東方狂気録 (朱月 律架)
しおりを挟む

第一期 絆
第一話 貴女のために。


初めての投稿です。
うち間違いが多いかもなのでその辺は勘弁してください(私、視覚障害ありまして、そのせいです、)


__どうして貴女は私のそばにいてくれるの?__

冷たい地下室に響いたのは、そんな小さな声。

声の主は、狂気の妹、フランドール・スカーレット。

そして、彼女の視線の先には、銀髪の小さな従者。

見た目は、五歳前後。瑠璃色の瞳で前述のとおり銀髪。その銀髪はこの紅魔館の主要な従者たちと同じこめかみ辺りからの三つ編み。それを、古びた金色の鈴をつけた紅いリボンで留めている。服装はメイド服。

そんな姿に明らかに不自然な所がある。

それは、フランと同じ異形な翼。そして、口端から覗く未発達な牙である。

そう、彼女は吸血鬼なのだ。

 

_紅月 葎佳(こうげつりつか)

それが彼女の今の名前だ。

 

「え?,,,どうされたのですか?」

主の突然な質問に葎佳は驚いた。

「,,,」

主からの返答はない。

,,,しばらくの沈黙。

葎佳は、何かを察し、主のもとへ近づく。

「お嬢様が私を拒絶しないからです。」

優しい声で静かにそう告げる。

どうやら、安心したようでフランはほほぅっとため息をつく。

 

フランは思い出していた。

葎佳が何故、自分の従者になったのか。

 

「お嬢様も思い出していたのですか?」

そんな主の様子に葎佳は、思わず問う。

「うん。「も」ってことは、貴女も?」

「はい。あの時は本当に大変でしたから。」

二人は、そんな話をしながら出来るだけ思い出す。

 

二人が出会ったのは、もう三百年程前になる。

館の前に捨てられていた葎佳_当時はレイナ・バレンタインと名乗っていたが_をレミリアに拾われた。

それからメイドとして働くうちにフランに出会った。

二人はそれからすぐに打ち解けた。

いつしか互いに信頼し会う相棒のようになっていた。

それをみたレミリアがもしかしたら上手くいくかもと、葎佳にメイドとしてではなくフランの親友として暮らすことを提案した。

だが、彼女が首を縦に振ることはなかった。

そこで、レミリアは葎佳をフランの専属メイドにした。

彼女の名はその際フランが与えたものだった。

 

さて、話は戻り現在。

二人は、回想をやめ今日の予定について話し合っていた。

そこに、ノックの音がして、レミリアの声がする。

「フラン?入るわよ。」

その一瞬あとに扉が開き、レミリアが入ってくる。

「あら、お姉さま。どうしたの?」

「あら?何かないと可愛い妹に会いに来ちゃいけないかしら?」

挨拶代わりの会話。

一見フランが姉であるレミリアを嫌っているようた言葉だが、実際は真逆。

葎佳にとってそれは、とても羨ましい光景であった。

 

葎佳には、二人の姉がいた。

だが、彼女は会ったことがない。

知識として知っているだけ。

生まれてすぐ、実の家族に捨てられて、その後は、心優しい少女に育てられた。

だが、少女はすぐに病気で死んでしまった。

それから葎佳は、災いを招く娘と言われ、忌み嫌われてきた。

そして、吸血鬼であると発覚し殺されることになった。

誰も悲しまなかった,,,ただ一人、少女の母親を除いては,,,

そして、葎佳が逃げ出せたのはその母親のお陰だった。

 

「痛っ,,,」

ふと、痛みで意識が戻ってきた。

額を指で弾かれたらしい。

「ぼーっとしてどうしたの?らしくもないじゃない」

そこには、館のメイド長、十六夜 咲夜が少し心配そうに自分の顔を覗き込んでいる姿があった。




はい。今回はここまで。
さて、ここまで読んでくださってありがとうございます。
初めてでしたがどうでしたでしょうか?


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二話 義姉妹

このハイペース更新。
暇なら勉強しろやw
そんな感じでゆっくり読んでいってください


「ぼーっとしてどうしたの?らしくもないじゃない」

心配そうに自分の顔を覗き込む咲夜に少々驚きつつ、

「いえ、少し考え事をしていました,,,すみません。すぐ仕事に戻ります。」

咲夜は気づいていた。葎佳か何を考えていたのか、何を思っていたのか。

 

葎佳はいま、329歳である。

人間でいえば、その見た目通り五歳前後だ。

いくら三百年メイドをしていようと、まだ甘えたい盛りの子供である。

そのためか彼女がメイド服を着ていないとき、館の面々は彼女にとって家族のような存在となる。

咲夜、レミリア、フランは姉。

美鈴(メイリン)とパチュリーは、母親

順々にみていこう。

 

まず、咲夜。

彼女は、まだ一人で眠れない葎佳と毎日一緒に寝てやる。生活リズムが似ているため結構一緒にいる。

仕事の時は「メイド長」と呼ばれているが、それ以外では、「咲姉」とか「やくやお姉ちゃん」と呼ばれている。

 

そもそも、咲夜は人間だった。

いや、勿論今も人間であるが、極少量葎佳の血液を投与されたため、寿命は吸血鬼とほぼ同じだ。

 

次にレミリア。

彼女は、時折話し相手になってやる。

葎佳からは「お嬢様」もしくは「お姉さま」と呼ばれている。

 

次はフランだ。

彼女が一番長く葎佳と一緒にいる。

そのため大の仲良しである。共通点も幾つかあるので本当の姉妹にも見える。

「お嬢様」もしくは「お姉ちゃん」と呼ばれることが多いようだ。

 

続いて美鈴。

彼女は、葎佳がやって来た頃のメイド長であり、葎佳に礼儀作法から戦闘まで、色々なことをおしえた。

やらに、葎佳は何かあるとまず、彼女の所へ行く。

呼び方は、「美鈴」である。

 

最後にパチュリー。

彼女は、魔法、教養を教えた。

よく、相談に乗ったりもする。頼れる母親的たち位置。

呼び方は「パチュリー様」か「先生」。

 

葎佳にとっては、数少ない、自分を愛してくれる者。

だからこそ心配はかけたくないと思う。けれど、まだ、幼いため、上手くいかない。

そんなとき、フランは葎佳を自分の部屋で一緒に寝かせたりする。

その時は必ず子守唄を歌ってやる。

一つしか知らない子守唄を,,,。

 

フランは、思う。いや、フランだけではない。

咲夜もレミリアも美鈴もパチュリーも、皆思っている。

たとえ、血が繋がっていなくても、種族が違っていてもいい。それでも、家族でいられるのだから。

 

「今日は、みんなで一緒の部屋で寝ましょうか。」

そんなレミリアの一言で、皆同じ部屋に寝巻き姿で集まった。

 

種族も年齢も立場もバラバラな家族。

でも、誰にも負けない、深い深い絆で結ばれた家族。

だから、みんな心から思う。

 

 

,,,,,,幸せだ。と,,,,,,




なんか最終回みたいだけど全然ちがぃすよ。

とりあえずここまで読んでくださってありがとうございます。
良ければ感想など残していただけると幸いです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三話 瑠璃色の瞳

謎のハイペース更新。
今回から若干複雑なのかも知れません。
下手くそだからそうなるのも仕方ないと、思ってください。


ある日の紅魔館 咲夜の部屋

 

一日の仕事を終え、咲夜と葎佳は部屋へ戻っていた。

そのためいまの二人は仕事仲間ではなく姉妹である。

咲夜が口を開く。

「ねぇ、葎佳?幾つか聞いてもいいかしら?」

「何?」

「ずっと気になってたんだけど,,,貴女って吸血鬼よね?」

「うん。なんで?」

「なんか、お嬢様達とは、なんか違うなって。」

「あぁ、それは,,,私が純血の吸血鬼じゃないから。だから咲姉に拒絶反応出なかったでしょ?」

 

葎佳が吸血鬼として特異な点を説明して行こう。

 

 

1、瑠璃色の瞳。

2、吸血鬼でありながら吸血鬼に支えている。

3、異形な翼。(これはフランもだが)

4、まともに吸血できない。

5、弱点が少ない。

6、二重人格。

 

まず1。これは本人が言った通り彼女が純血の吸血鬼でないためである。

具体的には、吸血鬼と妖狐のハーフである。これが彼女が捨てられた一番の理由だ。

続いて2。これは単純に葎佳がフランの従者であることを望んだからだ。

3は、葎佳が捨てられた理由の一つ。

_劣等遺伝_

4は、まだ牙が未発達ため血管まで牙が刺さらないからである。

5、6は1と同じ理由だ。

6が出てくるのは、彼女が自分を保てなくなったとき、酔ったとき、寂しくて仕方がないとき。

どんな人格なのかは、後々わかるだろう。

 

「と言うことらしいです。ここに来たときにパチュリー様が色々調べてくださって。」

「でも、姉がいたって言うのは?」

「これ。」

彼女が咲夜に見せたのは、いつも服のしたに隠しているペンダント。

「ん?」

「この飾りのところに彫ってある紋章。ここから私がどこの一族なのか特定したみたいで。」

そういって、うつ向いてしまった。

「えっと,,,ごめんなさい。なにかいけないことを聞いてしまったみたいで,,,」

すでに涙目の葎佳を咲夜は慌てて抱き締める。

そして、優しく髪を撫でてやる。

「咲姉は、悪くないよ。」

気を使わせまいと震え声ではあるが言う。

「いいなぁ。葎佳は綺麗なストレートで。私は癖っ毛だから羨ましいわ。」

流石に少し不自然であるがそれでも、これ以上この話題はもう、したくはなかった。

 

「私は咲姉が羨ましいよぉ。大人っぽいし、美人さんだし、頭いいし。」

「そこまで言われると照れるわね。本当にほめるの上手ねぇ。」

そんな話をして二人で笑う。

幸せな一時。

「そろそろ寝ましょうか。明日も早いし。」

「うん!」

 

そうして二人はベットへ入り込む。

すべすべした二人の肌が触れあう。

抱き合っているので互いの吐息が掛かるほど近い。

はじめの頃は首筋に吐息が掛かり少し不安だったが、毎日一緒に寝ているためもうなれてしまった。

そんな感じで何気に葎佳を溺愛している咲夜であった。




はい!
ここまで読んでくださってありがとうございます。
ご飯食べてきます。(知らんがな)
では、感想くれるとうれしいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第四話 お土産話

どーも。
少しペースが落ちました、
私の入ってるサークルのメンバーがここにかきはじめた様です
ではでは、ゆっくり読んでいってください。


「ただいま。戻りましたぁ。」

従者が帰ってきたことを知らせる声にフランは慌てて出迎えに行く。

「お帰りなさい。休暇は楽しめたかしら?」

土産話への期待に紅い瞳をキラキラさせて尋ねる主人に葎佳は笑顔で応える。

「はい。久々に梨里鼓(りりく)にも会いました。」

梨里鼓というのは彼女の親友 響野 梨里鼓(ひびきのりりく)のことである。

「荷物おいたら部屋に来て!色々話聞かせて頂戴。」

「解りました!」

 

_数分後_

 

葎佳は地下室の扉をノックする。

「どうぞ。」

主の返事を待って扉を開ける。

「失礼します。」

フランはベットに腰かけていた。

「おいで」

葎佳の姿を確認するとフランは自分のあしをぼんぼんと軽く叩いて、膝の上に座るように示した。

その意図を読み取った葎佳は、隣にスッと腰かけた。

「ノリが悪いわねぇ。素直に従えばいいのに。」

「,,,流石にそう言うのは,,,その,,,」

頬を赤らめてもじもじする葎佳を見てフランは笑う。

「あはは 葎佳はほんと照れ屋さんねぇ。大丈夫よ誰も来ないから。」

「そんなに笑わなくてもぉ,,,」

頬を膨らませる葎佳。

「ごめんごめん」と言いながら頭を撫でてやるフラン。

「それで?休暇はどうだったの?」

「とりあえず博麗神社に行きました,,,

 

***

 

巳の刻

葎佳は博麗神社へ到着した。

巫女の霊夢は出掛けているようであった。

「梨里鼓?いる?」

呼び掛けると聞きなれた声が帰ってきた。

「はいはい。上がってって」

飾りっ気のない黒い日傘をたたみ中へ入る。

居間に梨里鼓がいた。

「おぉ。相変わらず地味な普段着ね。あ、そっちに座って。」

梨里鼓は葎佳の着ている紺色のワンピースを見て言った。

「動きやすいのよ。それに、あいにく私はファッションに疎くてね。」

言いながら梨里鼓の示した所に座る。

「お土産要る?私が作ったお菓子。」

「おぉ、気が利くじゃん。」

彼女は差し出された袋を受け取った。

「これを、お茶請けに古茶でもゆっくり,,,」

梨里鼓が立ち上がったとき誰かがやって来た。

「すみませーん。」

「お、タイミングいいわね。上がってちょうだい。」

やって来たのは、虎島 真理(こじま まり)二人の友達で命蓮寺の毘沙門天代理の代理である。

「あれ?葎佳さんも来てたのですか,,,こんなことならお土産多めに持ってくればよかったですね,,,」

真理は梨里鼓に手土産の包みを渡しながらいった。

「私もお土産持ってきてるから平気だと思う。」

「そうですか。」

真理が葎佳の隣に座る。

そのとき、玄関から声が聞こえた。

「だれかいるよね?お邪魔するよ。」

入ってきたのは青沢 すずめ(あおさわ すずめ)

地底にすむ蜘蛛女。

これでいつも集まる四人が揃った。

「梨里鼓ー。これお土産ー。」

包みを渡してそこら辺に座る。

梨里鼓はお茶を淹れに台所へ行く。

暫くして梨里鼓が四人分のお茶を運んできた。

彼女の顔には苦笑いが浮かんでいた。

「どうしたんですか?」

真理が尋ねる。

「あんたら,,,手土産が全員おはぎって,,,どんだけ仲良いのよ。」

達かにお茶と一緒に運んできた皿には、山積みのおはぎがあった。

 

それ以外は特になにもなく時が過ぎた。

葎佳はふと懐中時計を見る。

「あら、そろそろ帰るわ。」

「あ、私も,,,葎佳さん途中まで一緒に行きましょうか。」

 

***

「,,,そうして帰ってきました。」

話終わって ふぅ。とため息をつく。

「ふーん。そう言えば今日って咲夜の友達が泊まりに来るらしいけど、葎佳もその子達誘ってパジャマパーティーしないの?」

「え?あぁ、そういえばそうですね,,,。今度誘ってみます。」




今回若干長かった気がします。
あとほぼオリキャラというw
これからは一日に一話あげれたらいいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第五話 幼き薔薇に優しい水を

どーも。
今日も頑張ります!
あと、一日一話は無理そうです。
では、ゆっくり読んでいってください。


いつもの紅魔館。

けれどいつもと違う紅魔館。

地下室に客人がいた。

_古明地 こいし

第三の瞳を閉ざしたサトリ。

 

「それではごゆっくり。」

紅茶とケーキを運んできた葎佳。人見知りのためすぐに部屋を出ていった,,,その直後

「あの子の薔薇,,,枯れちゃいそう,,,」

こいしは小さく呟いた。

「え?何か言った?」

聞き返すフラン。

「えー?私何か言ったかなぁ?」

どうやら無意識だったようである。

「ねぇ。フランちゃん。さっきの子って人前で泣いたことある?」

唐突な質問。

「え?んっと,,,,,,多分ない,,,かな。どうして?」

「なんで、人や妖怪は泣くと思う?」

「んー,,,分かんない。なんでかしら,,,」

「それはね、薔薇にお水をあげるためなの。」

「薔薇に?」

「うん。みんなの心にはね薔薇があるの。だからそれを枯らさないようにお水をあげるの。涙は心のお水なの。」

「うん,,,。」

「でもね、ただ、涙を流すのじゃダメなの。」

「じゃあ、どうするの?」

「自分のために泣くの。本とか読んで感動して泣くんじゃなくて。寂しいとか、嬉しいとかそういうの。」

「薔薇が枯れるとどうなるの?」

「お姉ちゃんが心読めなくなるの。」

「ん,,,?もう少し分かりやすく,,,。」

「えっと,,,心を閉ざしちゃったりとか存在が薄淡になったりとか,,,」

「,,,,,,」

「だからね、あの子,,,葎佳ちゃんの薔薇が枯れそうなの。ほんとは泣きたいのに、無意識で無理矢理押さえてるの。でも、泣きたいのも無意識なの。無意識が喧嘩してて私の能力じゃもう駄目みたいなの,,,。フランちゃん,,,葎佳ちゃんを助けてあげて!でないと私やお姉ちゃんみたいになっちゃう,,,」

必死に訴えるこいし。

戸惑うフラン。

「でも、どうしたらいいの,,,?」

「無意識を,,,心を,,,完全に開ければ,,,」

それから、二人とも黙ったまま,,,。

どれくらい経っただろうか,,,フランが口を開く。

「そうか,,,あの子はずっと,,,ここに来てからも、ここに来る前も,,,全部独りで背負い込んで生きてきたんだ,,,」

確かに彼女の辿ってきた人生を考えれば,,,,,,。

 

_生まれてすぐ捨てられて,,,心優しい少女に拾われて

少女が死んだ辛さ,,,忌み子として受けてきた仕打ち,,,助けを求めても誰も助けることはなくて,,,

命からがら逃げ出して,,,

孤独に耐えながらやっと紅魔館にたどり着いて,,,

メイドとして働きはじめて,,,レミリアやフランの為に毎日必死に頑張って来た,,,。

 

そんな彼女のためになにができるだろう,,,何をしてやれるだろう,,,

「よし。やってみよう,,,。こいしちゃん!」

「ほえ?」

「ちょっと手伝って!」

__そして、二人の妹は動き出した,,,。

大切な者を守るために,,,,,,。




はい!
ここまで読んでくださってありがとうございます。
こいしちゃんを出してみましたが如何だったでしょうか?

感想など残していただければ嬉しいです!
ではでは、また次回!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第六話 作戦会議

長らくお待たせしました!
色々考えていたら遅くなりました。
なにはともあれ
ゆっくり読んでいってください。


「,,,という訳なの。お姉さま何か方法はないかしら。」

先程までこいしと話していた事を姉に話すフラン。

その表情はいつになく真剣そのものだった。

「そうね。何か方法,,,。」

レミリアは考える。

考えて,,,考えて。

しばらくして口を開く。

「なかなか難しいわね,,,。心のことならいい知り合いがいるしその子も呼んで考えてみまし

 

_2日後_

 

葎佳に案内されてやって来たのは、地霊殿の主。

古明地さとり。

心を読むことのできる彼女なら 何か分かるのではないかという考えである。

そのために、葎佳に案内させた。

そうすることで怪しまれずに心を読むことができるからだ。

「お嬢様、お客様をお連れしました。」

「ご苦労様。下がっていいよ。」

部屋にはフとレミリアがいた。

葎佳は一礼して部屋から出ていった。

 

葎佳の鈴の音が完全に聞こえなくなるとさとりが口を開いた。

「話は妹から聞きました。従者思いなのですね。」

「まぁね。それで、わ子の心を読んでみてどう思った?」

レミリアの質問に少し考えるさとり。

二人にも分かりやすい表現を探しているのだろう3。

「そうですね,,,。基本的には仕事のこと、特にフランさんの事を考えているようです。そこまではいいんですが,,,。」

さとりの表情が曇る。

それをみてフランも不安げな表情になる。

「気になることは2つ。まず、考え方に精神の成長が追い付いていないこと。これは、まぁそのうちになくなってゆくでしょう。しかし、もう1つが心配なのです。,,,,,彼女の心の奥の方から計り知れないほどの強い感情を感じるんです。悲しみとも寂しさとも取れる感情。誰かに頼りたい気持ちを必死に我慢するような感情,,,。」

そこまでいうとさとりは黙ってしまった。

何かを迷っているようである。

「どうしたの?何か言いづらいこと?」

レミリアの問いかけに頷くさとり。

「あの子のような子を過去にも見たことがあります。そういった子はみんな、もう手遅れのことが多かったので助けられないことが多かったのですが、あの子ならまだ助かる筈です。過去に助けられた事例をお話しします。

あの子のようになる子には共通点があります。それは,,,その,,,みんな実の家族に捨てられたり早くに死んでしまったりして母親からの愛を充分に受けていないんです。」

葎佳も生まれてすぐに捨てられている。過去の例と同じだ。

「助けられる子に共通するのは、みんな人見知りするんですよ。それも一番信頼している誰かの後ろに隠れたいというものです。葎佳んはまさにそその例に当てはまるんです。一番信頼しているのはフランさんのようです。

そもそも人見知りするということは、誰か信頼を寄せ近くにいると安心できるからこそ、その後ろに隠れて相手を観察し、その相手が自分にとってどんな存在なのかを観察できる訳です。」

「それじゃあ今なら助けられるの?」

不安な表情が少し明るくなるフラン。

「それで?肝心の助ける方法は?」

「それは、ただ1つ,,,,,,」

 

_彼女の心を完全に開くこと。

 

「なんだか曖昧ね。具体的にはどうしたらいいのかしら。」

「それは、必ずしもこれでいいという正攻法がないので何とも,,,。ですが彼女の性格を考えて、有効なもので一番簡単なのは、いままでよりも共に過ごす時間を増やすことだと思います。」

 

そうして葎佳を助けるために,,,運命は動き出した。




ここまで読んでいただいてありがとうございます。
今回はすこし長かったような気もします。
さとりんが難しかったです。
良ければ感想を残していただけると嬉しいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第七話 二人の時間~葎佳目線~

「お疲れさま。」

日課の鍛練を終えて地下室へ戻ってきた私にご主人様は声を掛けてくれた。

 

二日ほど前レミリアお嬢様が突然、私の仕事内容を変更なさった。

以前よりもご主人様といる時間が伸びたのだ。

,,,別に不服ではない。寧ろ嬉しいくらいなのだが,,,やることが急に無くなった感じがする。

仕事内容の変更に伴って部屋も変わった。

場所はご主人様の部屋の右隣。

扉で直接ご主人様の部屋へといくこともできる。

,,,問題があるとするならば、怖い。

そう,,,一人で寝るのが怖いのだ。

昔、悪夢に魘されてから一人で寝るのが怖い。

しばらくはご主人様と一緒に寝ることになったが、ご主人様に迷惑は掛けたくない。一人で寝る練習も始めなければ。

 

ふと、美鈴お手製の修行着のままだったことに気づいてご主人様に着替えに行くと伝え、自室へ入る。

中華風の修行着からいつもの黒いメイド服へ着替える。

鈴つきリボンでツインデールにしていた髪をほどきいつもの髪型にする。

いくら幼くても私はメイド。これくらいは出来なくては困る。

_そう,,,私は、いくら幼くてもメイドなのだ。甘えは許されない。_

「これでよしっと!」

服を整えてご主人様のもとへと戻る。

 

私はご主人様が大好きだ。

優しくて、聡明で、強くて、自分の意見をしっかり持っていて,,,。

時々、狂気に支配されたようになるけれど、それも今ではだいぶ落ち着いて来ている。

対して私はどうだろう?

特に何かあるわけでもなく、不安定な自分をコントロールできなくて、ただご主人様に頼っているだけじゃないだろうか?

,,,ただ、甘えているだけじゃないか。

そんな私が、ご主人様に釣り合うような,,,ご主人様にぴったりな従者と呼べるだろうか?

_答えは、否。

そんな私をご主人様は好きだと言ってくれる。

傍に置いてくれる。

だから,,,こんな私でも精一杯お仕えするのだ。

 

「葎佳?なにぽーっとしてるの?」

「え,,,あ,,,申し訳ありません。どうされましたか?」

「別に,,,ただぼーっとしてたから、なにかあったかなって。」

「そうですか,,,。」

「私、嘘とか隠し事は嫌いよ?それに、長い間一緒にいたんだもの,,,なにかに悩んでる事くらいは判るわ。」

やはり。と言うべきだろうか?

昔からそうだ。ご主人様には私の事はお見通しなのだろう。

「,,,あの,,,私は,,,お嬢様に相応しい従者なのでしょうか?私は,,,その,,,まだまだ未熟ですし,,,。」

そんな風に言う私の頭をご主人様は優しく撫でてくれた。

そして、ゆっくりと話始めた。

「未熟でもいい,,,怖がりでも、弱虫でもいい,,,ただ、私の傍に居てくれる貴女が好きよ。,,,それに貴女は自分のことを未熟だと言った。満身してしまえばそれで終わりだけれど貴女はそうじゃないでしょう?向上心があればどこまでだって良くなれるわ。」

優しい言葉に泣きそうになってとっさにうつむいた私をご主人様は優しく抱き締めてくれた。

温かくて優しくて何処か懐かしい匂いがした。




お待たせしました!
ここまで読んでいただいてありがとうございます。

今回、自分で書き終わって見てみたらなんともネガティブな内容になっていて慌てて手直ししました。

良ければ頑張る書いていただけると幸いです。
それではまた、次回。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第八話 こんこん亭

どうも。
今回は何となくあいたときに書いたので色々と適当です。



_居酒屋 こんこん亭

白狐(びゃっこ)という妖狐が営む不思議な店。

来る客は多種多様で稀に外の人間もやって来る。

 

そんな店に今宵も人妖が集ってくる_

 

「油揚げ~。あと焼酎~。」

 

開店早々やって来たのは、半分狐の吸血鬼、今宵は、尾が五本ある妖狐の姿で登場。

紅月葎佳。

 

「あら、珍しい。休み?」

「長期休暇の後輩と飲み。一応休み。」

「あぁ、そう、はい、焼酎と油揚げ。焼酎水割りで良かったわよね?」

「ありがと。」

「最近どう?」

「最近?まぁほぼちぼちかな。」

 

_ガラッ

 

「こんばんわ~」

 

やって来たのは紅月の後輩、長期休暇最終日の前夜を迎えた 緋月葎佳(ひづきりつか)。

 

「おぉ、来た来た。」

「先輩お久しぶりです。あ、取り合えず芋焼酎お湯割りで。」

「あいよ。」

「14歳の癖に。」

「見た目幼女の先輩に言われたくないです,,,って今日は幼女じゃない,,,?」

「まぁね。狐だとこの見た目が正しいの。種族の差があるからさ。」

 

緋月の言う通り今目の前にいる彼女の姿は15歳前後。

また、白狐もそれくらいだろう。ただ、髪型がボブのせいか、やや幼く見える。

 

「お二人は同い年なんですか?」

「違うよ。りっちゃんの方が5つ下。まぁ、そんな変わらんけどさ。」

 

焼酎を手渡しつついう白狐。

んなと所に今度は、策士の九尾。八雲藍 登場。

なんで今宵はこんなにも狐がやって来るのか。

 

「あら。藍さん。珍しいね。注文は?」

「日本酒と油揚げで。,,,はぁ。」

「藍さま、やけ酒はほどほどに,,,って私が言えたこと者ないか。」

「はい、日本酒と油揚げ。話くらいなら聞くよ?」

「あぁ、ありがとう。,,,おや?あの時の人間じゃないか。この前は巻き込んで済まなかったな,,,。」

 

緋月に気づいてそう言う藍。

 

「さてと,,,何やらまた異変が起こりそうでな,,,。今回は多分,,,紅白の巫女も白黒の魔法使いも動けなそうなんだよ。紫様も下手をすれば動けないかもしれん,,,。」

 

少女達思考中,,,

 

「「「え!? 」」」

 

少々沈黙。

初めに口を開いたのは紅月。

 

「それって,,,誰が異変解決するのよ,,,」

「さぁな,,,。その時になってみないとなんとも,,,たただ,,,今回の異変で動けるのは上級の動物由来性妖怪だけになるだろう。」

 

呆然とする少女達。そんな状況でも、その時は残酷に,,,無慈悲に,,,刻一刻と迫ってきている,,,。

少女達はこの危機的状況をどう切り抜けるのか,,,。

 

_後に獸化異変と呼ばれるこの異変で動けるものは

紅き妹の狗 紅月葎佳

策士の九尾 八雲藍

こんこん亭店主 望月白狐

死体運搬のプロ お燐

命蓮寺の狸 二ツ岩マミゾウ

というなんともバラバラな面々である。




はい。
次から異変に入りますので
じっくりと練り上げて書くので更新が遅くなります。
ついでに私情でも更新が遅くなります(主にテスト)。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第九話 君がいないと~フラン目線~

注意
今回は、異変のお話ですが、異変には殆ど触れません。
もし、異変解決を読みたい方はお知らせくだされば、番外編として出します。


私は、館の窓から外を眺めていた。

私の頭には本来有るべきでは無いものがあった。

,,,ウサギの耳。

 

_遡ること五日。

突然、私達館の住人に獣耳が生え、弱体化した。

天狗の新聞によれば館だけでなく幻想郷各地で同じような現象がおこっているらしい。

 

そんな中、異変の影響を受けなかった者達が居るようだった。

それは、力の強い妖獣達。

その中には、半分が妖狐である葎佳も含まれていた。

 

葎佳は慌てて異変解決へ向かった。

 

_すぐに解決して戻って参りますから、安心して待っていてくださいね。_

そう言い残して,,,。

 

それからもう五日も経っている。

でも、葎佳は、まだ帰ってこない。

その間、私の身の回りの世話は美鈴がやってくれている。

 

「妹様、そろそろ夜が明けます。お部屋でお休みにならないとお体に障りますよ。」

「わかったわ。」

 

美鈴と共に地下室へ向かう。

ベットに入ってから美鈴に問いかける。

 

「葎佳,,,遅いけれど大丈夫かしら。」

「きっと大丈夫ですよ。あれでもあの子はかなり強いですから。それに,,,,,きっと、もうすぐ。」

 

そう言ってから美鈴は部屋を出ていった。

最後の「もうすぐ」 という言葉が妙に引っ掛かる。

いつもなら隣に葎佳がいて、お互いの体温が伝わってくるはずのベットの中で,,,今日は,,,いや、今日も独り。今までだって、独りのことはあった筈なのに、なんだかとても寂しく感じる。ふと、葎佳がいつも言っていた言葉を思い出した。

 

_いいですか。主従関係のなかで「主」は「従」が傍にいなくても自由に動くこも存在することを出来ますが、「従」は「主」がいなくてはなにも出来ないんです。これを忘れないでくださいね。_

 

この言葉は、間違っている。

今になって、そう思った。

あぁ,,,情けない,,,使用人が一人、いないだけじゃないか。

そんなこと、今までもあった筈なのに、どうしてここまで寂しいんだろう。

そんなことを考えていたら扉が開く音がした。

そちらを向くと、そこには、服はボロボロになり身体中血まみれの葎佳がいた。

彼女からは、なんとも言えないような、強烈な死臭が漂っていた。

これ程までに「死」というものに近い姿を見たのは、生まれてはじめてだった。

 

「すみません。起こしてしまいましたか?着替えを忘れてしまって,,,着替えたらまたすぐに解決に向かいますから。」

 

そう言って彼女は優しく微笑んで、自室へ入っていった。

もう一度、あんなにも死に近づけば、彼女は生きて帰ってくるか分からない。

彼女を無くしたくはない,,,

でも、彼女は止めたって聞かないだろう。

それも判っている。

 

いま、私に出来るのは、葎佳を信じて待つことだけだ。

 

_それから、三日の時が過ぎた。

あれから葎佳は、すぐにまた出ていった。

美鈴の言っていた言葉は、あのとき葎佳が着替えにくることを意味していたのだろうか。

本人に聞いても、途中ではぐらかされてしまって真相はわからないままだ。

「妹様。」

 

美鈴が起こしにきた。

その姿は、昨日までとは違っていた。

 

(獣耳が,,,消えてる?)

 

慌てて自分の頭に手をやった。

やはり、ウサギの耳は消えていた。

異変が解決したのだ。

美鈴が部屋を出ていったあとすぐに、再び扉が開いた。

そこには、葎佳がいた。

三日前ほど強烈な死臭はしなかったけれど、やはり少なからず死臭が漂い、身体中血まみれでやっとのことで立っているようだった。

 

「ただいま戻りました。」

 

弱々しくそう言った彼女の姿を見て何故だか涙が溢れて止まらなくなった。

それを見て、葎佳はふらふらと近づいてきた。

私の所まできてまるで安心したように倒れそうになった。

慌てて抱き止めた私に何か言おうとして、そのまま力尽きたように眠ってしまった。

 

「やっぱり私は、葎佳がいないと何にもできないよ。

だから,,,もう、私の傍からいなくならないで。」

 

眠っている葎佳にそっと呟いた。

勿論、本人には、聞こえていないだろう。




はい。
ここまでです。
どうでしたかね?
一応、狂気録は、ここまでです一段落。
今度上げるなら、第二期ですかね?
どちらにしても暫くはお休みになります。
良ければ感想をください。。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二期 過去
第十話 酒と従者と歓迎会


_(^^;)ゞ遅くなってすみません。
思ったより下書きを時間が掛かりました。
今回は、台詞が多いです。
なので誰が話しているか分かりにくいので台詞の前に其々の名前の頭文字をつけます。


~紅魔館 咲夜の部屋~

 

??「失礼しまーす。」

 

入ってきたのは、薄紅色の長髪の少女。見た目は12歳くらいでよく似合う薄ピンクのギンガムチェックの寝間着姿だった。

彼女の名前は緋月律佳(ひづきりつか)。紅魔館に一年半程前にやってきた人間の少女だ。

 

咲「いらっしゃい。もうみんなそろってるわよ。」

律「すみません。」

小「私たちが早く来すぎただけですから気にしないでください。それにしても可愛い寝間着ですね。」

美「緋月ちゃんっぽくてよく似合ってるよ。」

律「あ、ありがとうございます。」

 

今宵は緋月の新人研修が終わったので歓迎会を兼ねて第五十九回紅魔館従者の集いをすることになったのだ。

メンバーは、

門番 紅美鈴

司書 小悪魔

メイド長 十六夜咲夜

特殊部所長 紅月葎佳

そして、今回から参加 緋月律佳

である。

この集まりには、幾つかの決まりがある。

一つ、幹事は当番制。

二つ、幹事の部屋集合。

三つ、寝間着集合。

四つ、酒必須。

五つ、盛り上がれ。

_紅魔館主要従者心得より抜粋_

では、寝間着の紹介を。

まずは、美鈴。薄緑でどこか中華風。そのデザインのお陰か美しい体のラインがより強調されている。なんかエロい。

続いて小悪魔。ゆったりとしたデザインの黒いサテン生地のワンピースで裾や袖口に暗い紫色のレースがついている。

ゆったりとしたデザインなのに体のラインが美しく強直され美しくも妖しい。

さてさて、お次は咲夜。清潔感溢れる薄い青色のシンプルな寝間着。胸の辺りが少しキツそうだ。

最後に葎佳。紺色の咲夜以上にシンプルなデザインの寝間着。それでいて、彼女の姿は三日月のように儚げで美しくそして妖しく見えた。これが吸血鬼という種族のちからなのだろうか。

 

美「好きな所に座って。」

咲「それ私のセリフよ。」

美「えへへ。ごめんなさい。」

律「そういえば、皆さんお仕事大丈夫なんですか?私は元々休みですけど。」

葎「私以外はみんな明日は半休よ。今夜もお嬢様から許可を取ってあるから。私は明日は絶対に休めないけどね。」

美「ん?あぁ、もうそんな時期なのね。何年目になるんだっけ?」

葎「えーっと,,,三百十年目だよ。」

咲「二人とも,,,私たちにも解るように説明してくれないかしら?」

美「あ、ごめんごめん。葎佳。」

葎「はいはい。了解,,,。明日は私がフランお嬢様の『飼い狗』になった日なの。だから明日はお嬢様のお傍にいる約束になってるの。毎年ね。」

咲「あぁ、そっか。葎佳は『飼い主』が違うんだったわね。」

律「そうなんですか?」

美「うん。初めは同じだったんだけどね。」

律「凄く気になります。」

葎「「はいはい。話はあと!乾杯しましょ。」

咲「そうね。美鈴はウィスキー、緋月ちゃんは焼酎でこあと私はワイン。葎佳は持参だったわね?」

葎「流石!」

律「あ、ありがそうございます。」

小「オーケーで~す。」

美「それじゃあ,,,」

「「「「「乾杯!」」」」」

 

全員酒を一口飲む。

 

律「先輩のそれってブランデーですか?」

葎「ん?そだよ?,,,匂い嗅いでみ?」

律「ん,,,。血の匂い,,,ですか?」

葎「うん。少しだけ混ぜてるの。こうでもしないと命に関わるからね。」

律「大変ですね。」

葎「もう慣れたわ。」

 

ー従者飲酒中,,,ー

数分後、皆がほろ酔いになってきた所でふと緋月がこんな話題をふった。

 

律「皆さんは何故ここで働いてるんですか?特に咲夜さんは人間ですよね?」

咲「気になる?」

律「はい。」

咲「別に話してもいいけど。でも、その前に私は先輩方の昔話を聞きたいわ。」

 

咲夜がニヤリと笑って見せる。それはまるでいたずら好きの子供の様だった。

 

葎「だったらやっぱり美鈴からでしょ。」

小「さんせー」

 

二人も便乗。こちらもニヤニヤしている。

 

美「えー,,,。」

葎「ねー。おねがーい。」

 

葎佳の必殺技、上目遣いのおねだりをした!

美鈴にこうかはばつぐんだ!

 

美「はぁ。,,,仕方ないな,,,。(この小娘はほんとに,,,)それじゃあ。」

 

美鈴は、コホンと咳払いをして話始めた。

 

*****

 

いまから五百数年程前に修行の旅をしている娘がいた。

娘は武術に長け、更に不思議な気術を操るいう。

そんな娘は、ある時西洋の小さな町で吸血鬼退治を頼まれた。

心の優しい娘は、依頼を快く引き受けた。

そして、娘は吸血鬼の館へと向かった。

館は森の奥に建っていた。

 

「誰がいないか?!」

 

門前で大きく呼び掛ける。

すると,,,中から腹の大きな若い女性が出てきた。

女性の背には大きな漆黒の蝙蝠の羽の様な翼があった。そこから解るように彼女が吸血鬼なのだろう。

 

「私は、吸血鬼退治た頼まれてここまで来た。紅魔館はここで合っているだろうか。」

「えぇ。合っているわ。私がこの館の当主、ブランシェ・スカーレットよ。」

「なんだか矛盾した名前だな。私は、紅美鈴(ホン・メイリン)よ。」

 

そして二人は無言で身構えた。

美鈴の構えは、中国拳法特有のもの。

対してブランシェは、身を低くした彼女のオリジナルの構え。

 

ドォン!

 

遠くの方から雷鳴が鳴り響いた。

それが、開戦の合図とばかりに二人は、同時に走り出す。

____________

とあれからどれ程経っただろうか、壮絶な殴り合いから一転。今度はブランシェが空へと舞い上がり遠距離戦へと変わっていた。

いつの間にか激しい風雨が二人を 包んでいた。

先程の近距離戦では美鈴が優勢であったが今度は雨による視界の悪さのせいもあってブランシェが優勢であった。

だが、美鈴の表情は笑っていた。同様にブランシェの方も笑っていた。二人とも楽しんでいた。ひ久しぶりに自分と互角に渡り合える者に出会ったから愉快でたまらなかったのだ。

だが、そろそろお互い疲れが見えてきた。

 

「次で決着を着けるっ!」

「そうね。それなら全力でお応えしましょう。」

 

美鈴は全身の筋肉に緊張を走らせて、そして気を最大限に溜める。

ブランシェは、魔力、妖力を最大限に引き出すようにして、避けるでも受け流すでもなく、受け止める動作をした。

美鈴はそれを見て強く地を蹴った。




ふぅ。
遅くなりました。
やっと第二期ですよ。

ここまで読んでいただいてありがとう御座います。
感想とかください。。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十一話 龍の娘と純白の吸血鬼

一ヶ月も放置しててすみません。
テストやら文化祭やら持久走の練習やらで忙しくて、開いた時間にちょこちょこやってたんですが。


美鈴が目を覚ましてまず目に入ったのは、先程まで本気でぶつかり合っていた相手の紅の透き通った瞳だった。

 

(あぁ、自分は負けたのだな,,,)

 

ぼんやりとそんなことを思っていると、

 

「引き分けだったわ。決して貴女が負けたわけではない。」

 

微かに、しかしはっきりと聞き取れた。

 

_二人が全力でぶつかった瞬間、周囲には凄まじい衝撃波が伝わった。

そして、二人はそのまま地へと落ちた。同時に二人の意識は失われた。

そして、現在。回復の早かったブランシェは美鈴よりも先に意識を取り戻し、近くに倒れていた美鈴を自身の館の一室へと運び込み目覚めるのを待っていた。ということの運びである。

美鈴はまだ曖昧な意識の中で尋ねた。

 

「なぜ,,,何故助けた。私は貴女の命を狙ったのに,,,。」

 

ブランシェは、身を起こそうとする美鈴を軽く手で制し優しく言った。

 

「貴女と話してみたいと思ったからよ。暫く誰とも会ってなかっかものでね。

それに私とまともに渡り合える者なんて滅多にいないもの。」

「暫く誰とも,,,?」

「貴女が言わんとしてることは分かるわよ。旦那に捨てられたのよ。子供ができたって言ったらその日のうちに他の女をみつけて出てったわ。」

「酷い話だな。じゃあそれからずっとここで独りで?」

「えぇ、そうよ。誰かが慕ってくれる程人徳はないし。」

 

なんというかもう、酒場で飲んでる独り者の女みたいにしか見えない発言な気がするが美鈴には、知ったこっちゃない,,,筈だった。

 

_数日後

完全に調子を取り戻した美鈴は館を去ろうとしていた。

ブランシェが行く当てのない美鈴にどこへ行けばいいかヒントをくれた。

なんでも、この森の奥に龍神の伝説がある場所があるらしい。

 

「本当に世話になった。何も礼ができず申し訳ない。」

「お礼なんていいのよ。楽しかったわ。」

 

そういって微笑むブランシェ。その瞳に寂しげで悲しげな孤独の色が映ったのを美鈴は、見逃さなかった。

そして、ふとあることを思った。

 

「最後に1つ私からの提案をしても?」

「構わないわ。」

 

_私と友達にならないか?_

 

***

そのあと、龍神の伝説があるところへ行って、そこよ番人にボコボコされて森で倒れてるのをブランシェに助けてもらって、それが切っ掛けでここで暮らすようになったんです。」

 

そこまで話すと美鈴は ふぅ~っと長いため息をついた。

 

葎「美鈴って,,,そんなに強かったんだ,,,。あの方と互角とか,,,。」

咲「そんなにお強いの?」

小「私がここに来たときには、もういらっしゃらなかったですけど,,,。」

美「そろそろ愛し子の顔見たさに帰ってくると思いますよ?」

咲「でけ結局私の質問の答えは?」

葎「強いなんてもんじゃないと思う。私が本気だしても全然余裕みたいだったし,,,二~三割くらいの力しか出してないみたいだった。」

律「先輩の本気を三割!?ちょっと想像できないです。」

葎「そう言えばこの前手紙で、そろそろ帰ってくるから気合い入れて待っててね。 って書いてあった。」

美「やっぱり?そろそろ毎朝の鍛練を強化s,,,」

葎「止めれ。」

美「いやだなー。ジョウダンアルヨー。」

葎(オワタ)

咲「今更だけど、〈矛盾した名前〉ってどういうことなの?」

小「姓のスカーレットは知っての通り紅という意味です。名前のブランシェの語源は恐らくブランシュ。」

咲「白?」

葎「そういうこと。」

咲「何となくおめでたい感じがするわね。」

美「まぁ、本人はお祝い事とか大好きな陽気な人ですよ。人じゃないですけど。」

咲「さてと。スッキリしたところで次は,,,。」

 

咲夜が葎佳を見る。

 

葎(話してもいいけど、詳しく知りたいならレミリアお嬢様に聞いてよね。あんまり話したくないし、はっきりと思い出せない所もあるから。」




美鈴が凄い強いキャラになりました!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十二話 中途半端

作者「申し訳ないです。とりあえず今回で第二期終了となります。」
葎佳「なんで?」
作者「作者事情です。」
葎佳「詠唱。刃物「銀の乱反射」!」
作者「きゃっ!(ピチューン)


葎佳はグラスに残ったブランデーを一気に飲み干すと、遠い昔に思いを馳せるようにゆっくりと瞳を閉じ大きく呼吸をしてから、何か決心をしたように目を見開き静かに語り始めた。

 

「そもそも私は自分が人外だなんて思いもしなかった。ずっと人間だと信じて止まなかったの。

 

***

 

ある西洋の村にエリナという少女がいた。

エリナは、村で最も美しいと言われるほどの美人であった。

また、優しく聡明で誰からも好かれていた。

そんな彼女が突然病に倒れたのはある冬のことであった。

村の者達はたいそう心配した。

その時、丁度彼女の家に幼い女の子がやって来ていた。

どうやら捨てられたようで、衰弱しいまにもその玉の緒は切れてしまいそうだった。

エリナは女の子にレイナという名を付けてまるで自分の本当の家族のように可愛がった。

エリナの母もまた、レイナをとても可愛がっていた。

エリナが倒れたのは、そんなときだった。

村の人々は、あまりにタイミングが良すぎると感じていた。

そして、彼らはレイナは魔女ではないかという結論に至った。

そこで村人は、ある満月の夜に魔女狩りを行った。

 

***

 

と、そろそろ寝ないと仕事に影響出ちゃうわね。残りはお嬢様とか美鈴に聞くのをお勧めするわ。」

美「丸投げっ!?」

咲「仕事のことなら仕方がないわよ。で?部屋に戻るの?」

葎「えぇ。結構飲んだから時間までに酔いが冷めてくれると助かるんだけど,,,。」

咲「酔い冷ましあるけど?」

葎「要らないわよ。本当は夜風に当たれば一発なんだけど,,,嫌な予感がするからそうもいかないし,,,。まぁ。ほっとけば冷めると思うけど。」

 

そういって葎佳は部屋を出ていった。

そのあとで緋月が口を開いた。

 

律「結局、話の続きはどうなったんですか?」

美「魔女狩りから逃げてたら追い詰められてエリナの母親が身代わりに殺された。そして、途方に暮れて館のある森をさ迷って行き倒れになってたのをブランシェに拾われた。って感じだったかと,,,。」

律「昔の先輩ってどんな感じだったんですか?」

美「今ほど明るくなかったかと,,,

 

***

 

紅魔館のメイド長、紅美鈴は困っていた。

彼女の目の前には、銀髪の女の子が立っている。

美鈴が口を開く。

 

「あなたのお名前は?」

「…‥。」

「どこから来たのかな?」

「…‥。」

 

悩みのタネはこれである。

女の子は何を尋ねてもギュッと唇を噛み締めたまま何も話そうとしないのだ。

あまりにもなにも言わない女の子は、館の前で行き倒れていたところを助けられ、そして目覚めてから今までの三日間ずっとこんな調子である。

と、美鈴からため息が漏れたとき丁度ブランシェがやって来て女の子に言った。

 

「もしかして貴女魔女狩りから逃げてきたんじゃないのかしら?」

「…はい。」

 

それから女の子は少しだけためらいながらも今までに何があったのかを話してくれた。

その口調はとても丁寧で

まるで、高貴な者に仕える従者のようだった。

 

***

 

それから…」

 

そのとき、時計台から夜明けを告げる彼が響いてきた。

 

美「と、続きはまたいつか話すとしましょうか。」

咲「そう。それじゃあ解散ね。」




作者「次回からは、第三期 日常をお送りします。」
フラン「コラボだよ!やったね。」
咲夜「こんな駄作しか書かない奴とコラボしてくれるほのぼの獣耳様ありがとうございます。」


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外! 座談会だよ!三人集合!

いつもご愛読ありがとうございます。
こんかいは番外です。


紅き妹の(きつね)

紅月 葎佳(こうげつ りつか)

 

種族:吸血鬼と妖狐のハーフ

 

能力:ありとあらゆる物を操る程度の能力

 

危険度:高

友好度:普通

 

所属:紅魔館

紅魔館で働いているメイドの一人である。

館のメンバーの中でも特に温厚な方で、彼女が人間を襲うことは、極々稀である。

時折、人里にも買い物に来ていたりする。

彼女は、弓の名手としても知られている。

弓の射程範囲内で彼女が見える位置ならば外すことはまずないだろう。*1

 

二つの姿

 

彼女は、その種族故に二つの姿がある。

一つは、銀毛で五本の尾を持った姿で、十代後に見える。

もう一つは、異形な翼を持つ吸血鬼の姿で、五歳に見える。

だが、彼女の本当の年齢は、330歳(推定)くらいである。

 

能力について

 

全ての物には、最も緊張している()が存在する。*1

彼女は、それを動かすことで物を浮かせたり動かしたりできるという。

また、点を消したり隠したりすることで自身の主人、フランドールの能力が効かない物を作り出すという。*2

 

*1 勿論、回避すればちゃんと避けられる。

*2 彼女の主人であるフランドールはこの点を自身の右手に移動させ握りつぶすことで物を破壊するらしい。

*3 つまり、フランドールの能力の有効範囲を知っている?

 

 

幻想の迷い子

緋月 律佳(ひづき りつか )

 

能力:過去を視る程度の能力

 

危険度:低

友好度:普通

 

種族:人間

 

所属:紅魔館

 

一言で言えば、外の世界からやってきた変わり者な少女である。

彼女は、紅魔館で働いている数少ない人間の少女である。

紅月(前述)を姉のように慕っている。

彼女も弓を使うがお世辞にも上手くはない。

 

 

★座談会★

作者)上のに書かなかったことをお話しするよ。

紅月)緋月ちゃんの説明が短いのは何で?

作者)え?だって全部話すのはなんか,,,ひぃっあの紅月さんナイフ下ろしてください。ここで話せばいいでしょ?ね?

紅月)まぁ、そうねぇ。あと、ナイフ構えただけで怖がるかね?

作者)刃物ですし。

紅月)私が乱暴しないのはあんたがいちばん知って?でしょ?

作者)そうですけど,,,。

紅月)さてと、緋月ちゃん隠れてないででておいで。

緋月)あ、ばれてました?

作者)ぬお!?

紅月)(苦笑)

緋月)私の能力について。

作者)そのままだけど?

紅月)有効範囲。

作者)彼女が触れたものやひと。

緋月)任意ですか?

作者)そうでないと可哀想すぎる。

紅月)主に本人の過去がね。

緋月)お気遣いありがとうございます。

紅月)次!質問タイム!

緋月)作者さんの性別

作者)女の子。レズのロリコンかな。

紅月)歳は15でしょ?受験生じゃない。

作者)まぁね。

緋月)先輩!特技は何ですか?

紅月)弓。あと、弾避けとお嬢様を宥めることかな。

作者)お嬢様,,,フランドールお嬢様のことですね。そういえば、お話があるんでした,,,。

紅月)差し支え鳴ければ私が承りますよ。

作者)急に敬語,,,。

紅月)仕事は仕事、普段は普段。メイドの基本よ。

作者)じゃあ、この封筒お嬢様に渡しててください。

紅月)了解。

緋月)で、話を戻しますよ。

作、紅)はいはい。

緋月)先輩と作者さんは猫好きでしたよね。

紅月)そうね。どちらかといえば私は、作者に似てるし、一応、理想とかも入ってるしね。

作者)ですね。紅月さんも猫みたいで可愛いよ。

緋月)同感です。

紅月)私は狐。

作者)小さくても存在感があって優しくて、たまんない。

紅月)このロリコン月)まぁまぁ。(なでなで)

紅月)やめてよ。

作者)いい子いい子。

紅月)止めろって。

作者)じゃあ、逃げればいいのに。

紅月)それは,,,し,,,正直ちょっと嬉しいけど,,,。

作者)かわいいなぁ。

★END★




これからもよろしくお願いいたします。
あと、感想ください。お願いいたします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三期 紅魔館の割と日常的お話
第十三話 掃除と風呂と布団の魔力


注意!
こんかいは、少しばかりグロ要素が含まれます


葎佳は、目の前(地下室)の惨状に苦笑していた。

床や壁は血で汚れ、そこらじゅうに肉片や骨(人間だったもの)が散乱し、部屋中に不快な匂いが立ち込めていたからだ。

原因は、主人であるフランドールの久々の(・・・)狂気であった。

現在は、落ち着き姉であるレミリアと一緒に眠りについている。

 

「さて、っと,,,始めますか。」

 

軽く伸びをしてから屈み込んで床に散乱しているものを拾い、持ってきた大きめの箱にいれてゆく。

時折、肉片を掴むグチャッという音が静かな地下室に響くのであった。

その度に葎佳は顔をしかめて うぅ,,,と、小さく唸るのだった。

暫くして、部屋が粗方片付いた頃に咲夜がやってきた。

 

「どんな具合かしら?」

「あ、メイド長。粗方片付けましたから、あとは血を拭き取ってベットメイキングくらいです。」

「そう。手伝うわ。」

 

それから二人は、黙々と壁や床に付着した血を拭き取っていた。

葎佳は、内心 咲夜は平気なのだろうかと心配していたが、チラリと咲夜を見ると彼女は無表情でただ黙々と仕事をこなしていた。

少し安心した。

 

「相変わらずこの血生臭さには慣れませんねぇ。」

「貴女、一応吸血鬼のソレでしょ?」

「まぁ、そうなんですけど,,,」

 

また、長い長い沈黙がやってきた。

そして、作業が終わる頃には、二人の服は血で汚れていた。

 

「ふぅ,,,」

」お疲れさま。今日の仕事は終わったし一緒にお風呂行きましょうか。」

「そうですね。」

 

紅魔館には二つの風呂がある。

一つはレミリアとフランドール、そしてたまにパチュリーが入るシャワーのないタイプ。もう一つは二人がいま向かっているシャワーのある従者が入るタイプだ。

本来、吸血鬼は流水が弱点であるが、葎佳は流水が得意な狐の性質でそれを打ち消しているので平気なのだ。

二人が脱衣場に着くと丁度緋月が一糸纏わぬ姿で立っていた。

体が乾いていることからいまから入浴するところだろう。

そんな緋月に咲夜はなんの躊躇いもなく声をかけた。

 

「私たちも一緒に入って良いかしら?」

「あ、お二人ともお疲れさまです。私は一向に構いませんよ。」

 

別に浴場は狭くないので三人入っても割と余裕があるので問題ない。

だが、葎佳は内心逃げ出したかった。

 

(嫌だ!だって恥ずかしいんだもん!)

 

まぁ、結局三人で一糸纏わぬ姿で入るわけだが。

 

「先輩、ひとりで体洗えますか?」

「子供扱いしないでよ。流石にそれくらい出来るから。」

「翼とか洗いにくそうだけど,,,?」

「慣れてるから平気だもんっ!」

 

最後の台詞は妙に子供っぽかったと二人は思ったのだった。

三人は風呂からでて寝巻きに着替えたあと二手にわかれた。

今日はフランがレミリアと眠っているので葎佳は咲夜と眠ろうと思っていたのだが、緋月にねだられて結局、緋月と眠ることにした。

 

_そして、緋月と葎佳の部屋。

 

「先輩、むぎゅってしていいですか?」

「いいわよ?別に。」

 

緋月は、やったぁ、とはしゃいだ後葎佳を真正面から抱き締めた。

 

「ふにゅぅ~。落ち着くぅ~。」

 

なんて間抜けな声を出す緋月だった。

そのすぐあと二人は寝床に潜り込み夢の中へと誘(いざな)われていったのだった。




紅月)ん?今回なにしたかったの?
作者)わかんないです。
緋月)冒頭のシーンに私いなくて良かったです。

一同)よければ感想をください。。そして、また読んでね!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十四話 恋仲

注意!
こんかいは結構な百合表現があります。
ご了承下さい。


_紅魔館 テラス。

今宵は待宵。

不完全な月と宝石をばら蒔いたような星々の輝きを見つめるのは、狐の姿をした紅月だった。

ふと夜風が彼女を美しくゆらす。

 

「あら、ここにいたのね」

 

後ろから聞き慣れた主の声が聞こえてきた。

振り返ったとき、その銀色の体毛がさらりと月の光を反射した。

その姿はなんとも妖しげで美しく大抵の人間ならばコロリと落ちてしまうだろう。

 

「お嬢様、どうかされましたか?」

「ううん。別になにもないわ。それにしても、相変わらず貴女は美しいわねぇ。」

「勿体ないお言葉ですわ、お嬢様。」

「あら、事実を言っただけよ?」

「そう,,,ですか。それではありがたく頂いておきますね。」

「えぇ、それでいいわ。それでこそ私の「狗」よ。,,,それからね。」

 

そう言ってから一歩近づき、それから葎佳の頬にそっと手を添えて、口を開く。

 

「昨日は随分迷惑を掛けてしまったみたいでごめんなさい。」

「迷惑ですか?」

「私を止めたのも部屋の後始末をしたのも貴女でしょう?」

「確かにそうですが、私は私の仕事をしただけですから。お嬢様が謝るのは少し違うと思います。まぁ、それでもと言うのなら,,,」

 

そう言ってフランの目線に合わせて屈み、真っ直ぐにその紅の瞳を見つめた。

それだけでフランには充分伝わった。

そりゃあそうだ。もう、三百年近く一緒にいたのだから。

 

「しょうがないわねぇ。」

 

小さくため息をついて、しかしながら、満更でもない様子でフランは葎佳の頭を撫でてやった。

 

「お嬢様は本当に頭を撫でるのがお上手ですね。」

「そう?それは良かったわ。さてと、私は部屋に戻るけど着いてくる?」

「はい。」

 

_フランの部屋。

葎佳が扉を開きフランが先に入り、葎佳が後から入り扉を閉める。

そして、振り返った瞬間。

 

「葎佳ぁぁあぁっ!」

 

フランが飛び着いてきた。

その勢いに少し驚きつつしっかりと受け止める葎佳。

そう、先程満更でもないと述べたが、本当にとうだったのだ。

誰にも見られない保証があればあの場でおしたおしていただろう。

この場所ならば誰にも見られる心配はない。

結果、フランは自らの本能に身を任せたのだ。

葎佳はそんな主の行動を分かっていたように少し微笑んで、フランを抱き上げベットまで行きフランを座らせた。

それでもフランの手は、しっかりと葎佳につかまっていた。

 

「葎佳ぁ、隣に座って。」

 

甘えた声で上目使いしてくるフラン。

勿論、葎佳はそれを拒否せず受け入れる。

そっと座った葎佳にフランがぐっと体を寄せ、目をつむる。

それは、どう見てもキスの催促。

葎佳は、ため息をついてからフランの唇に自らの唇を優しく重ね、すぐにはなした。

それはまるで、何かを焦らしているような行動だった。

そして、その行動はフランの本能に火をつけた。

今度はフランから葎佳の唇を奪った。そして,,,

 

「んんっ,,,!」

 

舌を絡ませてきた。

思わず声がでる葎佳。フランの舌から逃げるように舌を動かす。

すると、フランは口内を擽るように刺激し始めた。

そのなんとも言えない感覚に溢れくる感情を必死に耐えた。

すぅっとフランの唇が離れた。

唾液が糸を引いていた。

 

「お嬢様ぁ」

 

微かに怒りの色を含んだ声で主を呼ぶ。

 

「良いでしょ?たまにはこう言うのも。」

 

そして、強く抱き締め、そのまま押し倒すフラン。

もう、ここまでくると、葎佳も耐えられない。耐える気も起きない。

 

「今宵は待宵だと言うのに」

「待宵だけど」

「楽しい(長い)夜になりそうね(なりそうですね)」

 

二人の声が重なりたがにの身に纏ってるものをすこしずつほどいて行く。

そして、互いに一糸纏わぬ姿になったところで抱き締めあい、互いの愛を確かめあう。

そして、また唇を重ねる。

重ねるだけの、ソフトなキスと舌を絡めあうディープなキスを何度も繰り返し繰り返し行う。

暫くして葎佳が上に乗っていたフランと上下が入れ替わる形で攻め手受け手が変わる。

フランの胸や腹、更には翼など、フランの敏感な部分を舌を軽く尖らせて刺激する。

そこからはもう、主従のソレではなく恋仲のソレだった。

夜明け近くなって二人は大分落ち着き、主従の仲に戻っていたのだった。

 

それはもう、何事も無かったようであった。




紅月)作者,,,まぁ、ありがとう。
フラン)あぁ、楽しかった!それに幸せだった!
作者)それは、良かったです。

作者)今回もありがとうございました。
フラン)感想書いてくれたら嬉しいな。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第十五話 仲直り

前書きのネタがおもいつかん。
取り合えず今回で三期は終わり、番外挟んでいよいよストーリが動き出します。


緋月律佳は困惑していた。

なぜなら普段から仲が良い筈のフランと葎佳の間にピリピリとした空気が流れていたからだ。

原因は分からないが、どうやら喧嘩をしたらしい。

これは気まずい。気まず過ぎる。何よりもこの二人と同じ空間にいるのが辛くなってくる。

そこで、咲夜に相談することにした。

 

「と、いう訳なんですけど…どうにかなりませんかね?」

「それくらいなら放っておいて問題ないわ。それよりも仕事に集中しなさいな。」

 

やけに冷たかった気がしたがそれよりも本当に放っておいて平気なのだろうか?

そんなことを思いながも仕方なく仕事へ戻ることにした。

 

***

 

大体仕事が一段落つき休憩に入ったときだった、珍しく部屋から出てきていたパチュリーが声をかけてきたのだ。

 

「あぁ、ちょうどよかったわ。少し聞きたいことがあるのだけど。」

「はい?何でしょうか?」

「あの二人喧嘩でもしたのかしら?やけに会話が少なかったみたいだったけど?」

「あぁ、はい。喧嘩したみたいですね。原因はわかりませんが、メイド長は放っておいて問題ないと言ってました。」

「そう。ってことは妹様が何かしら葎佳の怒るようなことをしたのね。きっと」

「そうなんですか?」

「えぇ、あの子が放っておくときは大体そういうときよ。」

「でも、あんな温厚な先輩が怒るようなことってなんですか?」

「さぁ。あの子が怒ったところなんて滅多に見ないから。」

「パチュリー様でもあまり見ないんですね。」

「えぇ。時々なに考えてるかさえ読めないことがあるわよ。まぁ、基本は子供の思考回路と大差ない筈だけれどね。」

 

それからパチュリーは じゃあ、といって図書館へ戻っていったのだった。

 

「様子でも見に行ってみますかねぇ。」

 

_地下室 フランの部屋。

緋月は、扉をノックした。

すると どうぞ とフランの声が聞こえたので入った。

中にはフランだけがいて葎佳の姿も気配も無かった。

 

「あの子なら咲夜の手伝いに行ったわよ。」

 

尋ねる前に答えられてしまって次に何を言おうかと緋月が迷っていると急にスカートの裾を引っ張られた。

 

「一人でいても暇だし、(館の中を)散歩する気分でもないから、ちょっと話し相手になってくれる?」

「はい。私で良ければ。」

 

というわけで二人ならんでベッドに腰かけた。

 

「緋月ちゃんは大切な人を怒らせちゃったことってある?」

「ありますよ。何回も。」

「あら、意外ね。」

「そりゃあ、私だって生きてますから過ちを犯すことだってありますよ。」

「そう。そんなときどうするの?」

「それは相手次第ですかね。先輩みたいに親しいなら普通に謝りますし、気まずいなら手紙を書いてみたりとか。」

「そっか…‥。あのね、実は葎佳と喧嘩しちゃって…私が悪いのは分かってるんだけど…」

「はい。知ってますよ。」

「えぇっ!?」

「流石にあそこまでピリピリしてたら分かりますよ。パチュリー様も気づいていたみたいですよ。」

「そっかぁ。」

「私だってまだまだ半人前ですが一応メイドですから。ちゃんと見ていますよ。まぁ、それくらいしかできないんですけどね。」

「そんなことないよ。」

 

そのとき突然、部屋にノックの音が響いた。

 

「どうぞ。」

「失礼します。」

「どうしたの葎佳。」

「ブランシェ様からお手紙が届きましたので。」

「そう、ありがとう。」

「それから…‥あの…。」

 

緋月は空気を読んで静かに部屋を出て行くことにした。

 

「あ、あのね葎佳。私からも言いたいことがあるの。…さっきは、なんなこといってごめんなさい。」

「お嬢様…そんな、悪いのは私です。ですから顔を上げてください。」

「だって、葎佳が怒るようなことしたの私だもん。」

「あ、あぁ。なるほど。…お嬢様確かに私はあのとき怒りました。正直許せないと思いましたけど、お嬢様に謝られたら許さないわけいかないじゃないですか。」

「葎佳?なんで泣いてるの。」

「ふぇ?あぁ…なんででしょう?」

「変なの。」

 

フランはそういって優しく葎佳の涙を拭ってやって、そして抱き締めた。

緋月はそんな様子を扉ごしに聞いて頷いていた。

 

「まったく、放っておいて問題ないって言ったのに。」

 

突然、声と共に呆れた様子で咲夜が現れた。

それを見て緋月はふふっと笑って見せるだけだった。




作者)はい。今回は待ち望んできた緋月ちゃんのお話でした。
紅月)まぁ、うん。そうね。
緋月)なんかキャラがぶれてます。

一同)ではでは、次回もよろしくです。
緋月)良かったら感想書いてくどさると嬉しいです。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

番外編 座談会だよ三人集合

この部分に書くことはないです。はい。


作者)座談会ですよ。

紅月)またか。

緋月)ですね。

***

作者)というわけで、作者こと朱月律架です。

紅月)紅き妹の狗、紅月葎佳です。

緋月)幻想に巻き込まれた少女、緋月律佳です。

作者)今回はゲストを呼びました!

紅月)へぇ?ゲストねぇ。

緋月)いったい誰ですか?

作者)ん?まぁ、ちょくちょくゲストさんは変わりますんで。

紅月)でも、よくこんなグダグダ座談会に呼べたな。

作者)土下座。

緋月)あ。(察し)

紅月)お疲れ、作者。

作者)ではでは、一人目のゲストさんお願いします!

咲夜)どうも、紅い悪魔の犬、十六夜咲夜です。

作者)いぇーい!一人目のゲストさんは咲夜さんです。

紅月)何故…。

咲夜)お嬢様に言われたから。

作者)と言うわけで、皆で質問とかなんやかんややっていきましょ!

緋月)咲哉さんはいつもナイフを何処にどのくらい持ってるんですか?

咲夜)そうね、えっと…ナイフホルダーに12本、スカートの中に6本、あとは服の中に20本前後ね。

紅月)他にも隠し持ってるでしょ?

咲夜)館の至るところにね。

作者)おぉ、怖い怖い…。

緋月)作者さんのスリーs

紅-作)それはアウト!

咲夜)じゃあ、私にこっそり教えなさいよ。

作者)ゴニョゴニョ…

咲夜)!?嘘でしょ?

作者)いや、ほんとです。

咲夜)身長小さいのに?(こんなのに負けた…?)

紅月)そろそろやめて。

緋月)そうですよ。二人とも貧乳に謝ってください。

 

少女説教中…

 

作者)すみませんでした。とりあえず次のゲストさん呼んでいいですか?

緋月)はいはい。

紅月)と、いうわけで次のゲストは

フラン)私だ!

作者)紅月さんがいるっていったらすんなり来てくださいました。

緋月)二人は仲良いですからね。

紅月)そう?普通の主従関係だとおもうけど?

フラン)よくわかんない。でも、葎佳のことは大好きだよ!勿論、緋月ちゃんも作者もみ~んな大好きだよ!た

作者)さてさて、では本題に。

フラン)第四期からのお話ね。遂にお母様が出てくるんだっけ?

作者)そうですよ。葎佳さん的にはテンションあまり上がらないと思いますが。

緋月)なんでですか?

フラン)葎佳はお母様のことあんまり得意じゃないもんね。

紅月)優しすぎてどう接したらいいかわからないだけ。

作者)私は別の意味であの方苦手です。

フラン)でも一応お気に入りなんでしょ?

作者)設定とかうまくできたのでね。

紅月)そろそろ話すねたが尽きてきたわね

作者)言うなし!

紅月)そろそろお開きにしましょ。

緋月)次回からは第四期をお送りしまーす。

作者)それでは皆様、次回は受験が終わってからなので時間が空いてしまいますが、次回まで

一同)ゆっくり待っててね!



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 10~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。