超次元ゲイムネプテューヌ~全てを背負う少年~ (変態仮面)
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1話

勢いに任せて作っただけです!反省はしていますが後悔はしていない!...でも豆腐メンタルなので中傷されると傷つきますww


「......ん」

 

 

睡眠....それは人が生きていく上で必要な三大欲求の一つ

 

睡眠....それは非現実的な世界を見ることのできる不思議な現象への儀式

 

 

そんなこんなで俺″天草 海斗″は眩しい日差しを顔に受けることで俺の意識は少しずつ覚醒していく。

 

正直もう少し寝ていたい欲求があるわけだがせっかく一度目を覚ましたのでそろそろ起きようかと上半身を起こすと.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......はっ?」

 

 

 

 

俺は全く身に覚えのない場所にいた、そこは辺り一面が草原になっていて近くには川の流れる音も聞こえる、少し先を見てみれば木が生い茂っていて森になっているようだった。

 

 

(こういう所でキャンプとかバーベキューやったらさぞ気持ちが良いんだろうなぁ....)

 

 

 

 

 

などと呑気なことを考えていた俺だったが徐々に意識がハッキリしだすと事の意味不明さをようやく自覚し始めた。

 

いやいやいや!?なんで俺こんな所で寝てんの!?

自分で全く身に覚えがない状況に混乱する。

 

「よし、一旦落ち着こう俺...」

 

そうだ、先ずは昨日俺はなにをしたか...それを思い出そうじゃないか。

 

えーと.....

 

 

 

 

起床→学校→学校終了→バイト→バイト終了→自宅で着替えもせず就寝(その為服はバイトへいく為に着ていった白の無地のポロシャツと水色のジーンズである)

 

 

 

 

 

 

 

 

...........よしなんでこうなったかなに一つわからん...いやまてよ、この状況を説明できる現象が一つあるじゃないか!?

 

「なるほど...つまりこれは夢か」

 

うんうんと誰がいるわけでもないのに1人頷いて納得する、いくらなんでもこんなことが起きるなんて現実にあり得るわけが無いのだ。

 

 

 

 

「なぁんだ焦ったぜ、まぁそうと解れば....」

 

やることは一つだな、そう考えながら俺は上半身だけ起こしていた身体を再び横にする、そうこれが夢ならもう一度寝てしまえばいいだけだ、そうすれば次に目が覚めたらまた現実に戻ることになるだろう。

 

そんなことを考えながら目を閉じようとした時....

 

 

「ん?....」

 

ふと視界になにやら光るものが映った、なにかと思いそのものに手を伸ばして手にとってみると....

 

「金ピカの....ディスク?」

 

それは裏も表もまばゆい光を放つディスクだった(まぁ両方金ピカなのでどっちが裏か表かもわからないんだが)ただし大きさが一般的に思い浮かべるディスクと違い小さくポケットに入る大きさ程度のものだった。

 

「ふーん」

 

と俺はひとしきりマジマジとそのディスクを眺めた後ディスクを自分の後ろポケットに入れて再び寝ることにした、ポケットに入れた理由はなんとなくだ、ただなんとなくこれを身につけておいた方が良いと、そんな気がしたのだ。

 

ベッドはなくとも柔らかい芝生に暖かい日差し、BGMに川のせせらぎと風で揺れる木々の優しい音....寝るのにはこれ以上無いほど最高の環境であり俺も起きぬけだったためか眠気は直ぐにやってきて俺は当然それに抗うことなく再び眠りについたのだった。

 

 

「だいじょ....!?しっか....!?」

 

「ん?」

 

誰かに肩を揺さぶられ大声で呼ばれている?

 

ったく誰だよ人が折角気持ちよく寝てるってのに、そう思いつつ俺が身体を起こし再び目を開けると....

 

「あれ?」

 

 

そこは眠る前に俺がみた景色となにも変わらない景色が広がっていた。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ネプギアSIDE

 

「まぁスライヌの討伐くらいなんてことないもんでしょうから丁度良いリハビリよね」

 

そういいながら私の前を歩くアイエフさん。

 

 

私とお姉ちゃん達...四女神が犯罪神との戦いに敗れてから三年、アイエフさんとコンパさんの二人が私たちを助けるためにギョウカイ墓場に乗り込んできてくれました。

 

けど助かったのは私だけ、他の女神様達は助けることができずにいる、救出された私はひとまず自分の故郷であるプラネテューヌで身体を休め、今はシェアを上げるためと私のリハビリを兼ねてギルドでお仕事を貰いスライヌ討伐の為に私とアイエフさんとコンパさんの三人でバーチャフォレストに来ています。

 

とにかく今は早く身体を本調子に戻してお姉ちゃん達を助けださないと!?

 

そんな風に私が心の中で意気込んでいると...

 

「ふ、二人ともあそこをみてくださいです!?」

 

コンパさんが急に大声で叫びだした、私はコンパさんの方に視線を向けてコンパさんが指さす方に視線を向けると、そこに倒れている人が!?

 

私はその人の所まで走りだす、どうしてこんな所に人が倒れているのか、ううん今はそれよりもあの人の安否を確認しないと!?

 

私はその人の側まで近づくと大声で声をかける。

 

「大丈夫ですか!?しっかりしてください!?」

 

側で声をかけてみたけど反応がない、私は今度は肩を揺らしながら声をかけてみた。

 

「大丈夫ですか!?しっかりしてください!?」

 

そうして私が叫んでいると....

 

「ん?」

 

倒れていた人は意識を戻したようで軽く身じろぎをした後身体を起こして目を開けてくれた。

 

 

ネプギアSIDE完

 



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2話

誰かに起こされたと思って仕方なく起きてみたら目の前に美少女がいたでござる、それなんてギャルゲー?ってな感じだった。

 

紫のロングの髪に白のセーラー服?のような服をきている美少女である、はて?俺はいつからこんな美少女に朝起こされる様な関係になったんだろうか?

 

もちろん俺自身にそんな記憶があるわけもなくふと周りの景色をみてみると...

 

「あれ?」

 

そこは自分の部屋ではなく俺が夢だと思っていた景色だった。

 

 

あれ?なんでまたおんなじ場所の夢見てんだ俺?

そんな風に俺が考えていると...

 

 

「ちょっとネプギア!?そんな急に走らないでよ!?」

 

「あ、ご...ごめんなさいアイエフさん」

 

なにやらこの子の後ろから二人の女の子が走ってきた、一人は長い茶色の髪に青いロングコートを着た子、もう一人はピンクの髪に白いセーターを着た女の子である。

 

三人ともまごうことなき美少女である、いや〜朝からこんな美少女たちを拝めるとは俺の人生も中々に捨てたものでもないのかもしれんなぁ....

 

 

「そ、それであの...大丈夫ですか?」

 

俺が一人黄昏ていると(違う)先程俺を起こしていた美少女が再び声をかけてきた、うん?大丈夫ってなにがだ....ってああよくよく考えたらこんな草原の道端で横になってたら寝てたんじゃなくて倒れてるって思われても仕方ないか...

 

「ああ、大丈夫大丈夫寝てただけだから」

 

「ね...寝てたんですか?」

 

「こんなところで寝るってあんたどういう神経してんのよ...」

 

 

俺が答えると、紫の髪の子が軽く引きつった笑みを浮かべ茶色の髪の子は呆れていた。

 

「でもでも、確かにここでお昼寝したら気持ち良さそうです!」

 

どうやらピンクの髪の子はここで昼寝してても引かずにいてくれるらしい、天使や!?

 

 

「確かにそうかもしれないけどここは危ないでしょうが、どこからモンスターがくるかもわからないのに」

 

うん?なんだって?ピンクの子の優しさを噛み締めていたせいかなんかへんな言葉を聞いた気がするが....モンスター?

 

「おうそこな美少女たちよ、ちょっと質問良いかい?」

 

 

「え、び...美少女ですか!?」

 

 

俺がちょっとお世辞(別にお世辞ってわけでもないが)風に声をかけると紫とピンクの子はなにやら顔を赤らめていた、おおう...この可愛さでこんかお世辞にすら照れてしまうとはなんという純粋さ、お兄さん嬉しいわぁ....

 

 

「.....新手のナンパ?」

 

 

と、俺が二人の初々しさに感動を覚えてると茶色の子がジト目で言ってきた、うんまぁ普通はそんな感じの反応ですよね、俺も自分でいっといてあれだがちょっとないなぁって思ったもの....

 

「すみません、真面目に聞くんでその目は勘弁してください」

 

とりあえず速攻謝っておいた、するととりあえず茶色の子はジト目はやめてくれたようだ....

 

「えっと、それじゃあ改めて質問なんだけど....ここどこ?」

 

「「「へっ?」」」

 

俺の質問に全員目が点になっていた、うんそりゃそうですよね....道端で寝てた奴がいきなりここどこ?とか意味不明だよね。

 

 

「いや、俺確かに昨日の夜には自分こ部屋にいたんだけど何故か起きたらここにいて...」

 

俺がそう言うとフリーズしていた三人の中で紫の子がいち早くフリーズが解けて俺に説明してくれた。

 

「えっと....とりあえずここはプラネテューヌのバーチャフォレストって所なんですけど...」

 

 

うん?プラネテューヌ?バーチャフォレスト?はて、そんな地区が日本にあっただろうか?ってかそもそも日本にカタカナの地区なんてあるのだろうか?

 

 

「えっと、質問なんだけどここは日本じゃない?」

 

「日本....ですか?いえそんな名前の国や地域は聞いたことがないですが...」

 

 

おーけーここでもう一度状況を整理しようじゃないか、俺は自宅へ帰宅してすぐに寝た、んで起きたらここにいてしかもここは日本では無いと....つまりどういうことだ?まさか神隠しにでもあったわけ.....んいやまてよ....

 

 

「ごめん、同じ質問して申し訳ないんだけどここはプラネテューヌっていう国ってこと?」

 

「は、はいそうですけど?」

 

この子がとても嘘をついているようには見えないし....でもそもそもプラネテューヌなんて国が世界にあるんだろうか?残念ながら俺は基本成績は良くなかったので知らないだけかもしれないが....

 

 

「えっと、次の質問、プラネテューヌ以外にこの辺で一番大きな国ってどこかな?」

 

「えっとそれなら多分ラスティションが一番近くかなぁと」

 

うん?ラスティション?また聞いことが一切ない国の名前だ、どうなってる?神隠しで別の国にでもきたのかと最初は思ったんだけど...ここまでくると....

 

「因みにいうと他にはルウィー、リーンボックスって国の四カ国が存在してるわ」

 

俺がしばし考えていたら茶色の子がそう教えてくれる、成る程これでようやくわかった、つまりは.....

 

 

 

 

 

 

 

「俺、異世界に迷いこんだみたい.....」



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3話

あの後、ようやく自分の置かれている状況を理解した俺は三人の女の子...ネプギア、アイエフ、コンパの三人(一先ず自己紹介した)に自分の状況を説明してこの世界のことについて色々聞いた、どうやら向こうも俺の質問にもしかしたらという可能性を感じ取ったようで割とすんなり信じて貰えた、この世界の説明をすると先ずここはゲイムギョウ界と呼ばれる世界でこの世界ではプラネテューヌ、ラスティション、ルウィー、リーンボックスという四つの国がありそれぞれの国に女神と呼ばれる国の象徴的な存在がいて女神と呼ばれる存在は人々の信仰の力、シェアと呼ばれる力によってその力をより強大なものにすることができるという。

 

 

そしてなにより驚いたのがネプギアはプラネテューヌのトップである女神の妹だという、つまりは俺は自分の世界でいうところの王族と会ったということだ、慌てて口調を直して謝罪しようとしたが本人は気軽に普段通りの喋り方で良いとのこと、ほんまええ子や....

 

アイエフとコンパはどうやらネプギアとは友達らしく今はギルド(要は自分で様々な任務を受けて報酬を貰える仕事斡旋所みたいなところらしい)で受けた仕事をしにきたらしい、しかし何故に仮にも女神の妹がそんな仕事をと思い尋ねた所三人とも暗い表情になりながらも答えてくれた。

 

なんでも先程の四カ国以外にマジェコンヌと呼ばれる犯罪組織が活発に活動しており実はその四カ国の女神は今犯罪組織の連中に捉えられているという、さらにはネプギアもついこの前までは捉えられていてアイエフとコンパが苦労の末に救出することができたらしい。

 

そして、犯罪組織は今や女神の収める四カ国以上の力をつけているらしく女神の力の源であるシェアがどの国も随分と低いようで先ずはネプギアのリハビリとシェアの回復を狙ってここまできたということらしい。

 

 

「はぁ〜なんともまた凄い世界にきたもんだな俺も」

 

「あの、本当によかったんですか私たちの任務に付き合わせちゃって?」

 

俺たちは今、俺が寝転がっていた場所からさらに歩いていた、最初は俺は右も左もわからない異世界からきた人間ということで俺を保護してもらえる場所まで連れて行こうという話だったが折角ここまできたのにまたトンボ帰りというのもどうかと思い俺自身も任務に興味があったので邪魔にならないようにするから俺も付き添っていいかと聞いた所今回の任務はそれ程危険もないとのことで了承がでたため今は四人で行動している。

 

因みに俺が寝てた場所もモンスターが出現する場所のようで俺は実は結構危なかったらしい、本当によく無事だったな俺....

 

 

そんなこんなでこの世界のことやその他色んな話をしていたらあっという間に討伐対象の場所までついたようだった、そこで俺たちを待ち構えていたのは........

 

 

「ヌラー」

 

なんだかドラ○エにでてくるスライ○を犬風にしたような感じのモンスター?がいた。

 

「なぁアイエフ?」

 

「なによ?」

 

「あれが今回の討伐対象か?」

 

「そうよ」

 

「名前は?」

 

「スライヌ」

 

 

見たまんまの様な名前だった、つかあれ本当に害あるのか...全然強そうに見えないんだが.....

 

 

「なぁあれ強いのか?」

 

「別に強くはないわよ、ただ近くにある村の農家を襲ったりしてるし数が集まると流石に一般市民だと危険があるってことでね」

 

成る程納得....

 

 

「それじゃあ私とネプギアとコンパでさっさと終わらせるからあんたはそこら辺で見学でもしてなさい」

 

「は〜い」

 

 

そういうと俺は少し離れたところでみんなを見守る。

 

俺が離れたことを確認すると三人はそれぞれの武器を取り出してスライヌの群れに向かって行った....でも見ているとコンパの武器の攻撃はとんでもなくデカイ注射を相手に打ち込んでいてみてるこっちが怖かった。

 

そうこうしている内に大体のスライヌを討伐し終えもうすぐひと段落するかなぁといったところまできて・・・

 

 

「ヌ・・・ヌラッ~~」

 

「あ、逃げちゃいました、待ってーー!」

 

このままでは全滅してしまうと踏んだのかスライヌたちがネプギア達から離れて逃げ出してしまった、それを見たネプギアが追いかけ始めてそれに続くようにアイエフとコンパが追いかけていく・・・これ俺もおいかけないとだめかな?

 

さすがにこの場所に俺だけ放置されるのは良くないと判断して俺は三人の後を追いかけて走っていった。

 

 

 

三人のところにはすぐに追いつくことができてそこではアイエフたちがスライヌたちに留めを刺そうとしていた。

 

「手間かけさせてくれたわね、でもようやく追い詰め・・・ん?」

 

アイエフがなにかに感づき周囲を見回す、するとそこには・・・

 

「ヌラーッ!」

 

「ヌッ、ヌラー!」

 

「ヌッ、ヌヌヌヌヌヌヌヌ!!」

 

 

仲間の危機を察知したのか他のスライヌたちがまた大量に襲われていたスライヌたちの下に集まり始めた。

 

「きゃあ!スライヌさんたちがいっぱい集まってきたです!」

 

焦る三人(プラス俺)をよそにスライヌたちは一箇所により固まっていく・・・

 

「な、なにをしようとしているの・・・?」

 

 

ネプギアの疑問にまるで答えるかのように固まっていたスライヌたちから光があふれ出し・・・・

 

 

「ぬ~ら~」

 

一体の巨大なスライヌとなっていた。

 

「合体した!?」

 

「でかい・・・さすがにこいつは骨が折れそうね」

 

ネプギアが驚きを声にだしてアイエフが面倒くさそうに言う、確かにさっきの戦いを見てる感じスライヌは対して強くはないようだがそれもあれだけ集まって巨大な姿となったらさすがに大変なことになるだろう。

 

俺がそんな風に勝手に分析しているとアイエフはなにか思いついたようにネプギアに声を掛けた。

 

 

「そうだ、ネプギア。アンタ変身してやっつけちゃいなさいよ」

 

 

なに!?変身とな!?・・・・ってああそういえばさっき女神の説明のところで女神っていうのは自身の戦闘能力を高めるために変身することができるって言ってたっけ、しかし変身かぁ・・・・一体どんな風に変わるんだろうなぁ・・・

 

さすがに怪獣とか化け物みたいにはならないと信じたいことろだけどな、相手女の子なんだし・・・けど男としては変身と聞くとやっぱりかっこよくなるんじゃないかというイメージを勝手にしてしまう。

 

「へ、変身?」

 

「女神化よ、女神化。戻ってきてから一度もしてないでしょ?ほら、これもリハビリよ」

 

「あいちゃん、絶対自分が楽したいだけです・・・・」

 

 

楽したいだけかよアイエフぇ・・・・とも思うがまぁ俺としても女神化ってのがどんなもんか是非見てみたかったのでちょうど良いと思ってしまう。

 

しかし、俺がネプギアの変身姿がどんなものかと見守ろうとじっとみていたら・・・・

 

 

「戦う・・・女神化して、戦う・・・ううっ」

 

「ネプギア!!?」

 

突然ネプギアが膝を落として座り込んでしまった、側にいるモンスターのことなど一切お構いなしで俺はネプギアに近づいていく。

 

「ええ!?ちょ、ちょっと、どうしたのよ?」

 

ネプギアの突然の行動に戸惑ってしまうアイエフ、俺はネプギアのすぐ側まで駆け寄って小さくなっている背中をさすってあげる。

 

「ネプギア、大丈夫か?しっかりしろ」

 

「だ、だめ・・・・できない・・・・・・・・・・・・怖い・・っ!」

 

 

 

怖い・・・どういうことだ・・・・さっきのアイエフの様子を見た感じ、別に今まで変身するということに特別恐怖を抱いていたものだとはおもえない。

 

 

「あいちゃん!ギアちゃんをいじめたら駄目ですよ!?」

 

「そ、そんなつもりじゃ・・・・あー!仕方ないわね。それならそれで他にもやりようはあるんだから、とりあえず海斗!?」

 

「お・・おう」

 

「もう、こっちまで来ちゃってるから丁度いいわ、ネプギアをつれてちょっと離れてなさい!私とコンパでこいつ倒しちゃうから!!」

 

「り・・・了解した」

 

 

アイエフの指示を受けて俺はネプギアに声をかける。

 

「ネプギア、立てるか?」

 

「す・・・すみません海斗さん」

 

俺の質問に答えながらネプギアはゆっくりと立ち上がり俺を一緒に少し離れたところまで移動した、そこからはアイエフとコンパがでかくなったスライヌを相手に奮闘していた、近くにいるネプギアを見てみるとネプギアの肩が微かに震えているのがわかった・・・・

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「ふう、なんとかなったわね。にしてもネプギア、あんたどうしちゃったのよ?」

 

 

スライヌを倒したアイエフとコンパの二人はこちらに歩いてきてネプギアに声を掛ける。

 

「ご、ごめんなさい・・・私、まだ・・・・その・・・・」

 

 

「・・・・ま、いいわ。クエストは達成できたし。街に戻って報告しましょ」

 

「はい・・・」

 

 

ネプギアの暗い反応にアイエフは話をそらしたがそれでもネプギアの表情はまだ明るいとはいえなかった・・・・



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4話

スライヌの群れを倒した帰り道、俺は前を歩くアイエフに声をかけた。

 

「なぁアイエフ」

 

「なによ・・・っていうかさっき言いそびれちゃったけど、あんた危ないでしょ!?いくらスライヌがそんなに強くはないとはいえあんなふうに飛び出してきたら!?」

 

 

「す・・・すまん、あの時はとっさのことで無我夢中って感じになっちゃってて」

 

 

声をかけたら怒られてしまった、まぁ確かにあの時はモンスターが目の前にいたわけだから危ないに決まっている、けどネプギアの様子をみたら体が勝手に動いてしまったのだ。

とはいえ、迷惑をかけてしまったのは紛れもない事実なので素直に謝っておく。

 

「はぁ・・まぁいいわ、それでなんなの?」

 

「ああ、ネプギアって今まではなんだ・・・女神化?っていえばいいのか?には慣れてたんだよな?」

 

「ええ、別にいつも当たり前のようにしてたわよ、多分だけど捕まっていた時の恐怖が体にしみついちゃってるのもしれないわね。まぁとにかく様子を見てみないことにはね・・・・」

 

 

俺の質問にアイエフは少し真剣な表情で答える、聞けばネプギアは三年もの間犯罪組織に捕まったいたのだという。それはトラウマができて当然のことといえるだろう。三年間囚われの生活なんて常人ではとても耐えられない、間違いなく精神の方の方が壊れてしまうだろう。

俺は俺とアイエフの後ろを歩いているネプギアとコンパのほうを顔だけ向ける、そこにはさっきの暗い表情をしていたネプギアではなく、コンパと楽しそうに談笑しているネプギアがいた。

 

どうやらコンパがネプギアの気持ちを落ち着けてくれたらしい、あれならとりあえずは大丈夫そうだ。俺は一安心すると前を向きなおして四人でネプギアたちが普段すんでいる場所・・・プレネテューヌを目指した。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「・・・・で、報告をしておしまい。どう?クエストのやり方は覚えた?」

 

「はい。ギルドで依頼を受けて、それをこなして、最後にまたギルドで報告すればいいんですね」

 

 

どうやらネプギアもギルドのことは詳しく知らず、もともとはレクチャーを受けるという意味も含めての仕事だったらしくアイエフから説明を受けていた。そしてしばらくしてから、俺の元にきて俺の身の振りの話になった。

 

 

「さて、どうしようかしらね・・・・」

 

「とりあえず、いーすんさんにも相談したほうが良いんじゃないでしょうか?」

 

「ギアちゃんの言うとおりです、ひとまず教会にいくです!」

 

 

ん?・・・・・三人の会議の中でまた俺の知らない人物?っぽい名前と場所がでてきた。

 

「なぁみんな・・・教会ってのは?あといーすんさん?ってのは人か?」

 

「ああ、教会っていうのは・・・まぁ言ってみれば女神様が住んでいる建物ってところかしらね?で、この教会には女神様をサポートする役割を担ってる教祖様ってのがいるんだけどいーすんさんっていうのはその教祖様のこと、これはあだ名で本名はイストワール様よ」

 

「なるほど・・・」

 

アイエフの説明で納得がいった、用は女神様の補佐官の教祖様のところまでいって話を聞いてみようということか。

 

「それじゃあ、いきましょう!?」

 

ネプギアの号令とともに俺たちは教祖様のいる教会へと向かった。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

教会に入るとそこは俺の元いた世界の教会ってイメージとはちょっと違う雰囲気の建物だった、まぁ教会の入り口から見た建物は全然教会とイメージが結びつかない近未来って感じな建物だったが、というかこの街自体が俺のいた世界に比べて明らかに科学が進んでいるように見えた。

 

 

「いーすんさん、ただいまー」

 

ネプギアの声とともに教会の奥からでてきたのは・・・・

 

「お帰りなさいみなさん・・・・あら?そちらの方は?・・・」

 

 

本の上に座っている、見た目だけなら人間だがサイズが明らかに小さい・・・・言ってみれば妖精みたいな人?がやってきた。

 

「あ、早速紹介しますねこちらは天草海斗さんといって実はバーチャフォレストで出会って事情があって一緒にきてもらったんです。海斗さん、こちらがプラネテューヌの教祖のイストワールさんです」

 

なんと、こんなちみっこr・・・・げふんげふん、そんなことを思ったら失礼か。

 

 

「そうでしたか、初めまして海斗さん。私がこの国の教祖イストワールと申します」

 

俺が失礼なことを考えているとイストワールさんが姿勢を整えて丁寧な挨拶をしてきてくれた。

 

「あっと・・・天草海斗です、よろしくお願いします・・・」

 

 

「それで、ネプギアさん・・事情というのは?」

 

「あ、はい・・・それはですね・・・・」

 

~~~~~ネプギア事情説明中~~~~~~~

 

「なるほど、では海斗さんは気がついたらこのゲイムギョウ界にきてしまっていたと」

 

「ええ、俺としてもなにがどうしてここにきたのかさっぱりわからなくて・・・」

 

 

ネプギアからおおよその事情を聞いたイストワールさんは俺の存在に納得したようだった。

 

「それで、どうでしょうかイストワール様?私としては帰る方法がわかるまでは教会で預かってもらうのが一番良いんじゃないかと思って連れてきたのですが」

 

「そうですね、わかりました。海斗さんの身柄は私が確かにお預かりしますね。海斗さんもそれでよろしいですか?」

 

「え、ええ俺はそれで全然・・・というか俺元の世界に帰れるんすか?」

 

「それはまだ調べてみないことにはなんとも・・・でもきっとその方法も見つかると思いますよ」

 

 

俺の質問にイストワール様は優しい笑みを見せて答えてくれる。そっか・・・帰ることもできるかもしれないんだ・・・・と俺が思っていると

 

「ただ、大変申し上げにくいのですが・・・・今このゲイムギョウ界は未曾有の危機にあるといって良い状態です、ですので海斗さんの帰還の方法を調べるのにかなり時間がかかってしまうかもしれません・・・・・」

 

イストワールさんが本当に申し訳なさそうに俺にそう伝えてくる。

 

「いやいや、全然気にしなくても良いっすよ、ネプギアたちから事情は聞いてますし、俺のことなんて全然後回しにしてもらって構わないっすよ」

 

「そうですか、そういってもらえると助かります。それでは海斗さんは帰る方法が見つかるまでは私たち教会の方でしっかりと保護させていただくので、せっかくですからこのゲイムギョウ界の世界を楽しんでいってください」

 

 

イストワールさんがそう笑顔で言ってくれる、けど・・・その前に俺は自分の意見を言ってみることにした。

 

「なぁアイエフ」

 

「ん?どうしたのよ海斗」

 

「さっきまで三人が受けてたクエストってのは誰でも受けることができるのか?」

 

「ええ、まぁ基本的にはね」

 

「そっか・・・・それならアイエフ・・・・お前に頼みがあるんだが・・・・」

 

「?なによ?」

 

「頼む!?この世界にいる間、俺を鍛えてくれないか!?」

 

「「「「ええっ!!?」」」」

 

 

俺の頼みにアイエフ含めたその場にいた全員が驚きの声を上げた。そりゃそうだよな、ついさっきまでこの世界の住人ですらなかった一般人がこんなこと言い出すんだから何言ってんだってなるよな。

 

 

「このままただ教会でお世話になるだけってのは申し訳ないし、自分の食い扶持くらい自分でなんとかしたい、それに・・今は国の一大事なんだろう?さっき聞いた話だとギルドでのクエストをこなしていけば国民の不安や不満も解消されてシェアとかいうのの増加にもつながる。すぐには無理でもいずれみんなの力になれるかもしれないだろ?」

 

 

俺の言い分にアイエフが少し考え込む、けどすぐに考えていて下げていた頭を上げて

 

「わかったわ、あんたは私が責任もって面倒みてあげるわ」

 

「「ええっ!?」」

 

「あ・・・アイエフさん!本気ですか?!」

 

イストワールさんとコンパが驚きの声を上げてネプギアが質問する

 

「ええ、海斗のいってることはちゃんと筋が通ってるしなにより、本人がやる気になってるんだからそうさせてあげるのが一番良いんじゃないかしら?」

 

「ありがとう、アイエフ」

 

「いいわよこれくらい、その代わり厳しくビシバシいかせてもらうわよ」

 

俺の感謝の言葉に答えるアイエフの顔は中々に悪そうな顔でした・・・・・大丈夫だよな俺?

 

「あの、海斗さん本当によろしいのですか?無理をしなくても教会で預かる分には全然構いませんが・・・」

 

 

イストワールさんが俺に確認してくる

 

「ええ、俺みたいな異世界からきた正体不明の人間を雇ってくれるところなんてあるとは思えないしそれに、俺を助けてくれた三人に自分のできる範囲でやれることをやっていきたいんですよ。だからどうか見逃してもらえないですかね」

 

俺の言葉にイストワールさんもまた少し考えて、しかしすぐに答えはでたようで

 

「わかりました、確かに国のシェアを上げるのに最も効率が良いのはクエストをこなすことですがギルドに行く人は万年人手不足ですので海斗さんのような方がいてくれるのはこちらとしてもとても助かります。ではアイエフさん、海斗さんのことよろしくお願いしますね。それと海斗さんの住居ですがそこは予定通り教会の方ということでお願いします」

 

「「はいっ」」

 

イストワールさんの言葉に俺とアイエフは声を重ねて返事をした。

 

 

最初この異世界に迷いこんだときは俺はどうなっちまうんだと思ったがトントン拍子に住むところと働き口(といっていいのか?)、そして・・・・優しい人たちに出会うことができた。この先はまだまだどうなっていくのかわからないけど俺はこの世界でまずはがんばって生きていこうと思った。



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5話

まずは自分の今後の住所になる場所ということでイストワールさんとネプギアに教会の客室一つに案内してもらっている。

アイエフとの訓練は早速明日から始めてくれるとのことなので、俺としてはありがたい話しである。因みにそのアイエフはコンパと一緒に帰って行った。

 

教会に住んでいるのはイストワールさんとネプギアだけのようで二人は教会の近くにある家に住んでいるらしい。アイエフは『明日の訓練で必要なものを準備してくる』とのこと。

 

 

「それではここが今日から海斗さんの暮らしてもらう部屋になります」

 

そういいながらイストワールさんがドアを開けるとそこはフローリングの床に壁や天井は白で統一されている清潔感のある部屋だった。広さは20畳くらいだろうか?家具もベットと簡素な机と椅子があるだけだった。ドアのすぐそばには扉が二つあり、そこにはトイレとシャワールームがあった。

 

 

「なにか必要なものがあったらいつでも言ってくださいね」

 

 

ネプギアが笑顔でそう言ってくれる、なんともありがたい話しだが別段俺としてはどうしても欲しいものというのは無いのでこのままでも特に不満はなかった。

 

「ありがとう、もしなにか必要なものができたら伝えるよ」

 

「はい!あ、それと食事なんですけど海斗さんは私たちと一緒に食べてもらおうかと思うんですけど良いですかね?」

 

 

「ああ、俺は全然大丈夫だよ。ここには作る人がちゃんといるのか?」

 

「はい、普段な給仕の人が...あ、でも最近はコンパさんに作ってもらっちゃったりしてますね」

 

ちょっと苦笑を含めてネプギアが言う、そうかコンパって料理得意なんだな....そしてネプギアは料理ができないんだな.....

 

「それじゃあ今日はこの教会内を色々案内していきますね!」

 

「おう、よろしく頼むよ」

 

 

そうして俺はその日はネプギアたちに教会内を案内してもらい夕食を一緒に食べて俺の一日は終わった。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

次の日の朝、俺とネプギアは昨日俺が三人と合流したバーチャフォレストにきていた。

 

 

昨日ネプギアの方にアイエフから連絡がきたみたいで『明日の朝9時にバーチャフォレストの方にきて』とのことだった、その連絡を受けてネプギアも一緒にきてくれるとのことで一緒にきているのだ。

 

バーチャフォレストにつくとすでにアイエフとコンパがきていて、俺たちをみつけると手を振ってきた。

 

 

「悪い、遅れちまったか?」

 

 

「いいえ、約束の10分前。別に遅刻ってわけじゃないわよ。私たちが来たのもついさっきだし」

 

「でもなんでコンパまで?」

 

「私はお二人がもし怪我をされたら手当てしようと思ってきたです、私は看護学校に通っているので怪我とかもちゃんと手当てできるですよ!」

 

「そっか、そりゃサンキューな。助かるよ」

 

具体的な訓練の内容な知らないがやはりモンスターと戦う為の訓練なのだ...危険はつきものだと考えて当然だろう、そう考えると医療の知識がある人がいてくれるのはなんとも心強い

 

 

「さてと....それじゃあ早速訓練に入るわよ!覚悟は良い!?」

 

「おう!?よろしく頼む!!?」

 

「よろしい、それじゃあ最初だけどまずはあんたの身体能力がどんなもんか知りたいから少しテストするわよ」

 

「テストか?」

 

「そう、とりあえず....この木からあの木まで」

 

アイエフはそう言いながら俺たちのすぐそばにあった木まで移動してその木から少し先にある木を指さす、距離はだいたい20mくらいだろうか?

 

「あんたには今からひたすら限界まで私と一緒にこの木とあの木を往復してもらうわ」

 

「うぇ!?」

 

 

初っ端からなかなかにハードな内容である....

 

「あ....アイエフさん、いきなりそれは流石にキツイんじゃ....」

 

見兼ねたのかネプギアが尋ねる、しかし....

 

「大丈夫よちゃんと終わったら休憩いれるから。それにこれくらいで根を上げてたらモンスターとなんて戦えないわよ」

 

 

むっ....言われてみればその通りだ.....これから命がけでモンスターと戦って行くって人間がキツイ訓練と聞いただけで根を上げていたら話しにならないだろう

 

「よし!!?」

 

自分の両手で両頬を思いっきりたたいて気合いを入れ直す

 

「それじゃあ簡単に準備運動してから始めようぜ」

 

「やる気になったみたいね....それじゃあ早速やっていきましょうか!?」

 

 

そして俺とアイエフは軽い準備体操の後、この地獄のランニングを始めた。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

その結果...........

 

 

「あ.......あんた.....はぁはぁ.....な....中々......やるわね.......っ」

 

「こ.......これでも......仕事....は.....バリバリの......肉体労働.....ばっか......だったから......なっ......」

 

 

俺とアイエフはほぼ同時にバテていた......どれだけ走ったかはもう覚えてない....往復が150回が過ぎたあたりからもう数えるのをやめた....

 

実際俺は学費を含めて自分での生活で必要な金は全て自分で稼いでいた、その時に選んでいたバイトが引っ越し作業なんかのひたすら肉体労働系のバイトばかりを選んでいたので結構体力や力には自信があったのだ。

 

しかし、体力自慢の俺がまさかここまで追い込まれるとは、やはりアイエフはモンスターなんかの戦闘だけでなく日々の鍛錬も怠らなかっだろう。流石だな、一緒に走りだした時はむしろ俺が追い越してやるってくらいのつもりだったのに....

 

「とりあえず....しばらく休憩....しましょうか......」

 

「そう.....だな.....」

 

息は大分整ってきているがそれでもちょっと途切れ途切れな俺たちはとりあえず休憩ということで俺たちの様子を見ていたコンパとネプギアのいる木陰の方へ向かった

 

 

「だあぁぁ〜疲れた〜〜!!?」

 

木陰につくなり俺はゴロンと大の字で寝そべる。

 

「お疲れ様です海斗さん、アイエフさん。海斗さんすごいですね!まさかアイエフさんと互角なんて」

 

「海斗さんすごいです!?」

 

ネプギアとコンパが俺のことを褒めてくれる。こんな可愛い子たちにこう褒められるとなんともくすぐったい気分だった.....

 

 

「でもホント対したもんねあんた、私だっていつも基礎トレーニングとして走り込みはしてるってのに」

 

「まぁ体力トレーニングも兼ねて肉体労働バリバリの仕事ばっかやってたからな.....まさかその経験がこんな形で活かされるとは思ってなかったが」

 

 

「まぁでも、それだけ身体が始めからできてるなら問題なさそうね」

 

「どういうことだ?」

 

「このテストであんたよ身体能力を把握して、そこからダメそうなら基礎体力トレーニングを中心に始めようかと思ってたけどここまでできるなら問題ないわ。もう少し休憩したら次の訓練に入るわよ」

 

「りょ〜かい!」

 

そんなわけで俺とアイエフはネプギア、コンパを交えて他愛もない話しで休憩時間を楽しんだ

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「さて、それじゃあ次の訓練に移るわよ!?」

 

休憩後、俺とアイエフは再び立ち上がり訓練を再開することにした

 

「まず、最初に聞きたいんだけど....あんたってなにか武術関連の訓練とかしたことある?」

 

「いや、全くもって」

 

そういった習い事は勿論、部活なんかもしたことがないのだ。なので俺はそういった格闘術を習ったとはない。

 

「オーケー、それじゃあ訓練だけど....」

 

そう言いながらアイエフはなにかの機械を操作してると(後から聞いたらNギアとかいうこの世界では良く使われている超万能ツールとのこと)次々に武器が出てきた。

 

武器の種類は様々で片手剣、双剣、大剣、斧、槍etc.,.様々な武器がある。

 

「この中からあんたの好きな武器を使ってみなさい、それで私と模擬戦をするの」

 

「いきなり戦うのか....」

 

「そうよ、私は武器の使い方をいちいち手取り足取り教えれる程器用じゃないから....あんたには実際に戦いで戦い方を学んで自分なりのやり方で強くなってもらうわ、心配しなくても怪我しないようにちゃんと武器の刃は潰してあるから」

 

まぁそれでも当たれば痛いけど...とアイエフは笑いながら言う。

まぁ確かに俺もそうやって修行した方が相に合ってる気がするので早速武器を選ぶ....

 

俺の使う武器....良し!?

 

「俺はこいつを使ってみるよ」

 

 

俺はそういいながら......双剣を手にした。

 

「へぇ双剣?....理由はなんかあるの?」

 

「特に強い理由はないんだけどね....ただなんとなく自分にはこれがあってる気がしただけ」

 

「ふぅん、まぁ直感ってのは結構馬鹿に出来ないものがあるしね....良いわ、それじゃあ早速始めましょうか!?」

 

アイエフが言いながら自身の武器(勿論刃は潰してある練習用)を構える。

 

「おう!?」

 

俺もそれに答えて武器を構える。

構えるといっても双剣の構え方など当然知らないので思いつくまま両方の剣を上に上げただけだが...

 

「先ずはあんたの思いつくままに私を攻撃してきなさい」

 

一瞬それは危険では?とも思ったが相手は戦闘経験をしっかり積んでいる相手だ、なら遠慮はいらないと俺は攻撃を仕掛けるべくアイエフに突進した。

 

「はぁ!!」

 

先ずは右の剣で縦に一閃、アイエフに叩きつける。

 

「ふっ」

 

それをアイエフは自身の武器、カタールの左手の方で防ぐ。

 

「やっ!!」

 

それを防がれた後、俺はすぐさま左手の剣で斜めに切り上げるがそれもアイエフは簡単に防ぐ。

 

「はっ!!...!せやっ!?」

 

俺はひたすらに両方の剣を使いアイエフに斬り込んていく、しかし....

 

「ほらほら、攻撃が単調すぎよ!?それに」

 

俺の攻撃をいなしながらアイエフは檄を飛ばし、俺に足払いを仕掛ける。

 

「うわっ!?」

 

その足に反応出来ず、俺は無様に転がってしまった。

 

俺が転がり横になった瞬間にアイエフは俺に馬乗りになって首にカタールの切っ先を突きつける。

 

「はい、これで先ずは私の一勝」

 

「ぐっ・・・・」

 

そう言うとアイエフは直ぐに俺から離れて俺に手を差し伸べる。

 

その手を掴んでアイエフに起こしてもらうとアイエフは今後の訓練の説明をしてくれた。

 

「基本的には今後あんたは私とこうして模擬戦をしていってもらうわ、これが基本的な私との訓練よ」

 

「了解だ、いつか絶対負かしてやるからな!?」

 

始めたばかりなんだから負けて当然と言えば当然だが、正直ここまで手も足も出ないとは思ってなかった。まだまだこれからとはいえやはり悔しいものは悔しいのだ。

 

「そう、その意気込みで頑張りなさい。まぁそれはそれとして.....」

 

そう言いながらアイエフの顔がニヤリとする.....なにやらちょっと....いやかなり嫌な予感がこみ上げてきた....

 

「あんたは模擬戦で私に一本取られるごとに腕立て30回よ!?」

 

「うぇぇ!?まじかよっ!?」

 

「まじよ!?短期間であんたを使い物にするためにも訓練に妥協はなしよ!?さぁ取り敢えず私の用事がある時間までのあと2時間、模擬戦を徹底してやるわよ!?」

 

「ひぃぃっ!?」

 

 

結局その後、みっちり2時間模擬戦をし続けた結果.....計70連発という負けを叩き出してその後筋トレの地獄を味わうことになった。

 

 

 



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6話

アイエフとの初修行から3週間が経過した。現在の俺はというと.....

 

 

「きゅうひゃく.....きゅうじゅう......きゅうひゃく.....きゅうじゅういち.....」

 

 

絶賛筋トレ中である。あれから3週間、俺は今だにアイエフに負けっぱなしである、しかし最初の頃に比べれば全然打ち合えるようになったしまれにアイエフから一本をとることができるようになった....まぁそんなのはホントに稀で20本やって一回くらいたまに取れるかってくらいだが.....

 

今の俺たちの基本的な訓練はこうだ....

 

朝9時にバーチャフォレスト集合、そこから準備運動の後約2時間模擬戦

 

模擬戦後は昼食をネプギア、コンパを交えて食べて三人はシェア回復のためにギルドのクエストをこなしにいき、俺はその間にアイエフに負けた分の筋トレ消化&自主トレ

 

三人が帰ってきたら最後にアイエフと何本が模擬戦をして終了(ここでの負けは筋トレなし)

 

こんな流れである、大体2.3日に一回くらいはネプギアとコンパも様子をみにきてくれて訓練を手伝ってくれてる。

 

ネプギアは訓練の相手を、コンパは手当てなんかをしてくれるのとても有難い。

 

「きゅうひゃく....きゅうじゅう.....きゅう....せ....ん....か.....いっ......ふっ〜!!!」

 

アイエフとの模擬戦で負けた分の筋トレノルマを消化した俺はそのまま仰向けになって大きく深呼吸を繰り返す。

 

因みに今回は27戦25敗である、というわけで腕立て1000回をこなしたわけだ。

元々体力や力には自信があったがそれでもやはりこれだけやるのはキツイ.....まぁ最初の頃はアッサリ負けまくっていたのでとんでもない回数の筋トレをしてたから今の方が随分マシではあるが....最初なんて思いっきり夜遅くまで筋トレしてたもんな......

 

俺がそんな風にちょっと感慨にひたっていると近くの草むらからなにやらガサゴソと音が聞こえてきた。

 

「ん?」

 

俺が物音に気づいて起き上がり草むらをみていると.....

 

「ヌラー」

 

そこにいたのはスライヌだった、俺が最初にこの世界にきた時に初めて見たモンスターである、しかも.....

 

 

「ヌラっ!」

 

「ヌララー」

 

「ヌーラー」

 

後ろから次々スライヌが出てくる、見た感じでは30匹くらいいそうだ。

 

「おいおい、この辺りにはモンスターは出現しないんじゃなかったのか?」

 

この辺りはバーチャフォレストの区域ではあるがプラネテューヌにかなり近いということでモンスターは出現しないとアイエフたちは言っていた、偶々ここまで流れ着いてしまったということだろうか....まぁなんにしても.....

 

「このまま黙って見過ごすってわけにはいかねぇなぁ」

 

俺は双剣を構える、このまま俺がここを離れたらこいつらは多分プラネテューヌかもしくはこの辺りの村にいってしまうだろう。

 

そうなる前に俺がここでこいつらを倒す!?

 

「いくぞ!?」

 

スライヌに向けて突進していく、先ずは最初の一匹目!!

 

「うらぁ!?」

 

俺は右の剣をスライヌ目掛けて叩きつける。

 

「ヌラッ!?」

 

スライヌは吹きとんだが直ぐに大勢を立て直してこっちに突進してくる。

 

「っと!?」

 

一匹、また一匹と次々に俺目掛けてスライヌたちは突進をしかけてくる、が...全部攻撃が遅いので簡単に避けられる。

 

そして避ける度にスライヌに攻撃を当ててはいるのだがいかんせん俺のレベルが低いのか武器がただの練習用の模造品だからなのかスライヌは吹き飛ぶだけで中々倒せない。

 

なんとも程度の低いバトルな気はするがとにかく俺はとにかくひたすらによけては攻撃を繰り返した。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「これで....トドメだ!?」

 

俺が最後のスライヌに剣を叩きつける、それによって吹き飛んだスライヌは消滅していった。

 

「ふぅ....ふぃ.....」

 

全部のスライヌを倒した俺は緊張が解けてそのまま寝転がった。

 

ダメージ自体はそんなに対したものはない、タックルを喰らったり避ける時に転がりよけていたりして出来た青タンや擦り傷が少しあるだけだ。

 

「海斗っ!?」

 

俺が寝転がって一息ついていると突然俺の名前を叫ぶ声が聞こえた。

何事かと思い身体を起こして見渡すとそこにはとても慌てた様子でこちらに走って来るアイエフ、ネプギア、コンパの姿があった。

 

「海斗さんっ!?大丈夫ですか?!」

 

俺の所に着くなり三人は俺の身体を隈なく調べるかのように見て、触ってきた。

 

「お、落ち着けって....俺は大丈夫だから、ってかなんで三人ともそんなに慌ててんだよ?」

 

「慌てるに決まってるです!?」

 

俺の疑問にコンパが思いっきり大声で言ってきた。

 

「ほんとよ....クエストをこなし終えた時にイストワール様から連絡があってあんたとの訓練場所の近くの村の人がモンスターを見たって言うから急いでこっちまできて....それで見てみたら....あんたが倒れてて......」

 

「あぁ〜そりゃなんか.....すまん.....」

 

確かにそんな心境で俺が倒れてる所(実際はたんに寝転がってただけだが)をみたらそりゃ心配にもなるか....

 

「でも海斗さん、所々怪我してるじゃないですか?!」

 

俺のちらほらある傷にネプギアはいち早く気づいたようで突っ込まれてしまった。

 

「まぁ、流石にスライヌとはいえ30匹くらい相手にしてたからな」

 

俺の言葉に三人が驚きの顔をみせた....あれ?俺なんか変なことでもいったか?

 

「あ、あんた30匹も一度に相手にしてたの?」

 

「ああ、そうだけど?」

 

「すごいじゃないですか!?」

 

 

ぬお!?いきなりネプギアが声をあげて顔をズイっと近づけてきた。

 

「スライヌとはいえ30匹も相手になんて普通できませんよ」

 

「そ、そなの?」

 

俺は顔を横にして視線の先にいるアイエフに質問すると

 

「まぁそうね...少なくともついこの間戦いを始めた人間が倒せる数じゃないわ」

 

おお!?実は俺ってば結構な成長をしてらみたいだ、地味に嬉しいぞ。

 

「前から思ってたことだけど....あんたって目が良いみたいね」

 

「え?そうか?」

 

「そうよ、私と模擬戦し始めた時も結構すぐに私の攻撃を防ぎだすようになったし、今回も攻撃をよけまくったからそんな程度の怪我ですんだんでしょ」

 

成る程、そう言われるとなんだが自分の目が良いような気がしてきた....

 

 

「まぁでも怪我はしてるんだから....コンパ、手当てお願い」

 

「はいです!?」

 

アイエフに言われて傷の手当てを始めてくれるコンパ。

 

「ありがとなコンパ」

 

「いえいえ、気にしないでくださいです」

 

その後、コンパに傷の手当てを一通りしてもらったあとプラネテューヌに戻ることにした。

 

そしてその帰りの道中でアイエフがこんなことを言ってきた。

 

「海斗、次のクエストからはあんたも私たちと一緒にやっていきましょうか?」

 

「俺も参加して良いのか?」

 

「ええ、どの道そろそろ私たちと一緒にクエストに参加してもらっても良いかなって思ってたし、今回のことがちょうど良い機会になったってことで....ネプギアとコンパもそれで良いわよね?」

 

「あ、はい!?私は全然問題ないです」

 

「海斗さんと一緒にお仕事ができて嬉しいです」

 

ネプギアとコンパからも了承を貰い次からは俺も参加することになった。

 

 

 

 

「あ!でも俺ちゃんとした武器持ってねぇ....」

 

「その辺は大丈夫よ、今あんたの使ってる双剣と同じ型のやつをちゃんと用意しといてあげるから」

 

「おお!まじか、なんかなにからなにまで色々用意してもらって悪いな...」

 

「いいわよ、別に気にしなくても...でも、あんたもこれからはクエストをこなして報酬ももらえるんだからそのうちなんかの形で私たちに恩返ししてよね」

 

「おう!?」

 

アイエフの言葉に俺は答えて俺は近いうちに必ずみんなにちゃんとした恩返しをしようと決めたのだった。



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