接情報を映し出すシステム。
 FPSゲーム(CODやBF、Crisisなど)のゲーム画面の様に情報を投影するような感じ。
 航空機の場合は、スピードや高度などといった情報であるが( ゚Д゚)

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ではまた次回にお会いしましょう!


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第47弾 First Contact(無情なる戦い)


|д゚)

|д-)

|д☆)/




ロシア領 シベリア連邦管区

イルクツール州内 中央軍管区 第14航空防空軍基地

航空作戦ブリーフィングルーム

 

???Side

 

そこには、数多くの人間が席に座り一つのモニターを皆が見ていた。

 

「さて、ブリーフィングを始めるぞ」

 

モニター横に立っていた男性が差し棒を手に持ちながら声を出す。

 

「現在確認できているのは、イルクーツク州上空にて所属不明機であるAC-130型の一機が我が国の最重要施設である開発局を襲撃し、挙句その仲間と思われる者が逃走用として試験開発されていたSu-47を奪い逃走中とのことだ」

 

画面に映されているのは、AC-130とSu-47の2機が投影され飛行ルートが表示されている。

 

「同志たちがいる開発局は無事なのか?」

 

席に座っている者たちの一人が挙手しながら発言する。

 

「現在確認できる情報では生存者は不明だ」

 

説明していた者が発言すると同時に周囲の者たちが一気にざわつく。

 

「おいおい!嘘だろ!?そんな少数で基地にいた同志たちが殺られたのか!?」

 

 

「これが現在、衛星で確認できる状態だ」

 

モニターに映し出されるのは襲撃された開発局の映像であった。

 

管制塔は半ばからへし折れ崩れ落ち、開発局である棟は数多くの穴が開き各所から黒煙が立ち込めている。

滑走路も三本中一本以外は利用不可能レベルでボロボロで全ての格納庫から兵器が破壊されたことで炎上し黒煙が立っているのが映し出された。

 

「「「っな!?」」」

 

 

「我々、第14航空防空軍所属の第204連隊と第308連隊の2連隊はこれより、襲撃された開発局に向かい救出活動を行う」

 

 

「待ってください!逃亡した者は!」

 

 

「そちらの対応は、貴官らの後ろにいる第764戦闘機航空連隊所属の独立支援航空小隊『テルミナートル』が対応する。我々はMi-26T(ヘイローF)を4機とil-76(イリューシン)を4機の救出用航空機と航空警戒の為にSu-35Sを8機とMi-24スーパーハインドMkⅢの2機を派遣する」

 

指揮官の言葉にブリーフィングに呼ばれた兵士たちが『テルミナートル』と呼ばれた人物らに目を向けるが、そこにいることを確認すると直ぐに正面の画面に姿勢を戻す。

 

「いいか!現地に到着次第、Il-76とMi-26Tに搭乗した兵は救助活動を行い、重傷者を優先的にil-76(イリューシン)に乗せるようにし、軽症者はMi-26T(ヘイローF)に乗せて、この基地に搬送するようにする」

 

 

「Mi-24スーパーハインドMKⅢ2機とSu-35S4機は開発局の周囲警戒を行い、残りのSu-35S4機はIl-76とMi-26Tの搬送警護として動いてもらう」

 

 

「第204連隊と第308連隊は準備を開始しろ!」

 

 

Дa!(了解)

 

指揮官に返事をすると第204連隊と第308連隊は席を立ちあがり退出していく。

 

部屋に残っているのは、第764戦闘機航空連隊の隊員4名だけになる。

 

 

「『テルミナートル』諸君には、このブリーフィングで説明しよう」

 

 

『OPERATION NAME』                     『ALL ENEMIES』

BLIND SPOT(見えざる姿)》                        AIR(TGT):1

『ORERATION OBJECTIVE』                   GROUND(TGT):0

《作戦目的:Su-47の撃墜とAC-130Hの確保》            NAVAL(TGT):0

『DATE/TIME』

《2003年4月12日水曜日1524》

『AREA』

《ブラーツクとイルクーツク州上空のアンガラ川周辺》

『SKY CONDITIONS』

《Stormy》

『CLOUD COVER』

《Overcast》

 

               

 

「奴らは、この表示されたいる通りのルートを現在飛行している。確認できているのは、開発局を攻撃したAC-130Hと盗まれたSu-47の2機だけだ。両機の機体には特殊塗装が施されたステルス性が高い機体になっている。AC-130HはアメリカのF-22ラプターに匹敵するステルス性を持ち、Su-47も同様にアメリカのF-22に対抗するために開発されたことでそのステルス性は非常に高い」

 

 

「その為、Su-47に対抗ができるのは、グレイ少佐・・・貴女が持つ『レディアントシルバー』だけになるが問題ないか?」

 

グレン少佐と呼ばれた人物は、白銀に煌めく艶のある長髪と妖艶な雰囲気を持つ女性であり、指揮官の言葉に微笑みを浮かべて答える。

 

「えぇ。問題ないわ」

 

 

「そうか。なら期待している。貴官らの準備が完了次第、作戦開始とする」

 

指揮官はそう言うとミッションが記載されている書類を一つにし手に持ちブリーフィングルームから退出していく。

 

「はぁ・・・」

 

足音が遠のき聞こえなくなったことを確認するとグレン少佐は小さくため息をついた。

 

「タイミングが悪すぎるわ」

 

 

「そうですね。こればかりは私たちの運の無さに呆れてしまいますね」

 

グレン少佐の隣に座っていた青紫色の長髪を持つ女性も同じくため息を吐く。

 

その女性は、長身で出るところが出て引っ込む所は引っ込んでいる美人系の女性で『戦闘飛行部隊テルミナートル』の情報戦専用機Su-30SM2レドーム搭載機[フランカーH2]のパイロット「ルスラン・アルミヤ」階級は中尉。

 

「全く、長期任務を終えたばかりだと言うのに…」

 

 

「ルスラン中尉、今回の任務が終わったら、部隊全員に1週間の休暇をとれるように申請しといたわ。休暇ぐらいゆっくり過ごしましょ?」

 

 

「そうですね。その為にも無事に任務を終えて帰還しましょう。少佐」

 

 

「そうね。さて、私たちも出撃準備にかかるわよ!」

 

 

Дa!(了解)

 

皆が無事に帰還する様に意識を切り替えてブリーフィングルームから退出していく…

 

それがロシア軍内で見る『テルミナートル』の最後になるとは、誰も思いもせずに

 

 





情報戦専用機Su-30SM2レドーム搭載機[フランカーH2]

今作のオリジナル機体です。

長距離探知レドームタイプではなく、中距離探知レドームであり、主に部隊の電子戦サポート機で敵戦闘機を先制攻撃する為に開発された試作型戦闘機。
レドームを搭載していることで飛行距離の低下とステルス性がオミットされている改良の余地が多い機体。

武装は従来のSu-30SMと同タイプである。


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