コードギアス LostColors -LastR2- (久遠寺バター)
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黒の騎士団復活
TURN0 壊された特区


特区日本を宣言から、しばらくしてサクラダイトを輸出する貨物船を視察するライとユフィだったがそこへ謎の集団が・・・・



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ライカレですがIFや外伝で神楽耶やユフィの絡みを書いていきたいです。



E★エブリスタの改正版です。


行政特区日本・・・・

 

ユーフェミア第3皇女が宣言した。ナンバーズとして苦しめられてきたイレブンが日本人としての身分を取り戻し、ブリタニア人と日本人の壁が無く

差別も無く平等の権利を認めるというものだった。

 

疑心暗鬼な日本人達だったが、黒の騎士団の指導者・・・ゼロ。彼の協力により日本人達の関心と信頼を集め、ユーフェミアとゼロは平和の象徴と成りつつあった。

しかし、その特区日本を心良しとしない連中がいた。

ブリタニア軍過激派の連中だ。奴らは僕がユフィと二人でサクラダイトを運ぶ貨物船に居るときを狙い事を起こした。

第3皇女暗殺・・・・貨物船に乗っていたのはすべて過激派だった。奴らはユフィを射殺しようとしたが僕が庇い暗殺は失敗。

だが、奴らは証拠隠滅と僕らの殺害を同時に行うべく、貨物船を爆破した。

しかし、僕らはポートマンで脱出した。

僕は腹部と肩に二発の銃弾を受け、かなり重傷だった。僕は意識を失いポートマンはある方向へ進んで行った。

僕が気がついたのは一日後だった。

ユフィはポートマンに積んであった非常食と僕と食べる予定だったお弁当を食べ、飢えを凌いでいた。抜けていると思ったら賢い女性だ。

 

 

 

「食事はできますか?」

 

「ああ、大丈っ痛ーー」

 

僕の傷はかなり酷いらしくうまく体を動かせなかった。

 

「無理はダメです、そうだ、私が食べさせてあげます」

 

「お願いするよ」

 

俺はユフィと食事しながら画面を見たポートマンのエナジーフィラーは30%をきっていた。僕は今からでは戻れないと判断し、地図を見て方向を北に変えた、半日行けば中華連邦の領土に入ることを知り、急いで個人チャンネルでゼロに紹介された黎星刻に繋いだ。

 

「私は中華連邦の黎星刻だ、そちらの所属を言ってもらおう」

 

「こちらは黒の騎士団、作戦補佐官のライだ。顔をあわせるのは久しぶりですね星刻さん」

 

星刻は意外な顔をした。いや、驚いていたのだろう

 

「ライだと!?まさか、そこに居るのは!」

 

「ああ、ユーフェミア第3皇女だ。すまないが星刻さん内密に保護してもらえないだろうか、僕は肩と腹部に負傷しているんだ」

 

「内密にか?」

 

「あぁ、今の状況はマズイから水面下で動いてほしい」

 

今事が公になればまた、ユフィが命を狙われかねない。だから、今は星刻を頼るしかない

 

「わかった。私の私兵を向かわせよう、逆探知は出来ているそのまま北上し奔杼湾の蒼蓮という船のそばに行きこのチャンネルに繋いでくれ」

 

「了解。感謝します、星刻さん」

 

「星刻でいい。気をつけろよ」

 

通信を終えると俺は横になった。こんな風に女性と一緒に寝るのは初めてだったが意識は直ぐに消えた。

 

目を覚ますと夜の2時を回っていた。

ユフィはもう起きていて、非常食を配膳してくれた。

 

「もう、夜ですね」

 

「そうだね、もうすぐ着くはずだから」

 

僕はシートから体を動かせないので、ユフィに食べさせて貰っている。かなり恥ずかしいが、見ている人は居ないので死ぬほどではなかった。

 

ポーン、ポーン、ポーン

 

機体内に目的地に着いた合図が流れる。僕はユフィに星刻から聞いたチャンネルに繋げて貰った

 

「こちら、ライ。黎星刻からここへ来るよう指示を受けたのだが」

 

通信にでたのは女性だった。

 

 

「私は周香凜だ。星刻様から話は聞いている、今から下のハッチを開けるそこから入れ」

 

「了解」

 

僕は無理をしながらもポートマンをハッチの中に入れた。

そして、二日ぶりに外にでたが直ぐに僕は担架に乗せられた。

 

「助けて頂き、ありがとうございます。私は、ユーフェミア・リ・ブリタニアです。」

 

ユフィの名を聞き辺りは騒然とする。

 

「で、ではこれから星刻の元へお送り致します。着くまでは部屋でお休み下さい」

 

こうして、ユフィは部屋へ僕は医務室へ連れていかれた。

 

 

その日はそのまま過ごした、星刻の所へついたのは次の日の昼だった。

 

「ライ、無事でなによりだ」

 

「ありがとう星刻、君のおかげで助かったよ」

 

僕は乗っていた車椅子から立ち上がり星刻と握手をした

 

「星刻様、皇女様の準備が出来ました。」

 

星刻の侍女だろうか、皇女様の準備とは何だろうか・・・・

 

「これは、少し派手な気がします。」

 

「ユフィ、それは?」

 

「私が勧めたんだ、血まみれのドレスは何かと目立つからな」

 

そういって僕を乗せた車椅子を押していく

 

「ライも少し派手だと思いませんか?」

 

「いや、ユフィにピッタリだ似合っているよ」

 

僕がそういうとユフィはニコニコしながらテーブルへ向かった。僕も後に続いた。

食事を終え星刻に今回の事情を話した後に今の日本の様子を聞いた

 

「黒の騎士団の過激派が、ユーフェミア第3皇女と作戦の邪魔をした、ライ作戦補佐官を殺害し貨物船ごと爆破させた。その後、作戦補佐官の機体を奪い無差別殺人をし紅蓮弐式と月下の活躍によりリーダーを処刑、事件は終わったと思ったが、このことをネタに騒ぎ立てたのが、純血派と一部を除く皇族だった。

黒の騎士団との小競り合いが起き紛争に発展、今は戦争目前のレベルまできている。」

 

「そんな・・・・」

 

「・・・・・・」

 

僕らはショックを受けた。日本では、僕らは死んだことになっていてそのせいで再び戦争が始まってしまったのだ。

 

「これからどうする、ライ」

 

「今は身動きが取れないんだ・・・・しばらく、保護してもらうのはダメかな?」

 

「それは構わないが、その代わり私を手伝ってくれないか?」

 

「僕が君を?」

 

「ああ、まえから目を付けていたのだ。私は天子様との約束を….永続調和の契りを成す為にこの国を変えねばならん。その為の協力者が必要だ。」

 

僕はすぐにわかった、天子様は彼にとって大切な存在なんだと……

 

「星刻、僕でよかったら君を手伝いたい!」

 

「では、友の契りを結んでくれるか?」

 

「ああ、僕でいいなら」

 

僕と星刻は友の契りを結んだ。星刻は僕のデータを見て補佐を任せたいらしい。

 

「星刻、早速だけど頼みがあるんだ、ユフィの隠れ家なんだけどーーー」

 

「それなら問題はありません、私はリーファと仲良しになりましたから」

 

リーファって誰?と僕が首を傾げると星刻が言った

 

「蒋麗華、我らの天子様だ。」

 

「天子様!?そんな凄い人と良く仲良しになれたね」

 

「リーファはいい子です。素直で可愛らしくてでも、どこか苦しそうで少し私と似てるんです。」

 

ユフィは人形皇女とかお飾りとか言われていたから、幼くして天子になって周りに操られてるリーファと通じるとこがあるのかもしれない

 

「天子様の友達に成られたのなら、天子様の傍に居てもらえんだろうか?」

 

「はい、私はそのつもりです。」

 

「ユフィ、君に話さなきゃいけないことがある。僕は名前を変えようと思う」

 

「ああ、その方がいいだろう。この中華連邦にも君の名前を知っている者は沢山いるからな」

 

俺の立場は星刻の左手、彼の後についていくのだから名が広がるのは当然だ。

 

「ライアー・ヴァルフェイトっと名乗ろうと思う。」

 

僕がそういうとユフィは悲しい顔をした。

 

「何で嘘つきと言う名にしたのですか?」

 

「嘘だからだよ。これからやることは、僕が死んだことを前提に進めていく。だから、嘘つきなんだ」

 

僕の辛さや覚悟を理解したのか、ユフィはそれ以上聞いてこなかった。

 

「わかりました。私も髪の毛と名前を棄てます。」

 

そういってユフィは部屋を出て行った

名前は貴方が考えてと言い残して

 

「ライアーか、プライベートの時はライと呼ばせてもらうよ」

 

「構わない、ライは黒の騎士団とブリタニア軍にかなり知名度があるからそれを行方を眩ませるためにライアーと言う名にしたんだ。星刻、初めに謝っておくよ。

ライアーの時はかなり性格や口調も変えるつもりだから気分を害さないで欲しい」

 

「なるほど、そのことなら理解している。私はライだろうとライアーだろうと受け入れるつもりだ。」

 

「ありがとう、星刻」

 

ユフィは名をあらためて、ユフィーナ・シャルロットの名にした。

髪は肩までバッサリ切り、かなり印象が変わった。

僕らは中華連邦に滞在し力をつけていった。

 

中華連邦に滞在して僕は地位と階級を与えられ、専用のナイトメアを手に入れた。技術者にギアスをかけたのは言うまでもないが、まさかラクシャータさんがこちらに来るとは嬉しい誤算だ。

彼女には、新兵器が出来る度にこちらに送ってくれるようにギアスをかけた。

 

驚いた事にユフィはナイトメアに乗れるようになった。かなり、苦労したが運搬には最高の技量だ。

 

そうやって、準備をしているうちに、日本からある知らせが来た、東京決戦の知らせだ。

僕はユフィにそのことを話し、二人で悲しみを抱きながら、それぞれの持ち場に戻り 再び時間の流れに身を任せた。

 

ブラックリベリオンで黒の騎士団は負け、ゼロの死亡が報道された。

 

そして、中華連邦に神楽耶様が亡命してきた、僕は極力ユフィに神楽耶との接触を控えるように言った。

 

そして、僕らは仮面をつけた。

 

 



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TURN1 飛燕四号作戦

行政特区日本から止まっていた僕達の時間
ゼロ処刑から一年間止まったままのルルーシュの時間

二つの止まっていた時間が動きはじめる



黒の騎士団がエリア11で起こした反乱事件「ブラックリベリオン」から一年ブリタニア政府は、トウキョウ決戦で逮捕された黒の騎士団総司令・・・ゼロの処刑を公式発表。

 

エリア11は矯正教育エリアに格下げされ、以前にも増して圧政がしかれていた。

 

僕とユフィはこの一年間、ライアーとユフィーナとして、ありとあらゆる人物と会い人脈を広げ水面下で計画の準備をしてきた。

 

それゆえに僕らは彼の死が偽造であるとわかっていた。

何故なら、アッシュフォード学園の名簿にルルーシュの名が載っていて普通に学生をしているからだ。

それに加え新任教師として数人のブリタニア軍人が赴任していた。

しかし、それ以上にルルーシュの弟、ロロ・ランペルージュの存在に絶句する。

 

そう、彼こそ神根島でであった、あの少年だったからである。

 

また、黒の騎士団の残党がルルーシュに接近しようとすると必ず殺されているため、彼の存在が危険だと判断できる。

 

更に調べるとアッシュフォードの名簿にはあるはずの名前が無かった、スザクとカレンである。

 

スザクはゼロを捕縛し反乱を鎮静化したので、その褒賞としてナイト・オブ・セブンの地位を手に入れていた。

 

カレンは黒の騎士団の残党として、国内をゼロ補佐官C.C.と幹部士官・卜部巧雪とともに逃亡と潜伏を繰り返しゼロ救出の機会を伺っていた。

 

そんな中、バベルタワーでの潜入作戦の情報を得た僕はすぐに、バベルタワーでの作戦の裏工作をするために中華連邦の先遣隊として、僕とユフィはエリア11に入国した。

バベルタワーはギャンブル場があり、裏世界や権力者がギャンブルをしていて、そこではイレブンがバニーとして雇われ奴隷の様に扱われているらしい。カレンが潜入する日、僕は先に審査官にギアスをかけた。

そして、僕らは作戦を実行する日になった。

その日は、丁度、高亥と星刻が入国する日だった。

 

「ふぅー、ユフィ大丈夫かい?」

 

「はい。平気です。貴方こそ無理はダメですからね」

 

「久しぶりに日本にきたのに何だか悲しいなぁ」

 

「はい・・・また、始まってしまうのですね。戦争が・・・・」

 

ユフィは悲しそうな顔をした。

ユフィが宣言した行政特区日本で一時は戦争は終わったのに・・・今は再び戦争が始まろうとしている。

 

「カレンさん、元気でしたね」

 

「ああ、そうだね。でも・・・・」

 

僕がそういうとユフィは黙ってしまった。

僕は話題を変え、作戦の確認をした。

 

「防弾チョッキを着て、作戦は二人でギャンブル場へ入店しルルーシュを監視、更にロロを注意しつつ、黒の騎士団の作戦を促進化する」

 

「わかりました。私は例の爆弾の設置ですね」

 

ユフィは嬉しそうに答えた。しかし、彼女の本心と僕の本心は悲しみで満ちていた。

 

「私はユフィーナでいる時は、お姉様を真似しているんです。」

 

いきなり、ユフィは自分がユフィーナでいるときの話をした

 

「へぇ、コーネリア皇女殿下をねぇ。だから、゛貴様等゛何だね」

 

「はい、コーネリアお姉様は私の憧れでしたから。ライはどんな事を意識しているのですか?」

 

「僕は昔の自分なんだ。何か仮面被っているとやりやすいんだ」

 

二人で、話していると心が安らぐ。これが彼女の力なのかもしれない

 

ビー、ビー、ビー

 

アラームが鳴った。作戦開始の時間が近い事を知らせるものだ。

モニターには、ルルーシュとロロがエレベーターに乗るところが映った。

 

「ルルーシュとあれがロロですね」

 

「そうだね、今ギャンブル場では黒のキングが"ウサギ狩り"をしている。恐らく出くわしたら、いざこざが起きるだろう・・・黒の騎士団が事を起こすならこの時だ。」

 

「"ウサギ"と言うのはなんですか?」

 

「"ウサギ"はイレブンの"バニー"の事だよ、それを力を持っている者が奪って奴隷にするんだ。」

 

僕がそういうとユフィはまた、悲しい顔をした。

ユフィの知らない世界の黒い部分をこの一年間見てきた。彼女の知ら無かったブリタニアの事情が次々に明かされていく

 

「酷い」

 

ユフィはモニターに映る兄弟で傷つけ合い悲しむイレブンと、それを見世物にして笑うブリタニア人の姿を見て酷いと言葉を零した。

 

「ユフィ、悲しんでいる暇は無いよ。僕たちはこの現状を変える為に来たんだから!」

 

僕らはブリタニアのサザーランドにラクシャータさんが改良したサザーランドⅡに乗りこんだ、見た目は変わらないが武装と運動性はかなり高い。ラクシャータさんには悪いがギアスにかかってもらっているから僕の頼みは全て通る。

 

「ユフィ、慎重にね」

 

僕は今回の作戦にはユフィを参加させたくは無かった。ユフィが志願してきたから、断れなかったのだ。

 

「ライ、も気をつけて下さい」

 

ハッチが閉まりコックピットに電源が入る

 

「これより作戦を開始するユフィはーーー」

 

ドカァーーン!

 

大きな爆発音と同時に黒の騎士団の作戦が開始される。

 

「ユフィはこのまま爆弾を仕掛けに行ってくれ、それが済んだらプランCでP地点に来てくれ」

 

「プランCってなんですか?」

 

・・・・まぁいつも通りだから、映像を準備しているんだけどね。因みにプランはA~Hまで考え映像は作った

 

「ああ、わかりました。」

 

今頃、星刻たちはカラレス総督と話しているだろう。センサーが反応する

 

「来たか・・・・カレン」

 

ドンッ!ガラガラガラ

 

壁を崩し目の前に現れたのは紅蓮弍式、カレンだった。

 

キュィーン

 

速攻のダッシュ。そして、次はカレンなら接近戦に持ち込むだろう、だから

 

「スラッシュハーケンで真上に上がり閃光灯を使う……だな」

閃光灯はラクシャータさんに頼んで作って貰った。軍での戦いなら使えないが

今回みたいな工作作戦にはかなりつかえる

 

「逃がすか!!」

 

紅蓮弍式がジャンプし輻射波動機構を使おうとした。

その瞬間、僕は閃光灯を投げた。

 

「クラッカーごときで止められるか!!」

 

カレンが閃光灯を輻射波動機構で受け止めようとしたその時、光が彼女の視界を奪った!

 

「!!?これは、閃光弾!?」

 

閃光灯で目が眩み動きが止まった紅蓮弍式にプライベートチャンネルで通信する

 

「カレン・シュタットフェルト。いや、紅月カレン!」

 

「!!!??プライベートチャンネル!?どうして、このチャンネルを知っているの!?」

 

「一つ教えておこう相手の装備を頭で決めつけるな。そして、敵のナイトメアも」

 

「何が言いたいの」

 

「早くゼロと合流しろ、もうすぐイレギュラーがくる頃だ。」

 

「!?何でそれを!!貴様、何者だ?」

 

「中華連邦の者だ、もっとも味方でも無いがな」

 

「中華連邦の・・・・名前は?」

 

「いずれ、また顔を合わすだろう。その時に、言うとしよう。時は待ってはくれないからな」

 

僕は真っすぐ道にそって、カレンは床に輻射波動をぶつけて下へ向かった。

 

「ライアー、こちらの準備出来たぞ・・・・ププ」

 

「笑うなら分からないように笑え、ユフィーナ」

 

「ユフィーナ、プランEに変更してP地点へ移動するんだ」

 

僕は直ぐに映像を送った。

 

「わかりました。あ・・・了解した!」

 

うっかり素を出し間違いを訂正するユフィ。

やはり、彼女には難しかったのだろうか

 

ピーピーピー

 

センサーに映っていた黒の騎士団のナイトメア、無頼が2機がLOSTした。

イレギュラーが来たらしい。

次は3機を一瞬でLOSTさせた。

イレギュラーはそのまま、ゼロの場所へと向かう。

ゼロの所には無頼2機に卜部さんの月下、カレンの紅蓮弍式。

普通なら十分過ぎる戦力だ。

 

「ゼロ。一先ずあんただけでも逃げてくれ、もともと我らが陽動・・・・捨て石の作戦だ・・・・ならば・・・・」

 

「違うな、間違っているぞ卜部。切り捨てると言う発想だけではブリタニアには勝てない」

 

「「卜部隊長!!」」

 

二人の隊員から通信がはいった

 

「行けそうか?」

 

「「はい、物資搬入口ですね」」

 

「「ああ、このフロアに来る為にはそこが近道だ」」

 

しかし、3機を一瞬でLOSTさせた奴だ、だかが2機の無頼ではどうする事も出来ないだろう

 

「「来ました。ランスロットの量産機のような奴です。」」

 

「新型か、今は捕獲の時ではない。破壊しろ!」

 

「「はい、ええ!?き、消えた!?」」

 

「おい、どうした!」

 

「「な、何で後ろに!?うあぁぁぁ!!」」

 

「おい、どうした。応答をしろ!」

 

ピーーー

 

無情にも2機の無頼は一瞬でLOSTした。その事で、ルルーシュは焦りを感じていた。

 

「C.C.そちらのフロアーはまだ終わらないのか!?」

 

「既に爆弾が仕掛けられているのだが、私に対する侮辱というわけでは無いようだな」

 

「そんな馬鹿な事があるのか!?」

 

「現に起こっているではないか」

 

誰だ誰が爆弾を・・・・ええい、先ずはイレギュラーをどうするかだ。

 

壁を破りイレギュラーが現れる

 

「こいつか!イレギュラーは!?」

 

ふざけるな!スザクじゃあるまいし戦略が戦術に潰されてたまるものか!!

 

「近接戦闘ならこっちが上だ!」

 

イレギュラーは二本の剣を構えた。

 

「遅い」

 

卜部の上段切りとカレンの輻射波動の攻撃を同時に仕掛けるが様子がおかしい。カレンは輻射波動を卜部は上段を構えたままイレギュラーの横を通過してイレギュラーの攻撃で損傷する

 

「消えた!?本当に」

 

「神速!?」

 

カレン達からの認識は消えた、僕の目でみたらカレン達の動きが止まってみえた。

認識からは消え機体は動き続ける。

まず、ギアスとみて間違いは無いだろう。体感時間か人それ自体を止める物かは分からないが

 

「なら、問題はクリアされたも同然だ」

 

僕はハーケンを伸ばして、ぶら下がったままイレギュラー目掛けて急降下する

 

「あり得ない・・・・物理的物ではない。何か別の・・・・」

 

イレギュラーは二本の剣を繋ぎ一本の刀にし構えた。そう、特派でユフィの騎士をしていた時の僕の使っていたランスロット・クラブの武器だ

 

「やっやられる!!」

 

 

 

 

「やらせんよ!」

 

キュィーン!ドゴンッ!

 

サザーランドⅡでイレギュラーに体当たりをした。

 

「何だこいつは?」

 

「ゼロ、悪いが乱入させてもらう。」

 

プシュー

 

ハッチが開きライアーは立ち上がった。

 

「我は中華連邦の蒼き騎士ライアー・ヴァルフェイト。仮面の騎士を名乗る者だ。」

 

馬鹿な中華連邦だと!?何故俺を助ける。今はブリタニアとの友好関係にある中華連邦が黒の騎士団との接触はすべての条件でマイナスしかない、何故……

 

「何であんたが!?」

 

「愚問だな紅月カレン。我は中華連邦であってブリタニアでは無い。」

 

僕がそういうと卜部さんが疑問をぶつけてきた。

 

「だが、ゼロや俺達を助ける事とそれはーーー」

 

「ああ、別だな。しかし、個人的に黒の騎士団とゼロには興味がある。だから、ここから逃してやる。」

 

僕はイレギュラーからナイトメアを離した。

イレギュラーの左肩に爆弾の様な物が緑色の光を放っている。

 

「馬鹿な、まさか!?」

 

「あれはっ!!」

 

「ラクシャータのゲフィオンディスターバ!?」

 

驚くのも無理はない。撃ち込み式のゲフィオンディスターバは僕達の特許だからね。

 

「「カラレスの主力部隊がバベルタワーに突入を開始しました、その数50以上!!」」

 

黒の騎士団の団員から通信がはいる

 

「なんて数なの!?」

 

僕はゼロの方へ向いた

 

「ゼロ、爆弾はこちらがしかけておいた。私は君の作戦を理解している」

 

「何だと、あの爆弾はお前が!?」

 

カチッ、ドカーーーーーーンッ!!!

 

柱が壊れバベルタワーはカラレスの本陣へと倒れ込んだ。カラレスの本陣は壊滅、カラレスは戦死した。

 

何なんだ、あのライアーと言う奴は。カレンと卜部ですら見破れなかったあのイレギュラーを一撃で再起不能にしたあの技量、そして、冷静にものを見て俺より先に俺の考えを読み裏工作をやってのけるあの頭脳。それに、ゲフィオンディスターバの件も気になる。

中華連邦……黒の騎士団に協力させようと考えていたが用心が必要のようだな。

 

「やっと…やっと、話せる。」

 

カレンはコックピットからゼロの無頼を見ていた。

 

 

貴方は誰なの?

 

あの声、あの私の癖を知っているような動き。

私と一部の人しか知らないプライベートチャンネルをしっていたの?

そして、

顔を隠す仮面……誰なのよ?

 



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アッシュフォード学園生活
TURN2 捕虜処刑


窮地を逃れたカレンたちだったが
休む暇もなくギルフォードが行動に出た!!



総領事館に入りすぐにゼロはエリア11全国放送でゼロの復活を宣言し同時にカラレス総督の死を報道した。

 

「なるほど、彼がゼロか……」

 

「ああ、そうだよ……やはり生きていたよ」

 

僕は仮面ごしに星刻と会話をする。

念のためユフィには別の部屋で待機していてもらった。

 

「それで、彼女が君の大切な人か……」

 

「・・・・・・」

 

僕は何も言えなかった…

星刻は僕の心境を悟り話を変えた。

 

「これからどうするんだ、私は立場上あまり目立った動きはできない。」

 

「大丈夫だ。今は力を蓄えながら機を待つさ」

 

僕がそういうと彼はフっと笑った。そして、僕の耳元でその口調は中々面白い。と言い放って行った。

ゼロは放送を終えるとゼロはルルーシュでは無くC.C.だということがわかった。ルルーシュはアリバイのためルルーシュとして学園に向かったらしい。

 

 

合衆国日本の成立から既に3日が経った・・・・・

 

 

いつまでもブリタニアが睨み合いを続けてくれるとは思えない。

中華連邦本国でも総領事更迭の動きがある。

なのに、いまだにルルーシュから次の指示は来ていない・・・・・

いったい・・・何を・・・

・・・あなたは・・・ゼロなんでしょ・・・

 

 

C.C.は残り高亥と星刻と会って話をするらしいくシャワールームつきの待合室で話を始めた。

 

「ブリタニアからの引渡し交渉は遅滞させています。一週間程度はもつかと」

 

「ゼロに伝えておく。・・・それより、中華連邦政府のーーーー」

 

「C.C.!考えてみたら、あんたがバニーやったほうが話はやかったんじゃないの?」

 

カレンがシャワールームからタオル一枚で怒鳴りながらでてきた。

 

「あっ。。。えっ?え、え!?やっきゃあああぁぁぁ!!」

 

カレンはシャワールームの前のモザイクガラスの仕切りに身を隠した。

と言っても見えるんだけどね・・・・

 

「ゼロは・・・女?」

 

「そうだ。」

 

「違います!!」

 

「バラすのが早すぎる。遊び心のない女だ・・・」

 

「ゼロで遊ばないで!」

 

「見えるぞ?」

 

「きゃあっ!!」

 

カレンのタオルがはだけそうになったがギリギリでタオルを抑える

 

「はじめまして、紅月カレンさん。紅蓮弐式のパイロットですよね?」

 

「え!?どうして!?」

 

「興味があるんです貴方たちに・・・」

 

カレンは何とバスタオル一枚で僕らの前にでてきたが星刻は全く動じずに話をしていた。

そうしているとC.C.が僕とユフィを見て言った

 

「何故、そいつらは仮面をしているんだ?」

 

星刻はすぐに答える

 

「彼らは我々中華連邦の騎士で、素顔は私も知らない。」

 

星刻は打ち合わせ通りに自分は知らないと公言した。

これでルルーシュにギアスをかけられる可能性は減った。

ただ、話さないと不自然なので自己紹介をすることにした。

 

「私はユフィーナ・シャルロット。よろしく。」

 

「先ほども言ったが我はライヤー・ヴァルフェイト。仮面の騎士と呼ばれている…よろしく。」

 

「えっ!?」

 

僕が自己紹介を終えるとカレンが僕を凝視した。

やはり変音機を使った方が良かったか?いや全体の仮面より半分でている仮面の方が怪しまれにくいし、変音機を使ったらかえって怪しまれるから今の状態がベストだ

 

 

中華連邦の騎士…でも今の声。。。懐かしいというより似てる、彼に……声の記憶なんて当てにならないけど……けれど…

 

 

これ以上カレンに疑心を持たせないように今はあまり余計な行動はやめよう。

 

高亥はC.C.と話を始めたしかし、おかしいぐらい高亥は黒の騎士団を受け入れている。

やはり、既にギアスをかけたのか?だけどあの感じ…僕は知っている。ギアスの暴走……おそらくルルーシュのギアスは暴走している。

 

そんなことを考えていると待合室に黒の騎士団の隊員が駆け込んできた。

 

「大変です!!扇さんたちが!!」

 

「えっ!?」

 

中華連邦の領土の向こう側で扇さんたちが拘束され晒し者になっている。

それを指揮をしているのは今は行方不明のコーネリアの騎士、ギルフォード卿。

 

「聞こえるか、ゼロよ!!私はコーネリア・リ・ブリタニア皇女が騎士!ギルバート・G・P・ギルフォードである!!」

 

「明日、15時より国家反逆罪を犯した特一級犯罪者!」

 

「みんな・・・・」

 

カレンがボソリと呟いた。

 

「256名の処刑を行う!!」

 

「ゼロよ!!貴様が部下の命を惜しむなら。この私と正々堂々と勝負をせよ!!」

 

この放送を学園で聴いていたルルーシュは

 

「ギルフォード、やってくれる・・・」

 

「あれ?ルル一人??」

 

「ああ、シャーリーこそ水泳部は?」

「それがさぁ・・・私、誕生日プレゼント買う係になっちゃって」

 

「誕生日?」

 

「顧問のヴィレッタ先生。私だけいつも怒られているから丁度いいってみんなに。」

 

「でも、苦手なんだよね。プレゼントとか選ぶの・・・やっぱりお酒かなぁ?好きみたいだし、でも、銘柄なんて・・・・」

 

「付き合おうか?」

 

「えっ?」

 

「だから、プレゼント選ぶの」

 

「あっ!え、いいの!?ホントに?」

 

「これから行くんだろ?」

 

「う、うんうん!」

 

ルルーシュとシャーリーの会話を外で聞いていた人物が・・・・

 

「ネタの提供ありがとうございまーす。」

 

話を聞いていたのは、リヴァルだった。リヴァルはすぐさま、ミレイさんに報告して尾行を計画する。

そのころ俺はカレンに呼び出されていた。

 

「ライアーだっけ?あんたは何で仮面をつけているの?」

 

カレンは単刀直入に聞いてきた。

だが、これも想定内。カレンの性格は理解しているからね。

 

「ほう、仮面をつけている理由か・・・ゼロに憧れたからとでも言っておこうか。」

 

「ふざけないで!」

 

「なら、何故ゼロの仮面には疑問を抱か無いんだ?」

 

この状況を使い俺はカレンが何処まで知っているのか聞き出そうと考えた。

 

「それとこれとは話が違うでしょ!」

 

なるほど、知っているのかゼロの正体を・・・

 

「ふう、私に興味があるのか?」

 

「ふざけてるの?あなたには興味は無いわ!」

 

「あなたには、か・・・・なら、興味がある人がいることは否定しないのか・・・なるほど。」

 

「かってな詮索で話さないでくれる!私はあなたの仮面をしている理由が聞きたいだけよ!!」

 

「どうも、私につっかがってくるな、仮面ならユフィーナやゼロもいるのに私と一対一で話すなんてな。私に誰かを投影しているのか?それとも誰かに似ているのか?」

 

僕がそういうとうとうカレンを怒らせてしまった様だ。

カレンは、拳に力を入れて怒鳴りだした。

 

「いいかげんにして!!人の気も知らないで推測で話さないで!」

 

「・・・・なら、なぜ君は泣いているんだ?」

 

「え?」

 

カレンの頬を涙が流れた。

 

「私は、君の期待している答えはあたえることができない・・・すまない」

 

僕は無意識に彼女の頬に触れてしまった。

気づいた時には親指で頬の涙を拭っていた。

僕は手を頬から離しそれらしい理由をつける。

 

「女性が男の前で涙を流しちゃいけないよ」

 

「あなた・・・・誰なの?」

 

僕はそのままカレンに背を向けて歩き出した。

 

「ライ・・・」

 

「・・・・」

 

ドアが二人を仕切り二人は別々の空間にわかれた。

 

「誰なのよ・・・あなたなの・・・わかんない・・・わかんないのよ・・・ライ・・・」

 

カレンは一人残された空間でただただ涙を流し続けた。

 

そして、総領事館内で爆発事故が起きる。

しかし、これも星刻の永続調和の為の一計で、この事故を一般では黒の騎士団と中華連邦の関係を曇らせる策と同時に総領事・高亥を暗殺する罪を黒の騎士団にかぶせる代わりに協力を約束した。

そして、星刻は総領事・高亥を暗殺し総領事代理となった。

 

処刑実行当日 

 

処刑台を囲むように配置された布陣、総領事館の前で待機するカレンの乗る紅蓮弐式と無頼が数機・・・しかし、カレン達は手を出すことは出来ない。

この絶対絶命の状況で処刑の執行時間が近づいてきた。一般道のバリケードには日本人が詰め掛けゼロの奇跡を願う声をあげている。この状況ゼロがとっている行動は、ギアスを持つ僕なら容易に想像がつく。

しかし、何かあったのだろうか。。。

このままでは最悪の結果を招いてしまう、なら・・・・

 

僕が出撃しようとしたその時、

 

「ちがうな・・・間違っているぞ、ギルフォード!」

 

「なるほど。後ろに回ったかゼロ!!」

 

ゼロが日本人の民衆の後ろにゼロの専用の無頼にのって現れた。

 

「ギルフォードよ。貴公が処刑しようとしているのはテロリストではない。我が合衆国軍、黒の騎士団の兵士だ。」

 

「国際法に法り捕虜として認めよと?」

 

ゼロはコックピットに乗らず機体の肩にのり、バリケードの中に入る。

 

「お久しぶりです。ギルフォード卿、出てきて昔話でもいかがですか?」

 

「折角のお誘いだが、遠慮しておこう。過去の因縁にはナイトメアでお答えしたいが?」

 

でてこないなら、ゼロはギアスが使えない。なら次の手は・・・

 

「ふん、君らしいな。では、ルールを決めよう」

 

そういってゼロは一対一で武器は一つとルールを指定した。しかし、彼が選んだ武器は暴徒鎮圧用シールドだった。誰もが勝気のない、自決する気かとさえ思った。

だが、ここでシールドを指定したのはおそらく別の目的だろう・・・

ここは租界の構造を使いブラックリベリオンの時と同じ作戦を取るか、あるいは・・・

 

僕はあのビジョンが見えた!!

僕は未来を変えるためにこの戦いで死ぬ筈のグラストンナイツを救いに出撃する。

これで星刻がブリタニアに貸しを作れる。念のため通信を入れておいた。ま、事後報告に成りそうだけど・・・

 

「ほぅ、彼はブリタニアにも人脈があるのか・・・」

 

星刻は直ぐに通信を聞いていた。

 

「我が正義は姫様の下に!!」

 

ギルフォード卿が走り出した。

 

「なるほど、私なら、悪を成して巨悪を討つ!!」

 

その瞬間地面が浮き上がりそのまま中華連邦の領土にいや、合衆国日本の領土に倒れこんだ。

僕は既にスラッシュハーケンで坂を上りバートの隣まで行き、左のスラッシュハーケンを切り右のワイヤーを引っ張り3mこちらに引いた。数秒後、真横を本陣の母艦がすれすれで通過した。

それを見届けると僕は手を離し下へと下りる。

 

「バートを助けたのか、彼は何者なんだ・・・」

 

ギルフォードはライへの疑心を抱きながら捕虜へ発砲を始めた。

それをカレンが輻射波導機構で防いでいる。

そう、ゼロは今孤立している。

機を見てかあのイレギュラーが突入してきた、コードネーム・ヴィンセント。

 

次々に仲間の無頼が撃破されていく、そして、ゼロに追いつきスラッシュハーケンで左腕を破壊して追い詰め止めを刺すかと思いきや、ヴィンセントに直撃コースの遠距離砲撃がありそれをゼロが身代わりとなって受けもう片方の手を損傷し機体は倒れた。

 

「ゼロ!ここで因縁を断とう!私の一撃で!!この鉄槌で!!」

 

そして、それを見計らったギルフォードがランスを投げた。

しかし、そのランスはゼロの機体を貫く前に止められた。

まさかのさっきまで戦っていたヴィンセントによって!

 

そじて、星刻が動きだした。

 

「そこまでだ!ブリタニアの諸君!これ以上は武力介入とみなす、引き上げたまえ!!」

 

そう、ここからは政治の話でこれは国際問題となる。

こうして、ブリタニアは引き上げ扇さんたちは解放された。

合衆国日本の黒の騎士団の兵力は一気に整った。

 

そんなことより、久々にカレンの笑顔を見ることが出来た。カレンは僕の正体を知ったらどうなるだろうか。カレン・・・・

 

 

その夜、ある人物がアッシュフォード学園に来ていた。その名は、枢木スザク。。。

 




ついにスザクとライとルルーシュが対面する。
アッシュフォードで繰り広げられる。桃色でシリアスな日々
こうご期待


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TURN3 復学生と転校生

アッシュフォード学園に復学してきた枢木スザク。
また、同時に中華連邦からアッシュフォード学園に直接転校したライ。
そして、ライはライアーとしてスザクと初めて対面した。
そこで彼はルルーシュへの注意と警戒を緩くする為に仮面を脱ぐ決断をする。この行動が後々どんな反響を呼ぶかはわからない。


次の日、アッシュフォード学園の教室。

この教室にはルルーシュと生徒会のメンバーが在籍しているのだ。

 

「本日付けを持ちまして、このアッシュフォード学園に復学する事になりました。枢木スザクです。よろしくお願いします。」

 

自己紹介を終えるとあちこちから

ゼロを捕まえたあの枢木!?

白の死神の!

など彼の評価は高いようで最後にナイトオブセブン様と言う声まで聞こえる。

なるほど、僕がこの一年寝る間も惜しんで過ごしていたのと同様に彼も実績を積み上げて来たのだろう。

 

「ん?君転校生?」

 

廊下で入室のタイミングをうかがっていると目の前にミレイ会長が現れた。

 

「はい、そうです。あなたはミレイさんで間違いありませんよね?」

 

「ええ、私はミレイだけど。んー君。どっかで会ったような気がするんだよねー」

 

僕と話している間にスザクと生徒会メンバーの声がしてきた。

 

「久しぶりだな、スザク」

 

「ルルーシュ、会えて嬉しいよ。」

 

「ほーんと!出世したよなー!!」

 

「スザクくん、久しぶり!!」

 

リヴァルやシャーリーもスザクに話しかけているようだ。

 

「あ、ごめん!また後で!!」

 

それを聞いたミレイさんは急いで教室のドアを開ける。

そして、笑い声が響き渡る。

さて、そろそろ行こうかな…

 

「失礼します。」

 

一緒で笑い声が止みみんなが一斉に視線を向ける。

 

「私は中華連邦の蒼き騎士、ライアーヴァルフェイトと言います。本日よりアッシュフォード学園に転校してきました。短い間か長い間かわかりませんがどうぞよろしく。」

 

「会うのは初めてだね。ライアー・ヴァルフェイト。」

 

スザクが前へと歩いてくる。

 

「そうですね。枢木卿。」

 

「何故、転校してきたのかは今は不問にするよ。だけど、生徒になるならその仮面は取ったらどうかな?」

 

転校の真意は不問にする代わりに仮面を取れと請求してくるスザク。

ここで取って周りに動揺を誘うか?

いや、足りない。

僕の顔を知っているのは生徒会メンバー以外殆ど居ないはすだ。

ならば…

 

「それもそうだな。なら、数日後企画される枢木卿の歓迎会で仮面を外してやるとしよう。」

 

「そうか、なら歓迎するよライアー」

 

「ありがとう、枢木卿。」

 

「スザクでいいよ。ここではお互いただの生徒だから」

 

「では、よろしくスザク。」

 

そう言って握手を交わした。

恐らく今はルルーシュの事で頭がいっぱいなのだろう。

 

「では、ライアーは…一番後ろの席に座ってくれ」

 

「わかりました。」

 

さて、掴みはできた。全てが動くのは歓迎祭だ。

恐らく枢木卿やヴィレッタからブリタニア側にも情報が行くだろう。

 

「正気か?」

 

中華連邦の大使館に帰った僕は星刻に報告をした。

 

「うん、多分これが一番いいと思うから。」

 

「顔を晒したら狙われるのではないか?」

 

「だからだよ。僕はクローンって事にする。そうすれば結果としてライかもしれないと言う疑念も消せる。」

 

「しかし、それで信じないものたちがいるだろう。」

 

「そう言った時のための教団の存在と僕の記憶さ。それに、僕の方に注目がいった方が君にとっては都合がいいだろ?」

 

僕はこの一年で記憶を思い出した。

そして、ギアス教団の事も、ライゼル。狂王だった時の記憶も。。。

 

「はぁーわかった。ライ、君に任せる。ユフィーナの件はどうするんだ?」

 

「ユフィの仮面を外すのはまだ先だよ。ユフィは全てがひっくり返る場ができるまで待ってもらう。」

 

「わかりました。私の命運はライに任せますわ。」

 

「ありがとう。でも、もし嫌になったり苦しかった時は無理しないで。」

 

そうして話し合いは終わった。

さて、明日からどう動くのか楽しみだよ。

ライはニヤリと笑窓を見つめる。

その姿は昔の狂王に少し似ていた。

 

数日後、本当に歓迎会が行われた。

 

「にゃーーーー」

 

スザクの猫の真似?から歓迎会が始まった。

それにしても、物騒だね。

何人も軍人が紛れている。

情報通りにナイトオブラウンズも2人。

ナイトオブスリー…ジノ・ヴァインベルグ。

ナイトオブシックス…アーニャ・アールストレイム。

ラウンズが日本に三人いるというのは恐らくゼロの復活が起因しているのだろう。

ブリタニア側がここまで動いているのだ。

神出鬼没なC.Cは巨大ピザと聞いて来ない理由が無い。

なら、彼女の捕獲に黒の騎士団も動くだろう。

 

「待つんだ!アーサー!」

 

「スザクくん、もうすぐ時間なのよ!!」

 

目の前をアーサーとスザクそしてそれを追うようにミレイさんが走って行った。

 

「これはいいタイミングだな。」

 

ライは資料を拾いコックピットに入った。

するとそこにジノとアーニャが通りかかる。

 

「あっはははは!庶民の学校は面白いな〜」

 

「記録。たくさん。」

 

時間を見るともうすぐ機体を動かす時間だ。

少し早いが弄られると面倒なので機体を起動させた。

 

キュイイイーン。

 

「おお!庶民の学校ではナイトメアがあるのか!行ってみようぜ〜」

 

「巨大ピザ…記録。」

 

少し行くとルルーシュとシャーリーそれと何やらキモ可愛い着ぐるみがもめていた。

そしてそこにミレイさんとスザクが合流したところらしい。

 

「これがトマトだな。」

 

「その声、ライアーか!!」

 

「その通りだよ、スザク。僕は巨大ピザを作った後に例の約束を果たすつもりだ。」

 

「例の約束。…ああ!スザクくんと約束した仮面を取るってやつ!」

 

シャーリーの言葉にキモ可愛い着ぐるみが反応した。

まさかな。

 

「では後ほど、会場でな!!」

 

キュイイイーン。キーーーーンッ…。

 

「おい!待て!!」

 

ナイトメアの後ろをルルーシュ、着ぐるみ、シャーリーが追ってくる。

ふと目の前を見るとアーサーが走っている。

まぁルートは変えられないからな。

しかし古い機体だ。

ルートも良し。

ここら辺でトマトを振るっと

 

ガコン!ガコン!

 

「あれ?なんか異物でも入ってるのかな?」

 

俺はゼロの携帯に電話をかける。

 

「ゼロ、まさかとは思うがトマトコンテナの中に人が入ってたりするのか?」

 

「ライアー、やはりお前!!」

 

「貴様の質問は一切受け付けない。答えだけ教えろ。」

 

「くっ。そこには女子生徒が一人入っている。」

 

「嘘だな。女子生徒なら貴様があそこまで焦る事はないはずだ。恐らく黒の騎士団の幹部で公に顔を出せないC.Cがいるのだろう?」

 

「そこまで分かっているのなら何故連絡をする。」

 

「貴様の事だ。策はあるのだろうから心配はしないが歓迎会が駄目になるのはいささか予定が狂うのでな…C.Cの件は了解した。」

 

これでルルーシュも広場に行くだろう。

僕はルートを外し機体を止めた。

 

「C.Cいるんだろう?」

 

ンバッ!!

 

「お前は中華連邦の。」

 

「話は後だ時間がないのでな。」

 

コンテナの横に取り付けてあるアームを使いC.Cを引き上げるとそのまま下ろす。

巨大ピザは中華連邦の敷地に一切れ持ち帰れるようにするから目立った行動はするな。と釘を刺しておいた。

恐らく広場には報道記者も来ているだろう。スザクはどんな顔をするのか、ルルーシュはどんな顔をしてくれるのか。。。

 

そんなことを考えていると広場が見えてきた。

 

「おおっーと!!きました。ナイトオブセブン、枢木スザクーーー」

 

「リヴァル!そいつに乗っているのはスザクじゃない!」

 

「ええ!?マジかよ。じゃあ誰が?」

 

「今にわかる。」

 

トマトをピザ生地にかけ終えると細切れのチーズをふりかける。

これで少し焼けば完成だ。

 

「ほほっ!スゲえな。あのクラシックナイトであそこまで細かく動かせるのか!!」

 

「…記録。」

 

ナイトオブラウンズも揃ったようだ。

さて、ここからが本当の始まり。

王を孤独にさせない為の…過ちを繰り返させない為の僕の物語の始まりだ。

 

ライは巨大ピザの前にナイトメアを移動させ一回転させ止まった。

そしてハッチを開けナイトメアの上に飛び乗った。

 

「なんと!中で動かしていたのは中華連邦の仮面の騎士。ライアー・ヴァルフェイトだー!」

 

「ほーぅ。彼が噂の中華連邦の蒼き剣か。」

 

「変な仮面…記録。」

 

ライがナイトメアの上に立つと多くのカメラがこちらを向いた。

そして教員や生徒の注意もライに向けられている。

あちこちで歓声と拍手が鳴り響く。

 

「ありがとう。私、ライアー・ヴァルフェイトは、友との約束により今から仮面を外そうと思う。」

 

「おーと、素顔を見たいと生徒の誰もが思っていた。ライアー・ヴァルフェイトが仮面を取ると宣言!これは目が離せない!!」

 

リヴァルが会場を大いに盛り上げる。

その姿を生徒に紛れて着ぐるみを着ているカレンも見ていた。

 

「(ライ…あなたなの…)」

 

知りたいけど知りたくない。そんな矛盾が彼女の心をかきむしる。

そんな彼女の思いを知ってか知らずか、ライは仮面に手をかけゆっくりと外した。

 

………

 

皆が沈黙した。

いや時間が止まったのかもしれない。

 

「まさか…君は…ライなのか?」

 

最初に口を開いたのはスザクだった。

 

「ライが生きていたのか!?」

 

「おいおい、嘘だろ?」

 

「ライ君が生きていたなんて。」

 

生徒会メンバーが次々に口を開き声を上げる。

 

「(ライが生きていた…?)」

 

カレンは何も考えられず。彼を見つめる事しか出来なかった。

 

「な、なんと!!ライアーはライだったのか!?」

 

「「きゃーーー」」

 

真実を知らない学生たちが黄色い声を上げる。

これ以上は収拾がつかなくなるのでナイトメアから降りリヴァルの元へ向い、マイクを受け取る。

 

「改めて中華連邦の蒼き騎士、ライアー・ヴァルフェイトと申します。短くも長いこの期間どうぞよろしく。」

 

ドンッ!ドンッ!ドンッ!

 

後ろから花火が上がる。

こうしてスザクの歓迎会の一大イベントが幕をとじた。

しかし、歓迎会は後夜祭まで用意されておりしばらく拘束されることに。

ピザは中華連邦の仲間にも分けたいと言うことでトラックで運ばせた。

 

「あ、あの!!」

 

振り向くと紫色の髪の子が僕の目の前にいた。

 

「私に何かようかな?」

 

「あ、あの…その…わ、私と踊ってください!!」

 

後夜祭では広場でペアでダンスを踊るイベントがありその相手を申し込まれているようだ。

ライは持ち前の美男子スキルを全開にして答えた。

 

「ええ、私で良ければ。」

 

「ありがとうございます!」

 

彼女に手を引かれ広場へと向かう。

中ではもうダンスは始まっていて、ミレイさんはナイトオブスリーと

リヴァルは知らない女子生徒とダンスを踊っていた。

この現場にはスザクとルルーシュはいない。

恐らく何処かであっているのだろう。さて、どうなるかな。

 

「さぁ、私たちも」

 

ダンスというより曲と雰囲気を楽しむ為のものに近いもので、

なんともゆったりしていた。

 

「私、ミランダと言います。クラスはライアー様の隣のクラスでーー」

 

ミランダという紫色の髪の子は自分の事を話しはじめた。

そう言えば昔、よくカレンに怒られたっけな。「あなたはモテるんだから気をつけて!」少し嫉妬も混じっていたが彼女の姿は愛おしかった。

 

「はぁーもう少しで終わってしまいます…」

 

ミランダの声で現実に引き戻される。

どうやらダンスパーティーの終わりを意味しているらしい。

 

「なら、もう少し楽しもうか」

 

ダンスのテンポを上げターンや密着させる技を駆使して周りを魅了する。

最後はジャンプ、ターン、大ジャンプ、お姫様抱っこで曲が終わった。

ミランダを降ろすと目を輝かせて

 

「とても素晴らしい時間でした。また、機会がありましまらーそのーー」

 

「ええ、こちらこそありがとうございました。」

 

僕の返答を聞くなり彼女は走って人混みに消えていった。

ふぅと一息ついたその時、あの感覚を感じた…

 

誰かがギアスを発動させたのか?

ルルーシュの絶対遵守のギアスではない。この長い波長は…あのイレギュラーか。。。

誰かにギアスをかけているのかはわからないがここに居ない面子を考えるとスザクとルルーシュとロロか……

ゼロを、ロロを護った件を考えるとロロはスザクにギアスをかけている可能性が高い。

彼の行動の動機はなんなのだろうか……




スザク、そしてルルーシュがライアーの素顔を知らせ
更にライではないとだけ言うライアー。
この疑心が彼のプロットにどう影響するから次回!!
次はミレイ会長とユフィのifを載せます。
まぁ外伝だと思ってください。「If TRUN○ √○○」と表記しますのでよろしくお願いします。

遅れてすいません。
少し仕事が大変になってきてしまいました。



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IF TURN3 √ミレイ

ミレイさんとライの絡みです。
特区日本成立前からライとミレイさんは付き合っていて裏でブリタニア軍に入ってたという設定です。
本編との差はあれど中華連邦スタートなので
そこらへんの繋ぎはご想像にお任せいたします。



ミレイファン以外はスルーしても本編には影響ゼロですので、どちらを取っても損はさせないように全力で頑張ります。


「ライアー君だっけ?」

 

ライがギアスの波長のする方を見上げているとミレイ会長が声をかけてきた。

 

「はい、何か用でしょうか?ミレイ会長。」

 

「んーー。やっぱりライに似てるわね〜」

 

「そうですねか?」

 

「うん、瓜二つって感じよ〜!」

 

ミレイ会長は少し考えて、何かを思いついたのかニコニコしながら僕の前に立った。

 

「ライアー君。私と踊って貰えませんか?」

 

ミレイ会長が手を出してきた。

しかし、ダンスパーティーは終わっている。

 

「嬉しい申し出ですがダンスはもう終わったはずでは?」

 

「ノンノン!学園で私の思い通りにならないことはないのよ!」

 

そう言って息を吸い込み。

「会長命令ー!!ダンスパーティー再開よーー!!」

それと同時に会長と僕の周りに人だかりができた。

 

「会長!是非わたしと!」

「ミレイ会長!僕と!」

「ライアー君、私と踊って!」

「会長の次でいいから私と!!」

 

ヒートアップしている中で会長が高らかに叫ぶ

 

「私とライアー君は予約済みでーす!」

 

グイッと引っ張られ中央へ連れて行かれる。本当昔からこの人には敵わないなー……

 

「あのさ〜、本当にライじゃないの?」

 

「会長。もうその話は終わったはずでは?」

 

「んーでも、背も声も髪色も外見がぜーんぶ似てるのに別人だなんて考えられないのよ。」

 

そう言ってターンをしてグイッと距離を狭めてくる。

 

「そうですか……私がライだったらどうします?」

 

「う〜んそうね〜。あわよくばって思うけど…もう遅いかもね。。。」

 

そう言って空を悲しそうな顔をして見上げた。

 

「1年間で何か変わってしまいました?」

 

「いいえ。ライは変わってないわ。私がロイド伯爵のフィアンセになったの…」

 

「そうですか…もう結婚なさるのですか?」

 

「ううん。私今留年したから愛想尽かされちゃったかなーってところ。」

 

「そんな事は無いのでは?こんなに美しく、優しく、美しい女性から婚約されて留年ぐらいで愛想尽かす人間の方がどうかしている。」

 

「美しいを二回言ってるわよ。」

 

だんだんとお互いの喋り方や距離感が昔の二人に戻っていくように感じ、ミレイはライアーがライであると確信を持った。何がどうでは無く、理論も根拠もないが彼女はそれを疑う事は無かった。。。

何か理由があるのだと。

この一年で二人とも変わってしまった。。。

ライアーとなったライ。

ロイドの婚約者になったミレイ。

もはや戻れないのかもしれない…

だがこのダンスが終わるまではあの時の二人でいよう。

愛し合い、助け合い、触れ合っていたあの短い日々のように……

 

「曲が終わっちゃうわね…」

 

「ミレイさん…最後にわがままを言ってもいいですか?」

 

「ん?な〜に?」

 

ライは真剣な顔をして、

三回転ターンをした後ミレイを抱きしめ首にキスをした。

 

「ミレイさん、ライは生きています。成すべき事を成したら貴方を迎えに行きます。その時もし貴方が良かったらーーー」

 

言いかけたところで唇をミレイさんの指で止められた。

 

「その続きは迎えに来てから教えてね。ライ…」

 

「わかったよ。ミレイさん…」

 

二人はそっと離れライは

ライアーの仮面をつけ、ミレイは会長に戻った。

そして、最早お開きと言わんばかりにミレイ会長の終了宣言とともに騒がしくも切ない歓迎会は幕を閉じた。

 

この数日後ミレイは婚約を破棄しニュースキャスターとなるのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いやー本当に未熟な文で申し訳ありません。
いろいろな方を参考にしつつ頑張っていきますので
暖かい目でご覧下さい。

これからのIF TURNはミレイ、ユフィ、神楽耶、千葉、ナナリー
少なめですが。モニカ、ネリ様、ヴィレッタのアダルティな面々もプロットを作ってあります。
あとは…むしろ無くていいかもしれないスザクと藤堂とオレンジ君のむさ苦しい友情√まで案は出てます。
まぁこれからも息抜き程度で観れるギアス小説でありたいと思います。


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IF TURN3 √ユーフェミア

うーん
なんか勢いで書いてみましたが。。。
ミレイさんの時のような高ぶりは無かった。。。
まぁ、でもこれからもっと良くなるでしょう?


あと TURN0に表紙のモデルを載せました。
気が向いたら見てくださると嬉しいです。


ダンスパーティーの後、ルルーシュとスザクの密会を放置して、会場を抜け出し一足先に帰った。

大使館に帰ると少し不機嫌なユフィが出迎えた。

 

「おかえりなさい。ライ。」

 

「あ、ああただいま帰りましたでございます。。。」

 

何だろう少し怒っているような感じがするけど…

しかし、怒っているユフィの笑顔がこんなにも怖いとは……

そんな事を考えていると。

 

「ずいぶんと、遅かったですね〜。楽しかったですか?学園祭」

 

「あ…うん。た、楽しかった…よ。」

 

「どうかしました?何だかライの喋り方、変ですわ。」

 

「いや、そんな事ないよ。。。うん

 

どうする?謝るべきか。

いや理由もわからず謝るのはそれこそ逆効果だ。

僕だけ仮面を外したからか?

それとも、僕だけ学校に通っているからか?

まさか、学園祭に連れて行かなかったからか?

くそ、幾つもあり過ぎてわからん。

困った。どうすればいいんだ!!!

 

「ライは、ズルいです。」

 

「え?」

 

僕が悩んでいるとその姿を見かねてかユフィが話はじめた。

 

「ライの悩んでいる顔を見たら許したい気持ちになってしまいます。」

 

「僕…ユフィに何かしたかな?」

 

「いいえ。むしろ何もしていないのが問題なのです!!」

 

「え!?」

 

「ライの公の場での行動は私達の目的の為…その事は理解しています。ですが!プライベートな時間や少しの時間でさえ私とお話する事をしないではないですか!!」

 

ユフィは涙目で話と言うか叫びを僕にぶつけた。

僕は今までどれほど彼女の優しさに甘え、彼女の苦しみ、淋しさ、痛みを理解しようとしてこなかった事をひどく後悔した。

 

「ごめん…ユフィ」

 

「あやまらないでください。私が悪いのです……あなたが恋しくて恋しくて、あなたと話せない時間が、あなたと触れ合えない時間が私の心をモヤモヤさせてこの様な醜い私に変えてしまうのです!!」

 

「ユフィ…」

 

彼女をこんなにも傷つけて…

一番近くで一緒に戦っていた仲間であり、盟友であり、大切な人を救えないで何が世界を変えるだ。

そう思うと自然と体が動き、彼女を抱きしめていた。

 

「ユフィ…ごめん。僕も君が恋しかった…だから1日でも早く特区日本を復活させて君を公の舞台に立たせようとしていたんだ。」

 

「わかっております…ライ。」

 

「なのに、君の痛み、君の淋しさ、辛さを悟ってあげられなかった。こんなんじゃ恋人失格だね……」

 

「ライは間違っています。私は公の舞台に立つのが私の願いではありません。あなたと一緒に日本を変えること。あなたと一緒にいることが私の願いなのですよ、ライ。」

 

「ユフィ。」

 

「ライ…」

 

二人の唇が近づき口付けを交わした。

振り返るとこんなにも近くにいたのに触れ合いはおろか口付けも久しくしていないことに気がついた。

僕は知らず知らずのうちにユフィと距離を取っていたようだ。

 

「なんか凄い久しぶりな気がするな。」

 

「久しぶりな気ではなく、久しぶりなんです。私は寂しかったです。」

 

「ごめんユフィ。もう、一人で突っ走ったり。距離をとったりしないから。」

 

「ええ、ライ…あなたを愛しています。」

 

「僕も君に負けないぐらい愛しているよ。今も、これからもずっと…」

 

静かに再び口付けを交わす。

お互いの体温と存在を感じながら

二人の時間を過ごし眠りについた。

 

 




どうでしたでしょうか。
まぁユフィファンでもあまりグッとはこなかったかもしれません(~_~;)
申し訳ありません。ユフィの魅力を伝えきれず!!!

次は本編に戻ります。
いよいよナナリーと対面するまで行けるのかな??
それではまた!


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TURN4 新総督救援作戦

ナナリーとライの再会ですね!!
いやーこれでナナリーの√も解禁です!

後々書き上げます。
ナナリーみたいな妹がいたらいいのになぁ〜



歓迎会の次の日、枢木スザクはナイトオブスリーとシックスを連れて中華連邦の大使館前に来ていた。

門の前で星刻が三人を迎え、こちらの黒の騎士団との関係の白黒とそのブリタニアとの同盟の証に新総督の護衛に中華連邦の蒼き剣…ライアー・ヴァルフェイトを向かせたと報告した。

そう…今の僕達は中立の方が動きやすいのだ。

 

「まさか…ナナリーを!!」

 

「やられたな。スザク。」

 

「仕返し…する?」

 

ラウンズ達はすぐさま基地に帰還しナイトメアをチェックする。

その頃ゼロ達は新総督の空母に取り付いていた。

既に周りの護衛艦を三隻沈めていた。

間に合ったようだ。

腰についているビームランチャーで牽制をする。

 

「!?今の何処から!!」

 

「援軍にしては早すぎる!」

 

「敵襲だ。各機散開しろ!!」

 

「「了解!」」

 

「強襲部隊は四聖剣の5人とカレンか…」

 

ライのナイトメアが視覚圏内に入るとカレンと卜部が声をあげた。

 

「あれは。ライヤー殿か!?」

 

「嘘でしょ!?何でフロートユニットを!?(ブリタニアの技術を使っているって事は、ライもギアスで記憶を書き換えられているの?)」

 

「よく聞け、黒の騎士団の四聖剣、親衛隊隊長。私は中華連邦の蒼き剣、ライアー・ヴァルフェイト。ブリタニアの新総督…ナナリー・ヴィ・ブリタニア総督を救出させてもらう。」

 

あえてオープンチャンネルで黒の騎士団に宣戦布告をし、母艦に向かう。

卜部とカレンは疑問をぶつける。

 

「何故だ!ライアー殿!!」

 

「あなたは私達の仲間じゃないの!?」

 

「それは、私の道と君達の道が合わさればの話だ!!」

 

ライは千葉の月下を左手のマシンガンで牽制する。

 

「たかがサザーランド一機で!!」

 

朝比奈が横から応戦する。

朝比奈の方への牽制対象を移し

閃光弾を卜部に投げた。

 

「舐めるな!!」

 

「卜部さんダメ!!」

 

カッ!!!

 

閃光弾はあまり兵器として浸透していない為か卜部は予測できず閃光弾を回避できなかった。

閃光弾をもろにくらった卜部は明らかに照準がブレている。

その隙にライはMVSトンファーで卜部機の胴を切り落とした。

 

ピーピピーー!

 

ライの方のセンサーにブリタニア機が映った。戦闘機?アレがナイトオブスリーの愛機…可変型ナイトメア・トリスタン。

後ろにいるのはナイトオブシックスの愛機だろう。

あっという間に朝比奈機を撃破したトリスタン。流石に情報に無い可変型に動揺したようだ。

そんなこと考えている右の方から母艦の方へ被弾した護衛艦が母艦めがけて落ちてくる。

落ちてきた護衛艦を視覚で認識できるギリギリのところから赤い機体がハドロン砲で護衛艦を撃破した。

おいおい、ハドロン砲はマズいだろ!?

敵機の注意を向こうに向けてライは下の格納庫から中に入り急ぎスザクのチャンネルへ通信をした。

 

「こちらは中華連邦のライアー・ヴァルフェイトだ。」

 

「…何故僕のプライベートチャンネルを知っている?」

 

「質問は後だ、枢木卿。ナイトオブシックスを下がらせろ。こちらの作戦に支障がでる。」

 

「悪いがそれはできない。だけどハドロン砲はもう使わせないようにしよう。」

 

「助かる。こちらは内部に入った。恐らくゼロだけ入ったのだろう。黒の騎士団の戦力は空母に取り付いている5機のみだ。」

 

「わかった。僕も今から出撃する。」

 

「でわな。」

 

通信を切り一直線にナナリーのいるであろうブロックに向かう。いく先々で人死んでいれば考える必要は無い。

 

「世界はもっと優しく変えていけると思うのです。だから私はユフィ姉様の意思を継ぎ行政特区日本をーー」

 

「復活させるというのか!」

 

「ゼロ。あなたもそこに参加してもらえませんか?」

 

聞こえてきたナナリーとゼロの会話。だけど時間が無い。

ゼロには悪いがナナリーと脱出させてもらおう。

 

「ナナリー!助けにきたよ!」

 

「その声は!ライさんですか!?」

 

「どうしてここへ?」

 

ナナリーへの道をゼロが立ち塞がる。

 

「簡単なことさ。ナナリーを助けるためにここに来た。あなた方の奇襲は知っていたからね。」

 

「馬鹿な、あの戦力を一人で抜いてきただと!?」

 

「ああ、今はカレンと四聖剣をラウンズが相手にしてくれているけどね。」

 

ゼロは黙ってこちらを見ている。

恐らくギアスを使うか考えているのだろう。

 

「その力を使うのはよした方がいい。」

 

「!?」

 

「もう時間が無いんだ抜かせてもらうよ!!」

 

ライはゼロの横を避けナナリーの元へ…

 

「やぁ、大丈夫か?ナナリー。」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「ライさん!本当にライさんなのですか?」

 

「ああ、もうすぐスザクも来るから。」

 

ナナリーを抱きかかえスザクに繋いだ。

 

「こちらライアー。枢木卿こっちに来れるか?」

 

「くぅ!!すまない。今は!」

 

戦闘状態だったようだ。

あの戦力でスザクを苦戦させる事は難しいはずだが…

まさかラクシャータの新作を投入したのか?

 

「了解した。こちらで脱出する。」

 

さーてどうするか、

正直ゼロがこのまま見送ってくれるわけもないが、こちらにはキレるカードが幾つかある。

 

「ゼロ。取引をしよう。」

 

「いってみろ。」

 

「このままではあと数分でこの船は沈む。私はナナリーを助けたい、君はナナリーを連れ去りたい。目的は違うがナナリーの生存が第一だ。」

 

「それで?」

 

「格納庫まで駆け足でいってギリギリ生還できるかってところだ、だから行かせてもらうよ。」

 

「行かせるとおもうのか?」

 

「その代わり!君の正体、力、目的。この3つの秘密を黙秘しよう。」

 

「…」

 

「答えはいらないよ。行動で示してもらう。」

 

ライはナナリーを抱えて走り出した。ゼロの横をすり抜けて…

やはりゼロは撃ってこなかった。

ナナリーにその3つを知られる事は彼にとっての禁忌に触れることだろう。

 

「ライさん。ライさんはゼロの正体を知っているのですか?」

 

「いいや、ハッタリだよ。それよりナナリー、会いたかったよ。」

 

「はい、私もライさんに会えて…本当に…グズ」

 

涙をを流しながら胸に顔を埋めるナナリー。

その姿にナナリーがどれほど自分を思っていてくれたのかわかって自分も胸が熱くなった。

 

ドゴーーン!!

 

一瞬、大きな衝撃が起こった。

さっき居たブロックからだ。

黒の騎士団の生存機がゼロを助けに来たのだろうか?

爆発により母艦の傾きが増した。

格納庫に着くとさっきの爆発により少し機体が傾いて居た。

何とかコックピットに乗り込み母艦を脱出した。

 

「ナナリー、脱出したよ。よく頑張ったね。」

 

「いいえ、ライさんのおかげです。皆さんは脱出できたのでしょうか?」

 

ナナリーが言う皆さんは

あの母艦に乗っていた軍の人達を指しているのだろう。

 

「全員かはわからないけど脱出したよ。」

 

「そうですか…」

 

ナナリーは少し黙ってしまう。

僕は再びスザクのプライベートチャンネルに繋いだ。

 

「こちらライアー。ナナリー総督を救出した。枢木卿、そちらはどうだ?」

 

「ああ、新型の輻射波動機構にやられてしばらく動けないみたいだ。合流をたのめないかな?」

 

「了解。」

 

チャンネルを切るとナナリーが話しかけてきた。

 

「ライさん。ライアーってライさんの名前ですか?」

 

「ナナリーには嘘はつけないな…実は僕は命を狙われているんだ。だから名前を変えてこの仮面を被っているんだ。」

 

「そうだったのですか…ライさんはそんな中でも私を助けに来てくれたんですね。」

 

「当たり前だよ、それにナナリーがユフィの行政特区日本を復活させるって言った時は嬉しかったよ。」

 

「いえ…私はユフィ姉様が大好きでしたから…」

 

「そうだね、その為にも必ず成功させよう、その為に僕はナナリーを支えるよ。」

 

「はい、ありがとうございます。ライさん。」

 

「あと、ライって知っているのはナナリーだけだから他言無用でね。」

 

「スザクさんにもですか?」

 

「ああ、スザクにも。」

 

「わかりました。ライアーさん。」

 

「ありがとう、ナナリー総督。」

 

スザク達の母艦に誘導されて帰還した。

 

「ナナリー!無事でよかった!」

 

「スザクさん、助けに来ていただいてありがとうございます。」

 

ナナリーと挨拶が終わるとスザクは僕方へ話しかけてきた。

 

「ライアー。御礼を言うよ…ナナリー総督を救出してくれてありがとう」

 

「いや、こちらこそ。救出作戦で要なのは敵戦力の注意を散らし障害を減らす事だ。今回あの紅蓮を止めてくれていただけでもありがたかった。」

 

そう言って二人で握手をする。

ナナリーは嬉しそうに予備の車椅子に乗り艦長達の元へ向かった。

 

「んん〜面白いナイトメアだね〜!」

 

いきなり懐かしい白い服の眼鏡男が話しかけてきた。

 

「そうか?至って普通だと思うが。」

 

「ちょっとロイドさん!?」

 

この眼鏡男の名前はロイド

行政特区日本の成立した後に騎士としての推薦書と推薦人を引き受けてくれた物好きだ。

 

「サザーランドにしてはいろいろ弄っているみたいだし、どっからフロートユニットやMVSのパーツを手に入れたのかな?」

 

「さて、なんのことかな」

 

「それに見た目はサザーランドでも中身は違うみたいだね〜んふふ、ちょっと調べさせて欲しいな〜」

 

「ダメだ。」

 

「いい加減にしてください!ロイドさん!」

 

後ろからいきなり割って入ってきたのは女性は特派所属のセシルさんだ。

いきなりロイドの首を掴みセシルは引きずりながから消えていってしまった。

 

「ふぅ、やっと二人で話せるね。ライアー。」

 

「そうだな。枢木卿」

 

スザクと二人格納庫に残り

スザクは二人でしか話せない事を話し始めた。

 

「ライアー。単刀直入に聞こう…君はライじゃないのか?」

 

「ライか…間違っていないが正しくもない。」

 

「なら、君は誰だ?ライと同じ髪と声、背格好まで同じ人間がいるのか?」

 

僕は最初から考えていたクローンであると彼を信じさせる事にした。

 

「私はライの記憶を移植された人造人間だ。クローンと言った方がいいかな?」

 

「じゃあ彼は、死んだのか?」

 

「ライの乗ったナイトメアを拾った人間がライのクローンである私を作ったのだ…当然生きてはいない。」

 

「存在的にはライで在るがオリジナルのライでは無く.彼の記憶を持っているクローンってだけだがな。」

 

「まさか。そんな事ができるのか!?」

 

「何を驚いているのだ?アッシュフォード学園で生徒会メンバーと会う前にライが居た場所もそういう研究所だったんだぞ」

 

スザクは何やら考えてをまとめようと必死だが、中々まとまらないようで、時間ばかり過ぎていく。

時間の無駄なので、僕は話を切ることにした。

 

「信じられないのもわかる。しかし、私は本当に君の知るライそのものなのか?それを見極めるといい。

次はもっと有意義な時間にしよう」

 

「ただ一つだけ言っておこう。私がこうなったのは、ユフィの死が大きな要因だ。私はユフィを死に追いやった奴を見つけ出して大衆の前で無惨に殺してやるつもりだ。だからもう、この話はするな。君がユフィの騎士だったのならな。」

 

「……ユフィとライの無念を晴らしたい気持ちは僕も一緒だ。これからは協力という形をとりたいと思っている。時間を取らせてすまない。また、学園で会おう。」

 

ユフィの事をもっと聞きたかったろうに今回は混乱し過ぎていて正確に判断できなくなっているようだ。

まぁ、当然だろ。あんな話を信じるほど彼も馬鹿じゃない。

いつか明かすその日まで疑心暗鬼にかられてくれていればいいさ。

 

さて、ルルーシュはどう動くか…

ルルーシュの行動の目的、理由、原点、のナナリーが敵にまわってゼロを続けられるのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしょうか、
今回からできるだけ挿絵も載せていきたいと考えています。
時間がない中ですので鉛筆仕上げですが
カラーにして欲しいとか要望も感想も待ってまーす。
これからもギアスとロスカラをよろしくお願いします。


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TURN5 放棄のゼロ

ナナリーか新総督に就任し事実上の敵になってしまい。
戦う気力を失ったルルーシュ。
ナナリーの為のゼロ。
彼はその誓いを破り新たに誓いを立てる。
世界を…日本を…失ったものを取り戻す為に…



学園で新総督ナナリー皇女殿下の挨拶が放送された。

そこで彼女は行政特区日本の復活を宣言し、黒の騎士団とゼロを名指して特区日本への参加を願った。

それを聞き一人体育館を出るルルーシュ

それを追うロロ…

そして二人を監視するライの従者。

ライには二人の行動が逐次報るようになっている。

 

ルルーシュは学園を出たらしい。

この放送は黒の騎士団にも届いているだろう、彼らは既に会議を初めているかもしれない。

だが、重要なのは幹部や下っ端の意見ではなく指導者ゼロの意見なので、正直、黒の騎士団の動向は捨て置いていいだろう。

 

クラスに戻ると生徒会のメンバーは集まってどっかに行ってしまった。

不安のせいか僕の周りに同級生が詰めかけた。

 

「なぁ、ヴァルフェイト卿。もしまた黒の騎士団の裏切りがあったらどうすればいいんだ!?」

 

「私、怖い。特区日本はいいと思うんだけど、テロリストを野放しにしたんじゃ安心して暮らせない。」

 

「俺は断固殲滅だ、黒の騎士団を処刑しない限り平和は来ない。」

 

「まぁ、みんなが言いたい事はわかるけど落ち着こう。ナナリー総督とゼロにしかこの事態に対する決定権はないだから…成り行きを見守ろう。」

 

俺がそう言うと皆頷き何故か納得した。

 

「確かに、ヴァルフェイト卿の言う通りだ。」

 

「そうよ、だってこの学園にはラウンズと蒼き騎士様がいるんだから!!」

 

「もしかしたら、家より学園の方が安全だったりしてな。」

 

みんなが笑っている。

僕も合わせて笑顔を作る。

そんな事をしていると時間は過ぎ下校の時刻になっていた。

僕は総領事館に戻り直ぐに報告を聞いた。

驚く事にルルーシュはあのリフレインを貴族から奪いフラフラと新宿再開発地区の第五地区に入っていったらしい。

ルルーシュにとってナナリーは人生の目的そのものだったのだろう。

 

「これはマズイかな…」

 

ライは携帯でライアーとしてカレンに電話をした。

 

「もしもし。」

 

「紅月カレンで間違いないな。」

 

「…もしかして、ライなの?」

 

「私はライアー・ヴァルフェイトだ。ライという名前ではない。」

 

「貴方は記憶を書き換えられているのよ!!」

 

「無駄話をする気はない。ゼロの行方を教えてやる。彼は新宿再開発地区の第五区画に居る。」

 

「ライ!私の話を聞いて!!」

 

「今、ゼロを保護しなければ君の夢は幕を閉じる事になる。物事を冷静に考え優先順位を間違えるな。」

 

「ねぇ!!ライ!ライッ!!!」

 

プープープー

 

電話が切れた。

カレンは電話を見つめる。

 

ライは今ギアスによって記憶を書き換えられているのよ。

今、私の声はライには届かない。

ライアーとしての人格に消されてしまっている。

ライ…必ず私が貴方の記憶を思い出させてあげるからね。

 

カレンはライへの思いを胸に彼の示した場所へと向かった。

 

これでいい…カレンは恐らくギアスの事を知っている。それゆえ、僕がギアスによる記憶操作されていると信じて更に強い思いをゼロにぶつけるだろう。

そしてゼロもまた、失った者への思いと変えたい世界を前に更なる一手を打つだろう。

逃亡か…解散か…

 

「楽しそうですね、ライアー様」

 

「ん?ああ、ミンファか。」

 

ミンファは、中華連邦にいた時に助けた孤児だ。

彼女は俺に恩を返したいと必死に食らいつき。

たった数ヶ月でナイトメアを乗りこなした。

 

「そんな顔してたか?」

 

「はい、レジスタンス掃討作戦の時のようなお顔をされてました。」

 

レジスタンス掃討作戦は向こうで僕が中華連邦から認められるいちばんの要因となった戦いだ。

その時の副官がミンファだった。

 

「今回も中々いい具合に進んでいるからかな。それに今回は相手が二人居るからね退屈しないよ」

 

「黒の騎士団とブリタニアですか?」

 

「ミンファ、それは思っていても口に出しちゃいけないよ。今居るのはブリタニアなのだからね。」

 

ミンファは正直者で真っ直ぐな人間でタブーや言いにくいことをズバッと言ってしまう所がある。

 

「すみません、私また!!」

 

「はは、気にするな。いる場所を考えて話すようにした方がいい、君自身の為に。」

 

「はい!ライアー様の御言葉、心に刻み込みます。」

 

「そうしてくれ、んじゃちょっと出てくる…」

 

「どちらに?」

 

「野暮用だ…」

 

僕はバイクにまたがり新宿再開発地区へと向かった。

第五地区の前に来ると中からカレンの声が響いてくる。

 

「しっかりしろルルーシュ!今のあんたはゼロなのよ!私達に…ライに…夢を見せた責任があるでしょ!だったら!最後の最後まで騙してよ!今度こそゼロを演じきって見せなさいよ!!」

 

カレンが第五地区からでてきた。

こうも響くものなのだな、いくら心を閉ざしていても彼女が僕の名前を呼ぶと昔の…黒の騎士団の時の自分が思い浮かぶ。

 

ライは走って出てきたカレンに声をかけた。

 

「ゼロには会えたか?」

 

「あんた、何を考えているの?」

 

「この世界の平和だよ。」

 

「なら、何で私達を助けたり敵になったりすんのよ?」

 

「こちらも立場があってね、なかなか思うようには動けないんだよ。」

 

カレンがこちらを向いて相対する。

彼女の目は少し赤くなっていた…

 

「あなたはゼロの正体を知ってるのね。」

 

「知らなかったら調べられないからね。」

 

「でもその秘密をブリタニア側には報告していない。その目的は何なの?」

 

「それを明かしてこちらに何かメリットがあるのか?」

 

僕はカレンの横を通り過ぎる。

 

「現時点でゼロは特区日本に参加する可能性が高い、そこからどう動くか楽しみにしているよ。」

 

「まだ話は終わってない!!」

 

「それでは特区日本でな…」

 

ライは第五地区を後にした。

カレンもまた、黒の騎士団と合流するべくタンカーへと向かった。

 

そして次の日、黒の騎士団が特区日本に参加すると言うニュースがあちこちで流れた。

 

「行政特区日本か…ナナリーはユフィの意思を継いでくれたのかな?」

 

「ええ、素敵ですね。私もナナリーが大好きです。」

 

ナナリーの事を話すユフィはとても嬉しそうで見ているこっちも嬉しくなってしまう。

だが、ゼロの事だトリックの効いた条件を突きつけているはずだ。

恐らく既に手を打っているだろう。

 

「ナナリーは大丈夫でしょうか?」

 

「大丈夫さ、僕も警護するしスザクもいる。安心していいよユフィ。」

 

「だといいのですが…」

 

コンコン…

 

ユフィと話しているとドアを誰かが叩いた。

すぐさま仮面をつけて返事をする。

 

「どなたですか?」

 

「ミンファです。至急の報告があります。」

 

「入ってくれ。」

 

「失礼します。ライアー様、ユフィーナ様。」

 

ユフィはお辞儀をしてミンファに応答する。

 

「報告はなんですか?」

 

「はい、黒の騎士団から星刻様に海氷船の手配をして欲しいと届け出があったと報告がありました。あと星刻様とライアー様、ユフィーナ様は中華連邦へと帰還の命令が出ております。」

 

「そうか、これはいい機会かもしれないな…」

 

「どいうことですの?」

 

「恐らくゼロは中華連邦への亡命または侵略を考えるだろう。その前に中華連邦で備えていた方がいいってこと」

 

「流石です、ライアー様!」

 

「では、どうしますの?」

 

「ユフィとミンファは先に中華連邦に行き天子様の警護を。俺は特区日本の式典が終わったら直ぐに向かう。」

 

「わかりましたわ。」

 

「了解です。」

 

二人は準備する為に部屋を出ていった。

今回の特区日本。

ナナリーには辛いものになるかもしれないな。何せゼロの罪も許そうとしているナナリーを裏切るということになるのだから。

しかし、ゼロが逃亡を選んだ場合。中華連邦にブリタニアからのアクションがあるはずだ。

それが星刻のチャンスになるか窮地になるかはわからない。だが…

まぁ、恐らく大宦官は星刻を切り捨てる選択をするだろう。

その時は僕も大宦官を裏切る事にしよう。

もともと奴らは始末する予定だったし時期が少し早まるだけだ。

問題は無い。

 

一番怖いのは天子に害が及ぶ事だ。

大宦官は天子をすり替える事も平気でやるだろう…細心の注意を払わなければな…




どうでしたでしょうか。
長い間放置して申し訳ありませんでした。
私の稚拙な小説でも読んで下さっている人がいることに感謝です。
映画も大詰めで
更に新しいギアスのアニメがやるとか!
私としてはロスカラR2版をまだ信じております。
お願いします。神よーー!!


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TURN6 契りが為に…

天子とオデュッセウスの婚姻の儀が決まり。
中華連邦がブリタニアと兄弟国になる事になった。
中華連邦としては悪い話ではなかったのだが、そうなっては面白くない者たちがいる…
李星刻とゼロである。
二人の思惑の中で天子様の運命はどうなるのか…


 

朱禁城での婚姻祝いの席が設けられた。

各国にブリタニアと中華連邦の繋がりの強さを誇示するかのように盛大に行われている。

ユフィの話では神楽那様に天子様が招待状を出したと言っていたから恐らくゼロは来るはずだ。そして仕込みをし敵戦力の把握をするつもりだろう…

 

しかし、オデュッセウス…天子様と結婚だなんて、いくら政治的にと言っても犯罪臭が消せないな。

 

「来ていたのか、ライアー。」

 

ワインを飲んでいるところに枢木スザクが話掛けて来た。

 

「ここでは君が来訪者のはずだが?」

 

「そうだったね。君は中華連邦の側の人間だった。」

 

ライの面影からどうしてもクラスメイトであり黒の騎士団側であるという固定概念が抜けきれずにいるようだ。

 

「ああ、もっと言うなら天子様に忠誠を誓う騎士でもある。だから、天子様に害するものは敵味方関係なく駆逐する。」

 

そう、俺は天子様と星刻の推薦と擁護によって今まで情報を隠してこられたのだ。その恩を俺はまだ返せていない…

だから、今回のクーデターを足掛かりに全てのウジ虫どもを消してやるつもりだ。

 

「そうか…だが、今回の婚約で僕と君は友軍になる。これから共に戦える事を願う。」

 

スザクはそう言って手を差し出した。

恐らく彼の言う共に戦うと言うのは黒の騎士団のことだろう。

スザク、君のあの愚かにも信じていた正しいやり方で世界を変えるという信念は消えてしまったようだね。

 

スザクの言うやり方では日本という国名は取り戻せても結局スザクという人間が生きている間だけの限定でありブリタニアから許されてそう呼べるだけだ。

 

結論は変わらない。

 

黒の騎士団の場合は武力による勝利。ブリタニアを蹴散らし日本を奪還する事だ。

しかし日本として独立はできるだろうが立場が逆転しブリタニア人を迫害する日本人が現実と化する。

 

 

日本人が求めているのは平和な日常を過ごし日本人として生きれる環境である。そこに中華連邦の人間が居ようとブリタニア人が居ようと関係無いのだ。

だからユフィの理想は一番、日本人の心をつかむ事が出来たのだろう…

しかし、そうなっては面白く無い者たちがいた。

それが今僕が追っている奴らだ…

大勢の人間を操り情報の無い機体に乗っている謎の集団。

 

それを意識しつつ今は作戦を実行していくしかない。

 

「皇神楽那様到着。」

 

その言霊と同時に神楽那様、ゼロ、カレンの三人が姿を現した。

 

「これはこれは…」

 

ゼロやはり来たか…

まさか、カレンも来るなんてな。

目的は見えないが護衛なのだろう。

直ぐに大宦官が兵で囲ませる。

だが、そこへシュナイゼル第二皇子が声を上げた。

 

「やめませんか。諍いは本日は祝いの席でしょう?皇さん、明日の婚姻の儀ではゼロの同伴を御遠慮いただけませんか?」

 

神楽那様は了解しスザクに話しかけ始めた。

 

「枢木さん、覚えておいでですか?従姉妹の私を?」

 

「当たり前だろ。」

 

「京都六家かの生き残りは私達だけになりましたね。」

 

「霧原さんたちはテロの支援者だった。死罪は仕方なかった。」

 

「お忘れかしら?昔ゼロ様が貴方を救った事を。その恩人も死罪になさるおつもり?」

 

「それとこれとは。」

 

丁度いい、俺も星刻達の動きを知っておかなければならないからな。

必ずゼロは星刻と同じ手を使ってくる。ならば星刻に足りない一手を僕が打つ事にしよう。

僕は星刻の番号に電話をした。

 

「こちらはライアー。星刻、答えは出たかい?」

 

「ライ、なんの事だ?」

 

「君は今、迷っている。計画を早めるかどうかを…」

 

おそらく会議をしているところだったのだろう小さいが複数の人間の声が聞こえる。

 

「やはり気づいていたか。ライの言う答えとはなんだ?」

 

「平和の為の同盟か

天子様の願いかだよ。」

 

星刻の言葉が止まった。

おそらく考えているのだろう。

彼の中で天子様は特別な御方だからな。

 

「それに大宦官はブリタニアと密約を交わし爵位を貰ったらしい。本人からそう聞いたよ。」

 

「ライはどちらの味方なのだ。」

 

「星刻か大宦官かゼロかってことかな?」

 

「ああ…」

 

星刻はここ数日の行動に違和感を覚えているのだろう。

それもそのはずである。

ここ数日の大宦官からの密命は星刻ではなく僕の方へ回ってきているのだ。

お陰で僕の行動に何の不信感を持っていないからとても動きやすかった。

 

「簡単な質問だね。私は天子様に忠誠を誓っている。それだけは信じて欲しい。この先君とは行動が一致しなくとも天子様の為の行動だと。」

 

「信じているぞ。」

 

「ああ。」

 

それを最後に電話は切れた。

星刻、君の技量に期待するよ…

 

会場に戻るとゼロとシュナイゼルがチェスで戦っていた。

カレン、神楽那、スザクにラウンズ。

とても緊張感がある戦いだ。

何かをかけているのか?

見入っていると僕の後ろからドレス姿のニーナが現れた。

ニーナはゼロを見た瞬間にナイフを持って叫び出した。

 

「ゼロ!ユーフェミア様の仇!!」

 

「辞めるんだニーナ!!」

 

スザクが手を掴み抑えようとする。

 

「どうして邪魔をするのよ!?スザクはユーフェミア様の騎士だったんでしょ!!」

 

「貴方はやっぱりイレブンなのよ!」

 

図星を突かれたせいか手を離してしまう。

 

スザク、変な所で脆いな…

ゼロとカレンに向かって突撃した。

しかしそれ以上に狂ったイレブン差別者である彼女がユフィの仇を語るのが許せなかった。

 

パンッ!!

 

僕はカレンとニーナの間に入り、ニーナの手からナイフを奪い平手打ちをした。

 

「天子様の前で如何なる事情があろうと血を流させるわけにはいかない!」

 

「何するのよ!邪魔しないで!!私はユーフェミア様の仇を!!」

 

 

「その口で彼女名を口にするな!!」

 

「貴方はブリタニア人でしょ?何でゼロを庇うのよ!」

 

何でこんな事を口走っているのかわからないが、おそらく自分の境遇と彼女の境遇を重ねているのかと知れない。だがそれ以上に博愛主義だったユフィの事をイレブン差別者のニーナが仇を語るのが許せなかった。

 

「貴様のような人間差別者が差別を無くそうとしていたユーフェミアの名を語ること自体おこがましい。彼女が死んだのは貴様と同じ人間差別者の所為だと知れ!」

 

「何よ!知った気になって!!ユーフェミア様は私の女神様だったのよ!!」

 

「その曇った目でしか、人を見れない女がユーフェミアの名を語るなと言っている。」

 

「貴方こそユーフェミア様のなんなのよ!」

 

「私は彼女の行動に理由を与えてしまった男だ…」

 

ニーナは地に伏せ泣き出した。

確かに彼女の言う通りゼロが特区日本に参加しなければ僕とユフィは狙われる事はなかったかもしれない。

しかし、特区日本への参加は日本人の願いに近いものだった。

それを無視しては日本の救世主としての立場は無くなっていただろう。

 

僕は天子様の前へ行き非礼を詫び下がった。

後から聞いたのだがゼロは婚姻の儀への参加は拒否されたらしい。

まぁ、彼なら来るだろうけど政治的に言っておかなければならい内容なのだろう。

だがその行動は読んでいるがあえて泳がせておく。

 

 

 

 

翌日。

 

婚姻の儀の真っ最中に星刻は動いた。

 

「天の声!地の叫び!人の心!!」

 

星刻は手勢と共に抜刀した。

 

「何をもってこの婚姻を中華連邦の意思とするか!!」

 

「血迷うたか星刻!!」

 

「黙れ!全ての人民を代表し我はこの婚姻に異議を唱える。」

 

僕は既にこの時ゼロ達の行動を調べていた。

というより聞いていたに過ぎないんだけどね。

星刻はゼロに貸しを作っていた事で完全に安心していた様だから。

 

「星刻!星刻ー!!」

 

天子様が小指を立ててまっすぐ手を挙げている。

やはり、天子様は覚えていたんだな。彼との契りを…

 

「我が心に迷いは無い!!」

 

さて、僕も出るかな。

婚姻の儀は既にゼロのターンになるならばそれ以降の行動で中華連邦の国民に中華連邦の星刻と天子様と僕の存在を大々的に知ってもらおう。

そうすれば国民の票がゼロではなく天子様に集まる。

 

出撃準備中に戦闘は始まった。

少し出遅れたが朱禁城を守る絵としては上出来だ。

 

「しかし、これなら!」

 

「撃てるかな?この位置取りで。」

 

「我が城を盾にするのはやめていただこう。」

 

僕は藤堂さんとスザクの間割って入った。

 

「ライアー、君がなぜ!!」

 

「簡単だよ枢木卿。私が中華連邦の騎士である以上二人とも敵だ。」

 

僕は両腕のMVSを展開し抗戦の構えを見せた。

 

「貴殿が報告にあったライアーか」

 

「その通りだ。藤堂…だが今回はもう一人敵が必要でね。」

 

僕は、スザクに一撃、藤堂に一撃を入れ急降下する。

そして紅蓮可翔式の前へ降りた。

 

「元気そうで何よりだ、紅月カレン。」

 

「今回は敵なのね」

 

「ご名答、天子様を返してもらうよ。」

 

国民へのアピールの為、あえてオープンチャンネルで会話する。

よりこちらが正義の味方に見える様に。

 

「その機体で紅蓮と戦えるの?」

 

「相手を見た目で判断する時点で君の負けだ。」

 

「だったら証明してみなさいよ!!」

 

紅蓮が輻射波動機構を構えて突撃してくる。

やはり、彼女らしいフェイントなしの真っ向勝負だ。

紅蓮の性能があってこそ扱える攻撃法で、僕の機体では出し得ない芸当である。

 

「君の攻撃はわかりやすく回避しやすい。」

 

「なら、これでどう?」

 

カレンが右腕の輻射波動機構を起動する。ラクシャータが開発した新しい輻射波動攻撃、輻射波動砲弾か…

 

ならこちらも輻射波動の新しい形を見せよう。

 

「くらえ!!輻射波動砲弾!!」

 

「その攻撃は私には届かない。」

 

カレンの放った輻射波動砲弾は、ライの駆る機体の方から発せられた障壁によって相殺された。

 

「まさか!!輻射障壁!?」

 

ライとカレンの戦いを見ていた千葉やゼロも驚愕する。

 

「何故、奴が中佐と同じ障壁を!!」

 

「馬鹿な、斬月は今回が初陣のはずだ!それを何故奴が!?」

 

それもそうだろう、何せラクシャータとロイド達の研究員がこちら側にもいるのだからな。

 

「少し付き合ってもらうよ。紅月カレン!!」

 

「ちぃ!」

 

恐らくこの作戦に決定的にかけているもの…それは時間。

黒の騎士団はこの土地に来て間もない。そんな人間達がここで戦うには準備期間が無さすぎる。

ここで紅蓮のエナジーを削っておけば後が楽になる。

最悪この機体は手放してもいい…

既にあの機体が完成したらしいからな…

 

「フロートユニットぐらいで!!」

 

スザクはフロートユニットを破壊され追跡が出来なくなり、それを確認すると斬月と紅蓮は撤退を開始した。

 

これでいい中華連邦の機体とブリタニアの機体が黒の騎士団と戦って中華連邦の機体だけが無傷で撃退したという絵を撮ることができた。

民衆はこういう絵を見て安易にも中華連邦の機体の方が強いと錯覚するものだ。

ゼロの思い通りにはさせない。

中華連邦の中心は君ではなく天子様なのだから…

 

「よくやった、ライアー。」

 

大宦官の一人、チョウアンから手厚く迎えられる。

 

「いえ、取り逃がしてしまいましたので功績にはなりえません。」

 

「何を言うか、其方の機体は無傷で黒の騎士団のエースを撃退したではないか。」

 

凡人にはそう映るように戦っていたのだ。そう見てもらわなければ困るが、何ともつまらない展開だ。

 

「では、 機体を見てきます。」

 

俺は地下格納庫を見に向かった。

そこにあったのは懐かしい愛機、ブルーカラーリングの月下の改良型だった。

 

「ライ!」

 

ユフィが駆け寄ってきた。

ここならユフィが見つかることはない何故ならここの人間には全員ギアスにかかってもらっているからだ。

 

「ただいまユフィ。機体はどう?」

 

「それが、なんでもここにある資材では、このレベルが限界らしいです。」

 

そう言ってユフィが渡してきた設計図を見て驚愕した。

ゲフィオンディスターバ

ホーミングミサイル

輻射波動

ブレイズルミナス

MVSハーケン

予備《天愕覇王荷電粒子重砲》

なんというか恐ろしい武装が増えている。

このスペックでまだ上があるのかと思うほどの出来である。

 

「これは、また凄いものを作ってしまったね…」

 

「なんでもエナジーを沢山消費するから大型にしてエナジーフィラーの量を増やしたそうです。」

 

「なるほどね。それでも機動力を落とさないためにフロートユニット以外に予備フロートも搭載されているんだね。」

 

これならいける…

一機で敵勢力を制圧出来そうだ。

 

「ライ、リーファを守ってあげてください。」

 

「当然だろ?その為にこの機体を作ったんだから」

 

機体を確認した後、ブリタニアの方へ連絡し一旦ブリタニアの母艦の方へと向かい、途中にミンファに連絡を取った。

 

「ミンファ、大宦官の周りを私の私兵と変えておいた。合図と共に大宦官を射殺してくれないか?」

 

「わかっております。長年の恨み今こそって事ですよね!」

 

「ああ、合図したらだからな?」

 

「了解です!」

 

通信を終了するとブリタニアの母艦が見えてきた。

あらかじめアポを取っているのですんなり入る事ができた。

さて、まずは仕込むかな。

格納庫の管理者にギアスをかけ、更に数人にギアスを仕込んだ。

 

「君は中華連邦の…」

 

「ライアー・ヴァルフェイトでございます。シュナイゼル殿下。」

 

何と廊下でシュナイゼルと遭遇した。まぁ、ブリタニアの母艦なのだから当たり前か…

 

「ああ、君が蒼き騎士のライアー君か…話は聞いてるよ、中華連邦の騎士が何のようだい?」

 

「はい、折り入ってご相談がありまして…」

 

「相談?内容によるね。」

 

「それではーーーー」

 

僕はシュナイゼルにある約束をさせブリタニアの母艦を後にした。

戻った頃には第一陣は敗走し、第二陣として星刻が神虎に乗って指揮をとりつつ追撃していた。

大宦官は恐らく既に手を打っているに違いない。

天子様と反乱分子を一掃し国をブリタニアに売る最悪の一手を…

 

神虎を出した時点で黒の騎士団にそれを凌ぐ力はない。

頼みの紅蓮も補給が無ければ時間の問題だからな…

大宦官のいる母艦上にサザーランドを乗せ事態を静観する事にした。

星刻と紅蓮が激しくぶつかっている。紅蓮は斑鳩に戻ってすぐに出撃してきた、恐らく補給は出来ていないだろう。そのエナジー残量で神虎に勝てるかな?

 

輻射波動を連発した為か決着は思いの外早くついた。

 

星刻は紅蓮を捕縛しオープンチャンネルで黒の騎士団へ取り引きをはじめる。

やはりエナジー切れになったか…熱くなるとそこらへんの計算が足りないのはカレンの欠点でもある。

 

「この様なまね、したくないが私には目的がある。天子様だ天子様を…ゲホッ!」

 

オープンチャンネルだから聞こえてしまう星刻の咳。

彼には長時間のナイトメア戦は無理なのだ…

だからこそ僕はここで星刻の援護をする。

 

「放て!敵を撃ち落とすのだ。」

 

大宦官の司令部からも砲撃の合図が出る。

星刻の収容を援護しかつ、黒の騎士団の進軍を阻止する為である。

紅蓮の収容が完了すると黒の騎士団の斑鳩が反転し好戦の意を見せる。

中央に藤堂。右翼左翼に朝比奈、千葉の二名。

卜部、仙波は後から突撃部隊の増援として向かわせるのだろう。

今、黒の騎士団のエースは居ないがそれを補いきれるかな?

 

「星刻、ミンファに出撃し君の傘下に入るように言っておいた。君の力になるはずだ。」

 

「心強い、ライ。君はどうするんだ?」

 

「私は大宦官を見張らせてもらうよ尻尾を掴む為に」

 

「承知した。」

 

星刻は出撃した。

さて、大宦官に任せられたカレンの拘束をしに行くかな。

並みの人間ではカレンに勝てないからね。

 

ハッチを開けるとすごい顔のカレンがこちらを睨んでいる。

意外なことに抵抗をする気配が無い。

 

「てっきり君は抵抗するのかと思っていたけど」

 

「何。」

 

「まぁ、おとなしく拘束されてくれるならそれに越した事は無いんだけどね。」

 

「好きにしなさいよ。」

 

「大宦官の連中は君を外交のカードにするだろう。ブリタニアに引き渡す代わりに援護を頼むとか。」

 

恐らく大宦官性格から間違いは無いだろう。

紅月カレン…黒の騎士団のエースはとても使えるカードになるからな。

 

「……」

 

「この戦いはゼロが負ける。」

 

「っ!!!!」

 

「黒の騎士団はこちらの事情知らず、土地の利が無い。ここではそれが勝敗に直結する。」

 

「黒の騎士団は…ゼロは負け無い。」

 

「見ていろ。自分の戦術では負け無いと言う傲慢な所が彼の敗因だ。」

 

「貴方、ゼロを知っているの?」

 

「それを君に話すメリットは無い。」

 

「やっぱり記憶を植えつけられて…」

 

そうか、カレンは皇帝のギアスの事も知っていたのか…

ならそのまま信じていてくれ、私が皇帝に操られているという事を。

 

しばらくしてミンファから連絡が入った。どうやら動きがあったらしい。

「ライアー様。黒の騎士団を水攻めにて、90パーセントを行動不能にしました。残すは斑鳩のみです。」

 

「了解した。ミンファ、恐らく斑鳩は、撤退の前にハドロン砲か、牽制攻撃をしてくるはずだ気をつけろ。」

 

ミンファの通信を切った後にスクリーンに今現在の黒の騎士団の状況を映した。

 

「見てごらん、ゼロの指揮した結果だよ。」

 

「ゼロ!みんな!!」

 

カレンは心配そうに聞こえるはずもない声をかける。

 

「だが、こちらも一枚岩では無いのでな…馬鹿な大宦官がブリタニアに応援を要請したらしい。星刻と反乱軍、天子様を亡き者とする為にだろう…」

 

「そこまで知っていて何で抵抗し無いのよ!」

 

「私も大宦官を騙しているからね。私が合図をすれば大宦官は射殺される手筈になっている。」

 

僕がそう言うとカレンは疑問をふっかけてきた。

 

「大宦官を射殺して国民の支持は得られるのかしら?」

 

「それはゼロが行動を起こしてくれたおかげで条件はクリアされた。ディートハルトはいい仕事をしてくれそうだよ。」

 

ディートハルトの名前がでるとカレンの顔色が変わった。

 

「…こっちの手は読んでるってわけね。」

 

ライの知っていることは利用して都合のいいところだけ記憶を書き換えるなんて…ブリタニアはどこまで卑怯ですね…

ライの記憶を弄んで…

苦しめて…傷つけて…

 

「まぁ、楽しみにしているところ悪いが、君を移送しなければなら無いんでね。」

 

「勝手にしなさいよ。」

 

拘束をしたままカレンをブリタニアの空母アヴァロンへ連れて行く

シュナイゼルへの契約の為に。

 

驚く事にカレンは抵抗を全くせずただ黙って従っていた。

アヴァロンの格納庫について迎えを待っている間もカレンはムスッとしていた。

 

「そんな怖い顔するな、スザクにも会えるぞ?」

 

「…会いたくないわよ」

 

カレンは吐き捨てるかのようにそう言って再びそっぽを向いてしまう。

まぁ、誤解もあってスザクはルルーシュを皇帝に差し出した張本人だからな…そりゃ会いたいわけないか…

 

そんな事を話しているとドアが開きすごい冷めた目をしたスザクが歩いてきた。

 

「ライアー、捕虜を護送してくれてありがとう。それで君がこちらに来ると言うのは本気かい?」

 

「ああ、名目上、星刻と天子様を救い大宦官を虐殺の後、ゼロの戦略を逆手に取り、天子様と星刻をピックアップする事で黒の騎士団の属国では無く、あくまで天子様が中心の中華連邦であると民衆に知らしめる。ブリタニアに敵対する勢力に成ってしまうが、変に制圧して後からテロが起こるよりましだろう。」

 

僕がそう言うとスザクは、怖い顔をして対論を示してきた。

 

「しかし、敵が増えるという事は多くの人が犠牲になるという事だ。戦争をする前提の策を僕は認め無い」

 

「ならば何故君は軍人になった?何故、名誉ブリタニア人になった?何故、日本からゼロを奪った?何故、ナイトオブラウンズに入れた?」

 

「それは、日本を取り戻すーーー」

 

「いや、違うぞ枢木卿。ナイトオブワンになったらエリアを一つの貰えると言う言葉は限定的だ君が死ねば無効でブリタニアから許されて日本と名乗れる。属国と変わりわない。それに君は、ナイトオブワンにはなれ無い」

 

「それでも諦めるわけにはいかない」

 

「犠牲を知ってなお、曲げる事はないか…いや、曲げられないのかな。」

 

「それはーーー」

 

あまりスザクの傷を抉っても楽しい事はないのでここら辺で時間潰しはやめにして本題に移ろう。

 

「話しを戻すと私はシュナイゼル殿下の配下になるって事で間違いないか?」

 

「いや、僕と同じ特派所属か友軍扱いだろう。殿下の配下に入るのはラウンズだけだ。」

 

「なら、ラウンズを全て倒したら配下に入れるかな?」

 

「冗談にしては笑えないな。」

 

会話している最中だったが、後ろからジノとアーニャが降りてきた。

 

「スザク、出撃らしいぞ。」

 

「敵…倒す…命令。」

 

「わかった自分も出る。」

 

ジノとアーニャが出撃した後、先に出ていると言葉を残しスザクも出撃した。

その直後ミンファから入電が入った。

 

「ライアー様!星刻様が大宦官に攻撃されています。」

 

「始まったか…星刻と大宦官の会話を中華連邦全土に流せ。やり方は教えた通りだ。」

 

「はい!」

 

これでいい…さて、僕も出撃して大宦官に終止符を打つかな。

ライは新しい愛馬に乗り出撃する。

この1年間の恩義の為…

 

 

「もうやめて!おかしいわこんなの!!きゃあ!!」

 

斑鳩の甲板に天子様が飛び出した。

それを確認するやいなや、すぐさま天子様の盾になりに行く星刻。

 

「ここは私が防ぎます!ですから天子様はお逃げください。」

 

「でも、あなたが居なければ星刻!私にはあなたが…」

 

「勿体無き御言葉…されど!!」

 

私は、天子様を護れないのか…

天子様に外の世界をお見せすると誓ったのに…

 

「星刻!そんなものか!君の想いは!!」

 

「なっ!!なんだあの機体は!!」

 

大宦官はオープンチャンネルで驚愕の声を上げる。

 

「大宦官よ貴様らは天子様を差し置いて国を操り!民を顧みず!今、天子様を入れ替えようととさえしているゴミだ!」

 

「ライアーよ!そちは我らを裏切るのか!!」

 

「裏切る?違うな我は中華連邦の天子様の騎士…大宦官の犬ではない!!」

 

「ええぃ!一機増えたとて変わりはない反乱軍を殺すのだ!!」

 

無駄な事を…

ガンルゥの一斉射撃はライアーの機体のルミナスに防がれた。

 

「まさか!あれは!!」

 

「ブレイズルミナス!?」

 

「何で彼があの技術を!?」

 

ラウンズ三人も声も驚きを隠せないようだ。

なんせブリタニアの技術と日本やインドの技術の集合体のような機体はだからな…

 

「大宦官よ民の声を聞け!!」

 

「中華連邦全土で同時多発的に暴動が起きています!」

 

「何!?」

 

大宦官のスクリーンに各地の情報が一気に入ってくる。

 

「大宦官。貴様らの負けだ…蒼天の元で断罪されろ」

 

僕はオープンチャンネルを切り、黒の騎士団のチャンネルへ繋ぐ。

 

「ゼロ、あとは君に任せるよ。」

 

「ありがとう。ここまで舞台を用意してくれたことに感謝する。」

 

ライアー…こちらの策を完全に読んだ上で踏み台にしあくまで中華連邦に天子の信仰を呼び覚ましたか…

だが…ここからでも黒の騎士団の支持者を増やすことはできる。

大分変更はあったが中華連邦と協定を結ぶ事に変わりは無い。

 

ゼロが司令室から退出したのを確認するとライは機体をアヴァロンへと向かわせた。




お久しぶりです。
読んでくださって誠にありがとうございます。
だんだんライカレではなくライユフィになりつつある雰囲気がありますがここから挽回いたします!
次回はifも投稿しようと考えておりますのでどうぞよろしくお願いします。


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IF TURN6 √カレン

ぶん投げと言うか、カレンの為だけに走ったらどうなるか√です。
書いててアホやと思ってしまう程ですが
IFなのでSSのノリで見て頂ければと思います。

作者はライカレ萌を注入出来、次の話を書く力を貰いました(笑)


ここはブリタニア航空艦の捕虜を入れる牢屋。

そこにカレンは放り込まれた。

 

(まさか、捕虜になるなんてしかも…ブリタニアの…)

 

カレンは拘束衣を着せられ手は縛られた。

猿轡を嵌められ自害する事も出来ない状態。薄暗く小さな音さえ大きく聞こえる静かな牢屋に捕虜はカレンただ一人。

他にもいくつか牢屋はあるようだが空のようだ。

 

(まさか、ライに護送されるなんて。本当に最悪…)

 

カレンを護送したのは紛れも無いライ本人。

彼女はライが記憶を操作されていると思い込んでいた。

 

実際ライはギアスをかけられているわけでは無いが彼女に伝えていない。

カレンは自分がそばに居なかったから、特区日本成立しマスコミに引っ張りダコになっていたから、浮かれていた自分を責めて生きてきた。

1年後に再開した時の希望と絶望感は今も胸をかき乱している。

何故、彼なのか…その問いは何度も何度も湧き上がる。

そして、その思いはブリタニアへの怒りへ変わるのだった。

 

ガチャン

 

いきなり牢の鍵が開けられた。

入ってきたのはカレンを護送した兵士達。

 

「黒の騎士団のエースもこうなればただの女だな。」

 

「今ならやりたい放題だな、仲間の恨み晴らそうぜ」

 

男達はカレンの身体を触り拘束衣を剥がしはじめた。

 

(こ、この!離せこのブリキ野郎!私に触れるな!!)

 

大声を出そうとしても猿轡の所為で声が出ない。

男達はその反応を楽しむようにゆっくりと拘束衣のロックを外して行く

 

「やっぱり、いい女だぜ!特区日本のインタビューを見ててやりてぇって思ってたんだよな。」

 

「打ち合わせ通り最初は俺な!」

 

ロックを外し露わになったブラに手を触れた瞬間。

 

バンッ!!

 

銃声が轟いた。

いきなりの銃声に2人の兵士は出口に目をやる。そこに立っていたのはライアー・ヴァルフェイトその人だった。

 

「ブリタニアの兵士は獣と同等なのか?」

 

「貴様は中華連邦の…」

 

「お前こそここが何処かわかってんのか?ブリタニアの船の中ーーー」

 

バンッ!!

 

ライアーはカレンの前に覆いかぶさっている男の足元に向けて発砲した。

 

「私には関係ない。それより出てきてくれないか?」

 

ライアーは淡々と語り続ける。

怒りも嫌悪感も感じ取れないほど冷静に…

 

「貴様、ブリタニアの騎士である俺たちを脅すつもりか?」

 

「これは脅しじゃない…命令だよ。」

 

2人は渋々出てきた。

睨みながらライアーに脅しをかけてくる。

しかし、彼はその話を聞く前に鉄槌を下した。

 

「貴様このままで済むと思うなよ。直ぐに警備兵がーーー」

 

バンッ!バンッ!

 

「牢屋と言うのは基本的に完全防音で作られている。そしてここも例外ではない…」

 

2人は静かに倒れた。

 

ライアーは牢屋の中へ入り会話をする為にカレンの猿轡を取った。

 

「大丈夫かい?カレン。」

 

「……あなたライ!?」

 

俺は演じる事を辞め、ライとしてカレンと話すことにしたのだ。

彼は計画を大きく修正してでもやらなければいけない事が出来たからだ。

 

「ごめん、嘘をついたんだ…傷つけたよね…」

 

「ライ…本当にあなたなの?…」

 

ライはそっとカレンを抱きしめた。

1年と数ヶ月間恋しくて愛おしくてたまらなかった彼女の感触を確かめるかの様にしっかりと抱きしめる。

 

「…カレン!!」

 

「ライ!もう離さない!」

 

カレンが1年と数ヶ月間の思いが溢れ、涙が頬を伝う。

たらればを想像しては自分を責め続けてきた。

やっと、本当の意味で再会できた喜びが今までの悲しみを全て消し去って行くような感覚に浸っている。

 

「ね、ねぇライ。これ外してくれない?」

 

「ごめん、それはできないんだ。」

 

「え、どうして?」

 

「いや、なんか新鮮な感じがしてさ。もう少し主導権握らせて欲しいなって思って」

 

「はぁ!?ばか!変態!今ブリタニアの船の中なのよ!」

 

「あ、でも前がはだけてるのは不味いからとめるね。」

 

ライはそう言って胸から裾までのロックをとめ直した。

その間カレン言うに言えない羞恥心と戦っていた。

全てとめ終わるとライは彼女の手を解放した。それと同時に彼女はライと口づけを交わした。

やっと、やっと引き裂かれた二人は再び結ばれた。

 

「カレン愛してる。」

 

「私もよライ。愛してる。」

 

1年半分かれていた二人の思いはとどまる事を知らなかった。

だが、ライは次の計画がある為この甘いひと時に一旦終止符を打った。

 

「カレン、続きは帰ってからにしよう」

 

「わかったわ、ここからどう脱出するの?」

 

ライはあの優しい笑顔を浮かべ携帯を取り出し電話を始めた。

ナンバーディスプレイに映し出された名前はスザク…。

 

『枢木です。』

 

「枢木卿、あって貰いたい人物が居るのだが今お時間宜しいか?」

 

『君は今何処に居るんだ?いきなり姿を消して…』

 

「武器庫にいる。そこで君を待っている人がいる。」

 

武器庫は牢屋と同じく人気が無く普段は入らない場所だそこで誰が待つと言うのだろう…

 

ライはもう一度電話を鳴らした。

相手はーーーー

 

『はい、何かありましたか?ライ。』

 

「ユフィ、誘導は成功したよあとは手筈通りに…」

 

『わかりました。スザク、ビックリしちゃいますね。』

 

「計画の軌道修正が必要だけど一先ず最大の障害を取り除かなくちゃいけないから。」

 

 

携帯を切るとカレンを抱き上げ歩き出す。

 

「ちょっと、ライ!?自分で歩けるから!!」

 

「こういう時しかさせてくれないからさ。」

 

「帰ったらお姫様抱っこでも何でもやるから下ろして」

 

「ごめん、カレン。今日は我儘を言わせてくれないかな」

 

「ゔっ…わ、分かったからそんな顔しないで!!」

 

何時もの捨て犬のような眼差しにカレンは何も言えなくなってしまう。

 

「ありがとう、カレン。」

 

ライは優しいあの笑顔で頬と頬を重ねた。

 

(こんな笑顔を見せられたら何でも言う事聞いてあげたくなっちゃうわよ…)

 

カレンは諦めたような顔をしつつも叫びたくなるくらいの幸せを胸に感じているのだった。

 

 




ネタバレではないですが
今このIFの続編書いてます。

本編進めず大変申し訳ございません。
必ず進めます。
そしてギアスには社会現象を起こして貰います。全力で!!


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仮)IF TURN6 √カレン

一旦載せます。
サークル活動の作品に集中していて
ギアスの方が疎かになってしまい申し訳御座いません。
今書いているところまで載せます。
IFですがなんだか投げやりぽいのが自己嫌悪です。


不思議なことに武器庫までの道に兵士が一人も居なかった。

実はライがここに来るまでに各ブロックを閉鎖し進入路を塞いでいたのだ。

武器庫に着くとそこには少し機嫌が悪そうなスザクが立っていた。

 

「ライアーなんの真似だい?捕虜の解放は指揮官の許可または、皇帝直属のーーー」

 

「すまない、だがこちらも予定が変わってしまったのだ。」

 

ライはゆっくりとカレンを下ろした後スザクの前に丸いスマホの様なガジェットを置いた。

スザク、カレン両者ともガジェットを凝視していた。スザクが何だこれはと言いかけたと同時にライはスイッチを入れた。

ガジェットの上に光が放出され映像が映し出された…

そこにはユフィーナが映っていた。

 

「枢木卿。彼女が君に合わせたかった人だ。」

 

「君の従者、シャルロット卿じゃないか。僕に何の用が?」

 

『貴様、誰に物を言っている!ーーなんて、ふふ、やっぱりなれませんね。』

 

ユフィーナは仮面をゆっくり取って素顔を晒した。そしてこう繋いだ。

お二人共お久しぶりです。ユフィです覚えていますか?

ユフィらしいそんな印象を受ける挨拶だった。

ただ、1年間共にいたライと死んだと思って1年間離れていた二人には違った衝撃があった。

 

「なっ!?ユーフェミア・ヴィ・ブリタニア!?」

 

「本当にユフィ。君なのか?」

 

『はい、ユフィです。』

 

スザクは涙を流していた。

死んでいたと思った思い人が生きていたんだ。それは何物にも変えがたい喜びだろう。

ユフィは、軋み悲鳴をあげていた彼の歯車を治す事が出来る唯一の存在なのだから…

 

「よかったね。スザク…」

 

「ライアー君はこの事を……君はまさか!?」

 

スザクはユフィの生還からライアーがライであると理解した。

 

「積もる話もあ流けど一旦合流しない?」

 

『ライ、こちらは中華連邦の再生が終わりました。このままこちらで合流でよろしいですか?』

 

「構わないよ、ユフィ。僕も向かうよ、スザクと一緒に。」

 

『はい、スザク、カレンさんをお待ちしております。』

 

通信が終わるとスザクはこちらを向き話を始めた何故黙っていたのか?あのテロの犯人は誰なのか?

あまりにも時間と場所を考えずに聞き続けるスザク。

流石に動かないと不味いと考えて話を変える。

 

「スザク。君も一旦中華連邦に行こう。全てをひっくり返してやるんだ僕達で。」

 

「いや、僕は…一緒に行くことは出来ない…」

 

「何故だ?」

 

スザクは恐らくルルーシュの件や自分が行って来た事を悔いているのかもしれない。でも、彼女の耐えて来た悲しみを彼女が切望して来た願いを彼は知っているはずなのにそれを無視するかの様な発言をした事に怒りに似た感情が芽生える。

 

「沢山殺しているから?ルルーシュを捕まえたから?ギアスを憎んでいるのにギアスを持つ皇帝に忠誠を誓ったから?」

 

「僕は…」

 

「君が罪を背負って生きるのは勝手だ。だけどこれはやり直しが効くんだ!ユフィは生きているのにその手を自分の事情で振り払うなんて許さない。もう一度聞くよ、スザク…君は何者なんだ?」

 

「!?僕は…ユフィの騎士だ。」

 

「答えは出てるんじゃないか…今度は守り切って見せてよ。ユフィの騎士、枢木スザク。」

 

「すまない。揺れてしまって…」

 

「いいさ、友達だろ?」

 

「そうだね…友達だ。」

 

そうだよスザク。

僕の様になってから後悔しても何も取り戻せないんだ。

やり直すチャンスが出来たんだ。

だからーーーー。

 

今度は死んでも守って見せてよ。

 

「それで?この後の段取りは?」

 

カレンが話が終わるのを見計らい質問をして来た。

少し熱くなってしまったから第三者から話を振って貰えると本当に助かる。

本当に大人気ない。彼よりも長く生きている自分が説教を垂れるなんて一気に老けた気分だ。

 

「ありがとう、カレン。この後は僕のナイトメアで紅蓮を抱え脱出。スザクが僕を追い出撃する。その後ユフィと合流し騎士団の前で正体を明かし全国ネットでユフィがテロの事実と特区日本の宣言をする。」

 

「僕は君を追えばいいんだね?」

 

「何なら攻撃しても構わなよ。」

 

「馬鹿なこと言ってないでいくわよ!」

 

何故かカレンが先頭になってしまった。

おかしいな、さっきまで主導権は僕が握っていたのに…

格納庫に着くとカレンは足を止めた。

整備士だけでなく兵士が多数いたからだ。

兵士とは別に紅蓮を興味深そうに見ている二人がいる。確かスザクの上司のロイドとセシルだ。

 

「やっぱり、格納庫には兵がいるわね…」

 

「ああ、でもその条件はこれでクリアされる」

 

ドカーンッ!!

 

突然、爆発が起きた。

ライが武器庫と牢屋に仕掛けた爆弾を爆発させたのだ。

 

《爆破箇所は第七第八ブロック至急応援に迎えテロリストが潜入した可能性有り!!繰り返す!ーーーー》

 

兵は殆ど居なくなり手薄になった。

この人数なら僕一人でやれる…

ロイドとセシルは面識があり対話が出来そうだ。

 

「ねぇ、ライその喋り方ルルーシュみたいで違和感あるからやめて。」



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