少しだけ違ったSAO (Enis)
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始まり
1話





注意事項
・原作の設定上出てくるキャラクターがオリジナル設定を大いに盛り込んで登場します。
事実上のオリジナルキャラです。
・原作で出てくるキャラとオリキャラの恋愛模様に発展する可能性があります。
・原作に沿おうと思いましたが無理でした。




 目の前には敵が剣と盾を構えてる。

 人間より少し小さいぐらいの子鬼型モンスター、『ゴブリン・ウォーリア』。落とす経験値が多い、その分アイテムやゲームマネー「コル」のドロップは若干少ない。レベル上げには調度よい相手だ。

 

 敵の曲刀がオレンジ色に発光し左上から右斜めに切り下ろされる。その剣を左に避けて相手に一気に詰め寄った。白い両手剣がソードスキルモーションに反応した。緑に光り、若干屈んで左下から切り上げる両手剣強単発スキル「ライド・スラッシュ」が、ゴブリン・ウォーリアを防具の隙間から切り裂いた。

強単発攻撃で怯んだ敵にさらに踏み込み&切り替えしで追撃、首を横一文字に切り払う。急所の欠損により即死レベルの持続ダメージがゴブリンのHPを急速に減らす。敵はポリゴンの破片になり消え去った。

 

「おーい、100体終わったぞー」

と声を張り上げると 相方の方へ行く。

 

「はーい こっちも終わってますよー」

との返事 

 

 すぐ近くの集合場所へ行くと女の子がに座ってた。

セミロングの栗毛のと葉色の目をした見た目麗しい美少女は、日本人離れした外見だが間違いなく日本人だ。

 キャラクターネームは「グラディア」 俺はディアと呼んでいる。

 

「ディアは相変わらず狩るのが早いな 」

「この剣の世界では負けるわけにいきませんよ これでも剣道経験があるんですから」

「それはそれは… 最初の頃は結構びくついてたのにな」 ハハハ

「あの時は仕方ないじゃないですか」 モー

 

 自分は社会人 それに対しこの頬を膨らませてる子は中学生。現実だったら通報待ったなしだが、ここはそんな世界ではない。

 

 

 そう、ここは現実ではない。

フルダイブVRRPG『ソードアートオンライン』にある浮遊城の24層。

所謂ゲームの中の世界だ。

 

で… 俺の名前は「ユウ」 俺は6ヶ月ほど前からこの名前で生活をしている。 

 

 

 

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俺は唯の22歳の新人会社員。趣味は読書と… ネットゲーム(廃人)だ。

大学卒業後、父親が上役をやってるIT会社にコネ入社した。めんどくさがりの俺はある程度人生設計が決まってることは嫌ではない。最初からそういう会社で求められる能力を磨けばよかったから、楽ではあった。

 

そんな会社でとある募集が募られた。天才プログラマー、茅場晶彦が作った「ソードアートオンライン」(略名 SAO)と言う全く新しいフルダイブ形RPG1作目のクローズβテストするという話である。

「SAO」のシステム設計の1部に会社が関わっており、そのためにテスター1000人のうち僅かながらも募集の話が流れてきたのだ。

 

 その話に俺は飛びつき、若干の仕事もあったがゲーム攻略にのめりこんだ。完全に俺はSAO世界の虜となって、ゲームボス攻略戦にも参加した。…と言っても 1日20時間インはさすがにやりすぎたかもしれないが。

 

 

 俺は記念すべきSAOオープン時間にフルダイブゲーム用ヘッドパッド「ナーヴギア」を頭にはめてログインをした。

それがとんでもないデスゲームの始まりとは知らずに……

 

 

 - - - - -

 

 

 今居るのは1層の草原、始まりの街から出てすぐのところにある場所だ。

街で赤いバンダナの男、クラインと出会った。どうやらテスターでは無いらしく、俺の迷いの無い行動を見て早くもテスターだと見抜き、教えを請いてきた。

そして……

 

「だめだ 当たんねーよ」

クラインはまたも青イノシシ「フレンジーボア」に突き飛ばされ尻餅をついた。

 

「そうじゃない ソードスキルを発動させると言ったろ 見てろよ」

俺はターゲットを注視し、初期の両手剣を構える。そうすると剣が緑に光り、両手剣の基礎スキル『フードウイング』が発動しフレンジーボアは1撃で砕け散った。

 

「おー、すげー」

「いいか、ターゲットのどこに切り込むかを決めてしっかりと構えて一瞬止まる。そうするとシステムが反応してスパーンといくから」

「構えてスパーンとねぇ……」

 

 このゲームでは剣技「ソードスキル」がある。構えると発動して、動く敵でも剣が自動追跡するようにアシストして敵を倒せるのだ。

 

 そういってクラインは新たなフレンジーボアに向いて構えをすると、手にある片手曲刀がオレンジ色に発光する。

「ふっ……  おらぁ!」

クラインと共に閃光が突き切り、フレンジーボアは砕け散った。

 

「お見事 上手くいったじゃん」

「うおお 面白れええ!」

 

 自分のβ初日の時と似たような反応を示すクラインに思わず笑った。

 

「おもしれーよな まぁ そいつは最弱mobだが」

「まじかよ こんなに手こずったのに」

「ソードスキルの練習にもってこいだろ 動くし、突き飛ばされてもあまりダメージが無いし」

「なるほどな」

 

 そんなこんなで 3時間ほどクラインのスキルを使った狩り練習に付き合い、青イノシシより1つ上位のmobも討伐成功。

俺たちは早くもレベル2となった。

 

 

 - - - - - - - - - -

 

 SAOの時間はリアルとリンクしている。

今は4時半ごろだろうか、俺らは綺麗な夕焼けに染まった原っぱに座り、駄弁っていた。

 

「ユウは会社のテスター枠か うらやましいぜ」

「まぁな だが仕事でも有るんだぞ」

「なんで?」

「体感システムの1部をうちの会社で設計してたからな ここでわざと食事抜いて空腹感とか、狩した後の精神疲労の体感をレポートしてたんだぞ 仕事半分だ」

「へー… ってそんなこと言って良いのかよ」

「コレくらいは許容範囲内だ もっと聞かれても答えられねーぞ」

「そうかい」

 

 そんなこんなでで眺めてた夕日が暮れて行く。

遠くの小さな浮遊島からの滝が湖に落ちていく 夕日がその島の下から上半分が隠れて出ている。

現実にはありえない上弦の夕日だ。

 

「こんな夕日の眺めをレポートにできたか?」

「いいや コレは目にしないとわからない感動だよ」

「ああ まったくだ」

 

 

この景色に満足いくまで眺めてから クラインは立った。

「それじゃ俺は一足早くログアウトするわ 5時にピザが来る予定なんでな そのあとまたインするわ」

「OK それじゃまたな」

 

クラインは手を振り、メニューを取り出した…が

 

「あれ? ログアウトボタンがねーぞ?」

「んなバカな βではあったぞ そんなところ弄る筈が……」

 

俺もメニューを出し 探す…が無い 確かにログアウトボタンが無かった。

 

「マジ… だな こりゃ厄介なバグだ」

「ほかにログアウト方法は?」

「無い そのうち一斉ログアウトされてまた数日メンテナンスだな

 あー、でも結構致命的なバグだし下手したら数週かも・・・」

「あらまぁ」

 

 

しかし5分後あったのは一斉ログアウトではなくSAOプレイヤー全ての強制転移だった。

 

 

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 そこでは巨大なフードを被ったアバターがゲームマスター茅場晶彦を名乗りSAOの説明をした。

・ログアウト不可はゲームの本仕様

・ゲームの死=現実死亡

・ログアウトするにはSAOの全ステージ100階層をクリアしなければならない

・現実から強制ログアウトをしても無駄 すでに死者が100人以上居る

・マスコミを通じて情報は流れているため、これ以上は現実側の心配は殆ど無い

 

 

俺は頭を抱えた。

 

……ふざけんな そう言ってもゲームにあまり理解のない妹が無理やりナーヴギアを外さないか、考えるだけ恐ろしい。βの頃に数回やられただけにシャレにならない。

あと自分の体も心配だが会社も心配だ。連帯責任を負わされて無いだろうか……

まだ1年もたってない新社会人なのに会社が倒産とか勘弁して欲しい。しかも親父と一緒に……

 

 

 そしてプレゼントとか言って手鏡と言うアイテムが渡された。その瞬間全員のアバターが現実とほぼ同じに変化したようだ。この街のイケメン&美少女率が異様に下がったのがなんか萎える。

自分はアバターを地顔のナチュラル設定したために顔は変わらなかったが、180の無駄にデカイ身長が露わになった。

 

「おめーデカイな そのほうがいいんじゃね?」

「このゲームじゃデカイなんて意味ねーよ ステータスで能力は決まるんだから

 でかいだけでパワー無いスピードタイプとかどうよ? かっこ悪いだろ」

「たしかに微妙だな てか顔変ってねーじゃん」

「ゲーム内でイケメンとか悲しいだろ……」

 

 そんなクラインは細身の爽やか面から 野武士みたいな渋い顔に変っていた。

つーか そっちのほうがイケメンじゃね? お前。

 

「とりあえず俺は仲間と会ってみる お前はどうする?

 βの知識があるお前が一緒に来てくれると心強い それに良い奴っぽいしな」

 

 クラインは別のゲームで知り合った仲間と会うと、さっき話していた。

それなら俺は・・・

 

 

 

「よろしく頼む 『俺の考えだと、このゲームはソロ攻略は向いてないんだよ』」




読んで下さった方、ありがとうございます。
突っ込みどころもあるでしょうが、これからもお願いします。

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補足情報
1話時点ではキリトとはあんまり変わりませんね。
『』の中はユウの考えです。キリトとは別の見方をしており、ここから分かれる予定…


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2話

少しづつオリジナル展開が出てきました。
がんばっていきます


 俺、ユウは以前にPVPが売りのMMORPGで、トップギルドに居た。無論SAOとは別のオンラインゲームだ。

 そこでは8人pt同士の戦いや大人数の戦争が主だったが、そこでは何より面白いのは上手くチームプレイが嵌まって勝利したときだ。戦士、暗殺者、魔法使い、神官の4職でptを組み、それぞれの職でトップクラスに上手い奴らが1つのptに集まれば、人数以上の相手に打ち勝つことが出来た。

 

 負けたときも勿論あった。

悔しいし、そのpv後は音声チャットで怒鳴りあいのような殺伐とした反省会が開かれたもんだ。

「攻撃ターゲットの順番が違う!」

「回復タイミングがおかしい、全ヒールをダブらせるな。」

「弱化呪文を食らったらすぐ治せ!味方強化呪文も掛け直すのも遅いぞ!」

 他の人がドン引きしていた雰囲気だっただろう、だが互いに信頼してるからこそ深く踏み込むことができる。

 

 ゲームに本気でぶつかっているからこそ、自分がどこが悪いかを客観的に見て、反省し、なおす事もできるのだ。

そしてPV練習の出来る闘技場で、散々練習したものだった。

それが当時の俺には堪らなく楽しかったし、それは一人用のゲームでは出来ない経験だった。

 

 そのうち同数の1pt戦で常勝集団となった。ここまで来ると「廃人」では無く「廃神」とまで言われていた。

しかし常勝トッププレイヤーは俺を含め、ゲームを極めたような満足感とともにそのゲームにINをしなくなるものだ。『満足をして飽きる』、ゲームにはつきものの定めだ。

今思えば、連絡先でも交換すりゃ良かったと思ってる。良くも悪くもゲーム本位な集まりだった。

 

 だからこそ俺はSAOでもそういう仲間を見つけることは優先度の高い最初の目的でもあった。

スタンドでは無いが「廃人」同士は惹かれあうものだ。

 

 

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俺はクラインに3人の仲間と会った。そして人気の無い街の端で軽く挨拶をした。

 

「ユウだ、宜しく。元βテスターだ。」

 

「おう 俺はディオガだ よろしくな!」

茶髪で短髪、筋肉質な大男だ。

見たとこ年上、どことなく頼もしい雰囲気でサブリーダーといったとこか。

 

「アルバートです、宜しくお願いします。パーティにβの知識があるのは助かる、頼りにしてますよ。」

若干長めの黒髪で体は細い。この人は成人したぐらいだ。

おそらく大学生だろう、結構インテリっぽい。

 

「フィアナだ 宜しくなー」

中学生か高校生ぐらいか。薄い青髪で結構な小柄だ。

 

 - - - - -

 

アルバート「では第1回方針会議をはじめます。まずは基本方針ですが…」

フィアナ「そりゃゲームクリアだ! そうしなきゃ出れねーんだろ?」

クライン「そうらしいな。まずは100層攻略が最終目標で良いと思うぞ。」

ディオガ「他にやる事もねーしなぁ… ずっと街にこもっているのも退屈すぎる。」

 

アルバート「皆さんは相変わらずですねぇ……、ユウさんは?」

 

ユウ「俺も同じだな… 命を大事にしてずっと引きこもっていても、ゲームだろうが現実だろうが退屈で死んじまうよ。」

アルバート「わかりました。私も異論はありません、大目標は決定ですね。」

 

あっさり決まった。やっぱみんな筋金入りのゲーマーであることは間違いなさそうだ。

 

アルバート「では短期目標…というより、これからすぐの指針を決めましょう。まずはユウさん、どのように動くべきと考えてますか?」

 

ユウ「2案ある。1つはすぐにでも次の町へ行ってクエストを受けること。もう1つはあえてこの町にとどまり、足場を固めることだ。」

 

クライン「どういうことだ? すぐに次の町へ行く利点のはわかるぜ。クエスト所が込み合って無駄に時間がかかると出遅れることになる。だがこれ以上この町に残るのはどういうわけだ?」

 

 まだ初日だが次の町に行った奴は居るだろう。

ゲーム序盤から先行優位に立とうとしている連中はSAOに慣れてるβテスターを中心に多数居るはずだ。だがネトゲ特有の面倒な人的障害を取り除いておきたい俺はこう考えていた。

 

 

ユウ「まぁ正直有力なのは前者だ、だがネトゲのプレイヤーの性だが嫉妬深いんだよ。俺みたいな情報競争で圧倒的優位のβ上がりを敵視するやつは絶対出てくる。そういう連中相手に和解のきっかけを作って置くには、最初に手を打つのが最も効果的なんだ。」

 

フィオナ「そんな連中は無視すりゃいいじゃん。」

アルバート「いえ 後に遺恨を残しておくとどんな悪影響があるかわかりませんよ。それに後に非戦闘プレイヤーの助力が必要になるときが来るかもしれません。」

クライン「職人系スキルとかあるみたいだな。そういうプレイヤーも後に必要になるかもな。」

 

ディオガ「つまりはある程度のβ情報を公開すればいいんじゃないのか?」

ユウ「そうだな… それがベターかもしれない。この始まりの街に掲示板があるからそこに書けばいいかも。○chと違って匿名は無理だが……まぁいいか」

クライン「いいなそれ、それじゃ掲示板に書いたら次の町へ行くことでいいか?」

 

ユウ「明日からだな。今日は全員ソードスキルを使いこなせるか試してみよう」

 

 

 そんな感じで会議は終わった。

もう夜だが、さっそく青イノシシで全員ソードスキルに慣れるために特訓。結局面白いからと真夜中24時まで狩り続ける事に。おかげで全員レベル2になった。

 

 SAOで長時間行動していると現実と同じく眠気や、精神的な負荷がかかる。よって同じように寝たほうがいいのだ。皆が満足したら、街に戻り同じ宿屋で1泊することにした。

 

 

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 余談だが俺の睡眠は3時間だけだ。それと昼寝を昼食後に15分。

このショートスリーパーなのがネトゲ廃人たる1つの特技である。

 1時ごろ寝た皆を4時に起こすのはさすがに気が引ける。そんなわけで1人で狩場に来た。

そしたら少女が1人で狩場にいた。見た目は栗毛色のショートヘアで中学生ぐらいだ。

 

「ッヤアアア!!!」 

 

お見事。 青イノシシの攻撃をかわした後、威勢の良い声と共に流れるような連続攻撃2発で上手いこと仕留めている。

……? こいつは初期武器でも1発で仕留められる手軽な最弱mobのはずだ。なんか違う。

 

「ハァァァ!!!」

 

またも2発、よく見たら剣が光ってない。ソードスキルを使ってないのだ。

 

「おーい、ちょっとまったー」

「?  なんですか?」

「ソードスキルは使わないのか?」

「何ですかそれは?」

 

(おいおいマジかよ、SAOの1番のウリだってのに)

その少女にソードスキルの簡単な説明と実施練習をした。

 

 - - - - -

 

「知らなかった… どうりで倒しにくいと思ってたんですよ。」

「まずはそいつを自由に使いこなすのがこのゲームじゃ常識だぞ。」

「なるほど」

 

 しかしこんな所に女の子が1人、しかも早朝。このゲームには倫理コードがあってセクハラの類は殆ど出来ない。

だがこう言うのもなんだが美少女だ。どんな形であれしつこい付きまといをする有象無象が沸くのは目に見える。

……てか俺自身がそんな1人と見られても全くおかしくない。

 

 それにβの頃にPKプレイヤーキラーをする輩が僅かながら居たこともあり、女子供に限らず1人では心配だ。

最もデスゲーム宣言翌日からPKするほどイってるヤツは居ないと願いたいが……

 

「こんな早朝からどうしたんだ、PKをするやつが出ないとは限らないんだぞ。」

 

俺は叱ると少女は肩をすくめた。

 

「すみません、私も怖かったんですけど…」

 

ユウ(けど?)

 

「SAOをせっかく始めたのならば前に進まないとと思ったんです……。

 昨日のあの後、広場で泣いたり怖がっている人をたくさん見ました。だけどこれは男女の差も無いゲームで勇気があれば誰でもできるはずです。だから今日からですが、私も前に進む為に始めたんです!」

 

「なるほどね」

 

 立派な心がけだ。ゲームを楽しみ半分の俺とは違い、他人を救うためにこの子は立ち上がったのだ。

 俺はなんとなく大儀として掲げていたものの、実際は楽しみ8割、自分が脱出したいのが1割でゲーム攻略したいと思っていた。

真っ直ぐな義憤を背負う子供に負い目を感ざるを得なかった。

 

「それと、あのやたらと気合の入った掛け声は何さ?」

「剣道をしているので癖です。まずいですか?」

「そういうことか… 音に反応するモンスターも居るし程々にな。」

 

 思えば見事な剣捌きだったな。スキルとは違い、構える必要が無いからこそ滑らかな攻撃が出来るのか。

ソードスキルの発動前にはシステムに構えを検知させる必要があり、攻撃後も若干ながら硬直時間がある。俊敏値を上げたり、そのスキルのポイントを上げるにつれ短くなっていくが、基本的に0には出来ないらしい。

 

「ずいぶんと剣道技術が在るみたいだし、スキルを使ってもあまり狩り効率は変らないかもしれないな。」

「確かにスキルを使うと若干動きにくいですね。威力が上がるみたいですが。」

「システムアシストでスピードが上がるからね。」

 

 

そういえば名乗ってない

 

「あー、俺の名前はユウ。君は?」

「えっと、グラディアです。日本人ですけどね。」

 

そう言いつつも栗毛色の髪と若葉色の目が妙に似合っていた。

 

「ユウさん色々ありがとうございます 早朝からの練習には慣れてるつもりだったんですが心細かったんです。」

「いやいや、大したことはしてないよ。」

 

 ふと自分の妹を思い出し、姿がダブるように見えた気がした。自分とは年の差はあるがしっかり者で、無理するところがそっくりだ。

それに「街にいる人のため」という真っ直ぐな志が在る子供を守らなくてはいけないと思った。

 

(やっぱ… このまま置いて行けないな……)

 

「もし良かったら 一緒に来るか?」

「え?」

 

何だこのナンパは。

自分で言葉をかけといて焦る。

 

「あ、いや。ptは6人までだし、君が来ればちょうど6人なんだよ。βの経験上、狩りは同じ効率でも多数でやれば安全なんだ。君も攻略する気みたいだしね。」

「でも、私のような初心者が居て平気でしょうか…。」

「大丈夫、さっきの狩の様子を見れば十分合格点だよ。すぐに俺より上手くなるかもな。それにこっちのツレも良いやつばかりだ。昨日みっちりと狩特訓した感じではね。」

 

「そうですか… わかりました。

  それでは是非よろしくお願いします。」

 

 

 その後宿屋にて勝手にナンパ紛いのスカウトをした事を寝起きのクライン達に謝りに行ったら、怒るどころかすごい勢いで感謝された。気持ちはわからんでもないが、浮かれすぎだろ……。

 

こうして、後に「風林火山」という攻略組みのギルドメンバーが終結した。

 

 

 

 




ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
ぜひ感想を1文でも書いて下さったら嬉しく思います。


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髪ですが原作でも結構いじくれるようです。
この話では、最初の手鏡を渡された時点で、髪の毛の色はアバターのそのまんま、髪型は現実に沿う。
そしてその後長さも色も、弄れるという設定保管です。


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3話

今回は短いです


俺はクライン達と1時的に別れ、掲示板に着いた。こんな状況だ、情報が欲しい人は多い。

案の定 数人の人が集まっており、会話での情報交換もしていた。

 

見ると掲示板の書き込みは今のところ一昔の伝言板のように待ち合わせの事ばかりだった。

そして俺は とりあえず基本的な事は書いた。

・基本的なソードスキルについて

・ここら一帯のmobの情報 対策

・最初期にベターな金の稼ぎ方

・生産系の有力な基本スキル入手法

 

「β情報だが少し攻略情報を書き込んでおいた。攻略の切欠にでもしてくれ。」

集まっている人にそう言うと俺の攻略情報の閲覧数は一気に跳ね上がった。

どうやら攻略系で掲示板に書き込んだのは俺が最初のようだ。その場で「助かったよ」と言われるのは悪い気分じゃない。

2時間ほど使って色々聞かれたことを書き足しておいた。これで無用な恨みが減るだろう、手ごたえはあった。

 

 この間にクラインたちはポーションや装備を軽く整えている。ディアはどうも俺に懐いたようで買うもの買ったら、さっさと俺のところへ来た。まだ中1ぐらいだしあの旧知の4人組とは突っかかりにくいようだ。

俺も女の子に懐かれて嫌な気はしない。つーか…うん、嬉しい。恋人にはまったく思えないけどね。妹だな。

 

「クライン達は?」

「バザーみたいなところでポーションを値切ってましたよ」

「もうポーション売ってるやついるのか……、薬学スキルは割のいいスキルだしな」

「そうなんですか?」

「ああ、ポーションの低レベル品はNPCからでも買えるが、材料から作ると原価が安くてね。それができるのが薬学スキルだ。材料は植物系のモンスターやフィールドの採掘で手に入りもするしメジャーな稼ぎ方法だな」

 

この手のスキルを極める人は大型ギルドだと1人は欲しいとこだ。

 

「私も取ったほうがいいでしょうか?」

「んー、メジャーだからこそ沢山のやつが取るし、そうなると相場を見てうまく売るのが難しんだ。結晶系の上位互換アイテムが上層のダンジョンでドロップするしね」

「へー…」

「他にも、原料加工の錬金スキル、武具防具を作れる鍛冶スキル、服全般を作れる裁縫スキルは攻略に不可欠になると思う。だからこそ需要は確実にあるだろうね。だがそういうのも矢鱈と取っていたら今度は戦闘系が疎かになる。重宝するのは間違いないけど、職人系スキルは後に様子を見て決めたほうがいいよ」

 

 ディアはコクンと肯いた。

 

 

 - - - - - - - - - -

 

 

 昼前に俺らは始まりの街を出て次の町へ向かった。そこで改めて全員の戦いの様子を観察した。

 

 クラインは良いアタッカーだ。

曲刀の昨日教えたソードスキルを見事に使いこなしている。モンスターの瞬間的な隙を付くのが上手く、的確にダメージを与えていく。これはゲームを色々やり込んだゲーマーの技だ。

 

 ディオガは筋力&体力のパワータイプだ。

両手持ち打撃武器を装備し、がっしりと前衛で攻撃を受け止める胆力と、意外にも見切りの技術がある。武器防御での攻撃もできる盾として活躍しそうだ。

 

 アルバートは非常に視野が広い。

武器は片手剣と盾のオーソドックス装備。ディオガが攻撃に回ると阿吽の呼吸で盾役に回り込んだり、敵が弱ったときは素早く攻撃に移ったりしている。敵集中攻撃でHPが減った味方に回復ポーションすばやく手渡しするのは、全員行け行けだったβでは誰もしなかった立ち回りだ。敵が強くなったら必須の立ち回りになりそうだ。

 

 フィアナは短剣だけの軽装備。

素早い身のこなしで相手に詰め寄り、一瞬で急所を切り裂いている。一気に突っ込んでから、狼4匹に囲まれて無傷で切り抜けたのはびっくりだ。クラインに怒られてたが……。

俊敏重視のステータスなのもあるだろうが、あそこまで上手く回避ができる奴もすごい。

 

 ディアも相変わらず見事な剣捌きだ。

フィアナのように近寄らず、相手の急所を素早く連続でしかも的確に切りつけている。何より間合いの取り方が俺ら5人より格段に上手い。

あの急所を連続で切り裂く剣戟は単発ばかりの初期ソードスキルでは無理だ。

 

……うん、ソードスキル殆ど使ってないな。せっかく教えたのに…

 

 

 

 

 俺のゲーマーとしての勘がこのptが、SAO攻略チームの相当上位に組み込めることを予感した。バランスが良いだけではなく1人1人のやる気や素質を見るに、相当良いptになりそうだ。

(後はβの情報を持つ俺が上手く導けば……)

 

 

 




これで1章は終わりです。 読んでくれた方ありがとうございます。

まだ起承転結の起しか書いてませんが、書いてて面白かったです。
主に1章はキャラクター紹介と大まかな始まりですね。

というか主人公のキャラがめっちゃ薄い気がする…
2章以降で主人公の動きをハッキリさせてキャラを作りたいと思います。

 - - - - -
生産系スキルも(多分)オリジナルの補完をしてます。
 原作ではキリトがリズベットと共にドラゴン産の鉱石を取りにいきましたが、この小説では錬金スキルで武器になる手前の鉱石を作り出します。
また書いてある通り鉱石以外のあらゆる生産の原料の元になる…という設定です。

あと戦闘を伴わなず、フィールドやダンジョンでアイテムがありそれを採取、採掘もできます。例えば始まりの街の近くの森で薬草のようなアイテムがあり、それを薬学スキル持ちの人に売る事で、狩りのリスク無しに生き延びることはできるでしょう。

そんな感じにしています。


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第4話 設定集

お久しぶりです
第2章の執筆が遅くなっているので、更新と整理のため一部設定を書き出そうと思いま


 キャラ

 まずキリトとアスナが居なくて、ユウとディア以外はSAOでのプレイキャラクターは同じのつもりですが、その中でオリキャラを多数作っているので説明します。

 

 ユウ

 22歳大卒社会人 武器は両手直剣

SAOに1部絡んでるIT(にも手をつけている)会社に勤務、父親も同じ会社。

高校時代からアルバイト形式で会社に通っていたために会社員1年目でありながら、会社員枠SAOβテスターに選ばれるほど信頼されている。

 

 小さいころからパソコンが身近にあり、ネトゲに手を出しでモロにはまる。

FPSや村ゲーなど多岐に手を出したが1番はまったものはPVP主体のMMORPGサーバー内TOPプレイヤーになって「廃神」という(不名誉な)称号を手に入れる。

ptプレイに強い魅力を感じているために、人当たりが案外良い。

その実、ゲームに対しかなり効率重視な見方をする。MOBの動きを見切りシステム的にどう動くかを計算した動きを割り出すことが得意。また単純作業を苦にしない粘り強さが廃人たる所以。

 

 作者メモ

基本は「どんな人間がサーバートップのネトゲ廃人か」を考えた結果です。

ボトラーみたいな廃人では、SAOでは話が進まない気がしたので、色々と盛り込みました。

 

 グラディア

 12歳中学生 武器は直剣を片手両手兼用

 SAOに入り込んだ中学生 なんでやってるんだよこんな子が

剣道でかなりのレベル ソードスキルをほとんど使わず自力の剣で戦っている。

そのため突発的な火力はないがはないが柔軟性に長ける戦い方ができる。

 

 作者メモ

どんな女の子ならSAOでも強いのか?という疑問で 剣術オンライン→剣道 という図式で作りました。

 ちなみに作者にはアスナが強い理由がよくわかってません。SSと同じ動きをしてる?それで強くなるなら何で皆やらないの?見つけ出せない?

SAOの2時創作を作っても自分の中では1つの矛盾点になってしまうので、自分なりに強くなる外部要因として考えました。

でも性格はアスナと結構似てるかも? だが子供

 

 クライン

 24歳会社員

原作に極力順ずる 武器は曲刀

 

 作者メモ

原作データとにらめっこしながら色々盛っています。

基本的にコミュに難があるキリトとも仲良くできる程の人付き合のよさで、自分イメージではかなりの好漢だと思っています。

原作の風林火山はクライン除き5人居ましたがこの小説では2枠空けて貰うため最初の街で会う予定の人は5人ではなく3人にしました。2人分の追加設定作るのは難しいと言うのもあって……

 ゲームを色々渡って、持ち前の雰囲気のよさで慕う人が多い、という設定になってます。

 

 ディオガ

 25歳 高卒の大工 武器は両手槌

リアルでは筋肉モリモリマッチョマンで大らかな人。MMOでクラインと知り合う、後に良くつるむように。

最年長だが他自共に認める脳筋で難しいことはアルバートとクラインに全部任せてる。

 

 作者メモ

基本は壁を任せられる大柄なキャラです。最年長でも細かいことは考えずガッシリと構える人と言うイメージです。

最初の会議では一切発言せず寝てたことにしようかと迷ってたり……

クラインが居ない時はサブリーダーとして纏める人でもあります。

 

 アルバート

 20歳 大学生 武器は片手剣+盾

頭の回転が速くクラインチームの参謀。好き勝手動き回るクライン達の手綱を上手く取り、サポーターとしてptの実質の中核を任されている。

クラインがフィアナの宿題をゲーム越しで見ている時にわからない場所を聞かれて以来、馬が合って付き合い続けている。

ネトゲの全チャでそんなこと聞くクラインも返答がくるとは思っていなかった。

 本人は積極性が無いと言うコンプレックスが在るが、真逆の思慮深さが無いクライン達とは良い関係を作れている。

 

 作者メモ

風林火山の参謀であり頭脳であり苦労人です。会議では司会をやっています。

何かと色々便利なキャラになってしまいました。

本文に書いたアイテム手渡しは原作ではできるのか不明です。

 

 フィアナ

 15歳 高校生 武器は短剣

俊敏重視のシーフ、忍者型のアタッカー。 リアルでも運動得意だがそれ以上にゲーム好き。

まだ中学生の頃、オンラインゲーム初心者の時、クラインに色々教えてもらって以来、兄のように慕っている。クラインと1番付き合いが長く、色々多種のオンゲについてきた。

ネット越しで人をそんなに信頼するのは危ないんだけどね。人を見る目はあるようで。

クラインも彼に慕われて、リーダーのような風格ができたようだ。

 

 作者メモ

子供のようなキャラが彼に付いてくるならどうかと考えた結果です。

FPSのような反射神経などがモノをいうゲームでは相当強いでしょうね。

名前はフィアナ騎士団から こういうのから名前を使うお年頃ですし

 

 

 スキルとその武器

原作を勝手に補完したスキル説明

 

 両手剣

剣を両手で持つスキル、片手より1撃のダメージが多く連撃数は少ない。 武器は片手剣と区別は無いが、単純に重さにより両手で扱わざるを得ない武器が事実上の両手剣として存在する。

 

 両手槌

ハンマー系統の両手武器スキル。頑丈なものが多いため、武器防御もやりやすい。硬い甲殻を持つモンスターに対しても有効で、頭部を殴るとスタンを与えることもできる。ただし剣系統の武器より連撃数が少ない。実は結構初心者もで扱いやすい武器系統。

 

 フィジカルスキル

スキルポイントを使ってステータスポイントをあげるためのスキル。

有用ではあるのだが、SAOはソードスキルが売りのゲームであるためあまり人気が無い。

 

 錬金

アイテムを作り出すスキル。以前書いたように鍛冶、細工、裁縫、その他各種加工スキルに使う基礎アイテムを作り出すスキル。

レベルが上がる最高レベルの鉱石、布地などを作り出す成功確立などがあがる。

 

 薬学

薬草や基礎ポーションを使い、各種ポーションを作り出すスキル。回復薬は上級者初心者誰もが使うため需要は絶えない。レベルがあがると作れる最高級ポーションが作れるだけでなく、常用低価格のポーションの生産効率が上がる。

 

 

 




以上です 
読んでくださった方、居たら本当にありがとうございます。

ここまで書いてきて改めて自分の描写能力の稚拙さが心配というか…
1話から書き直したほうがいいんじゃないかとも思ったりしましたが、1作終わるまではとりあえず書いてみようとがんばってみます。


追記
どうやら操作ミスで多重投稿になったようです 失礼しました
改訂版としてこちらが正しいものですのでよろしくお願いします


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